外務委員会 第10号
- 発言数
- 69 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/06/18
会議録
○委員長(大鷹淑子君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る五月十五日、合馬敬君、藤田雄山君が委員を辞任され、その補欠として宮澤弘君、原文兵衛君が選任されました。 また、昨十七日、高井和伸君が委員を辞任され、その補欠として萩野浩基君が、本日、立木洋君、山岡賢次君が委員を辞任され、その補欠として神谷信之助君、石渡清元君がそれぞれ選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(大鷹淑子君) 世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 まず、政府から趣旨説明を聴取いたします。柿澤外務政務次官。
○政府委員(柿澤弘治君) ただいま議題となりました世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 この条約は、昭和四十七年十一月にパリで開催された国際連合教育科学文化機関の第十七回総会において採択されたものであります。 この条約は、文化遺産及び自然遺産を人類全体のための世界の遺産として損傷、破壊等の脅威から保護し、保存することが重要であるとの観点から、国際的な協力及び援助の体制を確立することを目的としており、世界遺産委員会の設置、その任務、国際的援助の条件及び態様等について規定しております。 我が国がこの条約を締結することは、世界の文化遺産及び自然遺産の保護の分野における国際協力に寄与する見地から有意義であると認められます。 よって、ここにこの条約の締結について御承認を求める次第であります。 何とぞ、御審議の上、速やかに御承認あらんことをお願いいたします。
○委員長(大鷹淑子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松前達郎君 質疑に入る前に、きょうの委員会は、先ほど理事会でも確認をされたわけですが、本来ですと外務大臣出席のもとに開催されるべき委員会なのですけれども、外務大臣は今、入院されておりますので、その代理は今度は総理のはずなのですね。総理もまた出席できない。そのまた代理で柿澤さんがきょうは出席をされて委員会が行われる。これは特例なのですが、これを今後前例としないということを確認しましたので、そういうことで質問を始めさせていただきたいと思います。 まず最初は、この条約の批准は大分時間がたっているのですが、おくれた理由についてお伺いしたいのです。一九七五年に発効していますから、もう十七年経過している。締約国は百二十二カ国ですか、百二十カ国を超えているわけですが、ようやくこれで批准の手続をとることになるわけです。ここまでおくれた理由、これはいろいろな理由があると思いますが、特にその中で挙げられるべき理由として何かあれば、ひとつそれについて説明をしていただきたいのです。
○政府委員(柿澤弘治君) この条約の締結は、世界の遺産の保存、修復、また地球環境保全の分野における国際協力の一層の強化拡充に寄与し、我が国の積極的な取り組みを広く内外に示す上でも極めて有意義であると考えておりますが、本条約の国内的な実施については締約国の裁量にゆだねられている部分がたくさんございます。そういう意味で、各国の締結及び運用の状況も見きわめつつ慎重に検討を行う必要があるということで検討を行ってまいりました。 この御審議をお願いするのがおくれましたけれども、現在そうした検討が終了いたしましたので、締結につき御承認を求めるという手順になったわけでございます。
○松前達郎君 こういった種類の条約、これについては以前からそうなのですけれども、非常に時間がかかるのですね。いわゆる採択されて発効した後、批准までに今までの状況を見てみますと非常に時間がかかっているのですけれども、諸外国が一体どういうふうな動きをするのかというのを盛んに見ながら、どうもそういったことが原因になっているのじゃないかという点もあると思いますね。それからまた、ユネスコそのものの内部問題等もあるのじゃないか、こういうふうに思います。 国際的な相場といいますか、恐らくそういったものも随分気にしながらあちこち見て、それでやっとこういうふうな批准に至るという、そういう経過をたどっているのじゃないかと思うのです。そういうことはどうですか、今までいろいろな条約をこの委員会でもやったのですけれども、早いのもありますが、非常に時間がかかっているものもあるのですね。その点どうなのでしょうか。
○政府委員(柳井俊二君) 条約一般についてのお尋ねでございますので、私の方からお答え申し上げたいと存じます。 ただいま先生も御指摘になりましたように、特に多数国間条約を念頭に置いておられると思いますが、物によりましては採択後非常に短時日で出していることもございます。また他方、御指摘のとおり、採択あるいは我が国が署名してからこれまで相当の時日を経過したというのもあるわけでございます。私どもといたしましては、一件一件その締結の意義それから国内法との関係、あるいは先ほども御指摘がございましたように、諸外国の実施状況ということも見ながら締結の準備を進めているわけでございます。 本件につきましては、先ほど柿澤政務次官から御答弁がございましたような経過で相当時間がかかったわけでございますが、これはケース・バイ・ケースでございまして、その条約、各条約の内容、国内法との関係等によりまして締結に要する時間の長短がいろいろあると思います。いずれにいたしましても、私ども、できるものはなるべく速やかに締結していきたいというふうに考えております。ただ、何分にも事務的な能力ということもございます。いろいろ制約はございますが、そのような中で最大限努力をしていきたいというふうに考えております。
○松前達郎君 今、柳井さんおっしゃった国内の措置、この条約を実施するに当たっての国内措置についてお伺いしたいのですが、それぞれの締約国が文化・自然遺産の認定ができる、また保護等についてもそれぞれ自主的にそういうものを決めていくということだと思うのですね。これと国内法との関係なのですね。特に国内法にさわらなくてもいいのだということを確か最初の説明のときにお伺いいたしたわけですが、新たな立法措置は要らない、そういう結論に達したというふうなお話だったわけですね。 現在のこれに関連する国内法といえば、文化財保護法ですとかあるいは自然公園の法律ですとかあるいは自然環境保全の法律というのがあるわけです。この条約を実施するに当たってこの三つの法律、これでもって十分コントロールできるのかということですが、これらで万全が期せられるかどうか、これについてひとつお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(小西正樹君) お答え申し上げます。 今、先生が御指摘のとおり、この条約におきましては、各締約国が条約第一条に定めております顕著な普遍的価値を有する文化遺産、自然遺産というものを、第三条で規定しておりますとおり、それぞれの国が認定してその保護、保存、整備、そしてそれを将来の世代へ伝えていくための措置をとるということが規定されております。この義務は、まず締約国が第一義的に負うということが第四条に決められているところでございます。 それで、我が国におきましては、この条約上の遺産に該当する可能性のあるものを含めまして一般に文化的及び自然のすぐれた価値を有する物件の保護、保全を目指した法律といたしましては、先生御指摘のとおり、文化財保護法、自然環境保全法、自然公園法、こういった関係の法令があるわけでございます。我が国がこの条約を締結いたしました場合には、我が国の認定する遺産はこれらの法令に基づき保護される体制にあるわけでございます。 これらの関係国内法令によって条約実施確保のための国内的な措置が万全であるのかという趣旨の御質問でございますけれども、文化財保護法は、重要文化財、史跡、名勝、天然記念物、重要伝統的建造物群保存地区の指定または選定並びにこれらの物件に係る管理、現状変更の制限、修理または復旧及び指定物件の告示、公開等の措置について詳細に規定しております。また、自然環境保全法は、原生自然環境保全地域及び自然環境保全地域の指定及び公示並びにこれらの物件に係る保全のための規制または施設、行為の制限等の措置について規定しているわけでございます。さらに自然公園法は、国立公園、国定公園等の指定及び公示並びにこれら公園等の保護または利用のための規制または施設、行為の制限等の措置について規定しております。 この条約が締約国に求めております保存、保護、整備、活用、こういった措置につきましては、これらの関係国内法により十分に措置できるというのが私どもの関係省庁との検討の結果でございます。
○松前達郎君 そういった現在ある法律でもって十分これらの問題については対応できるという今の御説明だと思うのですれども、我が国における遺産の認定の問題ですね。この条約を批准しますと世界遺産一覧表に記載すべき遺産の目録を出さなきゃいけない。世界遺産委員会というのですか、そこに提出をするということになるのですけれども、これは幅が広いわけですね、その対象として考えられるものは。その選定作業というのは一体どういうふうにして行おうと考えておられますか。
○説明員(小西正樹君) この選定につきましては条約の第十一条に、締約国はできる限り自国の文化遺産または自然遺産の一部を構成する物件で世界遺産一覧表に記載することが適当であるものの目録を世界遺産委員会に提出するというふうに規定がございます。それで、何をもって自国のこのような遺産というふうに認定するかということにつきましては、先ほど申し述べましたとおり、第三条で各締約国の判断にゆだねられておるわけでございます。 我が国につきましては、先ほど述べました関係の国内法、すなわち文化財保護法、自然環境保全法、自然公園法、こういった関係法を所管しておられます環境庁及び文化庁と、この条約の主管でございます外務省が一緒に協議をいたしまして、いかなる物件が世界遺産一覧表に記載すべき物件として適当であるかということについて十分検討いたしまして、その検討の過程におきましては、自然環境保全のための審議会あるいは文化財保護のための審議会が制度としてございますが、そういう審議会を通じまして有識者、専門家の御意見も踏まえまして、我が国として世界遺産一覧表に記載すべき適当な物件を選定いたしまして世界遺産委員会に提出することになると、こういうふうに考えております。
○松前達郎君 そうすると、直接窓口となるのは外務省ということになりますね。
○説明員(小西正樹君) さようでございます。
○松前達郎君 そして、それぞれ今おっしゃったような機関にかけてその決定をしていくということになりますね。 民間の自然保護団体がたくさんあるわけですが、それからさらに文化財保護の民間関係の団体もあるわけです。また同時に、地方自治体もこれに関係してくるわけですから、こういった意見が十分に反映されるように努める必要があるのじゃないかと思いますが、この点はどういうふうにされますか。
○説明員(小西正樹君) 先生御指摘の点は二つあるかと存じますが、まず第一は民間団体、民間の方々の御意見をどういうふうに踏まえるか、それから第二点といたしまして自治体の意見をどういう形で吸収していくかということであると存じます。 まず第一の民間団体の意見をどのように吸収していくかということにつきましては、先ほど申し述べました文化財保護のための審議会、この審議会には有識者の方々、専門家の方々がメンバーとして活動されておられますので、そういった場を通じまして民間の方々の御意見も私どもは吸収できるのではないかというふうに考えております。 また、関係の自治体の御意見については、私ども、先ほども申し上げました関係省庁の協議の過程におきまして適宜関係の自治体の意見についても紹介していくということを考えております。
○松前達郎君 一つ具体的な問題でお伺いしておきたいのですが、アンコールワットの修復の問題ですね。このアンコールワット修復に対する協力に関連して、今ちょうどカンボジアはUNTACのもとで総選挙への準備が進んでいる、そういうことでありますけれども、国土の復興支援の一環として考えてみますとアンコールワットの修復というのは非常に重要だと思うのです。 アンコールワットの修復については我が国も民間を中心に協力体制ができ上がっていると聞いていますけれども、カンボジア自身はもとより世界的に我が国のそういった技術、遺産の修復とか保存とかそういう技術というのは比較的高く評価されているのじゃないかと思うのです。今後こういったような修復、保全に関する協力について、非常にこれは意義深いものがあると思いますので、政府が民間と協力、連携をされながらぜひともこれを推進していただきたい、格段の協力を進めていく必要があるのじゃないか、こういうふうに思うのですけれども、その点はいかがでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) この問題は私もかかわってきた問題でございますので、お答えをさせていただきます。 松前先生御指摘のとおり、カンボジアにとってアンコール遺跡というものはクメール民族の誇りであり、国民の象徴とも言えるものであろうかと思います。そういう意味でも、同遺跡の保存、修復のために我が国が協力を行うことは、カンボジア復興への幅広い貢献の一環として大変重要であると認識をいたしております。したがって、政府としては、同遺跡の保存のために今後とも積極的に協力を行っていきたいと考えております。 我が国は、世界の遺跡保存、修復に協力するためにユネスコに文化遺産保存日本信託基金というのを設けておりまして、これまでに八百万ドル既に拠出をいたしております。今年度予算でも三百万ドルが承認され、現在拠出のために手続を行っているところでございますが、アンコール遺跡についてもこのユネスコの日本信託基金より既に専門家会合の開催経費とか、資料の整備、調査の経費、カンボジアン専門家の研修等のために三十七万ドルの支出を行っているところでございます。 また、御承知のとおり、昨年十一月にカンボジアの包括和平が成立したことを踏まえまして、今後、保存修復事業に対する協力を一層推進することといたしまして、先般、ことしの三月でございますが、私がカンボジアを訪問した際にも、平成四年度中に同基金を通じましてさらに百万ドルを限度とする追加的な協力を行うということをSNCの議長でございますシアヌーク殿下に表明をしてまいりました。また、関係各国の協力を進めるためにアンコール遺跡修復のための国際会議を開いてはどうかという提案もさせていただき、準備を続けているところでございます。 この拠出金の支出の内容としましては、緊急にカンボジア政府が必要としている遺跡の保存、修復、カンボジア人専門家の養成及びアンコール遺跡保存事務所の改修、機材の供与並びに技術協力等について目下検討中でございますが、右協力を含めて協力の具体的な内容について、カンボジア政府関係者またユネスコ、アンコール遺跡救済委員会等と協議中でございます。 日本からは既に上智大学の先生等、何度も現地を訪れ、また修復のために具体的なお手伝いをしておりますし、今、松前先生御指摘のとおり、民間ベースでもアンコール遺跡救済委員会というものがつくられまして種々の活動を行っておりますので、こうした政府の協力とあわせて民間に対してもいろいろ支援をしていきたい、こう考えております。
○松前達郎君 時間が来たようですけれども、最後に一つだけ簡単にお答えいただきたいのですが、これは関連する条約があるのですね。武力紛争の際の文化財の保護のための条約、それから文化財の不法な輸出入の防止等に関する条約、この二つの条約があるわけですが、まだ我が国は批准していないのですね。これらについての政府部内での検討状況をちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○説明員(小西正樹君) 先生お尋ねの武力紛争の際の文化財の保護のための条約、文化財の不法な輸入輸出及び所有権譲渡の禁止及び防止の手段に関する条約、この二つの検討状況でございますが、第一の武力紛争の際の文化財の保護のための条約につきましては、一この条約が規定いたしておりますのは、対象となる文化財の集中する地区等が重要な軍事目標、空港とか放送局とか国防のための施設、あるいは交通幹線等がございますが、こういったものから妥当な距離にあること等を要件としております。我が国の重要な文化財の集中する地区でございます京都や奈良につきましては、このような要件を満たし条約の適用を確保するということについては相当な困難があるというのが私どもの認識でございます。したがいまして、この条約については、私どもは非常にその締結については慎重な考えを持っているわけでございます。 また、第二の文化財の不法な取引についての条約でございますが、これにつきまして私どもは検討はいたしておりますが、この条約につきましては条約と国内法との調整が困難であるという理由によりまして、現在関係国の方で見直しをする動きも出ているやに承知しております。私どもとしては、引き続きこういった動向も見きわめながら検討を続けていきたいというふうに考えております。
○松前達郎君 終わります。
○堂本暁子君 松前議員に続いて伺いたいのですが、まずちょうど地球サミットが終わったところで、日本としてはODAの大幅な増額を環境分野で行うということを約束したわけです。この世界遺産条約というのは、世界遺産保護に関する国際協力のために世界遺産基金というのが設置されているそうですが、今回こういった協力を約束した中で、世界遺産基金に日本としては十分に貢献する用意が政府としておありになるのかどうか、その点ぜひ積極的な御意見を伺いたいと思います。
○政府委員(柿澤弘治君) 堂本委員御指摘のとおり、UNCEDにおきましては、我が国は本年度から五年間にわたって九千億から一兆円を目途として環境関係のODAを拡充するという表明を行いまして、総理は出席できませんでしたけれども、この内容については各国から高い評価をいただいたところでございます。 この条約を締結する場合には、一九九二年、九三年の暦年ですけれども、分担金の支払いの義務が生じます。これはユネスコの分担金の一%ということで、我が国の場合には一九九二、九三暦年度で約七十六万米ドルを負担することになりますが、この点については積極的に拠出をいたしまして、世界遺産一覧表への我が国の自然遺産の推薦等、同条約のもとでの国際協力の推進に積極的に参加して貢献をしてまいりたい、こう考えております。
○堂本暁子君 十七年というのは遅きに失したと、私たちは事かるたびにもっと早く批准をしていただきたいというお願いをしてきたわけですので、やはり大変遅過ぎたとはいえ、これからはぜひ積極的にいろいろこの条約のために日本が貢献できればという願いを込めております。 そして、その一環として伺いたいのですが、先ほど松前議員の御質問に対してのお答えは、審議会で候補地の選定を行うということでした。私が大変心配しますのは、そこでまた時間がかかる、選ばれるべきところが非常に遅くなるというようなこととか、それから公平に意見が入れられないというようなことがあってはならないと思いますけれども、一つ具体的に伺いたいこととあわせて、どれだけ早くできるのか。積極的ということは経済的によそのものを助けるというだけじゃなくて、日本国内においても早く指定をするということが非常に大事だと思います。どれだけの早さで実際になさるおつもりなのかということが一つ。 それから次に、日本自然保護協会は九〇年にこの条約の批准に関して外務大臣、総理大臣に意見書を出していますけれども、その中に南西諸島と白神山地の自然遺産を候補地にするようにということも提言しています。 この二点、これをどういうふうに今考えているのか、その点をお答えいただきたい。
○説明員(小西正樹君) お答え申し上げます。 まず第一の質問でございますが、この条約を締結するに当たりましては、先生からたびたびおしかりをちょうだいしておりますとおり、非常に時間がかかりましたが、私どもは国会の御承認を得てこの条約を締結できれば直ちに作業に取りかかりまして、国内の普遍的な価値を有する自然遺産、文化遺産、世界遺産一覧表に記載するのにふさわしい物件をできるだけ迅速に選定したいというふうに考えております。 具体的にどのようなタイミングでできるかということでございますが、この条約の関係の規則におきましては十月一日がそういう物件の目録を受け取る日になっております。その物件を受け取ってから次の年の十二月に世界遺産委員会が開催されまして、その世界遺産委員会の場で、それまでの期間にわたる専門家による検討等を踏まえまして世界遺産委員会が定めた基準に基づきどの物件を一覧表に記載するかということを最終的に決定するわけでございます。したがいまして、私どもは、この条約の締結につきまして国会の御承認を得られますれば直ちにそういった目録の作成に着手したいというふうに考えております。 また、第二の御質問でございますが、自然保護協会からの遺産の候補地として考えられるような物件があるという御指摘でございますが、私ども、いかなる物件がこの条約でいう顕著な普遍的な価値を有しこういった遺産に該当するかということにつきましては、この遺産に該当する物件の有無を具体的に検討いたしまして、特に世界遺産委員会が定めております一覧表に載せる基準、この基準にどの程度候補となる物件が当たっているかどうかということをよく考えまして検討していきたいというふうに思っております。
○堂本暁子君 二年前になりますけれども、世界遺産委員会の委員長を初め各委員が東京に見えてこの批准に向けてのシンポジウムが開かれたわけですが、その場でも日本の沖縄のサンゴ礁その他は非常に世界的な価値があるということで積極的な発言が外国からもあり、一刻も早くこの条約を批准し、そして指定していくことが大事であるという意見が述べられました。現地も視察されております。そのとき白神山地の問題も出ております。ということで、私もそのシンポジウムに出席しましたけれども、外国からもそういうことを積極的にやるべきであるという声が出ておりますので、可及的速やかにそういった作業に入っていただきたいというふうにお願いいたします。 最後に、その選定に当たって、先ほども民間の団体もその審議会の中に入れるというお話でしたけれども、やはり自然遺産、文化遺産に市民運動あるいは自治体が各地域で日本の国内で果たしている役割は大変大きくて、単なる有識者というのは大変私はくせ者だと思っているのです。有識者というよりは、本当にその文化遺産なり自然遺産を守ることに一生懸命になっている、そのために本当によく自然を知ってやっている市民の意見を積極的に聞いていただきたいと思うのですが、担当省庁でいらっしゃる外務省はそこの点はどうお考えでいらっしゃいますか。
○説明員(小西正樹君) 堂本先生のおっしゃられましたこと非常に大切なことでございますので、私どもはその点を十分踏まえまして、ぜひ今後とも関係省庁とこの点について真剣に相談していきたいというふうに思っております。
○堂本暁子君 どうもありがとうございました。
○神谷信之助君 私は、広島、長崎の原爆遺跡の保存の問題についてお尋ねしたいと思います。 この広島、長崎の原爆被害の実相を知らしめることは、唯一の被爆国である日本にしかできない仕事であります。したがって、この仕事、核兵器の廃絶、核廃絶へ向けて一層強めていかなければならない責任を日本は持っているというふうに思います。 政務次官にお伺いしたいのですが、日本の政治家として、外務次官として、この核兵器の廃絶に全力を挙げて努力をなさるおつもりはあるかどうか、まずこの点をお伺いしたいと思います。
○政府委員(柿澤弘治君) 核兵器の廃絶が人類の悲願であることは、先生御指摘のとおりでございます。その趣旨もありまして、先般我が国の広島で国連の軍縮会議を開催する等、私どもはその原爆の悲惨さを各国民に知っていただくよう努力をしているところでございます。 そういう意味では今後とも外交政策の一つの大きな柱としてそうした面で努力をしていきたいと考えておりますが、同時に国際社会におけるパワーポリティックスという観点もこれは避けて通れない問題でございますから、そうした世界情勢の改善に努力しながら最終的に核廃絶に向けて目的を達成したいというふうに考えております。
○神谷信之助君 抑止力としての核兵器の存在を認めるという立場にある限り、本当に核兵器の廃絶ができるのかというように私は大きな疑問を持っているということを申し上げておきたいと思うのです。 そこで、国連における第一回の軍縮特別総会で採択された最終文書でⅢの「行動計画」Fの「研究、情報の普及および教育」の項の九十九、百のところに、軍縮のために世界の世論の動員のため特別の措置を講ずるべきとして、軍備競争による危険の印刷物及び視聴覚資料の準備及び配布を強調しています。今おっしゃったように、核兵器による惨禍を再び繰り返してはならないという決意が変わらない限り、この日本の被爆体験というものを世界に訴えていくということ、これが必要だと思うのですけれども、この点はいかがでしょうか。
○説明員(小西正樹君) 先ほど柿澤政務次官の方から御答弁がございましたけれども、私どもは、このたびの国連の広島軍縮会議を初めといたしまして、我が国の軍縮・軍備管理の立場につきましてはこれをあらゆる機会を通じましていろいろと説明しておるところでございます。これは単に印刷物や視聴覚の資料のみならず、いろいろな手段で行っております。 例えば、先生御存じかもしれませんが、毎年二十五人程度の海外の軍縮関係者を日本に招待いたしまして我が国の軍縮政策につきまして外務省で十分説明いたしまして、その後、広島、長崎に御案内してその実相をごらんになっていただくというようなことも一九八三年来毎年実施いたしております。現在ですともう二百人を超える述べの人数になるかと思いますが、こういったことを通じまして各国民の我が国の軍縮外交に対する理解を深める努力をやっているわけでございます。
○神谷信之助君 そういう努力をなさっているわけですから、そこで私はお聞きしたいのですけれども、条約の前文に「特別の重要性を有しており、したがって、人類全体のための世界の遺産の一部として保存する必要があるもの」という規定があります。今、御答弁の中にもありましたけれども、したがってそういう点からいうと、広島、長崎の原爆遺跡の保存というもの、これは日本の国家責任でもある、さらにはまた世界の遺産リストに載るように日本政府としても提起をする必要があるというように思うのですが、この点についてはいかがですか。
○説明員(小西正樹君) 今の先生の御質問でございますが、世界遺産一覧表に記載すべき遺産というものについては、顕著な普遍的な価値を有すると同時に国内法制上十分な保護措置が施されているということで、極めて高い国際的な基準を満たすということが求められているわけでございます。我が国も、こういった基準に照らしまして特に価値の高い物件を精選して推薦していくということを考えております。 具体的に個々の物件のどれをそういった検討の対象にしていくかということについては今後行うわけでございますので、ここで一つ一つの案件について申し上げることは差し控えさせていただきたいと思いますが、今申し上げましたように、我が国の文化あるいは自然を代表するような世界遺産一覧表に載る物件としてふさわしいものを真剣に選んでいきたいというふうに考えております。
○神谷信之助君 我が国の文化的な遺産といいますかあるいは自然遺産の代表的なものを選んでいきたいということでこれから検討していくということですけれども、世界遺産の一覧表のリストの中にポーランドが推薦した物件としてアウシュビッツが記載をされています。この世界遺産委員会でアウシュビッツがどういう理由で認められたのか、もしわかれば御説明いただきたいと思うのです。
○説明員(小西正樹君) 先生の御質問でございますが、私ども今までこの条約の締約国でもございませんでしたし、ましてやこの締約国の中から相互に選ばれます二十一カ国のメンバーから成っております世界遺産委員会がどういう過程を経て、今、世界遺産一覧表に記載されておりますのは三百五十八件ございますが、これらの物件を具体的にどのような考慮に基づいて選定したかということについては私どもよく承知しておりません。 ただ、一般的にこういった物件を選定する際の基準となるものについては世界遺産委員会が設けておりますいわば運営指針的なものがございますので、そういったもので、例えば比類のない芸術上の業績ですとか、消滅した文明への唯一のあるいは少なくともまれな証拠を示すものといったいろいろなガイドラインがございますが、こういったものを基準にして世界遺産委員会が十分な検討を経た上で選定したものであるというふうに承知しております。
○神谷信之助君 もう時間がありませんので政務次官にお伺いしますが、自然遺産、文化遺産というもの、それは同時に人類が犯した過ちを再び繰り返してはならない、その具体的な証拠といいますか遺産として、アウシュビッツの問題もあるだろうし、あるいは日本においての広島、長崎の原爆の被害、こういうものがあるというように思うのですね。だからそういう点は、人類全体のための世界の遺産の一部として、再び過ちを繰り返さないためにもこれは検討すべき課題ではないかというように思うのですけれども、政務次官、これは検討の対象にはなさいますかね。それぐらいにはしてもらって検討してほしいと思うけれども、いかがですか。
○政府委員(柿澤弘治君) この点につきましては、条約の締結が済みました段階で検討させていただきたいと思っております。
○神谷信之助君 終わります。
○萩野浩基君 連合の萩野でございます。 本条約の趣旨につきましては、私自身、長年にわたる私の研究教育活動を通じてもこの必要性というものを訴えてきたものでありまして、先ほど松前先生がおっしゃったとおりに、私はこれは遅きに失したというぐらいに思っております。だから、この条約を結ぶということは私は賛成でございます。 さて、この条約の内容につきまして先ほど来、特に松前先生、堂本先生あたりから出ておりましたので、重複しますのでその点は避けますが、私としましては、文化、自然、それからよく使われる文明という、こういうものに対する基本的な考え方、本条約の全般的なコンセプト、こういうものについて少しアングルを変えて尋ねてみたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 本条約は、先ほどの答弁にもありましたが、ユネスコ自体とアメリカとの関係とかいろいろなものがあってこれは遅くなったのだろうと思いますのでその辺は伺いませんけれども、私は、これから特に日本が国際社会というものを目指していくのには、世界のそれぞれの文化というものを認め合うということが根底になるのではないかと思います。また、そういうものを尊重し合うということが国際協力の第一歩だろうと思って、そういう観点からこの条約というものを私は見ております。 だけれども、最近、御案内のとおりに、我が国の企業等が行ったいろいろな行為の中で、絵画の買いあさりだとかそれから映画会社をやれ買収したとか、具体的には例えばゴッホの「ひまわり」の購入、それからゴッホの「ドクター・ガッシェの肖像画」の購入とかこういうもの、それから今度は建物でもロックフェラーだとか、特に私など外国に行っておりますと、こういうのがとってもひんしゅくを買っておるのですね。 そういうことで我々日本というものが、確かに一応それなりに法的には何も違法な行為ではない、手続を経て購入しておるとは思いますけれども、やはり相手の立場に立って物を考えるということについて非常に問題がある。これは外務省でそういうことができるとは思いませんけれども、こういうことが現実にあるということは我々認識しておかなきゃならないと思うのです。 そういう点におきまして、今の国際摩擦の中でこういう問題がいろいろと国家間のフリクションを起こしておると私は思っているのですが、こういう面にも周到かつ十分な配慮といいますか、それをもって世界に対しての文化・自然遺産の保護を訴えていく、そういうときに当たってこういうことでフリクションを起こしておる。これに対してどのようにお考えになっているか、一言でいいですから御答弁をお願いします。
○政府委員(木村崇之君) 先生の御指摘のとおり、文化交流というものは相手方の文化を尊重するということが基本にあることは当然でございます。 私ども常々文化交流に対して考えておりますことは、まずこのような文化交流というものが我が国の対外関係において非常に大きな意味を持っている、先生御指摘のとおりのことでございます。特に我が国は国際間の相互理解ということが依然として不十分というふうに考えておりますので、文化交流を通じる相互理解ということが重要だというふうに考えておるわけでございます。 今、先生のおっしゃいました相手国の文化の尊重ということにつきましては、私ども若干視点は違うかもしれませんが、例えば開発途上国につきましては、開発途上国の既存の文化の交流のためにいろいろな貢献をいたしております。また、文化財の保存それから修復についても、先ほど政務次官からも御説明がございましたとおり、ユネスコに日本特別基金というものを設けて支援いたしております。 先生のおっしゃるとおり、相手国の文化の尊重とそれからそれに対する支援ということは大変重要であるというふうに考えております。
○萩野浩基君 このコンベンションを読んでみまして、この中で、カルチュラル・ヘリテージとか、カルチャーという言葉が非常にたくさん出てくるわけです。カルチャーというのは非常に私、このコンセプトのとらえ方は難しいのではないかと思います。やはりこの辺少しはっきりしておかないと、文化というのは一体何なのかというのはこれはなかなか決めにくいと思いますが、文化と文明というのは一体どのような違いを持っておるのか、関係省庁、もし答えられればお願いします。
○説明員(吉澤富士夫君) 文化、文明の違いと……
○萩野浩基君 わからなかったらわからないと。こちらが講義しますから。
○説明員(吉澤富士夫君) 文化についての意義は、問題意識や立場の相違によりなかなか定義することは難しいのじゃないかというふうに思っております。広く文化を人間が自然に働きかけながら形成してきた物質的、精神的な成果の一切を意味するというものに解すれば、文学、音楽、美術、演劇、舞踊、こうしたものの芸術はもとより、衣食住の様式とか、知識、信仰、道徳、法律、社会慣習などもすべて文化の概念に含まれることになるというふうには思っております。 この意味において文化に係る行政は極めて広範なことになると思いますけれども、文化庁としては、芸術と国民娯楽、文化財保護法に定める文化財、それから出版著作権に関する権利並びにこれらに関する国民の文化的生活向上のための活動、これらに関する行政を行っているというものであります。
○萩野浩基君 それでは余り十分じゃないですが、一応これははっきりしたコンセプトがあるわけではない、だけれども我々、とても心得ておかなきゃならないと思うのです。 この中で、ユニバーサルという言葉がたくさん、先ほど松前先生の質疑にもありましたけれども、何をもっていろんなものを決めていくかというときのスパンですね、そういうときにそれこそ文明というのがある意味ではユニバーサル的な、私の時計、これはアメリカでもロンドンでもちゃんと動いておりますけれども、やはり文化というのはある場所が変わるとカルチュラルシステム、文化体系の中において価値が出てくるのですね。ですから、そういうところをきちんと押さえてないで文化というものを簡単に論じては私はいけないのじゃないか。 この二ページを開いてもらえばわかりますけれども、二ページの上から三行目の「anthropologicalpoints of view」、文化人類学的な一つの点というのもちゃんと出ているわけですね。ですから、レビィ・ストロースに始まるこのアンソロポロジー的な一つの文化というもののとらえ方は、機能的な面とか構造的な面からとらえていく面もあるし、これを我々の一番身近にすれば、やはり相手の立場に立って物を考えていく、そういう意味で、我々が例えばつまらないと思うものでも非常に価値のあるものも出てくる。 そういうように、これからは世界の国々が一緒にやっていくのに一つその中で何をもとに決めるかということにおいて、ユニバーサル・バリューという言葉がいろいろなところに出てきているのですけれども、そもそもこのユニバーサル・バリューというのは一体どのようにこれを読まれて考えていらっしゃるのか、この条約を結ぶときに。それを一つお聞きしておきたいと思います。関係省庁。
○説明員(小西正樹君) 私が申し上げるのは必ずしも関係省庁共通の理解ではございませんけれども、私の理解といたしましては、先生御指摘のとおり、普遍的な価値というものは、独自性を持ちながらかつそういう独自性が普遍的に理解できるようなそういう価値を持つものではないかと私は考えておりますが、この点につきましてこの条約の解釈といたしましては、先ほどちょっと触れました世界遺産委員会でいかなる物件を選ぶかということにつきまして基準と申しますか運営指針がございますので、こういったものを参考にしてそういう普遍的価値を有する物件を選んでいくことになる、こういうふうに理解しております。
○萩野浩基君 もう時間が来ましたので、最後に。 いずれにしても、この条約は、私は大賛成でありますけれども、最初に申し上げたとおり、遅きに失したという意味で、これからとにかく日本が国際化していくというときに、それぞれ相手の立場に立って、そこで大切にしているものは一体何かというそういう意味に立っての文化、この文化人類学的見地に立った文化のとらえ方というものを、そういうのもこのコンベンションの中に出ているわけですから、単にユニバーサル・バリューを普遍的価値と、日本語に置きかえればこれはそうなってしまうかもわかりませんけれども、やはり文化人類学的な一つの見方とかそういうようなものも含んでということになっているので、この運用とかいろいろな面についてはその辺を十分配慮する気があるかどうか、柿澤外務政務次官。
○政府委員(柿澤弘治君) 私考えますに、十九世紀、二十世紀前半における文化の価値、尺度というものは西洋文明というものに偏っていたように思います。ですから、果たして彼らがインカの文化というものを認めていたのだろうか、また東洋的な文化の価値というものを認めていたのだろうか、こうした点については疑問なしとしません。しかし現在は、東洋文明を含めてさまざまな文化、文明の相違をお互いに尊重しながら人類文明というものをつくっていく、人類文明の世紀になりつつあるというのが私の考え方でございます。 そういう意味でそれぞれ、日本的な言葉で言えば、「君は君 我は我なり されど仲よし」というそういう境地に達して、そして外交をやっていかなきゃならないし、相互の文化の相違を認め合いながら尊重していくという考え方が必要だというふうに考えております。
○萩野浩基君 もう終わりにしたいのですけれども、ちょっと一言。 今、人類文明と言われたので、そこを言われれば人類文化。文明というのは確かにサイエンス的なそういう面また科学技術的なものが入っていくわけで、そこからスタートしていくと思いますが、最終的にはやはり文化という形に私は願いたいのです。そこだけもう一度お願いします。
○政府委員(柿澤弘治君) しかし、トインビーの文明への挑戦という言葉もありますし、地中海文明、エーゲ海文明、大西洋文明、我々は今、太平洋文明の時代にいるというふうに考えております。
○萩野浩基君 訳語の問題でね。外国語の訳のトインビーを私も読んでおりますから、「歴史の研究」を初め。だから、これは訳語がそうなっていますから、大体私の考えていることと同じということはわかっています。 終わります。
○猪木寛至君 私も大変遺跡が好きで、職業上というか、プロレスをやっていまして世界を回ったときに結構時間を割いていろいろな遺跡を回ってきましたが、きょうこの資料を見まして、まだまだすごくあるのだなという気がいたしました。 その中でもモヘンジョダロという、これはパキスタンですか、六千年、四千年という井戸があって、その人たちがずっと代々使っていた井戸の構造というのは、昔、最初につくった人たち、古い年代はすごく精巧につくっていて、だんだん新しくなってくると雑になってくるという、本来は逆でしょうけれども、そういう歴史を千年単位で見ていったときのいろいろなものを見て感銘を受けました。 そこも非常に塩害でかなり被害がすごかったのですが、大変パキスタンも貧乏な国で、専門家は一生懸命ですけれども、なかなか国民のレベルとしてそういうところまで気が回らない。それはパキスタンに限らずいろいろな国が全部同じような状況じゃないか。そういう意味で、日本はこれから世界貢献ということが言われておりますが、本当にお金持ち日本というイメージ、必ずしもお金持ちじゃないのじゃないかと思いますが、そういう貢献をぜひ進んでやっていただきたいと思います。 もう一つは、この前イラクの方へ行ったときにバビロンの遺跡が湾岸戦争の後どうなったのかなというのが大変気になっておりましたが、余り情報が上がってきません。これは後でもしそういう情報があったら聞かせていただきたいと思います。 そしてもう一つ、オールド・ハバナ。つい最近キューバに行ってきまして、ぜひこれは保存をしたいということなのですが、いろいろな政治的な問題、アメリカとの関係とかがあって、そういうような保護の対象にはなっておりますが、全然まだそういう資金が来ないし、我々としても本当に早くそれをお願いしたいというようなことがあったのです。必ずこういうものはどこかとの利害の関係であったり対立の関係のもとに、必ずしも公平に行われていないという気がいたします。 そういうことで、私は、先ほどもアンコールワットの話が出ましたけれども、今晩ちょうどカンボジアの方へ行ってこようと思っておりますが、時間もありませんのでそれ以外の話はしません。アンコールワットについての今の状況と、それからバビロンの戦後の跡がどうなったかということだけお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(柿澤弘治君) バビロンの戦後については特に私ども現在持ち合わせておりませんので、必要があれば後ほど御報告をさせていただきます。 ただ、バビロンの遺跡につきまして、私も訪ねたことがありますが、二回にわたって訪ねましたけれども、現在のイラク政府は、現状のままでの保存ということでなくて、もとの形への復旧をしようということで新しい城壁をつくったりしておりまして、こうした保存の仕方が正しいのか正しくないのか、いろいろ考古学的には非常に問題があるところではないかと思っております。 それからカンボジアのアンコールにつきましては先ほど御報告したとおりでございますが、今後の修復の過程で問題になってきますのは、自然の力による破壊をどう食いとめるか。石垣の上に木の根が張ってきてそれが石垣を崩していくというような状況があります。どこまでそういうものをとめるか。それから戦争の過程でさまざまな像が首をとられたりいろいろ破損をしております。これをどこまでもとの形に復旧するか。その辺について、現状維持なのかそれとも原形復旧なのかという問題が大きな問題として出てくるのではないかと思います。
○猪木寛至君 私も、見てきたらまた報告させていただこうと思います。 私の質問は終わります。
○委員長(大鷹淑子君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約の締結について承認を求めるの件に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大鷹淑子君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大鷹淑子君) これより請願の審査を行います。 第一一四九号「子どもの権利条約」の全面的な批准等に関する請願外三十三件を議題といたします。 まず、専門員から説明を聴取いたします。辻専門員。
○専門員(辻啓明君) お手元の資料に基づきまして御説明申し上げます。 今期国会当委員会に付託されました請願は、三種、三十四件でございまして、いずれも政府より承認を求めて提出されております児童の権利に関する条約についてのものでございます。 まず、第一一四九号外一件の請願は、本条約の留保なしの全面的批准、国内法の整備及び各省庁の指導や運用の見直しを要請するものでございます。 次に、第一九九二号外一件の請願は、本条約の批准と実行の早期実現、国内法の整備及び条約の理念と条約訳文の各行政区を通じての普及徹底を要請するものでございます。 最後に、次のページにございます第三六〇九号外二十九件の請願は、条約の名称を「子どもの権利に関する条約」とすること、解釈宣言及び留保は行なわず、また関係国内法の改正、整備を行うこと、「西暦20〇〇年に向けての国内行動計画」を条約審査の中で取り上げ、その充実に努めること、条約の周知計画を策定すること、条約実施のための予算を確保すること等を要請するものでございます。 以上でございます。
○委員長(大鷹淑子君) 以上で説明は終わりました。 これらの請願につきましては、理事会において協議の結果、いずれも保留とすることとなりました。 以上のとおり決定することに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認めます。よって、さよう決定いたしました。 ―――――――――――――
○委員長(大鷹淑子君) 次に、継続調査要求に関する件についてお諮りいたします。 国際情勢等に関する調査につきましては、閉会中もなお調査を継続することとし、本件の継続調査要求書を議長に提出いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 なお、要求書の作成につきましては委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大鷹淑子君) 委員の異動に伴い現在理事が二名欠員となっております。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認め、よって後刻これを指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大鷹淑子君) この際、一言ごあいさつ申し上げます。 私が外務委員長として皆様の御推挙を受けましたのは昨年の八月五日のことでございます。自来、委員長としてその重責を果たし得たかどうか自信のないところでございますが、今日、つつがなくその任を終える日を迎えられましたことは、ひとえに皆様の御協力、御指導のたまものと存じます。ここに委員各位に深く感謝を申し上げ、ごあいさつとさせていただきます。 本当に皆様、ありがとうございました。(拍手) 本日はこれにて散会いたします。 午後三時七分散会 ―――――・―――――