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123回国会衆議院1992/03/11

予算委員会第六分科会 第1号

発言数
419
登壇者
47
会派数
4
開催日
1992/03/11

会議録

小澤潔自由民主党

○小澤主査 これより予算委員会第六分科会を開会いたします。  私が本分科会の主査を務めることになりましたので、どうぞよろしくお願いいたします。  本分科会は、総理府所管中経済企画庁並びに通商産業省所管について審査を行うことになっております。  なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。  平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算及び平成四年度政府関係機関予算中通商産業省所管について審査を進めます。  政府からの説明を聴取いたします。渡部通商産業大臣。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 平成四年度通商産業省関係予算の予算委員会分科会における御審議に先立って、一言ごあいさつを申し上げます。  世界情勢は、戦後長期間にわたって継続してきた国際的秩序に構造的な変化が生じており、我が国は、今こそその持てる力を発揮し、世界経済の秩序ある発展に主体的な役割を果たさなければなりません。  国内に目を転じますと、最近の我が国経済は減速が続いている一方、経常収支及び貿易収支の黒字幅が再び拡大しており、対外不均衡の是正に配慮しながら、内需を中心とした景気の持続的拡大を図ることが求められております。  私は、このような認識のもとに、次の項目を重点に全力を挙げて通商産業政策を推進してまいります。  第一は、国際社会への貢献と自己改革の推進であります。第二は、東京一極集中の是正と地域の活性化であります。第三は、伝統と個性を生かした社会の実現であります。第四は、総合的流通対策の推進であります。第五は、科学技術の振興であります。第六は、資源エネルギー施策の着実な推進であります。第七は、活力ある中小企業の創出であります。第八は、情報化の推進であります。  平成四年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画の作成に当たっては、このような基本的方向に沿って、諸施策の実現を図ることとした次第であります。  この結果、一般会計は、八千五百八億一千七百万円を計上しております。特別会計につきましては、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計六千三百九十七億六千二百万円、電源開発促進対策特別会計四千百二十三億七千二百万円、特許特別会計七百二十一億一千百万円など、当省所管の五つの特別会計にそれぞれ所要の予算額を計上しております。また、財政投融資計画については、財政規模ベースで八兆二千六百四十六億円を計上しております。  通商産業省関係予算及び財政投融資計画の内容については、お手元に資料をお配りしてありますが、委員各位のお許しをいただき、説明を省略させていただきたいと存じます。  何とぞよろしく御審議のほどをお願い申し上げます。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 この際、お諮りいたします。  ただいま渡部通商産業大臣から申し出がありました通商産業省関係予算の重点事項の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小澤潔自由民主党

○小澤主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。    平成四年度通商産業省関係予算及び財政投    融資計画について  平成四年度の通商産業省関係予算及び財政投融資計画について御説明申し上げます。  まず、平成四年度における通商産業省の一般会計予定経費要求額は、八千五百八億一千七百万円であり、前年度当初予算額七千八百六十一億三千五百万円に対し、六百四十六億八千二百万円、八・二%の増加となっております。  財政投融資計画は、財政規模ベースで八兆二千六百四十六億円と前年度当初計画額七兆二千九百七十八億円に対し、十三・二%の増加となっております。なお、この中には産業投資特別会計からの出融資四百三十五億円が含まれております。  次に、重点事項別に、予算及び財政投融資計画の概要につき御説明申し上げます。  第一は、国際社会への貢献と自己改革の推進であります  まず、我が国経済力の積極的な活用により世界経済の持続的発展を図る観点から、広範な分野における国際的産業協力を推進する必要があります。とりわけ、我が国市場の提供と参入促進に向けた取組が緊要である状況にかんがみ、輸入促進地域等に対する支援に三十億四百万円、対日直接投資の促進に対する支援に、産業基盤整備基金による外資系企業支援事業会社への出資を含め十億一千二百万円などを計上しております。  また、発展途上国等の経済発展を図るため、経済大国である我が国は総合的な支援を国際社会から強く期待されてきているところであります。この期待に応えるため、ODA予算として四百二十一億八千五百万円、貿易保険特別会計の財政基盤強化のために一般会計から二百六億円の繰入れなどを計上しております。  さらに、相互依存関係が深化し、世界経済の成長センターとして注目を集めているアジア太平洋地域については、人材育成、新産業立地基盤、経済統計整備等のための調査に合計二億六千七百万円を計上しております。  他方、ソ連邦の解体以降、新秩序の構築に向けての努力が進められている独立国家共同体や、引き続き民主化、市場経済化の道を歩む東欧諸国に対する支援が重要な課題であります。このため、専門家派遣、研修生受入等ロシア連邦を始め独立国家共同体加盟諸国に対する技術的支援に一億二千四百万円、東欧支援に五億四千百万円を計上しております。  また、技術大国としての我が国にとって、科学技術面での国際貢献の推進が喫緊の課題となっております。このため、生体の持つ優れた機能の解明を中心とする基礎研究を国際的に共同して推進するヒューマン・フロンティア・サイエンス・プログラムに十五億五千二百万円、日・米・欧等による次世代高度生産システムの構築のための国際共同研究プログラムに七億六千四百万円などを計上しております。  さらに、人類共通の重要課題である地球環境問題に関しては、経済大国、技術大国であるばかりでなく、環境保全と経済発展の両立に最も成果を上げてきた我が国としては、地球環境保全技術の開発と発展途上国への経済・技術協力に全力を尽くさなければなりません。このため、環境技術移転に係る総合的交援の推進に二十六億九千百万円、財団法人地球環境産業技術研究機構を中核とした技術開発等に七十九億三千三百万円などを計上しております。  第二は、東京一極集中の是正と地域の活性化であります。  流出の著しい若年層の地域への定着等を目指して地域の活性化を図るため、これまでの産業立地施策の着実な推進に加え、東京に過度に集中している産業業務施設の全国的視野に立った適正配置を推進することが重要であります。  このため、産業投資特別会計から、産業業務施設再配置促進施策に十八億円の出資を予定しております。また、産業再配置促進費補助金に五十六億七百万円、工業用水道事業費に他省庁計上分を合わせ百九十五億九千百万円などを計上しております。  第三は、伝統と個性を活かした社会の実現であります。  我が国の国民の生きがいを実感し、真の心の豊かさを永続させることは二十一世紀に向けた最大の課題の一つであります。とりわけ、生活文化・精神文明の結晶とも言える伝統工芸及び伝統芸能は、潤いのある生活や心の豊かさを実現するために大きな役割を果たしており、その一層の振興が重要であります。このため、伝統工芸品産業の振興対策として、産業整備基金による出資を含め六億二百万円などを計上しております。  第四は、総合的流通対策の推進であります。  消費者ニーズの変化、都市化の進展、大店法の改正等の流通産業を巡る環境の変化に伴い、流通産業構造の変革が求められております。このため、小売商業の健全な発展、大型店と中小店との共存共栄の観点を含めて消費生活に密着した魅力ある商店街・商業集積づくりの推進等総合的な流通対策を引き続き積極的に推進することとし、コミュニティホール、イベント広場、商店街駐車場等の商業基盤施設整備に対する補助に百十九億円を計上するほか、ソフト面の支援策として、小売商業支援センター事業に四億円などを計上しております。  第五は、科学技術の振興であります。  国際社会の調和ある発展に寄与しつつ、我が国の長期的発展基盤を確保するためには、人類の共有財産を創造する基礎的先端的研究開発に関する取組を強化するとともに、その成果の国際的な普及・流通の促進を図ることが必要不可欠であります。  このため、産業科学技術融合研究所(仮称)の新設による横断的・融合的研究テーマの実施等に十九億三千百万円、医療福祉機器技術研究開発に六億八千七百万円、重要地域技術の研究開発に三億六千八百万円などを計上しております。  また、産業投資特別会計からは、新エネルギー・産業技術総合開発機構が行う研究基盤整備事業に七億円、基盤技術研究促進センターが行う出融資事業に二百六十億円の出融資を予定しております。  第六は、資源エネルギー施策の着実な推進であります。  脆弱なエネルギー供給構造を有する我が国としては、最近のエネルギー需要の拡大、地球環境問題を巡る国際世論の高まりを踏まえ、需給両面にわたる施策を通じ、エネルギー需給構造改革を図ることが必要不可欠であります。そのため、需要面では、省エネルギーの一層の推進を図り、供給面においては、安全性の確保を前提に、原子力発電の一層の推進、核燃料サイクルの確立、新・再生可能エネルギーの開発・普及促進等エネルギー源の多様化を図るなど、総合的なエネルギー政策を着実に推進してまいります。  このため、まず、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計につきましては、総額として六千三百九十七億六千二百万円を計上しております。  本特別会計の石炭勘定につきましては、新しい石炭政策の下で、石炭企業の新分野開拓に対する支援等の石炭鉱業構造調整対策を推進するとともに、産炭地域振興対策、鉱害対策を実施するため、一千四十三億二千三百万円を計上しております。  また、石油及び石油代替エネルギー勘定につきましては、五千三百五十四億四千万円を計上しております。  なお、同勘定のうち、石油対策としては、国家備蓄の着実な推進を始めとする石油備蓄に三千四百九十一億三千二百万円、石油公団による探鉱等投融資事業等の石油開発に一千十八億九千六百万円、石油産業体質強化対策等に四百六億九千万円など、総額で四千九百五十五億七千八百万円を計上しております。  他方、石油代替エネルギー対策としては、石油代替エネルギーの開発・導入を、計画的かつ着実に推進するため、総額三百九十八億六千百万円を計上しております。さらに、エネルギー・環境分野における国際協力の重要性及び緊急性にかんがみ、同勘定において、産油国対策、省エネルギー等国際協力の積極的な推進を図るべく、三百九億七千三百万円を計上しております。  次に、電源開発促進対策特別会計につきましては、四千百二十三億七千二百万円を計上しております。  本特別会計の電源立地勘定につきましては、増大する電力需要に対応した安定かつ低廉な電力供給を確保すべく、バランスのとれた電源構成を目指し、一層の電源立地の促進を図るため、総額で一千九百十七億五千六百万円を計上しております。  また、電源多様化勘定につきましては、電力供給の安定化を図る観点から、原子力、石炭火力を始めとする電源多様化を促進するため、総額二千二百六億一千五百万円を計上しております。  これらエネルギー関係特別会計における諸施策のほか、一般会計において、省エネルギーを推進するため一億九千八百万円、また、資源の安定供給を確保すべく国内・海外鉱物資源探鉱開発、備蓄を始めとするレアメタル総合対策等を推進するため九十七億二千六百万円を計上しております。  第七は、活力ある中小企業の創出であります。  中小企業は、我が国経済の活力の源泉であり、著しい経済環境の変化にも対応し得る創意と活力に満ちた中小企業の育成を図ることは極めて重要であります。  このため、中小企業対策費について、政府全体で一千九百五十五億八千五百万円、うち、当省で一千三百七十一億三千五百万円を計上しております。  具体的には、特定中小企業集積の活性化対策として新規に十億六千万円、中小企業物流効率化対策として八億三千百万円を計上し、また、先に述べた魅力ある商店街・商業集積づくり等商業対策を拡充するほか、イメージ改善策を含めた中小企業労働力確保対策として十一億八千百万円、小規模企業対策に五百二十五億四千八百万円などを計上しております。  第八は、情報化の推進であります。  社会の情報化が着実に進展する中、真にユーザーの立場に立った総合的な情報化施策を展開するとともに、新たな発展への活力を生み出す技術開発を推進していくことが必要であります。  このため、ユーザーの選択の自由を拡大するオープン・システム化の推進に五億七千百万円、現実世界の大量かつ多様なしかも不完全な情報を処理できるようにする四次元コンピューターの研究開発に八億八千四百万円などを計上しております。このほか、産業投資特別会計から、情報処理振興事業協会の高度プログラム安定供給事業等に対し、四十七億円の出資を予定しております。  以上のほか、特許特別会計につきましては、歳出予定額七百二十一億一千百万円、アルコール専売事業特別会計につきましては、歳出予定額三百三十三億六千七百万円、貿易保険特別会計につきましては、歳出予定額一兆一千六百二十八億円を計上しております。  以上、平成四年度通商産業省関係予算及び財政投融資計画につきまして、その概要を御説明いたしました。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 以上をもちまして通商産業省所管についての説明は終わりました。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位にお願いを申し上げておきます。  質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。  なお、政府当局に申し上げます。  質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田中昭一君。

田中昭一日本社会党・護憲共同

○田中(昭)分科員 通産大臣を初め関係各位の皆さん方が通産行政に積極的に取り組まれていることに、まず冒頭敬意を表したいと思います。  私は熊本県の出身でございまして、熊本県といえば水俣病と言われております。水俣病が発生いたしまして三十数年間を経ておりまして、県において、あるいは県議会において、今日この水俣病をどのように解決していくのか、大変苦悩の中にあります。  大臣、もう御承知と思いますけれども、熊本県知事はかつての自民党の水俣病対策委員会の委員長でございまして、労働大臣をされた福島さんでございます。また、六月にブラジルで地球環境問題を議論するサミットがございますけれども、このサミットにも水俣病の患者が六十名ほど代表を派遣することにしております。ホテルはとりませんから、キャンプを張って、テントを張って、そこで世界の人に訴えたい、こういうことになっているわけです。私たちとしては、公害の原点と言われて、そして環境行政の最大の汚点だと言われている、世界にまれに見る大公害だとして世界の心ある人から注目をされている、企業による許されない大犯罪だと言われている水俣病問題が、この先進国と言われ、経済大国と言われて、憲法の中に基本的人権の尊重がうたわれている我が国において、いまだ解決ができずに、二千数百名が訴訟に訴え、それに倍する被害者が病魔と生活に苦しんでおる状況を何としてもこのサミット前に解決の目鼻をつけたい、これは私の切実なる気持ちでございます。  環境庁がこの問題の対応省庁であることは私はよく理解をしておりまして、環境庁とも何回となくお話し合いをさせていただいておりますし、先週は厚生委員会でも厚生大臣にこの問題を訴えました。それから、今次通常国会の代表質問でも我が党の田邊委員長がこの問題を取り上げまして、引き続きまして、たしか二月二十日だったと思いますけれども、衆議院の予算委員会で我が党の新盛委員がこの問題を取り上げまして、厚生大臣、環境庁長官の御答弁などもございましたが、最終的にこの問題を何とか解決しなければいけないという立場で訴えたことに対して、環境庁長官はこれを真摯に受けとめて検討する、こういう状況に今なっております。  この水俣病問題については、大臣も御承知のように、通産省の場合にも工場排水規制などで国家賠償責任が問われておるわけです。厚生省が食品衛生法であるとか、その他の主管庁と同時に通産省も国家賠償責任が問われておりまして、そして、今回の国に県に国家賠償責任はないという判決が出された二月七日の東京地裁の判決の中でも、通産行政のあり方について問題があったという指摘がされまして、これは単に行政的な解決だけじゃなくて、政治的な責任、解決する責任、そういう意味で政治的責任がある、こういう判決が付加されておる、こういう状況に今日ございます。  患者は、先ほど申し上げましたように人間としての尊厳をまさにじゅうりんされておりまして、生活苦と病魔に苦しんでおります。平均年齢は既に七十歳に近づこうとしているわけです。行政の側が、行政の筋を通すということで最終的に裁判所の判決でこの問題について片をつけたい、こう言われることについて、私は行政の筋として私なりに理解ができます。しかし、東京地裁で国家賠償責任は県にも国にもない、熊本地裁の判決では国にも県にも国家賠償責任があるという状況の中で、これが上級審に行って最高裁で決着がつけられるということになった場合には、私は患者はほとんど死に絶えているという状況になるだろうと思うのです。仮に最高裁で熊本地裁の判決のように国や県に国家賠償責任があるという判断が出たとした場合に、しかし当該者はみんな死に絶えてしまった、こういう状況をこの我が国の中につくりたくない、こういう気持ちを実は私はいっぱい持っております。  そういう意味で、国家賠償責任を問われている通産省としまして、今この水俣病問題についてどういう認識をお持ちになっておられるのかということをまず大臣からお聞きをしたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 今、田中先生から、水俣病三十数年にわたる長い苦悩の歴史を地元の議員として生に体験しておられる御意見を真剣に拝聴させていただきました。行政というものが法にのっとって行われておるということも御理解をいただかなければなりませんが、その中には、政治はやはり温かい心で行われなければなりません。  水俣病の問題については、その早期解決を図ることが何よりも大事であるとまず考えております。また、このため、政府においては従来からチッソに対する金融支援措置などを講じておりますし、さらに、平成四年度から水俣病に係る総合的な対策を実施していくこととしておることも先生御承知と存じます。今後とも、かかる行政施策の推進によって水俣病の早期解決に向けて全力を尽くして努力してまいりたいと存じます。

田中昭一日本社会党・護憲共同

○田中(昭)分科員 御決意は本当にありがたく思っております。三十数年間の中で現地視察をされた大臣、長官もたくさんおられます。もう時間がありませんから一つ一つ申し上げませんけれども、三木武夫環境庁長官、石原慎太郎環境庁長官、北川環境庁長官、大石武一環境庁長官、その前は園田直厚生大臣、たくさんの大臣の皆さんが来られまして、本当にこの問題、何とかしなければいけない、こういう気持ちで積極的な提言などもいただいております。大石武一先生などは、今、水俣病を解決する水俣病全国実行委員会の代表委員として頑張っておられるわけです。  しかし現実は、私は国や県が何にもしなかったなんということは一切言うつもりはありません。いろいろ御努力をいただいた、こう思っております。思っておりますけれども、しかし解決がついてないわけです、先ほど申し上げましたように。何千名という人たちが訴訟に訴えて、この問題、何とかしてくれ、こういう紛争状態がずっと続いておるわけです。今回環境庁が中公審答申に基づきまして総合施策を行う、医療手当あるいは医療費の全額負担などなどが今度の平成四年度の予算の中にも入っておるわけです。これも私は大変ありがたいことだと思っておりまして、積極的にやってほしい、こう思っておるわけです。国や県がそれだけ積極的な施策を講じながらも、全国の患者の皆さんは、それではもう我々はたまらないという立場で訴訟に訴えて、そして紛争状態がずっと続いておる。  ですから、こういう歴史的に紛争状態がずっと続いている問題を解決する場合には、一方の当事者が考えて押しつけても、相手の方が納得しなければ解決つかないわけですね。だからそのためには一定の調整役といいますか、行司役が必要だ。私は、それはもう司法の側しかない、裁判所しかない。しかし、裁判の場合には、日本の裁判制度からいきますと、結局控訴したり上告したりする権利が国にもあるわけですね。原告にもあるわけです。そうしますと、先ほど言ったように最高裁まで行って決着をつけなければならない。熊本地裁、東京地裁が既に控訴されて上級審で審理が始まっておる、そのほか新潟でもあるいは大阪でも京都でも、地裁段階でまだ裁判が続けられておる、こういう状況です。ですから、最高裁まで行って解決をつけるということになれば生きているうちに救済ということにはならないわけですから、時はもうそれだけ緊急性を帯びているわけです。  そこで、第二の問題として大臣にお聞きしたいのは、国がどんな施策をやっても三十数年解決できないわけですから、そのためには仲裁役、調停役が要る。しかし、裁判の判決ではとてもじゃないが裁判所自体が投げ出している状態ですから、七つの地裁、高裁から、これはもう和解で収拾を図りなさいという和解勧告が出されているわけです。これは大臣も御存じと思いますけれども、和解勧告が出された理由は、裁判所の方として四つ率直に言ってございます。  一つは、何千名という原告ですから、証拠調べに膨大な時間がかかる。そして判決を出しても控訴される、上級審に行く、最高裁まで行く。そういうことでは余りにも時間がかかり過ぎる、この問題の解決にはならない。解決に至った場合にはもう必要がないような状況になってくる。こういうことを裁判所自体が言っておるわけですね。  それから二つ目は、国家賠償上の責任は、東京地裁と熊本地裁の判決がまるっきり裏表、まるっきり違う判決のように、これは事実認定についても法理論的にも非常に難しい問題があるということを二つ目に言っているわけです。  それから三つ目に、病像論の問題ですね。この病像論の問題も対立がございます。公健法上の認定の条件というものが五十二年に見直されて、いわゆる組み合わせ論というものが出てきて以降、公健法上の認定患者が非常に少なくなっているという関係などもありまして、病像論をめぐってもいろいろ対立がございます。これは一応福岡高裁などから病像論についての所見は出されております。しかし、これを政府、行政との関係で医学的にきちんとするためには、医学的議論を幾らやってもこれは永久に終わらない、こう言っているわけです。それほど難しい問題であるということを言っているわけです。  それから四つ目は、今も申し上げましたけれども、公健法上の認定条件に合っておる患者はこれは救済されておるわけで、今問題になっておるのはそのボーダーラインにある層なんです。ボーダーラインにある層がいっぱいおるわけですね。こういう人たちを今ある公健法上の認定要件とそれをもとにした補償協定で救済しようとしても、ボーダーラインの大部分の患者は見捨てられていくわけですから、解決がつかない。  そういう意味で、この四つの条件からしまして裁判所としても、これはやはりお互いが話し合う、和解による解決しかないのでないかな、こういう和解勧告を実はしているわけです。  これも先ほど申し上げましたように、二月七日に東京地裁は国家賠償責任はない、こういう判決を出しましたけれども、しかし解決をする責任はある、こう言っているわけであります。政治的な責任もあると言っておるわけであります。それで、その解決の仕方については和解による解決しかないのではないかということを、その東京地裁の判決文の中で、時間がありませんから読み上げませんけれども、この判決文の第十一章でそういうことが明記されておるわけですね。そうしますと、私どもは、やはり裁判所が提起したように和解によって解決をする以外に道はないのではないかな、別の道を選んだとしても決してお互いが納得して、これは納得するかしないかは別にしても、歩み寄りはできないのじゃないかな、こう思っておるわけです。  そういう意味では、和解による解決という条件がいっぱい出てきておるわけですね。特にこの福岡高裁などの和解協議というのは、加害企業であるチッソもそれから県も参加をしましてかなり進んで、責任論にしても癒像論にしても相当部分歩み寄っているのではないかな、私はこういう立場に立つわけです。したがって、国も、まあ行政上は法解釈的にはいろいろあるでしょう、これは国家賠償責任はないという根拠に立っているわけですから。しかし、この問題をやはり解決しなければならないという責任、政治的な解決責任があるという指摘、それは和解しかないのじゃないかという裁判所の指摘、これを受けとめるならば、この際この和解に国も参加をして、県と国、そして加害企業であるチッソと原告が話し合いをして解決を図る、そういう道筋を歩む以外に解決の方途はないのじゃないかな。先ほども言ったように、何としてもこれはやはり早く解決したい。解決するというためにはいろいろな方途を考えてみましたけれども、ここに至っては和解しかないのではないかな。和解というのは私は妥協だと思います。その意味では、国に妥協を求めると同時に原告の方もある程度歩み寄っていく、こういう中で和解を成立さしてこの問題について解決を図る、こういう道しかないのじゃないかと私は思っているわけです。  こういう点について、熊本県知事も政府に対しては再三にわたって国の和解への参加を要請してきておると思っております。一昨日も熊本県で社会党の田邊委員長と福島知事が会談をいたしまして、この問題について何とか早く解決しようじゃないか、こういう話し合いもされておるわけです。ぜひ国がこの和解のテーブルに着く、こういう方途でのこの問題の解決という道筋を選択することができないのかどうなのか、そのことを通産大臣として積極的に関係閣僚会議などに提起をしていただく、こういうことができないのかどうなのか、ここのところをお聞きをしたいと思います。

中田哲雄通商産業省大臣官房審議官

○中田政府委員 水俣病問題につきましては早期解決を図るべきものと私どもも考えておるわけでございますが、訴訟上の和解につきましては、基本的な論点になっております国の法的責任の有無、これにつきましては法に基づく国の行政のあり方の根幹にかかわる問題でございまして、依然としてこれに関する当事者間の主張が非常に大きく隔たっている、こういう状態のもとでは和解勧告に応じることは困難であるというふうに私ども考えておるところでございます。

田中昭一日本社会党・護憲共同

○田中(昭)分科員 ですからお聞きをしたいのですが、それではどういう解決の方法があるのかということなのです。法的にと言われますけれども、今審議官が言われることをきちんとしようとすれば、最終的に最高裁の判決を待つ以外にないわけですね。だから、最高裁まで行って国に国家賠償責任があるのかないのかという判断が出なければ身動きができないということを言われておるわけですね。しかし、それでは、今の日本における裁判制度の中では先ほど言ったように解決はもう不可能だということを裁判所自体が言って、和解の勧告をしておるわけです。したがって、法的にきちんとしなければという行政上の筋を通すと言われるのですけれども、じゃ、最高裁の判決を待つまでは解決をしなくてもしょうがない、こういう立場に立っておるのかどうなのか、ここのところをはっきりしてほしいわけです。

中田哲雄通商産業省大臣官房審議官

○中田政府委員 行政の対応の方法といたしましては、行政としての所掌の範囲内で全力を尽くすということでございまして、基本的には被害者の公正な救済というものを基本といたしながら、先ほど大臣が申し上げましたように総合的な対策を進めていく、こういうことであろうかというふうに思っております。

田中昭一日本社会党・護憲共同

○田中(昭)分科員 よくわかっているのです。だから平成四年度で十億二千万の予算も提起されておりまして、そういう意味では国がいろいろな施策をやっておられることも承知をいたしておりますし、今までも県も国もいろいろ努力をされてきた。しかし、なおかつ三十数年紛争状態がずっと続いているわけですね。そういう紛争状態の中に、現地に行っていろいろコミュニケーションを図りますと何とかしなければならない、こういう気になるわけです。帰っできますと行政の筋を通すということで一つも進まない、これの繰り返しで三十数年たっているわけですね。ですから、行政的な施策を幾らやってもこの紛争の解決がつかないまま、病身を顧みずにサミットまで六十名も出かけていって、もう今度は世界に、国連に訴える。こういう状況の中で、この問題を、それじゃそのまま今審議官言われるとおりにしておきますと、もう未来永久に解決がつかないということになってしまうわけです。ですから、裁判所自体が、これはもう政治的な解決、そのために和解に出てきて国の立場を言うべきではないか、こういう提言を幾つも幾つもしておりまして、そして今回の二月七日の東京地裁の判決の中でも、国家賠償責任はないけれども国の解決責任、政治的責任はあるんだ、今の現状の中では和解しかないのじゃないかということをるる述べているわけですね。そのことも全く無視されるのかどうなのか。  だから、行政の立場では非常に難しい点があると思います。しかし、関係閣僚会議などで、こういう裁判所側の提言を受けて、もう少しこの問題を、経済大国と言われる先進国という日本の国の中でやはり何とかする必要があるのではないかという立場で、今までの発想の転換を図るようなそういう新しい方途というものを見つけ出していただけないのかということをお願いしているわけです。審議官今言われたことで、それでは解決つくと思っているのですか。どうですか、その点。

中田哲雄通商産業省大臣官房審議官

○中田政府委員 現時点で原告が、委員御指摘のとおり賠償責任の有無あるいは原告らの水俣病罹患の有無といったような訴訟の基本的な争点に関する東京地裁の判決を不服といたしまして控訴しているところでございます。また、東京地裁におきます和解協議の打ち切りも申し立てをしているというふうに聞いているわけでございまして、こういう状況の中で訴訟上の和解について応じることは非常に難しいというふうに思っているわけでございます。

田中昭一日本社会党・護憲共同

○田中(昭)分科員 和解の打ち切りは間違いだと思いますけれども、控訴は、熊本地裁の場合も控訴して福岡高裁に行っていますし、東京地裁も今度は原告の方から控訴した、こういう状況です。だから、先ほどから言っているように、それは控訴する権利があるわけですからそれをやるなとは言わないわけだけれども、しかしそれでは裁判所自体がもうこの問題は解決できない、こう言っているわけです。このことをどう受けとめるかということをさっきから聞いているわけです。  それからもう一つは、懸隔があり過ぎる、あり過ぎると言っていますけれども、国は参加していませんけれども県とチッソと原告との間の和解協議というのはかなり距離は縮まってきておる。例えば病像論についても責任論についても、中身は時間がありませんから言いませんけれども、これは相当な懸隔がありますよ、基本的には。しかし、和解協議の中で福岡高裁などの所見として出された病像論なり責任論について、原告の方は、これはしかし基本的には問題があるという認識に立ちつつも、この病像論なり責任論については一定納得する立場に立っているわけです。したがって、病像論についても責任論についてもかなり距離が縮まってきておるのじゃないかな。ですから和解協議を、今八回ですか、九回ですかやっていますが、さらに詰めていけば、これは話し合いができ得る、こう言っているわけですよ。ですから、国もこの裁判所の指摘どおり和解の場に出ていって国の主張をする、こういう立場以外にこの問題の解決の道を講ずることはできない、こう思っているわけです。  それではどういうふうにこの問題を解決しようとしておるのか。最高裁まで、やはりどうしてもきちんとしなければいけない立場というのは、それは筋は通るかもわかりませんけれども、しかし、それではこの問題は解決ができないまま終わったということになるのですよ。仮に十年先か七年先がよくわかりませんけれども、それぐらいの時間がかかるでしょう。最高裁で国に国家賠償責任ありと出た場合に、当該の原告の方々は死に絶えてしまったといった場合に、これはもう日本の歴史上だけでなくて世界史上大変大きな汚点を私は残すことになると思うのです。したがって、この際和解による解決を模索する、こういう立場に立って、これは先ほど申し上げましたように予算委員会の新盛委員の和解しかないという提起に対して、これはもう途中で中断しかかった中で環境庁長官が、真摯に受けとめて検討する、こういう答弁になっているわけです。したがって先ほどからも言うように、ぜひこの問題を本当に真摯に受けとめていただいて、できれば地球サミット以前に何とか解決の方向性を導き出す、こういう議論をぜひ行っていただきたいということで再度申し上げたいと思います。大臣、いかがですか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 大変これは難しい問題でございますが、冒頭先生からもお話がありましたように、行政というものは法律にのっとって行われるわけでありますから、大岡裁きということもありますけれども、やはり法によって行政は行われるわけでありますから、これは御理解を賜らなければならないと思います。しかしまた、同様、チッソの患者の皆さん方の実態、これは先生は一番よく御存じですけれども、私どももこれは胸を痛めております。  ちょうど十五年前になりましたか、今先生のお話を聞きながら思い出しておりましたが、私が通産省の政務次官をしておるとき、ああいう水俣病の原因を起こしたチッソになぜ開銀融資をするのだということでおしかりを受けたこともありますけれども、これはむしろ被害者の皆さん方のために、チッソがつぶれてしまったのでは救済の相手がなくなるので、被害者の救済のためにやはりチッソをつぶしてはならないということで開銀融資に踏み切ったことを今思い出しておるわけでありますが、政府は平成二年の十二月十八日に水俣病に関する関係閣僚会議を開催し、これに基づきまたチッソに対する金融支援措置等をさらに実施してまいりました。さらに、本年一月二十一日に同会議を開催して水俣病に係る総合的な対策を平成四年度から実施することにいたしております。ここに今の先生のお気持ちを我々も可能な枠の中で考えているということを御理解いただきたいと存じます。  したがって、水俣病の早期解決、これはもう先生の今お話しのとおりで、年齢等の問題もございますから、そのためにはこのような総合的な対策を着実に実施していくことが当面重要であるということで、このような努力をしておるわけであります。関係各省庁それぞれございますが、私どもの省としては、今後の関係閣僚会議の開催については、この対策の効果などを踏まえてこれから判断していくのが適当であると考えておることを御了承賜りたいと思います。

田中昭一日本社会党・護憲共同

○田中(昭)分科員 時間が参りましたから終わりますが、大臣、もう一度今日的な水俣病の情勢を認識をしていただきまして、関係閣僚会議で、何とか早期解決を図らなければいけない、こういう議論を行っていただきたい。私は厚生大臣にもお願いをしたい、午後農水大臣にもお願いをしたい、環境庁長官にも再三申し上げておりますし、それから官房長官にも十日ほど前、お願いしてあります。ですから関係閣僚会議でぜひ、この問題はやはり放置できない、こういう立場で再度関係閣僚会議の議論をしていただきたい、このことを最後にお願いを申し上げておきたいと思います。よろしゅうございますか。——では、終わります。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 これにて田中昭一君の質疑は終了いたしました。  次に、近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 まず私は、原子力安全委員会が九日に最終報告書を発表したわけでございますが、通産当局としてはどのように受けとめておられるか、お伺いしたいと思います。

山本貞一資源エネルギー庁長官

○山本(貞)政府委員 原子力安全委員会におかれまして、美浜二号機事故の事象につきまして、昨年から独自の立場で再発防止対策等に関する調査審議を進めてこられたところでございまして、先般、九日に報告を出されました。今御指摘のとおりでございます。  その報告にょりますと、当省の原因分析、それから再発防止対策等に関する見解につきましては、基本的には妥当なものという御指摘というか認識をしていただいておるところでございます。ただ、もちろん、その原子力安全委員会の取りまとめの中で、やはり原子力安全委員会の立場から、現行の安全審査指針の見直しとかあるいは定検項目の見直しとか、あるいはこの事象についての安全評価等につきまして見直すべき点があるということについても御指摘をいただいておりますので、私どもとしてはそういう事項につきまして今後ともそれを真摯に受けとめて検討を進めてまいりたい、それによって原子力発電の安全確保に万全を期してまいりたいと思っておる次第でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 特に原発の老朽化対策、私はこの問題を特に重視しなければいけない、このように思うわけでございます。もう二十年以上経過した原発も多々あるわけでございますし、これが新品と同じ形で、定検一つにいたしましても同じ方法であるということはおかしいと思います。ですから、この問題については通産当局としても真剣に取り組んでこられたと思うのですけれども、高齢原発につきましてどういう取り組みをされておるか、このことにつきましてお伺いしたいと思います。

末広恵雄資源エネルギー庁長官官房審議官

○末広政府委員 今、先生御指摘のとおり、かなり運転年数のたっておる原子炉はございます。そういった既設の炉につきましては、従来からこれまでのいろいろな技術の進歩、それからいろいろな建設、運転の経験の蓄積といったものを踏まえまして、適宜改造工事等、いろいろ反映を図ってきておるわけでございますが、今後こういった既設の炉につきましては、故障、トラブルに対して対策をとるということではなくて、むしろ予防、保全的な観点から計画的に改良工事を実施していくということにするという方針に基づきまして、電気事業者を指導していくということにしております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 具体的には、事故の経験あるいは研究から毎年新しい知識が蓄積されておる。古い炉に対しましてはほとんどそういうことは生かされてこなかったというのが現実だと思うのですね。ですからそういう問題、また運転年数に応じまして維持基準というものを見直して定検に反映させるということはもちろん大事でございます。したがって、新品と同様に年一回の検査とか、そういう形でいいのかどうかということも非常にこれは大きな問題だと思うのです。この点につきましてはどのようにお考えですか。

末広恵雄資源エネルギー庁長官官房審議官

○末広政府委員 従来定期検査という制度がございまして、これは年一回発電所の機器をオーバーホールいたしまして点検しているわけでございますが、これはどちらかといいますとハードに着目したチェックでございます。  今先生御指摘のような技術の進歩、いろいろな経験の蓄積等を実際の設計に反映するという観点から、定期的に設計のレビューを行うという定期的な調査という制度もこれから導入いたしまして、そういったいろいろな経験を既存の炉に反映していくということに努めてまいりたいというふうに考えております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 設計に反映させることは当然のことなんですよ。そうでなくして、稼動中の古いそういう原発に対していろいろそういう研究、蓄積されたものをどう反映させるかということを聞いているのですよ。設計に反映させるのは当たり前じゃないですか。

末広恵雄資源エネルギー庁長官官房審議官

○末広政府委員 今定期的な調査で設計に反映させると申し上げましたのは、稼動中の既設の原子炉につきまして、実際の、今までの設計どおりでいいのか、あるいはさらに、より改良すべき点があるかどうかというレビューをやっていこうということでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 高齢原発におきましては、今まではそういうことはありませんと言っておった細管が破断するとか、そういうことが現実に起きてきておるわけですね。ですから、そういう劣化というか、人体と同じでありまして、やはり二十年以上経過してくればあらゆるところでそういうもろさというものが出てきておるわけですから、また美浜と同じような、これは幸いに外部への漏れということが防がれたという点については報告書でもうたっておるわけでございますけれども、重大事故に直結する事故であったと私は思うわけでございます。そういう点で、特に古い原発につきましては最大の注意を払ってやっていかなければいけないと思うのですね。その点ひとつ、長官、もう一度お伺いしたいと思います。

山本貞一資源エネルギー庁長官

○山本(貞)政府委員 今審議官が申し上げましたが、さらに私ども、今度予算措置の中でも、経年劣化とかそういうものについての勉強というか評価をする技術開発の予算をお願いしておりますし、そういうようなことを反映いたしまして、先ほどございました定検のときに、あるいは定検項目についてさらに見直しをしていくというようなことで、より充実を図ってまいりたいと思っておる次第でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 通産大臣、美浜の事故もあり今回の報告もあり、今まで特に古い原発についてお伺いしたわけでございますが、大臣の見解というか、今後の決意を伺いたいと思います、特に古い原発に対して。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 今政府委員からの答弁もございましたが、エネルギー政策全体をお預かりする私の立場からいいますと、今日、生活が豊かになり、経済が発展する中で、エネルギーの需要は飛躍的に大きくなっております。電力というものだけ取り上げてみても、毎年七%の需要の増大が見込まれておりまして、これに対応して、国民の皆さん方に御不自由をかけないように電力を供給するということになりますと、これは原子力発電の存在は極めて重要なものであります。同時に、人の命は地球よりも重いのでありますから、万々が一にも原子力発電所の故障によって人命に影響を与えるようなことがあってはなりません。私は、原子力発電所の安全性については、一〇〇%でなくて一二〇%確保しなければならないということを常々申しておるわけでありますが、今先生と政府委員とのやりとりのような具体的な問題等についても、原子力発電の建設またそれの運営については、まずは一二〇%の安全の確保ということで進んでまいりたいと思います。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 大臣はエネルギー全般からとらえた、そういうお話をされたわけでございます。特にこのエネルギー問題でございますが、いろいろなデータを私もずっと検討してきておるわけでございます。最終エネルギーの消費ベースで、これは石油代替エネルギー供給目標で見込まれていた、閣議決定されたものでございますけれども、八八年度から二〇〇〇年度まで平均年一・四%増、二〇〇〇年度から二〇一〇年度までは同一・一%、こういうような見通しをされているのですけれども、八九年度で対前年度比三・四%増、九〇年度で対前年度比三・八%増、こういうようになっているのです。また、石油依存度を見ましても、八五年度、昭和六十年度ですけれども、これは五六・三%まで落ちているのですね。しかし、八六年度からこの依存度というのは一転して高まりまして、八六年度は五六・六、八七年度は五六・九、八八年度五七・三、八九年度五七・九、九〇年度五八・三と、ずっと増大してきておりますね。これは御承知のとおりです。  原因については、一つは景気もよかった、あるいは湾岸戦争によります一時的なそういう急騰期間を除けば価格が比較的低水準で推移してきた、それからまた、生活様式の変化、省エネ意識の低下等もあったと思うのです。いろいろな原因があったと思うのですけれども、そういう原因をどのようにとらえておられるか。また、こういうことに関しまして、長期エネルギー需給見通しの見直しをする必要があるのじゃないかと思うのですけれども、それについてはいかがですか。

山本貞一資源エネルギー庁長官

○山本(貞)政府委員 近年の最終エネルギー需要の伸び率あるいは石油依存度の、若干でございますが増大につきましては、まさに先生御指摘のとおりでございます。  原因は何かという御下問でございます。これは、先生御指摘ございましたように、豊かさを求める中でライフスタイルが変わって、いろいろな面でエネルギーを消費する生活パターンに移りつつございます。生産の面では、第一次オイルショック、第二次オイルショック後にかなり合理化というか省エネルギーが達成できたわけですが、これも御指摘のように、最近は省エネルギーあるいは省エネ投資という点についての産業界の動向も若干意識が落ちている感じもいたします。そういうこともありまして、産業活動の活発な状況が過去何年か続いた、その中で産業用の伸びが非常に伸びたということ、それから、今申し上げました家庭用あるいは民生用の伸びが高かったということ、それからもう一つは、やはり事務所というか、一極集中に絡んで事務所、業務用の需要が伸びたというのが最近の高いエネルギー需要の原因だと思う次第でございます。  これは一昨年の長期エネルギー需給見通しの線をかなり上回る伸び率を示しておるわけでございますが、私どもは今後一層の省エネルギー、あるいは関係方面へのお願いなりをしてエネルギー需要の伸びをできるだけ落とす、これは地球環境のためにも将来のエネルギーの安定供給のためにも必要でございますので、そういう努力をしてまいりたい。先ほどのエネルギー需給見通しというのは、単に見通しじゃなくて、これはやはりそういう姿にあるべきだという数字を出したものとして、私どもとしては一種の政策目標というか、官民一体となって努力をして達成すべき目標だと考えておりますので、確かに現時点では線を上回った需要度の伸びでございますが、この目標を今改定するというようなことよりは、むしろその目標に沿った努力をしてまいりたいと思っておる次第でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 長官も単なる見通しじゃない、それは政策目標だということをおっしゃっておるわけですが、政策目標とするにしては少し知恵と努力が正直言って足らないのじゃないかと私は指摘せざるを得ないのですね。  例えば、今電源開発の問題にしましても、立地難あるいは環境問題等々、非常に困難であることは周知の事実でございます。そこで、やはりいろいろなことを考えていかなければならぬ。一つは太陽光であるとか、燃料電池あるいは風力等の新エネルギー、これに対しての技術開発というものを加速度的に推進しなければならぬし、バックアップの体制をとらなければならぬ、このように思うのですね。また、そこから発生しできます余剰電力、これは電力会社が相当な価格で買電するということが大事だと思うのです。それも、ただ買ってあげなさいよというだけじゃなくして、私は義務づけるくらいのことが大事だと思うのですよ。そうでなければ、いろいろな新エネルギーに取り組むにしましても、そこにはきちっとしたものがなければ計画が立ちませんね。ですから、こういうことを一つは申し上げたいと思うのですね。  二つ目にはガスの積極的な活用を図る必要があるのじゃないかと思います。それからまた、リパワリング構想、これに対するバックアップといいますか、諸施策の充実。それは当然財源の問題になるのですけれども、電源特会の中からトータルなものとして、そういう運用であるとかいろいろな知恵を働かす必要があるのじゃないかと思うのですね。  以上の点につきましてどのようにお考えであるのか、お伺いしたいと思います。

山本貞一資源エネルギー庁長官

○山本(貞)政府委員 電源立地は大変な状況でございまして、原子力発電の立地を初め、今後努力をしてまいりたいと思っておりまして、来年度の電源立地勘定の要求でも原発の新規立地についての措置等をお願いをしておる次第でございます。  それから、新エネルギーにつきまして、先生御指摘がありました技術開発にさらに力を入れるべき点、まさに私どもも日々痛感しておる次第でございまして、昭和五十五年に新エネルギー・総合開発機構を設立し、あるいはその前からサンシャイン計画等努力をしてまいったところでございますが、来年度の予算要求におきましても、そういった新しいエネルギーの技術開発の予算をかなり増額をさせていただいて努力をしておる次第でございます。と同時に、技術開発が進みつつあるものについてはその導入を促進するための助成なり予算措置が一つございます。そのあたりも今度、例えば太陽電池については三分の二の助成、あるいは燃料電池については三分の一というような新しい制度をお願いをしておるわけでございます。  もう一つは、今先生御指摘のありました余剰電力を電力会社が買う、それが分散型電源というか新エネルギー電源の開発に非常に有効でございます。そういう意味で、実は昨年小委員会の答申をいただきまして、できるだけ電力会社がそれを買うべきだという方向を出していただきまして、それに基づきまして電力会社は本年一月に余剰電力について購入メニューを作成して積極的に買おうという方針を発表いたしました。私どもは電力基本問題検討小委員会の方向に沿ったものとして非常に結構なことだと思っておるわけでございます。  それによりますと、例えば太陽電池とか風力発電の電池については需要者に売る値段と同じ値段で買いましょうということを方向づけをいたしました。これは、先生、今御指摘ありました電力会社の買電義務というのは、ドイツ、アメリカでも一部ございますが、そのドイツ、アメリカの制度では、例えば太陽電池であれば九〇%の値段で買うというふうになっております。アメリカではアポイデッドコストで買う。これはそのときに、例えば火力発電でほかでやれば幾らかかるかということですから、恐らくコストで言えば売り値の半分くらいで買うよという制度になっております。そういう意味で、日本の今度の審議会で出した方向あるいは電力会社が対応した方向というのは欧米諸国よりはより進んだ方向で今進みつつあるというふうに私ども思っておりまして、今先生御指摘のあった義務づけというのは、一律義務を受けて、いろいろな意味でそれは不公平が生ずるという点もございますので、私どもとしては今の欧米より積極的な方向で対応するということで考えてまいりたいと思っておるわけです。  それから、ガスの活用につきましても、特に夏季電力のピークの問題のときにはガス冷房をやらなければいけない。その技術開発のためには、私ども技術開発の予算もお願いしておりますが、ガス会社も非常に努力をしております。それから料金面でも、最近小型のガス冷房についてより新しい料全体系を用意するというようなこともやりまして、積極的に活用してまいりたいと思っておる次第でございます。  リパワリングにつきましても、これは既存の発電所、例えば自家発等、さらにガス会社等々協力して出力アツプを図る、比較的安いコストで電力がより得られるというものでございます。そういうものについても、私ども積極的に各社のそういう検討を支援してまいりたいと思っている次第でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 長官、今御答弁されたそういう方向で力を入れていただいて、こういうことは極めて大事なことであると思います。それからあと、特に産業界の問題でございますが、特に夏場は冷房なりで最大需要がピークに達することは皆さん御承知のとおりですね。特に、甲子園の野球のときは最大ピークになるわけでしょう。そういうこともございまして、全体として産業界の夏季期間の操業休止といいますか、これは今労働界においても時短の問題もあるわけでございますから、ちょうどいろいろな点でミックスしていいのじゃないかと私は思うのですね。こういう点を積極的に指導するべきじゃないかと思うのです。それが一つです。  それから、先ほども長官御答弁になっておりましたけれども、省エネ意識ですね。これが最近非常に低下してきていると思うのですね。オール電化ハウスであるとか、確かに皆の高まりといいますかそういうものはわかるわけですけれども、そういう点の政府自身の省エネに対するPRなり指導が非常に弱体化していると私は思うのです。  以上の二点につきましてお伺いしたいと思います。

山本貞一資源エネルギー庁長官

○山本(貞)政府委員 夏の電力ピークというのは本当に頭の痛い問題でございます。実は、今先生御指摘のような点につきまして資源エネルギー庁あるいは電力会社としての対応といたしましては、電力料金面から、ピーク時に休みをとった場合、あるいは工場をとめた場合に電力料金面で優遇をするというような制度の強化を図ってきております。そういう方へ誘導する仕掛けというか、料金面での努力をしており、それから、実際は電力会社等が各社にお願いをするというようなことは進めておるわけでございます。ただ、一般的に夏に休業するということについては、またより大きな問題というか、違う局面もございますので、そのあたりは関係部局とも御相談して進める方向で考えたらいい、私どもエネルギーの面からはぜひという感じがございますので、また御支援をお願いできればと思う次第でございます。     〔主査退席、奥田(幹)主査代理着席〕  それから省エネ意識につきまして、これは先ほどもちょっと申し上げましたが、先生のおっしゃるとおり、地球環境のためにもエネルギーの安定供給のためにも、本当にこれが今一番必要なことでございますので、いろいろなPRを私どもしておるわけですが、なかなか笛吹けと踊らずというような面もございます。  そういう意味で、私ども、昨年の九月から総合エネルギー調査会で省エネルギー部会を再開していろいろな御検討をいただいております。今先生御指摘のようなPR、あるいは小学校、中学校からの教育とか、制度面でどういう対応ができるかというようなこと、サマータイムをどう考えたらいいかとかというような御検討もいただいております。同時に、今、俗称省エネ法というのがございますが、この五十四年にできた法律について、その運用の見直し、あるいは必要に応じてその法律改正自体も検討すべきではないかということを今審議会で検討いただいておるところでございます。近くその方向づけをいただいて、私どもも積極的にこれを検討してまいりたいと思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 では、最後に一問だけお伺いしたいと思います。  今我が国を取り巻く諸外国の問題を考えますと、北方領土の問題を初めとして対ソの問題ですね。これは政経不可分の原則というものがあるわけでございますけれども、先般渡辺外務大臣に私がある委員会で質問しました。そのときに、それはそれとして、今後の方向としては本当に大いに緩めたといいますか、積極的にいろいろな点で支援をしていくことが大事だろう、こういうお話もございました。  この対ソ支援を考えますと、技術的な支援あるいは貿易経済活動円滑化の支援、人道的な支援というのがあるわけですが、特に通産省等に関しましては貿易経済活動円滑化の支援が中心になると思うのですね。これにつきましては、十八億ドル程度の貿易保険の引き受け、うち三億ドルの投資保険、六・四億円の投資保険引き受け済み、二億ドル程度の輸銀輸出信用の供与という報告を今現在では受けております。そういうようなことで、この支援という点につきまして、やはり通産省が対貿易経済、いろいろな面で積極的に展開していく必要があるのではないかと思うのです。その点につきましてどういうお考えを持っておられるかをお聞きして、私の質問を終わります。

岡松壯三郎通商産業省通商政策局長

○岡松政府委員 旧ソ連に対する支援の問題でございますが、先生御指摘のとおり三つの側面で進めておるわけでございます。すなわち、緊急支援、人道的支援と言われるもの、技術的支援あるいは知的支援と言われるもの、それから貿易経済活動の円滑化のための支援というものがございます。これらの三分野につきまして通産省として積極的に取り組んでおります。  特に、技術的支援分野ではエネルギー関連、先ほど御質問の原子力の安全の問題というのもその中に含まれているわけでございますが、そのほか石油、天然ガスの供給の円滑化のための措置あるいは軍民転換の問題、中小企業の育成の問題等がございますし、さらに我が国と非常に関連の深い極東地域の開発について実情を把握しておくという必要がございますので、既に三つのミッションを派遣したところでございます。  最後の貿易経済活動円滑化のための措置につきましては、御指摘のとおり投資案件につきましては小さなものが既に進んでおるわけでございますが、残念ながら貿易関連につきましては、先方の信用状況が著しく悪くなっているということから実際にまだ進んでいないところがございますけれども、とにかくあれだけ政治的、経済的な影響力を持ちました旧ソ連が大きく自由経済化あるいは民主化の方向に向かって改革の努力を進めておるところでございますので、我が国といたしましても、また通産省といたしましても、その持ち前の分野におきまして積極的な支援措置を講じていくように検討し、かつ実施をいたしているところでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 時間がありませんので、これで終わります。  大臣、今時間がありませんので聞きませんが、積極的に取り組んでいただきたいということを強く要望しまして、一言お願いします。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 ただいま政府委員から答弁したとおり、新生ロシア共和国が自由主義国家として発展してくれることに、できる限りの支援をしてまいりたいと思います。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江分科員 終わります。

奥田幹生自由民主党

○奥田(幹)主査代理 これにて近江巳記夫君の質疑は終了いたしました。  次に、野坂浩賢君。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂分科員 渡部通産大臣にまずお尋ねをしたいと思うのですが、通産大臣は過去、自治大臣もやっておられましたし、オールマイティーでありますから、他の省庁からお呼びをすると非常に労力も多いだろうと思いまして、できるだけ大臣にお尋ねをして、全般的なことについて確認をしておきたいと思っています。  東京一極集中という言葉がありますが、できるだけ一極集中を排除して、日本を全体的にレベルアップをするように多極分散型でやろうというふうに言われてから数年になります。  それで、私は鳥取県ですけれども、人口の流出になかなか歯どめがかからない、過疎は過疎を呼ぶ。県内でもそうですけれども、全国的に見てもそういう過疎県というのが非常に多い。これに対して政治的に配慮をして進めておられるわけですけれども、我々の目にはなかなか見えない。どのような成果が今日まで上がっておるのか、まず概論として御感想をお述べいただきたい。そして敷衍をして、今後どのような対策を打とうと考えておるのかという点を明確にしてもらいたい。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 先生御指摘の一極集中の問題、私は、我々が戦後四十七年歩んできた道を振り返ってみて、基本的には、外交の面あるいは経済の面、ほとんどの面で間違ってない歩みを進んできたと思いますけれども、その中で私どもが最も厳しく反省しなければならない問題がありとすれば、この一極集中の問題だと思います。  事の起こりは、戦前までいわゆる農林水産業、第一次産業を中心にしてそれぞれの地域社会が暮らしておったわけでありますが、戦後、急速な変化の中で、今や第一次産業と言われる農林水産業の総所得が十一兆円、我が国の総売り上げ四百兆あるいは五百兆と言われておるわけでありますから、残念ながらどんな地方でも、この農林水産業を主体とした経済では若者たちがそこに定着して将来の可能性を持つことができないという中で、最初は太平洋ベルト工業地帯というようなことを言われましたが、東京や大阪に地方の若者たちが集中して今日になったわけであります。しかし、今振り返ってみると、その人口が集中した東京の人たちが幸せかといえば、毎日毎日が交通渋滞のいらいらで悩み、また、一生サラリーマンが働いてもとても二戸建ての住宅も持てない、土地も持てない。したがって、これからのゆとりのある、憩いのある生活というものは、日本は狭い狭いと言われても三千七百万ヘクタールのそのほとんどは過疎になっておるのでありますから、私、いつも先生のところに参りますと、米子から鳥取までのあの海を見渡した美しい景観、こんなすばらしいところが過疎になっておるなんて、これこそ政治の矛盾で、こういうところにこそこれからどんどん若者たちが未来に生活を可能性を持って進んでいくような日本をつくらなきゃこれはだめだとしみじみ感じるわけであります。  それには、やはり一つは道路交通、これは新幹線、鉄道をも含みますけれども、何といってもこれは交通ネットワーク、飛行機も含みますけれども、整備していくことである。また、情報という今日の時代ですから、これはやはり情報が均等化していかなければならない。もう一つは、これは教育というのが、昔は小学校六年でよかったんですけれども、今はみんな子供たちは大学まで出さなきゃならないという時代でありますから、これは大学の地方分散。そして、今私が通産省をお預かりするようになって通産省の諸君に最初に言った言葉が、これからは経済のふるさと創生をやれ。やはり若者たちが未来に可能性を持ってふるさとに暮らしていくためには職業に希望のある可能性を持たなければならないので、私どもが今までのように、ただ地方には安い土地があって労働力があるから、工場だけを移していくなんということの考えでなくて、業務機能そのものをこれは思い切って、あるいは本社機能をも含めて移していく。今の国土庁の計算ですと、これは霞ヶ関ビルがこれから十年間で東京に三百も建たなくちゃならないという話ですから、そんなことしたら東京はぶっ壊れちゃうんですから、これはやはり鳥取とか米子に、私のところの福島にも持ってきた方がこれはいいわけで、やはり経済も均衡ある国土発展の中に思い切って地方に分散する。  そのために、今度の国会でも拠点都市構想とか、あるいは中小企業の集積とか、あるいは伝産法とかいろいろなことを予定しておりますので、これらを進めて、この戦後四十年を振り返って、ああ我々はやはりここは間違っておったなというのが先生の御指摘の問題でありますから、この過ちを直すことこそがこれからの政治の最大の課題である、取り組んでまいりたいと思います。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂分科員 国土庁からおいでいただいておりますでしょうか。今大臣からお話しをいただいて概要理解をいたしておりますが、今までにも、大平さんの時代には田園都市構想とか、あるいは定住圏構想とか、地方の都市はかねや太鼓をたたいてアピールしておるんですが、内容は各省庁における事業の集積であって、特別の枠でなかなかやっていけない、見えない。国土庁が主管されております新産都市法というのがありますね。あれも、一時私たちが目の見えるところでは、水島とか山口の徳山の工業整備都市とかいうところが見えたわけですが、我々山陰のところでは、交付税のかさ上げとか補助率のかさ上げとか、その程度でなかなか目に見えてこない。新産都市に指定されたからほかのところはだめだよというような格好で、だんだんだんだん伸びがとまっておる。むしろ後退を余儀なくされておるというような状況です。昭和三十年代後半に新産都市法というのはできたわけですけれども、もう三十年たって、新たな発想で進めるというようなことを考えていかなきゃならぬ。現状、新産都市法というものの成果は具体的にどのような状態でありましょうか、お答えをいただきたい。

斉藤恒孝国土庁地方振興局総務課長

○斉藤説明員 ただいま、新産業都市法を初めとする国土政策のこれまでの効果について御質問いただいたわけでございます。  私ども、新産業都市につきましては、例えば工業出荷額でいいますと、全国の伸びがこの二十五年間に十倍であったのに新産地区合計としては十一倍だったということでそれなりに効果を上げたと思いますが、先ほど来御指摘ありますように、それでもなおかつ東京一極集中の是正には必ずしも十分でなかったということがございます。そのため、一つには多極分散型国土形成法というのを六十三年に制定して取り組んでおりますが、それでも必ずしも十分でないということで、今回六省庁でいろいろ御相談申し上げまして、新しい法律等を検討して御提案を申し上げておるところでございます。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂分科員 法律がある限り、具体的な指導方針を立てて積極的に進めていただきたい。  今も、そう効果が上がっていないのでというお話と、先ほど通産大臣は新地方拠点都市法といいますか、あるいは中小企業の集積、これらを挙げて、地方分散を積極的に図りたいというお話であるわけであります。したがって、この新地方拠点都市の整備と産業業務の施設の再配置の問題について、通産大臣がおられませんからお聞きしたいと思うのですが、組合で連合というのがありますね。御存じですね。連合が調査をして、一番人口流出が多いところを十八県挙げておりますね。それは北海道、青森、岩手、秋田、山形、新潟、和歌山、鳥取、島根、山口、徳島、高知、愛媛、佐賀、長崎、大分、宮崎、鹿児島と十八県挙げておるのです。拠点都市の法律というのは、東京二十三区から今まで工場が進出したけれども、今度はオフィスを込みで事務所が移転しても、その買いかえの問題や税金の問題は少なくするということですね。二十三区といいますと非常にその範囲が限られてくるんじゃないかと思いますね。十八県というのは、遠い鹿児島から我々中国や北海道、青森というところですから、今も通産大臣がお話しになっておりましたけれども、本社込みで行くというようなことが果たしてできるかなというふうに私ども頭をかしげるわけです。特に、さようして過疎県でありますからなかなか引っ張りにくい。首都圏であれば、埼玉とか群馬とかそういうところまでは、福島のあたりまでは行けるだろうけれども、我々のところにはなかなか容易じゃないだろう。やはり首都圏集中になっていくのではないかな、こういうふうに危惧するわけでありますが、その辺について、日本国全体に分散ができるという方式というのが考えられておるだろうかどうか、この点についてお伺いをしたいと思います。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○鈴木(英)政府委員 私ども通産省は、これまで産業立地政策を担当させていただいてきておりますけれども、先生御承知のように昭和四十七年に工業再配置を始めまして、その後私ども、地方の開発というのは、先ほど大臣からも申し上げましたように、産業の実態あるいは経済の実態が地方に根づいて、そこで雇用の場が発生をするということがやはり一番大事ではないかということで、その後も経済の実態に応じまして、五十八年からはテクノポリス法あるいは六十三年には頭脳立地というようなことで全国広く地域を指定させていただきまして、こういう政策を促進してまいりました。おかげさまで最近は新しい産業が立地いたしますと、約八〇%はいわゆる都市圏といいますか都市圏以外の誘導地域に立地をされる、あるいはテクノポリス地域におきます先端産業の集積が全国平均をかなり上回っておるというようなことで、それなりの成果を上げさせていただいているのではないかというふうに考えておるわけでございます。  そこで、ただいま問題になっておりますのは、先ほどからのお話のように、やはり東京に事務所が非常に集中をしておるということでございまして、これも産業機能の一環でございます。私ども、今回はこの事務所をこういう首都圏以外のところに分散をする、あるいは東京に本来やってこようとしておる事務所を何とか地方に定着をしていただくということで、今回の法律におきましては、既成市街地あるいは近郊の整備地域等のいわゆる首都圏を対象地域から除外することにしておりまして、むしろ地方各県で業務拠点をつくり、そういうところに業務機能を集中的に展開をしてまいりたいということで考えておりまして、これらの対策を関係省庁の強力な連携のもとに推進することによりまして、地方への人口の定着あるいは地域の活性化が図られるものと期待している次第でございます。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂分科員 よく理解できましたが、首都圏は排除する、福島県からだということになるわけですが、そうしますと、地方の行政庁等も積極的に努力しますけれども、例えばオフィスや工場、今まで工場はそうですけれども、オフィス等事務所も移転をするということになれば、それぞれ地方に任せないで、積極的に通産省もそれについての援助、指導というものはやっていただけるかどうかということが一点。  二点目に、この地方拠点都市は知事が指定をするわけですね。そしてそれを政府の方に通知をする、その通知を受けて積極的に協力をするというシステムになっておるわけですね。その場合、指定地域というのは知事がやるわけです。それは拠点都市といいますけれども、その周辺の町村も含めて、いわゆる生活圏の拡大とでもいいますか、そういう大きな面でこの開発はやるだろう、そういうふうに考えられますけれども、その点については一体どうなのか。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○鈴木(英)政府委員 御指摘の第一点でございますけれども、私ども通産省といたしましても、最近企業サイドでも、やはり東京一極集中といいますか、東京に事務所を置いておくことが問題であるなどいう意識がここ数年急速に上がってきているのではないかというふうに考えております。特に従業員の方も、やはり東京で生活をするよりも地方に戻りたいなというような意識も高まっておるようでありますし、あるいは、最近は新卒の学生にアンケートをとりましても、どうしても東京にいたいという学生さんがかなり減ってきておる。それから、やはり地方で高齢化あるいは核家族化というのが進みまして、地方のお母さん方の、息子を東京に奪わないでほしいというような声も非常に高まっておるというようなことで、これを受けまして企業の方でも、最近、真剣に業務機能の地方分散ということを考え始めておられるのではないかということをうかがい取ることができるわけでございます。  そこで、私ども通産省といたしましては、まず地方拠点の整備が大事ということでありまして、地域振興整備公団に業務用の、オフィス用の団地を造成してもらう、あるいは共同して使えるような会議場を出資事業の一環として整備をするというような受け皿づくりから始まりまして、さらに、東京から移転をするという企業に対しましては移転計画の認定をしまして、そうして、移転する者に対しまして税制、金融上の優遇措置を講じていこうというようなことで、地方拠点の整備と誘導策をあわせて実施をさせていただきたいというふうに考えている次第であります。特に、最近、企業のメセナとか社会貢献というようなことが言われておりますけれども、私ども、地方に事務所を展開した企業が世間から高く評価されるようなそういうムードづくりも大事だと思っておりまして、そういう関係のPR活動あるいはセミナー等も支援をしてまいりたいというふうに考えておるわけでございます。  御指摘の第二点でございますけれども、これは拠点都市ということで、やはり東京から機能を分散いたしますためにはある程度の都市機能というのが大事であります。と同時に、豊かな自然といいますか、そういうものも行った人たちが享受できるような権益というか、そういうものを考えていかなければいけないと考えております。したがいまして、周辺の市町村も含めてそういう拠点というものを設定したいというふうに考えておる次第でございます。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂分科員 一つは、知事が指定する。その場合は、知事が指定をしたら政府は否やは言わないということだろうか、事前にいろいろ連絡はあるでしょうけれども。それは県都というものは除外をするというふうに考えていいのか。県都というのは大体人が集まっできますから、そうではないところの都市を指定をするということなのか。それと、各県に二つぐらいの指定都市をしたいというふうな構想だと聞いておりますけれども、そうなのか。それから、既に法律ができるぞということで十二、三県は現状もう申し入れをしておるというふうな話を聞くわけですが、それが先着順なのか、全体を出してみてその上でこの指定都市をやるのか、ことしは大体どの程度やろうと内心考えておるのか。さらにもう一点は、過疎のひどいところは最優先に取り上げてもらわなければ、小県はもたもたしておってまだ出していないというような状況があるやに承っておりますので、それらについては、過疎のところはある程度最優先に上げていかなければバランスがとれない。先着順ということになると小県はどうもずれてくるという可能性が強いというふうに判断されますが、その点についてはどうかということと、時間がありませんからもう一点だけ聞いておきますが、今度の法案というのは、国土庁とか農水省とか通産省、郵政省、建設省、自治省と六省庁になっていますね。どこが主管庁なのか。これを決めておいてもらわないと、何か主管庁には大体国土庁がなりますけれども、集大成でなかなかようわからぬという格好ですけれども、どこが大体窓口になって引っ張るのか。この点についても、わかっておりますれば御回答いただきたいと思います。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○鈴木(英)政府委員 まず第一点の、地方拠点都市地域の考え方でございますけれども、先生御指摘のように、都道府県知事が主務大臣それから関係市町村と協議の上指定を行うということでございまして、指定の段階で私どもに対します協議というのは当然ございます。ただ、私どもは、基本的にやはり地方の自主性を尊重して検討してまいりたいと考えておりますが、こういうことを言ってはなんですけれども、もちろん予算の限度もございますので、県知事が決めれば一県に幾つでもいいのかというようなことにはなかなかならないと考えておりまして、もちろん、都道府県によって事情は違うと思いますが、各都道府県ごとに一つか二つぐらいの地域かな、一年に十とか十五地域ぐらいを指定していくのかなというような大ざっぱなめどは私ども立てておりますけれども、これはまだ今後のことでございます。  それから、特に県都といいますか県庁所在地をどうするかという問題でございますけれども、これも県によって事情がかなり変わると思いますが、私ども、同じ県の中でまた一極集中が起こるというようなことでは非常に問題だということを考えておりまして、その辺の事情を十分しんしゃくしながら県知事の方で地域を指定していただければいいなというふうに考えております。特に、この地域につきましては、自立的成長のポテンシャルを持っておって、かつ、地方定住の牽引力となることが期待できる地域というようなことで考えておりまして、その広がり等も含めまして、具体的にはその都道府県の実情に応じて指定されていくだろうということを考えておるわけでございます。  それから、これの省庁でございますけれども、現在、法律を国会にお願いするまでの間は、各省庁と相談をいたしまして、一応建設省さんが窓口になっていただくということでやっております。今後、この窓口をどうするかということについては関係省庁間で十分相談をしていきたいと思っておりますけれども、ただ、地元の方々がいろいろな省庁に行かないとこれがなかなか進まないということにだけはしたくないなということでございまして、そういう地元の手続をなるべく簡素化するという方向で窓口官庁をどうするか、みんなで仲よくやるということが大事だと思いますので、その辺も勘案しながら決めてまいりたいというふうに考えております。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂分科員 時間がありませんが、農水省からおいでいただいておりますか。地方拠点都市をつくった場合、生活圏の拡大という意味もあって、市部だけではなしに郡部にも影響します。その場合、農地がありますね。優良農地等は規制がありますね。その場合には、これは規制を緩和するということになるのでしょうか。今までの法律に照らし合わせてどのようなことになるのか、その辺も明らかにしておいていただきたいということが一つ。  それから、通産省の方に伺いますけれども、この制度、この法案の目的の一部には、地方分権、権利を地方に移譲する、そういうことも含まれておるだろうかという点。それから二点目は、議会等で話し合いがあるでしょうけれども、できるだけ民意を尊重してもらわなければならぬ。働く立場に立つ労働者の皆さん、土地を提供しなければならない農家の皆さん、あるいは集積法等に絡んで中小企業の意見等、広く地域の皆さん方の意見を反映して集約してもらわなければならぬ。みんな偉い人だけが出て、現場の皆さん、労働者等はほとんど出ていないというこれまでの経緯もこれあって、やはり当該者である働く者が積極的に参加をするという仕組みにしてもらわなければならぬと思うのですが、それについて御答弁をいただきたいと思います。

上木嘉郎農林水産省構造改善局農政部農政課長

○上木説明員 ただいま農地転用許可の件についてお尋ねがございましたが、この地方拠点都市整備法案におきましては、農林水産大臣が、拠点地区におきますところの産業業務施設等の整備に必要な用地につきまして農地等の土地利用の調整を行う、こういう観点から、主務大臣といたしまして参画をするということにしておりまして、優良農地、つまり集団的に存在する農地だとか、あるいは生産力の高い農地だとか、さらには農業上の公共投資の対象になった農地だとか、こういうようなものにつきましては極力確保していく。こういう点に配慮しながら、基本方針の策定あるいは基本計画の策定に対する指導というものを行っていくことにしておりまして、優良農地の確保ということにつきましては支障が生ずることのないように努めていくつもりでございます。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○鈴木(英)政府委員 この法律は基本的に、先ほども申し上げましたように、基本方針の策定は主務大臣が行いますけれども、実際の地域の指定につきましては都道府県知事、それから基本計画の作成につきましては市町村が共同して行うということで、そういった意味で、従来の地方立法になかった地方の自主性を尊重するという新しい体系になっておるというふうに理解をしております。また、自治省さんの方でも、例えば一部事務組合等に権限を移譲する、そのための地方自治法上の特例を設けるということもお考えのようでございまして、そういった意味で、地方の自主性を尊重した法律体系にしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。  それから、次の御質問のこの法律の基本計画を作成する場合でございますけれども、ただいま申し上げましたように、基本計画は基本的に関係市町村等が共同してつくることになっておりますけれども、この計画の中身は、指定地域にかかわります整備の方針に関する事項を初めといたしまして、拠点地区の区域の設定、整備に関する事項等を定めることになっておりまして、まさに地方拠点都市地域の整備の基本になるものというふうに考えておりますけれども、こういう計画作成に当たりましては、御指摘のとおり、幅広く地域の住民の方等の意見を反映することが望ましいと私ども考えておりまして、必要に応じて関係地方公共団体を指導してまいりたいと考えております。  なお、この構想につきましては、私ども通産省といたしまして、いろいろな御議論を産業構造審議会の産業立地部会でお願いいたしまして基本的な構想を決めていただいたわけですけれども、このときにも、労働組合の方あるいは主婦連の方等に委員になっていただきまして十分御意見を伺っているつもりでございますので、今後とも、いろんなときどきに応じまして必要な意見は伺ってまいりたいというふうに考えております。

野坂浩賢日本社会党・護憲共同

○野坂分科員 時間が参っておりますので、これでやめなきゃなりません。お話をちょうだいいたしましたが、大臣が一番初めに言われたように、一極集中を排除する、したがって、過疎県等には道路交通、情報、教育、ふるさと創生、これを力強く進めていく、こういうことでありますから、我が鳥取県は過疎県の最たるものでございますので、そういう指定に当たっては十分御配慮をいただきますように要望して、これで終わります。

奥田幹生自由民主党

○奥田(幹)主査代理 これにて野坂浩賢君の質疑は終了いたしました。  次に、鉢呂吉雄君。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂分科員 私は、私の地元の鉱山の鉱害防止工事について御質問をさせていただきます。  まず、金属鉱業等鉱害対策特別措置法というのが昭和四十八年に制定されました。金属鉱山が鉱業活動終了後もカドミウムあるいは砒素等の重金属による水質の汚濁あるいは農用地汚染をもたらす等でこの法律が制定されたわけでありますけれども、この法律の意義につきまして、まずお伺いをいたしたいのであります。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○鈴木(英)政府委員 金属鉱業等鉱害対策特別措置法につきましては、鉱山におきます坑道あるいは堆積場の使用の終了後の鉱害を防止するための事業を確実かつ計画的に実施をしていくということを目的としておりまして、鉱害防止事業の実施時期、事業量等について基本方針を定め、公表しておるところでございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂分科員 そこで、私の地元の精進川流域の鉱山鉱害防止工事についてでありますけれども、この鉱山が鉱害防止事業に設定されたこれまでの経過について、まずお聞かせを願いたいと思います。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○鈴木(英)政府委員 精進川鉱山でございますけれども、この鉱山は、雨鱒川坑区域それから精進川坑区域の二地域から成っておりまして、前者の雨鱒川坑区域につきましては、明治二十九年から富田鉱業というのが操業する、あるいは精進川坑区域につきましては、昭和十二年から昭和製鉄という会社がそれぞれ褐鉄鉱を目的として採掘を開始したわけでございます。  その後、昭和十七年に、精進川坑区域で操業しておりました昭和製鉄株式会社が社名を日本硫鉄に変更いたしまして、硫黄の採掘も開始をいたしました。さらに、昭和十八年にこの日本硫鉄という会社が雨鱒川坑区域の鉱業権を買収いたしまして、両区域につきまして一括をして同社が昭和三十三年まで硫黄鉱の採掘、製錬、それから褐鉄鉱の採掘を行ってまいりましたけれども、昭和三十三年から経営不振によりまして休山をいたしまして、昭和四十四年に破産し、会社が解散をいたしました。  その後、鉱業権は一たん個人に移転をいたしましたけれども、採掘には未着手のまま鉱業権が放棄されまして、義務者不存在の廃止鉱山となったものでございます。したがいまして、そういう意味で特借法の対象になっているという経緯でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂分科員 そこで、この鉱山は、義務者不存在の鉱害防止工事ということで、これまで昭和四十六年ごろから防止工事をやっておられると思いますけれども、これまでの工事の経過、簡単でよろしいですけれどもお知らせ願いたいと思います。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○鈴木(英)政府委員 義務者不存在になりまして、工事の実施主体につきましては、不存在になった場合地方自治体にお願いをするということになっておりまして、北海道等が事業主体となりまして、休廃止鉱山鉱害防止等工事費補助金、これは通産省が交付いたしますけれども、これによりまして継続して工事を実施してきているわけでございます。  鉱害防止の工事は、昭和四十六年度、それからちょっと途中飛びますが、昭和五十二年から今年度までで総額約五億八千万の工事をやっておりまして、そのうち、国の補助金は四億三千三百万円であるということでございます。  この工事の内容でございますけれども、同鉱山におきまして堆積場の一部流出が見られておりましたため、まず堆積場の覆土植栽を行う、それから二番目に山腹水路及び護岸工事等を実施しておりまして、堆積場対策が一応終了した昭和六十一年度からは、坑内侵入水防止のためのボーリング工事等を、北海道の依頼によりまして金属鉱業事業団が実施をしている、こういう状況になっております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂分科員 私も、この問題で地元から再三再四の要請がございまして、昨年の七月にここを現地調査、半日以上かかって地元の町長さんと調査をさせていただきました。  今、局長さん言われましたように、いわゆる露天掘りのところについても覆土あるいは植栽工事で木なんか植えてありますし、また、硫黄鉱山でありますけれども、一時堆積したところについても覆土植栽工事をしておる。そうでありますけれども、今局長が言われましたように坑内から水が流れておるのですが、これが毎分三立米流出、地元の話ですとpHが二・四程度、強酸性であると思います。ですから、精進川、雨鱒川、二つの川があるのですけれども、その両方とも川底が赤く染まりまして、草木は全然見えない。淡水魚は、私の目ではわかりませんけれども、地元の話ですとほとんどすんでおらないということでありまして、この間の工事の効果はさほどあらわれておらないというような感じを受けた次第でございます。  この川が注いでおります噴火湾は、北海道の中でも、いや日本の中でも水産業が最も安定して発展をしておる。これは日本の中でも非常に漁業が安定しておるというふうに私ども見ておりますけれども、それは、一つには養殖のホタテ、これは東北、北海道でもありますけれども、函館から室蘭、苫小牧にかけてのあの噴火湾がホタテでこの十年来急速に伸びてきております。あるいはまた、養殖昆布についても安定した収入を上げておりますし、またサケ・マスのふ化事業ということで、特にサケ・マスの遡上を兼ねる川があそこに何本も入っておるわけでありまして、この川についてもサケが遡上できる川というふうに言われております。したがいまして、水産業に与える影響も大変大きいだろう。  もちろん、地球環境が今大きな問題になっておるときでありますから、自然環境を守るという点からいっても、今の鉱山の硫黄の垂れ流しというのは大変なものであるというふうに思いますけれども、特に通産省は、このような自然環境の保全、あるいはまた水産業等産業に与える硫黄の垂れ流しの影響についてどのように把握をしておられるか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○鈴木(英)政府委員 ただいま御指摘のように、私どもの調査によりましても、精進川鉱山流域におきましてpHが高いという問題を認識しているわけでございます。坑口付近の例えば中切坑口ではpHが二・七ぐらいございまして、さらに雨鱒川の下流でpHが三・二、あるいはその先沼尻川と合流いたしますけれども、その先の折戸川の下流、つまり河口では薄められてpHが六・九ぐらいの状況であるというふうに、これはもちろん季節等によって異なると思いますけれども、平成三年九月の測定値によりますとそんな状況になっているということを認識をしておるわけでございます。  かつて昭和二十七年ごろに鉱山の生産量が増加をいたしまして、そのため排水量もふえた。そのときには酸性水が下流域の水稲に被害を与えたり、あるいは閉山後、昭和四十七年に河川に沈殿をしておりました水酸化鉄が海域に流出をいたしまして、先生御指摘の昆布とかワカメといった沿岸漁業に被害を与えたこともあったというふうに承知をしておるわけでございます。  私ども、これまで何とかこういう環境整備ということで、堆積場の覆土植栽あるいは護岸工事、導水路工事等を実施し、その結果、大雨等による堆積物の崩壊流出防止が図られてきたというふうに考えておりますけれども、対策としていまだ万全なものとは考えておりませんで、何とかこの問題を早期に解決するように努力をしてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂分科員 私、質問いたしました自然環境や水産業に与える影響、あるいはまた、この二十年来、先ほど言いましたように五億数千万かけて工事をやってきたのですけれども、それでどの程度環境なり水産業へ与えた影響を改善してきたのか、その辺についてはどうでしょうか。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○鈴木(英)政府委員 先ほど申し上げましたように、もちろんpHが高いということは環境にとっていいことではございませんで、温泉地帯のようにもともと画が高いところもございますけれども、やはり水稲に与える影響でありますとか、あるいは海産物に与える影響というのは基本的に十分考えなければいけないというふうに考えておるわけでございます。  かつ、そうい観点から、従来は大雨等が降りますと一挙にそういうものが流れ出すというようなこともありまして、そういう大量の流出というものが流域に被害を与えるということでございますので、まず堆積場の手当てをいたしまして、大雨等によって大量に流出をすることがない、そういうための工事をしてまいったわけでございます。ただ、先生御指摘のように、いまだに坑口周辺においては画が高いことは事実でございますので、何とかこの発生源対策をやっていかなければいけないな、これがやはり地域の環境を守る道であるなどいう認識でおる次第でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂分科員 自然環境に与える影響等についての計測をするということはなかなか困難な面もあろうと思いますけれども、ただ、四十六年当時、それから防止工事を行ってきた都度、その環境に与える影響、これは単純でありますから、硫黄でありますから胆が高いというか、pHが割合低いというか、pHが強いというか、強酸性ですから低いといった表現がいいのかもわかりませんけれども、その都度それは調査をしていくべきものであろう。自然な流出、水の関係でありますから、それを一つ一つ防止していくということの作業の中でどのぐらい効果が出てきたのかなということは必要だろうと思いますから、その点については万全を期して、その都度調査をしてやっていただきたいものだなというふうに思います。  そこで、今後の対策でありますけれども、今局長の言われましたように万全とは言えないということで、これまでは表面に出ている堆積物ですとか露天掘りを防いできたということでありますが、いわゆる地下から出てくる水、それが汚染されておるということでなかなかその発生源を断つことができないというのが現状だろうというふうに思います。今後のこの対策の方向、見通しについてお伺いをいたしたいと思います。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○鈴木(英)政府委員 お答え申し上げる前に、訂正をさせていただきたいと思います。酸性度が高いという意味で高いと申し上げました。大変失礼を申し上げました。  今後の対策でございますけれども、北海道を実施主体といたしまして、従来に引き続きまして、露天掘りの跡地あるいは陥没跡地、こういうものの整形、覆土あるいは植栽工事等の発生源対策を実施していく必要があろうかと思っておりますけれども、そのほか、やはり坑内に浸入いたします水の防止工事というのが基本的な発生源対策として重要ではないかと私ども考えておる次第でございます。  先生十分御承知のように、坑内の浸入水防止工事につきましては、地下水が鉱床地帯を通過して汚染水となって坑内から出てくる、こういうことでございますので、地下水が鉱床地帯を通過するのを防ぐことを目的として工事を行ってはどうかというような考え方がございます。現在、そういうものの実現可能性があるのかどうか、あるいはどういう工事を実施したらいいのかということにつきまして、先ほどちょっと触れましたが、北海道の依頼を受けまして金属鉱業事業団が、この状況につきましてボーリングあるいは物理探査、航空写真等を利用いたしまして調査を実施している段階でございます。今までの調査結果によりますと、この地下水路につきましてはほぼめどがついたかなという段階であります。ただ、今度は鉱床の広がりがどのぐらいでありますとか、そういうものを確定いたしませんとなかなか工事ということにもなりませんので、今鋭意調査をしておるところでございます。  北海道とも連絡をしておりますけれども、今後、北海道といたしましても、調査のこれまでの結果を踏まえ、さらにこれからの調査結果も踏まえまして、坑内浸入水の防止工事の具体的工法を検討するという予定であると聞いておりまして、私どもといたしましても、北海道による検討を踏まえまして、必要な予算措置等に努める等適切に対処してまいりたいというふうに考えております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂分科員 この特借法の関連で、四十八年以降さまざまな工事を全国各地で行ってきておると思いますけれども、これまでのこの防止工事の箇所、まだ継続している箇所数、事業規模、あるいはまた、ことし平成四年度のこの関係の事業額、予算額等についてお知らせを願いたいと思います。     〔奥田(幹)主査代理退席、水田主査代理者     席〕

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○鈴木(英)政府委員 昭和四十八年にこの特借法を施行しまして以来、義務者不存在の休廃止鉱山についての平成三年度までの鉱害防止工事の実績でございますけれども、金額にいたしまして約四百七十億円でございます。このうち、国の補助金が約三百五十億円支出されております。対象鉱山は累積で百七十七鉱山ということになっておりまして、このうち百二十六鉱山の鉱害防止工事が終了しております。  平成三年度の工事規模でございますけれども、私ども、約十八億円というふうに考えておりまして、このうち国の補助金は約十三億円、対象鉱山は三十五鉱山でございます。また、平成四年度につきましては、ただいま国会で予算案を御審議いただいておりますけれども、約十五億円ほどの工事、うち国の補助金は十一億円ということで見込んでおる次第でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂分科員 大変長期間にわたって全国的にも行われておりますし、今の対象の精進川工事についても、もう四十八年以前の四十六年からやっておりますから、二十年になんなんとしておるわけであります。しかし、大臣も今お聞きのとおり、汚染水の清浄化に向かっては顕著な効果があらわれておらないというのが現況です。もちろん、工事自体はさまざまやっておるのは事実でありますけれども、地元の感じからいけば非常に焦燥感を持って、半永久的にやっておるのではないか、実際効果があらわれないものでありますから。先ほど言いましたように、特にサケの遡上もできる川ということで、若干つけ加えますと、従来その上流に国定公園の小沼という沼がありまして、あの沼の川が実はここに注いでおりまして、それが中和の役割をしてその当時は問題なかったのですけれども、農業用水に使うということでそれが断水したといいますか、この川に注がなくなったということも一因をしておるとお聞きをしております。なお、この住民にとっては、行政組織にとっても、これは早く復してほしいということを希望しておるわけでありまして、今聞きますと、坑内の水源を断つということにまだ試行錯誤の段階だというふうに、私どもも局長もそういうふうに、試行錯誤という表現はいいかどうかはわかりませんけれども、思っています。  この平成三年度までの調査に基づいて今後の方向を決めるというふうにもお聞きをしておりますけれども、何とかこの見通しを立てて、硫黄でありますから要するに中和をすればいいわけでありますから、方向を見出してほしい。若干私ども見た感じでは、この二十年間、トータルすれば四百七十億ということで金は大きいのですけれども、鉱山の鉱害関係の被害額からいけばこれは微々たるものだというふうに思わざるを得ないわけでありまして、実力大臣であります渡部大臣の的確なる御指導をお願いしたいと思いますけれども、最後にそれをお聞きいたしたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 今お話承っておりますけれども、私も実は、これは先生のところと事情は違いますけれども、会津磐梯山のふもとに昔、硫黄鉱山があって、そのために川に魚が全く生息できない、まさに死んだ川、今これは硫黄鉱山がなくなって徐々に魚が出てきておりますけれども、死んだ川を生きた川にすることはまさに大変重要な当面する課題でありますから、あらゆる工夫をして、できるだけ早く川をよみがえらせるように努力してまいりたいと思います。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂分科員 今大臣から前向きの御答弁がございましたので、何とか事務当局でも、四分の三は国で補助をしているわけでありますから、実質事業主体は都道府県でありますけれども、四分の三という額の大きさからいっても国の重大な責任はあろうと思いますので、今後、これまでも努力をされてきたことは私どもも認めますけれども、何せ死の川から生きた川にならなければやはりなかなか効果があったというふうには思えませんので、そういう点で特段の御配慮をお願いしたいというふうに思います。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○鈴木(英)政府委員 先生の御指摘も踏まえまして、私ども最大限の努力をさせていただきたいと思います。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂分科員 終わります。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田主査代理 これにて鉢呂吉雄君の質疑は終了いたしました。  次に、渡辺嘉藏君。

渡辺嘉藏日本社会党・護憲共同

○渡辺(嘉)分科員 渡辺嘉藏です。  以下、質問を行わせていただきますが、さきに私は、昭和六十年の四月十九日の商工委員会で次のような質問をいたしました。すなわち、訪問販売委託契約に伴うポーラの営業行為の中で幾多問題点が指摘をせられ、それに伴ってそれの改善をどのようにされるのか、こういうことにつきまして、化粧品業界全体の問題でもありましたので商工委員会で取り上げまして質問をいたしました。それに対しまして利部取引部長は、  おっしゃるように、委託であれば、メーカーと  いいますか本舗の方が、自分の商品ですから  セールスの方が返すと言えば受け取らなければ  いけないものであって、それをいろいろ理由を  つけて受け取らないというのは買い切りと同じ  わけですから、委託の場合と買い切りの場合と  では当然条件が違ってくるはずです。それを同  じょうに扱うというのは不当なことだと思いま  す。その点は、この訪販化粧品に対して当公正  取引委員会が要望したときの重要な指摘の一つ  でございました。 これは五十九年の暮れの指摘であります。という答弁と、引き続いて、業界の自主努力にまつだけではなくて、これは中略ですが、  しかるべき期間に改善がされない場合にはそれ  を改善を実行させる措置を考えていきたいと  思っております。 こういう答弁をいただいておるわけですが、これに対してどのような措置をされましたか、お伺いをしたい。簡単にお答えいただきたいと思います。

中川政直公正取引委員会取引部取引課長

○中川説明員 先生ただいま御質問の点につきまして御説明をさせていただきます。  先生御指摘がございましたように、公正取引委員会は昭和五十八年から五十九年にかけまして、訪販化粧品業界の取引の実態等について調査をいたしまして、この調査結果に基づき、昭和五十九年十一月、公正取引委員会事務局から訪販化粧品工業協会に対しまして、訪問販売化粧品の取引に関する独占禁止法上の考え方を示しまして改善を要望いたしております。  それから、調査の結果、取引条件の実施等について問題となるおそれが認められましたポーラ等につきまして個別の改善指導を行っております。ポーラの取引方法につきましては、販社と営業所との間の取引契約書におきましては、委託取引契約、そういうふうにされていたわけでございますけれども、事実上返品が困難であるというような苦情が少なからずございましたために、公正取引委員会は昭和六十年、問題がないようにするために営業所が自由に返品できるようにする等の取引方法の改正を行うよう、ポーラに対して指導を行っております。この指導を受けまして、ポーラは昭和六十年三月からその取引方法を改めまして、営業所が注文した商品が売れたか否かにかかわらず一定期間内にその代金を支払うことを廃止する、それから自由に商品の返品が行えるようにするというふうにいたしまして、その旨を販社、営業所等へ通知した、こういう報告を公正取引委員会に対しまして昭和六十年の五月に行っております。

渡辺嘉藏日本社会党・護憲共同

○渡辺(嘉)分科員 それでは重ねて聞きますが、かねて公正取引委員会に、昭和五十七年十二月の改訂版の「商品管理ブック 商品配給のしくみ」というブックをお渡ししてありますが、この中によりますると、代金は一カ月後、物によっては二カ月後、必ず払いなさい、払わないとあとの品物は送りません、それから、返品については理由書を提出する義務があります、こういうふうに書いて、いろいろな厳しい条件が返品にはつけられておるわけですが、この五十七年十二月の「商品管理ブック」というものは、これは今御指摘になった問題のある商品流通の仕組みなんですか。これを承りたいと思います。

中川政直公正取引委員会取引部取引課長

○中川説明員 御説明させていただきます。  ポーラの昭和五十七年十二月改訂の「商品管理ブック」にょりますれば、ポーラのその当時の販売方法、これは固定基準方式、注文出荷方式、予約注文方式の三つがとられる仕組みとなってございました。そのいずれの方式におきましても、「善良な管理者としての注意義務の範囲を超えて営業所が売れ残った場合の危険負担を負う」という文言上から直ちに認められるような条項、これはその文言自体からは直ちに認められないというようなことではなかったかと思います。ただ、運用上問題が出てきていたのではないか、こういうふうに考えております。ただ、いずれにしましても、この昭和五十七年の「商品管理ブック」の内容につきましては、先ほど御説明申し上げましたように、ポーラは昭和六十年の三月から改善をいたしております。

渡辺嘉藏日本社会党・護憲共同

○渡辺(嘉)分科員 いや、そういう回りくどいことではなしに、五十九年に調査に入って指導をしたということは、五十七年の「商品管理ブック」によれば真正な委託契約であるということに問題がある、こういうことでやったんじゃないですか。

中川政直公正取引委員会取引部取引課長

○中川説明員 ただいまの御質問の点についてでございますけれども、この「管理ブック」の規定と、それからその運用が相まって、委託の形式をとっているけれども、実質的な運用において買い切りであるかのような問題が出てきているのではないか。それで、買い切りであるかのような問題が出てきているときに、営業所の販売価格を指示するということになりますと、再販売価格維持行為ということで問題になるおそれがあるのではないかということで改善を指導したわけでございます。

渡辺嘉藏日本社会党・護憲共同

○渡辺(嘉)分科員 それに対して五十九年十一月二十九日付で公正取引委員会はそれぞれの業界、百十社のうちでポーラを含む十社に対して改善の指導をした。これに対して、ポーラの方からは六十年三月に改善をし、そして五月に回答を受けたということになっておりますが、昭和六十年一月二十三日付のポーラが発行いたしました文書によりますると、各販社並びにポーラレディー等社内外を含めまして、「一月二十三日付読売新聞に掲載された「化粧品訪販に対する公取委の規制」の記事について」という表題で、この中身は間違っております、この中身は、次のように公正取引委員会の調査において「むしろ、ポーラとしては、公取委が行った訪販企業への実態調査に積極的に協力し、ポーラの委託の内容、取引の実態等について詳細に説明を行ったところ、公取委よりも、「ポーラは他の訪販企業と異り、業界では唯一のクリーンな企業であり、真の委託販売の企業である」との発言を得ております。」こういう発言を公取委はされましたか。

中川政直公正取引委員会取引部取引課長

○中川説明員 御説明申し上げます。  公正取引委員会は、今先生が御指摘になさいましたような文書をポーラが出しているということについては全く承知していないわけでございます。ただ、考えられますことは、ポーラの販売方法につきましては、昭和五十九年に独占禁止法上問題となるおそれがあったので改善指導を行っているわけでございまして、当時、ポーラの取引方法について真の委託販売の企業である等の言及を公正取引委員会から行ったというふうには考えられないわけでございます。

渡辺嘉藏日本社会党・護憲共同

○渡辺(嘉)分科員 考えられないのじゃない。やらなかったのでしょう。この点もはっきりしないといけないと思うのですね。こういうことをしゃべったことは考えられないのじゃない。していないはずなんです。公取委がこんなことを言っておるなら、指導する必要はないのですからね。後で一緒にこの点は答弁いただきます。  そこで、六十年に「新しい商品注文・配送方式 マニュアル」というのを出したのです。これがそれなんです。この中には、そういう指導を受けて誤りを直しますという文言は一言もない。むしろ、先ほどの新聞記事は間違っておる、公正取引委員会の指導は、クリーンな訪販委託のシステムですばらしいという、むしろお褒めにあずかったというような文書を全国にばらまいたのです。反省があるはずがない。だから、新しい「商品管理ブック」によりますると、この十四ページの五に「返品が発生した時には」ということを従来と同じょうなことで簡単に書いてあります。これによりますると、「現品と「返品報告書」を上部へ送付して下さい。」「返品報告書の記入方法は、「返品報告書」の表紙に書いてありますので、参考として下さい。」この帳表は十二の項と十三の項に「拠点返品報告書」と「得意先返品報告書」があるのですが、この拠点返品報告書というのは一年に二回、原則として二月、八月に在庫調査を行ったときに返品を指示するものと、お客さんからこの品物では困るというようなトラブルが発生したときの返品をする処理方法であって、それ以外に事業主が、営業所の所長が勝手に返品できる仕組みは実際問題として行われておらない。問題は、真正な委託契約であれば、販売したときに代金を納める、そして返品は自由でなければならぬわけです。ところが、返品には厳しいガードが講じてある。この返品については、ここに返品報告書というのがあるのです。この返品報告書には何が書いてあるかというと、どういうお客さんにどういう品物を売ったらどういう障害が起きたからこれは返品しますという書類しかないということ。あとは自由に返品してよろしいというシステムも書類もないということ。この実態をどのように調査をして、そして新しい「商品管理ブック」によって改善されたと認定されたのか、これを承りたい。

中川政直公正取引委員会取引部取引課長

○中川説明員 御説明させていただきます。  公正取引委員会は、ポーラから同社の現在の取引方法についてヒアリングをしております。その内容は次のとおりでございます。  ポーラは、平成元年から同三年にかけまして新物流システムを導入しまして、従来の固定基準方式、注文出荷方式、予約注文方式を廃止しております。この新物流システムは、代金の支払いにつきましては営業所が販売したものについてだけポーラに入金するシステムとなっております。また、返品については毎日、ポーラの営業日でございますけれども、そのときに随時受けつける。ただし、商売上非合理と思われる場合についてはそのまま商品の保管をお願いする等、個別調整を行うというものでございまして、この説明を受けている限りにおきましては、委託者であるポーラの危険負担と計算において取引が行われている、こういうふうに認められると思われるわけでございます。したがって、ポーラの現在の取引方法が問題があるものであるかどうかということにつきましては、これは真正の委託販売ではないと認められるというようなことでは直ちにはそういう判断には至らない、こういうふうに考えでございます。  それで、先生御指摘のように、ポーラがこの点につきまして営業所等に対してどのようなやり方で通知しているのか、特に返品が自由であるというような趣旨のことをどういうふうな形で通知しているのか、この点につきましては、公正取引委員会では現在ポーラに対しまして確認の上報告するよう求めているところでございます。仮にポーラが営業所等に対しまして返品が自由であるという趣旨の通知を行っていなかったり、あるいは不十分にしか行っていないということが判明しました場合には、公正取引委員会といたしましては、ポーラが明瞭な形で営業所等に対しまして返品が自由であるという旨の通知を行うよう必要な指導を行いたい、こういうふうに考えております。

渡辺嘉藏日本社会党・護憲共同

○渡辺(嘉)分科員 今おっしゃったように、平成元年にはいろいろなそういう仕組みを改めました、こういうことなんですが、これが先ほど申し上げた六十年の新しい「商品管理ブック」、これはマル秘ですが六十三年のガイドブック、これが元年の新しいガイドブック、そして、これが現在使っておるガイドブック。いいですか、そういうふうに、今おっしゃったように、個別注文予約というそういう仕組みはこの中からは削られてきた。しかし実質は、けさも私は神奈川県の泉区まで行ってきた。確認してきたんです。そうしたら、そういう返品の自由はありません、これしかないと言うんです。化粧品で使ったらかぶれたとかなんとかという、そういう事故が起きたときの処理はあります。勝手にどんどんと、これは注文したけれども、委託で送ってもらったけれども売れませんから返しますということはできません。そうすると、嫌でもここで出てくることは、返品の自由がない以上はこれはもう委託じゃない、買い切りの一般の仕入れ取引と同じだと思うんです。  そこで、注文の上限枠というのがある。これ以上は注文させませんよ、これを今までは三・五カ月ぐらいありましたのを逐次減らしてきて、今二カ月ぐらいにしてきたんです、注文の枠を。そうすると、嫌でも注文の枠がありませんから、売り上げができたということで代金を払わないとあとの必要な品物が入ってこない。そうするとどうするかというと、その場合にはそこの営業所はポーラ本舗から品物を送ってきてもらうために、やむなくみずから金を払って売り上げになったということにして報告してあとの品物を送ってもらう、これが実態なんです。  そこで聞きたいのですが、そういう買い取りをすれば、これは委託契約ではないということが一つ明らかであることと、いま一つ明らかなのは、買い取った品物ですから、これは通常の仕入れ商品として扱っでいいのかどうか、もう委託じゃありませんから。みずから買い取った在庫商品は一般の仕入れ商品として扱っていいかどうか、これを承りたい。

中川政直公正取引委員会取引部取引課長

○中川説明員 先生御質問のポイントは二点あったかと思います。  一点は注文枠の問題でございまして、営業所の注文枠がかつては過去の実績の三カ月分というようなものであったものが現在では二カ月分になっている、こういうことは独禁法上問題があるのではないか、こういう御質問と、それから、仮にポーラの営業所との取引が委託ではなくて買い取りであるということになったときに、買い取りであるということであれば営業所が在庫にしているそういう商品について自由な価格設定で販売してもいいのではないか、こういう二点であったかと思います。  それで、最初のところの問題、営業所の注文枠を二カ月分に現在はしてしまっている、これが独禁法上問題ではないか、こういう問題の質問でございますけれども、それにつきましては、一般論として御説明をさせていただきたいと思うのですが、独占禁止法上問題になりますのは、優越的地位の乱用という問題でこういうのがかかわってくるわけでございますけれども、優越的地位にある事業者がその地位を利用してその取引先に対して一方的に相手方に不利となる取引条件の変更を押しつけるということ、これは独占禁止法に違反するおそれがある場合があるわけでございます。これは一般論ということでございます。ただいまの営業所の注文枠を二カ月にしてしまっているというところにつきましては、三カ月分であったものを二カ月分にしているということそれ自体については、通常の取引条件の変更の問題とも考えられるわけでございまして、直ちに独占禁止法上問題となる優越的地位の乱用に該当するとは言えないと考えられます。  それから第二の、仮にポーラの取引というものが委託ではなくて買い取りであるということになったとしますと、それはまさに買い取った商品、売買の形式での取引で、その売り先のさらに再販売される価格を拘束するということになりますと、これは先ほど来御説明申し上げておりますように、再販売価格維持行為ということで独占禁止法に違反する、こういうことになります。

渡辺嘉藏日本社会党・護憲共同

○渡辺(嘉)分科員 最後に、時間がありませんのでもう一点だけ承っておきたいのですが、今、世界的な規模において日本の経済も国際化して、そして国際的な自由競争が求められておる、そして、それはあくまで自由でフェアでなければいけない、日本の古い慣習その他をもう改めていかなければいけない、そういうときに全国に十七万のポーラレディーを使って委託だということで押しつけておいて、そして買い取りもさせておいて、違反があったら直ちにこれは契約解除ということで、どんどんと意に沿わぬ者は契約解除によって普通で言う首切りをやるのです。こういう秘密的な体質、そして有報の報告もせずに、上場会社にもならずに、こういう秘密的な経営、運営——ポーラという言葉はフランス語で磨くという言葉だそうですが、何を磨くのか知らぬけれども、磨いた結果白が黒になってはだめなんです。  その意味で、世界的にも化粧品を再販価格の適用除外にしておるところはもうないのです。今残っておるのは日本だけなんです。アメリカもフランスもドイツもイギリスも、もう全部全廃しておるのです。私は、このガイドラインにも書いてあるわけですが、要するにこの再販価格を一部に設けておることによって国内外の価格差に日本の化粧品の高価なものが生じておるのではないかという指摘がこの中に明らかにしてあるわけなんですが、こういう点につきまして、この際もう化粧品の適用除外は国際的に同じに廃止した方がいいのではないかと思うのが一つ。  それから、先ほども少し触れましたが、大臣せっかくですが、私はこういうポーラがいいとか悪いとか特別に言うんじゃない。しかし、このもとで十七万のポーラレディーの方が非常に苦しい、古い経営形態によってやっていらっしゃる実態を眺めてみたときに、保険も適用はありません、もちろん年金の適用もありません、労災その他一切何もないんですね。そして単なる委託、約束事、一枚の紙でやられておるわけですが、先ほど申し上げたように、今の公開、公示制度の社会的責任のある企業が全くの秘密主義でやっていらっしゃる。私は、これは流通業界としても通産大臣としても何らかの意思表示があってもいいんじゃないか、こう考えますが、二点について取引課長答弁を。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 今のお話は初めてお聞きしたことであって、今ここでどうこうということは申し上げられませんが、勉強してみたいと思います。

坂本吉弘通商産業省基礎産業局長

○坂本(吉)政府委員 渡辺委員の御質問に若干の大臣答弁の補足をさせていただきますが、ポーラ化粧品の問題につきましてはただいま公取の方からるる御説明がございました。私どもといたしましても、公正取引委員会の独禁法上の解釈ないし運用というものに則して、各社が自主的に販売形態その他を法に適合するように持っていくよう我々としても側面から支援をしたい、こういうふうに考えておるところでございます。  また、第二の、化粧品の再販制度対象の問題につきましては、現在公正取引委員会の方から、薬品並びに化粧品また一部の著作物について再販制度の対象として継続していくことの妥当性あるいは仮に縮減するとしてその範囲、こういった問題を提起されているところでございまして、私どもも、一方において、小売段階においておとり販売という、過去に業界、小売店が大変な困難に直面いたしました問題もございまして、そういったことも勘案しながら、趨勢として渡辺委員の御指摘のこともございますので、公正取引委員会と十分議論をさせていただきたい、こんなふうに思っているところでございます。

中川政直公正取引委員会取引部取引課長

○中川説明員 御説明させていただきます。  第一点のポーラの営業方法等についての問題でございますけれども、公正取引委員会といたしましては、現在、独占禁止法の執行力と抑止力を強化する、それによりまして流通取引慣行というものをできるだけ透明かつ公正なものにしていく、こういうことで努力をしているところでございまして、ポーラの営業方法等につきましてもこういう観点から今後とも取り組んでいきたい、こういうふうに考えております。  それから、第二点の化粧品の再販の見直しの問題でございますが、再販指定商品でございます化粧品それから一般用医薬品につきましては、昨年の七月に公表されました政府規制等と競争政策に関する研究会報告書で提言されましたことを踏まえまして、公正取引委員会では昨年の九月から十一月にかけて実態調査を行いました。この結果を昨年の十二月に公表してございます。それからまた昨年の十二月に公聴会を開催いたしまして、関係業界、消費者、学識経験者等から広く意見を聴取したわけでございます。それで、現時点ではまだ最終的な再販の見直しについての取り扱い方針を決定するまでには至っていないわけでございますけれども、これまで公正取引委員会に寄せられました各方面からの意見や公聴会で示されました意見を参考といたしまして、関係官庁とも調整の上、公正取引委員会としての最終的な取り扱いの方針というものをできるだけ早期に出したい、こういうふうに考えております。

渡辺嘉藏日本社会党・護憲共同

○渡辺(嘉)分科員 じゃ、時間が来ましたので終わりますが、今のポーラからの回答その他については、ここに文書がありますけれども、この文書は、粉飾とは言いませんけれども内実でない文書やその他で報告が来ておりますので、そういうことのないようにきちっとした指導、監査をしていただきたい、こういうふうに付言いたしまして、そのことがポーラレディーのシステムを守るとともに、消費者保護に役立つこと、消費者に対する流通のあり方として好ましい状態になっていくわけですから、そういうことをお願いいたしまして終わります。  ありがとうございました。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田主査代理 これにて渡辺嘉藏君の質疑は終了いたしました。  次に、三浦久君。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 まず通産大臣にお尋ねをいたします。  田川の復興の問題です。田川というのは産炭地域であります。この田川は産炭地域の中でも最も閉山の後遺症が残存をしている地域だというふうに私ども考えております。政府が昨年の十二月に策定いたしました産炭地域振興実施計画、これを見ましても、直接的な後遺症として鉱害、ボタ山、老朽炭鉱住宅、普通、炭柱炭柱と言っておりますが、それから脆弱な市町村財政、失業者の滞留それから高い生活保護率、こういうものを挙げています。それから間接的なものとしては青少年の非行とか若年労働者の流出、こういうことが挙げられているわけです。これが田川の浮揚に大きな阻害要因になっているんだということがこの実施計画でも指摘されているわけです。そして、実施計画でこれから何をしたらいいのかということについていろいろ挙げておられますね。振興対策として、産業基盤の整備とか雇用の拡大であるとか生活環境の整備であるとか産業の振興、こういうものを平成十三年度までに実現するんだ、こういうことになっているわけです。  私は、これが実現すれば田川の振興にとっては非常に有益なものだというふうに思っています。しかし、この事業の中身を見てみますと、これはなかなか実現が容易じゃない。よほどの決意を持ってやらなきゃならない。例えば予算面が大変です。それからまた、その実施する体制も大変だと思うのです。平成十三年までというとあと十年ですよ。十年でこれだけのことをしなきゃならないということですから、これは相当の決意が要るだろうと思うのですが、しかし、またやり遂げなきゃならないと思うのです。というのは、この旧産炭地というのは、御承知のとおり貴重な国内エネルギー、これを全国に供給をして、そして今の日本の産業を発展させた原動力になったところです。それがエネルギー政策の転換によって重大な打撃を受けて、今なおその影響から抜け出せないでいる、こういうことなんですね。ですから、やはり我々としてはこの現状を直視し、そしてこの後遺症を早急に是正し、それで地域の発展に役立たせなきゃならないというふうに思っているわけですが、それについての大臣の御決意をお願い申し上げたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 筑豊炭田の現況については、私ども、先生今御指摘のような問題、いろいろ心配しております。したがって、通産省としては地域振興、また、これに今日まで関係して働いてこられた皆さんのことを十分に考えて、今回、産炭地域振興実施計画、これを立てたわけでありますが、この実効性の確保については、平成二年十一月の産炭地域振興審議会答申及び産炭地域振興基本計画にも述べられてございます。通産省としては、今後関係省庁間の連絡協調を従来にも増して緊密なものとし、実施計画に定められた個々の事業などの計画と国の支援策との有機的な連携を図るとともに、今お話のありました地元自治体に対する財政援助の強化などを通じ、実施計画の実効性の確保に全力を挙げて努めてまいりたいと思います。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 労働省にお尋ねをいたします。  田川は今なお多くの失業者が滞留をいたしております。この実施計画によりますと「雇用の拡大及び職業の転換」という項目がございますね。この中に、「高年齢者等離職者については、職業訓練の充実、再就職援助措置等の活用により就職の促進を図る。」、その下に、「なお産炭地域における炭鉱離職者に係る就労事業については、産炭地域振興に効果的に寄与するよう、必要な間、所要の見直しを行いつつ、その適正な実施に努める。」、こういうふうにあるわけですね。  ところが、政府は昨年の六月七日の石炭鉱業審議会の答申、この答申の中に炭鉱離職者緊急就労対策事業については、これは緊就、緊就と一般に言っておりますが、「紹介対象者の減少の状況を踏まえ、可及的速やかに終息を図る必要がある。」、こういう答申を受けて、そして今国会に炭鉱離職者臨時措置法の一部改正案を提出をいたしておりますね。炭鉱離職者緊急就労対策事業を打ち切って廃止をするということだと私は思うのです、この法律そのものを見れば。私はこういうことは許してはならないことじゃないかというふうに考えるのですね。それは緊就事業というのは全員炭鉱離職者であります。筑豊を中心に雇用機会が非常に少ない。そういう中で公的就労事業としては長年にわたって非常に歓迎されてきたものだと思いますね。それからまた、旧産炭地域の振興にも非常に役に立ってきたそういう制度事業だというふうに私は思います。平成三年度だけ見ましてもまだ七百二十人就労しております。その大部分は福岡県そして筑豊地域ということです。ですから、その廃止をするということは、結局全体として高齢化していますけれども、その高齢化している就労者の生活というものを根底から脅かすことになるのじゃないかというふうに思うのです。そのことはまた地域の振興という政府の方針にも逆行する結果になるのじゃないかというふうに思うわけです。ですから、こういう失業者の生首を飛ばすというようなことはやるべきではないというふうに私は固く信じているのですが、労働省の御見解を承りたいと思います。

北浦正行労働省職業安定局高齢・障害者対策部企画課長

○北浦説明員 お答えいたします。  まず法律との関係でございますが、お尋ねの緊就事業の関係の規定が今回の炭鉱離職者臨時措置法の改正に伴い、確かに規定の除去はございます。ただ、先生御指摘になりましたこの炭鉱離職者緊急就労対策事業というのは大変経緯がございまして、私どもこの炭鉱離職者臨時措置法を昭和三十八年に改正しました際に、そのときまでこの法律に基づく事業としてやっていたものを、今後は予算措置として、しかもなお経過的に実施する、つまり新たな就労者は入れないで経過的に実施する、このような措置をしてきたところでございます。したがいまして、現在実施されております炭鉱離職者緊急就労対策事業、緊就事業はこの予算措置による事業でございまして、この法律の規定とは関係のないものというような形になっておったところでございます。しかしながら、これまでの改正のときにこの規定全体にわたるような改正がなかったものですから、この規定は空文化しておったわけでございますが、そのままにしておったところ、今回炭鉱離職者臨時措置法をさらに雇用安定のための法律に大幅に改善する、こういうような改正内容になっているところ、こういった空文化した規定をこの際整理をすることとして削ったという経緯がございます。したがいまして、現在実施している緊就事業どこの法律の規定との関係はないということをまず申し上げておきたいと思っております。  その上で、この緊就事業の取り扱いでございますが、これも御指摘にございましたように、石鉱害の答申の中におきまして確かに緊就事業は速やかに廃止に向けて検討していくということが方向として出されております。この答申においては、旧産炭地における就労事業、これは緊就事業のほかにも開就事業という二つの事業があるわけでございまして、この開就事業の方はいわゆる地域開発に寄与するものとしてなお実施しているわけでございますが、こういったもの全体について適正に実施を見直していく、そのうち緊就事業については就労人員もだんだん減っていることからこれは速やかに廃止に向けて検討する、こういうようなことの指摘があったわけでございます。私どもとしては、先生がおっしゃったような実態もあるかと思いますが、就労者が減っていく中でだんだん事業としての運営上の問題も生じてきております。しかしながら、御指摘のあったような就労者の実情等も十分踏まえながら、今後この答申に沿って検討してまいりたい、こういうふうに考えております。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 そうすると、やはり今までどおり予算措置で実行していく、そういうことですか。

北浦正行労働省職業安定局高齢・障害者対策部企画課長

○北浦説明員 当面、平成四年度につきましては予算措置で措置してございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 今まで一般失対その他制度事業から年齢制限その他でもって、排除という言葉は悪いけれども、排除されていく、そういう人々がたくさんおられましたね。そういう人たちがどういう生活をしているのかということなんです。確かにその受け皿として任意就労事業、任就などが制度化されました。しかし、こういう任就の労働者の生活というのは、任就は十日間でしょう、それで一日最高で四千四百三十円ですから、十日間働いても四万四千三百円なんですよ、これしか収入がない。老齢福祉年金が三万円あっても七万四千三百円。奥さんがまた老齢福祉年金を三万円いただければ大体十万円ぐらいですね。そうするとこれで生活保護基準を若干上回るのですね。だから生活保護の受給はできないわけです。ところが、生活保護じゃないために国民健康保険料が八千円から九千円来るのですよ。それから医療費も大体一万円から二万円ぐらいはかかるみたいですね、よく聞いてみると。それから改良住宅の家賃がありますね。これも一万五千円ぐらいです。そうすると大体三万三千円。どんなに低く見ても三万三千円はかかるということになると、可処分所得というのは最高見積もって六万七千円ですね。これで二人が暮らさなければならないというような状況、これが現実なんです。ですから、実態は任就に働いて老齢福祉年金もらっている、そのために生活保護世帯よりも経費がかかってきますから、それよりももっと低い水準の生活しかできない、こういう状況になっているのです。だから任就は決してそういう制度事業の打ち切りの受け皿にはなっていないということが言えるのじゃないかというふうに私は思います。  私も現地で高齢者の一人暮らしの人に聞いてみましたけれども、その人は収入が少ないからほとんど近所づき合いはできない。病気になったときなんか、もういつ死ぬかわからないという恐怖感に駆られるそうです。だから、隣近所の人にかぎのあり場所を教えておいて、朝起きてカーテンが閉まっていたらぜひ戸をあけて中を見てくれ、そんな孤立した状況にまで追いやられているんですね。しかし、その人は一般失対で働いていたときには毎日毎日行って仲間と会う、仲間と会ってお互いに励まし合いながら生活をしてきたからこういうことはなかったけれども、失対をやめてからは実際寂しい、惨めだ、そういうことを述懐されていましたね。ですから私は、もっといっぱい例がありますけれども、情けないといいますか、世界で第二番目の経済大国だと言われている日本の現状がこんな状況なのかと思うと本当に情けないような気がするんです。こういう人を一人でも出してはならない、そのために適切な対策、これをとらなければならない、とっていただきたいと私は思うのですが、いかがですか。

北浦正行労働省職業安定局高齢・障害者対策部企画課長

○北浦説明員 私ども雇用対策といたしましては、申し上げました就労事業というのはそういった地域の実態に即してやっておるわけでございますが、先ほど申し上げた産炭地域の振興策とあわせまして種々の対策、とりわけ最近におきましては雇用開発ということに力を置いた対策を中心にやってまいっておるわけでございます。今御指摘のような、そういった就労事業の方々につきましては、これは長年にわたるいろいろな経緯、実態等があって現状において就労されている方々に対してやっているわけでございますが、こういった方々のそういう実態なども十分見ながら、先ほどの石鉱害の答申もございますので、そういったものを踏まえながら、私ども今後引き続き対処してまいりたいと思っております。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 私は、緊就の廃止をしないように強く要求して、次の質問に移りたいと思います。  鉱害復旧というものは産炭地の振興にとって欠くことのできない問題だと思います。それで、北九州市の小倉北区に旧小倉炭鉱による鉱害被害が発生して多くの住民が鉱害復旧の申請をいたしております。現在、未調査件数は三百一件に上っているのですね。昨年になって我々も、調査に来い来いと何度も要求いたしました。その結果、七月に、十七、十八、十九と三日間調査に入りまして三十三件調査したわけです。十二月には十八、十九、二十日と入りまして十七件調査しました。昨年十二月に調査した件についてはまだ結論が出ていないのですが、昨年七月に調査した分は、昭和五十八年度に申請したものが二十五件あるんですね。大部分昭和五十八年度に申請したものなんですよ。そうすると、十年間ほったらかしておったということなんですよね。この理由はどういうことなのかお尋ねしたいと思うのです。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 実は、鉱害認定の事務手続のおくれがあるという話につきましては、国会でも前から大分御指摘をいただいておりまして、今回の法改正あるいは今後の十年間を前提とした鉱害対策の実施、それの前提として滞留しておる案件についての早期処理ということが強く国会からも指摘されておるところでございます。理由といたしましては、やはり一遍否認されたものについての再申請とかいろいろなケースがありますので一概には言えませんけれども、そういった滞留しているということについてはいろいろ問題であるということは我々も認識しておりまして、今、鋭意この処理に取り組んでおるところでございまして、平成三年度につきましても相当程度の進捗があったというふうに考えております。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 こういう状況が続きますと、今後十年間で鉱害復旧を終わらせる、残存鉱害をなくしていくんだ、処理していくんだということでしょう、そういうことが果たしてできるのかどうか非常に疑問に思います。そういう意味で、私は、もっと体制を強化してやるべきだということを意見として述べておきたいと思います。  昨年の七月調査の三十三件のうち二十四件が否認されているのです。それからまた、昨年は五十五件、これは机上処理で否認されております。この中には既に認定済みというのもあるのです。ここが問題なんですね。認定済みだからもう認定しないという、否認されている、こういうのがあるのですね。この地域は市街地なんですよ。鉱害復旧と都市計画事業の合併施行の機運が住民と北九州市との間に起こりつつあって、鉱害復旧はこの地域の町づくりにとって極めて重要な課題になっています。  私も現地の状況を数回にわたって調査いたしました。鉱害復旧のやり方が極めてずさんですね。例えば、市街地ですよ、そこの路地を歩いてみますと、これは有資力炭鉱だった小倉炭鉱がやったんですね。小倉炭鉱が施行者として復旧しているのです。そのために非常にずさんだと思うのですけれども、例えば、かさ上げをするから階段をつけて家に上がらなければいかぬでしょう。するとその階段が道路に出ているのです、公道に。ですから両端の家の玄関の前に階段が道路に出でつくられている。そんなやり方なんてありませんよね。ですからその幅だけ道が狭くなる、通りにくい、危ない、外見上も悪い、そういう状況になっているのですよ。  これはずさんな例の一つとして言ったわけですけれども、しかも、私ずっと一軒一軒歩いてみましたけれども、鉱害復旧したという家屋の中でも新しいゆがみとかひずみが出ていることが明瞭にわかるものがたくさんあるのです。いろいろ聞いてみますと、盛り土に海砂を使っている。その海砂を使った盛り土の上に家屋をかさ上げしている。要するに、旧来の地盤の上に基礎を連結するんじゃなくて、ただその砂の上に土台を乗っけて、基礎を乗っけて工事をしている、そういう状況もあるのです。私は、そういうことが原因でこういう新しいひずみ、ゆがみというものが出てきているのじゃないかというふうに思ったのです。  そこでお尋ねしますけれども、昭和四十二年の六月以前は復旧工事の認可基準というものはなかったのじゃないですか。どうですか。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 復旧工事の仕方については現在のようなものではございません。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 それが四十二年に認可基準ができました。それが毎年のように改正になりましたね。これは、技術の進歩等々によって改正されるというのは当然のことだと思います。改正されて現在は、復旧工事実施要領ということになっておりますね。その中に、「家屋の基礎は在来の地盤にある基礎と連結しつつ家揚げする。」こういうふうになっておりますね。これは間違いないですね。どうでしょうか。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 先生御指摘のとおりでございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 昨年六月七日の石炭鉱業審議会の答申では、効用未回復問題について「復旧工事実施後においても効用が未回復であるとの問題が提起されているものについては、効用未回復の原因を分析し、石炭採掘又は復旧事業の施行との因果関係が認められるものであって、その効用阻害が著しく受忍の限度を超えているものについては、効用回復方法、復旧工事実施の効果を経済的、技術的に評価の上、所要の措置を講じるべきである。」こういうふうになっておりますね。そうすると、この要件を満たしたものについては、効用が未回復だということで、復旧工事をしなければならないのではないでしょうか。いかがでしょうか。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 確かに、今回の石炭鉱業審議会の答申におきまして、効用未回復問題についての記述はそういうことなんでございますけれども、鉱害復旧につきましては過去の答申がずっとあるわけでございますが、昭和五十六年の石炭鉱業審議会の答申におきまして、復旧済み家屋につきましては、「復旧法上、復旧工事の完了とともに鉱害が消滅したものと解釈されるため、再度復旧の対象とすることは、適切でないと考えられる。」そういう基本原則がございまして、例外的に、「生ボタ盛土物件あるいは軟弱地盤地帯にある物件」について、「復旧工法の選定が不適当であることが明らか」である等の場合に効用未回復物件にすることが望ましい、そういう答申がございまして、その延長線上で今回の答申が出ているということでございますので、基本的に今回の答申も、生ボタ盛り土物件あるいは軟弱地盤地帯にある物件ということであればこういう対象として考えていくということでございますけれども、それ以外の物件につきましては、既に復旧工事が完了しているものについては、よほどの場合は別といたしまして、基本的には効用未回復物件の対象から外れるものというふうに考えております。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 そこが問題なんですよね。今あなたは、「生ボタ盛土物件あるいは軟弱地盤地帯にある物件」、これに限定されるんだということを言われました。そして、これが前提になった上で昨年の石鉱害の答申が出されているんだ、こういうことでしょう。だから、これはもう前提があるんだから昨年の答申の要件に合致したとしてもだめなんだ、こういうお話ですね。だけれども、これはおかしいのであって、「生ボタ盛土物件」、何で生ボタ盛り土物件だけなんですか。これは例示なんですよ。じゃ、海砂だったらどうなんですか。これは例示なんですよ。例示であるから今度の昨年の石鉱害の答申では、「効用未回復問題」というふうに問題を提起して、「復旧工事実施後においても」ですよ、完了とは言ってないんです。だって効用が未回復なんだから、幾ら実施したって効用が回復してなきゃだめなんですから。だから、「効用未回復問題」について、「復旧工事実施後においても効用が未回復であるとの問題が提起されているものについてはこ「復旧事業の施行との因果関係が認められる」、例えば工法の選択が不適切であった、それによって効用の阻害がまた起きたんだというような場合には、また適切な措置をとれ、復旧工事をやれということでしょう。だからこれはそういうふうに解釈しなきゃおかしいんだ。  臨鉱法の二条に何て書いてあるかというと、鉱害によって効用阻害を受けたものの効用を回復するというのが復旧工事なんだと書いてあるわけだね。そうすると、今のあなたの答弁ですと、じゃ幾ら工法が悪くても、一たんもう渡してしまえば、その工法が悪かった、そのためにまた効用の阻害が起きた、それが受忍の程度を超えるほど大きなものだったという場合であっても、鉱害復旧しない、復旧工事しない、こうなるのでしょう。そんなことは私は許されないと思うのですよ。  それで、もう時間がないから私の方でちょっとしゃべっちゃいますが、昭和五十一年に、効用未回復の追加工事を制度化すること、そういう請願が出ているのです。これは採択されていますよね。そして現実に、私が調べたところによりますと、田川郡川崎町、ここでは最近四件、これは一たん復旧工事が終わったものですよ、終わったものについて修復工事をしているんですよ。これは古河鉱業分です、古河鉱業の鉱害ですけれども。名前を言いますと、後藤さん、松本さん、寺本さん、荒瀬さん、こういう人々です。後でお知らせしてもよろしゅうございますが、やっているのですよ、現実に。  ですから、結局あなたたちの考え方だったら、例えば調べるのに大変だ、効用未回復の申請が来た場合に調べるのが大変だ、だから途中で切っちゃう、そんなものは机上処理しちゃうんだということでは、それは実際に鉱害の被害を受けた人を救済するということにならないと思うのですよね。ですから、私は、手間がかかろうとどうであろうと、この答申に従って、この答申を素直に読んで、工法の選択が不適切だった場合に効用阻害が起きた場合には、これはまた修復工事なりなんなりするんだという、そういう方針を立てなきゃいけないと思うのですよ。それでなければ、十年で終わったといったって残存鉱害量はうんと残っちゃうということになるわけですね。その点、いかがですか。それだけ聞いて、質問を終わります。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 先ほど答弁しましたように、本件は生ボタ物件等に限っておるわけではございませんで、例外的なケースについては個別に判断をして、先生御指摘のような追加工事ということがあり得ることは先ほども答弁で申し上げたとおりでございます。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 大臣、鉱害復旧を十年間でやる、その御決意をひとつよろしく。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 一生懸命やります。

三浦久日本共産党

○三浦分科員 よろしくお願いします。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田主査代理 これにて三浦久君の質疑は終了いたしました。  次に、山本拓君。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 福井県選出の山本でございます。きょうは原子力発電関連についてお尋ねをしたいと思います。  ちょうど一年前の平成三年二月九日に、私の選挙区であります福井県美浜二号機が、事故と申しますか、通産省は事象と言いますね、事象が起きまして、丸一年たちました。当時のエネルギー庁長官は緒方さんだったと思うのですが、今後の再発防止に万全を期すという答弁をいただいて、もう早いもので一年たちました。その万全を期すという話の中で、国内の原発の事故の場合は、その対応は原子力委員会とそして通産省と、いわゆる両方の立場でダブルチェックする立場になっておりますね。先般、安全委員会がいろんな最終報告をまとめましたけれども、それはそれとして、通産省の方がもっと安全委員会より厳しく、前向きの態勢で取り組んでいく必要がある。私はそういう観点からちょっとお尋ねをしたいのですが、質問の中身は二通りに分けさせていただきます。一つは技術的な問題、そしてもう一つは風評被害等の政治的な課題、その両面からやはり対応していただかなくては困る。  技術的な問題はそう余り詳しいことは言えませんが、ただ、だれが見ても、我々地元にとって、いつも質問されるわけですけれども、もともと私は以前県会議員だから、県会自民党として推進してきた立場の者が、健康診断しているから絶対事故は起きないという通産省の受け売りをして八年間言っておったのですが、検査しても事故が起きちゃったから非常に困っているのですね。そのロジックが壊れたということに対して、非常に困るのです。だからそういうことで、なお一層、見て安全、新しい安全施策をやっていく上で一番今聞きたいのは、もう御承知のとおり、美浜のように二十年前につくった原子炉と、そして最近の新型といいますか新設計だと、同じ原発といっても老いも若きもばらばらなわけであります。そういう中にあって健康診断は相変わらず一律でして、一年に一遍、高齢者であろうと子供であろうと一緒の健康診断をしているわけですね。だから、それではちょっと心配だな、御承知のとおりフランスでは五年、十年と年数別に区別して対応していますし、日本の場合は相も変わらず一律、その点について私どもとしてはやはり年齢に合った健康診断方法を導入していただかないとちょっと不安感がぬぐえないのではないかな、再発が防げないのではないかなという懸念が強くある。その点についての御見解をまずお尋ねします。

末広恵雄資源エネルギー庁長官官房審議官

○末広政府委員 今、原子力発電所につきまして確かに年数のたったものがございます。私ども、法律に基づきまして毎年一回定期検査という制度がございますが、この定期検査に当たりまして、どの発電所につきましても画一的にやるということではなくて、毎年どういった項目について重点的にやるかという定期検査項目については十分私どもとしてもチェックいたしまして、それぞれの発電所に合った定期検査項目ということに重点を置いてやるように事業者を指導しております。  なお、これまでいろいろ技術の進歩なり、それから内外の各発電所でのいろいろな運転経験等ございます。こういった実績につきましても既存の発電所にできるだけ迅速にフィードバックするという観点から絶えず見直しを行っておりまして、必要に応じて改良工事も実施してきております。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 今の答弁でわからないことはないんですけれども、もっとわかりやすく目に見える対応策を、内部でこんなことをやっていますと言ったって、ちっとも変わってない。  そこまで言うならひとつ言いますけれども、一九七九年にスリーマイル事故が起きて、そのときに炉心の水位計まで全部つけなさいという報告ががんがん出ているのに、何年かたった後の美浜事故、あれはついておったらあんなことなかったのです。生かされてないじゃないですか、そんな答弁なら。別に私は、ほかのあれと違いますから、推進派の立場で言うんですけれども、しかし余りにもそんな答弁で口先ばかり言って、それはもっと誠心誠意やってくれなきゃ困りますよ。今までやってくれたら私はこういうことをしないんです。  古い時代に製造した高齢炉に対して新技術の成果を導入する、それは当たり前のことです。しかし、それが見えないから、ほかはやったのかもしらぬけれども、たまたま福井県の炉だけはやらなかったからこうなったのかもしらぬですが、それでは通らない。そこはもう一度きちっと答弁してください。

末広恵雄資源エネルギー庁長官官房審議官

○末広政府委員 毎年の定期検査に当たりましてどういった項目をチェックするかとか、改良工事をやるかということにつきましては、定期検査の事前に十分私ども検討しまして、各発電所画一的ということではなくて、十分綿密な計画を立てた上で今まで実施してきております。今、具体的な例といたしまして炉心水位計の話もございましたが、確かに美浜の発電所につきましては技術的に非常に水位計の取りつけが難しいということもございまして、むしろ炉心の冷却状態の監視というのを多様的に実施していくという方向で今いろいろと開発等を行っているところでございます。御指摘の点を踏まえまして、各発電所とも十分信頼性のある設備に近づけていくということで努力したいと思っております。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 きょうはさっと流して大臣には早目に休み時間を差し上げようと思っておったんですが、今の答弁なんというのは十年一日のごとくなんですよ、正直な話。我々も推進を主張してきて、もう昔と違って二十年たって原発というのは市民権は得ているわけです。大臣のところもそうですね。それで潤っているし、もう身内なんですよ、治外法権じゃない。しかし、この問題につきましては昔から、福井県もどこの県もそうですが、管理の権限も地元に与えてください、安全協定も法的な根拠をつけてくださいと二十年来要望していますね。毎年うちの方の知事を先頭にやっています。しかし国の考え方としては、それは必要ない、国が一元的にやりますということなんですね。極端なことを言うと、事故が起きたって国には報告する義務はあっても地元にはないわけですから、それは法的裏づけがないという意味で、  でありますから、なおさら国の方がもっともっと前向きに、少し権限やるから地元で管理しろ、県がやれというなら、こんなことはここで質問いたしません。地元の職員も原子力関係のプロパー、それ専属でいるわけですから、優秀な人がそろっているわけです。しかし、その人らでさえ、おたくらの前では一言も物を言えない、物は言うけれども聞いてくれない、権限がもらえない。だからそういう意味で、これから国が一元的に管理をしていくならばやはり責任を持って、昔から一緒のことばかり言っているんじゃなしに少し前向きで、ましてや実際問題、先般の原子力安全委員会の指摘でさえ通産省に対して厳しいことを言っているのですよ。だから私自身は、ああいうふうに事故が起きた後ですから、あなたたちはもっと地元に何か変化を、去年事故が起きたときには前向きに全力を挙げて再発防止をやると言っていて、一年たって今の答弁というのは前の答弁と一緒なんです。それじゃちょっとやる気ないのですね。やる手がない。  大体、昔から言っている言葉というのは、もはや日本の原子力発電所の、例えば蒸気発生器の細管問題ですが、これ全部日本じゅうにある細管を一つに延ばしたらどれだけあるか知っていますか。知らないでしょう。二千五百キロですよ。二千五百キロといったら、もう日本列島を横断するんですよ。ましてや細管事故なんというのは、最初のころ私が説明を受けたのでは一つの原子炉について三百年に一遍の確率しか細管事故は起きないという説明を受けておった。それが今九件目でしょう、美浜は。今まで全部私はこれは野党の質問を借りてきたんじゃなしに、おたくらの答弁を地元の説明をもとに話しているんですからね、言って悪いですけれども。そういう中にあって、これだけ前と今とは、実際原子力行政なんというのは百年も二百年もやっているわけじゃありませんから、言って悪いけれども今まだ試行錯誤の段階だと思います、まだ廃炉も経験してないし。だから、最初のころと実際やってみてちょっと違うなということは当然あると思います。その違うなということがあったときに即対応してもらわないと、今までのメンツにこだわって、実際一生懸命あなたたちの言葉を信じてきた地元の者にさえ頭から黙ってろというような言い方で、そうはしないけれども、そういうふうにとられるのですね。だから、もうこらえるにこらえ切れなくてちょっと申し上げているんです。その点は理解していただきたい。  そういう状態ですから、例えば今回の細管の破断事故が起きた、これについての今後の対応、今までめったに起きないと言われていて特別な分類がされてなかったけれども、細管もふえたことだし、起きないと思ったのが九件目だし、それじゃこれからは特別な分類に区分けして厳しい安全チェックをしようかという前向きな検討もしたっていいんじゃないですか。そしてもう一つは、なんだったら蒸気発生器の設計、運転、保守などに関する特別な基準も新たにきちっとつくることも検討すべきじゃないですか。その点の御見解をお尋ねします。

山本貞一資源エネルギー庁長官

○山本(貞)政府委員 先生御指摘の点、私どもも美浜の事象の後でいろいろな原因の究明あるいは対策を講じてきたつもりでございます。それから最近出されました、安全委員会でもそれにさらに指摘もありまして、今先生御指摘あった点についても、例えば安全審査指針を見直すとか、あるいは維持基準、定期検査項目を見直すとか、あるいは蒸気発生器の基準等を整備するとか、そういうような指摘もいただいております。さらに、技術の進歩とか経験の蓄積等を既存の炉へ活用するようにさらに努めろというようなことを御指摘もいただいております。私どももそういう点を、今先生御指摘あったとおりでございます、そういう努力を今後さらに努めるというつもりでおります。さらに、予算の中でも一部ここに指摘されたような技術開発だとかについてもう織り込み済みでございます。今後技術開発の検討も進めて、それから基準とか考え方についてもさらに勉強を進めて、大臣が常に言われるのですが、一二〇%の安全の確保というつもりで努力をしてまいりたいと思っております。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 大臣にその点について、所管大臣として今後の再発防止、技術的には今申し上げた点、役人さんサイドではなかなか、勉強ばかりしておられる嫌いがありますので、少しアピールが下手なのですね、勉強していてもだれも知らないから、新聞も書かないし。だから、わかりやすい成果が出ないとみんな納得しませんから、そういうことを含めて政治的に大いにハッパをかけていただきたいと思うのですが、その点の御見解を……。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 私も山本先生と同じように、地元で長い間原子力発電の建設を推進をしてまいりました。  その前提は二つ。一つは、今日の豊かな生活、経済、この需要に対応するエネルギーとしては、将来超電導とかなんとか新しい発見が行われれば別ですが、当面原子力しかない。したがって、そのためにはまず一二〇%の安全性の確保。また、その原子力発電所をつくってくれた地域の人たちが子々孫々に至るまで原子力発電所をつくってよかったと喜んでくれるような地域の振興。この二つは絶対的な前提であります。  ですから、今先生と政府委員との応答を聞いておりましたけれども、今まで残念ながら我が国の原子力発電所でも何回か故障は起こっております。しかし、幸いにこれが未然に発見されて、いわゆる人命に殺傷を与える事故には至らない状態でおります。しかし、それは万々が一でもあってはならないことでありますから、今の先生の具体的ないろいろの御指摘、これは通産省の者に十分肝に入れさせて対応をさせなければならないと同時に、やはり住民の皆さん方の不安感がちょっとでもあってはいけませんから、住民の皆さん方、おじいちゃんも子供も、ああなるほど、原子力発電所は近くにあるけれどもおれたちは安心なんだなと、こう明快に説明できなければなりませんから、先生の今の御趣旨を体して、地域住民の皆さん方に安心していただけるような安全な原子力政策をさらに進めてまいりたいと思います。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 大臣おっしゃるように地元の不安感というのは、我々政治家にとっては非常に敏感なものです。やはり大体二十年たちますと誘致してきた人はみんな引退してその息子の世代になってしまいますので、息子の世代とでは、一軒のうちでも最近はおとっつあんの言うこと聞かぬと投票する時代ですから、非常にややこしい。だから非常にわかりやすい対応もしていかなければいかぬということなのですね。  それからもう一つは、技術的なことはそれで御信頼申し上げてお願いしたいと思うのですが、もう一つは風評被害。今回の風評被害、ちょっとした漏れ事故とか故障とか、そういうようなのが起きますと各大新聞にどんどんと、七時のニュースにどんと、だから、福井県なんかは年間八億ほど観光予算でいいとこいいとこ福井へおいでとやっているのですが、一遍それが出たらそれはもう相殺以上、全然だめですね。大体去年事故が起きて、去年の夏なんかはやはり関西系続からの海水浴客というよりも臨海学校ですね、臨海学校の予約を受けておりますが、それがほとんど半減してしまった。だけれども、そういうものを騒ぐとまた助長してしまいますから、結局地元の業者が泣き寝入りということなんですね。  そこで、例えば通産省、どういう役人さんの対応も、事故の後の対応にいたしましても今回言われたのは、昔、敦賀事故が起きました。敦賀事故が起きたときには〇・何キュリーだったのですね。今度の場合は何億ベクレル。みんな単位は知らないですよ。昔は〇・幾つだった、今度の場合は億単位だ、これは今度の事故はひどいと。これはもう説明のしょうがないのですね。だからそこらあたりを、それは計量法の関係でどんなものになっているか知りませんけれども、そこらを統一していただかないと、前の事故のときには〇・幾つ、今度は何億単位では、素人ですからたまったものではない。だから、そこらもひとつきちっとすり合わせをしていただきたい、これから発表する場合には。もちろんコンマが少ないからいいとは言いませんけれども、無用な不安感を地元に与える。  そしてもう一つは、原発という名前を変えていただきたいということを前から言っているのです。お年寄りのおばあちゃんなんかは原爆と原発と耳がわからないのですね。ああ、あそこの原爆ね、うちの息子は原爆で働いているのですよと言う人もいるのです。だからこれは、原発で使っているようにパワーステーションならPSでもいいですよ。この方がずっとしゃれていいですよ。やはり呼び名一つでもイメージが全然違います。だから、そういったClもぜひ導入していただきたい。そういうことも積み重ねていろいろ不安感をなくしていけるのだろう。でないと、総理府の世論調査でも九割以上不安感が出ているわけです。あれは美浜事故の前の話ですから、今やったらもうすごいですよ。だから、それが数字で言うならば、もう何年来、安全論議をやります、やります、やりますと言う、数字が高レベルですから、この責任者というのは発電課長がだれか知らないけれども、これは更迭ものですよ、数字だけ見ていたら。だから、やりますということを数字であらわしているのが今の世の中ですから。内閣でも支持率やら数字でいくわけですから。  だから不安感をなくしますという責任者は努力していますといったら、その世論調査をしたら確実に下がっていないと責任になりません。やったうちに入りません。私らこれからそういう追及の仕方をしていきたいな。そんな無造作にやります、やりますと、何もせずに効果があらわれなかったらやらないのと一緒ですから。だからその点をこれからも担当の課には私は厳しく目を光らせていきたいなと思いますから、今ここで言いませんけれども、ひとつ頭に入れていただきたいな。  そして、もう一つ大臣にお願いしたいのは、風評被害などで非常に無用の損害をこうむる、しかし表にはあらわれない、そういう風評被害の基準というものはつくれないのでしょうけれども、例えば、今同じ通産省で伝統的産業の問題とか中小企業集積の法案を出していますよね。あれと同じ通産省の中身ですから、やはり風評被害を受けた地域には優先的にそこに別枠をやるというような政治的配慮があってもしかるべきではないかな。地元としては、税制の優遇策とか道路をつけてくれとか、建設省とかほかの省庁にも、原発にこれだけ協力しているわけだから高速道路の予算を先につけてくれたっていいじゃないかというのが地元の率直なる意見です。しかし、その意見を建設省に持っていっても、それは通産省でしょうと言われるのが今までです。その点もそういうとらえ方もされるおそれがあるということで内部で話をしているのです。通産省の話なら、大臣、同じですし、きのうも私、別の委員会で大臣に対しての質問をさせていただいたのです。だから、そういうことで通産省、まず隗より始めよで、美浜事故が起きて若狭一帯は非常に迷惑いたしておりますので、通産省の、露骨なことは言いませんけれども、そういう範囲で特別に配慮するというようなことは考えていただけませんか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 原子力発電所の建設、これは国民全体が夏に甲子園を見、暖冷房の恩恵にあずかる、まさに国民生活全体をこれは守っておることに、その地域の皆さん方が貢献してくださっておるのでありますから、先生御指摘の問題、これは非常に大事なことで、私も実は福島県の双葉郡というところに原子力発電所ができておって、高速道路がその手前でとまってしまったので、建設省に働きかけてその地域まで高速道路を延ばしたり、いろいろなことを経験がありますけれども、また、県全体では青森新幹線なども大きく叫ばれておりますけれども、これは単に通産省のみならず国家全体の問題ですから、各省庁に十分連絡をして、発電地域の振興のために努めさせていただきたいと思いますし、現在の通産省の枠の中でも電源立地交付金等もっと幅広く使えるようにという努力に今努めておりますし、また、その他の問題等についても地域振興にお役に立つことでありましたら何なりとお申しつけいただければできる限りの努力をさせていただきます。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 心強いお言葉をいただきまして、本当にきょうは質問してよかったなという充実感を味わっております。  最後に一つだけお聞きしたいことがございますが、最近自然環境問題が非常に厳しくなりまして、自然破壊について、御承知のとおり今までの原子力の設置というのは非常に風光明媚なところへ、悪く言うと自然破壊を伴いながら設置をしてきたということなのですね。これからは、昔と違って今は景観の問題もうるさいですし、電柱でさえみっともないといって地下へ埋設している時代ですから、そういう意味では新規立地のこともそろそろ考えていく必要があるのではないか。新規立地につきましては、昔から地上立地とか地下立地とか何立地とかいろいろ幅広く検討されておられますけれども、先般、フランスのショーズ発電所も廃炉になりましたが、あとはハルデン発電所とか地下立地を見に行きました。環境は全然壊れてないですね。地下に入っていますから。  だから、これからの環境の時代を考えた場合に、あれも一つの方法だな。技術的には確立していますし、地盤的にも、大体地上に建てられるのは地盤があったら地下にも建てられるわけですから。だから、今すぐ地下にやれとか地下にどうのこうのは言いませんけれども、ただここで一つお尋ねしたいのは、今までいろいろ新規立地の検討をしておられますけれども、具体的にそれが実現される場合の手順として、例えば我が町で原発を誘致したい、しかしながら環境を破壊したくないので地下ならいい、それで電力会社と話がついてそういう形の中で、要するに国に上がってきた場合には国はどう対応されるのですか。

山本貞一資源エネルギー庁長官

○山本(貞)政府委員 今先生御指摘のとおり、原発立地についてはいろいろな方向があると思いますし、地下というのも一つの方法だと思います。特に立地場所がさらに広がるという問題あるいは景観上の問題あるいは安全上有利な問題あるいは逆の問題ももちろん問題がありますので検討しなければいけませんが、いろいろなことがあると思います。今先生御指摘のように、地元でやるときは地下がいい、しかも、それが電力会社がいろいろ検討して地盤的にもあるいは技術的にも十分に可能なところであるというようなことで、そういう方向が出てくるとすれば私どもはそれをもとに安全審査をいたしまして、今御指摘のような、大体プラスの面もかなり多いと思いますので、そういう動きがあれば適切に対応するということにいたしたいと思います。

山本拓自由民主党

○山本(拓)分科員 予想以上に素直な答弁をいただきましてありがとうございました。福井県はもう一つも要りませんけれどもね。最近、素直な気持ちとして、電柱でさえ地下に入れるんだから、それで自然環境という問題になると地下へ入れた方がいいという動きも出てきていますし、いろいろありますから、そういう新規の立地方法を具体的に実現させるためにはどうしたらいいのかなという疑問を持っていましたので、今のお答えですと、地元からそういうふうに何がしかの要望があればそれに適切に対応するということを承りましたので、それでよしとさせていただきます。  では、質問を終わります。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田主査代理 これにて山本拓君の質疑は終了いたしました。  午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十五分休憩      ————◇—————     午後一時二分開議

小澤潔自由民主党

○小澤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。  通商産業省所管について質疑を続行いたします。岩田順介君。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田分科員 ただいま今国会におきまして石炭の八次策の後をどうするかということで議論が進行しているわけであります。結論はやがて出るわけでありますけれども、山の存続、産炭地域の振興についてこれまで努力をしていただきましたが、なお一層の御努力を冒頭お願いを申し上げておく次第であります。  近年、産炭地域の自治体から、さらにはまた県議会を中心に通産省などに要請があっている、比較的比重が高くなっている問題にボタ山の問題があるわけであります。これは直接鉱害問題ではありませんけれども、今や産炭地域の活性には土地利用問題、土地の問題を含みまして跡地利用をどうするかということで大変ウエートが高くなっているのですね。むしろここに来て産炭地域振興計画の阻害要因になりつつあるということでありまして、地元にとっては極めてゆゆしい状況であります。  このボタ山は、産炭地域振興計画、向こう十年間政府が支援をするという法律になっておりますけれども、この十年とは直接は関係がないのでありますが、この十年間に一定のめどをつけるということは極めて重要な問題ではないかと私は考えるわけであります。ボタ山の現状については、既に政府としても対策を講じられてきたわけでありますけれども、しかし跡地の利用をどうするかというところまでいっていないのが現状でありまして、風化に任せているというのが実態ではないかと思います。  現在ボタ山は千を超えるくらいあるとされておりますが、我が福岡県の例をとってみますと、二百五十三のボタ山がまだ存在をしているわけです。これは先ほど申し上げましたように、産炭地域振興のためにどう利用するかということが究極の課題でありますけれども、しかし現状でも、災害等の観点から見ても、環境上の問題から見ても極めて対策が必要、もっと対策の強化が必要ではないかと私は認識をしているわけであります。これまで地元の福岡県さらには市町村合わせて百三十四億円に上るボタ山工事を実施をして、国の力をかりて実施をしてきたわけでありますけれども、しかしそのうち政府、事業団、公団が行った事業がごく一部ありますが、それらを除いては有効利用が図られていないというのが実態なんですね。果たしてボタ山問題について、大きな問題でありますけれども、どういうふうに処理をしていこうとしているのか、活用していこうとするのか、まずこの点についてお伺いをしたいと思います。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○鈴木(英)政府委員 先生御指摘のボタ山の問題につきましては、二つの側面があろうかと思います。まず危険なボタ山といいますか、防災工事の観点からお答えを申し上げさせていただきたいと思います。  ボタ山の崩壊防止工事といたしましては、鉱業権者が存在して鉱山保安法の適用ができるものにつきましては、この法律によりまして鉱業権者に必要な措置を講じさせております。ただ問題は、義務者が無資力あるいは不存在なものでありまして、かつ崩壊のおそれがあるボタ山につきましては保安上の配慮が必要でございます。具体的には、人命または周辺の物件に対する危険を排除する、あるいはボタ山に係る災害を防止するというようなことが必要でございまして、このため昭和三十九年度にボタ山災害防止工事費補助金制度を創設いたしまして、地方自治体が実施する防災工事に対して支援、助成を行い、計画的に危険ボタ山の防災工事を進めてきておるところでございます。  先生御指摘のように、全国に約一千を超えるボタ山があると言われておりまして、その状態はさまざまでございますけれども、平成三年度までに、崩壊のおそれがあり、かつ工事の助成について地元の自治体より要望のあった補助対象ボタ山が二百十六ございますけれども、現在まで二百九のボタ山について工事に着工しておりまして、着工率は九七%ということになっております。このため、これまで国の補助金総額約二百三十二億円が支出されているところでございます。かつ、百八十九ボタ山につきましては平成三年度末までに防災工事が完了するようにという計画でおります。さらに、産炭地振興との関係もございまして、今後、地域開発の進展によりましてさらに防災工事の必要となるものが出てくることもございましょうけれども、いずれにいたしましても、今後十年間のうちに工事を完了していく予定ということを考えております。  当省といたしましては、今後ともこのボタ山の危害防止対策につきまして、監督指導の強化、それから現行の補助金制度の十分な活用によりまして、先生御指摘のようになお一層の努力をし、引き続き適切に対処してまいりたいと考えている次第でございます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田分科員 今おっしゃいましたように、二百三十二億円という莫大な金額をかけてこれに対応してこられたということは私どももよく存じているわけであります。もともとボタ山工事をするということにつきましては、根拠になる法律は別にないわけですね。今おっしゃいましたように、補助金交付要領といいますか、これに基づいて実施をされる。一部跡地利用した実績もありますけれども、おおよそこれまでやられた工事というのは市町村を通じてやる場合が多いのでありますが、これは防災工事が主であるということでありますね。それも当然だと思います。ボタ山というのは年々老朽化をいたしまして、遠くから眺めてみる分には非常にいい光景でありますけれども、実際に現地へ行きますと、風化してクレバスができて非常に危険な状況にある。私の地元の住友忠隈炭鉱の、旧炭鉱のボタ山などというのは富士山に似ているということで非常によく映画や何かにも出てくるのでありますが、あれはかって昭和三十年代閉山直後、記念に残そうという議論もありましたね。実際、しかし風化が激しくて、それを市町村では維持できないという現状があるのですよ。したがって、長年にわたってこういう防災対策を国がとってこられた。しかし、そういう風化するという現状もありますから、やはり除去して、あの広大な底地をどう利用するかということがこれから先、現状もそうでありますけれども、自治体にとっては大変大きな財産なんですね。地域によりましては、ボタ山をどうするかということによってこの地域計画が広まっていくのか縮小していくのか、こういう位置にあるボタ山も少なくないんですね。  ところが、あの広大なボタをどこに捨てるかというのは、これまた大変な問題ですね。一時は洞海湾にまでパイプを引いて水圧でもって流そうという話になりましたが、それも経済の変動でできなくなった。いろいろな建築資材の素材にどうかということも言われておりましたけれども、大きな活用としては前進をしていない、これが実態ではないかというふうに思うわけであります。  申されましたように、福岡県内でも七十八のボタ山、このうち有資力が十八、無資力が五十、不明が十、この不明というのは、今度の法律改正までに有名無資力というのは整理していただきましたから、これはまあすっきりしたわけでありますけれども、いずれにしてもそういうボタ山が今なお防災工事も未着手の状況である、これが今の実態だろうというふうに思います。  重ねて、今二つの観点ということでおっしゃいましたけれども、防災の観点からはこれはよくわかります。これは忠隈のボタ山に限らずそうでありますが、ボタ山の周辺には旧炭柱街が密集しているのです。新興団地が軒を並べている。こういった観点から、これは手抜かりなくやっていかなければ大変な問題になっていくことは当然でありますが、要は、未来永劫ボタ山をそのままにしておくかどうかということが非常に心配になるわけなんですね。産炭地域振興にも御尽力いただきましたが、トヨタ自動車のいわゆる誘致、やがて操業というふうになりますけれども、大きな精神的な活力が広がるだろうというふうに思いますが、もう一つやはり足りないですね。もう一つ産炭地は足りない、その問題の一つにボタ山がある、こういう認識の上に立ってボタ山を有効利用するという観点もいろいろ検討されていくとは思いますが、もう一つ、やはり姿勢としては前向きにこれをどうするかというふうに、今の御答弁では納得できない。自治体はどうするのかという提言もありましょうけれども、これも含めてもう一度基本的な解決をするために一体どうするのか、この点について重ねてお伺いをしたい。

鈴木英夫通商産業省立地公害局長

○鈴木(英)政府委員 ボタ山の防災工事実施につきまして、先生も今おっしゃいましたように、責任関係という観点のみから見ますれば、国あるいは地方公共団体とも防災工事に係る第一義的な責任は有してないんでございますけれども、ただ、この問題は非常に大事な問題であるということで、ボタ山の管理義務者が現実的に防災工事もできないという場合には、地方公共団体の行政目的遂行という観点から地方公共団体が実施主体となりまして防災工事を実施する、国が補助金を交付するといういろいろな知恵を出しましてこういう制度をつくらせていただいているわけでございます。特にこの中で防災工事後の跡地利用につきましても、地方公共団体の行います防災工事につきまして、その趣旨から跡地利用について公共的な利用に使い得るということについてはこの補助金制度の中でもある程度弾力的に運用させていただいておりまして、跡地利用の観点も若干含めた制度になっております。  さらに、もう少し先に進んだ跡地利用、この点についてはどうかという御質問でございますが、これにつきましては石炭部長からお答え申し上げたいと思います。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 もう一つの角度の産炭地振興対策の観点からは、先生御承知のように、筑豊においてもボタ山の有効利用方策といたしまして、例えば地域振興整備公団におきまして白鳥タワーの白鳥地区のように、筑豊だけでとりましても五十カ所近くの工業団地、これをボタ山の有効利用ということでやっております。  今後の問題といたしましては、平成三年度から予算措置を講じまして、自治体のボタ山の有効利用を含めました諸事業についての支援措置も導入したところでございまして、これらを利用してそのボタ山の有効利用について産炭地実施計画の中で支援をしてまいりたいというふうに考えております。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田分科員 国が第一の責任者ではないというのはそのとおりなんですね。しかし、放置しておけば社会的にどうだろうかという問題があるのでこれまで努力されてきた、こういうことだろうというふうに思うのですね。さらに、土居部長のお答えにもありましたが、積極的に跡地を活用していくような方法を講じていきたい、こういうことでありますが、言われましたように、市町村工事における跡地利用というのは公共目的に限られているという問題が一つあると思いますね。白鳥団地の例もありますけれども、しかし、これも利用度合いは今まで比較的そう大きな面積ではなかったのではないかというふうに思うわけです。じゃ、このボタ山を市町村が、自治体が取得をしてどうするかという問題が常々問題になるわけでありますが、これまた大変な問題ですね。例えば、取得をしましても、かつての国鉄の炭鉱でありました志免炭鉱のボタ山は、たしか地元三町が共有するということになっているのじゃないでしょうかね。それもお手上げの状態なんですね。今の自治体の状況、産炭地の中でも福岡に隣接しているあの三町というのは筑豊に比べて財政は比較的裕福なんですけれども、とても、整理をしていく、工場団地をつくる、団地を宅地造成するなんという資力はないのですよ。いろいろな計画はあるけれども、やはりそういうことになっている。  それから、筑豊の圧倒的なボタ山は、鉱業権者が持っているか、それから底地は地域の個人が所有して旧炭鉱に貸しておったという部分があります。したがって、これもいわゆる権利がふくそうしていましてなかなか取得できにくい、財政上の問題からも、実態的な問題からも取得することはほぼ困難というふうに言ってもいいのではないかというふうに思います。それから鉱業権者が持っているボタ山というのは非常に大規模なところを中心に多いですね。しかしこれも何度か自治体と鉱業権者の間には交渉が持たれてきた歴史がありますけれども、まず値段の問題でこれは天と地の差で、感覚が違いますね。とてもじゃない。私は鉱業権者はもう少し譲歩して、下がって、かつて迷惑というか、石炭経営をやってきた筑豊の地域にもう少し協力的であってほしいと思うのですけれども、そういうことにはならぬですね。やはり資本の論理でいくわけですからなかなか結びつかない、こういう大きな乖離があるのですね。  これなどを考えていきますと、やはり国が、今幾つか申し上げました例えば鉱業権者と地主、地主と自治体との関係の調整を含めて、土居部長から積極的な答弁がありましたけれども、基本的にどう解決するかというのは自治体との関係が主なんですよ。そこでもって何らかの展開をするきっかけをつくらないと、今のままでは未来永劫あのまま残ってしまうのではないかということが僕は心配なんですね。立地公害局長がおっしゃいましたように、いや、それでも国の責任はこれまでであって、炭鉱はそうじゃないというのは僕も百も承知で言っているわけでありますが、お考えがありましたらお聞かせをいただきたいと思います。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 いずれにしても、昨年産炭地域振興臨時措置法を十年間の延長をさせていただきましたけれども、この十年間が最後の産炭地対策の機会ということでございますので、先生御指摘のように、いろいろと関係者への調整とか指導等にはできるだけ努力してまいりたいというふうに考えております。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田分科員 具体的に動くように努力をしてもらいたいという念願で質問をいたしているわけですが、これ以上質問は続けませんけれども、産炭地は、先ほども言いましたように、ボタ山が今度は石炭鉱害じゃなくて公の公害になりつつあるわけですから、そういう意味も含めまして、鉱業権者との間の調整等も含めてぜひとも御尽力を賜りたい、かように思います。  それから鉱害復旧の農地の問題について一、二点お伺いをしたいと思いますが、いわゆる重鉱害地区の問題があります。  福岡県においても農地鉱害の復旧事業は平成三年度までに八千四百ヘクタールが復旧されてきたわけでありますけれども、いまだに多くの未復旧地が残っているわけですね。とりわけ、地名を申し上げますと、彦山川の左岸、右岸であるとか勝野地区であるとか小牧地区であるとか、こういったところがいわゆる大規模復旧地、重鉱害地区というふうに我々も呼んでいるわけでありますけれども、これも県、関係自治体は相当努力をしてきたわけでありますが、御承知のようにぐんと進んでいるかというとそうではないわけであります。圃場整備の換地作業、換地計画がうまくいかないとか、客土の土質の問題が問題になったり、水利権が絡み合ったり、また施工方法に対してもいろいろな立場から要望や意見があって、現地は、事業団も骨折っておられることはよく存じているわけでありますが、余りにも広大で、しかも長期にわたっているという観点から、何としてでも早期にめどをつけなければならない問題であるということは言うまでもないというふうに思います。  これは法律改正の際の議論でありましょうけれども、今回の法律改正ではいわゆる主務大臣と通産大臣の協議事項という項目ができておりますから、恐らく農水大臣を通じて通産大臣と協議される、こういう状況になっていくのではないかと期待を申し上げているわけでありますけれども、特段の協力を要請して、一日も早く計画ができて見通しが立つように要請をするわけでありますが、いかがでしょうか。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 ただいま御指摘ありましたように、今度の法改正では主務大臣による調整あるいは通産大臣による調整ということで、国も真剣になってこの重鉱害地の権利調整の問題については努力をしていくということになっておりますので、そういう方向で今後努力をしてまいりたいというふうに考えております。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田分科員 それは法案の説明のときにもそういうふうに聞いておったのですが、あえて質問をいたしておりますのは、これまでもなかなか進まなかったのですよ。重鉱害地区というふうに言われるようになってきているのは私が説明するまでもないことだと思いますね。これまでも農林省の管轄、圃場整備をする、農地整備をする、その関連で鉱害を一緒にやってきたこともあるでしょう。そういった意味では、関係省庁との間では農水は一番関係の深い省庁だと思いますよ。これまでもやってこられたのですよ。なかなか進まないのですよ。これを一体どうするかという意味では、こういうシステムがだんだんできつつあります、法律で出されていますから。それ以上加えて、プロジェクトをつくってどうしようというのはなかなか困難でしょうけれども、尋常一様の努力ではなかなか進まないであろう。それからまた、自治体の協力も得て地権者、関係者への説得やいろいろな接触が持たれてくると思いますけれども、これ以上お聞きしませんが、とにかく重点的に協議を進めて円満に解決できるようにお願いをしたい、こう思います。  それから、もう一つの問題は追加工事というのがございますね。これは一次、二次、進められてきたわけでありますけれども、福岡県の場合百四十三地区、六百四十四ヘクタール、推計で申し上げますと二百三億円ぐらいの対策費が必要であろうということになっているわけでありますが、これも同等に重要な問題でありますが、どのような方針で具体的に進められていくのか、お聞きをしたいと思います。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 御指摘の効用未回復問題については、昨年六月の石炭鉱業審議会の答申におきましても「所要の措置を講じるべき」と指摘をされていることでもございまして、通産省としても答申の趣旨を踏まえて効用未回復の原因を分析し、改めて、鉱害または復旧工事との因果関係が認められるものでその効用阻害が著しく受忍の限度を超えているものについては所要の措置を講じてまいる所存でございます。  なお、今後、答申の趣旨を踏まえ関係機関と十分協議を行い、早急に具体的な復旧方針を策定の上、計画的な復旧がなされるよう検討してまいる所存でございます。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田分科員 時間が残り少なくなりましたので、あと一問だけお聞きしておきたいと思います。  ボタ山の問題について立地公害局長の方から有資力と無資力というふうに分けておっしゃいましたけれども、この石炭鉱害の問題につきましても、有資力の鉱害が一体この十年間で終わるのか。通産省の説明によりますと、希望というか説明によりますと、前倒しをして五年か六年か七年ぐらいには完了したい、これは大賛成でありますが、確かに無資力に比べて有資力の鉱害というのは量も面積も比重は低いのでありますけれども、しかし地域によってはそうは言っていられないところがありますね。田川地区がそうでありますが、三井との関係では膨大な鉱害量を残している。  そこで、今回の石炭に関する法律の提案によりますと、我々からすればいわゆる構造調整をやって十年間に炭鉱がなくなるのじゃないかという危機感を持つぐらいの法律が出されております。そうなってまいりますと、石炭企業というのは加速的に縮小するのではないか、それに見合って鉱害の復旧が進むかというとそうではないであろう。財源はどうするのか、財政力はどうなるかというのが心配になるわけです。したがって、そういうことが心配になる現地の状況から申し上げますと、この無資力の石炭鉱害の復旧のペース、それは何年がおくれても、五年も六年もおくれて一方は終わったけれども有資力はめどがつかないということではいかないと思いますね。  これは何度がお尋ねをしてきたところでありますけれども、この際やはり通産省、政府としては早期に計画をきちんと各社ごとに提出を求める、そして、それについて政府がチェックする、できるかどうかというのは権限の問題がありますけれども、それぐらいの態度でいかないと、いわゆる有資力と無資力の鉱害の断差がつきますと、しかし、被害者はこれは同一に権利を有する地権者ですから、新たな問題が発生するんじゃないかというふうに思いますね。ぜひとも有資力鉱害についての具体的な措置を、経過を含めて早目にやはり整備をしてこれを実行させるというふうにお願いをしたいのでありますが、いかがでしょうか。

土居征夫資源エネルギー庁石炭部長

○土居政府委員 有資力の石炭鉱害の処理についても、これは有資力の構造調整の一環でございますので、通産省としても有資力を十分指導して計画的な復旧に努めてまいりたいというふうに考えております。

岩田順介日本社会党・護憲共同

○岩田分科員 終わります。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 これにて岩田順介君の質疑は終了いたしました。  次に、小岩井清君。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 私は、日米の自動車と自動車部品問題についてお伺いいたしたいと思います。  具体的に自動車と自動車部品問題の質問に入る前に、ことしの年の初めにブッシュ大統領並びに宮澤総理大臣の日米首脳会談がありまして、そこで東京宣言並びにアクションプランが出されて、その中に自動車と自動車部品問題があるわけでありますけれども、その具体的問題に入る前に、この日米首脳会談の意義と評価について最初に大臣から承っておきたいというふうに思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 戦後四十七年いろいろの変転がありましたけれども、日本がアメリカに戦争で敗れた、しかしその後、アメリカの寛大な占領政策、また世界的な規模でのマーシャル・プラン、またガリオア・工ロア資金によってあの貧しい廃城の中から日本が立ち上がったこともこれは厳粛な事実であります。また、今日の日本の自由主義経済による繁栄がアメリカを最大のマーケットとして、また将来のこの国の経済繁栄にとっても、アメリカと日本のパートナーシップというものが両国のために極めて重要なことはもとよりのこと、今日本とアメリカが占める世界の経済における大きな比重ということを考えると、世界の平和のために、また世界の自由な経済の発展のために日米のパートナーシップというものはよりきずなを深くしていかなければならないと考えております。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 通産大臣から日米首脳会談の意義と評価について伺いました。それに基づいて具体的に一つずつ質問をしていきたいというふうに思います。  特に、今回の首脳会談の焦点は幾つかありますけれども、その中心的な焦点は自動車と自動車部品問題にあったというふうに思うんですね。日本メーカーによる米国製の完成車の販売努力目標及び自動車部品購入目標計画が出されましたね。これについての性格、今までも議論されておりますけれども、もう一度確認の意味でこの性格について伺いたい。それから、目標をアメリカ側に提示しなければならなかった、そういうことがあるわけでありますけれども、この背景と理由についても伺いたいというふうに思います。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○熊野政府委員 ただいまの御質問にございました自動車部品及び完成車の目標の件でございますけれども、まず自動車部品の方から申し上げたいと思います。  我が国自動車メーカーが発表いたしました米国製自動車部品の購入に関する数字は、中身といたしまして、米国に進出している企業が現地において調達するものと、それから日本のメーカーが日本に輸入するもの、両方を含んでおります。これらは行動計画の中に明示してありますとおり、米国部品産業による企業努力を前提とした自主的な努力目標でございます。  また、もう一つの米国製自動車の輸入についてやはり同様に各社が発表しておりますけれども、これにつきましても行動計画に明示してあるとおり、各社の状況に応じたいろいろな条件が満足されれば、その条件はそれぞれ各社の発表に書いてありますけれども、条件が満足されれば米国車を販売する用意がある旨の各社の積極的な姿勢を、具体的な数量にも触れつつ表明したものでございます。  こういった今回の努力目標等の発表は我が国自動車メーカー各社によって自主的になされたものでありますが、日米両首脳で作成した行動計画にこれらの各社の発表を事実として盛り込んだことを、メーカー各社は相応の重みを持って認識していると思います。したがって、誠実にこれに対応していくものと確信しているところでございます。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 これはアクションプランに書いてあるように自主的努力目標と、こういうふうに今言いましたね。今アクションプランを持っているんですけれども、「自動車部品」と書いて、「我が国自動車メーカーは、別紙にあるとおり、米国製部品購入拡大の努力目標を発表した。」と、こうなっていますね。自主的努力目標と今初めて聞きましたけれども、これは自主的な努力目標を発表したということになるんですか。どういうことかといえば、これはもう業界の商業ベースだけの問題だというふうに聞こえるんですよね、今の自主的ということになると。その辺は、これは政府間合意ですから、対政府との関係についてこの自主的努力目標というのはひっかかるものですから、それはきちっと答えてください。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○熊野政府委員 ただいま先生御指摘の行動計画のところにも、これら「見通しを前提として、自主的に行われた。」というふうに「自主的に」ということが書いてあるわけでございます。もちろん先ほど大臣からも申し上げましたとおり、日米両国の世界の経済の中における重要な地位でありますとか、あるいは日米関係の重要性でありますとか、あるいは日米両国において基幹産業であります自動車産業の重要性でありますとか、そういうことにつきまして日本政府はそれぞれの状況を十分認識しておりますし、その問題解決に最善の努力をする必要があるということはそういうふうに考えているわけであります。同時に、我が国自動車産業もこういった日本政府の認識を共有して今回自主的に努力目標を発表したものと考えております。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 前段でどうしてこういうことを聞くかというと、その後の宮澤総理並びに日本側の発言がアメリカ側を刺激したという事実がありますね。ですから、これはあくまで自主的な努力目標なんだ、いや政府間の約束なんだ、こういうのがずっと今日まで尾を引いているというふうに思うのですね。この辺はきっちりしておかなければいけないということがあるから聞いているのです。  あわせて、したがって自主的努力目標ということは、本来これは商業ベースで話を進めなければいけない問題ですね。それに政治的な地位を与えたということは間違いないわけだと思うのですよ。そうなると、後から質問させていただきますけれども、将来の展開によっては極めて危険なことにつながるのじゃないかという危惧があるのですよ。この点どうですか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 これはいろいろに報道され、いろんな見方からいろんな批判があることは、私も政治家として素直にこれを受けとめております。  ただ、先生も御承知のように、現実に戦後、自動車産業といえばこれはアメリカが世界の市場を、またこの日本の市場もほとんど占有しておった時代がついこの間のことでありますが、それが今や、これは九一年ベースでも日本からアメリカに輸出される自動車は百八十万台前後、またアメリカから日本に輸入される自動車は三万台、それも本田とかトヨタがアメリカに現地生産しておるものも含まれているというような中で、やはり日本の自動車工業会のそれぞれの各社が、アメリカがいずれにしても最大のマーケットでありますから、これは自由な貿易の中にもやはり日米関係をよくしていくことが自分たちの将来の、これは自動車産業にしてもこれに関連する部品産業にしても発展につながるということでこういうアクションプランをつくってくれたわけであります。  しかし、それならば勝手に自動車業界が民間ベースでやったことだから我々が知らない、こういうわけにいくかといえば、それはもう新しく宮澤内閣が誕生して、そして鳴り物入りでブッシュ大統領が日本においでになられ、これは何も自動車問題のみに限らず、環境問題あるいは平和の問題、全体として世界の中で日米が果たすべき役割ということで東京宣言が行われた中で、このことをもちゃんと加えられてできておるわけでありますから、我々政府が全く関知しないなんということは通用するはずのないことであって、幸いこれはMOSS協議等で通産省もこれからの行動計画の実施進捗状況については報告を受ける立場にありますから、やはり国と国との信義という中でこれが誠実に実行されるように、私どももしっかりと見守るべきところは見守り、また間接的に応援できることがあれば応援しなければならない。  やはり今、私どもはこれが国と国との信義にもかかわる問題であるというような大きな受けとめ方はしていかなければならないのでありますけれども、しかしその内容は、あくまでも日本の自動車各社が今後のアメリカのマーケットとしての重要性、そして広く言えば日米関係を考えて自主的にやってこられた、むしろ、このことによってアメリカに今台頭する保護主義を抑える、あるいは地域主義を抑える、また世界から管理貿易というような批評を受けない方向で事が進んだというふうな御評価をいただきたいと存じます。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 私も日米関係は大事だというふうに思っていることについては人後に落ちないと思うのです。それから通産大臣のお話ももっともだと理解をいたしたいと思います。  ただ、心配いたしておりますことは、今回、部品、自動車もそうですけれども、購入目標の設定が、半導体で起きたことともう一度同じようなことを招く原因になりはしないか。ということは、これは日本側が幾ら努力してもだめなんですね。やはりアメリカがその気になって努力をしなければ、このアクションプランの計画というのはスムーズに進まないだろうというふうに思うのですね。ですから、そういう面で将来さらに大きな摩擦の芽をここでつくってしまったのではこれは大変だということなのですよね。これを避けるための準備についてどう考えているのか。日米関係を大事だと思うがゆえにこの点を申し上げて、お伺いしたいというふうに思っているのです。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 今私はちょっと大事なことを取り落としましたけれども、モスバカー氏とも私はお目にかかっておりますけれども、これはあくまでやはり自由主義経済というもの、かつては消費者は神様であるということを教えてくれたのもアメリカであるし、部品購入にしても日本の自動車産業にとって必要なよすが、大事なものを生産していただかなければなりませんし、また日本の消費者がアメリカ車を喜んで買うには、やはり日本の消費者が喜んで買うような自動車をつくっていただかなければなりません。ですから、これは約束事ではありませんけれども、あくまでやはり単なる日本の業界の努力目標ということでなくて、この実現のためにはアメリカの業界の皆さん方にもとにかくいいものをつくることが世界のためだ、そしてそれが自由に交易して世界が栄えるという自由主義の大事さを教えてくれたのがアメリカなんですから、やはりアメリカにもそれなりの努力をしていただかなければならないということは再三私も申し上げてきております。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 御答弁いただきましたけれども、アメリカが努力をしなければならない、再三言っているということも承知をいたしております。それと、もう一歩進めて、自由主義ですから、目標提示をすることが逆にアメリカ・メーカーの競争力の阻害になるのじゃないかという懸念もあるわけですね。この点はいかがですか。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○熊野政府委員 先ほど来大臣から御答弁申し上げておりますように、この行動計画に盛り込まれました内容が達成されますためには、日本のメーカーの努力ももちろんでありますけれども、まず米国自動車部品企業自体が、部品について申し上げましたら、一生懸命日本に向かって売り込みの努力をしていただく必要もありますし、またそのためにはいい品質のものを安い価格でつくっていただく必要もあるわけであります。そういう意味であくまでも米側の企業の積極的な努力を前提としているところでございます。他方、我が国メーカーとしても、そういう米国側の部品企業のいろいろな努力、例えば品質向上支援とかあるいはデザイン・インといったような格好でそういうものを手助けをしていく、できるだけ買いやすいように一緒に協力をしていくということはこの中でも表明しておるところでございます。こういった日米双方の企業の努力の結果、米国部品産業が再活性化することを私どもも期待しているわけであります。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 それぞれ御答弁をいただいておりまして、大変くどいようですけれども、これは政府間合意ですから目標値達成はしなければならない。それについての具体的な手法というのですか、これが率直に言って答弁に見えてこないわけですね。この点少し具体的に御答弁いただきたい。  それと、東京宣言並びにアクション・プランで、政府間合意ですからこれは民間ベースの話ですよと言っていられないわけですね。ですから、目標値未達成の場合、これはどういう結果になるか、その場合の責任はどうなるかということだって心配しているわけですよ。これはここで言うのは早いかもしれません、努力してもらわなければいけませんけれども、その場合の責任と責任の所在についてどうなのかということ、この点についても御答弁いただきたい。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 これは先生から大変御心配をいただいておりますけれども、これは今始まったばかりで、私は、日本の自動車工業会の力、またアメリカの自動車業界の潜在的な力、これが両々相まって必ず目標は達成できるものと確信をいたしております。  具体的なことは政府委員から答弁させます。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○熊野政府委員 繰り返しになって大変恐縮でございますけれども、その目標は、この行動計画に書いてございますように、メーカーが発表した部分はメーカーの自主的に行われたということで紹介をする形にしてございまして、他方、政府として約束すべきものは政府の約束としてやっておるわけでございます。  ともかく、いずれにいたしましても、こういう形で発表した中身の重みは、繰り返し大臣から申し上げておりますように、我々もその重要性を認識しておりますし、自動車メーカーもその重要性を認識しておりますから、ともかくその努力目標に向けて最大限の努力をしていくものと確信しているわけであります。  いずれにいたしましても、こういうのは実はもともとMOSS協議の過程の中で、自動車部品の問題につきましては特にそうでございますけれども、既に五年間輸入及び現地調達につきましては自主的に購入拡大についてのボランタリーブランを策定してきているわけであります。これまでもその内容を充実するように各社最大限の努力をしてきておりまして、今回の努力目標もこういった従来からの流れの中で各社の経営判断により自主的に、前提はございますけれども、先方の努力でありますとか、あるいは現地における調達というのは現地における生産規模に比例するものでありますから、そういうものを前提にして自主的に発表したものでございます。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 考え方はよくわかるのですけれども、アメリカばかり見て、しかもアメリカの事業者を見ながら話をしているんですけれども、翻って、国内で我が国の部品供給業者にはどんな影響があるんだろうかということも心配があるわけですね。この点どうお考えですか。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○熊野政府委員 直ちに数字的なことはあれですけれども、先ほど申し上げましたように、部品の購入額というのは日本に輸入するものと現地に進出した企業が調達するものと両方含んでおりまして、いわゆる百九十億ドルのうちの四十億ドルが輸入の部分、百五十億ドルが現地の調達の部分でございます。現地の調達というのはまさに現地でつくる車に必要な部品を購入するわけでありますから、直接的な影響は必ずしもないわけであります。日本からの輸出がどうなるかとか、もちろん無関係ではございませんけれども。輸入につきましてはいわば現状、現状というか、九〇年二十億ドルのものを九四年度に倍増という一応の目標になっております。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 これは具体的に御答弁いただきたいところでありますけれども、時間が迫っておりますから今の御答弁でよしとしておきますが、今回のアクションプランについては管理貿易的色彩が大変強いというふうに言われているんですね。そういうふうに言われていること、御存じだと思うのです。今回の措置とガットとの関係、これはどういうふうに見解をお持ちですか。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○熊野政府委員 繰り返して大変恐縮でございますけれども、自動車部品の購入に関します発表は自動車メーカーが自主的な努力目標を公表したものでございますから、ガットとは一応関係はないものと考えております。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 さっきの答弁と大変矛盾があるように思います。ガットは関係ないということで御答弁いただいておりますが、私は関係あるというふうに思いますので聞いたわけであります。  アメリカとの今度の関係で今回こういう措置をとりましたね。対ECはどうなっていますか。ECが求めてきた場合、これはどう対応しますか。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○熊野政府委員 ECにつきましては、自動車部品について申し上げますと、既にECに立地している日本系のメーカーがあるわけでありますけれども、これらにおきましては、部品の現地調達率というのは現に大変高いものになっております。そういう意味で、ECの自動車部品メーカーとは従来より大変良好な取引関係を維持しておりますし、これからも維持していくものと思っております。  それから完成車の問題について申し上げますと、先生もう御案内のとおりだと思いますけれども、先ほど大臣から申し上げましたように、欧州車は我が国の全輸入車のうちの、約二十万台のうちの約八割を占めているような状況でございまして、欧州メーカーと我が国自動車メーカーとの販売協力もいろいろな形で進展してきているところでございます。  政府といたしましては、こういった現状を欧州側に説明するとともに、これは大臣からも、ヨーロッパから来られる大臣に直接御説明をいただき理解を求めているところでありますけれども、こういう格好で我が国自動車メーカーと欧州企業との良好な関係を今後とも発展させていきたい、あるいはそういうふうに働きかけてまいりたいというふうに考えているわけでございます。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 公正取引委員会来ておりますか。自動車部品問題で、公取委は競争政策的観点から自動車部品分野に関する調査を九二年三月末までに開始することに決定した、競争政策的観点からということが入っておりますね。そして三月末。これはどう受けとめてどういうふうな調査をするのか、これを承りたいと思います。

坂山修平公正取引委員会経済部調査課長

○坂山説明員 この調査は、自動車につきましては自動車メーカーとディーラーとの間の取引、自動車部品につきましては自動車メーカーと部品メーカーとの取引を主な対象として、これら企業の間の取引の実態を把握しようとする調査でございます。  調査の実施に当たりましては、競争政策の観点からということになっておりまして、一つは、新規参入が不当に妨げられていないかということ、二つ目に、それぞれの企業の取引先の選択や価格その他の取引条件の設定が自主的に行われているかどうか、三つ目に、価格、品質、サービスを中心とした公正な手段による競争が行われているかなど、これらの業種の市場におきまして公正かつ自由な競争が確保されているかどうか、そういう観点で調査を行うこととしております。  三月末、今月末でございますけれども、今月末までに調査するということを約束しておりますけれども、その約束を守るべく、三月末までに調査を開始すべく、現在その調査対象業者の選定、調査事項の策定など鋭意作業を行っておるところでございます。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 内容的にはわかりましたが、これは競争政策的観点からということで、競争政策から見て問題ありというふうに指摘を受けて調査をする、こういうことなんですか。そうじゃないと当然こういうことは入ってきませんね。これはほかの、紙についても、板ガラスについても、さっき部品は申し上げましたけれども、自動車についても同様なことが言われておりますね。それぞれどうなんですか。

坂山修平公正取引委員会経済部調査課長

○坂山説明員 独占禁止法に違反する、そういう具体的な事実があるということを前提にして行う調査ではございません。今回調査いたしますのは、我が国の自動車、自動車部品、紙、ガラスの四業種について調査するわけでございますけれども、継続的取引、そういう観点が排他的な性格を持っておるのではないのか、そういうこともございまして、SIIの最終報告の中でもその調査をするということを約束したわけでございますけれども、そういう一環として各企業等の自主的な御協力をいただいて行う調査でして、独禁法上問題があるということで行う調査ではございません。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 わかりました、アクションブランでこういうふうに調査をするということで合意していますわ。三月未に開始する。大体めどとしてどの程度かかると見ているのですか。

坂山修平公正取引委員会経済部調査課長

○坂山説明員 実はこれは昨年の六月に発表いたした調査がこの継続的取引の関係では初めての調査でして、今回三月未に開始いたします調査はそれに続きまして二回目の調査ということになるわけでございます。我々も、調査に入りましてからは調査対象社の協力も得ながら鋭意努力して早く調査してまいりたいと思っておりますけれども、前回の調査がほぼ一年程度かかっておりますので、今回も同じくらいまでに御報告できるような、報告書がまとまるような、そういうスピードで鋭意やっていきたいと考えております。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 今回の場合には、東京宣言並びにアクションプランの中で確認をされた政府間合意ですね。出た結果は公表するんですか、それとも、例えばSIIを通じてこの結果を出すのか、その点はどうなりますか。

坂山修平公正取引委員会経済部調査課長

○坂山説明員 公表することを前提に調査を実施いたします。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井分科員 ありがとうございました。終わります。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 これにて小岩井清君の質疑は終了いたしました。  次に、辻第一君。

辻第一日本共産党

○辻(第)分科員 私は靴下業界の振興対策についてお尋ねをいたします。  奈良県は、江戸時代に綿花の栽培などもありまして、それが繊維産業として発達をしました。そういうのが今奈良では靴下産業という地場産業として大きな役割を果たしているわけでございます。  現在奈良県には、ソックス生産で全国の四三・一%のシェアを占めるなど、靴下生産で国内第一のシェアを占める産地がございます。平成二年度出荷額では九百九十八億円、前年比一・一%増で、奈良県靴下工業組合三百七十九社を初め関連企業を含めて六百八十五社、労働者数で一万三千五百人の方々が働いておられます。この産地の方々がいろいろな問題で苦しみながら業界の活性化に努力をされているところでございます。  具体的な現状を申し上げます。  繊維産業は構造不況業種に指定され、構造改善事業が実施されていますが、私ども、奈良県の靴下工業組合に聞きましたところ、一九六五年は千三百社あったんですが、一九八九年には四百二十社、この組合は四百二十社の組合です。この一九六五年千三百社というのはちょっと組合とは関係ないかもわかりませんが。現在では三百七十九社ですね。この組合では三年間で四十一社が廃業をされております。長時間操業と低収入のため、事業主が息子さんに継がせず廃業する場合が多いのであります。組合員三百七十九社のうち、従業員十人以下が二百六十社です。廃業かどうかの分岐点は、従業員規模五十人、年商十億円規模と見られ、業界では百二十から百三十社ぐらいが将来的に発展していくのではないかと見られています。事業場は、問屋形態が五〇%、大手ブランド三〇%、通信販売一〇%などと半ば固定しており、このグループの範囲で相対的に下請化が進行しております。  靴下製品の国内市場を見ますと、日本産が九千万デカ、一デカ十足ですから九億足ですね。それからいわゆるNIES、東南アジア製品が一千万デカ、一億足と言われております。紳士ビジネス用ソックスでは、単価が国内産千円以上に対し、韓国産は五百円とされており、国内産のシェアが低下しております。  深刻な人手不足の中で、靴下業界の従業者の平均年齢は、男子四十・九歳、女子三十三・三歳と、高くなっています。標準給与は、男子二十六万円、女子十二・六万円であります。さらに糸代、染め工賃、配送料のコストアップで業者の利益率は低下しております。こういうふうに業界では訴えられております。  靴下業界の下請の皆さんの実態は極めて深刻でございます。十年前の下請代金は一デカ三百六十円程度でしたが、現在は四百円程度、十年間で一割しか上がっておりません。一デカ当たりの内職工賃は、細かいことを申しますが、返しか二十円、ぬきが八十円、ロストが四十円、傷見が五十円、合わせて百九十円。さらにゴム糸代は下請業者の負担で、これが四十五円。こうしますと、一デカ四百円の下請代金のうち、六割近くは経費として消えてしまいます。計算をしてみますと、経験三十年の方が一人で一日八時間、二十台の機械を動かして最高の稼働率で、百六デカ、一千足ほど生産したとして、生産高は四万二千四百円となり、業界平均の内職工賃四七%、一般経費三〇%、古い機械のため減価償却一〇%として、一時間当たりの下請工賃は六百八十九円となります。週四十時間と計算してみますと、所定労働時間では十二万一千二百六十四円ということでございます。週四十時間として計算しますと、これが下請業者の月収ということになります。仮に下請工賃が倍になったとしても、一時間千三百七十八円、一カ月二十四万円でございます。年収三百万円にもならないということでございます。こういうようなことでありますから、これではやっていけませんので、十六時間操業、さらには二十四時間操業という状況がかなり見られるわけであります。かなりどころか、大方そういうことになっているのではないでしょうか。  こうした実態が外国から日本は働き過ぎと批判され、生活小国と言われている姿ではないかと思いますし、そういう状況。こうした下請の実態をひとつ一層御認識をいただき、御理解をいただいて、この現状を打開する業界振興対策をぜひぜひ検討していただきたい、こう思うわけでございます。  もともと農家の副業的色彩を持って発展してまいりました産業でございますので、住居や田畑など生活に必要な資産を持っておられる方が多うございます。下請の皆さんは健康破壊も著しく、息子に継がせるような商売ではないと言っている事業者が大変多うございます。若干の設備投資による借金が償えれば廃業したいというような方や、働ける間は働くけれども、体が動かなくなったら廃業したいという方が多うございます。政府による中小企業の事業転換対策の中で、こうした下請の方々の要望が受けとめられるべきではないかと思います。  零細な業者ほど廃業に追い込まれるケースが多うございます。大企業の労働者なら退職金ももらえるわけですが、零細な業者にはそれもありません。年金も少ないということでございます。小規模事業者向けの退職金制度と言われる共済制度として小規模企業共済制度がございますが、これも自分の掛金で共済をする、これが原則でございます。政府の助成拡大が求められておるわけでございます。  そこで、まず中小企業庁に伺いたいと思います。  こういう業者の方、長い間本当に一生懸命働いて、国民の消費生活を支えてこられたわけでございます。そして年をとられた方、いろいろ下請条件の厳しさ、そういう中で本当に苦労をされているわけでありますが、こういう業者の皆さんに対して、救済というと言葉は悪いのですが、いろいろな御対応をいただきたいと思うのです。  そこで、先ほど来申しました下請工賃というのは本当に安いのです。本当に安い、そういう下請工賃の問題。私は、もしメーカーが、かなりの利益を上げておられる大手のメーカーというのですか、福助さんだとかいろいろあるようでありますが、そういう中にアンバランスがあるのではないかとも思うのですね。そういうことも含めまして、工賃の問題を初め総合的な下請業者保護対策を検討していただきたい、こういうふうに思うわけでございます。それから、事業転換対策の中で靴下産業の下請の方々の転廃業対策を受けとめていただいて、業界の要望への対応を検討していただきたい、また小規模企業共済制度について、どうか国の助成を大幅に拡大をしていただきたいと思うのですが、御答弁を求めます。

桑原茂樹中小企業庁計画部長

○桑原政府委員 ただいま先生から奈良の靴下製造業の非常に厳しい状況についていろいろ御説明をいただいたわけでございますけれども、私どもが下請企業対策ということで従来からいろいろ努力をいたしておるのは御承知のとおりでございます。下請の方々が親企業によりいろいろなことをやらされ、不正というのですか、不適正なことをやらされないような法律もございますし、いろいろな努力をさせていただいております。ただ、靴下ではそれではどんなことができるかということでございますけれども、どうもお話をお伺いしておりますと、必ずしも親企業が一方的に下請企業をたたいているということかどうか、業界全体として非常に苦しい状況がある中で下請企業も非常に厳しい状況に置かれているというようなことのようでもございますので、その辺は、我々できることはいろいろさせていただきたいと思っておるわけでございます。

石黒正大中小企業庁小規模企業部長

○石黒政府委員 小規模企業共済制度について御質問ございましたので答弁させていただきます。  小規模共済制度、その法律の目的に書いてございますように、小規模企業者の相互扶助の精神に基づいて、その拠出による共済制度という建前、考え方で運営されておるところでございまして、先生先ほどちょっとおっしゃられましたけれども、そういうことでございますものですから、共済金額につきましては、払い込み済み掛金及びその運用益というのが共済の原資ということになっているわけでございます。  また共済制度の運営に当たりましては、法の規定に基づきまして平均六・六%の運用ということに結果的になっておりまして、最近の金利水準あるいは今後の動向、そのあたりを考えますと、トータルに共済金額の引き上げという形に結びつくのかどうかというあたり、なかなか難しい問題があろうかというふうには考えております。しかしながら、小規模企業者のための制度でございますので、法にも規定されておりますが、五年ごとに見直しというような考え方のもとに我々は対応してまいるつもりでございます。  以上でございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)分科員 ぜひひとつ、こういう現状でありますので、いろいろ大変と思いますけれども、御尽力をいただきたいと思います。  それで、奈良県靴下工業組合は中小企業技術開発促進臨時措置法に基づきまして国と県の補助金を受け、靴下後工程一体化装置の開発というのを進めております。来年までに完成の運びとなっておりますが、これは表向きに編み上がった靴下を裏返し、先にミシンをかけ、再び表返す作業を一つの機械で一体化しようとするものだそうでございます。工程の省力化を図ることができるものでございます。ところで、この補助金ですが、九一年度には国の負担分八百万円を七十万円力ットされた、県も同額カットされたということでございます。  そこで、中小企業庁に伺うのですが、九二年度は補助金カットをしないで満額補助をしていただけないかということでございます。それからこの制度というのは、本当に今の厳しい中小企業の技術開発に大きな役割を果たしていただいたすばらしい制度だと思うわけでございます。どうかこの制度を延長し、平成六年で終わるのですか、そしてさらに拡充をしていただきたいと思うのですが、いかがでございますか。

南学政明中小企業庁長官

○南学政府委員 御指摘の靴下一貫生産システムの研究開発につきましては、エレクトロニクスを応用して靴下の多品種少量生産等に対応する工程の合理化を目的としているものでありまして、補助金の交付に値するという判断をいたしまして、平成三年度に補助金を交付したわけであります。御指摘のように若干カットをいたしましたが、限られた財源の中で、多数の都道府県からいろいろな要望が出されているわけでありまして、おのおのの事業内容を勘案しながら公平公正な配分となるよう判断してこうしたわけであります。四年度につきましても現在都道府県からの要望を取りまとめているところでありまして、四年度予算の成立を待って、出されてくる都道府県からの事業内容等を勘案の上、適切な交付決定を行ってまいりたいと考えております。

辻第一日本共産党

○辻(第)分科員 次に通産省にお尋ねをいたします。  靴下のかがりというのがあるのです。リンキングと言うそうですが、内職者が平均年齢四十八歳と高齢化が進んでおります。紳士物靴下の生産量九百万デカのうち、四分の一はこのリンキングと呼ばれる内職仕事です。業界ではこの高齢化への対策が深刻でありまして、私ども、三年前にこの自動かがり機の開発と実用化で協力をいただきたいと通産省にお願いしたことがあるのですが、こういう組合の皆さん方が取り組んでいる自動かがり機の開発が急がれております。全国靴下工業組合連合会の草高理事長が通産省と協議をされ、基盤技術研究促進センターの協力でこの開発事業が動き出すと聞いておりますが、国の支援を欠かすことができません。政府も自動かがり機の開発に積極的に支援をしていただきたいと思いますが、いかがですか。

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 現在手作業で行っておりますこのリンキング工程、先ほど先生のお話のように大変人手不足の中では、省力設備としては有力な候補だと思っております。具体的には、現在県も含めましてそのフィージビリティースタディー、これが本当にうまくできるかどうかということも含めて御議論をしていただいていると思いますが、簡単に申しますと、我々としても大変興味を持っている構想でございますので、我々として、御提案があれば十分検討する用意を持っております。

辻第一日本共産党

○辻(第)分科員 どうかひとつよろしくお願いします。  次に中小企業庁にお尋ねしますが、現在リンキングの内職賃金が一デカ二百円程度ですが、自動かがり機の実用化のためにはこのコストに見合うものとすることが必要でございます。したがって、実用段階では近代化資金融資制度の対象とし、普及を促進する必要があると思います。したがって、自動かがり機と、さらに先ほどの靴下後工程一体化装置もそうでございますが、この実用段階で政府の設備近代化資金融資制度の対象に入れ、普及を促進すべきだと考えますが、政府の見解を伺います。

石黒正大中小企業庁小規模企業部長

○石黒政府委員 御指摘の設備の指定の問題でございますが、何せ現在本設備開発中ということのものでございますので、これが製品化されました段階におきまして検討をさせていただきたいと思います。

辻第一日本共産党

○辻(第)分科員 ぜひ、いい検討をしていただきたい。  次に、奈良県の靴下産業は、先ほど申しました一九六〇年ごろ創業したものが多うございます。建物の老朽化が著しゅうございます。従業員の休憩室など福利厚生の施設も少のうございます。魅力ある事業場になっていない場合が多い。事業主から従業員の福利厚生のための建物の改装の希望も出されていますが、公的融資制度は機械設備を対象とするものが主で、わずかに協同組合が工場団地をつくるとき土地、建物も対象とされる程度です。個人事業者の建物改装などは対象となっていないのでございます。労働者にとって魅力ある近代的な福利厚生の行き届いた事業場は雇用促進の一つの要因でございます。  また、政府の円高不況対策として行われてきた産地対策が昨年十二月に終わり、今度新しい産地対策事業、中小企業集積法案がつくられる、今国会に提出中と聞いているんですが、奈良県靴下産業は政府の産地振興対策事業を求めております。  そこで中小企業庁にお尋ねをいたします。  先ほど申しました雇用促進事業振興のために竜、事業場の近代化に公的な助成をしていただきたいと思うんですが、靴下業者の施設改装や新増設も公的融資制度の対象に加えるべきであると思います。奈良県靴下産業は新しい産地対策事業、中小企業集積法案の対象になることを願っております。見通しはいかがでしょうか。

桑原茂樹中小企業庁計画部長

○桑原政府委員 まず最初に従業員の福利厚生施設についてお答え申し上げますと、現在中小企業の従業員の福利厚生施設についていろいろ低利の融資制度がございます。従来から中小公庫なり国民公庫が融資制度を設けて、現にかなりの数の中小企業者がこれを利用して福利厚生施設を設けております。さらに、昨年の国会で中小企業労働力確保法というのを制定していただきましたけれども、これに基づいて中小企業の組合等がやはり福利厚生施設等を共同して設けようというときには中小企業事業団による無利子の融資制度もあるわけでございまして、我々として但こうした制度が十分に活用されるように期待をいたしております。  次いで中小企業集積法、現在御審議を国会でいただいております新しい法律の対象にこの靴下産地をしたらどうかというお話でございますけれども、法律を今御審議いただいている最中でもございますので、どこを対象にするのかというのもなかなか申し上げる段階にはございませんけれども、奈良県の方からいろいろ今後御相談があるかもしれませんので、そうした場合には全国的な視野でいろいろ御検討をさせていただきたいと思っております。

辻第一日本共産党

○辻(第)分科員 ぜひよろしくお願いをいたします。  次に通産省にお尋ねをいたします。  広陵町の靴下業者がグループをつくられて、事業協同組合として通産省の繊維工業構造改善事業の指定を申請中と聞いておりますが、見通しはいかがですか。

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 正確に申し上げますと、現在この計画は申請の準備中でございまして、我々は申請の準備段階としてお話を非公式に伺った段階でございます。正直を言いますと、当初やや構想に構造改善の実が上がらないのではないかということもございまして、いろいろ御助言を申し上げた次第でございます。それを今回かなり改善をされて御準備をされているというふうに伺っておりますので、最終的にはいろいろな意味での審査、正確な意味での審査を行ってからでございますが、いずれにしても、LPUという大変重要な施策でございますので、できる限りの御助力を申し上げたいと思っております。

辻第一日本共産党

○辻(第)分科員 ぜひ、これもよろしくお願いいたします。  最後に渡部通産大臣にお尋ねいたします。  大臣の福島県もいろいろ地場産業があると思います。大変いろいろと御苦労なことが多いんではないか、私はそのように思うんですが、奈良県のこの靴下産業も本当に大切な大切な地場産業でございます。古くからの伝統を受け継いだ地場産業だ、私はそう思うんですが、出荷額で、先ほど申しましたが年間一千億円、ソックスの生産では全国の四三・一%のシェアを持っております。国内第一のシェアでございます。奈良県靴下工業組合は三百七十九社を初め関連企業を含めて六百八十五社、労働者数で一万三千五百人の人々が働いておられます。大切な地場産業でございます。全国でも重要な役割を果たさせていただいていると思います。いろいろ厳しい問題も、先ほど来申しましたが抱えておられるわけでありますが、何としても活性化、維持発展をさせなければならないことだと思うわけでございます。もう業者自身の方も本当に懸命の努力をされております。しかし、政府の支援策の一層の拡充強化が望まれておるわけでございます。大臣の奈良県の靴下産業振興に対する積極的な御支援をいただきたい、大臣の決意をお伺いをしたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 今、先生と政府委員との間の質疑応答の中で、奈良県の靴下産業界が輸入の状態あるいは人手不足といった大変厳しい環境にあることをよく承りました。これを克服していくためには、産地の有する高度な技術力を活用して高品質で付加価値の高い製品活用、開発に努めることが極めて重要だと思います。また、靴下業界が現在技術開発、構造改善、労働環境改善などに積極的に取り組んでおられることも、今お話の中で承っておりました。こうした努力が業界及び産地の発展につながることを私は期待をいたしております。  私は通産省に入って、これからは通商産業政策ふるさと創生版だ、こう言って地場産業の振興とかあるいは伝統産業の振興とかあるいは中小企業の集積による活性化とか、これに積極的に取り組んで、今法案等もお願いをしておりますので、また先生も、今聞いておりますと、我が通産省のやっておる施策に対して大変温かいこ素直な評価をいただいておりますので、積極的に、前向きに地域産業振興のために取り組んでまいりたいと思います。

辻第一日本共産党

○辻(第)分科員 時間が参りましたので終わります。ありがとうございました。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 これにて辻第一君の質疑は終了いたしました。  次に、渡部一郎君。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 私は、まず大臣にごく庶民的な公害問題、つまり空き缶公害について伺いたいと存じます。  今、全国的に、市町村単位等におきまして分別収集等の動きが起こり、また分別収集を行えないところでも、ごみ処理に対する消費者の協力、特に家庭の主婦層を中心とする協力というものは大変なものでございますし、消費者段階はひどく前進をしたということが言えるのではないかと思います。それに対していろいろな問題が起こってきた。そのいろいろな問題は、法的整備あるいは処理に対する基本的な考え方でまだまだ改良すべき余地がいろいろな点であるのではないか、特に通産省の御努力をひとつお願いしなければならぬ面がたくさんあるのではないかという観点からきょう伺うわけでありまして、したがって、きょうは素人っぽく伺いますが、懸命な大衆の安心するような御返事をぜひ賜りたい。  まず、空き缶に限りましてきょうはいたします。  それで、伺うところによりますと、こちらの集めたデータですから、時間が余りありませんからどんどん申しますが、ジュース等いろいろ販売機にかかったり売却されたりしているアルミ缶と鉄缶が、九〇年度でアルミ缶が八十四億個、鉄缶が百六十億個、前者は四二・五%の回収で、後者は四三・六%の回収であるというふうに言われておるわけでございます。大体六割が回収しないでほうり投げられたというデータでありますが、正しいかどうかはちょっと確かめておりません。ところが、最近、回収してみますとわかるのですが、逆有償と申しますか、鉄缶を回収業者が回収しない、運搬賃より下回ってしまうと。  そこで、恥ずかしい話ですが、私の神戸の町でも、一部、市役所が、鉄の廃材は学校等に集められた分については料金をつけて回収をするんですけれども、業者買い取りの場合、一般の婦人団体等がやる場合にはそういうのがつきませんものですから、逆有償を求められて、結局その集められたものがごみの中へそのまま入ってしまう。千七百トンが神戸市で捨てられておるという報告なんでございます。余りうれしい話ではない。  この問題につきまして、アルミ缶は一缶で大体一円ぐらいがつくものですから回収が行われておる。このように値崩れした場合に、地方自治体がお金をむしろ積極的に出すのか、メーカーが引き取りで社会事業のような気持ちでそのお金を出すのか、あるいは流通業者がそれをかぶるのか、それをまとめて決める場所がない。それで困っているのは消費者でありまして、空き缶の山に埋もれて閉口している。最近では缶が散らばっておりまして、きれいな神戸の町にも塀の上に空き缶が並んでいる。飲んで捨てる人が、旅行者が並べていくというような状況が起こっておる。これを何とかしていただきたい、これが第一問であります。

坂本吉弘通商産業省基礎産業局長

○坂本(吉)政府委員 ただいま渡部委員御指摘の点、最近、鉄鋼の不況とともに顕在化してまいりました問題でございます。当面、通産省といたしましては、従来とりあえずはマーケットメカニズムの中でこの問題が処理をされ、いわゆる鉄くずがリサイクルされていく、そして電炉メーカーや、一部ではございますけれども高炉メーカーに使われていくという仕組みであったわけでございますけれども、不況による鋼材価格の値下がりが結局は再生事業者のところにしわが寄って、逆有償化というようなところまで達してきているという現状にかんがみまして、我々としてもとりあえずは、業界の中で鉄源協会というところがございますけれども、そこで何とかもう少し引き取りを拡大できないか、あるいは再生業者が困らないような、いわば契約納入制度と申しますが、一定期間、一定の量の引き取りを事前に示し、そして価格もその日その日の相場ではなくて、少し長い期間使える固定の価格というようなことの導入を要請し、一部メーカーにおいてはそういった制度を導入し始めているところでございます。  したがいまして、業界の中においても、できるだけ本問題に対して対処しようという動きが出ておりますし、またそれを我々としても慫慂してきているところなんでございますけれども、一方、委員御指摘のように、本問題は、一つには廃棄物という側面もございます。これについては、従来から市当局におかれて回収事業あるいは分別事業、こういったことをやってこられた。問題は、こういうふうな状態のもとで逆有償でなければ引き取らないということで、例えば、空き缶が十分回収されないというようなことにどう対処するかということで、いろんな市のやり方が今までのケースで見ますとあるようでございまして、ある市では直接市が回収に当たって、ボランティアの人から缶を集めまして、これを電炉メーカーなどに供給しているというやり方もあるようでございますし、ある市では、むしろ再生業者の方に助成をするような形で従来のサイクルをそのまま維持しようというようなことを考えているところもあるようでございます。  いずれにせよ、問題が非常に随所で起こり始めていることでございますので、私どもも本件についてもう少しさらに検討したい。ただ、通産省だけですべてができるものでもございませんので、いわば清掃事業を所管いたしております厚生省または地方自治体とも協議をしていかなければいけないな、こんなふうに現在思っているところでございます。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 そういう気持ちでおられることはわかるのですが、それはお答えではないんだな。現状こんな感じでいるというのと現状困っているというのについてはよくわかるし、それはそうだろうと思うけれども、これを家庭の婦人が聞いておったら、何と無責任な通産省さん、こうなるわけだ。要するに地方自治体が金を出せというのですか、こういう反応が起こるのです。あるいはメーカーの方は、口を出すとメーカーがかぶるぞという反応が起こるでしょうし、キジも鳴かずば撃たれまい、一番ひどいことが発生するわけですね。だから、ここはだれが猫の首に鈴をつけるのか、これは実力官庁しかない。これはもう全体を一番関係深く持っておられるのはやはり通産省でしょうから、そして担当部局もお持ちなのですから、これは取り仕切って答えを出さなければいけない。通産省がゆっくり考えていると、その雰囲気こそがこのリサイクル問題で一番みんなが怒り出しているゆえんなんですね。  だから、私はあえて、申しわけないけれども、経済的インセンティブ、出てきた缶が売られて消えていく段階、もうとても高く売れる段階は余り手を出さなくてもいいのはわかります。だけれども、紙にしろ瓶にしろ、こうしたものは時々ひどく下がるわけですね。経済的インセンティブが皆無になって逆になってしまう場合がある。そのときこそ隠れた仕掛けが発動しなければいけない。その仕掛けをつくっておかなければいけない。それはメーカーであり流通業者であり、確かに言われたように地方自治体であり、そしてそのおのおののエリアごとの工夫であるという面がなければならない。その指揮者はだれなんだ、ここなんですね。そのお答えが、ペーパーは随分拝見したんですけれども、通産省が責任を持ってやるとはどこにも書いてないし、地方自治体が断固やりなさいよとも書いてないし、消費者がみんなかぶれとも書いてないし、わからない。みんなで図れと。ごみ問題の根本的問題というのは、出てきたものに対する押しつけ合いこそがごみ問題の本質なわけですね。そこにもう一つの、処理の責任と負担の分担に対する協議、この二つの大問題が潜んでいる。ただ空き缶というだけじゃないんですね。あらゆるごみの全部の問題がここにもう既に出てきているわけです。  さて、したがって、私の質問の仕方から庶民的に言いますよ。何月何日までに通産省はその問題について決着をつけられるのですか。そして、だれが責任を持つ方向で処理しようという気持ちを今お持ちなのですか。ないんだったら、いつまでに御返事いただけるのですか。私は、難しい質問だと思いますが、それを伺いたいのです。

坂本吉弘通商産業省基礎産業局長

○坂本(吉)政府委員 渡部委員御指摘の問題につきまして、我々も日々、この問題が大変社会的にも軽視しがたい問題になりつつあるということの認識を高めつつあることは事実でございます。ただ、私どもといたしまして、この問題が発生してきているゆえんのものといたしまして、やはり鉄鋼の好不況ということに左右されるところも正直あるわけでございます。そういう中で、しつこいようでございますけれども、やはり市場原理というものを余り無視してかかっては、中長期的に見て不都合な問題も生じかねないという側面も実はございます。したがって、私は、そういった点を踏まえながら、例えば輸出の促進とか、そういったことも含めて全体として取り組んでいかなきゃならない、こういうふうに思っております。  核心にわたります負担の問題につきましては、これは現時点で私が申し上げられますことは、全国一律になかなか決めがたいところも正直ございまして、市町村の実態によって対処しなければならない部分もございます。しかしながら、関係者が集まってこの問題に真剣に取り組んで、今委員御指摘のような事態をできるだけ早く緩和、解消しようという責任を有しておるという点において、私は通産省も大きな責任を持っている、こう考えております。  いつまでにと御質問でございますけれども、私もこの種問題につきまして関係者とよくよく話をし、かつ可及的速やかにそれぞれの地域に即した対策を打っていかねばならぬな、こういうふうに思っておりますので、何月までという点につきましてはちょっといましばらく御勘弁をいただきたい、こんなふうに思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 政治用語である可及的速やかにとおっしゃいましたね。可及的速やかにというのは日本語に直して庶民にわかるように言うと、十年ですか五年ですか、一年ですか三年ですか。そういうのを私たちは聞かれておるわけですね。どうぞ。

坂本吉弘通商産業省基礎産業局長

○坂本(吉)政府委員 私は事務官でございまして、政治的なニュアンスというのはなかなかわかりがたいところがあるのでございますけれども、何年というようなことであってはいけないと思っております。したがいまして、当面の問題を解決するための関係者の基本的な議論、それからその方策の基本的な立場、こういった点について議論をいたし、当面、対策につきましては、具体的に地域に即してやれるものはやる、こういうことで対応したいなと思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 何年ということではなくてと言われたから、恐らく一年なんでしょうね。それから、意見をまとめて方針が決まるのにそれぐらいだけれども、実際、実行に当たってはまた少し時間がかかるかもしれないけれども、全力を尽くしてやるという御意見だと受けとめてよろしいですね、大体。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 これは、先生のお話大変大事なことであって、難しい。先生もわかりやすくざっくばらんに質問するということですから、私の方も申し上げると、ごみの問題は頭の痛い問題。昔はつまらない話をごみのような話と言ったのですが、今一番大事な難しい話がごみの話で、通産省としては、今局長からも再三お答えしているように、資源再生、リサイクル、そういう面でやってきたわけですけれども、これは、鉄の相場の変動の中で一番厳しい状態になってしまったわけです。  政府においても、平成三年度に自治体と共同でスチール缶のモデルリサイクル実験を実施して、また平成四年度予算案においても、スチール缶再資源化促進対策検討のための予算も計上いたしておりますが、それぞれの地域社会における今のクリーンを確保する面という意味では、先般まで私は自治省をお預かりしておりましたけれども、これは自治体の大きな責任であると思います。しかし、これは通産省もかんでくる、厚生省もかんでくる、こういう総合的な問題ですから、先生のきょうの意のあるところを私ども今しっかりと腹に入れて、これはできるだけ早くおこたえできるように努力いたしますので、御了承いただきたいと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 そこまでいいお話が出ましたから、釈迦に説法のたぐいなんですが、生産過程でのエネルギー節約量の試算によると、スチール缶一トンを回収すると、鉄鉱石からやると四百五十万キロカロリー、空き缶からやると百五十九万キロカロリー、その差は二百九十三万キロカロリーでありますから、回収するということは損だという考え方は間違いではないか。これはあき缶処理対策協会の資料であります。  また、一トンの再生原料使用に関する原単位の比較で、一九八七年、キロカロリーでいたしますと、これは環境庁の計算でありますが、スチール缶の場合は生産過程でのエネルギーの節減は二百九十三万キロカロリー、アルミ缶なら五千五百九一十三万キロカロリ一、ガラスくずなら三十六万キロカロリー、古紙なら二百五十四万キロカロリー、輸送過程でなくなるのは二万六千キロカロリー程度でありますから、輸送中の消費カロリーというのはひどく少ない。  つまり、回収するということは、ちょっと面倒くさいということはあるけれども、キロカロリー単位で見る限りは物すごい得なわけですね。だから、これはむしろ資源エネルギーという観点からいったら、これほど重視すべきものはないという観点においてやらなければいけないのじゃないか。  これはちょっと悪い例なんですが、身障者の方々の雇用について労働省は、既に企業に対して、パーセンテージを設けて割り振りして雇っていただきたいとお願いしました。身障者と空き缶と下緒にするわけにはいきませんけれども、各メーカーが空き缶をある程度引き取ることを義務づけするということは、私は、社会的コストとして当然認められることではないかと思うのです。  もう一つは自動販売機です。膨大な自動販売機で毎日ガチャンガチャンやっているけれども、売った缶を回収する責任を負わない販売業者というのはこれまたひどいものであって、責任を逃れているわけですね。だから、自動販売機を設置する業者がそれについてあるコストを負担するのは当たり前の話、こういかなければいけないと思うのです。そうすると、自動販売機と一緒に回収機械、デポジット機をそこに置いて、両者ペアでなければ設置は許さぬと言ったらそれは片づく話ではなかろうかと私は思うのです。当たり前の話ですね。そんなことは庶民の段階でも言われるし、我々も思いつくことなんです。ところが、全部それがとられていないということ。つまり、この問題は、たかが空き缶、されど空き缶、そして空き缶、そして偉大な循環時代の空き缶、テーマとして考えるべきテーマではないかというのが私の提案なんであります。  したがって、私はわざわざほかの問題を全部とけました。きょうは瓶も何も、自動車も建築廃材も全部とけて議論しました。これだけ議論していますと六〇%でなく回収できる。そして社会の再資源の中にインプットできて、コストの中に入れ得るというすばらしい状況が生まれ得るという可能性をひどく感ずるわけなんです。ひとつ、ぜひ御努力いただきたい。  それと一緒に、もう一つ、アルミ缶と鉄缶のマークなんですが、小さ過ぎるんです。甚だ小さくて見えない。それから空き缶というのは、落っこっているとき、私も実は分別収集をやっている一人なものですから、べたべたの缶を余りさわりたくないのに、印が後ろ側にあると見えないんですね。回さなきゃならない。あんな三角形とか丸だの小さなマークをつけさすなんというのはナンセンスであって、つけるんだったら三方向からつけてもらわないと見た瞬間にわからないんですね。だから筋を引いてもらって、一本線はアルミ缶で、二本線は鉄缶というふうにしておけばどちらからでも見える。だから私は、あのデザインについては五省御検討なさったんでしょうけれども、あいにくと回収した人がいなかったのであんなことになったんだと冷やかしに言っているわけでありますが、私のような経験者の言を採用してもう一回検討してもらいたい。これも含めて、空き缶の最後の質問といたします。

坂本吉弘通商産業省基礎産業局長

○坂本(吉)政府委員 渡部委員、大変総合的なところから御指摘を受けました。私は、大変示唆に富んだ問題であると思っております。ただ、鉄鋼の生産技術あるいは生産しております品種の品質といった技術的な条件もございまして、先ほど大臣も申し上げましたように、いろいろ実験もやりながらできるだけ銑鉄への依存を、鉄くずでどこまで使えるかというのを、究極的課題ではございますけれども、業界において実験をいたしているところでございます。  それから、いわゆる自動販売機における缶の散乱の問題、これは非常に周辺を汚す、美観を損ねる、こういった問題がございまして、この点についても、全体としては大部分が市町村の手によって回収されているということでございますから、これについての対策も別途考えなきゃいけないのでありますけれども、デポジットといったようなことで直ちにこれを始末をつけていくという点は、全体とのバランスも考えながら対処しなきゃいけないんじゃないかというふうに思っておるところでございます。最後の御質問でございますが、識別の表示というところにつきましては、委員御指摘のように、いろいろ一般から、どういうふうな表示がいいかということを随分アンケート調査をいたしまして今日のような表示にいたしたわけでございます。ただ、あくまでも識別がしやすいように、そして空き缶の回収が可能なようにということを、我々としても日々心がけていかねばならないところでございますので、委員の御指摘も大変貴重な指摘と考えまして、我々日々、これからこういったことの回収がさらに容易になるような検討を続けていかねばならないだろう、こういうふうに思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 あと五分で原子力発電所の件を今から伺いたいのですが、ちょっと質問が残るかもしれませんので、原子力の件は、通常の商工委員会の質問の中でも処理させていただきたいと存じます。  私の申し上げるのは、福井県の美浜町の関西電力原子力発電所の一九九一年二月の事故に関しまして、私も何回ものぞかせていただきました。原子力安全委員会の報告書が最近出たというので、私は楽しみにして拝見した一人であります。大変示唆に富む、しっかりしたものであったと私も思います。その中とほとんど意見が一致してくるわけでありますが、何が私の意見と一致したかというと、日本の原子力発電所というのは期限がついていない、いつまで使っていいというのがない。つまり、車検はあるが、期限切れの自動車をいつまででも走らせることができるようになっておる。ところが、その性能については、当初に予定された性能を維持しているのであったらいつまででも走らせられる。つまり、自動車でいうと、車検があるから何年でも永久に走らせられるぞと言っているのと同じような仕掛けになっているわけであります。これは、原発というものがひどく値段の高いものだからそういう考え方になったのは事実なんでございますが、その後、新しい知識、新しい技術が導入されてきた。それが反映させにくい状況にある。例えば蒸気の発生器の中で施栓率という、細管が詰まってしまう率が物すごく高くなる。  実は、大臣、私は学生時代大学で応用化学をやっておりまして、あの設計を書いた一人なんであります。それですから、その古いタイプのものを拝見させていただいて、感激とともに郷愁を感じたのですが、最近のものはそのときと全く技術が違っておりまして、ちょっとやそっとの修繕などで追っつくような代物とは全く違う。栓の穴のあげ方、栓の大きさ、曲げ方、構造、材質、全部違う。ですから修繕だけではうまくいかないのは明らかである。だから、簡単に言いますと、古いものは余り修繕しないで捨てたらどうだというのが私の提案なんです。  それはどういうことかというと、蒸気発生器の法的な基準とか規格づくりとか安全評価基準とか、こうしたものについて見直せと原子力安全委員会の提案にも書いてあるのです。私も賛成なんです。変えた方がいい。それを変えていく場合、直せばもとのままいりまでも走らせるというルールがある以上はそれとぶつかってしまってだめになる、ここなのであります。  で、私はそれを伺っておりますと、結局ヨーロッパの場合は、十年ないし十五年で新技術、新基準で基準のつくり直しをやっているわけですね。基準の方を直している。日本人の妙なところで、基準の方は直さないでほっといて現場を細かく直していくという癖があるのですね。基準全体を直してしまう。だから、三菱重工の神戸造船所というのは日本の原発の蒸気発生器のほとんどをつくっているところですが、古いのから新しいのまで並べてありまして、まだこれが使われているんですよと、技術者たちは哀感を込めながらそれを僕らに見せてくれているわけですね。そうするとあとは予算だと。そうすると、損金の処理その他において少し手当てをしなきゃならぬのですね。早目に早く直しなさい、捨てなさい、交換しなさいというためには。その辺も含めて御検討が要るのではないか。  私は、きょうはえらい素人っぽくまとめてぱっと言いましたけれども、そうしたら大飯の一号、高浜二号、玄海一号、美浜の二号は全部取りかえるということでこの間御方針が出たそうで、私は心から感謝しておるのですが、そういう古いのは交換しなさいと通産省が言わないとだめな仕掛けになっている。つまり国営企業みたいなものなんです。国営企業型のものというのは危ないのですね。だから、マーケットメカニズムのルールの中で長くぼろいのを使うと損するなんという仕掛けを、税制上、また通産行政上誘導する必要があるのではないかというのが私の大見出しの質問なんです。まとめてお答えいただきまして、私の質問にさせていただきます。

川田洋輝資源エネルギー庁公益事業部長

○川田政府委員 渡部先生の高い御見識をお伺いをさせていただきましたが、基本的には先生御指摘のとおりの方向かと思います。また、先生御指摘いただきましたように、玄海原子力発電所一号機及び高浜発電所二号機、大飯発電所一号機については平成三年七月に、それから美浜発電所二号機につきましては、平成三年十二月に蒸気発生器をそっくり取りかえるという申請が出てまいっております。私ども、今これの審査をいたしておるところでございますけれども、今後、前広に安全を考えながら、場合によっては根っこから取りかえていくというようなことに積極的に取り組んでいくことも、原子力安全あるいは信頼性向上のために必要な方向ではないかというように思っておりますので、そういう方向での論議を今後深めてまいりたいと思っております。  その際、先生御指摘の費用の面でございますけれども、この蒸気発生器のような資産になりますものにつきましては、その後の減価償却期間内で発電に応じて費用として計上されていく、こういうことになっておりますので、一時に費用として計上されるものではございません。私どもといたしましては、先ほど申しましたように、原子力発電所をこれから基幹の発電として運営していくためには、当然の経費は当然の事業の中でいわば賄っていける、そういう仕組みのもとで動かしていくのがむしろ適当ではないかと考えております。ただいま申しましたように、年々の償却ということで負担になってまいりますが、それほど大きな額ではございませんので、普通の電気事業運営の中でこなしていくことができるのではないかと私どもは思っております。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 大臣、ぜひよろしくこの問題についてはお願いしたいと存じます。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 専門的な応用化学を勉強された先生からの貴重な御意見でありますので、十分先生の御意見を取り入れて安全確保に努めてまいりたいと思います。

渡部一郎公明党・国民会議

○渡部(一)分科員 どうもありがとうございました。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 これにて渡部一郎君の質疑は終了いたしました。  次に、辻一彦君。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)分科員 私は、きょうは二点、一つは繊維問題について、もう一つは、原子力でも日ごろは安全問題や防災問題をやっておったのですが、きょうは、電力生産基地の立場からちょっと論議をしたいと思っております。よろしくお願いします。  長い歴史を持った織機の設備登録制が段階的に廃止されることになりました。私も昭和四十六年から、参議院以来繊維にはかなり頭を突っ込んできたのでありますが、廃棄の時代それから共同廃棄、産地はいろいろな苦労をずっと続け、今日に来たと思うのです。登録制の廃止は新しい時代が来たということであると同時に、各産地がまたどうなるかという不安がかなりあります。今日においても繊維産業はなお依然として日本における重要な産業である、こう認識しております。したがって、設備登録制廃止後、今後、中小繊維産業者に対する振興策をどのように考えておるか、これはまず大臣からちょっとお尋ねしたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 今先生から御指摘のように、設備登録制については、日米構造協議の指摘などを踏まえ、通産省として平成七年十月までに全廃する方針を決定いたしました。また、廃止に伴う混乱を防止するため、今般、補正予算等によって低利融資制度の創設、構造改善指導事業への助成、新債務保証制度の創設を三本柱とする繊維産業対策を取りまとめたところであります。  通産省としては、産地の組合及び事業者がこれらの施策を十分に活用していただいて、設備登録制に依存しない活力ある産地づくりに取り組むことを期待をいたしながら、また、先生御指摘のように、繊維産業は長い歴史を持って今日までの我が国の経済に貢献し、また先生の地元である福井県等においては、極めて大きな影響を持つ地場産業でもございますので、これらが新しくよみがえり、さらに未来に向かって発展していくように努めてまいりたいと思います。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)分科員 通産大臣の繊維産業に対する認識を伺いまして、ひとつそれを基本にして、ぜひしっかり取り組んでいただきたいと思います。  そこで、私は北陸の産地福井県でありますが、いわゆる合繊の長繊維の世界的な産地になっております。福井、石川、富山も入れてでありますが、合わせた合繊の生産は世界の産地であると思っております。その産地が、初めはもう世界一の最新設備の機械を持っておる、こういうように考えておったのでありますが、最近、韓国、台湾それからインドネシア等々、業界の皆さんが調査に行って調べてみると、これはもう大変な開きができていも、安心しておれないという状況にあるのですね。  御参考までに、福井県織物構造改善工業組合が昨年の九月に韓国に調査団を送ったそのレポートをちょっと見てみると、とう書いておるのであります。九〇年、平成二年七月には二万二千五百台であった韓国のウオーター・ジェットルームが現在、九一年で三万二千台に増設されている。さらに九一年末には三万五千台となり、九二年、ことしの六月には四万台に達すると見られている。ここ二年足らずで韓国は、実にウオーター・ジェットルームの増設一万七千五百台という驚異的な生産設備拡大の真っ最中にある。こういうふうに報告しているのですね。  他方、これに関連してアジアの合繊長繊維織物の生産地域に目を転ずると、台湾は、三年から本年にかけてウオーター・ジェットルームが一万八千台から二千台増設されて二万台に、インドネシアは、現在の三千五百台から三千台増強されて六千五百台規模に倍増される等、アジアNIESやASEAN諸国の新鋭設備の導入は目を見張るものがある。これが実態だと思うのですね。  若干この数字の方を私調べてみると、平成二年の数字ですが、この五年以内の最新設備、革新織機というのは、ウオーター・ジェットルームでいいますと福井の産地は一九・一%、それから全体では、これはエア・ジェットルームもありますし、レピアやいろいろなものがありますから、そういうものを全部平均すると一〇・一%なのですね。石川は、これで見ると全体として二三%とかなり高いのですが、大産地だった福井が一〇・一、ウオーター・ジェットルームは二〇%弱。韓国の大邱の産地がウオーター・ジェットルームは六一・九%、六二%を占めておるのですね、五年以内というのが。そして、いろいろな織機を合わせても五年以内の最新織機は六〇・五%です。  だから、かつては北陸産地は世界一とこう言って新鋭設備を誇っておったのですが、今韓国、台湾、そしてインドネシア等々を入れると、もうこれだけ装備率が違ってきている。今は北陸産地は、新合繊というメーカーが開発した新しい繊維と長年蓄積の技術の力によってかなりかたい発展をしておるのですが、時間がたつとこれはもう大変なことになるのではないか、私はこういう感じがします。設備がすべてではないのでありますが、これは一番大きなポイントになる。こういう実態を踏まえて見ますと、はるかに北陸産地を今も追い抜いているという状況にある。こういう中で、北陸の合繊長繊維の産地として今後どういうように考えていくべきであるか。これについてちょっと見解をお尋ねしたい。

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 大変重要な問題を御提起いただきまして、日ごろ我々も、この問題につきましては大変注意深く状況を見ているわけでございます。北陸産地が韓国に調査団を出し、将来の自分たちがどうなるか、韓国あるいはインドネシア、台湾というような新興国が着々とその体制を整備している中で、しかも、最近は輸出市場、あるいは日本における輸入市場、国内市場においても競合をしてきておるという状況は十分看取できるわけでございますし、大変厳しい状況にある。私は、北陸産地というのは日本の産地の中でも、あるいは世界の産地の中でも、集積度あるいはその規模、技術レベルの高さという点では世界第一と申し上げたいような気持ちのする立派な産地であると思っております。そういう産地の皆様方が、自分たちの将来を見詰めて、今回のような状況の中でその将来をまず認識するということは非常に私は重要なことだと思っております。  ただ、この厳しい状況の中でどういう生き方をしていくかということをまず考えるわけでございますが、大変不利な点ばかりを考えずに、日本の一億二千という非常に所得の高い市場が自分たちの周りにあること、それから、繊維産業を支える世界でも有数の工業レベルにある。これは、織機につきましてもコンピューターにつきましても、いろいろな意味の技術レベルの高さを持っているわけでございます。もっと大事なことを申し上げれば、先生も御指摘のありましたような新合繊という世界に例のない最も細い糸をつくり上げたこの能力、しかも、もっと大事なことは、それを加工できたのは北陸産地があったればこそではないかというような、技術の集積度というのは非常に重要だと思います。さらに、染色、撚糸あるいは加工製品、合繊の糸をつくる前段階も、いろいろ総合的な産地としての集合力というのが北陸産地で集積していることがまた将来の力にもなってくるのではないだろうか。そういう力を総合的に発揮できるための構造改善対策というのを我々としてはLPUという形で推進をしているわけでございますが、そういうことを、実力の高さと環境の厳しさを踏まえて構造改善に邁進していただくということは、恐らく日本の構造改善のモデルにすらなり得ることではないだろうかというふうに私は思っております。  雑駁な意見でございますけれども、最近感上たことを申し上げました。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)分科員 この間、私たちの社会党の方の繊維調査団で、議員団十名ほど、そう長い時間じゃないのですが、北陸産地を見ていろいろなことを勉強してまいったのですが、局長は非常に的確に状況を把握していらっしゃる、こういう点で大変喜んでおります。織機の設備の状況等を見ると、今持っている技術力やそういうものがいつまで続くのかという心配もあるので、そういう意味で、LPU、構造改善等々は一層質的に進められなくてはならないと思うのですね。そういう点でぜひ努力を願いたいと思います。  そこで、今お話のありましたLPU、構造改善が新繊維法以来、昨年、私もちょっと論議をしましたが、どの程度、何件ぐらい進んでいるのか、進捗状況をちょっと数字で伺いたい。

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 お答え申し上げます。  現在までに三十五グループ、会社の数にしますと二百三十八社のLPUが形成されておりまして、現在まで、資金融資総額にしますと百十七億円に上っております。この数字はいろいろな見方があると思います。非常に少ないではないかという見方もありますし、過去の構造改善の額に比べますとそこそこいっているのではないか。しかも、それが年度別に見ますとしり上がりに上がってきているというようなことを考えますと、だんだん構造改善の必要性が認識されて、大変難しい要件というのでしょうか、それぞれの企業同士のつながりをつけるということが重要である。特に縦のつながりということを言っておりますから、単に一人がやりたいと言い出してすぐにできるわけではない点、ある意味の助走期間がどうしても要るわけでございますが、最近の状況を見ますと、少しずつその状況が認識されてきているということもございまして、我々としてはこれに満足はしておりませんが、なお一層努力をするつもりでございます。  一応状況を報告しますと、そういう結果でございます。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)分科員 三十五件、そのうち福井の産地は十一件ありますから、全国で言うとあと二十四件ということになるのですが、お話もありましたが、余り多くないですね。中身はかなり進んでおるとは思いますが、件数からするとかなり少ない。せっかくの新繊維法に基づいて構造改善がより進んでいくことが大事だと思いますが、何かネックになっている問題ということは特別考えていないか、いかがですか。簡単で結構ですから。

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 簡単に申しますと、LPUという政策をとるためには関係業界と話し合いをしていかなければいけない。そういう意味では、先ほど申し上げましたように、単数ではなくて複数の人が同じ方向に向くということが重要でございまして、最近、そういうことをやるために繊維工業構造改善事業協会で、各地でこれをもう一度再認識をしてもらうためのセミナーとか業界同士の集まりをやっておりますが、地道ではございますけれども、そういう共同で認識をするということが非常に重要だと思っております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)分科員 去年、一昨年の三月でしたか、分科会で私は、LPUについて条件をなるべく緩和をして、そしてせっかくの制度が十分に活用できるようにということを強く求めておいたのですが、せっかくの制度でありますからなるべく幅を広げて、大いに活用できるようにこれから努力をしていただきたいと思います。  そこで、第三点目ですが、登録制は廃止されるのでありますが、問題点もありましたが、また大変大きな役割を果たしたと思っております。この登録制による産地組合で大きく産地がまとまっておったというような点は大変大事な点ではなかったかと思うのです。しかし、登録制がいよいよ廃止になると、産地のせっかくの組合のまとまりがばらばらになる心配があるのですね。その点を産地の皆さんはいろいろ懸念をしている。幸い昨年の法制前か後、いろいろ努力をいただいて、新しい廃止に伴う対策等が打ち出されたのでありますね。融資は組合員であるということが一つの条件になる。それは組合がまとまりやすい一つの条件なんですが、もう一つ、法律で言うと三十二年十一月二十五日の法第百八十五号十七条の二に、事業者台帳の作成についてという問題がありますね。これらを活用して産地組合が実態調査を行うことが非常に大事なので、毎年、織機の台数、人員を具体的に調査をして把握ができるような裏づけを何か考えられないか。そういうものがあると産地組合がまとまりやすい条件がよりでき上がるのじゃないか、こういう声があるのですが、これについていろいろ検討されておると思いますが、いかがですか。

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 登録制の持っていた効果は、一つは組合がまとまるという効果があったことはおっしゃるとおりでございます。ただ、従来は、組合がともすると登録制を管理するためだけの組合ということになっておりまして、実際の事業をやる組合、組合員に魅力ある組合員のための組合員による組合になっていなかったのではないだろうか。そういうことに脱皮するために、いろいろ今回補正予算でいただきました融資制度あるいは指導事業に対する助成等を活用して、事業をする組合員に魅力的な組合になってほしいという気持ちがございます。  それから、もう一つの御指摘の点でございます登録制の持っていた実態を把握するという考え方でございますが、これは届け出制というような規制的な意味の把握ではなくて、産地の実態を把握するための制度というものばぜひ必要だと思っております。これは、今回の指導事業の中でも産地の把握ということを言っておりますし、今御示唆をいただきました、中団法に書いてあります台帳制度というのも一つの検討の対象にはなり得ると思っております。いずれにいたしましても、制限的でない、あるいは組合がみずからやる産地の実態把握ということには努めてまいりたいと思っております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)分科員 せっかくここに「事業者台帳の作成」というので項目が出ておりますが、こういう点を活用すればかなり大きな力になるのではないか。ぜひひとつ検討をしてもらうようにお願いしたいと思うのです。  それから、忙しい時間でありますから項目だけ伺いますが、今回の措置で五億程度の産地組合の構造改善事業に対する指導助成費というものが盛られていくことになったのですが、これは一つの前進であって、産地ではいろいろと評価をしているように思います。これからこういう助成をどういう形でどんな基準で、あるいは産地の実態に応じて助成がされていくということが必要であろうと思うのですが、そこらの考え方をちょっとお伺いしたい。     〔主査退席、奥田(幹)主査代理着席〕

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 これから年間約五億円程度の助成を今後数年間にわたってやるということになっておるわけでございますが、この助成に伴う事業の内容は、先ほど申し上げましたように、産地の現状、課題を的確に把握するためにも使いたいと思いますし、それを頭に置きながら個別の産地の組合員、事業者を一つ一つ丁寧に御指導するというのでしょうか、組合としてあるべき方向を示唆するというような形での構造改善の実を上げるための事業に使っていただければありがたいと思っております。  これをそれぞれどういうふうに配分するかということは大変微妙な問題でございまして、今後関係者と十分相談してまいりたいと思いますが、今大ざっぱに申し上げますと、組合員数ですとか、組合がこれからやろうとする事業、そういうものを総合的に判断して、適正に公平にやらせていただきたいと思っております。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)分科員 端的に言って、産地組合の実態に合わせた対策をぜひ講じてもらいたいと思いますが、一言でいいですから、いかがですか。

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 産地の実態に合わせた形でやらせていただきたいと思います。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)分科員 繊維の問題は時間の点から以上で終わって、最後に五、六分でありますが、これは大臣にちょっとお尋ねしたいのです。  私は今まで原子力の安全問題、それから防災問題に随分取り組んでまいりまして、大臣も予算委員長もやっていらっしゃったのでよく御存じであると思うのですが、きょうはちょっと世界一の電力生産地の立場から二、三お尋ねをし、大臣の見解もお伺いしたいと思うのです。  というのは、今、国土の均衡ある発展という点から新幹線が取り組まれてきて、東京、高崎から長野、富山、石川、福井を通って大阪に至る、いわゆる北陸新幹線若狭回りというのが、整備五線の一つとして昭和四十八年の十一月に閣議決定をされているのは御承知のとおりと思うのです。そのときに、この路線の決定に当たって二つの問題があったと私は思うのです。  一つは、東海道新幹線がもしも大地震等によって国土が分断されるというようなことが起きたときに、北回りの、日本海回りの新幹線があれば、日本の東京と大阪、この二大都市を分断されずに直結することができる。国土の保全といいますか、こういう点から、どんな装置でも安全装置が要るわけでありますから、そういう点の考え方が一つあったと思うのですね。  もう一つは、これは大臣と大変関係があるのですが、当時、福井県の若狭湾は五百二十万キロワットの原子力発電の基地であったわけですね。当時は、五百二十万キロワットは日本で第一で非常に大きかったわけです。自治体も、原子力発電が来ることによってプラスの面もありますが、随分苦労があります。住民も苦労がある。いろいろな事故が起きると、風評被害等々大変な被害もある。そういう中で、日本一の電力生産基地を過疎にしてはならない、そういう国土の均衡ある発展という新幹線本来の姿とあり方とあわせて、かなりな距離でありますが、整備新幹線は福井から敦賀を経由し、小浜を経由して大阪に至る、こういう線が引かれたわけですね。  ところが、御承知のように今、若狭湾は、あれからさらに発電所がふえて現在十三動いておりますが、これは千二十万キロワット、そしてもうあと二つが稼働すると十五基、千二百万キロワットです。私も国内、各国を見てみましたが、これは福島そして新潟も集中しているの。ですが、これをはるかにとは言いませんがかなり大きく超えて、世界で最大の、一番大きな原子力発電基地になっておると思うのですね。したがって、当時の約二・三倍の電力を今生産をしている、そして関西経済圏の半分の電力を若狭湾が供給している、こういう地域だと思うのですね。  したがって、この電力生産基地としての重要性は十八年前よりも倍加している。こんな状況の中で北陸新幹線というものが、いろいろお話がございますが、やはり電力生産基地を過疎にしない、そして国土の均衡ある発展を図るという新幹線本来の姿からいって、私は、この若狭回りという線をきっちり確認をして、この推進を図ってもらうということが大変大事である、それが千二百万キロワットのいろいろな重荷をある意味においては背負っている電力基地に対する一つの大事な点ではなかろうか、こう思うのですが、これについて通産大臣として、新幹線は通産大臣の所管ではありませんが、電力ということになれば日本の最高の責任者でありますから、そういう観点から見たお考えを伺いたい。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 全く先生のお話と私は同感でありまして、先生のところの福井県と私のところの福島県が原子力発電の双壁だと思うのですが、これを私は非常に大きな誇りに思っております。今日の日本の豊かな生活、また世界に輝かしい経済の発展、この血液をまさに供給しておる役割が原子力でありますから、もちろん今いろいろなエネルギーの研究をしておりますけれども、今日、膨大な国民の皆さんのエネルギー需要は、将来、超電導とかなんとかできてくれば別ですけれども、当面、原子力しかないわけですから、その原子力発電が建設されておる地域、これがやはり日本の国の中で一番豊かな地域になっていかなければならないと思っております。  これも、最初のころは僻地にできておったものですから、役場が立派になったとか公民館ができたとか体育館ができたとかいうことでしたけれども、そんなものはすべての町村にできておるわけですから、今後は電源立地交付金制度もさらに弾力的に拡大していって、地域産業、地域文化、地域情報、こういうものを発展させるために役立つような方向に進めていかなければなりませんし、少なくとも私は、原子力発電所のある市町村はその地域において一番住民の所得が高い町村であるとか、あるいはその地域における生活環境が最もいい地域であるとか、そういうことにならなければ、これから目標とするところの我が国のエネルギーは確保できません。そういう考えで、これから私は原子力発電所の二一〇%の安全確保と同時に、原子力発電所在市町村の地域振興というものに積極的に力を入れてまいりたいと思います。特に、先生の郷里の嶺南地域などはまさに風光明媚、私も何遍かお邪魔しておりますが、なぜ福井県に生まれなくて福島県に生まれたかと思うぐらいすばらしい地域でありますから、これから努力をしてまいりたいと思います。  新幹線も私個人としては先生と同感でありますが、これは運輸大臣の所管でありますから、明確な回答はお許しいただきたいと思います。

辻一彦日本社会党・護憲共同

○辻(一)分科員 時間が来たから終わりますが、大臣、既に閣議で決められている路線が変えられるというようなことはあり得ないと私は思うけれども、そんな発言があったら電力生産基地の重要性を通産大臣からよく主張していただきたい、このことを特に要請しておきたいと思います。  では、終わります。どうもありがとうございました。

奥田幹生自由民主党

○奥田(幹)主査代理 これにて辻一彦君の質疑は終了いたしました。  次に、常松裕志君。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 きょうは大臣に、鉄のリサイクルに絞ってお尋ねをいたします。  鉄のリサイクルは、有史以前から長い間行われてきているわけでありまして、現在では鉄くず等の再資源化は、資源エネルギーの節約にとどまらず、環境保全といった地球規模の環境問題やごみ処理問題の解決など、社会的な課題を担っています。  昨年の十月に、いわゆるリサイクル法が施行されました。同法案成立時に国会は、全会一致で、政府は、本法の施行に当たっては、事業者等に再生資源の積極的な利用を指導すること、地方自治体を積極的に支援すること及び再生資源としての利用の促進が特に必要な製品については、生産者、流通業者の販売ルートによる回収等の協力が得られるよう関係業界を指導することなど、必要に応じ所要の措置を講ずるべきである旨の決議を行っています。  しかし、大臣も御存じのとおり、リサイクル法が施行されたちょうどその時期以降、鉄くず価格の大暴落が始まりました。鉄くずリサイクルの第一線で長い間活躍をしてこられた回収業者の方々は、今日危機的な状況に直面をし、転廃業を余儀なくされているということについては大臣も御承知のことだろうと思います。また、リサイクルに積極的な地方自治体の場合は、いわゆる逆有償化で財政負担に悩み、市民ボランティアによる鉄くず回収は不可能になってきております。今や鉄くずリサイクルの回収機構は崩壊寸前にある、こんなふうに言っても言い過ぎではないと存じます。  確かに、世界的な鉄鋼不況とスクラップの過剰、バブル経済の崩壊による需要の冷え込みとか、あるいは安い銑鉄の輸入など、原因を挙げることはできるわけであります。しかし、二十一世紀に向かってリサイクル社会の構築を目指す我が国にとりましては、市場における需給関係だけの理由で鉄くずリサイクルの機構を崩壊させてはならないわけでありまして、むしろ、全般なリサイクルを地球的、社会的な規模で推進するという努力が何よりも必要ではないか、そんな立場から大臣にお尋ねをいたします。  まず最初に、私は東京の出身ですが、私どもの東京都かの地元の市長さんたちから「鉄骨リサイクル対策についての要望」というのが出されておりますけれども、この要望書を大臣はごらんになっていらっしゃるでしょうか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 拝見させていただいております。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 この中で鉄くずの基本的な位置づけについて書かれているのですけれども、鉄くずにつきまして廃棄物というふうにお考えか、それともやはり有価物としてリサイクルの対象というふうにお考えでしょうか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 リサイクルの対象と考えております。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 どうもありがとうございます。もうその基本をお答えいただいてそれで結構なんですが、もう一つお願いしたいのは、この要望書は大臣と自治大臣と厚生大臣の三者あてになっておりますし、事の性格として三大臣の協議が必要じゃないか、こういうふうに存じますが、この要望、あるいはもっと広く鉄くずのリサイクルあるいは鉄の資源としてのリサイクルということについて、関係大臣と協議をして、今の異常な事態を解決するというふうなお話し合いをしていただけるかどうか、ぜひひとつ大臣からお答えをいただきたいと存じます。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 まさに先生御指摘のように、鉄くずというのは我々通産省にとっては貴重な再生資源であります。また一方、空き缶や何か捨てられておるのは厚生省が考えなければならない廃棄物の一面も持っておるわけですし、また、地方自治体はやはり地域住民の生活をクリーンにしていく責任があるわけでありますから、これは三者一体になって対処していくべきものでありますから、三者一体になって相談してまいりたいと思います。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 ありがとうございます。ぜひひとつよろしくお願いをいたします。  通産省にお尋ねをいたしますが、先日、二月二十七日に、私も同道いたしまして私どもの方の通産大臣が大臣に要望をいたしたところでございます。その折に、「鉄屑の供給過剰、価格の暴落にあたり、銑鉄輸入量の再検討、輸出の増大を図るなど国際的規模のリサイクルを推進するよう政策的措置を講ずること。」ということの申し入れをしたところですけれども、局長、これは具体的にどんな措置をとっていただけるのでしょうか。

坂本吉弘通商産業省基礎産業局長

○坂本(吉)政府委員 先般お申し越しの点につきましては、総合的な観点から対処しなければならないと思っておるところでございますが、今委員御指摘の点につきまして、まず本年の二月の半ばに約一週間、関係業界に要請をいたしまして、輸出の可能性を打診をしてもらうため、ASEAN五カ国に調査に行ってもらいました。現在、我が国の直面している問題は、一時的な好不況の問題のほかに、やや中長期的に鉄くずが余剰の時代に入りつつあるという我が国の実情がございますので、そういう意味で、新しい輸出先を見つけるというのは大変重要な課題になりつつあるわけでございます。現地におきまして調査団は、政府関係者及び将来の鉄鋼生産の状況などにつきまして調査や懇談をいたしたところでございますが、三カ国ぐらいからは、日本からの鉄くずに大変興味があるということを言われているところもございます。ただ、これは中長期的な取引につながりますので、これからこの各地域の鉄鋼生産の状況に十分マッチするような供給体制というものを考えていく必要があるんじゃないか、こんなふうに思っております。  なお、銑鉄の輸入量を削減いだすという点につきましては、この輸入を人為的に政府その他で手を加えるということはなかなか難しい環境にございます。ただ、現在の鉄鋼生産の減退傾向並びに鉄くずの使用を高めるという見地から、結果としてではございますけれども、銑鉄の輸入量は、九一年、逐次顕著な減少を示し始めているというところにございます。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 銑鉄についてはまだ後で聞きたいと思います。  続きまして、資源回収業者の方々の崩壊を防ぎ、安定した取引ルートの形成のためには、電炉メーカーあるいは高炉メーカーの協力が不可欠であります。そうした大手製鉄会社の協力が得られるように業界への指導や財政措置を検討していただきたいわけでありますが、具体的にどういうことを検討されているのか。特に、高炉メーカーにとっていただいている措置につきましても、具体的にひとつお答えをいただきたいと存じます。

坂本吉弘通商産業省基礎産業局長

○坂本(吉)政府委員 本件につきましては、御指摘のように、電炉メーカーは直接鉄スクラップを原料といたしまして製品をつくっておるわけでございます。この状況につきましては、委員既に御承知と存じますが、引き取り価格が大変下がった状況にございます。そこで、こういったことに伴う回収業者の方々の困難というものを少しでも緩和をするという見地から、私どもも昨年から鉄源協会の中に特別の部会を設置いたしまして、例えばその引き取りの増大という点について検討を促してきたところでございますが、その一つのやり方といたしましては、長期的な見地からの契約引き取り制度というものを検討してもらっております。鉄くずの購入はややその場限りの相場で仕切ってまいったのが実情でございますけれども、それでは回収業者の立場が大変不安であるということを緩和するために、契約納入制度によりまして、一定の期間、一定の量を定め、かつ、価格も一定化することによって再生業者の不安感というものを緩和したい、こういったことも既に何社か導入をしておるところでございます。  こういうことを積み重ねていき、また高炉につきましては、どうしても現在の品種構成あるいは技術的な条件というものを考えますと、今直ちに銑鉄にかえて鉄スクラップの投入というものを格段に上げるということはなかなか難しいところがございますけれども、しかしながら、例えば、空き缶の投入量というものを少しずつふやすような実験的なことを既に高炉メーカーにも要請をいたしているところでございます。現在の鉄鋼製品、特に高炉メーカーによってつくります薄板その他の製品の品質から見ますと、余り急速に多量の鉄くずを投入するということはなかなか難しいところがございますけれども、しかし中長期的に、先ほど申しました構造的な問題が背景にございますから、例えば、新製鋼法といったような鉄スクラップを多量に投入したような技術開発、これは若干時間はかかるのでございますけれども、こういったところに高炉メーカーを組織いたしまして、研究開発プロジェクトを組んだりといったようなことも現在同時に行っているところでございます。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 高炉メーカーのことについて特にお尋ねいたしましたのは、処理が困る鉄くずというのはほとんど高炉のメーカーのつくった鉄くずなわけですね。例えば、今お話があったスチール缶もそうです。それから、家電製品の例えば冷蔵庫なんかに使われている鉄板がそうですし、あるいはまた自動車もそうです。結局、高炉メーカーのつくった製品、薄板によるそうした自動車、家電製品などがくず鉄としては非常に処理が難しくなっているわけでありますから、そういう点では、通産省として高炉メーカーに対してこのくず鉄を使用するようにもっと積極的に指導いたしませんと、社会全体の非難が高炉メーカーの方にずっと向いていくのじゃないか、こんなふうに私は思っているのです。そういうことを含んでいただいて、積極的な高炉メーカーに対する指導をぜひひとつお願いしたいと思うのですが、もう一度御答弁をお願いします。

坂本吉弘通商産業省基礎産業局長

○坂本(吉)政府委員 委員御指摘のとおりでございます。私どもも高炉メーカーに対して、将来にわたって可能な限り鉄くずの需要比率を高めてもらうように要請をしてまいりたいと思っております。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 もう一つお尋ねいたしますが、このリサイクル法の施行令で製鉄業は特定業種に指定されなかったわけでありますけれども、これを追加指定するというわけにはいかないですか。

坂本吉弘通商産業省基礎産業局長

○坂本(吉)政府委員 御承知のとおり、リサイクル法は、技術的なもろもろの条件のもとに、顕著にそのリサイクル化というものを進め得る見通しのあるものにつきまして順次指定をしていくという体系になっておるわけでございます。それで、現在、電炉メーカーは一〇〇%スクラップを使っておるわけでございますが、高炉メーカーの場合には、先ほど来申し上げましたように、その品種構成その他から考えますと、急速に鉄くずの使用を顕著に高めるということは技術的になかなか難しゅうございます。したがいまして、当面のリサイクル法への指定は見送ったわけでございますけれども、先ほど申しましたように大きな問題でございますので、鉄スクラップを活用できる新製鋼法というものを技術開発テーマに上げまして、私どもの方からも補助金を予算でとりましてそれを進めていく、やや中長期的な課題であろうか、こんなふうに現在思っておるところでございます。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 高炉メーカーの場合、自社から出るくず鉄を五百万トンぐらい使っているんだろうと思うのですね。ですから、局長、中長期的じゃなくて、短中期的ぐらいのスタンスで高炉メーカーを指導してもらいたいと要望いたしておきます。  次に、鉄くずリサイクルの実情を大臣に聞いていただきたいと思っているのですが、大臣、先ほど言いましたように自治体が逆有償化、つまり、自治体が集めてきた鉄くず、スチール缶とか家電製品などですけれども、これを今までは回収業者の方に買ってもらっていたのですが、今はお金をつけないと引き取ってもらえないということになっているのです。それで、私は東京都かの出身ですけれども、例えば武蔵野市という市では、来年度予算で八百六十万円予算書き込みしました。小金井市というところでは一千百十万円、国立市では九百四十五万円、立川市では千五百六十万円というように、鉄くずを買ってもらうためにお金をつけているわけです。こういうことについても、通産省でもう少し自治省と協力していただいてその実態を調べてもらいたい。自治体が余計な財政を負担するようになっているわけですから、そこを調べてもらいたいと思うのですけれども、いかがでしょうか。

坂本吉弘通商産業省基礎産業局長

○坂本(吉)政府委員 逆有償化に伴う市町村の負担の問題につきましては、どうしてもこれは環境問題ということでもございまして、既に厚生省の方におかれて、現在市町村がこの問題で、鉄くずだけではございませんけれども、その他の再生資源も含めましてどういった市町村の負担になっているかということを、例えば社団法人の全国都市清掃会議などを通じて逐次比較調査をしておられるようでございます。私どもも、清掃ということでございますので直接の所管ではございませんけれども、厚生省のこういった資料あるいは自治体の実情というものを逐次もらいまして、今後の対策ないし現状の分析に当たってまいりたい、こういうふうに思っておる次第でございます。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 先ほど大臣から、三省で協力して進めていくというお話もございましたので、ぜひひとつその点よろしくお願いいたします。  次に大臣、自治体だけが固まっているのではなくて、一番困っているのは回収業者の方々なんです。ちょっと大臣、端的な聞き方なんですけれども、今のままでいったら回収業者の方々は転廃業を余儀なくされるわけで、今の通産省の施策は、結局回収業者を撲滅していると同然と私は言わざるを得ないのではないかと思います。そういうおつもりはない一と思うのですが、この回収業者の方々を育成するつもりなのかどうか、その点をひとつ大臣にお伺いしたいと思いますし、実は、きょうはこちらに、日本再生資源事業協同組合連合会の役員の方々が皆さんおそろいで大臣の決意を聞きたくておみえになっていらっしゃいます。再生資源事業協同組合の役員の方々から直接この苦衷なり要望なりを聞いていただくことができるでしょうか、大臣。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 たしか私も、私の県の再生資源の事業組合の皆さん方とおつき合いがあると思いますけれども、皆さん方の実情をいつでも喜んで聞かせていただきます。  ただ、一つだけ、先生申しわけありませんが、再生業者を通産省は撲滅する気かというのは、これはちょっと言葉を訂正していただかないと、私どもは、再生業者の皆さん方をこの厳しい環境の中で何とかしなければならないと必死になって頑張っておるところですから、これは御理解いただきたいと思います。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 ときどき言い過ぎるものですから、申しわけありませんでした。本当におっしゃるとおり大切な業界でございますから、ぜひひとつ育成をしていただきたいということを切にお願いいたしておきます。  次に、今回の鉄くずの余剰について少しお尋ねをいたしたいと思いますが、先ほど局長の方から、一時的あるいは短期的、景気変動的なものではなくて、構造的、長期的な側面もあるというお話もございました。私ももう全くその認識で一致をいたしておりますから、ぜひひとつそういうことを基本にしながら対処していただきたいわけでございます。  同時に、そういう構造的な側面があるというふうなことになりますと、この問題の解決は市場原理に基づく解決だけでは不十分でありまして、リサイクル社会をつくるためには一定の政策的な規制というようなものが必要だ、そういうスタンスで事に当たっていただきたいと思うのですけれども、その基本的なスタンスについて、局長、どうでしょうか。

坂本吉弘通商産業省基礎産業局長

○坂本(吉)政府委員 本件は大変難しい問題ではございますが、私どもといたしましては、やはり市場の原則というものを余り曲げるのはいかがか、基本的にはそういうふうに考えておるところでございます。しかしながら、それだけにゆだねて、例えば今回の不況のようなときに顕在化する問題を全く放置するというようなことは、これまた社会的に許容できないというところがございますので、そういう市場原理のいわば問題点を補正するというようなことは、我々政策当局において適時、適切に対処しなければならない、こんなふうに考えているところでございます。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 鉄くずの輸入量ですが、現在三百七十万トンぐらいあります。減産ということもあって減っているということなんですけれども、これを半減するぐらいの抜本的な措置をとるということはできないのでしょうか。

坂本吉弘通商産業省基礎産業局長

○坂本(吉)政府委員 輸入の量あるいは輸入のやり方、こういったことについて行政官庁、政府が直接手を下すということは、現在、我が国として、別の政策課題ではございますけれども、できるだけ輸入を促進しよう、あるいは輸入に関する障壁をできるだけ少なくしよう、さらにウルグアイ・ラウンドその他を通じて自由な貿易を拡大しよう、そういうことを呼びかけている大国の一つでございまして、ここに直接的な手を触れるということはなかなか難しいというのが現状でございます。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 その点についても少し議論したいのですけれども、また別の機会といたしまして、現在の鉄くず価格は、商社と電炉メーカーの方々のところで仕切られているわけでございます。こういうところにメスを入れてほしい。例えば、商社と電炉メーカーとの間で価格が決まって、電炉メーカーに納めるマイナス千円が商社の価格、こういうふうになります。商社で買い取り価格が決まりますと、代納業者の価格はそれに準じて決まってくる。景気がいいときは、つまり、くず鉄を電炉メーカーさんがどんどん引き取ってくれるときには代納業者の方々の利ざやのところが狭くなって、今みたいに安くなりますと広くとる。これは車間距離と業界では言っているのですが、こういう形で決まっているわけなんですね。先ほど局長から私は非常に注目する答弁をお聞きしたのですけれども、価格を安定させるためにも、引き取り量について安定的な購入をさせるような指導をするというようなお話がございました。大変注目をして聞いたのですが、ひとつそれをもっと抜本的に全部の電炉メーカーに対して、価格の形成のメカニズムも含めて通産省、指導してください。いかがでしょうか。

坂本吉弘通商産業省基礎産業局長

○坂本(吉)政府委員 委員御指摘の点は大変重要なポイントでございます。したがいまして、現在のくず鉄の取引市場において不当に再生業者の皆さんにしわが寄るというようなことは、我々として何とか緩和をしていかなきゃならないだろうということで、先ほど申しましたような契約納入制度といったようなものをできるだけ多くのメーカーが導入してくれるようにということを鉄源協会の特別部会で要請し、その案も、少しずつではございますけれども上がりつつあるんじゃないかと思います。そういった環境を我々としてできるだけつくるということをいたしたいと思っておりますが、問題は、価格そのものに直接私たちが手を下すということは、長い目で見ますとなかなか難しい問題もございます。しかし、安定した価格で再生業者の方々に不安感を与えないような仕組みないし環境というものを整備するということについて、私どもとしてはさらに力を注ぎたい、こういうふうに思っております。     〔奥田一軒)主査代理退席、水田主査代理者     席〕

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 くず鉄の価格が高過ぎたときにはといいますか、非常に高騰したときには、通産省が安定させるように、言いかえれば引き下げるような指導をしたわけですね。今はリサイクル社会が崩れるような、回収業者の方々がそれこそ転廃業を余儀なくされるような異常事態でやるわけですから、したがって、私は、業界は共存共栄でなければいけないと思います。今こそ通産省は、かつてと逆の指導をもっと積極的にやってもらいたい、そう思うのですけれども、局長、どうですか。

坂本吉弘通商産業省基礎産業局長

○坂本(吉)政府委員 そういった方向で指導をするということについては申し上げておるとおりでございますが、あるいはちょっと誤解を受けたかもしれません。価格そのものを幾らにしろ、あるいはこれ以上で買え、こういう直接的な介入を通産省としてやるのは適当ではない。ただし、今おっしゃいましたように、市況が高騰したときにはそれをできるだけ冷やすようにみんなで努力をする、市況が下落し過ぎた場合にはそれを少しでも下支えするような環境をつくる、こういう点については我々としても全力を挙げてやってまいりたい、こういうふうに思っております。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 最後に大臣に要望して終わりたいと思います。  現在のような鉄くずの逆有償化という事態がこれからまたずっと続くようですと、私は、鉄が資源ではなくてごみになってしまう、そういう事態だろうと思います。そこで、例えば缶メーカーや飲料メーカーの方々に対して逆有償化分を財政負担させるとか、あるいは、この際スチール缶をやめてアルミ缶やガラス瓶にかえるとか、そういうようなことをしてリサイクルを促進するような措置をとる、あるいはまた、同じことですけれども、家電メーカーなどに対して逆有償化分を負担させるというような措置をとってもらいたい。実は自動車メーカーはやっているのですね。わずか四千円ぐらいですけれども、そういうことをやっております。ぜひそういうことも大臣に御要望いたしまして私の質問を終わりますが、先ほど先輩としての大臣から御指摘ありましたように、やや不穏当な発言がありましたが、取り消させていただきます。  ありがとうございました。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田主査代理 これにて常松裕志君の質疑は終了いたしました。  次に、竹内勝彦君。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)分科員 我が国の和装産業の振興について、近代的経営確立のための低利長期融資制度を中心とする産地構造改善事業あるいは新しい蚕糸流通システムの確立を目指す蚕糸絹業振興対策等の施策を通し取り組んでおる状況でございます。私の選挙区でもある京都などの産地の経営状況も非常に厳しい状況です。京都あるいは福井、それから石川、鹿児島、こういったところの全国和装産地も需要の振興を図り、地域地場産業の再活性化のため、新商品開発あるいは販路開拓等に取り組み、洋装分野や染色導入等いろいろ努力をしておるわけでございます。ところが、全国の九〇%以上の企業が赤字経営を余儀なくされておる状況である、こういうことですね。それは昭和四十九年から始まっているいわゆる生糸の一元輸入制度、この制度によって絹織物業者は原料である生糸を、本来なら海外原料が安く自由に輸入できておかなければならないのができない、こういったものが非常に問題ではないか、こう思います。この生糸の一元輸入制度の撤廃を強く要望しておるわけでございますけれども、生糸の安定供給を図られるような施策を今後講じていかれるのかどうか、まず最初にその点を御答弁いただきたいと思います。

新庄忠夫農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○新庄説明員 農水省の繭糸課長でございます。お答えさせていただきます。  先生御案内のように、生糸の一元輸入制度は昭和四十九年から発動されておりますが、立法化の方は、実は四十六年に国会の御発議によりましてされておるわけでございます。先ほど御指摘のように、私どもも和装産業の産地からいろいろな陳情をいただいてきております。私ども、絹織物業者の方々の窮状は認識しているつもりでございますが、他方、養蚕、製糸の業界の方も非常に厳しい状況にございまして、現在一元輸入制度、これのよしあしは別といたしまして、現実に存在している制度でございまして、この上に立って養蚕、製糸も業を営んでいるということがございます。そういった事情もございまして、直ちに撤廃というのはなかなか難しいということで、陳情に対しては、そういったことで御意見を交換させていただき、御理解を願ってきているということでございます。  一元輸入制度でございますけれども、国内の生糸の需給の安定を図るということで、海外からの秩序ある輸入、こういった観点からできている制度でございまして、当時に比べますと現在生糸の市場規模はかなり小さくはなっておりますけれども、そういった立法当時の状況は基本的にはいまだ変わらない、そういうふうに認識しております。私どもといたしましては、養蚕、製糸それから絹織物業界、それぞれ双方の意向を踏まえまして適切に制度を運用していきたいと思っております。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)分科員 生糸の一元輸入制度、これに関しては、蚕糸砂糖類価格安定事業団から実需者に対して売り渡される量が決まっておるわけですね。その枠の拡大についてはどのように考えておりますか。

新庄忠夫農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○新庄説明員 先生御案内の実需者売り渡してございますけれども、これは先ほどの生糸の一元輸入制度の代償措置ということで、絹業の健全な発展に資する、こういう見地から、繭糸価格安定法に基づきまして、絹織物業者さんの方に安い外国の生糸を安定的に供給させていただいているというものでございます。現在、年間の売り渡しの枠でございますけれども、二万四千俵ということでここ数年推移をしております。この枠につきましては、もちろん絹業界の方々の意向を踏まえながら、かつまた養蚕、製糸、こちらの業界の意向も無視できませんので、双方の意向を踏まえながら、二万四千俵を安定的に供給するということで、毎月定時定量という基本原則のもとでほぼ二千俵程度を供給させていただいているということでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)分科員 この日本の生糸の価格にも非常に影響を及ぼす生糸、絹製品の二国間協議に関してお伺いします。  中国との交渉は、一九九一年十二月十日、十一日の両日、東京で第一回の協議が行われ、しかし合意に至らず、第二回目の協議が平成四年三月三日、四日に行われ、やはり合意に至らなかったと伺っておりますけれども、その政府の基本姿勢について伺っておきたいと思います。また、現在までの交渉の経過、中国側は現在、輸入量をどの程度にしてほしいというような主張をしておるのか、そういった面を伺っておきたいと思います。

新庄忠夫農林水産省農蚕園芸局繭糸課長

○新庄説明員 お答え申し上げます。  先生御案内のように、中国との生糸、これは生糸と絹製品と両方セットで協議をしておりますが、私どもは生糸の所管でございますけれども、第一回を十二月に東京でやりまして、第二回を先日の三日、四日に北京に参りまして交渉を行ったわけでございます。交渉はかなり難航いたしまして、まだ合意に至らないという状況でございまして、第三回目の協議をできるだけ早い時期に東京で行いましょうということで、先日は協議を終了したわけでございます。  私どもの基本的な交渉に臨む考え方でございますけれども、国内の生糸の需給状況、こういったものに即しまして、必要な量を円滑に輸入する、こういうことで協議に臨んでいるわけでございます。現在、生糸は世界的に過剰ぎみになっておりまして、中国としてはできるだけたくさん売りたい、こういう基本的なスタンスでございます。当方といたしましては、現在生糸の価格がかなり低迷しているということもございまして、需給に悪影響を及ぼさないような範囲内で輸入したいということで交渉を続けておるわけでございます。  具体的な交渉の中身につきましては、外交上の問題もございまして、ここで直ちに明らかにするということはできないわけでございますけれども、先ほど申し上げましたような基本的な考え方のもとで、遺漏のないように適切に対処していきたいというふうに思っております。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)分科員 そこで、二次製品に関しでもお伺いしますが、一定の絹需要があるのに国内生産が減少して、ふえるのは外国産ばかりである。ここ数年、この絹の二次製品、外国産は増加の一途をたどっておるわけですよ。その辺の状況を通産省はどのように把握しておるのか、御答弁ください。

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 まず、絹の二次製品ということになりますと種類がたくさんございますのと、なかなかその状況把握が難しいわけでございます。したがいまして、それぞれの品目ごと、あるいは年次ごとにかなりのばらつきがあるような気がしております。  特に和装用の絹製品に限って見ておりますと、長期的にはやは川ふえておりますし、最近大変高水準にあることも事実でございます。ただ、年次別に見てまいりますと、九一年は八・四%増ということで増加しておりますが、その前の二年間、八九年、九〇年におきましてはやや減少傾向が見られる、八八年はかなり急増していたという三とで、若干年ごとによってばらつきがあるようでございますが、先ほど申し上げましたように、長期的に見ますと、着実にふえておるような傾向が看取されるわけでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)分科員 今後二次製品の輸入調整についてどのように進めていかれる考えか。現在全くフリーですよね。だから、国内産との調整をどのように図っていこうとしておるか、その辺深刻な問題だと思うのです。ぜひ御答弁いただきたいと思います。

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 基本的には絹二次製品の輸入につきまして何らかの調整措置を講ずるということは、現在の国際情勢、日本の置かれた立場、消費者というようなことを考えますと、なかなか難しいことは事実でございます。一方で、委員御指摘のような日本全体の和装需要あるいは二次製品に対する需要が長期的には減退しているという状況の中で、業界が大変苦しい状況にあるということも理解できるわけでございます。  直接規制措置ではございませんけれども、毎年、日中間で繊維に関する協議がございます。昨年四月におきましても、中国側に対して秩序ある輸出が行われるよう要請をしてまいったわけでございますが、そういう意味での要請というものは今後も続けてまいりたいと思っている次第であります。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)分科員 この輸入規制問題と同時に問題なのは、いわゆる原産国の表示の義務づけですよね。これはどういうように考えておるか。要望としては、早急に表示義務づけを実施すべきである、こういう要望が多いわけでございますが、その点はどうお考えですか。

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 原産国表示の問題はいろいろ議論があるわけでございます。まず議論を大きく分けまして、虚偽の原産地表示があった場合の問題点、これは非常に明快でございまして、不当景品、俗に言う景表法の問題ですとか、あるいは関税法上の問題としてこれは規制が行い得るというふうに考えております。  一般的な絹製品すべてについて義務づけをするという点はガット上の問題もございまして、一概にやることはなかなか難しい状況にあると思います。したがいまして、個別の問題点、例えば昔でございますと、大島つむぎの問題というようなことで問題がありましたが、そういう場合に関係国と協議をしていくというようなことで解決を図っていくべきものと考えておる次第でございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)分科員 そこで、大臣にお伺いしておきますが、京都は西陣織、京友禅など伝統的工芸品産業が非常に重要なものでございます。そこで、伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律ということで、先般、衆議院におきましてはこの一部が改正されました。改正案の内容にもございますが、例えば人材の確保、育成、伝統的工芸品等を活用した新商品の開発等を通じた需要の開拓等を支援する措置を講じる、あるいは伝統的工芸品産業の存続の基盤を強化し、一層の発展を図ることを目的としております。  そこで、この伝統的工芸品産業の振興についての大臣の御決意を伺っておきたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 伝統帥我が国の産業、それから長い長い歴史の中で我々の先輩が今日に引き継いでいただいたものであります。私は、我々の務めは、とわなる美しくとうとき価値あるものを守り保ちながら、次の新しい時代に発展させていかなければならない、こういう考えのもとに今回の改正案を出し、幸いに衆議院の商工委員会で満場一致で可決をしていただきました。  これは、今先生からも西陣織、和装の問題でいろいろ質疑がございましたけれども、我々、日本の古来より伝わっておる文化というものをこれから次の時代に残していかなければならない。ところが今、先生から御指摘のあったように、着物の問題にしてもまたその他のものにしても、人材の育成とか後継者難とか今のような問題とか、難しい問題がいっぱいございます。しかし、これから、また一方こういうふうにハイテクの時代で本物志向あるいは手づくり志向、こういう新しいニーズも生まれてきておるわけでありますから、そういう中で伝統的産業を新しい時代に発展させる、こういう考えてこの法案を御審議いただいておるところでございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)分科員 平成二年の西陣産地の動態をあらわしておる第十三次西陣機業生産動態調査が、西陣織工業組合などが実施してまとめられました。御承知のとおり平成二年のものでございます。これは、バブル景気の中、高級品生産を志向して、最盛期の昭和五十年比で出荷額は三六%増でございました。しかし、産地機能としては、企業数が同年比二五%減、メーンである帯地の出荷数量も同年比四一%減と、生産規模は縮小しているのです。このバブルの一番すごいときですよ。その実態というものをどうとらえておるか。生産機能も大半がこの西陣産地外に移っている現状でございます。したがいまして、政府としてのこの分析と、今後の施策というものをどう講じようとしておるのか、ひとつしっかりとした御答弁をお願いしたいと思います。

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 確かに、和装需要を中心といたしまして、この十年間ほぼ半減ないしそれ以上という状況にあることは、この需要が大変厳しいということでございますし、それに加えて、先ほどのお話のように輸入も大変増加している、そういういわば内外の挟み打ちに遭っている状況でございます。その中で、西陣産地を初め絹の産地が塗炭の苦しみをしているという状況は、我々として理解をし、今後のビジョンはどういうふうに描くべきかということを大変悩んでおるわけでございますが、産地に見られますように、例えば洋装化の問題、あるいは最近の若い人たちのアンケート調査の中でも、七割ぐらいの人がぜひ着物は着てみたいというような御希望もあるようでございます。そういう根強い、日本人の心に根差した需要というものも我々としては発掘をしていかなければいかぬというふうに思っております。  具体的にはいろいろな施策があろうかと思っておりますが、先ほどの伝統的工芸品産業の振興法の体系の中での振興、あるいは繊維産業としてのいろいろな意味での振興策、それから、特にねらいを定めた絹の対策というようなもの、それから、このたび登録制廃止等に伴いまして繊維に対して特別になされます融資あるいは助成金等も活用して、産地全体の構造改善に最大限の努力をしていく必要があろうかと思っておる次第であります。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)分科員 平成四年度の予算でございますが、中小企業対策費は千九百五十六億円でございます。そのうち伝統工芸品産業振興対策費総額は五億二百万円であり、中小企業対策費の全体額から、まだまだ微々たる予算しか計上されていないのが現状ですね。この伝統工芸品産業の重要性にかんがみて、今後どのように拡充をしていこうとしておるのか、その点の決意をもう一度述べていただきたいと思います。

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 まず、先生におしかりを受けたこの五億二百万円でございますが、実は、本年度予算と比較しますと、法律改正もしたこともございまして、大変財政厳しき折の中で一八%増ということで、我々は小さいなりの努力は十分いたしておる次第でございまして、中小企業全体の予算に占める比率等は若干低いことがあろうかとは思います。ただ、この予算だけでございませんで、このほかに例えば融資制度、あるいは税制上の優遇措置ということも広く御活用いただきたいと思っておりますし、先ほどの繰り返しになりますが、他の繊維特有の制度あるいは絹特有の制度ということもあわせて御活用をいただきたいと思っておる次第であります。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)分科員 先ほどの伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部改正にもございますが、こういう多くの品目で低迷しつつあるのにかんがみ、人材の確保、育成を図っていく、こういうふうにございますが、従業員の中で高齢化が進んでおりますね。五十歳以上の比率が当初二〇%程度であったのが、それが現在は何か五〇%をもう超えておるというような、これはもう職場になっていませんね。この高齢化の事態というものは大変ですよ。ぜひその辺のことをかんがみ、長年にわたって伝承されてきた物づくり、それから、その心と洗練された技術、そういったものを継承し、新たな産業展開を図っていくための人材育成の強化、これは非常に重要な問題でございます。その点についてどのように取り組んでいくのか。何か、財団法人ファッション産業人材育成機構の概要も出ておるようですし、そういったものも踏まえて、この人材育成という面でどのようなお考えがあるのか、もう一度御答弁ください。

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 基本的には伝統工芸品産業の後継者育成、その中でさらに人材の育成ということが非常に重要なわけでございます。せんじ詰めて言いますと、それが今回の法律改正の最大のねらいでもあったというふうに思っております。  まず、基本的には伝統的工芸品産業に若者が新しく入ってきていただくということが重要なわけでございますが、産業が全体として魅力のある産業になる、そういう意味ではいろいろ新しく計画を今度は導入いたしました。現代産業との組み合わせの中で伝統工芸品を活用していくような計画というのもつくりましたし、さらにそれを支援するような措置も講じたわけでございます。さらに大事なことでございますが、入ってきていただいた方々を人材として養成していくというために、今度は新しく支援計画というのを導入いたしました。これは、今までやっておりました時々やる研修会ではなくて、あるいは今までやられたような古いスタイルでの徒弟制度的な伝統的な人材育成でない常設機関として、かつ若者に合ったカリキュラム、あるいは体系的な研修を行う、人材育成を行うということをやってまいりたいと思っておる次第でございます。  そういうものを総合して伝統工芸品に対する若者の魅力を高めたい。若者の中にも、最近のクラフトブームに見られますように、物づくりに対する興味、文化に対する興味というのが芽生えてきているわけでございますので、そういう流れも十分とらえながら、この中でそれを生かしていきたいと思っている次第でございます。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)分科員 この伝統的工芸品産業の振興対策は、さまざまな環境変化の中で従来の伝統を守りつつも現代社会に調和していく、そういう面でのいろいろな努力をしている中でございます。  そこで、大都市における消費者ニーズの把握、市場情報の収集、伝統的工芸品のPRのためのアンテナショップがございます。京都では、西陣織、京友禅を初めとして、昭和五十一年、西陣織、京かのこ、京仏壇、京仏具、同じく京友禅、京指し物等、それから昭和五十二年に京焼、京清水焼、あるいは京扇子、京うちわ、昭和五十四年に京黒紋付染、五十七年、京石工芸品、六十一年に京人形等々、計十六品目が伝統的工芸品産業の振興に関する法律、いわゆる伝産法により伝統的工芸品の指定を受けておるわけです。京都市では、平成元年四月二十一日から、それらの作品を展示したり販売したり市場情報を収集してこの商品開発に生かす「ステージ京都」というのを東京の青山につくっておりますが、この設置あるいは運営費、こういったものは大変なものでございます。そういう振興にぜひこたえていく意味からも、こういうような幅広いものに対しての政府の補助なり助成というものをまた考えていく必要があるのではないか、こういうふうに思います。  そういった面も踏まえて、最後になりましたが大臣の御決意と、また、通産省としてはどういうように取り組んでいくか、あわせて局長も御答弁いただきたいと思います。

堤富男通商産業省生活産業局長

○堤政府委員 アンテナショップのお話がございました。これは幾つかの実例を見ましても大変有効な対策だと思っております。今回の法律改正の中でも、共同振興計画ということで、物をつくっている製造業者と物を販売する販売業者の組合同士が一緒になって需要開拓をするということを一つの計画として新しく追加したわけでございます。そういう計画の中で例之はアンテナショップのようなものが、実力のある西陣の京都の場合には東京ですが、あるいは地方の都市においてもそういうアンテナショップをつくることが小さい伝統工芸品の場合には非常に有効でございます。そういう形でのアンテナショップ等をいろいろな施策を通じまして振興してまいる所在でございます。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 先生のお話、大変すばらしいことであると思いますので、今後力を入れてまいりたいと思います。

竹内勝彦公明党・国民会議

○竹内(勝)分科員 終わります。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田主査代理 これにて竹内勝彦君の質疑は終了いたしました。  次に、小森龍邦君。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 私は、日本の経済の構造に絡みまして、今政府が二十数年来法律を継続させながら問題の解決に向かおうとしておる部落差別の問題について通商産業大臣なり経企庁の皆さん方にお尋ねをしたいと思います。  まず我が国経済の構造の問題でありますが、経済問題がアメリカとの間でぎくしゃくしておるということ、これは御承知のとおりでございますが、経済問題だけでぎくしゃくをしておるのではなくて、ついに政治家同士の発言にまで及んできた。日本の政治家の言うことに対してはアメリカも大分反応を示しておりまして、少し難しいことになるかとも思いますけれども、これは部落問題がわかっておれば恐らくすっと答えられる問題だと思うのですけれども、大臣は、我が国の経済構造とアメリカの経済との矛盾というものが今の両国の政治家の具体的な発言に乗り移っておるというか反映しておるとは思われませんでしょうか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 大変難しい質問でありますけれども、現実に今私が心配しておることの大きな問題が日米経済摩擦で、そのよって来るところは、我が国が今年も大体一千億ドルを超す黒字になるだろう、そのほぼ六〇%がアメリカだろう、しかも今アメリカは全体としての赤字は減っておりますから、赤字の中で我が国の占める比重はさらに大きくなっていくということ。しかも過去を振り返れば、かつては、私どもが少年のころは、メード・イン・アメリカといえばすばらしいものだというふうに、自動車でも何でもアメリカのものはすばらしいものだ、アメリカから買ってきた土産はすばらしいものだ、そういう時代がついせんだってだったわけでありますが、それが今や経済的には逆転したような立場にあるわけでありますから、日本の発言に対してアメリカが非常に神経質になる。これは我々は深く心の中にわきまえてアメリカについての発言は考えていかなければならないと常に心しておるところでございます。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 宮澤総理の、アメリカ大統領予備選候補者の共和党のブキャナン氏に対する発言なんかは、ちょっと注意をすれば済むようなことだと思うのですけれども、日本の政治家がアメリカの生産性に対していろいろコメントしておるのですね。つまり、アメリカの労働者は働かないとか、生産性が低いとか高いとかというようなことにまで言及するようになりましたですね。これはもう明確に日本の経済構造とアメリカの経済構造との、つまり物質的な経済のところでのあつれきが人間の意識のところまで反映してきて、政治家だから自粛はしておると思うけれども、その自粛をしておる政治家の口からぽろっと出るというところまで矛盾が激化してきておるように私は思います。  そこで、日米の経済や日米の構造協議でアメリカからいろいろなことを指摘されておりますけれども、これは私の立場からすると、当たっておることと当たってないこととありますけれども、我々が慎重に受けとめて、アメリカの言い分もよく聞いて評価しなければならぬことも随分あるということを感じておるのでありますが、通産大臣はその点について、どういうところがアメリカの言っておる日本側が受けとめなければならない一番大事なことだ、こういうふうにお考えでしょうか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 これも大変難しい御質問になるのですけれども、通産大臣の立場で言いますと、これは貿易問題が主になるわけで、アメリカの要人たちと私も幾たびかお目にかかっておりますと、自動車の問題、部品の問題あるいは紙の問題、グラスの問題、個別的にもいろいろ問題を指摘されて、これはアンフェアでないかとか、あるいは系列の問題がどうだとか、いろいろな指摘があるのですけれども、しかし実際問題としては、過去にはそういうことはいろいろあったにしても、現在は我が国はほとんど関税障壁も、これは取り除く努力をしておりますし、アメリカ側からいえばアンフェアでないかと言われるものも、よく話し合ってみれば、私どもが市場開放、自由に向かって努力をして、今や関税率はヨーロッパよりもアメリカよりも低いという状態になっておるわけでありますから、アメリカが言っておることを全部我々が、はい、そうですかとうのみにするわけにはまいりません。私どもが言うべきことは堂々と主張していかなければなりません。しかし、また一方、現実に戦後四十七年、日本の今日の経済繁栄がアメリカを最大のマーケットとして、またアメリカのすぐれた技術あるいは自由主義経済のノウハウの中で今日の繁栄があることも厳然たる事実。そういう中で、日米構造協議が行われ、アメリカの言いなりになるのかという批判もありますけれども、我々は世界における最大のパートナーとして、我々にとってもいいことであれば、公共下水道をもっと進めていくべきであるとか、都市公園をもっと進めていくべきであるとか、労働時間の短縮の問題であるとか、我々として、これはなるほど、我々気がつかなかったな、いいことを指摘してもらったなということは、我々はこれを素直に受け取っていく、そういうような気持ちでこれからアメリカとつき合っていけば、必ずお互いの接点ができていくもの、こう思っております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 前段でのお話が余り長くなってもいけませんので、それだけのことを聞かせておいていただいて、本論に入りたいと思います。  アメリカが日本の経済でアンフェアだと言っておるところはいろいろあると思うのです。例えば労働時間の問題だって、安いコストで働かし過ぎではないか、これじゃ国際貿易やったって、それは商品が安くなるのだからアメリカは負けるのは当たり前だ、もう少しそこら、人権というものを尊重して、そしてそういうことを是正してくれなきゃ困るという問題もありましょうし、また我が国の長い間の政治のしきたり、行政のしきたりのようなもので、特に戦後我が国は、行政的には認可、許可業務が随分ふえております。  これは大臣も御承知のとおりでありまして、その根本的な物の考え方というものは経済学者のケインズ経済学的手法に基づいて、単純な自由競争では社会主義側が指摘する生産過剰恐慌に見舞われて富の蓄積と貧困の蓄積の両極に分かれるという、それで世界各国、資本主義国はケインズ的手法を入れたことは御承知のとおりでありますけれども、そうなると、認可、許可でコントロールしなければならないが、認可、許可でコントロールするということになると官僚が非常に力を持ってくる。官僚が力を持ってくると政治家がその官僚に対していろいろなことをやってもらわなければならぬから、官僚と政治家との力関係におけるいろいろな複雑な、民主政治の上における複雑な問題が生まれてくる。それで、認可、許可業務が大手を振って日本の経済をコントロールするということになりますと、その認可、許可を受けようと思う者は政治家をパイプにして官僚につないでもらわなければならない。ここに、今日の共和とか佐川の問題、以前のロッキードの問題からリクルートの問題などがこの経済構造と密接に結びついて存在しておると私は思うのです。そんなこともアンフェアといえばアンフェアですね。  それで結局、アメリカがまだ知らないからアメリカは日本の部落問題についてまで直接くちばしを入れてないけれども、実は日本の部落問題も大変アンフェアなんですね。これは大臣にわかっておいていただきたいと思いますけれども、今度は労働大臣の出るところでもお話ししなければなりませんが、部落は日本の国民一般に比べて収入は約六割なんであります。それから、これまた厚生大臣の出るところで言わなければならぬが、寿命は五年か六年短いのであります。これは栄養の摂取量とか保健衛生の水準とかがあるわけです。教育は文部大臣のところで言わなければならぬが、大学進学率は約半数であります。高等学校の進学率も一〇%くらい、卒業率になると一五%くらいの開きがあるというようなさまざまな問題がありまして、そういう無権利なものを土台にして、それを基礎にして経済構造が組み立てられておるということを通産行政でよく考えてもらわなければいかぬのであります。  これは私が独断で言っておるのではなくて、これは同対審の答申ですが、そこでどう書いているかというと、「同和地区の経済開発は、わが国経済のいわゆる二重構造を解消する政策の一環として、地区の特殊事情に即した特別の配慮をもって行なわなければならない。」と書いてある。これは今から二十五年も三十年も前に書いておるのですから、私はまことにすぐれた洞察力だと思います。我が国の経済の二重構造、上見て暮らすな下見て暮らせ、元請よりは下請の方が労働賃金が安くて当たり前、孫請はそれよりもさらに安くて当たり前というような構造の一番最下層に部落が位置づけられておる、こういう経済構造になっておるのです。これを何とか解決するという我が国の政策がないと、幾ら表面的、糊塗的にやったところで、ますますアメリカの政治家と日本の政治家はお互いに揚げ足を取るような発言をテレビを通じてやって刺激をして、そしてアメリカとか南米諸国では日本の商売に行っておるような者が、個々の事情はあるのでしょうけれども一殺されたりむちゃな目に遣わなければならぬというようなことになるわけでありまして、通産大臣、あなたこの辺のところをどういうふうにお考えでしょうか。

新関勝郎中小企業庁次長

○新関政府委員 御指摘のとおり、昭和四十年の同対審の答申におきまして、経済の二重構造についての指摘がされているわけでありますが、同和地区の中小企業を初め中小企業は我が国経済の重要な担い手であるにもかかわらず、大企業との間には生産性それから企業所得の面で格差が存在していることは認識しているところであります。特に同和地区の中小企業につきましては、昨年十二月に取りまとめられました地対協の意見具申においても述べられておりますとおり、一般地域に比べまして小規模零細企業が多いとか人手不足とか、貿易の自由化の進展によって厳しい状況に置かれているということが指摘をされているところであります。  以上のような基本的な認識に立ちまして、通産省といたしましては同和地区の中小企業の振興のために経営の合理化、それから設備の近代化等を目途にしまして指導とか研修、さらには高度化の融資、また需要開拓を目指した展示会の開催など種々の施策を講じてきたところでございます。当省といたしましては、今後ともこうした施策を積極的に活用することによりまして、大企業と中小企業との間の格差の是正に努めまして、同和地区の中小企業の振興を通じまして部落差別が解消されるように取り組んでまいりたいと思います。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 ぜひ、御発言になりましたようなことは実際の行政の中で推進をしていただきたい、これは強く私も希望いたしておきます。  しかし、それにはもう一つ問題があるのです、これは労働省との話もしなければいけませんけれども。それは、現在ある経済の二重構造のために、比較的無権利低賃金労働を強いられておる、つまりそこへの労働力の供給源になっておる。だから、これは通産行政だけではなくて全体を通じてうんと人権感覚というものを高めて、実質的平等というものをあらゆる政策で行わなければ、先ほどのように企業を合理化して能率を上げるんだとか言うたところで、それはごく極端に言うたら、この被差別部落の中に少し頭角をあらわした者が出てくる、こういう感じになるのです。  それで、私どもは明治以後の部落の動きを見ておりまして、何か運がよくて調子がよくて財をなした人もおります。しかし、その財をなした人が本当に部落の解放のために部落の大衆とやろうという者はごくわずかなのでありまして、それはやはり経済力が意識を規定しますから、支配者になったというような気持ちになりますからね。だから基本は、安い無権利なところが労働力の供給源にならなくても済むように全体の生活を上げていく、こういうことが大事なのであります。もちろん通産行政は先ほどのようなことを考えながら、しかし一人一人の部落の大衆にその利益が及んでいくような行政施策を考えていただかなければならぬ、こういうふうに思っておるのであります。経済企画庁の方は認識はどうでしょうか。

柳沢勝経済企画庁調整局審議官

○柳沢(勝)政府委員 先ほど来先生が御説明になりましたようなことにつきまして、私どもの日本経済の中に、いわば世界の最先端をいくような大企業と同時に、極めて小規模零細な中小企業が多数存在する、その中でとりわけ同和地区の小規模零細企業というものが大企業との間に大変大きな格差が存在しておるということは、極めて重要な問題であると認識いたしております。その存在の格差それ自体がいろいろな意味での、世界的な意味でも摩擦の原因になっておることにつながっておることもあるのではないかと思っております。  そういう意味では、全般的な労働者の雇用環境の是正という意味で、基本的な労働者の権利の拡充並びに先進国の状況等かんがみまして、極めて長い労働時間の短縮ということに取り組みながら、なおあわせまして政府といたしましては、先ほど通産省の方でお述べいただきましたような同和地区の中小企業の近代化というところに取り組んでまいることが結果的に格差の是正につながるものと認識をいたしております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 同和問題は、同対審答申にも書いてありますように人間の自由と平等に関する市民的権利の問題であって、これは人類普遍の原理であり国民的課題である、こういう明言でもって書かれております。これが人類普遍の原理ということであるならば、部落問題の解決というのはひとり六千部落三百万人の部落民を助けてやるんだとか、少し恩恵を施してやるんだとかいうけちくさい問題ではないのであります。それは、私どものように部落の出身者は、解放運動へ物すごい熱を入れるぐらい個人的に利益をあさっていったらもっと豊かな生活ができるのであります。しかし、部落の中でその志を持つ者が自分の生活を犠牲にしながら頑張って全国的に今世論を高めて、そして差別を受ける者は自分が部落の出身者だということは、これから物すごい不利益がついて回るから言いたくないのであります。言いたくないのを、あえて表へ出しながらやらないと全体的に解決がつかない。こういう問題で頑張っておるわけなのでありまして、これは大臣、ぜひ内閣において基本的な視点として、何か一つの集団が自分らの利益を守ろうとしてやっておるというようなけちくさい考え方を持ってもらわないようにお願いをしておきたいと思うのであります。  それで、もう一例を出してちょっと申し上げますが、広島でアジア・オリンピックがあるために、急いで広島新交通システムを今建設工事をやっています。これは建設工事ですけれども、ひとつ我が国の経済の動きとしてとらまえていただきたいと思いますけれども、あれは大きな橋げたが落ちて自動車がぺちゃんこになって十人ほど死にまして、それからまた工事現場の高いところからはね落とされて死んだ人もおります。それで、これが元請、孫請、ひ孫請、実際にやられたのはひひ孫請なのであります。これが経済の二重構造というか多重構造というものですね。それで、被害を受けた者は孫請、ひ孫請、ひひ孫請であります。その中に、労働基準法で働かしてはならないとび職、未成年者を高いところで働かしてはならないが、十六歳の少年がおる。これは死ななかったが、辛うじて命を取りとめたけれども重傷を受けたでしょう。  これが繁栄をきわめておる我が国の経済活動の姿だ。アメリカは、そういう形で日本が物を生産したり物事を建設したりすることを、実に効率的にやっておるそこを見て、少しやっかみもあろうけれども、アンフェアだと言っておるのです。私は調べてないですよ。ひひ孫請でやられた者の出身地を調べてないですよ。調べてないけれども、これは大臣ひとつわかってくださいよ。調べてなくても、かかる構造が部落問題の典型なんです。こんな例は幾らでも私は出すことができるのです。したがって、この間も総理大臣が本会議で、一般行政の円滑で実は法律の延長をもう考えておらぬのですと言っておったが、実際は地域改善対策協議会で法律はもう延長せざるを得ないというところまで論議を詰んで、しかし総務庁の役人どもがそれを邪魔を食って、総務庁の役人が渋々地対協の意見具申に押されるという段階だった。恐らくこの答弁書は総務庁の役人が書いたから、今度は総理大臣を盾に使おうとしてあんな答弁を読ませたのであります。  私の隣におった代議士が、おい小森君、君が言いよるのと違うじゃないかと言うから、私は言うたんです。あれは総理大臣が知らぬだけよ、総理大臣はだまされておる。だから、幾ら憲法上重要な問題だと言って読んでくれたって、私らは一つもうれしくない。ということで、そういう問題があるとすれば、今のようなことを、私は去年もおととしも分科会を八つ回って、実はこれはここ一、二年のうちにみんなにわかってもらわなければならぬ問題だと思って、大臣は毎年かわりますけれども、私はこのことを日本の構造の問題として言っておる。それは六千部落三百万人のためにというようなことを言っておるのじゃないのであります。もちろんそれは生活が高まらないと、全体の構造が直らぬのでありますが、しかし最初の意図というものは、日本全体と国際関係の協調というようなことも視野に入れなければならぬ、こういうことを言っておるわけなのであります。  残念ながら、今回は地対財特法の延長というけちくさいやり方、あれだって切ろうとしておったわけです。しかし、だんだんわかっていただいて、せめてあれだけでもつなごうということになったわけです。しかし部落問題は解決しません。道路や何かはできますけれどもね。だけれども、この構造は変わらないのであります。この構造を変えるためにはソフト面のことをどんどんやらなければいかぬということがございますので、地対財特法は恐らく通るでしょう。次の二十六日か二十七日の内閣委員会で通るでしょう。しかし、大変大きな問題があるということだけは大臣も承知しておいてほしいし、その大変大きな問題というのは、部落問題に直接かかわって言いましたら、六千ほどある部落のうち今四千六百ほど指定されて、ようやく政府の予算が投資をされて二十年余りたったのですけれども、全く何もできていないものが千あるのです。これを未指定地域と言います。これを今のところ官僚ともは、放置していこう、見切り発車で放置していこうとしているのです。それでは問題の解決がつかないのであります。  それから、それが放置されるようだったら、幾ら通産大臣が努力してもこの経済構造は直りません。そうする七、アメリカのみならずEC諸国ともあつれきがさらに拡大する、こういうようなことになりますので、大臣、地対財特法は通りますけれども、それは自民党の方も賛成していただけるし、政府が提案してくれたのですから通りますけれども、それ以後のことについて、あれで物が解決つくという認識でなくて、これは大変な問題だ、一生懸命やらなければいかぬというふうに思っていただけると思いますが、大臣、あなたの気持ちを聞かせていただきたいと思うのです。

新関勝郎中小企業庁次長

○新関政府委員 地対協の昨年十二月の意見具申におきましては、同和地区の産業の特色といたしまして、一般地域に比べて建設、小売、繊維、皮革、木竹業等の業種のウエートが高くて、小規模零細企業が多い、これまでの対策によって一定の改善が見られるけれども、人手不足、貿易の自由化の進展など厳しい状況になっている、こういう指摘がなされておりまして、こういうような中で、対象地域のそうした振興というのが非常に大事だということは地対協の答申でもうたわれているところでございますので、私ども、こうした産業の振興ということは、この地対財特法の実施という問題とパラレルに、こうしたものが非常に大事だという認識に立って、先ほど申しました種々の施策を鋭意推進してまいりたいと思っております。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 先生の御指摘、真剣に承って対処してまいりたいと思います。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 大臣の気持ちはわかりました。  そこで大臣、ちょっと念を押すようですけれども、地対財特法だけで物が解決つかないのです。解決つかないというのは、道路ができたり下水ができたりは要求するところはできますのできますけれども、基本的な生活の基盤のところで立ち上がれなかったら、いつまでたったってそれは悪影響を持って、部落のところが沈んでおれば、またそれに類似したような沈み方のところが出てきて、依然として経済の二重構造を支える労働力の供給源というものが続くわけですから、したがって、恐らくそれは抽象的なことになると思いますけれども、これは、今までのような状況では片づかない、もっと我が国社会の根幹にかかわる問題だという認識をお持ちならば、そういう御答弁をいただきたいと思うのです。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 私は、この地球上に生をうける人間はすべて平等でありますし、まして、この国において新しい憲法ができて、今日この国に生きる人間の中に差別があるなどということがあってはならないととである、こう思っておりますけれども、先生今御指摘のように、残念ながらそういう現実があるとすれば、速やかにそういう問題がなくなるように全力を尽くして努力しなければならないもの、これは物心両面においてそのようなことがなくなるように努力しなければならないものと思っております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 終わります。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田主査代理 これにて小森龍邦君の質疑は終了いたしました。  次に、前島秀行君。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 大臣、お疲れですが、私の地域の貿易研修センターの問題について、いよいよ大詰めのこともありますものでちょっとお尋ねをして、大臣の、これから任せろということをお願いをしたい、こういうふうに思っております。  大臣、御存じかとは思うけれども、貿易研修センター、私はこれは三度目なんですよ、この分科会で取り上げるのは。何でこういうふうに僕がこだわるか、貿易研修センターというのはそもそもどういう形で出てきたのか、それで地元はそれをどう受けてきていたのかというところを最初に大臣にぜひ理解をしてもらいたいと思います。貿易研修センターというのは一体どういう経過でできてきたかということなんですよ。  これは、一九六五年、昭和四十年に例の東銀の会頭であった堀江薫雄さんが会長になって世界経済交流協会をつくって、これから国際化時代だから産業界も国際化時代に間に合うような人材をつくらなければいかぬぞ、こういうところから事が出発しまして、貿易大学校構想というのが一九六五年にできてきたわけです。会長が堀江さんだったわけですね。そういう構想のもとで、貿易大学校、最終的には貿易研修センターというふうに名前が変わるのですが、貿易研修センター設立準備会というのができまして、その準備会の会長が実は当時経団連の石坂泰三さんだった。そして、その設立準備会の会長が石坂さんで理事長が堀江薫雄さん、当時総理大臣が佐藤栄作さんだった。そして、この設立準備会の名誉会長が佐藤総理、副会長が通産大臣三木武夫さん。要するに、財界、国を挙げて、国際化時代に備えて人材をつくろうではないか、そういうところから始まったのがあの貿易研修センター、一九六五年。  そこで、いろいろ候補地が挙がったのです。そして、その候補地の中から、静岡の中でも何カ所か、御殿場だとか富士宮が挙がって、最終的に石坂泰三先生御本人が富士宮現地を見て、ここにしようと言って決めてもらったわけです。そういう経過から富士宮に誘致が来たので、受ける側の富士宮市も、当時は山川という市長でしたけれども、市を挙げて現地としての誘致態勢をつくろう、それで候補地も、そういうこともあるので、上井出地域という、個人の土地ではなくして、よくあるいわゆる財産区の共有土地をしようではないか、そう言って、町も地元も挙げて貿易研修センター受け入れの態勢、準備会をつくってやってきた。そして、結果として一九六九年、昭和四十四年に設立、開議したのです。これは、単なる二日や三日来る研修施設ではなくして、最低で三カ月間、長いと一年間の長期滞在の研修機関なんです。本格的な機関なんです。そのために必要な講師陣にも外国の皆さんがいっぱい来ている、こういうことで始まったのですね。  それから十数年たちまして、その後貿易研修センターが廃止されるわけです。廃止されるというのは、まず特殊法人から始まりました。その特殊法人が一般の財団法人になっていくのです。そのときの経過が問題なんです。なぜそういうふうに特殊法人から一般の財団法人になったかといいますと、同じ通産省の所轄の中で基盤技術研究促進センターをつくらなければいかぬ。片方で行革でした。それと特殊法人の数、ありましたね。これを新たにつくるためにはどこか一つつぶせといって候補に挙がったのが実は貿易研修センター、それが特殊法人から財団法人になった。そして、時代の変わったことは私は認めますが、この貿易研修センターはついに要らなくなった。事実上廃止なんですよ。それで、今その貿易研修センターは逗子の方に移って、神奈川が誘致する国際村の一環に云々するという形でもって、移転なんだと言うけれども、貿易研修センターの本来の目的はもうだめなんだ、地元側から見ると事実上廃止なんです。こういう経過なんですね。  そこで、実は二、三年前から、そういう動きが出てきたんで、地元の富士宮も地元の皆さんも、経過が経過だから、地元は残ってほしいと、そういう経過ですから、そういう施設だから。しかし、どうしてもだめならば、ちゃんと後のかわるべき施設は通産省で責任持ってくださいよ、貿易研修センター責任持ってくださいよと言ってきたわけです。その結果、去年の七月に大原学園という簿記学校を誘致します、こういって通産省から地元に提示があった、こういう経過なんです。恐縮ですが、つまらぬことをあれしましたけれども、これは地元にとっては重要ですから。  それで、これからひとつ、実務的にどんなスケジュールで貿易研修センターは廃止になって、大原学園はこれから来るのか、その辺の今後のスケジュールをちょっと聞かせてくれませんか。

岡松壯三郎通商産業省通商政策局長

○岡松政府委員 貿易研修センターの今後のスケジュールでございますが、いわゆる富士宮キャンパスの事業でございますけれども、これは平成四年の五月ごろに終了する予定となっております。そういたしまして、このセンターは、このキャンパスの土地等に関する権利の譲渡をこの事業終了の時期に合わせて行うというのが大ざっぱなスケジュールでございます。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 五月に終わって、大原学園の業務はいつから始まるんですか。

岡松壯三郎通商産業省通商政策局長

○岡松政府委員 大原学園の事業でございますが、当面は研修を行うということを考えておるわけでございまして、これは大原学園の方の準備が整い次第スタートをしていくこととなります。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 五月に終わっていつから、それじゃすぐ六月から大原学園の業務は始まるんですか。空白があるんですか、ないんですか。

岡松壯三郎通商産業省通商政策局長

○岡松政府委員 まず、研修センターの方の業務が終わりますと次に譲渡を行うわけでございますが、権利の譲渡が行われました後、建物について大原学園として自分たちの業務を行うに必要な改修を行うということを聞いておりまして、それに必要な期間を経た後、研修が始まるというふうに聞いております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 時間がないから、中途半端じゃ困るんですよ、そこに何十人か働いているんですからね。何月に終わったならば次の業務は何月に始まるんだということをはっきり言ってもらわなければ、今さら、五月というのはあなた、何カ月後なんですか。ここまで来ているのにそんな中途半端なこと言ってもらっちゃ困りますよ。何人かの人間がそこに働いているんですよ。

岡松壯三郎通商産業省通商政策局長

○岡松政府委員 大体九月ごろから研修が始まるというふうに聞いておりますが、ただいま申し上げましたような事情でございますので、若干の繰り上げがあるかもしれませんが、九月ごろというふうに私どもは聞いております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 そうすると、その間穴があくんですけれども、そのことは後で聞きますが、じゃ大原学園は、その九月から始まる中身はどういう中身なんですか、業務内容はどういうことを予定されていますか。

岡松壯三郎通商産業省通商政策局長

○岡松政府委員 この大原学園といいますのは、御存じのように、大体六百人ほどの教職員がいて、七千人ほどの生徒がいる経理関係の専修学校でございますが、ここで税務関係を中心とした大学を開設したいという構想を彼らは持っているわけでございますけれども、とりあえずは、大学というのはまだ手続的な問題がございますので、その前に彼らの業務でございます税務関係の研修事業を行うというふうに承知いたしております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 局長さん、そういう議論はもう半年前、一年前にもやっているから、五月にそこが閉鎖されてそこに働いている人間がどうなるのかという、現場の人間にしてみればきょうあすの問題なんですから、もう半年前の話はちょっとやめてほしいんですよ。  では、毎月何人ぐらいの人たちが九月からそこを利用するんですか、具体的に言ってください。

岡松壯三郎通商産業省通商政策局長

○岡松政府委員 具体的な業務というか、研修の中身あるいは何人の生徒が来るかということはまだ大原学園の方で検討中のところでございますけれども、先生御関心の職員の問題……(前島分科員「いや、中身のことを言っているんだ」と呼ぶ)はい。研修につきましてはまだ学校の方で検討中ということで、詳細は承知いたしておりません。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 わからなければわからないと言ってくれればいいんです、無理してあれせぬでいいですから。  要するに私が言いたいのは、立派なことをやってもらいたいし、こうこうこうなるよということをはっきり言ってほしいということなんですよ。そうしたらそれなりの対応もあるし、そこの地元の人間の腹づもりもあるし、いろいろ出てくる。それをあいまいにしてもらいたくはないということなんです、きのうきょう始まった問題じゃないんだから。そういう面で、恐らく大原学園だって、これから何をやるか、どれだけの人間をいつ研修所に呼ぶかなんということは、要するに何もまだ計画になってないと私は思いますよ。僕の聞いている話だと事実はそうだろうと思うんです。それはそれでいいとします。  そうすると、あそこに働いている人たちあるいは下請の関係者は、雇用はどうなりますか。ずっと雇用は保障されますね、穴はあきませんね。

岡松壯三郎通商産業省通商政策局長

○岡松政府委員 その点につきましては、去る二月の十九日に研修センターと大原学園との間で覚書が交わされております。これには通産省、静岡県それから富士宮市が立ち会っておるわけでございますが、この覚書におきまして、この土地の譲渡を受けた後、直ちにキャンパス勤務のセンターの職員のうち大原学園に転職を希望する人について雇用する、契約条件も従来よりも実質的に不利にならない条件で雇用するように最大限の努力をするということ、それが第一点。それから第二点は、株式会社の富士宮研友社というものの経営を学園が引き継ぎまして、その経営を行うわけでございますが、それに際して、同社の職員が従前よりも実質的に不利にならないような条件で勤務できるように最大限の努力をするということがこの覚書において交わされておるところでございます。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 それはわかりました。  もう一つ、大原学園に引き続き雇用しないで、別のところへ行きたいという希望があるんですよ。これもちゃんと責任持ってくれますね。

岡松壯三郎通商産業省通商政策局長

○岡松政府委員 就職の問題でございますので、一人一人の希望に沿って、学園への転職を含めまして、職員の処遇につきましてはセンターに対しまして最大限の努力をさせたいというふうに思っております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 ここはぜひ大臣、経過が経過ですから、これは民間企業でいえば会社側の都合で工場が閉鎖される、あるいは会社側の都合でどこかへ行くということですから、当然、そうなってくるとそこに働いている人たちはどういう取り扱いをするのかということはもう常識ですね。要するにちゃんと雇用は保障する、今度の場合は新たに別の大原学園というものが来るんですから、労働条件は絶対に下回らないように保障する、やめていく人間については、貿易研修センターの都合で行くんですから、正規の退職金以上のものを払うのは世間の常識だ、そして転職を希望する人間は穴があかないようにちゃんと転職先を探します、こういうことは基本的に全部責任持ってやるということでよろしゅうございますね。イエスかノーかだけでいいです。

岡松壯三郎通商産業省通商政策局長

○岡松政府委員 ただいま退職金の問題が出ましたが、これはセンターの退職規定があるわけでございますけれども、これが自己都合じゃなくて財団の方の業務の都合によるものだということを勘案いたしまして、退職金その分の増額を支払う、そのように私どもは理解いたしております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 ありがとうございました。  そういうことで来るんですが、さて次は、大学の誘致、設置ということなんです、問題は。  先ほど言いましたように貿易研修センターはそういう機関だったのです。研修期間も最低で三カ月、長くて一年。そしてこの役所の課長、きょうもある農林省の課長さんは、実は仏その貿易研修センターで一年間勉強しました、懐しいですねという話をしたわけです。それほど、役人の皆さん、公務員の皆さん方も利用していた。それが二泊三日の研修とは全然質が違うということが一つです。それでも大学が来るんだということで、地元はそれならと、こういうふうになっているのです。  そして、貿易研修センターにかわる施設をというときの三つの条件が大臣、あったのです。それは、国際性を持っているということ、過去の貿易センターの兼ね合いから。それから公共性があるということ。それから永続性。また新しいものがすぐ打っちゃったというのは困りますよ。こういう三つの条件で貿易研修センターにかわる施設を探してくださいというところで大原学園が出てきたのです。前半の研修業務じゃノーなんですよ。だけれども、大学がついてくる、大学を誘致しますということなんで、いや大学が来るならということになっている。そこで、大学が来る保証はあるか、見通しはあるかを聞きたい。

岡松壯三郎通商産業省通商政策局長

○岡松政府委員 お話しのように、地元からは、公共性を備えた国際的な研究教育機能を持ったもの、あるいは地元の活性化に資するものということでの御要求があったわけでございます。私どもといたしましては、お話が出ております大原学園というものは、従来の実績から見ましても、またすべての土地、キャンパスすべての土地等の権利を譲り受けて、そして研修をまず実施し、いずれは大学を開設したいという意向を持っていること、あるいは先ほどお話が出ましたが、勤務する職員あるいは関連企業の職員についても、実質的に不利にならないような条件で勤務できるようにする、それの最大限の努力をするということを約束していること、こういうようなことをあわせまして、この大原学園がふさわしいものであるというふうに判断したわけでございます。  御質問の点につきましては、現在大原学園は、大学の開設について文部省に既にその希望を伝えているというふうに承知いたしております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 まだ申請もしていないのです。それで、いつごろ開設の予定ですか、その見通しはいつですか。

岡松壯三郎通商産業省通商政策局長

○岡松政府委員 開設されるのはいつかということは、一にかかって大学開設の認可を文部省から得るということが必要なわけでございまして、この点につきましては文部省の所掌に属するものでございますので、私どもからいつだということを申し上げることはできないわけでございますが、先ほどのような大学の早期解決について私どもとしても希望を文部省に既に伝えてございまして、通産省としてもできる範囲で努力をしてまいる所存でございます。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 具体的に見通しはないのですか。例えば平成何年ぐらいまでには開校する予定だとか、そういうスケジュールはないのですか。

岡松壯三郎通商産業省通商政策局長

○岡松政府委員 これは私どもの方から今どのくらいということを申し上げるのは、ちょっと控えさせていただきたいと思います。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 大臣、僕は正直言って大学設置、そう簡単じゃないと実は見ているのです。静岡県でもそれぞれの地域でやはり大学を誘致したいという運動がありますし、やっているところもあります。特に、私の選挙区でも何カ所かあって、実現したところもあるし、今やっておる真っ最中のところもあるわけですね。それでも、例えば既存の」大学が新しい学部をつくるというのはかなりできますね。文部省もそういう新たな学部の設置はかなり柔軟ですけれども、今まで大学の経験のないところが大学を設置するということは、正直言ってそう簡単じゃない。僕はそんな甘いものじゃないと思っているのです。  そこで地元は、先ほど言いましたように貿易研修センターと大原学園の研修業務、一応聞いています。二泊三日ですよ。正直言ってこれは本当に勉強する研修じゃないですよ。二泊三日というなら、地方から来たら、初日はお昼か午後に着くのです。その日は終わっちゃいます。翌日一日いた。そして泊まったら二泊でしょう。その翌日はもう帰るのです。二泊三日の研修なんというのは勉強するあれじゃないんです、正直言って。大原学園が示した研修業務の中身、長くて三泊四日でしょう。ほとんどが二泊三日ですよ。貿易研修センターの過去の実績と地元が期待したものとはこんなに差があるのです。大学誘致が来て初めてオーケーと言うのです。  そういう面で私は、大臣、この経過が経過ですよ。そして、貿易研修センターのそもそもの歴史から見て、こういう経過になったのだから、認可事項は確かに文部省なんです。僕は、通産省が認可事項だったなら、こんなことわざわざここまで来て言わないですよ。そういうことですから、これはもう最後まで責任を持って、大学設置まで通産省は責任持つぞ、ここを約束してほしいのです、ここを責任持ってほしいのです。大臣どうですか、そこのところ。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 今先生と政府委員のやりとりを承っておりました。貿易センターは過去に大変な大きな役割も果たしておりますけれども、これは今日本の産業政策でも、かつては貿易立国で国の通商政策の最大の眼目が輸出奨励であった時代、今私は通産大臣で、グローバル・パートナーシップで産業界の皆さんに輸入奨励をしておるような、そういう時代の変化の中で、スクラップ・アンド・ビルドということでこういう経過になったことは御理解賜らなければならないと思います。  また、私も国会議員ですから、これは先生と私と置きかえて、いわゆる富士宮市出身の議員であるという立場になれば、この貿易センターが時代の変化の中で移転していくのはやむを得ないにしても、まず第一に考えることは、そこで働いておられる従業員の皆さん方を心配ないようにしてあげなければならない、これは当然のことだろうと思いますが、政府委員とのやりとりの中で、今まで貿易センターで働いておられた方については、現在より不利にならないように最大限の努力をするというというところまでいったわけです。     〔水田主査代理退席、主査着席〕  次に、これはむしろ災いをもって福とするで、貿易センターを移転するのは残念だけれども、ここに立派な大学ができればこれは地域にとって非常に望ましいことで、そういう願望をお持ちになられるのも当然で、私も立場を置きかえて先生の席に座っておったら今のような質問をしておると思うので、気持ち、重々わかります。  ただ、私は通産大臣で文部大臣でありませんので、ここではっきりと大学認可しますということは申し上げられないのも御理解を賜りたいと思いますし、また、先生既に御承知のように、十年前と違って、今大学の認可というのが非常に厳しい状態であることも事実でありますが、そういう前提の中で富士宮市、今懐かしく聞いておりましたけれども、実は私ごとを申し上げて恐縮ですが、私は早稲田大学を卒業したときに、当時鳩山内閣の通産大臣だった石橋湛山先生のお供をしてあの地方をよく回りました。先生は勝間田先生のまな弟子ですからライバルだったわけでありますけれども、できる限りこれは文部省に話をして、地域の皆さん方の御期待にこたえるように努めさせていただきたいと思います。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 今はそこまでが精いっぱいかなと思いますけれども、正直言いまして、これは言葉が悪かったらあれですけれども、貿易研修センターと大原学園の土地並びに建物の譲渡契約を結んで、通産省は、はいこれさよならというんじゃないかな。ここなんです、心配はここなんですよ。それじゃ困るということなんです。というのは、この土地というのは二十万坪あるんですよ、二十万坪。そして、その半分の十万坪は建物があって貿易研修センターが業務をやってきた。これは貿易研修センターが借りていたんです。あとの十万坪は貿易研修センターが買っていた。買っていた条件は、貿易研修センターが何か使うということなんですよ。しかし今日まで何も使ってなかった、遊ばせていた。十万坪遊ばせていた。唯一使ったのはゴルフの練習場。職員、外人の先生が来るから。それ以外は全部、十数年間、二十年近く遊んでいた。何にも使わなかった。その土地は貿易研修センターだから売ろうとしている。そして地元は、大学が来るというなら、大学が、大原学園の所有権が誘致のための前提だったらしょうがないといって、市長に、渡辺紀さんです、一任をしたのです。  その土地は、四十何年に坪五百円で地元が売った土地です。五百円で売った。今は、時価は一万数千円しています。二十年足らずの間に二十倍になったんですよ。そしてこの土地の条項は、当初、もし貿易研修センターが使わなくて貿易研修センターが移転するときには地元に返しますといって、買い戻し条項がついていた。それを途中で、昭和六十年に買い戻し条項を取っ払ったんです、貿易研修センターが特殊法人から普通の一般の財団法人になるときに。だから僕は計画的だと言っているんですよ。そしてこの十万坪を時価で売って、その金を持って逗子へ行こうとしているんですよ。これが土地問題としてあるんですよ。だけれども、大学が来るなら、そして文部省が言うには、申請する大原学園が土地を所有しているということが申請条件だということを物すごく言っているのです。それで、地元も、渡辺紀市長も、それなら売買契約を認めざるを得ない、その取り扱いは市長のおれに一任してくれと言って、地元は一任したんですよ。そういう経過ですよ。  だから、もしこれを、こういう場で悪い言葉で恐縮ですけれども、五百円で売った土地を何にも使わないで二十数年寝かしていて一万数千円で売ったら、通産省、それ、歓迎する手法ですか、許されますか、そう簡単に。僕は許されないと思いますよ。民間ならともかく、通産省がそれを指導しているんですよ。しかし大学が来るならという前提ですよ、それならやむを得ないなということまで言って、渡辺紀市長が、おれが責任持つから、地元の皆さん、その土地の取り扱いについてはおれに任じてくれ、こうなった。僕は、正直言って大学誘致がそう簡単じゃないから、簡単に土地手放すな、それは最後の切り礼にしろと言っていた。そういう面で、私の意見は本来は、貿易研修センターは大原学園の誘致が来る見通しが立つまで業務は続けておってもらいなさい、そしてそのときに、誘致が来たときに土地はちゃんと大原学園に責任持って渡します、そういう約束を地元も市も市長もしたらいいじゃないかというのが私の意見だった。それを渡辺紀市長にも地元の皆さんにも私は言ってきた。大学誘致はそう簡単じゃないですよと。しかし、貿易研修センターなり皆さんの御指導で、何とか大学誘致は責任持つから、土地が向こうに渡らないと申請できませんからと言ってきたんですよ。こういう経過が大臣、あるんです。  だから、私が言いたいのは、それほど地元は、大学誘致が来るならいい、これは町にとっても活性化になるだろうということなんです。だから大臣、確かに認可は文部省だから、おれが責任持って認可するとは言えないことは私、わかっています。しかし、わかっているけれども、最後まで責任持つぞ、この土地をあれしちゃって大原学園に使用契約を結んだから、もう通産省は富士宮とは一切関係なくなった、貿易研修センターも向こうへ移ったからもう一切関係ない、おまえら勝手にやれ、そう言ってもらっちゃ困るのですよ。だから大学誘致が来るまで、認可事項は文部省だということはわかるけれども、通産省は最後まで責任を持って努力する、ここを約束してほしいということなんですよ。大臣、どうですか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 できる限り地元の皆さんの御要望がかなえられるように、努力させていただきたいと思います。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 認可してくれと言っているのじゃないのですよ、最後まで責任持ってくれと言っている。それを、できる限りじゃ困るのです。認可は文部省だから、それを認可するようなことは言えないことはわかっている。そういう意味だったら可能な限りでいいのです。しかし、認可できるまで通産省としては最後まで責任持つということだけは、これはできる限りじゃ困るのです。そこは最後に言ってください、それで終わりますから。認可は可能な限りでいいですよ、文部省事項ということで。最後まで責任持つというのは言ってもらわなければ困ります。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 その責任を持つという意味は、貿易センターでお働きになっておられる従業員の皆さんの生活が今より不利にならないように責任持つということですが、大学は文部省が認可しなければできないわけですし、それから、今何といいましたか、大原学園、これの受け入れ条件なりなんなりありますから、それらのものを総合してできるものですから、ここで私が責任を持って大学をつくりますということは申し上げられないことは、これ、御理解いただきたいと思いますが、今先生からの御指摘で地元が大学に対する期待が非常に多いということで、それを実現させるために及ばずながら全力を尽くして努力させていただきます。これでお許しください。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 設置するということは保証できないことはわかっているのです。努力するということは、最後までやってくれるか、ここだけなんですよ。そこさえ、最後まで努力します、途中で、もう関係ないからおまえら地元でやれ、そういうことは言わない、そういう面で最後まで努力する、責任持つ。いいですね、それで終わります。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 努力させていただきます。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島分科員 終わります。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 これにて前島秀行君の質疑は終了いたしました。  次に、鳥居一雄君。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 都市ガスの安全確保をテーマに伺ってまいりたいと思います。  実は一月八日、千葉県の佐倉市で、都市ガスの極めて大きなガス爆発事故がございました。また一方、二月、二日午前四時過ぎに、いわゆる浦賀水道の震源深さ九十キロというところの地震がございました。この二つの接点が実は都市ガスのいわゆるマイコンメーター内蔵のメーターという、なぞもどきの話なんですが、地震において二百ガルで自動遮断が働く、取り扱いの上でガスがとまっちゃったという問い合わせがかなり殺到したことは新聞にも報道済みです。一方、一月八日の大爆発事故を私たちも目の当たりにいたしまして、安全安全と言われてまいりました都市ガス、これが爆発事故を起こす。何とかしてこの再発を防がなければならない、こういう観点でずっとたどってまいりますと、このマイコンメーターに行き当たるわけです。  マイコンメーターの機能は、一定の流量というのを検知いたします。したがいまして、おふろの種火を消し忘れたというとマイコンメーターが働いて自動遮断でとまる、非常にその意味では、流量を検知するということ、それから対展性、このマイコンメーターをおいて都市ガスの安全はないのではないだろうか、こんなふうに実は受けとめまして、周辺をいろいろ勉強させていただきました。  実は、三月六日資源エネルギー庁長官、予算委員会の一般質問におきまして答弁されております。この御答弁でありますけれども、現在マイコンメーターについては設置義務がない、保安上有効なので設置の指導を進めていきたい、こういうふうに述べられているわけですけれども、マイコンメーターについてどういうふうにお考えでしょうか。

川田洋輝資源エネルギー庁公益事業部長

○川田政府委員 先生今御指摘をいただきましたマイコンメーターの問題でございますけれども、私ども、まず都市ガスの保安対策、特に家庭におきます保安対策というのは人命にかかわる極めて重要なものという認識を持って考えておるところでございます。これを前提にいろいろな論議を進めてまいりたいというように思っております。  そこで、お尋ねのマイコンメーターに関してでございますけれども、先般の予算委員会、先生今御指摘をいただいた予算委員会におきまして私どもの長官からお答えをさせていただきましたところでございますが、マイコンメーターについては、地震などに対して効果があるということは言えるわけでございますけれども、まだ製品として開発をされましてから時間が余りたっておりませんで、製品としての成熟度がいま一つでございます。また生ガス中毒に対して有効でない点もありますことから、ガス事業者に対して設置の義務づけは行っていない。しかしながら、先ほど申しましたように、地震などに対して有効である、あるいは今おっしゃいましたように、流量の制御ができるというようなことから保安上有効でございますので、その普及に努めてまいりたいということでございます。その中で、大手のガス事業者に比べて中小のガス事業者で普及率がまだ少ないということもあるので、そういう面にも努力をしてまいりたい、こういう趣旨の御答弁を申し上げたかと存じております。そういう方向でやっているところでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 資料包用意いたしましたので、配付したいと思います。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 どうぞ、結構でございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 マイコンメーターにつきましては、昭和六十三年ごろから計画的な取りかえ一通産省に伺うんですが、行政指導はしていない、こういうことなんですけれども、ガス事業者は全国で二百四十六事業者がいらっしゃるそうですが、特に大手の方は昭和六十三年ごろから積極的に設置のために手だてをとっているという状況、またガスメーターにつきましては昭和五十八年だったと思いますが、それまでメーターの有効期限七年を十年にした、こういう中で、有効期限が切れる段階でマイコンメーターに切りかえをしていく、こういう形で来ていますから、成り行きでいくとすれば十年目に切りかえるという形で、現在の設置率三三%、三二・何がしか、丸く三三%、全国平均でありますけれども、極めて設置率は低い状況。また二百四十六事業者の中で、中小が、特にまあまあというところが二〇%台、あるいはゼロに近いところもかなりある、こんな状況だと思うのですね。  それで、一つはマイコンメーターにはオプションとしてさまざまな機能を載せるということがあるんですが、この基本機能、いわゆる対震性それから流量検知、この二つの基本機能は安全確保という観点からいって基本機能だと思うのです。おっしゃることはわかるんです。もちろんCOの検知ができないということはありますが、対展性と、それからガス自殺をしたいと思ってもできないような、流量を感知して自動遮断装置が働く、この二つの機能を積極的に推進する、これはできませんか。

川田洋輝資源エネルギー庁公益事業部長

○川田政府委員 先ほど先生の御発言の中に、通産省がマイコンメーターの設置について格別の行政指導を行っていないというような御指摘ございましたが、私ども、このマイコンメーターにつきましては、まずそもそもこういうものが何か必要ではないかということでマイコンメーターの概念をいろいろ考え出して論議をしたのは、通産省のガス消費機器安全性調査委員会というところで昭和五十九年にいろいろ論議をしておりますし、昭和六十一年度及び六十二年度には財団法人の日本ガス機器検査協会に対してマイコンメーターに関する調査研究の委託をいたしたりしておりまして、製品としての完成度をできるだけ上げていくことと、その有効になりましたものの設置の促進ということには、先ほども前提で御説明いたしましたように、都市ガスにおいてはやはり保安の確保というのは基本的な重要事項だということで考えておりますので、そこは私ども、そういうことで製品をつくることにもそれからそれを普及することにも努力をしていることを御理解を賜りたいというように思います。  それから、まだ製品の熟度に応じて機能追加などがなされておるところでございますが、ただいま御指摘の基本機能としてお話がございました流量の制御とかあるいは感震機能、これはその中でも大変大事なものでございます。したがって、この二つの機能に着目してマイコンメーターの有効性を考えて普及を進めていくべきではないか、これは御指摘のとおりだと思います。  ただ、その機能の中でも、COを別にいたしましても、例えば誤遮断防止とか、あるいは最適感応遮断値の検討とか、いろいろまだ技術的な課題も残っておるというように承知をいたしておりますので、その面の技術的な側面をもっともっと有効で働きのいい設備にしていくということも必要ではないかと思っております。他方、こういういいものでございますから、普及促進に努めていくことも大切だ、両方必要だと思っております。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 通産省がマイコンメーターに取り組む姿勢というのは、ちょっとやはり私は首をかしげざるを得ないんですよ。安全検討委員会で検討される、結構だと思うのですね。しかし、おやりになっていることは、毎年事業者からヒアリングでどのくらい進みましたかということを聞き取る、こんな形で、法的な位置づけであるとか、あるいは安全基準の中でマイコンメーターを位置づけているかというとそうではない。それじゃどんな基準のマイコンメーターについて、何といいますか、特定して基準を決めてこれを押しなべて推進していこうというようなことは、一切業者任せになっているわけですよ一ガス事業者あるいは協会。ですから、通産省として通産省の名のもとに標準化といいますか、これをぜひやるべきだと思うのですが、いかがですか。

川田洋輝資源エネルギー庁公益事業部長

○川田政府委員 先ほど来説明申し上げておりますように、通産省としても積極的に取り組んでおるつもりでございます。ただ長官からも私からも御説明申し上げましたが、保安機能としては、見るべき有効な面は多いけれども、まだ、先ほど先生から御指摘いただきましたように、六十二年ぐらいからようやくマーケットに出始めたものでございます。したがって、商品としてこれからもっともっと完成をさせなければならないという面が残っていることも確かでございます。  それからもう一つ、これがそういう流量の問題とかあるいは地震の問題で絶対の決め手になるかというと、まだいろいろな問題があるわけでございますので、今は総合的に、御承知のようなヒューズコックとかあるいはガス漏れ警報器とか消費機器そのものですとか、そういういろいろなところで総合的な安全を期していくことがどうしても必要なものでございますから、まだ設置義務とか、あるいはこれを規格化してこういうものということで決めつけするところまで来てない。むしろいいものをつくっていく作業はこれからも必要であるという位置づけを先ほどから申し上げているところでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 そうすると、もう既にどんどん進んでいる事業者は困ってしまうわけで、ある程度の安定性というのを見込んで、また、開発途上かもしれませんけれども、基本機能については期待すべきものはもう満足できるんだ、こういう位置だと思うのですよ。  それで、特に通産省の資料でありますけれども、マイコンメーターの設置傘、全国平均が三二・八%、これを進めていく上で一つの大きな障害というのは、規模の大きい事業者はまだいいと思うのですね。二百四十六事業者がいる中でおよそ三分の一が中小といいますか、地方公共団体がガスの事業者になってやっている、あるいは地域を開発するデベロッパーが、ガス事業については、同じ資本のもとにガス事業者の免許を取る、こういう形の中小について極めて普及率が低いわけですね。  例えば、具体的に名前を挙げますと、千葉県におけるシェアを見てみますと、東京瓦斯はもう群を抜いているわけですね。それ以外の中小に着目してみますと極めてばらつきがあります。実はゼロというところが幾つもあるわけです。まあまあというところで二〇%。だから全国平均すれば三三%という数字が出てくるのですけれども、中小の事業者に対してどういう誘導策といいますか行政指導をしていくわけですか、何をどういうふうに進めていくお考えですか。

川田洋輝資源エネルギー庁公益事業部長

○川田政府委員 御指摘のとおり、事業者によってかなりばらつきがございます。今鳥居先生からいただきました資料の中でも、千葉県のガス会社の中でもかなりマイコンメーターの設置率が高いもの、八三・八という数字があるものもありますが、ゼロというものもあることを私どもも承知いたしております。  現在のところ、私ども、ガスメーターを新設する場合、あるいは先ほど御指摘ございましたように、取りかえる場合にはマイコンメーターづきのものにするような指導を行っておりますが、それ以上にガスの保安は大切な要素でございますので、義務づけまでは先ほど言いましたように至りませんけれども、できるだけ多く設置するように事業者を指導してまいりたいと思っております。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 それはどういうわけですか。現在マイコンメーターの製造業者数、年間生産台数、これは幾つでしょうか。

川田洋輝資源エネルギー庁公益事業部長

○川田政府委員 マイコンメーターの製造事業者でございますが、現在のところ八社あるようでございまして、製造台数につきましては、公式な統計はございませんけれども、八仕合計でおおむね年間二百万台前後ではないかというように私ども推定をいたしております。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 都市ガスの需要家は全国で二千百万、こう言われていますね。それで、今の計画からいきますと平成九年まで、ある。いは今から開始してメーターの期限が来るとマイコンメーターに取りかえていく、これは十年かかるわけですね。二千百万を対象にしてマイコンメーターをラインに乗せる生産をしていく、こう考えたときに、大変大きなマイコンメーターの市場だと思うのですね。だから、例えば前倒しに向こう三年あるいは五年という短期間にマイコンメーターの設置ができるような普及の仕方をしていくんだ、こうしてできないことじゃないと私は思うのです。今の通産省の指導で、このままガス事業者の主体的な経営努力において進めていくとすれば、成り行き任せの十年かかるということになるのだろうと思うのです。これはやはり検討する余地があるのじゃないでしょうか。いかがですか。

川田洋輝資源エネルギー庁公益事業部長

○川田政府委員 先ほど来申し上げておりますように、マイコンメーターの設置について、できるだけ設置を急ぐような指導はしてまいりたいと思っております。  それで、メーカーとの関係について申し上げますと、こういう商品でございますから、需要が出てまいりますと生産能力はふえるものだと思いますので、そちらからの制限は余り考えなくていいのではないかと思います。むしろ、先ほど来繰り返して申し上げておりますように、全体的なガス保安というものをどうやって進めていくのがいいのか、その中でこのマイコンメーターをどう位置づけるのか、それから、マイコンメーターの商品としての成熟度をどの辺で見きわめをつけるか、そういった問題との関連の方が大きいのではないか。  それからもう一つ、先ほども私申し上げましたし、長官も予算委員会で御説明しておりますけれども、一酸化炭素を含むガスにつきましてはマイコンメーターは必ずしも有効ではない側面もあるようでございまして、これが、お挙げになりました二百四十六事業者のうち八十の事業者がCOを含んだガスの製造を行っておるというような実態もございます。  それからもう一つ、我々ガスのカロリーアップといって、今たくさんの種類のガスがあり過ぎますので、ガス機器の合理化、いろいろな合理化のためにこれを少し種類を少なくしていく方がいいのではないかというような議論も片方でいたしております。そういう際には、ある段階はこういうマイコンメーターを設置するのにもかかわるというようなこともあろうかと思います。  いずれにしても、マイコンメーターが有効な事業者については、その設置促進について私ども努力していきたいと考えております。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 都市ガスの料金は認可料金ですね。認可に当たって、ガス事業者として当然経営努力はする、しかし、安定的な供給をするという見地から設備投資をせざる得ない、こんなことを十分勘案されるのだろうと思うのですが、マイコン普及ということでガス料金が引き上げられるようじゃ困る。料金の構成比、安全に負担がかかるのは当然だと思いますが、ガス料金の認可の基準ですね、経営努力また営業努力で吸収はできるということだと私は思うのです。一台二万円だという話なんです。どうかひとつ、緩んでしまうのではなくて、普及と同時に、料金の認可に当たっては厳しく構成比を見るという立場でやっていただきたいと思うのです。

川田洋輝資源エネルギー庁公益事業部長

○川田政府委員 ガス料金の設定につきましては、法律上も「能率的な経営の下における適正な原価に適正な利潤を加えたもの」という規定に相なっておりまして、経営努力を強く求めることは当然かと存じます。ただ、マイコンメーターの設置を含めた保安の確保というのは事業として大前提ともなるべきものですから、そのコストも見込むこともある意味では当然かと存じます。ただ、先生御指摘のとおり、できるだけの経営努力をした上での料金の設定をすべきだということは私どももそのとおり考えているところでございます。

鳥居一雄公明党・国民会議

○鳥居分科員 終わります。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 これにて鳥居一雄君の質疑は終了いたしました。  次に、松浦利尚君。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 御苦労さまです。  私は、家電製品の問題について局長にお尋ねしたいと思うのですが、実は私は宿舎で私一人でおるものですから、洗濯機は一槽の自動洗濯機を使っておるんです。よくよく考えてみますと、一人の洗濯の量というのは非常に少ないにかかわらず、自動ですからもうふんだんに水を使うんですね。私は技術的には非常に弱いですから、どうなっておるのか構造のことはわかりませんが、いずれにいたしましても、洗濯の量が多かろうが少なかろうが大変な水を使うんです。そして仕上がりにかかる時間も、一人であろうが四人であろうが大体同じなんですね。私にとっては非常に便利がいいんです。ところが、よくよく考えてみると、湯水のように使うという言葉があるんですが、それこそ水を大変に浪費するんですね。一方、考えてみますと、私の選挙区は水は豊富なところですから水飢饉などということはほとんど皆無ですけれども、東京で生活しておりますと水が不足する、水飢饉だということを再三経験させられておるんです。ですから、便利になることは非常にいいことだし、また家電業界も便利のいいように、国民のニーズに合ったようにどんどん新しいものを次々世の中に出していくわけですけれども、これほど水飢饉が言われ、水不足が言われておる我が国の現状から見て、こういった資源をふんだんに浪費するようなこういう新製品がどんどんつくられていくことについて、やはり一定の指導ということが通産であっていいんじゃないか。余りにも水を使い過ぎる、そういう気がしてならないんですね。  それからまた、最近テレビを見ましても、全部、離れたところからスイッチオン、オフにするリモコンなんです。私どもは出火のことも心配ですから、郷里に帰るときは大もとのスイッチを切って帰るのですけれども、通常、各家庭では通電したままなんですね。見ないときでも通電したまま。極めて微量の電流が通っておることですから、一軒当たりではそんなに浪費する量というのは多くないと思うのですけれども、しかし、これが大変な世帯数になりますと、装置産業である電力はつくってもつくっても不足するという事態になると思うのです。また、最近は電動歯ブラシというのがはやりまして、自分の手で磨けばいいのに電動でさっとやる歯ブラシが流行し始めているんです。これもよく見たら常に充電をしておるんですね。  ですから、片一方で省エネということで盛んに通産省は努力しておられますが、片一方では新しい製品開発ということでどんどんこういった浪費型、浪費型と言ったら極端になり過ぎますけれども、知らないうちに資源を浪費したりエネルギーを消費したりするような製品かどんどん世に送られていく。これは一面、銀座とか赤坂のネオンを切った方がいいよ松浦さん、そういう意見もありますけれども、しかしそれはそれとして、こうした問題について、ブレーキをかけるということは極端なんですが、技術開発等についてある程度通産側の指導というものがあっていいのではないかという気がするものですから、その点について、まず第一点お尋ねしたいと思います。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○熊野政府委員 ただいま委員から御指摘の点は幾つかあったと思いますけれども、まず洗濯機の御指摘があったと思います。いずれにいたしましても、メーカーの商品開発に関します基本的姿勢と申しますのは、今委員お話しのとおり、最新の技術革新の成果をできるだけ製品に体化いたしまして、豊かな生活を求める消費者の需要にこたえていこうというものだと思います。したがって、そういう中で省資源とか省エネルギーの問題というのは、一方で、こうした消費者の豊かな消費生活を求めるニーズとの比較考量の中で考えていかるべき問題ではないかというふうに思うわけであります。  ちなみに、ただいま御指摘の電気洗濯機の件でございますけれども、社団法人日本電機工業会の試算によりますと、平成二年におきまして、洗濯量一キログラム当たりの標準的使用水量を全自動洗濯機と二槽式で比較したデータがございます。それによりますと、全自動洗濯機につきましてはキログラム当たり二十九リットル、二槽式では三十六リットルというふうになっておりまして、これは使用の仕方とかいろいろなことで違うとは思いまずけれども、一応そういうデータもございまして、全自動洗濯機の方が省資源型であるというデータもあるところでございます。  それから、もう一つ御指摘がありましたリモコン用のテレビについては、常時通電をしていることによる省エネルギーの問題をどう考えるのか、こういう御指摘であろうと思いますけれども、これにつきましてメーカー等の聞き取り調査によりますと、リモコン使用のための通電による消費電力は一ワットないし一・五ワットということでございまして、テレビを完全に使用するときの消費電力と比べますと約一%程度となっております。したがって、一日中赤いぽっちがついていたら、テレビを十五分間つけておるのに匹敵する電力を使っておるということになるわけでありまして、これは便利さと、他方そのことによる消費電力との関係をどういうふうに評価するかということであろうかと思います。  いずれにいたしましても、最初にも申し上げましたように、各メーカーとも厳しい競争条件の中で、できる限り省エネルギー型商品あるいは省資源型商品を開発して市場に供給するような努力をしていると思います。通産省といたしましても、家電製品全体の中で消費者側の利便性とかあるいは豊かさとか、そういうことを一方で失うことなく、他方で省エネルギーあるいは省資源といったものをできるだけ追求していく余地はあると思いますので、そういう観点から今後とも省エネルギーあるいは省資源ということに配慮した商品開発を進めていただくよう、いろいろな面で勧奨をしてまいりたいというふうに思っております。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 水の量の問題はいろいろとり方があると思うのですね。ところが目で見る場合は、各家庭の主婦はやはり節約すると思うのです。イコール料金ですから、使用料金にはね返ってきますからできるだけ節約しようと努力するのです。それはもう家庭の主婦は当然そうなんですね。ところが、全自動になりますと消費者はそこに存在しないのです。機械が勝手に水を出して勝手にすすいで勝手に仕上げるわけですから、そこには人為的な何物も働かない。機械的なものなんですよ。そして、途中で水の量を変えたり何かすることは人為的にできない。それをやるとかえって壊してしまうとか事故が起こる原因をつくり出す、あるいはけがをするもとをつくりますから、そういった意味ではあくまでも全自動なんですよ。  だから、私が先ほど電動歯ブラシのことを申し上げているように、国民のニーズというものは際限なく進みますから、便利さを追求することはいいけれども、そのことが逆に多資源消費型、多エネルギー消費型、こういうふうになっていく結果になれば、ツケはまた国民の側に返ってくるわけでしょう。水が不足するからまたダムをつくらなければいかぬ、あるいは通水計画で用水路をつくらなければいかぬ、あるいは発電の場合には原子力発電所をつくらなければいかぬ。ですから、いずれも必要なピーク時に備えてつくらなければいかぬ。装置的なものを持っておるわけですから、電気なんかでも装置産業です。  そういうことを考えると、せっかく通産の皆さん方が一生懸命省資源、省エネルギーということを繰り返し繰り返し言っておられるのだから、競争することは結構なことですけれども、競争の余り便利さを求めてそういった点がおろそかになるという点については、通産当局の方で、余り企業に干渉することも問題がありますけれども、省資源という意味あるいは省エネルギーという意味ではぜひ指導をしてもらいたい。大臣、そういうことを実は申し上げたいのです。小さな技術的なことですが、先ほど十五分と言われましたけれども、全部の国民がみんな十五分ずつ要らないテレビをつけっ放しにしておる状態と同じなんですから、それは大変な消費です。どうぞ大臣、ぜひひとつお考えを述べていただきたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 大変御立派な御意見として今承っておりました。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 実力大臣ですから、そういう面についてぜひ御指導いただきたい、そういうふうに思っています。  それから次は、私、これは技術的なことで余りわかりませんけれども、テレビのブラウン管というのは中心になる放射管がありまして、それでブラウン管の円周の中の、曲線を描いておりますから、中心から放射いたしますとブラウン管に全部等距離に電圧がかかるわけです。これは円周の一部分ですから、中心点から送ったら、真ん中であろうと端であろうと全部同じ電圧で届くわけです。ところが、最近フラット型ブラウン管というのが出てきまして、平面になっているのです。ブラウン管に向かって内側から放射いたしますから、直っすぐ行く光線の距離と端の方に行く距離とでは距離が違いますから、周辺の方に非常に薄い部分が出てきて見にくいわけです。だから、結局フラットになった画面になればな冬ほど今度は電圧を高めて全体がうまくカラーのあれが出るように装置しなければいかぬわけです。逆に言うと、ある程度曲線を持ったブラウン管をフラットにすればするほど電圧を高めた装置にしなければならぬ。電圧を高める装置をしますと、これは事実かどうかわかりませんが、全部のメーカーが今行っておって商品としては出始めておる段階ですから、そう故障があるとかなんとかという数字的なものの把握は通産もできておらないという事務局のお話でしたけれども、結局考えると、電圧を高めるわけですから、ブラウン管の表面を少しガラス面を厚くして重たくしてみたとしても、かかる電圧によってブラウン管の消耗率というのは高まってくると思うのです。バランスを失すると端の方の距離の長いところに強い電圧をかける、そうすると距離の短いところには過剰な電圧がかかってきますから、ブラウン管の真ん中が白けてくるというような障害現象が起こる。これはそれぞれ技術者の人たちに聞いてはみましたけれども、それぞれ各社ごとに工夫をしてそういうことにならぬような努力はしておるというお話でした。  いずれにいたしましても、こういったフラット型のブラウン管というのがこれからどんどん大型化して普及していくと思うのですが、こういったことも、逆に言うとある意味では故障を早めるのではないか、ブラウン管そのものの寿命を縮めるのではないかという気がするのです。そうすると、結局、開発したのは我々消費者にとってみれば非常に見やすいものだけれども、寿命が短くなれば買いかえなければならぬからその分だけサイクルが短くなる、また、ブラウン管の故障が早まればそれだけ資源のむだ遣いになるというような関連が出てくるので、私は技術的に全く素人ではっきりしたことはわかりませんが、こうした面についてもぜひ局長さん、御指導いただきたい。特に、家電製品というのは高額なものですから、そういった意味では、消費者にとってやはり長もちをして安くてというのが各社の願いだと思うのですが、そういった技術面の指導等についても万遺憾ないようにしていただきたい。そして、競争しておりますら、次から次、次から次と新しいもの、新しいものにモデルチェンジしてまいりますから、そういった意味では通産も人の関係で対応し切れないという面もあるでしょうけれども、ぜひひとつそういった面についての指導という役割もあわせてお願いをしたい。そういう点についてどうでしょうか。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○熊野政府委員 ただいまのフラット型ブラウン管テレビの問題でございますけれども、メーカーから聞き取り調査をいたしましたところによりますと、二十九インチ、BS内蔵の平面ブラウン管テレビの平均消費電力は、従来のブラウン管と比較いたしまして約二ないし三%消費電力が増加するということは事実のようでございます。しかしながら、他方、ブラウン管の寿命ということについて見ますと、特殊な電子銃の使用によりまして従来のものよりも寿命は長くなっておるという実験データもあるようでございます。他方、ブラウン管の平面化によりまして画面が大変ワイドなものになるといった消費者の利便性の問題もあるわけでありまして、そういういろいろな比較考量の中でベストなものを選んでいくべきものかというふうに考えております。先ほど申し上げましたように、いずれにいたしましても、家電製品全体の中で消費者の利便性、省エネルギー、省資源、いろいろな観点を考えながら、できるだけ先生御指摘のような点が配慮されるように、今後とも、各メーカーに対して商品開発を進めるようにいろいろエンカレッジをしてまいりたいと思います。  それから、モデルチェンジにつきましてもいろいろな観点があると思います。モデルチェンジというのは、製品の規格でありますとか開発といった企業活動の基本に関することでございますから、やはり基本的にはメーカーの自主的判断に任せることが重要なことだと思います。しかしながら、他方において、環境でありますとか安全面でありますとか、最新の技術革新の成果を製品化し、豊かな生活を求める消費者のニーズにもこたえるという本来のモデルチェンジの趣旨を逸脱するような場合には、これはやはり問題でございますから慎む必要があろうと思います。したがって、省エネルギー、省資源あるいはリサイクル、いろいろな観点を含みまして、モデルチェンジの長期化は我々も好ましいものではないかというふうに考えているわけであります。できるだけこういったむだなモデルチェンジが行われないように、各企業が自主的に規律していく努力を行うことが重要ではないかというふうな呼びかけを行っていきたいと考えておるところでございます。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 これは大臣にお願いしておきたいのですが、家電業界というのは非常に仲がいいように見えるのです。しかし、内容的には非常に過激な、過熱な競争をしておるのです。ですから新しい製品、新しい製品を出していくわけですね。そうすると、ほかのところも負けじとまた類似した新しい製品を出していくのですよ。次々に必然的に過熱をしていくものですから、結果的に、今局長が言われたように省資源とか省エネとかいうことを度。外視して消費者の便利さを追求していって、要するに勝とう、そういう競争の激しい業界なんです。ですから、通産の指導というのも非常にやりにくい面もあると思うのです。また、通産が余り介入して自由競争を妨げるといけないのですが、しかし、こうした競争をしてむだな消費をし、浪費をしていって、結局ツケが回ってくるのはまた消費者なんですよね。ですから、そういった面では局長さん初め通産も御苦労は多いと思うのですが、これからますます激しい過当競争の時代に入ってくるようですから、ぜひ御配慮をいただきたい。大臣も、ぜひ通産省内において関心を持って御指導いただきたいということを、この点については申し上げておきたいと思います。よろしくお願いしたいと思います。  それから続いて、これも関連をしてくるのですが、これは通産当局の御指導でできたことだと思うのですけれども、家電製品協会が、要するに廃棄物について家電業界として一つの方針を出されたわけです。それで、御承知のようにモデルチェンジが早いし、新しいもの、新しいものと消費者が飛びついて買いかえていくわけですね。そうすると、古いものが全部大型化して出てくるわけですよ。カラーテレビにしても冷蔵庫にしても、あるいは洗濯機にしても大型化なんですね。これをどう処理するかというのは非常に大きな問題だったのです。ところが、当面は業界が中心になって販売店に集まった大型廃品を回収して、それでリサイクルに乗せる、再生の方に乗せる、むだなものは廃棄する、そういったルールを確立した。この三月の資料をいただいたのですが、これをちょっと簡単に説明していただけないでしょうかね。簡単に説明をしていただくと同時に、この廃品回収が今どこで実施されておるのか。それから、地方自治体ですね。これは各県共通の悩みなんです、この大型家電商品の廃品処理というのは。ですから、これがいつごろ全体に普及するのか、いつまでも業者負担という形でこういうふうなものが進むのか、そういった問題について教えていただきたいと思います。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○熊野政府委員 ただいま御指摘の廃家電品につきましては、メーカーあるいは販売店が一体となりまして、販売店ルートでの回収を円滑に促進して市町村の処理に協力、補完できるような共同回収事業を、昨年九月に実験的に東京都の二地区で既にスタートをしております。二地区と申しますのは、一つが山の手でございまして、新宿、渋谷、世田谷の一部をカバーしております。それからもう一つは下町で、江戸川区と葛飾区を対象にしたものでございます。これをさらに業界といたしましてはできれば全国的に展開をしていきたいということでございまして、強い要請がある地区を中心に展開をしていくことを現在検討しているところでございます。一つは、東京都につきましては二十三区に広げていこうということを考えております。それから地方都市につきましては、幾つかの候補地がございますけれども、その中からさしあたり五地区ぐらいを選べないかということで、現在、各自治体の御要望等を調査している段階でございます。  私どもといたしましても、こうした市町村の処理に業界が協力をしたり、あるいは補完するような体制ができていくことは大変望ましいことと考えておりまして、今後こういった努力が円滑に進展するように、できれば指導なり助言なりをしてまいりたいというふうに考えている次第でございます。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 通産省の方では、大体この大型家電製品の廃棄の状況というのは推定でどれぐらいに見ておられるのですか、全国的に。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○熊野政府委員 消費者の段階から出るものが約六十二万トンでございます。それがどういうルートで回収されるかというと、約八〇%強の五十一万トンぐらいが販売店で回収されておるのではないかというふうに推定しております。残りの二〇%弱の十一万トンぐらいが自治体で回収をされておる。それで、その販売店のもののうちの相当部分は処理業者の方に最終的には四十一万トン、全体で見ますと六十二万トンに対して四十一万トンでございますから、約三分の二は処理業者に参ります。他方、販売業者、販売店等が集めたものの七割ぐらい、十万トン程度のものは自治体に最終的には集まりまして、したがって、自治体で全体の三分の一ぐらいを処理しておる、こういうことではないかと思います。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 これは私、気がつかなかったのですが、これはきのういただいたものですから今読んでびっくりしたのですが、平成三年度推計で台数に直すと、カラーテレビ、電気冷蔵庫、電気洗濯機、ルームエアコン、電子レンジで一千五百万台出るわけですか。この文書にこう書いてあるのですが、これは間違いないですか。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○熊野政府委員 はい。その程度は出ると思います。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 ちょっと想像できないけれども、大変な数字ですよね。  そうすると、今言われたこういう状況の中で、東京都の方ではわずかの区ですが、東京都全体にいつごろこの制度、仕組みがいくわけですか。これからもモデル地区だけですか、東京都全体にいくのは何年ですか。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○熊野政府委員 先ほど申し上げましたように、さしあたり二地区について始めておりまして、来年度できれば二十三区に展開をしたいということで準備中というふうに聞いております。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 それから、全国で五地区指定ということですが、これは通産の方で指導されて指定されるのですか。

熊野英昭通商産業省機械情報産業局長

○熊野政府委員 これは、財団法人家電製品協会が中心になってそれぞれ自治体といろいろ打ち合わせをしているところでございます。現在、九つの市から要望が出ているようでございまして、それぞれの候補地の実態、要望の強さ等を見ながら、そのうちの五地区程度をさしあたり選びたいというふうに考えていると聞いております。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 これは大臣にお願いをいたします。  これは今モデル的に行われておることですが、一千五百万台という大変な数が地方自治体の廃棄物処理問題で非常に困っておるのですね、この大きな家電製品については。ですから、東京都が二十三区、来年だそうですから、できるだけ速やかに全国的にこうした仕組みで大型家電製品が回収されるように、そしてリサイクルの方向に進むように、ぜひ通産の方で積極的に御指導いただきたいということを最後に大臣にお尋ねをして、終わりたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 大変貴重な御意見を賜りましたので、先生の趣旨を体して、その実現のために努力をしてまいりたいと思います。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 ありがとうございました。終わります。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 これにて松浦利尚君の質疑は終了いたしました。  次に、鈴木久君。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)分科員 私は、特に新しいエネルギーといいましょうか、そういうものをより活用するという意味から、分散型電源の活用問題についてお尋ねをしたいと思っております。  先般、一月二十一日に、電気事業連合会が新しいエネルギーなど分散型電源から余剰電力を購入するという方針を打ち出しまして、いずれ具体的にこれが実現する運びになっているようでございますけれども、その背景は恐らく電力の供給問題で、夏場のピークに電力の需給問題の大変厳しい状況が続いている、あるいは長い目で見ても、いわゆる電力の需給計画そのものについても大変厳しい状況に今なっているように思います。また、地球環境レベルでもCO2の問題があって、排出規制が国際的な議論を呼んでいる。もう一つは、私は、大規模集中立地型で今日まで、特に電力のコストという問題を中心にそういう電源のエネルギー供給というものを行ってきたと思いますけれども、火発にしろ原発にしろ、特に原発の場合は、これから新しい立地を今の皆さん方の計画ではあと四十基ぐらいやるんだというような計画を持っているようですけれども、これはまさに厳しい状況に立たされていると思うのです。こうした問題と同時に、原発の場合は間もなく廃炉問題が議論になってくる。現在稼働している原子力発電所も廃炉をして、またそこに皆さん方の計画でいうと、新しくつくり直すとしてもかなりの期間これはかかるわけでして、そういう意味からすると、今までの集中立地型のこういう大規模発電方式だけじゃなくて、新しいいろいろな電源を活用していくという方向を打ち出さなければならなくなったのではないか、私自身はそういうふうに思っているわけでございます。  特に、新エネルギーというものが技術的にもどんどん発達をしてきたといいましょうか、研究開発も進んできている。実用化している問題で言えば、熱供給を含めたコジェネがかなり都市部を中心に実用化をしておりますし、燃料電池も普及をし始めている。さらに、研究開発から一歩実用段階の実証試験を皆さんおやりになろうとしている太陽光発電の問題や、風力発電というふうなことなどについても研究段階からいよいよ実用段階へ、こういう段階を迎えていると思います。もう一つ、そういうものを現在の電力会社が供給している既成のシステムと連系をする系統連系技術も、これはもう低電圧レベルでも大丈夫だというところまで恐らく進んできたからこういう政策が打ち出されてきたのではないかというふうに私は思っておるわけでございます。  そこで、特に私は、そういう意味からして分散型電源の活用問題を積極的に進めてほしいという立場から幾つかただしたいと思うのです。こういう新しい政策を打ち出されたわけですから、これは業界がそういうふうに言っている、行政もこれに呼応してまさに分散型電源元年と言えるような施策をどんどん打ち出してほしいな、こういうふうに私は思っているわけでございまして、そこで、推進のための施策として、サンシャイン計画の後、皆さん方でいろいろと研究開発を進められておりますけれども、特に燃料電池、太陽光、これらの研究開発の状況、そしてこれから実用化に向けてどういう状況に今進んでいるか、端的に今の実態をお示しいただきたい。

石原舜三通商産業省工業技術院長

○石原(舜)政府委員 先生御指摘の分散型のエネルギーは、御指摘のとおり、非常にクリーンで永続性のある非常に貴重なエネルギーのソースでございまして、私ども通商産業省といたしましては、太陽光発電、風力発電、燃料電池等を、サンシャイン計画とムーンライト計画を中心に研究開発を行っているところでございます。  先ほどの御指摘のうち、太陽光発電について端的に申し上げますと、太陽電池の製造コストを開発着手時の約三十分の一まで低減することが現在できております。風力発電につきましても、中小規模、数十から二百五十キロワットぐらいでございますが、中小規模の風力発電施設につきましては、先生既に御指摘のとおり実用化の段階に至っております。燐酸型の燃料電池につきましては、小型のものにつきまして商業化の段階にこぎつけているわけでございます。今後とも一層のコストの低減、信頼性の向上あるいは大型化等を目標にしまして研究開発を着実に推進していきたい、そういうふうに考えております。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)分科員 そこで、電気事業連合会の方も、余剰電力を買います、こういうふうになりました。そのときに技術的レベルも問題になるわけですけれども、いわゆる系統連系をする技術の問題ですね。これは完全にクリアされた、こういうふうに考えでいいのかどうか、それが一つの問題。同時に、その系統連系をするために必要なインバーターとか、そういういわゆる系統連系システムの問題が、これはコストを低減させることを含めて現在どういうふうな推移にあるのか、この点をまずお示しいただきたい。

山本貞一資源エネルギー庁長官

○山本(貞)政府委員 今先生御指摘の、新エネルギーあるいはその他燃料電池等につきまして一月に電気事業連合会が積極的な方針を打ち出したというのは御指摘のとおりでございます。私ども資源エネルギー庁あるいは総合エネルギー調査会あるいは電気事業審議会等におきましては、そういう分散型電源あるいは再生可能エネルギーの分散型電源を積極的に活用するというか、買うようなことを答申もいただきまして、これは昨年六月でございますが、その方針に沿って電力会社がそういう方針を出されたということだと承知しておるわけでございます。  系統連系につきましては、今先生御指摘ございましたが、例えば、電流が一般の系統に流れた場合に周波数の問題あるいは電圧の問題、あるいは逆に流れた場合に工事をしているときに事故に遭うというような問題とか、いろいろ技術的な問題もございます。そういう問題について実は今NEDOに委託いたしまして、そういう技術的な問題の実証テストをしておるところでございます。これは平成五年度ぐらいまでかかるわけでございますが、私どもとしては、その最終的な結果を待つ前にできたら平成四年度中にその技術基準というのをつくり上げようということで、繰り上げをいたしております。  実際の技術開発の状況でございますが、それほどというか、まだ技術開発ができていないものがあるというより、先生御指摘のようなコストの問題、いかに低廉にするかという問題が主としてある。それから、基準を統一的にするというところが問題というふうに認識しております。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)分科員 今度業界が発表した購入方針の中に、これはいわゆる熱供給事業でやっているコジェネレーション、こちらと、今東京瓦斯や大阪瓦斯が既存の自家発電をガスタービンと組み合わせてやったり、あるいは新しくガスタービンと発電を一緒につけて熱供給事業をやっていて余った電気がたくさん出ている。例えば幕張なんかもそのとおりですし、東京の例の新宿の副都心の熱供給事業なんかを見ても、どうも余剰電力がたくさん出る。これらについてはまだ方針は決まってないですか。

山本貞一資源エネルギー庁長官

○山本(貞)政府委員 先般、電気事業者が方針を打ち出しましたのは、御指摘のとおり太陽光それから風力、これについては、売っている値段と同じように買いましょうという世界にも例のない積極的な方針でございます。それから、あと燃料電池それからごみ発電、地熱発電、このあたりにつきましては、アメリカでいえばアボイデッドコストという概念があるのですが、そのときにほかの例えば火力発電を回せば幾らかかるかという電源コストで買うという、基本的には考え方はそういうことですが、個々にはそのあたりはさらにもう少し詰めることになっておりますが、そういう考えてこの前、積極的に買おうという方針を出したわけです。  今、先生御指摘のガスコジェネレーションとかコジェネレーションで起こる電気につきましては、実はまだそういう統一的な方針が出ておりません。今私どももいろいろ勉強しておりますが、電気事業者の方でそのあたりについては今各社協議中というふうに聞いております。ただ、もう各電力によって今申し上げましたような方向で考えようというところも一部あるようでございます。今後、また燃料電池なり、今申し上げましたようなごみ発電というような基準をつくったのと近い形、あるいはコストは違うにしても、そういう基準をそのうち打ち出せる可能性もあると思っておる次第でございます。そのあたりは、また私どもも電力会社とも協議してまいりたいと思っております。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)分科員 なぜこんなことを申し上げるかというと、私はこの間幕張に行ってみてつくづく感じたのは、一つの幕張の地域をちょうど半分にして、こっちは東京電力、こっちは東京瓦斯、そして電力の供給だけは依然として全部電力会社がやる、こういう格好になっていますけれども、片一方の東京瓦斯がやっている熱供給事業で十分にここを供給できるだけの電力が余っているのですね。これをもし系統連系して余剰電力を活用すると、東京瓦斯だけでもあの地域の熱供給と電力を賄うことができる。逆に東京電力は、ヒートポンプを使って未利用のエネルギーを吸収して熱供給事業をやっていける、それで全部カバーすることができる。どちらもカバーすることができるのです。ところが、どうも両方相入れないものがある。そこはやはり系統連系を含めた余剰電力の購入、どうしてコジェネをやらないのか、ここに私は前から疑問を持っております。それは業界同士の問題があるのかもしれない。しかし、むしろそれを乗り越えるために、国の施策としてそういう方向に一歩踏み出すべきなのじゃないか。太陽光をやり燃料電池をやり、ごみ発電まで全部系統連系、いいですよ、電力業界で買いますよと言っているのに、一番実用化している、大きな余剰電力の可能性のあるコジェネの電力をどうして買わないのか、これはどうしても私は納得ができないことなのです。どうしてなのか、それをお答えいただきたい。国の政策的なもので問題があるのか、それともむしろ業界同士の問題があるのか、その点も含めてお尋ねをしたい。  特に、ピーク時対策でガスが有効であるということは御承知のとおりなんですね。夏場にガスはいっぱい余るのです。このときにどんどんとガスタービンを回して余剰電力をつくっていけるというシステムができているわけですから、ピーク時対策上もこれはやってしかるべきこと、こういうふうに私は思っております。ですから、今の点はどこに陽路があるのか、どうしてそういう新たな政策で国の方が、行政がもう一歩前に出られないのか、この辺のところをちょっとお尋ねしたい。

山本貞一資源エネルギー庁長官

○山本(貞)政府委員 先ほど申し上げましたこと、あるいはちょっと私申し上げ方が不十分であった点があるかと思いますが、コジェネレーションの電気について、各電力会社は今でももちろん買うことができて、個々にはそれをやっているケースがあるわけです。典型的なのは自家発なんかもそうですが、町の中で行われるものについて一部個別の契約でそういうことをやっておるわけです。ただ、九竜九全部が統一的な方針で、幾らぐらいの値段でという基準がまだできていないということを申し上げたわけです。具体的にはもう進んでおります。  ただ、先生御指摘のように、確かに幕張の件はそういう形になっているのは事実でございます。このあたりにつきましては、そこで起きた電気についてはその中で使う、一般の供給はできないという電気事業法上の制約もございます。その点は先生の御指摘のとおりでございます。これにつきましては、電気事業法の中で電気事業者に供給義務を課しておりまして、その供給区域の中で発電を特定の人がなされて、それを非常に密度の高い収益が上がるところを別の例えば東京電力以外の人がそこで供給した場合、そういうところがどんどんできた場合に、そのほかのところが非常にコストの高い電気になる。それが一般の需要者に非常に高い電気あるいは不安定な電気を供給するということになります。いわゆるクリームスキミングに対してそこはやはり問題があるという法制論から、今電気事業法の中で一定の制約がございます。  ただ、先生御指摘のとおりそういう分散型電源、コジェネレーションも含めて今後活用するという状況にもあると思いますし、政策的にもそういう方向へいっていると私は思います。そういう意味で、その範囲内でいろいろな仕掛けなり努力をして、各電力会社とガス会社が協力をして、競争しながら協調していただきたいと思っておる次第でございまして、そういう方向で私どもも行政を進めたいと思っております。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)分科員 今の点は、業界同士の話だけでは利害があるのだからなかなか難しいように私は思うのです。むしろ通産省、資源エネルギー庁が積極的に一歩前へ出て、この問題は、分散型電源を今後どんどん使う、活用するというふうな立場からいうと、国がむしろ政策誘導をすべきじゃないか、こういうふうに私は思います。  供給責任の話が出ましたから、その問題でもちょっとお尋ねをしたいのですけれども、今の電気事業法は確かに電力会社に供給責任を負わせております。ですから、分散型電源でそれぞれ個別に自家発電をやったり、そういう地域の供給をやったりしていても、何か一たん緩急あればそれは電力会社に供給責任があるから、ダブルに仕掛けをして全部やらなければならぬ、だからむだな経費もかかるんだ、そんな意味でのお話がいつもあるのですけれども、実際は系統連系したらそんなことはない、こういうふうに私は思っているのです。系統連系がきちっとできて、そして通常はその地域の中を、コジェネをやっている地域ならコジェネをやっている地域の電気だけは責任を持たせておいて、系統連系しているのですから足りなくなれば電力が供給できる、そういうシステムになればそんな理屈は成り立たないですよ。ですから、この分散型電源を本格的に活用するということであれば、供給責任の問題まで少し踏み込んで、いわゆる特定供給地域の拡大という方向へそろそろ進むべきなんじゃないか、私はこんなふうに思えてならないのです。  私は、後でちょっと質問しますけれども、ごみ発電のいろいろな勉強をしてきて、そのときも思いました。結局のところ、自治体のエリアしか自家発電した電気を利用することができない、一歩でも隣のところが利用しようとすれば、供給責任と特定供給地域の問題ではさっと切られてしまう、こういうことで、今の電気事業法は分散型電源を活用するのにはちょっと問題が多過ぎると思うのです。ですから、どうでしょう、特定供給地域の拡大の問題についても、今すぐこうします、ああしますなどと言えないのはわかっているのですが、この際そろそろ検討を始めないと分散型電源の活用は十分にできない、こういうふうに私は思うのですけれども、どうですか。

山本貞一資源エネルギー庁長官

○山本(貞)政府委員 先生が今御指摘の意味ではまさにそのとおりだと思います。ただ、私が先ほどちょっと申し上げましたのは、クリームスキミング論の場合は、特定の地域を分散型電源でやられた場合に、例えば非常に収益の上がらないところだけが電力に残る、そういう意味でのことを申し上げました。そうなると、その特定供給区域の人はい。いのですが、そのほかの方が困るということを申し上げたわけでございます。  ただ、先生がおっしゃるような大きな流れ、これは私どもも十分わきまえておりまして、昨年六月の電気事業審議会の基本問題検討小委員会の報告では、そういう分散型電源の活用、積極的な買電、あるいは今おっしゃったようなそういう協力関係ということについても言及されております。私どもも、先生今おっしゃった趣旨を踏まえて進めてまいりたいと思っております。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)分科員 そこで、ことしから予算も計上されて、太陽光発電の実証フィールドテストが開始をされる、こういうことになりまして、大変これはいいことだなと思っております。どんどん推進してほしい。そして、これは今回は百五カ所ですけれども、毎年どんどん拡大をしていってほしいというふうにも思います。  そこで、実証フィールド試験というのはどのぐらいの期間どういうふうにやるのかということもお示しいただきたいのと同時に、公共施設に特にやるという方針のようですけれども、特に公的な病院、私的な病院も同じなんですけれども、病院の場合には必ず予備電源が必要なんです。これは一たん緩急あるときには常に予備電源を持っている。それも、まだ大概の場合はエンジンを持っているんですね。これはなかなか起動するまでに時間を要したり、技術者を常時配しておくことは大変なんです。ですから太陽光のパネルを張る、同時に蓄電装置をつける、予備電源はむしろそういうソフトエネルギーでもうそろそろやる時期なんじゃないか。そういう場合に、これは国の援助というものも必要になってくる。実証テストそのものには全面的援助だ、そうじゃなくて、実際にこれからどんどん全体的に普及させていくという意味でそういう方針を私はおとりになるべきなんじゃないか、こんなふうに思っているんです。実証テストの問題等将来のいろいろな、これをどういうふうに活用していくかということを含めて、今私が申し上げたようなことをどんなふうに考えでいらっしゃるか、お答えいただきたい。

山本貞一資源エネルギー庁長官

○山本(貞)政府委員 太陽光発電のフィールドテスト事業、今先生御指摘ございました件につきまして、平成四年度予算で私ども八億四千五百万をお願いをしておるわけでございます。今の見込みでは大体十三件ぐらい対象にして、そこから、やはり今先生おっしゃいましたように、運転データの収集といったようなことを図っていきたいと思っております。三分の二の補助率を考えておる次第でございます。これは今後とも全国的にいろいろな場所も分ける、あるいは形態も分けまして、組み合わせをもう少し来年度以降も含めて続けてまいりたいと思っておるわけでございます。  御指摘の病院の非常用電源という話もございました。そのあたりについては今後また勉強いたしますが、ただ、非常用電源は、性格上何かあったときに急に働かなきゃいけないというようなものでございますので、一般的には、今ディーゼル発電機のようなものでやっておるわけでございます。太陽電池でやって起こした電気をどこかへ蓄電しておくという仕掛けであればその蓄電池からできるわけですが、蓄電池だとすれば、普通の電気を蓄電してやる場合もあると思います。そういう意味で、病院等も含めて、私どもとしては今公共的なところということを考えております。ただ、病院等につきましては、燃料電池について同じフィールドテストの対象になると思います。今後それはまた勉強はいたしますが、今先生御指摘のような点については別な方法が適当なのかなという気もいたします。御了解いただきたいと思います。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)分科員 どうか、燃料電池を含めて、実証テストでは、本当にそういうソフトエネルギーをどんどん活用していくという意味で推進方をお願いしたいと思います。  時間がありませんから、最後に、これは委員会で議論してもいい課題なんですけれども、ごみ発電、一般的にこみ発電というのは正確じゃないんですけれども、廃棄物発電法を議員立法で今私どもは国会に提出をして、継続審議にはなっておりますけれども、このことでちょっと通産当局の考え方をお尋ねをしたいと思っております。  この内容はもう既に御案内のとおりでして、余剰電力の買い取り義務を課しております。それはもちろん、一定の基準と規格がある電力という意味でございます。もう一つは、買い取り価格を定めるという問題ですね。多分一番引っかかっているのは買い取り義務問題で、電力業界がかなり厳しい意見を持っているということは十分承知しています。しかし、これは一定のいわゆる電力の規格と、自治体が責任を持っている、廃棄物の発電の場合は。民間の問題じゃないのです。自治体が責任を持ってやるという仕事であるということから、さっき特定供給の問題もお話ししましたけれども、せめてここだったらやってもいいのではないか。余剰電力の買い取りという問題を考えてもどうしてもこれはやるべきじゃないか。厚生省や自治省は、このバックアップのためにいろいろな補助をつけたり起債を認めたりしている。じゃ、通産当局がこの問題で何をやっているかというと、私は、こういう発電の法律をこの際しっかり受けとめて、普及のために努力をしていただくということが今ごみ発電を普及させる一番の近道なのではないか、こんなふうに思っているのですけれども、いかがでしょうか。

山本貞一資源エネルギー庁長官

○山本(貞)政府委員 ごみ発電につきまして最近は非常に進みつつございまして、もう百カ所以上、三十万キロワット以上になったと思います。私どもも、先生御指摘のとおり、非常にこれは今後活用すべきと思います。社会党の今御指摘の法案も、私は、そういう意味で非常に時宜に適したものだと思うわけでございます。ただ、私どもといたしましては積極的にいろいろなことを考えますが、そういう意味で厚生省、自治省に努力していただいております。私どももNEDOを中心にして技術開発をして、今十数%の発電効卒でございますが、それをもっと高くするというような技術開発をやっておりまして、ほぼめどが立ちつつございます。そういう努力、それから先ほどの電気事業者が積極的に買うよという統一的基準を出すというようなことまで来たわけで、私ども通産省も決して座っているわけじゃございませんで、本当に一生懸命にそれを活用するように私どもとしては努力をしております。  ただ、買電義務という点については、欧米各国でも一部例がございますが、欧米各国でもそれでトラブルになってかえって進まないというのが実態でございます。調べてもそのようでございます。私どもとしては、電力会社が先ほどの積極的に買うという方向、それから私ども審議会をもとにしてそういう政策を打ち出すということ、あるいは私どもも電力会社にそういうことを要請するというような形で、欧米以上に進められるのではないかと思っておる次第でございます。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)分科員 大臣、ずっと聞いていただいたと思うのですけれども、これは前の大臣の総括質疑のときにも、岡田さんがいろいろ質問なされて大臣がお答えになったという経過もあると思いますけれども、どうでしょうか、余剰電力を積極的に買って分散型の電源あるいはソフトエネルギーと言われる本当にクリーンなエネルギーを普及させていくという、私は先ほど元年と言いましたけれども、そのくらいの気持ちでこれから取り組んでほしいというのが一つ。その方針を大臣からお聞かせいただきたいのと同時に、今の廃棄物発電の推進のためにも実はもう少し力を入れてほしいと思う。これは今、廃棄物の発電、廃棄物の焼却をしている施設というのは全国に千九百から二千カ所ぐらいあると言われているのですね。実際発電を行っているのは百カ所ちょっとなんです。そのうち、売電をしているのはまだ四割強ぐらい、四、五十カ所程度なんですね。だから、いろいろ調べてみると、潜在的にはどうも四百カ所ぐらいは今の施設でも十分だ、施設を更新すると。まだまだできる、こういうふうに言われております。そうすると二百万キロワットぐらいは潜在電力がある、こういうふうに言われている。ですから、厚生省や自治省はそこまで踏み込んできた。やはり一番大もとの通産省がもっとここには積極的に力を入れてバックアップをしていくべきで、それはもちろん、電力業界に対して技術力の指導とかなんとかそういうものも含めて、私どもはぜひ法案を成立させたいとは思っていますけれども、それとは別に、通産行政当局としてどういうふうに考えていらっしゃるか、最後にお尋ねをして終わります。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 これは先生のお株を取るようで申しわけありませんが、実はごみ焼却を発電に活用したらばということ、非常に重要な問題でありますので、私は通産大臣になる前、あの湾岸危機が起こったときに、東京だけでもこれが本格化すれば百万キロぐらいの発電ができるだろう。原子力一基になるわけですから、私は過去に厚生大臣、自治大臣をやっておった経験から、厚生省、自治省、通産省の公益事業部の皆さんと懇談して、これはぜひ次の新しい時代のエネルギーとして進めるべきだという考えで、「湾岸危機とエネルギー問題」という本を私は出しておりますけれども、これにクリーンエネルギーセンター、こういうことをやれば、今世間がもてあましておるところのごみをエネルギーに変えることができ、また一方、このごみ焼却というのは地方自治体にとって非常に大きな問題で、みんな嫌がりますものですから、日本人は英語が好きですから、ごみ焼却場と言うよりはクリーンエネルギーセンターと言えば地元でも受け入れるかなということで本を出したことがあるくらいです。今、幸いそれを進める職にあるのですから、先生と全くこれは同意見でありますので、ただ、行政上の問題で、今エネルギー庁長官が話したその買い取り義務をどうするかとかこうするとか、これらは今後検討の課題でありますが、基本的には全く先生の考えと同じでございますから、これを推進する努力を進めてまいりたいと思います。

鈴木久日本社会党・護憲共同

○鈴木(久)分科員 どうもありがとうございました。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 これにて鈴木久君の質疑は終了いたしました。  次に、菅野悦子君。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 きょうは、大変お忙しい中、商工中金の方には御出席を賜りまして、厚く御礼を申し上げます。  まず、商工中金における労働時間短縮の問題、それから男女平等待遇の問題など労働条件の問題につきまして、きょうはこれを中心にお伺いをしたいと私思っているのですけれども、初めに、本来の業務の関係について通産省にお尋ねをしたいと思います。  一、二部上場会社及び資本金十億円以上の会社に対する貸出残高ですけれども、九〇年三月末、それから九一年三月末で総残高の何%、額にしてどの程度になるのでしょうか、お伺いをいたします。

桑原茂樹中小企業庁計画部長

○桑原政府委員 お尋ねの数字を申し上げます。  商工中金の、平成二年三月末において一部、二部上場企業及び資本金十億円以上の企業に対する貸出残高、総計で六千百八十六億円でございまして、商工中金の当時の総貸出残高が約十兆円になっておりますので、この率を計算いたしますと、大体六・三%ぐらいになると思われます。  それから、一年後、平成三年三月末でございますけれども、このとき実は商工中金の貸し出しの集計方法が若干変更になりまして、一部、二部上場企業及び発行株式二千万株以上の企業、これは五十円にしますと十億円でございますから大体同じと思われますが、それで計算をいたしますと五千百九十三億円、総貸出残高に占める割合は四・九%ということになっております。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 それでは商工中金に伺いたいと思うのですけれども、その中に当座貸し越しも含めると何%になるか、額少にしてどのくらいですか、お尋ねをいたします。

宮本四郎商工組合中央金庫理事長

○宮本参考人 お答え申し上げます。  当座貸し越しの数字でございますけれども、これまでは、金融界の一般的な傾向、慣例、慣行と申しますか、当金庫もそうでございますが、各種の統計をとりますときに、当座貸し越しを除いて、純然たる貸し出しの金額でもって計算いたしておったところでございます。なぜならば、当座貸し越しそのものは、性質から見まして取引先の極めて一時的あるいは短期的な資金需要にこたえるためにする信用供与の形でございまして、通常の貸し出しとは性格が非常に違うということでございます。日本銀行の方でも例えば経済統計月報、これでいろいろ業種別の貸出残高その他のものの統計をとっておりますけれども、ここでも当座貸し越しは含まないということで数字を集めておられるということでございまして、当金庫におきましても、全体としての数字は別といたしまして、私ども、大企業、中小企業の州とかあるいは業種別とかそういう統計を持っておりませんで、これまでのところお答えするわけにまいらないということでございます。しかし、先生おっしゃいますように最近ふえてきておるということでございますので、これは何か新しい方法で、コンピューターを使っておりますので、コンピューターのシステムを改善してそういうことに間に合うようなことを今検討中でございます。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 当座貸し越しを含めた額がおっしゃっていただけなかったわけなんですけれども、もう御承知いただいているとおり、商工中金というのは「中小規模ノ事業者ヲ構成員トスル団体二対スル金融ノ円滑ヲ図ル為必要ナル業務ヲ管ムコト」ということを目的にしているわけでございまして、この目的を逸脱して大企業への貸し付けが年々増加しているのではないかということを懸念するわけでございます。当座貸し越しを貸出残高に含めないというのもおかしな話なわけなんですけれども、そういう点で、いわゆる大企業に貸し出しか可能な場合というのは、下請中小企業対策上やむを得ない場合など特別の事情がある場合ということになっておりまして、決して無限定ではないというふうに思うわけです。中小企業への影響が基本的な判断基準になっているのではないかということだと思います。  そこでお尋ねしたいのですけれども、この通達の指導の範囲を超えて大手企業、例えばセントラルファイナンスなどに不適切かつ違法な貸し出しなどしているという事実はないかどうか、お伺いしておきたいと思うのです。

宮本四郎商工組合中央金庫理事長

○宮本参考人 ただいま御指摘のように、私ども商工中金は主として中小企業の事業者を構成員とする団体に対する金融の円滑化、これが法に定められた目的でございまして、そういうことに努力を傾注させていただいておりますし、そういう当局の御指導も受けておるところでございます。ただ、そうは申しましても私どもの金融は組合員に対する組織金融ということでございます。組織組合を結成する場合には、例えば中小企業等協同組合法にも書かれておりますように、場合によりましては大企業も入っているという組合が存しておりまして、私ども、組合のメンバーであるということからして大企業に融資ができないわけではないわけでございます。  ただし、先ほどのように私どもこれをできるだけ抑制す合ように考えておりまして、この大企業という場合には一部上場の大企業もございますし、二部上場であってなおかつ一部上場の大企業に準ずるようなものもございますし、さらに、先ほど統計の中でお話がございましたけれども、昔は資本金が十億円以上で、今日では発行株式が二千万株以上で一部上場に匹敵するようなもの、こういうグループを私どもは大企業グループと呼んでおりますが、これを抑制的に運用するということでございます。これに対して融資をする場合はないわけではございませんが、御指摘のように、一、二例を挙げさせていただきますと、例えば所属組合の組織維持あるいは強化に資するためにはやむを得ないというケースがございます。あるいはまた地場産業の中核企業ないしは公共的な色彩の強い地元の産業、例えばこれは城下町とかあるいは繊維の産地とか、特色のあるところには大手の企業もございますし、中小がたくさんというところでは大企業の融資をいたしておるということでございますが、その点につきましては私ども厳重に指導いたしておりまして、抑制的に配慮いたしております。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 質問に簡潔にお答えいただきたいと思います。  収益力の向上ということで、そのためということで、効率的かつ健全な大口貸し出しの推進ということなども目標にされておるようでございまして、収益第一主義というふうな評価体制が目立つのではないかと思うわけなんです。二月二十七日に通産省が公表した中小企業金融環境調査というのがあるのですが、これを見ても、バブル経済崩壊のあおりを受けて相当中小企業は大変なようでございまして、資金調達の現状が非常に厳しい、そして、今後にも不安を抱いているということがはっきり出ておりますので、ぜひ目的を逸脱することのないように、本来の目的に沿ってこの中小企業の育成、そして円滑な融資ということをぜひ御努力いただきたい。理事長にも強く御要望申し上げておきたいというふうに思います。それはそれで御要望にとどめておきます。  次の質問なんですけれども、銀行業務検定試験の受験の問題についてお伺いしたいと思います。  検定試験を行員の皆さんに積極的に督励しておられるようなんですけれども、これは業務遂行上必要なもの、不可欠なものというふうな位置づけになっているのでしょうか。

宮本四郎商工組合中央金庫理事長

○宮本参考人 実は先生の御質問の前に、私どもが先般スタートいたしましたコース別資格制度というシステムのことを一言申し上げさせていただきたいと思います。  実は、金融の自由化、国際化、それから銀行業務の範囲の拡大あるいは新商品の続出等々がございまして、行員の資質、素質、私ども中小企業が主たる取引先でございますが、その人たちに十分なサービスを提供するためには新しい勉強が必要だということを前から痛感しておりまして、他方、私ども職員の中でもいろいろ能力を持っている方がたくさんおりまして、こういう人たちの適材適所を考えた場合に、従来の一般職ということで一本やりの資格の制度がございましたのを二本立てにいたしまして、総合職と一般職に分けたわけでございます。そこで、総合職と一般職のそれぞれの適性に合うようないろいろな勉強あるいは研修ということが必要になってまいりまして、その一環として私どもがお勧めをしておることは事実でございます。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 ということは、検定試験も業務上必要だということでやっておられるというふうに理解していいんですね。業務遂行上必要なもの、不可欠なものだという位置づけで試験をやっているということは確認していいんですね。その一言。

宮本四郎商工組合中央金庫理事長

○宮本参考人 私どもは推奨いたしておることは事実でございます。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 昨年の十月二十七日に行われました業務検定試験の結果を見てみますと、法務三級という合格者が九十九人で受験者の五五%、それから二級の合格者は百五人で二七・六%、大変難しい試験のようでございますね。業務に必要な受験ということなんですけれども、そういう位置づけであれば、勤務時間内に受験準備をやるシステムということになっているのでしょうか。これを昇給昇格の一つの基準にしているようなんですけれども、この点も間違。いないかどうか、簡潔にちょっと確認をしていただきたいと思います。

宮本四郎商工組合中央金庫理事長

○宮本参考人 先生の御質問は通信教育のことかと存じますが、よろしゅうございますか。これは自己啓発の一環として位置づけておりまして、あくまでも自発的な能力開発、つまり、みずからその能力を高めていく意欲と実行力を期待いたしておるところでございまして、これは確かに受講するように指導はいたしておりますけれども、時間外の問題と考えております。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 昇進昇格の基準ということでは、この辺はどう考えていらっしゃるのですか。

宮本四郎商工組合中央金庫理事長

○宮本参考人 私どもは、こういう昇格の基準といたしましては一定の物差しを腹の中には持っておりますが、この試験に合格したから直ちにイエスとか、合格しないから直ちにアウトとか、そういうことは考えておりませんので、現に試験に合格しなくても能力のある方は資格試験に認定されまして、上級の資格を取っておられますし、試験に合格しても受からない方もございますので御理解賜りたいと思います。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 実態としては、やはりこれを一つの参考にしているということはあるというふうに聞いているのですけれども、そういうことはありますか。

宮本四郎商工組合中央金庫理事長

○宮本参考人 一般的な考え方といたしましては、なるべくそういう資格を取ればそれだけの能力があるということが判定しやすうございますので、またそれだけの実力が身につきますので勧めてはおりますけれども、しかし、資格要件の必須のものと考えておるわけではございません。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 「自己啓発のすすめ」というものを見ますと、これらの試験に合格するために、店内勉強会を早朝あるいは夜、あるいは通信教育でやっておられて、そういう奨励制度まで設けて実施されているということのようなんですね。ですから、自己啓発とはおっしゃってはおりますけれども、実態としては相当強制なのではないかと思うのです。ぜひそれを受けなさいというふうなことをやられているようなんですけれども、これには残業手当というものがついているのでしょうか。

宮本四郎商工組合中央金庫理事長

○宮本参考人 私どもは、強制させているという考えは全然持っておりません。別途、こういう職員に対しましていろいろな角度からの研修制度を持っておりまして、これは勤務時間中にやっておりますけれども、それとは別のものと考えております。したがいまして、最終的には各人の判断によりまして、各人の意思に基づきまして行われているところでざいまして、私どもは、これで受けないからどうのこうのというようなことは考えておりません。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 職場の状況の中では、やはりこの試験に受かるということが相当皆さんにはプレッシャーになっておりまして、一生懸命受けているようなんですね。  この試験ですけれども、通信教育を受けて早朝学習にも参加してもなかなか容易に受からないというふうなことがあって、現場では三カ月ぐらいの間は自宅で独習して、土日も全部つぶして頑張るぐらいやらぬとだめだというふうに行員の皆さんはおっしゃっているという状況があります。ところが、理事長、そういうふうにおっしゃっておりましたが、やはり実態としてはこれが評価の基準の一つになっているというのがどうも状況のようでございまして、これに挑戦しないと昇格できないというふうな仕組みも実態としてはあるやにお見受けするわけなんです。だから、結果的にはそういうふうに頑張って頑張ってやらねばならない。そういうふうにやるためには、家事とか育児という負担を持っている女性にとっては、非常に不利な状況にあるということは言うまでもないわけなんです。  必要な教育を自己負担で、自己努力で、そして私生活にも相当いろいろな意味で束縛されながら頑張っているというふうな状況があるわけなんですけれども、この点で、こういうことがやられているということはいかがなものかなというふうに思います。といいますのも、通産大臣にぜひお伺いしたいのですけれども、通産省はこのところ、時短とか女性の社会進出という問題については相当面期的な提言をどんどん打ち出しておられるわけなんですね。だから、そういうところから見てどうなのかなと私は思うわけなんです。  例えばゆとり社会懇談会の中間報告には、「偏差値偏重教育や年功序列を超えた能力主義の導入など、過度の競争を抑制する必要がある。」こういうふうなことが指摘されているのです。ところが、片や一方で、すぐに所管するといいますか、そういうふうな商工中金があったりで、現実問題としては、私生活まで束縛されるような状況の中で行員教育、管理のあり方ということがやられているということについては、これはもう労働時間の短縮どころの騒ぎじゃないというふうに思うのですけれども、その点で、こういう問題、大臣としてはどんなふうにお考えになるのか、ぜひ御意見をお伺いしたいと思うのです。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 大変お褒めをいただいて恐縮でございますが、通産省のみならず宮澤内閣全体として、生活大国日本というのが目標でありますから、ゆとりのある生活、そういう中で、労働者の皆さんの時間短縮、これは極めて重要な問題、またこれは貿易摩擦等の問題にも関連しておりますから、あらゆる面でこれは大事なことだということで取り組んでおりますし、また、産業政策の立場でいくと、大企業と中小企業、それぞれ力の差がありますから、ですから中小企業の皆さんも、経営状態を悪くするようなことなくて、しかも職場環境がよくなり、時短もできるということで、今中小企業の省力化、こういうことに向けて力を尽くしておるところでございます。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 それで、ちょっと話を変えまして、商工中金の方に確認だけしておきたいと思うのですけれども、七九年以前の人事制度なんですけれども、このときには二十五歳まではすべて男女同一賃金でしたね。それから、だれでも五十一歳になれば自動的に現行の総合七級、副主事になることができたということだったと思うのです。また、一般職女性も役付の職員になれた。もちろん現行制度ではこの可能性はなくなっているわけなんですけれども。  現在、総合職の最下位資格九級の女性は、コース別人事、この制度の導入以前なら、最低の昇格者でも三十六歳になれば自動的に、現行の総合八級、これに相当する事務二級六号俸になれたということを伺っておるのですけれども、以前の人事制度では。この点、間違いがないかどうか、一言お伺いいたします。

宮本四郎商工組合中央金庫理事長

○宮本参考人 先生の最初にお話しの点は大体そのとおりでございますが、新しい制度に変えたわけでございますので、新しい制度で昇格のチャンスがなくなったかどうかについては、私どもむしろ逆に考えておりまして、女性の昇格をうんとしたいから新しい制度を起こしたんだと言いたいわけでございますし、それから、移行時の八級相当のというお話でございますが、これは別のシステムになったものですから比較のしょうがないので、その点はちょっと私どもは確認できません。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 女性を積極的登用ということで新しい制度をというところを、私もぜひ心にとめて御質問させていただきたいと思うのです。  今の考課のABCランクの基準というのがよくわからないですし、また、五段階評価の基準もなかなかはっきりしないという実情があるんじゃないかというふうに思うのですね。お聞きしますと、例えば三年間、それぞれ三、四、五とか四、四、五とか、四以上の評価を平均して得ないと、昇級の際、可能性がないと言われるということで、女性の多くは現実問題としてはもう圧倒的に二だというふうに聞いているんです。  総合職の五段階評価、このそれぞれの基準、これを、なぜ、どういうふうな基準で五、四、三、二、一という評価があるのか、ここのところをちょっと、ぜひお聞きしておきたいと思うのですけれども。

宮本四郎商工組合中央金庫理事長

○宮本参考人 先生御指摘のように、私どもの人事考課につきましては、まず個々の職員の日常的な業務遂行状況、これを、業績と業務態度と能力の三つの面から観察をいたしておりまして、そうして、ある二足のレベルを腹に持っておりまして、それとの比較でA、B、Cと三つに分けて評価するわけでございますね。そして、この三つの段階で、それらの結果から今度は総合的な評価を下すわけでございまして、これは一、二、三、四、五ということになるわけでございます。  ただ、これの基準につきましては、本人の仕事の量的、質的な側面だとか、あるいは本人の知的、行動的な側面だとか、私どもはいろんな側面から総合的に判断して決めるということでございますので、私どもの人事の部内の仕事としてやらせていただいておりますが、ただし、判定の結果につきましては各職員にフィードバックいたしまして、知らせておりまして、さらなる努力を求めておる、こういうことでございます。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 試験の結果が明確な基準になっているわけではないということは先ほどお聞きしているところなんです。確かに、試験に合格しなくても男性は昇級している人が結構いるというふうな具体的な事実があるわけでして、だからそういう点で、いろんな評価、おなかに入れてみたいな話も今ありまして、総合的にということがあったわけですけれども、どうしたら昇格できるのかという明確な基準が、なかなか、今お話を聞いていてもよくわからないわけなんです。  それで、具体的な話に移らせていただきたいと思うのですが、大臣にぜひこの表を見ておいていただきたいと思うのですけれども、そこに「表−一 総合職女性」の「男女格差一覧表」がございます。これは、商工中金で二千人ぐらいいらっしゃる女性の中で、頑張るということで総合職を選んだ女性の皆さんの中の一部、二十名ぐらいの方の一覧表なんです。  例えば上から五人目、浜松支店に勤務する船越さんという方がいらっしゃいます。この方は、総合八級を三年以上経験して、次の七級Bへの昇格対象者なんです。業績はAです。頑張って研修にも三回参加をいたしまして、合格せずに昇格した人が男性なんかにも数十人いる中なんですけれども、船越さんは法務二級にも合格しているのです。それでも能力C、勤務態度Cということなんですね。病気で休んだわけでもない。何でですかと言ったら、上司の言うことを聞かなかったというのが理由らしいのです。それはどういうことなんですかと聞いても満足な回答も得られなかったということで、結局、評価二なんですね。ですから、評価二では先ほども言いましたように全く上がれないわけで、客観的な基準がようわからぬというのが現実としてあるわけです。  それから、下から四人目の難波いつみさん、東孝子さん、伊藤晴代さん、この三人は、今ちょっと理事長、旧制度と直接比較はならないと。いうようにおっしゃいましたけれども、旧制度なら最低でも総合八級に昇級しているはずなんです。それで、上がっていないものですから、月給で五万円相当の格差が生じる。総合職を選択した女性たちというのは非常に意欲も高くて、仕事もきちんとやっている。にもかかわらずこんな状況にあるということなんですね。  それで、「図−こという資料のところを、下の方の資料を見ていただきたいのですけれども、三十六歳になっても九級に据え置かれた場合は、三十六歳から一般職の女性よりも給料が下がる仕組みになっているのです。頑張って総合職を選んで一生懸命やっているにもかかわらず、給料が下がる。この一番下の太い線ですね、こういう状況になるわけで、だから非常にこれ、ちょっと一体どうなるのかなというふうに思うのです。しかも今聞いていただいてわかるように、昇級のポイントになる五段階評価にはちょっと明確な基準がどうなのかな。管理職の胸先三寸ということではないか。だから、旧制度の既得権も否定された、本当にちょっと差別的扱いというふうに言ってもいいような実態がある。大卒男性は五年目でほとんどすべての人が総合八級に昇級しているのです。一方、十八年以上も一生懸命商工中金を支えてきた、そんな女性たちが何でこんな処遇を受けなあかんのかということ、本当ようわからぬのです。ですから、その点をぜひお考えいただきたいと思うのですね。  商工中金の方にお伺いしたいのですけれども、やはりこういう制度全体のあり方、頑張っていたにもかかわらず一般職より落ちてしまう、こういうふうなあり方というのはどうも納得できない。しかも今ここに、私何人か具体的に名前を挙げた、特別この人どうなんだということで紹介させていただいた方、この方の適正な処遇などについてはぜひ御検討いただきたいというふうに思うのですが、商工中金の方のお答えをぜひいただきたいと思います。

宮本四郎商工組合中央金庫理事長

○宮本参考人 ただいま先生御指摘の中で、特定の個人の問題でございましたけれども、この件につきましては私ども、個人ということで答弁を差し控えさせていただきたいと思います。  しかし、一般的に言いますと、およそ総合職を選ばれた、しかも相当の年数の背景がございまして一般的な知識はお持ちでございまして、ちょっとやる気が出てまいられるとぐっと前進いたしまして資格も上級職に上がられたというふうなことも事実でございまして、その点につきましては非常に、私ども見ておりまして、見る人が見たらやはりわかるんだなということで意を強くいたしております。  ただ一点、お示しのそのもとの一般職のグラフ、それから新しい制度の総合職九級のグラフが逆転するところがございますね。この点につきましてはいささか前から気がついておりまして、私は時間をかけてこれを調整しようとは思っております。現にそれをやっておるのでございますけれども、もう少し何かうまい調整の方法はないものかということで検討を続けるということを申し上げさせていただきたいと思います。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 ぜひそういう形で前向きに御検討いただきたいというふうに切にお願いしておきたいと思うのです。  さらに、もうちょっと言わせていただきたいのです。  例えばこの総合職コースを選択している兵庫・神戸支店の東孝子さんの場合は、現在二歳と五歳の子供さんを抱えておりまして育児に大変な最中なのですね。でも、上司から試験を受けてみい、努力が見えない、もっと頑張れというふうに言われまして、本当に一生懸命昨年から法務の試験に挑戦しているということがあるのです。子供たちが寝ついてから通信教育の勉強をして、勤務終了後にグループ勉強にも参加して、かつ債券の仕事に回すから自動車の免許も取れと言われまして土日とか夜間には自費で今自動車学校にも通っているようなめです。私的な時間は本当に何にもない、家族にも大変な負担をかけていると言いながら、一生懸命家族の協力も得てこれ以上できぬというほど頑張っております。それでもなかなか評価がされない。東さんはせめて八級に上げていただきたいということを切に要求しているということをぜひ知っていただきたいというふうに思います。それだけの仕事はしているというふうにも思うのですね。  それから、難波さんの場合も同様なのです。この方は総合職ということで姫路支店に配転をされまして、六時半過ぎには家を出て朝学習に参加しているようです。この方は五歳と十一歳の子供を育てながら、電車の中で、あるいは夜中に勉強して、必死に頑張って法務三級に合格をしたというふうに聞いております。  資料をごらんいただいたらわかるとおりなのですけれども、同期入庫の男性行員との賃金格差が何と倍以上出ているのですよ。倍の能力の格差がある。そういう能力の差とは一体どういうことなのだろうか。私は本当に説明がどうなのかなというふうに思うわけでございます。ですから、そういう点で、とりわけ政府系金融機関にあってこういうふうな男女差別ともいうような実態があるということは大問題と思いますので、これはぜひ大臣に御見識ある御答弁をいただいておきたいというふうに思うのです。一言よろしくお願いいたします。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 さっきちょっと答弁が不十分でしたけれども、通産省、これはもう男女の差別など全くありません。  御承知かと思いますが、今基礎産業局長の奥さんの坂本春生さんという方などは生活産業局の総務課長をされて、非常に評判がよくて、札幌の通産局長に行かれて、これも大変に札幌の、北海道の皆さんから期待されて、今は退職しておりますけれども、この前、北海道の知事選挙に出たら当選したのではないかと言われているぐらいですから、これは恐らく商工中金でも男女差別などということは今日の社会であり得るはずはないと思いますので、ひとつ信頼していただきたいと思います。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 そして、あと一言……。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 あと一言ですか、大分時間が経過をいたしておりますので、ひとつ結論をお願いをいたします。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 それでは、よろしくお願い申し上げまして、時間が参りましたので、終わります。

小澤潔自由民主党

○小澤主査 これにて菅野悦子君の質疑は終了いたしました。  次回は、明十二日午前九時から開会し、通商産業省所管及び総理府所管中経済企画庁について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時三十六分散会

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