労働委員会 第5号
- 発言数
- 279 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/04/24
会議録
○川崎委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。長勢甚遠君。
○長勢委員 今高齢化が進んでおるわけでございますが、高齢者の老後の生活をどのようにしていくかということが大変大きな問題であると同時に、労働力不足ということもあわせて大きな問題になっておりまして、介護の関係の労働者をどういうふうに確保していくかということが、その接点として大変重要な時期になっておるわけでございますが、そういう中で、今回このような法案を用意されたことに対しては心から敬意を表しますとともに、大変時宜にかなったものと賛成をいたしたいと思います。 しかしながら、この問題は、老後の生活全体をどうしていくかということは、厚生省施策と大きな関連を持つわけでございますので、労働省、厚生省、連携を持って施策を進めていただきたいと思います。 そういう意味で、その点について、特にゴールドプラン等の推進も国策の大きな柱でございますが、この法律をもってどういう方向でお進めになるのか、別途厚生委員会でもほかの法案も審議をされておられますが、両々相まって、高齢者の方々の不安をなくするということが期待されるわけでございますので、それについての大臣の御決意をお伺いをいたしたいと思います。 同時に、この問題は、公的な制度、仕組みだけで解決をするという問題ではないのじゃないか。むしろ、老後の生活がどうなるかということを考えるときに、特に人の確保を考えた場合でも、基本的に制度、仕組みだけではなくて、その方々が大変な御苦労をされておられる、奉仕の精神を持って一生懸命やっておられるということが基本にあるわけでありまして、そういう方々を大いに激励をしていただいて、また、社会的にも評価をしていただく、イメージアップを図っていただくということがないと、結局どういう制度をつくっても人材の確保ということが十分に行われないのじゃないかと思うのでありますのでありますので、どうかひとつ大臣から皆さん方を大いに激励をしていただきたい、このように思いますが——大臣はもう出られたのですか、五分間はおられると聞いたものですから……、失礼しました。それではちょっとこの話は後で大臣に総括的にお伺いをすることにいたします。 今こういう観点から質問を進めたいと思っておりましたが、この法律の内容に入ります前に、全体的に、老後生活の世話をだれがするのかということを高齢者全体が大変不安に思っておるというのが私は現状だと思うのです。今回の法律で、介護労働者という定義をして、それについていろいろな施策を講じておられるわけでございますが、国民の方々の側からしますと、これで何かいいことあるだろうとは思いながらも、漠然と、老後の世話というものはだれが面倒見てくれるんだ、全体としてどういうことになるんだろうということをみんな不安に思っておられるのが私は現状だと思うのです。私自身でも、年とったらどうなるんだろうなということを心配をするわけであります。 しかし、そのニーズは極めて多種多様でありまして、公的な制度だけで対応できるというものではないということでありますから、全体的に総合的に、老後の生活の世話というものが社会全体としてどうなるかというイメージを持って対応していくことが、高齢化社会において老後を迎えようとしている方々に安心感を与える私は大事な視点だろうと思うのであります。こういう観点は、総合的に老後生活の安定ということを担当されておられます厚生省において、大きなビジョンを持って全体を考えていっていただきたいなと思います。 現実に人の面から見ますと、今ホームヘルパーの方々だとか、そういう公的な立場の方々を含めて、家族も大変苦労しております。シルバー産業もございますし、ボランティア活動をやっておられる方もおられる、家政婦の方々もおられる。また、シルバー人材センターの方々も何らかの役割を果たしておられると聞いておりますし、さらに、地域的な活動あるいは自発的な民間の相互扶助のような活動も発展をしているように聞いておりますし、また企業においても、そういう家庭を持っている方々に対する支援活動というものも行われております。こういうものをどういうふうに位置づけて、全体としてどういう老後生活を社会全体として考えていくか、その中で、公的な制度というものをどの部分どういうふうに位置づけていくのかということが私は大事な問題だと思うのです。 先ほども申しましたように、私自身の問題でもあります。あと何十年後かわかりませんが、これから年とったら、だれがどうやって世話してくれるんだろう、それをある程度わかってこれから準備もしなければならぬという立場でもありますので、個人の側から見て、国民の側から見て、老後になったらだれがどういうふうに世話をする、してもらう、してもらわなければならないというふうに考えていくべきなのか、どういう方向を目指していかれるのかということについて、厚生省の方からお考えがあればお教えをいただきたいと思います。
○中村説明員 例えば、介護が必要になったような場合につきまして、個人といたしましてどのようなお世話がされるのか、また、これから人口が高齢化していく中で、高齢化社会の中においてどのような老後の安心というようなシステムがつくられていくのか、こういった点についての先生のお尋ねだと思います。 現在、人口の高齢化が進んでおり、寝たきりや痴呆性の老人など介護を必要とするお年寄りがふえているような状況でございます。約七十万人の寝たきりの老人がおられるというふうに承知いたしておりますが、そのうち二十四万人程度が在宅で介護を受けられております。介護されておられる主体は、四割がお嫁さん、それから三割が配偶者、二割がそのお年寄りのお子さん、このような状況のように承知いたしております。 厚生省といたしましては、高齢者の多くは、たとえ寝たきりや介護を要する状態になりましても、住みなれた自分のお宅や地域において家族や隣人の方々と暮らし続けることを望んでおられる、こういったことから、在宅生活を基本的には支援していくことが必要ではないか。また、どうしても在宅で暮らし続けられなくなったような場合には、適切な介護施設というようなものを整備していくことが基本ではないか、このように考えております。 このような観点から、先生御指摘のように平成二年度より「高齢者保健福祉推進十か年戦略」ゴールドプランを作成いたしまして、平成十一年度までの目標を掲げ、公的な高齢者保健福祉施策の充実に取り組んでいるところでございます。 基本的なサービスにつきましては、このような公的サービスの充実を図りますとともに、これから高齢化社会が進んでまいりますし、いろいろ高度、多様なニーズも出てくると思いますので、そのようなサービスにつきましては、いわゆる民間のシルバーサービス、こういったものも利用しながら適切な介護が受けられるような体制づくり、社会づくりをしていきたいと考えております。 また、先生からお話がございましたように、公的なサービスにおきましても介護する温かい心というものが必要でございますが、このほか公的なサービスとはまた別途のものといたしまして、ボランティア活動ですとか、いわゆる住民参加型福祉サービスと呼ばれているような幅の広い国民のボランティア活動あるいは介護への参加がございます。こういったいわば潤いのある福祉社会づくりに必要なボランティア活動、あるいは住民参加型サービスというような新しい動向も、公的なサービスとともに十分目配りしながら、国民の皆様方一人一人が安心して老後を送られるような福祉社会づくりに努めている、こういうふうな状況でございます。
○長勢委員 我々は政策を考えるということになると、どうしても、何か金をつけるとかあるいは法律を含めた制度をつくるといったようなことに頼りがちだというのは、私は一つの問題じゃないかと思うことがあるわけであります。 特にこのような、今御答弁のように、一種のある一定水準以上の介護についてこういうことをしたいということについてはまことにそのとおりでありますけれども、老後の生活というのは個々人によって大変幅広いものでありますから、そういう意味での政策の対象とならないものであったとしても、全体としてこういう社会にしていくんだといったようなものが公的な立場から言及を走れるとか、あるいは推奨されるといったようなことがないと、ただある部分だけが一生懸命やってもらえるというだけでは、生活全体としてはなかなか不安感はぬぐい去れないと私は思いますので、具体的に予算をつけるとか——例えばボランティア活動にしても予算をつければいいというものではないと私は思うのですね。もっと別の行政、政治のあり方というものがあると私は思いますので、そういう点も含めて、ひとつ大きな総合的な老後生活のあり方ということについての啓発活動といったようなものをぜひやっていただきたいと思います。 ところで、また実際ホームヘルパーさんなんかをやっておられる方々の御苦労話を聞きますと、本当に大変だと私は思いまして、大変敬意を表しておるところであります。しかし、現実にはその仕事は大変つらいお仕事でもありますし、同時に、それに対して、処遇もさることながら特に社会的な評価もそんなに高くない、イメージもよくないということもよく聞くわけであります。現実に、そういう仕事に携わりたいけれども、どうも家族の者に格好が悪いからやらないでくれと言われるのでなれないといったような話さえ聞く状況であります。 こうなってきますと、やはり人材確保という面でも、制度的な手当てだけではなくて、その方々のイメージアップを図る、あるいは社会全体にそういう助け合いというかボランティアと言ったらいいのかどうかわかりませんが、そういう雰囲気、思想、感覚というものをもっともっと強くしていかないと、ただ労働条件をよくしたとか労働環境をよくしたとかといったことだけではこれからの高齢者社会で必要な人材というか仕組みをつくっていくことは私は不可能だろうと思うのであります。 そういう意味で、ぜひこういう方々の御苦労を評価をする、あるいはそういう使命感あるいはボランティア精神、助け合いの心というものをもっともっと、個人のみならず地域社会、職場、あらゆる面で高まっていくようにひとつ御努力をいただきたいと思うのでございますが、厚生省さんの方であるいは労働省さんの方で、どのような考えてお取り組みになっておるか。これは金とか制度の話ではないと私は正直言って思っておるのでございますが、そういう点についてお考えがあればぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○中村説明員 先生の貴重な御指摘でございます。予算の問題とか制度の問題だけではないという御指摘で、まさにそういった面は大事ではないかと思っております。 例えば、御指摘のありましたホームヘルパーさんのあり方についてでございますが、社会的な評価と処遇の面というのはまた密接に連関している、こういうふうに認識いたしております。一方で、社会的評価が余り高くないからそれなりの処遇しか受けられないというような問題もございますし、また、処遇をきちっとしていくためには、まさに優秀な人材を得て立派な活動をし、それがさらには社会的な評価が上がる、こういうようなことがあろうかと思います。 そういった意味で、予算にはね返るわけではございますが、平成四年度におきましては、ホームヘルパーさんの処遇の改善を図るため、例えば国の補助基準であります手当の大幅な改善を図るとともに、何といいましても、介護につきまして社会の方々の関心を高めていただく、こういうことも必要だと思っております。 厚生省の方では、平成三年度から、例えばホームヘルパーさんにつきましては、四十時間、九十時間、三百六十時間という研修課程を設けたところでございますが、例えば通信教育をされております学校法人NHK学園などの方で、九十時間のホームヘルパーさんの課程を通信教育課程に盛り込まれましたところ、この四月から開議したわけですが、下は十五歳から上は八十歳までの方が参加され、五百人の定員でございましたけれども、もう五百人を超える希望者が殺到されて、前期、後期と二コースに分かれる、こういうような盛況を呈しているところでございます。 こういった介護に対する関心などが社会に高まってくる中で、ホームヘルパーさんの仕事に対する御認識も高めていただき、それが介護労働に従事されている方々のイメージアップにつながる、例えばこういった例もあるのではないかと思っておりますので、いろいろ処遇の面、養成研修の面、それから社会的なイメージアップ、その評価の向上につながるような施策を総合的にとってまいりたい、こういうふうに考えております。
○若林政府委員 我が国の高齢化に伴います介護労働力の需要の増大というものに対処いたしますためには、介護労働の一翼を担っております家政婦の方々の働きというのがますます大きくなってくるというふうに思うのでございます。 そして、この点につきましては、ただいま先生御指摘ございましたように、こういう方々のイメージアップを図っていくということが大変大きな課題であるというふうに思います。また、こういう方々は、いろいろ調査をいたしますと、ぜひもっともっと自分たちの能力の向上を図りたいという御希望があります。そして、そういう中でさらにイメージアップを図っていきたい、こういうお気持ちが強いわけでございます。 しかしながら、こういう方々につきましては、その雇い主が介護される人でございますとかあるいはその御家族ということでございますから、個人でございまして、雇用主としての義務を持ってそういう仕事のイメージアップを図るとかあるいは資質の向上を図るというような形になっていないというところが大きな問題でございます。 したがいまして、私どもといたしましては、こういう介護労働者のイメージアップを図る、資質の向上を図っていくというためには職業紹介事業者の協力が不可欠でございまして、今回御提案申し上げております法律におきましても、職業紹介事業者は、家政婦の「福祉の増進に資する措置を講ずるように努めるものとする。」こういう規定を入れさせていただいておるわけでございまして、こういった形で家政婦の方々のイメージアップあるいは資質の向上を図っていきたい。具体的には、指定法人でございます介護労働安定センターにおきましてさまざまな事業を行いまして、先生おっしゃいますようなイメージアップを図る、社会的な地位を向上させていく、こういったような事業を進めていきたいというふうに考えております
○長勢委員 ぜひそういう方向で進めていただきたいと思います。 確かに大変御苦労されておられて、しかも、その方々が純粋な気持ちで、使命感を持ってお働きになっておられるわけでありますが、逆に、社会的に、あの仕事はつらいんだとかあるいは処遇が悪いんだ、この点は事実でありますから、今回の法律のように、できるだけそういうものの解消を図ることが一つの大きな重要な点でありますけれども、同時に、そういうことを余り言い続けることが逆に、何というか、違った意味合いを持つこともあるやに聞きますので、そういう処遇の改善等とあわせて、大事な仕事なんだ、一生懸命やってもらっているんだ、また、そのことがこれからの社会において大変大事な心なんだということを事あるごとにPRするというか、社会に啓蒙を図っていただきたい、このことをぜひお願いしたいし、そのことがやっておられる方々をさらに勇気づけることになるだろうと私は思っております。 それで、今安定局長から家政婦さんについて言及がございました。大変御苦労されていただいて、また大変大きな役割を果たしていただいておるわけでございますが、同時に、一部でございましょうけれども、家政婦さんの仕事の内容というか資質というか、そういうことについて若干問題を指摘する向きもあるやに聞くわけであります。これはまことに残念なことでございまして、こういう点について、それなりの団体もあるようでございますから、ぜひ資質の向上その他そういう社会的役割をもっとスムーズに果たせるような指導というものが私は必要であろうと思いますし、また、職業としてなさっておられる方々でありますから、その職業人生がうまくいくように、また不安がないようにといった意味で、例えば共済のようなこともこれから考えてあげた方が、その方々に活躍していただく上で重要じゃなかろうかと思うのでございますが、今回の法案でそこらについてどのようにお考えになっておられるか、お伺いをしたいと思います。
○若林政府委員 家政婦の方々の資質の向上ということは、御指摘のとおり大きな課題であると存じます。 ただいま申し上げましたように、家政婦の方々のアンケートをとりますと、もっといろいろな勉強をしたいということを言っておられるわけでございまして、今回の法案の中にございます介護労働安定センターにおきまして、こういった家政婦の方々に対してその能力の開発向上を行う研修を強力に推進していきたいというふうに考えておるところでございます。また、こういった家政婦の方々につきましては、やはり雇用主が個人の御家庭というようなことでございますので、今回は、職業紹介事業者に対して家政婦の「福祉の増進に資する措置を講ずるように努める」ということを法律上明記させていただいておるわけでございます。 そういった観点から、この指定法人でございます介護労働安定センターにおきまして、家政婦の福祉の増進をするための援助事業、具体的には、ただいま先生御指摘の共済事業でございますけれども、こういったものを推進していきたいというふうに考えております。 そして、このたび雇用促進事業団に基金を設けさせていただいたわけでございますけれども、この基金を活用いたしまして、介護労働安定センターが行いますこういった事業、あるいはこういった介護労働安定センターが行う事業に対して協力いたします職業紹介事業者に対しまして、一定の助成を行いまして共済事業の円滑な運営を推進していきたい、こういうふうに考えているところでございます。
○長勢委員 今度の法案におきまして認定特定事業主というものを認定をいたしまして、そして国等がこれに助成なり援助なり指導なりをするという仕組みをお考えになっておるようであります。先ほど申しましたように、この世の中にいろいろたくさんの介護に携わっておられる事業主というのがおられると思うのでございます。この対象は政令で決めるということにされておりますが、具体的にどの範囲がこの対象になるのか。まあ私も役人をいたしておりましたが、おれは入るはずじゃなかったのかと後で言われたりすることもちょいちょいありましたので、この際、国民の方々に誤解のないように、こういう方々を対象にするんだということをひとつ明確にしていただきたいと思います。 また、それらの方々に対して本当に役に立つ援助ということになるのかどうかもみんな不安に思うところだろうと思います。この認定をされるためには大変手続が面倒だ、あれだけやったけれども大した援助も受けられなかったということではこの法律も生きないわけでございますので、具体的にどんないいことがあるのかという点も明らかにしていただければありがたいと思います。
○若林政府委員 この法律におきましては、改善計画の作成主体は、事業主のうち政令で定める事業を行う事業主というふうになっておるわけでございまして、政令では、介護事業のうち社会福祉事業以外の事業を定めたいというふうに考えております。したがいまして、特定事業主とは民間の介護サービス業の事業主をいうということになります。 この民間の介護サービス業の事業主といたしましては、現在、有料老人ホームの事業主、それから在宅介護サービスの事業主、在宅入浴サービスの事業主が存在しているところでございまして、本法の施行に当たりましては、それらが広く特定事業主に該当するというように運用してまいりたいというふうに考えております。 そして、こういったような認定を受けました事業主につきましては助成制度があるわけでございますけれども、こういった事業主が介護労働者についての業務体制の改善に必要な施設の設置、整備を行った場合につきまして、それに要した費用の一部を助成することといたしております。例えば、こういった介護サービス業の事業主の方が労働者住宅をつくりますとかあるいは福利厚生施設をつくりますとかあるいは研修施設をつくりますとか、こういったような場合につきましては、その施設の設置、整備に要しました費用の額に応じまして五十万から五百万までの助成金を支給する、こういったような助成制度も用意しておるところでございます。
○長勢委員 介護というか老後生活を社会全体として考えていく必要があるんじゃないかということを先ほど申し上げたわけでありますが、その中で家族の役割というものがやはり基本的には大変大事じゃないかと考えます。 近年、ややもしますと家族のつながりが大変希薄化をしておるという風潮があって、年老いた親等が、もうこれからは子供には面倒見てもらえないんだという大変寂しい思いをしておられる、不安を持っておられるということは、いかに豊かになった国とはいえ、こんなことでいいんだろうかなということを感ずることも多いわけであります。我が国では、生み育てていただいた親を子供が面倒見るというのは、私はいい風潮だったんじゃないかなと思いますし、ぜひこういうものは尊重していくことがいいんじゃないかと考えます。 これは制度で云々する問題だけではないと思いますが、職業と介護の両立ということはなかなか難しいのです。いろいろな理由があるんでしょうけれども、何か仕事を優先したいという気持ちがあったり、また一方で、介護というのは大変精神的、肉体的に苦痛でありますから、これは避けたいという気持ちがある。その結果として親がほっぽられるというのは、何かどうも価値観がバランスが崩れているような気がしてしょうがないわけであります。なかなか難しい問題でありますけれども、これをひとつ解決をしていく手がかりは、やはり介護休業制度といったようなものにもう少し真剣に取り組む必要があるんじゃないかと思っております。 現在、企業においても、幾つかのところでは取り組んでおられるように聞いておりますが、具体的にどんなような内容で、どんなようなことが行われておるのか。そしてまた、労働省でもこの問題について今検討されておると聞いております。法制化というまでにはまだ時間がかかるような気もいたしますが、今後どういうふうな方針で介護休業について取り組んでいかれるのか、お聞かせをいただきたいと思いますので、お願いいたします。
○松原政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、老親等の介護にとって家族の果たす役割というのは非常に大きいものがあるというふうに思います。こういう介護が必要な家族を抱えた労働者にとっては、職業の継続と介護とをどういうふうに両立させるかというのは、また非常に大きな課題であるわけでございます。そういうことで、御指摘の介護休業制度というのは非常に重要な意味を持つ制度だというふうに私ども考えております。 現在、これを導入しております事業所というのは一四%程度でございます。私どもとしては、もっともっと多くの事業所にこの制度を導入してもらうようにということで、平成二年度よりさまざまな形で働きかけをいたしておりますが、現在は、介護休業制度その他、介護についてのいろいろな支援策についてのガイドライン策定に向けた最後の検討段階に来ております。 今後は、このガイドラインを策定いたしまして、それに沿った普及策を推進してまいりたいというふうに思っておりまして、法制化問題、御指摘ございましたけれども、これについても必要に応じまして検討していきたいというふうに考えているところでございます。
○長勢委員 時間が参りましたが、大臣がせっかくお見えになられましたので、一言だけ質問させていただきます。 この法案について、大臣が大変な御努力をされて取り組まれたことに対しまして敬意を表しますとともに、私も大いに賛成であります。 私の申し上げたかったことは、ちょっと時間の割り振りを間違えまして先ほど申し上げましたが、私は、大臣に一言だけでも結構ですから、今この介護の問題に従事をされている方々が大変な奉仕の精神を持って苦労をされておられる、そして、大変つらい仕事でありますしいろいろな問題はありますが、そういう気持ちがあってこそ、これからの介護労働力の確保ができるんだろうと思うのです。単に制度やそういう問題をうまくやれば済むという問題ではないんじゃないかなと思うだけに、せっかく苦労されておられる方々に対して大いに激励をしていただいて、そして、大臣がそういうことをいろいろなところでおっしゃることが、そのイメージアップにつながり、力づけ、また人材の確保につながっていく。我々の国では助け合いという精神が失われつつあります。大臣から、ぜひこの方々を激励していただいて、そういう気持ちがこれからの高齢化社会に大事だということをひとつ明言していただければ、これからの日本の社会にとって大変有意義だと思いますので、一言で結構でございますが、お気持ちをお聞かせいただきたいと思います。
○近藤国務大臣 参議院の本会議で能力開発法の改正案を通すということで、そっちに参っておりましたので、申しわけございません。 先生からお話があったわけでございますが、もう言うまでもないことでございますけれども、我が国は大変豊かな社会だけれども、片一方で高齢化が進んできて、片方では出生率の低下から労働力の供給が大きく期待できない。こういう中で、これまで社会の発展のためにいろいろ努力をしてこられた方々の老後について、私ども、十分な思いやりといいますか配慮をする必要がある、それがまさにこの介護労働の問題でございます。 政府も、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」というので国の施策としてもいろいろ考えてまいったわけでございますが、そうした公共部門の施策と並行いたしまして、民間部門においてといいますか、介護に携わってもいいよというお気持ちの方々もたくさんいらっしゃるわけであります。そういった方々の介護労働のいわば条件というものが、お仕事の大変御苦労なさる割には必ずしも十分ではないんじゃないか、こういうこともございます。したがいまして、そうした積極的に介護してやろうというお気持ちの方々が表に出ていただくためのいろいろなシステム、体制をつくる必要がありますし、同時に、そういった方々御自身の、まさに福祉の問題、労働条件の向上問題についても我々としては十分に配慮する必要があるのじゃないか、こういうことでございます。 そんなことで、今般、この法案を提出させていただいて御審議をお願いしているわけでございますが、先生からお話もございましたように、まさに介護という大事な社会的役割について、積極的に御参加される方々のことを十分に考えながら、そういったことで介護労働力の安定的な確保を図りたい、こう考えておりまして、いろいろ私ども一生懸命この問題に取り組んでまいりますので、どうかひとつ御理解賜り、また御支持をお願いいたしたい、御指導もお願いいたしたい、こういうことでございます。
○長勢委員 終わります。
○川崎委員長 岡崎宏美君。
○岡崎(宏)委員 介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律案、名前だけではなくて、この内容につきまして、大変多くの皆さんが期待を込めて実は注目をしてきたし、注目をしている、こんなふうに受けとめているわけです。 その中身というのは、安くて、手っ取り早く労働力を求めるということではないというふうに私は受けとめたいわけです。そうであるなら、十分な教育と実地の経験といいますか訓練を経た人材、それを長期的に確保をしていく、このことを目的に今求められているのは、介護業務の社会的な評価の向上、先ほどの質問の中でもイメージアップという言葉がありましたけれども、社会的な評価を向上させること、労働条件の改善、養成力の強化というものを具体的にどう進めていくのか、ここに期待の主なものがあるというふうに私は思っております。けれども、その期待が大きければ大きいほど、どうもよくわからない、どうも具体的なものが見えてこないという、ある種の不満といいますか不安の声というものもまた、最近あちらこちらから聞こえてくるのも事実でございます。 そこで、確認も含めまして幾つかお尋ねをしたいと思っているわけですが、その前に、私はぜひ大臣に、基本的な認識についてお尋ねしたいことがございます。 ノーマライゼーションといいますか、この理念というのは、今もうだれもが否定をいたしません。むしろ納得をして、進めていきたいというふうに思っているわけです。その観点から、今いろいろな角度から追求されていると思うのです。 例えば、先ほどの御質問の中で、どうも最近親の面倒を見るといういい風潮が薄れてきた、価値観が非常にバランスを崩しているんではないか、こんな御質問がありましたけれども、これまで私たちのこの社会の中で福祉が大変立ちおくれてきた一つの原因が、どうも家族にその責任を押しつけてきた、親の面倒を見るのは娘であり嫁であり、ここにすべてを押し込めてきて、そのほかの社会的な本来しなければならない施策というものを忘れてきたことによるツケが回ってきているというふうにも私は受けとめておりますし、介護休業というのは、労働力が確保できないことを肩がわりさせるものではなくて、主に公的に、あるいは今回厚生省が進めている理念に基づいた施策を進めていく中でも、その中で従として家族のつながり、こういうものを求めていくために、私は介護休業ということが今模索されているんだろうと思うのです。 このことはとりあえず申し上げておきたいと思うわけですが、家族を犠牲にしなくても、これは逆に言うと、いろいろな形でそういう状態が生まれるわけですから、ひとり暮らしであっても、今住む地域で在宅でどういうふうに豊かに生きていくことができるか、そのためには思い切った手だてが必要だ、こういうことであろうと思います。 そのときに、今各方面から指摘されておりますのが、精神力だけではもう無理だ、非常に物的な条件がなければならない。その物的な条件が私は人の確保ということだろうと思いますし、訓練をされている、そういう豊かな人材だというふうに思うわけです。このことについては大臣は異論はないというふうに思うわけですが、一言お伺いをしたいと思います。
○近藤国務大臣 先ほど申しましたけれども、介護という問題、これは大きな社会問題になってまいりますし、私も年老いた母親を一人持っているわけでございますが、やはり老後、特に介護の必要な状況になった場合に家族に見てもらうということは、私は、親としてうれしいことだというふうにこれは文句なしに思うわけでございます。しかし同時に、今いろいろ仕事も片っ方である中で、そうした介護というものとそれから職場というものをどういうふうに調整するかということも、これも労働行政の大きな課題であって、その一つの考え方が介護休業ということだと思うわけでありますけれども、それはそれとして、こういった高齢化社会が進めば進むほど、この方々に社会的にどういうふうにその対応をするか、介護させていただくかということについての制度をつくっていく必要がある。 そこで、もうはしょって申しますけれども、公的な制度、高齢者福祉十カ年計画の中でもいろいろ考えておりますが、そういう政府が直接やる、または、政府と関係のあるものと並行しながら民間の中に介護労働をやってもいいよという方もたくさんいらっしゃるわけでございますから、そういった方が積極的にこの問題に取り組んでいただくような環境整備をする必要がある。そのために、いろいろな制度が必要でございますが、やはりそういう介護労働者の方々の労働条件の向上、安定、そして必要な場合の福祉対策、こういったことについても十分な配慮をしないで、ただこれは大事だからやってくださいよというだけではいけない。したがって、介護労働者のための福祉の向上、雇用の安定ということが、必要な介護労働を社会に引き出すために非常に大事なことではないか、これが今回の法律の一つ大きな目的であるというふうに御理解いただきたいと思います。
○岡崎(宏)委員 少しちょっと冒頭に時間をいただきたいと思っているわけですが、今、だから介護労働者の福祉の向上をということでございました。 当然前段で、大臣はこの法案提出に当たっていろいろな状況をつかんでこられたと思います。ですから、三Kとか八Kとかそういうふうに言われる仕事があるというのも御存じでしょうし、そういうふうに言われている仕事の中に、ヘルパーさんや看護婦さんという介護や看護の仕事に従事をする人たちの仕事があるということも御存じなわけですね。そうですね。 そういう仕事に携わってくる人たちは、ある意味では非常に意欲を持って、その仕事に働きがいというものを持って入ってこられる方がほとんどです。ところが、その人たちをして長続きをすることができない、人手不足になってしまう。こういう今の現状の原因は一言で言うとどこにあると思われますか。
○若林政府委員 やはり多くの方々が、この介護労働の分野というものに、その仕事に対する魅力を持って、学校でまた訓練を受けて参加されるわけでございますけれども、そういった方々が短い期間に離職するケースが少なくないというのが現状でございます。こういった介護労働の分野における需給の問題というのは、もとより養成の問題もございますけれども、ただいま申し上げましたように、多くの方々がその分野へ、この職場に入って、そして離職をしていかれるという現状でございます。 これにつきましては、いろいろな問題点が指摘されておるわけでございますけれども、やはり一般的に共通して言えますことは、こういった方々をめぐります雇用管理というものについて不十分な点が多いということであろうかと存じます。したがいまして、今回お願いしておりますこの法案の基本的な考え方も、こういった介護労働の方々をめぐる雇用管理というものをどのように改善していき、そういうことによって、自分たちが意欲を持って入った職場に介護労働者の方々が安定して働ける、そういった環境をどういうふうにしてつくるかということをこの法律は目指しているわけでございます。
○岡崎(宏)委員 求める側にすれば非常に具体的なことを求めているわけですけれども、法案になって御説明になりますと、それがぼんやりした形になってくるので、この辺が求める側と提案する側とのギャップじゃないかというふうに思います。 ぜひこの新聞だけ私は聞いていただきたいと思います。これは、今週月曜日、四月二十日の毎日新聞です。ここに、今回の法案の先頭を切るような形で、先行しているといいますか、やりました長野の方の話がございます。これはヘルパーさん全員を正規職員にした長野市の社会福祉協議会の現場の係長さんの発言です。「私も嘱託ヘルパーの経験があるが、正規職員になって職業意識が変わった。嘱託が手抜きをするわけではないが、公的組織の一員に位置付けられると「自分の町を支えたい」と責任感がわく。昨年の新規採用では若干名の求人に七十人以上が応募した。給与が上がればハードな仕事を要求されるが、我々もやりがいがあるし、老人にはプラスになる。」 これは新聞の中の小さなコメントです。けれども、私、これは一つの例だというふうにお受けとめになるかもわからないけれども、非常にはっきりと今みんなが求めているものが出ていると思います。つまり、魅力的な職場だ、そういうふうにわかれば労働力は集まってくる、働く人はそこに集まってくるということの非常に端的な例だろうと思うのです。非常に思い切った今回の法案の中で、具体的な改善というのは、つまり身分をいかに保障するのか、賃金をどういうふうな基準に引き上げていくのか、そういうことが実は多くの人たちの中には求められているということをまずお忘れなくいただきたいと思うことでございます。 さて、これから法案の中で確認をさせていただきたいことがあるのですが、一つだけお尋ねをいたします。大臣、大臣の正直な気持ちでお答えをいただきたいと思います。 今長々と私いろいろなことを申し上げましたけれども、そういう求められるものを供給しようという側から考えたときに、今回の法案は、大臣、採点されて百点満点だ、こういうふうに思われますでしょうか。もし百点満点だとおっしゃるなら、今後の労働省が持っていらっしゃる見通しというものをお示しいただきたいと思いますし、残念だけれども今の時点では百点じゃない、もしそういう御認識であれば、しかし私たちは百点にしたいと思っているわけだから、どこを一番努力すれば百点になる、こういうふうにお考えか、このことだけぜひお尋ねをしたいと思います。あと少し確認をさせていただきたい項目がございます。
○近藤国務大臣 先生からお話がありましたように、私は、この介護労働に限らず人が集まらないという労働の分野がありますけれども、端的に言って待遇だと思うのです。待遇がよければいい人が集まる、これは理の当然でございますが、その問題とあわせて、先ほど来言っておりますように、雇用関係の安定だとか福祉の向上だとか、それはその介護労働者の方々の例えば将来のまさに保障だとか、それから働く環境の整備だとか、福利厚生施設だとか、そういったことも広義の処遇でありますから、これを改善させていく。 ですから、今回この法案でお願いしておりますことは、そういう周辺、環境条件の整備をして、そして私はよく言うんだけれども、労働省という役所はボトムアップだと思うのです。働く人の立場に立って物事を考える。日本のほかの役所は、どちらかというとマネージメントといいますか、会社を経営するとか病院経営する、そういう立場で物を考える。これは大事な考え方で基本でありますが、それはそれとして、私たち労働省は、働いていらっしゃる方々の具体的な生活の向上、改善、福祉というものを基礎に物を考えているわけでありますので、そういう点からは、手前みそでございますけれども、今度の法律は大きな前進だ、私はこう考えております。 それじゃさっき言いました賃金はどうするんだということは、これは今度は関係者の方々のところでお決めいただくわけですし、それはなかなか法律がどうこうという問題ではないかもしれません。ですから、環境を整備しながら、さらにできれば処遇、賃金、手当についての向上もいろいろな形で図っていくということが私は大事だと思います。 いずれにしても、こういう形で介護労働力確保への第一歩をぜひひとつ私たちとしては踏み出させていただきたいというのがお願いでございます。
○岡崎(宏)委員 私は、零点か百点かとお尋ねをしたわけではありません。本来百点というものが求められている、そこに対してどんなふうな御自身の認識を持っていらっしゃるのか、それを点数にして本当は聞いてみたかったんですが、今のお答えで、百点に近くするために、では今後引き続きの努力を私たちも申し上げなければいけないし、やはり労働省という役所は、働く人がどれだけ本当に働くことに喜びを持てるような環境をつくるのか、条件をつくるのかということで努力をしていただく、このことを思っていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 少し確認をさせていただきたいと思うんですが、全体の今の雇用の情勢というものも福祉の労働者を確保していく上で非常に関連があると思います。 そこで、今の雇用状況、失業の情勢、現状と見通しについて、簡単で結構です、御報告をいただきたいと思います。
○若林政府委員 最近の雇用情勢でございますけれども、有効求人倍率は、低下傾向にあるわけでありますけれども一・二五でございまして、なおその水準が高くございます。雇用者数も堅調な増加を続けております。完全失業率も低い水準で推移をしておるわけでございまして、労働力需給は依然引き締まり基調で推移しているというふうに認識をいたしております。 今後につきましても、中小企業を中心に依然として労働力不足感が見られるわけでございまして、労働力需給の引き締まり基調に大きな変化はないと考えておりますけれども、最近景気の減速感が広がっておりますために、私どもといたしましては雇用の動向には十分注視していきたいというふうに考えております。
○岡崎(宏)委員 今お答えがあったわけでございますけれども、人手不足感というのはあちらこちらの事業のところに非常に根深いものがあります。そういう状況のもとで、将来に向けて高齢化社会対策の実際の担い手である労働力の確保を図るというのは、先ほど来も申し上げてまいりましたが、非常に努力を要すると思われます。今回そのために出された法案ですから、これは先ほども申し上げましたように、できるだけよいもので、できるだけ具体的なものでということを考えております。 ところで、その対象となる人たち、どういう人たちをこの法案は一体対象にしようとしているのか。私たちの周りを見回してみましたときにも、いわゆる介護に従事する人たちというのはいろいろな形態でたくさんいると思うわけですが、どういう人たちを対象に考えていらっしゃるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○若林政府委員 この法案の対象でございます介護業務に従事する労働者といたしましては、特別養護老人ホーム等の寮母、ホームヘルパー、こういった方々のほかに、有料老人ホームのヘルパー、在宅介護サービスのヘルパー、在宅入浴サービスにおいて入浴介護に従事する方々、それから民営職業紹介所の家政婦、こういった方々を含めております。
○岡崎(宏)委員 今、特別養護老人ホームの寮母さん、それからホームヘルパーさん、有料老人ホームのヘルパー、在宅介護サービスのヘルパー、在宅入浴サービスにおいての入浴介護に従事をする方々、それから家政婦さん、そういうふうにお伺いをしたわけです。これからの高齢化社会におけるこの私たちの国の福祉制度は、よそからの批判として非常におもしろくありませんけれども、経済は一流になったが福祉は三流、こんなふうにやゆされることもございます。けれども、これは一種救貧対策というふうな形であったこれまでの福祉、これは今見直しか進んできているわけですからあれなんですが、政府が今回掲げた生活大国という目標、権利としての福祉制度、これが確立をされていくべきもの、この過程の中で随分変化もあるものだろうと思います。 在宅福祉サービスというのがその柱として考えられていくわけですが、私は、当然のこととして在宅福祉サービスの柱になるのは、市町村の責任、公的責任がどういう明確な形で行われることが必要か、ここが大事だというふうに考えています。 今の段階で在宅福祉サービスの供給体制あるいはサービスの内容に自治体によって非常にばらつきがあるということも言われております。これは逆に言えば、利用者にとってみれば、自治体によって対応が違うということは自分たちのニーズにこたえ切れないところも出てくる、こういうふうにも考えられるわけでして、早急に、老人福祉法の附則第二条にあるように市町村の必須事務として行われるべきものでないか、こんなふうに考えます。中でも、ホームヘルプサービス、地域福祉サービスの中心としてその質も星もこれは拡充をさせる必要があると思います。これからの高齢化社会に向けて、一層の保健、医療、福祉の連携というものも図っていかれなければならないと思います。 今対象になったこれらの労働者の人たち、この中には家政婦さんも含まれています。民間の労働者というものも含まれているわけですね。これは、厚生省がお出しになったゴールドプラン、十カ年戦略というものを立てて、公的なサービスも含めて一つの柱を立てられたわけですが、これとの関係でいけばどういう内容を持つものか。これをそれぞれからお尋ねをしたいと思います。労働省からは、ゴールドプランにどう関連があるのか、厚生省の方からは、それはどういう整合性を持つものか、お尋ねをしたいと思います。
○近藤国務大臣 まず私からお答えをいたしますが、先ほどもたびたび申しておりますけれども、高齢化社会における介護サービスの提供という問題は、まず基本的には、家庭でそれを見ることができればお年寄りの方々にとって大変幸せなことだということは、私はこれはもう基本的な関係だと思いますが、しかし、介護するそういう家庭の家族の立場もいろいろございます。介護休業という制度もこれから考えなければなりませんが、考えておりますけれども、そういうことでまさに公的な介護サービス提供制度というものを、これは私どもとしてはやは力政治の責任、政府の責任で持つことが必要ではないか、こういうことでございます。 先ほど来申しておりますけれども、労働省といたしましては、労働力の需給調整、また労働者の雇用管理を掌握する立場、私先ほどボトムアップと申し上げましたけれども、そういう立場から関係各省と連携の上、ゴールドプラン達成のための介護労働力確保対策を講じてまいりたい、こういうことでございます。
○中村説明員 本法案とゴールドプランとの関係ということでございますが、急速に高齢化する中で、全国どこにおいても基礎的なニーズに十分対応できるような体制を整備するために「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を策定しているところでございますし、高齢者の保健福祉分野におけるいわば公的サービスの基盤整備を進めるということがその目標になっているわけでございます。 この十カ年戦略の実現のためには、介護の現場におきまして福祉サービスを提供される方々のいわば人材の確保が不可欠である、こういう認識に立ちまして、厚生省でも保健医療・福祉のマンパワー確保対策を講じているところでございますが、この介護労働者の雇用管理の改善等に関します法律案も同じような観点に立ちまして、切り口は違うんではないかと思いますが、この十カ年戦略の達成のための一つの非常に大事ないわば道具と申しますか手段になっていく、こういうふうに認識しているところでございます。
○岡崎(宏)委員 労働大臣が一言お述べになりました、基本的には家庭で見るのがお年寄りの幸せということに関しましては、これはまたいろいろ論議をしなければならない課題でございますが、これは働いている女性の皆さんからしても大変いろいろな意見のあるところであります。ただ、きょうはそのことで余り論争している時間がございませんので宿題にさせていただきたいと思いますが、ここのところは、しかし、公的にあるいは家庭に犠牲を与えないということで考えていくということからすれば、非常にネックになる御認識だと思いますので、一言ちょっと申し上げておきたいと思います。 今、労働省、厚生省、それぞれからお答えをいただいたわけなんですが、私は、保健医療・福祉政策というのは、これはもう本当に一人の人間が年老いても豊かに暮らすということから見れば、一つ一つをぷつんぷつんと切って考えるものでもありませんし、それは公的な責任を柱に置いて取り巻く環境がどんなふうになっていくかというのは、全部関連づけられて考えられなければならないものだろうと思います。 この介護労働力の確保にかかわる施策について、これはもう一年くらい前から特に報道の関係では出てきたことでありますけれども、労働省と厚生省との間でずっと話し合いが行われてきたものである、そんなふうに聞いております。いろいろな場でそういう御報告も聞いてきたかに思うのですが、これは事実であるのでしょうか。そして、それが話し合われてきたということが事実であるとすれば、具体的にこの今回の法案提出に当たってどんな調整がなされてきたのでしょうか。 特に、この国会で厚生省の方が社会福祉事業法の一部改正法案というものを提出されています。ここにはやはり介護に携わる人たちが対象になってきていると思うのですが、この厚生省が出された法案と今回労働省が出されている法案と、これは介護の労働力の確保というそれぞれお互い同じような目的なわけですから、本来は労働省、厚生省共同で提案をしてもいいものではなかったのか、私はそんなふうに思うのです。どうしてそうならなかったのか、そのそれぞれの法案の整合性はどうなのか、これについてお聞かせをいただきたいと思います。
○若林政府委員 労働省、厚生省は、これまでこの介護の法案の策定に至ります前の段階で、お互いに十分調整してまいったところでございます。 今回労働省が提出させていただいております法案につきましては、介護労働者全般の雇用管理の改善等によりまして介護労働力の確保に資しますとともに、介護労働者の福祉の増進を目的といたしておりますものでありますことから、社会福祉事業の適正な実施等にかかわる施策を規定いたします厚生省の社会福祉事業法等の一部改正と別個に策定した次第でございます。 もとより、この法の施行に当たりましては、これまでもこの法律策定に至りますまでの段階で両省は十分調整、協力してまいったわけでございますけれども、今後もこういった法律の施行に当たりましては、厚生省と私ども十分に連携を図りまして、保健医療・福祉政策を十分尊重してお互いに協力をして施策を進めていきたいというふうに考えておるところでございます。
○亀田説明員 御指摘の厚生省の法案でございますが、これはゴールドプラン等の円滑な実施を図っていくため社会福祉事業を適正に実施する、こういう観点から社会福祉事業従事者の確保のため所要の措置を講じる、こういう内容になってございます。 一方、ただいま御審議をいただいております労働省の法案でございますが、これは介護労働者につきまして、その業務の特殊性にかんがみ、労働者の福祉の増進という観点から雇用管理の改善等に関する措置を講じる、こういうものであるというふうに承知をいたしております。 こういうように目的が異なりますことから、厚生省の法案では、生活指導員でございますとかあるいは保母さんでございますとか、介護に従事していない者も含めまして社会福祉事業に従事する者全般を法律改正の対象といたしておるわけでございますが、労働省の法案につきましては、家政婦さん等を含みます介護労働者を対象にしている、こういうことで、その対象範囲が異なっております。 また、厚生省の法案につきましては、社会福祉事業従事者の処遇改善等に関する基本指針を定めまして、社会福祉施設の運営費でございますけれども措置費というものを出しておるわけでございますが、こういうものと相まちまして実効ある人材確保のための措置を推進しよう、こういうような手法になってございますが、労働省の法案は、介護労働者につきまして雇用管理の改善のための労働関係施策の重点的な実施を図る、こういうものと承知をしておるところでございまして、両法案はその手法も異なっておるところでございます。 以上のように、両法案はその目的、対象範囲、手法を異にしておる、こういうことでございますので、労働省とも十分協議をいたしまして、それぞれの趣旨に即応した法案を御提出申し上げたわけでございますが、今後とも法の施行に当たりましては、相互に十分協議をいたし、整合性を図りながら福祉関係の人材確保の促進を図ってまいりたい、かように考えております。
○岡崎(宏)委員 今、労働、厚生両省から、今後も十分に連携を図っていく、そういうふうにお答えをいただきました。これはもう本当に継ぎはぎだった、後々にこういうふうに言われないためにも、くれぐれも十分な連携をとっていただくようにお願いをいたします。 次に、少し具体的なことに入るわけですが、この法案では、労働大臣は、介護労働者の福祉の増進を図るため、介護労働者の雇用管理の改善等に関して重要な事項を定めた介護雇用管理改善等の計画を策定することとされています。 その策定に際して、あらかじめ厚生大臣と協議をすることとされたその趣旨を御説明をいただきたいと思います。
○若林政府委員 介護雇用管理改善等計画の対象には社会福祉事業の事業主及び介護労働者が含まれておるわけでございまして、こういった事業に従事する労働者の雇用管理面を含め、事業の運営に係る費用が全額措置費で支弁されることとなっておるわけでございます。こういったことから、社会福祉事業の運営方針と十分整合性をとる必要がございます。 このため、ただいま先生御指摘ございましたように、介護雇用管理改善等計画を策定するに当たりましては、労働大臣は社会福祉事業を所管しております厚生大臣と協議をする、こういう規定を入れて明らかにしたわけでございます。
○岡崎(宏)委員 今お答えいただいたとおり、介護労働者の雇用管理改善の問題と社会福祉事業のあり方の問題、これは非常に密接な関連があると思います。これは重ねて指摘を申し上げるわけです。 次にお尋ねをしたいわけですが、これからの高齢化社会における在宅の福祉サービス、これは私はもう何度も申し上げておりますが、市町村の責任において、公的責任が明確な形で行われるべきだ、私はそう思っております。 それで、この法案の作成の過程において、労働者派遣の対象職種にホームヘルパーが行っている介護業務を入れる方向での検討がなされたというふうに聞いているのですが、これは事実なんでしょうか。ホームヘルパーが不足していることに対処していくために、在宅介護に従事をする労働者の供給形態の多様化を図る、そういうお考えによるものと聞いているのですが、この問題については、労働力の需給システムのあり方という観点だけではなくて、本来の在宅福祉サービスのあるべき姿、あるいはサービス水準の確保、とりわけ地域における二十四時間体制の確立を含めた保健、福祉、医療が一体となったシステムとしての介護サービスの構築を将来的に目指すという立場からも、これは非常に慎重に検討しなければいけないのではないかと私は思うのです。 介護業務に関する労働者派遣の導入ということに関しては、これは新聞の報道で幾つかありました。今はその見直す時期でないというような答えが出たことも承知をしております。そうあるべきだと思うわけですが、これは慎重な取り扱いが必要だと思いますので、この動きに対するお考えというものをお尋ねしたいと思います。
○若林政府委員 労働者派遣の対象業務に介護業務を加えるということにつきましては、御指摘のとおり、家政婦の就業条件の向上等を図るための方策の一つといたしまして、この法案の検討過程におきまして、中央職業安定審議会の場等を通じまして議論されたところでございます。その結果、引き続き検討を行う必要があるとされましたために、私どもとしては介護労働安定センターの行う事業等によりまして介護労働者の福祉の増進を図るということにしたわけでございます。 介護労働についての新しい需給システムのあり方等を含めまして現行のシステムを改善する方策の検討につきましては、今後、関係審議会の場等を通じまして行うことといたしております。これにつきましては、労使等の関係者の御意見を十分に聴取の上で対処すべきものというふうに考えております。
○岡崎(宏)委員 ぜひ慎重な対処をお願いをいたします。 高齢者など介護が必要な国民の側で、私たち自身もそうだと思いますが、最も大切なことは、いつでもどこでもだれにでもその人に適切な介護サービスが提供されることである、こういうふうに思います。 このために、政府は、従来から在宅福祉サービスについては実施主体を市町村とし、さらに一九九〇年、市町村を中心に据える福祉制度の抜本的な見直しを行って、老人保健福祉計画では、それぞれ住民の人たち、必要な人たちのニーズの把握、計画の策定、事業の一元的実施を行うことになりました。提供されるサービスの内容の向上に向けて、改めて養成、研修事業の整備も行われてきている、こんなふうに受けとめております。今後とも推進しなければいけない課題はあるもののその基本的な方向というものは評価をしていきたい、こんなふうに思います。 では、今何をしなければいけないのか。福祉制度の抜本的な見直しによって打ち立てられた福祉サービス、そして在宅福祉サービスの市町村での一元的な実現、これを具体的な行動計画にしていかなければなりませんし、現在それぞれ自治体で進んでもいるところです。 こうした観点からこの法案を見たときに、制度が異なる特別養護老人ホームの寮母さんあるいは公的ヘルパーさん、病院の付き添いさん、家政婦さんを一括して介護労働者、こういうふうに位置づけられております。これは労働政策を所掌する立場からいえば、雇用管理の改善によって介護労働者の福祉の増進を図るべき介護労働者というふうにとらえたものであり、福祉サービスのあり方について直接云々するものではない、言及するものではなく、もとより民間サービス導入の促進を目的とするものではない、こういうふうに、御答弁をお聞きをしながら、あるいは法案を見ながら私は受けとめているわけですが、これについて御確認をいただきたいと思います。
○近藤国務大臣 先生も御指摘ございましたが、本法案は介護労働者の雇用管理の改善等による福祉の増進等を目的とするものでございまして、介護サービスの提供のあり方自体について規定するものではないという認識をしております。 したがいまして、法の施行に当たりましては、厚生省と十分に連携を図り、保健医療・福祉施策を十分に尊重する所存でございます。
○岡崎(宏)委員 主にこの法案の目的とするところ、福祉サービスのあり方にかかわる政策との関連ということを中心にお尋ねしたのですけれども、今回の法案の立法の主な動機の一つというふうに御説明も受けてきました家政婦さんの就業条件の改善の必要性について、今いろいろなところからも指摘がありますし、私もその改善の必要性というものを認識するところなんですけれども、お尋ねをしたいと思います。 この法案で家政婦さんが介護労働者として位置づけられ、法の対象となっていますけれども、この家政婦という労働形態について、就業条件などどのような問題があるというふうに認識されているのか、まずお尋ねしたいと思います。
○若林政府委員 家政婦の方々は現在約十六万人が就業しているわけでございますけれども、その八割が個人に雇われて病院付添看護に従事をいたしております。一割弱の者が在宅での介護に従事いたしております。また、家庭での家事一般に従事する者は一割強、こういうようなことでございます。 この家政婦さんは、個人家庭に雇用される場合が多いことから、一般の企業労働者と異なりまして十分な雇用管理がなされることが期待されないわけでございまして、労働時間管理、職場環境、能力開発など就業条件等の改善の必要性が高いと考えております。 こういったような状況におきましては、今後予想されます高齢化の進展に伴い必要とされます介護労働者の確保は困難であるわけでございまして、今回この法律におきまして家政婦等の介護労働者の福祉の増進を図るということはまさにこういった認識から出ているところでございます。
○岡崎(宏)委員 家政婦さんは有料の職業紹介所から個人に紹介をされる、こういう形が一般的だというふうに認識しているわけですが、この有料職業紹介所について、手数料の徴収でありますとかそのほか運営が適正に行われているのか、こういう問題指摘も時々あるわけです。 これについて、この有料職業紹介所の実態についてはどんな把握がされているのでしょうか、お尋ねいたします。
○伊藤(欣)政府委員 御指摘の有料職業紹介事業につきましては、労働力の円滑な需給調整を図るという観点から国の職業安定機関を補完するものとして位置づけられておりまして、公労使三者構成の審議会で厳正な審査を経た上で労働大臣が許可することとなっております。 これらの有料職業紹介所の運営につきましては、許可の趣旨にかんがみまして、適切に事業が行われますように従来から指導してきたところでございますけれども、社会経済情勢の変化等に応じましてその取り扱う件数は年々増加してきております。こうした中で、事業が適正に行われ、労働者の保護に欠けることがないよう今後とも一層指導を努めてまいる所存でございます。
○岡崎(宏)委員 家政婦さんのことにつきまして、今お答えもいただいたのですが、就業条件を中心にいろいろな問題があるというふうに思います。 この家政婦紹介所に限らず、有料の職業紹介所というものについては、一九四九年に国連の労働機関ILOで第九十六号条約、有料職業紹介所に関する条約を採択しております。この九十六号条約を我が国は批准をしていますか。そして、私たちがいろいろな組み立てをいたしますときによく例に例えるような主要国、これはこの条約の批准についてどういう状況になっていますか、教えてください。
○伊藤(欣)政府委員 御指摘のILO第九十六号条約の有料職業紹介所に関する条約につきましては、我が国は昭和三十一年に批准しているところでございます。 諸外国の状況につきましては、ドイツ、フランス等現在まで四十カ国が批准しているところでございます。
○岡崎(宏)委員 今、日本も批准をしている、そして主要国も四十カ国が批准をしている、こういうふうにお答えをいただきました。 職業安定機関を補完するものという最初の御答弁もございましたけれども、私は、いろいろな形で問題が指摘をされているこの有料職業紹介所がいつまで職業安定機関の補完的な役割を果たしていくものなのか、本来その補完的なものをなくす形で職業安定機関というものが確立をされていくべきではないか、こんなふうに考えておりますことを申し上げておきたいと思います。 ところで、この家政婦さんは約八割が病院の付添婦さんとして勤務をしているというふうに先ほど御報告がありました。老人保健審議会で、入院の際の非常に重たい負担、経済的な負担となっている付添看護を将来廃止をする方向を検討しているというふうにも聞いています。とすると、家政婦さんの八割は病院の付添婦として今仕事をしているというふうにも聞いているわけですが、今後労働行政の中で一体どんなふうな位置づけになっていくのか、また、その就業条件の改善というのは具体的にはどんなふうに進めていくのか、これについてお伺いをしたいと思います。
○近藤国務大臣 家政婦さんにつきましては、有料職業紹介事業の対象職業として、その需給調整の円滑化を図るなど今後とも適切な需給調整の実施、就業条件の改善に努めてまいる所存でございます。 なお、就業条件の改善につきましては、介護労働安定センターにおいて新たに介護労働者福祉増進援助事業を実施し、就労中の負傷、疾病等について必要な援助を図ることとするほか、介護職業研修による技能の向上や介護アテンドサービス士の資格制度の普及等を通じて社会的地位の向上に努めるなど、その就業条件の改善を図ってまいる所存でございます。
○岡崎(宏)委員 私は、今回の委員会で質問をいたします前に、日本臨床看護家政協会の方にもちょっとお尋ねをしてみたのです。そこの方々もおっしゃっておいででしたのは、就業条件を改善をしていく方向の中で労働基準法が適用されない、このことに対してやはり不満といいますか、そこに問題意識をお持ちだということもお聞きをいたしました。これは私自身いつも申し上げていることですけれども、非常に不安定な形態で、しかも、それは多種多様にわたって働く人がいるということ、それに対してみんながきちんと守っていけるといいますか、保護規定がそろってないというふうな形で働く人が存在をし続けるということについてはいろいろな問題が多い。これは今後の労働行政の中での課題だろうと思うのですが、国が不安定な労働者を置いていく、こういう状態がないようにこの労基法の適用の問題も含めてぜひ検討をいただきたいと思っております。 ところで、先ほど答弁をいただいたわけですが、今回この家政婦さんの福祉の増進のための事業を行うに当たって国が直接行うということではなくて介護労働安定センターに行わせる、こういうことにしたのはどういう理由があるわけでしょうか。
○若林政府委員 家政婦の福祉の増進のための事業につきましては、介護業務が直接人の生命、身体を扱うという性質上、専門的な知識を持った者が行う必要があるということなどから、国が行うよりむしろ介護に関する専門的知識、経験を持った民間団体によりまして専門的、弾力的にきめ細かく対応していくことが適当であると考えた次第でございます。 このような観点から、今回そういった団体に介護労働者の福祉の増進に関する業務を行わせることといたしておるわけでございますが、一方、こういった業務につきましては、一つは、公益性が確保されるように的確な実施を担保する必要がございます。また、介護雇用管理改善等計画に従いまして、国の行政施策との整合性を保ち、適正かつ確実に実施される必要もございます。また、雇用管理改善指導等につきまして公正な実施が必要でございます。こういったことから、この業務につきましては、指定法人の業務といたしましてその役割を法律上明らかにすることにしたものでございます。
○岡崎(宏)委員 この介護労働安定センターとして指定をして公益性の高い仕事を行わせる、そういうふうに今おっしゃっているわけですが、その受け皿となる法人というものは本当に公平で、そして適切に事業が行われなければなりません。 その業務の対象というのは家政婦さんに限られませんし、特定の類型の介護労働者に関係する団体になってしまってはいけないと思うのですが、どんな法人を指定される方針なんでしょうか。
○若林政府委員 介護労働安定センターにつきましては、介護労働者の福祉の増進を図ることを目的として設立された公益法人でございまして、業務の運営が適正かつ確実に行われまして介護労働者の福祉の増進に資すると認められるものを指定することにいたしているわけでございますが、具体的には、財団法人介護労働安定センターを指定する予定でございます。
○岡崎(宏)委員 ぜひ介護労働安定センターの指定、そして監督については、慎重にまた厳正に行われるように要望いたします。 今、家事援助者派遣事業を民営紹介所に委託をして家政婦さんをホームヘルパーとして利用するということが行われるというふうに聞いております。私が聞いているのは東京都で実施されているというふうに聞いているのですが、このことについてどんなお考えを持っていらっしゃるでしょうか。 それから、結局この委託先が日本臨床看護家政協会などの四団体というふうに聞いているわけですが、東京都から受託に伴う事務費、これを受け取っているというふうにも聞いています。この事業の実態というのは一体どうなっているのか、これをちょっとお教えいただきたいと思います。
○若林政府委員 家事援助者派遣事業というものでございますけれども、この家事援助者派遣事業をどういったような形態で実施すべきであるかということにつきましては、事業のあり方の問題でございまして、労働省としてこれについていろいろ御意見を申し上げる立場ではございませんで、やはりこれは事業の実施主体が決定すべき事項であるというふうに考えておるわけでございますが、御指摘の点につきましては、私ども東京都のみで行われているというふうに承知いたしております。 今事務費の問題の御質問がございましたが、東京都と団体との間におきまして、券の印刷費などのための経費として契約していると私どもは聞いております。
○岡崎(宏)委員 厚生省の方にもこの実態を把握していらっしゃるかどうか、お聞きしたいのです。
○中村説明員 先生御指摘のありましたような形態につきましては、東京都のみで実施しているというふうに承知いたしております。 これは、経緯的に申し上げますと、国のホームヘルプ制度は五十七年まで無料制度、低所得世帯に限られて実施されておりました。東京都の方では四十八年からいわゆる有料世帯に対しまして、ただいま先生から御指摘のありましたようなサービスをしておりました。五十七年度からホームヘルプ事業につきまして所得制限なく公的制度で派遣されるようになりましたので、そのいわば過渡的な形態といたしまして東京都方式というようなものが登場してきた、こういうふうに認識しております。 したがいまして、経過から申し上げましても、東京都のみでございますし、その後のホームヘルプ事業の発展から申しますと、ほかにいろいろな形態が出てきておりまして、東京都方式というものは実態上よその県に波及はしておりませんし、また、各県の意向を伺いましても東京都方式を普及するというような形態はない、こういうふうに承知しております。 むしろ東京都の方でもいろいろな形態を模索されておりますし、最近のホームヘルプ制度の状況を考えますと、介護福祉士さんへの個人委託制度でございますとか、シルバーサービス事業者として家政婦さんを雇用される形態の事業者が出てくること等を考えますと、あるいは家政婦さん御自身が公的ヘルパーとしていろいろな団体あるいは市区町村に雇用される、こういうことを考えていきますと、現行の東京都方式というものは次第に転換されていくんではないか、こういうふうに私ども認識しておりまして、東京都ともこの点についてはいろいろ協議を始めているところでございます。
○岡崎(宏)委員 わかりました。 私、きょういろいろと御質問もしてきたわけですけれども、私が住んでいるのは神戸でございます、この神戸という地域だけを見ていても、高齢化という社会をにらんで、公的な場面で自治体が大変な努力をしているということもありますが、その一方で、民間の産業が本当に新たな市場として実は大変熱心な研究をしている。実際に進出をしているという事実もございます。そこに実はさまざまな形でさまざまな人が働く人としても参加をし始めておりますし、それを受ける側の人たちもまた出てきているわけです。 いろいろな問題点があると思いますが、利用する側、一人の人間として、それは大臣御自身も含めて私たち一人一人が、これから年をとってもいかに人間として豊かに生きていくかということを考えたときに、お金がなければ豊かに生きていくこともできない、こういう事態を生まないためにも、そしてそこに働く人がまた、働く人であり、将来、元気で働き続けて元気に老後を迎えることができる人であるためにも、ぜひ、やはりここのところで、本当に思い切った施策というものを十分な連携のもとで進めていただかなければならないと思うのです。特に、民間がその市場に進んでいくときには、これは競争原理が働きますのは当たり前のことですから、その中で優良なものが残ればいいわけですけれども、優良イコール高いとかいうことになってきますと、非常に大きな問題も抱えていくことになると思います。 福祉のあり方というのは、そのまま働くあり方でもあると思いますから、ぜひそのあたりを十分御認識をいただいて、この法案をぜひ、現時点ではなくとも、百点満点にしていただきますように重ねて申し上げまして、私の質問を終わります。
○川崎委員長 外口玉子君。
○外口委員 今私たちは時代の大きな転換期にあります。世界有数の水準に経済成長を遂げたと言われる日本において、働く者にとっては豊かさの実感はありません。 とりわけ、生身の人間である私たち一人一人にとって安心感は基本的に満たされるべきものであるにもかかわらず、この暮らしの基本に対する制度の充実が我が国において圧倒的に立ちおくれていることに私は大きな憤りを覚えているものでございます。だれもが病んだり年老いたとき、安心して人の手助けを受けられることを望んでいます。そのような安心できる社会になるためには、公的サービスの保障が不可欠であることは言うまでもありません。したがって、高齢社会を迎えつつある今、介護問題はあらゆる人々にとっての普遍的な課題となるということは確かです。 しかし、多くの人がその現実を直視することを避け、負担の大きい嫌なことはだれかに押しつけてしまいたいとの思いに駆られやすいのも確かでございます。したがって、介護問題は、単に労働面のみではなく社会的問題であると言うことができます。だからこそ、今この時期に抜本的な改革が必要だと考えます。 そしてまた、受け手の側からこの問題を考える場合においても、雇用条件の低い介護者に世話されることは、その世話を受ける人も惨めな気持ちに追いやります。社会的にもまだまだ認められているとは決して言えないこの介護労働を誇り高く担えるようにすることが大事ですし、そのための条件整備と環境を整えることが国の責任であると私は考えます。国は、決して今の現状を固定して介護労働力を確保するというような安易な対応をしてはならないと考えます。 かねてより、私は、介護の心を国民の心にとして、社会全体の看護力をどう高めたらいいかということを主張してまいりました。そして、さまざまな能力を持った人が参入してこれるような体制づくりをしていかなければならない、そしてそのための施策を関係当局に求めてきました。 しかし、いわゆる平成景気が始まったころから人手不足が言われ始めて、労働市場も超売り手市場となり、この間一部の職種では、賃金等多少の、ここを間違っちゃいけません、多少の労働条件が上向きになりました。しかし、建築、交通、介護等の幾つかの職種においては、市場の拡大などにより、ますます人手不足が起こっております。しかも、超売り手市場でありながら、余り労働条件の改善につながっていかないという現象が起きています。これもまた国の施策の責任ではないかと考えるものでございます。 そこで、私は、まず大臣にお伺いします。 現在及び今後の労働需給をどう認識しておられるのか、また、このような現実の中で介護労働のあり方はいかなるものになるべきと考えておられるのか、介護労働者の位置づけについてもお伺いしたいと思います。また、本法案を提出した背景と意図もあわせてお伺いしたいと思います。
○近藤国務大臣 最近いわゆる景気の調整過程と言われておりますが、その中で雇用失業状況を見てまいりますと、求人の減少により有効求人倍率は低下をしておりますが、平成四年二月で一・二五倍と依然としてその水準は高く、また、雇用者数も堅調に増加を続けておりまして、完全失業率も二・〇%と低い水準で推移するなど、労働力需給は引き締まり基調でございます。 また、今後の問題でございますが、今後の労働力人口は、出生率の低下による人口の大幅な伸びの鈍化と高齢化を背景とした労働力率の低下により、二〇〇〇年をピークに減少していく見込みでございまして、中長期的にも労働力供給の制約は強まると予想するわけでございます。 こうした中で、二十一世紀に向けて我が国における高齢化が急速に進展すること等に伴い、寝たきり老人、在宅痴呆性老人等の要介護者の数が著しく増加し、これに伴いこれらの方々に対する介護の需要が増大するものと考えております。 一方、介護労働力の供給を見てまいりますと、最近の労働力需給が引き締まり基調で推移する中で、依然として人手不足感は根強く、介護労働力の確保は困難になってきてございまして、介護労働力の確保は中長期的かつ構造的な課題として対処していかなければならない問題でございます。 このような状況の中で介護労働力を確保するためには、介護労働者の雇用管理の改善、介護労働者の能力の開発及び向上、そして介護労働力の需給調整機能の強化により介護労働者の福祉の増進を図る必要があり、そのための施策を総合的に体系的に進めていくために、介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律案を作成し、国会に提出し、御審議をいただいているところでございます。
○外口委員 今回の法案は、同種のものとして厚生省から提出されている看護婦等の人材確保の促進に関する法律案、また、社会福祉事業法及び社会福祉施設職員退職手当共済法の一部を改正する法律案があり、あわせて三本立てでこれらのヒューマンパワーの確保をしていこうとするものであると考えられますが、それらの関係や全体像が明確になってきておりません。 今回の法律でどのように改善しようとしているのか、もう少し明確にお答えいただきたいと思います。
○若林政府委員 今回の法律を策定するに至りますまで、厚生、労働両省で十分調整を図ってまいったところでございます。 この労働省の法案につきましては、介護労働者全般の雇用管理改善等によりまして介護労働力の確保に資するとともに、介護労働者の福祉の増進を図る目的で策定しているものでございまして、これは対象となる労働者につきましても、社会福祉事業で働く方々、家政婦さん、そういったもの全体を包含するものでございます。 他方、社会福祉事業の適正な実施等にかかわる施策を規定する厚生省の社会福祉事業法等の一部改正、これは社会福祉事業の適正な実施という観点から今回この法律を改正されまして、あわせて提案されているものでございます。 この法律を策定するまでに両省で十分調整を図ってまいったわけでございますけれども、今後この法律の施行に当たりましても、厚生省と労働省が十分に連携を図りまして、保健医療・福祉施策を十分尊重しながら相互に協力していく、そしてこの施策の、両法の円滑な施行を推進していく、こういうことで取り組んでまいりたいと考えております。
○外口委員 縦割り行政の弊害をこのような領域に及ぼさないように、ぜひとも今後両省とも力を合わせて進めていっていただきたいと思います。 いま一つ、今回の法改正は、今まで労働省が建築労働者や中小企業労働者の労働力確保法案において行ってきたように、事業主を保障して、それによって労働力を確保していくやり方が踏襲されているように思います。 本来、労働力確保のための施策は個々の労働者の働く権利を保障し、労働条件や労働環境の整備を図る方向で行われるべきと考えますが、なぜこのような方策がなされないのでしょうか、お伺いいたします。
○若林政府委員 介護労働力は、今後大変その需要が大きいわけでございますけれども、供給面でなかなかそれに追いついていかないという見通しがなされているわけでございます。 これにつきましては、いろいろの問題があろうかと存じますけれども、一つは養成力の問題であろうかと思います。これにつきましては、一層の養成力を強化していくということが必要であるわけでございますが、もう一つは、これはいろいろな類型の介護労働者の方々、あるいは看護・介護全般と言ってよろしいかと存じますけれども、共通して言えることは、こういった働く方々に対する雇用管理というものが立ちおくれているという点であろうかと存じます。そして、多くの方々がこの職場に非常な魅力を感じて、やりがいを感じて入ってこられるのでありますけれども、短い期間に職場を離れられるということの大きな原因は、この雇用管理の立ちおくれというところにあろうかと存じます。 したがいまして、私どもは、まず何よりも事業主の方々にこういった介護労働者の方々についての雇用管理を十分に改善していただいて、この職場を魅力のあるものにする。そして、安定し定着した、そしてやりがいのある仕事を続けていただく、こういった条件を整備していくということが何よりも重要であると考えまして、この法案を提案させていただいていをわけでございます。
○外口委員 私は、労働省がもっと積極的な個々の労働者の待遇改善を図るという、そういう労働施策をとっていただくことこそが労働省の存在意義ではないかと思いますので、これからの取り組みを期待したいと思います。 次に、具体的な点に移らせていただきます。 岡崎委員が先ほど質問した点でございますが、私は「さらにその実態についてお伺いしたいと思います。 今回の法律の対象となる介護労働者の範囲を明らかにしてください。また、そのそれぞれの対象者の数はどのぐらいあるものかということをお示しいただきたいと思います。
○若林政府委員 この法案の対象となります介護労働者とは、専ら介護業務に従事する労働者を意味いたしておりまして、具体的には、社会福祉事業の中の特別養護老人ホーム等の寮母及びホームヘルパーの方々、民間事業者による介護サービスに従事するヘルパーの方々、家政婦の方々などでございます。 この介護労働者の数につきましては、正確に把握した調査がないのでございますけれども、社会福祉施設職員関係で約四万人、ホームヘルパーで約四万人、介護サービス業関係で約二万人、家政婦で約十六万人、これを合計いたしますと、約二十六万人と推計いたしております。
○外口委員 心身障害者の社会復帰のための施設である無認可の小規模作業所というものが全国に大変多くふえておりますけれども、これらの職員は、無認可がために何らの保障がなされない中で献身的に取り組んで、地域ケアの拠点としての重要な役割を果たしているわけですけれども、この職員については今回この法律の対象範囲に入れるとお考えなのでしょうか。
○若林政府委員 重度障害者等の方々が適所をいたしておりますいわゆる小規模共同作業所でございますが、厚生省では、在宅重度障害者通所援護事業等の対象となっておりますこれら作業所が、法律に基づきます施設等へ移行できるよう指導されているものというふうに伺っておるわけでございますが、労働省といたしましては、これら作業所の福祉政策上の位置づけでございますとか、それから、そこで働いている方の業務の実態が専ら介護業務に従事するものと言えるかどうかということを踏まえましてこの法律の適用について判断をしてまいりたい、実態に従って判断をするということでございます。
○外口委員 実態をどのように今の時点で把握されてそのような答弁をなされたのでしょうか。
○若林政府委員 これにつきましては、今後さらに状況を把握する必要があろうかと存じます。 私どもいろいろ伺ってまいっておりますと、こういった小規模の共同作業所で指導員として働いておられる方で、こういう専ら介護業務に従事するような形で働いていらっしゃる方がいるということも伺っております。 この辺につきましては、繰り返しになりますけれども、それぞれの実態に応じて、これが専ら介護業務に従事するかどうかということを判断をしていきたいと思っておりまして、今後もそういった実態を十分把握してまいりたいと思っております。
○外口委員 この点について、厚生省としてはこの小規模作業所についての職員についてはどのようにお考えでおいででしょうか。
○中村説明員 突然のお尋ねでございますので、必ずしも担当でございません。また、小規模作業所につきましても、小規模作業所自体いろいろなハンディキャップを持った方々の種類によって異なっております。 ただ、申し上げられますことは、今回の介護労働者の雇用管理改善法は、ただいま若林局長から御答弁ございましたように、社会福祉事業従事者の中でも、例えば指導員、保母、事務職員等、こういった方々は対象にならず、介護業務に従事されている労働者、こういう概念でもって構成されておりますので、局長から御答弁ありましたように、小規模作業所、いろいろな形態があろうかと思いますが、そういう形態の中で個々の職員の方がそのどの範疇に入るのか、そういった点についての精査が必要である、こういうふうに認識いたしております。私どもも、小規模作業所について、介護業務に従事している労働者に当たるかどうか、この辺、法律の解釈権はまた労働省の方にございますので、よく御相談しながらやってまいりたいと思います。 また、厚生省の方の法案では「社会福祉事業従事者」、こういうふうになっておりますので、それぞれの法律の適用問題、それからそういった隣どういう観点から整理していくかということは、先ほどから若林局長も御答弁されているとおり、両法案につきまして縦割りの弊害にならないように、よく協議してその施行をさせていただきたい、こういうふうに認識しているところでございます。
○外口委員 この点につきましては、また他の機会に検討させていただきたいと思いますので、実態の把握をよろしくお願いしたいと思います。 さて、先ほどの御答弁の中で、有料紹介所による家政婦が八割近くを占めているという資料もいただいておりますし、そのような御説明がありましたが、この家政業とはどのようなものなのか、そしてその家政業をなす家政婦の実態についてお伺いしたいと思います。
○若林政府委員 平成二年度におきましては約十六万人の家政婦の方々が就労いたしておりますが、六十一年度におきましては約十四万三千人でございまして、この五年間一貫して増加をいたしておりまして、その間の増加率は約一二・一%になっております。 この家政婦の就業前の職業経験につきましては、一般の会社で事務を行っていた方、病院に勤めていた方、工場等で働いていた方、家事手伝いを行っていた方などとなっております。 就業場所につきましては、六十三年の調査でございますが、家政婦の方々につきましては、ただいま先生ちょっとお触れになりましたけれども、約八割が個人に雇われて病院付添介護に従事をいたしております。一割弱の方が在宅での介護に従事をいたしております。そして、残りの一割強になりましょうか家庭での家事一般に従事する者、こういうような形で働いているということでございます。
○外口委員 家政婦の方々の多くが、就業する際、民間の職業紹介所を通して職場を決定しているとのことですが、この民間の有料職業紹介所の実態についてもう少し御説明いただきたいと思います。
○伊藤(欣)政府委員 お尋ねの家政婦にかかわります民間職業紹介事業所につきましては、平成二年度末におきまして全国で千二百四十四カ所ございまして、その約二割が東京にございますなど、大都市圏におきましての事業所数が多くなっておるわけでございますけれども、全国的にすべての都道府県におきまして事業が行われている状況でございます。 家政婦紹介所の経営につきましては、その約七割が個人経営となっており、所長さんは看護婦資格を有する方が約六割弱を占めておるわけでございまして、家政婦の勤務実態について専門的な知識を有しておられる方々が円滑な需給調整をやっていただいているものと考えておるわけでございます。
○外口委員 私は、民間の有料職業紹介所にゆだねたままでは、先ほど申し上げましたように、公的な責任を果たせないし、今後介護労働者の確保が実効性のあるものとならないのではないかと大変懸念を強くしているものでございますが、労働省として考えている民間の有料職業紹介所についての問題点をもう少しはっきりとお示しいただきたいと思います。
○若林政府委員 看護婦家政婦の紹介所と申しますものは、家政婦さんを個人の御家庭に紹介をするということでございますので、事業主としての立場にないということでございます。したがいまして、やはりこれから非常に大事なことは、家政婦さんの社会的な地位の向上と申しますかイメージアップと申しますか、あるいは家政婦の方々の資質の向上と申しますか、こういったことについて大いに力を注いでその供給をふやし、また職業の安定を図っていかなければならないわけでございますけれども、紹介所は、事業主ではないわけでございますので、そういった意味での責任を十分に果たしていないというのが一つの問題点であろうと思うのでございます。 したがいまして、今回の法律におきましては、こういった職業紹介所につきまして、家政婦さんの雇用管理の問題につきましてその一定の措置を講ずる努力をしていただくということを法律上明らかにすることにしたわけでございます。現実には、家政婦の方々は大体一つの紹介所に非常に強く結びついている現状でございますので、こういった法律の規定によりまして職業紹介所が一つの責任を負っていっていただく、こういう体制をつくってまいりまして、ただいま申し上げましたような問題点を解決していきたいというふうに考えているわけでございます。
○外口委員 どのような方々がその有料の職業紹介所を通して就業されているのでしょうか。
○都築説明員 お答えいたします。 看護婦、家政婦の就業前の職業経験につきまして昭和六十三年に行いました調査によりますと、従前の職業として病院などで勤めていたということを挙げる者が一四・九%でございます。それから会社で事務をやっていたとする者が一五・七%、工場等の現場で勤めていたとする者が一四%、他の家庭の家事手伝い一二・五%、保育園、幼稚園などに勤めていた一・三%、職業経験なし一六・三%となっております。
○外口委員 それは公的な福祉としてのホームヘルパーの方々の前後の経験と比較して違いがございますでしょうか。
○都築説明員 大変恐縮でございますが、公的なホームヘルパーの方々の実態につきまして私どもよく承知しておりませんので、ここでは大変恐縮でございますが数字を挙げて御説明することはできませんので、よろしくお願いいたします。
○外口委員 求職者の動向についてはどのような実態がございますでしょうか。
○都築説明員 最近の五カ年間におきます有効求職者数の動きでございますが、昭和六十一年度の状況では十四万二千八百六十二人、昭和六十二年度十四万二千八百九十人、昭和六十三年度十四万六千六百六十八人、平成元年度十五万一千三百七十七人、平成二年度十六万百二十九人と、この五年間で着実に増加してきております。
○外口委員 本法案のような雇用管理の法律をつくらなければならないこのような領域において、しかも、全体的な労働力不足の中でなぜ増加をしているとお。考えになっておりますでしょうか。
○若林政府委員 まず、増加をいたしておりますけれども求人が大変に増加をしているのでございまして、求人の伸び率と求職の伸び率を比べますと、求人の伸び率の方が相当に上回っておるわけでございます。そういった意味で、大変にこの仕事に対するニードが強いということは申せようかと思います。 それから、やはり私ども家政婦さんについてのアンケート調査をいたしますと、この仕事に対する非常なやりがいを持っておられるということでございます。 したがいまして、いろいろと問題のある現状ではございますけれども、やはり家政婦の仕事に従事なさる方はこの仕事に大変なやりがいを感じてこういった仕事に入ってきておられるということを私どもアンケート調査等から読み取ることができるわけでございまして、そういった観点から、この仕事をめぐるいろいろな問題を解決いたしまして、一層環境整備を図らなければならないというふうに考えておるところでございます。
○外口委員 ただいま家政婦へのニードが大変強いということですが、今後、そうすると、家政婦の需要が多くなると見込まれているとしていますが、では、どういう供給源といいますか、どのような人々が参入してくると見込んでおいでなのでしょうか。
○若林政府委員 これまでの求職者の方々の動向を見ますと、比較的年齢の高い女性の方々がこの仕事についておられるのが現状でございます。しかし、今後は相当幅広い年齢層で、しかも、仕事もフルタイムだけではなくて短時間とかいろいろな雇用形態ということを開拓してまいりまして、こういった介護労働に従事される方をリクルートしていくべきであろうというふうに考えております。 また、それに当たりましては、養成力を強化していかなければならないわけでございまして、こういった仕事につきたいと御希望になる方の研修でございますとか講習、こういったものを強化すべきであるというふうに考えております。今回、この介護労働安定センターにおきまして、そういった研修、養成業務というものを強力に推進をしてまいりたいというふうに考えております。
○外口委員 もし、ますます需要が多くなると見込まれているのでしたら、もっと公共職業安定所の機能を充実させていく方向をおとりになってもよいと考えるのですが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○若林政府委員 もとより常用労働者として介護業務に従事されるという方につきましては、公共職業安定所はこれから一層そういった点に重点を置いて業務を推進しなければならないと考えておるわけでございまして、平成四年度からは福祉重点ハローワークというものを設けまして、ここにおいて看護・介護の労働を目指す方についての職業紹介を強力に進めていきたいというふうに考えております。 その場合には、求職者についての登録制度なども採用いたしましてお世話をしていきたいというふうに考えておるわけでございますけれども、家政婦さんの業務と申しますものは、そういった常用労働者として一つの仕事につくというものではございませんので、やはり今後ともこういう大変ニードの高い分野でございますから、家政婦さんは家政婦さんとしてこれを養成し、需給のバランスをとっていかなければならないというふうに思っております。
○外口委員 こういうような雇用管理の法律をつくらなければならないような労働提供の形態の介護労働力確保ではなく、もっと公的な責任において労働力を確保していくような、そういう方策を今お持ちでしょうか、どうか。
○若林政府委員 今回法律を出させていただいております背景の第一は、何と申しましても十カ年戦略というものに必要とされます労働力をどうやって確保していくかということでございます。そしてまた、十カ年戦略には含まれていないわけでございますけれども、民間の介護サービスというものに対する需要も大変に多いわけでございまして、やはりこの介護サービスに対するニードは多様であるわけでございますので、その多様なニードに対応していくということでいろいろな条件も整備していくということでございます。家政婦さんをめぐります環境の整備というものもその一つであるわけでございまして、今回の法律はまさにその二つの点、公的サービスについての労働力の確保の面と民間の介護サービスにおいて必要な労働力の確保の面と、この両方を含んでいるということでございます。その点は御理解賜りたいと存じます。
○外口委員 今の御答弁で、さまざまな介護サービス業、いわゆるシルバー産業の増大が著しいということでございますが、その実態について、経時的に簡単に明らかにしていただけたらと思います。
○若林政府委員 いわゆる狭いと申しましょうか介護サービス事業と申しますものでございますが、これにつきましては、シルバーサービス振興会という団体がございます。そこで百四十の企業につきましての調査がございますが、先ほど申し上げたかと存じますが、働いている方は二万人でございます。 そして、こういった分野の労働の実態というのは、実は必ずしも明らかではございません。ただ、そういった調査によりますと、やはり身体的な負担と申しましょうか、こういったものが多いということが指摘をされているところでございます。私ども、ヒアリングと申しましょうか、個別のヒアリングなどを行っておるわけでございますけれども、ここにおきましても、やはりそういった身体的な負担が大きいというような問題、あるいは、福祉施設でございますとか保育施設でございますとか、こういったものが必ずしも十分整えられてないというような声が聞かれております。 実態から申しますと、今の百四十の企業でございますが、小規模の企業が多いようでございまして、大体三十人未満の企業が五〇%、五五%ぐらいになろうかと思います。こういったような実態でございます。
○外口委員 そのような民間介護サービスの現場で起きている実態、そして、そこで働いている介護労働者がどのような処遇状況にあるのでしょうか、お聞かせ願いたいと思います。
○若林政府委員 ただいま申し上げましたように、私ども、個別にヒアリングなどをいたしておりますけれども、ただいま先生が答弁を期待していらっしゃいますような、例えば賃金水準がどの程度であるかとか、労働時間がどの程度になっているだろうか、こういったような点につきましての細かい実態調査というのは、まだなされていないというのが現状でございます。
○外口委員 やはり、いろいろな施策をとっていく場合に、そのための十分なデータをお持ちになるべきだと思いますし、この点が最も私どもが深く懸念しているところでございます。 今後、もしニーズが多様化し、増大すると見込まれるならば、十分に調査し、事前にさまざまな、問題が起きないような対応をされるべきだと思いますので、そういう実態調査なりに取り組んでいかれるお考えがあるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○若林政府委員 この点につきましては、全く先生の御指摘のとおりだと存じます。 したがいまして、私ども、この介護安定センターができました暁には、そこにおいていろいろな調査業務を行うことになるわけでございますので、ただいま御指摘の点につきましては、ぜひとも調査を進めまして、その実態を明らかにしてまいりたいというふうに思っております。
○外口委員 私が、いわゆるこの民間介護サービス業についての実態をきちっと把握して、そこに働く人々の権利を保障してほしいとお願いしているのは、実はかねてより何度も委員会においても質問をし、厚生省の担当部局にもその指導をお願いしているものとして、民間のシルバー産業の大きな一つとしての民間の福祉施設である有料老人ホーム問題にずっと私がかかわってきておるからでありまして、特に、この介護労働の関連からだけ触れますと、終身介護権などという非常に誇大広告をして、そのためにお年寄りが犠牲になっているのが非常に社会的な問題になっております。 これは、やはり利用者の多様なニーズにこたえるためにということが言われておりますけれども、公的なサービス、いわゆる特養老人ホームなどがきちっと整備されてない中で言われている。そういうような公共的なサービスがきちっと基盤としてあって、その上でニーズの多様化に備えた選択肢が発達していくということであるならばわかるのですが、全く公共的サービスが不備な中で出されてきているという点で、多くの利用者が誇大な広告に乗り、御自分の持ち家を売るなどして高額な入居料を払い終身介護権という架空の権利を買って、しかも入居した後、介護等が大変不十分で、その不十分なことに対する改善への手だてというものがなかなか得られないという状態にある。しかも、中にはホームが経営上の理由で倒産していくなど新聞紙上を大変にぎわしている問題でもあります。 これは、公的な施策が不十分なところに、利用者のニーズにこたえるという形で民間の施設が進出し、本来公的に行うべきことを国が肩がわりさせていったことから生じている問題と考えますので、民間介護サービス業がこれから増大していくことが見込まれているとするならば、事前にきちっとした調査をしていくことと、できる限り公共的なサービスの整備を早急に図っていくということが重要だと考えますが、担当課長さんおいでになっておりますので、そのようなことについてどのように今お考えかをお伺いしたいと思います。
○大田説明員 外口先生の御指摘の点で、まず、大前提といたしまして、民間シルバーサービスを振興するということは公的責任の放棄につながるのではないかという部分があったと思います。民間シルバーサービスを担当する者として一言お答えいたします。 やはり我々厚生省といたしましては、もちろん公的責任ということ、とりわけ介護につきましては公的責任が基本にあるということは、先生のお考えと全く一致しております。しかしながら、他方、先ほど局長の答弁もございましたように、これからの大変なスピードで迫りくる高齢社会にはやはり公的対応のみならず民間の対応がどうしても必要である、こういうふうな認識は全くはっきりしているところでございます。 この認識のもとに、先ほど個別問題といたしまして有料老人ホームのことがございました。昨年七月一日現在で二百二十八カ所の有料老人ホームが運営されております。全くの民間施設でございまして、入る方と受け入れる方、民間の自由契約の世界でございます。ここにおきまして、先生いろいろ御指摘がございましたけれども、その指摘の中で一つ私ども全くそのとおりであるということから、誇大広告でございますとか客を引きっけるためのいかがわしいパンフレットでございますとか、こういったいわば有料老人ホームを理解する、あるいは入るか入らないかという判断をする入り口につきましては、徹底的に明快で、不正なことがあってはいけない、こういうことから、去る四月一日に作業を終えまして、厚生省の方から各都道府県に通達を出しました。 その通達の内容は、一言でいいますと、今までとかく指摘されておりました入居案内あるいはパンフレットにおけるあいまいな表現あるいは誤解を招くような表現、それから不適切な表現、こういったものについて事例を挙げてそういうことのないようにということと同時に、そういったものについて撤去あるいは削除という方法を指示いたしたところでございます。 いずれにいたしましても、有料老人ホームに対するニーズはなおあるというふうに考えておりまして、適切な指導と育成というものを図ってまいりたいと考えております。
○外口委員 先ほどの御答弁のあった中で、公的責任と私が申し上げているのは、すべて直轄という意味ではなくて、いわゆる二階建てみたいなものも基礎にきちっとした公的サービスがあって初めてその上で選択することができるわけですから、そういった意味では、こういう二階建てではなくて、二本がこう立って、ここに民間があるとしたら、こちらが傾けば傾くわけですから、そうした構造的な問題であるということを指摘して、今後の取り組みに期待させていただきます。 今申し上げましたのは、そういうように公的サービスがきちっと整備されていない中で民間サービスのさまざまな問題があり、それがそこに働く人々に大きな負担を与え、そしてまたそのことによって良質な労働力を吸収できない領域になってしまっているという悪循環を繰り返す懸念があり、また、それが現実に起こっているということともあわせて今後の労働省の施策を求めたいと思ったからであります。 それで、そのことに関連して申し上げますと、私は、まずはこの高齢社会が緊急かつ最重要な政治課題だというならば、介護労働力確保の方策も基本的には国がきちっと責任を持って進めていかなければならないと考えます。 しかし、今回の法案におきましても介護労働安定センター、これは、今回の法改正案の目玉商品でもあるとされておりますけれども、国自身の手によってではなく民間法人を指定するという指定法人の形をとっています。これは国としての責任逃れだと私は思いますが、なぜこのような指定法人制度をとったのでしょうか、お答えください。
○若林政府委員 今回介護労働安定センターを指定いたしまして、情報、資料の収集、提供でございますとか、あるいは介護労働者の福祉の増進を図るための援助事業の運営、国の給付金の支給、相談援助、介護労働者に対する研修、職業紹介事業者に対する情報の提供等を行うことにしたわけでございます。 これらの業務につきましては、介護業務が直接人の生命、身体を扱うという性質上、専門的な知識を持った者が行う必要があるということで、国が行うよりも、むしろ介護に関する専門的な知識経験を持った民間事業団体によりまして専門的、弾力的にきめ細かく対応していくことが適当であるというふうに考えた次第でございます。しかしながら、この業務につきましては、もとより公益性が確保されるよう的確な実施を担保する必要があるわけでございます。また、介護雇用管理改善等計画に従いまして国の行政施策との整合性を保ち、適正かつ確実に実施される必要がございます。また、雇用管理改善指導等につきまして公正な実施が必要でございます。 そういうことで、この業務につきましては指定法人の業務というふうに構成をしたわけでございます。
○外口委員 介護労働安定センターの企画、運営に当たっては介護労働者の意見が反映されて当然だと思いますが、そのために具体的にどのような方策を考えておいででしょうか。
○若林政府委員 介護労働安定センターは介護労働者の福祉の増進を目的として事業を行うものでございますから、介護労働者の意見を把握することは重要でございまして、この点につきましては、十分に配慮して事業を実施していきたいというふうに考えております。
○外口委員 次の質問に移らせていただきます。 家政婦の中でも、現在、労働力供給事業により介護労働に従事をしている方々がおります。その数は二千名に及ぶと聞いておりますが、その方たちも本法案の対象になるのでしょうか、お伺いしたいと思います。
○伊藤(欣)政府委員 本法におきましては、介護労働者とは、専ら介護業務に従事する者をいうものとされておりまして、また、介護業務とは、身体上または精神上の障害があることによ月日常生活を営むのに支障がある者につき入浴、排せつ、食事その他の介護を行う業務をいうものとされておるところでございます。 お尋ねのいわゆる労働者供給事業につきましては、労働組合に認められているものでございますけれども、労働組合が行っております労供による家政婦さんにつきましても、先ほど申し上げました介護業務に従事する者でございましたら、介護労働者に該当し本法の対象となるものでございます。
○外口委員 そうしますと、先ほどの介護労働安定センターにおける介護労働者の福祉の増進のための事業や、その中の能力開発のための研修事業も、当然対象となるとお考えなのでしょうか。
○伊藤(欣)政府委員 いわゆる労供、労働者供給事業を行います家政婦さんたちの労働組合につきましては、職能別労働組合として、加入する家政婦組合員に対しまして技能向上等の活動が期待されるところでございますけれども、介護ニーズの増大や多様化に対応いたしまして必要とされる技能の水準も変化するものであり、組合として十分に対応できない場合も予想されるわけでございます。 介護労働者全体の技能水準等を高めていくことにつきましては、今後介護ニーズに適切に対応するための大きな課題であることでございますから、御指摘のように介護労働安定センターを通じての教育訓練、研修等につきましても、紹介所におきます家政婦さんたちと同様に十分配慮をなされるよう、また、福祉の増進の面についても同様に配慮がなされるように検討してまいりたいと考えます。
○外口委員 次に移らせていただきますが、先ほど岡崎委員も伺っておりましたが、厚生省の方にお伺いいたします。 先ほどの労働省の答弁の中で、家政婦の多くが病院で付き添いを行っているとの数字が挙げられていましたが、このような病院の中に付き添いがこうした形で存在するということ自体、非常に問題と考えておるものでございますが、今後この問題に対し厚生省としてはどのような対応をしていかれるおつもりなのか、お伺いします。
○小野説明員 現実に病院に付き添いの方が入っておられるという実情があるという御指摘でございます。 私ども、本来患者に対します看護あるいは介護サービスと申しますのは、病院の適切な管理体制のもとで、ハウススタッフと申しますか医療機関の看護スタッフがそれに当たるということが望ましいものというふうに考えております。しかしながら、十分な看護・介護職員が確保されていない場合がございますし、また歴史的な経緯がございますので、そういった場合に病院の外のスタッフによる付添看護が従来行われてきたわけでございます。しかしながら、先ほど申し上げましたように、良質な看護・介護サービスを提供するという観点や保険外負担の是正というふうな観点からすれば、こういった付添看護の適正化を図りまして、適切な看護サービス、介護サービスが病院の責任下で提供されるということが望ましいものと考えております。 これに関しましては、今回の診療報酬改定におきまして、その改善のための幾つかの措置を講じたところでございます。 具体的には四点ほどございますが、一つは、関係法令の改正によりまして、付添看護に関します保険医療機関の責任を明確化したこと、第二点目は、現行付添看護の要件を見直したこと、第三点目は、付添看護を必要としない病院の拡大というふうな観点から、基準看護の重点的評価等を行ったことでございます。それから四点目に、直ちに入院医療管理病院となれない病院につきましては、入院医療管理移行計画制度の導入等を行ったところであります。 これらの措置を通じまして、先ほど来申し上げておりますように、適切な看護・介護サービスが提供されるような措置が促進されますように努めてまいりたいと考えております。
○外口委員 受け手側にとっても大変負担が大きいということ、また、そこで働く者にとっても、一つの病室の中で二人、三人を一緒に二十四時間体制で見るという非常に苛酷な労働条件の中に置かれている、このような病院の中の付き添いというものに対して、労働省としてはどのような施策を講じようとお考えなのでしょうか。
○若林政府委員 病院の看護・介護体制のあり方をどういうふうにすべきであるか、そのあり方はどうであるかということにつきましては、これはやはり医療、福祉の政策の問題であろうかと存じます。 私どもは、そういったような政策を尊重いたしまして、そこにおいて必要とされるマンパワーをどうしていくか、そしてまたそこで働く方々が安定した、そしてよい環境の中で働ける、そういった条件をつくっていくということでございますので、病院の中での看護・介護体制のあり方というものにつきましては、私どもは医療、福祉行政のお考えに沿ってこれを尊重して、協力をして進めていくべきだというふうに考えております。
○外口委員 先ほど協力体制を強めて進めていきたいというお答えをいただいたばかりですのに、やはりそういう医療、福祉の内容になるとそれは自分たちの所管ではないとおっしゃられますが、そういう職場に働いている者の権利を保障するための施策づくりをする労働省が、中身に無関心であっていいとは決して私は思いませんので、そういう点について、今後十分な協力体制をとっていただきたいというふうに望みます。
○若林政府委員 その点は全く御指摘のとおりでありまして、私、言葉が足らなかったと存じますけれども、そういった点につきましては、全く先生のお考えと私どもの考えと異なるところはないというふうに思っております。
○外口委員 私は今まで質問をしてまいりましたが、まだまだこのような介護労働の分野に良質な人材を吸収していくための社会的なシステムというものについては不備である、そしてまた、どのようなシステムがよいのかということを検討していくに当たって、基礎的なデータもまだ明らかではないというように受けとめられております。また、中身についてお話しすると、それは厚生省であるという所管官庁の問題とされていきやすい、こういう状況の中で、国を挙げてこの高齢社会に向けての対応をしようとするゴールドプランなるものを出している時期において、非常に残念だと思いますので、今後ぜひともそのような仕組みづくりに力を入れていっていただきたいというふうに思います。 最後に、もう一つ質問させていただきます。 介護が単に労働の一分野の問題だけではなくて、社会全体の問題であるということは先ほどから述べておりますが、介護の社会的地位の向上や介護休業の実現等もいろいろ考えていかなければならないと思っているところですが、労働省としては、介護休業制度というものの普及状況をどの程度把握されておいででございましょうか。また、今後の普及促進策として、どういうような取り組みをなされているか。さらには、そのような介護休業についての法制化のお考えはお持ちなのかどうか。この三点について、お伺いします。
○松原政府委員 お答え申し上げます。 私どもが把握しております介護休業の普及率でございますけれども、昨年の二月現在で一三・七%という状況でございます。 先生御指摘のように、高齢化、核家族化等を背景といたしまして、労働者にとって、職業生活と家庭生活を維持するという上で介護にどういうような対応をとるかというのは、極めて重要な課題になってきているわけであります。そういうことで、労働省といたしましては、この介護休業制度をなるべく多くの企業に導入されるようにということで、平成二年度よりさまざまな努力をやってまいりました。さらに、今後もう少し具体的な普及指導をやりたいというふうに考えておりまして、そのため、介護休業、それ以外の労働者の介護を支える企業内の制度等につきましてのガイドラインの検討をやっているところでございます。これがいよいよ最終の段階に来ておるわけでございますので、私どもは、今、検討会議でそのための検討をお願いしておりますが、その検討会議の結論をなるべく早く得て、役所といたしましてガイドラインを策定し、普及指導をやりたいというふうに思っております。 なお、法制化の問題でございますが、今直ちに検討するということにはならないかとは思いますけれども、必要に応じ、その点も視野に入れて今後行政を展開していきたいというふうに思っているところでございます。
○外口委員 介護休業制度化についての基本的な考え方ですが、不足するマンパワーを補完するという観点からではなく、やはり多くの人たちが自分の問題としてこの介護労働を、そして、人間にとって基本的な営みとしての介護するという仕事を多くの人が体験する、健康なときに体験する、そういう学習としての学習の機会、場面としての重要性ということを私は強調しておきたいと思います。 私は今までいろいろと申し上げてまいりましたが、この介護労働の問題、労働者の問題は、労働省の問題でもなく厚生省の問題であるというのでもなく、国全体の責任においてもっと福祉労働にどれだけの公的な財源をかけていくことができるのかという、ここに大蔵省の方お呼びしてないから残念ですが、そのような国全体の姿勢、そういうものが問われているところではないかと思います。 そういった意味では、今回は所轄官庁の方々に御質問いたしましたが、今後公的な財源を、そしてこれを国を挙げての施策としてゴールドプランなるものも打ち上げられているようですが、イミテーションゴールドプランにならないような、実質的な裏づけを確実にとっていくような、そういう施策をとっていただきたいというふうに求めます。 最後に、いろいろ質問してまいりましたが、労働大臣、こうした重要な時期に労働大臣の席にありまして、今後どのような取り組みをなされていくかということについて、ぜひとも御決意のほどをお伺いしたいと思います。
○近藤国務大臣 労働行政の大きな目標は、労働者の方々が自分の能力をフルに発揮できるような職場環境をつくることであり、同時に、社会的に必要とされる分野に労働者の方々が、労働力が円滑に流れていくといいますか配置される、そういう体制をつくることだと私は考えておるわけであります。 介護労働という問題は、これはもうたびたびここでもお話がございますように、これから社会的にも大変要求の高い分野でございますので、その分野に必要な労働力が積極的に参入してくる、このためには、ややもすれば従来介護また看護もそうでございますけれども、大変厳しい労働条件もございまして、十分人が集まっていただけない分野でもございましたので、これは公的な立場で、またやはり民間の役割もあるわけであります、相まって介護・看護に携わる方々の労働条件、福祉、そして、ましてこの方々の社会保障、こういった問題についての一つの枠組み、システムを提供いたしたい、これが今度の法案として皆さんに御審議していただいたゆえんでございますので、こういった観点に立ちまして、介護分野を初めとする産業の実情に応じた労働力確保を進めていく。また、こういう分野について積極的な意欲を持った方が参入できるような、そういう基礎づくりを、この法案の成立をお願いして、これから積極的に労働省としても進めてまいりたいと考えている次第でございます。
○外口委員 終わります。
○川崎委員長 この際、暫時休憩いたします。 午後零時四十七分休憩 ————◇————— 午後一時四十三分開議
○川崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。五島正規君。
○五島委員 午前中の同僚議員の質問に引き続きまして、法案につきまして若干の質問をさせていただきたいと思います。 午前中、同僚議員の質問に対しまして若林局長の方から、現在約十六万人の家政婦さんたちがいわゆる看護婦家政婦紹介所を通じて介護労働に従事しておられるというお話がございました。現在、看護婦家政婦紹介所に登録されている人々は、日本臨床看護家政協会あるいは日紹連看護婦家政婦福祉協会、日本民営看護婦家政婦紹介事業組合など約十六万五千人おられるというふうに聞いております。そのうちの約八〇%までが病院における付添業務あるいは看護補助の業務に従事しておられるわけでございます。これは言いかえてみれば、現在の日本の医療の中において、この十六万人の付添婦さんあるいは看護補助業務に従事しておられる方々の労働力というものがあって、非常に劣悪と言われながらも現在の医療現場の中における介護の水準というものが保たれているということになるかと思います。 ところで、この法案においては介護業務という形でもって述べられているわけでございますが、職業安定法の第三十二条では、有料職業紹介を認めた職種というものについて職安法の施行規則の別表第二表に掲載しておられます。その中の「家政婦」として示された紹企業務の中に、「患者、病弱者等の付添いの業務又は看護の補助の業務(病院等の施設において行われるものに限る。)を行う者」というふうに家政婦の業務が規定されております。 そこで、労働省の方にお伺いするわけでございますが、労働省の方として、こういうふうに職安法に書いておられます付添業務と看護の補助業務というのはどのように区別しておられるのか。また、今回介護業務を本法において定義しておられるわけでございますが、介護業務と付添業務、あるいは介護業務と看護の補助業務はどのように区別されるのか。とりわけ病院の中において行われる介護業務と看護の補助業務はどのように区別できるのか、お答えいただきたいと思います。
○若林政府委員 付き添いの業務につきましては、介護を必要とする方に対します食事、排せつ、入浴等の介護の業務を行うものでございますけれども、看護の補助の業務につきましては、医療の一環として行われます看護業務に附帯する業務を行うものでございまして、実際上この二つの業務の業務内容が重複することはあるわけでございますけれども、しかし、この性格、位置づけ、そういった面におきましてこの二つの業務は別の業務として区別されているものでございます。 そして、家政婦の行います付添業務は、この法案で申しますところの介護業務の一類型でございまして、介護業務に含まれる、こういうことでございます。
○五島委員 本法に挙げられております介護の業務というものが看護の補助業務とは別のものであるとおっしゃるわけでございますが、本法の規定の中にございます介護の業務というものは、看護の補助業務に当てはまるのか当てはまらないのか。とりわけこの業務が病院の中で実施された場合、これがとりもなおさず看護業務全体の中における一部であり、その業務を専属で行うとするならばそれは看護の補助業務になるというふうに理解するわけでございます。 「この法律において「介護業務」とは、身体上又は精神上の障害があることにより日常生活を営むのに支障がある者につき入浴、排せつ、食事その他の介護を行う業務をいう。」というふうに書かれているわけでございまして、これがいわゆる療養を必要とする病院の中で実施される場合は、この業務は基本的に看護業務として計画され、その看護業務の一部としてその部分を専属にするということになれば補助業務ということになるかと思うわけでございますが、その点について、厚生省お見えになっておると思いますが、どのようにお考えがお伺いしたいと思います。
○矢野説明員 お答えいたします。 今の局長さんのお答えにありますように、職業安定法施行規則の解釈につきましては労働者側におきまして判断される事項であると考えておりますが、一般論といたしまして、一般に、付き添いとは、患者または患者家族にかわって身の回りの世話を行うものであるというふうに思っております。個人的に雇用される形態であると考えます。 一方、今御指摘の看護の補助業務ということにつきましては、今のお話では病院の例でございますので、医学的観点から必要とされる行為で、有資格者が行う看護業務の補助として看護チームの一員により行われるものでありまして、例えば器材の運搬でありますとか整理でありますとか、そういうふうなことも含まれる点では両者は異なっているというふうに考えております。
○五島委員 現在職安法の施行規則の第二表に書かれております家政婦として紹介される業務、その中には付添業務と看護の補助業務というこの二つがある、そして、労働省は今介護の業務というのは看護の補助業務とは別であるというふうにおっしゃったわけでございますが、そうしますと、家政婦の業務として挙げる第二表の中には、この介護の業務というものは新しく入ってくるのか、それとも患者、病弱者の付添業務ということとイコールとして考えておられるのか、あるいは看護の補助の業務というものまで含めてこれを使っておられるのか、その辺を明確にしていただきたいと思います。 〔委員長退席、永井委員長代理着席〕
○若林政府委員 ただいま先生御指摘ございましたように、職業安定法施行規則の別表の第二で、家政婦という職業の内容につきましては「家政一般の業務、患者、病弱者等の付添いの業務又は看護の補助の業務を行う者」、こういうふうに書いてあるわけでございますが、今回の介護労働者という概念に当たりますものは、基本的にはこの「患者、病弱者等の付添いの業務」、これをいうものというふうに私どもは理解をいたしております。
○五島委員 「患者、病弱者等の付添いの業務」、この付き添いの業務というのは非常に今問題になっているところでございまして、今回の診療報酬の改定の中においても、この付添業務というものについては基本的に、例えば術後、重病者については有資格者にかえていく、あるいは病院の直用によってそういう業務を看護の補助業務として賄っていくような方向というものが出されているわけでございます。 そういう意味で、付添業務というのはこれまで実態として長く続いてまいりました。非常に劣悪な労働状況のもとにおいて、十六万人の約八割という女性によってその業務が維持されてきた、それが歴史的な事実でございますが、この位置づけというものが看護全体の中においてどう位置づけられるのか、必ずしも明確ではございません。 もちろん病院の中という一つの範囲を特定——というのは、十六万人の中の八割が病院の中だということを考えた場合、どうしてもこの病院の中ということに特定して議論を進めていかなければならないと思うわけでございますが、この病院の中における付添業務というものは、看護計画全体、看護の業務全体とどのようにかかわっているのか。例えば看護の業務全体とは全く無縁の存在として看護の補助業務、いわゆる付き添いの業務があるのか、看護の補助業務と付添業務というものは、看護の補助業務ならここまでやらなければいけない、やってもいいが、付添業務ならここまでしかやってはいけない、そういうようなことが労働省として明確に何か出しておられるのかどうか、お伺いしたいと思うのです。
○若林政府委員 私どもその看護の補助業務と付き添いの業務というものについて指針を出しているものではございませんけれども、私どもの理解といたしましては、先ほど申し上げましたように、介護の業務、付き添いの業務というものは、あくまでも個人の要介護者に雇用されまして、その方の食事、排せつ、入浴等の業務を行うというところに基本的には限定されていく。恐らく看護の補助の業務と申しますと、これは病院に雇用されまして、病院の医療チームの一員としていろいろな広い業務を行っていくということでございますから、そこにはおのずと差があるものというふうに理解をいたしております。
○五島委員 そういたしますと、今紹介される家政婦の業務としてございます看護の補助業務という部分については、今回の法律の対象外である、そのように理解していいわけでございますか。
○若林政府委員 専ら看護の補助業務として従事するという家政婦さんにつきましては、今回の法律の対象にはならない、対象の範囲ではないということでございます。
○五島委員 看護の補助業務というものは今回の法律の対象外であるということになりますと、ますます付添業務というものと、それから患者さんの全体的な看護計画というものとの調和というものが必要になってまいります。 実態を見てみますと、現実問題として、付き添いさんが非常に大量に入っている医療機関というのは看護婦が足りない、あるいは看護婦さん、病院直用の看護助手さんが足りない、看護の補助者が足りないという実態の中でこの付添婦さんというのは導入されているという実態がございます。しかも、その中における本来看護婦の専らの業務であるべき、例えば褥瘡の防止のための処置、あるいは長期の療養者、とりわけ寝たきりのお年寄りなんかに必要な入浴上の介助、あるいは療養生活上において極めて大事でありその中からの観察というものが看護の上において極めて重要な役割を持つと考えられる食事の介助、そうしたものが付き添いさんの手によって行われてきている。で、現実の中においては非常に少数の看護婦さんなりそうした人々が、付き添いさんからのそういう報告を受けて、そしてその患者さんの病状あるいは状態を把握しているというのが実態であるかと思うわけでございますが、今厚生省はそうした付き添いという名目のもとにおいて行われておるその日常的な業務を、看護の補助業務とは違う、看護の補助業務は今回の法律の対象にはなっていない、こういうふうにおっしゃるわけでございます。 そうなりますと、一体業務としてそこで働いている付き添いさんたち、その人々の業務の内容というのは今後変わってくるのか、その点についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
○都築説明員 技術的な問題でございますので、担当の民間需給調整事業室長でございますが、お答え申し上げます。 五島先生御指摘の点につきまして、業務の内容がどのように変わってくるかということでございますが、先ほど局長が御答弁申し上げましたように、看護の補助業務につきましては先ほど御説明があったとおりでございまして、今回の介護の業務というものに関しては、先ほどの職業安定法施行規則の別表第二で規定しておりますような範疇の業務を行う者を家政婦というふうに定義しておるわけでございまして、業務自体につきましては先ほどの介護の業務ということで定義をしておりますが、職業安定法の方では一応職業の種類ということでこういう業務を行う者を家政婦というふうに定義をしているわけでございます。
○五島委員 どうも御回答いただいたような気がしないのですが、これはここで介護の業務というのを法律の中に書いておられる。これは労働省が書いておるのです。その業務が医療機関の中において行われた場合、これは看護の補助業務に当たるのではないか、それを分けるということは、業務という面から見れば無理ではないかということを言っておるわけでございます。 先ほど厚生省にもお伺いしたわけでございますが、厚生省の方にもう一度、ここに書かれております。務の問題について、その法律とのかかわりの問題を今聞いているわけじゃなくて、あるいは雇用関係の問題を聞いているわけじゃなくて、業務の問題としてここに挙げられております介護の業務というもの、これが医療機関の中において実施された場合、それが看護の補助業務ではないかということを、厚生省、どのようにお考えですか。
○矢野説明員 業務につきましては、看護の業務ということで分けますと、これは保助看法上におきまして、診療の補助とかあるいは療養上の世話というふうに区別をされておりますが、その看護の補助業務というのは、そうした有資格者が行う看護業務の補助として行われているということでございます。例えば、先ほども例に挙げましたが、病室内の環境整備とか、入浴の準備・後始末、それから食事の配ぜんとか後始末等のいわゆる患者の身の回りの世話、それから治療用具の整理整とん、それから検体の搬送とか直接患者の病状にかかわりのない範囲の業務とかそういうものがこれに該当するのではないかなというふうに思っております。
○五島委員 今の厚生省の話と局長の言っておられることとやはり随分違うのです。現実に十六万人の家政婦さんたち、病院に配置されているその八割の方々の業務というのは、看護の補助業務としてやっておられるわけです。一方、局長がおっしゃるような中身、あるいは今厚生省の方からお答えいただいた中身からいうならば、例えば病室内の掃除であるとか、あるいは入浴の準備・後始末といったようなそういう部分というものを中心におっしゃられる。 しかし、そうなってきますと、現在付き添いとして働いておられる多くの人々の労働というものはどうなってくるのか。それは看護の補助業務であるからこの法律は適用外でそのまま放置するということになりますと、午前中局長がおっしゃいました二十六万人、そのうち病院の中に働いている人が十六万人、この十六万人の八割である約十二万数千という人たちについてはこの法の適用外なんだということになってしまうと思うわけでございますが、その点についてどのようにお考えですか。
○若林政府委員 私ども、先ほど申しましたように、職業紹介所から紹介されまして、要介護者あるいはその御家族に雇われて病院の中で付き添いをしている家政婦の方たち、これはあくまでもやはり付き添いの業務に従事しているわけでございまして、食事、入浴等のお世話をいたしておるわけでございますから、これは私どもはこの法律の対象としてその雇用管理の改善に努めていく、そういう対象であるというふうに考えております。
○五島委員 その介護の業務というところを、介護の内容、中身というふうな部分について具体的に厚生省とすり合わせをされないままに労働省はこの法案の中にそういう介護業務というものを位置づけをしておられる。今の局長の話を聞いていますと、また厚生省の話を聞いていますと、医療機関の中における介護業務ということについては、これはこの法案でそのままやっていったのでは、どうも御説明の趣旨と違うようだ。その点については改めて厚生省との間に具体的な業務についてのすり合わせが必要なんではないかというふうに考えるわけでございますが、時間の関係がございますので、次に質問を進めさせていただきます。 職安法の第三十二条に規定する有料職業紹企業務として、その第二表に家政婦とともにそのほか幾つかの職種が挙げられているわけでございますが、看護婦さんやあるいは医療技術者も挙げられております。 現在、看護婦家政婦紹介所に登録されております看護婦さんあるいは准看護婦さんはどれぐらいおいでになるのでしょうか。
○伊藤(欣)政府委員 平成二年度末の数字でございますけれども、看護婦さんの有効求職者数は三千七百六十四人ということになっているわけでございます。 なお、准看護婦さんにつきましては、統計上家政婦に含めて集計しておるため、准看護婦のみの求職者は現在のところ把握してないわけでございます。
○五島委員 また、看護婦さんあるいは医療技術者は紹介できるとなっているわけですが、この人たちが紹介される相手というのは、これはあくまで医療機関とか、例えば看護婦の場合ですと新たにできました訪問看護センターとかそういうふうな治療機関に対して紹介するのか、あるいはこういうような人たちを個人に対して紹介するのか、その辺はどうなんですか。
○若林政府委員 民営の職業紹介所は、職業安定法によりまして、法令に違反する等の場合を除きまして、いかなる求人の申し込みも受理しなければならないということになっておるわけでございまして、看護婦家政婦紹介所につきましても、医療機関以外から看護婦とか准看護婦の求人がございますれば、それが法令に違反するといったようなものでなければこれを受け付けまして、適切な求職者を紹介することができる、こういうことになっているわけでございます。
○五島委員 看護婦の資格を持っておられる方が家政婦の仕事をしていけない理由はないわけでございまして、そういうことを聞いているわけではございません。看護婦が看護婦として紹介される場合ですね、その場合は医療機関あるいは訪問看護センターといったようなところにしか紹介されないのかどうか。そのほかレントゲン技師なんかの場合もあるわけでございます。これは別の職種でございますが、それは今回この法に関係ございませんのでお聞きしませんが、看護婦が看護婦として紹介されるのは、そういう医療機関もしくはそういう訪問看護センターのようなところ、そういうふうな事業所に対してのみ紹介をされるのかどうか、それをお伺いしているわけです。
○若林政府委員 これは、実態は別といたしまして、民営職業紹介所といたしましては、ただいま申しましたように、法令等に何か違反するというようなことがない限りは、医療機関以外からの求人でございましても看護婦、准看護婦を求職者として紹介することができるということでございます。
○五島委員 そうしますと、看護婦を病院に入院している患者個人に対して看護婦として紹介するということは認められるわけですか。
○若林政府委員 これは、法令に違反しない限りにおきましては、個人の要介護者の方に看護婦さんを紹介することができると私どもは理解いたしております。
○五島委員 有資格者を紹介できるということを聞いているわけじゃないですよ。さっきから繰り返しておりますが、看護婦の資格を持っている方を看護の業務をするという目的でもって個人に紹介できるかどうかということを聞いているわけでございまして、それができるということになりますと、その場合、その看護婦さんが実際におやりになる仕事は看護という業務であるということになるわけでございますね。その場合に、その看護婦さんの身分上の扱いはどうなってくるのか。 例えばこれは看護の補助者の場合も同じことが言えるわけでございますが、看護婦や准看護婦が看護を行う場合、これは言うまでもなく医師の指示のもとでしかできないはずでございますね。それでもって看護の業務というのは成り立っている。看護婦、准看護婦が病院で患者に対して看護婦として看護する場合に、当該医療機関における医師の指示でしか業務は遂行できない。また、その場合に、医師からの指示を遂行する義務というものが付随的に当然あると考えるわけでございますが、それはどうお考えですか。
○若林政府委員 看護婦さんが看護婦さんとして民営の職業紹介所を通して医療機関にいる要介護者のところに雇用されるということにつきましては、もとよりそこにおける業務の遂行というものは、看護婦さんをめぐりますいろいろな法令、法規、それから当該病院におきますいろいろな施設としての規則、そういったものに当然拘束されると申しましょうか、そういったものの範囲においてその活動を行うことになる、それは御指摘のとおりだろうと思います。
○五島委員 そうした形の看護婦さんの場合、その看護婦さんの雇用の関係は患者さんとの契約において仕事をしておられるという関係になりますが、実際にそこにおいて行われる労働といいますか業務の中身ということになってまいりますと、それは医師の指示のもとにおいて、一定の指示としかもその遂行義務ということで支配権を持って仕事をしていくということになるわけでございます。 そういうふうなことになりますと、例えば、そういう状況において働いている看護婦さんの労働者性の問題、あるいはそこにおける義務の問題等々非常に矛盾が出てくる、そのように考えるわけでございますが、その辺はどうでございますか。もし相対契約で、患者さんと看護婦さんとの契約において働けているということであるならば、言いかえれば、その契約とは無関係である医師やそこの医療機関からの指示、あるいはその指示に対する遂行ということについては全く自由であって当然だと考えるわけですが、看護という性格上そうはならないということになりますと、そこのところに非常に大きな矛盾が出てくると考えるわけでございますが、いかがでございますか。
○若林政府委員 今そういった場合の労働者性の問題についてのお尋ねがあったわけでございますけれども、患者さんに紹介される看護婦さんは、通常、当然のことながら、患者さんが雇用いたしまして報酬を支払っているわけでございますから、その場合におきましては、病院との関係で雇用する労働者ということになるわけではございませんで、あくまでもそれは雇用している患者さんとの関係で労働者性があるかないかといったものを判断していくべき事柄だろうというふうに思います。 〔永井委員長代理退席、委員長着席〕
○五島委員 厚生省にちょっとお伺いしますが、それでいいのですか。 看護婦が看護婦として病院に派遣されて看護の業務をするということになった場合、今、看護婦の開業権というのは認められてないわけですね。そうなりますと、当然看護というものは、現行法のもとにおいては基本的に医師の指示のもとにおいて業務をするということになると思うわけでございます。 そうした場合に、その看護婦に対して、患者に対する具体的な看護としての指示が医療機関から出た場合、あるいは要請が出た場合、そのことについて遂行する義務が看護という職業に付随したものとしてあるのかないのか。 例えば、患者さんに看護婦さんとしてついている。褥瘡防止のために二時間ごとに体位の変換をしてくれと医師の方から指示が出た。しかし、その指示のことはできない。私は、二時間ごとに体位の変換をしなくても日に一回の体位の変換をすればいい。あるいは体温の測定を二時間ごとにやってくれ。そんなことをしなくたって、私の経験からいえば、朝一回体温をはかっておけばそれでいいだろうということで看護婦さんが、病院あるいは医師との契約関係がないわけですから、仮にそういうふうに業務をやる。そのことは看護業務として認められるのかどうか。すなわち、医師の指示に優先させて看護婦の判断、治療上、観察上の判断を優先させるということが具体的に起こった場合、それは認められるのかどうか。その点について、厚生省、どうお考えですか。
○矢野説明員 大変難しい質問でございまして、一つは、今の場合ですと、看護婦が特定の患者さんに雇われた場合にやっている業務をどういうふうに見るか、看護をやっているのじゃないかというお話ではないかと理解いたしますが、一般的に、看護婦、准看護婦と医師の指示との関係については保助看法三十七条で決まっているわけでございまして、医師の指示があった場合のほかはいろいろな医療行為をやってはいけないというふうに規定しているわけでございます。ですから、ちょっと説明になりますけれども、医薬品を投与する場合には個別的な指示が医師から必要でありますし、それから診療の補助を行う場合についても、一般的には包括的な指示でやっているというのが実態でございます。 今のお話につきましては、付添業務と、実際に入っている患者についている看護婦さんの関係でございますが、先ほど最初に申し上げましたように、看護婦として入ってきてはおりますが、やっている業務につきましては、先ほどの個人的に雇用されているという関係で来ているわけでございますから、実際に、今体温のこととかいろいろなお話がございましたけれども、それは本来はというか、医療チームの中での看護婦の業務として見て、医師の指示があれば、それは医師の指示に基づいてやっておりますチームの方で判断して、どういうふうにしたらいいかということを決めているのでありまして、看護婦として患者さんについている一人の方という形でついている場合には、それは看護の仕事もやってないわけではないと思いますけれども、付き添いとして見ているというのが私たちの考えでございます。
○若林政府委員 先ほど来一つの制度としての枠組みの議論をさせでいただいているわけでございますけれども、若干実態を御説明させていただきます。 平成二年度末現在で三千八百人近くの看護婦さんが看護婦家政婦紹介所に登録して働いておりまして、これらの看護婦さんの紹介先につきましては統計的なデータはないのでございますけれども、実態を申し上げますと、病院に直用されているケースは大変まれなようでございまして、病院等にいる患者さんに紹介されましたり在宅での介護に紹介されるケースが多いと聞いております。
○五島委員 ですから、初めから私が申しておりますように、看護婦さんが家政婦さんとして、付き添いさんとして仕事をすることを禁じられる理由は全くない。だから、そのことはいいのだと。看護婦が看護婦として派遣されるという場合の話をしているわけでございます。 なぜそういう話をするかといいますと、今日、看護婦不足というものが非常に深刻でございます。しかしその中で、約四十四万の看護職場から離職している看護婦さんがおられます。少なくとも三十数万が六十歳未満のまだ十分労働力のある看護婦であるというふうにも言われております。また、その看護婦さんが、では、医療現場から離れておられるからもう医療の現場には戻りたくないという人、当然、それは看護婦の資格を持っていても看護以外の仕事につかれることを望まれることがあっても不思議ではないわけです。 しかし、そういうふうな人たちばかりなのかということについて検討してみますと、今回、東京都で数万の人について調査をやっておられましたけれども、その中の非常に多くの方々が、一定の雇用の条件あるいは時間的なもの、そういうふうなものを考慮した上で、基本的にやはり医療の現場で働きたいという御要望を持っておられるということが調査の結果出てまいっております。そうしますと、看護婦さんでも、この法案でやっていくのであれば、これは全部、何かはっきりしない介護、中身は何かというと、看護補助の仕事でもないが何か看護補助の仕事に極めて近いみたいな、そういうあいまいなところで働いてもらうということしか出てこない。しかし、今大事なことは、看護婦さんに、パートや非常勤で働きたいというのは四八%、あるいは勤務日数や勤務時間を自由に選びたいというふうな希望を持っておられる方々が非常に多い、約八割ぐらいの人たちが何らかの形で再び職場への、医療現場への復帰というものを望んでおられるという調査結果も出ています。 そうしますと、公共職業安定所はいろいろ機能も果たしておられるんでしょうけれども、こうした民間の看護婦家政婦紹介所などの大きな機能として、そうした看護婦さんたちを医療機関なり訪問看護センターというところへ看護婦として紹介していく、そのことを前提として考えていかないと、いつまでたっても、何が何でも付き添いさんだ、患者と家政婦さんとの個人契約、そういう業界としてこれを育て上げようとしているんだとしか思えないような対応というのは、非常に問題があるんじゃないかというふうに考えるわけです。 あわせまして、今日、家政婦さんが非常に高齢化している、御承知のとおりでございます。若年者が少ないということで、外国人の家政婦さん、付き添いさんがふえてきているというふうに言われています。こうした風潮の中で、ブラジルなど外国においてまで日本における家政婦や看護補助者の募集がなされているというふうにも聞いています。有料職業紹介ということで、あくまで職業紹介なんだということで厚生省はお逃げになるんでしょうけれども、しかし基本的に、職安法の三十七条、三十八条、三十九条、委託募集とか募集の制限とか募集地域の原則といった内容から見ると、今日、こうした看護補助の仕事というものは若い人たちのなり手が非常に少ないという中で、そういう業界がどんどん外国にまで人を募集していっているということは、非常に問題があるんではないかというふうに考えるわけでございますが、これらの点について労働省はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
○若林政府委員 まず、潜在看護婦の方々の再就職の促進につきましては、これは重要な課題でございまして、労働省といたしましては、今年度設置を予定しております福祉重点ハローワークにおきまして、求職者の登録制度をとりまして、その再就職に努めてまいりたいというふうに思っておるところでございます。 毎年四万ないし五万人の求職者が安定機関に来られるわけてございまして、二万人ぐらいの方がその中から就職をしているわけでございますけれども、こういった方々を御本人の希望に応じまして求職登録をし、いろいろな情報を提供するというような形によって、再就職の促進を図っていくべきであると考えております。また、看護婦確保法によりまして指定することになっておりますナースセンターも当然この業務を積極的に進めていくわけでございまして、こういった機関が相連携して、ただいま先生おっしゃいます四十万と言われる潜在看護婦の方々の再就職の促進を進めていくべきであると思っております。また、看護婦紹介所におきましても、やはりただいま先生御指摘のように、潜在看護婦の再就職の促進を進める役割を担うのは御指摘のとおりでございまして、看護婦紹介所が近代化を図りましてその機能を高めるように、私どもも指導を進めてまいりたいというふうに考えております。 日系南米人の方が最近我が国で民営職業紹介所を通しての家政婦の業務についているということは、私どもも承知いたしておりますけれども、こういった民営職業紹介所は、求人者と求職者の間に立ちまして雇用関係の成立をあっせんすることを業といたしておりますので、紹介所が労働者を直接雇用するものではないことは御案内のとおりでございます。 一方で、雇用する労働者の募集に関しましては、職業安定法におきましては、例えば委託募集につきましては労働大臣の許可を受けるといったような一定の規制を行っておるわけでございます。ただ、この規制は、こういう職業安定法の規制は、基本的には国内を規制するものでございますので、国外にわたる労働者の募集とか求職者開拓にどの程度規制が及ぶかということについてはいろいろ議論がございます。 私どもは、いずれにしましても、少なくともこういう日系人を国内で紹介する場合には、相手国と申しますかそれぞれの国の、外国の法令を遵守するということと、外国から来た方でありますので、こういった求職者の労働条件等に十分配慮するように、こういう指導はいたしておるところでございます。
○五島委員 その点は、後でもう一度質問させていただきます。 今、看護婦の問題について話したわけですが、同じく看護助手者、いわゆる看護補助をする人たちということにつきましても、先ほど局長の話では、看護補助の業務とこれで言っている介護の業務は違うと言われるわけです。私は違わないと思う。もし、あえて違うということを業務の上で明確にしようとするならば、厚生省がおっしゃられたような内容になってくるかと思うわけです。 一方、実態を見てみると、各医療機関の中におけるマンパワー不足というのは何が足りないか。看護婦の業務に従事する人がいない、したがって、看護補助者が必要なんだというのが現在の実態で、それを非常に劣悪な労働条件で支えてこられたという経過があると思うわけでございます。 そういう意味から見てみますと、看護補助者につきましても、基本的には医療機関に対する施設紹介、施設に対する紹介というものをやはりもっと強めていくべきである、そういうふうな法の内容にすべきではないかというふうに考えるわけです。 ちなみに、これは全国的な法人でございますが、看護婦家政婦紹介所なんかのいわゆる料金表なんかを見てみますと、看護補助者、准看護婦、看護婦、こういう三段階に分かれて、看護料、基本給料、時間外手当といったようなものについて一覧表ができて、全国で利用されているわけでございます。 実態としては、医療機関におけるマンパワー不足の中において、看護の業務あるいは看護補助の業務をこの方々が担ってきておられる。そこのところを整理しないまま、この法案は、介護業務という、医療機関の中で見てみると極めて問題のある、そういうふうな業務を規定して、そして、それでその矛盾に一挙に目をつぶって、相変わらず個人と本人との関係ということにおいての雇用関係で、労働者性という意味において非常に不安定な条件に置こうとしているのではないかというふうに思わざるを得ません。 そこで、再度お伺いするわけでございますが、看護婦さんや准看護婦さん、その人たちを看護の業務に従事することを目的として紹介する場合は、その紹介先は医療機関及び訪問看護ステーションに限定すべきというふうに考えるわけでございますが、それについては異存ございませんか。
○若林政府委員 先ほどもお答え申し上げましたことの繰り返しになって恐縮なんでございますけれども、民営職業紹介事業と申しますものは、安定法によりまして、法令に違反する等の場合を除きまして、いかなる求人の申し込みも受理しなければならないわけでございまして、看護婦家政婦紹介所におきましても、医療機関でございますとかあるいは訪問看護ステーション以外から看護婦、准看護婦の求人があれば、それが法令に違反するものでない限り、これを受け付けて適切な求職者を御紹介できるということになっておるわけでございますので、これは制度として、やはり法令に違反するものでない限り看護婦さんを看護婦さんとして紹介申し上げる、それは医療機関及び訪問看護ステーションに限定されるべきものではないというふうに考えております。
○五島委員 そうしますと、さっきから質問していたことにまたもとに戻ってしまうわけで、何度も繰り返していますよ。 じゃ、その場合に、紹介された看護婦さんは、家政婦としてではなくて看護婦として紹介された場合に、その看護の業務というのは医師の指示、命令下に入るわけですし、業務の遂行義務を負うわけですね。これは確かに給与の支払いは患者が出しているという経過はあったとしても、業務上の指示、支配権がそこにあるとするならば、それは基本的には、その本人の費用の負担がどういう経路を経て御本人に払われておろうとも、その場合は医療機関との間において労働者性というものが、業務を通じての指示、支配関係、それから業務の遂行義務というものが生まれてくるのであれば、それはそこには生じてくるわけじゃないですか、労働者性というのは生まれてくるのじゃないですか。
○若林政府委員 これも先ほど申し上げたところと同じことになって恐縮なんですけれども、やはり要介護者の方に雇用され、そしてその方が報酬を支払うという形でございますから、その場合は、やはり病院との関係で労働者性というものは考えられないと存じます。
○五島委員 業務に対して指示があり、命令がある、それに対する遂行義務がありながら、そこにおいてその賃金の支払われ方が、病院から直接出ているのか診療報酬で担保されているのか、あるいは患者さんが自己負担として払っているのか、そういうことによって労働者性が否定されるというのは非常にむちゃくちゃな理屈だろうというふうに思います。 また、先ほど問題にいたしました外国人労働の問題につきましても、外国人の方々が日本において働いておられる。特に日系人の方々が家政婦さんとして医療機関等において仕事をしておられる。しかし、その中には言葉を初めとするさまざまな障害がございます。そういうふうな人々に対する研修というものを抜きにして、そういう業務というものをしていくというのは非常に問題があるかと思うわけでございます。 一方、紹介所を通じて看護婦さんに紹介された業務、これは例えば半年間の契約で、ある患者さんに付き添いとして仕事をする場合、その一人の患者さんあるいは二人の患者さん、場合によったら三人の患者さんを同時に付添婦として仕事をするという場合があるわけですが、そういうふうな場合に、毎日支払われているその御本人の得られた収入の大体一割ぐらいが、毎日毎日の手数料という名目でもって看護婦紹介所の方に支払われているわけです。実質上一割の収入が紹介料の手数料としてその人から取られているわけです。これは派遣労働と比べてみますと、確かに派遣労働の方が、そういう支払われた金額に対する労働者の取り分というのはもっと少ないかもわかりません。しかし一方、その中において派遣元であるところの派遣会社の義務、それからそこで働いている労働者の社会保険等々を含めた労働者性の明確化、あるいは派遣先と派遣元の間の問題というのは整理されています。 そういうふうなものが、医療という現場の中において派遣問題が果たしてどうなのかという問題を整理されないままに放置され、そして極めてファジーな状況で、基本的な労働者としての権利のところ、あるいは看護という業務の極めて重要なところがファジーなままに置かれたままで、この法律は進めようとしているわけです。 とりわけ、働いておられる家政婦さんの高齢化の中において、一方において社会的には今まで十六万人の人々が必要となっていた。それがすぐに医療現場の中で自前で確保できるか。そういう努力を進めていかないといけないけれども、残念ながら、厚生省の動きを見ても今すぐそういうふうになっていくというふうに私どもは安心して見ておられない。やはりもっと現実に存在しております医療現場から離れておられる看護婦さんの再就職、あるいは現在のそういう労働者の要望にこたえたもっとフレキシブルな労働時間、あるいはそういうふうな状況のもとにおける労働というものが好まれている。あるいは日系外国人の方々がそういうふうな仕事、職場の方においでいただいている、そういう実態を考えた場合、そういうふうな方々のトレーニングの問題あるいは身分上の安定の問題等を考えた場合、そうした問題を含めてもっときちっと検討すべきじゃないかというふうに考えるわけでございますが、どのようにお考えかお伺いしたいと思うのです。
○若林政府委員 現在の家政婦さんの状況を見ますと、一つの職業紹介所に対する帰属意識が大変強いわけでございます。これは先生御指摘のとおりでございます。そして、こういったような家政婦さんの仕事というものをどういう需給システムにすればより安定したものになるだろうか、ただいま先生お話しのように、派遣先、派遣元の関係で整理することはできないだろうか、こういったような御議論は、実は職業安定審議会でそういう御議論があったわけでございます。しかしながら、この問題につきましてもいろいろな意見とかございますものですから、引き続きこれは検討課題ということになっておるわけでございます。 この問題につきましては、今後も職業安定審議会におきまして議論を進めていくことでございますので、私どもは、この家政婦さんの雇用の安定、その環境の整備ということで、介護労働安定センターというものをつくりまして、ここを軸にしてその対策を推進していこうということでございますけれども、こういった今後の需給システムのあり方というのは引き続きの課題でございます。これにつきましては、労使の方々の御意見も十分伺いながら対応していくべき課題だというふうに考えております。
○五島委員 時間がございませんので、最後に大臣にお伺いしたいと思うわけです。 今日、付き添いさんに大体一日二十四時間一万円ぐらいでついていただいて、三人ぐらいを持ってもらったり、家政婦さんの方から言えば二人ぐらいをお持ちになっている方が多いと思うわけですが、それぐらいで大体やっている。なぜそういうことが必要なのかと言えば、病院におけるマンパワー不足というものがそういう形で解消されているということだと思いますし、また、その業務の中身というものは、明らかに看護あるいは看護補助の業務としてこれまで付添婦さんたちがやってきたということも事実だと思うのです。そういうふうな中で今回介護業務という形で入っている。 確かに介護業務としては、例えば個人のおうちへ行っての業務というのもあります。家族の介護もあります。しかし、それが医療機関という一つの、それが一番大きな市場でございましたが、その中をとってみると非常に問題が出る。しかも、料金表にいたしましても、全国的にも看護補助者、看護婦さんあるいは准看護婦さんという三表という形になっている。家族の方としてもあるいは患者さんの方としても、看護婦さんを病院で自分がつけたという形になっている。そしてその方々は、基本的には医療機関の中においてそこの病院の医師の指示のもとに、当然看護業務というのはそうなっておりますから、医師のもとでその業務を遂行しておる。単に医師の指示を自分で取捨選択できるのではなくて、遂行義務を持った命令としてそれをやっている、これが実態である。そういうふうな状況というものをどう整理していくのかということを抜きにして介護労働という言葉で置きかえるというのは非常に問題があるのではないか。 また、これからもますます、四十数万と言われております離職看護婦さんの医療現場への復帰というものを考えた場合、やはり労働省としても、公共の職業安定所だけの力でなくて、こうした民間の機関も使ってより多くの形態でもって看護婦さんたちが医療機関あるいは訪問看護ステーションといったようなところに仕事ができるように計らっていくということが必要なんではないか。 また、そこで働いておられる家政婦さんたちも非常に高齢化してきて、重労働の中で二十四時間労働、もちろんその中には仮眠に近い状態が当然必要でございますが、現実に私どもが見てきた中においても、ほとんど二十四時間病院のベッドの横で、一カ月三十日のうち二十七、八日は病院に泊まり込みという形の労働でやっていただきました。これからそういうふうな労働をこの彼女たちに期待したとしてももう無理だと思う。 しかし一方で、そういう高齢化の中において介護する人たちを確保していかなきゃならぬ、需要もあるということになった場合、その方々に対するそういう労働者性というものを含めた、あるいは社会保険制度の適用等そういうものを含めた形の中で今後この問題を考えていかないといかぬ。そこのところを、業務の問題もあるいは雇用形態の問題もあいまいにしたままで本審議会にかけたとしても、それは議論が百出となるのは当たり前だと思うのです。そのあたりをぜひ整理して、この介護労働の問題あるいは職業安定の問題について取り組んでいただきたいと思うのですが、大臣の御所見を賜りたいと思います。
○近藤国務大臣 当委員会にたびたび御指摘ございますが、これから高齢化社会にますます入ってまいりますと、看護労働または介護労働の需要は一層増大してくるわけでございます。 片方でそうした看護・介護労働をやっていただける方の従来の待遇を考えてまいりますと、今御指摘ございましたようにまさに二十四時間勤務である、そういったこともあれば、いわゆる普通の労働者としての基本的な条件が十分満たされてない、こういった面がございますので、勤務状況、時間、場合によっては給与の面から考える。そういった問題を現状のままにしておいて、介護労働は大事だからやってください、こう申し上げてもなかなか来ていただけないのは当然でございます。一方において、そういった看護または介護労働をおやりになっている方々の労働条件というものをきちっとし、向上させてまいれば、むしろ潜在的に、これから積極的に介護労働をやっていいという方もいらっしゃるし、また看護婦さんも、経験をお持ちだけれども実際休んでいらっしゃる方もいらっしゃる。ですから、そういった意欲を持った方々、また潜在的にお力を持った方々を積極的にこういった大事な労働の場に来ていただくためのいろいろな方策を考える必要があるわけでございます。 現在御審議いただいておりますこの法案は、そういったまさに私よく申し上げるのでありますけれども、労働省の観点というのはボトムアップです。働いていらっしゃる方々の生活の向上を通じて必要な労働者に来ていただくという、ほかの役所のことをどうこうじゃありませんが、マネージメントなサイドから物を見る見方と働いている方々の立場で物を見る立場とあって、労働省は後者の立場から基礎的な、基本的な条件整備をひとつこういう形でさせていただきたいというのが私の気持ちでございますので、いろいろ御指摘の点は十分踏まえながら、ひとつこれからも十分を期してまいりたいということでございますので、よろしく御理解のほどをお願いいたしたいと思います。
○五島委員 この法案ができたとしても、現在の家政婦さんたちの業務が、そして社会的な状況を考えますと、大臣がおっしゃるようにボトムアップになるのかどうか極めて心もとないと率直に申し上げるわけでございます。そういう意味では、これによってこの問題が何らか基本的に解決するということではないのではないか。早急にこの問題についてやはり労働省としてもより真剣なお取り組みをお願いして、私の質問を終わりたいと思います。
○川崎委員長 金子満広君。
○金子(満)委員 介護労働者とは何かというこの問題については、この法案の中で定義がございます。入浴、排せつ、食事などの介護業務を行う者、こうあるわけです。 法律用語で介護労働者という言葉を使い始めたのは最近だと思いますが、その点、どなたからでも結構ですから、お答え願えませんか。
○若林政府委員 介護労働者という定義を設けましてこういった法律を制定しているというのは、今回の法律が初めてではないかというふうに理解をいたしております。
○金子(満)委員 そうしますと、介護労働者というのが法律用語として初めて今度入った。 では、それまで介護労働者の範疇に入るものはどういうものがあったと理解してよろしいですか。
○若林政府委員 介護労働者という概念につきましてはこの法律で初めて定義したわけでございますけれども、介護という業務の概念につきましては、これまでも同じ概念でございますので、この介護業務あるいは介護労働者という概念が規定されまして、介護という概念について何か新しいものができたということではございません。 この法律に規定をしております介護というのが、これまでの介護についての定義ということでございます。
○金子(満)委員 具体的に伺いますが、介護労働者、つまり介護労働力が不足しているからこれを確保しなくてはならぬ。確保とは拡大しておくことですよね。 そうしますと、まず労働省に伺いますが、介護労働力は現在どの程度不足していると思うのか、これが一つと、それからもう一つは、厚生省ですけれども、同じように今後どういうような見通しを持っているか、この点について最初にお答えいただきたいと思います。
○若林政府委員 介護労働者の需給の状況でございますけれども、家政婦さんの需給につきましては、平成二年度におきます家政婦さんの一般求人数は約二十九万三千人でございます。これに対しまして、家政婦さんの求職者の数は約十六万人となっておりまして、一般求人数を求職者数で割りましたところの求人倍率は一・八三ということになっております。六十一年と比較いたしますと、一般求人数では約四〇%という大幅な増加を示しているわけでございますが、求職者につきましては約一二%の伸びということでございますので、最近におきます家政婦さんの不足は相当厳しいものがある、こういうふうに認識をいたしております。
○中村説明員 厚生省の立場よりお答え申し上げさせていただきます。 まず最初に、介護のニーズがふえるというふうに認識いたしております。 先ほども若林局長からお話がありましたように、介護という言葉につきましては、例えば昭和三十八年に老人福祉法がつくられましたときに、法文上、例えば特別養護老人ホームの定義の中で、心身の障害により常時介護を必要とする方に対しまして、在宅でお世話できない場合に特別養護老人ホームに入所していただいてお世話する、こういうふうに規定されております。 このように、介護というのは老人福祉の分野などにも出てくるわけでございますが、一般的に申し上げまして人口が高齢化いたしております。今おおよそ高齢化率一二%でございますが、二〇〇〇年までにこの率が一七%近くまで上がるということで、ヨーロッパ並みの高齢国家に十年間で達する、こういうふうに認識いたしております。そういたしますと、高齢者だけでも介護を要します方の数が、寝たきり老人をとりますと現在約七十万人と言われておりますものが百万人にふえるということで、対象者がふえてまいりますので介護需要が増してくる、こういうふうに考えております。 私ども、いわば介護労働者につきましては、福祉業務に使わしていただくという立場の省庁でございますが、この高齢化に備えます「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の目標を立てておりますが、その計画の目標で申しましても、例えばホームヘルパーさんにつきましては今後約七万人程度、寮母さん、介護職員、このような老人福祉施設あるいはその在宅福祉を行います介護関係の職員が約十一万人程度必要になる、こういうふうに考えておりますので、そういった面でまず介護サービスのニーズの増大がある、したがって必然的に介護労働力については必要になる、こういうふうに認識いたしております。 現在のところ、需給状況につきましては、大都市など一部を除きまして、福祉関係で必要な人材が確保できないというような状況ではございませんが、今後若年労働力の数がそんなにふえないという状況の中で、ただいま申し上げましたような介護ニーズがふえるということを考えますと、福祉におきます人材の確保が重要な課題になってくる、こういうふうに認識いたしております。
○金子(満)委員 寝たきり老人七十万が百万になる、これは二〇〇〇年ですね。この数字は、労働省が見ようが厚生省が見ようが動かない数字ですよね。 そこで、そうすると、それぞれの分野があるわけですけれども、西暦二〇〇〇年のこの段階でどのくらいの数になるんですか。介護労働者の数をどのくらいにまでするという展望、見通しが立っているのか、立ってないのか、これは労働省の方からまず伺います。
○若林政府委員 これはなかなか具体的な数字というものを出すことは難しいんでございますけれども、家政婦さんの場合あるいは民間介護サービス労働者の場合につきましても、極めて大胆な推計と申しますか、今先生おっしゃいました七十万人が百万人になる、この数字をとらえて計算をいたしますと、民間介護サービス業の労働者が現在二万人でございますけれどもそれが三万人、一万人増でございます。家政婦さんにつきましては、現在十六万人でございますけれどもこれが二十三万人、つまり七万人増の労働者が必要となる。これはあくまでも七十万が百万になったということを、その比率で掛けた場合の推計でございます。
○金子(満)委員 今挙げた数字で百万になっても大丈夫なんですか、寝たきりが百万になった場合に。いいですか。 そうしますと、今例えば家政婦さん十六万が二十三万で七万プラスになります、こういうようなことで、全体の総和がどのくらいになるんですか、寮母さんから何から含めて。
○中村説明員 ただいま若林局長の方からお答えいただきました部分とあわせまして、先ほど申し上げましたように、公的福祉の分野で寝たきり老人七十万人から百万人の増加に対応するためにいろいろな計画を立てております。そこにおきますやはり必要施設職員数があるわけでございます。典型的な介護の職員といたしまして、施設あるいは在宅福祉サービスを行います施設の寮母さん、介護職員、これは計画が始まる前の平成元年では五・八万人でございました。これはいわば労働省さんの言っておられる介護労働者に該当する部分だと思います。この方々が二〇〇〇年まで、先生お尋ねの二〇〇〇年まであと十一万人必要でございますので、五・八万人が十六・八万人必要、こういう状況になります。それから、ホームヘルパーさんにつきましては、平成元年の時点で申し上げますと、三・一万人おられました。これを二〇〇〇年までに十万人にいたしますので、あとその計画策定時点で七万人必要。それから看護職員、これは看護婦さん、資格をもった看護婦さんでございますが、この方も八十万二千人、これは病院とかいろいろなところにいるわけでございますが、寝たきり老人の介護、そういったものに必要な方が、この十年間でその部分だけで五万人と見込んでおりますので、八十五万二千人、こういうような数になります。 若林局長から御答弁がございました民間の福祉サービスの介護職員の方あるいは家政婦さん、こういった部分と、ただいま私が申し上げました国、都道府県それから市町村、これが責任を持って行います公的の福祉の部分と両々相まって、また、その公的福祉の方は基礎的なサービスを担当いたしますので、基礎部分をしっかりする、こういうことによりまして寝たきり老人の今見込まれております増加とかそういった事態に対しましては対処できる体制をとりたいと考えておりますし、この職員を確保しなければこれは対処できないと思っておりますので、この職員の確保のために労働省と厚生省、手を携えて全力を尽くしてまいる所存でございます。
○金子(満)委員 数字がずっと出ましたけれども、念のため、具体的に社会福祉施設関係と民間の介護サービス、それから家政婦等の総和で何名になりますか。
○若林政府委員 その問題につきましては、ただいま厚生省の方からもお答えがございましたように、十カ年戦略ということでこれから必要とされるマンパワーと申しましょうか看護・介護労働力と申しましょうか、それにつきましての目標というものはあるわけでございますけれども、民間の介護サービス及び家政婦さんにつきましてのそういったような目標値といったようなものはございません。私が先ほど申し上げましたのは、あくまでもお尋ねでございますので大胆な推計の数字を申し上げたわけでございますので、これを単純に足しまして全体がこうと言うことはちょっと適当ではないというふうに思っております。
○金子(満)委員 介護を必要とするのは老人だけではなくて障害者もいるわけです。これは後で申し上げますが、いずれにしても、介護ということは、介護される期間の短い、長いは別として、だれもが人生を送るという上で避けて通れない問題であることはもう常識ですよね。ですから、自分は介護に従事しないけれども、やがては介護される側になるわけですね。それは、どのような職業どのような立場にあっても、おれは介護を必要としないというのは自殺でもしない限りないわけですから、そういう点で、介護は初めから公的、社会的な要素を持っているというのは事実だと思うのですね。介護は本人任せだ、介護のことも費用は丈夫なうちに働いて全部やっておけというわけにはいかないわけです。 そういう立場から見ると、介護される側になったときには収入の面がどうなるかということが当然考えられるわけです。これは、預金とかいろいろな財産を持っている人は別として、労働者は賃金がなくなるわけですね。農民、中小企業、自営業の人たちも働けなくなるわけですから、収入の方はゼロまたはゼロに近くなる、こういう状態があると思うのですね。そして、介護の費用がそこにプラスされるわけです。したがって、本人任せでなくて、近代社会においては、これを公的、社会的に補っていく、保障していくというのが社会進歩の法則だと私は思うのですね。それが政治の中心に座ってくるわけです。 これは厚生省の方に伺いたいのですけれども、そういう中で、まず公的なもの、そういう性格なものだといったときに、介護労働力を確保すると同時に、可能な限り公的な社会福祉施設、そういう中に特養老人ホームなんかもありますけれども、こういうような公的な施設をますます拡充していくという方向をとるのか、なるべく家庭の中でやってくれということになるのか、これは今後の問題として非常に大事な問題だと思うので伺っておきたいと思います。
○中村説明員 要介護の方に対します公的福祉対策の方向についてでございますが、基本的には、先生から御指摘ございましたように、高齢化も進むわけでございますし、家族に介護を一〇〇%お任せするというような状況は、昔はそうであったかもしれませんが、崩れてきていると思います。同居率も減っておりますし、女性の社会参加もふえているということで、現在、私どもといたしましては、要介護になった高齢者の方あるいは障害を持った方御本人に対します支援とともに、在宅で介護されている方、これは日本の同居率は落ちてはきておりますがまだ五九%の高齢者の方が家族と同居されておりますので、介護されている御家族、双方に対しまして社会的、公的に支援していく、こういう体制をとりたいと思っております。 具体的に申し上げますと、施設対策につきましても、特別養護老人ホームそれから老人保健施設など、高齢者の介護施設を十年間に大幅にふやすという計画を持っておりますし、先ほど申し上げましたように、ホームヘルパーさんを十年間に三倍強、それからデイサービスやショートステイといって、お年寄りを毎日ロ中お預かりする施設でございますとか、家族の支援のためにお年寄りを一週間から一月、短期にお預かりする施設などにつきましては、この十年間にサービス量を十倍ふやす。具体的には、ベット数を十倍ふやすとかそういう対策をとることといたしております。 したがいまして、要介護の高齢者対策につきましては、公的な支援、サービスをふやすという方針でやっておる、こういうことでございます。
○金子(満)委員 公的な介護施設をつくるということは大いに進めていかなければならぬ、これは当然のことだと思うのです。同時に、それに見合った介護労働者も確保していかなければならぬというのも、これは付随して同時に進行しなければならぬ問題である。 そこで、今度は労働省ですけれども、今度は民間による介護サービス、シルバーサービスの問題になるわけですが、今サービス内容とか労働条件という問題がいろいろなところで議論されるわけですね。これは非常に大事な問題で、いいかげんなところでまあまあということではもういかなくなってきていると思うのです。 例えば、これは民間の業者でもいろいろな意見がある。私もこのことがありますから、都内で若干の民間の業者に聞いてみました。いかに良心的であり情熱を持っていても、やはり良心と情熱だけではやっていけない面がある。つまり、採算という問題があるわけですね。これは常に頭に置くことが大事ですが、同時に介護労働者にしても、感謝していますとか頑張ってくださいとか、頑張れ頑張れの激励だけではどうにもならない限界のところがある。こういう点で、労働大臣も私の前の質問に対して答えて、労働条件の改善というのは大事な要素であるということに言及をされました。私もそうだと思うのです。 そこで、介護労働者の確保を本気で進めようとすれば、労働条件の問題でこれを改善していかなければならない、これが一つの船路になっていることは現実が示していると思うのです。そういう中で賃金の水準がどうとか、労働環境が非常に劣悪であるとか、こういう問題があります。 この法案では国の計画をつくるということになっておりますから、国の計画をつくる場合に、その基本方針の策定に当たっては賃金をどう考えているのか。これはどうするということは言及されておりませんから、賃金をどのように考えているのか。あるいは労働時間という場合には一日とか一週とか年間とかいうことがありますが、労働時間をどう考えているのか。それから休暇ですね。週休二日とかいっているのですけれども、週休二日を社会的に進めていくというときに、介護労働者の場合には一体どんなことにこれは解釈されるのか。有給休暇というのはどういうことになるのか。この点について、今考えていることを伺いたいと思うのです。
○若林政府委員 介護雇用管理改善等計画につきましては、その具体的内容は、まず、介護労働者の雇用を取り巻く経済社会の動向と介護労働力の需給の動向、また、介護労働者について事業主が行う雇用管理の改善に係る措置を促進するための国の施策の推進方法及び公共職業訓練の充実の方向と内容、介護労働者のうち家政婦の福祉の増進を図るための国の施策の推進方法、介護労働力の需給調整機能の強化の方向と内容、こういったものが考えられるわけでございまして、これは中央職業安定審議会におきます労使の意見をも伺いながら策定していきたいというふうに考えておるわけでございます。 この介護雇用管理改善等計画に週休二日制でございますとか休暇でございますとか、そういったものをどうするかということでございますが、週休二日制でございますとか、夜勤回数の問題でございますとか削減でございますとか、有給休暇の取得促進等の問題、こういうものは雇用管理改善の重要な事項であるとは私どももやはり認識いたしております。しかしながら、計画の具体的内容につきましては、これは関係の審議会で御議論になり、その意見を踏まえて決定されるものでございまして、今後の審議会での御議論によるということでございます。
○金子(満)委員 その肝心なところが関係の審議会に移るわけでしょう。これからというわけですよ。 ですから、労働省がまず基本だけは持っていないと、白紙ですが審議会でやってくださいといったらどういうことになるか、週休はやりますとか、夜勤はどうしますとか、こういう形になかなかならぬと私は思うのです。 現状は、先ほどからもお話がありますように、家政婦さんは病院に行って付き添いしますが、あれはどんな勤務状態ですか。二十四時間連続勤務みたいなのがいっぱいあるわけです。拘束といったら一週間も十日も拘束ですよ。それで夜中に少し寝るからそれでいいような形になっちゃう。これでは、いかに頑張れでも感謝しますでも、長時間過密労働で介護する方が過労死になっちゃう。こういう点について、私は、労働省が基準を出してこれをもとにして審議会は検討してくれというのを出さないと、いかに確保をやっても絵にかいたもちにならないわけです、絵にもならないんだから。だから、そこのところはもっとしっかりぜひ検討してほしいと私は思うのですね。 そうでないと、他の面では時間短縮で千八百時間にします、週休は二日です、有給休暇も二十日にしなければならぬ、そして時間短縮についてはこれこれでという。そこも、これまでは政府指針の経済五カ年計画ではもう今年度で終わるのに、だれも目標千八百時間になるなんて思っている人はいないですよ。だから、こういうのは計画倒れというより計画がずさんなんですよ。 だから、今度この介護労働者を確保するという点に立っても、労働条件については片方ではこういう労働時間の問題で目安をつくっております、この分野は特に民間の方はよきに計らえ、あとは審議会の方でうまく検討してくださいと言ったら、私は、家政婦さんもそうですし介護労働者全体が、夢とか希望とか展望が持てないままどうなるのかなと見ている以外にないと思うのですね。ですから、こうだという一つの指針、最低限このくらいというのを、これは考え方は大臣から後で聞きますけれども、具体的に進めることをしないとならぬと思います。これは労働省の方からひとつお答え願いたいと思うのです。
○若林政府委員 ただいま申し上げましたように、週休二日制等の問題、それは私どもは重要な事項と思っておりますけれども、しかし、これは何と申しましてもやはり審議会等で御議論いただかなければならない問題でございまして、今私どもがここでこうということは、ちょっと申し上げることのできないことでございまして、そこはひとつ御理解を賜りたいと思います。
○金子(満)委員 そこなんです。ですから、家政婦さんの紹介所のところで紹介するときには、こういうようなことだけはひとつ頼みますよというので言うのか、それはよきに計らえということでやっちゃうのか、そして得た収入の一〇%何がしかをその紹介料として取ります、これでは全く行政がタッチしないことになっちゃうのです。だから、行政が細部までタッチしたらおかしなことになりますけれども、最小限こういうような紹介をするときにはこのくらいのことをという、労働時間、有給休暇、週休二日は一般的には出ているのだから、例えば休暇のこともちゃんと考慮してやるべきだとか、しなさいとか、何かそういうものが全然なくて審議会をやったら、審議会が答えを出すまで何もできないのです。だから、法律は可決されても機能しないで見ているだけということになりますから、その点は、きょう言っても同じ答えしか出ないと思いますから繰り返しはしませんが、ぜひそういう方向を出してほしいということは求めておきます。 それから同時に、家政婦さんという言葉がいつできたか、私もこれはわからないのです。いろいろ最近文書を読みますと、家政婦という言葉の意味、こういう点を考えたらどうかというのもあります。介護労働に関する研究会の報告、九一年十一月で、在宅介護労働者の社会的評価の確立が求められている中で、家政婦という称号がいかがなものかというのもあります。私は、称号が何であっても内容が充実さえしていればそれは問題ないわけでありますから、そういう点も含めて社会的地位の向上、その社会的地位の向上を裏づけるものは収入である賃金、休暇である。連休をとってもやれるようにするということが社会的地位の向上になりますから、この点は、労働大臣、非常に大事なところだと思いますので、考え方だけでいいですから一言述べてください。
○近藤国務大臣 先生おっしゃるように、これは非常に大事な労働だということを幾ら我々が言っても、そこに従事される方々の労働環境がよくないということであれば、やはりいらっしゃる方がおのずと限られてしまうわけでありますので、家政婦さん、そして、さらには介護労働者一般についての先生から御指摘がございました労働時間だとか週休の問題だとか、それから雇用問題、賃金の問題、これはまさにそちらの方向で改善するための一歩になりたいというのが今度の法案でございます。 ただ、率直に言って、それも結局介護労働に携わる方々がふえていただかなければ、それこそ週休二日も時間短縮もできないわけであります。それをしなければまたいらっしゃらないという問題もありますから、そういう問題を絡めて、それから賃金の問題にいたしましても、それはだれが負担するんだということがあります。これは決して生活が楽じゃない方々もいらっしゃるわけでありますのでは国が面倒を見るのかという問題もございますので、そういった問題を総合的に考えて、ある意味では国民からコンセンサスを得なければできないということでございますので、一応審議会にもお諮りしたい、こういうことをひとつ御理解いただきたいということでございます。
○金子(満)委員 大変大事な問題ですから、ここのところはしておかないと、大きな声で呼びかけても答えてくれる人がないわけですから、ぜひそれはしてもらうということを重ねて求めておきます。 それから最後に、介護を必要とするのは高齢者だけでない、障害者の問題にも触れました。 そこで、障害者の問題ですけれども、日常的に介護が必要とされる障害者というのは全国至るところにかなりあるわけですね。しかも、社会福祉事業の措置費の対象外になっているところがかなりある。それが例えば一つは共同作業所という形になる。肢体不自由者の方々は共同作業をして、知能はあるのですから、足や手が動かなくても何かできることで一つのものを生産して販売する、そういう方向はあると思うのです。ところが、精神障害、知恵おくれの方については、それこそ介護労働者の定義ではないけれども、入浴から排便から、食事から寝ること一切を面倒を見なければならぬという状態になっているわけです。しかも、それが共同作業所という形になっているわけです。ですから、そこのところを我々が考えたときに、日常生活、朝から晩まで二十四時間介護を必要としている精神障害のところがあるわけです。 労働省の方でぜひ考えてほしいのは、そういう共同作業所というような施設そのものについて、今実際に働いているのは、週休も困難ですよ、まして週二日の連休、土日なんていったらとても思いも寄らないことですよ。それで二十四時間どころか働きづめで、とにかく使命感だけで汗をかいてやっている。しかも、労働省の統計にもあるように、こういうところで働いている人は、女性が多いのですけれども、五十歳から五十九歳までが圧倒的ですよ。その次が六十歳から六十九歳ですよ。それで四十代に下がるという、もう肉体的にもぎりぎりのところでやっているんですね。 ですから、せっかくの法律ができるんだから、こうした施設をそういう法律の適用の対象とするような方向で、ぜひこれは厚生省も含めて調査をして漸進的な方向を打ち出してもらいたいと思うのです。人には言えない悩みをみんな持っているわけですようちに障害の子供がいますとかなんとかいうことを、それはいろいろの点でオープンでいいわけですけれども、そういう中で人に言えない苦しみもあったり、困難を背負っているわけですから、これはやはり行政がそこに手を差し伸べる、政治がやはりそこのところを思いやりをすみという点で、ぜひ調査もし、この法の対象にできるような措置をとれないものか、これを考えてほしい。 答弁をお聞きして質問を終わりにしたいと思います。
○若林政府委員 ただいま先生御指摘ございました共同作業所、これは随分いろいろな形態があるわけでございまして、そこで働いている、障害者の方の世話をしている方について、これも随分いろいろな形態があると存じます。私どもは実態に応じまして、そういうところで働いておられる方が、その業務の実態、専ら介護業務に従事しているということを踏まえましてこの法律を適用してまいりたい、その実態に応じて判断をしてまいりたいというふうに考えております。
○川崎委員長 井上義久君。
○井上(義)委員 初めに、介護労働力の需給の見通しについてお伺いしたいと思います。 我が国の人口の高齢化に伴いまして二〇〇〇年には六十五歳以上の人口が二千百万人に達する、このように推計されているわけでございます。これに伴いまして、要介護老人も相当増大する、こう見込まれているわけでございますけれども、要介護老人の今後の見通しはどうなのか。あわせて、これら高齢者の保健、福祉分野での公共サービスの基盤整備のために老人福祉施設の職員あるいはホームヘルパー等大幅な増員が見込まれる、民間部門の介護サービスについても、ニーズが多様化することによって需要が増大する、このように考えられるわけでございます。 一方、我が国の労働力需給の見通しは、出生数の大幅な減少によりまして、今後、若年労働力が減少し、中長期的には労働力不足基調で推移すると見込まれておるわけでございまして、介護労働力の確保という面については非常に厳しい状況があるのではないか、このように思うわけでございますけれども、高齢化に伴う要介護老人の増大、それに対する介護労働力の需給ということについて最初にお尋ねしておきたいと思います。
○中村説明員 お答え申し上げます。 公的福祉サービスの方の分野からただいまの御質問につきましてお答えをさせていただきますが、先生御指摘のとおり、高齢化が進みまして、二〇〇〇年におきまして介護を要する要介護老人の数も増大いたします。現在のところ寝たきり老人につきましては、六十五歳以上人口、一九九〇年、平成二年に一千四百万人に対しまして約七十万人と想定されておりますが、人口の高齢化、特に後期高齢者の増大に伴いまして、平成十二年、二〇〇〇年におきます六十五歳以上人口は、先生御指摘のとおり、二千百万人になりますし、寝たきり老人の数も百万人になる、こういうふうに想定されております。このことは福祉サービス、在宅福祉サービス、施設福祉サービス両方の必要性の増大を意味しているところでございます。例えば、在宅のお年寄りの数も推計の方法によっていろいろ幅がございますが、二〇〇〇年におきましては、三十三万から三十七万、こういうふうに想定されているところでございます。 こういった要介護老人の方々に対します福祉といたしましては、これまで日本の福祉の中心でありました施設福祉対策、これは引き続きやっていく必要があると考えておりまして、例えば、特別養護老人ホームの整備でございますとか老人保健施設の整備などこういった施設対策、それから在宅福祉対策、ホームヘルパー、デイサービス、ショートステイなどこういったものの対策を総合的に進めていく必要があると考えております。このために必要なマンパワーといたしまして、二〇〇〇年をゴールといたしまして、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」を平成二年度より進めているところでございますが、この計画達成のために必要とされるマンパワーの数は、新たに、ホームヘルパーにつきましては約七万人、寮母、介護職員、これは施設、在宅含めましてでございますが、約十一万人、こういうふうに想定をいたしているところでございます。
○井上(義)委員 高齢化社会を支える介護の体制としては、今御答弁がありましたように、公共サービス部門の充実、これは当然でございますけれども、今回この法案の対象となっている介護サービス業あるいは家政婦等のいわゆる民間部門、これはやはり非常に重要な役割を現在も担っておりますし、これからも恐らく担うであろう、このように認識をしているわけでございますけれども、この民間部門の現状並びに今後の動向についてどのように認識をされているのか。特に民間部門について、政府の保健医療・福祉マンパワー計画、これは公共サービス部門ということに限定されて計画されているわけでございますけれども、この民間部門を含めた、あるいはこの民間部門を計画の中に位置づけて総合的なマンパワー対策というものを進めるべきだ、私はこのように思うわけでございますけれども、この点はいかがでしょう。
○伊藤(欣)政府委員 まず、民間部門につきましての労働力需給の状況でございますけれども、先ほど来御説明申し上げておりますように、いわゆる家政婦さん等につきましては、現在十六万人ほどいらっしゃるというような状況でございます。これが昭和六十一年が十四万三千人でございましたので、五年間で一二%ということでなかなか伸びは低いわけでございます。他方、需要の方を見ますと、六十一年度は二十万九千人というような数字でございましたが、平成二年度には二十九万三千人、四割の増になっておるわけでございます。また、いわゆる民間の介護サービス業というのは現在二万人というようなことで推計されておるわけでございます。 今後の需要等につきましては、これはいわゆる公的部門のサービスの水準等の影響も受けるものでございますけれども、いわゆる介護の必要な、例えば寝たきり老人の数の増加に比例するというようなことで単純に推計いたしました場合については、平成十二年度に民間の介護サービスの関係で三万人、それから家政婦の方では二十三万人、これは単純に機械的に伸ばしたわけでございますけれども、そういうような数字になるのではないかと思うわけでございます。
○中村説明員 先生の後段の方の御質問でございます公的福祉の方の職員といいますか、必要とする人材数については出ておるけれども、ただいま伊藤次長の方から御説明のありました民間部門についてもあわせて計画に盛り込んでいくべきではないか、この点についてお答えをさせていただきます。 私ども公的福祉と、厚生省の方ではいわゆるシルバーサービスと呼んでおりますが民間部門との関係につきましては、公的サービスは、いわゆるナショナルミニマムといたしまして、日本じゅうどこにいても安心して老後を送れるために基礎的な必要なサービスについては津々浦々まで整備したい、こういう観点から、いわば非常に公的な計画性になじむものといたしまして設定しているところでございまして、また、平成二年六月に改正させていただきました福祉関係八法律の中で老人福祉法と老人保健法も改正させていただきまして、平成五年四月から市町村老人保健福祉計画、全国の市町村でいわば二〇〇〇年にどれだけの公的保健福祉サービスを整備するか、こういう計画づくりにもつなげる、こういう発想でやっているところでございます。 これに対しまして、民間のシルバーサービス、これは伊藤次長の方からもお話がありましたように、公的サービスの水準との関係性もございますし、それから私ども、基本的には、マーケットメカニズムによってここについては求められるということで、いわば消費者の動向、ニーズというようなものもございますし、その選好というようなものもある、それからいわゆるマーケットメカニズムによって決まっていくというような要素もありますので、余りがたい計画にはなじまないのではないかというようなことで、労働省さんの方からお答えいただきましたようなやわらかい推計というのは、大損な前提を置けば幾つかできると思いますが、行政的な計画として公的な計画にはなかなか盛り込めないということで、いわゆる基礎的なサービスでございます公的福祉の方についてのみゴールドプラン「高齢者保健福祉推進十か年戦略」ということで決めさせていただき、いわばその人材計画部門も推計をしている、こういうことでございます。よろしくお願いいたします。
○井上(義)委員 どういう質のサービスをどれだけの量提供するかということに関しては、私は今おっしゃるとおりだと思いますけれども、ただ一方、人材確保という観点から考えますと、やはり民間部門も含めた総合的な施策がなければ、人材というのは限られているわけでございますし、どういう方向にシフトしていくのかというごとになるわけでございますし、例えば民間部門、マーケットメカニズム、そちらの方がどんどん重視されていけば、当然公的な部門における人材確保ということは困難になってくるわけでございますし、そういう意味での総合的施策がぜひとも私は必要であるというふうに思うわけでございます。 特に介護労働力の問題というのは、看護労働力の問題と密接かつ連続的に関連しているわけでございます。 今回、国会に介護・看護労働力に関連して三つの法案が出されておるわけでございますけれども、私どもは当初から介護と看護を統合した医療保健・福祉人材確保法というものを制定すべきである、こういうふうに主張してきた経緯がございます。しかしながら、基本となる法律が職種ごとに違うとか、あるいは予算も別の体系になっているとか、いろいろな理由があって、今回のような形になったのであろうということについてはやむを得ない面もあるかな、こういうふうに理解しておるわけでございますけれども、やはりいずれの法案を見ましても、所管の大臣が、例えば計画あるいは基本指針を定めて、あるいはまた中央や地方、都道府県に職業紹介所や研修を行うセンターを設置するというようなことで、内容は非常に似通っている部分が多いわけでございます。 やはり高齢化社会、先ほども申し上げましたように、医療と福祉、この連携がより重要になるわけでございますし、看護と介護、特にこの看護という面に関していいますと、公的サービスあるいは民間部門、そういうことを含めた総合的な需給計画というものを策定して確保対策をしなければいけないんじゃないか、こういうふうに私は思うわけでございますけれども、労働大臣、この辺はどうお考えでございましょうか。
○近藤国務大臣 先生から御指摘ございますように、まさに保健医療・福祉分野における人材確保というのは、当然労働省だけじゃなしに厚生省等関係各省と十分連絡をとりながらやらなければならないことでございます。 ただ、看護婦と介護労働者となりますと、看護婦の場合は、いわば資格独占職種でございますが、後者、介護労働者については、必ずしもそうではないということもございまして、その対象とする労働市場の性格及びその確保施策の内容が異なりますので、政府部内での調整の結果、その特性に応じて別個に立法措置を講ずることとしたわけでございます。 ちなみに、看護婦等については、厚生、労働両省所管の施策を合わせて共同で新法を策定したのでございますが、後者、介護労働者につきましては、専ら社会福祉事業の適正を図る観点から、厚生省が社会福祉事業法等の一部改正によって必要な措置を講じ、労働省は家政婦を含めた介護労働者全般の雇用管理の改善、能力の開発及び向上等に努めることにより福祉の増進を図っていくということで、新規立法を行うことにしているわけでございます。 いずれにいたしましても、これらの三法に基づく施策が十分整合性がとれるように、厚生省とも十分連携を進めてまいりたいと考えております。
○井上(義)委員 労働力確保ということに関しては、労働省に長い間の蓄積があるわけでございますし、所管の大臣として、特段の御努力をぜひともお願いをしたい。三法案の整合性というものをしっかり担保するような今後の具体的な政策をお願いしておきたいと思います。 次に、法案の中身でございますけれども、目的に「介護労働者について、その雇用管理の改善、能力の開発及び向上等に関する措置を講ずることにより、介護業務に係る労働力の確保に資する」、あわせて「介護労働者の福祉の増進を図る」、こういうふうに述べられているわけでございます。 介護労働者の福祉の増進、これは当然やるべきことでありますが、この労働力の確保という観点から見た場合に、特にこの法案の主たる対象が介護サービス業、それから家政婦さんということになっているわけでございまして、そういった分野における労働力確保という面での実効性というものをどのように認識されておられるのか、この法案によって本当に実効性が出てくるのかどうか、この辺のことなどお聞きしたいと思います。
○若林政府委員 二十一世紀に向けまして我が国の高齢化が急速に進展をするわけでございまして、先生御指摘のように、介護の需要というものは急速に増大をするわけでございますけれども、一方、介護労働力の供給の方は、労働力人口の伸びが鈍化傾向になるわけでございますので、介護労働力の確保というのは、中長期的かつ構造的な課題として対処していかなければならない国民的な課題であるという認識に立っているわけでございます。 労働省としては、この法律案に基づきまして、事業主がその雇用する介護労働者について行う労働環境の改善、教育訓練の実施、福利厚生の充実その他の雇用管理の改善に係ります措置を促進いたしますとともに、介護労働安定センターにおきます研修の実施等によりまして介護労働者の能力の開発及び向上等を進めまして、介護労働者の福祉の増進を図って、介護職場が労働者にとって魅力のあるものとなることによりまして労働力の確保に結びつけるというねらいを持っているものでございます。 この法律によりまして、一つには、介護労働者の福祉の増進が図られまして介護職場の魅力が向上すれば、新規労働者の参入を期待することができるということが一つございます。それから、現に働いている労働者の定着が図られるということがございます。また、養成力ということがございます。介護労働者、介護の業務につこうという方を養成する、研修、訓練をする、そういったような体制も強化する、こういったことと相まちまして、総合的に介護労働力の確保が実効あるものとなるということを期待しているものでございます。 〔委員長退席、永井委員長代理着席〕
○井上(義)委員 次に、この介護労働力、介護労働者という定義でございます。 この介護労働者の定義というのを読みますと、いわゆる「専ら介護業務に従事する労働者」ということなんですけれども、この法案の対象となっている具体的な介護労働者というのは、どういう対象があって、ニーズはどのくらいいらっしゃるのかということをちょっとお伺いしたい。
○伊藤(欣)政府委員 本法案におきましては、定義といたしまして、「尊も介護業務に従事する労働者」となっておるわけでございますけれども、具体的な対象者といたしましては、社会福祉事業の中の特別養護老人ホーム等の寮母さん、あるいは、同じく社会福祉事業の中の各種居宅介護事業の事業に従事しておられますホームヘルパー、あるいは有料老人ホームのヘルパーさんなり在宅看護サービスのヘルパー、また在宅入浴サービス等において入浴介護に従事しておられる方々がおられるわけでございます。それから、いわゆる家政婦さんという民営職業紹介所で紹介をしていらっしゃいます家政婦さんが入るわけでございます。 介護労働者、その対象の数について正確に把握した調査はないわけでございますけれども、ただいま申し上げました中で、社会福祉施設関係職員で約四万人、ホームヘルパーの関係で約四万人、それから介護サービス業関係で約二万人、家政婦さんは大体十六万人、合計二十六万人ぐらいだと推計しているところでございます。
○井上(義)委員 厚生省にちょっとお聞きします。 今ホームヘルパー四万人というお話がございましたけれども、社会福祉施設職員退職手当共済法が今回改正になってホームヘルパーが新たに対象になるということなんですけれども、その対象となるホームヘルパーというのはこの四万人のうちのどのぐらいなんでしょうか。
○中村説明員 お答え申し上げます。 厚生省の方で提案させていただいております社会福祉事業法及び社会福祉施設職員退職手当共済法の方で、従来、退職手当共済は社会福祉施設に働いている人のみしか対象になりませんでしたので、在宅サービスでありますホームヘルパーさんは従来から対象になっていなかったということで外れております。ただ、退職手当共済制度というのは、民間のホームヘルパーさん——民間と申しますのは、サービス自体は公的サービスで市町村の事業として行われておりますが、対象となりますのは、それの委託を受けて民間の、例えば社会福祉協議会ですとか社会福祉法人のホームヘルパーさんがいわば対象になるわけでございます。そういった四万人の中の民間の方、それから退職手当でございますので共済制度の要件といたしまして週一定時間以上働いておられる、いわば常勤的に勤務されておられる方というような縛りがございますので、それらを考え合わせますと、スタートしてみなければわかりませんが、約一万人くらいが対象になるのではないか、こういうふうに認識いたしております。
○井上(義)委員 そうすると、この四万人の残りの三万人の方が、今回この法案で福祉共済制度というものが発足するやに伺っているわけですけれども、その対象になるというふうに考えてよろしいのでしょうか。
○若林政府委員 今回の法律によりましていわゆる共済制度という援助制度を設けようと申しておりますものは、家政婦さんの場合でございます。先ほど家政婦さんは十六万人働いているということを申し上げました。この方々を対象としての共済制度を設けようというものでございます。 したがいまして、ただいまお話がございましたホームヘルパーはこの対象にはならないものでございます。
○井上(義)委員 そうすると、この介護労働力の中で、先ほど申しましたように、法案の対象にはなるけれども共済制度の対象にはならない、実際にホームヘルパーとして国から予算が出て介護業務に携わっている、いわゆるホームヘルパーの仕事に携わっているという残りの三万人の人たちというのは、依然として共済制度の対象にならないというふうに理解してよろしいのでしょうか。
○若林政府委員 家政婦さんにつきまして共済制度を設けようというその趣旨でございますけれども、御承知のとおり、家政婦さんというのは、民営の紹介所を通しまして紹介して個人の御家庭に雇われて仕事をするということでございます。したがいまして、仮にそこで仕事の上での災害を受けましても災害補償は受けられないというようなことになるわけでございますものですから、そういったものをきちっとした制度をつくって環境を整備していこうということで今回制度をつくるわけでございます。 そういった面で、ホームヘルパーの方とは条件、環境を異にしているというふうに思っております。
○井上(義)委員 ちょっとよく理解できないのですけれども、要するに、今度の厚生省がお出しになっているこのいわゆる退職手当共済法の一部改正で、約四万人のホームヘルパーの方のうちの約一万人の人が新たにこの共済の対象になるということですよね。それはよろしいわけですね。 それで、今回の本法案ではいわゆる介護労働者の福祉増進ということですが、実際には、今お話がありましたように、無権利状態になっている方が実際にホームヘルパーとして働いていらっしゃる、その人たちが対象にならないのかどうかというふうにお伺いしているのですけれども。
○伊藤(欣)政府委員 今回想定しております共済制度のメインは、先ほど局長からお答え申し上げましたように、現在の職業紹介所経由の家政婦さんという方が、いわゆる基準法の適用等の問題もございまして労災の適用にならないということがメインでございまして、そういう方々の救済を考えておる制度でございます。 そういう意味で、ホームヘルパーさんというのは、いろいろ形態はあると思うのですけれども、一般的に言いまして、雇用者は明らかであり労災の適用の対象になる、そういう性格を持っておられるわけでございます。退職共済の制度については、先ほどおっしゃったようなことはあると思いますけれども、今回の共済制度はそういう趣旨を持っているということで御理解いただきたいと思っております。
○井上(義)委員 そうしますと、例えば東京都はこのホームヘルパー事業についていわゆる介護券という制度で実際には運用しているということは御承知だと思うのですね。それで、いわゆる家事援助者という形で実際にホームヘルパーの仕事をなさっている、こういう方が実際は東京都だけでも大体五千人から六千人ぐらいいらっしゃるわけでございまして、この方たちは、仕事の内容はホームヘルパーという形で仕事をされているのですけれども、実際は雇用関係が非常に不明確なまま仕事をされている。この方たちは今度の共済の対象にはなりますか。
○伊藤(欣)政府委員 今御指摘の東京都におけるいわゆる介護券システムのもとで就労しておられる家政婦さんにつきましては、東京都の老人家庭奉仕員等の事業運営要綱において家事援助者という名前で呼ばれておるわけでございますけれども、その従事する業務の実態は在宅での介護であるというふうに聞いておりまして、実態的にも本法の介護労働者に該当すると考えております。
○井上(義)委員 その次に、今回いわゆる介護サービス業というものをこの法案の対象にされているわけですけれども、事業主の中で政令で定めるものを特定事業主ということで認定をして援助、助成するということになっているわけでございますけれども、この特定事業主、具体的に何を指すのかお答え願えますか。
○若林政府委員 この法律におきましては、改善計画の作成主体は事業主のうちの政令で定める事業を行う事業主というふうになっておるわけでございますけれども、政令では、介護事業のうちで社会福祉事業以外の事業を定めたいというふうに考えております。 したがいまして、特定事業主とは民間の介護サービス業の事業主ということになるわけでございますが、この民間介護サービス業の事業主と申しますものは、現在、有料老人ホームの事業主、在宅介護サービスの事業主、在宅入浴サービスの事業主が存在しているところでございまして、この法律の施行に当たりましては、それらが広く特定事業主に該当するということで運用してまいりたいというふうに考えております。
○井上(義)委員 そういういわゆる民間ベースで行われている介護サービス業、それを認定するというねらいはどこにあるのでしょうか。
○若林政府委員 私ども、民間の介護サービス業というもので働いております労働者の方々の福祉をどうやって向上させていくかということが、この法律の大きなねらいでございます。したがいまして、もちろんこれは都道府県知事が改善計画を認定いたしますと、それに基づきましていろいろな助成を受けられるということはあるわけでございますけれども、それはあくまでもそこで働いている方々の福祉を向上させるための措置を講じていくという観点であるわけでございまして、この介護サービス業そのものの振興と申しましょうか、そういうような観点からの計画認定というものではございません。
○井上(義)委員 そうしますと、具体的に援助、助成をするということになっているわけでございますけれども、その援助、助成というのはいわゆる働いている介護労働者を対象にしたものである、そういう事業に限定されるというふうに理解してよろしいのでしょうか。
○若林政府委員 民間のサービス事業者の方が改善計画の認定を受けますと、その業務の改善についての助成が受けられるわけでございますけれども、その内容と申しますものは、民間のサービス事業者が行います、働いている人の労働を軽減するためのいろいろな機器などがございますけれども、こういった機器の購入といったようなものにつきましていろいろな援助をしていく、こういったことが内容になっているわけでございます。
○井上(義)委員 これは私企業でございますから費用負担が相当あるわけでございまして、そういう意味で、積極的に特定事業主としての認定を受けるという姿勢が企業の側にあれば、私は大変結構なことだと思うのですけれども、強制力がこれは当然ないわけでございますので、実際に今どの程度そういう企業があって、サービス業があって、どの程度認定するというふうに見込まれているのか、わかりますか。 〔永井委員長代理退席、委員長着席〕
○若林政府委員 ただいまそういった民間のサービス事業と申しますものは、そういったような事業主の方がつくっております団体の調査によりますと、右四十事業所、二万人ぐらいの方が働いているという調査結果がございます。 これの予算でございますが、私ども、四十件程度の助成ができるというものを予算化いたしております。
○井上(義)委員 これはぜひ積極的に、四十件と言われるのは予算上の問題もあるでしょうけれども、やはり介護労働力、いわゆる介護労働者の皆さんが置かれている現状は非常に厳しいものがあるわけでございまして、願わくは、すべての介護サービス業が認定を受けてきちっとした体制でやれるような方向にぜひとも実効ある措置をとっていただきたい、このように要望しておきます。 それから次に、今回この法案の対象は、先ほどからお話が出ていますけれども、いわゆる職業紹介事業者、これを対象になさっているわけでございます。特に家政婦の方々が介護業務の担い手としては非常に重要な役割を果たしていらっしゃるわけでございますけれども、現実はいわゆる病院の付き添いという人が多いわけでございます。これが全体の八割を占める。実際、在宅介護の割合というのは比較的小さいというのが現状だろうと思うのですね。一方で、病院の付き添いということについて、厚生省は、基本的には病院全体を基準看護病院に移行するということで、どちらかといいますと付添婦の人たちを排除する、締め出すというような方向にどうもあるようでございます。 今回、そういう意味で職業紹介事業者、特にこの家政婦さんを対象にしたということは私は大きな前進だと思いますけれども、この家政婦さんの介護の担い手としての重要性について、厚生省はどのように認識をされているのか。
○中村説明員 お答え申し上げます。 先生のお話にもございましたように、家政婦さんの概況を拝見いたしますと、総数が約十六万人、そのうち病院の付き添いが十二万五千人で七七・九%、約八割、こういうふうに承っております。あと家庭で家事を行っておられる方、在宅の方に行かれて家事を行っている方が一・八万人、一一%、うち家庭介護が約一万人程度というふうに伺っております。 介護について家政婦さんの重要性をどういうふうに認識しているかということでございますが、冒頭にも申し上げましたとおり、これから高齢化が進み、介護ニーズというものについては非常に高まる、こういうことは私どもも承知しておるところでございますので、個々の家政婦さんがいろいろな意味で家事なり介護なり病院の付き添いをされている、それは社会的な需要があるということは当然のことでございまして、そういう社会的な需要がますます高まるということにつきましては私どもも同じだというふうに思っております。 先ほど先生の方から付き添いさんを病院から締め出すというようなことにつきまして、あたかも個々の家政婦さんのお仕事がなくなるかのような御発言がありましたけれども、乱そういうふうに受けとめさせていただいたのですが、病院の業務を考えますと、病院に入院されている方に対しまして介護力を強化したいということは厚生省の基本方針でございますので、介護ニーズという意味については、ふえるということであって、一切否定するものではございません。 ただ、指摘されておりますのは、家政婦さんの大部分、約八割を占めておられます病院の介護ニーズにこたえる供給の仕方といたしまして二つ指摘されているわけでございまして、本日の委員会でも御議論あったようでございますが、病院の責任体制、院内のケアの一元的な供給体制としてどうかというお話と、それから医療保険の方のお話でございますので、付き添いさんにかかる費用負担の面で患者さんの方の問題があるのじゃないか、この二点からそこを解消していこうというお話でございまして、個々の家政婦さんが例えば病院に直接雇用される形態になるようになったりあるいはいろいろな代替手段をとられれば、個々の家政婦さんのお仕事が、介護ニーズが高まるわけでございますので、なくなるというようなことは考えていないというような状況でございます。もう一つの大きな家政婦さんのお仕事の場としてやられております在宅福祉についてもまさにそのとおりでございまして、在宅福祉サービスとしてそういう仕事の分野自体はなくなるものではないだろうというふうに思っております。 ただ、私どものやっております公的福祉サービスと申しますのは、厚生省的な言い方になって恐縮でございますが、いわばケアの一環あるいは広い意味でソーシャルワークあるいはセラピーの一環として行っているものでございまして、派遣させていただいている相手先の方の自立の支援とか、そういった観点からやるものでございます。お医者様が、幾ら糖尿病の患者さんが甘い物を食べたいと言ったからといって治療上必要であればそれは断る、極端な話そういうことが必要なわけでございますが、そういった意味では、雇い主の言いなりになる、言葉は適切かどうかわかりませんが、求めに応じて一〇〇%やるということではなくて、介護の一環として、自立のプログラムの一環としていろいろな職種の人たちと共同して採っているというような供給体制をとっておりますので、その辺の仕事の仕方、それから費用について公的にファイナンスされている、そういう点で家政婦さんとのお仕事の違いがあるというふうに認識しているところでございます。 自分で料金を御負担になっていわば家政婦さん、労働法制上は家事使用人というふうな位置づけであるようでございますけれども、家政婦さんを個人的にお雇いになる、こういうニーズというのはなくならないのではないかと思いますので、そういった意味で、家政婦さんのあり方そのものを否定しているわけではございません。 ただ、厚生省のサービス形態としては、院内では先ほど申しましたようなサービス形態をとりたいと思っておりますし、公的な福祉サービスとしてやらしていただくときには、その公的な福祉サービスとしてのやり方でやらしていただきたいと思っておりますので、個々の家政婦さんがそのルートに乗ってきていただくことについては非常に歓迎している、こういう状況でございます。
○井上(義)委員 方向性について否定しているわけじゃないので、現実に約十一万人ぐらいの人ですか今病院の家政婦さんとしてニーズがあって働いていらっしゃる。そうすると、その人たちが今回この法案の主要な対象になるんだろうというふうに思うわけでございまして、今のお話を伺っておりますと、この家政婦さんの仕事の中身というものが、これは雇用形態も含めて、変わっていかざるを得ないということになるんだろうと思うのです。 そうすると、今回この法案の対象にこの家政婦さんを入れて、そして雇用管理の改善を図ろうということは、やはり家政婦の今の現状というものを認めた上でその人たちの雇用管理の改善を図って、なおかつ人材の確保を図っていこうという労働省の考えと、厚生省が意図していらっしゃることとどうもすれ違いがあるんじゃないか。例えば研修の内容一つとっても、これは当然、将来違う方向に行くんだったらやはりそういう研修をしなければいけないわけです。ところが、現実は病院の付添婦として依然需要があるというこの辺の厚生省の考えと労働省の人材確保の考えとのすれ違いというのがどうも気になるんですが、この辺はどうなんでしょうか。
○若林政府委員 先ほども申し上げましたように、現在の家政婦さんは、民営の職業紹介機関から紹介されまして個人の要介護者あるいはその家族に雇用されるという形態をとっているわけでございます。したがいまして、こういった家政婦さんについて雇用管理上の責任を負う、そういう責任をこういう個人の雇い主に課すということは大変困難であるわけでございまして、そのことが結局家政婦さんのいろいろな面での職場環境というものをいろいろな面で立ちおくれさしているということになるわけでございます。これは、家政婦さんのこれからの仕事の場というのがどういうふうになっていくかということはいろいろな御議論があろうかと存じますけれども、それとは別として、現在その家政婦さんの置かれている雇用形態というものからくる問題点でございます。 それを、今回、民営の職業紹介事業者の方に家政婦さんの福祉の増進についての措置を講ずるという努力義務をつけまして、いろいろな措置を講じていただくということによって改善をしていこうということでございますから、この点で特に何か労働省と厚生省とで考え方が違ってくる、見方が違ってくるということはないだろうというふうに思っております。
○井上(義)委員 それでは、労働省としてこの家政婦の需給の見通し、現状は病院の付添婦さんが八割なんですけれども、将来の介護労働力としての需給の見通し、この辺はどういうふうにお考えなんでしょうか。
○若林政府委員 現在の家政婦の方の需給状況というのを先ほど申し上げたわけでございますけれども、現在も大変高い求人倍率でございますが、それを過去からトレンドをとってみますと、相当やはり求人の方の伸びが大きいということでございます。求職の方の伸びが追いつかないという状況でございます。 私どもは、それでは二〇〇〇年になったらば正確にどのくらいそのギャップが出てくるのかという数字は今ございませんけれども、現在のままでまいりますとそのギャップは相当広がってくるということは十分考えられるわけでございまして、そういった面で、できるだけ早くこういった面での対策を講じまして、需給のバランスを確保していくということが必要である、こういう認識に立っておるわけでございます。
○井上(義)委員 需給のギャップがあることは承知しているわけですけれども、先ほどちょっと厚生省からお伺いしたように、今のような病院の付添婦という形態、これはだんだんなくしていこうというような方向のようでございます。 そうしますと、この需給見通しについても、例えば今家政婦さん、病院の付き添いをやっている方がいわゆる在宅介護という形でシフトしてくる、そういうふうにお考えなのか、その上で需給のギャップがかなり依然として続くというふうにお考えなのか、その辺はどうなんでしょう。
○若林政府委員 これは、現在の求人倍率でございますとかあるいはこれまでの求人・求職のトレンド、それは申し上げるまでもなく、現在家政婦さんの八割が病院において付き添いをしている、こういう現状を前提にしての数字でございます。
○井上(義)委員 その辺に厚生省との間に認識のギャップがあるのじゃないかということを私は申し上げているわけでございまして、これはこれ以上議論してもしょうがないので、次に移ります。 それで、この家政婦の皆さんの労働条件、これは何回もお話が出ていますけれども、要するに、労働基準法が適用されない、あるいは社会保険あるいは労働保険制度についても、いわゆる雇用主が個人ということでございますから雇用者責任はないということで、労働条件に非常に大きな問題があるわけでございまして、ここをこのままにしていわゆる雇用管理の改善を図っていくということについては非常に限界があるのではないか、そういう法体系そのものに手をつけなければいけないのじゃないかというふうに私は認識しているのですけれども、労働省、お考えはどうでしょうか。
○伊藤(欣)政府委員 現在の労働基準法の適用等の就業条件については先生御指摘のとおりでございまして、いわゆる事業性の問題等もございます。そういうことで、社会保険、労働保険等についても適用されないような状況にあるわけでございます。また、就業の実態につきましても、個人に雇われて介護業務に従事するというような形で、長時間労働であるとか作業の負担がきついとか技能向上の機会が少ないなど、肉体的にも精神的にも厳しいものがあるわけでございます。 こうした家政婦の就業条件の改善を推進するため今回法案等で御提案申し上げていますのが、介護労働安定センターにおいて新たに福祉共済制度を運営するような事業ないしは健康診断等の援助事業、介護職業研修等を実施して技能訓練を図るということでございます。 また、抜本的に労働基準法の適用そのものの問題でございますけれども、現在の法体系が、事業または事業所に雇用されるというようなこととなっておるわけでございまして、労働基準法をこういうことで適用することについては、罰則を含めた労働基準法の適用というような問題もございまして、慎重な検討を要するものではないかと考えておるわけでございます。
○井上(義)委員 もちろんそう簡単な問題じゃない、議論を要する問題だと思いますけれども、その辺はきちっと議論していかなければいけない、こう思っています。 あわせて、今ありましたように、雇用主が個人の家庭であるということで、いわゆる労働協約に当たるようなものも一切ないわけなので、この辺が非常にトラブルのもとになっているわけでありますから、少なくとも、契約に当たってきちっとした契約条件を明示した書類を取り交わすとか、もうちょっと近代化するような方策というものが現状においてもぜひ必要じゃないかな、そう思うのですけれども、この辺はどうでしょうか。
○伊藤(欣)政府委員 御指摘のとおりでございまして、労働基準法の適用の問題と雇用契約なり就業条件の明確化を図るということはまた別途考えるべき問題だと考えておるわけでございます。 そういうことで、今回、介護労働安定センター等の事業の中におきましても、例えば求人者と家政婦の関係におきまして、雇い入れに当たってモデル契約約款というようなものを作成して、その普及を通じて雇用関係等の明確化を図るとか、そういうような方法も一案ではないかと考えているところでございます。
○井上(義)委員 今回の法案で職業紹介事業者に福祉の増進の責務を定めているわけです。御案内のように職業紹介事業者というのは非常に零細な業者の方が多いわけでございまして、いろいろお話を伺いますと、こういう法案ができていろいろ事業をやるように、そういう責務もあるのですけれども、今の経営状態ではとてもそこまで手が回らないというようなことを特に中小零細の皆さんから聞くわけでございます。 そういう意味で、手数料の問題、現行一〇・一%ということになっているのですけれども、改定すべきじゃないかというような声もあるやに伺っておるのですけれども、これについてはどうでしょうか。
○若林政府委員 現在、民営の職業紹介所におきましては、求人者及び求職者から受け付け手数料としまして一回当たり五百四十円、求人者から支払われた賃金の一〇・一%を紹介手数料として六カ月まで徴収してよい、こういう制度がございます。 家政婦の福祉の増進は引き続きこれを図っていかなければならない問題でございますけれども、そのために紹介手数料を引き上げるということになりますと、その引き上げのコストは求人者でございます要介護者の負担の増加につながっていく、こういう問題があるわけでございます。そういった面で、これはやはりなかなか慎重に検討しなければならない問題だろうというように思うのでございます。 なお、この法案におきましては、家政婦さんの福祉の増進を図りますために、福祉共済制度をつくっていこうということを考えているわけでございますけれども、その運営事務を分担します紹介所に対しましては、一定の運営助成を行うということを考えております。こういったことも、民営職業紹介所が家政婦さんの福祉を増進していくという面で経済的にもバックアップできるものではないかというように考えております。
○井上(義)委員 それから、職業紹介事業者が福祉増進のための事業を行う場合に、いわゆる雇用促進事業団が債務保証をするという仕組みを今度新しくつくられたようでございますけれども、この件に関して、そういう零細な業者の皆さんは、いわゆる許可の更新時に一定の財産的基礎を有しているということが必要になっているわけですね、現行三百五十万ですか。要するに、そういう状況で新たに債務保証を受けてもこれは債務になってしまいますから、そうすると、更新の資格要件がなくなってしまって、実際債務保証してもらっても余り意味がない、こういうふうにおっしゃる方もいるのですけれども、この辺はどうなのですか。
○伊藤(欣)政府委員 御指摘のように、有料職業紹介の許可の更新の要件といたしまして、資産の総額から負債の総額を控除したいわゆる純資産額というものが、三百五十万円以上でございますけれども要件とされておるわけでございます。 先生今御指摘ございましたように、紹介所が家政婦さんのために宿泊施設であるとか職業訓練施設を設置、整備するために資金の借り入れを行った場合には、借り入れそのものは負債に計上されるわけでございますけれども、反面、設置されました施設の方は資産として評価され、基本的にはその借り入れは相殺されると思われますので、資産要件を満たさずに更新の許可を得られないケースはほとんどないと思います。 ただ、決算の時期等によりまして、本債務保証制度を活用して設置した施設等が資産と評価されないというような場合につきましては、当該紹介所の過去数年間の紹介実績であるとか、それまでの資産状況あるいは今後の返済計画等を総合的に判断して更新の妥当性を考えたい、ただ三百五十万円あるないということだけで判断しないようにしたいと考えております。
○井上(義)委員 次に、福祉共済制度が今回発足するわけでございますけれども、この制度の具体的な内容と、いわゆる労働者一般は労災保険が考えられますけれども、この水準についてどういう比較になっておるのでしょうか。
○伊藤(欣)政府委員 福祉共済制度の内容につきましては、今後、介護労働安定センターにおいて具体的に検討していただくということになるわけでございますけれども、その給付内容といたしましては、先ほど御説明申し上げましたように、家政婦さんの就労中の災害あるいは賃金不払い事故等にかかわります給付を盛り込んだらいいのではないかと考えておるわけでございます。また、給付水準につきましては、公的な補償制度と完全に一致させるとかそういうことは困難であろうと思いますけれども、そのような制度を参考といたしまして、できる限り一般の労働者並みの水準が確保されることが望ましいと考えておるわけでございます。
○井上(義)委員 それで、加入対象者と加入率はどの程度というふうにお考えでございましょうか。
○伊藤(欣)政府委員 先ほど申し上げましたように、その仕組みそのものにつきまして、今後、介護労働安定センターにおきまして研究会を設置して検討していただくことになると考えておるわけでございますけれども、今御指摘の加入対象者、加入率、全体の規模等で現時点での構想というものは特別にないわけでございますけれども、できるだけたくさんの方が入っていただいてスケールメリットを生かした魅力ある制度にしたい、そういう魅力ある制度にすれば加入者もまたふえるのではないかというふうに考えておるわけでございます。
○井上(義)委員 発足時に大体どの程度の人数を想定されておりますか。
○伊藤(欣)政府委員 先ほど申し上げましたように、具体的にこれこれということを現段階で構想があるわけでございませんけれども、対象者自体がトータル十六万人というような形になっておるわけでございます。制度的には全員加入というわけではございませんけれども、できるだけそれに近い数が確保されるのが望ましいと考えておるわけでございます。
○井上(義)委員 これは当然、紹介事業者に事務負担等が新たに生じてくるわけでございますので、中には加入の手続をとらないというような業者の方が出てこないとも限らない。特に地方なんかに参りまして需給関係が非常に緩いところがあるわけでございまして、そういう意味からいいますと、強制加入というようなことも考えられるのではないかというふうに思いますが、いかがでしょうか。
○伊藤(欣)政府委員 できるだけ多くの方に入っていただく、その加入を担保するためには、紹介所に果たしていただく役割は大きいということは御指摘のとおりでございます。そういう意味で、本法案の三条の二項の趣旨に基づきまして、紹介所の責務というような形で、福祉共済制度への加入の勧奨であるとか共済制度の運営事務の分担を通じて紹介所が家政婦の福祉の増進に努めていただけるよう指導をしてまいりたいと考えております。 なお、これも先ほど局長から御説明申し上げましたように、福祉共済制度の運営事務を一部分担していただきます紹介所に対しましては、一定の運営助成を行いたいと考えておるわけでございます。 また、強制加入制度につきましては、強制加入する場合の保険料の納付義務ないしは受給権の保護等いわゆる法律上の根拠を含めて、幅広くかつ慎重な検討を要する問題ではないかと考えておるわけでございます。
○井上(義)委員 この介護労働力の確保の問題と密接な関係にあるのが、家庭における介護ということだろうと私は思うのですね。特に日本の場合は、自分が寝たきりになった、要介護になったという場合に家族に面倒見てもらいたいという要求が非常に強いわけでございまして、そういう意味では、家庭で介護できるような体制をつくることが非常に重要だろうと思うのですね。 同時に、これは労働力確保という面から見ても非常に重要な施策であると思いますので、そういう観点からいいますと、いわゆる介護休暇制度というものはこれからの重要な柱になるだろう、こう思うわけでございますが、この介護休暇制度ということについて大臣の認識はいかがでございましょうか。
○近藤国務大臣 いろいろお話がございましたが、まさに介護労働力を確保して社会的に介護ができる体制をつくるということは大事でございます。 しかし同時に、先生お話しございましたように、肉親に面倒見てもらえるということはやはり要介護者の一つの希望ではあると考えておりますが、介護休業につきましては率直に申しまして現在まだそれほど広く普及されてません。育児休業については、相当徹底して普及されておったのを踏まえて、法条としていただき四月一日から実行に移っているわけでございますが、介護休業につきましては少しいろいろな角度からこれを勉強させていただいて、例えば一つのモデルをつくってこれを実行していただくとか、全体的な介護休業のムード、社会的な雰囲気を盛り上げていきたい、こう思っております。 幸い、今度春闘でも電機労連でしたか、介護休業について労使で話し合いをつけられた、そういった具体的な事実が積み上がっておりますので、当分こういったものを見ながら、この介護休業制度の実施に当たって、率直に言って少し時間はかかるかもしれませんが、これを前向きに検討してまいりたい、かように考えております。
○井上(義)委員 育児休業法の例でもございますけれども、普及に伴って法制化の方向に進んでいくということで、この介護休暇ということについても将来法制化するような考えがおありかどうか。特に、私どもは、この介護休暇法の制定に当たってはやはり所得保障というものを考えるべきだ、このように思っているわけでございますけれども、大臣、御所見いかがでしょうか。
○近藤国務大臣 先生御案内のように、育児休業よりも介護休業の方が実はいろいろな要素がございます。したがって、育児休業の場合もそうでありますが、介護休業の場合に、休業という形がいいのか、それともある程度フレックスタイムだとかそういう形の対応を考えるのか、いろいろな具体的考え方があり得ると思いますので、これは先ほど申しましたいろいろな角度から検討させていただきますが、一つの社会的コンセンサスがないとできないことでもございます。 法制化はどうかというお話でございますけれども、これについては、私は、個人としては前向きに検討させていただきたい、こう思っておりますが、いろいろな御意見がございますのでいろいろな御意見も十分聞いてまいりたい、かように考えております。
○井上(義)委員 最後に、そういう要介護者を抱える御家庭の方といろいろお話ししておりますと、介護休業、介護休暇とまではいかないけれども、例えば入退院とか施設に連れていくとか、あるいは定期的にそういうケア施設に連れていかなければいけないとかというようなことで、いわゆる一日とか二日の短期の休暇というものがあれば非常にありがたいというお話をよく承るわけでございまして、そういう入退院、入過所のためのいわゆる介護特別休暇というような制度を普及していくということも、これからの高齢化社会を迎えて非常に必要じゃないか、こう思います。 この介護休暇制度というもの、例えば介護のために一週間程度の特別休暇を与えるというような制度を普及。していくべきではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○近藤国務大臣 先生、これは先ほど来言っておりますが、非常にケース・バイ・ケースで、そして、育児休業の場合は大体一年なら一年と期限が限られますけれども、介護の場合には多少長引く場合もございますので、一律的に介護休暇制度という形を法律的にするのかどうかということよりも、むしろ実質介護が確保できるような雇用体制、雇用システムの具体的な実現が図れるような措置を、それは法律でやるのかほかでやるのか、そういったことを少しいろいろな角度から検討させていただきたい。介護が必要なことはわかりますし、それができる、そして家庭生活と職場というものの調和、調整が図れるようなことはぜひひとつ考えさせていただきたい、こういうことでございます。
○井上(義)委員 以上で終わります。
○川崎委員長 伊藤英成君。
○伊藤(英)委員 まず最初に、介護労働者問題の状況認識についてお伺いをしたいと思います。 介護労働者の確保の問題につきましては、高齢化の進む我が国においては非常に重要な問題でありますし、そういう中でこの介護労働者の数は現在不足しているという状況でもありますし、また、将来にわたっても不足していくのではないか、こういうふうに指摘もされております。 そういう中にあって、介護労働者の労働条件も大変立ちおくれているわけでありますし、特に民営の職業紹介所の家政婦は、個人事業主であるために、労働基準法とか労働安全衛生法あるいは労災法による労働者の保護もなかなか及ばない。したがって、労働条件等でもいろいろ問題点が指摘されているわけですね。 そういうことでありますから、この法案がこうした介護労働者の福祉の増進を図るために提出をされているわけでありまして、そういう意味では、非常に時宜を得たものであろうと私も評価したいと思うのですね。 そこで、まず、労働省として今後の介護労働者の労働需給をどういうふうに見ているのかということについてお伺いをしたいと思います。既に厚生省のゴールドプランでは、ホームヘルパーを平成三年度で四万人から十万人にふやすというような計画があるわけでありますが、労働省として、今後の全体の労働需給、その中での介護労働者の労働力需給をどういうふうに見ているのかということについて伺います。
○若林政府委員 今後の全産業的な労働力需給の動向は、労働力人口の伸びが鈍化していくことが予想されます中で、基本的に不足基調で推移するということが見込まれるわけでございます。 介護労働力の需給に関しましては、公共サービスの基盤整備の目標といたしまして、平成元年の十二月に策定されましたいわゆるゴールドプランに基づきます労働力需要といたしましては、これは平成十一年度までに寮母・介護職員が十一万人、ホームヘルパーが七万人新たに必要となるというふうに見込まれておるわけでございます。一方、民間部門の介護サービスにつきましては、公的部門によって提供されますサービスの水準等によっても左右されるわけでございますけれども、今後寝たきり老人数が大幅に増加すると推計されておりまして、民間介護サービス業の労働者及び家政婦につきましても、供給数の相当の増加が必要になるというふうに見込んでおります。 これらの介護労働力の需要の増大に対応いたしまして必要な労働力を確保していくということは、我が国全体の労働力需給が引き続き不足基調で推移するということが見込まれるわけでございますので、そういった意味で、中長期的かつ構造的な課題として対処しなければならない、そういう課題であるというふうに認識をいたしております。
○伊藤(英)委員 今のお話をもうちょっと詰めて考えたい、こう思うのですよね。 例えば、厚生省の資料では、二〇〇〇年で六十五歳以上の人口が二千万人、そのうちで要介護老人の数が百万人ということですね。これは百万人というのが寝たきり老人ということでありまして、そのほかに痴呆性老人も百十二万人いるとか、あるいはひとり暮らしの人が二百三十七万人だったと思います、そういう推定がされたりしていますね。そうすると、介護を必要とする人はどういうふうになるのかなというふうに考えますと、これは非常に重要な問題だ、こういうふうに思うのですよ。 そういう意味で、これからの時代背景や高齢化の実態をどんなふうに本当に認識しておられるのかなということなのですが、さらにいかがですか。
○若林政府委員 ただいま先生御指摘のとおり、寝たきり老人の数は、一九九〇年の七十万人が二〇〇〇年には百万人程度になる、在宅痴呆性老人の数は、一九九〇年の七十四万人程度から二〇〇〇年には百十二万人程度に達するということが見込まれておりまして、これらに対します介護の需要が増大することが予想されておるわけでございます。 また、核家族化等を背景といたしまして、ひとり暮らしの老人の方も増加してまいりまして、これらの老人の方が、仮に寝たきりとか在宅痴呆性というところまでいきませんでもいろいろな介護が必要になってくると、介護労働者による介護に頼らざるを得ないというような状況が出てくることが予想されるわけでございます。 これを、それでは現在数字的に民間の介護労働力というのはどのくらい必要になるかということをはじくのは大変難しいことでございますけれども、例えば現在の家政婦さんの労働力の需給というものを見ましても、相当に求人の伸びが大きい、求人の伸びが求職の伸びを相当上回っているというような状況でございます。したがいまして、こういった状況がこのまま続くといたしますと、やはり相当な介護労働者の増加が必要とされる、こういうような認識をいたしております。
○伊藤(英)委員 私は、この質問に先立ちまして労働省の皆さん方にもいろいろお伺いもしたりしたわけでありますけれども、例えば介護労働者の長期的な需給関係をもうちょっと数字的にそれなりに把握をしないと、やはりきちっとした対応というのがなかなかできないのじゃないか、こう思うのですね。その辺は私は本当に重要だと思うのですよ。 それでは、この介護労働力の確保という観点でまた物を考えますと、これはなかなか難しい変化というものが私はこれからあるのだろうと思うのです。いわば社会情勢の変化あるいは意識の変化というのでしょうかね、ということもいろいろあると思うのですね。 この間もある新聞を見ていましたら、ちょうどそこにある人が書いておりましたけれども、従来、例えば在宅介護ということを考えてみても家庭で主婦が世話をすると考えていた、しかしいろいろ大きく変化しているんだよと。そのうちの一つは、例えば晩婚化あるいは未婚率の上昇ということもある、その二つ目には、これは労働省も促進しているわけでありますけれども、女性の就業率というのがずっと上昇してくると思いますね。それから三つ目には、そもそも娘や嫁の介護憲識といいましょうか、そういうものが変化してくる、そういうことが今度はいわゆる在宅介護というものをさらに難しくする要因として働いてきたりするというようなことがいろいろ指摘されております。 こうしたことをこれまたいろいろ真剣に考えなければいけない、こういうふうに思うのですが、労働省としてその辺についてどういう認識でいらっしゃるか、お尋ねいたします。
○若林政府委員 私ども、現在、雇用対策基本計画の見直しの作業に入っておるわけでございまして、そのために将来の労働力需給の見通しなどについて学者の方々にお願いしていろいろな研究を進めておるわけでございます。そして、そういった労働力供給の制約という中で、これからやはりどうしても必要な分野というのが出てくるだろうということでございまして、もちろんこの介護といった分野、これも労働力供給制約のもとではありますけれどもぜひとも必要な分野であり、そこに労働力が供給されていく、そういうような政策を進めていかなければならないということが議論されておるわけでございます。 その場合に、ただいま先生御指摘のように、これまでの我が国の要介護老人の介護形態というのは、家庭で家族が介護するという家族中心介護型が多数であったわけでございますけれども、核家族化等を背景にいたしまして在宅で家族が介護を行うという形態が減少してまいりまして、外部の介護サービスの利用がふえることが予想されるわけでございます。 そういったことで、これらの介護すべき家族を抱えた労働者にとりましては、その就業を継続するためにも介護休業制度を初めとする企業内福祉制度が極めて重要な意味を持ってきておるわけでございまして、労働省といたしましては、こういったいろいろな変化、ただいま先生おっしゃいました女性の方々のいろいろな動向といったようなものもその一つでございますけれども、こういったいろいろな変化を勘案いたしまして、実効性のある介護関係施策、介護労働力施策というものを推進していかなければならない、こういう認識を持っております。
○伊藤(英)委員 在宅介護サービスの問題を考えたときに、公的サービスと民間サービスをどういうふうに連携をさせるかということも重要ですね。公的サービスの足りない部分を民間サービスでカバーしようというふうに考えるのか、あるいは両方を競合させようとするのかとかいうことが必要だと思うのです。また、今ですと登録人員四百万人と言われております。そのボランティアの方々にじゃどういう役割を果たしてもらうのかというような、公的サービスと民間サービスの役割期待といいましょうか、そういうことがあると思うのですけれども、こうしたことについてこの法律は直接は言及はしていないわけですね。そして、先ほど申し上げたように、労働力確保の具体的な目標ということも示されてはいない、あるいは考え方も出されないということですね。だから、今回の法律はどういう考え方によって介護労働力の確保ということについて貢献しようとするのだろうか、こういうふうに思うのですが、大臣の基本的な考え方をお伺いしたいと思います。 その前に、実は私は、先ほどもちょっと触れたのですが、今回のこの法案を見ますと、あるいは先ほどの説明を聞いてもそうなんですが、いわゆる思想のなき政策といいましょうか、あるいは長期的な視点に立った計画なき政策を実行しているような気がしてならないのですね。そういう意味で、大臣にその基本的な考え方をお伺いしたいということであります。
○近藤国務大臣 先生、今度の法律は、介護に携わる方々のまさに勤務条件を改善することによって積極的に介護労働に参加していただくというための条件整備でございますから、それは公的な在宅介護サービスに関しても、また私的な分野についても同じように適用されるべきであると私は考えているわけであります。 公的な在宅介護サービスは、例のゴールドプランで平成十二年までにホームヘルパーを七万人必要とする、こういうことでありますから、この面についても労働省としては大いに努力をさせていただく。他方、民間部門における介護サービスについても、これはおやりになる方もいらっしゃいますし、また需要も大きくなるわけでありますから、そういった方々に対しても、特にこういうことをおやりになる事業主の方々が、雇用される介護労働者についての労働環境の改善だとか教育訓練の実施だとか、福利厚生の充実だとかその他いわゆる雇用管理の改善を促進するとともに、介護労働者の能力の開発や向上に努める、そういったことで、そういうことを事業主の方がおやりになることを今度の法律によってお手伝いといいましょうかバックアップすることで、最初に申しましたように、積極的に介護労働に関係していただく、携わっていただく方々を確保してまいりたい、こういうことでございます。
○伊藤(英)委員 ただいまは、基本的な背景といいましょうか認識についてお伺いしたのですが、この法律案の具体的な内容について、幾つかのことにつきまして確認をしたいと思います。 今回のこの法律では、介護労働者の雇用管理の改善による福祉の増進ということが目的になっておりまして、介護労働安定センターは介護労働者の雇用の改善と安定に大きな役割を果たすということが期待をされているわけですね。 そうすると、そのために、当面の事業もさることながら、その運営に関する中長期的な戦略が必要だと思います。当面の事業対象とその事業の力点は具体的に何であるか、そして中長期的展望について現時点での構想はどういうことかということについて伺います。
○若林政府委員 介護労働者の福祉の増進を図ることが重要な課題でございまして、事業主等の取り組みを総合的に支援する機関として、ただいま御指摘の介護労働安定センターを指定することといたしているわけでございます。 介護労働安定センターにおきましては、雇用管理の改善等を行う社会福祉施設でございますとか、介護サービス業の事業主を対象といたしました各種の助成金の支給、民営職業紹介所等のネットワークによる情報の提供、民営職業紹介所の家政婦等に対する研修、介護労働力確保のための調査研究等を行う予定でございます。 平成四年度におきましては、家政婦等に対します研修事業、それから民営職業紹介所等のネットワーク化等の事業——この民営職業紹介所等のネットワーク化等の事業と申しますのは、要介護の方を抱えている御家庭と民営の職業紹介所とを結びつけていく、こういう仕事でございます。それから家政婦さんのいわゆる福祉共済制度の、平成四年度につきましては設計等でございますけれども、こういったような事業を重点的に行いたいというふうに考えております。 この介護労働安定センターの今後の問題でございますけれども、当面、まず福祉共済制度の設計をいたしまして、その上でこれを実施していくわけでございますけれども、さらに、家政婦さんの研修事業といったものを一層強化いたしますとともに、大事なことは、家政婦さんの社会的な地位の向上と申しますかイメージアップと申しますか、こういうことも非常に大きな仕事だというふうに思っております。 このためには、これは家政婦さんのアンケート調査などでも明らかになっているのでございますけれども、家政婦さん自身も、いろいろな意味でやはり介護についての資質の向上を図りたいということを言っております。したがいまして、こういったような資質の向上を図り、いろいろな資格制度と申しますかそういったたぐいのものを導入したりいたしまして、家政婦さんのそういう社会的な地位の向上を図っていくということも大きな仕事であるというふうに考えております。
○伊藤(英)委員 介護労働者福祉共済制度について伺いたいのです。 本制度は、介護労働安定センターにおいて家政婦の就業条件の改善を目的として実施するということでありますけれども、この制度について、介護労働安定センターにおける検討の体制並びに今後の日程についてまず伺いたいと思うのです。
○伊藤(欣)政府委員 御指摘の福祉共済制度につきましては、介護労働安定センターで、まず、学識経験者あるいは統計数理の専門家、保険関係の専門家、また民営職業紹介所団体の代表、さらに、当然のことでございますが、家政婦の経験者等で構成する研究会を設置いたしまして、その内容について検討することになると考えておるわけでございます。 日程的には、先ほど局長が申し上げましたように、平成四年度中のできるだけ早い機会に検討の取りまとめを行っていただいて、新しい制度の周知を図った後に、平成五年度から発足させたいと考えているわけでございます。
○伊藤(英)委員 この共済制度の設計に当たっては、いわゆる労働者一般の制度の水準に準じた内容を確保をした方がいいと思うのですね。 それで、その制度の具体的内容及び労働者一般の制度の水準との比較について、現在どういう考え方なのかということですね、それをお伺いしたい。そしてまた、その設計に際して、関係労働者やあるいは労働団体の参加あるいはそれの意見聴取ということも考えて実行をした方がいいと思うのですが、これについて今どのように考えておられますか。
○伊藤(欣)政府委員 先ほど申し上げましたように、介護労働安定センターにおきまして、研究会を設置していただいていろいろな関係者で御検討いただくということであるわけでございますけれども、現時点におきましては、共済の内容につきましては、家政婦さんの就労中の災害あるいは賃金不払い事故等に係ります給付を盛り込んでいただきたいと考えているわけでございます。 また、その給付の水準につきましては先生御指摘のとおりでございまして、公的な補償制度と一致させるという、完全に一致させるということは困難かとは思いますけれども、それらの制度を参考といたしましてできるだけ一般の労働者並みの水準が確保されることが望ましいと考えているわけでございます。 また、この制度運用に当たりまして、関係者、働いておられる方々、それから紹介所の方々、それから保険制度でございますので数理の経験者、そういう方々の御意見を十分勘案してつくられるのが適当だということは当然のことだと考えております。
○伊藤(英)委員 この介護労働者の福祉共済制度は任意加入になっておりますね。これはかなりの人がそこに加入をしないとなかなかねらった効果を得ることはできないのだろうと思うのですね。 この点について、どういうふうにしてその加入率を上げるために努力されるのか、そして、なかなか加入率が上がらないかもしれないのですが、強制加入制度に変更するというようなことも考えられるのかどうか、この辺はいかがですか。
○伊藤(欣)政府委員 御指摘のように、この制度は任意加入の制度でございますけれども、こういう共済制度の性格上、スケールメリットということもございまして、加入率を高めることが非常に重要な課題であると考えております。このため、家政婦紹介所を通じまして共済制度への加入の勧奨に努めますとともに、掛金の徴収等共済制度の運営事務を分担していただきます紹介所に対しましては、一定の運営費の助成を行うことといたしているわけでございます。 また、家政婦が共済制度へ加入を希望するにもかかわらず紹介所が共済制度に加入してないというようなことにつきましては、紹介所は求職者の福祉の増進に資する措置を講ずるように努めるものとするというのが本法の第三条第二項に書いてあるわけでございますけれども、その法律の趣旨にも反することでもありますので、このようなことがないように指導してまいりたいと思うわけでございます。また、そのようなケースが起こらないようにするために、先ほど申し上げました共済制度の検討に当たる研究会には紹介所の団体も入っていただいて、その意見を踏まえつつ協力を求めることとしたいと考えております。 最後に、強制加入制度の問題でございますけれども、できるだけたくさん入っていただきたいという趣旨はそのとおりでございますけれども、強制加入の制度にする場合につきましては、保険料の納付義務の問題あるいは受給権の保護の問題等、その根拠となる法律上の問題がございます。そういうことも含めまして、幅広くかつ慎重な検討を要する課題ではないかと考えておるわけでございます。
○伊藤(英)委員 時間がほとんど参りましたけれども、最後にお伺いします。 この介護労働力の確保という問題については、私は、これは労働省だけの問題ではなくて政府として総合的に推進をするということが必要だ、こう思うのです。 例えば、介護労働力の問題は看護労働力の問題と密接に関連をしてくる問題ですね。今国会に、これらの問題に関連して労働省及び厚生省の両省から法案が三つ出ております。政府の施策がそれぞれ分立といいましょうか、そういう印象をやはり私は受けますね。政府として本当にこうしたものについて統一的に推進をしなきゃならぬ、こういうふうに思うのです。こういうものが欠けるから、私は、一番最初に指摘したように、これからの日本のこうした介護労働力というものについての長期的な視点から、どういうふうにその量的なものを押さえて施策を展開するということが欠けてくるとかいうようなことになってしまうのだろう、こう思うのです。 そういう意味で、こうした政府としての総合的な行政の進め方ということにつきまして大臣の見解をお伺いしたいと思います。
○近藤国務大臣 ますます重要になってまいります介護労働力また看護労働力の確保の問題については、まさに先生おっしゃるように、当然政府一体となって取り組むべき問題であると私たちは考えております。 ただ、看護婦と介護労働者とは多少性格が異なりまして、看護婦さんの場合にはいわゆる資格独占職種でございますが、介護労働者はそうではない。そんなことから、対象とする労働市場の性格やその確保施策の内容が異なりますので、政府部内で調整をいたしました結果、その特性に応じて別個に立法措置を講ずることにしたわけでございます。 いずれにいたしましても、これらの法案の施行に当たりましては、三法案に基づく施策が十分整合性がとれたものとなるように厚生省との連携に十分配慮してまいる所存でございます。
○伊藤(英)委員 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。
○川崎委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○川崎委員長 これより討論に入るのでありますが、その申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○川崎委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 —————————————
○川崎委員長 この際、本案に対し、大野功統君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。河上覃雄君。
○河上委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 介護労働者の雇用管理の改善等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、我が国における急速な高齢化の進展等に伴い、介護業務に係る労働力への需要が増大していることにかんがみ、本法の施行に当たり、次の事項について特段の配慮をすべきである。 一 我が国における急速な高齢化の進展等に伴う介護業務に係る労働力への需要の増大に対処し、及び介護労働者の福祉の増進を図るため、介護労働者の雇用管理の改善の促進、介護労働者の能力の開発及び向上等の介護労働力確保対策を総合的に推進すること。 二 介護労働力確保対策を推進するに当たっては、労働行政と厚生行政との連携をはじめ関係行政の十分な連携の確保に努めること。 三 家族の介護に携わる労働者の職業生活と家庭生活との両立を可能とするため、介護休業制度の普及促進に格段の努力を払うこと。 四 公共職業安定所における介護労働者の職業紹介機能及び体制の充実強化を図ること。 五 介護労働者の能力の開発及び向上のため、公共職業訓練及び事業主等の実施する教育訓練に対する支援等職業能力開発施策の適切な実施を図ること。 六 本法に基づく各種助成・援助制度については、介護労働者の雇用管理の改善が確実に促進されるよう適切な運用に努めること。また、介護労働安定センターについては、その業務が適切に行われるよう、十分指導すること。 以上であります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○川崎委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 大野功統君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○川崎委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。近藤労働大臣。
○近藤国務大臣 ただいま決議のありました附帯決議につきましては、その御趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。 —————————————
○川崎委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○川崎委員長 この際、内閣提出、労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法案を議題とし、趣旨の説明を聴取いたします。近藤労働大臣。 ————————————— 労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○近藤国務大臣 ただいま議題となりました労働時間の短縮の促進に関する臨時措置法案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 労働時間の短縮は、豊かでゆとりある勤労者生活を実現し、生活大国に向けての前進を図るために不可欠な国民的課題であり、また、すべての勤労者にとって働きやすい職場づくり、国際社会との調和のとれた国民経済の発展のためにも重要な課題となっております。 しかしながら、労働時間の動向を見ますと、昭和六十三年に改正労働基準法が施行されて以来着実に短縮していますが、年間総労働時間を千八百時間程度に向けてきる限り短縮するという政府の目標の達成のためには、より一層の努力が必要であり、完全週休二日制の普及、年次有給休暇の完全取得、所定外労働の削減をさらに推進していく必要があると考えております。 特に、企業間の競争、同業他社との横並び意識、取引慣行の問題等により、個々の企業の自主的努力だけでは、労働時間の短縮が困難な状況も見られるところでありますので、このような状況にかんがみ、労働時間の短縮を促進するためには、個々の企業による自主的な努力を促進するための特別の措置を講ずること等により、環境整備を図っていくことが重要な課題となっております。 政府といたしましては、このような課題に適切に対処するため、中央労働基準審議会の建議を踏まえ、労働時間の短縮を円滑に推進するための法律案を作成し、同審議会にお諮りした上で、ここに提出した次第であります。 次に、この法律案の内容につきまして、概要を御説明いたします。 第一に、労働大臣が、労働時間短縮の目標、事業主等に対する指導及び援助に関する事項等を定めた計画の案を作成して、閣議の決定を求めることとし、その決定があったときは、これを公表するとともに、必要がある場合には関係団体に対し、要請をすることができることとしております。 第二に、事業主は、労使で構成する委員会を設置する等労働時間の短縮を効果的に実施するために必要な体制の整備に努めなければならないこととし、一定の要件を満たす委員会が設置されている場合には、労働基準法の特例を設けることとしております。 第三に、同一の業種に属する二以上の事業主は、労働時間の短縮の実施に関する計画を作成し、労働大臣及び当該業種に属する事業を所管する大臣に提出して、その計画が適当である旨の承認を受けることができることとし、計画の承認に際して公正取引委員会と必要な意見調整を行うとともに、計画承認後において公正取引委員会からの独占禁止法に抵触するおそれがある旨の通知に対し必要な意見を述べることとするほか、承認事業主に対して必要な援助を行うこととしております。 なお、この法律は、公布の日から起算して三月を超えない範囲内において政令で定める日から施行することとし、この法律の施行の日から五年以内に廃止するものとしております。 以上、この法律案の提案理由及び内容の概要につきまして御説明申し上げました。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。よろしくお願いいたします。
○川崎委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る五月十三日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時六分散会 ————◇—————