外務委員会 第3号
- 発言数
- 205 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1992/04/07
会議録
○委員長(大鷹淑子君) ただいまから外務委員会を開会いたします。 去る三月二十五日、予算委員会から、四月七日の一日間、平成四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管について審査の委嘱がありました。 この際、本件を議題といたします。 まず、渡辺外務大臣から説明を求めます。渡辺外務大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 平成四年度外務省所管一般会計予算案の概要について御説明申し上げます。 外務省予算の総額は、六千二百十五億二千四百六十二万四千円であり、これを平成三年度予算と比較しますと、四百五十一億七千四百二万七千円の増加であり七・八%の伸びとなっております。 国際社会は、冷戦構造の崩壊という大きな変革を経験しつつあります。欧州においてはソ連邦が崩壊する一方で西欧諸国は統合に向けて協力を深めつつあります。アジア・太平洋地域では冷戦構造を乗り越えた新たな国家関係の構築が模索されております。その他の地域でも地域紛争の終結に向けた動きが見られます。 このように新たな国際秩序の形成に向けた動きが見られる中で、我が国は世界の平和と繁栄をより確固なものとしていくために幅広い分野で積極的に貢献していかねばなりません。我が国が昨年末の国連総会において安全保障理事会の非常任理事国に選ばれたのも、国連加盟国の我が国に寄せる期待の大きさを示すものであります。また、ブッシュ大統領訪日の際グローバルパートナーシップに関する東京宣言を発出したのも、我が国のこの重要な責務を認識したがゆえであります。同時に、我が国がこの責務を果たすことは、世界の平和と繁栄を目指す努力の中でより豊かな国民社会を形成していくために必要不可欠な道でもあります。 かかる観点から、我が国外交に課された使命は極めて重要であり、従前以上に強力な体制のもとで積極的な外交を展開していく必要があります。このため平成四年度においては、外交実施体制の強化と国際貢献策の充実強化の二点を最重要事項として、予算の強化拡充を図る所存であります。 まず、外交実施体制の強化に関する予算について申し上げます。 定員の増強につきましては、平成四年度においては百三十名の増員を得て、外務省定員を合計四千五百二十五人とする所存であります。また、機構面では、政策企画・調整担当官房審議官を設置するほか、在ホーチミン総領事館及び在デトロイト総領事館を開設すること等を予定しております。 さらに、在外公館の機能強化のために、在外公館施設等の強化及び危機管理体制の強化のための経費二百二十七億円を計上しております。加えて、情報機能の強化に要する経費として十八億円を計上しております。 次に国際貢献策の充実強化に関する予算について申し上げます。 国際貢献策の充実強化の四つの柱は、政府開発援助の拡充、平和のための協力の強化、国際文化交流の強化、そして地球的規模の問題の解決への貢献であります。 まず、平成四年度政府開発援助(ODA)につきましては一般会計予算において、政府全体で対前年度比七・八%の増額を図り、ODA第四次中期目標に盛られた諸施策の着実な実施を図るため、特段の配慮を払いました。このうち外務省予算においては、無償資金協力予算を対前年度比七・二%増の二千二百七十八億円計上しておりますが、その内訳は、経済開発等援助費が一千八百五十五億円、食糧増産等援助費が四百二十三億円であります。さらに、人的協力の拡充のため、技術協力予算の拡充に努め、なかんずく国際協力事業団事業費は対前年度比七・四%増の一千四百四十一億円を計上しているほか、援助実施体制の強化に努めております。 次に、平和のための協力の強化でありますが、新しい世界平和の秩序の構築のための国際協力を進めることが必要との認識に立ち、国連の平和維持活動を初めとする平和及び人道分野での国際機関などによる活動の支援並びにロシア連邦、東欧諸国等の改革を支援するため対前年度比二十億円増の百九十九億円を計上しております。 次いで、国際文化交流の強化でありますが、異なる文化間の相互交流を促進し、対日関心の高まりへの積極的な対応を図るため百七億円を計上し、国際交流基金事業の拡充強化及び文化協力の推進を図ることとしております。 さらに、地球環境問題あるいは麻薬問題といった国境を越えて国際社会に影響を及ぼす地球的規模の問題に取り組むため、国際機関を通じて積極的貢献を行うべく四十九億円を計上しております。 以上が重点事項を中心とした外務省関係予算の概要であります。よろしく御審議のほどお願い申し上げます。
○委員長(大鷹淑子君) 以上で外務大臣の説明は終わりました。 この際、お諮りいたします。 外務省所管平成四年度予算の大要説明は、これを省略して、本日の会議録の末尾に掲載することにいたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認め、さよう取り計らいます。 これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言願います。
○山岡賢次君 外務大臣におかれては連日御苦労さまでございます。きょうも江沢民総書記とのことで途中おでましになるそうでございますが。 そこで、昨日おいでになった江沢民総書記、天安門事件以来初めての中国の要人の来日でございます。新聞でもう報じられてはおりますが、いまいちはっきりしておりませんけれども、今回の訪日の目的というものはどういうものであるのかという点についてお聞きしたいと思いますことと、それから外務大臣は大臣におなりになる以前から中国通でいらっしゃるわけでございまして、日本国の中国問題に関するナンバーワンでいらっしゃるのではないかと、私はそう認識をしているのでございますが、今後の中国問題についてどんなふうに進めていこうとお考えなのか、あわせて承りたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 去年の八月、海部総理が訪中をされた折、江沢民総書記を招待されたのに始まりまして、ことしの一月私が訪中いたしましたとき、日中のトップが日中問題のみならず激変する世界情勢について忌憚のない意見の交換をすることが重要である、そう考えまして重ねて御来日の要請をいたしました。 これは言うまでもなく本年は日中国交正常化二十周年でございます。これを記念していろいろな行事が行われます。また同時に、一つの節目として日中両国の善隣友好関係をさらに推進するということが重要でありますので、そのような考え方を持ち江沢民総書記が来日をされました。特に江沢民総書記は、過去のことだけでなくて、そういうものよりももっと大事な未来に向かって日中両国が相提携をしていくことがアジアの平和のみならず世界の平和安定にもつながるものと思うというようなこともおっしゃっておりました。 私は中国通ではありませんが、何と申しましても日中両国は一衣帯水のもとにあって長い長いもとをただせばいろいろな行き来交流、文化も含めたものがあるわけでございます。それがいろいろな戦争の苦い悲しい経験もありましたが、やっと二十年前に国交正常化ができてそれで一つの原則が打ち立てられ、それによって友好増進をしていこうということになったわけでありまして、曲がりなりにも日中関係は年々よくなってきた。そこにきて中国側はさらに経済の改革・開放を進めて部分的ではありますが市場経済を取り入れていくというようなこと宣言われ、今回またさらに一層の改革・開放を進めるというようなことでございますし、米中関係もどうしても改善の方向で両者努力するというようなことでもございますしするから、私はここで日中関係を一層深めていくことが必要だと、そのように考えております。
○山岡賢次君 承りましたように、総書記の方、中国の方も未来を志向する、こういうことであるということですし、また隣国の大国ということもそうですが、ソ連が解体をして中国が改革・開放の方向、こういうことできちっと進んでいく上においても日中関係をひとつ軌道に大臣の手で、大臣の手でと言ってはちょっと語弊がありますが、日本国の対中問題第一人者として、また日本の代表といずれおなりになるお立場として、しっかりとお進めいただきたいと思います。 先にトピックスをちょっとお聞きしておきたいと思うのですが、四月五日にイランのイラクヘの空爆があったわけでございます。これはイラン・イラク戦争以来初めてでございます。現状についてはよくわかりにくいのですが、どういうことであって日本はどんな対処をしようとしているのか、承りたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 現状は担当局長から説明をさせます。
○政府委員(小原武君) 去る五日のイラク外務省発表によりますと、同五日、八機のイラン空軍機が国境を越えてイラク領内、国境から約九十キロのところにありますアル・カリスという市の近辺を四回にわたって攻撃したとされております。その際、イラン機一機が撃墜され、パイロット二名が捕虜になったとされております。また、イラク側はこの事件を国連事務総長及びアラブ連盟に通報し、対イラン措置を要請したと報ぜられております。 他方、イラン国営通信もイラン軍部筋を引用して伝えておりまして、四日のイラン反体制武装組織のムジャヒディン・ハルクと言われます団体のイラン領内村落への攻撃に対する報復として五日イラク領内の基地を攻撃したと伝えております。
○山岡賢次君 今後の日本の対処の予定については。
○政府委員(小原武君) 我が国といたしましては、事態の悪化を招かぬように両国に対して自制を求めてまいりたいと考えております。
○山岡賢次君 イラクのクウエート侵攻以来話題がイラクの方にずっと向いたわけでございますが、その前にはイラン・イラク戦争があったわけですね。我が国の立場はある意味では複雑というか、等距離に近い立場であったかもしれません。が、EC諸国というのはどちらかといったらイラクを支えた、特にアメリカ側であるわけでございます。 そこで、また新たなイラン脅威論。とかそういう問題はいかがでございますか。新たなイラン脅威論、こんなものがまた起きてきているのですか。
○政府委員(小原武君) イランのイラン・イラク戦争以降の行動を見ておりますと、徐々に国内の体制を整えまして国際社会に復帰するという動きを一貫して示してきております。 そういう中で、近隣の湾岸諸国、次いでアラブ諸国、さらには西側諸国との関係を改善し、そして国内の建設に向かうという方向を一貫して追求しておりまして、私どもとしましてもその方向に向かってイランとの対話と協力を進めていくということで対応してきているわけでありますが、この方向自体は変わらないものと現時点では判断しております。
○山岡賢次君 そうすると、単なる反政府組織に対する報復と、今の段階ではこういうことだというふうに認識しておればよろしいわけですか。そういうふうに認識しているわけですか。
○政府委員(小原武君) この事態の進展についてはなお注目する必要はありますけれども、両国間の対立状態の激化というような方向には向かわないのではないかと。国際社会としてもそうならないように対応していかねばならぬと考えております。
○山岡賢次君 次に、CISに対する援助問題についてお尋ねを申し上げます。 ブッシュ大統領とコール・ドイツ首相が発表した包括的なCIS支援のパッケージ、この内容について先に御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(兵藤長雄君) ブッシュ大統領が四月一日に発表いたしましたCIS支援策は幾つかの、項目から成るわけでございますが、まず金融面におきましては為替安定化基金、総額六十億ドルを挙げられたわけでございますが、創設作業へ積極的に参加するということ、それから一九九二年のロシア経済安定再構築のための努力に対する金融支援、総額百八十億ドルという数字を挙げられたわけでございますが、を整える作業への参加、さらにIMF増資百二十億ドルのコミットメントの実行といった点を挙げられたわけでございます。 第二に、今年、自由支援法案というものを議会に提出をしたいということで、その具体的な内容といたしましては人道支援の拡大あるいは核関連事故、核拡散の防止のためのいろいろな諸施策、その中には昨年承認済みでございます五億ドルの使途をさらにいろいろな面で使えるように拡大するという内容が含まれているわけでございます。そのほか東欧民主制支持法という法律があるわけでございますけれども、これを旧ソ連、CISを含むことにできるように改正したいといったような点が含まれていると承知をいたしております。 さらに、農産物につきまして新たに十一億ドルの米国産農産物購入用の信用保証を供与するという意図を表明された。 主要な点を申し上げれば以上のようなことかと存じます。
○山岡賢次君 外務省の斉藤審議官が四月一日に訪米をされたわけでございますが、一言で言えばその目的は何で、日本と米国の間での意見の相違があるのかということなのですが、伝聞によればこれはアメリカのかなりのイニシアチブによって先行している話であるとかいろいろあるというふうにも伺っておりますが、その点何か意見の相違等々がおありになるのでしょうか。
○政府委員(兵藤長雄君) 外務審議官は米国初め主要国とはかなり頻繁に往復をいたしまして意見交換をしているわけでございますけれども、斉藤外務審議官は、三月の下旬にコズイレフ外相が参りまして渡辺外務大臣との間で日ロ外相協議、第一回目の平和条約交渉を行ったわけでございますが、そういうことも踏まえ、さらにまさにモスクワでは人民代議員大会が始まるということで、もともとワシントンに参りまして米国政府とこの日ロ平和条約交渉の結果も踏まえていろいろ意見交換をすることになっておりました。そこにたまたま一日に、今、山岡先生御指摘のブッシュ大統領のスピーチもございましたので、若干予定を早めてワシントンに参っだということが実態でございます。 そこでCIS政策につきましての日米間の幅広い意見交換というものを行って、基本的にエリツィン大統領の推進をいたしております自由経済、民主主義導入の努力をG7としても引き続き支持していくということで、そのいろいろな意見交換の中で米国との間に意見の相違があったということはございませんでした。これからも十分に協力をしながら当たっていこうという確認をして帰ってまいったところでございます。
○山岡賢次君 支援の内容の二百四十億ドルはG7で合意があったあるいはなかったと、こういう話も伺っているのですが、その辺についてはいかがでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは私もシェルパに確認をしたのですが、はっきりした合意はないがそういう話は出たと。六十億ドルの為替安定基金、ルーブル安定基金が必要だという話と、それからあとロシアがソ連の債務を全部継承するとすれば年間どれぐらい利払いを含めたお金が足りなくなるのかと。全額百七十億ドルぐらいか。あるいはその六割ぐらいであとはその他の共和国、独立国が分け合うとすれば、六割ぐらいをロシアが持てばいいわけですから、そうすれば百二十億ドルぐらいかなという話が出たということですが、二百四十億ドルというのは恐らくルーブル安定基金プラス年間のロシアの貿易のアンバランスの穴埋め、利払いその他ということだろうと。中身がよくわからないのです。 アメリカなどが言っているのも、その中に信用供与が入るのか入らないのかと。保険ですからね、これは。お金を貸すわけじゃない。信用供与の保険の方まで入るのか入らないのかというような詰めが実際のところはっきりまだわかっていないというように私は認識をしております。
○山岡賢次君 CISの支援については、これはもう世界的な問題であって非常に重要である、特に先進諸国にとっては世界の平和ということから考えても極めて重要で意義あるという認識はもちろん当然のことでございますが、特にアメリカの立場、またドイツはいろいろ深く東ドイツの問題でかかわってまいりました。日本も当然その一員であることには間違いないのですが、このブッシュ大統領、コール首相の発表した内容について、日本の立場として外務大臣の見解というか、今後の方向性といったものをもしお考えでしたらお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) よくドイツの例を出されるのですが、ドイツと日本とは全く立場を異にしているわけでして、ドイツは攻め込んだ方ですね、日本は攻め込まれた方ですから。しかも、こちらは中立条約を破って攻め込まれた方だと。しかも、多数の人が拉致されて死亡している。しかも、ドイツの方は国土の三分の一にもなんなんとする領土と国民を返してもらって統一ドイツができる。日本の方は、北方四島問題についてはまだはっきりしたものは何もないし平和条約も結ばれていないという環境の違いがありますから、ドイツがやったからドイツと同じようにというようなことは、到底それは日本国民が理解しがたいところであります。 ただ我々は、ソ連が非常に困ってまた逆の道を歩むようなことになっちゃ困るじゃないかという世界の心配について、同じ心配を持っておることも事実。したがいまして、我々はそういうような逆の立場にはありますけれども、政経不可分だから一切解決するまではこれ以上つき合えないよというのではいつまでたっても四十五年間と同じくなっちゃうわけですから、平行線で。そこで、魚心あれば水心と私は本会議で言って誤解を招いたのですけれども、要はお互いが歩み寄っていこうじゃないかということで、拡大均衡政策というようなことを今言っておるわけです。歩み寄りがなきゃいけません。しかし、だからといって政経不可分という大きな原理原則から離れたわけではありません。ですから、おのずから協力に限界があることも当然であります。 したがって、我々はドイツと同じように行動はできませんよと。こちらの主張もあるのですから、こちらの主張をG7も認めソ連側もその方向をちゃんと認めれば、またおのずからこれは拡大均衡ですから柔軟な態度で対応することはあり得るということであって、我々はそれ以上のことは今の段階では申し上げられない。 ただ、G7でそのルーブル安定基金にIMFがお金を出すのですよということについて、IMFが出すものについて私らは反対するという理由もありませんので、そういうものは認めましょうと。だから、JMFに加盟するということについてもそれは結構ですよというように考えておるわけです。
○山岡賢次君 おっしゃるとおり、貢献すべきところはきちっとしなきゃいかぬと思いますけれども、ただそういういろいろな背景について、世界はもちろん国内的にもきちっとその辺の理解と認識を深め状況をよく見きわめながら対応していただきたいということをお願い申し上げます。 もう一つ、北朝鮮の問題についてもお聞きしておきたいわけでございますが、八日ですからあしたですか、最高人民会議で国際原子力機関保障措置協定批准をしていくということになるわけですが、問題は、重要なことは批准に引き続いて速やかに核査察を受け入れる、こういうところであると思うのでございます。今後政府としてはこの問題にいかにして対処していかれる予定か、お伺いいたします。
○政府委員(谷野作太郎君) お話のように、北朝鮮側の発表によりますれば八日からといいますから明日からでございますが、最高人民会議におきましてIAEAの保障措置協定を批准するということを申しております。そして、この批准が予定どおり行われますと、その次の段階はIAEAによる査察の実施ということになるわけでございます。六月という話が漏れ伝わってまいりますが、いずれにいたしましても、この北朝鮮の核開発に関する疑念といいますか、これは日本はもとより国際社会の非常に大きな懸念でございますので、これが一日も早く解消されるように今後とも日本におきましてもいろいろなチャネルで北朝鮮側に働きかけてまいりたいと思います。 当面は次の日朝正常化のための交渉の場があるわけでございますが、ただいまのところ次回の第七回目の日取りについては設定し得ておりませんけれども、できますればできるだけ早い機会にそういう場も設けまして、引き続きこの面での日本政府の強い関心と懸念を伝えてまいりたいと思っております。
○山岡賢次君 昨年九月に金丸元副総理が訪朝されて日朝問題に俗に言う風穴をあけたということでございますが、このことは私は偉大な業績であると言っては言い方が的確かどうかわかりませんが、今までずっと逼塞状態であった日朝関係が動き始めたわけですから非常に功績は大である、こういうふうに認識をしているわけでございます。そういう中において、それが本当の両国の国交という意味で正常化を図るということにおいては、やるべきことがきちっとやられていく、そのことが金丸先生のそういう御努力に対しても報いていくことになると思うわけでございます。困難な問題であればあるほどきちっと外交的正式ルートで解決をしていく、こういう努力を要すると思うものでございますが、この核の問題は非常に重要な問題で、原則的立場というのはそれはきちっと守っていっていただきたいわけでございます。 その後、国交正常化交渉が開始されてから一年余りたっているわけで、この間六回ですか会談が行われているわけでございますが、この交渉の現状についてあるいは今後の見通しについて、国民の関心も非常に高いのでございますし、今度訪朝団も行かれる、その目的は別なお祝いというふうにも承っておりますが、今までの経緯と見通しについてお聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(谷野作太郎君) ただいまお話がございましたように、今日まで六回の交渉を終えました。その中で最も強く日本側が取り上げてきたのはこの核の問題でございますけれども、議題は四つございまして、時間の関係で細かいところまで御説明し得る余裕はございませんけれども、日朝関係の基本的な問題、日朝の将来をどういう原則で律するかという基本的な問題、それから植民地時代の不幸な過去についてこれを経済的にどう処理するかという、経済的諸問題と申しておりますが、これが第二の問題でございます。そして第三番目は国際問題、この中で先ほど御説明しました核開発の問題は主題として私どもは取り上げてまいりました。第四議題といたしましてその他の関心、双方の関心を有する問題ということでございまして、国会でもたびたび御論議があり、御心配のお話も伺います例えば日本人妻の問題、これらの問題についても日本側の気持ち、希望を強く伝えてきております。 さて、六回目を終えましてあとどれくらいかかるのだというお尋ねをよく伺います。ただいまのところ前進がないわけでは決してございませんけれども、他方それぞれの問題につきましてまだまだ残念ながら双方の立場、考え方がかなり隔たりがございますので、六回目を終えた時点でただいまのその見通しをと仰せでございますけれども、ちょっと今のところあとどれくらいかかるのだという確たる見通しは持ち得ておりません。 いずれにいたしましても私どもは、せっかく始まった交渉でございますし、やはり北朝鮮との関係におきましても不幸な過去というものは一日も早くこれを清算したいという思いがございます。そういう意味におきまして、真剣に誠実にこの交渉に当たっております。 他方第二点は、さはさりながら、この将来の日朝関係、それへの正常化へのプロセスが、朝鮮半島の平和と安定ということをよく申しますが、それにやはり積極的な意味を持つものでなければならないと思っております。したがいまして、過去の清算、不正常な関係の清算という面と、朝鮮半島の平和と安定に寄与するものでなければならないという二つの視点を念頭に置きながらこれからも誠実に誠意を持って交渉に当たってまいりたい、そのように考えております。
○山岡賢次君 先ほども申し上げましたが、金丸元副総理の御努力にこたえられるべくまた確実にきちっと進めていただきたいと思います。 そのほかリビア等々トピックスがたくさんあるのですが、きょうは予算関連で特に御質問申し上げたいのは対先進国の予算の問題でございます。 今、外務大臣のこの概要についてもODAというのが真っ先に出てきているわけでございます。そのこと自体重要であり、また否定をするものでは全くないのですが、やはり最近の日本、世界の中の日本、こういう立場において、対先進国予算という問題を新たに検討し直す時期に来ているのではないか、こういうふうに私は思うのでございます。 外務省の先進国関係強化のための予算というものは私は十分と言えないと思いますが、どんな見解を持っておられますか、外務省としては。
○政府委員(兵藤長雄君) ただいまの山岡先生の御指摘に関連いたしまして、今お諮りをいたしております平成四年度予算におきましては、先生がおっしゃった意味でのいわゆる先進国向けの関連予算ということで申し上げれば、先進国向けの情報啓発、国際文化事業実施の費用あるいは人的交流、人物招聘費用等を含めまして総額五十四億二千万円を計上いたしております。
○山岡賢次君 昨年秋から本年の初めにかけて英国でジャパンフェスティバルが行われたわけでございまして、聞くところによると大変な成果をおさめた、こういうふうに伺っているわけですが、ただ実際の成果、英国の人やあるいは現地の日本の方々から聞く成果と日本の中で受けとめられている成果というのは大分ギャップがあるような感じがするのです。わかりやすく言うと日本での報道は大相撲と歌舞伎ぐらいで、そういう点てはこの成果はどんなものであったのでございましょうか。
○政府委員(兵藤長雄君) ジャパンフェスティバルにつきましては、確かに実際に行われましたのが英国の中でございました。したがいまして、常日ごろこの日英関係に御尽力いただいております山岡先生はよく御存じでございますけれども、日本の本当に総合的なあらゆる面での文化、芸術あるいは伝統芸能といいますか、そういうものを含めてまことに多種多彩な催しか全国で行われたわけでございます。残念ながらそれを一々日本の方で報道されるということにはなりませんでしたけれども、英国においてはもうまことに目をみはるような成果が見られたということで、英国人の中の対日認識の深化増進に大変に大きく寄与したというふうに承知をいたしております。 今、先生がお触れになった大相撲につきましても、これを契機に英国の中で大変に多くの相撲ファンがふえたということも言われているわけでございまして、大相撲はその一つの象徴であったかというふうに考えているわけでございます。
○山岡賢次君 貿易摩擦の根幹は経済問題でもあるのですが、多分に社会問題、フィーリングの問題、感情の問題、こういうことに起因してくるわけでして、それが政治問題に発展をしてくる。この中において、やはり日本は金と物の国である、極端なことを言えば、だけの国である、こういう印象、ある意味では誤解、我々にして見れば偏見ではないかと思えるようなものを持たれているところに大きな底流があるような気もするわけでございます。 そういう面では、文化というと日本はこれほど文化のある国であるにもかかわらず非常にむしろ軽んじるような傾向もなきにしもあらず、なおかつせっかくの文化を生かせない、こういう問題もあるような気がするわけです。 例えばドイツにはケルン文化会館とかベルリン日独センターというものが置かれており、イタリアにはローマ日本文化会館、フランスではパリ日仏会館、これは結構なのですが、しかし対欧関係を見てもイギリスの位置というのは大きいわけで、特にEC内におけるイギリスということで、日本人のイギリスに関する関心も非常に強いのですが、現実には両国関係が経済分野にとどまることなく幅広く知的交流をすべくそのもととなるような機関も置かれていないわけでございます。 そういう点について今関係者の間では、民間のことですから具体的には名は申し上げませんが、非常に盛り上がっているわけでございまして、この面について政府はどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、具体的な問題ですけれども、お尋ねいたします。
○政府委員(兵藤長雄君) 大変に積極的な御関心をお持ちいただいてありがたく思うわけでございますけれども、日英間には、山岡先生御存じのとおり、日英二〇〇〇年委員会というこれまた大変ユニークな組織がございまして、最近も英国で開かれたばかりでございますけれども、これはまた逆に言いますとほかの国との間にはないような大かがりな組織で、大変にいろいろな意味で実を上げてきたものと思っております。 今御指摘の例えば日独センターに匹敵しますような何か組織が必要じゃないかという考え方は前からあるわけでございます。私どもも、ジャパンフェスティバルの成功を踏まえまして、また厳しい財政状況の中でどういうことができるかということでいろいろ議論をしているところでございますが、引き続き何ができるかということで検討を続けてまいりたいというふうに考えております。
○山岡賢次君 最後に、大臣に所感をお伺いしたいのでございますが、このジャパンフェスディバルのときに私はたまたま大蔵政務次官をやっておりまして、外務省からの予算要求がございました。大蔵省にいろいろ仲介をしてまいりましたが、大蔵省の主計の見解は、これは今回の予算の中で最も筋の悪い予算であると、こういうふうに言うわけでございます。こんなことを言っちゃいけないかな。そういう見解を持つということは大蔵省にも問題がありますが、外務省としてもこういう理解を対大蔵にきちっと深めさせていく、こういう努力をもっとしていくべきだと思うわけでございます。 外務大臣は大蔵大臣もお務めいただいているわけでございますが、先般御地元の渡辺知事もフラシスで栃木のフェアをやってきて大好評であったと、こういうふうにも聞いております。やっぱり民も含めてあるいは地方自治体も含めて国を挙げて対先進国の言うならば日本の理解と文化面の普及、そのためには当然予算が必要でございまして、そういう方向についてどういうふうにお考えなのか、御見解を賜りたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは財政当局からすれば余り筋のいい予算だとは恐らく言わないでしょう。やはり財政資金の効率的運用ということがまずどうかということを考えますし、まして相手は先進国中の先進国である。それからそういうことを一つやると限りなく他の先進国に波及していくのじゃないか、その歯どめをどうするか。一方、今後の日英交流はこれは深めていかなきゃならぬという観点から、いろいろできるかどうかを含めまして少し勉強してみないと何ともお答えを今の段階ではできません。
○山岡賢次君 ありがとうございました。 いずれにしても、先進国に対する予算についても十分配慮していくべきだと思います。 以上で終わります。
○久保田真苗君 初めに私、けさの新聞に出ていましたペルーの非常事態についてちょっとお伺いしたいと思います。 本当に驚きました。この間フジモリ大統領が国会にもいらして大変ペルーの前途を祝福する気持ちであったし、政府としても援助を約束されたわけなのですが、今回、憲法停止、議会停止、司法の矯正といったような大統領によるクーデターと称されるようなことが報道されておりまして、全く予想外のことでございました。しかも、これは軍部が事前に準備をしたという形跡もあるということでございますし、政治の中への軍部の影響力というものを今後排除することができないのではないか、そういう意味で最も大事なものをペルーは失ったのではないかという気もいたします。また、こういう秩序と安定という名のもとに軍部が政権を掌握するというパターンがあちらこちらに蔓延していくという状態は実に憂うべきことではないかと私は思うのでございます。 外務省としては事実をどのように御確認になっていらっしゃるか。また、外務大臣もこの間フジモリ大統領といろいろ問題をお話しされたわけでございますけれども、このようなことをお感じになったか、またどんな所感を、もしお持ちでしたらお聞かせいただければと思います。
○政府委員(寺田輝介君) 先に事実関係について御説明申し上げたいと思います。 現地時間四月五日の真夜中近くでございますが、日本時間にいたしますと昨日のお昼過ぎに、フジモリ大統領は国民に対するメッセージということで次の諸点を明らかにしております。簡単に御説明申し上げます。 まず今回の措置の内容でございますが、第一点といたしまして、国民投票により承認された新立法機構が成立するまで議会を一時停止する。それまでの間、立法機能は閣僚会議に委譲される。憲法改正案を作成する委員会を任命し、国民投票で同改正案を承認する。第二点目といたしまして、公正で効率的な司法運営のため司法府を全面的に改組する。第三点目といたしまして、国家資産の横領の責任者を罰するような適切な行政運営を目的として行政監査担当官庁の機構を改組する。こういうふうに措置の内容を説明しております。 あわせて同大統領は今回の措置をとるに至った理由というものを挙げておりますが、そのうち主要点二点のみに限って御紹介いたします。 第一点目でございますが、ペルー政府は二十カ月にわたり貧困、腐敗、暴力を追放し、真のそして平等な国民の参加が実現される民主政治を達成すべく国家再建に向けて努力してきた。しかしながら、立法府と司法府は国家の重大な利益に反し、国家の発展と再建を妨げている。議会は機能しておらず、司法府は腐敗しており、抜本的な改革の必要性が生じている。 第二点目でございますが、政党の指導者は政府の経済再建政策を妨害しようとしている。同様に、テロに対し厳しい態度をとろうとせず対テロ政策の失敗をもくろんでいる。麻薬問題との戦いにおいても議会はその脆弱さを示した。資金浄化、麻薬の不正取引及びこれに関与した者に対する制裁を規定する法令につき、議会は何の説明もなく廃棄した。 こういうふうにフジモリ大統領はペルー国民に対するメッセージを流しております。
○国務大臣(渡辺美智雄君) ただいま説明したような大義名分があるのかもしれませんが、しかし憲法の手続に従って行われたものでないような模様でもございます。したがって、民主主義の定着に努力してきたフジモリ大統領として突然こういう政策をとったことについては、我々は理解しかねるところであります。 確かに今まで一生懸命やってきたが、今言ったような貧困とか麻薬とか左翼ゲリラとかテロとかいっぱい問題があって、官僚機構、政党等がそれにどういう関係にあるのか、事実関係を私は知りませんけれども、それを直そうという純粋なお気持ちは理解できないでもないが、やっぱり民主主義は手段も大事なことですから、私は速やかに事態を正常化し民主主義手続のもとでフジモリ大統領が国家再建に努められることを強く要望したい、さように考えております。 したがって、政府としては、今後事態の推移を見極めながらどうしていくかを決めていきたいと考えます。
○久保田真苗君 次に、ミャンマーの問題についてお伺いします。 外務大臣も二年ほど前にミャンマーを訪問されましてSLORCの議長にお会いになって、民政移管とかアウン・サン・スー・チーさんの釈放問題とかをお話になったと承っておりますけれども、このミャンマーは、もうご存じのとおり、八八年ビルマ全土で民主化の要求運動が起こりましたけれども、その九月にビルマ国軍が全権を掌握し国家法秩序回復評議会というものをつくって、その時点で日本のODAは停止になったということでございます。 しかし、八九年の二月に日本は現軍事政権を承認しているわけでございます。その後、いろいろな状況は悪化するとはいえ好転する気配は全くないのですけれども、このときなぜ承認したのか、もう一回お聞かせいただきたいと思います。
○政府委員(谷野作太郎君) 承認と申しますのは、それが直ちに承認される相手方の政権の政策を日本なら日本としてこれに同意する、支持するということではございません。国際社会におきまして一定の承認の要件が満たされれば、少なくともその政権とは、政府とは通常のつきあいをしていくという以上のものではございません。 その中で、ただいま仰せのように、私どもはミャンマー政府の現在の政策には強い異議があるわけでございますから、例えば実際の問題としては新規の援助はとめるというようなことはいたしております。ただ、通常私ども、先生仰せの現在のミャンマー政権、政府のいろいろな政策について日本でいろいろな意見があるわけでございますから、それはやはりきちんと相手方に伝えていかなければいけないと思っておりまして、そのような措置を大臣以下いたしているわけでございます。 繰り返しになりますけれども、承認は相手方の政府の政策を一から十まで是とするという立場とはまた別のものでございます。
○久保田真苗君 ですけれども、その後、複数政党制によって総選挙が行われ、そして国民民主連盟、スー・チーさんの率いる政党が八割以上の議席を確保したということを想起したいと思います。 しかしその後、軍事政権は政権移譲を言いながら、それどころか移譲に至る具体的なプロセスも示しておりませんね。そしてもう二年にもなろうとしているということですが、この点はどういうふうに見ておいでになりますか。
○政府委員(谷野作太郎君) 先般、大臣からも直接先方の外務大臣に心情を訴えられたわけでございますが、その中で、本来大変親日的なミャンマーかつてのビルマの国が、今のような状況で両国の関係が日に日に悪くなっていくということは大変残念だということを大臣から書簡をもって訴えられました。 そこで、ただいまの民政移管の問題もそういう文脈で私ども見ておりますが、いずれにいたしましても、九〇年の五月でございましたか選挙をいたしまして、民政移管を国民に向かって約束したにもかかわらず、仰せのように、それへのプロセスが全く始まっていないということでございまして、私どもは自後、大臣の書簡あるいは私どものレベルで東京あるいは現地におきまして、とにかく国民への約束である政権の移譲、これについてはぜひ一日も早く前向きの対応を示してほしいということを訴え続けてきております。 また、アウン・サン・スー・チー女史の問題が国際的な関心を呼んでおるわけでございますけれども、この方の処遇につきましても私どもの関心を伝え続けてきておるということでございまして、いずれにいたしましても、そういう先方との対話といいますか、そういうチャネルだけは細々ながら維持して、やはり日本の国民、国会の御懸念、そういったものを伝えていくのが私どもの務めであろうと思っておりますので、そういう努力を懸命にいたしておるところでございます。
○久保田真苗君 ところが、最近は野党の指導者逮捕というような、中央野党の弾圧から周辺部の弾圧にまでまさに軍事政権の武力あるいは権力行使というものが拡大しておりまして、もう御案内のとおり、ミャンマーの国内の西部に住んでいる ロヒンギャ族というイスラム系の住民が昨年十二月ごろからバンクラデシュへ出始めているわけです。そして、南部でもカレン族がタイヘ流入し始めるということを聞いております。それで、UNHCRの緒方高等弁務官が緊急チームの現地派遣、救援活動を開始しました。ただ困って流出しているというだけでなくて、軍部によるところの残虐行為というものがたくさん報道されております。 私、それを一々挙げている暇はございませんから簡単にかいつまみますと、少数民族の掃討作戦に出た。少年少女を徴用して戦闘員にしたり武器弾薬を運ばせたりした。三月に入ってともかく逃げていくイスラム難民に対して発砲して相当な数を殺したり、また女性への暴行、子供の殺りく、こういったことまで起こっているということが次々に報道されて、全く心配しているわけでございます。 日本政府もこれに対してHCRなどにいろいろな協力をしていらっしゃるわけですけれども、HCRはミャンマーで少数民族が大規模な抑圧を進行中であるということを確認しておりますし、国連の人権委員会でもミャンマーの人権状況を公開で特別調査すべしということを採択しておりますし、また国連事務総長も深刻な懸念を表明しミャンマー政府に政策変更を呼びかけるということになっております。 これは私は、承認した政権の相手方として、とても国際法を遵守するというようなそういう考えが全くないのだというふうに認定せざるを得ないと思います。つまりこれは人権規約にも違反しておりますし、また事によりますとミャンマーが批准しておりますところのジェノサイド条約にも違反しているのではないかと、そんなふうに思います。 それでこの辺の状況を、先進国中では日本は数少ない外交関係を持つ国でございますから、現地からいろいろな情報が入っていると思いますので、この状態をどういうふうに受けとめていらっしゃるか、所見を承りたいと思います。
○政府委員(谷野作太郎君) ただいまバングラデシュとの国境付近で起こっております事態、これにつきましては私どもも大変深刻な憂慮をいたしております。三月末現在で十九万人のバングラ側への流出ということでございましたけれども、その後二十万を超えたという話も伝わってきております。 基本的には二国間で早急に解決さるべき問題ではございますけれども、難民の流出が依然として解決の見通しのないまま続いておるということでございまして、私どもは、先ほどもちょっと申し上げましたが、こういう事態に対して東京、ミャンマーそれぞれにおきまして私どもの深い憂慮の念を伝えてきておりますし、あるいは後ほど大臣から御答弁いただいた方がよろしいかと思いますが、大臣御自身が筆をとられて先方の外務大臣に日本の深刻な懸念、そして問題の一日も早い解決を強く書簡をもって呼びかけられたわけでございます。 昨日ごろまで国連が派遣いたしました緊急援助調整官が現地に入っておりまして、そういった方々の報告も徴してみたいと思いますが、現地の状況につきましては、私どもの川村大使がミャンマー政府のアレンジによりまして他の方々と現地を訪れまして、ミャンマー政府のいわばアレンジで行ったわけでございますからその結果は御想像のようなことではございますけれども、他方しかしその旅行におきましても、確かに国軍の兵士などの若干手荒な所作、あるいは強制労働に何の報酬もなく現地の人が駆り出されておるとか人々を殴ったりしておるというようなことは川村大使も聞いてきております。 引き続き日本側の気持ちは精いっぱい伝えていきたいと思います。
○久保田真苗君 大臣が書簡を送ってくださったことは大変ふさわしいことではないかと思いますけれども、ぜひその書簡につきまして大臣の御説明をお願いしたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私が二年前にミャンマーに行ったとき、ソウ・マウンさんは評議会議長だったかな、ともかく最高権力者。首相兼務、外務大臣兼務だったわけです。 そこで、いろいろ話をしたのですが、今、先生おっしゃったように、あなた方選挙をやったことはいいことだ、高く評価する、ところが選挙の結果を全然尊重しないということはおかしいじゃないか、速やかに国会を開いてやれと言ったら、憲法がないから開けないのだと。憲法はだれがつくるのだ。国会がつくる。国会がつくるなら早く開いたらいいじゃないですか。ところが、どうだこうだいろんなこと言っていましたよ。そのときに外務次官だった人が今度は大臣になったわけです。ですから私が知っている人ですよ。何回も何。時間も一緒に私とそのオン・ジョーという人は立ち会って、私どもからの話も数時間にわたって聞いています。 だから、私は彼に手紙を出して、友人として非常に残念である、ミャンマー政府がこの外交団、在ミャンマーのヤンゴンの外交団の視察を国境地帯に認めたり、それからエリアソン国連緊急援助調整官、これを受け入れたことは非常にいいことだ、だからこのエリアソン調整官との間でよく話し合いをして、具体的にどうしたら解決つくのかということを方策を検討して討議してもらいたい、バングラデシュとの間で協力をしながらこれは実行していくことが大事ですよと。我々もミャンマーは大事な国で、援助は今ストップしているわけですが、それは援助を再開したいという気持ちは持っているのだ。それにはしかし国際社会からつまはじきになるようなことをやっておっちゃだめだから、国際社会において認められる国になるようにぜひひとつ努力をしてほしいという趣旨ですよ、簡単に言えば。 どういう返事が来ますかわかりませんが、本当に私心配をしている。ミャンマーの国民自身はなかなかいい人が多いですよ。親日家が非常に多いですからね。だから、考え方を上層部が変えてもらいたい、インドネシアのまねしたらどうですかということまで言ったのですが、あの国は豊かなのですね。バングラデシュと違って豊かなのです。豊かなものですから食うに困らない。年々確かに経済はよくなっているのです。比べたら差があります、うんと。だけれども、そういうふうなことで国際協力なんか得なくたっておれの国はこんなに豊かにやっているじゃないかということがあるのでやりづらい点もありますが、これはよく話をして一日も早くそういうような国際間で認められないようなことはやめてもらうという方向で今後も努力をしていきたいと思っています。
○久保田真苗君 確かにビルマは日本がかつて戦場にし占領もしたというような国でございますから、日本としても人のことをあながち責めるばかりはできないと思いますけれども、しかしそれから五十年たって日本がかつてしたような状況に陥って国際的にボイコットされて、そして自分の国民、住民に当たって最後まで袋小路に入っていくということはまことに残念なことだと思いますので、今後ともよろしくお願いしたいと思います。 それで、一つ具体的な質問になります。 私も実はこの難民問題について抗議文を出したのです。駐日大使からお返事が来ました。その中の一点として、もうこれは非常に皆様よく御存じのことですけれども、バングラ国境に出ている難民は難民ではない、あれは単なる不法入国の移民である、近隣国から来た不法入国の移民である、したがって当然それを排除しているのであると、そういう部分がございました。 この点については外務省もお聞きになっているはずでございますけれども、これに対してどういう見解をおとりになるか、外務省の考え方を御説明いただきたいと思います。
○政府委員(丹波實君) ただいま話題になっておりますバングラデシュに流入いたしましたミャンマー人につきましては、国連の難民高等弁務官事務所が二月の十四日ラーマン外相からの支援の要請を受けまして、二月の中旬、具体的には十五日から十七日でございますけれども、この高等弁務官事務所がバングラデシュに入国いたしましてバングラデシュ政府との打ち合わせを行い、難民キャンプを視察し、流入したミャンマー人とのインタビューを行いました結果、UNHCRとしてはこれらの人々は難民であるという判断をダッカの外交団に対する説明の中で示しております。 それからもう一つは、財政援助の問題につきまして、先生御承知のとおり、UNHCRは支援要請をいたしておりますが、この文書、ドキュメントの中でも、バングラデシュに流入したミャンマー人につきましてはバングラデシュにおける庇護を求めてミャンマーより流入した難民、レフュジーズであるという判断を示しております。 この分野におきますこういう国際機関の判断でございますので、必ずしも難民条約に言うところの狭い意味と申しますか正確な定義での難民がどうかは示しておりませんけれども、一般的にUNHCRが難民という判断をいたしておりまして、私たちもそのように理解をいたしておるところでございます。
○久保田真苗君 これがいわゆる難民条約の難民としてHCRが認定したからこそ各国に呼びかけ援助も要請しているということだと思いますから、その点は問題はないのですが、ミャンマー側があれば不法入国者なのだからどのように扱うのもやむを得ないのだという、その考え方を私は強く是正してもらう必要がまずあると思うのです。 それで、仮にその人たちの中に多少他の国籍の人が入っていたとしても、ミャンマーの中で常住していたその住居を持っている人たちをどのような形ででも武力で追い払い、言うことを聞かなければ殺すというような人道にもとるそういうことをするということが当然と考えられてはならないということを、いやが上にもミャンマーに対しては強調する必要があると思っております。 それからもう一つミャンマーについてお伺いしたいのは、実はニューヨーク・タイムズにステファン・コーエン教授という方の記名記事が載っていたのです。その中に一つ日本に関連のあることが載っておりまして、その一つは、ミャンマーの外貨準備高が八八年の千二百万ドルから九一年九億ドルにもはね上がっている、この外貨を民生のために使わず軍の近代化に使っているのだ、八八年に軍は十九万ばかりだったけれども、九一年には三十万に増強されている、そして政府予算の六〇%が軍事費であると、非常に軍事的な増強ということが指摘されているわけです。これがまず一つ。 それからもう一つは、この軍の装備供給国、その中に八八年以降中国のほかに日本、パキスタン、ポーランド、シンガポール、タイ、ユーゴが含まれると。そして日本について、日本はいす々、日産、トヨタのトラックを一万五千台以上輸出し、これはビルマ軍に使用されているものだ。このことはECの職員にも批判されているというような、こういうような記事なのです。 私、これに一々答えていただかなくてもよろしいのですけれども、このように日本が軍の装備を 売っているということで国際的に受けとめられているとすれば、それはやはり重大問題だと思いますね。その点についてお答えいただきたいし、またもう一つこの記名記事には、日本は開発援助を再開した、そして一九九一年には一億三千四百万ドルに達しているとあるのです。それで外務省から経済協力の実態を伺いました。これは四月六日付でいただいた資料ですけれども、一九九〇年とまりになっています。一九九〇年までは少し下がってきて、ここは六千百万ドルというのが九〇年の実績なのです。これ九一年はどうなのでしょうか。九一年はこの記名記事によりますと一億三千四百万ドルと倍増以上になっているのですね。こういう事実があるのでしょうか。 軍用トラックの問題とそれから援助再開、ODAの増加問題、これについてお答えいただきたいと思います。
○政府委員(川上隆朗君) 私の方から援助の問題の関連につきましてお答え申し上げたいと思います。 基本的には、先ほど外務大臣もちょっと触れられましたように、ミャンマー経済協力につきましては今の情勢を踏まえまして原則停止ということでございますが、ただし政変前より実施中の案件、それから緊急的人道的性格の強い案件につきましてはケース・バイ・ケースで検討するという方針でございます。 こういう方針のもとでODAの実績は、今、先生が触れられましたように、八八年を境に大幅に減少しておりまして、資料でお出ししたと思いますが、九〇年実績は六千百三十二万ドルということで、実は八八年の約二億六千万ドルと比べますと四分の一以下になっているというのが現状でございます。 九一年の実績につきましては、これはDACで集計してもうあと一、二カ月で提出するということで最終的な集計の段階にございますけれども、昨日来取り急ぎ集計してもらった数字によりますと、円借款につきましては五十七億円強ということで、ドルにしますと百二十円で計算すれば四千四百万ドルということでございます。 無償技協につきましてちょっと細かいところが出ておりませんが、私のざっと見るところ八千万ドルぐらい、少し実績としてディスバースメソドベースで伸びているのではないかというふうに推計されているところでございます。
○久保田真苗君 軍用トラックは。
○政府委員(谷野作太郎君) 前段の軍事費の件でございますが、確かにただいま国家予算で大体三分の一程度が軍事費に充てられております。これは御案内のように、ミャンマーという国は建国当時から少数民族をいろいろ抱えておって、しかもその少数民族が必ずしも中央の政府に従わないといいますか、そういう治安上の問題もあるようでございますが、そういうことで確かに軍事費が多い。そして、それが最近の状況を踏まえて漸増の傾向にあるということは確かでございます。 それから中国から武器を買っておるというのも私どももこれは確認いたしておりまして、たしか大臣がことし一月北京に行かれました折にも、そういった中国がミャンマーに武器を売りつけるということについては日本は大変強い異議、意見があるということを率直にお話しされておりました。
○久保田真苗君 九一年度の実績はいずれ伺いますし、また今このニューヨーク・タイムズにありました記事についてはもう少し事実関係を調べていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。やっていただけますか。
○政府委員(川上隆朗君) ODAの先生御質問の実績につきましては、今、鋭意計算をいたしておりますので、その点につきましては御報告申し上げたいと思います。
○久保田真苗君 それから再開した案件というのを見ますと、局長が今おっしゃったような人道的なというものも、それは何でも人道にかかわりますわね。電力とかかんがい、こういったものは人道だとおっしゃればいいけれども、もっと直接的なものを指すのじゃないでしょうか。 例えば、私も昨年行ってみましたけれども、非常によどんだ水のところにたくさんの集落がある。そこではマラリアがすごく蔓延しているというお話をお医者さんに伺ったことがあるのですけれども、そういうところヘマラリア退治のプロジェクトを持っていくならこれはまさに人道、民生直接だと思います。しかし、再開されたものを見ますと、鉄道近代化、車両改修、アルコールプラント、そして水力発電、こういうものがそれほど密接に人道的なものだとはどうも思われない。そして、軍事政権がますます膨らんでいく。予算の六割も軍事費に使うというようなことは、援助をすればするほど軍事費のために向こうが使うお金がふえるのだと言わざるを得ないのじゃないかと思うのですね。私、後から九一年度についてもう少し詳しいお話を聞かせていただきたいと思います。 しかし、最後に私、大臣のお考えも伺いたいのでございますけれども、本当にこれでいい方へ向かうという効果が見えない。そして、ますます難民問題などで周辺国にも迷惑をかける。こういう状態が続くならば私は、日本ははっきり物を言ってくださると政府も言っているわけですから、もう承認も取り消すというような強い発言で警告をしていただきたい、そういうことを思うわけです。ASEANもミャンマーにはいささかもう愛想尽かしになっておりますし、こういうことが続くということはまことに置けないことなので、それくらい強い警告を出していただきたいとお願いしたいと思うのですが、いかがでございましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) やり方をどうするかは、これは国際間の話ですから余り内政干渉だと言われるようにしてもいかぬ。 私は、だからインドネシアのスハルト大統領にお願いをして、彼も軍政からちゃんとあれだけの立派な民政の国にしたわけですから、お願いしてみようかなという気もするのです。それから招待するとか。表に出たことがないのですからね、あのソウ・マウンさんというのは。やっぱり表に出てみないと、家の中だけで威張っていたって始まらない話で、世間のこともよく知ってもらうということが大事で、ミャンマーの方が表にまず出てタイとかインドネシアの繁栄ぶりを見ればわかるはずですよ。だから、何かそういうふうなところから何とか表の方へ少し出てもらう工作を少しゃってみようかなと思っているのです。やっぱり百聞は一見にしかずですから。
○久保田真苗君 それでは、最後にリビア問題について伺いたいと思います。質問が多分途中になると思いますが、よろしくお願いいたします。 このリビア問題というのは、八八年の十二月にパンナム機の爆破事故がありまして二百七十人が犠牲になった。それから八九年の九月にフランスのUTA機の爆破があって合計四百人以上の犠牲があったわけでございます。これに対して米英の捜査当局が、パンナム機に関してはリビア人二人の情報機関の関与があったと指摘し、リビアの国家テロの可能性もにおわせているわけでございますけれども、リビアは直ちに関与を否定して中立機関における再捜査を求めるという、そういう経緯がございます。 ところで、今年に入りまして国連安全保障理事会が一月に決議を採択し、また三月の末に再び決議を採択して、リビアが言うことを聞かないから、だから聞かない場合には、四月半ばから制裁措置をとるという、その制裁措置を採択いたしました。 私がまず最初に伺いたいのは、この安保理決議七四八号、つまり三月三十一日付のものですけれども、これはリビアに対して具体的にどういう行為を求めているのか、その点について伺いたいと思います。
○政府委員(丹波實君) 二つの飛行機の爆破撃墜事件の概要は大体先生がおっしゃったとおりであると思います。 この事件を捜査しておりましたアメリカ、イギリス、フランスの司法当局は、この事件につきまして、先生も今ちょっとおっしゃいましたけれども、リビア政府が関与しておるという判断をいたしまして、昨年の十一月二十七日にアメリカ、イギリスはリビア政府に対しまして、被疑者の引き渡し、情報の開示、それから補償の支払いを要求いたし、同じ日にアメリカ、イギリス、フランスはリビアに対しましてテロリズムの放棄を求める共同宣言を発表したということでございます。この要求をリビア政府が拒否したものですから、米英仏は本件を国連安保理に付託いたしまして討議いたしました結果、一月二十一日、安保理は、リビア政府に対し関係国の要請にこたえるよう求める決議七三一というものを安保理事国十五カ国全会一致で採択したということでございます。 しかしながら、リビア政府はこの安保理決議を拒否いたしておりまして、この安保理決議を受諾させるためにさらに制裁を加えるという趣旨の決議が三月三十一日の決議七四八であったわけでございます。この採択に際しましては、五カ国の棄権はございましたけれども、安保理の中で反対はなかったということでございます。 以上が概要でございます。
○久保田真苗君 関係国の要請ですが、この関係国はどこで何を要請したのか。それにリビアが従わないというそのことが制裁の対象になっていると思うのですが、その求められている行為、つまり関係国の要請というのは具体的にどういうことなのでしょうか。
○政府委員(丹波實君) 先ほども申し上げましたけれども、概略の中身は、その被疑者を引き渡すこと、情報を開示すること、補償の支払い、こういう要求をリビアがのむべきであるということが中身になっているわけでございます。
○久保田真苗君 被疑者の引き渡しについてはどこの国に、どこの裁判所にということは特定していないわけですね。
○政府委員(丹波實君) イギリスにおきましては刑事訴追の段階が始まらんとしているわけで、アメリカも二人が犯人であると断定しているわけで、そういう米英における司法手続に協力して被疑者を引き渡してほしいということを一般的に言っておるわけだと思います。
○久保田真苗君 ただ、常識的に考えまして、英米のどちらかに渡すということであれば私はどんな自供でもとれると国際的に受けとめられるのは当然だろうと思うのです。そういうことがございますから、私は今度の安保理の決議、非同盟国を中心に五票の批判票が出ているということは、イラクの場合とはかなり違うのではないかというふうに見ております。 とても最後まで行かれませんので、恐縮でございますけれども、私またニューヨーク・タイムズの社説をひとつ引かせていただきたいと思うのです。そこにこういうことを言っております。 二つありますが、その一は、リビアだけを犯人と決めつけることについてどうしても疑問が残る。米当局はシリアのコントロール下のパレスチナ人との見方も持っていたのに今回急にそれを引っ込めた。それはシリアが中東和平会議の中に。いるからであって、カダフィ大佐に何もかも集中していくのが便利だからじゃないかという疑問が残る。そういう趣旨のことを言っているわけです。 もう一つは、同じ社説の中で、国際司法裁判所へのリビアの提訴があったけれども、そして安保理事会の行動以前にこれがあったわけだけれども、この国際司法裁判所への提訴に対してどういう論破が米当局としてはできるのか。そのロッカビーについてのすべてをアメリカの側から公表しないと疑問はつきまとったままであろう。こういうふうな内容の社説があるのです。 私もこの問題に詳しいわけでも何でもないのですけれども、もちろんどの国もテロリズムを許せる国はないのですし、それからリビアを擁護するということはこれまでのことからしてなかなか困難なのですけれども、しかし国連の安保理が関与してそこにある特に常任理事国のうちの三カ国が当事者であるというこの問題について、国連そのものがデュープロセスというのですか、正当な方法をとるということは極めて重要なことではないかと思うわけです。 そこで、最後に一つお聞きしてまた次に質問したいと思いますが、リビアの三月二十六日の国際司法裁判所への提訴がその後どういうふうにハーグで取り扱われているか、どういう経過になっているか、そしてどういう判断が出たのか出ないのか、中間的なものでも。その点をお聞かせいただ。きたいと思います。
○政府委員(柳井俊二君) ただいま御指摘の国際司法裁判所への提訴の件でございますが、先生おっしゃいましたとおり、現在審理中でございますので中間的な状況ということになろうかと存じます。 リビアは、この二人のリビア人容疑者の取り扱いをめぐりまして、リビアと他方英米との間ていわゆるモントリオール条約、民間航空不法行為防止条約と申しますが、この条約に関する解釈適用の問題があるということで、ことしの三月三日に英米それぞれを相手取りまして国際司法裁判所に訴訟を提起したわけでございます。このいわゆるモントリオール条約におきましては、航空機の墜落等を起こした犯人の処罰あるいは犯罪人の引き渡しということを規定しているわけでございます。これが第一点でございます。 それからもう一つリビアの提訴の中に別な面がございまして、それはリビアとしては先ほど申しました訴訟の提起に際しましてこの訴訟におけるリビアの権利の保全を求めまして、裁判所が、英米両国がリビア以外の管轄下に容疑者を引き渡すようリビアを強制することを企図したあらゆる行為を禁止することなどを内容とするいわゆる仮保全措置を支持するよう求めているわけでございます。 いわゆる仮保全措置と申しますのは国内の裁判所で申せばいわゆる仮処分のようなものでございますが、とりあえずその権利の保全をするために措置をとってほしいと、こういう要請をしているわけでございます。この仮保全措置の申請の方につきまして、裁判所の口頭弁論がヘイグで三月二十六日から二十八日まで行われたというのが現状でございます。 このようなリビアの主張に対しまして英米の方は、この事件は民間航空不法行為防止条約すなわちモントリオール条約の解釈適用という問題ではなくて安保理決議七三一、先ほど国連局長から御説明申し上げましたものでございますが、この決議が争点となっている事件であること等を主張しているところでございます。 いずれにいたしましても、審理はまだ続くと思います。今のところ具体的な日程は明らかにされておりませんけれども、現状は以上申し上げたような状況でございます。
○久保田真苗君 大臣、一言だけ。 まさかイラクのときのように、プレッシャーだプレッシャーだといいながらどんどん軍事行動にエスカレートする、そうなるということはないのでございましょうね。ぜひその辺を注意深く見守っていただきたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 注意深く見守ります。
○久保田真苗君 ありがとうございました。
○委員長(大鷹淑子君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後二時三十分まで休憩いたします。 午前十一時四十二分休憩 ―――――・――――― 午後二時三十四分開会
○委員長(大鷹淑子君) ただいまから外務委員会を再開いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 本日、安永英雄君が委員を辞任され、その補欠として堂本暁子君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(大鷹淑子君) 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○堂本暁子君 子供の権利条約がやっと批准の運びになったやに伺っておりますけれども、この子供の権利条約と申しますのは、今までややもいたしますと子供が保護の対象になる、そういった視点が多かったのに対して、この条約は子供を人権の主体として認め、そしてさらに子供の自己決定権の尊重という基本理念に立っていることが大変に意義深いと思っております。 批准についての準備は大体終わったのでしょうか。まずそのことから伺いたいと思います。
○政府委員(丹波實君) ちょっと聞き取れない部分がございましたけれども、批准の準備とおっしゃられたかと思いますが、御承知のとおり、この条約は一九八九年、一昨々年になりますか国連で採択されまして一昨年の秋に発効し、その時点で日本は実は署名いたしまして、二年だたない間に私たち作業をいたしましてこの国会に御審議をお願いするために提出してございます。 したがいまして、批准と申しますのは国会で御了承をいただき加入するということを全体として意味しておるわけでございますけれども、そういう意味では今や国会で御審議をいただくスピードと申しますか、そういうことに日本の批准の時期はかかっている、こういう状況でございます。
○堂本暁子君 国内法の整備その他は大体終わったということでございますか。
○政府委員(丹波實君) この条約に加入するに当たりまして、憲法以下の国内法体制を変える必要はないという結論に達しております。 ただ、御承知のとおり、出入国管理法との関係で一つだけ留保条項を用意してございますけれども、それ以外につきましては憲法以下の法体系とぶつかるところはないと、私たち政府の結論としてそういう結論を得まして国会に御審議をお願い申し上げておるということでございます。
○堂本暁子君 きょう私は一カ所確認をさせていただきたいと思っておりますけれども、釈迦に説法みたいなことですが、まず条約に関して憲法に違反していない、それから今までに批准されている条約との整合性あるいは違反しないということ、そして今、最後に伺いました条約との矛盾点のある国内法の整備というようなことを前提にして伺いたいのですが、中でも先に申しました憲法とそれから既に批准している条約、具体的に申しますと憲法の中で保障されている女性の基本的な人権及び男女平等の原則、これが一つ。 それからもう一つは、一九八五年に批准された女子差別撤廃条約どこの子供の権利条約とが整合性と申しますか違反していないかということを確認させていただきたいということです。 子供の権利条約が批准された場合に問題になるという箇所は前文でございまして、前文の中で、子供は身体的及び精神的に未熟であるため出生前後に適当な法的保護を含む特別の保護及びケアを必要とする、これは日本語訳ですけれども、英語の方ですとその同じ文章のところに、生まれるというところなのですが、「ビフォア アズ ウェルアズ アフター バース」というこの言葉が最後に実はつけ加わりました。 その問題について法務省に確認させていただきたいのですが、日本では法体系の中で憲法が保障する人権の主体が出生後認められるのか、いつ認められるのか、その点をお答えいただけますでしょうか。
○説明員(森脇勝君) 民法の規定についてお尋ねですのでお答えいたします。 民法上は、「私権ノ享有ハ出生二始マル」という規定が民法の一条ノ三にございます。したがいまして、原則として生まれる前つまり胎児は権利能力が認められない、こういう原則になっております。しかし、胎児はやがて出生することが予定されているので、既に生まれている子との均衡を考慮しまして、胎児の利益を保護する見地から民法は例外的に一定の場合に権利能力を擬制しております。 それは二つの場合がございまして、一つは民法七百二十一条の不法行為に関する規定でございまして、損害賠償請求権については胎児は既に生まれたものとみなされるという規定がございます。したがいまして、胎児である問に親が例えば殺されて扶養されるべき権利が侵害されたあるいは母体を通じて胎児自体が傷つけられた、こういったような場合の不法行為に基づく損害賠償請求権は胎児もこれを享有する、保有するということになるわけでございます。ただし、胎児が死体で生まれたときは損害賠償請求権は取得することはないというふうに解されております。 それから二番目の例外規定といたしまして、相続に関する八百八十六条それから遺贈に関する九百六十五条の規定がございます。胎児は相続あるいは遺贈に関しては既に生まれたものとみなされるわけでございます。したがいまして、胎児の間に相続するあるいは受遺者になるということが可一能なわけでございますが、胎児が死体で生まれたときにはこの規定が適用されないというふうになっております。 以上でございます。
○堂本暁子君 今おっしゃいました七百二十一条ですけれども、ここで胎児が死体で生まれたときはこれを適用しない、すなわち既になした権利行使は無効となるということが、今御説明でもございましたけれども、ございますね。 ということは、ここで考えておられることは、我が国の民法は胎児に人権がない、最初におっしゃった御説明で。すなわち人権の主体としての法的な地位は厳密には出生後である。ですから、この例外というのはあくまでも生存して生まれた場合だけに適用される。ということは、生存していない場合というのは有効ではない。ということは、あくまでも例外的なものであって、民法はむしろその胎児の私権のあくまでも主体は、法的な地位は生まれた後であるというふうに解釈してよろしいわけですか。
○説明員(森脇勝君) 最初に申し上げましたとおり、原則は一条の三に規定されている「私権ノ享有ハ出生二始マル」、こちらの方でございます。 ただ、不法行為の場合には先ほど申し上げました例がございますので、後に出生する、生きて生まれるということを条件にいたしまして胎児の間にもその権利の保護を図っている、こういうふうに理解いたしております。
○堂本暁子君 もう一点確認をさせていただきたいのですが、子供の権利条約の四十一条、ここで国内及び国際法令の優先適用というのが書いてあります。先ほど外務省の方から御説明のあった、ほとんど国内法の改正が必要ないというお話でしたけれども、私ども少し気になりますのは堕胎罪との関係なのです。 この四十一条で決めていること、それはあくまでも改正をしなければいけないのは条約の水準に達していない法律に関してであるというふうに解釈した場合に、もう一回堕胎罪の問題を考えますと、これは大変まだ明治時代と申しますか軍国主義の時代に生めよふやせよということで、女性の人権というよりは女性はだれでも子供を産み育てなければいけない、罰金刑もづいていない、とにかく中絶をしたら刑務所に行かなければいけないという法律なのですけれども、この法律というのはもう新憲法のもとではむしろ差別撤廃条約とは大変抵触する法律であると私ども思っております。 そういう意味で、子供の権利条約との関係で申しますと、この堕胎罪の中では胎児は有意であるというような発想というかそういった解釈をなさる方もおられるわけですけれども、あくまでも子供の権利条約との整合性で申しました場合に、この四十一条から考えて、そしてきょうの外務省の御答弁から考えて、子供の権利条約そして民法の規定の方が優先する。子供の権利条約で申しますと前文ではなくて第一条の「子どもとは」ということで定義をしております。それが適用上、「子供とは、十八歳未満のすべての者をいう」というふうになっておりますが、日本国の場合はこの解釈でよろしいわけですね。
○政府委員(丹波實君) この条約の解釈に若干、若干と申しますか、関係する部分がまず前段ございますので、私の方から整理させていただきたいと存じます。 先生よく御承知のとおり、この前文のパラ9、九項は、この条約がほとんどでき上がる寸前に先ほど先生がお読みになられた表現が挿入されたわけでございまして、それに至る経過につきましては先生もよく御存じだと思うのですけれども、まさに先生が問題にしておられる問題との絡みでいろいろな各国の意見があったということは客観的な事実だったと思うのです。しかしながら、国際会議でよくあることですけれども、結局妥協の産物としてこういうその出生の前後においてという表現がこの前文に入ったわけです。 しかし、それと同時にこの条約作成部会の議長宣言というものが出ておりましてその中で、これが挿入されたことは条約の第一条及びその他の規定の解釈に影響を与えるものではないのだということが非常に明確に宣言されております。したがいまして、条約のその第一条以下の解釈が重要でございまして、前文にはそういう覊絆的な意味はもともと通常の論議としてございませんし、特にこのワーキンググループのクラリフィケーションを考えますと、前文のこういう表現が条約の中身そのものの解釈に影響を与えるものではないということを明確に再確認させていただきたいと存じます。 ちなみに、先ほど私、留保条項につきまして出入国管理法との関係で申しましたけれども、条約の第三十七条との関係でございますので訂正させていただきたいと存じます。
○堂本暁子君 今、大変明快な御答弁をいただきました。私は今そういったことがワーキンググループの方から出ているというのを存じませんでしたけれども、法務省としても、そういうことだそうですので、今までの日本の法律とこの前文というのは別に抵触するものではないということで、あくまでも先ほどの御説明でいいのかと思いますが。
○説明員(森脇勝君) 私どももこの児童の権利条約の児童の中には胎児は含まれていないというふうに解釈いたしております。したがいまして、この条約の四十一条は児童を対象とするものではございませんので、今御説明申し上げました児童の権利能力を擬制する規定と何ら関連しない、抵触するところはないというふうに考えております。
○堂本暁子君 ただ、今までこれはまだ批准もされておりませんし、それから実際に外務省から翻訳すら出ていない段階ですけれども、日本の官庁の中でこの前文を使いまして、このような解釈だからということで女性の問題についての避妊の問題ですとか中絶の問題にこの前文を持ち出されることがございました。そういったことは大変に不正確な法律並びに条約の解釈だと思いますし、まだ批准もされていない段階でそういうようなことが行われたわけなので、私たち女性の側といたしましては批准する前にこの解釈をきちんと確認させていただきたいと思ったわけです。 それだけではなくて、まだ日本の中ではどうしても男性優位の社会制度が根強く残っておりますし、いわゆる子供の権利そして保護の対象として考えられたとき、どちらかといいますと女性の生き方や社会的な地位がその伝統的な性役割分業に縛られている、そういう社会です。女性は子供のために犠牲になることがとうといのだというような考え方が非常にやはりまだ多い。女性の人権よりも子供の人権の方が優先することを余儀なくされるような傾向が多々ございます。それだけにこの点は十分に確認させていただきたかったということです。 それから基本的人権と人権の平等を保障することを建前としている憲法、それから国連の人権条約のもとでも、人権の保障の基本原理のもとではすべての者は性別や年齢に関係なくひとしく人権の主体として法的な地位が認められている。ひとしく人権が保障されなければならないということは当然のことなのですけれども、それが子供と女性というのは、たまたま、たまたまではなくて子供を妊娠する側の性である女性の場合には、子供の権利それから女性の権利という両方のものが非常に微妙なところで厳密に決められ、そして解釈されなければならないということがございます。それだけに、子供の権利条約が批准される前にぜひきょう法務省にも外務省にもこの点を私としては確認させていただきたかった。 なぜならば、差別撤廃条約の中でもこれは男性女性ということは限らない形で、十六条の(e)項ですけれども、「子の数及び出産の間隔を自由にかつ責任をもって決定する同一の権利並びにこれらの権利の行使を可能にする情報、教育及び手段を享受する同一の権利」というのが女性に認められております。この女子差別撤廃条約、日本の民法、憲法、そして今度の子供の権利条約という中でこの前文、先ほど丹波局長から御説明があったように、大変宗教的な理由でこれは最後に入れられた数文字なのですけれども、そのことが不条理な使われ方をしないように確認させていただきたいと思いました。 法務省の方、お急ぎのことと思いますので、これでこの件は終わりたいと思います。ありがとうございました。 次に、本命に移りましてUNCEDのことに入りたいと思っております。 今回、私もニューヨークヘ行っていまして、本当に外務省の皆様、局長方も若い方たちも大変なお仕事で夜遅くまで御苦労であったし、大変に骨身を惜しまず働いていらっしゃるのを見ておりまして、本当に頑張っていただきたいと思っております。 その中で幾つか考えたことがあるのですけれども、国連全体の傾向と申しますか、特にUNCEDの場ではNGOの動きが非常に活発でございました。公式な会議にも出席をし、それから発言もしている。そういった中で、今まで国連と申しますと国家の主権を代表する政府の代表によって構成されている。今もそうですけれども、冷戦の終結後、世界はそういった地理的な単位で分けているだけではないような違った一つの局面というか、違った次元の分け方があらわれてきたのではないかと思うほどに新しいNGOという存在があらわれてきたように思います。 特に地球環境はボーダーレスな問題でございますから、対応も国家間の利害の駆け引きとかそれから南北の利害の駆け引き、これが最後は大変多うございまして、本当に妥協と省略と切り捨てで何とかブラケットを、括弧をなくしていく作業に終始していたというように私には見えました。しかし、そういった国の間の駆け引きとかそういうものと別に新しい枠組みとして市民が台頭してきている。その市民がまた地球環境の保全に果たす役割、これも大変大きいのではないかと思っています。 そういった市民、地球のすべての市民が合意されたことを実行しない限り地球環境も守れないのではないかというふうに思いますが、特にオゾン層、森林、それから生物の多様性、あるいは海洋、途上国の貧困の問題、飢餓の問題などそういった問題を多くNGOは出してきているわけですが、すべての人がこういった問題に取り組まない限り解決しない。 そういった視点から大変おもしろく思いましたのが新しく出たアジェンダ21です。このアジェンダ21の主要グループの強化、日本語にするとわけがわからない日本語になっちゃうのですけれども、言ってみれば市民団体、それから女性、先住民、若者と、環境と開発の重要な役割を考えてこのグループのUNCEDへの参加、それをアジェンダ21の各部分に反映して独立した項目として設定しよう、それから環境と開発のある場面に参加を促進しようということがこの四つのグループに関して決議されて、そして新しく今回の最終準備会のためにアジェンダ21の中で主要グループの強化というのが出てきたわけです。 ここにアジェンダ21がありますけれども、このアジェンダ21は主要グループというのが九つ入っています。今のNGO、女性、先住民、若者のほかに、例えば企業ですとか労働組合ですとか、それから科学者とか地方自治体とかいろいろな、ボーダーレスな中でそういったむしろ違った分け方で入っている。実際に全体会議の中でNGOが発言したり女性が発言したりするのですが、そのグループは世界じゅうのいろいろな国の人が一つのグループになって並んでいる。今までだといつも国単位で、日本なら日本、アメリカならアメリカと並んでいたのがそうではなくて、アメリカの人もインドの人もインドネシアの人も一緒になって女性のグループを形成しNGOのグループを形成し若者のグループを形成している。そういった中でみんな発言をしている。大変おもしろい動きだなと思いました。これも公式の正式の会議でそういったNGOの人たちがどんどん発言をしていく場を与えられていた。 私はきょう、特に日本の場合はこういう動きに対して比較的おくれていると申しますか、政府の対応が遅いのではないかということを危惧しながら御質問したいと思っております。 まず、このアジェンダ21ですけれども、こういった主要グループの動きについては国連局としてはどのように取り組んでおられるか、その点から伺わせてください。
○政府委員(丹波實君) 今回のUNCEDの第四回準備会合、先般終わったばかりですが、実はこの会合につきましての日本政府代表団の所感の電報が来電しております。その中に、今般、堂本先生御自身がニューヨークのこの準備会合に出席され各国のNGOと非常に活発に交流していただいたことは、政府の努力に合わせて大変日本の環境問題のイメージアップに役立ったという一節がございますので、それを御披露かたがたこの席をかりて御礼申し上げたい、こういうふうに考えます。今後ともこれらの問題につきよろしく御指導方お願い申し上げたいと思います。 さて、この地球環境問題の対応とNGOとの役割の問題ですが、私たち例えば日本国内におきましても、先般UNCEDの事務局に出しました国別報告書でございますね、この作成の過程に当たりまして日本のNGOの方々から御意見を伺ったり、それから先生御承知のとおり、地球環境日本委員会というものがございますけれども、この場を通しまして消費者の団体あるいは労働団体、経済団体等の意見交換を行ってきておりますし、今話題にしておられるUNCEDの準備会合におきましても、政府代表団とNGOの懇談会などを設けてできるだけNGOの御意見も吸収して事に当たってきたつもりでございます。 先生が今話題にしておられるアジェンダ21の一部を構成する主要グループの役割強化という問題につきましても、今次の会合において初めて実は検討された事項で非常に幅広い分野を扱う問題なものですから、幾つもの小さなグループに分かれて検討が行われたことは先生御承知のとおりだと思うのです。 先生の目からごらんになられると、必ずしも日本政府代表団はNGOとの接触はまだ十分じゃないという御意見かと思います。昨日も省内で実はこの準備会合の報告会が行われましたけれども、そういう御意見がもしあるとすれば、日本の一部の新聞にも報じられておりますが、それはやはり傾聴すべき点はあるので、私たちとすれば実はなかなかそこまで手が回らなかったという面はあっただろうと思うのですけれども、今後本当にこういう面でも倍増の努力をしていかなくちゃならないという認識で、きのうも省内で議論をしておった次第でございます。
○堂本暁子君 今、国別報告書にNGOの意見を聞いたというふうにおっしゃいました。そのプロセスも私は存じておりますけれども、少し違いますのは、もうそういった政府が主導というだけではなくて、例えばカナダをとれば、もう四十二、三人だと思いますが、その中で九人ぐらいNGOの方が入っている。それからイギリスにしても、NGOの会議で一生懸命議論している人が翌日見ると政府席に座っている。イギリスの方のところへ行ってこれはどういうことですかと言うと、いやもうとてもいい、情報がいろいろ入ってきて助かっているのだということで、もう単に意見を聞くという域を超えているように私は思います。オランダなんかでもそうでした。 それからセクレタリアートと国の政府代表とNGOとの話し合いを持とうというような場面でも、ほとんどの国、ほとんどというか主な国、アメリカとかイギリスとかオランダとかノルウェーとか、それから私の場合でしたら生物の多様性条約のことをやっておりましたからスウェーデンなんかがその仲裁役として出てきたりしていたのですけれども、やはり日本はそういうところは、そこで大変実質的な議論が行われているにもかかわらず、たかだかNGOというような考え方がまだあるのではないかというふうに思うのです。そう思っている間に恐らく政府間の交渉よりも違った側面が今や急激に出てきている。それに日本が取り残されるのではないかというふうに思います。 今、もう少しそういうことを考えたいとおっしゃってくださったので、大変そのことはうれしく思うのですけれども、細かいことでも一つずつ、先ほどのセクレタリアートからの手紙によりますと、もっと具体的に、例えばリオにもそういったいろいろなグループの人たちの意見が反映し参加するような方向をというふうに言っているわけで、そういった形で、単にそことの接触を持つというだけではなくて、そういったものをもう積極的に取り入れていくということが世界の、少なくともUNCEDに関しての趨勢、そしてそのUNCEDの趨勢がもっと大きく国際社会を動かしていく次の力になっていくのではないかというその胎動、スタートのような気すらいたします。そういった意味で、やはり丁寧にここの中で議論されていることには対応をしていただきたいというふうに思います。 まず女性の問題から伺いたいのですけれども、例えば各レベルで女性の人数をふやしてほしいとか、意思決定の場面にぜひ女性を参加させるようにとか、それから女性の今まで環境保全に果たしてきた経験や役割、知識といったものをもっと活用していくこととか、そういった重要性をずっと挙げていますけれども、そういったものが例えば日本の国別報告書、これには女性という言葉は一言も入っていないのですね、残念ながら。 これはジュネーブのときに、私はまだあのころは発言をできる余裕があったので発言をしたのですけれども、女性が一人も国別報告書には参加もしていないし、それから女性についての役割が日本の国別報告書には出ておりません。それだけではなくて、例えば先住民ですとかそれからNGOの、NGOの役割は少しあるかもしれませんが、そういったものも入っていない。ということで、日本政府として今後こういった女性の役割ということをもっと積極的に取り上げていっていただぎたい。 それから例えば政府代表の中に女性の方がいらしても女性の問題をフォローしているというようなことがないのですが、ほとんど毎日女性の会議は開かれていました。先住民の会議も開かれていました。それからNGOの会議も毎日開かれていましたが、そういったそれぞれについてのフォローは一切ないと思います。そういったことを今後お変えになるような計画はおありになりますでしょうか。
○政府委員(丹波實君) 本当にこの問題は、先生先般のこの外務委員会でも触れられましたけれども、先生御自身、昨年十二月の世界NGO会議に出席されたりあるいは十一月のマイアミの婦人等環境世界会議も出席され、今回もまたこの準備会合に出席されて、この分野で本当に大きな役割、エキスパートであられる、そういう先生のただいまの御意見、私たちとして全くそのとおりだと思います。足りないところがいろいろな意味であるのだろうと思います。先生の御意見、御指導も得ながらぜひ足りないところは本当に一緒になって埋め合わせていきたいと思っております、 今般のニューヨーク会合におきましては、先ほど申し上げましたとおり、できるだけNGOとの関係にも努めたわけですが、その中で例えば今、先生ちょっと言及された先住民委員会でございますね、これとの関係では、私が承知しておりますところ、瀬崎大使が先住民委員会と会談されてそれなりに大変有益な会談であったということを先方も言っていたという報告に接しております。 そういうことで、まだ足りないところはございますけれども、今後とも一生懸命やっていきたいと思いますので、ぜひよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○堂本暁子君 褒めていただいても困るのですけれども、また今、実際に今後とおっしゃっていること、今までに余り具体策とかそれから予算とかそういったことがないのではないかと思うのですが、やはり一つの大きな理由は、日本の中でNGOを育てるということに対して日本政府が積極的でないということが一つ大きな原因だろうと思います。 それからもう一つは、そういう政府の代表団の中にやはりNGOの人が積極的に入っている。それも単に政府側の意見を言う人ではなくて逆の人が入っているということが非常に私には驚きだったわけですね。ですから、マレーシアなんかは、ジュネーブで会ったときは非常にラジカルなNGOだと思っていた人が今回行ったらば政府席にでんと座っているので非常に驚きました。 そういったように、各国そうしなければならないような状況になってきているというのは、環境の場合に、先ほどの繰り返しになりますが、一人一人の市民の力を得ない限り実行できないという状況にある場合に最初から市民の参加を求めているという状況の中で、日本はそこが立ちおくれているというふうに思いますのできれば、いろいろさっきそういうところが必要だということをるるおっしゃってくださいましたけれども、今後もう少し具体的な政策としてそのことを出していただきたい。 例えばカナダのように、それはやはりカナダの議会の中でそういうことが問題になり、そしてそういった九人という大変大きな人数、代表団の中に女性は五人でしたが、そういう中にどんどん入っていけるというような、そういう政策が単につけ足しとしてではなくてもう組み込まれていっているということで、日本がおくれをとらないように具体的な政策を立てていただきたいと思います。 今、先住民の問題、瀬崎大使がお出になったそうですが、私は余り出ませんでしたけれども、大変に先住民に関心を持っております。これは渡辺大臣にもぜひ先住民の問題をお考えいただきたいと思うのですけれども、驚くほどニューヨークは先住民が大勢来ていました。一体何人来ているのかと思うほど大きな会議室を埋めて、会議場で会議をするぐらいに大勢先住民が来ていました。 先住民の問題、これから例えばODAの場合なんかでも大変に日本が一番問題にされているのは、そういった先住民の人権の問題、環境権の問題だと思うのですね。今回のアジェンダ21では先住民に対しての環境の維持それから伝統的な生活の維持というようなことが大変多く盛られております。そのことがやはり世界的な趨勢でもあるというふうに思っております。 それだけに日本は今後ODAのやり方などの場合でも今まで以上にそういったことをきちんと守っていかなければならない、配慮していかなければいけないというふうに思いますが、大臣は先住民のことはどの程度にそういう視点からはお考えでいらっしゃいましょうか。
○政府委員(丹波實君) まずNGOと政府との関係ですけれども、日本にはお上という言葉がございますけれども、福祉の分野をとりましても例えばアメリカとかヨーロッパ、カナダも含めまして基本的なカルチャーの問題というのは一つあるのだろうと思うのです。環境でも福祉でも例えばボランティア精神というものが日本に比べますとアメリカとかカナダ、西欧というのが発達しているというのは、やっぱりそういうカルチャーというものがあって、先生おっしゃるとおり、環境にしろ福祉にしろそういうものを変えていかなくちゃならぬという点はあるのだろうと思うのです。 これは、一外務省だけの問題ではございませんで、そういう考え方で本件に取り組んでいく必要があるという意味では、私たち本当に先ほどから申し上げておりますとおり、先生の御意見を大変貴重なものとして伺っているつもりで決して言葉だけで申し上げているつもりはございませんで、本当にこういうところは変えていかなくちゃいかぬと思っております。今後いろんな面に、女性の問題にしろNGOの問題にしろ取り入れていかなくちゃ彼らぬというふうに考えております。 先住民の問題につきましては、先生御承知のとおり、第四十六回の国連総会におきまして次のような決議がコンセンサスで採択されておるわけです。 一つは、一九九二年、ことしですけれども、第四十七回の国連総会におきまして国連事務総長が国際年の宣言を行う。各国NGOに対し各種の国連支援を要請する。そういう活動計画として広報活動、啓発活動を奨励する。それから先住民の人権、環境、発展、教育といったような諸問題について各国がお互いに協力し、かつ国内レベルにおける活動を推進するということで、日本の場合には国内レベルの活動は日本の関係国内省庁が行うわけですが、外務省といたしましてもこういう国連の決議というものを踏まえて協力してまいりたいというふうに考えておる次第でございます。
○堂本暁子君 具体的に伺いたいと思いますが、アジェンダ21の中にあります先住民のところには、国として先住民の要求とか価値観それから伝統的な知識、そういったものをいろいろ開発のプログラムにも結びつけていくというようなことが書いてあります。こういったような、積極的に先住民の価値観を認め伝統とかそういう知識を取り入れていくというところまでお考えでしょうか。
○政府委員(丹波實君) 一般論といたしまして、環境問題の分野におきましても先住民の方々の御意見を取り入れるということは非常に重要でございまして、そういう観点からまさに先般ニューヨークで瀬崎大使もこの委員会と会談したわけですが、こういう接触を踏まえて今後対処してまいりたいというふうに考えております。
○堂本暁子君 経済協力局の方に予定していませんでしたけれども伺いたいのですが、ODAの場合に、森の中そしてダムの周辺、つくるときというのは先住民の問題がナルマダだろうがコタパンジャンだろうがどこでも問題になっているわけです。そういったときにやはり日本が非常に、後で触れようと思いますが、今回ある意味では攻撃の的になっている。 それはなぜかというと、こちらのことには日本は賛成はしているのですけれども、一方でそういうことをやっているということが特にプレスやNGOの間では大きな非難の的になっている。だから、どんなに日本がいいことをやっても相殺されるというようなことがあると思うのです。この辺を援助という方の側からはどうお考えになりますか。
○政府委員(川上隆朗君) 先生御指摘の援助と先住民、さらには広く環境ということになろうかと思いますが、御案内のとおり、我が国の政府開発援助の目的からして、実施に際しまして我が国の協力が行われることによって現地住民の福祉が損なわれるということでは困る。そういうことにならないように最大限努力をすべきであるというのは御指摘のとおりだろうと思います。 我々も、援助の一つ一つの実施に当たりまして、公害だとか住民移転の問題といったようなものも含めましたいわゆる環境配慮のためのガイドラインといったようなものを実施官庁が、例えば経済協力基金、JICA等でございますが、そういうものを設定いたしまして各種調査、審査を十分に行うということに努めているわけでございます。 もちろん相手国の内政の干渉という問題がございますのでそういうことにならないように配慮しながら、必要に応じまして相手国政府に対しまして住民移転の問題、現地住民に対する対処でございますが、こういう問題に適切な対処を行うということを含めまして環境問題全体に十分配慮を行うよう一件一件働きかけてまいりたい。 御指摘のようなコタパンジャン等の案件もございますが、そういう案件の実施に際しましてもいろいろな段階でそういうことに我々としては努めているつもりでございます。
○堂本暁子君 ぜひ今世紀最後と言われているUNCEDが本当の意味で地球環境を守るために成功することを願いたいのですけれども、必ずしもそれがどういうことになるか、六月までの間にどうなるかということは非常に難しい局面も多々あるように思います。 ただ、非常にプラスだったことをいえば、世界じゅうの市民団体が集まってこの何年間がお互いに顔を知り合い情報を交換する、そういう大きいネットワークができたこと。それはプレスにも言えるかもしれません。余り日本のプレスはそういう形で動いていませんでしたけれども、よその国では割に環境専門の人たちがよく動いていました。そういったネットワークができたことだと思うのです。 それで今、局長の言われたようなことは今までは、ダムをつくるのだからある程度その補償をするとかそういったこと、十分に環境権を守るということの配慮をすればいいというような従来のお考えかもしれませんが、それがもうトラスチックに私は変わってきていると思います。例えばメキシコでは、ナワ族という先住民の住居が水没する。これはメキシコ自体が建設していたものだと思いますけれども、そのために巨大ダムの途中までできていたのを中止までしています。そういう時代に今や突入してきている。その中で日本がこれからどういう建設をしていくのか、開発をしていくのかということは、単に相手国政府だけではなくて、今るる最初から申し上げてきたようなそういった市民団体や先住民、その人たち自身がお互いの関連の中で非常に日本を見ているということをやはり注目したい。 あえて大臣にもう一度私はどうしても伺いたいのですけれども、この先住民の問題でございます。 先住民は少数民族で世界の中で大変少ないだろうというふうにお思いかもしれませんけれども、やはりその少ない、むしろ大勢ではなくてマイナーな先住民の権利とか環境権が守られることが今地球全体を守ることだというふうな発想すら私はできるのではないか。瀬崎大使も先住民のそういう会議にお出になって下さったそうですけれども、アンデスのインディオもおりますしインディアンやエスキモーもいるでしょう。そういったいろいろな先住民の人たちの人権、それから環境権について、外務大臣としてはどのようにお考えでいらっしゃいましょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 日本の国は、ある著名な文学者に言わせると八つの民族から成っているのじゃないかと言われている。北方系、南方系、中国系、朝鮮系その他ですね。原住民族というものもおったのでしょうが、これを非常に同和をさせてそして現在の日本民族になっている。そういう面では私は一番差別のない融和された社会ではないか。したがって、その先住民というようなことに対しましても平等な同じような待遇が一番いいのじゃないか。 しかし、そう言っても他国において、平等にしたのではやっていけないというような今までの環境とか教育とかいろいろな面でとりおくれがあるというような点は、各国でそれぞれ適したような保護も与えているところもありますから、それはそれなりにその国の実情に応じてそれぞれ生活が普通と同じくらいにできるように福祉を与えていくということではないかと思います。
○堂本暁子君 日本の先住民といいますと大臣はどのようなイメージを描かれますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) さあよくわかりませんね、僕も。それはいろいろあったでしょう。日本に丸々もともと人がいなかったということはないでしょうからね。
○堂本暁子君 アイヌというふうには。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは地域地域によって、熊襲もいたろうしいろいろいたのじゃないですか、その当時は。 もともとの原住民、先住民というよりも原住民族というのはおったのでしょうね。しかし、その人もあるいは北方系から来た人であるか南方系から来た人であるか、あとはその途中から朝鮮半島あたりからも大量に平安、奈良朝時代には来ておりますから、それがもう混然一体になっているのですよ、日本の場合は。だからそういう区別がなくなっちゃったと。
○堂本暁子君 私は、今おっしゃったのはここで言う国連で言うところの先住民とはちょっと違うと思います。さっきのはどこから日本の人たちが来たかということでございまして、今、先住民と言っているのはそういった古くからの伝統を守り持っている人たち、日本の場合にはやはりアイヌということでありましょう。明治の時代に土地を収用し、そして今また二風谷でアイヌの聖地がダムの底に沈もうとしている、こういったことがあります。 それだけに大変に気になるのは、国連の場ではそういった先住民、NGO、女性を日本は大事にするというふうにおっしゃるのですけれども、実際問題として国内ではそういったアイヌの人、先住民の人たちも一緒に動いていましたし来ていましたけれども、そういったアイヌの先住民の環境権や文化を日本が守れなければよその国の先住民の文化も守れないのではないかという危惧を持ちます。その意味では私たちはもう少しアイヌの問題に、私も余り詳しくはないのですけれども、神経質になっていいのかなということを逆にニューヨークで感じました。 もう時間がないので最後に、資金の問題は大変難しい問題ですけれども、異常なほど日本に期待が高まっております。これは先日、朝日新聞に石さんも書いておられましたし、きょうの朝刊にも論説が出ていましたけれども、私は大変に同じ感想を現場で持ちました。 というのは、日本が何を考えているかわからないということをどれだけ多くの人に言われたかわからないのですね。政府間ではもう大変な努力を外務省の局長方、赤尾さんなんかもやっていらっしゃる。それは水面下の交渉では非常に日本は力を発揮しているのだろうと思うのです。ところが一たん新聞記者とかそれからNGOの世界になると、日本は何を考えているのかわからない。ましてをや会議場なんかではどうしても私が気になって、あえてきょうは外務省の応援団として言わせていただきたいと思いますが、各省庁間の対立と申しますか調整、それが日本の国内でのものがそのまま国際舞台に出ていってしまって、お互いに何も言わない、発言しない。もっと悪く言えば、この省庁が何も言うかそれを監視しているような役で来ているのじゃないかと思うことすらありました。 そういったことは私たち日本人からは見えますけれども、外国の人からはそうは見えないわけですね。一体日本は何でアメリカにあんなに追随するのかと。それはある種のことでは常にアメリカに賛成ということだけははっきり発言なさる。森林のところへ入っていったときに、大変若い多分外務省の方だと思いますが、いい発言をしておられてほっとしたことがあるのですけれども、それ以外のところでどうして日本はこんなに黙っていなければならないのか。それは恐らく国連の場にいる各国の代表はもうなれているかもしれませんが、新しく初めてそこへやってきたいわゆる市民の人たちから見ると日本は大変奇異に映って、そしてその印象をみんな世界じゅうに持ち帰るということになります。 そういった意味で、どうしてあんなにアメリカの顔色見るのという言い方を何度も受けて、新聞に書かれたことと同じ印象だったものですから大変気になっているので、これからの外交のあり方というのは日本の国内的なそういう政治の体質を国際舞台に持ち出しては本当にまずいのではないかというふうに一つ思っています。それは意見として言わせていただきます。 そして最後に、これは大蔵大臣をなさった外務大臣にぜひお願いをしたい。それはもうずっとこの一年間感じてきたことなのですが、外務省の課長たちが出張するのにエコノミークラスに乗ってしかもパックで行くようなことをやっています。これは本当に問題だと私は思います。なぜならば、日本だけが会議が終わらないうちに先に帰らなきゃならない。切符がかえられないからというようなことまで実際に知りまして本当に驚きました。これで何で経済大国と言えるのか、予算の使い方がおかしいのではないかというふうに思います。大臣、御存じなかったですか。 私、企業に勤めておりましたけれども、企業に入っても私のいた企業はもう最低一年目からビジネスクラスで旅行ができたわけですね。そこで、皆さん恐らく出かけるまでに物すごくいろんな仕事をして疲れて乗って、寝るのにも長い長い十八時間ぐらいの旅でも寝られないだろうし、飛行機の中でも仕事もなかながなされない。そういう状況から、日本を代表してそういう国際会議へ行く方にそれだけの予算措置を今後何としても来年からでも講じていただきたいとお願いしたいのですが、いかがでしょうか。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 堂本先生から御支援の御発言をしていただきまして、大変恐縮に存ずる次第でございます。 私ども、大事な国家予算でございますからできるだけ効率的に使わなくてはならないという一般論がまずあるわけであります。職員の出張に当たりましても出張の実態を見ながら、今先生御指摘がございましたようなパックを使わざるを得ない状況というものも正直申し上げでございます。これは出張の目的、それから緊急性を要する出張であるのか、そういう出張の中身等々判断いたしまして私どもとしてお互いに切り詰めながら予算を使っているという状況でございます。 当然のことでございますが、堂本先生が御指摘になりましたような国際会議への出張ということにつきましては、これは一カ月なら一カ月という会期が決まっておればある程度それに対応した予算の組み方ができます。弾力的に対応しなければならないときには当然のことながら出張者の都合ということも考えなければならないと思いますが、一般的に現在の苦しい財政状況のもとでお互いに融通をし合いながらやろうということで、これは単に外務省に限らず政府全体の考え方としてやっておる方針でございますので御理解をいただければと思いますが、ただいま御指摘のありました点につきましては十分承ってこれからの参考にさせていただきます。
○堂本暁子君 私、余り理解いたしません。 私は報道関係に勤めていましたから、なぜビジネスクラスの切符を買うかと言えば、そこで事件が起きて、何度もそういうことが現実にあったのですが、事件が起きたときにパックの切符では帰らなきゃならないわけですね。例えば韓国へ行ってもすぐ中国へ行ってくれというようなときに、そういうきちんとした正規の切符を買っていない限りそれは使えないわけですね。そういうことが可能ではない。それから延期ができない、事態が変わったとき、事件が起きたときに。 私は、やはり国家公務員というのは同じような責務を担っていらっしゃると思います。そういった国家公務員の職能からいって、今のようにそういったパックで旅行するなどということはよほどのことがない限りおかしいと思うのですね。よほどのことがあってもおかしい。本質的におかしい。会議を日本だけが抜けて帰るというようなことはやはりあってはならない。それから、ない財政の中でとおっしゃいますが、七十二兆の国家予算の中でそれはこの国際時代に余りにも大事なことです。飛行機の中で疲れ切って仕事もできない、ちゃんと書類も読めない、そういった状況で国際会議。短い間の出張が皆さん多いわけです。 私は、常日ごろ大変行政の批判はしていますけれども、この点についてだけは何としても改めていただかなければ若い方たちが思い切って仕事ができないと思っています。外務公務員である以上はやはり、外務省の方たちだけではないですけれども、各省庁の課長たちが本当に苦労しているのを見ていて何か情けなくなるのですね。ほかにいっぱい、むだな予算という言い方はよくないかもかれませんが、どこかほかを切り詰めてもこの国際時代にもっと外務省の方がきちんと仕事ができるような体制をぜひ大臣にとっていただきたい。よろしくお願いいたします。 ありがとうございました。
○黒柳明君 外務大臣、昨日からきょうにかけまして、江沢民総書記の来日、総理大臣のはいろんなコメントが出ているわけですよ、天皇の訪中についても。外務大臣のコメントがないものですからちょっとお聞かせいただきたいと思うのです。 私は、天皇陛下の訪中、これはアジアの国に関しては政府間においては戦争は終わったわけですけれども、やっぱり国民の間においては戦後というものがまだ終わっていないと思うのです。PKOにもあらわれていますしね。あるいは朝鮮の慰安婦の問題でも韓国の民間賠償でもことごとく何か日本でありますとアジア諸国は戦争の悪いイメージがまだ残っていまして、その延長線で何か日本に対してクレームをつける、こういうことがあるのではないかなと、最近特に。 天皇陛下を政治に、失礼ですけれども利用するわけにいかないし、利用はしてはならないわけです。しかし、陛下が訪中されるということは日中間の戦後処理というものについて終止符を打っていただく、幕をおろす大きな一つのイベントじゃなかろうかと、私はこんなふうに思うのですが、大臣、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私はコメットを出さないと言われておりますが、これは首脳会談、総理がカウンターパートでありまして私は陪席をしているだけですから、官邸でコメントを出すのは当たり前のことで、私が出さないのも当然だと。聞かれれば言わないわけではありません。 私は、いろんな点で多少意見の違いもありますが、ともかくもういつまでも過去のことにこだわらないで、そして未来に向かって大きく相協力し合ってアジアの安定と繁栄、世界の平和のために尽くそうという点は全く一致をしておるわけです。ですから、小異を捨ててでなくて小異を残して大同につこうと。日本には小異を捨てて大同につくという言葉がありますが、小異を残して大同につこうというのだそうです、向こうでは。だから、それは考え方は多少違いますが、一〇〇%同じとはいきませんからそれでいいのじゃないか。 私は、中国の方が再三おいでになったたび、また日本の方が中国へ行ったたびに、過去五、六回、ことしは正常化二十周年、今まで非常に順調にいろいろやってきた、だからここで一区切りということですから、未来に向かってともかく歩む、記念のためにもぜひとも訪中をしていただきたいと。我々もたくさんの人、偉い人が呼ばれているのでそのお返しということもございましょう。ですから、私はできることならばそういうような御要望を真剣に検討してまいりたい、そう思っております。
○黒柳明君 それはわかりますよ。要するに陛下の訪中の意義。 私また同じことの繰り返しになりますけれども、アジア全体でいえば戦後というものは続いていると思うのですよ。ですから、恐れ多い言葉、発言だと思うのですけれども、やっぱり陛下の訪中によってある意味では国民感情を含めて政府間の問題を含めて戦後に完全な幕をおろす、こういう大きな意味もあるのじゃなかろうかと。これは政治的なものでないといったって、これはもうないという否定もできないわけです。政治絡みであることは間違いないですね。ですけれども、そういう大きな意味があると思うのです。その点、大臣、いかがお考えでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一つの貴重な見識あるお言葉として拝受をいたします。
○黒柳明君 大臣、きのう首脳会議にお出になって、今、大臣もおっしゃいましたけれども、けさの新聞を見ますと総理は、国交回復二十周年に実現できることに、これは陛下の訪中ですね、意義があると。そうすると何か真剣に検討という、この日も何か総理の言葉が非常に抽象的で、外務大臣は非常に歯切れがよくて具体的で、非常に気持ちよくて国民にアピールしていい発言なのですけれども、もう総理大臣なんかわからないわけですよ、抽象的で。だれを恐れているのか、だれにびびっているのかわかりませんけれども。外務大臣はびびる人もおっかながる人もだれもいないので非常に明快なもので、それでお伺いしたいということで冒頭あれなのです。 要するに、二十周年にということはやっぱりことしですわな。二十周年に実現することに意義があるということは、真剣に検討するということは、年内には間違いなく行かれると、こういう意味に当然とったのですけれども、これは間違いですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 間違いとは申しませんが、一〇〇%合っているとも今の段階では言えないと、検討中ですから。
○黒柳明君 ただ常識的に、総理大臣の言葉、国交回復二十周年に実現すれば意義があると。正確にはどうかだったか、そのとおりだと思ったけれども。国交二十周年に実現するのは極めて意義深いと、こういうふうも言葉ですね。マスコミの一斉の報道ですから間違いないと思います。そうすると、二十周年は来年じゃなくてことしですよ。ですからことしじゅうにはと、こういうふうに思うので、重ねては聞きません。 それで、陛下の訪中のネック、要するにこれは自民党の中で異論がある、こういうことも一つの原因がと思うのですけれども、尖閣列島やあるいは民間賠償の問題がネックになっているということはないのですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いろいろなものも含めまして慎重に検討いたします。
○黒柳明君 慎重ですね。総理以上に慎重になっちゃってふだんの外務大臣みたいじゃないですね。まあ結構ですよ。 PKOの発言もしましたですね。私もそれでは慎重に発言しますよ。PKOの発言は、PKOは敏感な問題だ、慎重に対応してほしいと。これはどういうふうに受けとめましたか。もう総理のコメントはこれに出ているのです。外務大臣のコメントは出ていない。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは中国の立場として今までずっと同じことを言っているのです。しかし、私は一友人友達として慎重に検討していただきたいとおっしゃったのであります。
○黒柳明君 何だか主語がちょっとわからない。おっしゃったのは外務大臣ですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いや江沢民総書記です。
○黒柳明君 ああ江沢民総書記がおっしゃったの。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 一友人ね。政府の立場じゃないですよ。
○黒柳明君 一友人というのは江沢民。
○国務大臣(渡辺美智雄君) いや宮澤さんの一友人としてという意味ですよ。
○黒柳明君 江沢民総書記が宮澤総理の一友人としてこのようにおっしゃったと。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 他国のやることですから、内政干渉はやらないし受けないというのが中国の基本的な立場ですから、だから一友人としてという話をしたのだと思います。
○黒柳明君 一友人であることはこれは間違いないですけれども、やっぱり国家を代表して来ているわけですからね。まあ結構でしょう。 きようはまた、きのうもフィリピンのノリタケに脅迫状が来て、それで家族含めて退去されると。これは外務省は情報をつかんでたのですか、前から。
○政府委員(荒義尚君) 先生御指摘の点、我々は承知しておりました。
○黒柳明君 きのうお葬式がありましたシチズン商事の太田さんの件ですが、私も前からそんな話が来まして、知っている人もいたのでいろんな話を、まあ聞く必要はないのです、外務省がフォローしてますからね。マスコミがいろいろ聞き出しています。それでいろいろ内容を聞きますと、まずはどんなものかなと。私は、外務省が悪いのだとは言えない、あるいは商社がだめなのだと、こうも言えるのか非常に微妙な問題だろうと。 あの例の三月十四日、太田さんが友達と食事を終わってどこかへいなくなった。十五日はゴルフで、そこで初めて気づいて、十六日に外務省とタイアップして、何らかの指導を受けながら捜した。二十日になってやっと外務省とシチズン商事が現地の警察に行って捜査願いをした。二十六日ですか死体が出てきた。それはもう既に十日か十一日前に殺された太田さんである。そうすると、十六日、身の代金を要求したとかしないとか、七十五万ドル出したとか出さないとか、その前に殺されたとか殺されていないとか、こういう問題が残っている。 私よく聞きましたら、やっぱり十六日朝早く誘拐グループからシチズンに電話があった。それで午後にまた電話する、七十五万ドル出せと。その午後の電話を待たずして七十五万ドル出した。しかも、私たち常識的に考えれば、太田さんの生存安否はどうであるのかとか、あるいは七十五万ドルを出して効果が、効果と言っちゃ失礼ですけれども、太田さんが釈放されるのかどうか、そんなことも全く深く検討しないままに本社から出せと、こんなことで出しちゃった。結果は結局既にそのときは殺されていた。こんなことを今、声を高らかに言っているわけじゃないのですけれども、いろいろ失敗したということも含めて会社の関係者が言っているのですよ。 だから、ここで外務省とタイアップしたというか、外務省はむしろ指導するというかサゼスチョンを与えるわけですわな。それがやっぱり外務省のサゼスチョンになると。十四日、十五日、そして十六日、電話一本来たからすぐ七十五万ドル出す、結構だろうと。生存の安否を確認しないで結構などというばかなことはないと思うのですね。七十五万ドル出していいのか、あるいは太田さんが生存しているのかしていないのか、そんなことをきちっと確かめてそして手を打つべきだ、こういうふうな指導はしたのではなかろうか。当然だと思うのですが、その点は真相はどうなのでしょうか。
○政府委員(荒義尚君) 先生御指摘の事実関係でございますけれども、御承知のように、現在パナマ当局は捜査を続けておりましてまだ二名の容疑者の追及をしておるということでございまして、若干公式論になるかと思いますけれども、やはりパナマ当局の捜査完了とその報告を待って私どもとしてはコメントを申し上げさせていただきたいということでございます。
○黒柳明君 実はシチズンの関係者に聞きますと、十六日朝、誘拐犯人から七十五万ドル出せと電話があった。また午後する。その間に七十五万ドル払ったというのですよ。 外務省の出先の大使館の方からは、そんなばかなことをするな、金額についてはもっといろんな交渉の余地はあるのだと、あるいは当然太田さんの生存というものを確かめないで払ってどうなるのか、こういうサゼスチョンが当然あったと、こう言うのですけれども、これはあったのでしょうな。
○政府委員(荒義尚君) 御指摘のとおり、現地時間の十六日の朝でございますが、我々はシチズンの方から連絡を受けて初めて事件を知ったわけでございます。私どもは、こういう事件の場合には側面から全面的に支援するという基本的な立場でございますが、そのときに我々としてサゼストすべきことはしたということでございます。 中身については、先生御想像かと思いますけれども、シチズンとの関係もございますので中身は申し上げられませんが、太田氏の生命の確認が大事であるということはもちろんその中に入っています。
○黒柳明君 当然、生命の確認あるいは金額の妥当性あるいは一回の電話ですぐそれを渡すことの可否、いろいろなことはあります。ただ、会社の方じゃ後になって、これは人命のことですけれども、あのときの外務省の指導あるいはサゼスチョンを聞けばと、こんなことも発言はしているけれども、これは後の祭り。 それからその前後、昨年からことしでもコロンビアでもある、ドミニカでもある、ペルーでもある、フィリピンでもある、パナマでもある、相次いであるわけですね。そうすると私は、ここで何が問題なのか、会社の方が案外秘密主義といいますか、あるいは外務省、政府の指導、あるいは政府のふだんからの態度が悪いのか、わからない。企業に対して余り受け入れられていないからそういうふうにやるのかわかりません。失礼なことで申しわけないのですけれども、どうもやっぱり企業の方が出先の大使館を信頼できかねるものがあるのか。それで誘拐犯人、相手方とじかに交渉してそして失敗する。太田さんの例なんかまさしくそうなのですが、これ何が問題なのか。 今ここで相当真剣になってやらないと、失礼だけれども、何か企業は平和ぼけしていまして、自分の会社が現にそこの隣に進出していても、いやうちのことじゃないような感じで受けている企業が多いのですね。危機管理の重役なんている会社なんかほとんどありません。外国企業は危機管理の重役がいるわけですよ。それからいざとなったときには各国はそれこそ特殊部隊が突貫してでもそういう人命の確保をやる。日本はとてもそんなことはできる国じゃありません。 そんなことで、外務省の指導やなんかがいいとすれば企業の方が何か危機管理の意識が薄いのか、あるいはそういう態勢訓練がしてないのか、あるいは政府、外務省の出先を信頼できないということを含めて、指導、サジェスチョンに対して従わない。こういう点、どこが問題だと思いますか。
○政府委員(荒義尚君) 最初にお答え申し上げますけれども、企業特に海外進出企業を含めた民間サイドと私ども外務省の担当部局の関係が何か先生おっしゃるような意味でそごがあるとか、そういうことは私どもは実際接触しておりまして感じておりません。 それから一体どういうことからこういうことが起こるのかという点でございますけれども、私どもとしては、今後そういう予防としては我々外務省サイドの安全対策、これをいろいろこれからも充実していかなければならぬ。それとあわせまして、これは一般論になりますけれども、御指摘のとおり、やはり国民の方々の安全意識の向上という面も大事であるということで、そちらについては私ども今まで啓発活動としまして、ここに持ってまいりましたけれども、パンフレット等々いろいろつくっておりますが、これで万全かとおっしゃられるとまだそうではないということで、そういう方面の努力を鋭意倍加していきたいというふうに思っております。
○黒柳明君 鋭意は結構、つくってあることは結構ですけれども、今、企業の問題だと思う、ねらわれているのは。だから、緊急に企業対策をここでやらなきゃならないのじゃないでしょうか。 これは今どういうふうな手を打つことを考えていますか。
○政府委員(荒義尚君) 企業との関係につきましては、現在私どもの外務省の中に海外安全相談センター、それから海外安全ネットワーク、これはパソコンの系統を通じた情報伝達機関でございますが、その二つを通じまして在外の行っておられる企業に対して情報提供、サジェスチョン等を行っているというのが状況でございます。
○黒柳明君 大臣、今、部長の話を聞くと、これだけ問題が続出していて邦人保護について外務省はきちっとやっていると。これは私はやっていないとは言いませんよ。むしろ企業の方がちょっと抜かっているのじゃないかと、こんなことを連続の事件の中で私は感じる点も多いのです。 今の太田さんの場合なんか典型的なものだと思うのですよ。だけど、かといって外務省がこの予算が非常に少ないと。またよくこの予算も聞いてもらいたいのですけれどもね。今つくっています、PRしています、だけど最近どんどん企業誘拐が多発しています、あるいは生命まで奪われていますと。これでやっていますからと言うわけにいかないと思うのですよ。 もうちょっとやはり危機管理の問題とか、あるいは今も言いましたように、担当重役が会社にあるとか。進出している企業に四十万ぐらいの在外邦人がいるわけです。特に企業を中心にして外務省はこの際もっときちっと厳しく指導した上において、そして出先の大使館もきちっとやった上において、それで言うことを聞かなきゃ身から出たさびでこれはしょうがないと思うのです。向こうも一国一城のあるじですから、企業ですから組織を持っているのですから。 だけど、政府当局の指導というのがちょっと手ぬるいのじゃないのですか。もうちょっときちっとした、ただただ出しています、安全、こういうことじゃなくて、今のこの時期を踏まえて、今のこういう誘拐が多発している、企業がねらわれている、こういうことを踏まえて、日本の海外進出企業のもう簡単に言うと平和ぼけした問題、こういう意識改革から、あるいはもうちょっと具体的な予算をつけることから、具体的に集めて向こうの企業の意見を聞くことも結構、どういうふうにやって改善する方法はあるか。 外務省当局の問題もあるでしょうね。そんなことで一回ここでしっかり手を打たなきゃ、やっていますやっています、また連続して起こりますじゃ、これはちょっとうまくないのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはいろいろな原因があると思いますが、日本という国は大金持ちの国だ、何かきつく言えばすぐ金を出すという風潮、企業ももうけているだろう、だから日本人を誘拐すると金を出すというようにとられると大変なのですね、これは。ですから、ただ正邪にかかわらず金を出すという風潮をまずなくすように我々はしていかなきゃならぬじゃないかと、そう思います。 それからやり方についてはいろいろ工夫をいたしまして今後十分予防対策というものをしていかなきゃならぬし、相手国の治安の程度によってこれは千差万別だと思うので。すね。ですから、どういうことがいいということは一概にはなかなか言いかねますが、いろいろ工夫をしてまず予防をし、企業にもいろいろ連絡をとって、ただすぐ金を出すというのじゃなく何か考えていかなきゃならぬ、そう思っております。
○黒柳明君 最後に、企業側も決して我々全面的にいいことをやっているとは言っていない企業が相当あるのですよ。ですから一回どうですか、企業全部集まれといったってなかなか主体性がありますから、一回、心ある企業と集まって外務省の当事者とよく相互間の意思の疎通あるいは改善すべきところはお互いに改善する、そういう手を打ちながら、今、大臣あるいは部長がおっしゃったような一生懸命の姿勢を今後も続けていく。やっぱりこれだけ多発しているんですから何か一つのアクションを起こしたらどうですか。心ある企業が集まって、それでお互いの意見交換と予防を含めて大臣が今おっしゃったこと、そういうアクションを起こしてみたらどうですか。 どうですか、大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これも、ですから国柄によって千差万別なのです、その国その国によって。ドイツあたりのやり方と日本のやり方とは同じハイジャックでも全く対応は違うわけですから。だから、ハイジャックで日本は随分今までお金を出して引き取る専門のことをやってきたのです、実際は。だから、そういうものも含めまして今後いろいろと危機管理については勉強を深めていく必要があるし、企業も南米とか先進国、ヨーロッパあたりで誘拐があった場合に同じ方法をやろうとしても相手もやってくれない場合もありますから、一律に集めてやるといったって私はできないと思いますよ。 したがって、非常に難しい問題ではありますが、いろいろそれぞれの国々で危ない、起きそうだという国についてはさらにもう一遍私は勉強をしておく必要があるのではないかと思っております。
○黒柳明君 終わります。
○立木洋君 五年ほど前から米軍の低空飛行の問題がいろいろ問題になりました。 〔委員長退席、理事山岡賢次君着席〕 さまざまな被害が生じた。また最近、米軍の低空飛行が頻発しておるという状況があります。それによって被害も起こってきており、さまざまな外務省等に対する要請等も出てきていると思うのですが、これは防衛施設庁に聞いた方がいいのかどうかわかりませんが、今の米軍機による低空飛行の訓練の実態、また被害の状況、これについて防衛庁か外務省がどちらか述べていただきたい。
○政府委員(佐藤行雄君) 我々も関係方面の地方自治体の方々からいろいろな被害とかあるいは心配な状況についての申し出をいただいておりますので、それによってどういう動きがあるのかということは概略はつかんでおります。ただ、アメリカの活動そのものにつきましては、御承知のとおり、特定の爆撃を行う訓練とかいうこと以外につきましては基本的に飛行の自由を認めておりますので、もちろんアメリカ側もその法の尊重をしながらやってはおりますけれども、一つ一つの訓練飛行について事前に我々に通報しなきゃならぬという立場でもございませんので、活動の実態は全部把握しているかと言われればそこのところは我々は承知しておりません。 ただ、先ほど申し上げましたように、問題が生じましたりあるいは地域住民の方々に不安が生じた場合には、我々のところに実はきようも一ついただいたくらいでございまして、そういうことでございまして大体概略は承知しているつもりでございます。
○立木洋君 一九八七年の八月十二日に奈良県の十津川村でワイヤーロープが切断されるという事件がありましたね。あのときの高度が二百五十四メートルだというふうに承知しております。これについて外務省の方からもあるいは施設庁の方からもですか、アメリカ側にもいろいろ申し入れをして、公共の安全のために十分に配慮してやってほしいと、米側もそれについて十分に配慮してやりましょうということになったのですが、去年の十月二十九日に再び同じところで切断という事件が起きた。その場合には今度はワイヤーロープは百八十メートルになっているけれども、それが切断されたという状況になっているわけですね。つまり事実上日本側から申し入れても実際にはそれが実行されないで、再度同じところで同じ形でそういう問題が起こっている。 それから去年一年間に地方自治体から中止してほしいという決議だったか陳情が出されたという回数、これは外務省から状況を聞いてみますと十回ほどあったというふうに言われております。九二年、これはまだ三カ月しかたっていませんけれども、既にこうしたものが十四回というふうになっている。つまり一年間に十回が三カ月間で十四回と急激にふえているという実態を示しているだろうと思うのです、 それから問題は、今まで起こっていたところ、多発していた地帯、和歌山だとかあるいは長野だとか青森だとかいろいろありますけれども、今まで全く私たちが聞いていない群馬県の新治村だとかあるいは島根県の旭町だとかというところでもガラスが飛ぶというふうな事態が低空飛行の訓練によって起こっている。 そうすると今までの状況というのは、これはまさに問題にされている日米合同委員会で訓練区域が二十四カ所指定されておりますけれども、その区域以外ですね。だから、どこでも無制限にアメリカの低空飛行の訓練が行われて実際にそういう事態が広がっている。ますます回数が激しくなって、また被害も膨大になるというふうなことになるのじゃないか。重大な状況にあるのじゃないかと思うのですが、そういう事態についてはどういうふうに把握され、それについてどう対処されるというふうにお考えなのか。 大臣がいなくなっちゃったな。
○政府委員(佐藤行雄君) 済みません。大臣戻ってくると思いますが、事実関係に絡んでいる話でございますので、まず私の方から申し上げたいと思います。 先ほども申し上げましたように、私たちの事実関係の把握は基本的には地方公共団体の方々からの御意見が寄せられたことを中心につかんでおるわけでありますが、まず北海道で低空飛行が最初非常に多かったわけであります。我々の方からもいろいろな問題点を指摘いたしまして、なるべく。住民生活への影響が最小限になるように努力してもらうようにしておりまして、北海道の方のあれが減ってきたということは若干はそういうことの影響もあるのじゃないかなという気がいたしております。 他方、全国的に今広がっている点につきましては、我々としてもなるべく住民への影響を少なくするということを繰り返し向こうに申し入れていくということで対応したいと思っております。
○立木洋君 大臣が帰ってこられたですけれども、米軍の低空飛行がここずっと全国的に広がり始めているのですね。回数も非常に多くなってきているという状況で今ちょっとお尋ねしたのです。 こういう問題についてはやはりきちっと対応していく必要があるだろうというふうに思うので私の考え方も述べたいのですが、その前にソニックブームという言葉がありますね。超音速飛行による衝撃波が地上に達して発する轟音、これは物すごいもので、超音速で飛ぶとそこの三百メートル下にある民家というのはガラスが全部吹っ飛んでしまうというぐらいの状態になるのですね。そして、さらにそれが高度を下げて百メートルぐらいになりますと人間の鼓膜が大体破れる可能性が出てくる。これは三十平方センチ四万に十八キログラムの重さ、圧力がかかるので鼓膜が破れるというふうな状況にもなりかねない。 非常にそういうソニックブームというものの事態がいろいろ研究されて、これについての影響というのが人体、家畜、家屋に相当そういう事態が起こるということになるのですが、この問題で米軍はアメリカの規則によりましてはっきりと低空飛行の場合はソニックブームの記録をとることになっているのです。つまり、どれほどの衝撃波がそれで起こったのかということをとることになっているのです。 このとっている状態、これについて日本への被害の状況を日本側から申し入れるような場合、日本に被害を与えている米軍の低空飛行による高度だとかスピードだとか、それはアメリカ側からどういうふうに聴取しておりますか。聞いておるでしょうか。
○政府委員(佐藤行雄君) 我々はアメリカ側に対して注意を喚起いたしておりますけれども、それで問題が起きた、例えばこの間のようにロープを切ったようなときには高度の問題については指摘もし調べもいたしますが、私の承知している限りでは、通常の飛行訓練について一々高度を聞いたりということはいたしておりません。 〔理事山岡賢次君退席、委員長着席〕 ただ、先ほど冒頭に申しましたように、アメリカは日本の法を尊重することになっておりまして、最低安全高度の問題もアメリカ側は尊重しているということを繰り返し我々に対して言っております。この間のロープを切ったときも基本的には百五十メートルの高度が最低安全高度でございまして、その直前にロープが引かれたから目視できなかったという事情はあったようでありますが、そういうときについては我々注意を喚起するということでございますが、一般の飛行形態について高度とかその他を我々に通告する、中止を求めるということはいたしておりません。
○立木洋君 これまでいろいろ記録を読んでみますと、政府側の答弁では国内の航空法八十一条、これで最低安全高度というのが決められているわけですけれども、人家の密集しているところでは三百メートル以上、それから非密集地帯では百五十メートル以上というふうになっているけれども、この航空法の八十一条は米軍には適用しておりませんというふうに答えておりますね。 しかし、日本側のこの航空法を尊重してほしいという申し入れに対してアメリカ側は、それを尊重して最低安全高度百五十メートル、ただし人口密集地域の上空においては三百メートル、これを実態的に守るとともに飛行の安全及び地域住民に与える影響に一層配慮を払うということを明らかにして日本側に答えているというふうに繰り返し答弁されておりますが、今日の状況でもこれは間違いありませんか。
○政府委員(佐藤行雄君) 間違いないと思います。
○立木洋君 米軍の一般飛行と低空飛行の高度要件は、米軍はどういうふうに決めているのでしょうか。
○政府委員(佐藤行雄君) 承知しておりません。
○立木洋君 承知していない。 私ここに米軍の資料を持ってきたのですけれども、空軍省が出している資料。 委員長、この件に関してちょっと資料を配付したいのですが、委員長の了承をお願いします。
○委員長(大鷹淑子君) どうぞ。
○立木洋君 じゃ、お願いします。 〔資料配付〕 資料を配るのでごらんになっていただきたいと思うのですけれども、米空軍省の出されています空軍規則に「一般飛行規則」というのがあります。この「一般飛行規則」というのを見てみますと、今お配りする資料をごらんになっていただければわかりますけれども、「高度要件」、これは一般飛行の高度要件です。ここではCのところに「密集。地域」というのがありますが、これが一千フィート、だから三百四メートル以上確保しない場合はそういう飛行をしてはいけないというふうになっております。dの場合を見ていただければ、非周密区域では五百フィート、つまり百五十二・四メートル、それ以下で飛んではならない。これが一般飛行の要件です。 ところが、もう一つの米軍のオリジナルのあれを持ってきたのですけれども、この下の方に書いてあります資料をごらんになっていただければわかるのですけれども、ここではつまり低空飛行、これはフライングトレーニングという飛行訓練についてエアナビケーション、つまり飛行法ですね、これは空軍と海軍との共有のものとして出されている航法です。この二十章の「低空航法」というところの「ルート決定」のところをごらんになっていただければわかりますけれども、低空飛行の場合には米軍の規定では二百フィートから五百フィート、つまり六十・九メートルから百五十二・四メートルというふうに決まっているわけです。 ですから、米軍が日本にお。いて低空飛行訓練を行うというのは、つまり三百以上を守って、そして非密集地帯では百五十二メートル以上を守っていたら低空飛行の訓練が行われないわけです。つまり、そうなると米側は日本では一切低空飛行訓練が行われないというふうになっているのでしょうか。
○政府委員(佐藤行雄君) 今いただきましたこの資料は、アメリカの一般的な基準だろうと思いますので、私は、まず第一に日本において米軍がこれをそのまま適用しようとしているかどうかわかりません。恐らく従来の日本の法を尊重するという見地からすれば、これは適用していないと私は読むべきだろうと思います。 ちなみに、ちょっとほかの話になりますけれども、この六十から百五十二メートルという話でありますが、ドイツの場合には、今は承知しておりませんが、かつてドイツのときは超低空飛行訓練で七十五メートルというのがドイツとアメリカ軍の間で合意がされておりまして、我が国との場合とは非常に違った状況にあるわけであります。 したがって私は、アメリカ側は少なくとも我々の日本の最低安全高度を守っていると言っているわけでありますから、その範囲内での訓練をしているものだろうと思います。その意味で、この今お配りになった資料との絡みで低空飛行でないことなのかもしれませんが、その点は私の知識からは今申し上げたような判断をせざるを得ないと思います。
○立木洋君 米側はそう申していると言ってもどういう合意があるのですか、日本の政府との間で低空飛行に関して。合意はないじゃないですか。どこでも飛んでいるじゃないですか。決められた地域で訓練しているというならわかりますよ。決められていない地域で低空飛行をやっているじゃないですか。現に被害がそれで起こっている、低空飛行で。いわゆる三百メートル以下で飛んでいるじゃないですか、現に。守られていないのですよ。 守られているという保証があるならば、それが合意によって明確に協定がなされていて、それできちっと監視されているならいいですよ。実態もつかんでいないじゃないですか。どういうふうになっているのですかと言ったら、それはアメリカがやっている訓練ですから私の方は承知いたしておりませんとさっき言ったばかりじゃないですか。承知しないでおいて守っているなんという証明がどこでできるのですか。おかしな話じゃないですか。
○政府委員(佐藤行雄君) 我々はアメリカと同盟国でありますので、アメリカ側が繰り返し我々に言っていることは私たちは信頼したいと思っております。その絡みで、アメリカ側は繰り返し我々に対して日本の法を尊重していると言っておりますので、私はアメリカ側としては当然のことながら我々の最低安全高度を守っていると信じているわけであります。
○立木洋君 アメリカ側が日本と約束したことをきちっと守っておったらいろいろな問題は起こりませんよ。現にいろいろ約束が守られていないからいろいろな事態が起こってくるわけですよ。 現に、日本側が約束をするというからには、外交上の約束というのはきちっとした合意があるのか、協定があるのか、それについてきちっと守られている保証が確認できるような事態になっているのかどうか。これは国際的な関係からいえば、それを明確にしないでおいて、ただ相手が言っているのを信頼します、守っております、そんなことはございませんというようなことは、外務省の姿勢としては全くなっていないですよ。大臣、どう思いますか。 こんな姿勢でやられておったら、ただアメリカ側が守ると言っていますから守られていますと。現に三百メートル以下で飛んでいるじゃないですか。そして百八十メートルのワイヤロープの下を飛んでいるのですよ。これはちゃんと和歌山の人が現地でそれを見ていますから、そういう記録さえ私たちはいただきましたけれども、だからそういうふうな対応の仕方ではだめだということを私は言いたいのですよ。 今どんどん低空飛行が広がっていって、それにさらに決められた地域でないところでまでやられている。これで被害がもっと大きなことが起こって人家にでも大変な衝撃を与えるような事態になった場合に、人命が奪われるような事態になった場合に、それでもアメリカはいや守っておりましたということで済むのでしょうか。
○政府委員(佐藤行雄君) ちょっと事実関係を二、三申し上げさせていただきたいと思います。 先ほどの百八十メートル以下を飛んでいたというお話でありますが、通常の日本の最低安全高度であればあの地域については百五十メートルが守るべき高度でありまして、切ったロープを目視できなかったという点については、それは数日前に張られたばかりであったからだと私は聞いております。したがって、三百メートルの地域の問題と最低安全高度が百五十メートルの地域の問題とを一緒にまぜて議論していただきますと話が混乱するのではないかと思います。 それはそれといたしまして、我々はアメリカ側に対しては繰り返し申し入れをいたしておりますし、自由に飛んでいるというところにつきましては、先ほど来のこれもちょっと事実関係、先生御承知のとおりの話ですから申し上げさせていただくのも簡単にいたしますが……
○立木洋君 もう時間がないのでね。
○政府委員(佐藤行雄君) いずれにせよ、爆撃場、射爆場以外は基本的には法の尊重のもとで自由に飛べるというのが我々の取り決めてございますので、その限りにおいてあとは公共の安全に対しての考慮を十分求めていくという、この間予算委員会でも申し上げましたけれども、合同委員会という場があるわけでありますからそれを弾力的、積極的に運用してやっていきたいというのが我々の考え方であります。
○立木洋君 大臣、今言われたのは、日本と協定があるのだから、協定があるというのはその地位協定に基づいて自由にどこでも飛べるというのです。 私がこれを言ったのは、低空飛行というふうに米軍の海軍、空軍が決めているのは六十メートルから百五十二メートルまでですよ。それ以上飛んだち低空飛行じゃないのですよ。低空飛行の訓練にならないのですよ。ならないからこそ、日本に来ているあの司令官だって言っているじゃないですか、F16の。現に道路をどう爆撃するか、鉄道をどう爆撃するか、レーダー基地をどう爆撃するか、超低空飛行で入ってそして攻撃をかける、これが低空飛行訓練の最も重要な基本だと。その基本をやるためには、六十から百五十二メートルでないと低空飛行の訓練にならないのだというのが法律で決められているじゃないですか、アメリカの。それ以上飛んでおったら低空飛行じゃないのですよ。
○政府委員(佐藤行雄君) お時間がないという話なので簡単に申し上げますが、アメリカ側は……
○立木洋君 いや、だからいいのですよ。だから大臣にそのことをお聞きしたい、最後に。
○政府委員(佐藤行雄君) でも事実関係ですからちょっと申し上げさせていただきますが、この基準に従って日本でやっているとはアメリカは言っていないわけです。そこのところを踏まえてお考えいただきたいと思います。
○立木洋君 だから、その問題を、それではそうではない、適用されていない、このアメリカのあれが適用されていないという保証もできないじゃないですか。あなた、実態を知らないのです。ソニックブームも聞いていないのだ。事情聴取をしていないのだ。明確じゃないのじゃないですか。 こういう点については、大臣、きちっとアメリカ側に求めて、ソニックブームによる米軍の高度、速度、これをきちっと聞いて現実に守られているかどうか明らかにしていただきたい。でないと、今どんどんどんどん低空飛行がやられて、無差別に自由にどこでもできるなというようなことになってきたらこれは大変なことですから、そんなような局長の答弁をこのまま聞いて、はいそうですかというようにはならないので、明確にして一いただくように大臣にお願いしたい。いかがでしょうか。 大臣はだれに対してでもきちっと言うべきことは言う、事実を明らかにするということをおやりになるだろうと思うので、改めて要求しますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 言うことは言いますが、ともかくワイヤロープというのはこれぐらい太いのだそうですね。飛行機のおっこちるのは普通なので、何で落ちなかったのか、むしろ危険は向こうにあるのじゃないか。羽で切れるのか、足にでもひっかかったりそれから頭のところにひっかかったら飛行機の方が先に落ちちゃいますよ。だから、これは私は恐らく緩いワイヤロープじゃなくてぴんと張ったワイヤロープを引いておいたせいじゃないかという気がします。 だから私は、向こうに事故があってそいつがこちらに第二次被害を及ぼしても困りますから、それはもう事故が起きないように十分注意してやってもらうということはかねて政府は言っておるわけですから、その点は今までどおり言うことはちゃんと言います。
○立木洋君 事実を確かめるということが私は必要だと思うのです、明確に。 今、局長が言われたように、それはアメリカの法律ですと。確かにアメリカの法律です。しかし、それは日本に適用されているかどうかわからない。私もわかりません、確かめたわけじゃないです。しかし、これはアメリカでも低空飛行としての規則になっているわけですから、それが日本で行われていないという保証もないのです。外務省としてはそれを明確に確かめる責任があると思うのです、国民の安全、公共の安全を守るためには。そのことを、その事実を踏まえてそしてやるべきだ。必要なことは、やっぱり協定なら協定できちっとなっているならば、そしてその実態が調査できるならば、それはできるのですから、大臣にそのことを事実を確かめていただくということも一言。
○政府委員(佐藤行雄君) 我々が先ほどから繰り返して申し上げていますように、アメリカ側は日本の法を尊重すると言っておりまして、日本の最低安全高度を守ると言っているわけでありまして、最低安全高度は場所によって三百メートル、場所によって百五十メートル、だから我々は……
○立木洋君 局長はいいですから、だから実態を調べてみるかどうかということだけ。
○政府委員(佐藤行雄君) ただ問題は、調べるということについて我々の信頼感の問題にも関係するわけです。我々は我々の同盟国としての信頼関係も大事にしたいと思いますので、必要に応じて我々は調べるものは調べますし、大臣の御指示もありますので言うべきものはきちっと言いますが、一つ一つ調べなければならない、一々アメリカに聞かなきゃならないという問題でもないと私たちは思います。
○立木洋君 だってアメリカ側は日本のことを調べるじゃないですか。
○委員長(大鷹淑子君) 立木君、時間でございます。
○立木洋君 それはきちっと調べるということを重ねて要望しておきたいと思います。
○高井和伸君 渡辺外務大臣にお尋ねしますけれども、四月五日の朝日新聞の記事によりますと、「連合は毛針、政策なし」というサブタイトルの新聞記事がございます。その記事を念のため重要なところだけピックアップして読み上げますと、「渡辺美智雄副総理・外相は四日夜、地元の栃木県鹿沼市で開かれた同氏の後援会組織の大会で講演した」と、こういう書き出しで二つのテーマについて講演された。そしてその後「さらに、奈良や宮城での参院補選で連合型の候補者が当選したことに関連して「社会党と民社党はPKO(国連平和維持活動)、日の丸、君が代問題などで意見が食い違っており、その両者が推す連合候補に実質的な政策はない。だましだ、連合は。毛針だ。毛針はダメ」と厳しく非難した」云々という記事がございます。 この報道は正しいのでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これはつまみ食い報道ですね。全部を述べたのは一時間もしゃべっているのですから、この十行やなんかでは書けるはずがない。 結局、私はこの前も言ったように、参議院の会派の連合、連合というのはいっぱいあるわけですから、参議院の会派の連合は政策を持っているのだと、きちんとした統一政策を。だから、それに誤解を与えるようなことであったのではそれはいけませんと、それはおわびしますと言ったのです。私は断って、これは選挙の連合室言っているのです、選挙の連合。 そこで、選挙になりますと、どなたも多少ハッスルして物を言うのは通り相場。どこの党も、自民党なども随分言われている、実際は。結局、今度栃木県でも連合と称して集まってやろうという ことをやっているのですが、例えばここには書いてないが、原子力政策というようなことにつきましても民社党と社会党と同じ政策だということは私は聞いていませんし、君が代・日の丸の扱いについても社会党の正式決定と民社党の決定が同じだということも商いておりません。 したがって、教育の問題とかそれから安保条約に対応する考え方の問題とか、考えが違うから政党が違うのじゃないですかね。ですから、政策が全く同じだったら一つの政党、連合党という一つの政党でいいのかもしれませんが、政策が違って、基本的な政策が違った中でその基本的政策には触れないで選挙をやっちゃうということになると、当選してからどっちの政策へついたらいいのか非常にお困りになることでもありましょうし、それは選挙民としてもそういうわけじゃなかったと思って投票する人もあるでしょうし、そういう点でともかく基本的な政策をはっきりすべきだという趣旨で申し上げたわけであります。
○高井和伸君 そうしますと「連合候補に実質的な政策はない。だましだ、連合は。毛針だ。毛針はダメ」という発言は今のような前提でおっしゃったということでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは連合という今言ったようなことを要約して書くとこういうことになるのでしょうな。
○高井和伸君 そうすると、お認めになったという前提で次へいきますけれども、連合にはいろいろあると、こうおっしゃいました。少なくともいろいろというのは数を限定していただかなきゃいかぬわけですが、連合というのは、労働組合のナショナルセンターの連合がございます。そしてさらに、連合の会という選挙のときの確認団体がございます。そして、参議院において院内会派としての連合参議院がございます。 そうしますと、今の大臣のお話ですと、この「連合は毛針」のこの連合はこの三つのうちのどれを指すのでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 少なくとも労働組合の連合室言ったわけではないし、私は栃木県の今度の選挙の形態を見てそういうふうな話を聞いていますから、そういう点でこれから取り組もうとするいわゆる何といいますか、合従連衡連合、合従連衡か合従連合がわかりませんが、そういうような選挙母体ですね、選挙母体は好ましいとは思わないと。
○高井和伸君 結局は選挙母体の連合という。そうしますと第四の集団が政策がなくて毛針だと、こういうことになるわけですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは物は解釈の仕方だと思いますが、そういう厳密な意味で言っているわけでなくて、毛針といっても、やはり物にはジョークというのがないと世の中はぎすぎすして仕方がないのであって、これは半分はジョークなのです。そんな法律用語で物を申しているわけじゃなくて、選挙運動を法律用語で言ってやっている人はないわけですから。だから、それはそこらのところはどなたも、自民党などは選挙になると何か随分ひどいことを言われていますよ。しかし、個々の人はみんな立派な人も多くても、だつた一人の人が何かあれば、それがすべての自民党全員のようなことも言われることもあって、それを一々自民党が取り上げて騒ぐというようなことも実際いたしておりません。 したがって、それはジョーク的なことで言ったのですから、国会でそれを大臣の答弁としているいろ追及をされることはひとつ御容赦をいただきたい。
○高井和伸君 前提の事実関係いろいろわかりました。大臣そのものは連合という言葉をそんなにしっかりした概念でとらえておられない。ファジーに使っておられる。そうしますと、連合参議院、私が所属しております連合参議院にも当然毛針論が及んでくるというふうに考えます。そういったときに、半分ジョークだと、そうすると半分は本当だ、こういうことになります。要するに従前の私の方の連合参議院に対する中傷誹謗だというふうに半分はとらえるわけです。 いろいろな連合があるからみんなに言ったと、こういうようなことになるわけでございますけれども、しかしながら私がそこで申し上げたいのは、かつて通産大臣のころに渡辺外務大臣は毛針というようなことでちょっと発言がございました。毛針で釣られる魚は知能指数が高くないと。そうしますと、連合の候補あるいは連合の会の候補あるいは連合参議院に所属して当選してきた議員たちは、そういった毛針で票を釣った、票をもらったと、こういうことになるわけですね。そうすると、やっぱりそれは連合参議院に対する中傷誹謗になるわけでございます。 なぜこういうこと宣言うかというと、選挙活動でたくさんのことをお互いに言い合おうじゃないか、こう言われますけれども、今の副総理という立場あるいは日本の将来を背負って立たれる渡辺副総理兼外務大臣の立場からいいますと、この連合という姿の政治姿勢に対する認識は非常に誤解が多いということを私は感ずるわけです。選挙運動ですから適宜のフライングはあってもそれはそれなりにわかりますけれども、少なくとも連合参議院の私どもの立場からいいますと、十三名の参議院議員の会派の仲間の声からいえば、連合参議院を理解していただいていないと。 統一的な政策がない、したがってそれで票を釣るのは毛針だと言いますが、連合の候補がいいといって当選させてくださった県は全部で十二あります。山形、宮城、山梨、岐阜、三重、石川、福井、京都、奈良、滋賀、徳島、愛媛と、こういったところはみんな毛針で票を入れてしまったと、こういうことになりかねないわけです。 私どもの目指しているところ、PR不足かもしれませんけれども、やはり参議院において新たな政治集団、政治勢力を形成しようという目的を持っております。そして、二大政党時代を迎えようという目的も持っております。そして、真の市民社会を実現しようという政治目標を持っております。こういった我々が持ってやっている手法は従前の既成の政党から見れば今おっしゃったような理論は通るかもしれませんけれども、私たちにすれは票をいただくときに申し上げた政策というのはみんなあるわけです。それが毛針だと言われるのはとても心外この上ない、言語道断。 したがって、そういった御発言に対して、半分ジョークだというふうにとらえても半分は陳謝して撤回していただきたい。これが連合参議院を代表して私が申し上げたいことですが、渡辺副総理兼外務大臣、いかがでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 先ほどから申し上げていますように、連合参議院を言っているのじゃないのですよ。その仕組み、仕組みといいますか選挙の現場。したがって、じゃ民社党、要するに原子力発電所というものは是認してやらなきゃならぬと。今、東京電力とかそういうことをやっていますからね。栃木県にたくさんあるのですよ。そこのところは一体どうなのかと。一方は原子力発電はもうやめた方がいいと言っている組合もあるのですよ、それは。それから君が代や日の丸というものはそれはやめるべきだと。それは党としては認知できないというところもあるのですよ。 いやそれはしかし、当然あって当たり前じゃないかと。そうなりますと、そういう基本政策には触れないでその他のことだけ言っているということは、これは私はやっぱり問題があるのじゃないか。だから質問が出れば、それはそのときはどういうふうにするのかという疑問が当然出るのですね。 私は、連合の会派はどういうふうにそれをやっていたか政策は知りませんが、そういうふうな選挙の基本問題について明らかにしないままでやることに対しては、我々は選挙になればお互いにそれは言い合うということはしょっちゅう行われていることでございますので、そういう点でいって長いこと言ったやつが短く書けばこういうことになっちゃってくるわけであって、決して連合参議院の会派を私は毛針だと言っているわけじゃないのですから。
○高井和伸君 大臣の論旨不明快なところでなかなか議論が長引いてしまいます。 しかしながら今の御説明だけでは、連合参議院も毛針論の中の一端に入っているというふうな理解をしていたのですが、大臣がそうじゃないそうじゃないとおっしゃいますとちょっと矛先が鈍るわけでございますけれども、結果的にはやっぱり言われている。連合で連合候補が当選してそして連合参議院に入ってくるという通常のパターンからいえば、やっぱり連合参議院は非難されているわけです。しかし、私はそこでひとつ越えていただきたいのです。 では、そこで大臣にお尋ねしますけれども、この連合参議院は全く政策がないと、大臣にはこう映っておられるのですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、連合参議院の政策の勉強までやったことはないですからそれは何ともコメントできません。
○高井和伸君 そうしますと、そこでまた逃げられますけれども、勉強していない、政策は知らないと言われるならば、先ほどからの政策がないだとか一貫していないだとかという御発言はぜひ慎んでいただきたい。これが私の要請でございます。 この問題につきましては、連合参議院を非難しているのじゃないと言いますと当事者の問題になりまして他人のことをやることになりますので、ひとまず次の問題に行きます。 それからこれもやはり大臣があちらこちらで御発言なさっていることでございますけれども、PKO法案が参議院を通過しない場合は衆議院を解散するというようなことをおっしゃっておられます。もっと厳密に言えば、総理大臣に対して衆議院の解散を進言するという言葉でございます。 例えば四月六日の読売新聞なんかに載っておりますけれども、私どもからしますと、衆議院がPKO法案通っているのにもかかわらずなぜ衆議院を解散するかというこの論理性がわからない。御説明願いたいと思います。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 仮に参議院で修正が行われるということになれば衆議院にまで戻るのですよ、ちょっとでも修正があれば。そういうときに混乱をして物理的抵抗その他があれば、それはそういう場合もありましょうし、あるいは定数是正というようなことは速やかにやるべきだと言っているのだけれども、それがごたごたして会期内に定数是正ができないというような場合とかいろいろあれば、もう二年半たてばいつ選挙があったっておかしくないのですから、今までの経緯から見て。 したがいまして、二年以上過ぎて解散があっておかしいという事態はないのです。七十日ぐらいで解散したばかやろう解散なんという吉田さんの俗に言われるなにもありますしね。それから大平さんのときに不信任案が通って、それで解散か総辞職かと、七カ月で解散したというような例もありますし。私は、いろいろな問題があって混乱をしているというのなら国民に信を問うというのは一つの手だろうと、そう思っておりますから、そういう事態がもし起きれば私は解散はした方がいいだろう。総理大臣が決めることですから、副総理は実は解散権ありませんでね。だから、私は解散するなどと言ったことはないのです。解散を助言したいと申し上げた。極めて正確に申し上げています。
○高井和伸君 PKO法案に対する政府の方針は、衆議院通過の修正した法案を通すと、こういうことでございますか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは今政府は出しておるわけですから、だから出しておく身としてはこれ以上修正を加えないで通してもらうことがベストだと思うのは当然でございます。その最大限の努力をすると。
○高井和伸君 今のお話ですと、衆議院に修正案が戻る可能性があるというようなお話の前提での衆議院の解散論がおっしゃられました。しかし、参議院で通らないことも一つの政治的な現象でございます。それがなぜに衆議院に波及するのか。そういった力でもって、参議院に対する力の行使をして政府原案どおり通るようにというようなことが渡辺大臣の発言の裏側に読み取れるわけですが、そういうプレッシャーをかけながら、衆議院を解散するぞ、嫌だったら参議院を通せよという、この二院制を無視した発言に聞こえてくるわけですよ。どうでしょうか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、今国対ベースでいろいろ話もしておりますし、この法案は必ず今国会の会期内に成立すると。複数党の間で話し合いがつけば一部修正が行われることはやむを得ないと、そういう前提も考えられますから、そういうことを含めて申し上げたのです。
○高井和伸君 私の言いたかったのは、衆議院と参議院は違う、二院制がありそれぞれの院の意思表示があったときに、片方の院の意思表示を他方の解散ということで圧力を加えるのは二院制の否定につながるということを言いたいのですが、二院制に対する大臣のお考え、最後に質問します。 同日選挙は二院制を否定するものだと私は考えております。なぜならば、二院制というのは選挙の時期も違い選挙制度も違いそして選挙区も違うという中で、国民の声をくみ上げる二本立ての柱であるという立場から言ったら一回でやるのはまずい、これが私の信念でございます。そういったことを踏まえた場合に、軽やかにPKOという法案の問題で衆議院解散論をぶつのはいかがなものかと、こう私は思うわけでございます。 そこで、大臣の二院制に対するお考えを伺って、私の質問を終わります。
○国務大臣(渡辺美智雄君) 私は、同日選挙は必ずしも二院制を否定するものではないと、そういうように思っております。アメリカなどでも上院と下院と一緒に選挙をやるということは別に二院制を否定しているわけじゃありませんからね。
○猪木寛至君 先ほども好話が出ておりましたパナマのシチズン太田さんの誘拐殺害事件、大変不幸な結果になりまして、この場をおかりして慎んで哀悼の意を申し上げたいと思います。 現在、海外旅行者というのが一千万人を超えていると外務省が出しました海外安全ハンドブックという中に載っておりますが、それと同時に六十万人を超えます日本人の海外在住者ですね、日本人の生活、行動範囲が本当に地球規模の広がりを見せているわけです。そういう中でますますこういうような事件に巻き込まれる可能性というのは高くなってきたのじゃないかと思います。 この中にいろいろその国の事情が書いてありますが、そういう中で、先ほども出ましたけれども、危機対策というか、どうやったらそういうものにこたえられるか。きのうもちょっとレクチャーを受けましたが、実際にはこの誘拐というのは大変難しいのじゃないかなというふうに思います。本人がどう意識するかというところに尽きるのじゃないかなと思うのですね。 そういう中でちょうど先日リビアの問題が起きました。幸いにしてイラクのような結果にならなかったからよかったのですが、湾岸戦争における邦人の生命財産、こういうものを守る危機対策というものが初めて問われた本当に鋭いケースだと思うのです。こういう本当に新しい邦人保護という分野で積極的な対策というものが必要じゃないかと私は思います。 そこで、昨年外国で犯罪に巻き込まれた人たちというのが二十七人と出ております。そして、ことしはまた早くももう十人を超えているということで、ペルーやドミニカ、それからJICAの職員のテロによる殺害事件というものが起きて、ここに朝日新聞のぎょうの報道によるのですが、やはりこういうテロ行為あるいは誘拐とか、特に日本の場合は一つの警察力というか、そういう情報が割と収集しやすいけれども、海外における事件というのは大変難しいと思います。 そういうことで、一つはパナマのシチズンが支払ったとされる一億円と書いてありますが、この辺の数字はちょっと私もよくわかりませんが、何となく誘拐事件、誘拐というのは一億円という相場が決まったような報道になっておりますし、そういうことで大変金持ち日本人がもうこれからますますねらわれるという動き。 もう一つは、私は、外務省はどのくらいの職員の割合が今海外に出られているのか、一点お聞きしたいと思いますし、もう一点は、その職員の補償という部分ですが、これは邦人と比較した場合にどうだろうかということをお聞きしたいと思います。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 本省職員と在外職員とのおおよそその対比でございますが、ただいまお諮り申し上げております平成四年度の予算におきましては、総計が四千五百二十五名という定員になります。そのうち約二千五百が在外の定員ということになろうかと思います。 それから職員の補償の問題でございますが、私とも外務省の職員が在外公館に勤務して何らかの事故に遭い死亡した場合あるいは身体障害を受けた場合等が考えられるわけでございますが、先生既に御案内のとおり、国家公務員災害補償法とかあるいは外務省の賞じゅつ制度あるいは外務省の互助組織である外務精励会等々から遺族の弔慰金あるいは見舞い金等が支給されることになっているわけであります。戦難地の場合にはそれに伴う危険に関して若干の特別措置がございますけれども、在外職員の手当につきましては今申し上げましたような制度のもとでこの補償制度を担保しているというのが実情でございます。
○猪木寛至君 今の海外での例えば危険地帯というのでしょうか、南米が特に多いわけですが、その中でもコロンビアとかペルーとか、それから一部ここのところ問題になっているフィリピン、そういう部分で、私はちょうど昨年ですかペルーのJICAの職員の殺害があった後にすぐにペルーに赴きまして、その実態というか非常にテロに犯されやすいような部分で調査してまいりましたけれども、そのときに在留邦人という人たちの悩みというか、非常にそういう危険の中でどうするのだということで、私も移住の経験がありますから、だからといって日本にそこから帰れるわけ。じゃないですから、何とかひとつ皆さん方を合わせてそこにとどまるように頑張ってくださいよという励ましをしてまいりました。 ちょうどきょうフジモリ大統領の記事がここに出ておりますので、ちょっとペルーについて関連した質問をさせてもらおうと思います。 フジモリ大統領に対して既に日本は一億ドルの円借款、三十五億円の無償協力、三年間に五百人の研修生も受け入れるいこういうのが決まっておるようですが、実際きょうみたいなこういうフジモリ大統領の議会解散、憲法停止というようなことになりまして、先ほども質問が出ておりましたけれども、ちょっとテレビで先ほどはっきりとは見ていなかったのですが、アメリカはもう既に経済援助の見直しというようなことがあったようですけれども、日本政府としてはそれはどのようにお考えでしょうか、大臣。
○国務大臣(渡辺美智雄君) これは先ほどもお答えしたのですが、彼の困っている立場、あるいはいろいろ非難をしていますから、議会や司法やその他について正義に離れたようなことがあるということが、あるいはあるのかないのか知りませんが、その背景はある程度理解することができる。しかしながら、そのやり方については、民主主義というのは手続が必要ですから、その手続が憲法に反するようなことには我々はくみすることはできない。 したがって、日本は今後新規借款をやるかどうかという問題については、これはよく事情を調べなければ何とも言えない、そういうことを申し上げたのです。
○猪木寛至君 私がこの一月に行った折にもやたらに大統領の周りに軍服を着た人たちが大勢いるものですから、ちょっとそれは異様な感じに受け取れたのですが、実際こういう措置をとられる背景にどうも軍部が後ろについているのじゃないかという気もするのです。 外務省としては、その辺は何か情報を集めに回っているのでしょうか。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 突然のお尋ねでございましたので担当局長ではございませんが、昨日起こった事件でございます。今の先生から御指摘になりました諸外国がどういう態度をとってくるかという問題についても、私どももただいま情報収集をしているところであります。 報道によれば、ブッシュ大統領が非常に大きな懸念を表明されたということが伝えられておりますので、恐らくアメリカ初め諸外国においても、ただいま大臣から御答弁がございましたように、手続を経ない今回の措置ということであるとすれば非常に大きな懸念を表明せざるを得ないというのが私ども現在までに入手している諸外国の動きだろうと思います。 これからどういう対応を西欧諸国、特に中南米の諸国がとってくるかということについて我々としても十分な知識を持たなければならない、とりあえずそんな感じを持っております。
○猪木寛至君 先日、青年海外協力隊の人たちが、大変私のファンが多かったというか、わざわざ出ていく前にあいさつをしたいということであいさつされたのですが、一人はモロッコ、それからナイジェリアとドミニカということで、きょうの安全対策という部分から見ると非常に危ない部分じゃないかと。しかし役たちは、今、日本は国際貢献をしなきゃならない、何かをしたいということで非常に意気揚々として出ていったのです。 そういう一番やはり海外から喜ばれるというか、非常に今、海外から農業あるいは機械関係あらゆる分野に要請が多いと思うのです。聞くところによれば百三十種類ぐらいですか、そういう要請があるようですが、その中で本当に要請にこたえられる部分は五〇%あるかないかということらしいですね。その青年協力隊に対して、ちょっと先ほど予算のあれもずっと見させていただいて、まだまだ不十分じゃないかな、こういう若者がとにかくこれから活躍してもらわなければならない、そういう意味で十分な予算をぜひとってほしいなという気がいたしました。 それからもう一つは、訓練センターというか、やはりこれは非常に何かをしたいという意識はあっても何をしたらいいかわからない人たちというのはたくさんいるわけですから、その人たちに何か専門職というかそういう訓練をしてあげて夢をかなえてあげる。それについて今どのような計画があるか、ちょっとお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(佐藤嘉恭君) 具体的な計画についてちょっと手元にないので後ほど御報告をさせていただきたいと思いますが、ただいま先生が御指摘になりましたように、やはり海外青年協力隊を派遣するに当たっては十分訓練をしなくちゃならないということは、これはもう御指摘のとおりでございます。したがいまして、国際協力事業団、JICAの予算におきましてこの訓練センターをできるだけたくさん持ち、多くの青年が適切な指導訓練が受けられるような体制を準備しなくてはならないかと思っております。 そういう意味で、御審議いただいている予算の中でも若干の訓練センターの強化あるいは新設をする等々の方策を講じているところでございます。
○猪木寛至君 予算の説明に「国際文化交流の強化でありますが」というくだりがありますが、ここにスポーツがないのがちょっと不満だなという気がしますけれども、やはりこういう交流からひとついろいろな関係のこだわりをなくしていくという部分で青年たちがこれから十年あるいは二十年という長いスパンで見たときの果たしていく役割というのは大変大きいと思います。 またもう一つは、今後誘拐とかそういうものに巻き込まれないようにしないといけないのと同時に、もしそういうような不幸な状況になったときの補償というか、きょうは何か専門の方がおられませんから私の方で得た情報だけで終わりにいたしますが、できるだけその辺もひとつ考えていただきたいと思います。 そして一つは、こういう事件が起きたときに、外務省の中にある例えば邦人特別対策室というの でしょうか、それからもう一つは在留邦人保護課というのですか、これは。この特別対策室の場合は八人しかいないと聞いております。八人の中で、オペレーションというかそういう中で実質動ける人が六人しかいないというのですが、きょう先ほどもこれだけ論議になっている中で、今度はそのような事件が起きたときに十分対応がし得るのか、それについてちょっとお聞かせ願います。
○政府委員(荒義尚君) 御指摘のとおり、海外における在留邦人にかかわる事故が起きたときに、私の方の領事移住部に邦人保護課と邦人特別対策室がございますが、例えば先般のパナマの事件の場合でも私ども三月十六日以降二十四時間態勢をしきまして、そういう意味では先生御指摘のような人員しか今おりませんで、そちらの方の増員もこれからお願いしていきたいというふうに思っておる次第でございます。
○猪木寛至君 大臣にちょっとお聞きしますが、今そういうような事情なのですが、大臣としてはどうお考えですか。
○国務大臣(渡辺美智雄君) それは人は少ないです、本当に。しかし、要求しても一挙に、財政事情もございますし、ほかの省は全体として人員削減をやっている中で百三十人も今回ふやしてもらっているわけですから、一挙に解決できませんが、だんだん人を充実させていきたいと思っております。
○猪木寛至君 「海外における誘拐対策Q&A」というのがあります。これもちょっと見させてもらったのですが、お金を払った方が誘拐から命を守ることができるというケースと、今回のように払ってしまったために殺されてしまうというような非常に難しい問題があるようですけれども、先ほども申し上げた日本人がとにかくお金持ちであるということが、ねらわれやすいというよりはもう既に誘拐犯というかそういう人たちの中に根づいているのじゃないでしょうかね。日本人をねらえばお金が取れるということがあると思うのです。 そこで、ぜひこの海外安全ハンドブックというのか、先ほど十分じゃないということですが、私もやはり海外に出ていくときに何か飛行機に乗ったときには気分がよくなって随分解放された気分でやれやれと思うのですが、多分一般の海外旅行者も同じような気分で行かれると思うのですね。私なんかも何人かで団体で行くのですが、私は幸いにいまだかつて一回も事件に遭ったことがないし物をとられたこともない。しかしながら一方、一緒に行った人たちが必ずお金を取られてしまう。なぜかというと、ホテルのドアボーイとメイドさんとが一体となって連絡し合っている。エレベーターからおりてきてわずか五分の間でトランクの中にお金を置いてきましたがどうですかねと言ったら、とんでもない、すぐとりにいけと。ところが五分後に行ったらもう中身がなかったという。 こういうような世界情勢ですから、世界というか海外におけるそういうことは、どうも日本人は水と安全はただであるという感覚で、どうやったらこれは国民に知らしめるというか徹底させることができると思いますか。
○政府委員(荒義尚君) 確かに御指摘のとおり、我々外務省としてとる邦人保護のための対策とあわせまして国民の方々の安全意識の向上というものが車の両輪になるわけでございます。 安全意識につきましては、例えば誘拐、テロというような場合ですとどうしても予防ということ。になるわけでございまして、その方面についてはこれで十分だという限界がないわけでございます。言うなれば顔の見えない敵との戦いでございますので、何遍も繰り返し繰り返し御案内のようないろいろなパンフレットやらテレビでも話す、それといろいろ講演したり民間との連絡協議でサジェストする、そういうことを繰り返していくほかないと我々思っておりまして、その努力を今後鋭意強化したいというふうに考えております。
○猪木寛至君 最後に、先ほどもUNCEDの話が出ました。私の方は、ぜひ六月の会議にというよりはこの場に行こうということで三つ計画をしております。 一つは、河川とか湖の水の汚染をこういう形なら浄化できますよという技術をいろいろ集めました。それからもう一つは、これは二週間ぐらい前でしょうか、メキシコの大気汚染の問題が出ておりまして、学校が半分休校になり、また企業、そういうようなものが半分停止したということであります。これについても絶対的な解決ではありませんが、ある意味でそういうものを半分に削減することができるということで、リオの会議中に、走る車、ディーゼル車ですが、トラックとかバスに限ってこれはそういう団体に呼びかけてお願いをしております。 開催するリオが、ブラジルがとにかくそんな汚れたままではしょうがないんじゃないかということで、知事あるいは大統領にも陳情させてもらったのですが、そういうことでとにかくボランティア活動、それからそういう日本が持っている本来のいろんな技術をもっともっとこれは政府として拾い上げてほしい。 環境庁自体ができて二十年ですか、まだ十分に機能しているとは私は思いませんので、そういうような官民一体という形で何とかこの会議が成功するように、政府の方も、また我々もひとついろんな情報を集めて頑張っていきたいと思います。 ありがとうございました。
○委員長(大鷹淑子君) 以上をもちまして、平成四年度一般会計予算、同特別会計予算、同政府関係機関予算中、外務省所管についての委嘱審査は終了いたしました。 なお、委嘱審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(大鷹淑子君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時七分散会 ―――――・―――――