建設委員会 第2号
- 発言数
- 280 件
- 登壇者
- 33 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1992/03/27
会議録
○委員長(山本正和君) ただいまから建設委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、及川順郎君が委員を辞任され、その補欠として片上公人君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(山本正和君) 琵琶湖総合開発特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。東家国土庁長官。
○国務大臣(東家嘉幸君) ただいま議題となりました琵琶湖総合開発特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 琵琶湖総合開発特別措置法は、琵琶湖の自然環境の保全と汚濁した水質の回復を図りつつ、その水質源の利用と関係住民の福祉とをあわせ増進するため、琵琶湖総合開発計画を策定し、その実施を推進する等特別の措置を講ずることにより近畿圏の健全な発展に寄与することを目的とし、昭和五十七年三月三十一日までの時限立法として昭和四十七年に制定されましたが、昭和五十七年に有効期限が十年間延長され、本年三月三十一日までとなっております。 政府としては、琵琶湖総合開発計画に基づき、鋭意、琵琶湖総合開発事業の推進に努めてまいったところでありますが、諸般の事情により法律の有効期限内に完了できない見込みであります。 そこで、琵琶湖総合開発計画を変更して、引き続き琵琶湖総合開発事業の推進を図るため、同法の有効期限を延長する等の必要があります。 以上がこの法律案を提出する理由であります。 次に、この法律案の要旨について御説明いたします。 この法律案は、琵琶湖総合開発特別措置法の有効期限を平成九年三月三十一日まで延長することとし、これに伴う所要の改正を行うものであります。 以上がこの法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○委員長(山本正和君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○種田誠君 本日は、ただいま議題になりました琵琶湖総合開発特別措置法の改正案を審議するということでございますので、この点について順次質疑を行っていきたいと思います。 ただいま国土庁長官から、今般、諸般の事情により法律の有効期限内に完了できない見込みであるので今回の改正をお願いしたい、このような申し出がございました。 私、昭和五十七年の三月三十日の当委員会での質疑を調べておりましたらば、当時、先輩の茜ケ久保議員がこの席で質疑をしているようでございました。そのときの趣旨説明も、今大臣が述べられた趣旨説明と、言葉として二カ所ぐらい違うところはありますが、同じ内容の提案趣旨説明のようでございました。 疑問に思いますのは、本来、十年、さらに延長して十年、二十年間で琵琶湖総合開発措置法の目的は達成されているんではないだろうかと思うわけでありますけれども、ここで言うところの「諸般の事情」というのは、昭和五十七年のときと今日においてどのように違うのか、簡単に御説明いただければ幸いだと思います。
○政府委員(西谷剛君) まだ三千八百億円ほど残事業がございます。この残事業が出てしまいましたことは非常に残念なんですが、その理由は、二十二種類の事業がございましてそれぞれ事情が違うわけでございますけれども、総じて申し上げますと四点ほどあろうかと思っております。 一つは、下水処理場、し尿処理場、ダム建設等、地元の合意、協力を得るということで非常に長期間を要するものがあったということ。二つ目としましては、土地価格の高騰等で用地交渉に手間取り長期化した、これが挙げられようかと思います。三つ目は、滋賀県は全国屈指の埋蔵文化財の宝庫ということで、事業を行いますために埋蔵文化財関係の調査が十分行われなければならない、これについても相当の時間を要したということ。四つ目には、環境上の理由から例えば湖岸堤のルートの決定がおくれる、これに伴いましてその前面につくる公園整備事業がおくれるというようなことがございました。 総じて言えば以上のような点だと思いますが、この点については前回の五十七年の改正のときと基本的には変わっていない。ただ一つ違うと思いますのは、当時は非常にインフレが進んでいると申しますか、事業費のデフレーターが上がってきておった、したがって財政的な問題がありましたが、今回は財政的な事由はそう大きくはない、この点は違うと思いますが、先ほど申し上げましたような四点については基本的には同じではないか、こんなふうに考えております。
○種田誠君 私、今局長の答弁を聞いておって、さすがに責任を持ってこの事業を進めておると違うなと思ったことがございます。 この質問は、私、今ここでこの質問の始まる直前に通告したわけなんですが、まさに十年前の関係局長の答弁は、インフレの進行、オイルショックによる影響、かつ用地補償で地元が理解をしてくれない、こういうふうなことが原因だったという今局長述べられたとおりの理由で十年前は諸般の事情が大きく動いたらしいんですけれども、そうは申しましても、ただいま述べられたような事情、文化財の問題にしても湖岸堤の問題にしても地価の問題にしても、決してあらかじめ予想できないことではないと思いますので、本来ならば琵琶湖の水質の改善、さらには琵琶湖周辺の開発に関しては、滋賀県の県民の皆さんばかりではなくて全国民期待のもとに行われているわけでありますから、法律をつくった以上、その法律の目的を期間内に達成していくという最大の努力をしていくことに私は重要な価値があるんだろうと思うわけであります。 そういう意味で、ただいま申されたような幾つかの難しい問題はあろうかと思い。ますけれども、ぜひとも今回の法律の改正の中で確実に目的を達成できるように一層の努力をお願いしたいと思います。 そこで、この琵琶湖総合開発特別措置法が制定されてきた大きな理由の一つに琵琶湖の水質の保全、改善、こういうことがウエートを占めていたんではないだろうかと思うわけであります。私は過般の建設委員会の現地調査においてもいろいろお話を伺ってまいったし、さまざまな資料なども見せていただいたんですけれども、なるほど一度汚れてしまった閉鎖性水域を改善していくというのは並み大抵のことではないのだなと最近認識を新たにしております。経年変化を見ても、昭和四十七年から二十年以上の月日がたっておりますが、CODにしても窒素にしても燐にしても、改善の兆しが果たして見えたと言えるんだろうか言えないんだろうかという状態に残念ながらとどまっているんではないだろうかなと思うわけであります。 そういう意味で、今日の琵琶湖の水質の改善、いやむしろ現状をとどめおく、そのようなところの状況がどのようになっておるのか、環境庁の方からでも説明していただければと思います。
○説明員(石田祐幸君) お答え申し上げます。 琵琶湖の水質の状況につきましては、降水量等の影響を受け年によりまして多少変動はございますが、昭和五十年代に入りまして、前半をピークといたしまして、それ以降後半までおおむね改善をしてまいっておったわけでありますが、六十年代に入りましてからはほぼ横ばいの状況が続いているかと、こういうふうに認識いたしております。 今後の見通しとしましては、この三月十二日に第二期目の琵琶湖にかかわります湖沼水質保全計画が策定されておりますが、この計画において、着実な水質改善を図るということを目的としまして、最終年度の平成七年度の水質目標値といたしまして、CODでは、北湖で二・二ミリグラム・パー・リットル、南湖で三・三ミリグラム・パー・リットル、また、全窒素では、北湖で〇・二六ミリグラム・パー・リットル、南湖で〇・三五ミリグラム・パー・リットル、こういうような形で目標を掲げております。なお、既に環境基準を達成いたしております北湖の全焼につきましては現状水準を維持していく、こういうことといたしております。 環境庁といたしましては、関係の省庁あるいは府県とも連携を図りまして、この計画に盛り込まれております各種の施策を着実に推進して琵琶湖の水質の改善を図っていきたい、こういうふうに考えております。
○種田誠君 今説明がありました湖沼法に基づく第二次の琵琶湖水質保全計画ですね、これが三月十二日に決定されたわけですか。
○説明員(石田祐幸君) はい。
○種田誠君 そうしますと、この第一次の水質保全計画を受けてまさに本年度から第二次の水質保全計画が始まろうとしている。それで、今その目標を申されたわけですが、第一次を受けて第二次の水質保全の対策として、第一次の経験を踏まえて第二次では具体的にどういう形でこれを推し進めればより効果があるという、その特徴的なものはどういうふうに計画されていますか。
○説明員(石田祐幸君) 第二期計画の特徴といたしましては、従来の計画では余り前面に取り上げておりませんでした富栄養化の主要因になっております窒素、燐の削減を進める、この辺をかなり特徴を持った形で盛り込んでございます。 そのための具体的な施策といたしまして、当然、水質目標値として窒素と燐についても数値を掲げております。また、それを達成するための手段といたしまして、下水道等の整備に当たりまして高度処理を推進していくというようなことを盛り込んでおりますし、また、従来CODを対象として工場、事業場等の新増設部分につきまして規制をかけておりましたいわゆる汚濁負荷量規制、こういったものについても窒素、燐を対象として取り組んでいく。こういうことで、全般的に富栄養化対策を強化した、こういう形になっております。
○種田誠君 それからもう一点。 過般、平成二年六月ですか、水質汚濁防止法の改正がなされましたですね。そして、これは琵琶湖ばかりではなくて、私の地元の霞ケ浦もそうでありますし、また手賀沼、印旛沼なども顕著にあらわれているんですが、昨今の水質汚濁の大きなウエートを占める原因が生活雑排水関係であるということが指摘されて久しいわけであります。最近とみにそのことが重要な課題になってきた。しかしながら、この対策というのは極めて困難でもあると言われておるわけであります。 この水質汚濁防止法改正によりまして琵琶湖周辺または霞ケ浦周辺なども新たに生活雑排水に関しての対策がとられていると思うんですが、そしてそのことに関して各市町村において今日的には生活排水推進計画というのをつくることが義務づけられておると思うんです。これは平成二年六月の改正ですから、多分、昨年度から具体的に実施に移っておると思うんですが、この辺について今日的にどのようになっておりますでしょうか。
○説明員(石田祐幸君) 今先生御指摘のとおり、昨今の水質汚濁につきましては、その原因の中で生活排水の汚濁負荷の割合が非常に高くなってきております。このため、従来からやっておりました産業系の排水対策、あわせまして生活排水対策の推進が重要になってきておる、こう考えております。 このため、今先生から御指摘もございましたように、環境庁においては、生活排水対策を総合的、計画的に推進する、こういう考え方から平成二年六月に水質汚濁防止法を改正したところでございます。これに基づきまして現在までに二十八都府県、三十五地域、百二十七市町村について生活排水対策重点地域の指定がなされております。 具体的に琵琶湖と霞ケ浦についてお話し申し上げますと、琵琶湖については滋賀県全域が指定地域になっております。それから霞ケ浦につきましては土浦市、石岡市等が指定をされております。そして関係市町村においては生活排水処理施設の整備及び普及啓発を総合的に推進するための生活排水対策推進計画を策定しておりますが、現在そのための作業に取り組んでおるところでございます。 また、具体的に施策の状況はいかがかということでございますが、環境庁では、こういったような指定を受けました市町村による生活排水対策推進計画の策定に対する補助制度とが、あるいは生活排水により汚濁した水路等の浄化施設に対する補助制度、こういったものを平成三年度に創設いたしております。本年度は、滋賀県の守山市など全国で五施設について補助を行っておるところでございます。また、来年度の予算案におきましても、特に生活排水汚濁水路浄化施設整備事業につきましては、生活関連重点化枠を活用いたしまして大幅な増額を計上いたしておるところでございます。 今後とも地方公共団体と連携を図りながら生活排水対策を一層推進してまいりたい、このように考えております。
○種田誠君 この生活排水が今指摘があったように大きなウエートを占めていることは、間違いのない事実だと思うんですね。そして、これに対しても今後今のような形で積極的な対策をしていくということでありますけれども、まさに生活雑排水というのは各家庭から排出されるものであるし、大きな湖の近くというのはどの地域においても居住することが可能な地域が広いわけでありまして、そうなってきますと、この対策というのは極めて個人の努力というようなものも大きな役割を果たすと思うんです。 そういう意味で、今回のこの生活雑排水関係の対策に関しては、国、県、市町村などの行政が一つのはっきりした方向を出すと同時に、全県民、市民を巻き込んで、水というものが私たちの生活に果たしている役割、さらには延々ともう二千年、もっと前から我々は水を汚濁してきた、その蓄積されたものが今日の現状であるとすれば、時間をかけながらも着実にこれを改善していくように幅広い市民、県民運動、国民運動としてこの辺を展開していただきたいと思うわけでありますが、調査の結果そういう意味での顕著な動きというのは昨今あらわれておりますでしょうか。
○説明員(石田祐幸君) 私どもの方で、全般的に地域住民の水質汚濁あるいは水質保全に対する運動がどのように展開されておるか、こういうのを統一的に調査をするというような形のことは行ってはございませんが、私どもの方にいろいろと問い合わせ等ございますし、また、私どもの方でも水生生物の調査でありますとか、あるいは海岸、海水浴場の調査でありますとか、そういったような企画を設けてございますが、そういった企画の中で、都道府県あるいは市町村、住民一体となって取り組んでいくという傾向は日増しに増加しておる、こういうふうに認識しております。
○種田誠君 そういう意味で、さらに今述べられたような国民、市民、県民がこぞって水というものに関心を持ち水質の浄化に努めていくためには、やはり身近なところから具体的に参加型の運動や行動が行われる必要があろうと思うし、そういう流れが私は着実に生まれていると思うんですね。 聞くところによりますと、ごく最近三月の滋賀県議会でヨシの群落保護条例、全国初めての条例のようでありますが、こういうものも採択されたというようなことでありますが、この条例は一体どういう目的でどういうふうなことをこれからやっていこうとするのか、ちょっと説明していただきたいと思います。
○説明員(石田祐幸君) 滋賀県が制定いたしました一昨日成立したと聞いておりますヨシ条例は、琵琶湖及びその周辺地域におけるヨシ群落の保全に関しまして、県、市町村、県民及び事業者、この四者の責務を明らかにし、ヨシ群落を積極的に保全し、その多様な機能を発揮させることにより琵琶湖の環境保全を図る、これが目的とされておるようでございます。 また、その主な内容でございますが、まず、ヨシ群落の保全に関しまして、普及啓発、保全事業の実施及び協力等、県、市町村、県民及び事業者の責務を明らかにしておるということが一点でございます。第二に、知事はヨシ群落保全のため土地の形質の変更、動力船の使用等の行為の制限、ヨシの植栽、刈り取り、清掃等の保全事業を実施する、ヨシのいわゆる群落保全区域の地域指定を行うことができる、こういうことになっております。三点目といたしまして、このため知事はヨシ群落保全のための基本的かつ総合的な方針や事業等を定めた基本計画を決定しなければならない、こういうことになっております。 内容はそういったところでございますが、本条例は七月一日から施行されるということでございます。 ヨシなどの自然の持つ浄化機能を活用することは水質保全のみならず自然環境の保全に重要な役割を果たすことになると考えておりまして、このほど策定された第二期の琵琶湖の湖沼水質保全計画、この中にも重要な施策の一つとして取り組まれております。
○種田誠君 私は野鳥の会の会員として時々茨城の浮き島の方にも、霞ケ浦の近くに北浦というところがあるんですが、参りますが、ヨシの中にはヨシキリとか、この間圏央道の問題でここでも議論いたしましたヒシクイとか、本当にたくさんの野鳥がおりますし、また魚などの産卵の場所にもなる。そしてさらに、窒素、燐などの負荷に対してむしろこれを栄養源として吸収する。 私は、自然が恵んでくれた生態系の中におけるバランスというのを考えながらの開発や治水や対策を練っていく場合、技術や私たちの英知に対しての自信と明確な方針を持つと同時に、自然が私たちに与えてくれた苦みというものを最大にどう利用するかという視点でも、ぜひこの条例を立派なものに成長させる一とができるように、環境庁においても全面的な御支援をお願いいたします。 と同時に、このヨシの群落の今後の維持に関しては、湖岸堤の建設などに関しても若干心配をされておるような声もあるし、人によっては湖岸堤の建設とヨシの保全は一致しないというような皮肉な言い方をする人もいると思いますが、私は、そうじゃない、必ず治水を維持しながら自然との調整ができる、このように確信しているところでもありますので、何としてもこの条例を成功裏に導きながら水質の浄化に努めていただきたいと思うわけでありますが、一言、その辺のところに関して建設省の方でどのようなお考えを持っておられるか、御意見をいただければと思います。
○政府委員(近藤徹君) 治水上、洪水のはんらんから防御するために河岸の防御というのは極めて重要であります。同時に、そういう部分の植生としてヨシ群落等が水質浄化等の機能を持っていることも私ども数々の知見から承知しております。これらを両立させるということは、先生がおっしゃいましたように可能だろうと存じます。 ただ、この問題については、それに必要な用地その他の問題がありますので、今後はそういうことを河川管理の中にも取り上げまして、また地域住民の御理解の中で、そのような努力をしてまいりたいと存じます。
○種田誠君 このことでもう一点、環境庁の方にお伺いしたいんですが、ドイツにボーデン湖という湖があるようであります。私はまだ行ってみたことはないんですけれども、このボーデン湖はもう既にヨシ条例のようなものに従って水質浄化の対策を練っておられる、こういうふうなことで調査に行かれた方も何人がおられるというふうに聞いております。一体このボーデン湖の水質浄化対策はどういうふうな形になっておるのか、ちょっと教えていただければ幸いです。
○説明員(石田祐幸君) ドイツのボーデン湖のヨシにつきましては、滋賀県が制定いたしましたヨシ条例の一つの模範となったものではないかと私ども理解しております。 ボーデン湖はドイツ最大の湖ということで、面積で見ますと琵琶湖の約八割ぐらいの広がりを持っているということだそうでございます。ボーデン湖の湖岸には現在一から四平方キロメートル程度の広大なヨシ群落が何地点か存在するようでございます。そういう意味でちょっと幅を持って申し上げたんですが、この三十年の間にヨシ群落そのものが約三分の一ぐらいに減少したということがございます。最近では、環境保全あるいは生態系の保護、こういった観点から、浅瀬の保全に関する計画を策定するということとあわせて保全地域を指定しましてヨシ群落を保護するための対策を講じてきている、こういうふうに聞いてきております。
○種田誠君 そうしますと、先ほど建設省の河川局長の方で述べられたような視点に立ってもう既にボーデン湖の方ではそれが先行して行われているというようにも見受けられます。まさに私は、これからの建設行政は、自然とのかかわりの中において、どのように自然と取り組んでいくか、そしてそこで共存共生の形をつくるかという大きな課題が私たちに与えられていると思うんですね。 聞くところによると、ドイツそれからイギリスにおいては、もう建設行政が環境行政を既に取り込んでしまっておる、そして建設省はむしろ快適な人間にとっての環境をつくっていく省庁、こういうふうな位置づけもなされているというふうにも伺っております。そういう意味で、ぜひこのボーデン湖の水質浄化対策なども参考にされて琵琶湖の水質の一層の改善を図っていただきたいと思うわけであります。 次に、具体的にこの水質保全の対策として下水道や農業集落排水の整備事業や合併浄化槽の設置などについての対策が積極的に行われてきていると思うんですが、二十年にわたってこの計画に基づいての対策が練られてきておるわけでありますけれども、今日の状況は一体当初目標の何割ぐらい完成をして、そして今日的に残っているのはどういうところに問題があってどのような角度でこれをこなしていくのか、そういうようなことについて、下水道関係、農業集落排水事業関係、合併浄化槽関係、それぞれ省庁は違いますが、簡単で結構ですが御説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 下水道についてお答え申し上げます。 琵琶湖流域につきましては、現在、琵琶湖流域下水道、大津市等の公共下水道等で整備を進めておるわけでございまして、平成二年度末の滋賀県の下水道普及率は二八%でございます。これを琵琶湖流域のみに限りますと二六%という状況でございまして、全国平均が四四%でございますから、そういう意味ではまだかなりおくれておるというのが実態でございます。また、この琵琶湖流域下水道につきましては、先般先生方にも御視察いただきましたように、高度処理を実施しておるところでございまして、窒素、燐等を除去するための高度処理につきましてはすべての関連下水道事業で取り組んでおるわけでございます。 私どもといたしましては、この琵琶湖総合開発計画が終了いたします平成八年度末には何とか普及率を五〇%までには持っていきたいというところで現在鋭意取り組んでおるところでございます。
○説明員(上田一美君) 御説明申し上げます。 農業集落排水事業につきましては、農業振興地域におきまして農業用用排水の水質保全、農業用用排水施設の機能維持、農村生活環境の改善を図り、あわせて公共水域の水質保全に寄与することを目的として実施しておりますが、琵琶湖周辺地域におきましては、計画の中途の昭和五十七年度より琵琶湖総合開発計画に位置づけを行いまして実施しております。 現行の計画では約百六十集落を整備する計画でありましたが、本事業の緊急性、重要性にかんがみまして、平成三年度末におきまして百七十三集落で事業を実施することになっております。 なお、今後の見通しにつきましては、平成八年度までに全体で合計約二百二十集落につきまして農業集落排水事業を行うこととしております。
○説明員(喜多村悦史君) 御説明申し上げます。 厚生省におきましては、し床とあわせまして生活雑排水を処理できる合併処理浄化槽に注目いたしまして、昭和六十二年度から補助事業を開始しておるわけでありますが、市町村が補助をする場合に市町村に対して助成を行うという制度でございます。滋賀県におきましても逐年実施をいただいております市町村がふえておりまして、平成三年度には二十三市町村が実施をするという状況でございます。 まだ事業開始いたしまして歴史が浅いわけでございますけれども、今後とも市町村の要望に沿えるよう努力をしてまいりたいと思っております。
○種田誠君 お話を伺っておりますと、それぞれの分野で精いっぱいの努力をしながらこれまで水質浄化にかかわってきていたものと思いますが、伺いまして、問題は一つ、この下水道の中には流域下水道もあるし特定環境関係のものもあるし、さらには自治体の公共下水道もあるし、フレックスプランに基づく下水道もあるし、さらに農業集落排水、合併浄化槽ということになりますと、これらのそれぞれの施策がどこでどのような調整をされて今日までなされてきたのか。さらには、今回の法律によりますと残された期間というのはかなり短い期間なんですが、その期間の間に効率よく、しかも確実にこれをなし遂げるということになれば、私は、市町村、さらには各地域においてよりきめ細かな水質浄化という一つの目的に向かっての協議、調整などをして住民のニーズにこたえていくということが極めて重要な課題になるんじゃないかなと思うんです。 この辺に対する考え方や取り組みについて、これは下水道事業という一番大きな形でやっておる建設省から伺った方がいいのかもわかりませんが、建設省の方で何か具体的な形を持っておれば、また取り組んでおれば、説明をしていただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) ただいま御指摘ございましたように、下水道と、それから下水道類似施設としてただいま各省から御答弁がございましたように農業集落排水施設あるいは合併処理浄化槽等がございまして、具体的に見ますとその役割とか機能にはそれぞれ差はあるわけでございますけれども、しかし、生活環境の改善とか水質の保全という最も基本的な部分につきましてはそれぞれ有効で、共通性があるわけでございます。したがいまして、これらの施設の機能とか特徴を踏まえました上で役割分担を明確にして整備を進めることが極めて現実的な対応なのではないかと私どもも思っておるところでございます。 基本的な考え方といたしましては、各市町村レベルにおきまして、計画段階で、広域的な観点からそれぞれの特徴に応じました区域の設定とか適切な整備手法の選定を行うことが必要であると考えておりますが、建設省といたしましては、平成四年度から、こういった問題に着目いたしまして、全県域下水道化構想の策定ということを指導してまいりたいということで、予算的にもまずこういった構想を策定するための指針といいますかマニュアルを作成するための経費を計上させていただいているところでございまして、これに基づきまして、各都道府県単位に都道府県全体で広域的に見ましてどういったところで下水道をどうやるのか、下水道が間に合わないところはその間どうするのか、また将来それをどういった形でつないでいくのかといったようなことを、スケジュールも含めましてやってもらいたいというふうに考。えておるわけでございます。 滋賀県におきましては、現実に現在いろいろ事業をやっている中で、下水道整備に相当の期間を要する地域におきまして、便所の水洗化とかあるいは雑排水の処理を行うために下水道類似施設を設置する場合には、必ず県内で下水道担当部局とそういった類似施設担当部局が綿密な協議調整を行っていると聞いているところでございます。私どもといたしましては、そういった精神を踏まえながら、滋賀県におかれましてもぜひ全県域下水道化構想みたいな形で県全体の調整を図っていくようにしてもらいたいということで指導をしてまいりたいと思っておるところでございます。
○種田誠君 今の局長の答弁を聞いていて、私はまさにそういう形でこれからの建設行政が動いていってほしいなと思うわけであります。やはり公共事業に関しては、いろいろなことを言われても、建設省がこれまで積み重ねてきた実績、そして今日の大きな財源を伴った大きな任務、農水の方も厚生省の方もそれぞれの立場で頑張って水質改善、快適な生活環境をつくるために努力をしているが、その兄貴分として、それを兄弟の中で十二分な協議をさせて国民のニーズにこたえる、そういう意味で、建設省は堂々とその辺のところを他の省庁を巻き込んで一緒に国民のニーズにこたえるための施策としてこのようなものも展開していただきたいと思うんです。 先ほど私申し上げましたように、これからの建設行政は流れとして環境。行政も取り込んでいく、こういうふうな視点が世界の趨勢でありますから、日本の建設行政も当面そのように私はなろうと思うんです。そのためにも、ぜひ太っ腹で、しかも総合的な形であらゆる施策、特にこの下水道なども展開できるようにさらなる努力をしていただきたいと思うわけであります。 そこで、一つ同じような形で新しい形が出たわけでありますが、厚生省の方に伺いますけれども、昨年、補助金制度が、本来ならば下水道流域地域内には補助金の交付というのはあり得なかったんですけれども、流域下水道計画区域内でも一定の要件のもとにこれが可能になったというようなことも聞いております。どのような形でそれが実施されるようになったのか、そしてまた実施状況などについて、簡単で結構ですから説明を願いたいと思います。
○説明員(喜多村悦史君) 今先生御指摘いただきましたように、昨年六月に私どもの合併処理浄化槽設置整備事業の補助要綱を改正いたしたわけであります。その内容は、今御指摘いただきましたように、下水道事業計画区域内につきましても生活排水の対策の緊急性が高い地域につきましては一定の要件のもとで私どもの合併処理浄化槽の整備を行うということで協議したものでございますが、具体的な内容は、湖沼水質保全特別措置法に基づく指定地域または水質汚濁防止法に基づく生活排水重点地域のいずれかに該当する場合であって、かつ原則として七年以上下水道の整備が見込まれない場合ということでございます。 それから、整備の実績でございますが、昨年中途での要綱の改正でございまして滋賀県域での今年度の実績はございませんが、来年度の計画の中では、市町村からあらかじめ御要望をお聞きしておりますけれども、二つの町で整備を予定されておる状況でございます。
○種田誠君 ついでに農水省の方にちょっと伺います。 この農業集落排水は、いわゆる地域からの申請主義、地域から上がってこないと設置の方向に動かないという形になっていると思うんですね。そうなった場合、今の厚生省の新たな意味での合併浄化槽に対する補助金もそうなんですが、やはり先ほど提起したように、全体的に国民のニーズにこたえる、厚生省の実績がどうだとか農水省の実績がどうだとか建設省の実績がどうだというんじゃなくて、現実の国民のニーズにこたえ、かつ水質浄化に大きな役割を果たすという視点で見た場合、これから十二分な協議をしながらやっていく必要性というのはますます高まってくるだろうと思うんですね。その辺のところ、農水の方の申請主義の関係からいってこれはどういうふうに取り組んでいけるのか、ちょっと説明を願いたいと思います。
○説明員(上田一美君) 御説明申し上げます。 先生御指摘のとおり、農業集落排水事業は地元県、市町村等からの申請に基づいて行う事業でございます。したがいまして、もちろん地元の意向をまず第一に尊重することが大切でございますが、なおこれとともに各地域における水質等の状況を見まして、農業生産あるいは農業用用排水施設等の被害状況を十分勘案しまして、所要の目的が達成できますように県、市町村と連携を保ちながら実施してまいりたいと考えております。
○種田誠君 農水省においても厚生省においても目的は同じだと思うんです。したがいまして、建設省の長い経験や歴史、実績、こういうものも十二分に協議の中で参考にしながらお互いに一つの目的を達成するように今後ぜひとも努力をしていただきたいと思います。 最後に、私の地元の霞ケ浦の水質改善について伺いたいと思うんです。 霞ケ浦においても琵琶湖同様水質の改善が今急がれているわけでございます。現状ではまだまだ水質の保全、改善は進んでいないというふうにも伺っておりますし、またさまざまなことが行われていると思うんですが、一体その辺の現状が今どのようになっておるのか、説明を願いたいと思います。
○説明員(石田祐幸君) 霞ケ浦につきましては、環境庁は、その水質の保全を図るため、琵琶湖と同様に湖沼水質保全特別措置法に基づきまして国で指定湖沼に指定をいたしております。その上で、これも同様に湖沼水質保全計画を定めて排水規制、あるいは下水道の整備、合併浄化槽の整備等の水質保全事業を計画的、総合的に実施していただく、こういうことをやってきております。この三月十二日には、琵琶湖と同時に霞ケ浦につきましても第二期の湖沼水質保全計画が策定されております。その内容につきましても、先ほど申し上げましたように富栄養化対策を一層推進するということが今回の計画の特徴となっております。 環境庁としましては、この第二期の湖沼水質保全計画にのっとりまして関係省庁ある、いは関係府県と連携を図りながら霞ケ浦の水質改善を着実に図っていきたい、こういうふうに考えております。 少し具体的に申し上げますと、この計画の中では、汚濁源に対する各種規制を実施すること、また水質保全のための対策といたしまして先ほど来お話の出ております下水道、農業集落排水施設、合併処理浄化槽等の生活排水処理施設の整備、及び高度処理の推進、底泥のしゅんせつ、あるいは施肥法の適正化を図る、こういったような各種の事業を盛り込んでおりますので、これらを推進することによりまして霞ケ浦の水質の改善を図っていきたい、こういうふうに考えております。
○種田誠君 余り時間がありませんので簡単で結構なんですが、今環境庁が述べられたような目標、対策に対してそれぞれどのような取り組みが現状になされておるのか、説明を願いたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 下水道についてお答え申し上げます。 平成二年度末現在で下水道の普及率は茨城県全体が二四%でございますが、霞ヶ浦流域は二八%となっておる次第でございます。 私どもといたしましては、平成三年度を初年度といたします第二期の湖沼水質保全計画におきまして新たに窒素、燐を目標に加えまして一層の水質改善を図ることとしておりますが、普及率につきましてもできるだけ向上が図られるように努めるほか、高度処理施設の整備をぜひ引き続き実施してまいりたい、そういうふうに考えておるところでございます。
○種田誠君 時間がないので最後の質問になるかと思いますが、霞ケ浦に関しては、川が流れるというところに浄化作用が発生するということから一導水計画が行われていると思うんですが、この進捗状況と今後の見通し、目標、その辺のところだけをちょっと簡単に御説明いただければと思います。
○政府委員(近藤徹君) 霞ケ浦導水事業は、那珂川下流部と霞ケ浦、利根川下流を連絡する総延長四十四・一キロの流況調整河川を建設し、霞ケ浦あるいは周辺の河川の水質浄化、既得用水の補給等、流水の正常な機能の維持と増進、それから都市用水の供給を図る目的で現在実施しているものでございまして、昭和五十一年度に実施計画調査、昭和五十九年度に建設事業に着手したところでございます。 平成三年度までの進捗率は事業費ベースで申しますと二二%というところでございまして、平成元年度までに利根川と霞ケ浦を結ぶ利根導水路及び利根機場を完成させました。平成四年度よりは利根導水路の試験通水を実施し、機場、導水路等の機能、構造を調査、確認することとしております。また、那珂川と霞ケ浦を連絡する那珂導水路のうち水戸トンネルにつきまして、地元関係者との調整を図りまして、本年二月に那珂川と水戸市河和田地先を結ぶ約六・二キロの水戸トンネル部の発注を行い、工事に着手したところでございます。 今後ともなお一層の努力を払いまして、地元関係者の理解と協力を得つつ、引き続き導水路事業の進捗に努めてまいる所存でございます。
○種田誠君 汚泥の処理とか幾つかの問題に関して質問を積み残したわけでありますが、またこれは後の機会に質問させていただくことといたしまして、ぜひとも琵琶湖そして全国の湖沼の水質改善に一層の御努力をお願い申し上げ、そしてこの法案が成立した後、確実に事業実績がつくれますように御期待申し上げまして、質問を終わりたいと思います。
○中川嘉美君 私は、まず琵琶湖総合開発事業の進捗状況について伺っておきたいと思います。 この総合開発事業に関しては、今年度末の法律の期限切れを迎えさらに五年間の延長を行うということでありますが、伺いたい第一点は、いわゆる延長後の十年間で事業が完了しなかった原因は一体どこにあるのか、直接的な要因は何なのか、この辺をまず述べていただきたい。 第二点目は、現在の事業の進捗状況は、各事業年度の事業費の累計、これは名目事業費で見ますと五十七年改定の計画事業費に対して九二・六%、こういう数字が出ているわけでありますが、事業量ベースでいくとどのくらい進んでいるのか、この点を伺いたいと思います。 それから三点目ですが、特におくれている事業はどんなものがあるか。 まずこれらの点についてお答えをいただきたい。
○政府委員(西谷剛君) 二十年間で事業が完成しなかった理由でございますが、ダム等の大型事業で事業自体に関する地元の御協力がなかなか得られなかった、その交渉に長期間を要した、地価高騰等で用地交渉に手間取った、また文化財の宝庫であるのでその文化財関係の調査に長期を要した、そうして環境保全上のことから事業設計、事・業着手等について調整の期間を要した、総じて言えばその辺が主要なおくれの原因がと認識しております。 進捗状況につきましては、御指摘のとおり名目で九三%の進捗を見ておりますけれども、事業量で見ますと、実はこの事業量というのも単純に明確に計数化できるわけではないのでなかなか難しい点もありますが、延長ではかるもの、面積ではかるもの、そのいずれでもはかれないものなどございますが、達観して申し上げれば、事業量でおおよそ八割ぐらいのところまで進んでいて、あと二割が残っているというような感触を持っております。 特におくれの著しい事業についてお尋ねがござ いましたが、ダム事業、ごみ処理施設の関係、自然保護地域公有化事業など、いずれも用地取得なり地元交渉なりに時間を要することが多い事業におくれが目立っております。
○中川嘉美君 今日までの進捗状況については今お答えをいただいたわけですが、それでは、今後五年間で事業の完了が可能であるというこの辺の根拠についてぜひ御説明をいただきたい。
○政府委員(西谷剛君) 二十年間やってまいりまして、あと残っています事業を各事業主体、中央官庁と地元の滋賀県がよく打ち合わせをいたしました。その結果、残った事業を五年間でやることは技術的に大丈夫だろう、こういうことが一つ。それから金の面、金額の面で見ましても、過去五年間で見ますと、毎年平均して一千百億程度の事業費を消化してきたわけでありますが、これからの五カ年を見ますと、三千八百億を単純に五で割りましても七百六十億になります。そうしますと、今までやってきた事業から比べましてもそう無理のない、むしろ楽、と言うといけませんが、そういう事業費になっているということがございます。 それから、さらに申し上げれば、用地交渉なり地元の御理解というのも今までずっとやってきましていよいよある意味ではファイナルの段階に入ってきている、こういうことがございますものですから、あと五年間で残された事業を完遂することは可能であろう、このように考えております。
○中川嘉美君 結論として可能であるという御答弁を受けとめた形ですが、この二十年間で完了しなかった原因、先ほど来幾つか挙げられた地元との交渉問題、合意協力問題ですか、それから用地交渉とかあるいは文化財の問題、いろいろ御答弁をいただきましたが、こういったものと同様のものがこれからの五年間の間に出てくる可能性は全然ないのか、そういったものを懸念する必要は全くないのか、この辺をもう一度確認しておきたいと思います。
○政府委員(西谷剛君) ただいま申し上げましたが、今まで当該事業についていろいろ協力を得る過程あるいは用地交渉をする過程を積み上げてきたということで、いわばその延長線上の残事業でございますので、達観して申し上げれば今までよりは完成に近づくであろう。しかし、御指摘のように、気を抜いてほっといて完全にできますというものではない。もちろん努力は最大限必要だろうとは思います。
○中川嘉美君 次に、水資源開発に関連して伺いたいと思います。 琵琶湖治水及び水資源開発事業については既に完了しているというふうに伺っておりますが、瀬田川洗堰の操作についてはやはり上流と下流との利害の調整ということが最も重要な課題ではないかと思います。せきの操作権限というものは建設大臣にあるとはいうものの、洪水とかあるいは渇水時の操作というものは滋賀県を初めとして関係府県の方々の意見を十分踏まえた上で行っていく必要があるんじゃないかというふうに思います。特にこの開発事業による新規の利水毎秒四十トンの供給開始時期について建設省としてはどのような考えを持っておられるか、お示しいただきたい。
○政府委員(近藤徹君) 琵琶湖からの下流淀川への放流は、高山ダム、青蓮寺ダムからの補給と合わせまして、下流河川の維持流量、既得水利権量及び琵琶湖開発事業による新規開発量四十トンのうちで、下流利水者において需要が発生した水量に対して補給することとしておりますが、今おっしゃいました四十トンの水供給の開始時期につきましては、一応水出し事業が完成しましたので供給可能とはなっております。 それからもう一点は、既に昭和六十二年から、下流では水源がないために淀川に水量が豊富な時期だけと。いう前提で、我々は暫定水利権と称しておりますが、それを約二十七トン付与しておる状況でございまして、速やかに水が欲しいという状況になっております。私どもとしては、下流で必要とされる水を補給しつつ、なおかつ琵琶湖の水位維持に配慮しつつ対応してまいりたいと考えております。 なお、この四十トンの水供給は、少なくとも今後十年以内には発生するということで見込まれておりますので、その前提で関係利水音及び滋賀県の御了解を得るよう努力しておるところでございます。
○中川嘉美君 毎秒四十トンの取水に伴って琵琶湖の水位が最大マイナス一・五メートルまで低下するということになっておりますが、水位低下による県民生活とかあるいは琵琶湖の景観、水質への影響が従来から懸念されているわけです。昭和五十九年から六十年にかけて、あるいは六十一年から六十二年にかけて、いずれも記録的な渇水によって水位が一メートル近くも低下したことがあるわけです。これによって数百メートルも湖岸が後退をして藻類が大量に枯れるとかそういう多大な影響があったというふうに聞いております。 そこで伺いたいのは、渇水時における水位低下のための対策、そしてその進捗状況はどのようになっているか、また、異常渇水時における洗い堰の操作方法についてはどのように考えておられるのか、この辺についてお答えをいただきたい
○政府委員(近藤徹君) 琵琶湖開発事業、いわゆる水出し事業でございますが、これは琵琶湖周辺及び下流淀川の治水対策及び新規都市用水の開発を目的として発足したものでございまして、もとより水資源開発とともに琵琶湖のはんらん防止のための湖岸堤の建設、それから琵琶湖周辺の治水対策、また琵琶湖の水位が低下したときにおける被害、影響に対して十分な対策を講じることを内容といたしまして進めてきたものでございまして、これらは平成三年度にすべて完了することとして現在実施しておるところそございます。平成三年度完成によりまして、水位低下対策については完了する予定でございます。 それから、異常渇水時の対応ということでございますが、もとより琵琶湖の水位が極力下がらないこと、また洪水時にも上がらないことを前提としておるわけでございますが、それでも諸般の事情によって水位低下を余儀なくされた場合には、これまでと同様に、下流の利水者、大阪府、兵庫県、建設省、近畿地方建設局等から成る淀川渇水対策会議を開催し、渇水対策について連絡調整を実施し、琵琶湖の水位低下を極力抑制していく所存でございます。
○中川嘉美君 淀川水系における水需要については、現在、国土庁において水資源開発基本計画、いわゆるフルプランの見直しが行われているわけですけれども、二十年前に毎秒四十トンの利水計画が立てられた時点と比べますと今日の水を取り巻く状況というものは大きく変わってきている、これはもう御承知のとおりだと思います。経済の安定成長への移行であるとか産業構造の転換、さらには節水思想の。普及とか水の循環利用とか、あるいは雑用水利用等々、水利用の合理化が進んできていることはもう御承知のとおりなんで、さらに今後は淀川水系以外からの導水による水資源の効率的な運用、あるいは総合的政策として京阪神地区からの人口あるいは産業の分散、こういったものを推進する必要がある、このように思われます。 琵琶湖の毎秒四十トンの計画を前提として、それに合わせるように毎回水の需給計画が立てられているような気がするわけですけれども、淀川水系の中でも琵琶湖の水資源というのは過大評価されているんじゃないか、やはり経済状況とかあるいは社会状況に合わせて琵琶湖の利水計画というものも見直されていいんではないか、こんなように考えますけれども、この点はいかがですか。
○政府委員(山内彪君) 阪神地域におきます水需要の伸びにつきましては、安定成長経済への移行あるいは水利用の合理化の進展等によりまして鈍化の傾向にあるものではございますが、長期的には生活水準の向上、産業の発展等により今後とも増加するものと予想しておりますが、現在、国土庁におきまして検討中の概略の数値では、平成三年度から平成十二年度までに新たに水源の確保が必要な阪神地域の都市用水の需要量は、現在の不安定な取水の解消を含めまして毎秒約四十七トンを見込んでおります。このため、琵琶湖開発におきまして供給されます毎秒四十トンの水は阪神地域におきます不安定取水の解消と新規需要に対応するために非常に重要なものであるというふうに認識しております。
○中川嘉美君 時間が余りないので次に進みますけれども、琵琶湖の水質保全について先ほど来いろいろ御論議が出ておりますが、確認の意味でもう一度聞いておきます。 滋賀県では、琵琶湖におけるアオコあるいは淡水赤潮の発生等のため今のように水質が汚濁しているわけで、水質汚濁防止法に基づく上乗せ条例とかあるいは公害防止条例、富栄養化防止条例等のさまざまな施策で水質の浄化に努めてきたわけですけれども、琵琶湖の水質状態、これはもう御承知かと思います。経年変化を見ると、北湖の全焼を除くCOD値、全窒素、全焼のいずれもが水質環境基準を上回る横ばい状態となっている。先ほど申し上げたアオコとか淡水赤潮も、平成二年度における調査によるとその発生が依然として認められている、こういうことですが、現時点について今申し上げた平成二年度の実態とほとんど変わっていないのかどうか、この辺を確認しておきたいと思います。
○説明員(石田祐幸君) お答え申し上げます。 今先生から御指摘ございましたように、琵琶湖の水質の状況は、COD、窒素、燐、どの水質をとりましても北湖の燐を除きましていずれもまだ環境基準を達成していない状況でございますし、また、アオコや淡水赤潮もほぼ毎年のように発生する、こういうことで、水質の現状はやはり改善が必要な状況であろうか、こういうふうに考えております。
○中川嘉美君 滋賀県のみならず近畿圏の人々の重要な水がめとして、あるいはまた日本を代表する美しい湖でもありその景観を保持するために、琵琶湖の水質保全というものは一定の成果を上げなければならない課題だと思います。 そこで伺いたいのは、今年度まで二十年間この水質保全事業を実施しても、先ほどの御答弁にもありましたように、具体的な成果を上げることができなかったという、その直接の原因はどこにありますか。
○説明員(石田祐幸君) 今回、第二期目の湖沼水質保全計画を策定するに当たりまして、これまでの第一期の計画のフォローアップを行いました。五年という期間で、先生お考えのもっと長期にわたっての期間での評価ということでは必ずしもございませんが、過去五年間の水質が必ずしも目標値を達成するような形で改善が進んでこなかったということは事実でございまして、私どもはその背景として二つ大きな要因があるのではないかと考えております。 一つは、関西圏の住宅地をして琵琶湖周辺、特に南湖周辺の人口が急増を見たということがあろうかと思います。それからもう一点は、過去五年余の期間は割合に経済が活発な状況でございました関係もございまして産業活動が予想以上に活発であった、こういうことも琵琶湖に対する汚濁負。荷を高める重要な要因ではなかったかと思っております。 こういった点について前回の計画では必ずしも的確な見通しを立て切れなかったということで、いろいろな規制を実施するとか、あるいは水質保全事業を実施するとか、そういうことをやってまいったわけでありますが、残念ながら当初立てました水質目標を達成できなかったということであろうかと思います。
○中川嘉美君 水質保全にかかわる問題として下水道の整備の問題があるわけです。先ほど来いろいろ御議論も出ていますが、開発計画の策定当初、五十六年度末に三三%を目標としたにもかかわらず、オイルショック等の影響によってこれが四・八%、いわゆる計画と大きく乖離したわけですが、そして平成二年度末現在においても全国普及率四四%に対して滋賀県が二八・二%、こういうことになっていますが、そこで、このように下水道普及率の伸びない原因がどの辺にあるのか、具体的に御説明をいただきたい。 先ほど来出ておりますように、琵琶湖の水質保全の緊急性という観点から、合併処理浄化槽あるいは農業集落排水及びコミュニティープラントのいわゆる下水道類似施設を流域下水道等と連係をとるような形で積極的に推進していってはどうかな、このように思いますけれども、あわせて御答弁をいただきたい。
○政府委員(市川一朗君) 御指摘ございましたように、滋賀県、特に琵琶湖流域の下水道普及率は全国平均に比べましてもまだ低い状況でございます。 これがおくれました原因につきましては、やはり一番大きな問題は用地問題にかなりの時間を要したということでございます。私ども下水道関係者といたしましては、俗に琵琶湖訴訟と呼んでおりますが、それが解決したのが昭和六十年代に入ってからでございまして、そういったような問題がかなり大きな要因でございました。しかし、昭和五十六年度末の滋賀県の下水道普及率は四・八%でございましたが、それが現在二八%に上がっておりますので、低い水準ながらもかなり急ピッチで伸びてきておるということは言えるのではないかと思っておるところでございます。 今後の見通しといたしましても、特にこの琵琶湖関連につきましては、処理場とかあるいは根幹となる管渠につきましての先行的な整備がかなり進んでおりまして、逆にそちらの方に力を入れたことが普及率が必ずしも伸びなかったという原因にもなっておるわけでございますが、そういった先行整備いたしました施設の機能も大きくこれから発揮してまいりますし、また、先ほど来申し上げておりましたようないろんな問題点がまだあったわけでございますが、文化財の問題もございましたが、そういったようなこともほぼ解決いたしましたので、これからは予算の状況に狂いかない限りかなり計画的に伸ばしていけるものと思っております。 しかしながら、そうは言いましても、下水道が完璧に普及できるまでには時間もかかりますし、また地形等の関係で下水道が及ばない場所も出てまいります。そういったようなところにつきましては、先ほど来の御指摘にございますように、関係各省が進めております下水道類似施設も適宜県レベルで計画的に配備しながらトータルとしての成果を上げていくということが極めて重要である、こういうふうに私どもも認識しておる次第でございます。
○中川嘉美君 この総合開発事業は今回の五年間の延長によって平成九年三月末で終了の運びとなりますけれども、その時点における滋賀県下の下水道普及率の目標をどの程度に置いておられるか、また、同じ時点での全国普及率はどうなっているか、この辺がわかれば教えていただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 全国は平成七年度末で五四%を目標にしてございますが、この琵琶湖流域につきましても大体五〇%ぐらいをぜひ達成いたしたいということで私ども目標に置いておるところでございます。
○中川嘉美君 琵琶湖は閉鎖性水域でありまして、淀川水域の住民の水需要にも大きな影響を持っているわけです。そして、その湖沼の水質保全というものを積極的に推進するためには、総合開発事業を終了した後でもそれ相当の下水道整備が必然的に要求されてくると思うわけです。その場合、滋賀一県のみに過大な負担をかけるということは地理的要因のみで県民に不公平を招くことになるわけで、やはり問題ではないか、このように思います。 そこで、琵琶湖の水質保全についてはこの事業終了後も、滋賀県のみならず国やあるいは下流府県が一体となって取り組んでいく必要があるんじゃないかと思いますが、国として総合的に下水道整備普及を図る上で事業終了後の対応をどのように考えておられるのか、この辺も触れておきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 私ども、下水道につきましては現在もうナショナルミニマムとしてぜひとも必要な施設の一つであるというふうに認識しております。国全体でも西暦二〇〇〇年までには約七〇%の普及率を目標にしておるところでございますが、この琵琶湖総合開発計画終了時点におきまして先ほど申し上げましたように大体五〇%ぐらいの普及率が琵琶湖関連で出てまいるわけでございますが、私どもといたしましては、この計画達成後におきましても、いわゆるナショナルミニマムの達成という意味での下水道整備につきましては引き続きより一層力を尽くして取り組んでまいりたいと思っておる次第でございます。
○中川嘉美君 時間が参りましたので国土庁長官に最後に一問伺いたいと思います。 現在までの琵琶湖総合開発事業に対する論議をさせていただいたわけですが、長官のこれに対する御感想、また今後の五年間での事業完了に向け」ての御決意を最後に伺っておきたいと思います。
○国務大臣(東家嘉幸君) 貴重な御提言をいただきましてありがとうございました。 琵琶湖総合開発事業は、自然の環境を保全しつつ水質をどうよくしていくかということ、やはり近畿圏とりわけ千数百万人の皆様方の今後の生活水としての重要な琵琶湖であるわけでございますから、今後私どもは、近畿圏の健全な発展のためにも関係各省庁とよく協議しながら、そして地元と連携を持って、そうした総合開発に向けて取り組んでまいりたいという所存でございます。
○上田耕一郎君 ことしは六月一日からブラジルのリオデジャネイロで地球サミットが開かれるわけであります。環境問題が全人類的な規模で見直されなきゃならぬということです。国連環境計画のトルバ事務局長は、今度の地球サミットは人類が生き残れるかどうかのラストチャンスだ、そうまで強調しているんですね。ですから、日本でも環境問題を、十年、二十年前に考えた開発プランで考えられたレベルでなくて、新しいレベルで見直すことが求められていると思うんですね。 これまで、開発優先の計画が特に環境問題で破綻してしまった例が幾つも出ています。中海干拓はもう中止に追い込まれていますね。長良川河口ぜきは、建設省が頑強で近藤局長も全然態度を変えませんけれども、世論と事実では、元環境庁長官がお二人も反対しているというような状況ですから、私は勝負がついていると思う。 琵琶湖総合開発も私はその一つだと思うんですね。とにかく高度成長時代の過大な水需要予測に基づいて毎秒四十トンの新規利水をやる、そのために水位は一・五メートル下げるというもので、私どもは当初から反対の態度を明らかにしてきたんですけれども、二十年たってやっぱり非常に我々が危惧していたことが現実のものになっているように思うんです。何よりも近畿圏千四百万人の命の湖と言われている琵琶湖の水質問題、これが大問題で、私は絶望的状況になっていると思います。 調査室の参考資料の二十六ページに琵琶湖の水質の経年変化が出ています。 北湖、南湖、両方出ていますが、全窒素、これも環境基準値を超えているんだけれども、これは横ばい。特にひどいのは全焼とCOD。南湖の場合、全焼が環境基準値〇・〇一の二倍を超えて〇・〇二二になっている。一時は〇・〇一四まで下がっていたのに〇・〇二二に上がって、十五年前に近づいているんですね。特にCODはすごいです。十五年前の昭和五十二年が五・八ミリグラム・パー・リットルでしょう。それが一時は三・六まで下がったんだけれども、平成元年から急激にまた上がって、平成二年度の数値は五・五ですよ。十五年前に戻りつつあるんですね。これでは淡水赤潮やアオコが発生するのは当たり前で、特に平成元年度から急激にまた水質が悪化しつつあるという状況は、これは放置できない。 環境庁は先ほどからこの環境基準達成についてかなり厳しい状況にあることを述べておられますけれども、今後これを五年間延長して琵琶総が完了しても、この状況では到底環境基準達成というのは不可能だと思うんですけれども、基準達成の見込みはありますか。
○説明員(石田祐幸君) 今先生御指摘いただきましたように、琵琶湖の水質状況は五十年代後半に割合に改善を見たわけでございますが、それ以降はほぼ横ばい、特に平成二年度につきましては一部の項目につきまして著しく悪化している、こういう状況もございます。ただ、平成二年度につきましては、比較的渇水の年であったということで若干条件が恵まれなかった面もございます。 それからもう一つ、先生御指摘の南湖のCOD七五%値、平成二年度五・五という数字が出てございます。実はこの七五%値といいますのはどちらかといいますと悪い数字でもって見ようという点がございまして、たまたま環境基準点の中の。一地点が沖合に消波堤が設置されてしまいましたためにある程度流況が悪化してしまった、こういうような状況もございまして、その前後の年から見ますと著しく悪化したように見えております。若干割り引いてお考えいただければありがたいと私どもの方では考えております。 ただ、いずれにいたしましても、これまでのところ、琵琶湖の水質については北湖の全焼を除きまして環境基準を達成しておらない、こういうことは事実でございます。 今後私どもは、湖沼水質保全計画を策定しまして、特に富栄養化の原因物質になっております窒素、燐、これについて削減するための施策を今回の第二期目の湖沼水質計画の中に盛り込むことといたしました。その計画に沿いまして、窒素、燐を含めて汚濁負荷量規制の強化を図り、また下水道、合併浄化槽あるいは農業集落排水施設等の生活排水処理諸施設につきましての整備を進めるなど、水質保全事業を一層推進することによりまして琵琶湖の水質の改善を図ってまいりたい、このふうに考えております。
○上田耕一郎君 南湖のCODというのは五・五ですから、多少割り引いても環境基準値の四、五倍ということになるんじゃないですかね。達成は到底不可能だろうと思うんです。 法律自身は「琵琶湖の自然環境の保全と汚濁した水質の回復を図りつつ、その水資源の利用と関係住民の福祉とをあわせ増進するため」と第一条の目的でうたっているでしょう。ところが、水資源の開発事業ばかり概成が進む、水質の回復は環。境基準達成のめども立たないというのでは、法の趣旨に反すると思うんです。そういう現状なのに、水位低下を伴う新規利水は開始するということになっている。 昨年の九月、私どもの吉原県議会議員が県議会で質問したところ、稲葉滋賀県知事はこう答えられた。私は議事録を取り寄せて持っているんですが、「水供給の開始時期について、昭和四十七年の法制定当時、やはり琵琶総完了の時期であるということを前提としていたこと。知事もはっきり法制定当時は琵琶総が完了した時期と認めている。ところが、琵琶総を完了しないで五年延長というのに、水供給は開始する、新規利水を開始するというんでしょう。これ、おかしくありませんか。
○政府委員(西谷剛君) まさに下流に対してきれいな水、環境基準が達成された水を供給する、これはもう理想論だと思います。しかし、現実問題として考えますときには、環境基準が達成されない限り命の水は出さないというわけにもいかない。つまり、一方では極力最大限の努力で水質保全事業をしながら、他方では必要な水は供給して いく、こういうことでなければならないんじゃないか、このように考えております。
○上田耕一郎君 昭和五十七年の法延長時に建設省河川局長と三府県知事の覚書「水供給時期について」というのがあります。これには「新規水供給は、水資源開発事業およびこれに関連する地域整備事業の実施により、水位が低下しても、関係住民の生活に支障を来たさないよう十分な対策を講じた上で開始する」と明記されているんですね。しかし、地域整備事業は未完じゃありませんか。それなのにこの新規水の供給を始める。これもこの覚書違反、約束違反だと思いますけれども、建設省いかがですか。
○政府委員(近藤徹君) 琵琶湖総合開発事業につきましては、これは周辺の洪水防御と四十立方メーターの新規用水を開発する目的で実施してきたものでございますが、今般それらの事業が完了したわけでございます。一方で、京阪神地方の都市用水の水需給は大変に逼迫しておりまして、昭和六十二年度より暫定水利権により対応しているところでございます。下流地域よりは、水資源の供給施設が完了した以上は、一日も早く安定した水供給が要請されているところでございます。 本事業の水供給の時期でございますが、同事業が完成して湖周辺の治水対策あるいは琵琶湖の水位低下による被害、影響に対しては十分な対策が講じられたこと、それから、今回お願いしております地域開発事業が今後も継続して実施され五年以内に完了が見込まれること、また、瀬田川洗堰の操作につきましては、関係府県知事の意見が反映された操作規則が策定されることになっていることを勘案し、下流阪神地区の逼迫する水供給に対応した水供給を開始しようとするものでございます。 なお、昭和六十年、六十一年にかなり水位が低下した時期があったわけでございますが、その時点でも水質悪化は認められておりませんことから、水位低下が即琵琶湖の水質悪化につながるものではないと考えておるところでございます。 関係事業の水質改善の推進を引き続き関係機関と協力して実施することによりまして、下流の逼迫した水供給に一日も早く対応したいと考えておるところでございます。 なお、四十トンの水供給の機能は確保されましたけれども、私どもは直ちに四十トンを供給開始しようとするものではございませんで、下流で現在必要としておる水を確保しつつ琵琶湖の水位については極力低下を抑制するという考え方で今後も操作に当たりたいと考えております。
○上田耕一郎君 利水優先で覚書の約束も解釈を変えていくという態度だと思うんですね。今、毎秒四十トンはすぐやらないで暫定二十七トンだという答弁だったんですけれども、それでは、南郷の洗いぜきの操作規則、これも二十七トンで決めることになっているんですか。
○政府委員(近藤徹君) 基本的には四十トンの供給能力はできたということでございますが まず平常時、渇水時には、琵琶湖の生態系の保持と景観の保持の観点から、水位の変動をできるだけ避けて安定した水位に維持または水位の低下を極力抑制しながら下流に必要な流量を放流することとしております。現時点では二十七トンではございますが、今後も京阪神の水の必要量がふえてきた時点では、それぞれを把握しつつ、今言いましたように水位は極力低下を抑制するという方針で臨みたいと存じております。
○上田耕一郎君 ここに滋賀県議会で明らかにされた南郷の「洗堰操作に関する基本的考え」という文書があります。これを見ると、もう四十トン取水が前提になっていて、一・五メートルの水位低下が起こることをもう前提にして「洗堰操作に関する基本的考え」というこの文書ができているんですね。 私は覚書に反して新規利水を始めるということ自身も不当だと思いますけれども、暫定的に毎秒二十七トンでやると言いながら、操作規則、これはせき操作の最も基本なんですけれども、それにはそのまま四十トンになっている、「基本的考え」ももう一・五メートル水位下がることを前提にして県議会でも出ているというものなので、これら全体が我々がこの法律が制定されるときに非常に懸念しました琵琶湖の水質環境問題、周辺住民の生活上の問題等々を優先した計画になっていないという懸念、これが的中している、そう私どもは考えます。 我々はそういう点で、今度のこの再延長で行われる事業は下水道整備など必要な事業が大半なので、……
○委員長(山本正和君) 上田君、時間が参りましたので簡単にお願いします。
○上田耕一郎君 こういう下水道整備などは大いに推進する必要がありますけれども、この法律そのものに反対の我々の態度が正確だったということを確認していることを申し上げて、質問を終わります。
○山田耕三郎君 琵琶湖総合開発特別措置法の一部を改正する法律案は、琵琶湖総合開発事業を引き続き実施し、琵琶湖の自然環境の保全と汚濁した水質の回復を図りつつ、その水資源の利用と関係住民の福祉とをあわせて増進するための法の有効期限を五カ年間延長され、特に大津・草津川放水路の直轄化を認められる等、法の措置については評価しながらも、今や、近畿千四百万人の命の水がめと言われております琵琶湖の良好な水質を保ち、安定した供給とを両立させるべきだという立場から若干の質問をいたします。 本法が施行をされます前、琵琶湖を母なる湖として生活をともにしてまいりました琵琶湖周辺の人たちの中には、特別措置法に基づく事業の施行を是認する人もあれば、琵琶湖をいじくることは自然を破壊し生態系の崩壊を招くことになり、水質の悪化を促進するとともに生物を死滅に追いやるのではないかと不安を訴える多数の意見もありました。 本年一月開通をいたしました南湖の東岸を走ります湖岸堤道路は、琵琶湖でも有数のヨシ群落地帯を縦断しております。ヨシのある水辺は琵琶湖の原風景のように私は考えておりました。近江八景の一つの堅田の落雁で有名な浮御堂の絵には湖面のヨシがつきものでしたが、現在の浮御堂周辺には一本のヨシも残っておりません。琵琶湖総合開発で水位低下しても浮御堂が湖面に浮かぶこの風情を保つために堂の下の湖底をしゅんせつしたからであります。このようにして減少したヨシ群落の面積は、県はかつての二分の一だと言っておりますけれども、自然に関心を持つ人の中には三分の一くらいに減少しておるのではないかと言っております。 ヨシは、湖の富栄養化の原因となり水質悪化を促進する窒素や燐を吸収してくれます。琵琶湖には特有の魚がたくさんおります。これらの産卵場所になり生息地となります。県もいろいろ対策を講じておりますのに一向に湖の水質はよくなりません。そのようなことから、先ほども御論議がありましたように、滋賀県公害対策審議会は本年度から平成七年度までの第二次水質保全計画をまとめました。 第一次計画で策定をしたCODの水質目標を達成できずなお水質悪化の傾向にあることから、第二次計画では新たに窒素、燐を水質目標に追加し、下水道の整備や南湖の湖底のしゅんせつなど、流入負荷の削減対策と湖内の浄化対策で目標達成に全力を挙げるとしており、平成七年度の水質目標値は、南湖では第一次と同様三・五ミリグラム・パー・リットル、北湖での年平均のCOD目標値は一次計画より〇・二ミリグラム・パー・リットル緩和をしました。北湖の規制緩和は非常に重要なことであります。それは、北湖も水質の悪化が進んでいるということを意味するからであります。 ただいまの湖辺の風景を端的に表現してみますと、コンクリートで固められました湖岸堤道路、ところどころにあります高水位対策としての流入河川の河口にあります巨大な堰堤の鉄の塊のある風景であります。これらが自然にとってかわった結果、生態系の崩壊を誘発しておるように私は思っております。湖岸堤より湖面を眺めても、魚の姿は見当たりません。これはブラックバスが稚魚を食べるからだということになっておりますが、確かにそれも原因の一つだと思います。以前からも魚をえさにする魚、例えばハス等もおりましたが、小さな魚を食べることはもちろんなく共存をしておりました。在来種の魚のいなくなったのは、やはり生態系の崩壊を見逃すことができません。 自然と生態系を崩すことはやってはなりません。同時に、既に崩されたものについては可能な限り回復することを考えなければ琵琶湖は死んでしまうのではないかと思いますが、この点に対する御所見をまずお伺いいたします。
○説明員(石田祐幸君) お答えいたします。 琵琶湖の自然環境の保全と汚濁した水質の回復を図ることが今回御審議いただいております琵琶湖総合開発特別措置法の目的の一つであるということから、環境庁といたしましては、琵琶湖総合開発計画の決定及び変更の際に、その事業の推進に当たっては下水道の整備等の水質保全に資する事業を優先的に実施していただきたい、また、その他の事業の実施に当たりましても水質の保全に十分配慮する必要がある、こういった観点から意見を主務省庁に申し上げてまいったところでございます。 なお、このたび策定されました琵琶湖に係る湖沼水質保金計画におきましては、湖辺の生態系の有する水質保全上の機能を発揮させられるよう適正な管理に努めること、並びに指定地域内の緑地の保全その他湖辺の自然環境の保護に努めることという内容を盛り込んでおります。この湖辺水質保全計画が適切に推進されますよう私どもも努めてまいりたい、このように考えております。
○山田耕三郎君 琵琶湖は一たん水が汚れますとそれの回復には気の遠くなるほどの時間がかかると言われております。例えば、諏訪湖は昔からアオコが発生をしておりました。下水道ができて湖に改善の兆しが見えてきたと言われておりますが、それでも夏になるとアオコが発生しておると聞いております。下水道ができてから約十年もなると思いますが、毎年アオコが発生しておる水量の少ない諏訪湖でも水質の改善には相当の時間がかかることがわかります。琵琶湖でも赤潮やアオコが近年続いて発生をしております。水の量は諏訪湖の四百五十倍もある琵琶湖が一たん諏訪湖のような水質の悪化を招けば、もはやそれは取り返しがつかないことになるのではないか。 その意味では、琵琶湖は諏訪湖の水質以上に悪くなっております。関係の皆さん方におかれてはこの現実をもっと深刻に受けとめていただかなければいけないと思っておりますけれども、その辺はいかがお考えか、御所見を承りたいと思います。
○説明員(石田祐幸君) 先生御指摘なさいました、湖沼は閉鎖的水域であるため一たん汚濁しますとその回復が容易ではない、こういう特性があることは私どもも全く同感でございます。 琵琶湖におきましては、先ほども御指摘ございましたように、淡水赤潮あるいはアオコがほぼ毎年のように発生してきております。こういった淡水赤潮とかアオコに対する対策としましては、その主要因でございます窒素、燐などの栄養塩類に対する取り組みを強化していく必要があろうかと思っております。こういった観点から、環境庁はこれらの取り組みに当たりまして積極的、前向きに取り組んでまいったところでございます。 その例を幾つか申し上げますと、まず、昭和六十年に水質汚濁防止法を改正いたしまして、窒素、燐の排水規制を実施することといたしました。また、昨年十月には湖沼法の施行令を改正いたしまして、窒素、燐も湖沼法に基づく汚濁負荷量規制の対象とさせていただいております。また、今回策定いたしました第二期目の湖沼計画におきましても、下水道等各種生活排水処理施設の高度処理の推進など、窒素、燐の削減対策を盛り込んだ次第でございます。 環境庁といたしましては、琵琶湖の水質改善を図るために今後とも湖沼水質保全計画の推進を中心に努力してまいりたい、こういうふうに考えております。
○山田耕三郎君 減り続けるヨシ群落を積極的にふやそうとする試みもあります。滋賀県ではヨシ群落保全条例を制定をしました。また、滋賀県や水資源公団では人工的にヨシ地づくりを進めておいでになります。漁師さんたちの話では、今日までの復元の試みはおおむね失敗の歴史のようです。しかし、条件さえ整えばヨシ地の復元も可能であるようでございます。ポイントとなるのは、条件が難しい。すなわち、深過きず遠浅であるということと砂地であることが何よりです。このような場所は既に施設ができており、そうは残っておりません。波に耐えるためにも、幅百五十メートルくらいが必要だそうです。 湖岸堤道路から公団が苦心してつくられましたヨシ植栽地の説明も受けましたが、第一に経費が余りにも高くかかり過ぎます。県が施設をしました魚巣、魚の住むところでございますけれども、これも見ました。苦心の跡はうかがえますけれども、景観上もよろしくないし、生態系の機能回復というのにはほど遠いように思われ、復元はなかなか困難であります。復元が困難だとすれば、絶対に壊さないことだという感を深くいたします。 琵琶湖の汚濁をどの程度と受けとめて今後どうしていこうとしておいでになりますのか、環境庁の御所見を承りますとともに、最後に、私は主として琵琶湖の環境問題についてお尋ねをいたしましたが、国土庁長官が、お聞きをいただきました琵琶湖の水質の回復だとか生態系の保全というようなことに対してこれからどのような御決意を持って当たっていこうとしておりますのか、その辺のところをお聞かせをいただいて、質問を終わります。
○説明員(石田祐幸君) 先ほど来お話が出ておりますように、琵琶湖の水質はまだまだ改善が必要な状況にある、そのように私どもも認識しております。 その具体的な対策といたしましては、湖沼水質保全計画の中にいろいろと対策を盛り込んでございます。ただ、今回私どもの方で、特に先生御指摘のございました関連で申し上げますと、ヨシ群落などの自然の持つ浄化機能を活用して水質保全を図っていく、こういったことの重要性を十分認識いたしまして、今回策定しました湖沼水質保全計画の中にもその旨盛り込んでおる次第でございます。また、環境庁においても、それと歩調を合わせましてヨシなど湖辺の水生植物を活用した湖沼の水質浄化を図るための調査を実施していくこととしておりまして、平成四年度からその予算化を図ろうとしておるところでございます。
○国務大臣(東家嘉幸君) 今日まで計画がおくれたことも確かに汚濁につなかったと思っております。今度また一部を改正するこの法律案の中身は、いろんな角度から、さらにこの回復をどう図るかというようなことがかなり充実されたものになっているようでございます。 いずれにいたしましても、一千四百万人の皆さん方の命の水でございますから、あらゆる総合的な観点から計画を実行していかねばならないと思っております。そのためには、やっぱり地元の関係者の皆さんと各省庁がよく協議しながら、この事業というものが活力あるものに進められていかねばならないと思っております。目的を完遂するために、今後とも一層の先生方の御協力をいただきながら努めてまいりたいと思います。
○山田勇君 現行の琵琶湖総合開発特別措置法が今月末で期限切れとなることから、今回五年間の延長ということ一で一部改正案が出されているわけでありますが、この法律の目的の、琵琶湖の自然環境の保全と汚濁した水質の回復を図りながら水資源の利用と関係住民の福祉とをおわせて増進し近畿圏の健全な発展に寄与するということは、大変すばらしいことであります。また、事業計画の三つの柱であります保全対策、治水対策、利水対策というものは、地域住民にとってはぜひ必要なものであります。 でありますから、有効期限内に事業の完了が不可能となった現在、期限を延長し、残った事業を達成させるという今回の法改正の趣旨には賛成の意を表するものでありますが、過去を振り返ってみますと、この法律は当初昭和四十七年度からの十年間とされていたものが、それでも終わらないということで十年間延長され、それがまた五年間延長ということになるわけですが、当初の十年間はともかくとしまして、延長のこの十年間でなぜ計画どおり事業が完了しないのかと疑問に思うものであります。 地元では、事業の完了を熱望していますが、今回の五年の延長で完了するのかなと危ぶんだりするものですから、今回の延長では強い決意のもと、ぜひ頑張っていっていただきたいと思います。多少とも不安があるとするならば、私は、河川、ダム、砂防、下水道など、各事業ごとに単年度の目標を決めての計画を立てるということも必要になってくるのではないかなと思います。不安を解消するためにも、十年間の延長で事業が終わらなかった反省の上に立って、今回の事業完了の見通しと決意を述べていただきたいと思います。
○政府委員(西谷剛君) くどくど申し上げませんが、まさにそのとおりだと存じます。 国土庁としましては、各事業官庁を総合調整する立場にございます。実は、毎年度各事業主体の事業を県がまとめまして国土庁の方に送ってくる、そして主務大臣の方に承認を得る、こういうパターンになっておりますので、毎年、国土庁の取りまとめ、調整に当たっては、まさに地元の御要望に沿った事業をむしろ各省庁に強く申し上げるということで臨みたいと存じます。
○山田勇君 次に、水質の改善についてでありますが、大阪府が平成元年に府民にアンケート調査 をした結果では、今までに家庭の水道水に不安を感じたことがありますかという質問に対し七〇・一%の人が「ある」と答え、また、今までに家庭の水道水に対して嫌なにおいや味を感じたことがありますかという質問には「ある」と答えた人が実に八六・五%に達しております。 大阪の水がめど。言われる琵琶湖の水は大阪府民にとっては最も重要なものであります。大阪府の方でも水質保全にはいろいろと努力をしておりますが、これはあくまで出口における努力でありまして、本当においしい水を飲みたいということであれば、入口に当たる琵琶湖の水質改善を同時にするということが大切なことであります。水の量の確保ということも重要でありますが、現在は水質を悪くしないということも重要課題であります。 琵琶湖は、昭和六十年十二月に湖沼水質保全特別措置法における指定湖沼になり、現在第二次の琵琶湖水質保全計画が実施されておりますが、これともあわせ、近畿地方の水がめである琵琶湖の水質改善という重要課題に全力で取り組んでいっていただきたい。この問題に対する認識の具体策をぜひお答えいただきたいと思います。
○政府委員(西谷剛君) 今回の五カ年計画は、残事業という枠内ではございますが、水質問題は御指摘のように最重点でございます。したがって、二つ大きく工夫を凝らしました。一つは都市下水道事業につきましてその処理対象区域を拡大するということをやっております。つまり、残事業でなくて新たに対象区域を広げるという行為をあえて起こしました。その面積は五百九十ヘクタールに及びます。それから、もう一点は農村下水道事業。これも農村部の水質処理として重要な事業でございます。これは残事業はないのですけれども、新たに六十集落を追加する。こういうことを いたしまして琵琶総自体としても最大限の努力をする。 他方、水質問題というのは、この事業をやるだけではなくて、湖沼法に基づくトータルな計画、排水の規制を含むトータル計画が必要でございまして、この点については我々は琵琶総だけが責任を持っているのではない、むしろトータルな中へ位置づけられた琵琶総だと。ですから、トータルな政策の方へも重大な関心を持ちながら、両々相まって連携をとって推進を図ってまいりたい、このように思います。
○山田勇君 次に、環境への配慮ということでお聞きいたしますが、この法律のもとで行われる道路、港湾、土地改良、施設整備などの開発に当たっては周辺環境を損なわないようにするということであります。もちろん現在でもこの点の配慮はなされていると思いますが、開発計画の基本方針の中でも「豊かな人間環境を創造するため、琵琶湖のもつ有形無形の価値と役割を再認識しこといった言葉もございますが、引き続き環境面での最大の配慮をお願いする次第でございます。 また、この開発計画の意義の中に述べておられ。ます「地域産業の発展および大都市の周辺における観光レクリエーション利用の増進」というのは、環境保全の問題と調和させて推進しなければならないと考えます。 国土庁として、環境の配慮という点についてぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(西谷剛君) 二つございます。 一つは琵琶湖総合開発事業そのものでむしろ環境を創造していくという事業がございます。それは自然公園整備事業であり、自然保護地域公有化事業と称していますが、非常に重要なところは、私有地を買い上げて公有化していくというような事業も琵琶総事業の一環でございます。それから、もちろん都市公園も、やや人工味が入りますけれども、環境保全をつくり出していくという事業でございまして、これは現に琵琶総事業として位置づけられておりますので積極的に推進していく。 もう一つは、事業のやり方。例えば道路事業なり港湾事業なりやるときに注意をするということでございまして、先ほどもちょっとお話が出ましたが、アシの実験的な植栽というようなこともやる、あるいは湖岸を自然石で積み上げていくというふうないろんな工夫をやりつつございます。今後もそれは積極的に事業主体に対して働きかけていかなければならないことだと考えております。
○山田勇君 今局長の方からアシの問題も出ておりましたが、我々が視察をさせていただいたとき、地域的に離れ離れですがアシがかなり成長していたのを見まして、これはどうなんですかと聞きますと、これは、意図的に植栽といいましょうか、何かそういう形でテスト的に置いてあるということでありますので、まずアシの問題についても、実験効果が上がればぜひ直ちに全湖に対してアシのそういう植栽をしていっていただきたいなというふうに思います。 最後になりましたが、ポスト琵琶湖総合開発計画についてであります。 琵琶湖は、御承知のごとく、過去、近畿圏の発展、繁栄に大きく寄与してきたわけでありますが、その豊かな自然環境は国民すべての貴重な財産でもあります。どうかその意味で計画終了後も、滋賀県を初め関係府県とともに、国としてもいわゆるポスト琵琶湖総にできる限りの継続的な努力を心からお願いをいたしまして、私の質問を終わります。
○委員長(山本正和君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○上田耕一郎君 私は、日本共産党を代表して、琵琶湖総合開発特別措置法の一部を改正する法律案に反対する討論を行います。 一九七二年度に始まった琵琶湖総合開発計画は、水質保全事業や治水事業、利水事業を掲げていますが、その眼目は琵琶湖から新規に毎秒四十トン取水する水資源開発事業であります。そのために、琵琶湖の水位を最大マイナス一・五メートル、渇水時にはマイナスニメートルまで低下させ得るようにしようというのであります。 その前提の水需要予測が過大であったことは、高度経済成長政策が破綻した今日、実証済みのことです。また、人為的な水位の低下が琵琶湖の自然環境と水質に重大な悪影響を及ぼすことは、この間に数回発生した異常渇水によっても明白です。 琵琶湖総合開発事業が実施されてきた二十年で、水資源開発公団の治水、水資源開発事業が概成した反面、下水道整備など地域整備事業はおくれており、水質改善計画は達成されないばかりか、最近ではかえって水質が悪化する傾向があらわれています。琵琶湖を近畿圏千四百万人の命の湖として守り適正な利用を図っていくためには、何よりも悪化している環境と水質を守りその改善を図ることを最優先しなければなりません。そのためには次の対策が必要です。 第一に、補助金の特別措置を一層強化して、下水道などの早期完成を図るとともに、工場、事業場の排出するCODの総量規制を実施すること。 第二に、水位低下の頻度やそれによる水質、生態系への影響について環境アセスメントを実施し、それに基づいて利水計画を根本的に再検討すること。 第三に、琵琶湖の環境に重大な影響を及ぼす琵琶湖リゾート・ネックレス構想を再検討すること。 第四に、琵琶湖についての総合的な調査と研究体制を強化するとともに、水資源開発を優先する琵琶湖総合開発事業を琵琶湖環境保全事業に転換することです。 しかるに、今回の延長ではこうした点は全く顧みられていません。延長で実施される事業は下水道整備などの地域整備事業で、それ自体は推進する必要があるものですが、環境基準達成にはほど遠い第二次水質保全計画で明らかなとおり、環境保全、水質改善の事業は極めて不十分なものです。それどころか、地域整備事業が未完成のまま琵琶湖の水位低下を伴う新規取水だけは実施しようとしているのであります。 こうしたやり方は、琵琶湖の将来に重大な禍根を残すものであることを厳しく警告せざるを得ません。水資源開発を優先した琵琶湖総合開発事業の本質的な問題点を改めないままその推進を図る本法案の延長には、賛成できません。 以上で私の反対討論を終わります。
○委員長(山本正和君) 他に御意見もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 琵琶湖総合開発特別措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本正和君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、種田君から発言を求められておりますので、これを許します。種田誠君。
○種田誠君 私は、ただいま可決されました琵琶湖総合開発特別措置法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読させていただきます。 琵琶湖総合開発特別措置法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法の施行に当たり、次の諸点について適切な措置を講じ、その運用に遺憾なきを期すべきである。 一、琵琶湖総合開発計画の改定に当たっては、水質の回復と保全、自然の生態系の復元と資源維持に十分の配慮をするとともに、調和のとれた生活環境の整備、産業文化の創造に留意すること。 二、琵琶湖総合開発計画の改定に当たっては、事前に環境に与える影響等を十分に調査し、関係住民の意向が反映されるよう努めること。 三、琵琶湖総合開発事業の実施に当たっては、計画的な推進が図られるよう留意するとともに、関係地方公共団体の財政負担の軽減を図るため、交付税、地方債等の財源措置について十分な配慮を行うこと。 四、異常渇水時及び洪水時における洗堰の操作については、滋賀県知事の意向を尊重しつつ関係府県知事との調整を図ること。 五、琵琶湖及びその流入河川の水質を保全するため、工場排水規制及び生活排水対策の推進、下水道の整備促進等、湖沼の水質の保全に関する措置の充実に努めること。 六、将来における近畿圏の水需給の均衡を図るため、工業用水の合理的利用、下水処理水の再利用等、水利用の合理化・高度化の促進を図ること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(山本正和君) ただいま種田君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本正和君) 全会一致と認めます。よって、種田君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、東家国土庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。東家国土庁長官。
○国務大臣(東家嘉幸君) ただいま琵琶湖総合開発特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、本委員会において熱心な御審議の上御可決いただきましたことに心から感謝申し上げます。 本日の委員各位の御意見につきましてはこれを一十分体してまいるとともに、ただいま決議になりました附帯決議につきましても御趣旨に十分沿うよう努力してまいる所存でございます。 本法案の審議に際し委員長初め委員各位から賜りました御指導、御協力に対し深く感謝の意をあらわしまして、私のごあいさつとさせていただきます。どうもありがとうございました。
○委員長(山本正和君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないものと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(山本正和君) 次に、特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 まず、提出者衆議院建設委員長古賀誠君から趣旨説明を聴取いたします。古賀君。
○衆議院議員(古賀誠君) ただいま議題となりました特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案につきまして、提案の理由を御説明申し上げます。 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法は、特殊土壌地帯の保全と農業生産力の向上を図ることを目的として去る昭和二十七年四月議員立法により五年間の限時法として制定され、以後七度にわたり期限延長のための一部改正が行われ、これにより特殊土壌地帯の治山、河川改修、砂防、かんがい排水、農道整備、農用地開発などの対策事業が実施されてまいったのであります。 今日まで四十年間にわたるこれら対策事業により、特殊土壌地帯における災害防除と農業振興の両面において顕著な進歩改善がなされたところであり、同法は、地域住民の福祉向上に多大な貢献をなし深く感謝されているところでありますが、同地帯の現状は必ずしも満足すべき状態にあるとは言えないのであります。 すなわち、今なお対策を必要とする地域が数多く残されており、加えて、近年における都市化の進展による災害の態様の変化や農業をめぐる国内外の情勢の変化に対応して新たに取り組むべき課題も多く生じてきております。これらの課題に対応し、特殊土壌地帯の振興を図っていくためには、引き続き強力に事業を推進していく必要があります。 以上の観点から、この際、同法の一部を改正し、平成九年三月三十一日までの五年間有効期限を延長して、所期の目的の完全な達成を図りたいと存ずるものであります。 以上本法律案の提案理由を簡単に御説明申し上げましたが、何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○委員長(山本正和君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 それでは、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。――別に御発言もないようですから、質疑はないものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようでありますから、これより直ちに採決に入ります。 特殊土じよう地帯災害防除及び振興臨時措置法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(山本正和君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 午後一時に再開することとし、休憩いたします。 午後零時十八分休憩 ―――――・――――― 午後一時一分開会
○委員長(山本正和君) ただいまから建設委員会を再開いたします。 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 建設事業及び建設諸計画等に関する調査のため、本日、日本下水道事業団の役職員を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(山本正和君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(山本正和君) 建設事業及び建設諸計画等に関する調査を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○青木薪次君 まだ数は少ないようですが、始めたいと思います。 大臣、けさ新聞に十七年ぶりに土地価格が下落したという内容が載っておりまして、昨年一年間の地価は実に十七年ぶりの大幅値下がりであるといって大分大見出しで出ておりますが、その概要について簡単に説明してください。
○国務大臣(東家嘉幸君) 平成四年度地価公示によると、大都市圏における地価は顕著な下落を示しております用地方圏においても地価の鎮静化、下落が見られる現状にございます。平成三年一年間の変動率は、確かに昭和五十年公示以来十七年ぶりのマイナスとなっております。しかしなが今大都市圏の地価は、ピーク時に比べますと相当下落はしましたものの まだかなりの高い水準にあるということでございます。サラリーマンの五年分の年収で買えるような地価に持っていくことを目標としておりますから、今後ともそうした土地政策を前提に取り組んでまいりたいところでございます。
○青木薪次君 今お話しのように、大都市圏を中心にかなり値下がりしているけれども、長官御発言のような勤労者が年収の五倍程度の負担でマイホームを取得できるような地価水準の実現をという目標にはまだほど遠いと言わざるを得ないのでありまして、さらにもう一段の引き下げが必要だと考えております。今後の地価の先行きについて国土庁ではどのような見通しを持っておられますか、御答弁ください。
○国務大臣(東家嘉幸君) ただいまお尋ねのように、高いときから比べますと落ちつきはしましたものの、まだ決して安定した価格ではないといわれる国民の気持ちを十分踏まえて今後とも取り組んでいかねばならないと思っております。特に大阪あたりは、かなりの上昇をしましただけにその反動というものはもう三〇%から四〇%近く下落しているわけでございますし、特にまた京都もそういうような状況がございます。東京等も含めまして平均的には二二、三%下がりましたものの、これ。から、先ほども申し上げましたようなことを踏まえて地価の安定、鎮静化は続くものと私たちは考えております。
○青木薪次君 次に、緊急経済対策で質問いたし。たいと思います。 一九七五年以降数えて政府が打ち出した経済対策は全部で十四回ある。名称は総合経済対策、緊急経済対策、景気総合対策、当面の財政金融政策運営などさまざまに入り組んでいるわけでありまして、不況対策のたかの財政や金融面からのてこ入れについてその内容が伴っていると思うのでありますが、最近は総合対策、緊急対策の名称で定着いたしておりますが、今回の我が国の景気はバブルの崩壊とともに平成景気から一気に平成不況へと突入をしそうな雲行きであります。 産業界を中心にいたしまして悲観的な見通しが強まっているのでありますが、山崎建設大臣は主要経済閣僚の一人として我が国の景気の現状をどのように認識しておられるか、お尋ねいたしたいと思います。
○国務大臣(山崎拓君) けさ月例経済報告がございまして、経済企画庁より我が国経済の現況につきまして報告がございました。一口にして結論を申し上げますと、我が国経済は調整過程にあり景気の減速感が広がっているという認識でございます。 そこで、政府としては、内需を中心とするインフレなき持続可能な成長経路への円滑な移行を図るため、内外の経済動向を注視し、適切かつ機動的な経済運営に努めているところであり、ただいま先生が御紹介になりました経済対策でございますが、今般も緊急経済対策を策定することといたした次第でございます。
○青木薪次君 昨年の後半も一貫して景気は拡大していると言われてまいりました。これは経済企画庁の発表でありますけれども、一週間ほど前の新聞によりますと、十月から十二月まではマイナス成長であるということが言われております。そうすると、経済企画庁はうそを言っておったということになると思うんですが、経済企画庁、そのことについてちょっと答弁してください。
○説明員(小島祥一君) 月例経済報告では、毎月の最新のデータを入手し、関係省庁で十分に議論いたしましてその月々の判断をしてきているところでございます。御指摘の十-十二月の月例報告におきましては、毎月、判断を変更してきておりまして、十月の「我が国経済は緩やかに減速しながらも、引き続き拡大している。」という表現に対しまして、十一月には「我が国経済は、拡大テンポが緩やかに減速しつつある。」、それから十二月には「これまでの拡大テンポがこのところ減速しつつある。」ということで、確かに「拡大」という言葉は入ってはございますけれども、「緩やかに」という言葉を削除したり拡大テンポがこれまでのものになってきたということを明らかにするなど、その月々、判断を改めてきておるところでございます。 ちなみに、一月には、我が国経済は調整過程にあるということで「調整過程」という表現も使っているところでございまして、必ずしも十-十二月のGNPのマイナス成長ということと私どもの月例報告が非常にそごがあったというふうには考えておりません。
○青木薪次君 今、経企庁の発表と何も矛盾しない、こうあなたはおっしゃったけれども、昨年の十月以降「減速」という言葉を使いながら「拡大」という表現をとり続けてきたんです。そういたしますと、経企庁の景気判断については、産業界とか各政治家が指導にばかり注意を払って生の声を聞いていないんじゃないかというような声も、今伝わっていますし、それが景気対策をおくらせた原因になったということも言われておりますが、野田経済企画庁長官は極力産業界の声をお伺いしていると言われたけれども、やはりこの辺の矛盾というものは今日まだ依然として変わっていない。言葉でごまかしているという論調が盛んに行われておりますが、これはどういうことでしょうか。
○説明員(小島祥一君) 私どもは、月例報告の作成に当たりましては、統計の収集、分析はもとより、毎月のように産業界とのヒアリングを行い、企業経営者の意見も参考にいたしまして、そのときどきの最善の判断をしてきているというつもりでございまして、このところの月例閣僚会議におきましては、出席者の関係閣僚の方々からは、民間と経企庁の判断の違いはこのところなくなってきているというふうに評価していただいているところでございます。
○青木薪次君 今日異常なまでに景気の下降ぎみというものが加速されているということは、いかように答弁しようとも、産業、経済の現場というものは、今あなたの言ったようなことだけでは、これは認識し納得しないという現状であることを十分認識していただきたいと思うのであります。 それで、この議論をしていると時間が終わっちゃうからこの辺で終わりといたしますが、問題は、公共投資基本計画が四百三十兆円の国際公約で今行われつつあるわけでありますが、達成のためには予算は絶対確保すべきであるというように考えているわけであります。この点について、現状では四百三十兆円の達成というものはこれは無理である、貿易摩擦の問題と相まって今、産業、経済がどんどん下降ぎみで、外国との収支の関係については輸出が増大する、こっちがだめならこちらの方へということになってきているという経済の趨勢にあるわけですが、山崎建設大臣は四百三十兆円は絶対に大丈夫だということを言い切る自信がありますか。
○国務大臣(山崎拓君) 公共投資基本計画の四百三十兆円の達成は可能であると考えているところでございます。 ちなみに数字を申し上げますと、ただいま御審議いただいておる平成四年度予算案から申し上げるのでございますが、その中には建設省関係の公共事業費は、一般会計と財投も含めまして事業費といたしましては十四兆四千億に上っております。これは建設省関係だけでございますが、そのほかに他省庁分の一般会計だけの公共事業費は八兆一千億強でございますが、それを事業費に直し。ますと建設省を除きましても数兆円あるわけでございますし、地方単独事業も約十四兆八千億ございます。 今申し上げました数字を累計いたしますと三十六兆円前後になろうかと思いますが、そうなりますと、十年間で四百三十兆円でございますから年平均で四十三兆円ということになりまするが、一九九二年度は第二年度次でございますから、将来の公共投資の規模を推計いたしますと公共投資基本計画四百三十兆円の達成は十分可能であると考えております。
○青木薪次君 生活大国を実現するには住宅、社会資本の充実が必要である、そのために四百三十兆円の資金が必要である、それについては大臣は大丈夫だ、こうおっしゃっているわけでありますが、建設省はその点について、官房長に聞いた方がいいと思うのでありますが、ことしの予算でそれらの点について確保いたしているのかどうなのか、公共事業の前倒しを山崎大臣は八〇%ぐらいというような発言をしたということをちょっと聞 いているのでありますが、一説には七五%ということを言われております。その点はどうなんですか。
○政府委員(望月薫雄君) 先ほど大臣から冒頭御答弁申し上げましたように、現在、緊急経済対策が検討されているさなかでございますが、そう いった中で公共事業の執行促進ということが大事な課題である、こういうふうに関係者もとより私どももきつく認識いたしております。 その際にどのくらいな前倒しをするかということがこれからの大きな議論になるわけでございますが、事の性質上、当然予算が成立した暁に決められるというものだと思いますけれども、今私どもが考えている基本的なスタンスとしましては、例えば平成三年度はいわゆる自然体という格好で実施いたしておりました。その結果は建設省関係でいいますと六八%余りというのが上半期の執行でございますが、これを今回緊急経済対策を決めた上でどういう数値をもって前倒しを行うかということは、関係方面との調整を踏まえながらあらゆる角度からの点検をしてしっかりしたものに決めていく必要があります。 その間において、今お言葉でございますが、建設大臣の方から八〇%というような数字を申し上げたことは実はないわけでございまして、私どもとしては数値については今まで明確なことを言ったことはございません。ただ、いずれにしましても、今申しましたように平成三年度が六八%余りということでございましたけれども、四年度は経済対策の大きな施策の一つとしてこれについてはいろんな面で検討を経ながら妥当可能な率というものを求めていきたいということで、現在、鋭意調整中といいましょうか、あらゆる角度からの点検をいたしておる、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○青木薪次君 これからはゆとりと豊かさとか、安心で安全な社会環境をつくるとか、いろいろ言一われているわけであります。そのことは何かというと、やっぱり世界の先進国に比べて社会資本のストックが日本は足りない、そのために経済対策を含めて緊急経済対策その他、今私が質問いたしました四百三十兆円の資金が必要である、こういうことになっているわけであります。きょうは大蔵省の公共事業担当の主計官、来ていますね。山崎大臣は資金は大丈夫だと言ったけれども、あなたのところが非常に重要なキーポイントになるわけでありますが、果たしてその点大丈夫かどうか、もう一度再確認したいと思います。
○説明員(田谷廣明君) お答えいたします。 公共投資基本計画の四百二十兆円の達成が可能かどうかという御質問がと存じますが、先ほども建設省から答弁がありましたように、私どもとしては今年度大変厳しい財政事情のもとで最大限の努力を行って必要な公共事業関係費等を確保したところでございまして、細かな数字は一々申し上げませんが、その点から見まして、基本計画は着実に今後実施されていくというふうに考えております。 ただ、いずれにしましても、今後の公共投資につきましては国、地方公共団体、あるいは公共事業の実施機関等がそれぞれ公共投資基本計画というものを指針といたしまして着実に推進していくことになるというものでございまして、私どもとしましても、厳しい財政事情のもとではございますが、今後の各年度の予算編成におきまして、この計画を着実に実施するよう引き続き努力してまいりたいというふうに考えております。
○青木薪次君 ちょっと歯切れの悪い答弁だと思うのでありますが、絶対大丈夫かどうか、国際公約であるという点についてはどうですか。
○説明員(田谷廣明君) 先ほど数字は申し上げなかったのでございますが、今年度予算におきましても、一般会計、その中の一般歳出におきます公共事業関係費につきましては五・三%、NTTを込みにしましても四一五%の伸びを確保しておりますし、そのほか財政投融資におきましては、公共事業実施機関について一〇・八%、あるいは地方公共団体の行います地方単独事業につきましては、一一・五%といった二けたの高い伸びを見込んでいるところでございまして、このようなことを今後とも引き続き着実に実施することによりまして達成に向けて努力してまいりたいというつもりでございます。
○青木薪次君 対前年度比六・三%の事業費の拡大をしていくとちょうど十年目に四百三十兆円になるということについては、これは確認できますね。
○説明員(金子彰君) ただいまの御質問でございますが、六・三%というようなことではございません。特にそのような数字を私ども申しているわけではございませんが、十年間で四百三十兆円というものを投資していこう、こういうことを決めているわけでございます。 いずれにいたしましても、各年度の具体的な進め方といたしましては、各時点の経済あるいは財政事情を踏まえまして機動的、弾力的に対処していくことが必要でございまして、それを踏まえまして今後とも着実に進めていくということが大事だというふうに考えております。
○青木薪次君 この点はやはり、今日、緊急経済対策というようなものが近く発表されるようになっているようでありますが、これは早急にやる必要がある。この時期は三月三十一日とかあるいはまた予算の成立した後の四月十五日前後とかい一ろいろ言われておりますけれども、この点はいっになりますか。
○説明員(新保生二君) 緊急経済対策の時期についてお尋ねがあったというふうに思いますが、先般、総理から経済企画庁に三月中に実効性のある景気対策をまとめるようにという指示があったところであります。経済企画庁としては、三月三十 一日に政府経済対策閣僚会議を開いてこれを取りまとめていきたいというふうに思っております。
○青木薪次君 三月三十一日に発表しますね。――そうすると、いわゆる緊急経済対策五項目にプラスして何か追加するというんですが、どういうことを追加しますか。
○説明員(新保生二君) 今回の経済対策は、御指摘のように先般発表されましたいわゆる五項目の景気対策が基礎となるというふうに考えております。その中で一部、三年度補正予算の着実な実施とか、六千億円のゼロ国債の完全消化とか、既に三年度に関連する措置については終わることになりますので、残りの四項目が今回の対策の柱になるということでありまして、現在それぞれの四項目についてどんな肉づけができるか鋭意検討しているところであります。 それに加えて、それにとどまらず新たな対策でいかなるものが可能であるか、今各省とも知恵を絞り合っていろいろ検討しておる状況であります。
○青木薪次君 なかなか抽象的な域を出ないわけでありますが、三十一日に発表となれば、きょうは二十七日ですが、きょうの日本経済新聞に緊急経済対策の骨格として、「日本開発銀行などの低利融資を活用した省力化投資促進」、「九二年度予算の公共事業の上半期発注率を七五%程度に高めるとともに地方自治体にも国に準じた公共事業の円滑な執行を要請」、「電力、ガス、日本電信電話の九二年度設備投資の上半期繰り上げ発注を要請」、「下請け中小企業への円滑な代金支払いなど中小企業対策」、それから「住宅金融公庫の募集回数追加など住宅投資の推進」、「金融政策の機動的な運営」、「消費者ローン金利の引き下げ要請など個人消費喚起」、それから「内外価格差是正、労働時間短縮など構造調整政策の推進」と書いてあるわけでありますが、この点については、そのとおりだと確認しますか。
○説明員(新保生二君) 四項目の中に現在検討中であるものは、一つは、公共事業の前倒しということであります。これについては鋭意検討しております。それから地方単独事業青推進するということで今検討をしております。三番目には、中小企業の円滑な資金調達が行われるように政府関係金融機関を通じて特段の配慮を行うということで検討をしております。同じ中小企業で、下請中小企業の経営安定確保のために所要の対策を講じるというようなことも考えております。それから、特に電力等の公益的色彩の強い事業、民間企業に対しても、設備投資をできるだけ円滑に推進してもらうように考えておるところであります。 これ以外にもいろいろな施策を追加すべく検討しております。 現在、景気減速下にはあるものの、引き続き人手不足といいますか、労働力需給は逼迫している状況ですから、これにいかに対処するか、こういう問題も当然検討しておるということてあります。 以上であります。
○青木薪次君 住宅着工戸数が一昨年が百六十三万戸、一昨々年が百七十万戸、そして平成三年度、昨年度が百三十万戸というようにぐんと減っているわけでありますが、この理由についてはどうお考えになりますか。
○政府委員(立石真君) お答えいたします。 新設住宅着工でございますが、平成二年の十一月から十五カ月間連続して減少を続けております。平成四年一月の着工戸数が八万七千戸ということでございまして、昨年の一月に比べますと一六・四%の減少になっております。この結果、平成三年四月から平成四年一月までの十カ月間の着工戸数は百十三万四千戸止なっておりまして、前年の同期の十カ月と比べますと二一・六%の減少となっているところでございます。 このような新設住宅着工戸数の減少の理由でございますが、大きくは、まず第一には、平成二年に入りまして住宅金融公庫あるいは民間金融機関の金利が大幅に上昇いたしましてその後も高水準で推移したこと、第二番目には、最近において金利が低下しつつあるわけでございますが、また地価も下落傾向にございますが、こういう傾向の中で、今後さらに住宅価格がまだ安くなるんではないかという先安期待感がございまして、この先安期待感が逆に住宅取得を見合わせる、また住宅着工が減るというような状況にあること等の理由が考えられるところでございます。
○青木薪次君 私は今住宅局長の言ったことはよくわかるわけでありますが、問題は、やっぱり住宅建設というものは波及効果が非常に大きいので、もう既に経済不況を迎えようとしている今日の日本の経済情勢の中にあって、この住宅の問題については相当重大な関心を抱かざるを得ないというように考えておるわけであります。 今の説明のようなことで、住宅の着工戸数が二一%減っているということを言われましたけれども、二一%着工戸数が減ったことによって、例えば労働力の問題とか、あるいはまた各種産業、その他のいわゆる部品、あるいはまた骨材とかその他、建設資材等の関係にもいろいろ影響すみと思うのであります。その点についてひとつ説明してください。
○政府委員(立石真君) 建設工事なかんずく住宅投資が経済に大きな波及効果があるということについては、先生も御承知のとおりだと思っております。私、正確な数値を持っておりませんのでお答えできないところでございますが、住宅投資一に対しましてその波及効果は一般的には二・一七から二・一八と言われていると承知しておるところでございます。
○青木薪次君 住宅着工戸数が減少している今日、やっぱり公共事業の拡大ということが経済不況の下支えになる、あるいはまた就業人口なんかについても相当何十万という影響が私はあると思うんです。そういうことで、これは各種の産業別に就業人口に影響があるというように記憶をいたしているわけでありますが、今後のこの問題に対する、いわゆる国内の勤労者の住宅を確保するということも含めて、経済不況もこのことによって下支えされるということで、最後に大臣の決意表明をお聞きいたしまして私の質問を終わります。
○国務大臣(山崎拓君) 建設省では住宅の建設計画を持っておりまして、第六期の五年間、平成三年度から五年間で七百三十万戸建設する予定になっておるのでございます。したがいまして、この計画は必ず達成をいたしたいと考えておりますし、さらにその計画達成の過程におきまして、特に大都市地域における勤労者向け住宅につきましては、公的住宅を中心といたしまして、その確保に最善を尽くしてまいりたいと考えておるところでございます。
○種田誠君 ただいま同僚の青木委員の方から地価問題、公共事業前倒しの問題、経済対策などについて質疑が行われましたんですが、私も、ちょっと予定していたものが重なっているところがありますのでその辺のところは注意しながら、幾つかの点について地価問題や景気対策について質問をさせていただきたいと思います。 先ほど国土庁長官の方から地価に関する今後の見通しやら対策などについてのお答えがありました。大臣の答弁の中にも目標値をサラリーマンの年収の五倍ぐらいに持って努力をしたい、こういうふうな話がありましたし、このことは予算委員会などでも総理や関係大臣からもほぼ同種の発言がなされてきているわけであります。 しかしながら、五倍以内といいますと、今東京周辺のサラリーマンの給料が年間七百万強ぐらいでありますので三千五百万、ちょっと超えても四千万以内で、しかも皆さん、私どもが求めているのは通勤時間一時間以内で確保できるようなものでなければならないということになりますと、現在の東京などを含む三大都市圏はもとより、政令都市などにおいてもこの目標を達成するのは大変困難なことが今後予想される。というのは、地価に関しましても片や景気対策との関係でさまざまな障害が予想もされるからであります。 そういう中での大臣の決意だったわけでありますが、具体的施策としてどのような形でこれを確実なものにしていくのか、その辺のところを述べていただきたいと思います。
○国務大臣(東家嘉幸君) 先ほどもお尋ねがございましたが、今日、地価の上昇がやっと鎮静化方向に地方も含めて拡大しつつありますが、バブルの高騰時のひずみ、そしてまた大幅に下落した地域においてひずみが出ておりますことは否めない事実でございます。 金融その他いろんな角度、いろんな方面からも、もうそろそろ鎮静化についてはいかがなものか、横並びの安定の方がいいんではないかというような声もございますけれども、しかし、基本的には先ほど申し上げましたようなサラリーマンの年収の五年分で買える、そうしますと、大体今私たちが試算してみますと、もう二〇%ぐらい下落してくれれば大体五年分で都会地においても買えるんではないだろうかというような考えを持っております。土地対策というものは、基本法にもございますように、なおまた政策課題としての総合的な土地対策というものは閣議でも決定されておりますことでございますから、その目標は、今申し上げますように、中堅サラリーマンが安定した土地の推移の中に将来ともにこの住宅対策というものに取り組めるようにするのが私は基本だというふうに考えております。 いろいろと地価に対しては住宅というものが今落ち込んでおりますことと非常に影響しますけれども、しかし、さりとて今また土地は下落する傾向にまだあるというようなことで鎮静化はまだまだ進むであろうという考え方におりますけれども、余り急いで地価の水準というものを落ちつかせるということではなく、長期的な安定的な住宅対策には今すぐ安定させるということではなく、もう少し鎮静化させた中で安定させることが必要なことだと私は思っております。
○種田誠君 大臣の固い決意のほどは十分にわかりました。 先ほど局長さん皆さんから挙手がありましたが、私はよくわかるんです。というのは、二十四日の土地関係閣僚会議においても総理みずから土地対策に関しまして新たな決意のもとに取り組むということを述べておられますし、地価対策に関しましては税制、都市計画、そして住宅関係、宅地関係、さまざまな角度からこれまで施策を練ってきたし、一部実行をしてまいりました。しかしながら、まだ都市計画法も成立しているわけではございませんし、今後の課題が幾つか残されているわけであります。そういう意味で、確かに今、大臣の決意を行政の施策の中で展開していく、そのための決意のほどがあるからたくさん手が挙がったんだと思うんですね。 。それぞれの角度から、間違いなく地価を安定させて一般のサラリーマンが今大臣が言われたような形で住宅が取得できる、未来に展望が持てる、こういうふうなことを行うんだということについて述べていただきたいと思います。
○政府委員(鎭西迪雄君) 基本的な考えにつきましてはただいま大臣から御答弁したとおりでございますが、本日公表いたしました平成四年の地価公示でようやく大都市圏を中心にいたしまして地価の下落傾向というのがかなりはっきりあらわれてきた、これは一つには使用収益価格なりあるいは取得能力と相当乖離したところまで上がったという問題が根本にはございます。それと、経済社会情勢の変化というのもございますが、昨年一月に策定いたしました総合土地政策推進要綱に基づきましてただいま委員から例示されたような各般の施策を実施してきたという施策の効果というのがあらわれ始めた、あるいはあらわれたんではないか、かように考えております。 監視区域制度あるいは土地税制の総合見直し、土地関連融資の指導、住宅宅地の供給等々でございますが、これからの問題といたしましては、私どもは、今通常国会に政府として提案しております都市計画法の改正あるいは土地情報の総合的整備等と相まって、現在進めてきた総合的、構造的な対策を気を緩めることなくここで着実に進めていくということが一番基本的に重要なことなんだろう、かように考えておりますので、引き続き各省庁十分連絡をとりながら対応してまいりたい、かように考えているところでございます。
○政府委員(立石真君) 初めに、大都市地域での住宅取得を行う場合に年収と比べて何倍ぐらいの価格の住宅ならば取得できるかということについて述べさせていただきたいと存じます。 昭和五十年の住宅宅地審議会の答申におきまして、標準的な世帯の住宅ローンの支払いは年収の二五%程度が限度であるというような答申をいただいているところでございます。 そこで、中堅勤労者が取得可能な住宅価格というのを計算してみますと、首都圏の平均的な勤労者の年収が京浜地区の勤労者世帯では約八百二十八万円と平成三年はなっているところでございます。そういうような世帯が自己資金として貯蓄を全部投入する、そして二五%の返済率になるまで公庫ローンあるいは民間ローンを借り入れるということにいたしまして、現在の金利水準で計算してみますと、計算上は資金調達可能額四千五百六十七万円というようになりまして、年収に比べますと五・五二倍という結果になるところでございます。こういう中におきまして、通常年収の五倍程度というように表現しているところでございます。 一方、住宅の価格でございますが、正確な統計はございませんが、通常、マンションの取得価格のうち土地取得費の占める土地代の部分が二分の一を超えているというように見ておるわけでございます。最近の地価の下落がそのまま今後のマンションの価格等に織り込まれるといたしますと今日の地価の下落によりましてかなり楽になるわけでございますが、今後さらに下落が起こるならばおおむね平均勤労者世帯が住宅を取得できるような倍率になろうかというように思っているところでございまして、政策といたしましては、大都市地域の住宅供給についてこれまで以上に努力していきたいと考えているところでございます。
○種田誠君 今度の経済五カ年計画の中などにも具体的に価格目標なども明記されるのではないだろうかなと、こういうふうにも世間で言われております。そういう意味では、目標がより明確になるわけでありますから、一層の御努力をお願いすると同時に、やはり豊かさやゆとりというものを住宅において享受できるような、まさに住宅そのものが民主主義の出発と言われるドイツの住宅政策が展開されてきたような形の中で今後の対策をぜひともお願いを申し上げる次第であります。 住宅の問題に関してもう少し後ほど伺いますが、その前に地価税の関係で伺います。 地価税が導入されているわけでありますが、早くも地価税に対しては一部関係者から、企業利益が大分これで下がってしまうとか、地価税に対する見直しを求めるような声が起こっているやにも聞いております。しかしながら、地価税が導入されるに当たって当委員会でも土地特などの委員会においても議論してきたその議論は決して間違っていたわけではないと思いますので、この地価税の今後の維持に関しての国土庁の方のお考えをお聞きしたい。 さらには、本来、地価税は、あの論議の中でお互いに確認してきたように、優先的に土地対策、宅地対策、住宅対策、こういうものの財源にしていくという、こういう考えもかなり多くの皆さん方から発せられた意見だったと思うんですね。ところが、今年度は残念ながら一般財源としてこれが組み入れられてしまっているわけであります。過般の予算委員会におきましても、宮澤総理そして羽田大蔵大臣におきましても、これについては謝罪をし、平成五年の予算からは当初目的に沿うような形で組みかえていきたい、このような発言もございました。そういう意味で、当初目的に沿うような形で地価税というものを維持発展し活用していっていただきたいと思うんです。 予算委員会でのそういう発言もあるものですから、ぜひとも国土庁における決意などを述べていただきたいと思います。
○政府委員(鎭西迪雄君) 土地対策の推進につきましては、現下の重要な施策の一つといたしまして従来から国土庁及び関係省庁におきまして予算面でも充実を図ってきたところでございます。また、ただいま委員からお話のございました地価税の創設に伴います。その増収分の使途につきましては、平成二年の政府税調の基本答申以来、地価税法案に対します両院の附帯決議等々、私どもその経緯、議論の経過も承知いたしております。 そういう議論を踏まえまして、去年出されました政府税調の答申の中では、極めて深刻な状況に陥っている財政事情等を考慮すれば土地対策等に資するという観点から歳出を通じ国民生活に還元することが現実的には適当であるというような提言をいただいたところでございます。 私どもといたしましては、平成四年度予算におきましては、こういう考え方に立ちまして、特に今後重要となります地価公示の拡充あるいは短期的な地価動向の把握等を含めました土地情報の整備につきまして、概算要求の段階から重点的な要望を行いまして、相当いろいろ折衝はございましたが、最終的には財政当局の理解も得まして関係予算の相当大幅な充実強化が見れたのではないか、かように考えておるところでございます。 平成五年度以降におきましても、先般の参議院の予算委員会におきます御議論等々を踏まえまして私ども所要の土地対策関係予算の確保に努力をするつもりでございますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
○種田誠君 土地の問題は、私はこれから五年、十年先の間に、私たちにとって土地というのは何なのかということがさらに真剣に協議され、見直され、新しい哲学がつくられていくような時代を迎えるような気がするわけであります。そういう意味で、これは日本の企業における資産のあり方についても必ずもう一度協議をされていくような時代が来ると思いますので、この地価税のあり方、土地政策のあり方に関しましては、国土庁において、大蔵省との関係においていろいろな難しいことがあろうかと思いますが、目標、目的を実現するように御努力をお願いしたいと思うわけであります。 そしてもう一つ、先ほどの青木先生の景気対策との関係で一点だけお伺いしたいんですけれども、私も今回の景気対策のために公共事業を速やかにかつできる限り可能な限りで前倒しをし執行していっていただきたいと思うわけでありますが、問題は、今回、限られた予算の中での前倒しということになってしまいますと、多分秋口以降から公共事業に関してまた大変な問題が起こってくるんではないだろうかなと思うわけであります。景気の回復は、この前の参議院での斎藤栄三郎先生の御意見や昨日の公述人の意見などによっても、そう簡単に回復するような形での体制がつくれるものではないような感もいたします。 そういう意味で、この秋の補正が考えられるような場合には、大蔵省がもう既に本年度予算においては十分な事業量を盛り込んでおるんだから補正の時期においても公共事業の大幅増加は考えられないというようなことを言っていることを新聞等の記事によって私ども拝見しておるのでありますが、建設省といたしまして、その辺のところに関しては、そういう大蔵省の一つの考え方に迷うことなく景気回復に向けての一層の努力をしていただきたいと思うのですが、建設大臣のお考えなとを伺わしていただければと思います。
○国務大臣(山崎拓君) 貴重な御意見でございますけれども、目下平成四年度の予算案を御審議いただいている段階でございまして、この予算が成立いたしました暁には、その円滑な執行に最善を尽くしてまいりたいと考えている段階でございます。 間もなく緊急経済対策、三十一日には発表するというところでございますが、その中で前倒し執行率等についても政府の方向が打ち出されると思うのでございますが、その方向がきちんと決まりましたときには前倒し執行に関しましても万遺漏なきを期してまいりたい、そのように考えている、現段階ではそういうところでございます。
○種田誠君 もとよりでございますが、私申し上げましたように、ぜひ景気回復のために御努力をお願いしたいと思います。 先ほど残した住宅の問題で、三月十九日の朝日新聞に「冷たい東京 住宅砂漠」という見出しのもとに「「子連れ」で入居拒まれ」、「幼児四人焼死」、こういう記事がございました。本当に痛ましい事故だなと思った次第であります。 と同時に、私も学生時代そして結婚して間もなくのころは東京で借家住まいなどをしておったわけでありますが、率直に言いまして、入居に関してのいろいろな制限がありました。子供はいかぬとか、子供ができたら出ていってもらうとか、そういうことが私の体験としても当時からあったわけでありますけれども、最近とみに入居に関しての制限が大きくなっておって、一面においては個人の人権にもかかわるような内容のものもあるようであります。契約自由の原則というのはもとよりでありますが、それにしても、果たしてこのままでいいんだろうかという気持ちもございます。これらのことに関して、まず感想と現状について述べていただきたいと思います。
○政府委員(立石真君) 御指摘の三月十九日の朝日新聞の記事は、ワンルームマンションで留守番をしていた四人の子供が焼死した事故でございます。まことに痛ましい事故だと胸を痛めるところでございます。 もう一つ、これに関連しまして、子連れ世帯に対しまして入居を拒む民間貸し家が多いのではないかという御指摘であろうかと存ずるわけでございますが、御指摘の点につきまして、一般的には民間賃貸住宅の規模とか構造等にもよるわけですけれども、子供と同居するあるいは子供の数が多いというような理由で入居を拒むということはまことに好ましくないというようには考えるわけでございます。しかしながら、先生の御指摘もございましたが、一般の民間の賃貸住宅においては賃貸借契約を結ぶかどうかということについては、貸し主と借り主の両当事者間の自由な判断にゆだねられているわけでございまして、一般の民間賃貸住宅の契約について行政の方かもいろいろと干渉して指導していくということは現在では難しいのではないかというふうに思っております。
○種田誠君 民間団体の調査によりますと、子供可という住宅は何と一五%にしかすぎないということであります。結婚すれば当然子供が生まれ、子供が一人じゃ困るので二人、三人ともう少しふやさなきゃならないだろう、今こういうようなこともよく委員会などでも質疑されているわけでありますが、今局長の方から無理だろうというお話がありましたけれども、このような貸し家住宅やアパートにしても、公的な資金を使っている建物ならば、ある程度のしかるべき公平な住環境を実現するためにも、また行き過ぎた人権侵害にわたるような住生活を強要するようなことがないという状況をつくるためにも、私は一定の行政指導をしてしかるべきだと思うんです。 最近外国人労働者なども日本にたくさん来ておるわけでありますが、外国人の入居に関しても、これをかたくなに拒絶している状態がたくさんあるようであります。一五%よりもっと狭い窓口がもわかりません。 そういう意味で、契約自由の原則といっても公共の福祉には服さなきゃならないんですし、また」定の限度を超えることは許されないわけでありますから、いかがなものでしょうか。
○政府委員(立石真君) 一般の住宅についてはなかなか難しい点があろうかと存じますが、住宅金融公庫融資を受けて建設された賃貸住宅につきましては、その入居資格におきまして、現在、住宅に困窮している等の一定の条件に該当する人が適正な申し込みを行った場合には、申し込みについて拒むことはできないとされております。したがって、当然子供と同居する、あるいは子供の数が多いということをもって入居の申し込みを拒むことはできないわけでございます。また、貸借人を選ぶ場合におき。ましても、抽せんとかその他公正な方法によって行われなければならないこととなっております。 さらに、農地所有者等賃貸住宅建設融資利子補給制度等の国の助成を受けて建設されます民間賃貸住宅におきましても、住宅金融公庫の融資を受けた住宅と同様に公平の原則がとられているところでございます。 今後の対応といたしましては、公庫融資による世帯向けの公的助成の民間賃貸住宅供給、そういうような公的な施策の民間賃貸住宅供給の促進を図って施策の充実に努めていき、これらの問題にも同時に対応してまいりたいというふうに考えております。
○種田誠君 ぜひ今申し述べられたような視点で一層の施策の展開をお願いしたいと同時に、やはり大都市部において特に公的賃貸住宅が大幅に足りないというところにこれらの原因があるかとも。思うわけでありますので、そういう意味で公的住宅のさらなる緊急の供給をぜひともお願いを申し上げる次第であります。 次に、海岸の浸食の問題について伺っていきたいと思います。 これは一昨日の三月二十五日の夕刊に載っていたことでございますが、私も大変びっくりいたしました。徳島県鳴門市の鳴門町土佐泊の砂浜が突然四千平方メートル消えてしまったそうであります。近くの造船所の鉄骨なども一瞬のうちに海底に埋没してしまったという事故が起こっております。 日本はまさに周囲を海にめぐらされた島国でありますので、このように海岸が浸食されていく。大変な事態になるわけでありますが、これまでの間も建設省においてさまざまな形で海岸浸食に対する対応をしてこられておると思うのであります。その中で一つ、今、茨城でヘッドランド工法というのが鹿島灘において施工されておるわけでありますが、過般の新聞によりますと、一基はほぼ九十数%の完成に至って、近くの漁民からはハマグリなども再びこの養生された海浜からとれるようになってきたというような極めですばらしい結果も報告されているようであります。 そういう意味で、さまざまな施策がとられているわけでありますが、冒頭、海岸浸食に対する現在とられている基本的な施策についてまず述べていただきたいと思います。
○政府委員(近藤徹君) 海岸を浸食あるいは高潮から守るためにさまざまの工事を施工してまいりましたが、一般的には高潮堤防なりあるいは浸食護岸を整備することによっていわば線的な対応でやってきたのが従来の主流であったわけでございますが、やはりある静穏な海域をつくることによって広範囲に海の浸食作用を防ぐということが安全で効果のある施工方法だということで、近年きまざまな工法が考案されておるわけでございます。離岸堤工法とか人工リーフとかあるわけでございますが、今先生がおっしゃいましたヘッドランド工法は、大規模な突堤を設置することによりまして突堤間の砂の移動、流失を抑え砂浜の安定を図ろうとするもので、浸食対策と同時に、あわせて景観並びに浜辺の利用にも適した新しい工法でございます。 この工法は鹿島灘で全国に先駆けて実施したものでございまして、今後の浸食対策工法として積極的に全国へも展開してまいりたいと存じます。
○種田誠君 海岸浸食に対する対策というのは極めて困難である、海岸浸食の原因そしてさまざまな自然の状態に対応するわけでありますから、何か一つの方法でできるというわけではなくて、今局長おっしゃっているようにいろいろな角度から考案された工法を実行していくことが大切なのではないだろうかとも思うわけでございます。 そういう中で、実はこれまた私の地元の話で恐縮なんですが、北茨城市というところがございまして、そこは岡倉天心や横山大観が明治の中ほどに日本美術院をつくりました景観のすばらしい場所なんですけれども、そこも実は海岸浸食が起こり崩壊をしておる。こういう場所に人工岩礁をつくってまさに自然と同じような形で浸食を防ぐような対策もとられているわけであります。これは県単独の行政として行っているわけでありますが、建設省などにおいてもぜひ参考にしながら今後取り入れていってもらいたいな、このようにも思います。 そこで、先ほどのヘッドランド工法でございますが、私、国会に送っていただいて間もなくの平成元年十一月の決算委員会で、ぜひこのヘッドランド工法を推進してほしいということを申し上げたわけでありますけれども、そのときに、私、自然の力をある程度利用すべきだろうと申し上げました。人間の力で突堤をつくって砂浜を養生するわけでありますが、砂浜を養生するに当たっては海に流れている漂砂をどのように付着させるかが最大の課題だ、その場合に、昔から漁師仲間の間に、砂には雄砂と雌砂があって何ぼ雌砂を養生用に使っても漂砂は集まらないんだ、雄砂を種砂にして養生すれば漂砂は寄ってくるんだ、こういうふうを言い伝えがあったそうであります。このこともそのときの委員会で申し上げました。 そのときに、波崎港の漁港拡張に伴ってそこでとれる砂を投入してみょうかというようなやりとりもあったわけでありますが、実際にヘッドランド工法を行う上でかなりの砂が投入されておると思うんです。どういう砂が投入されていたか、今答えられれば答えてもらいたいと思います。
○政府委員(近藤徹君) そのときの御答弁でも申し上げましたように、実は雄砂、雌砂ということは地元の皆様が御承知のようで、私どもはその辺のメカニズムはまだ十分解明されていないとは思いますが、この大野海岸、鹿島海岸におきましては、養浜ということでヘッドランド間に土砂を投入するという手法で、鹿島港のしゅんせつの際に産出されました土砂を投入したわけでございます。これは昭和六十二年度でございます。昭和六十三年度以降は、粒径の大きい波崎漁港のしゅんせつ土砂を利用しまして、これはいい成果を見ております。 平成三年度までに九万七千立方米の砂を入れてそれぞれいい成果を見ておりますので、これらを今後も観察しつつ適切に対応してまいりたいと存じます。
○種田誠君 波崎港の砂は粒の粗い雄砂だったわけですけれども、今回いわゆるヘッドランド工法によって海岸浸食をストップさせるような海浜の養生ができたということならば、やはり漁師仲間の言い伝えなどもそうまんざら見捨てたものではないというようなことだと思うんですね。午前中も琵琶湖のヨシの条例の話をここで申し上げたわけでありますけれども、やはり古来自然が持っている大きな、どうも科学的には分析できていないような因果関係がわからないようなものであっても、何とかそういうものを現代技術の中に取り入れて、一層この目的を達成するようなことに試みていただきたいと思うわけであります。 海岸浸食の話はこの程度で終わらせていただきまして、次に高速道路の料金のあり方について伺いたいと思うわけであります。 私のところへ高速道路をよく利用するオートバイのユーザー協会の方たちがよく来るわけでありますが、今回も高速道路の料金制度に関してはもう本当に疑問があるんだというようなことを言っておりました。一つには、乗り継ぎをすれば料金が必ず高くなってしまうんだ、なぜ起こってしまうんだろうかということです。このことについては、ことしの一月九日の毎日新聞に出ておりましたが、東京-津山間をノンストップでおりないで真っすぐ行った場合には一万二千四百円で済むところ、事故のため不通区間が発生した、それで豊川でおりてしまって、また次の音羽蒲郡から乗ったところ、一万三千二百円になってしまったという、なぜこういうことが起こってしまうんだろうかというような疑問が一つ。 それから、時間がありませんので続けて申し上げますが、もう一つ、高速道路の乗りおりのときに私どもはいつの間にか施設利用料を払っているということであります。ターミナルチャージというふうにも言われている。高速道路を乗りおりするときに料金所で料金を払う、また利用券をいただく、その作業のところに果たしてターミナルチャージというのを取る合理的理由はあるんだろうかというふうなこと。 さらには、もう一つ、これは六十三年の道路審議会の答申で車種区分によっての料金の割引等に対しての改善の答申があったわけでありますが、このときに、普通乗用車を一として大型車に関しては一・六五とか、さらなる現行よりも多い負担率を認めまして割引率を少なくしようというふうな答申がなされていたわけでありますが、いつの間にかこれが暫定であると言われる現在の区分比率に従って割引率が一層逆に大きくなっているという、こういうことも極めて疑問なんだと。ちなみに普通乗用車とトラックで比べてどのくらいの道路に対する損傷率の差があるのかというと、かなり大きな差があるわけであります。 そういう意味で、高速道路料金に関しての今申し上げましたような問題点について、なぜこういうことが起こってしまうの分お答えいただければと思います。
○政府委員(藤井治芳君) まず、先生御指摘の、高速道路料金が乗り継ぐと割高になる場合があるのはなぜかということでございます。 私ども先ほどの毎日新聞に出た記事も承知しておりますが、確かに長距離割引制度を導入いたしておりまして、一回の利用距離に応じまして、百キロから二百キロまでについては二五%割り引いております。したがって、逆に言うと、百キロまでは割り引きませんが、百キロ以上お乗りの方は二百キロまでは二五%、そして二台キロを超える分については三〇%の割引を実施しております。 特にこういう不満が出ますのは、何かトラブルがありまして途中で外へ出たりするような場合にいわゆる乗り直しということになるわけですが、そうした場合に、この割引制度の適用が今のやり方では、継続して利用した場合に比べて、もう一度初めから取り直しますから確かに割高になる、こういう感じを持たれる方が出てくることは事実だと思っております。 なぜこういうことになるのかということでございますが、正直言いまして、現在の料金徴収システムでは、一たん出た場合に経路の把握が技術的に困難なものですから、事故流出がその他の自分で出たいから出たのかというようなこの区別ができないのが現実の状況でございますから、そのために、無理やり出されたのがもう一回戻ったときに、本来なら正当なサービスを受ける場合なのにもかかわらずやはり割高になるといいますか、そういうことがございますので、実は私どももこういうことについてどうかしなきゃいけないなとかねてから思っております。 そこで、そういう場合の機器の開発もありましょうし、そういう場合に何か券を出してやるというようなこともあろうかと思いますが、そういうシステムについての開発も必要だと思っておりまして、現在どういうふうなやり方をしたらいいのか検討を行っているところでございます。 その際に、先生がおっしゃった、走るお金とインターチェンジにおいて取られるお金、ターミナルチャージが設けられていて何となく不当な感じがするという御指摘でございますが、簡単に言いまして、千キロ乗る方でも入るとき出るときはインターチェンジは一回ずつ使いますし、十キロ、十五キロお使いになる方もインターチェンジは乗るとき出るときに一回ずつお使いになります。こういうようなことで、その利用に関する料金につきましては、公平の観点から利用の距離に応じて対距離料金制をこの高速道路の場合とらせていただきます。したがって、千キロは千キロなりの料金、一十五キロは十五キロなりの料金、こういうことになるわけですが、その中に、インターチェンジ、これは御承知のように物すごく広い面積をとりますから、管理や建設やその費用は膨大なものがございます。そういう費用は利用距離の長短に関係なく一回ごとにどうしてもかかる費用でございますから、それの負担を対距離料金に乗せますとかえって不合理な場合も出てまいります。そこで、対距離という走った距離の料金とインターチェンジを利用していただく料金を組み合わせて現在の高速道路の料金が決められておりまして、これは五十年の四月の料金改定時に審議会等いろんな方々の御指摘もいただいてこのような形になっております。 さらに、車種区分のことにつきましても御指摘がございましたが、これはいろんな変遷がございます。いろんな変遷がございますが、車種区分の一番のベースにございましたのは、車の大きさがどのぐらいその道路を占有しているか、それに基づい、でいろいろな車種区分のウエートを考えていったわけでございます。 しかし、その後いろんな御不満が出てまいりました。そこで私どもは、そういうものに加えましてさらに、トラックが道路をうんと壊すじゃないか、単車みたいなものは軽いんだから壊さないじゃないか、こういうような意味合いの原因者負担、こういうものも入れた方がいいじゃないか、こういうことになりまして、そういうものも入れさせていただいた。 さらに今度は、高速道路を走ることによる利用から受ける利益、受益といいますか便益も大型車とそういう単車では違うじゃないか、こういう受益者負担。 言ってみれば、今までは一要素だったのを、占有者負担、原因者負担、受益者負担、こういう三つの要素を組み合わせまして現在の区分をつくったわけでございます。 ただ、高速有料道路は全部それに切りかえたわけでございますが、一般有料道路の場合には、若干歴史的経緯がございましたので、過去にさかのぼっては整理をいたしておりません。新しくつくる場合は、全部その方向に今持っていこうと徐々に指導をいたしております。 過去の問題につきましても、高速道路と一緒になって機能するようなものはできるだけそっちに近づけるように、ただし、ある日突然上がる人もあれば下がる人もある。そこで、使っている人たちに御納得をいただかなきゃいけません。そういうようなことをしながら、こういうふうな形をとった以上はなるべく矛盾のないような形に徐々に今縮めようと努力させていただいております。その過程で個々の具体的な例で御不満がある場合には個々にいろいろと御説明をさせてきているのが現状でございます。
○種田誠君 これからまさに高規格道路、高速道路がさまざま全国的に展開されると思います。公平感、また公平、こういうことをモットーに、ぜひ大変な事業だと思いますけれども、よろしく改善のほどをお願い申し上げます。 終わります。
○石井一二君 質問に先立ちまして、建設大臣にひとつ要望をしておきたいと思います。 先ほど日本社会党の種田議員から質問もございましたが、今世論調査をやってみますと、国民の最大の関心事は景気の回復でございます。さらに国際貢献とか政治改革とか、地球環境とか、いろいろ問題が続くようでございますが、では何をなすべきかということになりますと、公共事業と公定歩合、こういうところへ話がこようかと思うわけでございます。 先ほどの大臣のお話でございますと、緊急経済対策も三月三十一日発表になり前倒し執行率もその中に入っておるんだといったようなことでございました。我々もその中身が濃いことを期待いたしております。また、会計年度が進むにつれて後半の問題、端境期の問題等々ございますが、財源措置も含めて格段の御留意をされるようにまず強く要望をいたしておきたいと思います。これについては答弁は要りません。 さて、建設行政一般に関していろいろお伺いしたいと思いますが、最初に下水道について若干お伺いをいたしたいと思います。 今般第七次下水道整備五カ年計画が発表になっておるわけでございますが、過去の第一次から第六次五カ年計画と比べてこの第七次では特に何に力点を置いてなさらんとしておるのか、特徴と申しましょうか、まずその辺からお伺いしてまいりたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 第七次五カ年計画は、総事業費十六兆五千億円でございまして、まず特徴といたしまして、第六次計画に比べまして事業費において三五%増という大変大きな伸びになっております。これが何といいましても内容の充実も含めまして大きな特徴だと思っております。 それから、目標といたします処理人口普及率も、平成二年度末四四%を計画達成時の平成七年度末で五四%と一〇%向上でございますが、いわゆる過半数を超えるというところにくるということも一つの到達点でございますし、さらには、これが西暦二〇〇〇年を目途に策定されております公共投資基本計画の目標値であります普及率七割程度といったものをにらんだ極めて具体的な数値として五カ年計画の目標になっているということが言えるのではないかと思っております。 それから、内容的な点で特に重点を置いておりますのは、特に普及のおくれております中小の市町村における下水道の整備促進でございます。 もう一点は、湖沼等の公共用水域の水質保全を図るために高度処理を積極的に推進するということでございまして、今回初めて五カ年計画にこの高度処理の整備目標を高度処理人口という形で明示したといった点も特徴であると理解しておる次第でございます。
○石井一二君 ただいまの御発言の中で処理人口普及率という言葉がございましたが、これはあくまで対象となる人口で、実際に下水道を使っている人口との間にかなりの差があるように聞いておるんですが、それはどれぐらいと見ておられますか。 例えば、新たに公共下水道ができても、以前に自前でコミュニティープラントなりあるいはもっと小規模なものをやっておった方はそういったものに参加しない、ジョイントをつけないとか、あるいはまた自分のところの家の周辺のジョイントについての自己負担ができないので今までどおり何とかやっていくとか、いろいろあると思うんですが、私は一〇%程度の差があるように聞いております。今あなたが処理人口普及率という言葉に特に力点を置いて説明されたので、ちょっとその辺の理解が、すべてそれでカバーされておるという考えてあれば誤解であろうと思いますが、いかがですか。
○政府委員(市川一朗君) ただいま私が申し上げました処理人口普及率は、いわゆる公共下水道、下水道の処理人口普及率でございまして、今先生の方から御指摘がありましたのは、例えば合併処理槽等で処理されている水洗トイレとかそういったものも含めるとどれぐらいになるのかというような御指摘かなと思いますが……
○石井一二君 違う、違う。
○政府委員(市川一朗君) 違いますか。申しわけございません。 処理人口は処理区域内の人口でございまして、現実に接続するまでの間に若干タイムラグがあるのではないかという意味では、接続率は大体力〇%ぐらいだそうでございます。一〇%ぐらいのタイムラグがあるわけでございます。大変申しわけございませんでした。
○石井一二君 そういったラグの縮小ということも含めて、鋭意御努力されるように要望しておきます。 なお、下水関係の予算を見ておりますと、調整費という言葉が目につくわけでございます。先ほど局長は第七次では三五%アップであるというような力強いお言葉がございましたが、事調整費に。関する限り第六次よりも減っておるように私は理解いたします。各調整費をどのように使われて、また、今回なぜこれだけ大きなポイントを掲げて力強い第七次がスタートしたにもかかわらず調整費が減っておるのか、この点について若干お伺いしておきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 第七次五カ年計画は総額十六兆五千億円でございますが、そのうち調整費が一兆九千七百億円でございまして、総計画額に占める割合が一一・九%でございます。それから、これが第六次計画の場合には十二兆二千億円の総計画額に対しまして、調整費が二兆二千二百億円で一八・二%でございまして、調整費の割合は第七次の方が減っておるわけでございます。 この調整費につきましては、下水道に限らず大体公共事業の五カ年計画では、最近は調整費を設けまして、計画策定後の社会経済の動向あるいは財政事情及び事業の進捗状況に弾力的かつ機動的に対応するために設けられているものでございまして、極めて重要な項目であるとは思っておりますが、私どもの勝手を申し上げさせていただくならば、十六兆五千億円が調整費なしの丸々の十六兆五千億円の方がなおさらよろしいという認識でおることを御了解いただきたいと思う次第でございます。
○石井一二君 もう一つだけ、お言葉じりをとるようですが、高度処理人口という言葉が特に私の耳を打ったわけですが、高度処理というのは一次、二次、三次処理のどれを指すのか、また、ppmで見るとどれぐらいのことを考えておられるのか、ちょっと教えていただきたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 高度処理は基本的には三次処理のことを私どもは指しております。 それから、高度処理によりましてどのような改善が講ぜられるかということにつきましては、それぞれの施設の機能とかそういったものによって異なるわけでございますが、例えば今手元の数字で申し上げますと、BODでございますと二次処理までは二〇ppm、それが一〇になるといったようなところが一つの目標でございまして、先般本委員会が琵琶湖の流域下水道を御視察いただきました際に、あれは湖南中部の処理場だったわけでございますが、あのときはかなり完璧な高度処理がなされておりましたのと同時に、委員からも御指摘がございましたが、まずは全体的な普及が進んでいないために逆に高度処理の効果が大分ございまして、それで結果として琵琶湖で求められておる基準よりも上回る形で処理がなされておりまして、あのときたしか私の記憶では六ppmぐらいまで改善されておったと思っております。
○石井一二君 あなた数値を言われたんですが、〇・〇六の間違いですか六ppmですか。
○政府委員(市川一朗君) 二〇ppmが一〇ppmと、そういう数値でございます。
○石井一二君 ちょっと脱線いたしましたが、その論議は後にしまして、下水道事業団にお伺いいたします。 この七次五カ年計画の中で下水道事業団の果たすべき使命、また御計画等について若干の御所見を申し述べていただきたいと思います。
○参考人(台健君) 下水道事業団は御承知のように昭和四十七年に、下水道を全国的に整備するに当たりまして技術者が中小の市町村に極めて不足しておる、大都市に偏在しておるというような実態を踏まえまして、技術者の有効活用等を図り全国的な下水道整備を促進するために、地方公共団体の下水道の整備を支援する機関として誕生したわけでございます。 ことしでおかげさまで二十周年を迎えるわけでございますが、現在、設立の趣旨にのっとりまして、既に平成三年度末までに私たちが手がけました施行箇所が七百二十三カ所に上っておりまして、そのうちで四百十二カ所に通水をいたしておるようなわけでございます。それから、平成三年度につきましても二百八十団体から委託を受けまして三百四十カ所で事業を施行しておりまして、下水道の総事業費に対する事業団の事業のシェアは、総事業費に対して約一割、それから補助対象事業につきましては一五%程度となっております。また処理場の事業費につきましては、下水道事業団が担当いたしますのが三三%程度となっております。 第七次の五カ年計画におきましては、先ほど都市局長からお話がありましたように、中小市町村における下水道の整備を重点事項とされておりますので、中小市町村に対する技術的支援を目的として設立され活動しております事業団の使命はますます大きくなってくるものというふうに考えております。
○石井一二君 それで、事業団の受託事業費ですが、私の知るところでは、これは事業規模によってパーセンテージも違ってくると理解いたしております。そういった中で、各市町村からいただく年間の受託事業費というのが大体どれくらいの金額で、事業団の全体収入の何%ぐらいを現在占めておるのか、わかればお教えをいただきたいと思います。
○参考人(台健君) 御質問の趣旨は受託事業を行います場合に管理諸費といたしまして事業団が地方公共団体からいただいている費用のことかと存じますが、事業費の大きさによりまして区分しておりまして、五億円以下の部分につきましては五・三%、五億円を超え十億円以下のものにつきましては四・三%、十億円を超えるものにつきましては三・三%で、平均いたしますと大体四・四%程度になっております。
○石井一二君 それで、事業団全体の収入、すなわち財投とか補助金等も含めた今申した受託事業費の占める割合というのは、三割ぐらいですか。概算で結構です。
○参考人(台健君) 平成三年度で申しますと、受託工事が約二千二百八十四億円余でございますが、これに対します先ほど申しました管理諸費の総額が約百億程度でございます。
○石井一二君 私は前の委員会でもお聞きしたのですが、将来下水道の普及率がどんどん高まっていった場合に、現在七、八百人おられる職員の皆さんの将来の心配をすることも行き過ぎですが、どんどん守備範囲を広げて、水、下水だけではなしにもう少し未来的な大きな分野も手がけていくようにされたらどうかといったような提案をしておいたのですが、そのようなことについて内部で論議をされておるかどうか、ちょっとお聞きしたいと思います。
○参考人(台健君) 先ほども申し上げましたように、普及率の向上が下水道のための政策の中心に据えられておりまして、建設省ではおおむね十年後には七〇%程度、さらに二十一世紀のなるべく早い機会に九〇%程度まで整備したいというふうな政策であるというふうに理解しております。そのためには、先ほど申しましたように中小市町村の支援機関としての事業団の責務はこれからもますます増大するとは思いますが、先生おっしゃいますように、超長期的にはまた業務について再検討する必要があると思います。非常に示唆に富んだ御指摘でございますので、超長期的課題として部内で一生懸命勉強したいと思っております。
○石井一二君 都市局長にもう一度お伺いしますが、第七次五カ年計画でどんどん中小市町村の小規模なものを手がけていくという中で、建設省のみならず、農水省のやっております農業集落排水とか、あるいはまた厚生省のやっております合併処理浄化槽とか、いろいろございますが、市町村の立場とか受益者である一般国民の立場から見てどのような点が違いどのような点がセールスポイントになっておるのか、余り詳しいことは要りませんが、わかれば、概略こういったところが違うんだというところをちょっと教えていただきたいと思います。 何か本来建設省の仕事であるべきこういった分野に他の省庁が攻め込んできておる、むしろそちらの方が条件がいいんではないかというふうな気がするわけですが、私の心配であればそれに越したことはありません。いかがでしょうか。
○政府委員(市川一朗君) 下水道と、それから下水道類似施設といたしましては農水省でおやりになっております農業集落排水事業それから厚生省の合併処理浄化槽等があるわけでございます。 下水道に関しまして私ども認識しております役割といいますか目的は、基本的には生活環境の改善ということがポイントになるわけでございますが、そのほかに公共用水域の水質保全、さらには、雨水による浸水を防除するといいますか、解消するといったような役割を課せられておると理解しておるわけでございます。 そういった点に関しましては、先ほど申し上げました下水道類似施設はそれぞれの性格によって下水道そのものとは若干違った部分があるように思っておりますが、例えば農業集落排水事業等は、規模の大小の問題はございますけれども、基本的な機能という点では下水道と余り違わないといったものもあろうかと思います。合併処理浄化槽は、どちらかといいますと、各戸別単位の便所の水洗化とかそういったものを図っていく場合に主として機能しているという意味では、生活環境の改善というところにウエートがあるというふうに思っております。 それで、それぞれがそれぞれの特徴があるわけでございますけれども、国庫補助の体系とか、あるいは地方公共団体の財政に対する援助とか、そういったような面も含め、さらには排水されるものの処理の仕方、あるいは長期的な計画性その他におきましては、やはり何といいましても私ども下水道整備できちっとやることの方が極めて大事だというふうに考えております。 そうはいいましても、下水道はかなりの財政支出を伴いますのでなかなかそう簡単には及ばないというようなところで、いわゆる小回りのきく下水道整備が必要でありますし、また場所によりましては地形的な面で下水道そのものがなかなか及ばないというところもございますし、そういったようないろいろ違いがあるわけでございますので、それぞれの地域、また財政事情に応じましてその特徴が評価されて適用されておるというふうに私ども理解しておるわけでございます。 しかしながら、やはり最終的には下水道整備によりまして地域全体が生活改善も含めて改善されることが重要であるという観点から、私どもといたしましては、これらの類似施設も含めました全体としての県レベルあるいは市町村レベルでの広い意味での下水道整備というものが計画性を持って整備されることが大事であるというところで、特に平成四年度はその点に重点を絞りましてマニュアルの作成等についての予算も計上させていただいているところでございます。
○石井一二君 下水道だけにかかっておれないので、もう一点だけで下水道を卒業したいと思います。 下水道の工事はもうからぬという話がよく我々の耳に入ってくるわけであります。昨今、入札不調も多いわけでございますが、下水道工事の採算性について建設業協会で座談会なんかをやっておりまして、なぜもうからぬかということも書いてありまして、これが即要望になっているわけでありますが、この点についてどのような理解をしておられるか。私が知る範囲では、大幅な積算体系の見直しもやられたとかいうことも聞いておりますが、ちょっと一言、簡単にお願いいたします。
○政府委員(市川一朗君) 下水道につきましては、御指摘ございましたように入札不調の話も聞くわけでございますが、例えば東京都発注分について見ましても、平成三年度はほとんどゼロに近い状況になっておりますので、かなり激減という形で改善されておるというふうに思っておるわけでございます。 これの背景といたしましては、先ほど先生から御指摘ございましたように、特に平成三年度におきまして建設省といたしましても積算基準の大幅な見直しに取り組みまして、また地方公共団体もそういう方向で御協力いただいておるというところが成果となってあらわれておるというふうに理解しておるところでございます。
○石井一二君 まだまだ建設省に後でお聞きしますが、ちょっと時間が足らなくなるといけませんので、伊江北海道開発庁長官がお越してございますので、ここで北海道絡みの質問を一、二いたしたいと思います。 私はほぼ一年前の平成三年三月二十六日に北海道開発に関してこの委員会で質問をいたしました。そのときに、三年度において北方領土に関して基礎調査を行うというような答弁をいただいており、具体的な予算もついておりましたけれども、平成三年度でなされた北方領土に関する基礎調査の内容についてちょっと知りたいと思います。
○政府委員(澤山民季君) 北方領土の問題に関しましては今後さまざまな事態も予想されるわけでございまして、北海道開発庁といたしましても、平成三年度から北海道開発計画費の一環といたしまして北方領土に関する基礎調査を行うことといたしまして、いろいろ勉強しているところでございます。 調査の具体的な内容につきましては、北方領土の気象、地形等の自然環境、また鉱物、燐酸等の資源の賦存状況、水産業、農業等の産業の状況、さらには道路、港湾等の各種基盤の整備状況につきまして既存の資料を収集し、その整理分析を行っておるところでございます。 なお、平成四年度につきましても、今後の外交交渉の進展に応じて適切に対応するため、引き続き調査を進めてまいりたいと考えております。
○石井一二君 エリツィン大統領が九月ごろお越しになるという話もかなり具体的なようでございまして、また、マスコミの報じるところによりますと、北方領土に関してもかなり前向きな発言を御当人がなさっておる。こういった中で、第五期北海道総合開発計画というものがちょうどその中間点に差しかかっておるのがことしであろうと思いますが、こういった背景をもとにして大臣は今後どのような視点に立って北方領土問題に取り組まんとしておられるか、所信の一端をお伺いいたしたいと思います。
○国務大臣(伊江朝雄君) おっしゃるとおり、今、日本の国民ほとんどすべてがエリツィン大統領の来日を期待し、そしてまたその成果をひとしく願望している、こういうふうに私は思います。したがって、先生御指摘のとおり、北方領土の問題も手の届く範囲に早く入ってほしいなという願望でございます。もしそれが返ってくるとすれば、それこそ北海道にとっては大きなインパクトになるということでございまして、今、事務当局が調査の問題についてお答え申し上げましたが、これはまた具体的に返ってくる時点においていろいろと計画を立てて対応しなきゃならない、こういうふうに考えております。 いずれにいたしましても、一日も早く返ってきて、そしてまた日本の国民の期待にこたえて、かつての住民の方々が現地へお帰りになるようなときが来るように期待をいたしておるところでございます。 それで、北海道の開発計画の中には、ソ連邦の崩壊、こんなに急に激変するとは思わなかった。したがって、あの北方問題が急浮上してまいったのはっい最近のことでございますから、そういった問題についての具体的な対応とか計画というのは今の北海道の開発の、十カ年計画の中のテーマ、指標としては入っておりませんが、しかしながら、いずれはそういうこともあるだろうということで、十カ年計画の「附記」の中には確かにこの問題についての対応の仕方を考えておかなきゃならぬなということは書かれておりまして、なかなか日本政府の役人は先を見ていろんな計画を立てるものだと私はこれを見て感心しているんです。 ちょっと読んでみますと、第五期北海道総合開発計画、北方領土について、「計画的な開発整備を進め得る段階において、本計画L、本計臥というのは今の進んでいる五期計画ですが、「段階において、本計画に所要の訂正を行い、総合開発の基本方向を示すこととする。」、こうなっておりまして、一応受け皿を用意いたしましょう、そのための今なし得る限りの基礎資料というものを研究しましょうということで、先ほどの答弁のとおりです。ですから、そういうことで、具体的に手の届く範囲に入って焦点が合ってまいります時期に我々としては計画を進めるということです。 ちょっと話が長くなりますが、先生御高承のとおり私は沖縄県の出身でありますから、沖縄がアメリカの施政権から離れて返還されて復帰いたしましてからことしでちょうど二十年になるわけですが、ですから、復帰に当たっての何をしなきゃならなかったのか、そしてその後どういう問題が起きたかということについてはいささかそれにタッチもいたしましたり、また返ってまいりました後の復興計画にも関与をするような立場に立ちましたものですから、いろいろと経験と申しますか、そういったものを生かしながら、本当に早く返ってくるように北海道四島に対する計画を、勇敢にといいますか、勇気を持ってしかも大胆に行ってまいりたい、こういうふうに考えている次第です。
○石井一二君 よろしくひとつお願いを申し上げます。 あとちょっと北海道問題で聞きたいこともございましたが、時間が押してまいっておりますので以上で切り上げたいと思います。ありがとうございました。 続きまして、建設省にもう一遍戻りまして、日米建設摩擦について若干お伺いをいたしたいと思いますが、現在の外国企業の参入実績。についてまず概略を承りたいと思います。
○政府委員(伴襄君) お尋ねの外国企業の参入実績でございますが、まず日本では、建設許可制度は内外無差別になっておりまして、外国企業が日本の建設業の許可をとれば仕事ができる仕掛けになっております。 そこで、まず建設業の許可を取得した外国企業でございますが、現在のところ七十社ということになっております。日米建設摩擦が起きてから比較的短期間でございますけれども、その非常に短時期のうちに許可を与えているというようなことでございまして、アメリカの企業はベクテル、シャール、フルーア・ダニエル等三十四社が入っております。 それから、アメリカの企業の受注実績でございますが、特に日米建設協議で特例措置対象プロジェクトが、今までは十七で、昨年からは十七プラスしまして三十四プロジェクトございますけれども、その実績が、一九八八年、始まった年から昨年十月までの累積額でございますけれども、六百六十七億でございます。外国企業はそれなりに相当の実績を上げていると思っております。なお、この特例対象プロジェクト以外にもコンサルタント等で相当の実績を上げております。例えば件数ですと百件、若干金額が判明していないものもございますけれども、金額でも約二百億円以上にはなっているというふうに思っております。
○石井一二君 外国企業の参加は単独じゃなしにJVだと思うんですが、そのとおりですか。
○政府委員(伴襄君) JVでなければならないということではないんですが、工事そのものの受注が大規模な工事になっておりますのでJV参加が多いわけでございます。ただ、コンサルタント、設計、そういったものにつきましては単独で参加しているものが多いということでございます。
○石井一二君 JVの定義ですが、私の理解するところでは、一緒に工事をしてコストを明確にし利益を分ける、損をしたらその分をお互いに負担する、そういうように理解いたしておりますが、大体そのような考え方でいいんでしょうか。
○政府委員(伴襄君) ジョイントベンチャーはそういう危険負担を含めてやるべきだと思っております。また、そういう責任とそれの利益の配分もというようなことだと思いますけれども、実際にはそういうことでやっておりますが、現実には、私どもが耳にする話としましては、外国の企業、特にアメリカの企業は、まだなれないというようなこともありまして、一つは単独ではなかなかとれないということもございましょうが、ジョイントベンチャーという形で入って、それで日本のいろんな制度、ならわしになれながらやっていきたいというようなことで比較的危険負担の方を避けながら入りたいという要望があって、アメリカの企業を育てたいあるいは参入を容易にしてあげたいという配慮のもとにそこを配慮している、そういう実績があるように聞いております。
○石井一二君 伴局長から正直な御答弁が出ましたが、損をした場合は負担を持たないということを事前に書面で提出している企業があるというように私は聞いておるんです。私はこれ極めて不公平だと思うんですが、伴局長、もう一遍御所見を聞いておきたいと思います。
○政府委員(伴襄君) 書面で出しているということは私ども一承知しておりませんが、いろいろ実態を聞きますと、やはり仕事になれるのに、例えば人を出すかあるいは資材を出すかいろんなやり方があると思いますけれども、通常はどうも、今後、日本の仕事をとるのになれるという意味でアメリカの企業が人を派遣してくるといったようなことで、それでもって仕事を共同してやっているといったような実態がございまして、書面まではどうかと思いますけれども、実際にはそういう形で相手になった日本のジョイントベンチャーが協力しているということはあるように承知しております。
○石井一二君 工事発注ということになりますと、常に出てくるのが談合という言葉でございますが、これに絡んで米国の独禁法の域外適用の拡大ということが一つの大きな論議を呼んでおるように思います。これは国際的にもOECD等でも論議をされておるところでございますが、外務省にちょっとその適用範囲について所見を伺いたいと思います。
○説明員(佐々江賢一郎君) ただいま先生がおっしゃられましたとおり、最近、アメリカ側におきましてはいわゆるアンタイドラストの域外適用の動きを強化する方向にあります。具体的にはアメリカの司法省が米国企業の輸出を制限するような外国での反競争的な行為に対しまして、アメリカのアンタイドラスト法の適用について、今まではこの法の適用を自制しておったわけでございますが、この方針の見直しを今行っております。また、そのことは新聞等でも報じられているということであります。 これに対しまして、我が国としましては、アメリカの司法省がこのいろいろ報じられているとおりに今の方針を変更いたしましてアメリカの企業の輸出を制限する外国での反競争的な行為に対してもアメリカの法律を適用するということになれば、これは国際法上許されない米国内法の域外適用であるということであるというふうに考えております。これについては、我が方としましては、実は重大な懸念の意をアメリカ側に表明するとともに善処方を申し入れております。また同時に、OECDに競争政策委員会という場がありますけれども、その場においてもこの問題を多国間の場で討議すべきであるということを問題提起しております。 いずれにしましても、先生がおっしゃいましたとおり、各国の独禁政策というのはそれぞれ体系が違うところがありますので、それぞれが調和のとれた形にするということが大きな国際的な課題であるというふうに考えております。この点については多国間での話し合いを進めていくことが重要であるというふうに考えております。
○石井一二君 これはまだまだ論じたい問題ですが、ちょっと先に急いで、国土庁に一点お伺いいたしたいと思います。 地価が下がったことは非常に喜ばしいことであろうと思いますが、それはさておき、市街化調整区域内における農地の宅地化の問題、この宅地になりそうな農地と生産緑地の指定を受けた農地はどれぐらいの比率になりつつあると推測されておるか、現状について御所見をお伺いしたいと思います。
○政府委員(市川一朗君) 私の方からお答えさせていただきます。 ただいま御指摘ございました市街化区域内の農地につきましては、先般、御案内のとおり税制と生産緑地制度が改正されまして、三大都市圏の特定市の市街化区域内農地につきましては都市計画で宅地化する農地と保全する農地の明確な区分を行うということになりました。その区分は税制との関連がございまして、平成四年、本年の十二月三十一日までに完了する必要がございます。 現在、関係地方公共団体におきましてその農地所有者の方々の意向の把握をしてございますので、まだ三月過ぎぐらいまでかかるようでございますので正確なところは不明でございますが、現在までの申し込み状況から判断いたしますと、農地の大体三分の一が生産緑地の指定をすることになり残りは宅地化の方向に向かってくる、こういうふうに見ております。
○石井一二君 それだけ宅地が出てくると土地が安くなり家が建つということを想像しがちでございますが、家が建つと、子供も少ないとはいえおるだろうし、子供がおると義務教育の学校を建てにゃいかぬ、バスを通さにゃいかぬ。いわゆるソーシャルインフラの問題が出てまいります。こういった面で、建設省としてもいろいろ決意を持って臨まないと本来の目的を達成できない、私はそう思うわけでございますが、宅地化に必要なインフラ整備について大臣の所見をお伺いしたいと思います。建設大臣の御所見、いかがでしょうか。
○国務大臣(山崎拓君) 先ほど来、大都市地域における住宅建設の問題につきまして各委員からもいろいろと御指摘があり、ただいま石井委員からその御質問をいただいたところでございますが、その中で、市街化区域内の農地の宅地化の問題は非常に重要なテーマであると考えているのでございます。この施策が円滑に推進されてまいりますとかなり宅地供給が期待できるのでございますが、その際、石井委員が御指摘のようなインフラ整備が十分に整わないことによりましてかえって新しい困難が生ずることがないように、十分な計画をもちましてこれに一取り組んでまいりたいと考えております。
○石井一二君 ありがとうございました。一応時間ですから、これで終わります。
○石渡清元君 私は、建設産業あるいは建設事業を経済の面と環境の面から諸点についてお伺いをいたします。 特に経済の面でございますけれども、我が国の経済の過熱が冷めまして、冷めたというよりも最近は冷え始めているんじゃないかという報道もございますけれども、そういう中で何とか景気回復をしなければいけない。今までの各委員の質疑の中にも、政府のいろいろ経済関係の発表以上に事態は深刻なんじゃないか、景気回復は容易じゃないぞというような気持ちというのが感じ取れまして、私自身も同感であったわけでございます。そういう中で生活大国の実現のためには何をしなければいけないかといいますと、技術研究開発投資、設備投資、あるいは公共投資、この三つしかないわけでございまして、その中で建設省を含めましての建設産業の役割、使命というのは非常に大きく期待をされているんじゃないかと思っております。 したがって、先ほどの答弁の中にも経済の波及効果なんというお話がございましたけれども、それ以上に、私は経済成長にドライブをかける一つの大きな要因を持っている大事な建設省ではないかと思っておるわけでございまして、我が国のGNPのちょうど二割が建設投資でありますし、また全就業者の一割が建設関連の労働人口にもつながっておりますので、そういう面で、私は、今まで最近十年の建設投資の推移、あるいは建設業者の数とか労働者の動きはいかがか、そしてこれからの建設の総需要の予測等々をお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(伴襄君) 建設業の隆盛につきまして先生から御指摘いただきましたが、一方、その建設投資につきましても御指摘のとおりでございまして、十年前の昭和五十六年度は約五十兆円でございましたけれども、平成二年度、昨年度にはその一・六倍の八十二兆ということになっておりまして、平成三年度はまだ締めていないわけでございますが、八十三兆円台を上回るのではないかというようなことでございまして、十年前に比べますと一・六倍、まさに国民総生産の約二割に相当する規模に成長しております。 それから建設業者の数でございますが、十年前と比べますと、十年前には四十九万六千業者でございましたが、現在はそれを約四%上回りました五十一万五千事業者になっております。それから建設労働者、就業者数も、十年前、昭和五十六年は五百四十四万人でございましたが、現在、平成三年には一一%増の六百四万人ということで、全産業就業者数の約一割ということでございます。 平成三年度の建設投資は先ほど申し上げましたように八十三兆円台でございますけれども、平成四年度の建設投資は、民間の建設投資に若干陰りが出ておりまして、そう大きく伸びないんじゃないかというふうな気がいたしますけれども、しかしながら、平成三年度からスタートいたしました公共投資基本計画の着実な実施の裏づけがあれば平成三年度の八十三兆円台を若干上回る程度になるんじゃないかというふうに予想しておるところでございます。
○石渡清元君 経済が順調に発展をし、そのように推移することを望んでおるわけでありますけれども、なかんずくその中でも建設労働力の確保、労働需給についてお伺いを申し上げます。 今、厚生省の人口統計によりますと、十五歳から六十四歳のいわゆる生産年齢人口、これが三年後の平成七年にピークを迎えまして、平成八年以降はどんどん数が減ってくるわけでございます。八千七百万からずっと減り始めます。人口が減るのと同時に、現在の建設業自体かなり労働力、労働者が高齢化しておりますので、その辺のところでいかに若年労働者を確保していかなければいけないか、その方策についてどのように考えていらっしゃるのか。特に建設業は、それ自体宿命的な業界かと思いますけれども、非常に生産性が伸びにくい業でもありますので、その労働力対策についてお答えをいただきたいと思います。
○政府委員(伴襄君) 先生御指摘のとおり、若年労働者をいかに確保するかということが建設業の大きな問題でございます。建設業界にいかに意欲のある若手の労働者を確保するかというためには雇用労働条件の改善ということが非常に大事じゃないかと思っております。この雇用労働条件の中でも、賃金とかあるいは勤務環境ということも大事でございますが、最近若者が特に自由時間を確保するということを非常に重視しておりますので、労働時間の短縮を図ることが極めて重要がなというふうに思っておるわけでございます。 そこで、建設業界の方でも、人手不足というようなことも背景にございますけれども、賃金の改善というようなことを進めておりますが、同時に週休二日制の導入といったようなことの認識も広がっておりまして、時短だとか、あるいはそれを契機とした月給制の導入といったようなことの動きが拡大していると思っております。 それから、建設省の方でも、何とか新規学卒者が建設業界に入っていただくために、特に教育関係者の理解を深めたい、あるいは父兄の理解を深めたいといったようなこともございまして、若年建設従事者入職促進協議会というのを各県につくっておりまして、そこで建設業界、教育関係者、行政代表が集まりまして、種々の入職促進活動をやっているところでございます。 それから、本来ですと法定の週の労働時間が来年の四月から四週六休制に建設業界の場合はなるわけでございますけれども、これを一年前倒しいたしまして、ことしの四月から四週六休制を導入したいというふうに思っておりまして、これについても積極的な支援策を講じていきたいというふうに思っておるわけでございます。 そんなことをやってきたこともあってかと思いますけれども、おかげさまで建設業への入職率につきましては、昭和六十一年に三・五%というふうに非常に低かったわけでございますが、それを境に上昇に転じておりまして、例えば平成三年でございますと約五・二%、百人のうち五・二人は建設業界に入ってくるといったような状況に改善しつつあります。 現在、中央建設業審議会におきましても一般的な雇用労働条件の改善を初めといたしました建設業の人材確保策につきまして広く議論していただいておりますので、今後とも種々の雇用労働条件の改善施策を講じまして、何とか若者に魅力のある職場づくりということを一生懸命心がけたいというふうに思っております。
○石渡清元君 確保策としてそういうふうに時短とか、週休二日制をとっていくんだということなんですけれども、時間短縮の場合は千八百時間、これは結構なんですけれども、それじゃ今の建設の契約関係の工期だとか、そういう面、あるいは労働の単価等々の面、そっちも直さなきゃいけないんですが、その辺のところはどうなのか。特に時短となると絶対的な労働力あるいは労働人口が減っていくのに、時短をやって建設産業の生産性は上がるのかどうか。それが非常に逆なマイナス要因に働いていくような、単純に考えてもそうなると思うんですけれども、その辺のところがどうかということでございます。
○政府委員(伴襄君) 一定の収入を確保しながらしかも時短するというところでは、一番ポイントは御指摘のとおりいかに労働生産性を上げていくかということかと思います。 これにつきましても、機械化、ロボット化あるいはプレハブ化等いろいろの生産性アップのための努力は続けてきておるわけでございますが、あるいは業界挙げてのいろんな方面の御支援のおかげかと思いますけれども、実質的な労働生産性がおかげさまで上がっておりまして、昭和五十年代の後半のころは、それほど労働生産性が上がらないところか、かえって下がった時期がございましたけれども、昭和六十年から以降平成二年の間では大体年平均五%近くの率で労働生産性も上がっているわけで二ざいます。まだまだこれを続けることによってそういう労働生産性の向上につきまして努力していきたいというふうに思っておるわけでございます。 それから御指摘の、収入を確保しながら時短をやっていくという場合には、当然のことながら発注者側の理解が必要なわけでございまして、一つには工期の問題がございますので、工期もできる限りそういう週休二日あるいは時短を前提としたゆとりのある工期を持ってもらうというようなことですとか、それから収入につきましても、そういうことを配慮した労務単価で設計していただくといったようなことが必要かと思いますので、そういったことは、建設省の場合は発注者の立場も兼ねておりますので、一緒になってその方向に向けて、例えばゆとりある工期をとるとかあるいは労務単価を改善したりするとかいったようなことをやっておるところでございます。
○石渡清元君 生産性が徐々に上がってきているというお話でありますけれども、それでは生産性を上げる一番の要因は何か。具体的に言えば経済局の建設機械課がやっているいろいろ建設工事施工技術の検定、一級、二級、いろんな種類がありますが、そういったものがどのぐらい生産性のアップのために寄与しているか、そういうことも含めて御説明を願います。
○政府委員(伴襄君) 実は生産性のアップ率の中でどういうものが寄与しているかというのは分析したものがちょっと手元にございませんので、申しわけありませんが、やはり機械化、プレハブ化のウエートはかなり高いものと思っております。それから同時に、各種の合理化を通じまして生産性を上げているというところでございまして、ちょっと手元にその寄与度というのか、その内訳がございませんので、申しわけございません。
○石渡清元君 わかりました。 今までの答弁はよくわかるわけでありますけれども、しかし、労働力不足というのはなかなかそう簡単には解消しないんじゃないか。それで、勢いどうしても外国人労働に頼っている傾向が非常に強いわけでございます。建設労働力の不足卒が三%台になってきたのが昭和六十二、三年からで平成二年までずっと三・何%になっておりますけれども、その建設労働力の不足卒と呼応するように建設作業員の不法外国人の摘発の数が急に上がってきている。これは捕まった人だけです。現在働いている数ではありません。建設労働力の不足率と摘発された不法就労外国人の建設作業員の数とが呼応しておりますので、その辺、外国人建設労働者についてどのようなお考えを持っているか。
○政府委員(伴襄君) 確かに外国人労働者で特に不法就労しておられる方、それは摘発で初めてわかるわけでございますが、その中で建設作業員に従事しておられる方が四割ぐらいいる、それは製造業に次いで多いというふうに聞いておるわけでございます。 したがいまして、潜在的に、こういう建設作業につきたいという、あるいはついておられる不法就労者がいることは確かだと思っておりますが、しかしながら、この外国人労働者の問題につきましては従来から閣議了解が三度ほど繰り返されておりまして、いわゆる単純労働者、技能のない方で日本人でもやれるような技能を持っている程度の方ということになるんでしょうけれども、そういった単純労働者は原則的に受け入れないというのを立ててやっております。これは建設業界だけでなくて、そもそもこういう外国人労働者を受け入れていいかどうかというような問題は、いろんな国内雇用への影響だとか、国民生活への影響とか、国民意識とか、そういうことを万般考えて将来に禍根を残さないようにやるという慎重な対応が必要かと思っております。 それは全般的な話でございますが、特に建設業に関して申し上げますと、現在いろいろ国内労働者に向けまして雇用労働条件の改善に取り組んでいるわけでございまして、それも着々と賃金が上がるとか、時間が短くなるとか、労働時間が短くなるとか、あるいは勤務条件がよくなるとかというようなことで成果の兆しが見えていると思っておりますけれども、そういった段階で外国人の単純労働者を安易に受け入れますと、当然のことながら低賃金、長時間労働といったような低労働条件の方に引っ張られる、低労働条件で固定化するといったようなことになりますので、せっかく官民挙げて歯を食いしばってやっております建設業の構造改善を阻害するおそれが大きいというふうに考えておるわけでございます。 加えて、特に建設業の場合は単品の受注生産でございまして、建設現場が転々と動くというようなこともございますし、それから大半が経営基盤が脆弱な中小企業というようなこともあって、雇用形態が不安定だというようなこと、しかも建設工事の需要も季節的に変動があるといったようなことで、外国人の方を継続的にある管理のもとに雇用するということが極めて難しい、外国人労働者を適切に掌握、保護することが困難な面が多いんじゃないかというふうに思っておるわけでございます。そういった建設業固有の問題もございますので、今後ともいわゆる単純労働者の入国は認めないという従来の政府の方針を堅持すべきではないかなというふうに考えております。 ただ、現在、外国人の方を研修生という形で受け入れる道がございますが、これは国際的な人づくりでございますので、国際社会に貢献あるいは技術の移転というような観点からもこの方面の拡大は積極的にやっていきたいというふうに考えております。
○石渡清元君 それはよくわかるんです。政府も単純労働者、外国人労働は受け入れない、技能研修だということを言っておりますけれども、しかし、今までのデータから見て、建設労働力がショートすることはまず間違いないし、また実態もかなりもう頼っている部分も一部あるわけでありますので、外国人技能研修生を受け入れるにしでも、建設省はどのような取り組みをするのか、労働省だけでなくて専門は専門の方でかなり前向きにやっていかないと、後で安全性、事故についてもお伺いをいたしますけれども、人が足りないからそのような方向になってしまうんじゃないかと思います。 したがって、不法就労者じゃなくて正規の外国人労働の受け入れについてはどのような取り組みをされるのか。これからどんどん減っていくんですから、もう頼らざるを得ないと思います。ちょっとお聞かせください。
○政府委員(伴襄君) 建設作業員の不足率が先ほど出ましたけれども、おかげさまでと言ったらあれですが、一時に比べますとかなり建設作業員の不足率は低下してきている状況にございますけれども、一方、外国人の方の研修生としての受け入れにつきましては、現在、一つは財団法人の建設産業教育センターというものを設けまして、それでもってかなり大々的に外国人の研修生の方を受け入れて各企業でもって実習をやっていただこうというようなことを考えておりまして、今年度の場合は二百人ぐらいでございましたけれども、既に現時点で来年度につきましては五百人ぐらいの申し入れが来ております。これを各支部に出先を設けながら拡大していきたいというふうに考えております。 それから各建設業団体、特に地方の全県クラスの団体でございますが、そういったところ、あるいは商工会議所等でも研修生を受け入れていきたいというふうに言っておりますので、そういったところにも統一テキストあるいは統一した講師陣等を派遣してやっていくといったようなことも含めて考えていきたいと思っておるところでございます。
○石渡清元君 不足率が改善されてきたと申しましても、先ほど申し上げましたとおりに、私はさっき六十二年と言ったが、六十三年から労働者不足率が三%台、六十三年が三%、平成元年が三・四%、平成二年が四・二%、平成三年が三%ですから、平成二年よりは平成三年の方が不足率が少し減ってきましたけれども、今言われた受け入れの数の限りでは五百人とか千人とか、就業者数が平成三年で約六百万ですから、その程度の研修じゃ焼け石に水というか、労働需給のための貢献、寄与にはつながらないと思うんですが、その辺はどうでしょうか。
○政府委員(伴襄君) 不足している分を全部外国人の研修生、特に外国人の研修生の場合はこれは就労というわけじゃございませんので、労働力としてやるわけではございませんので、そういう研修という形でもって外国人の方を受け入れたいということでございますが、技能労働者の不足の解消につきましては、先生から御指摘のとおりの、生産性の向上というようなこと、なるべく人手を使わないで建設工事を行うといったようなことで対応するしかないかなというふうに思っております。基本的にはそれが一番大事なことかなと思っております。
○石渡清元君 もうこれ以上はあれしませんけれども、意外と深刻な労働不足になりますので、これはかなり本腰を入れた特別な構えをしていきませんと、そう簡単に外国人を連れてくればできるという問題ではない。言葉の問題もありますし、やり方もありますし、そういうふうにはいかないと思うんです。 それで、人手が少なくなると今度は事故につながる、こういうことでありますけれども、最近の事故で、広島の新交通システムの事故とか松戸の放水路工事の事故とか、あるいはこの前の神奈川県の綾瀬の厚木基地の体育館の屋根が落っこった事故、特異な例としてあれはどういう原因なんでしょうか。
○政府委員(市川一朗君) 広島の新交通システムにつきましてお答え申し上げます。 あの事故は、新交通システムの橋げたを橋脚に取りつけるためにジャッキを使用いたしましてけたを降下する作業をしているときに発生したものでございます。広島市が設置しました事故対策技術委員会の報告が出ておりますが、それによりますと、けたの降下作業には複数のジャッキが使われておりますが、一つは置いた位置が悪かったジャッキがある、それからもう一つは支持台の組み方が悪かったジャッキがありまして、それぞれ別々でございますが、それが事故の原因であると考えられております。端的に申し上げまして、したがいまして、この事故の原因は施工上のミスが主因であるというふうに理解しております。
○政府委員(近藤徹君) 松戸の放水路工事の事故の件でございますが、この工事は、国分川から松戸市の治水の安全のために江戸川へ放水路を建設するべく、全長三千三百六十二メーター、トンネルとしては二千五百五十メーターのトンネルを掘削している段階でございまして、ちょうど呑口部というトンネルの上流側から千六百メーターまで掘進している段階で、昨年の台風十八号の集中豪雨により、九月十九日でございましたが、呑口部に設けられておりました流入防止工が破壊され、ちょうどトンネル内で作業中の十一名の方がおったわけでございますが、四名の方は脱出いたしましたが、七名の方が逃げおくれて閉じ込められ、結果、残念ながら亡くなられたわけでございまして、所管事業の中でこのような事故が起こったことは私ども大変つらいことでございまして、亡くなった方には心から哀悼の意を表したいと思います。 それで、この事故の原因でございますが、早速に千葉工業大学教授の高橋彌教授外学識経験者によりまして国分川分水路事故技術調査委員会を設けて、現地調査を含めて現在調査の段階でございます。現在のところ、事故当時の水文関係資料及び現地調査、模型実験等によって検討がなされている段階でございまして、一日も早くこの結果が解明されることを期待しておるところでございます。 私どもとしては、この事故を重く見まして、早速に再発防止のため全国の直轄事業、補助事業に関係します地方建設局、都道府県に対しまして、特に工事中の仮設締め切り工について点検し、安全を期するよう指導しておるところでございます。
○政府委員(立石真君) 神奈川県大和市の海上自衛隊厚木航空基地内の事故についてでございますが、横浜防衛施設局が発注した一階をプール、二回を体育館とする建築物の建築工事を行っていた過程での事故でございまして、二階床のコンクリートの三分の一を打設した段階で、はりの型枠を支持しておりました支保工が崩壊し、床面の三分の二が落下しております。このために、二階で作業をしていた作業員約二十名がコンクリートとともに落下、床下で作業をしていた現場代理人を含む約十名が巻き込まれた事故でございます。 この事故の原因につきましては、現在、警察及び労働省において調査を実施しているところでございますが、まだ詳細は明らかになっておらない段階でございます。
○石渡清元君 事故の状況とかそういうのは新聞とかあるいは報告を聞いてわかっていますので、建設サイドでこういう事故を起こさないようにするには何をしたらいいかという、そういう答弁を私はお伺いしたかったわけでありますけれども、時間がありませんので次に進みます。 建設業の健全な発展のためにいろいろ構造改善事業等々が行われておりますけれども、それだけ建設産業、建設事業、あるいは建設省が期待をされておりますので、ぜひひとつその方向へ向けた大臣の御所見をお伺いいたします。
○国務大臣(山崎拓君) 建設工事の安全対策についてどうかという御質問だと受けとめておりますが、建設省ではかねてから建設工事における事故防止のために各種の要綱、指針を定め、建設工事の安全確保に努めるとともに、機会あるごとに関係者に徹底してきたところでございます。さらに、安全対策を推進するために建設事務次官を委員長といたします建設工事安全対策委員会を設置いたしまして、全省的に検討を行い、ことしの一月に建設省の工事安全対策を取りまとめたところでございます。今後はこれに基づきまして建設工事の安全対策をさらに強力に推進してまいる所存でございます。
○石渡清元君 環境の方をお伺いいたしますけれども、国際自然保護連合の警告によりますと、このままでいくと二十一世紀になったときに地球上の生物種の四分の一ぐらいが絶滅に瀕するだろうということを言っておるわけでございまして、日本の野生植物の一七%がやはり同じような状態になるだろう、こういうことで、先ほどの琵琶湖総合開発特別措置法の議論でもありましたけれども、非常に環境についての議論が高まっておるわけであります。 そういう中で、日本は六八%が森林の森林国で、そのほかにいろんな環境のための地域規制がかかっている。自然環境保全法ですと原生自然環境保全地域だとかあるいは自然環境保全地域、そのほかにまた都道府県も同じような保全地域を指定しておる場合がある。あるいは自然公園法の国立公園だ、あるいは国定公園だ、その中での特別地域はもう全然手も足も出ない。そのほかに、文化財保護法でも天然保護区域だとか、森林法で流域保護区だとか、鳥獣保護区では特殊鳥類を確保しろとか、いろんなことがある。さらに、この六月のUNCEDで採択が予想されております生物学的多様性保全条約への国内的な対応がだんだん近づいてまいります。 そうすると、一方では建設計画のもとに事業も展開しなければいけない、片方では手がつかない、こういったようなパターンにぶつかる傾向があるんじゃないかと思いますけれども、そういったような建設事業と環境問題の取り組みについて大臣の御所見をお願いいたします。
○国務大臣(山崎拓君) ただいま石渡委員が六月のUNCEDについてちょっとお触れになったわけでございますが、このUNCEDは、その表題にもあらわれておりますように、環境と開発に関する国連会議となっておるところでございます。 私ども建設行政を推進してまいります上でどうしても開発は伴うところでございますが、しかし、環境問題が極めて重視されなければならない新しい時代に入っているという認識は建設省といたしましても当然強く持っているところでございまして、環境問題に十分留意しながら開発を進めていくという方向でございます。 私はいつも思うのでございますが、例えば河川の問題でございますけれども、河川は治水のためにもやりますし、また利水のためにもやるわけでございまして、それはまさに人類の歴史は今日まで、自然とのかかわり合いの中で自然の脅威に対しまして人間の生活あるいは生命を守るということに大変腐心してまいりました。そのために、先ほど六八%が森林だとおっしゃったのでございますが、それはとりもなおさず日本が大変な河川国であるということも意味しておるわけでございまして、そういう自然の脅威からみずからを守るために治水もやってきたし、それと同時に、人間社会が発展していく上におきまして生活面でも産業面でも水は必要だということで利水面にも注意を払ってきた。 同時に、そのことが河川の工事をやっていく際に環境を破壊するのではないかというような御指摘もありますので、そこで、環境アセスメントを十分やりながら、例えば急遽の確保とかそういう点でも自然を守ることに十分留意をしながら工事を進める。さらに、それだけではなくて、新しい環境をつくっていく。そこには、例えば堤防が設けられると堤防の上に新しい花園ができる、そういう新しい環境をつくるというようなことにも留意しながら、私ども今後、環境問題を十分重視しながら国民生活の向上、あるいは住宅、社会資本の整備のために建設行政を推進してまいりたいと考えているところでございます。
○石渡清元君 建設省では地球規模の大規模プロジェクトのグローバル・スーパー・プロジェクトに関して調査を行っているということを聞いて走りますけれども、その内答がどういう内容で地球環境保全の観点からどのような意義と影響を持つか、お聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(伴襄君) グローバル・スーパー・プロジェクトと申しますのは、第二パナマ運河等に代表されます地球的な規模のプロジェクトを国際共助の枠組みの中で推進しようということで、ひいては世界の平和と発展に貢献するだろうということでやっているものでございます。 建設省では、昭和六十三年度にグローバル・スーパー・プロジェクトの支援調査というのを開始いたしまして、以後検討を行っておりますが、平成二年にはグローバル・インフラストラクチャー研究財団というのを日本で設けました。平成三年にはアメリカ、ヨーロッパでも同様の財団が設立されておりまして、各方面でこのグローバル・スーパー・プロジェクトの推進の動きが強まっているわけでございます。 このグローバル・スーパー・プロジェクトは、その実施自体が環境の改善というのにつながるものでございます。例えば砂漠地域の環境改善といったようなものもこのプロジェクトの中に入っておりまして、こういうことを通じてよりよい地球環境の創造を目指していくといったものもございます。 それから、他方、大規模なプロジェクトを実施するに際しては、副次的あるいは局所的に環境面に場合によってはマイナスの効果が発生するというものもないではないわけでございますので、こういうことにつきましてはできる限り最小にする必要がございます。これは、建設省でもいろいろ国内事業でそういうノウハウがございますので、そういったものをここに生かしたいと思っておりますし、あわせて現在建設省でも巨大プロジェクト新技術開発調査というのを行っておりますが、この中で特に環境面についていろいろ検討を行っておりまして、このグローバル・スーパー・プロジェクトの実施に当たってそういった研究成果を生かしていきたいというふうに考えておるところでございます。
○石渡清元君 環境とODA関係案件はいろんな角度からかなり期待をされている問題でありますので、十分ひとつ効果が上がるように取り組んでいただきたいと思います。 それから、この前の予算委員会の審議を通じましてもいろいろな参考人等々の意見陳述があるんですけれども、河川関係について私どもの認識と随分違うような御意見を述べられていたケースがありました。参考人と質問者の間のやりとりですからなかなか発言の機会はないかと思いますけれども、しかし、事実関係として違う事実関係はちゃんとはっきりその委員会でしておきませんと、やはり参考人を政策目標のために呼んでいろいろな議論が交わされるわけでありまして、それが会議録でどんどん残っていきますので、誤解をされやしないかなということでこの前の予算委員会も聞いておったんですけれども、その辺の姿勢をぴしっとひとつお願いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(近藤徹君) 先日の予算委員会で長良川河口ぜきに関連いたしまして参考人の方が御発言いただいたわけでございますが、発言された方は、長良川河口ぜきではなくて農林水産省所管の中海淡水化事業に関連したことを御発言になって、したがって長良川河口ぜきも同様ではないかという御趣旨の御発言をされたと私は承っております。事業はそれぞれの目的があってやっているわけでございますが、あの御発言の中では、時間が長くかかったんだから時代にそぐわなくなったので中断すべきではないかという趣旨の御発言だったと思います。 農林省所管の事業については私の立場からコメントすることは差し控えさせていただきますが、長良川河口ぜきの問題についてはたびたび私ども申し述べておりますように、この地域には六十七万人の方がゼロメーター地帯の水害の危険の中で暮らしておるという状況にあり、かつ伊勢湾台風以降も昭和五十一年にも安八地域において破堤する等大変危険な経験をし、一日も早い河口ぜきの竣工に合わせた大規模しゅんせつによる治水の安全を期待しておるわけでございますので、その辺につきましては十分地域の皆さんには御説明しておりますし、現にまた岐阜市を初めとして自治会単位でも御説明をして御理解を願うように努力しているところでございます。
○石渡清元君 時間がかなり長い年月を要する事業というのはいっぱい国内にもあると思うんですけれども、やはり大事な事業あるいは省を挙げての事業というのはからっとやっていただくように、またそういうコンセンサスを得る努力もしていただいて、頑張っていただきたいと思います。 ちょうど四十五分でございますので、これで質問を終わります。
○中川嘉美君 まず、宮澤総理は過日の施政方針演説において、内政の重要課題として生活大国への前進を掲げ、総理自身が描く生活大国について五つの具体的な内容を示されたわけであります。そして、その第一番目に挙げているのが住宅や生活関連を中心とする社会資本の整備ということであります。まさに建設省の使命、責務は重大ということであります。 建設大臣も先般の所信表明において同じく生活大国への前進、これを強調されまして、この責務を真正面から受けとめ、国土の均衡ある発展の確保に向けた新たな施策の展開、豊かな住生活を営めるような住宅の確保、適正な土地利用の実現等を特に重要な課題としてとらえ、その達成に全力を挙げて取り組んでいく、このように強調しておられるわけです。 そこで、建設大臣が特に重要課題と位置づけられた幾つかの点についてきょうはちょっと伺ってみたいと思います。 まず、地方の活性化について伺いますが、東京一極集中の流れを是正して地方の活性化を図るということが喫緊の課題であるということは私も同感でございます。それには地方定住の核となるような拠点都市を育成していくことが必要である、それを実現するためには地方の発展の根幹をなすいわゆる高規格幹線道路網を整備することが特に重要であります。建設省ではこの地域活性化対策の新たな施策の一つとして地域高規格幹線道路の整備というものを推進することとしておられますけれども、これは一万四千キロの高規格幹線道路とは別の幹線道路のようであります。 地域高規格幹線道路の概要、それから位置づけ、さらには整備目標等についてどのように考えておられるのか、この際お答えをいただきたいと思います。
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。 先生御指摘のように、私ども三十年から高速道路を全国的に整備してまいりました。そして、四十一年に七千六百キロ、昭和六十二年に一万四千キロというふうに計画規模をふやして、そして現在、六千キロにこの平成四年度でその供用延長もなろうとしております。 その中で、主要な都市がかなり結ばれてまいりましたが、必ずしもその地域が大きな交流圏あるいは生活集積圏として発達してないというような現実に直面をいたしております。したがって私ども、何か道路計画の中で不足しているものがあるんじゃないだろうか、こういうことを反省いたしまして、その延長上にやはり地域における一つのネットワーク社会を構築するためには地域を中心とした質の高い幹線道路網というものをその地域の実情に応じた形でつくることが必要ではないだろうか、これが物の考え方の出発点でございます。そうして生まれたのがこの地域高規格幹線道路というものでございます。 しかし、現実には、我が国においてもまだ高規格幹線道路が不備のところもあります。一応一時間という利用圏域に全国の各都市、市町村、農村を網羅いたしましたけれども、山陰地方であるとか、まだございます。したがって、そういうものについてこれを補う議論は当然出てまいると思いますが、そういうものだけではなくて、やはり地域を中心としてつくって、そしてその地域が三十分圏、一時間圏というようなふうにつくっていく、そういうものになるような性格の路線をこの平成四年度に調査検討いたしまして、新しい五カ年計画を来年度からつくる際にこれを具体化するための指定を行い、つくらせていただきたいと思っております。 地方拠点都市構想に対しては、私ども、こういう施策を大いに活用して地方拠点都市が一層発達していくようになれば幸せだと思っております。
○中川嘉美君 建設大臣は、地方活性化のためには道路整備の推進が特に重要であるということを強調しておられますけれども、平成四年度に最終年度を迎える第十次道路整備五カ年計画の進捗率を見ますと九九・八%、いわゆる調整費を含めた総事業費の進捗率では九七・三%、こういうふうになっています。六十三年度以降この公共事業費が拡大基調にあるわけで、平成二年度に終了した下水道とかあるいは都市公園、今年度終了する治山治水などの五カ年計画、これらはいずれも一〇〇%を超える達成率になっているんですが、道路整備計画が一〇〇%達成できなかったのはなぜなのか、この理由を伺いたいと思います。
○政府委員(藤井治芳君) 私どもの五カ年間はいわゆるシーリーングが引かれた五カ年計画でございまして、その中で当初の計画では一般道路事業と有料道路事業、地方単独事業、こういうものを組み合わせた計画を立てております。そのとおりにいけばいいわけでございますが、やはり我が国の財政事情等を勘案いたしまして、その中で許される道路の種別の選択をいたしてまいりました。その結果がいい悪いではなくて、その結果として地方単独事業が一一一%台の進捗率になり、有料道路事業は一〇〇%強となったわけでございます。 これをちなみに昭和四十七年の時代で言いますと、当時は一般道路事業が約五〇%ぐらいのシェアを占めておりました。それから有料道路事業が約二十数%でございました。現在は、平成四年度でございますが、一般道路事業が四一%のシェアということでございますので、私ども有効に国費を活用しながらこういう事業を執行してまいりました。その中で施策的に重点箇所を十分考えながらやってまいりましたが、今後の新しい五カ年に向けて、この五カ年計画で足らざるもの、反省すべきものをベースに一層充実を図らしていただきたいと思っております。
○中川嘉美君 いずれにしても道路整備の重要性ということをひとつ尊重されて御努力をいただきたい、こう思います。 次に、地方拠点都市の整備についてですが、今国会に地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案が提出されておりますので、詳しくは法案審議の段階で伺うとして、一点だけ関連して国土庁長官に例えればと思います。 昭和六十年ごろから始まった今回の地価高騰は、東京都心部における事務所床需要の急激な増大に端を発しまして、それが次第に周辺地域へ、そして地方の主要都市へと波及していったわけです。しかし、最近になって、本日の地価公示で公示価格が発表になったとおり、ようやく鎮静化に向かって大都市圏を中心に下落傾向が強まりつつある、地方圏についても鈍化または下落している地域が拡大しつつある、こんなようなわけでございます。 ところが、せっかく鎮静化に向かっている地価が、今度は地方拠点都市の重点整備地区の地価が引き金になって再び全国的な地価高騰を招来するんじゃないだろうか、こう心配するわけですけれども、地方拠点都市の整備に当たっては監視区域制度の活用、場合によっては規制区域の発動、これらの地価対策を今のうちから講じておくことが重要ではないだろうか、こんなように思います。これらの点に関する長官の御見解を承っておきたいと思います。
○国務大臣(東家嘉幸君) 平成四年度地価公示によりますと、大都市圏における地価は顕著な下落を示すとともに、地方圏においても地価の上昇の鎮静化または下落が見られる地域が拡大しております。しかしながら、大都市圏の地価はピーク時に比べますればまだ相当の高い水準にあるわけでございます。なおまた、一極集中を是正して地方に活力をというようなことで今までいろんな施策、法律に基づく事業が推進されたわけでございますけれども、やはり何としましても地方の活性化には欠かせないということで、地方拠点地域整備をしようということで、法案を建設省が中心になって提出されたわけでございます。もちろん、六省庁でともに協調しながらこの問題を活力あるものに結びっけるということでございます。 一応四月の中旬ごろから審議をいただくそうでございますが、あくまでも、そうした地方の活性化のために、一極集中的なことでの地価高騰がまた地方でもたらされるというようなことのないように、いろんな今後の政策の中にも枠をはめて、そして地方が活性化の中で生活大国としての活力をこれからより生み出すことが必要だと思っております。
○中川嘉美君 次に行きますが、国土庁は本日付の官報で平成四年の地価公示価格を発表したわけですが、先ほどからいろいろ御論議がありましたので重複はもう避けまして、これに関連して、現、在、国土庁の行っている地価公示のあり方、これについてちょっと一言だけ申し述べたいと思います。 今のように土地取引が冷え切って売買件数が極端に少なくなっている、しかも売り手と買い手の言い値が一致しない、売買が成立しないケースが余りにも多いわけです。その時期にいわゆる取引事例比較法を中心とする価格算定でもって地価を算定するということは実態を反映しないおそれがあるんではないかな、このように考えるわけです。要するに、値崩れの状態をもっと下落幅に反映させる鑑定方法、こういったものを取り入れるようなことを考えるべきではないか、こんなふうにも思うんですが、この点はいかがですか。
○政府委員(鎭西迪雄君) 地価公示におきましては、ただいま委員御指摘のように取引実勢価額というものをもちろん参考にいたしますが、そのほかに収益価額だとかあるいは造成コストというものを配慮するということになっておるわけでございます。 確かに昨今かなり土地市場の取引件数が減っておりますけれども、それでもまだ全国的には年間二百万件強という取引でございますし、昨年の暮れは税制改正等のこともございまして、かなり取引はふえております。 ただ、委員おっしゃったように、一番新しい時点におきます適正な取引事例というのを採集する、かつその取引事例の時点と一月一日時点の間におきます時点修正と申しますか、その間におきます取引市場の気配値、相場観、これは売り希望価額、買い希望価額等々によってわかるわけでございますけれども、そういうものが適切に反映される必要がございますので、私ども、当然でございますけれども、ブロック会議等々を通じまして鑑定サイドにも、そういうその後の状況の変化を適切に踏まえた時点修正というのをきちっとやりまして、あくまでも一月一日時点においてどういう価額になっているかということを的確に鑑定評価していただくようにお願いして回ったところでございます。 地価公示の性格は代表性あるいは安定性ということで、極端に上昇したり極端に下落するというような感じは、あるいはその関連業界の実感とは個々のケースについては若干異なることがあると思いますけれども、現時点におきます地価水準の見方等々については、私ども、累次のヒアリングの結果を見ましても基本的には一致した見方をしているというように承知しているところでございます。
○中川嘉美君 それでは次に住宅対策ですが、二、三伺っておきたいと思います。 今後の住宅対策の中では、いわゆる世帯向けの公共賃貸住宅の供給拡大、それから高齢者住宅対策という問題、これは特に重要だと思います。大都市地域ではここ数年来の地価高騰によって大都市の勤労者がマイホームを取得することは非常に困難になっている。このために公共賃貸住宅に対する勤労者の要望というのは非常に強くなっております。特に地域特別賃貸住宅あるいはまた借り上げ公共賃貸住宅等の供給拡大を非常に強く望んでいるわけでありますが、しかし、平成四年度の計画を見る限り、どう見てもこのことに積極的な対応をしているとは思えない。 建設大臣は所信で、公的住宅の的確な供給を図るというふうに述べておられるわけですが、供給拡大にもっと積極的にさらに取り組むべきであるという我々の正直な考えに対してどのような御所見を持っておられるか、この的確な供給というのは具体的にはどういう内容を意味するのか、この辺をもうちょっと詳しく触れていただければと思います。
○政府委員(立石真君) 住宅対策は、国民の住宅に対する多様なニーズにこたえて、持ち家取得に対しあるいは賃貸住宅需要に対してこたえていくことが基本であろうと考えているわけでございます。特に賃貸住宅についての御質問がというようにとっておるところでございますが、低所得階層向けの公営住宅の供給、あるいはまた大都市地域においての賃貸住宅需要の高まりに対応するための公的賃貸住宅の供給等は、今後重要な課題であろうと考えているところでございます。 今御指摘の地域特別賃貸住宅についてでございますが、この制度は、地方公共団体が土地を取得しあるいは借地をして住宅を建設する方式というのが従来からあったところでございますが、平成三年度からは、土地所有者が建設した良質な世帯向けの賃貸住宅を地方公共団体が借り上げて中堅勤労者に賃貸する借り上げ公共賃貸住宅の方式等が創設されたところでございます。 これまでの実績といたしましては、地域特別賃貸住宅、これは先ほど申し上げましたように前からある住宅でございますが、昭和六十一年から平成二年度までは六百十五戸、六百戸程度の実績でございましたが、平成三年度には千戸を超える実績になっております。そして借り上げ公共賃貸住宅制度、これは平成三年度に設けられた制度でございますが、初年度で三千七百四十四戸というように、始まったばかりの事業としては大変伸びた事業だろうというように考えておるところでございます。これらによりまして、地域特別賃貸住宅全体では、それまでの千戸程度の実績から平成三年度は六千三百三十六戸と大きく伸びたというように自認しているところでございます。 平成四年度におきましては、事業枠といたしまして、地域特別賃貸住宅全体で一万戸に、また借り上げ公共賃貸住宅五千戸を計画しているところでございますが、制度面におきましても、農協とか農住組合を事業主体に追加するようにするとか、あるいは借り上げ公共賃貸住宅の補助要件を緩和するとか、制度の拡充を図ってまいりたいと考えているところでございます。枠の面、制度の面での拡充をふやしていきたいと考えておりますが、さらに地方公共団体に対する指導あるいは土地所有者への情報提供等を通じまして、民間の力を活用しつつ行う公的な賃貸住宅の拡充を積極的に推進してまいりたいと思います。
○中川嘉美君 供給拡大に対してさらに積極的な取り組みといいますか、対応をひとつ要望しておきたいと思います。 我が国は今後急速に高齢化が進むわけで、二十一世紀初頭には国民の四人に一人が高齢者という超高齢化社会を迎えることは確実に見られているわけですけれども、このようにさまざまな分野でこういった高齢者対策の充実が喫緊の課題となっているわけです。中でも住宅は生活の基盤であり、高齢者が可能な限り住みなれた地域社会で健康で生きがいを持って生活できるような、そういう住宅や住環境の整備を進めていくことが重要である、このように思います。 今年度から第六期住宅建設五カ年計画がスタートしているわけですが、高齢者の住宅対策についてはどのような点に重点を置いて取り組んでいく方針なのか、この点もちょっと伺っておきたい。
○政府委員(立石真君) 高齢化社会への対応は住宅政策においても最も重要な課題の一つだと認識しておりまして、第六期の住宅建設五カ年計画におきましては四つの重点課題を置いているところでございますが、その一つに高齢化社会への対応という課題を述べているところでございまして、高齢者が可能な限り住みなれた地域社会で安心して生活できるような住宅及び住環境の整備を進めていくこととしているところでございます。 これを具体的にどう展開するかということでございますが、これまで高齢者向けの設計をする、あるいは設備を備えた公共賃貸住宅の的確な供給、さらに高齢者に対しての入居優遇措置等を図ること、第二番目に子供夫婦との同居あるいは近くに住む近居、隣に住む隣居、多様な居住形態が、ございますが、これらへの配慮をした施策の展開、さらにはハード面だけではなくて、ケアつき住宅の供給等、医療・福祉政策との連携等の推進、こういうようなものを進めてきたところでございまして、平成四年度におきましても、今後の新しい展開を含んでいくべく制度の拡充、積極的な施策の推進を行っていきたいと考えております。
○中川嘉美君 高齢者住宅対策の中では、六十二年度に創設されたシルバーハウジング・プロジェクトの推進が特に重要ではないかと思います。私も実際に現場等も視察をしまして年配の方々が非常に喜んでおられる姿を目の当たりにしたわけですけれども、平成三年度までの供給実績を見ますと、八十二団地、二千五十四戸、非常にわずかですね。四年度においても前年同様の一千戸が予定されているにすぎないわけですね。モデル的な対策の域を出ないような感じがまだ非常にいたします。私はぜひともこれを大幅に拡充して本格的に推進する必要があるんじゃないか、このように思うわけですが、建設大臣のこのことに対する御見解をちょっと伺っておきたいと思います。
○国務大臣(山崎拓君) 高齢化社会に対応いたしまして住宅政策をどう推進するか、その方向につきましては先ほど来住宅局長が申し述べたとおりでございます。 その中にありまして、中川委員御指摘のシルバーハウジング・プロジェクトでございますが、これにつきましては先生よく御案内と思いますので特に中身を詳しく申し上げませんが、厚生省と連携いたしまして昭和六十二年度より推進してまいったところでございます。毎年、事業は拡大してまいっております。先生、その数字もお挙げになったところでございますが、平成四年度におきましては千戸を計上いたしておるのでございます。これから高齢化社会はますます進んでまいりますところから、このプロジェクトにつきましても厚生省と協力いたしまして、かつ地方公共団体を指導いたしながら、積極的に推進してまいりたいと考えております。
○中川嘉美君 時間がもう余りありませんが、それではつい最近の雪国における高速道路の安全対策についてちょっと伺っておきたいと思います。 御承知のとおり、去る十七日、北海道の千歳市の道央自動車道、これは死者二名、重軽傷者七十三名、被害台数は百六十台、史上最悪の玉突き事故ですが、このほか先月二十二日の宮城県の東北自動車道では車六十七台、今月の十八日にも山梨県の中央高速で車二十四台による玉突き事故が発生しております。このところ非常に雪の高速道路での大型事故が相次いで起こっているわけであります。 事故原因としてはスピードや車間距離を守らないドライバーに第一の責任があるということは当然考えられるわけですけれども、高速道路の事故というのは、一人のドライバーの運転ミスがだあっとほかに全部つながっていく、広範囲に後続の車を巻き込んでしまう、こういう恐ろしさがあるわけです。関係者の話によれば、これらの事故はいずれも、地吹雪とかあるいは雪煙により視界が非常に悪い、視界不良によって後続のドライバーが的確な判断をすることができなかった、このようなふうにも言われているわけですが、防風とか防雪のための施設があるいは不十分であったんじゃないかというような声も事実上がっているわけです。 そこで、建設省に伺いますが、積雪寒冷地における高速道路の安全対策として何か特別な対策を講じているのか、あるいはこれから講じようとしているのか、また、今回のこれらの衝突事故についての見解をこの際伺っておきたいと思います。
○政府委員(藤井治芳君) お答えいたします。 先生御指摘の最近発生しました三つの事故につきましては、まことに私どもとして重大に受けとめております。 〔委員長退席、理事種田誠君着席〕 現在、事故の詳細な状況、原因については警察によって調査が行われておりますのでここでは差し控えさしていただきますが、最近の高速道路の事故を見ますと、まことに私ども苦い認識を持っております。それはなぜかといいますと、平成元年度に死者の数が高速道路で三百七十一人であったものが、平成二年に三百七十三になり、平成三年度に四百十八と、極めてふえております。その原因は何かというのは、一つ一つあると思いますが、大きく言いますと、速度超過による傾向が非常に多くなっておりますし、また雨天時等の気象時に起きる、乗用草の事故が多い、あるいは夜間の事故が多い、特に週末の事故が多い、こういう傾向を実は持っております。 そこで私ども、こういう高速道路をつくる際には、道路構造あるいは交通安金施設、道路管理、交通管理等の面で、特に積雪地につきましては、除雪をいたしますので堆雪余裕幅などを設けるとか、あるいは雪情報などが出せるような交通管理施設を設けさせていただいております。しかし、既供用中の高速自動車国道におきましては、その実態からこういうものをさらに一層高めなきゃいけないということで、平成三年度を初年度といたしまして高速自動車国道等における交通安全対策に関する五カ年計画という事業計画をつくりました。 〔理事種田誠君退席、委員長着席〕 その中で、照明とか、あるいは車のライトが当たりますとみずから自動的に発光する自発光デリニエーターというのがございますが、こういうものをずっと視線誘導的に設ける、あるいはチェーンのベースを増設する、こういったような安全施設の増設、あるいは走行性とか安全性を高めるためにきめ細かな、いわゆる平たんになるような路面の修繕、あるいは降雪時での迅速な除雪、当然のことながら気象情報を早目にいただいてそれによってやる施設、仕組み、さらには光ファイバーケーブルを順次敷設いたしまして、そういう情報収集の的確なものをやっていこう、こういうふうなことで、いろんな角度からやろうということで進めております。 ただし、これは私どもだけでは当然できませんので、警察等関係機関と協力してやることになるわけでございます。特に先般三月五日に設立されました交通事故総合分析センターを十分に活用させていただいて、一層努めてまいりたいと思っております。
○中川嘉美君 今後の高速道路整備は横断道の建設が本格化してくると思うわけですけれども、これらの路線は日本海側とか山間部とか雪の多い地域を通るものが多いんじゃないかと思いますが、ちょっと触れておられたけれども、最近では太陽熱利用の融雪システムが検討されている、このように聞いているわけですが、今日までこれに関してどのような研究がなされてきたのか。その内容的なものをわかる範囲で結構ですが、今後のプロジェクトの進め方、あるいはまた将来の計画等について御説明をいただければと思います。これが一点。 時間がありませんのであわせてお聞きしますが、太陽熱利用の問題について、建設省が高速道路の照明のためにこれを利用するというふうに私どもは理解しているわけですが、また日本道路公団は融雪とかあるいは路面の凍結防止のためにこれを使うべく研究、実験を進めているというふうにも聞いているわけですが、このように理解していいかどうか。双方の連携というものは十分とりつつこういったものは当然推進しているだろうと思いますが、その辺の状況についても伺って質問を終わりたいと思います。御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(藤井治芳君) 私どもとしては、大きく言って三つから成ると思っております。 一つは、まず利用者に対して道路を使う際にこういうふうに気をつけて使ってくださいという部分の、利用者と我々管理者との間の協力ということで、ことしはスパイクタイヤが禁止された初年度でございますので、いろんな小冊子をつくったりポスターをつくったり横断幕等々、いろいろな形で使い方をお互いに知りながら使っていただくという努力をさせていただいております。 それからもう一つは、交通管理者としての警察と私どもが一緒になってやっていく、そういうために絶えず地域ごとに協議会あるいは委員会等々を設けてお互いの情報交換をしながらやっていく、こういうことでございます。 さらに、そういうものを支えるのは先生御指摘のとおり技術開発そのものでございます。特に夜間において、省エネのこともございますし、昼間太陽電池でためるといったようなこともありますし、それから場所によっては温泉のお湯を使って熱を得るといったようなことも北海道の一部では研究されております。 いろんな地域において全部それぞれ知恵というのは違うんだろうと思いますので、そういうものをなるべく地域ごとに採用できるようなやわらかい管理の仕組みをとるように指導しておるところでございますし、そういう中からいいアイデアが生まれればどんどん実行していきたいと思っております。 先生お尋ねの太陽電池等々の問題については、今ここに具体的な資料を持ち合わせておりませんけれども、かなり勉強しているというふうに聞いておりますので、またよく調べまして御報告を別途にさせていただきたいと思います。
○中川嘉美君 終わります。
○上田耕一郎君 きょうは分譲マンションの問題について取り上げたいんですが、九〇年度末で、今、推定二百十六万戸といいます。非常に大きな数で、毎年十万戸以上ふえていると思うんですが、二〇〇〇年には築後二十年以上のマンションが半数近くになるだろうと言われていて、問題は大変深刻になってきていると思うんです。一つの建物を多数の者が区分所有するというものなので、建物の形態と所有形態が違うわけですね。そういう新しい、しかも根本的な矛盾があります。そこからいろんな問題が生まれているんですけれども、きょうはその問題のうちから特に管理組合からぜひ解決をと要望の強い問題を二つ取り上げたい。 一つは設計図書の引き渡し問題です。これは、私、これまでに、八六年五月八日と八八年の三月二十八日、二回取り上げました。 つまり、設計図書を管理組合が自分で持ってないんです。もらうところもありますけれども、法的に決まっていない。それで、これは十六年前の昭和五十一年の建設省の通達がありまして、いざ大規模改修するというときに設計図、設備図あるいは竣工図等々をなかなか持っていない、それで非常に問題が起きるので取り上げたとき、四年前に当時の越智建設大臣が積極的答弁をしてくださった。 「自分の家はどういうことで設計をされ、どういう経過で建設されておるか、そういうことを、やっぱり保管していなければ、」、「それはやっぱり購入のときにそういうことの話し合いをして保管をしてもらわないと基本的にこの問題は解決しない。それは管理組合なら管理組合で、部数がたくさん要るから、必要であるならば管理組合で保存する。」、また、「建設省でといっても、ちょっとやりにくいと思うんです。指導の方は標準をお示しし、そういうふうにしなさいという指導はいたします。」と、こういう答弁をいただいているんです。 その後、管理組合が保存できるように建設省はちゃんと指導をしてまいりましたか。
○政府委員(伴襄君) 民間分譲マンションの設計図書の扱いにつきましては、たびたび先生の方から御指摘いただいているところでございますが、そのときも御答弁申し上げているようでございますけれども、昭和五十一年十二月に出した局長通達で、宅地建物取引業者に対しまして、マンションの引き渡し後速やかに管理事務所、営業所その他適当な場所に置いて購入者が閲覧できるようにしておくようにということを指導しているわけでございます。 したがって、この通達におきまして、一つはマンション以外の戸建て住宅の場合は購入者に設計図書を一軒すっ交付するということをやっておりますけれども、マンションの場合は、マンション全体の設計図書ですと非常に膨大なものになりますし、それを個々の居住者に交付するというのもこれまた費用もかかるし現実的でないということから、これを管理事務所、営業所その他適当な場所で閲覧しようということで指導しているわけでございまして、したがって、管理組合ができている場合には、管理組合に引き渡しまして、その上で管理事務所で保管して閲覧しているというふうになっておるわけでございます。ただ、もし管理組合ができていないとかあるいは管理事務所等が適切な保管場所がないといったような場合には、紛失したりしても困るものでございますから、ほかの適切な保管場所に置いて閲覧するようにしているというふうにしているわけでございます。 ただ、最近のマンションはほとんど管理組合ができておりますし、それなりの管理事務所もできておりますので、現在はその管理組合がそれを引き取ってそこで閲覧しているというのが大方じゃないかというふうに思っているところでございます。
○上田耕一郎君 いや、この通達でいう「管理事務所、営業所」というのは分譲業者のことなんですよね。分譲業者は売っちゃってもう所有権がな いんだから、だから管理会社あるいは管理組合にちゃんと引き渡してほしいというので要望したんですよね。 それで、今、管理組合に引き渡しているとおっしゃったんですが、なかなかこれ難しいんですよ。あるところでは、結局、分譲主に督促して、分譲主がやっぱり持っているわけだ。管理組合になかなか渡さない。監督官庁にまで指導を求めてようやく手に入れたとか、手に入らないので外壁を修繕するのに外壁の数量がわからなくてやむを得ず建物の現状測量をやり直して手間がうんとかかっちゃったとか、それから、隠れた部分の配管状況が図面が手に入らないのでわからなくて大規模に取り壊してやったとか、そういう実例が生まれているんですね。 私は何も個々の人に膨大な設計図書を渡せなんということを言っているわけじゃないんですよ。分譲業者はもう売っちゃって所有権がないんだから、だから管理組合がちゃんとしたときに管理組合が要望すればちゃんと手に入るようにしてほし いと言っているんです。阿部も要らないと思うんですね。そういうことはやれるわけですね。 ところが、十六年前の通達というのは、管理組合にということをちゃんと書いてないわけだ。「営業所その他の適当な場所」と、そこで管理組合が閲覧すればいいじゃないかということになっているわけなんで、「購入者が閲覧できるようにしておくものとすること。」となっているんだから、私は、指導をちゃんとしておられると言うのなら、この十六年前の通達を、管理組合が大規模修繕なんかの場合にこの図書をすぐ利用できるような、そういう誤解のないような通達にちゃんと改めてほしいと思うんです。これは大臣、越智大臣もそういうふうに答弁してくれているんだし、局長も今そういうふうに答弁したので、ここをひとつきちんとしてほしいですね。
○政府委員(伴襄君) 通達にございます「管理事務所」というのは、これは分譲した会社の方のものじゃなくて、通常はマンションの中にあるものでございます。したがって、通常は管理組合ができますとその管理事務所を管理しているのはまさに管理組合であるわけなんで、だから図書を、これは別に決して秘密にするようなものでもございませんから、なるべく皆さんが広く見れる状態にしておくということが一番大事なことですから、組合ができていて、しかも組合ができていれば大体管理事務所もありますから、だから管理事務所にその図書を引き渡してそこで見せているというのが現状でございます。 この通達の「管理事務所」というのは、会社の管理事務所じゃなくて、その住宅にある管理事務所という意味でございますので、特にこの通達を改めなくても、今先生が御指摘のようなことは実行されているというふうに考えているところでございます。
○上田耕一郎君 できれば誤解のないように、ここに「管理組合」というのも入れておいてほしいんですが、これはしかし、実際には管理組合の要望は私の質問のとおりやられているということですね。それじゃひとつそのとおりやっていただきたいと思いますね。 次の問題は、これも建物が一つで区分所有者がいっぱいいるということから生まれる問題で、トランスの置き場所の問題、借り室変電所という問題。 これはどういうことになっているかというと、つまり、一つの建物で一つの引き込みだから契約は一つだということで、契約は一つになっているわけですよ、分譲マンションは一つの建物なんで。しかし、家々が全部独立しているので、電灯契約は従量電灯契約で戸別になっているわけですよね。 そこでどういうことが生まれているかというと、電力供給規程によって変電所の場所を提供するということになっていて、分譲マンションが一部屋提供して、そこにトランスを置いているわけですよ。この広さが二、三十戸の場合は十五平米ぐらい、百戸以上のものになりますと三LDKぐらいの大きな変電室を管理組合が無償で提供しているわけです。そうすると、これはかなりの固定資産税なんかを払います。あるケースだと、年間、固定資産税と修繕費で七十七万円かかったという問題があるわけですね。 それで、実はこれ、衆議院の寺前議員が質問主意書を去年出した。政府答弁では、結局、場所は無償で提供してもらうことになっていると。しかし、供給規程では無償と書いてないんですよ。それで、外壁塗装在含む修理費と変圧室の電気料、これは双方話し合いでやれと。ただし、土地使用料については私契約上の問題だ。こういう答弁になっているんですね。これやっぱり何とかすべきじゃないかと思うんです。 変電室の提供が、とにかく都心の場合には土地が高いから、十五平米とか三LDKをただで提供しているということになると、これはいろんな、集会室その他にやっぱり使いたいという要望も出る、費用も大変だということで、ここを何とかしてくれぬかという提起があるんですよ。この問題、一どうお考えになっていますか。
○説明員(片山登喜男君) 先生御指摘のとおり、電気の供給につきましては、電気事業法で認可している供給規程に基づきまして電力会社がしているわけでございますが、どういう単位で電気の供給を行っていくのが最も合理的な形態であるかということから、今お話が出ましたように、一つの構内をなすものにつきましては一つの構内、それから一つの建物につきましては一つの建物、それを一つの需要場所ということで、これを一つの契約で電気を供給するということが最も適当であるということで、この考え方を基本に電気の供給をしているわけでございます。 今お話しになりました分譲マンションにつきましては、そのような基本的な考え方で供給をいたしますと、マンションという一つの建物に対して電力会社が一つの契約で電気を供給するということになるわけですが、そうなりますと、何十戸というような一戸一戸の需要家の方が今度はマンションの中で具体的な金銭の分配をするというようなことが必要になってくるわけでございます。そういうことから、マンション等の分譲型のものにつきましては一戸ずつ電力会社が契約をすることの方が便利がいいということもございまして、基本的な考え方とは少しずれてまいりますけれども、各戸と電力会社が契約をすることができるようにしているわけでございます。 先生御指摘になりました変圧室につきましては、御指摘のとおりでございます。この考え方につきましては、原則の考え方でいきますと、一つのマンションに対して一つの契約を行うということになります。例えばビルがございましてそこに幾つかのテナントが入っているような場合でございますが、これは一つの契約で電力会社が電気を供給する、これは基本の考え方に基づいて実際のところそういう取り扱いをしているわけです。そういった需要家……
○上田耕一郎君 時間がないので、簡潔に言ってください。答えだけでいいです、説明じゃなくて。
○説明員(片山登喜男君) はい。 それと一戸一戸の需要家と契約をすることとのバランスをとるという考え方で変圧室を御提供いただいて、しかし百ボルトに電圧を下げるその変圧器につきましては電力会社が負担をする、そういうことでバランスをとって今のマンションの供給形態というものができているということでございます。
○上田耕一郎君 規程そのものをすぐ直すといっても無理だと思うんです。 通産省に一つ考えていただきたいのは、電力供給規程にこうなっているんですよ、「技術上その他やむを得ない場合は当社は変圧器等の供給設備を施設する場所をお客さまから提供していただきます」と。「技術上その他やむを得ない場合」というのがあるんです。だから、専門家はこれを研発していろいろ提案しているんですよ。 これは新建築家技術者集団の「建築とまちづくり」の八六年十月号、九一年三月号、これに千代崎一夫氏という方が提案しているのは、こういう新しい技術ができているじゃないかと言うんですね。一つは、都市型トランスというのがある、と。これは電灯用百二十五キロワット、動力用五十キロワット、写真がありますけれども、これは電柱の上にも載る、これを電柱に載せれば何も変圧器室を使わなくてもいいじゃないか、あるいは変圧器室でも十五平米じゃなくて四平米ぐらいで済むはずじゃないか、こういうものをぜひ使ってほしいという提案が一つです。もう一つは、キュービクルタイプのバッドマウント変圧器というのがあって、私も調べましたが、ここにあるんだけれども、これは屋外に置けると言うんですよ。これだったら屋内変電室は要らない。 技術が進歩しているので、そういう技術を使うことによって、これは一つの例なんだけれども、分譲マンションで管理組合が年間七十七万円とか、もっと多いところもあるようですが、そういう負担をしないで、しかもこの供給規程をそのままで負担を軽くすることができるんじゃないかという提案があるんですけれども、この問題、分譲マンションの管理組合の負担を軽くするということ、これ、ひとつ検討していただけないかと思うんですが、いかがでしょうか。
○説明員(片山登喜男君) 先生おっしゃるとおり、技術の進歩がございまして、変圧器も小さくなる、それから屋外に設置ができるという状況に進歩してきております。こういうものにつきましては、電力会社が新しく設置する場合にはできるだけそういう小型のもの、それから屋外に置くこと、そういうことを積極的に推進しているというふうに承知しております。 既存の需要家につきましては、需要家の方から要請があれば、技術的な問題等を十分検討した上で、需要家の御負担をいただいて実行できる場合には省スペース化等の要請に具体的にこたえているというふうに承知しております。
○委員長(山本正和君) 上田君、時間が参りました。
○上田耕一郎君 新しいものについてはそういうものを使える、既存のものについても管理組合から要求があればやれるように検討するというような答弁をいただいたんで、電力会社の方にきちんとそういう指導をしてくださるよう要望して、質問を終わります。
○山田耕三郎君 私は、有料道路通行料金優遇制度についてお尋ねをいたします。 昭和二十四年に身体障害者福祉法が制定されましてから、身体障害者福祉は確かに向上してまいりました。 建設省におかれましても、法の精神を理解され、昭和五十二年六月には有料道路通行料金優遇制度を導入されました。この措置は、近年における有料道路の整備の進展に伴い、歩行機能が失われているために自動車を足がわりとして運転をする身体障害者が有料道路を日常的に利用する機会が増大している実情にかんがみ、有料道路の料金がこのような身体障害者の社会的、経済的自立を阻むことのないようにとの趣旨で特別の割引措置を講じることとした、と制定の理由で説明されてありました。関係当局の英断として、障害者本人はもとより、家族や関係者から大きな拍手をもって迎えられたものです。 その後、一級及び二級等の重度の障害者の場合は、みずからがハンドルを握るより介護者の運転で移動する場合が多い上、鉄道やバスなど公共交通機関での移動も難しい状況から、建設省では有料道路料金割引を介護者が運転する場合にも拡大してはとの方針が浮上しておるようでありますが、まことに善政と存じ、実現を期待いたしております。 しかし、近代社会の特徴といたしまして、心臓病や腎臓病等、内部障害者の存在があります。内部障害者は、外見上、肢体に変化はありません。障害者手帳の交付を受けるようになりましたのも昭和四十七年からで、福祉法施行から二十年おくれており、内部障害者の日常の健康管理面における苦労や生命に対する不安、さらには社会活動を続けながら治療を続ける等、この人たちが持つさまざまな悩みに対する社会的理解はいまだ十分であるとは言えません。 今回、建設省では介護者にまで割引制度の善政を拡大を意図されるのでありますから、内部障害者本人への適用拡大は社会的共感も得られるものと存じますので、ぜひ実現をしてあげていただきたいと存じます。 JR等の鉄道運賃及び航空運賃の割引制度は既に適用されており、障害者の実数から推定しまして経営負担も確かに増高することは考えられますが、せめても健常者から障害者への贈り物として、この機会にぜひ内部障害者も有料道路通行料金割引制度の対象範囲に含められるよう強く要請をいたしまして、御当局の所見を求めます。
○政府委員(藤井治芳君) 先生御指摘のように、私どもいわゆる外部障害者のうちみずから運転の可能な方々に対しましては、規格の高い自動車専用道路等の有料道路の利用が選択して利用できるように身体障害者割引制度を設けてまいっております。しかし、先生御指摘のように、重度の身体障害者の介護者の方々についてむその制度の適用対象とすべきではないかという視点から、国会等への請願を含め多方面からの御要望が出ていることは承知しております。 私どもこの問題を、有料制度のあり方にもかかわる問題でございますので、本来、基本的には障害者施策という福祉政策全般の中で検討されるべき問題であるとは思いますけれども、現在、道路審議会におきましてこの方向について御審議をいただいている状況でございます。 ただ、その際、有料制度というものが、もう百も先生方御承知でございますが、利用者の料金で償還をするという制度でございまして、利潤を求める形の有料制度ではございませんので、やはりもし採用するならば他の利用者に御理解をいただきながら御負担をいただく、こういうことでございますので、この割引制度の拡充に当たりましても、その内容が合理的な対象範囲はどこまでか、あるいはどういう目的の場合を対象にするかとか、いろんな角度からの検討をした上で、他の一般の利用者の御納得の上でこういう問題についても対処しなけりゃならないと思っております。 したがって、視覚障害から始まるいわゆる外部障害者、また内部障害者、あるいは頭脳障害者といいますか、そういう多岐にわたる身体障害者の方々に対するこの問題について今広範囲な御検討をいただいておりますので、その御答申をいただいた上で関係省庁と調整を行いながら検討をさせていただきたいと思っております。
○山田耕三郎君 ただいまの件、ぜひひとつ要請を受けてやっていただきたいと思います。 その次は河川管理についてお尋ねをいたします。 最近、新幹線の車窓から見る一級河川の管理はなかなか行き届いていると思います。堤防は十分に整備をされ、美観も保たれております。河川敷内の空地も、周辺住民の方々の利用に供する一ため、スポーツやレジャー施設に、あるいは散策用に最大限に空間の利用が考えられ、また利用者の理解に基づく積極的な協力も得て運用されております様子がうかがわれ、関係各位の御努力がしのばれて、共感を覚えます。一部河川によっては、学名は知りませんが、通称私たちがカワヤナギと呼んでおります木が中州に群生をしておる川もありますが、琵琶湖のヨシのように燐、窒素を吸収して川の水の浄化に役立っており、すむ魚の産卵場所や生存に役立っておるのかと思いますと、管理上の障害さえなければ目くじらを立てることもないことと思います。 ただ、人目につかないところにはまだまだ心ない人の不法投棄が絶えないのは残念ですが、無法には勝てませんし対応のしようもございません。河川の浄化は大切であり国民のみんなで考えなければならない問題なのですが、とりあえず責任を持って御指導の立場にある行政側としての対策があればお聞かせをいただきたいと思います。
○政府委員(近藤徹君) 河川は洪水時には人命財産を損傷するような大災害をもたらすわけでございますが、一方、通常のときには市民、住民の皆様の憩いの場所となるわけでございまして、従前からその管理には十分な配慮をしてきたところでございます。ちなみに、河川の空間につきましては、地域の地方公共団体の代表者の皆様、学識経験者の参加の上で河川環境管理基本計画を設定し、その上でそれぞれの地域の特色を生かして、河川空間を自然的に保全する空間、あるいは地域住民のレクリエーションに供する空間等々として管理しておるところでございます。 ところで、今おっしゃいました不法投棄の問題については、私ども大変頭を痛めておるところでございます。河川法におきましては、河川区域内の土地に汚物または廃棄物を捨てることの禁止、汚水の排出の届け出等数々の規定を設けてこれらの行為については規制しておるところでございます。また、定常的に河川パトロールを行い、ごみ、汚水等の投棄の有無、流水の水質の異常、危険な流下物の有無等を調査し、必要な措置を講じてきているところでございます。 さらには、先生がおっしゃいましたように、国民各人が河川を安全で美しく利用、管理するという気持ちを持っていただくことが一番重要なことでございます。その意味で、毎年七月を河川愛護月間として定め、地域住民の参加により河川の美化、清掃活動を全国的に推進しております。また、直轄河川につきましては、地域住民の中から河川愛護モニターをお願いし、河川へのごみ等の不法投棄に関する情報収集を図るなど、河川の監視体制の強化と河川愛護の啓発に努力しておるところでございます。 また、平成元年度からボランティア活動として草刈り、清掃等を行う地域住民、河川愛護団体を地元市町村とともに積極的に支援するため、さまざまな財政支援制度等を設けて実施しておるところでございます。
○山田耕三郎君 特に問題なのは中小河川の管理だと思います。私たちの子供のころ、今ごろのように春先になりますと、川の堤防には名前も知らない野草の花が咲き、ツクシが芽を出し、本当に草花の宝庫でした。ところが、今日、上流が開発されます結果、年々水量が増加し、それに対応して改修のときには必ず川幅が広げられます。用地 の買収が困難な関係もあって十分な川幅を確保するだけの買収ができない場合がありますのか、堤防の厚みが犠牲にされ、その分だけ擁壁のコンクリートが頑丈になって堤防全体の強度を保っておいでになるように思えますけれども、そのようなことはないのですか。 なお、河川のコンクリートによる三面張り工法には批判もありましたが、今も続けておられるのでしょうか。私といたしましては、あれはやっぱりいけないと思います。あの三面張り工事がされますと、付近の田んぼにわき出ておりました美しい水、冷たい水が出なくなってしまいますし、河川の水が地中に吸収されて伏流水となって浄化される機能を壊すことになるからです。 河川管理の自然化の進んでいるドイツやスイスでは、河川の改修に当たってはより自然に近い河川をつくるということで川を蛇行させているようですが、我が国の今までの工法では、より直に、その上コンクリートの三面張りであれば廃棄物も汚物も閉鎖水域に直行をしてしまいます。河川自身が自分で自分の水を浄化する機能を全部奪っているようなことですから、これは続けておいでになっておるようだったら改めるべきだと思います。当局の今後の河川改修工法のあり方について御所見を承りたいと思います。
○政府委員(近藤徹君) 先生のごらんになっているような川が全国に数多くあることも私ども承知しております。これは、大変厳しい財政の中で大変低い治水の安全度を一日も早期に解決せんとして我々の先輩があらゆる施策を講じて努力してきた一つの側面とお考えいただきたいと思います。 例えば、ただいまコンクリート擁壁で堤防に代替した事実はなかったかということでございますが、私どもが終始見ております隅田川等には現在そのようなものが残っておるわけでございます。これは、当時、用地問題が大変厳しい中で東京の都心を高潮、洪水から防ぐためにやむを得ずしてあのようなものを建設せざるを得なかったという事情も、また御承知を願いたいと存じます。 これにつきましては、昨年の国会で河川法を改正していただいて、スーパー堤防という事業計画を進められるような糸口をつくっていただいたわけでございます。やはり、これから質のよい社会資本を整備していく上では、必ずしもコンクリート擁壁だけに頼るということではなくて一安全で潤いのある国土づくりという観点から必要なものと存じております。今、決して財源的に豊かではございませんが、やはり質と量と両面を追求していく上ではそのような努力もしてまいりたいと存じます。 それから、コンクリート三面張り工法につきましても、特に都心部の川、例えば神田川等をごらんいただくとわかると思いますが、あの川もちょっとした夕立ぐらいでも月に何回も出水するというような状況にあってやむにやまれずあのような対応になったわけでございますが、私どもも基本的には望ましいものとは思っておりませんし、私どもは三面張り工法を推進する意図は全くないわけでございますが、厳しい用地の確保あるいは財源の中でもできるだけ自然が残された川づくりに専念してまいりたいと存じます。 それから、ドイツやスイスのお話が出ました。スイスは山国でございますが、ドイツ等はさまざまな自然を残した川づくりを進めておるということで、私どももさまざまの事例を集めて参考にさせていただいております。 具体的には、生物の良好な成育環境に配慮し、あわせて美しい自然景観を保全あるいは創出する多自然型川づくりを平成二年度の建設省重点施策として掲げ、同年十一月に実施要領を作成し、各地方建設局、全国都道府県等に通達しまして、現在、事業を鋭意推進しておるところでございます。また、魚の上りやすい河川整備をするため、平成四年度から魚の上りやすい川づくり推進モデル事業を実施いたしまして、魚類の遡上環境の改善にも資することとしております。 まだ治水の安全度は大変厳しい状況でございまして、時間雨量五十ミリで整備ができているところが四五%と極めて低い水準の中ではございますが、二十一世紀の潤いのある国土づくりを目指して、質と量との両面から河川、川づくりに努力してまいりたいと存じます。
○山田耕三郎君 通告をいたしました案件は残りましたが、御理解をいただくとして、時間が過ぎましたので質問を終わります。
○山田勇君 まず、地価税に関連してお尋ねをいたします。 本年一月一日より地価税が実施されましたが、政府予算案では地価税収に見合う減税が見送りとなりました。この減税は地価税創設の際の公約であったはずであります。大蔵省主税局の試算で四千二百億円にも上る地価税収を歳入不足を理由に安易に一般財源化することには同意できないのであります。 税制調査会の「土地税制のあり方についての基本答申」には、地価税は増収を目的とするものではなくその創設の際には所得税の減税をあわせて検討することが適当であると書かれております。また、国会審議の中でも、同僚議員の質問に対し、当時の海部総理、橋本大蔵大臣は、地価税収の使途については政府として税制調査会の答申を踏まえて適切に対処していくと答えており、さらに、地価税法案可決の際の衆参両院の附帯決議においても、増収分の使途については所得課税の減税、土地対策等に配慮するとされたものであります。 今回の政府予算案の地価税収の一般財源化は、国会審議の信頼性を失わせるものであり、国民の声を無視した実質上の臨時増税措置で、公約違反でもあります。この点について国土庁、建設省の見解をお聞かせ願いたいと思います。また、あわせて来年度以降について地価税収を一般財源化させないという決意があるのかどうかお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(鎭西迪雄君) 土地対策の推進でございますが、私ども、現下の大変重要な課題ということで従来から国土庁及び関係省庁におきまして予算面での充実も図ってきたところでございます。 ただいま委員がお話になりました土地保有税、当時は「土地保有税(仮称)」でございましたが、その創設に当たりまして、平成二年の十月に政府税調の基本答申が行われましたときの議論の経過、あるいは具体的に地価税法案ということになりまして国会で御議論されたときの衆参両院におきます附帯決議の趣旨及び議論の経過は、私どもも十分承知をいたしております。 私どもとしては、そういうお考えを踏まえまして、平成四年度の概算要求におきまして、特に土地対策の中でも今後ますます重要な施策になる地価公示の拡充あるいは短期的な地価動向の把握等を含めました土地情報の整備につきまして重点的な要望を行いまして、折衝の過程はいろいろございましたが、最終的には財政当局の御理解を得まして関係予算の相当大幅な充実強化が図られたのではないかと評価しているところでございます。 平成五年度以降につきましては、先般の参議院の予算委員会におきます御議論あるいは本日の建設委員会におきます御議論等々を踏まえまして、私ども所要の土地対策関係予算の確保に最大限の努力をしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いいたしたいと思います。
○政府委員(伴襄君) 背景等については今国土庁からお話のあったとおりでございますが、建設省の場合は土地住宅対策、特に宅地供給あるいは公共用地取得対策を担当させていただいておりまして、平成四年度の予算案の策定の過程で、特に今回、地価税の導入がおったということを契機といたしまして、建設省所管の土地住宅対策についての施策がかなり大幅な拡充が図られたというふうに認識しておるわけでございます。 例えば公共用地取得対策でございますと、公共用地の先行取得のために低利の融資制度、特定公共用地等先行取得資金融資制度と言っておりますが、こういうのを創設する、これは法律改正という形でもお願いしておりますけれども、それがございます。それから宅地供給関係では、住宅宅地関連公共施設の促進事業を大幅な増額をして政府一案に計上させていただいておりますし、それから、住宅金融公庫が融資します民間宅造融資につきましても、緊急に施行する必要のあるものにつきまして財投金利を下回る率で、すなわち低利融資で行う制度も設けております。その他、土地の有効高度利用を図るための市街地再開発事業だとかあるいは駐車場整備等、そういったところの拡先を講じているところでございます。 建設省といたしましても、今後ともその土地住宅対策の充実の中で、特に来年度予算におきましても所要の予算を確保していきたいというふうに思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。
○山田勇君 次に、消費税の見直しに伴う家賃非課税措置の実態に関してお尋ねをいたします。 昨年の当委員会において、ちょうど消費税改正の十月一日であったと思いますが、この問題についての質問をいたしました。このときの政府委員の答弁は、公団住宅の家賃は消費税相当分の三%を引き下げる、公営住宅についても二種類の方法により適切な対応をするということでした。しかし、民間住宅については家賃に的確に反映されることが必要であるとしながら、維持修繕費等について消費税込みで購入しまた提供を受けるものであるので事業者の実情に応じて対処することになるといった答弁でした。その後、実際に民間賃貸住宅の家賃の引き下げはなされたのかどうか。 建設省は昨年の十二月に家賃改定状況のフォローアップという調査をされたと聞いておりますが、その調査内容と結果を聞かせてください。
○政府委員(立石真君) 先生御指摘のとおり、昨年の十二月に賃貸住宅管理業者百三十三社につきまして、この百三十三社が管理する民間賃貸住宅について消費税の非課税措置に伴う家賃の改定を行ったかどうかという調査をしたところでございます。 この調査によりますと、家賃に消費税を転嫁していた民間賃貸住宅は十四万六千戸程度でございますが、これらのうちまず消費税込みの家賃の百三分の三、まあ消費税分の全額ということだと思いますが、百三分の三を引き下げたものが十万六千戸、七二・八%になっております。また、仕入れに含まれている消費税相当分を加味して家賃の引き下げを行ったものというのが三万九千戸、二六・四%となっておりまして、消費税の非課税措置に伴いまして合わせて九九・二%の民間賃貸住宅の家賃の引き下げが行われたというような状況だとその結果から把握しているところでございます。
○山田勇君 私の住んでおります大阪には約百万世帯の民間住宅居住者がいます。そうした居住者からは十月以降家賃が下がったという声は余り聞かないわけでございますが、今回の調査の内容を見てみますと、全国の民間賃貸住宅の総戸数が約一千万戸ある中で今回のアンケートは約十六万三千戸の調査であり、しかも経営者に質問したんではなく管理を委託された会社に対しての調査であります。こうしたところはおおむね経営者が大会社でありまして住宅戸数もある程度の規模であるため、世間の監視の目もあり、調査に際してはきちんと家賃を引き下げたという回答がなされたと思うのであります。 十月の質問の際、家賃非課税措置に伴う減収額は平年度ベースで約千二百億という答えでした。この額が何とか実際の家賃引き下げに反映するようにと願うわけでございますが、この点、建設省として監視、指導ということについてどうされておりますか、お尋ねをいたしておきます。
○政府委員(立石真君) 民間の賃貸住宅は、今、個人的といいますか、自分の庭先に賃貸住宅を建てる等の個人的な経営者による住宅が八割を占めているというようなことがございます。消費税につきましては、課税売上高が三千万円を超える場合には課税対象となる、つまり課税事業者になるわけでございますが、今回の調査はこの課税事業者が経営する民間賃貸住宅についての数値であると御理解いただきたいと存じます。そしてまた、その一方、課税売上高が三千万円にならない免税事業者につきましては、この経営する民間賃貸住宅が多数あるわけでございますが、そもそも消費税については非課税措置に伴う家賃改定を行う必要がないという業者だというふうに考えているところでございます。
○山田勇君 次に、住宅金融公庫に関連して質問いたします。 我が国は、今や世界一の長寿国となり、人生八十年時代を迎えております。住宅政策についても、高齢者に配慮した対策が求められております。また、高齢者と同じく障害者に対する配慮も必要でありますが、これらの人々がなれ親しんだ家庭や地域社会での生活を保障すもためには、個人住宅の改善に対する援助も重要な課題であります。 しかし、政府の対応は決して十分とは言えず、例えば個人住宅の改善に関しては、住宅金融公庫の通常のリフォームローン限度額は四百九十万円、それに高齢者、身体障害者用設備設置工事費として五十万円の増額が認められているだけであります。さらに、この使い道が限定されておりまして、例えば移動ベッドや車いすが通れるように廊下の幅を広げようとしても、この五十万円は使えません。私は、この五十万を二百万円程度に増額し、使途についても柔軟性を持たせ、返済に当たっても経済的な負担を考え低利制度の創設や期限の延長など必要ではないかなと考えますが、御見解をお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(立石真君) 高齢者あるいは身体障害者が暮らしやすい住まいづくりを推進していくことは、重要な課題だと考えております。住宅金融公庫の住宅改良貸し付けにおきましても、平成二年度から高齢者、身体障害者用のトイレとかバスユニットの設置等日常生活に必要な設備を設置する住宅の改良について、通常の改良の貸付額に加えて五十万円の割り増し貸し付けを行ってきたところでございます。 平成四年度の予算におきましては、この改良貸し付けにつきまして通常貸付限度額を二十万円アップして五百十万円と引き上げているところでございますが、これらのほか、五十万円の先ほど申し上げました割り増し貸し付け、そしてまた百万円の特別割り増し貸し付けが借りられることになっておりますので、合計では六百六十万円の融資を受けられることになっているところでございます。特にこの住宅改良貸し付けにおきましては、高齢者あるいは身体障害者用の設備設置のためだけのみの増改築等を行った場合でありましてもこの全額を利用できるということでございますので、相当の融資額は確保されているというように考えております。 また、金利についてでございますが、住宅金融公庫の融資は財投資金を原資として、これを国の一般会計から利子補給をすることによって長期低利の資金として融資する仕組みになっておるところでございますが、この改良貸し付けにつきましては現在五・二五%の金利ということになっておりまして、かなり低いものであろうというように考えております。 償還期間につきましては、現在二十年以内ということにしているところでございますが、貸付額がその程度の金額でございますので、これは適切な期間ではないかというように考えております。 いずれにいたしましても、今後とも高齢者、身体障害者の暮らしに配慮した住宅対策を推進することは重要な課題であり、また住宅のリフォームのための制度も充実に努めてまいりたいと思います。
○山田勇君 最後の質問になりますが、これは建設大臣に質問をいたします。 建設大臣は所信表明の冒頭で、世界第二位の経済大国でありながら住宅事情の厳しさ、社会資本のストックの不足など国民生活の豊かさに結びついていないことをお認めになり、今後は国民の一人一人が豊かさとゆとりのある生活大国へと前進することが内政上の最重要課題であると述べておられますが、ことしは景気後退とか言われまして賃上げも伸び悩んでいます。こう。いったことで大臣の所信が揺らぐことはないと思いますが、内需拡大、生活基盤の充実、最優先に公共事業の前倒しなど、今年度の決意を改めてお伺いいたしまして、私の質問を終わります。
○国務大臣(山崎拓君) ただいま山田委員が御引用いただきましたとおりの所信を申し上げたところでございます。 我が国は世界第二位の経済大国と言われるようになりましたけれども、国民一人一人が必ずしも生活の豊かさを実感できないうらみがあるとされているのでございます。それは、フローの面では国民一人当たりの所得が世界最高の水準に達しているわけでございますが、ストックの面で欧米諸国に比べていささか劣るところがあるのではないか、そう考えるからでございます。 我が建設省は、そういったストック、生活、社会資本の整備に建設行政を通じて取り組んでいる役所でございます。そういう次第で、平成四年度におきましても、ただいま御審議いただいております予算の中で、一般会計で約五兆五千億、財投で約十一兆円、事業費の規模にいたしまして約二十一兆八千億、そのような予算案を計上させていただいておるところでございまして、この成立をまちまして、ただいま申し上げました住宅、社会資本の整備を一層取り進めてまいりたいと考えているのでございます。 なお、前倒しにつきましても、当面の景気対策といたしまして、何%になりますか、月末にはおおむねの数字が決まると思うのでございますが、その前倒し執行に関しましても万遺漏なきを期してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○委員長(山本正和君) 本日の調査はこの程度にとどめます。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時十三分散会 ―――――・―――――