外務委員会 第6号
- 発言数
- 283 件
- 登壇者
- 24 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1992/04/21
会議録
○委員長(大鷹淑子君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨二十日、矢田部理君が委員を辞任され、その補欠として堀利和君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(大鷹淑子君) 投資の相互促進及び相互保護に関する日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約(第百五十九号)の締結について承認を求めるの件、両件を便宜一括して議題といたします。 ―――――――――――――
○委員長(大鷹淑子君) 参考人の出席要求に関する件についてお諮りいたします。 ただいま議題となっております本件の審査のため、海外経済協力基金理事天野貞夫君を参考人として出席を求めることに御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大鷹淑子君) それでは、趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○堀利和君 本日の外務委員会では、私は障害者の職業リハビリテーションと雇用に関するILO百五十九号の批准について持ち時間の一時間を十分使って審議するつもりでございました。しかし、昨日の朝日新聞の朝刊、毎日新聞の夕刊に渡辺外務大臣の身辺につきましての報道がございましたので、外務委員会がきょう開かれるということではこの問題をどうしても取り上げなければなりませんので、そういう点から当初予定しておりましたILOの百五十九号につきまして何点か割愛する形での質疑になろうかと思います。あらかじめ御了承願。いたいと思います。 そこで、昨日の新聞報道によりますと、日本が巨額の政府開発援助をしているインドネシア再開発援助事業に、渡辺外務大臣の報道によりますと私設秘書の方が代表をなさっている企業がこのインドネシア再開発事業の中核企業として深く関与しているという報道がございました。この件につきましてお伺いしたいと思います。 インドネシア再開発事業の内容につきまして御説明願いたいと思います」そして、同事業にODAがどのように使われていったかという経過につきましてもあわせて御説明をお願いしたいと思います。
○説明員(飯塚和憲君) お答えいたします。 ただいま先生御指摘の事業は、インドネシアにおきますジャカルタフェア施設事業と呼んでいるものかと思います。 事業の内容でございますけれども、ジャカルタ市内の旧国際空港クマヨラン空港の跡地の再開発の一環といたしまして、その跡地に四十四ヘクタールの土地を取得しまして国際見本市施設を建設し、各種の展示会、イベント等を企画してインドネシアの工業化の促進、輸出の振興に寄与して、将来の国際ビジネス拠点として発展させるというようなものでございます。 具体的には、日本とインドネシアの合弁会社でございますジャカルタ国際見本市会社が事業費百七十二億円で常設展示ホールあるいは国際展示会用展示ホール等を建設、運営するものでございまして、工事は九〇年五月に着工いたしまして本年九月に完工する予定でございます。 なお、いきさつについての御質問がございました。ただいま申し上げましたように、このジャカルタフェア施設建設事業でございますけれども、これの施行主体はジャカルタ国際見本市会社という会社でございまして、先ほど申し上げましたように、インドネシアと日本の合弁企業でございまして、海外経済協力基金もこれに今、間接的に出資を行っているというところでございます。これはいわゆる円借款、直接借款事業といったものでございませんで、いわゆる出資を他の民間企業と共同して行っている、そういう姿でございます。
○堀利和君 同事業には、日本、アメリカ、フランス、オーストラリアの四カ国が再開発案を示していたというふうに聞いております。日本とインドネシアの合弁企業であります今答弁にございましたジャカルタ国際貿易見本市会社が受注したということでございますけれども、このいきさつについてはどのような経過がございますでしょうか。
○説明員(飯塚和憲君) ジャカルタ国際見本市会社がこの事業を行っております経緯ということでございますけれども、これは我が国の民間企業とOECF、これが共同出資をしてジャカルタ開発という会社をつくっておりますが、ここがインドネシアとの合弁事業たるジャカルタ国際見本市会社というものに間接的に出資を行っておりまして、その会社が行う事業がこのジャカルタフェアの施設建設、運営の事業であるということでございます。
○堀利和君 そうしますと、ジャカルタ国際見本市会社の日本側の構成ということは、今答弁にございましたように、ジャカルタ開発会社ということでよろしいわけですか。
○説明員(飯塚和憲君) そのとおりでございます。
○堀利和君 このジャカルタ開発会社とは、どういう目的を持って、どんな構成で、どんな会社でございましょうか。
○説明員(飯塚和憲君) お答えいたします。 ジャカルタ開発でございますが、これは平成元年四月に設立されました事業でございまして、先ほどから申し上げておりますジャカルタフユア施設事業への投融資、これを主たる目的とする株式会社でございます。株主は海外経済協力基金と本邦の民間企業五十五社ということでございまして、資本金は二十五億九千三百万円、これに対する海外経済協力基金の出資比率が一六・一%、四億二千万円ということになっております。
○堀利和君 日本興業銀行あるいは清水建設、日商岩井、ファーイーストオイルトレーディング、そして興南通商、こういう会社はどういうような関係にございますでしょうか。
○説明員(飯塚和憲君) ただいま先生御指摘の企業につきましては、ジャカルタ開発株式会社の出資者でございまして、主要な役員を占めているという会社でございます。
○堀利和君 この最初の日本興業銀行なりあるいは清水建設というのは有名でもございますので私も存じておりますけれども、興南通商というのは耳なれない初めてお聞きする会社でございます。 この興南通商という会社はどのような会社なのか、またどのような役員構成になっているのか、お聞きしたいと思います。
○説明員(飯塚和憲君) 興南通商につきましては、一九八六年に設立された株式会社でございまして、当初は東南アジアにおける投資コンサルタントということを主たる目的としていたと理解しておりますが、現在はジャカルタ開発事業への投資とともに各種機械部品等の輸出、映画、ビデオ等、映像開発を主たる業務としているというふうに承知しております。 なお、役員構成につきましては、代表取締役会長、代表取締役社長、取締役、この三名というふうに聞いております。
○堀利和君 そこで、昨日の朝日新聞、毎日新聞の報道によりますと、この興南通商という会社の役職にその報道にある渡辺外務大臣の私設秘書という方が関与しているといいますか役職におられるようなのですけれども、これはいかがでしょうか。どういう役職にいらろしゃるのか御存じでしょうか。
○説明員(飯塚和憲君) ただいま御指摘の御質問については一部お答えする立場にないものもございますが、今御指摘の会社の名前ですが、興南通商株式会社の方がジャカルタ開発の役員をされているという事実はございます。
○堀利和君 興南通商、私も登記簿をちょっと調べたのですけれども、若干不可解のような会社でございまして、社員がどうもいるかいないかわからないような会社でもございますし、なかなかジャカルタ開発、企業ですから何をやっても自由なのですけれども、若干不可解なものを感じました。 そこで、柿澤政務次官に次にお伺いしたいと思いますけれども、政務次官は一月の十二日から十七日にかけましてマレーシア、インドネシアを訪問されたわけですけれども、これは政務次官として訪問されたのでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) 私も、就任をいたしましていろいろな形で先方の要人にもごあいさつをしたいということで参りました。
○堀利和君 政務次官として行かれたのかをお聞きしているのですが。
○政府委員(柿澤弘治君) 私の場合は政務次官として参りました。
○堀利和君 昨日の新聞報道にあります渡辺外務大臣の私設秘書のお名前は御存じでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) はい、存じております。
○堀利和君 何というお名前でしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) 丸目さんでございます。
○堀利和君 一月十四日から十七日の間インドネシアに滞在されたわけですけれども、記者会見をなさったということだそうです。それで、プレスブリーフィングする際にこの報道にございます私設秘書の丸目三雄さんですね、この方を記者の方々にいわば何者といいますか、どういう肩書でどういう方というふうに御紹介されたのでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) 正確には覚えておりませんが、インドネシアに大変詳しい方で、今回もいろいろな意味でアドバイスをいただいて一緒に来たと、こういう紹介をしたと思います。
○堀利和君 この報道による私設秘書の丸目さんとは、この十二日から十七日のマレーシア、インドネシア訪問に際しましてどの時点から御一緒だったのでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) おおむね同行しておりました。全部ではありません。
○堀利和君 おおむねというのはひとつ私にはよくわからないものですから、いつからということでお伺いしたいのですけれども。
○政府委員(柿澤弘治君) 原則として出発から帰国まででございます。
○堀利和君 それで、記者会見の際には政務次官と丸目さん、御紹介したのですからいらっしゃったわけですが、その他となたがいらっしゃったのでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) 正確に記憶しておりませんが、現地の大使館の方がいらっしゃったと思います。
○堀利和君 きのうの朝日、毎日の報道のもととなっておりますアメリカ・カリフォルニア州の地元紙になりますけれどもサンノゼ・マーキュリー・ニュース、きのうのきょうですから私も十分な調査資料もございませんけれども、このニュース紙によりますと、政務次官は丸目さんを次のように紹介されたというふうに報道されております。 つまり渡辺大臣の私設秘書であると、彼は渡辺大臣の私設秘書であるというように記者に対しましても紹介したというふうに報道されておりますけれども、先ほど丸目さんの肩書、何者かということに対しての質問についてはそのような答弁じゃなかったのですけれども、これの真意はどうなのでしょうか。
○政府委員(柿澤弘治君) その件は、大分後になってからですが、外人記者の訪問を受けましてごく数分二、三の質問を受けました。その中で今話題になっている丸目さんについて質問がありまして、どういう資格の方ですかということでしたので、インドネシアの議連のお仕事などをお手伝いしている方ですということで、民間の方ですという意味でプライベートという言葉は使いましたが、私設秘書かどうか、その点については私も正確に承知しておりません。
○堀利和君 そうしますと、言った言わないということ、承知しているかどうかということになりますと、これは今までも疑獄事件で国会で証人喚問等をやりましても、記憶にございません、承知しておりませんということでなかなかそこの真偽がはっきりしないわけですけれども、このサンノゼ・マーキュリー・ニュースで柿澤政務次官が明確に、丸目さん、彼は渡辺大臣の私設秘書であるというふうに言ったということで明確に報道されております。この件についてどう思われますか。
○政府委員(柿澤弘治君) 英語でのやりとりでしたからその点正確に伝わっているかどうか私も自信がありませんけれども、私がその点を断定できる立場にないということは堀先生もおわかりいただけることと思います。
○堀利和君 きょうのところは、きのうのきょうですから私自身も十分な調査資料を持っておりませんので、憶測、推測というのは控えたいと思います。 ただもう一度、どうもしっくり私の胸に落ちませんので、カリフォルニア州の米紙が報じた、丸目さん、彼は渡辺大臣の私設秘書であるということを柿澤政務次官が言ったか言わないか、もう一度繰り返しなのですけれどもお聞きしたい。そして、もし言っていないとなれば、やはりこの新聞社に対しては私は何らかの行動といいますか措置をとるべきかと思いますけれども、最後にその点を伺って、この件については終わりたいと思います。
○政府委員(柿澤弘治君) 先ほど申しましたように、丸目さんが渡辺事務所とどういう雇用関係にあるか私も正確に断定する立場にありませんので、いろいろな形で日本インドネシア友好議連の仕事を手伝ってきたプライベートな方ですということは申し上げました。それだけでございます。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 委員長、じゃ一言しゃべらせてもらいますか。 よろしゅうございますかな、先生。
○堀利和君 いえ、私、大臣には答弁を求めたくございません。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは困るね、私にも答弁させてもらわぬと。
○堀利和君 いや、委員長、私は大臣からの答弁は今回求めたくございません。 それでは、当初予定しておりましたILO百五十九号につきまして、残された時間も短いわけですけれども、取り上げたいと思います。 このILO百五十九号の批准につきましての意義について大臣から所見を伺うつもりだったのですけれども時間がございませんので、あらかじめ外務省からいただいた文書等を読んでもおりますので会議録に残すことは残念ながらあきらめまして、労働省の方にまずお伺いをしたいと思います。 労働省の懇談会であります国際労働問題連絡会議のILO小委員会、これが昨年の夏に新設されたということが新聞にも報道されておりましたけれども、このILO小委員会がどういうものか、御説明を伺いたいと思います。
○説明員(菅間忠男君) 先生お尋ねのILO小委員会でございますが、本小委員会は国際労働問題連絡会議、これは国際労働行政全般にいろいろお知恵を拝借している会議でございますが、その国際労働問題連絡会議の下部委員会といたしまして昨年八月に設置されたものでございます。本小委員会は政労使のメンバーによって構成されておりまして、特にILO条約の批准につきまして意見の交換、研究をお願いしているところでございます。 ILO小委員会におきましては、最近採択されました条約を中心にいたしましてその批准の可能性について検討が行われまして、特にILO第百五十九号条約の批准の可能性を検討するよう御提言をいただいたところでございます。これを踏まえまして本条約の批准の検討を進め、今回この国会にその批准の承認をお願いしているところでございます。
○堀利和君 ILO条約というのは、やはり働く者にとって大変重要な条約でございます。一本でも多く批准できるように今後とも御努力をお願いしたいと思います。 そこで、昭和六十二年に障害者の雇用の促進等に関する法律として改正されたこの障害者の雇用に関する法律なのですけれども、それまでの身体障害者雇用促進法ということからいうと法体系上はかなり整備されたものだと、国内的にも法制的に大分これは進んだものだというふうに理解できるかと思います。 そういうことからいいますと昭和六十二年の段階といいますか、この法改正に基づいてILO百五十九号条約が批准されてよかったのではないかと思うわけです。それが、こういう形で今通常国会で批准されることで審議しているわけですけれども、どうも遅かったということは否めないわけです。これはなぜ昭和六十二年当時に批准というふうなところに踏み切れなかったのか、お伺いしたいと思います。
○説明員(小西正樹君) お答え申し上げます。 先生今述べられましたとおり、我が国では昭和六十二年にそれまでの身体障害者雇用促進法という法律が障害者の雇用の促進等に関する法律に改正されまして、あわせて職業安定法、職業能力開発促進法、こういった法律にも所要の改正が加えられ、障害者全般を対象といたしまして職業リハビリテーションを行うための法体制が整備され、この条約を締結する条件が一層整うことになったわけでございます。 他方、我が国といたしましては、締結した条約についてはこれを誠実かつ厳正に実施するということにしておりまして、この条約につきましてもこのような方針のもとで条約の解釈、国内法制との整合性、こういった点について慎重に検討を行ってきたものでございますけれども、この検討を今般終了いたしましたので批准の承認を求めることとしたわけでございます。
○堀利和君 私は、ILO百五十九号における重要な中身からいいますと職業リハビリテーションがどこまで整備されるかということが一つの大きな問題だろうと思うのです。そういう点で職業リハビリテーションという観点からいいますと、職業総合センターが昨年十一月に設立されて千葉市幕張に既にオープンしておりますけれども、これがいつ企画立案といいますか調査段階に入ってそういった予算が組まれたか、その点についてまずお聞きしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 心身障害者職業センターの設置を行っております雇用促進事業団の障害者総合職業対策調査研究委員会というのがございまして、その報告におきまして、これは昭和六十一年でございますけれども、総合センターの設置による職業リハビリテーション指導体制の確立が提言されたわけでございます。六十二年に法律が改正されまして、日本障害者雇用促進協会に障害者職業センターの設置、運営を一元的に行わせることにしたことに伴いまして、総合センターが各障害者職業センターの中核的なセンターとして法律上位置づけられたものでございます。 障害者職業総合センターにつきましては、昭和六十二年度の予算として調査費が認められまして、昭和六十三年度から平成三年度にかけまして設立のための予算が計上されまして、干成三年十一月に完成したものでございます。
○堀利和君 ILO百五十九号の九条にもリハビリテーションの専門家を養成する施設も整えなければならないということがありまして、こういった総合的な観点から見れば当然それなりに整えなければならないわけですが、既に六十二年の段階で調査費がつき総合職業センターが計画されているということですので、私としては、でき上がってからこのILO百五十九号を批准するのではなくて、その段階で批准をして具体的な施策を一歩でも確実にそして早めていく、またそういった目標を内外ともに示すということが重要ではなかろうかと思う次第でございます。 それで、このILO百五十九号条約を締結している主な締約国とその国々の批准の年をお伺いしたいと思います。
○説明員(小西正樹君) この条約の締約国は、平成四年一月二十二日現在で三十九カ国ございます。主要な先進国の名前及びその批准の年は次のとおりでございます。 スウェーデンが一九八四年、スイス及びデンマークが一九八五年、フランス及びドイツが一九八九年でございます。
○堀利和君 主要国という言葉はそうでない国を差別するようで余り私は好まないわけですけれども、いわゆるサミット国なり主要国とあえて言わせていただければ、フランスなりドイツが八九年に批准しているということからいいまして、私は、日本が国際社会の中で貢献しまたリーダー的立場に立っていくというのであれば、先ほど言いましたように、職業総合センターが昭和六十二年の段階で計画がほぼ決まっているということもありますから、内容から見てもそして国際的なリーダーシップという点から見てもやはりこの百五十九号を早く批准すべきではなかったか。この百五十九号のみに限らず、なかなか我が国では厳格、厳密に国内の法制的なあるいは実態整備ということがどうしても問われてきまして批准そのものがおくれがちだというふうに思います。 そういう点で、国際社会のリーダーシップという立場から見て、大臣にお伺いしたいのそすが、やはり批准というものはなるべく早くして国内外ともに日本の立場を明確に示していくべきと思いますけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 国連の人権関係条約の役割にかんがみまして、未締結条約につきましては、その目的、意義、内容、国内法との整合性などを十分に勘案をいたしました上で適当と考えられるものについては締結に努力していく所存でございます。
○堀利和君 宮澤総理が一月三十日の参議院の本会議におきましてILOの労働時間短縮に関する答弁の中で、我が国は厳格、厳密にそういった法制的なものを整備する、だから批准がなかなか先には進まないのだという答弁をされておりました。渡辺外務大臣は、三月十二日だったかと思いますけれども衆議院の予算委員会の分科会で、我が党の仙谷議員が人種差別撤廃条約の批准に関しまして質問したことについて、今国会が終わってから勉強して、問題となっている省庁、法務省なのですけれども、とも話し合ってみようかというようないわば前向きとも思えるような御答弁があったわけです。 そういうことから勘案しますと、渡辺外務大臣の中には多少厳密さ、悪い意味ではないわけですけれども、従来での厳密さから少し離れても、やはり内外ともに示す一つの立場として批准というものを早めようじゃないかというお気持ちがあろうかと思うのですけれども、重ねてもう一度その点をお伺いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私といたしましては、あらゆる形態の人種差別を撤廃するというこの条約の趣旨は賛成です。したがって、できることならばなるべく早いうちに締結をするということがよいのじゃないか。そういうようなことで、各省庁と今後も話し合って検討を進めてまいりたいという気持ちは変わりはありません。
○堀利和君 そういった前向きなお気持ちを十分受けとめさせていただきたいと思います。 次に、ILO百五十九号条約の加盟国となるということ自体、国際協力になるわけですが、今回この十六日にも私、労働委員会で雇用促進法の法改正の審議に当たったわけですけれども、この法改正の中で国際協力というのが新たにつけ加えられました。これを具体的に御説明願えますでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 国連障害者の十年を通じまして障害者の職業的自立を図るということがアジア諸国を初めとします開発途上国の重要な課題となってきておるわけでございまして、我が国の職業リハビリテーションでございますとかあるいは職場改善等の障害者雇用にかかります技術的な事項についてのノウハウ等について、それをいわば伝達してほしいという要請が高まってきておるわけでございます。 従来むりこういったような観点から政府レベルでの国際協力の推進に努めてきたわけでございますけれども、開発途上国において民間レベルでのこういった障害者の職業自立についての国際協力のニーズは高くなってまいっておりますので、労働省の認可法人でございます日本障害者雇用促進協会におきまして、現地の関係団体、施設等の共催のもとに、現地において障害者雇用国際セミナーを開催することによりまして我が国の職業リハビリテーションでございますとかあるいは障害者雇用についての技術的な事項につきましての情報を提供いたしまして、相手国のいろいろな条件の中でそれを生かしていくための経験交流を行う、こういったような事業を行うということを考えておるところでございます。
○堀利和君 雇用促進法改正の採決に当たりまして附帯決議をつけた次第でございます。その七つ目にも、国際協力に当たっては相手国の事情をよく考えて、かっ実効の上がるように努力しなければならないというふうにさせていただいたわけですけれども、国際協力、今お聞きしておりまして、単にソフト面のみならず将来はやはりハード面についても協力すべきではなかろうかと私自身思っております。 そこで、雇用促進法でございますから、労働省所管のいわば職業リハビリテーションということになります。しかし、こういった職業リハビリテーションも効果のあるものと、また総合的に考えた場合にはやはりその前段の医療リハビリテーションというものも重要かと思います。そういうことからいいますと、国内では医療リハビリテーションは厚生省が所管するわけでございますし、職業リハビリテーションは労働省ということで行政の縦割りになっているわけです。これは国際協力ということについては一本化して、一元化した形での総合的な援助がやはり効果を上げるかと思います。 そういう点で将来を見通しての上ですが、労働省、厚生省それぞれに、この辺のハード面も含めた医療リハビリあるいは職業リハビリを総合的に一元的にやれないものかどうか、お伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) ただいま先生、四月十六日の参議院の労働委員会におきます附帯決議についてお触れになりましたけれども、ただいま申し上げましたように、法改正によりまして日本障害者雇用促進協会で行うことを予定しております国際協力は民間レベルの国際協力を行うものでございまして、主として現地セミナーの開催によりまして、我が国の職業リハビリテーションでございますとかあるいは職場改善等の障害者の雇用についての技術的な事項についてノウハウを提供するソフト面での協力を実施することでございます。 しかし、労働省はこれまでも政府間レベルによりますハード面での協力も行ってきたわけでございまして、相手国の実情等から、民間レベルの国際協力のみならず、職業リハビリテーションを行うセンターの建設でございますとかあるいは機材の整備等のハード面での協力も行っていく必要があるということでございまして、これは従来どおりそういったようなハード面での協力を行っていく必要のあるものにつきましては政府間レベルでの国際協力として対応していきたいというふうに考えております。
○堀利和君 政府間レベルで協力体制をつくっていきたいということでございます。そうなりますと、やはり私が今御提案申し上げたことについては、そういう点からいいましても労働省なりあるいは厚生省という枠組みの予算ではとてもやれる話ではないだろうと思います。そういうことから私は、ODAの枠組みで何とか予算を組んでそういったことができないものだろうかということを御提案申し上げたいわけです。 例えば中国に対しまして肢体障害者リハビリテーション研究センター整備計画というのが一九八五年度からスタートしまして、八六年度予算がつき九一年度までの五カ年計画で進められたというふうにこちらとしては聞いております。総額三十三億八千万円ということだそうですけれども、まずこの今取り上げました施設がどういう施設で、どんな設備でどういうような機能を果たしているのか、御説明を願いたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) 御指摘の中国の肢体障害者リハビリテーション研究センターについてでございますが、中国におきましては、産業の発達や交通量の増大に伴いまして労働災害、交通災害による肢体障害者の治療や社会復帰というものが重要な課題となっておるわけでございます。本件センターは、障害者の治療、リハビリテーション、社会復帰に関する総合的研究を行うことを目的といたしまして中国肢体障害者福利基金会が設立したものでございます。リハビリテーション医学基礎研究所、リハビリテーション技術研究所、附属病院、視聴覚教育等より成っております。 我が国は、先生御指摘のとおり、同センターに対しまして、調査はもっと前からでございますが、無償資金協力によりまして昭和六十年度と六十一年度に、とりわけ建設資機材、医療器材等、御指摘のように約三十四億円相当を供与いたしましたほか、六十一年からこの方、リハビリテーション医学、理学・作業療法、工具等を用いた機能回復訓練等でございますが、そういうこと、それから看護等の分野の要員の養成といったことを目的とするプロジェクト方式技術協力、これはいろいろな形態の協力を取りまとめて行う協力形態でございますが、こういうものを実施しているところでございます。
○堀利和君 この件につきましては、鄧小平の息子さんが車いすの障害者でもあり、この方がかなり活躍されてこういう計画、施設ができ上がったというふうにも聞いております。私が中国に行ってこの施設を実際に視察すればよかったのでしょうけれども、そういう機会もなく実際には見ておりませんのではっきりしたことは申し上げられませんが、今御説明を聞く限りでも、私が先ほど御提案申し上げたように、はえあるすばらしい施設であり設備であり機能を持っているというふうに言えるかと思います。 こういうすばらしいソフト、ハードを含めた施設、これをやはり私は、今回の百五十九号条約の批准の趣旨あるいは法改正の趣旨からいいましても、中国のみならず他の途上国に対しましても積極的に援助をすべきかと思います。こういうことは確かに地道なことで大きなプロジェクトといったような華々しいものではございません。しかし私は、国際貢献といいますか、日本が国際的にそれなりの立場で果たすべき役割というときにはこういった地道なものでも積極的にやるべきだろうと思います。 そういう点からいいますと、やはり一省庁の予算ということにはならないと思います。どうしてもODAという枠組みで考えていくべきかと思うのですが、ぜひ大臣にはこういう観点からODAの活用の仕方といいますか考え方を含めまして、中国にあります施設と同様なものを途上国に一つでも実現させていただければと思いますけれども、御答弁をお願いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 我が国は従来から障害者のリハビリに関する経済協力は重視をしております。 今、局長から言ったように、無償資金協力、技術協力の一環として研修員の受け入れとか専門家派遣というようなことはやってきておりますが、今後の施設問題については、無償であっても相手国政府の要望がなければなりませんし、よくこれから相手国政府と相談をして、障害者対策の重要性ということも頭に入れでこのような分野での協力に取り組んでいきたいと思っております。
○堀利和君 ありがとうございます。 相手の国の事情も考えないでよかれとやったことが決してよくなかったというようなこともございます。小さな親切大きなお世話ということもございますので、やはり相手国の事情を考えてやるのも大臣おっしゃられたとおりだと思います。ただ、我が国はそういった援助をする用意はあるということをわかりやすくお伝えするということがまず第一義かと思いますし、またそういう方向でぜひ政府としても考えていただきたいということを要望しておきたいと思います。 次に、我が国の障害者雇用促進法は旧西ドイツからの制度を取り入れたというふうに言えるかと思いますけれども、我が国の法定雇用率、つまり割り当て雇用というこういった制度をとっている国々、どういった国がありますでしょうか。そして、その国の法定雇用率と実雇用率の状況、その法定雇用率の対象となっている障害の種類等の事情をお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) ヨーロッパにおきましては、イギリス、フランス、ドイツ等の諸国におきまして雇用率制度を採用しているわけでございます。 これらの国におきます法定雇用率、実雇用率でございますが、イギリスの場合は法定雇用率が三%、実雇用率が〇・七%、これは一九九一年でございます。フランスが法定雇用率六%、実雇用率四%、ドイツが法定雇用率六%、実雇用率四・八%、一九八九年の数字でございます。 これらの国におきまして雇用率制度の対象となります者の範囲は、一般には身体障害者、精神薄弱者、精神障害者を含めたすべての種類の障害者となっておりますが、国によっていろいろと違っておりまして、例えば戦争未亡人等障害者以外の者も含めているところもございまして必ずしも同一ではないというのが状況でございます。
○堀利和君 日本の雇用促進法の制度を取り入れた旧西ドイツであり、あるいはフランス、イギリスにしましても法定雇用率に対しまして実雇用率が若干低いということが気にはなりますが、それは日本も同様です。 その法定雇用の対象に身体障害者のみならず、いわば精神薄弱者なり精神障害者と言われる方々も対象に入れているということですが、我が国はこれは言うなれば義務雇用としての法定雇用率の対象に今なお身体障害者のみ、つまりは精神薄弱者あるいは精神障害者等を対象にしていないわけですけれども、私はこの点につきまして、どういう理由がというのはあろうかと思いますが、一つ気になるところは、一九五五年ILO第九十九号の勧告におきまして、我が国では本来障害者と訳すべき原語、英語なりを、身体障害者と訳していたわけです。 私としては、その時代的な制約があったにしても、一九五五年の勧告の中身を障害者と課さずに身体障害者と訳してしまったことが、言うなれば一九六〇年、昭和三十五年に雇用促進法をつくる際に身体障害者雇用促進法としてしまって、しかも六十二年の改正までずっと身体障害者のみを対象にした身体障害者雇用促進法としてきたこと、そしてそういった障害者雇用行政をしてきてしまったという、これはやはり私は大きい問題ではなかろうかと思います。 この辺の事情について、労働省なりあるいは外務省なりからの御見解をお伺いしたいと思います。
○説明員(小西正樹君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、ILOの第九十九号勧告は一九五五年、昭和三十年に採択されました職業リハビリテーションに関する勧告でございますけれども、その勧告の和文のテキストにおきましては原語、英語でディスエーブルト・パーソンズとなっておりますものを身体障害者と訳しておりました。当時の記録が必ずしも明らかではございませんけれども、この勧告が採択されました当時には、身体的、精神的障害者を両方含む用語としての障害者という用語が必ずしも確立しておらず、身体障害者という言葉に精神薄弱者等も含めて用いるということが一般的であったとされておりまして、そのような認識のもとで身体障害者と訳したことによるものではないかというふうに考えております。 他方その後、既に三十数年が経過いたしまして、我が国の国内におきましても概念と用語の整理がなされまして、現在では身体的な障害を有する者それから精神的な障害を有する者、これを含む用語といたしまして障害者を用いるということが一般的となってきておるわけでございます。 こういった事情を踏まえまして、このたび御審議いただいておりますこの百五十九号の条約の和文テキストの作成に当たりましては、原語、英語のディスエーブルト・パーソンズという言葉を障害者と訳すということにするとともに、この訳語との整合性ということを勘案いたしまして、この条約の前文に引用されております第九十九号勧告のディスェーブルト・パーソンズという言葉も障害者という言葉をもって訳出しておるわけでございます。 ですから、ディスエーブルド・パーソンズという言葉であらわされるものの範囲がこの訳語の選択で違っているというわけではございません。九十九号の勧告において身体障害者と訳したことは、御指摘のとおり、当時の制約ということもございまして、当時の用いられ方からすれば必ずしも適切でなかったとは言えないというふうに私どもとしては考えております。
○堀利和君 ディスエーブルド・パーソンズ、これを身体障害者と我が国で訳したことは時代的制約なのだと。確かに時代的制約ということからいえば歴史を後から変えるということはできないわけで、事実は事実だとは思います。しかし、それは私は、外務省としてあるいは労働省として、こういう言い方は失礼ですけれども、意図的にやったのかなと思わざるを得ないところもあります用意図的でないとすれば、なぜILOで提起しているディスエーブルド・パーソンズ、これを素直に訳さなかったのか。つまり訳すこと自体、国内の事情に合わせては私はならないと思うのです。この条約や勧告などを批准するかどうかについては、国内の事情というものを考慮して批准するかしないか、これはその国が決めることです。これが要するに国内の事情ということだと思うのです。 しかし、勧告そのものの原語といいますか、文章そのものを誤まった形でゆがめた形で訳すというのは私は本来あってはならないと。自国の制約、勝手な事情から本来の意味をゆがめてはならないと思います。仮訳であろうがそういうことがあってはならないと思います。あるいは外務省にはそういった先見性が、労働省にはそういった先見性がなかったのかなというふうにも思わざるを得ません。このことが結局は昭和三十五年から昭和六十二年まで障害者雇用対策についての施策をさまざまゆがめてきた要因の一つであったことは確かだと思います。 この点につきましてもう一度御見解をお伺いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) ただいま先生御指摘になりましたような身体障害者以外の障害者の方々に対する雇用対策でございますけれども、精神薄弱者の雇用対策につきましては、五十一年、六十二年の法改正におきまして障害者雇用審議会においてたびたびの議論が重ねられたわけでございまして、昭和五十一年から納付金制度の納付金の減額でございますとかあるいは各種助成金の支給の対象といたしたわけでございます。また、六十二年には障害者雇用促進法の一部を改正いたしまして実雇用率の算定の対象といたしますとともに、納付金制度の調整金、報奨金の対象といたしまして、ほぼ身体障害者と同様の措置をとってまいったことは先生御承知のとおりでございます。 また、精神障害者の雇用対策につきましては、昭和五十七年の障害者雇用審議会におきましても議論されたわけでございまして、昭和六十一年から一定の精神障害者につきまして職場適応訓練の対象といたしますとともに、六十二年の法改正におきまして、その職能的な諸条件について調査研究に努めて施策の推進について検討することが規定をされたわけでございます。 このように、これら精神薄弱者とかあるいは精神障害者の方々の雇用対策につきましては障害者雇用審議会でたびたび議論がなされてまいりました。これを踏まえまして逐次条件整備に努めてまいりまして、その雇用の促進に努めてまいったところでございます。 今般、障害者雇用促進法の改正を行うことによりましてその対策の一層の充実強化に努めることとしたわけでございまして、ただいま御説明申し上げましたように、精神薄弱者、精神障害者の雇用対策につきましては、五十一年以来累次努力を重ねてまいっているということを御理解賜りたいというふうに存じます。
○堀利和君 時間がございませんので、次にはしょった形でお聞きしたいと思いますけれども、ノーマライゼーションについてのお考えを大臣からお伺いしたいと思います。 その前に、九十九号勧告における保護雇用制度というものが提起されております。全般的に保護雇用制度というのはどういうものか、時間がありませんので簡単に説明をお願いします。日本では保護雇用制度を導入しないという方針です。これについてノーマライゼーションの観点からごく簡単に説明をお願いしたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) この保護雇用の定義につきましては、実は随分いろいろと定義そのものに議論があることは先生御承知のとおりでございます。 保護雇用につきましては、身体障害者雇用審議会におきまして、昭和五十七年でございますけれども、重度障害者の雇用、就業の場を確保する上で効果のある手段であるという評価がございます一方で、結果的に一般雇用への移動を少なくいたしまして滞留現象をもたらすことが問題であるという意見がある、こういう両方の評価、批判があるということがこの審議会で指摘されたわけでございます。 この身体障害者雇用審議会におきましては、我が国では重度障害者対策を立案するに当たりましてはノーマライゼーションの理念に立脚することを基本的な視点といたしまして、これらの重度障害者につきましても、民間の活力とノウハウを生かしながら可能な限り一般雇用の場につくことができるように我が国の雇用慣行等の実情に合った対策を確立すべきである。具体的には、民間企業と地方公共団体の共同出資によりいわゆる第三セクター方式によって重度障害者多数雇用企業の育成を図りますとか、さらには職業リハビリテーションの強化等を積極的に展開すべきである、こういうことをこの審議会で提言されておるわけでございます。 労働省といたしましても、この方向に沿ってこれまで施策の展開を図ってまいりましてこれらの方々の雇用の促進と安定を図ってまいったところでございます。
○堀利和君 厚生省の方に、身体障害者福祉法が一昨年改正されまして、その十八条の三項、可能な限り地域生活ができるように援助するという内容の趣旨の条文ですが、ノーマライゼーションにつきまして、時間がありませんので簡単にまず御説明をお願いしたいと思います。
○説明員(松尾武昌君) 厚生省におきましては、障害者ができる限り住みなれた家庭や地域において障害を持たない方と同等に生活し活動する社会を目指すノーマライゼーションの理念を基本として、障害者の自立と社会経済活動への参加の促進のための各般の施策を実施しております。 特に平成二年には、先生御指摘のとおり、身体障害者福祉法を改正いたしまして、身体障害者が住みなれた地域において自立し社会参加ができる基盤を整備するため、ホームヘルプサービス等の在宅サービスを法律上明確に位置づけるとともに、御指摘の十八条三項におきまして、市町村はこれらのサービスの積極的実施をするようにスタートしたところでございます。
○堀利和君 これでもう終わりますが、最後に大臣にお伺いしたいと思います。 雇用の問題では、今お聞きいただいたように、一般雇用を目指す、保護雇用といういわゆる障害者だけを集めてしまうかのような隔離した状態は労働省はとらないと。一般雇用、つまり障害のある人もない人も一緒に働く場をつくっていく。また、厚生省でも地域社会で健常者と同等の生活を得るような福祉政策を進めていくということでございました。 大臣にお伺いしたいのは、そこで大臣御自身、学校時代を含めまして障害を持った方が身近にいらっしゃったのかどうか。 そして私は、ノーマライゼーションというこの雇用あるいは福祉の問題を見ても、健常者も障害者も一緒にともに生きるということだと思うのです。教育問題を考えますと、どうも一般教育ではなくて特殊学校というところに障害児が無理やりに入れられてしまうケースもあります。 こういったことから言いまして、ぜひ大臣には、ノーマライゼーションということ、私の訴えたいことも含めて御答弁願い、障害者の雇用の促進のためにもいろいろな会合でアピール等をしていただければということをお願いして、最後に大臣の御答弁をいただいて終わりたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今、御説明のように、障害者だから隔離して特別の対策を行うということでなくて、この世の中には必ず何らかの障害者の方がいらっしゃるわけですから、その方が一般の人、障害を持たない人と一緒に生活をし職業が得られるような社会環境を整備するということは私は大事だろうと思うのです。 したがいまして、今後も障害を持たない人は障害のある方に対する思いやりの心、助け合いの心を持ちながら、一緒に必ずやっていけるはずでありますから、そういうような考えで今後も進めてまいりたいと思います。
○堀利和君 ありがとうございました。
○堂本暁子君 私も実は主にILO百五十九号のことを伺うつもりでおりましたけれども、アメリカの新聞で堀さんが今るる伺いましたことにダブらない範囲で触れたいと思います。 その問題のサンノゼ・マーキュリー・ニュースというのはここにありますけれども、延々実に新聞としては長い記事だと私思いますが、これだけの記事とこの記事、それからなおかつこの記事で、言ってみればもうほとんど雑誌に近いような長い記事です。 アメリカの新聞に特にトップが「HowJapanese foreign aid helps Japan economy」と書いてありますけれども、これは日本の援助が日本の財界なり企業なりをどう助成しているというか援助しているかという見出しなのです。今までも日本の援助というのは日本に還流するということがるる言われてまいりましたけれども、こういった見出しで報道されたということはやはり私は大変残念に思います。 この記者の方はマルコス疑惑も告発してピュリッツァー賞をもらった方だそうですけれども、内容は確かにトップ記事の下に「Foreign minis-ter has links to huge project」と書いてあるのです。外務大臣が大きなプロジェクトに関与しているということを書いてあるのですけれども、その下に、いかにも記者らしいのですが、しかし渡辺大臣の名前はどこにも出てこない、すべて傍証で固めていくと大変古典的なダミー会社の典型であるということも書いてあります。 問題は、そういった一つのプロジェクトを取り上げて日本のODAの構造的な面をすっかり解析して、日本のODAはこういう構造で成り立ってきているのだということを一九八六年にさかのぼって解析している。興南通商のスタートから、それが登録され、そしてこのクマヨラン空港跡地の工場のプロジェクトが元駐日大使だったウィヨゴ大使が帰って知事になってそれからスタートするという、それが一カ月ごとに、七月二十三日に会社が登録され、八月にアメリカ、オーストラリア、フランス、日本などが開発したいということが大統領に進言され、そして九月にはもう日本のプロジェクトに決定してしまったということのようです。 これは日本の新聞を見ますと外務大臣は全く関係がないというコメントを出していらっしゃるので、きょう伺っても同じコメントしかいただけないと思うのであえて伺いませんけれども、日本インドネシア協会の会長として、知事と渡辺大臣との間でサインも行われているというような報道もございました。私は、やはり構造的な問題としてずっとODAのまさにここの部分を問題にしてきたと思うのです、自分で。と申しますのは、余りにも日本のODAに透明性がないということです。私は、きょうOECFにおいでいただいたので、そういった面でも記事の指摘していることを幾つか確認させていただきたいと思います。 OECFに私たちが今まで情報をいろいろいただきたいと言ってもいただけませんでしたけれども、そこでどういうことが書かれているかといいますと、東京銀行ですとかそれからパシフィックコンサルタント、三菱銀行、新日鉄その他の企業からOECFにデスクを持って出向してきている。そして、一人の人が帰るとまた次の人が来るというようなシステムをとっている。今でもそういった民間企業からの出向がOECFにあるのかどうか、まずその点を確認させていただきたいと存じます。
○参考人(天野貞夫君) 側説明申し上げます。 私ども海外経済協力基金では、民間企業とか官庁とかからの出向者を受け入れております。その目的は、これらの方々の専門的知識なりノウハウ等を積極的に活用するというところにございまして、現在どれくらいの人間がいるかということは正確な数字は私ちょっと今、頭にございませんが、海外経済協力基金の全数が三百名足らずでございますが、そのうちの七、八十名になるかと存じます。
○堂本暁子君 大変外国から問題にされておりますのは、日本がタイドかアンタイドかと。確かにOECFはアンタイドの案件をふやしてみえたと思うのですけれども、しかしこれだけ日本の民間企業が中に入っていたのでは入札というときに余りにも不利なのではないかと思いますが、その点は天野理事はどのようにお考えでしょうか。
○参考人(天野貞夫君) 御指摘の新聞報道によりますところの案件と申しますのは民間ベースの経済協力を支援するというものでございまして、私ども海外経済協力基金としては合弁企業への出資あるいは融資ということをやったわけでございまして、これが政府対政府のいわゆるGGベースでの、私どもは直接借款と申し上げておりますが、そういうものではなくて、私どもの第二の窓口、ローンの窓口である一般案件というものでございます。そこで私どもが行っておりますのは出資なり融資ということでございますので、相手国政府に対して出しているというものではございません。したがいまして、調達のタイド、アンタイドの問題とは直接関係がないと思います。
○堂本暁子君 ですから今、私は別に問題になっている案件について伺ったわけではございません。 一般にここはODAの構造としてこれだけ受注を受ける企業ですね。そういう方たちがOECFの中に働いていたのではアンフェアであるということを相手は言っているわけで、別にインドネシアの例を挙げて申し上げたのではなくて、せっかくこれだけ言ってみればアンタイドをふやしてみえたのにもかかわらず、そういう指摘を受けた場合に何とこれに反論なされるのですか。余りにも入札のとき不公平ではないでしょうか。
○参考人(天野貞夫君) 一般論上して申し上げますと、私どもも実はそこの点に大変気を使ってございます。したがいまして、利害関係の発生しそうな人たち、そういう人たちは原則として来ていただいておりませんし、そういう方々は配置する場合に直接、調達とかあるいは審査に関係するようなところには配置してございません。
○堂本暁子君 この記事によりますと、ほとんど仕事もしないでそこにいる。それを全部報告したという、名前も現実に書いてありますけれども、そしてOECFの名刺を使って仕事もするということのようです。 そのように幾ら説明を受けても実際に日本のODAの元締めであるOECFにそれだけ民間の方が、例えば新日鉄なんかは鉄のことで言えば大きな企業ですし、それから三菱銀行にしても協調融資なんかのときには融資する銀行でもありましょう。そういった方が、幾ら私たちに十分、中に入ってそれじゃどういう人がどこにいてどういう仕事をしているということまで御報告いただかない限り、私たちはそれを今までもそういうことでいっぱい資料いただきたいと言ってもいただかずに、実際後で見たらば違って、いるということがあったわけです。とのことについてもそういうふうには信じるわけにはいかないのですが、やはりそういう民間の人が入るということが、入札という形でアンタイドを国際的に外国のマーケットに向かって開いてらっしゃるOECFとしてはおかしいというふうにお感じになりませんか。 私は、国際的な常識の中で、気を使っているとおっしゃってもそういうことは通用しないと思いますよ。ですから、この後の見出しをごらんになればわかりますけれども、こういうことによってアメリカのビジネスはハンディキャップをしょわされている。ハンディキャップというか、たしかここにディスアドバンテージという言葉を使っている。ディスアドバンテージがある、アメリカの企業は不利であるというふうに書いているのですね。 私はもうごくごく入札の当然の常識だと思います。どれかの会社が、まさにコンサルタント会社も入っているわけですから、そうしたらばそういった情報を持って前からどういうプロジェクトがなされているかということは十分わかるのじゃないですか。
○参考人(天野貞夫君) 繰り返しになりますが、私どもは、配置をする場合に大変気を使ってそういう入札業務にタッチするようなところには人を配置してないということを繰り返し御説明させていただきます。 それからもう一点、入札業務というのは私どもの場合は相手国側の政府なり実施機関がやるものでございまして、その人たちがやるものに対して私どもの方が事前にどこまで知り得るのか、これは国際的な業務の慣行としまして非常に難しいところがあり、先生がおっしゃるような形でのアドバンテージを与えるというようなことはまず不可能であろうと思います。
○堂本暁子君 どのようにおっしゃいましても、そういうことを注意しているということだけでは国際的なマーケットは納得しない。国際的常識から外れていると思いますし、そういうことはこれははっきりやめていただきたいと思います。そんな民間の人が入っていってやっているということはどのような申し開きも日本としてはできることではないと思うことが一つです。 それから、それは十分御存じのことだと思いますけれども、よその国が入札するにしても、日本のプロジェクトの場合には日本のコンサルタント会社で入札をしているという事実を私は存じております。そういったことは形式でございまして実質がどういうふうに行われているかというのは百も承知しています。それがどんな談合の上に成立しているかということもわかっていることですし、そしてその談合があるからこそ構造協議ということがアメリカの間で起こってきている。ましてやそれが一般の企業だけではなくてODAがそうだということがこういう形で大きく報道されるということは、日本の今後の外交にとってもそれから援助のあり方についても、また日本への還流だ、不正だ、情報公開がないと、あらゆる意味で大変攻撃される的になっていくことだと思うのですね。 そういった意味でもこういう関係企業、コンサルタントや銀行や一般企業、そういった人たちが七、八十人もOECFの中で働いているということは大変問題だろうと思います。私たちが幾ら資料をいただこうと思ってもいただけない。そういった資料が企業には筒抜けていると私たちが常識的に思ってもこれは仕方がないのじゃないかというふうに私は思います。 先ほど今回のジャカルタ国際貿易見本市会社というものについての投資の内容はもう伺ってしまったのであえてそこについては伺いませんが、天野理事は相手の国のやることだからとおっしゃいましたけれども、ほかの国も、フランスとかオーストラリアとかアメリカとかもこれには申し出ていたと。日本に決まった理由はどういうことにあるというふうにお考えですか。
○参考人(天野貞夫君) 私どもがこの会社ができる経緯につきまして直接関与をしたわけでもございませんので、そのあたりの経緯は私はよく存じ上げません。
○堂本暁子君 大変多額のローンですけれども、そういった会社については一切調べないでOECFは融資をなさるのでしょうか。
○参考人(天野貞夫君) 私が今申し上げたのは、そもそもの経緯あたりはよく存じ上げないと申し上げたのでございまして、この会社は設立の目的がインドネシアの国産品の輸出促進を図るためであるということで、見本市の施設を拡充、建設、運営するものであるということを承知してございまして、関係会社五十五社から構成される日本の投資会社とインドネシアの合弁で構成されておるものでございまして、その会社につきましては私どもは審査をしてございます。それで、我々はフィージブルであると判断して出資、融資に踏み切ったものでございます。
○堂本暁子君 その会社で、問題になっている丸目さんという方は何をしていらっしゃいますか。
○参考人(天野貞夫君) 私は、そのあたりは全然存じ上げません。
○堂本暁子君 本当に御存じないのですか。その方にはお会いになったことはおありになりますか。
○参考人(天野貞夫君) この会社の関連で私は直接会ったことはございません。
○堂本暁子君 ジャカルタ開発という会社がありますが、そこについてはいかがでしょうか。
○参考人(天野貞夫君) 私どもの方では直接そういうことは存じておりません。
○堂本暁子君 先日、記者の人がOECFへ伺って丸目さんという人を知っているかと聞いたらば、知らないとおっしゃった。しかし、それから数分後には御本人のところにOECFからお電話があったそうですけれども、やはりどうも私どもが伺っても知らないとおっしゃる。忘れたり知らないとおっしゃることは簡単ですが、またきょうもお電話をなさるのかどうかは存じませんが、そういったようなことが多々あるようですね。 例えばその記者がジャカルタに電話をしたところ、業務の内容を聞いたところ、この会社は渡辺外務大臣のインドネシア関係の仕事をしていると答えたそうです。私は、ただでさえ談合が批判されているときに外務大臣のお名前が出てこういったことが報道されるというのは、事実があるなしということ、そのことはないというふうにおっしゃっていらっしゃるわけですけれども、一言大臣に、こういった報道がなされていること、そのことは非常に構造協議の談合なんかの場合にこういった日本のODAの構造が一番問題にされております。その点を、今度は大臣のお名前が大変大きくあちこちに出てしまっているわけですけれども、そのことを大臣はどうお考えになりますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは非常に偏見を持って見ているからそういう話になってくるのであります。 簡単に申し上げますと、もともとジャカルタ市とインドネシアが、現在見本市の会場があるのだが、それが小さいのでもっと大きなものをつくりたいという話があったのは、そうです。それで、つくるにしてはお金がない。お金がないから民活、いわゆる日本のまねをして民間活力でやろうと。そのためには合弁会社をつくらなければならない。日本の方で投資会社をつくってください、インドネシアも投資会社をつくりますと。それで両方でお金を持ち寄ってJITCという合弁会社を五二対四八、大体それぐらいの比率でこしらえた。それはもちろんインドネシアの何とかというジャカルタ開発の、市の外郭団体、公的機関の総裁がそこの社長になっておるというように聞いております。 したがいまして、丸目さんの話はどこから出てくるかと申しますと、日本企業を集めなければならない、そのときに谷口さんという人がおりまして財団法人日本インドネシア協会の役員をしておったが、その人が非常に熱心にあちこち走り回ってそれで会社を集めてきた。我々も結構なことですから応援してあげましょうということを言ったのは事実。それで会社をつくって、結局合弁企業をこしらえたのですが、途中で亡くなっちゃった。亡くなってしまったから、自分が金を出さないで他人様に金を出してくれと言ったのではまことに申しわけないから自分も金を出します、それで参加しますということで参加した。それだけのことなのですね。 この合弁企業をつくった会社というのはもうかるかどうか全くわからない。それはもうペイすればいいわけですから、見本市ですから。したがって、そこにOECFが融資、出資をしたというだけのことであって、その事業をどういうふうに仕切っているかということは、それはインドネシアと日本との合弁会社で重役が出ておるはずですからその方々がやっておるのであって、丸目君や何かが実際どうのこうのということはできない。そういう仕組みになっているのです。 そういうことがよくわからないで記事を書いているのではないかというふうに私は思います。まして疑惑らしいものは一切ありません。
○堂本暁子君 興南通商は丸目さんが……
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは谷口さんという人がつくった会社なのです。つくって投資会社に出資をした。人を勧誘するのですから、自分はお金は出さない、人様にだけ出させるというわけにはいかないというので自分も出してやったのだが、途中で亡くなってしまった。谷口さんの友だちというかインドネシア通の人ですから、そこであとをやってくれというのでその会社の責任者になっておった、一時はなっておったということはそうであります。
○堂本暁子君 それはジャカルタ開発の話ではなくて興南通商の場合もですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 興南通商というのは、今言ったように、要するに投資会社をつくらなければならない、何十社か集めて。それで自分はお金を出さない、人様にだけ出せというわけにいかないので、自分は言い出しっぺみたいなものですから、自分も出資をしますから皆さんも出資をしてくれませんかといって説いて歩いたのだろうと思います。 要するに興南通商の社長が亡くなった、それで臨時的に丸目さんがその会社の代表取締役に一時なったことがある。丸目君は私の秘書でも何でもないのです。ないのだけれども、インドネシアとか東南事情、向こうの人に非常に明るい。カンボジアとか何かたくさん知っておって、それでそういうことが好きなのです、簡単に言えば。何というか、その国のために、NGOじゃないが、いろんなことを尽くすことが。それで我々、議連とか何かでも人が来たときに通訳とかいろんなことでお願いしたり出入りがありました。そういう関係です。
○堂本暁子君 るるずっと読みますと、非常に詳しい経緯の中ではいろいろ疑惑、疑惑と申しますか、日本のODAの構造的なものがやはり必ずしも偏見ではない。私たちがよく委員会でついていた点、透明性が足りないとかそれから非常に企業の間の癒着があるとか談合の問題とか言っていたのと同じようなことが書いてあるわけです。 ですから、必ずしも事実がどうということ以前に、こういった構造にある日本のODAというのは、これから世界トップのODAになるとすれば、やはり私はこういった構造的な疑惑を持たれるような体質からは脱皮する必要があるのではないかという感想を持ちました。 それでは、次に移らせていただきますが、同じくODAの案件で、フィリピンのカラカに移りたいと思います。 フィリピンのカラカの問題ですが、こういうカラバールソン地域の総合開発計画ができています。JICAがつくったものですが、最近日本から調査団の方がいらしたそうですけれども、そこでまず伺いたいことが幾つかあります。この六-二十二ページというところにカラカ二開発、これは石炭火力の開発です。そこに「フェーズ1に三百MWの発電設備容量で建設を開始する」ということで、「このプロジェクトの前提として現在の大気汚染の問題を解決する必要がある」というふうに書いておりますが、この指摘に対して日本政府は、この指摘というか、この方針は変更しないでこういう方針で臨まれるでしょうか。局長に伺いたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) 先生御案内のとおり、カラカニ号機の問題があるわけでございますが、その前に御指摘のカラ力一号機の大気汚染の関係の問題が従来よりいろいろな角度から取り上げられておりまして、我々も比例との協議のもとでこの問題をできるだけきちっと解決するということで現在鋭意努力しておるところでございます。 先方との協議を数次にわたっていろいろなレベルで行ってきているというのが現状でございますが、これも第二号機建設に当たりまして、そういう問題をきちっと処理して二号機の建設に移りたいという我々の願いのあらわれというふうにおとりいただきたいと思います。
○堂本暁子君 前のフィリピン大使でいらした後藤前大使がカラカにいらしたそうで、その御報告も受けていらっしゃると思いますが、いろいろ住民の声もお聞きになったのでしょうか。
○政府委員(川上隆朗君) 後藤大使のカラカ訪問につきまして直接私は伺っておりませんが、我々の外務省における担当官、政府レベルでの担当官あるいは海外経済協力基金の担当の者といったものが累次カラカを訪れておりまして、先方、特にフィリピン電力公社でございますが、を中心としていろいろな環境対策等について話し合いを行っているというのが現状でございます。
○堂本暁子君 環境会議なんかでも大変問題になりましたけれども、十分に地域住民の声、NGOの声をお聞きになる意思はおありになるわけですね。
○政府委員(川上隆朗君) 当然のことながら、環境問題でございますから、もちろん基本的には先方の主体的に行う事業ではございますが、そういう枠内でフィリピン政府との間にきちっとした話し合いを行うというのが基本でございます。 ただし、そのコンテクストでフィリピン側にも当然のことながら現地住民との話し合いというものを現在行っているというふうに承知いたしておりますし、我々もそういうことを慫慂させていただいているということでございます。
○堂本暁子君 日本のNGOも結構カラカは行っているのですね。そういった日本のNGOの意見もお聞きになるお気持ちはおありになりますか。
○政府委員(川上隆朗君) 具体的にちょっと詳しくは存じ上げませんが、本件につきましても既に我々の担当レベルではNGOの方の御意見も累次にわたって伺っているというふうに承知いたしております。
○堂本暁子君 現地での話を私は伺ったのですけれども、カンプス副総裁、これは向こうの電力公社の副総裁ですが、現地に行ってそこの市長さんに同意のサインを求める、そこで小切手を出して見せてサインしろ、これじゃ不十分だというようなやりとりなんかもあったそうです。たまたまそこに居合わせた日本のNGOの人に、日本大使館にNGOについてはどうせ反政府的なのだからそういう人たちに対しては十分にいろいろ対応しなくていいと、そう言われてきたということを電力公社の副総裁が言ったそうです。 日本大使館がそういったような態度に出るというのは、これだけ環境会議なんかでも、御存じのとおり、NGOの大事さ、そして市民レベルの連携というものが政府間交渉のほかに大事だということを十分に私たちは認識していかないとこれからの国際政治は間違うのではないかということを、私は何度も何度ももう一年以上ここで言ってきただけに大変気になることです。 たまたまそれはタガログ語で言われて、タガログ語だから相手はわからないだろうと思って言ったのでしょうが、そこにはタガログ語のわかる日本人もおりまして全部内容はわかったわけですね。そういう対応で日本のNGOを今でも日本の政府が排除しようというようなことを外国にまで行ってやるということは、大変に外国のそこにいたNGOは全部わかるわけです、自分の国の言葉なのですから。日本政府は大変高圧的で、市民の権利というものを大事にしない姿勢だというふうに受けとめられても私は仕方がないと思います。 それはもうお答えをいただく必要はないことなのですが、その関連でいいますと、煙突から出ている排煙、これが植物に大変被害が出る可能性があるということですが、煙突から出る亜硫酸ガスについては十分に調査をしていらっしゃるのか。ずっと山腹の方まで広がってそこでどういうことになって、煙の行く先でございますね、そこにどのような影響が出ているかということは調査がされているかどうかは、局長、御存じでしょうか。
○政府委員(川上隆朗君) 御指摘の点につきましては、報道でそのようなことがあるというふうに承知いたしておりますけれども、この事実関係の調査は現在フィリピン側で調査中であるというふうに理解いたしております。 我が方といたしましては、現状をフィリピン側に照会しているところでございます。これに対しましてフィリピン側の実施機関でありますNPC、国家電力公社からは、カラ力一号機は環境基準を満たしている、亜硫酸ガスの排出と住民の苦情には因果関係はないという報告をとりあえず得ているところでございますけれども、我が方といたしましては、当然のことながら、本件に対する関心が非常に高いということにもかんがみまして、事実関係についてさらに確認をしているというのが現状でございます。
○堂本暁子君 先日、賢人会議が日本で開かれまして、日本は環境的な面でこれからは熱心にやっていくということを世界に表明したわけですが、その折の具体的なものとして中国向けの排煙脱硫装置を援助するというようなことが出ておりました。 私は、もう一年前になりますけれども予算委員会で、何としてもカラカは二号機、それからできることなら一号機も排煙脱硫装置をつけていただきたいと。そのためにマニラにも参りましたし、向こうの上院議員や政府の方たちともるる話をしたりして、これはぜひどうしてもつけていただきたいとお願いしている案件ですけれども、どうもきのう聞いたところでは二号機は排煙脱硫装置はまだつけていない。これではやはり、ここまで国際的に問題になっていながら、中国にはつけるけれどもどうしてフィリピンにはおつけにならないのか。ぜひこれはつけていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(川上隆朗君) 先生御指摘のまず中国でございますけれども、中国に対する第三次の今の円借款、九〇年から九五年でございますが、その対象案件の中に五件の火力発電所の建設計画というものがございます。その建設計画につきまして、環境対策でございますが、これまで日中両国政府間で協議を行ってきております。しかしながら、これまでの両国政府間で合意した対策の中に御指摘のような排煙脱硫装置をつけるといったような決定がなされたという事実はございません。 そういうことでございますけれども、カラカの環境問題につきましては、先生も昨年以来御指摘なさっているわけでございますが、当面今の時点では、環境問題につきまして比例におきまして種々努力している、さらなる措置というものがどういうものであるべきかということも含めまして関係省庁間にいろいろな議論があるというふうに承知いたしております。 今後とも、フィリピンを含めまして火力発電所建設等の援助要請の検討に当たりましては、我々といたしまして、排煙脱硫装置の設置の必要性ということも含めまして幅広く検討の対象として対応してまいりたいというふうに考えております。
○堂本暁子君 もし環境面で日本がイニシアチブをとるのであれば、やはり日本の国内は排煙脱硫装置がついている、しかし日本が海外につくる発電所は排煙脱硫装置がついていないというのですと、結局はグローバルな単位で地球環境というけたでは大気が汚染されていくわけです。ですから、日本国内はつける、外国はつけないということは、これはもうまさに日本がこれからそういうことでは非難を受けることになるということなので、私は問題になっているカラカニはどうしてもぜひ御検討いただきたいと思います。 次に、ILOの方に移らせていただきます。 大変時間が短くなりましたが、百五十九号条約はやはり画期的なものであろうというふうに考えます。堀さんが言われたように、批准が遅かったのではないかとも思いますが、大変総合的な概念で、医療、福祉そして保護、それからさらに雇用といった面が国際的には大きく変わってきている、そういった中でつくられた、採択された条約だと思います。 日本も障害者についての概念が国際的なレベルにだんだん変わりつつあるのではないかと思いますが、まず厚生省から、今、障害者というのをどのような概念でとらえておられるか、伺いたいと思います。
○説明員(松尾武昌君) 障害者の概念でございますが、身体障害者福祉法によります身体障害者、精神薄弱者福祉法による精神薄弱者、精神衛生法による精神病者、精神薄弱者及び精神病質者を障害者の範囲としております。
○堂本暁子君 私は、精神衛生法なんてもう絶対に言ってほしくない。何でそういう間違いをなさるのですか、厚生省の方が。
○説明員(松尾武昌君) 大変失礼いたしました。
○堂本暁子君 それはもう大変に、これはたった二字ですけれども、衛生法と保健法というのはもう天と地ほど違うというふうに私は認識しています。一体、下の方が書いたのかどうか知りませんけれども、とにかく一番大事なことを伺っているときに前提からそういうことが違っているというのは大変困ります。 労働省に同じ質問をさせていただきたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 障害者の雇用をめぐります諸問題について見ますと、精神薄弱者につきましては、現状では身体障害者と異なりまして社会生活指導の面でも特別の配慮を要することがございます。また、精神薄弱者の方々の就業が非常に困難な職種が多い、こういったようなさまざまな未解決の問題がございます。精神障害者の方につきましても、精神薄弱者について身体障害者と異なる未解決の問題点とされたものはほとんど当てはまるわけでございますけれども、さらに自分の障害について事業主を初め他人に知られるということを極度に嫌う方も多いわけでございまして、プライバシーの侵害といったような人権上の問題も多く残っております。こういったような種々の問題があるわけでございまして、現状としては直ちに身体障害者と同一の取り扱いをする状況にはなっていないと考えております。 しかしながら、私どもはすべての障害者がその適性と能力に応じて職業的技術が図られることは重要であると認識をいたしておりまして、これまでも累次その政策の拡大を図ってきてまいっておるわけでございます。今後ともそのための諸条件の整備に努めまして、雇用の促進に努めてまいりたいと考えております。
○堂本暁子君 やっと障害者間の不平等を取り外そうということ、それから健常者と障害者との間の平等も確立していこうということの緒についたような気がいたします。 呉秀三さんというのは東京帝国大学の最初の精神病の教授で、ドイツから帰ったときに余りにも日本の状況がひどいので調査をして、当時の国会にこういうものを出した人ですね。その中に、この病を得たるのほかにこの国に生まれたるの不幸、こういう大変有名な文章がございます。そして、いかに差別されているか。もう八十年前のことですが、当時国会はどこの県にも平等に病院を建てていこうということを決めながら、実際は軍備にお金を取られて、松沢病院とか数少ない病院しか実は建たなかったという現実があります。 それから八十年近くたった今、先ほど堀さんが言ったように、意図的なのか誤訳なのか、それともそのときの時勢とおっしゃるのかわかりませんが、身体障害者というふうに訳されたディスエイブルドという言葉のゆえに大変精神障害者が疎外されてきたという現実は、宇都宮病院などで現実的に私たちは見てまいりました。もう一回ここでその過ちを犯してはならないというふうに思います。 外務省に伺いたいのですが、この百五十九号条約を批准するに当たって国内法との関係はどのようにお考えでしょうか。
○説明員(小西正樹君) 私どもは、関係の省庁とお諮りいたしまして、この条約を批准するに当たりまして国内法的な整備はできているという結論に達しております。
○堂本暁子君 この百五十九号条約が、身体障害者、精薄と言われる精神薄弱の方たち、精神障害の回復者などそういった方たちのリハビリテーションを平等に扱う、それから雇用の機会均等をうたっているということはお認めになりますか。
○説明員(小西正樹君) 先生は、条約第一条の四にございます「この条約は、すべての種類の障害者について適用する」というところを念頭に置いての御質問だと思いますが、まさに御指摘のとおりでございます。
○堂本暁子君 といたしますと、日本ではまだ随分と直さなければならない法律があるように私は思います。その一番の例は精神障害の方への資格制限でございます。 これは私がちょうど精神衛生法から今の保健法に改正になるときに調べたときは三百十六ぐらいだと思いましたが、人によっては六百カ所ぐらいあるというふうに言う人もいます。例えば一番目の前におられる国家公務員、これは任今後も絶対に失職の事由になるということが国家公務員法に決められています。そして、それ以下ずっともう三百ということになれば、例えばガイドもできない、通訳もできない、税理士もできない、建築士にもなれない、それから労働安全コンサルタン上にもなれない。 もう読み出したら切りがないほどずっとあるわけですけれども、もっと普通ので言えば、例えば会社の多分社長にもなれない、ホテル業にもついてはいけない、旅行業にもついてはいけない、それから警備員にもなってはいけない、風俗営業もできない、ということはお店もできないということですね。それから学校の先生にもなってはいけない、通関業務もできない、モーターボートの選手になってもいけない、同審判員にもなってはいけない、検査員になってもいけない。精神病というものが今どういう状況にあるかということを後で厚生省に伺いますが、もう大変危険な人というようなそういった防御的な、非常に警察的な資格規定が日本の法律にはあります。 今回のILO百五十九号条約並びに国連で十二月に採択されました精神障害者擁護のためのメンタルヘルスケアの改善のための原則というのもございます。それを見ましても全くそうではなくて、普通の人と同じ人権で関与すべきである。もう逆転したわけですね。それは最初に伺った概念の差であるというふうに私は思います。それでありながらこの日本の法律は、恐らく八十年前に異教授が嘆いたときと同じような法体制になっている。これはやはり変えていかないと本当の平等にならないと思いますが、いかがでしょうか。外務省に伺っています。
○説明員(小西正樹君) 先ほど先生にお答えいたしましたとおり、法律的には関係の法律がつくられておりまして、例えば障害者の雇用の促進等に関する法律、職業安定法、職業能力開発促進法、こういった関係法令により法律的な整備はできておるわけでございます。 実際の施策においての差はこれは障害の種類によっていろいろと出てくるということでございまして、その種類とか程度に応じて適当な施策を実施するということからそういう結果で生ずる問題でございますので、そこに合理的な理由が存在する限り、この条約の一条の3にも「加盟国は、この条約を、国内事情に適し、かつ、国内慣行に適合する措置によって適用する」とございまして、先生御承知のとおり、こういった考え方に沿ってこの条約を適用していくということでございますので、障害の種類によって弾力的な施策を施していくということは条約の趣旨に必ずしも反することではないというふうに私どもは理解しております。
○堂本暁子君 その点はよくわかりますが、そういたしますと日本の国内の条件と申しますのは、そのようにしてもう大変な、三百なのか六百なのかわかりませんが、形で差別をしている。そういうことになりますと、結局、幾らリハビリテーションをしようがこの条約を批准しようが職業につけないのが現実なのですね。 例えば生産性本部がいつか調査したときに、今十人に一人は日本はメンタルヘルスの何らかの形がある。別に分裂症だ何だということだけではなくて心身障害だってあるわけです。幾らでも精神病院、精神科のドクターにかかるということも山ほどあるわけです。 それこそ私はここに書かれている職業の中で精神科医に通っている人を何人知っているでしょうか。逆に、精神病院に行ってその中で大変に高級官僚の方もいる、会社の社長もいる、あらゆる職業の方がいらっしゃいます。そういった方たちがそれでは病院を出てもう二度とそこの職業につけないのか。そんなことはないのです。今は大変薬もよくなりましたし、早期の治療を受ければそれからそのプラスの方の能力、コンピューターの技師だろうが何だろうが、大変にそういったところで活躍している方は山のようにいらっしゃるわけです。にもかかわらず、こういう前時代的な法律で日本の国内法が縛られているということは、国際法でのことではなくて日本の国内でやはり差別をしている。 確かに、後で労働省に伺いたいのですが、労働省としては大変に大胆に、そして少なくとも第一歩を踏み出してくださった。これをもっともっと本当の意味の実のあるものにしていくためにはこういった法律を徐々に改正する必要があると思います。衛生法から保健法に改正するときに変えられたのは、全部変えようと厚生省で努力して変えられたのは唯一、公衆浴場法がしら、ちょっと法律の名前正確に覚えていませんが、とにかく公衆浴場に入れるということ一つでした。あと三百の法律は残っているわけで、この条約を批准したからには次のまた精神保健法の見直しのときにはぜひこういった条項を、精神障害者とそれから身体障害者の間の平等、そして健常者の間の平等を確保していただきたいというふうに思います。 それから次に、労働省に伺いたいのですけれども、この条約が採択されたILOの六十九回総会で百六十八号勧告が出ています。この勧告は実施規定のように見ていいのかと思いますけれども、そこの中ではすべての障害というのを種類を分けないで対象としているということが大変画期的ではないかと思います。今回、労働省としては、具体的に法律の改正並びに予算的な面でどのような進展を実際に実現されておられるでしょうか。
○政府委員(若林之矩君) 精神障害者の方々の雇用の問題につきましては、従来からも私ども公共職業安定所の専門の職員がお世話をしておりまして、これは求職登録方式をとりましてケースワーク方式できめ細かな職業のお世話をしてまいっておるわけでございます。六十一年度からは、精神分裂症、躁うつ病、てんかんにかかっていて症状が安定している方々を職場適応訓練の対象とすることによりましてその雇用の促進を図ってまいっております。 今後の対応策といたしましては、平成四年度から、一つは現在御審議いただいております障害者雇用促進法の改正等によりまして、これらの方々の雇用に対する助成金の支給を行うということにいたしております。二つ目は、事業主の協力のもとに、それぞれの個人の特性に合わせまして、職業生活指導から技術指導までの障害者の職域を開発するための援助を行います職域開発援助事業というものを現在試行しておりますけれども、これを本格実施するということにいたしております。それから三つ目は、職業訓練でございますけれども、各都道府県の職業訓練校のうちで当面一校を拠点といたしまして、精神障害回復者に対する職業訓練を実施したいと考えております。こういった施策を進めていきたいと考えております。
○堂本暁子君 大変障害の特性というのがあると思います。きのう、いろいろそういったこれからなされる施策というのを伺いましたけれども、ぜひもうできるだけ早く追いつくために、八十年のおくれをとっていると見ても私はいいのではないかと思いますが、それぐらい阻害されている方たちですし、全国で百万人の方がおられるというふうに言われているわけですから、やはりその人権が保障される、労働が保障されるようにぜひ積極的に予算をふやしていただきたい、積極的な施策もとっていただきたいと思います。 最後に、その障害者の雇用に関する調査をなさるという項目が新規に予算がついておりますね。千八百万の予算がついていますね。ここで今後どういうことをなさるかということの問題ですけれども、やはり特性として大変時間の問題があると思います。長時間なかなか労働できないという特性、それは身体障害と大変に違う部分だと思います。かといって、それが長く続くわけではない、時としてはそれも変わる。それから精神障害の回復者、本当にそういった方たちに向く調査をいろいろしていただきたいと思いますけれども、そういう点ではこれからどういうプランを持っていらっしゃるか。
○政府委員(若林之矩君) 私ども、先ほど申しましたように、求職登録方式をとりましてケースワーク方式できめの細かいお世話をしてまいっております。いわば精神障害の回復者の方の職業の経歴がずっとわかるような形になっておりまして、そういった中で働いている方々の職場への適応の状況というものをこれまでもいろいろと研究を続けてまいっております。今後ともそういった形での研究を積極的に進めていきたいというふうに思っております。
○堂本暁子君 今回の百六十八号勧告の方ですけれども、に書いてあるのは、例えば日常生活のための行動訓練とかそれから読み書きの訓練、そんなのまで入っているのです。ということは、大変重度の障害の方たちまで職業につく。ですから逆に、企業なりそういった作業なりの側に障害の方が合うのではなくて、障害を持った方たちがあらゆる意味で仕事を持てるという権利があるということを保障している、担保しているというふうに私は読むのですけれども、そういった中でいろいろな職業の保護をしていく必要がある。割に労働省はそういう言葉を今まで余りお使いにならなかったそうですけれども、やはりそういった非常に重度の方も仕事につけるといったような施策をこれからぜひとっていただきたいというふうに考えます。あとはよろしくお願いをして、厚生省に伺わせていただきたいと思います。 今、入院患者の数ですけれども、おおよそどのぐらいか。
○説明員(廣瀬省君) お答えいたします。 現在入院中の患者さん、平成二年六月は三十四万九千十人でございます。
○堂本暁子君 その中で、厚生省がごらんになって社会復帰可能と思われるのはどのぐらいの数ですか。
○説明員(廣瀬省君) 昭和五十八年の実態調査によりますと、社会復帰施設等があれば退院できますという患者さんについての調査結果がございますが、入院患者の約二二%という数字が出ております。
○堂本暁子君 そうすると、二二%といいますと大体七万五千人から八万人という数だと思いますが、その社会復帰のためにはどのような施策を今やっていらっしゃいますでしょうか。
○説明員(廣瀬省君) 精神障害者の社会復帰対策ということに関しまして、昭和六十三年に施行されました精神保健法に基づきまして精神保健対策の最重点施策としてその充実に努めております。 具体的には、精神障害者社会復帰施設の整備、この中に福祉ホーム、援護寮、授産施設がございます。それから通院患者リハビリテーション事業の充実でございます。それから保健所及び精神保健センターにおける社会復帰相談事業の促進等の施策を推進してきましたところでございます。 さらに今年度、平成四年度においては新たにグループホーム、五、六人の方の障害者が住みましてそれに対してその人たちの面倒を見る人をつけるという形での対策でございますが、グループホームにかかわる助成と、それからショートステイ施設の整備、つまり障害者の方が家庭とかで家族とかのトラブルが起こったときに、興奮した状態のときに、具体的には援護寮等に一時お預かりをいただいてそこで興奮を静めるというような形の整備を行っております。 そういうことでございますが、今後ともこのような施策の拡充に努めてまいりたいというふうに思っております。
○堂本暁子君 こういったホームなどは社会福祉事業法での一種社会福祉事業なのか二種なのか、どちらでしょうか。
○説明員(廣瀬省君) これについては平成四年度の予算づけの事業でございまして、第一種、第二種という区別のものではございません。
○堂本暁子君 リハビリテーションがどのように拡充されてもその前の生活という面で余りにも私は日本の厚生行政がまだ充実していないと思うのですね。入院の方には二百億近い予算、これは措置のための予算だそうですが、しかし社会復帰についてはまだ三十億にも足らない。これではやはり働くための土台としての生活がまだ十分に担保されないと思います。そういう意味で、単に医療の関連ではなくて、もっと本当に社会局がやってもいいと思うような広い範囲の生活の保障をぜひ実現していただきたいというふうに思います。 最後に外務大臣に、もしこれだけの条約を批准するとしたらば、日本の障害者に対しての平等なそして人権の守られたそういった施策をぜひ精神障害者をも含めてお考えいただけるようにお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 障害者といえどもいろいろ程度がございましょう。したがいまして適材適所、できるだけ障害者が職につけるように今後とも努力をしたいと思います。
○堂本暁子君 どうもありがとうございました。
○委員長(大鷹淑子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午後零時八分休憩 ―――――・――――― 午後一時一分開会
○委員長(大鷹淑子君) ただいまから外務委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、岡部三郎君が委員を辞任され、その補欠として大島慶久君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(大鷹淑子君) 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○黒柳明君 大臣、午前中に質疑がありましたのでまた余りしつこくやりたくないのですが、例のインドネシアの問題です。これが事実とすれば大変なことですし、次期総理候補と言われる外務大臣・副総理のことですし、さらに事実がなきゃこれはもう大臣にとっては大変なこれまた問題なわけです。だから、事実であろうとなかろうと非常に問題は大きいのではないかと、こんな感じがいたします。事業団の方と大臣に午前中若干質問ありましたが、念のためもう一回聞かせでいただきたいのです。 空港跡地の開発事業、それからジャカルタの国際見本市の開発計画、この関係性、それから先ほどもありましたけれども、外国企業がこれに参入できなかったと、これはもう事業団の方は説明しましたか、手続上そうなったのではなかろうかと、こう思うのですが、念のためこの二点について、大臣、もう一回説明いただけますか、外国企業が参入できなかった件について。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、それは当然じゃないかという感じなのですね。もともとが民活でやろうというのですから、外国企業が民活にお金を出して入ればそれはできるでしょう。お金は出さないでその仕事だけをよこせと言っても無理でしょうということですね。ですから、入札がどうのこうのといいますが、もともと合弁企業をつくったのはそのジャカルタ見本市をつくるために金を持ち寄ったということですから。 もう一つは、その跡地利用のほかの話はそれは直接は関係ありません。その空港の一部分をインドネシア政府は売って、その売った金を政府の出資分に充てているわけです。インドネシア政府もお金を出しているのですから、それに見合ったものをOECFが出しているのだと思います。必ず合弁というのは向こうの政府とこっちの政府と同じパーセンテージですから。 ちょっとあとの九割の部分はどういうように開発するのか、それは見本市の会社とは全く別な話でありまして、それは今後インドネシア政府がどういうふうな開発を進めるのか、なかなかお金が集まらないで開発ができないでいるというようなうわさは聞いております。
○黒柳明君 見本市の開発計画と丸目さんとの関係、私も現地にいろいろ友人を含めてジャカルタに知り合いがいるので、きのうあたり、アメリカと違って時差が昼と夜じゃないのでいろいろな話を聞きましたけれども、やっぱり大臣とおつき合い、これは新聞でコメントが出ていました。先ほども大臣否定しました、私設秘書じゃないよと。それはうそであるか本当であるかは私が言うべきことじゃないのですが、やっぱりつき合いがあったのじゃなかろうか。政務次官との関係、あれもちょっと私は問題じゃなかろうかと。今、いませんからね、これは大臣関係ありません。 丸目さん、私設秘書、これとジャカルタ見本市との関係、なかんずくこれは私設秘書と地元で言われてもしょうがないぐらいのつき合いが大臣とあったのじゃなかろうか。しかも名刺も、これは利用されたといえば利用されたという言葉が通用するのかわかりませんが、渡辺事務所の秘書であるかのごとき名刺も現に配っている。 大臣、この点については必ずしも威張れないのじゃないのかなと、こんな感じが私はするのですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほども言ったように、もともとそういうことをやろうということで熱心だったのは谷口さんという人なのです。谷口さんはインドネシア議連とかなんかのお手伝いもしてもらったり知人も非常に多い、そういう人で日本インドネシア協会の方の事務局長のようなことを何年か手伝っていただいた方なのです。 その方が、先ほど言ったように、自分が会社をつくって自分も金を出さなければ人を誘うことはできないということで自分が出した。ところが、たまたまその方が突然亡くなったわけです。三年か二年か過ぎまして死亡しちゃった。そこで、丸目氏が一緒におりましたので、その出資会社の一株主として会社ごと頼まれて、それで一時的に社長になったというように聞いています。 そこで、じゃ谷口とか丸目というのを何で知っているのだといいますと、私は長いことインドネシア議運の会長だとかなんかやっておりますので向こうから人がしょっちゅう来ます。大臣だったら通訳がなんかはすぐに外務省が呼んでやりますが、在野のときはそうじゃありませんから、インドネシア語を話せる人というのはおりませんから、だから丸目さんとか谷口さんとかしょっちゅう通訳その他やっていただいたということは事実でございます。そこでしょっちゅう出入りしておりましたし、東南アジアのことで情報をもらったりいろいろなことをやりました。カンボジアの問題とかなんか政府は関係ないのですから、国交がありませんから。そういうところに彼らが行ったりしたこともあります。 ですから、秘書ではありませんが、本当にボランティアといいますか協力者というか友達というか、そういうようなことがあったのでそういうような誤解を与えたのだろうと。ましてスタッフという名刺を何人かに配ったということであれば、厳重に注意したいと思っております。
○黒柳明君 問題は、大臣のお言葉をかりるとこれは全部否定、そんなことはないと。新聞の方もリベートがあった疑いと。これはマスコミのあれですからね、疑いと。 そうなると、大臣、私冒頭に言ったように、事実それは大変、事実でなくても大変。公的地位にある、日本国の副総理という肩書がある大臣がこんな無実のことを書かれて、しかも国会でこういう質疑をされるなんというのは大変なことでありまして、当然この次にくるのはサンノゼ紙に対する名誉棄損、こういう法的措置がとられなきゃおかしい、とるべきだと。とるべきだと私が言うのはおかしいですが、当然順序としてはそうあるべきだなと私は思うのですが、どうですか、この点は。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 読んでみたけれども、断定的なことは書いてないわけですよ。要するにそういうようなことになっているのではなかろうかというふうな話なのですよ、あれは。だから、偏見と言ったのは偏った見方という意味で申し上げましたが、別に法的措置を、今、新聞社に対してとるという考えは私は思っておりません、ちゃんと弁明する機会がございますしね。ましてリベートをたくさんとっている、全くこんなことはあり得ません。そんな仕事に中身がないのですから。 だから、それだったら何十社も集めなくたって、もうかるところならあんなの五社や六社ですぐできるのですよ。みんなお金たくさんは出したくないから、だからおつき合い程度の出資をした。しかもその中で、今度はそこから金を借りた者はそこの幹部クラスの商社なり何なりが全部連帯保証人ですから、だからOECFは金は取りっぱぐれはないのです。だけれども、実際は自分の借りた金で自分が保証してその仕事に参画しているということですから、かなりもう公的事業に貢献をしているというように見なければなりません。
○黒柳明君 またあさってありますから、地元からいろんな情報が今入りつつありますから、またあさって楽しみにしています。 ソ連の問題ですけれども、もう一斉にマスコミが取り上げておりますが、いわゆる二段階というのですか段階論というのですか、先月コズイレフ外務大臣がいらっしゃったときに当然いろんな話をされて、そのときにもこういう提案といいますかね、こういう意見を向こう側に提示したのでしょうか。向こうはもう既にこういう外務大臣の段階的な二段階方式といいますか論といいますか、こういうものについては検討に入っているのでしょうか。どうでしょう。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 我々が言っているのは、まずは五六年の共同宣言、これを認めないと言っているわけですから、もう時は終わった、失したとか、ゴルバチョフさんがそう言っておるわけですから、だけれども、せっかく両国において批准されたものが、安保の条約改定で気が変わっちゃったということでこれは無効だというようなことを言われたのでは、今後条約を結んでもいつ気が変わってこんな条約認めないと、こういうことは困りますということを繰り返し言っているのであって、法と正義に従うというのならば、まず五六年の共同宣言も含め、過去の通好条約とか千島樺太交換条約とかそういうものも含めて認めるということにしてもらわなきゃ困りますと言っているのです。 そうすると、五六年の共同宣言では、平和条約が結ばれた暁には二島は返しますと、あとの二島はもう交渉ということになっておりますが、それだけではただ五六年に返っただけであって少しも進歩がないということですね。だから、まず五六年のものを認めた上でどうするかということになりますと、現実には三万人の人が住んでおって、その主権を認めて平和条約を結局結んだと仮定をしても、あしたすぐ出て行けということはなかなかできぬだろうと、現実問題としては。そこは柔軟な対応の仕方、引き渡しの条件その他においては柔軟に対応することはしばしばここでも申し上げたわけであります。 今は不法占拠の状態だけれども、それが認められればそこらの言い方が変わってくるし、また現実にソ連があそこで実効支配を自分でやっているということ、これも事実であって、それは不法なやり方ではあるけれども、残念ながら、武力で追い飛ばすということはできませんから、日本は。したがって、これは話し合い以外にはないということですよね。
○黒柳明君 正式提案した、まあ話の中には出たというニュアンスでしょう。コズイレフさんのどきには話の中でそういうことが出たと。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 提案はしませんよ。
○黒柳明君 だから、話の中では二ュアンスは出たと。 それで、来週訪ソするときには正式にそういう提案をするつもりはあるのですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 自分で一方的に出たのだと決めつけられても困るのでありまして、そういうような応答があったと。
○黒柳明君 コズイレフのときはいいでしょう。また来週行ったときに。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 行って話もする前からここでみんな話し合ったら、行って何を話すのだという話になりますから、だからそこまではちょちと余り具体的には言えませんね、もう間もなくですから。
○黒柳明君 だから、そこまで間もなくだから余り言えませんねって言いながら、どこかの講演会ではどんどん言っているわけですから。この前も言ったように、ここは講演会よりももっと大切な場、私が言うまでもない。 ここでおっしゃったあの提案、コズイレフのときに言わなかった、正式提案してないと。だから、来週行ったときにはそういう提案をきちっとされるのですか、どうですか、いや間もなくですから言えませんねって、これはちょっと私は論理としては逆だと思いますよ。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 大体、話の推移から想像できるのじゃないですか。
○黒柳明君 想像できるということは、当然提案するともう言ったのだからね、講演会で。こういう想像で間違いありませんか。もう一言。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 交渉の前に対処方針ということについては具体的にそれは申し上げるわけにいきません、幾ら親愛なる黒柳先生といえども。
○黒柳明君 いやいや、私そんな親愛だと思っていませんよ。尊敬していますよ。もう大先輩として尊敬。親愛だなんて仲間意識ありません。大尊敬していますから。 それで、今も大臣くしくもおっしゃったように、向こうは共同宣言すらまだ認めていない。そういう段階で、これは活字ですからそのとおり受け取っていいのかどうかわからないけれども、外務省筋、そんなもの認めていないうちに日本側が幾ら柔軟姿勢といいながら手の内どんどんどんどん見せていいのか、こういう批判があると。これはマスコミの活字ですから、それはないともあるとも言えません。そういうふうな情報があったのでしょう。私はそういうこともあるなと、その意見もあるのかなと、こう思います。 まして総理が二十八日からドイツ、フランス、そこでも当然北方領土問題、七月サミットでもこれは西側の議題に北方領土問題、それに先駆けて外務大臣、もうそれこそこれでもかこれでもかというアプローチをするわけですね。ですから、これは相当今の時期というものを真剣にとらえて、その先駆けになる外務大臣ですから、二十九日からの訪ソについては大きな覚悟といいますか決意といいますか見通しといいますか、全く話してみなきゃというそういう私はあれじゃない、こういうふうに思うのです。 この北方領土問題、大きな柔軟姿勢を示した、ロシアでも当然もう検討していると思うのですが、この訪ソされるに当たっての決意といいますか、この問題についての今後の見通しといいますか、外務大臣、失礼ですけれども、私はもう腹の中では外務省当局とがっちり固めていろんな作戦練っていることは間違いないと思うのですが、どんな見通し持っていますか。どんな決意持って訪ソされますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは新聞等で既に御承知のとおり、ロシアの議会と執行部との対立、そういうようないろいろな問題があります。したがいまして、私はそう簡単に考えておりません。こちらの決意は決意としてちゃんと申し上げますが、そう楽観的に物は考えておりません。
○黒柳明君 これは条約局長がな。主権、施政権あるいは統治権、これもいろんなことがマスコミに書いてありまして、国会でも論議になった。あの五六年の共同宣言、これはきのうの官房長官は、今までの政府の枠内だと、こう言っていますけれども、枠外だと私は断定はしませんけれども、やっぱり変わったのじゃないでしょうか。枠内だとしても変わっているのじゃないでしょうか。 平和条約締結時、二島即時返還、それで平和条約の中であとの択捉、国後の返還時期を明示、四島一括と、こういうことだったのですが、あくまでも二島先だと、施政権認めると、こんなことは言っていないことは間違いないですね、今までは。ですから、今までの政府の見解の枠内だと言ったとして認めたとしても、今までの姿勢と違っているのじゃないでしょうか、外務大臣のその二段階方式というのは。どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは違っておりません。
○黒柳明君 おりませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) おりません。四島の日本の主権というものを認めるということが大前提ですから。引き渡し等について時期とか条件とか態様については御相談に、それは一方的なことばかり言っても仕方ないのですから、それは御相談にしましょうということになっているのです。
○黒柳明君 そうすると、四島引き揚げ返還大前提、これはもう私、認めます。これは崩していない。ただし、五六年のときには二つに分かれていたわけですよ。締結時、それから締結のときの返還の時期の明示と。今の主権を認めれば、返還の時期の明示、これはこのまま残っているのですか、それじゃ。五六年の共同宣言のときに平和条約を締結すれば二島即時返還、あとの二島については時期を明示と、これはまだ残っているのですか。 外務大臣のあれを聞きますと、もう時期というよりも、話し合いしてこれからそういうものを話し合いの中で詰めていきゃいいのだ、そして暫定的に沖縄同様に施政権を認める、こういうふうに聞こえる。そうなるとやっぱりちょっと五六年と見解が違うのじゃないか、こういうふうに私は判断するのですが、どうですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 要するに四島の主権が日本のものだということを認めることが先なのですよ。どういうふうに引き渡すかというようなやり方については、それはあしたから全部出ていけと、そんなことを言ったって話になるはずがないのですから、だからそれは話し合いの中でその時期とか対応の仕方というものは、これはもう交渉事ですから、命令するのじゃないのですから、それはやっぱり現実的に対応せざるを得ないじゃないですか。
○黒柳明君 それは私もその通りだと。だから柔軟姿勢とこう言っている。これはそのとおりですよ。四島返還が基本、これもこのとおりですよ。だけれども、五六年のときには二島即時返還、平和条約締結、あとの二島については返還時期の明記、こうなっていたわけですね。それが、今、外務大臣がおっしゃったように、交渉事だから話し合うのだと。五六年だって交渉事だから話し合うということを前提にそういうことは述べたと思うのですよ。 ただし、あとの二島については返還時期の明記ということを外務大臣は今回の交渉の中においても、平和条約締結時ですよ、それは崩さないのですか、崩していないのですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それはきちっとした、なるべく早い時期にそれははっきりしたことを決めなきゃ前へ進みませんね。
○黒柳明君 わかりました。それじゃ崩していないと理解していいですね。 結構です。
○立木洋君 投資保護協定の問題から先に。 まず投資保護協定そのものについてちょっとお聞きしたいのですが、日本としてこうした投資保護協定の締結を政策として促進を始めたのはいつごろからでしょうか。
○説明員(野村一成君) 先生御案内のように、この投資保護協定は、投資の環境の整備を通じまして投資の増大そのことが経済関係を増進していく、そういう法的な枠組みをきちんとつくるというのが眼目でございまして、現実に投資はいろいろ行われておりましたし行われておるわけでございますけれども、その法的な枠組みといたしまして私どもが最初に結んだのは一九七八年のエジプトとの協定でございます。
○立木洋君 これまで日本が結んできたのは、エジプトから始まってスリランカ、中国と、今回が四回目ですね。四つの投資保護協定になっておるのだろうと思うのですが、結局一九七〇年代、つまりそういう環境整備の形でこの協定の締結を進めるという施策を進めてから今日まで四カ国だということは、何か非常に少ないような気がするし、その点はどうなのでしょうか。
○説明員(野村一成君) 投資保護協定の場合には、先進資本主義諸国との間におきましてはそもそもその国々に投資保護についてのきちんとした枠組みができ上がっているということのほか、例えばOECDの資本自由化コードというのがございまして、資本の移動につきましては一応法的な枠組みがきちんと基盤が整っているという事情がございます。したがいまして、そんなに投資保護協定というのの必要性が感じられていないという事情がございます。 それから開発途上国との間につきましても私ども日本の投資そのものが大きく伸びてきたのが近年の現象でございまして、そういったことがございまして、今、先生御指摘のように、若干少ない今回四回目ということでございますけれども、他方、近年投資がどんどん伸びてきているということからもう既に幾つかの国々と交渉を行っております。今そういった行っている国々のことをちょっと指摘させていただきたいと思いますが、パキスタン、ハンガリー、チェコ、ポーランド、ルーマニアといった国々と現在交渉を行っておりまして、これがまとまりますとまた国会に御承認いただくために提出するということに相なります。
○立木洋君 先進国間の投資については、これはもう言うならばほとんど相互的なものになっていると思うのですが、開発途上国の場合にはこれは相互というふうな名目を明記しても実際上は一方的な投資になっている。トルコの場合でも日本からの一方的な投資になっているというのは現状を見ればこれは明らかなのですが、結局トルコにおいては、外資法があるにもかかわらず日本の投資の強化を求めて今回のこうした投資促進保護協定の締結に至った。 そこで、この問題で一番問題になるのは、考え方の問題として、私たちは外国に対して海外に投資するということそのものに何もすべて反対しているわけじゃ毛頭ありません。これが平等互恵の立場で投資というものが行われるならば相手の国の経済発展にとっても有意義でしょうし、さらには経済協力関係を促進する上でも一定の意義を持ち得るということは私は当然のことだと思うのです。 しかし、事実上一方的な保護のみが拡大され強要されていくならば、相手の国の主権だとか権益をそれによって侵すという事態が生じるならば、これはまさに今新しい経済秩序が求められているという状況の中で新たな経済的な従属状態を他国につくり出しかねない、こういう危険性があるということも当然見ておかなければならないと思うのです。こういう考え方についてはどうでしょうか。
○説明員(野村一成君) 投資環境を整備することによって投資が伸びて経済関係が発展するという場合に、私は、その投資する側、投資家の立場の保護というのと、それからやはり投資によって開発途上国の経済発展にプラスになっていく、そういう二つの何と申しますか、利害がきちんとバランスとれて法的な枠組みとして整っているということがポイントだと思うのです。 それで、私どもが今回提示しておりますこのトルコとの投資保護協定につきましても、そういった基本的な点につきましては双方、向こう側からの投資拡大への要望等も踏まえまして、また日本の投資に関連する事業活動の保護という点についても十分な配慮がなされている、そういうふうに考えておりまして、特に一方的に先進国の立場で開発途上国と申しますか、トルコにこの協定を押しつける、そういったたぐいのものではないというふうに認識いたしております。
○立木洋君 協定の第五条ですね、ちょっと具体的にいろいろお尋ねしたいのですが、第五条では、投資財産、収益に対する受け入れ国の不断の保護あるいは保障義務というのが規定されていますね。それだけにとどまらないで、収用や国有化、これらと同等の効果を有するその他の措置に。対する補償ということ。遅延に対する利子の問題、これは五条の三項ですか。さらには緊急事態による損失補償の問題、六条。あるいは為替レートの変動による損失等々まで細かな規定がされているわけですね。これは言うなれば投資国の側の投資保護といいますか、いわゆる利益が保証されている。また、さらに八条では収益から売上金など領域外への自由な移転ということまで規定しているわけですね。 これまでのいろいろと国連等で検討されてきたのは、いかなる国家も外国投資に対し特権的な優遇を与えることを強要されないというふうに明記されているのですが、これら五条あるいは六条、八条等の交渉の過程でどういうふうな問題がトルコ側から出され、どういうふうな検討がなされたのか、その辺について述べていただきたいと思います。
○説明員(野村一成君) ただいま五条、六条(八条についての問題提起がございましたけれども、こういった具体的な条文の内容にトルコ側が強く抵抗したと申しますか不満を示したという事実は交渉過程においてございません。 基本的には、今、先生が御指摘になりました条項と申しますのは、やはり投資に関連する事業活動を行います場合にこの投資保護協定の中で投資の保護という見地からいたしますとその基本をなすような条項でございまして、そういった点についてはトルコ側も日本側も認識を同じくしていたというのが実態でございます。
○立木洋君 第五条の補償の対象となっている事項で「収用若しくは国有化又はこれらと同等の効果を有するその他の措置」というふうに書かれていますが、これは以前スリランカなんかとの協定の場合にはその中にさらに「制限」という文言が入っていたわけですね。トルコの側は、その制限というのはいわゆる企業活動で生じた損失等についてより一層補償対象をさらに拡大する根拠になるということを警告してこの制限の文言をとるように要求したのではないですか。
○説明員(野村一成君) 確かにトルコ側は、御指摘の点につきましては、制限に相当する概念が国内法制上もないということを理由といたしまして制限という言葉を使うことに難色を示しました。そういった事情を踏まえましてこの協定におきましては制限という表現を用いることはしないで、日本・エジプトあるいは日本・スリランカ協定の規定によって対象とした措置をすべて含み得るような表現といたしまして、ただいま先生御指摘の「収用若しくは国有化又はこれらと同等の効果を有するその他の措置」と、そういう表現を用いることとした次第でございます。
○立木洋君 野村さん、相手のトルコという国は自分の方から投資協定を結んでくれと申し入れてきた側なのですね。そして、経済的な状況を見るならば、今インフレの問題があったりさまざまなストライキ等があって大変な経済事情にあって、投資を物すごく求めているという状況にあるわけでしょう。しかも、GNPなんかだって一人一千六百ドルぐらいの極めておくれた状態で、そういう非常に弱みを持っている。だからそういう側が、あなた方こんなことをしてもらったら困るなんて強く言える立場にないのが普通なのですよ。 しかし、こういう形で「制限」ということが入れられると、それは自分たちの法制上にそういう文言がない、これによって補償の範囲が拡大されるというふうなことは困るのだというふうな、回りくどい言い方かもしれないけれども、それはやはり日本がさらに一層自分たちの補償のあり方を拡大するということに対する一種の牽制なのですね。 そういうことを交渉の過程でも十分にくみ上げるということをしなければならないので、結果としてはこれらの問題が「これらと同等の効果を有するその他の措置」というところで読みかえるようになったというふうに外務省が説明して相手が主張せんとするところの意図を押しつけるというふうなものは、私としてはやっぱり適切な対応ではないということも申し述べておきたいと思うのです。 もう一つは第八条、収益その他の領域外への移転の自由の規定の問題ですが、これはもう大臣なんかも御承知のように、戦後アメリカから激しい資本の投下が行われて、そしてそれに対して厳しい為替の規制を行って資本の流出を防いだというふうなことはこれは周知のことですよ。資本が投下されてそこで出された収益が全部勝手にどんどん自由に海外に持ち出されるというふうなことになるならば、そこでの経済的な活動や発展にそれがどういう形で利益をもたらすのか、これは当然そういう投資を受け入れた国としては考えなければならない点です。 しかし、ここでその収益等々の移転が完全に自由にされるというふうなことは、これまでの経済的な状況から考えるならばこれ自身やっぱり一つの問題点じゃないかというふうに感じるのですが、この点についてはトルコ側はどういうふうな意思の表明をしたのでしょうか。
○説明員(野村一成君) 基本的には、先生も御案内のように、投資に関連する事業活動の場合には、投資して特に利潤等の本国への送金といったことについての自由と申しますか保護がなければ、現実に投資活動家にとりましては、移転と申しますか、そういうものは出てこないわけでございます。 ただ、ただいま先生の御指摘の点、他方、無制限に送金の自由を認めるということでもございませんでして、この協定八条の二項には、御外的な状況のもとでIMF協定に従って為替制限を行うことが可能であるということが規定されておりまして、したがいましてトルコ側に対して無制限の送金の自由を求めているものではないということを指摘しておきたいと思います。
○立木洋君 その答弁も納得するものじゃありませんが、次に十一条、投資の紛争の解決について定めているわけですけれども、一九六五年の投資紛争解決条約で調停、仲裁での解決が従来は規定されているわけです。これが今回は「可能な限り、紛争の当事者間の友好的な協議により解決される」という文言が明記されていますけれども、これはトルコ側の強い要求によって明記されたものではないでしょうか。
○説明員(野村一成君) この文言については、御指摘のとおり、トルコ側の要望によって明記されたわけです。
○立木洋君 それで、幾つかの問題点を私は取り上げてみたのですけれども、結局これまで戦後の歩みを見てきても、いわゆる開発途上国に対する投資という問題については国際的にもいろいろな問題が議論されてきている経緯がある。 その一つは例えば一九四八年のハバナ憲章、ここでは外国の投資の決定については、どの範囲でどの分野でそれを許可するかということについての決定は加盟国が行う、それから投資の所有に対する要件あるいはその他合理的な要件を課し、またそれの影響力を行使する権利を有している旨を定めるというのも当然加盟国において決定するというふうなことがハバナ憲章では述べられております。 また、一九六二年の国連総会、天然資源及び富の恒久主権に関する決議の中では、外国資本の導入について、人民及び民族がかかる活動の認可、制限または禁止に関して必要または望ましいと自由に考える規則及び条件に合致すべきであるというふうにも規定されております。 七四年国連で採択した国家の経済的権利義務憲章、ここでは、自国の法令に基づき、また自国の国家的目的と政策の優先順位に従い、自国の国家管轄権の範囲内で外国投資を規制し、それに対し権限を行使すること、いかなる国家も外国投資に対し特権的な優遇を与えることを強制されないというふうに述べられております。まだ明確に定められていませんけれども、その後、多国籍企業行動規範というものが案文として長期にわたって検討されているという経過もあるわけです。 これは投資を行う側が、つまり開発途上国としては事実上一方的に受け入れるという形になるわけですから、その場合には当然発展途上国の権利の乱用を歯どめをしなければならないという側面があるかもしれませんけれども、しかし他方、いわゆる経済的に優位に立っている投資母国の側からは当然その国の主権だとか権益だとかいうことを十分に尊重した対応というのが必要ではないかということはこれまでの国際的な検討の経過を見ても明らかではないかというふうに考えるのですが、この点の認識はいかがでしょうか。
○説明員(野村一成君) ただいま先生の投資との関連におきまする先進国と開発途上国との関係の流れと申しますか、国連等における経緯の御指摘がございました。 確かに投資保護協定というのは途上国の側の関心に十分な配慮を払った上でなされなければならないという側面がございますし、そういった点についてただいま先生御指摘の多国籍企業センターにおいても指摘がなされているということは承知いたしているところでございます。他方、やはり開発途上国の経済発展のためには先進国からの資本の流れを促進するという見地から国際投資の安全に配慮するという要素が重要でございまして、こういった点を双方バランスをとりました考え方が近年多くの開発途上国の受け入れるところになっているというのも同じく私どもの認識しているところでございます。そういうところから開発途上国と先進国との間での投資保護協定というものが多く結ばれてまいっているというのも事実でございます。 やはり基本的には、開発途上国側の関心にも配慮を払いつつ先進国からの資本の流れが促進され、そのことによって二国間の経済関係の発展にプラスになっていく、そういうのがこの投資保護協定の本来目的とするところでございまして、今回提出しております日本とトルコとの協定につきましてもまさにそういう見地から御承認いただきたいと思っているわけでございます。
○立木洋君 そうはなっていないから私は指摘しているのです。 昭和五十五年に通産省が出した文書の中に、二国間におけるいわゆる投資保証協定の問題についてこういう書き方がされているのですね。 締結数が我が国のみならず、先進国全体とし て増加することによる投資保証に対する国際的 ルールの醸成・確立といった累積的効果がある ので、我が国としてできうる限り、交渉の機会 を見い出す努力が必要である。従って我が国と しては、投資保護の観点からはできる限り、 「協定」形式で締結交渉に積極的に取り組むこ とが望ましい。ということが通産省の報告書に書かれてあります。 こういう形で開発途上国との間では相手の弱みに事実上つけ込んだ形で協定形式で、つまり投資保護の観点からできる限りそういう形態でやれということは、まさに今言ったように、一方的な権利を要求するそういう交渉の態度であるということを通産省自身も認めているのじゃないですか。そういう観点に基づいて今までやってきたのではないでしょうか。
○説明員(野村一成君) 投資保護のための法的な基盤と申しますか枠組みを設けるというのが投資保護協定のねらいとするところでございまして、もちろんそういう趣旨で今までも投資保護協定を締結してまいっておるわけでございますが、先生ただいま御指摘のような開発途上国側の弱みにつけ込んでということで、そういった意図と申しますか、でもってこの協定交渉に臨んだわけでもございませんし、またそういう形でこの協定ができ上がっているというふうにも認識いたしておりません。 やはり開発途上国側の関心にも考慮を払いながら、基本的にはこの投資の保護を通じまして協定、法的枠組みができて、それが我が国と開発途上国との間の経済関係の促進に貢献する、そういうのがこの協定の私どもについての基本的な認識でございます。
○立木洋君 だって通産省の報告書の中には、「投資保護の観点からはできる限り、「協定」形式で」と言っているのですよ。 この協定形式というのは何か。一九八八年に国連多国籍企業センターが出した報告書の結論部分に次のように書いてますよ。二国間投資協定は、専ら受け入れ国に対して外国投資の保護に関しての責務を負わせるのみで、投資母国あるいは投資家に対してはそれに見合う責務は全くないと指摘しているじゃないですか。日本側が投資保護という観点から投資保護のこの協定を二国間協定をやるのだということになるならば、自分の側の責任は全く負わない。先進国の間の関係でこういう状態が起こりますか。起こらないじゃないですか。 だから、外国投資に当たっては結局発展途上国の足元を見て、投資保護だということを主張することによって事実上相手の権益をも侵しかねない事態になっているのですよ。国連の報告文書にも明確にこう書いてあるじゃないですか。一体何の責務がその投資側にあるのですか。一方的な責務を相手側に受け入れ国に負わせるだけじゃないですか、保護という観点から。 実際にはそこの国の経済の発展にもならないで自由に収益を移転できるというふうなことをやったら、一体どうして対等平等の投資協定なんてできますか。だからこそ先進国の間ではこういうふうな協定ができないのですよ。だから、私はあえて途上国の弱みにつけ込んでこういうやり方をしていると。 大臣、最後にこの点について一言。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは物の考え方でございまして、疑って考えるといろいろな疑問が出るのですが、我々はやっぱり素直に、日本と投資協定を結びたいということでございますから、額面どおり素直に解釈をして結ぶことにしておるのであります。
○立木洋君 ですから、投資協定を結ぶということに私は反対ではないと言っているのですよ。投資するのも結構だと、対等平等でやられるならば。問題は、相手が置かれている地位をよく考えて本当に主権を尊重するように、一方的な保護の協定だけの責務を相手に負わせるようなやり方をしてはなりませんよということを私は言っているのです。それが今までなっているのです、こういうトルコの協定なんていうのは。だから私は、まともに見て、まともな主張をしている。 その点については大臣からは私の意見に賛成するという御意見はいただけないでしょうから、これはこれで結構ですが。 次に、障害者の雇用に関する条約で一点だけ述べておきたいと思いますが、今、日本の障害者に対する民間企業の法定雇用率、これは一・六%というふうにされています。実際の雇用率というのは一九九一年に一・三二%だったというふうになっていますが、これは外国を見てみますと、イギリスでは法定雇用率が三%、ドイツでは六%、フランスでは六%、オランダでは三・七%、こういうふうになっているのですが、なぜ日本がこれほど低いのでしょうか。その理由について述べてください。法定雇用率が低い理由。
○政府委員(征矢紀臣君) 各国の法定雇用率につきましては、ただいま御指摘のようにさまざまでございますが、特に雇用率制度に基づく義務の内容に国によって差があること、あるいは国によりましては戦争未亡人等がこういう制度の対象に含まれている例もございまして対象となる障害者の範囲が異なっております。したがいまして、法定雇用率の大小のみによって障害者用雇用について各国比較を行うことはなかなか難しいのではないかというふうに考えておるところでございます。 我が国の法定雇用率につきましては、御承知のように、失業者を含む全労働者中に占める身体障害者である失業者を含めまして身体障害の労働者の方々、この割合を基準として決定することといたしておりまして、この率が現状では一・六%ということでございます。したがいまして、この法定雇用率が達成された場合には身体障害者の失業率が健常者の失業率と等しくなり、身体障害者と健常者が同じ水準において雇用の機会が確保される、こういう考え方で我が国の雇用率制度は運用されているところでございます。
○立木洋君 その比率の計算の考え方というのに私は反対しようと思いません。ただ問題なのは、それによって本当に健常者の失業率と同じに実態がなるのかどうか、これは私は問題があると思うのです。私は実際にはならないと思うのですよ。それはどうしてかというと、失業の障害者数をどういう見積もり方をしているのかという点に私は最大の問題があるのじゃないかと思うのです。 その常用雇用の身体障害者数、二年度の数値で出されているのがありますが、これは三十二万二千というふうになっています。そして、失業の身体障害者数が八・九万人というふうに出されております。それから重度障害者を二倍にした場合十一万七千というふうになっております。この数字は同じ時期の身体障害者の総数を見てみますと二百四十一万三千なのですね。常用雇用身体障害者数というのがそのときは三十二万で、これが重度障害者を二倍にした場合でも四十万八千。四十万八千とそれから失業者十一万七千。実際に存在している身体障害者の総数というのは二百四十一万三千ということになるわけですね。もちろん一級、二級、三級というのはなかなか大変だということを考慮に入れたとしても、四級、五級、六級ということを入れるならば百万に上るわけです。 そうすると実際の数字というのは、いわゆる十一万七千が失業身体障害者数だというふうな出し方というのは極めて分子を小さく見積もる計算の仕方に実態はなっているのじゃないか。その点はどのようにお考えですか。
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま御指摘の数字の点でございますが、まず第一点は、私ども労働政策の対象という観点から基本的に分子、分母両方とも六十五歳以上の方を除いて算定をいたしております。したがいまして、御指摘の出発点といたしまして二百四十万人という数字でございますが、六十五歳以上の方を含んだ厚生省の調査結果による数字でございまして、この調査におきます六十五歳未満の身体障害者の数は約百三十五万人でございます。このうち未就労者の方が約七十七万人ということでございまして、就業率が四三%、こういう数字になっております。 そこで、障害者雇用促進法におきます雇用率の算定に当たりましてその対象となる失業身体障害者、これは安定した雇用いわゆる常用雇用で就職を希望する、かつ実際に求職活動を行っている方、これが対象になるわけでございまして、したがいましてこれが七十七万人のうち約十二万人、こういう把握でこの計算をいたしておるところでございます。
○立木洋君 先般行われた改正で、重度の精薄者の方をダブルカウントするというふうなことまでなされたわけですね。これは一歩前進だと私ども思います。しかし、実際に法定雇用率をやはりもっと高めて、結局現在でいえば民間は一・六だと、それが一・三二まででほぼ何かできたような感じにさせるような状態ではなくて、西ヨーロッパの先進国などを見ると三%から六%というふうになっているわけですから、実態に合う形でより障害者の方々の雇用を促進できるような方向に持っていくべきだ、そういう考え方で法定雇用率というものを考え直す必要があるのじゃないかというのが私の主張なのです。 もうこれ以上述べる時間がありませんけれども、あらゆる角度から検討して、そしてこの分子を小さく見積もって何か国家公務員の方ではもうほぼ達成したかのような数値にしてしまうのではなくて、もっと雇用を促進するという観点からこの法定雇用率の問題は考え直すというふうに私はしていただきたい。そういうことを検討する意思がおありかどうか。労働省と同時に、この条約を批准するわけですから、最後に外務大臣の御見解をお聞きしておきたいと思います。
○政府委員(征矢紀臣君) ただいま御指摘の法定雇用率、現状で一・六%という数字でございますが、これは御承知のように、現在の障害者雇用促進法に基づきましてただいま申し上げたようなことで計算をした数値に基づいて一・六%が現在定められている。これはその見直しを五年ごとにするということで昨年見直したわけでございます。 その結果、現状では一・六%ということでございますが、御指摘のように、障害者の雇用なかなか進んでおりませんで実雇用率は一・三二%ということでその差がまだ相当大きいわけでございます。したがって、現在衆議院の方で御審議いただいております障害者雇用促進法の改正案による対策の強化を図りつつ、さらに障害者の雇用の促進に最大限努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今、労働省が答えたと同じようなことでありまして、一・六と決めておきながらそれにも満たない。雇用率だけ上げても実行しなきゃ何にもならぬわけですから、まずは一応決めたものに満つように努力をするということが先ではなかろうかと思います。
○立木洋君 不満がありますけれども、終わります。
○高井和伸君 トルコとの投資促進の協定についてお尋ねしますが、まずトルコ共和国に対する日本の外交政策の基本は何か、こういうことから聞きたいと思います。
○政府委員(小原武君) トルコは、御承知のように、ヨーロッパと中近東そしてアジアを結ぶ地理上の要衝にある土地でございまして、日本との間には長い伝統的な友好関係で結ばれております。一昨年、日本・トルコ修好百周年をそれぞれの地で盛大に祝ったところでございます。 昨今におきましては、御承知のように、トルコはNATOの一員あるいはOECDの一員といたしまして、それから西側の一員という立場で日本とも外交政策の面でも非常に共通点の多い立場にありまして、そういう立場を反映しましていろいろの場での協力関係というのが進んできているわけでございます。 御審議いただいております投資保護協定もそういう双方の友好関係を基盤にしておりまして、これを成立させることによりまして今後一層両国間の経済協力関係が進展するということを期待しているところでございます。
○高井和伸君 各論になるかもしれませんが、友好関係での経済取引ということでは、この協定が成立する以前の現状というか実態はどんなぐあいでしょうか。
○政府委員(小原武君) 経済関係で申しますと、まず貿易関係でございますけれども、我が国はトルコから見た輸入の第五番目という地位を占めております。トルコから見た輸出の面では日本はまだ低うございまして五位というようなところまでは来ておりませんが、数字で見ますと、トルコの日本に対する輸出が年間約三億ドル、日本からの輸入が約八億三千万ドルということで推移しております。投資で見ますと、平成三年上半期現在で我が国からトルコヘの直接投資は三十九社、約二億五千万ドルという状況になっております。
○高井和伸君 トルコの経済状況というものは日本からの投資に見合った状況かという端的な質問に対しては、現状はどうでしょうか。
○政府委員(小原武君) 御質問の点、もう少し詳しくポイントをお聞かせいただきたいと思います。
○高井和伸君 日本の企業がトルコに意欲をもって投資できるような経済環境がトルコ国にあるか、こういう趣旨でございます。
○政府委員(小原武君) トルコは、ここ五、六年ほど外資を導入し、国内にありましては自由市場経済を導入するということを非常に熱心に推進しておりまして、先ほど申し上げましたような我が国からの直接投資が比較的短期間にこれだけふえたということはそういう環境を反映しているものというふうに理解しております。 この保護協定を結ぶというトルコ側の非常に熱心な要請というものも、その辺のトルコの自由主義経済を導入し経済を活性化するという意欲のあらわれであるというふうに理解しております。
○高井和伸君 この協定が効力を発した暁に、現実的に日本の経済、トルコの経済、双方にとって、シミュレーションした場合、大体どんなぐあいにじわっと効果を発揮し、どちらの国がよりいい思いをするかというか経済的発展の果実を得るかというようなことを、今現在シミュレーションするとどうなりますか。
○政府委員(小原武君) そういう数字を背景にしたシミュレーションというのを実はやっておりませんので正確にお答えすることはできませんけれども、昨今続いてまいりましたトルコの投資環境の整備ということと相まちまして一層投資が伸展するものと期待しております。
○高井和伸君 念のためにお尋ねしますけれども、主にこの協定が威力を発揮するのは日本がトルコヘ投資をするという場面が一番多く想定されると。協定自身、相互主義的な立場で書いてはありますが、そういうことになるでしょうか。
○政府委員(小原武君) 現在、彼我の資金力の違いそれから技術力の違い、お互いの技術に対するニーズの違いということを背景に考えますと、実際問題として日本からの投資の分に多く効果があらわれると言えるのではないかと思います。
○高井和伸君 この協定がどのような手続で効力を発するかということで、トルコ側の措置は国会の承認だとかいうのがあるのでしょうか。もうトルコ側は効力が生じているのでしょうか。その点についてちょっと確認しておきたいと思います。
○説明員(野村一成君) トルコの国内手続についてのお尋ねでございますが、これは批准を要する、この協定十六条によって批准されなきゃならぬというふうに書いてございますので、トルコにおきまして批准を要する条約は、まず署名いたしまして外務省から首相府に送られまして、閣議によって国会に提出するということが決められております。トルコにおきます国会が審議を行った上で内閣に批准を行う権限を与える決議を行いまして、この決議を受けまして内閣により批准の手続が取り進められる、そういうふうに理解しております。
○高井和伸君 日本国のことをお尋ねしますが、この協定を批准承認することによって国内法制は特段の措置は要らないと、こういうことでよろしいのですか。
○説明員(野村一成君) 特段の措置は必要ございません。
○高井和伸君 それでは、ちょっと細かいことになりますが、法務省関係がと思いますが、第一条に概念規定がございまして、「会社」というところに「その他の団体をいう」というようなことを書いてあります。なぜこんなことを書くのでしょうか。
○説明員(野村一成君) 先生御指摘の第一条の(四)の会社の定義について規定しておる部分でございますけれども、投資家の保護という見地からいたしますと通常やはり社団法人とか組合とか会社ということなのですが、それに限らないでそれ以外の諸団体が投資を行う場合にも協定上の保護が与えられる方がいいのであろうという見地から書いておる点でございまして、その他の団体としまして具体的には地方公共団体とかあるいは権利能力なき社団といったものが指摘されるのではないかと思っております。
○高井和伸君 第三条の第三項に「投資に関連する事業活動」として「次のものを含む」ということで、(a)、(b)、(c)、(d)と例示的に書いてあるのだろうと思いますが、こういった規定の必要理由は何なのでしょうか。
○説明員(野村一成君) 御指摘のように、あくまでも主なものを例示的にしたわけでございますが、やはり主な例を具体的に列挙することによりまして一種の投資活動に対する何と申しますか、より具体的な透明性と申しますか、そういうことで一定の安心感を与えるという効果、投資促進にプラスになるのじゃないかということを期待したものでございます。
○高井和伸君 第四条について法務省にお尋ねしますが、先ほど総括的な質問によりまして日本国内法制については何ら措置は要らないと言っておりますが、第四条の規定は、それぞれの国において、トルコの方が日本へ投資した場合、その方々の権利の擁護、行使、そういったものが裁判所の司法手続でちゃんと保護を受ける、行政機関に対する申し立ても保護を受けるというような規定があえて書いてあります。これは日本国においてこんな規定がなくたってトルコの方が日本に投資すれば当然こういう扱いを受けるということでよろしゅうございますか。
○説明員(升田純君) そのとおりでございまして、日本国内におきまして外国人及び外国法人、特に商事会社でございますけれども、司法上、財産権の取得あるいは行使につきましては原則として日本人及び日本において成立する同種の法人と同様の保護を受ける、こういうことになっておりますし、裁判上の権利の行使につきましても、例えば原告となって民事訴訟を提起しあるいは被告となって民事訴訟を提起されるということも、日本に裁判管轄が認められる限り同様です。それから裁判上の手続につきましても同様の保護を受ける、こういうことになっております。
○高井和伸君 第五条の二項でございますが、建設省のことになろうかと思います。 収用における手続ですが、国有化という概念は収用も国有化じゃないかと思うのです。こういった手続、この規定がなくても、トルコの方が日本に投資財産を持っている場合、その投資財産を収用するような場面においてはこういう規定がなくてもいいはずなのですが、殊さら困らないということは事実でございますか。
○説明員(百武伸茂君) 御指摘のとおり、トルコ国民が日本国内に所有いたします財産が公共の利益となる事業のために収用されます場合でございましても、日本国民と同様に土地収用法が適用されまして同法の規定に基づく収用手続がとられることになります。 また、損失の補償につきましても、日本国民と同様、土地収用法の規定に基づきまして適正な補償金額が算定されることとなります。
○高井和伸君 八条で大蔵省にお尋ねします。 投資に関連するものの移転の自由という概念でございますが、こういったものは国内法制においては何ら規定がなくてもそのとおりに行使されるはずである、トルコの方が日本に投資した場合は。こういうことでよろしゅうございますか。
○説明員(船橋晴雄君) 外為法上、投資収益等の送金につきまして特段の許可もしくは届け出等は必要とされておりません。
○高井和伸君 各省、ありがとうございました。 外務省にお尋ねしますが、やはり先ほど立木委員もおっしゃられておりますが、基本的には私にすればあえてこんな協定を結ばなくても何ら構わぬのじゃないかというほど日本国の場合は立派な法制がいっぱいあって、当たり前のことが当たり前に書いてあるということで今、各省の方にお尋ねしたわけですけれども、これはやはりトルコ共和国内における法制を、この協定の批准というのですか効力を発生させるためには、国内法制をこの協定に合わせて点検しなきゃいかぬという要素が多々あるのでしょうか。
○説明員(野村一成君) 先生御案内のとおり、この協定そもそも双務性のものでございますので、先ほど中近東アフリカ局長からございましたように、確かに日本からトルコヘの投資活動が圧倒的に多いというのはございますけれども、同様にやはりトルコから日本へという側面も釈明させていただきたいセ思うのでございます。 例えばこの条約で最恵国待遇というのを法的なお互いの義務として約束し合っているわけでございますけれども、日本の法制度の河とでは基本的に、最恵国待遇というのは実質的にもう確保されているということでございます。他方、日本とトルコの二国間関係につきますと、それぞれの国の国内法がそれぞれの国内的な手続によって改正されるものでもございますし、条約という国際約束の締結によりまして最恵国待遇の付与をお互いに義務づけるということに私は基本的なこの協定の意味があるのだろうと思います。 特にトルコに投資を行おうとする日本の企業の立場からいたしますと、投資の許可等に関連しまして我が国の投資家が例えばアメリカとかあるいはECの投資家と同じように扱われるということは、基本的には投資の保護という見地から意味するところは大きいのであろうというふうに考えておるわけです。そういった法的な枠組みをきちんとつくり合うということがまさに投資保護協定、投資保護を通じて両国間の経済関係のさらなる発展ということを期待し得るということになろうかと存じます。
○高井和伸君 投資促進の枠組みを決めることについては私も異議はございません。 それで、このトルコとの協定の問題をちょっと立体的にするためにお尋ねしますけれども、中国とも同じような投資協定がある、他国ともいろいろ投資協定が三、四カ所あるということから比べたときに、トルコとの協定で特に特異な部分というのはあるのでしょうか。
○説明員(野村一成君) 基本的には、投資の促進、保護のための包括的な規定を設けておりまして、基本的な差異はございません。内容についてもほぼ同様なものであるというふうに認識いたしております。
○高井和伸君 わかりました。 そうしましたら今度は、トルコ国とその他の先進諸国などがたくさん同じような協定結んでいるわけでございますが、その投資協定と日本とトルコの投資協定の差というのはあるのでしょうか、ないのでしょうか。
○説明員(野村一成君) 何分トルコと第三国との協定ということで私ども把握しているところに限界がございますのでひとつ御勘弁いただきたいと思うのでございますけれども、基本的には私どもの理解、承知しているところでは、トルコがアメリカ等と締結している協定はおおむねこの今回の協定と同様の内容を含んでいるものであると、そういうふうに理解いたしております。
○高井和伸君 第十一条一項の先ほど立木委員もおっしゃっておられました「友好的な協議により解決される」という紛争解決、こういう国家と国家との間の約束が当事者間の紛争の解決をどうやって実効性あるものにするのでしょうか。そのつなぎはどうなのでしょうか、この条文を読むときに。
○説明員(野村一成君) この協定のもとでの紛争処理の仕組みについてのお尋ねだったと思います。 まずこの十一条で、投資紛争というのは紛争の当事者間の友好的な協議で解決する、これが第一点でございます。その次に、紛争が友好的な協議により解決されない場合に、投資紛争の解決に関するワシントン条約というのがございまして、それに従いまして、紛争当事者である国民または会社の要請に基づきましてこの条約の規定に従って紛争を調停または仲裁に付託するということができるようになっております。 双方の投資家に対して適切な保護を与えることによって投資を促進するというこういった協定の趣旨に照らしましても、今御指摘の紛争の解決のための枠組みというのは投資保護協定においては非常に重要な要素であろうかというふうに認識しておる次第でございます。
○高井和伸君 あと一つ、内国民待遇あるいは最恵国待遇という概念というのはまだ外交政策上大きな比重を占めているのでしょうか。もうある意味では要らないのじゃないかというようにちょっと素人的に思ったりするのですが、そういう概念は外交の概念としてはまだ大いに生きているのでしょうか。
○説明員(野村一成君) 最恵国待遇の概念というのはこれは二国間だけじゃなくて、先生御案内のとおり、あとガットその他のマルチの場における枠組みにおいても使われている言葉でございまして、やはりお互いに最恵国待遇なり内国民待遇を与え合うということをきちんと国際約束として確立させていくということは、私、特にこの経済関係等におきまして依然として重要な意味を持っている、そういうふうに考えておる次第でございます。
○高井和伸君 それでは次は、障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約についてお尋ねしますけれども、主にこの条約は雇用の促進、職業リハビリという側面で規定されております。 ところで、障害者全般の政策について二応急のために厚生省にお尋ねしたいと思うのですけれども、厚生省から見た場合の障害者対策というものはこの条約との関係ではどんなふうに理解したらいいでしょうか。
○説明員(松尾武昌君) 厚生省の施策としまして、雇用されることが困難な障害者に職業を与える施設としまして授産施設及び福祉工場がございます。これらの施設について従来から逐次整備を図っているところでございます。 特に、できる限り住みなれた住宅で生活が送れるよう、在宅から適所により必要な訓練を受け、作業等を行う適所型の授産施設につきまして整備を図っております。また、介護の面にも配慮した重度の障害者を対象とする授産施設、この面にも整備を重点的に行っているところでございます。それから障害者の住みなれた地域での授産施設の事業を容易にするために授産施設を本体としたその分場として各所に小規模な授産場の設置を認めるなど、きめ細かな対策を講じているところでございます。 今後とも雇用されることが困難な障害者に対しますこういった授産施設の整備について対策に取り組んでいきたいと思っております。
○高井和伸君 労働省にお尋ねします。 先ほどから障害者雇用対策の概要について御説明願っているわけですけれども、いろいろな側面で私の質問の趣旨は、自由市場経済原理、経営者原理でいろいろ動いている企業に対する雇用の法定雇用率というようなところでの考え方の問題で、今度の条約の説明の中でも社会における統合の促進あるいは再統合というような概念がございますが、そういった面においてどのような枠組みを労働省としてはお考えでやっておられるのか、非常に大きいテーマでちょっと答えていただきたいと思います。
○政府委員(若林之矩君) 障害者の雇用対策につきましては、働く意志と能力のある障害者が健常者と一緒に一般企業において自然に働けるような社会を実現していく、こういうノーマライゼーションの理念にのっとりまして雇用対策を進めておるわけでございます。私ども具体的には重度障害者に最大の重点を置きまして、こういった方ができる限り一般雇用の場を確保いたしますとともに、それぞれの障害の特性に応じたきめ細かな施策を進めるということを基本方針にいたしておるわけでございます。 具体的にそういったものをどう展開していくかということでございますけれども、一つは一定の改善が見られない場合の企業名の公表を前提といたしました事業主指導等を通じた雇用主制度の厳正な運用でございます。これが第一でございます。 第二は、作業設備等の整備でございますとか特別な雇用管理等に係ります各種の助成制度を活用いたしまして雇用の促進を図っております。また、非常に重度の方につきまして、第三セクター方式によります重度障害者雇用企業の設置、育成等を図っております。また、障害者職業訓練校を含めまして全国の公共職業訓練校におきます職業訓練の実施をいたしております。 最後になりますが、各都道府県に公共職業安定所及び地域障害者職業センターというのがございまして、ここで障害者の方に対します職業相談、職業紹介を行う、こういったような施策を展開しているわけでございます。
○高井和伸君 最後に一点だけ。 こういった障害者をお持ちのお母さん方からよく相談を受けるときに、今は大きなハードの仕組みのシステムの問題だろうと思いますが、個々的な障害者の相談に乗っていただいてきっちりとしたこういったところへ当てはめをやっていただくような仕組みとしていろいろな施設があることはわかっておりますが、現実的には非常にお母さんたちが困っておられる。こういったことに対するある種のソフト的な個々的な方々に対する対応として、障害者雇用対策のアクセスはどこら辺で一番力点を置かれておりますか。
○政府委員(若林之矩君) 障害を持った方々に対する相談体制の問題かと思いますが、ただいま申しましたように、各地の公共職業安定所に専門の職員を置きまして御相談に応じておりますけれども、特に重度の方の御相談ということになりますと、ただいま申し上げました各地域に地域の障害者職業センターというのがございまして、ここでカウンセラーが配置されておりましてできるだけきめ細かな御相談に応じることにいたしておりますので、そういったところを御利用いただければというふうに思います。
○高井和伸君 あと、最後に外務省に。 この条約の批准がおくれた理由が先ほどは対応に時間がかかったということをおっしゃっておられました。主にどういったところだったのでしょうか。そこをお尋ねして、質問を終わります。
○説明員(小西正樹君) 政府といたしましては、条約の解釈それから国内法との整合性といった点につきまして慎重に検討してきたわけでございますけれども、そういう過程におきまして既にこの条約を批准している国々の状況の実態を把握するということにも努めてきたわけでございます。 それで、この国内法の法制という観点からは障害者の雇用の促進等に関する法律というものが昭和六十二年に制定されたわけでございますけれども、その六十二年の当時では批准国の数が十三カ国でございました。現在は三十九カ国でございます。当時そういった事情もございまして、各国からいろいろな参考になる情報を得るという状況も必ずしも十分でなかったということも一つございます。
○高井和伸君 終わります。
○猪木寛至君 障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約の第一部の第一条三項ですが、「加盟国は、この条約を、国内事情に適し、かつ、国内慣行に適合する措置によって適用する」ということ、第四項ですが、「この条約は、すべての種類の障害者について適用する。」ということ、先ほど国内法についてももう既に御質問があったのですが、きょう私のお聞きしたいのは、費用徴収制度ということともう一つ授産工賃収入ということで、これは一体どういうことかということについて御説明をお聞きしたいと思います。
○説明員(松尾武昌君) 身体障害者授産施設につきましては、直ちに一般企業に雇用されることの困難な障害者等に対し必要な訓練を行い、かつ職業を与え自活させる社会施設でございます。 費用徴収制度につきましては、したがいまして社会施設全般、例えば老人ホーム等と同じような費用徴収制度になっております。身体障害者授産施設に働きますれば当然工賃収入というのがございまして、工賃収入を得るということになります。
○猪木寛至君 例えば収入が三十六万円、そして控除額が二十四万円、イコールで十二万円が税金ということで、一つはこの障害者たちからの声なのですが、自分たちはそういうことでリハビリを受けながら社会復帰という形で一生懸命働いている、しかし一生懸命働く傍ら何もしないで働かないでいる人たちと全く、逆に言えば働いたらもっと税金がふえてしまって働かないでじっとしている方がいいではないかという声があるのですが、これについてお聞きします。
○説明員(松尾武昌君) 身体障害者授産施設の費用徴収の内容についてでございますが、身体障害者授産施設の費用徴収につきましては先ほど申し上げました他の社会施設と同様の費用徴収基準をとっておりますが、さらに工賃等の収入を得るという特性も考慮いたしまして月額で約二万円の控除額を設けております。徴収します最高額も月額で五万円というふうに最高限度額を設けておりまして、費用徴収額は工賃だけではなくて年金等の収入も合わせた全体のその方の収入額に応じまして費用徴収をしております。そういうことで算定しておりますので、工賃だけから費用徴収しているということではございません。 ただ、そういう工賃から引かれるという感覚を持つ障害者の方もいらっしゃいます。そういう面については御理解いただけるように努力していきたいと思っております。
○猪木寛至君 ここに身体障害者更生援護施設ということでいろいろ書いてあるのですが、その中に費用徴収実施等について「費用徴収の趣旨を十分説明し、理解と協力を得るよう努めること」と書いてあります。私も正直言って今説明を聞いたのではよくわからない部分があるのですが、ましてや障害者の場合にその辺の指導というか十分理解を、当然どこにいても不満があると思いますが、その辺をひとつお願いして、ほかの問題については質問がもう出ましたので結構です。ありがとうございました。 それから投資の相互促進及び相互保護に関する日本国とトルコ共和国との間の協定ということで、トルコの問題についていろいろ勉強をしてまいりました。トルコの場合は大変歴史が古いということ、オスマントルコというか。それから最初に日本とトルコが国交を結んだときの経過、ここに「トルコ軍艦エルトゥールル号の遭難」という本があるのですが、これはもう明治の時代です。当時、日本に使節が来まして、そして横浜から出港し帰り道に和歌山に寄ったのですが、嵐の暴風雨に巻き込まれて乗組員五百九十六人のうち遭難したのが五百三十四人、生存者が六十九人。そのときに、和歌山の村の人たちが大変厚い保護というか誠心誠意その人たちを助けたということで何か大変美談として向こうに伝わっているという話を聞いております。そういうことで、大変歴史が古く友好関係ができています。 そういう中で日本とトルコの関係というのは、この間もちょっと質問させてもらいましたが、やはり旧ソ連から独立していくイスラム五カ国そしてイラン、トルコという、これが全部一つの経済圏に将来なっていくのではないかと思うのです。その中で、これはいつでしたか、政府は十五日、カザフなどCIS五カ国をODAの対象にという記事が出ておりました。二十二日にパリで開く経済協力開発機構、OECD開発援助委員会というのがあるのですが、きょうまだこれはニュースは入ってきていませんが、まだ時間的にあれですけれども、これで承認されれば、月末から渡辺外相のロシア、カザフスタン訪問の機会にODA活用による支援方針を表明する考えということが載っております。 一つ、シルクロードというか中央アジア鉄道というのが今構想が出ています、昔はあったと思うのですが。それは一つはトルコ、イラン、それからトルクメニスタン、ウズベク、カザフ、そして北京へという、中央アジアの流通という形で物すごいこれから意義のあるものだと思うのです。ソ連の解体からそういう動きが大きく変わっていく中で当然こういう大きなプロジェクト、先ほど渡辺外務大臣にいろいろ質問がありました、ODAというような問題につきまして。今度はカザフに行かれますが、当然これは日本の経済を当てにしてくるというか、自分たちだけでは到底この鉄道の構想というのは大変難しいだろうと思うのです。そういう中で、これからそのような要請でトルコと同じような協定を申し込んでくる可能性がある。現在この協定を結んでいるのは四カ国と聞いておりますが、そういうことでその可能性については今後どうなのでしょうか。
○政府委員(兵藤長雄君) 今、御指摘になられました中央アジアの共和国いずれも独立をいたしましてまだ日が浅いわけでございますし、国内の市場化へ向けての経済改革に取り組んだところばかりでございます。また、当然のことながら、日本との関係におきましても、国家承認を経て外交関係の樹立、この間、猪木先生からトルクメニスタンとの外交関係の樹立見通しについてお尋ねがございましたけれども、先生の御指摘も踏まえまして、トルクメニスタンにつきましては、明二十二日にモスクワにおきまして渡辺外務大臣と先方のトルクメニスタンのクリエフ外務大臣との間で外交関係樹立のための書簡交換を行う運びでございますが、いずれにいたしましても、まずは外交関係を設定するという第一段階を経まして、それ以後いろいろな関係が進展すると思いますけれども、投資保護協定というのは実際にはある程度日本の企業もいろいろ出ていって、または投資環境整備上、向こうもいろいろな投資誘致のための努力をする中で、やはりそれだけの必要性というものが双方から認識をされるということが私は不可欠なのだろうと思います。 そういう意味では、かなり先の将来そういう事態に立ち至るということはあり得ると思いますけれども、当面はまずは基本的なそれぞれの国との外交関係設定を踏まえました関係の整備に努めていきたいというふうに考えているわけでございます。
○猪木寛至君 かつてこれはイスラム圏という形で、今トルクメンの話が出ましたが、一つ一つこれは外交の手順というかそういうことを知らない国ばかりだと思うのですが、ここのところにこれから経済援助という問題が当然出てくると思います。その辺の中で、この前も外務省にお願いしたのですが、ひとつ手を取って教えてあげていただきたいということをお願いしました。 そこで、もう一回トルコの話に戻しますが、将来この鉄道が完成された暁には、日本にとっても物流という部分で、これが北京まで延びてくる、そして北京から日本へというように、これは今の状況では十年あるいは二十年という先を見ていったときの食糧問題というものを私は大変危倶しているので、そういうようなことを含めて、こういうものが早く完成させる。今、やはりボーダーレスの時代で人間と人間が交流することから平和へ向けて歩み出そうということになっていますので、ぜひ実現していただきたいと思います。 そして、トルコに関する部分で一つは出資法ということで、海外に出資をした場合によく五一対四九とかその比率が国によって違うと思うのですが、トルコの場合についてはこれはどういう比率になっているのでしょうか。
○政府委員(小原武君) 現在、トルコにおきましては、外国企業の投資に関する出資率の制限あるいは経営者の国籍の制限はないというふうに承知しております。
○猪木寛至君 ということは、一〇〇%日本の会社でもいいということですか、出資は。
○政府委員(小原武君) そういうことでございます。
○猪木寛至君 ここにあります収益、貸付返済金など移転の自由は保護されるということは、これは外貨ベースで持ち出しは可能ということでしょうか。
○説明員(野村一成君) 先生御指摘のように、条約の第八条のことだろうと思いますけれども、基本的に第二項で書いてございます制約を除きまして自由であると。
○猪木寛至君 もう一つお聞きしますが、会社を設立した場合において、これは例えばその代表者というのはその現地の人間でなくてはならない、外国人ではならないとかという法律が国によってあると思いますが、トルコの場合はいかがでしょうか。
○政府委員(小原武君) 先ほど申し上げましたとおり、経営者の国籍による制限はございません。
○猪木寛至君 もう一点、航空機登録原簿に航空機を登録する条件及び船舶の国籍に関する事項ということですが、一つは、さっき鉄道のお話をしましたが、空の便もやはりこれからトルコヘ直行で入っていきますと、今度はヨーロッパの道がまた大変新しく近い航路ができると思うのです。要するにこの辺の将来性というのでしょうか、これからどうなるのか。日本のエアラインが入っていくのか。
○政府委員(小原武君) 現在、日本とトルコの間には八九年三月に署名されました航空協定がございます。それによりまして当初、南回り週二便の就航が始まりましたが、昨九一年六月に協定の付表が改定されまして、現在ではモスクワ経由北回りの飛行ルートで運航されております。 将来の問題としまして、中国、中央アジアを経由してのフライトということにつきまして双方の航空当局がそれぞれ関心を持って実務レベルでの可能性を検討中であるというふうに承知しております。
○猪木寛至君 あと、クルド難民についてちょっと。
○政府委員(小原武君) 湾岸危機が終結した直後におきましてイラク在住のクルド民が、イラク政府軍の圧迫を受けましてイランあるいはトルコに向けて百数十万人が難を逃れて移動するという事態がありまして、特にトルコとの関連におきましては七、八十万人の難民が国境に集結し、あるいは国境を越えるという事態がありました。 これに対しまして、トルコそれから各国あるいは国際機関の救済活動、医療活動などが組織されたわけでございますけれども、その後イラク側の圧迫が弱まるという状況のもとで、トルコ周辺の難民はほぼ北部からもとの住んでいる地域に戻り、現在トルコ国境付近にはほとんど残存していないというふうに承知しております。
○猪木寛至君 この一週間、新聞を見ますと連日アフガニスタンの記事が出ております。十二年前でしょうかソ連がアフガンに侵攻して、そのときにちょうど難民が大量にペシャワルというところへ、これはパキスタン側ですが、カイバル峠を下ったところに流れまして、その直後に私はアフガン難民救済チャリティーということで試合でずっと回ったことがありました。それからまた、クエッタというところにもやはり難民があふれておりましたが、そこが当時見たときは大変みすばらしい、みすばらしいという言葉よりも人間がこれで生きているのかというような状況の中で、難民キャンプ何万人という中で、だんなさんを失った人たち、五千人からの未亡人、その中に井戸が一つしかないというような状況でした。 きょうあたりの新聞をよく見ますと、ペシャワルに大体ゲリラの拠点があったようですが、その中で一番勢力というか人数が多かったのがイスラム党とそれからイスラム協会、これが五万六万ということで、そのほかにあと六つか七つのゲリラ組織があります。記事の中には「主導権争う反政府ゲリラ各派」ということなのですが、実際に今、きょうの新聞では大統領がインドヘ亡命したという記事になっております、暫定政権という形で。今後のアフガンの見通しについてちょっとお話を聞かせていただきたいと思います。
○政府委員(小原武君) 先生御承知のように、つい十日ないし二週間前までは、国連事務総長が発表しました和平提案、すなわちアフガン各派からそれぞれ代表を選んで十五人から成る暫定評議会というものをつくって、それが現政権から政権の移譲を受けて国民の総意を反映した国民和解に向けて動いていくという筋書きが発表されまして、それに向かうやに見受けられたのでありますけれども、この十四日から十五日にかけまして現政権の中で一種のクーデターが起きましてナジブラ大統領が追放され、現政府側は一種の集団指導制に移っている。その実体は不明でございますけれども、現政府側にそういう動きがあって、他方ムジャヒディン側は、各地における軍事攻勢を強めまして主要な地方都市を一つずつ落とす、さらにはカブール市を包囲するという状況になってきております。 そういう中にありまして、ムジャヒディンの内部で収拾策についての話し合いが行われておりまして、先生御指摘のムジャヒディンの中の一、二を争う勢力のイスラム党それからイスラム協会などを含めました話し合いが行われているようでありますけれども、無血で収拾をして政権の移譲を現政権から受けるという主張と、あるいは現政権との武力対決も辞せずという主張などが依然妥結せずにいろいろの話し合いが持たれて今日に至っているというふうに理解しております。何分、政治傾向、宗教、民族などをそれぞれ異にするムジャヒディン勢力の集まりでありますので、一致した方針をまだ打ち出せないという状況に見受けます。 いずれにしましても、このムジャヒディンの中での合意が成立するというのがあらゆる解決の前提になります。それが成立しない間は国連を初めとするいろいろの調停の動きが効力を発生できないというごとで、情勢は非常に流動的であるというふうに見ております。
○猪木寛至君 今、カンボジア和平に目が向いています。これは大変長い年月がたったせいもありますが、和平に向けて内戦が終結に向かって進んでいる。いろいろまだ問題があると思いますが、それを願っております。その当然起きる問題として難民帰還の問題あるいはほかにも多くの問題があると思いますが、日本としてのそういうものに対しての考え方、具体的に何かあれば聞かせてください。
○政府委員(小原武君) 我が国は、七八年ごろから難民が発生して今日に至るまでこの難民に対する救済援助を非常に積極的にやってまいっておりまして、今日までの累計で約六百二十六億円の難民救済援助あるいは難民の帰還のための援助をやってきております。当面、この情勢が落ちつきませんと今後さらにいかなる形の援助が具体的に可能かということが明らかになりませんけれども、情勢が落ちつくのを注視しながら適切に対処してまいりたいと思っております。
○猪木寛至君 もう一つ、この六月でしょうか、今度はデクラーク南アフリカ大統領が日本に来るということが記事に載っておりましたが、その関係者どこの間ちょっとお会いしまして、六月には間違いなく行くと思いますよという話を聞きました。今度、大統領が来られる目的というのは何でしょうか。
○政府委員(小原武君) 南アは、御承知のように、デクラーク大統領が八九年にアパルトヘイト撤廃の動きを始めましてから着々とこの撤廃の実を上げてまいりまして、昨年六月にアパルトヘイトの根幹になっておりました土地法などの法律を撤廃したということを受けまして、さらなる撤廃への動きを進めることを勧奨するという見地から、これまで我が国が各国に比しても厳しい制裁を科してきたものを一つずつアパルトヘイト撤廃に見合う形で解除をして今日に至っているわけでございます。 去る一月に外交関係を再開するという手を打ったところでありますけれども、デクラーク大統領が今後一層黒人諸派の勢力と手をつなぎながらアパルトへイト撤廃の措置を進めていくことを支援する、そういう立場に立ちまして、適当な時期にデクラーク大統領をお招きして意見交換を行うということを今検討しております。具体的な時期につきましては現在検討中でございます。
○猪木寛至君 この経済制裁後、大変南アフリカはインフレ率等いろいろな問題が起きまして、ここでアパルトヘイト政策をなくすということから日本も今その問題については何というのですか、言葉の上では外交関係と言ったらいいのですか、それを配慮したということで、当然これはまた投資の問題がどんどん起きてくると思いますね。ダイヤモンドやほかの資源も相当豊富でありますし、今後、トルコと今回交わす投資相互促進及び相互保護というようなものが南アフリカからも当然出てくるかもしれませんが、日本がそういうような意味での経済援助をしながら、一つはやはり人種問題というのはこれから大きか問題でもありますし、今、大統領が来られるというのは私も大変評価できるのじゃないかなと思います。 もう一つは、向こうの側に立ってみると、向こうというのは南アフリカの側に立ってみたときに、どうしてもやはり人種問題というか、これは黒人、それからその種族の問題、いろいろな問題、それからもう一つは国民自体の文盲率とかそういうような問題を多く抱えていましたので、我々はこちらから見た部分でそれがいかぬと言うだけではいけない、向こうは向こうの事情があるよと、必ずそういう話が出てくるわけです。その辺については、きょうの新聞にもちょっと出ております。「旧黒入居住区で計十七人殺害」という非常に痛ましい事件ですが、そういう意味で何とかこの人種問題がスムーズに進んでいけばいいなと思います。 最後に、時間がなくなったものですから、今後の南アフリカとどういうような関係を持っていくか、お聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(小原武君) 先生御指摘の南アとの将来の問題としての投資保護協定につきましては、まだ先方からそのような具体的な要請が寄せられるという段階ではございませんので、今後、南ア自身のいろいろの環境整備というようなことが行われるでありましょうし、この機運が熟するのを待っていろいろ施策を進めてまいりたいと思います。 南アとの今後の関係一般につきましては、なるほど南アはアパルトヘイト撤廃への重要な歩みを始めたわけでありますけれども、まだまだ非常に困難な道が待ち受けているというふうに見受ける次第でございます。今後の憲法をどうするのか、少数民族になる白人とそれから一人一票という原則を主張しております黒人、大多数の黒人との間に民主的原理に立脚してどういう形での妥協と申しましょうか意思統一ができていくのか、非常に難しい過程をこれからたどっていくのだと思いますけれども、我が国も諸外国と協調してその流れをできるだけ側面的に支援していくということが施策の根本であろうと思います。
○猪木寛至君 どうもありがとうございました。
○委員長(大鷹淑子君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○立木洋君 私は、日本共産党を代表して、投資の相互促進及び相互保護に関する日本とトルコとの間の協定に対する反対討論を行います。 反対理由は、本協定が経済での諸国間の関係確立の原則である対等、平等、互恵に反するという点であります。事実上、資本の投下を一方的に受け入れるトルコにとって、外国資本を規制する主権的権利があるにもかかわらず、日本の資本の保護の細かい規定が設けられ、さらに収益や売上金などの送金の自由まで取り決められています。 今日、新たな経済秩序が重要視されている時期に、こうした投資保証に対する国際的ルールを確立するための累積的効果として、一方的な責務を強要することをいわゆる協定形式で結び、積極的にそれを進める政府の姿勢には同意できません。 国連多国籍企業センターも一九八八年の報告書で「二国間投資協定はもっぱら受け入れ国に対して外国投資の保護に関しての責務を負わせるのみで、投資母国あるいは投資家に対してはそれに見合う責務は全くない」と指摘していることも重要であります。 以上、発展途上国の経済困難に事実上つけ込むような形で、巨大な経済力に物を言わせて投資に対する特権的待遇を図るようなことはやめるべきだということを主張して、反対討論を終わります。
○委員長(大鷹淑子君) 他に御発言もなければ、討論は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより採決に入ります。 まず、投資の相互促進及び相互保護に関する日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大鷹淑子君) 多数と認めます。よって、本件は多数をもって承認すべきものと決定いたしました。 次に、障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約(第百五十九号)の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大鷹淑子君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大鷹淑子君) 北太平洋における溯河性魚類の系群の保存のための条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 政府から趣旨説明を聴取いたします。渡辺外務大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました北太平洋における溯河性魚類の系群の保存のための条約の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 我が国を含む北太平洋のサケ・マスの主要な母川国は、これまで、昭和五十四年に改正された日米加漁業条約及び昭和六十年に発効した日ソ漁業協力協定の枠組みのもとでサケ・マスの保存を図ってきましたが、近年の漁業資源の保存に関する国際的な関心の高まりを背景として、資源保存の強化という観点から、枠組みの見直しが必要とされるに至りました。このような状況のもとで、政府は、平成二年十月以来、カナダ、ソ連邦及び米国との間で新たな条約の締結につき交渉を行いました結果、その後のソ連邦の解体に伴うロシア連邦を原締約国とするための修正を含め、最終的な合意を見るに至りましたので、平成四年二月十一日にモスクワにおいて、我が国、カナダ、ロシア連邦及び米国の四カ国政府の代表者の間でこの条約に署名を行うに至った次第であります。 この条約の主な内容としまして、まず、北緯三十三度以北の北太平洋及び接続する諸海のうち距岸二百海里以遠の公海水域におけるサケ・マス漁獲の禁止、混獲の最小化及び混獲により採捕されたサケ・マスの船上保持の禁止等を定めております。また、規制の実施につきましては、臨検、拿捕までは他の締約国にも認めますが、逮捕された人及び拿捕された船舶は、それらが所属する国に引き渡されること、そのような引き渡しを受けた国のみが裁判管轄権を有すること等を定めております。 この条約の締結によりまして、我が国を母川国とするサケ・マスの保存が一層効果的に確保されることが期待されるほか、各国の距岸二百海里内の水域におけるサケ・マス漁業を禁止すべしとの主張を排除し、我が国サケ・マス漁業者による安定的操業の継続の道が維持されることとなります。 よって、ここにこの条約の締結につき御承認を求める次第であります。何とぞ御審議の上、本件につき速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○委員長(大鷹淑子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 本件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時三分散会 ―――――・―――――