外務委員会 第5号
- 発言数
- 229 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1992/04/16
会議録
○委員長(大鷹淑子君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 昨十五日、関根則之君が委員を辞任され、その補欠として宮澤弘君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(大鷹淑子君) アジア=太平洋郵便連合一般規則及びアジア=太平洋郵便条約の締結について承認を求めるの件、千九百六十八年二月二十三日の議定書によって改正された千九百二十四年八月二十五日の船荷証券に関するある規則の統一のための国際条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件、両件を便宜一括して議題といたします。 趣旨説明は既に聴取いたしておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○松前達郎君 まず、アジア=太平洋郵便連合並びに郵便条約に関する質問をさせていただきたいと思います。 万国郵便連合というのがあるわけですね。この万国郵便連合とアジア=太平洋郵便連合、この二つの連合の間の関係というのは一体どういうふうな関係になっているのか、それをちょっと教えていただきたいのですが。
○説明員(小西正樹君) お答え申し上げます。 アジア=太平洋郵便連合と申しますのは、アジア・太平洋地域の国の間の郵便関係の拡大、改善寺及び郵便業務上の協力関係の緊密化を図るために、万国郵便連合憲章第八条に従って設立されました地域的な郵便連合でございます。
○松前達郎君 地域的な郵便連合であるとおっしゃったのですが、その万国郵便連合のどういうところに組織的に位置するのか。ただ地域的にそれがあって万国郵便連合と深くつながっているというだけなのか、その辺はどうなっておりますか。例えば万国郵便連合で決まったこと、これらを反映するのが当然であると、アジア=太平洋郵便連合の方はですね。そういう上下の関係にあるのかあるいは別個にあってそれがお互いに連携をとっているのか、その辺はどうなっているのでしょうか。
○説明員(小西正樹君) 万国郵便連合憲章におきましては、各地域の特性に応じてこれらの国々の間で郵便上の問題、特にその地域に共通の郵便上の問題を検討して郵便関係の増大を図ることが想定されておりまして、このような郵便連合、地域的な限定連合が九つ現在設立されております。
○松前達郎君 今、九つというのはもちろんアジア=太平洋は含まれて九つですね。そのほかどのようなものがありますか。
○説明員(小西正樹君) 現在ございます九つの限定連合は、まず第一にヨーロッパ郵便電気通信庁会議、第二にアフリカ郵便電気通信連合、第三に米西、スペインでございますが、ポルトガル郵便連合、アフリカ郵便連合、北欧郵便連合、汎アフリカ郵便連合、中央アフリカ郵便電気通信庁会議、南西アジア郵便連合、アンデス郵便連合、以上の九つでございます。
○松前達郎君 わかりました。 そして、このアジア=太平洋郵便連合の加盟国といいますか参加している国を見ますと、入っていないところがまだたくさんあるわけですね。例えば台湾が入っていない、香港が入っていない、いわゆる北朝鮮、これも入っていないとかいろいろあると思うのですが、こういう入っていないところがあった場合に業務上の問題というのは出てこないのでしょうか。入らないと業務的にお互いにスムーズな運営ができないということになるのでしょうか。その辺どうなっていますか。
○説明員(小西正樹君) このアジア=太平洋郵便連合の目的、趣旨からいたしますと、その地域にございます国々いずれの国にも郵便が送達されるということが非常に望ましいわけでございますが、それぞれの国の事情によって、今、先生御指摘のように、加盟していない国もございます。北朝鮮、アフガニスタン等、あるいはほかの国で加盟していない国が十三カ国ございます。 これらの国々につきまして、可能な場合にはこの郵便連合の条約上の関係によらないで事実上郵政当局間で郵便の送達が行われていると承知いたしております。
○松前達郎君 例えば台湾の場合、手紙はちゃんと届きますね、特に問題なく。そうすると日本の郵政省と台湾の郵務関係ですが、どういうふうに呼んでいるのか知りませんが、そことの間で取り決めがあってこれに加盟していないにもかかわらずそういった手紙の交換はスムーズにできている、こういうことになるわけですか。
○説明員(小西正樹君) 実際には万国郵便連合条約に従って規律されておりまして、業務上の支障は特に存在しておりません。
○松前達郎君 今回のアジア=太平洋郵便条約についてですが、いわゆる連合の加盟国内で船便等の平面路のこれによって郵便物を送る場合に低減料金を適用するということを任意化した、こういうことですね。
○説明員(小西正樹君) はい。
○松前達郎君 それに対して現在条約に留保を付して低減料金を適用していない国があるわけですね。これが三つほどあると聞いているのですが、その適用が任意化されるとしますと今後低減料金を採用しない国がどんどんふえてくるのじゃないだうろか。 低減料金というのは、これは私の理解では内国料金と国際料金の八五%相当額内での金額ということですね。そういった低減料金を適用しない国がどんどんふえていって連合加盟国間の郵便物の交換数というのが減ってくるということも考えられる、まあ必要に応じて出す場合は減らないと思いますけれども。加盟国の郵便物交換の増進というのがこの条約の一つの目的であろうと思いますけれども、それに反するようなことになりはしないか。今回の改正が行われた理由とそして見解をひとつお示しいただきたいと思います。
○説明員(小西正樹君) 今回の改正点については先生御指摘のとおりでございますが、低減料金を義務化しておりました旧規定と比べまして今回任意化した事情には、先生がお触れになられました幾つかの国、ブルネイ、マレーシア、シンガポール、スリランカの国が実際にはネゴしておるわけでございますが、こういった国々が財政上の負担という考慮から従来留保しておりました。 この点についてはできるだけ任意化してほしいというほかの国もございまして、このアジア=太平洋郵便条約、郵便連合に加盟する国ができるだけふえるということが郵便の送達、郵便がこの地域でいろいろ届くということで非常に目的に沿うわけでございます。 他方、先生がおっしゃいましたとおり、郵便量の拡大、郵便業務の拡大という点からは、確かに任意化されることによってあるいはその点で多少の影響は出てくるかもしれません。これは二つのそういった利害関係を考慮した結果、私どもとしてはその任意化ということが郵便連合の目的により資するのではないかという観点で今回の改正になったものでございます。
○松前達郎君 そうしますと、加盟国をできるだけふやしていくというそっちの方をまず考えたということですねり恐らくそうだと思います。 郵便物が減るかどうかというのはその個人のあるいは企業その他の意思によるわけですから、加盟国をなるべくふやすということの一つとしてこういう措置をとったというふうに解釈してよろしゅうございますか。
○説明員(小西正樹君) 先生御指摘のとおり、加盟国の事情をできるだけ考慮して数をふやしていくという考慮が大きかったものと考えております。
○松前達郎君 それでは次に、郵便連合の予算の最高限度、この予算が引き上げられていますね。これについてちょっとお伺いしますが、今回のアジア=太平洋郵便連合一般規則、その規則では予算の最高限度が米ドルで七万ドルから十万ドルに引き上げられている。七万ドルというと大体九百十万円ぐらいですか、日本円に直すと。十万ドルで千三百万円ですから、そう大した金額じゃないのですけれども、連合の活動としてはアジア・太平洋地域における郵便業務の発展というのが目的だと、さっきそういうふうにおっしゃっていたわけですが、経費が増大しているから当然その結果として予算を引き上げたい、これは仕方がないだろうと思います。 今回の予算の最高限度の引き上げの理由というのは、今私が申し上げたような運営に関する経費、これが非常に大きくなったので引き上げるのだというふうに解釈してよろしゅうございますか。それと現在どの程度、各国は負担しているのか、それもひとつあわせてお願いしたいと思います。
○説明員(小西正樹君) 先生御質問の最初の点でございますが、今回の引き上げに当たる事情には二つの点があったかと存じます。 一つは、一九九一年から九五年がこの今回の一般規則の改正の対象期間というふうに考えられておりますが、そこで予想されます物価上昇、これが八%程度と推定されておりますが、これに伴う支出増を考慮する必要があったという事情が一つございます。 それから第二の事情といたしまして、この一般規則が採択されました一九九〇年に、ニュージーランドのロトルアというところでございますが、ここで開催されたアジア=太平洋郵便連合の第.六回大会議において、今後の連合の活動をさらに活性化していく、あるいは域内郵便業務の改善、発展を図るというために加盟国間で研究協力あるいは情報交換等を一層拡充していくということが決議されておりますが、こういった決議の内容を実施に移すということに見合って必要となる支出増、これを可能にするために今回の改正が必要となったということでございます。 先生御指摘の第二点の各加盟国の分担金でございますが、これは万国郵便連合で採用しております分担単位数というのを基本的な計算単位に用いておりますが、日本の場合は五単位を負担しておりまして約七十万円でございます。
○松前達郎君 今の答弁の中にありましたロトルアの会議ですね、これが五カ年間にわたっての地域的な作業計画が内容だというふうに聞いているのですけれども、そのほかワシントン・ジェネラル・アクション・プランというのもあるのですね。 こういった利用者へのサービスというものを重点としたような今後五カ年間の活動というものがいろいろと協議されたというふうに聞いているのですが、郵便連合としてそのアクションプランのもとにどういう分野を、今たくさんおっしゃいましたけれども、どういう分野を重点的に考えているのか。日本も当然それに呼応して活動を考えておられると思うのですが、その点いかがでしょうか。
○説明員(小西正樹君) 先生今お触れになられましたワシントンのジェネラル・アクション・プランというのは、利用者のニーズにこたえまして郵便業務の質を改善することを基本方針といたしまして、市場の把握、営業上の戦略、サービスの質及び業務上の戦略、経営上の独立、人的資源、万国郵便連合の常設機関の役割強化といった六つの分野、約五十項目にわたりまして今後五年間の万国郵便連合の活動の優先事項を規定いたしております。 このワシントン・ジェネラル・アクション・プランの中に、各限定連合、地域的な連合でやるべきことが記載されておるわけでございますが、このロトルア・アクション・プラン、アジア・太平洋地域で実施されるべきプランにつきましては、競争の激化する通信市場においてますます高度化していく利用者の国際郵便に対するニーズ、郵便が迅速に到達するあるいは正確確実に到達するといったニーズ、こういったニーズに十分対応していくために、連合の加盟各国が市場の把握、営業上及び業務上の戦略強化、業務能力の強化でございますが、そういったテーマのもとに今後の国際郵便業務の運営強化に必要な措置を相互の協力のもとに行っていくということを内容としております。
○松前達郎君 今のサービス、正確に迅速に郵便物が目的のところへ着くということもおっしゃったわけですが、日本の場合は郵便行政に関しては比較的国際的にも非常に高い評価を受けているわけですね。他の国では時々、着いたのか着かないのか、もう何回も出しても全然着いていないようなこともあるし、あるいは幾つも幾つも、特にロシアなんかそういうところですね、これは野村さん御存じですけれども、もうあっちこっちへ出しておかないと危ないというそういう状況もあるわけですね。しかし、それに比べればもうはるかに我が国の場合は高い評価を得ている。 そういったような一つの郵便業務の何といいますか、発展に対しての協力、そのためにアジア=太平洋郵便研修センター、これはバンコクにあるのですね。研修センターというのがあってここでいろいろ訓練をしたりいろいろとトレーニング、こういうものを行っているというふうに伺っているのですけれども、アジア=太平洋郵便研修センターに対する資金、これもお金かかることですから資金の問題もありましょうし、また人員の派遣提供の問題もありましょうし、あるいは連合加盟国との郵政職員の交換の問題もありますね。 いろいろなことをやりながら発展を願って努力しているというふうに伺っているのですが、我が国として郵便業務発展のために援助、協力を相当されていると思うのですね。こういうものは積極的に私はやった方がいいと思うのですが、今後の我が国の郵便分野におけるアジア・太平洋地域の協力について基本的な考え方といいますか、あるいは今後の方針等についてもひとつ御説明いただきたいと思います。
○説明員(小西正樹君) 我が国は従来より中国、インドネシア等各国との間で毎年職員の交換計画を実施しております。また、先生が今お触れになられましたアジア=太平洋郵便研修センターに対して年間約七万二千ドルの奨学資金を出している。さらにこのセンターにおきまして講義を行うほか、教官の指導や訓練活動の改善のための助言を行う専門家を派遣するといった形で積極的に協力を進めてきております。 政府といたしましては、この条約を締結するのをきっかけに、このような協力をますます強化いたしましてアジア各地域との郵便業務の改善ということに努力していきたいというふうに考えております。
○説明員(大橋郁夫君) 先ほどの御答弁の外務省の施策に加えまして、郵便省独自の施策といたしまして郵便分野の国際協力、四つほど実施しております。 先ほども言及がありましたアジア=太平洋郵便連合の職員交換研修でありますけれども、APPU職員交換研修計画に基づきまして昭和四十六年度以降平成三年度まで、韓国、タイ、フィリピン、インドネシア及び中国から毎年各二名、中国については特に五名受け入れておりまして、合計で延べ約百五十名の郵便関係職員を受け入れ、郵便機械化、営業活動等の専門分野にわたる研修をそれぞれ二週間にわたり実施しております。 二番目の政策といたしまして郵便事業調査研究国際コースに対するAPPU地域の職員の受け入れというのがございまして、これは一昨年から始めておりますけれども、開発途上国郵政庁の最優先のニーズであります人材育成に協力して当該国の郵便事業の改善向上に資するため、開発途上国の若手郵便関係職員を対象とした集団研修コースであります。昨年度は、APPU域内国ではインドネシア、スリランカ、タイ、ベトナムからそれぞれ一名参加しております。 三番目の施策といたしましては、先生の御指摘のございましたAPPTC、アジア=太平洋郵便研修センターに対する奨学資金の拠出による貢献でありまして、APPU域内の郵便事業を担う人材を育成する機関であります。バンコクにございますAPPTCに対して約七万二千米ドルを拠出しております。 最後に、これに加えましてUPU、先ほど先生からもお話がございました万国郵便連合の予算で実施しております協力というのがございまして、アジア・太平洋地域の郵便ネットワークの改善のために、万国郵便連合アジア・太平洋地域技術援助アドバイザー、また万国郵便連合が募集する短期フィールド専門家コンサルタントといったようなものを派遣しておりまして、アドバイザーは現在一名派遣しております。またフィールド専門家は八名派遣しております。 このように、郵政省といたしましてもこれら地域に対する郵便分野の協力につきましてこれからも積極的に進めていきたいと思っております。 以上であります。
○松前達郎君 国際ビジネス郵便、EMSというのですか、これで追跡システム、先ほどから郵便物の正確な郵送という問題がちょっとあったのですが、国際ビジネス郵便の追跡システムの構築というのがたしかこれは会議で決議されていると思うのですね。これは安全でかつ迅速な郵便制度ということで非常に注目されていると聞いています。 最近では郵便物の所在というのはコンピューター等で即座にどういうふうになっているのかというのがわかる、そういう追跡システムが導入されているというふうに聞いているのですが、これはこれからもどんどんふえていくと思うのです。これは郵便物だけじゃなくて、例えば我々飛行機で旅行していても荷物がなくなることがしばしばある。あるところでなくなったものが三十分でどこに間違って行ったというのがすぐわかる。特にヨーロッパの方は非常にそれが発達しているわけですね。 そういったようなことも含めて、荷物の場合は別としまして、アジア諸国の中で今の追跡システムが行われているというのは、日本はもちろん行っていると思いますが、あとシンガポールだけでその他の国はまだまだそこまで至っていない。ですから、こういうふうなことを考えましてもなるべく早くネットワークができ上がるような努力をしていくべきじゃないかと思うのですが、この点については政府としてどういうふうな対策を考えておられるか、今後の協力体制等も含めてお願いします。
○政府委員(早田利雄君) 先ほど先生からお話ございましたように、ロトルアの会議で国際ビジネス郵便の追跡システムの構築につきまして加盟国が協力することを決議されましたことは御指摘のとおりでございまして、私ども今、アジア諸国、特にAPPU諸国との間で交換しておりますEMSの物数のシェアといいますのは、日本から差し出されますもの年間大体二百五十四万通ぐらいあるわけですけれども、それの三三%がこれら諸国向けでございまして、日本に到着いたしますEMS百十八万通ございますけれども、このうちの四一%がAPPU諸国との間の交換でございますので、これらの諸国との間の追跡データの交換というのは大変重要であるというふうに認識しております。 ただ、残念ながらまだ加盟諸国の中で追跡システムのデータ交換が可能な国といいますのはシンガポールとオーストラリアのみでございまして、シンガポールとは正式にやっておりますし、またオーストラリアとは現在試験的にデータを交換中ということでございます。 今後のことを考えましたときに、郵便の先進国でもございますし、また大変高度な情報通信技術も持っております我が国といたしましては、これら諸国におきます国際郵便サービスの品質の維持とかあるいは向上を図るため、高度な情報通信システム技術を利用したEMS追跡システムを導入することというのは大変重要なことであり、また私どもといたしましても積極的に貢献することが必要だというふうに認識しておるところでございます。 現在既に、EMS関係のセミナーを我が国において開催いたしまして相当数の参加を得ているとか、先ほど御説明させていただきました専門家の派遣とかというようなことを既に実施しておるわけでございますけれども、今後のことにつきましては、UPUとも十分協力いたしまして、また二国間ベースにおきましてもアジア諸国に対しまして、EMS追跡システム導入を容易にするため専門家の派遣であるとか研修員の受け入れなど協力の方策につきまして積極的に検討してまいりたい、かよう考えておるところでございます。
○松前達郎君 先ほどもちょっと触れたのですが、旧ソ連邦諸国との情報交換といいますか郵便物等の交換の問題ですが、旧ソ連邦諸国が今、市場経済移行く努力をしているこの状態の中で我々ができることは、お金を出してそのときどきの経済状態を改善していく、これは単発的なのですね。それはもちろんある程度やらなきゃいけないと思うのですが、それと同時に技術支援、これもやはり考えていかなきゃならないと思うのです。特にいわゆる情報通信関係の分野、この分野での技術支援、これが非常に重要な役割を持っているのじゃなかろうか。 郵政省が中心でやるのだろうと思うのですけれども、昨年CIS諸国に調査団を派遣されましたね。そして、ことしの二月にはCISの電気通信協力協議会というのができていると。そういうことで、さらに五月にはCIS諸国の電気通信関係者を東京に呼んでセミナーを開こう、こういう計画があるというふうに伺っているわけですが、旧ソ連邦諸国の現在の郵便の状況及び電気通信に関する状況というのは一体どういう状況なのか。ただ、出した郵便物が届かないとか、いつになったら届くかわからないとか、そういうふうなことはもちろん私は十分承知しています。届く場合もあるのですよ、場合もあると言っちゃおかしいのですけれども。そういうことで現在の状況というのを一体どう把握されているのか、まずそれをお伺いしたいと思います。
○政府委員(金澤薫君) 現状についてお話し申し上げたいと思いますが、郵政省では昨年十月に旧ソ連邦の通信放送の現状を把握するため調査団を旧ソ連に派遣いたしました。それによりますと、電気通信事業につきましてはステップ・バイ・ステップの交換方式が三五%を占める等、設備が非常に古うございます。通信網の状況、通信品質も相当悪いというふうに判断いたしております。電話の普及率でございますけれども、百人当たり十二台でございまして、日本の四分の一程度でございます。積滞数が千六百八十万まだございます。 それで、郵便の現状でございますけれども、郵便についてはまだ詳細を把握しておりませんが、CISから来ております航空郵便物の送達日数を調査した結果によりますと、モスクワ市内差し出しのものは七日から八日で日本に到着しておりますが、ウラジオストク等モスクワ以外の地域からは平均して十四日から十六日程度を要しておりまして、航空便としては良好とは言えない状況にございます。 以上でございます。
○松前達郎君 時間がかかる、郵便物が届くまでの日数が非常に多い。特にすぐ隣のウラジオストクなんか飛行機で行ったら四十分ですから、そういうふうなところが今のお話ですと二週間以上かかるのですね。これはルートが恐らく遠回りしてくるのか、あるいはそういう便がたまたまないのか、いろいろな事情があるかもしれませんが、郵便物というのは確実に届くということ、これがもう生命ですから、その辺をバックアップできるような何かあれば技術的な面も含めて考えていかれた方がいいのじゃないか、こういうふうに思うのです。ロシアそのものがちょっと今まだ不安定ですから、各共和国の間でまた手紙とか郵便物の交流というのもどうなっているのか、その辺もまだ昔のままやっているのじゃないかと思うのですけれども、いろんな問題がこれから出てくるのじゃないかと思うのです。 それで、例えば日本と極東、要するに沿海州ですね、あの辺との間に例えば光ケーブルを引くとか、こういう話も出ているように聞いている。もう既にやりつつあるのかもしれませんが、その辺の状況はどうなっておりますか。
○政府委員(金澤薫君) 旧ソビエトに対してどういうふうな支援をしていくかということでございますが、日ソビエトサイドから要請されておりますのは、一番大きなものが資金協力、それから経営ノウハウの提供ということでございまして、合弁会社その他をつくることによって資金協力をしてほしいということでございます。技術支援については、向こうサイドからはそれほど日本に対して要請は来ていないということでございます。 いずれにいたしましても、まだ現状がよくわからないところがございますので、本年夏以降に電気通信のより一層詳細な現状を把握いたしますため専門家から成る調査団を派遣いたしまして、また五月にセミナーを東京で開催いたしまして、それを踏まえて具体的な施策を今後検討していきたいというふうに考えております。
○松前達郎君 いろいろなアイデアがあって、日本からロシア、沿海州を通ってそれで大陸を横断してヨーロツパヘつなぐ光ケーブル構想などというものもどうもあるようですね。鉄道もあるものですからそれに沿って引けばどうってことはないと思うのですけれども、こんなようなことも考えられるので、いろんな提案をしながら会議でひとつそういうものを含めて協議されたらいいのじゃないか、こういうふうに思うのです。その点もう十分おわかりでしょうけれども、よろしくお願いしたいと思います。 そこで、次は船荷証券に関する国際条約ですが、船荷証券というものについて随分私もいろいろと調べてみたのですけれども、このシステムは非常に古いシステムがそのまま今日まで適用されてきているわけですね。 この船荷証券ということについて、大臣、船荷証券のことはおわかりですか。こういう言葉は余り聞いたことがないとおっしゃるかもしれませんが、よろしくお願いします。大臣は恐らく御存じないと思います、詳しいことは。
○説明員(野村一成君) 船荷証券、私も特にその分野の専門ではございませんけれども、いわゆるBLと言われておりまして、海上運送人でございます船主が運送品を受け取ったことあるいは船主が運送品を引き渡す義務を負うことを証明する有価証券であると、そういうふうに理解いたしております。
○松前達郎君 なかなかこのシステム、図面で拝見してみたのですけれども、非常に複雑なのですね。これが商習慣、いわゆる取引の習慣として残っているのでしょうね。 しかも、今回の対象になっている議定書について見ますと、これは一九二四年ですから大正十三年ですね。六十八年前のいわゆるヘーグ・ルールというのですか、これを改正するというのが主眼だというふうに私は解釈しているのですが、ところがこれまた三十五年前の一九五七年に日本は批准しているのですね、この最初の大正十三年のものは。それからさらに今度はへーグ・ヴィスビー・ルールというふうに呼ばれているのだそうですが、これはまた改正議定書というのが締結されている。これが二十四年前、一九六八年ですね。日本はこれは締結していないと思うのです。十五年前に発効していますね。 しかもまだ、今回はさらに一九七九年の改正ということだと思うのですけれども、間違っていたら教えてください。余りにもややこしいのでいろいろと拾ってみたのですが、今回のルール、最初のがヘーグ・ルールでその次がへーグ・ヴィスビー・ルールで、今回のものは何か名前がついているのですか、何とかルールとか。ついていないのですか。
○政府委員(畠中篤君) 今回の議定書につきましては、特にそういう名前がついているとは承知しておりません。ついておりません。
○松前達郎君 そうすると、今回締結は一九七九年の改正というふうに呼ばれているのですね、一言で言うと。 そのほかに一九七八年に国連海上物品運送条約、これがハンブルク・ルールというのだそうですが、いろいろなのがありますね。これもあってある程度重複しているところが内容的にあるような気もするのですが、こういったいろいろなのがありましてちょっと私も頭が混乱したのですけれども、ヘーグ・ルールについてまずお尋ねしたいのですが、このヘーグ・ルールは日本は批准していますね。そして、これはコンテナ化とかなんとか品物の単位をどういうふうに見るかというふうな問題が出てきたから、だからその後一九六八年の改正議定書、今度ヴィスビー・ルールですか、こういうものが作成された。これが五十二年に発効している。日本はこれは批准していないのですね。 今日そういう状況で至ってきて、今回、日本は割と海運国ですから、当然こういったものを対象として十分締結を考えていかなきゃいけないわけですけれども、前の改正議定書のときこれを締結していないというのは何か理由があるのですか。
○政府委員(畠中篤君) 御指摘のとおり、もとになります条約は一九二四年でございまして、その後にコンテナ化その他いろいろ技術面でもあるいは経済情勢も変わりましたので、二回、六八年と七九年にその内容を改正してございます。 実は、日本はこの六八年議定書も七九年の改正にも今までは入っておりませんが、この主たる理由は、六八年の議定書ができました当時あるいは七九年の議定書の作成の時点では、運送人のこの議定書の中で定められております責任限度額というものを定めて、事故が起こりましたときの責任をどこまでとるかという額が決めてございますが、これがそれぞれ引き上げられております。当時の状況で申しますと、我が国海運企業にこの引き上げ限度額が過大な経済負担をもたらすものであるということで今までこれを締結してまいりませんでした。その後、我が国は物価水準の上昇あるいは最近の円高ということもありまして、この責任限度額というものが我が国海運企業にも許容できる水準になってきたということが一つございます。 具体的に申し上げますと、六八年当時は一つの単位の限度額が約二十四万円でございました。また、七九年当時にはこれは約十九万円でございましたけれども、本年これを換算いたしますと約十二万円になっております。こういうことで、海運企業に対する負担という面からの要素が一つございます。 もう一つは、この改正しました議定書はイギリスあるいはフランス、そのほか北欧諸国等の主要海運国が既に入ってきております。そいうことで同議定書というものがいわゆる一般化されつつありますので、我が国も主要海運国の一国でありますのでこのような議定書に参加してそして国際的統一を促進するということで、この両方の面がございましてこのたび参加するということにいたしました。
○松前達郎君 議定書の改正というのが二回目になるわけですね。 〔委員長退席、理事山岡賢次君着席〕 それで、今回の一九七九年の改正議定書、これを締結すれば一九六八年の改正議定書も締結したのと同じ効果があるのではなかろうかと、こういうことをおっしゃっていましたね。ちょっとこれは今まで類例がないのじゃないかと思うのですが、どうしてこういう締結の仕方をされたのか。 今回の改正議定書は一九八四年、昭和五十九年に発効しているのですね。それからもう時間が八年近くたっているわけですが、それまで締結に対して踏み切れなかったという理由、今おっしゃった責任限度額の問題、こういうふうなことから船主といいますか、船主協会あたりから異論が出ていたとかいろいろなことがあるのじゃないかと思うのですが、実際はどういうことですか。お金の面で言うと、補償の面で言うと、今おっしゃったようなことだと思うのですが、それが一つ。 それからもう一つは、一九七九年改正議定書を締結するということですが、一九六八年の議定書によって改正された一九二四年の、ちょっとこれ混乱しますけれども、証券統一条約というのがありますね、これを締結したということになると思うのです。そうなりますと証券統一条約と併存するのじゃないか、この辺がどういうことになるのか。もしか併存が都合悪ければ二九二四年の証券統一条約は失効させなきゃいけないのではないか。ちょっとごちゃごちゃしていますけれども、私はそういうふうに考えているのですが、いかがでしょうか。
○説明員(野村一成君) 先生全く的確な御指摘をいただきましたが、今回締結いたしますのは一九七九年の議定書でございまして、その議定書の中で第六条の二項というのがございまして、その中で、条約の締約国ではない国によるこの議定書の批准というのは条約の批准の効果を有するというふうに書いてございます。その場合の条約と申しますのは、またこれ同じく定義されておりまして、一九六八年議定書によりまして改正された一九二四年条約というふうにはっきりなっておるわけでございます。したがいまして、この一九七九年の議定書を締結することによりまして、一九六八年議定書によって改正されました一九二四年の条約とそれの内容に我が国は拘束される、そういう関係に相なるわけでございます。 したがいまして、私どもといたしましては、一九二四年条約の二度にわたる改正の内容を全体として受け入れるためには今回の一九七九年の議定書のみを締結すれば足りると、そういうふうに判断した次第でございます。 手続面でなぜこういう第六条の二項のような点があるかということでございますけれども、やはり船荷証券の関係のこの条約、先生御指摘のように、規則を統一するというのが主たる目的でございまして、そういたしますと、やはり一番新しい規則にできるだけ締約国がふえていって統一されていくというのが大きな目的だろうと思うのでございます。そういたしますと、手続面におきましても、一番新しいつまり七九年の議定書を締結するということだけでもう既にそこまでに改正されました内容にその国が拘束されるというふうにしておくのが本来規則の統一という見地からいたしますと合目的的であると判断したというふうに考えられます。 他方、先生御指摘の一九二四年条約との関係でございます。この点、二四年条約は、先ほど説明申し上げましたけれども、責任限度額等、今回の議定書に基づく統一規則とは内容的にかなり大きな差があるということでございまして、同時に二つの条約の義務を果たそうとしますと、まさに先生御指摘のように、二つの異なった制度が併存するということを積極的に認めるということに相なるのではないかということでございます。したがいまして、先ほど申しました船荷証券に関する国際規則の統一という見地からいたしますと、本来の趣旨が損なわれるのではないか、また法的にも複雑な関係が生ずるのではないかというふうに考えます。 したがいまして、今回一九七九年の議定書を締結しました後、一九二四年の条約は我が国といたしまして廃棄する手続をとるということを予定しております。なお、今まで主要海運国の中で、例えばイギリス、オランダ、スウェーデン等主要国の多くも一九二四年条約を廃棄しているという事情もございます。 以上でございます。
○松前達郎君 その辺がちょっとこれは難しい問題になっているのですが、問題なければいいと思うのですけれども。 議定書の締約国、これの内容について、一九二四年の条約については五十二カ国ですね、今。 〔理事山岡賢次君退席、委員長着席〕 それから一九六八年のときの改正議定書については十九カ国ですね。今回の一九七九年の改正議定書は十三カ国、だんだん減っているのですね。先進国が中心だといえばそれっきりですが、締約国の数が世界に広がるに至っていない原因といいますか理由といいますか背景といいますか、これについて御説明願いたい。
○政府委員(畠中篤君) この点につきましては、各国とも荷主業界の方の意見とそれから海運業界の意見というものを調整しながら、その両方の合意ができた時点でそれぞれ手続をとって入ってきております。したがいまして、それぞれの国がどの条約に入りあるいは改定議定書を批准していくかというのはその国での両者の調整にかかっておるわけでございます。
○松前達郎君 ソ連との問題ですが、これは万国海事法会議というのですか、この海事法会議のときにその当時のソ連の代表から、一九七九年の改正議定書を締結する、そういう話があったというふうに伺っているのですが、ソ連に関してはどうですか。例えば日本海あたりですと相当これから荷動きといいますか、こういうものが多くなってくるのじゃないか。ソ連の場合ですと船舶公団がありますね。だからその代表あたりとこの条約について参加するしないという問題を話し合ってもいいのじゃないかと思うのですが、その辺どうなっているのでしょうか。
○政府委員(畠中篤君) ソ連につきましては、旧ソ連時代、一九二四年条約は締結しておりませんけれども、ソ連で一九六八年に作成されましたソ連商船法というのがございます。その国内法に一九二四年条約の主な原則を採用しております。ロシアはその国内法を引き続き適用しているものと理解はしております。
○松前達郎君 これはまた機会があると思うのですね、この話し合いを行う機会があると思います。 そのほか議定書の締結をしようという意思を持っている国、これは現時点でどういうところがあるのでしょうか。
○政府委員(畠中篤君) 現在のところ、議定書を締結するという方向で国内手続を進めております国にはカナダがございます。それからそういう動きではございませんけれども、先ほど申し上げましたように、ロシアあるいはドイツといったような国は議定書そのものには参加してまいりませんけれども、ソ連と同様の趣旨の国内法を持っております。
○松前達郎君 いろろいと今の証券の条約については大分ごちゃごちゃしましたけれども、大分古い条約をこういうふうに改正しようというのですからこれはもう当然の話だと思うのですね。 条約についてはそのぐらいにしておきます、私も多少頭が混乱してきましたので。 あと二つばかり質問させていただき、またいろいろとお考えをお聞きしたいのは、ちょっとこれは条約とは関係ないかもしれませんが、朝鮮民主主義人民共和国、北朝鮮と呼ばせていただきたいのですが、これの原子力施設についてきょうあたりの新聞にも随分写真が出ていましたし、また同時にテレビ等でも放映されている。やっと大体どんなものかというのがごく一部だけわかり始めている。しかも、核査察の問題がありますね。そういう問題が解決しそうである、査察が行われるということにどうやらなるという段取りになってきたようです。 これらについて私どもの衛星情報によりますと、これは施設が実際には三カ所あるのですね。寧辺にこの施設が三カ所ある。どうもきょうの新聞あたりに出ております写真はその一番真ん中にある原子炉施設だろうと私は分析しているのですけれども、こういったものが例えば原子力発電とかそういう平和利用の分野で行われているのかあるいはプルトニウム生産に専念しようとしてつくられているのか、これは査察してみなきゃわからぬことだろうと思います。 いずれにしても、核の問題というのは特にそれを利用する技術というものが確立していませんと非常に危険な状態になるのですね。例えば原子炉の場合でも、発電用の原子炉においてもチェルノブイリ型の原子炉の欠陥というものもわかってきておりますし、それが一つの国だけで済む話ではないと、もしか事故が起きれば。ですから、そういったような大きな問題がまだ残っているわけですね。 これはアジアにおける、東アジアでいいのですが、発電用の原子炉というのは割とあちこちにあるのですね。日本はもちろん一番多いのですけれども、韓国にも実際に運転中が九つある。台湾には六つあるわけですね。それからさらに中国には建設中が三つだというふうにデータとして出てきているのですが、これをどうですか、大臣、こういった平和利用ですから当然発電用原子炉が中心になるのですけれども、これの技術的な支援ですね。これはうっかり中国で何か事故が起こったらその事故の影響というのは必ず日本にまで影響する。黄砂が来るのと同じように影響するわけですから、この辺で一つある段階を経た後に、東アジアだけでも結構です、アジア全体でも結構ですが、そういった共同でお互いに技術交換をしながら安全性を高めるというような、そういう組織をもうそろそろ考えて日本がイニシアチブをとっていいのじゃないか、私はそういうふうに思うのですが、その点いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) この間もロシアの支援の一環として、チェルノブイリ型と同じようなものがあって大変危険ではないかというようなことで、御依頼があればということで日本からも科学技術庁の関係者等が出向いて点検とかそういうようなことについて技術的な供与をしましょう、協力をしましょうということを言っておりますから、将来の問題として、やはり中国とか近いところで仮に原子力発電所が爆破するということになれば人ごとではないわけですから、共通の利害があることでございますので十分に今後検討に値するものと考えております。
○松前達郎君 その辺はぜひ我が国が主導権を持って提唱をしていただいて、これはそんなにきょうあしたすぐやれということじゃないかもしれませんが、いずれはやらなきゃいけないことだと思いますので、例えばアジア原子力安全利用機構とか、そういったようなものの提案というものもやっていいのじゃないか、こういうふうに思うものですから今お願いをしたわけであります。それが一つ。 それからもう一つは、これは北方領土の問題、これも前のこの委員会でもいろいろと出たわけですが、いろいろなことを言っているのですね。ロシア共和国の外交の人たちがいろいろなことを言っているようです。ですから、これは一人一人のことを聞いて一喜一憂してもしょうがないし、全体の流れとしてはやはり国民の世論といいますか、これがどうも結論を引きずり出すのだろうと思うのですね。そのためには世論を巻き起こすための、この前大臣おっしゃったいろいろな事実ですね、これを少し知ってもらわなきゃいけない、こういう努力もしなきゃいけないと思うので、これはこの前おっしゃったことで十分理解できるのですが、ちょっとこれはお答えしにくいかもしれませんが。 領土問題というとあと二つあるのですね、尖閣列島と竹島。これは最近はもう全然そこには触れないでいるわけですが、尖閣列島はしばらく前にちょっと問題が出ましたね。これが一体どういう中国との合意が行われたままになっているのか。そのままずっと続いているのか。将来もそれでいくのか。それが一つ。それから竹島は、あれは日本の領土でしょう。今、日本の国民はいないのですね。韓国の人がいるのですね。その辺はどうなっているのか。 この二つ、ちょっと領土問題に関連して見解を伺いたいのです。
○政府委員(谷野作太郎君) 先生も御案内のとおりでございますけれども、尖閣につきましては、たびたび本委員会等でも申し上げておりますように、国際法的に見ましても歴史的に見ましても日本の固有の領土であり、また現実に有効にこれを支配しておるわけでございます。そういう中で、先般中国側が領海法においてこれが中国の領土であるということを明記したわけでございますけれども、これにつきましては直ちに日本側の立場を改めて明確に伝えつつ、中国側のとった措置の是正を求めておるということでございます。 竹島の方は若干状況は違っておりまして、ただいまお話がございましたように、韓国の警備兵と思われる人たちが常駐しておりまして若干の構築物もあるというようなことでございます。これはもとより竹島も日本の領土であることはいろいろな歴史的な文書等にかんがみましても明らかなことでございますので、定期的に、例えば毎年日本と韓国の間で外務大臣レベルの協議が行われておりますが、こういった場を利用いたしまして日本側の立場は明確に先方に伝えてきておるということでございます。
○松前達郎君 終わります。
○田英夫君 これはちょっときょうの議題ではありませんけれども、冒頭に大臣に一つ伺っておきたいことがあるのです。 北京からの報道できょうの朝刊にも出ておりますけれども、国連のガリ事務総長が北京での記者会見で、カンボジアのPKFは既に構成が終わっていて人数もそろっているということを言いまして、日本の自衛隊がPKFとして参加する必要はないという意味のことを言っておりますけれども、これについての外務大臣の御感想を伺っておきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今、事実関係について、新聞に出たからといって直ちに真相もわからないでそれに対する対応の発言はできません。事実関係を今調べております。
○田英夫君 今、きょうの議題の二つの条約については松前委員から詳しく御質問がありましたので私は触れませんけれども、一つだけアジア=太平洋郵便の連合と条約、これに関連をして伺いたいのは、アジア・太平洋という考え方、大体、条約としてこういう条約は余りないと思います。何かこれともう一つあるという話を聞いておりますが、日本の外務省としても余りアジア・太平洋という概念を従来持っておられなかったのではないかと思います。 しかし、世界の新しい枠組みということが言われている現在、私どもも実は一月三十一日と二月一日にアジア・太平洋の平和・軍縮・共生のための国際シンポジウムというのをやりました。アメリカやソ連も加えてやったわけですけれども、あとはこの条約と違いますのはインドとかそういうところは入れませんでしたが、そういうものをやってみますと、大変意義のあるシンポジウムだったと思っているのです。外務省として、例えば局の地域割りも、アジア局がありますが、オーストラリアなどは欧亜局だと。もしアメリカやカナダまで入れて考えればこれは北米局だということで、外務省の機構上からもアジア・太平洋ということを専門に考える部署はないわけですが、今後こういうことが大変必要になってくるのじゃないだろうか。カナダやニュージーランドの外務大臣が、アジア・太平洋の安全保障を中心にしてそういう会議なり機構をつくって話し合ったらどうだということをここ数年来それぞれ提唱してきているということもありますしね。 外務省としては、このアジア・太平洋という考え方を今後何らかのあれで取り入れていくというお考えはありませんか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 確かにアジアは非常に、特にASEANそれから東アジア等、大変世界の全地域の中でも経済的には発展が加速されている地域であります。しかし、今までは残念ながら価値観をみんな同じにしているかといえば、韓国と北朝鮮の対立の問題があったし、日本とソ連邦の間でも脅威に感じられるものがあったし、中国あるいはその他共産主義体制を堅持する国がある。こういうようなことで必ずしも政治的に一つの条約なり一つの行動をとれる状況にはなかった、これも事実でございます。ただ、しかしながら最近に至りまして、中国も世界と自由貿易その他でつながっていきたい、ガットにも入りたい、IMFにも加盟をした、そういうふうに変わってきておるわけですね。 今後、日本と北朝鮮、または韓国との間で友好関係が樹立されていく、ソ連の方においても極東の軍事的脅威をなくすというようなことになってくれば、なるように仕向けなきゃならぬわけですが、なってくれば、現在経済面においてAPECというものがこしらえられて、これには中国も韓国も香港も台湾も参加すると。今までは政治的に違いがあるからといって絶対同席しなかったものが、アジア開発銀行の総会あるいはAPEC等についてはそれぞれ地域代表という形で参加をしてきているわけです。 ですから、そういう延長線上においてもっと実務関係を相互依存関係の上で密接かつ活発なものにしていく、そしてそのうちに、今言ったように、相互不可侵、内政不干渉、互恵平等というようなものが打ち立てられていくようになれば、アジア・太平洋の安全保障問題というものを一緒に考えていく時代が来なければならないだろう、そう思っております。
○田英夫君 あと、この時間をおかりして北方領土の問題について触れたいと思うのです。 エリツィン大統領も来日が予定されておりますし、同時にきょうはちょっと復習のようなことをしてみたいのですが、過去のこの北方領土の問題について振り返ってみますと、米ソの対立に振り回され、あるいは率直に言って日ソ交渉が始まった当初は吉田さんと鳩山さんの対立といいましょうか、自民党の中のそういう対立が反映をしていたことも事実であります。あるいは中ソ対立というものが影を落として、社会党のこの問題についての対応というものもある意味で揺れ動いていたことは事実であります。 そういうことを考えますと、いよいよソ連が崩壊をしたという事態の中で今度はロシアと交渉するというときに日本の中の意見がばらばらになっているとか、そういうことであったり、あるいは過去の実際にあったようなことがまた起こってはならないという、そんな気持ちからちょっと三十年来の日ソ交渉問題を、北方領土問題を振り返ってみたいと思うのです。 今、その北方四島という言葉がもう定着して、四島返還ということがいわば国論のようになっていると思うのですが、そもそもこの四島ということになった歴史的な根拠、条約の根拠、これは一八五五年のこの間も大臣言われましたいわゆる日露通好条約にその根源はあるというふうに考えていいわけですか。
○政府委員(柳井俊二君) 結論から先に申し上げますと、ただいま田先生がおっしゃいましたとおり、歴史的に見ましてこの四島というものが我が国の固有の領土であるということで、我が国としてはこの北方四島の返還を一貫して求めているわけでございます。歴史的に見ましても法的に見ましても我が国の固有の領土であるというのが結論でございます。 そして、歴史的に見ますとこれらの諸島、この四島が一度も外国の領土になったことはないという意味で固有の領土と言っているわけでございますが、具体的にはただいま御指摘のとおり、一八五五年の日露通好条約におきまして、当時、日露間の国境というものが択捉島と得撫島の間にあるということが平和的に確認されたという歴史的な事実が一つあるわけでございます。 それから一八七五年に至りまして、これも御承知のとおり、樺太千島交換条約によりまして、一八五五年の当時にはその樺太につきましては日露混住の地ということで境界を画定いたしませんでしたけれども、いろいろその後問題があったということで、樺太につきましてはこれはロシアの領土とする、そして千島は日本の領土とするということで交換をしたわけでございますが、一八七五年の条約におきましては、得撫以北の十八の島を一つ一つ挙げましてこれらが千島であるということを決めたわけでございます。したがいまして、この一八七五年の条約におきましても北方四島は当然我が国の領土であるということを前提にしているということが言えるわけでございまして、そのようなことからも我が国の固有の領土であるということが明らかなわけでございます。 そのようなことを踏まえて、また第二次大戦中の連合国の領土不拡大方針ということに照らしましても、サンフランシスコ平和条約で放棄したいわゆるクリル・アイランドと言っておりますが、この島々には北方四島は含まれていないということでございます。
○田英夫君 ところが、サンフランシスコ条約のときのやりとりの中でそれを振り返ってみますと、アメリカが当初つくりました原案の中で、歯舞諸島を除く島々はソ連領であるということを言っていた時期があるのですね。これは外務省として御確認になっていますか。
○政府委員(柳井俊二君) 最終的なサンフランシスコ平和条約の案文に至る過程ではいろいろな案があったと思いますが、ただいまあいにく私ここにその経緯を持っておりませんので、ちょっとその点はまた調査させていただきたいと思います。
○田英夫君 私の調べた限りではそういう時期があります。それが最終案では、台湾の扱いと同じようにその主権者を明示しないで南樺太とクリル諸島を日本は放棄すると、さっき条約局長が言われたようなそういう内容になって、吉田全権はこれに対して不満を表明していますね。しかし、結果的には受け入れてこれが条約として確定をした。つまり主権を明示しないで南樺太とクリル諸島、千島は日本は放棄するということになったと思いますが、これもそれでいいですね。
○政府委員(柳井俊二君) ただいま御指摘になりましたとおり、サンフランシスコ平和条約第二条におきましては、我が国の旧領土のうち我が国が放棄する領土というものを規定しているわけでございます。その(c)項がこの千島列島及び樺太に関する条項でございますが、ここにおきましては、「日本国は、千島列島並びに日本国が千九百五年九月五日のポーツマス条約の結果として主権を獲得した樺太の一部及びこれに近接する諸島に対するすべての権利、権原及び請求権を放棄する」とのみ規定しておりまして、だれのために放棄するということはここでは規定していないわけでございます。 それからもう一点、先ほどこれも先生お触れになりました点でございますが、当時サンフランシスコ会議の場におきまして、これは最終段階であったというふうに記憶しておりますが、吉田全権が御発言になりまして、そこで国後島及び択捉島が得撫以北の島々と全くその地位を異にして帝政ロシアも異議を差し挟まなかった古来からの日本の領土であるということについて、このサンフランシスコ会議の参加諸国の注意を喚起したという事実があるわけでございます。
○田英夫君 ところが、これも記録を調べたのですが、そのサンフランシスコ条約に参加をしていた国々の間では、択捉、国後はクリル諸島つまり千島列島の一部であるというのがもう常識になっていたということが言われておりますけれども、となるとこの吉田さんの注意喚起にもかかわらず参加国は、国後、択捉は日本が放棄するクリル諸島の一部である、こういうふうに受け取っていたという記述があるのですが、これは外務省としてはどうお考えですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 我々といたしましては、それはロシア側はそういうことを言う人はあるかもしれませんが、過去の歴史、先ほど言ったように、通好条約を初め幾多の条約において何ら騒ぎもなく極めて自然に日露両国の政府の間で択捉、国後、歯舞、色丹は日本の領土であることがはっきりしておるわけですから、はっきりしておるものを放棄するという考えは全くないということであります。
○田英夫君 私が申し上げているのは、そういう記述がありますから外務省としても十二分にその歴史的な事実を、サンフランシスコ条約でのやりとりなどをお調べになっていていただきたいということを申し上げたいわけです。当時、もう米ソの間の対立というのが大変鋭くなっていましたから、常にそのことを底流にあると考えなければいけないので、日ソの問題あるいは日米の問題だけではないということも重要なことだろうと思います。 一九五二年の七月三十一日に国会で決議をしているのですが、その決議の文章を関係のところだけ読んでみますと、 平和条約の発効に伴い、今後領土問題の公正なる解決を図るため、政府は、国民の熱望に応えてその実現に努めるとともに、特に左の要望の実現に最善の努力を払われたい。 一 歯舞、色丹島については、当然わが国の主権に属するものなるにつき、速やかにその引渡を受けること。 こうあるのです。ですから、このときの国会決議は歯舞、色丹しか触れてないのですね。国後、択捉のことは触れてないのです。二島なのですよ。これも歴史上の事実なのです。そういうまさに国会がやったのですから、政府に対する要望という形でやったのですから。なぜかは、これは私もまだつかんでおりません。しかし、その署名をされている提出者の中には現在も活躍しておられる方も、中曽根康弘さんなんかのお名前も入っております。 それはそういうことだけ申し上げておきますけれども、一方でその後、鳩山内閣が誕生してくる。日ソ国交回復につながってくるわけですけれども、ちょうどそのころ私は外務省の記者クラブ、霞クラブにおりましたので、かなり背景というようなものを記憶しているのです。 ちょっと雑談のようになりますが、一九五四年の一月だと思いますが、鳩山総理が当時のソ連代表部のドムニツキーという参事官と私邸で会談をされたことがあります。これが結局日ソ国交回復につながるわけですが、そのドムニツキー参事官が共同通信の私どもの仲間に対して、内閣がかわったことでもあり鳩山さんにぜひ会いたい、こういうことを言ってきて、これを私どもで取り次ぎをしなければいけないということになりました。鳩山さんの外交顧問であった杉原荒太さん、参議院の大先輩ですが、外務省の先輩でもありますが、杉原荒太さんに相談をいたしました。その結果が鳩山・ドムニツキー会談になった、これは杉原荒太さんのやられたことですけれども。 当時、率直に申し上げて、新聞記者としてそれを杉原さんにお任せした後は私どもはもちろんタッチできない状況にあったわけですが、杉原さんはこのことは絶対にほかの人に言ってもらっては困る、自民党の人にも言ってもらっては困る、私に全部任せなさい、こう言われました。当時、これも率直に申し上げて、総理をやめられました吉田さんのグループはソ連との交渉をすること自体に反対をされる空気にあったということがあります。 そういう状況の中で結局は日ソ交渉が始まっていくわけですが、その鳩山さんの交渉に臨まれる基本姿勢、北方領土の問題についての基本姿勢というのは、実は歯舞、色丹二島の返還ということであったということが事実として記録にあります。その記録というのは、杉原荒太さんがつくられて鳩山さんに渡され提起された一九五四年二月十一日付の文書であります。「日ソ交渉の原則」という文書でありますが、その中には、歯舞、色丹はあくまで返還を実現しなければならない、やむを得なければ小笠原に準ずる、こういう記述があります。それから二番目に、千島列島、クリル諸島と南樺太は放棄しなければならない。これはもう決まっていることですけれども、そういう文書がなぜかあります。 これを受けて松本俊一さんがロンドンに乗り込まれる。その訓令の中にも、これは当時の谷外務省顧問と杉原荒太さんでつくられた訓令だと言われておりますが、その中にも歯舞、色丹の返還を実現しなければならないというやはり二島を挙げて訓令が出されております。こういう経過があるのですね。 したがって、その当時の鳩山内閣の基本姿勢は二島返還であったという事実があります。これは当時の状況の中で鳩山さんは日ソ交渉を通じて当然平和条約を結ぼうとされた、二島返還で平和条約を結ぼうとされていたと見ていいのじゃないかと思うのです。 それで、これに対して吉田さんとそして外務省の中の一部というかかなりの部分は、二島返還もソ連はのまないだろうと。つまりそういう中で吉田さんや外務省の一部の方は平和条約を結ぶことは時期尚早である、反対だと、こういう空気があったことを私は記憶をしております。またそういう記述もあります。日ソ平和条約を結ぶのはいかぬという考え方、まずいという考え方は、当時のダレス国務長官のアメリカの考え方でもある。これもひとつ外務省は当時の背景としてお調べいただきたいと思うのですが、私の調べた限りではそういう事実があります。 したがって、そういう状況の中で一九五六年のフルシチョフ首相による歯舞、色丹返還という日ソ共同声明につながっていく。つまり対立している米ソが、アメリカは平和条約に反対をして日ソが接近することに反対をしている、これに対してソ連は今度は日米間の関係を強化されないようにというので二島返還という提案を出し、これが結果的には日ソ共同声明になった、こういうことになっていったのだと思うのですね。 この辺の事実と、あとは推測ですけれども、これは条約局長とういうふうに受け取れますか。
○政府委員(柳井俊二君) ただいま田先生から大変詳しい当時の経緯についてのお話がございましたが、私どもも平和条約の締結に至る経緯それからさらに日ソ共同宣言に至る交渉経緯につきましては、いろいろな公刊された書物も含めまして勉強をさせていただいております。当時、先生はより近くから交渉の経過を見ておられましたので大変に勉強になりました。 当時の交渉の経過を振り返ってみますと、確かに平和条約の締結直後の段階におきましては、主たる連合国であるアメリカの見解というものも必ずしもはっきりしなかったという面もございまして、国会の内外に二島返還論というようなものもあったということは承知しております。ただ、日ソの交渉は一九五五年の六月から国交回復交渉という形で開始されたわけでございますけれども、我が国政府の方針は一貫して四島の返還を求めるということであったわけでございます。まさに我が国としてこのような四島返還という方針を譲らなかったために当時の交渉で日ソ両国間の合意が最終的には成らなかった、歯舞、色丹を除いて領土問題について意見の一致を見なかったという経過があるわけでございます。 そして、まさにそのために、一九五六年九月の松本・グロムイコ書簡にも書いてございますとおり、領土問題を含めて平和条約を結ぶための交渉を日ソ間で正常な外交関係が再開された後にも続けるということが合意されて、そしてそういうようなことを背景に日ソ共同宣言の第九項というものが成立したという経緯があるというふうに認識しておる次第でございます。 他方、先ほど申し上げましたように、サンフランシスコ平和条約成立直後にいろいろな考え方があったということも踏まえまして、昭和三十一年ですから一九五六年の二月十一日でございますが、これもう先生御承知のとおり、衆議院の外務委員会におきまして当時の森下政務次官が一つの統一見解というものを出されまして、ここで明確に、我が国が返還を求める領土というのは北方四島であるということを明らかにされたわけでございます。それ以後一貫して政府としても北方四島の返還ということで努力を重ねているという状況でございます。
○田英夫君 今言われた二月十一日の衆議院の外務委員会などを経て、その夏に七月に重光外務大臣自身がソ連を訪問されて交渉が再開をされるわけですね。かなり長い間中断をしていたわけですが、今言われたように、再開後もというその再開が七月だったと思います。そして、日本は今の森下政務次官の確認どおり、重光さんはそのとき四島という考えを持って交渉に臨まれた、ソ連に行かれた。ソ連は二島ということを譲らない。ここではっきり二島対四島という主張がぶつかり合った。 そこで、重光外務大臣の当時のことを思い出すと、重光さんはソ連で、モスクワで、もう二島返還で妥結しようということを考えられた瞬間があるように思います。これは明快な記述の記録はありませんけれども、しかし当時もう自民党は完全に四島返還ということに固まっておりました。鳩山派も、鳩山さんの方のグループも含めて四島返還ということがありまして、重光さんのそうした考えは抑えられてしまう。この辺のことを正確に調べていただきたいのですけれども、この瞬間にもし重光さんの意見が通っていれば二島返還ということが実現したかもしれない、そういう大変際どいのが一九五六年、昭和三十一年という年なのですね。 ここで結局決裂して、現在に至るまでこの問題、北方領土の問題というのは解決していないわけですけれども、そのときにもう一つアメリカが絡んでくる事実があるのです。 この直後の八月十九日に重光さんはアメリカのダレス国務長官と会っておられます。そして、そのときにダレス国務長官は、日本が南樺太と千島を放棄し、特に国後、択捉両島をソ連領として認めるということがあれば、それはサンフランシスコ条約に明らかに抵触すると。これは日本がサンフランシスコ条約以上のことをソ連に認めることになり、もしそのような場合にはアメリカはサンフランシスコ条約二十六条によって沖縄を永久に領有するという立場をとる。ダレスの恫喝と当時新聞なんかは書いたわけですけれども、こういう発言をしているのですね。いかに当時米ソの鋭い対立、そのはざまで日本がもてあそばれたと言っては言い過ぎかもしれませんけれども、苦悩したという事実があります。 こういうことを考えますと、今、ソ連が崩壊をしてロシアが交渉相手になってきているということは、そういう米ソの対立もなくなったわけですから背景が全く違ってきている。このことをぜひ今考えなければならないのではないだろうか。これからのロシアとの交渉というのは非常に違った空気になってくる。日本はもう振り回されないで済むのじゃないか、こういうふうに思います。 それで結局、そういうアメリカの強い態度もあって日本は四島返還論というものを非常に強固に固めてくる。そして、そういう中でアメリカはまたある意味の大きな変化をするのですね。 アメリカはサンフランシスコ条約当時むしろ日本の北方領土問題ということをそんなに注目していなかった節がありますね。そして、クリル諸島というのはどの範囲までなのか、つまり国後、択捉というのは日本が放棄するクリル諸島に入るのか入らないのかという点は余り明快ではありませんね。しかし、五六年のこういうある意味での日ソ共同宣言というような日ソ間の接近というものが表に出てきたときに、アメリカは極めてはっきりと四島だと、国後、択捉は日本が放棄したクリル諸島の中には入っていない、こういう態度を非常にはっきりと打ち出すわけです。したがって、かつて西村条約局長が答弁をされたというこれをひっくり返すわけですね。そういうことで結局は日本の四島返還論にてこ入れをする、こういう段階があります。この意味でも一九五六年という年は本当にむしろ米ソの激突の年、こういうふうに言ってもいいのじゃないでしょうか。 これを受けて一九六一年、五年後に、フルシチョフはこの辺のアメリカの攻勢を見てとって、二島も返さない、もう領土は解決済みだという方向にソ連は転じていってしまってつい最近までその姿勢は変わらなかった、こういうことになると思いますが、この辺の経過、外務省の方はどう思っていますか。
○政府委員(柳井俊二君) ただいま田先生が非常に詳しくおっしゃいましたとおり、平和条約締結直後の段階におきましては、まさしく米ソの冷戦のはざまで当時の担当された方々は大変に苦悩されたということは私どももよく承知しております。 そして、アメリカの態度につきましても、先ほど私もちょっと触れましたけれども、サンフランシスコ平和条約締結直後の段階におきましてはいろいろ揺れ動いたという時期がございまして、これも先ほど先生が御指摘になりましたとおり、その後の段階におきましてアメリカとしても四島は日本の固有の領土であるということを明確に言ってくれる時期が来たということはそのとおりであると思います。 また、これも若干繰り返しになりますけれども、一九五六年の時点で先ほどちょっと触れました森下政務次官答弁という形で統一見解が示されまして、その後一貫して我が国としては四島返還ということで交渉をしているわけでございます。 それから冒頭の部分でお触れになりました重光外務大臣のころのことでございますけれども、当時、重光外務大臣個人におかれて一時的に日ソ交渉の中で二島返還を考慮したというようなことに言及する書物があることも私ども承知しておりますし、そんなようなことを読んだこともございますけれども、ただいずれにいたしましても、政府の方針といたしましては当時の重光外相時代を含めまして一貫して四島返還ということで来たわけでございまして、政府の方針として二島返還というようなことが正式な交渉方針になったということはないというふうに承知しております。
○田英夫君 歴史の中でもう一つ秘密協定で定かでなかったヤルタ協定、これも南樺太とクリル諸島をソ連領にするということがそのとき既に約束をされていたわけですが、表現を見ると、南樺太はソ連に返還をする。それからクリル諸島はやはり表現が違うのですね。引き渡すというような日本語にすればそういう表現を使っているわけで、明らかにヤルタ協定に参加をした三首脳も千島、クリル諸島は日本が軍事的に占領したものじゃないというか戦争によって割譲してもらったものじゃない、いわゆる交換条約でという事実を知っていて、だから南樺太とは扱いを変えているという事実もありますね。それで結局、しかしどこまでがクリル諸島かということをアメリカもソ連もその他の国も定かにしなかったところにどうも問題があるかもしれない、こう思います。 それから今ずっと政府・自民党の側を申し上げたのですが、実は社会党のこの北方領土問題についての態度というのも大きく分けて五期に分かれて変化をしているといいますか、これはどこの党もあるいは日本全体がそうですが、初期の日ソ交渉が始まる前から始まったばかりの当時は、この問題について、しかと歴史から説き起こして日本領だというようなあれが非常にあいまいですね。ですから、社会党の一番最初の一九五〇年ごろから六〇年ごろという第一期のときには、南樺太、千島列島、歯舞、色丹、これは日本に帰属すべきだという、そういう主張をしています。一九五〇年ということはまだサンフランシスコ条約が結ばれる前ですからこれは無理もないのですけれども、そういう時期があります。 それで、だんだんさっき言った一番問題の一九五六年というときを経過して六〇年代に入り、七〇年代の半ばぐらいまではまず歯舞、色丹を返還して第二段階として全千島の返還というふうに変わってきております。ちょうど私が議員になったころで、この外務委員会でその線に沿って主張をし御質問したことを記憶しておりますけれども、羽生三七先生がその私の質問を聞いておられて、まだ問題があるのじゃないかと指摘をされたことを覚えている。問題があるのじゃないかということは、四島返還という、四島は一度も外国の領土になったことはない、一八五五年の日露通好条約のことを知っておられてその点を指摘されたのだと思います。 そしてその後、中ソ論争というものが激化をして、中ソの対立が激化をするとともに社会党の中の議論も激化をいたしました。率直に私どもの中のことを認めるわけですけれども、そういう時期があります。この時期の主張は、やはり歯舞、色丹で平和条約という点は変わっておりませんけれども、それと同時に全千島の返還も日ソ間で確認すべきだ、こういうふうになっておりますね。それで、ここで日米安保条約を解消して全千島の返還につなげる。日米安保条約というものがこのころから、このちょっと前からそうですけれども、考え方の中に非常に大きく登場してくる。これはソ連の主張でもありますね。日米安保条約、つまり六〇年安保、七〇安保という格好で安保条約が強化されていくことに対するソ連側の牽制という意味で言えば、ここでも米ソの対立というものが非常に影響を与えている。 いよいよ中ソ論争が激化をしてきました七〇年代後半から八〇年代というところでは、実を言うと率直に言って社会党の中の議論もますます激化をいたしまして、大会でもこの問題について一つの結論を出すことができないというようなそういう時期があります。これも外国の影響という意味である意味では残念なことですけれども、そういうふうに北方領土問題というのはそのときどきの米ソの対立や中ソの対立というような問題の影響を受けながらやってきたという、そういうことを私は申し上げたかったわけです。 そこで、外務大臣にお聞きしたいのですが、現在いよいよ日ロ交渉ということに臨んでいかれる、もちろん基本線は四島返還だとこうおっしゃることはわかりますけれども、その辺の腹を聞かせていただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 我々は、条約を結ぶ以上は条約は二国間で守られなければならないという基本原則に立って、それこそまさに法と正義に基づいてやろうということですから、過去の歴史を振り返ってお互いに謙虚に資料を出し合って、まず日ロ間で決めていくことを基本原則にしております。いろいろ国際間に政治的な利用とか自分の勢力拡張のためにどうしようとかというような動きがあったことも事実でございましょうが、しかしそれは我々の主張を何も代弁するものではありませんから、日本は日本としての固有の立場に立ってその主張はどこまでも貫いていくという考えでございます。 ただ、やり方等についてはこれはいろいろございましょうから、引き渡しや返還やというような問題の様態とか時期とかいろいろな条件とか、そういうようなことは話し合いで、これはやっていこうというのが基本線でございます。一挙に四島を一年以内に全部引き渡せというようなラジカルなことを言っているわけではありません。
○田英夫君 まさに私も同感であります。 今、るるこの問題をめぐる歴史のようなことを申し上げましたけれども、繰り返しになりますが、先ほど松前委員も言われたように、ロシア側はいろいろな人がいろいろなことを言っているということはまたそれなりに原因があるのだろうと思うのですね。向こうも最終的なごりごりに固まったその姿勢以外は絶対にだめだというようなこともないし、またかつてのフルシチョフ時代のように、アメリカとの鋭い対立の中で駆け引きとしていろいろなことを言っているということでは今はないということを考えますと、本当にいよいよ終着点を見出していかなくちゃいけないのじゃないか。 ただ、今も大臣おっしゃったとおり、これまた四島でなければ、四島を一年以内に返さなければいかぬというようなそういうことではないとおっしゃったとおり、まさに交渉でありますから、この辺はひとつぜひ国論をできる限り一つにして交渉を進めていただきたいということをお願いして、終わります。
○委員長(大鷹淑子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時五十一分休憩 ―――――・――――― 午後一時開会
○委員長(大鷹淑子君) ただいまから外務委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○黒柳明君 丹波さん、これおとといの新聞に出ていまして、UNTACの軍事部門の構成、軍事部門が一万五千九百七十六人、本部要員が二百四名、混成憲兵中隊が百六十人、その下に海軍部隊、兵たん部隊、衛生部隊、通信部隊、航空支援部隊、工兵部隊、監視要員、歩兵大隊、こんなふうな組織図が出ていまして、克明に人数が出ていますけれども、これは外務省もこのようなものは握っているわけですか。
○政府委員(丹波實君) 基本的には、UNTACの設立に関しまする計画につきまして国連の事務総長が報告を出しております。その報告を安全保障理事会が認めるという形をとってこれが成立したわけですが、その事務総長の報告の中に、今、先生がおっしゃった組織が書かれております。 後刻、先生にそのところを資料としてお届け申し上げたいと思います。
○黒柳明君 いや組織はわかっている。組織はわかっているのですけれども、克明に一けたまで人数が書いてあるわけですよ。文民の方は約六千、軍事部門が一万五千九百七十六、本部要員が二百四、憲兵中隊百六十、その下に八部門に分かれて海軍部隊三百七十六とか、一人に至るまでずっと数字が出ているものですから、こういうものをつかんでいる、つかんでいるといってはおかしいですけれども、これはもうほとんど間違いないわけですか。
○政府委員(丹波實君) 基本的には間違いのない数字だと思います。 例えば軍事要員ですと通常一万六千というふうに言われておりますけれども、事務総長報告ですと一万五千九百というそういう数字になっていまして、割と詳細に細かいところまで出ているという意味では先生のおっしゃるとおりでございます。
○黒柳明君 いや先生何もおっしゃっていないのです。マスコミがこう報道しているけれども、これは外務省としてもう大体こんなものをつかんでいる、こういうことですね。 この中にいわゆる平和監視団ですか、こういう部門というのは含まれているのですか、この中に。平和監視団というこういう組織部門、この中に。
○政府委員(丹波實君) 先生御承知と思うのですけれども、いわゆるPKFの本体としての活動とその監視団としての活動は、活動自体は実は同じことをやる場合があり得るわけですけれども、ただそのやり方が、部隊として行動するとそれがPKF。ところが、監視団は各国が五人とか十人の個人単位の将校を出していって、それが三人とか四人混成チームをなして活動するとそれが監視団という、それが第一点の違い。第二点目の違いは、もう先生も御承知のとおり、PKFの活動につきましては武器を携行できる、しかし監視団は武器を携行しないと、この二つが基本的な違いであろうかと思います。 したがいまして、例えば何かの監視をするという場合でも、PKFとして監視をするのか監視団として監視をするのか、その点は同じですが、先ほどのような二つの違いがあるということでございます。
○黒柳明君 それはもう基本的なことですよ。今カンボジアのことですね、カンボジアのUNTAC。今ここに書いてありますのは、二千何名インドネシア等が行っている。今月中にはまた千何百行く。こういうカンボジアの現実を踏まえてお聞きしているわけですけれども、基本的な問題じゃなくて。 それで、ここに監視要員四百八十五と出ているのですけれども、この監視要員の中にはいわゆる平和監視団的な要員は含まれているのですか、いないのですか。
○政府委員(丹波實君) その監視要員のその箇所、その意味ですけれども、恐らくそれは停戦監視が監視団として行われる活動を言っておるのだろうと思います。しかし、それは原典に当たってちょっと調べさせていただかなければ即答は難しいのですけれども、監視団ということであればそういうことだろうと思います。
○黒柳明君 即答は難しいといったって、そんなあやふやなつかみ方なのですか。活字にはこう書いてあるのですよ、収容地域での兵員、武器数の確認や外国からの軍事援助を監視する部門が監視要員であると。そうすると、これは平和監視団、いわゆる監視団とは違うのじゃなかろうかなと。 それからもう一つ、今、局長がおっしゃったその前提があると思うのですね、PKFと監視団との。要するにPKF、監視団。監視団というのは一応情勢が落ちついて、こんなことは私が局長に言うまでもなく、兵力の引き離しなんかする必要はない、既に両方もう合意してドンパチが行われていない、それについてドンパチが行われるか行われていないかということを双眼鏡がなんかで一点に張りついて監視する、これが監視団ですから、前提があると思うのですね。 今、カンボジアのこの前提というのは、その平和監視団を必要とするような前提とは私はちょっと認識しないのですが、その認識は間違っていますか。
○政府委員(丹波實君) これは現実に各国から出てきました要員をUNTACが現実に具体的にどう使用しているかということを調べなければ正確なお答えは難しいのですけれども、各国が出してきている部隊を部隊としてユニットとして使うという行動でございますならば、これはいわゆるPKF活動としてそういう監視活動を行っている、こういうことだと思います。
○黒柳明君 今、局長がおっしゃられているのは、こういう組織、八部門に分かれている、こういうものについては組織図をもちっている。人数までは子細まだ手元には入っていない。さらに今カンボジアの現状に合わせてどういう配置になっているか、これはちょっとわからない。だからこの監視要員、これについては平和監視団なのか、それともこの新聞に書いてあるような外国の武器、兵器あるいはほかのことの監視なのか、それについてもちょっと調べなければわからないと、こういうことですかな。現状というものは余りはっきりわからないのだと、こういうことですか。
○政府委員(丹波實君) 各国から例えば隊として派遣を求める場合には、一個大隊八百五十人を単位として十二カ国から派遣を求める、約一万人であるという説明を受けておりますけれども、この八百五十人というものは恐らく通常の過去の例に徴しますとPKFの本隊の活動として使われるということでございます。したがいまして、そういう場合にはPKFの本隊として使われる。 他方、私たちが得ている情報ですと、軍事監視として別途十五名、十六名、四十四名、そういった単位で二十カ国からその要員を派遣してもらうことになっている。したがいまして、これにつきましては先ほど申し上げた監視団としての活動をお願いすることにUNTACとしてはなるのだろうと思うのです。それで、具体的にどこにどういう張りつけ方をされているかにつきましては、現場に行ってみなければその正確なお答えはできないということを申し上げているつもりでございます。基本的な考え方は今申し上げたとおりでございます。
○黒柳明君 別にどこにだれがどう張りついていくだなんというようなことは知ろうとも思わないし知る必要もないのであってね。 そうすると、今、局長がおっしゃったのは、同じことを繰り返すことはないですな、二けた、十とか二十とかそういう要請をして派遣しているところは監視団であろう、こういうことですか。そうすると、そういうところの国は派遣していますか、既に。既にそういう二けた、十がそうである、二十がそうである、五百はそうでないと、こういうことになるのか。私はその点、局長の話ちょっと理解できないのですけれども、おのおの国によって十五とか二十とかそういう平和監視団であろうと、こういうような派遣の仕方をしている国は既にありますか。
○政府委員(丹波實君) 私が今手元に持っておる資料によりますと、例えば中国、軍事監視要員を派遣いたしております。何名がはちょっと承知しておりません。それから例えばオーストリア、軍事監視員を派遣いたしております。それから先ほど申し上げた八百五十という数字に該当する歩兵大隊を派遣している国あるいはこれから派遣しようとしている国は、インド、インドネシア、マレーシア、パキスタンそれからバングラデシュ、そういう国がございます。
○黒柳明君 そうするとこの組織図、この組織図の一万五千云々、これは必ずしもPKFじゃなくてこの中にはいわゆる平和監視団も入っている、こう読めるわけですね、読んでいいわけですね。
○政府委員(丹波實君) これは国際的にUNTACが外から集めてくる要員は全体として二万人を上回るだろうと言われておりまして、その内訳は軍事要員が一万五千九百人、行政監視要員が文民警察を含みまして約四千四百人、それから選挙要員が千四百人ということになっておりまして、また戻りまして、軍事要員一万五千九百人と申し上げましたけれども、そのうち八百五十人の大隊を十二カ国から使う、これはですから約一万人になると思うのです。それを除いた数字が監視要員その他になるという計算になろうかと思います。
○黒柳明君 そうすると、大体一万ぐらいを除いたものは監視要員でありあるいは通信要員でありと。これは別にPKFといわゆる監視団と分けたものじゃありませんから合計あたりを書いたのだろう、こう見ますが、この一万五千九百何名の中、通信要員が書いてあるのですよ。衛生部隊も書いてあるのですよ、五百四十一人。そうすると、これはいわゆるPKFじゃないと考えてていいのですね。
○政府委員(丹波實君) その場合の意味でございますけれども、いわゆるPKFの何と申しますか、本体としての活動か否かということが日本の国会の中の御論議であったと思うのです。したがいまして、今、参議院に御審議をお願い申し上げておる法案の中の第三条の三号のイからヘまでに当たるところが衆議院の段階で国会承認との関係で修正になったというのは、そういう意味でそこがPKFの本体部分という言葉を使わせていただきますと、通信というのはそれには恐らく当たらないものになろうかと思います。
○黒柳明君 衆議院で修正したイからヘまで、それ以外ここで言うと衛生五百四十一、通信五百八十二、監視四百八十五、これひっくるめて、さっきも言ったように、この表はPKFと何と分かれたと、こういう意味の表しゃありませんから、別に。そういうものを意識してやっておるのだ、全体的にこんなものなのだ、こういうことだから私はこの表についてのクレームというか、別にクレームということじゃありませんが、要するにそうすると、ここにある衛生部隊、通信それから監視、この三つの部門、これはいわゆる常識的にも後たん支援みたいな感じがするわけね。小火器を携帯するのかしないのか、しなくとも丸腰でもいいのじゃなかろうかな、こういうような感じもするのですけれども、これはいわゆるPKFの一万の中には入らない。こういう認識でいいわけですか。
○政府委員(丹波實君) 先生の御質問、まことに申しわけありません、突然の御質問でしかも大変重要な問題でございますので、もし間違いがあったら後で訂正させていただきたいと思いますけれども、衆議院の段階におきましての法案の第三条三号のイからヘというものにはそういう活動は当たらない、そういう範疇に入るのではないかというふうに考える次第でございます。
○黒柳明君 それはもうわかる。イからヘというのはPKF、だからそれを修正したい。修正したいじゃない、こちらとしては凍結したい。そうすると、イからヘに入らないということは、今入らないと言ったのは、衛生、通信、監視、その三つは入らないと、こう言ったと認識していいのですか。
○政府委員(丹波實君) 繰り返して申し上げますけれども、もし間違いがありましたら後で訂正させていただきますけれども、その監視ということが、先ほど申し上げた、先ほどの場合には十四、十五という数字を申し上げましたけれども、ああいう形で入っていくのは個人として将校が参加していくということでございまして、衆議院段階ではまさに自衛隊が部隊としてという言葉がかかっておるわけです。ですから、同じ監視であっても自衛隊が部隊として入っていくものについてはイからヘの中に落ちてくる、そうでない形の監視についてはイからヘのあそこでかかった縛られたものには入らないだろうということを申し上げているつもりでございます。
○黒柳明君 そうすると、衆議院でも一応論議がありましたけれども、自衛隊が部隊として入らないというのはちょっと私も納得できないのですが、そこの通信にしても衛生にしてもそういう部隊で入らない形であると、イからヘに入らないというふうな認識と、こういうことになるのですか。
○政府委員(丹波實君) これは衆議院の段階で修正されました条文第三章の六条の七項でございますけれども、「自衛隊の部隊等が行う国際平和協力業務であって第三条第三号イからヘまでに掲げるもの」ということで、まさに「自衛隊の部隊等が行う」というそういう縛りが一つ。それからもう一つは、第三条第三号イからヘまでに掲げられるもの、またはそれに類するものという縛りが二つ。そういうかかり方になっておるわけでございます。先生御承知のとおりでございます。
○黒柳明君 私もここらあたりがわからないのでもう一回同じことを聞きますよ。 イからヘに入らない、この部分はこの八のうちのどこの部門であり、その部門の内容についてはいわゆる部隊としてやらなければいいのだと、これはわかったのです、内容的にはね。それじゃどの部門、まさか歩兵大隊は部門的に言ったってそれは入らないでしょう。これもいいのですか、部隊として行かなければ。あるいは工兵部隊、これもいいのですか。まさかそうじゃないでしょう。
○政府委員(丹波實君) 先生御承知のとおり、このPKO法案には総理府にPKO準備室というのもございまして私の隣に野村室長がおりますので、法案の解釈に当たる話でございますので野村審議官の方から答弁を願いたいと思います。
○説明員(野村一成君) 今、医療とか衛生あるいは輸送、通信等について言及がございました。この法案の、先ほど丹波局長の方から、イからヘについてはまさにいわゆるPKFの本体ということでございましたが、同じくそれ以外の項目といたしまして三条三号の例えばヌというところで医療というのがございます。それからタにおきましては輸送とか通信という業務が書かれております。 したがいまして、今、先生御指摘のそういう一つのユニットとしての組織は、ではどこに該当するかと申します場合に、今申しましたような何といいますか、振り分けでとらえていただけることは可能だというふうに考えております。
○黒柳明君 今言ったような振り分けで考えていただくと、要するに部隊として入らなければいいのだと、これが一つ、内容的に。それはいいのですか、確認しますけれども。それは違うのですか。
○説明員(野村一成君) 私、ただいま法案の説明で、例えば三条の三号のヌで医療あるいはタで輸送、通信と申しました。それは部隊としてやる場合も含めての話でございます。
○黒柳明君 今、室長がおっしゃったのは、部隊としてやってもそれはいいのだ、PKFじゃないと。そうすると、何回も言うようですけれども、ここに書いてある表はPKFとそれから後方監視と分けた表じゃないことはわかっていますけれども、いわゆる兵たんとか衛生とか通信とか監視というのはPKFの範疇じゃないと、こういう理解でいいわけですか。
○説明員(野村一成君) 先ほど丹波局長の方から衆議院修正の段階での御説明がございました。つまりそこで議論になりました自衛隊の部隊等が参加して行う業務という意味におきましては、私どもはそれはいわゆるPKFの本体という言葉で特別委員会で答弁させていただいたこともございます。その中には入らないということになろうかと思います。 何分この法案、何と申しますか、組織に着目いたしましてPKFとかそういうことで整理しているのでございませんでして、個々の業務に着目して整理いたしておりますのでそういう若干回りくどい関係になりますけれども、ぜひ御理解いただきたいと思います。
○黒柳明君 いやいや、私はぜひ御理解じゃなくて、私はそう理解しているつもりなのですけれどもね。 そうすると、軍事部門というと何か鉄砲持っていくPKF、厳密に言うと海軍、兵たん、通信等八部門に分かれている、それをひっくるめて軍事部門、PKFというのはちょっと間違いというか、そう書かない方がいい、こうやらない方がいいと、こういうことになるわけですね。
○説明員(野村一成君) 私申しましたように、組織で仕分けしているものじゃないものですから、なかなかどういう言葉で一般的に申したらいいかということで、若干くどいようで恐縮でございますけれども、いわゆるPKFと一般的に言われております中にやはり本体の部門とそれからロジスティックスと申しますか後方支援的な部門とが一般的にはあろうかなという、そういうふうなとらえ方であろうかと思うのです。 したがいまして、私が御説明申しましたのは、実際衆議院段階で議論になった部分については先ほど御説明しました医療とか衛生あるいは通信というのは入ってこないと、そういう整理になるということを申し上げたわけでございます。
○黒柳明君 ちょっとその部隊と部隊でないというところはどうも基本になる。まあ結構でしょう。 だから、もし、これは仮で大臣におしかりを受けるかわからないですが、今の政府原案が通らない、PKFが凍結になる、そして監視団までだと、こうなった場合には、これは訓練期間とかいろいろあるかと思いますけれども、参加できる部分がないと何のために法案を修正して凍結して自衛隊に海外に出てもらうか意味なくなっちゃうわけですよ、もしそういう構成ならば。兵たんとか衛生とかこういうものがPKF部門に入ると、凍結されてこれはだめだと、こうなっちゃうわけですからね。 これはもうPKF凍結する、そして監視団までと、こうなりますと、今のカンボジアの状態というのは監視団を必要とする状態で私ないのじゃないか、まだ。これは推移しますからね、一カ月二カ月。その状態の推移によってはこれわかりませんよ。現状においてはまだ監視団、もう兵器持っていないで双眼鏡だけで見ているなんという状態、局部局部にはそういうところもあるかと思いますけれども、全体的にはまだそういうものを必要とする段階じゃないのじゃなかろうか、こんなふうに思うのですが、それは正しいでしょうか。
○政府委員(丹波實君) 私の手元に、まさに国連事務総長報告にもあるのだろうと思うのですけれども、UNTACの軍事要員の予想展開スケジュールという表があるのですが、それによりますと、軍事監視員というものはこの展開の最初から五十名必要としている、これがことしの七月になると四百八十五名になるという数字がございますので、やはり軍事監視要員としての役割というものは当初からそれなりに求められているのではないか、そういうことになっておるということでございます。
○黒柳明君 当初からそれは求められていると思うのですよ、逐次改善されなきゃだめなのだから。年じゅうドンパチやって引き離しばかりやっていない。現に難民だって引き揚げているわけですからね。そういう秩序が保てるところもあるわけですから。 そうすると、逆に言うと、今、平和監視をやっている場所ありますか。そういう局長の話になるとそう聞きたくなっちゃう。平和監視の要員が派遣されている、そしてそういう人がどこかのスポットでどこかの地点において平和監視の任務についているというきょう現在の現状のあれはあるのですかな。そういう現状を把握していますか。
○政府委員(丹波實君) 先ほど申し上げましたけれども、例えば中国、オーストリアは軍事監視要員を出すということで、現地に既に到着しているかどうかはまだ確認されておりませんけれども、まさにこれからもう近々出していくということでございますので、やはり軍事監視要員の活動分野というものは当初から予想されているというふうに考えております。
○黒柳明君 だから、それはそうじゃなくて、推移するからどんどん改善されなきゃうまくないですよ。引き離しも進むでしょう。難民もどんどん帰ってくる。地雷もなくなるでしょう。だけど、今日の段階においてまだ来つつあるわけで、ほとんど来てないわけですから。監視団を要請した、中国等来る、だから必要なのだ、これはわかりますよ。だけど、今の段階において派遣しているかどうかもわからないわけですから。だから、今の段階においてどこの地点において監視団が監視しでいるかということについてはつかんでいるということはないのかな、そうなると。
○政府委員(丹波實君) 確認されておりません。
○黒柳明君 確認されておりませんて、自分が確認するのだから確認しておりませんと。ちょっと日本語の使い方。
○政府委員(丹波實君) 確認いたしておりません。
○黒柳明君 そうそう。それが日本語。東大法学部と早稲田の文学部と違うのだからスマートに答えないと。わかりました。 けさほどもガリ事務総長の話が出ました。これは確認していないと。もし事務総長の話が、これはうその報道ということはないと思いますし、若干ニュアンスの違いということはこれはあり得ると思いますね。ですけれども、もしその必要がないと、こうなった場合、PKFは必要ない、だけれども当然今言ったような後方部門というのですか、衛生とか通信とか監視要員とかこういうものについては当然必要がある、こういうふうに当然分けて考える必要があるのですね。もしPKF必要じゃない、こう言ったと。現に必要がないとなった場合ですよ、これは確認してもらう。なった場合にはさらに必要な部分があるのだと、こういうふうに分けて考えればいいのですね。
○政府委員(丹波實君) ガリ事務総長がそこまで分けて考えて言っておられるのか、分けなくてもどういう表現をされたのか、そこも含めて今北京の大使館に連絡いたしましてテキストを捕捉中でございますので、それを見た上でどういうことを言ったのかということを見たいと考えております。
○黒柳明君 だからそれはいいのですよ。けさもそういう話があったというからそれは当然ですよ。だけど、もし不必要となった、もう部隊の構成が整っているのだからいいとなった場合ですよ、場合。場合と言うとまた大臣にそんなことを考えることはないなんておしかりを受けるかわからないが、場合においては当然PKFの部門を除いたほかの部門において自衛隊を派遣するという必要、今これPKF凍結するかしないかという修正がまさに当面の国会での各党の一つの焦点ですからね。もしPKFが必要ないのだ、構成がしっかりできてもう各国がこれを出すのだから日本は参加する必要がない。これを確認してこれが事実とした場合、その場合には今度は自衛隊は、法案が成立した場合にどういうふうな修正になるかわかりませんよ、PKFは凍結されて、それでそのほかの部分、監視団と、その場合においてはこういう後方部門において出せるということにはなるのですか。
○政府委員(丹波實君) 先生、申しわけありませんけれども、先生の御質問幾つかの仮定が大変組み合わさった御質問なので大変お答えが難しいことはぜひこれは御了承と申しますか、そこをひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○黒柳明君 難しいかな。 ガリ事務総長の必要か必要でないか、これは結構です、確かめてください、重要な発言ですから。もし不必要だとなった場合、これは仮定ですね。仮定のことを言うとまた大臣におしかりを受ける。だって必要じゃないという報道が流れているからその真偽を確認すると同時に、もし必要じゃないといった場合、これが一つの条件ですよ、国会は今、現状のまま通過する可能性はほとんどないのですから。しかも凍結という可能性は強いのですから。そのPKFが出せない場合に、自衛隊が平和監視団だけじゃなくて医療とかあるいは兵たんとかこういうところにも出せるのですね。出す可能性があるのですね。可能性じゃない、出せるわけじゃないですか。そういうことはないのですか。
○説明員(野村一成君) この法案の仕組みですと、先生まさに御案内のとおり、その業務としましては第三条第三号で非常に詳しく具体的に書いてございまして、その中にはPKOの活動もございますればもう一つの法案の柱でございます国際的な人道救援活動があるわけでございます。したがいまして、これ全部がこの法案によって実施可能であると、そういうふうに認識して法案を提出させていただいておるわけでございまして、何分私どももこの政府原案がまさに最善のものという基本的な立場で御審議をお願いしておるわけでございますので、個々に、今先生仮定とおっしゃいましたけれども、具体的にどういうふうに修正ということで私ども立ち入って具体的にどうだということを今の段階で答弁させていただくのはちょっと控えさせていただけますればというふうに考えておる次第でございます。
○黒柳明君 結局それは控えたいと。何も私は控えちゃいけないなんて偉そうな口ききたくないのですよ。 そうじゃなくて、簡単明瞭だと思うけれども、PKFを凍結ですよ、PKFはだめなのですよ、そうするとその次に来るのは監視団なのですか。監視団という言葉だけどそうじゃないのだ、後方部門やなんかはこれはもうどんどんどんどん出せるのだと、こういうことなのかという二者択一なんであって、仮定は仮定ですね。あるいは監視団だけしか出せないのか。これだめですか。お言葉、お答えを控えなきゃだめですか。
○説明員(野村一成君) これは先ほどの大臣の答弁の中で、衆議院修正で成りましたイからヘまでがいわゆるPKF本体、それがまさに議論になっているというふうに私ども理解しておりますので、何分いわゆる凍結といった場合に、私どもPKFということに着目いたしますといわゆる本体業務ということが頭にすぐ浮かぶわけでございます。したがいまして、今議論になっています通信とか輸送とかそういった部門については、部隊参加の場合も含めましてそれ以外の部類に属するというふうに基本的には理解いたしております。 ただ、この法案修正との関連でそれ以上突っ込んで議論することにつきましては控えさせていただきたいと、そういう趣旨でございます。
○黒柳明君 何かわからないけれど、まあいいです、この次で。 大臣、もう時間がおと二十二秒しかないのですが、賢人会議、いろいろ問題になっています。それを検討するために外務、通産、それから環境、大蔵、これで委員会を発足させるということは間違いないのですかね、新聞報道の。さらに、けさも官房長官と総理大臣が環境税、炭素税なんかも考えていないと断言したのかどうか、間接ですからね。ただ、あそこには元環境庁長官どころか元総理がずらっと並んで、同じような提言、発言をしているわけですね。やっぱり日本がメインの国であって六月には日本もメインの議長国になって取り仕切らなきゃならない。日本に対してお金の拠出を相当期待しているのじゃなかろうか。 そうなりますと、あの方向自体、要するに地球の環境保全をやろうと、この方向に対してノーということはない。これに対して資金をどこかで集めようと、これも集められない。それについて日本が応分以上のことをやらなきゃならない、これも間違いない。それについて具体的に、どういう基金を集めるのか、どこから集めるのか、これを検討しなきゃならない。こういう段階に私はあるのじゃないかと思うのです。いろいろな具体的な活字が出てきているのですけれども、この方向としては、大臣、どのようにお考えになっていますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 六月にUNCEDのブラジル会議がありまして、いずれにしても、こうしなければならぬ、ああしなければならぬということはいろいろ意見が出るでしょう。しかし、それじゃそのためにお金がかかりますね、そのお金はどうして出しますかというときに、その六月の場でぽこっと出ても承って帰りましょうというだけの話になるから、できることならばその前に、これらは政府のことではないが、それぞれの国で影響力のある人たちが集まっているわけですから、どんなふうなものが考えられるかというようなことについてお互いに意見を言い合うというような中から新聞の活字が出てきているのじゃないか。私は、具体的に一つにまとまったというところまでは一日や二日でいくはずはないと思います。 しかし、いずれにせよ、いい意見がいろいろ出ると思いますので、そういうものを踏まえた上で今後どうするかということを官民一体で検討していくということだろうと思います。
○立木洋君 アジア=太平洋郵便連合と郵便条約についてお尋ねします。 万国郵便条約とのかかわりについては午前中の同僚委員の質問で大体明確になってきていると思います。郵便を確実に正確にというふうなことでいろいろ問題があるというふうなことになったのですけれども、アジア=太平洋郵便連合においては、この地域での開発途上国の郵便業務の技術協力、これを重視しているというふうに期待されているのですが、その内容についてちょっと説明していただけませんでしょうか。
○説明員(小西正樹君) お答え申し上げます。 現在、アジア=太平洋郵便連合におきましては次のような援助協力活動が行われております。 まず第一には、郵政職員を相互に派遣交換いたしまして研修を行わせるための職員交換計画を実施して域内の郵便業務の発展と改善に資しております。 第二に、アジア=太平洋郵便研修センターという機関がございます。このセンターを通じまして、アジア・太平洋地域内の郵便業務を改善するため域内の中堅郵政職員の研修の便宜を提供しております。 それから我が国は従来より中国、インドネシア、韓国、フィリピン及びタイとの間で毎年職員交換計画を実施しております。また、アジア=太平洋郵便研修センターに対して年間約七万二千ドルの奨学資金を拠出いたしておりまして、このセンターに講師を派遣するなど教官の指導や訓練活動改善のための助言を行う専門家一名を派遣し、積極的に協力を進めているところでございます。
○立木洋君 この郵便研修センターの運営理事会で内容を取り仕切るというふうになっているのですけれども、この運営理事会というのは今何カ国で構成されているのでしょうか。
○説明員(小西正樹君) このアジア=太平洋郵便研修センターの運営は、アジア=太平洋郵便連合憲章の第十三条それから一般規則第百十一条の規定によりまして運営理事会が行うことになっております。 運営理事会は、このセンターの所在国でありますタイの郵政当局、郵政庁の長を議長としておりまして、アジア=太平洋郵便連合の執行理事会の議長、現在はニュージーランドでございますけれども、ニュージーランドの代表、それから参加国の郵政庁の代表者及びセンターの活動に対しまして年間一万米ドル以上の額に相当する援助を行う連合の加盟国の郵政庁の代表者で構成されております。具体的に申し上げますならば、タイ、ニュージーランド、ブルネイ、インドネシア、韓国、マレーシア、パプアニューギニア、フィリピン、日本、オーストラリア、中国、以上十一カ国でございます。
○立木洋君 十一カ国で運営理事会が構成され、署各国は今二十カ国になっているわけですね。そうすると、運営理事会に参加していない国もあるということになると思うのですが、技術の協力、それを向上していくための一つのセンターとして運営していくということになれば、可能ならばお金を出していないところも意見をいろいろ聞いて、そしてよりよく現状に合った技術協力が可能になるような運営方法を考えてもいいのではないかとちょっと考えるのですが、その点はどうでしょうかね。
○説明員(小西正樹君) 先生の御指摘でございますけれども、現在、多額の拠出国の意のままにこのセンターが運営されているというふうには私ども認識しておりませんで、現実にこのセンターの構成あるいは運営について各国から不満が寄せられているというような情報を私どもは受け取って、おりません。もちろん今後ともこのセンターによる利益を受ける国、禅益国の意向を十分踏まえまして、効果的にかつ民主的に運営していくように私どもとしては努力いたしたいと考えております。
○立木洋君 もちろんこの運営理事会に対していろいろ批判があるとか問題が起こっているとかということを前提にして私は述べているのではなくて、技術の協力ということが午前中来ちょっと議論になっておりましたように、やっぱり郵便の確実性ということが非常に重要におってくるので、そういう技術協力をより民主的に広められるような方向をぜひ検討していただけないかという考えを述べただけです。何か問題があってそれを改善せぬといかぬからという意味で述べたのではないので、そこらあたりをよく考えていただいて可能な限り民主的な方法で技術の協力の上で役に立つ方向を検討していただきたいということを要望として述べておきたいと思います。 次に、船荷証券の問題です。これは午前中の同僚委員の質問で今まで非常におくれたという問題ですね。責任限度額が引き上げられたということによって一つは影響があったという答弁だったのですが、今までの状態といえば、一九六八年のときの改定の場合にも批准をしなかった、だから結局一九二四年のときの状態がずっとそのまま継続されてきていると形の上ではなっているわけですね。これほど長期の間、海運国である日本としてそれを批准しなかったということで何か不都合が生じたようなことがなかったのでしょうか。
○政府委員(畠中篤君) 特に不都合があったケースがあるかどうかということにつきましては、今まで特に報告があったり統計があったりしたことはございませんので定かではございません。
○立木洋君 ほかの有数な海運国がこれを批准したというのは大体いつごろの時期なのでしょうか。
○政府委員(畠中篤君) それぞればらばらでございますが、イギリス、フランスその他につきましては大体一九八三年、一九八四年、そのあたりに批准しているところが多うございます。
○立木洋君 その条文の意味するところをちょっと説明願いたいのですが、第九条で「この条約は、原子力損害についての責任を規律する国際条約又は国内法の規定の適用に影響を及ぼすものではない」、というふうに書いてあるのですが、これはどういうことなのか、ちょっと説明していただけませんか。
○政府委員(畠中篤君) ここにございます一九六八年議定書の第四条によって改正されましたもとの条約の九条でございますけれども、この意味は原子力損害に関する条約や国内法が別途いろいろ規定されておりますが、その規定が適用される場合に、この条約と国内法あるいは別途規定されました条約との抵触が生じることを防ぐためにわざわざこの改正をいたしたわけでございます。
○立木洋君 運輸省の方、今まで船荷証券の扱いによってこういう原子力を海上輸送するというような事実はあったのかどうなのか、そういう場合にこんな原子力損害なんというふうな事態が起こったことがあるのかないのか、そこらあたりの実情はどうなっていましょうか。
○説明員(三島久君) お答えいたします。 国際間で海上輸送されます核燃料物質、使用済み燃料とか二酸化ウラン、六弗化ウランなどいろいろございますけれども、今までのところそういう事故の事例は聞いておりません。
○立木洋君 科技庁、この問題について何か条約上といいますか、科学技術庁の方で原子力の損害等についてのこういう問題で何か問題点はないのかどうなのか、これでいいのかどうなのか、そこらあたりの把握の仕方はどうなっていますか。
○説明員(内藤哲雄君) 原子力損害につきましては国内では原子力損害の賠償に関する法律というのでやっておりますが、これは無過失、無限責任とか、あるいは晩発障害といいますか後に出てきた障害とか、そういう救済範囲が広い、手厚いということ等もありまして、この条約の扱いは我々としては非常に結構なのではないかと思っておるところでございます。
○立木洋君 運輸省、これ結局原子力にかかわるものを輸送する場合には特定の規定があるのじゃないでしょうか。
○説明員(三島久君) お答えをいたします。 こういう核燃料物質の輸送に当たりましてはいろいろ規定がございまして、IAEA、国際原子力機関でありますとか、あるいはIMO、国際海事機関が定めました国際基準を国内規則に取り入れまして、危険物船舶運送及び貯蔵規則というものに従って運送されているものでございます。したがいまして、その放射能量等の区分に応じまして、適切な輸送容器に収納するとかあるいは必要な標札、表示等が付され、また船舶への積載に当たっても積載量の制限、荷物の移動防止、船内の線量当量率の制限、それから乗組員等の受ける年間の線量当量率の制限等のさまざまな措置が講じられているところでございます。
○立木洋君 結構です。 核問題について最近の政府の施策の問題に関連して若干お尋ねしたいのですが、核兵器の実験の問題について、核軍縮にとっての第一歩になるということで核実験の禁止、これを日本政府は今までずっと強調されてこられたと思うのです。ですから、この核実験の査察、検証制度なんかの問題についても日本政府としてはいろいろ提唱してきた経過があるというふうに承知しているのですけれども、ここ最近この核実験の禁止ということについて政府が明確に述べるということが何か表面的にはなくなったのではないかという感じがあるのです。 言うならば、ことしの宮澤首相の施政方針演説の中でもあるいは渡辺外相の外交に関する演説の中でもこの核実験の禁止という問題が一言も言及されていないのですが、何かそれは核実験に関する施策の上で日本政府が態度を変えられたのか、変えていないとすれば何か別の理由があるのかどうなのか、そこらあたりの事情をちょっとお聞きしたいのです。核実験の問題に関する日本政府の施策、いかがでしょうか。
○政府委員(丹波實君) 立木先生の今おっしゃったとおり、日本政府といたしましては核兵器の究極的な廃絶ということが何といっても非常に重要であるということで掲げてきておりますが、それに至る過程でやはり核による抑止力の維持ということも重要であるということ、これもまた国際社会の現実であろう、そういう全体の中で、しかし核実験を禁止するための努力というものを現実には進めていくべきであるということで、例えば八四年に安倍外務大臣がステップ・バイ・ステップ方式ということを提案されたことを先生御承知だと思うのです。 それから受信波を利用いたしました地下核実験検証のための世界的なネットワークづくりということへの貢献ということも考えてきたということ、それから堂ノ脇大使がジュネーブ軍縮大使をしておられたときに、二年前になりますけれども、アメリカその他の関係国と特に協議しながらジュネーブ軍縮委員会の全体の合意を得まして、核実験問題につきまして特にアドホック委員会というものをつくって活躍されたということも先生御承知だろうと思うのです。 それで、ちなみに先生の直接的な御質問との関係で申し上げますと、総理、外務大臣あるいは軍縮大使、いろいろなところでいろいろな演説をされます。その演説の機会あるいはスピーチの性格によりまして、ある問題については特に触れ、ある問題についてはそこでは触れていないということ、それはあり得るのだろうと思うのでございますが、その核実験の問題につきまして日本政府として、最近例えば数年間をとった場合に態度を変えたというようなことはございません。
○立木洋君 今、局長が言われたように、その問題について言及する場合もあれば言及しない場合もあると。ですから一概に私は態度が変わったというふうに申し上げているわけではなくて、いわゆる施政方針演説と外務大臣の外交演説とにたまたま、よく見たけれども、今まで非常に重視している核実験の禁止という問題についてお二人とも触れていないので、これは何かがあったのかなという疑問がちょっと生じたので改めてこの機会に確めておいた方がいいだろうと思ってお尋ねをしたわけです。 それで、特に一九八八年の第三回の国連における軍縮会議、それから一九九〇年の核不拡散条約の再検討会議等々の中でこの核実験の問題をめぐっての議論というのは、非常に華々しくといいますか相当激しく行われている。この核実験の禁止という問題を包括的に行うべきであるというふうなことをメキシコや非同盟諸国が積極的に提唱する。アメリカの方としてはいわゆる核兵器に依存している限り核実験というのはやっぱり存在しないと困るのだという、この主張がぶつかり合ってなかなかうまくまとまらなかったという経緯があったと思うのです。だから、そういう状況の中で日本政府はどういう態度をとってこられたのかということとも関連があって今の質問にもなっているわけです。 今後ともこういう核実験の問題については包括的な実験なのか、ケース・バイ・ケースという段階的な解消という意味なのか、今の時期、核実験の禁止という問題について政府は今後どういうふうな主張を展開されていくのか、その点についてちょっとお尋ねしておきたいと思うのです。
○政府委員(丹波實君) 国際社会の中では一部の国に、先生が今おっしゃったとおり、包括的な核実験というものを即時停止すべきだという意見があることはおっしゃるとおりでございます。しかしながら、そういう禁止をした場合にそれでは検証をどういうぐあいにできるかという問題があることは御承知のとおりでございます。 例えば米ソ間は現在地下核実験のみ認められておりますけれども、その場合に百五十キロトン以上のものはやらないという合意があることも先生御承知のとおりで、問題は、この百五十キロトンをどんどん下げていくに当たって検証の精度をますます高める必要がある、そういう意味で検証の進展というものと絡み合わせてまさにステップ・バイ・ステップに核実験の量を下げていくべきであるというのが日本政府の考え方で、これは国際社会のほかの国も共有している考え方だろうと思いますけれども、そういう方向で物事を進めていくべきではないかということでございます。その点の考え方は、最近ここ数年間、日本政府として変わっているということはございません。
○立木洋君 核不拡散条約についての私たちの態度というのはここで改めて述べる必要なく御承知だろうと思うので、それについてここで議論するつもりはありませんが、例えば非同盟諸国等々が提起している問題で今国際的に大きな問題になってきているつまり核を拡散しないという点から見ても、例えば核実験の包括的な禁止をやれば核を拡散しないという点でも有効性が強まるのではないかというふうな主張をされていますね。それは私は一定の道理があるような気がするのです。 結局、核実験の禁止という問題を包括的に行わないで核不拡散という問題だけが主張されて、核を保有している国が依然として核を維持していくという立場を独占的に保障され、そして核実験の禁止ということが行われないという点では、非核保有国にとっては極めて不合理だという指摘がなされているのは私は一定の道理があるのではないかと思うのです。 そこらあたりの問題について、やっぱり核実験の禁止が核軍縮にとって第一歩になり得るのだというふうな政府の主張があるならば、アメリカの主張がどうであれその点については明確に今後とも強調していく必要があるのではないかというふうに思うのですが、大臣いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 理想的に言えば、それはあなたの言うような理屈はあると思います。しかしながら、核を持たない我が国が現実の問題で核抑止力のもとで安全保障ということを言っておるわけですから、一挙に核の廃絶というところまではいけない。しかし、終局の目的として核兵器の廃絶という理想はちゃんと掲げているのですよ、我が国も。現実は小国たりといえども核の開発までやるのじゃないかという疑いを持たれている国が幾つかあるわけですよ。だから、こういうようなものを抑えてさらにそういう国がふえないようにしていくという傍ら、米ソニ超大国、こういうものが核を減らしていくと。そのためのいろんな条約を結んで一部成功しているわけですよ。 それは中距離ミサイルにしても大陸間弾道弾の問題にしても、戦術核までもこれからだんだん減らしていこう、そういうものを助成していくと。そういう中にあって、やはり将来は核に頼らない、核兵器に安全保障を頼らないで済むというようなことに持っていくことと実験をやめていくということとがだんだん織りまぜられていかざるを得ないのじゃないかなと。だれしも奇異に感ずることは、ソ連が核兵器をだんだんやめようと言いながら何か北の方で核の実験を再開するというようなこと言ってみたり、いろいろ国内矛盾もあるのじゃないですかね。 だから我々は、やはり将来の問題と今すぐの問題とがありますから、一挙に実現不可能なことまで言ってみても政府としてはちょっと言い過ぎかなということで言っていないのです。いずれ言い出す時期が来るかもわからない。
○立木洋君 去年からの動きを見ていますと、まだ核兵器の廃絶の問題を私は述べているわけじゃないのですけれども、アメリカにしてもソ連にしても核兵器の大幅な削減ということを一方的な措置として行うというふうな状況も出てきたわけですが、ですから今非常に状況は変わってきている。 大臣も御承知だと思いますけれども、去る八日ですか、フランスのベレゴボア新首相が四月八日に国会で演説をしたわけですが、この中で彼が述べているのでは、共和国大統領は太平洋におけるフランスの核実験を今年中止するように私に指示をした、だから私は核実験の中止を提案する書簡をいわゆる核保有国首脳にあてて送ったということを明一言したわけですね。 このフランスという国は今まで、御承知のように、核不拡散条約にも入ってないし、そして核実験については、どんなことがあろうと自分たちは核実験の停止、中止などということはしないということを頑強に言っておった国ですね。だから太平洋のあそこにおいてもいろいろな問題が発生してきた。だけれども、そこでも核実験の中止ということを言わざるを得ないような状況になったのですね。 まず、フランスの首相のこの核実験の中止という言明についての大臣の御感想といいますかお考え、御所見をひとつお聞きしたい。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 結構な御発言であります。
○立木洋君 なかなかそっけない答弁ですな。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 貴重な御発言です。
○立木洋君 やはりフランスなんかでもこういうふうに核実験の中止ということをやって、それを一九九三年は前向きにもっと検討しましょうという状況が出てきているのですね。そうだとするならば、アメリカが今とろうとしている態度というのはだんだん孤立していく状況になるだろう。そういう点については、日本との関係というのが緊密な関係にあるとおっしゃるならば、やはりアメリカに対しても核実験の中止の問題については真剣に考えるべき時期に来ているのではないかということを言うのが適切なのじゃないかと思いますが、その点はもう一回、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) よく相談をしてみます。
○立木洋君 それからこの間ちょっと資料を調べてみましたら、現在の時点で核兵器の廃絶の意思を明らかにした、日本の非核宣言を行った自治体が命千六百八十四自治体になっています。自治体の数というのが三千三百八ですから、半数以上に自治体の数がふえたのですね。核兵器を廃絶して核兵器を持たない方がいいという非核都市宣言を行ったのがそれだけになって、そこに住んでいる人口というのは七割台にも達している。これは被爆国日本の国民として核廃絶への強い願いを示したものではないかというふうに思いますが、この点についての大臣のお考えはいかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 理想に向かって進もうということでありますから、それ自体は私はとかく言うことはないと。
○立木洋君 結構なことですとは言わぬのですか。先ほどフランスの提言は結構なことですとおっしゃったのだから、そういう国民の意思が……
○国務大臣(渡辺美智雄君) 政府の立場として、核抑止力というような今まで恩恵を受けて平和を維持してきたという立場と今後どう展開していくかという、今、瀬戸際にも立っておるときですから、政府としてはお勧めをするというところまではいっていないと。
○立木洋君 今まで繰り返し日本政府の国是という立場でいえば非核三原則、これについては我々今までいろいろ議論してきましたけれども、少なくとも日本の政府としては非核三原則は国是であるということを主張してきた。だから、核兵器をつくらず、持たず、持ち込ませず、そういう態度をとってきている政府の立場からいうならば、それを地方自治体で非核都市宣言という形で徹底しようという主張は政府の趣旨にかなったものと言えるのじゃないでしょうか。いかがでしょうか。
○政府委員(丹波實君) 先生御承知のとおり、非核三原則、国是ということで内外に宣明しそれを守ってきていることは御承知のとおりでございまして、国際的な分野におきましても国連あるいは軍縮会議でそういうことを明らかにしていることも先生御承知のとおりでございます。また、核の究極的な廃絶のためには国際的な安全保障の維持に留意しつつ実効的かつ具体的な措置が着実にとられることが他方において重要である、こういうこともそうだと思います。 政府といたしましては、今後とも核兵器の究極的廃絶の実現のために我が国としてなし得る努力というものをやっていきたいというふうに考えておるわけです。その場合、そういう地方自治体の非核都市宣言というものも念頭に置きながら対応していくということは当然のことだろうと思います。
○立木洋君 局長は念頭に置いて対応していくと言う。だけれども、今までも国際的にも非核都市宣言を行った都市が集まって国際会議をやっているということは政府としては御承知であろうと思うのですね。国際的にもそういう状況がつくられてきているものについて、政府は非核三原則が国是であると主張するならばそれに積極的に協力し、核兵器が地球からなくなっていくという目標のための努力については当然協力するという姿勢が私はしかるべきであろうと思うのです。 ただ、その点で一言これは大臣にお聞きしますけれども、この平成四年度の自民党の国民運動活動方針というのを読んでみたら極めて遺憾なことが書いてあるのです。「いまだに煽動的左翼活動家を中心とした一部の勢力は、まやかしの「非核都市宣言運動」」なんかを展開していると、これは自民党の運動方針に書いてある。これは政党の次元の問題です。ですから私は、外務大臣としてということになるでしょうからこれについてのお考えを直接聞くということにならないかもしれませんけれども、しかしこういうふうな形で、今、非核都市宣言が日本全国で過半数に達している。七割の人口がそこで核兵器をなくしてほしい、核兵器を自分たちの町には持ち込んでもらいたくないという意思が表明されている状況になってきています。 今から十年前は自治体で宣言したのはわずか七つだったのですね。その七つの自治体が十年間で千六百以上ふえたのですから、これは明確にやはり日本の国民の意思を表明しているものと。これをこの一部の左翼扇動家みたいな表現でこの非核都市宣言の運動が歪曲させられたような方針が出されるというのは、私としては極めて遺憾だということを指摘せざるを得ないと思うのです。 ですから今、政府としても非核自治体宣言を行っている各都市の状況も十分に把握して、それを考慮に入れながら今後対応していきたいというふうに、今、丹波さん言われましたけれども、最終的にこの問題についての非核都市宣言がここまで広がってきているという現状を踏まえ、核兵器を削減しようという大きな動きもこれあり、フランスの先ほど言ったような態度もあるわけですから、核問題について積極的な対応、核兵器の廃絶についての積極的な対応を最後に大臣の所見を求めておきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(丹波實君) ちょっとその前に、先ほど大臣もその意味でおっしゃっておられるわけですが、理想というものはもちろんそういうものとして存在するべきでございますが、他方、核というものが現在の国際社会におきましては、安全保障の世界におきましては抑止力という力を持って存在していることも事実でございますし、それに加えて日本の場合にはその非核三原則というものが周知徹底されておるということでございますので、そういう中におきまして地方自治体がそういう宣言をしておるということも念頭には置きますけれども、全体としては以上のような状況の中で物事を考えていくという趣旨で私の答弁を申し上げた次第でございます。
○立木洋君 大臣、やっぱり本音と建前を一致させないといけないですよ。あいまいにならないように態度というのは明確でないと、今の重要な国際情勢の中で日本としての自主的な立場を、被爆国であるわけですし、唯一の被爆国として平和に対する貢献のあり方というのはきちっと自分自身で道を切り開いていく努力は必要だと思うのですね。 そういう点を踏まえて、最後に一言、大臣、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 理想は理想として我々は今後ともそれを追っていくと、究極的な核兵器の廃絶ということは。しかしながら、国家自身が非核三原則を言っているわけですから、なぜそれが村や町で何のためにというような問題等もあって、我が党の運動方針の中でそのような表現が出るには出るだけの理由があって出ているわけですから。 だから我々は、先ほど言ったように、非核都市宣言をどんどん各市町村やってくださいというようなことはもちろん申し上げないし、やってはいけませんということも申し上げていない。しかし国の方針は、究極的な核廃絶ということ、これへ向かって進もうという理想は理想として持っておると。また、非核三原則も採るいでいない、現実的に対応しているのだということだけは知ってもらいたいと存じます。
○委員長(大鷹淑子君) 時間です。
○立木洋君 一言だけ。 大臣、非核都市宣言をやってはいけないというふうな態度はとらないということ、それだけ確認しておきたいと思います。今まで自民党が出しているパンフレットでは、非核都市宣言をやるのは平和に対する妨害だというパンフレットを自民党は出していたのですから、そういう態度はとらないということだけは確認しておきます。 終わります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 党総会じゃないですから、国会ですから。
○高井和伸君 私も核の問題を取り上げようということでそれなりの質問を準備してきました。今の立木委員からの質問で尽きているようなところもございますけれども、非常にレベルの高い質疑応答がございました。 そこで、日本の基本的な核の四つの政策があるというふうに認識しておりますが、一つは非核三原則、そして核の廃絶、そしてもう一つは日米安保条約のもとにおけるアメリカの核の抑止力に依存して日本の平和を維持しているという点、そして核のエネルギーは平和利用に徹すると、この四つは今ももちろん間違いないと思いますが、そのとおりでございますか。
○政府委員(佐藤行雄君) 私が取りまとめてお答えするのもあれかと思いますが、四つともそれぞれに今、政策として維持しているところでございます。
○高井和伸君 国会における答弁の中でそういった文章を見せていただいておりますが、外交白書それから防衛白書というようなところでもそういった文言がございます。これをきちっとした日米安保条約の上でも、それから日本のある種の自衛隊法だとかそういったところで定着させた行為は日本国政府はとっておられますか。
○政府委員(佐藤行雄君) 外務省の取り扱っている分野においてはそれぞれの問題ごとに政策を明確にいたしておりまして、それを一つのことにしていることはございません。ただ、それぞれに既に明確になっていると理解しております。
○高井和伸君 明確になっているということは、どういうふうになっているのですか。
○政府委員(佐藤行雄君) まず、核廃絶が究極の目標であるということは、先ほどの御質問でも出ましたけれども、機会あるごとに、もちろん演説によって触れてないところがあるのかもしれませんが、国際的にも例えば国連における演説等において明確にいたしております。 それから米国との安保条約における核の抑止力の問題につきましては、一方において、これは先ほど私、外務省に関する分野と申し上げましたけれども、防衛白書において、核の脅威に対してはアメリカの抑止力に依存するものとするということが明確に書かれております。また、米軍の運用に関しましては、非核三原則、事前協議の建前と非核三原則の問題というのは繰り返し国会でも明らかにしておりますし、アメリカ側にも十分説明してあるところであります。 それから原子力平和利用の問題は、御承知のとおり、法案にそのとおりのことが書いてあると理解いたしております。
○高井和伸君 今のこの基本核四原則という政策は、いつから現在まで続いているのでしょうか。
○政府委員(佐藤行雄君) 私、手元に明確にそれぞれ資料を持っておりませんから若干記憶で申し上げさせていただきたいと思いますが、非核三原則、もちろん核の問題についての日本の国民の感情というのは、御承知のとおり、戦争の経緯からそして唯一の被爆国であるという経緯から出ているわけでありまして、この点を内外に明らかにするということは戦後長きにわたって行われていると思います。 それから非核三原則につきまして私の理解しておる限りでは、佐藤内閣の当時に一つの政策として明確にしたものと思っております。
○高井和伸君 核抑止。
○政府委員(佐藤行雄君) 核抑止力の問題につきましては、私は何をもって出発点ということはなかなか明確には申し上げられませんが、先ほど申し上げましたように、防衛計画の大綱には書いてありますが、それに先立ちましても、そもそも抑止論というものが発展して米ソ対決の中でお互いの抑止理論というものが形成されてくる過程の中において、日本の安全保障についても安保条約による、さらに突き詰めていけば、それを通じて確保されるアメリカの抑止力によるという考え方が整備されてきたものだと思っております。 それを明確な形で文章にした例を挙げろと言われれば、それは一九七六年でしたかにつくりました防衛計画の大綱の中には明確に書かれております。
○高井和伸君 そこで、防衛庁にお尋ねしますけれども、今、日本にゴルバチョフさんが来ておられまして、このゴルバチョフさんがある意味では新思考外交ということで現状の米ソ冷戦構造の雪解けのきっかけをつくったという言い方もできると思うのです。そこで一番強調されたことは、やっぱり今のような核抑止力による力対力の問題では物事は解決しない、もっと人間的な側面からやっていかなきゃいかぬのじゃないかということから、ゴルバチョフさんはいろいろ政策を実行され、その結果が一九九〇年の北大西洋条約機構とワルシャワ条約機構の不戦宣言、これは十一月十九日だと思いますが、そして全欧安保協力会議の十一月二十一日のパリ憲章にある意味では収れんしたのだろう、こう思うわけです。 その中において、もう既にヨーロッパの地域においては仮想敵国はない、敵対国はないというような不戦宣言の第一項にもございますけれども、そういった概念がもう定着しつつあるときに今のお話、核抑止力の問題で言えば、一九七六年のころから明確にしているけれども、そのもっと前からというと既に二十年ぐらい同じような政策を同じような概念枠でやってきている。 それで、今まで私も国会に来ていろいろ答弁聞いていると、まだソ連の脅威は残っている、極東においては残っているのだと、こんなような理屈というか説明がされておりますけれども、このパリ憲章と不戦宣言との二つの絡みで日本における核抑止力をアメリカに頼っているという姿、これは変わらないのでしょうか。
○政府委員(高島有終君) ただいま先生御指摘のとおり、確かに国際情勢の変化が非常に急速に進んでいるということ、さらには今御指摘になりましたCFE条約署名時におきましてNATOとワルシャワ条約機構加盟国二十二カ国が参加した共同宣言、あるいはCSCEのパリ憲章などにおきましても、領土保全や政治的独立に対して武力行使あるいはおどしを行わないといった内容が明確に盛り込まれるほど変わってきているということは御指摘のとおりだと思います。 他方、現実の世界には、米国、ロシアを初めといたしましてこれまでの軍縮の合意の後におきましても依然として現在において膨大な核戦力があるということも事実でございます。東西冷戦の終えんに伴う国際情勢の変化とかあるいはアメリカ、ロシア両国の関係の変化に伴いまして、両国とも今後さらに核戦力をより低いレベルに持っていこうという方向を押し出してきておりますけれども、しかし同時に、低いレベルで均衡をし安定させよという考え方も維持しているわけでございまして、これはとりもなおさず核の抑止力というものを両国とも依然として有効なものとみなしているものだろうと私どもは考えているところでございます。 このことは例えば先般発表されましたアメリカの国防報告の中におきましても、各種の高性能戦略核兵器の多様な組み合わせを含む効果的な戦力抑止は国家の安全に依然重要だという指摘を行っておりますし、また片やロシアにおきましてもエリツィン大統領が一月の軍縮に関連する演説におきまして、核の面での軍縮を強調する一方におきまして、核の軍縮のプロセスにおきましても米ソ間の核戦力のパリティーということも強調している点は御承知のとおりだと思います。 そういう点を踏まえて考えますならば、核抑止といった考え方そのものは今日の社会におきましても依然として基本的には変化していない考え方であろうというふうに考えているところでございます。
○高井和伸君 現実に、今のは一般論としてわかるわけですけれども、欧州においても同じような状況だという前提のお話なのでしょうか、今のは。
○政府委員(高島有終君) 欧州におきましても、例えば米ソ以外にも英国、フランス、核戦力を維持していることは御承知のとおりでございまして、例えばイギリスなどは、これまでのポラリス原潜を新しいトライデント型にかえるに際しましても、核の抑止力の重要性ということをつとに指摘しながらそのような政策をとってきているという意味におきましては、欧州においても核の抑止力といった考え方そのものは基本的には変わっていないと思われます。
○高井和伸君 それで、外務大臣にお尋ねしますけれども、先ほどからのお話で答えはわかっているようなところもございます。しかし、中学生に説明するような気持ちで答弁いただきたいのですが、要するに核はよくない、廃絶したい、非核三原則を日本は持っている、しかし現実的にはアメリカとの日米安保条約でアメリカの核抑止力を使って日本が繁栄もしてきたし安定的な政治的基盤も得てきた、これはある意味では自己矛盾だろうと思うのですよ。 それは大人のセンスで、そして現実にというような言葉で先ほどから説明しておられますけれども、そこを優しく丁寧にきちっと中学生にもわかるように説明されて、来年度の社会科の教科書にも載るぐらいの名言をひとつ私にもわかるようにぴちっと言っていただけないでしょうか。
○政府委員(佐藤行雄君) ちょっとその前に事実関係を一つ申し上げさせていただきたいと思います。 我々が一番物事のよしあしを明確にするとすれば、核の脅威が悪いのであって核の抑止力が悪いというわけではないと私は思っております。核の脅威がなければ核の抑止力も必要はないのだろうと思います。その意味において我々は、想定されるあるいは潜在的と考えてもよろしいのかもしれませんが、地上に核兵器が存在していて、それから脅威が、その核が我が国にとって脅威となり得ることが想定される状況のもとにおいて、みずからが核兵器を持つことによってそれに対抗するのではなくて核の抑止力という力をかつてみずからに安心感を求めるという政策をとってきているわけであります。 したがって、核の抑止力は非核三原則を持っている国であるからこそなおさら必要であったということでありまして、お話を伺っていますと何か核抑止力そのものが悪いような印象を受けますけれども、あるいは理想的に言えば抑止力というものも必要悪の分野があるのかもしれませんが、もともとは核の脅威の存在ということが悪いことでありまして、だからこそ我々は安全とのバランスをとりながら究極的な核の廃絶を一方で目指しているわけであります。 そして、みずからについては非核三原則という世界でも先進的な政策をとって、みずからは核は持たないという政策をとり、ただ安全保障の関連でアメリカの核抑止力に依存するという政策をとっているということでございますので、私はこの三つは決して矛盾していないと思っております。
○高井和伸君 大臣に答弁していただく前に、核があることがいけない、核の脅威が一番悪だとおっしゃいました。そういった概念はそれで結構だと思いますけれども、矛盾していないということはないと思うのです。核保有国に対してけしからぬと思っているあなた方が、核で他人をおどすのはいけませんよと、こういうことを日本は核の保有国に対してアメリカを例外にせずに言い続け、そのような要求をする、そういう政策をとられましたか。
○政府委員(佐藤行雄君) 我々は、核の廃絶は究極の目標であるということについては相手の国に区別なく言っているわけであります。 ただ同時に、東西冷戦の現実のもとにおいて、みずからの安全保障との絡みにおいてアメリカの抑止力に依存する。また、今後の世界においても核の脅威があるいは核兵器というものが存在している限り、我々がその核兵器を持たないで安全を確保する上では抑止力の意義というものに価値を見出していかざるを得ない、そういう状況だろうと思います。
○高井和伸君 今の議論は簡単に言えばコロンブスの卵みたいな話でございまして、どっちが先かというだけの話なのです。そこはちっとも美しくもなく哲学的でもなく倫理的でもなく人間性もないという、単なる力と力、パワーの世界だけでありまして、人間の生存の美しさは全然出てこない。その理屈は聞いている私もわかりますよ、理屈としては。しかし、卵でいうと無精卵のような発想でございますよ。 そういうことを含めて、大臣、先ほどのお答え、今、大分議論しましたので、来年の社会科の教科書に載るような名言をひとつお願いします。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 今までは、女房の持っている創業は薬だけれども、争っている別な女性の持っている創業は毒だというような発想かもしれませんね。 しかし現実があって、レーガン大統領は、我々は宇宙の開発でソ連におくれているというようなことでいろいろな点で軍事費に金をたくさんつぎ込んだと、バランス・オブ・パワー、そういう仲にならなければ軍縮に至らないというような意味のことを言ってきましたしやってもきた。しかし、最終的にはどっちもくたびれちゃって、そこで大陸間弾道弾の削減をやろうじゃないか、中距離ミサイルの削減をやろうじゃないかと言い出して、ある時期が来てゴルバチョフとレーガンが握手をしてこれは成功したわけですね。これはどっちが先にやるかというのじゃなくてお互いに減らそうじゃないかという利害の一致を見たからなのですよ、利害の一致を。ですから、その意味においては北米局長の言ったことも私は当たっていると、そう思うのですね。 私は、ロシアに行ったときも言ったのですが、幾ら地球を三回か五回殺すだけの核爆弾を持っておったといっても私は脅威と思わない、使い道がないじゃないですかと。チュルノブイルの発電所の方がよっぽど怖いよ、現実に使っているのだから。しかも、安全だと思ったものが爆発して、そのことの手当ての方が先じゃないですかというようなことも言ったこともいろいろございます。 しかし、現実に核は大きく扱ったら人類の破滅だということはだれもがわかってきておるわけなので、いい潮どきでありますから一層核の削減、核兵器の削減ということで国際的な協調をし、日本などはもっとリードしたっていいと思うのです。 そういうようなことで、通常兵器の登録制から始まりましたが、だんだんにスピードを上げていって、ころ合いを見ながらみんなが同調できるような雰囲気づくりをやりながら私は理想に向かって努力を続けたい、そう思っております。
○高井和伸君 期待いたします。 続きまして、アジア=太平洋郵便連合の条約についてお尋ねします。 まず外務省に、こういったアジア・太平洋とのブロック的な関係というのが非常に重要だろうと思っておりますが、アジア・太平洋というような地域的な面での外交政策というのはどうなっているのでしょうか。
○政府委員(谷野作太郎君) 大変広い地域を念頭に置くわけでございますけれども、御案内のように、国際社会が非常に変革期にありまして、この地域におきまして日本の果たすべき役割というのは単に経済分野にとどまりませず、カンボジア等の問題に示されますように、政治の面でも非常に増大してきておると思います。 このアジア・太平洋地域と申しますのは、御案内のように、世界で大変活力のある経済発展を続けておるわけでございまして、日本といたしましてもこの地域のいろいろな国に対しまして引き続き二国間の協力、あるいは最近ではAPECという多数国間の協力の場もできましたけれども、そういった場を通じて積極的に支援、協力を進めてまいりたいと思っております。 個別の問題には入りませんものの、例えばカンボジアの和平に対する日本の貢献、協力ということもございましょうし、朝鮮半島の平和と安定に向けての協力ということもございましょうし、それからせっかく中国が懸命に進めております改革・開放への努力、これに対する精いっぱいの支援ということもございましょうし、ASEANの諸国の国づくりに対する協力ということもございましょう。いろいろな多方面にわたる協力をこれまでもしておりますし、今後も引き続き積極的に行っていかなければならないと思っております。
○高井和伸君 続いて、郵政省にお尋ねしますけれども、この条約への参加、この条約の存在によって郵便の行き来という実態はどれほどのものかということが一つ。 もう一つは、聞くところによりますと、このAPPUに対する日本国の平成三年度の予算では六十九万円ぐらいの支出しかしていないというようなこと、そして中央事務局には職員が非常勤を含めて四名しかいないと、こんなようなことも聞いております。そういった面で今後のAPPUに対する日本の郵政省、非常に郵便の世界では先進国というふうに理解しておりますが、どのような力をこれから入れていかれるおつもりか、期待を含めて質問させていただきます。
○説明員(大橋郁夫君) APPU加盟国あての平成二年度の通常郵便物でございますが、大体三千三十一万通ございます。また、小包は八十一万個、国際ビジネス郵便、EMSと称しておりますが、これが約八十四万個ということになっております。一方、APPU加盟国発我が国あての通常郵便物は二千四百七十五万通、小包は六十一万個、EMSは約四十八万個という現状になっております。これは我が国の全世界あての国際郵便物の発着総交換物数の約一九%を占めておりまして、地域的にも非常に大きなウエートを示しておると考えておるわけであります。 先生も御指摘がございましたが、国際郵便のネットワーク性と先ほど申し上げましたこのアジア・太平洋地域の重要性にかんがみまして、またアジア・太平洋地域における先進国ということで、郵便分野においてもその発展のために貢献するということが我が国の国際的責務と考えております。 これまでアジア=太平洋郵便連合の人材育成機関でありますAPPTC、アジア=太平洋郵便研修センターへの資金拠出による貢献とか専門家派遣による貢献を行ってきておりますほか、韓国、タイ、フィリピン、インドネシア及び中国といった国々の間で職員交換研修を実施しておりまして、当該国の郵便業務の改善の一助としておるわけであります。 今後とも域内の郵便ネットワークの整備、改善を図る上でAPPUの役割が非常に重要であると考えておりまして、先ほど御指摘をいただきました点を踏まえまして、予算の拡大とか中央事務局機能の強化につきましても他の加盟国と協力をしつつ今後とも努力をしてまいりたいと考えております。
○高井和伸君 続いて、運輸省にお尋ねします。 今度は船荷証券に関する統一条約の問題でございます。今回の批准に至るまでかなり年限がかかったのは海運企業に過大な負担がかかるというようなことでございましたけれども、この実態は大体どんな経緯だったのでしょうか。
○説明員(淡路均君) 経済的な負担という点につきましては、本議定書による規定では責任の限度というのが、一計算単位当たり六百六十六・六七倍の金額があるいは総重量につきまして一キログラムにつき一計算単位の二倍を乗じて得た金額のうちいずれか高い金額を限度とする、こういうことにされております。 問題は、この重量を計算単位とした責任の限度が高くなり過ぎはしないか、こういうことで船社が懸念を有していたようでありますけれども、その後、主要海運国、英国、フランス、北欧等がこの議定書を締結したということ、そのほか定期航路を中心にコンテナが著しく進展したという状況を踏まえまして、一九七九年議定書作成の時点では若干消極的な面もありましたけれども、今は積極的にこれを締結してほしい、こういう要望を外務省にしております。
○高井和伸君 あと、法務省にお尋ねしますが、この船荷証券の統一条約改正の批准に伴って国際海上物品運送法の改正が行われます。その中で特に一つだけわかりやすく御解説願いたいのですが、運送人などの不法行為責任の減免ということで今回の法改正が行われるようでございます。もちろん条約の改正の中身でもあるわけでございますけれども、この中身を少し易しく御説明願えないでしょうか。
○説明員(森脇勝君) お答えします。 一九二四年条約、これが当初の条約でございますが、この条約によりましてもまた現行の国際海上物品運送法によりましても、これは運送契約にのみ適用されるものであるということにされているわけでございます。したがいまして、運送人の不法行為責任には契約責任の場合に認められる責任の免除ないし軽減の規定が適用されない、こういうことになるのが現状の規定でございます。 運送人に対する同じ損害賠償責任について、日本におきますように契約不履行によるか不法行為によるかの請求権競合を認めますと、その結果として結論が異なってくる、こういうことになるわけで、これは極めて不合理な結果となりますので、一九六八年議定書により運送人の不法行為責任についても契約責任の免除及び軽減を定めた規定を準用して契約責任と同様の免除、軽減を認めることにしたわけでございます。これが今回の国内法の改正法の二十条の二第一項の部分でございます。 また、一九六八年条約、同じ一九六八年議定書でございますが、ここにおきまして、船長、船員などの運送人の使用する者の不法行為責任についても運送人の責任と同様の減免を認めることとしたわけでございます。これを国内法に反映したものが改正法の二十条の二第二項、三項でございます。 これの趣旨でございますが、運送人の責任には減免を認めながらその使用人にはこれを認めないとすることは両者の間に均衡を欠くことになる。また、使用人の負担でございますが、この部分は事実上運送人に転嫁される可能性があるわけです。といいますのは、運送人にとってみれば優秀な使用人を確保するためには使用人がかぶることになる損害賠償をてん補してやる、こういう関係が生ずるわけでございます。したがいまして、使用人にも責任の減免を認めないと運送人に責任の減免を認めた趣旨を没却する結果になる、こういうことがこの規定の趣旨であろうというふうに考えております。
○高井和伸君 ありがとうございました。 終わります。
○猪木寛至君 既に船荷証券あるいは郵便については質問が出ましたが、二、三ちょっとお聞きしたいと思います。 一つは、単純に船荷の料金について、国により、あるいは距離が長いのにもかかわらず安かったり、そういうことがあると聞いておりますが、これについてお伺いしたいと思います。
○説明員(淡路均君) 今、先生御指摘の海上運賃が地域、行き先によって差があるのはなぜかと、こういうことかと思います。 海上運賃の決め方は運航コスト等を基礎として算定いたしますけれども、運航コストは航路、航続距離、それから投入する船舶の大きさ、荷動きの状況とか一律じゃありませんので、そういったものを勘案しながら算定いたしますので、当然格差は生じてまいります。
○猪木寛至君 先ほども説明がありましたが、条約の対象となる海上運送契約の範囲の拡大ということで、過失責任原則の維持のもとにおける延着責任の明定や堪航能力責任規定の不存在等、運送人の責任強化、ここで運送に際して、これは私も一つ体験があるのですが、最近はカタログ販売やあるいは並行輸入というような形で個人がそういう物を向こうへ発注をしたときに、実際に着いてみますとその物が壊れていたり傷がついていたり、そういうような場合この物についての補償というのはどこが持つのでしょうか。
○説明員(淡路均君) 海上運送の過程で船荷が損傷した場合に責任がどうなるかと、こういうことかと思います。 当該船荷の取り扱いについて、例えば積みつけ、どこに荷物を積むかとか、そういう貨物の取り扱い方法等に不備があった場合には、当然これは運送人があるいは船社と言ってもいいかもしれませんが責任を負うということになろうかと思います。ただ、荷物を送る側の荷送人の方の例えば街づくりとかそういうところに不備があるという場合とか、例えば台風とか不可抗力の場合は、運送人に瑕疵がないということが証明されれば運送人は責任を負わないと、こういうことになろうかと思います。
○猪木寛至君 この荷物は、渡しは港から港ということですね。そして、それは港からまたオーダーした手元へとこれは陸送されるわけですが、そのときに傷がついたときの責任というか、多分これはどちらが傷つけたのだという責任逃れがあると思いますが、その場合のトラブルというのは現在ありませんか。
○説明員(淡路均君) 具体的なケースについて今把握しておりませんが、あり得ると思います。その場合、戸口から戸口まで運送を請け負った場合は、一義的にはお客様に対しては最初に請け負った方がすべて責任を負うという形になろうかと思います。ただ、それが船で運んでいる間に事故が起こったということが明らかになれば、それは運送人同士の間の内部求償の問題になろうかなと、こう思いますが、具体的なケースに即して判断されるということになると思います。
○猪木寛至君 もう一つお伺いします。 例えばオーダーしたものが全然見本と違ったものが届きました、それは要りませんということで送り返さなきゃならない場合のこの送り返し賃というのでしょうか、これはどこが持つのでしょうか。
○説明員(淡路均君) 一般的にはそれは何というか、荷物に傷があるなしにかかわらず、あるいは運送人の責任のあるなしにかかわらず、返送される場合は大体、例えば往航といいますか往路の場合の半分ぐらいの値段でサービスとして返品させていただいていると、こういうのが現状でございます。
○猪木寛至君 郵便連合条約について一つお聞きしたいと思いますが、先ほど同僚委員からも質問がありました。私もブラジルの方にいたときに、これは大分古い話になりますが、特に途上国に手紙を出した場合なんかはほとんど着かないケースが多いというか、出す方も余り信用していなくて出している場合があって、万が一着きゃいいだろうなんてことで。 もう一つは、最近の旧ソ連の中での状況を見ますと、先ほどモスクワから東京に着くのが大体七日から八日ということが出ておりましたけれども、逆に日本から出したときに向こうの国内整備ができていないということで、私の聞くところでは向こうへ着いてから一週間、十日というのはざらだよという話を聞いたのですが、ここについてはどうでしょう。
○説明員(大橋郁夫君) まず第一点の国際郵便が着かないということをよくお聞きになるということでございますけれども、我が国の郵便事業は、御承知のように、極めて質の高い郵便サービスを提供しておると自負しているところでありますけれども、国際郵便についてはその性格上、相手国に着いてからは好むと好まざるとにかかわらず相手国郵政庁の取り扱いに依存しなければならないという仕組みになっております。したがいまして、国際郵便を安定かつ確実にサービスが提供できるようにするためには、自分の国のサービス水準のみではなく相手国のサービス水準を高めることも必要であると考えておるわけであります。 国際郵便のサービス水準を高くし、郵便が着かなかったり遅延したりすることがないよう我が国としても各国に対して、一昨年御承認をお願いいたしました万国郵便連合の条約を基本にしております万国郵便連合というのがございますが、この万国郵便連合の会議とか、今回御承認をお願いしておりますAPPUの会議の場等を通じましてサービス水準の向上を呼びかけておりまして、国際郵便の品質の維持向上に努めておるところでございます。 なお、先生御指摘の不着の件につきましては、そのUPU条約におきまして調査請求という制度が定められておりまして、お客様からの申し出によりまして引き受けから配達まで全ルートを調査できることとなっております。ちなみに、平成元年度の我が方の統計によりますと、国際郵便に関する調査請求件数は大体二万三千件ほどありますが、これは外国あての平成元年度の国際郵便の通数が一億二千万通ございますので、国際郵便全般からしますれば〇・〇二%ということで非常に少ない数字ではございますけれども、先ほど申し上げました途上国などに関しては、着かない場合がないわけではないということでございます。 それから二点目の御質問でございますが、ロシアを初めとするCISの国々あての送達日数でございますけれども、東京からモスクワまでは航空通常で大体九日から十一日までかかっております。船便の通常はモスクワまで四十五日から五十日という状況でございます。一方、東京からモスクワよりもはるかに近いハバロフスクは十四日から十六日、航空便でかかっておりまして、実はこれはロシア共和国を初めとするCISあての送達がモスクワ中心といいますかモスクワで中継しております関係上、モスクワまで一たん行って陸路をまた戻ってくるというようなCISの送達の方法になっておりますのでこれだけの日数がかかっております。ちなみに、船便で行きますと、東京-モスクワは先ほど四十五日から五十日と申し上げましたが、東京-パバロフスクは二十五日から三十日で着いております。 午前中の御質問にもございましたが、CISの各国の郵便に関する国内事情をまだまだ我が方も十分承知していないという点もございまして、まずCISの各国の郵便のサービスについての国内事情を知ることが先決ではないか、十分現状を把握した上で日本としてできる協力をしていきたい、かように考えております。 以上でございます。
○猪木寛至君 昨日、私の机の上に「経済協力参加への手引き」という本が来たのですが、その前に、実は前々回の委員会でトルクメンについてちょっと質問をさせていただきました。できるだけ早く外交関係を結んでほしいというお願いをしたわけですが、ちょっと先ほどニュースが入って、近々そういうことになりますということが入ったのですが、ちょうど兵藤局長おられるので先に聞いておきたいと思います。
○政府委員(兵藤長雄君) 前々回の猪木先生のいろいろな御指摘もございまして、今最終的な外交関係設立のための文書の詰めというものを行っているところでございまして、できるだけ早くそのような方向で実現したいと考えております。
○猪木寛至君 具体的な日にちはまだ出ませんか。
○政府委員(兵藤長雄君) まだいついつという日にちまで設定されたというふうには報告を受けておりません。
○猪木寛至君 この本の中にありますが、「わが国の援助が一層積極的な役割を果たすべきであるとの期待が、国際社会から求められている」ということで、特にきょうは無償援助ということでちょっとお伺いしたいと思います。 この二十ページに書いてあるのですが、NGOの自己資金を国民一人当たり負担金で見れば、米国九・ニドル、ドイツが十一・三ドル、カナダが八・四ドルであるのに対し我が国の場合は〇・九ドルにすぎず、国民の一層の支援が望ましいということが書いてあります。アメリカの場合はたしかボランティアはあれは幾らですかね、四千五百億円ですか、前にちょっと質問させてもらったのですが、それに対して日本は百分の一ぐらいということだったのです。このボランティアの余りにも格差が大きいのは、最近NGOというのはもう新聞に出ない日がないのですけれども、実際に国民のレベルでNGOということを理解している人がまだまだ少ないのじゃないかなと思うのです。 そういう意味で、外務省としても相当広報をやられておると思いますが、その辺についてちょっとお話をお伺いしたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) 御指摘のNGOの日本における活動規模、国際比較といったような観点の御質問でございますけれども、確かに日本の場合はNGO、いろいろな歴史的な経緯もあると思います。キリスト教の伝統というようなことで西欧諸国はNGOの活動がもともと活発であったということがあると思いますが、一般的には数は最近ふえてきておりますけれども、まだ活動の規模、レベル等が十分ではないということがございます。 我々といたしましても、経済協力を行うに当たりましてODAとNGOとの連携といった観点には意を用いておるつもりでございます。NGOいろいろな団体があって、そのボランティア性というのは当然のことながら尊重しなきゃいかぬわけですけれども、そういう中においてもできるだけODAと提携していろいろなことをやっていく、その過程においてODAを御理解いただき、我々としてもNGOを理解するという努力を行うということはやっているつもりでございます。まだまだ努力が足りない点もあろうかと存じますので、この点、御指摘を踏まえて一層頑張ってまいりたいというふうに思っております。
○猪木寛至君 無償援助に関して、一般無償援助、水産無償援助、文化無償、災害緊急援助、食糧援助、それから食糧増産援助と、これは六項目ですかあるのですけれども、その実施の仕組みということで大変ややこしいというか、援助要請案件の審査、それから政府部内の協議、閣議決定・交換公文交渉・署名、それから実施に当たって交換公文の署名の後、契約の締結と銀行取り決め、契約の認証というのでしょうか、契約履行と支払いというか、こういうようなことです。 私も前にもお話ししたことがありますが、ブラジルにおける今ワシントン条約にかかっておりますライオンタマリンというもの、この本当に小さなお猿が九年間生息地が燃えていましてもう絶滅寸前だと。これはどういう補償のあれになるのでしょうかね。災害緊急何とか、自然何とか、そういうような中でぜひ日本に協力してほしいというような話が向こうであったのですが、実際には正式な要請がなかったというふうに聞いております。 〔委員長退席、理事山岡賢次君着席〕 このような手続の状況というのは、例えば本当に応援してもらいたいと、これは援助というのは必要なときに必要なものが必要なだけそこに援助が行かなければ意味がないと思うのです。ここにも実施に当たって「援助効果の確認まで通常数年を要する」ということが書いてあります。 大体、文化無償なんていうのは小さな何かすぐに応援してもらいたいというような案件が多いと思うのですが、こんなに時間かかったらどうなのでしょうかね。
○政府委員(川上隆朗君) 御指摘の点でございますけれども、一般論としまして、援助の決定過程それから実施の過程が迅速でなければいけないということについては御指摘のとおりだと思います。ただし他方、国民の税金でございますので、適切に効果的効率的に援助を実施していく、そのために一連の過程が必要であるということも御理解いただけるのではないかと思います。 今の援助のいろいろな種類によりまして、もちろん災害緊急援助といったようなものは災害が起こったらその次の日あるいはその次の日といったようなことで決めなきゃいかぬ、これは言うまでもございません。そういう場合の迅速性というのは我々の仕組みでも担保されているというふうに思っております。 今、先生御指摘の調査の点でございますけれども、やはり調査というものは迅速にやって一定の結論を出すということはどうしても必要だと思います。数年かかると今おっしゃいましたのは、これは実際に援助を供与した後の効果が出てくるまでという一般的な意味でございまして、援助実施までにそれほど時間がかかるということではございません。当然のことながら単年度予算のもとで実施しているわけでございますから、その年あるいはその次の年ぐらいには通常の無償資金協力は実施されているというふうにお考えいただいてよろしいかと思います。
○猪木寛至君 もう一点だけお伺いします。 旧ソ連体制から独立したトルクメンもさっきの国の一つに入るわけですが、これから当然またそういう援助を必要とする国が現実にあるわけです。そういうことがまた援助の対象になってくると思うのですが、それについてはどういうお考えですか。
○政府委員(川上隆朗君) 旧ソ連、CISの諸国についてのお尋ねでございますけれども、先生御案内のとおり、CISの諸国は今の時点でいわゆるDACのリスト、途上国のリストに載っていないわけでございます。したがいまして、今のところ狭い意味での政府開発援助、ODAの対象にはなってないという状況でございます。 〔理事山岡賢次君退席、委員長着席〕 これらの国がそういう意味で一般的に途上国というカテゴリーに入るのかどうかということにつきましては、それらの国自身のお考えもおありと思いますし、それから我々がある客観性を持ってそういうデータに基づいて判断する必要があるという点もあると思います。これは例えば国際金融機関、IMFなんかが今調査しているという状況でございます。そういうものの調査結果なんかを待ちながら、また彼らの希望も聞きながら、こういう国がいわゆる援助の対象国になるのかどうかということについて我々としても検討してまいりたいというのが一般的な姿勢でございます。
○猪木寛至君 ありがとうございました。 もう一つ、ペルーの問題について今度は質問をさせていただきます。 OAS臨時外相会議というのが十三日にワシントンで行われたと聞いておりますが、その中の要旨が来ております。今回ペルーで発生した事態に強い遺憾の意及び極めて強い懸念を表明するというところがあるのですが、これは外交上の表現としてはどうなのですか。例えば今回リビアの制裁とかとありますが、そういうような強い表現、これからの動向を見なきゃわかりませんが、外交上の表現というのはまだ私もよくわかりませんので、私どもで聞いた部分では、非常にこれは言葉は強いのですがやわらかい表現ではないかということを聞いております。
○政府委員(寺田輝介君) 御質問の点でございますが、確かに十三日に採択されましたペルーの民主主義回復支持決議の冒頭に、このペルーの事態に強い遺憾の意、懸念を表明するというくだりが御指摘のようにございます。その部分だけをとりますと非常に強いトーンであるということは確かにそうでございますけれども、しかし全体の決議を見ますと、そういう懸念を表明しながらもやはり一定の措置を求めるといいますか、ほぼ常識的な内容の決議になっているというふうに私どもは考えております。
○猪木寛至君 今回、最初にアメリカが遺憾の意を表明いたしまして、一方で日本大使館は割と理解できるという表現をしておりました。通常日本の外交というのは割とアメリカに追随するケースが多いのですが、今回は割と異なったというか日本独自の方向性を出していると思うのです。これはひとつやはりフジモリ政権を支えていこうという理解度の表現でしょうか。
○政府委員(寺田輝介君) ただいま先生の御指摘のあったような表現ぶりといいますのは、一部新聞にも報じられましたことは事実でございます。ただし、必ずしもすべてが伝えられておるわけではございません。 一つは、フジモリ大統領が今回このような強い措置をとらざるを得なかったというそういう背景、そういうものに対しては理解をしたという点が第一点でございます。しかし、憲法を超える強い措置をとったということについては残念に思うという点が第二点でございます。さらに私どもとしましては、可及的速やかに民主化のプロセスをたどうてほしいということも述べておるわけでございます。 その意味におきましては、五日に非常措置が発表されまして、二日後の七日にペルーのブラッケル外務大臣がペルーにおきます外交団に対しまして事態正常化へ向けての計画を発表しております。これは私どもは民主的な正常化への一つの道筋を示したものだというふうに受けとめておるわけでございます。
○猪木寛至君 南米というところはある意味ではアメリカ的な民主主義でははかり知れない部分があるのではないかと思うのですが、アメリカというのは既にもう民主主義が確立されてそういうものが十分に機能している世界である。ただ、その民主主義へ向けて今歩みつつある国の中ではまだまだいろいろな問題があります。 例えば今回、センデロ・ルミノソ、ここに数字が出ておりますが、過去十一年間で二万五千人、そういう全く関係のない者を殺してきている、こういうテロ行為というもの、あるいはまた三権分立の中で大統領としてそういう者を司法の手で裁きたいとしても司法が汚れてしまっているという状況の中では、せっかくそういう者を捕らえたとしてもまた刑期途中で釈放されてしまうというようなことがきょう向こうからのニュースで入ってきておりますが、そういう部分。 実際に行ってみますと、ペルーはペルーの事情がありますよというペルー側の言い分を私は聞いた上で、そうすると今ペルー側から要請しておりますOASのメンバー国、常任オブザーバー国及びすべての国に対して、引き続きペルーの事態を検証し、ペルーにおける民主体制の再建ペースを考慮に入れつつ、これをどうぞ見てくださいということで要請が上がっているようですね。 それで、きょうでしょうか、たしかウルグアイとアルゼンチンの外務大臣がもう既にペルーへ向かっているというニュースを私の方はちょっと得たのです、確かかどうかわかりませんけれども。そういう意味で、非常に事態を早く解決しようということ、もう一つはやはりペルーの現状を見た上で公正な判断をしていただきたいと思っておりますが、日本としては今どういう立場にあるのですか、この常任オブザーバー国として。
○政府委員(寺田輝介君) まず事実関係でございますが、ただいま先生より御指摘のございました米州機構の派遣するミッションでございますけれども、けさほど私どもがワシントンの米州機構事務局に照会しましたところ、ウルグアイのグロス外務大臣及びソアレス米州機構事務局長、この二名が来週二十日ごろに現地に到着するということでございます。 私どもとしましては、やはりこういう米州機構の十三日の決議に基づいて派遣されますミッションでございますので、その成り行きを外しまして最大の関心を持って見ておるところでございます。 他方、日本としましては、これは米州機構に対します限りオブザーバー国の一つでございます。したがいまして、今回も現地でもってこのミッションの動きを大使館を通じて見守っていく、こういうことになろうかと思います。
○猪木寛至君 最後に、やはり麻薬問題というのはアメリカ一国の問題でない、全世界的な問題でもあるわけですが、特に一番その影響というか被害を受けているアメリカとしても、これを麻薬撲滅という立場から、本来フジモリさんが独裁をねらって今やっているのでないとすれば、理解をもっともっとすべきじゃないかなという気がいたします。 そういうことで、引き続きひとつ十分状況を見ていただきながら、公正な部分であればぜひこれからも援助を引き続き続けていただきたいということをお願いして、終わりにしたいと思います。
○委員長(大鷹淑子君) 他に御発言もなければ、質疑は終局したものと認めて御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認めます。 それでは、これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 まず、アジア=太平洋郵便連合一般規則及びアジア=太平洋郵便条約の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大鷹淑子君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 次一に、千九百六十八年二月二十三日の議定書によって改正された千九百二十四年八月二十五日の船荷証券に関するある規則の統一のための国際条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の採決を行います。 本件を承認することに賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(大鷹淑子君) 全会一致と認めます。よって、本件は全会一致をもって承認すべきものと決定いたしました。 なお、両件の審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 ―――――――――――――
○委員長(大鷹淑子君) 投資の相互促進及び相互保護に関する日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約(第百五十九号)の締結について承認を求めるの件、両件を便宜一括して議題といたします。 政府から順次趣旨説明を聴取いたします。渡辺外務大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま議題となりました投資の相互促進及び相互保護に関する日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この協定につきましては、日・トルコ間の投資促進を図るための投資受け入れ環境整備の一環として、我が国との間で投資保護協定を締結することについてのトルコ側の強い希望を受け、昭和六十二年二月以来、両国政府間で交渉を行いました結果、平成四年二月十二日にアンカラにおいて、両国政府の代表者の間で署名が行われた次第であります。 この協定は、投資の許可及び投資の許可に関連する事項について最恵国待遇を相互に与えているほか、投資財産、収益及び投資に関連する事業活動に関する最恵国待遇及び内国民待遇、収用、国有化等の措置のとられた場合の補償、送金等の自由、投資紛争解決のための手続等について定めております。 この協定の締結により、我が国とトルコ共和国との間の投資の増加並びに経済関係の拡大及び緊密化が促進されるものと期待されます。 よって、ここにこの協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約(第百五十九号)の締結について承認を求めるの件につきまして提案理由を御説明いたします。 この条約は、昭和五十八年六月にジュネーブで開催された国際労働機関の第六十九回総会において採択されたものであります。 この条約は、障害者の雇用機会の増大及び社会における統合の促進を図ることを目的として、障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する国の政策を策定し、実施すること等について定めております。 我が国がこの条約を締結することは、障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する政策の分野における国際協力に寄与する見地から有意義であると認められます。 よって、ここにこの条約の締結について御承認を求める次第であります。 以上二件につき、何とぞ、御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○委員長(大鷹淑子君) 以上で趣旨説明の聴取は終わりました。 両件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後三時十一分散会 ―――――・―――――