建設委員会 第7号
- 発言数
- 243 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1992/05/26
会議録
○委員長(山本正和君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る二十一日、三重野栄子君が委員を辞任され、その補欠として渡辺四郎君が選任されました。 また、昨二十五日、渡辺四郎君が委員を辞任され、その補欠として糸久八重子君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(山本正和君) 地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○糸久八重子君 社会党の糸久でございます。 私は、四年前に成立いたしました多極分散型国土形成促進法の審議に加わりましたので、その関連からまず質問させていただきたいと思います。 東京一極集中を是正するために、多極法はまず第一に東京都区部に立地する国の行政機関、特殊法人の移転に努めることを挙げておりますし、当時の国土庁長官も、「まず率先垂範して政府機関から移転を進める」として政府機関や特殊法人の二十三区からの移転を掲げたわけでございます。さらに、「民間企業等にもその趣旨を理解していただいて民間の協力もいただこう」と答弁をしていらっしゃいます。 今回の地方拠点法の産業業務機能の移転が円滑に進むかどうかを考える際には国の行政機関の移転の状況が参考になると思いますが、現在までの進捗状況はどうなっておりますでしょうか、お伺いいたします。
○政府委員(西谷剛君) 国の政府機関と特殊法人の移転の状況でございますが、平成元年の八月に七十六機関と自衛隊の十一部隊につきまして移転先地あるいはその候補地を政府部内で取りまとめをいたしました。 現在時点におきましては、そのうち二機関が既に移転を完了しております。それから、十機関と自衛隊の十一部隊につきましては、用地取得ないし建物整備の段階にございます。さらに、国の地方支分部局、東京なり関東なりを所管いたします地方支分部局十六機関につきましては大宮、与野、浦和地区へ集団移転するということにしておりまして、これについては平成四年度本年度中に用地取得に着手する予定となっております。 そうなりますと、あと四十八機関残るわけでございますが、この四十八の内訳は、十八機関が国の機関で三十機関が特殊法人、こういうことになります。そこで、残りましたこれらの機関につきましては平成四年度中に具体的な移転実施計画を策定して順次移転を推進していく、このような状況になっております。
○糸久八重子君 移転推進の閣議決定をして以来四年近くになりますけれども、ただいまお伺いいたしますと、移転完了が二機関だけということですから、移転準備は着実に進んでいるとはちょっと言いがたいのではないかなというふうに感じます。 特に特殊法人の移転計画はうまく進んでいないと聞いておりますけれども、どうして特殊法人の場合にはうまく進んでいないのでしょうか。
○政府委員(西谷剛君) 特殊法人は国そのものと違いまして独立の法人格を持っているということもございます。個別にそれぞれの事情もございまして、移転に向けた検討に時間を要しているということと理解しております。
○糸久八重子君 特殊法人の場合は、政府機関の本庁が移転しないのに特殊法人だけが一方的に本社機能を移転するということはどうも納得いかないというような意見があるということも伺っておりますし、それからまた、その背景には職員の住宅問題等にも関係があるのではないかということも聞いているわけです。住宅確保等の問題が未解決だということで進まないということですが、移転を予定している特殊法人は大体ほとんどが大宮とか浦和とか横浜とか川崎とか、一都三県に集中しておりますので、この住宅問題を解決しませんと、例えば千葉県に住んでいる職員が東京を通って埼玉とか神奈川とかに通勤をしなければならないという事態が起こるのではないか。そうしますと、東京圏内での分散というのは通勤難をさらに助長するおそれはないのかなという心配があるんですけれども、その辺の御見解はいかがでしょうか。
○政府委員(西谷剛君) その点は大変重要な点かと思っております。 移転に当たりましては、当然、職員住宅の問題を初め良好な勤務環境を確保するという視点は重要でありまして、政府部内においてもそのことを推進する、移転とともにその辺について十分意を用いていくという約束もしております。今後の移転の進展状況に応じてこれらの点については十分配慮してまいりたいと考えております。
○糸久八重子君 今申し上げましたけれども、多極法の移転計画で政府機関が首都圏、一都三県に集中している、これでは一極集中というのはどうも是正できないのではないか。政府機関の中で地方に行くというのは幾つもないわけですね。例えば広島に移転する予定の大蔵省の醸造試験所の例のように、地方へ移転を図るべきではないのかなというふうに私は考えるんです。 また、今提案されております地方拠点法の地方拠点都市地域あるいは多極法の振興拠点地域に政府機関を移転してはどうかなというふうに考えるのですが、多極法のあの審議の際にも当時の国土庁長官は、政府の中央機関もできるだけ率先して地方に移転する、それを核にして地方も活性化を図ると述べていらっしゃるんですが、その辺、大臣、御意見いかがでしょうか。
○国務大臣(東家嘉幸君) 今日、もう既に行政機関等の移転については移転先地等が決まっておりますし、また移転候補地も取りまとめているところでございますので、現在の方針はこのまま実行して取り組む以外にはないだろう、その方が適当かなというふうに考えております。
○糸久八重子君 とにかく、一極集中を是正するということはなるべく政府機関が率先して地方に行くということが大きな課題だと思いますので、これはぜひとも努力をしていただきたいと思います。 政府関係機関の移転が済めば二十三区内には多くの跡地が生まれてくると思いますが、その移転跡地はどのように利用、処分をされるのでしょうか。そして、具体的にはどんなことを考えていらっしゃるのかをお伺いさせてください。
○政府委員(西谷剛君) 現在、先ほど申し上げました行政機関の移転で約三十六ヘクタールの跡地が生み出されると見込んでおりますが、跡地の利用の問題につきましては、移転に関する閣議決定で「極力公共・公益的利用を図る」というように定めております。 現段階におきましてはま仁具体の跡地利用計画を策定するまでには至っておりませんけれども、「極力公共・公益的利用を図る」という趣旨に沿いまして具体計画を今後関係各省と協議してまいりたいと考えております。
○糸久八重子君 国有財産中央審議会の答申によれば確かに、公用・公共用優先の原則を徹底させる、そしてできるだけ広範囲で多数に効果が及ぶように活用する、こう言っているようですね。そして、国有地利用研究会の報告によりますと、一極集中是正に沿って利用する、それからなるべく重層的活用に努める、こういうことが書かれてあります。 具体的にどんなことを考えていらっしゃるのか、まだということなんですか。恐らく公共用といいますと公園とか公共施設とか住宅とかということが考えられるのではないかと思いますが、例えば未利用国有地を直接分譲とか賃貸住宅に利用しても量的効果は余り期待できないし、しかも利用者というのは限られてしまう。それよりも、住宅の場合は一時的な住宅として複数の再開発に繰り返し使えばより大きな効果が期待できるのではないかなというふうに思うのですけれども、これは意見でございます。 拠点法によりますオフィスの移転跡地については、これはどう考えていらっしゃるのか、その辺をお伺いいたします。
○政府委員(鈴木英夫君) 御指摘の産業業務施設跡地の利用でございますけれども、これはただいま御審議いただいております新法の三十七条で「過度集積地域における産業業務施設の移転に係る産業業務施設の跡地が公共の用途その他住民の福祉の増進に資する用途に利用されるよう努めなければならない。」という規定が置かれておりまして、具体的には跡地の適切な利用という観点からは、例えば移転の跡地を公園でありますとか広場でありますとか、福祉施設でありますとか、そういった公共の用途、その他住民の福祉の増進に資する用途に活用されることが適切であるというふうに考えております。
○糸久八重子君 自治体による公有地化を進めるべきだと思いますが、幸い今国会で公有地拡大の推進とそれから資金融資の法律が成立をいたしました。この公拡法を拠点法に連動して適用させ、東京における公有地の一層の拡大を促すべきだと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(伴襄君) 先ほどおっしゃった公有地拡大法と低利資金融資法、これを今国会で可決成立させていただきましたが、この公有地拡大法に基づく土地の先買い制度というのは、地権者が土地を手放したいという機会を機敏にとらえて公有地を確保していくという制度でございます。したがって、二十三区内の企業等跡地につきましても、手放したいという意思があれば、特に将来公共事業用地とかあるいはその代替地として活用が見込まれる土地につきましては、この制度の積極的な活用によって計画的に取得していくというのは有用かと思っております。 また、資金的にも都市開発資金制度というのがございまして、これでもって工場等の敷地について買い取り資金を用意できておりますし、それから今年度からは開銀とか中小金融公庫とか国民公庫で融資制度もできております。そういうものを活用して積極的に拡大していくのが得策だと思っております。
○糸久八重子君 移転を推進する機関として検討されることになっております住宅金融公庫について、現在、所管官庁であります建設省でどのような検討がなされておるのでしょうか。水道橋にある本店の建てかえが現在行われているようですけれども、今後、本社機能のうち一部でも移転する予定はあるのかないのか、その辺のところはいかがでしょうか。
○政府委員(立石真君) まず住宅金融公庫の庁舎の状況でございますけれども、既存の住宅金融公庫の庁舎は昭和二十九年に建築されまして、同三十六年、四十一年に増築されたものでございますので、非常に老朽化が著しい。そしてまた、最近の例えばOA機器を利用した事務の合理化にも対応できない状況となっておりましたため、現地において建てかえを行うこととして、本年三月には仮事務所に移転の上、現在、工事を実施中でございます。 移転問題との関係についてでございますが、公庫を含む政府関係金融機関につきましては、平成元年の十月三十日の国の機関等移転推進連絡会議におきまして、昭和六十三年七月十九日の閣議決定の趣旨を踏まえまして、機能の一部の地方への移転等も含め、引き続き検討を行うこととされているところでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、公庫本店の老朽化が著しいという物理的な必要性があることから、政府における移転の検討と並行して建てかえることとしたものでございます。
○糸久八重子君 日本国内の民間企業の進んだ事例を見ましても、移転前に職員の採用時点から出身地を考慮したり、移転に際しては地元の公共団体に公社の建設資金を提供したり、さまざまな配慮を行っているようです。建設大臣はこの法案で、若者にとって魅力のある職住遊学の生活空間を地方においてつくっていく、そうお述べになってしらっしゃるようですが、実際、政府機関の移転とか今回の法案の目的とする民間のオフィスの移転を円滑に進めるための条件として欠かせないのは、働く人とその家族の生活面、それにきめ細かな配慮をしていかなければならないのではないかと思います。 東京から地方圏に移転していくことが貧乏くじを引いたとか都落ちになったとかというようなことのないように、魅力のある職住遊学の生活空間モデルを早急に国民に示す必要があるのではないかと思いますが、その辺のことについては、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(山崎拓君) このたびの地方拠点都市地域の整備に当たりましては、現在の国土の発展状況を見ておりますと、東京一極集中に示されますように、複合的な高次の都市機能を持ちましたところに若者たちが魅力を感じて集まってきているということは否めない事実でございます。したがいまして、そういう実情に注目をいたしまして、このたびの拠点都市地域の整備に当たりましては、先生も御指摘いただきましたような職住遊学といった若者たちが魅力を感じます生活空間を造成していくということに、とりわけ留意をしてまいりたいと思っているのでございます。 そういうことから、我が建設省だけではございませんで、他省庁におきましても御協力いただく、こういうことになっておりまして、例えば郵政省でございますとか運輸省でございますとか、文部省でございますとか、あるいは厚生省でございますとか、労働省ももちろん入ると思いますが、それぞれ協議をしてまいりまして、そういった高次の都市機能を持つように努力をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○糸久八重子君 労働省の方にお伺いします。 大都市圏に住む地方移転希望者が地方における生活のイメージが描けるように、住宅、仕事、教育など、勤労者及びその家族の生活に関する情報をセットした情報提供を定期的に行っていく必要がある、そう考えます。そのために、今大臣おっしゃいましたけれども、各種施策の一体化が望まれると思うのですが、労働省は労働者にとって魅力のある地域づくりを支援するためにどのような施策を行っているのでしょうか。 特に、昨年の地域雇用開発等促進法の改正によって新たに創設をされました、若年層の労働力の流出が見られる地域を指定して行う地域雇用環境整備施策の実施状況についても、簡単に説明をしていただきたいと思います。 また、この法案に基づいて指定される地方拠点都市地域に対して労働省として特別の支援施策を行えるのかどうか、そのあたりも含めてお答えをいただきたいと思います。
○説明員(上村隆史君) 先生からお話がございましたが、労働者にとって魅力ある地域であることの前提は、雇用機会の存在が大前提だと考えております。さらにその上で雇用そのものが魅力あるもの、さらには雇用を取り巻きます環境が労働者にとって魅力あるものであることが必要だというふうに考えております。 そういった考え方から、まず、雇用機会の少ない地域では雇用機会を開発するという施策を展開しておりますが、先ほど先生からお話がございましたように、昨年スタートいたしました地域雇用環境整備施策といたしまして、地域の自主的な取り組みを支援するための基金の造成ですとか、雇用構造改善モデルプロジェクト推進事業といったモデル的な事業の支援措置ですとか、そういった施策を展開しているところでございます。 それから、昨年スタートいたしました地域雇用環境整備施策の実施状況でございますけれども、昨年の十月からスタートしておりますが、昨年度は新潟県の上越地域あるいは熊本県の八代・球磨地域など六地域が雇用環境整備地域として承認され、早い地域では基金の造成がスタートし、その果実で地域での人材定着に向けた各種の活動等がスタートしたところでございます。さらに今年度、まだ環境整備地域は承認されておりませんけれども、その前提となります、法律上特定雇用機会不足地域と言っておりますが、その地域も六地域四月一日で指定したところでございます。 それから最後に、この今回御審議されております施策との関係でございますけれども、労働省の雇用環境整備地域を県と相談しながら地域を指定して承認しておりますが、今回の拠点都市地域も知事が指定するというふうに理解しております。その指定に当たりましては、労働省も主務省庁から協議を受けるということになっておりますし、さらには産業業務施設の移転計画の認定の内容等につきまして通産省からも連絡を受け、協力関係に立った上で連携をとりながら雇用情報等の提供に努めて、人材の円滑な地方への還流が進むように努力したいと思っております。
○糸久八重子君 一つ国土庁にお伺いいたしますけれども、国土庁はイギリスやスウェーデンにおける政府機関の分散について調査をなされたそうでございますけれども、移転対象者の何割ぐらいが移転したのか、仕事を持つ配偶者に対してどのような配慮を行っているのか等を含めて、簡単に説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(西谷剛君) イギリスの場合、実は官庁の多くが賃貸ビルに入居しているようでございまして、我が国と相当事情が違うようでございます。現在、ロンドンの賃料が非常に高いものですから、その経費削減も図るということからと、もう一つ、ロンドンで非常に人材の確保が難しいという事情から、独立性のある機関を国内各都市に移転しつつあるという状況のようでございます。 やや具体的に申し上げますと、段階を追って移転しているようでございまして、第一段階では二万二千人ほどがロンドン外に移転、第二段階では二千五百ポスト――ポストというのは人ということですが、二千五百人、それから最近、第三段階では六千ポスト、六千人が移転を完了した、こういう状況のようでございます。 またスウェーデンにおきましては、むしろ地方都市部での失業対策やら地方振興、この辺に焦点を合わせまして、政策立案部局を除いたやや独立性の高い機関を一九七〇年から八〇年ごろにかけて国内各都市に分散させたようでございます。数字的に申し上げますと、これも何段階かに分かれているようでございますが、現在まで約一万一千人ほどの移転を行ったようでございます。 なお、お尋ねの移転先での職員対策がどうかというような点については詳しく承知をしておりません。
○糸久八重子君 そういう先進国の参考になる例は大いに参考にしていただいて、目的にかなった移転ができるようにしていただきたい、そのように思っております。 それから、通産省の答弁によりますと、アンケート調査によれば約四割の企業が本社機能の移転計画を策定中あるいは検討中としておりますけれども、具体的な計画を策定中なのは七・八%の企業のみで、残りは具体的な計画は当面ないけれども移転も検討の対象という非常に消極的な姿勢にすぎないようでございます。 仮に移転するといたしましても、国土庁の調査によりますと、東京圏内、都心から二時間以下のところがほとんどで、地方移転する可能性は大変低いんではないか、そう心配するわけですが、効果がはっきりしない企業に対する優遇税制とか融資などの措置よりも、潜在的な地方移転希望のある労働者個人に対して情報提供を各省庁一体となって行うことを検討してはいかがかなというふうに考えるんですけれども、この辺の見解はいかがでしょうか。
○政府委員(鈴木英夫君) 先生御指摘のように、ただいま私どものアンケートに関する限り、具体的な移転計画を策定中あるいは検討中という企業が約四割を占めておりますけれども、かって移転の経験のある企業にお話を伺ってみますと、先ほど来先生が御指摘のように、移転した動機の一つといたしまして、従業員の住宅でありますとか家族を含めました生活環境でありますとか、あるいは通勤上の問題、こういうことから移転に踏み切ったというところもかなり多うございまして、最近、企業はそういう従業員の立場というものを非常に重視する傾向になってるんではないかというふうに考えます。 そうしたことからいたしますと、私どもも今後移転計画等を審査することになるわけでございますけれども、そういう面での従業員への配慮とともに、従業員に対します。そういう情報の提供のようなものも非常に大事な要素になると考えておりまして、各省と協力しながらその辺の施策についても検討してまいりたいというふうに考えております。
○糸久八重子君 若者を引きつけるような職住遊学の生活空間をこの地方拠点都市地域につくっていくにはどのような都市を指定していくのでしょうか。県内第二、第三の都市を中心とした地域というお話もあるようですが、この地域について自治省はおおむね人口十万以上の地域に設定されている広域市町村圏を考えておるようですし、また建設省は、一般の国道で車で三十分程度の地域あるいは広域市町村圏を幾つか合わせて建設省で設定されている地方生活圏を想定されているということなんですが、一つのモデルとしてはどのような広がりを持った地域にどの程度の人口集積があれば国としてこの施策が実効性が上がると考えていらっしゃるんでしょうか。
○政府委員(市川一朗君) いろいろなケースを私どもは想定しておりますが、ただいま先生のお尋ねの点にある程度焦点を合わせましてお答え申し上げたいと思います。 先ほどからの御答弁にもございますように、私ども今回の法案を考えるに当たりまして基本的に考えておりますことは、人口減少が進んでおる地方におきまして地方の活性化を促していきたいということでございます。ただ、その際に、県内の一極集中という問題も生じておりますので、そこにも十分配慮しながら考える必要があるというところから、大体の県におきましては、県全体としては人口が減少してございますが、例えば県庁所在都市等では人口がふえておるという状況がありますので、できますならば県庁所在都市を除いた県内第二、第三の都市ぐらいをイメージすることがより有効なのではないかと考えております。 ただし、その際に、県内のバランスということも考えまして、南と北あるいは東と西といったようなところで県内が全体として均衡ある発展が図られるようなところで考えていくべきなのではないかということが一点でございます。それから、そういった場合に、ある中心市をイメージはいたしますが、その中心の市及びその周辺の市町村を含む地域としての発展ということは極めて重要でございまして、理想的にはそういった地域の総合体が県全体であればそれが一番いいわけでございます。 そういう中で、その中心市及びその周辺というのは大体どういったところが範囲になるだろうかという場合に、日常の生活圏とかあるいは経済圏、文化圏、そういったようなことをいろいろ考えますと、実は県あるいは地域によりましていろいろ違うわけでございますが、一つのわかりやすい指標として、高速道路を使いますとちょっとあれでございますが、通常の道路を使って車で三十分ぐらいの範囲内でございますと、最近はほとんど通勤圏であり、通学圏であり、日常生活圏であり、共通の文化圏という感じになっておるというような分析結果もございまして、そういったようなことを建設省としても基本的にはイメージしながらいろいろ御説明しておったという事情があるわけでございます。
○糸久八重子君 そうすると、地方に十万なり二十万なりの都市が整備されるということになるでしょうが、この法案が成立しても十万ないし二十万程度の拠点都市が整備されるということは難しいんじゃないかなということが、巷間言われているわけです。それをよく聞いてみますと、この法案の本当のねらいというのは景気浮揚策なのではないか、景気浮揚へのアナウンス効果ではないかという地方自治体関係者の声もあるんですが、その辺のところは大丈夫でしょうか。
○国務大臣(山崎拓君) 建設行政からちょっとお答えをいたしたいと思います。建設行政のいわば目標というのは、住宅、社会資本の整備でございます。住宅、社会資本の整備ではございますが、一定の方向性を持ちましてそのことをとり行ってまいりたいと考えておるわけでございます。 その方向性というのは、一つは国土の均衡ある発展に資するということ、二つはせっかく宮澤政権が標榜いたしております生活大国づくりに資する方向、それから三つ目は今先生がおっしゃいました内需振興に資するということ、これも当然考えているわけでございます。 そこで、この法案の持つ意義でございますが、結果的には先生御指摘のような景気浮揚策的な意義ももたらすことはあるいはあり得ると思いますが、本来的には私が第一の方向として申し上げました国土の均衡ある発展に資するものであると考えておるわけでございます。そして、四全総でうたっておりますいわゆる多極分散型の国土の形成を目指すものであると理解をいたしておるところでございます。 でございますから、単に建設省だけがこの法案にかかわっておるわけではございませんで、建設省は六つあります主務大臣を置く官庁の一つにすぎないわけでございまして、とりわけ協議機関を設けました場合の取りまとめ役を国土庁がしてくださるわけでございまして、自治省、通産省、あるいは郵政省、農水省、それだけの主務官庁がございますし、また他省庁も運輸省、文部省を初めといたしまして協議大臣として私どもの協議に御協力をいただく、その他の官庁におきましても当然協議させていただくということになろうかと思います。 政府を挙げまして取り組んでいる課題でございまして、文字どおり国土の均衡ある発展、そして多極分散型国土の形成を目指すものでございます。 そういうことで、ただいまも都市局長が答弁をいたしましたが、一極集中が進みまして、そして平成二年度の国勢調査によれば十八道県において人口減少が見られるといったことを、この際この法案が成立いたしました暁には大きく是正をいたしまして国土の均衡ある発展を図ってまいりたい、こういうことが本来的なこの法案の意義でございます。
○糸久八重子君 政府は二年前にアメリカとの構造協議の結果として公共投資十カ年計画を策定して、住宅とか道路とか下水道、都市公園等の整備に重点を置いた方針が示されたわけですけれども、この法案の拠点都市整備に伴う公共投資とどう絡み合うのか、どう調整していくのか、簡潔に説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 公共投資基本計画におきましては、平成三年度を初年度とする十年間におきまして、公共投資の総額を四百三十兆円といたしまして国民生活の質の向上に結びつく事業に重点的に配分する、考え方といたしましては豊かさを実感できる国民生活の実現と地域経済社会の均衡ある発展を図るということでございます。 それで、本法案に基づきます地方拠点都市地域の整備につきましては、こうした公共投資基本計画の実施段階におきまして道路、公園を初めとする公共事業の重点実施といったようなことが重要なファクターになると考えておりまして、その際、地方の自主的な取り組みや意向をできるだけ尊重しながら、国といたしましても公共事業の重点配分という形でこの地方拠点都市地域の一体的な整備に向けて努めてまいる所存でございまして、これが公共投資基本計画の実施の中で実現される、そういうふうに理解しておるところでございます。
○糸久八重子君 中身に入りますが、法案を読んでみますと、事業所に対する移転誘導策は明記されておりますけれども、従業員とか社員については全く書かれておりません。従業員があって企業が成り立つのであって、従業員はいざ移転となりますと家族ともども子供の転校とかその他もろもろの出費と精神的負担が生ずることは必至であります。したがって、これら従業員に対する問題の解決法というのは考えていらっしゃいますでしょうか。
○政府委員(鈴木英夫君) 先ほど申し上げましたように、最近、企業におきましても従業員の立場というものをより重視するという傾向が強くなってきておるというふうに考えております。 これに呼応いたしまして、政府といたしましても、御指摘のように従業員の生活というものについては配慮を払っていく必要があるというふうに考えておりまして、この新法での対応といたしましては、ここの第三十三条二項三号におきまして、企業が移転計画をつくりますときの記載事項として移転に伴う労務に関する事項というのを書いていただくことにしております。 この中では、基本方針を定めますときにどういう具体的な中身を書いていただくかということを検討すべき問題でございますので、これはまだ必ずしも各省庁と意見を調整しているわけではありませんけれども、私ども事務的にはこの労務に関する事項といたしまして、新しく移転しました先での従業員の内容でありますとか、旧施設における従業員の取り扱いの問題でありますとかあるいは再就職のあっせん等、旧施設の従業員のために講ずべき措置の内容でありますとか、あるいは移転した従業員の労働条件に関する方針等も書いていただく必要があるのかなということでただいま検討しております。 そういうことで、従業員の雇用の安定あるいは生活の確保ということについても十分慎重に対応できるように考えてまいる方針でございます。
○糸久八重子君 参考人の御意見にもありましたけれども、移転対象は事務所とか営業所でありまして、「工場を除く。」と規定されておりますね。東京集中による地方経済の疲弊した状況を活性化させるためには工場の移転が何よりも必要なのではないかと思うんですけれども、「工場を除く。」というところは改めることはできないのでしょうか、オフィスだけということなのでしょうか、その辺はいかがでしょうか。
○政府委員(鈴木英夫君) 私ども通産省といたしましては、これまで地域開発、地域の活性化のためには地域において雇用の場をつくるということが非常に大事であるということで、したがって、経済とか産業の実態を地方に定着をさせるという観点から従来からいろいろな産業立地政策を進めさせてきていただいております。例えば工業の再配置政策あるいはテクノポリス政策、こういうものを進めさせてきていただいたわけでございますが、これは主として生産機能の移転あるいは生産機能の地方における新増設というようなことを中心にして、税制あるいは融資等による分散施策をやらせてきていただいたわけでございます。 幸いにいたしまして、工業再配置政策の例で申し上げますと、最近、新増設いたします工場の約八割がいわゆる誘導地域、大都市圏周辺以外の地域に立地されるようになりましたし、またテクノポリス政策の成果といたしましては、こういった地域の指定前後の工場立地の数字を見てみますと、全国平均に比べまして高い伸びを示している、あるいは従業員の集中もこういうテクノポリス地域に集中をしておるというような結果が出ておりまして、それなりに工場の分散政策におきましては既存の政策で成果を上げてきているというふうに考えております。 ただ、今回の問題点は、工場以外にオフィスが東京に過度に集中しているという問題から端を発しまして、この政策体系の中ではオフィスの分散、オフィスの地方における新規立地あるいは増設ということを対象にしてこの法案を提出させていただいておりまして、工場の分散につきましては、私ども既存の従前の施策体系によって引き続き促進されるものというふうに考えておる次第でございます。
○糸久八重子君 オフィスの移転についてはこの法案で、そしてあと工場については別途の法律でというようなお話ですが、それらを一体的に考えていかないと、工場はあちらの地域にあってオフィスはここにあると大変その辺の連絡がうまくないというようなこともありますから、そういうところはこれから一体的に考えていかなければいけないのではないかというふうに考えるところでございます。 法律に裏づけられました事業を進める場合には、その事業がスムーズに展開、進捗するための基盤づくりというのが必要になってくるわけですが、事業所の地方移転を促すために、既存企業や事業所に対する現在地での施設の拡張とか拡大、そういうものを抑制、制限する必要があると思います。 戦後、これに類似をした法律とか都市計画法等の事業で、その趣旨や方向とは逆行した開発や事業執行がたくさん行われました。例えば道路の新設とか拡張予定地があるとそこのところにビルが突如として建ってしまうというような例があるわけですが、東京一極集中の弊害がここまで進んでしまった今日、もはや後戻りというのは許されないと思います。その意味から、先ほども申し上げましたけれども、既存事業所の拡大を抑止することが必要なのではないか。事業所の拡張制限の条項というのは設けられないのかどうか、またこの辺のところをどう対処していかれるのか、御見解を承りたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) 私ども、産業業務機能の再配置の促進を図るという点につきまして、まさに先生御指摘のように三つの要素、つまり、一つは地方圏における魅力ある受け皿整備をすること、二つ目は東京から地方圏への移転誘導策をとること、それから三番目に東京におきます過度集中に対します何らかの立地適正化の方策、この三つが三位一体となりまして効果を上げていくものというふうに考えております。まさに御指摘のとおりだと思います。 今回の法案におきましては、第三十九条におきまして、都市計画を初めとする土地利用に関する計画の中で、過度集中の状況を十分踏まえた対応を求める規定が置かれておりまして、これは国、地方公共団体ともどもそういう立地の適正化ということについて対応すべきであるという条文がございますので、そういう条文を生かしながら、さらに今年度より導入されました地価税等の諸対策が全体としての抑制効果をそれなりに発揮するものというふうに期待をしておる次第でございます。
○糸久八重子君 最後になりますけれども、この法案をさらに地方に歓迎される法案にするためには、拠点指定地域内住民を優先的に雇用する、そういうことが必要ではないかと思いますが、その辺のところは例えば政省令とかそういうものでできるのかどうか、その辺の御見解はいかがでしょうか。
○政府委員(鈴木英夫君) 産業業務施設の再配置の促進にかかわります今回の施策を御提案申し上げております背景といたしまして、まさに先生おっしゃいますような若者を中心とした地域からの人口流出が進んでいるということで、若者が地域に喜んで定着するために魅力のある就業機会の創出が強く求められている、こういうことから法律を提案させていただいておるわけでございます。 ただ、労働力不足が叫ばれる中で、労働需給の流動性を確保するという観点からいたしますと、地域内の住民を優先的雇用する義務を課することはいかがかということでございますけれども、ただ、この施策を進めていきます際には地域の住民の雇用に関して十分配意されることが御指摘のとおり非常に大事だというふうに考えておりますので、今後、企業に対しましてもそういう観点からいろんな面での指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
○糸久八重子君 ありがとうございました。終わります。
○三上隆雄君 それでは、私は通告では七点の通告をいたしましたけれども、関係大臣あるいは政府委員の日程によりましてその順序が若干変更あることをあらかじめお断りをいたしまして、質問を続けてまいりたいと思います。 今回の地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律、この極めて長ったらしい名称が示すとおり、人口の減少が続く地域、しかも発展性のある地域を指定して、地域の特性と創意工夫を生かし都市機能の増進及び住居環境の整備を図るんだ、こういう法律であります。しかも、過度に産業業務施設が集積している地域からその施設を再配置を図って国土の均衡ある発展に資するとされておるわけであります。 その場合、この法案が意図する目的は、地方の発展を図るのと、それからその再配置を過度の産業業務施設の地域から産業の再配置を図るという二つの目的があるわけですけれども、どちらに重点が置かれているのか、その指定に当たっての基本的な考え方を、建設大臣、よろしくお願いいたします。
○国務大臣(山崎拓君) 御指摘のとおりこの法案は非常に長たらしい名称がついておりまして、前段と後段とに分かれております。前段は「地方拠点都市地域整備の促進」、後段は「産業業務施設の再配置の促進」、こういうことでございます。前段はいわゆる地方の自立的な成長を促進いたしまして国土の均衡ある発展を図ることがねらいでございまして、そのことをあらわしております。後段につきましては、東京一極集中是正のために東京に集中いたしておりますオフィス機能を地方に分散せしめようというねらいでございます。 いずれに力点があるのかという御質問でございますが、地方の活性化とあわせて東京の一極集中の是正と両々相まってその目的を達成したいと思っておりますが、どちらかはっきりしろということをおっしゃるとすれば、私どもといたしましては地方の活性化に最重点があるというふうに申し上げたいところでございます。
○三上隆雄君 ただいま大臣から、二つの目的があるけれども前段の地方の活性化を図るのが主たる目的であるというお答えがありましたけれども、そこで例えば、どのような状況の地域、どういう道県をどの程度、何年間で指定して、そして実際にその計画の執行に当たるのか、その点のことをお答えいただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 地方拠点都市地域につきましては、地方の発展を牽引するための拠点となる潜在力を有する地域ということを基本的にイメージしておるわけでございまして、その際、各般の施策の効果を高めるためにいわゆる重点投資を行っていくということを考えておりますので、まず全体的に見まして、数はある程度絞られる必要があるのではないかというふうに考えております。 それから、具体の指定に当たりましては、全国的な観点もございますけれども、三大都市圏を除きます各道県内で最終的には一、二カ所ということを考えたいというふうに思っております。 それから、どういった場所が指定されるのかということにつきましては、基本的には地方の発展を索引するための拠点たる潜在力を有する地域ということでございます。 先ほどの大臣の御答弁でもあったわけでございますが、今回の国勢調査で十八道県に及びます県で人口減少が生じました。その中で十四の道県では県庁所在都市で人口増加が見られております。そのほかに、大体見まして、政令指定都市とかあるいは主主して県庁所在都市等では人口増加が見られております。 そこで、イメージといたしましては、あらゆる面での広義の都市機能が集積している都市が若者を引きつける魅力もあるという最大の要点かと思いますけれども、地方でも頑張っておる、そういったような拠点をそれぞれの県単位で見まして、それ以外に一つ二つふやしていくことが極めて有効なのではないか、そういったようなイメージを持っておるわけでございます。ただし、その際に、都市にだけ着目するのではなくて、その中心市の周辺の市町村も含めた地域振興ということも極めて大事な要素であるというふうに考えておるところでございます。 それから、その地域指定のペースでございますが、まだその辺全体の議論につきましては関係省庁とも協議中でございまして、この法案が成立いたしました後十分協議してまいるということになると思いますが、とりあえず本年度につきましては、何とか諸般の準備を進めまして年内を目途にある程度の指定の協議は終了するように努力いたしたい、そういうふうに考えているとこうでございます。
○三上隆雄君 ただいまお答えがありましたけれども、さきの国勢調査の結果を例に引き出していただきましたが、私もその資料を今見て、この資料のことかなと思うわけであります。 この資料は総務庁の統計局で出した国勢調査報告なんですけれども、人口の減少県を黄色で塗りつぶしてみました。(資料を示す)この白が人口の増加県で、塗りつぶされたところが減少県です。この地図が示すとおり北海道、東北、そして九州、四国、山陰等々が人口の減少県になっているわけであります。 私は今回の指定に当たってはこの過疎地域を優先して指定すべきだと思うわけであります。その集中化した地域から指定するというよりも人口が集中化してない地域から指定する、減少化したということで、山から谷へ人口と産業を再配分するという考え方がむしろ容易であってベターではなかろうかと思うわけでありますけれども、その点についての考え方をもう一度お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) ただいまの先生の御指摘は、私どもが基本的に考えております考え方と大体同じ考え方に立っておると思うわけでございます。 ただ今回、私どもがこの法案を策定するまでの過程でいろいろ議論いたしましたものといたしましては、国土の均衡ある発展を図るという意味におきましては、三大都市圏以外の地方圏を強化し活性化を図るということが極めて重要なファクターでございまして、現実に人口が減少し過疎が進行しているところについて施策の重要性がより高いということについては全く同感でございます。しかし、それ以外におきましても、例えば形式的な人口は増加しておりますけれども、県内を見ますとそれがある一つの都市への集中にすぎないといったようなこともあるわけでございまして、それらを押しなべて見ますと、私どもの基本的な目標でございますいわゆる四全総で掲げております国土の均衡ある発展、多極分散型の国土の形成という観点からは、広く地方圏全体の活性化を図るという施策の展開が必要なのではないかと思った次第でございます。 実際の運用に当たりましては、施策のウエートの置き方等につきましていろんな配慮がなされることになろうかと思いますが、基本的には、三大都市圏を除きます地方圏各県におきまして最終的に一ないし二カ所の拠点地域が指定され、それぞれの箇所で活性化に向けていろんな努力がなされるということを私どもとしては目指したい、そう思っておるところでございます。
○三上隆雄君 今のお答えのように、私はこの法案の趣旨、目的には全く賛成するものでありましで、一日も早くこの制定をいただいて、そしてまたより早く指定をされて、おくれた地域を重点的に、そしてその目的とする効果がより出るようにひとつ進めてほしいものだ、こう要望しておきたいと思います。 それでは次は、具体的に、もし今回この法案が通って拠点地域が指定された場合に、その地域にどんな優遇または特例の措置が講じられていくのか、そしてまた、補助あるいは別途事業等の枠のかさ上げ等がどの程度期待できるものか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 指定地域に対します支援措置につきましては、まず、この法律でいろいろな支援措置が講ぜられております用地方債の特例でありますとかあるいは通信・放送関係、それから地域振興整備公団の業務の特例、その他都市計画上の特例も含めましていろいろな法律上の措置がなされております。 それから予算上も、平成四年度の新規予算事項といたしまして、都市拠点総合整備事業の創設とか、あるいは開銀、北東公庫によります低利融資とか、そういったようなこともなされておるわけでございますが、私どもが最も基本的な支援措置として考えておりますものは、その地域整備に当たりまして必要となる公共施設の整備あるいは住宅宅地の供給の促進に対します補助金その他の立場からの重点配分といいますか、重点投資といったようなことが極めて重要であると思っております。その辺につきましては、条文上は十四条というところで「公共施設の整備等」とさらりと書かれておりますが、実質的にはそこが極めて重要なポイントであると思っております。 なお、補助率のかさ上げ等につきましては特段の規定は設けられておりませんが、公共事業を初めとする事業の実施は本年度からといいますよりは平成五年度以降になってまいりますので、そういったような段階もにらみながら、今後の予算要求あるいは予算編成の過程におきましていろいろと工夫してまいる必要があるのではないかといったようなことも関係省庁間で議論しておるところでございます。
○三上隆雄君 建設省には全く申しわけないけれども、指定した農水省の関係政府委員の時間が限られていますので、順序を変更してそちらの質問に入らせていただきたいと思います。 地方の振興、発展を図って若者が魅力と誇りを持って定住できる地域づくり、そのための拠点都市をつくるんだということが本法案の目的でありますけれども、今回の法案の中身を精査してみますと、地域の基幹産業である農業というものが基本方針の中にも基本計画にも盛られていない。第十七条に「農山漁村の整備の促進等についての配慮等」というのがありますが、その条項には「農山漁村の整備の促進及び農林漁業の健全な発展との調和に配慮する」ということで、その「配慮する」というのは条文の文言として極めて不的確な表現で、言っていることは、前段の基本計画、基本方針でうたっていないからこの程度しかったえないのではないか、我々はそういう見方をするわけでありますけれども、それに対する御見解をいただきたい。
○政府委員(海野研一君) この法案と農村地域の振興ないし農林漁業の振興との関係でございますが、基本的に、それぞれの地域におきまして村づくりその他農林水産業の振興を中心として村の整備を図るということで各集落、各市町村は一生懸命やっているわけでございますが、それにしても、どうしても人の定住ということになりますと、就業の場にしても、その他都市施設の利便の享受ということからも、近いところに魅力のある都市が欲しいということがあるわけでございます。 そういう意味で、今回のこの整備法案自体は都市機能の増進と居住環境の整備に関する措置を定めるものでございますけれども、そういうものを定めることによって農村から近いところに魅力のある都市をつくりたいというようなことでございますので、そこでの都市機能の整備が農村地域の振興に非常に役に立つだろうと思っております。 ただ、注意しなければならないのは、ここでうっかりして農村と拠点都市との間に格差が余りつきましてかえってその地域における一極集中ということになってしまってはいけないわけでございます。そういう意味で、私ども、今の配慮事項を十分頭に置きまして、同時に農山漁村において農業基盤の整備や生活環境の整備のための各種の施策を総合的に講じまして、周辺の農村地域の定住の促進に努めてまいりたいというふうに考えているわけでございます。
○三上隆雄君 あえて私が農水省にお願いしたいことは、例えば四全総で全うし切れないものを本法案で仕上げたいという意図も入っているわけでありますから、中央の産業が地方に配置されて、そこにまた新しい産業と労働力の吸収が必要になってくる。そこで、その地域の産業と新しく入った産業とのバランスというものが必要になってくるわけであります。職住遊学を全うするとすれば、経済的な裏づけがなけりゃならない。したがって、そこの基幹産業である農業もこういう場面で積極的に私はうたっておくべきだと思うわけであります。そこにあった産業も入ってきた産業も一緒に期待するんだということをこの基本計画ではっきり方向づけを示すべきではないか、そう思うわけであります。 このことをあえてお願い申し上げ、先に局長からお願いして、主務大臣である建設大臣からもお願いします。
○政府委員(海野研一君) 基本方針ないし基本計画の内容については今後関係省庁間で相談をしていくわけでございますけれども、具体的な農林漁業に対する施策そのものを書く場所はこの計画に限りません。農振法に基づく計画もございますし、その他いろんな計画もございます。 それにしても、あくまでもこの地域の整備というものが地域の農林漁業の振興や農山漁村の整備と離れていてはいけないんだということがこの法案の趣旨でございます。そういう意味で、そのような特に地域の大部分を占める農山漁村の位置づけというものを十分踏まえて、それを基本方針ないし基本計画に十分反映させていきたいというふうに考えております。
○国務大臣(山崎拓君) ただいま御指摘がございました農村地域あるいは農林漁業への配慮の問題でございますが、これは拠点都市地域に指定される当該市町村で基本計画をおつくりになります際に、当然そのことは配慮しながらつくっていくものと考えております。 その際、国といたしましてはその前提となる基本方針を定めるわけでございますが、基本方針は主務大臣が協議いたしまして定めてまいりたいと考えておりますので、この中には農水大臣も当然お入りになります。私も主務大臣の一人でございますが、基本方針を定めます際に先生御指摘の点を十分配慮いたしたものにいたしたいと考えております。
○三上隆雄君 これから主務大臣同士十分協議して配慮しながらということですけれども、本法案はこの基本方針、基本計画に個別具体的に六項目あるいは五項目でうたっているわけですが、それに地場産業である農業の振興、発展ということが一言も入ってないから、あえて私は、原案にそれを挿入していただきたい、できれば修正案として提案いただけもならば私は双手を挙げて賛同するわけであります。その点については後ほど最終的な段階でまた続けていきたいと思いますが、そのことを要望申し上げておきたいと思います。 それでは、国土庁長官も時間が制約されているようでありますから、先にお尋ねをしたいと思います。 今までいろんな形でいわゆる網をかぶっているわけでありますけれども、今回の指定に当たって、既存の制度の網に乗っている制度が支障になったりあるいはその条件があるからこそ優先するとかそういう事情が出てくるのか、その辺についての御見解をいただきたいと思います。
○国務大臣(東家嘉幸君) お尋ねは、地域の振興施策の対象地域が地方拠点法によって重複される場合にはどうなるのかということの趣旨も踏まえてのことだと思いますが、重複された場合についても、それぞれの制度の特色を生かしながら、相互の連携を図りながら地域振興の今後の施策と当然一体的に取り組んでいく必要があろうと思っております。 なおまた、先ほどから先生の御質問等を聞いております中に、特に私どもが今後重点的に検討をしていき進めていかねばならない問題は、今までどうしても魅力を中央に求めて皆さん若い人たちが特に集中した、今度は逆に、魅力ある地域づくりのためには、なかなか取得できない住宅等においても地方に十分それだけの住環境を備えたより安い、そして先ほどから建設大臣も申し上げておりますようにあらゆるそうした文化等も含めた魅力ある拠点地域を整備していくんだということでありまして、今後とも六省庁一体となって取り組むところに特色があるわけでございます。 また、先ほど農水省局長が答えておりましたことに若干触れさせていただきますならば、御県、先生の県においても、どうしても東京に家を離れて一定の期間働かねばならない状況にありますこと、これも今後は、兼業農家として働きながら働ける場所、環境の整備を図るというようなこと等を進めていくとするならば、今、東京、都会に働きに来ざるを得ない皆さん方にとっても通勤しながら農業ができるという、そうした、農業も非常に多様化している今日の中に私はそういうことが生かされていくんではなかろうかということも考えてのことであるということもつけ加えさせていただいて、御答弁にさせていただきます。
○三上隆雄君 具体的に端的にお答えいただきたいわけでありますけれども、いろいろ張りつけられている既成の制度があるわけですね。例えば、農村地域工業等導入促進法、テクノポリス法、リゾート法、地域産業の高度化に寄与する特定事業云々、ありますね。それから多極分散型国土形成法、そしてまた新産都市法があるわけですね。現実に今こういう法律によって計画されて進行しているからこれは問題があるよ、指定に当たってこれは支障があるということと、それから最小限この程度の指定を受けてないと受けられないよという最低条件があると思いますが、それは何ら関係ない、全くこれから新しい視点で指定するという考え方でよろしゅうございますか。
○国務大臣(東家嘉幸君) このことについてはさきにも払お答え申し上げたのでございますが、今いろんな法律がございます。その法律というものが今後確かに重複する場合がありましょう。しかし、この問題は、十分お互いの特徴を生がしながら、将来はそうした整合性を持たせながらやはり問題点として私はとらえていく必要があるのではないだろうかと思っております。
○三上隆雄君 わかりました。今までの既成の制度とは全く関係なく、もしあったとしてもその整合性は十分国が指導して協調してやっていくんだということですね。
○国務大臣(東家嘉幸君) はい、さようでございます。
○三上隆雄君 順序を変えて伺いましたが、国土庁長官、まだ時間が許せるなら最大限いてください。 そこでまた、建設大臣に伺います。 地方自治体がそれぞれ先を読んでもう立候補している地域もあるわけであります。その周辺地域をもって地域を指定するということでありますが、現実に、私は青森県ですけれども、青森県だけではない、それぞれの市が中心になって計画されてもはや運動しているという状況にあるわけであります。そして周辺市町村がもはや入り込むすきがないという状況が出てきているわけでありますが、それに対する指導と可能性はどうなんでしょうか。
○政府委員(市川一朗君) この法案で考えられております地方拠点都市地域につきましては、地域社会の中心となる地方都市とその周辺の市町村から成る地域を一体的に整備促進するということを目的としておりまして、具体的な地域指定もそうでございますし、それから指定された地域におきます基本計画の策定に当たりましても、周辺の市町村を含めた一体とした整備をねらいとして計画も共同して策定するということになるわけでございます。 ただいま先生の御指摘のような面も場所によりましてあるいはあるのかもしれませんが、最終的には関係市町村一体となった協力体制の中でこの法案のねらいが実現されていくというふうに考えておりますので、私どもといたしましては、特に地域指定の段階におきましては関係市町村が十分な連携を図って対応されることが望ましいというふうに考えておる次第でございまして、具体的な指導等につきましての御指摘があったわけでございますが、関係省庁とも十分連絡をとりながら、そういった方向に反するようなことは万々ないと思うのでございますけれども、十分配慮してまいる必要があるのかな、ただいま御指摘をいただきましてそう思っておるところでございます。
○三上隆雄君 現実に社会的経済的あるいは地理的条件も同じで同一県内にありながら一つの市が走ってしまっているわけですね。これは当然そのくらいの積極性がないとだめだと思うけれども、その隣接市町村が同じ県域の中にあって参入する機会がないと理想的な地域指定というものができないということもありますから、国が積極的に指導していただきたいということを要望しておきます。 それに対する可能性はありますか。
○政府委員(市川一朗君) 十分配慮してまいりたいと思います。
○三上隆雄君 配慮じゃなくて、可能性はあるということですか。
○国務大臣(山崎拓君) 当該拠点都市地域以外の地域と申しますか、市町村のことについて御心配ではないかと思うのでございますが、この法案は国土の均衡ある発展を図るという大きな網がございますけれども、同時に、県内において県庁所在都市に一極集中している傾向も既にあるということは都市局長も答弁の中で申し上げたわけでございますが、県土の均衡ある発展ということは当然この法案としては考慮いたしていくわけでございます。 そこで、その県内におきまして県庁所在地以外にどこに拠点を設けたらいいか、そのことが可能になるかということも十分配慮していくわけでございます。 そうなりますと、その県の状況いかんによりますが、例えば拠点都市地域を県庁所在地以外にあと二つつくる、そうしますと、その拠点から円を描きまして県土がどういうふうになっていくかということになれば、その三つの円が恐らく県土全域をほぼカバーするような形になるのではないかということが一点、それからもう一つは、例えば道路網の整備、これは公共施設の中でも最も中心となって整備されていくべきものでございますが、その道路は拠点都市地域内だけを整備いたしましても効用を持たないわけでござまして、当然、他の拠点都市地域との間、あるいは高速道路網、ネットワークとの関係等々、十分にその機能を発揮するように整備されていくということからいたしますと、冒頭に申し上げましたように県土全域の均衡ある発展ということになりまして、私はいかなる県内の市町村もこの法案の施行によりまして禅益すると申しますか、発展の成果が均てんしてもたらされていくものと考えております。
○三上隆雄君 それが指定されてその事業が進行したときにどういう地域ができるのかということがまだイメージできない段階の質問だから、これは的外れな点もあるかと思いますけれども、現実に例えば弘前市なら弘前市、八戸市なら八戸市、そういう一つの市が一定の計画を持ってもう走っているわけですね。その隣接市町村があらゆる面で同じ県域の中にありながらそれに参入し得ないから、それに参入する機会を国が指導してもらえるのかどうかということを聞いているんです。
○政府委員(市川一朗君) 先ほどの私の答弁がちょっと不十分でございまして、申しわけございませんでした。 当然ある中心市をイメージしながらその周辺の市町村を含めた地域を一体的整備ということを考えておりますので、一つの市だけが指定されそこで計画がつくられるということは、むしろ私どもがこの法案でねらっている趣旨と反するぐらいだと考えております。この法案にもそういった趣旨は入っていると思いますけれども、基本方針を主務大臣が定める際にもその辺がかなり具体的に強調されると思いますので、具体の地域指定の段階におきまして、ただいま先生から御指摘されたようなことにつきましてはきちっと事務的にもそういうふうにならないように処理できると思っておりますし、また処理すべきであるというふうに考えておるところでございます。
○三上隆雄君 それでは、大分時間も経過しましたので、今回のその拠点都市法の指定に直接関係ないけれども、目的そのものが東京一極集中の状況を排除して多極分散型の国土の均衡ある発展を願うとしての法案であるならば、私はひとつ両大臣がいる機会にお聞きをいただいてあえてお答えをいただきたいと思います。 我々が日本の国土に住んで生活し経済活動をしていくのにいろんな条件があると思いますけれども、少なくとも中央と地方の条件は同じでなきゃならぬ。その条件というのは距離的格差、時間的格差、経済的格差、情報の格差、いろいろあると思いますけれども、私はこの点は、現時点で可能だなということを若干御提案申し上げて両大臣の御見解をいただきたいわけであります。 一つは、道路の交通条件、これは全国、九州から北海道から東京へ来るために同じ条件を与えなきゃ私は国民に平等な権利は与えてないということになると思うので、少なくとも高速道路の料金、これは無料化すべきだと思うんです。たびたび私も欧米諸国を回る機会がもありますけれども、特定の地域以外はほとんどが無料です。フリーパスです。その点を考えたときに日本がこのぐらい経済大国になった、生活大国にしなきゃならない、狭いけれども長い国土のこの条件をいかに平等に国民に均衡ある恩恵を享受させるかという立場に立ては、高速道路の料金は私は無料にすべきだと思う。 それから鉄道運賃、これももっと改善すべきだ。 それからもう一つこの機会にお願いしたいことは、地方が遠くなって経済性が不利な状況にある地方が新幹線の一部負担をしなきゃならないという、これも改善しなきゃならぬと思う。 その三つの点について両大臣から、国土庁長官は時間が迫っておるようですから、長官の方から
○国務大臣(東家嘉幸君) 地方をこれから活性化していく、その過程の中で地方の皆さん方が創造性を持って自立的方向で進んでいってもらわねばならない、そのことにいかに国が支援していくかということの基本に基づく法律でございますから、そういうことで今いろんな料金等の問題も出ましたが、私はとても今答えられる立場でもございませんが、要は、魅力を感じて都会に集中することを是正するためにはどうすればいいのかということは、おのずからあらゆる面から基本方針に沿った運用の中で問題点が今後検討をされていくものと思っております。要は、核となるその第二、第三の都市の周辺が開発可能で拡大でき得る環境が整っているか、そのことを私は今後の視点の中において大きく位置づけることが重要であろうと思っております。 今後、そういう今申し上げましたようなこと等もよく踏まえて、そして運用の面でどう今後取り組んでいくかということについては、私ども六省庁、なおまた協議官庁とともどもに、きょうこうして局長さん初め皆さん方、我々も出席してやっておるのでありますが、もう長い時間先生方から御指摘を受けたことは十分踏まえて取り組んでまいりたいというふうに思っております。具体的に答えはなかなか出てきませんけれども、そういう大局的なことでの今度の拠点法であるという認識に立ってまいりたいと思っております。
○国務大臣(山崎拓君) 高速道路網の無料化の問題でございますが、これは確かに理想であろうかと考えております。 ただ、我が国の社会資本の整備は欧米諸国に比べまして確かに立ちおくれの面がございます。とりわけ高速道路網に関しましてはそういう点が言えるのではないかと考えているのでございます。 これは私が建設省に参りまして勉強いたしましたことでございますが、第一次道路整備五カ年計画は昭和二十九年に始まったのでございまして、現在まで三十八年間という歳月を要して道路整備を行ってまいったのでございます。高速道路網の整備は、昭和三十八年に名神高速道路を皮切りにいたしまして七十一キロメートルが初めて供用になったということでございまして、その目標は一万一千五百二十キロということになっております。平成三年度末ではまだ五千五十五キロでございまして、実は四四%が達成いたしておる状況でございます。 これからさらに一段と整備を進めてまいらなければならないのでございますが、そういう状況の中で、しかも限られた財源のもとで、これだけ膨大な公共投資を行っていく道路に関しましてその際にどうしたらいいかということになれば、いろいろ道路の制度を活用してその執行率を高めていくということがどうしてもやむを得ない措置になろうかと思っているのでございます。先発の高速道路に関しましてもなお負担を続けていただくわけでございまして、いわゆるプール制を採用しながらこの有料道路の制度をもちまして今後も整備を追打ていかざるを得ない。 先生の御指摘の点は十分理解できるところでございますが、私どもは理想を求めつつも現実に照らしまして事業を進めさせていただくことを御理解いただきたいと存じております。
○三上隆雄君 それぞれ両大臣から優等生の答弁をいただきましたけれども、それでは私は地方と中央の格差是正できないと思います。思い切った施策をやって目に見えているそのハンディを解消していかないと私は是正できないと思うんです。その意味で少なくとも高速道路は私は無料化すべきだと思うんです。そうすると、産業も人ももっと地方に配置するということを考える企業も出てくるんです。 それからもう一つ、いろんな条件があります。距離的、時間的、それから産業的、いろいろ条件がありますけれども、自然的条件を考えてみてください。今、地球上は南北対立の時代だと言われます。地方は積雪寒冷地帯で、雪がある。雪は水資源の源です。それから森林がある。森林は大気を浄化する源です。その価値というものをやっぱり見直していかなければならぬ。そういうことを考えれば、当然、今私が主張しているぐらいのことは、私は今の日本の国力からいったら何も無理な要求ではないと思うんです。それをやらないと地方と中央の格差は是正できませんよ。大臣、そのことを閣内の有力大臣としてひとつ頑張ってください。 それについて、運輸省からどなたか来ていると思いますけれども、諸外国の状況を若干お知らせいただいてそのことを詰めたいと思います。
○説明員(浅井廣志君) ただいまの先生の御指摘は交通運賃の格差の問題と伺っております。 これはもう申すまでもないことでございますが、交通運賃制度、これは輸送サービスというサービスの対価としてコストが支払われなければならない、こういうことでございます。そういたしますと、これは我が国だけではなく、私ども承知している限りでは、ある一定の都市内交通は除きますけれども、都市間交通というものをとってみますと、大体そのサービスの最も端的に示されるものは輸送距離ということになるわけでございまして、輸送距離に応じた運賃制度というものがとられておる、このように理解しております。
○三上隆雄君 これは地方自治では、大臣も経験があると思うけれども、市町村合併しますね、そして小学校が統合します。それで、一キロ、二キロのところは寒空の中を一年生、二年生が歩いているんです。遠隔地の生徒は五年、六年でもバスに乗っている。雪道でもズックですぐ学校に入れるような条件、そういう条件を備えてこそ町村合併もできるんですね。それを国に例えてみたならば、たまたま中央に一つの都ができた、そこに産業の発展があった、たまたま地方にとってもろもろの条件が今までの概念からいけばハンディになったけれども、これからは環境も考え人口の再配置も考え、それから食糧の問題も考えていったならば、もっと今までと違った概念で地方を見てやる必要がある。 それについて、大臣、有力大臣としてもっと積極的に閣内で提案していただけませんか。そのことの決意をいただきたいと思います。
○国務大臣(山崎拓君) きょうは道路の神様の藤井局長も来ておりますから、補足で説明をさせてもよろしいんですが、高速道路の利用者の負担の問題につきましては、今、道路審議会にも諮問いたしまして御検討をいただいておるところでございます。 今、過密と過疎の問題をお挙げになりましたが、過疎地域に関しましては道路利用者の負担をできるだけ軽減したいという考え方は当然私どもも持っておるわけでございます。 一方におきまして、道路公団を第二の国鉄にしてはならないという観点もございまして、今後どういうような負担のあり方が適正なものであるか、現行のプール制度は軸となるわけでございますが、鋭意検討いたしまして、国民の広い支持を得られるような制度に持っていきたいと考えておるところでございます。
○政府委員(藤井治芳君) それでは、若干補足させていただきます。 先生もう百も御承知と思いますが、今までの道路政策、特にこういう高速自動車国道等の考え方は、何よりも採算性を最大に重視してやってまいりました。そういう形で昭和三十年代から四十年代は年間百キロで、四十年代の後半から五十年代は年間大体二百キロで整備をしてまいりました。その結果、縦貫道についてはおおむね整備の見通しが立ってきたわけでございますが、横断道といったような本当に地域の開発余力を引き出すそういう道路については、採算性の面からはなかなか採択できない、こういう実情が出てまいりました。 どうしたらいいかということで、私どもとしてはそういうものをどうしても整備していかなきゃいけないじゃないかというふうに第十次五カ年計画の後半から切りかえました。新しい五カ年計画をことしつくらせていただきますが、その中では、そういう採算性は厳しいけれどもどうしてもそういうところこそ道路整備をしていこうという思想のもとで、六十二年に一万四千キロという高規格幹線道路をお認めいただいたわけでございます。 そこでやっと一時間圏域になった。したからにはそれを整備していかなきゃいかぬ。そうなりますと、料金というものが先生御承知のように最大の問題になります。しかし、諸外国に比べまして我が国は、非常に残念でございますが、例えば西ドイツに比べますとキロ当たりの建設費が七倍ぐらいかかります。あるいはその他の国を見ましても、日本は急峻であるとか用地が高いとかいろいろ挙げれば切りがないわけでございますが、いずれも数倍高うございます。それをそのまま料金にはね返らせれば非常に大きいわけでございます。 そこで、国費の助成あるいは場合によっては地方負担といったような公的助成をまず一生懸命やって少しでも入れよう、それから、内部補助という制度でございますが、先発路線からも応援をしていただこう、そういうことで料金についてはぎりぎりのところで全国民の御納得、特にもう整備が終わった方々から見れば我々はもう終わったんだから早く償還してただにしてくれという見方もございますが、しかし、それじゃ余りにも、先発路線の方々ばかりが国民じゃございませんので、これから欲しい、おくれてきたところの方々に対しても国民としての義務を果していただかなきゃいけないということで、全体のバランスのとれた整備ということで、プール制という考え方を弾力的にして、そして料金抵抗をなるべく抑えるような形でこういう政策を今とろうとしております。 そういう成果が、今、大臣から諮問していただいている道路審議会において、有料制度の新しい方向としてもそういう方向は出していただけるものと思っております。 そういう中で、私ども地域高規格幹線道路、高速道路だけじゃなくてそれを補足する地域高規格幹線道路という制度も入れて少しでもおくれているところのおくれを取り戻したいということで、現在は高速道路については年間三百五十キロのペースで供用していく、さらにそれに加えて地域高規格も加えていこうということで急ピッチに今考えておりますので、私どもも少しずつ国民の理解を得ながら頑張ってまいりますが、御助勢、御協力をいただいて私どものこれからの動きを見守っていただきたいと思います。
○三上隆雄君 予定された時間が来ましたけれども、十二時までには終わりたいと思います。私の食い込んだ分は後の社会党の方で調整するという了解をいただきましたから、いいですね。 遠隔地へ行くと高速道路が閑散として下道路、いわゆる生活道が混雑しているんです。あのことを考えれば、高速道路を開放することによって一般道が緩和されるということも十分考えられるわけでありますから、その点の御配慮をいただいてできる限り早い機会に無料化する、あるいは見直しをしていただきたい。 それからもう一つ、これから拠点法によっていろんな道路が整備されると思うんですけれども、これも有料化すると百円でも二百円でも出すことはドライバーの心理としては大変なもので、一般道が込んでいるのに高速道路が閑散としているという状況が各県にあり、特にうちの県にもあるわけでありますから、この点についての考え方もどうぞ県の方にも御指導いただいて、うちの県には県の道路公社というのがあって、三線を有料にしていますけれども、これも適切な指導をしていただいて何らかの形で無料化していただきたい、そのことをお願い申し上げます。 最後に、この拠点地域に指定された場合に具体的に財政的な措置がそれぞれの指定された地域になされて恩恵が及ぶのかどうか、これを具体的に、先ほどのお答えで四年度は予算措置もしてないということが示されましたけれども、五年度以降どういう恩典があるのかをお答えいただいて、私の質問を終わります。
○政府委員(市川一朗君) 先ほども若干御答弁の中で触れさせていただいた点でございますが、私どもといたしましては、指定された地域への国の支援措置の最も基本となるものは必要となる公共施設の整備に対する支援措置というふうに考えておりますので、具体的には予算の重点配分といったような形であらわれてくるものと思っておるところでございます。 ただいまの先生の御指摘は、それ以上の例えば補助率のかさ上げとか、そういったような面も含めました財政上の特例措置といった形での支援措置まで考えるべきではないかといったような御質問と思う次第でございます。そういったようなことにつきましては、私ども実は重点配分、重点投資ということに主眼を置いてございましたので、余り補助率のかさ上げその他の支援措置につきましては具体的な議論の積み重ねがないわけでございますが、今後その地域整備に当たりましてどういった支援措置が有効であるかということについては真剣な議論が必要だと思いますので、その議論の中でそういったことにつきましてもぜひ取り上げて検討していきたいと思います。 財政当局との折衝の問題等もいろいろございますので、その段階でそれをどういう方向で実現できるといったようなことまで私ども言い切れないことにつきましては、お許しいただきたいと思う次第でございます。
○青木薪次君 委員会並びに連合審査において本日までいろんな形でもって問題点を浮き彫りにいたしてまいりました。前回は私は、むしろ受け入れ整備側の立場に立って質問をしたわけでありますが、きょうは、追い出すという言葉は私は余り好きじゃないんですけれども、地方に移転を促進する立場に立った議論というものについて少し申し上げたいと思います。特に通産省に質問したいと思うのであります。 これまで我が国の地方分散政策というものは、先ほどの質問でもありましたように、業務機能の分散という産業立地政策面からの対策が中心で、三十七年に制定されました新産都市法を初め、三十九年の工業整備特別措置法、四十七年の工業再配置促進法、五十八年のテクノポリス法、六十三年の頭脳立地法等が相次いで制定されました。 〔委員長退席、理事種田誠君着席〕 そして工業等生産施設の地方分散に一定の成果を上げてきたのでありますけれども、この三十年間の我が国の産業立地政策を通産省ではどういうように総括しているのか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) 通産省におきまして、これまで先生御指摘のようにいろいろな工業再配置政策を進めさせてきていただいております。 その基本的な考え方といたしましては、地域の発展のために経済あるいは産業の実体をやはり地域に根づかせ魅力ある雇用の場を創出することが非常に大切であるということから、産業再配置政策を進めさせてきていただいたわけでございます。 特に、ただいま御指摘がありましたように、昭和四十七年には工業再配置政策あるいは五十八年にはテクノポリス政策等を産業立地政策の柱としてつくらせていただきまして推進をしてまいったということでございます。 〔理事種田誠君退席、委員長着席〕 まず第一に、工業再配置政策につきましては、最近の五年間の全国の工場の新増設面積を調べてみますと約七五%がいわゆる誘導地域、大都市圏以外の地域に立地をしておりまして、さらに平成二年単年をとりますと八〇・六%が誘導地域において立地されているということで、おかげさまでそういった面での工業の地方分散は着実に進展しておるものと評価をしているところでございます。 次に第二に、テクノポリス政策でございますが、これは先生御承知のように現在までに全国で二十六地域について指定が行われております。この中から昭和六十年度以前に承認を受けました二十地域、いわゆる先発地域と私ども申しておりますけれども、その地域についての統計を調べてみますと、承認前と承認後のハイテク企業の立地動向について見てみますと、敷地面積ベースで承認前に比べまして二倍に増加しておりまして、この間の全国のハイテク企業の立地一・三倍を大幅に上回っておるわけでございます。また雇用につきましても、全国の工業従業員の伸びが昭和五十五年から平成元年まで〇・三%ということで産業構造の転換も反映しましてほとんど伸びておらないわけでございますけれども、テクノ地域では八十八万七千人から九十二万五千人といったふうで四・三%の伸びを示しておるということでございます。 ただいま申し上げました工業再配置政策あるいはテクノポリス政策とも、こういう産業立地政策は息の長い事業でございまして、長期的な視点から今後とも推進し、また議論を加えていくべきものというふうに考えておりますけれども、これまでのところ、産業の生産機能の再配置につきましてはおおむね順調に進展しているものというふうに認識をしている次第でございます。
○青木薪次君 今のお話のように、確かに工業再配置の政策によって新増設工場の八割が地方に立地するというような一定の成果をおさめていることについては、率直に評価いたしたいと思います。 我が国の産業構造が第二次から第三次に大きく転換した。大都市では二次産業の従業員は減少したんだけれども、三次産業やオフィス従業員がそれを上回って増加したために、東京の一極集中は是正されるどころか一段と進んでいるのが現状だということだと思います。このため、この法案では業務機能の移転にようやく目が向けられまして、東京二十三区から拠点地区内へ産業業務施設の移転を促進する措置が講じられているのでありますが、しかし、せっかくの方向づけも、買いかえ特例や特別償却といった若干の税制上の優遇措置で果たしてどれほどのオフィス移転が実現するか極めて疑問であると思います。 オフィスの移転について通産省ではどのような見通しを持っているのか、お聞きしたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) オフィスの移転につきまして私どもが昨年八月に東京に本社を置きます上場企業を対象にいたしまして実施した調査によりますと、約四割の企業が移転を検討中であるという回答がなされております。 また、これらの移転検討企業の約六五%は、政策への要望といたしまして、移転コストを低減するための税制面、金融面での支援措置を要望しておられまして、こうした調査結果を踏まえまして、本法案におきましては産業業務施設を移転するものに対します税制、金融上の支援措置を講ずることにいたしたわけでございます。 さらに、地方におきます。務施設の立地環境を整備しますためには都市機能の増進あるいは居住環境の向上といった措置も必要でありまして、総合的かつ一体的に各省庁との協力のもとで講じるということにしておるわけでございます。 このように、第一に企業ニーズに対応いたしました個別の移転企業対策と、それから第二に魅力ある地方拠点整備のための支援措置を関係省庁との連携のもとに一体的に講ずることとしております点が今回の対策の大きな特色となっておるというふうに考えておりまして、最近の企業の地方移転に対する取り組みから見まして、こういう施策によって私どもは移転が促進されるものと考えておるわけでございます。 さらに、ただいま私、金融、税制上の措置ということでハード面の施策を申し上げたところでございますけれども、最近の企業の移転の動機等を調べてみますと、東京におきますオフィス維持コストが高くなってきたということと並びまして、従業員の方々の住宅とか通勤等の生活環境悪化への対応、こういうものも非常に大きなウエートを占めてまいっておるというふうに分析をしております。 近年、企業では、フィランソロピーとかあるいはメセナ活動などが定着しているという時代背景の中で、地方に移転することが社会貢献につながるといった意識を醸成したり、あるいはまた我々国民も地方に移転した企業を高く評価するといった機運の醸成も大事だと考えておりまして、ハード面のみならず、こうした面でのソフトの施策、例えばシンポジウム等を開催いたしまして啓蒙活動をしていくというようなことも検討してまいりたいと考えております。 こうした施策の総合性で東京二十三区から地方拠点都市地域への円滑な産業業務施設の移転に効果を発揮していくのではないかと期待しているところでございます。
○青木薪次君 東京都区部から本社機能やオフィスを他の地域に移転した事例は今日かなりあるのではないかと思っているのでありますが、最近の本社機能やオフィス移転の実例を産業別に二、三の事例を挙げて説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) 私ども最近の企業の本社機能の移転先につきましてすべてを把握しておるわけではございませんけれども、これまでいろんなヒアリングをいたしましたり情報として得ている範囲で申し上げますと、東京から周辺の三県といった近距離への移転も見受けられますけれども、北海道や九州といった遠隔地への移転も少なからず認められているところでございます。 特に最近、千人内外という大規模な移転につきましても、先生御承知の山梨県への産業機械会社の移転例がございますほか、静岡へは精密機械産業が研究開発部門を中心にいたしまして千人を超える移転を計画しておりますとか、あるいは豊橋へ自動車販売業がかなりの規模での移転計画を持っておられるということでございまして、最近、企業の移転機運というのがそうした意味でも高まっておるのではないかというふうに分析をしているところでございます。
○青木薪次君 本社機能の移転といっても東京三百キロ圏への移転がほとんどだと思っているのでありますが、北海道や四国、九州に移転する事例は、今も話はありましたけれども、極めて少ないと考えているわけであります。 移転先についてどのような傾向が見られるか伺いたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) 確かに移転先につきましては東京周辺というのも多いわけでございますけれども、オフィスについて正確な統計は持ち合わせておりませんけれども、工場等について見ますと、最近は、先ほど八〇%ぐらいが誘導地域に向かっておるというようなことを申し上げましたが、その中で関東の臨海地域に向かっているのは五%、北海道には五・九%、九州には一五・四%ということで、その八〇%の中で地方に出ていくという傾向も見られております。 私ども、この新しい法体系によりまして何とか足の長い移転を含めた再配置の潮流をさらに促進してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○青木薪次君 企業が本社機能やオフィスを地方に分散したがらないのは、先ほどもちょっと出ておりましたけれども、地方移転に伴うリスクが大きいからだと考えているのでありますが、経営者にとって、またビジネスマン個人にとって、本社機能の地方移転のメリット、デメリットとしていかなることが考えられるか、アンケート調査の結果があればお伺いしたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) 私ども、平成三年の八月に上場の九百五十七社に対しましてアンケートを行いました。その結果、具体的な移転計画を策定中でありますとかあるいはまた検討中というのが、先ほど申し上げましたように約四〇%、二百十八社を占めておるわけでございます。さらにこの中で一五%に当たります八十八社からは何らかの形で一部を地方に移転した、そういう回答を得ております。 その理由といたしましては、東京でのオフィスコスト、あるいはオフィススペースが狭くなりまして東京で事務所を持っていることの優位性が企業の経営として問題になってきたということ、それと並びまして従業員の住宅、あるいは通勤上の問題、従業員対策という面から移転に踏み切ったというようなことが報告をされております。さらに、東京では交通混雑が著しいというような回答もございまして、そういった点が逆に言いますと東京に立地していることのデメリットになっておるというふうに考えておる次第でございます。
○青木薪次君 今も話がありましたように、従業員や家族の移転というものが、職業転換なんか見てもそうだろうと思うのでありますが、どうしても配慮が必要だと考えるのでありますが、では二体その対策はどうするのかという点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) 企業が地方に展開していきます際に、今後、従業員の生活環境というのが非常に大切な問題になるであろうと私ども認識しております。 したがいまして、ある程度の都市機能が集積されておるような場所であると同時に、背後に大自然を控えておるといいますか、そういうところで高規格の住宅に生活をし、通勤距離も短いという」ようなことがその従業員の方々にとっても相当のメリットになっていくというふうに感じておりまして、したがいまして、この法律体系では、各省庁に連携、御協力をいただきまして、そういう住宅等のインフラの整備、こういうものも集中的にやらせていただくということになっております。 さらに、東京からの移転計画を企業に出していただくことになっておりますけれども、その認定に当たりましては、従業員対策ということにつきましても十分審査をさせていただきたいというふうに考えておる次第でございます。
○青木薪次君 例えば地方拠点を整備する場合に、地方拠点都市に指定するということがことしいっぱいで実現するということを先ほど都市局長から聞いたわけであります。 具体的な例として、私たち静岡県の場合に各地が手を挙げているわけであります。例えば浜松が手を挙げている。静岡が県庁所在地だけれども手を挙げている。あるいはまた東の方の富士宮とか、あるいはまた沼津、三島とか、現にこういう大きな拠点都市があるわけです。その今日ある拠点都市を複数まとめて、また付近の郡部までまとめて一体的な開発をするというような場合に、私どものところのように海岸線が五百何キロもあるような非常に東西に長い県で各地に都市圏というものをつくっていかなきゃならないという場合に、複数の指定をするというようなことはあり得るのかどうなのか、この点についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 地域指定の数につきましては、大体最終的に県内一ないし二カ所という議論をしておりまして、複数になり得る可能性は十分あり得るというふうに思っております。
○青木薪次君 その場合に、土地空間の問題が大変問題だと思います。本社機能を移転するという場合に、これから計画のある場合を特に含めまして、それから従業員の社宅を確保する、工場をその際にコストの低減を図って確保したいというような場合には、平地はもうごく限定されるわけでありますから、山を切り取ってここに土地造成をしながら新しい産業機能というものを配置するということが行われる。その場合に、例えば富士山という広大な地域というものがそれらの対象になる可能性もあるし、あるいはまた浜松のような遠州平野といわれるような広大な土地もある。近くにはテクノポリスで発展しているところもあるというようないろんな形が想定されるわけでありますが、その点、例えば産業業務施設と工場と住宅地等を一体的に開発をして移転してもらうようなことを考えているかどうか、その点もお伺いしたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 地域の整備の方向といたしましては、イメージ的に若者にとって魅力のある総合的な生活空間の創出というのが極めて大事であるというふうに考えておりまして、そのためには、あらゆる面におきまして魅力的なものが備わっていることが最も理想だと思っておりますが、しかし、それぞれの地域地域におきましてより特徴のあるものを生かしながら、その特徴をもってむしろ魅力を増大していくということも考えられるわけでございます。 ただいま先生がイメージしておられます静岡県につきましては、私の目から見ましても最も恵まれた場所といいますか、非常にいろんな絵のかける場所であろうと思います。したがいまして、具体の地域におきまして、相当幅広の展開の中で、業務機能はここへ持ってくる、あるいは住宅の整備はこちらの方に置くとかというようなことを描きながら、総合的な地域づくりがいろいろと描けるところが大変多い場所であるというふうに思っているわけでございます。
○青木薪次君 業務施設の移転再配置を促進するには受け入れ側の整備だけではだめなんで、地方都市の整備とあわせて東京からの移転促進対策、追い出しとはあえて言いませんが、が実施されなきゃ進まない、つまり、東京都区部に立地して集積のメリットを受けている事業所に対しては東京の都市機能の受益者として適切なコストを負担させる必要があるのじゃないだろうかというように考えます。負担の方法は、いろんな税金を課してやるとかそんなものでもよいし、あるいはアメリカの都市で広く実施されているリンケージ政策、つまり業務ビル開発に住宅整備を義務づけるといったように開発に一定の負担をリンクさせる政策でもよろしい。 いずれにしても、東京から業務施設に積極的に出ていってもらうというそういう政策を実施する必要があると考えるのでありますが、建設省、通産省に見解をお聞きしたいと思います。
○政府委員(鈴木英夫君) 業務機能の再配置の促進を図る上で考えなければいけないことは、大きく言って先生御指摘のように三つぐらいあろうかと思います。一つは、地方圏におきます魅力ある受け皿づくり、受け皿の整備ということでありましょう。それから第二に、東京から地方圏への移転誘導ということが非常に大事である。それから第三に、ただいま御指摘のように、東京におきます過度集中に対する何らかの適正立地。こういうものがとられて、三位一体となって政策が推進されるということが大事な要素であろうというふうに考えておる次第でございます。 このため、今般の法案におきましては、第三十九条の都市計画を初めとする土地利用に関する計画の中で、過度集中の状況を十分踏まえた対応を国及び地方自治体において行っていくという規定を置いているところでございまして、こうした対応とともに、今年度より導入されました地価税等の諸対策が全体としての抑制効果をそれなりに発揮することを期待しておるわけでございます。
○青木薪次君 東京の一極集中を是正するには、さらに一歩進めて東京の成長をコントロールするといった成長管理政策の導入が必要だと思うのであります。アメリカの多くの都市でも既にこうした都市の成長管理政策を実施しているのでありますが、今日の東京の現状を考えるとむしろ遅きに失したというような感さえするわけでありますが、都市の成長管理政策の導入について建設大臣にお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山崎拓君) ただいま通産省の立地公害局長から今度の政策と関連いたしましてどうやって移転を促進していくかという三点をお挙げになったところでございますが、私はこの三点の政策を推進してまいることが当面の政府としての対応ではないかと考えておるわけでございます。 都市の成長管理の問題につきましては、これは諸外国におきましてそのような政策があるということでございますが、我が国の都市計画制度そのものが私は、消極的な意味合いではございますけれども、都市の成長管理に関しまして一定の役割を果たしておるのではないかと考えておるわけでございます。 また今回、都市計画法の改正、建築基準法の改正を当委員会で御審議いただくことに相なりますが、その中でも、大都市における土地利用計画を合理的に進めることによりまして、あるいは成長管理になるかどうかはわかりませんが、消極的な意味ではそういう要素も含んでいると考えておるところでございます。
○青木薪次君 そういたしますと、例えばこのごろ東京都のウォーターフロント政策、これは過度の集中を慫慂するかのごときイメージがあるのでありますが、この点についてはいかがですか、
○政府委員(市川一朗君) 東京問題につきましては、四全総におきまして世界都市東京としての位置づけをいたしました上で、そこにおきます整備の方向も出ております。また、それを受けました形で東京都におきましても副都心計画等が構想されております。四全総では業務核都市構想という形で具体的に出ておりまして、副都心構想の中ではただいま御指摘がございましたウォーターフロントも入っているわけでございまして、それらはいずれも東京の中の都心に過度に集中している業務機能を周辺に分散するという考え方が基本になっておるわけでございます。 したがいまして、それらの施策の遂行が基本的には東京圏への業務機能の一極集中の方向につながるのではないかといった観点からの御拾摘、御質問ではないかと思う次第でございますが、私どもといたしましては、そういったウォーターフロント計画、現に進行中でございますが、これが私どもが進めようとしております多極分散政策、いわゆる国土の均衡ある発展政策と整合性が十分保たれるようなという観点からいろいろ常にチェックする必要があるというふうに思っておる次第でございますが、基本的には住宅機能をできるだけ強化するような形での見直しも昨年東京都においてなされたところでございまして、そういったようなところで具体的な整合性を図りながら今後も進めていく必要があるというふうに考えておるところでございます。
○青木薪次君 時間が来ましたからあと一点で終わりたいと思いますが、移転した業務機能並びに施設の跡地利用の点についてであります。 この法案の三十七条に「国及び地方公共団体は、跡地が公共の用途その他住民の福祉の増進に資する用途に利用されるよう努めなければならない。」と規定されているのでありますが、率直に言って、跡地にまた新しい機能を持った産業業務施設ができるとか、あるいはまた、新しい集積の機能を持った建築物ができるとかいうことじゃいけないと思うんです。あくまでも跡地利用、処分の内容というものをチェックする、ここに例えば公園を持ってくるとかあるいはまた文化施設を持ってくるとか、そういうようなことをしないとなかなか大変だと思うのであります。 最後に、この辺についての考え方が今あるかどうかお伺いいたします。
○政府委員(市川一朗君) ただいま御指摘ございましたように、移転いたしました業務施設の跡地の利用といいますのは極めて大事な視点だと思っております。 この三十七条にございますように、私どもといたしましては、公共の用途あるいは住民の福祉の増進という観点からこの問題につきましては積極的に取り組んでいきたいと思っておるわけでございま中が、過去に例えば筑波研究学園都市へ移転いたしました施設の跡地利用等につきまして実績があるわけでございますし、先生御指摘のような観点からその跡地を公園等の公共オープンスペースとして活用してまいったといったような経験もございますので、その辺も含めまして、またさらには今国会で成立さしていただきました公有地の拡大の推進に関する法律に基づく先買い制度等もありますので、そういった制度の活用とかいろんなことを加味しながらそういう方向で積極的に取り組んでまいる必要があるというふうに思っているところでございます。
○青木薪次君 終わります。
○委員長(山本正和君) 午後一時二十分に再開することとし、休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ―――――・――――― 午後一時二十一分開会
○委員長(山本正和君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、及川順郎君が委員を辞任され、その補欠として太田淳夫君が選任されました。
○委員長(山本正和君) 休憩前に引き続き、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○種田誠君 本法律案も、過般の当委員会での質疑を受けまして、その後、連合審査、参考人からの事情を伺うという、このような手続を経てまいったわけでありますが、幾つかの問題点、さらに課題、そういうものも浮き彫りになってきたものと思われます。 そういう中で、冒頭、国土庁長官の方に二点ばかりお伺いをしたいと思います。 本日の三上委員の質疑にもございましたが、多極法と本拠点法、二つの法律が基本法というか理念法と実施法、こういうふうな絡みの中で一体となってこれから国土づくりのために大きな力を発揮していく、こういうふうな御説明でございました。 しかし、過去の質疑において指摘されておりますように、この法案は中に盛られております手法が異なっているわけであります。多極法のフローチャートなどを見せていただきますと、どうしてもトップダウン的な物の見方というのが基本にならざるを得ないという法形式がとられている。片や拠点法の方は、まさに地方の市区町村を基軸にして積み重ねでこれを実施していく。そういう意味では、フローチャートやスキームなどを見た限りにおいて、何かこの辺の調整をどういう形でしていくんだろうという疑問がまだ残るわけであります。 本法の六省庁間の調整に関しては六省庁協議会のような機関を設置してこれを行っていくという、そういうお考えもあるようでありますけれども、多極法、さらには他の従前来の法律、こういうものは一つの形態としてトップダウン的な手法をとってきていると思うんです。こういう多極法と拠点法、さらには拠点法とこれまでのさまざまな地域振興法、これの調整をどのように行っていくのかということも極めて重大だと思うんですが、その辺のことに関する国土庁長官のお考えをまず伺いたいと思います。
○国務大臣(東家嘉幸君) 先生の今のお尋ねのことにつきましては、今日までしばしば各先生方からの御質問等の中にも、自治大臣もまたほかの閣僚の方も、多くの法律で今日まで取り組んだ背景、法制定の背景、それは今日まで実施の段階、今日までの経過を踏まえて一定の成果をそれぞれ上げてきたと、しかし、今回この拠点法で六省庁が一体となって協議する過程の中で、今までの法律との整合性の問題等々、将来にわたってこれはやはり一本化すべきものは一本化した方がいいというような議論が当然出てくるものだと考えておりますし、その点について多くの法律をお互いに検討する中での意見もさることながら、私自身もこれは一本化した方がいいかなと思う問題がありますことは事実でございます。 そういうことで、今回初めてこのように各省庁が一体となって、そしてこの法律を実のあるものにしようというようなことでの意欲を燃やしての検討、今後また実行、実施の段階でも一本化すべきものは一本化しながらひとつ取り組んでいこうというような考えのようでございますから、その点については先生の御指摘のとおり、今後このようなことについては、率直に、お互い法律をつくった立場、いろいろな立場立場もありましょうけれども、しかし、地域振興、活性化のためには、お互いが勇断をもって取り組むべきは取り組んでいく姿勢が必要であろうと私は考えております。
○種田誠君 今、長官述べられたことは、これから具体的に地方振興策をしっかりと図っていこうとするならば必ず大きな問題として提起されてくることだろうと思われます。ぜひ御尽力をお願いいたします。 同時に、きのう質問をする前に地方振興に関する法律はどのくらいあるものなのかなということで国土六法をちょっとめくっておりましたら、そうしましたら、いわゆる地方開発促進法、これは各地域にさまざまあるわけでありますが、それを除いて、何と十六から十七も基本的な振興法があるわけであります。こういう形で、今、実際に地方振興策が行われているわけでありますけれども、振り返ってみると、十二分に機能を発揮しているもの、極めて不十分なもの、さまざまあるようであります。ただいま長官において述べられたような視点に立って、今後ぜひとも、法案の調整はもとより、実施面における協議等を深めていただきたい、このようにお願いをするところであります。 そしてさらに、過半の連合審査等で問題提起されておりましたが、そしてまた今述べたことでありますが、六省庁協議機関と言われるような筋合いのものをつくっていこうということが閣議でも問題になってきておった、また提起をしてきたということでありますが、具体的にこれはどのような形でいつごろからつくられていくことになるのか、その辺の見通しなどを伺わしていただければと思います。
○政府委員(小島重喜君) この点につきましては六省庁一体となって取り組む必要がございますし、同時に、けさほども建設大臣からもお話ございましたように、私どものところが取りまとめの役に当たれ、こういうことでございます。私どもとしてはこの法案が成立次第できるだけ早い機会に六省庁の局長クラスをメンバーといたします協議会、さらにはその下に課長クラス等々も入ると思いますけれども、そういう形で至急つくりたい、かように考えております。
○種田誠君 この六省庁協議会の考え方いかんによって、今後この法案が成功するか大変な事態になってしまうかということが決まるような気もいたしますので、この辺についても連合審査、また参考人の意見などにもありましたような点を十二分に配慮の上協議会を進めていただきたい、こう思います。 次に、もう一つ同じように連合審査の中で指摘されていたことでありますけれども、これは国土庁の局長さんの答弁にもあったことでありますけれども、基本計画を地方がつくるにしても、かつまた一つの施策を実行するにしても、なかなか地方に荷の重いところがある。とりわけ人材やノウハウの点を考えると、これからそう簡単ではないんではないだろうか。こういうふうな質疑もなされてきましたし、参考人からの意見もあったわけでありますが、この辺について、自治省においては一定の基金をつくってこれからこれを支援していこうというような方向である、こういうようなことも答弁にあったわけでありますけれども、この基金の規模とか具体的な財源、それからどのような形でこの基金が運用されていくのか、その辺について方向が決まっておりましたら述べていただきたいと思います。
○政府委員(紀内隆宏君) おっしゃるように、この法律が具体的な効果を上げ得るためには、地方における人材の働きいかんにかかっているところが非常に大きいわけでございます。 地方の人材について申し上げますと、地方自治法が施行されて以来既に四十年を経過しておりまして、私は、その間に地方公共団体の職員の資質は非常に向上している、このように考えております。また最近、地方がみずから考えみずから行う地域づくりというものを国が支援するという事業、いわゆるふるさと創生関連事業を推進しておりますけれども、その過程を通じまして、自主的かつ主体的な地域づくりというものを経験を積むことによりまして地方にはノウハウもかなり蓄積されてきた、このように考えております。 自治省といたしましては、かねてから地方公共団体の職員に対する研修を行ってきておりまして、自治大学校とかあるいは市町村アカデミーと称するようなものでやっておりますけれども、その中でも地域政策とか町づくりにつきましてはかなりの時間を割いてやっております。今回の法案におきましても、ソフト面の充実という観点から「職員の派遣の配慮」という規定を置きまして、市町村が一部事務組合をつくった場合に、そしてこれが都道府県に職員の派遣を求めた場合に、職員の派遣を配慮する旨を規定しているところでございます。 基金についてお話がございましたけれども、地域の一体的な整備を図るという上ではハードに並んで広域的なソフトの事業が行われるということが非常に重要なことでございまして、そのために、基本計画の記載事項といたしまして、人材の育成であるとか地域間交流、あるいは教養文化活動についての事項を定めることとしております。人材の育成の基金というお話がございましたけれども、必ずしも人材育成だけではございませんで、このようなソフトの事業一般についての基金を設置する、その基金の運用益を活用して広域的なソフト活動を営めるようにするというのが私どもの考えている仕組みでございます。 具体的な財政措置といたしましては、一部事務組合で基金を設置するとした場合に関係の市町村でその基金に出資をいたします。その出資について地方債を認める。同時に、その地方債の償還に当たりましては、各市町村に、財政力に応じてでございますけれども、交付税にはね返るような仕組みを考えているところでございます。 基金の規模等については、現在検討中でございますけれども、従来私ども、ふるさと市町村圏と称するものにつきまして十億円のオーダーで基金を積み上げておりますけれども、これよりはかなり大きなもの、例えば二倍程度というふうなことを検討中でございます。
○種田誠君 この基金の設置、さらには運用、このこともまたこの法案の目的とするような形でのこれからの拠点都市づくりが可能になるかどうかに大きくかかわってくるものですから、ぜひしっかりとした運用を行っていただきたいと思うわけであります。 あわせて、自治省の方にお伺いいたします。 今申し上げましたように、過般の千田参考人の意見、さらには連合審査の中における国土庁からの答弁の中にもあったわけでありますが、地方のことは地方にある程度任せながらやっていくということは極めてすばらしいことであるけれども、問題は、基本計画を一つとってみても果たしてどこまで地方で単独でやり切れるだろうか。一つの例をとってみれば、国土庁の局長さんのお話でもありましたけれども、多極法に基づく振興都市の実施計画で具体的に今進んでおるのは一つである。この一つであるということの背景には、地方の方で行っている手続がなかなか容易に進まないことがネックになっているのではないだろうか、こういうふうな答弁があったわけであります。 そういう意味で、この基本計画一つをとってみても地方にとっては大変な作業になるんではないだろうかなということが予想されるわけであります。といって、本来、基本計画は地方の自主性、独自性に基づく創意工夫、そして地域の町をつくっていくわけでありますから、今度、積極的に国が基本計画に大きく影響を与えるようなことがありますと、これまた一つの大きな目標が損なわれるわけであります。そういう意味では非常に難しい支援策、難しい協力策になるかと思うんですが、その辺のところはどのような方法でやり切れると考えているのか、また地方の声にこたえられるとお考えでしょうか。
○政府委員(紀内隆宏君) 多極法の振興拠点についてのお話がございましたけれども、多極法の振興拠点がまだ一つしかでき上がっていないということにつきましては、これが特定の分野なり特定の課題に関しての機能の集積を図る、しかもそれを民間中心で図っていくということで、その間のアレンジあたりにかなり時間を要しているということでございまして、私は、必ずしもそれは地方公共団体の力不足を意味するものではない、このように考えております。 ただ、おっしゃるように、地方公共団体がみずからの手で計画をつくっていくについてはかなり難しいといいましょうか、骨を折らなきゃいけない分野がたくさんございます。したがって、おっしゃるように自主性を生かし、かつその内容を十分なものをつくっていただくためには、私どももいろんな意味でサポートはしていかなきゃいけないだろう。しかし、それはあくまで計画内容に口を入れるということではございませんで、いろいろな専門的な観点からの助言等あるいは必要な資料等を求められた場合にこれを提供していくという形で、主導権はあくまで地方公共団体が持っている、それで、それに必要な限りで助言を求められた場合には助言をしていく、このようなスタイルでいくのが好ましいことであると考えております。
○種田誠君 今述べたこともこれまた重要なところです。ですから、これからのいわゆるボトムアップといいますか、地方に権限をゆだね、地方に一定の財源のもとに創意工夫のある地域づくり、町づくりを政策の上で推し進めようとしますと、まさにこれからの課題として国と地方の役割、そして国としてどの程度のことをどのような方法でやっていけば今おっしゃられたようなものが達成されるかというのは、今日の建設行政はもとより他の行政においても経験の余り多くなかった分野だと思うんです。したがいまして、これはこれからますます大きな課題として私たちの前に大きく提起されてくることだろうと思われるわけであります。 そういう意味で、今回のこの地方拠点都市法が推し進めようとする新しい視点に立った建設行政や国土づくり、地域づくりに対する芽を上手に育てるためにも、今の点が大きな課題になっておりますので、ぜひしっかりとフォローをしていただきたいな、こう思うところであります。よろしくお願いします。 さらに、この間の質疑の中で出てきた問題点の一つとして、これは同僚委員の質問に対して参考人の方からも、こういうことだけはやってほしい、またやっていったらいいじゃないかということを述べていただいたわけですが、かなりの方において、大学の誘致というのが極めて重要な課題であろう、特に人材の育成というものも含めて、かつまた若者にとって魅力ある町になるためにも大学の誘致、可能ならば国立大学よりはむしろ自由な裁量の余地のある私立大学が地方に分散していただければありがたいな、こういうような話もあったわけであります。 そこで、今回、六省庁の中には残念ながら文部省さんは入っていないわけでありますけれども、六省庁協議の中で文部省との関係は今後どのように対処していくのか、その辺のお考えを述べていただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) ただいま先生から御指摘ございましたように、私どももこの地方拠点都市地域の整備、育成に当たりましては、若者にとりまして魅力ある生活空間として、職住遊学と呼ばせていただいておりますが、そういう大学等のいわゆる学問といいますか教育をする場、学ぶ場というものが極めて重要な要素であるというふうに考えておりますし、また先ほど来御指摘ございました人材の育成という意味合いにおきましても、極めて重要な問題の一つであるというふうに思っております。 そういう意味におきましては、国レベルにおきましては所管しております文部省、それから具体的にはそれぞれの都道府県あるいは市町村レベルでもかなり熱心にこういう問題に取り組んでおりますので、そういったような二とが具体的な基本計画の策定その他でいろいろと生かされてくると思っております。文部大臣につきましても私どもの基本方針を策定する際の協議大臣ということで法律上明記させていただいておるところでございまして、十分いろいろと基本方針策定の段階でも協議してまいりたいと思っておるわけでございます。 ただ、今回の法案の策定に当たりまして、極端に言いますと主務大臣は全省庁にわたるような幅広いものでございますので、何かの仕切りが必要であるという観点から、関係省庁いろいろ議論しまして、内閣レベルでもいろいろ御示唆いただきまして、結論として、新しい法律の中で新たに施策としての新規事項を法律上盛り込んだところが主務大臣ということで仕切らせていただきましたので、そういう意味で文部大臣は主務大臣になっておりませんけれども、私どもとしては非常に強く期待している面がございます。 したがいまして、文部省にも大いに御協力いただきたいし、いただけるものと思っておりますが、具体の大学等の設置等に関しましては知事レベルの努力あるいは市町村レベルの努力というのが非常に左右している面があるということも私ども重要視しておる点でございまして、そういったものと相まちまして、受け皿の整備その他も含めまして懸命に努力していって実のある成果を上げるべきテーマであるというふうに思っておるところでございます。
○種田誠君 私は伊藤参考人のお話を聞いておりまして、こういう物の見方がどうしても法律をつくる中では欠けてしまうんだなと感じ入ったことがございました。 伊藤参考人は、高岡市とか北陸の方の幾つかの町も挙げられました。そして、足利市のことなども言っておられましたけれども、都市というのは、日本の場合、特に江戸時代から明治にかけてさまざまな歴史や文化をはぐくみながら一つの産業基盤としても重要な役割を果たしてきた。それが、産業構造の変化というか、私たち人間の意識の多様化というか、そういう中で都市がさまざまな状態に置かれ、ある都市は残念ながら低迷し衰退をしていくという、こういう状況に置かれている。しかし、振り返ってみると、そこには一朝にはつくれないような歴史性や文化性を持っておる。地方を生かす上ではこういうのを大事にしながらつくり上げていく必要があるだろう。そういうふうに伊藤参考人はおっしゃっておりました。 この法律で欠けているとすれば、そういうことに関する配慮とか施策というのがないではないかというような御指摘があったと今でも記憶をしておるわけでありますけれども、私は貴重な意見だと思います。そういう意味で、その辺に対してより具体的にどのようにこういうことを配慮していくのか、お考えなどを示していただければと思います。
○政府委員(市川一朗君) ただいまの御指摘も極めて重要な御指摘だと思っております。結果として私どもが目指しておりますものは魅力ある地域づくりでございますので、その魅力とは何かという観点におきましても、それぞれの都市あるいは地域の持ちます自然とか歴史とかというものの重みに支えられた魅力というものが極めて重要ではないかと思っておるわけでございます。 確かに私どものこれまでの政策の中でそういった面が十分生かされておったかどうかといったようなことにつきましては謙虚に反省しなきゃならないと思っておりますが、今回の拠点都市地域構想におきましてはむしろその点は極めて重要視しておるつもりでございます。 特に、地域指定におきまして知事の意向を十分尊重する、さらに指定された地域における計画内容につきましては具体の地元の市町村が中心になってつくる、そういう中でできるだけ全国画一的ではない特色のある個性豊かな地域づくり、その中では当然それぞれの地域社会が持つ歴史とか文化というものに支えられた、またそれを発展させていくような地域づくりを期待しているわけでございまして、法文上ちょっとその辺のうたいとげ方が不十分だったかなという反省はございますけれども、精神といたしましては十分そういったものは織り込みながら対処してまいりたいと思っておりますことを報告申し上げたいと思う次第でございます。
○種田誠君 都市という建物、施設ができたとしても、住んでいる者、都市にかかわる者が今述べられたような歴史性や文化性というのを意識できるようなことがないと、本当の意味での快適さとか豊かさというものは生まれてこないと思いますので、協議をする機会などがあれば、ぜひとも伊藤参考人の貴重な御意見をその都度この脳裏に浮かべていただきたいと思います。 そしてもう一つ、同じように参考人や連合審査の中で指摘されておったことでありますが、そしてまたきょう同僚委員の方からも指摘がございましたが、法案としては十七条に農村に対する配慮という条文が起こされているわけでありますけれども、果たして具体的な基本方針や基本計画を作成する上でどういう形でそれが反映されていくのか。 先ほど来も農水省の局長さん、そしてまた大臣の方からもお答えがあったわけでありますけれども、これもまた地域のことは地域にという視点に立っての地域の振興ということになりますと、農村とのかかわりをどのように維持していくかが重要な課題でありますので、この辺についてもう一度、先ほどの質問と重複することになるかと思いますけれども、お考えなどを示していただければと思います。
○政府委員(市川一朗君) 御指摘ございましたように、ただいまの農山漁村の整備の問題あるいは農林漁業の振興の問題につきましては、先ほど建設大臣も御答弁申し上げましたとおり、私どもといたしましても地域の一体的整備という観点で極めて重要な要素であるというふうに考えておりまして、農水大臣も主務大臣としてこの問題につきましては深く留意事項として今後の施策展開におきまして取り組んでまいると思いますし、私どもも十分それが実効性が上がるように一緒になって取り組んでまいりたいと思っております。 具体的には、まず主務大臣が定めます基本方針の中でそういったようなことがある程度触れられるかと思いますが、それ以上に、具体的に市町村が定めます基本計画の中でそういったそれぞれの地域に応じて最も実効性のあるものを、また必要なものを具体的に計画の中に織り込んでいくということが極めて重要なのではないかと思っておる次第でございます。 これが基本計画の中に織り込まれました場合に、国の立場におきましては、直接農林漁業の振興を所管しておる農水省という立場だけじゃなくて、国土庁は地方振興の立場を持っているわけでございますし、自治省は基本的に地方の問題の総括官庁でもございますし、私ども建設省も基本的な地域の基盤づくりという点につきましては責任を深く自覚しておるところでございますので、そういったところで総力を挙げて取り組むことによりましてこの地方拠点都市地域一体が極めて活性化され、魅力ある地域として発展していく方向で進められるのではないかと思っておるわけでございます。 その際に、そういった地域の中に含まれております農山漁村の整備の促進の問題あるいは農林漁業の振興の問題といったような問題は極めて重要であるということを私どもしっかりと認識しておるということを、これも御報告したいと思う次第でございます。
○種田誠君 農水省の方にこの点について伺っておきたいと思います。 千田参考人から農村の課題として、地方拠点都市ができる、そういう中で農村全体が所得補償的な意味である程度農家と地方拠点都市との関係においての豊かさというものが経済的な豊かさも含めて生まれてくる、こういうふうな方法を配慮してもらえないか、こういうような御指摘がございました。そういう意味で、建設省の局長さんの方からは、基本計画の中にそのような問題がどう盛り込まれてくるか、そのことが最大の課題だろうというお話があったと思うんですが、そういうことを踏まえて農水省の方としてどのようにこれをフォローアップしていくのか、その辺を伺わせていただければと思います。
○政府委員(海野研一君) 御指摘のように、この地方拠点都市地域というのは、その人数で言えばあれでしょうが、面積で言えば大部分は農山漁村でございます。ですから、この地方拠点都市地域の整備というのは、それによって周辺の農山漁村全体が振興されなければならないわけでございます。 既に都市地域の範囲ということでいろいろな質疑応答がなされましたけれども、いずれにしてもこの地方拠点都市地域という地域は、これは通勤が可能な範囲でございますし、また文化的な面でも交流のできる範囲内でございます。そういう中で、本当にこの拠点地域の整備を中心にしましてその地域全体が繁栄していくということを期待したいわけでございます。 その場合の農山漁村の整備、農林漁業の振興につきまして、先ほど都市局長から答弁したとおりでございますけれども、具体的にどういうふうなものを描いていくのかというのは、これは関係市町村の創意工夫にまつことでございますけれども、農林水産省といたしましても、まさにそういう計画を尊重し、またその計画に盛り込まれたその他の都市の整備との関連も十分念頭に置きまして、周辺農村地域の整備に万全を期してまいりたいと思います。
○種田誠君 この点に関しては、これまでの質疑の中においても多くの委員の方々から御指摘があった点でございますから、ぜひ今申し述べたような視点でさらなる努力をお願いしたいと思います。 もう一つ、これも参考人の御指摘にもございましたし、連合審査の中でも質疑がございましたけれども、いわゆる地価対策。 地方に大きな拠点都市をつくっていくということになりますと、予想されるのは地価の高騰であります。そういう意味で、この法案の中にも地価の監視という条項が設けられたのはもとより正しい指摘であつだろうと思うんですが、条文では、地価の対策に関しては国土利用計画法二十七条の二と同じように「地価が急激に上昇し、又は上昇するおそれがありこという表現にとどまっているわけであります。今回の地価高騰の例を顧みてもわかりますように、先行的な監視体制というのをつくっていかないとこれは防げないのではないだろうか、こう思うわけであります。 そういう意味で、今回のこの条文、第十八条でありますけれども、具体的な指定に当たっては先行的な指定ないしは地域の決定と同時にこれに網をかぶせる、こういうような方法をとるお考えはあるのかないのか、その辺のところを伺わせていただきたいと思います。
○政府委員(小島重喜君) 今お話ございましたように、こういう地域振興策あるいは開発プロジェクトをします際には、特に最近、御案内のとおり地価の問題が最も重要だろうというように思うわけでございまして、私どもも実は土地局とも十分相談をいたしまして、今御指摘のございましたように、いろんな地価の動向等は従前と比べますとかなり綿密に監視をするような仕掛けもできておりますものですから、そういうことも踏まえながら、できるなら予防的な地価監視といいますか抑制策というものをとることが大変必要なことではないかというように思います。 そういう意味で、私どもは、いささかなりともそのような動きがあれば先行的に監視区域の指定をするようにできる限り指導してまいりたい、かように考えております。
○種田誠君 きょうは総括的な意味での質問をさせてもらっているわけでありますけれども、時間が来てしまいましたので、最後に、今までの大臣答弁の中にも地方の第二、第三の都市などを対象にこれを考えていきたいというお考えがあるようでありますけれども、よくよく考えてみますと、県庁所在地と言われる市であっても残念ながら人口減少している市もございます。さらには、産業構造の変化で都市機能が停滞している県庁所在地もございます。また同時に、今まだ規模は小さい県庁所在地でありますけれども、付近の市町村を巻き込んでいくならば大きく成長が望めるような県庁所在地もございます。 そういう意味で、国土の均衡ある発展でのさまざまな視点に立っての地方拠点都市づくり、できるならば私は日本の機能分散のためには、この前の委員会でも申し述べましたが、第二の仙台とか第二の岡山とか第二の金沢とか第二の博多とか、こう言われるものが各地域にできていくならば、機能分散が図れて均衡ある発展がなされるんじゃないかな、そう思うんですけれども、最後に大臣の御決意、お考えなどを伺って終わらせていただきたいと思います。
○国務大臣(山崎拓君) 先生が御指摘をされましたように、実は県庁所在地はおおむね人口がふえているということをやや強調した嫌いもあったわけでございますが、統計によりますと、県庁所在地の八五年から九〇年にかける人口増減率を見ますと、全国で三十八の県庁所在地の人口がふえておりますが、実は九市におきまして人口が減少をいたしておるわけでございますのでございますから、先生の御指摘のとおり、県庁所在地におきましても、必ずしも発展し続けているというわけではございません。 そういうことを十分踏まえまして、私どもは、ただいま先生は都市局長の宮城県の仙台市とか私の地元の福岡市とかをお挙げいただいたわけでございますが、その著しく人口が発展しております陰に一体どういう要件があってそうなっているかということをこれまたきちっと踏まえまして、複合的な高次都市機能を新しい地方拠点都市地域に持たせていくように最善を尽くしてまいりたいと考えております。
○中川嘉美君 私は、前回行いました質疑の確認を含めて、地方拠点都市地域の視点について質問をしてまいりたいと思います。 まず、これまでの委員会審議の中で基本方針がどのような内容を定めるものであったかについての御答弁でありますが、これがまちまちであるようにまず感じます。一方で、地域の指定基準については通達等による指導ではなく基本方針できちっと定めるというふうにも伺っておりますし、他方においては基本方針で微に入り細に入り規定すると地方の自主性を損なうことになるという趣旨の御答弁もあったわけであります。これでは地域の指定についてどこまで国が関与しようとしているのかがわからない。しかし、私の受けた感触では、建設省としては、各県で拠点となるべき地域、これは投資効果等の面から客観的に限られておりまして、そして当該地域の熱意とかあるいは基本計画の案の優秀さだけでは地域指定につながらない、そう考えておられるんではないかな、このように受けとめているわけであります。 その点については、地方の自主性を縛るということは都合の悪いことも確かであるけれども、他方、既に多くの市町村が指定を受けるべく動き出していることも事実であります。これでは結果的にむだな活動となってしまうことも問題であるし、県に対する陳情攻勢そのものも懸念をされるわけです。また、熱意だけが先走って、指定を受けたとしても効果は上がらないで、結局、借金だけが残ったというようなことになっても困ります。そういう意味では、あらかじめはっきりと基準を示した方が地方のためになるということが言えるのではないかなと思います。 現段階で基本方針の素案もでき上がっていないということは非常に問題であると思いますけれども、指定基準でどこまで踏み込むのか、この辺の本音をここでひとつ伺っておきたいと思います。
○政府委員(小島重喜君) 今お話のとおり、基本的には、地方団体、特に地域の指定につきましては県知事の主体性というものを最大限に尊重するということでございまして、そういう意味で言うならば、ある意味で客観的に判断されるような事項について基本方針で書くことが原則になろうかと思います。 一つは、いわゆる三大都市圏の一定地域で人口だとか産業が非常に集積している、そういう地域は対象にしないということははっきりしているわけでございます。それからもう一つ、これは当該県内というものを考えてみました場合に、県内の一極集中が生ずるような都市あるいは地域というのは都合が悪いということは書けるのではないかというように思います。それ以外につきましては、これも何回かお話し申し上げておりますように、各県に一カ所ないし二カ所、こういう数になる、この程度のことが書かれるんではないか。 しかし、人口がどのくらいかというようなことにつきましてはここでは書けないだろう。あるいは地域の一体性という面でも、生活圏でありますとかあるいは商圏でありますとか、あるいは通学圏、通勤圏、こんなようなものもある程度客観的な数値でわかると思いますが、そういうようなことによって一体的な地域をなしているというようなことにはなると思いますが、それ以上微に入り細に入りということは指定基準についてはなかろう、かように考えております。
○中川嘉美君 基本方針で地域の指定基準について詳細に定めるとすると、知事の選択の幅というものは非常に狭くなる。大ざっぱな定め方をするというと、それだけ知事の裁量の度合いというものは、これは大きくなるはずだと私は思います。これについてはそれぞれ一長一短があるわけですけれども、基本方針がどこまで踏み込むのかについては確かに難しい面もあります。 ところが、指定を行うためには実はもう一つのフィルターをクリアしなければならない。それがいわゆる主務大臣との協議ではないかと思います。 前回の御答弁では、主務大臣との協議が不調に終われば知事は指定を行えないということであったと思いますが、基本方針での指定基準の定め方を粗くしておいたとしても、基本方針に盛り込まれていない要素によって協議が調わないということになるのでは、それこそ地方の自主性というものはないがしろにされることになるのではないか。 そこで、仮にも知事が適当だと判断したことについて協議が調わないということがあり得るのかどうか、要素としてはそれではどのようなことが想定されるのか、これらの点についてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(小島重喜君) 基本方針に基づきまして、そして知事が区域を選定いたしまして、そして私どもの協議があるわけでございますが、私どもは、基本的には知事の手元である意味での良識的といいますか、常識的な措置がなされるだろうというように、お互いに行政機関同士、国と地方というお互いの信頼関係というものがあるわけでございますから基本的にはそごがないようになるだろう、こういうように思います。 私どもは、協議を受けましたら、今申し上げましたような基本方針なりあるいは地域の選定基準といいますか、そういうものに違背をしていない限り原則的には知事さんの協議をお受けするということが基本的な態度であるし、また立場でなければならないというように考えております。 そういう意味で、できる限りお互いの意思疎通というものを十分にやっていく必要がある、そういう方向で私ども六省庁一体となって対処をしていきたいというように考えております。
○中川嘉美君 そうすると、今の御答弁からいくと、知事が適当だというふうに判断した以上、一応その協議が調うという方向性といいますか、そういうふうに理解してよろしいですか。
○国務大臣(山崎拓君) 今、国土庁の局長から御答弁しているとおりでございますが、ただいま先生の御質問はやや政治的な領域に入ってまいりますので私から答弁させていただきます。 指定権限はあくまでも知事が持っておるわけでございまして、知事の権限を度外視いたしまして国が指定するということは全くあり得ないという意味におきまして、知事に権限が完全に集中しているというか、知事に与えられているということでございます。 ただ、知事とされては、県域全体を見てここがしかるべきということで協議に付してまいりました場合に、私どもは基本方針に前もって示しますけれども、その地域が指定された場合に国として拠点都市地域整備を行うさまざまな準備を、我が省は公共事業を重点的にそこに行うというような準備をいたしておりますが、果たしてその投資効果が上がるのか、十分ポテンシャリティーを持っておるのか、十分期待にこたえ得る地域であるかということにつきましては、協議の中で十分申し上げたいと考えておるわけでございます。 協議が不調に終わりました場合には、これは指定はあくまでも留保せられると考えられるわけでございます。ただし、基本的な権限は知事にしかございません。国には権限はない。そういう意味では、知事に権限をゆだねていると申し上げて差し支えないと思います。
○中川嘉美君 次に伺いたかったことは、政府部内においても主務大臣は複数である、それに加えて協議を必要とする大臣も複数に上るわけですが、これらすべての大臣がオーケーを出さなければならないとすると、先ほども若干論議をしておられたようですが、結局、知事としても当たりさわりのない地域指定しか行い得ないのではないだろうかというふうにも思うわけです。 政府側では国土庁長官が窓口になるとのことですが、六省庁間の取りまとめについても国土庁長官が主導権をとるということになるのかどうか、私はだれかが調整権限を持っていないとますます地方の意向は通らなくなってしまうのではないかな、こんなふうにも思いますが、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(東家嘉幸君) 私どもの国土庁で権限を持つということではないと私は思います。あくまでも協議をし合う、それぞれの各省庁の皆さん方とのすり合わせの段階において私どもは取りまとめの役割をしようということでございますから、その点については私どもがそういうことですべての権限を持つような行き過ぎた行為はあってはならないと思っておりますし、また協議機関を設けますので、なおまた大臣も、それぞれ主務大臣は時折その経過を踏まえながら私たちも協議をやるというような申し合わせになっておりますので、その点については、今御質問のような国土庁がすべてを取り仕切る、すべての決定権を持つというような考えはないということでございます。
○中川嘉美君 主務大臣については協議機関を設けるということで意見調整を図るための措置がなされておりますけれども、主務大臣以外の協議大臣の存在、これはそれらの大臣が拒否権を持つということにならないかどうかという問題なんです。例えば先ほど来議論がありましたが、それこそ運輸大臣とか文部大臣等これはもう私は切っても切れないんじゃないかという感じが非常に強いわけです。こういう大臣の拒否権といったことが果たしてどういうふうにとらえられているか、その点についてお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(東家嘉幸君) 協議大臣につきましても、それぞれ担当の六省庁の皆さん方が意見の交換を図りながら今日までの経過を踏まえておりますので、そうした拒否権等々の問題については私どもは全く今まで考えてもいなかったことでございます。最終的にはそれぞれの協議大臣の意見を踏まえて判断をし調整を図っていくということで、私どもは協議はやはり大いにやるべきだというふうに考えております。
○中川嘉美君 私が結論としてここで言いたいことは、この地域の指定に当たっての国の関与については基本方針で指定基準を定めるだけにしておいて、そして主務大臣との協議は、その基本方針で定められた指定基準を満たしているか否かという形式的なチェックにとどめるべきではないかなというふうに思いますが、この点はどうでしょうか。
○国務大臣(東家嘉幸君) この法案の大方の内容はもう既に地方の皆さん方も御承知の地域もあるわけでございます。しかし、基本計画は示しましても、非常に失礼かもしれませんけれども、今の段階で地方でそれだけのすべての計画が出し得るかどうか、それは今まで培ってきたそれぞれ各省庁の持つノウハウ、双方の協議、地方の県また関係市町村と協議していかなければ私は実効性は上がり得るものではないというふうに考えておりますので、その点はすべてをお任せするということではなくて、今日までに培った各省庁のそうしたノウハウ、今後の協議、あくまでも一体的に地方の皆さん方と協議の上で取り組んでいくことが私はこの実効性を高めるのではないだろうかというふうに考えております。
○国務大臣(山崎拓君) 東家長官が申し上げたとおりでございますが、ちょっと具体的に参考までに申し上げたいわけでございます。 指定のスタンダードもあるけれども指定のキャパシティーもあるわけですね。全県一、二カ所を一斉に指定するというわけじゃ私はないと考えておるわけで一この点も国土庁長官初め各主務大臣等ともそれこそ協議会で議論が出てくるところだと思いますが、私は個人的には、とりあえず全国の八ブロックになりますか九ブロックになりますか、ブロック一カ所程度から始めないと、一斉にやるということはこの施策がやや冗漫に陥って、かつての他の地域振興立法が陥ったとされている弊害があったかどうかその議論は別といたしまして、とされているようなことが再び指摘されるようなことにならないかという懸念も持っておるわけでございます。 一体どの程度を指定していくかということもこれからの議論でございますから、そういう意味において、それは各県におきましては当然二カ所程度一斉にどうだという話が起こるということは予期できますけれども、しかし国といたしましては限られた財源、予算の中でこれに対して対応していくということになりますから、そういう意味において全部指定基準を満たしたら一斉に指定だということには、この一例をとりましても、簡単にはならないわけでございます。これはつけ加えて申し上げたかったわけでございます。
○国務大臣(東家嘉幸君) 今、建設大臣が申し上げましたように、今後協議の過程の中で一定の成果を上げ得るかということの判断をよくして指定しないと、やはりこれは法律をつくった以上、責任を痛感しつつそれぞれの六省庁が一体となってやるべきことでございますので、その点については建設大臣が申し上げましたように、慎重の上に慎重を期して、私はそうした協議の上での指定を知事がなされるように努めていくべきではないだろうかと思っておりますので、その点は建設大臣と同じ意見でございます。
○中川嘉美君 大臣からたびたび丁寧に御答弁を入れかわり立ちかわりいただいたわけですが、建設大臣がおっしゃった限られた予算の中ということもありますし、それからただいまの御答弁の中にあった法律をつくった責任ということもありますし、そういういろいろなことも当然あるわけでありますが、できるだけひとつそういった範囲の中でというか、地方の自主性ということを最大限に尊重できるような進め方をひとつ要望しておきたいと思います。 それから、次に拠点地区の指定でありますが、基本計画においては拠点地区を定めることとなっておりまして、また基本計画は現在の地域振興計画とかあるいは都市計画などとの調和を図らなければならないものというふうにされております。しかし、当該地域にとっては地方拠点都市地域に指定されたこと自体が一大事であって、そちらの方を優先させたいとの意向も出てくるのではないか、このようにも思われます。したがって、基本計画に対して余り枠を狭めないで、できるだけ自由な発想からその策定に当たることができるように配慮すべきではないかな、こんなふうに考えます。 法律上は既存の計画等との調和が保たれることというふうな義務規定があるわけですが、逆にこの基本計画の策定を一つの転機として既存の計画を見直すということも必要ではないかなと思います。そのためには、基本計画策定者である市町村の上位機関である国とか県の協力とかあるいは柔軟な態度が必要になるのではないか。 先ほど来いろんな御答弁がありましたけれども、そういった用意があるかどうかということをもう一度ここで伺っておきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 基本計画につきましては、地域指定されました市町村が共同して作成する、それを知事の承認にかからしめる、こういう手続になっておりまして、まず国におきましては地元に任せたいという基本的な考え方を持っておりましたところを法律上も明らかにしたというつもりでございます。それから、知事の承認にかかっておりますので、そういう意味におきましては、具体の市町村だけではなくて、県レベルにおきましてもいろいろと計画の内容等について御議論に加わることになろうかと思います。 いずれにいたしましても、それぞれの地方の自主性といいますか創意工夫が十分尊重される中で、施策の実効性というような観点からの知事の立場でのいろいろな考え方ということで知事がかかわってくるというふうに思っておりまして、計画の内容につきまして市町村が自由な立場で基本計画が策定できるようなものといたしましては、この今回の法案は過去に例のないものだと思っておりますので、多分私どもが意図しているような方向で運用もされるものと思っておるところでございます。
○中川嘉美君 同様の発想から、市町村が自由な立場で基本計画を策定できるように、その内容に関しでもできるだけ国や県の口出しかないことを私は希望するわけで、県内の他の指定地域との機能の調整等が必要なこともあると思いますけれども、必要以上の介入はやめてもらいたいというふうにも思うわけです。 この点で、法律上は基本計画は知事の承認事項となっておりますけれども、運用面で果たしてどのような方法がとられようとしているか。いろいろ御答弁いただいてきておりますが、この法律第六条を見る限り、知事の裁量の幅はかなり広いように読めますけれども、この点についてはいかがなものか、伺いたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 御指摘ありました法第六条におきまして基本計画に関します事項がいろいろ書かれておりまして、その中の第六項に知事の承認に関する事項もあるわけでございます。 基本的には基本方針に適合するかどうかといったような観点から、基本計画の内容が指定地域あるいはその周辺の地域に対して適切な効果を及ぼすものであること等につきまして、知事が承認の際チェックするということでございまして、これは先生からただいま御指摘ございましたように、極めて裁量の幅が広いというふうに理解することも可能かと思いますが、ある意味で、知事が承認するに当たりましてのチェック項目といたしましては必要最小限に絞られておるというふうに読むこともできるのではないかと思っておるわけでございます。 運用面におきましては、先ほども御答弁したつもりでございますけれども、できるだけ具体の地元の市町村の意思が尊重されるように運用も図られていくものと期待しておるところでございます。
○中川嘉美君 次に、拠点整備土地区画整理事業ですが、今回のこの拠点整備土地区画整理事業は、これまでにも類似の制度がつくられているわけです。 〔委員長退席、理事種田誠君着席〕 土地区画整理を進めることはなかなか難しい点がありますけれども、大都市法の特定土地区画整理事業の実績、これはどの程度あるか、説明していただければと思います。
○政府委員(市川一朗君) 大都市法の特定土地区画整理事業の実績でございますが、昭和五十年の法施行以来、平成三年三月末現在で事業認可がなされておりますのが全国で百七十地区、九千六百五十二ヘクタールでございます。そのうち六十二地区、二千百ヘクタールでは事業も完了してございます。
○中川嘉美君 拠点整備土地区画整理促進区域の指定要件は非常に厳しいもので、要件の一つに市街化区域内というものもありますが、そもそも現在、地方においては必ずしも線引きがなされていないはずではないか。そのような都市計画区域では新たに線引き作業を進めなければならなくなると私は思いますけれども、そのように理解していいかどうか。
○政府委員(市川一朗君) そのとおりでございます。
○中川嘉美君 この良好な業務市街地となるための条件を備えている区域、これが二ヘクタール以上更地で残されているというようなことがあり得るのかどうか。この土地区画整理事業の制度が果たして実効あるものとして機能することを目指しているものなのか、甚だこれは疑問であると私は思います。 〔理事種田誠君退席、委員長着席〕 それは、大都市法にも見られるように、新たな制度の枠組みの中で、この市街地開発が必要となるときにはほとんど同じパターンの制度を組み込んでおる。しかも、その要件が厳しいということから受ける印象があるわけです。本当に実効を上げることができるのかどうか、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(市川一朗君) その点につきましては、私ども今回の施策を考えるに当たりましてむしろ極めて重要視したポイントの一つでございます。ある意味におきまして今が絶好のチャンスと思っておる面でございます。 と申しますのは、先生も御案内のとおり、最近の経済社会の変化といいますか、そういったようなところで、駅前というような都市の中心部におきまして、旧鉄道施設跡地いわゆるヤード跡地等の空閑地、あるいは工場跡地もございまして、かなりの規模の空閑地が都市によってあるところとないところがございますけれども、私どもが知る限りにおきましても、かなりの地方の拠点都市となり得るようなところで今そういったようなところが生じておりまして、それを長期的にどういった面で活用するかということが極めて地域におきます大きな課題になっておると承知しておるところでございます。 そういったようなところは私も資料も取り寄せましたし、自分自身でも大分現地を見ておりますが、そういう意味では二ヘクタールよりはるかに大きいところもいっぱいございますから、それでこういったような法案の要件にさせていただいたというところでございます。
○中川嘉美君 それでは、次に移ります。 企業の移転ですけれども、地方拠点都市地域は、地方の自立的成長促進の拠点となると同時に、産業業務施設の再配置の受け皿ともなる地域だと思います。地方の自主的成長と、それから企業の誘致、これは矛盾する性格のものではないかという点がたびたび指摘されておりますけれども、その点については一応目をつぶるとして、受け皿として機能できるか否かについては、地元の意向というものを尊重するだけでは足りないのではないかというふうにも思うわけです。企業の側が具体的にどこであれば移転してもいいんだというふうに考えるかについて、地域の指定に当たっても一応そういったことも考慮すべきファクターではないかというふうに思います。それでなければ、企業の側としては与えられたメニューの中からしか移転候補地を選べないということになってしまう。結局、産業業務施設の再配置の受け皿としては空振りに終わってしまうという可能性も非常に大きくなるんじゃないかと思います。 そこで、企業の意向、それも単なるアンケート調査ではなくて、より具体的な計画についてはどのようにとらえるつもりをしておられるのか、あくまでも呼び込む側の誘致活動にゆだねるのかどうか、この辺はいかがか御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 企業の地方分散を促進してまいりますためには、単に企業の自主判断でございますとかあるいは地方自治体の誘致活動だけにゆだねるということでは十分ではない、そういうふうに私ども認識しているところでございます。 実際に計画をおつくりになる段階で、企業が移転しやすいそういう条件を備えたところ、あるいはそういう条件を備えるべく計画をおつくりいただくということが第一でございますけれども、さらにその後におきましても、企業の地方移転について具体的なケースに即して私ども御相談にもあずかり、また助言もさせていただきたいと思っておりますし、また具体的に業界団体でございますとかあるいは商工会議所等々の御意見も伺いながら企業と地方自治体とのつなぎ役を果たさせていただきたいというふうにも思っております。
○中川嘉美君 先ほども触れましたように、結論的に業務施設の再配置の受け皿として空振りに終わってしまうことのないように、この点だけは結論的には大事なことですから、ひとつよろしくお願いしたいと思います。 それから、東京からの産業業務施設の移転を促進するといっても、どのような業種であっても首都東京を離れることは容易なことではないと私は思うんです。ですから、情報集約的でない業種であれば制度をむしろ利用しやすいかもしれませんけれども、そうかといって、じゃ具体的にどのような企業が施設再配置制度に乗ってくると考えておられるか、ちょっとこの点も伺っておきたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 御指摘のとおり、東京において事業活動で今いろいろな利便を受けているわけでございますので、これら企業の地方分散を進めるということは並み大抵のことではないわけでございます。このために、私ども移転コストの軽減あるいは受け皿の整備等々の施策を用意しているわけでございますが、委員御指摘の情報の提供等についても配慮をしていきたいというふうに思っております。 また、どのような企業と申しましても、特定の業種あるいは規模を想定しておるわけではございませんので、それぞれの業種ごとあるいは企業規模ごとに御相談に乗っていきたいというふうに思っております。
○中川嘉美君 ですから、企業規模についてもどの程度の企業がこの制度に乗ってきやすいかという点をもうちょっと考えていきたいと思うんですが、私はその点についてもむしろ悲観的にならざるを得ないわけで、企業規模が大きいほど東京における集積メリットを手放したくない、これはもう当然だと思いますね。それから、企業規模が小さくなれば取引関係で現在の地元との関係が密接なはずで、それを断ち切ってまでというわけにもいかないのではないか、したがって移転というものが極めて困難であって、考えにくいことじゃないかなと思います。 今、後半で申し上げた小さい企業ということになりますと、どうしても離れることのできない密接なつながりというもの、自分たちだけがぽんと行ってしまったんじゃもうどうしようもないというなにが当然考えられるわけで、こういったことについてどういうお考えを持っておられるかを伺いたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 委員御指摘のとおり、企業の立地に際しまして、取引関係の維持でございますとかあるいは大きな消費地に隣接して立地しているというメリット、こういうものがあるわけでございます。これらの現在東京で享受しておりますメリットを損なわない形でいかに地方分散を図るかは大変に難しい問題でございますけれども、取引条件等々において不利をこうむらないようにそれらの条件を整えていくということ、そしてまた立地の基盤を整備していくということ、このあたりが一番大事だろうというふうに思っております。 中小企業につきましては、高度化資金の融資という制度を今回も用意をしているわけでございまして、これらもぜひお使いいただきたいと思いますし、また大企業につきましては、部分移転と申しますか、これらにつきましても金融、税制におきましてそれ相応の支援が可能でございますので、部分部分で徐々に段階的に移転をしていただくということも可能ではないかというふうに考えているところでございます。
○中川嘉美君 それでは次に、企業誘致について一点だけ伺いたいと思います。 この拠点都市地域の指定に際しては陳情合戦が懸念されているわけですが、たとえそれを勝ち抜いて地域指定を取りつけたとしても、地元としては、地域の整備を進めていく上での投資の元を取るために企業の誘致が必要である、このように考えると思います。すると、今度は他地域との間で誘致合戦が起きてくる。そのためには、表現はよくないかもしれませんけれども、うまいえさをまくことにもなってくるのではないか。 法律上の企業移転のための支援施策に加えて、自治体独自でインセンティブを与えるような措置をとることについては法律上の制約があって思うように任せないだろうと思うわけですが、果たしてどの程度のことであれば可能なのか、この点を伺っておきたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) これまでの企業の地方立地の状況を見ますと、自治体が積極的に企業誘致を行う一方で、それぞれの企業も自治体に対して積極的な働きかけを行っているというのが一般的でございます。これらの自治体の企業に対する誘致活動は、それらを通じまして企業に対する情報提供が図られるという側面もございます。それによりまして企業の地方への立地意欲が高められるという点もあるわけでございまして、立地の円滑化に貢献する面もあるわけでございます。 ただ、自治体が企業誘致合戦の中で自主性を失いまして過重な負担を引き受けるようなことになるということは大変好ましいことではないわけでございまして、企業誘致に当たって、地域の発展の方向あるいはその中で企業に期待する貢献の内容といった点につきまして自治体としても明確な姿勢を打ち出していただきたいというふうに思っているわけでございます。 私どもといたしましても、具体的に自治体あるいは企業の方から御相談があれば可能な限りの助言等もしてまいりたいと思いますが、自治体と企業とのお話し合いということがやはり基本になるのではないだろうかというふうに思っているところでございます。
○中川嘉美君 それでは、都市間の機能分担ですが、標準的なパターンでいきますと、指定されるのは県内第二、第三の都市を中心とした地域ということになると思います。そうすると、最終的には県庁所在地を含めて三つの拠点ができ上がってくる。 そこで、二つの拠点都市と県庁所在地との関係について若干伺ってみたいと思います。 一つの考え方としては、この三つの拠点がそれぞれ無計画にすべての都市機能を備えようとしても、これは効率の悪い話であって、無理なことでもあるために、県庁所在地をも含めて三つの都市の明確な機能分担を図る必要がある、したがってその場合には地方拠点都市が県庁所在地に足りない部分を補うということは当然必要ですけれども、それにとどまらずに、県庁所在地から今度は地方拠点都市地域への部分的な機能移転、これも必要となるとする考え方です。 もう一つの考え方は、県内一極集中は各県に漏れなく該当する現象ではなく、本制度の創設によって県庁所在地の力をそぐことのないようにしなければならないという、そういう配慮を重視するもの。この考え方によると、県庁所在地から地方拠点都市への機能移転はむしろ弊害を生むということになると思います。 しかし、地方においては県庁所在地といってもすべての都市機能を十分に備えていることはまれであるために、私は三つの地域の間での調整を積極的に行うことが必要ではないか、このように思います。それが今回の地方拠点都市地域制度の趣旨にも合致するのではないか、このように思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○国務大臣(山崎拓君) 御説のとおりであると思います。 県庁所在地は、いわば中枢管理機能を持ちました都市でございます。第二の県都、第三の県都とお呼びになりましたが、それらの新しい拠点都市地域が同様に中枢管理機能を持つということにはならないかと思いまして、この法案では産業業務施設が再配置されるということを主眼といたしておるところでございます。しかし、必ずしも産業業務施設があらゆる拠点都市地域に再配置されるということは期待できないのではないかと思いますので、これは拠点都市地域として新しい、何と申しますか、その県特有の役割分担を担わせるということも当然あり得ると思います。これは今後開発に伴いまして試行錯誤的な要素もあるいはあろうかと思いますが、いろいろと特色ある第二の県都、第三の県都ができてくるのではないかと期待をいたしておるわけでございます。 それと、再三申し上げておることでございますが、これは国土の均衡ある発展と同時に県土の均衡ある発展という目標を持っておるわけでございます。 その場合に、第二の県都、第三の県都の配置によりまして、例えばこの拠点都市地域の考え方といたしまして、円を描きましたときに、拠点から国道を使いまして車で大体三十分の距離で円を描くというような一応の設計概念みたいなものがございますが、例えば第二、第三ができれば三つの円県内にできるということで、その円が完全にオーバーラップすると申しますか、交わるところがうまく全域をカバーするというふうになりますかどうかわかりませんが、大体県域全土を円がカバーし、カバーできない場合でもその効果がカバーできるということ、そしてそのことによって県土の均衡ある発展が図られるというようなことを期待いたしておるわけでございます。
○中川嘉美君 したがって、確かにいろいろな考え方というものがあると思いますけれども、適当ではないかもしれませんけれども身近な例を挙げるならば、学術専門書みたいなものを手に入れようとする場合に地方ではなかなか難しいわけで、それを三つの都市どこへ行っても入手できる方向へ向かおうとするとアブハチ取らずみたいなことになってしまう。三つの都市のうち一つの都市へ行けば足りるというようなことになればむしろいいわけで、そこへ行けばそういうものが手に入るといいますか、要するに県外の中枢都市まで足を運ぶ必要がなくなればいいわけです。そのためには県庁所在地が現在負わされている機能の負担を軽減してやる必要もあると思います。 言ってみれば県内における分都というんですか、こういうことになるのではないかと思いますけれども、御見解を伺っておきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 先ほど建設大臣が御答弁申し上げたところでございますけれども、ただいま先生からいろいろ御指摘ございますように、私どもも、今回の法案による施策の推進に当たりましては、国土の均衡ある発展、それから県内の一極集中の是正、そういったようなところをにらみながら、なお個性豊かな地域づくりといったところで、若者を引きつけるような生活空間の創出ということを考えておるわけでございます。 いろいろなケースが考えられるわけでございますが、ただいま先生御指摘ありましたいわゆる分都構想的な発想が私ども考えております発想にほぼ近い考え方なのではないかと思っております。すべてのところがすべて同じように魅力あるということよりは、それぞれ特徴を持った形で魅力ある地域づくりをするということがより現実的であろう、そういうふうにも思っているところでございます。
○中川嘉美君 じゃもう一つだけ伺っておきますが、拠点間の機能配分の調整、この調整のためには拠点間の交流を容易にするための手だても用意されなければならないし、また機能分担のための県内での調整がなされる必要があると思います。このような県内各拠点の機能分担についての調整をどのように予定されているのか、伺いたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) いろいろなことがケースとして考えられるわけでございますけれども、いわゆる都市の持つ機能といたしましては行政機能経済機能、あるいは文化機能ということがあるわけでございまして、それぞれ一口では言いにくい面がございますけれども、行政都市といいますと代表されるものは県庁所在都市だろうと思いますし、それから経済機能という点で見ますと商業中心の都市あるいは工業中心の都市とかいろいろ考えられるわけでございます。それから、文化機能ということになりますと、大学のある印とか、場合によりましては総合病院も中心とした医療に強い印とか、いろんなことが考えられるわけでございます。 先生の御質問なさいました機能分担ということに関しまして的確な御答弁にはなっていないかと思いますが、先ほど来申し上げております個性豊かな町づくりの中で、トータルとして極めてその地域社会が魅力あるものとして若者も引きつけられるようなものになるということの方に私どもどちらかというと主眼を置いてございまして、それぞれの都市がこういう形で機能分担すべきであるということにつきましては、むしろそれぞれの県の事情によりましていろいろ異なると思いますので、余り国のレベルでそこに対するこだわりは持たない方がいいのかなというふうに実は思っておるところでございます。
○中川嘉美君 ですから、持たない方がいい場合も当然あるでしょうが、そういったことに対する認識だけは一応持っておいていただきたいな、こんなふうに思います。 次に、地域高規格幹線道路ですけれども、建設省では現在、地域高規格幹線道路の整備、推進を図っているわけですが、まだその構想段階で詳細はおろか全体像も見えてこないわけです。今年度については調査費が計上されているだけで、来年度から始まる次期道路整備五カ年計画で本格的な整備に入る、したがって地域拠点都市地域の整備にも資するようにしようということだろうと思うのですが、そこで、順次伺っていきたいと思います。 建設省の資料によりますと、自動車専用道路と同程度の機能を有するものという考えのようで、そのイメージ図を見る限りでは、まさに都市高速道路のような気がするわけです。現在の都市高速道路においては公団や地方道路公社が事業主体となっておりますけれども、この地域高規格幹線道路の事業主体としてはだれが当たることになるのか、またこの補助率等、地方の負担割合ですね、これはどの程度のものになるのか、御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。 先生御承知のはうに一万四千キロの全国的な高規格幹線道路がございます。これがあるいろいろな地域あるいはいろいろな都市から大体一時間で到達できるようにネットワークがっくってあります。そのネットワークも若干いろんな意味で足らざるところがあるというふうにも言われております。 さらにもう一つ、そういうものと一緒になってこの地域のモビリティーを高めて、地域の拠点性あるいは地域構造を強化するという意味でこの地域高規格幹線道路というネットワークの構想を立てたわけでございます。 したがって、この二つの関係は、地域高規格幹線道路そのものが全国的な高規格幹線道路網の足らざるところを補うという性格と、それから拠点と全国的な高規格幹線道路の連結を強めるという部分と、それから拠点そのものの強さ、ネットワーク社会といいますか、そういう意味の強さを高める、こういう三つの性格から成るうかと思っております。 特に地方、各地域においては県都三十分でというような非常に厳しい考え方で交流ネットワーク集積生活圏をつくる構想をお立てになっている県もございますし、一時間圏あるいは二時間圏、こういうような地域もございます。こういうものをベースに拠点を高めるもの、これが今回のこの法案におけるものとぴたり一致する部分でございます。 そこで、そういう性格でございますから、要はその地域の拠点のいろんな活動を高めなければ意味がないわけでございますから、当然モビリティーとしてのサービスレベルは非常に高くなけりゃいかぬということから、自動車専用道路へあるいは平面道路ではあっても主要な交差点、これは全部連続的にずっと行けるようにする。一例を挙げれば、東京で言えば環そのようなものは交差点が連続的に立体交差している。こういったようなものもその中の一つの整備手法として考えております。 したがって、そういうものになりますから、事業主体というふうな物の見方をする場合には、自動車専用道路といえばそれなりの事業主体も当然考えられるだろうと思いますし、また場所によっては、有料道路という整備手法を導入した方が整備が早いし全体のネットワークとしても落ちつきのいい部分もあろうかと思います。また、今言った道路が連続的に立体交差をしていくようなところですと有料道路事業にはなじみませんので、当然のことながら、その地域の道路管理者に整備主体になっていただかなきゃいかぬ、こういうようなことになろうかと思います。 〔委員長退席、理事種田誠君着席〕 そういう意味で、それぞれの地域が求める地域高規格幹線道路の状況といいますか姿に応じて整備主体というものを組み合わせて、連合体としてつくっていく、こういうような性格になろうかと思いますので、補助とかあるいは負担の形態というものもそういうふうないろいろな手法の組み合わせで変わってくるかと思います。 いずれにいたしましても、そういう性格でございますから、この計画のベースは、拠点都市との関係におきましては、特に地域がみずからそういう整備主体の組み合わせの構想を立てていただいて、それを私どもがそういうふうな考え方が成り立つようにお手伝いしていく、こういう形でこの地域高規格幹線道路のうちの地方拠点整備との絡みは対応してまいりたいと思っております。 ただ、全国的な高規格幹線道路網を補う部分、あるいは全国的な高規格幹線道路網と拠点とのアクセスを高める部分、近づける部分につきましては、全体的な幹線道路網の整備ということでございますので、例えば一般国道の自動車専用道路的な整備手法等も十分考えながら、その整備主体あるいは経営主体等も工夫をしてまいりたいと思っております。
○中川嘉美君 そうすると、有料道路という話も出ておりますが、有料道路となった場合にはこの高速道路との違いがちょっと不明確になると思いますが、両者の関係はその場合どのように考えておられますか。
○政府委員(藤井治芳君) 首都高速道路を都市高速道路の一つの代表選手と考えても結構でございますし、名古屋、福岡、北九州、こういったものもその例だろうと思いますが、これは綱として一つの大きな計画そのものができ上がっていて、それ全体をプール制のもとで有料道路の手法で全部つくっていく、こういう性格のものでございます。 この地域高規格の場合には、有料道路としてなじむ部分もありますが、なじまない部分も出てこようかと思います。そういう意味で、都市高速道路網全体というものをイコール有料道路として全部を整備していくかどうか、それはその地域の状況によって考えていかなければならないものと思っております。 ただ、一例を挙げますと、広島市などの場合では、今、山陽自動車道と広島市あるいは広島の湾岸道路との間を結ぶために、市がつくっている道路公社、あるいは県がつくっている道路公社が有料道路事業として計画を進めております。こういったようなものは今申し上げました地域高規格幹線道路網の一つの先行的なイメージかと思いますが、これは町によってそれぞれ違ってきていいんだろうと思っております。
○中川嘉美君 御答弁を聞いていますと、いろいろケース・バイ・ケース的な発想、考え方というものを非常に強く感じるわけですが、そこで、現在の都市高速道路の整備状況をまず示していただければと思います。 今後、新たに政令指定都市等で都市高速道路に着手する動きはあるかどうか、あわせてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(藤井治芳君) 現在の都市高速道路は、今申し上げました東京における首都高速道路、あるいは阪神圏における阪神高速道路、名古屋高速道路、福岡、北九州高速道路、この四つがいわゆる都市高速道路網として整備を進めているものでございます。 例えばこの平成四年の五月一日現在で申し上げますと、首都高速道路の約二百二十キロを初めといたしまして都市高速道路全体で四百七十キロが供用されておりますし、二百五十五キロが事業中でございます。これらも実は新しい五カ年計画に向けて今そのネットワークの見直しもやらせていただいております。各政令都市、仙台、札幌、あるいは千葉、広島といったようなその他の政令都市におきましても、それぞれの自動車専用道路網についてのいろいろな検討がなされております。しかし、これは都市高速道路網として整備するか、その地域における自動車専用道路網としての位置づけでのみ考えて整備していくか、これらについては今いろいろな角度からそれぞれの政令指定都市の特色に応じて検討しておると思っております。私どもまでにはまだ上がってきておりません。 したがって、これからの政令指定都市に都市高速道路をつくらなければならないというふうにもジャッジしておりませんし、つくる必要がないというふうにもジャッジはいたしておりません。 〔理事種田誠君退席、委員長着席〕 やはりその都市における規模、あるいは負担力、それから、都市高速道路として整備するからにはいろいろな意味でのネットワークがきちっとかなりの量必要であるというようなことも計画論としてあろうかと思いますので、今後これらについては地元市とも調整を行いながら、どのような形でそれぞれの政令指定都市における自動車専用道路網を整備すべきかどうか検討させていただきたいと思っております。
○中川嘉美君 それでは、次に移る前にちょっと先ほどの御答弁で二、三確認だけしておきたいと思います。 この地域高規格幹線道路は高規格幹線道路を接続することによって大きな機能を果たせるものと考えますけれども、地域高規格幹線道路はいわゆる都市間を結ぶこともあるのかどうか。あくまでも地域高規格幹線道路の機能を都市内交通に限定するのであれば、高規格道路の到達していない都市においては地域高規格幹線道路の整備も後回しということになるのかどうか、ちょっとこの点をもう一度確認しておきたいと思います。
○政府委員(藤井治芳君) 先ほども申し上げましたがちょっと説明がまずくて、再度申し上げます。 いわゆる全国的な一万四千キロの中で今現在の地域の振興、活性化の面から見てここは自動車専用道路網が必要であるというような要望が出ている箇所、そういう見方で計画を詰めている箇所もございます。それから、高速道路いわゆる高規格幹線道路と拠点との結びつきが弱いから、そういうものを補強しなければならないところもかなりございます。こういったものも地域高規格幹線道路網の計画の主要な部分として考えております。さらにもう一つ、三番目が拠点都市における環状道路であるとかあるいは主要な部分の放射状の道路とか、こういったものも地域高規格の主要な部分と考えております。おおよそこの三つの部分から成るものというふうに理解をいたしております。
○中川嘉美君 それでは、ストロー効果と呼ばれる現象、これについてお尋ねしたいと思いますが、それはどのような現象を指すものか、まず御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 便宜私からお答えさせていただきます。 ストローと呼ばれておりますのは、大都市と地方都市、そういったところで道路の整備が進みますと、そこに人の交流あるいは物資の流通が極めてスムーズにいくという、いわばストローのようにスムーズにいくという意味でストローという言葉が使われていると私は理解しております。 ただ、そのストロー効果という言葉で論ぜられるのは、そういう便利だからということを言っているわけじゃなくて、ストロー効果が生ずるということはむしろ問題だという意味で多く使われていると思います。便利になることによって魅力のあるところへ人も物も流れていく、そういうストロー効果が生ずる、したがって、道路整備が進むとストロー効果が生じてかえって地域の過疎化が進むとかというふうに最近は使われておるというふうに理解しております。 逆にお尋ねもないのにPRさせていただきますが、私どもが地方拠点都市地域でねらっておりますのはまさにその点でございまして、魅力あるものを地方につくることによって道路整備が進む、そうすると何もやらない場合はどんどん魅力あるところへ集中して吸収されてしまうのを地方の方に逆に引き寄せることができる、そういうことを私どもの施策のねらいとしているつもりでございます。
○政府委員(藤井治芳君) それをちょっと私の方から数字で実証させていただきたいと思います。 地方生活圏の中で、例えばこういう高規格幹線道路があった場合とない場合ということで、東北地方ではある場合は過去十年間の人口増加率が、それがあったところは七・二%プラスになっております。ない地域はマイナス十六%。中国地域を例にとりますと、あった場合がプラス三・五%、ない場合が十年間の平均人口増加率でマイナス〇・四。九州地域、これは島嶼部を除きますが、高規格幹線道路があった場合はプラス五・一、ない場合が、これはマイナスにはなっておりませんが、〇・五。こういうように人口の定着と高規格幹線道路のありなしか極めて顕著に出ている実例がございます。 またもう一点、工場というような面で見ますと、これは通産省のお調べいただいた工業立地動向調査の結果でございますが、インターチェンジから大体十キロ以内に全工場の六割が入っております。インターチェンジから二十キロ以内になりますと大体工場の八割が立地されているという形でその経営がなされているようでございます。したがって、インターチェンジがある印とそれに近い町と遠い印とでこの傾向が非常にプラス側とマイナス側の差が出てくる、こういう実例を御紹介させていただきます。
○中川嘉美君 これは現象として実際に生じていることなので認めざるを得ないわけですけれども、そのメカニズムについては納得のできる説明は聞いていないわけで、建設省としてはこの対象地域の住民の意識がどのようなものであって、その結果このような現象が生じてくるというふうに分析をしておられるか。分析の問題になりますけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(市川一朗君) 私どもといたしましては、ただいま道路局長も答弁いたしましたように、むしろ基本的には高速道路が整備されることによりまして工場、企業等の立地が促進されるといったような結果がいろいろ随所に出ているわけでございまして、その結果を先ほど御答弁として申し上げているわけでございます。 道路整備の効果につきましてはいろんな御議論があるわけでございますけれども、私どもは今回の地方拠点都市地域構想と地域高規格道路構想、あるいはもっと本質的な高規格幹線道路ネットワークの整備、それとの組み合わせによりまして道路整備と地域づくりとがうまくかみ合った形で効果が倍増していくというふうに基本的に考えておるわけでございます。十分な御答弁になっているかどうかちょっと自分でも怪しみながらお答えしている次第でございますが、この方向で今後非常に有効な施策展開が期待されるというふうに思っておるところでございます。
○中川嘉美君 従来、地域としては立派な道路を呼び込むことがその地域の発展に役立つと考えるのは当然だと思いますけれども、このようなストロー現象が目立ち始めるとこの地方が高速道路を呼び込むことに二の足を踏んで、その結果、全国の道路整備の推進にとっても障害となりかねないというふうにも思いますけれども、今のところそのような兆候が見られないかどうか、この点はいかがですか。
○政府委員(市川一朗君) 私が理解するところでは、高速道路の整備によりまして地域の振興がむしろ図られているというふうに理解しておるわけでございます。
○政府委員(藤井治芳君) 学問的表現ではございませんが、距離に私ども五つぐらいの距離があろうかというふうに理解をいたします。 一般的に言われていますのは時間距離でございます。要するに、時間を縮めれば何でも非常に便利になるという概念でございますが、私どもは実はこれをとっておりません。距離によっては経済距離というような意味で、遠いかもしれないけれどもその製品の性格によっては一番有利な距離、漁港などがこれの最たるものだろうと思います。それからいわゆる生活距離。通勤圏というようなイメージのものでございますが、こういう生活距離という考え方もあろうかと思います。それから、情報という意味の情報距離という意味合いもあろうかと思います。それからもう一つは、学校とか病院とかいったようなものに代表される、文化距離と私ども俗っぽく言っておりますが、こういう距離があります。そして、地域の性格によって、どれを特出させるとその地域が一番発展するか、よくなるか、その組み合わせが若干違うような気がいたします。 そこで私どもは、全国的な高速道路網は、これはどちらかというと原則論としての時間距離を高めるものとしてまず整備をしてみよう、そして、その地域の拠点都市の性格に応じて、その拠点を強めながら、距離間のメリットを最大限に上げる形で経済距離あるいは生活距離、これは言ってみれば通勤圏でございますが、経済距離あるいは情報距離あるいは文化距離といったような、学校へ行けるようなもの、病院へ行けるもの、博物館へ行けるようなもの、こういうものに応じてやったのが、私どもはそう意識してやったわけではございませんが、そういうものの結果、先ほど言いましたような高速道路があるところでは人口が比較的定着する傾向を示し、ないところと差が出ている、あるいは工場だとかショッピングセンターといったようなものもそういうところには定着をしているという現実の姿が出ている、こういう分析をいたしております。
○中川嘉美君 それでは、時間がもうありませんので、もう少し実はこの点についても聞いていきたかったわけですが、次に地方自治体の人材育成に関連して二、三伺っておきたいと思います。 今回の市町村の基本計画の策定等が典型的な例だと言えると思いますけれども、本法案でも基本計画に盛り込むように定められているように、地方自治体が独立性を発揮するためには専門的な知識あるいは技能を習得した人材が必要である。しかし、例えば都市プランナーは、公共団体あるいは民間コンサルタントを通じて不足している状況にあるわけです。そこで、都市プランナーの育成手段として現在どのようなものがあるのか、これを御説明いただきたい。 まとめて伺っていきますが、学問としての都市計画に関してはいろんなアプローチがあろうかと思います。例えば法律学において行政法学の一分野として都市計画法の講座が設けられている大学の例、これは寡聞にして知らないわけですけれども、国公立、私学を通じて法学部にそのような講座を置く大学が存在するのかどうか。どちらかというと工学部の建築系が分野としては都市計画に近いと言えるのではないかと思いますけれども、工学部で都市計画関連の独立した教室を有している大学がどれだけあるのか。これは文部省になるかと思いますけれども、まとめて御答弁をいただければと思います。
○政府委員(市川一朗君) 前段の方について私の方からお答え申し上げます。 御指摘のように、いわゆる都市プランナーといいますか、町づくりの専門家が必ずしも十分とは言えないような状況でございまして、実はその基本計画の項目の中にも「指定地域の振興に寄与する人材育成」という項目も入れるようにとなっておりまして、これはいわゆる町づくりや村づくりのリーダー養成といったようなことを意識しておるものでございますが、一般的に都市プランナーという観点である程度の資格を持っておられる方ということでいきますと、ずばりの方としては土地区画整理士とかあるいは都市計画コンサルタントという名称で活躍されておられる方がおられるわけでございます。しかし、数は非常に少のうございますし、またそういう方がおられる場所も主として大きな都市という限定もあるわけでございます。 それから、一級建築士、二級建築士という方々はかなりの数おられますが、こういったような方々も現実には都市プランナーとして活躍されております。 昨年十月でございますが、再開発プランナー制度というのを創設いたしました。これなどは、本当に再開発を中心とする町づくりの専門家の方々を再開発プランナーとしてしっかりと位置づけまして御活躍いただく、またそれを一つのインセンティブとしてそういった方面への活躍を期待いたしたいということでございます。 ちなみに、ただいま先生の方からお触れになりました大学との関係で私どもが理解しておるところで言いますと、土木学会の会員の方が約三万三千人、建築学会の会員の方が三万四千人、都市計画学会の会員の方が約五千人おられるわけでございまして、人数としてはそんなところが現在活躍されている本当のプロの方々ではないかと思います。
○説明員(若林元君) 御説明申し上げます。 国公私立大学におきます都市計画に関する教育につきましては、先生先ほど御指摘のように、主として土木・建築関係学科において行われております。これらの学科は国公私立大学合わせまして百八十一学科ございます。これらの学科では、学科により若干の相違はございますけれども、都市計画、都市開発工学、地域計画、住居計画、上水道工学、あるいは下水道工学、こういうふうな授業科目が開設をされておりまして、都市計画に関する教育が行われているところでございます。 それからもう一つ、御指摘のございました独立した都市計画講座でございますが、国立大学でこの都市計画という名を冠している講座は六大学に十講座ございます。一番古いものは昭和三十七年に設置されております。公私立大学におきましては必ずしも講座を置かないで学科のもとに直接授業科目を開設いたしまして必要な教員を配置しているという状況がございますので、どれだけの講座数があるかというようなことは把握いたしておりません。ただ、先ほど申し上げましたように、公私立大学におきましても建築学科あるいは土木工学科においてこの都市計画に関する授業科目が開設されておるものと承知いたしております。公私立大学にはこのような学科が百十五学科ございます。 以上でございます。
○中川嘉美君 時間が来ましたので終わります。
○上田耕一郎君 私は、きょうは東京一極集中の是正が一体この法律でできるのかどうか、私は否定的に感じているんですけれども、質問していきたいと思います。 この法律は、地方に第二、第三の都市地域を整備して東京の産業業務機能の地方分散を促進する、東京一極集中問題の解決、国土の均衡ある発展を図るということを目的としていると書いてあります。 大都市部から地方への分散、国土の均衡ある発展というのは、全国総合開発計画の初めから掲げられてきた三十年来の課題です。それぞれ対策はとられてきたんですけれども、問題は解決するどころかますますひどくなって、東京の過密は極限状態にまで近くなっていることは御存じのとおりです。 ですから、私、少し歴史的に問題を取り上げる必要があると思うんですが、六〇年代は工業集積の高い大都市地域に大量の若年労働者が移動してきて過密過疎問題が激化しました。その後、高度成長政策が破綻して、七〇年代は大都市への集中はやや鎮静化しました。ところが、八〇年代に入って再び集中が加速してきたわけです。 八四年に発表された国土庁計画・調整局の編した「四全総長期展望作業中間とりまとめ」「日本 二十一世紀への展望-国土空間の新しい未来像を求めてこという報告があります。私はこれはかなり高く評価した分析なんですけれども、この報告書は八〇年代の一極集中の特徴として次のように二つ挙げています。一つは、「従来の「三大都市圏対地方圏」という図式でとらえるよりも、「東京圏対その他」という形でとらえる方が問題の本質をより端的にあらわしている」、こう書いてあるんですね。二番目は「東京圏の中心部は立地コストがブッシュ要因となって工業基地としての性格が薄らぐ一方、高次の中枢管理機能、金融機能、国際機能等が集積を強めるとともに、情報結節点としての重要性を増してきている。」、こう書いてあります。 私は、八〇年代に東京一極集中になり、工業基地としてよりも金融機能、中枢管理機能、国際機能が集中してその特徴が出てきたのは、これは東京の国際金融都市化、これがやっぱり大きな原因であると思うんですけれども、国土庁は東京一極集中と国際金融都市化、この関係をどうとらえておられるのか、まずお伺いしたいと思います。
○政府委員(田中章介君) 御指摘のように、東京への再集中、これは八〇年代、昭和でいいますと五十年代後半から始まったわけであります。それは、これまでの経済のサービス化等の産業構造の変化に加えまして、御指摘のように東京の金融都市としての高次都市機能が高まってきた、これが非常に大きいということは言えると思います。 一般的に言えば国際化と情報化、こういう中で東京へ諸機能が集中し、また同時に、したがって東京圏への過密対策あるいは災害対策上あるいは地方振興の上からもこういった一極集中をぜひ是正すべきだということで、四全総でも一極集中是正、多極分散型国土の形成、これを一貫して分散化政策を推進してきた、こういうことでございます。
○上田耕一郎君 八〇年代後半はこの傾向がさらに加速されていったんですね。この加速の大きな国際的背景として、アメリカの圧力があって、金融自由化がアメリカの圧力で日本に押しつけられ、政府がそれに追随していったことが挙げられると思うんです。八三年十一月にレーガン大統領が来日して、当時のリーガン財務長官と竹下大蔵大臣との会談で日米円・ドル委員会がつくられます。八四年五月に日米円・ドル委員会報告が出る。大蔵省の「金融の自由化及び円の国際化についての現状と展望」が出されて金融自由化が本格化していく。この報告が出る前、八四年三月には、リーガン財務長官が来日して大変な圧力をかけました。 日本経済新聞社の「ゼミナール 現代金融入門」、これにおもしろいエピソードが紹介されています。 リーガン財務長官が来日し、そこで行った記 者会見は「カブキプレイ」として話題になった。 リーガン財務長官はそのとき、机をこぶしで 大きくたたき、日本側の金融自由化への取り組 み方に真剣さが欠けると怒鳴り散らした。この 記者会見に居並ぶ内外記者諸氏もリーガン長官 の怒る様に驚いた。 当然、日本の大蔵官僚たちも「もはや、日本的 な曖昧な対応で、この問題を済ますことは不可 能だ」と観念したと思えた。 こういう非常に露骨な圧力があった。なお、この本によりますと、「カブキプレイ」というのは実はさらなる仕掛けがあって、日本の大蔵省がリーガン財務長官に「カブキプレイ」を演じさせた、こうして「日米勧進帳のカブキプレイ」が演じられたという話まで出ていますけれども、こういうことがあったんですね。 それで金融自由化が進んで、東京へ内外の金融機関の進出が一挙に進む、一極集中の加速です。そして八五年九月、竹下大蔵大臣が行かれたプラザ合意、円高容認政策、アメリカの圧力による農産物の輸入政策、日米諮問委員会報告に基づく構造調整政策による生産部門の海外進出、製品輸入、これで地方経済はますます衰退する。大企業が生産拠点を海外にどんどん進める、管理する本社機能がますます拡大する。 私は建設委員会でも取り上げたことがありますけれども、八五年九月のプラザ合意以後、八六年には宮澤大蔵大臣がアメリカへ行って、当時の財務長官に会って公定歩合の引き下げを約束させられてやる。これでバブルが広がっていくわけですね。バブル経済のもとで、為替差益による投機的利潤の追求に企業が走ったことも東京への本社機能の集中を加速した。こういう歴史的経過を振り返ってみますと、東京一極集中の根本的背景にはアメリカの圧力に屈して日本経済を運営してきた自民党政府の政策がある。 前回建設大臣と若干論争がありましたけれども、今回はまた日米構造協議でアメリカの要求に基づいて公共投資の大拡張をやり、その主役としてこの地方拠点都市地域整備及び産業業務施設再配置促進法なるものが登場してきているとすると、やっぱり日本の政治のあり方の深いところが問われていると私は思うんです。 もちろん、金融自由化、これは私ども絶対反対なんということじゃなくて、ある程度避けられない国際的趨勢ではあるけれども、そういうものに対して自主的な政策をとり準備をして取りかかるのではなく「カブキプレイ」の圧力というようなことで金融自由化オーケー公定歩合引き下げオーケー等々ということをやってきたことに重大な日本の政治の責任があると思うんですが、建設大臣、こういう日米関係の問題が東京一極集中の大きな背景としてあるということについて、御認識はいかがですか。
○国務大臣(山崎拓君) どうも大上段に振りかぶりました御議論で、大蔵大臣が御答弁なさるような分野だと思いますけれども、御指名ございましたから所見を申し述べさせていただきます。 東京の一極集中の背景に日米関係があるということはやや論理の飛躍ではないかと考えておるわけでございます。もちろん、東京が国際金融都市化しているということが一極集中の原因の一つであるということは認めますけれども、しかし、それが日米関係に飛躍するのはいかがかと考えておるわけでございます。 いろいろと日米間で金融の問題を初めといたしまして為替レートの問題もございますが、あるいは今日まで行われてまいりました日米構造協議もございますが、これは基本的には私は日本の産業の競争力の充実がもたらしてきたものであると考えておるわけでございます。先ほど産業構造の変化ということを政府委員も申したのでございますが、我が国の産業競争力は年々歳々強化されてまいりまして、ために大きな貿易のインバランス、ひいては国際収支のインバランスを生じまして、そのことが日米間の摩擦につながっていった。今日もなお深刻な問題であります。 例えばプラザ合意の問題でございますが、あのときに竹下大蔵大臣、中曽根内閣のときでございましたけれども、私も官房副長官をいたしておりましたから記憶がございますが、どうやって貿易のインバランスを是正するか、また我が国にたまりましたドルを国際経済の中に還流するかという観点から、円ドル為替レートの思い切った変更をプラザ合意で行おうとしたというふうに私は理解をいたしておるわけでございます。 そういうことで、我が国は、国際金融の面におきましても産業力の強化に伴いまして世界的に見まして非常に大きな力を持つようになった。その力の拠点が我が国の首都である東京であるということはおっしゃるとおりだと思うわけでございますが、そのこと自体は、日米関係からもたらされたアメリカ側の圧力によって東京が国際金融都市化したわけではございませんで、ただいま申し上げましたとおり、基本的には日本の産業なかんずく工業、その工業も重厚長大から軽薄短小に変わってまいりましたけれども、いわゆる日本の工業の競争力の強化によってもたらされた今日の世界経済の中における日本の役割と申しますか、立場であろうかと考えておるところでございます。
○上田耕一郎君 建設大臣は反論されますけれども、日米関係の大枠というのは非常に重大な影響を与えています。前にも一度申し上げましたが、例えば東京問題をこれほど激しくしているのは地価暴騰でしょう。これは八七年に世界で東京だけ起きたんですね。 これの非常に大きな原因は、宮澤さん自身が去年の文芸春秋七月号で述べておりますけれども、八六年にアメリカヘ行って当時のベーカー財務長官、今の国務長官に会った、そして円高を何とかしてくれと言ったら、ベーカー財務長官が何とかしてやる、そのかわり公定歩合下げろと言った。それで、宮澤さんは日本に帰って澄田日銀総裁に内々に頼んでやってもらった、そういうことを御自分で書いているんです。それがマネーサプライを物すごく拡大してこういうバブル経済、土地と株にいったんです。中曽根内閣の民活導入政策等々も大きな原因であったんだけれども、当時の宮澤大蔵大臣のこういうアメリカの金融政策に対する非常に自主性を失った追随が、日本全国にこれだけ大きな被害を与えたバブル経済のやっぱり重要な役割を果たしたんです。 これは代表質問で私どもの立木議員が質問して、宮澤首相は弁解できないで、しかしそのかわりこういう日本経済の発展が起きたじゃないかということを言いましたけれども、これは弁解にならないです。そういう問題があるということを指摘しておきたい。 私は先ほど、こういう自主性のない対策を政府がとられてきたと申しましたけれども、国土庁も私は大きな責任があると思うんです。この中間取りまとめは私はかなり評価するというふうに先ほど申し上げました。この問題は、私は八五年十月八日のこの建設委員会で取り上げて、ここにその議事録がありますけれども、この中間取りまとめ、これは四全総を展望した作業なんだけれども、「集中型社会から分散型社会へ」というテーマを立てて、「共生・ネットワーク型国土の創生」等々、これは新しい概念を打ち出してかなり注目されたものなんですね。これは国土庁の計画・調整局でつくられたものです。これは八四年です。 翌年の八五年に国土庁の大都市圏整備局が首都改造計画なるものを発表した。これはこの方向と全く違って、先ほど言いましたような東京の国際金融都市化、この傾向を一層加速するようなまことに無責任な方向を打ち出した有名な文書です。 当時も私は建設委員会で取り上げましたけれども、これにはこう書いてある。「大都市機能は、東京大都市圏において、既存の集積、首都機能の存在等を背景にこれまで増加してきており、今後の国際化、知識集約化等の進展とあいまって、特に、金融、情報などの機能を中心として一層拡大していくであろう。」と。こういう見通しを立てて、まことに今や悪名高くなっておりますけれども、「この業務管理機能の規模を事務所床需要で見ると、事務用機器の導入、執務環境の向上ともあいまって、今後も高い需要が見込まれ、東京都区部においてだけでも昭和七十五年までに約五千ヘクタール一超高層ビル二百五十棟に相当)の床需要が発生すると予測される。」と、有名な五千ヘクタール予測というのを出したんです。 これはもう全く過大な予測であったことをその後この建設委員会でも国土庁自身が認めました。ところが五千ヘクタール、超高層ビル二百五十棟なんというこういう計画をこの首都改造計画で出したこと自身が、物すごくオフィスビル集中の状況を不必要に加速していったんです。そういう責任があると思うんです。地価高騰の引き金にもなった。このときは国土庁内部で計画・調整局と大都市圏整備局の間でいろいろ議論や対立まであったということも報道されているんですね。それで、四全総も多極分散型と言いながら、中身は分散型というのは言葉だけのものになる弱点が拡大していくものになっていったと思うんです。 私は、こういう国土政策の責任を国土庁自身も一体反省しているのかどうか、今度の法律でオフィスビルの地方分散を本当に言うのなら、今まで国土庁自身がこういうことをやってきておいてどこまで反省しているのかということを厳しく問いたいと思いますが、国土庁、いかがですか。
○国務大臣(東家嘉幸君) いささか視点が違いますし、私も今の御質問になかなかお答えづらいところがございます。 少し横に振れた答弁で恐縮ですが、私は先ほど委員長にお断りしてここをちょっと退席させていただきました。それは、かつて旧満州時代の私の同僚がシベリアで行方不明になり、ペレストロイカでやっと連絡がとれるようになって日本につい先々月帰ってきた。それがいよいよロシアに帰らねばならないということで、実は私もいろいろと面倒を見てきました関係で見送りをしたんです。本当に日本はいい国になった、おれは今から帰るが食うにも困るんだということで、日本のこの繁栄を非常に評価してくれた。私も涙を流して送ってきたのでございます。 今御指摘のようないろいろな問題点があるでしょう。がしかし、私たちがこの拠点地域整備法を通し、そしてこれからの活性化を地方にもたらそうということは、過去の反省は反省としながら、先ほどもお答え申し上げましたが、いろんな法律があった、しかし整合性のあるものはひとつ一本化しながら各省一体となって、今後、地方の皆さん方に生活大国として享受ができるような社会をつくろうということでございます。 衆議院の審議において御見の先生が質問いたされましたが、地図で奈良県県南が大変おくれておる、何とかこれを活性化してほしいという御質問でございました。がしかし、法律は反対ということでありますが、我々はどのような今後の均衡ある日本の国づくりをするかということについて、私は非常に先生のおっしゃられることもそれは一理あるかと思いますけれども、各省一体となって一体的な地域の発展を図ろうということの観点に立って真剣に取り組んでおりますことはひとつ御理解いただいて、答弁にはならないかもしれませんけれども、そういう気持ちでこれから私ども取り組んでまいりますことを御理解いただきたいと思います。
○上田耕一郎君 いや、私は単なる議論のための議論をやっているんじゃなくて、国土庁がお出しになった文書があるわけです、政策として責任ある国土庁が出した文書。これの経過は、私よりも恐らく国土庁の方がよく御存じですよ。大きな議論をされてきたんだから。そういう今までの政策を、今度本当に東京一極集中是正しようとされるんなら、やっぱり本格的に検討し問題点を反省しなければならないということを言っているんです。大臣の御熱意は承っておきます。 それで、本当の分散型社会を目指す方向が打ち切られて、実際には東京一極集中を加速する政策がとられた。例えば、東京の本社機能も地方へ分散するんじゃなくて、東京都内の業務核都市に分散すればいいという方向がこの首都改造計画並びに四全総で出てくるわけです。 首都改造計画は、「これまでの東京都心部への一極依存構造にかわって、分化を基調とした、複数の核と圏域を有する多核多圏域型の地域構造を形成し、これを基調として、東京大都市圏を連合都市圏として再構築することを改造の基本方針とする。」。業務核都市になるんですね。 四全総もそうです。「東京圏は、我が国の首都としてのみならず、金融、情報等の面で世界の中枢的都市の一つとして、我が国及び国際経済社会の発展に寄与する。そのため、国際金融機能等の都心部での展開に伴う要請に対応し、都心部及び東京臨海部の総合的整備を進める。」。臨海部の整備まで出てくる。「また、都心部に集中しからな業務機能等を圏域全体で適切に受け止めるよう、業務核都市等への諸機能の選択的分散等地域構造の改編を推進するとともにこ云々。東京都内は業務核都市になる。 これがどうなったか。だから、都心部への一極集中を多摩の八王子とかそういうところに、業務核都市へという形で、非常に短小化した方向が首都改造計画並びに四全総で出てくるんですよ。 この結果どうなったか。これは私ども日本共産党が批判しているだけではありません。 これは通産省の関東通商産業局の一部局の文書ですが、関東通商産業局広域関東圏地域産業ビジョン推進委員会・第七検討部会の東京一極集中問題検討報告書、これは非常におもしろい分析です。客観的にこれだけ問題が明らかになってくると、政府の一部門の通産省でも、関東通産局が委員会をつくって、東京一極集中をどうすればいいかということを検討して、こういう報告書を発表せざるを得ないんです。この検討によると、業務核都市、これは一極集中を加速しただけだとはっきりこの中に書いてある。業務核都市構想は、「都心から三十キロ圏内であり、東京圏の集積に変わりがなく、東京圏の過集積抑制という視点からは効果が期待できない。具体的な措置が講じられないまま東京の業務機能の整備、業務核都市の整備だけが進められ、結果として集中が加速しているからである。」というのが結論なんです。関東通産局は全く新しい考え方でやらなきゃならぬと言ってこれを提案していて、この考え方そのものは私ども必ずしも賛成じゃないけれども、この首都改造計画あるいは四全総で出した業務核都市構想が東京一極集中の是正に役立たずに加速しただけだ、こういうことが政府の一部門の検討からも出ているんですね。こういう経過をたどった。 国土庁、いかがですか。この業務核都市構想、これは一極集中を加速しただけでなかったかどうか、いかがですか。
○政府委員(西谷剛君) 東京一極集中を是正しまして多極分散型に導いていく、そのときに全国ベースで物を考える、特に地方圏を整備していく、これが非常に重要なことで、これが一つまず絶対にあろうかと思います。 次に、東京圏ということで考えます。 この東京圏とは東京都と周辺三県及び茨城県南部までを含めた広域的な地域を考えますと、この地域をしからば放置しておいてよいだろうか、現に三千万の人たちが住んでいてこの圏域の整備というのも国政として重要な課題であろう。とりわけ広域的な東京圏で見ますと、東京都区部が非常にピラミッドのごとく突出している。具体的に申し上げれば、例えば周辺三県から二百六十万人の方々が東京都区部の方へ通勤地獄の中で毎日勤めに来ている。しからば、東京にある業務機能、事務所をこの周辺三県、つまり住まいの方へ引き寄せるという政策が必要ではなかろうか。それが業務核都市でもあるわけでございます。 先ほど業務核都市を東京都内とおっしゃいましたが、八王子・立川地区という、確かに多摩地区に一つございますけれども、横浜・川崎、大宮・浦和、そして千葉・木更津、さらには筑波、これがいわゆる広域的な業務核都市の全貌でございますが、ぞれはやはり広い意味の東京圏に秩序ある整備をもたらすために必要なことだ、意義のあることだ、このように考えております。
○上田耕一郎君 実際にはオフィスビルがますます東京に集中しつつあります。 週刊東洋経済臨時増刊の五月二十九日号ですが、「首都圏ビッグプロジェクトの総・未来図」に十八のプロジェクトの写真とプランが載っています。一々申し上げませんが、この中でも例えば東京臨海副都心計画、これが大変なもので、八九年四月に発表されました事業計画によると、延べ床面積七百ヘクタール、そのうち業務系二百五十ヘクタールというんです。これは一極集中やオフィスビル何とかかんとかいって、こういう二百五十ヘクタールもの業務系の床面積をやろうとしているんですよ。 しかも、極めて重大なことは、東京都の計画は最初はそうではなかったんです。国が押しつけたんです。そのことは、担当の当時の横田副知事が副知事をおやめになってから、朝日新聞の連載で「僕は裏方」の二十三回目、十一月八日付ですけれども、かなり詳しく書かれている。 「初期の案の柱は、オフィスや住宅ではなかった。パラボラアンテナが並び、通信衛星を利用して大量の情報を速く、安く交信できる、そんな青写真だった。」、これが東京都の構想だったんです。 ところが、「八六年春、自民党の特別調査会が民活をねらう政策を打ち出した。オフィス不足の打開策を臨海部に探ろう、という内容だった。その秋、副総理だった金丸さんも臨海部を視察、鈴木知事も案内役に立った。」と。このとき、金丸副総理だけじゃなくて、民活担当大臣の天野建設大臣、綿貫国土庁長官も一緒に視察して、写真まで出ています。それで、「国土庁も都に来て、「早く都の構想をまとめてくれ。金丸さんに報告しないといけない」とせっつくようになった。金丸さんの秘書官から築地の料理屋に呼ばれた都の幹部もいて、都と国の合作のような形で、オフィス中心の都市づくりが加速されていった。」。 国土庁だけじゃないですよ。建設省も書かれている。「次は、住宅をもっとつくれという話が建設省を中心に出てきた。」。そして途中の八七年六月の基本構想は定住人口四万四千人だったんだが、建設省に言われて「定住人口は五万一千人に変えた。国土庁や建設省は再三、「六万人に増やせないか」「七万人はどうか」などといってきた。「これ以上増やすと、過密だ」と、都の担当チームは反発した。副知事だった僕のところにも建設省の住宅局長がやってきて「なんとか増やしてくれ」という。」、それで「六万人に増やした。テレポート構想から六年ちょっとなのに、オフィスが加わり、住宅も柱に、と変ぼうした。自治体の計画に国がこれほど言ってくるのは、異例中の異例だ。臨海副都心は都内に残された貴重な土地。理想的な都市とは何か、都はじっくり構えて当たるべきだ。」。 やめてからこういうことを書かれるんじゃ残念だと思うが、まあ書かないよりいいです。担当副知事のときになぜこういうことを都民に明らかにしなかったかと思うんです。 ですから、金丸さんが吹き上げれば皆さんは上から自治体に押しつけていく。どうもそういう体質がやっぱりお役所にはあるんですよ。皆さん方、日本の官僚機構は非常に優秀だけれども、優秀なだけに上から降ってくると自治体にこうやって押しつけるんですよ。国土庁も来る。建設省の住宅局長が副知事に会いに来る。もっと人口をふやせ。どうやって、これ、過密をなくそうというんですか。 臨海副都心計画、私は現地も見たし、シンポジウムもやったんですけれども、本当にひどいと思うんですよ。東京一極集中是正と言って、嫌がる東京都に国が二百五十ヘクタールもの業務系のオフィスビルの床面積をつくらせようということをやっているわけでしょう。ところが、バブル経済崩壊で東京都は財政的にも困るような状況になった。だれが責任とるか。 こういうことの反省をしなかったら、今度の法律、地方の自主性を非常に尊重する、各府県の知事が計画を立てるということを皆さんおっしゃるが、実際にはこういう今までやってきたこと、そういう発想の仕方、行動の仕方、また日本のこの政治、建設行政、国土行政にある構造的な仕組みの深いところを皆さん方は本当に反省しなければ、法律でこうやって自主性を認めます、尊重しますなんて言われたって信用できないじゃないですか。悪いと思ったら、この臨海副都心計画、東京一極集中でめちゃめちゃにしようとしているものを、今度は国がイニシアチブをとってやめさせるべきですよ。それをやめさせたら私も信用しますよ。 どうですか国土庁、それから建設大臣。
○政府委員(西谷剛君) 臨海部は、今度は東京都区部の中を見ましたときに非常に都心三区に事務所が集まり過ぎている、こういうことがございますので、そこで、七つの副都心計画、これは東京都自身の御計画ですけれども、業務関係の拠点を置いてそういうところへバランスをとって配置していこうと。つまり、先ほどは東京圏のピラミッドを申し上げましたが、東京都の中も三区を頂点にした極端なピラミッドになっている。これを東京都区部全体としてならしていく、秩序ある整備を図っていく、こういうことが必要だろうということで七つの副都心計画が出された。その七つの計画のうちの一つがたまたま埋立地があったところの臨海部副都心計画であるわけでございます。 そういう意味からいいますと、区部の秩序ある整備ということで、これまた意味のあることであります。先ほど一方的に国からということでございましたけれども、私どもはそういう認識ではございません。東京都の長期計画にも複合的な都市空間として位置づけられております。また、国と都でも協議会を設けまして、いつも一緒に合意をとりながら話を進めているということでございます。
○山田耕三郎君 先日の本法律案に対する参考人の意見陳述におきましても、伊藤参考人は大変有益な法律案、千田参考人は大賛成、森瀧参考人は趣旨は結構とそれぞれ表明をされ、賛意をあらわしておられました。法律の目的を効果的に達成することについては、いずれも疑念を含めてそれぞれのお立場で意見を陳述され、私にとってはまことに有益でありましたとともに、共感を覚える点も多々ございましたので、本日はさらに疑問点をただし、対応を補強していただきたいと存じます。 まず第一点は、ただいまも御論議がございました、昭和六十年に発表されました首都改造計画に関連してお尋ねをいたします。 昭和六十年五月、人口、産業及び諸機能等の強烈な東京集中によって引き起こされる深刻な東京問題に対し、東京都心部二十三区への一極集中構造の是正を掲げ、長期的かつ広範囲な視野からの検討を踏まえて策定をされました、いわば二十一世紀東京圏プランとしての基軸的なものであります。その構想は、神奈川、千葉、埼玉、茨城南部や多摩地区などに自立都市圏を建設、そこに東京都心部にある業務機能や政府機関の一部を分散させる対策が打ち出されました。 政府が国家予算を計上して首都機能移転を正面から取り上げられたことは画期的なことであり、今後の展開に大きな意味を持つと評価をされておりました。しかし、その後は一向に進展が見られません。午前中の質問に対する答弁にもありましたが、計画のおくれは否定できません。この計画は近隣への移転であり、私はかなり実現性の高い提案と思っておるのですけれども、それですらなかなか満足に進まないわけでございますから、今回提出の拠点都市法案が目的とする全国的に人口、産業が果たして分散していくだろうかという疑念は去りません。首都改造計画が進まない問題点はクリアできるのでしょうか。 地方拠点都市地域の整備に関する法律案がその轍を踏む心配がないのかどうかについても、あわせてお答えをいただきたいと存じます。
○政府委員(西谷剛君) 業務核都市構想、これは今御指摘ございましたように、多極分散型国土形成促進法に位置づけられた制度でございます。法律が制定されましてから地元地方公共団体におきまして計画の原案づくりが行われまして、今日まで国の方に三件上がってまいりまして、その承認を見ております。昨年の三月に千葉県、そして本年の三月、四月にそれぞれ千葉県の木更津、埼玉県の大宮・浦和地区、こういうことで現在まで三件の承認という手続を終わった段階でございます。手続がようやく終わったという段階でございまして、事業はこれから実行段階に移っていく、こんな段階でございます。
○政府委員(小島重喜君) 本法が大都市の業務核都市の轍を踏まぬのか、こういう御質問でございます。 私どもは、従来の地方振興立法といいますか地域振興立法といいますものは、どちらかといいますと特定の産業とか特定の機能というようなものに注目をして進めてきたわけでございます。 それに対しまして、今回はそうではなくて、地方都市に一層魅力を与える、それはすなわち、高次の都市機能というものを備えた都市、あわせて大都市圏では享受することができないような居住環境というようなものを整備することによって地方の魅力を高め、そしてそこに、一つは、今御指摘ございましたような、できるならば大都市地域からの業務機能の展開と同時に、その地域において新しい業務機能をつくったり、あるいはさらに従来の業務機能を拡充する。そういうことによりましてこの拠点地域の整備を図って、国土の均衡ある発展あるいは多極分散型国土の形成というものに資そうというように考えているわけでございます。 そういう意味で、地域振興についてのやり方といいますか、切り口というものが従来とは違いますものですから、こういう高次の都市機能が地方都市に展開されますならば、必ずやその地域の魅力がさらに向上して、そして若者がそういうところに定住をしてくれるようになると非常に期待をいたしておるところでございます。
○山田耕三郎君 二つ目は、今回のような大規模プロジェクトの推進方策についてでございます。 一極集中是正をかけ声に全国各地で拠点都市構想が動き出しているとのことです。このような大規模プロジェクト開発は国家的課題だが、首都圏とは異なり地方の開発は難易度がさらに高いと言われております。さらに今日は景気の後退やバブルの崩壊、不動産不況等の影響により、地方どころか首都圏も計画に大幅な狂いが生じ、遅延や延期、さらには計画の見直しに追い込まれているケースも多いようです。 このままではかけ声倒れに終わりかねないと案じております。事業を円滑に推進するため、その推進の手法に関する研究も進めておいでになりますことと思いますが、どのような手法によりましても問題山積の感があります。 昭和六十年代初頭は、多くの民間企業が大型プロジェクトに強い関心を示した時期でありました。それまでは都市開発、再開発等、大規模プロジェクトといえば、専ら国や地方公共団体、公社公団等、公的機関、一部の民間企業が主導をしてきておりましたが、これに対し、この時期は多くの民間企業が新規事業としてプロジェクトに参加をしたり、また広大な遊休地の自社開発を手がけるようになりました。 ところが、昭和が終わって平成にかわったころから景気に陰りが見え始め、民間企業の業績も徐々に低下、減収、減益が恒常化をし、加えて行政上の規制もありまして地価が下落をし、当面値上がりは期待できなくなり、民間企業は果実獲得までに長期間を要する大規模プロジェクトを敬遠するようになり、結局、好業績に支えられた新規事業展開をやめて本業に専念するようになったのが今日です。このように地価の下落は、高騰時代に寄せられた大規模プロジェクトへの関心を急速に冷え込ませる結果となり、このままでは民間の開発推進者は集まってこないと思います。したがって、過去の開発手法では到底対応できないと思います。 このような状況の中で、国土の大改造を目的とする大事業が始まるのですけれども、このプロジェクトを円滑に進めるためにはどのような対応策を考えておいでになりますのか、その手法についてお伺いをいたします。
○政府委員(市川一朗君) 地方拠点都市地域の整備の手法でございますが、基本的には、まず知事レベルで地域指定を行いまして、それで指定された地域内の市町村が共同して基本計画を策定する。その基本計画に沿いまして国を初めとする関係者がもろもろの支援措置を講じて地域づくりを行っていくということになるわけでございまして、要はその基本計画でどういった内容を盛り込んでいくかということにかかるわけでございまして、まず私どもといたしましては、その基本計画の中身につきましては、できるだけ当該地域の自主性を尊重して自由濶達な計画内容であってほしい、そして個性豊かな町づくりを目指してほしいと思っておるわけでございます。 具体的な内容として私どもがイメージしておりますのは、何といいましても、まず地域内の道路整備を中心とする交通ネットワークの整備が極めて重要であろう。そういったような交通ネットワークの整備とあわせまして関連する公共施設の整備を行う。」その際に、例えば駅前の、特に駅の裏側にあります旧国鉄ヤード跡地とかそういった鉄道跡地、あるいは最近非常に多いわけでございますが、工場の移転跡地等もございます。そういったようなところを中心といたしまして、その地域の広い意味での再開発といったものを拠点地区の整備という形で進めていただく。したがいまして、そこで行われる事業は区画整理事業とかあるいは市街地再開発事業等であろうかと思います。そして、そういう拠点地区の整備が結局のところその地域社会としては新しい意味での産業業務機能の移転の受け皿になる。 それからさらには、非常にこれは都市と地方という場合に極めて重要な要素と私ども思っておりますが、住宅というものは地方の方がむしろ強いわけでございますので、それをよりよい魅力ある住宅環境を整備するということによりまして都会の若者を引きつける要素にもなる。そういったようなところは、そのほかにレジャー的な意味も含めましてそれぞれ拠点地区という形で基本計画の中に位置づけまして、いろいろな事業手法を駆使してやっていく。その際、そういった拠点地区が有効に活用できますように関連する公共施設の整備等を行っていく。 そういったようなことを基本的にイメージしておるわけでございまして、そういう意味におきましては、かなりの部分におきまして公共側の果たす役割が極めて重要である。私ども建設省におきましては、所管公共事業につきまして、その拠点地区を中心として指定された地域ではできるだけ重点的な事業の実施に協力していきたいということを考えておるわけでございます。 そういった整備の過程の中で、やはり業務機能の移転も含めまして、いわゆる民間企業の活力といいますか、そういったものにもいろいろ期待しておるわけでございますので、ただいま先生から御指摘がありました昨今の経済情勢、社会情勢における民間企業のビヘービアといった問題につきましては、これも極めて重要なファクターというふうに思っておりますが、まずは公共側がしっかりとした環境整備を行うというところから始まりまして、それがいわゆるペンペン草が生えるような状況にならないようにしっかりとした見通しを持ってやらなきゃいけない。そういう意味では、経済情勢の変化はまた非常に短期間に来る部分もございますので、短期的な動きもにらみながらしっかりとした長期的展望に立ちまして地域づくりをやっていかなきゃいけない。 そういう意味におきましては、御指摘のとおり大変難しいテーマを抱えながら、しかしこれをやり遂げることが国土の均衡ある発展を図るために絶対必要不可欠な施策展開であるというふうに思っておるところでございます。
○山田耕三郎君 農林水産省にお願いいたします。 地方拠点都市地域の整備に関する法律には各種の支援事業が計画をされておりますが、その中の一つであります食品卸売市場に関連をしてお尋ねをいたします。 地方拠点都市が一つの生活経済圏に発展することが期待されている関係から、生鮮食品流通の面から地方拠点都市地域の都市機能の強化を図る必要を考えて支援事業を実施されることになったのだと思います。計画によれば三大都市圏を除く各道県に一ないし二カ所、全国的にはおおむね五十ないし八十カ所の地方拠点都市の地域が指定をされることになっております。 この法律は、卸売市場を設置する法律ではございません。支援事業として計画をなさるわけでございますから、全指定地域に画一的に設置されるというようなことはないと思います。地域の実情に従って効果的な設置をお考えになることとは思いますが、指定地域からの要望は必ず大きいものが出てくると思います。 当局におかれましても慎重に検討されることとは思いますが、仮に要望にこたえられて指定拠点都市全部に卸売市場が設置をされたといたしますと、既存の市場とあわせて考えた場合に、それは全く過剰になってしまいますし、結果的には不適正規模市場の林立と言っても過言ではなく、集荷にはもちろん、小売業者が何よりも期待する荷ぞろえなどが十分対応されない市場が設置をされることが考えられます。わけても、生鮮野菜を主体として青果部においては、今日、後継者不足のために産地が大型化しており、適正規模を欠く小型卸売市場など相手にされなくなり、他の大型市場から先取りに頼らざるを得なくなると思います。 先取りとは、御承知のとおり、産地から到着をした品物が競りにかけられる前に分けてもらってそれを自分の市場で処分をすることですが、その場合に、代金の決済は、市場により異なりますが、私の地方では品物を分けてもらった市場のその日の競りの高値で決済をすることになっておりますから、元値が高くなります。したがって、その市場に頼っておる小売業者は高い商品を商っていることになります。 しかも、その高値すら、まだ競りの前ですから不明の時点です。当然のこととして、荷受け会社や競り人の勘でその日の高値を予想して、それに若干の安全係数を掛けて元値を想定し、競りや相対で値段を決めていくことになると思いますが、結果は当然に高い品物になります。そのような品物が毎日店頭に並べば、量販店が至るところに立地をいたしております今日のこと、この店の衰亡は明らかであり、かくしてその市場はやがては行政のお荷物となります。 したがって、卸売市場の立地に当たっては、既存の市場もあわせ生活経済圏内の適正配置を心がけ、卸売市場の機能が果たせるよう、大所高所から総合的に勘案をした指導が大切と存じますが、今の時点で何カ所ぐらい設けられるのかとか、さらにはどの程度の市場をおつくりになるのかとか、こんなことにお答えをいただくのは御無理と存じますが、拠点都市の指定が決まった場合、基本的な対応策としてどのように考えておいでになりますのか、構想をお示しいただきたい。
○説明員(岩村信君) 新しい法案に基づきましてどういう中央卸売市場を整備していくかということでございますけれども、御案内のとおり中央卸売市場につきましては、卸売市場法の規定に基づきまして、市場配置の状況、既存市場の供給圏の広がり等に配慮するとともに、経済的社会的要請等の一般的な必要条件を勘案し、開設者及び卸売業者等の円滑かつ安定的な業務運営を確保するとの観点から基本方針を定めており、その配置を行っているところでございます。 そこで、今回の法案によります拠点都市地域において中央卸売市場を整備する場合、いわゆる人口の要件としての特例規定が設けられておりますが、この場合におきましても、この卸売市場法の基本方針に基づき、生鮮食料品の円滑かつ適正な流通が確保されるよう卸売市場の適正配置に努めてまいりたい、かように考えております。
○山田耕三郎君 卸売市場は相互に関連をしております。特に大都市近郊の市場は望むと望まざるとにかかわらず、大きな影響を受ける宿命にあります。 私ごとを交えますけれども、御理解をいただきたいと思います。 例えば、私の滋賀県は人口が百二十五万人でその生活経済圏を四拠点市場と二補完市場で賄うよう計画をされております。 真ん中に琵琶湖があります地形で、そこには人間の生活はございませんから、中心に基幹市場をつくるわけにはまいりません。それでも大津市場は百二十五万人中七十万人の生活経済圏の中心でありますので、大津市場を基幹市場として、他の三拠点、二補完市場との間に縦の関係をつくっていただき、転送が合理的に行われ荷物の流れがスムーズに行われることを願って中央卸売市場としての格付を要望いたしましたが、認められませんで、新しい近代的市場の建設を中止した経緯がございます。 後を継いだ市長は巨費を投じて新市場を建設されましたが、先日、市場経営の担当者とお会いしましたら、その後も要望は続けておりますが、認められるところとはならず、経営に苦労をしており、一般会計からの繰り入れが続いているとのことでした。 今日では、県内の他の拠点、補完市場の中からも、大津市場を素通りして隣接の京都市場で産地からの荷物の先取り方式を利用されていたり、大津市場の経済圏の中においでになります小売屋さんの多くが、京都市場は申すに及ばず、遠く大阪市場まで利用されるのが恒常的となっており、経済圏内七十万人の人口も実際の利用者は相当減っているのは確かであります。 理由はいろいろありますと思いますが、主なものは、大津卸売市場では品ぞろえが困難であること、鮮度にも問題があるとの声も聞きます。 七十万人を対象に建設された市場でも産地からの直送品だけでは十分に対応できないことを示しており、ある意味では、規模は七十万人対象ではあっても日常の取引量が適正規模を欠いておるのではないかと思っております。仲卸業者が京都市場で先取りを行うことを認めざるを得ない実態もありますことから見て、ほかの小売業者等との間にただいま述べましたことが起こっておることも、当然かと思われます。 そのようなことは、巨大都市の大市場に近接する地方市場の持つ宿命と存じますが、このような宿命を克服する手法はお持ちになりますのかどうか。卸売市場を立地する場合にどのような対応をすべきと思っておられますのか、御教示を願います。
○説明員(岩村信君) 地方の卸売市場が機能を発揮するためには、まず、統合整備による経営基盤の強化というようなことが重要であると考えられます。特に東京、大阪等の大都市市場に隣接する地方卸売市場につきましては、御指摘のような影響を受けるケースも見られるので、特色ある市場。づくりということが必要であると考えております。 具体的には、小売店等のニーズに対応した取扱品目の拡大、地域の需要に合った多様な品ぞろえ、周辺産地との連携による地場産品の開発等による小回りのきく個性と活力のある市場づくり、こういうものの推進が重要であると考えております。
○山田耕三郎君 なお、いずれの経済圏においても、中核となり得る市場を基幹市場として圏内の他の市場との間に縦の関係を位置づけていただき、転送による荷物の流通に合理性を持たし、円滑化を図っていくべきではないかと思いますけれども、このことが今は実行されておりません。このことについての御所見を承りたいと思います。
○説明員(岩村信君) 転送の問題でございますけれども、これについては、迂回輸送に伴う輸送コストの増大であるとか鮮度の低下問題のほか、無制限に放置する場合には価格形成への悪影響というようなことも考えられます。しかし、他方、大量の荷口で産地から一括出荷し、その市場で品ぞろえした上で小規模市場に分荷することの経済合理性というものも考えられます。したがいまして、そのメリットも生かしながら地域における卸売の機能が健全に発揮できるような施策に努めてまいりたい、かように考えております。
○山田耕三郎君 食品卸売市場の使命は何なのか。各都市の卸売市場の説明書を見ますと、「私たちの食生活に欠くことのできない野菜、果物、魚介類等の生鮮食料品を全国各地から大量に集め、適正な価格で迅速に安定供給するため」と書いてあります。 卸売市場ができましたら生鮮食料品は安くなりますかと素朴な質問をよく聞きます、確かにそのことも大切なことだと思いますが、価格決定の根本になる品物の個体の値段は競りで決められます。一部小規模な市場では今なお相対価格決定も残っております。競り価格が安ければ、川下すなわち消費者は喜びますけれども、川上すなわち生産者は困ります。このようなことで、仮に安値が長く続けば市場には荷物が集まらなくなります。だから、価格は常に適正でなければなりません。そのために競りが行われます。 現代、これによる価格決定が最も公正と言われておりますが、余り規模の小さい卸売市場では不適当ともなりかねません。だからといって、小さい市場はだめだということにはなりません。小さくとも、小ぢんまりとまとまって公正にして堅実な経営に終始している市場もあります。要するに、市場の公益性に対する情熱を持った立派な経営者に負うところが多いからです。一農水省とされましては、支援事業の市場としてどのような市場をつくろうとしておいでになりますのか、その考え方についてお示しをいただきたいと思います。
○説明員(岩村信君) 卸売市場は、生鮮食料品等の流通の中核的な拠点といたしまして重要な役割を担っており、市場の規模や立地条件等に応じたおのおのの市場がその特色を生かして、相互に補完し合いながら全国の流通を支えておるのが現状でございます。 そこで、昨年三月に公表いたしました第五次の卸売市場整備基本方針におきましても、大規模集散機能が要求される大都市の中核市場の計画的な整備を進めるとともに、先ほどの地方市場についての御質問にお答えいたしましたふうに、産地、消費地と密接な結びつきが要求される地方の卸売市場の活性化に努めることとしております。 今後とも市場の特色に応じた整備を進め、市場機能の健全な発展を図り、国民に対する生鮮食料品等の円滑かつ安定的な供給を確保してまいりたい、このように考えております。
○山田耕三郎君 時間ですので、終わります。
○山田勇君 最終質疑者でございます。よろしくお願いをいたします。なるべく重複を避けて質問をいたします。 まず、東京一極集中の是正策として、現在、大宮とか幕張などの業務核都市へのオフィスを移転するといった、いわば東京から東京圏への移転施策も並行して行っているわけでございますが、これも現況といたしましてはやむを得ないと考えます。結果的には東京圏のパイを広げ需要をますますふやすことになり、慎重な検討が必要であると考えます。例えば大規模な地震などを考えた場合、東京圏への諸機能の集中は避けられなければなりませんし、ごみ処理問題においてもしかりであります。その点について、まず政府の御見解をお聞かせください。
○政府委員(西谷剛君) 御指摘のとおりかと存じます。 業務核都市の整備が地方圏から諸機能を引っ張り込むということについては慎重でなければいけない、むしろ業務核都市は東京都区部からの分散の受け皿である、この性格を徹底すべきものと存じます。したがって、地元の関係地方公共団体ともよく連携をとり、また指導助言もしてまいりたい、このように存じます。
○山田勇君 拠点都市地域の指定に当たっては、都道府県知事が関係市町村との協議を経て主務大臣との協議の上行うことになっておりますが、その際の主務大臣との協議の性格は、国の方から地方に干渉するというものでありますと指定に際し地方が国に陳情するということになり、また、国からの干渉が余りないということになりますと今度は県への陳情合戦ということになりかねません。このような陳情合戦などを避ける意味からも、指定の公正を期するため何らかの措置が必要ではないかと私は考えるのですが、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(小島重喜君) 今御指摘がございましたように、この法律案は地域の創意工夫を生かしまして、できるだけ地方の自主性といいますか、そしてあわせて自立的成長の役に立つようにしていきたいということでございまして、そのスキームは、ただいまお話がございましたように、関係市町村と協議の上、知事が地域を選定して主務大臣と協議をする、こういう形になっておるのはお話しのとおりでございます。 その際に、今お話ございましたような陳情合戦が生ずるということのないように心がけなければならぬということは、まさにおっしゃるとおりでございます。一つは、基本方針等でどういうところが適格がというのがある程度客観的にわかる、そういうものにしていく必要があるんだろうというように思いますし、そういうことを含めまして、やはりそれぞれ各自治体でございますから、まさにこれから、よく言われておりますような地方自治体の自主自立という観点からしましても、地元で十分知事を中心にして調整をされみ、それからまた私ども六省庁におきましても、先ほどもお話し申し上げましたように、一体となって関係の知事さんとも御相談をしていきたい、かように考えております。
○山田勇君 次には、基本計画策定に当たって、民意の反映という点についてお尋ねをいたします。 基本計画策定に当たっては十分に民意が反映されなければなりませんが、本法におきましては、基本計画は地方自治法第二条第五項の基本構想に即したものでなければならないとの規定があり、基本計画策定に当たってはそれぞれの市町村議会で論議がなされると思いますが、本法案によります施策は地方にとって非常に大切なものであります。積極的な住民参加の道を開くべきだと考えますが、その点いかがでしょうか。
○政府委員(市川一朗君) ただいま御指摘ございましたように、基本計画の作成は市町村が行うわけでございまして、その際、市町村におかれましては、議会の議決を経て定められております市町村の基本構想に即して定めることということになっておりまして、基本的な考え方につきましての市民の同意といいますか、意向を反映したものであるようにということを規定しているわけでございます。 住民参加等につきましてそれ以上の具体的な手続はこの法案では特別の規定は置いてないわけでございますが、それぞれの市町村の実情に応じまして、適宜住民の方々の意見を反映するための必要な措置等が講じられていくものと私どもは考えているところでございます。
○山田勇君 次に、本法案の見直し規定についてであります。 附則第二条に施行後十年以内の見直しという規定を設けておりますが、これは余りにも長いのではないかなと思います。激動する内外の社会状況を考えるとき、また過疎化に悩む地方などは早急に目に見える効果を期待しております。それだけに、本法案によります施策が効果を上げなければなりません。一日も早い再検討を必要ともいたします。 ちなみに、衆議院における附帯決議の中で、「本法施行後の推移をみて、情勢の変化に対応し、必要に応じ、本法の充実・強化を検討すること。」となっておりますが、こうした抽象的な文言ではなく、はっきりとした期限を決めての見直しでなければ意味がないのではないかと思います。 以上のような理由で、私は附則第二条を法律の施行後五年以内の見直しか望ましいと考えますが、政府はどのようにお考えになっておられますか。
○政府委員(市川一朗君) 御指摘ございましたように、附則第二条で、「この法律の施行後十年以内に、地方拠点都市地域に関する諸事情の変化等に対応して、この法律の規定及び実施状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」とされておるところでございます。 〔委員長退席、理事種田誠君着席〕 私どもといたしましては、法施行後の経済社会情勢の変化に対応いたしまして、ただいま先生から御指摘ございましたように、この法で期待しております施策の効果が十分上がりますように、適宜必要な検討を加えていく必要があると考えておる次第でございます。 したがいまして、この附則の趣旨に沿いまして、適宜整備効果が最大限発揮できるように適切な検討も繰り返していきたいと思っておるところでございます。ただ、この条文にございますように、必ず見直しを行わなければならない時期という意味合いにおきましては、私どもとしては十年ぐらいはいただかないとなかなか腰の据えた行政展開ができない。しかし、それでもその間に経済社会の変化がいろいろあると思いますので、その場合はその場合でちゃんとやっておくというようなところで位置づけさせていただきまして、五年たったら必ず見直せというところよりは、その辺の弾力的な位置づけの中でやらせていただきたいというふうに思っておるところでございます。
○山田勇君 本法案の実施に当たっては、拠点都市地域及び周辺地域の地価対策が重要な課題になると考えます。 本法案でも第十八条に監視区域の指定に関しての努力規定が設けられておりますが、地方拠点都市地域になり得るような都市でもいわゆる監視地域をいまだ指定していないところもあると考えますが、そのような状況では地価の高騰も心配されます。 〔理事種田誠君退席、委員長着席〕 本法案の実施に当たり現在比較的低い地価の地域などは恐らく大幅な地価の上昇が予想され、その意味で監視区域の先行指定の義務づけが必要と考えます。 拠点都市地域の指定に関して、この監視区域の指定をいつどのような時期にしたらよいのか、また範囲は拠点地域だけでないのか、また周辺まで含めるのか、方針をお聞かせください。また、監視区域指定以外にはどのような地価対策を考えているのかお聞かせください。
○政府委員(小島重喜君) お答え申し上げます。 今御指摘ございましたように、この地方拠点都市地域を計画的に整備してまいりますには、合理的な土地利用計画並びに今御指摘のございました地価対策というものが十分講ぜられなければならないというのは、まさにそのとおりであると思うわけでございます。そういう点も勘案をいたしまして今御指摘の十八条の規定が入っておるわけでございます。 私どもといたしましては、そういう地域においていささかなりとも地価の動向に不穏な動向が見かけられましたならば、それが指定の以前でありましょうとも、これは積極的に市町村長と知事さんが協力、連携していただきまして、積極的に監視区域に指定をしていただくように指導してまいりたいというように考えております。 それからまた、範囲でございますけれども、範囲は今御指摘ありましたような言うならば地価の上昇が見込まれる区域全域でございますけれども、必ずしもその指定区域だけにとらわ札ませんで、その周辺地域もそのようなおそれがあれば当然指定をしていただくということになろうかと思います。 さらにもう一方で、地価問題といたしましては、優良な土地と申しますか宅地等を積極的に供給するということも重要なことではなかろうかと思いまして、この法律の中におきましてもそういう面での配慮もいたしておるところでございます。
○山田勇君 本法案第三十一条では、開発許可の特例として、市街化調整区域に存する拠点地域内の土地における開発行為や建築行為が決められることになっておりますが、その実施に当たっては格段の配慮が必要と考えます。現在提案されております都市計画法の改正案でも市街化調整区域の地域計画が決められることになっているということは、結果としては開発が容認されるということであります。大体、市街化調整区域の定義というものは市街化を抑制すべき区域であり。したがって安易に開発許可をしていくということに懸念を持つものでありますが、この点の御見解はいかがでしょうか。
○政府委員(伴襄君) 市街化調整区域は、先生御指摘のとおり市街化を抑制すべき区域でございまして、開発許可ができる場合は、やむを得ないもの、あるいは計画的な市街化を図る上で支障がないものに限定されているところでございます。 そこで、本法案の市街化調整区域内の開発許可の特例でございますが、これもこういった基本的な考え方の範囲内でそれに従ってやっているつもりでございまして、例えば一つには、これは市町村が定める基本計画の中に市街化調整区域内の拠点地区内において実施されることが適当と認められる開発行為をまず書き込む、こういうことになっております。 それからその次に、この基本計画につきましては、その当該都市計画区域内の計画的な市街化を図る上で支障がないものであるということを知事が承認するという仕掛けにしておりまして、こういう知事の承認を受けた基本計画に即して行われる開発行為に限って開発許可の対象にする、こういうことになっておりますので、したがっていわば市町村と都道府県知事の二重のチェックを経たものについてのみ開発許可の対象とするというようなことでございまして、したがいまして、調整区域本来の趣旨を逸脱したような安易な許可が行われることはないというふうに思っております。 それからもう一つは、現在国会で御審議いただいております都市計画法の改正案におきまして市街化調整区域内の地区計画を規定しておりますけれども、これも現行法上許されております開発行為、建築行為について、一むしろその地区計画手法をそれにプラスしまして都市計画上適切に規制誘導を行って良好な居住環境の維持形成を図ろうというもので、決して開発を容認していくという性格のものではないと思っております。 今後とも、本特例につきましての国会での御議論も踏まえまして、調整区域内の開発許可の適正な運用に努めてまいりたいと思っております。
○山田勇君 その点は十分御配慮をいただきたいと思います。 市街化区域の地価というのはかなり安定しているし、開発できないから安値で、今じっと持っておりますから、これがこの両法案によって、拠点地域といいましょうか、そのために地域によってそれが動き出すということになりますとかなり地価高騰に与える影響があると思います。それは、先ほど来言う監視区域において十分規制をされていっていただきたいと思います。 次に、若者にとって魅力のある町づくりという観点で質問をいたしますが、これは大臣にお尋ねをいたします。 まず、魅力ある雇用の創出ということですが、いろんな調査を見てみますと、例えば昨年大手銀行が首都圏の大学四年生約一千人にアンケートした結果では、東京で就職しだいですかという問いに対して六九・九%は「したい」と答えた。一方、「したくない」はわずか四・五%にとどまり、根強い東京志向が示され、若者を実際に地方に就職させるためには、単にオフィスを地方に移転させるだけではなく、地方を魅力的なものにすることも確かに重要であります。先ほど来ずっと論議をしておりますし、国土庁長官もそういう魅力的な都市づくりをするための法案であると再三述べておられますが、その魅力的なものにすることは重要であります。 平成三年度の国民生活選好度調査では、ほかの地方と比較して東京の魅力とはという問いに対し、一位が「人目を気にせず生きていける」であります。第二位が「美術館、ギャラリー、コンサートホールなどが多く、イベントも盛りだくさん」という答えでございます。この二番目の美術館などの教養文化施設に関しましては、本法案でも重要視され、基本計画の中に必要な場合は定められることになっております。 しかし、そうした器、ハードの部分以上に大切なのは、ソフト面、すなわちそれらの施設が真に有効利用されるかどうかであります。地方においてもいながらにして文化、芸術の本物と申しますか、じかに接することができるということだと思います。そのためにぜひとも地方拠点都市におきましても国際音楽祭、演劇祭、スポーツ、学術発表会などを開催する必要があると考えます。そのような配慮についてはどのように考えておられるか。 僕は、器さえきちっとしてやって、ソフトをきちっとやってやれば、必ずすばらしいものが地方都市でも行われると思います。 例えば、これは私ごとですが、大阪市に豊能町という小さな町がありますが、そこで三十数億円かけて公民館といいますか、市民ホールをつくりました。いろんな意味で視察をさせていただきました。そこで手を二回打ったら、ピアニストは、ここでは演奏できませんと言われたということです。これは反射板が置いてない。 これは、もう前にも一度そういうことを申し上げましたが、地方だから世界のブーニンが来てピアノを弾がないとか、ベルリン・フィルハーモニーは来ないんだ、頭から地方はそう思って、そういう施設づくりをするわけですね。反射板なんてわずか数百万でそのホールをつくるときに設置できる問題なんです。その条件さえ整えれば世界のアーチストは来るんです。だから、まず地方は頭からこんな田舎には来てくれない、こんな地方にこういうものは来ないと思いがちですが、その辺もこれから行政指導の中で、立派な器をつくってやれば立派なアーチストは来ますよ、世界のアーチストが来て演奏してくれますよということを、ぜひソフトの面でも指導をしていっていただきたいと思います。 大臣の御答弁をいただきます。
○国務大臣(東家嘉幸君) 若者が魅力を感じる都市をつくっていくためには、高度の機能を整備していく必要があろうと思います。そのためには、個性的で活力のある都市づくりを進めていく。地方においても、個性と活力をつくり出していく上で御指摘のようなソフトの面が果たす役割として、地域の自然や歴史等に根差した文化的活動を積極的に振興していく必要があろうと思います。 このため、この法案においても基本計画の中で、地域の振興に寄与する教養文化活動等の活動に関する事項について定められているところでございます。また、ソフトの活動に対する支援策として、広域的なソフト事業のために基金等を設置した場合には地方債等の支援措置を講ずるということに相なっております。
○山田勇君 最後の質問をいたしますが、これも大臣にお尋ねをします。 拠点都市といういわば新しい町づくりに当たっては福祉、医療の充実ということも重要なポイントであります。この点に関しましては、関係省庁との緊密な連携のもと、拠点都市住民の生活向上、また日々の暮らしの充実感が生まれるよう全力を挙げて取り組まなければならないと考えますが、最後に大臣のこの法案に対します決意をお伺いして、私の質問を終わります。
○国務大臣(山崎拓君) おっしゃるとおりだと存じております。 先ほど御質問に対しまして国土庁長官お答えになりましたが、このたび私どもが目指しております拠点都市地域の整備は、職住遊学という表現をしばしば用いてまいりましたが、複合的な高次都市機能を持った拠点都市地域を整備いたしたいと考えておるのでございます。その中に、先生お挙げになりました医療でございますとか福祉でございますとか、たまたま職住遊学の中に入っていないのでございますが、当然つけ加えられて都市機能の一つとして重視せられるべきものと考えているわけでございます。 また、厚生大臣も、協議大臣として明定はいたしておりませんが、当然重要な御相談相手だと考えているところでございます。 それから、福祉に優しい町づくりという観点は、これはもう単に拠点都市地域に被った問題ではございませんで、オールジャパンで対処していかれるべき課題でございますが、とりわけ今回の拠点都市整備に当たりましても特段の重視をしてまいりたいと考えております。
○山田勇君 終わります。 ―――――――――――――
○委員長(山本正和君) 委員の異動について御報告一いたします。 本日、遠藤要君が委員を辞任され、その補欠として鹿熊安正君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(山本正和君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案に反対の討論を行います。 本法案は、各道府県の第二、第三の都市を中心に全国で五十から八十の拠点都市地域の総合的な整備を進めるとともに、それによって産業業務施設の地方分散を進め、東京の一極集中の是正、国土の均衡ある発展を図ることをうたい文句とするものであります。 しかし、その本質は、日米構造協議に基づく内需拡大の対米公約を実施する公共投資の受け皿づくりであり、また、大企業の業務施設立地に地方公共団体を動員するものです。過去十年の公共投資規模の一・六倍というこの公共事業の大拡張計画は平成版列島改造計画と呼ばれていますが、それだけでなく、アメリカによる日本列島改造計画だとも言わざるを得ません。 本法案の特徴の一つは、地方の自主性の尊重だとされています。しかし、地域の指定は関係大臣との協議で事実上国の了承が必要であり、市町村がつくるとされる基本計画も地域指定の際に大枠がはめられることは明らかです。地域指定は産業業務施設が立地する条件や計画が熟しているところが優先されると明言されており、大企業に対する優遇措置の競争に走らされることになることが予想されます。実際の事業の推進はこれまでどおりの補助金行政であり、公共事業が多くなる分、本省通いも一層激しくならざるを得ません。本当に地方の自主的な計画に基づく自立的な発展を図ろうというのであれば、都市づくりに関する権限や自主財源を地方に移譲すべきであります。 本質的にこれまでの地域開発政策と軌を一にする本法案では、結局、地方に多大な財政負担を負わせ、多くの地域で、産業業務施設の受け入れのための整備はしたがなかなか立地は進まないという事態を繰り返すおそれが極めて強いのであります。 東京一極集中の是正についても、それを招いた経済運営、国土政策の基本は何ら変わっていません。東京の過密状態を極限にまで激化させた大企業の事務所ビルの都心立地については、政府部内の各種の報告書でも規制措置の必要性が強調されているにもかかわらず、全く具体化されていません。そればかりか、移転企業には各種の優遇措置を行い、跡地については自治体が住民本位に利用できる保障は何もないのであります。これでは、ますます加速されている東京一極集中問題を解決できないことは明白です。 東京一極集中の是正のためには、臨海副都心計画を初め進められている大型プロジェクトを再検討するとともに、都心の大企業に対する立地負担金の創設や新たな立地に対する規制措置の導入などを早急に実施すべきことを強調して、私の反対討論を終わります。
○委員長(山本正和君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本正和君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、種田君から発言を求められておりますので、これを許します。種田誠君。
○種田誠君 私は、ただいま可決されました地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、地方拠点都市地域の指定の協議に当たっては、本法案の提出された趣旨にかんがみて、人口減少道県及び過疎市町村の多い道府県について、十分配慮すること。 二、基本計画の策定については、各地域の実情に応じて指定地域の各市町村議会や住民の意見が十分反映されるよう配慮すること。 三、各地域の実情及び地域住民のニーズを反映し、地方拠点都市地域における大学及び文化研究施設の適正配置に配慮すること。 四、東京一極集中を是正し、多極分散型国土の形成に資する地方拠点都市地域づくりを進めるため、総合的な高速交通体系及び高度情報通信体系の整備に努めること。 五、過度集積地域から移転した産業業務施設の跡地について、公共用地として取得できるよう、地方公共団体に対する財政的支援措置の活用も含めて、十分配慮すること。 六、過度集積地域からの産業業務施設の移転計画の認定に当たり、労働者及びその家族の移転、職業転換、関連中小企業者対策等に十分配慮すること。 七、地価の高騰により、地方拠点都市地域及びその周辺の地域における適正かつ合理的な土地利用と事業の円滑な遂行が妨げられることのないよう、監視区域の先行的指定、不動産業界、金融業界に対する強力な指導等地価対策の推進に努めること。 八、歴史、文化、風土等の特性を生かした地域づくりを進め、地方拠点都市地域における事業・施策の効果を高めるため、関係省庁は、地方公共団体の自主性、主体性を最大限尊重し、人材育成のための支援、行政権限の地方公共団体への移譲、特色ある単独事業を可能とする地方公共団体の財源確保に努めること。 九、地方拠点都市地域における農地の転用の許可の運用に当たっては、優良農地の確保、環境の保全に支障を生じないよう適切に対応するとともに、農山漁村の整備及び農林漁業の振興に十分配慮すること。 十、本法施行後の推移を見て、情勢の変化に対応じ、必要に応じ、本法の充実・強化を検討すること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(山本正和君) ただいま種田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本正和君) 多数と認めます。よって、種田君提出の附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、山崎建設大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山崎建設大臣。
○国務大臣(山崎拓君) 地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案につきましては、本委員会におかれまして熱心な御討議をいただき、ただいま議決されましたことを深く感謝申し上げます。 今後、審議中における委員各位の御高見やただいま議決になりました附帯決議の趣旨を十分に尊重してまいる所存でございます。 ここに、委員長初め委員各位の御指導、御協力に対し深く感謝の意を表し、ごあいさつといたします。 どうもありがとうございました。
○委員長(山本正和君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。
○委員長(山本正和君) 次に、都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山崎建設大臣。
○国務大臣(山崎拓君) ただいま議題となりました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 今回の地価高騰に対応した金融、税制等の総合的な土地政策の一環として土地利用計画制度の充実を図る必要があるとともに、最近の都市化の進展に対応して、良好な市街地の環境を整備し、都市の秩序ある発展を図ることがますます必要となっております。 この法律案は、このような状況にかんがみ、適切な住環境の保護等を図るための用途地域制度の整備、公共施設を備えた健全な市街地の整備とあわせて土地の有効利用等を図るための地区計画制度の拡充、市町村の都市計画に関する基本的な方針の創設、計画的な市街地の整備を図るための開発許可制度の改善、技術開発の進展等を踏まえた防火に関する規制の適正化を図るための木造建築物に係る制限の合理化等を行おうとするものであります。 次に、その要旨を御説明申し上げます。 まず、都市計画法の改正についてであります。 第一に、現行の三種類の住居系の用途地域を七種類に細分化して、既存の商業系、工業系の五種類の用途地域とあわせて十二用途地域とするとともに、特別用途地区に中高層階住居専用地区及び商業専用地区を加えることとしております。 第二に、公共施設の整備を伴った良好な市街地整備を図りつつ、土地の有効利用を促進するため、地区計画制度を拡充し、容積率の最高限度を当該区域の特性に応じたものと公共施設の整備の状況に応じたものとに定めることができることとするとともに、地区計画の区域内の総容積の範囲内で、当該区域を区分して容積率の特例を定めることができることとしております。また、市街化調整区域内においても地区計画を定めることができることとする等の措置を講ずることとしております。 第三に、市町村は、住民の意見を反映させるため必要な措置を講じた上で、当該市町村の都市計画に関する基本的な方針を定めることができることとしております。 第四に、開発許可制度について、自己の業務用の開発行為についても道路等に関する基準を適用する等の措置を講ずることとしております。 次に、建築基準法の改正についてであります。 第一に、今回の都市計画法の改正とあわせて、新たに設けられた用途地域における建築物の敷地、構造、建築設備及び用途に関する制限等について定めることとしております。 第二に、都市計画区域外の一定の区域においては、地方公共団体は、条例で、建築物またはその敷地と道路との関係、容積率等に関して必要な制限を定めることができることとしております。 第三に、防火、準防火地域以外の区域において、木造三階建て共同住宅の建築を可能とする等木造建築物等に係る規制の緩和を行うこととしております。 第四に、文化財保護法に基づく条例その他の条例により現状変更の規制及び保存のための措置が講じられている建築物で特定行政庁が指定したもの等については、建築基準法令を適用しないこととしております。 その他、これらに関連いたしまして関係規定の整備を行うこととしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(山本正和君) 次に、本案の衆議院における修正部分について、衆議院建設委員長古賀誠君から説明を聴取いたします。古賀誠君。
○衆議院議員(古賀誠君) ただいま議題となりました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する衆議院における修正部分につきまして、その趣旨及び要旨を御説明申し上げます。 今回の地価高騰により、大都市地域においては、勤労者世帯の住宅宅地の取得が著しく困難になり、また、都心の住宅地への事務所等の無秩序な進出による住環境の悪化等の問題が深刻化しております。一方、地方においては、リゾート開発に伴うマンション建設等による地域の生活環境の悪化等の問題が発生しております。 このため、土地基本法の制定を初め、幾つもの立法措置が講じられ、各種対策が実施されてきたところでありますが、地価高騰等に対応した総合的な土地政策の大きな柱として、既に実施されている金融、税制等の措置に加えて、土地利用計画制度の充実を図る必要性が強く指摘されているところであります。 また、昭和四十三年のいわゆる新都市計画法の制定以来ほぼ二十年が経過した都市計画制度及び建築規制制度について、最近の都市化の進展に対応して、良好な市街地の環境を整備し都市の秩序ある発展を図るため、見直しをする必要が高まっております。 このような現下の重要問題に対処するため、適切な住環境の保護等を図るための用途地域制度の整備、公共施設を備えた健全な市街地の整備とあわせて土地の有効利用等を図るための地区計画制度の拡充、市町村の都市計画に関する基本的な方針の創設、計画的な市街地の整備を図るための開発許可制度の改善、技術開発の進展等を踏まえた防火に関する規制の適正化を図るための木造建築物に係る制限の合理化等の措置を講じて、都市計画制度及び建築規制制度を改善する必要があるわけでありますが、今般提案されました都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案には、市町村の都市計画に関する基本的な方針、開発登録簿の記載事項、用途地域の指定のない区域における建築規制、建築確認、許可等に係る建築物に関する台帳の整備、自走式自動車車庫の建築確認における取り扱い等につきまして不備な点が指摘され、その修正を行う必要がありました。 以上が都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する修正の趣旨でありますが、次に、この修正の要旨を御説明申し上げます。 まず第一に、市町村の都市計画に関する基本的な方針について、「定めることができる」を「定めるものとする」に改めることといたしました。 第二は、開発許可制度の開発登録簿の記載事項として、市街化調整区域における建ぺい率等の指定制限及び開発許可を受けた土地における建築等の制限に係るただし書きの許可等をした場合にその旨を付記すべきことといたしました。 第三は、用途地域の指定のない区域における容積率制限及び建ぺい牽制限について、規制数値を追加することといたしました。 第四は、違法な用途転用等の防止に資するため、建築確認等に係る建築物に関する台帳の整備等の措置を講ずることといたしました。 第五は、建築物の定義を見直し、建築物として扱う工作物の範囲を拡大することといたしました。 以上が都市計画法及び建築基準法の一部を改正する法律案に対する修正の趣旨及び要旨でありますが、委員各位の御賛同をお願いする次第であります。
○委員長(山本正和君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本案に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時七分散会