科学技術特別委員会 第6号
- 発言数
- 185 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/04/22
会議録
○委員長(及川順郎君) ただいまから科学技術特別委員会を開会いたします。 まず、委員の異動について御報告いたします。 去る四月十七日、橋本敦君が委員を辞任され、その補欠として吉川春子君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(及川順郎君) 研究交流促進法の一部を改正する法律案を議題といたします。 前回に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○穐山篤君 最初に、防衛庁、通産省、科技庁、外務省、それぞれからお答えをいただきたいんですが、まず、前回同僚議員も指摘をした問題でありますが、三つの点について伺いたいと思います。 その第一は、SSCと言われております超電導超大型粒子加速器の問題です。これは新聞にも出ておりますが、日米間の折衝は数回行われていると聞いております。この接触の経過あるいは内容、それから現在の作業部会の状況について、まずそれぞれからお伺いをしたいと思います。
○説明員(岩谷滋雄君) お答え申し上げます。 ただいまのSSCに関する日米の検討の進捗状況でございますが、御承知のとおり、本年一月の日米の首脳会談におきまして、本件プロジェクトに関し技術的な問題点を検討し、我が国の参加が可能となるような国際プロジェクトとして再編成する、そのための方途を考察するために作業部会を設置するということが合意されました。これを受けまして、去る四月九日と十日の二日にわたりまして第一回の作業部会が開催されております。 この作業部会におきましては、日本側からあらかじめ提出しておりました質問状に対する米側の回答を受領いたしまして、それに基づきまして米側より補足説明がございました。それを受けまして、日本側からこの質問状に基づきましてさらに追加的な質疑が行われました。 議論の主題は、主としてSSC計画の学術的な意義、それからSSC計画の技術的なフィージビリティーの問題等が取り扱われております。米側回答がその会議の当日になされたということもございまして、いずれの論点につきましても議論を尽くすことができませんで、今後下部部会のようなところでさらに議論を継続するということになっております。したがいまして、これら二つの学術的意義及び建設的フィージビリティーについてさらに議論を継続する必要がございまして、これがクリアされました後に国際協力のあり方についての議論に入っていくという予定になっております。 以上でございます。
○穐山篤君 当面は膨大な計画についての学術的な意義あるいは技術的な水準の問題ということになるだろうとは思いますが、これは日米のみならず他の国も参加が要請をされているという意味では国際的な意義を持つというふうに思います。 ただ、報道されております状況から見ますと、膨大なお金、膨大な科学者、それからかなり長期的な時間もかかる。そうなりますと、現在の国際情勢から考えてみて、軍事的な転用というよりも、当然民需、民生というものを考えての計画だというふうに今日的には考えるわけです。しかし、この計画が出てきましたのは十数年前からでありまして、その当時は米ソの熱い戦いの中の発想であったわけです。したがって、外務省とすれば、この入り口の議論のときに当然将来的なその研究の成果の使い方の問題について念頭にあってしかるべきだと思うし、またあると思うんです。そういう問題についての接触の状況はどうなんでしょうか。
○説明員(岩谷滋雄君) ただいま御指摘の問題点につきましては、適宜米側と意思疎通は図っておりますけれども、実は主たる論点にはなっておりません。と申しますのは、この高エネルギー物理学と言われる分野は、基礎研究の中の基礎研究とも言うべき極めて基礎的な科学の分野でございまして、そこで得られる研究成果というものも、当面具体的に人間生活の中でこういった面で役に立つといったような点が予想されておらないものでございます。 こういう基礎研究につきましては、国際的にも得られた成果はできるだけ幅広く利用可能にしていくという一般的な考え方がございますので、将来的にこれがどういうふうに使われていくかということは予想しがたいところでございますけれども、当面このSSCに基づく研究に関する限りは情報の普及を妨げるといったような事態は予想されないという事情がございます。
○穐山篤君 これから前提条件を十分議論して、その上で参加をするかどうか。参加の仕方は、お金の問題もあるだろうし、技術者の派遣のこともあるだろうし、いろんなことがあるだろうと。ただ、これだけの計画を見ますと長い時間がかかります。必然的に考えられますのは、当初設計をしました予算よりも数倍か数十倍かわかりませんけれども相当高額の予算協力、金の協力ということに発展をするわけですね。そうなりますと、これまた国民の税金というお話になるわけです。その意味では、外務省なり専門のところでは財政上の検討というものもされていると思いますけれども、どういうところにネックがあると想像しておりますか。まず最初にその点をお伺いします。
○説明員(岩谷滋雄君) お答え申し上げます。 ただいまの点につきましては、先ほども申し上げましたとおり、今作業部会の中でSSCの学術的意義及びその技術的フィージビリティーということを議論しておるわけでございますが、特にこの技術的フィージビリティーという問題の中には、建設のスケジュールでございますとか、あるいは建設のコスト見積もりの問題ですとか、そういう問題が含まれておりまして、特にこの問題につきましてはいろんな議論があるところでございますので、極めて慎重を期し、十分な議論をすみ必要があるのではないかというふうに思っております。
○穐山篤君 じゃ今の問題はそれで一応終わりにします。 次に、前回同僚議員も質問をしましたが、SDIの問題にまいります。皆さん方の答弁は、私の記憶間違いでなければ具体的に新聞で報道されているような接触はございませんというのが前回の答弁であったわけですが、しかしその後いろんな雑誌、新聞を見ますと、においかないわけでもないし煙が全くないわけでもない、多少引きずっているという感じを受けるわけです。 そこで、現在どういう状況にあるのか、その点を正直にはっきり答弁をしてもらいたいと思います。
○説明員(小澤俊朗君) 事実関係を含めてお答え申し上げます。 現在、我が国政府といたしましては、米国のいわゆるSDI研究には参加しておらないわけですが、我が国の民間企業は、SDI研究計画の一環として一九八八年十一月から実施されております西太平洋地域における中、短距離ミサイルからの防衛を対象とする地域ミサイル防衛構想研究、いわゆるWESTPAC研究という米国の研究に参如しております。その後、ブッシュ大統領は一九九一年一月二十九日の一般教書の演説におきましてSDI研究計画の方向をいわば縮小する方向で転換いたしまして、限定的な弾道ミサイル攻撃から米国本土のみならず米国の前方展開戦略及び同盟国、友好国を防衛するといういわゆるGPALSと呼ばれます防衛システムの研究を推進するということを発表されたわけであります。 このGPALS研究につきましては、現在米国のSDIの予算を利用した研究が米国で進められているわけでありますが、今後このGPALSがどういう形でどのように実現するのかにつきましては、米国の政府部内で検討中であると承知しております。米国政府はGPALS研究構想に大変強い関心を持っておりまして、日本側にも強い関心を持ってほしいという意向は有しております。この意向をこれまで私どもにも種々の機会に伝えてきております。 我が国としましても、GPALSは米国の国防政策の一つの方向として注目しております。米側から話を聞き、情報収集、調査を行っている、こういう段階でございます。
○穐山篤君 ちょっと防衛庁に伺いますが、第三研究所ではミサイルの研究、技術開発をやっておりますね。この資料によりますと、これは公式に発表になっている資料ですが、短距離のSAMの改造型につきましては、開発開始年度が平成元年度になっているわけです。この点は資料のとおりだと思います。 そこで伺いますのは、アメリカの国防省が、小型といいますかニューといいますか、限定的ミサイル攻撃防御システムを日本に接触をしようとしてきたきっかけは何かというところをいろいろ調べてみますと、この自衛隊の地対空ミサイルSAM、ホークの後継ですね、新しいSAMの共同開発をSDIに絡めて共同研究をしようというやの議論があるのではないか、いろんなところの文献を読むとそういうふうに集約されるわけです。したがって、今私が申し上げましたような状況から判断をして、SDIに直接か間接かはわかりませんけれども、接触があったのではないか、あるいはこれから提案があるのではないかというふうに私は疑念として思うわけですけれども、その点はどうなんでしょうか。
○政府委員(関收君) 今先生御案内のとおり、防衛庁で一元的な技術研究を行っております技術研究本部というものがございます。その傘下に五つの研究所があるわけでございますが、御指摘のようにその第三研究所におきましては航空機、ミサイル等の研究開発を担当いたしているわけでございます。今この第三研究所におきまして将来におきますミサイルの基礎的な要素技術の研究というのは御指摘のとおり実施をいたしております。 一方、先生御指摘のとおり、アメリカにおきまして従来からコーSAMと称せられるプロジェクトがあるやに私どもは伺っております。このコーSAMにつきまして、最近におきましてはGPALSの予算の中で実施をする方向にあるという情報も私ども得ているわけでございます。しかしながら、現在の段階におきましてはそのコーSAMというプロジェクトが一体どういう要求性能に基づき、どういう性能を満たすものなのか必ずしもはっきりしておりませんし、アメリカサイドにおいてそこが具体的に固まっているという話はまだ今のところ私ども受け取っていないわけでございます。 今後どのようにこれが具体化するかということにつきまして私どもも見守ってまいりたいと思いますけれども、現在のところおっしゃるようなその共同開発を打診してきているといったような事実はございません。
○穐山篤君 それでは、今の答弁で一応整理をしたことにいたします。 次に、日米関係の問題でもう一つ伺いますが、アメリカでは核兵器を生産している、あるいは配備しているということはもう御案内のとおりでありますが、この核兵器を生産しております軍需施談の中にはいろんなことがあるわけですが、放射能の汚染の除去について日本の高度な技術をおかりしたい、あるいは技術協力をお願いしたいというふうなことがしばしば報道されているわけであります。これは、新聞その他によればまだ情報交換程度というふうになってはおりますけれども、実際にそれぞれの省庁がどういうふうに接触をされているのか、その経緯と内容について説明をいただきたいと思います。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 本御質問に関することでございますけれども、アメリカにおきましては、軍事施設を含めまして原子力関連の施設等の放射性物資などによります環境汚染に対しまして、環境のクリーンアップを目的とした環境浄化計画を策定いたしまして計画を推進中であると承知しているわけでございます。 今先生御指摘の協力でございますけれども、このアメリカの環境浄化計画に対する協力のことであると存ずるわけでございます。本件につきましては、動燃事業団とアメリカのエネルギー省との間で締結されております廃棄物管理分野における協力取り決めにおきます協議の中におきまして、一般的な協力要請といたしましてエネルギー省より言及があったところと承知しておりますが、動燃事業団といたしましては、あくまで我が国の放射性廃棄物対策に資する技術協力を具体化するという観点から米国側と協議を行っているところと承知しているわけでございます。 それから、一昨年、平成二年の十一月でございますけれども、当時私は原子力局担当の官房審議官をいたしておりましたけれども、私のところにアメリカのエネルギー省のダフィー環境回復・廃棄物管理局長、これは本件の担当局長であると思いますが、ダフィー局長が来訪されまして、アメリカの環境浄化計画について御説明をいただきました。これに対しまして、私の方より我が国の平和利用堅持の基本的スタンスを御説明申し上げたところでございます。 いずれにいたしましても、我が国といたしましては、原子力基本法に基づく平和利用の原則にのっとり、また平和的目的に限定されております日米原子力協力協定の枠組みのもとに協力するという基本方針で対応するということではないかと考えておるところでございます。
○穐山篤君 長官に伺いますが、今私三つの問題を指摘しました。もちろん私が勉強した範囲と違うお答えもありましたけれども、総じて言えますことは、いろんな科学あるいは技術研究の分野でも日本は平和目的というもの、常にそれを念頭に置いて行うわけです。したがって、外国からいろんな協力の要請があったにしてみても、常に民生、民需、平和的な利用というものが前面になければならないというふうに考えます。その点について、いつもいつも私ども軍事的な接触について言えば疑念を持っているわけです。あるいは疑問を国民の皆さんもしばしば持つわけであります。 したがって、この種の問題については、日本政府として絶対に平和目的のため以外には、日本の技術あるいは人間さらには費用の点についても絶対軍事目的には使わないということを一度確認をしてもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。
○国務大臣(谷川寛三君) もうお説のとおりでございます。 私は就任しましてから、アメリカからもイギリスからもドイツ、フランス、それからソ連からも閣僚とかいろんな方がおいでになりまして会談をいたしました。特に最近は、今お話しの核兵器の廃棄に伴う問題とかいろいろな問題が、軍事にかかわる問題が出てきますが、常に私は今の基本方針を堅持いたしまして御説明しておりまして、とにかく平和目的での私たちは勉強をしてきておるんだからその範囲で、そうしてその間に蓄積された知見をもちまして、技術をもちまして協力しましょうということを申し上げまして、よくわかっていただいておりますことも申し添えておきたいと思います。平和目的、これはもう憲法でございまして、守っていきます。
○穐山篤君 次に防衛庁に伺いますが、資料によりますと、防衛庁の職員が国内の講演会、セミナーに七百数十名、それから国外に四十数名の人が研究交流のために出張、派遣をされておりますね。国内ではどういう向きのセミナーに出席をされているのか、あるいは国外では主としてどういうものに参加をされているのか。全部でなくて結構です。主たるものの説明をいただきたいと思います。
○政府委員(関收君) 先生御指摘のとおり、防衛庁の研究に関連いたします職員が研究集会等に出席をいたしておる例がございます。 私どもの調べましたところでは、研究交流促進法第四条に基づく研究集会への参加人数は、技術研究本部に関しましては平成三年度は四人程度でございます。それから海外におきます研究集会への参加は平成三年度は一件だけでございます。これにつきましては、それぞれの研究分野につきましていろいろ意見交換をして切磋琢磨するといいますか、いろいろ意見交換をするということで参加をさせていただいておるものと理解をいたしております。 なお、その中におきましては、技術研究本部におきます研究成果につきまして学会等で論文あるいは口述という形で発表させていただいている例もございます。
○穐山篤君 それで、また防衛庁に伺いますが、防衛庁の技術研究、第一から第五まであります。もちろんそのほかに病院もありますけれども、それは除いて、第一から第五までの技術研究というのは、私の知る限りではおおむね九九%軍事技術なんですよ。研究開発した結果、民需に転用するというふうなものは理屈上あり得るとは思います。それもよく知っておりますが、第一から第五までというのは専守防衛に必要な戦闘技術を開発するわけですね。あるいはその中には基礎研究も入っていると思います。 さてそこで、戦闘のための技術研究をしている研究所がこの提案されております研究交流法とどういうふうになじむのかなじまないのか。これは非常に議論の多いところだと思うんです。第二条、政令で指定はされております。されているからへそのチャンスをつかんで国内でもあるいはアメリカにも出張されているわけですけれども、防衛庁の独自の任務から考えてみまして、この研究交流法の適用がなくても防衛庁は独自に研究交流があり得るわけですね。ですから、防衛庁としては別にこの研究交流法に痛痒を感じていないと思うんです。 長官にもあわせて聞きますが、この研究交流法がなくても、防衛庁の技術研究につきましては独自でセミナーにもあるいは講演会にも、あるいはアメリカにもドイツにも行ける仕組みになっているわけです。だから、あえて政令で技術研究所につきまして指定をする必要がないんじゃないかな、こういうふうに思いますけれども、まず防衛庁から御答弁いただきます。
○政府委員(関收君) 研究交流促進法の法内容あるいはそれを実施いたします場合の政令等々の考え方につきましては、御提案の科学技術庁の方からお答えいただくのが適当かと存じておりますが、私どもの立場から御説明申し上げますと、先ほど来御説明申し上げているように、国内におきます研究交流集会への参加等につきましては、この研究交流法第四条の規定に基づきまして参加させていただいているというようなことで、具体的な例としてはそういうものがございます。 まだ今のところ具体的な事例というのは出てきていないかと存じますが、今後それ以外の条項、例えば共同研究開発に係ります成果の利用等々の問題につきましても、今具体的にこういうものがあり得るということを申し上げるような事例はございませんが、将来におきまして研究が進展いたしますとこういうことをまた活用させていただく場合もあるのではないかというのが私どもの考え方でございます。
○政府委員(長田英機君) 防衛庁の研究所は、先生御指摘のとおり政令で指定されております。 研究交流法とこの防衛庁の研究所の関係でございますけれども、研究交流法といいますのは、一般的に研究交流を促進するために制度的な船路を除くという趣旨でございまして、特定の分野の研究を推進するとか特定のプロジェクトを推進するとか、そういうようなものではございません。こういうふうに考えてみました場合に、防衛庁の研究所も国の研究所の一つでございますし、特別別な取り扱いをする必要はないという考えのもとに、私どもは政令で指定して対象にしているわけでございます。 なお、先生御質問の、交流法で規定しなくても防衛庁はできるんではないかと。これはいろいろな面、どういうことをやるかということによって違うと思いますが、例えば研究集会の参加の問題が今議論になっておりますので、これについて申し上げますと、公務として研究集会に参加するというのは現在交流法がなくても当然できるだろうと思います。交流法で手当てしましたのは、直接公務じゃなくても、公務とはもちろん関係がなければいけませんけれども、研究集会に参加することにつきまして職務専念義務を解除しているというようなことでございまして、公務よりもずれた場合にもこの研究交流法の対象にしているということでございます。もちろん、当然のことでございますが、防衛庁以外も、各研究所もみんな同様の扱いになるわけでございます。
○穐山篤君 公務員あるいは特別公務員を含めて横並びというのが政府がとってきている今までの一般的な原則です。その意味がわからないわけではありませんけれども、この防衛庁の技術研究というのは戦闘のための技術研究なんですよ、それが専守防衛であるか何であるかは議論はありますけれども。しかし、ほかの技術研究というのは最初から最後まで民生、民需あるいは平和的なことを念頭に置いて、あるいはそれに徹して研究を始めるわけです。だから視点が違うんですよ、これは議論が分かれると思いますけれども。きょう最終的な統一見解をもらいません。しかし、いずれはこれは整理整とんをしませんとぐあいが悪い問題になると思いますので、引き続き検討をひとつしておいてもらいたいというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(長田英機君) 今申し上げましたように、研究交流法の体系としては、やはり国の機関はすべて含むということになろうかと思います。
○穐山篤君 次に、簡単にお答えをもらいたいんですが、研究所の環境整備については前回与野党含めて質問なされました。 そこで、一遍やってもらいたいと思いますのは、文部省は各大学について、あるいは科技庁、通産省については傘下の研究所あるいは機構なんかも含めて、その職員や機関からどういうものが欲しいんだ、どういう研究の機械が欲しいんだ、あるいはどういう研究環境にしてほしいんだということを一遍くまなく調査をしてもらいたい、もちろん財政上のこともありますから優先度がつくだろうと思いますけれども。文部省の場合には、直接学校から聞かずに協会がまとめて出している、間接的な調査になるわけですね。一度しっかりした環境整備を行うためにそういうことをやってほしいと思うんですが、現状そういうふうなことを行っているのかどうか、あるいはその結果、要求書を見てどういう御感想をお持ちになっているのか、その点お伺いします。
○政府委員(長田英機君) 先生の御指摘の研究環境の整備という面から見ますといろんな面があると思いますが、今研究施設の関係を先生重点的に御指摘になりましたのでお答え申し上げますと、研究施設につきましては、私どもいろいろ予算を要求しますときに当然のことながら各研究所と意見交換をしながらやっております。研究施設につきましては、いろいろな重要研究課題に伴って施設を整備するものということ、あるいは修繕費を計上するというようなことでやっておりますが、先生御指摘のとおり、まだ必ずしも十分なものではございません。したがいまして、科学技術庁といたしましては、これから各省庁ともよく相談しながらこういう施設面の整備に努力をしていきたい、こういうふうに考えております。
○穐山篤君 文部省はいかがですか。
○説明員(佐川政夫君) お答えいたします。特に私からは国立大学の施設、設備の現状と今後の対策という観点からちょっとお答えしたいと思います。 近年の国の厳しい財政状況のもとで、国立学校の施設、設備の老朽化、陳腐化といったことが進んでおりまして、各界からも御指摘を受けるなど、私どもその対応が大きな課題の一つと考えております。このために、まず施設につきましては平成四年度予算におきまして、厳しい財政状況下ではございますけれども、国立大学の役割の重要性にかんがみまして、教育研究環境の改善、充実を図るために新たに国立学校特別会計の中に特別施設整備資金といったものを設けました。この資金の仕組みを活用しまして、老朽化、狭隘化が特に著しくなっております国立大学の校舎等につきまして緊急かつ計画的に改築、改修の整備を行うといったことで、特別施設整備事業といったものに二百億円ほどの予算を計上いたしまして大学施設の充実に努めているところであります。 また、国立大学等の研究設備につきましてでございますけれども、学術研究の高度化とともに年々高性能化しております設備がございます。また大型化が大変設備でも進んでおるところでございます。このために、国立大学の学術研究の推進に不可欠な高性能な研究設備を整備しまして研究基盤の高度化を図るとともに、大学院のための最先端設備の重点的な整備拡充に努めているところでございます。 文部省としましても、国立学校におきます教育研究水準の維持、向上につきまして、今後ともその充実に努めてまいりたいというふうに考えております。 以上でございます。
○穐山篤君 次に、第七条にかかわります知的所有権、特許権の問題について、まだ事例は起きておりませんから今後の問題になると思いますが、最近日米の間で知的所有権の問題について具体的な紛争があります。 そこで、当然国際的なルールづくりをするということが緊急課題だろうと思うんですが、ガットの状況についてまず第一にお伺いします。それから第二は、日米の知的所有権のあり方につきまして基本が違います。そのために常に争いの種が残っております。そのことが我が国の科学技術あるいは特許について多くの問題を醸しております。したがって日米関係の所有権の調整の問題。それから、一度にお話を申し上げますが、三つ目は、今新聞に出ておりますのは二件でありますが、例えばカメラのレンズの問題、ミノルタカメラですね。それから米国にありますセガの子会社の問題。どこにこの種の問題意識が残っているのか。 その三つをまとめてそれぞれからお話をいただきたいと思います。
○説明員(植村昭三君) お答えいたします。 まず、御質問の第一点でございますが、ガットにおける知的所有権の交渉の状況でございます。御案内のように、ガットにおきましては五年来の交渉を続けてきておるわけでございますが、その一つの交渉項目といたしまして、貿易に歪曲あるいは障害をもたらす知的所有権の問題につきまして、いわゆるTRIP交渉という名前で呼んでおりますが、五年来の交渉を続けてまいっております。このTRIP交渉におきましては、知的所有権の保護基準を定めるスタンダード、例えば特許期間であるとか権利の内容であるとか、そういった保護規範が大きな一つの柱、それから知的所有権の行使のためのエンフォースメント、これは水際措置と言いますが、こういった二つ目の柱等につきまして国際ルールを作成するための検討が行われてきたところでございます。 現状でございますが、御案内のように、一昨年の末のブラッセルのいわゆる閣僚会議におきましてはついに最終合意に至らなかったわけでございますが、九一年、すなわち昨年の末、十二月に知的所有権分野を含む包括的な最終合意案が提示されるに至ったわけでございまして、現在最終的な政治的合意を目指しまして調整作業が進められているところでございます。我が国といたしましても、このガットでの知的所有権交渉が実りある成果を得られるように引き続き努力してまいる所存でございます。 それから、第二番目と第三番目をまとめてお答えしたいと思います。 先生御指摘の事例、すなわちミノルタあるいはセガの二つの例でございますが、最近特許係争事件が生じております。これは一義的には民間企業間の問題であるとも言えますが、これらの民間企業の係争事件の背景の一因といたしまして、先生御指摘の日米間を含みます各国の特許制度あるいは運用、そういったものが相違しているということも挙げられるのではないかと思います。 それで、先進国間の特許制度あるいは運用というのを比較してみますと、特に日欧、それとアメリカとの対比で考えますといろいろ基本的な点で差がございます。例えば、日欧では先に出願した人が特許を取得できる先願主義であるのに対しまして、アメリカでは先に発明した人が特許を取得する先発明主義をとっております。これが一つ。 それから、アメリカでは特許期間の起算日、いつから特許期間を計算するかということでございますが、特許が付与された日から十七年とされております。これに対しまして、日欧におきましては出願日から、いわゆる上限と申しますか、二十年の縛りがかかっている、シーリングがかかっているということでございます。したがって、そのシーリングがアメリカではないために、出願日から何十年も経過してしまった発明が、既に市場では陳腐化しているような時点で急遽特許になって、それから十七年も権利行使の対象になるというような事例も生じておりまして、しかもこれはまれではない状況になっております。 そのほか、アメリカでは、日本、ヨーロッパにございますような特許出願後一定期間の後に自動的に公開するといった公開制度、こういったものもないというようなことでございます。それから、先ほどの事件にも関係いたしますが、運用面で、例えば特許請求の範囲、特許権の解釈も国によって異なっている、こういった状況でございます。 こういった制度、運用面での差に基づきますいろいろな特許紛争が生じないように、国際的な特許制度の調和といったものが非常に重要だと我々考えておりますが、先ほどのガット等含めまして、WIPOという、これはジュネーブに本部がございますが、そこでの特許法の国際的な調和を目指した一連の取り組みに対しても当庁として積極的に取り組んでおるとこちでございます。 以上でございます。
○穐山篤君 ちょっと警察庁に伺いますが、バッグにしろ時計にしろ、あるいは農業でもそうでありますが、不正な品物、偽造した品物というのが日本では横行していますよね。皆さん方がこれを取り扱うようになってからはここ五、六年でしょう。いろんなものがあるわけですが、その結果これからにせブランド品あるいは不正偽造品なんかの問題について、当然特許の侵害という問題もあるわけですから、日本政府としても何らかの規制なりあるいは啓蒙をする必要があるだろう。今日までの状況から実績を見た上でどういうふうに御判断をされているんでしょうか、若干御説明をいただきたいと思います。
○説明員(荒木二郎君) 先生御指摘のように、警察では特許法の違反事件、あるいは海賊版ビデオなどの著作権法の違反事件、あるいはにせブランド商品などの商標法違反など、知的所有権の侵害事犯ととらえまして取り締まりを強化しているところでございます。ここ三年間のこの種の法令違反の検挙実績について申し上げますと、平成元年が一千六百十六件の七百四十二名、平成二年が一千百七十八件の六百二十四名、平成三年が九百七十一件の五百十三名というふうになっております。 最近の検挙から見ますと、ビジネス用のコンピューターソフトの海賊版など、新たな知的所有権の侵害事犯が見られますほか、外国で製造したものを日本で売るとか、あるいは外国人の技術者を日本に連れてきてにせものを製造させるなどぺ犯罪の国際化が顕著になっておるというのが特徴でございます。 警察としては、知的所有権保護の重要性にかんがみまして、今後ともこの種事犯の重点的な取り締まりに努めてまいる所存でありますけれども、同時に、これら不正商品について国民に対して広報啓発を行うということが重要だと考えておりまして、関係省庁、団体との連携を強化しながら不正商品を許さないための広報啓発活動に努めてまいりたい、かように考えております。 以上でございます。
○穐山篤君 今の問題は、大蔵省の税関の方にも来てもらえばよかったんですが、時間の都合でこの程度で終わります。 この委員会の委員の中でもゴルフをおやりになる方があると思います。今から十年前に、プロと同じように素人でも、アマでも遠くへ飛ばそうというボールを発明したんですよね。ブリヂストンが材質を変えることによって遠くへ飛ぶようなボールを発明したわけです。特許になっている。その翌月にダンロップが似たようなものをつくって、これが特許権侵害で莫大な損害賠償を払ったというのは記憶に新しいわけです、これは余談ですが。 私は科技庁長官と文部省に提案をしておきたいんです。科学者や技術者あるいは専門家が、民間の場合は常に経済性、コストのことを考えるからみんな勉強しております。国公立の研究所の技術屋さんに対して知的所有権、特許の問題についての教育が全くゼロなんです、調べてみたら。経済性を重んじるという意味でなくて、もっとまじめな意味で、当然研究の結果は知的所有権の問題としてあるいは新案特許の問題として具体的に答えが出てくるわけです。したがって、一年に一回か二回でも結構ですけれども、私はそれぞれのところで少し専門的に知的所有権の勉強を科学者にしてもらいたい。これは提案なんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(長田英機君) この知的所有権の問題について勉強する機会を設けるべきではないかという点につきましては、私どもも本当にそのとおりだと思うわけでございまして、御指摘の点につきましては、現在特許庁が国研等の職員を対象にして工業所有権研修を毎年開いているというふうに承知しております。なお、今後とも特許庁を初めとする関係各省と十分私ども科技庁としてこういう面について話し合って、研修の充実ができないかどうかというようなことについて検討してまいりたいと思います。
○説明員(山田勝兵君) 文部省関係の特許に関することでございますが、大学教員等の発明に係る特許等の取り扱いに関する通知などを出しておりまして、大学などにおきましては、学内規定の整備、それから発明委員会の設置並びに教官等への周知等につきまして指導して、その適正な取り扱いを図っておりますとともに、各種会議がいろいろございますが、そこにおきまして、教官それから教官のみならず事務官のこういう知識が必要でございますので、事務担当者等と具体的な問題について意見を交換し、できるだけ的確な処理を図りたいということで努力しているところでございます。 また、本年度においては、各大学の研究協力事務担当者、それから教官などに配付する国立大学等と産業界等との研究協力に関する全般的な事務処理手引というのを作成いたしたいと考えておりまして、その中で特に特許等の取り扱いにつきまして項目を設け、関係知識の普及及びその事務処理の一層の的確化を図ってまいりたいと考えております。 今後ともこのような施策を充実いたしまして、大学における研究成果が適正に権利として結実し、また社会において適切に活用されるように努めてまいりたい、そのように考えております。
○説明員(植村昭三君) 特許庁といたしましても特許、商標を含む工業所有権制度を一般に普及していくことの重要性を十分認識しております。このような認識のもとに、特許庁では従来から全国各地で説明会、研修等の開催を通じてその周知に努めているところでございます。 また、御指摘の特に大学、国立研究機関を含む国等の機関の職員に対しましては、いわゆる職務発明あるいは共同研究の際の特許権の帰属の仕方等の点を含めまして、業務遂行に必要な工業所有権関係の知識を修得させるための研修、これを過去数十年来にわたりまして毎年開催しております。ちなみに、昨年は六十二名が参加しているところでございまして、特許庁といたしましては、御指摘をも踏まえつつ、今後とも工業所有権制度の普及活動に積極的に取り組んでまいる所存でございます。
○穐山篤君 科技庁と文部省に伺いますが、任期を定めて外部から研究者を公務員にするという道を開いたわけですが、この道を開いたときに念頭にあったイメージはどんなものでしょうか。例えば、こういう分野でというふうなものを念頭に置いてこの道をつくったのか、あるいはそのイメージをそのままことし、来年、今後それを実施していく、そういうふうなお考えを持ってこれが出てきたのか、ちょっと伺っておきたいと思います。
○政府委員(長田英機君) 先生御質問のイメージということでございますので、一例で申し上げた方がよろしいかと思います。 例えば、当庁に航空宇宙技術研究所がございまして、超音速航空機のエンジンの研究をしておりますけれども、そういうエンジンの研究となりますといわゆる環境問題、NOx、オゾン層への影響というような点も考えながらやらなきゃいけないわけでございます。残念ながらそういう面の研究者が航空宇宙技術研究所にはおりませんものですから、そういうふうに研究所の中でなかなかそういう人材がいない場合に、外から研究の計画に対応した期間を任期つきで来ていただく、こういうようなケースがございます。イメージとして、例として申し上げますと、そんなような例がございます。
○説明員(山田勝兵君) 任期制の問題でございますが、文部省におきましては、いわゆる外国人教員任用法に基づきまして任期を定めるようなことが可能になっているわけでございます。大学等におきましては、研究の中心は基礎研究でございまして、その成果というようなものは、言ってみれば世界の共通の知的財産というか、知的なものの成果になるわけでございます。 そういう意味で、国際化というのが非常に進んでおりますので、やはり外国人の教員も研究者も登用していくということが必然的に必要になってまいります。そういうことで、こういう外国人教員任用法におきまして、そういう任期を定め、まあ任期を定めるかどうかは大学が考えることでございますが、そういう制度ができている。研究面についてもそうでございますが、教育ということにつきましても、やはり国際的な交流というのが必要でございますので、そういう趣旨でそのような措置がなされているというふうに考えております。
○穐山篤君 最後に長官に伺いますが、昭和六十一年にこの法律が提案をされたときにも議論になったんですが、基礎研究の重要性、そういうものにかんがみて問題の提起があったわけですけれども、学術会議の提案、提言に基づいて、その当時は科学技術研究基本法のようなものをつくったらどうかというのが私どもの要望であったわけですね。その後立ち消えになっておりますが、今の時代は、この審議を通しましても、創造的な基礎研究というものを土台にして体系的な研究体制を強化しろというのが全体の意見です。もちろん私どものように軍事的なものについては明確に除外をしろという主張を持つ者もおりますけれども、総体的には体系の整備を図れというのが我々の主張なんです。 今後、その方向に向いて努力をしてもらえるものと確信をしますけれども、長官としてはどういう認識をお持ちか、あるいは決意をお伺いをしておきたいと黒います。
○国務大臣(谷川寛三君) 科学技術振興の体系的、総合的な整備につきましては、御案内のとおり四十三年の五十八回国会に科学技術基本法案を出しました。残念ながら第六十回国会で審議未了、廃案になりました。経過を振り返ってみますと、基本法で枠にはめることと大学の自治とどう調整していくか、いろいろ問題がございまして最終的なコンセンサスが得られなかったわけでございます。 その後、この法案に盛られておりましたようなことは科学技術会議の答申の中に入ってきたり、それから科学技術政策大綱とかこの研究交流促進法の制定等によりまして中身は取り入れてやってきておりますが、今お話しのように、私もこれだけ科学技術の振興が重要な問題となってきました際にこういうものをひとつ考えてみなきゃならぬじゃないかと思っておるんでありますが、今言ったような大学の自治との関係とどう整理していくか、なかなか難しい問題がございまして、なお今後とも関係省庁とも相談いたしまして慎重に検討していきたい、こう思っておるところでございます。
○穐山篤君 終わります。
○吉川春子君 質問をします。 研究交流促進法の改正の前提として、日米欧の科学技術研究体制をめぐる現状をどう認識しているのかという問題があります。一口に産官学の現状とそのあり方といっても、各国によって大きく異なっています。また、国際共同研究の実情、特許権など知的財産に関する考え方や諸制度も非常に違います。我が法制度は産学官なら何でもいい、国際交流は促進あるのみ、全部よい成果をもたらすような前提に立っているように見えますけれども、問題は、だれのため何のためにどういう研究交流を促進するのかということだと思います。 それで、まず研究開発投資の国際比較について科技庁にお伺いいたしますが、日米欧の研究開発投資の国際比較、日本、米国、ドイツ、フランス、イギリスの各国において総研究開発投資、そのうち政府負担及び国防関係を除く政府負担分について、GNP比でお答えいただきたいと思います。
○政府委員(須田忠義君) 我が国の研究開発投資の総額は十三・一兆円、これは平成二年度でございますが、それでありまして、世界では米国に次いで第二位でございます。また、対GNP比は三%であって、これは世界第一位ということでございます。国防費を除く研究開発費については、我が風は国防費約一千億でございますので十三兆円でございまして、米国に次いで第二位、また対GNP比では三%であって、これは世界第一位ということでございます。 なお、研究開発費総額のうち政府負担割合については、我が国の値は一七・九%であり、米国の四四%、ドイツの三三・二%と比較して著しく低うございます。また、対GNP比においても、我が国の値は〇・五四%であって、米国の一・一六、ドイツの〇・九六に比較しても低いのが特徴となってございます。しかし、国防費を除く研究開発費の政府負担割合では、我が国は一七・三%で、米国が二二%でございます。あとドイツが二九・九ということで、他国との差は若干縮まってございます。また、対GNP比では、我が国が〇・五一%、米国が〇・四一%となって、両国の値の対照は逆転してきております。 以上、概略でございます。
○吉川春子君 軍事関係の費用が少ないというのは憲法の平和原則によるところでいい点だと思いますが、政府の研究開発費が非常に低いという特徴があります。 続いて、日本の研究費の政府と民間の負担割合について、一九八〇年と九〇年についてそれぞれ額と比率をお答えいただきたいと思います。民間のうち資本金百億以上の大企業の研究開発費についても比較をしてください。
○政府委員(須田忠義君) 我が国の民間企業の研究費は、平成二年度においては九・二兆円でございまして、全体の七一%を占めでございます。これを前年度と比較すると一三%増という高い伸びとなっております。 なお、ただいま御質問の資本金百億円以上の会社の研究費は、平成二年度においては六・九兆円でございまして、会社全体の七五%を占めております。この比率は、御質問の十年前の昭和五十五年度には五五%であったものが、資本金百億円以上の会社の占める比率が七五%ということで増大してございます。 なお、研究費の企業ごとの順序というものについては把握してございません。
○吉川春子君 民間の研究費が物すごい多い、しかも大企業の関係がまたその中でも際立って多いということが明らかになったと思います。 大臣にお伺いいたしますけれども、我が国の科学技術研究の現状から、二つの特徴があると思うんです。一つは研究費に占める軍事費が相対的に小さい。第二に民間の研究負担割合が非常に大きい。しかも、〇・三%の四百八十二社の資本金百億円以上の巨大企業の研究開発費が七五%ということで、これをどう評価するかということですけれども、今も言いましたように、軍事研究が非常に低いということは、これは非常に評価できることだと思います。これは国民の平和を守る考え方、あるいは科学者、研究者、技術者、そういう人たちのやっぱり意向が反映している数字だと思います。民間の負担割合の極端な大きさ、国立の研究所や大学の研究費、これが本当に少なくて、社会問題にすらなっているわけですね。昨年来かなりクローズアップされました。国立研究所や大学に対する投資の少なさは、これは十年余にわたる臨調行革によって一層抑制されてきた、このように思いますけれども、これらの問題について大臣のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(谷川寛三君) 私も、さっき局長から答弁しましたところによりましてもおわかりのように、政府の研究投資が必ずしも多くないと思っております。厳しい財政の中で大変努力をして、それからまた財政当局も科学技術につきましてはシーリングがある中でもいろいろひいきをしてやってくれておりますが、まだまだこれではいかぬ、こう思っております。去る一月二十四日に出ました科学技術会議の第十八号答申でも、政府の研究投資をもっとふやすということを言っておられます。私どももできるだけ早い機会に研究投資を倍増していかなきゃいかぬという覚悟で臨む所存でございます。 特に国立大学、それから政府の研究機関の施設、設備が非常に老朽化している。例えば、筑波の研究都市をとりましてももう二十年やっておりますからね。私もこれは早急に改善をしなきゃならぬ。青少年の自然科学離れというお話も出ておりますが、やはり魅力ある研究所、研究施設が整えばどんどん優秀な人が来ると思うんですよ。ということでありまして、関係各省と相談いたしまして、まず国立大学それから政府の研究施設、設備につきましては公共事業並みに、例えば国道、河川それから空港とか、何カ年計画とありますね、ああいう式の予算要求をしてまいりたい。格段にこれから努力をしていく所存でございます。
○吉川春子君 大企業の研究開発費について、上位十社がどの程度の額を充てているか伺います。それから、我が国の国研の八十二機関の研究費の総額、両方教えていただきたいと思います。
○政府委員(須田忠義君) 我が国の民間企業の上位十社、これは日刊工業新聞とか東洋経済とかいろんな民間等で調査している、発表していることは承知しておりますが、政府としてこの統計をとったこともございませんですし、それについては把握してございません。
○政府委員(山路順一君) 先生後段のお尋ねでございますが、科学技術振興費中の試験研究機関の経費でございますが、平成三年度で申し上げますと、十六省庁八十二機関、千九百四十四億円でございます。
○吉川春子君 有価証券報告書総覧によりますと、平成三年三月期決算の東芝の開発費が二千六百五十三億円、一社ですね。日立が三千九百十八億円、まあ十九億円に近い。そういうすさまじいというか、多額の研究開発費を充てております。 そして、研究開発費の中で研究スタッフの官民比較という問題についても伺っていきたいと思いますけれども、第十位の三菱電機の一社の額と国研の八十二機関の金額がほぼ同じなんですが、日立の研究所のスタッフは全体で一万二千五百名おります。国研は平成三年度で全職員、研究者の数は何人ですか。
○政府委員(山路順一君) 全職員合計いたしますと、三年度末の定員でございますが、一万四千七百七十七名となってございます。
○吉川春子君 だから、日立一社の研究スタッフとそんなに変わらない。少し多いですけれども、そういう数字になっているわけですね。 それで、研究活動に不可欠な、重要であるサポーティングスタッフ、研究支援者などの行(二)職、これの削減率を伺いたいと思いますが、昭和五十五年と平成三年度でどうなっていますか。
○政府委員(山路順一君) お尋ねの研究支援者でございますが、先生今御指摘がございました行(二)ということもございますが、私どもの整理といたしましては、研究職俸給表をもらっております者の中で一級に相当いたしますのは研究補助者ということになっておるわけでございます。また、各国研におきましては管理部門がございますので、行政職(一)の俸給を適用になっておる者もございます。そういうことを入れますと、昭和五十五年度から平成三年度の推移を見てまいりますと、研究支援者といたしましては、五十五年を一〇〇といたしました場合には平成三年度は八二という数字になろうかと思います。具体的に研究支援者の数字を申し上げますと、平成三年度におきましては研究支援者としましては五千二百二十名ということになります。
○吉川春子君 研究をする場合に、研究者とそれからそれをサポートするスタッフが本当に必要で、それが今おっしゃった一級とか行(二)の方なんですけれども、特に行政職(二)表の適用の職員の削減が非常に大きくて、例えば工業技術院の研究機関の定則率は、これは労働組合の調査ですけれども、一九六二年から九二年の間に何と定則全体が一八・八%、これももう五分の一ですから物すごく多いんですけれども、行(二)関係では八五・八%減っちゃっているんですね。もう激減していて、だから研究に支障を来す、そういう状況になっているわけなんです。 私は続けて女性研究者の問題についてお伺いいたしますけれども、こういう中で女性研究者の数ももっとふやすべきじゃないかという投書が、実はこれ朝日でしょうか、「論壇」に載っておりました。これは私何回か質問しているんですけれども、一向に数字がふえないんです。文部省とそれから科技庁に伺いますが、国立大学、国立研究機関の全体の中に占める女性研究者の比率、それを二十年前と今日と比較してそれぞれお答えいただきたいと思います。
○説明員(工藤智規君) 国立大学におきます教授、助教授という職にあります女性の割合ということでございますが、平成三年五月一日現在の学校基本調査によりますと、総数三万一千六百十人のうち女性は千二百十一人でございまして三・八三%でございます。職名別の割合といたしましては、教授は女性は四百三十七名で二・六%、助教授は七百七十四人で五・二%でございます。これを経年的に見ますと、約二十年前の昭和四十六年五月一日で見ますと、教授総数一万百三十三人のうち女性は百十六人、一・一%でございます。助教授は総数九千七百十四名のうち二百八十八名、三・〇%でございまして、まだ必ずしも十分多いというわけではございませんが、年々増加傾向にあるという状況にございます。
○政府委員(山路順一君) 国研の数字につきましてお答え申し上げたいと思います。 昭和五十年度の女性の研究者の数字といたしまして私の手元にございますのは七百十六名になってございます。一方、平成二年度末におきましては、女性研究者の数といたしましては七百七名でございます。
○吉川春子君 ちょっとそのパーセント出ませんか。
○政府委員(山路順一君) 御指摘のパーセントでございますけれども、研究者総数に対します女性研究者の割合ということになりますけれども、先ほど申し上げました昭和五十年度におきましては七%でございます。また、平成二年度におきましては七・一%になってございます。
○吉川春子君 国立大学の教授、助教授が三%弱、恐らく女性の国会議員の比率と同じぐらいじゃないかと思います。それから、少しはふえているといってもまだまだ非常に低い数字ですし、国立研究所の女性研究者に至っては二十年前から減っているんですね。ふえないだけじゃなくて率が若干減っている。 それで、女性研究者というのは一番大切な時期に出産、育児、それに先立つ結婚とかいうことがあって非常に大変なんですけれども、うんと頑張ってやっているんですね。しかし男性と同じ力じゃ認められない、男性の三倍ぐらい働いて能力もないと対等に認められないという訴えを私は何遍も聞きましたが、文部省と科技庁、科技庁の方は大臣にお答えいただきたいと思いますが、女性研究者をふやすためのどういう手だてを考えていらっしゃるのか、お答えいただきたいと思います。
○説明員(工藤智規君) 先ほど御紹介いたしましたように、国立大学におきます教官スタッフでの女性の割合は必ずしも多い状況にはございませんけれども、これは翻ってみますと、大学進学率といいましょうか、四年制大学への女性の進学の割合が上昇してまいりましたのは近年でございまして、男女で見ますと、最近男性の方は大体横ばいでございますが、女性はいまだに逓増傾向にございまして、平成二年の四年制大学の進学率は女性で一五%、男性で三三%という状況になっております。年々ふえているわけでございますが、これが例えば教授相当にあります段階になりますとさらに低い段階であったわけでございまして、そもそも大学に進学される女性の割合が少なかったこと。それから先ほど先生御指摘のように、女性の場合に結婚、出産、育児という大変な役割もあるわけでございまして、そういう中で必ずしも、志してもなかなか研究を継続されることが少ないというような状況もあったわけでございます。 いずれにしましても、大学が学問の府として、あるいは基礎研究を遂行する中心的な場としてその水準を確保し向上を図るためには、教官スタッフの採用に当たりましても必要とされる当該分野において最もすぐれた者を採用するのが基本でございます。これが女性であるからといって差別するのではなく、逆にまた女性であるからといって男性に比して女性を殊さら採用するのではなく、男女の別なく、あるいは昨今国際化の要請の中で外国人の採用もふえているわけでございますが、外国人であるから殊さら採用するというんではなく、あくまでも教育研究実績に応じてすぐれた者を採用するような形で各大学の自主的な運用に任されている。我々としまして、殊さらその原則を外してまで特定の世なりあるいは国籍によりまして採用させていくということはなかなか難しい状況でございます。
○政府委員(長田英機君) 実は、科学技術会議で十八号答申というのがことしの一月に行われまして、その答申の中で女性の科学技術分野の活動を容易にしようということで記述されている点がございます。それを読んでみますと、「科学技術の分野でも、処遇、評価等において男女の差をなくすこと、出産・育児期における勤務形態の選択肢を多様化することなどを推進し、女性の科学技術活動の継続を容易にするような環境を整備する。」、こういうことが大きな方針として書いてございまして、私どもはこの答申の考え方に沿ってそれを何とか実現していくように頑張ってまいりたいと思います。
○吉川春子君 時間の関係がありますのであれですけれども、文部省ね、進学率といったら女性だって大学へうんと行ってるんですよ。進学率と相関関係にないことが問題なんです。それで、女性研究者の実態を把握して本当にふやしていくような方策をしていただきたいということをきょうは強く要望しておきます。 それで、研究交流促進法の改正案の内容に入っていきたいと思いますけれども、通産省に伺います。 科技庁は、任期つき公務員採用の必要性の一例として、工業技術院の再編による融合的研究領域に対する取り組みを強化するために新研究所を設立することを挙げて、ここに国研の研究者、民間企業の研究者に来てもらう場合に今度の改正が有効に働くというふうに三月に衆議院の方で答弁していますね。そこで聞きますけれども、産業科学融合研究所(仮称)の設立は三十六名で、うち研究者二十四名で成っていくというふうになっています。資料いただいていますから、この資料の中身はいいんです。行く行くこの研究所を何名体制にしていくのか、そしてそのうち民間の企業からの任期つき採用者はどの程度にしようとお考えなのか、その将来像といいますか、それを言ってください、
○説明員(光川寛君) 先生御指摘の点でございますけれども、現状、設立当初の組織といたしましては所長以下二十五名、事務方スタッフ十一名の三十六名体制でございます。
○吉川春子君 それはいいんです。
○説明員(光川寛君) それで、今後の予定でございますけれども、現在、平成五年の一月一日に向けて設立の準備をしている段階でございまして、最終的な決定には至っておりません。しかし、設立当初につきましては、時間的な制約もございますので内外の任期つき任用につきましては数名程度ではなかろうかと予想しております。
○吉川春子君 この二十四名の研究者の中に数名入れるという意味ですか。確認します。
○説明員(光川寛君) そうでございます。
○吉川春子君 それで、将来的なことについてお考えを述べていだだきたいんですけれども、私が非公式に聞いているのでは、九十名程度の規模で、その半数は民間の任期つき採用にしたいということですが、大体そんな数字でしょうか。
○説明員(光川寛君) 融合研でございますが、融合研は工技院の国研の研究者を核としつつも、産学官の研究者にお集まりいただいて有効な形で研究を進めようという意味の研究所でございまして、形態的には国研の研究者が約半分、それから産学官、特に大学、外国の研究者の方々、こういう方々が約半分というような形で展開する予定でございます。
○吉川春子君 そうすると、その半分の中の民間はどれぐらいの比率になりますか。
○説明員(光川寛君) 任期つき任用につきましては、先ほど申し上げましたように、現在の時点ではどういう形態で採用するかということも含めて検討中でございまして、研究者の構成もその研究のテーマによりましてどういう形でお集まりいただいたらいいのかということがおのずと決まってまいりますので、その辺の展開がないと現在のところでは何とも申し上げられないという状況でございます。
○吉川春子君 人数ですけれども、そうすると将来トータルでは百名以上になりますか、それ以内ですか。
○説明員(光川寛君) 先ほど申し上げましたように、先生御指摘のとおり、将来約九十名ぐらいの研究所を想定しております。そのうちに産学官の外部から来られる方が四十名程度かと思います。その中に任期つき任用というのが入ってくるということでございます。
○吉川春子君 どのような研究をするんでしょうか。簡単でいいですけれども、教えてください。
○説明員(光川寛君) 融合研、御承知のように、今後研究を進めるに当たって異分野の方々がお集まりいただいて取り組んでいかなければならない研究というのがだんだん多くなってきております。そういう意味で、国研の研究者だけではなかなかうまくいかない研究を推進する場合、工技院の研究者のみならず、他省庁の研究者もまず国研としては考えていくと同時に、大学の研究者それから外国の研究者、さらには民間の研究者という方々で、そのテーマを国としてきちっと推進する上に必要な方々にお集まりいただいて研究をするということでございまして、テーマ的には原子、分子レベルの研究をひとつしようと、原子、分子レベルの基礎的なことを研究しようということと、それから生物体の機能を勉強してそれを人工的に実現していくための研究をしよう、こういったような研究が想定されております。
○吉川春子君 端的にお答えください。 そうすると、遺伝子の組みかえとか、それはバイオですね、それからエレクトロニクスに応用できる超LSIとか、そういった分野の研究ということですか。
○説明員(光川寛君) 今挙がっております三つのテーマにつきましては、直接遺伝子の組みかえを想定しているテーマではございません。一部そういう行程が必要になるかとも思いますが、直接は想定しておりません。それから、先ほど申し上げました原子、分子レベルの部分でも、直接半導体をつくるとかいったようなことを想定はいたしておりません。基礎的研究でございます。
○吉川春子君 超LSIの研究はしないということですか。それはいいことにしましょう。 それで、この場合、官民連帯共同研究という制度が今あるんですけれども、これに加えて、今回任期つきの公務員の任用ということですけれども、この制度は今回の融合研などについては余り機能できないと、こういうことなんでしょうか。
○説明員(平野隆之君) 先生お尋ねの官民連帯共同研究制度でございますが、これは官民のそれぞれの研究のポテンシャルを有機的に連係しまして創造的、基礎的な研究を推進する共同研究の制度でございます。 研究の形態といたしましては、官民の双方の研究者を派遣し合い、官民双方の保有する設備を用いて共同研究を効果的にいたすものでございます。
○吉川春子君 ちょっと済みません、時間が迫っているんでね。今の官民共同研究の制度ではこの融合研などのことにはもう機能しないから、新たな制度を導入すればこっちが有効だと、こういう意味ですか。イエス、ノーでいいですが。
○説明員(平野隆之君) 官民共同研究は、現在の研究制度、いろんな制約があるわけでございますが、その枠の中で効果的なテーマを取り上げ研究しているものでございます。したがって、研究交流促進法の改正が成りますれば、またそれに合ったふさわしい共同研究がなされるものというふうに思っております。
○吉川春子君 答弁になっていませんね。そういう制度があるにもかかわらず、そういうものは使わないで、そして新たに任期つきの公務員を民間から採用するということ、そこを聞いているんですね。 それで、ちょっと先へ行きますけれども、人事院に伺います。科技庁の衆議院での答弁では、民間企業から任期つきの公務員が採用される場合に、給与のダウンを補うために、毎月の手当とか一時退職金とか報酬金など、いろんな名目があるかもしれませんけれども、その差額を企業が支給することについて何ら法的に制約がないと、こういう答弁であるわけなんですね。 それで、要するにそういうふうにして採用した場合に、国家公務員法の百三条の「私企業からの隔離」、これを厳密に規定している条文に抵触しないのかどうか、その辺伺いたいと思います。
○政府委員(吉川共治君) 国家公務員に任期つき任用をされた場合、社員として親元から給与をもらうこういうことでございますが、これが、報酬の趣旨が、親元企業等における労働の対価としての金銭であるということであれば百四条で制限されている兼業の話になると思います。しかし報酬ではない、何らかの金銭を報酬以外の形で受け取るということでありますと、これは一律に禁止する規定はないわけでございますけれども、個別にその金銭給付がどういう性格なものかを判断することになると思いますが、その給付を行うことによりまして公務の公平性とか中立性、そういったものが損なわれるということになれば、これはやはり国家公務員法の規定にも触れることになりますので、任免権者がそこの点については採用時あるいは在職の期間を通じて適切な指導を行うべきであろうというふうに考えております。
○吉川春子君 労働の対価とか報酬とか、これはどういう定義ですか。どういうものだといけないんですか。
○政府委員(吉川共治君) 社員が親元の企業の方で何らかの労働をするということであれば、それは報酬になるということでございます。しかし、公務員になるわけですから、職務専念業務がございますから、当然親元の仕事をするということはないわけでございますけれども、仮にそういう形で親元の仕事を公務員になりながらするということになれば、これは兼業の話になるということでございます。しかし、全くその親元の仕事をしていない、しかし給与が民間から国に来ることによって減額になる、それを補てんするというような形のものであれば、これはやはり職務の中立性、公平性、そういうものにひっかかってくる可能性がございますから、その場合にはやはり問題になるということでございます。
○吉川春子君 総務庁、天下り禁止規定の問題について伺いますが、この百三条二項は天下り禁止ということを設けておりまして、民間の企業にストレートに行けないようになっていますよね。ところが、科技庁は今度任期つき採用公務員については親元の方に帰るということを条件で採用するわけですから、そういう場合がかなり多いわけですから、これは天下り禁止規定の例外になるんですか。――総務庁お見えじゃないですか。人事院でいいんですか。
○政府委員(吉川共治君) 任期の終了後に民間に戻る場合に百三条の関係がどうなるかと、こういうことでございますけれども、任期つきで採用された職員が、その任期が終わりまして前の親元の企業に戻るという場合ですが、その場合であっても、在職した国の研究機関とそれから親元の企業との間に密接な関係がある場合には、百三条の制度の趣旨にのっとりまして通常の就職と同様に承認が必要になるということでございます。
○吉川春子君 そういうことを聞いているんじゃないんですよ。要するに公務の中立性、公平性、全体の奉仕者たる公務員が、今まで国家公務員であった者が民間企業に下ることは、例えば二年間はできないとか、禁止しているでしょう。ところが、今度の場合は任期つきで、三月三十一日に任期が切れたらもう四月一日から民間の企業にまた帰れるわけですね。しかも、帰ることを条件にして採用するなどということは、今までの天下り禁止規定に照らしてみても真っ向から対立するんじゃないですかと聞いているんです。それは対立しないんですか。
○政府委員(吉川共治君) 百三条の承認はかかるわけでございまして、実際には任期つきで採用された職員が、例えば親元の企業と契約関係を結ぶポストにつくとかあるいは許認可の権限を持つポストにつくとか、そういったところについた場合には、これはまさにひっかかるわけでございますけれども、今回の研究公務員の場合はそういうポストにはっけないように避けるということでございますから、実際には承認の規定がかかるわけでございますけれども、事実上は承認で、非承認になるということはないということでございます。百三条の制度自体は依然として動いている、機能しているということでございます。
○吉川春子君 人事院に伺いますが、この百三条というのは公務員制度の根幹だと思うんですね。こういうものを、例えば任期つきの公務員の採用という形で今回崩したわけなんですけれども、こういう形で今後とも公務員制度を崩していくんですか。それともこれは唯一の例外なんですか。
○政府委員(吉川共治君) 私ども、今回の任期つき任用が公務員制度の根幹を崩しているというふうには考えておりません。任期つき任用で採用されますと当然国家公務員法の服務に関する規定等もかぶりますし、ただいまの百三条の関係も適用になるわけでございますから、そういう意味におきまして私どもとしては制度の根幹を崩しているということにはならないと考えておりますし、そういう制度の根幹を崩すようなことがないように、私どもとしても今後運用に十分注意をしてまいりたいと思っております。
○吉川春子君 要するに、国家公務員でありながら企業から毎月お金を受け取ってもいいとか、それから国家公務員でありながら民間企業に行くときに二年間の待機期間とかそういうものを置かないでもストレートに行けるとか、そういうことをほかにももっともっと今後とも拡大していくのかというふうに聞いています。根幹を崩すかどうかはそれは評価ですからいいですけれども、そういうことを今後ともどんどんやっていくのかどうかということを人事院に聞いています。
○政府委員(吉川共治君) 私ども、今回の任期つき任用というのは極めて例外的なものであろうと思っております。今後ともこれを拡大して公務員の基本でございます身分保障をなくしていくというようなことば考えておりません。あくまでこれは例外的なものでございます。
○吉川春子君 時間がなくなりました。最後に大臣にお伺いいたしますけれども、国立研究所の研究者、私はここを充実させていくことが非常に必要だというふうに思うわけです。海外出張の旅費が少ないためにチャンスを逃しているとか、あるいは四条参加の実態が五年間で三千百三十七人、一回五十万とすれば十五億七千万円も個人負担で海外の会議に出ているとか、あるいはオーバードクター、ポストドクの問題もあります。本当に終身雇用の中で研究者を採用してそれを育成していく。民間からちょっと部分的な能力のある人を五年間引っ張って研究に参加させる、そういうような形じゃなくて本当に、しかも公務員制度に穴をあけていくわけですよね。そういう二重の意味で今度の法案というのは大変な内容を持っていると思うんです。 私は、国立研究機関の研究者をもっと大切にして、研究費もふやして、まさに文字どおり企業のひもつきではない基礎研究のために全力を挙げることが一番必要じゃないかと思いますが、それに対して最後に大臣の見解を伺って、質問を終わりたいと思います。
○国務大臣(谷川寛三君) 期限つき任用は、さっき振興局長からお話しいたしましたように、本当にこの人が必要だという方をお迎えするための産学官協力の一つの体制をはっきりさせたわけでございまして、それが本則ではありません。やっぱり基本的に国研の研究者の立派な人を養成してそしてやっていくのが基本でございますから、今後ともそういう方針で、旅費とかいろいろ出ましたが、とにかく研究に支障のないようにやりますから、御承知願います。
○吉川春子君 終わります。
○委員長(及川順郎君) 午前の質疑はこの程度にとどめ、午後一時まで休憩いたします。 午前十一時四十五分休憩 ―――――・――――― 午後一時開会
○委員長(及川順郎君) ただいまから科学技術特別委員会を再開いたします。 休憩前に引き続き、研究交流促進法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言願います。
○太田淳夫君 それでは、午前中に引き続きまして法案に関して質問させていただきます。文部省お見えになっていらっしゃると思いますが、よろしいですか。 じゃ最初にお聞きしますけれども、先ほども同僚委員から国立大学の問題あるいは研究所の問題について御質問がございました。私たちも大学の研究室等と視察に同僚と参りましていろんな実態等を見てまいりまして、いろんな機会に委員会を通していろいろと質問もし、また御注文も申し上げてきたところでございます。確かに、大学に行ってまいりますと、建物が老朽化しておりますし、研究スペースも非常に狭くなっている、あるいは実験装置も古くなっておりますし、教官あるいは研究者の待遇も民間と比べますとはるかに劣っているということも指摘されてきたわけでございますが、やはりこのまま放置してまいりますと科学技術の発展基盤そのものにも悪影響を及ぼしてくるんじゃないか。前回私も指摘した覚えがございますが、いろんな装置、環境ばかりでなくて、研究費でも一人当たりの研究費を見てまいりますと、民間に比べましても大学等では非常に低くなっておりますね。 今回、平成四年度の予算も通りました。そのいろんな議論を踏まえながら、また次の予算への文部省としてのこれからの活動の検討が始まってくると思いますけれども、こういうことを踏まえまして、文部省としてどのような対策を講じ、次年度の予算に反映させていこうと考えておみえになりますか。
○説明員(雨宮忠君) 先生御指摘のように、大学の研究環境の改善につきましては各界からも種々指摘を受けているわけでございます。私どもといたしましても、現状につきまして厳しく受けとめておりまして、その改善、充実を図るということは緊要の課題だと、かように考えておるわけでございます。 今年度の予算につきましても、先生御指摘の施設の整備の問題もございます。また研究費の問題もございます。設備の問題もございます。人材養成ということで若手研究者の処遇の問題もございます。いろいろな研究環境を支える諸要素があるわけでございます。それぞれにつきまして、四年度予算におきましてはしかるべき努力を払ったところでございますが、一年限りの話ではございませんで、今後とも十分努力してまいらなければならない、かように考えておるところでございます。
○太田淳夫君 その点の検討をこれからもお願いしたいと思うんですが、同じように科学技術庁の方の国立試験研究機関につきましても前々から指摘をされてきたところでございますし、このまま進んでまいりますと、やはりこちらの方も研究能力の低下を引き起こしたりしてくるんじゃないかということが心配されているわけです。その点、科学技術庁としての今後の対策をお聞きしたいと思います。
○政府委員(長田英機君) 国立研究機関の研究環境の問題でございますが、先生御指摘のように、若手の確保とかあるいは研究支援業務、いろいろな面でこれからも充実していかなきゃならない分野がございます。若手の研究者の確保につきましては、なるべく採用方法とか初任給を改善するというような措置が講ぜられないかということで人事院にも毎年お願いしているわけでございます。 また、科学技術庁自体としましても、科学技術特別研究員制度とかフェローシップ制度を使いまして内外の若手研究者を国研に受け入れるように努力をしております。このほか、研究支援業務につきましても処遇改善の要望を人事院にお願いいたしましたり、あるいは事務の効率化をいろいろ図っているというようなことをやって、そのようなことで研究環境の整備に科技庁としては今後ともなお一生懸命取り組んでまいりたいと思います。
○太田淳夫君 人事院の古いらっしゃいますね。――分科学技術庁からも話がありました。あるいは文部省としてもいろんな面で人事院に対しての要望等もあろうと思います。国として優秀な人材あるいは優秀な研究者の人材の確保という点でやはり人事院としてもいろんな各省庁の要望についていろいろ検討を加えられて対策を立てておられると思いますけれども、人事院の見解はいかがでしょうか。
○政府委員(吉川共治君) 私ども人事院といたしましても、優秀な研究者の確保ということは非常に重要なことだと思っておりまして、従来から処遇上の改善といったところで、特に若手の研究員に配慮した給与の改善といったようなことに力を入れてやってきております。
○太田淳夫君 科学技術庁から先ほど人事院に対して要望ということでお話しされていましたが、その点はどうですか、初任給の改善とかいろいろとあるという話ですけれども。
○政府委員(吉川共治君) いろいろ御要望があることは十分承知をしておりまして、その辺につきましてもいろいろ研究をしておるところでございます。
○太田淳夫君 文部省は結構です。どうもありがとうございました。 それでは、法律の中身について多少お聞きしておきますけれども、研究機関におきますところの研究者とかあるいは研究補助要員、これの不足が言われているわけですが、現在どのくらい不足しておりまして、将来どのくらいの不足が出る見通しで皆さん方はおられますか。
○政府委員(須田忠義君) 我が国の現在の研究者の総計については、これ総務庁が統計をとってございますが、平成三年度においては約五十八万人となってきております。なお、現状において研究者、研究補助者がどの程度不足しているのかというような資料、データは残念ながら持ち合わせていないところでございます。 なお、将来の見込みについては、研究者の需要が我が国の経済成長に過去比例してきたという仮定を置きまして、三%成長の場合、四%成長の場合という仮定をして計算した推計がございます。これによりますと、現状の五十八万人を起点として推計した場合、二〇〇五年ころの研究者の需要量は八十六万人から九十八万人に達するだろう。これは三%の場合と四%成長の場合でこれだけの差があるわけですが、そういう試算がございます。一方、研究者の供給、これは我が国の生産可能年齢人口に比例すると仮定した場合、これは二〇〇五年ころには三十六万人から四十八万人程度の研究者の不足が生ずるという試算が出されてございます。
○太田淳夫君 せんだって、これは委員会が違いますけれども、第八次定員計画の問題についても私指摘したわけでございますが、今回、研究公務員の任期つき採用ということでございますけれども、これを導入することで大学の新規卒業者あるいは若手の研究者の枠を、いろいろ定員枠がありますから、それを任期つき採用ということで食ってしまうんじゃないか、こう心配されますが、その点どうですか。
○政府委員(長田英機君) 今回の任期つき任用でございますけれども、この制度を今回創設させていただきますと、その運用といたしましては、そういう一つの研究をみんなでやる場合に、内部にそういう研究者がいない場合に外からお願いして連れてくるというようなことが趣旨でございまして、そういう意味におきましては国研が研究を実施していく上においての一つのオプション、選択肢を広げる、こういうような位置づけになると考えておるわけでございます。 ところで、今先生御指摘の点でございますけれども、そうしますと国研の方では当然のことといたしまして国研全体の研究の計画あるいは人繰り、そういうようなことを考えてこの任期つき任用というものが国研全体にとっていいものであると、よく運用されるように運用すると思うわけでございます。そういう意味におきまして、若手研究者の採用に支障を来してまでこの任期つき任用ということは通常はやらないんじゃないかというふうに思うわけでございます。そういう意味におきまして、私どもは若手、新規卒業者の採用というところに支障が来されるということはないんじゃないかというふうに考えております。
○太田淳夫君 いずれにしましても、その定員の枠内でこのことがいろいろと処理されていくわけでございますので、国立研究所の研究者の高齢化がやはり問題とされているわけですけれども、それに拍車をかける事態となりかねない、こういう心配もあるわけですが、その点はどうでしょうか。
○政府委員(長田英機君) これも今私がお答えしたことと関連するわけでございますが、国研が研究の全体を見まして、そして若手を採用しないで例えばその枠で任期つき任用を行うということになりますと先生の御指摘のようなことになる可能性があるわけでございますけれども、研究所全体の動向を見て高齢化が深刻な状態になるというようなことまでは任命権者としてしないというふうに考えております。
○太田淳夫君 高齢化が問題になるほどのそういう任用はしないという御答弁だと今承りました。しかし、この導入によりまして民間人等の研究公務員への採用が増加するというところにまたメリットが反面あろうということでございますけれども、今までの客員研究官制度、これでは不都合があったんでしょうか。あるいは客員では研究の成果が上がらないと、そういう科学技術庁の考えなんでしょうか。
○政府委員(長田英機君) 現在、各省庁とも客員研究官制度というのがございますけれども、これは研究の指導などのために民間企業とか大学などの優秀な研究者を非常勤の客員研究員といたしまして、例えば一カ月に数回とか非常に限られた期間研究に従事していただくというような制度でございまして、科技庁におきましてもこれを利用しておりますが、この制度はこの制度として非常に意味のある制度というふうに考えております。いわゆる研究の態様によりましてこの客員研究官の制度が生かされる場合もありますし、任期つき任用の方が適用であるという場合があろうと思います。 ちなみに、任期つき任用の場合には、任用される人は通常の公務員と同じように常勤の職員になって働くわけでございますから、研究の内容から見てそういう人がその研究に常時専念してもらうということが適当な場合も多かろうかと、そういうふうに考えております。
○太田淳夫君 公務員の採用につきましては身分保障、すなわち終身雇用を前提に、任期つきの採用はないわけですけれども、しかるに改正法では民間人の期限つき公務員への採用を認めるわけです。この場合終身雇用という前提はいわば崩れるわけですが、この点については人事院はどのようにお考えですか。
○政府委員(吉川共治君) 今回の任期つき任用の導入によりまして、従来の任期をつけない任用という大原則が崩れるということはございません。私ども職員の任用については、任期を設けないこととするのが原則だと考えております。今回の任期つき任用はあくまで例外でございます。従来から、任期つきの任用を必要とする具体的な理由があり、かつ身分保障上の観点から特に問題がない場合に、非常に限定的にこの任期つき任用は考えておりまして、今回のものについてもその延長線で考えたいと思っております。
○太田淳夫君 再度確認しておきますが、先ほど同僚委員の御質問の中で、今回のこの処置というのは例外であって、こういうことはほかの場合にはございませんと、こういう御答弁されましたね。間違いありませんね。
○政府委員(吉川共治君) 既に人事院規則で任期つき任用を認めたものがございます。これにプラス今回のものが加わるということでございます。
○太田淳夫君 私もよく勉強していなかったんですが、その人事院で今まで認めた例というのはどういう例ですか。
○政府委員(吉川共治君) 人事院規則では「任期を定めて任用してはならない。」というふうになっております。「ただし、三年以内に終了する予定の業務を行なうことを職務内容とする官職で指令で指定するものについては、当該業務の終了時までの期間をこえない任期で職員を採用することができる。」ということで、具体的には、電電公社の拡充計画の実施に伴いまして、同電電公社から委託されていた郵便局の電気通信業務が廃止されることになりました。それで昭和四十五年の四月に四十五カ所の郵便局の電気通信職、それから電話交換職が任期つき任用の対象官職として指定をされまして、これを皮切りにいたしまして、五十一年までに毎年郵便局の電気通信職及び電話交換職について任期つき任用の対象官職として指定をしたケースがございます。
○太田淳夫君 それでは次に、特許権取り扱いの問題ですけれども、我が国は国際貢献の一つのあり方として外国との国際共同研究、これを推進していく必要があろうと思うわけでございます。そこで、この改正法第九条関係ですけれども、国の委託に係る国際共同研究の成果に係る特許権等についていわば特例を設けることになるわけですが、その趣旨はどういうことですか。
○政府委員(長田英機君) 国の委託に係りますところの国際共同研究の成果である特許権の取り扱いにつきましては、我が国の制度が諸外国と実は異なっておりまして、こういうような制度が異なっておりますと、我が国で国際共同研究をやろうといたしましても外国企業などの参加が非常に困難であるわけでございます。こういうような点から、予定していた外国の企業が参加できなかったというような現実のケースもございましたものですから、今後我が国の国際貢献という点も考えてみますと、外国人との間の国際共同研究を大いに推進していかなきゃいかぬ。このためには、国といわゆる委託を受けた方との間のパテントの所属の関係を外国とバーモナイスするというような点から、現在の法令の特例を設けまして国際共同研究を推進しやすいようにする、こういう趣旨でございます。
○太田淳夫君 確かに、提案理由によりますと、「国の委託に係る国際共同研究の成果に係る特許権等について、諸外国との制度的調和を図りこというわけですが、諸外国の事例、我が国と比較してどこがどういうふうに異なっているのか、どういうふうに改善したらいいのか、それをちょっとお話しいただきたい。
○政府委員(山路順一君) お答え申し上げたいと思います。 特許権の取り扱いの違いを御説明するに際しましては二つの違いを御説明せざるを得ません。まず一点でございますけれども、発生いたしました特許権がだれに帰属するかといったのが一点でございます。二点目は、発明者が特許権を実施します場合にその対価、料金をどうするかという、その二つの問題がございます。 まず、我が国の実情でございますけれども、我が国の場合には委託いたしました研究開発から発生いたします特許権、これの帰属の問題につきましてはすべて一〇〇%国に帰属することになります。また、発明者がそれを実施したい場合には国に対価を払う必要がございます。これが我が国の現状でございます。 一方、諸外国におきまして、主要先進国の例で御説明申し上げますと、まず米国でございますけれども、米国は国内企業に委託した場合には特許権は発明者たる国内企業に帰属することになります。国外企業に委託いたしました場合には一〇〇%米国政府に帰属するわけでございますけれども、発明者がそれを実施する場合には無償で実施することができることになってございます。英国の例でいきますと、これは国にすべて特許権は帰属する。しかしながら、無償で実施することができるということでございます。また、ドイツ、フランス等を考えますと、これは発明者に一〇〇%特許権は帰属いたします。当然のことながら、その発明者が実施する場合には無償であることは当然でございます。 したがいまして、諸外国の例と我が国の現状とを比べてみますと、先進国の場合には研究実施者に有利の取り扱いになっているのが実情でございます。 以上でございます。
○太田淳夫君 現行の研究交流促進法六条においては、国の受託研究において特許権が原則国のものとなるが、その一部を委託者側に譲渡できるようにしております。また、国の委託の場合ももちろん原則国のものということですが、そもそも特許権というのはその発明者に帰属するという議論もあると思いますけれども、委託の場合も受託の場合も国に属するという点は問題ないんでしょうか。
○政府委員(長田英機君) 国の受託研究の場合と委託研究の場合と、両方今議論が出ておりますが、受託研究の場合につきましては、金は民間で出しますけれども、国が研究を行って、国が発明したから全部国に属する、こういう考えでございます。また委託研究の場合には、風がお金を出して民間が研究をやる。民間で発明が行われますが、国は金を全部出したから国に全部帰属する。こういう、何かちょっと聞くとおかしいかなというような議論もございます。 そういう点で、国の受託研究につきましては、現行の研究交流法の六条によりまして国と委託者との共有ができるように手当てをさせていただいた、これが当初の六十一年の研究交流法のときでございます。今回逆の、国が委託しました場合についてどうするかという点でございますけれども、特に緊急に措置する必要があると考えられます国際共同研究の場合につきまして今回の改正案の中に入れさせていただいた次第でございまして、これによって共有できるようになるわけでございます。 なお、国際共同研究以外もあるわけでございまして、そういう点につきましてはこれからの検討課題であるというふうに考えております。
○太田淳夫君 それから、六十一年に研究交流促進法が制定された当時、やはりこの国会で論議されました点の中に軍事関係共同研究、特に米国のSDIとの関係の共同研究が懸念されたわけですが、その点、この研究交流促進法の関係するところでそのような研究は現在まであったのかなかったのか、その点どうでしょうか。
○政府委員(山路順一君) 御指摘の点でございますけれども、私ども防衛庁に実情につきまして問い合わせました結果を御報告申し上げたいと思います。 防衛庁におきましては、本法の適用実績といたしましては、現行法第四条に職務専念義務免除による研究集会への参加がございます。これのみが適用条項であると。その他につきましてはこれまで防衛庁には適用実例がない、そういうお話を聞いてございます。
○太田淳夫君 次に、人事院にお聞きしますけれども、研究交流促進法の制定によりまして研究公務員の出向については一部退職金算定上の期間計算について改善が図られたわけではありますけれども、この点はそもそも国家公務員法あるいは国家公務員退職手当法上の規定でありますけれども、なぜ原則において公務員の人事交流について退職金に算定上の不利益があるんでしょうか。その点どうですか。
○政府委員(長田英機君) 科学技術庁の方からお答え申し上げますが、研究公務員が休職によって外部の研究機関で研究する場合は、退職手当支給の対象となる在籍期間の算定に当たりましては休職期間二分の一が除算されることになっておりますが、これは休職の期間中におきまして職員が国の職務に従事しないこと、また退職手当が長期勤続に対する功労報償としての性格を持っているというようなことによると思うわけでございます。 なお、休職により研究に従事する場合でございましても、国の委託共同研究に従事する場合につきましては、これは現在研究交流法で規定されておりますが、その業務の性格上、国の業務と極めて密接に関連して、国の職務に従事しているのと類似なものだという評価を与えることができるわけでございますので、その場合には二分の一を二分の二に計算するというふうにしたわけでございます。
○太田淳夫君 人事院としてはどう考えますか。一般的な公務員としてはどうですか。
○政府委員(長田英機君) 今科学技術庁の方からお答え申し上げましたけれども、実は先生、これは総務庁の問題のようでございまして、そういう意味で私からちょっと答えさせていただきました。――今総務庁の方がいらっしゃらないので私からお答えいたします。今私の方から研究公務員につきまして申し上げましたけれども、基本的には、研究というものを広げて一般として考えた場合にも、その国家公務員みずからの仕事、職務についている場合は構わないのでございますけれども、それから外に出て、それを離れた場合にはやはり二分の一になるというような基本的考え方は変わらないと思います。
○太田淳夫君 じゃまた、専門家、専門家でお聞きしたいと思います。 それでは、次は第十一条関係になりますけれども、提案理由によりますと「国有の試験研究施設を外部の者が廉価で使用できるための要件を緩和し、その利用の促進を図ること」とございますけれども、これによってどのような廉価使用が見込まれるんでしょうか。
○政府委員(山路順一君) お答え申し上げます。 今回の改正は、広く国以外の者が国有の試験研究施設を廉価で使用できる機会を拡充することによりまして、国有の試験研究施設を通じた研究交流を一層促進しようとする目的を持って改定を行うものでございます。 具体的な事例に即して御説明を申し上げますと、私どもの研究所に防災科学技術研究所という研究所が筑波にございます。この筑波にあります防災研に一つの研究施設といたしまして大型降雨実験装置を有してございます。現行法律によりますれば、この大型降雨実験装置を使いたいという国以外の者がありました場合には、そこで行われます研究、その施設を使って行います研究は防災研の現に行っております研究に密接に関係がなければならないわけでございます。しかしながら、今回の要件緩和と申し上げますのは、この装置を使う際に防災目的ではない、ほかの異分野の研究に使うことができるようにする、それが要件緩和でございます。この大型降雨装置でどういうような研究が他分野で行われることが可能かという事例といたしましては、例えば降雨強度のもとでマイクロ波の減衰特性を解明するための研究を行おうという国以外の者がおりました場合にはこの防災研の施設を使用できると。繰り返しますが、異分野の領域までこの廉価使用の要件を拡大しようといったものでございます。 以上でございます。
○太田淳夫君 科学技術会議の諮問第十八号に対する答申、これを見ますと、「国内外の優秀な研究者を誘引する優れた研究環境を有するセンター・オブ・エクセレンスを育成する。」ということが提言されているわけですが、これに基づいて科学技術庁としてはどういうようなことをイメージされていますか。
○政府委員(須田忠義君) 我が国の基礎研究を強化していくためには大学、国研等の研究環境を全体的に改善していくことが必要でございますが、さらにこれに加えて、国内外の研究者のいわゆるあこがれの的となるようなすぐれた研究環境を有するいわゆるセンター・オブ・エクセレンスを育成し、卓越した研究成果を世界に発信していくことが重要だ、こういう指摘が御指摘の十八号答申になされているところでございます。 これについては、これまでも私ども、例えば理化学研究所におけるリングサイクロトロンなりトリスタンを中心とする高エネ研の研究なり岡崎国立共同研究機構の分子科学研究所、こういうのが我が国の代表的なCOEと、こう言われているわけですけれども、こういうのがつくられることによって、日本の研究者はもとより世界的な学者がそこに集まってくる、こういうことを国として積極的に推進しなさいという趣旨でございますので、科学技術庁も文部省、関係省庁と協力、連絡をとりながら計画的にこういう施設を設置してまいりたい、そういうふうに考えております。
○太田淳夫君 次はちょっと法案を外れまして御質問したいと思うんですが、きょうある新聞に出ておりましたけれども、世界各国の世論調査を見てみますと、やはり旧ソ連の核問題についての関心が非常に高いということが報道されておりました。それについて何点がお聞きしたいと思うんですが、ベリホフ・ロシア科学アカデミー副総裁がお見えになりました。大臣もいろいろと会見されたようでございますが、記者会見で語ったところによりますと、旧ソ連の核兵器解体で出てくるウランが全世界の採掘量の三年分、プルトニウムが約百トンで、世界の年間利用の二十年分ということであったわけでございます。一方、科学技術庁では解体核物質平和利用問題検討会というものを設置して対策にいろいろと乗り出すということでございますが、現在どのような検討が行われているんでしょうか。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 旧ソ連の解体核兵器から出てまいります核物質につきましては、まずロシア連邦等が厳格な管理を行うことが第一でございまして、これによって核拡散の懸念が生じないようにすることが、あるいはそのために適切な措置を講ずることが基本であると考えるところでございます。 先生今御指摘のように、どれくらいのものがどう出てくるかということでございますけれども、これはまさにこの間日本原子力産業会議年次大会に来られましたロシア科学アカデミーのベリホフ副総裁がみずからおっしゃった数字もございますので、絶対量はそのようなものであろうかと思っておるわけでございます。このような量の核物質につきましては、当面の措置といたしましては安全かっ確実に保管管理することが必要でございまして、これはまず大事なことではございますけれども、これが核拡散の防止上真の解決策ではないことは当然でございまして、何らかの形で再び核兵器にならないように利用するということで処理することが大事じゃないかと思っておるわけでございます。 このような観点から、今ほど御指摘の解体核物質平和利用問題検討会を私どもの中につくりまして、専門家からいろんな意見を聞きまして、平和利用の堅持を大前提にいたしまして、これまで我が国において培いました原子力平和利用技術の応用によりましてどのような協力があり得るかということにつきまして検討を行っておるところでございます。それで具体的には、解体核兵器から発生いたします核物資の安全確実な貯蔵というのがまず第一点あろうかと思います。これにつきましてどういうことがあるかという勉強をいたしておるところでございまして、特にシステムとしてどう考えるかというようなことも勉強していく必要があろうかと思っております。 それから、その後の取り扱いとしましては原子炉燃料への利用ということがあるわけでございまして、それにつきまして、原子炉に利用するとする場合いかなる炉がいいのかということにつきまして内々の勉強をいたしております。これにつきましては、例えばプルトニウムを専ら燃やすようなそういう原子炉というものにつきましても若干の検討をいたしております。一部報道もございますけれども、これはまだ内々、ごくラフな、大ざっぱな検討でございますので、現在得られております結果につきましてはまだまだ確たるものではございませんけれども、そういう勉強を鋭意行っているというところでございます。
○太田淳夫君 要するに、核軍縮によりまして余剰プルトニウムが発生することはこの委員会でも指摘をされたところでございますけれども、報道等によりましてもプルトニウム過剰時代あるいはウラン過剰時代ということが予想されているわけです。そうなりますと、我が国のエネルギー政策、具体的には核燃料サイクルのあり方にこれは大きな影響を及ぼすことになるんじゃないかと思うんですが、その点についてどうお考えでしょうか。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 旧ソ連等の核弾頭の解体から出てまいりますプルトニウムをどのように処理するかという問題は、これは一義的には当該核兵器の保有国が判断すべき問題でございまして、私どもは我が国の国内のプルトニウムの利用計画とは全く別の問題というふうに整理して考えるべきと思っておるところでございます。これによりまして我が国の核燃料サイクルのあり方に影響が生ずるということはないと思っておるわけでございます。 我が国のプルトニウムの利用計画は、ウラン資源の有効利用を図り、原子力発電によるエネルギー供給を安定化していくという、そういう観点から鋭意進めておるところでございまして、昨年の八月に取りまとめられました原子力委員会の核燃料リサイクル専門部会の報告書におきましても、二〇一〇年ごろまでの長期的な計画に基づきまして計画的かつ着実に進めることとしておるところでございます。 このときに、しばしば日本は二〇一〇年までに八十トンあるいは九十トンのプルトニウムをためるんじゃないかということが言われておるわけでございます。これはそういうことではございませんで、まさに余剰のプルトニウムを持たないようにしながら発生しますプルトニウムをその場で使っていく。もちろんこれはランニングストックは要るかと思います。ランニングストックだけに限りまして、余剰のプルトニウムを持たないようにしながら出てきたものを使っていく、そういうバランスをずっと続けていくという、そういうことでございまして、決して私どもの計画はプルトニウムをため込むという計画ではないということをこの場をかりまして申し上げさせていただきたいと思います。 なお、旧ソ連邦におきまして本件核弾頭プルトニウムの平和利用への転用が進められます場合は、国際的な連携のもとで我が国がこれまで蓄積いたしました技術を使っていくということでございまして、先ほども申しましたように、国内のプルトニウムのリサイクル計画とは明確に切り離した格好で世界の平和を安全に一層の貢献をするという、そういう立場から進めていきたい、かように考えておるところでございます。
○太田淳夫君 大臣にお聞きしますが、せんだってちょっと報道されましたけれども、動燃の石渡理事長さん、あの人のいろんな発言で私たちびっくりした面があるわけでございますが、大臣としてはどのようにおとりになりましたか。
○国務大臣(谷川寛三君) ただいま石田局長がとうとうとお答えしたところで尽きておると思いますが、現にベリホフ・ロシア科学アカデミー副総裁に会いましたときも、確かにプルトニウムは百トン出てくる、濃縮ウランも五百トン出てくる、今お話があったようにこれを使えば何十年分もあると。しかし核不拡散の問題がありますからこんなものはよそで売るものじゃありません、厳重に管理いたします、ウランにしましてもこれ一遍出したら世界のウラン市場が大混乱に陥るからそんなことはできませんと、こう言っております。これと、今お話ししましたように、私ども資源の乏しい国としまして核燃料のリサイクルの政策とは別であると思っております。 実は、動燃の石渡理事長がああいうことをしゃべったと新聞に出ましたから、早速来てもらいまして、あなたどうしてそんなことを、どうしたんだと言ったら、いや、これはちょっと真意が伝わっておりませんと。今申しましたように、ウランの需給の状況、プルトニウムの需給の状況等見まして、こういうことも現場としましては研究をしておかなきゃならぬじゃないかという意味で申し上げたんでありまして、今の政府の政策と反対のことを私が考えているなんて、これはめっそうもございませんと、こういう説明でございましたので、御了解いただきたいと思います。
○太田淳夫君 国際貢献の話も出ましたので先へ進みますけれども、実は核物質の陸上輸送事故対策ということで、柏市及びその周辺の都市では核燃料輸送事故に備えたマニュアルを作成しているということでございます。今後プルトニウムの陸上輸送ということも行われてくるということはもう確実でございますけれども、やはり交通事故あるいは核ジャック等に対する安全対策というのは大丈夫なのか、あるいは核物質の陸上輸送につきましては公開できない部分もあろうと思いますけれども、基本的なところで、公開できる範囲で、輸送計画あるいは安全対策についてどう考えてみえるのか、お尋ねしたいと思います。
○政府委員(坂内富士男君) 核燃料物質の輸送に関しましては、先生御承知と思いますが、国際原子力機関、IAEAが放射性物質安全輸送規則といったものを定めておりまして、我が国も含め各国もこの規則に基づいて輸送の安全規則を実施しているところでございます。この規則では、核燃料物質の輸送に当たっての輸送物が満たすべき強度、耐火性等、そういった条件及び輸送方法に関することが定められておりまして、プルトニウム燃料用の輸送物につきましてはB型核分裂性輸送物ということで基準が適用されることとなっております。 また、実際の輸送に当たりましては、そもそも交通事故に巻き込まれないよう前後に先導車あるいはまた後尾車、こういったものを配備したいわゆる隊列輸送を行うなど、細心の注意を払って輸送を行っております。こういったことから、いわゆる交通事故等に対する対策は万全であろうというふうに思っでございます。 また、核ジャックということでございますが、いわゆる原子炉等規制法によりまして幾つかの防護措置といったものを講じておるところでございまして、例えば輸送物が収納されるコンテナに施錠あるいは封印をする、それからまた必要な連絡体制をとる、責任者、見張り人等、防護のために必要な措置を講じさせる等々ございますし、なおかつこういったものがいわゆる物理的に盗取されがたいような措置、あるいはまた何か盗取しようとしても非常に時間のかかるような措置、こういったものも講じているところでございまして、このようなことから核ジャック対策につきましても万全の措置であるというふうに御理解いただきたいと思います。 それからもう一つ、後段の部分の御質問でございますが、輸送の計画等につきましては、先生御案内のとおり、こういった輸送計画といったものは、特に日時それからまた経路等につきまして不特定多数の者にみだりに情報を提供するということは、核物質のいわゆる安全管理あるいはその防護といったことからもできるだけこれを必要最小限にとどめるということが国際的な認識となっておりまして、私どもそういったことから、限られる情報、つまり住民の安全、こういったことにつきましては十分なる情報をお出しするつもりですが、細かい計画等につきましてはお出しできないということでございます。 なお、この安全対策ということにつきましては、先ほどいわゆる交通事故対策あるいはまた核ジャック対策等について御説明いたしまし次が、このようなことを今後とも確実に実施していきたいというふうに思っております。
○太田淳夫君 核物質の輸送でございますので、陸上につきましても十分な安全対策はやっていただきたいと思いますし、海上についてもいろんな論議がせんだっての予算委員会等でも行われましたけれども、海上保安庁どうですか。海上輸送についてはアメリカ側からいろんな意見も出ましたけれども、建造されました護衛船「しきしま」で十分である、そういう海上保安庁の見解のようですが、十分ですか。どうですか。
○説明員(陶山高志君) プルトニウムの海上輸送につきましては、先ほど先生の御指摘になられましたように、護衛に必要な性能、設備を備えました巡視船を新たに建造したところでございまして、これにより輸送船を護衛することとしています。さらに、プルトニウムの海上輸送の実施に当たりましては、護衛巡視船の同行のほかに、脅威との遭遇を回避するための慎重な輸送コースの選定、無寄港の輸送、厳重な情報管理を行うことに加えまして、輸送船にも海上保安官を警乗させるなど、総合的な核物質防護措置を講じまして輸送の安全に万全を期すこととしています。
○政府委員(石田寛人君) 今しかたの先生の御質問に対しまして、海上保安庁の答弁のとおりだと思いますが、若干経緯の御質問もございましたので、そのことをあわせて補足させていただきます。 先生御質問のとおり、一部報道に「米、護衛強化を要求」とか、「一隻では不十分」、あるいは「折く計画見直し協議」というような、そういう見出しの報道があったことも事実でございます。そういうこともあったわけでございますけれども、例えば今月の六日のアメリカ国務省のバウチャー副報道官の記者会見なんかにおきましては、我々、すなわちこれはアメリカのことでございますが、日本の輸送計画を批判したとの報道が若干あったが、現行の協議の過程でこのような計画に対する懸念を表明したことはない。我々、すなわちアメリカが承知する限り、いかなる米政府機関も同計画が不十分などの見解を表明したことはない。総じて日本政府の計画に満足しておって、このふうな計画の完全実施を保障するため日本政府と協議を続けていくつもりである、そういうことを言っております。 あと報道でいろいろあるわけでございますけれども、基本的に私どもは、今海上保安庁から御説明のありました計画でもアメリカの政府当局者は認識し、これでいけるものと考えておるところでございます。これからもちろん詳細いろんなすり合わせはやってまいりますけれども、この方向で進んでいくということでやっておるところでございます。
○太田淳夫君 海上保安庁も海上輸送上の安全はこれで確保できるということで御発言があったわけですが、いろんな安全対策というのを考えていかなきゃならないでしょうね。一番心配されたのは核ジャックの問題とかいろいろと言われておりますし、あるいは船が沈むことはなかなかないと思います、今は相当性能よくなっておりますので。しかし万一の場合も考えなきゃならない。そういうことを考えますと、科学技術庁としては安全対策をどのように考えていらっしゃいますか。
○政府委員(石田寛人君) お答え申し上げます。 先生御指摘のとおりに、海上輸送に際しましては安全対策を厳重に講じていくことが極めて大事であることは当然でございます。我が国とそれから出発国たるフランスの安全規制のための関係法令に従うことはもとよりでございまして、さらに過去の海上輸送の経験も十分生かしながら、第一に輸送船の安全運航の確保に万全を期するということでございまして、さらに輸送船の構造あるいは輸送容器につきましても厳格な安全基準を満たすものを使うということ等、多重の安全措置を講ずることによりまして総合的に安全を確保することといたしておるところでございます。これからも、先ほども申しましたようにいろんな準備はあるわけでございますけれども、全体といたしまして各種の措置を講ずることによりまして安全輸送は可能なものと考えておるところでございます。 特に、船体につきましては二重船殼と申しますか、いわゆるダブルハルとなっておりまして、ほかの船と衝突した場合でも非常に強固な構造を持っておるということ、あるいは万が一損傷したときにおきましても、船倉を含む一部の区画に浸水してきた、水が入ってきたという場合でも十分な復原性能を持っておる等々、極めて沈みにくい構造のものを使うこととか、あるいは火災対策も同様のものを講ずるとかいうことで、安全な輸送は可能なものと考えておるところでございます。
○太田淳夫君 終わります。 ―――――――――――――
○委員長(及川順郎君) この際、委員の異動について御報告いたします。 ただいま穐山篤君が委員を辞任され、その補欠として喜岡淳君が選任されました。 ―――――――――――――
○小西博行君 それでは、大きく分けて三、四点についてお尋ねしたいと思います。午前中からの質疑で大体法案についてかなりの部分が明確になっておりますので、できるだけダブることを避けたいというふうに考えております。 まず、国有研究施設の外部利用について具体的にお尋ねしたいと思います。これは、昭和六十一年に研究交流促進法というものが制定されまして、国有試験研究施設を外部の人が十分に利用できる、そういうようなことで非常に脚光を浴びた法律だろうというふうに私思っておりますが、具体的に現在まで何件ぐらい利用されているのか。先ほどの大型降雨の実験設備とかあるいは加速器だとか、いろんなところで相当利用されていると思うんですが、具体的にわかればお聞かせ願いたいと思います。
○政府委員(山路順一君) 国有施設の廉価使用でございますけれども、第九条にそれが規定されているわけでございます。現在までのところ、残念ながら使用実績はございません。
○小西博行君 全然使用されていないというのは、そういう必要性がないから貸してくれというような要望がないというようにお考えでしょうか。
○政府委員(長田英機君) 現在の研究交流促進法九条におきまして今先生御指摘の外部利用ができるのでございますけれども、実はこの九条の条文によりますと、国有の試験研究施設を管理している機関が現に行っている研究に関連いたしませんとそれが低廉で使えない、こういうことになっておりまして、言うならば非常に要件が狭いと申しますか、それが一つの理由だと思います。それからもう一つは、これは私どもも反省しなきゃいけないのでございますが、やはり本制度について関係の人がまだふなれと申しますか、私どももっとPRしていかなきゃいけませんけれども、そういうような点もあろうかと思います。 私どもとしては、今回の改正によりまして要件を緩和していただき、そして我々もその周知徹底を大いに図っていくことによってこれからは使われるようになっていくんじゃないかというふうに期待しているわけでございます。
○小西博行君 つまり、法案をいろいろつくるときには当然どの程度の利用があるかというような予測も必要でしょうし、それから具体的にそれ相当のPRも私は必要だと思うんですね。関係のものがなかったから全然使わなかったんですわというんでは、せっかくこういうものをつくったって何の意味もない、そこのところを私は特に申し上げたい。それで、今度の法案でかなり使いやすくなったというんですが、そういうところをよく反省されて、具体的にそういうものをPRしなきゃいけないと思います。 私は広島なんですけれども、昔は工業試験場、今は技術センターというような名前ですが、県のそういうところを中心にコンサルタント活動をすっとやったんですけれども、そういう研究施設へお願いをして、ぜひこういう研究でひとつ使わせてほしいという段階までが時間がかかるんです。だから比較的大手がどんどん使いまして、本当にお願いしなきゃいけないところがなかなか敷居が高くて行けない、これが大体研究施設だろうと思います。そういう意味で、その点をよく説明してもらえるような、せっかく法改正するんですから、来年ぐらいになってあれまだ全然使っておりませんということのないようにぜひお願いをしたいというふうに思います。 だからこの法案ができますと、今のお話ではいろんな手を使って、相当民間の人たちもそれを使えるようになるだろう、こういう予測でやられるんだろうというように思いますが、具体的には、私の経験からいきますとやや研究施設が古いという分野もあろうかと思うんですね。あるいは非常に専門的な施設が多いからなかなか取り組めない。そういう意味で、一般のそういう民間であるとかその他の研究機関が使いやすいという意味でいろんな情報をとっているだろうと思うんです。各省庁にたくさん研究機関があるんで、一概に全部をどうですかなんて聞きませんけれども、何かそういう中で改めなきゃいけないとか、施設の方向をこう持っていかなきゃいけないという――加速器なんかというのは何か物すごい大学から何からみんな申し込みがあって、ほとんどもういっぱい計画が詰まっている、筑波のものですが、そういうふうに聞いたこともあるんで、その点はどうなんでしょうかね、将来の方向というのは。
○政府委員(長田英機君) 現在、国における設備の現状でございますが、民間で整備することが困難なようないわば大型とか最先端の設備、先生今御指摘になりました加速器などもそういうことだろうと思いますけれども、こういう点の整備を行っているわけでございまして、一概に民間との比較は難しいと思うのでございますけれども、かなり民間と比べて劣っているとは一概にちょっと言えないんじゃないかと思います。 例えば、私ども科学技術庁にありますもので申しますと、航空宇宙技術研究所の大型風洞試験装置、あるいは防災科学技術研究所の大型耐震実験施設とかあるいは降雨実験施設というのがございます。それから先生の御指摘に関連します高エネルギー物理学研究所、文部省でございますが、放射光の実験施設等々、非常にすぐれた施設もあるわけでございます。ただ、先生の御指摘のように、こういう国研の試験研究施設はまだ充実整備していくことが必要でございまして、特にセンター・オブ・エクセレンスといいますか、そういう意味のものとして機能を持つようにこれからもますます整備していかなきゃいけない、そういうふうに考えております。
○小西博行君 私はほかの設備はよくわからぬのですが、もと有機化学をやってきたという人間で、例えばいろいろな材質の分析なんかというのも昔はもう大変な時間がかかりました。成分を出すのに。ところが、今は非常に簡単でしょう。そういうものが県の段階で見ますと、割合少ないね。もう民間の方がすばらしいものを持っていますから、非常に分析の精度も高いし速い。そういうような感じがします。 まさか普通の工業高校にあるような旋盤の機械をどうこうという問題じゃないと思うんですが、あれも実は物すごく古くて、それはまあ高校の学生には実習としてはいいかもしれませんが、割合研究機関では物をつくる場合にはあんなものがたくさんあります。もう今はICが入ったすばらしいものがありますのでね。そういう部分的な、専門家による細かい分析というものをきっちりされたらどうでしょうか。理化学研究所へ行きますと、こういうものはちょっと古いですとか、もう少しこういうものを入れたいんだとかというのが恐らくたくさん私はあろうかと思いますので、そういう分野を整備していくべきだと、そういうふうに思います。これは私の要望として一遍検討していただきたいと思います。 それから、先ほど太田先生の方からもございましたが、研究公務員への任期を定めた民間人の採用制度、これも私はちょっと先生と同じように心配になります。というのは、先ほど申し上げたように若い優秀な人材を採るという、これが一番これから先の研究という分野では大切だろうと思います。だんだん年をとってきますと管理職になって、偉いことは言うんだけれども、どうも現実に研究という分野では必ずしもそうでもないという方もおります。全部が全部じゃありません。そういう意味で、若い人が、優秀な人が入れるようなそういうスシテムづくりが非常に私は大事だと思うんで、それに対して積極的な取り組み方、政府の見解、こういうところの決意をひとつお願いしたい。
○政府委員(長田英機君) この任期つき任用制度でございますけれども、これは研究所がある研究計画を立てたといたしますt、その研究計画を進める上で人材が研究所内に欠けている場合に登用するものでございまして、そういうような一つの道を開いたというところに非常に意味があると思うのでございます。現実にこの任期つき任用をいたします場合には、研究所としての長期的な研究のあり方あるいは人材の採用の仕方、そういうようなことも考えて総合的に研究所が対応するということでございます。私ども考えてみますと、最初の新規採用者を削ってまでそういうことをやるとか、非常に老齢化しちゃうとか、そういうようなことは避けながら、研究所全体のことを考えて任用が行われると、そういうふうに考えておるわけでございます。
○小西博行君 研究者というのはそれぞれ専門が違うんだろうと思うんですが、余り単年度で、ことしは採用をこれだけしたいとか、それから優秀な人材を採用するために学校回りしているのかどうか知りませんけれども、まず公務員の試験にパスしなきゃいけないんだろうと思うんですが、そういうような長期的な見方でもって、どういう専門が何名ぐらいという、こういう長期ビジョンに立った採用計画と姿勢というものが学生にやっぱりいろんな意味でいい影響を私は与えるんじゃないかと思うんですよ。その辺の大学に対するPRなりというものを具体的にやっているんでしょうか。普通民間だったら、しょっちゅう採用で参りまして、そしてこういう人間が欲しいということをみんなやりますね。そういう種類のことはどうなんでしょうか、まあ賃金も含めて。
○政府委員(長田英機君) 今御指摘の国立の研究所におきましても、当然のことでございますが、とにかく優秀な人材を集めなきゃいけませんし、そういうような大学へのアクセスと申しますかPRと申しますか、そういうことは現在やっているわけでございますけれども、この点につきましてはそもそも研究所の機能にかかわる問題でございますので、一生懸命やっていくようにしていきたいと思います。
○小西博行君 それで、ずっと問題になっているのは、やっぱり優秀な人材がなかなか揺れなくなってきたと、これは皆さん方この間から認めているわけですね。しからば、どういう条件が整えば優秀な人材が来るというようにお考えなんでしょうか。その条件あるいは対策がもしあれば教えていただきたい。
○政府委員(長田英機君) 現在、私どもでやっておりますのは、優秀な人材はどういうふうにすれば来るかと考えてみますと、非常に魅力ある職場である、設備が非常にいいとか研究費が非常にあるとか、あるいは給与水準も非常に高いとか、そういうようないわゆる研究環境というものが非常にすぐれている場合に集まってくるんだろうと思うわけでございます。 そういう意味におきまして、設備の充実、あるいは給与水準につきましては人事院に毎年お願いしております。それから、いろんな措置を通じます研究費の増額、人当研究費も従来十年近く伸びていなかったのがこの三年ばかり伸びてきております。そういうような面から、環境というものを非常にすぐれたものにしていくということが必要だということで、そういう面に今一生懸命やっております。
○小西博行君 今言われなかったんですけれども、やっぱりそこの研究所なり、研究テーマならテーマというのがあると思うんですよ。そこの指導者の問題じゃないですかね。これはまあ具体的にだれとは言いませんけれども、すばらしい指導者のいる大学あるいは研究機関というのは割合情報がよく入っておりまして、それで優秀な人材が行くということは今も昔も同じじゃないでしょうか。今ちょっとそういうことを言われなかったんで、私そこが非常に大切だと思うんですよ。だから、そういうところへ入りますと、恐らくいつまででも実験助手で済ますようなことはないだろうと。頭角をあらわすまでがなかなか時間がかかり過ぎるんじゃないでしょうか、特に国の研究機関は。まあ新しい研究分野だったらいいんですよ、これは。だから、その辺の人との関係というものが非常に問題があるんじゃないかと、私そう思うんです。 何かで集まるというとやっぱり年配の部長さんとかそういう人が集まってきて物事を進めようと。若い人が割合口出しできないようなそういう体制があるんではないだろうか。民間の場合でもやっぱりそういうことが言えるんですね。ある会社は若い者が中心になってどんどん開発やるんですけれども、ある会社ではもう年寄りばっかり集まってやる。新しい発想は出てきませんよね、当然。 だから、そういう人間の仕組みというか、その人のリーダーシップといいますか、こういうものが私は非常に研究の中で、先ほど申し上げたような若い優秀な人材が行くか行かぬかというのは、大きな要素を占めると思うんですが、それはどうでしょうか。
○政府委員(長田英機君) 先ほど私申し上げませんでしたけれども、もう先生の御指摘のとおりだと思います。 この任期つき任用の制度におきましては、一つの研究を進める場合に一つのチームを組んでやるわけでございますから、そのチームを分担して指導する人も任期つき任用の対象になり得ると思います。そのほかに、若手研究者を集める点につきましては、特別の制度をつくりまして、いわゆるポストドクと申しますか、そういう人たちが、理化学研究所もそうですし、あるいは国研にも集まってまいりまして、そして比較的自由な環境で研究ができるようにする、そういうような制度もやっておりまして、先生の御指摘のとおりだと思います。
○小西博行君 この間も実は基礎研究を少しやらせていただいたんですが、この基礎研究を強化しなきゃいけないというのはもう前々からのこの委員会の議論でもございます。この基礎研究を基本に返って、基礎研究でこれから日本が最先端に行くためにはどういう条件を整備しなきゃいけないか、政府としてどういうことを具体的にやらなきゃいけないか、非常に大きな問題なんですが、もしございましたらお願いしたいと思います。
○国務大臣(谷川寛三君) 欧米各国から日本は基礎研究ただ乗りだ、こういう批判を受けております。これにつきましては、この間先生に対しまして、必ずしもそのままいただくわけにいかぬと申し上げたのでありますが、確かに我が国はこれまで欧米の科学技術の成果をベースにしながら積極的な研究開発、利用を行いまして、今日の経済力と豊かな国民生活を築き上げてきた、こういうところが多いと思います。今後はこういうことではいかぬので、二十一世紀に向けまして、今お話がありましたように基礎研究に格段の努力をしていかなきゃならぬ、こう思っておるところでございます。 基礎研究の推進によりまして、我が国から新しい原理、現象や理論、独創的な新技術等、人類共通の知的な財産を世界に向けて発信いたしまして、国民生活と社会の充実を図りながら国際社会に貢献していくことが可能になると考えております。このために、いつも申し上げておりますが、関係各省庁と協力しながら、オーソドックスなんですが、基礎研究の主要な担い手であります大学、国立試験研究機関等の研究環境をまず改善していかなきゃならぬ、研究開発能力と人材養成能力を強化していかなきゃならぬ、これがやっぱり原則ではないかと考えております。 このような考えに立ちまして、当庁としましては今後とも基礎研究の強化に最大限の努力をしてまいる所存でございます。研究投資をふやしてもらう、これがとにかく何と申しましても基礎研究充実のための大原則である。頑張っていきたいと思っております。
○小西博行君 これはさっきの予算に関係するわけですが、やっぱり長期的なビジョンの中でずっと明確な姿勢を出して、長期的によくしていくという一つの方向でないと、単に木を見て森を見ないというような研究予算の投資の仕方といいますか、そういうことでは、もうすぐに成長しませんから恐らく大分おくれてくるんではないか。 特にこの間からもずっと議論のある国の予算ですね。基礎研究というのは必ずしもそれが実用化されない分野があるかもしれない、リスクが非常に大きい、だから民間はなかなか投資しがたい。今何か研究とかいったらあれもこれも全部入っているわけですから、本当の基礎研究というんですか、今までになかったような新しいものを生み出すというのは相当やっぱりリスクがあると思うんで、そうなるとどうしても国の費用でやらなきゃいけない、国の機関でやらなきゃいけない、こういう分野に行き着くところだと思うので、この予算の面で、やっぱり具体的な計画、中身があって予算でしょうから、予算だけふやせといったってそれはふえないだろうと思うんで、そういう面もひとつ考えていただきたいと思います。 それから、先ほども特許の問題が出たりなんかしたんですが、日本人の研究者で例えば欧米へ留学している人数と諸外国から日本へ来ている人数の比率、これが大体十対一ぐらいですよね。日本から欧米へ行っているのが十一万人、それから日本へ来ているのが一万人、大体十分の一。というのは、どうなんでしょうか、日本というのは研究の中身が、あるいは生活環境が悪いからなかなか優秀な研究者が来てくれないというふうに考えたらいいんでしょうか。その辺をお願いします。
○政府委員(須田忠義君) 確かに御指摘の住環境その他言葉の問題もあろうかと思いますが、我々科学技術会議等で議論している一番の問題点というのは、やはり国研、大学等の老朽化、陳腐化、こういう環境の悪化が一つの大きな原因だというふうに認識してございます。 先生御指摘のとおり、センター・オブ・エクセレンス、いわゆる特徴のある立派な施設があって、そこに優秀な研究者がいるというのが最大の吸引力だというふうに理解しておりまして、計画的にそういう整備を図りたいというふうに考えております。これは、財政事情も非常に厳しい折でございますけれども、各省庁とそういう方向で連携しながら整備していきたい、そういうふうに今考えているところでございます。
○小西博行君 外国人の研究者に日本に本当に来てもらわなきゃいけないという姿勢は明確なんでしょう。
○政府委員(須田忠義君) 異分野交流と申しますか、文化、生活の違い、そういう人たちが相互に触発される、これは非常に重要なことだという認識でございます。したがって、外国の人に来てもらう、行く、これをさらに拡大していく、これが非常に大事だと認識しているところでございます。
○小西博行君 この質問でもう最後にしたいと思うんですが、最終的にはどう考えても基礎研究の分野が日本の将来にとって非常にすばらしい方向だと、方向に向いて進むんだという、こういう将来の展望というのが非常に私は大切だと思います。 例えば、知的所有権の国際収支という数字があるんですね。これを見ますと、日本は先進国の中では最大の赤字国というようなことの結果になっています。例えば、具体的には一九九〇年の時点でデータがございます。アメリカが受け取りが百五十三億ドル、支払いが二十六億ドル、その差が百二十七億ドル。つまり、技術をどんどん諸外国へ売っているということですね。いわゆる特許権のお金がたくさん入ってくるという、こういう評価です。日本の場合は、受け取りが二十四億ドルに対して、支払いが六十億ドル。つまり、たくさんよその技術を買って、よそへお金を払っているということです。これはもう歴然としてこの差があるわけですから、相当これは頑張らなきゃいけないし、特に米国あたりでは特許に対して訴訟が非常にふえている。こういう状況ですから、これを具体的に黒字国に持っていくのが私は技術立国だろうと思いますので、その辺の将来に向けての方向なりあるいは所信なり、大臣からお伺いをしたいと思います。
○国務大臣(谷川寛三君) 天然資源に乏しい我が国が、生活と社会の充実を図りながら国際社会に積極的に貢献していくためには、今お話もございましたが、諸外国以上に科学技術を立国の基礎にいたしましてやっていくことが必要であると確信をしております。 これまで我が国は、先ほども申し上げましたが、欧米の科学技術の成果をベースにしながら積極的な研究開発を行いまして今日の経済力と豊かな国民生活を築き上げてまいりました。しかし、これからは特に基礎研究を強化いたしまして、世界に評価される独創的な理論やすぐれた技術をみずから構築していかなきゃならぬ、このように思っております。このような基礎研究の強化によりまして、初めて我が国が世界一流の技術水準を達成、維持することが可能となりまして、技術輸出も拡大いたしまして我が国の発展につながっていく、こういうふうに考えております。 今後とも、先生からも今御指摘がありましたが、こういう趣旨で頑張っていく所存でございます。
○小西博行君 終わります。
○委員長(及川順郎君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。
○吉川春子君 私は、日本共産党を代表して、研究交流促進法の一部を改正する法律案に対し反対討論を行います。 反対理由の第一は、民間企業の研究者を期限つき公務員に任用する制度を導入する点です。これは、憲法のいう全体の奉仕者であるため公務の中立公正を担保するための兼職禁止、天下り禁止等を規定する国家公務員制度の根本原則をゆがめるからであります。 政府の答弁では、期限つきの任用に当たって、親元の出身企業への復職と官民の給与較差の補てんを保障することを前提にしていることが明らかになりました。これを個々人の身分保障という側面からの措置という理由で正当化することはできません。 また、任用される研究者について着任ポストの制限規定はないので、民間企業の人が国立試験研究機関の統括的な研究官や部長クラス以上のポストに任用されることも法律上はあり得ますが、これでは受委託する研究テーマの選定、研究所の指揮・監督、施設の機器材の発注業務等の許認可などの職務権限を持ち得ることになります。さらに、任用中に知り得たノウハウや国の方針、計画等の情報が復職後の特定企業にだけ利用されるおそれが出てくるなど、民間企業のひもつき的性格を持つものと言わざるを得ないものです。 任用制度は、公務員を全体の奉仕者から一部の奉仕者に、さらに営利企業の奉仕者にと変質させかねない問題を含んでいます。さらにこの制度は、政府が行革により定数削減を研究者や研究に欠かせないスタッフに強行していることとあわせて、国立試験研究機関の長期的な研究計画や採用計画に対しより一層の障害をもたらすものです。研究交流の促進と国民のための科学技術研究のためには、定数削減政策を直ちにやめて、また学会出張などの国内、国外出張旅費を初め研究予算の大幅アップこそ必要であり、今回の法改正はこれに対し逆行であると言わねばなりません。 第二は、国民全体の知的財産を内外の大企業に供与することは、国の財産と財政を損なうものであり、容認できません。 改正案は、国の委託に係る国際共同研究の成果に係る特許権等の取り扱いについて、従来国に一〇〇%帰属させていたものを、研究に参加する民間企業などに特許権を分与し、さらに特許使用料を無償にしようとするものです。 しかしこうした措置は、国の財産は正当な対価なくして譲渡してはならないという国有財産法と財政法の一般原則に穴をあけ、国際共同研究に参加し得る事実上は一部の内外の大企業にのみ国民共有の知的財産を供与するものにしかならないものであり、研究者を初め国民的な合意を得られないものであります。 第三に、国有施設の廉価使用に対する条件緩和の特例措置は、施設を利用する民間企業などに特別の便宜供与をする優遇措置の拡大ですが、全く必要のない措置です。 国有施設の使用については、国有財産法の特別措置法により、研究所の業務に支障のない範囲で定められた使用料等を支払って施設を利用することが十分できるようになっています。また、国に一つしかないような特別の施設についての実際の利用要求は、実際上は大企業に限られており、通常の適正な対価を支払う能力のある大企業に対し、これ以上特別の便宜を供与する特別措置の拡大は納得できるものではありません。 以上、主な反対理由を申し述べて、討論を終わります。
○委員長(及川順郎君) 他に御意見もないようですから、討論は終局したものと認めます。 これより採決に入ります。 研究交流促進法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(及川順郎君) 多数と認めます。よって、本案は多数をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 この際、三上隆雄君から発言を求められておりますので、これを許します。三上隆雄君。
○三上隆雄君 私は、ただいま可決されました研究交流促進法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、連合参議院、民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 研究交流促進法の一部を改正する法律案 に対する附帯決議(案)。 政府は、本法の施行に当たり、次の事項につ いて十分配慮すべきである。 一 研究交流の促進は、科学技術研究に関する 国の政策の一部として位置付けられるべきも のであり、これを含め、総合的、体系的な科 学技術政策全般の推進を図ること。 二 研究の成果に係る知的所有権のあり方につ いて、世界的趨勢等にも配慮を行った上、検 計を進めること。 三 各国において特許権に関する制度の違いが あるため、本法の運用に当たっては、諸外国 は勿論のこと、本邦の研究者に対しても不公 平にならないよう、細心の注意を払うこと。 四 研究者の身分を安定させるために、国が任 期を定めた研究者の採用を行う際には、任期 後の前の職場への復帰について配慮するこ と。 五 研究交流の促進を図るため、なお一層の改 善について検討を続けること。 六 基礎的、創造的な研究の推進の重要な担い 手である国立試験研究機関及び大学の研究環 境の整備になお一層努めること。 七 研究交流の促進を図るため、研究者が一定 の期間本来の職務を離れて別組織において研 究を行う場合のあり方について、検討を進め ること。 八 本法に基づいて研究交流を促進するに当 たっては、日本国憲法の理念である平和国家 の立場を踏まえ、その成果が全世界の科学技 術の発展と国際平和に資するよう努めるこ と。 右決議する。 よろしく御賛同をお願い申し上げます。
○委員長(及川順郎君) ただいま三上隆雄君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(及川順郎君) 多数と認めます。よって、三上隆雄君提出の本附帯決議案は多数をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、谷川科学技術庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。谷川科学技術庁長官。
○国務大臣(谷川寛三君) ただいま御決議のありました附帯決議につきましては、政府といたしましても御趣旨に沿って配意してまいりたいと存じます。
○委員長(及川順郎君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(及川順郎君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後二時二十七分散会