労働委員会 第3号
- 発言数
- 228 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/03/26
会議録
○川崎委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木久君。
○鈴木(久)委員 本日は雇用保険法の一部改正の審議でありますけれども、私は、労働委員会に所属して初めての質問でありまして、労働行政の基本にかかわること、かねてよりどうしても質問しなければと思っていた件がございますので、お許しをいただきたいと思います。 この間、日本の社会経済の発展の激化といいましょうか、経済大国になって、さらに生活大国という新たな大きな政策転換の時期を迎えていると思います。今度の国会でも、労働大臣はもちろんでございますけれども、宮澤総理も生活大国への歩みをしっかりやろう、こういう決意を述べられております。勤労者にとっては生活にゆとりと豊かさを実現させる、こういう意味で極めて注目をいたしておるわけでございますけれども、その意味で、労働行政がかつてないほど国民から注目を集め、また新しい制度、政策をも含めて検討する時期を迎えていると私は思っております。 特に、労働力不足という深刻な事態の中での雇用と労働力確保の問題、同時に、それをもう少し深く検討していくと、今いろいろ問題になっております特に女性の社会参加と育児休業法の制定というのがございまして、これからいよいよ踏み出すわけでございます。さらに介護労働の問題、パート労働法は私どもも提案をいたしておりますけれども、そういう新たな施策の実現というのが迫られていると思います。同時に、労働条件の問題では時間短縮が一番大きなテーマに今なっております。 そういう意味で、まさに積極的に取り組む時期だ、こういうふうに認識をいたしておりますけれども、こういう情勢下にあっても、残念ながら労働者に対する偏見みたいなものなんでしょうか、あるいは敵視政策と言ったらいいのでしょうか、大変非現代的な労務政策が依然として地方末端では行われているということは、まことに私は残念でなりません。 そこで、その中でも最も憂慮すべきことは、地方労働委員会とか中央労働委員会とか、こういう文字どおり争議や紛争の調停をするあるいは仲裁をするその第三者機関の、そういうあっせん等を含めてほとんど無視をしてしまうというふうな傾向あるいは風潮が出ていることは、まことに残念でなりません。この間、JR各社全体が地労委、中労委の決定をもほとんど無視をしているという、これは見本みたいなもので、これを見習うかのように一部そういうものが最近出ております。私は、これは一つは、労働行政を担う労働省としてこのまま放置しておくと信頼を失うことになるんじゃないだろうか、こういう認識をいたしておりまして、今後積極的にその行政の指導を含めて強化をしてほしいということの願いを込めて、以下具体的、典型的な例を挙げながら質問をしたいと思いますので、御見解を賜りたいと思うのです。 私の地元になりますけれども、いわき市に清和電器労働組合というのがございまして、これはいわゆる電気のメーカーとしては中堅であるアルプス電気の関連下請企業でございまして、生産も技術指導も設備も人的援助もすべて管理をされていもいわゆるサテライト企業と言ったらいいと思います。従業員百三十人ということでございますけれども、実は五年前に、昭和六十三年一月十日に三十四人で組合を結成して一週間で百十二名ほどになったのですけれども、その直後に労働組合の結成が適法かどうかなどという難癖をつけまして、これで不当労働行為が始まりました。二月末には組合員が二十人に、最悪のときは八人まで落ちてしまいました。一カ月くらいの間でございます。 この間の不当労働行為は目に余るものでありまして、労働委員会も、もちろん福島県の労働委員会ですけれども、救済命令を出しております。全く聞く耳を持ちません。それで、実は三月に入って不当労働行為を認定しましたがこれも無視をし、その後、中労委に上げております。中労委においては、会社の申し立ては全く棄却をされております。そうすると、裁判闘争でございます。それで長期泥沼。今日ちょうど五年を経過いたしております。団体交渉は一切しておりません。 こういうことで、まさに兵糧攻めのような形でいわゆる不当労働行為が続いておるわけでございますけれども、実はその当時、昭和六十三年三月二十二日に衆議院の社会労働委員会で田中慶秋代議士がこの問題を取り上げています。この事件が起きた直後でございます。ここで労働委員会などの決定を守らせる行政指導をしっかりやりたい、そして親会社への指導もする、労使正常化のために努力をするということを労働省は答弁をいたしておりますけれども、私はこの実効が上がっていると思っておりません。 そんなことで、皆さん方が御答弁をされた内容について、どういうふうに指導をされて、現状、最悪の事態が進行しているわけでございますけれども、どういう認識をお持ちかを含めてお答えをまずいただきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 清和電器における不当労働行為事件につきましては、ただいま御指摘のように、昭和六十三年に田中議員の御質問も受けまして、労働省といたしましては、六十三年の三月から四月にかけましてアルプス電気本社への事情聴取、それから紛争の早期かつ円満な解決に向けた清和電器への助言の要請を行ってまいったところでございます。 その後、本件につきましては、ただいま御指摘のように、労働委員会の命令が出された後裁判に持ち込まれ、支配介入事件の方につきましては最高裁の判決が出されておるわけでございますが、団交拒否事件につきましては最高裁で現在審理中、このように承知をいたしておるわけでございます。 このような形で紛争が長期化をしているということは残念なことであろうかと思うわけでございますが、ただ、裁判にまで上がってくるということ自体につきましては、そのこと自体についてのとかくの意見を申し上げることはできないわけでございます。いずれにいたしましても、当事者で誠意を持って解決に向けて努力をしてもらいたい、このように考えておるところでございます。
○鈴木(久)委員 労働省としてはそういう答弁になるのかもしれません。しかし、組合をほとんど頭から認めない、そして団体交渉を五年間もほとんど拒否状態がずっと続いて全部裁判闘争、労働委員会やその他の決定は全く無視されている、この状況は私は異常だと思いますね。こういう形のものを黙っていたら、もう労働法規その他はそんなに守らなくてもいいんだというふうにどんどんなってしまわないんだろうか、こういうことを私は思って実は質問をいたしておるわけでございます。 もう少し続けますけれども、アルプス電気のまさに下請企業になっておるわけでございますけれども、このアルプス電気というのは、実は、ここだけではなくて新潟の紫雲電機、そしていわき市の杉原製作所という同じ下請系列の労働組合の結成に当たっても全く同様の攻撃をかけて組合つぶしをした、そういうことが過去にあるわけでございます。私どもいわきなんかにとってみれば、このアルプス電気というのは誘致企業であり、中核工業団地をつくって税制優遇をし、メーン企業ですね、下請をいっぱい持っているのです。地域にとっては物すごい大きな影響を持つ企業が、下に対してそういうことをやって堂々としている。これはやはりどう考えても、今日の労使関係正常化の中でのいろんなことを考えてまいりますと正常ではない、こういうふうに思えてなりません。 今法廷闘争の話もありましたけれども、支配介入に関する不当労働行為は平成三年の二月二十二日、ごく最近ですが、最高裁でやはり労働組合が全面勝訴、損害賠償請求についても三年の十一月五日に全面勝訴しております。残ったのが団体交渉の問題で、今争っているわけでありますけれども、これも間もなく結審となるのではないだろうか、こういうふうに見ておりまして、ここでも間違いなく労働組合の方が正しいというふうに認められることは確信をいたしておりますけれども、これは一つの典型的な例を私は申し上げたわけでございます。 そこで、地方労働委員会や中央労働委員会のいわゆる権限である仲裁とかあるいは調停とかあっせんというものがそういう形でどんどん無視されていくことについて、私は極めて憂慮をいたします。裁判所でルールがないわけじゃないからそれは構わないといえばそれまでかもしれませんけれども、労働行政に携わる側の労働省としてほとんど行政指導らしい行政指導もできないでそういうことをしてしまうということになったら、これは私は労働行政そのものが信頼をされていかないんじゃないだろうかという気がいたすわけでありますけれども、御見解を賜りたいと思います。
○清水(傳)政府委員 こうした労使関係と行政とのかかわり合いと申しますかあり方と申しますか、基本は、やはり労使間の自主的な努力によって自主的な調整が図られる、これがあくまでも本筋であるわけでございますし、政府の立場なるものはそういうことが図られるような方向へ向けての助力に努めていくということであろうかと思いますし、そこにいわゆる介入的な立場というのはあくまでもこれは差し控えていく、そしてまた、紛争が起きた場合には労働委員会制度の活用の中で早期かつ円満な解決が図られるような機能を生かしていく、こういうことになろうかと思うわけでございます。 また、労働委員会そのものは、決して裁判と同じように権利義務を確定するとかということではなくて、紛争そのものに対するいわば仲介役というか、もつれ合っているものに第三者として中へ入ることによって安定が図られるような効果を上げていく、ここにあるわけでございまして、御指摘の清和電器のケースのように、さらにそこから裁判闘争へ持ち込まれるというケースもこれはなきにしもあらずでございますが、多くのケースはそうした労働委員会制度の機能が生きた形で処理がなされてきておるものでございます。 そしてまた、先ほど申し上げましたように、すべての国民に裁判を受ける権利があるわけでございまして、そのこと自体についてとかくのことを申し上げられるわけではございませんが、今般のケースにつきましても、既に確定判決がなされ委員会命令が支持をされている段階におきまして、中労委そのものとしても、その履行確保のために立入調査を行い、実態調査を行い、一定の改善命令もいたしまして履行確保等を行っておるわけでございますし、またその中間段階におきましても、いわゆる裁判所による緊急命令の制度を活用いたしまして、労働委員会による申し立てによって緊急命令も出されている、こういうプロセスもございまして、仕組みをフルに活用いたしましての紛争の解決に当たってきておるというところでございます。 もとより使用者が組合法の禁止をする不当労働行為を行ってはならないことは言うまでもないわけでございまして、先ほど冒頭に申し上げましたような政府としての立場、スタンスに立ちつつ、そうした不当労働行為の防止のための努力というものをさらに払っていかなければならない、このように考えておるところでございます。
○鈴木(久)委員 県の地方労働委員会が会社を訪問すれば門前払い、そういう状況なんです、実際は。そのくらい非常識ですね。ですから、今お答えいただきましたけれども、五年経過してこういう実態にあるということをどうか十分御認識いただいて、六十三年に社労委員会で質問をして皆さんに御指導いただきましたけれども、もう一度この現実を見詰め直していただいて、具体的な御指導をいただくというのが一つ。これは特に地域の問題じゃなくて、今連合では、県連合はもちろん連合本部、産別全体が、こういう問題をこのまま放置できない、こういうことで極めて大きなこの問題に対する関心を寄せている事件でもございますので、具体的な御指導を賜りたいということでございます。 さらに、今後やはり労働委員会等の機能が十分に果たせるような意味での、労働省としての行政の指導の強化というものをぜひ高めていただきたいし、そのことによって、私はやはり労働行政そのものも信頼されるのじゃないだろうか、こういうふうに思いますので、その決意を含めて御回答いただきたいと思います。
○清水(傳)政府委員 本件につきましては、従来の経過もございますし、側面的ではございますが、さらに事情聴取等を含めまして、また、親会社であるアルプス電気等の方にも、どんなふうな形で協力会社の労使関係の安定が図られるか、そういう方向に向けての事情聴取等を含めまして側面的な努力はいたしてまいりたい、このように存じております。
○鈴木(久)委員 もう一つ、法案審議に入る前に、これは通告をしておりませんけれども、大臣に特にお答えいただきたいことがございます。 それは、ここ数日来春闘の回答がどんどん出てまいっております。予想よりはるかに低いというふうに労働者側は強く不満を含めて持っていると思います。景気の低迷という問題が背景にはあるかもしれません。しかし、働き過ぎといろいろ批判をされたり、これからいよいよゆとりと豊かさを国民レベルにというまさに生活大国への道を歩む第一歩の生活春闘といいましょうか、この回答がこの状況では、これは大変私は不満でありますし、そういうこれから新たな政策的な展開をしていくという時期に当たって、極めて低い回答じゃないか、残念でなりません。 労働省としてというよりも、こういう新たな状況の中での春闘の賃金の回答状況について、一体大臣はどのように御認識されているのか。特にもう一つは、時短の問題も大きなテーマにはなっておりますけれども、もう時短以前に、生活レベルの問題でこういう厳しい回答になってしまったということについての大臣の見解をただしておきたいと思います。
○近藤国務大臣 先生御指摘ございましたが、我が国の労働条件、勤労条件というのは今や国内の問題だけではなしに、国際的に大きな関心を寄せられている問題であります。私は、春闘のあり方についていろいろな議論がございますが、こういう時期に労使の関係者が、労働者の勤労条件、福祉その他いろいろな問題で幅広い議論をして、結論を出されることは大変大事なことである、こういう判断をしておるわけでございますが、これは基本的には組合と経営者側、いわゆる全体の日経連と組合、さらには産業別の経営者の立場と組合、さらには個々の企業の間の労使の話し合い、それぞれの段階においていろいろな事情がございますので、当事者間の話し合いで円滑に話がつくということに、私たちは期待を込めて現在見守っておるわけでございます。 実は今国会で時間短縮促進法を御審議いただくことにもなっておりますが、今、日本の労働者が時間的に欧米と比較して働き過ぎじゃないか、こういうような国際的な批判といいますか関心もございますので、私としては、時間短縮については、これは労使で何とか一歩前進をしてもらいたいという期待を持っておったわけでございますが、この問題については幸い従来よりも相当な前進が見られると考えております。 ただ、賃金水準については、これはいろいろな御議論があるわけでございますけれども、このことはひとつ各企業の実情に即し、また産業の実情に即して労使が議論を尽くし合って、双方で了解が得られるような線に落ちつくであろうと期待しておるわけでございます。今まだ中間段階でございますけれども、私ども労働省としても冷静に見ているわけでございますけれども、大体話し合いで落ちつくようなことになりつつある、こういう見方をしております。これからまだいろいろございますので、ここでどうこう言う段階でございませんけれども、何とか両側の話し合いによって、両側が納得できるような線に落ちつきつつあるのではないか、こういうことでございます。
○鈴木(久)委員 大臣、私は、苦しい答弁だったと思うのですけれども、予想をはるかに下回ったというのが大方の実感だろうと思うのですよ。生活大国、そしてゆとりと豊かさの実現のために今欠かせないのが賃金の問題でありあるいは労働時間の問題であるということを推進をしなければならない労働省の立場からいえば、私は、今の回答状況というのはまことに低額、そして、その政策実現に向かっていくためにはむしろマイナスになって、ブレーキをかけているような状況なんではないだろうか、こういうふうに思います。これ以上お答えいただいても同じ回答になるんだろうと思いますけれども、やはりそういう賃金状況になりましたから、なおさらもう一面の労働時間短縮等の問題についてはもっと積極的に推進できるように、これは行政サイドからもそういう立場での今後の御指導というものをお願いをしておきたいと思います。 それでは、時間が制約をされておりますので、法改正の質問に入らせていただきたいと思います。 今度の法改正の背景といいましょうか、それは提案理由の中にも述べられておりますけれども、経済的にはバブル経済がはじけて経済の低迷というのが背景にあります。しかし、雇用の方は労働力不足ということもあり、深刻な状態というよりは、むしろそうではないまだ依然として求人倍率等もそれなりの水準を保っているという情勢にあろうと思います。 そういう中で、雇用情勢がここ数年よかったために保険料の積立金の規模が徴収保険料の二倍を上回るという黒字基調になったということが一つと、もう一つは、しかし、そういう黒字基調になったということと同時に考えなければならないのは、いわゆる高齢化社会への対応や、先ほど申し上げましたけれども、女性の雇用の確保対策等々の新しい制度、政策の導入、将来の先行きについてであり、今いろいろ検討いただいているとは思いますけれども、育児休業制度あるいは介護休暇などに対する——全く無給で休むということについては、これを促進する意味ではこれからいろいろと隘路があろうと思いますので、そういうための一定の賃金の保障、賃金というよりはいわゆる有給制度にするためのあり方の検討などもしなければならない、そういう状況にあろうと思います。まさにそういう意味では、今この雇用保険制度そのものには検討すべき課題が前にいっぱいある。現状では黒字基調になって少し見直さなければならぬ、こういうことはあろうと思いますけれども、その意味では、この問題について考える場合、現状認識というのはまさに過渡的段階で極めて流動的な時期にある、こういうふうに私は思っております。 こういう中で法改正に踏み切ったという理由ですが、むしろ前の法律改正の段階でいろいろと要求があったものを抑えて法改正をしたという、後でこれは議論いたしますけれども、そういう経過からいたしますと、むしろ給付の改善等に資するべきである、こういう認識を持っております。 中央職業安定審議会あるいは社会保障制度審議会の二つの審議会の中でも、おおむね妥当と言いながら、今私が申し上げましたようなことについて特に労働者側委員から。強く要望が出されている、こういうふうに思います。したがって、今後の雇用をめぐる社会経済の変化に対応した雇用保険制度のあり方など、いわゆる基本問題の検討を進めることをむしろ条件にされて、当面の暫定措置としてやむを得ないものだというふうに答申の中身は私は受けとめておりますけれども、法案作成に当たって、そういう審議会の意向をどういうふうに受けとめられてこの法案に生かされたのかという基本部分のことで、もう一度確認の意味でお聞かせいただきたいと思います。
○若林政府委員 ただいま先生御指摘ございましたように、今日の雇用保険の財政状況は、平成二年度で保険料の徴収額と積立金の比率というものを見てまいりますと、これは現在二・〇八という状況になっておりまして、これまでの傾向というものを考えますと、さらにこの積立金の積み増しか進んでいくというような状況にございます。 ただいま先生御指摘のように、雇用保険制度につきましては、五十九年に大幅な改正をいたしまして以来いろいろな基本的な問題についての御議論、御指摘があるわけでございます。高齢化社会がますます大きな問題になってくるわけでございますし、女性の社会進出の問題等もございます。こういった中で今後雇用政策というものをどういうふうに進めていくかという基本的な問題がございますし、それとの関係で雇用保険制度というものをどういうふうに進めていくかというような問題もございます。その他さまざまな基本的な問題を抱えておるわけでございまして、ただいま御指摘の中央職業安定審議会雇用保険部会におきましても、こういった高齢化の問題、女性の社会進出に伴う問題、雇用三事業に伴う問題、負担のあり方に関する問題、こういった諸問題について今後議論を深めていくべきであるという御指摘がなされておるわけでございます。 そういったことを前提にいたしまして、このような状況でまいりますと、ただいま申しましたように積立金の積み増しか進んでいくという状況でございますので、当面の暫定措置といたしまして、保険料の引き下げと、それから国庫の負担の引き下げ、また当面急を要します給付改善について取り組むこととしたものでございます。
○鈴木(久)委員 それでは、これから逐次内容についておただしをしてまいりたいと思います。 それで、雇用情勢の見通しというものについてどんなふうに今把握をされているか、まず、ここからお尋ねしてまいりたいと思います。 まさに法案審議の前提条件になることでございますので、雇用失業情勢をどのように見ているか、把握しているかということが第一点。そして、もう少し先まで、その情勢はどのように展開をされるものだというふうに認識されておるか、この二つをあわせてお尋ねをいたします。
○若林政府委員 まず、現在の雇用失業情勢について申し上げますが、今日の景気の動向というものを反映いたしまして求人が減少いたしておりまして、その結果有効求人倍率が徐々に低下をいたしておるわけでございますけれども、本年一月の求人倍率は一・二八ということでございまして、これはなお高い水準でございます。雇用者数も増加を続けておりますし、完全失業率も二・一%と低い水準でございますので、労働需給は依然として引き締まり基調で推移をしているということでございます。なお、最近のこういう景気の動向でございますので、私ども動向は注意深く見守っていきたいと思っております。 基本的には引き締まり基調でございますが、こういう中で年齢別に見てまいりますと、年齢別の労働力需給を求人倍率で見ますと、平成三年の十月では五十五歳以上では〇・三八と一倍を大きく下回っておりまして、年齢間の需給のミスマッチが見られるところでございます。 そういった意味で、雇用対策といたしましては、こういった労働力需給のミスマッチの解消というものを図り、雇用の安定と労働力の確保に努めていくということが大きな課題でございます。 今後どうなっていくかということでございますけれども、先般雇用政策研究会が報告を出したわけでございますが、今後の労働力人口は、出生率の低下によりまして十五歳以上の人口の大幅な伸びの鈍化と労働力率の低下によりまして、二〇〇〇年の六千六百九十七万人をピークといたしまして減少していく、こういう見込みが出されております。 今後の労働力人口を年齢別に見ますと、二〇一〇年にかけまして若年層、中年層が減少いたします。方で、高年齢層は大幅な増加を続けるわけでございまして、労働力人口に占めます五十五歳以上の比率は一九九〇年で二〇・一%、二〇一〇年では二六・九%と上昇していくことが予想されておるわけでございます。 労働力率につきましては、男女とも低下が見込まれるわけでございますが、これは主として労働力率の低い高年齢層のウエートが高まることによるものでございまして、二十歳から五十四歳層の労働力率は引き続き上昇するというふうに見通しております。 労働力需要につきましては、産業別に見ますと、第一次産業の割合が引き続き低下いたしますが、サービス業の増加によりまして第三次産業の比率が上昇いたしまして、二〇一〇年の産業別就業者の構成は、第一次産業が三・八%、第二次産業が三〇・九%、第三次産業が六五・四%ということになることが見込まれております。 こういうことで、今後の労働市場につきましては、労働力人口の伸びの鈍化、減少を背景にいたしまして労働力供給の制約の強まりが予想されまして、そういう意味でも省力化を促進すること、あるいは働いている方の働きやすい雇用システムを確立していく、こういうことが重要な課題になってくるというふうに認識をいたしております。
○鈴木(久)委員 もう一つ、これは失業率の問題ですけれども、雇用対策基本計画で、それぞれ目標を定めて、ずっと第三次、第四次、第五次とそれぞれ目標達成に努力をしてこられたとは思いますけれども、現在の完全失業率二・一%という状態について、大臣どんなふうに御認識してございますか。
○近藤国務大臣 実は先生、私、五年前に中曽根内閣の経済企画庁長官をいたしまして、そのときは円高不況のさなかでございまして、円高によって我が国の産業が海外にどんどん投資をしていく、そういうことで海外の雇用は創出するけれども我が国の産業はむしろ空洞化する、こういう危惧を持っておりまして、円高に基づいて一体どうするのだという議論をした経験がございます。 そういう段階でまさに現在の第六次雇用対策基本計画ができて、そうはいっても国内的に経済発展するから二・五%の失業率であろうという見通しは持っておったわけでありますが、御指摘のとおり今二・一%にさらに下がっておって、これはもう世界における最低の失業率である、こういうことでございますので、それだけ我が国の経済のダイナミズムがあった、こういうことだと思うわけであります。 ですから、私は非常にいい傾向であると思いますが、あえて申し上げますと、そうはいっても、失業はしていない、就業しているけれども、果たしてこれが我が国の勤労者がそれぞれ能力をフルに発揮した形の就業状況であるのかどうかという議論がございます。大前研一君などは、これはまだまだ足りないのだ、低位の就業状況だ、こういう議論でございます。私は二・一%の失業率というのはいいことだと思う。諸外国に比較いたしましても大変すばらしい。ですけれども、この内容を今後どういうふうに高度化するかということについて、我々労政担当者として、今後さらに真剣に取り組んでまいらなければならないというふうに考えております。
○鈴木(久)委員 今大臣お答えいただきましたけれども、問題は二・一%、単純に言いますと百三十四万人くらいの人が完全失業している。中身を分析してみる必要があると思うのですね。人手不足といいながらこれだけの完全失業率がある、一方、有効求人倍率は一・四倍くらいになっている、こういうことですね。 この関係でもう少し中身を見ていくと、先ほどもお答えいただきましたけれども、高齢者の有効求人倍率は〇・三八とおっしゃいましたか、それぐらいでずっと低い、失業の方は逆にこれは高い、完全失業者の中に占める割合というのはかなり高いと思いますね。この辺についてどんなふうな、いわゆる完全失業率と有効求人倍率の関係をどのようにとらえていらっしゃるか、御見解をいただきたい。
○若林政府委員 高年齢者の雇用失業情勢というのはただいま先生御指摘のとおりでございまして、全体として雇用失業情勢はいいわけでございますけれども、高年齢者につきましては、改善は見られておりますけれども、六十歳代前半層を中心といたしまして大変厳しい状況にございます。完全失業率は、平成三年平均で年齢計で二・一%でございますけれども、六十から六十四というところになりますと三・六%でございまして、大変高い率でございます。有効求人倍率は、これは平成三年十月の数字でございますけれども、年齢計で今先生おっしゃいました一・四一でございますが、六十歳から六十四歳ということになりますと〇・二三ということでございますから、大体全体平均の六分の一くらいの感じになる、こういうことでございます。 したがいまして、全体としての雇用情勢はいいわけでございますけれども、やはり高齢者の雇用対策というものは大きな課題である。しかも、これが今後ますます高齢化していくわけでございますから、そういった意味でも一層大きな課題であるというふうに認識をいたしております。
○鈴木(久)委員 そこで、労働省の雇用問題政策会議が「人間尊重の時代にふさわしい新たな社会システムの構築にむけて」と題する報告を労働大臣に一月二十日に提出をして、それがマスコミに報道されているわけでございますけれども、この報告を見ますと、人手不足と言われながらも、一方で、今お答えいただきましたような高齢者や、特に女性の働く意欲と能力を十分に引き出す、こういうことについてはまだまだ不十分だ、貴重な人材の能力が生かされていると言えない現実にあるという御指摘がございます。そして、経済社会の変動に労働力をただ合わせていくという発想を改めて、働く人々を大切にするということを社会の基本理念にして、経済成長に対する考え方や産業、地域構造、さらには企業体質そのものを変えていかなければならない、さらに、我が国の現行の制度や慣行を大きく変えていくこと、これが強く求められているとして、高齢者や女性の意欲と能力が十分に発揮できる雇用システムの確立など、十項目にわたって意欲的な提言が行われております。 私は、この報告内容については多少気になるところはあるにしろ、基本的にはこれからの労働情勢にとって必要なことをずばり言っているのじゃないか、こういうふうに思いますけれども、これをどのように今後労働政策の中に具現化していくのかということを含めて、大臣の考えを承りたいと思います。
○近藤国務大臣 先生御指摘の雇用問題政策会議の「人間尊重の時代にふさわしい新たな社会システムの構築にむけて」という御報告は、私も拝読いたしました。大変すばらしいことをおっしゃっていただいておりまして、従来経済発展のために国民というか勤労者が努力しておったのが、逆に今度は、国民や勤労者の生活の向上にいわば経済の方がサービスする、そういう国民生活、勤労者生活の向上を中心として、まさに人間尊重の社会システムをつくろう、こういうことでございます。 私どもはこの報告を十分に尊重させていただきまして、先生御案内のように、今内閣におきましても新経済五カ年計画を夏ごろまでにつくろう、こういうことでございますし、私の関係では、雇用審議会においてこれから新しい雇用対策基本計画をこれと並行してつくる、こういうことでございますが、そうしたこれからの私どもの政策の中にも、この御報告を十分に活用といいますか参考にさせていただいて、盛り込んでいかせていただきたいと考えております。
○鈴木(久)委員 これは言葉じゃなくて、具体的に労働省の政策の中にきちっと生かしていただきたいということを強く求めておきたいと思います。 今ずっと雇用情勢の問題を議論をしてまいりましたけれども、やはり高齢者対策それから女性の皆さん方の社会参加というものをもっと推進しなければ、雇用全般の問題を解決するのにまだまだ不十分さがあるということだと思うのですね。 そこで、高齢者問題についてもう少しお尋ねをしたいのですけれども、いわゆる人手不足と言われていても、人生八十年という時代を迎えたわけでございます。ところが、今六十歳未満の定年制の企業がまだ三割ある。特に五十五歳未満で定年を引いているというのが一五%以上あるというのですね。これは一体どういうふうに考えたらいいのか。 この定年年齢についてはいろいろな産業別、業種別の違いがあるのかもしれませんけれども、企業の規模別を含めてこれは数字がございますか、あったらお示しいただきたい。
○若林政府委員 本年一月の定年制の現状が一番新しいデータでございますけれども、それによりますと、六十歳以上の定年企業の割合は七〇・八%でございまして、三〇%弱の企業が六十歳未満の定年となっておるわけでございますが、これは前年に比べますと約七ポイント減少しているものでございまして、六十歳以上の定年に改定する。ことを決定または予定している企業というものを含めますと、八五・七%となっております。したがいまして、私どもは基本的には六十歳定年は着実に進展をしているというふうに認識いたしております。 六十歳定年問題につきましては、平成五年度までにこれを完全定着させるということに方針としてなっておるわけでございまして、私どもそれに向けて現在全力を傾けて行政指導を進めているところでございますが、着実に進展しているというふうに考えております。 ただいま御質問ございました産業別あるいは規模別の問題でございますけれども、産業別に実施状況を見ますと、不動産業が八三・九%と最も高うございまして、次いで建設業の八一・二%、サービス業の七八・八%というようなことになっております。鉱業が最も低うございまして、運輸・通信業も六〇・〇%と低い状況でございます。それから、企業規模別でございますけれども、五千人以上の規模で九六・〇%、千人から四千九百九十九大規模で八七・一%、三百人から九百九十九人で七七・四%、百人から二百九十九人で七七・七%、三十人から九十九人で六七・三%ということになっておりまして、今やはり問題は、この三十人から九十九人のところ、ここのところがおくれておりますので、今日におきましてはここのところに重点を置きながら行政指導を進めているという状況でございます。
○鈴木(久)委員 それで、平成五年度までに六十歳定年は完全にしたい、こういうお話でございます。どうでしょう、その一五%ぐらいある五十五歳定年、こういうものに対してもう少し厳しく行政指導はできないのでしょうか。 障害者雇用では、雇用率達成していないのは公表しますよ、こういう手段をとって皆さんおやりになっきている。もうここまで来て高齢者の雇用対策というのは極めて重要な、労働力不足の対応にとって大切なことだというふうな認識をしているとすれば、もうそろそろこういう年齢引き上げにどんどん努力を、自主的に努力をしていくというのが当たり前ですけれども、計画をちゃんと出させて、それを計画どおりやらないというところについては、それこそ未達成企業を公表するくらいの、そんな気持ちでこの問題に対処する考えはございませんか。
○若林政府委員 ただいま申しましたように、平成五年度までに六十歳定年を完全定着させるということが目標でございまして、そのことで企業の指導を進めておるわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、百人未満のところで進捗がおくれておるところでございますので、ただいまは行政指導の対象を、もとよりその百人以上の規模で残っておりますところについては一層強力な指導を進めておるわけでございますが、さらに行政指導の対象を百人未満の規模に広げまして、現在、完全定着に向けて努力を進めておるわけでございます。 ただいま障害者の雇用率の未達成企業の公表との関係で、行政指導の強化をというお話がございました。高年齢者の雇用安定法におきまして、定年の延長の要請、それから定年引き上げに関する計画の作成命令、そして計画の作成命令が十分に進んでいないというところに対しては是正勧告を行う、そしてその後どうしてもその改善が見られないところは公表する、こういう手続になっておるわけでございますが、現在、平成三年九月一日現在でこの法律に基づきまして要請を行った企業が一万七千ぐらいございます。そして、そのうちで計画作成命令を発しましたのが千七百三十件でございます。これらの行政措置の結果、一万七千件の要請をいたしましたうち一万三千五百二十その企業につきましては六十歳定年を実施するに至っております。私どもは、この計画作成命令のところまで現在来ておるわけでございまして、定年引き上げに関する計画の適正実施勧告というものを今後状況に応じて発出していくということでございます。そして、この適正実施勧告に従わない企業につきまして、企業の公表というものを行うということになるわけでございます。 そういうことで、現在は、行政措置といたしましては、計画作成命令の次の段階でございます適正実施勧告というところの措置も視野に置きながら、行政指導を強力に進めてまいりたいというふうに考えております。
○鈴木(久)委員 公表しろと言ってもなかなか難しいのでしょうけれども、そういう適正な指導、勧告というものをきちっとして、平成五年度までに完全にそういうふうにしたいという皆さんの目標達成のためにぜひ努力をいただきたい、こういうふうに思います。そういうことを通して、ぜひ高齢者の雇用対策というものを一層十分に進めていただきたいということをお願いしておきたいと思います。 もう一つ、先ほどからずっと議論していて、今後の雇用問題で大事なのが女性のいわゆる社会参加の問題であり、雇用対策の問題であろうと思います。 今度、育児休業法が制定されていよいよ実施をされていく、こういうことでございますけれども、これはまだ実施されておりませんから、今から予測するのは大変難しいんだろうとは思いますが、例えばどのくらいこの制度が導入されて育児休業を取得して休む方が出るんだろうかということ、それから、今強く望まれている介護休暇などについても、一部企業ではもう導入をされ始めている、こういう問題もどんどん進んでいく。これらに対する休業保障等の問題についても、いろいろ基本問題の中での検討の事項になっておるようでございますけれども、これらをどのように今後進められていくのか、現状の認識で結構ですからお示しいただきたいと思います。
○松原政府委員 お答えいたします。 先生御承知のとおり、育児休業法はこの四月一日から施行になるわけでございますが、その実施がどの程度なされるかということにつきましては、私どもは、従業員を三十人以上雇用する事業所につきましてはこれはもう一〇〇%実施していただくということを目標に、まずこの法律の周知徹底を図るということを当面の最大の課題として行政を進めているわけでございます。 ただし、三十人以下の労働者を雇用する事業所につきましては、この法律の適用が三年間猶予されているということでございますので、どの程度のテンポでここについて普及が進んでいくかということは定かには申し上げられない状況にございますけれども、これらの事業所につきましても、早期に導入していただくことが非常に重要だというふうに考えておりますので、導入の奨励金を来年度創設させていただきまして、この奨励金によってなるべく早期に導入していただけるようにということで、指導をいたしたいというふうに考えているわけでございます。 また、この育児休業というのは、なるべく女子労働者の職業生活と家庭生活と両立させつつ雇用を継続できる、そういうことを可能にするための制度でございますので、そういった場面に直面した女子労働者が、もちろんこれ以外の方法によって両立させるということも可能ではございますけれども、必要な方はこの制度をとっていただくようにということでまた周知を図りたいというふうに思っております。 なお、介護休業制度につきましては、現在、現在といいましても昨年の二月現在の結果でございますけれども、私どもの調査によりますと一三・七%の事業所が導入をいたしております。 また、今後の高齢化を考えますと、私どもとして、この介護休業というのは女子労働者——家庭生活と職業生活の両立というのは必ずしも女子労働者だけの問題ではないのですけれども、現実には女子労働者が負っていることが多いということを考えますと、女子労働者にとっての家庭生活と職業生活との両立という意味で、この介護にどう対応するかという非常に重要な問題にこれからなってくるというふうに思っております。 そういうことから、実は現在ガイドラインをこの介護休業その他介護を支援するための制度についてつくっておりまして、これを策定した暁には、これに基づく指導をさらに徹底していきたいというふうに考えているところでございます。
○鈴木(久)委員 女子の雇用状況を見ると、一番低くなっているのは三十代から四十代の、特に子供さんを持っておられる方々のところがずっと低くなる。先進国に比較しても日本は一番そこが低くなっている。ここの雇用率を上げるというのは極めて大事なことですから、今の育児休業法と介護休業制度並びに、これはそれだけじゃなくて、職場のいろいろな婦人労働者の環境という問題を整えるということが大事なことなんだろうと思うのです。今むしろこういう雇用情勢であるだけに、それをもっともっと前向きにどんどん進めるという意欲的な方向をぜひとっていただきたい。 これは今お答えいただきませんでしたけれども、無給ですとやはりそれはいろいろとる方も限界がありますから、そのいわゆる休業保障という問題についても積極的に取り組む姿勢というものをとっていただきたいということを、これはお答え要りませんよ、求めておきたいと思います。 今度の法改正の、特に雇用保険財政の現状とさらに法改正の中身についておただしをしたいのですけれども、今度の法改正に入る前に、前回の五十九年改正で、いろいろな反対の意見がある中でこの法改正をやりました。その中で、失業給付額の算定基礎の変更あるいは所定給付日数の変更、給付制限期間の延長など、そういうふうな制度改正が行われたわけでございますけれども、こうした改正の効果というのはどんなものだったのかということについてまずお伺いをしたいと思います。
○若林政府委員 五十九年の改正事項のうちで高年齢者の求職者給付金の創設でございますとかあるいは所定給付日数の多段階化、再就職手当の創設等によりまして受給者実人員が減少いたしますとともに、給付総額の減少にもつながったというふうに考えております。 また、ここ数年でございますが、景気の拡大によりまして資格喪失件数は増加傾向にあるわけでございますけれども、受給者実人員は減少傾向にございます。この場合は景気の要因に基づくものというふうに考えるわけでございますけれども、この景気と制度改正の双方の効果が相乗いたしまして今日の状況に至っているというふうに理解をいたしております。
○鈴木(久)委員 ですから、今度の積立金がどんどん膨れ上がって黒字基調になった理由の一つは、今お答えいただいたように、前回の改正で、労働団体や私どもの反対を押し切って、高齢者に対するいわゆも所定給付日数の引き下げを行ったり、賃金日額算定からボーナスというか賞与の分を外したり、あるいはまた若年者に対する給付制限の強化などをやって、いわゆる給付の圧縮という形でそういう制度になったために黒字基調になった一つの要因がある。もう一つは、今お答えいただいたように、確かに雇用情勢がよくなりましたので、受給者の人員の推移がどんどん小さくなっていったというか少なくなっていった、この二つがあろうと思うのですね。 そこで私は、今度の法改正は、そういう意味からすると、五十九年に改正したのは、我々が要求したものとは逆な方向でいろいろとそういう制度改善をしたものですから、そこをまずもとに戻すというか、給付制度をいわゆる要求どおりにもとに戻していただくというか、そういうふうにすべきなんじゃないか、こういうふうに私どもは思っておるのですけれども、その点について、どうしてそれをやらないでこういう形になったのか、そこのところの見解をお示しいただきたいと思います。
○若林政府委員 五十九年の雇用保険法の改正は、当時におきます雇用を取り巻くいろいろな構造的な変化に対応して制度の効率的な運営を確保するということで改正を行ったものでございますが、ただいま御指摘のとおり、今日におきまして雇用保険制度をめぐりましていろいろな基本的な問題があるということは、中央職業安定審議会の雇用保険部会でも指摘がなされているところでございます。 しかしながら一方では、先ほども申し上げましたように、積立金が大幅に積み上がってきたという現状がございますので、まず、当面の措置といたしまして、保険料率等を暫定的に引き下げるということにいたしたわけでございます。あわせて、失業給付に関し現時点で速やかに改善が必要であるということについて改正を行いたいということで提案させていただいているわけでございます。 いずれにいたしましても、ただいま先生御指摘もございました基本的な問題、雇用情勢等の諸情勢の変化を踏まえまして、高齢者問題等への対応その他検討すべき基本的な問題、これにつきましては、今後十分かつ慎重に検討を行うことが必要であるわけでございまして、御指摘の点につきましても、いろいろこの検討の中で考えていくべきものだというふうに考えております。これは、現在既に中央職業安定審議会におきましてその面での御審議を始めていただいているところでございます。
○鈴木(久)委員 確認しておきたいのですけれども、五十九年度のあの制度改正でやはり圧縮をしたというか、我々が反対したものをずっと抑えてやったというそういうレベルでの給付改善という問題について、ぜひ今後の検討課題の中に入れていただいて改善策をとっていただきたいということを、強くこれは確認をする意味で申し上げておきたいと思うのです。 次に、国庫負担の問題について質問してまいりたいと思うのです。 現行の雇用保険制度では、いわゆる労働保険徴収法第十二条第四項で雇用保険率は千分の十四・丑とされております。第五項の規定によって、積立金が徴収保険料の二倍以上になるような場合は、「労働大臣は、中央職業安定審議会の意見を聴いて、雇用保険率を千分の十二・五から千分の十六。五までの範囲内において変更することができる。」こういうふうにされているわけです。 我々は、大幅な黒字への対処として、今申し上げましたような給付改善というものを優先的にやるべきであるというふうに思っております。仮に保険料を引き下げるとしても、この徴収法第十二条第五項の規定に基づく手続によってこれは十分可能なんだ、大臣がやることができるんだ。ところが、政府案を見ると、労使が負担する雇用保険料の引き下げが盛り込まれておりますけれども、それだけでなくて、国庫負担まで引き下げるということを盛り込んでおるが、その理由は何ですか。
○若林政府委員 先ほど申し上げましたように、平成二年度の決算におきましては、積立金の徴収保険料額に対する比率が二倍を上回る、二・〇八倍になるというようなことでございまして、引き続き黒字基調で推移をするということが見込まれるわけでございまして、保険料率を現行のまま維持いたしますと、単年度収支の大幅黒字が続くということが予想されまして、これに伴いまして積立金もさらに上積みされるという状況でございます。 これにつきましては、若干数字を申し上げますと、これまでの昭和六十年から平成二年までの余剰の状況というものを平均的に見てまいりますと、その平均的な余剰状況というのは、率にいたしますと、千分の三・六九に当たるわけでございまして、したがいまして労働大臣の権限におきましては、この変更規定で千分の二までは引き下げられるということでございますけれども、今申しましたようなこれまでの状況、そして今後も続くと見込まれることからいたしますと、やはりこれは千分の三引き下げることが適当であるというふうに判断したわけでございます。 そして、このようなことで当面の措置として労使の保険料率の負担を引き下げるわけでございますけれども、それと同時に、失業給付費の負担者でございます国庫、これは言いかえれば租税負担者でございますけれども、この方の負担も軽減を図るということが適当である、こういう判断で保険料率の引き下げと国庫負担の引き下げを図るということを盛り込んだわけでございます。
○鈴木(久)委員 千分の三にしたと言いますけれども、これまで、過去の昭和五十年から法施行されて、保険料の推移を見てみますと、いきなり千分の三にしたというのはございますか、そのことについて同時に、この国庫負担率というのは、雇用保険法第六十六条で三分の一ないし四分の一と定められている。受給者が減れば国庫負担も減るという関係なのであって、国庫負担率そのものは、雇用保険の収支状況がこうなったから減らすとかふやすとかいう問題ではないのではないか、こういうふうに思うのですけれども、その点を含めてお答えいただきたい。
○若林政府委員 過去の状況につきましては雇用保険課長から御説明申し上げますけれども、保険料率と国庫負担率というものの双方を引き下げたということにつきましては、先ほど申し上げましたように、千分の二ないし千分の三、平成四年度は千分の二、平成五年度以降は当分の間、暫定措置として千分の三引き下げるということでございまして、大幅な引き下げを行うわけでございます。これは労使の負担を軽減するということでございますので、これだけの大幅な引き下げを行うということにつきましては、やはりあわせて、国庫の負担というものは一般国民の租税によって負担をしていただいている分でございますので、その分につきましても軽減をすることが適当である、こういう判断をしたわけでございます。 過去の数字につきましては、雇用保険課長から御説明をいたします。
○日比説明員 雇用保険率の引き下げの過去の経緯でございますが、昭和五十年に雇用保険制度ができましてから失業給付に係る保険料率が変わりましたのは、昭和五十四年に千分の一変動したことがあるだけでございます。
○鈴木(久)委員 そうですね。 そうなりますと、言っていることがどうも理解しにくい。労働大臣は原則率プラス・マイナス千分の二の範囲内で保険料を変更することができる、こういうふうにされているわけですね。いきなり千分の三も引き下げることというふうにしたのは、どうもその保険料率改定についても法改正事項にするということで、国庫負担率を引き下げるためのいわば地ならしのようなことをやったのではないかと思えてならないのです。そうでないのですか。
○若林政府委員 繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、先ほど申しましたように、昭和六十年から平成二年度までの平均余剰状況というものが、率にいたしますと、千分の三・六九ということでございます。したがいまして、ただいま先生御指摘の現行法律の中での改定ということになりますと、やはり相当の積立金の積み増し状況になるということであるわけでございますので、この点につきましては、千分の三引き下げてその面でのバランスを図るということが適当でありますし、また急務であるというふうに考えた次第でございまして、ただいま御指摘のような法改正事項とするというような考えは私どもには全くないわけでございます。その点は御理解賜りたいと思います。
○鈴木(久)委員 それはしっかり確認させていただきたいと思います。 そこで、実は今度の法改正はいつ決断されたかということなんですね。 これは昨年の八月末、来年度予算の概算要求を行っていますね、皆さん方。その概算要求ではこの雇用保険の扱いはどうなってございましたか。予定されていなかったでしょう。そのことを伺いたい。
○若林政府委員 私ども、例年概算要求をいたしますが、その時点ではやはり雇用保険の財政状況あるいは将来の雇用失業情勢の見通し等はなかなかわからない点がございます。したがいまして、私ども概算要求をいたしまして、さらに予算の決着近くなりまして、その時点での数字を用いまして最終的な予算をつくるというようなことを繰り返しておるわけでございます。今回の雇用保険制度の改正につきましては、雇用保険の失業給付に係ります収支状況に関しまして平成二年度の決算、先ほど申し上げましたけれども、これが昨年秋に確定をいたしたわけでございます。また、平成三年度の四月から九月までの状況見込みにつきまして、昨年十月以降になりまして把握したわけでございまして、これをベースに判断をしたわけでございます。そして、昨年の十一月の二十七日でございますけれども、中央職業安定審議会におきまして初めて提案させていただいたということでございますので、この点は、先生御指摘のとおり八月の概算要求にはこの制度改正は盛り込まれていないわけでございます。 〔委員長退席、岩田委員長代理着席〕
○鈴木(久)委員 ところで、概算要求の内容を見ますと、その段階の雇用の見通しは本予算を要求するときと大分違うのかもしれませんけれども、受給人員は平成三年度が五十四万九千人、平成四年度は五十三万七千人で一万二千人くらい減るだろう、こういう予測を皆さんしておりましたね。当初予算の編成の段階では、今度は逆に平成四年度はいきなり五十八万五千人、いわゆるプラス四万八千人も受給者が多くなるだろう、こういうふうに見込んでおりますね。半年間たたないですね。そうすると、受給者が、概算要求から本予算を要求する段階でむしろふえるというふうに踏んでいるのですね、皆さん。いわゆる雇用は少し悪くなって失業が多くなって受給者がふえる、こういうふうに見込んでいらっしゃるのでしょう。 そうすると、積立金の推移も、これは逆に言うと減るというふうに見込むことでしょう。そうじゃないですか。八月の段階よりは本予算を要求する段階の方が積立金は少なくなって容易でなくなるということなんですよ。そうでしょう。これは受給率が多くなるんだから。概算要求額を見ると二千八百五十八億八千六百万円、これは結局雇用の見通しで逆に一万二千人も受給者が減るというふうに見込んだため三十一億ぐらい減額になったんですね。ところが、本予算の段階では、これは逆に二百三十九億六千七百万も、ちょっと厳しくなるので、受給者がふえるのでプラスの要求をせざるを得ない、こういうことになったんですね。 そうすると、かなり雇用保険にかかわる予算というのは多くなる、二百四十億くらい平成三年度より四年度の方が多くなる、こういうことになりますね。それが、大蔵折衝やなんかの段階でこれをふやすのはだめだと言われたんじゃないですか。それで、これを圧縮するのに一割削減して、一割削減分というのがちょうど三百十二億八千九百万、これをやりますと、受給者がふえても一割削減をしたことによって逆に総体としては十五億六千六百万円の減になるのです。どうもそんな操作をしたのではないかと思えてならないのですね、この一割国庫負担の削減というか切り下げというのは。理屈に合わないのですよ。ですから、もう一度、そうだとは皆さんおっしゃらないでしょう、でもそういう疑問を私はどうもぬぐえない、お答えいただけますか。
○若林政府委員 まず、今回の平成四年度の予算の見込みでございますけれども、これは先ほど申し上げましたように、当面の景気の動向等を勘案いたしまして受給者実人員の増を見込んだわけでございます。しかしながら、その増を見込みましても、平成二年度の決算の状況、今後の状況を勘案いたしましても積立金の積み増しか進むであろう。と申しますのは、六十年度から平成二年度までの平均余剰状況でございますが、御承知のとおりこの六十年度から平成二年度というのは景気の上下両方含んでいる時期でございます、そういうものを踏まえますと、これまで平均余剰で千分の三・六九ぐらいというようなことでございますけれども、こういった傾向は続くだろうというふうに判断をした次第でございます。 それから、今シーリングとの関係での御指摘でございますけれども、全くそういう考えはございませんで、平成五年度からは、当分の間の措置として、国庫負担率につきましては二〇%削減するということでございます。これは今年度一割といたしましたのは、今年度の保険料率が千分の二という引き下げでございますので、それとの関係で一〇%としたわけでございまして、平成五年度以降は当分の間二〇%国庫負担率を引き下げるということでございますから、今先生御指摘のようなことはないわけでございまして、その点御理解いただきたいと思います。
○鈴木(久)委員 そうでありますとはお答えにならないでしょう。ただ、私どもはどうもそこは、そういう答弁をいただいても、わかりましたと言える状況じゃないですね。どうも予算のシーリングの問題が絡んだりしているんじゃないかという疑問はぬぐえません。もしそうでなかったとしたら、先ほども申し上げましたけれども、まず最初に給付改善などについて、五十九年の制度改正もございますから、そういうものを十分検討した上でこの保険料を含む問題を改正すべきなんだと私は思うのですよ。 今回の労働省がとった考えというのは、三年先の保険料を暫定措置として現行の原則率よりも千分の三引き下げるというのを先に決めて、そして、これは暫定措置で決めたとはいいますけれども、後から給付の改善やこれからの問題は検討しようというのです。これはそういう意味では本末転倒ですよ。ですから、例えば審議会の中でも冒頭申し上げましたように条件がついたりしているのはそこじゃないですか。国庫負担引き下げ先にありきというんじゃ、これは国民に理解していただく というのは無理ですよ。ですから、私はそういうふうにどうも思えてならない。どうしてこういう方策をしたのか。 大臣、どうですか。いつ決断をされてどうしてこうなったのかということをもう少しわかるようにお答えいただきたいのです。 〔岩田委員長代理退席、委員長着席〕
○若林政府委員 これは本当に繰り返しになって恐縮でございますけれども、先生御指摘のような基本問題が雇用保険制度にあるということは御指摘のとおりでございまして、雇用保険部会においてもそういったような指摘がなされておるわけでございます。これは直ちに議論を始めるということで現実に始めておるわけでございます。しかし、雇用保険の財政状況というものは、このままでいたしますと大幅な黒字基調になってしまうということでございまして、これにつきましてはやはり早く対応していくということが必要であろう、こういう判断をしたわけでございます。一方ではただいまお話しのように基本問題がございますものですから、今回の保険料率の引き下げと国庫負担率の引き下げは当分の間暫定措置ということにいたしまして、並行的にこの基本問題についての議論をお進めいただくということにしたわけでございます。 繰り返しになってまことに恐縮でございますけれども、それが今回のこの法案を出させていただく背景でございます。
○鈴木(久)委員 そういうふうにお答えいただいても私はちょっと納得できないのです。 それで、給付改善の問題あるいは新しい制度の問題等々基本問題に対する検討を開始した、そこはそれなりに評価をしたいと思うのですけれども、それはどのくらいの期間で結論をと見ているのですか。一方でこの措置が暫定だとすると、基本問題をもつと先に検討してその上に後からこういうものが来るのならいいのだけれども、そうじゃないから、早急に検討するというのはいつごろまでなんですか。そこの期間といいましょうか、検討期間のめどというのをどのくらいにつけておりますか。
○若林政府委員 中央職業安定審議会におきましては、ただいまの基本的な問題の検討というものを平成四年度中に報告をつくるということを目標といたして作業を始めておりまして、二月二十六日からその作業を始めているところでございます。
○鈴木(久)委員 もう時間がありませんから最後になりますけれども、いわゆる当分の間という措置だ、こういうふうになってございますから、その問題について確認をする意味でただしておきたいと思うのです。 国庫負担が減るというのは、逆に言うと、労働保険料の労使の保険の負担というのが相対的な意味で言うとふえることになるわけでございます。国庫負担は、この失業保険の発足当時、最初は三分の一で昭和三十四年から四分の一、こういうふうになって推移をいたしております。失業とか雇用というのは国の大きな経済政策との関連ということもありますから、国の一定の負担というのは当然だ、こういうふうに思うのです。しかし、今回の措置は、先ほど申し上げましたように、もっとやるべきことが先にあったにもかかわらず、国庫負担を切り下げるということを先にやってしまって後から検討するというのは本末転倒だと私は御指摘を申し上げました。 そこで、この当分の間について、一体どのくらいという目安でいつまでどういうふうに考えているのか。今基本問題は一年間くらいで検討をして結論を出します、こう言っているのですね。ですから、ではこの暫定措置はいつまでなんですか、しっかり基本問題の検討とあわせて暫定措置という意味の期間をお示しいただきたいと思うのです。
○若林政府委員 この当分の間ということにつきましては二つあるかと思います。一つは、雇用保険の財政事情という観点から見直しが必要になった時点というのが一つございます。または、そうじゃない場合は、いろいろと雇用保険制度をめぐります諸問題がございます。給付のあり方の問題あるいは負担のあり方の問題等々いろいろ基本的な問題があるわけでございますけれども、こういった問題につきましての見直しというものについての一定の結論が出た場合、この二つがございまして、その時点までが当分の間というふうに考えております。
○鈴木(久)委員 そうすると、平成四年度中には基本問題の結論が出る、そういうお話でございますから、この当分の間というのは極めて短い期間で、本当に短期間である、こういうふうに認識してよろしいですか。
○若林政府委員 職業安定審議会では平成四年度中に結論を得るようにということで作業を進めようという申し合わせがなされておるわけでございます。ここは公労使で御議論になるわけでございますので、どういう結論になってくるかということによろうと存じます。したがいまして、私ども現在の時点で当分の間がどこまでということはちょっと申し上げかねますけれども、先ほど申しましたような二つの要因というものによって当分の間を規定していくという考え方でございます。
○鈴木(久)委員 時間がありませんから、私はこの問題はこれ以上突っ込みませんけれども、引き続き永井議員の方から恐らくこの問題についてもう少し皆さんの見解を求めることになるだろうと思いますけれども、とにかくどう見ても国庫負担の引き下げというものについては納得できるようなものではないと私どもは認識をいたしております。 ですから、本末転倒のような形になってしまった今度のこの法案の内容について一日も早く、その当分の間というものをできるだけ短縮して、基本問題は早急に結論を出して正常な姿に戻してほしい、いただきたい、そうすべきであるということを強く求めまして、私の質問を終わらせていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○川崎委員長 永井孝信君。
○永井委員 今同僚の鈴木議員から質問が続けられてきたわけでありますが、その質問を聞いておって、大臣、五十九年の大改正のときに大変な議論を行ってきたことを自分自身の議事録も見ながら今聞いておったわけであります。 この質問に入る一番最初に、今も鈴木議員が聞いておりましたけれども、昨年の予算シーリングのときに果たしてこの国庫負担の削減ということなどを含めた措置が考えられておったのかどうなのか。私どもが仄聞するところによりますと、予算シーリングのときには一切そういうことは考えられておらなかったように受けとめているのですが、どうですか、大臣。
○若林政府委員 この雇用保険の財政が相当好転をしている、積立金が高くなってきているということは、ここ一、二年いろいろなところで御議論になっているテーマではございました。しかし、何と申しましても二倍という一つの、これまで経験してまいりませんでした二倍になるかならないかというような問題もございまして、それはやはり平成二年度の決算というものを見ませんと何とも判断ができないという問題でもございました。そういった意味で、私どもその動向というものはずっと注目してまいったテーマでございます。
○永井委員 五十九年のときの私の質問の議事録を見ますと、あの当時の雇用保険法の改正の一番基本、スタンスですね、これについて、失業している労働者の生活保障という視点からの改正をするのかあるいは保険財政の節減が目的なのかということを私は一時間にわたってそのことだけで聞いておるのですよ。そのときに政府の答弁というのは、端的に言ってこのように答えています。失業者がどんどんふえていく、その当時の見込みとして。このままいきますと、当時において五千七百億円の積み立てがあるけれども、年々それが五百億、一千億という単位で取り崩しか増加をしてきて保険財政が破綻をしてしまう、このことを当時の職業安定局長加藤さんが答えているのです。 今回の改正も、事柄は逆転しているのですがね、積立金がかなりふえてきたということがこの改正の骨子になっているんでありますが、その当時のやりとりから考えましたら、当時はいろいろな議論があったけれども、給付内容を結果的に改悪したのですよ。部分的にはよくなったところもあるけれども、全体的には改悪したわけだ。 そうすると、今回は黒字基調になってきて保険料率を下げるという提案に簡単に言えばなっているわけでありますが、その場合、前の改正時のやりとりから考えると、保険料率を下げるというよりもむしろ給付改善を優先して考えるべきでなかったのか、こう思うのですが、どうですか。
○若林政府委員 昭和五十九年のときにおきましては、受給者実人員の増加があったわけでございます。そしてこれは確かに雇用保険財政というものに圧迫になってきたということは御指摘のとおりでございます。この受給者実人員の増加というものの背景を考えてみますと、やはり高齢化の問題でございますとかあるいは女性の社会進出の問題あるいは若い方の雇用失業の問題、こういったものがあるわけでございまして、こういったものについていろいろと検討を加えて、制度のより効率的な運営を期するという観点から制度改善を行ったわけでございまして、その考え方は今日においてもやはり妥当するというふうに考えております。 もとよりその背景は、雇用保険財政でもございましたけれども、それは受給者実人員の増でございますし、受給者実人員の増は、当時の雇用失業情勢に加えまして、ただいま申し上げましたような構造的な問題、これがあった。これについての制度のいわば改革を行ったというものであるというふうに私どもは認識をいたしております。
○永井委員 この問題については、過去を振り返っての議論は多くしたくないのでありますが、その当時の大議論の経過というものはきちっと踏まえた上で対応してもらいたい。 そうすると、黒字基調になってきたわけだから給付改善ということは当然検討されるわけですね。今後もそういう状況の中では検討されていくわけですね。 そうすると、この前の改正のときに問題になったいわゆる給付制限問題というのがございます。 この法の第三十三条第一項によりますと、「被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合には、第二十一条の規定による期間の満了後一箇月以上三箇月以内の間で公共職業安定所長の定める期間は、基本手当を支給しない。」こうなっているわけですね。また、その第二項において「受給資格者が前項の場合に該当するかどうかの認定は、公共職業安定所長が労働大臣の定める基準に従ってするものとする。」こうなっているわけですね。 五十九年の改正前は、給付制限期間は「一箇月以上二箇月以内」となっておったわけですね。これは間違いないですね。そういう規定になっておったわけでありますが、これが五十九年の改正で「一箇月以上三箇月以内」と改められたわけです。 法律上の規定はこのように「一箇月以上三箇月以内」となっているのですが、しかし現実は一律に三カ月の給付制限が行われているのです。法律では「一箇月以上三箇月以内」となっているけれども、実態は一律に三カ月の給付制限が行われている。これは五十九年の改正の際に、私だけではなくて、同僚議員からも随分この問題が出ました。吾妻という社会保障法の学者が言っていることでありますが、こういう給付制限をすることは憲法違反の疑いがあると言っているわけですね。これは専門的な学者の立場からそういうふうに指摘をしているわけであります。それにもかかわらず三カ月もの給付制限を実施してきたわけでありますが、その考え方について改めてひとつ御説明を願いたい。
○若林政府委員 当時、受給資格決定を受けました者のうちで六割を超える方が正当な理由のない自己都合退職者でございまして、この給付制限期間が短いことが安易な離職を誘う結果になるというような御指摘も受けておったわけでございまして、離職の決意をする際の慎重な判断を期待して、安易な離職の防止を図るということを目的としてこの給付制限期間が延長されたわけでございます。 その当時の議論におきまして、ただいま先生御指摘のようにこれを一律三カ月にするかどうかという議論も行われたわけでございます。当時もいろいろお答え申し上げておったわけでございますが、私どもとしてはそれを一律三カ月にいたしましたけれども、正当な理由のある自己都合退職というものにつきましては、これは従来どおりの形で給付をしていくということにしておるわけでございまして、その御議論の経過も踏まえて、そういった正当な理由による自己都合退職の範囲というものも広げて今日まで運用してきているわけでございます。
○永井委員 正当な理由があるかどうかという問題についてはちょっと後ほど改めて具体的に問題提起をしていきたいと思いますが、この給付制限について諸外国の例はどうなっていますか。
○若林政府委員 失業保険制度を有します他の主要国におきましても給付制限措置というものがあるというふうに私ども聞いておりますが、イギリスは最高六週間でございます。ドイツは二ないし四週間でございまして、フランスは自己都合退職の場合は三カ月ということになっております。アメリカは、州によって運用は異なっており制度も異なっておりますが、約半数の州では、任意退職、違法行為による解雇の場合は給付は行わない、こういうふうに聞いております。 各国それぞれ負担その他の制度も違っておりますが、給付制限という面から申しますと、ただいま申し上げたようなことでございます。
○永井委員 フランスの場合について今御答弁がありました。フランスの場合は確かに給付制限三カ月となっているわけですね。しかし、フランスの場合は、給付財源として賃金の二・四七%を労働者が負担をする、四・四三%を使用者が負担をする、こういうことになっています。これは最近の「保険と年金の動向」という昨年出されました厚生省からの資料でありますが、この中で明らかになっているわけですね。また、イギリスの場合でいいますと最高六週間、そうなっておりますけれども、この国の場合も保険料負担は労働者よりも使用者の方が率が高くなっているわけですね。保険料の負担率が日本と同じように労使同率となっているドイツの場合を例にとりますと、二週間ないし四週間となっているのですよ。日本の三カ月の給付制限とは物すごい大きな開きがあるわけですね。 なお、この給付制限をどのような性格の措置と考えるかということにかかってくるわけでありますが、フランスの場合には各種の家族給付がついており、かつ住宅事情や教育事情も違うから、給付制限から受ける打撃というものは随分と違うと思うのですね。これについてどう思われますか。
○若林政府委員 確かに先生御指摘のように、フランスにおきましては負担率が使用者と労働者と差がございます。また、イギリス、ドイツにおきましては期間も違うわけでございますけれども、私どもこの制度を五十九年に提案をいたしました際には、やはりぜひとも離職を決意される際により一層慎重な判断をしていただきたい、そういう意味で、安易な離職の防止、再就職の促進ということでこの制度を提案をいたしましたが、その際ただいま先生御指摘のようなこの給付制限の持ちます打撃といいますか、そういった観点で他の国と制度を比較して議論したということはちょっと私どもも記憶にございません。
○永井委員 ILO条約でもこの給付制限について「正当な理由なしに自発的に退職した場合」という項目を規定をしているわけですね。百二号条約であります。政府側にすれば、結果的にこのことがこの給付制限の一つの根拠になっているかもしれませんけれども、しかし、経済大国になった 今現在の日本、先進国と言われている日本、この日本が欧米諸国などと比較をしてこういう失業者に対する生活保障という立場から考えても大きくおくれをとるということがあったのでは、私は経済大国と胸を張るわけにいかないと思うのですね。そういう立場で実は聞いているわけであります。 五十九年の改正の際、ある中小企業の労働者からいろいろなことを訴えられました。当時訴えられたことは私も記憶に残っているわけであります。そのことを踏まえて当特質問をしているわけでありますが、政府が給付制限期間を一律三カ月に延長しようとしていることは本当なのか、こういう質問でございました。私たちに労働条件は悪くても我慢してそこで働けということかと、これは重要な意味を持っているわけですね。労使関係でいろいろ相違はありますけれども、自分の働ける職場が非常に労働条件が悪い、だからそこからかわりたいと思うけれども、そこをやめて次の仕事にかわるまでの間、本人が勝手に退職したんだからということで三カ月間も給付制限をされたのでは思い切って転職することができない、だからその労働条件の悪いところで我慢して働けということか、こういう訴えが当時私どもにありました。 ヨーロッパなどの場合は、基本的な賃金率は横断的に決まっているわけです。それが一般的な状態なんですね。だから、その場合は今中小企業の労働者が私に訴えてきたようなことは起きてこないのですね、原則的には起きてこない。同じような仕事をするのに、A社で働けば賃金が十万円だ、B社で働けば二十万円だというようなことはヨーロッパの場合は考えることができないわけですね。日本の場合は基本的な賃金について企業ごとに違うことは、今の実態は当然なこととされているわけであります。大企業のいわゆる系列企業、中小零細企業、いわゆる多重構造ですね、これが日本の労働条件を極めて悪いものにしているわけでありますが、この大小の企業の違いによって、同じような職種であっても、これでは私の生活は成り立っていかない、だから少しでもいいところへ改めて就職したいといういわゆる上昇志向型の離職、転職ということが最近はずっとふえてきているわけです。 五十九年の改正のときのやりとりを議事録で見ますと、私は同じことを当時政府に質問をしているわけです。そういうケースがこれからふえてくるのではないか、そのことを踏まえてこの雇用保険のあり方は抜本的にそういう意味では見直していくべき必要があるということを当時も実は指摘をしているわけであります。したがって、その上昇志向型の離職、転職というものが形式上自己都合だからという理由で給付制限を一律三カ月にしてしまうということはこれは問題があるのではないか、私はこう言わざるを得ないのであります。 特に今日、ゆとりある豊かな生活の実現ということが国民的な課題になってきていますね、宮澤総理も施政方針演説でそう言っているわけでありますから。そしてまた近藤大臣も先日の所信表明の中で、それを踏まえて、世界有数の高い経済的水準に達した我が国の「この高い経済力をすべての勤労者と家族の方々に還元し、ゆとりある豊かな暮らしを実現することが生活大国づくりの基盤であり、労働行政の使命である」こう言われた。この間三月十一日の質問のときにも、このことについては大分大臣と私、議論をさせていただきました。このことをもう一回繰り返しますと、このように所信表明をされているわけであります。 したがって、離職を勧めるわけではありませんけれども、労働条件が劣悪なままなかなか改善がされないような場合には、離職をすることも考えざるを得ないのは私は当然だと思うのですね。とりわけ最近は人手不足の関係もありますから、なおさらそういうことが背景にあるわけであります。しかし、その上昇志向型の離職を給付制限の対象にするということがあって、これは法の精神に反するのではないか。最前も鈴木議員が聞いておりましたけれども、労働条件の底上げを図るべきという立場から考えると、給付制限のような逆の対応をするのは、政策的に、今大臣が言われたような所信表明と矛盾している、私はこう考えるのですが、大臣どうでございますか。
○若林政府委員 その前に、ただいま先生御指摘の上昇志向と申しますか、労働者の方々がそういうような上昇志向をするのは当然ではないかということでございますが、それはおっしゃるとおりだと思います。現在のような人手不足の状況の中におきましては、そういったケースが多く出てくることも当然であろうと思うのでございます。こういったような上昇志向を図っていくという場合にも、やはり離職については慎重に考えていただきまして、十分次の就職先というものを見定めた上で離職をしていただくということが大切だろうということは、前回の改正のときにもそういった考えで私どもは申し上げてまいったわけでございます。 それは基本ではございますけれども、しかし、なお現在の賃金と先の賃金との比較で離職をしてしまったという場合の取り扱いをどうするかという問題はあろうかと存じます。この場合につきましては、離職前の事業所での賃金、労働時間といった労働条件が他の事業所等と比較いたしまして低い状態で離職するという場合につきましては、一定の条件のもとで正当な理由のある自己都合退職としてこの給付制限の対象から除外して運用しているというのが現状でございます。
○永井委員 どうもそこのところがすっきりと、せっかくの御答弁ですけれども、私のこの胸に落ちてこないんですよ。どうしても矛盾というものをいわば包み込んでしまって、行政の側が包み込んでしまってこの法の運用を図っているというふうに思えてならぬわけです、不信感を持って悪いですけれども。 今までのその経過を踏まえても、私の求めているように給付制限ということが、この生活大国をつくるという今の現実の政策の面からいくと、どうしてもそこは大臣の所信表明と矛盾している。本来給付制限というものは一律三カ月というふうに定めるべき性格のものではないという立場で私は聞いているわけでありますから、もう一度ちょっとそこのところを答えてください。
○若林政府委員 ただいま申し上げましたように、給付制限の制度、これは離職をされます場合に安易な離職をされないようにということでございまして、いわばそういった面での慎重な判断をしていただくということの一つの制度的な裏打ちでございますし、また、離職をされました場合に、特に若い方を中心にしてこういうケースがあるわけでございますけれども、できるだけ早く再就職をされる、そういった面でのいわば離職の防止と再就職の促進、こういった観点からこの給付制限というものを三カ月にしたということでございまして、このこと自体につきましては、私はそういった機能を果たしてきていると思うのでございます。 ただ、ただいま先生がおっしゃいますようないろんなケースがあるわけでございまして、そういったケース、いわば正当な理由に基づきます退職、自己都合退職というものにつきまして、そういった方々が本当にそういった状況の中で十分に安心していわば求職活動ができるというような状況をつくっていかなきゃならないということは御指摘のとおりでございまして、この正当な理由による自己都合退職と申しましょうか、これにつきましては、その時代時代におきましていろんなケースが出てくるわけでございますから、そこのところは十分に私どももよくその状況を判断いたしましてその運用を図っていかなきゃならないというふうには考えております。
○永井委員 その正当な理由ということとそれに該当しないということの判断が大変問題になってくるわけでありますから、ちょっとその関係について質問を移してみたいと思うのであります。 法第三十三条の第二項の規定に基づく労働大臣の定める基準というのがありますね。この労働大臣の定める基準では、確かに、今私が申し上げましたように上昇志向型の離転職の場合も、一部については正当な理由として扱うことにされているわけですね。例えば「賃金が、同一地域における同種の業務において同職種、同程度の経験年数、同年配の者が受ける標準賃金と比較し、おおむね一〇〇分の七五以下になったことによって退職した場合」というふうに判断基準が示されているわけですね。しかし、労働基準法の基本的な精神からいって、私は、やはり同一労働同一賃金ということの実現に労働省はその基本的なスタンスを置くべきではないか、そう思うんです。 この考え方からいきますと、この「おおむね一〇〇分の七五以下になったこと」という条件を付していることが問題なのであって、せめて平均以下とするなどこれを見直すべきではないかと思うんですが、どうですか、判断基準ですね。
○日比説明員 ただいまの点は先生御指摘のように百分の七十五ということでやらしてきていただいておりますが、今御指摘のような上昇志向の問題その他ございますので、今後十分検討課題とさしていただきたいと考えております。
○永井委員 十分私の指摘することを踏まえて検討してほしいと思うんです。 また、この労働大臣の定める基準では、正当な理由に当たるものとして、これは具体的なことでちょっと事例を挙げてお聞きするんですが、「上役、同僚等から故意に排斥され、又は著しい冷遇を受けたことによって退職した場合」ということが正当な理由として挙げられているわけですね。これは当然なことでありますが、現在、その上役や同僚等から故意に排斥されるということだけではなくて、非常に新たな問題が出てきています。それは最近問題となって顕在化してきているいわゆるセクハラ問題ですね。この間も熊本の方でしたか、市会議員が同僚の市会議員にセクハラ云々で不起訴処分になったようでありますけれども、これは氷山の一角でありまして、このセクハラ問題というのは、今、日本だけではなくてアメリカでもどこでも随分大きな問題になってきています。 そういうセクハラに出会って退職をせざるを得なくなった場合は、これは正当な理由に当たりますか。
○日比説明員 セクハラの点でございますけれども、今御指摘ございましたように新しい問題でございまして、いわゆるセクハラと申しておりますが、なか、なかこれは一律に論じがたいものと考えます。 ただ、今先生御指摘のように、上役なりあるいは同僚なりに排斥あるいは冷遇されるというような、ちょっと古めかしい表現でございますけれども、そういうようなケースにつきましては私ども正当な理由があるものと扱ってまいりましたので、御指摘のいわゆるセクハラもそういうケースに当たるものが多々あるのではないかと思います。そういうことであれば正当な理由に当たるということになるわけでございます。
○永井委員 「自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇されこういうことがありますね。判断基準の中にございますが、この「自己の責めに帰すべき重大な理由」というのはいろいろなことがあると思うのでありますが、法第三十三条第二項の規定によって定められた労働大臣の定める基準、これには「労働協約又は労働基準法に基づく就業規則に違反したことによって解雇された場合」ということが挙げられていますね、例えば就業規則そのものも、十分に労働側の意見も付さずに大手を振って歩いておる就業規則も、現実的には中小零細企業には存在していることも否定できない。 そういう現実を踏まえて申し上げるのでありますが、例えば、今時間短縮という問題が春闘でも大きな課題になっている。政府も大きな目標にしている。長時間にわたる残業、いわゆる時間外労働というものがしかも長期間にわたって行われるために自分の生活設計が破壊されてしまうということで、その残業、いわゆる時間外労働を拒否をしたというケースが、これはずっと以前からあるのですね。最近もございます。これに対して、私の経験からいきましても、三十六条協定を結ばれているんだから残業を拒否することは業務命令違反だ、こういうことで随分と処分がされてきたというケースも私も経験をしてまいりました。私が処分されたんじゃなくて、私が働いている職場でそういう経験もしてまいりました。 こういう場合、業務命令違反だとして解雇された場合は、その中身が長時間労働を拒否をするという理由であっても、これは自己の責めに帰すべきものとして扱われるのかどうなのか。これから時間短縮をどんどん進めていくというときでありますから、ひとつこういう問題についてもきちっとここで確認をしておきたいと思います。
○日比説明員 長時間残業の問題でございますが、まず残業そのものが当然適法に行われておるということを前提とした上でございますが、なおかつ長時間の残業ということになりますと、私ども正当な理由ありなしの別の項目といたしまして、その職場における仕事に体力その他の状況からたえ得るかどうか、そういう点も問題にいたすことにしておりますので、程度によりますが、長時間残業の場合、個別ケースを見ますと正当な理由に当たるというケースがあろうと思っております。
○永井委員 もう一回確認しておきますが、本人が、三十六条協定を結ばれている中で——わかりやすくもう一回言ってもらいたいのですが、余りにも長時間労働が長期間続く、自分の健康上の理由もある、やはり人間ですから家庭生活を大切にしたいという思いもある、そういうことから残業してほしいということについてこれを拒否をした。これが業務命令に違反する行為だということ。で解雇されるというケースは、これからも出てくるでしょう。 今答弁されたことは、そういう場合は正当な理由として認めるということを今言われたのですか、もう一回そこを再確認させてください。
○日比説明員 舌足らずで恐縮でございました。 まず第一は、重大な自己の責めによる離職といいますか、そういうことに当たるかどうかといいますと、ただいま先生が御提示されたケースにつきましては、そのような事由には当たりません。 なお、さらに正当な理由に該当するかどうかということになりますと、個別ケースによりまして多少の違いが出てこようと思っております。
○永井委員 自分の生活設計にかかわることでありますから、こういうケースだけではなくて、判断基準を適用させて判断するときには、刑法じゃありませんけれども、疑わしきは被告の利益とするということもありますから、できるだけ労働者の生活を大切にするという視点で、この大臣の定める判断基準の適用はしてもらいたいということをここでもう一回申し上げておきたいと思います。 さらに、具体的な例をこの際確認をしておきたいと思うのであります。 この四月一日から施行される育児休業法の関係があります。勤務先が育児休業制度の適用猶予対象事業所になっている場合、その制度の適用を受けられないから自分の生活が困る、生活設計がうまくいかないということで離職する場合は、正当な理由に当たりますか。
○日比説明員 育児のためにということでございまして、恐らく前提としておられると思いますのは、育児をするということになれば当然子供のことがある。したがって、保育所に預けなければいけないとか何らかの手を打たなければいけない。その手を打とうとすると従来の勤務が続けられない。そういうことでおやめになった場合であれば、私どもは正当な理由ありということで扱わせていただきたいと思っております。
○永井委員 さらに一つ具体的な例でお尋ねします。 自分の父母を扶養している。父母を扶養するために離職した。その中でいろいろあるでしょう。介護しなければいかぬ場合もあるでしょうし、いろいろなケースがあります。その場合に、離職をしたけれども、フルタイマーとしては新たに勤務はできないけれども、たとえ短時間でも生活を守るためにパートで働きたい、そういう場合は給付制限はかかりませんか。
○日比説明員 父母の扶養の太めにやめないといかぬ、まずその点につきましては、そういうことであれば正当理由になります。 それから後段の点でございますが、例えばフルタイムで働いておられた方が今後は短時間の労働を希望される、この点につきましては、同じく給付制限でも、離職理由によるものというべきか、それともその後の問題もあろうと思いますが、まず離職時点でそういうことを御希望になったということにつきましては、現在では正当な理由がある。というふうな判断をいたすようになっております。これは取り扱いの変更ということになりますが、平成元年の雇用保険法の改正によりまして短時間労働者も、もちろん一定の基準がございますが被保険者とする取り扱いをいたすようになりましたこととあわせまして、その点は短時間労働を希望されるということでも差し支えないということで取り扱わせていただいております。
○永井委員 給付制限で大分時間をとっているわけでありますが、五十九年の改正当時に大問題になったところでございますから、重ねてお聞きしていきたいと思うのであります。 最初に指摘しましたように、法第三十三条による給付制限期間は、五十九年の改正前は、何回も申し上げて恐縮ですが、「一箇月以上二箇月以内」こうなっておったわけです。そのとき、改正前の法律によりますと、その第三十三条の運用に当たりましては、刑事罰で解雇を受けた人は二カ月、自分に責任があって解雇された者については四十五日、そして任意の場合は一カ月というふうに運用基準が設けられておったわけです。 五十九年の改正によって、今私が指摘しておりますように「一箇月以上三箇月以内」というふうに改正されたというの。ですが、私どもからいったら改悪されたというのですか、運用面では一律に三カ月ということが適用されている。法律で委任しているのは一カ月から三カ月までの範囲であって、これを一律に三カ月にするというのは私は法律の趣旨に反していると思うのです。このような法律の運用がなされている例がほかにありますか、どうですか。
○若林政府委員 法律におきまして、何らかの期間を一定の範囲をもって設定をしている規定になっているにもかかわらず、それを運用上一律に適用しているような取り扱いがあるかないか、私どもいろいろ調べてみましたけれども、調べた範囲ではそういったような例はございませんでした。
○永井委員 今いみじくも局長が答弁されたように、法律に委任していることからさらにそれを運用面でより厳しくしてしまうというふうなことは、私も知る限りではほかに例はないのですよ。だから、私はこの給付制限を問題にしているのですね。 あと時間の関係もあるから続けて入っていきますが、仮に給付制限期間を最大三カ月まで延長したとしても、五十九年改正前のように、例えば刑事罰で解雇を受けた人は三カ月、これは最高ですね、自分に責任があって解雇された者については二カ月、任意の場合には一カ月というふうに、私はその運用をこの際変えるべきだと思うのですね。それ一が法律で委任されていることを運用する行政の側の義務だと私は思うのですね。そこは余り逸脱しないようにしてもらわないと法律的に委任したことになっていかない、私はそう思うのです。したがって、この法規定の正しい運用のあり方というものを私はここできちっとしてもらいたい。 ましてや、この法律は政府案による立法でありますから、一律に三カ月とする労働省の態度というものは、私は厳しい言い方はしますけれども、国会や国民を欺くようなやり方だと言われても仕方がないのではないか。財政事情でやむなくそうしたというのであれば、財政事情が好転してきているのですから直ちに私は改めるべきだと思うのですね。財政事情でやむなくそうしたというのであればと私は今申し上げましたが、それが、ここで繰り返しませんけれども、五十九年の改正当時もう四日間にわたって法案審議で議論された、その中で、私だけではなくてほとんどの議員がそこに問題点を集中しておったわけですよ。 その当時、ちょっと議事録の一部を引用させてもらって恐縮でありますが、これは私だけじゃなくて、私の大先輩の多賀谷先生が指摘をされているのでありますが、給付制限を厳しくして取り締まっていくということは、労働市場にこの雇用保険の給付適用範囲から追い出すことではないのか、それは雇用保険の精神と違うではないか、徹底的に給付制限で締め上げていく、判断基準の適用によって締め上げていく、それは労働市場に再就職をさそうという意図がそこに感じられるということを当時多賀谷さんが言っているわけです。 これの前提になっているのは、当時の改正のときに何回も議論されましたように、失業者が当時はふえるというふうに労働省は見込んだ、五千数百億円という積立金もあっという間になくなってしまう、だから多少のことは働く者も辛抱してもらわなければしょうがない、こういう思想的な発想があって、だから私は、生活保障の立場から雇用保険制度があるのか、あるいは財政事情のためにこの雇用保険の改正をするのかということを繰り返し繰り返し当特質問しているのですね。 その関係からいきますと、今言ったようにこの三カ月と一律に給付制限をするということについてはこれは問題だ、私は、この関係については、財政事情が好転してきているから今回の改正になったとするならば、むしろ今回改めてその給付制限のあり方は改正すべきだと思うのですが、どうですか。
○若林政府委員 現在、受給資格にかかわります離職理由による給付制限は三カ月でございますが、御指摘のとおり、これは五十九年改正前におきましては一ないし二カ月ということでございました。現在三カ月でございますけれども、資格決定後に再就職いたしまして、その後再離職いたしました者につきましては、給付制限期間を一カ月あるいは二カ月として運用をいたしております。ここのところは一律三カ月ということではないわけでございます。また、給付制限事由に該当するか否かにつきましても、先ほど来申し上げましたような正当な理由のある自己都合退職の基準を明確にいたしまして、不合理のないような運用をいたしておるところでございます。 これは五十九年改正の当時、先ほど来申し上げておりますように、若い方を中心とした安易な離職をしないように慎重に考えていただく、また再就職の促進を図っていくという観点からこの制度を導入いたしたわけでございまして、そのことは現在においても基本的に妥当しているというふうに考えるのでございます。 したがいまして、ただいま、財政上の理由で今そこがいわば改善されたからその点をもとに戻してはどうかという御指摘でございますけれども、やはり私どもはこの給付制限期間の三カ月という問題は、ただいま申しましたように、安易な離職の防止と申しますか、離職ということについて、自己都合で退職をするという場合にはできる限り慎重に考えていただくという観点から、今日においても機能しているというふうに考えておる次第でございます。もとより、正当な理由による自己都合退職の問題、これをそのときどきの時代に応じて適切に運用していくということは、これは先ほど来先生御指摘のとおりであろうと存ずる次第でございます。
○永井委員 いろいろなことをお聞きしているわけでありますが、欧米諸国との関係も冒頭に比較をさせていただきましたけれども、せめて給付制限期間を最大二カ月ぐらいに短縮すべきではないか、そういう立場で検討してもらいたいと思いますが、どうでございますか。
○若林政府委員 現在、中央職業安定審議会の雇用保険部会におきまして、雇用保険制度の基本的な問題を議論を始めているところでございます が、御指摘の点につきましてもその場で議論がなされるのではないかというふうに考えております。その御議論の推移を見守らせていただきたいというふうに存じております。
○永井委員 さらにその中職審で検討していくということでありますから、それを十分踏まえて、私どもの求めている方向をやはりしっかりと受けとめていただきたいということを私はつけ加えておきます。さらに、この給付制限問題で、この法第三十二条第一項に「受給資格者が、公共職業安定所の紹介する職業に就くこと又は公共職業安定所長の指示した公共職業訓練等を受けることを拒んだときは、「同項各号に掲げる場合を除いて「一箇月間は、基本手当を支給しない。」という規定がございますね。一カ月間基本手当を支給しないという規定がございます。法第三十二条の第一項の給付制限を受けない場合の一つとして、同条第三項の規定によりましていわゆる労働大臣の定める基準でありますが、五十九年改正前は「就職先の賃金の手取額がその者の受けることができる基本手当の額のおおむね一〇〇分の一〇〇よりも低い場合」というふうに挙げられておったわけですね。 五十九年の改正で、基本手当の算定から賞与等が除外されてしまったわけですね。これも随分議論がありました。私ども、反対の立場で随分議論したものであります。これはやはり改める必要があるのではないか。これは今どのようにされておりますか、この扱いですね、お答えいただきたいと思う。
○若林政府委員 五十九年の改正におきましては、失業給付の給付率につきまして二〇%の引き上げを行いますとともに、最低保障額の引き上げも行うなどいたしまして、失業給付につきまして所要の改正を行ったこと等もございまして、御指摘の点につきましては変更いたしていないわけでございます。
○永井委員 その低いところは二〇%引き上げた、当時からそういうふうに政府は随分そこだけは強調されていた。政府は当時私の質問に対しても大変強調してぎたのでありますが、それは賃金の低い方を若干救ったということにすぎない。基本手当の百分の百ではなくて、離職前の賃金に改めるなど、私はこの点についても十分検討してほしいと思うのでが、どうでございますか。
○若林政府委員 私ども、ただいま申し上げましたように、あのときの基本的な考え方、それは離職時の賃金と雇用保険の給付額との水準というものを考えまして、それが再就職の促進といったような観点から適切かどうかというような観点で主十九年の改正を御提案申し上げ、議論も随分その点でなされたわけでございます。私どもは、今におきましてもそういったような点が妥当するというふうに考えておりますけれども、いずれにいたしましても、こういった五十九年の改正にかかわります問題、そういったものは中央職業安定審議会の場で議論されるものだろうというふうに存じております。その結論がどうなるかは別といたしまして、その御議論を見守ってまいりたいというふうに思っております。
○永井委員 給付制限問題を執拗にお聞きして恐縮でありますけれども、特に自己都合退職に係る給付制限ということについては、このいわゆる判断基準ですね、労働大臣の定める基準がどのようなものになるかによって受給権を左右してしまうわけですね。これは大臣わかりますね。大臣の定める基準によって受給者の権利が左右されてしまう、こういう性格を持っているわけであります。したがって、この基準というものは当然公表されるべきものだと思うのですが、どうですか。
○若林政府委員 この給付制限に関します労働大臣の定める基準というものは、先生御指摘のように大変重要なものでございますが、この御指摘の基準につきましては、市販の図書等にも掲載されているところでございまして、私どもとしては十分周知は図られているものというふうに考えております。
○永井委員 これは法とのセットでありますから、この基準というものは。だから、周知徹底を図ると言うのでありますが、それは通達で出されていくのですか。今までは通達ですね。どうですか。
○若林政府委員 御指摘のとおり通達でございます。
○永井委員 通達の性格ですが、通達の性格というものは行政内部の指示文書だと私は思っています、国民一人一人に通達が行くわけじゃありませんのでね。だから、この基準というものは、当然、労使の関係者に広く示されて、労使の関係者が十分そのことを承知をするということが不可欠だと私は思うのですね。したがって、ここで私は大臣告示にすべきだと提起をしたいのであります。例えば法第六条第一号の二の規定に基づき「労働大臣の定める時間数」というのがございますね。三十三時間に定めているのでありますが、これは告示されています。これと同じようにこの基準についても官報によって大臣告示とすべきだと思うのですが、どうでございますか。
○若林政府委員 ただいまおっしゃいましたように、この内容は市販図書等に掲載されておりまして、労使関係者等にも十分周知されているというふうに思ってはおります。しかし、これは当事者にとりましては大変重要な問題でございます。権利義務にかかわる話でございますので、今後この基準の見直し等を行いますに際しましては、御指摘の点も踏まえまして、周知のあり方につきまして研究させていただきたいと存じます。
○永井委員 ひとつ前向きに研究をしてもらいたいと思います。 その次に、給付額の問題についてちょっとお尋ねしてみたいと思うのであります。 賃金日額の算定の基礎からボーナスが除外されているわけですね、ちょっとさっきも触れましたけれども。これは言葉の使い方も私は最近問題があると感じているのですよ。ボーナスというのは、よう働いたから褒めてやるということで与えられるという性格を持っていると思うのですが、そうではなくて、夏においても冬においても生活設計を立てていくための二足の節目にその生活保障をしていくという性格を持っておりますから、私は、期末手当とかいろいろな——その方が正しいと思うのでありますが、このいわゆるボーナスが現実には完全に生活費に組み込まれているんですね。例えば、家を建てても住宅ローンは全部ボーナスも対象にされる。車を買ってローンを組んでもボーナスは当然ローンに組み込まれていくわけです。これがもう今の社会の実態になっているわけですね。 そう考えていきますと、このボーナスを除外してきたということについても改めて再検討してもらいたいと思うのですが、どうですか。
○若林政府委員 この点も、五十九年改正のときに大きな問題点でございました。ボーナスの持っている意味合いというものは、ただいま先生御指摘のとおりと存じます。 しかし、賞与等をも含んだ総賃金を基礎といたしまして失業給付額を算定するといたしますと、その額が、毎月の手取り賃金とか再就職の賃金に比べまして割高となってしまうということを申し上げたわけでございます。また、賞与等の額は、業種とか企業規模とか、あるいは企業の業績等によって変動するというような問題点もあるわけでございまして、こういったようなことを総合的に考慮いたしまして、再就職の促進を図るという観点からこの制度の趣旨を有効に機能させるというためには、賞与等を除いて毎月の賃金を基礎としてこれを算定することが適当であるということで今日の制度が設けられ、そして運用されてまいっているわけでございまして、私どもとしては、やはりこういった考え方、それは今日においても妥当いたしておりますし、また、そういった意味での機能を果たしているというふうに考えておる次第でございます。
○永井委員 重ねてこの問題をお聞きいたしますけれども、例えば、住宅金融公庫などにおいてもいわゆるボーナスはローンの対象にしているわけですね。それで貸し出しの一定の基準を判断する場合にも、ボーナスは対象にして判断をしているわけであります。 ところで、ボーナスは給付日額の算定の基礎から除外するという前の改正のときに、これまた随分と時間をかけて議論がされています。私も質問をしているわけであります。そのときの議論でも私は申し上げたのですが、当時は、失業者が増加傾向にある、財政が厳しくなってきた、どこをどういう理由をつけて削れば財政の節減ができるかという視点であったことは間違いないのですよ。どんなに今労働省の担当の局長がそう言われても、当時の改正というのは、どこを削ってどのように理屈をつけられるかということから、財政の節減ということを視点に置いてやったことは間違いない。これは私は断定してもいいと思う、いろいろな議論ですれ違いは当時ありましたけれども。だとすると、これだけ黒字基調になってきて保険料率も引き下げようというときでありますから、当然私は、この問題は改めて原点に戻って再検討してもらいたい。重ねてお聞きいたします。
○若林政府委員 先ほど来申し上げましたように、五十九年のとき、受給者実人員というものは大変増加傾向をとったわけでございます。そして、その背景は何かということでいろいろと分析をいたしまして、高齢化あるいは女性の社会進出、あるいは若い方々をめぐる雇用情勢、こういったものから制度をどうやって効率的にするかということでいろいろな議論がなされたわけでございまして、この問題もそういった中から出てきたわけでございます。 そして、先ほども申し上げましたように、離職時の賃金とそれから再就職するときの賃金、こういったものを比較して考えましたときに、いろいろなバランスというものを考えました場合に、やはり現在の制度が適切であろうということで今日の制度がつくられたわけでございまして、私は、基本的にやはりこの制度というものは今日においても妥当しているというふうに考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、この五十九年改正をめぐる諸問題というものは、現在の中央職業安定審議会の雇用保険部会でそれぞれ一つ一つ議論になるだろうと存じます。 私どもは、ただいま申し上げましたように、今日においても、この考え方は妥当するというふうに考えておるわけでございますけれども、そういう雇用保険部会で議論がなされるということでございますれば、その御議論でどういう結論、どういうような御議論が出てくるか、私どもは今日時点で判断がつけかねますけれども、そういった雇用保険部会の議論というものを見守ってまいりたいというふうに考えております。
○永井委員 この議論は必ずしも完全にかみ合わないわけでありますが、私はそのことは強く要望しておきたいと思います。 次に、給付日数の関係でありますが、被保険者期間別に段階化したわけですね。そもそもドイツやフランスなどと比べて我が国の所要給付日数というものが私は少な過ぎると思うのですね。 ここにも政府の出しました資料がございますが、例えば一つ二つ例を言いますと、フランスの場合は最高給付日数は千八百二十五日です。日本と同じような状況に置かれているドイツ、このドイツでも最高百四週になります。四十五歳以上は年齢に応じてということで加算をされるわけでありますが、その場合でも百四週まで給付日数は認められているわけですね。この面について言いますと、日本は非常にこれも見劣りがし過ぎている、格差があり過ぎる、私はこう思いますが、この点についても検討すべきだと思いますが、どうでございますか。
○若林政府委員 給付日数につきましては、五十九年改正で、被保険者期間を勘案した所定給付日数を設定したわけでございますが、これは、それまでの年齢別のみの給付日数の設定では、比較的短期間で離職する高齢者にも長期間の給付が保障されるということになりまして、高齢化社会の急速な進展とともに給付と負担の不均衡が拡大をしていくということでございまして、比較的若年の長期勤続者と比べまして公平を欠くということでございます。 そういうことでございますので、今日、当時から比べて高齢化が進んでおりますし、さらにこれからも進んでいくということでございますから、このように被保険者の期間と年齢とをあわせて段階的な給付日数制度をつくっていくということは必要であるわけでございます。当時と比べまして、一層そういった問題が今日においては妥当するというふうに考えております。もし仮にこれを当時に返しまして、年齢だけで仮に給付日数を決めるということになりますと、不均衡がますます広がっていくことになっていくわけでございます。 この給付日数の問題につきましては、これは各国の一制度によりまして、負担とかいうことで随分違っておるわけでございますけれども、私どもは、この日本の雇用保険制度における給付日数、これは諸外国と比べまして決して遜色のないものであるというふうに考えております。
○永井委員 この問題についても深く掘り下げる時間はないのですが、今財政の仕組みが違うということを言われましたね。これは私も最前質問したように、フランスでいうと最高千八百二十五日まで、これは追加手当を含んでいるのでありますが、保障されている。そのフランスが、日本と違って賃金の二・四七%を労働者が負担をし、使用者側が四・四三%を負担をしているのですよ。日本の場合は、これは折半です。そういう関係からいっても、むしろ逆に日本の方が労働者の負担が高いわけだから、もっと労働者の生活保障という立場を重視すべきだと私は思うのですね。これは議論のすれ違いになるところかもしれませんけれども、時間の関係がありますからこれ以上私は深く追及はいたしません。私が言っているように、ひとつぜひ外国の例なども参考にして検討してもらいたいということをお願いしておきたいと思います。 その次に、再就職手当の問題でありますが、今回若干の制度変更はあるようでありますが、そもそもこの再就職手当につきましては、諸外国には見られない例なのですね。諸外国ではそういうものはありません。したがって、失業給付の本質とこの再就職手当というものは私は相矛盾するのではないか、この点についても検討すべきだと思いますが、どうでございますか。これは五十九年のときにも随分と多賀谷先輩がこの問題について質問をされているわけでありますが、そのときも議論はすれ違いで終わったままになっています。しかし、すれ違いのままでいつまでも放置できませんので、私は再検討してもらいたいと思うのです。
○若林政府委員 昭和五十九年改正前の雇用保険法におきましては、基本手当の受給資格者の再就職意欲を喚起する制度は存しなかったわけでございまして、失業者として滞留する傾向が見られましたことから、昭和五十九年の改正におきまして、基本手当の受給資格者ができるだけ早い機会に再就職できるように援助することを目的として再就職手当制度が創設されたものでございまして、現在におきましても、受給者の再就職意欲を喚起いたしまして早期再就職を図る上で有効に機能しているというふうに考えております。 なお、今回の改正案におきましては、再就職手当の機能の一層の充実を図るという観点から、所定給付日数の多い者につきまして、その残日数の要件を緩和するということによりましてこの制度の改善を図るということで、改正をお願いをいたしているところでございます。
○永井委員 あえてもう一言つけ加えさせていただきますと、これも前の大改正のとき議論になったのでありますが、この再就職手当というものがあるから——上昇志向だと私は最前指摘しましたけれども、自分の生活から考えて、社会の生活水準から考えて、より条件のいいところへ就職したいということを考えておっても、再就職手当によって、そこまで自分が就職先を選ぶことができないままに就職してしまうというケースが、安定所の指導もあるのでしょうけれども、現実にあるのですね。これを多賀谷先輩に言わせると労働市場への追放ではないか、こういうふうに当時表現されているのでありますが、やはりこの再就職手当というものについては失業給付の本質と相矛盾していると私は思いますので、これについても今直ちにここで結論は得られませんけれども、ひとつ十分に検討してもらいたいと思います。 その次に、高齢者の扱いについて申し上げたいと思うのであります。 五十九年改正で、六十五歳以降新たに雇用された場合は被保険者から適用除外することとされたわけですね。その理由として、常用労働を希望する割合が少なく、また引退過程にあるといったことが当時答弁で繰り返し挙げられました。しかし、ILO百六十二号勧告、いわゆる高齢労働者勧告では、社会保障措置や福祉給付についても年齢差別をすべきではないと言うわけですね。そうすると、このILO百六十二号の勧告からいくと、それに反すること、こういうふうに言わざるを得ないわけであります。 短時間労働特例被保険者制度ができたことでもありますから、この点についても私は再検討すべきだと思うんですが、どうですか。
○若林政府委員 平成元年に短時間労働者につきましても一定の要件のもとに雇用保険の被保険者としているところでございまして、そういった方々が実際に離職をして給付を受けますためには、被保険者となるような常用雇用を希望することを要件といたしておるわけでございます。その一方におきまして、六十五歳以上の高齢者の方につきましては、現在におきましても常用雇用を希望する方は少ないと考えられます。また、もし仮にこれらの方を被保険者にいたしましても、実際には給付を受けられないケースが多くなるというふうに考えております。しかしながら、今後、御指摘の点につきましては研究をさせていただきたいと存じます。
○永井委員 研究をしていただくことになりますが、それは歩といたしますけれども、この適用除外を定めたときに、六十五歳以上の人たちは一般には、先ほど申し上げたように引退過程にある人だ、そしてフルタイム就業を希望されるということは少ない、当時そういうふうに言っているわけですね。最近は随分と事情が変わってまいりました。労働省自体も高齢者の労働力を活用しようということでいろいろな施策を講じられているわけでありますから、その当時の改正時点と基本的に視点が変わってきて当然だと思うのですね。そういうことを含めてひとつ検討をしていただきたい、研究をしていただきたいと思うわけであります。 大分時間がなくなってまいりました。そこで、今までの鈴木議員の質問あるいは私自身がそれについてさらに補完的なものも含めて質問してきたわけでありますが、今までのこの質疑を通して、さらにこの法律を改正する以上はここでひとつきちっと確認しておきたいことがございます。大臣に対してひとつ確認をしていきたいと思うわけであります。 まず、この雇用保険事業の事務費であります。 この事務費については保険財政に負うところが非常に大きいわけでありますが、これは少しでも国庫負担をふやすべきだと思うのでありますが、これはどうでございますか。
○近藤国務大臣 最初に、ずっと先生の御質問を承っておりまして、また、局長その他政府委員の説明を私がずっと聞いておったわけでございますが、私この分野は初めてでございますから、大変いろいろ勉強させていただきまして、考えさせられるような面も多いわけでございますので、いろいろ勉強させていただきたいということをまず申し上げておきます。 そこで、先生の御質問でございます雇用保険でございますが、雇用保険法第六十六条第六項に基づき、「国庫は、毎年度、予算の範囲内において、雇用保険事業の事務の執行に要する経費を負担する。」ことになっております。 雇用保険の事務費につきましては、積立金の運用収入等保険財政の状況等を勘案し、国庫から所要の額の繰り入れが行われているところでございますが、今後とも所要の経費については必要な額の確保に努めることといたしてまいりたいと考えております。
○永井委員 次に、今回の制度改正ではいわゆる国庫負担の引き下げに関しては当分の間の措置とされているわけですね。これは最前も鈴木議員からこの問題についてかなり突っ込んで質問をされました。この当分の間が終了した場合には、この措置はどのような取り扱いになるのですか。
○近藤国務大臣 今般の改正は、近年の雇用保険の失業給付に係る収支状況を踏まえ、今後当分の間失業給付に係る保険料率、国庫負担率を引き下げることとし、あわせて失業給付の改善措置を講ずるものでございます。 今後、雇用保険の失業給付に係る収支状況から見直しが必要となる場合もしくは雇用保険事業のあり方、今後の諸情勢に対応した制度体系や給付体系のあり方及びその費用負担のあり方についての見直しに伴い必要が生じますれば、今回の措置について見直しの検討を行いたいと考えており、その結果に基づいて所要の措置を講ずることを考えているところでございます。 なお、中央職業安定審議会雇用保険部会で雇用保険制度のあり方に関する基本問題について御議論いただいており、当面は、その推移を見守ってまいる所存でございます。
○永井委員 次に、育児休業法がこの四月一日から施行されるわけですね。この育児休業法の制定過程において、休業期間中の所得保障の問題につきましては、婦人少年問題審議会あるいは国会などの場でいろいろな意見が出てまいりました。しかし、意見はあったけれどもその実現を見ることができなかったわけですね。 ところで、この雇用保険制度に関する基本問題についての検討が中央職業安定審議会で始められたと聞いているわけでありますが、その場において、育児休業のみならず介護休業についてもその休業中の所得保障について雇用保険制度として何らかの措置が講ぜられるよう積極的に検討すべきであると考えますが、どうでございますか。
○近藤国務大臣 育児休業や介護休業を取得する労働者に対する経済的援助、所得保障の問題については、種々の意見があるものと承知をしております。実は、私の選挙区は山形でございますが、山形県は女性の就業割合が全国で最高の部類でございますので、私も地元へ帰っていろいろ話をするわけでございますが、そういう要望が大変強くあることも、もう具体的に話があるものですから、私、率直に承知しているわけでございます。 そこで、雇用保険制度をめぐっては、雇用情勢等の諸事情の変化を踏まえまして、高年齢者問題等種々の検討すべき諸課題がございまして、中央職業安定審議会雇用保険部会において雇用保険制度のあり方に関する基本問題の検討が今始められたところでございます。そこで御指摘の点につきましても、その御検討の中で御議論がなされるのではないかと思っております。 同時に、育児休業を取得する労働者に対する経済的援助の問題に関しましては、婦人少年問題審議会でも御議論いただくことと承知しております。これら審議会における推移を見守ってまいりたいと現在は考えているところでございます。
○永井委員 次に、雇用保険制度も含めまして、育児や介護に係る休業中の労働者に対して所得保障について何らかの措置が講ぜられるように検討することが必要だと私は思うのですが、その検討に当たっては、従来の失業中の生活の安定であるとかあるいは継続雇用の促進といった観点ばかりではなくて、最前も私申し上げましたけれども、フランス等では家族のそういう扶養関係も全部入っているわけでありますから、そういう家族といったものを基本に据えた観点からの発想も私は必要だと思うのでございますが、大臣から改めて確認をしていきたいと思います。
○近藤国務大臣 勤労者福祉の増進、休業中の職業能力の継続向上、職業生活と家庭生活との両立による雇用の継続、今後の雇用情勢に対応した労働力確保対策の推進等の観点から、御指摘の点も踏まえ、検討することが必要であると考えております。
○永井委員 中央職業安定審議会や婦人少年問題審議会で作業中の所得保障に関する何らかの措置について結論が得られた場合には、どのように対処されるおつもりなのか、あるいは必要な措置は速やかに具体化すべきだと考えますが、どうでございますか。
○近藤国務大臣 労働省といたしましては、審議会での御議論、御結論については従前から十分に尊重するとともに、御議論の結果のうち必要なものについてはその具体化に努めてまいってきたところでございます。 御指摘の育児休業や介護休業を取得する労働者に対する経済的援助問題につきましては、中職審、婦少審で御議論がなされていると考えておりますが、どのような御議論がなされるか、これらの審議会における御議論の推移を見守ってまいりたいと考えております。 いずれにいたしましても、私も所信でも申し上げておりますけれども、まさに現在において大事なことは、家庭生活と職業生活をいかに調和をして、その積極的な両立を図るということが大変大事な政策課題でございますので、私どもこういう線に沿っていろいろ研究し、努力をしてまいりたいと考えております。
○永井委員 次に、雇用保険三事業につきましては、その運用が事実上政府・労働省の裁量にゆだねられているわけでありますが、労使の関与を制度化すべきではないかという意見や、あるいは労働者も一定額負担することとしてもよいから直接労働者に支給され得るように改善すべきではないかという意見もございます。したがって、この三事業のあり方についても改めて根本的に検討すべきではないかと思うのでございますが、どうでございますか。
○若林政府委員 雇用保険の三事業につきましては、その事業内容や費用負担のあり方等をめぐりまして種々の意見があるものと承知をいたしております。 この三事業につきましては、これまでもそのときどきの諸情勢に対応いたしまして、必要な見直しを行ってきたところでございますが、今後につきましても、諸情勢を踏まえた諸課題に対応いたしますため、そのあり方について検討を行っていく必要があると考えており、その際、関係労使の御意見等も十分尊重してまいりたいと考えております。
○永井委員 次に、大臣にさらに重ねて確認をしておきたいと思うのであります。 雇用保険制度のあり方については、今までいろいろ指摘してきましたように、今後十分に検討を行う必要があると考えますが、今回の制度改正の関連で言いますと、今回の措置は当分の間ということになっているわけですね。それは具体的にはいつまでの間と考えているのか。中央職業安定審議会で何らかの検討を始めたやに承知しておるわけでありますが、それとの関係を含めて、ひとつお答えをいただきたいと思います。
○近藤国務大臣 雇用保険制度については、雇用情勢等の諸事情の変化を踏まえ、高年齢者問題または女性の職場進出にかかわる問題の対応その他検討すべき諸課題があると承知しております。 今後、雇用保険の失業給付にかかわる収支状況から見直しが必要となる場合、もしくは雇用保険事業のあり方、今後の諸情勢に対応した制度体系や給付体系のあり方及びその費用負担のあり方についての見直しに伴い必要が生じますれば、今回の措置について見直しの検討を行いたいと考えており、その結果に基づいて所要の措置を講ずるまでの間と承知しております。 御指摘の中央職業安定審議会との関係については、その雇用保険部会において雇用保険制度のあり方に関する基本問題について御議論いただいていると承知しております。 先ほども申し上げましたけれども、先生のお話、私、大変参考にさせていただきたいと思っております。私は、今、雇用政策の大変重要な課題、目標といいますのは、先生から御指摘がございましたが、現在の労働力不足の状態の中において、いわば労働者、労働力の適切な上方志向のいわばモビリティーといいますか、移動する、モビリティーをいかに担保するか、こういうことが大事で、私も言いましたけれども、低位雇用状況から高位雇用状況にどういうふうにスムーズに上向させるかということが、私はこれからの雇用政策の大きな課題であると思うのでありますが、同時に、この事業をやっていく立場に立ちますと、ある程度の雇用関係の安定性というものも大事であって、簡単に仕事を移ってしまうということも、これは程度問題いろいろございますので、こういった安定性の確保ということが、やはり同時にこれからの産業発展の中では大事だというふうにも考え、モビリティーと安定性をどういうふうにバランスをとるかということじゃないかと思うわけであります。 いずれにいたしましても、今申し上げましたが、労働省としてはその御議論の推移を見守っていくことといたしたいと思っておりまして、雇用保険制度のあり方に関する基本問題について御結論が得られた場合には、必要な措置について速やかに対応していく所存でございます。
○永井委員 時間がなくなってまいりましたが、一つここでつけ加えてお聞きしておきたいと思います。 労働保険料の納付問題でありますが、四月一日から五月十五日までの間とされているわけですね。これは、その間にゴールデンウイークもありまして、今政府が音頭をとってできるだけ多くの人が集中的に休むように——五月一日のメーデーを祝日になかなか指定しないのは、大臣、けしからぬ話なんだけれども、しかし集中的に休みをとろうということで労使間でも努力されているし、政府もそういう行政指導を強めている。そういう状態の中で、五月十五日までに納付をしなくてはいけないということが事務組合などは大変な負担になってきているわけです。さらに、事務組合の関係で言いますと、労働保険事務組合では口座振りかえによって六月十五日までに納付することとされて一カ月の延長が認められているというケースがあります。 こうした状況から考えまして、この納付期限を六月十五日まで一カ月間延長できないか。これは、雇用保険をより皆さんに大切にしてもらうという視点も含めて、私は強く要望したいと思うのですが、どうでございますか。
○若林政府委員 労働保険料につきましては、ただいま先生御指摘ございましたように、法律に基づきまして保険年度の当初に申告・納付期間を設定いたしまして申告・納付していただく方式をとっておるわけでございまして、こうした保険事業運営の仕組みから、年度当初の給付に充てるため、年度当初の保険料の徴収はできるだけ早くお願いをするという必要があるわけでございます。したがいまして、労働保険料の申告・納付期間の一カ月延長というものは、保険事業の本来的なあり方に影響を及ぼすものでございまして、その実施はなかなか難しい点がございます。 労働保険料の申告・納付期間の中に確かに先生御指摘のようにゴールデンウイークがございまして、近年、民間企業においてゴールデンウイークを中心に休日の増加傾向が見られるわけでございますので、労働保険事務組合の労働保険事務の負担が増加しているということも私ども伺って承知をいたしております。この事務組合の負担軽減方策につきましては、ただいま先生の御指摘の点も踏まえまして研究させていただきたいと存じます。
○永井委員 ぜひひとつ、保険を扱う事務組合では強い強い要望でございますから、実態に合うようにしてほしいと思います。 きょう一日の審議でございますから十分な質問もできなかったわけでありますが、最後に重ねて私は指摘しておきたいと思うのであります。 今回の法改正に至る過程で、中職審の専門調査委員雇用保険部会でも随分と議論がされてきました。そして中職審で一応答申がなされ、あるいは社会保障制度審でも答申がされました。これはすべて、結論的に言いますと、この措置は当分の間の措置としてはやむを得ない、こういうことになっているわけですね。これは制度審一つにしてもそうでありますが、答申は一本化するという原則のもとに作業は進められてきているわけであります。だから、答申そのものは当面の暫定措置としてはおおむね了承する、こうなるのでありますが、その一本化されるまでの過程あるいはその一本化されているその中身は大変な議論があったのですね。その議論を踏まえて私は問題点になるようなところを前の五十九年の改正時点も振り返りながら御質問申し上げてさたわけであります。 例えば、中職審の雇用保険部会の議論の中では、使用者側委員は、将来における福祉の水準の低下を招かないよう国として一層の努力をすべきであるとの見解も表明されているわけですね。労働側の委員からすると、今いろいろな形で質問いたしましたけれども、例えば育児休業や介護休業などに係る休業給付制度の導入の検討であるとか、いわゆる五十九年制度改正のかかわり合い等を含めて給付体系のあり方や給付水準をさらに改善するように検討すべきであるとか、三事業のあり方の検討であるとかあるいは船員保険と雇用保険の通算など、いろいろな問題を指摘をしているわけです。これをすべて併記をして中職審や制度審で答申するわけにいきませんから、答申は、一元化ということで、その原則を踏まえて当分の間の措置としてはやむを得ないという言葉で終わってしまっているわけです。この一元化をされた答申の裏側に指摘をされているこの審議会の検討課題というものを、私は全部を触れることはできませんでしたけれども、ポイントについては触れてきたわけであります。 労働大臣が宮澤内閣の重要閣僚の一人として、生活大国を目指して労働省挙げて取り組むと言われているときでありますから、もとの議論に戻って恐縮でありますが、雇用保険の制度というものは生活保障なのか、財政上の立場から雇用保険を扱っていくのかというこの古くて新しい問題でありますけれども、雇用条件が非常に好転してきたとはいってみても、景気の障りも見られる今日のこの状態でありますから、あくまでも労働者の生活保障というものを重点にスタンスを置いて、これからの雇用保険法の運用も図ってもらいたいし、この隠された、審議の過程で出てきましたいろいろな問題点というものは率直に受けとめて、今大臣にもいろいろな面で確認の答弁をしていただきましたけれども、幅広く幅広く、深く深く掘り下げて、ひとつ労働者の期待にこたえてもらいたい。このことを申し上げて、最後に、そのこと全般について大臣からの御答弁をいただいて終わりたいと思います。
○近藤国務大臣 雇用保険制度というのは、我が国の制度の中の最も重要な制度の一つであると私はかねて考えておりまして、この制度が今後果たさなければならない多面的な課題があると私は思っております。 そういう問題について今いろいろな審議会で御審議をいただいておりますし、きょうも先生から貴重な点について御指摘がございました。そういったものをひとつトータルにして私ども検討させていただき。たいと思っておりますが、さしあたってこの法案は、積立金が平成二年度には二倍を超えるということで、一応見直しをさせていただきたい、こういうことでございますので、ひとつ御理解を賜りまして、なおいろいろな問題につきましては、今後さらに私ども御指導を受けながら検討してまいりますということを申し上げておきたいと思います。
○永井委員 終わります。
○川崎委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時三十二分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○川崎委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中村巖君。
○中村(巖)委員 本日は、労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案の審議でございますけれども、この法案は、要するに、労働保険の財政が大変に好転をした、したがって、これ以上従来の保険料率で徴収を続けることが適正でなくなったから保険料率を下げるんだ、あわせて国庫の補助を減らす、さらには一部の若干の給付の改善をする、こういうことに尽きるわけでございます。 そこで、最初にお尋ねを申し上げておきたいのは、いろいろな資料には出ているわけでありますけれども、雇用保険財政が好転をした、その実態はどういうものだろうか、こういうことでございます。 伺うところによると、平成二年度で徴収保険料が一兆四千三百億、失業給付の方は九千六百億程度だ、こういうことでありまして、したがって、余剰金というものが年々出てきて、それが積み立てられる、こういう格好になるんだということでございますけれども、このいわば徴収保険料よりも給付費の方が下回るというような状況というものがいつごろからできてきたわけでございましょうか。
○若林政府委員 ただいま平成二年度の実績についてのお話がございました。一兆四千三百億の保険料の徴収をいたしまして、失業給付は九千六百八十七億ということでございまして、積立金の額が二兆九千七百八十億になってまいりました。 ただいまお尋ねございました徴収保険料額と失業給付費のバランスでございますけれども、昭和六十二年度で申しますと、保険料の徴収額が一兆一千五百十四億、失業給付費が一兆一千九百二十億、その前の年の六十一年が徴収額が一兆一千二百九億、失業給付費が一兆一千九百四十一億、こういうような状況がございました。これはそのころの経済情勢を反映したものでございます。少し前、五十七年ぐらいの実績を申し上げますと、保険料徴収額が八千八百七十九億、給付額が一兆二千三百二十一億、こういうような時代もあったわけでございます。
○中村(巖)委員 その結果として、労働省から示されておるところによりますと、積立金の額が既にして二兆九千七百八十四億、それは平成二年度の余剰金を積み立てたものを含むのかどうか、それはちょっとよくわかっていませんが、そういうことであるとするのならば、積立金だけを取り崩しておっても、現在の失業給付費の金額からいうと三年間は全然保険料徴収をしなくてもやっていける。こういう状況に数字上はなるわけでございますけれども、そういうことに理解してよろしいわけですか。
○若林政府委員 もとよりこの失業給付の額というのはそのときそのときの雇用失業情勢に左右されるわけでございますけれども、今先生が前提になさいましたことからいえば、そういうことだろうというふうに思います。 やはり失業給付費というものは働いている方にとりましてはいわば最後のとりでということでございますので、これにつきましては、この徴収額と積立金の額が二倍ということを一つの上限として法律は前提にしているわけでございます。 〔委員長退席、永井委員長代理着席〕
○中村(巖)委員 こういうふうにこの雇用保険財政が大変潤沢になったというのはなぜかということでございますけれども、それはいわば給付を受ける人の数が少なくなったというようなことが基本的なことであろう。そのことは、いわば労働需給がタイトになったということ、それが一番だろうと思いますが、そのほかどういう原因がございますでしょうか。
○若林政府委員 昭和五十七年、五十八年当時大変に受給者の実人員が増加をいたしたわけでございます。そういったことの中で五十九年の改正がなされたわけでございますが、五十九年の改正事項のうちで、高年齢者求職者給付金の創設、それから所定給付日数の多段階化、再就職手当の創設等によりまして、受給者実人員が減少いたしますとともに給付総額め減少につながったところでございまして、当時の原因は、この改正で受給者実人員が減ったということだろうと思います。 また、最近数年にわたりまして、景気の拡大によりまして、資格喪失件数は増加傾向にあるわけでございますけれども、受給者実人員の減少傾向がございます。これは景気の要因に基づくものと考えられるわけでございますが、いずれにいたしましても、景気と制度改正、この双方の効果が相乗いたしまして今日の財政状況になっているというふうに理解をいたしております。
○中村(巖)委員 今言及されましたけれども、五十九年に大改正があったわけでございまして、そのときには恐らく、第二次オイルショックというか、そういうような結果として失業者が大変ふえた、したがってこのままでは雇用保険財政というものが立ち行かなくなる、こういうことを見越して給付費を大幅に引き下げようということで、ああいう改正がなされたというふうに理解をするわけでありますけれども、結果としてはこういう結果になってしまった、現在の結果になってしまっている。あのときにあそこまで給付費を削減するためにいろいろな体系をいじくってやる必要はなかったのではないか。そういう意味では、それは景気のこともありますから、見通しというものはなかなか簡単にはできませんけれども、労働省の見通しが非常におかしかったのではないかな、こんな気がしますが、いかがでしょうか。
○若林政府委員 五十九年に改正いたしましたときは、受給者実人員が相当に増加をいたしておったわけでございます。この受給者実人員の増加というものの背景はどういうことかということでいろいろと分析をいたしたわけでございますけれども、それは高齢化が進んできていること、あるいは女性の方々の社会進出が非常に進んできていること、あるいは若い方を中心とした離職が非常に多いということ、こういったような点に原因があるということで、いわばその雇用失業め構造的な問題が背景にあるという認識に立ちまして、五十九年の改正を提案させていただいたわけでございまして、それは結果的に受給者実人員の減ということで財政の改善に結びついたわけではございます。 しかし、ただいま申しましたそういう構造的な点を改善して雇用保険制度をより効率的なものたらしめるということにつきましては、それが今日におきましても機能している、というふうに考えておるわけでございまして、たまたま景気がこういう状況になってまいったわけでございますけれども、それはそれ、別の問題というふうに考えております。 したがいまして、今回このように財政事情が好転してまいりまして、積立金もこのように積み上がってきたということでございますので、これにつきましては、もとより暫定措置ではございますけれども、保険料率の引き下げ、国庫負担率の引き下げということで対応しようと考えた次第でございます。
○中村(巖)委員 五十九年改正が財政上だけで、つまり財政負担を減らすためにだけ行われ準とは申しませんけれども、その五十九年改正の結果というものがよく機能しているのかどうかということについてはいささか疑問なしとしないわけで、受給者側からすれば極めてシビアになった、こういうような感じになっているわけですから、その点で、別に五十九年の前へ戻したらどうかとは言いませんけれども、とにかく必ずしも現行のこの雇用保険の体系というものが現在の状況に即応している、ちょうど照合して非常にいいものであるというふうには考えられないわけでございます。 そのことは次にお聞きをするとして、とりあえずとにかく保険料率を減らすということ、そのことは、働く方々にとってもそれだけ負担が減るわけでありますから大変結構なことで、その意味では、私どもはこの法案に対してはこれはあながち反対というわけではなくて、その部分を評価をしてまいらなければならないというふうに思っているわけでございます。 しかしながら、それと同時に、今回のこの料率を引き下げると同時に、やはり当分の間ではありますけれども国庫負担部分を四分の一に下げてしまうというところがあるわけでありまして、なぜ国庫負担も下げなければならないのかというこういう点をお伺いしたいわけであります。 もともと、やはりこの雇用保険というものも一つの社会保障でありますから、その社会保障に対して国ができるだけ財政的に寄与をする、貢献をしていくということが必要なわけです。社会保障というのは一つの保険という制度で成り立っているわけです、雇用保険の場合は。だけれども、やはり社会保障の一環には違いないとすれば、どうしてもそれは所得の再配分機能というようなものも持っているわけで、そのためには国の財政の中からこの制度に対してできるだけ多くの補助というかそういうものがなされなければならない、こういうふうに思うわけです。 それを、確かに財政が潤沢になった、耳だから一般の使用者、事業者あるいは労働者の保険料率を下げる、ついでに国の補助も減らしてしまう、これはなかなか私は理解ができないわけでございまして、なぜ減らさなければならないのか、お答えをいただきたいと思います。
○若林政府委員 ただいま先生御指摘ございましたように、雇用保険制度におきましては、この雇用保険の失業給付制度と申しますものは、いわば働く方々にとっての最後のとりででございますし、国の経済政策、雇用政策というものにおきます大きな柱であるわけでございますから、それに、対しまして国がその給付について一部を補助する、こういうような考え方に立っているわけでございます。それはもう基本でございます。 それで、今回につきましては、先ほど来申し上げましたように、雇用保険の財政の好転ということによりまして、保険料率につきましては、平成四年度は千分一の二、平成五年度以降は暫定措置、当分の間として千分の三を引き下げるということでございまして、これは大幅な引き下げでございます。これは労使がその引き下げの恩恵を受けるわけでございますけれども、同時に、このような大幅な引き下げの中で失業給付の負担者であります国庫、これは国民の租税でございますけれども、こちらの方の負担も、この保険料率の引き下げ幅に見合って引き下げていくということが適当であると判断した次第でございます。 いずれにいたしましても、これは両方あわせて当分の間の暫定措置ということでございます。
○中村(巖)委員 当分の間ということになっているということは理解をします。確かに法文の書き方の上におきましても、要は、保険料率の問題にしろあるいは国庫補助の問題にしろ、片一方は労働保険の保険料の徴収等に関する法律の附則、片一方は雇用保険法の附則という形でつけ加えるということで、その附則を廃止すれば本則へ戻る、こういう形になっているわけですから、本則そのものもなくしてしまうというわけではないから、そういう構造で一時的にやろうとしているのだということは理解をいたしますけれども、そのことと、やはり保険料率を減らすに伴って国庫の補助を減らして、しまうというのは、私はうなずけない。それだけ国庫の補助を減らすのであるならば、さらに一層保険料率を下げたらいいじゃないか、こういうような気がするわけですね。 国庫の補助の方は、支給額に対する三分の一ないしは四分の一という額ですから、何%という料率の問題とは違いますけれども、財源的には同じことですから、やはりそれだけの国庫の補助があれば、それが雇用保険の特別会計へ入ってくるわけですから、そういう意味では、財政的にそれを逆に割り出せば今回の料率の引き下げ以上のものができたんじゃないか、こんな感じかするわけで、そこのところは、やはり国庫補助というものは何としても労働省としては引き下げない方向で努力をすべきものでなかったのかというふうに思うところでございます。 そこで、そうすると結局、それは雇用保険を含むところの特別会計の問題でありますけれども、国庫補助が引き下げられた部分というものは、それは現実にどのくらいになっていくわけですか、数字の上で。
○若林政府委員 平成四年度の予算ベースで申しまして三百十三億でございます。それが一〇%の削減に相当するものでございます。
○中村(巖)委員 そして、その引き下げられた部分というものは国庫全体に返ってしまうのか、それだけ引き下げたことによって労働省予算というものに対して何か益するところがあるのか、その辺のところはどうなっていますでしょう。
○若林政府委員 まず、雇用保険の会計という面から申しますと、雇用保険の失業給付におきましては、受給者実人員の増がございます、また、給付の日額の増加がございますものでございますから、そういった面での支出増がございます。それから、労働省におきましては他のいろいろな諸政策がございますものでございますから、労働省の全体の一般会計という面から見ますと、これはおおむね前年と同額、若干の増ということになっておるわけでございます。
○中村(巖)委員 それは具体的には、その分は結局労働省予算全般の中でどういうところに重点的に振り向けるんだというようなことはないわけですか。
○若林政府委員 ただいま申しましたように、その相当部分は現在の雇用保険制度におきます受給者実人員の増それから給付日額の増、そういったところに充てられておるわけでございますけれども、労働省全体といたしますと、介護労働者の確保対策等のために一般会計の予算は伸びているわけでございまして、結果的にはそういうところにも回っているということが言えようかと思います。
○中村(巖)委員 しかし、今後不景気が来て、現に不景気が来つつある、不景気の状態だと言いますけれども、そのためにやはり失業者が増加をするというようなことになってきますと、また雇用保険財政が逼迫するという事態も起こらないとは言えないわけでございます。 そういう場合に、確かに先ほど御指摘になられたように附則という形ではなされておりますけれども、そうなると、この附則が廃止をされて本則へ戻るという事態も起こらないとは言えないわけで、そのときに、一つには本則に戻った場合に、いわば保険料率が上がるわけでありますけれども、国庫負担の方もやはりもとのとおりに戻してもらわなければ困るんじゃないか。そうでなければ、保険料率は本則に戻って上がりましたけれども、附則の方で国の財政状況が悪いので依然として補助率は四分の一なんだ、こういうような状況ができてしまったのでは、これはいたし方ないわけで、やはりこの保険料率の引き下げと当分の間の国庫負担の引き下げとは常に連動しているんだ、今後保険料率が上がる場合には国庫負担も必ずふやします、こういうことを明言していただかないとしょうがないと思うのですが、その点についてはいかがでしょうか。
○若林政府委員 まず、今後の財政状況でございますけれども、当面の事態といたしましては、こういった景気の情勢でございますから受給者実人員が増加していくだろうというふうに考えておりますが、これまで昭和六十年から平成二年度までの間を見まして、財政の平均の余剰状況というものを見ますと、率に換算いたしまして大体千分の三・六九でございます。これは好況のときも不況のときも入っておるわけでございますから、私どもは今後の財政事情は基本的には健全な運営ができるだろうというふうに考えておりまして、先生御懸念のような事態はそう簡単には来ないだろうと思いますが、もしそういう事態が来れば、もとよりこの規定は見直しを受けるということになるわけでございます。 この当分の間と申しますのは、雇用保険の失業給付に係る収支状況から見直しをする必要が出てきた、これが一つでございます。あるいは雇用保険事業のあり方やその費用負担のあり方についての検討に伴って見直しの必要が生じたときに見直しを検討する、こういうことでございまして、ただいま先生のおっしゃられました点はこの後段の方であろうというふうに思っております。こういった点について、今後いろいろな御議論がなされていくだろうというふうに思っております。
○中村(巖)委員 ちょっと御答弁がはっきりしないのですけれども、当分の間は相当期間だと労働省は見込んでいるということはそれはそれでいいとして、そういう事態が来て保険料率を引き上げるようなときには、やはり国庫の補助をふやすのだということですね。そのことについては、端的におっしゃっていただいてどうなんでしょうか。
○若林政府委員 今後の費用負担のあり方の問題というのは、基本問題の中での一つのテーマでございます。これは今後、中央職業安定審議会の雇用保険部会で議論が進められていくことであろうと存じます。したがいまして、こういった問題も含めて検討がなされるわけでございまして、そういった検討がまとまったところが一つの見直しの時期というふうに考えております。
○中村(巖)委員 制度全体を見直さなければならないということはそれはそれでわかりますけれども、しかし問題は、先ほど私が社会保障の一般論まで出して申し上げていることは、労働省としては何としても国庫補助というものを、今回はしょうがないとしても、できるだけこの雇用保険に対して国庫補助を大きくしていく方向で物を考えてもらわなければしょうがないのじゃないかということを申し上げているわけでございます。それを要望しておきます。 次に、当分の間ということについてでございます。 今のお話で、当分の間というのは、平均余剰率ですか、そういうものからいってもかなり期間は長くなるはずだということでございます。しかし、当分の間というのは三年で終わるのか五年で終わるのか、私どもにすれば全く予測がつかないことでございます。ただ、それはいろいろな社会的な条件によるわけでありますから、労働省だって、これは十年大丈夫ですよ、こういうふうに保証をしろと言われれば困るのかもしれませんが、大体どの辺のことを予測されているのかということが一点。 それから、これは大臣に伺いたいのですけれども、今後、失業者が急激にふえるという事態が起こり得るのか、あるいは今後の景気動向はどうなっていくのだろうか、当面、三年、五年含めてどうなっていくのだろうか、労働省はこういう雇用動向の専門家でありますから、大臣も専門家でありますから、その辺のことをお答えいただきたいと思います。
○若林政府委員 当分の間の御質問でございますけれども、先ほど申し上げましたように、当分の間は二つ要因があり得るということでございまして、一つは、雇用保険の失業給付に係る収支状況から見直しが必要になってくる、これは具体的に言えば、非常に赤字また赤字のような状況になってくることが考えられる場合、そのときには見直すということでございます。それから、そうでない場合でございましても、雇用保険事業のあり方や費用負担のあり方についての検討に伴って見直しの必要が生じてきた場合ということでございまして、これは先ほど来申し上げておりますように現在既に議論が始まっておるわけでございますけれども、こういったような御議論の中で一つの方向がまとまりまして見直しが必要になってくるという時点がございましたならば、そこが一つの当分の間の時期ということになろうかと思います。これを具体的に切ることは、申し上げるのはなかなか難しいことでございますけれども、基本的にはその二つでございます。 引き続きまして、ただいま雇用失業情勢の見通しについてのお尋ねでございました。 現在は、こういう景気調整の中で求人が減ってきておるものでございますから、有効求人倍率が 徐々に減ってきております。しかし、まだ一・二八ということでございますから、依然として求人倍率は高い水準にございまして、労働力需給は引き締まり基調でございます。 今後どうなるかということでございますけれども、中長期的に見ますと、やはり出生率の低下等に伴いましてこの逼迫状況が続いていくということでございますが、先日学者の方にまとめていただきました雇用問題政策会議のレポートによりますと、今世紀中につきましては、いろんな省力化の努力あるいは高齢者あるいは女性の方々の社会参加、こういったものが進みますとバランスがとれるのではないだろうか、こういうような研究報告でございました。
○中村(巖)委員 今の点について大臣何かお考えがございましょうか。
○近藤国務大臣 安定局長からいろいろお話をしてございますが、今回の見直しは、繰り返しになりますけれども、積立額と収入額とのバランスの調整をお願いしたいということでございます。釈迦に説法ですが、これを支えているのが労使、そして国でございますから、それぞれその率の引き下げをお願いしたい、こういうことでございます。 これから先どういう状況になるかということにつきましては、これは私、個人的なことを申し上げますと、我が国経済というのは基本的に非常にダイナミックな経済でございますので、今のような労働力不足状況というのは今後とも続くのじゃないか、こういうふうに考えております。その中でいわゆる雇用保険、失業保険の給付がまたかつてみたいに増大するということはむしろ考えにくいのかな、こう思います。 しかし、この雇用保険というものが持ついろんな社会的な役割についてはいろんな御議論がございまして、たびたび局長も申し上げておりますけれども、中央職業安定審議会、雇用審議会とかでいろんな議論があれば、また長期的な雇用政策としていろんなことを政府としても考える。ですから、そういう経済の実勢と同時にこの雇用保険制度に対する社会的ないろんな議論が並行してまいりますと、料率の議論というものも、またそこを考える場合も出てくると思うわけでございます。その点私たちは、景気、経済状況は状況として、この雇用保険制度に対するいろんな議論を多角的に、いろんな方の御意見を承りながら今後検討を続けてまいってそれなりに適応してまいりたい、対応してまいりたい、こういうことでございます。
○中村(巖)委員 今回の改正に際しまして、料率等の改定をされるわけでありますけれども、給付そのものの改善という部分においてはほとんどなきに等しい。目玉的におっしゃっているのは、定年後継続雇用の場合の給付を何とかしてあげたいというその部分ぐらいなもので、ほかにはないわけであります。給付体系が五十九年改正でああいう形になったわけでありますけれども、今のままでいいのか、給付水準そのものもこれで十分なのかということになると、まだまだ疑問の余地なしとしないわけです。五十九年に改正したばかりでありますけれども、またそれを何とか手直しする必要性があるんじゃないか、そして全般的に給付水準そのものを上げていく必要があるんじゃないか、こういうふうに私どもは考えております。 これらの給付水準を中心とするところの今の法体系のあり方を抜本的に見直すために、先ほどもちょっと言及がありましたけれども、具体的にどういうふうに労働省は作業をしているのか、その辺のことをお伺いしたい。 と同時に、給付体系が例えば不合理というかおかしいという部分では、例えば一時金ですね、賞与というようなものに対しては給付の対象の中にカウントしていない、ところが、保険料を徴収する場合においてはその一時金部分からも徴収をしている、こういうことになっているわけです。これは末梢的なことで一つの例でありますけれども、そういうことも含めて体系そのものあるいは水準を抜本的に見直すべきだ、こういうことに対して労働省の対応をお伺いしたいと思います。
○若林政府委員 前後いたしますが、後段の方で御指摘がございました賞与を算定の対象として計算しないということにつきましては、五十九年改正のときに、失業給付額の算定に当たりまして賞与等を含んだ総賃金を基礎として失業給付額を算定いたしますと、その額が毎月の手取り賃金や再就職の賃金に比べまして大きくなるということ、それから賞与等の額は業種、企業規模、企業の業績等によって大幅に変動するということなどの問題点があるということで、こういった点を総合的に考慮いたしまして、再就職の促進を図るという制度の趣旨で、今回のような賞与等を除いて毎月の賃金を基礎として計算するということになったわけでございます。 前段の方の御質問でございますが、給付の水準でございますとか給付のあり方、こういったものについて今後どういうような抜本的な審議をしていくのかということでございます。 これにつきましては、先ほど来申し上げておりますように、中央職業安定審議会の雇用保険部会におきまして、この二月二十六日から雇用保険問題をめぐります基本的な問題につきましての審議を始めていただいておるわけでございます。ここにおきましては、五十九年の改正のときも含めまして給付体系のあり方等について御審議をいただく、あるいは三事業と言われるものについての議論あるいは負担のあり方についての議論、こういったもの全体を御議論いただくということになっておるわけでございまして、作業の段取りといたしましては、中央職業安定審議会におきましては平成四年度中に結論包得ることを目標として作業を進める、こういうような形で今作業を進めているところでございます。
○中村(巖)委員 今のお話によりますと、中央職業安定審議会の雇用保険部会の結論というものが平成四年度中に出るんだということになると、またそこで、じゃ今現在審議されているその法律の中身を変えなければならないという問題が出てきて、さっきから当分の間の問題と言っておりますけれども、当分の間といってもそれはほんのわずかに、一年か二年の話になってしまうという可能性があるわけです。 もう一度、その審議会の守備範囲というか、どこまでいくのか、そういう今言うところの国庫補助の問題とか料率の問題とか、その料率の事業主対雇用者の間の比率の問題とか、そういうことにまで及ぶのかどうか、その辺のところはいかがですか。
○若林政府委員 基本的には、中央職業安定審議会の雇用保険部会の議論というのは、できるだけ基本問題について広く深く議論をしようということであるわけでございまして、現在まだその議論のテーマについてどこまで絞るというようなことはいたしていないわけでございます。二月二十六日に第一回が始まったばかりでございますので、どこまでの範囲のテーマが議論の対象となって進められていくのか、それはまだ今後の問題でございます。
○中村(巖)委員 今後と言われればそうなのかもしれませんが、さらにもっと抜本的な問題にまで事が及ぶのかどうか、その審議会での審議が。というのは、いわば今失業給付と三事業という形で雇用保険法が成り立っているわけです。そうしてまた基本的には保険という制度で成り立っているわけです。そういう物の考え方そのものにもメスを入れるということになるのかどうかということですね。新しい制度的なものをこの雇用保険の中に盛り込んでいく、例えば三事業が盛り込まれたように盛り込んでいくというようなこと、さらにはまた、逆に言えば、今一応行われておりますところの三事業なるものが、もうこれはやめてしまうという方向になるとか、そういうような本当の、いわば抜本的というか根本的な制度そのものを変えてしまうようなことまでもその審議会の中で論議をするということになるのかどうか、その辺はいかがですか。
○若林政府委員 私どもの認識といたしまして、現在の我が国の雇用保険制度というものは非常によく整備された制度であるというふうに考えております。もとよりいろいろ問題があることはございますけれども、しかし、基本としてその枠組みというものは、そのときどきの雇用失業情勢に大変機動的に対応できる、そういった制度になっているというふうに私どもは考えております。 したがいまして、もとよりこれは中央職業安定審議会の雇用保険部会での、公労使の各側の委員の方々の御議論を待つべきものでございますから、私どもそれについて何かあらかじめ枠を決めるという考えは毛頭ございませんけれども、私どもといたしましては、基本的に、現在の雇用保険制度の枠組みというのは非常に雇用失業情勢に機動的に対応できる制度だと考えております。しかし、なおいろいろなテーマがあるわけでございますから、そういったテーマを今後の、何と申しますか、これからの十年なりを見通しまして雇用政策というものはどういうふうにあるべきかということを考え、それを、いわば財政という面で雇用保険制度がどういうふうに受付とめていくべきか、こういったところが議論の基本になるのではないだろうかというふうに思っております。
○中村(巖)委員 何というか、雇用保険制度というか失業保険制度というか、そういうものを長い目で見ますると、当初、昭和二十二年ですか失業保険制度というものができたときに、その制度の目指すものは失業した労働者の生活保障、こういう方向でありましたけれども、それが現在、失業保険法が廃止をされて雇用保険法というものが発足をしたその段階で、それは昭和五十年でしたか、何か今度は、失業した労働者の生活救済というよりもどちらかと言えば就職促進だという、こういう方向へ変換をしてきたということだと思うわけです。 それはしかし、その五十年の段階でいろんな論議が確かにあっただろうと思いますけれども、雇用促進の方向を強めるという部分で、それはあながち悪いことであったというふうには思いませんけれども、今や昭和五十年から十七年も経過をしているわけでありますから、その中で今やはり何が必要なんだということ、一つの広い意味での雇用政策の中で何が必要なんだということからもう一度根本的に考え直していくと、今の法体系でいいのかという問題も必ずや起こってくることだろうというふうに思っているわけでございます。 そのためにその一例を申し上げまするならば、例えば、今現在育児休業制度というようなものが発足をいたしております。さらにまた、多くの人たちが介護なり看護の休暇というようなものも制度を法的に創設をすべきではないか、こういうことを言っておるわけでありますけれども、こういうような制度というものも、それは一定の休業でありますから、休業に対する保障というかあるいは手当というか、そういったものが必要とされる、こういう時代になってきているように思われるわけでございます。 したがって、そういうものをこの雇用保険法という名称の法律あるいは制度の中へ盛り込んでいって、それを一体化して、そういうものも実現でき得るような法制度、法体系をつくる必要性があるのではないか、こういうふうに思っておりますけれども、そういうことについても労働省は検討を進めるおつもりがあるのか。雇用保険法という枠組みの中で仮にやるとしたら、そういうことができるのかどうか、その辺はいかがでございましょうか。
○近藤国務大臣 実はもう先生には釈迦に説法でございますが、この雇用保険制度というのは、さしあたっては失業保険制度ということでスタートいたしまして、失業された方々、に対するある程度の所得保障というものが基本で、目的であったわけでございますけれども、ずっと先生からきょうも御議論がございますように、そういった失業保険ということよりも、もう一つ次の段階の雇用保険制度というものを考えるべきじゃないか、こういう御指摘であるわけでございます。 現に、今回も料率の改定をお願いいたしておりますことにもあらわれておりますように、我が国の雇用情勢というのは、石油ショック、それから円高ショックで一時失業が出た、短期間ございましたけれども、これから基本的に労働力不足状況の中で推移していくとなると、単にこの制度を失業保険だけに限定しないで、もうちょっと幅の広い雇用保険といいますか、就業保険とかそういったことまでの展開をするべきじゃないかという御議論もございまして、その中で、まさに育児休業だとか介護休業を取得する労働者に対して、その間の手当、援助も考えてみたらどうだ、こういう御意見だと思うわけであります。 実はこの問題については、先ほど来お話がございますように、中央職業安定審議会雇用保険部会においてこうしたいろいろな問題についての雇用保険制度のあり方について今基本問題の検討をお願いしているところでございまして、こういった問題については、その審議会の御検討の中でいろいろな角度から御議論がなされると考えております。また、育児休業につきましては、婦人少年問題審議会でいろいろ御議論いただくことになっておりますので、こういった審議会の御議論の推移を見守りながら、我々といたしましても、少し知恵を出させていただくといいますか、しかるべき対応をこれから研究させていただきたい、こういうことでございます。 〔永井委員長代理退席、委員長着席〕
○中村(巖)委員 研究していただくのは大変結構でありますけれども、やはり時代の要請というかそういうものがそこまで来ているんだということだろうと思いますので、そういう意味で、本当に何とか早急にそういう休業に対する保障というか給付、こういうようなものが実現をされるように御努力をいただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。 だんだん時間がなくなりますので、次には、今までやってこられた、いうところの三事業という問題についてでございます。 三事業について基本的に労働省としては今成果を上げつつある、というふうにお考えになっておられるのかどうか。三事業のあり方は、例えばいわゆる保険料の問題にいたしましても、これはすべて事業者側の負担の部分の中で行われているということがあって、労働者あるいは労働組合というか、そういうところからも不満があるんだという話も聞きますけれども、そのことを含めて、この三事業についての現在の考え方をお聞かせをいただきたいと思います。
○若林政府委員 雇用三事業におきましては、労働者の福祉の増進を目的といたしまして、失業の予防、雇用状態の是正、雇用機会の増大その他労働者の雇用の安定を図るための雇用安定事業というのをやっております。また、労働者の能力の開発・向上を図るための能力開発事業を進めております。また、労働者の職業生活上の環境の整備改善、就職の援助その他福祉の増進を図るための雇用福祉事業を実施しておりまして、三事業で進めてまいりました。不況時におきます失業予防のための雇用調整助成金制度でございますとか、地域における雇用情勢が悪化した場合におきます地域の雇用開発の助成とか、こういった面で大変大きな役割を果たしてきておると私どもは考えております。 そういった面で、この三事業は非常に機動的にそのときそのときの雇用情勢に対応してきておると思うのでございますけれども、今後なお雇用情勢等の変化を踏まえまして、高齢者問題への対応その他いろいろと検討すべき問題があると思っておりまして、それは雇用保険三事業についても言えることだろうというふうに思うのでございます。したがいまして、雇用保険の三事業につきましても、こうした諸課題に対応いたしますために、そのあり方につきましては、いろいろと検討していくべきものであるというふうに考えております。
○中村(巖)委員 それでは、ちょっと各論的なことを伺いますけれども、今回の改正の中で、定年後における継続雇用の促進に資するため、定年時の賃金と比べて継続雇用終了時の賃金が低い場合には基本手当日額の算定について考えるのだ、こういうふうになっております。法文の上では、雇用保険法の十七条の第三項中の「賃金日額が著しく不当であるとき」というのを「額を賃金日額とすることが適当でないと認められるとき」こういうふうに改めるのだ、こういうことになっているわけで、うたい文句と法文とが必ずしも一致をしていないわけであります。 ただ、こういう法文になりますと、どういうことなのだろうかという解釈がなかなか難しいわけでありまして、例えば定年という言葉はどこにもないわけでありますから、ある企業に勤めておって五十七歳になる、そこから、定年は六十だけれども賃金がダウンしてくる、こういうような場合においても十七条三項を適用し得るのだ、こういうことになるのかどうかということ一つだってわからないわけであります。そしてまた、定年という言葉が暗黙にこの法文中に含まれているのだということになると、定年になって、その同じ企業に引き続き雇用される場合もありましょうし、あるいはまたその企業はやめて、関連企業というかそういうところへ行く場合もありましょうし、全く関連のない他企業へ移ってしまう場合もある。そういうときに一番よかったときの賃金を基本にその日額を決めてもらえるのかどうか、これは私どもはこの法文を読む限り全くわからないわけでありますけれども、その辺の解釈を教えていただきたいと思います。
○日比説明員 今般改正しようとしております十七条三項でございますが、ただいま御指摘ございましたように、法文の変更という点ではそれほど変わっておるわけじゃございませんで、「適当でないと認められるとき」というふうに修正させていただきたいということで今お願いしておるところでございます。 ちょっと長くなって恐縮でございますが、実は現在、賃金日額の計算につきましては、原則的には離職前六カ月の分を百八十で割る、これを原則とします結果、離職前の状況によってはいろいろな不都合が起こることがあるということで、賃金の算定が著しく困難とか一定の場合には現在も特例を設けております。 ところで、今般、法文は法文といたしまして、実際にやらしていただきたいと思っておりますことは、定年に引き続きまして継続雇用されることをいわば促進するために、一般的には定年時の賃金が非常に高く、その後が下がるという状況がございますので、その際、やめた場合には定年時の高いときの賃金を基礎としまして計算し得るようにすれば、定年に引き続いて継続雇用されることが促進されるであろう、それを期待いたしまして、そういう特例を設けたい。そこで法文に戻りますと、従来の法文ではなかなか読みがたいのではないかというようなことでございましたので、いわば幅を広げるというような形になりますが、御提案申し上げたような案が適当であろうと考えさせていただいたところでございます。 なお、実際に、ではどういう場合に特例を適用していくのかという点でございますが、具体的な点は労働大臣にゆだねられるわけでございますが、私どもとしては、ただいま申し上げた定年に引き続く継続雇用の促進に資するという形のものを拾いたいと考えております。ただ、具体的に定年の年齢なりあるいはいろいろな形で、定年と申しましても必ずしも一律でない、各企業さまざまの仕組みもございますので、具体的にどのようにしていくかにつきましては、実はこの法案をお諮りいたしました中央職業安定審議会の方でも御疑問が若干出されておりまして、仮にこの法律案というものを成立させていただきましたならば、その後、施行に先立ちまして審議会として十分検討さしてほしいというお話がございましたので、私ども、仮にこういうことでやらしていただくことになりますれば、関係方面、特に審議会にお諮りしながら、具体的な内容を決めてまいりたいと考えております。
○中村(巖)委員 大変漠としたお答えなんですけれども、端的に言って、労働省としては定年後同一企業に雇用されている、こういうことを念頭に置いておられるので、他企業に移る場合なんというのは念頭にない、こういうことですか。
○日比説明員 原則として申し上げますと、定年に引き続く継続雇用ということで、同一企業ということを念頭に置いております。 ただ、高齢者の雇用対策という観点でさまざまな御意見があるのも承知いたしておりますので、仮にこういうことでやらしていただくことになりますれば、関係方面の御意見等も今後十分にちょうだいいたしたいと考えております。
○中村(巖)委員 とにかく同一企業内にいるのは問題がないとしても、先ほど言ったように、定年は六十なんだけれども五十七歳から賃金がダウンしていくのだというような企業とか、あるいはまた関連企業へ行くとか、そういうものはもとよりのこと、他企業へ移ってみても、殊に中小企業の方々というのは関連企業もなければ、あるいはその企業の中にさらにいられる可能性も少ない。だからどこかの企業へ、とにかく定年になった翌日からよその企業へ勤める、それで賃金がダウンするのだ、こういうことは間々起こり得るわけですよ。そういう場合に対処できないということであれば、中小企業その他で働く人等にとっては大変不都合じゃないかなというふうに思うわけで、その辺のことを今後十分に検討していただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。 最後に、もう時間がなくなりましたから、給付制限の関係でございますけれども、給付制限というのは大変に評判が悪いというか、ほかの国でも給付制限はあるのかもしれませんが、今余りにも長過ぎるのじゃないか、こういう批判がある。 自己都合で退職したら三カ月も待たされるという話はこの時代にないじゃないか。それだったら、結局三カ月待たされるのなら自分の気に染まない企業にでも再就職しなければしようがなくなってしまう、こういうようなことになっているわけですけれども、この給付制限について見直しをする必要はないのか。 あるいはまた、自己都合退職というものを、自己都合退職といったっていろいろあるわけですから、例えば一定の企業に勤めていたけれども人間関係がうまくいかないからやめたいということで、いわば泣く泣くやめてしまったような場合もあり得るわけで、そういう場合においても、おまえは自己都合でやめたのだからとにかく三カ月待ちなさい、これではちょっとひど過ぎるのじゃないかなということで、その認定基準を含めてその辺を見直す必要はないのか、このことをお伺いをしたいと思います。
○若林政府委員 給付制限の問題につきましては五十九年改正時におきましてもいろいろ御議論があったわけでございますけれども、若い方々を中心として離職というようなことを考えられます。ときには十分慎重に対応していただきたい、そういったことで安易な離職の防止といった観点から制度改正が行われたわけでございます。 そのことは今日におきましても妥当することであると私どもは考えておりますが、一方で、ただいま先生御指摘ございましたように、離職というものはいわば安心して求職活動ができると申しますか、そういったことも必要でございまして、正当な理由のある自己都合退職というものの運用につきましては、その時代時代におきます情勢というものでいろいろテーマが出てくると思うわけでありますけれども、こういったものを運用正しきを得て進めていくべきであるというふうに思っております。 いずれにいたしましても、この問題は五十九年の改正にかかわる問題でございまして、中央職業安定審議会の雇用保険部会におきましては、五十九年の改正の問題も含めて給付体系のあり方などについて議論をするということでございますから、そういった点についてもいろいろと御議論があるものというふうに考えられます。私どもといたしましては当分そういった御議論を見守らせていただきたいというふうに考えております。
○中村(巖)委員 終わります。
○川崎委員長 金子満広君。
○金子(満)委員 前置きは抜きにして、率直に質問させていただきます。 今度の法改正は、その中には部分的に若干の改善という点は見られます。しかし、最大の問題というのは、雇用保険の失業給付にかかわる収支状況が黒字になった、黒字基調になっているから国庫負担を削減するということが一番大きな問題だ。これはつまり制度上の改定になる、したがって制度上の改悪だと言わざるを得ない、こういうふうに私は思うのですね。確かに黒字になったのは失業者が減ったということが大きな原因の一つにあると思うのです。しかし、もう一つは給付の改善に意欲的でなかった面もあるだろう。むしろ、逆に給付制限ということで浮いたという点も黒字要因の一つの問題であろうと思うのですね。また、パート労働者とか派遣労働者を雇用保険から除いているというような問題もあると思います。 そこで伺いたいのは、雇用保険の収支状況が確かに黒字だ、これは前からわかっていたと思うのです。それで、昨年の夏の来年度予算の概算要求の時点ではこれの法改正はなかった、そして予算編成の過程で急に浮上してきたのが今度の法改正だと私は思います。そうしますと、去年の夏はなかったのだがその後で考えだというのは、この法改正の真の目的というのが、実は給付の改善のために法改正をするのでなくて、国庫負担の削減そのものにあったのではないかとすら思えるのですが、この点どうですか。
○若林政府委員 私ども、毎年この雇用保険制度の予算編成というものをいたします際に、八月の概算要求の時点でございますけれどもそこで予算要求をいたしますが、その後の雇用失業情勢というもの、例えば四月から九月くらいの情勢を十月に把握いたしまして、こういったものを考えまして最終的な案をつくるというような作業を進めておるわけでございます。 また、今回の雇用保険の財政状況の把握につきましては、平成二年度の決算が最終的にわかるという段階での判断が必要でございました。私ども、もとより雇用保険財政が好転してきているということは承知いたしておったわけでございますけれども、雇用保険の積立金が保険料徴収額に比しまして二倍を超すかどうか、これはこれまで二倍というところに達したことはないわけでございまして、今回それがその水準に行くかどうかというのが一つの私どもとしての見きわめなければならない問題でございました。 こういったような諸要因を見きわめまして、十一月二十七日に中央職業安定審議会に提案をさせていただいたということが経緯でございます。
○金子(満)委員 確かに財政上の問題というのは重要な問題であり、これを軽視することはできないですね。しかし、同時に雇用保険というのは、その制度自身をどう維持するかだけじゃなくて、どう改善し、そして発展させるかというところに大きな重点を置かなければならぬと私は思います。 今度の法改正がやられれば、その結果どうなるか。確かに国庫負担は減るわけですけれども、戦後の歴史上、経過的に見ますと、戦後の失業保険のあの時代には国庫負担は三分の一でした。それが一九六〇年、昭和三十五年の改正で四分の一になった。そして今度は、一年置いて二年後には五分の一になるわけですね。三分の一、四分の一、五分の一という激減になるわけですよ。 こういうようなことを考えたときに、確かに黒字黒字で、黒字が基調であることはそうだ。それは極端に言うと、保険料で取るものは取るけれども出すものはできるだけ制限をする。だから、ここで今大きな問題は給付の改善だと思うのです。これは労働組合ならずとも、多くの識者の間からも学者、文化人の間からも給付改善の問題は出ている。私は、こういう黒字になったこのときこそやはり給付の根本的な改善について手を打つべきだろう、こういうふうに思うのです。国庫負担の削減は給付を削減する、そうすると確かに黒字になるのですね。しかし、そこのところに力を入れ過ぎて給付改善の方はやや消極的だ、こういうように言わざるを得ないですね。 労働省当局も、今いろいろな方面から雇用保険の基本にかかわる給付の改善についての要望、要請、要求が出ていることは知っていると思うのです。給付の問題については現状でよろしい、改善する必要はない、あるいは改善する必要があればどこから手をつけるか、ここのところを考えているかいないか、現段階でそこの点に端的に触れてくれませんか。
○若林政府委員 五十九年の改正というものは、御承知のとおり当時受給者実人員が大変にふえておりまして、この問題をどうするかということでございました。そしてそれは、いろいろ分析をいたしまして、高齢化の進展、女性の方々の社会進出あるいは若い方を中心とした離職問題、こういったところにある。これもある意味では構造的な問題でございますけれども、こういった構造的な問題についてどういうふうに対処し、そして効率的な雇用保険制度の運営をしていくかということで五十九年の改正がなされたわけでございまして、私どもは、その改正の意味というものは今日においても変わりはないというふうに考えておるところでございます。 したがいまして、今回の保険料率の引き下げ、国庫負担の削減に当たりましても、これは一定の給付改善というものを行わせていただいておりますけれども、基本的にはこれまでの給付水準、給付体系を維持していくということで進めさせていただいておるわけでございます。 もとより雇用保険をめぐるいろいろな問題がございます。その中には、五十九年の改正も含めましてこの給付の体系のあり方についてどうしていくか、あるいは三事業のあり方についてどういうふうにしていくか、あるいはこの負担の問題についてどうしていくか、こういったような基本的な問題があるわけでございまして、これは雇用保険部会におきましても既に指摘されている問題でございます。現在、本年の二月二十六日から、雇用保険部会におきましてこういった問題につきまして御議論が始められているわけでございます。この雇用保険部会におきましては、ある意味では広く深く雇用保険制度の基本的な問題について御議論をいただく、こういうことになっております。
○金子(満)委員 受給者がふえるということは好ましい状況でないことはこれは当然ですよ、少ないにこしたことはないのですから。しかし、それは労働者の責任とか使用者だけの責任とか社会が悪いんだという他人事のようなことを言っているわけにいかないわけですね。 これは労働省の職業安定局が去年の八月十五日に出した「雇用保険法」というものですけれども、そこの第一章第一節の最初のところには労働者は、常に失業による生活の危機に直面することを余儀なくされているこれはそのとおりであります。次に「失業」という現象は、個々の使用者又は個々の労働者の責任の範囲を超えた政治的、経済的、社会的な諸要因、換言すれば、ある程度まで他動的な不可避な要因により発生するものであり、もはや個々の使用者、労働者のみの問題ではなくなって、さらに高度の国家的な課題として考慮されるべき性格を有しているからである。 こうして、失業した労働者の生活の安定を図ることは、個人的な問題として放置すべきものでないことはもちろんのこと、総体としての労働者又は使用者のみにその責任を課すべき問題でもなく、国家的課題として、労働者、使用者及び国家がそれぞれの立場で責任を負担し、その連帯の力によって解決すべき課題であるということが認識されるに至る。こういうようにあるわけです。そこで、受給者を減らすというときに、雇用をふやすということより先に減らすためには、自己都合による退職、これをどうするかという問題が五十九年のときに提起されたと思うのです。それで、ここで新たに給付制限が行われた。それまでは普通一カ月だったのが三カ月まで延びたわけですね。 そういう結果になるとどうかという問題でありますけれども、これは当時議論されましたが、「被保険者が自己の責めに帰すべき重大な理由によって解雇され、又は正当な理由がなく自己の都合によって退職した場合」の給付制限だ、申し上げたとおりになったのですが、その後労働省は業務取扱要領というのを出しました。これには「「正当な理由がない自己の都合による退職」として給付制限を行う場合の認定基準」というのがあります。これは実に膨大で、この場合は自己都合の退職ではないということが書いてあります。しかも、何と二十一項目、七十の細目にわたってずらっと書いてあるのですね。確かにこれをやってから五十九年以後、給付制限の対象となる自己都合退職者というのがずっと数えられると思うのです。私は全国の職安の窓口トラブルにもかなりこれはあると思うのです。 こういうような状況の中で結論的に言えるのは、受給者を犠牲にして国の負担を減らしたと言われても仕方がない面があると思うのです。確かに受給者は減ってくるのですから、国の負担は自動的にもちろん減るのですね。ですから、これが黒字の一つの要因にもなっておると思うのです。 若年労働者の離職、転職が近年非常に多くなっている、これは労働省のいろいろの調査の結果にも出ていると思うのです。そういう中で、若年労働者の離職、転職の理由の中で多いのは、自分に仕事が合っていない、給与が最初のときと違う、労働条件が悪い、休日がない、時間外労働が非常に多いということもこの中には当然あるわけですね。 そして、これは去年の「労働経済の分析」の労働省の資料の中にあります「学歴別にみた離職率」というものですが、これも職業安定局の調査ですけれども、これによると「新規学卒者の学校卒業三年後の離職率を学歴別にみるとこというので、六十二年三月卒では、中卒が六四・五、高卒四六・二、短大卒三八・四、大卒二八・四、こういう数字が出ています。その離職の理由で一番多いのが、仕事が自分に合わない、二番目が賃金に不満、三番目が労働時間・休日等の労働条件が合わない、こういうときに、自己のいろいろの希望、それから性格、そういうものに合った仕事を探すということが最大の問題だと思うのです。 それで、一カ月だから早くしなければ生活できないというのでちょろちょろ仕事につくと、しょっちゅうかわらなければならないのです。ですから、当然のことであるけれども、これは極端に裕福でなく、ある程度安定した状況の中で長く働くことのできる職場を探すためには、一カ月ではだめなんです。これはもう多くの統計や多くの人々の意見でわかり切っているのです。ここのところを改善しなければならない。 ところが、そこで給付制限をやるわけです。私は、ここのところでこの給付制限はもとに戻す、もっと積極的に言えばなくすというくらいのことをしなければ、この時期にちょうど黒字になってそういう黒字基調というのが続いているんだから、こういうときにこそ、国庫負担を削減するのじゃなくてそういう点の改善に向けるべきだ、こういうことを考えるのですが、その点改善の余地はないのですか。
○若林政府委員 若い方々の離転職の傾向でございますけれども、近年、職業意識の変化ですとか、あるいは労働力需給の引き締まりの基調等を背景といたしまして、若年者を中心に離転職の傾向が増加していることは御指摘のとおりでございます。そしてまた、その若い方々の離転職の理由を聞きますと、やはり仕事が合っていないということを言われるケースが大変多いわけでございます。やはり離転職の中には適職を探索していくという積極的、計画的なことはあると思いますけれども、一般的には頻繁な、言葉が適当かどうかわかりませんが安易な離転職を繰り返す、そういうことによって、労働条件とか職業生活を確立していく面であるいはマイナスになっていくというケースも間々見られるわけでございます。 私どもはこういう若い方々の選職の問題、これはやはりできるだけ早い時期からのそういった職業意識、職業の問題について思いを深めると申しますか、そういったことが学校等において必要である、または、もとより職業安定機関におきましてもそういったようなお手伝いをできる限りやっていくということが必要なわけでございまして、まさにそういう職業意識というものについての若い方の認識を深めていただくということが何よりも大事だろうというふうに思うのでございます。 そして、一たび就職をされました場合に、安易に離職をするのではなくて、十分によく考えて、次はどういうところがいいのだろうかということを十分に考えた上での離職でございませんと、結局また同じような離職を繰り返すということになるわけでございます。そこがまさにポイントだろうと思います。 給付制限が三カ月ということでございますけれども、そういうことによって安易な離職の防止、再就職の促進というものを図っていくという意味でこの制度は機能しているというふうに考えておるのでございます。
○金子(満)委員 そういう点で、離職、転職、適職、こういう言葉が最近流行するわけですよ。だから、離職しっ放しだったらこれは生活できないのですね。転職する、この転職で転々とするわけですよ。だから、ここのところで適職という問題が今大きくアップしてきているのですね。 労働行政の中でいえば、職業安定というところにうんと力点があるわけでしょう。安定した職業ということになると、その人に愚した仕事を見つけるための行政でなければいけない。ですから、全国の職安の出先はそこのところに行政の中心を置かなければならぬ。相手は焦るわけですよ、仕事が自分に合わないのだから。焦るときに相談に来るといらいらするのがいつまでも続くわけですよ、三月間だめなんだから。こういうときにこそ思い切って決断をするのが労働行政だと私は思うのですね。そこのところがないために、繰り返しますけれども、職安においてもそうだし、それから家庭においても地域においても不満がどんどん爆発するわけですよ。日がたてばたつほどいらいらが出てくるのですね。 こういう中で、私は今のこの給付制限というものはぜひ改善をしてほしい。黒字であるのだからなすべきときは今だ、こういうふうに思うのです。 そこで、次に関連なのですが、午前中の質問の中でも保険料と給付の問題でボーナスの問題が出ました。これは八四年のときにも大変議論になっております。保険料はボーナスからも徴収するのです。給付のときの算定基準にはボーナスは入らない。これで、保険料は取って給付のときに渡さないというその差額は約二割になると思うのです。八四年のときもこれは当時の社労で大変議論になりまして、約二割というのはだれも否定していないのですよ。そうして、私は思うのですが、ボーナスというのは確かにいろいろの点で変動がある、基本給ではないのだから。変動があるのだったら保険料は取らない方がいいと思うのですよ。取るものは取って出すときに出さなければ、これは黒字になってしまうし、そしてまたその点で出さないのだから、出す相当額に一定の比率で国庫負担がくっついて回るわけですから、これがまた減るわけです。 ですから、私はそういう点でボーナスには保険料を掛けるべきでないと思うのですが、そういう点は検討されたことはあるのですか。
○若林政府委員 ただいま御指摘の点は五十九年の改正の議論のときにも出ていた議論でございました。そのときに私どもが申し上げましたことは、結局は保険料の問題でございますから、保険料率をどうするかという問題になるわけでございまして、保険料率を上げるかあるいは対象を下げるかというような議論でございます。何が一番合理的であるかということであろうかと存じます。そして、概して申し上げますれば、一般の中小零細企業と言えるところはボーナスの額も低いところでございましょうし、そういったことを考えますと、やはり現行の制度のように徴収をいたしますときにはボーナスを入れるということが総合的に考えますとよりよいのではないか、こういうことをそのときも御答弁申し上げたわけでございます。
○金子(満)委員 それは取る方の側の論理で、多ければいいという形でボーナスを入れるのは当然だと思うのです。しかし、取っておきながらそれは給付するときの算定の基礎にはいたしませんよ、基本給の方だけですよ。また、そこでボーナスは給与に相当するのかしないのか、何にするのか、そういうごたごたした議論もかつてはやったような記録を私は見ました。そういう点で、給付の算定基礎にならないんだったら取るべきでない、これが道理だと私は思うのです。これは私の意見ですから申し述べておきます。 その次に、育児休業の問題とその保障をどうしていくかという関連について考え方を伺いたいのです。 四月一日から育児休業法が施行されるわけですけれども、休業は法律でこれこれの形でできますと、これは保障したわけです。では休業中の財政的な裏づけ、生活上のいろいろの裏づけが保障されているかといえば、それはないのです。よきに計らえ、こういうことになると思うのです。そして、育児ですから出産がついて回りますけれども、出産、育児というのは一体のものなんですね。一体のものとして諸外国、欧米はもちろんその他の国でも考えている。これはもう常識になっていると思うのです。多くの国が一定の給与または給付を行っています。日本はそこはないのです。 育児休業の問題などで諸外国の中で、例えばスウェーデンの両親保険というのがあります。国民保険法第四章両親手当給付の第一条に「両親手当給付は、子どもが、この国に居住する場合にのみ、子どもの世話のために支給する。」ということであり、第三条で「子どもの出生を理由とする両親手当は、両親合計で最高四五〇日間支給する。」四百五十日といえば一年三カ月ちょっとになりますか、さらに、二番目以降の子供さんの場合には「さらに一八〇日間の両親手当を支給する。」第六条で「完全な両親手当は、最低一日につき六〇クローナ支給する。」六十クローナというのはどうかときょう聞いてみましたら、一クローナはおとといの時点で二十二円五十一銭ということになります。二十二円五十一銭で一日六十クローナで計算をいたしますと約千三百五十円になります。一日千三百五十円ですから、一カ月三十日にしますと四万五百円、これが両親手当という形でスウェーデンでは支給しているんですね。 そうしますと、今度育児休業法ができた、労働省の管轄でやりました、これは積極的な一つの前進面があるわけです。当然裏づけというのはだれでも求めてくるし、多くの労働組合が育児休業中の給与、給付、何がしかの保障をしてくれというのはもう一致した要求なんです。ですから私は、そういう点で、いろいろな方法はあるけれども一部国庫負担をしなければだめだ、その中の一部は国庫負担すべきである、こういうときにこそ、雇用保険の問題もありますから、黒字問題もあるから何か考えられることはないのかと思うのですが、ああ、それは給与はないんです、もう財政的なあるいは物質的な裏づけ、そういうものは関係ありません、このままずっと続けてくださいということを労働省当局は考えているのか。しかし、諸外国から見て道理はあるし、それは多くの人々の願いでもあるから何とかしなければならぬ。それはこんなぐあいでこういうような手だてを踏んでやると言うのかどうなのか、その辺の考え方はどうなんでしょう。
○若林政府委員 育児休業等を取得する労働者に対します経済的な援助の問題につきましては、さまざまな御意見があることは私どもも認識をいたしておるわけでございますが、現行の雇用保険制度におきましては、労働者が失業した場合にその生活の安定を図るために給付を行うことになっておるわけでございまして、徴収している保険料もそういったことに充てるという前提で徴収しているわけでございまして、その財源で休業という失業でない事態に対してまで所得保障を行うということは難しいというふうに考えております。 いずれにいたしましても、雇用保険制度に関します基本問題につきまして、現在、中央職業安定審議会の場で検討が始められているわけでございますので、ただいま御指摘の問題につきましてもいろいろ議論はなされるのではないだろうかというふうに思っております。
○金子(満)委員 確かに雇用保険法ではそうなのだけれども、法律というのは永久不変のものじゃないのですね。必要があれば変えればいいので、それを悪い方へ変えるから反対で、いい方へ変えるのだったら大いにやるべきだ。今のままで何らの裏づけがなくていいということを考えている人はいないと思うのです。それを他人事のように答弁しないで、私は、改善はやるべきだしいろいろなことをしていかなければならぬ、それが労働省としても必要だということにならないと、問題は前向きにならないで事なかれ主義で終わるのではないかと思います。 その点で、育児休業の場合でも裏づけ、つまり生活上の保障を何らかの形ですることをひとつ検討してもらいたい、そういうことを言って、最後に一言申し上げたいのです。 確かに国庫負担の削減という問題は大きな問題だ、これは制度上の改悪だ、後退だということを申し上げましたが、一九六〇年、昭和三十五年に国庫負担三分の一が四分の一に変わるときの議事録を私も見ました。最後の段階で、社会労働委員会三十五年三月十七日、この中でこの改悪に反対してこういう討論が行われています。「ごく部分的な前進と見られる部分があるけれども、しかしながら総体において、国庫負担を三分の一から四分の一に下げるというような重大な改悪を考えている。国庫負担があってこそ失業保険の本則に従った拡大ができるのに、そのような国庫負担を今遮断するというようなことは、政府や自民党が考えている福祉国家の創設あるいは社会保障の拡充という公約からは全然逆な方向である。」当時複数の、日本社会党及び民主社会党が共同で出した修正案を含めた討論の中でこういうことが言われています。私は非常に含蓄のあることだと思うのですね。 そういう意味で、いろいろ経済大国ということも言われる、しかし生活は小国だとも言われ、福祉の関係はなお細いのじゃないかとも言われる中で生活大国を目指すということであれば、私はこういうことにこそ力を注いで、今経済は世界第二と言われるのですから、今度はこういう雇用保険の問題あるいは育児休業の問題その他でも、欧米諸国、それ以外の大陸の国々にも劣らないだけのものを、経済大国と言われる日本でこうやりましたと言うことができるくらいにひとつやってほしいと思うのです。大臣に一言伺って私の質問を終わります。
○近藤国務大臣 たびたび申し上げておりますように、今回の雇用保険法の改正は、雇用保険の収支状況を踏まえまして労使そして国を含めての負担の調整をお願いいたしたい、こういうことでございますので、ぜひ御理解をいただきたいと思うわけでございます。 同時に、先生から御指摘ございましたいろいろなこと、育児休業、介護休業その他については、中央職業安定審議会での雇用保険部会やその他いろいろな国や労働省などの審議会、研究会でも研究をさせていただいておりますし、また、いろいろな立場の方々からの御意見もございますので、そういったいろいろな御意見を十分に拝聴させていただきまして、新しい要請に対していかに雇用保険制度が適応できるか、また、労働政策一般として政策や体制、制度がどう対応するか、これは真剣に積極的に検討させていただきたいと考えております。
○川崎委員長 伊藤英成君。
○伊藤(英)委員 まず、失業給付についての雇用保険率及び国庫負担割合の引き下げに関してお伺いをいたします。 近年の失業給付の収支を見ますと、昭和六十年度に約二千四百億円の積立金の増加を見て以来、その積立金は毎年拡大をしてきております。特に平成二年度は保険料総額のおよそ半分に当たります七千八百三十四億円の積立金を計上するに至っているわけであります。この要因としては、本質的にはここ数年間の人手不足を基調とする経済社会の動向が挙げられると思うわけでありますけれども、まず、今後の雇用失業情勢についての見通しについて伺います。
○若林政府委員 雇用失業情勢でございますけれども、現時点での雇用失業情勢を見ますと、最近の景気の動向を反映いたしまして求人が減少いたしておりますので、有効求人倍率は徐々に下がっておるわけでございますけれども、一月で一・二八倍ということでございますので依然として高い水準にございます。また、雇用者数も増加を続けておりますし、失業率も低い水準でございまして、労働力需給は引き続き引き締まり基調であるというふうに認識をいたしております。 今後につきましても、依然として中小企業を中心に労働力不足感が見られますので、当面、労働力需給の引き締まり基調には大きな変化はないというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、景気の減速感が広がっておりますために、業種でございますとか地域の雇用動向は十分に見守っていかなければならない、注視していかなければならない、こういうふうに思っております。
○伊藤(英)委員 雇用保険制度の問題を考えるときには、二つの側面から見なければならぬと思いますね。まず第一は、今も尋ねましたけれども、雇用失業情勢の明確な見通しがどうかということであり、もう一つの側面は、社会保障の面から考えてどうあるべきかというふうに考えなければならぬと思うのです。 その二つの側面から十分に検討がなされて、そして今回の雇用保険料率及び国庫負担率の引き下げが決定したのだろうか、こういうふうに私は実は疑問を持つのですね。いわばただ単に積立金が大きくなったために見直しかされただけではないのだろうか、本来の社会保障の観点での検討は十分されていないのじゃないか、こういうふうに思うのですが、この点についてどのような見解を持ちますか。
○若林政府委員 最近の雇用失業情勢等を反映いたしまして、雇用保険の失業給付の収支状況が大変好転をしてまいっておるわけでございまして、平成二年度の決算では、先生御承知のとおり積立金の規模が徴収保険料額の二倍を上回るに至ったわけでございますし、この大幅な黒字基調は今後も続くというふうに私どもは認識をいたしておるわけでございます。したがいまして、このままで推移をいたしますと、大幅黒字が続きまして積立金がさらに上積みされていくという情勢にあるわけでございます。雇用保険法におきましては、積立金の上限が徴収保険料額の二倍というところが積立金のいわば目標となっているわけでございますけれども、初めてその二倍を上回るというような財政状況になったわけでございます。したがいまして、これをこのままにしておくことはやはり大きな問題でございますので、まず、当分の間の措置、暫定措置として保険料率の引き下げを行わせていただく。あわせて、それに見合う国庫負担、これはいわば国民の税金でございますけれども、その分の負担も軽減するということにいたしたわけでございます。 ただいま先生御指摘の社会保障的な観点、言いかえれば今後の雇用保険制度というものをどういうふうに持っていくか、あるいは雇用政策との関係で雇用保険制度をどういうふうに運営していくかということであるわけでございますけれども、これにつきましてはいろいろな問題点が指摘されておるわけでございまして、この点につきましては、中央職業安定審議会の雇用保険部会において既に御審議をいただいておるところでございます。この雇用保険部会の御審議におきましてただいま先生御指摘のような点についていろいろと御議論が進められていくものというふうに私どもは考えております。
○伊藤(英)委員 国庫負担の割合が、たとえそれが暫定的なことだとはいいながらも四分の一から五分の一に低くなるということは、これは当然福祉の後退ということになるわけですね。そういうことになる。したがって、これは保険料率の引き下げとはそもそも次元の違うものでありますね。そういうことであります。だから、そういう意味からしますと、働く人の立場からみればこれは極めて重大な問題だと考えなきゃならぬということだと思うのです。 今局長は中央職業安定審議会でも議論をしていると言われたのですが、今申し上げたように福祉の後退になるんだよというような意味で、一体この審議会ではどんな議論がされてきたんでしょうか。
○若林政府委員 今回の雇用保険制度の改正に当たりましては、平成三年十一月に中央職業安定審議会に検討をお願いいたしまして、雇用保険部会において検討が行われまして、十二月に部会報告が中央職業安定審議会に提出されたわけでございます。 この部会報告におきましては、国庫負担率の引き下げにつきましては、労働側委員は、福祉の水準の確保の観点から十分慎重に対処すべきであるという見解でございました。また、使用者側委員からは、将来における福祉水準の低下を招かないように国として一層の努力をすべきものであるという見解が示されたわけでございまして、こういった労使の見解が示されました上で「当面の対応としては、大筋として労働省案に沿って今後の手続きが進められることはやむを得ないものと考える。」こういう部会としての考え方が示されまして、中央職業安定審議会におきましてもその旨了承をされたわけでございまして、この国庫負担率の引き下げにつきましてはそういった議論経過がございました。
○伊藤(英)委員 この暫定期間中に雇用失業情勢がもしも悪化するような場合には、過去の労使負担による積立金で不足を補うこととなって、単年度では影響は小さいんでしょうけれども中長期的にはかなりの影響を与えることになると思うんですね。したがって、これからその時点までの失業情勢も踏まえて労使の負担を増加させない形でこの雇用保険制度の見直しを行っていく必要があると思うんですね。 そういう意味で、今回の暫定措置について近い将来再検討を行う旨の規定を設ける必要があると思いますけれども、いかがですか。
○近藤国務大臣 今回の措置は、たびたびお話をしておりますように、近年の雇用保険の失業給付にかかわる収支状況を踏まえ、今後当分の間費用負担の軽減を図ることとしたものでございまして、今後失業給付の収支状況の変化または雇用保険制度のあり方に関する検討に伴い見直しの必要が生じた場合については、改めて対応することになります。 なお、雇用保険制度については、現在、中央職業安定審議会雇用保険部会の場で制度のあり方に関する基本問題について検討が開始されたところでございますので、その検討の状況も十分あわせて見きわめていきたいと考えております。
○伊藤(英)委員 この雇用保険制度のあり方に関する基本問題についてでありますけれども、雇用保険制度は、昭和五十年に失業保険制度から現行制度に移行いたしまして、雇用保険の三事業が加わるなどの制度の拡大が行われてきたわけであります。今日の経済社会情勢を見て現行制度のあり方を考えてみると、労働者の雇用の安定的な継続を図るために、育児休業とか介護休業などで休業をやむなくされる労働者について、一定の休業給付を行う制度を創設する時期に今もう来ているのではないか、こういうふうに思うのですが、それについての考え方、そしてまたこの問題についてのこれまでの検討状況をお伺いをいたします。 たしか去年の春だったと思うのですが、新聞報道によりますと、労働省の中でもこの問題について新しい制度をつくろうということも報じられたりした経緯もあると思うのですが、こうした検討状況についてもお伺いをいたします。
○近藤国務大臣 実は先生、現在の雇用保険制度はもともとは失業保険制度ということでスタートしたわけでございますので、そうした失業保険制度としては大変よく機能してその役割を果たしてまいった、かように私は考えておるわけでございますが、これからの雇用政策の非常に大きな眼目は、まさに職場と家庭生活をどういうように調和していくか、こういうような問題でありまして、こういう問題にこれから私ども全力を挙げて取り組んでまいりたい。そのため、既に御案内のように、育児休業制度がいよいよスタートするわけでございますし、介護休業制度につきましても、一般の普及の状況を見ながら今後どういうふうにしていこうかある程度検討して、ガイドラインを示してそれに従っていただくというようなこともやっていきたい、こういうことでございます。 そこで、こういった問題どこの雇用保険制度をどういうふうに関係づけるかという問題も当然議論になるわけでございますので、この問題につきましては、中央職業安定審議会雇用保険部会において雇用保険制度のあり方に関する基本問題ということで検討が今始められたところでございますので、いろいろ今申し上げたこと、先生の問題意識等を十分踏まえながら多面的な議論が行われると私たちは考えております。 また、育児休業でございますが、いよいよ四月から始まるわけでございますが、この育児休業を取得する労働者に対する経済的援助の問題に関しては、婦人少年問題審議会で御議論いただくことになっていると承知しておりまして、こういった審議会のいろんな御意見、御議論というものを私ども慎重、真剣に見守りながら、これからの対応についていろいろ考えさせていただきたいと考えております。
○伊藤(英)委員 この雇用保険制度は、昭和五十九年に、当時の失業給付受給者の増加やら雇用保険財政の悪化などを背景にして、給付制限期間の延長あるいは所定給付日数の変更、給付水準の見直し等が行われたわけでありますが、今日の財政状況から見て、その失業給付の改善に関し全面的に見直しをすべきではないかということであります。 そこで、今回の改正内容を見ますと、一部では改善はされているものもあるわけでありますけれども、なかなか十分とは言えないということであります。 一般休職者給付に関して幾つか申し上げたいのですが、例えば一つには、基本手当日額の算定における賞与除外の問題というのもある。二つ目には、休職者給付の支給日数の合理性の問題ということもある。三つ目には、災害時における延長給付の問題ということもまだ改善はされておりません。また四番目には、雇用保険三事業の雇用安定事業等に関する給付の効率性ということについても問題がある。それからさらに五番目には、船員について、海上と陸上の勤務を反復する就労に対応するために船員保険との通算制度の導入に関する問題等々についても、これは改善あるいは見直しをされていない、このように思うのですね。 これらの問題についてどのようにするのか、そしてこの平成四年度中にでも結論を得るべきではないか、こう考えるのですが、いかがですか。
○若林政府委員 ただいま先生御指摘になりました項目は、いずれも雇用保険制度という点では基本的な問題であるわけでございます。こういったような雇用保険制度の給付の体系等に関します基本的な問題につきましては、中央職業安定審議会の雇用保険部会でいろいろ御議論をいただくことになるわけでございますので、ただいま御指摘のようなテーマにつきましても、こういった場で議論が進められるものというふうに私どもは考えております。 この中央職業安定審議会の雇用保険部会の議論は、平成四年度中にその報告の取りまとめを行うということが目標とされておるわけでございますので、今後そういったようなスケジュールで審議が進められていくというふうに考えております。
○伊藤(英)委員 次に、パートタイム労働者の対策について伺いたいのです。 総合的なパートタイム労働者対策の一環として、雇用保険制度においても平成元年の法改正でパートタイム労働者に対する適用拡大の措置がなされたわけですね。その施行後、この拡大適用の状況は実際にはどうなっているでしょうか。
○日比説明員 パートの件でございますが、平成元年の法律改正、これが施行されたのが平成元年十月一日でございますが、それから数年たちまして、本年一月末時点でございますが、新たに短時間労働被保険者ということで被保険者になった方が約二十八万人でございます。なお、昨年の同じく一月末時点で約十九万人でございましたので、この一年間で五〇%ほどふえたという形になっております。
○伊藤(英)委員 前回の改正で、短時間労働被保険者に係る規定について、法律の施行後適当な時期において、施行状況を勘案して必要があると認められるときは、検討を加え、必要な措置を講じる旨の修正がなされたわけでありますが、現在はそういう修正の時期にあると思われませんか。
○日比説明員 法律の施行後、現在二年半たったところでございます。それから、短時間労働被保険者の場合には、受給資格を得るのに被保険者資格を取得してから最低でも一年かかるというようなことでございまして、最も早く受給者があらわれたのがおおよそ一年半前、さらに受給者実人員の動きを見ますと、本年一月時点で受給者の実人員が約二千五百人ということでございまして、受給者実人員が千人を超しましたのが昨年の五月でございます。したがいまして、私どもといたしましては、受給者実人員というものがもう少し伸びるといいますか、被保険者数に比した数でももう少しウエートを占めるというような時期まで施行状況をよく見守る必要があるのではなかろうかと思っております。 ただ、いずれにいたしましても、先ほど来局長から御答弁さしていただいておりますが、いろいろな基本問題というものを検討するということになりますと、当然この問題につきましても御議論が及ぶものと思っております。
○伊藤(英)委員 パートタイムの労働者については、雇用が非常に不安定で賃金も低くなりがちであるから、その処遇及び労働条件等の問題が今までもずっと指摘されてきたわけでありますね。 民社党も先般、他の野党三党と共同でパートタイム労働法案を提出いたしました。きょう趣旨説明も行われるわけでありますけれども、前回の法改正の際の附帯決議の中に「近年著しく増加しているパー小タイム労働者等については、雇用の安定、労働条件の確保を図るため、法的整備を含め必要な措置について検討すること。」と、こういうふうにされておりますが、その後の検討状況を伺いたいと思います。
○松原政府委員 パートタイム労働者の問題につきましては、今先生御指摘の附帯決議の趣旨をも踏まえまして、私ども平成元年六月に、パートタイム労働者の労働条件を明確化するとか適正化する、雇用管理を適正化するという観点から、パートタイム労働指針を定めました。この周知徹底を図りますとともに、パートバンクですとかパートサテライトの設置などを進めておりますし、さらに公共職業訓練施設におきまして、パートタイム労働者に対する職業能力開発機会の提供を積極的にやっていくというようなことをやってきているわけでございます。 それからまた、平成二年には中小企業退職金共済法を改正いたしまして、パートタイム労働者向けに特例掛金月額の新設なども行いまして、その周知並びに普及促進を進めているというところでございます。今後ともこれらの施策をさらに積極的に推進してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○伊藤(英)委員 パート労働法の問題につきましては、きょうも趣旨説明が行われるわけでありますけれども、事の重大性を考えて、ぜひ誠意を持って対応していただきたい、こういうふうにお願いをしておきます。 それから最後に、高齢者雇用の問題について伺います。 最近、雇用失業情勢は大幅に改善されているとはいうものの、高齢者に対する求人倍率というのは依然低いわけです。したがって、そのための雇用対策の充実ということは非常に重要なことであると思うのです。今回の改正では、基本手当の算定の基礎となる賃金日額の計算について、定年後の継続雇用者について定年時の賃金額で算定できるようになっておりますけれども、どういう者に対してどのような措置を講じようとするのか伺います。
○日比説明員 定年時のその後の継続雇用の場合の賃金日額計算の特例の問題でございますが、端的には、定年時それなりに給料を取っておられた方が継続雇用ということでかなりの額賃金が下がって二年なり三年なり勤められる、そこで、やめられた場合に定年時の賃金を基礎として基本手当の日額を計算する、そういう措置をとりたいということでございます。 なお、詳細につきましては今後詰めさせていただきたいと思っております。
○伊藤(英)委員 最近では同じ事業所内で継続雇用が難しい場合がありますね。いわゆる高齢者専門の会社であるとかあるいは関連企業等で実質的な継続雇用と言われるものが進んでいったりいたします。こうしたケースも対象に含めるべきだ、こういう意見もありますね。それはまだある意味で非常に重要な意見だと私は思うのですが、こうした問題についてどのように考えるのかお伺いいたします。
○若林政府委員 この制度の取り扱いの具体的な運用基準を定めるに当たりましては、ただいま先生御指摘の点も含めまして、定年後におきます継続雇用の実態でございますとか、あるいは適切な事務処理の観点等を踏まえまして、中央職業安定審議会の御意見を伺いながら今後検討してまいりたいというふうに考えております。
○伊藤(英)委員 本日は、幾つかの問題が今後検討する、今後検討する、あるいは審議会で審議をしていただきますという話が多々あったわけですね。そういうことでありますけれども、これはもう重要な問題ばかりでありますので、それこそ全力で取り組んでいただきますようにお願いをして、質問を終わります。
○川崎委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○川崎委員長 この際、本案に対し、愛野興一郎君外三名及び金子満広君から、それぞれ修正案が提出されております。 提出者より順次趣旨の説明を求めます。永井孝信君。 ————————————— 労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇 用保険法の一部を改正する法律案に対する修 正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○永井委員 ただいま議題となりました労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 修正の要旨は、政府は、この法律の施行後、今後の雇用動向等を勘案しつつ、雇用保険事業における諸給付のあり方、費用負担のあり方等について総合的に検討を加え、必要があると認めるときは、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすることであります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○川崎委員長 金子満広君。 労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○金子(満)委員 ただいま議題となりました労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、日本共産党を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 政府提出の原案は、求職者給付に対する国庫負担を一九九二年度一割、一九九三年度以降二割それぞれ削減することになっております。この国庫負担は、終戦直後の三分の一から、一九六〇年に四分の一に引き下げられ、今回さらに五分の一に引き下げることになるわけであります。国庫負担の削減は雇用保険制度に対する国の責任を一層後退させる重大な制度改悪であり、国庫負担の削減ではなく、積立金を給付制限の改善などに向けることこそが雇用保険法の原則を生かすことであります。 したがって、我が党の修正案は、この削減を行わず、一九九二年度以降も現行の国庫負担率を維持することとしております。この修正案でこそ、労働者の立場に立った雇用保険制度の充実を図ることが可能となることは明らかであります。これが本修正案提出の趣旨であります。 何とぞ、慎重審議の上、速やかに可決されんことをお願いします。
○川崎委員長 以上で両修正案についての趣旨の説明は終わりました。 この際、金子満広君提出の修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣の意見を聴取いたします。近藤労働大臣。
○近藤国務大臣 ただいまの修正案につきましては、政府といたしましては反対でございます。 —————————————
○川崎委員長 日本共産党から討論の申し出がありますが、理事会の協議により、御遠慮願うことにいたしましたので、そのように御了承願い、直ちに採決に入ります。 労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案及びこれに対する両修正案について採決いたします。 まず、金子満広君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○川崎委員長 起立少数。よって、本修正案は否決いたしました。 次に、愛野興一郎君外三名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○川崎委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○川崎委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○川崎委員長 この際、本案に対し、愛野興一郎君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。河上覃雄君。
○河上委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 労働保険の保険料の徴収等に関する法律及び雇用保険法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について適切な措置を講ずべきである。 一 本格的な高齢化社会の到来を迎え、高年齢者の雇用の安定及び失業の防止を図るため、六十歳以上への定年延長及び六十五歳までの継続雇用を強力に推進すること。 二 女子労働者の就労機会を確保し、併せてその失業を予防するため、パートタイム労働者対策の充実、育児休業制度の定着、介護休業制度の普及促進に努めること。 三 公共職業安定所における職業紹介機能及び体制の充実強化を図るとともに、就職情報誌紙等をめぐる諸問題に対応するため必要な規制を行うこと。 四 給付制限制度の運用に当たっては、雇用保険法の趣旨を踏まえつつ、職業選択の自由に十分配慮するとともに、経済社会の変化を十分考慮すること。 五 小零細企業労働者及びパートタイム労働者の雇用保険への加入促進に努めること。 六 雇用保険三事業として実施している各種給付金制度については、中小零細企業における活用を促進するため、職業安定機関等における指導援助を拡充強化すること。 七 雇用保険制度の見直し検討を行うに当たっては、経済社会の大きな変化に対応して、本制度が雇用に関する総合的な機能を有する制度として一層その役割を果たすことができるよう、労使の意見を十分尊重しつつ、制度全般について多角的な検討が行われるように努めること。また、必要な国庫負担額を確保するように努めること。 以上であります。 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○川崎委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 愛野興一郎君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○川崎委員長 起立総員。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、労働大臣から発言を求められておりますので、これを許します。近藤労働大臣。
○近藤国務大臣 ただいま決議のありました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重し、努力してまいる所存でございます。 —————————————
○川崎委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○川崎委員長 この際、内閣提出、労働安全衛生法及び労働災害防止団体法の一部を改正する法律案及び永井孝信君外六名提出、短時間労働者の通常の労働者との均等待遇及び適正な就業条件の確保に関する法律案の両案を議題とし、順次趣旨の説明を聴取いたします。近藤労働大臣。 ————————————— 労働安全衛生法及び労働災害防止団体法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○近藤国務大臣 ただいま議題となりました労働安全衛生法及び労働災害防止団体法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 建設業においては、人材の確保、とりわけ若年労働力の確保が大きな問題となっております。この観点から建設業の雇用機会としての魅力を高めていくことが重要でありますが、その中で労働災害の防止は重要な課題の一つであります。すなわち、建設業における死亡災害は依然として多く、平成二年においても千人を超える方々が亡くなっており、これは企業種の労働災害による死亡者の四割以上を占めております。このため、死亡災害の大幅減少を目指した建設業における総合的な災害防止対策の確立を図る必要があります。 また、我が国の職場の状況を見ると、技術革新の進展などに伴う労働態様の変化等により、疲労、ストレスを感じる者が高い割合に達しております。一方、経済的豊かさを実現した今日、勤労者は生活を重視するようになっており、職場に関しても働きやすい職場を求めるようになっております。こうした中で、働きやすい職場、すなわち、快適な職場環境が実現されている職場づくりが重要な課題となっております。 このような状況にかんがみ、政府として、働く人々の安全と健康の確保のための施策の推進を図るため、中央労働基準審議会の建議を踏まえて、労働安全衛生法及び労働災害防止団体法の一部を改正する法律案を取りまとめ、提案した次第であります。 次に、その内容を御説明申し上げます。 第一に、中小規模の建設現場における安全衛生管理体制の充実を図るため、建設会社の支店、営業所等に店社安全衛生管理者を置かせることとし、中小規模の建設現場の安全衛生管理を指導させることとしております。 第二に、関係請負人が、作業場所の安全を確保するための措置、建設機械等を用いる作業の安全を確保するための措置等を適正に講ずることができるようにするため、元方事業者は適切な指導等を行わなければならないこととし、これにより元方事業者等にふる安全確保の充実を図ることとしております。 第三に、快適な職場環境の形成の促進を図るため、事業者の責務を定めるとともに、事業者の取り組みが効果的に行われるようにするための指針の公表、金融上の措置などの援助を行うこととしております。 第四に、快適な職場環境の形成の取り組みを円滑に進めるため、中央労働災害防止協会に、快適な職場環境の形成に取り組む事業者等に対する情報提供、助言等の業務を行わせることとしております。 以上のほか、都道府県労働基準局長による工事等の計画の審査、労働災害再発防止のための講習制度、指定法人による製造時等検査の実施等につきまして、必要な規定を設け多こととしております。 なお、この法律の施行期日は、建設業における労働災害防止対策関係は平成四年十月一日、快適な職場環境の形成促進関係は同年七月一日といたしております。 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要を御説明申し上げました。 何とぞ、御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○川崎委員長 永井孝信君。 ————————————— 短時間労働者の通常の労働者との均等待遇及び適正な就業条件の確保に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○永井議員 私は、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合を代表して、ただいま議題となりました短時間労働者の通常の労働者との均等待遇及び適正な就業条件の確保に関する法律案につきまして、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 近年、パートタイム労働者が急増しており、非農林業で週間就業時間が三十五時間未満の短時間雇用者は、平成二年現在、七百二十二万人と、昭和五十年の三百五十三万人に比べ約二倍となり、全雇用者に占める割合も一五・二%に達する状況であります。この間の雇用者全体の増加率は三三・五%であるのに対し、短時間雇用者は一〇四・五%と、実に約三倍もの伸び率を示しているのであります。 パートタイマー、あるいは単にパートなどと言いますと、労働時間が特別に短いような響きがあるのでありますが、実際には、過労働時間が一般の正社員とそう変わらない者が圧倒的に多いのが我が国の特徴であります。いわゆるパートタイム労働者的取り扱いがなされている者を含めた広義のパートタイム労働者を対象とする労働省の調査結果速報が昨年秋に発表されましたが、これによりましても、いわゆるパートの一週当たりの出勤日数は平均五・三日、所定労働時間は平均三十一・六時間とかなり長く、一般の正社員と所定労働時間がほぼ同じ者が実に二〇・五%にも上っているばかりか、いわゆるパートの二六・一%が残業さえしているのであります。 いわゆるパートタイマーの増加は、女子の職場進出と重なり合っているわけでありまして、その四分の三が女子であり、女子雇用者の四人に一人以上が短時間雇用者となっております。いわゆるパートのうち、女子の場合は子育て期に当たる三十五歳から四十九歳までの者が過半数を占め、男子の場合は五十五歳以上の高年齢層が過半数を占めております。 さて、その就業分野を見ると、卸売・小売業一飲食店、サービス業、製造業の三つの産業分野を中心に、専門的・技術的職務はもちろん、最近では店長など管理的職務にまで広がっており、これまでパートタイム労働者を基幹的または恒常的な労働力として活用してきたとする事業所の割合が五四・二%に上るという調査結果もあります。その平均勤続年数は四・四年で、女子の場合は十年以上の長期勤続者が一四・〇%にも上っております。 しかるに、その賃金その他の労働条件を見ますと、実に劣悪な状況に置かれております。いわゆるパートの四分の三が時間給でありますが、その水準は、男子一般労働者の半分にも及ばず、女子一般労働者と比較しても、その六、七割程度でしかありません。また、定期昇給がある事業所は半数程度、ベースアップがある事業所は四割程度、賞与がある事業所は六ないし八割程度となっており、退職金制度がある事業所はわずか一割程度にすぎません。年次有給休暇がある者は六割程度にとどまっています。そもそもパートに適用される就業規則がない事業所が四割にも上り、採用時の労働条件の明示方法も、主に口頭で説明するとしている事業所が六割程度に上っているため、トラブルが絶えないのが実情なのであります。 さらに、このような実情にあるいわゆるパートタイマーのうち、一般正社員化を希望している労働者も少なくないことも見逃せません。 このように、パートタイム労働者は、いわゆるパートタイマーも含め、今日、八百万人を超えるとも言われ、日本経済を支える基幹的な労働力となるに至っているにもかかわらず、賃金その他の労働条件を見ると、通常の労働者とは著しい格差があり、労働契約の内容が不明確であることによるトラブルも多発しているのが実情であります。パートタイム労働者は今後とも増加することが見込まれ、労働条件等の改善確保を図ることが求められているのでありますが、現行法制のもとにおいては、それが困難であることはもはや明らかであり、特別の立法措置が必要であると考え、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の内容について御説明申し上げます。 第一は、この法律の目的であります。 この法律は、短時間労働者の賃金、休暇その他の労働条件等について差別的取り扱いをしてはならないこと及び短時間労働者の雇い入れ等に当たっての使用者の講ずべき措置を定めるとともに、その差別的取り扱いを迅速かつ適正な手続により是正するため必要な措置を講ずることにより、短時間労働者について、通常の労働者との均等待遇及び適正な就業に関する条件の確保を図ることを目的としております。 第二は、定義であります。 この法律においては、一日、一週間または一月一の所定労働時間が、同一事業場における通常の労働者の所定労働時間より短い労働者を「短時間労働者」ということとしております。 第三は、均等待遇に関する規定であります。 使用者は、労働者が短時間労働者であることを理由として、賃金、有給休暇その他の休暇、休業、配置、昇進、定年または解雇、教育訓練、施設の利用その他福利厚生の措置等について、通常の労働者と差別的取り扱いをしてはならないこととするとともに、労働大臣は、中央労働基準審議会の意見を聞いて、短時間労働者に対する差別的取り扱いとなる行為の基準を定めて公表しなければならないものとしております。 第四は、短時間労働者の雇い入れ等に当たって使用者の講ずべき措置についてであります。 短時間労働者の労働条件等を記載した書面の交付、通常の労働者を募集する場合における既雇用の短時間労働者の優先雇用、短時間労働者の所定労働時間外・休日労働の制限、就業規則の作成・変更に当たっての短時間労働者に係る事項に関するこれらの者の過半数代表者からの意見の聴取等について規定しております。 第五は、監督に関する規定であります。 労働基準監督署長及び労働基準監督官が、この法律の施行に関する事務をつかさどるものとするとともに、都道府県労働基準局長または労働基準監督署長は、この法律の施行に関し、必要に応じて、使用者に対し、指導、勧告または差別的取り扱いに係る是正命令をすることができることとする一方、差別的取り扱いをされた短時間労働者は、都道府県労働基準局長または労働基準監督署長に対し、是正措置をとるよう申請することができ、また、すべての労働者は、この法律の規定に違反する事実について、都道府県労働基準局長、労働基準監督署長または労働基準監督官に申告して是正措置を求めることができることと、使用者は、申請または申告をしたことを理由として、短時間労働者等に対し、解雇その他不利益な取り扱いをしてはならないこととしております。 第六は、不服申し立てに関する規定であります。 労働基準監督署長等による差別的取り扱いに係る是正命令または申請に係る決定に不服のある者は、各都道府県労働基準局に置かれる短時間労働審査官に対して審査請求をし、その裁決に不服のある者は、労働大臣の所轄のもとに置かれ、労働者委員、使用者委員及び公益委員各三人をもって組織される短時間労働審査会に対して再審査請求をすることができることとし、短時間労働審査会委員の任命その他これら不服審査機関の設置に必要な規定を設けております。 第七は、その他の短時間労働者の福祉の増進に関する措置についてであります。 短時間労働者が通常の労働者となることを容易にするための職業訓練を行う事業主に対する雇用保険法の能力開発事業の適用に関する規定、使用者に対して、この法律の施行時に雇用されている特定の短時間労働者を通常の労働者とするよう努力義務を負わせる規定、及び、短時間労働者に対する雇用保険法並びに健康保険法及び厚生年金保険法の適用拡大に関する規定等を設けております。 以上のほか、この法律は原則的に公布の六カ月後から施行すること、第四の使用者の講ずべき措置に関する規定並びに第五の是正命令、不利益取り扱い禁止等の規定に違反した者に対する罰則、経過措置、その他所要の規定を設けております。 なお、この法律は、船員、国家公務員及び地方公務員については、適用しないこととしております。 また、パートタイム労働者が直面する問題として、期間雇用契約、つまり雇いどめの問題がありますが、この問題はパートタイム労働者に限らず、フルタイムで一定期間働く臨時労働者にも共通の問題であることから、別途労働基準法の改正等、労働契約法制上の措置を検討することとしていることを、特に申し添えておきたいと思います。 以上、この法律案の提案理由及びその内容の概要について御説明申し上げました。 最後に、パートタイム労働者の労軌条件の改善は、国際的にも大きな課題となっており、一九八一年のILO百六十五号勧告や一九八三年の「自発的パートタイム労働に関するEC改正指令案」では、パートタイム労働に関し時間比例も考慮した均等待遇原則が打ち出され、加盟各国においてそれぞれ必要な法的整備が図られていること、また、最近では、昨年十二月のILO理事会においてパートタイム労働に関する条約及び勧告の策定に着手することが決められるなど、短時間労働者に関する国際的な取り組みも前進しつつあること、我が国は世界でも最大規模のパートタイム労働人口を抱えており、その労働法制のあり方を含む短時間労働者の労働条件の動向については、海外からの関心も高いことにあえて委員各位の御注意を喚起しつつ、早速御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。 以上であります。
○川崎委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○川崎委員長 小委員会設置に関する件についてお諮りいたします。 パートタイム労働に関する諸問題を調査するため、小委員十一名よりなるパートタイム労働に関する小委員会を設置いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次に、小委員及び小委員長の選任につきましては、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 それでは、小委員に 愛野興一郎君 赤城 徳彦君 大野 功統君 住 博司君 長勢 甚遠君 三原 朝彦君 岩田 順介君 永井 孝信君 河上 豊雄君 金子 満広君 伊藤 英成君を指名し、小委員長には大野功統君を指名いたします。 なお、小委員及び小委員長の辞任の許可並びにその補欠選任につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○川崎委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後三時三十分散会 ————◇—————