運輸委員会 第7号
- 発言数
- 218 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1992/05/21
会議録
○委員長(峯山昭範君) ただいまから運輸委員会を開会いたします。 委員の異動について御報告いたします。 昨二十日、櫻井規順君及び伊江朝雄君が委員を辞任され、その補欠として穐山篤君及び須藤良太郎君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(峯山昭範君) 国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案を議題とし、質疑を行います。 本案につきましては、既に趣旨説明を聴取しておりますので、これより質疑に入ります。 質疑のある方は順次御発言を願います旧
○稲村稔夫君 私、きょうの国際観光ホテル整備に関する法律の一部改正案の内容に入ります前に、それと私の質問では関連をしてまいりますので、運輸省の見解を伺っておきたいと思うのでございます。 それは、この四月二十八日に佐川急便中核六社の合併について運輸省が認可をしたということでありますが、この認可について私どもも若干説明の資料をいただきましたけれども、この資料だけではなかなか理解ができませんのでお聞きをしたいと思うわけであります。 最初にまず、合併を認可いたしました経緯とその理由というものについてできるだけ簡潔にわかりやすく、注文がちょっとあれかもしれませんけれども、しかし、これはみんなが知っておく必要があると思うことですので御説明をいただきたいと思います。
○政府委員(水田嘉憲君) お答えいたします。 簡潔にわかりやすくということでございますが、できるだけそういうふうに努めたいと思います。 佐川急便グループの中核六社からの合併認可申請というものは、昨年の十一月二十五日付で近畿運輸局京都陸運支局に出されたわけでございます。その後、運輸本省で審査をいたしまして、御指摘のとおり、四月二十八日に認可をいたしているわけでございます。 今回の合併事案につきましては、貨物自動車運送事業法及びこれに関します平成二年八月の許認可申請の処理についての貨物流通局長通達の具体的な審査基準の各項目ごとの審査を行ったわけでございます。 特に、財務面につきましては、国会でも御指摘いただいておりますとおり、多額の保証債務等を抱えておるわけでございますが、長期的な収支見込みや取引銀行の支援体制等から、事業継続が可能であるというふうに判断をいたしたわけでございます。 また、運行管理面の問題でございますが、これもいろいろ御指摘いただいております過労運転の関係がございます。過労運転を防止するための運行管理体制が我々のその基準に適合しているというふうに判断したわけでございます。 このように、審査の結果、こういう二つの項目を含めましていずれの項目も審査基準に適合しているというふうに判断をいたしまして認可したわけでございます。 よろしくお願いします。
○稲村稔夫君 かなり申請されてから時間をかけて審査しておられる、こういう形になるわけであります。 しかし、今も御答弁のありました中で、特に多額の保証債務等の見込み額、これは約三千六百九億円ですかというのがあるわけでありますけれども、まず第一は、この額はどのようにして確認をされたんでしょうか。
○政府委員(水田嘉憲君) お答えいたします。 御指摘のとおり、東京佐川急便の保証債務の総額でございますが、三千六百九億が最終的に新会社の負担になるだろうということでございます。トータルの債務保証等の額は五千二百九億円でございますが、このうちから主債務者等が返済するというふうなものを差し引きますと、先生御指摘のとおりの額になるわけでございます。 この三千六百九億につきまして、この総額が適正かどうか、この総額がどうなるかによって今後の会社としての返済の問題とか経営の問題が絡んでくるわけでございまして、私どもの方としてはこの全体の総額を何らかの判断をする必要があるということで勉強させていただいたわけでございます。この三千六百九億というものが回収不能見込み額として公表されているわけでございます。 そこで、支援金融機関の取りまとめに当たりました主要銀行二行とのすり合わせを私どもいたしたわけでございますが、この両行におきましては回収不能見込み額、この三千六百九億というものにつきましてはこの数字とほぼ同等、同程度であるというふうに考えているが、佐川急便の今後の努力により最終的にはもっと減少する可能性もあると認識しているという確認を得ております。また、私どもは回収不能見込みの債務者別の内訳、これも佐川急便から提出してもらっているわけでございまして、この回収不能見込みの総額をこの内訳により確認いたしております。
○稲村稔夫君 最終確認というお話でありますから、そうすると、もうこれ以上は出ないと断定をされたということになると思うんですね。しかし、合併六社の中には東京佐川急便ほかいろいろと話題になった佐川各社が入っているわけですね、中核六社の中には。特に、東京佐川急便については現在もまだこうやって新聞でいろいろと報ぜられているものがありまして、これは検察でもって今いろいろと調査中なわけでしょう。 そうすると、確定をされたということは、検察との間でそれはきちんと確認をされたということですか。
○政府委員(水田嘉憲君) 司法当局との情報交換はいたしているわけでございますが、具体的にすり合わせはいたしておりません。私どもは、総額三千六百億なるものがこれより多くなることはならないだろうという形の心証が得られたということで作業を先に進めさせていただいたわけでございます。 御指摘のように、細かい問題についていろいろ議論があるところかもわかりませんが、私どもは私どもなりに会社側から厳しくいろいろな話を聞かせていただきまして、さらに銀行からも具体的ないろんな問題を議論して、それで最終的には三千六百億がふえることはないだろう、減ることはあってもふえることはないだろうということを頭に入れた上で検討をさせていただいたということでございます。
○稲村稔夫君 運輸省ですから交通関係を担当しておられるわけですけれども、これは運輸省がつくった標語じゃないでしょうが、「だろう運転事故のもと」という標語がありますよね。今の局長のお話を伺っていますと、だろう、だろうの話なんですよ。 大体、佐川急便のこういう事故、事件が起きたというのは、言ってみれば運輸省の許認可事業についての監督体制の甘さというところにも大きな要因の一つがあるわけでしょう。そうしたら、言ってみればこれは一つの事故ですよ。運輸省の行政の事故だというふうに例えて言ってもいいと思うんですけれども、そういう中で、検察の側とすり合わせを十分にしてないで、それで何で、だろうということで結論を出せるんですか。
○政府委員(水田嘉憲君) 捜査当局との話し合いはさせていただいているわけでございますが、現在捜査中でありますので、ほかの、役所といえども数字は言えないということでございますので、これは私どもでできる限りのことをやっていく以外にはないと思って勉強させていただいて先ほどのようなことにしたわけでございます。
○稲村稔夫君 そうすると、なおさらですよね。 私は、すり合わせた結果でわかっているんだったら、みんな疑問に思っているところですから、それを明確にするためには、そのすり合わせをしているんだったらその資料をぜひいただきたいというふうに申し上げたいと思っていたんですけれども、すり合わせしてないとしたら逆に、捜査当局にこれ以上の数字は今出すことができないと言われるのはそれはもうわかりますよ、捜査の過程の途中であれば。ということであれば、数字が押さえられないで、それでこうした今後の再建計画などというものが果たして妥当なのかどうかというのをどこで判断するんですか。 それは東京佐川だけじゃないでしょう。佐川急便にまつわっては、この中核六社と言われているものの幾つものところで不祥事というのが報ぜられているわけですよね。そして、それは捜査の手も入っているところが結構あるわけでありますね。そういう中で、どのようにして今後不良債務というものが出てくるかというのは、まだ未確定の分というのがあるのは当たり前なんじゃないですか。にもかかわらず、どうしてこれが適切であると認可をされたのか、それがどうしても私は納得ができない。 きょうは、もう時間が十五分過ぎてしまいました。聞きたい法案の方があるわけでありますから、深入りしているわけにいかないのでまことに残念なんですけれども、この点はとても納得できるものではありませんので、また今後の機会に確かめていきたいというふうに思います。 それから次に、二・九告示違反ということで先ほど局長も触れられましたけれども、運輸省の方の調査でも、各社、特に北陸とか中京とかいうところの違反リストというものが出ているわけであります。これは、こうした違反は今後絶対に起こらない、新会社になれば起こらない、そういう保証は何か取りつけたんですか。
○政府委員(水田嘉憲君) 過労運転、長時間労働の問題についてでございます。 私どもは、今回の合併審査に際しまして、先ほど申し上げました貨物流通局長通達により、過労運転を防止するための運行管理体制について逐一チェックをさせていただいたわけでございます。もちろんその結果、その基準には合格するということを私どもは判断させていただいたわけでございます。 それからさらに、今回の合併審査に関連いたしまして、先生今御指摘がございましたが、合併前の六社の運転者の勤務状況の現状調査というものをできるだけ正確に行ったつもりでございます。そして、その調査結果に基づきまして、関係各社合併前でございましたが、厳重に改善指導を行ってきたわけでございます。 そして、この結果、会社の方から二・九告示を遵守するための改善策なるものが出てきておるわけでございます。 運転者が不足しております営業所においては、車両数を減車するとか朝の貨物の積み込み作業とか帰社後の荷おろし作業等について作業要員を確保いたしまして運転者の荷役時間を縮減する、削減する。さらには、運転者の勤務時間が同じであるために勤務時間外の注文に応じて拘束時間が長くなっているような営業所については多種の勤務パターンを採用するとか、運転者の配送業務の受け持ち地域が広いために拘束時間が長くなっているようなところについては受け持ち地域を縮小させるとか、そういうふうな具体的な策とか、さらには会社の中で組織を整備いたしまして、運転者の勤務状況の実態の把握とか監視をするとかコンピューターによる常時管理体制を行うとか、そういう具体的な改善策が出されたわけでございます。 この内容につきまして、私どもははっきり書簡の形で改善報告書という形で運輸省に出してもらっております。そして、その内容を新体制で確実に実施するという旨の確約も得られておるわけでございます。 したがいまして、体制が一新された新会社におきましてこの改善報告書の内容が確実に実施されることによりまして、二・九告示が遵守されるように、長時間労働が改善されるものと考えておりますが、今後とも同社に対して適切な指導を行ってまいる所存でございます。
○稲村稔夫君 そうすると、運輸省は今回のように二・九告示違反について、それぞれの今までばらばらだった急便の関係には、合併前にそういう指導というのはしたことはなかったんですか。二・九告示違反をさせないための指導というのはしたことはなかったんですね、今まで。
○政府委員(水田嘉憲君) 前にも御説明いたしましたが、二度にわたる監査をやりまして、監査結果に基づく指導をいたしております。 それから、その後、賃金面を含めました、特に制度面の問題につきまして指導をいたしたところでございますが、先生御指摘のとおり、その後も二・九告示違反があるのではないかということを国会でいろいろ言われたわけでございます。 したがいまして、私どもとしては、この問題につきまして単なる審査だけではなくて厳しい指導もあわせてやる必要があるということで、先ほど申し上げましたような具体的な調査と、それに基づく指導という形をやらせていただいたわけでございます。
○稲村稔夫君 今までも指導してきているわけでしょう。そして、指導したのに対して、それは聞けませんという返事はしてないわけですよね。必ずそれは守りますという返事をしているんでしょう。そういう返事をしていながら、なおかつまた違反を重ねているんですよね。 そうしたら、ここでもって今のような、それでは今度は書類でそういうものを出させたら、これで違反をしなくなると信用していいんですか、そのまま。信用できるんですか。今後絶対起こらないという保証をあなた自身ができますか。それを答えてください。
○政府委員(水田嘉憲君) 今までの指導がどちらかといいますと二・九告示を遵守するための指導という一般的な指導でございましたが、今回具体的な話を会社側から改善策として出していただいているわけでございます。今までのような抽象的なものじゃなくて具体的な策が出てきたということでございますので、これを実施していただくことによって二・九告示違反というものがなくなるのではないかというふうに私どもは思っております。
○稲村稔夫君 違反を重ねてきた人が、今度はこういうふうにしてちゃんと守ります、もうしませんもうしませんと言っていて、もうしませんと言ったら今度は信用しますというふうに簡単になれますか。 あなたは今、もう違反は出ないだろうというふうに言われたけれども、そうしたら、あなたはもし違反の事実が今後出てきたときは腹を切るだけの責任を持ってこれを確認しましたか。
○政府委員(水田嘉憲君) 私どもは今回の審査に当たって、違反をなくすように改善するように指導したどいうことでございます。おざなりの一般的な指導ではなくて具体的な改善策を出させて指導する、そのことによって改善というものが進むだろうというふうに思っているわけでございます。 今後、そういうふうに一〇〇%違反がなくなるように、私どもとしてはその出された改善策の内容を指導していくということが必要だというふうに思っております。
○稲村稔夫君 私は、今の運輸省の指導の方針に対してそれがきちっと守れるのかどうかということについての具体的なチェックの体制というものをつくらなければ、業者から自主的な申告をさせて、その申告が適当であったかどうかと幾ら書類の上でチェックしてみたってチェック機能にはならぬと、そう思うんですよ。 現実にこの委員会でもいろいろと質問が出たりしているでしょう、具体的な事実についての。そういう具体的な事実についてきちんと見守るものがなかったら、チェックをする体制ができてなかったら幾ら書類の上でチェックしたって、それはチェックにならないんですよ。そんなことでこの佐川急便の中核六社が合併をしたら、違反がなくなるなどという保証はどこにもないと思うんですよ。先ほどの多額の債務保証の問題どこの二つの点だけを考えてみましても、一体中核六社が合併をすることによって本当に今社会的にいろいろと問題になっているようなことが解消できるんだろうか、その点は非常に私は疑問に思うんですよ。 さっき、これ以上はということをちょっと言いましたけれども、今局長の答弁を聞いていると書類のことばかり言っておられるものだから、私もこの書類、運輸省からいただいた資料を拝見させていただいて、理屈としてはいろいろと成り立つであろうけれども、実際の問題としてこれでいいんだろうかという感じがいたしますからね。例えば、その新会社の長期収支見込みにしたって、三千六百九億円という多額の貸し倒れ、それから回収不能と思われるものを五年間で返すという計画、しかも一年間に返済するのは経常利益を上回った金額で返済する計画になっているんでしょう。このことだって、私はいろいろと無理が今後起こってくるということをもう既に物語っているというふうに思うんですよ。こんな形で佐川急便中核六社の合併を承認された運輸省の姿勢が私はどうしてもわからぬ。 大臣、大臣はトップにおられるわけですから、一応事務当局がやっておられることを最終的には判断されると思うんですけれども、これは特に政治的に大きな課題なわけですから、これについてどういうふうにお考えになりましたか。
○国務大臣(奥田敬和君) この今回の佐川の合併認可の件については、今先生も御指摘のとおり、これはもう全国の国民の注視のケースの問題であっただけに、例えば不良債務がもう我々の常識外の膨大なものであり、しかもそれが本業収益とは全然別個ないわゆる暴力団絡みの中でこういった形が行われたという事実、業務運行に当たって高収益の背景の中に非常にあの厳しいいわゆる運転手さんらの過酷労働にまつわるケースの問題、そしてまた先ほども触れましたけれども、その不良債務の陰に暴力団とのかかわり合い、こういったいろいろのケースがふくそうして、それだけに今回の、昨年暮れに合併申請が出されておりましたけれども、これを許可するに、認可するに当たっては相当な時日猶予と厳しいチェックを命じてきたわけであります。 他方、日本通運に次ぐ業界第二のいわゆる物流大手として、二万人近い従業員がこの行方に対してかたずをのんでいる。会社の方向はどうなるんだろうという、そういった人々の気持ちもわからぬわけではなかったわけであります。 したがって、今回のいわゆる巨額な保証債務、これで果たして中核六社の合併によって再建できるのかどうか、合併できるのかどうかということは、全く先生の御指摘のとおりに、これはチェック体制の徹底という形においてどこまでできるかということにもう非常に一番時間をかけてきたということです。 現実にここで、警察がどうの検察がどうのと言ったって、それは本当にこの不良債務の実態をわかっておるのはメーンのバンクなんです。それは要するに、銀行の業務というのは、例えば債務保証にしろあるいは高額の手形発行にしろ、それを割り引いたり、またノンバンクであっても貸し付けたりするときには必ずメーンバンクに問い合わせして、これはどうかこうかということを必ずやっているものなんです。そんな一つの保証債務にしてもやみからやみに行くもんじゃなくて、いわゆる主流銀行と申しますかそこに必ず問い合わせ、チェック、債務保証したあるいは貸し出しをしたその形というのは、やっぱりメーンバンク各行が、今度の場合に住友さんがそういうことになるわけですが、それについている都市銀行、地方有力バンク十数行にわたるわけでありますけれども、これらは金融関係の情報というものはメーンバンクを中心にみんな大体チェックされておる。ですから、一番今回この合併認可によってメーンバンクを含める金融支援体制が果たしてできるのかできないのか、そういった形の中でこの面に関する情報、打ち合わせ、収集という形に大変な時間とエネルギーを投じたことは間違いありません。 そういった形の結果、新体制、新人事を含め、そしてそういった形の金融支援体制もある程度の見通しというものを銀行自体の支援体制を確認した上で今回の認可に踏み切り、またいわゆる運行行政といいますか、こういった中のいろいろな指摘された労務問題に関しても抜き打ちの形の中で改善すべきものは改善、減車すべきものは減車という厳しい措置を他面とりながら、そういった金融支援各行の支援体制に対する現実と申しますかそういった形を得ましたので、この辺がすべての実態調査の限界であろうな、何とかこの六社、さらにはこの六社を中核にして十二社、最終的には十二社のグループ合併にまで持ち込んでいって新しい再建の道をやっていってほしいな、と同時に、こちらはこれは希望ですけれども、支援体制が確実に樹立されるという形の中で再建は可能であろうという形で判断したということでございます。
○稲村稔夫君 大臣、私は会社の再建問題というのはいろいろな方法があると思うんですよ。何も合併でそれを促進することでやるというだけではない、それも一つの方法だけれども。それからもう一つは、例えば不良債権について特別の扱いをするようないろいろな協力、周囲からの協力体制の取りつけ方とかそういうこともあり得るわけでありますから、先ほど来のそこで働く従業員の問題、これは本当に大事な問題なんです。 これに対する対策というのは、またそれなりに別の方法もいろいろとありますということなんでありまして、私は、なぜ物事をもっと明確にしないでこういうことにしたかということを問題にしていますのは、例えばブラックマネーとのかかわりを持ったものについては銀行も口を割らぬし、銀行もお互い同士の情報ではわからぬ部分というものも結構出てくる部分があるんですよ、ブラックマネーの中にはですね。そういうものが、今度は一方では検察当局が進めている捜査の中でまたあらわれてくる部分も出てくるんです、これから先ですね。そういったときに、かかわりがプラス、マイナスどうなるかまだわかりませんよというような不明確な面というのが私はかなり大きいものがあると思うんですよね。 そういうことを考えていったときに、佐川急便の今回の中核六社の合併というのは、運輸省のそのチェック体制の、私はあえて言わせていただけば、チェック体制の甘さという、その甘さの改善が十分にされていないということの中であえて認められたということについてはどうしても納得できないものがあります。 これは、きょう三十分までやる予定だったのがもう五分超過してしまいましたから、これ以上言いません。この次の機会のときにでもというふうに思いますけれども、この点はしっかりとひとつ腹に置いて今後の政策を進めていただきたいというふうに思います。 このことを私がくどくど申し上げましたのは、きょうはこの国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案の中にもちょっとかかわってくるものがあるものですから伺いました。 そこで、法案の内容に入ってまいりたいと思います。 今回の国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案の改正の目的なんでありますけれども、この主たるねらいというのは、ホテル、旅館の数を拡大していこうというところにあるのか、あるいはこのごろは外客――外客という言葉もわかりづらいですね、ちょっと専門用語みたいな感じですけれども、外国からのお客さんの数がふえたから、そういう中での数をふやそうというのか。それとも、そういう外国からのお客さんが料金についてどうも適当ではない、もっと安いところが欲しい、こういうニーズが強いからというところにあるのか。改正のねらいによって対応の仕方というのが随分違ってくるんだと思いますが、どうも今回の改正ではその内容がよくわからぬものですから、まずその辺から御説明いただきたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の法律改正は、最近我が国を訪れます外人客の増大、特にアジアからの来訪客というのが全体の六〇%を超えるというような状態になっている。そういうことに伴いまして、外人客の宿泊の需要というものも内容が相当多様化してきております。 そこで、従来の登録ホテル、登録旅館だけでは十分対応し切れない状況となってきていることから、登録基準をハード面、ソフト面、両面から見直しますとともに、多種多様な外人客の宿泊需要に対応できます施設、サービスの拡充などを図ることを目的とするものでございます。 その意味で、登録基準のハード面につきましては、客室、ロビーなどの面積に関する基準を一定の快適性を確保できるという条件のもとに緩和しようと考えておりますので、結果的には先生御指摘のように、登録ホテル、登録旅館の数が拡大されますが、同時に、そういった緩和の結果としていわゆるビジネスホテルクラスもこの対象となりますことから、料金面においても従来のものより低廉なホテルが対象になり、最近の外人客、特に快適さが確保できれば従来の登録ホテル、登録旅館より安いホテルを求める、旅館を求めるそういう方々にも対応できる、そういうことをねらいとしたものでございます。
○稲村稔夫君 国際観光ホテルの登録旅館あるいはホテルと一口に言いましても、都市部のいわゆるシティーホテル、旅館とリゾートのホテル、旅館とやっぱりかなりあり方が違うと思うんですね。その辺とのかかわりは、この法案ではどういうふうに考えたらよろしいですか。
○政府委員(大塚秀夫君) このホテルというのは外人客が泊まる際のサービス、施設等の基準を定めたものでございますので、特別に大都市部分、地方部分ということを分けないで、それらに共通した、外人客に適した施設、サービスの最低基準を定めたものでございます。 実際のホテル、旅館の運営におきましては、それぞれが特色を持ち、大都市では宴会部門とかその他レジャー施設を持っているとか、地方では観光の催しをするとかそれぞれ経営の工夫をしているところでございますけれども、この法律上は特に分けているところはございません。
○稲村稔夫君 私がそれを伺っていますのは、都市部の、シティーの外国人のお客さんとリゾートヘ来られる外国人のお客さんと違うんですよ。ニーズが違うんです。リゾートのときは一定程度楽しもうとして来られるわけですね。ですから、一定程度の料金なりサービスなりというものについてはむしろ多少いいものを要求される。だが、シティーの場合はビジネスで来られる。ビジネスで来られたときはできるだけ倹約をしようという方向でやられるんですよ。そうすると、料金としては安くて、しかも快適なサービス性を求める、こういうことになってくるんです。同じあれでもかなりニーズが違うんですよ。 そこで、私は今どっちにねらいがあるんだということを伺ったんです。だけれども、そこの区別がないとなると、ちょっとおかしいんじゃないですか。
○政府委員(大塚秀夫君) 今、基準で区別がないと申し上げましたが、今回の改正におきましてハード面の基準を緩和する等により、先ほど申し上げましたように、ビジネスホテルクラスが新たに対象となるということは、結果的に申し上げますとビジネスホテルというのは大体都市部で、今先生御指摘のような、低廉なホテルを求める都市部に宿泊する外人客により対応できるものだと考えております。
○稲村稔夫君 そういうふうに最初から言っていただいた方がわかりやすかったですね。 そこで、次は、九〇年の十二月に国内観光小委員会の中間取りまとめが行われまして、その中でいろいろと登録ホテル・旅館のあり方等が触れられているわけであります。この中間取りまとめの関係でいくと、今の局長の御答弁とあわせて考えると、現行の登録ホテル・旅館との関係でいくと、どうやら料金面にかなり重点があっていいのかなというふうにも思いますけれども、料金面では大体どの程度の変化が起こるというふうにお考えになっていますか。
○政府委員(大塚秀夫君) 登録ホテル、登録旅館の宿泊料金と申しますものは、その立地条件などによりまして実際には千差万別でございます。 一律には申し上げられませんが、おおよその水準としましては、現在シングルユースで東京などの大都市圏においては一万五千円から三万円程度、その他の地域においては一万円から二万円程度と考えられます。また、登録旅館につきましては、一泊二食でおよそ二万円から三万円といったレベルと考えております。 今回の登録基準の見直しによりまして新たに登録の対象となり得ると考えられるホテルとして、先ほど来申し上げておりますビジネスホテル、これは現在全日本ビジネスホテル協会加盟のもの約四百軒、その他のチェーンホテル四百軒、これらが新たな対象と考えられますが、これらの宿泊料金はシングルユースでおおむね一万円前後、したがいまして従来の一万五千円から二万円程度というのに比べては相当安くなると思っております。 また、旅館につきましては、今般の新登録制度の対象となり得るものは約五千軒でございますが、これらの宿泊料金は大体一泊二食で一万円程度と考えられます。
○稲村稔夫君 ちょっとついでですから、そうすると、現在厚生省に許可をされたホテル、旅館、その中で登録ホテル・旅館がどのくらいあって、そして今言われた数でいくと全体で今後どれだけふえて、大体タヌキの皮算用でいけばこのくらいになるという、その数値をちょっと出していただけますか。
○政府委員(大塚秀夫君) ホテルや旅館の宿泊施設というのは、基本的に環境衛生面から旅館業法の許可を受けるわけでございますが、これが現在ホテルで五千三百七十四、これはちょっと古い数字で申しわけございません、平成二年十二月末日現在でございます。それから、旅館が七万五千九百五十二で、合計で約八万一千ございます。 このうち、従来登録を受けておりますものがホテルで六百十九、旅館で千六百三十九、両方で二千二百五十八でございます。 この二千二百五十八の状況が改正後、これは先生御指摘のように任意の登録でございますので、そういう対象になり得るものという私どもの目の子でございますが、ホテルで約一千、旅館で約四千、両方で約五千にふえるんではないかと。つまり、二千二百五十八ぐらいありますものが約五千になるというふうに予想しております。
○稲村稔夫君 ちょっとタヌキの皮算用なんという言葉を使って悪いと思いましたが、しかし私はちょっとそのことを心配しているんですよ、実は。せっかく法律を改正しても予想どおりになかなかいかないことが起こるんじゃないかという心配もしているものですから、少し言葉が過ぎるかもしれませんけれども、それは彼ほど伺っていく中でわかっていただけると思います。 そこで、そうすると、料金は約半分以下くらいに平均で見込んでいる、それから数にすると約倍にする、こういう計画ですね。そうすると、サービス面では低下というのはないんですか。これはユーザーの面からいうと非常に重要な問題です。
○政府委員(大塚秀夫君) サービス面というのはそれぞれのホテルの運営等の特色で多種多様でございますが、今般の改正によりまして、従来から外人客から苦情が絶えませんでした英語でのコミュニケーション、そういったものの充実強化を中心にしまして「外客接遇主任者の選任」という規定を設け、また外国語を習得した従業員の配置など、ソフト要件について強化しております。したがいまして、登録ホテル、登録旅館については、そういった法律上の制度としては従来よりサービスの強化が図られるものと考えております。 それから、もう一つそれに加えまして今回新たな規定でございますが、適切な情報提供制度を創設する、それから事業者団体が苦情処理等を行う、こういう制度を設けまして、これもこれからの多様な外人客の宿泊需要に的確に対応するということで、そういったものも含めてサービスは法律上は強化される、またこういう規定に基づいて我々もサービス面にも力を入れて指導をしていきたいと考えております。
○稲村稔夫君 私がこういうことを伺いましたのは、私の経験で、実は政府登録旅館というところへ泊まりましたところが、その近くに同じ料金でもっと立派なホテルがありまして、そっちへなぜ泊まらなかったんだといって地元の人にしかられたというような経過などを体験しておりますので……。 そうすると、これからさらに今のように要件を緩和して拡大していったというときに、法律上はサービスは低下しないことになっておるけれども、事実上のサービスについては問題が起こるということがあっては困るのでありまして、その辺のところの指導はどのようにして行われることになりますか。
○政府委員(大塚秀夫君) サービス面の指導は、もちろん私ども運輸省でもできる限りのことをやりますが、まず事業者団体がそういう苦情処理を受け付けるということも大事ではないかと考えまして、今回は事業者団体を指定して従業員のサービスに関する研修なども行うとともに苦情の処理――ただ、この法律上は外人客の苦情の処理ということを念頭に置いておりますが、実際問題としては、同時にお泊まりになる日本人の方の苦情の処理も扱うように指導したいと考えておりまして、そういう形で苦情の処理の適切な対応を図っていきたいと考えております。
○稲村稔夫君 私は、こうした法改正によって拡大をされることからいわば利用者の方のニーズに大きなそごを来してはならぬというふうに思うわけでありまして、今後の指導方向としてはその辺のところに特に気を配っていただきたいというふうに思うわけであります。 そこで、次の質問に移りますが、登録基準についてであります。 この登録基準は、今までは法律の中で別表に掲げられていろいろと示されているものがあったわけでありますが、今度は全部運輸省令にこれを落とされるということになったわけであります。 そこで、なぜこの基準を運輸省令に落とされたのか、その理由をまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 今回登録基準を省令に委任いたしましたのは、最近の外人客の数の拡大とか宿泊需要の多様化に適宜適切に対応するためには基準をある程度機動的かつ弾力的に運用する必要があるという考えてありますし、また細部にわたります登録基準、例えば全客室数に占める外人客の宿泊に適する客室数の割合とか消火器一台当たりの床面積、こういったものは大変技術的な内容でございますので、これは省令で担当省の判断に任せていただくことが適当と考えたからでございます。 ただ、その際どういう省令をつくるかということの基本的な考え方というのは、法律上も例えば、「客室の構造」その他「省令で定める」もの、あるいは「ロビーその他の客の共用に供する室及び食堂の構造及び設備並びに規模が」「省令で定める基準に適合する」というように、基本的な要件は法律上も表現させていただいているところであります。
○稲村稔夫君 そうすると、法律に書かれていると簡単に基準をいろいろと変えることができないからというふうにもとれるんですけれども、機動的に有効に基準を対応させるというお考えがあるとすると、その基準というのは今度はどこで審議をして決めるんですか。今のように法律の中であればそれなりにいろいろと議論をする場が、例えばこの国会の場であるとかなんとかあるわけでありますけれども、今度は基準は運輸省が勝手に適当に変えるということができるんですか。
○政府委員(大塚秀夫君) この基準につきましては、今回法律が成立いたしましたならばその後に作業を開始したいと考えておりますが、その際には広く関係者の御意見を聞く、これは関係者から成る委員会のようなものをつくって検討させていただきたいと思っております。 私ども今、運輸省の原案なるものは持っておりますが、それについてそういった場で御議論いただいた上で制定するつもりでございます。
○稲村稔夫君 関係者というのもいろいろとありますね。だから、ちょっと差し支えない範囲で、どういう範囲の者を、そしてしかも朝令暮改にならないように、その委員会なりなんなりをつくったらそれはきちんと永続するような体制をつくっていただかなきゃならないというふうに思うんですけれども、その辺をどういうふうにお考えになっていますか。
○政府委員(大塚秀夫君) 委員の選定等は法律が成立しました後具体的に検討するわけでございますが、今考えておりますのは、こういった施設基準についての技術的な専門家、それからこういったホテルとか旅館の事業に携わる方々の代表、それから現場においてサービスその他に従事しておられる従業員の代表の方、こういった方あるいは観光一般についての専門家の方、つまり利用者代表のような方、そういった方々で構成したいと考えておりますが、その他いろいろな御要望がありましたら、またそういう中に加えることも検討したいと思います。
○稲村稔夫君 大体もうわかりましたが、そうすると、旅館、ホテルの言ってみれば関係者、わかりやすく言えば関係者、それからその中では経営側の皆さんと、それから従業員の立場の皆さんということを考えておる。例えば、従業員の場合は労働組合などというものがありますけれども、労働組合の代表などというのも加えるんですかということがまず一つ。 それから、今利用者の立場を代表されるというふうに言われたけれども、利用者というのはいろいろな立場、角度から考えられまして、例えば旅行のあっせん業をなさっている方もこれは利用者の立場に立ちますし、それから、それこそ飛び込みで直接利用されるそういう方、これが一番の本当の利用者なんですよ。その中間に利用者というので想定されるものが幾つかあるわけですけれども、本当に利用する人たちの代表というのはどういうふうにして加えるつもりなんですか。
○政府委員(大塚秀夫君) 労働組合の代表の方々もそういう御要請がありましたら、従業員の立場あるいは現場を御存じの方ということで加えたいと考えております。 また、利用者の方というのは、この法律は外人客の接遇ということでございますので、外人でホテルをよく御利用になってこういうことに詳しい方というのを、もしそういう適当な方がいたら選ばなければならないと思っていますが、まだちょっと私どもの頭の中には浮かびませんので、そのときにいろいろな方々の御意見も聞いて適当な方があれば選ばなきゃならない。 それから、旅行関係の業界の方も当然ホテルというようなものに関係してまいりますので、必要があれば加えたいと思っております。
○稲村稔夫君 まだちょっと疑問が少し残ります。 というのは、特に外国人の方のよく利用される方というものの選び方も、先ほどちょっと触れましたように、リゾートを中心にして御利用をなさることが多い方とビジネスで御利用をなさることが多い方とでは同じ外国人客であっても基本が違っできますし、それから先ほどから、アジアの方がふえているというお話でありましたが、アジアの方と欧米の方とのまたニーズの大きな違いなどというのもいろいろとあります。そういう違いというものもこうした基準を変えていくときには勘案をしなきゃならぬということになりますとかなりいろいろな幅でもって委員を選ばなきゃならぬことになるんですが、その辺はどのように整理をされるつもりですか。
○政府委員(大塚秀夫君) 私どもいろいろ観光関係の審議会を持っておりまして、本当に先生の御指摘のように、観光というのはすそ野が広くて、委員を選ぶというのも大変幅広くなって数も多くなっておりますが、今回の場合は利害調整の場ということじゃなしに専門の御意見も聞くというようなことが非常に重要でございますので、どういう方を代表にするか、例えばさっき申し上げました外人客といっても外国から実際に旅行する方を委員会の委員に加えることができませんので、例えばアジアとかヨーロッパを代表する観光機関の駐日の方などは割合旅行に詳しいからそういう方が代表されるのかなという感じを持っておりますし、なるべくその辺は慎重に選任していきたいと思います。
○稲村稔夫君 これはできるだけ、政府の登録ホテルであり旅館なんですから信用を落としちゃならないということになるわけでありますから、政府の信用を落とすことになりますからということで、そこのところは十分に配慮をしていただかなきゃならないと思います。お願いをしておきます。 それから、そうするとハード面にかかわる具体的な基準は今度少し変えるんですね。どこのところが変わるのか明らかにしてください。
○政府委員(大塚秀夫君) 登録基準につきましては、今申し上げましたように、法律が成立して関係者の方々の意見を聞いて決めるということでございますので、今変えるというのは運輸省の原案といいますか私どもの考えていることで御理解いただきたいと思いますが、部屋の面積につきましては、従来一律十三平方メートル以上でございましたのをシングルルームについては九平方メートル以上でいいということに若干狭く基準を緩和したいと思います。それから、ロビーの面積要件、これは大体今までの半分程度、これは定員に対して一定の率ということでロビーの面積を出しておりましたが、それが半分程度で済むようにしている。それから、食堂につきましても同様に半分程度に済むようなことを予定しております。 それから、旅館につきましては、従来別表で大規模な日本庭園の要件がございましたが、こういうものは削除する。それから各部屋に外人用にいす、テーブルの備えつけを要求しておりましたが、これも削除するというようなことを中心に考えておりますが、いずれにしましても、これは今の原案でございます。
○稲村稔夫君 原案というお話でありますが、私の方は幾つかのホテルや旅館で聞いてみましたところが、もうちゃんと表が行っていまして、それでこうなるんですといって皆さんもうそのつもりで議論していますから、これを今度また変えたというと、またいろいろと怒りますよ。そうすると、まだ決まっていませんと言うけれども決めたと同じですよ、もう末端まで入っているんですから、それぞれの旅館でもホテルでも議論をしているんですから。 だから、むしろこういうものは早くきちんとして、法案を審査するときには、もう大体こういうふうになりますということを明確にされるということが先だと思うんです。私は、手順といたしましては、法律を審議するときに、省令に定めるとか政令に定めるとかといった場合には、少なくとももうつくっておいて、そしてその法律をきちっと審議するというのが、これが本来の姿だというふうに思うんです。それじゃなきゃ細かいことわかりませんからね。ということですから、これは注文として申し上げておきたいと思います。 そこで、これにかかわってはまた後ほどいろいろと伺いたいと思っておりますけれども、ソフトの面について先に伺っておきたいと思います。 ソフトの面で今の運輸省令でいく案でいきますと、「十分な賠償保険への加入」ということも条件になっています。あるいは先ほど言われたような「外客接遇主任者の確実な選任」というようなことの義務づけというようなものや「外国語習得従業員の配置」とか「洋食の提供」、ホテルの場合だと「洋食の提供」というようなことがあるわけであります。 そこで、まず順番に聞いていきますが、「十分な賠償保険への加入」というのはどの程度のことを考えているんですか。
○政府委員(大塚秀夫君) この賠償保険の具体的な額については、今後関係者の意見を聞いて決定していきたいと思っておりますが、現在のところ、これはホテル等の規模にもよりますので、そういった大小も勘案しながら対人賠償責任保険としまして一人当たり七千万円から一億円程度を少なくとも十人分付保していること、これを最低基準にして、あとそれに大きなホテルなど定員を加味して基準を考えたいと思っています。
○稲村稔夫君 これは今までなかった条件ですね。 そうすると、これを付保することによって、例えば鬼怒川の事件だとかそういうものがあったことの反省なども皆さんにあって、リゾート地の皆さんは大体一億円かそこらくらいの見当で保険を掛けている方が多いように私は推定をいたしますけれども、しかし都市部のホテルについてはこれはかなりアンバラが大きいと思います。 そうすると、「十分な賠償保険への加入」ということの条件が最低七千万で十人程度というと七億ということになってまいりますと、その辺が足かせになるという部分も結構出てくるのではないか。特にビジネスホテルクラス、日観連の加盟クラスというところに落としたときにはなってくるんではないだろうか。 そうすると、このソフト面でまず、先ほどのタヌキの皮算用になるんじゃないですかと言っていたその部分ともかかわってくるんですけれども、その辺はどう判断していますか。
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の法律改正を提出するに当たりまして、事前にホテル関係者とはいろいろ御相談をさせていただいております。 ただ、具体的な額まで十分議論が詰まっているわけではございませんが、やはり一たん火災等が発生したときの事故の内容等を考えれば、最低基準のものは、これは都市部のビジネスホテルであろうとリゾートホテルであろうと掛けていただかなきゃならないんじゃないか、そういうことで基準を考えたいと思っております。 もちろん、ホテルの態様その他について専門的な立場から内容が違うということであれば、そういうものを内容に加えて考えなければいけないと思いますが、先ほど申し上げましたような最低基準というところから話は出発しなければならないと思っております。
○稲村稔夫君 そこにまだまだ議論がありますけれども、ちょっと時間がなくなってきていますから、今の保険の問題でほかのもう一つのことに触れたいと思います。 それは、「十分な賠償」といいますけれども、そうすると一人七千万円という金額の保険で「十分な」ということが言えるんでしょうか。これは外国のお客さんの国籍によっても習慣だとかその他のあれによってかなりの違いというものもありますし、いろいろな問題がありますけれども、七千万という金額を十分など理解するか最低と理解するのか、この辺のところは根本的に違うんですね、十分と考えるのと最低と考えるのと。「十分な」という、これで十分だというふうにお考えになっているんですね。
○政府委員(大塚秀夫君) 確かに、先生等に配付させていただきました資料の「十分な」という表現はやや問題があるかと今私も反省しておりまして、法律の基準というのは当然のことながら最低基準であって、それ以上サービスの内容としてホテルがより大きな賠償保険へ加入するというのは、またこれはそれぞれの企業のサービス努力の結果でございますので、この表現が不適切であるというふうに私も反省しております。
○稲村稔夫君 注意して使ってくださいね、言葉は。じゃ、最低の条件だというふうに理解をしてよろしいですね。 それから、次は、「外客接遇主任者の確実な選任」ということであります。 これは事前のレクチャーのときの説明でありますと、大体ホテル、旅館で一人ということのようであります。内容的には外国語を話せる人ということですが、外国語というのは英語ということのようであります。これはホテルに一人、英語ということでよろしいんでしょうか。それから、またもう一つは、英語のどの程度の水準をお考えになっておられるんでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 法律上は各ホテル、旅館において一人、そして語学の内容としては英語というふうに、英語というのが一番普遍的に外人客もお使いになる言葉ということで考えております。 この英語の能力というのは英検三級以上程度というふうに私ども今考えておりまして、三級というのは中学卒業程度の、これは中学卒業といっても実際の中学卒業の方の英語力ということじゃなしに、卒業すれば使える会話というような形で考えております。 もちろん法律上の義務以外に、例えばアジアの方がよく泊まられる、韓国や中国の方が泊まられるところで中国語や韓国語をしゃべられる方がおられるというのは望ましいわけでございますが、法律上はそこまで義務づけることも難しいと思いますので、英語ということで基準を定めたいと思います。
○稲村稔夫君 これはかなり企業にとって地域によっては負担になるということが起こり得ると思うんですね。人件費として一人確保しなければならない。それから、仮に英検という資格を取るとすれば、資格所有者というものの賃金のあり方の問題ということも出てまいります。今の局長のお話で中学卒業程度のというお話がありましたが、もう私は三級はとても取れませんから、三級を取れば、これは日常会話は大体そう不便はないと思いますから大したものだと思うんですけれども、そういう人を雇うということ自体が地域によってはかなり厳しいということになってこようかと思うんです。 それからさらに、「外国語習得従業員の配置」ということが言われているわけでありますけれども、この外国語も、おっしゃるように最近はアジアの方が多いわけでありまして、アジアの方が多いと、例えば夜中にお医者さんにかかりたいとかなんとかというようなことが起きましても、アジアの方の中には英語を話さないというお客さんが結構多いんです。最近のビジネスマンでもかなりそういう人たちがふえてきている傾向にあるようであります。私どもも幾つかのホテルに実際に聞いてみましたけれども、そういう方が結構いるようであります。 現在ホテルでどう対応しているかというと、大体地域のボランティアにお願いをしたりあるいはアルバイトを利用したり、いろいろなことをやりながらやりくりをしてうまくやっているようでありますけれども、これが固定化されるということになりますと、かなり人件費問題として物議を醸す一つの要因になるんじゃないかと思いますが、その辺はどのようにお考えになっていますか。
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほど外客接遇主任者の英語能力を英検三級程度と申し上げましたが、これは英検を取っているということを必要要件とするんじゃなしに、それと同程度という前提として事業者団体等が実施します英語の研修を受けて修了した者ということで、できるだけ負担は軽くしたいと思います。 それから、外客についての従業員の配置につきましても、これはさらに英会話能力といいましても最小限の意思が疎通できる、サービスが提供できるというようなことで、これも研修を行ってそういう従業員というものを確保しなければならないと考えております。 これからアジア人客がふえてきて、中国語しかしゃべれない、韓国語しかしゃべれないというような方が出てまいると思いますが、これは法律上の直接的な義務ではございませんが、そういう場合にはカードとかそういうものを用意して、カードでお互いに意思疎通ができるような方法を使う。 それから、苦情の処理というようなことについては、これは事後処理になりますが、事業者団体等にそういう方の苦情も受け付けられるような窓口をつくる方向で考えたいと思っております。
○稲村稔夫君 時間が大分経過をいたしておりますので、次にまた移りたいと思います。 ちょっと私異様に感じましたのは、「洋食の提供」という項目があるのでありますが、「洋食」というのは何を指すんですか。 落語にありますよね。最近アメリカに行った。何が不便だったかといったら、向こうへ行って洋食が食えないことだった。洋食といったらトンカツだとかカツライスだとかカレーライスだとかいうようなものだと思っていた。日本じゃ洋食というとそういうものをみんな含めているんです。 この「洋食」の範囲はどういうことを考えていますか。
○政府委員(大塚秀夫君) これは非常に難しゅうございますが、逆からいえば外国の方は空ものを食べない。刺身を食べないというような方に、特に旅館あたりでは日本の空ものを中心とした食事を提供するというような場合もございますので、そういう方々のためには空ものでない、そういう方々も食べられるような純和食でないものという形での洋食ということで、まあそれぞれのホテルによって内容が違ってくると思いますが、口に合うものを提供するというような意味に御理解いただきたいと思います。
○稲村稔夫君 私はこんな細かいことまでわざわざ言う必要ないんだと思うんです。省令の中でこんなことまで定める必要はあるんですか。むしろ、そういうことは実際の指導の中でいろいろと配慮してもらうような指導方向を出してやっていけばいいんでしょう。何も運輸省令で麗々しく「洋食の提供」、それはカツライスを除くなんて書かなくたっていいんです。私は特にそういうことについて、これからの運輸行政の中でこうした許認可にかかわるもの等について、ある面では粗っぽ過ぎである面では細か過ぎる、そういう点をもつと整理してもらいたいというふうに思うんです。 次に、安全に関する基準というのがこれにはないわけでありますので、少し安全についてのことをお尋ねしていきたいと思います。 今、マル通マークというのが制度化されておりますけれども、このマル通マークというものが制度としてできたそもそもの経緯と、それから現在どういうふうになっているのかというようなことについてちょっと御説明いただきたいと思います。
○説明員(次郎丸誠男君) 御説明申し上げます。 今、マル通マーク、防火基準適合表示制度というのが通称言われているマル適制度でございますけれども、これは昭和五十五年の十一月に発生しました栃木県の川治プリンスホテルの火災を契機としまして、防火対象物、これは要するに、旅館、ホテル等の防火安全対策の状況について広く国民にその情報を提供する必要があるという声の高まりのもとに、昭和五十六年度から発足した制度でございます。 当初、旅館、ホテルだけでございましたけれども、昭和五十八年には、劇場、公会堂あるいは百貨店等を表示対象に加えて現在に至っております。 この制度は、三階以上で三十人以上、三十人と申しますのは、こういった不特定多数の者が利用される施設についてはその防火管理というものが行われることに消防法上なっておりますが、こういった三十人以上を収容する旅館、ホテル等を対象にし、それぞれの施設ごとに防火管理の状況、消防設備等の設置の状況、それから建築構造、こういったものをチェックする項目、二十六項目につきまして消防機関がその立入検査をし、すべての項目に適合した施設に対して「適」マークを交付するというような制度でございます。 しかしながら、この制度も平成二年の兵庫県の尼崎のスーパーの火災を契機といたしまして「適」マーク交付要件というものを強化いたしまして、特にそのソフト面の、防火戸が閉まらないとかいうようなことであるとかあるいはいろんな不都合が生じた場合に「適」マークを返還する基準というものを明確にするとか、あるいは逆に一定期間良好な状態を維持しているものにつきましてはその旨の表示、適継続章というように呼んでおりますけれども、そういったようなことを行い、悪いものは罰則を、罰則といいますか厳しく適用し、いいものについてはそれなりの章表示をさせるというような要綱の一部改正を行ったところでございます。 平成三年の三月三十一日現在、「適」マークの対象となる旅館、ホテル等につきましては、全国で二万八百五十七軒ございまして、そのうち二万七百五軒について立入調査を完了してございます。その立入調査を完了したものの中で「適」マークを交付されたものが一万七千百八十四軒、交付率といいますかその適合率が八三%というような状況になっているところでございます。 したがいまして、私どもとしましても八三%というものをどのように評価するかということは問題がございますけれども、やはりその施設の安全ということを考えていかなければなりませんので、今後とも各消防機関において速やかにその新要綱に基づきますチェック、こういったものを推進し、それぞれの対象物の安全に万全を期してまいりたい、このように考えております。
○稲村稔夫君 現状まではわかりました。一つの反省がこういう制度になっていったということは非常に大事なことだと思うんですね。それはまた、その時期、時代によっていろいろと変化をしていくべき内容も持っているというふうに思うんです。 現状のお話を伺っていながら大いに気になりますめは、後ほど堀議員からまたいろいろと専門的に質問があると思いますけれども、例えばホテル、旅館関係でいけば三階建て以上三十人以上という基準。三十人というのは、これはあるいは人数の点でいけば大体みんなそれにひっかかるのかもしれませんが、三階以上ということになりますと、二階の建物というのも結構あります。それから、最近はコテージ風とでもいうんですか、独立して平屋建てで何軒もというような施設もできてきたりしておりますね。 そういう中で、例えば身体障害者の皆さんであるとかあるいはお年寄りの方々、特に外国のお客さんの中にはリゾートの場合なんかはお年を召してから旅行で来られるという方が結構多いわけであります。 そういうふうに考えていきますと、マル通マークの今の基準の三階建て以上で三十人以上というのをまた見直さなきゃならないという、そういう時期にきているんじゃないかと思いますけれども、その辺はどういうふうにお考えになっていますか。
○説明員(次郎丸誠男君) 今、先生御指摘のように、この「適」マークの現在の対象は「階数が三以上かつ収容人員三十人以上」ということになっているわけでありますけれども、その「適」マーク対象以外の旅館、ホテル等につきましてもその規模などに応じまして消防用設備の義務づけであるとかあるいは防火管理を徹底するということが法令上は決められておるわけでありますが、これは先ほども申し上げましたように、この「適」マークの現在八三%というのは消防が査察、これも抜き打ちに査察をするとかそういったことをやりませんとそのマークの信糧性というものも問題がございますので、そういった状況を見ますと八三%というのは本当に十分にやっているというようなことにもなかなかとれない状況にもございます。 さらに、現地の消防機関の査察体制、こういったものもございますし、一挙に「適」マークをどこまで拡大すればいいのかということについては今若干検討しなきゃならないこともございますが、ただいまの先生の御趣旨も踏まえながら検討していきたい、このように考えております。
○稲村稔夫君 要望になりますが、そういう時代の彼とともに対応をぜひお考えいただきたいと思います。 私も地方行政に関係していたことがございまして消防庁などもやったことがありましたけれども、今の消防の体制、その側面から課題になる問題点というのは確かにあるんですよ。しかし、やはり抜き打ちでも検査をされるというその体制が非常に大事なんでありまして、そのことがやっぱり安全につながっていくということにもなると思うので、ぜひ御検討をいただきたいというふうに思います。 そこで、運輸省に伺いたいんですが、これは政府登録の業者なんですから、当然、マル道マークの制度化されているものがあるわけでありますから、こういうものについての適用を条件としてもいいのではないかと思うのですけれども、その辺はいかがですか。
○政府委員(大塚秀夫君) 登録ホテル、登録旅館を実際に審査します場合には、消防法とか建築基準法とかそういった法律の遵守という意味で建築確認をとっているか、消防法の許可をとっているか等はチェックいたしますが、その最低基準の許可以上に何かをとっているというような条件というのは今のところ考えておりません。 ただ、他の法律のそういうものは一応写し等をとってチェックするようにしております。
○稲村稔夫君 どうもはっきりしないね。今の基準でいったらマル通マークにはまらないものがこの中に出てくるという、その場合はこれはしょうがないわけですよね。だけれども、当然マル通マークの適用を受けてしかるべきそういう業者のときには、マル通マークを持たなきゃだめだよという指導をするんですかしないんですか。
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほど消防庁からのお答えのように、マル通マークの対象となるものについてはマル通マークもチェックさせていただきます。
○稲村稔夫君 安全ということについては殊のほか神経を使わなきゃならない問題だと思うんですね。リゾートは川治温泉のあれがあるでしょうし、それから都市にしてもホテルニュージャパンの事故などというのがあって、そして一応格好としてはスプリンクラーだって何だってみんなつけていることになっていたって実際は作動しなかったりいろいろとあるわけでありますから、そういう点では安全については特別の配慮が必要である。 そういう観点から、マル通マークのことを一つの例として、さらに拡大してもらいたいというぐらいの例として私は今消防庁にも要請したわけでありますが、これは大臣、この安全ということについてはソフト面のいろいろなサービスもさることながら、少なくとも政府登録の業者ということになれば、このことは絶対に大丈夫だと信頼をしてもらえる体制をつくるということがまず先決だというふうに思います。 そうすると、例えば今のように、消防庁に対しても意見を申し上げましたけれども、運輸省からもいろんな形で提起をするものがあってもいいと思うし、それからそのほかの法規等のかかわりについてもきちっと守られるように総合的な監督指導というものをやられるのがしかるべきだというふうに思うんです。 例えば、ちょっと時間がなくなったから私の方が一方的にしゃべっていますけれども、従業員の問題にいたしましても、労働基準法その他の労働関係諸法律があってもその法律が守られているかどうか。これは労働基準監督署の仕事ですよといってほっておけないと思うんですよね、政府の登録旅館なんですから。例えば、就業規則は従業員の食堂なりなんなり目につくところに張っておきなさいよ――就業規則でさえつくっていないところがかなり多いわけでしょう。 そういうものについての総合的な指導体制、安全を含めてというようなものは、これは今政府登録とうたうからには非常に重要な課題だというふうに思うんですけれども、これからそういうことについての姿勢をどういうふうに持っていかれるのか大臣のお考えを伺いたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 全く同感でございます。 確かに、今回の法改正で登録緩和で間口を広くしましたけれども、逆に一番大切な形は、やっぱり安全に対する宿泊客に対するサービス、これが一番大事なんで、外客接遇で多少言葉ができるとかできないとかという問題よりも、むしろそういった外から来るお客様に対しても安全、誘導、防災なんかの表示も含め、案内も含め、危険に対応でき得るそういったサービス面が非常に大事であろうと思うんです。 特に今回、やっぱり防災、消防関係を含めて綿密に連絡をとりながらやらなきゃなりませんけれども、先生も御指摘されたとおり、実際は設備としてはできていても作動しないとか、肝心の避難路はあってもそこに段ボールの箱が積んであって平生全然ノーチェックであるとか、そういった形で表面上体裁は整えていっても、従業員に対するそういった訓練、チェックが行き届いていない、そういった形の中で小さい事故が大きい事故に発展するといったケースもあの先般のスーパー事故も含めてありました。 したがって、消防庁が抜き打ちでチェックするマル通マーク、これなんかは今度の登録の要件の中のやっぱり最重点項目にしていいと思うんです。 そういった形では、先生と全く同感でございます。
○稲村稔夫君 そこで、同感なところまではありがとうございました。だけれども、実際に守られるかどうかというと、それをチェックする体制が問題なんですよ、実は。それは消防庁にマル通マークのことだけお任せしますということでは済まないと思うんです。 私は、先ほど冒頭に佐川の問題でいろいろと伺いました。指導したり監督をしているはずのものが違反が行われている。このチェックの体制の甘さ、体制というか、体制がないんです、実際は。だから、これをもっともっと工夫しなきゃいかぬのじゃないですか。 例えば、権限一つにしてみても、今度の法律案では民間に登録事務のあれは移譲するというような形になっておりますけれども、この民間の団体は聞くところによると日本観光協会ですか、というような形のようでありますから、これは日本全国で八支部しかないんでしょう。そうすると、実態がすぐにわかるというような態勢にはないんですよ、民間の団体で。私は前に許認可の権限移譲問題で大臣にいろいろと伺いましたよね。まさにこういうことをやるときにも、やはり地方自治体に対する権限の移譲というものは、これは地方制度調査会のあれにも出てくるわけでありますから、そういうことも工夫しながらいろいろなことを網羅していってチェックの体制を確立していかなかったら、考え方は同じでございますで終わってしまうと思うんです。 これじゃ困るんです。その辺のところを今後、大臣はどういうふうにお考えになっておりますか。
○国務大臣(奥田敬和君) 今度の場合、やっぱり本当は地方自治体にあるいは市町村自治体にこういった問題は権限譲渡と申しますかしていいと思うんです。 ですけれども、今度の場合は、全国の一応画一した一つの基準という形で法改正に基づいて細かい省令等々でも決めていく形になりますけれども、実質のチェック体制、こういった形はもう本当に自治体、消防なりあらゆる各関係機関にお任せしなきゃいかぬ問題ですから、もうそんなものとても平素のチェック体制までできるという完全なものではありませんし、苦情処理あるいは情報提供、そういうのは各地方のいわゆる知恵を生かした形でこの法律の趣旨を生かしてもらいたい。 したがって、もうこれは実態は地方にお任せする。画一的な統一基準に関しては、ひとつのモデルになるようなガイド的な形に関しては、これはやっぱり全国一つの基準でやらなきゃいかぬだろう。そういう方針で、できるだけそういった省庁間のトラブルがないようにお任せしていかなきゃならぬと思っております。
○稲村稔夫君 それぞれ方針を伺いたいという細かいことがいろいろとあったんですけれども、もうそれは時間がなくなりました。 最後に、今の大臣のお答えに関連をいたしまして、税法上のメリットの問題が実は問題なんです、今度の改正によって。 というのは、従来の基準に適合するものについては、これは減価償却は大きいんです。実際はリゾート地では三年から五年でもって内装を変えなきゃならない、回転しなきゃならないんです。ビジネスでもまず配管から問題になってきますので、どんなにあれしても十五年でもって全体に休業して修理をしなきゃならぬのです。減価償却の問題というのは物すごく大きいメリットなんですよ。それなのに、新しく参加するものの中で従来の基準以下のものというのは、これはもう国税の恩典は受けられないというんです。 ところが、地方税の方は、これは全部まけましょうというんです、恩典は平等にしましょうと。地方は平等にして国税の方だけは今までどおりいただきましょうと。 〔委員長退席、理事松浦孝治君着席〕 随分するいやり方だということになりますけれども、こんなことをしていたらチェック体制なんといったって地方はそっぽを向いてしまいますよ、極端に言ってしまえば。地方がもっと真剣に取り組んでもらえるような体制をつくるためには、これは少なくともこういう差別が起こらないように税法上の対策も大臣から特別に力を入れていただかなきゃならない。 こういうこともあわせてやっていくことによって、同じ考えだというふうに大臣がおっしゃれば信用することができるんですけれども、いかがでしょうか。それで私は終わりたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 今度の法改正によって、先生の御指摘のように、確かに登録は緩和される。登録指定はされたけれども、税法上の恩典は旧の方に残る方と受けられない方との差別が起きることは御指摘のとおりでございます。 ですけれども、このばらつきという形の現状というものを変えて新しい形でお願いするということになると、今度はまたほかの省との折衝、特に税の問題に関すると今大変厳しい国の情勢の中での要件の縛りがありますのですけれども、この法案を通していただいて、そして先生の御指摘めように差別なき、登録店に対して一律のそういった税制上の恩典も平等に受けられ、なおかつそういったサービスの面においても向上していくという形において私は努力したいと実は思っています。 確かに、現状においてはそういったばらつきのある状態のままであるというのは、大変残念に思っております。
○稲村稔夫君 終わります。
○堀利和君 ちょっと私のどを痛めていまして、声を出すのもちょっとつらいところでございますので、大変お聞き苦しいかと思いますけれども、御了承願いたいと思います。 国際観光ホテル整備法の審議ですけれども、私としては、この法律に限らずもう少し審議内容を広げて、障害者や高齢者のための宿泊施設のあり方についてまで御審議願いたいと思います。 レジャー憲章というのが一九七〇年に国際レクリエーション協会において制定されました。その第四条でも「あらゆるレクへの参加の権利」というふうにうたわれておりますし、また余暇憲章というものでは一九七六年に世界余暇憲章会議において提唱されております。そういう中にも、やはり旅行というものが人間にとって極めて重要なものだと、権利として位置づけられております。 〔理事松浦孝治君退席、委員長着席〕 近年、障害者もかなり旅行をする機会が多くなってきました。以前は家の中にあるいは施設の中に閉じ込められてしまうということがありましたけれども、国際障害者年の十年間を通しまして、徐々にではありますけれども、やはり表に出るようになってきております。 旅行、旅というのは、やはり人それぞれいろいろな思い出、また人生の転機ということもあろうかと思いますけれども、私も実は個人的なことで申し上げますと、今から二十年ほど前、学生の時代にひとり旅を初めてしたわけです。健常者にとってはひとり旅というのは話すほどのことでもなく、若いころからするわけですけれども、当時は今と違いまして、今は薄ぼんやり程度しか見えませんが、当時はまだ視力が〇・〇二近くありまして、かなり私にとっては見えておりましたので、そういう点でもひとり旅ができたわけです。それほど計画も立てないまま実は能登に行きまして、七尾線に乗って輪島からずっと海沿いに歩きまして、能登線の蛸島まで歩いて、リュックを背負い寝袋を持って白杖を持ちながらの旅をして、これが私にとって非常に私自身なりに人生を見詰める大きな転機になったんです。そんな経験があるわけです。 そういう点で、何かと社会性を奪われたり閉鎖的といいますかそういった状況に置かれるような障害者にとっては、大変旅行というのはすばらしいものであることは健常者以上にそう思うわけです。 近年、旅行する障害者がふえてきたかなと思うわけですけれども、具体的に数字でどんなふうに理解できるかなと思いまして御質問させていただくわけですが、国内線において障害者の割引人員の推移は、日航、全日空、エアシステム、この三社の推移、そしてこの三社合わせた推移の過去五年間ぐらいめ数字をお示しいただければと思うんです。
○政府委員(大塚秀夫君) 日本航空、全日本空輸、日本エアシステム三社の障害者割引の利用者数は、昭和六十一年度で九万人、六十二年度で十一万人、六十三年度十一万人、平成元年度十三万人、平成二年度には二十万人と、近年増加してきております。
○堀利和君 三社合わせての数字の推移を見ますと、平成二年度になると急増しているわけですけれども、恐らく国内線の旅行のみならず、海外に行かれる方あるいはもちろん鉄道で旅行される方を考えてもこういった数字の傾向というのはあろうかと思うんです。この辺についての、障害者の近年の旅行機会の増加についてどのように認識されているかお伺いしたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 国際障害者年を契機として私どもも障害者の方々が交通、旅行等に平等に、また負担のない形で参加できるように行政上も努力しておるわけでございますが、最近海外への旅行をされる方もふえておりますし国内で旅行される方々もふえておるということで、私どもできるだけそういう方々のために施設の整備等を進めていかなければならないと考えております。 特に、ことしは国際障害者年の最終年でもございますので、これを契機にさらにガイドラインの充実等を図っているところでございます。
○堀利和君 大分前向きな御認識でいらっしゃるということで、私自身も大変うれしく思います。 今回の法改正の画的を見ますと、平成二年の国内観光小委員会の中間取りまとめを受けまして法改正になったわけですけれども、この法改正の目的についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の法改正の目的でございますが、これから我が国をめぐります国際化が進展していく中で国際観光の占める役割がますます重要になってくるものと認識しております。 そのためには、日本に来る外人客が快適に我が国を旅行できる環境を整える必要があり、その中でも特に宿泊施設のホテル、旅館は重要な役割を担っておりますので、そのような観点から現行法を見直し、宿泊施設、サービスを拡充することによりまして外人客の宿泊需要に的確に対応していこうとするものでございます。これによりまして、国際観光の振興を通じて我が国と諸外国がより一層相互理解していけるように、その相互理解に貢献していくことを考えております。
○堀利和君 法改正のいろいろ資料も読ませていただきまして、その法改正の目的としまして、「近年における」「外客の宿泊ニーズの変化等に対応して」というのがございました。先ほど言いましたように、日本から海外に出ていく障害者もふえてまいりましたけれども、同時に、海外から我が国を訪れるやはり障害者あるいはお年寄りの方もいらっしゃるわけでございます。 そういうことからいいましても、この「ニーズ」の中に障害者や高齢者のニーズを配慮した、そういったようなお考えがあるのかどうかお伺いしたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の改正案の中で身体障害者の方々、高齢者の方々について条文上の明文規定はございませんが、このようなニーズといいますか新たな需要というものを我々も重視グておりまして、登録ホテル、登録旅館の利用を一層容易にするために、今回の法律改正で規定いたします情報提供機関におきましては、身体障害者の方々等の受け入れ施設があるかどうか、その内容等についても情報提供の一環にしたいと考えておりますし、それによって身体障害者の方々の選択の利便に資するように努めたいと思っております。
○堀利和君 障害者にとってもあるいはお年寄りにとっても旅行がある意味での楽しみであったり、もちろんいろいろなものを視察するとかあるいは仕事の上でも会議に出かけるとかさまざまなそういった旅行をするわけですけれども、こういう旅行が決してぜいたくなものではなくて人として当たり前の行為といいますか、そして同時に権利であろうと思うんです。 私、昨年の十月にWTO、世界観光機関が「九〇年代における障害のある人々に対する観光機会の創出」という決議をして勧告したものを読みまして大変感激したわけですけれども、このWTOというものはどういう組織なのか、その沿革、目的あるいは事業活動について詳しくお伺いしたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) WTO、世界観光機関と申しますのは、一九七〇年に採択されました世界観光機関憲章に基づきまして一九七五年に発足した政府間機関でございます。 WTOは、旅券、査証等の旅行の容易化に関する活動、旅行者や旅行施設の安全及び保護活動、職業訓練活動、情報調査活動、発展途上国に対する協力などをその主な事業活動としております。現在、WTOには百九カ国の加盟国、四カ国の準加盟国及び百六十五の賛助会員がございます。
○堀利和君 このWTOの組織には理事会というのもあると思うんですけれども、それで、各種委員会のことについても少し御説明願いたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) この世界観光機関は、総会あるいはアフリカとかアメリカ等地域ごとの委員会がございますが、その下部組織としては執行理事会、これは年二回以上開きます。それから、その執行理事会に属するものとして六つの委員会が今つくられておりまして、この六つの委員会というのは、計画調整委員会、予算財政委員会、容易化委員会、環境委員会、統計委員会、旅行安全委員会でございます。
○堀利和君 そこで、日本政府がいつこのWTOに加盟し、以来どういったポジション、役割を果たし、現在どんなポジションにあるのかお聞きしたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 日本は一九七八年七月六日付でWTOに加盟しております。WTO加盟後、八四年一月から二期連続で執行理事国に選出されるなど積極的な貢献を行っておりまして、現在、先ほど申し上げました委員会の環境委員会、旅行安全委員会のメンバー、それから東アジア・太平洋地域委員会の副議長として選出されております。
○堀利和君 日本政府としてもそれなりの大切なポジション、役割を果たしているということがわかりましたけれども、先ほど申し上げました「九〇年代における障害のある人々に対する観光機会の創出」ということの決議ですね、これはどの委員会で起草されたわけでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) これは先ほどの委員会の中の最後に申し上げました旅行安全委員会で内容が審議され、総会で勧告が決議されたものでございます。
○堀利和君 そうしますと、日本政府、運輸省でしょうが、としてこの旅行安全委員会のメンバーであるわけですので、当然この草案を策定する時点から関与されていたと言えると思うんです。日本政府としてこの決議、勧告策定のずっとそのプロセスにおいてどのような寄与の仕方をしたのか、どんな見解を述べたのか、その辺のところの日本政府としての姿勢についてお伺いしたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 我が国は、障害のある人々がともに観光を楽しむ機会を享受することが望ましいという立場から、勧告案を検討した旅行安全委員会の委員、これは観光部の職員が参加しておりますが、それから執行理事国として本勧告案の作成に参加するとともに、総会、これは観光部の企画課長が昨年十月、ブエノスアイレスの総会に出席しておりますが、この総会においても決議に賛成しております。
○堀利和君 私は、勧告となったこの決議の内容というのは大変すばらしいものであるというふうに先ほども申し上げましたし、実際読ませていただいても大変すばらしいわけですけれども、その内容について詳しく御紹介願えればと思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 昨年十月、アルゼンチンのブエノスアイレスで開催されたWTO総会において決議されました「観光の安全のための措置」に関する勧告及び「九〇年代における障害のある人々に対する観光機会の創出」に関する勧告でございますが、後者の「観光機会の創出」というのは、障害のある人々がともに観光を楽しむ機会を享受することができるようサービス及び施設の改善についてとるべき措置についての行動規範を勧告したものでございます。 具体的には、障害のある人々に対しより一層の観光機会を創出するため、次のような内容を勧告しております。 まず、観光宣伝物等は障害のある方々が利用できるサービス及び施設を明確に示すこと。また、障害者の方々が利用できるサービス及び施設のリストを提供するなど観光情報の提供及び周知を図るべきこと。 二番目に、観光産業に従事する方は、障害者の方々のためにサービスの提供及び施設の運営に十分な訓練を受けるべきであり、従業員の中には感覚障害のある人との意思疎通の手段になれた人を含むべきであること。 三番目に、観光施設及び観光地における共通の必要条件としまして、駐車区域、表示案内、エレベーター、公衆電話、公衆トイレなどについて障害者の方々が容易に利用できるように配慮されて設置されるべきものであること。 四番目に、ターミナル、駅、宿泊施設、飲食施設、博物館その他公共の施設に関しては障害者が容易に移動できるような条件整備を行うべきであること。 このうち、宿泊施設につきましては妥当な数の客室が車いすの人に利用可能とされるべきこと、視力障害者の方々のための点字表示等があること。 こういったことが勧告の内容に盛られております。
○堀利和君 大変今聞いておりましてもすばらしい内容だなというふうに感じます。もちろん運輸省のみの問題ではなく、いわば他の省庁にかかわるところもあるいはあろうかと思いますけれども、そういったすばらしい内容を、言うなれば総会の場で決議に参加して勧告を受けたというだけではなくて、これを起草する段階の旅行安全委員会において日本政府が関与してきたということは、私にとって非常にこれは見逃せない事実であるわけです。 そういった役割を果たしてきたという重い責任を考えながら、この決議、勧告についての運輸省としての評価、どんなふうにお考えなのか。そして、さらにこれをどういうふうに波及させようとしてきたのか。まだ昨年十月の決議、勧告であって日も浅いわけですけれども、この勧告をどういうふうに受けとめて、どういうような形で波及させようとしているのかお聞きしたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 前回、先生御指摘いただいたときにはまだ翻訳もできておりませんでしたが、運輸省としては、障害のある方々がともに観光を楽しむ機会を享受することができるようにするためにこの勧告の内容を周知徹底することが必要と考えまして、これを翻訳し、直ちに昨年十二月に私運輸政策局長の名前で関係省庁、都道府県、観光関係団体等に、この勧告に合わせてその周知徹底方を構成員等に行うように通達したところでございます。 運輸省としましては、この勧告内容の実現に向けてこれから勉強し努力しなければならないと考えておりますが、現在この通達を受けた関係事業者団体においても理事会等の場で議論をするように指導しているところでございます。
○堀利和君 そこで、今回の法改正の作業に当たりましてどのように認識されて、あるいはどのように生かそうとしたのかお聞きしたいわけですけれども、確かに今回の法改正の目的を見ますと、この十月の決議、勧告内容について直接関係があるかどうかという判断もあろうかと思うんです。 しかし、先ほどから言っておりますように、旅行安全委員会において既に十月以前からおおよその内容はわかっていたわけでございますし、この法改正の作業の過程でやはり何らかの見解を法改正の場に生かすべきかと思うんですけれども、具体的な法改正の作業の中でどのようにこの辺のところを認識され、また作業したのかお聞きしたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の法律改正で、先ほども申し上げましたように、直接身体障害者の方々の施設基準等について規定上表現しているものではございませんが、そういった勧告、決議等も念頭に置きつつ今後の宿泊施設における障害者の方々の対策をどうするか、サービス内容も含めてこの法律に基づく基準、情報提供の内容あるいは運用等について十分反映していかなければならないと考えつつ作業をしているところでございます。
○堀利和君 そこで、大臣にお伺いあるいはお願いしたいわけですけれども、やはりあれだけのすばらしい決議、勧告がなされ、それに日本政府も策定の過程の中でも関与してきたわけですから、今回の法改正の目的は確かに、先ほども言いましたように、直接障害者のことについての法改正が目的ではないわけです。しかし、外国から障害を持った方やあるいはお年寄りが外客という、先ほど専門用語かなんという話もありましたけれども、まさに外客の中に障害者、お年寄りがいらっしゃるわけです。 そういうことから考えましても、登録基準を省令として正式に決める際に、やはりこの辺を十分配慮していただきたいし、また登録基準の策定についても関係者の声を聞くということも先ほどございました。そういう意味では、こういった障害者やお年寄りの宿泊施設のアクセスに精通した方もぜひメンバーに加えるなり、十分そういった意見、声が反映できるような形で決議、勧告を生かした登録基準の中身というものをつくっていただきたいと思うんですけれども、いかがでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 先ほど来、堀先生、自分の体験を通じられて障害者の皆さんの旅への願望と申しますか、そういったことを聞いておって、本当に大事なことだなと。WTOの勧告の本旨もさることながら、何とか今回の法改正の中で、登録に当たっても身障者の皆さんに優しい施設を提供できるものでなければならぬな、また従業員のそういったサービス面においても身障者の皆さんに理解を持った、そういった形が従業員研修の大切な項目でなきゃならぬなという思いを深くいたしておるわけであります。 特に、今あるべき登録ホテル・旅館のハード、ソフト面におけるサービス対応につきましても、身障者の皆さんの声を代表される人をそういった人選の中に加えるということについても前向きに検討してまいります。
○堀利和君 ありがとうございます。ぜひお願いしたいと思います。 次に、今回の法改正と離れるといいますか、離れるというわけではないんですが、さらに障害者、高齢者の宿泊施設利用の一般のところにまで踏み込んだ質問をしたいわけです。 実は昨年の十月にこういったすばらしい本といいますか資料が障害者や関係者のいわば市民のグループで出されたわけです。「旅行のソフト化をすすめる会」という障害者・市民グループなんですけれども、これは「障害者や高齢者のためのアクセシブル旅行ガイド」という本でございまして、「鉄道・宿泊施設編」になっております。ですから、またさらにその次が発行されるかと思うんですが、運輸省としてこれを御存じかと思いますけれども、いかがでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 今、私もここの手元に持っておりますが、その内容は大変詳細にそのような施設についての調査結果が出ておりまして、このような情報提供というのが極めて大事であると感じているところでございます。
○堀利和君 運輸省としても、この本といいますか資料の価値というものを十分御認識いただければと思うんです。もちろん、一人の障害者の私の立場からいっても、我々自身も努力しなければいけませんし関係者でできるところはやるというのは当然かと思うんですが、運輸省として障害者、高齢者が安心して、また安全に利用できる宿泊施設がどうなっているかという、そういった実態調査というものを行ってきたかどうか、これをまずお伺いしたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 運輸省におきましても、このガイドブックに掲載されているほど詳細にわならないところが残念でございますが、最近では平成三年十一月に都内主要ホテルにつきまして、身体障害者用客室トイレの有無、スロープの有無、盲導犬の受け入れの可否等について調査を行っており、またことしの二月にも全国の主要ホテル、主要旅館について同様の調査を行っているところでございます。
○堀利和君 やはり、こういうものを積極的に実態調査していただきたいと思うわけですが、もう少しこのガイドブックについて触れさせていただきたいと思います。 本当に感心するほど、よくこれほど集めたなというほど、ホテル、旅館を一軒一軒、車いすの方が利用できるりか、盲導犬を連れて宿泊できるのか一つ一つ調べてあるんですね。 その辺の数字を少し簡単に御紹介したいと思いますけれども、全国に宿泊施設が総数として八万八千二百三十九カ所あるというふうに記されておりました。その調査対象の施設数は千六百五十四カ所です。総数から見ますと一・数%と低いわけですけれども、しかしこの千六百五十四カ所というのは、単に抽出して調べたというのではなくて、障害者や関係者が既に経験したこと、そういった実際の既存の情報を集めた、そういうような形でピックアップしたものなんですね。そういう内容ですから、かなり信頼性の高いものだろうと思うわけです。 その中をちょっと整理して見てみますと、「障害者用の部屋がある」というのが三百三十八カ所です。「車いすを常備している」、六百八十九カ所。「車いす用トイレがある」、五百七十二カ所です。「盲導犬の宿泊が可能」であるというのが四百九十三カ所。「身障者用浴室」が七十三カ所です。したがいまして、千六百五十四カ所の調査対象から見ますと、まずまずの数かなというふうにも私は思うわけです。 しかし、全国の宿泊施設総数を見ますと八万八千二百三十九カ所なんですね。統計上、若干これは不当なとり方かなとは思うんですけれども、しかし私は、八万八千余ある中で調査対象にした千六百五十四カ所というのを数の関係で見ますと、恐らくその他のところはそれほど施設が整備されていないだろうと思うんです。整備されているところは、今言いましたように、情報として入ってきますから、その千六百五十四カ所、そういう中に入っていると思うんですね。 そういうことから見ますと、全国の八万八千二百三十九カ所の全体から見ますと、障害者が泊まれる部屋があるというパーセントを出してみますと〇・三八%なんですね。車いすを常備してあるというところが〇・七八%、車いす用トイレがあるというのが〇・六五%、盲導犬の宿泊が可能というのが〇・五六%、身障者用浴室があるというのが〇・〇八%です。つまり、全国の全体の宿泊施設の総数から見ると非常にパーセントとして低いということが言えるわけです。 この辺の数字からどのようにお考えか、改めて伺いたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) ただいま先生から詳細な御指摘をいただいたわけでございますが、私どもの調査結果、これは比較的大きな登録ホテル、登録旅館でございますので、パーセンテージは今のと違ってもっと大きくなりますが、なおそのような施設整備というのは十分ではないと考えております。 登録ホテル、登録旅館における身体障害者対策については、以前から関係団体を通じて、その積極的な受け入れ、施設の改善等について指導してきているところでございますが、今後ともその充実を図ってまいらなければならないと考えているところでございます。
○堀利和君 先ほども広く実態調査についての実施の状況も聞きましたけれども、なかなか、つい先ごろ東京都内で調査もしたということですが、そういう状況ですので、恐らく運輸省として障害者、高齢者のための宿泊施設に関するいわゆるガイドラインといいますか指針というものもないんだろうなと思います。鉄道などの公共交通機関については一九八三年にガイドラインをつくりまして、その後研究、調査を重ねながら必要に応じたそういった指針も示してきているわけです。 したがいまして、飛行機なりあるいは列車なりで移動して、日帰りであればいいわけですけれども、行った先でやはり泊まるわけですので、鉄道など公共交通機関については一九八三年から調査、研究をしているわけですから、やはり私は、あわせてそういった研究をしながら同様のガイドライン、指針というものも示すべきだと思うんですが、やはりこれはないということでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 交通ターミナルにつきましてはガイドラインというものを設けてまいりましたが、現在のところ宿泊施設についてのガイドラインがございません。 御指摘のとおり、登録ホテル・旅館に対する施設整備についての指導の際には身体障害者対策に必要な個別の施設などに関しますがイドラインを作成し、これを示すことが有力な手段と考えられますので、交通ターミナルに引き続きホテル、旅館についてのガイドラインを今後作成していく必要があると考え、今検討させていただいております。
○堀利和君 そこで、平成二年に社団法人日本観光協会が「宿泊施設の経営のあり方に関する調査研究報告書」というものをまとめております。この報告書をまとめるに当たって運輸省がどういう形でかかわったのか、またこの報告書のねらい、目的についてお聞きしたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 御指摘の報告書は、最近の外客需要の変化などに対応しまして、外客、外人客向けの宿泊施設の整備を促進する必要が高まっている現状にかんがみまして、これからの宿泊施設に期待される機能などを検討するとともに、多種多様な需要にこたえた宿泊施設の整備や利用者利便に資するサービスのあり方を摸索することを目的として、公益法人でございます日本観光協会の自主研究として行われたものでございまして、私どもの観光部の職員も委員として参加しております。
○堀利和君 その報告書の中にフランス、イギリス、イタリア、スペインの宿泊施設に対するいわゆる身障者用設備という基準があります。これについて、それぞれどういう基準か御紹介願えればと思いますが。
○政府委員(大塚秀夫君) 御指摘の報告書の内容でございますが、必ずしもその内容を詳細にわたって承知しているわけではございませんが、報告書によりますと、イギリスにおきましては、ホテルの格付そのものには身体障害者用施設は要件となっておりませんが、政府観光局の出版物におきまして、身体障害者が利用可能である旨のシンボルマークを付してもらうためには一定の条件を満たさなければならないことになっております。 また、フランス、イタリアにおきましては、格付を受けるために一定の身体障害者用施設が要件となっている。 スペインにおきましては、百五十室以上のホテルにおいては規模別に三室ないし四室の身体障害者用客室を求めておると、こういうふうに報告書では指摘しております。
○堀利和君 手元にございましたのは四カ国でありますけれども、既に宿泊施設についてもそれなりの基準を設けているわけでございます。 そして、御存じと思いますが、一昨年、九〇年の夏にはアメリカで画期的な法律が制定されたわけです。障害を持つアメリカ人法という法律でございまして、これも不特定多数の方が出入りするいわば公共的な施設、建物について障害ゆえにそれが利用できないというのは差別である、そういった差別は禁止しなさい、禁止するという画期的な法律であるわけです。三百二条にはそういったことがうたわれているわけですけれども、この障害を持つアメリカ人法のこういった差別を禁止する中身についてどのようにお考えでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 御指摘のように、アメリカのADA法の第三百二条、公共施設における差別の禁止というところで、ホテル、旅館等を含むいわゆる公共的施設を運営する者は、利用者が障害者であることを理由として差別してはならない旨を規定してございます。 この趣旨は、身体障害者の方々が社会参加をする上でも極めて重要なものでありますので、我が国においてもホテル、旅館において差別的取り扱いが生じないように、今後とも強力に指導していきたいと。思っております。
○堀利和君 そこで、運輸省は運輸省としてのやはり限界もあろうかと思うんです。そもそも、旅館なりホテルについての法律は厚生省所管で旅館業法でございますので、きょうは厚生省からもおいでいただいております。 基本的に障害者やお年寄りが安心かつ安全に、また容易に利用できるこういった旅館やホテル、これはハード面、ソフト面含めてなんですけれども、そういった基準づくりというものが必要かと思うんです。これは厚生省が所管として法律を持っておりますけれども、そういう点ではこういった何か基準といいますかガイドラインというのはあるんでしょうか。
○政府委員(末次彬君) 私、社会局長としてここへ出てまいりましたので、ただいまの旅館業法の話につきましてはちょっとお答えしかねるわけでございますが、基本的に申し上げまして、先ほどからお伺いしておりましたとおりに、障害者、高齢者が積極的に社会に参加していく、また安心して生活できる社会をつくり上げるというのは大変重要なことだというふうに考えておりまして、そういう意味から、旅館、ホテル、これにつきまして、障害者、高齢者に配慮したいろんな設備等が整備されていくというのは大変有意義なことだというふうに考えております。 具体的な旅館業法その他につきましては、ただいま私この場でお答えできませんので、帰りまして所管のところへきちんとただいまのお話につきましてはお伝えをいたしたいというふうに考えております。
○堀利和君 旅館やホテルの障害者や高齢者のための宿泊施設利用についての基準づくりということを考えた場合に、これは厚生省として可能なんでしょうか、つくることが。あるいは運輸省とも相談しなきゃならない問題なんでしょうか、どうでしょうか。
○政府委員(末次彬君) 旅館業法そのものの趣旨から申しまして、主として衛生面その他の規制面という意味でこの法律は対応しているというふうにたしか承知いたしております。 ただ、具体的にその中でこういった障害者に対してどういうふうに配慮していくかという点につきましては、ある意味では可能な分野もあるのではないかというふうに考えておりますが、何分ちょっと仏その点につきまして明確にお答えするだけの立場にございませんので、戻りましてただいまの御趣旨はきちんと伝えたいというふうに考えております。
○堀利和君 そこで、大臣にまたお願いなんですが、旅館業法、これの所管は厚生省でありますし、社会局長という立場で言いますと障害者の問題について専門の部署でございます。そういう点から考えましても、宿泊施設のあり方についてガイドラインなり指針とでもいいますか、そういったものを私はぜひ作成していただきたいと思うわけですが、そうなりますと、どうも厚生省と運輸省とで協議をしなければならないのではないかと思うんです。 そういう点で、大臣に、ぜひこの二つの省で話し合いを持ち協議を持って何とかガイドラインをつくっていただきたい。義務づけるというところまでは現実には不可能かと思うんです。ただ、指針を示すあるいはガイドラインを示すという点ではそれなりにできないことではないと思いますので、どうか運輸省、厚生省二つまとめてこういった方向に進んでいただきたいと思うんですが、いかがでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) この面に関しましては厚生省ともよく相談してまいりたいと思っております。 いずれにしても、身障者用の施設がつくられることが大事でございますから、そういった面においては、今先生が御指摘のようなガイドライン作成に両省が協力して、少しでも多くの身障者用の施設がふえていきますように、積極的にまたこれらに関する情報提供等々にも心を配りまして利便に何とか資してまいりたいなと。 ガイドライン作成については積極的に対応してまいります。
○堀利和君 ぜひよろしくお願いしたいと思います。 そこで、現状、実態がどうなって、またそれをどう改善していくかという意味でも、今までの質問の中で私が申し上げたとおりなんですけれども、同時にその障害者、高齢者の宿泊施設を利用する側が、果たして自分があそこに行って泊まれるだろうか、あの町に行って宿泊できるだろうかというような情報がなかなか入ってこないわけです。もちろん、民間団体でも調査、研究されたり、先ほど紹介しましたガイドブックもそうなんです。してはいるんですけれども、なかなか情報自体うまく入ってこないというのが現状です。 私も、地方から例えば車いすの方が上京される、会議のために来るという場合も車いすの方が泊まるところをこちらが探すのは大変なんですね。なかなか泊まるところがない。都内でも一流のホテル、それなりに名の知られたホテルでも車いすの方が泊まれないというのが現状でもあるわけです。なかなかホテル、旅館も都内ではもういっぱいですから、まず空室がない。しかも、車いすの方が泊まるというような意味ではまたさもに限られるわけですので、ますます見つけるのが大変ということがあります。 そういう点で、旅行する際の情報の提供あるいは情報を受けるということが一つの大きな課題になるわけです。 そこで、アメリカにSATHという団体があるようなんです。私詳しいことはわからないのですが、これは航空会社と旅行会社と宿泊産業、三者が一緒になってつくっている団体だそうです。あるいはイギリスではホリデー・ケア・サービスという、関係のさまざまな業界が集まって今言ったような障害者や高齢者のための情報提供もしているようなんですけれども、このアメリカのSATHあるいはイギリスのホリデー・ケア・サービスというのがどういうものかおわかりでございましたら御紹介願いたいと思うんです。
○政府委員(大塚秀夫君) 今手元にございます資料が限られておりまして、詳細については今後勉強させていただきたいと思いますが、御指摘のとおり、アメリカには障害者のための旅行推進協会としてサスというものがあり、イギリスにはホリデー・ケア・サービスという民間団体がございます。両者とも障害者の方々が旅行しやすくなるよう、宿泊施設、交通手段、旅行に必要なガイドブックなどについての情報提供を行っていると聞いております。
○堀利和君 もちろん、先ほどから言いましたように、我が国でも民間団体あるいは任意のこういうグループがそういった情報収集や提供もやっておりますけれども、私は情報のネットワーク一元化ということで、情報を受ける側にとって非常にわかりやすい、また容易に入手できるそういったやはりシステムというのがあればなと思うわけです。 先ほどのWTOの中にも容易化委員会というのがございまして、これは旅券が早く取れるようにとかいろいろなことが容易にということなんですが、旅行ができるという場合に、旅行の最中の容易のみならず、まず計画を立てる段階でもやはり障害者の場合にはそれなりのハンディーを持っていますから、あの県あの町に行くにはどうしたらいいかという、まずここからやはり困難が始まるわけです。 そういう点で、ぜひ日本の現状に合ったそういった情報の提供システムをつくっていただきたいということを要望したいわけですが、そのためにも来年度、平成五年度の予算編成に当たってはそのための調査、研究というものを行っていただきたい。調査研究費を何とかつけてその辺のところを御研究願いたいと思うんですけれども、大臣、その点はいかがでしょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 今、アメリカ、イギリスの例を御引用なさって、身障者の皆さんが安心して旅行ができるような、一元的な情報が入るようなそういうシステムをつくれという御提言だったと思います。大変重要な問題でございますし、私たちは当然アメリカ、イギリスのように福祉先進国といいますか、こういった形にどうしてもやっぱり追いつく対応をしなきゃならぬと思います。 したがって、この情報を集めて皆さんにお流しできるようなそういうセンターづくりにも努力したいと思いますけれども、まずそのためのシステムをつくるための前段として調査研究費を明年度予算に計上しろという御要望でございますから、そういう方向で処理いたします。
○堀利和君 ありがとうございます。 法改正における登録基準について、ぜひ障害者、高齢者に情報提供やあるいはいろいろな接遇が十分できるような基準づくりに努力していただきたいと思いますし、あるいは基本的にはハード面、ソフト面含めた利用しやすさのためのガイドラインというものを策定していただきたい。 そして最後に、大臣からも前向きな御答弁いただきましたけれども、やはりそういった、旅行はまず計画、行こうというところから既にもう始まるわけです。気持ちの上では行こうというところから、計画を立てるところから気持ちはもうわくわくするわけですから、そういった意味で、情報のそういった提供ということもやはりお考えいただき左いということをお願いしまして、時間が若干残りましたけれども、終わらせていただきたいと思います。 以上です。
○委員長(峯山昭範君) 午前の質疑はこの程度とし、午後四時まで休憩いたします。 午後零時三十分休憩 ―――――・――――― 午後四時一分開会
○委員長(峯山昭範君) ただいまから運輸委員会を再開いたします。 委員の異動について御報告いたします。 本日、穐山篤君が委員を辞任され、その補欠として櫻井規順君が選任されました。 ―――――――――――――
○委員長(峯山昭範君) この際、理事の補欠選任についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い現在理事が一名欠員となっておりますので、その補欠選任を行いたいと存じます。 理事の選任につきましては、先例により、委員長の指名に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(峯山昭範君) 御異議ないと認めます。 それでは、理事に櫻井規順君を指名いたします。 ―――――――――――――
○委員長(峯山昭範君) 休憩前に引き続き、質疑を行います。 質疑のある方は順次御発言を願います。
○小笠原貞子君 国際観光の状況を見ますと、一昨日発表になりました観光白書、これを拝見いたしましても、湾岸戦争の影響により若干減少したとはいえ海外旅行者数は一千六十三万人と、一千万人の大台を引き続き維持しております。また、日本に来る外国人旅行者の数、これは三百五十三万人と史上最高となっております。 今後、年平均どれくらいの伸びを予想していらっしゃるのか、まずお伺いいたします。
○政府委員(大塚秀夫君) 先生御指摘のように、湾岸戦争等の影響がございますが、引き続き海外渡航者、それから日本への訪日外客数は大変ふえております。 今後どれだけの伸び率でふえるかということについて、これはいろいろな要素がございますので私ども試算はしておりませんが、まず海外渡航者につきましては、今まで男性では中年の業務用渡航客が多かった。それから、女性では二十代の観光客が多かったというような傾向が顕著ですが、これからはむしろ中年男性の観光旅行というものがふえてくるんじゃないか。それから、高齢者層がもっとゆとりある老後ということで海外に行かれるんではないか。女性の場合には、今までは女子大生等若い層が多かったんですが、これからは、家庭にゆとりができた中年層の女性あるいは高齢者層も海外渡航される。 そういう意味で、海外渡航は全体的に相当これからもふえていくのではないかと考えております。ちょっと数字的には私どもまだ試算はしておりませんので、お許しいただきたいと思います。 それから、訪日外客数につきましても、平成三年の三百五十三万人がこれからどれだけふえていくかということでございますが、平成三年におきましてはアジアからの外客が全体の六〇%を超えております。これからもアジア地域の経済発展、個人所得の増大とともにこの地方からの訪日外客数が引き続き大幅に伸びていくと予想されますが、同時に私どもとしてはただ自然的に伸びるというよりも、アメリカやヨーロッパにおきましても貿易摩擦、国際摩擦等の解消のためにもっと日本を訪問して日本を理解していただきたいという政策目標がございますので、アジアの外客とともに欧米の来訪客もふやしていく、そのように考えております。
○小笠原貞子君 外国人観光客というのが急増いたしまして、その受け入れの登録ホテル・旅館の基準を緩和するというのがこの改正法の趣旨と思われますが、これだけの外国からのお客さんを受け入れるために、また今後の伸びを考えればどれぐらいの軒数、客室数が必要だというふうに、なかなか難しいけれども、大ざっぱなところどういうふうに見込んでいらっしゃいますか。
○政府委員(大塚秀夫君) 実は、私どもが対象としております登録ホテル、登録旅館も外客だけではなしに日本人客も泊まっておりますので、この双方の需要ということを考えますと、なかなか外客に対してどういう今後施設増強が必要かということを予想することも難しいんですが、一般的に申し上げまして、大都市のホテルというのは利用率が八〇%を超えている。大体八〇%で満杯ということでございますが、普通のホテルで八四%。ビジネスホテルになりますと、関東地区では八九%ぐらい今いっておりますので、もう既に満杯状態にあるということが言えます。 今後、外客の需要が多様化してまいりまして、ビジネスホテルクラスの需要、外客のそのような低廉なホテルへの需要というものもふえてきてニーズが多様化してまいりますので、より高級なホテル、それからビジネスホテルクラスのホテル合わせて外客に対応してもさらに施設の整備が大都市を中心に必要ではないかと考えております。
○小笠原貞子君 最近、外国人旅行者がたくさん見えて、そしてその要望というと、何よりもやっぱり安くて、そして安心して泊まれるところを希望していらっしゃいます。もっと登録軒数をふやすということは結構なことですけれども、特に旅館が大変好まれて、お食事もついて安いというようなことで、特に旅館に対しての援助がこれから大きなポイントになろうかと、そう考えます。 まず第一は、登録基準を定めるに当たって旅館関係業者からも十分意見を聞いてもらいたいというのがお願いなんです。大きい旅館でなくても指定を受けたいと考えている旅館に対してもそこは柔軟に対応していろいろ御意見を率直に聞くということをお願いしたいと思います。いかがでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 私どもの国際観光ホテル整備法は、その目的から余り小さな旅館、ホテルを対象とするのでなしに、いつも客室があるような一定の客室数以上のものを対象としております。 そういう中においては比較的小規模で意欲的な旅館等もその対象とすべく私ども考えておりますが、このような基準に満たない小さな旅館でも外客のニーズの多様化に対応して今大変頑張っておられるようなものもございますので、このような今回の登録対象でないような旅館等についても、法律に基づくものではございませんが、外客に対する情報提供、その他できるだけそのような旅館、ホテルの経営上の意向を反映した行政を展開していきたいと考えております。
○小笠原貞子君 前段としてそういうことをお願いいたしまして、次に具体的問題として伺っていきたいと思います。 登録基準のうち旅館の場合、バス、トイレつき二室以上、かつ総基準客室の十分の一という点については特に考慮していただきたいと思うわけです。大きくない旅館にとっては登録基準を満たすために改修工事を行わなければならなくなり、これは大変な負担になるということです。 日本観光旅館連盟の会員のうち、未登録会員でバス、トイレつき客室を二室以上有しているのは三千軒以上あると言われております。北海道でもちょっと調べましたところ、五百四十二軒のうち和室で三百三十三軒あると言われております。 ところが、もう一つの基準である総基準客室の十分の一以上のバス、トイレつきを満たすということになると、かなりの制限的な規制になるというふうに思われるわけでございます。基本的に、バス、トイレつき客室が二室以上あれば問題ないと思われます。また、逆に言いますと、二室以上の方が実は厳しい基準なんだよというふうにおっしゃる立場の方もいらっしゃいます。非常に難しいと思います。 したがって、私が言いたいことは、この点についても旅館関係業者の意見を十分聞いて柔軟に対処すべきであるというふうに考えるわけでございますが、よろしいでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 今、先生御指摘のとおりでございますが、小規模な旅館が登録基準を満たすために施設の改造等を行うという場合も今後出てくると思いますが、そういうように積極的に施設を改善して経営を展開しようというような小規模旅館に対しては、私どもも中小企業金融公庫のあっせん等によって対応していきたいと考えております。
○小笠原貞子君 同じように登録基準の、基準客室が十室以上かつ総客室の三分の一以上というのも、部屋数の少ない小規模な旅館にとっては非常に厳しいという意見が出ております。例えば、日観連などでは十室以上ではなくて五室以上でよいのではないかと、そういうふうにしていただきたいというような御意見もございます。 つまり、十室以上の基準の登録、十室以上というふうになっておりますので、基準登録するために、小さいところでは最低十室というところが出てくるわけですよね。そうすると、その最低十室の全部にかけるのではなくてその半分でもいいではないか、基準について、というような意見もございます。 この点についてもいろいろ柔軟に対処しながら、十分な意見を反映させていただくようにお願いしたいと思いますが、よろしいでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 今回、登録基準というのは省令にゆだねておりますが、省令を制定する際には関係者の意見は十分酌むことにしております。 ただ、今の総客室数につきましては、旅館業法の基準、これはすべての旅館が五室以上になっておりますので、五室以上にしますとすべての旅館が対象ということになります。その中で、国際登録旅館として大体いつでも部屋が提供できるような余裕のある規模の旅館ということで私ども今の原案を考えておるわけでございますが、先生御指摘のような点も踏まえて、さらに業界の意見等を酌んでいきたいと思います。
○小笠原貞子君 なお、国の政策によって登録基準を緩和して指定の数をふやすというわけですから、そのために改修工事を行わなければならない。やっぱり特別の、そこに御援助をしていただきたいと思います。中小業者の旅館にとっては、その改修事業などというのは非常に負担になるわけでございますね。 そういう意味において、開銀とか東北公庫、中小企業金融公庫等、政府関係の長期で低利の融資等を私は支援すべきではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 今のような政府関係金融機関の融資のあっせんを今後も積極的に行いたいと思っております。 ただ、その金利について十分希望に沿えるかどうかわかりませんが、条件についてもできるだけ事業者の意見を反映して、我々、制度要求を今後も続けるつもりでございます。
○小笠原貞子君 国際観光ホテル、日本観光旅館連盟レベルは融資の対象になりますよね、今言ったところ。それはそうですね。
○政府委員(大塚秀夫君) 今の対象というのは、登録ホテルについては中小企業金融公庫、それからそれ以下のものにつきましては、これは厚生省の所管で旅館業法上の融資ということになりましょうか、環境衛生金融公庫というような形になっております。これはよく相互に連絡して、どちらかであっせんできるようにしたいと思います。
○小笠原貞子君 ぜひそういう対象にしていただきたい。 なぜそういうことを言うかといいますと、融資条件というものを考えました場合、登録申請する場合は優遇されております。つまり、新たに登録したい、でも、そのためにお金がいろいろかかって工事しなきゃならない。そういうことで、登録しようと思って申請したときには融資の対象になって、その融資額は倍になるというふうに枠が倍になるわけですよね。だから、その辺のところは非常に魅力があるし具体的な援助になると思いますので、ぜひその辺のところを具体的な支援をお願いしたいと思うわけでございます。
○政府委員(大塚秀夫君) 今後もできるだけ融資のあっせん等、努力していきたいと思います。
○小笠原貞子君 できるだけというのは当たり前のことなんだけれども、私が言ったような、登録基準を満たすために工事をやったよと、そして登録をするからといって申請した場合にはその対象として枠も広がるというような、そういう内容で御努力をいただくということなのよ、私が言ったのは。今後ともやるのは当たり前なんだから。いいですね。
○政府委員(大塚秀夫君) 御指摘のとおりあっせんを行いたいと思います。
○小笠原貞子君 次に、税制措置の問題なんですが、今度新たに登録を受けようとする場合、優遇措置の対象とならない、税制の場合。これはおかしいんじゃないかと私は思うわけなんです。 現行の登録されているホテルとか旅館は国税の優遇措置がございますよね。今度申請して登録されるという場合には優遇措置がされないというのは、これはちょっと不公平じゃないかと思うんですけれども、どうなんですか。一緒に優遇措置を受けられるように大蔵省に働きかけてほしい。
○政府委員(大塚秀夫君) 平成四年度の税制措置におきましては、従来の登録ホテル、登録旅館につきましては国税の優遇措置として減価償却資産の耐用年数を百分の八十二にするということになってございますが、新たに今回登録基準の緩和によって拡大される部分についてはこの対象とならないことになっております。 これは、従来の登録ホテル・旅館につきましては建設費がかさむこと、より大規模なものであるというようなことから対象にするということでございますが、範囲が拡大するものについての国のバックアップをどうするかということにつきましては、今後一生懸命勉強させていただきたいと思います。
○小笠原貞子君 勉強していただくのは結構なんですけれども、一流ホテルの大きいホテルはそれなりに税制措置で優遇してくれる。今度登録する小さいところはその対象にはならないと今おっしゃいましたよね。今度、小さいところというけれども、要求があって、そして緩和して登録させようという法律でしょう、これは。そうすると、好きこのんでやっているんじゃなくて、国の政策によってそういう登録をしていろんなニーズにこたえようというような場合だから、大きいところは税制優遇措置をやるけれども、今度登録する新参の小さいところはやらないよということでは、ちょっと、大臣、聞いていておかしいと思いませんか、私はちょっとおかしいと思うの。 だから、今すぐこうするというお答えが出ないかもしれないけれども、そういう意味で、大きなところは優遇措置をいたします。今度の入ってくる新参、小さいところはだめですなんて冷たいことを言わないで、勉強していいですよ、勉強して大蔵省と折衝するという気持ちありますか。
○政府委員(大塚秀夫君) 税制以外にも融資のあっせんその他のいろいろなバックアップがございますので、そういう点では新たに登録基準拡大になったものも同様に扱われていることは御理解いただきたいんですが、ただ税制につきましては今申し上げましたような差があるというのが現状でございます。
○小笠原貞子君 だから、その現状を前進させてと言っているのよ、私は。いいですね、大臣、私の言うのはおかしいですか。
○国務大臣(奥田敬和君) いや、先生の御主張はよく理解できます。 要するに、今までの登録に関しては税制恩典があると。今度は基準緩和してもういろいろな形で外客のニーズにこたえていこうというわけですから、登録対象はふえます。ふえたやつにそれは一律に全部やらなきゃ不公平じゃないか、差別じゃないか、それは全くそのとおりだと私は思います。 ですから、これらを全体に広げるために、これはなかなか大蔵省はやっぱり税収減につながるという措置ですからそう簡単にうんとは言わないという、そういうこともおわかりいただけると思いますけれども、必ずそういった方向で、先生の言われる方向の中で登録旅館に対しては公平に一定の優遇が受けられるように、今後とも大蔵当局と交渉を重ねてまいりたいと思います。
○小笠原貞子君 次に、情報提供事業という問題について伺いたいんですけれども、提供機関は登録ホテル・旅館の施設等宿泊に関する情報を収集し提供することになっております。 懸念されるのはランクづけがされないかということなんです。つまり、情報提供の名のもとに実質的なランクづけが行われる。ちょっと心証をよくしようと思っていい宣伝をして情報提供するというようなことが起きると、これはまたいろいろな問題が起こると思いますのでそのような対策を、客観的にこういうものだという旅館の紹介ならいいけれども、そこに何らかの意図があって情報提供されるといろいろ問題が出てくると思うので、どのような対策を検討していらっしゃるのか。 それから、さっき堀先生おっしゃいましたね。ここの旅館は車いすでも入れるよ、盲導犬も泊まれるよというのも一緒にその中の一つの記事としてちょっと紹介するということはお金かかりませんし、私はやっていただけると思うんですけれども、その点いかがですか。
○政府委員(大塚秀夫君) 今、先生御指摘のとおり、身体障害者の方々の施設があるかどうかというようなことも含めて、サービスの内容についてできるだけ利用者の利便に合うような情報提供をしたいと思っております。 ただ、これは客観的な内容、料金等も含めて利用者が旅館を選択するときの素材になるような情報提供でございますので、その情報提供でランクづけが直ちにできるというものは考えておりません。 ただ、これは利用者の方で、自分の心の中でこれは高いホテルだ、これは安いホテルだというようなランクづけということがされるというのは、これはまた別な問題かと存じます。
○小笠原貞子君 じゃ、次はちょっと違うんですけれども、国際観光交流の一環として昨年十二月にお願いいたしました北海道とサハリンの航空路、それからフェリー航路などの開設も観光と結びついて大きな問題になっていると思います。既に実務者レベルでの検討に入り、「大変先行き明るい希望が持てる」と先日大臣の強い御答弁があったわけですけれども、その後いかがでございましょうか。
○国務大臣(奥田敬和君) 御指摘のとおりに、サハリンと北海道の交流が進む、そのためには定期航空、両国間の行き来は必要である、これはもう双方からの非常に強い要望です。北海道の方も各地から各都市がもう勝手に向こうへ行って、向こうも簡単に、やりたい受け入れたい、そういったことで、そういう話はどんどん先行して進んでいるのが実態です。 ですけれども、これはあくまでも二国間の乗り入れですから、やっぱりきちっとした政府問の協議を経て、そして一定のラインをやっぱりつくっていかにゃいかぬわけです。 ですから、お互いに熱望しておられるその意欲は十分わかりますし、またこちらも向こうとそういった形の地域間交流、二国間交流も進めたいという気持ちはもうあるわけですから、早く政府間交渉にゆだねる形で私たちも今努力しています。 そういう形で、ただもう各都市一斉に向こうのお嫁さんかお婿さんか探すのにともかく行って各個ばらばらにやっておられるという形は、それは本当に熱意は買いますけれども、これはやっぱり整理しなきゃいかぬな、困ったな、こう思っておるわけです。ですけれども、この意欲は両国間の定期航路開設につなげるという方向で取り組んでまいります。
○小笠原貞子君 じゃ、そのようによろしくお願いいたします。 次に、航空運賃との関係で伺うわけですけれども、やっぱり観光を振興させていく上で観光基盤整備というものが大事な問題になってくると思います。 例えば、北海道を考えますと、観光客のうち航空機利用が六〇%を占めております。道内の空港整備をきちっとしていただきたいこと、同時に航空運賃の格差問題も重要でございます。 北海道の航空運賃の割高については、これは八年前、八四年の四月に当委員会で取り上げまして、そのとき運輸省は初めて格差があるという事実を認められました。その間は認められなかったんです。そのときやっと格差があることを認められました。そして、是正するとお約束していただいたわけです。ところが、運輸大臣がかわるたびに、何人になりますか、ようやく二年前の六月から格差是正というものに手をつけていただきました。しかし、それはきちっとした完全な格差是正が行われたわけではございません。昨年の三月、村岡大臣は引き続き格差是正の検討を約束していただきました。原則としては同一距離同一運賃を徹底させるということもお述べになっていらっしゃいます。 またこれ持ち出すわけですけれども、同一距離の場合同一運賃ということになります七、東京と長崎と比べた場合、東京-帯広は往復で五千七百八十円高くなっております。東京-釧路は六千三百六十円高い。東京-旭川は四千二百二十円高い。東京-札幌、これは距離が五十一キロ短縮されたわけです。これだけの短縮を計算いたしますと、往復で二千五百円高くなっているという格差是正がまだ残っているわけなので、もうそろそろ是正をしていただきたいということをお願いしたいと思います。
○政府委員(松尾道彦君) まず一点の空港整備でございますが、北海道地区はこのたび大変私ども力を入れさせていただいておりまして、平成四年度事業でもかなりの予算措置をつけまして百十九億円の対前年五%強の予算を入れまして、継続事業として進めております。 例えば、旭川の二千五百メートル化あるいは函館空港の三千メートル化、先生にたびたび御指摘いただいております釧路空港の霧対策の高カテゴリー化問題、それから平成四年度では新千歳あるいは利尻、さらには中標津といったような新規事業についても着工をしようということで現在予算を通していただきましたので、近く具体化をしてまいります。 それから、具体的な運賃問題の御指摘を先生の方からいただいておりますが、実は現在の国内航空運賃は昭和五十七年の改正以来十年間据え置かれておりまして、実質的には消費者物価のデフレートでいきますと約一七%程度の値下がりという効果がございます。御指摘のとおり、平成二年六月に北海道地区の路線、七路線を含めまして全国二十七路線につきまして、いわゆる南北格差という格好で是正させていただきました。 私どもは、今先生の御指摘のとおり、まだ完全にはなっておりませんけれども、時代的に見ますと、賃率にしましてこれは大きな効果ではございますが、まだ路線によっては一キロ一円程度の格差があるところもございます。これは事実でございますが、こういった中で経営状況も大変今エアライン悪くなっておりまして、全体の今後の経営状況も勘案する必要がございますし、確かに御指摘の同一距離帯同一運賃というものも私ども基本理念でもって進めていきたいと思っておるわけでございます。 完全な南北格差の是正というのはなかなか難しい問題があろうかと思いますけれども、今後に向けても引き続き努力はいたしていきたい、このように考えております。
○小笠原貞子君 ぜひお願いします。だって、東京-札幌といったらもう世界一でしょう、乗っているの。世界一のところで差別されたら、私は札幌に住んでいる者として黙って下がるわけにはいかない。御努力はしていただいておりますけれども、今後とも今おっしゃったように御努力をお願いしたいと思います。 最後なんですけれども、あわせてこれも前の委員会、前の委員会というのは平成三年三月二十六日の委員会でも申し上げたんですけれども、国内航空運賃の割引の拡充の問題なんです。そのときも航空局長は、今後も割引制度の拡充多様化が図られるように航空企業を指導していきたいとお約束いただきましたし、村岡大臣も検討したいとお述べになったわけでございますね。 この間もちょっと申し上げましたように、札幌の一流のグランドホテルに二拍泊まって、そしてニセコまでバス出してスキーして、そして東京往復が我々だと四万三千円のところが四万一千円ですよね。そういうところに割引結構だと思うけれども、普通の利用者に対する割引も考えていただきたいというのをこの間お願い申し上げました。 込んでいるときに割引せいとは言いません。すいている時期だとかすいている時間、朝早く起きても行きます、割引があればね。そういうようなことで、ぜひ今後ともお願いしたいと思います。 局長と同時に大臣、航空運賃も歴代大臣にお願いばかりしておりますので、ぜひ大臣にも今後の御努力をお願いして、そして質問は終わりたいと思います。どうぞよろしく。
○政府委員(松尾道彦君) 御指摘の航空の割引運賃につきましては、利用者に対する不当な差別扱いかない限り、できるだけ利用者利便あるいは航空需要の喚起という立場からも積極的に支援をさせていただいておりますし、エアラインの方も非常に努力をされまして、今約二十種類程度の営業割引が行われ、しかも利用客も大体八割近い方が御利用いただいています。主として往復割引が中心でございますが、そういう格好で現在三五%までの割引もございます。積極的に支援をしていきたいと思っております。 ただ、やはり今先生の御指摘のように、閑散期における需要喚起、こういったものをやっぱりインセンティブを与えるという立場からきめ細かな割引制度の検討について引き続き指導してまいりたい、このように考えております。
○小笠原貞子君 よろしくお願いいたします。 大臣、いいですか。そこで首振っても議事録に載らないんだわ。だからやっぱり立って、はいと。
○国務大臣(奥田敬和君) 割引諸制度をさらに促進する上において全力を尽くしたいと存じます。
○吉田之久君 今度の国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案、いろいろ読ませていただきまして、なるほどなと思う節々ばかりでございますが、それにしても、昭和二十四年の十二月にこの法律ができまして、その後二十六年に外国から来るお客さんを泊めるそういう旅館にも適用しようと、当然の措置がなされたわけでございますが、四十年以上、こんなに日本が大変化をしながら成長した中で、この法律がほとんどいじられもせずによくまあこのまま適用されてきたものだなと、ちょっと意外な感じさえするわけでございます。 同時に、いろいろな情勢の変化の中で今度これを改正しようといろいろ理屈を挙げておられるわけでございますが、やっぱりその一番主たる原因、理由は、近年特に増大しつつあるアジアの国々の方々の訪日、その人たちを受け入れるためにより的確な法整備を行うべきであるということでこのことがなされていると思うのでございます。 大臣も私も、戦争が終わってもう一度勉強して社会に出たのが二十四年ごろだと思うわけでございまして、この四十年間の変化の中でこの法律が十分にきょうまで機能を果たしておったんだろうかどうだろうかと。あるいはこれからアジアの人たちがふえるということは、この状況でずっと横ばいになるとは思われないわけでありまして、ますますふえてくる傾向があると思うんです。そういうことにどう対応しようかと。 この法改正について、まず最初に、大臣のお気持ちや意気込みを承りたいと思うわけでございます。
○国務大臣(奥田敬和君) 先生の御指摘のように、この法律は歴史的に四十年近い年月を経過しておる。 振り返って当時の状況ということになりますと、外客として日本を訪れるのはもう限られた人でもありましたし、また当時の国内事情からいえば、はっきり言って便所一つとってみても下水道施設の普及しているところの方がおかしいのであって、まさに水洗便所というような形のいわゆるホテルとしての最低の施設すら完備されているところが少なかった時期でもございました。したがって、この当時の国際ホテルの格付ということになりますと、これは我々の生活、いわゆる一般国民層の生活水準から見ると破格な施設を擁したものが外客接遇に値するホテルであったという時期でございます。 ところが、今やもう相当なホテルに泊まってみてももうみんなそれぞれの一般家庭の家の施設とほとんど変わらなくて、むしろ一般家庭の方が整っている。そういった意味では時代は本当に変わってきたと思っております。それだけに、外国人客もふだん着て来れて、しかも日本人と同じようにある程度安く手軽に入れるというような旅館施設、しかもある程度中長期間旅行して日本の文化にも触れたいといったような、そういった全く国民一般家庭に出入りするように気軽なそういった日本型旅館、そういう傾向も非常に好まれる傾向になってきたことも事実です。 したがって、外客にある程度正確な情報を提供できると同時に、最小限の施設、そういった形が補完されておる、そういった形であればこの登録緩和によってもういろいろな意味で政府が認めた最低限の施設、情報提供もある、接遇サービスにおいても多少片言を含めて日常の用を足せる接遇者も置いてあるといった二足要件をつけたホテルが北海道から沖縄に至るまでもう全国的にふえていくという時代、そういう時代になってきたんだなと。 だから、私は今回の法改正は、まさに日本のいわゆるホテル、旅館をもう本当に全面的に開放して、そしてふだん着て日本の文化も理解してもらえるという、ある意味においては画期的な法改正であると思っております。
○吉田之久君 大臣のおっしゃること、本当にそうだと思います。 そこで、我々が今当面している課題はやっぱり二つあると思うのでございます。 一つは、今大臣がおっしゃったように、これほど完備した日本人の日常生活、個々の家庭と、そして客を接遇するホテル、旅館とも昔と比べれば本当にその格差がほとんどなくなった。そんな時代まで来たわけでありますから、だからありとあらゆるホテル、旅館を全面的に諸外国の人たちに開放できるように一層整備しよう。かつまた、世界超一流の最高のホテルなどもそれなりに用意しよう、そういう一つの問題。 いま一つは、どんどんアジアの人たちが日本へやってくる、この数は恐らく想像以上にふえると思うのでございます。しかし、この国の方々の多くはそんなにデラックスな旅館で莫大な経費を払って生活するよりも、より効率的に長期にかつ便利に滞在できるようにと、そういうニーズから来る人たちが非常にふえてくると思うのでございます。 だから、僕らも昔、今はどうか知りませんが、パリへ行ったら凱旋門の近くでちょっとした普通の民家みたいなホテル、しかし入ってみたら実に行い届いて落ち着いた、そういうホテルに泊まった経験もありますが、やはりこれからより日本的な、地方へ行っても本当にひなびた旅館であって、かつ極めて中身は近代的に整備されている、また関係の近いアジアの人たちに十分なじんでもらえるような、そういう日本独特のホテル、旅館のあり方があってもいいんじゃないかと思うわけでありまして、むしろその後者の方に政府も関係機関も全面的にいろいろな支援をするという時代に入ってきたんじゃないかと思いますが、そのように受け取ってよろしゅうございますか。
○国務大臣(奥田敬和君) 今回の法改正の趣旨はまさにそこにあると思っております。全くそうだと思います。
○吉田之久君 だとするならば、むしろこれからのあるべきアジアの人たちを迎える面にやっぱり重点を注いでいろいろとこの法を整えていかれるべきでありまして、今までと同じような手法で、こういう設備に対してはこういう援助をしましょうとかこういう税のいろんな保護をしましょうとかあるいは減価償却の耐用年数の短縮をいたしましょうとか、そういう過去の形式ばかりにこだわっていることはむしろおかしいのじゃないかと思うんですが、そういう点で今度の法改正は十分配意されておりますか。
○政府委員(大塚秀夫君) 今回の法律改正の条文上は先生御指摘のような点が必ずしも明確になっておりませんが、例えば情報提供の内容においても、先生が今言われましたようなアジア客に対するサービスとかそういったものもあればそういう掲載もするとか、それからこれは法律上ではございませんが、実際にこれからサービス競争をする際において、多様なサービスの中で、例えば九州の地方ですと韓国からの外客が多いという場合に韓国語の表示を置くとか、こういった点は私ども法律とは別にきめ細かく指導し、かつそのための融資のあっせんその他も考えていかなければならないと考えております。
○吉田之久君 この法律をつくった時代にはデラックスな特殊設備であったものが今では普通の設備になってきております。だから、設備基準を示す別表第一を削除されたのは極めて適切であると思います。 この別表を見ますと、卓上に電話機ないしはベルが用意されていなければならないとかあるいは「換気設備があること。」とかあるいは「外気に面する開口部には、防虫用の金網が張ってあること。」とか「便所は水洗式であり、共同用のものにあっては、その入口から男女用の区別であり、かつ、座硬式便器の備付けがあること。」とか、まさに今昔の感でございますね。 だから、こういう別表はもはやさらに必要ではないと思うわけです。しかし、そのような負担をカバーする目的で設定された税法上の特典を残していらっしゃる点ほどうもちぐはぐな感じがするんですが、いかがですか。
○政府委員(大塚秀夫君) これから国際観行ホテルというものの登録対象の範囲を拡大しますが、しかし先ほども申し上げましたように、大都市を中心にまだまだホテル施設というのは不足し、その整備というのは進めなければならないと考えております。 その際に、ホテル整備の一助として税の優遇措置等はいまだ我々として必要な手段であると考え、これを一部残しておりますので、御理解を願いたいと思っております。
○吉田之久君 だから、これを残された意義というか趣旨は、むしろこれから新しくつくる、またその時代に対応しようとして努力される新しい小型の旅館と申しますか、そういうものがいろんな内部の設備をつくりやすくするようにということだと思うわけでありまして、既得権を保護する、あるいは新旧に差別が起こって、古いものは依然として守られているけれども、新しいものは顧みられないというようなことになっては非常におかしいと思いますので、今後法執行の中で最大の御配慮をお願いしたいと思うのでございます。 地方税の不均一課税による減免もその理由が消滅したと考えられますので、第三十二条は削除すべきではないかという意見さえあるわけでありますし、一方不均一課税は地方税法第六条二項によって地方自治体に認められておるわけでございます。むしろ、だからこれからはこの地方税法の六条二項によって地方自治体がみずから考え、みずから選択して、そして本当に細やかにそういう対応をしていくことの方が正しい時期、時代にきているのではないかというふうに考えるのですが、その点はいかがでございますか。
○政府委員(大塚秀夫君) 先生御指摘のとおり、地方税の不均一課税につきましては地方税法に規定があることから、国際観光ホテル整備法の規定がなくとも各地方公共団体が判断すれば可能でございます。 ただ、国際観光ホテル整備法の規定には登録ホテル、登録旅館に対する地方税の優遇措置をこの法律上認めているという宣言的な意味合いがございまして、実際上も多くの地方自治体はこの法律に規定があるということを根拠として地方税の軽減措置を実施していることから、こういう不均一課税ということが国際観光ホテルの整備上必要である以上は、やはりこの法律に規定を残しておくことが適当であると私ども考えているわけでございます。 ただ、これからの運用その他につきましては、サービスの多様化その他、時代に合ったような優遇措置ということもこれから私ども勉強していかなければならないと考えております。
○吉田之久君 最後に、一般の法体系では法律がつくられてある部分を政令に委任し、今度は政令が省令に委任するという順序、段階を踏んでいるのが常識だと思うんですが、今度の法改正を見ますと、今まで法律にありましたものが一遍に今度は省令で決められるというような部分がかなりあるように思うわけなんでございます。ちょっと法体系上それでは粗っぽ過ぎやしないのかなというような感じもするんですが、いかがでございますか。
○政府委員(大塚秀夫君) この法律に基づいて定められております運輸省令は内容が技術的かつ専門的でありますことから、合理的な範囲内で運輸省令に委任することとしたものでございます。 したがいまして、法律上も、「客室の構造及び設備並びに数が」「省令で定める基準に適合する」とか「ロビーその他の客の共用に供する室及び食堂の構造及び設備並びに規模が」「基準に適合する」とか、その何を省令に委任するかという根拠の対象は法律上明定しております。 それからもう一つは、そういう問題がないように、省令制定の際には広く関係者の御意見を委員会等を設けましてお聞きして万全を期するつもりでございます。
○吉田之久君 最後に一つ、大臣にお願いしておきますが、四十年間ほっておいた法律でございますね。しかも、今考えれば本当にいろいろと時代のニーズに適応しなきゃならない。したがって、改正しなければならない部分がいっぱいあると思いまして、改正されることは結構でございますが、ここから先はいろいろなお状況が変わってくると思いますから、絶えずやっぱり適切な時期に法改正を含む見直しを大いにやられるべきである。 それから、特にハードの面もさることながらソフトの面でもっと細やかな対応、本当に日本に来てよかったと外国人がどんな目的で来られても満足されるような、そういう状況をつくるために運輸大臣としても一層の御努力をお願いいたしまして、私の質問はこれで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○寺崎昭久君 今回の法律改正は、平成元年の臨時行革審の答申を踏まえて行おうとしているという御趣旨のようでございます。しかしながら、この改正案というのは見方によっては運輸省があめとむちでホテル業界等を監督下に置こうとしている、そのための資金等については民間に肩がわりさせようとしているのではないかとも読めるわけでございます。十九条、二十二条、二十四条、四十五条、第五章関係は、そう思って見ればそのように読めるわけであります。 しかし、登録業務とか登録事務というのは今日においてなお国がやらなければいけない業務なのかという疑問もあるわけでございます。 例えば、ホテル等のあり方あるいはランクづけについては国がガイドラインを示す。その基準を設けることによって、守っていればよし、守っていなければこのホテルはその程度だというランクづけを民間に任せることもできますし、また国が基準、ガイドライン等を示すだけで一元的に登録業務を行うのではなくて、登録業務については都道府県にゆだねるという方法もあるのではないかと思うわけであります。 そこで、二点質問をいたしますが、なぜ登録制度の維持を前提にして今回の法改正をやろうとされたのか。制度を存続させる場合でも都道府県にその登録事務を任せるという方法もあったわけですが、そのことは考えられなかったのか。 二つ目として、もっとホテル業界等の自己責任の原則を基本にした改正をすることもできるわけで、もしそういうガイドラインプラス罰則方式の強化のようなことをとった場合に予想される問題点あるいは利用者のデメリットについて御所見を伺いたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) まず、登録制度についてでございますが、ホテル、旅館の登録制度は外人客の接遇向上を通じた国際観光の振興の観点から、外国からの来訪客に対してホテル、旅館の優良性を公に表示し証明する機能を有するものと考えています。このためには国の信用を基礎とする政府による登録制度としておくことが必要であると考えております。 また、登録ホテル、登録旅館においては施設、サービスの一定水準の維持などを確実に担保するには所要の是正命令、立入検査などの公的な権限の発動が必要であること、また登録ホテル、登録旅館の整備促進のための税制優遇措置を講ずる必要があることなどからも政府の登録としておくことがベターであると我々は理解しております。 仮に、国がガイドライン、基準を設け都道府県や民間団体が格付などを行う方法があるのではないかということでございますが、国内客を対象とした法律でございましたら国がガイドラインをつくり、あとは都道府県に任せるということも一案として検討されるのではないかというふうに我々理解しておりますが、本法の対象は日本の事情に必ずしも詳しくない外国人であり、そのような外国人の来訪客接遇の観点からは国の信用を基礎とした公証が一番適切であると考えたわけです。 また、そのほか一定の施設、サービス水準の維持を罰則などで確実に担保する必要、税制の優遇措置を講ずる必要がありますが、御指摘にあるような、国のガイドラインに従って都道府県や民間団体が主体となって行う方法では、こういう方法、措置を講ずることは困難であると考えるものであります。 もう一つは、登録の件数、それから全国の統一性ということから考えますと、今回は国の登録制度で実際の審査事務を民間団体に委任するわけでございますが、全国一つの民間団体に委任して、そこでやる方が各都道府県でやるよりも国民経済的といいますかコスト面で見てもより効率的ではないかというふうに考えます。ただ、立入検査等においては都道府県にもやってもらうような法律制度になっております。 それから、自己責任ということについては、私どももその点は十分考えておりまして、今回事業者団体を指定してこの法令の遵守をそういった団体を通じて指導していくということは、法令の遵守について国が金をかけて人員を用意してやるよりも、第一義的には自己責任というような意味で事業者団体にやらせる方がより行政改革の趣旨に合うということで、法律上明定したわけでございます。
○寺崎昭久君 内なる国際化とか国際化は地方から必要なんだとか、あるいは地方都市でも外国と姉妹都市契約を結ぶようなところがふえている中で、都道府県ではとてもこの登録事務は行えない、あるいは不効率だというのはにわかに納得できないところでありますけれども、話を先に進めたいと思います。 今回、第十九条で、運輸大臣は登録事務を指定機関に行わせることができるとされておりますけれども、この機関の性格というのはどういう性格なのでしょうか。公益法人なのか特殊法人なのかお伺いします。
○政府委員(大塚秀夫君) 今回、指定法人というのは公益法人を考えでございます。これは十九条でございますが、指定をしないというので二十条の二項に書いてあります。「民法第三十四条の規定により設立された法人以外の者であること。」と二十条の二項の一号に書いてありますので、これから逆に言いますと民法上の公益法人ということになります。 特殊法人というのは、国で行う事務のうち企業性があり能率的な経営を行う必要があるものを行わせるために設立されたもので、例えば国際観光振興会などがそうでございますが、これは国に準ずる機関で国がバックアップするというようなことで、行政改革の趣旨から原則として新設は認めない、既存の特殊法人も業務をふやさないというような行政改革の方針がございます。 これに対して公益法人というのは、それぞれの構成要員が金を出し合って財団法人なら基金をつくり、社団法人なら社員構成をするということによって設立されますので、より行政改革の趣旨にも合うのじゃないかと考えております。
○寺崎昭久君 この法律には、登録制度を前提にして税制上の優遇措置等が予定されております。つまり、公益法人に登録業務を任せ、登録を根拠にして税の優遇措置を講ずるということになるわけですけれども、税というのは言うまでもなく国民にとっては権利義務にかかわる基本問題であります。したがって、相当重く見なければいけないんですが、この優遇措置を講ずる際に、公益法人の認定をベースにしてやるということについてはいささか疑問があるわけであります。 したがって、優遇措置を講ずるというような場合には、運輸大臣が登録ホテルの中から必要と認めたものに限定するというような措置が必要ではないかと私は思うわけでありますが、いかがでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 今回、公益法人が登録事務を行うというのは、これは本来運輸大臣が登録するという建前になっておりますが、法律上この運輸大臣の登録を行う事務を指定法人に代行させるということであって、あくまでも国にかわってやるということでございます。 したがって、指定法人の指定が取り消されたり指定法人がない場合には、また運輸大臣がもとに戻って登録するということで、運輸大臣が登録するのと機能は全く変わりません。公益法人はそういう代行事務を行いますので、その業務についての秘密保持義務もあり、刑法については公務員と同じにみなされるという職員に対する規制もございまして、国の登録事務というふうに御理解いただければいいんじゃないかと思います。
○寺崎昭久君 先ほど特殊法人の御説明がありましたが、この性格からいうと、むしろ公益法人というよりは特殊法人にこの登録事務を任せるという方が考えやすいわけでありますけれども、なぜ公益法人にしたのかもう一度御説明いただけませんか。
○政府委員(大塚秀夫君) 特殊法人というのは、特別な定義といいますか総務庁あたりの考え方がございまして、国が強制設立するような法人でございます。それから認可法人として国が金を出すけれども強制設立てないような特殊法人に準ずるものもございますが、こういうものはいずれも国にかわって国の事務を企業性を発揮してやるということで政府の延長みたいなものであって、「小さな政府」の要請からはできるだけ特殊法人ないし認可法人は抑制していくという方針でございます。 これに対して公益法人というのは、民間の企業なり関係者がみずから設立して民法上の許可を受けてやるものでございますので、この公益法人が適正に運営されれば、むしろ行政改革の趣旨に沿って「小さな政府」の実現になると私ども考えております。
○寺崎昭久君 改めて伺いますが、平成元年十二月の臨時行革審答申では、「国際観光ホテルの登録等の事務を民間団体等に委任する。」とありますけれども、これは公益法人の設立も含めてというように読まれたのでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 民間団体の中には当然公益法人が入ると考えております。公益法人というのは社団法人ないし財団法人という意味での公益法人でございます。
○寺崎昭久君 区分けで言えば公益法人というのは民間に入るのかもしれませんけれども、税制上の優遇措置を適用するような大事な仕事を扱うところが民間団体であっていいのかという、そういう面からの疑問も出てくるわけでございます。 この問題はこれぐらいにしまして、私は登録制度を前提にして、例えばホテル等に税制上の優遇措置だとか資金のあっせんをすること自体、今どき本当に必要なんだろうかという疑問があるからこの点重ねて質問しているわけでありますけれども、この優遇制度を設けた昭和二十四年でしたでしょうか、当時と比べますと我が国の事情あるいはホテル業界等の経営基盤にも相当な差があり、経営基盤も相当強化されているわけで、今さらこういうインセンティブをつけるということ自体が必要なんだろうかという疑問もあるわけであります。 こうした優遇制度をつけたことの是非、なぜつける必要があるとお考えになったのか、その辺の判断をお聞かせください。
○政府委員(大塚秀夫君) 確かに、ホテルというのは当時に比べて民間の力でどんどん整備されておりますが、いまだ大都市を中心としてホテルは慢性的な不足状況にございます。今後、特に外客のためにホテルを整備していかなければならない。その際に、大きなホテル、それから日本人客だけだったら基準の対象とならないようないろいろな外客接遇のための施設基準というものを守っていくホテルについてはそれなりのインセンティブを与える必要がある。 これも、長い期間の間に税制の優遇措置の内容も相当縮減してまいりましたが、この程度のインセンティブによって全体として外客接遇のためのホテルの整備が促進されるならば、これは国際相互理解の促進、国際観光の振興という上で大きな効果があるのではないかと考えております。
○寺崎昭久君 ところで、これまで運輸省が登録制度を担当されたときの中央、地方を通じての運営の仕組み、それに要した人員、経費等についてお尋ねいたします。
○政府委員(大塚秀夫君) ホテル、旅館の登録につきましては、現在は運輸省においてそのすべてを行っており、地方運輸局企画部地域整備観光課において申請の受け付けと現地調査を含めた第一次的な審査を行い、その後に本省運輸政策局観光部振興課において最終的な審査を行い、登録の是非を決定しております。 それに要する人員、年間経費につきましては、他の事務処理と合わせて行っているために登録事務だけのものを算出するのは困難ですが、いずれにせよすべて国の予算で賄われているところであります。 今、区分が困難だと申し上げましたので、それを分けるわけにいかないんですが、本省では登録事務ほかの業務をやっておりますが、登録事務にかかわっている者は三名でございます。それから、地方局では地方局ごとに旅行業、ホテル等の登録その他観光全体をやっている担当者がそれぞれの運輸局に一名配置されております。
○寺崎昭久君 そうしますと、この登録事務を公益法人に移管した場合、委任した場合も人員的にはその程度の人員だと考えてよろしいんでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) この指定登録機関としては、今既にございます公益法人の日本観光協会というところを想定しており、日本観光協会で代行機関としての今組織体制の整備等を検討しているところでございますが、私ども現在の予測としましては四、五名で登録事務を行うというので、今まで国がやっておりました体制と、件数はふえますが、さして変わらない形で効率的にやりたいと思っております。
○寺崎昭久君 その公益法人の経費の一部を賄うことになるのかと思いますが、手数料を取ることになっております。 この手数料というのは幾らになるのか、できれば教えていただきたいんですが、少なくとも手数料を算定する場合に、「実費を勘案して」「省令で定める」とありますので、実費の範囲についてお示しいただきたいと思います。
○政府委員(大塚秀夫君) 手数料を定める際に勘案する実費と申しますのは、登録に要する経費すべてでございますので、人件費、事務所費、調査費、また調査を委託する場合にはその委託費も含まれると考えております。
○寺崎昭久君 現行において、聞くところによりますと、年間の登録事務というのはおよそ五、六十件だと伺っております。 今回、倍増させる、そういう計画をもとにしておりますので、当面はもっと事務はふえるのかと思います。年間の六十件の登録事務を三人でやるとしても、相当割高な手数料を取らないと、これ自体では補てんできないのかなという気がするわけですけれども、手数料というのは十万円以上ですか以下ですか。
○政府委員(大塚秀夫君) これはもう少し実費を詰めなければまだ結論出ませんが、現在想定している手数料としては二、三万円程度ということであります。
○寺崎昭久君 二、三万円というと、仮に年間百件あったとしても二、三百万円ということになります。一人の人件費も出ないということになるわけですが、その場合にはどのような措置をされるんでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) この登録事務を行って、その登録の結果としてのいろいろな情報をもとに、日本観光協会を想定しています指定登録機関が同時に指定情報提供機関になる、そういう情報提供の業務に要する費用等をその要員にもぶっかけまして、全体としてこの手数料の範囲内でカバーするように運営をやっていきたいと考えております。
○寺崎昭久君 登録事務を移管するに当たって、仕事は外へ出した、運輸省の人数は減らない、お金は民間から取るということになりますと、結局行政改革に本当になっているのかなという疑問も生じないわけではありませんので、ぜひその辺のことをお考えになって運営していただきたいと思っております。 ところで、指定登録機関というのはいつごろ指定することになりましょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) この法律の成立時期というのがまだ決まっておりませんが、一年以内に施行するということで、来年の四月一日を一応念頭に置いております。その際には、施行後直ちに指定して、こういう業務を開始していくというつもりでございます。
○寺崎昭久君 私も登録事務の詳細というのはわからないわけですが、法文によりますと「全部又は一部」を委任するということになっていますが、一部とか全部という判断の基準というのはどこら辺に置かれているのか。 外部から見ますと、どこら辺まで登録機関がやっているのか運輸省がやっているのかというのはなかなかわかりづらいので、できれば、この業務についてはいつまでに登録機関に移管しますよというような計画を明示していただけるといいんではないかと思いますが、いかがでしょう。
○政府委員(大塚秀夫君) 今私どもは、指定機関が業務開始後直ちに全部の事務を委任するつもりでございますが、万一体制が整わないときには段階的に移行するということも考えまして、法律上は「全部又は一部」としているわけでございます。
○寺崎昭久君 それから、第三十七条に「登録事務に関して得られた情報の使用」という項目がございまして、この「情報の使用」というのは情報提供機関だけが登録機関から情報が得られるという意味なのかどうか、ほかには登録事務から生じた情報は出しませんという意味なのかお伺いします。
○政府委員(大塚秀夫君) これは現在運輸省に登録されております内容についてもそうでございますけれども、一般的に公表するものもあると思いますが、この登録審査を通じて情報提供することによって効率的な登録ホテル、登録旅館の内容についての情報を提供するのがこの機関だという意味でございます。 また、この機関がやることによって、法律上の規制等で企業秘密に属することあるいは公表すべきでないようなことを淘汰していくということも考えております。
○寺崎昭久君 先ほどのお話ですと、登録機関というのは日観連の中に置くようなお話に受けとめましたが、そうですか。
○政府委員(大塚秀夫君) 日観連ではなしに日本観光協会でございます。
○寺崎昭久君 いろいろそういう法人がございまして、例えば国際観光旅館連盟とか日本観光旅館連盟とか国際観光日本レストラン協会等々、運輸省の資料によりましてもどのように業務が違うのかなかなか見分けのつかないのが二ページぐらいにわたってあるわけなんで、私は、こういう法律を改正することもさることながら、もう少しこの法人を整理統合する必要があるんじゃないかと思っているんですけれども、そういう作業はされているんでしょうか、いかがでしょうか。
○政府委員(大塚秀夫君) 先ほど御説明しました特殊法人と違いまして、公益法人、つまり社団法人や財団法人の場合には、これは民間企業あるいは民間団体等が寄り集まって一つの公益目的のために法人をつくるということでございますので、それぞれいろいろな経緯あるいはグループがございまして、若干相互に重なる業務目的を持った団体もございます。 ただ、今後そういうものが相互に矛盾するような業務をやる、あるいは重複することによって支障が出るという場合には私どもも指導していかなければならないと考えておりますが、御指摘された公益法人については、今までのところ十分それぞれの公益目的を達して業務活動をやっているんじゃないかと考えているところでございます。
○寺崎昭久君 最後に、運輸大臣に伺います。 先ほど来、指定登録機関を設けることの是非あるいは今日においてもなお税制上の優遇措置が必要なんだろうかというお話を申し上げてまいりました。というのは、そういう優遇措置を講じたことが果たして利用者の利益となって返ってきているんだろうかという疑問もあるからにほかなりません。 したがって、今後そういう助成、優遇措置を講ずるにしても、例えば帝国ホテルとかホテルオークラのようなところを対象にするんではなくて、もう少し水準を引き上げるべき、言ってみれば経営基盤の弱いところに重点的に優遇措置を講ずるというようなことが今日的な方向ではないかと考えているわけでありますけれども、この優遇措置のあり方について大臣はどのように御認識されているのかお聞かせいただきたいと思います。
○国務大臣(奥田敬和君) 確かに、税制措置の優遇を講じた時期というもの、これは日本がいわゆるデラックスな、相当多資本を投下しなきゃいかぬような時期、こういった形のときにはこの税制の優遇というのは、大変日本のある程度のホテル水準が世界のレベルにまで到達したという段階においては非常に貢献をしてきたと思います。 しかしながら、今現在の状況では、やはり先生の御指摘のように、むしろ広く大きく参加してもらう公証、国が国際客を泊めるに値するという底辺をレベルアップするという形で、今回の法改正においても、むしろ今言われたようなデラックスな国際級旅館というのは余り賛成じゃなかろうと。我々が目指すのは、むしろ今まで日本客オンリーと言われたような、いわゆる民宿に毛の生えたと言ったらいかぬですけれども、日本型旅館でなおかつ外客を受け入れる最低の施設を整えるところ、そういう人たちにも広く参加して利用してもらわなければいかぬということですから、確かにもし優遇措置が拡大されるとすれば、薄く広く、しかもそういった新規登録になってくるような小規模態勢の皆さんにもこういった恩典が行き渡るような措置に持っていくことが望ましい方向ではなかろうかと。 まさにそういう方向で、今回の場合はひとつのガイドラインの外枠をつくるあれですけれども、中身に関して今後やっていくときにはそのような基本姿勢で取り組まなきゃならぬなと思っております。
○委員長(峯山昭範君) 他に御発言もないようですから、質疑は終局したものと認めます。 これより討論に入ります。 御意見のある方は賛否を明らかにしてお述べ願います。――別に御発言もないようですから、これより直ちに採決に入ります。 国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(峯山昭範君) 全会一致と認めます。よって、本案は全会一致をもって原案どおり可決すべきものと決定いたしました。 櫻井君から発言を求められておりますので、この際、これを許します。櫻井君。
○櫻井規順君 私は、ただいま可決されました国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案に対し、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党、連合参議院及び民社党・スポーツ・国民連合の各派共同提案による附帯決議案を提出いたします。 案文を朗読いたします。 国際観光ホテル整備法の一部を改正する 法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、次の事項につい て万全の措置を講ずべきである。 一、登録ホテル・旅館の対象が拡大されること により、すべての利用者特に外客に対する サービスが低下しないよう配慮すること。 二、指定登録機関の行う情報提供に当たって は、その内容が利用者にとって分かり易いも のであるとともに、ホテル・旅館にとって不 適切な差別を設けるものとならないよう十分 配慮すること。 三、外客接遇主任者の選任に当たっては、本制 度が初めて導入されることにかんがみ、ホテ ル・旅館に過度な負担を与えないよう留意す ること。 四、ホテル・旅館の登録基準等の省令策定に当 たっては、関係者の意見に十分配慮するとと もに、安全性の確保、損害賠償の充実等につ いて十分留意すること。 五、登録ホテル・旅館において、高齢者、障害 者の利用が促進されるよう指導すること。 六、本法の施行により、ホテル・旅館従業員の 労働条件が悪化しないよう配慮すること。 右決議する。 以上であります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○委員長(峯山昭範君) ただいま櫻井君から提出されました附帯決議案を議題とし、採決を行います。 本附帯決議案に賛成の方の挙手を願います。 〔賛成者挙手〕
○委員長(峯山昭範君) 全会一致と認めます。よって、櫻井君提出の附帯決議案は全会一致をもって本委員会の決議とすることに決定いたしました。 ただいまの決議に対し、奥田運輸大臣から発言を求められておりますので、この際、これを許します。奥田運輸大臣。
○国務大臣(奥田敬和君) ただいま国際観光ホテル整備法の一部を改正する法律案につきまして、御熱心な御審議の結果、御可決をいただきまして、まことにありがとうございました。 また、附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、運輸省として十分の努力を尽くしてまいる所存でございます。 ありがとうございました。
○委員長(峯山昭範君) なお、審査報告書の作成につきましては、これを委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○委員長(峯山昭範君) 御異議ないと認め、さよう決定いたします。 本日はこれにて散会いたします。 午後五時二十五分散会 ―――――・―――――