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123回国会参議院1992/05/28

建設委員会 第8号

発言数
229
登壇者
16
会派数
5
開催日
1992/05/28

会議録

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) ただいまから建設委員会を開会いたします。  まず、委員の異動について御報告いたします。  去る二十六日、糸久八重子君及び三上隆雄君が委員を辞任され、その補欠として渡辺四郎君及び松本英一君が選任されました。  また、昨二十七日、鹿熊安正君、松本英一君、渡辺四郎君、青木薪次君及び太田淳夫君が委員を辞任され、その補欠として遠藤要君、西野康雄君、三上隆雄君、瀬谷英行君及び広中和歌子君が選任されました。     ―――――――――――――

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(閣法第七二号)並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(参第四号)、以上両案を一括して議題といたします。  前回、内閣提出案については趣旨説明を聴取しておりますので、この際、参議院議員発議案について発議者青木薪次君から趣旨説明を聴取いたします。青木薪次君。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) ただいま議題となりました日本社会党・護憲共同提出の都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。  近年、いわゆるバブル経済の膨張に伴って地価が暴騰し、地方ではリゾート開発に伴って環境破壊が進行し、大都市においては都心の商業地域や隣接の住宅地域を中心に事務所ビルの建設を目的とした地上げが行われ、住民が追い出されるといった事態が頻発いたしました。  こうした事態を引き起こした原因の一つとして土地利用制度の不備が指摘され、都市計画法等の改正が金融、土地税制改革と並んで地価対策の三本柱とされたのであります。  また、こうした自然環境、生活環境の悪化に対して住民、地方自治体が立ち上がり、自分たちの町は自分たちの手でつくるという強い決意のもとに、独自の条例や開発指導要綱で乱開発を防ぎ、住みよい町づくりを目指して行動しております。こうした住民、自治体の動きを国の法律、制度の上でルール化し支援していくことも緊急な課題であります。  この法律案は、以上申し上げたような認識に立って、地価対策として土地利用制度の改革を行うとともに、町づくりの権限をできるだけ基礎自治体である市町村に移譲することを図り、そのために所要の措置を講じようとするものであります。  次に、その要旨を申し上げます。  第一に、近年のモータリゼーションの発達に伴い、都市計画区域の指定要件を見直し、日常生活圏の現況及び推移を勘案して指定することとしております。  第二に、町づくりの基本指針となるマスタープランを拡充し、都道府県のマスタープランを都市基本方針として独立した規定に位置づけたほか、市町村のマスタープランについても、個別具体的な都市計画の基本事項を定めるものと明確に位置づけております。  第三に、市町村の計画決定権限を拡充し、都市計画決定については都道府県知事の権限を縮小し市町村の権限に改めたほか、都道府県知事の定める都市計画のうち主要なものについては、市町村議会の議決を経た原案に基づくこととするほか、関係市町村との協議を義務づけるとともに、原則として、市町村の定める都市計画について都道府県知事の承認を要しないものとしております。また、地方議会についてもその権限を拡充しております。  第四に、住民参加手続を拡充し、土地に関する権利を有する者のうち、その三分の二の者の賛成により当該区域の地区計画を定めることを発議できることとしているほか、都市計画案に対する意見書の取り扱いに関する規定を整備することとしております。  第五に、現行の用途地域を細分化して十四用途地域としたほか、特別用途地区については政令による種類の限定を廃止し、具体的に都市計画で定 めることとしております。  第六に、開発許可制度を見直し、開発許可の対象となる開発行為に駐車場等を加えること、国等の行う開発行為についても当該地方公共団体との協議を義務づけるとともに、技術基準について地方公共団体が条例により制限を付加できることとしております。  第七に、以上のような都市計画法の改正に伴い、建築基準法についても所要の改正を行うこととしております。  以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。  何とぞ、慎重審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。  これより両案に対する質疑に入ります。  質疑のある方は順次御発言願います。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 おはようございます。  当委員会に、政府提案の都市計画建築基準法等改正案以外に、ただいま青木先生の方から対案の趣旨説明がなされたわけでありますが、ただいまの趣旨説明を伺っておりまして、過日の建設大臣から述べられました政府提案法律案の趣旨説明とは大分視点が異なっているな、このように伺っておりました。  ただいまの青木先生の趣旨説明は、まさに都市計画というのが地方自治体の固有の権限である、そして地域のことは地域に任せようではないか、こういうふうな考え方に立っておられたものと受けとめたわけであります。  今日、都市が抱えているさまざまな問題に関しましては、過般の地方拠点都市法等の法案を当委員会で審議する中でもさまざまな質疑がなされ、共通しているのは、このまま一極集中を容認することはもはや人間の都市における生活という点からも不可能だろう、そして一方で、昨日の国土庁の方での発表にもございましたが、ますます過疎化が進んでおる、過疎地の高齢化が進んでおる、Uターン現象がとまり再度進行の度合いが高まったんではないだろうかという指摘がきょうの新聞にも載っておりましたが、そういう中で地方の活力を取り戻すための法案の審議が過般なされたわけであります。  こういう法案を本当に実のあるものにするためには、ただいま審議が開始されましたこの都市計画法にかかるところが私は大きいんではないだろうかと思うわけであります。その意味で、今回の都市計画の改正案の審議に関しましては、私どもも精いっぱいの努力をいたしまして、この時点で、歴史の大きな転換期における新たな視点からの法案のあり方という形で対案を提起させていただいたわけでございます。  私は、率直に申し上げまして、後発発展資本主義国としての日本が今日の経済的な繁栄をなし遂げることができたのは、やはり私は啓蒙的な官僚の皆さん方の政策主導、誘導があったということは率直に認めたいと思います。そして、そのことが高度成長以降、経済界においては大量生産、画一商品をたくさん生んできたわけであります。その結果が豊かさにもつながっているわけであります。  確かに、短い期間の間に一定の豊かさをつくり上げようとするならば、私は画一的な大量生産を主導とする時代を私たちはクリアしなければならなかったんだろうと思うわけであります。しかし、今日、世界が大きく今変わろうとしております。大量生産、画一生産主義から個人の個性や人間の尊厳をどのように私たちは豊かさやゆとりをつくっていく中で実現するかという、こういうことが今最も重要な課題になっているわけであります。  そこで、私は、今日これまでの日本の経済、それを支えてきた法体系、啓蒙的な官僚の皆さん方の誘導を含めた主導のあり方、こういうことに関しては一定の評価を残しつつも、新たな発想の転換をこの時期に推し進めないといけないんではないだろうかと思います。今日大きな時の流れとなっております権限の再配分の検証、果たして国の権限は外に向かってどこまで求められるものだろうか。国連中心主義というような考え方もございますので外に向かっての国の権限も検証しなきゃならないわけでございます。また、個人の豊かさやゆとりということを考えた場合には、内部に向かっても権限のあり方の再検証がされなきゃならない、こういう時代にあると思います。  そこで、まさに今必要なものとして、行政改革審などにおいても最終答申に向けて権限のあり方の検証がなされているんではないだろうかと思うわけでございます。私は、この流れはとめられないところか、この流れは当然私たちが追い求めていかなければならない流れだと思うんです。そこで、ぜひとも都市計画法の今回の改正におきましては、発想の転換、新たな視点での施策の展開をぜひとも、冒頭、お願いを申し上げて、質問に入っていきたいと思います。  ただいま申し上げましたように、都市は二足の容量を超えてしまったとも言われております。そういう中で、建設大臣、そして発議者青木先生において、それぞれ今日の都市をどのように御認識なさっておって、二十一世紀には七割の人が都市に住むという時代が来るわけでありますが、この都市に対してこれからどのようにしていったらいいのか、そのことを冒頭にお伺いしたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 全国的に都市の人口が増加をいたしておることは事実でございます。さらに一層その傾向に拍車をかけるのではないかという御認識をお示しになりましたが、あるいはそういうことではないかと思うのでございます。  そこで、そういう大都市地域におきましては、住宅問題一つとりましても遠島狭という表現がございますように、大変条件が悪くなってきておることも事実でございまして、そのようなことを改める必要があるのではないかということが第一点でございます。とりわけ、最近におきましては地価の高騰がございまして、そのために住宅地の地価が上がった、あるいは住環境が悪化した等々の問題がございまして、都市計画中央審議会において土地利用規制を詳細化すべきであるという指摘があったところでございます。  このような基本的な問題あるいは最近における地価高騰の問題に対処いたしますために、昨年の一月、総合土地政策推進要綱が発出をされましたけれども、その中で、金融、税制等の総合的な土地対策の一環といたしまして土地利用計画制度の充実を図るということになりました次第でございます。  そこで、そのような観点から今般提出をさしていただいております都市計画法並びに建築基準法の一部改正を行うことといたしまして、良好な市街地の環境を整備し都市の秩序ある発展を図ることといたしましたのでございます。  また、地方の問題につきましては、地方拠点都市法を一昨日この委員会で御決議いただいたところでございますが、地方の自立的な成長を牽引いたしまして地方定住の核となる拠点都市地域の整備を行い、その活性化を図ってまいりたいと考えておるところでございます。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) 種田先生の質問は、都市問題に対する基本認識を示せということであろうかと思うのであります。  まず第一に、都市計画区域外とされている地域においても、地価高騰やいわゆるリゾート開発ブームの中で環境問題が生じているにもかかわらず、有効な開発、建築行為の規制が行われていないということであろうかと思います。  従来、都市的土地利用の進行や活発な建築活動が想定されていなかった都市計画区域外や用途地域の指定のない地域も、バブル経済の影響によりまして開発が進行するなどさまざまな問題が生ずるに至っておるのであります。適切な土地利用規制の方策を講ずることが必要であると考えておるのでございます。  さらに、都市の市街地内部では、現行の用途地域制度は事務所などの業務系用途が住宅地を侵食 いたしまして、地価の高騰や住環境の悪化が生じるに至っておりまして、都心部の人口や住宅の減少や中堅勤労者の住宅取得の困難化と職住の遠隔化などが進んでおるのであります。このような地域においては、住環境の保護を図るための地域の実情に応じたきめ細かな用途規制が必要であると考えておるのでございます。また、用途地域制度を初めといたしまして、現行の都市計画制度は住民参加の規定に乏しく、市民にとって身近な問題となっておりませんが、都市問題を考える上で、生活者の利益を守る観点からは都市計画決定などについて住民参加等の規定を拡充する必要があると考えておるのでございます。  特に今回の都市計画法並びに建築基準法の改正について初めて野党が対案をつくるということに至った背景というのは、町づくりに対する国民的な関心の高まりがあると思うのでありまして、このことは二十数年間のこの歴史の中で私は初めての画期的なことであろうと思うのでありまして、国民もこのことを非常に関心を持って見詰めている、こういう認識に立っておるのでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 私の期待した答えとは双方の答えがずれていたわけでありますけれども、基本的なことなものですからもう一度。  まず、先ほど大臣からもありましたが、一昨日この委員会で地方拠点都市法が可決されました。これは、まさに地方の自主性、自立性を重んじ創意工夫のある都市づくりを何としても成功させていきたい、こういうふうな御決意のもとに審議が進められ、かつ政府においても真剣に取り組むということだったろうと思うんですね。この地方拠点都市法等に見られた物の見方、都市像というのは、明らかに地方のことは地方でできる限りやっていただけるようにしようじゃないか、なるべく中央の方が地方の独自性や自主性を害さないようにしようじゃないか、そこに今回の地方拠点都市法の難しさがあったと思うんです。  上手にそれを調和しなきゃならない。中央は逆にフォローしなきゃならない。そういう物の見方に立って地方の本当に活力のある町をつくろうというのが地方拠点都市法のあのときのここにおけるお互いの約束でもあるし、質疑の中身だったと思うんです。  この考え方、都市計画法がフォローしていくような物の見方というのをこれからの都市像に持っていかなければならないんではないだろうかというのが、私の考えなのであります。矛盾していないわけであります。  そのために、私が先ほど申し上げたのは、都市計画などの権限は果たしてこれは国固有の事務なんだろうか、それとも本来は地方の固有の事務だったんだろうか。それは、後発発展資本主義という日本の国情から先ほど私が申し上げたような視点に立って国が指導して行うような法体系をつくってきた、こういう経過にすぎないんではないだろうか。そうであるならば、今日私は、固有の権利として地方に権限を移譲しなさい、移譲というよりももともとそこにあるものとして認めるべきだと思うんです。  そしてまた都市に関しては、先ほど大臣も、通勤時間が、そして都市の環境がということをおっしゃられましたが、そうであるならば、容量を超えてしまった都市に関しては大臣は一体どのようにするんでしょうか。  この間の地方拠点都市法のときに大臣は、東京二十三区のオフィス業務をできる限り地方に分散したいんだ、こうおっしゃったと思います。間違いないと思います。そういう発想というのは、実は東京の二十三区の都市を法によって適正にコントロールしていこうじゃないか、ある程度民間に対しても抑制をし指導をしていこうじゃないか、まさに都市をコントロールしようというお考えだったと忌んです。そうであるならば、もう既に都市に関する法律によって成長や管理を適正にコントロールしていくという、こういう物の見方というのがはっきりと認知されていいんではないだろうか。  こういうことについての大臣のお考えを、一昨日のここにおける質疑を踏まえて都市像を述べていただきたい。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 種田先生の御指摘は、経済の例をとって最初お話になりまして、規制あるいはコントロールが必要ではないかということが一つと、規制やあるいはコントロールがどういう権限に基づいて行われるべきものであるか、私はそういうふうに先生のお話を整理しながら承っておったところでございます。  確かに、我が国の経済は、後発資本主義ということをおっしゃいましたが、戦後すばらしい発展を遂げましたけれども、それは決してレッセフェールで発展してきたわけではないと私は考えておるわけで、これは先生の御指摘と合致すると思うんですが、一定のコントロールが行われまして、修正資本主義というかあるいは混合経済というか、我が国の政府が経済と一体となって誘導してきた要素もありましてかなりの成功をおさめた、そういうふうに考えるわけでございます。  ただ、先生は、経済の発展が、都市の問題に関連づけて考えるならばそのことによって一極集中を招来したのではないか、こういう御認識じゃないかと受けとめたのでございます。  そこで、やっぱり都市は都市でコントロールをしていかなくてはならないのでございまして、都市計画法、建築基準法等は、その規制のための法案でもあると思うわけでございます。その規制の権限は、先生の御趣旨は極力地方に移譲されるべきであるということではないかと思うのでございますが、これから我が国が地方の時代を迎えようとしている、あるいは地方の時代をつくろうとしておるということからいたしますと、このたびの地方拠点都市法が極力地方の自主性に基づきまして、指定の権限も県知事に与えて、自立的な成長を促すという方向で法案がつくられたことも事実であったと思うのでございます。  したがって、都市計画法に関しましては基本的に市町村に権限がおろされておるのでございまして、これは先生御専門でございますけれども、広域にわたりますときに県知事が権限を有し、さらに国との利害調整が必要なときに国に認可権があるという仕組みになっておると思うのでございまして、その構造に関しましては、私は、都市計画の今日までの我が国における発展状況を見てまいりましたときに、堅実な足取りで進んでまいったのではないか、そのように考えるわけでございまして、現行の仕組みの中でなお市町村の自主性をさらに喚起してまいりたい、そういうことから本法案の中ではマスタープラン制度の導入等が図られている、こういうことではないかと考えております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 もっとこのことについては時間をかけて議論をしたいのですけれども、限られた時間でありますので、後ほど、まだまだこの委員会は先がございますから、しっかりと議論をさせていただきたいと思います。  次にいく前にこの点だけちょっとお聞きしたいのですが、都市局長にお願いします。  都市計画というのは、地方自治体というのが育っている場合に、本来それは地方自治体の固有の事務としてあるべきものだったのでしょうか、それとも、中央の固有の事務として本来あるべきものだったのでしょうか、なぜ日本の場合には都市計画がつくられる過程の中で国の事務となったのでしょうか、その点だけちょっと教えていただきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 過去の経緯はともかくといたしまして、少なくとも私ども現在、都市計画というのはそれぞれの町や村を、特に都市でございますけれども、どういう形で計画し発展させていくかという観点に立って必要な計画を定めるシステムでございますので、その市民といいますか住民の方々と最も身近な立場にある地方公共団体である市町村が主体性を持って定めるべきものであるというふうに理解しておりますが、我が国の都市計画制度のみならず諸外国におきましても、歴史的な経緯といたしましては、いわゆる王様の都市計画という言葉もございましたわけでご ざいますが、町づくりは都づくりとかそういったようなところから出発した経緯もございまして、どちらかというと国の側でつくってきたという経緯もあるわけでございます。  我が国の場合には明治になりましていわゆる東京市区改正条例というところからスタートしておりますが、これは勅令でスタートいたしました。それで、大正時代に都市計画法が制定され、四十三年に改正されるまでは都市計画決定は、もちろん地元とは十分協議しながら行うことになっておりますが、国の方が行う。そういう経緯がございました。その点につきましては昭和四十三年に完全に考え方を変えた次第でございますが、経緯としてはそういう経緯があるということは承知しながら、現時点では私どもは、都市計画につきましては基本的に基礎的自治体であります市町村が決定すべきもの、そういうふうに理解しております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 よくわかりました。  しかし、問題は、今日の市町村に対する権限の移譲というのは、この法体系を見てもわかりますように、自治体の自主的な創意工夫じゃなくて、たくさんのメニューを選択する権利として権限が移譲されている、こういう仕組みが非常に濃い制度なわけであります。それが、いわゆる自治体に対する機関委任事務という形であらわれているわけでございます。  局長の言われたことはよくわかりましたけれども、後々そういう非常に重要な課題がありますので、この点については、先ほど申し上げましたようにさらに議論を深めたいと思います。  もう一つつけ加えておきたいのは、中央集権の強いあのフランスですら、十年前に都市計画に関しては抜本改正を行って、徹底した地方分権化を図った。これが先ほど来話が出ているような、地域のことは地域に任せる、地域の創意工夫をいかに発揮させるか、そういう方法だったろうと思うんです。そういう意味で、この点についてはぜひさらなる研究をお願いをしたいと思うわけであります。  そこで、法案の審議に入っていきたいと思います。  私は、今回の改正案の背景となったものは、昨年の十二月に行われました都市計画審議会の答申に盛られている指摘事項がまさに本改正案の背景であったし、そこに盛られている課題が本改正案が達成しなきゃならない目標だとも思うんです。  そういう意味で、今回の改正案は都計審答申をどのように反映させているのか、簡単で結構ですから述べていただきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 昨年の十二月に都市計画中央審議会から都市計画制度の問題につきましての答申をいただいておりますが、その答申では、まず、「都市計画制度の課題」といたしまして「望ましい都市像の明確化」その他四点指摘がございまして、その課題をにらみつつ「当面講ずべき都市計画制度上の施策」といたしまして、主な点では六点ほどでございますが、御提言をいただいております。  今回の都市計画制度の改正におきまして当面講ずべき都市計画制度上の施策として御提言いただきました点を述べさせていただきますと、都市のマスタープランの充実、用途地域制度の見直し、誘導容積制度の創設、地区計画等の策定の推進、開発許可制度等の充実等についてでございますが、その内容はほぼすべて盛り込まれた改正案になっておると理解しておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 この答申は手元で私も見ているわけでありますけれども、答申の一番最後、二十一ページに「都市計画の決定手続」というのが定められております。これは、まさに決定手続でございますから、最も都市計画のベースになる物の見方、考え方であるわけであります。ここがしっかりしないと、何ぼいい政策、制度を上に積み上げても都市計画は実現できないわけであります。  そういう意味で、私は、都市計画の決定手続というものを極めて重要視すると同時に、この問題こそ今回改正の大きなポイントになる点でなかったものではないだろうかなと思うんですが、都市計画の決定手続に関して答申はどのように述べて、その答申の趣旨をどのように今回生かしましたでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 答申の中では、都市計画の決定手続に関しましてるる趣旨を述べた上で、「このため、基礎的自治体である市町村が、地域に密着した都市づくりを行う観点から、地区ごとの将来のあるべき姿を明示し、主体的に都市づくりを行うための、市町村による都市計画のマスタープランを創設することが必要である。この場合、住民参加の仕組みを導入するとともに、都道府県ごとに設置されている都市計画地方審議会に加えて、市町村に設置されている審議会の機能の充実によりその積極的活用を図ることを検討する必要がある。」こういった提言になっております。  今回の都市計画法の改正におきましては、この市町村のマスタープランの策定を市町村が行うという形で創設することにいたしまして、一応この答申の御提言に対しましてはおこたえした案になっておると思います。  一般的に先ほど来先生から御指摘ございます都市計画の決定手続に関しまして、特にできるだけ市町村の権限を強化することともに住民との対話を十分に図られるような手続を強化していくといったような観点につきましては、今回の改正案の問題にとどまらず、私どもといたしましては極めて重要な都市計画行政において常に課せられておる長期的な課題でもあるというような認識で考えておるわけでございます。  今回御提案いたしました内容は、主としてそういったものの重要なファクターの中の一つとして、市町村がみずからの都市の将来像をみずからの手で定めるという意味でのマスタープランの充実という形で特に審議会では議論されたものでございまして、その辺を改正案で十分反映させたというふうに理解しておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 この点について、対案を提起しております岩本先生の方からお答えをいただきたいと思うんですけれども、社会党案においては、今、都市局長が述べられた都市計画の決定手続に対する答申の趣旨をどういう形で実現をし、どういう形でこれを実行しようとするのか、説明をしていただきたいと思います。

岩本久人日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(岩本久人君) 最も最も基本的な問題として、私は市町村への権限移譲という問題をまず中心に申し述べたいと思うんです。  まず、総論的に言えることは、都市計画の問題にかかわらず、現在の我が国日本の法体系というものは、先ほど都市局長の方から基本的には現行も基礎的な団体である市町村にあるというようなことを言っておられましたが、現実的には、例えば今度の行革審でもあれだけ大きな問題になるように、すべからく中央集権的な発想のもとに、どんなにささいなことでも最終的には国の認可を得なければならないということになっておると思います。  だから、現在盛んにマスコミをにぎわせ議論されております行革審における豊かな暮らし部会でも、さまざまな障害を乗り越えて具体的に現在そういった問題について検討され、まさに全国民的な課題に挑戦をしたというのが今回のこの案だと思っておるんです。  それで、そういった視点に基づきまして、我が社会党案では、その流れにひとつ大きな役割を果たしたいということから、現在、市町村が定めている都市計画については、現行は原則としてすべて都道府県の承認を要することとなっておりますが、これを見直して同一の都市計画区域内の市町村と調整を要する場合を除き原則として都道府県の知事の承認を不要とするというふうにいたしております。  また、住民の参加を図るための工夫、これがとても大事でありますので、それぞれの自治体においては、この行政の執行に当たっては公聴会の開催など住民の意見を反映するための措置を必ず講ずること、また都市計画の案の縦覧に当たっては縦覧期間を延長すること、意見書の処理について は報告書の作成またその報告書に対する再度の意見書の提出など、都市計画の決定手続における住民参加の規定を拡充いたしております。また、特に住民に身近な地区の計画については、地権者の多数の同意を得て住民から発議できるよう制度を設けており、より一層主体的な住民の参加を促すように考えております。  以上であります。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 都市局長、今の岩本先生の方の答弁を聞いておったと思うんですが、今、岩本議員が述べたような視点での施策を改正案になぜ取り入れられなかったんでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 今回の改正案におきましては、できるだけ市町村の権限を強化するという意味合いにおきまして、市町村のマスタープランの作成あるいは特別用途地区等も設ける、それから地区計画の充実といったようなことでいわゆる市町村が都市計画を決定していくような制度の強化を図ったわけでございます。  都市計画の決定権限の問題につきましては、先ほど来御答弁申し上げておりますように、我が国は昭和四十三年でございますから諸外国よりも割がし早い時期だったと思いますけれども、市町村と一部都道府県知事に権限をおろしたわけでございまして、知事決定に関しまして国の利害に関係がある等の利害調整という形で、先ほども建設大臣が御答弁申し上げましたように、認可権という形で残っておるものでございますから、具体的にはそれを知事の決定権にすべきなのか市町村におろすべきなのかという、いわば地方公共団体間における権限の配分という問題がまたあるわけでございます。  今回は総合土地政策推進要綱の実施という観点を最重点課題として都市計画審議会で御議論いただいたわけでございますが、それでも約一年間かかりましたので、そういう意味におきましては、市町村と県との権限配分とかそういったような問題は、これも先生御指摘のように極めて重要なテーマなんでございますが、審議会の議論としては必ずしも十分にその辺のところは整理されてなかった、そういったようなことから今回の法改正案に反映されてなかったといった面もあろうかと思っております。  私どもといたしましては、その辺につきまして、ただいま先生から御指摘ありました都市計画の決定手続等でも審議会では触れてありますので、極めて重要な課題として今後も受けとめていく課題であるというふうには考えておるところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 局長、申しわけございません、もう一点だけ。  今、岩本先生の方から話がありました、住民参加に関して公聴会を義務づけるとか縦覧期間を今よりはもう少し親切にする期間を与えてあげるとか、こういうことならば、今回の改正案でも簡単に入ったと思うんですが、その辺は岩本先生が述べられた対案に関してどういうふうなお考えをお持ちでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) まず基本的に、現在の都市計画法の中で定められております都市計画の決定手続は、住民の意向を反映する仕組みといたしましては、私どもとしては十分これで反映できるというふうに理解しておりましたものですから、現在の制度の運用のよろしきを得ることによってシステムそれ自体は十分できておる、そういうような理解のもとに特にその点につきまして今回の改正案では触れてないところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 それでは、次の質問に移らせていただきます。  先ほど大臣の冒頭のお話にもあったわけでありますけれども、今回の改正の背景の大きなウエートを占めたのが過般の土地の暴騰、これに対して税制や金融政策がまさに緊急避難的な形で実施され、そして地価高騰を二度と起こさないために土地の利用規制、都市計画法の改正、こういうことを実行していかなければならない、こういうふうな形の中で今回の改正が行われたんだろうと思うんです。  したがいまして、今回のこの改正案によってこれまで日本は都市計画の不備から地価の高騰を防げなかったと言われたようなことはもう再び私は起こらないと思うんですが、諸外国ではたとえ金融政策が失敗しても地価高騰が暴発しなかったという歴史があるわけでありますので、私は、今回の改正の最大のポイントが地価対策にあるとするならば、その辺のことに関して、大臣はもとより省庁の皆さんにおいても、責任を持って二度と再び日本には今回のこの制度改正で起こらないだろうと言い切ってほしいと思うわけであります。  その意味で、今回の改正案と地価対策の関係について御説明をいただきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) まず私から、今回の改正案と地価水準との関係について御説明したいと思います。  今回は用途地域の細分化を御提案申し上げておりますが、この用途地域の細分化によりましてきめ細かな用途規制を行うことによりまして、業務ビルの住宅地への進出を適正に抑制できる、これによりまして用途に見合った地価の形成が図られるということを期待しているわけでございます。  それから、誘導容積制度の創設も御提案申し上げておりますが、これは公共施設を伴った良好な市街地の形成と土地の有効利用を図るということでございまして、これによりまして住宅の供給によります住宅価格の安定に寄与するということで、地価対策のもう一つの極めて重要なテーマでございます需給バランスを図るということが期待されているわけでございます。  これらによりまして、適正な地価水準の実現に寄与するような仕組みが強化されるというふうに考えているところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 私、今の局長のお答えを聞いておりまして、あれ、そうであるならば我が党が提起しております用途指定の方がさらにベターではないだろうかな、用途指定の詳細化によって地価の高騰を抑えていくのが基本的には私は正しいんではないかと思うんです。ただ、それが十分かどうかということに関しては若干の不満はありますが、その意味で私は社会党案の方がベターと思うんです。そこで、青木先生の方から、まず社会党案の用途地域指定に関しての御説明をお願いしたいと思います。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) 都市計画が地価対策に関してどれだけ寄与できるかというような考え方のもとに地価対策に配慮した点というのは、大都市の問題として、市街地において現行の用途地域制度が緩むために事務所などの業務系用途が住宅地を侵食して地価の高騰や住環境の悪化が生じた、このために都心部の人口とか住宅が減少をしたとか中堅勤労者の住宅取得が困難になって職住の遠隔化などが進んだ、こう思うのであります。  このような地域においては、住環境の保護を図るとともに地価高騰の原因となった土地利用規制を見直して地域の実情に応じたきめ細かな用途規制が必要だ、こういう立場に立ちまして、今まで例えばワンルームマンションをつくったとかあるいはまた住宅騰貴が進んでおったというようなことを考慮いたしまして、一戸建て二所帯住宅専用の地域などをつくるとか、用途地域を細分化するように市町村への権限移譲とともに提案をしている、こういう内容であります。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 伺っておりましてなるほどなと思います。多分ほかの委員の先生方も、聞いておりまして、この地価対策の点におきましては社会党案の方が十分に機能するだろうと思われるだろうと思うわけでありますが、この点はいかがでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 青木先生の御提案に対しまして批判がましい御答弁はちょっと私の立場ではしにくいわけでございますけれども、先ほども御答弁申し上げましたように、地価対策という観点で一番重要なのは、今回の地価高騰を見てみますと、本来住居系の用途地域、住居系のいわゆる住宅地であったところへ業務ビルがどんどん進 出してくるということであります。  それによって業務ビルが支払える地価が形成されて、その結果住宅が追い出されるといったところに対しまして、一たん住居系の用途地域を決めたならばそういう業務ビルが入ってきにくくなるような用途地域をはめ込むということが大事だろう、そういう観点で見ますと我が国の用途地域制度はその点が極めて緩やかなものがあり過ぎるということで、特に住居系に絞りまして、その辺を改善する必要があるということで改善したわけでございまして、そこのところが最大のポイントでございました。  実は、そこの点に関しましては青木先生の御提案と私どもの提案と全く一致しておると思っております。  ただ、あわせまして住環境の保護を図るという観点で、現在の一種住居専用地域あるいは第二種住居専用地域につきまして、これはもうほとんど業務ビルが入ってくる余地はないのでございますが、住宅のあり方としてもっときめ細かくやれないかという規制論がございまして、それでワンルームマンション等の規制の御提案がなされておるわけでございます。  しかし、私どもの理解といたしましては、なかなか現在共同住宅であるということのみをもってそれを規制して排除するということは、共同住宅でどんなものというようないろいろな定義づけの問題等もございますし、さらには昨今、特に大都市では三所帯住宅といったような住居形態が進んでまいっておりますので、住宅のそういう形式でもって規制するのは実務的になかなか大変ではないかと思います。  若干その辺は私どもが実務ベースで考え過ぎているのかもしれませんが、そういったようなところから、できるだけ細分化した方がよろしいんでございますが、やはり実務レベル、最終的には建築確認とかそういったようなことで担保されて現実に規制の実効性が上がらなきゃいけないものでございますので、それで十二種類ということになったわけでございます。  それをより細分化すべきではないかというお考えはお考えとしては十分あり得るお考えではないかと思いますが、私どもの立場でいきますと、実務的な処理の限界ということから私どもの提案程度のところでぜひ御理解いただきたいと思っているところでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 この用途地域の指定の問題に関しては、まだまだこれも議論を詰めていく必要があろうかと思いますが、ただこのことだけが地価対策じゃなくて、先ほど局長述べられているように、その他地区計画とかさまざまな施策が今回盛り込まれているわけですけれども、大臣、問題は、今回の改正案で二度と再び日本で地価の暴騰などは起こらないんでしょうね。いかがでしょうか。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 現在の地価の状況がかなり鎮静化してまいったことは事実でありますけれども、大都市地域におきまして、適正な価格と申しますか、住宅の取得に関しましてはなお困難性をきわめる地価の状況ではないかと存じますので、さらに一層地価の安定に努めてまいらなくちゃならぬと思っておるのでございます。  そこで、先生の御質問は、今般の改正によりまして地価は完全に安定するのかということでございますが、もとよりこの法案は、先ほど来御説明申し上げておりますように総合的な土地政策の一環として提出をさせていただいたわけでございまして、今までとってまいりました税制上の措置あるいは金融上の措置等々と相まちまして、さらに今後とも適正な地価の実現のために本法も運用してまいりまして、所期の効果を上げたいと考えておるわけでございます。  ただいま局長からも答弁がございましたとおり、この法案と社会党の案と比べてどちらが大きく地価の安定に資するかということはいろいろ議論の余地があろうかと存じますけれども、政府提案によりまして十分対処できるんではないかと思っておるわけでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 きょうはまさに総論的な質疑を行わせていただいているわけでありますが、次に進みまして、議会の関与ということについて、今回の改正案とのかかわりで質疑をさせていただきたいと思います。  まさに都市計画が、地方の権限によって自主的な形で、しかも住民の声を反映させるとするならば、議会を通じて行っていくことが私は最も重要な課題になってくるんではないだろうかなと思うんです。  そこで、まず冒頭、社会党案ではこの議会関与というのをどのように位置づけて都市計画をやろうとしているのか、説明をしていただきたいと思います。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) 地方議会の関与につきましては、都道府県の定める都市計画の原案の提出及び市町村の定める都市計画を決定する際に、市町村議会の議決を要することといたしておるのでございます。  地方議会の関与を充実した趣旨はこういうことであります。  すなわち、この改正によって市町村の定める都市計画については原則として都道府県知事の承認が不要となるなど市町村の権限が拡充されますが、このために市町村の責任は一層重大なものとなります。同時に、市町村の定める都市計画をどのような手続で決定するかは重要な問題でありますが、都市計画が地域の将来に与える影響が大きいことを考えれば、都市計画決定は市町村の議会が行うことが最もふさわしいと考えられます。これが市町村の都市計画決定に当たって議会の議決を法律で規定する理由であります。  また一方では、市町村の議員は、事実上、各地区の利害を代表しております。都市計画に議決権を持たせては議会内部の利害が衝突して混乱するのではないか、都市計画を決められないのではないかという指摘もあるようでありますが、各地区の利害が衝突した場合に、その利害を調整することもこの都市計画を定める重要なプロセスの一部にほかならないと思うのであります。計画決定に際して議会が関与することで、できるだけ地域住民の意見を都市計画に反映いたしましてコンセンセスを得ることが、都市計画の実効性を高め事業の進捗を進めることになると考えておるのでございます。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 なぜ議会を関与させる必要性があるのか、私、今の青木先生の答弁を聞いておりましてすうっと理解ができるわけであります。  自治省の方に伺います。今、青木先生の方から都市計画の決定手続において議会を関与させていくということは、都市計画の推進のためにも自治体に移譲されておる権限をフォローするためにも重要なシステムだ、こういう指摘があったわけでありますが、自治省の方において、実際問題としてこのような形になった場合にこれをどのように評価してどのような形で受けとめていけるか、御見解などを聞かせていただきたいと思います。

蓼沼朗寿自治省行政局行政課長

○説明員(蓼沼朗寿君) 急な質問で十分答えられるかどうかわかりませんが、現在、自治省の中で、議会の議決を経て定めるものに市町村の基本構想というものがございます。これは市町村の総合的なマスタープランでございますけれども、こういった基本構想が現在のところ議会の議決を経て決めるという形になっております。  これと都市計画のマスタープランとの関係というような問題が出てくるのではないかと思いますが、その辺の制度的な整合性とそれから地域の総合計画の観点からも十分慎重に検討をする必要があるのではないか、そういうふうに考えております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 ちょっと理解できなかったんですけれども、きのう通告はしてありますし、十二分にお話もしてあるつもりなんですがね。  それじゃ岩本先生の方に伺います。  今、青木先生の方からの議会関与のことについての説明があったんですが、先生自身が対案を提出した立場から、議会関与ということが都市計画の中に位置づけられていくこのことによって都市計画はスムーズに進むか、それともさまざまな問 題が出てきてしまうのか、その辺のことについて説明をしていただきたいと思います。

岩本久人日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(岩本久人君) 基本的には、今、青木発議者の方から言われたことで足りると思うんです。つまり、私どもが提案をしたこの改正案におきましては知事の許可を必要としないということですから、今後は市町村議会が非常に重要な責任を持つということから、当然、市町村議会の議決を要するということになります。  それで、市町村議会で議決を得るまでの過程にさまざまな問題があるんではないか、こういったことを考えた場合、私のささやかな地方議会の経験から見ると、とかく従来から、自治体の規模が小さくなればなるほどそこに構成をされる議員の立場というのはどういうことになるか、よって立つ基盤がそれぞれ地域代表的な意味合いを持つということからなかなか議会が一致をしない、議会の中でなかなかまとまらない、こういうことがございました。  ただ、現下の多様な住民ニーズに的確に議会がこたえていくということのためには、そういった次元の問題はもう十分クリアをしたものでないといけない。大所高所に立った判断が求められておるということが今一番大事なことだと思います。今回この都市計画決定というものを市町村議会におろすことにおいて必ず越えなければならないハードルを議会自身が一つ一つ乗り越えていくということは、とても意義のあることだと私は思っております。  その意味では、予算も伴うことですから、どうせ予算は議会を通さなければならないわけですから、同時に議会の承認を得るということを義務づけるということはいろんな意味から大きな意義がある、このように思っております。

種田誠日本社会党・護憲共同

○種田誠君 私の持ち時間が来てしまいました。本日は質問を半分ぐらいで終わるわけなのでありますが、次回の委員会で引き続き各論的な形での質疑をさせていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 日本の都市づくりあるいは国づくりを見ていると、種田先生は後発資本主義国家でありながらよくぞ日本がここまで来た、それは官僚の優秀なる部分の成果であるというふうな評価をなさいましたけれども、しかし、どうなんだろうかな、日本全国が金太郎あめになっていないだろうか、そんな気がいたします。  山を見るというと杉とヒノキばっかりで、ちょうど今一番倒れやすい時期に来ておるわけですが、雲南省から発する広葉樹林文化をなぜ大切にしなかったんだろうか、こういう思いをする。川を見るというと、瀬とふちとワンドの区別がつかなかったんだろうか、のっぺりとした同じような表情の川になっている。町を見るというと、駅を降りるとバスのターミナルとタクシーのターミナル、駅前再開発ビルがあって、そして、その中に商店街が組み込まれてしまっている、その横にはデパートがある、その横にはホテルがある。そして公園を見るというと、ブランコと鉄棒と砂場、植わっている木はほとんど同じような樹種である。  そういうふうなことを見ると、本当にこれが正しい都市づくりなんだろうか、国づくりなんだろうか。トップダウンという方式はなるほどよいんだろうけれども、もうそろそろ発想の転換、少なくとももう二十年ほど前から発想の転換がなければならなかったんだろうと思いますが、バブルの崩壊を見るというと、本当に日本というものは後発資本主義でありながら、それは経済効率だけを取り入れて、自由市場経済の精神というものは全くなおざりにされてきたんじゃないだろうか。  アメリカやイギリスでは、バブルのこういうところで起きた地価高騰あるいは金融・証券の不祥事のようなことがありますと、関係者は恐らく二度と社会に復帰できないほどの処罰を受けるであろう。ところが、日本はそういうところがない。やはり資本主義、自由市場経済の精神を取り入れ損なっているな。経済効率、そういうところの部分だけがこう非常に前面に出されてきた国だな。  私は、自分の清水谷の宿舎からずっと永田町小学校の前を通って自分の議員会館へ行きます。子供たちの遊んでいる姿を見るといいなと思うし、こういうふうな都会の中でのスペースというものは、いかに児童が減るうとも残しておかなければならない有効なスペースではないだろうか。小学校の前を通るだけで何か心が和む、そういうものがあるんじゃないだろうかなと思いながら、永田町小学校の前を通っているんですが、新聞を読むというと、千代田区は公道配だとか何だとか言って余ったところはスーパーにするんだ、あるいは貸しビルにするんだ、これは果たして本当の国づくりなんだろうかな、そういうふうなことを感じるわけでございます。  この都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案について今回質問するに当たって、国づくりというんですか、そういうものを一応考えてみたときに、今こそボトムアップの考え方、そういうものが必要じゃないだろうかなと思うわけでございます。  そういうふうなことをちょっと冒頭に申し上げながら質問をさせていただきますが、ちまたでは、都計審というのは実は八百長ではないだろうか、こういうふうなことを言われておりますが、都計審で案件が否決されたケースというのは何%ぐらいあるんでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 御通告がございましたので調べてみたのでございますが、平成三年度で約三千件ぐらい審議会に諮られておりますが、否決された案件はないそうでございます。ただし、採決が保留されて継続案件とされたもの、それから知事が自主的に案件を取り下げたりしたといった極めて日本的な例は結構あるようでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 その自主的というのは極めて日本的であると私も思いますが、今はもう世界の流れというのは、重要な政策というのは非政府組織というんですか、NGOの代表を関与させるとか、そういうふうな方向で進んでいると思うんです。  都市計画審議会の委員の選任についても、市民運動家とかあるいは在野の各種研究組織あるいは批判的に立つ組織メンバーも選任する、そういうふうな度量が必要じゃないだろうか、多様な意見を反映する必要があるんじゃないか、これからはそういうふうな方向であるべきだと思うんですが、どうですか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 基本的には同じような考え方を私ども持っておるところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 基本的に一致いたしますと、三千件ある中では恐らく否決されるものも今後はいっぱい出てきてもいいんじゃないか、かように思うわけでございます。  都市計画地方審議会の委員の選任については、現行法の運営上は知事が任命することになっておりますが、本来、多様な意見を反映させるためにも少数意見を持つ人を一定数選任されるような、そういう制度的なものが必要ではないかと思うわけですが、いかがですか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 都市計画地方審議会の委員につきましては知事が任命するという仕組みになっておりまして、その辺の手続につきましては政令等でもるる規定があるわけでございます。  そういう中で、知事さんが具体的にどういう方を選任するかということは知事の判断によるわけでございまして、そういう仕組みの上からまいりまするならば、先生御指摘のいわゆる少数意見の方々も当然メンバーの中に入っているのではないかと思うわけでございます。例えば私が知る限りにおきましては、ある県の地方審議会におきましては、学識経験者あるいは関係行政機関の代表の方々、そういったような方々にあわせまして県や市町村の議会の代表の方々も入っておられまして、特に県議会におきましてはかなり幅広にあらゆる会派からの代表の方々が入っておるという例が多いように理解しております。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 今、知事さんが任命するということですが、委員の選任を例えば議会の承認というふうに変えた場合にいかなる利害得失が予想され るのか、そういうことを考えられたことはございますか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 委員の選任の手続に関しましては、基本的には知事にゆだねるというところで公正、中立的な立場での選任が十分担保されるというふうに思っているわけでございます。  これを議会の承認にはかからしめていないわけでございますが、これにつきましては確たる議論が必ずしもできない部分がございますけれども、私どもといたしましては、手続を決めます場合にはできるだけ事務がスムーズに行われるようにといったようなことを一つの基準にも考えておりますので、公正、中立な立場にあります知事さんが選任するということで特段の問題がない限りはそれ以上の手続をこちらから付加するということは避けるといったような考え方に立っておりますので、その一環で考えておるところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 知事さんがいつも公平、中立であればよいわけでございます。神や仏のように中立である、常に真ん中の立場で見ているというのならばいいわけですが、そういうふうなことはしばしば行われていないなというふうなことの思いがあるから、そういうふうな質問をしたわけでございます。  現行法の七十七条で都市計画地方審議会の組織、運営については政令で定めてあるわけですが、さあ、それでは、次の点について現行法の範囲内で政令の変更等での運用で変えることは可能かどうか、お聞きいたします。  すなわち、一つは、委員の任命は知事というのを議会の承認を得て知事が任命とすることができるかということと、もう一点は、学識経験者、行政職員、市町村代表、県議会議員、市町村議会議長代表という選択基準についてはもう少し見直すことができるか、この二点をちょっとお伺いをいたします。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 法律の解釈といたしましては政令で定める際にいろんな定め方が必要であるというふうに思っておりますが、そういった現行制度以外は考えられないということではないと思うわけでございます。  ただ、先ほど申し上げましたように、そういったような改正の必要性につきましては、私どもとしてはそこまでしなくてよろしいのではないかと思っておるところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 その選択基準についてはどうですか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) そういうわけでございますので、選択基準も、現行の規定にあるものは絶対のものであるというわけではないと思っております。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 どうも地方の都市計画審議会の組織、運営を見てみるというと、ちょっと硬直化してきているというのか、マニュアル化しているというのか、この線に沿ってだあっとやってしまったらもうこれでいいんだというふうな感じで、もう少しフレキシブルというんですか、もう少し柔軟にいろんな意見、いろんな人が入るようなそういうふうなやり方があっていいだろうし、そういうふうなことをもう少し考え直しなさいみたいなことは出せませんか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 私といたしましては十分弾力的に行われているのではないかと思っておるわけでございますが、政令の一番最後のところに臨時委員を置くこともできるというふうになっておりますし、実は都市計画地方審議会というのは大臣の諮問機関としてあるわけでございますが、そういったようなところでもテーマに応じましていろんな方に御参加いただいて御議論いただいておりますので、その県の実情によっていろいろ違うのかなと思いつつ、いろいろとテーマに応じた弾力的な運営の仕方というのはむしろ私どもとしても期待しているところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 私も期待をいたしておるところでございます。  学識委員の選出について、学者だとか弁護士等を選任する場合、一本釣りというやり方というんですか、個別に依頼をしていることが多いような気がするんですが、どうですか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) これもいろんなケースが考えられると思いますが、一番多いのは、大体もう既に審議会ができておりますので、任期が来まして年齢その他で交代される場合に、その後任の方をどなたにするかということがありますが、その場合には、これは一般的なやり方ですが、今までの委員の方々に御相談してどういう方がよろしいでしょうかという御推薦をいただいたりするということもやっておりますので、必ずしも県側で学識経験者の個人の方を一本釣りでねらい撃ちという感じはむしろ一般的ではないんじゃないかなというふうに思っておるところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 仲間同士の中から言わば仲よしさんをまた呼んでくる、お友達を呼んでくる、こういうふうな形になるわけですね。それで、やめられた後また同じような傾向の人が入ってくるというそういうふうな感じがいたします。京都あたりは、弁護士さんを委員として入れるときは弁護士会の方に委任をする。そういうふうに組織ごとにやっていく方が多様な意見が反映されるんではないか。そういう個別でやるとかあるいは退任なさる方が仲よしさんを選んでくるというやり方よりも、組織におろしていくやり方の方が私はよりよいんではないかなと思うんですが、どうですか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) そういう学識経験者の方々が、ある専門の知識を有される方で、その専門の知識を有する方にぜひ継続的に入っていただきたいという場合に、例えば今、先生から弁護士の方の御指摘ございましたが、そういったように団体が確立しておるようなところにはそちらに推薦を依頼するといったようなことは現実にも行われておると思いますし、また今、それは先生からも御評価いただいたようでございますので、私どもとしてもそれでいいのかなというふうにも思います。  ただ、必ずしもそういう背景がないといいますか、ちょっと表現が適切でないかもしれませんが、そういう場合どうするかという問題も含めての先生の御指摘だと思いますので、今回のいろいろな御指摘は今後の審議会の委員の選任等につきまして御示唆に富むものとして私ども受けとめてまいりたいと思う次第でございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 ありがとうございます。いい答弁をちょうだいいたしました。  八十一条関係で、違反者に対する是正措置の件数、これを把握なさっているんだろうか、是正措置命令に違反して刑事処分されたものの件数はどういうものでしょうか、本条に基づく代執行の件数、こういうものをお聞きしたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 平成二年度におきまして、開発許可に関しまして都市計画法第八十一条第一項に基づく監督処分がされた件数は全国で百四十件でございます。そのうち是正措置命令に違反して刑事処分に付されたもの、またこの本条に基づきまして代執行されたものはないと聞いております。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 次に八十六条関係に行きたいと思いますが、人口十万人以下の市のうち市街化区域、市街化調整区域が指定されている市、そしてまた指定されていない市、この数をお教え願えますか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 平成二年三月末の数字でございますが、人口が十万人以下の市は四百四十七市ございまして、そのうち線引き、いわゆる区域区分がなされている市は百八十八市、なされていないところが二百五十九市でございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 その人口十万人以下の市に本件の権限を委任した場合、専門知識を持った職員等が十分確保できないなどの問題が生ずるおそれがあると思いますが、いかなる問題が生ずるのか、想定しているものをお教えいただきたいと思います。

伴襄建設省建設経済局長

○政府委員(伴襄君) 開発許可に関する事務を人口十万人未満の市に委任しますと、まず、開発許可に関する事務が非常に広範にわたっておりますので、都市計画、土木、建築、法律等いろんな広範にわたる知識あるいは経験が必要かと思います。そこで、専門職員の確保というようなことで 執行体制の整備が必要かと思いますし、それから事務執行で公平性、統一性を欠くということもまずいわけでございますので、余り細かくおろすと事務執行の統一性、公平性という観点から問題が多いというふうに考えております。  現在、政令市を除きます十万人以上の市におろしております。十万以上の市が百九十六ございますけれども、そのうち実際にその開発許可に関する事務が全部委任されている市は三十五市でございます。したがって、一七%にすぎないわけでございますが、そのほかには開発事務のうち一部だけ委任しているというのもございますので、それを合わせましても百三十二市、したがって全体の三分の二。三分の一はおろせるのにもかかわらずおりていない。こういう状況でございまして、したがって、今、現行法上でも委任可能な十万人以上の市についても十分委任されていない、こういう状況にあるわけでございます。  実際上も、開発許可に関する事務を都道府県知事が市に委任するに際しましては、事務引き継ぎだとか、今お話のような研修、研修のために県から市に対して何らか支援をするというようなことも必要となると思いますし、十万以上の市について委任が進んでいない状況において十万人未満の市にも手を広げるということは、実際には人材確保その他の支援措置からいってもなかなか難しいんじゃないかなというふうに考えております。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 しかし、少なくとも当該市より希望があるというふうなことが出てきた場合、人材確保の支援等、ここのところをきっちりと押さえておかないとだめだと思うんですが、どうですか。

伴襄建設省建設経済局長

○政府委員(伴襄君) その市の能力というんでしょうか、必ずしも人口だけではかれないかもしれませんけれども、先ほど申し上げたように、十万以上の市でもおろせるにもかかわらずそういう状態になっているわけです。もしおろした場合にはそれなりの応援、支援措置をやっていくつもりでおりますけれども、なかなかそれも手が回りかねている状況でございますので、まず大規模な市から優先的に早く一〇〇%になるように事務委任するというのが道筋かなというふうに思っております。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 それでは、八十七条の二項、特別区について特例を定めておりますが、その特例を定めた根拠をお聞かせ願いたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 地方自治法の第二百八十一条の第二項におきまして、特別区が一般の市とほぼ同様の事務を処理することを原則としながら、東京の実情に即応いたしまして、都と特別区の事務配分についての特例が必要である場合には法律またはこれに基づく政令で個別に規定することとなっておりまして、ただいま御指摘ございました都市計画法第八十七条の二の規定は、これに基づきます当該事務配分についての特例規定に当たるものでございます。  都市計画法上の特例につきましては、特別区の存する区域がいわゆる首都でございます東京というところでございますので、なかなか実体的にも特別区の区域を越えて発展しまして相互に緊密な関係を有しているというところから、都市計画の一体性、統一性の確保は非常に強いと私ども認識しておるところでございますけれども、実際には、この規定に基づきまして市が決定することとされている都市計画のうちで都の決定としておりますのは、水道とかごみ焼却場などの供給・処理施設で特別区の区域を越えて影響を与えるもの、それから規制緩和を伴う特定街区等についてのみが都決定でございまして、それ以外はすべて通常の市と同じように特別区決定となっております。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 私は、特別区職員の能力向上なんかを考えると特例廃止の状況は整っているんではないだろうか、そう思うんですけれども、整っていないですか。局長はどうお考えですか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) なかなか難しい問題だろうと思います。  私も、まあ地方都市にも住んだこともございますが、東京都民の一人でございまして、特別区と市は違う面があるなということを、これは建設省の局長というよりは市民の一人として体感している部分もございますので、いささか個人的にはいろいろ意見もあるところでございますが、行政の上におきましてはできるだけ特別区の立場を尊重しながらいろいろと考えていくべきものであろうと思います。しかしながら、特別区というものは地方自治のあり方としては特別の制度でございますので、都と特別区の関係につきましてはいろいろと慎重な議論のもとでしっかりとした行政配分が行われるべきものと思っておるところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 廃止しないのにはいろいろ理由はあるんでしょうけれども、廃止した場合に何らかの問題が生ずる、こういうふうな考え方からだと思うんです。もし廃止された場合にどういう問題が生ずるんだろうか、予想なさっていることをお伺いしたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 現在、都決定とされております部分につきましてのみお答えさせていただきますが、例えばごみ焼却場の都市計画決定につきましては、ごみ焼却場自身がいわば忌避施設でございますので、なかなか難しい問題がございまして、これは都市計画でこういうふうになっていても現実には実態上いろんな議論がなされておる面がございます。そういう意味で、これが特別区相互の利害の調整というようなところから都市計画決定手続が円滑に進まないということになりますと広域的な行政の遂行に支障を来すのではないか、こういうふうに思っております。  それから、特定街区につきましても、そういう意味におきましてはいわゆる規制の緩和でございますので、それは都全体の立場で二十三区を見渡す中で容積率等がどういうふうに配分されるべきかというような議論に密接にかかわってくる問題でございますから、これも余り二十三区で自由にやれるということではどうなのかなというふうに私は思う次第でございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 市街化区域、調整区域の指定のない区域については、都計法上どのような区域とお考えになっておられるんですか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 市街化区域及び市街化調整区域の区域区分の制度でございますが、これは無秩序な市街化を防止して計画的な市街化を図ることを目的として設けられたものでございまして、市街化の圧力が広範に及び、かつ著しいことによりまして、それを放置すればいわゆるスプロールのおそれがある都市計画区域、こういったようなところについて適用される制度であるというふうに理解しておるところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 それで、社会党にもお聞きしたいんですが、まず局長から先にお答えを願いましょうか。  そういうふうな地域に高層住宅等が建設されて高度利用なされるということになるとこれ自身がまさにスプロールを招くんじゃないだろうか、そんな感じがするわけですが、そんな未線引き区域に高層住宅が建設される、高度利用がなされるということについてはどうお考えですか。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 市街化区域あるいは調整区域の指定のない未線引きの都市計画区域、その中でも特に用途地域の指定のないいわゆる白地地域についてでございますが、こういう地域につきましては、従来、活発な建築活動が想定されないということで用途地域等の指定が行われていなかった地域と考えているわけでございます。  このような地域のうちの一部におきまして高層住宅が最近建築されるようになりました事情でございますが、まず地価高騰に伴いまして、こういう白地地域につきましては非常に不便なところが多いところでございますので比較的地価が安いということで、それで土地関連投資が及んでいったということが一つあろうと思います。それからもう一つは、リゾートブームでリゾートマンション等の建設が行われる。そういうようなことで、これらの地域の一部で高度利用といいますか、そういう非常に高層な住宅等が建設されるようになったと考えているところでございます。  こういうような開発が行われましたときの問題 についてでございますが、一部の地域では、こういう開発が五月雨的に起こってまいりまして非常に土地利用の混乱をもたらしております。例えば、まず、これまで道路、公共施設等が整備されていない地域において五月雨的にそういう建物が入っていくことによる交通上の混乱、また例えば、それぞれの敷地をそれこそ精いっぱい使いまして大きな建物を建てるわけでございますので、周辺に低層の住宅等があった場合にはそういう住宅等に対して日照阻害とかあるいはいろいろな近隣的な摩擦を起こす、そういうことも起こっているところでございます。  こういうようなことから考えますと、一体的に開発されるのであれば用途地域を指定すべきところだろうというように考えているところでございますが、それほどでなく個別にこういう開発が行われるとすれば、それは今回の改正案によって何らかの建築の活動を秩序立てる必要があろうかと考えているところでございまして、今回の改正案を提案させていただいているところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 そういう高層マンションがリゾート地に建つということ自身いろんな理由はあるけれども、抜けている理由に僕はあるいはバブル経済の問題があるんじゃないだろうかなと思うんです。住むのではなくて、それはもう単なる投資にしかすぎぬのではないかな。いっぱい建っている幽霊マンション、こういうものについてはどうお考えでしょうか。これは質問通告しておりませんけれども、今答弁を聞いていてふっと思ったんですけれどもね。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 先生もう御承知のように、例えば新潟県の湯沢町なんかでは、蛍の宿といいますか、通常の日には百数十戸建っているうちに電気が二戸か三戸にしかついていないというような、そういうリゾートマンションがかなりの程度建ったような地域もあるわけでございます。  その投資的なこと等に直接私この場でお答えしようとは思っていないわけでございますけれども、しかし、それを土地利用の面から考えてみますと、それらが例えば一棟だけぽつんと建っていることについては、その段階ではさして大きな問題はないだろう、しかしながら、その建物が何棟も建ったり周辺の市街地に対していろいろと障害をもたらすようなことがあるならば、これはやはり土地利用の面から、建築について秩序のある建築行為にしてほしいということを言う必要があるのではないだろうかと思っているところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 湯沢というところはもう本当に様相が一変しました。二十何年前に訪れたときは非常にいい町でした。駅前にすぐスキー場がありますけれども、しもたやが並んでいて、本当にいい土地だなと思いました。トンネルを超えるとそこは雪国だったという、あの情景そのままの町でした。  ところが、昨年参ったときにはもう私自身驚いたんです。高層ビルがどんどん林立して町の様相も一変をしているし、人情味というんですか、そういうふうなところもやっぱりどこかで人がすれてきているなというふうな感覚すら持ちました。ですから、こういうふうな例が全国で起きることのないようにしていかなきゃならぬなということを、去年行ったときに二十何年前と比較をしたときに本当に実感をした次第でございます。  さあ、青木先生、大変長らくお待たせをいたしました。  社会党のこの提案理由を見ますというと、なるほどそのとおりだな、「近年、いわゆるバブル経済の膨張に伴って地価が暴騰し、地方ではリゾート開発に伴って環境破壊が進行し、大都市においては都心の商業地域や隣接の住宅地域を中心に事務所ビルの建設を目的とした地上げが行われ、住民が追い出されるといった事態が頻発いたしました。こうした事態を引き起こした原因の一つとして土地利用制度の不備が指摘されこと、こういうふうなことが述べられておりますが、まさにそのとおりだと思います。また、私、冒頭に申し上げましたけれども、トップダウンではなくてボトムアップできっちりと地域の特性というものを生かすような、そういうふうなことをしっかりと今こそ進めていかなきゃならぬな、そういう意味においていい対案ではないかなと私自身思うわけです。  政府にも答えていただきましたけれども、未線引き区域について高層住宅が建築されることが果たして高度利用と言い得るんだろうかどうだろうかということを私自身疑問に思うわけですが、そういう利用がなされることについてはどうお考えですか。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) 都市計画区域の中で市街化区域とか市街化調整区域に線引きされていない区域、今いろいろと議論されている区域でありますが、これはもともと開発が想定されておらなかったという地域であります。このような地域は、開発規制が緩いことに目をつけて、近年のバブル経済の影響によりまして、今お話のリゾートマンションがどんどん建って次々と進出してきているのが実情だと思うのであります。  しかし、このような地域は、道路や上下水道さらにはごみ処理などいわゆるインフラストラクチャー、社会資本がほとんど整備されていない地域でありますから、そういう地域に高層建築物が建つことについては、先ほど住宅局長からも話があったわけでありますけれども、地域の住民、自治体にとって極めて大きな問題となっていると思うのでありまして、こういった地域においては土地の高度利用がなされることは極めて問題である、そういう認識のもとに対応をいたしてまいりたい、こう思っているところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 リゾートマンションだとか幽霊マンションというんですか、先日も琵琶湖湖畔で、建って途中で放棄されたビルがダイナマイトで爆破される。世の中暇やなと思うのは、あそこに前の日から皆徹夜で並んでいる、あるいは車で乗り込んでいる、またそれを当て込んで屋台が出ている、タコ焼き屋が出ておる、ジュースを売る人も出ている。ああ日本というのは平和だなと思うんです。  しかし逆に、考えてみれば、ああいう幽霊ビルみたいなものがどんどん建つ、あるいは湯沢でこれが幽霊になってしまうというふうなことがどんどん出てきたら、それは最初の一、二回はビルの爆破はおもしろいからいって見に行きましょうけれども、後どういうふうに対策を立てたらいいと思いますか。どういうふうなことを今思っておりますか。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 私、まず琵琶湖湖畔の幽霊ビルについて詳細には存知しないんですが、たしかあのビルはもう十年ぐらい前なんでしょうか、建築の途中で建設会社があるいは施工者かが倒産をして、骨組みだけができた段階で内装まで至らないでそのまま建っていたというように聞いているわけでございますが、破壊の仕方についてこの間それが出たので、その程度の知識しか持っておらないわけでございます。  こういうような中途で竣工しない建物というのについては社会的な解決がまた何か図られなけりゃならないなと思うことではございますけれども、それとまた湯沢等におきます幽霊の宿ですか蛍の宿でしょうか、こういうものとはちょっと問題が違うというように考えているわけでございます。  湯沢等のリゾートマンションにつきましては、恐らく通常はうまくいけば分譲済みになって、必ず所有者がいて、それをどういうふうな形がで利用をするか、その利用する頻度が一年のうちどのくらいいるのか、あるいはまた投資としてあったものがどのようにうまく管理できるのか、さらにはマンションの管理についてどれだけの負担金を払い、そしてまた十年後、二十年後にどういう経営をしていくのか、そういう問題は深刻な問題があろうかというように思っているわけでございますが、日本もそういう共同住宅を初め集団で住むことについてのルールも次第に形づくられてきておりますし、建設省としても、集団で管理する形態についてもっと合理化する必要があるというこ とで行政面からもアプローチしているところもありますので、心配は多くありますけれども、今後解決していくべき、あるいはされていくべき問題であろうと思っているところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 きっとあのマンション群も投資効果がなくて投げ出していく人が多いんだろうな、湯沢へ行ったときにそう思ったわけですけれども。  さあ、建築基準法と関連して少し質問させていただきます。  現在、用途地域の指定のない地域では百分の四百パー規制ということになりますが、集合住宅等を建てる場合、市街化区域の住居地域の上限と同一の建築が可能ということで、これはどうも規制として緩やか過ぎるんじゃないだろうかな、こんな思いがするわけですが、どうですか。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 先ほども若干触れたところでございますけれども、このいわゆる白地地域の制限は、これまで容積率四〇〇%、建ぺい率七〇%となっておりました。この制度が整備されましたのは昭和四十五年でございますが、昭和四十五年当時におきましては、これらの地域で活発な建築活動は想定できなかったという歴史があるわけでございます。そしてまた、白地地域につきましては、都市計画上、土地利用の方向について位置づけが明確な地域になっていないというようになっているところでございまして、そういうところなれば、まあこのくらいの容積率四〇〇、建ぺい七〇というような緩い規定でも大丈夫なのではないだろうかと考えてきたところでございます。  繰り返しになりますので、近来の動き等については土地利用の混乱が生じているということを御指摘させていただくにとどめるわけでございますけれども、そういう実情に即しまして今回の政府の改正案におきましては容積率を二〇〇%に、建ぺい率を六〇%に強化できるようにしたほかに、近隣関係を考慮して日影規制を適用できるようにしたいと考えたところでございます。  御承知のように、衆議院におきまして、容積率につきましては四〇〇、三〇〇、二〇〇、一〇〇、それから建ぺい率につきましては七〇、六〇及び五〇%とメニューの拡充による修正を受けたところでございます。  こういうように白地地域の特性を踏まえてみますと、用途地域を定めてどのような都市地域にするかということをはっきりすることがもちろん都市計画上必要なことだろうと思うわけですが、こういうことを要しない都市計画上の位置づけがされたままでありますと、容積率とかいろいろな形態制限のみを一律に強化する、基本的な用途についてはどうするかということもないまま形態制限のみを一律に強化するということは過大な私権制限になるおそれもあるというように考えているところでございます。  今回のような数値として適切な規制が行える体制が整いましたならば、各都道府県、市町村の方と協力しまして適切な数値が指定されるように努めてまいりたいと考えておるところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 それで、対案として社会党の方で出されておりますけれども、発議者にお伺いをいたします。  用途無指定地域の開発規制をどのように行うことになるのか。やはり緩やかだなという気はいたしますが、どうですか。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) 現状において用途地域の指定のないいわゆる白地地域では、今の御指摘のように容積率でも四〇〇%、建ぺい率も七〇%ということになっておるわけでありまして、この数値は都会の商業地域並みの大きさだと実は思っているところでございます。  政府案ではもともと容積率で二〇〇%、建ぺい率で六〇%のメニューを加えるということが今住宅局長の説明でありましたが、二〇〇%という容積率でも東京の高島平団地というような高層団地ができてしまう程度の規制でありまして、この意味では、衆議院において容積率において一〇〇%と三〇〇%、建ぺい率において五〇%のメニューが加えられる修正が行われたことは評価するものではあります。  しかしながら、衆議院における政府の答弁を仄聞するところによりますと、白地地域というのは将来どのような地域に発展していくのかイメージとしてなかなかわいてこないというのでありまして、細かい規制は行うべきではないとしておるようであります。しかし、この関係については、一体将来どうなるだろうかということについて今私どもこの説明は非常に困難だなというように考えておるわけでございますが、白地地域の問題等について社会党案では、用途無指定地域については最も厳しい場合は現行の第一種住居専用地域並みの規制ができるよう、規制のメニューを最低容積率で五〇%、建ぺい率で三〇%まで実は用意いたしておるところでございます。  こうしたきめ細かい規制が行えることを可能としたのは、市町村に大幅に権限を委嘱し、市町村が実効性のあるマスタープランと用途地域を含む具体的な都市計画をみずからの権限で決めることができることとしているのでありまして、具体的には市町村はマスタープランにおいて白地地域についても一定の将来像を書き込み、これからその地域にふさわしい容積率、建ぺい率などを選択して決定することとなると思うのであります。大まかであっても地域の将来像が示されることで新しい厳しい規制を適用することが可能になると考えておるところであります。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 都市計画中央審議会の中間答申で見ますというと、白地地域ですけれども、「容積率等の形態制限を強化する等適正な土地利用規制の方策を講ずる必要がある」、こう指摘をいたしておりますが、現行の規制の運用でどのような問題が生じているんでしょうか。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) いわゆる白地地域におきまして四〇〇%、七〇%の規制になっているところでございまして、これらの地域の活発な建築活動が予想されない時期はよかったわけでございますが、先ほどのように活発な建築活動が一部の地域に偏って出てきたような場合には種々の問題が生じていると見ているところでございます。  そのうちの二点ほどを主として触れてみますと、まず道路の整備水準が低い地域で高容積の建築物が建築されることによりまして交通の局所的な混乱が起こる、あるいは住宅がある程度集合している地域においてリゾートマンションあるいは高層建築物等が出てきますと近隣に対する日照阻害等が起こる、こういうようなことで、土地利用の混乱が問題となる地域が生じる状況に至っているわけでございます。  現行制度におきましては、容積率の問題、建ぺい率の問題、さらには日影規制等の問題につきまして、これらの地域に対して十分な対応ができない場合があるというように考えておるところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 社会党案では用途無指定地域、白地地域の開発規制は、どのように行うことになるんですか。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) 用途無指定地域については最も厳しい場合は現行の第一種住居専用地域並みの規制が加えられるように、規制のメニューを最低容積率を五〇%、建ぺい率で三〇%、先ほどもちょっと触れましたけれども、そのように考えて厳しい規制を行ってまいりたい、こう思っているところであります。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 リゾートマンション、先ほどから少し湯沢のことをお触れになりましたし、こちらも触れたわけですけれども、インフラ整備の不十分な地域に高層マンションの建築が進んでいる事例、いろいろあるかと思いますが、そういうことを把握なさっているんでしょうか。把握なさっている部分で現状の説明をお願いしたいと思います。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 統計的にデータを把握しているところではございませんが、例えばということで典型的な地域について二地域ほど触れさせていただきたいと思います。  まず先ほどの新潟県の湯沢町でございますけれ ども、湯沢町は面積が三万五千七百ヘクタールあるわけですが、このうち都市計画区域の面積が一五・二%、さらにそのうちで用途地域の指定がある地域は二百三十ヘクタール、〇・七%程度しかない状況になっております。それで、平成三年七月現在、都市計画区域外では十七棟、三千六百戸が建設されまして、さらに五棟、千六百戸の計画がある、また、都市計画区域内でも用途指定のない白地地域では二十五棟、五千七百戸が建設されて、さらに二十四棟、一万三百戸の計画があるというふうに聞いております。  また、もう一例といたしましては、千葉県における都市計画区域が指定のない御宿町と白子町でございますが、これらの十二町村におきましては平成二年の九月までに三十棟、三千七百戸が建設されて、さらに五十二棟、六千五百戸の計画があるというように聞いております。  一部の地域におきましては、都市計画区域外あるいは白地地域におきましてリゾートマンションがそれこそ五月雨のごとく入っていっていろいろな土地利用の混乱をもたらしていると認識しているところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 それらについて地方自治体が地域の実情に応じて、もうかなわぬ、こんなようけ建たれたらかなわぬというようなことで規制することは可能なんでしょうか。可能ならばとの範囲にどんなことができるのか、お教えください。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) まず白地地域につきまして、現行の建築あるいは土地利用関係の制度でどこまでできるかということについてお答えしたいと思います。  現行の制度の中におきましても、例えばいわゆる白地地域内で風致地区を指定いたしますと、何種類か高さ制限もありますが、例えば高さは八メートルから十五メートルの間、建ぺい率二〇%から四〇%以下というようにいろいろな制限を課すことがまず可能でございます。さらにまた、開発許可に関連しまして、白地地域につきましても大規模な開発については開発許可の対象となるわけでございますが、通常は三千平米以上でございますけれども、都道府県の規則でこれを三百平方メートルまで引き下げることも可能でございます。また、開発許可を受ける開発区域内の土地についての都道府県知事による建築物の高さとか建ぺい牽制限、そういうことも必要に応じて定めることが可能でございます。  こういうように、土地利用の関係につきましても、国としてもある程度の制度はこれまでも用意しておったわけでございます。  その他森林法とか自然環境保全法等々があるわけでございますが、そういうような形で制度はあったところでございますが、こういう制度とは別に、都市計画法とか基準法に基づかない地方独自の条例を制定する例も最近出てきておりまして、こういうような条例につきましては、地域の特性に応じて個性ある町づくりを図るという上では一定の効果があるというふうに考えております。しかし、建築物の制限を行うに当たりましては、その根拠とか制限等の内容が適切なものであるかどうか、そういうことについても種々の議論があろうかと考えているところでございます。  今回の改正案は、こういうことを踏まえながら提案させていただいているところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 現行附則四項、許可が必要な場合の基準三千平米についてお伺いをいたします。  現行法で許可の件数は年間何件ぐらいあるのか、許可不要の開発事例数についてどう把握なさっているのか、面積ごとの開発事例数について把握をなさっているのか、そのあたりをお伺いしたいと思います。

伴襄建設省建設経済局長

○政府委員(伴襄君) 附則第四項の許可というのは、未線引き都市計画区域で原則三千平米以上のものにつきましては開発許可を受けるということになっております。先ほど住宅局長から答弁がありましたように、規則によってそれを下げることもできるようになっておりますが、平成二年度の実績では全国で二千九百十五件がこの附則四項の許可を受けております。それ以下、原則三千以下が不要なのでございますが、これは実は許可が上がってこないわけなんで、したがって把握できないわけでございます。  二千九百十五件の面積別の内訳でございますけれども、当然のことながら小さいほど件数が多いわけでございまして、一ヘクタール未満のものが二千五十六件、それから一ヘクタールから五ヘクタールの間が六百九十五件、五から十が六十八件、十から二十が三十八件で、二十ヘクタール以上は五十八件というような内訳になっております。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 二千平米、千平米とすると、許可が必要な件数はどうなりますか。これはわかりませんか。

伴襄建設省建設経済局長

○政府委員(伴襄君) 実際には三千平米以上が原則となっておりましてそれ以下はわからないわけなんですが、強いて言えば、現在の規則でもってこの面積を下げることができまして、既に面積を下げているところがございます。その事例のある県が今五県ほどございます。おおむね千平米ぐらいまで下げております。  したがって、こういった県で三千以下でどの程度あるかというのを出すことは可能なんで、それで見てみますと、全国的にどこでもやっている三千以上が五百六十一件に対しまして、二千から三千の間が三百八十件、千から二千の間が三百十九件ということになりますので、もし規制対象規模を三千平米から二千平米にすると三千以上より約三分の二ふえる。さらにそれを千平米にすると二・二倍にふえる。これは非常に大胆な推理でございますけれども、あえて今実際にやっているところから推理すると、そういうことになるのかなというところでございます。

西野康雄日本社会党・護憲共同

○西野康雄君 時間の方がやってまいりました。質問をちょっと残しておりますが、新しい形のこういうふうな委員会が始まったわけでございますので、自民党の皆さんも大いに議論に加わっていただきたいと思います。私の後が勉強家の石井先生でございますので、こちらも拝聴させていただきたいと思います。  どうもありがとうございました。

石井一二自由民主党

○石井一二君 では、御質問いたします。  私も国会に籍を置きまして九年になりますが、実は政府の出された法律案が衆議院の審議を通じて対案的な修正がなされたというケースに余り接しておりません。  御承知のように、今回は五項目の修正が衆議院の審議の段階でなされ、先般、衆議院の建設委員長も来られて、そこで要旨を説明されたわけであります。その一部を引用してみますと、「昭和四十三年のいわゆる新都市計画法の制定以来ほぼ二十年が経過した都市計画制度及び建築規制制度について最近の都市化の進展に対応して良好な市街地の環境を整備し、都市の秩序ある発展を図るための見直しをする必要が高まっております。」という前段に始まって、今般提案されましたこの法律案には五つばかりの例を提示して不備な点が指摘され、「修正を行う必要がありました。」、このようなことが書かれておるわけでございます。  そこで、お伺いしたいわけでありますが、なぜこのような修正が行われたか。非常にいいことではあると思うんですが、余り例がない。例えば原案の作成がずさんであり深くおわびしたいというような御心境にあられるのか、今回は社会党さんからも対案が出され、青木先生もそちらにお座りでございますが、野党各位の意見をよく聞いた結果であり今後とも少数意見には特によく耳を傾けていきたいというようなお気持ちであるのか、議会制民主主義の原点を十二分に認識した結果であり今後も議会の審議に対応してフレキシブルに対応していこうというようなお気持ちのあらわれなのか。  特にこういった法案というものは、私も自由民主党の建設部会に籍を置いておりますが、長時間党本部で会議をし、建設部会、政策審議会、総務会等でいろんな論議がなされて国会に提案された。こういった前提を踏まえて、今回、衆議院において修正がなされたということに対してどのような御心境に立っておられるか、御意向を賜りた いと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 政府といたしましては、今回の都市計画法及び建築基準法の改正に当たりましては、約一年に及びます関係の審議会の御議論を踏まえまして練りに練った案をお出ししたつもりでございます。そういう意味におきましては、これが最善の案と考えて国会に提出した次第でございます。  これにつきまして、衆議院におきまして御審議の結果、数項目の修正が加えられたことでございまして、ただいま先生から三点挙げましてお尋ねがございましたけれども、極めて真摯に受けとめているところでございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 ちょっとその真摯という意味を、もうちょっと違う言葉で御表現願えますか。私は具体的に三つの例を挙げてどう考えておるんだというふうに聞いたわけですから、真摯をもう一遍説明してください。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 国会はいわゆる立法機関といたしまして法律の策定につきまして最終の権限を有しておられるわけでございますので、その国会における御審議の結果として修正が加えられたことでございますので、それをそのまま政府として受けとめているという意味でございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 では、衆議院の修正内容について若干お伺いいたします。  容積率一〇〇%の地域というのは、結論としてどのような地域になるんですか。例えば超高級住宅地なのか、容積率を他にお譲りしてあるいはむしり取られた犠牲者の集合村が。またこのことは、一〇〇%になった場合、地価という観点から見て地主にとってこれは有利なんですか不利なんですか。どのようにお考えでございますか。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) こういうような白地地域において容積率一〇〇%が指定されることとなる地域についてまだ現段階においては具体的なイメージをつくっているわけではございませんが、定性的に考えてみますと、例えば道路等の基盤施設の整備水準が特に低い地域、また、その周辺に既存の建築物等があってそれらが低層住宅等が大部分である、こういうような地域に異なものが建たないような形での一〇〇%の容積率制限になるのではないだろうかと見ております。  なかなか厳格な制限を行う地域でございますので、恐らくそういう地域ではないかと思い浮かべるところでございますが、具体的な指定に当たりましては、当然、地方公共団体の中でどういうふうに考えるかということは今後出てくると思うわけでございます。  また、地価との関係でございますけれども、容積率一〇〇%あるいは建ぺい率五〇%というのは非常に厳格な制限の方の規制でございます。こういう地域でございますが、例えば前提として、今回の地価が高騰する過程で生じたような、いわゆる白地地域は地価が安いからそこを土地投資として買い上げるというような、そういう状況下で厳しい制限が行われたとすれば、その場合には利用限度の減少が伴うわけでございますので地価の下落する要因にもなろうかなというように思っているところでございます。  この白地地域というのはどういうような都市像かということが描かれていない地域でございますけれども、地区の特性に応じまして地域住民の意見等も踏まえながらかけることになろうと思いますし、また、地域の環境の保護にも役に立つようにしなければならないであろうという住民の選択もあろうかと思いますので、今後、適切な運用が図られるように建設省としてもいろいろと考えていきたいと思っているところでございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 今お答えの中で建ぺい率五〇%というお言葉がありましたが、これは通告では次に聞こうと思っていた質問で、答えがちょっと先行して出たわけですが、聞いた部分にだけお答えいただくようにひとつよろしくお願いいたしたいと思います。  今までの質問に対しては大体わかりました。  では、建ぺい率五〇%の場合、今、局長のお答えの中で、周りに低層な建物がたくさんあってそこに異なものが建たないように、そういう言葉がございましたが、じゃ建ぺい率五〇%の場合、非常に使う坪数を少なくしたら五階建てが建つということも理論的には可能なわけでしょう。そういった場合、どのようにお考えですか。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 当然、建ぺい率が五〇%でも、例えば五階建てを建てれば二五〇%まで観念的に建てられるのはもう先生御指摘のとおりでございます。  しかし、一般的には、建ぺい率五〇%が指定されるような地域というのは大体は容積率も低いという組み合わせなものでございますので、先生の御質問のない部分を答えさせていただいて失礼いたしましたが、恐らくそういう土地利用の非常に低い地域について指定する数値になるんではないかということでお答えさせていただいたところでございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 同じく建築物の定義の明確化のところで、自走式自動車車庫でございますが、御説明等によりますと、駐車のための床板に穴をあけている場合、現行の定義規定上、建築物とは言えないということで今回の明確化がなされたと思うんです。こういった場合に、穴の効用というとおかしな表現ですが、ちょっと御説明をいただきたいと思います。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 一階の屋上部分の床板に穴があいたいわゆる自走式自動車車庫というのがこのごろ多く建設されるようになっておりますが、これにつきましては、一部の業者が、当該車庫は建築物ではない、したがって法令に定める建築物に係る用途規制とか安全基準というものについては従う必要がないということで、かなり無秩序に建築している例が出ているわけでございます。  これに対しまして、建設省といたしましては、このような自走式の自動車車庫は、例えば自動車に乗ったりおりたりする場合にはこの駐車の空間の内部あるいは上部を人が歩行する、さらに車を収納する機能、そういうものの空間を外部から隔絶する構造であるというようなことから、他の一般的な建築物と同様の使い方がなされると考えまして、従来から建築物として取り扱い、安全性の確保とか良好な市街地環境の確保を図る必要があるという見解をとってまいりました。そういうようなことで、建築物ではないと言って一部業者と行政の間にトラブルが生じてきたことは事実でございます。  そういうようなことがあったところでございますが、御質問の、この床板に穴をあける、あるいは壁を設けないことの有利性、効用でございますけれども、まず考えられますのは、穴があいている、あるいは壁がないということでございますので、軽量化される、そしてまたそれによるコスト低減が行われるというようなメリットが考えられるわけでございます。一方、デメリットの方につきましては、一階に駐車した車に乗ったりおりたりする場合に屋上部分から油が落ちてくる、あるいはまた騒音とか排ガスとかそういうものによりまして周辺地域に悪影響を与える、こういうデメリットもあるわけでございます。  今回、政府は、このような建築物について簡易な構造という特殊性に見合った基準の合理化を行うことということで改正案を出させていただいたわけでございまして、安全性の確保と市街地環境を整備するということから、適正な自動車車庫の整備の推進の観点からの改正案を出したところでございますが、最近の裁判結果等から見まして、これが建築物であるかどうかという解釈がさらに社会的に大きな問題になってきた事情がございます。こういうようなものを踏まえての衆議院における修正なのではないかというように、私たち考えているところでございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 御懇切な御説明でよくわかりました。ただ、今後もう少し簡単に御説明をいただきたいと思います。特に説明が長いとすき腹にこたえますので。質問も簡潔に進めていきたいと思います。  ところで、今の衆議院の修正で、市町村の都市 計画に関する基本的な方針について、「定めることができる。」ということから「定めるものとする。」というように改められておるわけでございますが、この場合の拘束力、定めることに対する拘束力と定めなかった場合の罰則があるのかどうか、この辺はいかがですか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) まず、罰則は設けられておりません。  それから、拘束力につきましては、政府原案で「定めることができる。」というふうになっておるものに比べますと、「定めるものとする。」といいますのは、市町村にとりまして策定義務がより明確化されたと思っておるわけでございます。  罰則を設けていない趣旨との兼ね合いの問題の御質問がと思いますけれども、市町村という地方自治体の行動に対するものでございますから、罰則というものを設けるのにはなじまないといったようなことではなかったのかなと思っているところでございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 都市局長は、地方議会、特に町議会の傍聴をされたことがありますか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 町議会はございません。

石井一二自由民主党

○石井一二君 他の議員からも地方への権限の移譲ということがよく言われて、都市計画決定なんかもう地方に任したらいいじゃないか、こう言われるわけでございますが、全国三千余の市町村が二十一世紀のバランスのとれた郷土づくりという観点から基本方針を決めていく、そのためには、全国的なバランスも必要だし、特に能力を備えた人材というものの確保がなかったら郷土づくりというものが取り返しのつかない方向へ行ってしまうのではないか、このような懸念をしておりますが、地方の人材の確保、またその能力のレベルアップ、こういった観点から、町議会の論議等は傍聴したことはないということですが、局長はどのような評価をしておられますか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 今回私どもが御提案申し上げております市町村の都市計画に関する基本的な方針は、具体の都市計画を定める際に、その市町村が将来どういう町になるのかということにつきまして十分住民の方々に御理解いただけるようなものをつくっていただきたい、つくるべきである、そういう審議会等の御答申に基づきまして設ける必要があると判断したものでございます。  そういう意味におきましては、ただいま先生から御指摘がございましたように、その当該市町村の都市づくりといいますか、町づくりの将来の方向を示すものでございますから、できるだけ全体的に見まして周辺の地域ともバランスがとれ、かつ内容的にも将来をよく見通したいい内容の計画であってほしい。そういう意味では、いろんな意味におきまして人材も確保する必要があるというところから、研修とか人事交流とか、今までもやっておりますが、そういったようなことがより必要になり、求められるのかなとは思っております。  ただ、今回御提案いたしました私どもの考え方の基本は、それはそれぞれの市町村のそれぞれの御事情でいいのではないかということでございます。  要はそういう住民の方々とのコンセンサスづくりの問題でございますので、そういう意味におきましては、現在でもいろんな形で、いわゆるふるさとづくりというような形で試みがなされてきているわけでございますが、そういったようなことが都市計画の中でもいろいろと生かされていくようにという意味で、最終的に都市計画決定で計画内容は固めていくわけでございますが、その前の一種のマスタープランづくりでございますので、自由闊達な議論があってよろしいし、またそういう意味におきましては、余り専門的な知識でもってそれを処理していくということは、住民の方々との合意づくりという意味ではむしろそれが邪魔になる場合もあるのかな、そういったようなことも考えております。  そういうことで、私としては極めてその辺は弾力的に考えていくべきテーマではないかというふうに思っている次第でございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 いろいろ論議はありますが、次へ参りましょう。  開発登録簿に関しまして、第三者に対する情報の開示という言葉があるわけですが、これは単に広報に掲載するという意味にとっていいのか、あるいは、いつでもだれでも閲覧ということが可能だというようなことなのか。また、もしそうであれば、その場合の手続等について若干述べていただきたいと思います。

伴襄建設省建設経済局長

○政府委員(伴襄君) 情報の開示の話でございますが、閲覧簿は実は都市計画法そのものに義務づけておりまして、都道府県知事はその開発登録簿閲覧所というのを設置しまして、常に公衆の閲覧に供し、請求があればその写しを交付する、こういう決めになっております。閲覧時間とか閲覧手続等につきましては、各県の閲覧規則に決めておりまして、したがいまして、県だとかあるいは指定市その他市の都市計画課あるいは建築指導課等の担当課、その担当課にコーナーを設けましていつでも閲覧できるように、お求めがあれば写しも交付する、そういうような仕掛けになっております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 建設大臣にお伺いをいたします。  我々はさきに土地基本法というものをつくりました。その理念は、土地についての公共の福祉の優先、また、土地の適正な利用及び計画に従った利用といったような柱があったかと思いますが、この柱というものと今回の法改正、特に誘導容積制度と容積の適正配分ということはどのようなロジックで関連性を持っておるのか、御所見を伺いたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 誘導容積制度につきましては、土地の有効利用が必要とされているにもかかわりませず、道路などの公共施設の整備が十分なされていないために低利用にとどまっている密集市街地等におきまして、公共施設が不十分なまま市街地化が進行することを防ぎますとともに、地区内の公共施設の整備とそれに見合いました土地の有効利用を一体的に推進する制度でございます。  容積の適正配分制度は、これは地区レベル街区の環境の保護や土地の健全な高度利用を図りますために、当該地区におきまして用途地域で指定された容積の総量の範囲内で地区計画において詳細に容積の配分を行う制度でございます。  これらの制度は、いずれも良好な市街地の形成が地区レベルの都市計画である地区計画という形で確実に担保された場合に限り適用されるものでございまして、土地基本法の土地についての公共の福祉の優先、土地の適正な利用及び計画に従った利用という考え方に沿ったものであると考えております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 次に、市街化区域内の農地の宅地化についてお伺いをいたします。  御高承のとおり、先般、土地の所有者の方々は生産緑地をとるかあるいは宅地課税に甘んずるかといったような選択をされたわけでございますが、全国的な、特に三大都市圏におけるその選択の結果というものについて、ちょっと概要を述べていただきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 三大都市圏の特定市、現在百九十六市あるわけでございますが、そこには市街化区域内農地は約五万一千ヘクタールございます。その中で、今回、生産緑地区の指定の申請がされました農地は約一万六千ヘクタールでございまして、三二%でございます。  全体的な傾向をちょっと申し上げますと、東京都とか大阪府等いわゆる大都市の都心部に近い地域では申請率が比較的高いのでございますが、いわゆる都心周辺部といいますか、首都圏で言いますと神奈川県とか埼玉県では比較的低いというばらつきがございます。それから、それを三大都市圏別に見てみますと、先ほど全国が平均三二%と申しましたが、首都圏が約三一%、中部圏が約二一%、近畿圏は約四四%、そんな数字になっております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 それで、良好な宅地化を計画的に誘導していくということが今回の法律の一つの目 途でもあろうと思うわけでありますけれども、この選択を経て地区計画を策定して、そういった良好な宅地化というものを進めていく、そこに一つの戦略があってしかるべきだと思うんですが、その促進のための方策について局長の所見を聞きたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 今回、生産緑地制度も含めまして、市街化区域内農地につきまして、こういった形で宅地化するものと保全するものとを都市計画で明確に区分するということにさせていただいたわけでございまして、宅地化するものとして位置づけられた農地につきましては、農地所有者の方々の意向を十分踏まえながら優良な住宅宅地供給の促進につながるようにしていかなきゃならないと思っておるところでございます。  実態を見ますと、かなり市街化区域の中で農地として保全されるものと宅地化するものとが入りまじっている部分がございますので、そういったようなところにつきまして、できるだけ道路、公園等の公共施設の整備とあわせまして区画整理事業等を積極的に実施していくということが重要であろうかと思いますが、かなりきめの細かい進め方をいたしませんと合意形成が非常に難しいと思う次第でございまして、それにつきましては、できるだけ地区計画等のきめの細かい計画策定が可能な制度を積極的に活用していただくように私どもとしても努力してまいりたい、そんなふうに思っておるところでございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 大臣にお伺いいたします。  住宅ができたら必ず水道が要る、下水道が要る、また病院も要る、義務教育の学校も要るといったように、農地の跡に住宅をつくるだけが能ではない。非常に総合的な生活に直結した社会資本の整備を含むいろんなことがなされなきゃならぬ。こういう観点から、ただいまの局長の答弁等を聞いておられて、また未来に向けて、大臣のひとつ決意に満ちた御所見を賜りたいと思いますが、いかがですか。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 御説のとおりであると考えております。  市街化区域内の農地は、元来、農地でございますから、先生御指摘のようなインフラの未整備なところが多いと存じております。  そこで、良好な環境を有する住宅地として整備いたしますために、あるいは学校、病院等々、生活に直結いたしました大事な社会資本を整備いたしますために、ただいま局長の答弁の中に出てまいりましたように、土地区画整理事業の推進、あるいは地区計画の活用、開発許可制度の適切な運用等、インフラ整備と一体となりました計画的な宅地化を促進してまいりたいと考えております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 宮澤総理の一つの合い言葉ですが、生活大国、そしてその中で年収の五倍程度で持ち家が持てるべきだというような発言がございます。  仮に今、年収六百万円、ごくありふれた、ありふれたかどうかわかりませんが、サラリーマンを想定した場合に、年収の五倍ということになりますと約三千万円です。  三千万円程度の住宅ということになりますと、こういった法改正がなされて、今大臣なり局長が答弁されたようなことを一生懸命皆さん方また我々も協力してやった結果、どのような住宅が考えられるのか。例えば都心の場合はワンルームマンションだということなのか、郊外の場合はどれぐらいの通勤距離を置いたならば一戸建てが持てるのか、その場合の庭の面積はどれぐらいだとか、あるいはマンションの場合はどうだとか、こういった二、三の例を挙げてマイホームの夢というものがどのような姿で我々に近づきつつあるのか、御開陳をいただきたいと思います。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) まず、大都市地域の住宅の問題の解決を図っていく基本的方向でございますけれども、勤労者が通勤可能な立地において適正な支出で居住できる価格、家賃で良質な住宅を確保することができるように施策を展開していきたいということが基本になると考えているところでございます。    〔委員長退席、理事種田誠君着席〕  この場合に、勤労者には所得あるいはそれ以外のいろいろな条件がありまして、またニーズにもいろいろありますので、全体としてこういう政策を進めていく必要があると考えているところでございます。  先般来のいろいろな検討に出てきている数値についてでございますけれども、首都圏におきましては勤労者世帯の平均的な年収は約八百三十万円程度になってきております。これを基本にして調達可能な資金額を試算いたしますと大体四千五百万円程度で、これは平均年収の約五・五倍、およそ五倍程度になるというようなことが結果として出てくるものでございまして、これが平均的な勤労者世帯の平均年収の五倍程度で家を確保できるようにするという表現の中に出てくるものでございますが、これを一つの目安として総合的な土地政策を推進するとともに、住宅対策の諸施策の充実を図っているところでございます。    〔理事種田誠君退席、委員長着席〕  それでは、良質な住宅ということでどういうような住宅を想定しているかということでございますけれども、首都圏においてでございますと、例えば通勤時間は一時間から一・五時間ぐらい、そういうような地域での共同住宅を想定しているところでございます。先生御指摘のような三千万円でどれだけのものが買えるかということになりますと、首都圏地域におきましては、かなり遠方に行くか、あるいはかなり小さなものでなければ取得できないということでございまして、今述べましたような総合的な対策の一環として御理解をいただきたいと存ずる次第でございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 次に、市町村の策定する地区計画について若干お伺いをいたします。  地区内の容積率にめり張りをつける、こういうような表現があるわけでございますが、同じ地区内でめり張りをつけられると、私はこれが不平等、不公正な結果をもたらさないかということを懸念するものでございます。  特に、低い容積率を押しつけられた一部住民より例えば訴訟が起こったような場合に、これは法的に対抗できるのかどうか。法律ができて、それに基づいて役所のさじかげんでやったんだからということでしょうが、いかがか。仮に、これがまた最高裁まで争われるというようなことになった場合に、非常に計画自体の長い遅延ということが起こるのではないかと思うわけでありますが、こういったことに対してどのようにお考えになっておるか、お伺いをいたします。  それともう一つ、各地区から出ている地方議員というものがあるわけでございまして、それぞれ自治会とかそういった方の御意見を聞いていろいろ頑張った御意見も言われる。いい意味でも悪い意味でも一つの地域のエゴというようなことも起こり得るわけでありますが、こういったことに対しての御所見をお伺いしたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 今回の地区計画におきます容積の適正配分についてのお尋ねでございます。  まずめり張りをつけるつけ方の問題につきましては、具体的にその地区内におきまして、住宅供給の促進とか、緑地空間の確保とか、地区施設の整備促進、あるいは地区内の権利者の方々の要望等の調整、そういったようなところからあらかじめその地域全体について定まっております用途地域の総量の範囲内で地区内でややきめの細かい容積の配分ができる、こういう制度でございまして、そういったようなものをやります場合には、関係権利者の方々がおられるわけでございますので、その方々の意見がとにかく十分に反映されるように、そういったようなことをやっていく必要があると思う次第でございます。  また、その際に立てます地区計画、それが実現されました暁の姿というのが地区計画の中で見えてくるわけでございますが、公共施設が十分に整備されまして、それで建物もきちっとされた形で、形態的に規制がされた形ででき上がって、できばえも非常にいいものになる。そういう意味では、 最終的にはその地区に住んでおられる方々も含めました関係権利者の方々のいわゆる利益も増大するという形を想定しているわけでございまして、そうでない地区計画でこの適正配分を適用するということは考えておりません。  そういう意味におきまして、私どもとしては、訴訟ということは万々起こらないような制度の運用ということを考えているわけでございますが、関係権利者の方々の十分な納得の上で行われる。そういう意味では非常に狭い地区内でございますので、十分な議論がなされ得るものと思っているところでございます。しかし、万一訴訟になったらどうなるのかということでございますけれども、その辺につきましては、十分そういったようなことで訴訟にも耐え得るような内容でなければ、これは都市計画決定としてもなされるべきものではないというふうに思っておるところでございます。  それから、いろんな形での地域エゴの問題について御指摘がございましたけれども、この点につきましても、先ほど来るる申し上げておりますような形での地区計画というものの一つの特性といたしまして、範囲は狭うございますが、十分その中の関係権利者の方々の合意形成の中で進む計画という意味では、いわゆる都市計画の中でも極めて新しいユニークなものでございまして、そういった形の運用の中でそういったそれぞれの立場におきます利害の調整も図られていくものと、そんなふうに理解しておるところでございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 次に、誘導容積制度に関連してお伺いいたします。  この中で、「一たん地区の容積率を引き下げ」という表現が使われておるわけでありますが、通常「一たん」というのはちょっとの間という意味なんですが、これはどれぐらいの期間容積率を引き下げるのか。また、「一たん」ということはもとへ戻すということを言葉としては含んでおると思うんですが、一たん下げたものがもとに戻ったりすることが実際あり得るのかどうか。また、この間、下げられた方というのは財産的な目減りということが起こると思うんですが、個人の財産権の侵害ということになりゃせぬかと思うわけであります。  特に、「土地を出し合って」という言葉もございますが、合意が得られない場合、収用権といったようなものも伴うのかどうか、その辺について、実務上の問題でございますがお伺いしておきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 「一たん」という言葉についての御質問がまずございましたけれども、これは法律上は使っていない言葉でございます。  要するに、この制度の考え方は、まず初めに、既に定まっている用途地域とその容積率があるわけでございます。その容積率の範囲内で、その地区内で公共施設の整備が今進んでおりませんので、この進んでおらない公共施設のままであるならば、今定まっているのは将来進んだことを想定した容積率でございますから、現在の公共施設の整備水準ならば容積率はこの程度しか認められないのではないかという、いわば専門的な部分も入りますが、都市計画的な判断があり得るわけでございます。それを暫定容積率と呼ばせていただいております。  とりあえずそういう容積率を定めまして、そして地区計画の中で定めまして、その地区計画の中では最終的にそういった公共施設の整備も内容に含まれておりますから、それが実現した段階では原則としてもとの容積率に戻る、もとの容積率どおりの建築物の建築ができる、こういうのが基本的なものでございます。したがいまして、地区計画を定めて、暫定容積率が適用されて最終的に地区計画が実現されるまでの間というのが、いわば「一たん」というような期間になるわけでございます。  したがいまして、それ以上の定めはないわけでございますけれども、建築行為とか、そういう開発行為、公共施設の整備とか、そういう事業が行われるわけでございますから、そういう事業がある程度進むということもにらんだ期間も想定しておるわけでございまして、そんなに長い期間ではございませんけれども、しかし、すぐという期間でもない、そういうことではないかと思います。  それから、もともと地区計画といいますのは、何回も繰り返して恐縮でございますが、ある程度狭い地区内の権利者の合意のもとで行うものでございますから、基本的には収用等でやらなきゃならないというようなものがあるようでございましたら、それは地区計画は無理だということになるものと理解しております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 最後に、三階建ての木造住宅についてお伺いをいたします。  実は、私は三階建ての木造住宅に住んでおりますが、もう家が建ってから五十五年ですがびくともしない、案外木造も捨てたものではない、そういう気持ちを持ちながら日々暮らしておりましたら、今回このような法律案が出てきた。ところが、防火地域、準防火地域の建設、そこは一応のけてある、こういうことです。三大都市圏で調べてみますと、東京都の二十三区なんというものは九六・一%というものがそういった地域に属するんではないか。したがって、善意の第三者が聞いて建設省も三階建ての木造住宅を認めてくれるのかと喜んだが、実際はそれを建てるところは少ない。いわば絵にかいたもちを誇大広告しているといったような感がなきにしもあらずでございますが、この防火地域、準防火地域の指定状況、三大都市圏について概要を述べていただきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 防火地域でございますが、全国が二万五千ヘクタール、三大都市圏は二万一千ヘクタールでございます。それから準防火地域は、全国が二十六万一千ヘクタール、三大都市圏は十八万六千ヘクタールでございます。

石井一二自由民主党

○石井一二君 数字だけ言われても実際つかみにくいんですが、では具体的に、どのような場所にこれを建てようと思ったらいいのか、例えばリゾートに使うんだとか、もうちょっと具体的なイメージでこのせっかくの法改正が活用できるめどというものをお示しいただきたいと思います。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 今、都市局長から御答弁がありましたが、比率で申しますと、まず防火地域と準防火地域は、用途地域に対する割合が全国では一六・七%へ三大都市圏では二九・八%となっておって、三大都市圏が非常に高いわけでございますけれども、ちなみに、兵庫県においては一五・五%というような状況になっております。そういう意味では、この三階建ての木造共同住宅はこれ以外の地域、防火、準防火以外でも、用途地域の指定のある地域でも大体全国では八十数%、三大都市圏でも七〇%の地域、またそれ以外の白地ないし都市計画区域外の地域ではこれが建設できるところでございますので、全国にはかなり建てられるところが多いだろうと地域として思っております。

石井一二自由民主党

○石井一二君 若干時間を残しておりますが、以上で終わります。ありがとうございました。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 午後二時十五分に再開することとし、休憩いたします。    午後零時四十九分休憩      ―――――・―――――    午後二時二十三分開会

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) ただいまから建設委員会を再開いたします。  休憩前に引き続き、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(閣法第七二号)並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(参第四号)、以上両案を一括して議題とし、質疑を行います。  質疑のある方は順次御発言願います。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 午前中もいろいろ質疑があったところでございますけれども、要は、この改正後の法律が都市づくりのために総合的な基本法として、現在生じている、あるいはこれから生じるであろう各種の問題にどう的確に対処していくか、こういう観点からお伺いをしたいと思うわけであ ります。  今までもお話しのとおりに、都市計画法が昭和四十三年に制定されて以来非常に社会経済状態が変わりまして、あるいは産業構造、社会構造自体が大きく変化して、いろいろな機能の都市集中、都市集中ということは住宅の取得難、そしてそれが職住の遠隔化にどんどん広がっていっておるわけであります。その遠隔化ということは、地方都市においてはどんどん若い者が流出して過疎現象があらわれる、それをどう活性化していくか。そういう両方の役割を持っているんじゃないかと思います。そこで、まず冒頭、大臣にお伺いいたしますのは、この都市計画の決定主体についてでございます。  午前中は、市町村にやっちゃったらどうだ、全部とは言いませんけれども、そういったような議論もあったわけでございます。この法自体も、原則として市町村あるいは都道府県知事のような地方自治体が行う、こういうふうにされておりますけれども、今、やや広域的な行政あるいは産業単位になっておりますので、一概に地方自治体、市町村だけにというのはいかがかなというふうに思うわけでございます。  特に道路等々については国道、都道府県道、あるいは市町村道、いろいろございまして、そのネットワークを形成する、あるいはそれを効率化するためにもその調整機能をかなり発揮をしていきませんと、これからの広域的な都市形成あるいは都市のニーズにこたえていくことができないんじゃないか。  そういう意味で、最終的には国が責任を持ってリーダーシップをとって都市計画を見ていかなければいけないと思うわけでありますけれども、この辺の基本的な大臣の御所見をまずお伺いいたします。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 石渡委員がお述べになりました前段の現在の都市問題に対する認識は、私どもも同じでございます。  都市計画は町づくりの基本的な手法でございますから、地方の自主性を尊重してこれを行ってまいりますことは、極めて重要であると存じます。  現行都市計画法におきましては、ただいま申し上げました地方の自主性尊重の観点から、都市計画の決定は原則として市町村が行いまして、広域的、根幹的なものにつきましては都道府県知事が行うこととされていることは、御案内のとおりでございます。そして、知事の定める都市計画のうち、先生が特にお挙げになりました国道等の国の利害に重大な関係を有するもの、あるいは大都市及びその周辺等広域的な影響のあるものにつきまして、建設大臣の認可を要するものといたしておるところでございまして、市町村、知事及び国が責任と役割を分担いたしまして、都市計画の決定を行っているところでございます。  都市計画に関します権限配分につきましては、従来より必要な見直しに努めてまいったところでございまして、今回の改正案の中にもそのような方向が盛り込まれておると考えておりますが、今後とも適切な見直しに一層努めてまいる所存でございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 基本的には各市町村の自主性に任す、この考え方、精神でよろしいかと思いますけれども、実際は非常に県と市、あるいは国と県、国と市、それらの利害の調整と申しましょうか、これがなかなか難しい。土地の場合あるいは都市計画の場合は千差万別、多種多様でありますので、それをどうリーダーシップをとっていくかということは、なかなか言うはやすし行うは非常に難しい問題ではないかと思っております。午前中も出ました議会関与、市町村議会が最終決定をするのは私はいかがかなという感じがいたします。  私は神奈川でありますけれども、私自身、地方議会を経験しております。神奈川の場合も、都市計画審議会でいろいろ議論がありましたけれども、私は、審議会の構成委員といい、非常に充実したいい審議会で、そして今までもずっとやっておりますけれども、その結果も後から見ても決して間違った判定はしていない。また、都市計画にかける以前に時間と労力を相当費やして詰めておりますので、午前中のような心配は余りないんじゃないかというふうに思うわけでありますけれども、都市局長の答弁の中で、委員について、何か議会のいろんな意向を酌み取ったり、そういったようなことが、委員の選任の仕方が示唆に富んでいるというような答弁があったんですが、ちょっと確認の意味でその辺を、どういう意味で示唆に富んだことなのか、もう一回確認をしたいんですが。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 都市計画を決めるに際しまして、都市計画地方審議会で十分議論が尽くされるということは極めて大事なことでございます。特に、都市計画は町づくりの最も基本的な手法でございますので、その地域に住む住民の方々の意見を十分反映させることが必要であるという意味におきましても、審議会での議論というのは極めて重要であると思っております。  その審議会の委員の構成は、ただいま先生から御指摘がございましたように、多くの県では委員の方々の中に地方議会の代表の方々も入っておられまして、相当の形でのお立場の方が幅広に参加できるように工夫しておる例が多いとは私も思いますけれども、その際に、例えば臨時委員という制度もございまして、具体のテーマに関しましてはそういった臨時委員制度を活用して専門の方々にも入っていただくとか、そういう過程におきまして、知事レベルにおきまして、委員の選任に関しまして弾力的でかつ幅広い方々の参加ができるような、そういうことについてなお一層の努力が必要であるというふうに常々考えておるところでございますが、そういった方向での御示唆として、示唆に富む御指摘があった、私どもとしてはそういうふうに理解した次第でございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 ただ、地方審議会の委員の選任は、知事なり首長の行政裁量だと思うんです。  神奈川でも横浜でも、その他の県内などでも、各専門分野から選んでおりますので、それほどむだがあるとか、あるいは議員も入っておりますけれども、これも各党のある程度の代表の方も入っておりますので、それ以上に何か違う意見の方をあれするのかな、まさか建設省がこれこれこういうふうに審議会の委員を選べというような行政指導をするという意味ではないと思うんですけれども、私は、審議会委員は首長の行政裁量の中に入っていると思いますし、したがって、地方議会が一つずつそれらを決定しなければいけないという、それには当たらないのではないか、首長の執行権限の中に入っているのではないかと思うんです。  その辺、午前中のあれが、何か議会がそれぞれ一つずつ決めていかなければいけない、そういうふうに聞こえましたのでお伺いをしたわけでございますが、そういう面で、これから市町村長と都道府県側との意見が違った場合に、国の方はそれをどう調整するのか、あるいはアドバイスをするか、その辺はどういうふうにお考えですか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 具体の都市計画の案を決定する段階におきまして、確かに御指摘ございましたように市町村と知事との間で意見の相違がある場合も多々あろうかと思いますけれども、現実にもそういった問題はいろいろ生じておるわけでございますが、先ほど神奈川県の事例で先生からも御指摘ございましたように、東京都などの例を見てまいりましても、手続の中でいろいろと協議に協議を重ねるというふうになっておりまして、結局のところ、トータルとしての合意形成がなされることが肝要でございますから、そういう面につきましては、やや抽象的な御答弁で恐縮でございますけれども、地元の市町村と当該県とでは十分意見の調整が図られるように、どっちがどっちをどうするとかというような観点ではなくて、十分な協議を重ねていただきたいというのが私どもの基本的な考え方でございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 ちょっと表現がうまくなかったかと思いますけれども、結局、市町村の行政と広域行政との調和の指導というものをどのようにしていくか、それをどんな形でしていくのか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 都市計画はその町の最 も基本的な町づくりの手法ではございますけれども、先生が先ほど例に挙げられました道路、特にその道路が国道とか主要地方道とかいうふうなことでありました場合には、当然その市町村の区域を越えた効用を求められるわけでございまして、そういったような例は、都市計画の内容としてはそれ以外にもいっぱいあるわけでございます。  そういう場合において、やはり広域的な見地からの配慮という点におきましては、市町村が余り自分の当該市町村の立場だけを主張されますと、地域全体としての都市計画といいますか、地域計画がうまくいかないということになるわけでございますので、そういう意味におきます広域的な調整というのは都道府県がしっかりとリーダーシップをとってやっていってもらいたいという考え方を持っておるところでございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 参議院建設委員会調査室の参考資料の三十五ページに「市町村マスタープランのイメージ(サンプル)」があるんですけれども、これはどういう意味でこの参考資料に出ているんでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 参議院の建設委員会調査室の方で大変な御努力をされまして極めてきめの細かい資料をおつくりになっている中に、ただいま先生御指摘がございました「市町村マスタープランのイメージ」がサンプルとして示されておるわけでございますが、この資料は法案の御審議のためにおつくりになった資料と理解しております。  私どもといたしましては、市町村の都市計画に関する基本的方針を具体的にどういうふうに定めるのか、どういう内容なものかということについては、かなり明確なイメージを持ってお示ししないとなかなかいい計画ができないんじゃないかというふうに考えておりますので、方向としては同じような方向に沿った資料ではないかなというふうに思っておるところでございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 これを拝見する範囲で、できるだけ都市計画のゾーニングをもっときっちりやれ、そういう意味合いの一つのモデル、サンプルという理解でよろしいんでしょうか。これを読むと何かそういうふうに見えるんですが。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 市町村の都市計画に関する基本的方針、いわゆるマスタープランにつきましては、将来、都市計画を決めていく過程におきまして、その具体の市町村がどういったような町になっていくのかということが非常にわかりやすいように、できるだけ住民のコンセンサスが得られるようにということで考えておるわけでございますけれども、具体の市町村によりましては、ゾーニングの問題が極めて重要であるというふうに考える場合もございますでしょうし、場合によりましてはゾーニングの問題よりはもっと施設整備の方にウエートが置かれる場合もあると思います。  その辺のところは若干市町村によっていろいろ違いがあると思いますけれども、いわゆるゾーニングといいますのは、その当該市につきまして、どこを住宅地にするか、工場はどこへ持ってくるか、行政等の区域はどうするか、商店街はどうするか、そういう基本的な町づくりの土地利用計画に関するものですから、やはりゾーニングといいますか、そういったようなところについて明らかでないマスタープランというのはいま一つはっきりしないかなという意味では、このゾーニングの問題は極めて重要な要素にはなるのかなというふうに思っておるところでございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 地方の場合は各自治体の規模とか財政とかいろいろそういうことも異なりますけれども、私は、結論的に言うならば、都市計画技術のようなものをもっと地方団体に出してやらないと、あるいは建設省の蓄積というのをどんどん、技術移転じゃないですけれども、そういうことをしていかないと、あるいは先ほども人材確保とかそういうこともありましたけれども、そういうようなことを少し手伝ってやらないと、国、県、市がなかなかうまく整合しないような部分がこれからどんどんできてくるような気がしてならないんです。  例えば具体的な面でよく市と県がぶつかるのは景観の問題、これから景観の関係が非常に多く出てくるかと思いますが、市は反対だけれども行政訴訟しちゃうとその建物は建つちゃうんだ、こういうケース、一番最近の例では清里のリゾートマンションかなんか、これは都市計画地域内のことではありませんけれども、今都市計画を進めるに当たって一つの例で言っておるんですけれども、そういったような調整というのはどのようにしていくつもりなんですか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 先ほど大臣の答弁でも触れましたように、都市計画の決定に関しましては、市町村の果たす役割、県の果たす役割、また国が関与する割合といったようなところで現行制度はできておるわけでございますが、ただいま先生から御指摘ありましたように、現実の都市計画を決める場合には、市町村の立場、県の立場等いろいろ意見の相違等もありましょうし、また具体の地権者の方々、市民の方々の考え方もあるわけでございまして、実際は大変難しい問題をいっぱい抱えておるわけでございます。  しかし、最終的には、何といいましてもみんなの町づくりということで、そういう意味での全体の利益といいますか、公共の福祉という概念に沿った土地利用計画がなされなければならないわけですから、そういう意味におきましてはその案が最大多数の方々にとりまして最大公約数的に納得のいくような案であることがまず望まれるわけでございまして、そういった案に対しますいろんな個々の立場からの反論といいますか、御異論に対しましては、できるだけ説得に説得を重ねてその案でいけるように持っていきたいと思います。  そういう意味におきましては、いい案をつくっていくということが極めて大事なことでございますから、市町村レベルでの専門家、すぐれた能力のある人の養成ということも極めて大事でございますし、またさらには、どういう案が住民の方々の合意が得られるか、コンセンサスが得られるかという現状に対する認識の正確な分析力といったようなこともあるわけでございまして、単なる専門的な知識を有する者がそういった点においてすべてすぐれておるというわけでもございません。いろんな問題に的確に対応しなきゃならないということで、私どもはあらゆる角度からいろいろ取り組んでいく必要があるというふうに思っておるところでございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 局長の御答弁のとおりなんですが、具体例として、例えば午前中も出たリゾートマンション、一時期は市町村で非常に気候温暖でいいところだからリゾート建設とか別荘地とか、外からどんどん誘導しよう、誘致しよう、そういうふうに進んでいったその町のプランというのが、実際にワンルームマンションでもどんどんできてくると、入ってくる人と住民がなかなかうまく調和しない、それで今度は反対だというふうに、時代の流れとともに、最初はいいと思った計画が結果余りよくないぞということになる。  あるいはこれからまた質問いたしますけれども、誘致した建物のために車があふれ過ぎちゃって近隣に迷惑をかける、そういったようなときに、どのような判断をいっするか、将来に向かって何か指導の指針を持たないと、せっかく都市計画法を一部改正しても、社会の流れの方が速い。それで冒頭、非常に大きな変化の二十数年になったんじゃないかということをあえて申し上げたんです。  そういう変化に対応しつつ、法律の方が後になっちゃって、社会の変化についていくような、そういう傾向がちょっと日本の場合は非常に多いような気がして、そういう面で具体的に建設省がある程度基準を持って指導しなければいけないんじゃないかということで申し上げているんですが。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 私どもが考えている考え方と先生の御指摘とは本当に非常にぴったり合うような感じを合しているわけでございます。  我が国の場合は、市町村レベルでの町づくりに 対する合意形成が不十分だったんじゃないかというふうに思っているわけでございまして、したがいまして、今回御提案申し上げております市町村のマスタープランという新しい制度は、どういったものをつくるというそういう方針を決めるということも大事ですが、方針を決める過程における合意形成というのが非常に重要なテーマであろうと思っております。  今御指摘がありますようなテーマはなかなか難しいわけでございますけれども、地権者の方々も含めたすべての住民の方々が、大体自分たちの町はリゾートならリゾートとしてこういうふうに持っていくのだということがあってそれがうまく機能するならば多分ある適正なレベルでとまるのではないか、それが十分合意形成ができておりませんと、みんなそれぞればらばらに行動してふたをあけてみたら町が考えておった水準をはるかに超えた結果になってしまう、そういったようなことになるのではないかなというふうに思いまして、今回の私どもの市町村の都市計画に関する基本的方針の考え方もそういうことで御提案申し上げているわけでございます。  ただ、リゾート関係になりますと、実は都市計画の世界をまた超えた部分もございまして、そこのところのカバーの仕方の問題がいろいろあるものでございますから、省内でいろいろ議論もありまして、建築基準法の世界でその辺はまたきちっとしようということで、あわせまして御提案申し上げているという経緯でございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 都市計画がおくれたというならそれでいいんですけれども、国、県、市の意見が食い違ったときの調整の仕方とか基準をある程度ちゃんとしておかないと、これから方々で出ますよということを私は強調したかったわけでございます。  都市計画というと、日本の場合はどうしても土地、地面がぴんとくるわけです。ところが、ヨーロッパの場合は土地と建物、上物とがセットの都市計画という考え方が非常に強く流れていますので、それでリゾートマンションも、都市計画を超えた別なところの例だったんですけれどもちょっとお伺いをしたわけなんです。  例えば都市計画の指導の基準の中で町づくりの一環としてカラーコンディショニング、色彩の基調というのをもう少し強めた方がいいと思うんです。ということは、いいところなんだけれども、そぐわないとぎつい看板とかどぎついさくとか、あるいは真っ白なガードレールがそこに合っているかどうか、惜しいなと思うようなときがあるんですけれども、そういったような、ある意味じゃ景観ですが、上物とのセットの考え方で色彩、カラーコンディショニングについて、都市計画は何か指導的なそういったような要素をお持ちかどうか。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 先生御指摘のように、最近の市街地は、非常に自分の町の特性を生かして、そしてまた住民の声を生かして、町づくりあるいは景観をきれいにするということについての関心がふえているところでございます。そういうような意味から、これまでも建築物の高さ、形態、意匠等についてきめ細かな規制や誘導を行う制度が充実されているところでございます。  それらのうち、色彩についてでございますが、色彩は景観を形成する上では非常に重要なポイントであるというようにも考えているところでございますが、ただ、これも行政の対象としてとらえようとするとなかなか難しい問題を持っております。例えば建物の高さとか形態ということではある程度合意形成が得られやすいわけでございますが、色彩になると各個人の価値観、主観によって相当差があるところでございます。例えば先生の地元でございます神奈川県横浜市の港南の住宅地区では、建物の屋根は勾配屋根として色彩は黒、灰色、または茶系統とするとか、こういうような地区計画を定めた例等があるわけでございますが、まだ非常に少ない段階でございます。  それでは、現行制度を活用してどういうようにできるかということでございますが、一つは地域住民の意見を聞いて定める地区計画で、さらに地域住民の全員の合意によって定める建築協定制度で色彩を含めた建築物のコントロールが可能であり、こういう色の系統にしたいというのもあれば、あるいは極端な色彩については避けるべきであるというような協定もできることになっているところでございます。今後だんだんと色彩等についても客観的研究が進み住民の意見の一致等が見られるようなケースもふえてくるとは思っているところでございますが、景観面からも重視されるこういう問題について今後行政としてもできるだけ推進してまいりたいと思っております。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 ぜひこれは踏み込んでやっていただきたい。  今の立石局長の答弁、港南の場合、あなた、地区協定と言ったですね。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 建築協定、地区計画です。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 そういう地区協定をやっているところがあるんですよ。  民間とかそういうところに任せるんじゃなくて、例えば建設省の道路だって河川だって橋梁だって、その色彩で大分違うわけですよ。そういう面で、建設省の行っている公共投資にしたって色彩をもう少し考える余地があり、またそれが地域の特性に生きてくるんじゃないか、そういうことについてもっと積極的にならないのか、そういうことをお伺いしているんですけれども、いかがでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 基本的な考え方につきましては先ほど住宅局長から御答弁申し上げたわけでございますが、再度の御質問でございます。  私どもといたしましては、今後、町づくりを進めていく上におきまして景観の問題は極めて重要であると認識しております。特に、国民の方々が豊かさを実感できるという中におきましては、でき上がった市街地そのものが非常に見ばえがいいといいますか、快適に感ぜられるような景観形成が図られているということが大事でございまして、そのためには、建築物だけではなくていろんな公共施設等につきましてもできるだけ配慮していこうということで、かなりおくれておった分野でございますが、最近では高速道路につきましてもペンキ等で塗りかえて色彩感覚を改善したりしております。  これは東京都の例でございますが、半蔵門から新宿御苑に至る街路の整備に際しまして、四谷見附橋という橋がございましたけれども、それをっけかえるに際しまして、その橋の持つ歴史的な意味合いが完全に復元されるように、また周辺の環境との調和が十分図られるようにということでかなり思い切った設計等も試みたわけでございます。  やってみますと、思ったよりそんなに金はかからないで済むわけでございますので、できるだけよりよいものをつくっていい町づくりをしていくという観点から、ただいま先生御指摘がございましたような線に沿いまして、これはむしろ大臣から御答弁いただいた方がいいのかなと今話しながら思ったわけでございますが、建設省挙げてそういったような方向で取り組んでいく必要があるというふうに思っているところでございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 ぜひひとつお取り組みいただきたい。  外国では五十年、百年先の都市設計のコンペやったり、あるいは色彩についても、専門家に出していろいろ案をつくってもらってそれを選択するとか、かなりそういったようなことが行われていますので、パイロット的に建設省がそういうことをやれば結構自治体もこれはいいというふうに広がっていく、そういう波及効果が非常にあると思うんです。  ということは、今、環境問題で緑を少しでも多くやれ、こういう意見が一斉に沸き上がっておりますので、都市緑化と申しますか、緑の環境というのをどうつくっていくかということをお伺いするためにちょっと色のことを話したわけでございますけれども、そういう面、よく緑化率とか緑比率とか、緑についていろいろな言葉が飛び交って いますけれども、都市環境の一番の問題というのは緑ということになるんじゃないかと思いますので、緑の確保について都市計画ではどのような形でやや長期的にそれを確保していくのか、お伺いをします。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 最近は地球環境問題に対する関心も高まっている中でございまして、ただいま先生が御指摘のとおり、都市の緑の保全、創出という問題につきましては、良好な都市環境の形成のために極めて重要であると認識しております。  それで、都市の緑の確保につきましては、その手法はいろいろあるわけでございます。まず一番のメーンは、都市公園を整備いたしまして、そこを緑の核としてきちっとやっていくということが第一でございます。それから、緑地保全地区とか風致地区とか、都市内の良好な自然的環境を有する緑地を保全するいろいろな制度もございますので、そういったものの活用とか、あるいは樹木の保存という観点での法律もございますので、そういった制度の活用も図られる必要があると思います。それから農地関係で生産緑地地区の指定も行われますので、そういったような制度の活用を図るほか、何といいましても国民の方々の理解と協力を得るという観点から、いわゆる緑化協定というような制度を住民参加によってやっていただきたい。  こういった問題が全国的に普及していくことが極めて重要であるというところから、私どもといたしましては毎年春には「みどりの愛護のつどい」ということで、四月二十九日のみどりの日を含めました形でその週間運動をさせていただいておりますし、秋には全国都市緑化フェアも毎年開催してございます。ちなみに、今年度平成四年度は神奈川県で開催させていただきますので、どうか先生、よろしくお願いしたいと思う次第でございます。  そういったようないろんなことをやっておりますけれども、それを各都市ごとに緑の総合計画としての緑のマスタープランというものをつくりまして、そのマスタープランに基づきまして今申し上げたいろんな手法を活用いたしまして、トータルとして都市全体の必要な緑の確保を図っていくということが極めて大事だということで、私どもはこの緑のマスタープランづくりをこれからますます、今までもやってまいりましたが、もっともっと普及に努めてまいりたいというふうに考えております。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 今までいろんなことを申し上げましたけれども、とにかく一点豪華主義じゃないけれども、一つはすばらしいモデルをどんどん打ち出すことによって僕は非常に効果が上がると思います。  それでは次に参ります。  地下空間の利用の関係でございますけれども、過密化いたしますと、根幹的な都市施設も地下や地上にやらなきゃいけないようなそういったような時代にだんだんなってまいってきております。そういう中で建設省は何か地下利用ガイドプランを作成して地方公共団体を指導しているというふうなことでありますけれども、このような総合的な計画的な取り組み、具体的にどのように取り組んでおられるのか、将来見通しを含めて御説明ください。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 都市の地下空間の計画的な利用を進めるために、平成元年九月、地下歩行者道や地下駄革場などの根幹的な地下施設の配置計画の策定を主たる内容といたします地下の公共的利用の基本計画、このことつきまして通達したところでございまして、これを私ども地下利用のガイドプランというふうに呼んでいるわけでございます。ただいま先生から御指摘ございましたのはその点に関してでございますが、この通達を受けまして現在では全国で約三十都市、大都市が中心でございますが、約三十都市におきまして地下利用のガイドプラン策定のための調査が進められております。  私どもといたしましては、地下空間の利用はいろいろ災害等も発生いたしまして大変昨今我が国では厳しい取り扱いになっておりますけれども、都市におきます土地の有効利用という観点からは極めて重要なテーマであるというふうに考えておりますので、引き続き各地方公共団体におかれましてはこういった計画的な地下利用の実現が図られるように努力していただきたい、そういうことで私どもも対応してまいりたいと思っておるところでございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 もうどんどん進んでまいります。  それから、建築基準法の関係で集団規定についてでありますけれども、自動車車庫を確保するために用途の見直しをやった、こういうことであります。よく自動車は動産か不動産かということで、動産ということは当たり前なんですけれども、しかし、とまった時点でかなりのスペースをとり不動産的な要素もかなりあります。そういう面でかなり車庫のことについて将来を見通したあらゆる総合的な対策をしていかないと、自動車の場合はある飽和点を過ぎるともう全然機能しなくなっちゃうわけでありますので、その辺のところ、車庫の関係、午前中もちょっと出ましたが、ちょっと視点が違うのでありますけれども、十分これからの車社会、モータリゼーションの進展に対応できるようなそういう見直しであるかどうか、もう一度見解をお示しください。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 現在のようにモータリゼーションが進んでまいりまして、また、今後一層進むという見通しは確実なところでございますので、建設省といたしましては総合的な自動車駐車問題というのに取り組んでおりまして、今回の建築基準法の改正もその一環として建築規制について合理化をしたいと考えているところでございます。  具体的には、現在の建築基準法におきましては、第一種住居専用地域、第二種住居専用地域等の住居系の地域におきましては、独立の自動車車庫の建築についてはいろいろな細やかな規定がございましてかなりきつい制限になっておったわけでございます。これは住宅地に無関係の車が出入りすることを避けたいということで決まっておったわけでございますが、最近のモータリゼーションの進展を考えてみますと、住宅地における自動車車庫についてもそのための合理的な規制が必要であるというような状況に立ち至ったと思うわけでございます。  そこで、独立の自動車車庫につきましては、中高層系の住居専用地域また住居系の地域では三百平米までの独立の自動車車庫の建築を、また、道路の沿道という地域特性を有する準住居地域においては制限をしないというような自動車車庫についての制限の合理化を図りたいと考えているところでございます。  なお、法律改正にはなっておりませんが、建物に附属する自動車車庫についての用途規制につきましても、法改正に伴う政令の改正の中においてその合理化を図ってまいりたいと考えているところでございまして、住宅地におきましても、居住環境を確保しながらかつ必要な自動車車庫の確保を図っていくということが重要な課題であると認識して今回の改正等を行いたいと考えているところでございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 それはよくわかるんです。ただ、自分のところの車は車庫にとまればいいというそういう問題じゃないと僕は思うんです。自動車というものは、いわゆる空間多消費型交通手段というか、物流があるわけでしょう。行き来するわけです。だから、そういう面で、駐車容量というのはこれからもっともっとモータリゼーション、車社会が発展した場合に今の見直しで大丈夫か、すぐ飽和状態、パンクの状態になってしまうんじゃないかと思うんです。  住居系の地域についての説明が今あったけれども、ということは、質問通告の最後の開発許可の見直しについても、スーパーとかそういったような業務用の開発行為等については自動車の行列を防ぐために道路に関する基準の適用をするとか、今回のあれは変えているんでしょう。その変える ことによって、じゃそういうスーパー等々から発生する交通渋滞というのはどのぐらい緩和できるようになるのか。

伴襄建設省建設経済局長

○政府委員(伴襄君) 今回の改正で自己業務用の開発の行為でも、一定のものにつきまして道路に関する基準を適用するということに改正したんですが、これは特に最近、市街地の土地利用が非常に欄密化する中で、お話のスーパーだとかデパートとかホテルというような多数の利用者を前提としますような自己業務の施設がございますので、そういったものが開発区域の周辺に交通渋滞を起こすというような事例が見受けられるからこれについては道路基準を適用しようというようなことでございます。  これによりまして、開発区域内の敷地が接する道路の幅員、例えば開発区域が千平米未満のときには幅員六メートルの道路に接するように、それから千平米以上のときには九メートルの道路に接するようにというようなことにいたしました。そのほかの道路要件もございますけれども、そのようにいたしまして、開発区域内の敷地が接する道路幅員が不十分な場合には開発者の負担において例えばセットバックするとか、そういったことをさせて周辺地域への交通の支障を防除しようというふうな趣旨のものでございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 結局、同じゃないですか。経験があると思いますけれども、とにかく日曜日とか休みの日は駐車場に入る車が道路を占有しちゃって交通渋滞を惹起しているわけだから、そういう面で少し先を見越してやっていかないとどうしても後追い行政になっちゃうんじゃないかな、そういうことでお伺いをしたわけでございます。  また、建築基準法の単体規定の方にちょっと話を戻します。  先ほども石井先生からもお話がありましたけれども、木造建築物についての建築規制の見直しを図る、こういうことでございます。安全性の確保等々十分検討をされたと思いますけれども、この法案に具体的にどのように考え方が示されているのか、お伺いをいたします。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 日本の建築は木と紙でできている、燃えやすい建物というふうに思い込んできたわけでございますが、木造建築物についても、いろいろと技術開発を行いますとかなり火に強い建築物とすることができるというようなことが最近の技術進歩によってはっきりしてきたわけでございます。  例えば木造建築物であっても、石こうボード等の不燃性の材料で木材を被覆したような建築物であるならばかなり高い防火性能を持つ。鉄筋コンクリート造の建築物は耐火建築物と言っておりますが、それに準ずる耐火性能、防火性能を持つ建築物とすることができるということがはっきりしてまいりましたので、例えば木造三階建ての共同住宅についても準耐火建築物として建築できるようにしたいというのが今回の改正の内容となっているところでございます。いろいろな地域的な点等についても検討いたしまして、安全性の確保については十分に配慮されたものというように考えているところでございます。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 同じように、いわゆる文化財、伝統的な建築物等々についても建築基準法令の適用除外ということになっております。建築基準法令の適用除外は結構なんですけれども、安全性を含めたこれらの伝統的建築物に対する規制のあり方なりあるいは法の改正の趣旨というのを御説明いただきたいと思います。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 現在の建築基準法におきましては、国宝とか重要文化財等として指定された建築物につきましては、その建物の解体修理を行うときに建築基準法の基準に合わないといけないということ、つまり一般の建築物と同様な扱い方をすることになりますと、国宝、重要文化財等が木造の物やカヤぶき等のものが多いために歴史的文化的価値を損なわずに保存することが困難になってしまうような場合があるわけでございます。そこで、国宝とか重要文化財などについては建築基準法の適用を除外するという体系になっているところでございます。  今回の改正は、地域における文化的遺産を大切にしたい、そういう機運が盛り上がってきているのに対応いたしまして、国の指定した国宝、重要文化財以外であっても、地方公共団体の指定した文化財について同様の措置を講じたいということで建築基準法の規定の適用を除外したいと考えているところでございます。  これらについての安全性については文化財保護法に基づく条例の定めるところでございまして、条例によって保存管理上の安全性について十分配慮されることになっているところでございますが、実際に特定行政庁が具体的に指定するに当たりましては、この点についても十分考慮するように指導してまいりたいと考えております。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 最後の質問でありますけれども、開発許可制度の見直しについて伺います。  最近の経済情勢でかなりリゾート開発も転機を抑えたと思うんです。したがって、新聞等々でも報道されているように、ゴルフ場や大規模なレジャー施設の開発において途中で業者の倒産等々で工事が中断、計画自体がとんざするケースがこれからもふえてくると思いますけれども、そういったような問題について、そのままやりっぱなしというわけにはいきませんので、そういう中で、開発許可の際に、審査の基準として資金の計画を初めとしてどのようなことにウエートを置いてこれから対応していくのか、お聞かせいただけますでしょうか。

伴襄建設省建設経済局長

○政府委員(伴襄君) お話しのとおり、ゴルフコース等の大規模な自己用の開発行為が資金計画が行き詰まりまして工事途中で中断したり放置されているという事例が多いわけでございますが、そうなりますと計画的な町づくりに支障を来すというだけでなくて、山をはいでそのままにしておきますと出水とかあるいは土砂の流出によってむしろ周辺に災害を発生させるというおそれもあるわけでございます。  そこで、今回は、そういう危険を未然に排除して周辺地域の安全性を確保しようというのを主な眼点に置きまして、その中断によって災害を引き起こす危険のある大規模な開発行為につきましては、今までは自己用の場合は適用がなかったんですけれども、その申請者の資力とか信用に関する基準を適用してそのチェックをしようということでございまして、今回の改正によりまして、大規模な開発行為が資金難によって中断、放置されることのないように、開発許可の段階で資金計画について十分チェックしてそういうことのないようにしようというふうにしたいと思っております。

石渡清元自由民主党

○石渡清元君 終わります。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 今回の都市計画法改正案は地価対策の総仕上げとして位置づけられておりますけれども、最初に地価抑制についての政府の姿勢について伺いたいと思います。  まず、地価を引き下げるべきであるという意見、これは現在においても社会的なコンセンサスを得ているものと確信しておりますけれども、一方、関係業界であるとかあるいは地主層等の一部には地価再上昇に期待を寄せる声があることも事実ではないかと思います。平成四年地価公示では明らかに地価は下落傾向を示しておりますが、不動産関連融資規制の解除であるとかあるいは公定歩合の引き下げ等、地価にとって再度の上昇を呼びかねない環境に戻りつつある、このように思います。そこで、地価についての努力目標をどこに置かれるのか、この点について若干伺いたいと思います。  先ほども実は質疑が行われておりました中で、この努力目標としては東京圏において中堅サラリーマンの年収の五倍程度ということが言われておりました。住宅取得ができるような地価、こういう説明が今までもなされてきたわけですが、この説明はスローガンとしてはわかりやすいものではありますけれどもかなりのあいまいさを残しているんではないか、このように思うわけです。  中堅サラリーマンの平均年収、石井先生の場合は六百万、住宅局長は八百何十万と言っておられたわけですけれども、私は一応七百万としてみ たんですが、七百万と仮定すると五倍ですから三千五百万、この額でどのような住宅を取得できるようにしていくのか、具体的な点が不明なわけです。  住宅局長の石井先生に対する先ほどの御答弁の中では共同住宅であるというような中身であったわけですが、一般は果たしてそう受けとめているのかどうか、むしろ受けとめてない場合もあるんじゃないか。住宅取得というと、一戸建てのマイホーム的な夢を想像しているかもしれない。普通、住宅を購入する場合にはもろもろの条件を当然勘案するはずですし、東京圏と一言で言っても非常に広いわけですから、例えば都心から所要時間がどれぐらいなのか、一戸建てなのかあるいはマンションなのか、新築であるか中古なのか、広さはどの程度なのか、いろいろ出てくるわけです。共同住宅といっても、それじゃ何階建てなのか、一階の場合と土地の負担がどう違ってくるのか、今言った広さも具体的にはわからない。  そこで、政府はこの住宅取得を地価の基準にするわけですから、当然、誘導居住水準を満たすものを指すと思いますけれども、それは何人所帯の誘導居住水準なのか、まずこの点を明らかにしていただきたいと思います。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) まず先生御指摘のとおり、住む住宅についてもいろいろな形、位置、構造等があるわけでございます。また住む人の方も、例えば単身から多家族世帯、標準世帯の四人、さらには親子といいますか、三世代住宅の人たちが住んでいる世帯、いろいろな需要があるわけでございます。しかし、それぞれ、それらがその人の所得に見合って何倍かというようなそういう議論はし切れない議論であろうというように考えておるところでございます。  通常どういうような考え方でこの五倍ということを申しているかと申し上げますと、通常、勤労者世帯では年収に占めるローンの返済額は二五%ぐらいまでが一つの限度だな、もちろん無理をしてもっと払う人もいるしそこまで払えない人もいるかもしれませんが、通常、二五%くらいまでが限度だな。そうすると、一体幾らくらいの家が買えるだろうか。そうしますと、それが大体五倍ぐらいである。とすれば、平均値としてはおおむね五倍ぐらいを一つの目安として全体の住宅対策を進めたいということでございます。  しかし、いろいろな需要がございますし、また供給の仕方もいろいろあるわけでございますので、それらについては全体を通じまして適正な支出で居住できる価格、家賃の良質な住宅の確保というところを住宅政策の基本に据えていくべきであろうというように考えておるところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 一口に地価についての努力目標といっても、先ほど来の御答弁にありましたが、考えているのはこんな程度のものだ、あるいは中心部からこの程度離れたところだという程度で、非常にあいまいな感じが実はしたために私は先ほど来ああいう質問をしているわけですが、こうなると努力目標は単にポーズ的なもので終わってしまうんじゃないかなというような印象があるわけです。  地価の目標としては、住宅を購入する場合に考慮するほど詳細は示せないかもしれませんけれども、こういったことをルーズにすると、目標とするところはかなりの幅が出てくることになってしまうわけで、したがって、先ほども目安という御答弁がありましたが、一応の目安とはいっても、きちんとした形で示す必要があるんじゃないか、このようにも考えますが、この点はいかがでしょうか。

立石真建設省住宅局長

○政府委員(立石真君) 先生の御指摘そのとおりと思うところもあるわけでございますが、住宅の需要そのものが非常にいろいろな条件があり幅があるわけでございまして、それにこたえる住宅の供給あるいはストックというのもいろいろな形態、いろいろな幅があるわけでございます。しかし、全体としてそういうものを平均的に眺めれば平均的な姿は一体どんな形であろうかということで、先ほど申し上げましたような資金の調達可能な金額の範囲、つまりおおむね五倍程度のところで平均的な世帯が平均的な居住水準で、首都圏等ですと共同住宅でないとかなわないかと思っておりますが、地方に行けば一戸建ての住宅も可能かと思っております。  そういうようなものがどういう形で取得できるだろうか、そしてまた、このための資金調達額を増額するように、つまり住宅取得能力の向上を図るために住宅政策としては何をしなければならないかというような政策の立て方をしているところでございますが、平均的な形ということになりますと、大体先ほど申し上げました平均年収八百三十万円ということを考えて、取得できる能力といいますと、おおむね五倍で四千五百万円程度になろうかと思うわけでございます。  その程度のものですと、首都圏地域につきましては、通勤時間が一時間から一時間半程度のところで、そしてまた六十五から七十平米程度のもの、さらに共同住宅、そういうものならばいろいろな施策を講じた上で取得することが可能なのではないだろうかというように目安をつけているところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 資金調達の可能な点から、あるいはまたローン返済二五%と言われましたが、その辺のことは決して私はわからないわけじゃないけれども、言ってみれば、そういうものからずっと逆算していくということ自体が努力目標を達成するにはちょっと難しいんじゃないかなというふうにも思うわけで、この点に関しては意見として申し上げておきたいと思います。  今般のこの地価高騰を見ますと、住宅地の地価が商業地の地価から独立して上昇していったわけではないわけですが、この住宅取得を例として地価対策の目標を掲げる場合、商業地についての目標がどうなのか、この辺が不明である。また首都圏を基準にしているために、地方圏における目標水準が読み取れないわけです。地方においても、首都圏で掲げた基準を満たす程度の地価に落ちつけば目標を達成したことになると考えておられるのかどうかということです。  このように目標にあいまいさが出てくるのは、地価高騰以前の地価との比較の観点というものを欠いているからではないかというふうに私は思います。そこで、現在の地価水準が目標の何倍程度であるというような指標を取り入れてみてはどうかと私は考えますが、御意見があればお伺いをいたしたいと思います。

鎭西迪雄国土庁土地局長

○政府委員(鎭西迪雄君) 国土庁の方で平成四年一月一日時点におきます地価公示の結果を先般三月の下旬に公表いたしました。そのときにも私どもいろいろの方面に御説明いたしましたが、今回の地価高騰は大体六十年ごろから東京の都心の業務地を中心にして始まったんでございますけれども、そのときから比べて累積でどのぐらい上昇しているのかといいますと、我々の分析によりますと、一番厳しい東京圏、大阪圏で、昨年一年間に大体二けたから三割前後下落はいたしておりますが、それでも二・三倍ぐらいになっております。  その間の所得能力のアップが当然ございまして、これが東京圏で一・五倍強ぐらい、それからGNPも一・七倍ぐらい伸びておりますので、こういうことを勘案いたしましてもまだ三割程度乖離があるんではないかというのが、率直な私どもの感触でございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 最後のところで私が伺った地価水準の目標、何倍程度であるという指標の問題ですが、これを取り入れてはどうかと思いますが、この点はどうでしょうか。

鎭西迪雄国土庁土地局長

○政府委員(鎭西迪雄君) 政府といたしましても、昨年一月に総合土地政策推進要綱という形で閣議決定いたしました土地政策の目標の一つといたしまして「適正な地価水準の実現」ということを明確に書いております。  その考え方は、地価につきましては、土地というものが利用財であるということから「土地の利用価値に相応した適正な水準まで引き下げることを目標とする。」ということを書いておりまして、 特に国民的関心の深い住宅地につきまして「中堅勤労者が相応の負担で一定水準の住宅を確保しうる地価水準の実現を図る。」という考え方をとっておりまして、具体的なイメージとしては先ほど来住宅局長が御説明されているようなイメージを持っているということが、当時、国会等々の場で御議論されたというように承知しております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 では、建設大臣に一言だけ伺います。  今までの論議を聞いておられまして、現在では高地価が話題に上ることも少なくなったわけですけれども、今後も目標をあいまいにすることなくその達成というものを目指していただきたいと思うわけでございますが、この点に関しての建設大臣の御決意といいますか、この辺を伺っておきたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 宮澤内閣は生活大国づくりを政策目標の第一に掲げているのでございます。その生活大国づくりの中で住宅、社会資本の整備あるいは国土の均衡ある発展等々ございますが、中でもシンボリックな政策目標といたしまして住宅問題が取り上げられております。  このたびの経済審議会の中でも、ただいま御議論ございましたような年収の何倍程度でみずからの住宅を確保できるかといった議論が大変クローズアップされまして、いわば中心に据えられた感じもいたしましたのでございます。  そこで、年収の五倍程度、それは資金調達限度からそのような数字が出てきているんだという答弁もいたしておるところでございますが、いずれにいたしましても、経済審議会が設定いたしますこれから五年間の計画で何とかその辺におさまりますようにできる限りの努力をいたしてみたいと考えているところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 次に、今回の都市計画法改正のいわばおくれについて伺いたいと思いますが、まず今般の地価高騰はいつから始まったものと認識しておられるか、この点についてお答えをいただきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 建設省はどう認識しているかという御質問の趣旨だと思いますので、私からお答えさせていただきます。  今回の地価高騰につきましては、昭和五十八年ごろの東京の中心商業地に始まるという分析もあるわけでございますが、私どもといたしましては、顕著な上昇を示すようになったのは昭和六十一年ごろからで、特にそれが都心の商業地から住宅地へ、それからまた東京圏から大阪圏、名古屋圏、地方圏へと次々に波及していった、そういうふうな認識を持っております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 それでは、地価高騰のメカニズムとして土地利用計画の不備が指摘されたのはいつごろか、また、建設省はその点をいつごろ認識するに至ったのか、この点はいかがでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 今回の地価高騰に際しまして土地利用の問題がある、その要因として我が国の土地利用計画制度の問題がある、なかんずく都市計画による規制においていささか緩い面があってそれがある程度の今回の原因になっているのではないか、そういうような趣旨の御議論というのはかなり早い段階からあったように思いますが、具体的には平成二年の土地政策審議会の答申で一つの指摘がなされたところであります。  それから、平成三年に総合土地政策推進要綱を定めました際にも、土地利用計画の将来性の確保等についての指摘がなされたところでございます。  建設省といたしましても、大体ほぼ同じようなころにそういったような議論をさせていただいておった次第でございまして、具体的には昨年の一月から審議会等にもお諮りするような動きまで連動した次第でございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 今回のこの都市計画改正法を目指して建設大臣が中央審議会に諮問されたのはいつごろかということを今伺おうと思ったのですが、一月ということで理解していいですね。  先ほど来言っていますこの地価高騰が始まった時点、あるいは諮問した時点、この両時点の間には、土地基本法が制定されていますし、税制とか金融面では一応の対処がなされているわけですが、その隔たりというのは余りにも大きいわけですね。ですから、今回の改正案の提出がおくれたのはどういう理由によるものか、この点について御説明をいただきたい。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 私どもといたしましては、今回の地価高騰が始まりましたところにおきましては金融の問題等がかなり大きな要因なのではないかという見方もしておりまして、それがいわゆる都市計画制度の不備によるものであるということについての認識につきましては、いろいろな御議論もあったこともありまして、まずそこへの到達も若干時間がかかったということにもなろうかと思いますが、その過程におきまして、もしそれを改めるとするならば現在の都市計画に基づきます土地利用規制をより強化しなければならないという観点なものでございますので、規制の強化ということになりますと審議会等の御議論も踏まえた上で対応せざるを得ないというような認識もございまして、対応にはある程度の時間がかかったというふうに私ども認識しておるところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 確かにある程度の時間というのはこれはまあ必要だと思いますが、我々の印象としては非常に遅過ぎたんではないかというふうに思うことをここでも申し上げておきたいと思います。  先ほども述べたように、本法案は土地対策の総仕上げという位置づけがなされているわけですが、ここで言いたいのは、これは我々の単なる思い込みにすぎないのかもしれないということです。  というのは、先日の建設大臣の提案理由説明でも、「今回の地価高騰に対応した金融、税制等の総合的な土地政策の一環として土地利用計画制度の充実を図る必要がある」、このように述べておられるにすぎないわけです。土地利用計画の充実というのは地価についてどのように対処しようとするものなのかがわからない。また、法律案に付されている理由においては、地価という言葉はおろか土地政策という言葉も見当たらない。建設省は、今回の制度改正は地価の引き下げではなくて再度の地価高騰の抑止を目指すものと考えておられるんではないか。  このほかにも、地価税の創設の際に、委員会審議において政府側からは、地価のコントロールは本来土地利用計画できちんと対処すべきであるというような御答弁があったわけですが、いざ都市計画制度の改正という段になって、土地利用計画には地価引き下げ効果がないということになると、先ほどの地価の適正水準への引き下げはいかなる施策によって実現しようとしているのかがわからなくなってくるわけです。じゃ、これまでに講じた対策だけで今後地価は下落基調で推移していくんだというふうに考えておられるのか。もしそうであるとするならば、不動産関連融資規制が解除されたり、あるいは公定歩合が引き下げられたり、現在、これではちょっと余りにも見通しとしては甘いんじゃないかなというふうに考えざるを得ないわけです。  そこで新規の施策の予定の有無、そういう予定があるかどうかを含めて御答弁をいただければと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 私ども都市計画上の対応といたしましては、ここ二、三年来、今回の法案成立以前におきましても法改正等をいろいろお願いしてきたところでございまして、主として住宅地等の需給バランスの改善というところに着目いたしまして、住宅地高度利用地区計画制度あるいは遊休土地転換利用促進制度、それから昨年は生産緑地地区制度等の御提案をさせていただいたわけでございます。  それらは主として大都市地域におきます不足する住宅地の供給増といったような観点からの御提案だったわけでございますが、今回改正案で御提示申し上げておりますのは、基本的には住居系の用途地域の細分化でございまして、これの地価水 準との関係におきまして私ども一番念頭に置いておりますのは、今回の地価高騰におきまして大都市地域を中心に業務ビルが住宅地へ進出してきた、その結果住宅地の地価が業務ビルの地価という形で上昇され、あわせて住環境の悪化を招き、都心の空洞化という都市問題まで発生した、こういったようなところで今後地価上昇が再び動向を示しました場合に、そういった業務ビルが住宅地へ無秩序に進出してくるのを土地利用規制用途地域制度によりまして抑制いたしまして、大都市部におきまして用途に見合った地価の形成がなされることは地価水準の適正水準の確保に極めて重要である、そういうことで御提案申し上げておるわけでございます。  また、あわせまして、誘導容積制度という制度を創設いたしまして、公共施設を伴いました良好な市街地の形成と土地の有効利用を促進することは住宅及び住宅地の供給増につながると考えておりまして、需給バランスは改善される。それによって住宅価格、地価の安定に寄与する。  そういうようなことで、先ほどもお話が出ておりましたが、土地の利用に見合った適正な地価水準ということが一つの究極の目標でございまして、そういった意味におきましては、今回の御提案が成立いたし、それに基づく都市計画が現実に実行されまするならば相当の効果を期待できるというふうに思っておるところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 私は、直接的に言いますと、今回の都市計画の制度改正がなぜ地価の引き下げを目標としたものではないのかということ、これを伺いたいわけで、原理的にあり得ないことなのか、あるいは政策として当を得ないものであるのか、この辺の問題についていま一度御答弁をいただきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 今回の御提案の趣旨は先ほど申し上げたとおりでございますが、地価の直接的な下落施策としては不十分ではないか、あるいはそういう提案になっていないのではないかという御指摘でございますけれども、都市計画というものの持つ一つの性格からいたしまして、その都市を将来どういう方向に持っていくかということが極めて重要なファクターでございますし、それが究極の目的でございます。    〔委員長退席、理事種田誠君着席〕  そういたしますならば、地価につきましても当然適正な地価水準ということがあるわけでございますから、適正な地価水準をはるかに超えているような状況に現在の地価水準があるとするならば、その適正な地価水準に到達するまでの下落という効果は必然的に出てくるのではないかというふうに思っているところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 私は、若干違うというか、じゃここで伺いますけれども、この都市計画法改正案が地価の引き下げとしてではなくて、再度の地価抑制をむしろ目指すというようなものであった場合には、その趣旨そのものは具体的にどの部分にあらわれているか、この点を御説明いただきたい。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 地価といいますものがその土地の適正な利用に見合った価格でなければならないと私どもは考えておりまして、そういう意味におきまして、適正な地価水準の実現ということは極めて大事である。その際に、特に住宅地の価格につきましては、一方で住宅を必要とする方々の取得能力との兼ね合いもございますものでございますから、例えば業務機能との比較におきますと、そこで適正な利用に見合った地価水準というのはおのずと住宅機能と業務機能では変わってまいるわけでございますから、そういう意味におきまして、住宅地として土地利用計画上位置づけられているものに関しましては、住宅地としての利用に見合った適正な地価水準が確保されるということが極めて大事であると思っております。    〔理事種田誠君退席、委員長着席〕  今回の制度改正はそういった住宅地としての用途地域が決定され、住宅地としての利用が期待されている場所においてはあくまでも住宅地としてふさわしい適正な地価水準が確保されるということが大事であり、そういった方向をねらった制度であるというふうに思っているところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 それでは、社会党案について一問だけここで伺っておきますが、今回、対策を立案される際に、都市計画が地価対策に関してどれだけ寄与できると考えておられるのか、社会党案で特に地価対策に配慮されたような点があるかどうか、そして、政府案との対比で特筆すべき点があれば教えていただきたい。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) 今回の地価高騰の震源地ともなった大都市につきましては、事務所などの業務系用途が住宅地を侵食している、これは都市局長のお話のとおりでありますが、地価の高騰が生じたことの対策としては、地価高騰の原因となった緩い土地利用規制を見直して地域の実情に応じたきめ細かな用途規制を行うことにしたところでございます。  また、従来開発を想定していなかった都市計画区域外や用途地域の指定のない区域において開発が進行し、道路や上下水道などの都市基盤の整備状況と無関係に、法律上開発が可能だというだけで地価が形成され、土地投機も生じているという問題があるのでございます。このために、私たちの案では、マスタープランを充実する、これを根拠としていわゆる白地地域においても容積率などの制限を課し、社会資本の整備状況など地域の実情に応じてきめ細かくすることといたしたのでございます。  また、現行の基準では都市計画区域外とされているような地域についても、その指定要件を見直し都市計画区域を拡大することで、建築物を規制するだけでなく、あわせて開発許可制度を充実させて適正に公共施設の整備が行われるように配慮して、地価高騰の原因となるような乱開発を防止するようにしておるのでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 社会党案につきましてはまた時間があればもう一問伺いたいところもありますが、次に東京一極集中との関係で政府の方に伺っていきたいと思います。  今や東京一極集中、これは国を挙げて取り組んでいる重要な問題ですが、この一極集中緩和の方策として都市計画制度も活用されるべきではないか。活用されるべきはずのものであると思います。  現在の一極集中の程度を見ますと、もはや東京は単なる一地方ではない。法規制上も他の地方とは別個の扱いをすることが当然なされるべき時期が来ているんじゃないかというふうに判断をするわけです。全国一律の規定を置いて、当面は東京においてだけ適用するような運用面での対応じゃなくて、東京の特殊性を前面に出すような制度的な対応が必要ではないか、私はこのように考えます。  そこで、都市計画制度によって一極集中問題に対処するとするならば、どのような可能性があるのか。私は今回の改正案では一極集中是正の観点が欠けているように思うわけですけれども、この点はどうでしょうか、お答えをいただきたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 東京一極集中是正の観点が欠けているのではないかという御質問でございます。  先生の貴重な御意見もしばしばいただいたところでございますけれども、建設省は本国会に地方拠点都市地域整備法案を提出いたしまして、先日、委員会におきまして御可決をいただいたところでございます。これは東京一極集中是正のための重要な施策であると考えております。  全く同時に、この法案を国会に提出いたしまして御審議をいただいているところでございますが、この法案におきましても、東京一極集中是正のために講じられる方策も法案の活用によりましてあり得ると存じております。それは、業務ビルの住宅地への進出によりまして地価上昇、環境の悪化等を生じてまいりましたことに対応いたしまして、事務所等の立地を制限する住居系の用途地域の細分化あるいは特別用途地区の追加等を行っているからでございます。  私も長く九段の議員宿舎におりますが、もう二 十年おるんですけれども、この二十年間にあそこはがらっと変わりまして、業務用のビルが随分進出をいたしまして、地価も随分と高くなりました。二十年前は相当程度の住居地であったと記憶いたしておりますが、今回の法案が成立いたしまして、用途規制制度の活用によりましてはオフィスの立地を抑制する効果も得られますし、そのことを通じまして東京一極集中の是正に資することになるのではないかと考えているところでございます。  基本的には、都市計画は全国の地方公共団体がいわばみずからの都市の将来像を考えまして土地利用に関します計画を定めるものでございますから、必ずしも都市計画法で東京一極集中是正を行うということではございませんが、東京都もその地方公共団体の一つでございますから、先生御指摘のような観点から東京都あるいは特別区におきましてもこの法案の活用があってしかるべきではないかと考えているところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 東京においては容積率の充足率が一般に低い傾向にあるわけですが、これは二つの見方ができると思います。すなわち、高度利用がなされていないと見るか、それとも容積率が過大に設定されていると見るかというこの二つの見方ですね。東京一極集中問題が大きな問題となっている一方でこの容積率の充足度が低いという現象が起きているのは皮肉なことだと私は思いますが、これはとりもなおさず容積率の設定が高過ぎることを示していると言ってもいいのではないか。ところが、この現行制度では、容積率は用途規制とリンクされているために結局は用途地域の指定が適切でないということを示すものかもしれない。あるいはまた、この用途地域にいわゆるリンクさせているところの法定の容積率メニューの数値が大き過ぎるのかもしれない。こういうことです。  すなわち、問題は二点あるように思うわけです。用途地域と法定容積率メニューをリンクさせている点がまずいのじゃないかという点、それからメニューの数値が先ほど申し上げたように高過ぎるのではないかという点、この点について建設省はどのように見ておられるのか、御答弁をいただきたい。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 御指摘ございましたように、現在は用途地域と容積率が、ある程度の幅の中でではございますが、リンクしておるわけでございます。  もちろん、同じ商業地域でも容積率につきましては選択の幅はかなりあるわけでございますが、まあリンクしているという点ではリンクしているわけでございまして、それにつきましては大きく分けまして住居系、商業系、工業系という用途の中で、おのずと例えば良好な住環境を確保するとか、そういったもろもろの意味におきます都市環境を確保するという意味におきましては、ある程度建物の高さ等に直接影響してまいります容積率を用途とある程度見合った形でリンクさせた形で決めていくことの方が合理的な土地利用規制であるというふうに私どもは考えておるところでございます。  それから、現在定められている容積率の数値が高いのではないかという点に関しましては、先生の方からも二つの見方を示されながらの御質問でございました。  基本的な問題意識につきましては、私自身も大体同じような問題意識を持っているつもりでございますが、ただ、現在東京で定められております容積率は都市全体の観点から見まして、基幹的な公共施設の配置計画等との整合性という意味ではまあまあ妥当な数値が定められておる、ところが現実には公共施設の整備がなかなか計画どおり進んでおらないといったようなことが最大の要因となりまして、さらにはそれ以外に土地の利用が土地所有者といいますか地権者の方々のある程度自由に任されているというようなところから高度利用が進んでいない、有効利用が進んでないという実態もあるわけでございます。  それで、東京圏を中心といたします住宅地の価格が非常に高い、その結果、住宅の価格がサラリーマンにとって手の届かないのに近いくらいの値段まで上がっているというのは、いろいろ昨今の地価高騰による原因もございますが、基本的な背景といたしまして、東京を中心とする大都市圏におきます住宅地の不足、それからきます価格の上昇といった面はどうしてもあるのではないか、つまり需給バランスが崩れているという部分があるのではないかと思います。  そういう観点で見ますと、ヨーロッパのいろんな大都市を見てみました場合に、東京は土地の利用が必ずしも有効かつ高度利用されてないという考え方を私どもは持っているところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 確かに容積率というものは必ずしも高い充足率を予定しているのじゃないと私も思いますが、しかし、首都東京であれする場合はちょっと事情が違うんじゃないか。本来であれば土地の高度利用がなされるべきところだと思いますけれども、地方への分散が叫ばれている中で、この開発可能性を示す容積率がなおも大きく残されている点が非常に矛盾していると私は思うわけで、この点についてもう一度確認しておきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 東京一極集中の内容を見てみますと、何といいましても、いろいろな機能、特に中枢管理機能、金融情報等の高度な都市機能が集中しておるわけでございまして、私ども、都市計画の用途規制の観点から見ますと、いわゆる業務系の機能の集中といったところが意外と大きい要素になっておると思います。  もちろん、住宅をふやすとそれは一極集中の問題になるのではないかというおそれはなきにしもあらずでございますが、これはサラリーマン等の目から見まして、住宅の確保がなかなか難しいために郊外に行かざるを得ない、いわゆる職住の遠隔化が進んでおるわけでございまして、そういう意味では、できるだけ職住近接の形で住宅を確保するという観点での確保問題ということで先ほど高度利用の問題に触れさせていただいたわけでございますが、それが結果としてまた業務ビル等の集中を助長するというような形での都市計画にならないように十分配慮する必要があるというふうに思っております。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 容積率の充足率が低いということは、別の面から見ますと基盤整備が追いついていないということを意味するものと私は思うわけですが、それでは、東京においては基盤整備がさらに進めば現在よりも土地の高度利用が可能であるものなのかどうか、可能であるとするならば一極集中との関係でどのように考えればいいのか、この点はいかがですか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 基盤整備の推進につきましては、なかなか難しいテーマを抱えながら進めなければならないわけでございますが、基本的には、都市基盤施設の整備に当たりまして、根幹的な施設の整備に重点を置きながら、できるだけ土地区画整理事業とかあるいは市街地再開発事業といったような面的整備手法を積極的に活用いたしまして、それによりまして開発利益の適切な還元も図りながら整備をしていく、それから、都市空間の多層的な利用といったようなことも工夫しながら、いわゆる地価をできるだけ反映させない形での基盤整備を進めなければなかなか整備は進まないと思うわけでございます。  この基盤整備が進むことによって、逆に土地の有効高度利用が進み、それがひいては東京の一極集中を助長するおそれはないのかという点につきましては、それは都市計画でかなりきちっとした対応をいたしませんとそのおそれは常に十分あるわけでございますので、具体の用途地域の定め方等におきまして、できるだけ東京への一極集中がもうこれ以上生じないような観点も含めまして、かなり高度な判断のもとでの都市計画制度の運用ということが期待されるというところではないかと思っておるところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 それでは、時間がもうありませんのでまとめて聞いてしまいます。  容積率の充足率は都市基盤の整備状況に応じた ものであるとはいっても、そこで考えられている都市基盤、これは道路のことしか指していないわけです。しかし、それ以外にも、開発の可能性を認めるか否かの判断要素はたくさんあると私は思うわけです。例えば、その一つはごみ問題。ここで、東京における廃棄物最終処理処分場の残余容量はあと何年分あるか、資料があれば示していただきたいと思うわけです。  後でお答えいただければいいんですが、残余容量がどれだけあるから大丈夫だとか、これだけしかないから破滅であるとか、地域によって多少の差はあるだろうと思いますけれども、大都市においてはほとんど例外なくイタチごっこである。国レベルの行政においては、建設省は産業廃棄物に関しては所管にかかわりがあるかもしれませんけれども、一般廃棄物についてはほとんど無関心なんじゃないか、このように思います。  東京都を初めとする大都市自治体がどのような困難に直面しているかについても、都市計画面で容積率との関連においても配慮を強めるべきではないかというふうに思います。ひいては、より総合的な視点に立って基盤整備に対応した容積率を考えるべきである、このように思います。  最後に、これらの点についてお答えいただきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 御指摘ございましたように、私どもは、容積率との関係ではどうしても道路の方にウエートを置いた御説明をしておりまして恐縮でございますが、前面道路が整備されませんと高い建物は立てられないという仕掛けの中で容積率を一番考えておりますのでそういうことになるわけでございます。しかしながら、容積率といいますのは、ある意味で都市の容量を決めるものでございますから、そこではあらゆる意味での公共的な施設との関係が出てまいるわけでございます。  私の方で直接所管しております例えば下水道につきましても、下水道の処理能力との兼ね合いは極めて重要なファクターであるというふうに思っておるわけでございまして、それは東京全体の問題であると同時に、また東京の各地区ごとの処理能力との関係もございまして、なかなか微妙なものがいろいろあるわけでございます。ごみ処理問題もおっしゃるとおりでございます。  そういった問題につきましては、都市計画で決めます場合には、当然、都市計画決定権者であります地元の東京都、それから特別区におきまして、そういったような問題につきまして十分検討を行いまして、そういった観点で、必要な部分につきましては国が認可とかそういったような形ででもいろいろとチェックさせていただいて、整合性がとれるようにということにつきましていろいろ十分配慮しながらやっているわけでございますが、必ずしもそれがぴしゃっと合っていないということはあるわけでございます。  例えば、ごみの問題について申し上げますと、建設省は弱いんじゃないかという御指摘がございまして、必ずしも十分把握しておるということを言い切るだけの自信はございませんが、東京都に限って申し上げますならば、現在の予定されておりますごみ処理のできる処理能力は西暦二〇〇〇年でほぼ満杯になるという容量であるというふうに伺っておるところでございます。

中川嘉美公明党・国民会議

○中川嘉美君 終わります。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 今回の都市計画法、建築基準法改正は、現在の都市計画制度の基本的な枠組みを定めました新都市計画法制定六八年、建築基準法改正七〇年以来二十二年ぶりの大改定で、二十一世紀に向けて日本の都市計画制度を確立するものとされています。  日本の都市計画制度は、一八八八年の東京市区改正条例に始まると言われており、百年余の歴史を持っています。特に、最近の歴史は、一言で申しますと、計画か開発かということの対決、つまり計画的な都市整備を目指して土地利用の規制、誘導を強化しようとする方向と、土地の経済価値の最大限の発揮を目指す開発の自由、建築の自由、その圧力との闘いの歴史と言っていいだろうと思うんです。  これは、環境か開発かということがまるで地球的な問題となっているのと同じように、特に都市において計画か開発かということが根本的な問題になってきている。  いろいろ改正が行われてきたんですが、高度成長による乱開発がさまざまな矛盾を生み出した結果行われたものが、先ほど申し上げました六八年の新都市計画法制定、七〇年の建築基準法改正だったと言っていいと思うんです。あの内容は、都道府県知事や市町村への権限の移譲、都市計画案策定への住民参加手続の導入、市街化区域と市街化調整区域の線引き制度の創設、開発許可制度の導入、それから用途地域制の細分化、容積率制限の全面的採用等々があったと思うんです。  しかし、私どもは当初批判をしたんです。根本問題の解決になっておらず不徹底だとそう申しましたけれども、その不徹底さが、先ほども議論になりましたけれども、地価高騰、東京一極集中の高進、バブル経済等々の中で改めて問題になってきたと思うんです。  そこで、やや時期おくれで――ややではなくて、どうもかなり時期おくれだと思うんですが、時期おくれで、今度の二十二年ぶりの改正になったと思いますけれども、やはり不徹底で、私は根本的な解決になっていない、そう思わざるを得ない。  先ほど計画か開発かの対決だと申しましたけれども、欧米諸国、特にフランス、イギリス、アメリカなどではこの問題をラジカルに解決していると思うんです。つまり、都市においては「計画なきところには開発なし」という原則を確立して、そして最も適した高度の土地利用が制度化されていると思うんです。ドイツのFプラン、Bプランなんか有名ですけれども。  二十一世紀に向けてとおっしゃるんなら、なぜこういう欧米の進んだ都市計画、土地利用制度、ここに向けて抜本的に踏み出さなかったのか、そこら辺の認識と建設省の展望、これをお伺いしたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 西欧諸国の都市計画に比べまして、我が国の都市計画が土地利用規制が緩い、あるいは用途の混在、乱開発が生じている等の御指摘でございますが、その点は確かにそういう側面を持っていると考えております。  しかし、西欧の都市と日本の都市では歴史的、社会的、経済的諸条件が異なりますので、これが都市計画制度の相違となっている、そういう側面もございます。例えば、西欧の都市では石づくりの堅牢な建築物が主体となっておりますが、我が国では木造建築が主体となっておる、そういう違いもあるわけでございまして、したがって、西欧の場合では建築物の詳細な形態規制も含めました土地利用規制となっておる、そういう差もあるわけでございます。  そこで、西欧諸国の都市計画制度につきましては参考にすべき点も多々ございますので、最近でもドイツのBプランを参考といたしまして、建築物の形態規制まで行うこととなる地区計画制度を導入いたしました次第でございます。また、今回の用途地域の細分化に当たりましても、欧米の土地利用規制を参考にして検討いたしました結果でございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 今度の改正に一定の積極面があることは我々も認めていますけれども、しかし、なお現行の制度の非常に大きな問題をクリアするに至っていないと思うんです。  現行制度について言うと、大きく言って二つの問題があると思う。一つは、先ほど申しました「計画なきところに開発なし」という都市計画の原則がいまだに極めて不徹底で、事実上、開発の自由、建築の自由が優先されていること、第二は、町づくりは住民と自治体の手でという原則が不徹底で、地域のそれぞれの状況に即して望ましい町づくりを行えるものになっていないことがあると思うんです。  その点、対案として提出されました社会党の案は、この二つの問題の認識、それに対する対応は政府案よりはかなり前進しているように受け取っ ているんですが、発議者の認識並びに対応策をお伺いしたいと思います。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) まず、日本の都市計画制度そのものが昔から今日に至るまで非常に中央集権的であったということが指摘できると思うのでございます。  この問題は、地方自治制度全体の問題でもありますので、都市計画だけの問題ではありませんけれども、第一に、地方自治体の独自財源を強化すること、道路、公園などの都市施設等の整備計画を地方自治体が自由に決定できるようにすること、第二に、都市施設の整備や土地利用規制について関連する法律を改正し中央官庁の権限を地方自治体のものとすることが私は重要であろうと考えております。  そこで、このたびの改正案につきましては、中央省庁が持っている権限を地方に移譲して、住民に密接な基礎的自治体である市町村において各行政分野の調整を図ることを目標として、とりあえず東京二十三区を初め大都市圏において、都道府県知事決定で国の認可を必要としている用途地域などの都市計画を市町村の権限としたものでありますが、こうした地方への権限移譲を推進することによって総合的な政策の立案が自治体においてなされるようにしようということであろうと思います。  大体、こういうことが都市計画制度全体の問題としてあるわけでありますが、今回の主な問題点でありますリゾート開発などの問題でいえば、都市計画による開発規制の問題として、今も上田先生御指摘がありましたように、「計画なきところに開発なし」という考え方が不徹底であることが日本の都市計画制度における大きな問題点であろうと考えておるところであります。  本来は、どこにどのような開発を許容するかということは、道路、公園などの生活関連社会資本の整備があって初めて決められるべきでありますけれども、政府案では白地地域の容積率を原則四〇〇%のままで特に必要な地域についてそれを下げるというのでありますが、これでは指定が後追いになるおそれが常にあるわけであります。このため、私たちの案では、市町村のマスタープランをもとに、都市計画区域全体において最大限度許容できる市街地の密度として白地地域の容積率を指定する考え方であります。こうした工夫の積み重ねが日本の都市計画制度の問題点を是正し、「計画なきところに開発なし」という理念や都市の成長管理といった目標を達成することになるものと考えておりますので、そういう答弁をさせていただきます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 以上、基本的な問題意識を前提にして、改正の内容に入りたいと思います。  さきに述べました二つの根本問題のうち、開発・建築の自由から計画的な町づくりへの規制誘導については、用途地域の細分化と用途規制の詳細化、都市計画区域外や用途地域未指定地域の規制強化、開発許可制度の若干の改正など、規制を強化するもの、これが今回政府案に提案されておりまして、同時に都市の過密化を激化させるおそれが強い誘導容積制度、こういうものも盛り込まれております。  まず、用途地域問題についてお伺いします。  いろいろありますけれども、一番の問題は、建設省も指摘されているように、業務施設による住宅などの駆逐を防ぐことだと思うんです。住居地域や第二種住専から第一種中高層住居専用地域、低層住居専用地域に指定変えが行われれば、確かに大都市部では一定の効果があるだろうと思います。しかし、今度できました第一種住居地域、これは三千平米までの事務所が可能なので、事務所ビルによる住宅の駆逐防止にはほとんど効果がないんじゃないか。それから、混在型の住居地域や中高層住宅を推進する第二種住専から低層住宅のための第二種低層住居専用地域への指定がえ、これは余り考えられないと思うんです。  そうなると、実際に有効な効果として考えられるのは、これまでの二種住専から一種住専の中に設けられました第一種中高層住居専用地域、こういうものに指定がえする場合ぐらいが考えられるんじゃないかと思いますが、実際の効果はどうでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 住居系の用途地域の中を細分化いたしまして業務ビル等の住宅地への無秩序な進出を抑制するという観点から特に意識して設けております制度は、主として三つございます。  順番に申し上げますと、まず一つは、現行の第二種住居専用地域におきまして事務所等の規制を強化した第一種中高層住居専用地域でございます。それから二番目は、現行の住居地域の中で大規模な店舗、事務所等を制限する第一種住居地域でございます。それから三つ目が、これはむしろ商業地域になると思いますが、都市の中心部等で住宅を確保する用途地域制度として、特別用途地区の中に中高層階住居専用地区というものを創設しております。そのほかにもいろいろ改正案は盛り込んでございますが、直接的な業務ビルの住宅地への進出に対する抑制効果として期待しておる主なものはこの三つでございます。  今、上田先生から、一つ一つ大した効果がないのではないかという御指摘がなされたわけでございますけれども、私どもとしては、これらが有効に用途地域として決定される限りにおきましては相当の効果を発揮するものと思っております。  やや大ざっぱな考え方といたしましては、一種住専なり二種住専なり、現在住居専用地域として用途地域規制がなされておるところでは大体今回の地価高騰におきましても業務ビルの進出というものは防ぎ切れたのでございますが、いわゆる住居地域ではそれができなかったといったようなところがございます。  そこで、一番のねらいといたしましては、現在の住居地域をもっと規制の厳しい方向に塗りかえることができるかどうか、それから第二点は、都市化の進展とともに住居専用地域ではなかなかその当該市街地の状況に合わなくなってきているというところで塗りかえがなされる傾向もあるわけでございますが、その際に、住居の確保ができるような形で踏みとどまってもらいたいといったようなところを直接的な効果として期待しておりまして、さらには都心部におきます職住近接の住宅を確保するための中高層階住居専用地区という特別用途地区の活用、この辺をぜひ有効に活用してもらいたいというふうに思っておるところでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 我々もある効果はあるだろうということは認めてはいるんです。  しかし、同時に一つ危惧を持っているのは、一種住専から二種住専へという地域の指定がえが起きるんじゃないかということを、中曽根民活時代の非常につらい経験からやっぱり考えるわけです。  中曽根内閣の民活導入政策、これは都市の過密化に非常に重大な悪影響を及ぼしたと思うんです。当時、首相が、山手線の内側はすべて五階が建てられるようにという発言があって、一種住専から二種住専へというふうになっていったんです。  ここに東京都の当時の指定基準がありますが、八〇年のものには、第二種住専というのはおおむね環状六号線及び荒川放水路で囲まれた区域の内側、こう決まっていたんです。それが中曽根首相の指示で行われた八七年におおむね環状七号線の内側に拡大されてしまった。その結果、ここにデータがありますけれども、一種住専は区部で千八百九十五ヘクタール減ったんです。三多摩でも千百十ヘクタール減りましたから、東京全部で三千ヘクタール一種住専が減らされたんです。区部を見ますと、二種住専が五百九十四・五ヘクタール増、住居地域が百八十六ヘクタール増、近隣商業地域が六百六十三・七ヘクタール増、準工業地域が百二十六・九ヘクタール増。  だから、あのときの指定がえは、容積率も緩和され用途規制も大幅に緩和され、事務所による住宅の駆逐を大幅に助長したんです。そういう非常に苦い経験を東京都は経験している。  それで、今度のこの用途地域の新しい改正案、これは効果のあるものもあると思うんですが、しかし、私が危惧しているように、現行の一種住専地域から二種住専へ変えられるとしますと、今度は、いやビルは建ちませんよ、そういうふうにしてある、しかし中高層になるわけですね。一種住専で大体低層だったところが、ビルは建たないけれども中高層化する、中高層住宅系の用途地域に指定がえが進むんじゃないか。いわゆる今度の用途地域の細分化というのはそういう効果をも生むのではないかという危惧を持つんですけれども、その点、いかがでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 用途地域の中で第一種住居専用地域及び第二種住居専用地域は、いずれも住環境の保護を図るという意味におきましてはかなりしっかりした制度であると思います。その二つの用途地域の違いは、先生から御指摘もございましたが、住宅の住まい方を低層住宅中心でいくのか高度利用をしながら中高層住宅でいくのかということでございます。  翻って東京を考えてみました場合に、東京のような大都会におきまして、都心に近いところを低層住宅で住むという考え方が都市のあり方として果たして妥当であるかどうかというようなことを考えますと、私どもといたしましては、そういった形で低層住宅の住環境を守りながら都市の環境を図ってもらいたいという場所ももちろんあっていいわけでございますが、相当部分につきましては、そういう業務ビル等の進出というものはちゃんと守りながらも、住宅をできるだけ職住近接の形で確保するという観点からは住宅地の高度利用ということも極めて重要なテーマではないかというふうに思っているわけでございます。  例えば大阪市におきましては、実は大阪市域内には一種住専という用途地域はゼロでございます。そういったような観点からまいりますならば、東京都の都市計画におきまして、特に都心部に近いようなところを中心とした一種住専の二種住専への塗りかえというようなことは、必ずしもそれは長期的な都市のあり方からいいまして否定すべきものではないのではないかというふうに思っておるところでございます。

上田耕一郎日本共産党

○上田耕一郎君 高度利用への誘導があることをはっきり明言されたんですけれども、これは東京一極集中の根本問題にかかわってくるので、我々非常に批判的です。  もう時間がございませんが、最後に一問伺いたいのは、事務所ビルによる住宅の駆逐が問題。  これが問題になるのは大都市部ですよね。今回の用途地域の細分化は、直接必要がない大部分の地方都市を含めて全国一斉に細分化された用途地域への指定がえを実施させるということになるんですが、これはどうだろうか。  大都市は確かに事務所ビルによる住宅の駆逐を防止することが必要なんですが、そのためだったら何も全国一斉に指定がえが必要になるようなやり方は必要ないので、そのおそれのある地域では例えば条例で住宅系の用途地域への事務所ビルなどの用途を規制できる措置を法律に入れれば解決する問題です。現在の建築基準法でも、用途規制についてただし書きで「特定行政庁が」何々の「環境を害するおそれがないと認め、又は公益上やむを得ないと認めて許可した場合においては、この限りでない。」という緩和規定があるわけで、こういっただし書きを補充することは何も問題がないことであろうと思うんですけれども、その点をお答えいただきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 今回の都市計画法の改正案の実施に当たりましては、それぞれの都市の持つ特性に応じた適切な運用が極めて肝要であると思っております。先ほど来御答弁申し上げております今回の地価高騰に関します。務ビルの住宅地への進出問題は、主として東京を中心とする大都市地域に起きた問題でもございます。そういう意味におきましては地方都市でのテーマはむしろまた違った形でのテーマもあろうかと思っておる次第でございまして、今回の私どもの改正案は必ずしも大都市だけではなくて地方都市問題に対応するメニューもそろえているつもりでございます。  いずれにいたしましても、それぞれの都市の特性に応じまして、それらが一律に指定され、同じような形で運用されるということではなくて、都市の特性に応じた適切な運用が図られるように私どもとしても心してまいりたいと思う次第でございます。

山田勇民社党・スポーツ・国民連合

○山田勇君 今回、政府は約二十年ぶりに都市計画法及び建築基準法の改正案を提出されたわけですが、ここ十年余りの間に我が国においては地価の高騰、乱雑な町並みの整備のおくれなど、さまざまな土地、住宅などの問題が深刻になってきました。政府はその対応に後手に回った感はありますが、きょうまで監視区域制度の導入、土地基本法の制定、不動産融資の総量規制、地価税の創設など、土地関連税制の改正、そして借地・借家法の改正を行ってきました。しかしながら、今回の改正案の提出は土地問題における地価の高騰など、都市計画制度がその後の環境の変化に適応できなかったことと密接な関係があると考えます。  建設大臣の諮問により、都市計画中央審議会、建築審議会の答申を経て今回の法律の見直しとなったと思いますが、このような政府の対応は遅きに失したのではないかなと言わざるを得ません。法律の見直しを政府はなぜきょうまで行わなかったのか、建設大臣の御答弁をお聞かせください。

山崎拓自由民主党建設大臣

○国務大臣(山崎拓君) 今般の地価高騰に関しましては、平成三年一月に総合土地政策推進要綱を定めまして対処してまいったところでございますが、その政策の中で、金融、税制等の対策が先行してまいりましたことは事実でございますし、また一定の成果を上げましたことも事実であると考えておるのでございます。  この総合土地政策要綱が定まりました時点で、建設省といたしましては、それに先立ちます諸般の対策、例えば生産緑地法の改正等も、これは宅地供給の面でこれから大きな成果を上げてまいると思うのでございますが、そういう手だても講じてまいったことに続きまして、都市計画中央審議会等に諮問をいたしまして、約一年の検討結果を踏まえまして、本国会に法改正案を出させていただいたのでございます。  この法案が現時点で審議されているということにつきまして、いささか立ちおくれと申しますか、時期おくれのイメージがあろうかと存じますが、なお引き続き土地政策は必要でございますし、この法案の運用によりまして業務ビルの進出等を抑制をいたしまして、そのことによって優良な住宅用地あるいは宅地の供給を行うこと等を通じまして地価対策にも資するところが大きいと考えておるわけでございます。  多少、時期おくれの感じもあろうかと思いますが、これはこれで非常に重要な政策としてこれから必ず所期の成果を上げ得るものと考えておりますので、よろしく御審議のほどをお願いしたいと存じます。

山田勇民社党・スポーツ・国民連合

○山田勇君 ここで社会党の改正案についても少しお尋ねをいたしておきます。  住みよい町づくりというものは、都市計画の内容を具体的に充実させていくものだと思いますが、細かい制限の内容などについては一般市民にはわかりにくいものがあります。社会党案は、この点、具体的でわかりやすいということについてどのような検討をされておりますか、簡単で結構でございますがお答えをいただきたいと思います。

青木薪次日本社会党・護憲共同

○委員以外の議員(青木薪次君) 私たちの案では、地域住民にとって最も身近な問題である地区レベルの町づくりの基本理念や将来像を明らかにするため、市町村が必ずマスタープランを作成することといたしました。法案では、この市町村のマスタープランを都市基本計画と言っておりますが、これは地区ごとの将来のあるべき姿をより具体的にイメージいたしまして地区整備の基本方針を決めるもので、公聴会とか案の縦覧とか意見書の提出など、具体の都市計画と同じ手続によっ て住民の参加を図るほか、市町村の議会の議決を経て決定することにしたものであります。  したがいまして、個別具体の都市計画である用途地域などは、この都市基本計画に定められた土地利用の方針と地区ごとの整備課題に応じた公共施設等の整備方針に沿って決められることになります。言いかえれば、容積率などの具体的な制限を定める前段階において、法律で明確に規定された手続によって、町の将来のあるべき姿について地域住民のコンセンサスを得ることになると思うのであります。

山田勇民社党・スポーツ・国民連合

○山田勇君 ありがとうございました。  この本法案では用途地域の制度などの整備が大きな柱となっていますが、従来、この用途規制の緩さが住居とオフィスの混在を許し、その結果、大型オフィスビルの建設が進み、地価負担力の弱い住宅は次第に追いやられ、地価の大幅な値上がりとなったと言えます。  そこで、現行八種類の用途地域を十二種類に細分化し、また特別用途地区として二地区を新設しておるわけですが、これは一歩前進と僕は評価できると思います。しかし、こうした用途地域のメニューの数以上に大切なことは、各自治体において実際にどのような指定がえが行われるかであります。  日本では原則として地価は容積率に比例しており、容積率一〇〇%のところで地価が三百万とすれば、容積率一〇〇%のところではそれは三千万円となるのであります。そうした容積率がいわば既得権となっている状況では、用途規制を緩くする、指定がえはともかく現行の第二種住居専用地域から新設の第一種中高層住居専用地域への評価がえ、現行住居の地域から新設第一種住居地域への評価がえなどは、僕は大変難しいと思います。  そうした中で、種類の細分化実施後、適切な用途地域の指定に向け国としてどのような努力をしていくのか、また、今回の用途地域の細分化を初めとした改正が地価対策にどの程度の効果があるとお考えでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 御指摘がございましたように、今回の用途地域の細分化は、それが具体的に都市計画として各地方公共団体で決定されて初めて効果が生ずるものでございますから、何といっても実効性のある内容でなければならないというふうに私ども考えておりまして、議論の最初の段階から関係地方公共団体の実務レベルの方々の意見は十分お聞きするようにいたしました。また、そもそも、審議会の議論にも東京都や大阪府の実務担当の責任者の方に直接入っていただきました。  どういった制度が実施可能か、有効に機能し得るかということについては、そういった方々にも議論に参加していただきました結果到達した結論でございますので、まずそういった最も難しいところでかつ適用が期待されておる自治体におきましての現実的な取り組みは、一歩ないし二歩既に前進しておるものと思っておるところでございます。  建設省といたしましても、それぞれの都市の実態がいろいろ違いますので、その実態に合うようないい案をつくることによって住民の方々のコンセンサスも得ていただく、先生の御指摘ございましたように特に規制を強化するということにつきましては相当難しい面を伴うわけでございますから、納得のできる案をつくっていくということ、それから十分の住民のコンセンサスを得るように努力をすること、そういったようなことにつきましては私どもも一生懸命協力してまいりたいと思っておるところでございます。  それで、そういった結果といたしまして、用途地域の細分化が終了いたしました段階におきましては、まず基本的に一番期待される効果といたしましては、住居系の用途地域への業務ビルの進出、その進出によりまして住宅地の価格が業務ビルの支払える価格まで急上昇するといったようなことは今後は極めて有効に抑制でき、用途に見合った地価の形成が図られるのではないかというふうに思っているところでございまして、一番ポイントに置いておりますのはその点でございます。

山田勇民社党・スポーツ・国民連合

○山田勇君 次に、都道府県知事が定める都市計画はいわば機関委任事務としての都市計画であり、大半が大臣認可の対象となり、また政令、通達、事前協議などコントロールされている面があります。例えば、東京の丸の内と地方の小都市の用途地域が同じメニューであるのはおかしいということで各地方が独自の施策を打ち出しても国がその努力を抑制してしまうということのようです。  都市計画全般につき能力と熱意のある地方公共団体には国の権限をおろしていくことが大切であると考えますが、この点、政府はいかがお考えでしょうか。

市川一朗建設省都市局長

○政府委員(市川一朗君) 都市計画の決定権に関しましては、現行法が昭和四十三年に施行されました際に、原則市町村、公益的根幹的なものは知事ということで、決定権はすべて地方に移譲したところでございますが、国の利害に重大な関係がある等のものにつきまして、御指摘のように、知事の決定の際に大臣が認可するという手続も導入されておるところでございます。  その大臣の認可権を行使するに当たりましては、ただいま御指摘ございましたように、それぞれの都市の持ちます特性は皆異なりますので、それが十分発揮し得るように、国レベルにおいてそれを抑制することのないようにということにつきましては、今までもそういうつもりでまいってきたつもりではございますが、先生からそういう御指摘を受けるところを見ますと、どうもまだまだ私どもの努力が足りないということを痛感いたしますので、なお一層、担当者も含めまして、私ども心してまいりたいと思っているところでございます。  なお、一般的に都市計画の権限配分につきましては、先ほどの大臣の御答弁にもございましたように、私どもとしてはできる限り地方の自主性を尊重するという観点から見直しを行っていく必要があるテーマであるというふうに思っておるところでございます。

山田勇民社党・スポーツ・国民連合

○山田勇君 時間が来ましたので、あとの残りの質疑は次の委員会に質疑したいと思います。  ありがとうございました。

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 両案に対する本日の質疑はこの程度にとどめます。     ―――――――――――――

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。  都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(閣法第七四号)並びに都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案(参第四号)の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 御異議ないと認めます。  なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。    〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

山本正和日本社会党・護憲共同

○委員長(山本正和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。  本日はこれにて散会いたします。    午後四時四十八分散会

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