予算委員会第七分科会 第2号
- 発言数
- 389 件
- 登壇者
- 39 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1992/03/12
会議録
○左藤主査 これより予算委員会第七分科会を開会いたします。 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算及び平成四年度政府関係機関予算中運輸省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力賜りますようお願いを申し上げます。 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。久野統一郎君。
○久野分科員 早朝より御苦労さまでございます。久野統一郎でございます。どうぞよろしくお願いをいたします。 昨日、私は第八分科会で建設省の道路局長さんからお話を伺ったわけでございますけれども、道路の整備率が五〇%を切っている、そんな状況でございまして、年間の進捗率といいますか、そんなのが一%、二%というようなことでございまして、まだまだこれから道路を整備していくのは時間がかかるということでございます。まさに、交通機関としての道路は行き詰まっているんじゃないかと思うわけでございます。 通常、道路を計画するときに、二十年先を見越して計画をするわけでございます。しかし、それは二十年先にでき上がるものですから、でき上がった時点でもう既に満杯になってパンクをしてしまうような、そういう状況でございます。もっと三十年だとか五十年だとか先のことを考えて計画すればいいわけですけれども、そんな先のことはどうなるかわかりませんものですから、二十年先ぐらいしか見通しのしようがないということでございます。 道路はどんどん渋滞をしてまいりまして、何ですか、二、三年前には、道路が混雑している、本来なら一時間で行かれるところが一時間二十分ぐらいかかる、この余計にかかった二十分間を積み重ねていきましてそれに時間当たりの単価を掛けますと年間に十兆円になる、そんなお話があったわけでございます。それが最近では、十二兆円になってきているということで、どんどんふえてきているわけでございますし、また道路もどんどん混雑をしてきているわけでございます。 また、別の面から考えてみますのに、車というのは排気ガスを出しまして、御案内のとおり大気汚染をするわけでございます。都会はもう既に限界に来ている、こんな状況でございまして、交通機関というのをもう一度考えていかなければならぬじゃないか、そんなふうに思うわけでございます。 現在、旅客だとか貨物の輸送、こういうものを軌道だとか道路だとか海上輸送だとか航空輸送が受け持っている比率はどのくらいになっているのでしょうか、また、将来はどうあるべきだとお考えですか、お尋ねをいたします。
○大塚(秀)政府委員 平成二年度におきます旅客輸送の分担率は、人キロベースで総輸送量一兆二千九百八十四億人キロのうち、自動車が六五・七八%、鉄道が二九一八%、旅客船が〇・五%、航空が四%となっております。 また、貨物輸送につきましては、同じく平成二年度における輸送トンキロベースで、総輸送量五千四百六十八億トンキロのうち、自動車が五〇・二%、内航海運が四四・七%、鉄道が五%、航空が〇・一%となっております。 最近は地球温暖化あるいはNOx等の大気汚染、エネルギー需給、労働力不足、交通事故、こういった諸問題が交通関係で顕在化しておりまして、これらの諸制約を踏まえ、鉄道の整備を初め公共交通機関の強化充実を行い、そのシェアを高めていく必要があると考えております。
○久野分科員 今おっしゃいましたように、鉄道だとか公共交通機関、こういうものを延ばして、自動車の方を減らしていかなければならない、私もそう思うわけでございます。 私の地元の名古屋圏で、自家用自動車を使って通勤通学をしている人が六五%で、公共交通機関を使っている人が三五%ということで、三分の二の人が自家用自動車を利用しているということでございます。特にこういうふうに名古屋圏では自家用自動車に頼っている率が多いわけで、こういうところは特に鉄軌道といいますか、そんな整備が必要だと思うわけでございます。名古屋圏の整備計画がどうなっているのか、お尋ねをいたします。
○大塚(秀)政府委員 名古屋圏におきます鉄軌道の整備計画につきましては、二十一世紀を見通した新たな計画を策定するために、平成二年四月に運輸大臣から運輸政策審議会に諮問が行われ、本年一月に答申をいただいたところでございます。 この答申では、名古屋圏の交通網の現況、圏内のプロジェクトの動向などを総合的に勘案した上で、名古屋駅を中心としますおおむね半径四十キロメートル内の地域について、平成二十年を目標年次として計画が策定されました。 この計画の具体的路線としましては、名古屋市域内の環状路線を形成します市営交通の四号線、名古屋市東南部方面の需要増に対応する市営交通の六号線、名古屋市東部方面から名古屋の都心に至ります市営交通東部線などがございまして、今回の計画におきます新線の路線延長は地下鉄系統で合計六十八キロメートル、JR・私鉄系統で二十二・二六キロメートル、中量軌道系統で三十・九キロメートル、合計で百二十一・五キロメートルが答申されております。 運輸省としましては、関係地方公共団体と協力しまして、その実現に向けて今後努力してまいりたいと考えているところでございます。
○久野分科員 一日も早くその整備をしていただきたいと思います。 そういう鉄軌道へ国は具体的にどのような支援をしてみえるのでしょうか、お尋ねをいたします。
○井山政府委員 鉄軌道の整備でございますが、従来からいろいろな形の助成を行っておりますけれども、特に、昨年の十月でございますが、鉄道整備基金という特殊法人を設立いたしまして、鉄道助成を総合的かつ効率的に行うということにしたわけでございます。この構想では、まず、従来からの一般財源の助成、それに、例の新幹線を三旅客会社に譲渡したわけですが、その譲渡収入の一部を加えまして財源の充実を図ったところでございます。 平成四年度予算概要青申し上げますと、新幹線の整備事業の補助に百六十六億、それから、いわゆるAB線、地方開発線及び地方幹線と言っておりますが、これの建設費補助が百五十億円、それから地下鉄の補助金が五百六十八億円等々、鉄道整備基金全体では千百六十二億円の一般財源による鉄道整備基金に対する助成が計上されております。 このほかに、鉄道整備基金から無利子貸し付けを行う、こういうようなことで鉄道整備に対する助成の充実を図ったところでございます。
○久野分科員 今後もそういう支援をどんどんふやされまして、整備をしていただきたいと思います。 道路に比べまして鉄軌道というのは公害が少ない、そういうことが言われているわけでございますが、先日三月五日の朝日新聞に電車の騒音の規制を、三年後をめどに指針をつくるという、そんな記事が出ておりました。新幹線の騒音の環境基準が住宅地で七十ホン以下、商業地で七十五ホン以下と決められているけれども、その達成率が半分以下だということでございます。一般の在来線はその独自の基準がないために、JR東日本の東海道沿線では最高八十三ホン、江戸川区では京成本線沿線で八十一ホンの騒音公害が発生しているということで、自治体が鉄道会社を指導し改善しようとしても、その根拠となる基準がないから、鉄道がこれから復権する兆しもありまして、自治体が行政指導するのに活用できるような、こんな指針をつくりたいというような、こんな記事が出ていたわけでございます。 鉄軌道でもその公害がいろいろと出てきているようでございますけれども、公害のない、ないといってもゼロというわけにはいかないのでしょうけれども、少ない、そんな軌道はどんなものがあるのでしょうか。
○井山政府委員 先生今御指摘のとおり、鉄軌道につきましてはやはり騒音問題、それから続きまして振動の問題がやはり公害問題としてございます。現在、比較的騒音、振動が少ない鉄軌道系の交通機関といたしましては、ゴムタイヤ式の新交通システムあるいはゴムタイヤを使ったモノレール、これはゴムでございますのでいわゆる車輪の摩擦音がない、かわりの若干のゴムの摩擦音はございますが、こういうことで音が少ないというのがございます。それから、これは東京と大阪で今動いておりますが、リニアモーターを使った小型の地下鉄、いわゆるリニアメトロと言っておりますが、こういうものがございまして、各地で具体的に営業に供されているところでございます。 それからもう一つの類型としましては、磁気を使いました浮上式の鉄道、HSSTというのがございます。このHSSTにつきましては、現在実現化のための開発が進められておりまして、先生の御地元の名古屋で時速百キロメートルタイプの実験が今行われているというところでございます。
○久野分科員 ぜひそういう公害のない軌道を整備していっていただきたいと思います。 今お話があったわけでございますが、私の地元で今HSSTですか、この開発を進めているわけでございます。何か聞くところによりますと、縦断勾配が八%というのですか、千分の八十でも登れるというようなことでございますし、平面半径が二十五メーターという小さな、急に曲がることもできるということで、ただいまお話がございましたけれども、騒音だとか振動だとかもないということでございますし、乗り心地もいいということで、都市内交通型公共交通機関としては最も適している、そういうお話を聞いているわけでございます。ぜひこういう軌道に国からも支援をしてもらわなければならないわけでございますけれども、具体的にこのCHSSTにどんなことをされているのでしょうか、お尋ねをいたします。
○井山政府委員 先生今お話ございました、正式には会社の名前は中部HSST開発株式会社と言っているわけでありますが、これは、平成元年の八月に愛知県それから名古屋鉄道それから株式会社HSSTなどによりまして設立されました、いわゆる第三セクター会社でございます。主な出資は名古屋鉄道関係が多いと聞いておりますが、現在、名古屋市で実験線を約千五百メートル建設いたしまして、時速百キロメートルタイプの走行実験をやっていると聞いております。これに対する国の関与でございますが、私どもといたしましては、常電導磁気浮上式鉄道、こう言っておりますが、これの技術評価、それから技術基準等の調査を行うための委員会を前から設けておりまして、そこでいろいろ議論をしておるわけでございますが、その議論にこの実験線におきます実験成果を取り入れまして検討を進めているというところでございます。 先生御承知のように、このHSST、前からあるのでございますが、いわゆる実用線、都市交通線として利用された実績はまだございません。博覧会等でデモンストレーションとして動いた実績はございます。そこで、本当に実用化ができるかどうか、そうしますと、一般の人が乗っていただいて大丈夫かどうかの技術評価、技術基準をつくる、こういうことが必要でございます。その勉強をしているということでございます。 それからもう一つは、愛知県の方でも都市内交通型磁気浮上式リニアモーターカー実用化研究調査委員会というのがございますが、この委員会でもいろいろ御検討なすっておりまして、ここに私どもの職員がその委員として参画していろいろ技術的な御意見を述べている、こういう状態でございます。
○久野分科員 ぜひ強力に御支援をしていただくようお願いをいたします。 先ほども申し上げたのですけれども、道路だけではとても交通網の整備は図っていかれないわけで、鉄道の整備を図っていかなければいけないわけでございますが、それと同時に航空輸送の整備も進めていかなければならないんじゃないかと思うわけでございます。これまた地元の話で恐縮でございますけれども、中部新国際空港というのが伊勢湾に今計画をされているわけでございます。国としてどのようにお取り組みをいただけるのでしょうか、お教えをいただきたいと思います。
○松尾政府委員 中部新空港につきましては、平成三年の十一月の第六次空港整備五カ年計画におきまして、将来における航空需要を勘案しながら現名古屋空港との関係を含めた整備内容あるいは採算性と費用負担、空域、アクセスなど、こういった諸問題につきまして地域の創意工夫を反映させながら関係者が連携して調査を行う、こういうことになっておりまして、運輸省としてはこれを受けまして、現在この五カ年計画中に地元と分担いたしましてフィージビリティー調査を行いたいと考えています。これによりまして既に平成三年度から調査に着手いたしておりまして、来年度予算におきましても七千万円を計上いたしまして、国といたしましては空港計画、空域、さらには空港島の建設技術、こういったものに対する基礎的な調査を行っていきたいと考えております。
○久野分科員 ぜひよろしくお願いをいたします。国が一日も早くこの中部新国際空港をつくるために、この地域というのはどういうことをしていったらいいのでしょうか。
○松尾政府委員 空港つくりは、やはり地域との密着性が大変大事でございます。それで私どもも、国と地域と分担しながら本格的な調査を行うことにいたしておりますが、何といっても地域におけるコンセンサスづくりが最大だろうと思っておりますので、まず地域における合意形成をやっていただきたい。これに伴いまして現地における立入調査も可能であろうと考えております。さらには、地域の振興計画あるいはアクセス整備、こういったものにつきまして積極的に地域における創意工夫を凝らしていただきまして、積極的な調査をお願いできればと、このように切望いたしております。
○久野分科員 我々もそういうことに協力をしていかなければならないわけでございます。しかし、何にもないところにそういうふうに空港ができるわけでございますので、環境と申しますか周囲の状況は当然変わってくるわけでございます。先日の新聞に騒音が十五分の一になるなんというそんな記事が、地元の新聞で中央の方には出てなかったかもしれないのですけれども、出ておりまして、十五分の一といったらすごいなと思ってよく聞きましたら、昔に比べて騒音の影響範囲が十五分の一になるのだそうです。面積ですので、ルートで距離に直しても、ルート十五で四分の一ぐらいに音がなるのかな、四分の一になるにしてもすごいなと思ったわけですけれども、もう既に四分の一になるというのは織り込み済みだというようなお話でございまして、やはり地域の人には迷惑をかけないといっても、多少はいろいろな面で、音にしろ振動にしろ空気を汚すというような面にしろ、地域の人たちは多少は迷惑をこうむるわけでございます。こういう考え方はいけないのかもしれませんが、その見返りとして、その地元にも何か恩典がなければならないと思うわけでございます。 それで、今計画されております関西空港に関する地域開発の事例というのがどんなものがあるのか、お尋ねをいたします。
○溜水説明員 関西国際空港関連の地域開発といたしましては、空港を十分に機能させるためのアクセス等の整備と、それから、空港整備に伴いまして活発化が予想されております人、物の動きや国際化、情報化あるいは技術交流などを最大限に生かしていく地域拠点づくりが進められております。 アクセス等では、阪神高速道路湾岸線などの自動車専用道路や国道、府県道の整備それから直接空港に乗り入れるための空港連絡道路の整備などが進められております。 また、地域づくりにつきましては、商業業務機能と居住機能等を複合開発いたします。んくうタウンの整備を初めといたしまして、研究開発型産業の立地を目指しますハイテクリサーチパークやあるいはこれに住宅とリゾート機能等を合わせました複合開発などが積極的に進められております。
○久野分科員 また後でも結構なんですけれども、もうちょっと具体的に、こういう施設だとか、アクセス関係というのは、地域というよりもむしろそれがそのままほかの地域に行ってしまうようなことで、余り地域にとってはメリットがないんじゃないかと思うのですが、また後で結構ですので、具体的に地域にはこういうものをつくってこういうようなことを考えているんだというような資料がありましたらいただきますように、よろしくお願いをいたします。 地元のことで大変申しわけないのですけれども、私の地元に清洲町というところがございます。織田信長の清洲城の清洲でございます。この町は、昔名古屋鉄道が通るということで、ちょうどその町の一つの部落が二分されてしまったということなんです。名古屋第二環状線というのができるということで、鉄道と十字に結んでその部落を通る、そういうことで、昭和四十二年ころのお話だそうなんですけれども、一つの部落が四つに割れてしまったわけです。その道路をつくるときに計画をされた方が、将来鉄道を上に上げて立体化するから四分化はされないんだ、そういうことで地元の人は道路づくりに協力をしたということでございます。運輸省等は、その今の計画、その話し合いについては関係ないのかもしれませんけれども、鉄道を上げるという話が昭和四十二年ころにあったということでございまして、地域の人は公共事業に協力をされたので、できるだけ早くそういう立体化の計画を進めていただきたいと思うのですけれども、その計画はどんなようになっているのでしょうか。お尋ねをいたします。
○井山政府委員 先生今おっしゃいました名鉄名古屋本線と、我々国道三百二号と言っているこれだと思いますが、この立体交差の計画につきまして申し上げますと、確かにそういう経緯があったようでございまして、今愛知県の方で勉強をしているという段階のようでございます。立体交差につきましてはいろいろな段階があるようでございまして、最初に県単の調査があって、それからだんだんと煮詰まっていくようでございますが、今の段階、一番最初の段階であるというふうに報告を受けております。 いわゆる鉄道の立体化事業というの似、おっしゃったように、分断されている都市を一体的に発展させるとか道路交通の円滑に資するということで、いわゆる都市計画事業として行われるわけでございます。都市側の方から立体化したいという御発議があって、それを受けて鉄道側と協議が始まる、こういうことでございます。 一般的に、こういうことは踏切事故防止という観点からも望ましいことでございますので、私どもは、そういう都市計画事業の施行者の方から御相談があればぜひ応じて協力するように鉄道事業者を指導しております。今後ともそういう方針で指導してまいりたいと思いますので、この名鉄の名古屋本線の立体化につきましても、ぜひ県の方に協力してやるように指導してまいりたいと思っております。
○久野分科員 一日も早くできるように、よろしくお願いをいたします。 運輸省だとか建設省だとか農水省は、よりよい環境をつくる役所だ、そういうことが言われているわけでございまして、環境に優しい道路網を整備して、地球環境保全に向けて努めていただくことをお願いをいたしまして、終わらせていただきます。 どうもありがとうございました。
○左藤主査 これにて久野統一郎君の質疑は終了いたしました。 次に、辻一彦君。
○辻(一)分科員 きょうは主として北陸新幹線問題について二、三お尋ねをしたいと思います。 まず、大変一般論になりますが、運輸大臣から、私は新幹線は国土の均衡ある発展という観点から出発しておると思いますが、新幹線本来のねらいといいますか、そういうことについてまずお伺いをいたしたいと思います。
○奥田国務大臣 もう先生も御指摘なさったとおり、国土の総合的かつ均衡ある国土形成に寄与して、国民経済、国民生活領域の拡大に資するということが新幹線整備の意義であろうと思っております。
○辻(一)分科員 大臣は御出身が北陸でありますから、そういう一般論の上に立って、北陸新幹線は、昭和四十八年の十一月に整備五線を閣議決定されて、若狭回りとして決定されております。その経緯についても、随分前でありますが、これは何といっても御関心のあったところであると思いますので、北陸新幹線の持つ意義といいますか、そのねらいについて少しお伺いしたい。
○奥田国務大臣 随分早くから、北陸の地域住民にとって新幹線は大変な悲願でございました。そして、これは長い歴史もありますけれども、私たちはやはり現在の、表とか墓とかという言葉を使うのは余り好みませんけれども、東海道新幹線、これに代替し得る、もちろん北陸圏の発展ということも当然でございますけれども、交通政策上からいえば、地震災害の多い我が国の一つの大きな輸送動脈として日本海側の代替新幹線という形の大きな意味もあるし、と同時に、従来ともすれば太平洋側に企業集積が行われてきて資本集積も行われてきたという形が、この代替機能を果たす新幹線網によってまた新たな発展、新たな集積が行われるであろう、そういった面も期待し、そのことが均衡のあるバランスのとれた国土形成、国民経済の発展に結果的には寄与するであろうという見地からこの運動を進めてまいったということでございます。
○辻(一)分科員 今の御答弁でポイントは、大事な点は尽くされておる感じがしますが、なぜ若狭回りに決まったかということについて若干当時を振り返ってみたいと思います。 一つは、今お話しのとおり、日本は災害が非常に多い。とにかく、東海大地震というのがやはりいつか来るのではないか、こういうことがよく言われております。そういう中で、もし日本の大動脈である東海道新幹線が万が一にも地震等に襲われて日本の二大拠点、東京と大阪が分断される、言うならば国土が分断されかねない、そういうようなことが起きたときに、北回り、日本海沿岸を通って東京から大阪に直結する新幹線が引かれれば、そういう災害があっても、大災害のときでも、国土の分断を防ぎ国土保全という点から非常に大きな意味を持つ。今大臣の言われた代替線としての意味があるということ、これは非常に大事だと私は思うのです。 実は直接聞いたのではないのでありますが、当時運輸省の幹部から、北回り、北陸新幹線、日本海回りの大阪直結、したがって、若狭回りは福井県が困ると言っても、これは第二の路線として若狭を回らなければいけないのだ、こういうことを間接的でありますが私は聞いたことがあります。局長は盛んに首をひねっておりますが、これは間接的な意味でありますけれども、そういうことを聞きました。そういう点で、とにかくまず一つは、東海道新幹線に対する第二の大事な路線として代替路線の意味を持っている、これはそのとおりだと私は思います。 もう一つ私が強調したいのは、当時、福井県の若狭湾に五百二十万キロワットという原子力発電がありまして、昭和四十八年でありますから、五百二十万キロワットというのは当時では非常に大きな電力の生産地であった。関西に多くの電力供給をしている。したがって、そういう重要な電力の生産基地を過疎にしたり、あるいは高速の交通体系から取り残してはならない、こういう点で、東京から大阪に直結する路線がいろいろな論議を経て最終的に閣議で決定された、こういうふうに思っております。 今、大臣も御存じのとおりでありますが、この若狭湾は当時の二・三倍の電力を生産するようになっております。今十三の原子力発電所、それは一千二十万キロワット、さらに二つの原子力発電が近く稼働状況になるとしますと、十五の発電所で千二百万キロワット、これは福島や新潟を超えて、私も世界の各地をこの問題では随分見て回りましたが、どこにもない世界一の電力の発電基地になっておる。だから、当時発電基地として重要視されたその重要性は今日二・三倍、倍加されておる状況にあると思います。したがって、こういうような電力、関西経済圏の必要な電力の約二分の一を送っているというこの地域、私は原子力発電についてはいろいろな意見を持っておりますが、自治体が非常に苦労しております。それから住民も苦労している。例えば事故が起こる、そうしますと、もう民宿から一連が全部キャンセルされるとか魚の値段が落ちるとか、そういう意味の実質的な被害、そうじゃなくても風評による被害、こういう面で自治体も住民も大変な苦労をしている。しかも電力の重要性は今や四十八年の閣議決定のときから二倍半近くになっている。これを考えたときに、ここはやはり過疎にしてはならない。そして、国土の均衡ある発展という新幹線の大前提からいうならば、こういうところを通ってそして大阪へ至る道、こういうことが新幹線本来のねらいにも合うし、また四十八年の閣議の整備決定の趣旨からも当然実現されるべきであると思うのであります。 そういう点で、こういう二十年来の歴史を踏まえ、今日の世界一の電力生産地の基地であるという点を踏まえて、この東京-大阪直結の新幹線が、一遍にできるわけではありませんが、将来どうしても実現されなくてはならない、私はこう思っておりますが、これについて大臣の所見をひとつお伺いしたい。
○奥田国務大臣 先生の若狭ルートに対するかねての御主張というか、私たちも極めてよく理解できます。そしてまた北陸新幹線自体が、ある程度時間的な機能を果たす上においても、また、いわゆる多年に集積された原子力の重要な基地としての若狭地域全域を浮上させるというような形でのルートに対して、地元の皆さんに何とかひとつ早く県内の御意向をまとめていただいて、そしてルート調整を早く県民の総合的な意思として私どもの方に届けていただきたいということをかねてお願いしているところで、先生の御主張の線、特に小浜が今日原子力基地として大きないろいろな犠牲に耐えながらも寄与していただいておるという点についても、住民感情も含めてよく理解できるところでございます。
○辻(一)分科員 事務当局も大変いろいろ御苦労してもらっておると思いますので、担当局長からもちょっと補足してお尋ねしたいと思います。
○井山政府委員 今大臣がお答え申し上げたとおりでございますが、福井県におかれましても、この北陸新幹線の西側の方をどうするかということは県の中でも大変いろいろな御議論があると伺っております。それから県の方も以前から随分御苦労なさっていると伺っております。 私ども、新聞情報が主でございますが、お話を伺いますと、県の中でも勉強会をやって、段階的にどういうふうに進めていったら一番いいのかという御研究を非常に熱心になさっていると伺っております。私どもといたしましても、一遍にそう何でも片づくというわけではございませんで、順次というのが一つの考え方かなと思っております。そういう意味では、県の御当局で熱心に御勉強なさっている、まあいろいろな案があるそうでございますが、その考え方も聞きながら私どもとしての考え方をまとめていきたいと思っております。
○辻(一)分科員 今県が取り組んでいる研究会についても若干後で触れたいと思うのですが、その前にもう一つ、こういう経緯で昭和四十八年に整備五線の一つとして北陸新幹線が決定され、それには重要なポイントが幾つか明示されておると思うのですが、そのポイントはどういう点であるか、ちょっとお尋ねしたい。
○井山政府委員 四十八年十一月のその整備計画でございますが、これは告示をされておるものでございますけれども、この計画は全国新幹線鉄道整備法に基づきまして運輸大臣が決定したものでございます。 計画の中身としましては、走行方式、それから最高設計速度等のほかに、起終点、それから主要な経過地ということが決められておりますけれども、具体的に申し上げますと、起終点は東京都、大阪市、それから主要な経過地としては長野市付近、富山市付近、小浜市付近となっております。それから最高設計速度は時速二百六十キロメートル、こういうようなことが主な内容かと存じます。
○辻(一)分科員 今、大事な点が基本的に決まっていることを聞きましたが、こういうような二十年来の経緯を踏まえていろいろな意見があることは、今局長のお話でもわかりますが、基本的には、北陸新幹線は、若狭を経由して東京-大阪直結、そして決定されたように、東京、それから長野、富山、小浜市近辺を通って大阪に至る、この基本線は変わることはあるまいと思いますが、いかがですか。
○井山政府委員 ただいま私どもの方で、先ほど申し上げましたこの整備計画を直ちに変更するというようなことは考えておりません。
○辻(一)分科員 大臣も一言。
○奥田国務大臣 今政府委員の答えたとおりであると思います。
○辻(一)分科員 そこで、今局長が触れられた段階的建設論ですね。 福井県では、今お話のありましたように、最近、この春から、北陸新幹線の研究会をいろいろな県の各層の代表によって、十五名と思いましたが、各界代表によってつくって、三回にわたっていろいろな論議をしておるのは既に御承知のとおりであります。この中で、今もお話がありましたが、これは私は運輸省のいろいろな助言もあったのであろうと思うのでありますが、この段階的推進論、建設論というものがいろいろ論議をされております。 もちろん、今お話のあったように、東京から大阪、そしてまた私の関係からいえば、小松から福井、南越、敦賀を通って大阪に一遍にできる、こういうふうに思っているのは、これはだれもいないと思うのですね。しかし、その段階というのが、全線整備の計画を示してできるところから段階を追っていく、こういうことであれば、これは納得がいくのですね。その全線の、全体の展望が示されないままにできるところから手をつけていくとすると、これはそういう段階が固定をしてしまうんじゃないか、その段階が固まってしまうんじゃないか、暫定的な措置というものがそのまま半永久的に続くんじゃないか、こういうような心配を関係地区の住民が持つのは当然だと私は思うわけなんです。 特に、今回敦賀までが調査の対象に入っているということを聞いて、これは私は前進であると思っておりますが、この敦賀から先は、大体これは今の状況では棚上げにして、湖西線にスーパー特急で乗せていくというような意見が出ておるわけですね。この長野から富山、石川と閣議決定された整備新幹線のルートは、一部は富山のように調整等もありましたが、基本的には大体基本ルートをずっと通って大筋は敦賀まで来るということになるんじゃないかと思うのですね。 だから、敦賀までは在来線を使えるところはこれを活用していく、それから、曲がってスピードが出ないというところは新路盤をフル規格で敷いて、そしてそこにスーパー特急を上げていく、こういうのが大体の構想であろうと思いますが、当面、新しい路盤を敷いてもそこは狭軌でスーパーを乗せていくと。ところが、今申し上げた敦賀から後は湖西線にスーパー特急が乗ってしまうと、これから先、半永久的にそういう段階が固定をしてしまうのではないか、こういう心配は、福井県でいいますと敦賀以南、県南、これは嶺南という言葉を使っておりますが、県南の住民の皆さんの当然な懸念であり心配事であると思うのですね。そういう点で、この全般の整備計画を示してもらうということ、そして段階を追った建設、これはあり得るわけですが、その全般の整備計画ということは、端的に言うと、やはり若狭ルートを公にしてもらう、公表してもらうということがこの全般の整備を示すことに一方なるのではないか。そうすれば、この地区の住民の皆さんもかなりこういう懸念をぬぐうことができると思うのですね。そういう点で、この若狭ルートの駅名等の公表、これを急いでやってもらうことが必要ではないかと思います。 これについてもひとつ御所見をお尋ねしたい。
○井山政府委員 ただいまの北陸新幹線をめぐる状況と申しますのは、先生、もう釈迦に説法でございますが、私どもが今やっておりますのは、例の六十三年の基本スキームに従いまして、三線五区間につきまして順次やっていこうということで、それ以外については、一応推進準備事業費ということで、技術調査、環境影響調査等をやっていこうというスキームで今動いているわけでございまして、国の施策としてはそこで、はっきり言いましてとまっているといいましょうか、そういうことになっているわけでございます。 先生が今おっしゃった、その若狭ルートを今の時点で公にして具体的な整備計画を示せと言われても、ちょっと全体の構想、これはほかに例えば推進準備事業費でやっております長崎でございますとか北海道とかいろいろなところの問題がございます。ですからそういう意味で、今若狭ルートでいつ幾日どういうふうにしてやれというようなことを言われましても、実は事務的にはとても難しいわけでございます。 しかし、先ほど申し上げましたように、整備計画として四十八年に厳然として、若狭付近を経由して新幹線をつくるんだという宣言はされているわけでございまして、そこは我々は全然無視するつもりはございませんけれども、その中で福井県がいろいろ勉強なさいました。実は私どもが、先生さっきおっしゃったように、特に福井県にああしろ、こうしろと指導したことはございません。いろいろな形で勉強なすったんだと思いますけれども、その中で福井県がある意味では、現実的という言葉は言ってはいけないのかもしれませんけれども、やはり少しでも高速輸送サービスで県民に稗益したいということから、どうしたらいいんだろうということをお出しになった。それから、JR西日本の方も、今北陸線というのは最重点地区でございまして、先生御承知のとおり、大阪から特急をどんどん北陸方面に向かって湖西線を使って出しております。これをさらにスピードアップをして利便を図りたいという、それは前からの希望でございまして、そのための車両開発などもやっておるところでございます。そういうのが組み合わされまして福井県としてもいろいろな御検討の材料にされている、こういうのが本当のところじゃないかと思います。
○辻(一)分科員 いろいろな全般的な関係もあり、難しさもこれは十分私たちも承知しておりますが、二十年来の悲願が早く実るように、若狭ルートはできるだけ早い機会に公にしてもらうように願いたいと思っております。これはひとつ、大臣も局長もよく頭に入れておいていただきたいと思うのです。 そこで、これからの問題になるのでありますが、具体的な点で四、五点だけちょっと質問したいと思うのです。 第一は、小松までは非常に具体的に当然進んでおりますが、小松-南越、そして今度は新しい調査区間になった敦賀間、この中で一番先に手をつける必要のあるところ、恐らく曲がっているようなところはスピードアップの点から考えても必要じゃないかと思いますが、どこあたりと大体お考えになっているか、ちょっとお尋ねをしたい。
○井山政府委員 先生今御指摘のとおり、推進準備事業費で諸般の調査をやっているところでございまして、実際まだ、敦賀のあたりだろうとか、どこのあたりだろうとかということは進んでおりません。現実には、地質の調査を初めとして、地形の調査、いろいろな水文調査等いろいろ難しい話があるようでございまして、その辺を踏まえた上で、仮にルートを決めるとしたらこんなところかなというのがじわじわと出てくるのではないかと思っております。今のところは、ここだということはちょっと申し上げるわけにはまいりません。
○辻(一)分科員 こんなところかなというところはちょっと何かわかりませんか。
○井山政府委員 極めて常識的に申しまして、仮にやるとした場合に、スピードの上がる効果の高いところだということは一般的に言えると思います。
○辻(一)分科員 これからの問題ですから余り予断をするようなことは今言えないということはわかりますが、スピード効果の上がるところといえば曲がったところを直すということが一番スピード効果ということになろうと思います。 そこで、曲がったところを一カ所か二カ所重点的にということになろうと思うのですが、そういうところを真っすぐにしてスピード効果を上げるときに、新しい路盤を敷かなければいけないわけですが、それは当然、富山-石川の例からすればフル規格の路盤を敷いて、当面は狭軌で乗せていくということになろうと思うのです。そういうふうに理解していいのでしょうか。
○井山政府委員 富山の例は線形の非常に悪い倶利伽羅峠のところを曲がるというところで別ルートを考えたわけで、そのときには確かに先生おっしゃったように、将来の、いわば新幹線規格新線ということを踏まえた規格になっております。仮に福井のことで考えるとすれば、第一番にそういうことも当然念頭に入れて考えなければいけないのかなと思っております。
○辻(一)分科員 今の段階からすればそれ以上はなかなか聞くことは難しいと思いますが……。 第三として、北陸には敦賀-南越間に北陸トンネルという長大トンネル、かつては日本一、今は何番目かになっておりますが、十三キロ半のトンネルがある。これはスーパーは通りますけれども、フル規格ではちょっと狭くて、これを広げるというわけにもいかない。こう考えると、新たな北陸トンネルを考える、そういう調査も今回敦賀までの調査の中に入っているのかどうか。そこいらは一体どう考えていらっしゃるのでしょうか。
○井山政府委員 調査は順番にだんだん濃度が濃くなっていくそうでございますけれども、今のところはそういう新しいトンネルを掘るというような調査まではやっていないようでございます。
○辻(一)分科員 というと、当面は現在の北陸トンネルにつないで、そしてスーパーを乗せる場合に北陸トンネルにつなぐということになろうと思います。 そこでもう一つは、県の方は研究会をつくって大分まじめな論議を随分一生懸命やってくれているように私は思うのですが、県の方の研究会の論議をどんな感じで見ていらっしゃるのか、あるいは一定の集約を夏ぐらいに大体やりたい、こういう意見を持って進めておるのですが、ある集約の一致が行われたら政府は何らかのこれに対する対応を考えておるのか、この二点をお尋ねしたい。
○井山政府委員 お答え申し上げます。 県の皆さんが、非常に現実的対応ということなんだろうと思いますが、お勉強していただいていることは私どもとしても大変評価をしておるところでございます。県としては、新聞情報ですと、夏ごろまでに何かまとめたいなということでございましたが、こういう竜のが出ました場合には、私どもも将来のそういう新幹線全体をどうするかという議論の中に、十分に念頭に入れていきたいと思っております。
○辻(一)分科員 もう一つ、今の湖西線は新幹線のフル規格に改良するような可能性はあるのかどうか、いかがですか。湖西線の路盤、路線を新幹線のフル規格に改良し得る可能性があるのかどうか。これは構造の面からあるいは広さの面から、いろいろあると思うのです。若干技術的にはなりますが、ちょっとお尋ねしたいと思います。
○井山政府委員 詳細には存じておりませんが、今の湖西線はいわゆる在来線の規格でつくっておりますので、将来フルといっても、例えばトンネルが多分あると思いますので、そういうところでひっかかるとか、それは掘り下げればいいんだという議論もあるかもしれませんが、そのままの形で先生のおっしゃるいわゆるフル規格が走れるものではないと思います。
○辻(一)分科員 その問題で、幅がある程度確保できても、今度は高いところを通っておれば構造的に言って可能かどうかという点があるのですが、その構造上の可能性はどうなんですか。
○井山政府委員 先生おっしゃる構造上というのはちょっと具体的にあれでございますけれども、先ほどトンネルの例を申し上げました、それから車両、重さというのは今軽量化しておりましてそういう問題はないと思いますけれども、いずれにしましても、JR西日本が今考えておりますのは今の百六十キロあるいはできれば二百キロぐらいまでいきたいということで勉強しておりますので、その辺がクリアになってからやるのだろうと思っておりますけれども、いわゆるフルとの関係で考えれば、フルが当然に入るというものではないということは確かだと思います。
○辻(一)分科員 時間が来ましたので、最後に大臣に一言お伺いしたいのですが、二十年来の経緯は北陸出身の大臣ももう初期からかかわって十分御承知でありますし、今日また、長野、富山、石川と工事が具体的に手がつけられようとしている。その中で福井県が一つ残っているということは県民の感情、立場からしても大変寂しい思いがしているので、ぜひひとつさきの論議を踏まえてこの北陸新幹線が福井県コースにおいても前進をするように、そしてまた時間がかかりましてもこの若狭コースが実現するように、それについての大臣の気持ちを聞かせていただいて、終わりたいと思います。
○奥田国務大臣 私も昨年十一月に運輸大臣を拝命して以来、とりわけこの北陸新幹線の問題に関しては関心を持って、特にまだ決まっていない小松以西、今御論議の対象になっておりますルートについて早く地元の意向をまとめて、そして私が在任中少しでもこういった形で今まで長い間白紙のままになっている形に何とかひとついい方向で手をつけて、福井の皆さん方の御期待にも沿わなければいかぬなという思いでおるわけでございますけれども、今言ったような形で当局、自治体、地元の意向を最大限尊重して、そして地元負担もあることでございますし、こちらで全体計画の意向を示せと言われても、やはり第一義的には地元の皆さんのそういった御意向というものを十分踏まえた上で結論を出したいということで張り切っておるわけでございますから、どうかひとつ先生も地元側の検討会の意向をまとめてこちらの方にお知らせ願えれば、その線に沿って我が方としては推進していこうという基本的な考えております。
○辻(一)分科員 ぜひひとつ最大の努力をいただくように大臣また局長の方にも要請をして、終わりたいと思います。ありがとうございました。
○左藤主査 これにて辻一彦君の質疑は終了いたしました。 次に、鈴木喜久子君。
○鈴木(喜)分科員 私は、先ごろ、二月の二日に東京地方で震度五の地震がありました、そのときの新幹線のいろいろなおくれその他の対応について乗客の立場をしっかりと代表して、そしていろいろと伺っていきたいと思います。 このときの東海道新幹線、要するにJR東海の方の新幹線と、JR東日本の管轄でございます東北新幹線と両方新幹線があるわけなんですが、そこでの対応の差について伺っていきたいと思います。 この地震で東海道新幹線の方だけでも影響人員は十一万七千人という、非常に大きな人たちの足に影響があり、朝のことでもありかなりいろいろな意味で仕事の差し支え等々たくさんの人が影響をこうむったということでございますが、私もたまたまなんですがその日ちょうど、始発の次の列車になると思います、それに乗る予定でございましたので、逐一初めの地震の発生のときから自分が体験したことがございますので、それを交えながら伺っていきたいというふうに思います。 四時四分に地震がぐらっと来まして、大変大きな地震を東京で感じました。すぐにテレビのスイッチを入れて地震の情報とともに、六時十分の新幹線に乗るには一体どういうことなのかと思いまして交通情報にも非常に神経を使って、テレビ、ラジオというものに注目し、また耳も集めておりました。四時二十分ちょっと過ぎ、二十三分ぐらいに交通情報の第一報が入りました。東日本に関しましては、かなりの程度の情報がそこで流れました。点検に時間がかかるから始発は見合わせるかもしれないとか、また新幹線についても見合わせるかもしれないというような形ですが、情報が入りました。その後、刻々と東日本については、山手線の情報でありますとか京浜東北線がどうだとか、そういうことも含めまして東北新幹線の情報も入りましたが、なかなか東海道新幹線の情報は入りません。いつ入ったかといいますと五時二十四分、何も入らないまま六時十分の始発が出るか出ないかもわからないまま家を出なければならない、車の中のラジオで初めて東海の情報が流れました。そして東海道新幹線はそのときに、私の聞き間違いでなければそこで二度も三度も繰り返したのですけれども、宿直制をとっているのでとか当直制をとっているのでという言葉だったと思いますが、点検に時間がかかりますので始発はおくれるかもしれない、こういった情報でございました。そして東京駅に着きましたところが、出るか出ないか、指令が来ていないので乗って待っていてくださいということでした。六時十分のが十分に出るとは思いませんけれども、そのほかの情報が入らないからとにかく乗って待っていてくださいということ、そして構内に流れるのは、十分置きぐらいに流れましたのは、けさほど地震が発生したから軌道の点検をしているので時間がかかります、しばらくお待ちくださいという情報が流れるだけで、八時まで実に二時間、私はその中で寝てしまいまして、起きてどこだろうと思いましたらまだ東京駅であった。そういった形で、そのほかの何の具体的な、なぜおくれているか、どうなっておくれているかというような具体的なお知らせは何もないまま、乗客はいらいらしながら二時間待っていたという状況でございます。 この新幹線については、これからも新型の非常にすばらしい列車も走るというふうに、近々、十五日からですか、走るということになっているような状況ですけれども、それ以前に乗客が一番望んでいるのは正確な情報、そして運転の安全ということ、スピードとともに、スピード以上に安全と時間どおりの正確な運行ということだろうと思うのです。ですから、その点についてまず、不測の事態、地震が起こったということはよくよく乗客も承知しておりますが、その情報の差ですね、おくれの差というものは一体どういうところにあったのか。運輸省の方でもそういった事情について把握をされているかどうかを含めて、まずお伺いをしたいと思います。
○井山政府委員 今先生からお話を伺って、私どもも私どもなりに調べたところ、先生のおっしゃるのはほぼ間違いないと思うのです。 この日の地震は四時四分、そのとおりでございますが、それぞれ各社は列車の運行の責任者がおりますが、指令と言っておりますが、これの判断で、点検をしたり、あるいは列車をどこまでとめるかということを考えて指令をするわけでございますが、そのときの広報体制として、普通はこちらから報道機関に流す、それから、逆に報道機関から早目に聞いてこられる、いろいろなケースがあるようでございますが、その報道機関に流すのが東海の場合は少しおくれたように聞いております。東の方はNHK等から問い合わせがありまして、そこで見込みはこんなことなんだということを言った、始発の影響はわからないけれども、あるいはということがあるというようなことをお話をした炉ということでございます。そういう事実があるようでございます。 それから、東京駅におきまして具体的にお客様にどういうような放送をしたかということでございますが、ほぼ今先生がおっしゃったように、開通見込みがはっきりしないのでしばらくお待ちくださいというのがメーンの内容で、余り具体的な情報が実は駅の方にも入っていなかったように思います。これは別に会社を弁護するわけではないのですが、東海道新幹線と申しますのは、先生御承知のように、昔から盛り土構造が多うございまして、地震とかがあった場合には相当気をつけて点検をしなければいかぬ、かなり広範囲に点検をしなければいけないという事実があるようでございます。それに比較しまして東北・上越新幹線は新しいものですから、割とそういう地震には強い構造になっている。こんなこともありまして、点検の時間も違います、それから点検、いつ開通できるかという見込みも東北・上越の場合は比較的早くっくということがあることはあるようでございます。 ただ、それにしましても、お客様に具体的な情報を差し上げずに、ただ待っていてください、あるいは非常に不愉快な思いをさせたということは、まことにサービス業として非常にけしからぬことだと思います。そこで、私どもといたしましても、この話を聞きまして、早速JR東海に対して厳しく指導をいたしております。 こういう事件がありますと、前から情報の提供の仕方が悪いのではないかということで、それなりに東海も工夫をしまして、例えば通信回線がどうしても錯綜いたしますので、回線をふやすとか、いろいろなマニュアルをつくるとか、いろいろなことをやっておりますけれども、まだ十分ではございません。そういう意味で、今回のことを契機にいたしまして、さらにお客様にどういう情報を適時的確に、それは開通がおくれるのは安全のためですから、それは仕方ないのですけれども、どういう状況に今あるかということを具体的にお知らせするようなことを工夫しろということで今指導しておりまして、報告をもらうことになっております。
○鈴木(喜)分科員 私、たまたま乗っておりまして、そしてどういうことなのかということを伺いました。そして、各社の方も部屋にわざわざお見えになって私に説明をしていただいた経緯もございますけれども、もし私がそういう立場でない一般の市民であれば、駅に押しかけてどうなっているんだということを後で聞き、大変な迷惑をこうむった、善処しますといっても、なかなかそうした対応をとっていただけない。これからも、非常に乗客の身になった対応というものをそれぞれの各社で行っていただきたい。それについて運輸省の方からも、今おっしゃっていただいたような強力な指導というものをぜひこれからもしていただきたいと思うのです。 先ほど言われましたけれども、伝達方法に各社に差異があるということであれば、もともと今回の場合にも、東北新幹線にしてもそれから東海道新幹線にしても、両方とも同じ指令棟の、同じビルの中の階層が違うところにそれぞれの階があって、同じように感知したことについて情報が、テレビ局、NHKの方からその会社に言ってきたからたまたま早かったとか、言ってこなかったからいろいろなところに送っている間に時間がかかってしまったというようなことではなくて、きちんとしたそういう場合の情報を流す体制とかそういうものについてもこれは指導によってきちんとできるものだと思いますし、不測の事態に備えて何通りかの方法というものもきちんと順序立ててつくっておくことは可能であると思うのですが、そういったことについての御指導もされておりますでしょうか。
○井山政府委員 先生の御指摘のとおりでございまして、できるだけ早目に皆さんにお知らせできる、少なくともこちらの発信源の方からおくれることのないよう、この点は十分関係の会社を指導させていただきます。
○鈴木(喜)分科員 そこで、先ほどもちょっと触れられたのですけれども、この保安、要するに地震が起こった後でこれが安全に運行できるかどうかということの点検ということで、東海道の場合、東北の場合では設備等々に差異があるというようなお話がありました。 そこで、今回の地震ということに限っていいますと、東京を中心としますと東海道なら新横浜あたり、それから東北新幹線なら大宮ぐらいまでのところでしょうか、そのくらいの距離のところの点検についてそれぞれの線の設備等の状況、それから、それの状況に加えてのそういった点検の仕方等について具体的に教えていただきたいと思います。
○井山政府委員 点検の仕方でございますけれども、やはり軌道の構造が違いますと点検の方法がやや異なっているようでございます。東北・上越新幹線の場合は軌道構造、いわゆる高架橋の区間が多いし、それで軌道構造もスラブと申しましてコンクリートの板を並べた割ときちっとしたものでございます。それで、通常の場合の点検はモーターカーを使って点検をするということが可能でございます。ところが、東海道新幹線の特に盛り土区間の場合は軌道もバラスト、砂利といいますかあれを入れた上に乗っけておりますので、非常に弱いといいましょうか変形しやすい。それから、あわせて申し上げますと、盛り土というのは揺すられますと崩れるといいましょうか、そういうことで緩んで崩れるということもありますので、どうしても人間が直接歩いて目で見る、こうせざるを得ないということでございます。もちろん東海道新幹線も、例えば半日を休んでその盛り土構造の直しとかいろいろなことをやっておりますけれども、やはり基本的にそういう構造があるものですから、点検の方法を一致させて同じスピードでやるということはなかなかできないんだというふうに聞いております。特に二月一日の場合は雪が降った翌日だということもございまして、ちょっと手間取ったということもございますけれども、その辺も何か工夫の方法があるだろうと思いますので、今後JR東海に対しましてもう少し工夫の余地がないかということを検討させたいと思っております。
○鈴木(喜)分科員 その軌道の形の違いがバラスト軌道かスラブ軌道か、その主体がそういうふうになっているかということ、それから盛り土の区間が多いということ、これはもう地震が起こる起こらないにかかわらず初めからはっきりわかっていることでございまして、これまでだって地震があり、そういうときにその東海道新幹線はどうやってそういうときの保全をしていくかということについても、もうもともとからわかっている。もう昭和三十九年から走っている新幹線なんですから、わかっているはずなんですね。それも、雪の降らないときに地震が起こるとは限らないわけですから、あらゆる場合を想定して、やはりそういった場合にどんな緊急な体制でやっていくかということは常日ごろ考えていてしかるべきであると私は思うのです。この場合に人手を使わなければならないような、初めに新設した東海道新幹線、当時の状況がありますから、それは新しいものとは比較にならないとは思いますけれども、そういう状況であればあるほど、そこには人海戦術といいますか、人手をたくさん緊急時には配置するとかそういった方法がとれるはずだと思うのです。例えば東北の場合にそんなにとれない、これがとらなくてもそういった点検ができるということで、もしこれが一社の管轄であるならば、東北の方にはそんなに人員が要らないならば、わっと今度は東海道の方にその人員を回すというような緊急な体制も考え得るわけでしょうけれども、そうでなくて、各社それぞれが違う形でそうした保安点検もしなければならないとするならば、それに合ったような、少なくとも震度五の地震が起こって新横浜までやるのに地震が発生してから四時間もかかるような人員体系というものは、いかにそれが人手がかかるから、だから時間がかかってもいいのだということにはならなくて、それだけの人員をどうやって集中して集めてできるかというふうな体制を常にとらなければいけないというふうに思います。それを管理管理で人員を減らすことばかり考えて、利益優先ということでされると、こういったような形が大きくなって、結局乗客無視、サービス無視ということにつながっていくんじゃないかと思いますが、この点についで、そうした人員をたんたんと減らしてきたということについて運輸省としてはどういったことをこれまで指導、また監督されてきたでしょうか。
○井山政府委員 私ども、安全が第一というのがまず基本にございます。そういう意味で、人減らしをした結果、安全に影響があるということでは困る、これは大前提、だれが何と言おうと守らなければならないことでございます。ただ、先生御承知のとおり、地震の発生回数ということと、それと人間をどの程度常時配置して一斉に飛び出せる体制をつくるか、これは新幹線をとめるほどの大きな地震の発生回数等から見ますと、なかなかここは難しいところがございます。 そこで、これはさっき申し上げたあれかもしれませんが、東海道新幹線の場合、今までの経験から、従来あちこちに検知するターミナルをつくっておきまして、これが仮に施設にそれほど影響のないものだな、例えば距離がかなり遠いところの地震でもまずとめてしまう。それで一定期間は震度に応じまして必ず点検するということをやったわけです。そこで、きょうの朝刊にもちょっと出ておりますが、新しいシステムを考えまして、何かユレダスという、地震を非常に感知する機能でユレダスという名前をつけたようでございますが、これをつけまして、これはどういうことかと申しますと、震源の位置とそれからそこまでの距離というのが探知できるようでございます。一方、そういう情報を早目にキャッチいたしまして、センターの方でコンピューターにいわゆる要注意箇所というデータを相当入れておくようでございます。そこで、この距離のこういう種類の震動ですとここが危ない、あるいはここを重点的に点検しるというのが自動的に出てくる、こういうシステムを考えておるようでございます。そういたしますと、先生がおっしゃるとおり、全線にわたって、例えば何十キロにわたって人間を出すということでなくて、かなり重点的に絞った点検ができるというふうにシステムを考えたということで、これによりまして何とか人間を大幅に増員しなくても非常に重点化して点検ができ、運転再開が比較的早目にできるというようなことをJR東海は考えたわけでございます。これと従来のものを併用いたしまして、とにかく運転再開をなるべく早くやるということを考えているようでございます。
○鈴木(喜)分科員 そういった科学的なところも当然あってしかるべきだと思います。スピードと安全性というのは相矛盾するものではなくて、それは一点やはり乗客の便益ということ、安全ということ、これは二律背反ということではなくて、両方を両立させる形で努力をしていっていただきたいと思いますので、今後とも、ただ単に利益追求ということではなく、人員の点も、それからまたそれを補完すべく機械化できる部分、科学的なことでできる部分ということについても、それぞれの研究、また実施をしていっていただきたいということを心からお願いします。 今回の事件では、私はちょうど乗っておりますときに、東海道新幹線がとまっている横っちょを東北新幹線がすっすっと走っていくというような現況がありまして、それを見るとなおさらそこに乗っている乗客たちは不満がごうごうと沸き起こり、何で向こうはあんなに走っているのにこっちは走らないのだというような不満が非常に渦巻いたわけでございます。たまたまの現象でございますけれども、そうしたことがそういったすれ違いてない部分でもかなりいろいろな地域で、本来ならこういう席に会社の人が来ていただいて、直接、運輸行政とともに会社の責任者からお話をしていただくというような形をとっていただきたいということを心からお願いをしておきます。 それから、次の問題に移ります。 これもやはりそういった、人手を少なくしてより収益を上げようという姿勢の一つのあらわれじゃないかと私は思いますけれども、昨年の三月から実施されました、やはりこれもJR東海なんですが、車掌さんと運転士さんが兼務をする、そういった変わった形での乗務ということが行われているという現状について伺いたいと思うのです。 昨年の三月に、こういったことが実施される前に、同僚の議員からも運輸委員会でそのことについては質問がされたと思うのですが、そのときの御答弁の中に、運輸省としてもこういった形で何らかの問題点があるかないか、そういうことについてこれからもしっかりと見守っていきたいというような御答弁があったと思います。そういうことを踏まえまして、一年経過したというところで、どういった実態の把握をされ、報告を受けておられるのか、まず伺いたいと思います。
○井山政府委員 先生今御指摘の、新幹線の運転士さんと車掌さんの兼務の問題でございますけれども、JR東海では、運転士さんにも車掌の業務をしてもらうということで、大体平均二カ月ぐらいの車掌業務の教育をいたしまして、それで具体的には、運転の途中で車掌業務をやる、あるいは車掌をやった人は今度はハンドルを握るというふうに一種の交代制をとりながら電車を運転していると聞いております。実施後約一年を経過しておりますけれども、特に運転士さん、車掌さんあるいは利用者の方から特段の苦情があるとは聞いておりませんし、比較的スムーズに仕事が行われていると聞いております。
○鈴木(喜)分科員 特段の苦情があるかないか、比較的スムーズに仕事をしているかどうかということではないと思うのです。前の運輸委員会のときの質問ということでは、ここでは、安全等の問題が生じるかどうかについて、今後の実施状況を注視する、注視していくということについては、ただ単に特段の苦情があるかないかということよりは、乗務している人たちのアンケートをとるとか希望を聞いてみるとかそういった形、または乗客の方のそういった評判等々のアンケートをとるとか、そういったことをまさか運輸省自体がやられるわけにはいかないと思いますけれども、会社自体がそういうことをしていくというような姿勢を指導されるというようなことがあってしかるべきじゃないかと思うのですが、どうでしょうか。
○井山政府委員 お答え申し上げます。 運転士さんの業務を車掌さんがやるということ自体でございますが、車掌の業務というのは、直接的には運転の安全といいますか運行の安全にかかわるものではないと思っております。そういう意味では、人間の能力をいろいろな意味で広く活用するという意味では、これ自体は特に安全上の問題があるということではないと思います。 御参考までに申し上げますと、このスタイルは、JR東日本が東北・上越新幹線のところで大分前から採用している方式でございまして、そこでも私どもは、安全上問題があるとか困ったというようなことは全く聞いておりませんで、スムーズにいっていると申し上げましたのはそういう意味で申し上げたわけでございます。もちろん、安全上の問題がもしあるようでございましたら、私どもとしてはそれを再検討してもらうということにすることにやぶさかではございませんが、今のところは特にないと思っております。
○鈴木(喜)分科員 これは今ちょっと私、うっかりすっと聞いたのですが、ほかのところの新幹線でも採用されているということですか。ちょっと一点だけ、そこをまず確認したいと思います。
○井山政府委員 大変失礼いたしました。 今申し上げたのは、昨年から東日本でもやっておるスタイルと聞いておりますけれども、運転士さんが、要するにハンドルを持つ人とそれが途中で車掌さんになるというのはほかの会社でも行われている……。失礼いたしました。申しわけありません。今申し上げましたのは、一人ハンドルで運転をしていて、途中で交代をしているということが行われているということで、ちょっと不正確に申し上げました。申しわけございません。
○鈴木(喜)分科員 何か、やはり今のお答えを聞きましても、余りこのことに関心を払っておられないのではないかというような気がしてまいります。 一人で運転するということ自身は各社やっている。けれども、その一人の人が二役を果たすということは一つの系列の中ではやっていない。ですから、一人で乗務をするということの安全性か不安全性がという問題ではなくて、それまで車掌という業務をやっていた人が突如そこでかわって今度は運転の業務をする、そのことの非常につらさ、安全性というものについて今私はお聞きしたいし、これをやっているのは東海道新幹線についてだけ、要するに、駅で待機をしていてどこかで交換するところが、ちょうど中間点の豊橋や浜松の間というようなところでひかり号がとまることがあり得ない、どうしても名古屋まで行ってしまわなければならないというような地理的なことがあるので二人乗務していく。しかし、そうすると一人は乗務していく間そこにいるわけで、四つの目で見ているわけですけれども、車掌は何も車掌業務ということをしないでずっとただ単に運転席の横っちょに乗っているだけではもったいないという、もったいないという発想が、東京から出てこれから豊橋あたりで運転をかわられる運転士さんをそれまでそこにただ漫然と座らせるのはもったいないからその間車掌業務を兼務させようじゃないか、こういった発想だろうと私は思います。 それについて、今何もそのことで安全に被害が出ていない、何かしらの事故が起こっていない、起こっていないのは大変幸いだと思いますけれども、それを一生懸命努力しているのは、そういった過酷な、車掌との兼務をさせられている人たちの努力によって今ここで安全性が保たれているという現状があるわけです。何もこれが無理じゃないということではなくて、無理でも、無理だから事故を起こしていいということではないからそこで真剣にやっている人たち、そういう人たちの苦しみを、ただ安全性に問題がありませんとか、今の御答弁で聞きますとそうした状況についてもはっきりと把握をしておられないという状況では、こういうことについてこれから先、今の問題はもう時間もありませんからなかなか追及はできないと思いますけれども、これから先もしっかりと伺っていきたいというふうに思います。 一言ちょっとこのことについて、今、待っている間ただ置いておくのはもったいないから車掌をさせようというふうに、車掌業務というものの方から見ても、二カ月ぐらいの研修を受けてそこでさせられる人の身、または車掌業務というものはそんなに軽いものではない、それ自身非常に大変なことであると、私など乗っているだけ、かいま見ている乗客ですが、大変な業務であろうというふうに思います。安全の問題にしても、車掌さんの役割も非常に大変な役割だと思います。そういうものを待機している間にさせるといった状態について、もう少し運輸省の方も重大な認識を持っていただきたいというふうに思います。その点について一言お願いを申し上げます。
○井山政府委員 車掌と運転士の兼務が安全性に問題があるかどうかという点は、私先ほど申し上げましたように、JRの場合は、例えば車掌さん経験者から運転士さんになっていくというのが今までの普通乗務ルールでございますので、二カ月の研修で車掌をやるのは大変といえば大変かもしれませんけれども、それ自体で安全性に即問題があるというふうには考えてはおりません。 ただ、この辺は、まさに先生労働条件の問題でございまして、社内で組合と使用者方がいろいろな議論をした上で決めたスタイルだと思っております。安全性に本当に問題があるということでしたら問題でございますので、私としても調べてみたいと思っております。
○鈴木(喜)分科員 時間が来ましたので、ここで大臣から全部を通じての一言お言葉というか感想それから御所信を伺いたいと思います。 そしてもう一つ、特別にお願いをしておきたいのは、ここで余剰人員が当然もし出てくるとした場合に、この余剰人員についての出向ということについては偏向のないようにということを心からお願いしたいと思います。 それでは大臣の御所信を伺って終わりにしたいと思います。
○奥田国務大臣 御指摘のように、最近は本当に鉄道への回帰現象と申しますか、JR利用客が大変堅実に伸びておるということの現象は、単に利便性やサービスの面だけじゃなくて、別に空も担当しておるわけですから空のことと比較するわけじゃありませんが、利用客もスピードだけじゃなくてやはり安全かっサービス面における利便性という点を高く評価してきているところであろうと思っております。いずれにしましても、交通機関にとって、特に鉄道にとって一番大切なことはまず安全、これが最大の基本でございます。そしてなおかつ、それにスピードや快適なサービスという形の利便性が伴っておればこれにこしたことはないということでございます。 後段の質問については、ちょっと意味が理解できなかったので、余剰人員の件……。
○鈴木(喜)分科員 余剰が出た場合には出向等については余り考えておられないのだろうということを前提として伺いました。
○奥田国務大臣 余剰と申しますか、現実に行政監察の方で先般JR各社に対して、まだ経営的にもっとスリム化する必要があるというような厳しい御意見も出ておりますのですけれども、こういった形で人員をスリム化するという形だけで、もしも安全に関する適正な要員配置やサービスの面で劣るようなことになったら大変でございますから、そういったことも念頭に踏まえながらも、できるだけ国民の皆さんから御批判を受けないように、特に安全面における要員配置に関しては十分適正にやってまいらなきゃならぬと思っております。 また、その際いろいろな形での、経営上の理由で、余剰という言葉がどうかわかりませんけれども、そういう形があったとしても、JRがいろいろな企業にも、多目的な形の中での経営の安定を図っているわけでございますから、身分が損なわれることのないように、またそういったことでいろいろな差別が起きないように配慮して指導してまいりたいと思っております。
○鈴木(喜)分科員 どうもありがとうございました。
○左藤主査 これにて鈴木喜久子君の質疑は終了いたしました。 次に、五十嵐広三君。
○五十嵐分科員 きょうは、北海道の各空港の路線の強化などについていろいろ御要請申し上げたりお伺いをいたしたい、こういうぐあいに思う次第であります。 まず、旭川空港でありますが、おかげさまで空港施設そのものも拡張事業が推進しておりまして、この点はお礼を申し上げたいと思う次第であります。それぞれの利用実績を見ましても、東京路線では今JASが一日五便、昨年で五十七万七千人の搭乗者、搭乗率で七六・五%、就航率は九八%になっているようであります。何か北海道ですと雪が降るし就航率がうんと悪いんじゃないかというふうな印象がありますが、そうでないですね。それから、本年度におきましても非常に順調に推移しておりまして、まず六十万人台に乗るというのは間違いないようでございます。それから大阪路線は、去年の四月二十五日から開設されているわけでありますが、予想どおりこれも搭乗率が非常に高こうございまして、これも開設してよかったというふうに思っております。就航率が九九%になっているわけであります。 そこで、こういう実績の上から二、三脚要請申し上げたいのでありますが、一点は東京線でありまして、羽田空港のキャパシティーがあるというようなことはよく承知しておるところでありますが、ぜひひとつ東京路線の増便についてお願いを申し上げたい。それからさらに、これは以前から御要請を続けているところでありますが、ダブルトラッキングの実現について御配慮いただきたい、こういうぐあいに思います。それから大阪線につきましても逐次増便の実現を申し上げたいと思う次第であります。 それから第二点目は旭川と名古屋の間の定期航空路の開設の問題でありまして、これも既に以前からいろいろお願いを続けてきているところで、御指導いただきながら本当におかげさまで、仄聞するところによると、明日ANAが認可申請をするということになってまいりました。ぜひ四月には認可、予定しているように六月一日から開設ということの御善処方、よろしくお願い申し上げたいと思うのであります。 以上につきまして、今の見通し等についてまずお答えをいただきたいと思います。
○松尾政府委員 旭川空港は現在二千から二千五百メートルに規模の拡大を図っておる段階でございます。先生御指摘のとおり利用客も大変ふえてまいっております。 まず第一点の東京-旭川便でございますが、御指摘のような利用状況で年々増加いたしております。問題は、残念ながら羽田空港における空港制約要因がございまして、現在沖合展開を精力的に進めておりますが、今なおなかなか能力アップにつながっておりません。これができれば私ども利用者の利便の立場から積極的に対応してまいりたい、このように考えております。 ダブルトラッキング化の話でございますが、私ども一通りの基準といたしまして一路線で七十万という基準を設定いたしております。恐らくこれも大型化等が進めば達成できるのだろうと思いますけれども、何といっても空港容量問題がございますので、この辺の増加を待って対応してまいりたいと思っております。 それから大阪-旭川路線でございますが、これも順調に御利用いただいておりまして、現在大阪についてはYS代替の話を地元にお願いいたしておりまして、ある程度具体的な話し合いがつけば一つの方法の解決ができるだろうと思っておりますので、いましばらく御辛抱いただければありがたいと思っております。 それから名古屋-旭川路線の新設でございますが、御指摘のとおり近く手続がスタートいたします。六月就航できますように所要の手続につきまして促進を図ってまいりたいと考えております。
○五十嵐分科員 ぜひひとつそれぞれお話しの課題についてよろしくお願いを申し上げたいと思う次第であります。 沖合展開は平成七年というふうに聞いているのでありますが、平成七年それが実現すれば直ちにということはただいまお答えのとおりでありますが、しかしなかなか、それまで待たなきゃいかぬというのも実情からいいますと大変なことで、ぜひこれにつきましても、それぞれ航空会社等と御協議の上、よろしくお願い申し上げたいと思うところであります。 全体的に見て、どうも僕は感じからいうと、まあ九州なんかと対比してみまして、九州の便というのは非常にやはり濃密で、ちょっと北海道は幾らか出おくれた面があるのと、千歳に集中しているという点があるんじゃないかと思うのですね。ですから、千歳以外の地方空港がちょっとやはりおくれているような気がしてなりません。そういう点についてはぜひ、まあ一気にというわけにもいかないでしょうが、徐々に回復をしてほしいと御要請を申し上げたいと思う次第であります。 それから次に、稚内、日本列島最北の地でありますが、稚内空港とそれから東京の通年運航についてでありますが、なかなかこの通年運航というのは直ちには困難であろうと我々も思うわけでありますが、しかし、今お認めいただいているANAによる、六月一日から十月三十一日までですか、以前は十月十五日でしたね、この一日一便について、これは平成三年は利用実績が三万七千人、搭乗率八三%というぐあいに聞いておりましたけれども、ぜひこれにつきましても御高配いただきたい。殊に、やはり六月一日からというのは、ちょっとこれは参るのですね、地元としては。もう五月の連休の時期は一番観光客の多いときでもございますし、ぜひ少なくても一月ぐらいは前倒し就航をさせていただきたいというのが、強い現地の要望でございます。この点はいかがですか。
○松尾政府委員 東京-稚内路線でございますが、御指摘のとおり現在全日空が、ボーイング737型機、これのお客さんの多いときには術型機、中型ジェットが就航する場合がございますが、一日一往復、六月の一日から十月の半ばまで、昨年は十月の十五日まで就航いたしております。 これにつきましては、実はやはり同じように羽田におけるスロット、枠の問題がございまして、なかなか前倒しは困難でございますが、ことしはできれば六月から十月いっぱいとりあえず運航できるように努力をしてみたい、このように考えております。 それで、今後とも、御利用の状況を見ながら、特に冬場の状況も大変需要の問題がございますので、少しでも段階的に前に進めさせていただきたいな、このような考えでエアラインを指導してまいりたいと思います。
○五十嵐分科員 仮に五月一日が無理なら五月何日かでも結構だと思いますが、ひとつ最大限の努力をしていただきたい、こういうぐあいに思います。 そこで、この後お伺いしたいのは、ソビエトというのは去年の暮れ解散したわけでありますから、旧ソビエト、ロシア極東、あるいはサハリンとの間における、それぞれ航空路及びフェリー等の運航についてであります。 私は、北海道なものですから、たまに稚内に行って眺めながら思うのですが、サハリンの南端部分と稚内で四十二キロですね、あの海峡は。天気のいい日は本当に見えるわけですよ。そういう間近にありながら、北海道からサハリンに今行くのにはどういうぐあいに行くかというと、飛行機の場合には、北海道から新潟に出て、新潟からハバロフスクに出て、ハバロフスクからユジノサハリンスクに出る。こうなりますと、これは新潟で場合によっては一泊、それからハバロフスクでは間違いなく一泊しなきゃいかぬのですよ、そして入る。あんなに近くて遠いところはないというのが、我々の現実の印象なわけなんですね。北海道とサハリンの間に、航空機でもそうでありますし、あるいはフェリーでもそうでありますが、定期便が今のところ一つもない状況になっているということは、本当に不思議な感じがするわけであります。 私、去年の二月の十一日に、これは超党派のサハリン友好議連で、横路知事なんかも一緒に加わっていただいて約百人ぐらい千歳からユジノサハリンスクに直接初めて、チャーター便でありますが、飛んだわけですが、あれは紋別のところまで少し迂回しまして、そして流氷を見ながらオホーツクの上を通ってまいりまして、それで、千歳とユジノサハリンスクの間で五十五分ですね、一時間かからないですよ。つまり、現状では今それを二、三日かけて回っているのですから、これはぜひひとつ配慮してほしい、そう痛感するのですね。サハリンの方も、御承知のように、石油、天然ガスの開発なんかを中心にして、非常にさまざまな開発がこれから進められていく、それとの我が国との関係なんというのも非常に新しい展開をしてくるわけでありますので、どうかそういう点もよく御認識いただいて、御協力をいただきたいというふうに思います。 〔主査退席、関主査代理着席〕 今、KAL、大韓航空は、ソウルとそれからユジノサハリンスクの間、これは主としてサハリン残留韓国・朝鮮人の一時帰国、再会の問題が中心なんですが、大体毎月一便ぐらい飛んでいるのですよ。これも、その仕事を始めるときにはKALの方で、私のところへ文書が来て、私はサハリン残留韓国・朝鮮人問題の超党派の事務局長をしているものだから、ただでひとつ協力しようじゃないかというようなことから始まりまして、非常に積極的ですよ。それはもちろん大韓航空としても将来のことを考えてそういう布石を打っているわけですから、我が国の場合ももっと積極的に北側に向けての航路設定にひとつ努力すべきではないか、こんなふうに思うのでありますが、まず、概括的にそういうことについての御見解をいただきたいと思います。
○松尾政府委員 まず、北海道と極東地区との交流につきましては、これは両国間の積極的な交流につきまして、私どもも、今後とも進める必要があろうかと考えておるわけでございます。 それで、今先生御指摘になられました具体的な飛行ルートの件でございますが、私どもの手元で、北海道とサハリンについて申し上げますと、昨年では六便チャーターがございました。それで、ルートにつきましては、迂回でなくて、紋別から直接ユジノサハリンスクに直行できるようになっています。また稚内からは直行ルートでやっておりまして、極東につきましては、今のような御指摘のルートは確かにございましたが、これはルート問題については、何とか対応ができ、直行できると思っています。 極東問題については、また後ほどあればお答えいたしたいと思いますけれども、かなり私どもの国内の防衛庁との協議の問題等がございまして、迂回ルートをおらざるを得ない場合があるわけでございます。
○和田政府委員 フェリーの関係でお答え申し上げます。 サハリンと北海道間におきまして人的交流が活発化することは、両国国民の相互理解を促進するという意味で極めて望ましいものと考えております。 それで、旅客船の定期航路の開設につきましては、昨年二月東京で開催されました日ソ海運当局間協議の合意に基づきまして、現在、日ロ両国の海運企業間においてワーキンググループを設置し、フェリー航路開設につき具体的な検討が進められておりますことは先生御承知のとおりでございます。両国海運企業間のワーキンググループは現在まで既に二回開催されておりますが、近々第三回目を開催いたしまして、航路の採算性等について検討すると聞いておりますので、私どもといたしましては、その動向を見守っていきたい、こういうふうに考えておる次第でございます。
○五十嵐分科員 去年は九便ですよ。もちろんいずれも不定期ですね。僕の申し上げているのは、定期便というのは一つもないよということを言っているわけですね。やはり定期便の開設についてもぜひ積極的にひとつお取り組みいただきたい、このことを申し上げているわけであります。 そこで、今要望のありますのは、あるいはこれはこちらの方に来ているかもしれませんが、北海道、函館からハバロフスク、ウラジオストクだったと思いますが、それから旭川空港ではユジノサハリンスク、千歳はこれもそれぞれのところに定期路線を開設したいという要望が来ているというふうに思います。それらについてぜひ積極的にお進めいただきたいと思うのです。そこで、今ちょっと局長さんもお触れになられた訓練空域の問題がある。これもしかし、昨年の運輸省及び防衛庁の協議の状況なんかを見てみますと、まあまあ運輸省に要請のあったものに関してはほぼ協議の上認めているという実績になっているようでありますが、なお今年以降それぞれの空港から極東あるいはサハリン等にチャーター便として飛ぶという便数もふえるのではないかと思うわけでありますので、この際、きょうは防衛庁で河尻訓練課長さんにおいでいただいておりますが、ぜひそれらの就航について善処してほしい、このことを特に御要望申し上げたいと思います。それから、一緒に御質問しておきたいと思いますが、今申し上げましたように、定期の航路というのは一つもないものですから、それぞれその要請を強くこれからしていかなくちゃいけませんし、その実現を期してまいらなければならぬのでありますが、これはそれぞれの、不定期の場合と違って定期ということになりますと、訓練空域との関係がまた一段と出てくるわけであろうと思います。しかし当面は、そう便数もこれはどう考え一たって多い便数ではないというふうに思いますし、その辺につきまして、これもそのネックがあるために定期便を持つことができぬというようなことでは困りますので、これも善処方を強く要請申し上げたいと思うのですが、いかがですか。
○河尻説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘の件につきましては、時期でございますとか、あるいは時間帯でございますとか、便数でございますとか、あるいは経路等によりまして一概に申し上げることは困難でございますけれども、今後ともケース・バイ・ケースで判断させていただきたいと考えております。ただ一般論といたしまして、自衛隊の訓練試験空域におきましては自衛隊機が宙返り、きりもみ、背面飛行などの曲技飛行等各種の訓練を実施しているところでございますので、これへの影響が生じることは避けたいというのが防衛庁の基本的立場でございます。 他方、私どもといたしましても民間航空交通の増大等の事情につきましては十分承知いたしておるつもりでございまして、自衛隊の訓練等と民間航空交通の問題につきましては両者が両立し得るよう今後とも知恵を絞ってまいりたいと考えておりますので、何とぞ御理解を賜りたいと存じます。
○松尾政府委員 ただいま防衛庁の方から非常に御協力の対応を今現実にしていただいておりまして、チャーター便につきましては私どもその都度よく協議をいたしておりまして、円満に進めさせていただいております。 それから、先ほど御指摘のサハリシスクとの間は六便でございますし、ハバロフスク等を含めますと、先生御指摘の九便のチャーターの実績でございます。ただ、これから定期航空路を開設するに当たりましてはどうしてもロシア連邦の管制機関と我が方の管制機関との直通回線を設定する必要があります。現にハバロフスクとの間は直通回線ができておりますので、例えば新潟とハバロフスクあるいは新潟とイルクーツクの間は定期便が既に飛んでおりますが、北海道との間についてもこれから必要性があれば私ども進めさせていただきたいと思います。この段階でどうしても航空路を設定する必要がありますので、防衛庁とも十分協議しながらルート上の問題を設定いたしたい。今まではチャーター関係については防衛庁の協力を受けて円満に、かつ安全に飛行ができておる、こういう状態でございます。
○五十嵐分科員 御承知のように道庁の方も大変熱心にやっておりますので、ぜひそれぞれ地元の要請におこたえいただきますように積極的な善処方をお願い申し上げたいと思います。 それから河尻課長さん、どうですか、もう内外の情勢が相当変わってきているのですが、あのC訓練空域、あれはいわばロシアの方へ向けて、昔で言えばソ連シフトでできていることなんでございますが、そろそろ再検討していいのではないか、ああいうレイアウトでいいのかどうか、この辺は御検討になっておられるかどうか、この機会でありますからちょっとお伺いしたいと思います。
○河尻説明員 先生御承知のように、現在の訓練空域の多くのものは昭和四十六年の雫石事故の後設置されたものでございます。大変痛ましい、申しわけない事故であったわけでございますが、先生御承知のように、雫石の事故では自衛隊のF86F戦闘機と民間機が衝突したというものでございました。 ごく一般論でございますけれども、航空自衛隊の戦闘機につきましても、F86FからF104へ、さらにF4ファントムから現在のF15へと軍事技術の進歩に対応いたしまして逐次近代化が図られておりまして、速力等も増大してきておりますし、武器につきましても機関砲からミサイルといったふうに変わってきておりますので、訓練空域の必要性というものはいよいよ増してきておるというのが私どもの考え方でございますけれども、先ほど申し上げましたように、私どもといたしましても民間航空交通の増大等の事情につきましては十分承知させていただいておるつもりでございまして、今後とも自衛隊の訓練と民間航空交通の問題につきましては、両者が両立し得るよう知恵を絞ってまいりたいと考えております。
○五十嵐分科員 フェリーの面でありますが、稚内-コルサコフ間、これは去年も相当な便数が出入りしておりまして、稚内港利用の出入国が延べ約三千人くらいというふうに伺っているところであります。ことしもサハリン・ツアーなども十五便ぐらい計画されるのではないかというようなことも聞いておりまして、稚内としてはコルサコフとの定期の設定というのは、これはもう昔は何といったって稚内はロシアの玄関口であったわけでありますから、これは強い願望であります。これについても、ひとつ十分に御検討いただきたいというふうに思います。 それから一方、小樽からホルムスク、そしてワニノ、これはワニノが第二シベリア鉄道につながっていく路線でありますから、これにつきましては、小樽は去年旧ソ連からの観光客が一万四千人ぐらいあったというのですね、大変な数でございます、それぞれ海運企業も熱心にそういうことを願望しているというふうに私どもは地元の自治体から聞いているのでありますが、ぜひこれらのフェリーの定期化等についてもよろしくお願い申し上げたい。さっきちょっとお答えがございましたが、なおその点を強く要請したいと思うのですが、いかがでしょうか。 それから、なおその後、まことに恐縮ですが、大臣、そういう今のロシアとの交流の積極的な展開について、また二言いただければありがたいと思います。
○和田政府委員 お答え申し上げます。 定期航路につきましては、関係者と協議いたしておりますけれども、まず小樽港がよろしいのではないかというお話し合いが続いております。それから、不定期につきましては、先生御指摘の稚内等も含めいろいろなところが考えられるのではないか、こういうふうに考えておりまして、いずれにいたしましても、サハリンと北海道の海の結びつきは非常に重要でございますので、積極的に取り組んでいきたい、こう思っております。
○奥田国務大臣 日ロのこういった大変な友好、雪解けのムードというものを大切にしてまいらなければならぬと思います。そのためには、先生もおっしゃいましたように、全く近くて遠い国、これを何としても近くて近い国に、当然の方向に持っていくわけでございますから、定期航路の開設に当たりましては、先生の御意見を踏まえまして、道民のそういった気持ちも尊重いたしまして積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○五十嵐分科員 ありがとうございました。 恐縮ですが、今の局長ですね、小樽はいいのですが、稚内についてもやはり将来定期化しようという願望が強いわけでありますから、そういう点はきちっと受けとめていただかなくてはならぬというふうに思うのですが、一言つけ加えていただきたいと思います。
○和田政府委員 今から関係者のお話を十分伺いながら対処していきたい、こう思っております。
○五十嵐分科員 どうもありがとうございました。
○関主査代理 これにて五十嵐広三君の質疑は終了いたしました。 次に、山口那津男君。
○山口(那)分科員 私からは、私の選挙区が東京十区というところでありまして、足立区、葛飾区、江戸川区であります。現在の居住地は葛飾区内であります。それから、私の人生の半分は幼少期を茨城県で過ごしまして、そういう意味では、東京の東側の開発というものが西と比べれば相対的に非常におくれておる、交通機関もしかりであるということを痛感してまいった一人であります。 そこで、かねてからこの地域につきまして各種鉄道敷設の計画があります。例えば常磐新線、それから営団地下鉄の八号、十一号、さらには新交通システムとしての舎人新線というようなものが既に計画されておるわけであります。そして、運輸審議会の答申によれば、常磐新線を初めとする今のこれら交通機関が平成十二年の完成を一応めどとしておる、こういう答申も出ておるところでございます。 しかしながら、現実はなかなか、予算あるいは用地買収その他の事情が重なりまして思うようには進行しておらないということは、地元としても非常に残念でならないと同時に、焦りにも似た強い要望というものがひしひしと感じられるわけでありますが、順次、これらの路線についての現在の進行状況、そしてまた抱える問題点、これらをどう解決し、この平成十二年の開通へ結びつけるか、これらの点についてそれぞれお答えをいただきたいと存じます。 まず常磐新線から伺いますが、これはもう第三セクターが設立の運びとなりまして、いよいよ早期着工に向けて新たな段階に入ったと認識をいたしております。この点についていかがでしょうか。
○井山政府委員 お答え申し上げます。 常磐新線でございますが、これは先生よく御承知のことでございますが、首都圏におきます住宅需要に対応する、それから、現在のJRの常磐線の通勤通学の混雑を何とかして緩和したい、こういう幾つかの意味を持った重要な路線だと考えております。 そこで、私どもといたしましても、これは建設省、自治省と一緒に特別の法律をつくりまして、これは大都市地域における宅地開発及び鉄道整備の一体的推進に関する特別措置法という法律をつくりまして、東京、埼玉、千葉、茨城の一都三県にまたがる大プロジェクトとして位置づけておるわけでございます。 基本計画の承認を昨年やりまして、さらにことしの一月十日に鉄道事業の免許をやったわけでございます。今、会社、首都圏新都市鉄道株式会社でございますが、第三セクターでできているものでございますが、これが今工事施行認可の具体的な手続を内部でやっておるところでございます。このほかに、都市計画との関係とか具体的な宅地開発をこれからやる場合の、特に千葉、茨城の方の区画整理とか、こういうところの調整が非常に必要でございますが、そういう手続をする前提としての内部検討ということを進めておるわけでございます。 会社といたしましても鋭意やっておりますが、私どもとしては、平成四年度中に何とか着工にこぎつけたいということで、会社を督励し、あるいは関係都県を督励している、こういう段階にございます。
○山口(那)分科員 この常磐新線の分岐点となります北千住の駅は、既成の常磐線、営団地下鉄の千代田線あるいは日比谷線そしてまた東武鉄道等、さまざまな鉄道の合流点になっております。ここにさらに常磐新線が加わるわけでありますが、この北千住の混雑というのは相当なものになるであろうと予想されるわけでありますね。この駅舎の設計、あるいはあの地域の再開発等も含めて、ぜひ総合的、抜本的な改善を御要望したいと思います。 さて次に、営団地下鉄の八号線、十一号線ですが、これはかねての計画ですと、一部共用区間もございまして、八号線はJRの亀有駅方面へ、そして十一号線は松戸駅方面へということが計画されておるわけであります。 しかしながら、八号は免許申請がなされながらいまだに認可になっておらない。地元の住民といたしましては、常磐線あるいは営団地下鉄千代田線の沿線でありますが、亀有に八号線がつながれば、これが分岐点となりますので、周辺の開発及び混雑緩和にも幾分資するところはあるであろう。また、松戸も相当な混雑が現状でありますが、ここも十一号線とうまくドッキングをすれば、これはかなりの混雑緩和に資するであろうと思うわけであります。一方、常磐新線と比較しますと、これは全くの新線でありますが、都心部は既成の在来線と並行して走るものの、埼玉、茨城に行くにしたがってかなり在来線とは離れてまいります。ですから、これはむしろ沿線の住宅開発あるいはその他の総合的な開発に資することはあったとしても、混雑緩和という面では私はさほど効果があるかどうか疑問に思っております。 そういう意味でも、この営団の八号線、十一号線というのは、既成の常磐線、千代田線の混雑緩和という面から見ればむしろ直接的な効果が期待されるものとして早期の実現を望んでおるわけでございます。 これらについて、一括して現状及び今後の課題等についてお答えをいただきたいと思います。
○井山政府委員 先生今御質問の八号線、十一号線、確かに従来からの計画がございまして、運輸政策審議会の答申でも、ぜひつくった方がいいじゃないかという御答申をいただいていることはそのとおりでございます。そのほかには、営団が今抱えております候補路線としましては、十三号線という池袋から新宿、渋谷までの路線もございます。この辺の各路線の競合関係と申しましょうか優先順位と申しましょうか、これをどう考えるかということでございますが、まず営団としましては、今具体的には七号線、今度南北線という名前をつけましたが、これの工事が最盛期に入っておりまして、つい先日、駒込と岩淵町の間を開通させていただきまして、今さらに駒込から南の方、目黒までの方向へ、平成七年度開業を目途にやっておるところでございます。 そこで、こういう状況の中で新しくやはり急がれる路線をどういうふうに順位づけるかでございますが、若干抽象的になりますけれども、私どもの考え方としては、輸送需要の将来、これはどう考えたらいいか、それから収支の採算性というもの、それから地域開発の効果といいましょうか、あるいは交通ネットワーク形成でそういうほかの線とのどういう連携がとれるかという、いろいろな意味からのチェックがございます。もちろん建設資金をどうやって確保していくか、大変難しい問題がございます。 そこで、営団としましても、今七号線を鋭意やっておりますけれども、今後これをどの順番でやっていくかというのは大変頭の痛い問題でございまして、私どもも同様でございまして、営団においては専門的にかなりいろいろな勉強を続けていただいておりますので、その辺の成果を見て、私どもそういう話を聞いて、順次判断していかなければいけないなということで、今のところいつとかそういうことは具体的に申し上げる段階にはないということを御理解いただきたいと思います。
○山口(那)分科員 例えば、七号線が先行しているわけでありますが、住民の素朴な感情からすれば七号の次は八号であろう、そしていずれ十一号であろうと。ところが、七号はかなり力を入れて進行しておるものの、八号については認可すら得られていない、こういうことが一つございます。それから十三号についても、これも競合関係にあるというお話ですが、これもその素朴な感情からして、八号、十一号の方が先なのに、八号すら手がついていないのに十三号がなぜ先なんだと、こういうものも住民としては率直な感じを持っているところでございます。 そうした意味で、今のままですと平成十二年の完成、営業開始ということは到底おぼつかないんじゃないか、何のためにこういう目標を掲げてこれまで地元等とも対応してきたのか、全く展望がないではないか、こういう指摘もなされるところであります。この優先順位につきまして、何か具体的な障害があるとすればどのようなものなのかも含めて、もう一度御答弁をいただきたいと思います。
○井山政府委員 お答え申し上げます。 具体的な別に障害というような決定的なものがあるわけでございませんが、やはり工事能力とか資金調達とか、我々助成をしております助成の大枠といいましょうか、こういうものをやはり総合的に考えていかなければいけないものだろうと思います。また、投下資金の効率的な使用ということも必要でございますので、そういう意味で、今どこが何点とか、こちらが何点、したがってこちらの勝ちというようなそういうふうな順位をつけられないのが残念でございますけれども、先生がおっしゃるように七、八、九、十と順番に行くわけでは決してございませんで、やはりそこはめり張りが必要なんだろうと思っております。そういう意味で、地元の御要望はよく、もう私どもも何回も御陳情もいただき現地の状況も十分承っております。 しかし、今のところ、具体的にこれが決定打でだめとか、これが決定打でいいとかいうことが、まだそこまで判断をしておりませんので、御理解をいただきたいと思います。
○山口(那)分科員 ぜひ前向きに検討していただきたいと思います。 さて次に、舎人新線についてでありますが、これは路線はほぼ確定しているかと思うのでありますが、工事のめどが実際には立っておらない。また、事業主体もどうなっておるのか定かではないということでありますが、主として東京都が事業主体として取り組むべきことでもあるのかもしれませんが、この点についての現状及び課題についてお答えいただきたいと思います。
○井山政府委員 舎人新線につきましても、先ほど先生御引用なさいました運輸政策審議会の答申で「日暮里・舎人間については、輸送需要の動向等を勘案のうえ、新交通システム等を導入する。」、こういう御答申があるわけでございます。 これにつきましては東京都が非常に関心を持っておられまして、特別の委員会をつくりまして、学者先生等々集まっでいただいて検討なすったわけでございます。その際にはやはり導入の必要性、需要見直し、ルートの比較評価あるいは収支採算性、こういうような検討がなされまして、平成三年の三月にとりあえずの委員会報告というのが出されておるようでございます。現在、東京都の関係部局におきまして、採算性だとか経営主体はだれにするかとか、そういうような事業化に向けましての検討が行われていると聞いております。 私どもといたしましても、答申もございますので、これにつきましては東京都が中心的役割を果たしますので、東京都からいろんな話を聞いたりして非常に関心を持って見守っているところでございます。もう少し東京都として結論が出るのが時間がかかるのかというふうに見ております。
○山口(那)分科員 舎人新線は、たしか平成十一年の開業を目指しておられるわけですね。ですから、これも今の進捗状況ですと目標達成は大変困難であろうかと思うわけでありますが、その点について、これは交通のシステムが既存のものとは違う、それから路線も比較的短いという意味で、この完成の見通しは他の鉄道とは違うというようなお考え、判断は持っていますでしょうか。
○井山政府委員 お答え申し上げます。 今東京都の委員会で計画されているのは約十キロの路線でございまして、道路の上にうまくこう乗せて運びたいということを考えております。そういう意味ではお金の問題との競争なのかもしれませんが、工事的にそれほど難しいものではないというふうに聞いております。ただ、日暮里の駅に入る入り口といいましょうか出口といいましょうか、ここにどういう形で取りつけていくかとか、具体的な問題をいざ現地に当てはめますと細かい問題はいろいろ出ているようでございますが、今のところ、もしそういう話がきちんと詰まりましたら、やること自体に特別に難しい技術的な問題があるというふうには考えておりません。
○山口(那)分科員 この点も鋭意進めていただきたいと思います。 さて、最近の新聞報道によりますと、私鉄の各社、これが用地の取得難から新たな路線をセットするのは困難である、しかし輸送力はアップしなければならないということで、既存の路線の地下に直下型の地下新線といいますか、新しい路線をつくる、そして、現在は複線でありますが、これを複々線化しようというような計画がなされているやの報道がございますが、この点について現状、どの程度のことを運輸省としては承知しておるでしょうか。
○井山政府委員 お答え申し上げます。 今先生がおっしゃいました、既設線の真下に直下型というのでしょうか、地下の新線あるいは複々線の複々線部分をつくるという考え方、私が承知しておりますところでは、西武鉄道が新宿線の都心寄りの方を真下に掘りたいということがございます。 この動機は、いろいろあるのでございますが、今のままで地上で高架をし、かつ複々線にしようといたしますと、やはり用地の問題が一番大きな問題のようでございます。やはり複々線になりますと幅も広げなければなりませんので、土地を買収しなければいかぬ。ところが、御存じのとおり都心部の土地というのはもう非常に高いし、実際の場合なかなか売っていただけない。それではどうしたらいいかと考えましたときに、最近の土木技術の発達でシールド工法などで真下を掘れば掘れるのではないか。曲線なんかのトンネルもかなり技術改良がありまして、うまく掘っていける、こういうことを考えたようでございます。もちろん経費とのバランスでございますので、それはそれなりに私企業でございますので比較したんだと思いますが、そういうことで考えているというのが一つ例がございます。 ただ、真下、直下型の地下化というのは非常に、いいことはいいのですが、やはり一つは深いということで、駅がそうたくさんできないというところがございます。ですから、急行運転で非常に十キロとか何キロだとか飛ばして、各駅のサービスがとてもできない。といいますのは、深いものですから地上まで持ってくるのに大変な施設設備がかかるということで、そういう意味の一種の難点もございます。そこはございますけれども、複々線化して快速運転、急行運転をやるというような場合に、思い切って駅を飛ばしてしまうというときには非常に有効だろうと思います。 その他、本件につきましては、技術的に、例えば安全上の問題、特に防災対策というようなことも駅が深くなります場合には考えておかなければいけないというような問題もございますが、技術的には実現可能性が十分あると思っております。
○山口(那)分科員 この点について技術的にはさほど障害がないかのようなお話でしたが、例えば、所有権を持っている地下に直接つくるのであれば権利上の問題は一見生じないかのようでありますが、やはり地下にもさまざまな利用権が錯綜しておるというのが都心の現状だろうと思うのですね。その意味で、このプランが権利の面、技術の面においてほとんど問題がないというふうに評価されておられるのか。 だとすれば、例えば西武鉄道ですと、これを西武新宿から上石神井駅まで九三年に着工して九七年には完成、開業を目指す、このような報道もあるわけでありますが、そのようなことが可能であるのかどうか。そして今後、西武あるいはその他の私鉄、報道では既に相模鉄道あるいは小田急等も検討しておるというふうに報じられておるわけでありますが、これを順次進めていくようなお考えがあるのかどうか、これらの点についてお答えをいただきたいと思います。
○井山政府委員 私どもが今伺っておりますところでは、西武が九七年完成かどうかはちょっと今手元に資料がございませんではっき力お答えできませんが、いずれにしても、この西武鉄道の複々線化は、池袋線の複々線化とあわせまして私どもで言う特定鉄道工事という対象になっております。これは運賃を若干先取りをさせていただきまして、その資金をこの工事に充てるという制度でございまして、これは平成九年までに一応つくるという計画になっております。この対象にはしておりますので、そういう意味で平成九年というのが一つのターゲットになるわけでございます。 それから、もう一つ聞いておりますのは、相模鉄道が、あの沿線がかなり込んでまいりまして、なかなか増発ができないのでやはり真下を掘るうか、これはまさにまだ検討中、構想の段階でございます。もちろんあの線は、横浜に入りましたら横浜駅の処理の問題も、地下で行おうとしたらかなり大きな問題がございますので、そこら辺は都市計画との関係も含めまして問題点が結構あるんじゃないかと思います。クリアするにはまだちょっと時間がかかるな、こんな感じで見ております。
○山口(那)分科員 そうしますと、西武新宿線のこの工事については総事業費が一千六百億円ぐらいである、こういうふうに報道されております。さっきお話に出ました営団地下鉄の七号線、これは工事費が相当膨大になるんじゃないかと思うのです。例えば西武新宿線とこの営団七号線を比較しました場合に、いわば一メートル工事するのにどれぐらいの単価がかかるかとかという比較を仮にしますれば、恐らく営団地下鉄の方が、新規の路線ということもあって相当膨大になるだろうと思われるわけですね。そういうコストの比較というようなデータがありますれば、お答えいただきたいと思います。
○井山政府委員 お答え申し上げます。 これは、一般的に地下鉄が幾らでどれは幾らというふうには、地形とかあれによって違いますけれども、一般に地下鉄の方が圧倒的に高いということは言えると思います。これは、理由の一つは、深いということもありますけれども、駅部が非常にお金がかかるということなのでございます。トンネルのところは、ただ掘ればいいと言ったらあれでございますけれども、駅の方は、上から大きな穴を掘りまして、それで埋め戻しをする。シールドの駅というのはまだ数が少のうございます。その土を動かすという、それから、特に夜間の工事になって工期がかかりお金もかかるということで、地下鉄の方が圧倒的に高こうございまして、キロ当たり大体二百五十億から三百億というのが東京なんかの場合のいわば相場と言ってはいけませんが、そういう感じになります。 西武線の方は、今計算中でございまして、具体的にキロ当たり幾らというところは、今ちょっと手元に資料がございませんので、お許しをいただきたいと思います。
○山口(那)分科員 その西武で計画しているのも地下ですから、地下を掘るという意味では地下鉄と別段違いはないわけでありまして、おっしゃったように、駅の施設をつくるとかその点の差が大きく出るもの、それから地下の権利を新たに設定、取得するための経費、こういうものの違いが出てくるのだろうと思うのです。いずれにしても、圧倒的にコストの違いはあるということでありますから、この私鉄の考え方は、既存のその他の鉄道についても大いに利用可能な考え方であろうと私は思うわけです。 例えば、さっきの営団地下鉄の八号、十一号の話に例えてみれば、これはほとんどが既存の道路の下を通ることで工事が可能であるように思われます。例えば十一号でいえば、主として水戸街道沿いに通っていけばいいということですね。八号も、曳舟川という川がありますが、今これは埋立工事をやりまして全部親水公園化することになっておりまして、この地下を通ることが予想されておるわけでありますね。そうした意味で、新たな用地取得あるいは権利調整のためのコストというのはさほどかからないであろう。だとすれば、駅の数によって多少違いが出てくるのかなとも思うわけであります。 いずれにしても、この私鉄の地下新線のコスト感覚からいえば、これを今計画されているさまざまな路線に応用していけば、もっと少ない費用で早期実現の可能性もまあなくはないだろうというふうに抽象的には考えるわけでありますが、この点についてどうお考えでしょうか。
○井山政府委員 お答え申し上げます。 私鉄の場合、先ほどちょっと申し上げましたけれども、まさに真下を掘る場合、駅が非常に限られるということがございます。しかし、地下鉄の場合は、平均の駅間距離が一キロから二キロの間でございまして、どうしても駅を置かなければならないという問題がございまして、どうしてもコストは、確かに先生おっしゃるとおり、既存の道路あるいは既存のさっきおっしゃったような川の下をうまく掘ればいわゆる用地費の問題はその部分はないわけでございます。 もちろんこういうような考え方というのは非常に参考になるわけでございますが、私鉄のそういう西武新宿線の例が即地下鉄に応用できるかどうかは別といたしまして、将来費用を少なくするということの一つの参考には十分なるだろうと思っております。
○山口(那)分科員 そこで、各路線の優先順位を考えるに当たっていろいろな観点が必要であることは御指摘のとおりでありますが、これも総合的な配慮でありますから、必ずしも営業係数がどうか、採算がとれるかどうかという観点ばかりではなくて、やはりコストとの関係で、早く完成ができるかどうかとか、あるいは比較的コストが安いからこそ早く完成をさせ、そして沿線の開発を進め、開発及び輸送力アップにつなげる、こういう考えもあり得るわけであります。 そして、従来から言われておりますところは、西と東を比べれば、これはもう西高東低の日本の開発の図式というものがありまして、例えば不動産業界で一般に言われているのは、東京の開発は時計回りに回る、つまり西から順次進んでいくというようなことが常識化されております。そうすると、この東の側というのは一番最後になるということになるわけでありまして、果たしてそういう考え方でいいのかどうかということも指摘されてしかるべきなわけですね。 そんなことで、十三号線との競合関係の検討に当たりましても、八号、十一号、コストその他さまざまな配慮をしていただきましてぜひ早期着工に結びつけていただきたい、このように要望する次第であります。 最後に大臣に、これらの鉄道事業の総合的な発展あるいは開発につきまして、所信と御決意をお伺いいたしたいと思います。
○奥田国務大臣 今、首都圏を中心にしてのいろいろな御意見の開陳を承っておったわけでありますが、いずれにしても、今日の混雑、ラッシュ時におけるようなああいった状態は、運輸行政を担当する者にとっては本当に残念なことでございます。 安全性も確保しながらこういった形の緊急課題を解決していくという視点に立ちまして、今先生がお示しになった各種新線の建設、これらを、できるだけ新しい技術をできるだけ駆使することによりまして一日も早く地域住民の意向に沿っていかなきゃならぬなという思いを深くしておる次第でございます。
○山口(那)分科員 私は、この問題については、実は平成二年の質疑に当たっても同様のことを伺ったわけでありますが、当時でありましても松戸あるいは北千住において余りの混雑のために若干の事故もありました。それらを踏まえて、当時の大野運輸大臣でありましたか、ぜひともその混雑の状況を一度視察させていただきます、こういうお話もあったのですが、結果としては実現されませんでした。したがいまして、奥田運輸大臣にあられましては、ぜひともこの実情をよく御認識していただきたいと同時に、それを前提といたしまして、この鉄道の早期実現に向けて御努力を賜りたいとお願い申し上げまして、私の質問とさせていただきます。 ありがとうございました。
○関主査代理 これにて山口那津男君の質疑は終了いたしました。 次に、金子満広君。
○金子(満)分科員 私は、東京上野の町づくり、これとの関連で、JR東日本の問題について幾つかの点についてただしておきたいと思います。 御承知のように、上野は徳川時代からの歴史と文化の町であり、そして上野公園があり動物園があり不忍池がある、寛永寺があり東照宮がある、そして商業の町であり浅草と直結している。明治十六年に上野駅がつくられて、北の玄関という言葉がそこで使われるようになったわけですね。 そういう中で今大きい問題が出ているのは、国鉄が分割・民営化されJRになってから、公共性という面が後退をして営利第一主義とまで言われるようなことがだんだんむき出しになってきているというのは、これは私の言葉ではなくて「関係自治体の中であるいは業界の中でも言われることですが、今問題になっているのは三つあります。 一つは、京浜東北線の御徒町駅の一定時間の通過問題です。それからもう一つは、東北・上越新幹線がこれまで上野始発であったのが、東京につながりましたから、ほとんど九五%が東京始発になり、上野の新幹線が過疎化してきたという問題です。それから三番目は、こういう中でJR上野駅ビルの建設が計画をされ、大きな問題になっているという問題であります。 これは、分割・民営化されるときにいろいろのことは予想されておったわけですね。大臣も御存じのように、当時、旅客鉄道株式会社及び日本貨物鉄道株式会社に関する法律ができましたが、その十条で中小企業に対してこういうように言っているわけですね。「会社は、その営む事業が地域における経済活動に与える影響にかんがみ、その地域において当該会社が営む事業と同種の事業を営む中小企業者の事業活動を不当に妨げ、又はその利益を不当に侵害することのないよう特に配慮しなければならない。」こういうように法規定がされておりますけれども、当然JRもこの線に沿ってやるということは言えると思いますが、まず最初に大臣の所見をここで伺っておきたいと思います。
○奥田国務大臣 確かに民営化に当たりまして、経営基盤を強化するという形の中で関連事業をやってもいいということで、そういったことに、東ばかりじゃなくてJR各経営者は今真剣に努力しておると思います。 ですけれども、あくまでもJR事業そのものの公共性というものは尊重されなければなりませんし、利益を追求する余り、そういった形、地元の特に中小企業に、この十条でも示されておりますように不当な侵害といいますかそういった事業活動に影響を与えるというような形は、地元とともに共存する公共輸送機関の経営者としては慎んで。いかなきゃならない、そういうふうに信じております。
○金子(満)分科員 非常に大事なお答えがあったわけですけれども、まず京浜東北線の通過の問題ですね。 この点で申し上げますと、八八年三月十三日からやられました。京浜東北線というのは神奈川、東京、埼玉に抜ける電車の線です。ここで通過の時間というのは午前十時半から午後三時半まで、大体その時間帯で一日約六十三本が通過するようになっています。 御承知かとも思いますけれども、この御徒町はもともとこの地域における商業の発展のいわば発祥の地というか中心点であったわけですね。ですから、今ここを中心に約千三百の商店があります。ところが、JRがここを通過させるのにどんな理由をつけたかといいますと、言われている理由は、通勤の混雑緩和と直通速達サービスというのが一つ、もう一つは、地域に密着したダイヤづくりということなんですね。 ところが、ここのところでいろいろ問題が起きますけれども、その問題は後にして、もう突然のことで、地元の台東区区議会それから全商店連合会、業界、町会挙げて反対なんですね。運輸省にも請願、陳情を出しました。都にも出しました。繰り返しやってきたわけです。とめなくてもいいというのはゼロだった。ところがJRは全くこれに耳をかさなかった。これを進めちゃったわけですね。ですから、こういう中で、今でもあの地域に行きますと、御徒町に京浜東北を停車させるという横断幕がいっぱい掲げてあります。 そうしてそういう中で、部分的には年末の三日間、二十九、三十、三十一、正月の一日、二日、三日は停車させるという措置をとらざるを得なかったわけですけれども、そういう点で考えて、地域の中小企業に与える影響というのはもう甚大だと私は思う。客がどんどん減っているわけですね。 そういう点から、現状の見直しをする、そして停車をさせるという方向で運輸省はぜひ指導すべきだし、指導してもらいたいと思うのですね。その点については、先ほどの旅客鉄道株式会社、あの法律の十三条で運輸省の指導監督が出ておりますから、そういう点で、現状見直し、停車の方向でひとつやっていただきたい、これが第一の地元の要望です。
○井山政府委員 先生今お話ございましたように、昭和六十三年の三月のダイヤ改正でございますが、JRとしては、京浜東北線に快速運転の列車を運行するということで、確かにおっしゃったように、十時半から十五時半、これは東京駅が基準であると思いますが、その間に快速運転をしたいということで実施しておるところでございます。 JRの話によりますと、この区間は、先生よく御存じのように、一面のホームに片方側が京浜東北線、片側が山手線と走って、それぞれ今まで各駅停車になっている。しかし、田端-田町間というのは、やはり埼玉から東京の方あるいは逆に神奈川から東京の方へ来る人が一分でも早く行きたいというような御希望もあるというようなことなども考えまして、乗りかえはホーム・ツー・ホームで乗りかえられるのでそう御不便をかけなくて済むのではないか、そういうことでやったわけでございます。 快速運転というのは、私鉄などでもかなり行われている例がございますし、運転すること自体がけしからぬということでもないのじゃないかとは思いますけれども、ただ、先生先ほどおっしゃいましたように、突然といいましょうか、その辺でもう少し考慮すればよかったのかなという気がいたしますけれども、その快速運転自体を私どもがやめろというところまでは言う必要はないと思います。というのは、やはり輸送の形態としてそういう運転もあり得るわけでございますので、そこのところはもう少し様子を見させていただきたいと思っています。
○金子(満)分科員 今そういうお話ですけれども、突然でやったことと同時に、通過させていいという賛成者はゼロで、とめてほしいというのが圧倒的な地域の人々の、団体の要求なんです。確かにおっしゃるとおり、山手と京浜東北は同じホームで両側なんです。今まで何の不都合もないのですよ。あれは乗りかえるためじゃないのですよ。その地域の、各団体の要求というのは、とめておろしてくれということなんです。乗らせてくれということなんです。 ところが、この地域は昼の町なんです。東京のよそと違って、夜の町じゃなくて昼の商業地なんです。その一番お客が密集する時間帯がぼこっと通過になっちゃうのですね。ですから、これはJRの一方的な解釈だ、そういうことをやられては困る。だから、地元の人々の要求に押されて年末年始六日間だけはそこへ戻したわけですから、ほかを戻さないということじゃなくて、今の御答弁だというと、JRのやり方が最初は唐突だったけれども、これこれしかじかでやむを得ないからそれをもとに戻す意思はございませんというように運輸省が言っちゃったら、これは元も子もないのですよ。そうしたらこれは十条に対する全くの違反になるのですから、この点は考え直してほしいと思うのですね。 同じようなことですからもう一つ申し上げますと、今度は東北・上越新幹線の上野通過の問題です。 これは、去年の六月から通過で、東京駅に始発がほとんど行ってしまった。この点についてもたくさんの要望、陳情が出ておるわけです。全部上野にしろと言っているのじゃないのです。九五%持っていっている。当時百本あったのですね、上下線で。それを、九十五本が東京駅、わずか五本だけを上野始発。これはもうあそこへ行って見ていただければわかりますよ。地下四階までの膨大な新幹線用のホームから一切が閑古鳥ですよ。何でこんなことになりましたか、少なくとも半分ぐらいは始発、終着にしたらどうかという点も、この点では当然出ているわけですね。 そういう点からいきますと、通過になりますから、当然これは商店街、旅館業、ホテル業に重大な打撃が与えられる。そして、一般席に乗るためには、あの地域の人たちが東京駅まで行かなきゃならないのですよ。こういうようなことはもうざらなんですね。しかも、今一極集中が大問題になっているときですよ。その一極集中が大問題になっているときに、これは、交通機関、JRだけが東京駅一極集中も最たるものだ。こういうようなことをあえてやっているんですね。もう路線はあるのですから、全部やめろということじゃなくて、そんな横車はだれも押していないので、ですから、せめて半分ぐらいは始発、終着にしてほしいというのは、私は当然の声だと思いますね。 そういう点で、夏にはダイヤ改正があるのではないかとも言われておるわけですけれども、ひとつこの際、これも見直しをして始発を多くしてほしい、臨時列車はもちろんのことですが、その点もひとつ指導を強めてほしい、こういうことです。
○井山政府委員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、昨年の六月に新幹線の上野-東京間が開通いたしましたときに、JRの中でも運行形態をどうしたらいいかという議論が大分あったようでございます。それで、従来のお客様の流れといいましょうか、これを見ましたところ、やはり東京駅まで行かれるお客さんというのが、まあ東京駅及びその周辺ですが、そのお客さんが圧倒的に多いということで、お客さんの利便ということなども考えますとやはり東京駅に乗り入れた方がいいのかなということで、先生御指摘のとおり、百本中九十五本が東京駅、五本が上野、こういうことになったと聞いております。 それで、やった結果どうかということでございますが、八カ月間たっておりますけれども、大体やはり東京駅まで来られるお客さんが七割以上ということで、そういう意味ではお客さんの流れには沿っているのかなということでございます。 それからもう一つ、上野駅につきましては、東京駅に入りますけれども、原則として上野駅に全列車、まあ数本例外はございますけれども、停車をさせていると聞いております。たしか一日五本ぐらいは、「スーパーやまびこ」でございましたか、こういう超快速列車がございまして、これはとまっていないようですが、それ以外の列車は原則上野にとまってお客さんの乗りおりをしていただいて出ていっているということのようでございます。それからもう一つは、繁忙期の場合には、東京駅は一面二線というホームでございますので、これは原則として増便は全部上野を使わせていただいている、こういうことでございます。 JRの方も、いろいろとございますけれども、いずれにしても、輸送需要の流動を十分勘案して今後とも検討したいと申しておりますが、今のところはそういう実態にあるということでございます。
○金子(満)分科員 JRが検討するということでありますから、その検討の際には、地元関係団体、自治体の要求をひとつ考慮して入れるようにしてほしい、こういうように思います。 上野始発の問題については、当時からいろいろありました。私も当初から関係しているのですが、東京駅へ集中するということは都市防災上もよくないのです。世界の都市でも、大都市で交通機関を一カ所に集中するのはないので、分散するのが当然なんですね。ですから、そういう立場で、一極集中がこれほどごりごり言われている中ですから、今、検討するということですから、それはぜひやってほしいと思うのです。 それから、駅ビルの問題ですね。現在公にされている上野駅ビルは、皆さんの方にも行っていると思いますが、この青写真が台東区にも出されています。地上六十七階、地下五階、こういう中で、上の部分の十五階以上がホテルで九百七十六室。下の方が百貨店ですが、六万六千四百平米で、上野の松坂屋の売り場面積の一・五倍ということですよ。こういうような駅ビルの建設がどん・どん進められている。 こういう中で、まず最初の一つは、運輸大臣あてに八八年の十一月に、「JR上野駅ホテル建設計画反対の陳情書」というのが、地元台東区及び文京区の旅館組合、それから東京都の旅館環境衛生同業組合から出されております。 長い具体的なことがいっぱいその陳情書の中には出ているわけですが、いずれにしても、ここで指摘されている一つは、東日本のJRが、上野旅館組合の総客室数二千三百室に対し、実に一挙五割に及ぶ大塔室となる、これはつくるわけですからね。「加えて駅からゼロ分というホテル立地としては超一等地にあり、この計画の実現が周辺五十八軒」、当時は五十八ですが、現在五十町に減ってもう廃業したところも出ています。「の組合員の死活にかかわるほどの巨大な圧迫になることは必至であります。」という切々とした状況を正面に出している。 さらに、この旅館関係でいいますと、「旧国鉄が、戦後の混乱した旅客輸送を正常化するため、安心して泊まれる旅館を選定して、これを国鉄推薦旅館として指定したのが日観連の始まりであります。以来「輸送と宿泊は車の両輪」を合言葉に、互にそれぞれの職分を守りながら協力しつつ今日に至っております。」こういうときにJRが、かつては指定旅館だったのを今全部のみ込んで、おれが全部やる、駅からゼロ分につくる、これはいかに考えても乱暴至極だと思うのですよ。先ほど大臣が当然と言われた第十条なんかはみんな聞かぬ存ぜぬという形がここに出ているのですね。 このポスターは、国会にも請願に来まして私の部屋にも持ってこられたやつですけれども、これはドリルでJRが旅館をぶっつぶしているあれですよ。これは出しているのが東京都旅館環境衛生同業組合のものです。それで「“ああ、上野駅” 六十階建ののっぽホテル 巨人・JRに挑む台東区旅館組合連合 “国鉄の大赤字は何処へ” 上野駅ホテルは“天下分け目の関ケ原”」こうなっているのですから、この点についても再検一計をするようにしなければならぬ。この点で随分今までも関係団体が請願、陳情したわけですが、JRからは具体的な問題の提起がないのですね。このことはもう時間がありませんから……。 その百貨店、俗称上野JRデパートですよ、松坂屋の一・五倍という、その中でどういうことになるか。御徒町はどんどん通過ですよ。御徒町を通過すると、あそこには先ほど申し上げた千三百の商店があるのです。そして松坂屋もあるのです。今度は上野へみんな来る。上野でこれだけの大きなデパートができるのです。いや応なしに猛烈な企業競争になることはわかり切っているのです。それで二つのでっかいデパートでいい品を安くどんどん競争をやられたら、ビル公害じゃなくてそれこそデパート公害で、風圧で吹っ飛んじゃうんですよ。この心配はどこでも出ているのですね。したがって、あらゆる商店街から反対の声が出ているのです。 こういう中で、地元の上野駅周辺全地区整備推進協議会、これはあらゆる団体が入っておる協議会ですが、この全整協のことしの機関紙でも、これは上野駅前商店街の会長さんでありこの全整協の交通網整備委員長の方ですけれども、次のように述べていますね。JRからは「いまだに返答もなく具体的な主張も出てこない。地元との共存共栄や利害関係者との話合いとか、街の再開発と、交通整備問題とか、何一つ地元に発表されず、JRの一方的な素案が示されるだけで、この十年間に何の要領も得ないのが実情である。」ここまで極言されているのです。こういう中でぜひ指導監督を強力にやってほしい。 行政指導の問題ですが、御徒町通過の問題でも新幹線の問題でも、今の駅ビルの問題でも、JRは、聞くけれども答えたことがないのです。全然違うことをやってもう傍若無人だ。だから業界でも、野っ原にトラを放したようなものだということが言われるわけです。確かに私はそうだと思うのですね。そして今地元の人たちが共通に望んでいることは、とにかくJRは地元の自治体、そして関係諸団体と話し合って、この計画に秘密を持たないでくれ、全部出してくれ。そういう点で、いろいろ異なった議論、それからまた批判、これをJRは聞く心の広さを持ってほしいと思うのですよ。 それで、大臣もおっしゃるとおり、確かに利潤を追求するということだけに走らないように、ぜひここのところは考えてほしい。JRがあるから町があるのじゃないので、町があるから輸送機関があるので、この点は本当に大事ですから、ホテルの部分の客室の問題、それからデパート、売り場面積の問題、こういう点でもぜひ運輸省として積極的な指導をしてもらいたいということで、次の点を最後に私は申し上げたいのですが、大臣の考えを聞きたいわけです。 交通機関というのは、おっしゃるとおり公共性と安全性というのが一番大事だ、これはもう当然だと思うのです。それからもう一つは、そのことは地域に密着してこそ守られるんだということになると思うのです。ですから、そういう意味で、関係諸団体との話し合いを積極的に行う、そして合意を得た上で事を進めるというのが当然だと思いますが、大臣、この点どうでしょう。
○井山政府委員 大臣のお答えの前に一言だけ補足させていただきたいのでございますが、先生、今のビルの計画の経過がちょっとあるようでございます。私聞いたところでございますが、これはもともと国鉄時代から、上野を何とかしたいということで、地元の全整協とおっしゃいましたですかの方から、何かシンボル的な立派なものが欲しいというお話があって、国鉄時代からお話し合いをしてきたというふうに聞いております。そのときに地元の方の御意見も伺って駅ビルのコンセプトができたということで、それが平成元年九月の案だ、こういうふうに一応聞いております。 ただその中には、全整協の中にはホテルの方もいらっしゃるし商店の方も入っていらっしゃって、そんな大きなものをつくられては困る、こういう話があったということなんで、確かに規模の話はいろいろ議論があろうかと思いますが、地元の意向を全部無視してやったということでもないようでございまして、いまだにやはり欲しい、それから自由通路をつくってくれとか、いろいろな御議論があるようでございますので、その点だけちょっと補足させていただきたいと思います。
○金子(満)分科員 ちょっと大臣のお答えの前に、今言われた点、国鉄時代からあるのですよ、しかしこの具体的なものはJRになってからですよね。そのときに関係団体、とにかく駅ビルをつくってほしいというのは、言われたとおり全整協でもありましたが、これは漢として、ホテルはこういうようにしてとか、売り場面積はこうだとかいう内容には余り入ってないのですよ。ところが出てきたのがこれですから、びっくり仰天するのは当たり前なんですね。これ以後のものはないのです。何か言うと、検討するとかなんとかというのが断片的に入ってくるわけですから。国と東京都それから台東区、こういう点でもまだ一致があるわけじゃないし、これでやろうということはJRの希望としてはあるわけですけれども、これをこのまま進めたら大変なことになるというのは、さっきも簡単に要点だけ申し上げたけれども、今またお話がありましたように、びっくりするのが当たり前なんですね。 ですから、そういう点ではぜひ関係団体、地元自治体とも話し合って一致点が出るように努力をするのが筋道ではないか、こういう点でJRに対する強力な指導、これを言っているわけです。 そこで、大臣、さっきの点ですけれども、やはり私は、こういう大事な問題がどんどんひとり歩きをするというか、JRが横車を押している点があるわけですから、とにかく話し合いをする、十条に基づいて話し合いをする、そして異なった意見を聞く心の広さをJRは持て、そして一致点に基づいて、つまり合意を得て事を進めるということでやっていく、この点をぜひ私は、地元の皆さんの声でもあり、また十条に基づく立場というのはこれだと思うのですね。そういう点で強力な指導をJRに行う、このことを要望したいと思いますが、奥田大臣ひとつ……。
○奥田国務大臣 この上野の駅ビルに関して地元で、この「明日の上野」というのは今お示しになった全整協のニュースであろうと思います。上野の地域で商業活動をなさっておられる皆さん方も、先ほどの新幹線始発の問題も含めて大変大きな悩みを今お抱えになっているんじゃないかなと推察します。特に上野の魅力のある町づくりの復興のために、恐らく皆さん真険に考えておられるであろうし、JR東日本としても当初、経緯はちょっと今聞いたわけですけれども、旧国鉄時代からやはりあの駅を何か象徴的なものにしてほしいというのは、むしろ地域の皆さんの願いだったかもしれませんよ。あれも、駅を見ただけで古臭いし、何かこう決して町のプラスではなかったと思うのです。 ですから、この際に、上野があれだけ立派な美術館、公園施設、文化施設等々含めてある地域ですし、商店街も、あの下町の情緒を漂わせた商店街も含めて、やはりこれは復興して魅力のあるものにするために、あの駅が何かもう少し変わった形で地域開発に貢献してもらう、やはりあそこに人をとどめるだけの集客と申しますか、人をとどめたり集めたりする機能を持つという形は、私は、地域の皆さん方も本気になって上野振興を考える場合には必要なことであろうと思うのです。ですから、私は東日本JRに対して、地域の発展につながり、地域の皆さん方に本当に上野め浮沈をかけたプロジェクトとして魅力のある形に持っていく形なら、私は一概に全整協の皆さんも排斥されることではない、むしろこれはやはり薬にしなければいかぬじゃないかと思うのです。 ですけれども、それをするに当たって、今もうべらぼうな大きなホテルをつくったり、そして周辺の今までの旅館経営者に壊滅的な打撃を与える、そういったことは基本的に慎んで、やはりこれも話し合いで、できるだけ上野に人が集まって、お金を落として、楽しんでもらうという町づくりのためにどういう形のものがいいか、一遍JR東日本の……(金子(満)分科員「売り場面積もね」と呼ぶ)そうそう、そういった売り場の巨大な、今話を聞いただけでびっくりするような巨大なものですけれども、そういったこともお互いに相談し合って、それで地域の皆さんもその店舗に入れるとか活用できるとかというような、お互いの共存策もやはりこれから検討課題として、そしてJRが長い間お世話になったあの上野、これに対して貢献できる、町づくりに貢献できるような形での話し合いを進めていってほしいな。そういう形でぜひ先生も、JRと町の商店街あるいは旅館関係の皆さん方の中に入って、その全整協のメンバーの人たちの御意見というものを集約されて、できるだけ話し合いによって円満な、上野振興策に資するような方向でうまくいってほしいなと私は思っています。また、そういう気持ちを持ってJR東日本の経営陣にも対応してまいりたいと思います。
○金子(満)分科員 それでは、地元の合意の上で事が進むようにひとつ指導監督してもらいたい、このことを要望して終わらせていただきます。
○関主査代理 これにて金子満広君の質疑は終了いたしました。 午後一時から当分科会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四分休憩 ――――◇――――― 午後一時十六分開議
○左藤主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 運輸省所管について質疑を続行いたします。小森龍邦君。
○小森分科員 それでは私の方から御質問を申し上げたいと思います。 質問の中身はJR福塩線、これは御承知だと思いますが、広島県の福山市から府中市を通り県北の三次の方へ向けて抜けておる地方線でございます。そこで、実はお尋ねしたい向きは、戦後間もなくこの福塩線が府中という町から福山市へ向けて、この間が一番人間の密度、人口密度の高いところでありますが、私の記憶では府中-福山間二十九分で電車が走ったことを記憶をいたしております。しかし最近はどうも、時間表をめくってみますと、きのうもちょっとそういう意味で調べてみましたけれども、大体この府中-福山間四十五分、これではこのスピードの時代によほど時間のゆっくりある人でないとこの福塩線を使わないのではないか。もうかれこれ四十数年も前に二十九分で走った実績があるのにどうして時代の状況に応じてその辺のところがきちっとしたことができないのであろうか、こう思っておるわけであります。まず、この辺のところをどういうようなお考えでおられるかお尋ねをしたいと思います。
○井山政府委員 ただいま先生御指摘がございましたが、福塩線でございます。先生今御指摘のように、大体四十五、六分で府中-福山間を走っておりますが、昔のことで、大変申しわけございませんが、二十九分で走ったということを私はちょっと存じておりませんでした。多分そのころ、想像でございますが、この区間がたしか二十三、四キロあると思いますから、二十九分ということは表定で時速五十キロ以上、ローカル的な線としては非常に速い線だったように思います、そういうことでありましたら。 そこで、現在の状況でございますけれども、ここの線路容量といいますか、どれくらいの列車が入れるかということでございますが、区間によって若干違いますが、福山-府中が一日に大体七十三本の列車が入れるというのがこれは技術的な計算上出てくるわけでございます。現在のところそれが六十本から六十二本列車が入っております。そういう意味ではまだ列車本数としては余裕があるだろうとは思っております。それから編成両数も、ラッシュ時間帯に四両、あるいはデータイムに二両ということで運行している、こういう実態と記憶しております。
○小森分科員 少しばかり私の説明が粗雑であったと思いますが、多分そのときは、府中-福山間十五の駅のうち幾つか飛ばしまして、本線筋でいうところの急行列車のような形になっておったのではないか、こう思います。 しかしいずれにしても、人口三十七万の市と人口五万の市と、その間に二万五千の町あり、四万の町ありと、かなり人口の密度とすれば高い地域でありますが、それが大正時代と余り変わらぬようなことではその地域の発展というものは考えられないわけでありまして、何とか方策ができないものだろうか。そのためには、私が思うには、やはりこの列車のすりかえでしばらくとまっておる時間帯もあるように思いますので、ほんの一部だけでも複線というようなことを考えていただければこれはかなりスムーズになるのではないか。その上、本数のうち適当なものをピックアップいたしまして、急行のような格好のものでもつくっていただければよくなるのではないか。これは創意と工夫をやってもらわないと、旧態依然たる状況で、地域の人の利便ということもさることながら、だんだん乗客が離れて福塩線自体もうまくいかなくなるのではないか、こういうふうに思いますので、そういったことについては、私の地元のこのJR福塩線のことのみならず全国的にそういうところをてこ入れをするというか、もう少し地域のバランスのとれた発展のためにしっかりした計画がほしいと思うのでありますが、そんなことについてはどういうふうに全体的にはお考えでしょうか。
○井山政府委員 全国的にいろいろなところから、そういう意味で鉄道の活性化をしてほしいという御要望、たくさんございます。私ども、そういう皆さんの御熱意は十分わかるわけでございますが、国鉄の分割以来、各社とも、非常にそういう意味で従来のような旧態依然といいましょうか、考え方でなくて、何とかいろいろな工夫をし始めているところでございますが、まだまだ不十分だと思います。 JR西日本は、特にいわゆる鉄道部という半独立の組織体を線区ごとにつくりまして、これが全責任を負うということで地元の御要望などを聞きながらいろいろなことを今工夫し始めているところでございます。 ただ、先生おっしゃるように、複線化するというようなかなりの規模の投資を伴うものにつきましては、やはり輸送需要の動向だとかあるいは投資の採算性というのを民間企業になりました以上相当厳しく考える必要があるのだろうと思います。福塩線は、これは鶏、卵の議論でございますけれども、輸送需要密度自体はここ数年横ばい的でございます。そういう意味で、JRにおきましては今線増をちょっと考えてはいないようでございますが、ただ、先生先ほどおっしゃいましたように、何か工夫によってお客さんがもう少し喜んでもらえる方法はないかどうか、これは十分検討する余地があると思います。ひとつJRにも研究をさせてみたいと思います。
○小森分科員 こういう大変のろのろ運転の電車が走っておりまして、福山から府中へ向けてのささやかな平野ですけれども、我々は通称備後平野と言っておりますが、その備後平野が線路で南北が二分されておる。そして、この間も私、自動車の窓からその線路を見ながらずっと福山から府中の方へ帰ってみましたけれども、保線をうまくやっておるのかなと思うぐらいほとりには草が生えている。一日に一回か二回しか往復しない線路ならば草が生えておるというようなこともあり得ることですけれども、どうも白けムードですね。余りスピードが出ないので人が使わなくなる、そんな使わなくなる電車が走っているばかりにこの南北というものがそれで半分に切られたような格好になって、地域のうまいぐあいな発展も阻害をしておる。これは私の空想でありますけれども、これはいっそのこと線路をはね上げてJRのバスを五分か七分おきに通したら、専用道路にしたらもっとよくなるのかなと思います。並行して走っておる私鉄のバスもありますし、そこらは非常に既得権の問題をめぐって難しいことが絡んでぐるから、私はうっかりしたそういう発言はできません。また、そんなことを具体化するように関係者に働きかけることもちゅうちょいたしておりますが、できればスピードアップをして――私のコースを申しますと、朝八時ごろの福山駅新幹線に乗りまして東京へ来て、午後からの会議に間に合うように出る場合には、路面のキロ数は大体二十キロほどですけれども、自動車で出ますと一時間かかって危ないのですね。ところが、電車に乗りますと四十五分ですけれども、駅に出るまでの時間もありますから、一番自動車で渋滞する時間と同じぐらいのスピードということになりますから、まずは電車を使おうという気にならないのですね。東京などへ来ますと、自動車に乗るか電車に乗るか、電車の方が確実だ、こう思って電車に乗るわけですけれどもね。 そういうことで、せっかくあるものですから、何とかひとつそこらの辺を考えて、地域が発展をするようにやっていただけないだろうか。戦後、私聞いたのを覚えておるのでありますが、広島に可部線というのがあります、広島の西部ですね。東部の方の福塩線と可部線が一番乗降客が多いということがひところ言われた時代もあるのであります。それだけ人口が多いわけであります。それがこういうことになっておりますので、研究をさすと言われると、それは研究してくださいと言わざるを得ぬのですけれども、ひとつある程度力を入れて考えていただきたい、こう思います。 それで、ちょっと私、きのう計算をしてみたのですけれども、福塩線はキロ数が、営業キロというのを拾ってみて二十三・六キロ、それを四十五分ということになりますと、一キロが一分五十四秒かかっておるのですね。駅も多いからそういうことになるのかもわかりませんが。この間事故のありました信楽高原鉄道は約一分三十秒ですね。それから、これはJR線か、普通の民営の路線か、ちょっと私もよく知りませんが、山口県の岩国のところの錦川清流線というのが、これは単純な計算でありますけれども、一キロ一分二十九秒という勘定になるのですね。そうすると、いかにも福塩線はもう時代おくれになってしまっておる、こんなことになりますので、ぜひひとつその辺のところを頭に置いておいていただきたい、かように思います。 次に御質問申し上げたいと思いますのは、福塩線、府中方面から福山の方向へ向けて府中の市街地のあたりを高架にしようという動きがございまして、私、二年ぐらい前になりますかな、これはもう調査費がついたということを現地の市長から聞いておりまして、非常に喜んだのでありますが、一向に調査費以後の動きというものが私の目にとまりません。これは、そこまでの細かいことは私、質問通告していなかったので、あるいは資料をお持ちでないかもわかりませんが、もしそういうことについても、ついでに、どういうふうになっておる、どの辺の段取りまで進んでおるということがわかれば、お答えができれば答えていただく。わからなかったら、これはどうも私、通告してないから仕方がありませんけれども、話のっいででこういうふうなことになりますので、いかがでしょうか。
○井山政府委員 今私の方でちょっと手元に資料がございませんが、うちの担当の者の話ですと、今具体的に、全国あちこちでございますが、ここの福塩線の高架化の話は耳に入っていないようでございます。あるいは建設省の方にお確めいただければ、あれは建設省の事業になるわけでございますので、はっきりするかと思いますが、あるいはその調査の段階でとまっているのか、想像でございますが、そんな感じがいたします。
○小森分科員 それでは、少しばかり話を変えさせていただきまして、実は福塩線の神辺町駅というのか、神辺駅というのか、これも人口四万ぐらいの印なのでありますが、あれでも福山から五キロか七キロか離れて、私の住んでおる府中という町に近い方向へ向かっておるところであります。そこを起点として今第三セクターで井原線の工事が進んでおります。人口密度は、福塩線の沿線筋から比べたら非常に密度は薄い。しかし、少なくともこれに相当の金がかかるのだろうと思いますが、これは今どの程度まで進んでおるのでしょうか。工事全体とすればどの辺まで進んでおるのでしょうか。
○井山政府委員 ちょっと数字的に何%という数字を持ち合わせておりませんが、工事自体は、一応私どもの計画はいろいろございますけれども、比較的順調に進んでいると思っております。平成四年三月現在でございますが、用地につきましては延べで八五%、路盤では七〇%でございます。レールはまだでございますけれども、もうすぐレールを敷く作業が始まる、こんな段階になっております。
○小森分科員 そうすると、数字的には残事業量がどれくらいということは、そこではまだつかんでおられませんか。
○井山政府委員 まだちょっと数字的には今つかんでおりませんけれども、工事費的には完成まではあと二百億ぐらいかかるのではないかと思います。
○小森分科員 広島県と岡山県の知事から声がかかりまして、私ども一度説明会など出たことがあるのでありますが、そうすると、現地とすればこれは何年に開業をしようという計画で進んでおるのでしょうか。
○井山政府委員 当初の計画といたしましては、六年度末を目途に工事を進めるという考えでございます。
○小森分科員 私の聞いておるところでは、とてもこれは採算がとれそうにない。もし採算がとれぬときには国がどういう救済措置を持っておられるのか、この点をお願いしたいと思います。
○井山政府委員 お答え申し上げます。 これは地方鉄道新線の一般論を申し上げなければいけないわけでございますが、かっていわゆるAB線という地方幹線の線がございまして、国鉄改革を契機にいたしましてそれを将来どうするかということをいろいろ考えたわけであります。そのときに幾つかの路線につきましては、地方鉄道新線として地元で第三セクターをおつくりになって将来ともその建設を続けて、でき上がったらそこが引き受けて運営したい、こういう決意をなさったところが何カ所かございました。井原鉄道につきましても、これは両県の御決意でそうなさったわけでございます。 そこで、この線に対する国の補助といいましょうか考え方でございますが、まずつくることにつきましては、全額国費でつくってさしあげるわけでございますが、完成後は一応原則としてその会社の自主運営でやるということでございます。ただ、開業時に最初の車両費等の初度詭弁費みたいなものがございますが、これをキロ当たり一千万、この線の場合ですと三億八千万ぐらいになるかと思いますが、これを差し上げる。それから、開業後五年間に限りまして、経常損失が出ました場合にはその十分の四の補助をする、こういうことでございます。こういうような支援措置というのが一般でございまして、これによりまして運営を続けていただく、こういうことになっておるわけでございます。
○小森分科員 開業いたしまして何年間かして、そこから先出る赤字は第三セクターでもうすべてを賄うというか負担をすべきで、要するに国の補助はそこから先はないという時点があるのでしょう。それは何年後のことになるのですか。
○井山政府委員 今申し上げましたように、国の新線の補助は開業後五年間の分だけでございまして、それ以降は地元でいろいろな支援措置を講じていただきたいということでございます。 なお、御参考までに申し上げますと、この会社が私どもにいわゆる免許申請をしてこられたときの会社の試算によりますと、この井原線につきましては、開業後六年経過時点で償却後の単年度黒字になるだろう、さらに、九年ぐらいたちますと累積の損益も黒字に転換できる、こういうことを試算で持ってきておられます。なお、そのほかに、仮にさらに赤字といいましょうか、その他いろいろな支援措置の一つとして地元の県の知事さんからも、これが別に赤字とかなんとかということではございませんが、これは両県の主導のもとに沿線市町村と協議しつつ、責任を持って必要な支援協力措置を講じます、こういう一種の応援の書類も出していただいておりまして、こういうことで、この井原線自体の会社につきましては、何とか経営がやっていけるのじゃないかというふうに私どもは思っております。
○小森分科員 広島県側で言いますと、これが人口四万の神辺のところでとまるということになるのですね。つい六キロか七キロ行きますと人口三十七万の福山市に到達できるわけですね。そこへ行こうと思うと、バスに乗りかえて行くかもしくは福塩線に乗りかえて行く、こういう格好になるわけでありまして、これは、私の直観ではなかなか採算をとるのが難しいのじゃないか。もちろん、申請するときには適当に採算がとれますというようなことも書いて出しますからね。しかしながら、本当は採算がとれないのじゃないか1何か沿線住民十三万人とか十四万人とか言っておりました。しかし、福塩線は府中までとってみても何十万の人口がおるわけで、そこがどのくらいの採算の、営業経費と切符を売った粗収入とどういう比率になるかなときのうも尋ねてみたのですけれども、今ごろはそんなこと余り統計を起こしてないと言って駅から回答がありまして、それは仕方がないと私は思ったのですが、しかし、これは第三セクターに出資をしておる各地方自治体が開業して何年かしたらたちまちに赤字を受けなければならぬ、こういうことになるのはまず火を見るよりも明らかではなかろうか。それを何とか地域の利便を図りながらなお埋め合わせをつけていくということになると、どうしてもこの第三セクターの鉄道がJR線の福塩線と連結するといいますか、客車にそのまま乗って福山市へ出られるというようなことにならないとこれはうまくいかないのじゃないかと思うのでありまして、それを尋ねたら、そういうことも考えておるんですと言うけれども、それは当事者能力のない者が言うことなんであって、理想論みたいなことを言っておるわけで、実際は計画の中にそれを早く織り込んでもらわないとそれはうまく実現しないのではないか。 私らのように土地カンのある者から言いますと、福山から神辺を通って井原の方へ入るという者は比較的少ないのですね。それは昔の行政区画が違うから、広島県と岡山県だし、それから藩制時代から言うたら、福山藩と岡山藩ですからね。だから高等学校の生徒の流れなどもそこで一線を画しておるような状況ですからね。けれども、第三セクターの営業の成績を上げて利用率を高めるということになれば、あの地方では一番大きな都市である福山市へ福塩線を通って乗り入れられる、また福山の駅から乗ったらずっと井原の方へもそのまま行ける、こういうことにしないとこれはだめなんじゃないか。そのためには、余り地域のことを具体的に言うようですけれども、福山と神辺の間に備後本庄という駅があります。その駅のあたりを複線にしないとどうもそこは難しいというようなことを私は聞いたことがあります。したがって、これは申請書がどうあろうが、もう一遍目を通してもらって、なるべくひとつ赤字にならないように、しかも利用者の便利ということを考えてもらった措置というものを再検討してもらう必要があるんじゃないか、こう思いますが、どうでしょうか。
○井山政府委員 お客様の利便を図って逆にお客様にたくさん乗っていただくということは将来の収支上も非常にいいことでございます。ただ、今先生御指摘の神辺の駅あたりでうまい接続がとれるようになっているかどうかというのは、ちょっと今データを持っておりませんので何とも申し上げられませんが、仮に比較的安い費用でそういうことができるということであれば、それはまた工夫の余地もあるんじゃないかとは思います。その辺はちょっと調べさせていただきまして、先生の御趣旨を踏まえてJRそれから会社等の様子をちょっと見てみたいと思います。
○小森分科員 お互いにそれこそ「誰か故郷を思わざる」で、自分の地域のことを考えない者はいないわけで、えらいきょうは地域のことにだけ集中した物の言い方をしておりますが、乗り入れができて福山へ入れるということになると、どうしたところで神辺-福山間、複線の一部地域をつくらねばならぬだろうと思うんです。それならばついでに府中から福山の間、新市と駅家というところぐらいは複線の地域を一部つくってもらえば、物すごいスピードアップができて利用率がうんと高まるのではないか。利用率がうんと高まれば、南北をあの福塩線によって遮断されておるけれども、遮断されているデメリットとスピードを持って移動できるというメリットとを相殺すればやはり鉄道が存在する価値がある、こんなことになりますので、そういった点もひとつ考えていただいて、何とか地域の活性化のために力をかしてもらえないだろうか、こういうふうに思うのであります。 せっかくでありますから運輸大臣に、採算だけで考えて地方の鉄道というものが寂れていくということであってはならぬのでありますから、国の大きな政策の枠組みとしてローカル線の現状を点検というか調べてもらうと同時に、ちょっと工夫を凝らしたら大いに発展をするという状況のところもあろうと思いますので、そういったことに対すみ運輸大臣のお気持ち、そういうものを聞かせていただきたいと思います。
○奥田国務大臣 先ほどから先生の御質疑を聞いておって感じたことでありますが、福山を中心にしながら周辺の住民の皆さん、そういったことを考えますと、今の新線建設をやっておるものと既設線とをうまくかみ合わすことによって何とか地域の活性化につながるんじゃなかろうかな、そのためにはどういう手だてをJR側としては検討してくれるかな、私としても大変興味というよりも関心を持って先ほどから質疑をお伺いしておったわけであります。確かに、民営化されてから採算あるいは収益、効率という形を特にお願いをしておるわけでありますけれども、それだけにこだわって、一番大事な公益性と申しますか、本当に地域の足として、そしてそれが地域住民から歓迎されるような、技術的にも何とか改良していかなければ、乗り手もなくなるような現状を聞いておりますと、まことにここに一工夫も二工夫もしなきゃならぬなという思いをいたしております。 特にJR西日本の場合、大変ローカル線が多うございます。東海なり東と比べると非常にローカル線が多いわけで、それだけにJR西日本としても頭を悩ましておることであろうと思いますけれども、私としては、今お聞きした内容を種といたしまして、JR西日本側に、この新線の将来の経営見通しも含めまして話し合ってみたい。特に福塩線、私も福塩線と聞くのは初めてですけれども、この福塩線と新しい新線とがどういう形の結び合いで地域に貢献できるか、一遍勉強させていただきたいと思っております。
○小森分科員 もう一言、これも福山-府中間に限って、福塩線はもっと奥、三次の方まであるのですけれども、府中―福山間のことだけでちょっときょうは申し上げますと、十五の駅のうち十が無人駅なんですね。その十の無人駅を管理しないから、高校生が駅舎の中で火をたいたりして危ないということもあるし、高校生の教育というようなことについても非常によくないと思うのですね。駅舎をもし例えば農協あたりが借り受けて、そこでちょっとした店でもつくりながら切符でも売れるというような事態がケースとしてはあり得ることですから、そんなことも大臣ひとつ検討の中に入れておいていただきたいと思います。 では、終わらせていただきます。
○左藤主査 これにて小森龍邦君の質疑は終了いたしました。 次に、吉岡賢治君。
○吉岡分科員 常日ごろ運輸行政さらには気象庁の行政に御精通いただいております奥田大臣以下、大変御苦労さまでございます。私は兵庫五区でございますが、その中で緊急に困っている問題等をお訴えをし、ぜひ善処方をお願い申し上げたい、こう思っておるところであります。 まず最初に申し上げますのは、豊岡測候所の充実の問題であります。この問題につきましては、静止気象衛星ひまわりのリアルタイム受信可能な気象資料伝送装置Lアデスの導入を平成四年度で予算化をしていただいている、こういうふうに聞いておるところでございます。大変ありがたいことだというように思っているところでございますが、しかし、いかんせん予報官が一人、こういうことの中で予報体制は万全ではない、このように言わざるを得ないと思うのです。御承知のとおり豊岡の測候所というのは指定地区測候所になっております。全国で三十八の地区測候所があります。さらに十四の指定地区測候所があるわけであります。通常四人の予報官が配置されているわけであります。豊岡測候所は予報官が一人で、そして所長以下十二人という非常に限られた人員、大阪管区の中では要員が一番少ない、こういう地域であろうかと思うわけであります。 御案内のとおり兵庫県というのは大別して日本海側と瀬戸内側、中国山脈で随分気象条件も異なり、分かれているわけでございます。そして兵庫北部というのは気象の変化の激しいところであります。御案内のとおり一九九〇年の秋雨前線並びに十九号台風、このときにも非常に災害に弱い地域、こういうふうに言って差し支えないと思っています。さらに冬季には雪も降る、このこともございますけれども、小低気圧が発生をしまして山陰本線の全部鉄橋における転落事故、これは大惨事を引き起こしたわけでございます。それと同時に、昨年の夏はまたヘリコプターが墜落をする、これも大惨事になったところでありまして、そういう意味で、非常に気象の変化が激しい、このように思わざるを得ないと思うのです。それだけに市民も、いわゆる天気予報といいましょうかあるいは警報といいましょうか、そういうことに対しては非常に敏感にならざるを得ない。災害時等は直接自分たちの社会活動に大きく影響してくるという現実があるからであります。 今申し上げましたような現状一人の予報官、こういうことで万全の予報体制ができている、このようにお考えになっているのか、まずお聞きしたいと思います。
○立平政府委員 気象庁の予報体制と申しますのは、基本的には各都府県に一つずつ地方気象台を置いておりまして、その地方気象台がその都府県の防災、具体的に申し上げますと、注意報、警報の発表といったようなことに責任を持っているわけでございます。ただ、島とかこの豊岡の例のように、地方気象台が所在しているところと非常に大きく気象条件が違うというふうなところには指定地区を設けまして、そこに特別に注意報、警報を発表する任務を持たせているわけでございます。 ということで、豊岡測候所が注意報、警報を発表するにしましても、それはこの場合は担当する地方気象台というのは神戸海洋気象台になっておりますが、神戸海洋気象台の支援のもとにそういう仕事をやるということでございまして、現在のところこの体制で注意報、警報の発表につきましてはやっていけるというふうに考えております。
○吉岡分科員 一つお考えいただきたいと思うのですが、兵庫県は、先ほど言いますように日本海とそれから瀬戸内に面しておる。中国山脈はそれを切っている。一つでいいということでお考えになるならば、府県単位でということでお考えになるならば、鳥取県も岡山県も一つでいいじゃないか、島根県も広島県もいいじゃないか、こういうことになるのですが、そうじゃないでしょう。気象条件も非常に異なっているという実情の中で、言うならば豊岡を指定地区にということで位置づけられたというように思うわけでありまして、神戸気象台があるからということで万全だ、こういうふうにお考えになるのはちょっと無理があるように思うのですが、いかがでしょう。
○立平政府委員 指定地区を置いていない都道府県と申しましても、その中を細かく見ればかなり気象条件が異なっているものでございまして、多少のそういう気象条件の違いというのは、それは地方気象台でカバーして注意報、警報を出していけるということで仕事をやっております。 先ほども申しましたが、特に非常に離れた島だとか豊岡のように、気象条件が違うというところに指定地区を置いて補強しているわけでございまして、そういう意味で予報の体制としては一応整っておるのではないかというふうに思っております。
○吉岡分科員 多少の違いというふうにおっしゃいますけれども、少し問題があると思うのですね。 では、予報なり警報なり、これを出したのを、例えば一九九〇年の九月、これを例にとると、豊岡測候所は五十七回。神戸気象台は何回ですか。十数回のはずですよ。それほどいろいろ問題がある地域と思っていいのじゃないですか。
○立平政府委員 そういうふうな状況がございますから、豊岡を指定地区として注意報、警報を発表する任務を持たせているわけでございます。 予報官の数とか、そういう面につきましては、豊岡測候所と神戸の海洋気象台のやっております予報の作業の内容が異なりますので、注意報、警報作業ということに限りまして豊岡測候所を補強している、こういう現状でございます。
○吉岡分科員 現在豊岡測候所には技術専門官が四人おります用地震担当、それから観測担当、測器、言うならばアメダス等ですね、これをやる方、あるいは通信、それぞれ専門分野を持ちながら、またその業務を遂行しながら三直四交代ということでやっておられるわけであります。その上、予報業務も結局夜間あるいは休日、日曜日、今は土曜日もあるのでしょうか、そういうことがございます。週休二日制、こういうこともかんでくるわけでございます。 さてそれで、予報業務がそれほど少ないのか。私もそのことが気になりましたから、現地で聞いてみました。先ほど言いますように、神戸気象台と豊岡測候所の警報の発出というのは格段の相違がある。豊岡の方が多いのです。それから、気象連絡会が九団体もあるのです。災害に弱い地域でございますから、円山川流域だとかいろいろなところがある。そしてまた、気象の照会というものも年間二百件を超しているというふうに聞いているわけであります。技術開発業務ということもあり、予報部門の総合評価あるいは全国予報検討会の関係、あるいは土砂の災害のポテンシャル予報、どういう意味かもう一つわかりませんが、それから洪水予報、こういうことも抱えているというように聞いているわけであります。言ってみれば、他の測候所あるいは他の指定地区、こういうところと変わらない業務量があるというように思うわけであります。 そこで、豊岡測候所というのは、いわゆる大阪管区気象台の管内の中でもなかなか行き手がない。過疎の上に不便な上に、そして仕事がきつい、こういうことで、言ってみれば赴任するのに嫌なところということになっているようであります。そういうことを考えていただきたいというように思うわけでございますが、豊岡測候所の方としては、ほかの測候所のように四名、こういう配置でいきたい、したがって三名の予報官の増を大阪管区気象台に求めた。管区気象台の方は、それもそうだというようなことで気象庁本省に上申をしたというふうに聞いておるのです。この前開いたときには、それについてはあいまいな言葉だったのですが、きょうはしかと聞かせていただきたい、こう思っているところです。間違いございませんか。
○立平政府委員 指定地区は、どこの指定地区も予報官は一名の配置でございます。地方気象台は、五名という配置になっております。 それから、上申につきましては、手元に資料がございませんので、後日御報告いたしたいと思います。
○吉岡分科員 指定地区でも四名おるところはありますね、ありませんか。それから、この前も後日後日と言われたのですよ、私は災害対策特別委員会で聞きましたから。それで、きょうはしかと聞かせていただきたい。あるのか、ないのか。上申されておるのか、どうか。
○立平政府委員 指定地区の予報官は、原則として一名でございます。ただ、特別な指定地区については、もう少し数がふえているところはございます。 大阪管区からの上申の有無につきましては、今ここで私のうろ覚えてお答えしては失礼かと思いまして、後ではっきり調べて御報告いたします。
○吉岡分科員 災害対策特別委員会の中でこのことをお聞きしてそれから今日まで、十月に言いましたからもうかなりたっているのですね。それでまだあいまいな言葉で、どうですか、あるとかないとかということは困りますから、きちんとひとつ責任を持ってお答えいただきたい、このように思うところでございます。 私はなぜこのことを執拗に申し上げるかということについてでございますけれども、実は平成六年に但馬空港は三種空港としてスタートするわけであります。地方空港、こういうことでたしかその他空港であったと思いますけれども、空港設置管理者、これが自治体になっているわけでございまして、航空気象の観測施設の整備、こういうものに対しましては主体的に自治体がやる、こういうふうに聞き及んでおるわけです。気象庁はコミューター空港の気象観測の技術的な支援を行うということになっているというふうに聞き及んでおるわけで、綿密な連携が必要というふうに考えているわけであります。私は、そういうところから過日も災害対策の方で申し上げたのですが、東家国務大臣からこの予報官の問題について、検討し、場合によっては要請をする、これは運輸大臣の方に要請するということであろうと想定をしておるわけでございますが、そういう答弁をいただきました。 そこで、せっかくの機会でございますので運輸大臣にお聞きしたいと思います。先ほどからの議論もございます。現地としてはやはり、市民という立場から申しまして、特に台風時等には交通が遮断をされる、そういうことでたった一人の予報官が三日も四日も測候所に寝泊まりをしながらやっていかなければならぬ、こういうこともあるわけでございますので、今申し上げますようなことをお考えいただいて、平成四年にしてくれというように早急なことを申し上げるつもりはございませんけれども、平成六年の但馬空港開港を目指して何らかの形で豊岡測候所の予報体制の充実ということについて御検討いただく、そういうことができないのかどうか。せっかくでございますからひとつ大臣にお聞きしたいと思います。
○奥田国務大臣 今、気象庁の長官と先生との質疑を聞いておったわけでありますけれども、天候の激変地区であるということで特別に豊岡測候所が観測をやっている。測候所に関しては予報官は原則一名という形での配置をされておる。それで技術的に可能なの1か。先生は、こういった天候急変地域は難しい勤務状態である、恐らく現状をよく聞いてこの測候所の勤務状況等々を詳細に調べられたのだと思います。他方、長官の話を聞いておりますと、いやそれには十分対応できる。何かそこには相当開きがあるなという思いで聞いておったのですが、気象庁長官は御存じのとおり科学者でございますし、そういった予報体制において、予報官一名配置の体制であるけれども、これは新しい機器の改善なりそういった形の中で何とかやっていけるのだという形で私は聞いておりました。しかし、先生のそういった御意見の状況、今後の週休二日と申しますか、勤務時間の改善等々の問題、特にコミューター空港の開設が間近に控えておる、こういった形の中で特に安全運航等々考えた場合に、先生の予報官増員の要求、これに対してはもう一度、原則は原則としながらも長官と、何とか改善の方向に対応できないのかどうか、私としても話し合ってみたいと思います。
○吉岡分科員 ぜひひとつ検討していただいて、職場の皆さんの方からも非常な熱意をもって現状を訴えておられることがあるわけでございますので、ぜひひとつ市民の立場からもお願いをしておきたいと思います。 さて、次に移りたいと思うわけでございますが、但馬空港でございますけれども、実は滑走路が一千メートル、御案内のとおりコミューター空港ということでございますけれども、地域の中では何とか千二百に延ばしてもう少し大きい飛行機が飛べるようなそういう空港にならないだろうか、こういうことがあります。したがいまして、地形の問題もありますからお聞きするわけでございますけれども、その延長について可能なのか、もしそういうことが地域の要望として上がるようなことがあれば考えていただけるというか検討の素材になるのか、こういうことについてお聞きをしておきたいと思います。
○松尾政府委員 ただいま先生御指摘の但馬空港でございますが、いわゆるコミューター空港といたしまして現在一千メートルで建設中でございます。これは昭和六十三年度に予算化されまして、今御指摘のとおり平成六年の春開業目途で着々と工事中でございますが、非常に地形が急峻なところでございまして、切り盛り土のバランスなんか考えながら今兵庫県において工事が進められております。現在県は、空港に隣接いたしまして公園あるいは企業用地を造成いたしておりまして、これは県の単独事業として一体的に造成工事を行っているところでございます。 私ども基本的にはコミューター空港一キロ程度という前提でやっておりますが、今具体的に兵庫県から正式にといいますか、滑走路延長についての御要請はまだ私ども承っているわけではございませんが、特に将来のことを考えた場合に、就航する航空会社あるいは機材等も含めまして具体的な拡張問題が出されてくれば、そういった段階におきまして真剣に検討し対応していきたい、このように考えております。
○吉岡分科員 大体わかりましたが、延長可能な距離といいますのは大体どのくらいというふうに現状でお考えになっていますか。
○松尾政府委員 現場の地理的条件から考えれば、あと二百メーター程度かなという感じではないかと思います。
○吉岡分科員 もし地域の方からそういう要望がございましたら、ひとつよろしく御配慮のほどお願いしたいと思います。 それからもう一つでございますが、空港はできた、そして航空会社はまだ決まってないのですが、どうしても決めなければならぬということになるのですが、言ってみれば乗り入れの空港がどこになるやらということで、市民の皆さん心配でございます。大阪空港への乗り入れを一番希望しておられて、私のところにも何回となく来られますので、その辺についての可能性についてお聞きをしておきたいと思います。
○松尾政府委員 現在大阪空港は大変混難いたしておりますが、関西新空港がオープンすれば若干の枠もあきますし、特にコミューター空港の場合にはもちろんジェット機が飛ぶわけでございませんので、恐らくターボプロップになろうかと思いますが、具体的な路線問題について今まだ乗り入れの航空会社が確定しているわけではございませんので、こういった段階になってくれば中身について十分検討してまいりたいと思っております。
○吉岡分科員 よろしくお願いいたします。もうぜひ空港に乗り入れるという方向、大阪空港に乗り入れるということを可能にしていただけますように要望申し上げておきたいと思います。 さて次に、JR西日本の関係について質問をさせていただきたいと思います。 福知山線の三田-篠山口間これが複線化の大変な運動が起こっておりまして、兵庫県の方も重点施策に指定をされまして、国の方にも随分陳情をしていただいたりしておったわけですが、今年度の計画に上がったというニュースを聞いているわけですが、概略、いつ着工でどのくらいの時期につくれるのか、どのくらいの工費でいくのか、そこら辺ちょっともしお聞かせいただければありがたいのです。これは通告しておりませんので、資料がなければそれは結構です。 〔主査退席、愛野主査代理着席〕
○井山政府委員 今年度から着工したいということで諸準備をしておるところでございますが、完成時期等はちょっと今手元にございません。後でお届け申し上げます。
○吉岡分科員 それじゃまた資料をいただきたい、このように思っておるところでございます。 さて、そこまで来たのですが、深い御理解をいただきながら二十年にわたる運動の結果ようやくに事業化してもらったということですが、実はその篠山口駅から以北につきましても、京都府の福知山を含めてこれから複線化への要望というのが、今までもありますけれども、一層激しくなるだろうというように思っております。この篠山口駅以北の部分についてどんな条件なりどんなことができれば可能なのかということをお聞かせいただきたいというのが一つです。 時間がございませんからまとめて申し上げたいと思います。 それから播但線の、これまた線が違うわけですが、これは姫路の方から和田山までということになるわけですが、この播但線の複線電化を姫路市長が非常に熱心に言っておられますので、その辺についての見通しはどうなのか。 それから、通告しておりませんので申しわけないのですが、山陰本線、城崎まで電化をしていただきました。それから以西につきましてはトンネルが多いということで電化がストップされておるのでございますけれども、どのように考えておられるのかということ。 さらに最後になりますけれども、山陰本線の全部の鉄橋です。実は、あの転落事故以来、年間百三十回ぐらいというふうに聞いておるわけでございますけれども、列車がとまっているわけであります。私も国会へ来るのに何回か足とめされる、こういう経験もあるわけで、鳥取地方、さらに兵庫西部の地域あるいは兵庫の北西部というのですか、その地域の人たちが大変利便に困るという状況であります。御案内のとおりこの地域は過疎でございます。そして基幹の道路もないということの中で、山陰線はまさに住民の命と言っていい足であります。そのことについて、鉄橋の転落事故以来二十メートルの風でストップということでございますが、何らかのいい方法がないのか、解決方法がないのか、このことをお聞かせいただきたいと思うのでございます。百三十回といいますと普通の私鉄だったら大体社長さんの首が飛ぶんじゃないかと地域の中で言われるわけでございますが、言ってみれば欠陥箇所でございますから、これを正す、直す、こういうことは求められないのか明らかにしていただきたい、こう思います。
○井山政府委員 お答え申し上げます。 四点御質問がございました。まず最初に福知山線の篠山口以北の複線化の計画はいかがかということでございますが、先生も御案内のとおり、鉄道の方で複線化をする一つの条件としましては、やはり単線では路線容量がいっぱいになって列車の増発ができなくなったというのが一つの大きなポイントでございます。それともう一つは投資した効果がきちんと発揮できるかというようなことも含めてチェックするわけでございますが、御指摘の篠山口以北でございますけれども、現在のところまだ列車本数が往復で一日六十六本でございまして、実は路線容量がまだかなりあるわけでございます。それで、輸送需要の伸びがどうかということでございますが、新三田-篠山口、今度複線化を計画しているところは大阪のベッドタウン化いたしましてどんどんお客様がふえておりますけれども、この篠山口以遠は微増といいましょうかこれからふえていくのかなという感じでございまして、西日本としても今すぐ複線化に着手するということはちょっともう少し時間がかかるのではないかということを言っております。 それから、第二点でございますが、播但線の複線電化でございますが、ここも地元の御要望が強いのはよくわかっておるのでございますが、おっしゃるとおり電化複線化というのはやはり一つの条件がございます。線路容量で申し上げますと、今ここは、特に姫路から先、福崎のあたりまでですと一日に上り下り合わせまして七十七本の列車、線路容量が百数十本分まだあるということで、輸送量も横ばいか微減の傾向というところで、ちょっとまだ複線等に至るには時間が要るのではないかという気がいたします。 それから、第三点の城崎以遠の電化につきましては、ちょっと今私資料がございませんけれども、実はJRから少なくともそういうことについて検討しているとか具体的な話はまだ聞いておりません。確かにおっしゃるとおりトンネルの問題、電化するにはトンネルの改修が必要でございまして、ちょっと技術的にも問題があるのではないかと思っております。 それから、全部鉄橋でございますが、たしか昭和六十一年かと思いますが、風に吹かれまして、これはお客さんが乗っていなかった列車でございますが、鉄橋から落ちまして下の工場の方を何人か死傷させたという悲しい事故があったわけでございます。それ以来JRでは、先生御指摘のように二十メートルを超える風が観測されますと外車をとめております。その本数が平成二年度で約百三十列車でございます。ですから、一日この区間が五十数本の列車が通っておりますので、延べでいいますと二日以上完全にとまるということでございます。ただ、これを今どうするかということでございますが、何しろあのときの事故の結果は、要するに風にあおられて列車が落ちたということでございますので、やはり風が吹く以上は動かせない、そうするとその次どうするかというと、やはりルートを切りかえて、相当遠回りしてトンネルで抜くとか、こういうことになろうかと思います。 これの問題は、お金がかかるとかだれが負担するかという問題が一つございますが、ほかに既設の駅を相当廃止しなければいけないのじゃないかという問題もございます。そうしますと、今までそこの地元の方々が利用した列車が来なくなるということで、そこら辺の調整もなかなか問題があるのではないかというようなことも聞いております。事は安全問題でございますのでいろいろの角度から研究しなければなりませんが、今のところは、いましばらく、大風が来たときは危険防止のために列車をとめる、しかしなるべく早く再開するということで、そういう工夫をしながら運行せざるを得ないのではないかというふうに考えております。
○吉岡分科員 過疎地でございますから鉄道は大変重要な意味を持っております。ぜひひとつ国土軸を変えるぐらいの気持ちでJR西日本の方を御指導いただきますようにお願い申し上げて、質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○愛野主査代理 これにて吉岡賢治君の質疑は終了いたしました。 次に、玉城栄一君。
○玉城分科員 私は沖縄県の空港の問題をお伺いしたいと思うわけですが、第六次空整によって沖縄の那覇空港の整備計画を計画していらっしゃるということを承っておるわけでありますが、御存じのとおり、空港並びになかんずくターミナルというのはその地域あるいはその国の顔とでもいうべき非常に、初めて来る方々などがその空港、ターミナルでイメージを抱くということは当然なことなんですが、そういうところで、この沖縄の那覇空港の場合は、国内線、それからまた沖縄の離島線、あるいは国際線、全部別々にターミナルというのですかね、離島空港なんかばらばらにやっておりまして、さらに運輸省の空港事務所もずっとかけ離れたところにある、非常にめずらしい状況で、そういうことで暫定ターミナルと那覇空港のターミナルについては言われているわけであります。それで、本土復帰してちょうどことしか二十周年でありますので、そういうことの整備というものは当然、むしろ遅きに失したぐらいに我々は感じているわけであります。 もう一つ、ちょっと背景を申し上げますと、那覇空港のすぐ隣接しているところに、那覇、今度は港ですね、那覇港湾施設、これは米軍に提供している施設ですけれども、この一角にまた二・七ヘクタールのいわゆるフリーゾーン、自由貿易地域というのがあるわけですが、これは設立して三年ぐらい、二十七仕入って全部赤字で、これは自由貿易地域というけれども何だこれはということで、とにかく場所が狭過ぎるということで、今度の法律改正、沖縄振興開発特別措置法の改正ということで、その中にあるいわゆる自由貿易地域の制度、そこに総合保税地域というものを新しく設けようということで、ところがそこの港も小さ過ぎるから何とかして米軍との共同使用でもいいから用地を拡大をしようという、それが今議論もされてまいるわけであります。ということと、その港と空港とは隣接しておりますので、それが連結できれば沖縄県のいわゆる経済活性化、自立体制の構築ということでも非常に有益なことであるわけです。 そこでお伺いしたいのは、この第六次空整の中の那覇空港整備計画の概要についてまずお伺いをいたします。
○松尾政府委員 那覇空港につきましては、非常に御利用客が多うございまして、国内線で約七百万、国際線でも四十万人近い御利用をいただいておりますので、私ども今御指摘のような格好で特にターミナルの整備が最重点だと思っておるわけです。 現在は、那覇空港は、御指摘のとおり本土線と島内線のターミナルビルが分散立地して、確かに利用の立場から御指摘のように不便を忍んでいただいておりますが、こういう状態を解決するために、現在の国際線ターミナルビルの南側に用地がございますが、ここに本土線と島内線を統合した国内線の旅客ターミナルビルを建設いたしたい、このように考えております。 具体的な整備計画につきましては、地元の沖縄県、あるいは関係者との間で今調整中でございます。このような状態で今後のターミナルビルの整備について積極的に取り組んでまいりたいと思っております。
○玉城分科員 特にこのターミナルでは、おっしゃいましたように観光客が非常に多い、沖縄は台風の常襲地帯でありますので、そういう中で子供連れとかそういう方々がその台風時にから合った場合はこれはもう本当に人道問題で非常に今問題になっている、そういうターミナルであります。そのターミナルを、今おっしゃったように国際線、空港のちょうど中間というかその辺に移動するというお話でありますけれども、このターミナルはもうそれだけじゃちょっとイメージというかわきませんので、現在の面積ですね、規模ですね、そしてそれが移転したときに大きさはどういうぐあいになるのか。それと用地、空港内ですから、しかしこれにも地権者がいるわけで、その辺はどういうふうな交渉になっているのか。それからいつから着工していつ供用開始になっていくのか、その辺もう少し細かくちょっと御説明いただきたいのですが。
○松尾政府委員 詳細な資料、まことに申しわけございませんが、また確認の上で御報告をさせていただきますが、今のターミナル計画につきましては非常によく進んでおりまして、平成四年度に入ってできるだけ早い時期に、関係者の具体的な意向が固まれば私ども早期に着工してまいりたいと思っております。
○玉城分科員 その面積とか、そういうのはわかりませんか。
○松尾政府委員 具体的な面積等については、ちょっと今手元にないものですから、今進行中でございますので、確認の上でまた報告させていただきたいと思います。
○玉城分科員 私がちょっとお伺いしたいのは、現在のターミナルを移動するわけですから、現在のターミナルの跡利用について非常に関心があるわけであります。私、最初に港という問題もちょっと申し上げましたけれども、現在のターミナルの跡地の利用計画についてはどのようにお考えでしょうか。
○松尾政府委員 新しいターミナルができた場合に、現在のターミナルビル地区でございますが、当然使用されなくなるわけでございますが、この具体的な取り扱いについてはもちろんまだ定まっておりませんので、今後の航空旅客あるいは貨物需要の推移あるいは関係者の御要望など配慮しながら、私ども、空港整備のために活用していただきたいな、このように考えております。
○玉城分科員 そういうことで、これから計画が定まっていくでしょう。今まだ計画が詰められていないというお話ですが、地元の要望としては、現在のターミナル地域を日本初の陸空海貨物等の物流集散基地にしてもらいたい。今のターミナルを崩したらもったいない、だから、二、三十億かかったのでしょうか、それを崩してしまうのは非常に損失になる、もったいないということで、これをそのまま有効利用すべきである、そのために、今申し上げました陸空海貨物等物流集散基地にしてもらいたいということを言っているのですね。それから、そうすることによって、この近郊には、さっき申し上げましたフリーゾーン、いわゆる自由貿易地域がありますために、三百メートルないし四百メートルの海岸道路を新設すれば陸海空の物流の有機的結合を図ることができることによって、このフリーゾーンの活性化にも運動していく、同地域の需要の飛躍的拡大が期待できる、こういうふうな要望をしているわけです。どうでしょうか。
○松尾政府委員 空港の跡地の展開について、特にこうしたターミナルビルの貴重な財産でございますので、十分に空港と一体となって機能的に活用できるような施設運営を図るという地元のそういう前向きの御利用については、私どもも可能な範囲内で極力協力してまいりたいと思います。
○玉城分科員 では、ぜひそれをお願いします。 さっき申し上げました台風時のターミナルでの混雑というもの、新しいターミナルになりますとその問題も当然考えての設計等がされると思うのですが、いかがでしょうか。
○松尾政府委員 確かに、この地域は台風の特性がございまして、現在のビルでは大変狭隘化が進んでおります。したがって、せっかくビルをおつくりになるわけでございますので、こうした若干のゆとりを持った、旅客の利便を向上するような格好でターミナルビル計画が進められておりますので、こういった立場から私どもも具体的に御支援をしていきたい、こう思っております。
○玉城分科員 ですから、繰り返しますけれども、隣の港に併設されています自由貿易地域、それを拡大する、そして空港の現ターミナル、場所が移動するわけですが、現ターミナルはあくわけですから、そこの有効活用をぜひ運輸省とされても考えられまして、あの地域の、全体的に連結したアクセスがうまくいきまして活用されるようにやっていただきたいということであります。 奥田大臣、どうでしょうか。今の那覇空港の整備計画についてお伺いしているわけですが、その中にある現在のターミナルですね、これが移動するわけですが、現在の空港のターミナルはあくわけです。あくというか、現在のターミナルについては、有効に使えるように物流の集散基地に転用すれば、フリーゾーンとか港とも連動して非常に有効になるという話なんですが、どう思われますか。
○奥田国務大臣 那覇空港は沖縄の玄関口、顔ということで、復帰二十年という記念すべきときでございますから、立派なターミナルをつくるということでことしも二十億近い予算投入をしますけれども、名実ともに沖縄の顔にふさわしい空港になっていくと思います。 今御質疑の点、大変申しわけなかったわけですが、現在のターミナル跡地をそういった形で物流の拠点として、那覇の場合大事なところはみんな米軍にとられて、とられてというと言葉はあれですけれども、米軍が使っているという形の中で大変貴重な土地で、物流のそういった大事な拠点にしていくということには私は大賛成です。そこで、そういった方向で有効に活用していただけるように、この面に関しては全面的に地元の皆さんの意向を体して協力してまいりたいということです。
○玉城分科員 大臣の大変御理解ある御返事をいただきまして感謝申し上げます。ぜひお願いします。 それで、空港の問題から離れますけれども、平成四年度の予算の中で、沖縄県は離島がたくさんありますけれども、第六次空整の離島関係の予算はどういうふうになっていますか。
○松尾政府委員 第六次の関係でございますが、小型機を利用するいわゆる離島空港でございますが、これは建設規模も小さいものですから具体的に運輸省の個別計画に私ども入れておりませんけれども、積極的にそういったものにつきまして、地元の県の方でこの五カ年の中で具体的な計画が定まってくれば、毎年度予算要求の段階で個別に対応することにいたしておりますので、地元とよく協議して進めてまいりたいと思います。
○玉城分科員 沖縄県の場合は離島がたくさんありまして、空港というのは離島の生活の足といいますか、生活に密着した路線にみんななっておりますので、ぜひこの空港の整備には力を入れていただきたいと思いますし、先ほど大臣もお話ありましたとおり、二十一世紀に向けて沖縄県が自立していくためには足場になる空港の整備が非常に大事でありますので、強く要望をしておきたいと思います。 それから、これまた陸の方になりますけれども、モノレールですね。今の伊江開発庁長官も国鉄出身でいらっしゃいまして、そういう発想は我々以上に非常に詳しくお持ちであります。それで、御存じのとおり沖縄は鉄軌道がありませんので、交通渋滞で経済的なロスは大変なものでありますから、沖縄本島の南と北をずっと縦断する形で、今那覇市を中心にしてモノレール計画があるわけです。それも大事ですが、例えば高速道路もありますので、高速道路を活用するという形でそれを建設することは十分可能だと思うわけです。御存じのとおり沖縄県の場合は離島が多いわけで、県民所得は四十七都道府県のうちの最下位なのです。沖縄一県の県民所得のうちの約半分が離島である。ですから沖縄の県民所得の足を引っ張っているというのが離島ですから、そういうことで、離島の過疎化が今進んでいるわけですね。沖縄も那覇に人口が集中しているという嫌いがあります。ですから、どうしてもモノレールとかそういうものを縦断型に建設していただかないと人口が集中化するということになりかねない。加速していきますので、そういうことをさせないために縦断的なモノレールは必要だと思いますが、いかがでしょうか。
○井山政府委員 今先生から御質問ございましたように、沖縄県でもモノレールの計画がございまして、実はこれは先ほど先生がおっしゃった那覇市内のモノレールでございまして、これは五十七年の九月に申請が出されました。ただ、これは県の中の事情かと思いますが、本省の方には実は上がってきておりませんで、沖縄県庁でとまっております。聞くところによりますと、ほかの輸送事業、例えばバスとかタクシーとの調整でちょっと県内でいろいろと議論があるということでこっちに来ておりませんが、そういうことで、前から沖縄県としても勉強しておられるというふうに聞いております。 今先生がおっしゃったように、その後、最近北の方まで延ばしたらどうかという御意見が出てきているということは私ども漏れ承っておりますけれども、ただ、県としてそれをどういうふうに取り上げるかということにつきましてはまだ全然態度が決まっていない、どうしたらいいかということで県の中でも具体化はまだしていないというふうに聞こえてきております。
○玉城分科員 これは私はぜひ必要だと思います。北の方には海洋博がありますけれども、バスだけで行くというのではこれからの時代には間に合わないと思います。 この間、きょうも宮澤総理がおっしゃっておりましたが、沖縄は復帰前二十七年間米軍支配、そして復帰して二十年、そういう間沖縄の人は大変苦労した、そして日本のいわゆる安全保障、防衛の問題で沖縄の方々には大変な恩を受けている、だから振興開発はできるだけのことをしたいという気持ちであるという趣旨のお話をされているわけです。そういう意味で、今のモノレールを沖縄本島縦断型のものをつくっても相当な金がかかる、これはとてもできないということになりがちなんですが、そういうことではなくて、やはり国がある程度の必要ないわゆる経費といいますかコストも負担していただく形でやるというのが、復帰二十周年という、これからあの地域の人々が自立していくためにはやはり重要なポイントだと思うわけでありますので、どうでしょうか、大臣。
○奥田国務大臣 沖縄復帰二十年の記念事業というか、そういった意味合いを込めてのモノレール構想ですから、私は沖縄にも時々御厄介になるわけですけれども、南北縦断モノレール構想というのは個人的にはもう大賛成です。技術的とか資金的にはいろいろ、局長は何か難しいことを言いましたけれども、しかしこれは本当に、私も沖縄復帰そして沖縄の発展を願う一人の政治家として、この構想は私は大賛成です。ですけれども、モノレールの敷設用地、これは今の構想でいきますとどうも建設省の道路にかかる。やはり道路を所管している建設省ともよく打ち合わせて、こういった構想推進のために私たちももちろん前向きに協力姿勢をとって御支援申し上げますけれども、建設省との話し合いも非常に大事なことになります。 いずれにしても、南北縦断ということになると相当な構想でございますから、ある程度の時間はかかるだろう。とりあえずは那覇を中心にした形になるかもしれませんけれども、これはやはり南北縦断して初めてあの大きな活性化につながっていくだろうということで、少し時間をかけた事業になりますけれども、そういった点で御努力願えれば私たちも応援いたします。
○玉城分科員 ひとつぜひよろしくお願いしたいと思います。これはきょうも午前中、伊江開発庁長官も、私の個人的な構想だがという前提で南北縦断という形で必要だという話はされておりましたし、これはまた外務委員会で外務大臣どう思われますかという質問に対して、それは開発庁と相談すべき問題だというお話がありました。きょうは運輸大臣もそういうお話で、また建設大臣にも、ですからこれは当然時間がかかる話ですけれども、やはり今こういう構想を話し合っておけば、あるいは五年後、あるいは十年後実現すると私は思いますので、ひとつよろしくお願い申し上げます。 それからまた、質問を変えますが、宮古空港というのがあるわけですが、今七時半で業務というのですか といいますのは、宮古島、八重山、各離島の方、沖縄本島の那覇を中心にして経済圏があるわけですから、十一時間半でなくてあと一時間半延ばして九時まで延長してもらえれば、地元の航空会社は増便もできるし、また地域住民の利便にも非常に役立つということでありますけれども、時間の延長についてはどうお考えになりますか。
○松尾政府委員 宮古空港の定期便の就航可能な運用時間でございますが、現在午前八時から午後七時三十分までの十一時間半の運用時間になっております。この運用時間の延長につきましては、空港の利用状況等を勘案し、将来の需要の動向を考える必要があるわけでございますが、一番、何といっても私ども航空局職員の数の問題とかあるいは事務所運営の経費問題とかいろいろと大きな問題がございまして、今の利用時間でとりあえずは宮古空港の運用に支障はないのではないかな、こう考えておりますが、そういった大きな問題がございますので、今後の空港の利用動向に応じて慎重に検討する必要があろうか、このように考えております。
○玉城分科員 これも地元の要望ですが、今東京-宮古間の直行便ができていまして、これはやはり機材は、あれはジェット機では小さい方で中型、ジャンボではないのですけれどもジャンボよりちょっと中型、三百人弱乗りのボーイング767にぜひ変えてもらいたいという要望がありますけれども、いかがでしょうか。
○松尾政府委員 御指摘のとおり、東京-宮古線でございますが、現在一往復、南西航空が運航いたしておりまして、利用率も七四%程度ということでございます。特に本路線につきましては737型機が基本で動いておりますけれども、特に七月、八月のお客さんの多い時期には中型ジェットのボーイング767型が稼働いたしております。こうした本路線への就航機材の大型化問題につきましては、特に機材繰り、乗員繰り等の航空会社における問題がございますので、南西航空におきまして需要動向を考えながら必要に応じて大型化を図っていくべき問題と認識しております。
○玉城分科員 今の点は、中型機、いわゆる767に近いうちになるというお話は漏れ承っておりますけれども、ぜひひとつそういう方向でお願いします。 もう一点だけ、東京-宮古島の直行便が今申し上げたようにできると大阪ですね。というのは、大阪、関西には沖縄県出身の方々が非常に多いわけですね。ですから、そういうことで大阪との直行便をぜひ実現してもらいたいという要望があるわけですが、いかがでしょうか。
○松尾政府委員 私も宮古の方にも直接お会いして、ぜひ大阪に乗り入れたいという強い要望を承っております。現在、大阪空港はジェット枠の関係があって、現実には空港容量の観点で乗り入れが難しゅうございますが、関西空港が開港後は十分可能性がありますので、しばらくの時間お待ちいただきたいというふうにお願いをいたしております。
○玉城分科員 どうもありがとうございました。終わります。
○愛野主査代理 これにて玉城栄一君の質疑は終了いたしました。 次に、小谷輝二君。
○小谷分科員 運輸大臣には、昨年就任早々みずから成田に出向かれて第二期工事に対する反対の地主さんまた関係者と懇談をされて、運輸行政の推進に意欲的に取り組んでおられることについて敬意を表しております。今西日本の中心であります大阪の運輸行政についてきょうはお尋ねをいたしたいと思います。 運輸大臣の諮問機関として、日本の将来にわたって運輸行政のうちで新設路線はどうあるべきなのか、こういう答申を行う機関として運輸政策審議会、俗に運政審と言われているわけですが、この運政審の答申について、いろいろ答申の内容があるようですが、緊急度等にランクをつけてA、B、Cのランクづけをしているようでございますが、そのA、B、Cのランクづけの内容というのはどういうものなのか、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 先生ただいま御指摘の答申というのは平成元年に出されました第十号答申でございますが、ここにおきましては、大阪圏の鉄道網及び鉄道輸送の課題としまして大規模プロジェクトヘの対応、混雑の緩和、鉄道サービスの高度化の三点を取り上げて、輸送需要に対して適切な輸送機関を選択することなどに留意しながら、目標年次でございます二〇〇五年までにこれらの課題に適切に対応できるように、第一、目標年次までに整備することが適当である路線、第二、目標年次までに整備に着手することが適当である路線、第三、今後整備につき検討すべき路線、この三つに分類されているところでございます。
○小谷分科員 今御説明のありました、平成元年五月、一九八九年運政審答申十号、このように言われている答申がございます。その答申の中の、大阪周辺部に対してその中でAランク、すなわち二〇〇五年までに整備することが適当であると言われている路線、簡単に御説明をいただきたいと思います。
○大塚(秀)政府委員 これらの路線としましては、片福連絡線、なにわ筋線、大阪外環状線、鶴町・茨田線、大阪市営交通の六号線の延伸線、阪神西大阪線の延伸線、南港テクノポート線、大阪モノレール、国際文化公園都市モノレール、京阪奈新線、泉北高速線の延伸線、それに関西国際空港連絡線、以上の合計十二路線でございます。
○小谷分科員 今御説明をいただきましたAランク十二路線、百十四・八キロということであろうと思いますが、この路線はいずれも私ども地元におきまして最も必要な緊急を要するものである、このように思っておるところでございます。基本的にこの答申を得た大臣の所見をこの際伺っておきたいと思います。
○奥田国務大臣 この指針は大阪圏において二十一世紀初頭までに達成すべき運輸行政の指針として、私たちはこの実現方に最大限の努力を傾注してまいるべきものと考えております。
○小谷分科員 私が申し上げるまでもございませんが、東京一極集中を是正し、多極分散型の国土形成を図る上からも、西日本の中核都市である大阪周辺の活性化対策は緊急な課題であると思っております。特に大阪というところは、大阪市を中心といたしまして、関東圏の横浜や川崎市、いずれの政令都市とも内容的に異なった点がございます。すなわち、国勢調査によります人口は二百六十二万と言われておるわけですが、昼間は周辺の府県とかまた市から約百十万人が短時間に大阪に集まり、また短時間に大阪から離れていく。こういう特殊な、しかも量として百十万、こういう人たちが昼間人口として一挙にふえていく、こういう状況にあるわけでございます。このような特殊な事情を有しておる政令都市としての大阪の町づくり、これはそういう点を十分考慮した上での町づくりでなければならない。これは私が申し上げるまでもございません。大臣も十分御承知の上だろうと思います。 特に最近は、自動車によるところの交通量の増加に伴いまして交通渋滞が深刻な状態になっております。都市の機能そのものが麻痺しつつあるという状況でございます。また、それに伴って排ガス、また騒音、振動、粉じん等環境の汚染は極端に悪化しつつあるわけでございます。そこで、自動車の利用から鉄道による都市基盤の整備の重要性というのが大きく増大してきた、こう思っておるわけでございます。この点について、大阪周辺の鉄軌道整備、所管大臣として、私の今申し上げましたいろいろな特殊事情、これを踏まえての大阪周辺の要するに新しい路線の必要性、これらの大臣の所見を伺っておきたいと思います。
○奥田国務大臣 確かに東京、大阪は昼間人口がもうむちゃくちゃにふえる。そのために出てくる交通渋滞、環境もそれにつれて悪くなっていくという状態は、これは大阪は特にひどうございます。東京と大阪の都心部の渋滞というのは、大変な状態であることはよく認識いたしております。それで、車社会とはいえ、車の違法駐車の行儀の悪いことにおいても、東京、大阪はもう他都市に比べて類を見ない状態である。 そういったこと等々も踏まえまして、大阪にとって必要なのは、やはり地下鉄等々、できるだけ地下空間を利用した形の交通体系ももちろん必要でございますし、そういった形の特別な効率的な交通体系、鉄軌道による交通体系、公共輸送機関の充実という形が必要である。そういう認識に立って、先般の指針を踏まえ、できるだけ円滑な行政の推進に努めたいということでございます。
○小谷分科員 具体的な問題といたしまして、二、三申し上げておきたいと思います。 運政審十号答申のAランクとして緊急に整備することが必要な路線として現在もう既に工事が進められておる片福連絡線事業でございますが、本路線は国道一号線、また二号線、この交通渋滞を緩和するという目的が一つ。それから、京阪奈、すなわち京都、大阪、奈良、この県境にございます、現在着々と整備が進んでおる関西文化学術研究都市、ここと神戸三田公園都市、これを大阪の都心部で地下を通って結ぶという都市高速鉄道でございます。大阪圏の経済活性化に貢献できる多目的を持った路線であるということから、非常にこの完成が期待されておるところでございますが、この路線に対して、運輸省として今日どのような対応をされてきたのか、簡単に御説明をいただきたいと思います。
○井山政府委員 お答え申し上げます。 先生今お話しの、片福運絡線と我々言っておりますが、JR片町線の京橋から福知山線の尼崎を結ぶ路線でございまして、これは答申のいわゆるAランクの線でございます。この機能は、先生今お話しのように、例の関西文化学術研究都市から神戸の三田等の郊外部の新しい開発拠点を結ぶ、それからもう一つの機能としましては、梅田あるいは大阪ビジネスパークというようなところの都心部の再開発、これに伴う輸送需要に対応する、これが目的でございます。 私どもといたしましても、地元の方と御相談をして、大阪府、大阪市、JR西日本等が出資いたしまして関西高速鉄道株式会社、これをつくりまして、六十三年十月に免許し、元年の二月から工事施行認可を受けまして、今現に一生懸命やっているところでございます。目標年次としては、平成七年度に開業しようということで、我々としても、大阪としての今最大プロジェクトとして応援をしているところでございます。
○小谷分科員 今御説明をいただきました状況でございますが、六十三年着工後運輸省の協力もあり、本事業の事業主体である関西高速鉄道株式会社、この会社の努力もこれあり、建設は順調に進んでおるところでございますが、実は用地費の高騰、それから事業費の大幅な増額等々によりまして、この事業主体である関西高速鉄道株式会社自身は経費の節約、事業費の圧縮に努めるほか、資本金の倍増計画も立てこれに対応しておるところでございますが、当時の建設事業費の二千三百五十七億円を五百二十八億円増額せざるを得ない状況であり、合計して二千八百八十五億円ということになっておるところでございます。そこで、国に対してP線資金、要するに日本鉄道建設公団の民鉄線資金、P線資金と言われているもの、当初千五百十四億円、これを千七百八十一億円に、それからNTTの無利子融資資金、九十億円を百七十億円に増額の要請がなされているところでございます。あわせて、現在のそれぞれ関西の大阪市、大阪府、それから各関連企業等の出資金も倍増していく、こういう計画を進めておるところでございますが、運輸省としてどう対応される考えでございましょうか。
○井山政府委員 先生ただいまお話しのように、当初の計画から比較いたしまして、ちょうど土地の急騰時期に当たりまして、結果、地価が非常に上がってしまったということで、用地費を中心にどうしても値上がりがしてしまっているわけであります。四百六十億円の増額でございますが、これにつきましては、いろいろな方法がございますけれども、まず地方公共団体を中心に出資を大幅にふやす、今先生倍増とおっしゃいましたが、一応そういうことが考えられておるわけでございます。公共団体等の負担割合は今のところはまだ決まっておりませんけれども、こういう基本方針でございます。 運輸省といたしましても、開発銀行からの融資、それからいわゆるNTT・Cの無利子貸し付けの対象としてここは多目的旅客ターミナル施設という位置づけにしておりまして、そういう政策金融をしようということで全面的にバックアップをしていきたいと思っております。 P線の資金につきましても、これはまだ将来の問題でございますけれども、しかるべく応援をしていかなければいけないなと思っているところでございますが、我々としても、なるべく建設費の増額を抑えまして順調に進んでいってもらいたい、全面的に応援したいと思います。
○小谷分科員 鉄道の路線の新設につきましてはどのような経過を経て進められるのか。順序、プロセスとでもいいますか、これを簡単に説明をいただきたいと思います。
○井山政府委員 いろいろな形がありますが、例えば大阪の例を簡単に申し上げますと、やはりまずある構想がございまして、そこを例えば審議会とかそういうところで議論をしていただきます。運輸政策審議会の例えば大阪ですと大阪圏部会というようなところで、まず網の計画、構想といいましょうか、この段階ではまだ構想と言った方がいいかと思いますが、これが策定されまして、それから関係の地方公共団体とか鉄道事業者等の関係者で具体的なルートとか事業主体をどうするかとか、それから事業費の調達方法、施設の計画、さらに需要予測とか収支予測、この辺が大事でございますが、このような具体的な整備計画をつくりまして、さらに事業主体から免許あるいは特許の申請がございまして、これを運輸省としては運輸審議会というところにかけまして御議論いただいて、イエス・ノーを決めて免許または特許をしているわけでございます。 それでその後に、具体的な一種の設計でございますが、工事実施計画というものの認可をして着工に入るわけですが、そのほかに、いわゆる環境アセスメントあるいは都市計画の手続、こういうようなことが先行したりあるいは並行したりして走っていく。こういうことで、これらを全部完了したところで建設に着手する、こんなのが大体の概略でございます。
○小谷分科員 運政審の十号答申Aランクにありますなにわ筋線でございますが、これは地元の大阪市、大阪府、それからJR西日本、南海電鉄、この四者で五年ほど前から調査を始めまして、平成四年度にも調査費として一千万程度の計上がなされておるようでございますが、今も本格的な調査を進めていると聞いておるところでございます。 運輸省として、このなにわ筋線の事前協議とでもいいますか、運輸省との調査の今日までの状況、これはどこまで進んでおるのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○井山政府委員 先ほど手続のところで御説明申し上げましたけれども、このなにわ筋線は、今の段階といたしましては、先ほども申し上げました審議会の路線構想といいますか、これが出されまして、それに基づきまして関係者が一種の施設計画などを考える、ルートを考えるという次の段階に入っているちょうどその時期でございまして、私どもの方で今積極的に中へ入っていきまして、ああせい、こうせいど言う段階ではまだございません。けれども、なにわ筋線の位置づけ、これは新大阪から関西空港へ結ぶその途中で大阪の都市交通に非常に有効な路線だということでございますので、我々としても非常に関心を持ち、大事な路線として見ていきたいと思います。 いろいろ問題もございます。事業主体をどうするかとか建設費をだれがどういうふうな形で負担をするのかとか、あるいはルートの問題では梅田の貨物ヤード跡地とどういうふうに調整していくかとか、いろいろ難しい問題もございますが、地元の公共団体が非常に御熱心でございますので、何らかのいい解決策が出るのではないかと思っております。関心を持って十分見ていきたいと思っております。
○小谷分科員 これは、新幹線はまさに日本の南北を結ぶ唯一の幹線でございますが、その西日本の中心である新大阪、ここから、私が説明するまでもなく、二十四時間使用可能な国際空港として運輸省も乗り出していただき今着々とできつつある関西国際空港、この空港と新大阪と直結できる鉄軌道というものは、このなにわ筋線以外に考えられないのではないのか、こう思うわけであります。一方、環状線に乗せてという考えもあるようでございますが、実は環状線はもう現在の状況の中でも既に騒音、振動等公害が発生をして、これ以上列車を乗せる、走らすということは非常に困難ではないかという地域が部分的にございます。例えば港区の一部等はその一つの例でございますけれども、ここはもう列車を普通の速度で走らすことはできない、こういう状況にあり、地元でも問題化されておるところもあるわけでございます。したがって、新大阪から大阪の中心部で一番広い道路のなにわ筋を通って、南海本線また阪和線を通って空港に直行できる便として、鉄軌道としてこれしか考えられないのではないのかな、こういうふうに私どもは思っておるところでございます。 そこで大臣、いろいろ全国的な小さい現場までは御存じないかと思いますが、少なくとも関西国際空港という重要な、二期工事、三期工事ということが可能であるならば、むしろ東洋の玄関口ということにもなる重要な空港ではないのかというふうに、認識をいたしておるわけでございます。この空港に、大阪という西日本の中心でもあり、新幹線の新大阪駅から直通で入れる軌道の必要性というのは、これは欠かせないのではないのかなという感じがいたすわけでございますし、もちろん大阪市、大阪府、またこれにかかわる関西の経済界、あらゆるところがなにわ筋線の計画に対しては非常に意欲的に取り組んでおるところでございます。この際、大臣の所見を伺っておきたいと思います。
○奥田国務大臣 関西新空港、平成六年夏開港ということで、二十四時間の、ああいった人工島形式の世界でもたぐいない立派な空港ができるわけでございます。 したがって、私がさっき二十一世紀初頭を飾る何としてもやり遂げなければならないプロジェクトということで表現いたしましたけれども、その最たるものがこのなにわ筋線であろうと思っております。それは今先生からも御指摘のように、新大阪そして大阪の都心、関西新空港へ直結するといった非常に重要なアクセス路線でございます。そういったことで、大阪の府も市も関西の経済界も含めてこういったなにわ筋線の完成に意欲を持たれておるということについては大変結構なことでございますし、何とか早く具体化の方向で事業主体等々を決めていただければ、最大限の協力をしていこうということでございます。
○小谷分科員 余り時間がないようでございますが、実は大都市圏はそれぞれ同じような状況が起こっておるのではなかろうか。と思うことは、要するに放置自動車とでもいいますか放置物とでもいいますか、これは道路運送車両法、この法律に基づいて第十五条に抹消登録という法文があるわけでございますけれども、もちろん陸運事務所で自動車の登録をして、そうしてきちっとナンバープレートをつけて自動車を使用しているわけでございますが、要らなくなった場合、この場合に今この処理が不明瞭であるために、要するに路上に放置したり河川敷にほってあったりいろいろな公園の隅に放置してある、こういう状況が起こっております。 これは二万台とも三万台とも言われておるわけでございますけれども、今、私の聞くところによれば、抹消手続の中で、この車はもう使いませんということになればただそれだけで、この車をこう処理をしましたという裏づけのないまま車が抹消手続をされておる、こういうふうに一部言われておるわけでございますが、この点についてはいかがでしょうか。
○堀込政府委員 お答えいたします。 放置自動車につきましては、先生御指摘のように、交通を妨害するあるいは市民生活に多大な影響を及ぼすということで大変な問題と受けとめております。このため運輸省は、通産省あるいは関係業界と組みましてそういう放置自動車の回収システムというようなものをしておるわけでございます。 先生御指摘の、これは道路運送車両法の十五条、十六条でございますが、十五条は永久抹消ということでございまして、既に壊れてしまったとか完全にもう使わないというのを十五条でやっています。それから十六条は、例えばディーラーが、下取りに出してたまたま売れない間に税金を払わなければならないということから十六条抹消という手続、あるいは外国へ行くとか病気になってちょっと車の使用をやめたということで一時使用停止というのが十六条でございます。 その十五条、十六条が先生御指摘のように乱れているのではないかということでございますが、十五条につきましては解体証明書というものをとらせていただいています。十六条につきましては、一時的にやめるということでございますので、そこをどこまで追いかけて放置車両と結びつけるかということについては、現在私ども調査しているところでございます。
○小谷分科員 十五条でこれをスクラップ、解体する、これについてはその証明をもらってこいということに一部はなっているようでございますが、要するに、これを廃車する、使わない、これの処置がほってあるわけです。したがって、これも例えば中古車業者とかここらからきちっと、買い取った、こういうふうにした、受け取ったという裏づけをせぬと、このごろは解体業者に頼んでもただでは引き取ってくれません。一台二万円とか三万円とか金を出さなければ古い自動車を引き取ってくれない、それを出すのが面倒なのでほっておく、これが放置自動車のまず第一因ですね。陸運事務所のそこらのきちっとした整備が十分できていないために放置自動車がふえるのではないか。 まず自動車の所有主に第一義的にはこの責任をとってもらうべきではないのか。その後、どうにもならない、わからないのは、これは車両なら警察ということになるでしょうけれども、車両でない廃棄物ということになれば、これは道路管理者あるいは市町村の清掃、環境局とかいうところで整理しておると思いますけれども、そこらを一遍十分検討をして、陸運事務所で、この車を使わないということになれば、使わなかったらどうするのだという裏づけをまずとるべきではないのか、ここから始めぬとこの問題は解決しないのではないのか、こう思うわけですが、いかがですか。
○堀込政府委員 お答えします。 御指摘のとおりでございまして、そういう放置車両とそれから使わなくなった車、この点が大変問題でございます。そのために、昨年七月でございますが、私ども運輸省と通産省、それからメーカーの自動車工業会、販売であります自販連、中距連、こういうものが結びつきまして回収システムをつくったところでございます。 それで、一つは、路上に放棄した車、ナンバーを取り外し車体ナンバーを消して放棄した車、これはわからないものでございますから、しかしよく見ればメーカ1がわかるということでございまして、メーカーの責任において回収するということで、これは昨年の末までに二千三百台の実績を上げでございます。それから、ユーザーでもう古くなったから使わないという車、廃棄を希望する車でございますが、これは昨年の七月から九月までの三カ月でございますが九千三百台という実績を上げています。 それで着々と成果を上げてございますので、私どもこのシステムをさらに有効に伸ばしまして、先生御指摘の放置車両あるいは放棄車両の撲滅に努めてまいりたいと思っています。よろしくお願いいたします。
○小谷分科員 終わります。
○愛野主査代理 これにて小谷輝二君の質疑は終了いたしました。 次に、水田稔君。
○水田分科員 私は、アルコール燃料自動車の開発についてお伺いしたいと思います。 まず最初に、環境庁にお伺いしたいのは、「窒素酸化物自動車排出総量抑制方策の在り方について」という報告に基づいて、いわゆる大都市、東京とか横浜、大阪、そういうところで自動車の排ガス規制をどんどんやってきた、あるいはまた固定発生源の規制をやってきた、それでもなおかつ改善できないということで、これに基づいた法案をこの国会に出そうということなんですね。 それによってどういうぐあいに、余り細かいことはいいですから、大まかに、基本的にこういうことをやって、そしていつまでにどれだけの削減ができる、そういう見通し等についてお伺いしたいのと、もう一つは、その中で、NOxを減らすためのいわゆる電気自動車であるとかアルコール燃料の自動車等についても、それぞれの位置づけというかある程度の評価といいますか、そういうものをした上で施策を決められたのだと思うのですが、アルコール燃料の自動車についてその中でどういう位置づけをされておるのか、それをまずお伺いしたいと思います。
○斎藤説明員 お答え申し上げます。 窒素酸化物に係る大気汚染は、先生御指摘のように大都市を中心として大変厳しい状況である、こういうことでございまして、これまでやっておりました工場に対する総量規制や自動車一台ごとの排出ガス規制ではなかなか二酸化窒素に係ります環境基準の早期達成は不可能である、こういうことで、先生御指摘の窒素酸化物に係る総量抑制の方策の制度化というものを進めたいと考えておるところでございます。 この内容でございますが、まず大きなスキームといたしまして、大都市地域等が中心となりますが、対策を講ずべき地域を指定いたしまして、この地域におきまして国が総合的な対策の基本的な方針を定める、また、その地域を管轄します都道府県知事におきまして地域ごとの総量削減の計画を立てていただく。第二といたしまして、指定地域内のトラック等の使用者に対しまして、自動車使用基準というものを設けまして、現在大気汚染の悪化の一つの要因となっておりますディーゼル車等につきまして歯どめをかけてまいりたいと思っております。第三番目といたしまして、指定地域内の荷主など大規模な交通需要の発生者の方々に対しまして合理化をできるだけしていただこう、こういう趣旨のものを盛り込んでおりまして、私どもといたしましては、西暦二〇〇〇年に環境基準をおおむね達成できるような、そういうレベルにこの制度で持ってまいりたいということで、関係省庁と一体となってこれを法案として提出すべく現在努力をしておるところでございます。 それから、この方策の中では、こういうような使用車種規制などのほかに、一般的に窒素酸化物の排出量の少ないいろいろな低公害車について開発の促進に努めるというような規定を設けておりまして、これはまだ法的な規制ということではございませんが、低公害車の一層の開発が進みますように、普及が進みますように、精神的な規定を盛り込んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○水田分科員 アルコール燃料の自動車については運輸省も開発をされておる、試験車を走らせておる、それから通産省、エネ庁が中心になってアルコール燃料の自動車の開発を進めておるのですが、運輸省は何の目的で、そしてどのくらいの進度で今この開発が進んでおるか、同じく通産省も何の目的でアルコール燃料の自動車を開発し、そしてそれはどの程度まで進んでおるのか、それぞれお伺いしたいと思います。
○堀込政府委員 お答えいたします。 運輸省におきますアルコール燃料を原料とします自動車の開発状況でございますが、まず目的でございますが、運輸省におきましては、一つは代替エネルギー、いわゆる石油燃料がいろいろ枯渇するということ宣言われていますので、新しい燃料として何があるだろうという中の位置づけを見まして、代替エネルギーとしてアルコールをとらえています。それからもう一つは、先ほど環境庁から御説明がありましたように、NO比を低減するという、この二つの柱からやっておりまして、六十一年からメタノールを燃料とするトラックについて実証実験を実施しております。現在、この一月末で百五十三台を東京、大阪、名古屋の地域におきまして、トラック事業その他地方公共団体において荷物の運搬に活用させていただいております。 NOxの排出量の状況につきましては、ディーゼルに比べまして半分の効果、それから黒煙はゼロということでございまして、大変低公害性がよろしいということで、現在私どもその拡大に努めておるところでございます。
○田中説明員 先生お尋ねのまず目的でございますけれども、通産省の資源エネルギー庁におきましては、代替エネルギーの開発ということで、このアルコール燃料というのは代替エネルギーとして技術的にめどがほぼついたエネルギー、づきつつあるエネルギーということで開発を行うということでやっておりますけれども、エネルギーといった場合に、安価で大量のものを使うというのが一つのエネルギーの特質でございますので、そういった大量のものをいかに安定的に供給でき得るかということが一つのポイントでございます。 アルコールといった場合に、エタノールとメタノール、この二つが世界的にも代替エネルギーとして注目されているわけですが、まずエタノールでございますけれども、これは一九七〇年代の石油危機を契機として、アメリカとかブラジル、そういったわりかし天然資源に恵まれた国で、サトウキビとかトウモロコシからエタノールをつくりまして、そういったものを自動車燃料として利用するということが行われておりまして、今現在も着実にその割合がふえているという状況でございます。 一方、我が国は、そういうことから見ますと資源的に非常に乏しいものですから、資源的に比較的利用できるセルロース、農産廃棄物でありますとかごみ、そういったものからセルロースを有効に利用してエタノールをつくろう、そうすればアメリカとかブラジルのような国と同じようにエタノールを代替エネルギーとして利用できるという考え方に立ちまして、アルコール、エタノールの研究開発を昭和五十八年度から鋭意進めてきたところでございます。今現在もこのエタノール発酵の研究開発は新エネルギー産業技術総合開発機構におきましてやっているわけですが、いまだに経済性ということでは実用に至る段階にはなっていないというのが今現在のエタノールの状況でございます。 一方、メタノールでございますけれども、そういうエネルギーとしての要件、経済性ということから見ますとエタノールよりもかなり先行し得るということで、通産省におきましては、昭和六十年ごろからメタノール燃料、自動車燃料としてのメタノールに注目をいたしまして、各種のフィージビリティースタディーとか所定の研究をやっている段階でございますが、こういうエネルギーとして利用する場合には、供給のシステム、それから、それを分配、ディストリビューションをするシステム、そういったものが整合的にできないといけませんし、また、環境面へのインパクト、そういったものもございまして、今現在フリートテストということで、数十台のメタノール自動車を実際に走行させてそのフィージビリティーを見るとか、ガソリンスタンド、それから燃料をためておくタンク、それから計量器、そういったものをすべて含めて今現在フィージビリティースタディーを実施中ということでございます。また、排ガスに関しては、アルデヒドとかメタノール自身が排ガスとして出ますので、そういったことの影響、そういう評価を総合的に実施中でございます。
○水田分科員 運輸省と通産省へ、研究がどこまでいっているのかというのは、今答弁があったように、それらができて、いつぐらいからガソリン車やディーゼル車に伍して実用化できるのか、そういう見通しを、両省とも答弁が抜けておられますから答えてください。
○堀込政府委員 大変失礼いたしました。 ただいま試験的に三地区を含めてやってございまして、運輸大臣の試験自動車としてやっておるところでございます。これが大体この夏ぐらいまでに終わりますので、その段階においてメーカーの方から秋口、十二月までには市販できる車ができるんじゃないかということで進めております。 当然その段階におきましては、通産省さんにお願いして供給できるスタンドの方も整備しなきゃならないかと思っていますが、そんな段階になっています。
○田中説明員 見通しでございますけれども、我が国のこういうエネルギーの市場というのは市場経済に基づいてやっていまして、そのときの石油の値段でありますとか他のエネルギーの価格水準ということに左右されるわけです。エネルギー調査会の石油代替エネルギー部会の中間報告というのが一昨年の六月に出ておりまして、二〇〇〇年、二〇一〇年での新しいエネルギーということで見通しをやったわけですが、その中でアルコール燃料が幾らという数字は、以上申し上げたような理由で、他のエネルギー価格との競合ということで具体的にはその数字自身はこの報告書には出ていないわけですけれども、そういう今世紀末、二〇一〇年に向けて、かなりな量で石油に代替するエネルギーということで位置づけておりまして、先ほど運輸省の方から答えがありましたように、各種の社会的な制度を整備していきたいというふうに考えております。
○水田分科員 運輸省はアルコール一〇〇%で研究を進めていますね。それから、通産省の方は、アメリカのようないわゆるガスホールといいますか、ガソリンに一五%ですかアルコールを混入、まぜて実験をやっておるわけですね。なぜそういうぐあいに違うのですか。
○堀込政府委員 お答えいたします。 先ほど御説明いたしましたように、運輸省のアルコール燃料の導入の目的は、一つは代替エネルギーということでございますが、もう一つはNOxの低減ということをねらいにしているわけでございます。このたびの、環境庁と私ども運輸省あるいは関係省庁と連絡いたしましてお出しする予定にしていますNOx新法におきましても、NOxの低減を目標としているわけでございまして、トラック、バス等のディーゼルから排出されるNOxの低減に早急に取り組む必要があるということでいろいろ進めてまいりまして、その中で、NOxの排出量がディーゼル車の半分になるというメタノール車に大変な関心を持ちまして進めてきたわけでございますが、中でも、その場合にメタノール一〇〇%というものは、ディーゼルエンジンの応用によりまして、混合燃料に比べて、今のアルコール八五と比べましたときに、ディーゼル車につきましては、ディーゼルを改良した段階におきましてNOxが著しく低減できるという長所がございましたものですから、運輸省は、そういうNOxの低減の見地からアルコール一〇〇というものの導入を促進しているところでございます。
○田中説明員 メタノールを自動車燃料として使う場合に、ディーゼル車とガソリン車という二つの利用の仕方があるわけですが、今先生御指摘ありました、我々通産省がやっているM八五、一五%ガソリンをまぜる方式というのは、世界的にもガソリン車としては徐々に定着をしつつあるわけですが、先ほど申し上げましたように、こういう新しい代替エネルギーの供給というのは、大量かつ安定的に物を供給するということで一つの大きい社会システムをつくる、そういう新しい分野でございますので、やり方といたしまして、初めから余り一つに限定せずに、M一〇〇、一〇〇%のメタノールをガソリンにも利用してみる七か、一五%だけガソリンを入れてみるとか、そういうことでいろいろ選択肢をつくって、その中から一番最適なものを絞っていくという過程を経まして、M八五というのをガソリン分野での一つのターゲットにして現在やっております。 一方、ディーゼルの方でございますけれども、これは運輸省の方から先ほど答弁がありましたように、NOx問題という大きい政策的な問題がございますが、ディーゼルの方も、今現在通産省がやっているのは八五%と一〇〇%をそれぞれやっていまして、今現在では、初めから一つに決めてやるよりも、もう少し全体的に広げて一番いいやり方を選択した方がいいのではないかということで、M一〇〇とM八五という二つをベースに各種の調査研究をやっております。 こういう点は、単に日本だけではなくて国際的な動向の中でもやっていく必要がありまして、IEAという国際機関があるわけですけれども、そういうIEAの参加諸国もそれぞれの方式でやっていまして、そういう動きも見ながらやっていきたいというふうに今考えております。
○水田分科員 運輸省にお伺いしたいのですが、ことしの秋ぐらいに実用化できるというのであれば、相当進んでおると思うのです。例えば、真冬にディーゼルで一〇〇パーで空気を圧縮してそこへ噴射する、もうそういう点は技術的には解消されたのか、あるいは、一つはプラグで点火するという、プラグの耐用力ですか、長期間にわたってそれに耐え得るかどうか、そういう実証試験もできておるのかどうか、その点をちょっと。それから、冬、例えば坂をおりていくときに、そういう寒いときにエンジンがストップする、そういうことも全部クリアしてことしの秋実用可能と言われたのかどうか、伺いたいと思います。
○堀込政府委員 当然町の中を走るということになりますので、現在やっています試験運行から上がってまいりますいろいろな問題点を究明しなければいけませんのでいろいろやっていますが、中でも今のディーゼルタイプにつきまして、特に腐食性に対する手当てというものが大きくございます。いろいろなパイプ、バルブ等の腐食性の問題。 それから、先生御指摘の低温時の始動性の問題がございます。この点につきましては、特にトラック等について始動しないと困りますものですから、北海道、冷寒地におきまして始動性をやりまして、一応大丈夫であるという報告は受けております。それからプラグについては、現在燃焼の効率、よさということをいろいろ進めていますけれども、十分実用に供し得るという見込みの上で、この暮れから改造したものが発売できるというふうに持っていく予定でございます。
○水田分科員 今の説明、ちょっと矛盾していますのは、材質の問題もこれから実際テストするのでしょう。ガソリンを使っておるあるいは軽油を使っておるのがアルコールを使えば違った形の腐食が起こる。それは、実証というのは、もう何回もやって、これで実用に向くというのでやっておるのならもういいかもしれません。そこでもし問題が起きたら、材質の問題ですから簡単には解決つかないと思うのですね。 もう時間がありませんから私の方から申し上げますが、一つは、縦割りの行政でそういうことをやるのがいいのかどうか。通産省も運輸省も、目的の中にやはり代替エネルギーということを入れておるのですね。メタノールというのは、国内で生産して引き合わぬぐらい安くなっておるのです。だから今もう日本で合成せずに輸入しよう、こういうことになっておりますね。これはメタンからいくわけですから、輸入しなければならぬいわゆる化石燃料の一種なんですね。一番安易な形なんです。 ですから、代替エネルギーで考える場合のアルコールというのはエタノールを考えるべきというのは、これは太陽エネルギーをリサイクルするものなんですね。今、でん粉からいけば高くつくのは当然なんですが、全部を日本でつくらぬでもいいわけですね。また、メタノールで実証した材質というのはエタノールで耐えるのです。エタノールで耐えるものはメタノールではだめなんですね。ですから本当の代替エネルギーということを両省庁とも考えるならば、もちろんNOxの問題もありますよ。あるけれども、エタノールということを頭に置いて、極端に言えば、アメリカが石油を売ってくれぬから貿易収支のアンバランスが物すごくできるのですよ。売ってくれれば大分違うのですよ。飼料をあれだけ買っておるのにまだ飼料を買えなんと言われて買っておるけれども、じゃ、アルコールを買ってあげましょうと、エタノールを。そういうやり方もあると思うのですね。 ですから、将来に向かって今一生懸命やっておるけれども、さっき通産省がおかしなことを言ったのは、市場経済で動くと。これからの人間の生き方というのは、経済的な計算だけじゃなくて、太陽エネルギーをリサイクルするような、若干高くついてもそういうような仕組みの中でおれたち生きていこう、そういう発想がなければ代替エネルギーはだめなんですね。ですから私は、研究をひとつ、通産省と運輸省、いい研究をしておると思うのですが、両方でやったらいいと思うのですね。 それで問題は、余りべらぼうに高くてもいけませんからね。どうやればガソリンなりあるいは軽油と対抗できる値段で優遇措置を講ずればできるかという仕組みがありましょう。それからアルコールを供給するスタンドの問題もありましょう。それから今実験をやっておるような技術的な問題があるわけですね。その点ではぜひ、大臣もおられるのですが、そういう研究というのは日本の国民にとって本当に大事なことですから、余り省庁の枠じゃなくて、それぞれがやるにしても、お互いにデータを出し合って時々はすり合わせをするというようなことをやっていただければもっと速く進むのじゃないかと思うのです。 それからもう一つは、ぜひエタノールを考えてほしい。これはさっき御報告があったようにNEDOがやっておるけれども、最近本当に政策としてアルコール燃料の自動車、そしてメタノールばかり言うものですから、おれたちのところはほっとかれる、そういう思いがしておると思うのですね。ですから当初の、いわゆるセルローズから糖化して、そしてアルコールという、なかなか菌は見つけにくいわけですけれども、これは私は見ておると、農林省の研究所でもそういう研究をやっておるのですね。ですからそこらも総合的に、本当に国が政策としてアルコール燃料を、そしてメタノールだけじゃなくてエタノールも使うということで政策的な方針をきちっと出せば、そっちの方の研究も進むだろうと思うのです。 私も最初心配したのは、例えば今サツマイモ、東京で買うとこんなのが三百円ぐらい取られる。高いけれども、現地で非常に安く、この間も鹿児島へ行って、私の連れがやっておるので一俵幾らだと言ったら、一俵千円少々だと言うんですね。でん粉というのは安くなにしておるわけですね。あれを使うと後のかすの処理に困るだろうということで余り勧められぬかなと思ったけれども、行ってこの前開いてみたら、アルコールをとった後、あれを全部豚のえさに使うんですね。ですから、そういう使い方もあるわけです。 私は、日本で全部エタノールをつくれということではない。日本で走っておる自動車の一割をアルコールにしようじゃないか、その一割を日本でつくろうかといったら全体の一%ですよ。そしてそれは一つの地域産業になるわけですよ。今、日本で、NEDOでやっておる、前のアルコール専売でやっておるところは本当にローカルなところで、そこに産業があるわけです。そういうもので支えていく。 そしてもう一つは、難しいかもしれぬけれども、非産油国である開発途上国で、非常に気温の高いところででん粉質のものがとれるところ、例えばタピオカのようなもので、向こうへ粗製のアルコールをつくれる工場を協力してっくってあげる、そして輸入してあげる、そういうような形を総合的に考えながらアルコール燃料、メタノールを進めることもいいけれども、それはいわゆる一つの石油とか天然ガスとかプロパンとか、そういうものが転化したものなんですね。将来に向かっていえば、水素が使えるとか天然ガスが直に使えるとか、あるいは電気がもっと安くなれば電気の自動車とかいうことになるにしても、太陽エネルギーをリサイクルするエネルギーだという思いで、若干割高についても、いわゆる政策的な援助をすることによってそれが進むようにやれば、本気でやるだろうと思います。 それからもう一つは、セルローズを糖化する技術、セルローズからアルコールをつくる技術も早く開発できるだろうと思うのです。その政策的な選択を、そちらへ向かっていっておるという確たるものがないからやはり研究はなかなか進まぬのじゃないか、そういうぐあいに思うわけです。 その点は運輸省と通産省、エネルギーの方は通産省ですから、大臣も関係がありますから、ひとつ今の私の思いについてお考えがあれば聞かせていただきたいということで、質問を終わります。
○奥田国務大臣 大変勉強させていただきました。代替エネルギーの問題という形に関しまして、石油だけに頼っておる状況、NOx問題、環境問題等々に関連いたしまして、先生の提言されておるアルコール自動車、それはメタノールかエタノールかわかりませんでしたけれども、メタノールに耐えるならエタノールもオーケーだということで、附属的なパーツの問題等々についても私は大変貴重な御提言だったと思います。 むしろこの問題を解決していくために、通産も、農林も、もちろん運輸も、これはある段階へ来れば当然協力して公開して頑張らなきゃいかぬ問題だと思います。 と同時に、私はやはりスタンド、電気自動車もそうですけれども、これはメーカーが実用化になってもなかなかつくらないのは、やはりスタンドも協力しなきゃいかぬと思いますし、そういったときに、特に通産省ともお話をし合って、実用化段階にはいろいろな難問もございましょうけれども、ぜひこれをクリアしてまいりたいと思います。
○水田分科員 ブラジルとかアメリカでは既にエタノールについての実証的な試験データがいっぱいあるわけです。だからそれを使ってほしいということ。 それから、私が申し上げるのは、今から五十年前に日本でつくったエタノールのアルコールで飛行機が飛んだわけです。私はそれを操縦して米子から浦項まで飛んだのですから、車を転がすなんてアルコールで十分なんですよ。もっともっと、ガソリンは使わぬでもいいというぐらいの、石油の消費量を減らそうというのですから、そういう思いでやっていただきたいということを最後に申し上げまして、終わります。
○愛野主査代理 これにて水田稔君の質疑は終了いたしました。 次に、山田英介君。
○山田分科員 何点かお伺いをいたします。 まず、国鉄清算事業団の方々にもお見えいただいているわけでございますが、最初に、埼玉県三郷市それから吉川町にかかります責蔵野操車場跡地、武蔵野ヤード、これは、御案内のとおりでございますが首都圏に残された最大にして最後の土地空間、こんなふうに言われております。八十ヘクタール、約二十五万坪、この跡地利用といいますか土地利用計画についてお伺いしたいわけでありますが、まず、このヤード跡地の土地の利用計画及び土地の処分につきまして、現在どこまで進んでいるのか、これを御説明をいただきたいと思います。
○池田参考人 ただいまお話のございました武蔵野操車場跡地の土地利用計画につきましては、当清算事業団といたしましても関係の自治体と共同で武蔵野操車場及び周辺地域整備計画調査委員会におきまして調査を行っておるところでございます。その中では、土地利用構想といたしまして幾つかの案があるわけでございますが、大きく言いまして研究開発系の使い方、商業・業務系の使い方、レジャー系の使い方というようなそれぞれを主体とした三案が提案されているところでございます。 現在、当事業団は、長期債務の償還の円滑な達成及びこれらに関連いたします公共施設整備というようなことの観点からの検討を加えまして、土地利用構想案、今申し上げました大きく言って三つのものの絞り込みを行うべく、現在関係機関と調整を図っておるというところでございます。 なお、この広大な土地の土地利用計画の検討に当たりまして、一つは操車場及び周辺地区が現在市街化調整区域であるということ、それから洪水対策といいますか、そういう水の処理の問題を抱えた地域であるということ、それから、今おっしゃいましたように操車場の面積が約八十ヘクタールと非常に広大である上に、さらに周辺との関連を含めていろいろ検討する必要があるということ、それから、昨今の経済情勢並びに不動産市況が急激に変化したということから、これらの問題の解決すべき点が非常に多く、検討に時間を要しておるという現状でございます。 土地の処分につきましては、ただいま申し上げました土地利用に関する計画の策定ができた後で、事業実施との調整を図りつつ速やかに推進してまいりたいというふうに考えております。
○山田分科員 この土地利用に関する計画策定、今御答弁で三案に基本的な構想を絞り込んできた、それをさらにまた絞り込むわけでございますが、この土地利用に関する計画策定の資産処分審議会への諮問といいますか、これはいつごろになりますのか、お知らせをいただきたいと思います。
○池田参考人 事業団の速やかな債務償還のためには、できるだけ早期に土地利用計画を策定するというのがございまして、先ほど御説明いたしましたとおり、土地利用構想につきまして関係機関と調整の上、一定の整理ができ次第、武蔵野操車場地区の土地利用に関する計画策定を資産処分審議会に諮問いたしたいというふうに考えております。
○山田分科員 既に四年ないし五年経過しているかと思いますが、私が今お伺いをいたしましたのは、具体的にいつごろ諮問なさるのか、それによって答申という時期もあるわけでありますが、ひとついま少し明確にしていただきたいと思います。
○池田参考人 現時点で事業団に帰属いたしました。地の土地利用計画を諮問した箇所は、全国で現在五十二カ所ほどございます。ただ、これがまだ全部の答申を得ておるわけではございません。約三分の二の答申を得ておりますが、それらに続いて諮問いたすべき地区が全国にもまだ十カ所ほどある予定でございますので、これらの関連の進捗を見ながら諮問いたしたいというふうに考えております。いつという時期が申し上げられないのは大変申しわけございませんが、土地利用構想の絞り込みができ次第というふうにお答えさせていただきたいと思います。
○山田分科員 では、絞り込みのその見通しはいかがなんですか。
○池田参考人 今時点でいつということをまだお答えできるほどの詰めには至っておりませんので、したがいまして、時期的にはまだ申し上げかねるわけでございます。
○山田分科員 私はかつて事業団本社をお訪ねいたしまして、沿線住民の皆さんの、特にホームの一体化といいますか、鉄道施設の集約化についての主たる要請をさせていただいた経緯がございます。一万人を超える沿線住民の方々からの署名もいただきまして申し上げたところでありますが、非常に地元の皆さんの関心が高く、また、どのように決定されていくのか、利用されていくのかということについての期待も強いし、それからホームの一体化、鉄道施設の集約化ということになりますと、これは日常的な通勤時等に雨、風、雪の中を鉄橋の上を、上り、下りのホームが御案内のとおり三百メートル離れておりますものですから、非常に日常的に苦労を強いられておるというのが実態でございます。 ですから、せっかく御答弁いただいているわけでありますが、答申をするその時期がまだおおよそでも言えない。諮問してから答申まで、またそれは一定の時間がかかるわけだろうと思うのですけれども、そういう事情でありますので、例えば平成四年じゅう、できるだけ早目にとか、その辺もう少し御答弁いただけないのでしょうか。
○池田参考人 今先生の御質問の中のお話にありました新三郷駅のホームの問題も、当然武蔵野操車場跡地の土地利用計画と密接に結びついた問題でございます。現段階では、まだ土地利用構想自体が詰まる段階に至っておりませんので、今おっしゃいました時期を明示するということは、申しわけございませんがまだできかねております。 ただ、我々としてはできるだけ早くやっていきたいということは確かでございますので、これをもってお答えにいたしたいと思います。
○山田分科員 それでは、できるだけ早くという、そういうような基本的なお考え、お取り組みの姿勢があるわけですから、強く期待を申し上げたいと思います。 それで、今申し上げましたこの新三郷駅ホームの一体化、鉄道施設の集約化、これにつきまして、地元的には今ございます駅の南側に集約をしていただきたい、これが実は一万名を超える署名になったわけでございますけれども、その南側というのは、御案内のとおり住宅・都市整備公団の非常に大きな、東洋一とまで言われておりますみさと団地、あるいはその周辺に民間のディベロッパーの開発に係るいろいろな中高層マンション、恐らく新三郷駅利用の八割以上が南側に居住されている方々でございます。そういうことで、ぜひ集約をする場合にはひとつ南側にお願いをしたい。逆に北側の方は調整区域、まだ人家、民家等は非常にまばらなそういうところでございまして、そういうような強い要望がございますけれども、国鉄清算事業団としてはこれをどのように受けとめておられますのか。これはぜひひとつ強く念頭に置いていただいて、今後の跡地利用の計画案の絞り込みの際にも、また方針を決める際にも十分念頭に置いていただきたい、これも強く御要望申し上げたいわけでありますが、いかがでございましょうか。
○池田参考人 先ほど来申し上げております土地利用計画の中で、絞り込むという事柄がいろいろとあります。現在までの計画の中では主たる使い方をどうするかというところが重点でございますが、これらに関しまして、ただいまおっしゃいましたように、地元からの南側への集約といいますか一体化という御要望があることは十分承知をいたしておりますので、土地利用計画をまとめていく中でそれも織り込んでいければというふうには思っております。 ただ、いわゆる事業団が国鉄から引き継いだ形では北側へ集約ということになっておりますので、その辺をどうするかという手続の問題、あるいは駅を一体化した後に当然公共施設等の整備もございますので、これらとの具体的な関連も踏まえながら、御要望も踏まえて対処してまいりたいというふうに思っております。
○山田分科員 もう一つ同じような角度になってしまうのですが、特に、JR武蔵野線の新三郷駅と吉川駅というのがございますが、この間に、このヤードの跡地利用に関連をしてぜひ新しい駅を設置したい、こういう地元のこれもまた強い要望があるわけでございますが、これについてはいかがでございましょうか。
○池田参考人 この点についても地元の御要望があることは十分に承知をいたしております。ただ、駅の新設ということになりますと、事業団と地域と一体上なって検討いたします全体の構想の中で、その地域がどういう使い方になるかということも大いに関係があろうかと思いますので、この点も今後の土地利用構想の中でどういう位置づけができるか、十分検討いたしたいというふうに思っております。
○山田分科員 私からもぜひ積極的な御対応をお願い申し上げておきたいと存じます。 最後になりますが、先ほどヤード跡地利用、三つの基本構想、三案がまとまった、その三番目にスポーツ・レジャー系の一つ大きな基地をつくって利用したらどうか、そういう御説明がありました。 スポーツ・レジャー系の基本構想ということで、例えば、野球人口などと比べまして近年非常にふえてきておりますのがサッカー人口、しかも我が国にありましては、本格的なといいますか、国際的なワールドカップなどができるような高規格のサッカー場というのはないというようなことも踏まえまして、これはまた地元の多くの方々の要望といいますか期待でもあるわけですけれども、ワールドカップを招請できるような高規格の、特に国がかかわるという意味で国立サッカー場などを、この三郷ヤード跡地利用のスポーツ・レジャー系の案に基づいて、それを中核にして整備を進めていったらどうか、こういう意見も現実に強くあるわけでございます。これについてはどんなことになるのでしょうか。 〔愛野主査代理退席、主査着席〕
○池田参考人 武蔵野操車場跡地の土地利用構想案につきましては、先ほど来申し上げておりますように関係機関と調整中でございますが、現段階におきましては、まだ具体的な核施設、いわゆる核になる施設について特に定まっているものはないわけでございます。 御提案の国立のサッカー競技場というようなお話につきましては、これまでも実は具体的には検討されたことはないわけでございまして、また、所管の官庁等からも特に今のところはお話がないわけでございます。 土地利用に関する計画の策定というのをこれから行っていくわけでございますので、いかなるものを核とするのがよいのか、これらの地域も含めまして、関係機関の御意向もあるかと思いますので、よく検討してまいりたいというふうに思っております。
○山田分科員 ひとつそういうことで、首都圏最後の最大の土地空間ということでありますので、ぜひ地元の公共団体等関係者の方々と意欲的なあるいは積極的な協議をひとつ積み重ねていただきまして、首都圏の、あるいはまたその地域に住みます多くの国民に本当に喜んでいただけるような、また地域の活性化等に十分つながっていけるような、そういう方向で今後ともひとつ大いにお取り組みをぜひお願いを申し上げたいと思います。大変ありがとうございました。結構でございますので、どうぞ。 次に、運輸省が一つの構想といいますか、プロジェクトといいますか、そういう形で打ち出されております新幹線通勤構想につきまして、何点かお伺いをしたいと思います。 これはもう御案内のとおりかとは思いますが、改めてこの新幹線通勤構想のねらいあるいは概要といいますか、そこについて簡潔に御説明をいただきたいと思います。
○井山政府委員 お答え申し上げます。 私ども運輸省がかつて出しました新幹線通勤構想でございますが、これは当時、地価が高騰する時代に、一般のサラリーマンの住宅宅地が非常に足りないということで、それでは発想を変えまして思い切って遠くから通っていただける、我々はそのころはたしか百キロ圏を超えるあたりを念頭に置いておりましたが、そういうところから、新幹線、当時はまだかなりすいておりましたので、これを利用して東京圏に通っていただくというのも一つのアイデアではないかということで打ち上げた経緯がございます。 当時は、そういうことで非常に皆さんに好感を持っていただいて、いわゆるフレックスの定期というのもかなり伸びてきたわけでございます。現時点でもこれは伸びている傾向にございますが、ただ一つ若干問題になってまいりましたのは、お客様が特定の時間に大変集中されるということで、今度逆に列車の方が込み過ぎてしまって座れなくなったという御不満が最近出てきている、こういう事実がございまして、これはうまくいき過ぎたのかな、結果としてそういうこともあるのでございますが、一口で申しますとそういうのが私どもの構想でございました。
○山田分科員 何たかしぼんじゃったというような感じも受けるのですが、そういうことではありませんね。これを打ち上げたけれども一生懸命やれるような状況ではなくなった、聞きようによってはそんなふうにも聞けるのですが、そこはどういうわけですか、打ち上げただけですか。
○井山政府委員 申しわけありません。ちょっと言い方が悪かったかもしれませんが、今でも百キロ圏を超えたところから、宅地開発があればそこから通うということは正しい政策だと思います。ただ、実情を先に申し上げて申しわけなかったのですが、今東京駅へ新幹線が乗り入れてまいっております。そうすると線路容量があそこの区間は大変きっいわけでございます。特に東京駅の中がきつい。それで新幹線の通勤専用の列車も出したいということも考えるのでございますが、他の一般の長距離のお客さんと競合する場合がございまして、そういう意味のうれしい悩み、そういうものがあるということでございます。いずれ東京駅の中が改善されましたら、またそういう余地がどんどん出てくるだろうと思って、それを期待しております。
○山田分科員 ただいまの御答弁では、百キロ以遠ということを対象にされているということですが、例えば、上越新幹線の方では上毛高原という駅がありましたか、それで東北新幹線の方は那須塩原、大体それが上野あるいは東京からおおよそ七十分以内というようなことで、そこまでを一つのターゲットにして、その間に適当な立地があれば新駅をそこにつくり、そしてそれに関連をして新たに一千戸とか一万戸とかという大きな規模の住宅宅地開発をやって、それでフレックスとかあるいは通勤減税。二万六千円から五万円まで非課税限度額が引き上げられた。私もかってこの通勤減税に取り組んでずっときているものですから、今百キロ以遠というふうにおっしゃいましたことに私はひっかかるのでございますが、百キロ以遠を対象にですか、百キロまでを対象にですか、どちらをおっしゃったのですかね。あるいは百キロ以遠を対象にするというのであればそれが厳然たる基準であって、百キロ以内といいますか、東京に近いところに適地、適切なポイントというのがあってもそれは対象とならないのだ、こういうことなんですか。私はそう理解してないのです。上毛高原とか那須塩原までの間で適地があればそこに住宅宅地を開発をして、いわゆる本格的な新幹線による通勤構想、こういうふうに理解をしておったわけでございます。当時の資料などを調べてみても百キロ以遠に限るということではなかったはずなんですが、そこを済みませんがもう一度。
○井山政府委員 先生、多分私が今手に持っております資料と同じものをごらんいただいたと思いますが、ここでも書いてありますのは、「東北・上越新幹線の百キロメートル圏を超える駅周辺は、まだ相対的に地価は安く、宇都宮駅及び高崎駅周辺では、平均的サラリーマンでもこのような住宅の取得は可能であり、さらに、那須塩原駅、新白河駅、上毛高原駅及び越後湯沢駅の周辺では、よりゆとりのある住宅の取得も可能である。」というふうに書いてあります。これはあくまで為そういうところをターゲットにしているということでありまして、それ以遠でなければいかぬとか、それ以内じゃだめだとか、そういうことまで言っているものではございません。ただ、そのときのねらいが宅地の値段と通勤費などの関係で百キロあるいはそれを超えたところにある、そういうことでございます。
○山田分科員 それで、運輸省の担当部局におきまして新幹線通勤構想を実現するに適したポイントといいますか、そういうものの検討などは具体的になさっているのだろうと私は思うのですが、その点はいかがなんでしょうか。 時間の関係がありますので、もう一つ。それはどうしても、新幹線を保有といいますか、それを運用しておるJR東日本との協力関係がなければまたできない構想なんでございましょう。したがって、JRとの協議などにも入っていてしかるべきなんだと私は思うのですが、現時点でどういうことになっておりますか。
○井山政府委員 まず、私ども運輸省の立場といいましょうか考え方としましては、宅地供給そのものは運輸省ではなくてむしろ建設省の御所管になることだろうと思います。したがいまして、私どもが例えばどの駅のどこら辺にこういう土地があるからこれを適地にしたらいいじゃないかということは、実は検討はしておりません。むしろそれは建設省なり住宅公団なりあるいは各県がいろいろな構想をお持ちでございますから、そういうものを聞きながら、例えばこういうところならどうだろうということをやったことはございますが、具体的に私どもが決めるとかそういうものではないということを御理解いただきたいと思います。 それから、JR東日本の協力といいましょうか態度でございますが、もちろんお客様もふえることでございますから協力的でございます。ただ、先ほど言いましたように最近新幹線のお客さんが大変ふえてきていただいておりますものですから、ある意味の持てる悩みもあるということで、具体的には例えば座席ピッチを少し狭くした総二階建ての通勤新幹線、こういうものも実際には仮装設計でございますけれども勉強しているわけでございます。そういう意味で、東日本もそれなりに対応しているということでございます。
○山田分科員 同じことだろうと思いますが、別の角度からもう一度御説明いただければと思うのですが、新幹線通勤構想という非常に魅力的な、拠点間を高速で最高の技術を使って大量輸送するという、そういう大きな基本的な新幹線の役割というか機能というか、それが今度は日常の通勤という生活のレベルにおりてきて、そしてそれが利用されるというのはまさに発想の転換であるし、魅力的な構想であるし、新しい時代のニーズにマッチしている、そういうような構想であると非常に私も期待をしているわけでございまして、では、さて具体的にどこにポイントを置くのか、要するに実現への具体的な手順というのですか、どういう形が積み上げられていって、それで新幹線通勤構想のここが駅ですよ、どうぞ御利用くださいということになるのか、今ちょっとおっしゃいました自治体、地元の方で手を挙げるとか、いろいろな言い方があったかと思うので、そこをもうちょっと整理した形で教えていただけますでしょうか。
○井山政府委員 お答え申し上げます。 私どもで具体的に、例えば第一段階こう、第二段階こうというふうなきちんとした手続という確たるものはございません。これはやはり住宅宅地がどこにできてどこをどういうふうに開発するかというのは、まさに地元の公共団体の方々あるいはそれと一緒になっておやりになる住都公団などの大構想から始まるものだと思います。その構想を実現されるときに、私どもあるいはJRの方に御相談があって、例えばこういうことをやる場合にはどうしたらいいだろうと、そこでだんだんと具体化していく、こういう性質のものだろうと思います。そういう意味で、私どもが先導的にここへつくれとかいうものではございませんが、ただ一般論として申し上げますと、駅を仮につくるということを考えた場合には、やはり利用度がかなりあるとか、あるいは技術的にそこに駅をつくっても大丈夫だ、例えば隣の駅と近過ぎて新幹線のスピードが殺されるというのでは困る、あるいは勾配等があってできないものは困るとか、それから、駅を仮につくるとすれば周辺の都市計画といいましょうか、こういうものについて地元で非常に協力していただける、それから最近の例では地元の御負担で駅舎をつくる、こういう例が割とございます。そういうことが総合的に組み合わさって決まっていくものだと思います。
○山田分科員 奥田大臣に一言お願いしたいのですが、今るるやりとりをさせていただきました。そういうことで、特にこれが動き出しますと、まあ直接運輸省の関係ではないかと思いますが、非常に大きく地域経済の活性化、経済への波及効果などもまた伴うものでございまして、大臣におかれましてもこの新幹線通勤構想が単なるアドバルーンではなく、それはもちろん地方公共団体等の努力とか熱意とかというものももう絶対必要なわけでありますが、ぜひこれが本格的に動き出せますように、ひとつ積極的な特段のお取り組みをお願い申し上げたいと思いますが、大臣、一言。
○奥田国務大臣 あきらめておったマイホームの夢を何とか実現したい、そうしてできるならばゆとりのあるいい環境でのマイホームづくり、そういうことの構想からこの新幹線通勤の構想が生まれ出たのだと思います。こういった基本的な趣旨に立って、できるだけJR側にも、単に効率、採算だけの問題ではなくて、大きくいえば国土政策であり、ある意味におけば公益的な福祉政策でもあるということで、こういったことに合致する通勤新幹線構想というのを強力に進めてまいりたいと思います。
○山田分科員 最後に一つだけ御要望させていただきたいのですが、実は、東京都の新庁舎が新宿にオープンしまして、運輸省の特段の御努力をまた賜りまして、JRの高崎線、宇都宮線が上野行きだけではなくて、池袋行きあるいは一日に二本新宿まで直接乗りかえなしで出していただきまして、本当にありがとうございました。皆さん非常に喜んでおります。それで、都庁舎ができたものですから、今度は池袋行きの方が非常に混雑をし始めてまいりました。上野行きと同等ぐらいの列車本数の増発をぜひ近い将来実現していただけますように特段に御検討をいただけますよう、心から御要望申し上げたいと思います。 以上で終わります。ありがとうございました。
○左藤主査 これにて山田英介君の質疑は終了いたしました。 次に、山原健二郎君。
○山原分科員 滋賀丸事件という問題ですが、ちょうど昭和十九年、太平洋戦争の末期の五月の三十日に高知市から大阪に向かって航行していた七百四十トンの船です。室戸市の日沖海岸というところでアメリカの潜水艦、これはポンポン号と呼ばれておりますが、その魚雷攻撃によって撃沈され、百五十名前後とも予想される人々が犠牲になっています。 この事件についての真相を求める遺族の方や地元の方たち、またマスコミ関係の方たちの努力によりまして、滋賀丸事件というのがようやく今光が当てられたというところでございます。私も一昨年政府に対して質問主意書を出しましたし、私の県の出身議員は全員そろって超党派でこの問題に取り組んでいるところでございます。 それで、今度、科学技術庁の海洋科学技術センターの調査船「かいよう」によって船体探索の調査が一昨々日、一昨日と二日間行われたわけでございます。それでその結果を祈るような思いでみんな待っておったわけでございますが、科学技術庁がこういう船を出していただいたことに対してはみんな感謝しております。結果は、船体の確認には至らずというふうに新聞に出ておりますが、ただ、水中カメラは幾つかの人工物と思われるものをとらえている、それで科学技術庁の画像分析が待たれるという状態でございます。 そこで、家族の人たちはこの「かいよう」にも乗せていただきまして一緒にカメラをのぞいてみたわけでございますけれども、例えば滋賀丸事件を明らかにする会の会長、これは遺族でありますけれども、残念な気持ちだがまだあきらめていない、せっかく手がかりが得られたので、潜水夫を入れるなどして調査をしてほしいと、要するに国はもう最後まで力を尽くしてほしいというのが一致した見解のようでございます。 それで、最初に科学技術庁の方に一言お伺いしたいのですが、この調査をされまして、できれば今後も船体の確認についての努力をしていただきたいというのが関係者の声でありますけれども、これに対してはおこたえになるような御用意があるかどうか、最初に伺っておきたいのです。
○三木説明員 お答えいたします。 今先生の方からお話ございましたように、私どもは、傘下の海洋科学技術センターにおきまして、去る三月八日日曜日から十日にかけまして三日にわたりまして当該海域を調査いたしたところでございます。しかし、これらの調査からは残念ながら滋賀丸の船体またはその有力な手がかりとなるものを発見するには至らなかったところでございます。なお、今お話にもございましたように、小型の人工物体がとも思われるようなものが複数個ございましたので、これにつきましてはさらに取得した写真等を分析する予定でございます。 なお、今の調査の努力を継続すべきじゃないかというお話でございますが、海洋科学技術センターといたしましては本来研究開発機関でございまして、今回、その研究の合間を縫いまして最大限の努力をいたしたわけでございます。また、今回の調査から見ましても発見は大変困難であるというのが実態かと思っております。このため、直ちに改めて調査をするということにつきましてはなかなか考えにくいところでございます。 以上でございます。
○山原分科員 後でもうちょっと要請を強めて申し上げたいと思いますが、厚生省また運輸省、潜水夫を入れるなどの調査をするというふうなお考えがないかどうか、これは最初に一言伺っておきたいのですが、いかがでしょうか。
○田島説明員 お答え申し上げます。 まず最初に、海底に眠っておられます御遺骨に対して御冥福をお祈り申し上げますとともに、また、その御関係の御遺族の方々に対しまして、その御心情について御拝察申し上げるところでございます。 とこうで、沈没艦船の遺骨収集ということでございますけれども、私ども厚生省といたしましては、これらの御遺骨に対しましては、海自体が戦没者の安眠の場所であるとの考え方から、遺骨の尊厳が著しく損なわれるような状況にあり、また、遺骨収集が技術的に可能な場合に限って実施することが原則となっております。 そういうことで、今回の滋賀丸の件に関しましては、科学技術庁さんの方でいろいろ現地調査をされたということで、なお分析調査を今後とも行うというふうに聞いておりますので、その結果を待つことといたしたいのでございますが、人工物が発見されたというこの地点が百三十メートルというふうにお聞きしておりますけれども、このような深海になりますと、潜水調査等を含めた遺骨収集をやることは極めて困難ではないかというふうに考えておるところでございます。
○山原分科員 困難なことは私も承知で申し上げているのですが、対馬丸の問題で、たしか百六十メートルか百五十メートルぐらいは最近の最新技術を使えば潜水も可能であるというのが、参議院の喜屋武議員に対する政府の答弁書で出ておりますが、先例を見てみますと、これは一九四五年、昭和二十年八月二十二日に、サハリンからの緊急引揚者を乗せた三隻の船が国籍不明の潜水艦の砲撃を受けまして、一隻は自力入港したものの二隻が沈没、そのうち、小笠原丸の場合は民間人の努力でほとんどの遺骨を海底から収集できたが、泰東丸、八百八十トンについては沈没地点も確認できなかった。この泰東丸について、一九七四年、昭和四十九年以降、昭和四十九年から五十三年にかけて三次にわたり海上自衛隊による調査が行われておる。そして厚生省は、昭和五十二年度千九百万円、それから昭和五十九年度に千二百万円の予算を計上して調査並びに遺骨収集に当たったというふうに記録がありますが、この事実はございますか。
○田島説明員 先生御指摘の事実については、おおむね私どもも承知しております。
○山原分科員 その先例によれば、これが直接先例になるかどうかちょっとわかりかねますけれども、なお努力をしていただきたいというのが私たちの考え方でございます。 それともう一つは、この滋賀丸は非常に不幸な船なんですね。まず、戦争の犠牲になったという一般的な意味だけでなくて、国の責任というものは特別に重い内容を持っています。それをちょっと申し上げますと、滋賀丸の出航に当たって、敵艦の出没を知っていた船長が、出航を見合わせたい、せめて乗客は乗せず少数の乗員だけで出航したいと申し出たにもかかわらず、平常どおりの出航命令が出されたことが関係者の証言で明らかになってきております。言うまでもなく、当時は戦時海運管理令に基づき、ほとんどすべての船舶が国家の一元管理のもとに国家使用船として運航させられていました。 私はここに、「戦時海運管理令解説」という書物を持っております。これは当時の担当官によって書かれた非常に権威ある公的なものでありますけれども、これによりますとこういうふうに出ているのです。これは、国家統制がとられてきた。ところが、戦争の進展による洋上危険の増大などに伴い、危険海域への配船拒否などが当然生じてきた。この解説書の中には、「こゝに於て如何なる事態に直面するとも、完全に自己の責任と能力に於て国家意思の命ずる所に従ひ、我国海運の戦時機能を最高度に発揮せしめ得る如き統制機構の確立を必至とせらるゝに至ったのである。換言すれば真の意味に於ける海運国家管理体制の確立が要望せらるゝに至ったのである。戦時海運管理令は実にかゝる要請に基いて制定せられた総動員勅令である。」こういうふうに書かれておりまして、「船舶運航は飽く迄も国家意思の具現を中心目標として之を行はじめ、如何なる危険区域、如何なる不経済航路に対しても国家の要請する儘に計画的に配船を実施し得ることゝしたのである。」こういうふうに出ておりまして、言うなれば、とにかく敵艦船が近づいておろうが危険海域であろうが、出航命令が出された以上はそれはもう国家の意思としてこれに従わなければならぬ、こういう形でこの滋賀丸は出航したという経緯を持っていますから、そういう意味では、今考えてみましても、当時の国の責任というのは格別に重い中身を持っておると思いますが、この点についての見解をちょっと伺っておきたいのです。
○和田政府委員 お答え申し上げます。 滋賀丸が潜水艦によって撃沈された当時、昭和十九年五月三十日でございますので、詳しいことはわかりませんけれども、先生御指摘のような点があったものと考えております。
○山原分科員 もう一つ、この滋賀丸の事件ですけれども、当時の国は、この事件を非常に隠ぺい、抹消しようとしているのですね。例えば、救助された人に対してすぐ、このことは絶対口外してはならぬというふうに憲兵あるいは警察が口どめに来ております。それから、家族を失って悲嘆に暮れている遺族に対しましても、声を出して泣いてはならない、こういう厳今まで参りまして、葬儀も表立ってとり行い得ないという状態になっているわけです。 私は、ちょっとその状況を申し上げるためにここに資料を持ってきておりますけれども、これは死亡通知書、当時の死亡通知書が家族に来ております。その死亡通知書を読みますと、これは大阪商船株式会社から遺族の一人小島佐之助さんに届けられたものの写してございますが、これは初めからマル秘という字が入っておりまして、そして、どこで遭難したか、どうして死亡に至ったかの理由のところは全く書いてないのです。「○○ノ為メ」と書いているわけでございます。それからもう一人、これは別の人ですけれども、この人の場合は、どこで遭難したかという遭難場所につきましては、これは「本邦南方海面」というふうに書いてあるのですね。滋賀丸というのはもう目の前でやられたのを皆見ているのです。ところが、「本邦南方海面」というふうに書かれておりまして、この事実をなるべく当時の国民には知らせたくないというのが非常に濃厚に出ております。これがこの滋賀丸の真相を解明するために非常に厄介になっておりまして、以来四十八年、約半世紀この船は眠り続けているという状態にあるわけでございます。 でも、それでもなお調査をしておりますと、例えば今度、昭和二十三年十一月に船舶運営会がまとめた「喪失船舶一覧表」というのがございまして、それを見ておりますと、そこには「遭難日昭和十九年五月三十日」、「船名滋賀丸」、「総噸数 七百四十二トン」、「船舶所有者 関西汽船」、「原因 雷撃」、「遭難場所 室戸重二十度五浬」と明記されているわけでございます。ここで初めてこの滋賀丸というのが文字の上に、印刷物の上に出てくるわけでございまして、そしてこういう経過がこの滋賀丸事件の真相解明に非常にぐあいが悪い作用をしているわけですね。本当にそういう意味では大変むごい仕打ちを受けた船だと思います。 そこで関係者はもうともかく船体の確認、あるいは引き揚げ、それから遺骨の収集、それから乗員・乗客名簿の究明、これを何とかして名簿だけでも欲しいというのが希望でありまして、これは参議院で社会党の西岡瑠璃子議員が、質問をしましたときに、犠牲者名簿の確認については運輸省も努力を約束されたわけですね。それは今どうなっているか、いまだに出ていないと思いますが、いかがでしょうか。
○和田政府委員 お答え申し上げます。 滋賀丸の乗客及び乗員の方々の名簿につきましては、運輸省はもとより所管の公益法人でございます海事産業研究所、船舶の所有者でございました関西汽船、国会図書館等広範囲な調査を行ってまいりましたけれども、残念ながら乗客名簿等は発見できず、乗客、乗員の方々の名簿を作成するには至っておりません。 広範な調査にもかかわらず乗船名簿等を発見できなかったことから、今後も名簿作成はかなり困難なものと考えられますが、引き続き関係情報の収集には努めてまいりたいと考えております。
○山原分科員 引き続いて名簿作成に御努力をしていただけるということですね。その点、大変結構です。全面的にこれを解明するということはかなり困難な問題があると思いますけれども、大体この乗客は百五十名とも二百名近くだろうとも言われております。乗組員四十人、水兵六名、それから乗客が百数十名というところでしょうか、現在生還者が四十名、そして名簿の判明しているのが五十九名、こうなっております。ところで、いろいろ調べてみますと、今おっしゃったように随分御苦労なさって調査されていることには感謝いたしますけれども、これはなお今御答弁がありましたように調査していただきたいと思うのですが、例えば犠牲者に対する国家補償、いろいろな一時見舞金とかいうようなものも出ている向きもありまして、そんなのを関係者が一々調べてやっと五十九名まで名前がわかってきたというのが今の努力の結果でございます。ところが、これがそういう民間の会から例えば町村へ行って調べましても、プライバシーに関係があるとかなんとかいうことでなかなか見せてくれないということがあるものですから、これは官庁の方で、運輸省の方でやっていただければかなりなものができるのではなかろうか、経験上そういうことが言えるわけでございます。 例えば、これなどは、これは普通の乗客者岡田コマツさんという方に対する通知でありますけれども、これを見ますと「岡田福松殿去五月三十日弊社運航実務取扱船二脚乗船中○○ノ為メニ御遭難被遊今日二至ルモ御行方判明致サス御一統様ノ御愁傷サコソト債ミテ奉拝察候」と書いてあるのです。そして、この方に対して「大阪海運局二於テ右認定願フベク先頃必要書類相添へ同居二提出致置候間同日以降同局ヨリ御遭難者各位ノ本籍市町村長宛直接死亡認定ノ通知有之」こういうふうになっているのですね。そして「御当局ノ御指示二体リ貴殿二対シ右死亡認定ノ手続完了ヲ俟チ弔慰金贈呈申上度来ル二月九日頃貴宅へ弊社員参上」いたさせますというような、こういうのが来ているのですね。これは探していけば出てくるのですよ。 こういうのを一つ一つ、これも御苦労なことですけれども、今まで関係者の方がやってきたのです。記録作家の金井明さんという人が本当に献身的にこれを探して探して五十九名に達したわけでございますけれども、これはもう限界へきているのですね。それで、町村へ行ってもプライバシーに関するから見せてくれないというようなところは、運輸省の方でやっていただければこんなのはまだ出てくると思います。そうすれば、ほぼ全員の犠牲者の名前、少なくとも氏名は判明するのではないか、完全なものではなく上も、そういうことはできるのではないかというふうに私たちは判断しているわけでございまして、先ほどお答えになりましたように、なお御努力をしていただきたいと思いますが、その点、もう一回お答えをいただきたいのです。
○和田政府委員 引き続き私どもできる限りのことをいたしまして、判明に努力していきたい、こう思っております。
○山原分科員 もう一つは、犠牲者に対する補償の問題でございますが、これは乗員に対しましては軍属扱いとなるわけですね。そして、軍属が公務で死亡した場合は戦死となりまして、弔慰金と遺族年金が支給されることになると承知いたしておりますが、そういうふうに確認してよろしいでしょうか。
○戸谷説明員 御指摘の滋賀丸の乗組員につきましては、軍の指定船ということでございまして、事故等の証明も出されるというふうに聞いておりますので、御案内のとおり援護法上の軍属に該当して、その遺族が遺族年金等を請求いたしますれば支給を受けることが可能であるというふうに考えております。
○山原分科員 遺族年金、弔慰金等が支給されておるとすれば、その原簿はあるのでしょうかね。それで名簿をつかむことはできませんでしょうか。
○戸谷説明員 処遇をいたしておりますので、当然原簿等は所持しているわけでございますが、これは援護年金をいただいていた方全員についての問題でございますけれども、それぞれの収入とか、もしくはそれぞれ非常に精神的な重いものを持っておられる方々ということで、いわゆるプライバシーという問題もありますので、私どもとしても、それについて詳細お答えすることは差し控えさせていただいておるところでございます。
○山原分科員 プライバシーの問題で、そういうお考えわかります。けれども、これは機関長をしておられた堀内吉之助さん、この遺族に対しましては遺族年金が支給されているということがほぼ確認をされております。滋賀丸乗員への遺族年金の支給がされておるとすれば、それは当然書類はあるわけですわね。
○戸谷説明員 書類はございます。
○山原分科員 それを通じて名簿を、完全なものとまではいかなくても、ある程度犠牲者の氏名の全貌をつかむことはできないでしょうかね。
○戸谷説明員 先ほどからお答えしておりますのでございますが、私ども、遺族から御照会等がございますればお答えするわけでございますが、それ以外の方から御照会を受けましても、やはりこれはプライバシーの問題というのも重大に受けとめておりますので、それについてはお答えを差し控えさせていただいている状況でございます。
○山原分科員 ちょっとややこしい御答弁ですけれども、例えばこれは私が出せとかといってもそれはいろいろ問題があると思いますね、他人の。今、この方たちは少なくとも生存者が判明している。名簿のわかっている人たちはみずからの組織としてこの真相を明らかにする会というものをつくっておる。それはほとんど遺族で構成されておりますね。その人たちの要請があれば、できるだけのものは出していただきたいと思うのですが、その点はいかがでしょうか。これは何をするためのものでもなくて、とにかく長い間眠っておるこの人たちの名前は知りたいというのがみんなの気持ちなんですね。
○戸谷説明員 繰り返しで恐縮でございますが、そのそれぞれの御遺族の方から、どういう処遇を受けておるか、もしくは確認したいというふうな御質問がございますればそれはお答えいたしますけれども、他の方についてどうかということになりますと、それはまた他の遺族の方のプライバシーといいますか、そういうものと衝突するわけでございますので、それについては、まことに申しわけないのですが、差し控えさせていただいているという状況でございます。
○山原分科員 余り時間がありませんから。私が何を言わんとしているかというと、一番今求めておるのは、すぐ目の前で沈んだのですね。沈没したところを見ておる人もおりますし、それを日本の魚雷艇が来て今度は爆撃するわけですよ。魚雷を投げ込んで爆破してしまう、船を形も姿もないぐらいまで粉砕している。五十発魚雷を投げ込んだといいます。それはアメリカの潜水艦をやっつけるための魚雷であったかもしれませんが、同時にそれは船体をばらばらにしているのではないかというようなことがありまして、とにかくどういう方が亡くなっておるのかということがあるものですから、そういう何かのきっかけ、例えば年金を差し上げたとか、そういう書類があれば、この人たちのいまだ浮かばれていない名前が判明していくのではなかろうかという意味で皆さんが求めておられるんだということを認識はしておいていただきたいと思います。 それから、戦時海運管理令第二十五条では乗員が職務にかかわって傷病にかかりまたは死亡したとき政府が一時金を支給することを定めておりますが、この規定に基づく一時金支給の記録ですね。これはあるのかどうか。また滋賀丸沈没で犠牲となった乗員に対する一時金支給の記録があるのかどうか、その点ちょっと一言。
○和田政府委員 お答え申し上げます。 戦時海運管理令におきましては、先生御指摘のように、徴用された船員が職務に従事中死亡したような場合には遺族に対し一時金を支給することとされておりますが、この規定に基づく実例につきましては、資料も残っておりませず、確認することはできない状態でございます。
○山原分科員 もう時間がなくなりましたので、最後に奥田大臣に一言。 私は今ずっと全体の様相を申し上げましたので、大体この事件の中身は頭に入っていただいたと思います。いわゆる戦争におけるさまざまな犠牲に対する補償とか、これに対する手当ての問題は、今従軍慰安婦の問題とかいろいろありますけれども、これも一つの重要な問題としてお考えいただいて、運輸省とされましても、例えばできることとできないことがあると思いますけれども、できるだけのことはしていただきたいというのが私たちの希望でございます。例えば船体の確認とか、遺骨の収集とか、あるいは名簿の作成とか、できないものももはやあるのです。けれども、できるものを探していけば全くできないというものでもないわけですね、名簿のことなどにつきましては。そういうことについてなお運輸省としても努力をしていただけるのではないかと思いますが、その点についてのお考えを伺って、私の質問を終わりたいと思っています。
○奥田国務大臣 戦時中に起こった大変痛ましい事故であります。それを先生は本当に、何というかずっと引き続きこの遺族名簿発見にもう全力を挙げて取り組んでおられる、そういった先生の御姿勢に対しては私も大変深く敬意を表したいと存じます。運輸省といたしましても名簿等々に関してできるだけの調査を行ってきたという報告を受けております。なお引き続き、こういった古い出来事ではありますけれども、できるだけ遺族のお気持ちを外しまして、引き続き調査させていきたいと思います。 先般、新鋭科学船の「かいよう」で五回目の沈没箇所の調査も行ったようでございますけれども、残念ながら遺族の皆さんの気持ちに沿うような結果が得られなかったという報告も聞いております。引き続き先生のそういったお気持ちを体して、遺族の方のお気持ちも体して、引き続き調査に当たらせたいと存じます。
○山原分科員 終わります。
○左藤主査 これにて山原健二郎君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして運輸省所管についての質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○左藤主査 次に、郵政省所管について政府から説明を聴取いたします。渡辺郵政大臣。
○渡辺(秀)国務大臣 委員の皆様には、平素から郵政行政の適切な運営につきまして、格別の御指導をいただき、心から御礼申し上げます。 郵政省所管各会計の平成四年度予算案につきまして、御説明申し上げます。 まず、一般会計でありますが、歳出予定額は三百二十三億円で、平成三年度当初予算額に対し三十億円の増加となっております。この歳出予定額に所要経費の計上された主な施策について申し上げます。 まず、電波利用による活力ある情報社会の構築のため、平成五年四月一日から電波利用料制度を導入したいと考えております。また、豊かな国民生活の実現を図るため、公共投資による生活情報基盤の整備として、沖縄県先島地区の民放テレビ放送の難視聴を解消する事業など電気通信格差是正事業を推進することとしております。また、東京一極集中の是正と地域振興を図るため、地方拠点都市地域の整備を促進することとしております。 国際面では、イギリスからのヨーロッパ向け海外中継放送の実施による国際放送の充実とともに、アジア・太平洋電気通信共同体への特別拠出等により国際協力の一層の推進を図ってまいりたいと考えております。また、情報通信技術開発を促進するため、先導的研究開発を実施するとともに、電気通信フロンティアや宇宙通信技術の研究開発などを推進することとしております。 次に、郵政事業特別会計でありますが、歳入歳出とも予定額は六兆四千三百七十七億円で、平成三年度当初予算額に対し二百七十四億円の減少となっておりますが、収入印紙等六印紙に係る業務外収入支出分を除きますと、歳入歳出とも予定額は三兆九千九百九十九億円で、平成三年度当初予算額に対し三千六百九億円の増加となっております。 この歳出予定額における重要施策を御説明いたします。 郵便事業では、お客様ニーズの多様化、高度化と郵便物の増加に対応するため、郵便サービスの向上による地域社会の振興への貢献と郵便事業運営基盤の整備充実を図ることとしております。 郵便貯金事業では、金融自由化対策資金の新規運用額の確保などにより、金融自由化への郵便貯金の積極的かつ的確な対応と利用者サービスの向上を図ることとしております。 簡易保険事業では、特約制度、定期保険制度の改善などにより、長寿社会、金融自由化への適切な対応と地域振興への貢献を図るための簡易保険事業の積極的な展開を図ることとしております。 郵政事業共通の施策としては、地域の情報拠点としての郵便局のネットワークの高度化を引き続き推進するとともに、郵便局舎や宿舎の整備、機械化、システム化の推進、郵政事業の国際化への対応と国際社会への貢献等に必要な経費を計上しております。 なお、郵便事業財政につきましては、平成四年度単年度で四百三十億円の欠損が見込まれております。これは、郵便業務収入など収益の伸びに比して、賃金、集配運送費等の費用が増大したためであり、昭和六十三年度以来の赤字予算となっております。 次に、郵便貯金特別会計でありますが、一般勘定の歳入予定額は十一兆四千四百九億円で、平成三年度当初予算額に対し一兆二千五百六十六億円の増加となっており、歳出予定額は九兆五千百七十八億円で、平成三年度当初予算額に対し八千百十八億円の増加となっております。 また、金融自由化対策特別勘定におきましては、歳入予定額は五兆七千九百九十四億円で、平成三年度当初予算額に対し一兆亘二十六億円の増加となっており、歳出予定額は五兆七千九百二十億円で、平成三年度当初予算額に対し一兆百三十八億円の増加となっております。 次に、簡易生命保険特別会計でありますが、歳入予定額は十三兆二千六百十六億円で、平成三年度当初予算額に対し九千七百五十五億円の増加となっており、歳出予定額は七兆五千六百六十四億円で、平成三年度当初予算額に対し八千三十八億円の増加となっております。 以上をもちまして、郵政省所管各会計の平成四年度予算案の概略につきまして、御説明を終わらせていただきます。 何とぞよろしく御審議のほど、お願い申し上げます。
○左藤主査 以上をもちまして郵政省所管についての説明は終わりました。 ―――――――――――――
○左藤主査 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。坂井隆憲君。
○坂井(隆)分科員 NTTの民営化以来、東京-大阪間の電話料金を見てもかなり引き下がっておりまして、昭和六十年四月当初四百円であったものが、現在NTTは二百四十円、NCCは二百円にまで値下がりして、国民への還元という意味では一定の成果を上げていると思います。NTTは、経常利益が四千億円を超えた場合には、その分は料金値下げの形で利用者に還元したいというように言っていたと聞いておりますけれども、NTTの九一年度の経常利益を見ますと、当初目標の四千億を切っておりますし、九二年度の収支予算案を見ても、三千五百十億円ということで四千億をかなり下回っているわけであります。このような状況の中でNTTの料全体系の見直しか議論されていると思います。その点に関しまして、市内料金と市外料金のあり方に関連して御質問したいと思っております。 NTTの収支状況を見ますと、市内通話の赤字を長距離部門の黒字で補てんしているということであります。このことは、市内通話は一般の市民の人が通話する、長距離は企業の方あるいはお金持ちが多いという判断なのかなというように思っておりまして、そういう意味では長距離は市内に比べてぜいたくになるような感覚で料金設定をされているのかな、そういう基本的な考えがあるのかなと思っているわけであります。そういう意味で、市内通話は赤字であっても今まで引き上げてこなかったわけでありますし、市外通話はいわば高い料金設定をして利益を上げていたのじゃないかというように思われるわけでありますけれども、そもそもの料金設定の基本的考え方について郵政省に御確認願いたいと思います。
○森本政府委員 本論に入ります前に、先生からちょっと御指摘のございました事務用、住宅用で長距離の使い方に差があるという点でございますが、今の利用実態では通話回数とか通話時間ではそう顕著な差は出ておりませんで、確かに通話回数では事務用の方は市外の方が多いのですが、時間にするとまた逆転をいたすというような形で、長距離が多いという形には必ずしもなっていないわけであります。 その点は別にいたしまして、今御指摘のございました市内外の収支構造の問題でございますが、端的に申しまして、現在のNTTの料全体系というのは、独占時代でございました電電公社の料全体系を基本的には枠組みとしてそのまま引き継いできておるということで、その当時は電話とか電報とかという区分はありましたけれども、御指摘のとおり、その電話の内訳は、細かい区分はしてなかったわけでございます。当事者NTT自体もそれについて明確なデータはなかったわけでございますが、御案内のとおり、昭和六十年の電気通信改革で、長距離であるとか移動体であるとか、ポケットベルであるとか、衛星であるとか、そういういろいろな部分に参入をしてきたわけでございますが、これらの新規事業者は、結果として、自分の市内網というものは持たずに、NTTに接続をして初めて事業が成り立つという構造、依存しながら競争するという格好になったわけでございますので、その競争分野とそうでない独占分野との収支構造を明らかにするという点が競争促進のためにだんだん必要になってまいってきたということが一つございます。 さらにまた、かねてから特に遠距離の方、隔地の方は、東京へのアクセスの通話料が非常に高いという御不満、その収支構造は一体どうなっているのだろうかという御疑念があったわけでございまして、いずれにしましても、そういった事態で、当時真藤総裁が、ちょうど改革時には、現状ではこうした算定をする市内外の基礎のデータがないので、アメリカから輸入する機械でもってトラフィックをきちんとはかって、科学的に測定した上でこうした問題について対応したい、こういうことをおっしゃっておったわけでございますが、その後、着々とATOMICSという機械が、まだ全部入っておりませんが、現在入りましてだんだん明らかになってきておる事態にもございます。省としても、先ほど申しました視点から、収支データの必要性があるということで、平成元年度分から市内外別の収支というものをNTTに明らかにするようにお願いをしてきたところでございます。またさらに、平成四年からは、さっきの公正競争という意味で、これは県間、県内の収支に分けた、長距離事業部というもの、地域事業部というものを区分して収支を明らかにしていただこうということで動いていることは御案内のとおりでございます。 いずれにしても、現在そうした段階で明らかになっているところでは、NTTの収支の関係で、市内では、一兆五千億の収入に対して一兆五千百億円余の費用ということで、収支率が一〇〇・二、若干の赤字ですがほぼ収支均衡になっている。一方、市外は、一兆四千五百億円の収入に対して費用は約五千億ということで、収支率で三四・二%という大きな黒字になっておるわけであります。もちろん、この中には、電話サービスのほかに、入っております一兆円の基本料の収入とか、あるいは三千億の収入があります公衆電話とか、あるいは費用の面では金融費用とかは入ってないわけでございまして、現在の会計規則によるところのデータでございます。いずれにしても、現在そういう形で少しずつその収支構造を明らかにしようという形で動いておるわけでございまして、そういう意味では、収支の構造に見合った料全体系というのはそれなりに一定の合理性があるものと思うのであります。ただ、そのコストが客観的に見て本当に必要なコストになっているかどうか、そういう点が大変大事なポイントだろう、営業努力によって、合理化努力によって、客観的にみんなが納得し得るような構造になっているか、データになっているかという点が問題だろうと思います。 いずれにいたしましても、答弁が大変長くなって恐縮でございますが、そうした視点でできるだけ国民の利用者にも直結する料金でございますので、適正な料全体系、大変大事な問題だろうという御指摘は、そのとおりに受けとめております。
○坂井(隆)分科員 市内と市外の料金問題のときに、やはりNCC側の方から確かにNTTの収支の構造が本当にはっきりしないのは批判があるのは伺っております。そういう意味では、ただいまの答弁にありましたように、平成四年度から地域の事業部、長距離事業部を分けて収支を明らかにしていくことは極めて重要なことだと思っておりますし、高く評価したいと思っているわけであります。 ただ、現時点において、やはり市内が若干赤字であるというのは事実のようでありますから、その点について遠近格差の問題と絡めて十分検討していただきたいと思うわけであります。 特に我々みたいに田舎の出身の者は、東京一極集中の打破だとか、あるいは地方の振興のために電話料金の遠近格差をもっと縮小すべきであるという議論を、私自身もですけれども、よくしているわけでありまして、確かに諸外国と比べると、我が国の遠近格差は非常に高いわけであります。遠距離料金も確かに若干高いのは事実のようでありますけれども、遠近格差の諸外国との比較を考えた場合に、果たして日本の場合に遠距離料金がそれだけ高過ぎるからこれだけ格差があるのか。逆に、収支構造を明らかにしていくことの中で解明しなければいけないのでしょうけれども、我が国の近距離料金、市内の料金が安過ぎることによって遠近格差がこれだけ高くついているのか、その辺についてどちらに主に要因があるのか。また、諸外国のいわゆる市内料金に相当する近距離通信といいますか、そういう料金が我が国の料金と比較した場合に、日本の、我が国の長距離料金は海外の長距離よりも高いとしても、我が国の市内の料金は海外に比べてどうなのか、その辺について教えていただければと思います。
○森本政府委員 こうした料金比較をいたしますときには、先生もう重々御案内のとおりでございますが、お互いの料全体系の問題とか、あるいは為替レートの問題とか、そういうことで厳密に比較することは困難でございますが、今のごく最近の為替レート等を目安に、日本は御指摘のとおり三分十円でございますが、これが六分になりますと二十円、十分話しますと四十円ということになるわけであります。そういう意味では、アメリカはちょうど日本と同じ三分十円でございますが、六分話すと十五円、十分でも二十二円というような状況がございます。フランスでも三分、六分、これは大体十五円で、十分話しても二十九円という格好で、ただイギリスだけは三分十九円で、十分話すと百七円ということで、先進諸国の中ではちょっと異例の高さにはなっておるわけでありますが、イギリスを除きますとおおむね三分までの通話では日本の方が安い。しかし、それを超えるとおおむね我が国の方が割高だというふうな感じになるのかな、こう思っておるわけであります。 それから、御指摘ございました遠距離の方は、再々お話がございますように、三分三円距離で、先生の佐賀でございましたら百六十キロ以遠のところに該当しますのでこれは二百四十円でございますが、十分話しますと八百円。それで、これは例えばアメリカの例でまいりますと、ニューヨーク-サンフランシスコ、たしかあれは約五千キロぐらいあると思うのですが、三分で今九十四円ということになっております。ハワイまで話しましても三分で百二十四円ということですから、アメリカの料全体系、遠距離は相当安くなっているということは言えようかと思います。その他諸国でも、イギリスはさっき言いましたように、近距離は高いのですが、遠距離は三分話しても、イギリスの南と北でも九十七円、百円弱でいってしまう。それから、ドイツが百六十五円、フランスが百六十円、いずれも三分でございますが。 そんな形で、諸外国に比べて市内料金が必ずしも安いというわけでもないにもかかわらず、長距離料金がそういう意味でやはりかなり高い。その結果、遠近格差というものが出てきた。たしか公社時代は佐賀までは七百二十円でございました。ですから、それが民営当時に四百円に下がり、現在二百四十円になっているということで、今、日本の遠近格差は一対二十四ということに相なりますが、アメリカではこれが一対十二、フランス、ドイツでも大体一対十前後、イギリスだけは例外で一対二・五というのはさっき申し上げたような構造になっておるから、こう思っておるわけであります。
○坂井(隆)分科員 いずれにしても、遠距離格差の是正を図って、地方に住む者にとって通話料金が安くなっていくということは非常に必要なことでありますので、ぜひ合理化を進めていただいて、遠距離格差の是正に努めていただきたいと思います。 また、その場合にも、私は、やはり市内料金をある程度見直して、市外の料金を安くし、市内の料金はある程度高くなってもしょうがないのかなという気がちふっとするわけでありますけれども、そういうことで負担の公平を十分考慮しつつ検討していただければと思うわけであります。 NCCは既に三社のうち二社が単年度黒字になっているわけでありまして、さらに累積赤字まで解消している状況にあると聞いております。NTTの現行料全体系が市内が赤字、市外が黒字という構造であり、そしてNCCは黒字部門に参入して競争しているということでありますから、そういうことを考えますと、NCCの収益がよくなっていくのは当たり前のことかなという気がするわけであります。 NTTの市内の赤字がそういう一般の住民のために料金を安く設定されているとすれば、大企業であって、もはや新規参入して何年かたっているようなNCCにまで、赤字の要因である料全体系を適用するのはどうかなという気がするわけでありますから、やはり市内料金の見直しに当たってNCCなんかのこういうものについての料金も、一般の市民、我々住民が適用されると同じ料金であることが果たして経済的な合理性があるのかどうかというようにちょっと疑問を感ずるわけでありまして、この点について御意見を例えればと思います。
○森本政府委員 今のお話の本論のところにはならぬわけでございますけれども、市内を値上げしてもというお話がございましたが、先ほど申しておりますように、私どももコストに見合ったという点は、これはあながち否定できるものではないわけであります。今申しましたように、本当のコストがどうなっているかということが明確でない、その点が今後明らかになるにつれて客観的にもはっきりするであろう、こう思っておるわけですが、同時にNTTも合理化努力をして、市内料金は据え置いたまま、市外料金は二百円にするという公約を平成二年にいたしておるわけでございますので、そうした経緯も踏まえながらこうした問題は見ていかなければならぬと思います。 ところで、NCCの問題でございますが、先ほど申しましたように、NCCは、特に長距離系の三社ございますが、これはほか含めて六十七社のニューカマーはすべてNTTの市内網に接続して初めてサービスができるという構造でございます。したがって、このNTTの利用に対してNCCが適正な料金を支払う、コストを払うというのはこれは当然のことでございまして、現在この問題に関しましては、ちょうどNCCが発足する際に、NTTとNCCの双方で納得して、一定のルールに従って進めておるわけでございます。支払いが行われておるわけでございます。 どういう構造になっているかと申しますと、要するにNCCを利用したいという方は、私が第二電電を利用したいとか、具体的なNCCを利用したい方には、今までの電話機では一緒くたになるものですから、これは新規電電を使ったのだよということで、きちっとID信号といいますか、そういう信号の送出工事ができるようにしなければならない、これはNTTにしてもらわなければならないわけでございます。そのために、まず交換機の工事費用として一件千三百円払ってもらう。そして、一件ごと、一コールごとに二円五十銭の料金をNCCはNTTに払うという構造になってございます。その上で、長距離をやります場合には、相手の一番近いNTTとNCCの接続点のところまで運んでいって、そこで接続をしてまた先行きでというような形になるわけで、例えば東京から佐賀までかけます場合には、東京から出ていくときには十円かかるわけでございます。例えば三鷹からかけますと、POIは東京にしかありませんから第二電電の接続は二十円かかる。そして長距離行ってから向こうの佐賀へ入りましたら、佐賀の市内で回したら三分十円、唐津でしたら三分二十円、ちょっと例外なんですが八女なんというようなときは、福岡県でございますが、これは佐賀にしか接続できないものですからその場合は三分四十円で接続する、こんな格好でやっておるわけですが、これは御指摘のとおりでございまして、一般のユーザーの水準と全く同じ料全体系でございます。そういう約束でやってきたわけでございまして、現在そうした費用は大体売り上げの三分の一強、NCCがNTTに払っているという形になっておるわけでございます。 これはこれでここまで民営化以降参入してきたわけでございますので、これでずっといけるかという問題がございますので、ここらについては平成六年、こういうデータの問題も明らかになってまいりますので、平成六年ごろに事業者間の接続料金をひとつ導入しよう。これはコストがはっきりしないという点がございますものですから、さっき申し上げたような形でスタートして、一応この問題については双方納得の上で来てはおるわけでございます。NTT自体も、いろいろな見方はございましょうけれども、先ほど申しましたように、これでいろいろ収入合わせて市内のコストがほぼとんとんになっておるという実態もございますが、いずれにしても今後の問題として今申し上げたようなこともこれから進捗していくであろうと考えておるわけであります。
○坂井(隆)分科員 ただいまの状況ですと、NCCがNTTの赤字部分に寄りかかって甘いみつだけを、長距離部門というところでやっているような気がするのです。ですから平成六年に、いろいろな長距離部門とか地域の部門とかNTTの事業部をつくって収支が明らかになりましたらやはりその時点でよく検討していただいて、平成六年にそういう接続料金の導入をされるということでありますから、十分話し合いがスムーズにいくことを心から期待したいと思っているわけであります。 ちょうど昨年は証券関係でいろいろな損失補てん問題がありました。これは大口の取引先にいろいろなサービス、損失補てんしたわけでありますけれども、ちょうど電話料金のことも考えてみますと、大口取引にいろいろなサービスがあるというのは、考えてみれば経済合理性がある当たり前の話だと思うのです、企業からすれば。そう考えますと、例えばNTTのそういう市内料金とか何かをNCCなんかもいわば大口取引として利用しているんじゃないかと思うのです。それはNCCだけでなくて通常の大企業でもそういうことで大口取引の大口利用をしている会社がいろいろあろうかと思いますけれども、やはり経済合理性で考えてみれば、例えばNCCとNTTの間で接続料金の導入の問題を話し合うとすれば、それに合わせて大口の利用者についてそれなりの弾力性を持った割引制度を設けるとかそういうことはやはり必要じゃないかと思うのです。これは接続料金の問題と合わせて、セットにして考えていくべきだと思うのですけれども、この点について御意見を例えればと思います。
○森本政府委員 先生御案内のとおり、アメリカでは随分大口割引がさまざまな形で、しかも大企業ばかりでなくて家庭まで導入されているわけでございます。日本もサービスの多様化という意味あるいは料金の低廉化という意味でも、ぜひひとつ導入が急がれると考えておるわけでございますが、実は日本で御指摘のようなことを受ける事態になりますのは、NTTの交換機のディジタル化というものが一つ問題があるわけでございます。 現在、ディジタル化は交換機で、端末の数で申しますとざっと四割強、大体本年度末で五割程度になるかと思うのでありますが、その他クロスバーの交換機をちょっと機能強化いたしました分を含めますとざっと七五%ぐらいになるわけで、五千六百万の電話端末のうち、そんな状況になるわけでありまして、ようやくここまでまいったのでございますが、このディジタル化ができませんと、あるいはSPC化と言っておりますが、要するに一つ一つの通話がどこへかけられたのか、何分がけられたのか、そういう記録が全部残らないと割引ができないわけでございます。 そういう意味で、現在料金明細というのも要求されても一部応じられないところは今申したような数字の限りにおいて出てくるわけでありますし、大口についてもそういう前提の上で一部始まっております。 一つは平成二年六月でございますが、フリーダイヤルという、〇一一〇でございましたか、それをかけると料金は相手払いだという、デパートの通信販売なんかそういうやり方をとるわけでございますが、これに大口割引を入れだというのが、現時点である大口割引が一つあるのかな。 それからもう一つは、国際通信事業者は自分の回線を持たずにこれもNTTの市内網に乗っかっておるわけでございますから、北海道から国際電話をかける方は国際関門までは国内通信でございますが、そうした意味で国際事業者について大口割引というのが入っております。 さらに、この四月から、現在準備をいたしておるところでございますが、深夜時間帯、週末時間帯に割引サービスを導入しようということで現在やっております。今申しましたように、KDDも大口ユーザーである国際通信事業者も。そうした視点でNCCの事業者も大口ユーザーということでさっき申しました平成六年四月に新しい接続料金を予定いたしておりますので、そのときに合わせて事業者の割引料金については検討してみたい。その他、一般ユーザーについては今申したような形でできる限り多様な工夫を期待したいところだ、こう考えておるわけであります。
○坂井(隆)分科員 いずれにしても、経済合理性にかなったものでありますから、大口取引先の問題については前向きに対処していただければと思います。 次に、NTTの収支のアンバランスを見てみますと、基本料の問題がやはり大きな問題の一つだと思うのです。基本料については、電話というのは今や生活必需品でありますから、電話の持ち主の中には所得の少ない人も多いわけでありまして、また事務用の電話は企業の所得の中で税務上損金に算入されたりするわけでありますから、こういうことを考えれば事務用と住宅用の基本料金の区分というのは必要じゃないかな、これをなくする必要はないんじゃないかなと思うわけであります。収支の是正に当たっては、やはり事務用と住宅用の格差を余り縮小するというよりも、やはり事務用の料金を引き上げるという方向で考えていくのが妥当じゃないかなと思うのですけれども、この点について御意見を聞かせていただければと思います。
○森本政府委員 先生御案内のとおり、今の住宅用は事務用より安くなっております。大体六五%の水準になっておるわけでございますが、これは結局これまでの、さっき申しました公社時代からの考え方を引っ張ってきておるわけでございますが、やはり利用の形態が違うのではないか、あるいは料金の負担能力の問題があるではないか、さらに、住宅用についてはむしろ料金を安くして、それでできるだけ需要喚起してつけてもらうというような構造を考慮しながら来たのだというふうに考えられるわけでありますが、実を言いますと今、メッセージエリアという三分十円の地域、これが全国に五百六十その地域があるわけでございますが、ここの設定が昭和三十年代でございまして、その後日本の経済社会が大変さま変わりしている状態の中でいろいろな論議が出てまいっております。したがって、MAのあり方というものを中心に今見直しを、もちろんNTT、事業者もおやりになりますが、さっき申しましたようにそこに新しい事業者が皆接続するものですから、単なるNTTの営業区域じゃなくて国民のいわば共有財産みたいな形で考えなければならぬということで、現在郵政省でもMAのあり方についてを中心にして勉強をいたしておるわけでございます。 その中で今御指摘の事務用とか住宅用の区分の問題、基本料のあり方の問題が出てまいりました。そこでいろいろ今議論が出ておりますが、確かに先生の御指摘のとおり、事務用の料金をもっと引き上げたらどうかという御意見があります。反面、コストに見合うという議論がNTTからもなされているのならば、事務用と住宅用、果たしてコストに差があるんだろうかという問題提起、あるいは回線数が非常に差があるんで、むしろ事務用、住宅用じゃなくて別の区分体系が考えられないか、こんな御議論も出ておりました。いずれにしても、事は国民生活に大変響く問題でございますので、MAのあり方、基本料のあり方、それから加入時の設備負担金というもののあり方等さまざまな電話料金のあり方について、省としても今勉強会を進めておるところでございます。
○坂井(隆)分科員 時間がなくなりましたので、最後にちょっと大臣に御質問したいと思っているのです。 諸外国いろいろ行きますと、発展途上国や共産圏へ行くと、特に電話の不自由さを身にしみて感ずるわけでありまして、日本の通信の技術力をもってしてもっと世界に貢献することが必要じゃないかということを感ずるわけでございます。国際進出といいますと、第一には通信インフラの整備とか情報通信システムの構築をする、あるいは第二に、海外のキャリアとの提携による新しい通信サービスを提供していく、さらに企業のグローバルネットワークを構築していく、そういういろいろな役割があると思います。 通信インフラの構築は、例えば日本が一手に引き受ければ、それに伴って通信網の設計から機器の販売からいろいろな意味で日本の経済にも役立つし、また諸外国も非常に助かるわけであります。先進国でほとんどの国が国内通信事業者と国際通信事業者を分離している状況でありまして、世界的な通信自由化の中で各国が世界に海外進出を図っているわけでありまして、我が国でも、例えばNTTが海外企業に出資するような案件がふえれば、逆に海外の企業がNTTへ出資したいという要望も出てくるセ思いますし、そういう意味でも現在検討されているNTT株の外国人保有を一定限度まで認めるための法案というのは極めて時宜を得た適当なものだと思っているわけであります。NTTを含めて我が国通信事業者の国際的な役割といいますか、今後の進出、あり方、そういうものについて大臣の御見解を伺って質問の最後にしたいと思います。
○渡辺(秀)国務大臣 最初に一つ、NTTの法案が、今一生懸命にまとめているところでありますが、提案されましたらひとつぜひ御協力をいただいて、審議促進方、今坂井先生のおっしゃるとおりでありまして、その具体的な実現方に向けましてひとつ努力をいたしてまいりたいと思いますので、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 前段のNTT、いわゆる国際的な通信政策ということだろうと思うのでありますが、NTTの問題のみならず国際的な通信政策の理念として挙げるとするならば、やはり一つは自由と民主主義、そういう非常に貴重なものの確保ではないか。かけがえのない確保だと私は思うのです。自由と民主主義が守られるためには、すべての人が通信や放送のメディアを通じまして自由に正確な情報に接することができるようにすることが大切であることは言うまでもありませんし、近年まさに東欧やソ連における改革はこういった放送の果たした役割によるところが極めて大きい。これは委員御案内のとおりでございます。だれしもがひとしく認めるところでありますから、こういったことを考えていきますと、あらゆる国と自由に通信ができる、あるいは情報の交流が行われる、国を超えた相互理解、世界平和のためにそういった通信、情報の正確さと、しかもまだ迅速さといいましょうか、そういうことが非常に私は大切だ、まず理念の第一に挙げたいと思うのです。 第二は、いわゆる一つの世界、一つのネットワーク、言うならばワンワールド・ワンネットワーク、こう言われておりますが、通信も放送も出し手と受け手があって成り立つものでありまして、国際的に見てどこからでもだれとでも通信ができるという情報通信のまさに理念であるわけです。国際電気通信連合の理念というこの今申し上げたワンワールド・ワンネットワ]クという方向は、まさにこのことを指していることであると思います。情報通信の先進国と言われる我が国が、特に開発途上国における通信網や放送網の整備に今委員がおっしゃったように積極的に協力していくことは極めて重要な責任で、情報通信の最先端技術を持っている、ソフトあるいは技術面において我々に期待されているところは非常に大きいというふうに思います。そんな理念に基づいて通信・放送分野における国際的な政策協調や国際協力を、郵政省も国際部を設置いたしまして郵政外交を展開しながらそういった期待にこたえてまいりたいと思っておりますので、よろしく御指導をお願い申し上げます。
○坂井(隆)分科員 どうもありがとうございました。頑張ってください。
○左藤主査 これにて坂井隆憲君の質疑は終了いたしました。 次に、後藤茂君。
○後藤分科員 きょうは、切手発行政策に絞って、短い時間でございますけれども、郵政省、大臣並びに郵務局長のお考えをお聞きをいたしたいと思うわけであります。 昨年、我が国で二回目になりますけれども、国際切手展フィラ・ニッポンが開催をされました。多くの収集家あるいは切手に大変関心の深い外国の皆さん方も来日をいたしまして、評判を聞きますとおおむね好評でございました。特に、私もギリシャの友人がゴールドメダリストになったということもございまして大変親しくなりまして、帰国すると待ち構えておりましたギリシャの有名な雑誌が四ページにわたってカラーでその人の作品あるいは切手についての報道をしているわけであります。そして、ギリシャのアテネ在住の藪大使から長文の手紙が参りまして、知日の、つまり日本を本当によく知ってくれる友人がまた一人ふえた、したがって国際切手展が大変大きな効果があったということを大使としても心から喜んでいるという手紙が参りました。 こういうような形で、あの国際切手展、世界各国の皆さん方が集まって、単に収集家が自分のコレクションを展示して集うということを超えて、それぞれの異文化に触れていく、それを理解していく、そしてそれを通じて友情の輪を広げていく、そういう効果があったと思うのです。郵政省も主催者の一人として、とりわけ大臣もこのフィラ・ニッポンに出席をされて、どういう感慨を持たれたか、この点を最初にまずお伺いをしたいと思います。
○渡辺(秀)国務大臣 昨年、私も就任間もないときでございましたが、後藤先生と一緒に、実は初めて私は国際切手展’91いう、本当にこんなに私は感動を覚えたり、あるいは余りにも自分の知識が足りていなかったということも反面感じたりいたしたことは最近ございません。それほど非常に感動的でありました。十年ぶりで開催されたこの切手展、日本国際切手展’91、後ほど局長の方から詳細な報告をいたすと思いますが、大変多くの方々の御協力で成功裏に閉幕した、主催国の郵政大臣として私は非常に光栄でございました。そしてまた、名誉総裁常陸宮殿下御夫妻もお見えになられたり世界の総裁もお見えになられたりして、本当に和やかなすばらしい会であったと思います。 この国際切手展においては、郵趣家の方々はもちろんのことですが、広く一般の方々にも魅力ある切手を鑑賞していただき、私は郵趣の輪が日本の国内でも非常に広がったのではないかというふうに思います。 郵便切手は方寸の紙切れの中に、紙片ですね、その中に各国の風物、歴史、文化、そういうものがほんのこれぐらいのところに凝縮されている芸術品だと思いますしばしば小さな外交官とも言われているわけでありますが、世界各国から多数の参加を得て、国際親善、文化交流の促進に大きく貢献したと確信をいたしておりますし、今後とも郵趣の振興に私自身も取り組んでまいりたいと思いますし、郵政省として挙げて取り組んでまいりたい。特に、私参加して拝見いたしまして、本当に世界でもまれに見る、例の英国女王の秘蔵コレクションなどはすばらしかったと今でもまだ実はその感動がまざまざと残っているような次第でございまして、非常にありがたい機会だったと思っております。これからも大いに郵政省として努力をいたしてまいります。
○後藤分科員 小さな外交官という言葉で言われておりますし、また方寸の芸術、私もそうだと思うのです。だから、切手を眺めておりますと、その国の歴史、文化、風土、自然というものが一つ一つ目に焼きついてくるわけでありますから、単にコレクターが趣味でコレクションしているということを超文で、これからの郵政の切手発行政策について考えていただきたい。 前島密が切手を我が国で発行いたしまして、一円切手では健在でありますけれども、やはり郵政省のルーツは切手発行から始まっているのですから、この切手発行に対しましてはひとつしっかりと性根を据えて、これからもいい、美しい切手を発行していく、そしてそれを封筒なりはがきに張ることによって温かい心が通じ合う、その媒体としての役割を果たしているわけですから、ぜひそのことを強く望んでおきたいと思うのです。 そのことと関連いたしまして、ことしは大分件数なりあるいは枚数等についても減らしてきたというように聞いておりますけれども、特殊切手等の発行がふるさと切手と合わせて非常にたくさん発行されている。やはり腹八分目でございまして、たくさん出せば収集家は大変喜ぶだろうあるいは手紙を出される方々はいろいろな変わったデザインの切手を張ることによって興味をより高めてくるだろうというのが実は見当違いでございまして、いい切手を少数、数を余り出さないで発行していくということが必要だろう。恐らく昨年までここ数年というのは、日本は、先進国の中では発展途上国あるいは切手を一つの輸出品として目先の変わったのを出すことによって外貨を獲得するという国と同じようなレベルに置かれてきておったわけでありますから、これから日本としてはもう少しその点をリーズナブルに進めていくということが必要であろうと考えているわけです。 その点と関連いたしまして、ふるさと切手、これが実はまだたくさん出されて、しかもその統一性もないし、一体どこでいつ出ているのかもわからないし、それからまた、デザイン等においてもまちまちで、時にうなるようないい切手もございますけれども、こういうことをやると混乱してしまうということになりますので、ふるさと切手が発行されましてから三年になるのでしょうか。そうした反省の中で、これからはどういうようにしていくのか。ふるさと創生ということは一つ大切なことでありますし、またふるさとの文化なり歴史なりというものを全国に知らしめるということも大切なことでありますけれども、ちょっと乱発し過ぎたのではないか。これからもしやるとすればもう少し絞って発行していくということが必要ではないかと思いますが、これは局長、いかがでございましょうか。
○早田政府委員 特殊切手の発行につきましては、確かに御指摘のように、平成二年三十件、平成三年に二十五件ということで大変多うございましたけれども、これは実は、郵趣家の方もそうでございますけれども、これを売る郵便局側にとりましてもなかなかいろいろな問題がございまして、先生もお話ございましたように、平成四年におきましては二十件という形で発行していきたいというふうに思っております。 今御質問ございましたふるさと切手でございますけれども、これも平成元年の四月からこれまで六十件、百十六種類というものを発行しております。件数に対しまして非常に種類が多いのは、実は花の万博を控えまして四十七種類の花の切手を出したということが大きくあるわけですけれども、そういうことで三年間で全国四十七都道府県、一応一巡いたしましたので、ここでいろいろな問題を含めましてふるさと切手についても見直しをしたところでございます。 それで、結果といたしまして、切手の題材につきましても、今お話ございましたように、大変多種多様でございましたので、まず一つには、平成四年から五年間は各地方郵政局ごとに統一のテーマといいますか同一のテーマ、例えば北海道でしたら北の動物たちとか、中国ですと祭り、踊りというような形でまずテーマを統一するということ、それから昨年までは大体平均的に二十件を出しておったわけですけれども、これからの五年間におきましては毎年十三件ずつ出していこうという形で、件数につきましても、またデザインにつきましてもそういう形でやっていきたいということで、平成四年の発行うーマにつきましては既に公表したところでございます。 それと同時に、今までのふるさと切手あるいは記念切手もそうでございますけれども、売り方につきまして、実はことしの四月から東京中央郵便局で郵便貯金の自動振替でふるさと切手も買えるような、そして一度申し込めば連続的に買えるような、そういうシステムをただいま検討しているところで、近々実施に移したい、そういう点でも買いやすくしていきたいというふうに私どもは思っております。
○後藤分科員 その方向をまた見守っていきたいと思うのですが、私は昨年の予算委員会、昨年だけじゃなしに実は毎年のように提案をしておったわけでありますけれども、この辺で、やはり日本が今日の文化国家といいますか、国家をつくり上げてきたわけですが、そこに行くまでに歴史を切り開いてきた方々というものが大変多いのです。ところが、残念ながら我が国は浮世絵であるとかというものについては熱心に取り上げますけれども、そうした歴史を切り開いてきた方々を顕彰するということがなされてない。現存されている方々というのは文化勲章というものがあるわけですけれども、しかしそれ以前の人にとっては何ら報われないままに埋もれていってしまっている。この人々をもう一度掘り起こして、そして切手に描いて国民の皆さん方に知らせる、また世界の人々に知らせる責任があるのではないかということで、私は毎年のように、文化大切手と俗称言われておりますけれども、歴史上の人物を切手にするのが私たちの責任だろうということを提案するのですけれども、郵政省はこの点は大変ちゅうちょするのですね。なかなかこれに対して積極的に取り組もうとしない。あの人を出してこの人を出さないということになったらどうだろうかとかいうことを言うものですから、歴史的に評価の定まった方、そしてその時代に大変苦労しながら歴史を、今日の近代国家を築き上げてきた人、そういう人々を出せ、紙幣でも変わったわけでありますから、切手においてもそういうことをやれということを提案している。幸い、ことしの秋にはそういう人の切手を発行する計画が実り始めてきた、こういうように聞いているわけでありますけれども、そのことについて、大臣うなずいておられますから、一言その見解をまず聞かしておいていただきたい。これは本当に真剣にひとつ取り組んでいただきたいと思うのですが、いかがですか。
○渡辺(秀)国務大臣 全く同感でして、私は前にも後藤先生からその趣旨も聞いたこともたまたまございました。また、郵政省へ参りまして、これは、実は非常に真剣に取り扱っておりまして、今局長から詳しく御報告いたさせますが、文化大切手に関する懇話会というのを設置しまして具体的に着手をいたしました。先生の長年の、この予算委員会あるいは分科会で申してこられたことが極めて具体的な一歩を踏み出すということで、私にとっても非常にうれしい第一歩であるということでございまして、今いろいろな角度からの問題点を局長から御報告を聞いていただいて、またよろしくひとつ御指導お願い申し上げたいと思います。
○早田政府委員 それでは、私の方から、文化大切手の発行方針そしてまた具体的な人物の選定につきましての現在の進捗状況につきましてお話をさせていただきます。 文化大切手のどういう方をどういうふうに選ぶかというのは、これは大変難しい問題でございまして、とても私ども限りでは決められるようなものではございませんので、広く各界の意見を聞こうということで、人文科学そして自然科学、芸術等いろいろな分野の方を代表いたします有識者の方から文化切手に関する懇話会というものをつくっていただきまして、座長は三浦朱門先生にお願いしておりますけれども、その中で、まずは発行方針を検討するという中で、そしてまた現在既に平成四年そしてまた五年に具体的にどういう方を発行するかということで、十二万人のデータベースをもとに各分野からリストアップしていただきまして、候補者をただいま選定中ということでございます。具体的な人物の選定につきましてはことしの五月には決定する見込みでございます。またひとつよろしく御指導をお願いしたいと思います。
○後藤分科員 前に一回文化人シリーズが発行されたんですが、これも凹版で単色でいい切手でございました。今度出される場合にも余りけばけばしい形にしないということと、それからエッチング技術は、大変日本は高い技術を持っているわけですから、その技術の継承という意味、それからまたその技術を発展させていくという意味においても、これはひとつしっかりと凹版で出される方がいいんではないか、色合いも比較的淡泊なそういう色合いにして、ソフトな形で出された方がいいのではないかな、こういうふうに思っておりますので、その辺もひとつぜひ御配慮いただきたいな、こう思って、これは要望として申し上げておきたいと思います。 これはちょっと大臣、後で私のこれを見てください。 今大臣のお手元にちょっと差し上げましたけれども、当初は、特殊切手とか記念切手とかこういうものは発行当時は、今から百五十年あるいは百二十年首はなかったわけです。それが、記念切手とか特殊切手が発行されるようになりましたけれども、それはそれなりに、先ほども申しましたように、その国の歴史なり文化なりあるいは自然なり風物というものを紹介していくという意味では大変大きな効果を上げているわけですが、やはり切手というのは、私は通常切手だろうと思うのですね。その通常切手は、大臣、一番最後の日本の切手のところ、八十八ぺ-ジぐらいにあるだろうと思うのですが、日本の切手をそうやって見ると、何とも統一性がない、あるいは哲学がないのですね。私たちは、一枚なり二枚なり、封筒なりはがきに張ってあるのを見るだけです。単片で見る場合はそれなりにいい切手であるなどか、あるいは印象もそんなにないかわかりませんけれども、そうやって、特に収集家等は、アルバムにその国の通常切手というものはレイアウトして、そして眺めていくわけですから、全体を見る目を養うことができるわけです。そのときに、ああどうも日本の切手というのは、これだけ印刷技術も高いし、そしてまたデザイン能力も大変高いのに、何てこう寂しい切手を出しているんだろうかということを痛切に考えさせられるわけであります。 そこでは幾つか、例えば中国の祖国風光シリーズなんかを見ましても、中国は広い国土でありますからそれぞれの風土に合った民家等がつくられている、その民家シリーズなんか見ましても、実にほのぼのとした切手でありますし、それからメキシコのは輸出製品シリーズ、これは日本の場合は余り輸出製品の宣伝したんじゃまた経済摩擦を起こしますけれども、これなんかも実に抽象的な図柄ですばらしい切手で、これは後でごらんになったらわかりますけれども、そういうことでひとつ、通常切手というのはやはり一番の切手の顔でありますから、この普適切手を、今まで昭和という年号で今日まで約五十年切手が発行されて、そして額面の料金の変更のときに慌ててそういう印面も変えられてきたということですからまた統一性がなくなるわけです。 一昨年でしたか、深谷郵政大臣に私は申し上げたら、そういうことで本当に統一性がなくて、こう見せてもらうとどうも寂しい、情けないシリーズになっている。平成になってもう四年を迎えたわけです。この辺で昭和の切手から今度は平成シリーズというような形で出したらいかがか。世界各国は大体十年ぐらいで変えているのです。ですから、五年から十年ぐらいのタームでひとつデザインも変えていくというようなことをやってみたらどうだろうか。特に、アメリカの輸送機関シリーズなんかもすばらしいし、あるいは民具シリーズなんかもすばらしい切手でありますから、委員長も切手に御関心がありますし、大阪の方でありますけれども、文楽の頭というのですか、これを一回切手にしてみたらどうだということを私は提起したことがあるのです。これなんかもそれぞれが全部非常に表情豊かでありますから、そんなことも考えていて、一つの普適切手をつくるだけじゃなしに、さらにまた別の普通シリーズもつくっておいて、そして、郵便局へ行ったときにそういう切手を好みによって購入するということがあっていいだろうと思うのです。 これはひとつ局長からもお答えいただきたいのですが大臣からも後で、平成シリーズのような形で一回この辺で時間をかけて衆知を集めて普適切手というものを見直していく、そして世界の人々が、なるほど日本の切手というのはやはりすばらしいデザインとそれから印刷の技術とそして文化の高さというものを見せているなということを知っていただくということが大切だろうと思いますので、その点はいかがでございましょうか。
○早田政府委員 現在普適切手四十六種類出しておりまして、大きく分けて、動植物、美術工芸品という形でやってきておるわけですけれども、統一性という点につきましては、一番古いものはもう四十年以上前につくったものもございますので、確かに希薄になっていることは事実でございます。 私ども、先生の御指摘も従来から聞いておりますし、また、私ども自身といたしましても、世界の中で比べまして、デザインの統一性とかあるいは使用する際の便宜性だとかいろいろなことを考慮しながら、現在、諸外国の事例の検討であるとか一般の利用者の方の意見の集約等を努めているところでございます。
○後藤分科員 大臣ひとつ見直しを、平成の時代に入ってもう四年たつのですから、いつまでも、昭和の年号から続いておるこの切手を変えていくという意思がおありか。
○渡辺(秀)国務大臣 後藤委員先ほどからおっしゃっていただいておりますように、一つの流れを新しくするというのはなかなか区切りがないとできないところでございますし、そういう意味では、まさに平成時代という新しい時代でございますので、趣旨に沿いながらぜひひとつ検討さしていただきたいと思います。基本的には、私は委員がおっしゃることを非常によく理解できるものでございます。
○後藤分科員 時間が大分経過いたしましたので、さらに二点ばかりお尋ねしたいのですけれども、歌舞伎シリーズがことしの六月で終わるのですが、これは必ずしも評判がよくなかったと思うのですよ。なぜかといいますと、ブロマイド的な切手、ブロマイドをそのまま切手にしたような形、ブロマイドそのものは有名な写真家が撮っているわけですからいいのですけれども、それを切手にすると方寸の中に閉じ込めてしまうわけですから見た感じが必ずしも好まれないということ。切手を発行する場合に、例えばデザインコンクール等で募集する。このデザインコンクールに応募する人は、そこに「日本郵便」とかあるいは「NIPPON」という字とか額面とかを頭に描いておりませんから、それがまたまちまちに印刷されていくものですから、デザインそのものがよくても切手としては評価が必ずしもよくないというものもあるわけでございます。これはぜひひとつこれから切手を出される上において念頭に置いておいていただきたいと思うのですが、この歌舞伎シリーズの後、どういうシリーズを考えておられるのかということが一つ。それから、平成十年ですか、何年になるのですか、長野のオリンピックが行われるわけですが、このオリンピックの寄附金つき切手の発行計画というものがどういうようになっているか、この二点を、もう時間がございません、短く簡単にお答えいただきたい。
○早田政府委員 結論だけ申し上げますと、歌舞伎シリーズは本年六月に終了いたしますけれども、その後のシリーズは現在のところ考えておりません。来年、水辺の鳥シリーズが終わった後で新たなシリーズものを考えていきたいと思っております。長野のオリンピックの関係につきましては、今法案が国会に提出されましたので、それを受けまして記念切手等を発行していきたいというふうに考えております。
○後藤分科員 最後にもう一点申し上げてみたいのですが、私も最近、実は明治末から大正の初めに活躍した埋もれた詩人の伝記を一冊の本にいたしまして出版いたしました。これを書いている中で、歴史なりその人の作品なり、あるいはその人の人物を描いていく上にいかに書簡といいますか手紙が大切かということを大変よく教えられたのです。文豪と言われる人あるいはいろいろな有名な方々というのは、もし全集が出たりなんかしますと書簡集というものが一巻になるほど手紙のやりとりをしている。物に書いた場合にはいろいろな粉飾があってみたり、あるいは気負いがあってみたりするのですけれども、手紙は真実を語っている。そのことで後でいろいろ書くときに非常に大きな参考になるわけです。ところが最近は、電話が発達している、あるいはファクスが出てくる、あるいはレタックスがある、いろいろなメディアが出てくるわけですから手紙をだんだん書かなくなってくる。手紙を書いていただくということはこれはやはり心が通じ合うわけでありますから、手紙を書いていくような形を、あるいははがきを出していくということに対して郵政省としてはもっと心配りが必要であろうと思うのです。 私もここで慶弔切手を出したらどうかと提案いたしまして、慶弔切手は最近大分使われるようになりました。しかし聞いてみると、慶弔切手があるから、個人がそれで例えば結婚式の披露宴の案内を出すとか、あるいは竣工式の案内状に張るとかいうことではなしに、結婚式場なんかなら業者が案内状を請け負ってしまいますから、その人々が意識をして慶事の切手を張っているということで、まだまだ国民の皆さん方は慶弔の切手があるということを知らない。せっかくつくっているわけですから、こういうものがよく理解ができるようにぜひ配慮していかなければならないと考えているわけです。 いずれにいたしましても、冒頭申し上げましたように切手というのは単に郵送、人から人へ、あるいは物を届けていくということに使うだけではなしに、小さな外交官でもありますし、あるいはまた文化のレベルを見せる象徴でもあるわけでありますから、ひとつそのことを強く要望をしておきたいわけでございます。最後に大臣、ひとつそれに対する所見をお伺いをいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○渡辺(秀)国務大臣 私、先ほどから承っておりまして、本当に日本というのは経済国家と最近言われていますが、我が日本国憲法は文化国家を目指すということになっているわけでありまして、国民ひとしく文化性の高い、しかもまだ文化性に富んだそういう国民生活、まさにそこに潤いもあり心豊かさもある、そういったきめの細かな政治あるいは行政というのが、例えば一つの切手という問題にしても、あるいはまた手紙の文化という問題にいたしましても非常に大切なことだろうと思いました。ぜひこれからも、こういった郵政省の所管する中で、こういう文化の向上あるいはまた文化の発展、そして伝統を重んじていく、そういうことを心がけながら先生の御趣旨を体して努力をいたしてまいりたいと思います。まことに御指導ありがとうございました。
○後藤分科員 終わります。
○左藤主査 これにて後藤茂君の質疑は終了いたしました。 次に、吉岡賢治君。
○吉岡分科員 郵政省の人権啓発、そして同和対策の積極的な推進について質問をしたいと思います。 昨年十月、私はこの問題で質問をさせていただきました。郵政省に幾つかの約束をいただいた、このように思っておるところでございます。その後どのようになっているのかをお聞かせいただきたい、こういうように思います。 近畿郵政局の管内で差別事象が、例えば一九九一年一月から十二月までに二十件、これは差別落書きというふうに聞いておりますが、十一局に起きたというように思われるわけですが、その対応についてお聞きしたいと思います。官房長は、差別が発生した場合、行為者が不明でも真相の究明を行っていく、また必要な取り組みは当然行うというふうに答弁しておられるわけでございますけれども、まず、差別事象が起こった場合、どのように対応されたのかということを中心に二、三お聞きしておきたいと思います。
○木下政府委員 ただいま委員御指摘のとおりでございまして、近畿郵政局管内で、平成三年の一月から十二月まで二十件の差別事象が発生しております。そのすべてがトイレでありますとかエレベーター等の賤称語の落書きでございますが、行為者が不明の事象でございます。近畿郵政局では今までも同和問題について、他の管内に比較いたしましてもレベルの高い研修等をやってきたように思いますけれども、こういう事象が出てきたことを非常に残念に思うわけであります。 今申し上げましたように、これらの事案はすべて行為者不明の事象でございます。御指摘のとおりでございます。これにつきまして、私どもどういう対応をしたかということのお尋ねでございます。こういった行為者の不明の事象がほとんどであるということでございますが、こういう事案が起きますと、当然私ども現場において確認をいたしますわけでございます。そして、さらに、それが人目に触れないようにといいますか、拡散防止の措置も講じた上で、部内の関係機関に通報をいたして、組合でありますとか解放研でありますとかそういうことでございますが、それから関係者の立ち会いを求めまして、発見者あるいは部内関係機関の代表の方々でございますが、立ち会いをしていただきまして落書き内容の記録を行って、その後でその落書きを消去する、こういうことでございます。その落書きの内容あるいは職員の目に触れた状況を局長、所属長が総合的に判断いたしまして、必要に応じてミーティングあるいは局長声明文の掲出だとかミーティングでの職員周知、啓発あるいは関係職員への激励というようなことを行うということにしております。さらにまた、年間計画に基づいて実施します研修の教材にも取り入れるという場合もあろうかと思います。そのようなことで対応をしているところでございます。
○吉岡分科員 今具体的に言っていただきましたが、抽象的でございますので、典型的な例でよろしいですから一局だけこうしたということをひとつ教えてください。
○木下政府委員 まことに申しわけございませんが、個別の、具体的にこうしたという、ここの局でこうしたということにつきまして私今手元に資料がございませんので、申しわけございませんが、一般的なこういう場合にこうする、こういうことでお答えにかえさせていただきたいと思います。
○吉岡分科員 深く問いませんが、八尾局であるとか城東局であるとか高槻であるとか寝屋川であるとか、いっぱい起きていますね。その辺ひとつ後で十分お聞かせいただきたいというふうに要望申し上げておきたいと思います。
○木下政府委員 照会をいたしまして、先生に御説明に上がるようにいたします。
○吉岡分科員 一九九〇年四月発出されました近畿郵政局通達五九〇号について前回問題点を指摘してきたところであります。行為者不明の差別事象には何もしないとの印象が強い通達であります。発出されて二年を経ようとしておりますけれども、この間差別事象の究明に職員の協力、こういうことを含め、実態的に有効であったのかどうか、具体的にお聞かせいただきたいと思います。
○木下政府委員 昨年委員の御質問に対してお答えいたしましたように、行為者不明の事象におきましても何もしないということではなくて、やはり真相究明は行うと確かに私申し上げたところでございます。具体的にどういうことを行うかということでございますが、郵政局に同和対策室がございますが、郵政局と差別発生局と連携をとりながら対応するわけでございますが、いずれにしても当該郵便局の管理者が一体になってこの問題に取り組まなければいけません。主体的に対策会議を開催いたしまして差別事象の真相究明、今後の対策等について真摯に取り組んでいると理解をいたしております。 具体的には、御承知のとおりでございますが、局長声明あるいはミーティング等による職員啓発あるいは行為者への警告等、差別抑止のための当面の対応策を当然やるわけでございますが、そのほかに、やはり行為者が何とかして特定できないだろうかという努力もしなければなりませんが、発生時間帯あるいは発生場所、落書きしてあればその使用している用具は何であるか、あるいは表現内容、過去の事象との関連性というようなことをいろいろ客観的に状況分析をしていくという作業もしているところであります。さらにまた、事象発生の原因というのは何だろうか、背景となる事柄はあったのじゃないだろうかというようなところの分析、あるいは自分たちの研修啓発のやり方というのが果たして効果的だったのだろうか、その進め方について何か見直す必要があるのじゃないだろうかというような検討もいたしておるところでございます。こういった対策会議というものが、五九〇号、出されました通達でございますが、その後の対策会議の開催状況を問い合わせてみましたところ、大阪府下の郵便局の場合に差別事象一件について平均四回以上となっていると聞いております。
○吉岡分科員 今官房長のお話を聞いていましたら十分にやられているというようにお聞きするわけでありますが、五九〇号は、行為者不明という場合に何々はしなくていい、いわばそういうことになっておるのですね、原因、背景、見解、今後の取り組み、こういうことについて。ところが、今ずっと聞いておりましたら、原因、背景、見解、今後の取り組み、すべてやっているというふうにおっしゃっているのだが、そういう方向であるとするなら、近畿郵便局の五九〇号通達というものの中身と大きくずれが生じてくる、このことを指摘せざるを得ないと思うのですね。だとするなら、五九〇号の私がこの前指摘しましたようなこと、そういうことについて十分検討を加えて改善を図っていく文書を出すなり、あるいはそういう方向をとるべきではないのか。 私はなぜこのことを言うかといいますと、行為者不明ということであれば何もしないという印象を与える通達がある限り、見つからなかったらいいんだ、不明者だったらいいんだという風潮が職員の中に起こっていく可能性を秘めているのです。もっと言えば悪質さを誘発する可能性というのがこの中にあるというふうに理解せざるを得ないと思うのです。ですから、行為者不明であろうとも職員に周知をし、そして局の対応というものはこうだ、そしてまた今後こうするということを示しながら、職場全体に本当の意味での差別がないように、そしてまたそれをお互いに心しようではないか、そういう明るい職場にしようではないか、こういう営みがあってこそ今官房長がおっしゃった意思が通ずると思うのです。となりますと、官房長はいろいろおっしゃいますけれども、行為者不明であればいいよ、調べないよというような内容になっていますと、それぞれの局長でも職員でも戸惑いを持ちながらこの五九〇号という通達を見ている現状というのも現実にあるわけであります。その辺についてどう処されるのかということについてお聞きをしたいと思うのです。
○木下政府委員 委員昨年の十月に御指導いただいたときの焦点になりましたのは、分析をしないということじゃなかったかと思うのでございます。つまり行為者不明の差別事象の場合には分析はしない、詳細な分析はしないということがこの五九〇号に書いてあるわけでございまして、つまりこれは事象が発生した直後の措置として何をやるかという場合のことでございまして、従来かなり詳細な分析書をつくっていたわけでございます。そのことを、結局行為者不明の場合にはだれがやったかもわからないのに短兵急に相当の分量の分析書をつくることはいかがかという反省からこれが出てきているわけでございまして、それでなくて、やはり本当に行為者不明でもやらなければならぬことは多々あるわけでございまして、それはそれ相応にやっていくということについては変わりない。先生おっしゃるように、これが差別を助長するようなそんなことになるのは私どもの本意ではございません。したがって、今言いましたように、差別事象発生直後のそういう詳細な分析書はつくらないということでありまして、何もしないということではないわけであります。その後も冷静にかつ合理的に真相究明に必要な措置は講じていくし、再犯防止の措置もやっていくということでございます。
○吉岡分科員 次に進めたいと思いますが、近畿郵政局の同和対策室の丙一二四号指導文書についてお聞きしたいと思います。 前回もこのことをお聞きしているわけでありますが、被差別部落出身を宣言した自局職員を管理者は激励をするという文面があります。昨年一年間で管理者の皆さんが具体的なことで激励をされたことがあるのかどうか、お聞かせいただきたいと思います。
○木下政府委員 個々具体的にどこでどうやったということは聞いておりませんが、私は、これだけの事象が発生している限りにおいて、激励の行動を管理者は当然必要に応じてやっているというふうに思っております。
○吉岡分科員 もし激励があるとおっしゃるなら、私の聞く範囲では具体的に激励なんというようなことはなかなかでき得ないというのが現状だ、先ほども言いましたように、局長にしたって管理者にしたって今までと対応は違ってきているわけですから、激励をしたらどのようなことになるのかということが先に立っている、戸惑っている、こういう現状というのがあるのではないか。したがって、実質的に激励が行われたということがあるのなら、一つで結構ですから出してみていただきたいと思うのです。行われておるという推測でなしに答えてください。
○木下政府委員 ただいま申し上げましたように、具体的な事例を私、把握しておりませんので、後ほど調べまして先生に報告を申し上げたいと思います。
○吉岡分科員 具体的に出てくるのかどうかわかりませんが、非常に難しい問題なのですよ。従来は個人ではなく差別発生の経緯や局としての取り組み、そしてその決意といいますか、そういうものをおる職員全体の中で述べ合い、そしてまた局長の方もこうだというふうに、そういうことが真剣に営みとして行われれば、私は、やはり啓発にもなるしお互いに学習にもなっていく、そういうことが大事だというように思うわけであります。それを、個人を、ちょっと来いや局長室に、まあまあ、君なあ、宣言したんだから大変だろうなどという話が本当にいいのかどうか、このことについて私は大変な問題だということを指摘しました。要するに、宣言した職員を管理者は激励をするということは、ある意味では差別用語ではないかとさえ思うというところまで見解を申し上げたはずであります。したがいまして、私は、今申し上げたように、職員が差別なく働ける条件整備にどのように努めていくのかということが非常に重要な課題であります。 私は、そういう立場から、この件に関しまして、前郵政大臣でございました関谷大臣から、疑問点があるので見直しを検討するというふうに答弁をいただいております。その後、この件について、いわゆる丙一二四号について近畿郵政局をどのように指導され、また、どのように改善を図ろうとされておるのか、その後をお聞きしたいと思うのです。
○木下政府委員 丙一二四号の問題でございますが、このことについて委員からさきに非常に誤解を受けやすいということを御指摘受けたわけでございますが、確かに前関谷大臣からるる検討してみたいというふうにおっしゃったように記憶いたしております。質問の趣旨を私どもも近畿郵政局に直ちに伝えております。現在、近畿郵政局におきまして、先生の御質問の趣旨を踏まえて鋭意検討をしていると理解しております。具体的な作業を進めていると私は承知いたしております。
○吉岡分科員 関谷郵政大臣が見解を、検討するという方向で言っていただきました。ここまで質問すれば、渡辺郵政大臣もどういう背景そしてまた何を問題にしているのかということについて大体御理解をいただいたと思うのですが、大臣としても、この丙二一四号通達について見解があればおっしゃっていただければ非常にうれしいのでございます。
○渡辺(秀)国務大臣 承っておりまして、極めてこの問題は基本的人権の問題でありますから、ただいま官房長が答弁いたしましたように、近畿において検討しているということでございますし、具体的な作業を進めているということでありますから、私も早急に、これは本当に私自身真摯に取り組んでまいります。具体的な例もちょっとお答えできないようで、まことに私も申しわけないと思いました。どうぞひとつ、しばらく時間をいただきたい、こう思います。
○吉岡分科員 関谷大臣も言っておられましたけれども、渡辺大臣も慎重に検討したいということでございますので、検討結果についてまたお聞かせをいただきたい、こう思います。 さて、そこで、大臣にお聞きしたいと思うのですけれども、郵政省の同和研修啓発、つまり同和対策の推進について質問をしたいと思います。 昨年十二月十一日に地対協の方から最終意見具申が出されました。その積極的な部分を取り上げてみますと、今後とも法的措置が必要であるということで五年延長、さらに二つ目には、しかるべき時期に部落の全面的な実日調査、国民の意識調査が必要である、あるいは一つ目には、今後の同和対策のあり方を審議する機関が必要である、四つには、就業対策、産業の振興、教育、啓発等に重点を置いた積極的な推進が重要課題である、五つには、部落問題は憲法に保障された基本的人権の問題であり、国、地方公共団体、国民が一体となった取り組みに尽くすべきだ、こういうような大綱的な内容になっているわけであります。 郵政省の方も真剣にお考えいただいていると思うのでございますけれども、何といっても、三十万五千人、しかも全国に二万四千局という非常に大きい公務員の方々がいらっしゃる組織であります。加えて、貯金にしろ、郵便にしろ、さらに保険ですか、そのどの業務をとってみましても、サービス事業であり、国民の皆さんと直接接しながらの事業だということでございますから、その重要性というのは非常に大きいし、私たちも関心を持たざるを得ない、このように思うところでございますので、ぜひ大臣の方から、郵政省としてのいわば最終意見具申に対します見解をお聞かせいただければありがたいと思います。
○渡辺(秀)国務大臣 先ほど申し上げましたように、同和問題は憲法によって保障された基本的人権にかかわる極めて重要な問題であると認識いたしておりますということをまず申し上げたいと思います。 郵政省としましては、従来から、同和対策審議会答申、地域改善対策協議会意見具申などの精神にのっとり、職員に対する同和問題についての研修啓発施策を積極的に進めているところでございます。これからもまた懸命に努力をいたしてまいります。 昨年十二月の地域改善対策協議会意見具申においても、心理的差別を解消するため、今後の啓発活動の重要性を指摘されたところでございます。同意見具申の趣旨を踏まえまして、今後とも職員に対する効果的な研修啓発の推進により一層努めてまいる所存でございます。
○吉岡分科員 先ほどから近畿のことをよく言ってまいりました。私は近畿が今日まで取り組まれた諸施策が不十分だというようにすべて言おうと思っていません。全国的なレベルからすれば近畿はよくやっていらっしゃったというように思うのですが、最近変わってきているので、その部分について御指摘を申し上げているわけであります。したがいまして、今近畿の中で研修が縮小されたり人権啓発施策が廃止される、こういうこともあるようでございますけれども、私が先ほど申し上げました三十万五千人、二万四千局の人たち、そういう視点から全体的な問題として考えていく場合に、例えば先ほどの丙一二四号指導文書だとか五九〇号の通達というのが妥当であるのかどうかということを申し上げてきたわけであります。 そこで、意見具申に対する見解を大臣に述べていただきましたけれども、どうでしょうか、郵政職員の人権意識のアンケートというのをとられた例があるのかということで聞いてみたのですが、近畿で五万人ということで一九八五年にとっておられるのですね。それぐらいがあるだけでして、その後何もそういうアンケート等もとっておられない。郵政職員三十万五千人に対して一度人権問題についてのアンケートをとってみようじゃないか、こういうような積極的な気持ちになってもらえないのか、あるいは全国的な実態調査というものをやろうというような気持ちになっていただけないのか、ちょっとお聞かせいただきたいと思います。
○木下政府委員 せっかくの今の御提案でございます。私ども、この同和問題だけでなくて、すべての人権の問題について真剣に取り組んでいかなければならないと思っておるわけでございまして、ただいまの御提案についてもひとつ検討させていただきたいというふうに思います。
○吉岡分科員 時間がございませんから、これを最後にしたいと思いますけれども、先ほど言いましたように、近畿は非常に熱心にやってこられたのですが、最近差別事象が続発をするあるいは京都府の亀岡局問題等もあって、少しくスムーズさを欠くような状況というのが出てきておる。したがいまして、この問題は、やはり部落解放同盟ときちんと話し合ったり、あるいは近畿の中にいわゆる部落解放推進委員会、こういうことがありますが、推進委員会も最近開かれてないということを聞いているわけであります。その辺のことを少しく開催をするとか、そういうことの中できちんとした整理が図られるような方向で御努力をいただけないだろうか、こう思うのです。 私がなぜこんなことを言うかといいますと、郵政省というのは同和対策の所管省庁ではないのです。そういうことから安易なことが起こるようでは困るなという気持ちがございますから、あえてそういう機関というのをきちんと大切にしながらいわゆる同和対策を進めていっていただくべきではないのか、こう思っているわけであります。ぜひひとつその辺について、解放同盟との関係、あるいは近畿郵政局内にあります同和対策推進協議会という名前だと思いますが、労働組合等を含めた推進委員会をつくっておられると思いますが、その辺の実情と、そして、もし十分でないとするなら、その辺からひもといていただけないだろうかという要望を申し上げたいと思います。その点について最後に見解をぜひ求めておきたいと思います。
○木下政府委員 まず、解放同盟との話し合いのことについては、前にも委員から御指摘を受けたところでありますが、その御指摘を受けた直後に、近畿郵政局に対しても質問の趣旨も十分伝えまして指導したところでございます。近畿郵政局としては、この前申し上げましたけれども、話し合いを拒否するというようなつもりは毛頭ないので、真摯に対応する、建設的な意見交換ができることを望んでいるということでございます。 それから、もう一つ御指摘になりました同和対策推進委員会、これは内部の職員代表との意見交換ということであろうかと思いますが、この制度があるわけでございますけれども、建設的な意見交換、協議の場として開催するという趣旨でございますけれども、実態に即して申し上げますと、そういった委員会を構成する者の一部に、いわば運動論的に一方的な意見の主張だとかあるいは郵政局に対する攻撃、追及というような態様だとかいうことで、どうもやっているうちに建設的な意見交換の場としては機能しでないような状況が顕著になってきたということでございまして、それで郵政局としても、この推進委員会、こういった部内の職員の代表との意見交換というのは必要なことであるけれども、どうも今のままではうまく機能しないのではないだろうかということで、これら部内関係機関との今後の意思疎通のあり方につきまして、現在近畿郵政局でも総合的に検討しておるというふうに聞いておるところでございます。
○吉岡分科員 部内で三九〇〇号通達で推進委員会というのは開くというふうになっておるわけでございますから、それは、そこをやはりひもといていくということにしないと、郵政省の目的とするところと違うからということで拒否をしておったらなかなかかみ合いませんね。それは、そこで開いて説得をしていく、そしてまたお互いに理解を求めていくという営みがなくて真の同和対策ということはできないのじゃないでしょうか。私は、そういう意味で、解放同盟とも十分話し合いをしていただいて、一日も早い、明るい職場をつくって、気持ちよく仕事ができる、そういう環境をぜひつくっていただきたいことを要望して、終わりたいと思います。
○左藤主査 これにて吉岡賢治君の質疑は終了いたしました。 次に、筒井信隆君。
○筒井分科員 私はきょうは一極集中是正の問題についてお聞きをしたいと思います。 一極集中是正、これが今、日本全体にとっても、大きな課題となっている。過疎と過密の解消、これも大きな課題となっている。過密の地域は過密で苦しんでいるし、過疎の地域は過疎で苦しんでいる。これを解消するために地方の活性化を実現をすることは、別に過疎の地域のためだけではないし、地方のためだけではない、日本全体のためになる、こう考えるわけでございまして、まず、この一極集中是正に対して郵政省としても全力を挙げていただきたいわけでございますが、できましたら郵政大臣、これに関する決意をお願いしたいと思います。
○渡辺(秀)国務大臣 もう全く筒井先生と私も同じ感覚ですし、同じふるさとでの生まれ育ちでございますから、まさにこの一極集中というようなこういう形態になったこと自身が、ある意味においては私は政治のひずみであるのかなと本当に自分でそんな感じを持っております。しかし、これをこのまま放置しておくわけにはまいりませんから、私もかつては自民党の中で実は首都機能移転の金丸委員会に役員として積極的に参画をして、国会の移転等の問題なども真剣に取り組んできた一人でございます。また、社会党からも大先輩の皆さんも一緒に我々机を並べて勉強してきたところでございますが、いずれにいたしましても、私自身は、政治というのは何のためにあるかと言えば、やはり公平と公正のためにあることでありまして、いわゆるある特定の地域でなければ特定のものが得られないというならば、我々郵政省の側から見た場合には、一極集中と言われる大都会でなければ十分な情報が得られないということ自身が、私どもの今の、私の管轄における郵政省の立場からしますと、いわゆるひずみかなというふうに思うのです。どこでも、だれでも、いつでも情報を得られるという環境をつくれば、一極集中も排除される、しかも快適な生活もできる、そしてまた十分な市民生活、心豊かな生活、安堵感のある生活が得られる、こういうことではないかと思いますので、私も委員と全く同じように一極集中を何としても是正をしていかなければならないという政治家としての今の時代における責任と使命を考えて、努力をいたしてまいりたいと思っているところでございます。
○筒井分科員 その一極集中を是正するために今いろいろな方策が考えられてはいるわけでございまして、日本海側の発展をさらに強めるために、環日本海圏構想等も今着手されているところでございます。 きょうその中でも特にお聞きしたいのが、地方拠点都市地域の整備とか産業業務施設の再配置の促進、これに関する構想が出されているわけでございまして、この構想、県知事がその地域を指定するなどの地方の自主性を今まで以上に認めている、六省が共同してやろうとしている、あるいは職住遊学、総合的な一体的な発展を目指す、こういう点で意義のある構想だと思いますけれども、しかしまだ問題点もある。環境問題が今大きな問題になっておりますが、環境問題に関する配慮がやはり足りないのではないか。今までのリゾート法等々問題になった場合と同じ程度の配慮しかしていないのではないか。それから、やはり地方活性化の大きな手段として、相変わらずひもつきの補助金というのが大きな比重を占めているのではないか。あるいは、さらに、この地域の指定の数においても、内容においても、全国同じようなものが結局画一的な形でなされてくる可能性、危険性がある、これらの問題点を有するわけでございます。 この構想についてまず最初にお聞きをしたいのは、この地方拠点都市地域の要件というのが幾つか出されておりまして、そのうち特に三つについてお聞きしたいわけですが、一つは「地域社会の中心となる地方都市及びその周辺の地域の市町村からなる地域であること。」そして二つ目に「自然的経済的社会的条件からみて一体として前条に規定する整備を図ることが相当と認められる地域であること。」そして三つ目が「その地域に係る前条に規定する整備を図ることが、公共施設等の整備の状況、人口及び産業の将来の見通し等からみて、地方の発展の拠点を形成する意義を有すると認められる地域であること。」この三つのなかなか抽象的な要件なものですから、趣旨がどうもはっきりしない。三つの要件のそれぞれの違いとそれぞれの趣旨、これを郵政省としてどう考えておられるか、これをお答えいただきたいと思います。
○白井(太)政府委員 ただいまの御指摘の点は、法案の二条についてのお尋ねでございますが、私どもの理解を簡単に申し上げますと、まず第一に、二条一項二号については、先生御指摘のように「地域社会の中心となる地方都市及びその周辺の地域の市町村からなる地域であること。」という条文になっておるわけであります。これは余り解釈を申し上げる必要もないかと思いますが、それぞれの地方におきまして行政あるいは経済、文化等の中心となるような都市であって、その都市を整備することによりそこがその地方発展の拠点になり得るようなところをイメージしておるわけでありまして、三号とあわせて読みますと、その地方都市とその地方都市を取り巻きます。辺の市町村を一体として整備をするという考え方が法律案に盛り込まれておるわけでございます。 そして、さらに四号におきましては、道路でありますとか公園でありますとか下水などの整備の状況あるいは整備の予定というようなものを考えて、将来の見通しとしてその地域が地方発展の拠点を形成する意義を有する、つまり地方の自立的な成長の牽引力になると申しますか、あるいは地方に定住させるようなもとになる可能性があるかどうかということを考えて、冒頭に戻りますが、地方拠点都市地域というのを考えたいというのが、二条の趣旨であろうかと理解しております。
○筒井分科員 これは拠点都市地域の要件でありますが、知事がその地域を指定する際の一般的なメルクマールにもなるかと思うのですが、そのメルクマールに関して、知事が指定する際のメルクマール、これは各知事が自主的に決めるものですから、中央の方で画一的に細かいところまで決めるべきではないし、決めないでほしいわけですが、ただ法律の趣旨から見て、この地域として指定されるメルクマールというのはある程度は出てくると思うのです。その基準、メルクマールについての説明をいただきたいと思うのです。
○白井(太)政府委員 これは先生も先刻御案内のことでございますが、法律案の三条におきましては国が基本方針を定めるということになっておりまして、その基本方針におきまして、都道府県知事が地域を指定する場合の考え方あるいは基本的な方針について、国の考え方をこの中に一応書き込むということになっておるわけでありまして、実際にはそうした基本方針によってあるいは基本方針を参考にして、都道府県知事は地域の指定をするということになるわけでありますが、率直に申し上げまして、まだ法律案を国会の方に提出させていただいたばかりの段階でもございますので、法律案の成立を待ちまして、関係の省庁、主務大臣として六大臣が法律案では予定されておるわけでございますが、六省庁でもって基本方針の具体的な中身を詰めていくということになりますので、先ほど申し上げましたような二条の条文とあわせてこの基本方針にのっとって都道府県知事に地域を指定していただくということになろうかと思います。
○筒井分科員 手続を聞いたわけではなくて、基準、メルクマールを聞いたわけでございますが、もちろん先ほど申し上げましたように詳しい中身を決めること自体この趣旨に反するわけでございます。ただ、この構想の趣旨から来る、当然出てくるメルクマール、基準というのは当然あるわけでございまして、一極集中を是正をするというのが目的である限り、それがまた各県において各地域において一極集中がまた起こってしまったならば、これはその構想の趣旨に反するわけですから、例えばある県において物すごくぬきんでて発展している地域がある、その地域をさらにまた指定するということは、そこに一極集中をさらに重ねることになりますから、ぬきんでて発展している市、地区がある場合にはやはりそれを除いて、そうじゃない二番目、三番目、こういうところの地域を指定するのがこの構想の趣旨に合うのじゃないかと思うのですが、そういう点をお聞きしたいわけでございます。
○白井(太)政府委員 ただいまの先生が御指摘になりました点については、この法律の条文では特に具体的に何か触れた部分はないわけでございます。ただ、こうした法律案にまとめ上げるまでの段階でいろいろな御意見があったということも事実でございます。 もともとこの法律案というのは、一応都道府県というのを念頭に置きまして、その都道府県の中で何カ所かを先ほど来出ておりますような地方拠点都市地域ということで指定をいたしまして、そこの地域を中心にして都市機能のレベルアップを図るということで結局は我が国全体のレベルを上げていこうというのがねらいであるわけでございます。 したがいまして、県の中でどのような地域を指定するかということについては、そういう目的に沿って知事が判断をするわけでありますが、確かに、ただいま先生がおっしゃいましたように、一つの県の中でも、特定の地域に非常に過度に集中しているところと、逆に、俗な言い方をさせていただきますと、過疎地域と言われるような地域がある。そうしたことにならないような運用をすることが非常に必要だというような御意見もあったように承知をしておりますが、法律ではそこまでは触れておりません。そのような問題は、やはり、知事さんが指定をいたしますときに、同じ都道府県の中でありながらそのような特定の場所に過度に集中するということがその地域で問題になっておるということでありますと、当然知事さんとしてはそういうことを念頭に置いて地域の指定をしなきゃならぬということにもなろうかと思うわけでありまして、この法律の条文の直接の運用ということから出てくる答えではございませんが、その県あるいは府において地域的にどういう問題があるかという全体的な観点から、もし先生の御指摘のような問題があるとすれば、そういうことも念頭に置いて地域の指定を知事がするということになるのではないかと考えております。
○筒井分科員 ほかの省庁にも同じ質問をしたのですが、省庁によって物すごい回りくどい答えをされる方と端的に答えられる方といろいろいるものだと今感心しながら聞いておったのですが、今の点はそれでよろしいとして、各県において一つか二つ指定するというふうに聞いているわけでございますが、これも必ずしも一つ、二つというふうに限定されているわけではないでしょう。それは法律にもそういう趣旨のことは出ていないわけですから、まさに各県一つずつとか二つずつとか、これもまた画一的な形ではこの構想の趣旨に反するわけですから、そういう数に関しても、その都度、場所場所によって判断をしていく、一つないし二つというふうに決めているわけではない、こういうふうにお聞きしてよろしいですね。
○白井(太)政府委員 地域づくりをする場合には、いろいろ予算等の関係もありますので、無限にということは現実的でもないと思いますけれども、確かに、先生御指摘のように、法律の中で地域の数を決めているというようなものではございませんので、これはある程度運用の余地というのがいろいろあり得る点ではないかと考えております。
○筒井分科員 もう一点確認したいのですが、この構想によりますと、県知事が指定をして、そして該当の各市町村が共同して基本計画をつくる、国は基本方針をつくるだけという形になっていますので、やや誤解されそうなのが、県と県をまたがるような、そういう地域指定というのはこの構想から排除されているのかどうか。排除されていないというふうにお聞きしてよろしいですね。
○白井(太)政府委員 その点についても、この法律案の中には実は何も書いてございませんが、法律案をまとめる段階でいろいろ出ておりました意見の中に、ただいまの先生がおっしゃいましたようなお話も出ておりまして、それもあえて否定するという理由はないだろうというふうに私どもは考えております。
○筒井分科員 各市町村が共同してやることについては明文があって、その手続等も簡単ですが幾つか出てきている。これから広域的ないろいろな問題が起こってくるわけですから、各県が共同してやることも条文にも示していいと思いますけれども、少なくとも基本方針の方にはそれはやはり示すべきではないかと思うのですが、その点はいかがですか。
○白井(太)政府委員 私ども六省庁の一つでございますので、私としてどのようにするということはもちろん申し上げられる立場にはございませんが、本日の席で先生からそういう御指摘があったということは、また基本方針についての打ち合わせをするときには何らかの形で他省庁にも御紹介をしたいと思っております。
○筒井分科員 もう一点、基本方針とその条文自体の問題、今とやや似た問題ですが、環境の保全と地価の安定に関して基本方針の項目の中に一つ出ております。しかし、これは今最初に御指摘しましたように、まさに環境問題、地価の問題、非常に大きな問題でございまして、さらには、これはまさに開発の問題ですから、開発と環境との調和の問題というのは非常に大きな問題だ。全地球的にも今環境の問題が大きな問題になっている。環境を守りながら、維持しながらいかに開発していくかというのは、非常に重要な問題だというふうに思うわけです。リゾート法等が、その観点がやや欠けていた。ややどころか大分欠けていた。やはり今度の構想といいますか法案を見てみますと、環境に関してはリゾート法等々と同じ次元の比重しか置いてない感じを持つわけでございまして、もっとこれを法案においてもあるいは少なくとも基本方針においても重視すべきではないかと思いますが、その点どうですか。
○白井(太)政府委員 率直に申し上げまして、その基本方針の具体的な書きぶりについてまだ打ち合わせするというところまで行っておりませんので、基本方針の中で先生が御指摘のようなこと書くのか書かないのかということについて、関係省庁の間で意見がまとまったとかということではございません。ただ、環境とかあるいは地価の問題というのは、それはそれといたしましても、大変重要な問題だということは、これはどなたに伺うまでもないことでありますので、当然、この法律案に基づきましていろいろな計画を進めていくという場合には、御指摘のような点については十分やはり頭に入れてやっていく必要があろうと思います。
○筒井分科員 郵政省プロパーの問題についてお聞きをしますが、この構想の中で、地域の電気通信の高度化を促進するための措置、これが予定をされておりまして、この中身についてどういうことを考えておられるか、それを御説明願いたいと思います。
○白井(太)政府委員 冒頭筒井先生おっしゃいましたように、多極分散を進めると申しますか、首都圏の一極集中の是正を図るということは、今日においては我が国の国民的な課題であるとも言っていいかと思いますが、こういう御時世の中で、かねてから私どもといたしましては、地方への分散を進める上では、地方における情報通信基盤の整備というのが非常に大切だということをいろいろなところに訴えてまいりました。特にこれから情報化が進むと言われる今日におきましては、そうした情報基盤の整備ということを抜きにして地域の整備というのはできないのじゃないかというようなことも言ってきたわけでありまして、いわばそうした私どもの考え方をこの法律案の中には取り入れていただいたということでございます。 したがいまして、あえて申しますと、私どもの希望といたしましては、それぞれ都道府県で地域が指定され、その地域において市町村が具体的な整備計画を立てるときには、これからは情報化時代ですよということを念頭に置きまして、十条に書いてありますような、電気通信の高度化を促進しなきゃいかぬということを念頭に置いていろいろな具体的な計画をつくっていただきたいということでありまして、具体的な施策としては、今の段階ではっきり申し上げられることは、私どもいろいろ地域振興施策というのを、ずっと幾つかの種類の施策というのをここ数年来続けてきておりますので、そのようなものも織り込んだ形での基本計画にしてほしいというのが希望でございますが、具体的にそういう地域がはっきりして、あるいは関係の市町村といろいろな事実上の連絡をとるというようなチャンスができましたときには、そういうような具体的な高度化のアイデアみたいなものについても市町村にお話をするというようなこともできるのではないかと期待しておるわけでございます。
○筒井分科員 この構想の一つの特色として、生産施設を地方に持っていくということだけではなくて、オフィス等も重点的に持っていきたい、こういうことが出ているわけでございます。その場合に、なおさら今の情報通信の重要性というのは高まるわけでございますが、その措置を地域の電気通信の高度化を促進するための措置として、それらの機能を有する共同利用施設の整備及び管理の事業を行う者に対して必要な資金の出資等を行う、これも予定されているようでございますが、その中身についての説明をお願いします。
○白井(太)政府委員 先生に対して、釈迦に説法するようで大変申しわけございませんが、新しい町づくりを地方において行う場合には情報通信基盤の整備がぜひ必要だということを申し上げてきたということは先ほど申し上げたとおりでございますが、それとあわせて、地方分散を図るということから考えますと、企業あるいは事務所等の地方進出がなかなか進まない理由として、やはり地方に参りますと情報に疎くなる、あるいは情報へのアクセスが難しくなるということを挙げるところが大変多いようでございます。情報通信手段あるいは電気通信手段でもってすべての問題が解決できるというわけではもちろんありませんけれども、企業活動の一部の部分等につきましては、情報通信の手段がきちっといたしますと、平たく申し上げますと、あたかも東京の中にいるのと同じように仕事ができるという部分もかなりあると思うわけでありまして、そういう意味で実は事業所であるとか事務所等の地方への移転を積極的に進めるためには情報通信手段の整備というのはもう不可欠だというようなことも考えているわけでございます。そして、平成四年度の予算につきましては、この法律案の中に盛り込ませていただきましたような通信・放送機構を通じて、ただいま先生がおっしゃいましたように、共同利用施設をつくる場合に、つくる人に対して出資をするというような道をこの法律でもって開こうということにしたわけでございます。
○筒井分科員 この構想がまさに成功するかどうかは、先ほどから申し上げております地方の自主性を本当に運用の上においても尊重する形でなされるかどうか、法においては県知事が指定したり今までになかった点があるわけでございますが、それをさらに基本方針に限らずいろいろな行政指導で県知事の指定等に関して介入すれば、実質上運用によってその趣旨が否定されるわけでございまして、さらには先ほど申し上げました環境との調和の問題、この二点が非常に大きな問題でございまして、環境と調和しながら地方の活性化を図っていく、この二点を運用の点においても現実に実現できるかどうか、これが大きな成功の条件になっているわけでございます。郵政大臣、その二点に関する決意といいますか、それをお願いしたいと思います。
○渡辺(秀)国務大臣 今筒井委員がおっしゃったとおりだと私も思います。特別全く意見は違いません。 環境問題、そしてまた地方の自治体自身の自助努力、そしてまた地方自治体といいましょうか地方の特殊性、特質性、特徴、そういうものがやはり生かされていく拠点都市でなければいけないと思うのです、みんな同じような拠点都市をつくったのでは同じことですから。そういう意味では、知事あるいは地方自治体の長の考え方というものが、この法律の中で出されているその精神を大いに吸収されて、そして間違いのない地域づくりあるいはまた地域指定という方向に行くべきだ、全く同感の趣旨を私は申し上げておきたいと思います。
○筒井分科員 少し時間がありますが、大分延びているようでございますから、協力する趣旨で、これで終わりたいと思います。
○左藤主査 これにて筒井信隆君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして郵政省所管についての質疑は終了いたしました。 これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。 この際、一言ごあいさつ申し上げます。 分科員各位の熱心な御審議と格別の御協力によ りまして、本日ここに本分科会の議事がすべて終了することになりました。深く感謝申し上げます。 これにて散会いたします。 午後六時五十六分散会