建設委員会 第5号
- 発言数
- 209 件
- 登壇者
- 22 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1992/05/14
会議録
○委員長(山本正和君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四月十六日、小林正君が委員を辞任され、その補欠として松本英一君が選任されました。 また、去る四月十七日、三石久江君、赤桐操君及び猪熊重二君が委員を辞任され、その補欠として青木薪次君、渡辺四郎君及び中川嘉美君が選任されました。
○委員長(山本正和君) 地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。山崎建設大臣。
○国務大臣(山崎拓君) ただいま議題となりました地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関すを法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 近年、地方においては、平成二年の国勢調査結果に見られますように、若年層を中心とした人口減少が再び広がるなど地方全体の活力の低下が見られるところであります。一方、東京圏においては、人口及び諸機能の過度の集中により、住宅取得難、交通渋滞等、過密の弊害がさらに深刻化しているところであります。このような状況の中で、地方の自立的成長の促進を図り、東京一極集中を是正して国土の均衡ある発展を実現することは、現下の内政上の大きな課題となっております。 こうした課題に対処するため、地域社会の中心となる地方都市及びその周辺の地域の市町村から成る地方の発展の拠点となるべき地方拠点都市地域について、地域における創意工夫を生かしつつ、広域の見地から都市機能の増進及び居住環境の向上を推進するための措置等を講ずることにより、その一体的な整備の促進を図る必要があります。 また、これとあわせて、過度に産業業務施設が集積している地域から地方拠点都市地域への産業業務施設の移転を促進するための措置等を講ずることにより、産業業務施設の再配置の促進を図る必要があります。 この法律案は、こうした認識に立って、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進を図るため所要の措置を講じようとするものであります。 次に、その要旨を御説明申し上げます。 第一に、主務大臣は地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する基本方針を定めることとしております。 第二に、都道府県知事は、関係市町村及び主務大臣と協議の上、地方拠点都市地域の指定を行うことができることとしております。 第三に、地方拠点都市地域の関係市町村は、共同して当該地域の整備の促進に関する基本計画を作成して都道府県知事の承認を得るものとし、承認を行った知事は関係行政機関の長にその旨を通知することとしております。基本計画においては、地方拠点都市地域の整備の方針、拠点地区の区域及び実施すべき事業、公共施設の整備、居住環境の整備、人材育成等の活動等について定めることとしております。 第四に、産業業務施設の再配置の促進を図るため、移転計画の認定制度の創設等所要の措置を講ずることとしております。 第五に、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進を図るため、地方行財政上の特例措置、都市計画上の特例の創設、税制上の特例措置、地域振興整備公団及び通信・放送機構の業務の追加等所要の措置を講ずることとしております。 なお、本法律案の運用は、国土庁長官、農林水産大臣、通商産業大臣、郵政大臣、建設大臣及び自治大臣が協力して行うこととしております。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決いただきますようお願い申し上げます。
○委員長(山本正和君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○青木薪次君 地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案について、まず地域開発政策について、国土庁長官にお伺いしたいと思います。 戦後における我が国の地域開発政策を見ると、昭和三十七年に策定されました全国総合開発計画から、西暦二〇〇〇年、今世紀末を目標にいたします第四次総合開発計画、四全総、この政策の基本目標は一貫して大都市の過密化を防止して地域間の所得格差を縮小することに置かれ、それを実現するため、今の大臣の説明のように、地方の開発拠点に産業を分散立地させる対策が実施されてきたのであります。しかしながら、現実には拠点地域の振興は余り進んでおりません。それから、昭和五十年代半ば以降は東京への一極集中が一段と加速いたしまして、その結果、人口減少都道府県数は、六十年国勢調査時に秋田県が一県だったのが、平成二年には北海道、東北、中国、四国、九州などの十八道県に拡大をいたしております。 この状況を見ますと、三十七年以来の三十年間の国土政策並びに地域開発政策は決して成功したとは言えないと思うのであります。 本法案の検討に当たってこれまでの地域開発計画に反省が加えられたと考えるけれども、国土庁長官はその我が国の政策をどのように総括しているか、お伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(東家嘉幸君) 従来より地域振興を図るため地方の特性に応じていわゆる過疎法、新産・工特法等々の諸施策が講じられてきたわけでございますが、またその推進を図ってまいりましたが、今御質問のとおり、一定の評価はなされるものの、十八県にも及ぶ人口減少県が現実にございますことは、やはりこの反省の上に立って、これから地方を活性化し、そして生活大国的な豊かさを享受できるようにさらなる活性化を図らねばならない、このことが国の基本的な方針であろうと思うわけでございます。そのために、今回、地方振興方策として地方拠点地域整備を図ろうというようなことで御提案申し上げ、関係各省庁一体となって取り組もうということで今日まで協議を重ねてきたところでございます。 そういうことで、ただいまの御質問の趣旨を十分踏まえ、私たちは今後ともこの法律によって実効性のあるものに推進したいということでございます。
○青木薪次君 反省が加えられた前提に立ってこの拠点都市構想というものが出されてきたというように考えないかということについて、今の大臣の答弁は必ずしも私の質問に答えておらないというように考えます。 そこで、産業の地方分散とか再配置政策によって新増設工場の約八割が地方に立地して大都市圏では製造業の従業者が次第に減少していることは、これは一部認められます。今日は既に第三次産業等が相当進展をいたしているわけでありますから、製造業から商業、サービス業へ移ってきているということが言えると思うのでありますが、しかしながら、製造業の従業員は減っても三次産業のオフィスの従業者はむしろ増加している。これは、これまでの産業立地政策が製造業のみを対象にしておったという点が反省されなきゃならぬと思うのであります。 オフィスなどの業務機能の移転、再配置に向けられなかったといいますか、そういうことについて通産省はどういうように考えていらっしゃるのか。これは六省庁の共管でありますから、そういう立場に立って御意見を聞きたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 大都市圏におきます工場あるいは商業、サービス業等の立地状況を見ますと、例えば東京二十三区の工場床面積、事務所床面積について比較をいたしますと、昭和五十年から平成元年までの十五年間に工場床面積は約三分の二になっているわけでございます。それに対しましてオフィス等の床面積はこの間に約二倍になっているということで、委員御指摘のとおり、製造業から商業あるいはサービス業、オフィスへのシフトというものが非常に見られるわけでございます。 これまで、再配置政策といたしましては、主として工業の地方分散を進めてきたわけでございまして、それなりの効果を上げているわけでございますけれども、ただいま御指摘いただきましたような実態を踏まえまして、私ども、今後は業務施設の地方分散、こういうものに積極的に取り組まなければならない、かように考えている次第でございます。
○青木薪次君 そのような反省の上に立ってこの法案が出されたというような立場でないと、後でまた、申し上げますけれども、矛盾が招来するということになるわけであります。 六十三年に成立いたしました多極分散型国土形成促進法を見ると、第五条には民間の施設の移転促進、また第六条には地方の振興開発に関する施策についての規定があることから、これは多極法の実施法とも考えられているのでありますが、国土庁ではどんなふうに考えておりますか。
○政府委員(小島重喜君) 今御指摘ございましたように、言うなら第四次全国総合開発計画を実施するといいますか、そういうために、あるいはその基本理念を宣明するというようなために多極法が制定をされました。その中で、今御指摘のように、第五条では、いわゆる民間の業務施設等の地方への配置といい脅すか、そういうことに努めると同時に、地方都市並びにその周辺を一体的に整備しろ、その際に都市機能の増進というようなことを中心に置いてやれ、こういう規定がございました。 私どもは、今回のこの拠点法は、今御指摘もございましたように、それをさらに具体化するための法律である、かように考えております。
○青木薪次君 そういたしますと、四全総がまず親で、多極分散型国土形成促進法が子で、今度皆さんが提案されましたこの拠点法が孫法、こういうことが言えるんじゃないかと思うのでありますが、そういうことになりますと、この法案の目的やねらいというものも四全総や多極促進法の目的に沿うものでなければならないことは言うまでもないと思うんです。 ところが、東京一極集中の是正と地方定住をねらった本法案は、四全総との間に基本的な考え方の相違があるように思うんです。それは何かというと、四全総の基本路線は、多極分散型の国土形成を目指しつつも、近年の本格的な国際化の進展に適切に対応するために東京の重要性を積極的に評価している。この法案の目的、ねらいというものについて、そういう立場からどういうふうに考えていますか。
○政府委員(小島重喜君) 御案内のとおり、多極分散型国土形成促進法の中身を見てまいりますと、一つはいわゆる行政機関の移転等の分散の部分、それから地方の振興開発、さらに交通・通信の整備、あるいは大都市の整備というような多面にわたっておるわけでございますが、四全総では、特に地方都市につきまして、地方都市とその周辺地域との一体的な整備、あるいは新しい産業の再配置、都市環境の整備等の施策を推進することとしておりまして、そういう面では、私は、その四全総をまさにさらに具体化するためのものであるというふうに考えておるわけでございます。 と同時に、四全総をつくります際に、御案内と思いますが、当初は、世界都市東京をつくるんだというような部会の報告がございましたが、しかし、そういうのはおかしいのではないかという大変な皆様方の御意見もございましてああいう格好で多極分散型国土の形成ということになったわけでございます。そういう意味で、大きな意味での四全総の多極分散ということを中心に、今回この法制がそれをさらに具体化するための法制としてできたというふうに考えております。
○青木薪次君 そういう答弁もわからないわけではありませんが、しかし、非常に言いづらい答弁になっていると思うんです。 東京を評価すると言っていた。今度は地方へ追い出す。東京周辺じゃないんですよ。そういうような立場というものが今度のこの地域拠点法なんです。 もう一つ申し上げたいのは、産業業務施設の移転政策についての関係で、この法案では、三大都市圏や業務核都市以外の地域に業務機能を移転、再配置することを目指しているんです。そうすると、例えば中枢都市、中核都市、中心都市、中小都市といろいろありますが、そういう点について、業務核都市以外の地域に業務機能を移転、再配置するということを言っているということは、これは矛盾しないんですか。
○政府委員(小島重喜君) 業務核都市の制度は、御案内のとおり、言うなら大都市の中で整備を図ろうという制度であるというように考えるわけでありますが、今回の産業業務施設の再配置、これは、一つは二十三区からそういう地方の拠点都市地域に行っていただくということもございますが、同時に、再配置という意味の中には、当該地域で業務機能を育成するといいますか、そういうことも再配置の概念に入っておりまして、そういう意味で、先ほど先生から御質問がございましたように、言うならば地方においての業務機能の育成ということでございまして、直接的に矛盾はしないように私どもは考えております。
○青木薪次君 それは、あなたがそういう答弁をされても、私は今申し上げた二つについて矛盾があると思う。片方は東京を積極的に評価、片方は東京以外のところに業務都市をどんどんつくっていくということなんですが、東京圏一いわゆる首都圏に対してはあくまでも地方なんです、中京圏であれ何であれ地方なんですが、そういうようなものについて、私は、業務核都市以外の地域に業務機能を移転し再配置しろということですから、そうすると、東京の二十三区はだめだよ、そのほかのところへ行けということについては、これは例えば大阪とか名古屋以外、大阪府と愛知県を含んで四十六都道府県、そのうち名古屋と大阪はだめですよということでしょう。そういうことになると、何を目指しているか具体的なイメージがまだ見えてこないんです。 したがって、地方拠点地域の将来像がどういうものであるのかという点について、この地方拠点都市を全国に整備することでどのような国土づくりを実現するのか、将来像をどのように考えているのか、そういう点についてもう一度答弁してください。
○政府委員(小島重喜君) 御案内のとおり、先ほどもお話がございましたが、四十七都道府県のうち十八の道県で人口が減っているということは御指摘のとおりでございます。と同時に、さらにこれを市町村のレベルで見てまいりますと、全国では三分の二くらいの市町村が人口が減っておりますが、ただ、先ほどお話がございました地方の中枢都市あるいは県庁所在地というようなところにおきましてはおおむね人口がふえてきておるわけでございます。 それは、一つにはそういうところにはそれだけの機能があるということでございます。さらに今度は各県ごとに見てまいりますと、県の中に一極集中みたいな状況が大分出てきておりまして、そういう面で私どもは、県庁所在地、そういう大いに人口がふえているところは別にいたしまして、その次といいますか、さらに力を入れれば県内の言うなら多極分散ができるようなそういう点に今後力を入れてやっていくことが国土の均衡ある発展に資するんではないか、私どもとしてはこういう考え方で今回この法律を御提案申し上げておる、こういうことでございます。
○青木薪次君 要するに、東京を評価する、あるいはまた大都市圏に全面的に依拠するというようなことよりも、ある意味の国際化の中における東京となるとニューヨークやロンドンその他に匹敵するくらいの大都市ですからすべての機能とか産業経済の機能、金融その他の機能が集中するということについて是認するという立場よりも、やっぱり、四十六道府県ということを申し上げましたけれども、悪い言葉で言えば均一的に地方の拠点都市をつくることによって二十三区から追い出すというくらいの気持ちにならないとこの東京一極集中は排除できない、こういう決意に立ったというように解釈していいですね。
○政府委員(小島重喜君) 私どもは、今お話がございましたように、今の法律の中では二十三区のものについて直接的な規制はいたしておりませんけれども、精神としては、おっしゃるように二十三区の過度に集積しているそういう地域からできるだけ地方に産業業務施設なりその他の機能が出ていっていただくことは大変好ましいことであるし、そういう方向でこれからも施策を進めていくべきだ、そういうように考えております。
○青木薪次君 初めての考え方でありますので、今ここでもって水を飲んだようにすっきりとするというようなことはできないかもしれません。 そこで、建設省にお伺いしたいと思うのでありますが、国が基本方針を定めて、それから知事が拠点都市地域を決めて、国としてはこれはだめだ、これはいいということは言わない、知事の権限をふやすということと、当該市町村が基本計画を作成することになっている、そして国の基本方針では地域の指定や基本計画、移転計画の指針となる事項が定められるということになっておりますが、指定される拠点都市地域の数についてはどういうようなイメージを浮かべたらいいのか。指定地域の数についてはどのような考えを持っておりますか。
○政府委員(市川一朗君) この法案提出に際しまして関係省庁でいろいろ議論いたしております中で、ただいまの点に関しますコンセンサスという意味で申し上げたいと思う次第でございますが、今回の法案の基本的な目的は地方の自立的成長を牽引するような地方発展の拠点となる地域を整備していきたいということでございますので、施策の効果を高めるためには重点投資の対象ということを考える必要があるという意味におきまして地域の数は相当程度絞られるべきものであると考えておるわけでございまして、最終的には各県内で一、二カ所の地域指定ということを考えておるわけでございます。 と申しますのは、国土の均衡ある発展を図るという観点からいいますともう少し数が絞られるという考え方もあり得るわけでございますが、一方で県内の一極集中という問題も生じておりますので、今回の施策展開ではそういったようなことも含めて検討する必要があるというところから最終的にはそういう考え方を持っておるわけでございますが、現実の施策展開におきましては施策の実効性が上がるところから考えていくべきではないかといったようなことが議論されておりまして、基本方針におきましては大体そういったようなことが書き込まれるようになるというふうに理解しております。
○青木薪次君 地域指定を内容とする法律が成立いたしますと、決まって指定競争が繰り広げられるんですね。いろいろ調べてみますと、各県ごとに手を挙げているところがもう既にたくさん出てきましたね。建設省でもそのことを知っていると思うのでありますが、古くは新産都市あるいはまた工業整備特別地域がそうであったように、最近では総合リゾート法、これもやっぱり指定競争があったわけです。 そういうような関係から、そのままほっておくとリゾート法の二の舞になる可能性があるというように心配しているのでありますが、地域指定に当たってはある程度優先順位をつけて指定していくように国として指導する必要があるかないか、この点はいかがですか。
○政府委員(市川一朗君) 先ほども御答弁でちょっと触れさせていただきましたが、私どもといたしましては、この施策が実効性があるものでなければ国民の信託にこたえられないという観点から、地域指定に当たりましては施策の実効性が上がるところを指定していただきたい、こういうことを考えておりまして、基本方針にもそういうことを書いていきたいと思いますので、各県におきまして地域の選定に当たりましてはその辺のところをかなり重要視して選定していただくということになります。 そういう意味におきましては、県によりましていろいろ事情がございますし、また都市の存在の態様もいろいろ異なりますので今にわかにここで総合的な結論的なことを整理して申し上げることはできないわけでございますが、一般的な考え方としては実効性の上がるところから順次指定されていくというふうになるのではないか、そんな見通しを持っておるわけでございます。
○青木薪次君 おっしゃることはよくわかるんです。しかし、大都市圏と地方圏という区分によって各種の施策が実施されてきたわけでありますが、一口に地方都市といっても千差万別で、人口六十万人以上の地方中枢都市、二十万人以上の地方中核都市、六万人以上の地方中心都市、五万人未満の地方中小都市といった区分がなされています。この法案の地方拠点都市地域は県庁所在都市に次ぐ第二、第三の都市が対象になると実はうわさされておりますが、そういたしますと、地方中核都市が対象になるのではないかと考えるけれども、今、都市局長が言われたように、県内に非常に大きないわゆる中心都市というものが新たにできていくというようなことになってもいかがなものかという点も言えるわけです。そういう点について、対象に考えている都市の人口規模についてどういうような考え方を持っておりますか。
○政府委員(市川一朗君) 先ほど国土庁の小島局長の答弁の中にもございましたように、今回の国勢調査の結果を見ますと、いわゆる地方中枢都市あるいは県庁所在都市では人口が増加している傾向が見られるというところに着目いたしまして今回の拠点都市を構想した次第でございますので、そういう意味におきまして、いわゆるそういった方向に着地し得るような潜在力のある都市というところを私ども選定すべきであると考えております。したがって、ある程度の集積というものがなければ、その潜在力といいますか、実効性という面で問題があるのではないかというふうには考えております。 しかし、全国の県内事情あるいは都市の状況を見ますと、かなり人口一つ取り上げましても事情が異なりまして、それをある一定の人口何万人とかそういったようなところで一律に国のレベルで要件を定めてやっていくということは、必ずしも現実的ではない。それぞれの地域の実情に応じた対応で、先ほど来申し上げているような実効性が上がるようなやり方ができるような考え方でいく。そういうことを基本方針で書くということになりますと、何万人というような形の人口を明示するというのは余り適切ではないのではないかというふうに考えておるところでございます。
○青木薪次君 一つの都市があるいはまた複数の都市が、こういう点も話題になっております。それから、地域間のバランスを、どういうようにしていくのか、これもいろいろ問題があるところであります。 知事の権限をふやしたということはそれ自体は評価されるにしても、じゃ、言ってきたら知事がめくら判をぽんと押すということでもなかろうと思うんです。したがって、六省庁がそういう立場に立って関係してくるということになれば、バランスよく配置されるということは言えると思うのでありますけれども、この点についてどういうようにお考えですか。
○政府委員(市川一朗君) 御指摘のとおり、やはりバランスよく配置されるということが極めて重要であると私どもは共通の認識を持っておるところでございます。
○青木薪次君 大蔵省にお願いしたいと思うのでありますが、各省庁が実行計画を立てれば、そのことについて、例えば三大都市圏と地方圏のバランスを昔は四対六とか今は三対七とかいろいろ言われているのでありますけれども、それは全部各省庁に任せるということになりますか、どうですか。
○説明員(田谷廣明君) お答えいたします。 御質問の御趣旨は公共事業のいわば事業費の地域的配分についてのお尋ねかと思うのでありますが、私どもとしましては、従来より、各地域におきまして、公共事業はそれぞれの施設の整備水準でございますとか個々の事業の必要性といったものを踏まえをして適切な配分に努めてきたつもりでございますが、今後とも、多極分散型の国土形成といった観点に留意しつつ、地域の実情にも十分配意し、また御指摘ございましたように関係各省庁とも御相談しながら、重点的効率的な配分に努めてまいりたいと考えております、
○青木薪次君 それから、主務大臣が六省庁になるわけでありますが、四全総が目指す国土づくりは全国各地域で一日で相互に交流できる交通体系の整備を地域開発の戦略的手段と位置づけているんですが、運輸省はこの点について、高速鉄道や空港などの整備に関する支援措置をこの法案では予定されていないのかどうなのか。観法と言われました先ほどの多極分散型国土形成促進法には第二十八条で総合的な高速交通施設の体系の整備が規定されているのに、この法案においてはそれが一貫性が欠けているし、地方の自立的成長も図れないと思うんです。 運輸省はこの点について、総合交通体系を初めとする高速鉄道や空港などの関係についてどのような施策を持っているのか。また、私は運輸省も当然この主管省の中の一つに加えられるべきであると思うのでありますけれども、どのような考えを持っていますか。
○説明員(東澤聰君) お答えいたします。 本法案におきましては運輸大臣は重要な協議大臣として位置づけられておりまして、基本方針の策定、地域の指定などの協議を通じて運輸政策との整合、調整を十分図ってまいりたいと考えております。また、先生御指摘のように鉄道、空港等の運輸施設の整備は地域の振興にとり大きな役割を果たすものでありますから、運輸施設の整備、総合交通体系、そういったものの形成に努力することが本法案に寄与するものとなるものであると考えております。 このため、運輸省といたしましては、そういった協議を通じまして鉄道、空港等の運輸施設の整備にさらに一層の努力を傾けてまいりたい、そのように考えております。
○青木薪次君 ですから、協議大臣じゃなくて主管大臣になるべきだと、そういう立場で申し上げているんです。今の答弁では私の質問したことについて納得させるものは何もない。重要性を指摘されているけれどもこの機関には入っていない、こういう答弁だと思うのでありまして、この点は、主管大臣として例えばまだ文部省とかいろいろあるわけでありますけれども、建設大臣、この点はまだ変更の余地はあるんですか。
○国務大臣(山崎拓君) 運輸大臣あるいは文部大臣等この拠点都市地域の整備に当たりまして非常に重要な役割を担っておられる官庁の大臣におかれましては、この法案の中で協議大臣として明示してあるのでございます。その他の大臣におかれましても必要に応じまして協議大臣になっていただくわけでございますが、特に明示いたしまして、今後のこの法案の施行に当たりましていろいろと御相談しながら、そして政策上の強力な御協力をいただきながら推進してまいりたい、そういうことでございます。
○青木薪次君 受け皿の課題についてちょっとお伺いしたいと思うのでありますが、自立的で魅力ある地域社会を形成するためには思い切った地方分権を推進することが必要であることは言うまでもないし、各方面からも指摘されているのであります。 昨年の十二月に提出された行政改革推進審議会の「国際化対応・国民生活重視の行政改革に関する第二次答申」でも、自立的、自主的な地方自治体の形成を促進するために地方分権特例制度、いわゆるパイロット自治体の導入を検討する必要があると指摘しております。具体的には、国及び都道府県の権限のうち、都市計画、農村整備、教育・文化、保健・福祉等の地域づくりに関する分野を地方自治体に移管するよう求めているんですね。 また、平成元年十二月に提出されました第二次行革審の「国と地方の関係等に関する答申」では、都市、地方自治体の財政基盤を強化するために、地域の中核都市としての人口規模その他一定の条件を満たす市に対しては、地域行政にかかわる事務を中心に都道府県の事務権限を大幅に移譲する地域中核都市制度の創設を提案しているんです。 こうしたパイロット自治体あるいは地域中核都市制度を本法律の成立にあわせて実施するということになれば、地方の自立的成長も大いに進んで本法律の趣旨にもかなうものとなってくると思うのでありますけれども、自治省はどう考えていますか。
○政府委員(紀内隆宏君) お示しになりました地方分権特例制度あるいは地方の中核都市の制度、これにつきましてはそれぞれ行革審あるいは地方制度調査会で現在検討中のところでございます。 したがって、この段階で一般的に申し上げますならば、私どもかねてから、行政事務というのはできるだけ住民に身近なところで民意を反映しながら地方公共団体の責任において行われるということが好ましいというふうに思っております。特に国土の均衡ある発展を図るという上からも地方分権が進むことは好ましいものと考えておりまして、その場合に、基礎的な地方公共団体としての市町村の役割というものは特に重視していく必要があるだろう、このように考えております。
○青木薪次君 行革審の答申も、この権限の移譲とあわせまして自治体一般財源の充実を図ることが重要だとして、補助金等の一般財源化、地方債起債の特例、地方税や地方交付税の特例について大胆な措置を実施するよう求めていますが、拠点都市地域の関係自治体に対して自治省はどのような財政措置を予定しているのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(紀内隆宏君) 仰せのとおり、この法案では地域の創意工夫を生かして地方の自立的成長の促進を図るということとされておりまして、私どもといたしましては、これまでに積み重ねてまいりましたふるさと創生施策などの実績を生かしながら対応してまいりたいと考えております。 財政上の措置を具体的に申し上げますと、まず、民間事業に対する支援策といたしましては、一定の事業者が拠点地区において整備する教養文化施設等、これにつきましては地方公共団体が出資なり補助をする場合に一般的には適債性がないとされているわけでございますけれども、それに対して地方債を認めるというふうな特例、また拠点地区把設置されます産業業務施設とか教養文化施設等についての地方税を不均一課税という形で扱った場合は減少を生ずるわけでございますけれども、その一定の割合については交付税によって補てんを行うというふうな措置、また特に地域の創意工夫を生かした自主的な地方単独事業という分野につきましては、ハードの事業については地方債及び地方交付税を活用した支援措置を講じますし、また人材育成とか地域間交流とかといったような広域的なソフト事業の財源といたしましては、関係地方公共団体が一部事務組合をつくった場合に基金を置くというふうなことにして、その基金の運用益でこれに対処するということにいたしまして、これに対して地方債なり地方交付税で支援措置を展開してまいりたい、このように考えております。
○青木薪次君 住民参加の関係はどんなふうに考えていますか。
○政府委員(紀内隆宏君) 今回の基本計画は、法案でごらんいただきますように、市町村が共同で作成するということにされております。まず第一にこの点、従来の地域振興立法というのは都道府県がこれを策定するというスタイルのものが多いわけでございますけれども、できるだけ住民に身近な主体に計画をつくらせるということで、市町村が共同して計画を作成するということにしております。 また、この基本計画は、地方自治法の規定によりましてそれぞれの議会の議決を経て定められます関係市町村の基本構想に則したものでなければならないということとされておりまして、関係市町村の議会あるいはそれを通じた住民の意向にも配慮したものとなるということになっております。 もちろん民意の反映の仕方はいろいろございまして、この計画の趣旨を地域住民に周知することによりまして住民から多様な意見をいろんなスタイルで聞くということなど、それぞれの市町村の実情に応じまして適宜適切な工夫が講じられていくものと考えております。
○青木薪次君 それから、拠点地区の開発についてお伺いしたいと思います。 整備事業は土地の利用状況や公共施設の整備状況等から拠点地区を設定して事業を重点的に実施することになっているのでありますが、一つの拠点地域や拠点地区は何カ所ぐらい予定しているのか。例えば一市だけでなくて二市一郡とか二市一町とかといった場合に拠点地区があると思うんです。したがって、そういう点についてはどうかということと、それから、今、農地の買収は農地法なり農振法なりによって規制されているのでありますけれども、この場合にどういうような措置をとられるのか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 前段について私からお答え申し上げます。 拠点地区といいますのは、地方拠点都市地域を整備するに当たりましてその地域内で特にある方向で拠点的に整備するところというようなイメージでございまして、具体的には地域内の関係市町村が共同して定めることとなります基本計画の中で定めることになりますが、それがどういったところでどれぐらいのものが拠点地区として定められるかということにつきましては、基本的な考え方としてはもう全くその地域内の市町村の実情に応じまして市町村が自主的に決めていただいてよろしいのではないかというふうに思っておりますので、ただいま先生お尋ねの件につきまして言えば、国のレベルにおきましては、それが何カ所でなきゃならないとかそういうようなことはむしろ自由でいいのではないかというふうに考えておるところでございます。
○政府委員(海野研一君) 農地の転用につきましては、三つぐらいに分かれて考えられるだろうと思います。 まず、農地法におきまして、国または都道府県の行う転用、それから市町村等の地方公共団体が道路、河川等土地収用法の対象事業にかかわる施設に供するための転用、これらは許可が要らない、許可を得ずして転用ができるというようなことに現在なっております。 それから、この地方拠点都市整備法におきましては、一方でこの整備計画自体が農山漁村の整備の促進、農林漁業の健全な発展との調和に配慮して立てるということと裏腹に、農地法その他の許可についてこれらの施設整備が促進されるように配慮するということになっておりますので、もちろんその拠点地区の設定に当たりまして十分周辺の農地の利用その他と調整を図る必要がございますけれども、そのようにして設定された拠点地区にその計画に従って設置される施設については原則的に農地転用は許可をする、こういうようなことを考えております。 ただ、その拠点地区に含まれるべき土地の権利者が依然として農業を続けたい、逆に拠点地区の外側の権利者がもう農業をやめてもいいというようなケース、いろいろ出てくるだろうと思います。そういうことで、うまくいきますならば、その拠点地区にかかわるところと周辺の農用地として残すべきところとを一体として圃場整備事業を行いまして、そこで権利調整を具体的に行って、拠点地区内の土地が農用地でない土地としていわば圃場整備上整備がされるということになるのが一番好ましいことだろうと考えております。
○青木薪次君 要するに、農地をそのままでは、拠点都市地域であろうと、事前に、二ヘクタール以上は国、それ以下は県というような現在の法律ですが、これを、この事前許可を経ないと、この前の公拡法のときも私は申し上げたのでありますが、なかなか買うこと自体できない。買うということは保有を意味しますから。そういうことになりますとこれはできないんじゃないかと言ったら、まあそう言ったら何だけれども、余りよくわからない答弁をしておりました。 しかし、こういうような開発ということを中心とする法案と、それから農地を守って農業を継続させようという農水省との立場の相違というものが各所で今見られているわけです。また、いわゆる二市以上を包含した拠点都市ということになりますと、例えば公共施設として道路がある、川が一つ流れている、あるいはまたトンネルを掘る、上下水道、いろんな計画があると思うんです。そういったものが一体的に推進されるという場合に、この地域はその農転を許可する、ここはだめだといったようなものも個々に出てくる可能性がある。 一々そういう事業をやっていくことについてはなかなかここは困難が伴うということなのでありますが、そういう点について、現状では、県は土地を買うことができるし保有できるが、しかし、県の土地開発公社は買収の役割を担っていかなきゃならぬことが法律に規定されているけれども、保有できないから買うことができない。市町村の場合はもちろんそうです。市町村の土地開発公社ももちろんである。ということになりますと、この辺、矛盾を感じませんか。
○政府委員(海野研一君) 貴重な農地でございますので、農地を現実に転用する、ないしは転用の目的で権利の移転をするということにつきましては、現実の転用が行われるという時点においてそこで初めて許可をするということになっているわけでございまして、そういう意味で先行取得は禁止されているということなんでございます。 今おっしゃいました都道府県が取得する場合には許可除外になっておりますが、これは、決して都道府県は先行取得をしてもよろしいという意味ではなくて、許可権者である都道府県はそんなことはしないであろうということが当然の前提になっているわけなのでございます。 ただ、今おっしゃいますようにいろんな施設ができますが、その施設によって判断が違ってくると計画がうまくいかないというようなことになるわけでございます。もちろん先ほど申しましたように河川とか道路とかというようなものは許可の対象外というケースが多いわけでございますけれども、その他の場合も、この拠点地区の設定に当たりまして、その地域全体として事前にその辺の権利調整を行っておいて、拠点地区の中でその計画に基づいて行われる農地転用につきましては順次許可をしていこうというようなことでございます。ただ、何と言いますか、計画を立てましても現実に施設が建つ建たないという問題がございますので、現実の許可そのものは具体的な施設が置かれる場合の話としております。 それから、今おっしゃいました二ヘクタール以上になりますと大臣の許可、こういう問題でございますが、これは、地域振興立法では、既に幾つか大きなものであってもそういう計画に基づくものは都道府県知事に委任をするというようなことにしている例がございます。 この法案につきましても、これから、基本方針なり政令なりの検討と相まって、そのような都道府県知事への許可権の移譲というようなことも同時に検討していきたいというふうに考えております。
○青木薪次君 その辺は非常に難しい点で、個々の具体的な判断というものがその都度必要だと思うんです。ここは許可される、ここは許可されないというような場合においては、公共事業用の施設そのものと同時にいろんな文化施設その他もありますので、そういう点から相当これは討議をしておかないとなかなか前へ進まないということになろうと思うんです。 それから、地方で意見を聞きますと、今でさえ二省庁にかかる問題だけでもなかなか随時協議するなんということは難しい。ましてや六省庁が共管するこの地方拠点都市の問題等については、なかなか運用やその他連絡が難しいということが地方の判断です。恐らく実行をするには相当困難が伴うんじゃないかというように言われているのでありますが、これはどなたですか、ひとつ答弁してください。
○国務大臣(東家嘉幸君) 従来から多極分散についてそれぞれの省庁独自のそれぞれの法律、施策がいろいろ行われてきたところを、そうしたことで地方の期待にそぐわなかった点ももちろんあるわけでございますから、今度は六省庁で、そしてまた二省庁は協議官庁として、協議機関を設けて、今御指摘のようなことのないように鋭意取り組んでいこうということで今日までもう相当に皆さん方が協議を重ねてきているところでございますし、また我々特に主務官庁の大臣の立場からもその意向というものはより我々は認識し合っておかねばならないということで、けさほども会合をいたしたところでございます。 そういうことで、今御指摘のようなことのないように、私どもは今後さらに地元のそうした市町村の創造性を持って自立していこうというようなお考えの向きをよく踏まえながら、なおまた知事さん、県当局ともよく協議しながらこの推進に当たっていきたいということで、きょうこうした各省庁の局長さん初め御出席でございますが、皆さんがその気に今なって取り組んでおられますので、このことについては過去にはいろいろとあったかもしれませんが、今後そういうことのないように努めていかれるものと私は確信をいたしております。
○青木薪次君 最後に私は、今、国土庁長官の答弁にありましたように、過去には連絡の不徹底その他いろんなところでつまずきも確かにありました。私調べてみて、相当ありました。ところが今回は、冒頭申し上げたように、東京の一極集中が殊のほか進み過ぎて地方へ分散移転できないというようなことから、東京を除く四十六道府県というものにこの業務施設を中心として移転しようということです。じゃ工場をどうするんだということになれば、今や若者は工場には余り魅力を持ちませんから、オフィスとか第三次産業の拠点というようなものを対象にしたということが言われているわけであります。 六省庁がけさも連絡をとったというお話でありますけれども、常設機関として調整機関を持つことになったのか、その中心は調整官庁である国土庁が担うのか、そして、そのいろんな起案、立案、実行計画等については地方でやらないものを国で指導しなきゃならぬわけでありますから、そういう点ほどこが立案をするのか、そういう点について最後に聞いて、私の質問を終わります。
○国務大臣(山崎拓君) ただいま青木先生の御発言の中のことでちょっと考え方の整理をひとつさせていただきますが、それは、東京を除く四十六道県という御発言がございましたけれども、一応、拠点都市地域の整備は、三大都市圏を除きまして他の道県にこれを配置しようという考え方でございます。 それから、ただいま国土庁長官が申し述べられたとおり、けさほども六省庁の大臣が、国土庁長官のお世話によりまして一堂に会しまして、いろいろと意見の交換を行いました次第でございます。 その中で、協議会を設けるということでございますが、今後、各当該の拠点都市地域として指定されました市町村が基本計画をつくりますが、その基本計画と、さらに産業業務施設を移転いたします移転計画、その両方を県知事が地域の指定をいたしたいと考えておるわけでございますから、そういうものを私ども協議を受けまして、基本方針に照らしまして今後協力してまいりたい、このように考えておるわけでございます。 その協議会はこれから運営をしていくということになるわけでございますが、その取りまとめ役といたしましては国土庁が一番適当なお立場におありになるんじゃないか、かように考えているところでございます。
○種田誠君 ただいま青木委員の方から本法案に対しまして全般的な質疑が行われましたので、私の質疑も一部重なるところがあるかと思いますけれども、御容赦をお願いしたいと思います。 私も、拠点都市法、この法案が成立し、第一条の目的に定められているような大きな課題が確実に実行されていく、こういうことに関しまして大きな期待と同時に、ぜひ各省庁一致団結のもとに、この時期にこの法案の目的を達することがなければ二十一世紀に大きな禍根を残すことになるだろう、こういう視点に立ちまして御努力をお願い申し上げる次第であります。 そこで、法律を審議するに当たりましては、なぜこのような法律が今日提起される必要があるのかということをはっきりとお互いに認識をして、そしてそのことを具体的な各施策に展開をしていく、法文がそれを受けていく、こういう仕組みになっていないといけないと思うわけであります。 私は、今回のこの法案の背景には、一つには先ほど来述べられておりましたように東京を中心としての首都圏への一極集中、数%の国土の中に人口の四分の一を占める三千万以上がひしめいている状態、通勤のためには六〇%以上の方が一時間以上かかる、そして御存じのような住宅難、地価の暴騰、さらには一方での最近の国勢調査に見られるような十八道県の人口の減少、そしてさらにもう一方見落とせないのが都市間の資産格差の現象であります。 県民所得を見ても、東京を一〇〇とした場合に、実に五十五年調査と比べまして六〇以上の県が三十三から二十二に今日減っているわけであります。そして、一方で、建設大臣も御存じのように、住宅の床面積は東京では極めて厳しい状態が続いて平均六十・三平米ぐらいである。片や地方では八十九・三平米の床面積を持っている。 非常に国土全体が不均衡な、住みづらい、こういう状態が生まれてきているということ、各省庁において、これ以上見過ごすことができない、今ここで対策を打たなければという物の考え方があったんではないだろうかなと私は思うわけであります。 そこで、ここ一、二年の間に、通産省も「九〇年代の通産政策ビジョン」、そして経企庁は「二〇一〇地域・居住研究会報告」、さらには昨年の暮れには第三次行革審、先ほど青木委員からもお話がありましたが、地方の自主性、主体性を重んずるような施策の緊急の展開、ひいてはパイロット自治体の提起、こういうこともなされてきた。そういう中で実は各省庁が思いを一にした。しかし、思いを一にするに当たって本当に六省庁がすべて心を割って政策、支援策、構想が同じになったのかなという疑問を私は今日持たざるを得ないところがあるわけであります。 そこできょうは、六省庁のうち国土庁と建設省でありますが、冒頭、両大臣にこの法案の背景について、私の思いと同じなのかどうか確認をしておきたいと思います。
○国務大臣(山崎拓君) けさほども六省庁の大臣が一堂に会しまして意見の交換を行ったところでございます。 その際に、本法案の意義あるいは目的を改めて整理いたしたのでございます。再確認と言っても差し支えございませんが、要するに、一つは、宮澤内閣が掲げております生活大国の実現のためにこの法案を実行しようということでございます。それから、国土の均衡ある発展、多極分散型国土の形成と言いかえてもよろしゅうございますが、に資する方向で実行に当たろう、そのようなことを、意見の交換と申しますか、意見の一致を見たところでございます。 生活大国の問題につきましては、ただいま先生が東京がいかに住みづらいところになっているかということを事例を挙げてお話しになったところでございます。通勤時間が六〇%以上が一時間以上にわたっておる、あるいは全国の住居面積の平均が一戸当たり八十九平米であるのに東京では六十平米ではないかというような御指摘があったところでございます。 実は、私も全国を回っておりますが、富山県におきましては一戸当たりの住居面積が百五十平米に及んでおる、あるいは鳥取県では百二十平米に及んでおるというような実態もございまして、生活大国づくりという方向性から申しますと、地方にこそフロンティアがあるということが明確でございますのでございますから、この法案が成立いたしまして法案の中身を実施するということになりますと、先ほど申しましたように、生活大国づくりに資するということになろうかと考えておるわけでございます。また同時に、一極集中あるいは三極集中を是正いたしまして国土の均衡ある発展をこの法案こそが真に実現する可能性を持ったものではないか、かように考えておるところでございまして、よろしく御審議のほどをお願いしたいと思います。
○国務大臣(東家嘉幸君) 目的、趣旨については今建設大臣から御説明がございましたが、さらに、私たちがなぜこの法案に取り組むかというと、行革審の第二次答申におきましても地方の自主性の尊重、国土審の政策部会報告におきましても中核都市を核とする広域的な整備を図る方向、なおまた相当の広範囲にわたる御発言をいただいているわけでございまして、これらの考え方がいずれも地域の創造性、工夫を生かした地域づくりをやろうという考え方に立っているということが私たちのこの法案提出の基本であろう、私はそのように考えております。 具体的なことについてはまた関係部局の方から御説明を申し上げることといたしましても、いずれにしましても、私たちは地方がより豊かな、今、建設大臣の御答弁の中にもございましたように、活性化とともに生活大国としての豊かさを享受できるような国づくりをやろうというためにはどうしても住宅政策というもの、これは建設省の所管でございますが、住宅政策の中にやはり都会におられる皆さん方が魅力を感じて、より居住性の高い、ふるさとに帰りたい環境を、そういう面からの整備も図っていかねばならないということも考えの中にありますことをつけ加えさせていただきます。
○種田誠君 本法案の特徴などを伺う前に、もう一点だけ大きな問題で伺っておきたいと思います。 私は、この法案をまず読ませていただきまして、法案の名前が「地方拠点都市地域の整備」、ここで切れまして、「及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律」というこの表題からもはっきりわかりますように、二つの目的がこの法律には存在している。この二つの目的、政策がなかなか一体で常に存在しているものではないところにこの法律の今後の運用の難しさが生まれてくるおそれもあるんではないだろうか、こう思うわけであります。 とりわけ東京一極集中の排除、これはこの法案の「産業業務施設の再配置の促進」、この部分に大きくかかわってくる部門でありますけれども、そうなってまいりますれば、本来ならば東京の一極集中を排除するための産業の移転でありますから、むしろこの東京からオフィス立地をどう排除していくか、いわゆる立地制限法的な意味合いを強く持たせる必要があったんではないだろうかなとも思うわけであります。これは建設省の都市計画法、衆議院の方で今検討されておりますが、この法案の流れの中などにも、無秩序なオフィスの立地を制限していこうという考えも生まれているわけでありますから、なおさら私は、その辺のところをもう少し本来ならばこの法案の中にはっきりしていく流れが必要であったんではないだろうか、こう思います。 と同時に、前半の「地方拠点都市地域の整備」、これはまさに地方都市の主体的な存在を育成していくという一つの課題があるわけであります。 果たして東京の格差是正という問題と地方都市の育成というのは常に一体するものなのかどうか、このことについて、きょうは建設省と国土庁ですけれども、それぞれの立場で、一体だ、矛盾はないんだ、こう言い切れるのかどうかお示し願いたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 今回の法案の提案に当たりまして私どもは二つの大きな柱を掲げたわけでございまして、ただいま先生から御指摘ございましたように、この二つはうまく結びつくのかどうかという観点からの御指摘でございますが、やはりその地方の拠点的な都市地域を整備していくということが、国土の均衡ある発展を図る上におきましても、また生活大国を実現する上におきましても、極めて重要な視点であるということで取り組んでおりまして、それを一番実効あらしめるものは何かという点におきましては、やはり若者が定着する一つの前提条件として産業業務施設の配置といったものが重要な要素になるというふうに考えております。そういう意味におきまして、この両方が結びついてこそ初めて実効性が上がるというふうに考えておるわけでございます。 ただ、その際に、先ほども国土庁からの御答弁にもございましたけれども、基本的なイメージは確かに東京からの業務施設の移転でございますが、全国展開をいろいろ考えました場合には、必ずしもそれだけではなくて、それぞれの地域地域におきます新しい業務機能の増加といいますか、あるいは発生とか、そういったようなことも含めました幅広の観点からの業務機能の配置といったようなこともあわせ考えながら、トータルとしての地方拠点の整備を図っていくということが大事なのではないかという観点に立ちまして、一言で言いますと、厳しい制限立法的なものではなくて、とにかくいいものをつくっていけばそれが受け皿となりまた新しい活力を生み出すことになる、そういう観点からの政策展開ということでまとめさせていただいたと理解しておるところでございます。
○政府委員(小島重喜君) 今、市川局長からもお話がございましたが、私は今回の法律が従来の地域振興立法と最も異なります点は、従来はどちらかというと工場でありますとか特定の機能というものに着目した施策でございましたけれども、都市とか県庁所在地等人口がふえているところを見てまいりますと、言うならば総合的な都市機能が高いところに人がどうしても集まるという傾向があるわけでございまして、そういう点に着目いたしまして、今回は都市機能の増進という従来にない切り口でこういう法案を提案さしていただいております。 それとあわせて、先ほどから建設大臣も申し上げておりますように、居住環境の整備あるいは生活大国の実現ということからいいますと、居住環境の整備というようなことも余り従来にない切り口でございます。 そういう点と同時に、特に、じゃ機能のうち何がといいますと、先ほどもちょっと御指摘ございましたが、それは業務機能というものがその地域に一層育成されるということが非常に重要なことでございます。二十三区から出てきていただけれはそれにこしたことはございませんけれども、それだけではございませんで、やはりそこで新しい機能、業務施設が新設され、あるいは増設が行われるということも都市機能を高度化する上では大変重要なことではないか、そういう面で大いに業務機能というものに期待をしておるということではなかろうかと思います。
○種田誠君 先ほど都市局長の方から、若者などが都市というものをしっかりと認識して、そこで生活し、学び、働く、そういうふうなことを行っていく地方の業務都市というお話があったわけで、その点だけちょっとお聞きしたいと思います。 日本開発銀行の「調査」百四十五号という資料によりますと、東京に本社またはそれに準ずる事務所を設置するメリットの一番多いのが、他社や業界の情報収集に便利である、仕入れ・販売などの取引が有利である、国などの行政機関との接触に便利である、また、本社以外に配置された本社機能の部門として一番多いのが情報収集部門、販売企画・マーケティング部門、海外部門である、こういうふうな調査結果が出ております。 さらに、「国土レポート'91」というのを見た場合に、出身地別に見た勤務地の移転希望先というのもありますが、一番多いのが地方中枢都市、それから二番目が都心、そういうふうな数字になっているわけでありまして、このような若者の気持ちの中には地方都市で生活もしてもいいという考えもある。しかしながら、先ほど申し述べた東京都心におけるメリットというものが果たしてどこまでつくり得るのかなという疑問が一つある。 それから、これは建設省の都市局が行った「地方都市整備方策アンケート調査」というものでございますが、これを見ますと、二十一世紀に向けての社会経済的な変化要因のうち地方都市に最も重要な影響を与えるものは何かに対して、高速交通化、高度情報化、人口の安定化と高齢化、これからの重点施策は何かに対して、高速道路またはそれ以外の主要道路、これが圧倒的、そして都市内道路、生活基盤施設の設置というような形になっている。 こういうふうなアンケートの調査の中にあらわれている若者や企業者やまた国民の意識というものを考えた場合に、先ほど都市局長が答えられたような形で、この法案は十年後に見直すということでありますけれども、果たして十年以内に述べられたような都市づくりが現実に可能なのかどうか。私はむしろ今日まで建設省、国土庁、他の省庁が積み重ねてきた地方におけるある程度の拠点都市を中心にして東京の機能を分散させていく、こういう方法をとらないと、結局、あっちこっちで虫食い状態で大きな成果が得られないという結果に陥ってしまうんではないだろうかなという危惧を持っているものですから、その辺のところを都市局長はどのようにお考えなのか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) ただいま先生から御紹介がございましたようにいろいろな調査が行われておるわけでございますが、私どもの方でも平成二年にただいま御紹介がございました「地方都市整備方策アンケート調査」というのを行ったことがございます。 これは全国の市町村を対象として調査させていただいたものでございますが、その結果によりますと、ただいまお話がございましたけれども、何といいましても、これから最も重要であると考えておる施策は道路、公園、下水道等の基盤施設の整備、あるいは既成市街地の再開発、それからレクリエーション施設、高等教育施設の整備、そんなことが特に割合として高く挙げられておったわけでございまして、今回私どもがこの施策につきまして検討するに当たりましての一つの基礎的な調査資料であったわけでございます。 この際に、地方を何とかして活性化する、自立的な成長を図っていく、そのためにはどうしたらいいかといったようなことで私どもが一番重要であると判断いたしましたのは若者の定着と若者の流出をとめることであります。 そういう意味合いにおきましては、やはり若者にとって魅力のある職住遊学というような総合的な生活空間の整備である。それは、職は、主として事務所を中心とする業務機能であります。住は、むしろ地方が東京、大都市よりもまさっておるという意味では、これはもっともっと魅力あるものとして若者を引きつける方向に持っていける最大の武器ではないかと思っております。それから、レクリエーションだけではなくて、夜の問題も含めまして若者が昼間の働きの疲れをいやすことができるようなそういう面も含めまして、あるいは昼のレクリエーションの場としての遊の問題。それから、教育機関等の学の問題。こういったものがそろわないといけないのではないか。 そうなってまいりますと、ただいま種田先生が御指摘のように、そういったものほかなりの規模の都市でないとうまくいかないのではないか、それをそうでないところでやろうとすることはかえって失敗するのではないかというような御指摘でございますが、私どもそういう点は十分認識の上で、しかし、なおかつ現在全国的な問題の一つとして、先ほど来御答弁申し上げておりますように、国内の一極集中の問題だけではなくて、それぞれの県における一極集中という問題もある、この問題にもきちっと対応しながらただいまの大きな問題にも対応していくということが今私どもに求められている課題であるという認識に立っております。 非常に難しいテーマヘのチャレンジではございますが、しかし、むしろそれをやり遂げなければうまくいかないという観点から、現在県内でどちらかといえば一極集中の対象になっているような都市ではない都市を選びまして、そういったようなところで重点投資も行い、地域整備も行い、そしてそういうところに若者に定着していただく図それが県内のバランスがとれたところに配置されるということ、実現することが非常に現在求められている課題ではないかというふうに思った次第でございまして、どうかひとつ、御理解の上、御協力を賜りたいと思う次第でございます。
○種田誠君 その点、しつこいようですが、この法案を実行していく上で、むしろ大学生や三十前の青年男女にそれぞれアンケートをとって率直に若者の気持ちを聞いてください。 国勢調査の結果でも、宮城の中で仙台は人口増地帯になっております。宮城県は仙台を中心にしてかなり一極集中だと言われておりますけれども、仙台があるからとどまっている人もたくさんおるんですね。また、先ほど都市局長が言われたように、若者が都市としてのメリットを感ずるところは何かということ、その認識は四十代、五十代の人間と十代、二十代の人間とではもう大きな格差があるんですよ。率直に申し上げまして、そこをはっきり押さえておかないと私は無理だろうと思います。 それで、あえて言うならば、私は理想としては都市局長が今述べられたようなものがつくられていったらいいだろうと思いますが、しかし、現実的にそれを求めた場合には、一つか二つは成功するだろうけれども、結果的にはあとは難しいだろうということにならざるを得ないのじゃないか。それよりも、今曲がりなりにも業務施設なり都市施設が戦後四十六年間のさまざまな努力によって集積されてきたそういう都市をしっかりとした若者が魅力を感ずるような都市につくり上げるという、こういう方法もある。 例えば北海道の場合には拠点が、余りにも大き過ぎますから、これは何カ所になるかどうなるかわかりませんけれども、日本の都道府県、ほかの都道府県は、例外は若干ありますけれども、そんなに大きな都道府県はございませんよ。そこに今おっしゃったような二つだ、三つだ、新たにつくっていくんだ、求める道はよろしかろうと思いますけれども、事は急ぐんですね。私たちが亡くなってから施策が展開されているようなことでは困るわけです。 おっしゃっているように、さまざまの問題が今起こっているわけでありますから、そういう意味で、ぜひ私はもう一度この法律の実効ある形を求める場合には、全国的なバランスあるというような意味での今までのような御説明ではなくて、確かな業務都市を地方につくり、日本全体に地方自治体の自立性、創意工夫性が発揮できるようにしてもらいたい、こう思うわけでありますが、もう一度最後に都市局長の決意を聞きたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) ただいま宮城県の例を挙げて先生お話がございました。 私もいささか土地カンがあるものでございますのでちょっと述べさせていただきたいのでございますが、確かに宮城県は仙台がありまして、それで人口も、県人口はふえてございますが、県内を見ますと仙台以外のところはみんな人口減少でございまして、特に仙台の北の方はむしろ全国的に見ても過疎の代表でございまして、今度の今回議論されております衆議院の定員削減の対象になっている選挙区もあるわけでございます。 そういったような問題を考えますと、先生の御指摘は非常によくわかるんですが、やはり若者にそういった、ああいうところは行ってもいいな、ああいうところはいいというように感ぜられるような都市をつくっていくことが我々の使命なんじゃないか。そういう観点に立ちましてそれを全国にたくさんつくっていく。御指摘のように、その結果全然効果が上がらないということであってはならないと思いますけれども、ぜひ実効性の上がるところを、地域の実態もよく見きわめながら、知事さんがよくお考えいただいて、県内でも協議していただいて、私どもその御相談に応じましていい場所を選びまして、そこを何とかうまくしていくという考え方でございますので、どうぞひとつよろしくお願い申し上げます。
○種田誠君 わかりました。 ぜひ頑張っていただきたいと思うわけでありますけれども、その辺の問題については実際の今後の施策の展開の中で問題を解決して対処していただきたいと思いますが、農村地帯は農村自体が地域、都市のあり方を考えていくような時代がむしろ来るだろうと思うし、そういう施策を別途私は考えるべきじゃないかな、そういうふうに思うことを一言つけ加えておきます。 次に、この法案の特徴、もう何回もいろんな角度から述べられておるかと思うんですけれども、参議院の方の審議はきょうが初めてでございますので、この法案の特徴というものを述べていただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 今回の法案につきましては、地方の自立的成長を牽引してその地方の定住の核となる地方拠点都市地域を整備する、あわせまして産業業務機能の再配置も図るという観点でございます。 特徴という意味合いにおきましては、先ほど来の御答弁でもいろいろ出ているわけでございますけれども、一番大きな特徴は、拠点となる都市地域の整備に関しまして、総合的な都市機能の整備といったようなところに着目いたしまして、もちろん都市によりましていろいろとその都市の特性に応じた特徴のある個性豊かな整備は図るべきでございますけれども、いずれにいたしましても、都市全体として魅力のある都市整備を図るという観点でこの法案及び施策が予定されておるところでございまして、それが今までの中でも極めて特徴のある点ではないかと思っておる次第でございます。 それから、第二点といたしましては、この法案の全体のスキームの中で国の直接関与する部分が従来の地域立法等に比較いたしましても極めて最小限にとどまってお令ということでございます。国は主務大臣におきまして基本方針を策定いたしますが、その基本方針に基づいて指定されます地域指定に関しましては知事が行う、国はその協議を受けるのみということ。 それから、より特徴的なのは、その地域指定を受けました中での具体的な計画内容につきましては、指定を受けた地域内の市町村が共同して計画を策定して、それを知事の承認にかからしめ、主務大臣には通知のみで終わるというところでございまして、その主務大臣への通知というところで、受けました内容に関しまして各省庁におきましてはその計画内容の実現のためにそれぞれの立場から全力を挙げて支援体制をとっていく、この辺が極めて特徴的な面だろうと思っております。 したがいまして、先ほども農水省の方から御答弁がありました農地転用の問題一つを取り上げましても、二ヘクタール以上は農水大臣の承認を必要とするところを、この法案の場合には基本計画は知事承認で決まるというところがございますので、いわゆる通常の計画より以上にそのことの持つ意味が大きくなってまいるわけでございまして、知事レベルで計画を決めて、例えば農地転用の問題につきましても知事限りでその問題を処理できるということになるわけでございまして、その辺が極めて大きな特徴なのではないかと思っておるわけでございます。 まだ幾つかございますけれども、長くなりますのでこれで終わります。
○種田誠君 今、局長が述べられた特徴、今日の地方分権、地方の創意工夫を極めて尊重しつつ業務都市づくりに寄与していくという、率直に申し上げましてこれまでの施策の展開における考え方とは一味違うものがあるんではないだろうかなと私は思うわけですが、実はそうであるところに、私はまた、これ、果たしてこれでいいんだろうかなというものがあるわけであります。 先ほど青木委員の方からも、四全総が親で多極国土促進法が子でこの法案が孫である、こういうような話があったんですが、御存じのように、多極法は本法とは違いましてかなりトップダウン的な物の見方で位置づけられている。あえて言うならば、本法は、塩川自治大臣なども衆議院で、ボトムアップ的な思考である、こう申されておるわけでありますが、果して親子の関係が、片やトップダウンで孫の方がボトムアップだと親子が果してうまく意思統合して行政としてやっていけるのかどうか。親子がどこで一体手を握り合うのか。人間なら一緒に食事をしたり寝たりできますけれども、行政ですからその辺難しいと思うんです。 この辺、その調整はどういうふうに考えておるんでしょうか。
○政府委員(市川一朗君) 具体的な実施段階になればなるほどそれは具体的な取り組みが求められておるわけでございまして、ただいま先生の方から子と孫の関係という例示で御質問があったわけでございますけれども、やはりこの孫の段階になりますと、具体的な実効性といったようなことが極めて重要な視点になってまいります。そういう実情におきましては、やはり地域の実情に詳しいといいますか、精通しておる地方公共団体レベルにおきまして具体的な内容を詰めていくことによって実効性が上がっていくという考え方で私どもはいるわけでございまして、もちろん国はそういうものに対しまして全く任せっきりということではないわけでございまして、いろいろと支援体制を組んでいくということになるわけでございます。 それで、字と孫の関係はどこで調整されるのかということにつきましては、主務大臣レベルでの基本方針の策定とか、あるいは地域指定に際しましての協議を受けるとか、そういったようなところでそれを残しましたゆえんのものは、まさに先生御指摘のような観点からという意味もあるわけでございまして、だからと申しまして、その辺のところで具体の施策展開におきまして余り足かせ手かせになることのないように配慮していく必要があるとは思っておりますが、施策としての整合性という観点におきましてはその辺のところできちっと対応していくべきものと考えておるところでございます。
○種田誠君 その点で、私、この質問をするに当たりまして多極分散型国土形成促進法というのをしみじみ眺めさせていただいたわけです。そうしましたらば、あれっと思うことがございました。 この多極法においても、第七条で、振興拠点地域基本構想というものを都道府県知事が作成をして主務大臣の承認を申請する、そして第八条で、主務大臣が振興拠点地域基本構想の承認をする、そして第九条で承認の基準というものが書いてあるんですね。それで、こちらの今回の地方拠点都市法の条文を見ましたらば、それらのところが「基本方針」という言葉とか「基本計画」という言葉に変わってはおりますけれども、例えば、「基本方針」においては、次の事項につき指針となるべきものを定める、それで次の事項が幾つか書いてありますね。「基本計画」においても、基本計画には次に掲げる事項を定めるということで、一から六までありますね。 結局、拠点都市法と多極法はちょっと言葉は変えたけれども、その決めるべき内容は同じになっておる。これは、非常に何かトップダウンからボトムアップヘの施策の転換を行って地方の自主性を尊重するんだと言いながら、法の仕組みとして果たしてこれでいいんだろうかな、こう思ったんですが、この辺のところはどのようにお考えになっておりますか。これは都市局長でよろしいですか、それとも国土庁ですか。
○政府委員(小島重喜君) 多極法との関係でございますが、多極分散型国土形成促進法の第三章第二節に振興拠点地域の開発整備という制度がございますことは今御指摘のとおりでございますが、これは、今回のものと比べてみますと、どちらかといいますと、多極分散法の言う振興拠点と申しますのは全国的な極をつくろうということですから、ある意味ではかなりビッグなプロジェクトになるだろうというように思います。それと同時に、ここでは特定の機能を集積するということによって極として育成していこうということでございます。 拠点都市法におきます拠点は、これは、先ほどからもお話し申し上げておりますように、どちらかといえば県内での極といいますか、そういうようなものをつくる、しかも、それは県内の一定地域の核というか、そういうものをつくる、拠点ということで位置づけるということでございまして、かなり振興拠点あるいは拠点というものの性格が違ってきておるということが言えようかと思うわけであります。 そういう意味で、言うならば県内の一定の拠点を整備をするということになりますと、これは知事がやるというよりも、むしろもっと地元である市町村が中心になってやる方がいいんじゃないか。多極法の振興拠点というのは、それよりも、一致することもあるかもわかりませんけれども、考え方としては、特定の機能を集積して、しかもかなり全国的にそういう極を展開するということになりますと、これは地元密着型でないとは申し上げませんけれども、かなり大きな事業であるので、そういうことを考えますと、やはりこれは県がおやりになる方がいいんじゃないかということで、一応えり分けでございます。 同時に、私どもは、今回の法律は、先ほど申し上げましたように多極分散法の第六条第一項の趣旨を実現するために提案をいたしておりますので、そういう点でも、法律の位置づけといいますか、そういうものも違ってきているというように考えております。
○種田誠君 どうも今のお話からすると、要は、多極法の方はもう少しエリアが大きい、こちらの地方拠点都市法の方はもう少しエリアが小さいというような割とわかりやすいところもあったんですが、そこで拠点都市法の関係で、もう既に基本構想ができている三重ハイテクプラネット21構想というのがございますが、これはそんなに大きなプロジェクトでしょうか。むしろこのぐらいのものがこれからの業務都市、地方拠点都市の整備の対象としてはちょうど私は大きさとしていいんじゃないかなと思うんです。 そういうことから考えまして、逆に、今回地方拠点都市法という形で産業業務施設の再配置等も行いながら、これは六省庁が力を合わせて、しかもこれまでのさまざまな手法を反省して新しい手法で、財源的な支援策もどうも従前とは違った形での意気込みを持ってやろうとしているわけでありますから、むしろ今日ある新産都市法、地域振興法、過疎法、それから大都市の振興整備法、さまざまな法律があるわけでありますけれども、この辺との整合性、そして一体これをどのようにこれから日本の拠点都市づくりに関連させるのかとか、そういうことを一度整理をする必要があろうかと思うんですけれども、いかがなものでしょうか。
○政府委員(小島重喜君) 御指摘のとおり、現在幾つかの地域振興立法がございます。それはそれなりに、その時代時代の社会的背景といいますか、あるいは経済的背景といいますか、そういうものを反映して立法し、そして現在まで続いてきておるわけでございます。 そういう面から申し上げまして、それらのものと今回の法律自体が相矛盾するというんではなくて、むしろ、場合によってはそういう既存のいろんな立法もお互いに補完し合いながら、ここで、今回のものは先ほど申し上げておりますように総合的な機能の整備、ですから、直接は書いてございませんけれども、例えば生産機能というようなものも当該地域で充実させようということになれば、それはそういうものも計画として挙げていただいてもいいわけでありますから、従来のいろんな地域立法と相補いながらといいますか、必要なものはそういうものをうまく活用しながら拠点都市地域の総合的な都市機能の高度化なり住環境の整備を図っていくということが求められているんじゃないかというように思います。
○種田誠君 その趣旨はよくわかりますが、ただ、これまでの法令がたくさんありますけれども、その主管省庁が全部同じじゃないわけです。今までこの法案と同じように全省庁六つが過去の法律全部やってきたというならば、割と今おっしゃられたような形での整合性はとりやすいと思うんです。そうでないところになかなか、相補完するとか整合性をとるとかという、言葉としては簡単なんですが、実際に行政レベルの中でやろうと思うと非常に難しくなってしまうわけです。 ですから、私が今提案したのは、均衡ある国土をつくるために、これまでのさまざまな法令を国土庁が中心になって少し権限を持って、全体のものの今おっしゃられたようなバランス、それから相補完、そのために支援体制は果たして今のままでいいんだろうかとか、いろんなさまざまな角度からむう一度この時期に総ざらいの検討をしてはいかがということです。大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(東家嘉幸君) 特に御指摘の整合性の問題、これは今後この新しい法律の運用の面で、いろいろと将来にわたって今までの法律が一体となって取り組んだ方がいいのかというときも私は来るんではないだろうかというふうにも考えておりますので、この法律に基づくお互いの各省庁の協議の中にそうしたことも将来は議題としてあり得るというふうに私は考えております。
○委員長(山本正和君) 午前の質疑はこの程度とし、午後一時十五分に再開することとし、休憩いたします。 午前十一時五十七分休憩 ―――――・――――― 午後一時十八分開会
○委員長(山本正和君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○種田誠君 先ほど都市局長の方から、本法案の特色の一つとして、従前の地域振興法は産業の再配置が中心であったが本法は総合的な都市づくりというものを目指しているんだ、こういうような御答弁もあったかと思うんです。 そこで、建設省としても、そうなりますと、一定の御決意のもとにしかるべく公共事業に関しても集中投資をしていく御覚悟はもうできているんだろうと思うわけでありますが、現在、四百三十兆円という大変大きな公共投資が実施されております。と申し上げましても、決して四百三十兆円が今から新規にすべて新たな考えに従って投資されるというのではなくて、これまでの一定のさまざまな継続の施策、計画、そういうものに基づいて実施されていく筋合いのものであって、決して四百三十兆円そのものをこの都市づくりにすべてぶち込むわけにはいかぬ、そういう状態にあろうかと思うんですね。 そういう意味で、都市づくりを目指しながらさらに今回は総合的な支援策も考えておく、こういうふうな御発言も先ほどありましたが、一体、建設省としてどのような施策をどのような投資規模のもとにこれからこの法に従ってやっていこうとするのか、お示しを願いたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 今回の地方拠点都市地域の整備に当たりましては、特徴の極めて大きな点といたしまして、関係省庁がお互いに力を合わせてこの支援措置を講じていくというところがあるわけでございます。 建設省もそういう中で主体的かつ重要な役割を果たしていきたいということでおるわけでございまして、私どもが一番力を入れてまいりたいと考えておりますことは、地方拠点都市地域の整備に関連いたしまして市町村が具体的に定めます基本計画、その内容の実現、あるいは基本計画の内容ということに必ずしもとらわれない広い意味での地方拠点都市地域関連のいろいろなビッグプロジェクト、そういった関連におきます公共事業全般に対しまして、特に建設省で所管しておる事業につきましてこの地方拠点都市地域につきましては重点的に対応してまいりたい、これがまず柱の第一点であると思っております。 それから、第二点目といたしましては、この事業の中の基本計画の中身にも入るわけでございますが、いわゆる拠点地区の整備というものがあるわけでございまして、その拠点地区の整備といいますのは、法律の条文にも定義がございますけれども、都市機能の集積あるいは住宅及び住宅地の供給等の居住環境の整備、そういったものを図るためのいろいろな事業をその地域内におきまして重点的に実施される地区ということで、そこではいろいろな事業手法が考えられるわけでございまして、単に予算上の支援措置だけではなくていろいろと都市計画上の面も含めました法律上の特例措置も講じさせていただいておりますが、そういった面も含めましていろいろと各般の支援体制を図ってまいりたいというふうに思っております。 それからさらには、こういったものが円滑に実施される点におきまして執行体制の強化という観点から地域振興整備公団の業務につきまして特例措置を設けておりますが、その地域公団、あるいは場合によりましては他の公団、そういった公団の力をフルに発揮できるような支援体制といったようなことも考えておる次第でございます。 そのほかに、都市開発資金の拡充とかそういった金融上の支援措置等もあるわけでございます。 建設省といたしましては、考えられ得るあらゆる施策をその当該地域内の市町村が共同して策定いたします基本計画の内容に則しまして支援してまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○種田誠君 財政的な意味での支援策というのが率直に言ってこの地方拠点都市づくりの大きなウエートを占めていくことは間違いないことだろうと思いますし、このことがすべてを握っているとも言えると思うんです。 問題は、今局長が述べられた支援策というのは大半がこれまでも各施策の中で実行されてきた施策に対する支援のようなものであって、業務都市をつくるという意味での投資ということになりますと、これは膨大な投資になるということであります。先ほど来述べられているように、各県に二、三カ所つくるということになればなおさら大変な金額でございます。果たして一体トータルで幾らぐらいのことを予想しておられるのか、私は全く予想だにつきません。 先ほど私が冒頭申し上げましたように、業務施設が移転するにしても必要欠かせないものが幾つかあるわけですね。高速道路であるとか、また都市整備のさまざまな下水道を含めた基盤整備であるとか、さらにはこれからは光ファイバーなどを利用した通信体制なども確保されていなければならないと思います。 しかし、そういうものをもう既に建設省、通産省、国土庁などもそれぞれの立場から日本の国土発展のために行ってきておるわけですから、こういうものとの関連の中で支援策を考えないことには、私は理想としては、膨大な公共投資を実行していくといっても率直に申し上げて日本の政府はそう豊かな財源を持っているわけではないわけですから、公共投資を何ぼ積極的にといっても年々の増加幅は限られているわけでありますから、そういう中での施策の展開ということになりますと、私は言うはやすしで実際実効を上げるのはなかなか難しいだろうと思いますので、そういう意味で、冒頭に述べたように、もう一度この拠点都市の指定のあり方、イメージ像、そういうのを現実に実行する中でぜひ検討していっていただきたい、こう重ねてお願いするわけであります。 そしてもう一点、財源として、これは私の個人的な見解かとも思いますが、こういう業務都市をつくる公共投資のために私は地価税などは本来優先的に新たな財源として使っていくべきではないだろうかな、こういうふうにも思いますので、新しい施策を展開する場合には省庁においてもしっかりとその財源もある程度提起をしながら展開しないと、政策だけつくって新たな財源を別個な機関に考えさせるというのでは、これは実効は上がらないんじゃないかなと思うので、その辺のところを踏まえまして、建設省でも国土庁でもどちらでも結構でございますが、御見解などを聞かせていただければと思います。
○国務大臣(山崎拓君) この法案の施策を推進いたしますために財源はどう考えているかという御趣旨の質問であろうと存じます。 拠点都市地域を整備してまいりますためには、ただいま都市局長が申し上げましたような諸般の施策を推進してまいるわけでございますが、とりわけ重点的に公共事業を執行するというところが一つの目玉になるわけでございますが、公共事業に関しましては御案内のとおり公共投資四百三十兆円の計画がございますので、その中で拠点都市地域につきましても整備を図ってまいりたいと考えているわけでございます。 先生がお挙げになりました地価税でございますが、この地価税は、国会の決議にもございますとおり、これは一つは地価対策、また減税の財源とすべきものという、これは党の方でございましたが、そういう考え方があるのでございます。 この拠点都市地域の整備が地価対策に役に立つかどうか、私は役に立つと存じますが、地価対策そのもののためにやっているわけではございませんので、地価税をこの法案の具体的推進に当たりましてその財源とするという考え方は必ずしも適当ではないのではないかと考えております。 むしろ四百三十兆円の公共投資の中で処理していく。これは財源というのはいろいろ、建設国債もございますし、一般財源もございますし、四百三十兆円の公共投資はさまざまな形の財源でこれを執行していくということになろうかと思いますが、その中でやるということになりました場合に、その拠点都市に重点的に公共事業が行われることによりまして県内他地域はどうなるんだ、そこばかり厚くなるじゃないかという指摘を衆議院の審議のときにもしばしば受けたところでございまして、最大の御懸念の点ではないかと考えておるところでございます。 その点につきましては、こういう考え方でございます。 このたびの法案で全国的な規模から見まして一極集中を是正するということでございますが、当該県の一極集中も是正していくということがございまして、そこで県土の均衡ある発展ということで例えば県庁所在都市を外しましたあと一つか二つの都市を整備するということが決まりました場合、そこに重点的に公共事業の整備が行われるということになりますと、その新しい拠点都市から円を描きましたときに、その円は、その県の県土の面積にもよりますが、当然、周辺が接すると申しますか、重なる部分が出てくると申しますか、そこを重点的に整備することによりまして県土全域の均衡ある発展が必ず行われる、またそういう配慮のもとに県知事も指定する都市を私どもとの協議の対象にしてくるだろう、かように私どもは推量いたしているところでございます。
○種田誠君 若干認識が違うところはあるかと思うんですけれども、ぜひ大臣が述べられたような視点で推し進めていただきたいと思うわけです。 ただ一つ私が気になるのは、東京一極集中という物の見方と、それから地方都市の、先ほど来も仙台とか幾つかの都市の名前を挙げましたけれども、これを一極集中と果たして言っていいのだろうかという問題があるんですね。むしろ仙台にしても新潟にしても、本来そういう市が地方に存在していないといけないと思うんです。 私の地元の茨城では、水戸市が二十四万ぐらい、日立市が二十万ぐらい、あと十万台の都市が幾つか、全県的に可住面積が広いものですからばらついておる。青木先生の静岡などは、浜松市の方が静岡よりもわずかに人口が多い。そして東の方では清水などとか沼津などという都市がある。こういう、もう既に一つの県の中で都市がうまく存在して競い合っているというそういう場面もあるわけです。 私は、地方の一極集中という言葉で簡単に地方の大都市というか中核都市を何か悪者のような視点で物を見るというのは間違いであると思うんです。 地方都市はこれまでそれなりに努力をして今日の都市をつくってきた。その都市が今若者にとっては極めて魅力のある都市になっているわけです。私の茨城県の水戸市は二十四万です。若者には魅力がありません。なぜかというと、余りにもそこは個人のプライバシーも見えてしまうし、大学をこれ以上置くだけの力もないし、産業基盤も弱い。ですから水戸市は、これからもう少し広域合併を図りながら人口集積を図ろうということで都市づくりをやっていかなければなりません。 そういう意味で、私は、東京の一極集中が大変な弊害を生んでいるので都市としてのいわゆる成長も抑えて管理をしていくというのと、これから上手に成長させながら上手に維持発展させるという都市とは、ちょっと違うものだと思うんです。 私は、こういう述べられたような形で都市のばらつきをたくさんつくれば何かそこに理想の状態が生まれるというふうには思わないものですから、その辺については、先ほど来申し上げているように、指定をする上では、今回の法律は東京の産業を地方に移転をさせる、ということが大きな目的だと思いますが、産業が行ってもらえるような状況、条件、そういうのを既存の都市を中心にして考えていくという発想をとらないと実効が上がらないし、地方の都市の充実化も図れないんじゃないかと私は思いますので、しつこいようでありますが、重ねてこの点についての御配慮を今後ともお願いしていきたいと思うわけであります。 次に、自治省の方に伺いたいと思います。 今回のこの拠点法の支援策として、自治省の方では一定の地方単独事業に対する地方債並びに地方債に対する地方交付税を中心とした支援措置を検討中であるということでありますが、まずおおむねのこの内容を御提示願いたいと思います。
○政府委員(紀内隆宏君) 自治省といたしましては、この法案の目的とするところの地方の自立的成長と地方の創意工夫を生かすという観点から見るならば、地方の単独事業の役割は非常に大きいと思っておりまして、この地方の単独事業について積極的な支援策を講じたいと思っております。 その内容を申し上げますと、まず、計画に盛り込まれたハード事業につきましては、地方単独の公共施設などの整備に必要な財源に充てるための地方債に関しましてその充当率を通常より高いものとする、あわせましてその地方債の元利償還金につきまして財政力に応じて後年度地方交付税に算入していく、こういう格好をとりたいと思っています。 また、ソフトの分野につきましては、広域的に実施される人材の育成とか地域間交流の事業であるとか、あるいはイベントの開催などにつきまして、関係の市町村が安定的な財源を確保するために一部事務組合に基金を設置したというような場合には、その基金の造成に必要な関係市町村の出資経費につきまして地方債を充てることができるようにする、またその地方債の償還時には交付税にはね返していく、こういうことを考えております。
○種田誠君 まず、今回の法の目的である地方の自主的な創意ある都市づくりを支援するということになりますと、今おっしゃったように、私は自治省さんの支援というのは極めて重要な課題を持っていると思うんです。 今二つ、ハードな場面とソフトな場面に分けて述べておられました。 そこで、ハードの方の場面の関係でまずお聞きしますが、今、地方債の充当率についてかさ上げをしていきたいという考えを述べられましたけれども、従前のものに関してどのくらいのものを考えていますか。
○政府委員(紀内隆宏君) 単独事業に関する地方債というのは、充当率が標準的な姿として七五%ぐらいでございます。それに対して一〇%、場合によっては一五%なりかさ上げをしていくというふうなことで検討を進めております。
○種田誠君 それでは今度は逆に交付税で賄っていく場合の償還の元利ですね、こちらの方はどういうふうなかさ上げを考えておるんですか。
○政府委員(紀内隆宏君) 本来は単独事業に関する地方債でございましてもその償還費について特に交付税で手当てをするということはないわけでございますが、それについて拠点都市に係るものは交付税にはね返していこうという考え方でございます。 交付税へのはね返し方としましては、その団体の財政力といいましょうか、それにスライドして見ていくことがよかろうということでございまして、財政力の一番強いような団体の場合が償還費の三割程度、それから財政力の弱いところにつきましてはその償還費の五五%に至るまで、この間でカーブをかけまして交付税にはね返していく、こういうふうに考えております。
○種田誠君 その点でちょっと教えていただきたいんですけれども、地方交付税の不交付団体、一生懸命努力して都市づくりなどをしている自治体に逆にそういう傾向が多々あるわけでありますけれども、そういう団体に関していわゆる業務都市として頑張ってもらうということになった場合には、これはどうなるんでしょうか。
○政府委員(紀内隆宏君) 例えばハード事業について地方債を認めるというのは、もちろん不交付団体についても認められるわけでございます。ただ、不交付団体の場合には、将来の元利償還費を交付税の基準財政需要額に算入していく場合に、不交付団体であっても当然基準財政需要額に算入されるわけです。その結果、基準財政需要額が伸びますけれども、なおその時点での基準財政収入額がそれを上回る場合には結果として交付税が行かない、こういう姿になるわけでございます。
○種田誠君 この辺の問題が、私は実際に地方単独事業を行わせる上で、とりわけベースになるようなものを創造していく上で、必要な資金源、資金対象になっていくと思いますので、ぜひ強力な支援対策をさらに進めていただきたいと思うわけであります。 一歩進めまして、この法案の特徴として、いわゆる地方の市町村が県などと十二分な協議をしてそこで創意工夫ある特色のある都市をつくっていくという、こういうふうな方向に転換をしたわけでありますから、むしろそういう意味では、地方にある程度業務都市をつくっていく基本計画ができてこれがしっかりした方向を持っているということならば、その範囲の中で一括してその地方自治体に資金を提供していく、こういうシステムというのを今後つくっていくというお考えはありませんですか。
○政府委員(紀内隆宏君) 一括してという御趣旨がちょっとわかりにくいところがございますけれども、実際に地方単独事業を仕組む場合には、その計画の中に織り込まれた地方単独事業につきまして、私ども現在までもこの手のものを各種手がけておりますけれども、その団体の創意工夫というものを尊重しましてそれに見合って地方債を許可していく形をとりますから、そういう意味で地方の創意工夫が損なわれるようなことはないと考えております。
○種田誠君 衆議院の質疑の中で、私、同僚の松本龍議員が質疑をしているのをちょっと拝見したときに、たまたま松本さんが竹下元総理がつくられたふるさと創生基金の質問をしていたんです。ああいうことこそ地方がそれぞれの創意工夫を凝らして、いい悪いは別にして、さまざまな施策を自由濶達に展開できる、こういうふうなことで松本さんも、括弧つきだけれども一定の評価をしたい、そういうふうなことを述べておりました。 それを聞いておりまして、私も、むしろこれからはそういう形である程度まとまった資金を地方が独自の裁量のもとに弾力的運用ができる、こういう仕組みをつくっていくことが今回のこのような施策を割と早い時期に、しかも地域のニーズにこたえる形でつくっていくことになろうかと思いますので、重ねて伺いたいと思いますが、いかがなものでしょうか。
○政府委員(紀内隆宏君) ふるさと創生事業についてのお話がございました。かつて一億円事業という俗称で呼ばれた仕事でございますが、それは地域づくり推進事業という名前に改めまして平成四年度まで三カ年度の仕事を進めてきております。一団体おおむね一億円というその姿は今日も三カ年度続いておりまして、一応平成四年度で区切りが来るわけでございますけれども、私どもといたしましては、その効果等を検証してさらに前向きに平成五年度以降に臨んでまいりたい、この仕掛けは拠点都市地域以外の地域についても一般的に妥当する仕掛けとして存続してまいりたい、このように考えております。 なお、この地域について申し上げますならば、先ほど申し上げましたけれども、計画に盛り込まれたハードの事業については、その事業の中身が、特別におかしなものを考えるなら別ですけれども、普通常識的に考えるものであればそれは地方債を認め交付税にはね返していくという形になりますので、地方の自主性を阻害することはございません。また、ソフトのものにつきましては、一定の基金をつくってその基金の運用益をもって広域的なソフト事業を展開させよう、こういうもくろみを持っておりまして、その場合にどんなソフト事業でなければならないということはないわけでございますから、まさしく仰せのような趣旨に沿うものと考えております。
○種田誠君 建設省と自治省の方から財政的な支援策について伺ったわけですけれども、いずれにしろこの辺がこの事業すべての最も重要な点でありますので、さまざまな角度から法の目的を達成できるように一層の知恵を絞って頑張っていただきたいと思います。 次の質問に移りたいと思います。 先ほども青木委員の方から指摘がありましたが、今回の法律を見ておりまして、また先ほどの局長の答弁を聞いておりまして、この地域の選定に当たりましては都道府県知事さんがすべての権限を持つかのような答えがあったわけですけれども、果たして現実問題として、この法律が成立いたしましていよいよ基本方針を先ほど青木先生の質問にあったような形でつくられて指針を出されて始まるというときに、実際に都道府県、東京、名古屋、大阪周辺は除かれますけれども、その他の府県から一斉に上がってきたときに一体どういうふうにこれをコントロールしていくのか。コントロールの仕方いかんによっては、多極法にあるような承認のようなものになってしまう場合もあり得るわけです。 ですから、この辺は非常に微妙な、地方の独自性、自主性を尊重しながらどう選別していくのか、そのことについてもう少し伺わせていただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 具体的な地域指定に際しましては、どういったところが地域指定として望ましいかということはこの法律にもある程度書いてございますが、また、主務大臣が定めます基本方針でも相当のところを書き込むということは先ほど御答弁申し上げたわけでありますが、それに基づきまして各県におきましていろんな実態を踏まえた上で県としての案というものが固まってくるのではないかと思います。 その際、主務大臣といたしましては地域指定に関しまして御協議を受けたいということになっておりまして、協議を受けました段階で、先ほど大臣からも答弁ございましたように、協議会等におきまして関係省庁の意見も調整して定めていくということになるわけでございます。 そういった一連の流れの中で、私どもといたしましてはできるだけ知事さんの意向が反映されるようにということでこの政策スキームをつくったわけでございますが、現実にいろんな施策の実効性が担保されるためには、関係機関がこぞって協力できるような、御支援で唐るようなところであるということが大事な部分でございますから、そういう意味におきましては、お答えになるのかどうかわかりませんけれども、十分知事レベル、国レベルにおきまして協議を重ねまして最もいい方向で持っていきたい。 そのときに決定権者である知事さんの、何といいますか、強い意思というものは十分私どもは尊重していくべきであろうというふうに考えておる次第でございますが、国の立場でいきますと、それぞれ各省間で支援していくという意味合いにおけるいろんな意見もあるわけでございますから、具体的な場所につきましては相当よく協議をしてやっていくということになるのではないかと思いまして、その過程におきまして地方の自主性の尊重という基本的な理念を私どもはしっかりと踏まえていきたい、こういうふうに思っているわけでございます。
○種田誠君 今の局長の答弁を聞いておりましても本当に肌で感じますけれども、非常に難しい選定作業だと思うんですね。しかしながら、法の趣旨を最大限に生かすという新しい意味での研究、工夫を少ししていただいて、すべての要求を満たすというのは難しいかとは思いますけれども、ぜひその辺のところの御努力をお願いしたいと思います。 時間が余りありませんので、二つばかり最後に伺いたいと思います。 一つは、先ほども住民参加の話がありましたが、基本計画をつくる上で、私は、日本の都市計画などもそうでありますけれども、地域に根差し地域の総意のもとにつくられていく都市、町ということならば、もうそろそろ、テストケースでもいいですけれども、欧米のような考え方を取り入れてもいいんじゃないかなと思うわけであります。 都市づくりのプランナーの集まり、建築設計士さんや建築士、建築関係の業者の方や町づくりの専門家の方、日常生活をその町で送っている方や商店会の方や、余り多くの数じゃないと思いますけれども、そういう方に自由な討議をさせて、そこで一つの町づくりの像をつくらせて、それを市町村の方で協議するとか、そういう意味での一つの新しい試みをテストケースでもいいですから今回の業務都市の中で試みてはどうだろうかというのが一点でございます。 それからもう一点は、イギリスでも一九六〇年代にオフィス立地でもってロンドンは大変困ったそうであります。イギリスは、一九六三年以降、見事にこのオフィスの都市集中をクリアしてきたわけであります。そして今日、あの当時のロンドンの大変な都市の難題を解決しつつ維持されているわけであります。 そのときに、私が冒頭申し上げましたオフィスの立地規制というのをイギリスは大胆に試みております。そのときに出された基準が、オフィスを開発許可制にいたしまして、認める許可基準は、一つには他の場所では当該活動が不可能なオフィス、それから二つ目には他のオフィスが利用できない場合、三つ目にはオフィスの開設が公共的な性格を持つ場合、公共性が高い場合、こういうものに限ってだけロンドンでの許可を認めたそうであります。このことがロンドンの行き詰まった政策を一気に解決していく道を開いたとも言われておりますので、最後に、この辺のことに関しまして両大臣の御決意などをお伺いできれば幸いだなと思いますが、いかがなものでしょうか。局長でも結構ですが。
○政府委員(中田哲雄君) ただいまロンドンの例を挙げて御指摘いただきましたオフィスの抑制の点につきまして、私の方から御答弁させていただきます。 業務機能の再配置を進めてまいりますために地方圏で魅力ある受け皿をつくるということ、それから大都市圏から地方圏に進出するための移転の円滑化を図るための措置を講ずること、これらとあわせまして東京におきます過度集積促進に対する何らかの抑制策を講ずること、この三つがセットになって産業の地方分散が進むだろうというふうに私ども考えておるわけでございます。 今般の法案におきましては、過度集積の促進に対する抑制策といたしまして法案の第…十九条というのがございます。これによりまして都市計画を初めとする土地利用に関する計画の中で過度集中の状況を十分踏まえた対応を求める、こういう規定を置いているところでございます。 御指摘のロンドンにおける例のような直接的なオフィス立地規制等につきまして、私ども法律の御審議をいただく前に産業構造審議会というところで御審議をいただいたわけでございますが、そこでは慎重論が大変多かったわけでございます。一つは、こういう東京における抑制策を直接的にやった場合には、日本経済全体に対する影響がどうなるか、活力を大変そぐことになるおそれがあるんではないか、それからまた東京における中小企業に対してどのような影響が出るだろうか、かつまた東京という地域社会におけるコンセンサスがどうなるだろうか、これらの点がございまして慎重論が多かったわけでございます。 私どもも、このような御審議の過程を拝聴いたしまして、今後もう少し研究、調査を続けていく必要がある、その間に東京都を含めました国民のコンセンサスの熟成ということも必要だろう、かように考えている次第でございます。
○政府委員(市川一朗君) 住民参加のお尋ねがございましたけれども、私どもは、市町村が共同して定めます基本計画の策定過程におきまして、できるだけ各市町村におきまして住民の方々のコンセンサスを得られるようないろんな工夫をしていただきたい。というふうに思っているわけでございまして、そういう観点から、国の方でこういったような形でというよりは、むしろ各市町村レベルにおきましていろいろな工夫を凝らしながらいろんなアイデアの中でやっていかれることがまた一つの新しい提案にもなるということで、御期待を申し上げたいと思っているところでございます。
○種田誠君 どうもありがとうございました。
○井上章平君 ただいま青木、種田両委員から質問があったわけでございますが、なるべく重複を避けたいとは思いますけれども、質問の流れからやむを得ないところは御了承いただきたいと思います。 まず、この法案の中身に入ります前に建設省に二、三お伺いをいたしたいわけでありますが、我が国は経済社会の著しい進展に伴いましていわゆる都市化現象、つまり多くの人々が都市で生活をするようにな力、都市への人口の集中がずっと進行してきておるわけであります。その状況は、やがて二十一世紀初頭には人口の八〇%が都市に住むであろう、そういう時代がやってくるであろうという話も伺っておるところであります。したがって、国土政策の基本にこのような趨勢が当然基礎条件としてあると思われるわけであります。 さらに、次の点が非常に重要だと私は思うわけであります。 このような人口の都市への集中は、全国の都市で押しなべて起きておることではなくて、まず大都市圏、特に先ほど来御指摘ありましたように東京圏へのいわゆる一極集中が引き続き進行しておりまして、それ以外の他の地域では全体としては停滞あるいは減少というような状況にあるということであります。しかも、この停滞しているとされている地域につきましても、例えば各県の県庁所在地都市、県都への人口集中、いわゆる県内のミニ一極集中というんでしょうか、そういうことが起きております。そして、それらの結果として、それ以外の中小都市で多くの都市が活力を失い人口が減少するという事態になっておると思われるわけであります。 このような特徴、これは建設白書等で私理解したわけでございますが、建設省としてどのような御見解が、お伺いしておきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 戦後、我が国は経済成長と社会構造の変化に伴いまして急激な都市化が進展しておるわけでございまして、二十一世紀初頭には、ただいま先生の方から八割ぐらいになるのではないかという御指摘がございましたが、全人口の七割以上が都市に居住する、そういったような形での都市化現象が急速に進展しつつあるという認識を持っておるわけでございまして、そういった中で、特に大都市圏なかんずく東京圏への人口及び諸機能の過度の集中というのが依然として続いておるという認識を持っております。 特に、今回の国勢調査の結果によりまして、十八道県におきまして人口の減少が見られた。五年前は秋田県一県のみでございましたし、そのさらに五年前は東京都だけが人口が減少しておったというような状況の中で、改めてこの一極集中が現象面ではっきりと出てきたということでございまして、私どもは極めて重要な課題であるというふうに受けとめておる次第でございます。 それから、この同じ国勢調査の中で、ただいま申し上げましたように人口が減少した道県が十八あるわけでございますが、そのうちの十四道県におきましては県庁所在都市の人口が増加しております。それから、全国の三十六の都道府県で県庁所在都市が県内での人口の割合を高めているといったようなことでございまして、このことの評価の是非はともかくといたしまして、現象としてそういった県内における一極集中という問題も生じておると認識しております。 それからさらに、具体の市町村の分析をしてみますと、昭和六十年の国勢調査に際しましては全国の市町村の中で人口が減少いたしました市町村が四八%でございましたが、平成二年の調査ではそれが六四%というふうに拡大しておりまして、地方圏の中小都市におきまして人口の減少と高齢化がさらに進行しておるというふうに私どもは認識しておるところでございます。
○井上章平君 東京への一極集中あるいは地方の人口減少の進行は、豊かさあるいはゆとりのある生活大国を目指すという意味で双方とも大変不都合な状態をつくり出しておると思われるわけであります。しかもさらに、それぞれの地域の活力というような観点から見ますと、都市局長からも御指摘ありましたように、人口の数以上にその年齢構成が大変重要でありまして、若い人が東京に集まる、地方から離れていく傾向が依然として続いておるというふうに言われておるわけでありますが、このことは人口の数の見かけ以上に大変深刻な状況ではないかというふうに言わざるを得ないわけであります。 そこで、これもまた建設省にお伺いするわけでございますが、建設省は所管事業を実施されておるわけでありますけれども、ただそれぞれの事業効果というものを目指すだけでなしに、当然それらの受け皿としての地域整備という観点から事業を進めてこられたと思うわけであります。建設省はもうずっと国土の均衡ある発展を目指すということを基本理念としてこられたと思うわけでございます。したがいまして、所管事業の実施に当たっては、従来から各事業の事業効果を有機的に結びつけることによって普遍的な地域整備を目指すというような考え方があったわけであります。 これにはいろいろの地域開発整備の立法措置に基づくものもあるわけでありますが、これも古くから建設省が取り組んできたと思うんですけれども、地方生活圏の整備という考え方があるわけであります。そして圏域ごとに整備計画を立てて、所管事業をこれらの地域に重点的に投入する、一定の地域づくり、都市づくりにそれらの事業効果を相乗効果として上げていくというような実績があったと思うわけでございますが、この地方生活圏整備の現状、あるいはこれからどういう御方針か、お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(伴襄君) 今先生からお話がありましたように、建設省では多極分散型国土の形成あるいは活力ある地域づくりというようなことを推進するために、高規格幹線道路とかあるいは国土保全施設等の広域的な基盤を整備してきておりますが、それとともに、今お話のありましたような都市と周辺農山漁村を一体的に生活の場としてとらえて整備するという地方生活圏構想というのを進めてきております。それから、他省との共管になりますが、テクノポリスあるいはリゾートなどの特定地域振興のための施策の推進をしておりまして、こういったことを含む戦略的なプロジェクト等に対して支援を行ってきているというのが現状でございます。 特に地方生活圏でございますが、昭和四十四年以来、三大都市圏の既成市街地等を除きまして全国百七十九の地方生活圏に分けましてこれを設定いたしておりまして、住民のすべてが都市の高い機能と農山漁村の豊かな自然を同時に享受するというようなことを目標にいたしまして、何とか調和のとれた地域社会が形成できないかといったようなことで、建設省の所管事業を総合的に実施してきたところでございます。 その後、各種の地域開発立法が制定されまして、また地域を取り巻く状況が変化してきておりますので、平成二年度から、この地方生活圏の圏域の見直しを含めまして、地域の将来ビジョンとかあるいはその実現をするための主要なプロジェクトを整理いたしまして、所管施設の整備の基本方針あるいはソフト面の施策も取り入れまして、関係道府県知事が新地方生活圏計画というのを定めていただこうということで全国的に今推進しておりまして、今年度平成四年度、来年度平成五年度でおおむねすべての、したがって百七十九の新地方生活圏計画が策定される予定になっております。 この新地方生活圏計画につきましては、これは全国津々浦々張りめぐらされて計画されるわけでございますので、現在御審議いただいております本法案の地方拠点都市地域と調整する必要があるものにつきましては十分に調整して連携を図っていきたいというふうに思っておりますし、こういったことで今後とも地域におきます所管事業の総合的、計画的な実施を図りまして、地域の個性あるいは特性を生かした地域整備、地域づくりに努めてまいりたいと思っているところでございます。
○井上章平君 ありがとうございました。 確かに、もともどまとまりのある一つの圏域を道路とか河川等の社会資本を整備することを通じて大変暮らしやすい豊かな活力ある地域につくり上げていくというような過程を踏んできて、またその実績もあると思うわけであります。これは、本日提案されておりますこの地方拠点都市の整備と大変類似点が多く、とりわけ公共事業、社会資本の整備を通じてその地域の活力を上げていこうというような意味では非常に参考になるような施策であったというふうに思うわけであります。したがいまして、今後とも地方生活圏の整備ということは旗をおろさないで続けていっていただきたいということを強く希望する次第であります。 次に、本論に入りますが、これは国土庁にお伺いすることになろうかと思います。 この法律案の立法の趣旨あるいは目的につきましては先ほど来御説明のあったところでありまして、よく理解できるところであります。活力ある地方の立て直しかひいては東京一極集中を是正して国土の均衡ある発展につながるということであろうかと思います。そして、その役割をここで言う地方拠点都市に求めようということのようでありますが、端的に言いまして、先ほど来お話がありましたような地方の実態に照らして考えますと、どの辺の都市にその役割を担っていただこうとしておるのか、どの辺の都市にねらいを定めておるのかということがもうひとつはっきりしないという気がするわけであります。 この法律の目的に最も適合した都市域というのはどういう条件を満たすものであろうかということを私なりに考えてみたわけでありますが、結局のところ、これはこの法律で言う基本方針の中で明らかにされるものと思うわけであります。 この法律がまとまる過程で多くの省庁間で協議があったということも伺っておるわけでございますが、この点について省庁間に意見の食い違いがあったのかどうか、あるいはどういう過程でこの一つの法律案にまとまってきたのかということも含めてお伺いできればと思う次第であります。
○政府委員(小島重喜君) この法律案の作成の背景というのは今先生から御指摘があったとおりでございますが、私ども従来から今後の地方振興というのはどうあるべきかということを考えておりました際に、御案内のように、いわゆる多極法の第六条第一項に、地方都市並びにその周辺を一体とした整備を図る、そういうように努めろ、こういう規定があるわけでございますけれども、そういう面からいたしまして、特に既存のある程度の集積のある地方の都市並びにその周辺を一体的に整備することが必要ではないかというようにもともと考えておりました。 これにつきましては、建設省、自治省あるいは通産省等々関係省庁におきましても、先ほどの国政調査の結果等も踏まえまして全く同じような実は構想といいますか考え方をお持ちになっておりました。 そういう面で、特に東京への一極集中の是正と同時に、今度は地方の実態を見てみますと、先ほど都市局長からもお話がございましたように、多くのいわゆる県庁所在地と申しますか、地方の中枢都市は当然でありますが、県庁所在地等におきましては大分人口がふえておる、あるいは極端に言いますと全県下の人口の四割とか五割近いものが県庁所在都市にいるというような実態もあるわけでございますので、そういうことについての一つの問題意識ということと両々相まちまして、東京への一極集中是正とあわせて、県内におきます言うならば分散といいますか、県内の多極分散型の都市づくりをしていく必要があるんじゃないかということでございます。 そして、あわせてどういう都市をそれじゃ考えていくのかということになりますと、先ほどからもお話がございますように、ある程度潜在能力といいますか、可能性といいますか、そういうものがあるところを戦術的というか戦略的に対象にしてそういう都市を育てていくことが、東京への一極集中の是正と、あわせて県内のバランスある人口配置といいますか都市配置といいますか、そういうことができてきて、さらにそれの効果がその周辺、さらに地域の外側の方まで及んでいくようにしてみたらどうだろうかということで関係省庁の考え方が一致をいたしました。 そしてあわせて、手法としては、地域の自主性なり創意工夫、地域主導というようなことにつきましても関係省庁の考え方が全く合いまして、こういう法律案として御提案を申し上げたわけでございます。
○井上章平君 多極分散国土形成促進法等との関連につきましては先ほど来議論のあったところであります。これを受けた実施法的な性格であるというふうにも伺ったわけであります。また、いろいろの地域開発立法があるわけであります。既に先行したものとしては古くは新産・工特があり、テクノポリス法あるいはリゾート法というのがあるわけでありますから、これらとの有機的な連携ももちろん必要であります。重複することもあるとは思いますが、整序されてそれぞれの地域整備をともに図っていくというようなことだと理解をしておるわけでございます。 そういうことでございますが、しかし、この法律案の目的に地方の自立的成長の促進と国土の均衡ある発展を図るというふうに書かれておるわけでありますけれども、自立的成長ということになりますと、やはり自立てきる十分な潜在力、ポテンシャルを持った地域に当然重点を置くことになるのではないか。ボトムアップというような話も一方にあるわけですね。 非常に東京一極集中が進み、あるいは県内では県庁所在地への一極集中が進み、それに取り残された地域が沈み込んでいるというような国土形成上非常に不都合な状況を是正するということからしますと、既に潜在力、ポテンシャルを失った地域に対して相当のてこ入れをして浮揚策を講ずるという考え方もあるでしょうし、あるいは十分な自立的な潜在力を持った地域を生かしていくというような考え方もあるのではないかと思うわけでありますが、その辺はこの法案の性格としてはどういうふうに読んだらよろしいのでございましょうか。 具体的にこれによって目指そうとしておる国土形成はどのような姿を考えておるのかということでございますが、いかがでございますか。
○政府委員(小島重喜君) お答えを申し上げます。 今、全国に六百有余の市があるわけでございますが、そういう中で、それぞれいろんな特徴といいますか、あるいは社会経済情勢によって衰退しているものもありますし、同時にまた大きく伸びつつあるものもあるというのは御指摘のとおりだと思います。 私どもは、本法律の対象といたします都市というのは、ここに公共事業等を重点的に投資して産業業務施設のための基盤の整備を図るというようなことを考えますと、やはりそういう意味でのある程度のポテンシャリティーといいますか、可能性、潜在能力というものがあるということがどうしても前提になるのではないかというふうに思います。 そういう意味では、もうある程度の投資をしたりあるいはそういう地域を指定していろいろやってもどうしようもないということではやはり困るのでございまして、そういう面から申し上げますと、ポテンシャリティーが相当程度高い地域が優先される、あるいはある施策によってポテンシャリティーを高め得る地域であるならばそういうところも含まれるかもわかりませんけれども、いずれにせよ、そういう面での条件整備が整っておるというところが重要ではないかというように思います。
○井上章平君 それは具体例でお示しいただければ本当は一番よろしいのではないかと思いますが、なかなかそういうわけにはいかないようでございます。 そうしますと、この法案で対象としております地方拠点都市地域の指定の基準ということになりますと、現在どのようなことをお考えでございましょうか。また、主務大臣は指定の協議を受けるというような立場にあるようでございますが、どのような観点から意見を述べるのか。あくまでも都道府県知事の自主性にお任せするということであろうかとは思いますが、当然この法律の目指すところから来る一つの考え方、意見が出てくるんではないかと思うわけでございますが、いかがでございますか。
○政府委員(市川一朗君) この法律の目的は先生からも御指摘ございましたように、地方の自立的成長の促進と国土の均衡ある発展に資するということでございまして、地方拠点都市地域の指定に当たりまして基準として考えられますものの基本的な考え方はそういうことが背景にあるわけでございます。 それをやや具体的に申し上げますと、大体これから申し上げるようなことは基本方針で書かれるのかなというイメージで私ども考えておるわけでございます。 まず一つには、何といいましても、地方の発展を牽引するための拠点となる潜在力を有する地域である。潜在力と顕在しているという言葉の問題はございますが、潜在力を有する地域であるということであると同時に、それが県内の一極集中が生じることのないような地域であるということが第一点になろうかと思う次第でございます。 それから、施策の効果を高めるために公共事業等の重点投資を行う対象という意味におきましては、相当程度数が絞られる必要があるというふうにも考えておるわけでございます。 それから三番目には、事業の実施の熟度も含めまして計画を実施するための条件整備の整った地域であること、別な言い方をいたしますと施策の実効性が上がるところ、こういったようなところが考えられるわけでございます。 そういった中で、地域の広がりにつきましては通勤圏、商圏、日常の生活圏、文化圏等の地域の実情を踏まえながら一体のものとして整備を図ることが相当な地域ということで、ある程度の広がりのある地域を考える必要があるというふうに思っております。 それで、主務大臣はこういったようなことにつきまして基本方針においてあらかじめ明らかにするわけでございますが、地域指定の具体の協議を受けました場合には、法律で定めております指定要件や基本方針等で具体的に定められております基準等との整合性といいますか、適合性を判断することになりまして、施策としての実効があらしめられるように必要な意見を述べながら具体の地域指定に向かって進めてまいる、こんなことになろうかと思っておるところでございます。
○井上章平君 この地域指定でございますが、どういうスケジュールで、今、数字を相当制限をというふうなお話もあったわけでありますが、例えばこの法律が成立した暁に本年度にどのような行動を起こされるのか。それから、この中で重要なことは、それぞれの関係市町村で基本計画をつくるということになっておるわけでありますが、この基本計画の目標とする期限はどの程度を想定しているのか。また、どのような指導をされるのか。 考えられますことは、限られた地域にいわば優等生的に集中投資をして早期にこの法案の効果を期待するという行き方もあると思いますし、また、国全体のレベルアップを目指して息の長い事業を全国各地で進めていくというような考え方もあろうかと思うわけであります。しかも、この法律を読んでみますと、十年後には見直すのだというようなところもあるわけでありまして、十年というような一つのインターバルを効果発現上の期限ということでお考えになっている節もあるわけでございますけれども、その辺についてはいかがでございますか。
○政府委員(市川一朗君) 地域指定の数につきまては、先ほど来の答弁の中でも出ておりましたように、三大都市圏を除く各県内で最終的には一ないし二カ所ぐらいということになるものと思っておりますが、具体的な選定を含めましたスケジュールにつきましては、ただいま来申し上げております点も踏まえながら、ある程度各県の状況も見きわめて、いわば慎重に検討していかなきゃいけないのじゃないかなと思っております。 まず、本年度につきましては、法律が成立して公布されましてから二カ月以内で政令で定める日で施行ということになります。それで、施行後の準備状況とか計画策定までに要する期間とかいろいろ考慮いたしますと、本年度中に指定をする意味のあるのは年内に指定をしないとちょっと意味がないという意味におきまして、とりあえずは年内に指定をするということで作業を進めることになろうと思いますが、それが年内にどれぐらいのところがどういうふうになるのかといったようなことにつきましては、今後、本院におきます国会審議の状況等も極めて重要なファクターでございますので、その辺も含めて総合的に検討しながら慎重に対応してまいりたいというのが現時点における各省の共通見解でございます。 それから、基本計画の期限につきましては、基本的には自由でよろしいのではないかという考え方を持っておるわけでございますが、公共投資基本計画四百三十兆円というものをにらみながらの施策展開ということを考えておりますので、その辺のところをにらみながらの期間設定ということが現実的なのではないかというふうに思っております。 物によりましては相当長期的なプロジェクトもあるわけでございますから、そこのところにつきましてはいろいろな変化ということも現実にはあり得るのかと思っておりますけれども、どれぐらいが望ましいかということでいきますと、大体それぐらいのところを目安として十年程度のところである程度の目安が立つような基本計画がいいのではないかなと思っておりますが、この最後の部分はちょっとやや私の私見に近い部分もありますので、お許しいただきたいと思います。
○井上章平君 今のお話にもありましたように、こういった地域整備の成否は、私はやはり社会資本の整備、公共事業をどのように進めていくかということに尽きるのではないかというふうに考えられるわけであります。地方生活圏整備の歴史を見ましても、まさにそういうことであったわけであります。しかも、これは市町村が実施する基本計画そのものというよりは、その周辺を含めた交通・通信ネットワークでありますとか、治水事業であるとか下水道事業とか、こういったものがどのように整備されてその地域全体を引き上げていくかというようなことになるのではないかと思うわけであります。 そこで、特にきょうは関係局長にお越しいただいたのでありますが、今までのこういった地域整備の実績に照らして考えまして二、三お伺いいたしたいわけであります。 まず、つまるところ、地域発展は道路整備に負うところが非常に大きいわけであります。しかも、この基本計画で盛られる域内道路の整備ということもさることながら、やはり域外と有機的に連携を保てるような幹線道路網の整備といったことがもう不可欠であろうと思うわけであります。特にだんだん高級化といいますか、高規格型のネットワーク整備についての期待が高いわけでありますが、これらについてどのようにお考えか、特に道路整備第十一次五計をこれから策定されると伺っておりますけれども、この中でこれらの地方拠点都市の整備にどのような支援体制を組まれようとしておるのか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。 先生御指摘のように、地域の活性化を図って四全総でも提唱されておりますいわゆる多極分散型の国土を形成する、こういう表現がいいかどうかわかりませんが戦後四十年の間に結果として強い東京が生まれてきた、これを、これから強い地方をつくるというためには交流ネットワーク社会を完全にきちっとした形でつくらなければそのベースはでき上がらないだろう、こういうふうな認識を持っております。 そこで、例えば東京の都心三区を見ますと、九十数%が地下鉄あるいは鉄道で人を運んでおります。しかし、地方におきましては公共交通機関が希薄でございますから、格段に自動車に依存しております。そういうことが自動車保有率等々にも如実にあらわれております。 特に、女性が社会へ進出する傾向を見ますと、この十五年間の間に外に出る率、これを例えば昭和四十六年と六十年を比べてみますと、全体でその間に二・六倍ふえておりますが、家事、買い物、こういったものが四・二倍というようなことで、非常に大きく生活そのものに根差した動きが顕著になっております。そのことが女性が非常に社会に進出する基盤整備になっているかと思います。 また東京圏の例をとらせていただきますと、高齢者がだんだんふえてくる中で、全体の動きは昭和五十三年から昭和六十三年の十年間を見ましても一一%ぐらいしかふえておりませんが、高齢者が外へ出る率は一・六倍、言ってみれば出やすい社会、参画しやすい社会になってきております。こういうことは、言ってみれば車を中心とした交流社会が一つ一つ大きく根づいているものと思っております。 そういう意味で、全国的な高速交通サービスを充実するとともに大都市と地方との交流条件の格差を是正する、こういう視点で、一般国道、これは昭和四十年に一級、二級と二つの分け方をしていたものを一般国道というふうに一つにいたしまして、そして以後、国道の再編成をやってきたわけでございますが、去る四月三日に政令によって百二路線六千六十一キロの国道網の追加指定をさせていただきました。これは高規格幹線道路網と表裏一体をなすものでございまして、こういう基盤がまずベースになければ地域の活性化は果たせません。 国道と高速自動車国道、高規格幹線道路、これは先生方御承知のように、昭和六十二年の六月の道路審議会の答申を受けまして一万四千キロという全国一時間以内のネットワーク社会のベースのフレームをつくったわけでございますが、しかし、これだけではやはり足りないわけでございます。こういう国道網あるいは高規格幹線道路網、さらにそういう中で質の高いネットワークをつくらなければ、大きな形で一極集中する形でしか地域の集積圏が形成できないと思っております。そこで、それぞれが集中するのではなく、そのままのある状態で大きな集積効果を上げるためにも質の高いネットワークをつくっていかなきゃいけない、このような視点から地域高規格幹線道路網の考え方を生み出してきております。 こういう意味で、それぞれのネットワークを私どもは新しい十一次五カ年計画の中で何とか実現、実行といいますか、具体化したい、かように考えております。 順番に申し上げますと、高規格幹線道路は平成四年度今年度中に六千キロ、平成十二年今世紀中には九千キロになることが大体今のところで予想がついております。 これとあわせまして、地域高規格幹線道路網を先ほど都市局長からもお話がありましたような地域、地方拠点都市、こういったものを支えるための大きなフレームとしてつくり上げる。あるいは全国的な高規格幹線道路網の足らざるところ、あるいはそれらとの中間として地域のいろいろな活性化のために必要な地域、こういうものを結ぶものとして地域高規格幹線道路網をつくりたいということで、この計画を平成四年度にまとめようと思っております。そして十一次にはこれを大きな私どもの課題として取り組みたい。こういうものを全部組み合わせながらやっていくわけでございます。 例を四国でとらえますと、四国は平成十年にはいよいよ本州と三つのルートでつながります。九州経済圏と四国経済圏、中国経済圏と四国経済圏、近畿圏と四国圏、これが一体となるわけでございますから、大きな意味での国土全体としての集積圏がここでも構築できるわけでございますから、そのときに四国の中における集積効果を上げるネットワークができてなければならないだろうということで、今、関係県と御相談しながらその内容の詰めをやらせていただいている最中でございます。 こういうことで、一つ一つ地域の声をいただきながら、新しい十一次五カ年計画におきましては、県版といいますか地域版の五カ年計画もつくり、地域版の五カ年計画と国全体としての五カ年計画の二つが表裏一体をなした形で新しい道路整備に取り組みたいと思っております。
○井上章平君 よろしくお願いいたします。 それから次に、河川であります。 都市河川の整備についてお伺いするわけでありますが、従来、大都市等では都市小河川制度という制度で進めてまいりました。そのために県庁所在地でもかなり大きな都市、あるいは政令指定都市等ではかなりこの制度によって事業が推進されてきたと思うわけでありますが、一方、相対的にそれ以外の地方都市での都市河川整備のおくれが著しいと思うわけであります。しかし、この制度をそのままこれらの中小都市に敷衍することはそれらの都市の財政事情からとても困難と思われるわけであります。これらの問題について何か打開策ということはあるのでありましょうか。
○政府委員(近藤徹君) 河川事業を進めるに当たりましては、生命財産を守り民心の安定を確保するという観点から進めるわけでございますが、当然ながら、それぞれの河川の持っている整備状況なり近年の災害の発生状況等を勘案しながら進めてきておるわけでございます。 したがって、河川の財源の配分に当たっては、国土の構造における骨格的枠組みの構築にかかわる大規模な治水事業、いわば大河川の整備、それから地域の安全の確保や生活環境の向上を図り、活力ある地域づくりに寄与する事業の促進、いわば今回の拠点都市地域の整備なんかもこの枠組みに入ると思いますが、そういう事業に力点を置くこと、また大都市圏を中心とした住宅宅地供給の推進に不可欠な事業の促進、それから事業の進捗を考慮しつつ投資効果の早期発現を図る、こういったさまざまな観点で進めてきておるわけでございます。 とりわけ都市部におきましては、都市化の進行に応じて水害が顕在化しているという状況にかんがみましてそれぞれの地域の特性に応じて事業の促進を図っておるわけでございますが、財源負担のある地域におきましては、今おっしゃいました都市小河川等の事業により地域の負担も一応踏まえつつ事業の効果の早期発現を図ってきたということでございます。 それらの延長上におきますと今回の地方拠点都市地域においてはこの傘の中では整備が立ちおくれるのではないかという御懸念かと存じますが、もともと、先ほど言いましたような一極集中を是正しながら国土の均衡ある発展を図ろうというこの法律の趣旨は、当然ながら河川事業の推進においても十分路をえていくべきことだと存じますし、また地方の自立的成長と国土の均衡ある発展を図る上で治水事業も極めて重要な役割を果たしているということを十分踏まえつつ、地方でいろいろ計画されます中でも特に根幹的な施設として提案のありました河川事業につきましては最大限の努力をいたしまして、事業効果の早期発現を図る観点から予算の配分等も対応してまいりたいと存じます。
○井上章平君 先ほど種田委員からの質問の中に関係市町村に対する自治省としての財政上の支援策について質疑があったわけでありますが、実はこれもまたその都市の財政事情に非常に大きく左右される問題でありますが、下水道整備、これがだんだん大都市から地方都市に本格化する地域が移っておるわけでありますけれども、最大の課題はこれらの都市の財政事情にあるというふうに伺っておるわけであります。 そういう中で、下水道整備を進めるためにはどのような手だてをお考えか、お伺いいたしたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) まさに御指摘のとおりでございまして、ただいま進めております第七次下水道整備五カ年計画におきましても、普及のおくれております中小市町村の整備促進を最重点課題としておるところでございます。 この中で、その財政事情等なかなか厳しい面もございますので、まず私どもは小規模な管渠にも助成が及ぶように国庫補助対象範囲の見直し、拡大を行っておるなど、いわゆる補助制度の拡大、充実に努めておるところでございます。それから、財政力、技術力が十分でない過疎市町村におきまして都道府県が代行して下水道の根幹的施設を建設する都道府県代行制度の創設も平成三年度に行ったところでございます。こういったような形のほかに、下水道事業団の活用等も図りながら財政力あるいは技術力の不足する中小市町村に対する支援体制を積極的に講じていく必要があると思っております。 私どもといたしましては、関係省庁の御協力もいただきまして、さらなる各市町村における財政事情の改善に、特に下水道整備の観点から御支援いただき、また改善していただけるようにお願いしながら進めてまいりたいと思っておるところでございます。
○井上章平君 建設大臣にお伺いいたしたいわけでありますが、ただいますべてではございませんが、二、三の問題についてお伺いいたしました。 いずれにいたしましても、この地方拠点都市の整備には社会資本の整備が大きくかかわっておることはもう言うをまたないわけであります。一方、我が国では従来から社会資本の整備のおくれということが指摘されております。しかし、実際といたしまして、本年もそうでありますが、フローとしてはこれはもう先進工業国の中でもぬきんでて公共事業を積極的に進めておる国だというふうに言われております。つまり、フロー大国でありますが、いかんせん歴史が浅いためにストックは小さいというようなことであろうかと思うわけであります。しかし、これから公共投資十カ年計画で四百三十兆円という投資が行われるわけであります。また、その受け皿の一つとしてこの地方拠点都市整備ということがこれから取り組まれていこうとされておるわけでございます。 そういった意味で、これらの投資が国土形成に非常に大きな意味を持つというふうに私は考えるわけでありますが、この地方拠点都市整備への建設大臣としてのお取り組みにつきまして御見解を伺いたいと思います。
○国務大臣(山崎拓君) 先生御指摘のとおり、我が国はフロー大国であってストック小国である、そのように考えます。一人当たりの国民所得では既にアメリカを超えております。そういった意味ではフローの面におきまして先進諸国の中でも既に第一級の水準に達していると考えます。それにもかかわりませず、国民生活の面におきまして必ずしも豊かさを実感できないといううらみがございまして、そのために宮澤内閣といたしまして生活大国づくりを志向している、こういうことではないかと考えるわけでございます。 そこで、生活大国づくりの中で幾つかの指標と申しますか考え方の整理がございまして、施政方針演説の中でも六点を総理はお挙げになったのでございます。その中に住宅、社会資本の整備が第一項目として掲げられたことは御案内のとおりでございます。 住宅、社会資本の整備につきましては、私ども建設省といたしましても、公共事業の七割を所管する官庁といたしまして特に責任が重いと考えているのでございます。 そこで、例えば住宅でございますが、今日二戸当たりの平均の平米数が八十九平米でございますが、これを全国平均で二〇〇〇年には百平米にしたい。あるいはただいま都市局長が答弁されました下水道に関しましても、現行の処理人口普及率が四四%でございますが、これを二〇〇〇年には七〇%まで持っていきたい。あるいは公園面積でも、これは一人当たり五・八平米でございますが、これを十平米まで持っていきたい。河川防御率におきましても、現行の四五%を今後の五カ年計画で五三%、さらに二〇〇〇年に向けて高めていきたい。このように、それぞれ目標を持ってこれからの社会資本の整備を行っていくところでございます。 そこで、ただ漫然と全国的にということを申し上げましても、これはなかなか実施におきまして公平を期しがたいというようなこともございましょう。たまたま本法案を国会におきまして成立をさせていただくということになりました暁には、それらの住宅、社会資本の整備は拠点都市地域におきましてプライオリティーを高目に持って整備されていく、ひっきょうそういうふうになるのではないか、かように考えているところでございます。
○井上章平君 ありがとうございました。 次に、通産省にお伺いいたします。 この法案の表題を見ますと、「地方拠点都市地域の整備」、あわせて「産業業務施設の再配置の促進」と並列的に書かれておるわけでありますが、この地方拠点都市地域の整備と産業業務施設の再配置がどう結びつくのかということが私もよく判然としないわけであります。 そもそも東京一極集中、つまり過度の集中弊害が大きくなっておるという指摘がありながらなお集中が続いておるわけでありまして、これには東京の持つさまざまな機能集積、何よりも東京が我が国最大のマーケットであるというようなことからも、業務機能移転ということはなかなか言うはやすく行うほかたしという面があるのではないか。どうしても一つには強制力、先ほどもそういったお話があったわけでありますが、東京からの追い出しというと語弊があるかもしれませんが、強制力が並行して必要なのではないかということと、やはり東京にかわる受け皿ということになりますと東京に劣らないさまざまなそういった機能集積がその地域に満たされなければならないのではないが。そういう意味から考えまして地方拠点都市地域がそれにふさわしいところであるのかどうか、そういう整備が行われるだろうか、あるいはそういうところが選択されるであろうかというようなこともあると思うわけでございますが、この点について御見解を伺いたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 産業の地方分散につきまして、私どもは大事な点が二点あろうかと思っております。 私どもは昨年東京に本社を置く上場企業を対象にアンケート調査を実施したわけでございますけれども、この調査によりますと、約四割の企業が移転計画を策定中または計画中というお答えでございまして、しかも、その四割の企業のうちの六五%が新たなオフィス取得時の支援を要望している、このような状況がございます。また、このような要望に次ぎますのが、情報、交通等のインフラ、あるいは住宅整備などの生活環境の整備といった点であるわけでございます。 このようなアンケートの結果とこれまでの企業地方立地の実態等を踏まえて考えますと、地方分散のポイントと申しますのは、企業が大都市におきますと同様の企業活動が行えるような産業基盤が整備されていること、さらにまた、企業の従業員が大都市におきます以上に質の高い生活を享受できるような環境を整備すること、これが第一のポイントではないだろうか。第二のポイントが、企業の移転に伴いますコストの軽減を図ること。この二つが整いますと、相当程度の移転が進むのではないだろうか。そのためには、先ほど来の御議論にございます拠点を地方に整備いたしまして、産業基盤、生活基盤を整備するということが極めて大事な施策になるわけでございます。 ただ、そうは申しましても、東京一極集中が進んできた背景には、企業にとりまして東京でビジネスを行うことが大変に合理的である、企業の利益になる、有利であるというような事情があるわけでございまして、この点を長期的に改善していく必要があろうかと思っておるわけでございます。特に情報通信、交通の利便性の問題、あるいは地方におきます高等教育機関の整備の問題、地方におきます技術プロジェクトや取引関係の振興の問題、こういった問題があるわけでございます。これらを息長く進めますとともに、大都市部におきます過度の立地の抑制につきましても、先般お答え申し上げましたように、これを現実的な形で進めていくということが必要だろう。 これらの対策が総合的に行われまして地方への産業の分散というものが進んでいくだろう、かように考える次第でございます。
○井上章平君 時間も参りましたので、最後に国土庁長官にお願いいたします。 この法律案は六省庁が直接関係しておりまして、今日までの調整の努力を多とするところでありますが、地方も大変期待をしておりますし、また地方の受けとめ方も非常に多様であるというふうに伺っておるところであります。もう一つイメージがはっきりしないということもあるのかもしれませんが、しかし、この法律の円滑な施行に向けての特に国土庁長官としての御決意をお伺いして、終わりにいたしたいと思います。
○国務大臣(東家嘉幸君) けさほどの関係大臣の協議の中でも、特にお互いに強調せねばならない問題は、地方における生活大国、経済大国としての豊かさを享受できる活力ある町づくりをしよう、それは拠点法を今後生かすことにある、そのためには今後特に関係省庁が協議を重ねながらやっていこうと。 特に私は、これは私の主観かもしれませんが、今日まで地域の整備にはそれぞれの役所、特に建設省においては直轄事業等も今日まで取り組んでいただいておりますが、そういう問題と、今度はそれぞれ創造性を持って自立的な案をつくるというような問題、そのときにどのように今後の整合性というものをとっていかねばならないかというようなこともいろいろと危惧するものもございますので、だからこそ私は、既にそれぞれ手を挙げておられる地域の皆さんによく指導しながら、また、我々が求めるようなものに計画ができ得るかということも私どもは心配していかねばならない、その指導、そしてまた自立性というものを尊重しながら、特に関係する各省庁の協議を十分図って、今後、目的の達成のために取り組んでいかねばなるまいというふうに思っております。
○中川嘉美君 初めに、総論としまして東京一極集中是正について伺いたいと思います。 まず、東京一極集中は排除すべきであるということが当然のように言われてきたわけでありますが、政府の目から見でなぜ東京一極集中が不都合であるのか、政府の側から見たその不都合な理由を列挙していただければと思います。
○政府委員(田中章介君) 東京一極集中の都合の悪い点、これは、四全総で国土の均衡ある発展、特に多極分散型の国土ということでありまして、地方と東京圏、そういったバランスのよい国土形成を図るということがまず第一にありますし、また一極集中が進んだ結果、例えば東京では住宅の問題あるいは通勤の問題等々、いろいろ東京一極集中に伴う弊害ということが進行している、こういったいろいろな点がございます。
○中川嘉美君 どちらかといえばごく一般的な姿での御答弁ではないかというふうに今受けとめているわけですが、それでは、東京一極集中を是正する必要性について政府はどの程度の緊迫感を持っておられるか、このことに触れてみたいと思います。 すなわち、東京一極集中を是正するために、先ほどいろいろ御答弁いただいてはいますけれども、総合して、もはや手段を選べないところまで追い込まれているというふうに考えておられるのかどうか、緊迫感、そういったものがあるかどうか、この点はいかがでしょうか、お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(田中章介君) お答えいたします。 東京一極集中の現状に対する認識ということになろうかと思いますが、この一極集中の要因を考えてみますと、いろいろございますが、やはり国際化の進展に伴いまして東京の世界都市としての役割が非常に高まってきている、その結果、東京の中枢機能であるとかあるいは金融、情報等の高次都市機能としての集積が進んだということが、まず一点あろうかと思います。また第二には、産業構造の変化、特に経済のソフト化、サービス化が進むというそういう変化の中で東京圏へ諸機能が集積していく。またさらには、若者が、特に東京の生活あるいは東京の文化と言ってもいいかと思いますが、そういったものに魅力を強く感じている。そういった諸要因によって一極集中が進んでいるわけでありまして、こういった一極集中が進む、またそれに伴う弊害が依然として進行している、こういうことは日ごろ私ども強い認識を持っております。 しかし、そういう中にありまして東京圏への人口移動というものの最近の統計を見ますと、若干変化の兆しか見えていることも事実でございます。例えば東京圏への人口につきまして、特に流入超過増幅というのを見てみますと、昭和六十二年には十六万人あったのが平成三年には八万を下回る状況にもなってきているわけでございます。またそのほか、工場や大学の立地につきましても、例えば工業生産額であるとか大学生の東京圏に占める割合を見ますと、若干最近低下している。 こういった変化の兆しもあるわけでございますが、全体的に見ればやはり一極集中というものが進んでおり、またその弊害が依然として持続している、こういうことは強く認識しておりまして、さらなる一極集中是正のための施策が重要である、こういうふうに認識しております。
○中川嘉美君 私が先ほどお尋ねした趣旨は、今いろいろまたさらに並べていただいたわけですけれども、要するに、そうするともはや手段をもう選べないというところまで来ているかどうかというところなんですが、その辺をもう一回御答弁いただきたい。 〔委員長退席、理事種田誠君着席〕
○政府委員(田中章介君) 一極集中の是正あるいは多極分散型国土のための施策というものは、一つの政策だけで完成できるわけではなくて、いろいろな政策の組み合わせでもって遂行していく必要性があるわけでありまして、これまでも政府は、例えばふるさと創生を契機として自主的な地方の施策を支援する、こういうのもありましたし、また、全国一日交通圏の整備ということで特に高速交通体系網を整備する、また、地域の産業の高度化を図るためにテクノポリスとか頭脳立地とかいった施策も展開してきていますし、多極法に基づく振興拠点の整備もありましたし、また、国の行政機関等の移転の促進、こういういろいろな施策を遂行してきているわけでございます。 しかし、一極集中是正というのは、国際化の進展であるとかあるいは産業構造の変化であるとか、こういった要因が強いことは事実でありますので、さらなる政策が必要だ、こういうふうに認識しているわけでございます。
○中川嘉美君 御答弁そのものは非常に結構な内容だと思いますけれども、要するに、手段を選べないところまで来ているのか来ていないのか、その辺を私は伺ったのですが、不都合をずっと並べていただいた割に、どうも何となく緊迫感、緊迫度というものがまだ足りないんじゃないかなというふうにも受けとめられるわけでございます。 〔理事種田誠君退席、委員長着席〕 ある施策を講ずる場合に、それによって得ようとする利益よりも、それとトレードオフの関係にある利益、特に私人の既得権となっているようなものである場合には政府はそちらの方を優先させる傾向にあるという印象を受けるわけです。例えば地価対策についてもそうであったように、いわゆる八方美人でいては抜本的な対策を講ずることはできないんじゃないか、こんなふうに思うわけです。 そこで、ここで伺いたいことは、一極集中是正と相反する利益としてどのようなものが想定できるのか、明確にお答えをいただきたいと思います。
○国務大臣(山崎拓君) ただいま中川先生の御質問を承っておりまして、大変重要なポイントをついていらっしゃると思うのでございます。 いろいろな観点からこの種の議論は行われていくわけでございますが、とりわけ宮澤政権は生活大国づくりを政策の第一の柱に掲げておるわけでございますが、そういう観点から申しますと、実は東京一極集中の状況の中で、国民の多くが集中している都市圏におきまして果たして生活の豊かさを実感できる可能性があるか、こういうことになりますと、経済審議会でも今御審議中でございますが、例えばみずからの持ち家を確保いたしますのに収入の五倍程度というような議論が非常に有力に存在いたしておりますが、そのことが東京圏で可能であるかというと大変な疑問である。これはもう先生方からもしばしば指摘を受けているところでございます。 それから、きょうも御議論がございましたが、通勤時間が「時間以上かかるのが六割だということであります。生活大国ということで宮澤総理は六項目挙げたんですが、その二項目目に労働時間の短縮ということを挙げておられまして、年間千八百時間を五年後には実現させなければならぬというようなことを言っております。ということになれば、それは労働時間そのものではございませんが、通勤時間がそれだけ我々の生活の中でウエートを占めるということは同じ意味を持っておるわけでございまして、生活大国づくりという観点からいたしますと、東京あるいは首都圏に私はフロンティアは甚だしく乏しいと考えておるわけでございます。 今回の拠点都市地域整備法案には幾つかの目的がございます。その一つは、かねてから四全総でもうたっておりましたような多極分散型国土の形成、あるいは国土の均衡ある発展というねらいももちろんございますが、同時に、生活大国づくりを地方分散を進めることにおいて、東京では平均が六十平米の住宅であるが富山にいけば百五十平米であるように地方にはフロンティアがあるから、そこには生活大国づくりを行ういわゆるポテンシャリティーがあるから、この法案が成立しこの政策を遂行することによって、我々がここ多年にわたりまして志向してまいりました多極分散型国土の形成と同時に生活大国づくりを私どもは具体的に実行に移すことができるんではないか、かように考えているわけでございます。 その観点からいたしますと、先生の御質問に直接的にお答えするとすれば、もはや選択の余地なく、私は一極集中をここで改めるべきだと申し上げて差し支えないと思います。
○中川嘉美君 御答弁によっていろいろと理解を深めることができるわけですけれども、今の御答弁の結論からいくと、むしろその前の問いに対する御答弁をいただいたような気がするわけです。というのは、今伺ったのは一極集中是正と相反する利益というようなものはどのようなものが想定されるかというそのポイントを今伺ったわけですが、では、このまま次に移っていって、そのことに関連して質問を展開していきたいと思います。 というのは、オフィス立地規制の問題です。 東京におけるいわゆるオフィス立地規制の是非について伺いますが、関連した質問、質疑も午前中に行われておりましたけれども、今回の法案でも東京におけるオフィス立地に対して何らかの負荷を加える措置にはまだ踏み込んでいないわけなんですね。産業構造審議会で慎重論が多かったということを言われておりますが、何がまずいと考えておられるのか、この点をここで御説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 産業構造審議会におきましては、東京におきます立地規制を行った場合に、この立地規制の態様にもいろいろございますけれども、これを行いました場合に日本経済にどのような影響を与えるだろうか、経済の活力を大きくそぐことになりはしないかどうか、それから、地域に中小企業を含めましてたくさんの企業が立地しているわけでございますけれども、このような企業の経営その他がどうなるのか等々の議論がございまして、慎重論が多かったということでございます。
○中川嘉美君 立地規制にもさまざまな方法が考えられると思うわけです。例えば、新規参入を規制するとか、あるいは既存の産業集積に対して例えば土地保有コストを高めるとか、そういう措置をとることも考える余地があると思いますけれども、そのような方法にまで立ち入っての検討は一応されたのかどうか、その点をまず伺っておきたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) 産業構造審議会におきましては偶々のものに分けて議論をしたということではないわけでございますけれども、私どもいろいろ勉強をいたしまして、都市機能の受益者としてコスト負担を上げた場合にどうなのかということも一応の検討はしてみたわけでございますが、当面、本年度から地価税が導入されたという事実があるわけでございますので、まずその効果につきまして十分に見守り分析していくことが先であろうという結論になったわけでございます。 さらに、これに加えまして、立地コスト負担をふやすということにつきましては、先ほど申し上げましたように日本経済の活力をそぐことになるかどうか、中小企業その他に対する配慮がどのようになされるのか等々についてさらに研究が必要だろうというふうに考えたわけでございます。 現在、東京都におきましても業務機能の過度集中対策を含めました均衡のとれた都市づくりということの研究が行われているわけでございまして、このような研究とも連絡をとりながら、また各省庁とも連絡をとりながら、これらの問題についてさらに勉強をしていきたいというふうに思っているところでございます。
○中川嘉美君 このような具体的なテーマに立ち入っていないということでありますと、適切なる措置を加えるという積極的な努力が果たして足りているのかなとうかなというふうにも思うわけです。 産業構造審議会のメンバーには、学識経験者のほかに、東京の立地メリットを享受していると言える会社経営者の顔ぶれも割と目立っているわけですけれども、審議会では、先ほども触れたように、東京のオフィス立地規制に慎重な対応が必要であるとの結論が出たわけであります。そのこと自体に対して政府はどのように考えておられるのか。私は、せめて新規参入を抑制することが必要じゃないかな、こんなふうに思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(中田哲雄君) 産業構造審議会におきます結論につきましては、私どもこれを尊重してまいりたいということで今般の立法作業に入ったわけでございます。 今後につきましては、ただいま申し上げましたように地元東京都の御意見等々もよく伺いながらさらに勉強を続けるということにいたしたいと考えておるところでございます。
○中川嘉美君 この法案を見ていますと、地方に対してプラス効果を与えるだけの措置しかとっていないように思われるわけですけれども、地方を底上げするだけでは東京との差というものは詰まらないんじゃないか。一極集中を排除しようとするには、東京の持つ立地メリットを抑制あるいは減殺することが当然必要になってくると考えます。しかしながら、政府のとる施策を見ておりますと、一極集中がもたらす不利益は当然東京にも及ぶことだから、いずれは予定調和が訪れるだろうという程度にしか考えていないようにも見えるわけですけれども、この点についてはどう考えられますか。
○政府委員(中田哲雄君) 私ども現時点で、東京都に立地しております各企業が、例えばオフィスの高騰でございますとか交通難の問題によります経済的なデメリットが生じているようなこと、あるいは地震とか火災によりますリスクが非常に高まってきているようなこと、さらには東京都自体の特に都心部の生活機能の低下によりまして働く人の通勤の問題あるいは生活の利便の問題等々が生じている、これらについては承知をしているわけでございます。 ただ、実際にこの東京都につきまして立地の抑制策を講ずるという場合に、極めていろいろなやり方があり、また技術的にも非常に困難な問題がたくさんあるわけでございまして、今般の法律では残念ながら私どもこの辺の勉強が終了しなかったということでございます。 法案では第三十九条という規定を置いておりまして、都市計画等の土地利用に関する計画の中で過度集中の状況を踏まえた対応をする、これにとどまっているわけでございますけれども、東京都の問題というのは非常に重大な問題でございますのでさらに研究をしたい、このように申し上げているところでございます。
○中川嘉美君 私としては、もっと東京の例えば立地メリットの抑制というようなことに積極的な対応を講ずべきではないか、このように思います。ただ単に少なくともそういった予定調和が訪れるんじゃないかというようなことであってはならないと思うわけです。 先ほどもちょっとコスト負担の問題が出ましたけれども、産業構造審議会の答申でも都市機能の受益者としての適正なコスト負担は受容するとの基本的な考え方についてはコンセンサスが重視されるべきである、このように述べられているわけで、これは適正なコスト負担が現在なされていないことを認めるもののようですけれども、異論を唱えて、いるのは東京において集積の利益を享受している者ではないか、こういうことなんですね。たとえコンセンサスが得られなくとも適正な負担というものは求めてしかるべきではないかと私は思いますが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(中田哲雄君) 実際にこの東京、特に都心部におきます利便性を享受している、それに見合うコストがどの程度まで負担されているのかという点についてはさらに詳細に検討を進める必要があると思うわけでございます。このあたりの実態の解明を待ちまして今後の研究をしていきたいというふうに思うわけでございます。
○中川嘉美君 事ごとに反論するわけではありませんけれども、先ほど来の御答弁からいきますと、この法案が提出されて今ここで論議されていう段階で、まだこれから云々、いろいろ詰めていくとか、具体化していく、検討するというのが余りに多いので、これは非常に抽象的な中身に感ぜざるを得ないような気もしてくるわけなんです。 今のコンセンサスの件とちょっと関連してまたさらに伺いますが、それでは、このコンセンサスを形成するとするならば形成するためにどのような努力を払うつもりなのか、また、コンセンサスが形成されたと判断した場合に具体的にどのような施策を講ずる予定なのか、この辺をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(中田哲雄君) コンセンサスにつきましては、まず地元の東京都がどのようにお考えになるのかということ、特に東京都の住民がどのように考えるのかということが一つ重要なポイントであろうかというふうに思うわけでございます。それからさらに、経済界、関係各省庁との間での検討を重ねまして、全体の熟成といいましょうか、これを待ちたいということでございます。 この辺の具体的な措置の目標あるいは内容につきましての相当程度のコンセンサスができたところで施策としての体系を整備することになろうかと、かように考える次第でございます。
○中川嘉美君 くどいようですが、そうすると、その暁には具体的にどのような施策を講ずる予定でしょうか。
○政府委員(中田哲雄君) 現時点ではちょっと申し上げかねるところでございます。
○中川嘉美君 これは続けていくわけにはいきませんので、それでは次に、本法案の性格また四全総との関係等についても伺います。 まず、本法案は多極分散型国土形成促進法の実施法ということでありますが、今後新たに多極分散を促進するための別の措置を予定していないのかどうか、この辺はどうでしょうか。
○政府委員(田中章介君) 本法案以外にどのような措置を予定しているか、こういうふうな御質問であったと思います。 現在でも多極分散型国土形成を促進するために四全総に則しまして各般の施策を遂行しておりますが、この本法案以外と申しますと、現在政府部内で検討しております一番大きな課題は、この一極集中是正の基本的な対応策としまして首都機能移転問題、この問題に今取り組んでいるわけでございます。
○中川嘉美君 それから、東京一極集中の進行度が加速化していることに伴って四全総を見直す動きがあるように聞いていますけれども、現在の状況はどうなっているかということ、また、その見直し前に提出された本法案との関係はどうなるのか、この点も伺っておきたいと思います。
○政府委員(田中章介君) お答えいたします。 四全総は昭和六十二年の六月に策定されたということで、この間五年近くを経過しているわけでございますが、この四全総策定後の情勢変化がいろいろあるということにかんがみまして、現在この四全総の総合的点検を行っております。これは昨年の十二月の国土審議会総会におきまして四全総の総合的点検を中長期的な視点から行うということが決定されまして、そのために調査部会も設置されたわけでございます。 現在、その調査部会におきましては、東京一極集中問題も当然ですが、いろいろなグローバリゼーションヘの対応、あるいは人口減少とか高齢化に伴う地域社会の問題、そういう各般の問題につきまして御議論をいただいている、こういう状況でございまして、この検討結果を待ちまして、四全総の見直し等につきましては総合的点検の成果を得た上で検討していきたい、こういうように思っております。
○中川嘉美君 次に進みます。 本法案による施策が効果を出せずに終わってしまった場合には次の施策が必要となるわけですけれども、その場合にはより強い手段をとることもあり得るのかどうか、この辺はどうですか。
○政府委員(小島重喜君) 今御審議をいただいておりますこの法律は、先ほどからも申し上げておりますように、特に都市機能の総合的な整備あるいは居住環境の整備というようなことで従来とはかなり違ったやり方でやってまいっております。何はともあれ、私ども関係六省庁を初め政府一体となってこの法律の所期の目的が達成するように努力をする、そういうことが最も現時点において私どもとしては必要であり大切なことではないか、かように考えておりますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。
○中川嘉美君 次の施策というものがもしないとするならば、今、努力をするという御答弁がありましたけれども、その範囲内において、とるべき場合はより強い手段というものをとっていただきたい、このように思います。 この制度は永久法の体裁を一応とっているわけですけれども、政府は十年で見直すというようなことを言っているようでもあるわけです。なぜ見直すことを考えているのか、その理由をちょっと明らかにしていただきたい。
○政府委員(市川一朗君) この法律の附則第二条に「政府は、この法律の施行後十年以内に、地方拠点都市地域に関する諸事情の変化等に対応して、この法律の規定及び実施状況について検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」という条文が入っておりまして、それがただいま先生の方からお尋ねのございました十年以内に見直すことになっているというものの根拠でございます。 この条文が入っておりますのは、こういった施策につきましては遅くとも十年以内に社会経済情勢の変化とかこの施策の実施状況につきまして検討を加えまして、必ずしもそれでがらっと変えるというわけじゃございませんが、とにかく一応きちっとしたチェックが必要だろう、そういう意味合いと理解しておるところでございます。
○中川嘉美君 次に、本制度の具体的目標について伺います。 本法案が成立をして制度がスタートした後に制度に対する評価がなされることと思うわけです。もちろんこの制度の枠組みをつくるだけでは効果は期待できないのであって、予算措置等で十分な配慮が必要になってくると思いますし、制度発足後すぐには効果もあらわれないだろうというふうに思いますが、政府としてはいつの時点であれば、これだけの成果を示せますという公約的なもの、いわゆる公約ができるか、人口だけを指標とするのは適切でないかもしれませんけれども、例えば次回あるいは次々回の国勢調査で人口減少県をどれだけにとどめてみせるというような目安といいますか、こういったものは示せるものかどうか、これらの点についても伺っておきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) ただいま附則のことにつきましてお話を申し上げましたけれども、私ども、基本的な背景といたしまして、先ほど大臣の答弁にもございましたように、公共投資基本計画四古三十兆円というものを一つのベースといたしまして積極的な支援策ということも考えております。 そういったようなことをいろいろ考えまするならば、私どもといたしましては、大体十年ぐらいの期間でこの施策の成果というものを御評価いただきたいと思う次第でございます。しかし、十年間の過程で毎年の具体的な地域の指定、その指定された地域における事業の進捗といったようなことは刻々と出てまいるわけでございますから、そういう意味におきましては、私どもとしては毎年の施策の展開の中でその辺のところも検証していく必要があるというふうに思っておるところでございます。
○中川嘉美君 いずれにしても、努力されるということ、慎重に見守っていくということはわかりますけれども、仮に、公約的なものが前提として全く見出せない、あるいは目安すら示せないというような、仮にそういうことであるとするならば、これは効果そのものに関心が余りないのじゃないかなとも言えてくるわけですから、ひとつその点をよろしくお願いしたいと思っております。 次に、過去の地方振興施策との関係についてであります。 過去においても新産業都市あるいは工業整備特別地域の制度のような地方振興施策がとられてきたわけでありますが、これらは、指定地域によっては制度のうまみを生かした地域も見られますし、また地元の負担がふえただけに終わったというようなケースも見られるわけです。 その後この十年間をとってみましても幾つかの地域産業振興制度が創設をされておりますが、これらの制度及び今回の地方拠点都市地域制度には新産業都市あるいは工業整備特別地域の制度の運用の反省がどのように生かされているのか、この辺についても伺っておきたいと思います。
○政府委員(小島重喜君) 今お話がございましたように、過去に幾つか産業振興等を中心にいたしました地域振興立法が立案をされ、そしてそれはそのときどきの時代的要請と申しますか、によってそれなりの成果は上げてきておるのではないかというように思います。 ただ、最近、例えば県庁所在地はかなり人口がふえておるとか、そういうことを考えてみますと、どうも、まあ従来はどちらかといいますと特定の機能とか工場機能、そういうようなものを中心にしてきたわけでございますけれども、そうではなくて、やはり都市というのはある意味で総合的な機能というものの集積を図らなければなかなか地域が振興しないのじゃないか、こういう考え方を私ども持ちました。 そういう意味で、従来と違った、言うなら都市地域を総合的に振興整備する、中でも都市機能という点に着目してその高度化を図ろう、あわせて居住環境の整備を図っていこう。それから、最近の状況を見ますと、生産機能はなるほど地方のウエートがだんだん高くなって東京のウエートは低くなっておりますけれども、いわゆる業務的な機能あるいは第三次的な機能、そういうようなものが逆に東京に出てきて、それがひいては東京一極集中、あるいは若者に対してそれが大変魅力あるものになってきている、そういうことを考えますと、業務機能というようなものも地方への積極的な展開を図らなきゃならぬ。こういうような観点に立って今回の法律を提案申し上げたわけでございます。 それとあわせまして、一全総、二全総はどちからといいますと地域開発につきましても国主導でございましたが、四全総になりますと地域主導型でいくべきである、言うならボトムアップといいますか、そういう方式をとるべきではないか、こういう考え方が出ておりまして、その四全総のそういう思想というものもここに如実に反映をいたしまして、従来でしたら国がもう少し関与するというような部分につきましても市町村の自主性を尊重する、あるいは県を尊重する、こういうやり方で、言うならば地域主導型の方がこれからの地域振興の上ではいいんではないか、こういう点も一つの反省点ではなかろうか、かように考えております。
○中川嘉美君 過去は生産面が主であったが今回は事務所移転の方に主眼が置かれるということですが、この制度は過去の産業振興施策とは切り口を異にすると言われているわけですけれども、地域指定の重複もあり得るということなのかどうか、この点はどうでしょうか。
○政府委員(小島重喜君) 既存の地域振興立法におきましてもそれぞれよい視点もあるわけでございます。例えば、今回の法案には工場の機能といいますか生産機能的なことは直接は書いてございませんけれども、工場につきましては御案内のとおりもう既に工業再配置促進法以下幾つかの施策がございますから、そういうものもこういう中で拠点地区として利用していただければいいわけでございまして、既存のそういう制度をも活用できるものは最大限に活用して、そしてこの拠点都市地域に生かしていただくという考え方はぜひ必要ではないかというように思います。
○中川嘉美君 それでは次に、地方拠点都市地域の指定そのものについて伺います。 この地方拠点都市地域の指定というのは都道府県知事が行うことになっておりますが、その際に必要な主務大臣との協議について伺いたいと思いますが、この協議というのはあくまでも調わなければならないものなのか、最終的にこの協議が調わなくても知事は地域を指定することができるのか。だれも国の意向を無視して地域の指定を行えるとは考えていないわけですけれども、地域指定について国の承認事項としないで協議事項とした実質的な意味は何なのかということですね。 実質的に承認事項と変わらないのであれば、今回の地方振興策のアピールポイントとして、せいぜい地方の自主性を重視したという点をイメージづける意義しかないんじゃないだろうか、このようにも考えるわけですが、この点についてはいかがでしょうか。
○政府委員(市川一朗君) ちょっと法律的な御答弁で恐縮でございますが、法律的には知事の地域指定に際しましては主務大臣の協議ということに一応なっておりますので、協議が調わなかった場合はどうなのかという意味におきましては、そういう場合には地域指定はできないということを言わざるを得ないかと思いますが、私どもといたしましては、そういったような事態が生ずることのないように地方公共団体との緊密な連携、関係省庁間の協議体制というものをしっかりとつくっていく必要があると思っておるところでございます。 それから、協議と承認とのあれでございますが、私もちょっと若干弱い部分がございますのでここはやや先生の御指摘に近い御答弁になろうかと思いますが、承認という言葉はどうしても上下関係をあらわす感じがいたします。より対等な立場といいますか、知事の立場を尊重するという意味におきまして、今回の施策の基本的な物の考え方としては協議という言葉が適切なのではないかと私ども判断いたしまして、実はもう最初の段階から協議という言葉を使っておりまして、承認という言葉を使うことは一度も考えたことがなかった次第でございます。
○中川嘉美君 地方拠点都市地域の予定数が五十から八十程度あるわけですが、一県当たり二地域という限度があって、それを担保するには国の関与が必要であろう、このように思います。 そこで、国の関与はその指定数に関してだけなのか、原則として県庁所在地を除くというような基準も耳にするわけですがそれも通達等で指導するのかどうか、既に基本方針に盛るべきその他の要件も固まっているんじゃないかと思うわけですけれども指定地域の中心都市の人口などの要件を披露していただくことができますかどうか、また、例外的に県庁所在地でも指定できる場合の要件というのはどのようなものか、あわせて御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 地域指定に関しましての国の関与の程度の問題等でございますが、基本的には、基本方針の中で相当必要なことは明示いたしまして、その基本方針で明示されました基準に合っているかどうかといったような観点からの協議を受けたいというふうに思っているわけでございます。 その際のポイントにつきましては先ほど来御答弁申し上げておりますけれども、特に数の点につきましては、先ほど先生から御指摘ございましたが、県内の一極集中が生じないかどうかといったようなこと、あるいは本法案に基づく施策の実効が上がるような成長の潜在力を有する地域がどうかといったようなことを基本方針で示すことになると思いますが、そういったようなことにつきまして私どもとしては御意見を述べていくということになろうかと思っております。 それから、その際、人口につきましては、潜在力があるかどうかとかといったような観点でおのずとある程度の規模と集積といいますものは出てまいるわけではございますけれども、全国を見ました場合に各県によりまして大変実情が異なり、人口の数でそれを示すということはかえって地域の実態に合わなくなるおそれがありますので、そういったような表示は恐らく基本方針の中で示すということにはならないでいいのではないかと思っておるところでございます。 それから、都道府県庁所在都市の考え方につきましては、原則としてこれは除外されるというふうに考えておりますけれども、あくまでそれは県内の一極集中を生じないようにという観点で考えておることでございますから、その裏といいますか、原則の例外ということになりますと、そのことが県内の一極集中という観点から見てそこを指定してもそういうおそれはないというような県内事情があるような場合には、例外的にあり得るのではないかというふうに考えておるところでございます。
○中川嘉美君 指定するに当たっての国の関与の仕方としては、基本方針で定める事項以外に指定要件をあらかじめ通達等で細かく指導するのか、あるいは県からの協議の際に個別に判断することになるのか、この辺をもう一回ちょっと御説明いただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 基本方針という形でしっかりと明示したいと思っております。
○中川嘉美君 初年度は十ないし十五程度の指定ということで報道されていますが、都市局長の話によると、きちっと固めた数字ではないというふうにも言われております。制度がスタートしますと各県が競って指定しようとすることになると思いますけれども、その優先順位はどのように決まっていくのか。指定に際しての判断基準となるのは二条一項の要件だけなのか、あるいは基本計画の案も対象となるのか。もし計画案の優劣で指定の優先順位が決まるとするならば、人口減少県あるいは過疎化進行県の優先度が考慮されない可能性もあるんじゃないかと思いますけれども、この点はどうですか。
○政府委員(市川一朗君) 要件につきましては、法律に書かれております指定要件のほかに、基本方針の中である程度の申し上げておった内容が書き込まれてまいることになろうかと思います。 その中で、現実に指定される段階におきましては、特に施策の実効性が上がるところ、つまり条件整備の整った地域ということが一つの選定要件として考えられておりますので、その辺のところをにらみながら、最終的には各県内で一、二カ所という点につきまして合意ができておりますが、初年度において大体どのくらいの数になるかということにつきましては、まだこれからの状況も見きわめながら対応せざるを得ないのではないかと思っておるところでございます。
○中川嘉美君 地方においては既にこの法案に対して確かに異常なまでの関心を示しているわけですが、国が地域指定のための判断基準を示す場合には全国画一的な客観的のものとならざるを得ないだろうと私は思います。 そうした場合には、県ごとに指定されるべき地域がおのずから決まってくることになって、地域によってはこの地域指定のための準備もむだな努力となりかねない、そんなことも出てくるんじゃないかと思います。その地域が示した熱意というものが県に通じた場合には、国の要件を満たさない場合でも例外的に地方拠点都市地域に指定され得るのかどうか、この辺をもう一度詳しく聞きたいんですが、国の策定する要件の徹底度、これはどの程度のものなのかを示していただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 基本方針におきまして具体的な考え方が明らかにされるわけでございますけれども、その基本的な要件に全く該当しないといったようなところにおきまして、その地域で大いに熱意が高まり、それで県内でも大体そういうところでいいのではないかというような状況になるということが生ずるということのないように対応したいと思っておるところでございます。 現実にじゃそれはどういうふうにするかということにつきましては、したがいまして、基本的な物の考え方はできるだけ早い段階で具体的なものが決まる前からどんどん情報として流しながら対応していきたいと思います。現時点におきますこうした本院におきます質疑、御質問に対する各大臣以下関係者の答弁もそういった形である程度情報の一つの開陳ということになるのではないかと思っておる次第でございますが、ただいま先生から鋭い御指摘をいただいたように思うわけでございますので、そういったような事態が生じては決してならないと思いまして、改めて意を固めておるところでございます。
○中川嘉美君 県内で複数の候補地が名のりを上げて県が選定し切れないような場合、候補地が隣接するとき、両者を一つの地域として指定するようなことも可能なのかどうか。二条一項の要件は解釈の余地がありますけれども、面積要件等もできたら示していただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 大体、指定される地域の範囲につきましては、通勤圏とか商圏とか日常生活圏あるいは文化圏といったようなところで、中心となります都市を中心といたしまして一体として整備を図ることが相当な地域、こういうことで考えておるところでございます。したがいまして、ある程度の広がりにはなりますけれども、おのずと常識の範囲内の限定になるのではないかと思っておりまして、それをまた面積で幾ら幾らということを表示するよりは、ただいまのような記述の仕方の方が現実的なのではないかというふうに思っておるところでございます。
○中川嘉美君 指定に当たって地方の自主性を尊重するということは、これは知事の判断を重視するということになるわけですけれども、県における合意づくりにもちろんゆだねられるとはいっても、それは結局、名のりを上げた地域同士の争いとなって、国に対する陳情合戦はないとしても、県に対する陳情が激烈をきわめるんじゃないか、このように考えますが、この点はいかがでしょうか。
○政府委員(紀内隆宏君) お示しのように、地方のこの制度に対する期待は高いものがございますし、また具体的な場合には各県内におきまして知事の指定を受けたいというところが複数あらわれて競合するというふうな現象はあろうかと思いますが、それは、それぞれの熱意のあらわれとして、それが知事の手によっていわば同じ地方団体、包括的であるかどうかはともかくといたしまして、地方団体の中で技術的に調整されていくということがこの法案のねらいであるというふうに思っております。
○中川嘉美君 次に、地方の自主性について伺います。 衆議院での附帯決議には、人口減少道県や過疎化進行府県について十分配慮すること、このようにありますが、制度発足に当たっては順調なスタートを切りたいのが人情ではないだろうか。そのために、それらの道府県の中でも優良なモデル地区を指定する運びとなるんじゃないかと思います。そうすると、国の主導で制度が始動しまして、その後も右に倣えするような例が続いて、結局はどの地域も金太郎あめのようになってしまうんじゃないか、このように思いますが、この点はどうでしょうか。
○政府委員(市川一朗君) 具体的な指定に当たりましては、地方の成長を牽引するための拠点となる潜在力を有する地域につきまして施策の効果を高めるために重点投資等を行うことになりますので、そういった観点におきまして、施策の実効性が上がるところ、そういったようなところが私どもとしては具体的なイメージとしてまず出てくるところでございまして、人口減少県におきましてそういったような場所がありますことは極めて望ましいと思っておりますけれども、単に人口減少県であるという理由だけで他と異なる取り扱いをするよりは、るる申し上げておりますような、指定された地域におきまして各種の施策を展開することが極めて実効性が上がるというようなところからやっていけるのが一番よろしいのではないか、そういうふうに思っているところでございます。
○中川嘉美君 地方拠点都市地域整備のための支援施策は地方の自立的な成長を促すためのものという性格そのものに欠けるんじゃないかと思うわけです。たびたび言われるように、地方の自立的成長と産業業務施設の再配置というものは相入れない性格のものではないかと思いますが、政府の考える地方の自立的成長とはどのようなものなのか、またそのための支援措置として地方は何を求めていると考えておられるか、この点についても伺っておきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 私どもが地方の自立的成長云々ということを申し上げましたのは、先般の国勢調査の結果におきまして、十八道県で人口が減少している中で、それぞれの県庁所在都市が中心でございますが、そういうところでは人口の増加が見られる、すなわち自立的成長の傾向が見られる、こういったようなところに着目いたしまして、そういったところにつきまして、今後県内において潜在力を有するようなところで各般の施策を展開すればそこを拠点として地方の自立的成長が見込まれるような場所というところでございますので、そういう意味におきましては、相当程度私どもも御支援申し上げますけれども、その結果として、その地域が活性化され、拠点となり、若者の流出を防ぎ、むしろ呼び戻し、そして自立的成長につながるということを願っているからでございます。また、そういった施策展開におきましてできるだけそれぞれの地方の持ちます自然とか歴史とかといったものを尊重いたしまして、またそれに見合った特性のある地方都市の発展ということが極めて大事だと思うからでございます。 その都市をどういうふうな都市に持っていこうとするのか、そのためにどういう計画を立て計画内容を進めていくのかといったことにつきましては、できるだけ当該市町村において計画を立てていただいて、自主性を尊重し、創意工夫を最大限に尊重してまいりたい、そんな考え方でいるわけでございます。
○中川嘉美君 時間が迫ってきましたので急いでやります。 県内の一極集中が起こらないように配慮するということですけれども、ぐあいが悪いのは、この極が一つであるということではないわけで、県内に複数の拠点をつくったとしても、それらの都市が周辺の地域から人口を吸い上げてその結果周囲の過疎を進行させたのでは意味がない。その意味では、UターンあるいはJターンを促進するだけでは足りないわけで、過疎対策を同時に進めることが必要じゃないかと思います。あるいは、政府は県内の多極化による過疎の進行は一時的なものと考えておられるのかどうか、これを含めて御答弁をいただきたいと思います。
○政府委員(小島重喜君) 一つは、拠点都市地域を整備することによりましてその整備の効果が拠点都市地域以外の地域に及ぶということを期待いたしております。そしてこのためには、先ほど道路局長からも御説明ございましたような、例えば中心都市とそういう地域とを結ぶ地域高規格道路等の整備が促進されれば、わずかな時間でそういうある程度の都市的生活と申しますか、そういうものを享受できる地域に行けるということになり、そういう地域に住む人にとっても大変よろしいことではないかというように思うわけでございます。 それとあわせまして、今お話ございましたように、現在、全国の市町村の四四%が生まれてくる人より死んでいく人の方が多いといういわゆる人口自然減という問題がございます。そして同時に、それは山村地域といいますか、中山間地域、あるいは別の言葉で言いますと過疎地域で過疎現象というものを呈しております。この点につきましては、私どもも、多極法の第六条の第二項なり三項なりにも同様の趣旨の規定がございますものですから、国土庁といたしましても関係省と一緒になりながらさらにそういう地域についての施策も充実してまいりたい、かように考えております。
○中川嘉美君 農林漁業についてですが、本制度がうまく機能した場合、地方の都市化が進むことによって痛手をこうむることがないかという点です。 地方振興とは従来から都市化の促進を意味するものでしかないように思われるわけですけれども、農林漁業については構造改善が声高に叫ばれて受け身に回っているようです。そこで、本制度において農林漁村のいわゆる整備に具体的にどのような配慮がなされているのか、この点を伺っておきたいと思います。
○政府委員(海野研一君) ただいま地方振興局長から御答弁申しましたように、現在、過疎に悩んでいる農村の各集落、各市町村は一生懸命で村づくりに取り組んでおりますが、その中で農村集落ないし市町村としてはともかく手近なところに魅力的な都市が欲しいということがございます。どうしても東京なりその他遠隔地にある大きな都市の魅力が強く、幾ら村づくりを一生懸命やっても若い者が出ていってしまうというようなことがございますので、私どもとしてはこの地方拠点都市の整備によって近いところに魅力的な都市ができるというのは農村地域での人口の定住のために非常にいいことだと思います。 しかしながら、まさに今御指摘ございましたように、その一拠点都市、拠点地区と農村地域との格差が広がってくるということになりますと、かえってその拠点都市地域内での一極集中と申しますか、そういうようなことになりかねませんので、私どもとしましては、その中に含まれる農山漁村の農業生産基盤の整備、生活環境の整備等各種の施策を総合的に講じまして農山漁村の整備に努めてまいりたいと考えておりますけれども、具体的にどのようにやっていくかというのは、各地域の計画内容を踏まえましてその計画の実現をするように支援してまいりたいというふうに考えております。
○中川嘉美君 時間が参りましたので、最後に一点だけ聞いて終わりたいと思います。 地域の指定に当たって運輸大臣と協議することになっておりまして、今回、運輸大臣は法案の主務大臣には入っていない。けさほどの午前中の質疑でも触れられておりましたけれども、四全総で掲げられた交流ネットワーク構想でも運輸省の果たすべき役割は決して小さくないと思うわけで、運輸省が法案提出に深く関与しなかったのはどのような理由によるのか、また地域の指定に当たっての運輸大臣との協議はどのような観点から行われるものか、これらの点をいま一度最後に伺って、きょうのところは私の質問を終わっておきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 地域指定の協議に際しまして、その地域が適切であるか否かにつきまして主務大臣が判断する上で鉄道、空港等の交通ネットワークの整備及びその整備状況というのは極めて重要な判断材料であると考えておりまして、このような交通ネットワークの整備を所管する運輸大臣に対しては必ず協議するということで、法律上、協議大臣として運輸大臣の名前を明記しておるところでございます。 なお、この法案作成に当たりまして主務大臣の仕分けをどういうふうにするかということでは大変議論があったわけでございますが、最終的には、この法案の中で直接この政策スキームのために具体的な施策内容を法律事項として盛り込むこととなる大臣をもって主務大臣とし、その他の大臣は協議大臣ということで処理させていただいた結果、運輸大臣は協議大臣ということになった次第でございます。
○中川嘉美君 終わります。
○上田耕一郎君 今回の法律は、東京一極集中の激化に対する対策として、東京に集中した産業業務機能の地方分散とその受け皿としての地方の拠点都市の一体的、総合的な整備を推進しようとするものとされています。 〔委員長退席、理事種田誠君着席〕 勉強すればするほど、調べれば調べるほど、この法案は非常に重大なものだと思うんです。日本の国土計画にとっても、今後の産業にとっても、また地方の発展にとっても、非常に大きな影響を与えるもので、相当慎重で全面的な審議が必要な法案だと思うんです。 まず、私はこの法案の基本性格について質問したいと思います。 新聞はこの法案について平成版列島改造という名前を既につけていますが、私は、一体この法案が日本自身の内発的な発想から生まれてきたのか、それとも対米公約を実施するという外圧から発想されて生まれてきたのかという基本問題がまずあると思います。 市川都市局長は衆議院の建設委員会での答弁で、今回の国勢調で人口減少県が十八に及んだ、かなりショックを受けた、それで何とかより有効な施策を講ずる必要があるのではないかということを考えた、そう答弁されていて、この限りでは内発的発想のように受け取れる面もあります。 しかし、山崎建設大臣は、同じ衆議院の建設委員会の答弁で、私どもの辻議員に対する答弁ですけれども、四百三十兆円の公共投資基本計画の問題に触れて、今度の法案は内需の振興のためなんだ、これは日米構造協議の結果生まれてまいりました国際公約的なものでございますから当然そういうことになる、そう述べておられる。その後、市川都市局長も、「先ほど建設大臣の方からも御答弁申し上げましたように、四百三十兆の予算の執行面において最重要課題として取り組んでいくという省の方針もございます」、そう言われているんです。 〔理事種田誠君退席、委員長着席〕 四百三十兆円の十年間の公共投資計画というのはそれまでの十年間の一・六倍という大変大規模なもので、日米構造協議というのは当時新聞が極めて露骨なアメリカの日本改造計画だ、そういう批評までしたものですね。そういう点では、日米構造協議、それに基づく四百三十兆円の公共投資計画の最重要の受け皿としてこの法案が発想されたという性格は疑い得ないように思うんです。 そこの関係について建設大臣からお答えいただきたい。
○国務大臣(山崎拓君) そのようなことは全くございません。先ほど都市局長の答弁は内発的なものであるということだったという御指摘がございましたが、そういう御認識をしていただきたいと考えておるわけでございます。 私が衆議院の委員会で申し上げました答弁の趣旨は、四百三十兆円という公共投資はどういう基本的な方向性を持ってこれが実施に移されるべきであるかということを申し上げたわけでございまして、私は三点申し上げたわけでございます。 一つは、内需振興。確かにそれは申し上げました。内需振興に資するものでなければ、これは日米構造協議の中から出来てまいりました国際公約的なものでございますからその目的を果たし得ないということになる、そういうことを申し上げたわけでございます。 第二点といたしまして、生活大国づくりに資するものであるという方向性を持たせたいということを申し上げたわけでございます。例えば予算編成上、生活関連重点化枠というようなものがございますが、これは宮澤政権より前に出されました財政上の措置でございますけれども、いずれにいたしましても、生活大国づくりのためには公共投資におきましても、重点的な執行と申しますか、配分が必要である、こういうことを第二点で申し上げたわけでございます。 それから第三点は、国土の均衡ある発展に資するものである。これは、四全総でそのことを目標といたしておるわけでございますし、そのことは大変重要な我が国の国土開発の眼目でございます。 その三点に資するものであるということを四百三十兆円の公共投資について申し上げたわけでございます。 その中でとりわけ第二点と第三点、いわゆる生活大国づくりと国土の均衡ある発展、この二つの建設行政を進めてまいります上でこの拠点都市地域の整備は大変マッチする政策になる。拠点都市地域を整備してまいりますと、先ほど来の答弁の中でも中川先生の御質問にもお答えさせていただきましたが、例えば住宅をとりましてもあるいはゆとりのある生活等をとりましても、そこにはフロンティアがあるということでございまして、それは生活大国づくりを地域において実現することができるということがございますし、また拠点都市を全国的に展開し整備してまいることによりまして国土の均衡ある発展を図ることもできる、こういうことをあの答弁の中で申し上げたわけでございます。 内需振興のために拠点都市地域の整備をやるということを言った覚えはございません。もしそのような議事録になっておるといたしますと、こちらは参議院でございますけれども、そういう趣旨ではなかったと訂正をさせていただきたいと存じます。
○上田耕一郎君 議事録はちゃんとなっておりますが、私が分析してそう言ったんです。 でも、今の御答弁でも、三点のうち第一点は国際公約実施の内需振興のためだと言われた。その内需振興の中身として国土の均衡ある発展と生活大国づくり、それをお考えになっている。だから、経過は明らかだと思うんですね。対米公約の四百三十兆円を十年間でどうやるか。莫大なものです。そのために建設省はその公共事業の七割をやるというんです。その大きな柱として今度の拠点法なるものを、同時に国内の二つの目的に役立つようにということで衆知を絞られ、六つの省庁が一緒になってこういう法案をつくってこられたんだと思うんです。 しかし私は、これまでの審議の中でも、国土の均衡ある発展と生活大国、この目的は果たし得るのかどうか大きな疑問を感じます。 というのは、先ほど通産省の中田審議官がお答えになりましたけれども、東京一極集中を規制する上で極めて有効な施策としての企業の立地規制、これは産業構造審議会の否定的結果を通産省としては尊重すると言われていまして、この問題は今度やりますけれども、東京一極集中には本格的な手を打とうという姿勢がないんですね。そうなりますと、国土の均衡ある発展が有効に展開されるかどうか、これは基本のところで保証がないと言わざるを得ない。 それから、生活大国になるかどうかという問題では、これまでの審議にも出ましたし、私も取り上げたいんですが、本当に地方の自主的で創意ある自発的な経済発展に役立つのかどうか、これが大問題だと思うんです。 今度の法案は、どうやら地方の自主性を本当に尊重するのではなくて、結局、東京にある大企業のオフィスビルの移転を国と自治体に助けさせようというものでしかないように思うんですね。 そこで、具体的にお聞きしていきたいと思うんです。 まず第一は、最初の年は十ぐらいですか、それで全体として五十から八十を指定するというお話ですけれども、先ほど同僚委員の御質問で、人口の要件は余り考えていないように市川さんは答えられました。しかし、日経新聞の去年の十月二十五日の報道では、「同省では」、建設省のことですが、「拠点となる都市の規模を人口で約十万人程度、商業圏で約二十五万人程度と想定している。」、こういう報道が出ています。恐らく建設省の担当の方が話されたんだと思うので、ほぼそういう考えがあるのではないか。これを一つお聞きしたい。 それから、一つの県でほぼ二つというふうに言われています。先ほど県庁所在地をどうするかという御質問もありました。これも新聞報道ですと、政令指定市、県庁所在地は指定の優先順位が低いけれども、人口が県の中で二番目の市に近かったりあるいは人口が減っているようなところは候補地となり得るということで具体的な名前も挙がっていまして、青森、甲府、津、鳥取、山口は対象となり得るという報道まで早くも出ているんですけれども、これらの報道について、一体実際のところどういうことを建設省はお考えになっているのか、これをお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山崎拓君) 大変恐縮でございますが、今の上田先生の御発言でちょっと正確を欠いているところがございますので、私の方から訂正をさせていただきます。 内需振興のために国土の均衡ある発展、生活大国づくりをするんだと、先生はそうおっしゃいましたが、そんなことは私は言っておりません。 いわゆる公共投資基本計画四百三十兆円はどういう方向性を持ってやるかということにおいて、三つの柱があるんだと。それはパラレルですから、内需振興に資するためにあとの生活大国づくりをやるとか国土の均衡ある発展をやるとか、そういうことではございませんで、国土の均衡ある発展も生活大国づくりも非常に大きな基本的な国の政策であるということでございまして、それに拠点都市地域整備が資するものであるということでございます。 内需振興ももちろん非常に重要な施策でありまして、我が国が国際公約を果たしますためにも国民生活の向上をやるためにも一定の経済成長を保つことは必要でございますから、この時期、特に財政の出動が求められているわけでございまして、内需振興そのものも大変必要であると考えておりますが、公共投資をやるときに、これが内需振興に必ずしも直接的にあるいはその効果が十分上がらないようなやり方でやるのではなくて、やはり内需振興につながる、需要を誘発する効果が高い分野を重視すべきではないか、そういう意味のことを申し上げたわけで、先生の私の答弁に対する解釈は先生の解釈でありまして、私が申し上げた答弁は今記録されたとおりだと考えております。
○政府委員(市川一朗君) 平成三年十月二十五日の日経新聞ということで具体的なお尋ねがございましたけれども、建設省といたしましてはちょうどこのころに御提案申し上げておりますスキームの基本となる地方拠点都市構想を進めておったわけでございまして、その後関係省庁間での議論も重ねまして、また各地域の実態の調査等もいろいろ行いまして、結果として現在御提案申し上げてある法律案の内容、かつ御答弁でいろいろと御説明しておりますような物の考え方で整理されておるところでございます。 したがいまして、若干まだ未熟な段階での検討資料が新聞に流れたというふうに理解しておりますけれども、ただ、基本的な考え方はある程度沿っておるわけでございまして、まず基本的に地方の発展を牽引するための拠点となる潜在力を有する地域ということを一つ重要なファクターとして私ども考えておる次第でございまして、それが具体的に都市が十万人とか圏域が二十五万人とかいう人口が一つの要件になるということにいたしますと地域の実態に必ずしもそぐわない、現時点ではそのように考えておるわけでございます。 それから、県庁所在都市等の取り扱いにつきましても、いわゆる県内の一極集中が生じることのないようという観点でいろいろ考える必要があるということで、原則として県庁所在都市は外れるというふうに考えておりますから、そういうことが生じないような地域におきまして、県庁所在都市も場合によりましては、例外的だと思いますけれども、十分議論の対象にはなり得るかと思っておるところでございます。
○上田耕一郎君 いろいろ報道されますから、御存じのように既に各地方で名乗り上げの競争が始まっています。 それから、指定の基準がどうもはっきりしない。先ほどの答弁で基本方針と言われたが、まだ発表されていませんし、産業業務施設が来るか来ないか、それについて市川局長は、基準は計画の熟度、熟している度、そういう答弁もありますし、それでは熟度の低いところは来ないのかというので、不安になって名乗りを上げて始まっているところがあります。 私ども、今回非常に激烈な名乗り上げ競争が始まっております福島県、これも調べました。それから長岡が名乗りを上げましたので新潟、それから富山県など、三つの県を少し調べてみたんですけれども、福島はなかなか激烈で、原町市を除いて五つの地区で競争が始まっています。五つの地区が県に対して陳情書を出しています。その中で、二つのところで、陳情書だけでなくて総決起大会が開かれておりまして、福島地方、これは大会決議、大会スローガン、白河地方も四月二十八日に大会、そして白河地方拠点都市地域指定推進総決起大会決議となっています。そういうことがもう始まっているんですね。 私ども、それぞれの地域にも行って実情も聞きました。県庁にも行って話を聞きました。県は困っています。県は、名乗りを上げている五地域はそれぞれ理由があり今後の指定は難しいと。もう大変ですよ。だから、いろいろ法律では県が自主的に地域指定を市町村とも協議して知事が指定するということでありますが、関係大臣との協議が義務づけられておりまして、実際上はやっぱり国の了承が必要だろうと思いますし、こう五つもすごいことになりますと、国の基本方針、その熟度いかん等々ということになるんだろうと思うんですね。 で、それぞれ持ち上がっているところは、どうもまだ中身はわかんないけれども、とにかく公共事業が欲しいんだということでやっているわけですね。福島市でも、中身はまだだがとにかく指定を受けておく、こういうことになっているんですね。新潟では、新潟市、上越市、長岡市、三条市、四地区が名乗りを上げています。富山では、富山市、高岡市、そのほか三つの地区が名乗りを上げている。全国二十五地域という報道もありますけれども、もっともっとふえるんじゃないかと思うんですね。 そういう競争の中でどういう基準で決まっていくかということになると、とにかく東京二十三区からオフィスが移転するということが法律の中身ですから、結局、移転する企業の誘致争い、計画争い、そういうことがこれから盛んになるんじゃないかと思うんですね。その点で私は、最初に平成版列島改造という新聞の名づけを紹介しましたけれども、かつての列島改造、田中自民党幹事長、田中内閣のときのあれは七二年でしょう、ちょうど高度成長がニクソン・ショック、石油ショックで終わりになる時期にそれまでの高度成長以上の超高度成長計画を打ち出したもので、これはもう根底から非常に空想的な根拠のないもので破綻したんですね。 今度はどうです。四百三十兆円、これまでの十年の一・六倍というんだけれども、バブル経済崩壊でしょう。それで、歳入欠陥まで問題になっている時期に、これ、四百三十兆、一体この財源はどう保障するのかということだって日本経済、日本財政にとって大問題ですよ。しかも、その地方の負担がどうなるかという問題もありますし、都市局長は衆議院では一体この十カ年間の拠点法の事業規模どのぐらいかということについてはお答えを保留しておられたので私もきょうは聞きませんけれども、やっぱり非常に大きな問題です。この前の列島改造の破綻の二の舞を演じないかどうか、これは大変国としても我々国会としても大きな責任があると思うんですね。 そこで私は、二番目に、これまでも若干取り上げられましたが、東京二十三区のオフィスの移転問題、この問題はどうかということをお伺いしたいんです。 通産省は、調査をして、東京の上場企業のうち四割が移転計画をお持ちだという答弁を先ほどされました。ところが、衆議院の議事録を読んでみますと、その調査の際に、一体移転する場所はどうなのか、そこまで時間はどのぐらいなのかということなとは調査データをとっていないという答弁なんですね。ところが、東京都の調査によりますと、東京都内のそういう企業は大体通勤で一時間以内のところをみんな望んでいるということなんですね。 通勤一時間というともう首都圏でしょう。そうすると、首都圏よりもっと日本全国に二十三区のオフィスを移そうというんだけれども、しかし、景気状況がどうなっていくかという問題も絡みますし、果たして東京二十三区の工場を除く研究所その他オフィスビル等々が皆さん方が立てた計画どおり全国五十から八十の拠点都市に移る計画があるのかどうか。保証が一体どこにあるんですか。 いよいよ名乗りを上げて指定された、それで公共事業を始めた、ところが、さあ、つくったけれどもオフィスビルの移転はない、そういうことになりますと、全く大きな責任で、むつ小川原や苦衷計画の二の舞をやることになるわけでしょう。一体どこにその保証があるんですか。二十三区のオフィスビルを、東京都を除きますから四十六道府県ですか、幾つかの府県の五十から八十の拠点都市にオフィスビルを移す、そういう保証は一体どこにあるんですか。
○政府委員(市川一朗君) 私どもこの施策を考えるに当たりまして、先ほど上田先生からも御指摘ございましたように衆議院でも御答弁申し上げておりますが、今回の国勢調査の結果で十八道県にわたる県におきまして人口減少が起きておるというショッキングな出来事とともに、その中でほとんどの県におきまして県庁所在都市等では人口がふえておるといったようなことに着目いたしまして、ここに一つの施策展開の芽があるのではないかということで、魅力ある、特に若者にとりまして魅力のある生活空間を備えた地方拠点都市を整備していくということが極めて重要である、今こそこのことを行わないと我が国の国土の均衡ある発展がなされないだろう、今が絶好のチャンスであると同時に最後のチャンスであるというくらいの気持ちで取り組んだ次第でございます。 そういう意味におきましては、御指摘ございましたように、東京二十三区からの産業業務機能の移転というのは極めて重要なファクターにはなるわけでございますけれども、またそれに私どもの施策の思いも込めているわけではございますが、しかし、それだけではないというふうに考えておるところでございます。現にその十八道県に及ぶ人口減少の中でなお人口が増加してまいっております中央の中枢都市等におきましては、必ずしも二十三区内からの事務所移転ということのみをもって増加傾向になっているわけでございませんで、やはりトータルとしての魅力が備わっているかどうかということであろうと思っているわけでございます。 したがいまして、東京からの産業業務機能の移転は今回の施策の極めて重要なファクターであり、私どもとしてもそれに対して大いなる期待と施策の展開をするわけでございますが、それだけではない総合的な施策展開の中で実現していきたいというふうに考えておるところでございます。
○上田耕一郎君 批判ばかりしておるとあれですから、我々の調査の中でうまくいっている例にもぶつかったので紹介しておきますと、富山の八尾の中核工業団地、ここに国際電気という会社の電子機械事業部が東京の羽村から移転して大変喜んでいるんですね。富山大学などの優秀な人材を多数確保できるようになった、人材確保ができたというんですね。土地が安い、半導体に不可欠なきれいな空気と水がある等々でうまくいっている例もあるんですね。 しかし、本当にこういう例が全般でやれるかというと、なかなか難しい問題だと思うんですよ。そこで、問題が起きるんです。放置しておくとなかなか東京二十三区からそう遠くへは行きませんから、やっぱり政策的な優遇措置を強力にやる必要が出てくるわけです。ですから、今度の立法は大企業のオフィスの移転に対して非常な優遇措置が盛り込まれていると思うんですね。 去年出た産業構造審議会の中間答申にも、東京への集中はそれなつの経済合理性のゆえに生じてきたことなどを考慮した場合、対策は強力でなければならないと言っている。一極集中に反して地方へ移すためには強力な対策をとらにゃいかぬと言っていますよ。だから、強力な対策が盛り込まれている。相当な優遇をやるわけですね。 それで、跡地も、それじゃ地方公共団体が買えるかというと、なかなか東京のは買えないでしょ。そうなると、跡地もまた企業が使えるということになります。 私はやっぱり、大企業に対する強力な優遇措置でとにかく地方に分散させて拠点都市に移す、それを国と自治体で支援するという性格が今度の立法の大きな中身になるのでありますが、これは地方の本当の自主性の育成といううたい文句に反するものだと私は思うんです。結局、地方の産業を発展させるというのではなくて、東京の企業を押しつけて、それを助けてやれということになるわけです。しかも、財政的にもかなりの負担が生まれかねない。 名古屋市立女子短大の山田助教授が自治体研究社の「地域と自治体」に四百三十兆円公共投資の問題の分析を書かれていますが、この分析によりますと、八八年度の行政投資に倣って単純に推計すると、四百三十兆円公共投資は市町村百八十七兆円、都道府県百五十兆円、国九十二兆円という投資配分になるというのです。これはそのうちに正確な建設省としての分析をお聞きしたいと思いますけれども、もしこういう方向になっていくと、概算してみますと地方財政の負担は大変ですよ。負担は大きいわ、地方経済の発展とは違う、上から押しつけられる。企業のその仕事を地方でやるということになりますと、本当の地方の自主性の発展にこれはならないのではないかという危惧もやっぱり持たざるを得ないんですね。 時間が参りましたけれども、今の地方の自主性の問題、地方財政に負担を押しつけながら企業の東京からの移転の仕事を公共事業受け入れという形でやらせる、これは、大臣、本当の生活中心の投資とは違うんですよ。あなたは、三つ目に生活大国と言われたけれども、そうじゃないですよ。これは企業の移転計画を地方に押しつけることになるんじゃないですか。本当に地方の生活大国化になるのかどうか、この点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(山崎拓君) 先生は、企業は悪なりという前提に立っておっしゃっているように思いますが、今日まで、我が国の経済がこれだけ成長発展を遂げることができましたのは、まさに自由企業経済、競争経済のもとでこれだけの活力と発展をから得たものと考えているところでございます。 その企業には、当然従業員の方がいらっしゃるわけでございまして、これからその従業員の方々の生活を、英語で言うとクオリティー・オブ・ライフということを言っておりますが、その質を高めていく、生活大国づくりをやっていくという観点からいたしますと、果たしてこのまま東京で、業務機能でございますけれども、いつまでも予定調和を待って企業がそのまま放置されているという状態がいいかどうかということが一つございます。 それから、その点だけを先生は強調されるわけでございますが、むしろこの法案のねらいは、地域の活性化、地方の自立的成長を促す、地方への定住を求めるというところにもっと大きな眼目があるわけでございまして、たまたまその二つがドッキングいたしましてこの法案を構成したということでございます。 先ほど来の議論では、強制的に企業を出したらどうか、業務機能を出したらどうかという御意見もあったわけでございますが、これは太陽の暖かみでいくか北風でマントをはがすかというところとちょっと似たようなところがございますが、我々は太陽の暖かみでひとつ来ていただこう、つまり東京が持っている高次の都市機能を地方に準備いたしますことによってそこに自発的に来ていただく。もちろんインセンティブはこの法案の中に盛り込んでおりますけれども、そのような観点で提案をさせていただいた次第でございまして、誤解のないようにお願いいたしたいと存じます。
○上田耕一郎君 終わります。
○山田耕三郎君 多少重複いたしますが、できるだけ視点を変えさせていただきますので、御理解をいただきたいと思います。 この法律の目的は、既に御質問の中にもありましたように、拠点となります地方都市とその周辺地域の一体的な整備促進を図るとともに、過度に集中いたしております東京二十三区内の産業業務施設をそこに移転することによって、東京一極集中による弊害の是正と地方の自立的発展成長の促進を図り、国土の均衡ある発展に資するとしておいでになります。 東京への一極集中の是正が叫ばれてから久しい時間がたちますが一その間具体的な手がほとんど打たれないままに今日を迎えております。それはこの種の問題の解決が財政的にも方法論的にも困難を伴うからであると思います。しかし、放置されている間にも地方との格差は広がり、ひずみはひどくなる一方でした。遅きに失したとはいえ、政府が今日、多極分散型の国土づくりを本格的に推進をするために地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律を制定する方針を決定され、国会に提出され、今国会の成立を予定しておいでになりますことは、この種問題がこのまま放置は許されない問題の性格から考えて至極当然のことであります。 その手法においても、手続的にも財政的にもさまざまな特例を地方自治体にはもちろん民間事業にも認め、道路、区画整理、下水道、公園、住宅建設など必要な公共事業をしやすくするという方策が盛られ、拠点地区における企業の産業業務機能を支援するために高次情報化施設、人材育成施設や産業交流施設から成ります中核施設に対する出資まで配慮されております。 対象の地域は三大都市圏を除く各道府県の二ないし三番目の都市とその周辺市町村とのことであり、各道府県一ないし二カ所、国は今後五カ年間に五十ないし八十カ所程度を指定、十年間にほぼ百近くの指定を想定しておいでになるとのことであり、しかも、関係省庁は建設、通産、農水、郵政、国土、自治の六省庁にわたる上に、関係団体からは、産業業務施設の移転には当然勤務者の労働条件にも影響が生じるため基本方針の策定に際しては労働大臣も主務大臣に含めるべきなどの意見にも見られるとおり、そのねらいや規模から考えますと、ただいまの質問にもありましたように、日本列島に一大変革をもたらす大事業であり、さきの列島改造論とも言えなくもありません。 そこで、この事業が計画どおり進められたとして、次のことをお尋ねいたします。 一つ、今後十年間での地方拠点都市地域整備の総投資額はどれくらいになりますのか。 二つ目、これにより地域の活性化にどのような影響を与えることができると考えておいでになりますのか。 三つ目は、また、地価の高騰については努力義務規定として監視区域の指定を掲げておいでになりますが、この程度のことで大丈夫なのか。 まず、以上についてお尋ねをいたします。
○政府委員(市川一朗君) 私から初めの二点につきましてお答え申し上げます。 まず最初の総投資額はどれぐらいになるのかという点でございますが、この地方拠点都市地域で想定されます投資額といいますのは、基本的には市町村が定めます基本計画の内容になろうと思います。それからもう一つには、基本計画の内容そのものというよりは、むしろその地域間におきまして行われる例えば地域高規格道路といったようないわゆる基幹的な公共施設等の整備、その中には場合によりまして地方空港等の整備も入ると思いますけれども、そういったようなものが場合によりましては基本計画の外で行われる場合もあり得ると思いますが、そういったものをいろいろくるめまして総投資額ということが考えられるわけでございますけれども、トータルといたしましては、それらはいわゆる公共事業として行われる限りにおきまして、公共投資基本計画で申し上げております十年間で四百三十兆円という枠の中でカウントされることになるわけでございます。 具体的に、ではどれぐらいの金額になるのかということにつきましては、ある程度の目安はないわけではないのでございますが、個別の事業内容は基本計画において初めて確定されますので、なかなかそれを積み上げて申し述べにくいという実態がございますことをお許しいただきたいと思う次第でございます。 それから、この施策によりまして地域の活性化にどのような効果があると考えているのかという点でございますが、これにつきましては、特に地方において若者にとりまして魅力のある職住遊学と申しますか、そういう生活空間が創出されまして、若者を中心といたしました人口の定住といいますか、あるいはUターン、Jターン、Iターン等が促進されることによりまして地域の活性化が図られる、そういったようなことが私どもとしてねらっている一番ポイントとなる効果でございます。
○政府委員(小島重喜君) 地価の問題についてお答えを申し上げます。 今御指摘ございましたように、この拠点都市地域を整備するに当たりましては、地価の高騰が生じないということが大前提ではないかというように思うわけでございます。 そういうことを私ども考えまして、今回の法律の中におきましても、知事はそういうことの起こらないように監視区域の指定について最大限努力しなきゃならない、こういう規定を置いたところでございます。 今回の地価高騰の経緯等によりましてああいう制度ができたわけでございますが、あれはあれなりに今回の地価の鎮静化にはかなりの程度の効果があったんじゃないかと思います。そういう面からいたしますと、私どもは、できるだけ監視区域につきましても予防的に指定をしていただく、地域指定になる前くらいにそういうところは指定するというような考え方で、これは県の知事さんがおやりになるわけでございますけれども、この点については特に指導してまいりたいというように考えております。
○山田耕三郎君 今回のこの法案のような地方の拠点開発という発想は、ただいまもございましたとおり、三十年ほど前の新産都市の建設や最近のリゾート法と同じ発想に立つもののように思われますが、これらの拠点開発方式は必ずしも成功しているとは言えないように思います。さきに新産都市の指定を受けた都市が今回の拠点都市にも立候補を目指しており、リゾート法に至っては現に余りにも問題が多いからであります。また、四全総開発計画の具体化のためにできました多極分散型国土形成法が余りにも盛り上がらなかったのは、中央集権型であったことに起因するという指摘もあります。 したがって、今日、時代の要請があるとはいいましても、改めて拠点開発方式を進めていかれますのには過去の反省を踏まえた慎重な配慮が必要であることを指摘し、各紙はこぞって地方の自主性の尊重を訴え、特に国の役割はあくまで基本方針の策定にとどめるなど、わき役に徹すをことを求めておりますとともに、この新法がどう生かされるかは法制的にも実体的にも主役が地方であることを必須条件とするのでなくてはならないことを強調しております。 幸いに、事業の許認可も大規模な農地転用など国の権限とされるものもある程度知事にゆだね、財源的にも地方単独事業に起債を認め、その償還については交付税で支援する等、従来に比べ地方に権限と自主性をより広く認めようとする姿勢は前進と評価をしております。 しかし、地域の自主性尊重という点についても、それは地域指定の段階だけではないのかという悲観的な見方もあり、支援事業における補助金交付など従来の方法と変わらない点も見受けられます。各地域の整備構想がその結果似たり寄ったりになる可能性もないわけではありませんし、若者の定着と結びつく魅力ある地域づくりをただいま大臣も申されましたけれども、それとは裏腹に画一化されたミニ東京となってしまうのではないかとの心配も残ります。地域の創意を生かした積極的参加を誘因するためにも地域の主体性を生かした取り組みを大切にすべきだと言われておりますけれども、この点についてはどのように考えておいでになるのか、御意見をお願いします。
○政府委員(小島重喜君) 今御指摘の点はまさにそのとおりであろうと思います。 過去のいろんな地域振興立法はどちらかといいますと国主導型ということでございますが、私ども、地域の本当の意味での個性を生かすというためには地域にすべてお考えいただくという姿勢が大変必要じゃないかという反省に立ちましてこの法律案を提案申し上げたわけでございまして、そういう意味では、今先生から御指摘のございましたような方向で基本方針なりそのほか今後の指導なりということはしていく必要があるというように考えております。
○山田耕三郎君 私の地元に、一部上場の大企業でありながら本社機能の一切を創業地の大津市に維持して発展的経営を続けております企業があります。 〔委員長退席、理事種田誠君着席〕 その企業の主力製品は、テレビのブラウン管が全製品の約六〇%、次いで照明機器、医療・理化学機器及び建築用ガラスブロック等で、この優良企業が東京に業務施設を持たない理由について、確かなことはわかりませんが、私の聞きかじりで自分なりに整理をして次のように理解をいたしております。 この企業は分類的には製造業であり第二次産業でありますが、ガラス産業は実体的には素材産業でありますから第一次産業的性格の強いものであり、業界は寡占の状態にあり競争の厳しい中にありながらも、家電企業の現場との直接取引が主体で東京のマーケットを余り必要とされないのではないか、このように思っております。しかし、東京は大部分の企業にとってはマーケットとしての価値だけではなくいろいろの魅力があり、ただいま申し上げました企業の事例は珍しいと思います。そのかわりにいろいろの努力がなされておるのではないかと思いますけれども、実態はわかりません。 しかし、一般的に今日の企業の実態は、例えば大阪や名古屋本社の企業でも、東京へ本社を移転、二本社制、東京本社拡充を図ってきた経緯があります。 〔理事種田誠君退席、委員長着席〕 これが首都圏の市場経済への参入の企業の姿であります。 その上、近代社会は情報化社会とも言われ、情報収集は肝要であり、さらにまた行政指導を柱とした産業政策のあり方、官民協調体制、系列、企業グループといった日本的産業社会の構造や巨額の交際費を必要とする日本的商慣習が東京一極集中を助長していると指摘する学者もあります。 このように東京一極集中は起こるべくして起こってきた問題であります。したがって、その原因をそのままにして地方分散を促してみましても、それは経済の原則や市場原理の流れに逆らってさおを差すことを強要することであり、成果はおぼつかないのではないか。税の減免やインフラ整備といった産業立地政策はこれまでにもありましたが、余り効果がなかったからこそ今日の状況が残っていると思います。その古い手法の踏襲では東京のオフィスの地方分散は本当に実現するのだろうか。効果を上げるためのもっと強力な具体的施策が必要ではないのだろうか。素人目にもそのように感じられますけれども、こういった面に対する政府の見解を求めます。
○政府委員(小島重喜君) 今御指摘ございましたように、東京への一極集中というのは東京がいろんな意味で魅力がある都市になっているということではなかろうかと思うわけでございます。 そういう面からいたしますと、今回の施策は、何回も申し上げますけれども、従来になかったようなある意味での切り口、手法といいますか、そういうものを用いておるわけでございます。と申しますのは、都市というものに魅力をつけなきゃだめだ、都市の魅力を向上させる、その都市の魅力とは一体何だろうか、こう考えてみますと、目に見えないものもございますけれども、やはり何と申しましても、一つは、都市機能というものを東京と比肩するほどというのはなかなか難しいかもわかりませんけれども、都市機能の整備ということに視点を当てたというのは従来からなかったことでございます。 同時に、先ほど建設大臣もお答えの中で申されておりましたように、地方にこそ生活大国としてのフロンティアがあるんだ、こういう認識も私どもも持ちまして、ぜひ地方都市の魅力というものを上げるために全力を尽くす必要があるんじゃないか、これが今回の法律の提案の趣旨でございまして、地方にそういう魅力がつきますと若者もそこで定着をしてくれるでしょうし、さらには今御指摘のありましたような東京からの業務施設のそういう地域への移転ということも期待ができるんじゃないか、こういうことで各種のいろんな特別措置も現在法律上講じておるところでございます。 さらに、それ以上のもっと具体的な施策が必要ではないかということで北風と太陽の例を先ほど建設大臣はお挙げになりましたけれども、とりあえず私ども今は太陽の方式を採用しておるわけであります。 同時に、私ども国土庁といたしましては、産業政策もございますが、あわせて国土政策という点から東京へこれ以上一極集中するということは好ましいとは思いませんから、そういう意味で今御指摘のありましたようなことにつきましても今後さらに検討を進めていきたい、あるいは研究を進めていきたい、かように考えております。
○山田耕三郎君 産業の発展は地域とは無縁には育ちません。例えば、関西は生活文化を成熟させてきたところに特色があると言われております。着るにいたしましても住むにいたしましても食べるにいたしましても、伝統的にそういうものにこだわるから関西の企業には生活産業型が多いとのことです。家電は関西系の企業が随分ありますし、住宅産業も関西に本社を置いている企業も多いようです。 私ごとを交えますが、御理解をいただきたいと存じます。 私は地方での政治に携わる一時期、若者のあふれる町づくりを目指したことがあります。私の住む大津市は京都市と隣接いたしております。道路の向かい側は京都市というところもあります関係で、向がい側よりは常に行政水準を落とさないよう心がけてまいりました。それはできましたが、若者はあふれませんでした。 昼間、大学は京都です。予備校も同様です。休日やショッピングにも京都に流れます。有名デパートを立地していただきましたけれども、数の多い上に、専門店もあり、選択の幅も広く、どうしても京都に流れるのは当然のことのように思いました。観光資源や文化財にしても、量、質ともに格段の差があります。なるほど文化財の保有量こそ京都、奈良、滋賀の順番ですが、千年の古都には到底太刀打ちができるものではありません。 今の若者に興味のあるものは何かというアンケートをとれば、車、異性、お金、アルバイトという回答が出てくるそうでありますけれども、第一その異性とのデートコースが私の町には少なく、すぐ人目につきますほど世間が狭い。私もよく見合いの仲立ちをいたしますが、恋人同士でない場合のデートをする本人たちの気遣いは大変だろうなと思います。そんな配慮から、落ち合う場所は不本意ながら京都のホテルを選びました。 また、私自身、京都の哲学の道を散策をいたしましても、哲学のにおいや足音さえ聞こえてくるように思えてなりません。やっぱり歴史は重みです。 町の文化の向上を願って立派な市民ホールを建てました。水準の高い音楽や演劇をと心がけました。京都からの観客が、田舎でもこのような催し物ができるのかと常連にもなってくれました。しかし、ホールでやる内容をプロデュースすることのできる能力のある人は少のうございます。自然、東京から来ていただきますので、旅費やホテル代がかさみ、入場料が高くなり、たびたびの催しては観客の集まりも悪くなってきます。文化の底の浅さを痛感いたしました。東京にはこのような方が住んでおられます。ですから、それには到底追随はできません。よいホールができても、宝の持ちぐされになるのもむべなるかなと実感をいたしましたこともございます。 しかし、八月八日の琵琶湖祭りのイベント行事、琵琶湖花火大会はどこにも負けない立派な行事ができます。それは、私たちがたたえる母なる琵琶湖のおかげです。 このように、歴史、文化、自然は一朝にして成るものではなく、また人間の力では何ともならなものであります。 私たちの年齢になれば静かに過ごせばそれでよろしいのですが、これからの人生を切り開こうとする人たちは、海外の最近情報や刺激などを絶えず追求していかなければならないのではないかと思います。 今日、東京は日本最大の観光地となっていると言う人がありますように、大都市の持つ刺激が町の魅力となっているように、町はつくれましても市民の住んでみたくなる都市づくりは極めて困難だと思いますが、これからこのことをやっていかれようとするための法律でありますので、基本的な構想だけでも明示をいただければありがたいと思います。これは大臣からお願いいたします。
○国務大臣(山崎拓君) ただいま山田先生の豊富な御体験に基づく御識見をお述べになったのでございますが、大変傾聴に値する御意見だと存じます。 すべてごもっともな御指摘だと存じますが、先生林お挙げになりました、歴史や文化や自然は一朝にして成らず、これはもうそのとおりだと存じます。東京には確かに文化は一点豪華主義的にあるいは集中しているのかもわかりません。しかし、東京が持っております歴史、これは江戸時代以来幕府があり、今日、皇居がございますが、そういう重い歴史もございますけれども、それに劣らない歴史は日本じゅうに存在すると存じます。また、自然という点では、これは東京には人為的な文化がたくさんございますけれども、自然と結びついた文化は甚だ乏しいのではないかというふうに考えるわけでございます。 そこで、先生のお話を聞いておりますともうまことにごもっともでございまして、いささかこの法案を提出いたしました者の一人といたしまして多少暗然とするようなところがございますが、しからばチャレンジをやめていいかということになりますと、私どもはこの一極集中を是正いたしまして国土の均衡ある発展を図るという重大目標に敢然として挑戦しなきゃならないと考えておりますし、また、我々が属しております内閣が生活大国づくりを標榜いたしておるのでございますから、我々は、それらの諸目的に挑戦いたしますために英知を絞りまして、このような法案を六省庁が主務官庁となりまして提案をさせていただいたところでございます。 東京が持っております魅力、高次都市機能でございますが、この高次都市機能を平たく申しまして職住遊学といった若者が魅力を感ずる高次の生活空間と申しますか、東京が持っている高次の生活空間、職住遊学を備えた、あるいはもっと広く、例えば医療の施設も含めまして、それらの諸機能を持った新しい都市を全国に展開していこう、我々はこういう理想に燃えまして実はこの提案をいたした次第でございます。必ず実効あらしめまして所期の目的を果たす決意でございますので、よろしく御指導のほどをお願いいたします。
○山田耕三郎君 お答えにありましたように、英知を集めて実効ある発想の新しい対応の仕方で成功を目指してくださることをお願いいたしまして、質問を終わります。
○山田勇君 私ごとでございますが、少しちょっと午前中から体調を崩しておりまして全質疑を行えないかもわかりませんが、残りました質疑は次の委員会にゆだねたいと思っております。 地方の自立的発展の促進及び国土の均衡ある発展を目指して、今回、本法律案が六省庁共同で提出されたわけであります。私はこの国土の均衡ある発展といううたい文句を過去何度聞かされただろうかと思ってみるわけでありますが、今回のこの法律案はこれまでの類似の地方振興策とは違うんだという国土庁長官の力強い発言がさきの衆議院における審議の中でも聞かれたそうでありますので、ここはひとつ関係省庁が一致団結してこの法案を実効あるものとするべきだと思って頑張ってほしいと思うのであります。 そこで、まず本法案の実施に当たり、その概略の幾つかをお尋ねいたします。 初めに基本方針の策定でありますが、この基本方針は何月ごろに策定されるんでしょうか。また、その中に織り込む内容として法律中に数項目の記載があるわけですが、具体的にどの程度まで踏み込んだ内容となるんでしょうか。この基本方針が余り細かいものでありますと、その後の各地域における自主性を拘束するといった懸念もあるわけですが、その点はいかがでございましょうか。
○政府委員(市川一朗君) まず、基本方針の策定時期でございますけれども、この法案が成立いたしまして公布されましてから二月を超えない範囲で政令で定める日に施行されるわけでございまして、この法施行後におきまして基本方針を作成し公表するということになります。私どもといたしましては、できるだけ早い時期にこれを作成し公表してまいりたいと思っておりますが、遅くとも秋口までにはすべての作業を完了したいと思っておるところでございます。 それから、基本方針につきましてどの程度の内容になるのかということにつきましては、先ほど来御答弁申し上げておりますので内容はちょっと省略させていただきますけれども、大体、地方拠点都市地域の指定及びその協議に関する事項、基本計画の作成、承認の事項、それから産業業務施設の移転計画の作成、認定につきまして本法案の目的に合致して適切に行われるように基本的で必要と考えられる事項、配慮すべき事項等で、あらかじめ国が明らかにすることによりまして適切な運用が行われることが担保されるようなものをできるだけ具体的に決めてまいりたいと思っております。 御指摘ございますように、あくまでこの法案によります施策の最も基本的なテーマでございます地方の自主性の尊重、創意工夫を生かしていくという観点に立ちまして、徴に入り細にわたりの方針の策定ということにつきましては十分そうならないように配慮してまいりたいと思っているところでございます。
○山田勇君 次に、この地方拠点都市地域の指定についてでありますが、現在、既に地方拠点都市地域の指定をめぐり活発な活動が展開されており、幾つかの地域では基本計画の素案といったものを作成済みと聞いております。 恐らく基本方針の策定後すぐに地方の方では拠点都市の指定に対し準備が整っているといったケースもあると考えますが、そうした地域を各知事はそれぞれ指定しても構わないのか、それとも初年度の指定枠というものを国の方で設けて何らかの歯どめをかけるのか。また二年目以降、何年がかりで最終的には各県何地域、全国何地域の指定をなさるんでしょうか。さらに、拠点都市の指定に当たり各県第一の都市は除外されるんでしょうか。以上の諸点について御答弁をお願いしたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 地方拠点都市地域につきましては、地方の発展を牽引するための拠点となる潜在力を有する地域でございまして、施策の効果を高めるために重点投資を行う対象となるという意味合いからも、相当程度絞られた地域であると考えておるところでございます。それで、全体といたしましては、いろんな御議論の中で、最終的には三大都市圏を除く各県内で一ないし二カ所というところが目標になろうというふうに考えております。 初年度の指定の扱いにつきましては、初年度どのくらいの指定をするかという枠を設けることが適当かどうかということも含めまして今後慎重に検討してまいる必要があるというふうに考えておりますが、法施行後指定に至りますまでのいろんな作業を考えますと、どうしても年内には初年度の指定は終了する必要があると考えておりますので、そういう意味合いにおきましても、準備の整ったところでかつ施策の実効性が上がるところということになりますと、ある程度数は絞られてくるのではないかということを考えておりますが、それが幾つというような形で具体的に枠という形で設けるべきかどうかにつきましては、まだ議論が煮詰まってない面がございます。 それから、各県第一の都市は除外されるのかということでございますけれども、この点につきましては、県内の一極集中が生じないように配慮するという観点から、原則としてそういった県庁所在都市等が除外されることになるような考え方を私ども持っておるわけでございますが、状況によりましてはそういった一極集中問題と別な観点で考えてもいいような面もあるかもしれません。もう少しわかりやすく言いますと、県内の一極集中が生ずるおそれがないようなところもあるかと思いますので、そういったようなことにつきましては知事の総合的判断を尊重しながら私ども対処していくということになろうかと思っておるところでございます。
○山田勇君 次に、関西圏の復権という立場で質問いたします。 本法律案は言うまでもなく近年の異常なまでの東京一極集中を是正していこうというものでありますが、その東京一極集中が進行する中で、残念ながら私の地元の大阪を含めた関西圏の地位というものが著しく低下していったわけであります。 第四次全国総合開発計画を読んで見ましても、「近畿地方は、二大中心地の一つとして我が国の諸活動を支えてきた豊富な蓄積を有しているが、近年大都市においては、産業構造の転換と都市機能の高度化の立ち遅れ、また、農山漁村においては過疎化、高齢化等が進むなど、いくつかの問題を抱え、その地位の相対的な低下がみられる。」と指摘をしています。また事実、数字の上でも、例えば手形交換率は関西圏は昭和五十年には全国の二二%も占めていましたが、平成二年には全国のわずか九%に落ち込み、また同様に情報サービス業の従事者数、それから商業の卸売販売額などの全国に占める比率も低下しております。 本法案では東京二十三区のオフィスを三大都市圏以外の地方へ移転させようというものでありますが、それはそれとしまして、国土庁は関西圏の今後の担うべき役割をどのように考えておりますか。 現在、関西新空港を初めとしたビッグプロジェクトも幾つかありますが、そうしたプロジェクトを一つずつ着実に成功させ、加えて中央からの権限移譲を大胆に行い、関西の潜在能力を生かしていかなければ、大阪を含めた関西圏も東京に対する地方の一つということになりかねません。国土庁として関西の復権ということについてどのような認識をお持ちでしょうか、御答弁をいただきたいと思います。
○国務大臣(東家嘉幸君) お尋ねの関西圏の基本的な今後の整備につきましては、首都と並ぶ独自の全国的な世界的な中枢機能を担う圏域として整備することであるということを考えております。 現在、関西国際空港並びに関西文化学術研究都市、なおまた明石海峡大橋等の大規模なプロジェクトが推進されているところでございます。国土庁といたしましては、これらの各種プロジェクトを積極的に推進するとともに、世界的都市機能を集積して、独自の全国的、世界的中枢圏域としての整備に向けて、地元と相協力し、関西圏の整備を推進してまいりたいと思っております。 なおまた、私も先刻出席させていただいたのでございますが、それぞれの機関で先生方と協議しながら大阪湾ベイエリア等の問題についても積極的に取り組んでおられることでございますし、このことにつきましても、先生方の方で今後提案なさることを踏まえて積極的に推進していくべきだと思っております。
○山田勇君 最後に郵政省の方にお見えいただいておりますので、郵政省の方にお尋ねをいたします。 通産省が昨年八月に「東京に本社を置く企業の移転可能性に関する動向調査」というのを行った結果、移転に際して必要と考えられる政策的措置として第二位に挙げられたのが情報通信ネットワークなどの通信インフラの整備であり、それだけに本法案の実施に当たっては郵政省の役割というものも大変重要であると考えます。 郵政省の支援施策として電気通信の利便性を効果的に高めるための機能を有する中核施設の整備が予定されておりますが、その資金としては通信・放送機構からの出費が二億円が二カ所で四億円、あるいは日本開発銀行等から無利子融資などありますが、これで十分なのかどうか。それと、次年度以降通信・放送機構からの支出は二、三カ所ふえていくとも聞いておりますが、ぜひ最大限の支援を考えていただきたい。また、その支援は適切な基準のものでなければなりませんが、衆議院における審議の中で郵政大臣は、支援措置の対象としては地元の非常な熱意が必要であり、またISDN、総合ディジタル網がある程度入っていることが必要であると答弁しておりましたが、これらの諸点について郵政省のお答えをいただき、私の質疑を終わりたいと思います。
○政府委員(白井太君) ただいま山田先生御指摘になりましたように、高度情報化社会と言われるような今日におきまして、特に東京圏への一極集中の是正というようなねらいのもとに地域づくりを行う場合には、情報通信基盤の整備をするということが大変重要であると考えております。それが今般この法案の立案に私どもが参画をさせていただいたゆえんでもあるわけでございます。 具体的な予算措置等につきましてはただいま山田先生がおっしゃいました内容になるわけでありますけれども、この点につきましては、先ほど来お話が出ておりますように、まず国として基本方針をつくり、その方針を受けて都道府県知事が地域の指定をする、さらにその地域の中で事業計画が立てられるというような手順を踏んで具体的に進められることになるわけでありますけれども、事業計画としてどのような計画が立てられるのかというような地方の需要ということも私どもとしては十分見まして、これからの予算措置についてもできるだけの努力をしていこうと思っております。 なお、その場合に適切な基準に基づいて措置をするようにというお話もございましたが、これも先生の御指摘のとおりでございまして、私どもとしては、地元の熱意はもちろんそうでありますけれども、さらに私どもの行う施策というのがその地域において所期の目的を十分果たす、あるいは効果が上がるような方向でこれからも考えてまいりたいというふうに思っております。
○山田勇君 ありがとうございました。
○委員長(山本正和君) 本日の質疑はこの程度にとどめます。
○委員長(山本正和君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案の審査のため、参考人の出席を求め、その意見を聴取することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認めます。 なお、その日時及び人選等につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十六分散会 ―――――・―――――