予算委員会第四分科会 第1号
- 発言数
- 450 件
- 登壇者
- 47 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/03/11
会議録
○戸井田主査 これより予算委員会第四分科会を開会いたします。 本分科会は、厚生省及び労働省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算及び平成四年度政府関係機関予算中厚生省所管について、政府から説明を聴取いたします。山下厚生大臣。
○山下国務大臣 平成四年度厚生省所管一般会計及び特別会計予算の概要について御説明申し上げます。 平成四年度厚生省所管一般会計予算の総額は十二兆七千六百七十億円でありまして、これを平成三年度当初予算額十二兆一千八百十九億円と比較いたしますと五千八百五十一億円、四・八%の増加となっており、国の一般会計予算総額に対し一七・七%、一般歳出に対し三三%の割合を占めております。 平成四年度一般会計予算につきましては、公債発行額を可能な限り抑制するため、さらに歳出の徹底した見直し、合理化に取り組むという方針のもとに編成されております。 厚生省予算につきましては、そのような厳しい財政事情のもとにあっても、国民が豊かさを実感できる生活基盤の確保や健康で安心して暮らせる長寿・福祉社会づくりを進めるため、廃棄物処理対策等を積極的に推進するとともに、保健医療・福祉サービスを担う人材の確保対策の拡充を図ることといたしております。 また、第三年次を迎える「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の着実な実施、障害者の一層の社会参加を推進するためのきめ細かな施策の充実、次代を担う子供が健やかに生まれ育っための環境づくりや医療保険制度の安定的運営など緊急を要する行政課題に対処する諸施策についても、必要な予算を確保したところであります。 この機会に委員各位の御支援に対し衷心より感謝申し上げますとともに、今後とも国民の健康と福祉の向上を図る厚生行政の進展に一層の努力を傾注する決意でありますので、どうぞよろしくお願い申し上げます。 以下、平成四年度厚生省予算における主要施策につき御説明申し上げます。 第一に、ごみ排出量の増大等廃棄物の処理問題に適切に対応するため、第七次廃棄物処理施設整備計画に基づき、所要の施設の計画的整備を推進するとともに、ごみの減量化・再生利用を積極的に実施するため、廃棄物再生利用等推進事業の創設等を行うことといたしております。 また、産業廃棄物処理施設の整備を促進するため、NTT株式の売却収入を活用した融資制度及び施設整備資金の借り入れについての債務保証制度を導入し、産業廃棄物の適正処理の一層の推進を図ることといたしております。 さらに、水道施設につきましても、安全でおいしい水を安定して供給するため、引き続き所要の施設の整備等を推進することといたしております。 第二に、保健医療・福祉人材確保対策について申し上げます。 二十一世紀の長寿・福祉社会にふさわしい保健医療・福祉サービスの実現のため、看護職員やホームヘルパー、社会福祉施設職員について、就業の促進、養成力の強化、処遇の向上や勤務条件の改善等を図ることといたしております。 具体的には、看護職員につきましては、就業の促進を図るための都道府県ナースセンターの創設、看護婦等養成所施設整備の大幅な増額等を図ることといたしております。 また、ホームヘルパーにつきましては、勤務形態にふさわしい処遇という観点から、常勤ホームヘルパーの手当額の大幅な引き上げを図るほか、民間の常勤ホームヘルパーについて、退職手当共済制度を導入することといたしております。 さらに、社会福祉施設職員につきましては、業務省力化を推進することにより勤務時間を短縮し、本年十月から、週四十二時間勤務体制を実施することといたしております。 第三に、高齢化社会をすべての国民が安心して老後を送ることができるように、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」に基づき、ホームヘルプサービス事業、老人デイサービス事業等のいわゆる在宅三本柱や特別養護老人ホーム、老人保健施設等の整備について大幅な拡充を図るほか、高齢者介護に対する幅広い取り組みを進めるため、身近なところで介護を体験し、介護の知識や技術を体得できる介護実習・普及センターを創設するなど、高齢者の保健福祉施策の一層の推進を図ることといたしております。 また、老人保健事業については、平成四年度を初年度とする第三次計画を推進することとし、大腸がん検診や基本健康診査とがん検診を同時に実施する総合健康診査方式等を新たに導入するとともに、健康教育や健康相談等の充実を図ることといたしております。 さらに、高齢化の進展に伴って増大する痴呆等の予防や治療及び研究を総合的に推進するため、長寿科学医療体制確立のための国立病院施設の整備に着手することといたしております。 このほか、痴呆性老人対策、長寿科学総合研究等の大幅な拡充を図ることといたしております。 第四に、障害者及び児童福祉対策について申し上げます。 障害者福祉対策につきましては、障害者が家庭や地域の中で自立し、社会参加ができるような条件を整備するため、障害者等の移動を容易にするためのリフトつき福祉バス運行事業を新たに実施するなど障害者の明るいくらし促進事業の拡充を図るほか、車いすを常用する障害者の二次的障害を予防するための健康診査事業及び精神薄弱者社会活動総合推進事業等を新たに実施することといたしております。 児童福祉対策につきましては、家庭や子育てに関する国民的論議を展開するため、新たに国、都道府県に児童環境づくり推進協議会を設置するなど児童環境づくりの総合的な推進を図るほか、地域における児童健全育成の拠点の整備や放課後児童対策の拡充を図るなど児童健全育成対策を推進するとともに、児童手当の充実を図ることといたしております。 第五に、医療保険制度につきましては、政府管掌健康保険につきまして、中期的財政運営の安定を図るという観点から、事業運営安定資金の創設、保険料率及び国庫補助率の引き下げ、分娩費等保険給付の改善等を内容とする制度改正を行うことといたしております。 また、国民健康保険助成費につきましては、市町村。職員の給与費等について一般財源化を図り、この際には、円滑かつ適正な国民健康保険事業の運営に万全を期するため、所要の措置を講ずることといたしております。 さらに、診療報酬の改定につきましては、医業経営の安定や医療費適正化の見地のほか、看護婦等の処遇改善にも十分配慮し、本年四月から五%の引き上げを実施することといたしております。 以上のほか、年金額等の引き上げを行うとともに、成人病予防・健康づくりと疾病対策、有効で安全な医薬品等の確保対策、食品等の安全対策、戦傷病者戦没者遺族等援護対策、原爆被爆者対策、WHO等を通じた国際協力などの諸施策の推進を図ることといたしております。 以下、厚生省所管一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げるべきではございますが、委員各位のお手元に資料を配付いたしてございますので、お許しを得て説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞ、格別の御協力を賜りますようよろしくお願い申し上げる次第であります。
○戸井田主査 この際、お諮りいたします。 厚生省所管関係予算の重点項目についてはいその説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○戸井田主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔山下国務大臣の説明を省略した部分〕 次に、平成四年度厚生省所管一般会計予算の概要を主要経費別にご説明申し上げます。 第一は、社会保障関係費のうち、生活保護費であります。 生活扶助基準につきまして、国民生活の動向等を勘案し、平成三年度に比し、三・一%引き上げることとしたほか、教育扶助基準等の改善を行うこととし、総額一兆六百十三億円を計上いたしております。 なお、生活保護につきましては、引き続き制度の趣旨に沿って適正な運用を図ることといたしております。 第二に、社会福祉費であります。 老人福祉対策につきましては、主要施策で申し上げました在宅三本柱をはじめとする諸施策の一層の推進を図るとともに、新たに小規模デイサービスセンター及び痴呆性老人が毎日通所できるデイサービスセンターを創設するほか、チーム方式によるホームヘルプ活動及び福祉人材情報センター等の拡充強化を図ることといたしております。 心身障害者等の福祉対策につきましては、障害者の自立や社会参加のための都道府県身体障害者社会参加促進センターを拡充するとともに、在宅障害者デイサービス事業、精神薄弱者地域生活援助事業の充実等を図るほか、「国連・障害者の十年」を記念する各種事業を実施することといたしております。 また、「住みよい福祉のまちづくり」事業、日常生活用具給付等事業、心身障害児通園事業等を拡充強化することといたしております。 家庭支援・児童健全育成対策につきましては、今後の我が国を担う児童が健やかに生まれ育つための環境づくりを推進するため、引き続き「二十一世紀の子どもと家庭フォーラム」を開催するとともに、父子家庭等児童夜間養護事業、ひきこもり・不登校児童福祉対策モデル事業の拡充等総合的な施策を推進することといたしております。 保育対策及び母子・寡婦等福祉対策につきましては、新たに、育児休業明けの児童を保育所に円滑に受け入れるための年度途中入所対策事業を実施するほか、乳児保育、障害児保育等の一層の充実を図ることといたしております。 また、児童扶養手当の引上げを図るほか、妊産婦の育児不安の解消に資するための出産前小児保健指導事業を新たに実施するなど市町村における母子保健事業の充実を図ることといたしております。 社会福祉施設整備につきましては、「高齢者保健福祉推進十か年戦略」に基づき、所要の施設の整備の促進を図るとともに、待機者の多い重度障害者施設について緊急に整備をすることといたしております。 また、社会福祉施設の運営の改善につきましては、職員の勤務条件の改善等を進めるとともに、生活費の引上げ等入所者の処遇改善、入所定数の増加等を図ることといたしております。 以上のほか、地域における民間社会福祉活動を推進するため、地域社会のボランティアを活用したふれあいのまちづくり事業、学童・生徒のボランティア活動普及事業等の拡充強化を図ることとし、また、婦人保護事業及び地域改善事業の実施等につきましても所要の措置を講ずることといたしております。 以上申し上げた社会福祉費の総額は二兆八千百八十八億円であります。 第三は、社会保険費であります。 まず、社会保険国庫負担金でありますが、政府管掌健康保険につきましては、主要施策で申し上げた中期的な財政運営の安定を図るための措置等を講ずることとし、平成四年度から、保険料率について、千分の八十四を千分の八十二に引き下げるとともに、国庫補助率について、老人保健拠出金に対する国庫補助率は、現行の十六・四%に据え置くこととし、保険給付費に対する国庫補助率は、十六・四%を十三%に引き下げることといたしております。 さらに、標準報酬の上・下限の改定、分娩費の最低保障額の引上げ等を行うほか、引き続き医療費支出の適正化対策を進めることとして、八千五百七十五億円の国庫補助繰入れを計上いたしております。 また、船員保険につきましては、標準報酬の上・下限の改定、分娩費の最低保障額の引上げ等を行うこととして、七十二億円の国庫補助繰入れを計上しており、総額九千六百九十二億円を計上いたしております。 次に、厚生年金国庫負担金につきましては、本年四月から三年暦年の消費者物価上昇率に応じて年金額の引上げを行うこととして二兆六千六十億円を計上いたしております。 次に、国民年金国庫負担金でありますが、国民年金につきまして、本年四月から、厚生年金と同様、拠出制国民年金額及び基礎年金額の引上げを行うことといたしております。 また、福祉年金につきましても、同様に、本年四月から年金額の引上げを行うことといたしております。 これらの結果、国民年金特別会計への繰入れに必要な経費として一兆五千三百八十六億円を計上いたしております。 国民健康保険助成費につきましては、引き続き医療費支出の適正化対策を進めることとし、療養給付費等負担金一兆八千八百十四億円、療養給付費等補助金二千四百八億円及び財政調整交付金四千七百六十四億円を計上することとして、総額二兆六千三十五億円を計上いたしております。 以上のほか、健康保険組合の助成につきましては、運営の安定化対策を講ずることといたしております。 さらに、児童手当国庫負担等に要する経費を含め社会保険費の総額は七兆七千七百五十一億円であります。 第四は、保健衛生対策費であります。 本格的な高齢社会を活力あるものとしていくため、積極的な健康づくりや成人病の発生予防を図って行くことが重要となっております。 このような見地から、運動習慣の普及を重視した健康づくり対策を積極的に推進するとともに、歯の健康づくり対策として、八十歳になっても自分の歯を二十本以上保つことを目標とした「八〇二〇(ハチマルニイマル)運動」を推進することといたしております。 また、老人保健事業につきましては、「老人保健事業第三次計画」に基づき、健康教育、健康相談、機能訓練等の拡充を図るほか、地域における「寝たきり老人ゼロ作戦」を効果的に展開するための「寝たきりゼロ推進本部」を全都道府県に設置するとともに、保健婦等による寝たきり者に対する訪問指導事業等の充実を図ることといたしております。 看護婦等の養成等確保対策につきましては、主要施策で申し上げた都道府県ナースセンターの創設をはじめとする諸施策の推進のほか、養成所運営費、貸費生貸与費及び有子看護婦確保事業等の拡充強化を推進することといたしております。 地域保健医療対策につきましては、まず、救急医療対策につきまして、引き続き初期、二次及び三次救急医療体制を整備するとともに、救急現場医療確保事業等の充実を図ることといたしております。 へき地保健医療対策につきましては、へき地中核病院を中心としたへき地保健医療対策を推進するための諸施策の充実を図ることといたしております。 精神保健対策につきましては、精神障害者地域生活援助事業を創設するなど精神障害者の社会復帰対策の充実を図るほか、新たに、重症措置患者専門治療病棟の整備を進めることといたしております。 特定疾病対策につきましては、がん、循環器疾患、難病等に関する研究費の充実、専門医療機関の整備を進めるとともに、引き続き腎移植推進体制の整備、エイズ対策及び結核対策の推進を図ることといたしております。 また、骨髄移植対策につきましては、引き続き骨髄提供希望者登録等事業の充実を図るとともに、新たに骨髄提供者確保事業を実施することといたしております。 原爆被爆者対策につきましては、医療特別手当等各種手当を引き上げるとともに、健康診断の充実を図るなど原爆被爆者対策の推進を図ることといたしております。 以上のほか、保健所の運営につきましては、その活動の充実を図るために必要な経費を計上したほか、公的病院の助成費、保健・医療施設の整備、食品等の安全対策、血液対策推進費、麻薬・覚せい剤対・策費などの経費を計上いたしており、保健衛生対策費の総額は六千四百一億円であります。 第五は、恩給関係費のうち、遺族及び留守家族等援護費であります。 戦傷病者戦没者遺族等の援護対策につきましては、遺族年金等について恩給の引上げに準じて額の引上げを行うとともに、ソ連抑留中死亡者等の遺骨収集、慰霊巡拝等の慰霊事業を実施することといたしております。 また、中国残留孤児等の援護対策につきましては、自立支援体制の強化を図るための就労安定化事業の実施等の充実を図ることといたしております。 これら、遺族及び留守家族等援護費として、総額一千二百七十二億円を計上いたしております。 第六は、公共事業関係費のうち、環境衛生施設整備費であります。 廃棄物処理施設整備費につきましては、ごみ処理施設、最終処分場、合併処理浄化槽等の積極的な整備を行うとともに、特に、再生利用を円滑に行うための廃棄物再生利用施設の整備の拡充を図ることとして九百八十四億円を計上いたしております。 水道施設整備費につきましては、新たに、海水淡水化施設を補助対象とするなど簡易水道及び水道水源開発等の整備を引き続き推進することとして一千百二億円を計上いたしており、環境衛生施設整備費の総額は二千八十六億円であります。 以上、平成四年度厚生省所管一般会計予算の概要を申し上げました。 次に、平成四年度厚生省所管特別会計予算について申し上げます。 第一に、厚生保険特別会計につきましては、政府管掌健康保険につきまして、中期的財政運営の安定を図るための措置を講ずることとし、一般会計から三兆六千百二十二億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上いたしております。 第二に、船員保険特別会計につきましては、一般会計から七十二億円の繰入れを行い、歳入、歳出予算を計上いたしております。 第三に、国立病院特別会計につきましては、一般会計から二千四百六億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上いたしております。 第四に、国民年金特別会計につきましては、一般会計から一兆五千三百八十六億円の繰入れを行い、各勘定の歳入、歳出予算を計上いたしております。 以上、平成四年度厚生省所管特別会計予算について申し上げました。 何とぞ、格別のご協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。 ―――――――――――――
○戸井田主査 以上をもちまして厚生省所管についての説明は終わりました。 ―――――――――――――
○戸井田主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑時間はこれを厳守せられ、議事の進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。真鍋光広君。
○真鍋分科員 本日は、古くて新しい課題でございます医薬分業というものにつきまして、少しく御質問申し上げたいと思うわけでございます。 といいますのは、御当局初め関係者の御努力によりまして、医薬分業というものが大変順調に進み始めたということでございますが、そういう中でいろいろ隆路がまた出てまいるわけでございまして、薬局に期待がかかる分、今度は薬剤師さんがそういうところに円滑に配分、配置されるかどうか。そこの薬剤師不足という問題が地域によりましては深刻になり始めておりまして、そういった意味合いで、ひとつこのあたりについてお伺いしたいなというのがきょうの目的の一つでございます。 昭和三十一年の改正で、医師法、薬事法で原則として医薬分業ということを定めたわけでございますけれども、それがなかなか進まない。主要先進国の中では一般的にこの医薬分業が行われていないのは日本だけだ、こんなことも言われておったわけでございます。そういうことで、昭和五十年以前ではわずか一%分業と言われたような状況でございまして、昭和四十九年十月の保険診療報酬改定で処方せん料が大幅に引き上げられた。この結果、医薬分業が進むその緒についたものと思われますけれども、そういう中で調剤実施保険薬局の割合は、全体の中で四十九年度は二一・七%でございましたのが平成元年では五〇・五%、つまり、半分以上が調剤実施保険薬局ということになってまいったわけでございまして、この間の各方面の御努力は本当に多とするものでございました。全国平均で一二%まで上がってきておる。かつての一%が一二%まで上がってきておるということでございます。 そういう中で、さらにこれをどんどん進めてまいらなければならないわけでございますが、これまで進めてこられた施策につきまして、少しくその評価を交えて御説明いただきたいと思うわけでございます。
○川崎政府委員 医薬分業の進捗状況につきましては、ただいま先生からもお話がございましたように、この分業の進捗状況を示します院外処方せんの発行枚数、これが四十九年度では約七百三十万枚、こういった状況でありましたものが、処方せん料の大幅な増額、これを契機にいたしまして著しく増加いたしまして、昭和五十九年度には一億枚を突破いたしたわけでございます。 その後、昭和六十年度からは、私どももモデル地域を設定いたしまして医薬分業の推進を図ってまいりまして、院外処方せんはここ数年毎年六%ないし七%の伸びを示しております。平成二年度には約一億四千五百万枚に達しております。お話しございましたように、これは外来投薬全体の一二%というふうに推定されます。 こういったような状況にあるわけでございます。
○真鍋分科員 医薬分業を推進したその直接の契機になったものはどういうことですか。ただいまの話では処方せん料の引き上げということでございましたけれども、そのほかにいろいろあると思うのですが、いかがでしょうか。
○川崎政府委員 医薬分業が進展するというためには、地元の三師会の方々を初めといたしました地域の方々の御理解が何といっても大事なことでございます。薬剤師会を中心に医薬分業の推進にいろいろ御努力された、こういったことが一つ大きなことではなかろうかと思います。 一方、私ども厚生省といたしましても、従来よりモデル地域を設定いたしたりいたしまして、医薬分業が推進できるような促進事業を図ってまいったというようなことでございます。
○真鍋分科員 薬価基準の引き下げ、これはやはり大きな要因であったろうと思うわけでございます。 それからまた、妙な話ですけれども、結局、保険診療報酬、つまり収入の税法上の概算経費控除の話、これは五千万円以上は実額経費の控除でいこう、こういうことになったのがかなり影響して分業を進めたんじゃないか、こういう話も言われておりますけれども、そのあたりはどう評価しておられますか。
○川崎政府委員 率直に申し上げまして、ただいま先生がお挙げになりましたようなことについて、私どもも明らかな評価というものをちょっとできかねております。
○真鍋分科員 そういう中で一二%まで参ったわけでございます。私の地元でございます香川県では、これが四、五%という水準でございます。ただ、香川県は四国の玄関口ということで、製薬会社の四国支店というのがたくさんあるわけでございまして、そこに薬剤師を配置しなきゃいかぬということもございます。新卒者は皆さんやはり給料のいいところを目指したりあるいは職場環境がいいところというのを目指すものですから、そちらの方にしっかり就職されて、調剤薬局さんの方にはなかなか人が回ってこない、こういう話がございます。それで、とにかくそういうことではいわゆる面分業というもの、それを進めていく上でやはり非常に大きな阻害要因になるんではないか、こんなことで本当に心配をいたしておるわけでございます。 一方で薬科大学の卒業者というのを見てみますと、私の目にはそれほど定員がふえているようにも思えないわけでございまして、こちらをどうするか。定員問題をどうするかという話はございますが、また一方で薬剤師の資格を持った方はたくさんいらっしゃるわけでございまして、いわゆる睡眠と申しますか、そういう形で資格を持ちながら、有効に生かされていないという方々がおいでになる。このあたりを発掘といいますか、活用していくということが大事だと思うわけでございますけれども、厚生省においてはどのように考えておられますか。
○川崎政府委員 ただいま先生が御指摘なさいましたとおりでございまして、年々八千人程度の薬剤師がふえているわけでございますけれども、実際に薬局に勤務していただく薬剤師さんというのは少ない。特に医薬分業が進んだ地域においては薬剤師の確保が難しくなっている、こういったような話を聞いております。しかし一方では、御指摘のように未就業の薬剤師が相当数いるということも見込まれますので、これらの積極的な活用ということが大変重要であると、いうふうに考えているわけでございます。 こういったようなことから、平成四年度より、家庭に入っておられます女性の薬剤師さんを初めとする未就業の薬剤師さんにつきまして、その現状を把握いたしますとともに、これらの方々を雇用に結びつけるための研修方法等について検討いたしたい。こういうようなことを通じまして、未就業の薬剤師さん方の発掘というようなことをやってまいりたいということを考えておるわけでございます。
○真鍋分科員 確かにこの問題は重要な問題でございまして、卒業者の就職ぶりを見ましても、製薬企業に向かうのが昭和六十二年には二九・七%であったのが平成二年では三六・八%ということになっておりますし、一方で開局薬局の場合は、同じく昭和六十二年には一〇・五%であったものが平成二年には五・八%ということで、落ちておるわけでございます。したがって、定員ということの増がないとすれば、やはりそういった隠れた表に出てきていない資格者を何とか活用する御努力をぜひひとつお願いいたしたい、このように思うわけでございます。 そこで、ひとつ文部省に伺いたいのでございますけれども、医薬分業を担う質の高い薬剤師さんというものを確保していかなければならぬわけでございますが、この定員につきまして、どのような考えでこれまでやってこられたのか、今後考えるのか、このあたりを伺いたいと思います。
○喜多説明員 お答えいたします。 現在、薬科大学は国公私立合わせまして四十六大学ございまして、入学定員が七千七百三十名でございます。 薬科大学の入学定員につきましては、私立薬科大学協会から新増設の抑制という要望もございましたことや、あるいは昭和五十九年以降関係の大学から定員増の申請がなかったというようなことがございまして、ずっとふえてこなかったわけでございますが、平成四年度予算案におきましては、東京大学薬学部の入学定員を十名増するということを計上いたしておるところでございます。 薬科大学の定員につきましては、今後卒業生に対する需要動向、これを踏まえまして、関係団体の意見も伺いながら対処してまいりたいと考えておるところでございます。
○真鍋分科員 町のお医者さん、特に薬剤師の先輩方に言わせますと、やはり学校の薬学部の教育というものを、薬学教育というものをもう少し実態に合わせて考えなければいかぬのじゃないかということを言っておるわけであります。といいますのは、製造業学教育というものに偏しておるのではないのかという言い方をいたしております。つまり、保険調剤などについての教育がなされていないというような言い方をしておるのですが、その点はどうですか、真偽のほどは。
○喜多説明員 薬学教育についてでございますけれども、医薬分業が進むことに対応いたしまして、薬剤師の資質向上、これが一層強く求められておることは先生御指摘のとおりでございます。多くの大学におきまして、病院における調剤であるとかあるいは医薬品管理等の実習というのを実施するなど、実践的な教育というものに取り組んでおるところでございまして、昨年七月大学設置基準の改正を行いまして、各大学が特色あるカリキュラムを組めるよう、大学設置基準を大綱化、弾力化したところでございまして、現在各大学におきましてカリキュラム改善というものが行われておるところでございます。 医薬分業が進むことに対応いたしまして、薬剤師の資質の向上というのが一層求められておるところでございますので、その線に沿ったカリキュラムの改善というものを機会あるごとに促してまいりたいというふうに思っておるところでございます。
○真鍋分科員 今後、面分業を進めていく上で開局薬局の重要性というものは極めて高いわけでございますから、そういった意味合いにおきまして、薬局について、さらにまた保険調剤について、しっかりとその面でも教育を充実させるように、ひとつ御希望を申し上げておくわけでございます。 そこで、大臣に医薬分業にかける御決意をひとつぜひお伺いしたいと思うのです。 といいますのは、医薬分業というのは何が目的なのかということでございます。それはやはり患者サイドに立って、患者にとって過剰な投薬をされたりしない、あるいは便利さといいますか、利便を増進させるという観点からでございましょうし、また、地域の薬局の調剤技術をさらに高める方向で努力をいただきたいと思うし、さらにまた薬剤師の養成、そういったものもしっかり考えてほしい、このように思うわけでございますが、分業にかける大臣の御決意を伺いたいと思います。
○山下国務大臣 医薬分業は、医師、歯科医師、薬剤師がそれぞれ専門的な知識を持っておられるのでございますから、それを十分に発揮してもらうことによって、医療の資質の向上を図るということでございます。 今後とも関係者の理解と協力を求めながら、医薬分業を一層推進してまいりたいと思っております。
○真鍋分科員 次に、中国残留孤児の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。 残留孤児の問題は、日本の第二次世界大戦の残した傷跡の数々ある中の非常に深い傷の一つでございまして、何としても母国である日本としてこれは温かく受け入れて、我々の過去に対してやはり一生懸命それを償っていく、そういった気持ちが何より大事だと思うわけでございます。 そういった意味合いにおきまして、昭和五十六年三月の第一次訪日調査から始まりまして、過去二十二次にわたって孤児の訪日調査をやっておられる。そして、孤児総数二千四百十六人のうち千八百十三人が訪日をされ、そのうち身元判明者が六百三十一人ということでございまして、成果を上げておられる。そしてまた、永住帰国者が千五百三十九名、そのうち判明者が六百七十名で、未判明者は八百六十九名、こういうことでございますが、こういう形で帰られましたこの方々の定着自立の状況というのはどうなっておるのですか。とりわけ就職の問題、住宅の問題、こういったことを含めて、ひとつお答えいただきたいと思います。
○多田政府委員 中国残留孤児の定着自立の状況でございますが、私ども、全国四カ所の中国帰国孤児定着促進センターの入所を初めといたしまして、全国十五カ所の都市に中国帰国者自立研修センターというのを設置して、そこへの適所もしくは自立指導員の派遣といったようなことを行って、日本語または生活指導等を指導いたしまして、きめ細かい自立支援体制を組んできたという状況でございます。 元年に調査いたしました結果では、帰国後三年を経過すると六五%の世帯が生活保護から脱却している。それから、日本へ帰ってきてよかったかどうかということを聞いたところ、三年を過ぎた段階で、九五%の孤児が日本へ帰ってきてよかったと思っているという結果が出ておりまして、大宗としては定着促進は図られつつあるというふうに理解をしているところでございます。 なお、今後の対策といたしまして、平成四年度からは、帰国孤児世帯が就労後に安易に離職をすることを避けるということが大事なことでございますので、就労定着という意味で、就労相談員というのが定期的に職場を訪問して、職場との間のトラブルを解消するように努めていく、あるいは職場の同僚たちにも帰国者への理解を深めてもらうというような、そういう事業を実施することとしておりまして、今後とも自立支援体制の一層の充実強化に努めてまいりたい、そのように考えている次第でございます。
○真鍋分科員 さらにまた自立に努力されるように御希望申し上げます。 次の問題は、残留孤児が日本に帰られますと、その子供をまた呼び寄せる、つまり、残留孤児が一人帰ると七人か八人日本にまたやってくる、こういう話がございます。また、その中に娘さんがおったら婿を中国から呼ぶ、こういうことで、いわゆる呼び寄せ家族というものがだんだんにふえておるわけでございます。例えば、私の地元なんかでも大変に多くなっていまして、ある中学校なんかは、こういった呼び寄せ家族の子弟が十五人も一つの中学校にいるというふうなことでございます。これがいろいろ心配の種になっておるわけでございます。 いわゆる呼び寄せ家族は残留孤児でないということで、国からの支援というのがちょっと薄いということで、この点について、いろいろ面倒を見たり心配したりしておられる友好協会であるとか、そういった方々が非常に不満を持っておりまして、そのあたりについて支援策というのはどのように考えておられるか、少し教えていただきたいと思います。
○多田政府委員 私どもの孤児の帰国援助という仕事は、終戦前から中国等に居住しておられた方々が永住帰国されるときに、引き揚げ援護と昔言っておったその流れをくんでおる仕事でございまして、そういうことから申し上げますと、戦後にあちらに彩られた方あるいはあちらでお生まれになった方、戦後の混乱期は別といたしまして、そういう方々の帰国についての援護というのは、ちょっと対象としてなかなか取り上げにくいという状況でございます。 ただ、そういう方々の中にも孤児が実際に扶養しておられる、例えば障害を持っておられてずっと孤児が面倒を見ておるとか、あるいは未成年なのでまだ孤児が扶養しておるとか、そういう状況で孤児と一体の関係にある方々につきましては、これは孤児の帰国援護というのと一体として扱わせていただきまして援護させていただいておる、こういう状況でございます。 この点は、この流れはなかなかちょっと変えることが難しいかなというふうに思っております。
○真鍋分科員 理屈の問題としては非常によくわかるわけでございますが、いずれにしましても、日本の血を引いた方々でございまして、大戦の傷跡でもございますので、どうかひとつ温かい配慮がにじむ、そうしたきめの細かい政策をぜひお願いしたいと思います。 そこで、文部省に伺いたいのです。 帰国子女の問題かとは思いますけれども、一つの中学校に日本語が十分わからない、とりわけ読み書きができないというと語弊がございますけれども、弱い、こういった呼び寄せ家族の子弟がいるわけでございます。これに対して、中学校の教える先生の気持ちとしては、何とか日本語をしっかり教えなければいかぬ、しかし、日本語を中学校で正規の教科で教えるというわけにはいかない。ところが、その先生というのが学校には当然、当然といいますか配属されてない。したがって、何とか配属してほしいという気持ちでございます。同時にまた、それができないのであれば、放課後日本語をしっかり教える、そういった便益といいますか、そうした配慮をぜひお願いしたい、これが現場の教師の本当に心からなる願いだということでございますが、このあたりについての文部省の姿勢というものはどうなっておるのか、お伺いしたいと思います。
○齊藤説明員 お答えいたします。 中国の残留孤児の子女に関する日本語教育の問題でございますが、残留孤児の子女等が日本の学校に円滑に適応して、充実した学校生活を送っていくというためには、まさに先生御指摘のとおり、日本語の習得ということは大変大切だと私ども考えている次第でございます。 そういう観点から、文部省では、一つには研究協力校を設けましてそこへ教員を加配する、このような処置を講ずることによりまして、日本語指導あるいは生活指導の充実に取り組んできているところでございます。また、先生御指摘のとおり、学校の教員が必ずしも中国語を解しないわけでございまして、そういう面で不十分さを補うという観点から、中国語のできる方を定期的に学校へ巡回させるという事業についても取り組んできているところでございます。 なお、平成四年度の予算案におきまして、中国の残留孤児に限らず、広く外国人の子供で日本語が不十分である、そういう子供のために日本語を指導する教員の加配処置というものを講じていくという内容の予算を計上しているところでございます。
○真鍋分科員 最後に、大臣にお伺いを申し上げたいわけでございます。 残留孤児問題あるいは呼び寄せ家族、こういったものに向けまして大変長年御努力を重ねてこられたわけでございますが、これまでの施策をどのように評価しておられるか、また、今後問題の解決に向けましてどのように考えておられるか、また、中国にある養父母に対する細やかな心遣い、こういったものにつきまして大臣のお考えを伺いたいと思います。
○山下国務大臣 孤児問題につきましては、日中国交回復後、その身元の調査とかあるいは帰国の受け入れ、定着自立の促進等、関係各省庁でもって鋭意これはもう一生懸命やってまいった次第でございまして、振り返ってみて、現在のところ順調に推移しているところだ、そんな感じを持っております。 したがいまして、もう既に四十六年経過いたしておりますから、さらに政府、民間一体となって、今後一日も早く国民的課題としてこれは解決しなければならぬ、こういう決意で臨むつもりでございます。
○真鍋分科員 終わります。
○戸井田主査 これにて真鍋光広君の質疑は終了いたしました。 次に、和田静夫君。
○和田(静)分科員 きょうはちょっと新残留農薬基準問題で二、三見解をただしておきたいと思います。 昨年の十二月に食品衛生調査会の残留農薬・毒性合同部会が提示をいたしました残留農薬基準案ですが、現在殺虫剤マラチオンは小麦については基準がない。この案では新たに八ppmという残留基準値が設定されているようでございます。一方、農水省が家畜飼料に設定している残留基準は五ppmということに今なっています。そうすると、厚生省は人間というのは家畜よりも残留農薬を多く摂取してもよいと考えているのだろうかということを素人目には感ずるのでありますが、家畜以下の食物でよいというそういうことになるのでしょうか。
○玉木政府委員 お答えいたします。 残留農薬基準は、その農薬につき科学的に定められました一日摂取許容量、ADIと言っておりますが、その一日摂取許容量とその農薬が使用されます各農産物の摂取量に基づきまして、各農産物ごとに設定されるものであります。仮に日本人が設定されました基準値の上限までその農薬が残留しました食品を摂取したとしましても、農薬の摂取量は一日摂取許容量、いわゆるADI以下となるものでございます。したがいまして、今回の基準値もこの考え方に基づいて設定されたものでありまして、安全性の面では問題はない、このように考えております。
○和田(静)分科員 摂取総量の問題については後ほどちょっと触れたいと思うのですが、どうも残留農薬の摂取の総量自身が、全体として基準を上回るのではないかという疑義がありますがゆえに問題を提起をしたいと考えたのです。行政がどうも縦割りであるために、それぞれの省庁間でデータの交換やら話し合いをしないで、それぞれ勝手に決めた結果が今回の基準の差にあらわれているのではないだろうかというふうに、多くの国民といいますか、特に消費者運動をやっている方々の目には映っていますが、いかがでしょう。
○玉木政府委員 先生御指摘の農薬の登録保留基準でございますが、これは御案内のように、農水省と環境庁が所管いたしております。この登録保留基準をつくります場合には、厚生省と合議がございます。厚生省の方でも、この程度であればよろしいというようなものを出すわけでございます。しかし、農薬の登録保留基準は、我が国における農薬の使用実態を踏まえて設定されておりますものですから、直接的にはこのADIをもとにしてするものと結びつくものではございませんが、しかし、我々としては登録保留基準というものは十二分に参考にいたしております。
○和田(静)分科員 そうしますと、現在小麦に残留基準値が設定されていない農薬、これはどれだけ残留しても取り締まれないということになっていますね。
○玉木政府委員 残留農薬が設定されていない農薬が農産物から出てきた場合に、どのように対応するかということにつながると考えておりますが、農産物から残留基準のされていない農薬が検出された場合におきましては、その農薬の残留量及び安全性等から見て、人の健康を害する可能性が高いと判断されます場合におきましては、食品衛生法第四条二号に基づいて当該農産物の販売、輸入の禁止等の処置ができる、こういうぐあいに考えております。
○和田(静)分科員 私たちが毎日口にする輸入小麦からつくられたパンにどれだけの農薬が含まれていますか。
○玉木政府委員 諸外国のものについて十分明らかではございませんが、一応我々としましては、現在は先生御指摘のように、小麦につきましては二種類の農薬の基準を設定したわけでございますが、諸外国においては、その程度であれば大体よろしいのではないかというような対応にいたしております。
○和田(静)分科員 それはちょっと答弁になってないな。
○玉木政府委員 パンについては、御案内のように小麦が根っこになるわけでございまして、小麦を押さえればパンについては大丈夫と考えておりますが、一つの考え方として、いわゆる原料がパンにつきましては小麦でございますが、それと加工されたパンというものとの間でどのくらい農薬が減衰するかというようなことも、今後の課題であろうと我々は考えております。 したがいまして、これは去年からでございますが、マーケットバスケット方式ということで、日本人が一日に食する平均的な食事をマーケットから買いまして、加工して、その中にどの程度の農薬が含まれておるかということをチェックいたしております。
○和田(静)分科員 もしチェックされているのならば、どれだけ含まれていますかと私は聞いているわけですよ。
○玉木政府委員 今まだそのデータが十分に出ておりませんが、今まで来ておりますデータによりますと、ADIに基づいて残留農薬の基準というものを決めておるわけでございますが、その決めました基準の大体一%から一・五%というような報告が現在のところ参っております。
○和田(静)分科員 そこのところは後ほどまた明確にしてください。 そこで、今も答弁にありましたが、食パンの原料小麦は大部分がアメリカ産、さらには高級フランスパンの原料小麦はカナダ産が使われていると言われていますが、アメリカでは国内用農産物にはポストハーベストが禁止をされていますね。ところが輸出用については許可している。輸出先の国の判断にゆだねているわけですね。今の答弁では問題がない、こう言われるのですが、こういうような現状では、輸入小麦からつくられたパンを食べている我々としては、実験動物同然ではないだろうかという感じがするのですよ。本当に危険性がございませんか。
○玉木政府委員 ポストハーベストに関する御質問でございますけれども、まず初めに、小麦関係も、もちろんアメリカにおいてもポストハーベストといういわゆる収穫後の使用は行っております。御案内のように、日本におきましても、米も臭化メチルというポストハーベストに使われるものが許可されております。そのほかにポストハーベストとして、例えばバナナとかそのほかのものに使うものが許可されておるわけですが、厚生省としましては、このポストハーベストの問題を含めまして、食品中に残留する農薬について、その安全性を確保するために、早急に残留基準を設定すべく、御案内のように鋭意作業を続けております。 具体的には、昨年九月に四十一農薬について、さらに本年一月には二十の農薬につきまして、食品中に残留する農薬の許容基準設定のための諮問を食品衛生調査会に行ったところでございます。今後とも関係資料の整備に努めながら、順次許容基準を設定して食品の安全を図るということを考えておりますが、ポストハーベストの問題は、これは世界じゅうで認められておりますものでございまして、我々としましては、ポストであろうと、いわゆる収穫後であろうと収穫前であろうと、農薬については基準を設定しましてその対応に万全を図りたい、このように考えております。
○和田(静)分科員 米の場合は、マラチオンのこの残留基準値は〇・一ppm、それに比較して今度の小麦に設定される基準というのは八ppmですね。八十倍。簡単に考えてみて、日本人は小麦製品を米の八十分の一しか消費しないということになりますね。実際のところ、国内産も含めて小麦の消費量というのは米の八十分の一以下なのか。 一月二十二日付の報道によりますと、厚生省の食品化学課の談話が載っていましたが、日本人が一日に平均して食べる米は二百グラム、小麦は八十五グラムということになる。そうすると、八十五グラムの八十倍、単純計算をいたしますと六・八キログラムということになりますね。米を一日にこれだけ食べても許容限度におさまるのだろうか。どうも計算上はおさまらないということになる。いかがですか。
○玉木政府委員 御指摘のように、マラチオンの小麦に対する基準は八ppmということになっております。この八ppmは国際基準、アメリカも採用しておりますが、米におきましても八ppmということになっております。日本の場合は〇・一という基準をつくったわけでございますけれども、その残留農薬の基準は、先ほど申し上げましたように「残留しております実態に基づいて以前につくっております。昭和四十四、五年ごろにこの基準をつくっております。残留実態ということに従ってつくったわけでございまして、現在においてもその基準は守られるということで、米について〇・一という基準をつくっております。 それで、先ほど申し上げました一日摂取許容量、ADIという問題でございますが、このADIは、先ほどちょっと申し上げましたように、ADIをもとにして各農産物の摂取量、それから各農産物がどのくらい日本人に食べられておるかというものをもとにして、ADI以下に設定するという考え方に立っております。 今回の八ppmというのは、まだ現在、案の段階でございまして、ガットに通報している状況でございますが、多分三月の終わりから四月にかけて食品衛生調査会でこのまま答申が出る、このように考えております。この農産物百二十九品目に対しまして、農薬がどれだけどの農産物に使われておるかというものでもって、ADIを超えないように設定いたしております。したがいまして、麦単独、米単独、こういうものではないわけでございまして、全体の農産物が一日にどのくらい日本人に摂取されるかというところにADIの存在があるわけでございまして、全部の農産物を食べてもADIを超えないというような考え方でADIをつくっております。 例えば麦は、先ほど申されましたように、マラチオン八ppmというような国際的な基準がございますが、欧米では二百十五グラム一日平均食べておる、日本では、先生御指摘のように八十五グラムを食べておる、こういうことでございます。また、米につきましては、日本では大体二百グラム、欧米では四十という数字もありますし十二という数字もありますが、日本よりも相当程度食べる量が少ない。こういうようなことから考えてみましても、今回の麦の基準は、全体的な面から見て判断する問題ではございますけれども、このものから見ても妥当なところではなかろうか、このように考えます。
○和田(静)分科員 どうも妥当なところではないというふうに私は思ったものだから、質問しているのです。 例えば、体重五十キロの人に換算して、今言われるADIが一ミリグラムですから、米が二百グラム、小麦が八十五グラム、一日の許容量内におさまるというのが今も答弁にありましたが、おたくの食品化学課の主張なのです。一日に米と小麦しが食べないなどという人はいないわけですね。全体を包含してADIを決めているのだと言われますが、他の食糧にもマラチオンが含まれていることは間違いがないわけです。そうすると、単純計算すれば簡単に許容量をすぐ超えるということになりますよ。
○玉木政府委員 単純な計算がADIの根っこにあるわけでございまして、我々としまして、国民栄養調査というのが毎年やられておりますけれども、三日間国民がどのようなものをどの程度食べるかということを調査しております。それをもとにしまして、日本人としてはどういうものをどの程度一日に食べるかということで、おのおののADI以下の設定をいたしております。したがいまして、先生御指摘のように単純な計算というのがそこでございまして、その食べるものの単純な中身、このものはこの程度残留しても構わないということで積み上げて、ADI以下に置いておるものでございます。 したがって、極端な話をしますと、あるものが高い数字になりますと他の農産物は低く抑えなければならない、こういうことで、全体から見れば一日摂取許容量以下になるというような設定の仕方をいたしております。
○和田(静)分科員 おたくの主張はもうわかって言っているのですが、その主張が誤りじゃないかということをこっちは言っておるわけでして、主張の繰り返しては困るので、例えば平均が言われるような形だとしてみましょう。そうすると、体重五十キロの人が一日に米を五百グラムあるいは小麦を二百グラムとることだって、これはあり得るわけでしょう。今、場所が始まっていますね。相撲をとっている諸君なんというのは恐らくそんなことで済まぬでしょう。そうすると、そういうような人に対して、あなたは平均から外れているんだ、したがって、もともと相手にしませんよというような論理になりませんか。どうでしょう。
○玉木政府委員 したがいまして、そこでADIという論議が出てくるわけでございます。ADIというものは、これは先ほど何度も申しておりますように、一日摂取許容量ということでございます。 このADIは、動物を使いまして、長期毒性試験、慢性毒性試験という形をとっておりますが、その動物を使って無作用量、いわゆる作用が出ない、皮膚疾患もそれから臓器の炎症とか臓器の中毒症状とかいうものも入るわけでございますけれども、そういうような無作用量に対して個体差、個体差というのは動物と人間の個体差というのがございます。それを十分の一掛けております。それから人間におきます大人と子供という問題がございます。そういうものも十分の一掛ける。 したがいまして、無作用量の百分の一を掛けたものがADIでございますから、先ほど申されましたように非常にたくさん食べるとか、お相撲さんと子供さんとかいうようなものは、この無作用量の百分の一を掛けたものがADIとして設定されておりますので、その中に吸収できると我々は考えております。
○和田(静)分科員 それは例えばバナナで考えてみますと、フィリピンから輸入されているバナナ、この間も報道がありましたが、ポストハーベスト農薬が使われておりますね。国内ではバナナの農薬残留基準がない。そのために業界の自主検査だけでしょう。通常は検疫所での検査は行われないようですね。すると、こういうものは野放し状態ですね。
○玉木政府委員 したがいまして、従来決めておりますのは、二十六品目の農薬の基準を決めております。今度四十一と二十と六十一を食品衛生調査会に諮問したわけでございますけれども、我々としましては、本年中に百品目ぐらいの残留農薬の基準を決めたい。また、近い将来におきましては何とか二百ぐらいまで持っていきたい。また、アメリカでは四百ぐらい決めておりますから、アメリカの基準になるべく早く持っていきたい。そういうことで残留農薬問題に対する法的な規制を考えていきたい、このように考えております。 それと、先ほどおっしゃいましたように、輸入農産物に対して国の残留農薬の整備が十分でないという指摘が以前からいろいろあるわけでございますが、向こうでどういうものを使っておるかに従って、残留農薬の検査を輸入業者に一応行政指導で義務づけをさせております。その結果を見まして、これはFAO、WHOあたりも持っておりますし、アメリカからの情報も得まして、人体に問題を起こす可能性があるというものに対しては、輸入を差しとめるというような対応を現在いたしております。
○和田(静)分科員 これからいろいろ決めていかれるものの中で一つ考えておかなければならないのは、例えば市販バナナの残留農薬調査で、アメリカで環境保護局が発がん性の疑いがあるとする農薬として挙げられるものが二種類も含まれているというようなことがあったりしまして、これらの先進的にやってきているところの国々のいわゆる基準というものを十分に勘案をされる、そういうことが大臣、私は必要だと思うのですが、いかがでしょうか。
○山下国務大臣 おっしゃるとおりでございまして、今政府委員から御説明申し上げましたが、最大許容量をどういう数値でもって定めるかという難しい、あるいはまたどういうふうに測定するかという難しい問題がございまして、さっきからるる申し上げておりますように、例えばネズミで実験した。人間との差を一対十で見るかな。あるいは大人であっても小さい人、国会議員の中でも小さい人、私みたいな大きいのもいるし、これを小錦と比較すればもっと差が出る。これを一対十ぐらいで見ていいのかな。そうすると十掛ける十で百対一というくらいの、おおよそそれ以上というのはまずあり得まいというような、概括的なところでこれは定める以外にはないという数値でございまして、これでひとつそこは納得していただけるのではないかなということでございます。
○和田(静)分科員 時間もありませんから、そもそもこの一日の摂取許容量、ADIは今もずっと説明があったのですが、単独の薬品を投与する動物実験の結果から算出をされている、こういうことになっていますね。ところが、実際に動物実験のデータが公表されませんと、これは国民、消費者の側は安心できないと思うのですよ。そういうデータをすべて公表するというようなことは、これはできますか。できないとすれば、どういうような理由で公表できないのだろうか。 厚生省は新薬の臨床試験の実験データや毒性試験、あるいは副作用の結果などを九三年度から公開する予定だ、こういうふうに言われておりますね。消費者が自分で判断するための材料として、すべての農薬や添加物についても同様の公開を行う、こういうことが今必要なんじゃないですか。大臣、いかがでしょう。
○玉木政府委員 情報の公開の件でございますが、先ほどから申し上げておりますように、この残留農薬基準の設定は食品衛生調査会において行っておるわけでございます。 食品衛生調査会は、科学に立脚した自由な論議を行ってもらいまして、審議内容の中立性の確保というところから、審議が終了しまして、食品衛生調査会より答申が出るまで資料を公開しないという形を現在とっております。しかし、審議が終了して答申が出された後であれば、この食品衛生調査会の審議資料は、希望に応じてお見せいたしております。したがいまして、我々が全部資料を公開していないということには、現在のところなってないと我々は考えております。
○和田(静)分科員 通常の食事では、複数の薬品が一時に吸収されることになりますね。今大臣も答弁で言われましたが、単独投与の動物実験でもし安全であったとしても、複数の薬品の相互作用で危険性が増大をするということは考えられます。残留農薬は添加物として表示されないわけですが、我々が食事をすることによって一体どれほどの種類の農薬がどの程度の量体内に入るのか、こういうものの試算は当然あるのでしょうね。
○玉木政府委員 今そういうような資料を手元に持っておりませんが、一つの考え方としまして、ADI以下のものであれば多種類の化学物質を体内に入れたとしても作用はない、このような見解が世界的に認められております。 ただ、先ほどおっしゃいましたように、複数の相乗作用というものがあるんじゃないかということは、以前からたびたび御議論をされております、例えば食品添加物関係も化学物質から成るものもございますので。ところが、専門家によります今の一般的な科学的知見では、先ほど申し上げましたように、一定量以下であれば無作用掛ける無作用は無作用である、こういうような考え方に立っておりまして、我々としましては心配ないんじゃないかと考えております。 もう一つは、先ほど申し上げましたように、食品添加物関係で相乗作用の問題が議論になったことがございます。今でも議論がございますが、そのために幾つかのもので、相乗作用でどうなるんだろうかという動物実験もやったことがございましたが、今までの知見では作用は出てない、そういうような問題は生じてない、このように承知いたしております。
○和田(静)分科員 もう時間が来ましたので、ハルシオンの問題が残りましたけれども、また……。
○戸井田主査 これにて和田静夫君の質疑は終了いたしました。 次に、細谷治通君。
○細谷分科員 福岡三区選出の細谷でございます。 本日は、社会福祉施設、特に児童福祉施設における措置費のあり方ということについてただしてみたいというふうに思います。 一昨年、当分科会におきまして、私は精薄児者施設を中心として、社会福祉施設における職員の要員配置基準の見直しの必要性ということについて、特に時短促進との関連で質疑をいたしました。また、昨年の当分科会におきましては、養護施設、乳児院等児童福祉施設の措置費の見直しについて、特に特養老人ホーム等との社会福祉施設間の格差の是正ということについてただしたわけでございます。 さて、平成四年度予算案では、社会福祉施設関連の措置費は全体で八千五百七十億円、対前年八百四十億円の増加、一〇・八%という大幅な増額を見ております。財政当局並びに厚生省の御努力に心から敬意を表したいと思います。厳しい財政事情の中で、かなり思い切った予算配分がなされたというふうに私は思っております。 そのうちでも、特に施設職員の勤務条件の改善といたしまして、本年度に引き続き、さらに時短を実施するということで御努力をいただいているわけであります。本年度で約三十分、そして平成四年度、来年度では九十分、合計二年間で百二十分の労働時間の短縮というものを図られることになっております。この結果、施設職員の労働時間は、週四十四時間体制から四十二時間になるわけであります。このための所要経費三十七億が計上されております。 さて、これはこれとして私は大変評価を申し上げるわけでありますけれども、政府の時短の目標というのは、九三年度では四十時間を実現するということになっておるわけであります。そこで、生活大国の実現ということが言われております。その一つの大きな目玉として労働時間短縮の問題があるわけでありますけれども、こういう九三年度四十時間の実現という観点から見まして、厚生大臣、今後の施設職員の労働時間短縮に対する取り組みについて、決意をお聞かせいただきたいと思います。
○山下国務大臣 今お話ございましたように、宮澤内閣は生活大国を最大のスローガンといたしております。それは、よりよい環境のもとに、それぞれがひとつ生きがいを感じながら、今お話がございましたように、勤務時間等を短縮することによって、より安らぎと申しますか、そういう生活ができるようにということでございますから、おっしゃった勤務時間の短縮は、現内閣においては至上命令のつもりでやらなければならぬということを閣議のときにも総理からお話があったこともございます。したがいまして、それをしかと受けとめながら、私ども厚生省にゆだねられている諸般の問題については、そのような決意でやってまいりたいと思っております。
○細谷分科員 今大臣から決意が述べられましたけれども、ぜひ本格的な取り組みをお願い申し上げたいと思います。 さて、二点ほどお伺いしておきたいと思いますけれども、本年度、来年度で百二十分の労働時間の短縮が行われるということでございますけれども、この労働時間の短縮というのは一体どんな方法、手段で行われるのか、その点についてお伺いをいたしたいと思います。
○末次政府委員 ただいま御指摘ございましたように、労働時間の短縮というのは大変重要な課題でございます。私どもの観点から申し上げますと、ゴールドプラン等に沿いました体制整備、これに必要な人を確保するための一つの大きなポイントだというふうに考えております。 先ほどもございましたように、平成四年度予算でそのための経費を計上したわけですが、この経費といたしましては、社会福祉施設の運営費でございます措置費に、寮母等の直接処遇職員の業務のうち軽微な業務、例えて言いますと、ベッドメーキングあるいは衣類の繕いといった業務があるわけでございますが、こういった業務につきまして非常勤職員の雇い上げ経費を算入いたしまして、実質的に常勤職員の勤務時間を減らしていこうという考えでございます。 社会福祉施設におきましては、これまでも各施設の実態に応じたいろいろな形での業務の改善合理化、あるいは業務省力化用の機器の整備、こういうものを通じまして勤務時間の短縮を順次図ってきたわけでございますが、私どもとしましては、さらにこういった経費を活用いたしまして、さしあたり週四十二時間勤務体制が達成されるように指導してまいりたいと考えております。
○細谷分科員 今社会福祉施設に限定してのお話がございましたけれども、いずれにいたしましても労働時間短縮、非常勤職員という形で置きかえて時短をやっていく、そのための経費を計上していく、こういうことでございます。 今回、同時に、時短のほかに年休代替、宿直業務改善等の施策もこの中に盛り込まれております。こういう問題は、私が前段申し述べました時短との関連で、トータルとして措置が当然なされるということでございましょう。いずれにいたしましても、これも非常勤職員、嘱託職員等で手当てをするということであります。 大臣、この社会福祉施設における要員配置基準というのは、実は昭和五十一年以来十六年間にわたって見直しか行われていない形になっているわけであります。その間、世の中の趨勢に合わせて時短等がなされてまいりました。そして、時短だけではなくて、ほかのニーズに合わせた措置というものがなされてきたわけでありますけれども、その間一度たりとも要員そのもの、基本の見直しは行われていない。いわば継ぎはぎ継ぎはぎでこれらの措置がなされてきたというふうに言わざるを得ないわけであります。 この施設関係からは、要員配置基準の見直しの問題が強く要望として出されておるわけです。私は、長い間放置してきたわけでありますから、この基本的な要員配置基準の見直しそのもの、そんなに大きな経費の持ち出しはなくてできるのではないかと思って、もうそろそろ要員配置基準の見直し時期ではないかと思いますけれども、御見解を賜りたいと思います。
○末次政府委員 勤務時間の短縮という観点からいいますと、先ほど申し上げましたように、非常勤職員を投入するということで、軽微な業務を置きかえていくというような仕組みで現在進めてきておりますが、職員の配置基準につきましては、その業務内容というものが問題になってくるだろうというふうに考えております。 そういう観点からいいますと、例えば痴呆性老人が特養にふえてきたというような個々の施設の状況に応じまして、特別養護老人ホームあるいは養護老人ホームに痴呆性老人介護加算といったような加算制度を設けまして、そういう施設の実態に応じて職員の加算ができるような配慮を施設ごとにこれまで講じてきておるところでございます。
○細谷分科員 これからどうするんだということに対する答えはないわけでありますけれども、私は、いずれにいたしましても、相当長年月にわたって放置されている基本の要員の見直しはぜひ必要だというふうに考えております。ぜひ御検討いただきたいと思います。 次の問題に移りたいと思います。措置費積算における施設間格差の問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 老人施設と児童施設の職員の格付と、それに伴います給与の差というのは大変大きなものがございます。例えば保母、寮母で見ますと、細かくは申し上げませんけれども、格付、ランクづけが違います。したがって、本俸が違います、そしてまた特殊業務手当というものが出されておりますけれども、これも大幅に違っております。これは後ほど述べます。いずれにいたしましても、積算の基準で見ますと、この両施設間で四万二千円強の差があるという形になっている。次に栄養士で見ますと、栄養士さんもランクづけが違う。したがって、本俸が違うという形になっております。児童指導員、生活指導員などを見ましても、約二万円の格差が出ておるということになっておるわけであります。 そこで、一般に格付がどうしてこんなに両施設間で違うのか。これまで私の質疑に対する厚生省のお答えでは、勤続年数が違うからだという言い方をされております。そういう理解でいいのかどうか。
○土井政府委員 ただいま児童の施設と特養で格付の違いの御指摘がございました。 私どもは、実態調査をもとにいたしまして、そこで働いている職員の勤続年数というものをベースにして、国家公務員に準じた格付をするということでやっておりまして、その実態は勤続年数の違いが反映しているということでございます。
○細谷分科員 勤続年数をベースにして格付を行っておるということでございます。 それでは、この施設職員の勤務実態等の実態調査はどうなっておるのか、そして、その結果は一体どうなっておるのか、お聞かせをいただきたいと思います。
○土井政府委員 養護施設の保母さんを例示に挙げまして御説明を申し上げたいと思いますが、昭和六十三年に調査を行っております。最近の調査でございます。それによりますと、保母さんの平均勤続年数は六・三年というのが。調査結果になっております。一方、措置費における保母の格付でございますけれども、短大卒で勤続年数七年ということで、国家公務員に当てはめまして格付を行っておるところでございまして、この六十三年の調査結果に照らしまして、妥当な形になっているというふうに考えているところでございます。
○細谷分科員 実態調査では勤続年数六・三年となっているということであります。格付は勤続年数七年と今伺いましたけれども、私どもは四年と理解しているのですが、それは七年が正しいのですか。短大卒です。
○土井政府委員 大変失礼いたしました。先ほどの七年と申しますのは高卒七年ということでございまして、短大卒の場合には五年でございます。その平均的な勤続年数で六・三年と申し上げまして、御無礼いたしました。
○細谷分科員 児童施設における保母さんというのは資格が要るのです、国家試験、学卒、短大卒。要するに有資格者という形になるわけですね。 今お話ございましたように、実態は、勤続年数は六・三年になっているけれども、この措置費の積算では四年ということになっている。今の御説明によりましても二・三年の格差があるということになっているわけですね。せっかく実態調査をやられてそういう結果が出ているわけでありますから、それについては一遍にはできないかもわかりませんけれども、実態に合わせて改善をしていくということが行政のあり方だと私は思います。それは財政上のいろいろの制約もございますから、一挙にはできないことはわかっておりますけれども、その取り組みということは私は大変大切だと思うのですが、いかがでございますか。
○土井政府委員 今後におきましても必要に応じて実態調査を行いまして、格付上格差がある場合には、それを埋めていくという努力は必要であると思っておりますので、そのような趣旨で今後も取り組ませていただきたいと思います。
○細谷分科員 今、養護施設だけの実態と基準の乖離の問題を申し上げましたけれども、実は大臣、この老人施設と児童施設の間の格差、これはなかなか説明がつかない問題があるのですね。きょうはもう問いませんけれども、老人施設における勤続年数の実態と基準がどう違うかということも、一度検証してみなければいかぬ問題だと私は思うわけであります。今前向きにこれから改善に取り組むというお答えもいただきましたから、この辺でとどめておきます。 もう一点、特殊業務手当の格差、先ほどちょっと触れましたけれども、特養老人ホームは平成三年度三万一千五百九十六円、養護施設は九千五百九十三円、差し引き二万二千円の差がある。これはどういうふうに御説明になるのでしょうか。
○土井政府委員 特殊業務手当でございますけれども、これは御案内のとおり、業務の困難性、処遇の難しさというものに応じてその率が定められております。 それで、御指摘になりました特養でございますけれども、本俸の八%または一六%という加算が行われておりますが、一方、養護施設におきましては四%ということに相なっております。その金額が、先ほどの本俸に照らしてみて、今おっしゃっておられたような金額になるのだと思いますけれども、例えば養護老人ホームでありますと、常時介護を要する方々が入っておりまして、食事のお世話、おむつのお世話あるいはふろのお世話といったような業務の困難性に見合って、その率が高くなっているということであります。一方、養護施設におきましては、養護に欠ける子供たち、親のない子供たちが入っている施設でございますので、子供自身は健康な子供たちが入っているというようなことから、そのような格差がついているというふうに考えております。
○細谷分科員 いろいろ施設の方々のお話を聞いてみますと、業務の特殊性ということについては両施設の間においてそんなに大きな格差はない。むしろ子供と老人の違い、手間のかけ方の違い、生活指導面での子供に対する配慮、手間のかけ方というのは、これは圧倒的に児童施設の方が高いとすら言われております。 それはいろいろ一長一短ありましょうけれども、二万二千円の、これは勤続年数は関係ないのです。職務の特殊性とか困難性とか、そういうことでは二万二千円は説明し切れないものがあるのではないか。私は何も老人ホームの方を下げろと言っているのではないのですよ。この辺についても、説明できない格差があるとするならば、改善する努力をぜひしていただきたいというふうに思うわけであります。 例えば、これは保母さんではありませんけれども、調理の方など見ますと、通学のための朝出というのが、早朝出勤などがあるわけですね。そういうことでは、むしろ老人ホームよりも圧倒的に児童施設の方が大変だと言われております。そういう実態もよく比較して、今後前向きに検討していただきたいというふうに思います。指摘にとどめておきます。 ところで、その特殊業務手当の格差を埋めるというわけではありませんけれども、国の足らざるところを地方自治体が補っている、そういう都道府県もあると聞いております。厚生省の実態把握の実情をお聞かせいただきたいと思います。
○土井政府委員 県が単独で格差を埋めるというお話でございますが、申しわけありませんけれども、私ども実態を把握しておりませんので、御了解いただきたいと思います。
○細谷分科員 それはぜひ今後の課題として調べていただきたいというふうに思います。私が仄聞しておりますところでは、県で措置しているということでありますので、ぜひ今後とも調査をしていただきたいと思います。 次に、措置費の一部であります事業費についてお尋ねをいたしたいと思います。 一般生活費、これは四十七年までは食費と日常諸費の合計ということで二本になっておりましたけれども、四十八年度から一般生活費として一本になっていると伺っております。これは生活保護費にスライドして改定をされる仕組みになっているということであります。いずれにいたしましても、この一般生活費の食費と日常諸費の積算割合というのは、大体七対三ぐらいになっているというふうに聞いているわけであります。 ところで、老人施設と児童施設のこの一般生活費、平成三年度で見ますと、老人施設は六万四百七十円、児童施設は四万二千九百二十円ということになっているようであります。どうしてこんなに一万八千円という差があるのか。例えば生活保護基準からいいますと、この一般生活費の中で大きなウエートを占めております食費、七十歳以上の方の必要摂取量は七百キロカロリー、子供は二千キロカロリー以上、こうなっているのですね。倍以上の差があります。そしてまた、この日常諸費の中の衣類なんかを見てみますと、児童施設の場合は全額施設負担、ところが老人の場合は自己所有という形もかなりあるというふうに聞いているわけであります。 そういうふうに見てみますと、どうしてこの一般生活費の中でこんなに大きな格差があるのか。これについてどういう御説明をなさるのか、お伺いしたいと思います。
○土井政府委員 お話しのとおり、養護施設では四万二千九百二十円、特養では六万四百七十円というのが一般生活費の単価に相なっております。その中で例えば飲食物費について見ますと、養護施設の方が二万九千九百八十六円といったような内訳になっておりまして、特養等に比べて約二千円高くなっている。ただ、日常生活諸費等の面では、特養の方が必要経費が多いということで、かなり大きくなっております。これはなぜそのようになっているかということでございますけれども、特養につきましては紙おむつ代でありますとか特別食等々の経費がその中に算入されているわけでございまして、それが月額の差にあらわれているというふうに考えているわけでございます。 ただ、若干補足いたしますと、養護施設等におきましては、子供たちが学校へ通っている場合が多うございまして、学校給食費でありますとか教育関係の諸経費等々は、この一般生活費のほかに別途上乗せして支給をするというような形になっておりまして、全体として見ますと、妥当な金額ではないかというふうに私ども考えているところでございます。
○細谷分科員 私は決して妥当な積算であるというふうに思いません。ぜひその実態をつぶさに検証されて、改善方についてさらに御努力をいただくということをお願い申し上げたいと思います。 ところで、この調理なんですけれども、老人施設については委託が可能である。ところが、児童施設は委託ができないということになっているそうでありますけれども、その根拠と理由についてお聞かせいただきたいと思います。
○土井政府委員 お話しのとおり、老人の施設とか精神薄弱者等の大人の施設につきましては外部委託ができる、ただ、児童福祉施設についてはそれを認めないというのが現在の制度に相なっております。 なぜ児童にとって外部委託を認めないのかという点でございますけれども、食事につきましては、単に栄養面だけではありませんで、児童の心身の発育に重要な意味を持つ。例えば乳児食であるとかアレルギーのある子供たちへの食事等、きめ細かな配慮が必要であるというような考え方から、そのような取り扱いの違いになっているところでございます。 ただ、最近におきまして関係団体からいろいろな御意見、御要望等も伺っておりますので、私ども、今後それらの関係者の御意見をよく聞いて勉強してまいりたいと考えているところでございます。
○細谷分科員 ぜひそういうことで、民間の委託業者の能力というのも相当向上しているという時代的な背景もあるわけでありますから、そういうことを総合的に勘案して、さらに検討をしていただきたいというふうに思います。 最後に、養護施設に限定をいたしまして、私、質問するに当たりまして、福岡県下の養護施設の方々にお集まりいただいて、いろいろ生の声を、お話を聞いてまいりました。要望事項というものが出されておりますので、ここで御披露をして、そしてできるもの、できないもの、いろいろありましょうけれども、ぜひ具体的な検討をお願いをいたしたいというふうに思います。 まず一つ。養護施設にいる高校生、実は修学旅行の費用というのが措置費では見てない。義務教育課程の小学校、中学校ではそれぞれ措置費の中で措置されておりますけれども、高校生、今や施設の子もほとんどみんな高等学校へ行くわけであります。私立学校なんかではもう海外へ修学旅行に出かける。海外へ出る経費まで見ろとは言いませんけれども、せめて国内の修学旅行の経費ぐらいは、措置費の中で見てしかるべきではないかというふうに私は思うわけであります。 それから、例えば職業指導ということで、現在職業指導員という制度が設けられておりますけれども、これも設置する場合、配置する場合には届け出が、申請が一々必要であるということになっています。これも実態にどうもそぐわなくなってきている。したがって、むしろ施設を卒業していった施設の子供たちに対するその後の生活指導とか、そういうことについてできるようなそういう職名に配置がえをする。 そしてまた、例えばこれはセラピストというのですか、心理治療指導員、要するに登校拒否児といいましょうか、不登校児対策というようなことで専門家をぜひ配置してほしい。だから、それを新たに置くのじゃなくて、そうした今やもう実態がないようなものについての見直し、配置がえをするというようなことも、ぜひ検討をされたらいかがなものであろうかというふうに私は考えるわけであります。もう時間でございますので、これは要望にとどめておきたいと思いますけれども、ぜひ御検討いただきたい。 最後に、要するに高齢化社会を目の前にしております。老人福祉の問題は大変重要でございます。我々としては政治の責任として、この種の問題、老人福祉の問題について取り組んでいかなければなりませんけれども、こうしたその陰といいましょうか、弱者の立場にある人たちに対して光を当てるということは大変重要なことだというふうに私は思うのです。今指摘しましたように、いろいろな格差の問題があります。ぜひ実態に基づいて改善方をお願いいたしたいわけでありますけれども、最後に厚生大臣の決意をお聞かせいただきたいと思います。
○山下国務大臣 福祉施設等の問題におきましては、人が人の面倒を見るといいますか、物以外の人対人との関連でございますから、やはり立派な人材がそこに勤務しておらなければ、人間関係というものをうまくやって、十分な面倒を見ることができないと思いますので、これからそういう人を確保するための処遇の改善に格段の力を入れなければならぬのかな、そのような感じを持っております。また、そのような決意で臨まなければならぬと思っております。
○細谷分科員 終わります。
○戸井田主査 これにて細谷治通君の質疑は終了いたしました。 次に、浅井美幸君。 〔主査退席、甘利主査代理着席〕
○浅井分科員 厚生大臣、きょう私は、非常に社会的な問題となっておる今日的な話題、入れ歯の問題とエイズの問題、二つについて取り上げてみたいと思っております。 大臣はお年がお年なのですけれども、入れ歯をお入れになっていますか。
○山下国務大臣 入れております。
○浅井分科員 大臣はおいしく食べられていますか。
○山下国務大臣 何と言ったらいいのでしょうか、とにかく歯医者さんは、あなたがどんなたくあんでも食べられるように絶対に私がしてあげますと言うので、それがやっと最近完成したような状態で、かたいものを食べるという点において、これで何でもとにかく食べられるなという自信を持ってまいりましたけれども、やはりそれは本当の歯みたいな味わいみたいなものはないかもしれません。しかし、何とか今のところしのいでおります。
○浅井分科員 大臣はまだ幸運な方でありまして、この間NHKの「入れ歯のハナシ」という番組がございましたが、大臣「あれはごらんになられましたか。
○山下国務大臣 残念ながら見ておりません。
○浅井分科員 それでは私から、その入れ歯のNHKの報道が非常に反響が大きかったものですから、その概略を御説明をしながら、大臣にお考えいただいて特段の御配慮をいただきたいと思うわけで、質問いたします。 「痛い、噛めない、話せない。こと入れ歯に関しては大なり小なり悩みはつきもののようだが、「健康保険でまともな入れ歯を作るのは難しい」と指摘したテレビ番組が大きな反響を呼んでいる。それはNHKスペシャル「入れ歯のハナシ」(一月二十九日放映)。自分の口に合った義歯は自由診療で数十万円出さなければ望めないとなると、全国に一千万人いる“入れ歯老人”は絶望するしかない。」こういうショッキングな番組でございました。私はちょうどそのNHKの番組を見ておりまして、確かにこの問題は、高齢社会を迎えた我が国にとって重要なことを含んでいる番組だということで、真剣にこの番組を拝見いたしました。 六十五歳以上の老人の方一千人に対してアンケートをとり、歯科医師一千人に対してもアンケートをとったわけです。その中で、老人に対して入れ歯を使ったことがありますか、使ったことのあるその入れ歯のぐあいはどうですか、こういうアンケートをいたしました。六十五歳以上の方々の返答が、八八%の人が入れ歯の経験があった、五二%の人がぐあいがいい、四八%の人がぐあいが悪い、こういう回答だったということが報道されております。 今、我が国では義歯人口は一千万人と言われております。二〇二〇年になりますと全人口の四分の一が義歯人口になるという状況の中でございます。ですから、入れ歯が合わないで、かめないで、食事の際、入れ歯を飾り物にして外して食事をしておる人の姿も映っておりました。まさにナンセンスという状況でございますけれども、非常にこの問題については深刻な老人の悩みになっております。痛い、かめない、笑えない、話せない、肩こり、頭痛、この原因になっているのだ、こういう状況が映し出されてきたわけでございます。 このような状況は、入れ歯を入れておる約半数の人たちが、余りぐあいがよくないということになぜなったのか。その原因について河辺先生という人は、現在のいわゆる臨床教育、お医者さんの養成ですね、歯科医の養成の臨床教育がよくない、もう一つは医療制度が悪い刀この両方は厚生省の所管として非常に重要な要素を持っておると私は思うわけでございます。この点についてどういうふうにお考えになりますか。
○山下国務大臣 これは、古い話でございますが、私が非常に印象的だったのは、終戦直後、マッカーサーが厚木におりてきました。その後ろからサムスという軍医大佐がおりてきまして、この人が日本の医療行政を全部引き受けて数カ月後に言った言葉の中に、日本は歯科医療がおくれている、それは今日まで歯科には大学がなかったからであると言いました。そのとおり、終戦までは歯科医専と言われる専門学校しかなかったんであります。 そういうことがあったりしまして、それから急速に歯科医科大学がたくさんできまして、非常に日本の歯科教育というものがレベルアップしまして、今日においては、補綴に限らずすべての問題について、私は歯科の技術、歯科医療というものは遜色がないと思っております。 実際、日本人の年齢が非常に延びて世界一になった。それで一番困るのは、やはり歯と目であろうと思います。老齢化すればこれが一番故障が起きやすいんであります。私自身もかなり歯が悪うございまして、妙な話でございますが、最近おかゆの缶詰というのがございまして、私は常時これを持っているんでございます。痛かったり歯の調子が悪いときにはすぐ、おかゆというのは時間がかかりますけれども、缶詰は実によくできておりまして、それを食べながら思うのは、本当に歯がよかったらなということをしばしば思うんでございます。 特に、先生も私も同じで、先ほど三つお挙げになりました、痛い、かめない、話せない、私どもの職業というものは話せないということは重大な問題でございまして、確かに入れ歯をいたしておりますと、時々やはり自分自身で言語が不明確であるなということに気がっくんでございます。 これから医学の発達も、さらに歯科医学の発達も望まなければなりませんが、今おっしゃいました臨床教育等につきましても、私どもはさらに格段の、厚生省としましてもちゃんと専門家もおりますし、またそういう方々と話をする機会もあります。他の部門に比べて歯科というものは決して私は、先ほど戦後の例をとりましたけれども、今はおくれているとは思いませんけれども、そういう意味におきましても八〇二〇運動というものを推進しながら、ひとつ国民全般のために努力してまいらなければならぬと思っております。
○浅井分科員 大臣、なかなか御見識がありまして、今私はいい入れ歯ができない原因に二つあると申し上げました、学校教育と医療制度。 まず、その医療制度の方から問題点をちょっと述べてみたいと思うのです。 いい入れ歯のできない構造的な原因は医療制度にある。保険診療と自費診療というのがございます。特に歯の場合は自費で、保険ではできない貴金属等を使う自費診療というのがありまして、そういう自費診療と保険診療とありますけれども、いろいろなケースがありますから、これはなかなか説明しにくいわけですが、歯科医に、おたくは保険診療と自費診療との割合はどのぐらいかというようにアンケートをとりますと、ほとんど保険てやっておりますというのが五三%の歯科医なんです。半数ですね。保険が多いというのが三六%です。自費と保険が半々ですというのが一一%なんです。 そこで、患者さんに保険を勧める理由を聞いてみると、歯医者は患者の経済状態を考えて、この人は経済負担ができないからというので、四四%の人に対しては経済状態を考えて保険を勧めている。保険でも十分つくれますよという説明をして、保険でやっている人も三三%、その他が二三%、こういう状況なんです。 ところが大臣、ここに問題があるわけです。この歯科医の方は保険診療だけ、保険診療を一〇〇%やっていたら経営が成り立つかどうか。そうすると、これに対するアンケートは、このNHKの番組では、成り立つというのが三四%なんです。成り立たないというのが六五%なんです。その他が一%。ですから、保険診療では成り立たないというのは六五%もあるというこの数字が僕は大きな問題だろうと思うのです。 そして、この入れ歯をつくれば赤字になるということが、その報道で引き続いて放映されてきたわけです。千葉県の歯科医の例をとりまして、これは延々と報道されたわけですけれども、人件費が一万六千五百円、材料代が薬品を含めて八千七百十円、技工代が一万九千六百円、設備や光熱費などが二万三千六百四十一円。こういうふうになりますと、保険の診療点数は上下の入れ歯を入れて五万八百二十円なんです。今の人件費、材料費、薬品代、技工代、設備、光熱費など入れますと、一万七千六百三十一円の赤字になるのです。 大臣、私も歯医者の学校を出ておりまして、私の同窓生がいっぱい歯医者をやっております。東京都内にも何人もおりまして、昔から健康保険で入れ歯をつくると赤字になってしょうがないのだという苦情はもう何回も聞いてきたわけです。今回こうやって思い切って、私も厚生大臣の歯科医師の免許証をもらったわけですから厚生省を尊敬しているんですけれども、これはどうしても一遍、ちょうど山下大臣なんだから聞いてもらおうというわけで、この問題を取り上げているわけです。 ここで、僕の友人、知人の中で知っておりますのがつくってくれました資料に基づいて申し上げてみたいと思うのですけれども、これは総義歯の保険診療報酬と実際にかかる経費、それから外注費、ここに幾らかかるかということです。 これは都内の中心部の賃借ビルなんです。今、東京都内の高いマンションの部屋代を払ってやる開業医というのはだんだんなくなると言われるほど、このマンション代が高いわけですけれども、この間接経費、いわゆる歯科医療の一時間に幾ら経費がかかっているかを調べたところ、全体で、いわゆる歯科医師が五人いる中で、そのほかに受付の女子あるいはまた衛生士、それから助手、保険事務、経理、こういう者を含めて十九名おる診療所なんです。これで見ますると、この間接経費というのは、いわゆる一時間当たり三千八百六十七円なんです。これは、歯科医師の一時間当たりの賃金は全然この中に入ってないのです。その歯医者は一人でやっているわけじゃないですから、助手もいれば受付もいればそれから技工士もいれば、ほかにいろいろな周辺にスタッフがいるわけです。スタッフの間接経費が、二枚目にございますように、修理費、医器修繕費、会議費、研究費、法定福利費。これは、この人が平成二年に税務署に提出した経費を各項目別に次の数字で割ったものですから、基礎は税務署申告の数字で出てきております。 三枚目にございますように、今のは間接経費ですけれども、今度は直接経費。この歯科医師一人当たり一時間幾らかかっているか。人件費でございますけれども、技工士一、衛生士、助手、受付、保険事務、経理含め十九名。平成二年一月から十二月までの全支給額が十九人で三千八百八十八万六千四百六十円。これを一番最初に出ております九千六百分の一、この数字で割ると四千五十円になりますので、人件費としては一時間で四千五十円。ただし、この人件費は歯科医師の人件費は含まれていないのです。 技工料が上下で、ここに数字がありますが、基礎床を含む咬合、人工歯排列、歯肉形成、重合、研磨、こういうふうにa、b、cでございますけれども、この技工所に一万九千円払っているわけです。それで今度は材料費が三つ目にございます。これは、人工歯、前歯、臼歯が千三百八十円、それから石こうが上下で二百二十グラム使って六十七円、硬石こうがやはり二百二十グラム使用で百十円、印象材が四百円、カーボン紙等で七十四円、合計二千三十一円、こうなるわけです。 今度は、この四枚目にございます「総義歯制作時の歯科医師の所要時間」というところで、診査が十分、模型用の印象が二十分、印象採得が四十分、診断設計が二十分、咬合採得が六十分、試適が三十分、六番の装着が六十分、七番の義歯調整が十五分。この四番の咬合採得、「人口」と書いてありますが、これはミスプリントでございますけれども、これは人工歯という歯を選ぶのが入っております。これで大体二百五十五分で、四時間十五分かかるわけです。 その次が、今度は改定の表になっております。今回の改定で、今までの五千二十八点が改正案では五千百七十点になるという、この四月からの改定分の表です。 それで大臣、一番最後のページを見ていただきたいわけですけれども、「総義歯の収入は二・七%アップの改正後でも、わずか千四百二十円アップの五万一千七百円に過ぎない。」と。総義歯制作による四時間十五分の歯科医師の制作時間に対し、一時間で間接経費の三千八百六十七円と、直接経費のうちの人件費四千五十円に四時間十五分を掛けますと、三万三千六百四十七円になるというわけです。bは、先ほど申し上げました外注技工料で一万九千円。材料費が二千三十一円。合計、この一、二、三を足しますと五万四千六百七十八円です。 平成二年度の経費でさえこれだけ、五万四千六百七十八円かかっておる。ですから、五万一千七百円というふうに総義歯報酬が今度アップされたといっても、この歯科医師の技術料あるいはこの四時間十五分彼がやったそういういろいろなことについての報酬は、一つもここに加わっていないのです。だから、この数字を見ていただければわかるように、健康保険で上下の義歯をつくればつくるほど赤字になってしまうのです。やる人がだんだんいなくなってしまうぞというわけです。 この彼が言っています。「現在、自費患者がそのマイナス面を負担している形になっているが、患者全体の二〇%の自費患者が八〇%の保険患者のマイナスを補っていることになり、割高感はいなめないがこれなくては歯科はやっていけない状態で、なんともやりきれない気持で毎日の診療を続けているのが現実の姿である。」これが長く今続いているということです。どうでしょうか、大臣。
○山下国務大臣 いろいろ御指摘ございました。率直に申し上げまして、一般の医師に比べるということは語弊があるかもしれませんが、要するに一般の医師と違うところは、もう歯医者さん自身が自分の体でもってすべて治療をしている。いろいろな科学的な治療というものはないのでありまして、一つ一つ自分の手先でやる。言うなれば体が資本であるという率が非常に高い。ですから、三分診療というのはなかなかあり得ないのでありまして、一日にこなせる量というのは決まっているわけでございますから、そういう意味においては、そういう面も十分考慮しなければならぬし、今申し上げましたように検査も少ない。歯医者さんでなくてできるものは、衛生士のスケーリングぐらいなものだと思います。 そういう意味におきましては、そういう医者の技術、また一日にこなせる量とか、そういうものを計算に入れながら保険の単価というものは決めていかなければならぬ。しかし、今年度の改定におきましては二・七でございますから、これはあらゆる角度から見ても、一般の医師よりも少しはよく見たのかなと私は思っておるわけでございますが、今おっしゃるような数字から見れば、とても追いつくものではございません。 ただ、私もあちこちで歯医者さんを見ますが、中には本当に一人の患者を熱心にやっているところと、診療台に四人ぐらい並べて、はい今度はこっちというわけで、しょっちゅう行ったり来たりしているような人、これを合理性というのかわかりませんが、いろいろあるわけでございまして、本当に良心的にやれば、その良心的な技術というものはもっと評価しなければならぬのかなという気持ちは私も持っております。
○浅井分科員 大変御理解のある御答弁なのですけれども、私はこう思うわけですね、大臣。 健康保険でこれだけ赤字だ赤字だと言われて、全国的にも放映されたNHKの番組を見た今度は受診者側ですね。今我が国は国民皆保険なのです。保険で医療をしてもらうために掛金をかけているわけです、老人医療は別でございますけれども。そういう状況の中で、赤字になって丁寧に診てもらえない、それが入れ歯が合わない原因になっているのだ。赤字になっているのだから、患者さんの方は二回も三回も合わせに行く、専門用語で調整しに行くというのですが、それに行きにくいという状況があります。 私は歯科医であるとともに、この問題をなぜこうやって取り上げるかといえば、国民皆保険で、保険で診療を受ける人たちが肩身が狭いということについて厚生省は痛みを感じないかということであります。保険がありながら十二分に診療を受けられない、保険でありながら肩身が狭い、そして十二分な満足のいく入れ歯をつくってもらえない。だから、この歯医者でだめだったら今度は次の歯医者へ行きましょう、その歯医者でだめだったらあっちへ行きましょうという、それこそ入れ南流浪の民みたいに、今は半年に一度しかつくれないという原則があるそうでございますけれども、A医院、B医院、C医院と渡り歩いていかなければならないような人生をやっておるという、その患者さん側の論理にもう少し立ってもらいたいと思うのですよ。 今大臣もいみじくもおっしゃいました、今回二・七%上がったから多少はいいと。しかしながら、ほかの部分は上がったにしても、せっかく私の友人が二日がかりでつくってくれたこの貴重な資料によっても、改定後も何ら赤字は解消しません。大きな赤字が残されたままなのです。ですから、ほかの部分のことをやってもらう患者さんは大威張りで行けるかもしれませんけれども、この上下の総義歯を入れてもらう患者さんはあくまでもまだ赤字なのです。歯医者も、これは赤字ですよ、もうからないのですよと平然とみんなが言うわけです。そういう中で受ける受診者側の心理はどのように考えたらいいか。大臣、どうでしょうか。
○山下国務大臣 幾つか例をとられましたが、一概にはそうとは私自身は思い切れないのであります。 A医師、B医師、C医師と次々に渡り歩いて入れ歯をつくるというお話がございました。昔笑い話に、そういうおばあさんは入れ歯をつくる趣味があって、旅行をするときには袋いっぱい入れ歯を持って回るなんという話を聞いたことがあるのでございますが、今はそうじゃなくて、本当にいい歯があればそれで済むわけでございますから、私自身は、かえの入れ歯を持っておりません。そして保険でいつもやっておる。厚生省の診療所ですからそれは良心的にやってくれますけれども、私はそういう意味において、A、B、C、と渡り歩くこと自体、本当にそんなにうまい歯ができないのかなと、実は先生の御質問の中で、ちょっとそこのところが一致しないと申し上げたのです。 お医者さんとの間でもっとよく詰めていけば、私はもっといい歯がそのお医者さんでもできると思うのでございますが、そこらあたり、もしそういうのがあるとすれば、それはどうも極めてよくない、ある意味においては不合理な話だなと思うのでございます。
○浅井分科員 そこが問題点なんですよ。これは専門家が言う言葉なんですけれども、保険の入れ歯が合わないのは当然なんだ、どんな技術のあるお医者さんでも一回でぴたっと合う入れ歯をつくるのは難しいことなんだ、手間暇かけて何回も調整しなければ、ここは痛い、ここは出っ張っている、ここはへっこんでいるというのを何回もやらなければ、まともなものをつくることはできないんだ、それをやることが最低条件なんだということなんです。保険の入れ歯は合わないから、患者の方は懐は痛まないので、さっき言ったように、あっち行ったりこっち行ったり、もっと上手な人があるんじゃないかとか、そういうふうな形になって、医療費のむだ遣いになっているということなんです。こうした悪循環が繰り返され、膨大な数の役に立たない入れ歯が生み出されていくのは、まことに嘆かわしいことだということであります。これは明らかに医療費のむだ遣いであります。 今大臣がおっしゃいましたけれども、ある週刊誌にも出ておりますけれども、「「保険の義歯が悪ければ、保険をやめるという声が出てもいいはずですが、そんな声は出ていないでしょう。みな合意の上でやっているわけでしてね、保険のが悪いなんてことはないはずですよ。技術、材料とも自由診療の義歯と差はありません。また、保険の方は医者の儲けがずいぶん薄いじゃないかと言われますが、赤字になることはありません。逆に工ーッというくらい利益が出てくるのですよ」と、保険局医療課の担当者は保険の義歯に問題はないと言い切る。」と出ています。 私から言わせれば、ここからが問題なんです、「その上で、「入れ歯は人工臓器と同じですから、自ずと限界があります。異物が口に入れば、多少は合わなくて痛いとか、うまく噛めないことがあるのは仕方ありませんよ。口腔内は舌や粘膜があり、非常に敏感なところですから、入れ歯を入れると不満が出るのは当然でしょう」」、この認識は私はやめてもらいたいと思うのです。これは入れ歯じゃないのですよ。異物感がある、痛いのが当たり前、そういう考え方ではそれは入れ歯とは言えないのです。専門家に言わせたら、そんなばかな話はないのです。自分の自然の歯に最も近いものをつくる、それが歯科医師に与えられている役割なんです。それを平然と自分の考え方で、こういうことを保険局の医療課の方がおっしゃるという厚生省の考え方というのは、私は問題だと思うのです。どうでしょうか。
○山下国務大臣 これは一定年齢以上の比較的老齢の方々でございますけれども、私もその部類に入るかもしれません。歯なり歯茎というものは一定の形でもって永続性があるかというと、一定の年齢以上になりますと、刻々歯が変わって動いてきたり、歯茎の形が変わってきたりいたしますから、そういう意味においては、一つには非常に合った歯がいつまでも使えるということにはならないのではないだろうか。そこらあたりも考えながら厚生省の係の者も言っていると思いますし、それは少し良心的におとりいただければいいんじゃないかと思います。
○浅井分科員 ちょっと納得いきかねますが、今のお話を聞きますと、とりようによっては入れ歯が合わなくても我慢しろと聞こえる。
○山下国務大臣 いや、そうじゃなくて、形が変わればやはりそれをかえなければなりませんので。
○浅井分科員 そこでお聞きしたいのですけれども、国民所得の伸び以下に抑制された医療費で、最近随所にその悪影響が出てきているわけです。 歯科診療の報酬でございますけれども、平成元年度の歯科医療費の伸びは対前年比が一・八%で、診療所の数の増加によって、一診療所当たり対前年比は一・一%と減少しました。歯科補綴関連め低医療費政策で、歯科医の補綴関連の医療の衰退、研修面のおくれ、新規材料等研究意欲なし、歯科技工士の職離れ、技工士学校の入学急減、人材離れも顕著であります。技工士は、歯医者の技工士をやっているよりも、指輪をつくったり、リングをつくりに行った方が給料は倍になる。技工士をやっておるよりも、ほかに転職した方が有利なんだというふうな声もしばしば聞かれます。 将来、二十年、三十年後には、いい入れ歯をつくる人、歯科医と技工士はいなくなるだろう。人件費の高騰、他業種に比し高賃金が払えず、看護婦問題と同様に、技工士、衛生士、助手、受付等にいい人材が集まらず、これらの養成学校はどこも大変である。そして、土地の急騰により入室料、家賃急上昇、都心で新規に開業する者がいない。新規の開業者は夜九時から十時までやっている者も多い。これは、国民全体が余暇をつくるという、こういう方向にもかかわらず、逆行しております。しかし、頑張らないと、借金をしている以上、それを返せない。そういう状況に迫い込まれているわけです。 ですから、見かけよりも歯科医師というのは非常に今苦労しているということは、これはおわかりいただきたいと思うわけでございます。私は、その意味において、このいわゆる保険診療という問題について本当にお考えをいただきたいと思うわけでございます。 もう一つの問題として、中医協の問題です。 中医協で、国民の健康、生命と直接に結びついている医療にあっても、このいわゆる消費税の問題が浮かびました。福祉関係、出産関係等の一部は除いておりますけれども、この消費税の対象に医療がなりました。その影響をということで、去年六月に中医協において医療経済実態調査を実施したと伝えられております。しかし、中医協において実態調査の概況が密室の中で一部報告されただけで、我々国民の前には医療経済実態調査の結果、その正確な情報公開はいまだになされていない。なぜ速やかにこれが公表されないのか、お伺いしたいと思います。
○黒木政府委員 中医協で医業経営実態調査に基づきます結果を取りまとめまして、発表していないのではなくて、調査の都度発表いたしているわけでありますけれども、公表の時期は例年どおり夏ごろになっていまして、今回もその予定で進んでいるわけでございます。 医業経営実態というのは、御案内のように中医協が行っている調査でございまして、中医協が病院経営の、歯科診療所の経営の収支差がどうなっているか等々を含めまして承知をした上で、必要な改定率の幅等を判断をしていく材料になるものでございます。 したがって、中医協の調査ということで取りまとめをしているわけでございますけれども、御要請があるということで、さらに私どもは調査の結果を誠実に取りまとめ、あるいは分析した上で中医協の方から公表される、こういうことになっております。 〔甘利主査代理退席、唐沢主査代理着席〕
○浅井分科員 この実態調査は医業経営の安定ということからやっているわけで、今回、この四月の医療費の改定があるわけです。それに対しての資料にすればいいわけなんであって、もっと早くきちっとまとめればいいのを、昨年の六月にやって、まだまとまらないというのが問題だと私は言っているわけです。 伊東中医協委員は、医療経済実態調査小委員長は、去年の十二月の六日、九一年六月に実施した医療経済実態調査の結果について、今回の調査では、医業経営の現状は、前回と比べ医業収支率は総じて低下の傾向にあると記者会見で述べたが、同日の中医協で政府は、調査結果を公表しないとした。その中でも歯科は特に落ち込みが大きかったと言われております。しかし、中医協は、全員懇で事実上、改定幅を政府に一任する取りまとめを行った。これは、改定を実態調査の結果を勘案してどの立場を事実上放棄しているじゃないですか。結果的にマイナス改定を招くことになるんじゃないかということなんです。 さっき私がこの資料を大臣にも差し上げましたけれども、もっともっと真剣にやっていけば、このいわゆる引き上げのときに、改定のときにこの実態が生かされるではないか。実態が生かされてないから、公表をなぜしないのかと私は問うているわけですよ。
○黒木政府委員 医業経営実態調査につきましては、私どもは六月で調査をいたすわけでありますけれども、例年、十二月の時期に診療報酬改定の大詰めの議論になるわけでございまして、そこで改定の要否とか改定の考え方が出るわけでございまして、私どもの事務局あるいは中医協の小委員会として、その時点に速報値と申しますか、とりあえずのデータを取りまとめた形で中医協は御議論をいただく。そして、改定についての判断をした上で、その後のデータについてはさらに詳細に分析等を加えた上で国民に夏ごろ公表する、こういう手はずに前回はなっているわけでございまして、今回もそのような取り運びになるだろうと思います。
○浅井分科員 医療費の改定は、国民の社会保障の大きな柱である医療保険制度の充実を図るために必要なことなんです。その裏づけは、医療経済実態調査のデータを反映すべきなんです。それを中間報告のようなあいまいなものでやるからそういうことになって、もっと速やかに実態調査をまとめて、そして、反映されたものの上において医療費改定が行われるべきだと私は言いたいわけです。正確にそのデータを尊重したものであるのかどうか、疑わしいわけです。 今回の改定幅とそのデータとの相関関係はどうなっているのか、本当に私はこの問題について今度公表したときもう一遍詳しく調べますけれども、診療報酬の改定については、医業経営の安定や医療費適正化の見地を十分配慮して行うということが、これがうたわれておるわけなんです。ところが、医業経営の安定ではないじゃないですか。実際問題は赤字が出てくるじゃないですか。不安定じゃないですか。こんなものが真の改定がと私は言いたいわけですよ。
○黒木政府委員 私どもは、今回の改定によりまして、歯科診療の経営というものは安定するであろうと見ているわけでございます。御指摘のデータ等は、これから貴重なデータとして、参考として分析させていただきますけれども、問題は、一つはぜひ御理解いただきたいのは、診療報酬は全国平均の考え方でございます。したがいまして、これは医科でも同じでございますけれども、今の診療報酬が地域差のない全国一本の形になっておることから、都会等についてはやや経営がきつくなっているというのは、医科についても同様の傾向があるのは承知をいたしております。 さらに、補綴の関係、入れ歯の関係の赤字の御指摘がございました。 これも資料によって分析をさせていただきますけれども、診療報酬の考え方というのは、全体の各技術の評価によって経営が成り立つという発想をいたしておりまして、医科におきましても、例えば今までは手術部門が不採算であるとか、この部門が不採算であるということがあったわけでございますけれども、不採算であるがゆえに、そこのところだけとられて、そこの診療が著しく質の悪い診療になるということはあり得ないものと私どもは考えております。 私ども、入れ歯の調査は具体的にはいたしておりませんけれども、NHKの報道がありまして、何か適当な資料はないかというふうに検索をいたしたわけでありますが、幸い、平成二年に日本口腔保健協会が行った高齢者に対する歯の咀嚼機能回復モデル事業調査によりますと、上下に義歯を入れている三千人からの回答で、上下ともぐあいが悪いと答えた人は八%、上下いずれかがぐあいが悪いとした人は九%でございまして、この結果を見ましても、私どもは、保険診療なるがゆえに、診療報酬がそこのところだけが低いがゆえに粗悪など申しますか、まずい入れ歯が入れられるというのはないだろうし、また、お医者さんの良心としても、やはり最適な入れ歯が、その患者にふさわしいものをつくって調整してあげられるだろうというふうに考えております。 さらに、週刊誌の御引用がございましたが、私どもの職員がやや乱暴な発言をしたように書いてございますけれども、真意は、入れ歯を入れた直後は、もう先生御案内のようにやはりいろいろ調整が必要であるわけですけれども、それはもう当然私どもはその調整の費用も見ているわけでございますが、その過程においてぐあいが悪いという人が出てくるのは間々あること、というよりも、かなり出るだろうというようなことを申し上げた結果が、そういう記事になったというふうに報告を受けておるわけでございます。
○浅井分科員 余り弁解はしてもらいたくないと僕は思うんです。もう少し謙虚に受けとめてもらいたい。それは役所ですからやってきたことに対して批判されることについては、痛いことであり、嫌なことであろうと思いますけれども、我々は過ちを改むるにはばかることなかれということであって、いろいろなことについて失敗は失敗として認めて、あるいはまた至らざるところは至らざるところを補うということでやってもらいたいと思うわけであって、こっちが質問していることに対して反論だけしているのでは、何ら改善の余地はないと思うのです。 もう一つ、先ほど申し上げましたいい入れ歯のできない原因は、医療制度がよくないということと臨床教育の問題と二つあるわけです。臨床教育の問題に私はここから入りたいと思いますが、時間が迫っていますので、簡単に答弁してもらいたいと思います。 臨床教育がなってないというこの件、やはりNHKの報道でございました。現在、我が国に二十七大学二十九学部の歯科教育機関があります。予科二年、本科四年、百八十八単位の学習をしておるそうでありますけれども、国家試験がいわゆるペーパーテストに追われておるために、臨床実習はほとんどなくて、見学主体、見学実習に追われているそうであります。この国家試験への実地の復活についてはどういうふうに考えておられますか、簡単に。
○古市政府委員 現在、国家試験の中での臨床実地試験というものは考えておりません。これは、現在やっております試験の臨床実地問題の充実と、卒後に実施いたしております臨床研修を奨励するということによって、この問題点は是正していきたいと思っております。
○浅井分科員 国家試験で学科だけになったので、技術が全く無視されて、歯科医の技術力の低下は著しく、医科と同様の研修医二年必修の国家予算を早く実施することを望まれているという話がございます。いわゆる国家試験合格者の二年間の臨床研修の法制化の実施、そして歯科医師法の一部改正、法制化実施への検討会の設置、こういうものについて大臣、いかがでしょうか。 現在、一部研修費も出されておりますけれども、これも大幅に増額してやっていかないと、これは私は時間がないので簡単に申し上げましたけれども、技工士依存体質になってきて、その技工士もだんだんいなくなってくる。そういう状況の中で、いわゆる技術の低下というものは否めないわけなのです。医師の場合は二年間の研修があるわけです。これは義務化されています。法制化されています。ところが、歯科医師の場合は一年ということになっていますけれども、やっているのは三〇%なのです。 ドイツの場合は、国家試験というものが終わった後、今度保険医になるためにこの研修制度を設けて、そしてきちんと二年間働くことを義務づけて、それから保険医としての資格を与えているわけです。学生時代のいわゆる五年生の中で臨床実習をドイツでは行っているわけなのです。私たちが専門学校の歯科医のときは、ドイツが大体歯科の先鞭でございました。ただ、何といいますか、ちょうど日米戦争がございましたので、ドイツ、ドイツということでドイツとの医学提携がございましたけれども、ドイツはいまだにこのように実地の研修を行い、そして卒業後も、保険医の資格を与えるためにそういうことを実施しているわけです。我が国においては、卒業直後の歯科医師臨床研修というものの必要性が早くから言われております。これは予算も伴うことなんで、これについていかがかとお聞きしたいわけでございます。
○古市政府委員 御指摘のように実施率が三五%前後でございますが、この充実は図っていきたいと思っております。また、国訳によって大学における教育がゆがむというのは、これは本末転倒でございまして、そういう影響があるということは遺憾なことでございますが、ここのところで歯科部会の先生方とも御相談して、何らかの工夫ができるかどうかということは検討してまいりたいと思っております。既に愛知学院大学歯学部でございますか、二〇%の大学では正しい歯科医師の教育ということで、実習に力を入れていただいているということも報道されておりましたので、そのような例も参考にして、文部省ともひとつ協議をしたいと思います。
○浅井分科員 最後に大臣、いろいろなことを申し上げましたけれども、高齢社会を迎えて、老人の老後の喜びというのは、食べることは非常に大事なことなんですね。おいしく物がいただけるということは、人生に対して非常に大きな喜びを与えることになります。動物も、歯がなくなって物が食べられなくなったら死ぬと言われております。楽しく会話ができ、そして健康で、健康を維持するためにもいい入れ歯の確保というのは非常に重要なことだと思います。医療を心から愛して、一生懸命まじめに取り組んでいる歯科医師もたくさんおります。そういう人たちが喜んで健康保険の義歯がつくれるような、そういう体制を本当に一日も早くつくっていただきたいと、私は心から願っているものでございます。 どうかこの点について、今いろいろな政治不信が高まっている社会の中でございますけれども、厚生行政はすばらしい、この間、ちょうど白内障の問題で大臣が勇断を下されたわけですけれども、この入れ歯の問題についても「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の着実な実施という言葉に沿うように、早速この実情を中医協にも伝えていただいて、二年後を待たないで何らかの早急な善処方を私はぜひ望みたいと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○山下国務大臣 私の考えといいますか、私の知っていることが間違いなければ、戦後間もなくのころからずっと見てみまして、前は歯医者さんのせがれが、ちゃんと立派な診療所があるにもかかわらず後継ぎをしないで、一般の医学部に行ったという例がもうしばしばでございました。私の知る範囲内でそれは比較的少なくなって、まあたまにはありますけれども、それはそれだけ歯科医師の地位が高くなった。それは保険その他における収益の面から見ても同じといいますか、かなり接近したといいますか、いい線にいっているんではないか。これは、そんなことを言うとしかられるかもしれませんが、そう思っております。 また、私が歯医者さんなんかへ行って見る限りにおいては、例えば技工士なんか今まで歯科医師に従属しておったのですが、これからは歯科医師一人に対して技工一二人というのは必要なのかどうかという点まで考えてみますと、やはり技工士としての一つの業として、たくさんの歯科医師からそれをちょうだいして技工するというようなふうに、だんだん合理化が歯科医師の間でももっと進んでいけば、さらに歯科医師の収入はふえていくんじゃないかと私は思いますし、いろいろな面から見ればやはりもっと改善しなければならぬ点、また私どもも考えなければならぬ面もあると思いますが、努力をしてまいりたいと思います。
○浅井分科員 中医協によく相談していただきたいのですけれども、この点ちょっとお約束していただきたいと思いますが。
○山下国務大臣 よくわかりました。その点は私どもからもよく伝えたいと思います。
○浅井分科員 じゃ、時間が迫ってまいりましたので、エイズ問題について入りたいと思います。 まず、検査体制と匿名性の徹底ということでお願いをしたいわけですけれども、エイズ検査が現在どのように行われているのか、受け付けている施設、料金等、やや検査料金も別々にあると言われておりますけれども、この点についてはどうなっておりますか。
○寺松政府委員 エイズの検査でございますけれども、私ども都道府県あるいは日本医師会等々を通じまして、保健所やあるいは全国の医療機関で検査を行ってもらうように指導いたしております。 指導料金の件でございますが、御承知のように、保健所におきましては県の条例あるいは市の条例等で値段を決めておるということでございまして、私が承知しておりますもめでは、千六百円から二千五百円ぐらいでございます。ところが、医療機関の方におきましては、一応検査だけ行くという場合には自費診療というのでございましょうか、そういう形をとりますので、少し高目の一万円ぐらいから五千円ぐらいというような形でやっておるようでございます。しかし、病気の場合には医療保険等が使える、こういうことになると思います。
○浅井分科員 平成三年中に届けられた患者を含むHIVの感染者ですが、これは前年の九十七名から二百三十八名と約二・五倍になって、拡大の幅は年々予想どおりといいますか、大きくなってきております。 エイズ検査は、医療機関の一部で、保健所等でも受け付けておりますけれども、受付窓口が違うし、自由診療ということもあって料金もそれぞれ違う。また、検査には匿名性が厳格に求められているにもかかわらず、保健所には指導は徹底されてきたけれども、病院では体制の整っていないところが多く、エイズと声を出さなければならない場合が多い。検査を希望する人には気の重い話になっている。エイズ感染者が確実にふえてくるので、若い人たちの中では、婚約の際に相手に対する心遣いとして、検査結果を互いに交わし合うようになることも考えられる。検査は単に身に覚えのある人だけの問題ではなくなっております。こういう点について病院に対する指導をもっと徹底すべきであると思いますし、その方針があるかどうか。また、保健所でエイズの検査を受け付けてくれるということをもっとPRし、検査を受けやすくする工夫をしてもらいたいのですが、いかがでしょうか。
○寺松政府委員 今先生御指摘の、いろいろな方策について御示唆あるお話をいただきました。確かに保健所で検査を受けるようにというPRは随分やっておるわけでございますけれども、今までに私どもが承知しておりますものでは、昨年の十月までに検査は七万件ぐらい保健所で行っております。医療機関の数字はちょっと手元に持っておりませんが、これもかなり行われているように聞いております。 検査を受けますときに、プライバシーの保護というのでございましょうか、そういう立場に立ちまして検査をやる必要がありますし、そういう検査をやることによって検査を受けやすいようになるんだろうと思います。したがいまして、私どもは、通知等で、医療機関あるいは保健所に対しましてできるだけ匿名でやるようにというようなことを指導いたしております。何か実態的にございますと直接的に指導いたしたい、このように思います。
○浅井分科員 医療現場の確保の問題ですけれども、血友病の血液製剤による感染者については、従来から血友病の治療に当たってきた医療機関が引き続きHIVについても治療を行っている。その多くが私立の大学病院、私立一般病院であり、担当医の定年退職とか経営の都合で縮小されてきている。性行為の感染者はもっとひどく、首都圏を除けば、どこに行けば診療が受けられるのかさえわからないのが現状であります。 エイズの治療、カウンセリングの体制の整備が必要でありますが、医療機関等にどのように指導しているのか、また、全国的にどういう体制がとられているのか。医療機関を指定しているということだが、症状が進行しても継続して治療は受けられるのかどうか、また外科や歯科治療などが必要なときに対応してくれるのか、心配している人もいる。十分な医療体制が整っていなければHIV対策そのものが成り立たない。当面、国公立病院で体制を整えるべきだと考えるけれども、どうでしょうか。
○寺松政府委員 繰り返しのようなところもございますが、御説明してみたいと思います。 確かに患者と感染者の対策というのは、治療とカウンセリングということが大事であることは私どもも承知しております。そこで、都道府県及び日本医師会あるいは歯科医師会を通じまして、医療機関及び保健所におきますエイズ患者の治療の推進あるいは相談窓口の設置をお願いいたしておるわけでございます。 私どもも、実際医療機関におきましていろいろな診療を行われます場合の診療の手引でございますとか、あるいは医療機関等におきます感染防止というようなことから、HIVの医療機関内の感染予防対策指針というふうなものも作成いたしまして配付し、その徹底を図っておるところでございます。 それから、私どもいろいろな形で、エイズ予防財団の主催あるいは都道府県あるいは厚生省が直接やりまして、研修会を指導いたしております。それから、国内だけではなくて国外に対しまして、特にエイズの患者が多い欧米に対しまして、私ども研修医とかあるいは研究者を派遣しております。そのようなことで研修を行っておるということでございます。 それから、カウンセリングにつきましては特に重要でございますので、別にカウンセリングのマニュアルとしまして「HIVとカウンセリング」というパンフレットを作成いたしまして、配付いたしておりますし、カウンセラーの養成研修会も実施いたしております。 国立病院の件についてお触れになりましたが、国立病院を活用するということは私どもも重要だと思っておりまして、二百五十ばかり国立病院・療養所がございますが、それらにつきましても院長会議あるいは所長会議等を通じましていろいろ指導するとともに、通知を出しましてその徹底を図っておるところでございます。
○浅井分科員 業務局の関係なんでしょうか、血液製剤感染者全員を救済すべきであるという点について、血液製剤によるエイズ患者・感染者のための救済事業は、血液製剤関連企業等からの寄附金を集めて、財団法人の友愛福祉財団が行っておりますが、この特別手当が患者に限られているのは納得できない。政府は全くこれを改めようとしないけれども、感染者全員、すなわち千五百三十一人が血友病患者の中でいわゆる感染者と言われておる人なんです。平成三年十二月現在千五百三十一人、これに対して、感染者全員をこの特別手当の対象とすべきであろうと思います。血友病患者の感染は国の医療行政の中で起きたことであって、一日も早くこれに踏み切るべきだと思いますけれども、この点についてどうでしょうか。
○川崎政府委員 HIV感染者の方やその遺族の方々につきましては、法的責任問題とは切り離して、医薬品副作用被害救済制度に準じた救済事業を行っているところでございます。特別手当につきましても、この被害救済制度の障害年金に準じて、発症された患者の方に支給されるものでございます。 一方、感染はしているが発症はしていないHIV感染者の方々の多くは、日常生活に支障があるような特段の症状も見られませんので、この医薬品副作用被害救済制度の障害年金に準ずる特別手当の給付の対象とするということは大変困難なことでございます。ただ、発症に至っていないHIV感染者に対しましては、関連疾病で入院された場合には医療手当が給付されることになっておりますし、また、この救済制度とは別個に、発症者か否かを問わず、血友病患者の医療につきましては公費による負担が行われているところでございます。
○浅井分科員 私としては、まだもう少し手厚い血友病患者に対する対策をとってもらいたいと思っておるわけでございますけれども、時間が参りましたので、最後に大臣に、今後我が国にとっても重要な施策であるこのエイズ対策に対して、取り組みをどのようにお考えになっておるのか、それをお聞かせ願って、私の質問を終わりたいと思います。
○山下国務大臣 エイズにつきましては、治療法がないのでございますから、これは予防に全力を注ぐ以外にないと思っております。その予防の第一はPRだと思うのでございますが、この間私はテレビを見ておりましても、次の場合にどれとどれがエイズに感染するのかというふうな、いろいろ握手だ、キスだとか、歯ブラシだ、何だとありました。本当にこんなに知らないのかな。私も大分知らないのがありましたが、そういうことで、やはりもっと徹底してエイズに対する、これは恐ろしいものだよという、そういう一つの教育とか予防とか、それを徹底して、まずこれ以上拡大することを防ぐ。世界に潜在まで含めて四千万人のキャリアがいるというんですから、これは人類全体の問題として、日本はその先覚者としてこの問題には真剣に取り組んでいかなければならぬと思っております。
○浅井分科員 ありがとうございました。終わります。
○唐沢主査代理 これにて浅井美幸君の質疑は終了いたしました。 次に木島日出夫君。
○木島分科員 私は、老人保健施設の問題についてお伺いしたいと思います。 言うまでもないことですが、老人保健施設は昭和五十七年に制定された老人保健法によって創設されたわけであります。老人の医療、それから老人の福祉の間を埋めるものということでつくられました。医療面のサービスと福祉面のサービスを一体として提供できる中間施設というべき新しい形の介護施設だ、こういうふれ込みでつくられたわけであります。 厚生省の「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、ゴールドプランによりますと、一九九九年には二十八万床にしたいという目標がつくられているわけですね。きょうの新聞でも発表されておりましたが、平成二年十二月三十一日段階での老人保健施設のベッド数が三万一千九百八床、これは三百九十七カ所であります。これも対前年度比、施設の数で九四・六%の伸び、定員の数で九八・四%の伸びと倍近い伸びを示しているわけであります。新しい形のサービスでありますからいろいろな問題点が出てきているわけでありますが、創設されてから四年が経過しているわけで、その問題点もかなり浮き彫りになっていると思いますので、私、きょうは時間の許す限り幾つかの点についてお尋ねしたい、そして善処方、要望したいと思います。 最初は、この老人保健施設への入所者に対する医療の問題であります。 老人保健施設がつくられたときに厚生省の方からいろいろな通達が出されておりますが、昭和六十三年一月二十日の厚生省保健医療局老人保健部長の通知、「老人保健施設の施設及び設備、人員並びに運営に関する基準の施行について」と題する通知によりますと、「老人保健施設入所者に係る往診及び通院について」という別紙二のところで、「基本的考え方」としてこうあるわけですね。「老人保健施設は常勤医師が配置されるので、比較的安定している病状に対する医療については施設で対応できることから、入所者の傷病等からみて必要な場合には往診、通院を認めるが、みだりに往診を求めたり通院をさせることは認められないものであること。」これが基本なんだ。要するに、入所者については、みだりに往診を求めたり通院をしちゃいかぬのだという大原則が立てられているわけであります。これが現場では大変な問題になっていると思わざるを得ないわけです。 以下、私、具体的に例を挙げますので、こういう場合には社会保険が適用になるのかならないのか、まず答弁願いたい。 一つは、入所者がリハビリの最中あるいは老人保健施設内で転んでけがをしたような場合に、これに対する治療を施設内の医師、百人に一人配置されるわけですが、施設内の医師が治療した場合には保険適用になるのか、施設外の医師のところへ治療に行ったときには保険適用になるのか、どうでしょうか。
○岡光政府委員 まず、施設内の医師がその手当てをしたという場合には、当該の施設療養費の中で賄ってくださいということにしておりまして、保険請求の対象になりません。骨折なんかをして、どうしても老人保健施設で手当てができないかなり重いけがということになりますと、本来的には医療機関に入ってもらわなければならぬわけでございますので、その場合には保険の対象になる、こういう整理をしております。
○木島分科員 重くて大変な場合には医療機関に入ってもらうということは、要するに、施設内の医師の浴療を受けるんではだめだ、施設外の保険医の治療を受けなさい、そうした場合には保険適用しますよ、そういう意味ですね。 併設されていれば老人保健施設の隣に病院がありますから、すぐ行けるわけです。しかし、必ずしも併設が義務づけられているわけじゃないわけですね。独立した老人保健施設があるわけですよ。病院は非常に遠いところにある場合もあるわけですね。 そうすると、何ですか、重いけがで出血をどんどんしているというような場合でも、目の前に医者がいるのに、そして看護婦もいるのに、一定の治療ができるのに、それをやったんじゃ社会保険はだめですよ、遠くまで行きなさい、こういう意味なんですね。
○岡光政府委員 老人保健施設のそもそもの考え方は、先生おっしゃいましたように、病状が安定している、まあ寝たきり状態にあるようなお年寄りを対象にしているわけでございまして、しかも、お医者さんが常時勤務しているわけでございますから、日ごろ、何というんでしょうか、日常生活の過程でそういうけがに遭ったような程度のものは、そもそも施設内のお医者さんが面倒を見ていただきたいという発想でございます。それで、どうしてもそういう通常考えられるような対応ができない、例えば骨折をしたとかいうふうな場合には、直ちにしかるべき病院に入院をさして、手術をしたり骨折の対応が要るわけでございますから、そういう意味で申し上げたわけでございます。 それから、そもそもの仕組みとしましては、老人保健施設は必ず協力病院を持ちなさいということになっておりますので、そういう緊急の事態が出た場合にも対応できるような連携関係をつくり上げているつもりでございます。
○木島分科員 それじゃ二番目の事例、入所者の中に、腎臓が悪くていわゆる人工透析をしていた、そういう入所者が、もちろんこんなことは老健施設ではできませんから他の医療機関に通院して、週二回とか三回とか人工透析をした場合に、その治療行為に対して保険適用はされるんですか。
○岡光政府委員 人工透析の関係につきましては、いわゆるCAPD、自己連続携行式の腹膜灌流、この療法につきましては老人保健施設内で行われることに対して保険請求を認めておりますが、それ以外の透析患者の対応については想定をしておりません。したがいまして、そういう患者については、この老人保健施設に入っていただくのではなくて、むしろ別途入院をしてもらうとか自宅から対応してもらうとか、そういうことを想定をしておるわけでございます。
○木島分科員 人工透析の患者というのは大体週二回くらい通うわけですね。あとは普通に勤務したり働いたりしている方ですね。 そうしますと、今の御答弁ですと、そういう患者で老健施設に入所する要件があるような身体状況の方は、人工透析の施設のない老健施設に仮に入った場合には、そこでできませんから、人工透析ができる病院に通院した場合に保険適用がないという、まことにおかしな状況があると思うんですね。 三つ目の例についてお聞きします。高齢になりますと高血圧が大きな問題になりますが、降圧剤などの投与についての社会保険の適用はあるんでしょうか。もう簡潔に、あるかないかだけ。
○岡光政府委員 降圧剤の適用はございません。薬剤が適用されるのは、いわゆる悪性新生物、がんの製剤だけでございます。
○木島分科員 四つ目。脳卒中で倒れて医療機関で脳卒中の手術を受ける。そして、幸いにして手術が成功して一命を取りとめた老人がリハビリのために老健施設へ入る。これは一般的な老健施設の利用の場面だと思うのですが、そういう老人のために、脳卒中の術後の管理費用等については社会保険が適用されているんでしょうか。
○岡光政府委員 そもそもは、老人保健施設にお入りいただく場合には病状が安定するというのが前提でございますので、脳卒中の術後の管理で、特に急性及びそれに附属をするようなものは医療機関本来で対応していただきたい。そして、安定期に入ってなお、例えば維持期のリハビリのような、歩行をする場合のリハビリであるとかそういう身体機能の維持というふうな観点から行われるリハビリにつきましては、これはもう施設の療養費の中で対応していただきたいという整理をしております。
○木島分科員 では最後ですが、老健施設に入所していたお年寄りがだんだん老衰が進んでくると、自分の力で必要な栄養がとれないというようなことはよくある話だと思うのです。そういう場合に、栄養の補給とか点滴の実施とか、酸素の吸入とか経管流動食とか、そういう医療行為に対しては、非常に大事なことだと思うのですが、これは老健施設でやった場合に社会保険適用になるんでしょうか、ならないんでしょうか。
○岡光政府委員 今挙げられたような事例は、結論を申し上げますと、医療保険の適用の対象にはなりません。 何回も繰り返して申し上げて恐縮でございますが、この老人保健施設は、自分のうちに帰ってもらうためのいわば経過施設、中間施設でございますので、病状が安定しているということを念頭に置いているわけでございます。かつ、自分の力でできるだけ日常生活が送れるように、いろいろなバックアップをしながら、トレーニングをしながら、そういう状態になっていただきたいということを望んでいるわけでございまして、自分で食事をとるということをまず前提に考えておりまして、それを支援しようとしているわけでございます。 ただし、非常にぐあいが悪くなって、短期間、例えば中心静脈栄養を受けるとか、あるいはどうしても自分でそしゃくできないので鼻腔から栄養を補給するとか、これは補助的な方法として考えているわけでございまして、そういう事態はできるだけ早く脱却をして、自分の口から食事をとってもらう、こういう方向に持っていきたいというのがこの施設の運営方針でございます。
○木島分科員 実は私は、この質問をするに当たりまして、老人保健施設に実際に行きまして、そこでお医者さんとか管理者から、一体一番の悩みは何かということをつぶさに聞いてこの質問をしているわけです。 私、五つの例を挙げましたね。これは、いずれも非常に切実な問題です。目の前で入所のお年寄りが転んでけがをする。医者が一人配置され、看護婦が八人ですか、法律によって配置されているんですね。医療ができるような設備もあるわけです。ほっておくわけにいかぬ。ここで治療しなければ出血多量で大変なことになってしまう。しかし、それで治療したら保険適用ができなくて、丸ごとその老健施設の費用になってはね返ってくるわけです。 それから、人工透析なんか本当に矛盾も甚だしいわけですね。人工透析をするために行った保険適用から外される。人工透析の必要なお年寄りは老健施設に入れないということですよ、これは。来るなということ、自宅にいるという意味でしょう。非常な矛盾ですね。それから、先ほど言いました降圧剤の投与とか脳卒中の術後の管理とか、点滴、栄養補給なんというのは老健施設に入ってくるお年寄りのためにはもう必要欠くべからざる大切な医療行為ですね。一番想定されることであります。 しかし、それをやったら保険が適用されてなくて、その負担は全部老健施設の費用としてはね返ってきてしまう。とってもそんなものはやれない。やれないけれども、目の前のお年寄りが現実に栄養状態が悪くなって、補給しなければ死に至るわけです。そういう矛盾の中で、良心的な老健施設、良心的なお医者さんほど、自分の負担をあえて顧みずに医療行為をせざるを得ない、目の前のお年寄りの命を救うために。そんな状況になっているんですよ。 なぜこんなおかしなことになっているんですか。その根本的な考え方は何ですか。私の聞くところによりますと、そういう医療費はすべて施設療養費、一人一カ月現行二十二万六千七百七十円、これが何か四月一日から二十五万二千二百四十円になるんだ、その治療でやってもらう枠の中なんだというのが厚生省の考え方のようなんですが、そういうことなんですか。
○岡光政府委員 今おっしゃいましたように、この老人保健施設というのは中間的な施設として位置づけておりまして、日常生活の活動訓練をするとかあるいは維持期のリハビリテーションをするとか、そして食事の世話、入浴、体位交換、清拭などの看護・介護、それから比較的安定した病状に対する診察、投薬、注射、検査、処置等のそういう程度の医療的なケア、それからもろもろの日常生活サービス、こういったことをこの施設は提供しようとしているわけでございます。そして、それを老人保健施設療養費というものと、それから入所者が負担をする利用料、この二つでもって賄うことにしているわけでございます。 私どもの構成としましては、このサービスの基本の中にある今申し上げました程度の、要するに日常生活を送るに当たって必要とされる範囲の医療行為につきましては、この施設療養費の中でカバーされているというふうに考えておるわけでございます。現実にも、一ベッド当たりの老人保健施設の経費を分析してまいりますと、人件費が約四七%、それから医薬品費が約六%、そのほか物件費が四七%程度を占めておるという状況になっておるわけでございまして、必要な薬剤、もちろんこの老人保健施設の中で対応できる範囲でございますけれども、それはこの施設療養費の中で対応し得るというふうに考えておりますし、また、施設療養費の改定を行う際にも、そのような観点から、人件費はちゃんとカバーされているのか、それから物件費は必要なものがカバーされているのか、そういうことを実態分析をしながらチェックをした上で対応しているつもりでございます。
○木島分科員 そうすると、施設療養費の中で医療にかかわるものは、今のお話ですと、医薬品の六%だけということになりませんか。二十二万、あるいはこれから四月からの二十五万二千二百四十円、それの六%ぐらいのお金で一体どんな医療が可能だと考えているんですか。
○岡光政府委員 あくまでもそれは材料費としての医薬品費でございますので、そのほかにも、診療材料費であるとか医療消耗品費というのは物件費の中に入っておるわけでございます。それからまた、お医者さんの活動は人件費の中に入っているわけでございます。 今申し上げましたのは、日常通例のケースでございまして、この施設の中で生活をしていて、病状が重篤となりまして救命救急的な医療が必要だというふうな状態になった場合には、今お話がありました現行二十二万六千七百七十円の施設療養費のほかに、緊急時の対応の加算は別途行うということになっております。それから、どうしてもこの施設内でそういう緊急の対応とか通常の対応とかで対応できないものについては、もうほかの医療機関に移っていただくということを考えざるを得ないと思っております。 そういう状況の中で、要するに通常的な医療を賄う範囲で、包括的にこの施設療養費の中で評価をしておるという仕組みにしているわけでございます。
○木島分科員 先ほど指摘いたしました通知、これの中にも答弁の中身が入っているわけです。投薬について見ますと、抗がん剤の投薬については保険適用になるんですね。しかし、私がさっき質問したように、高血圧を予防するための降圧剤については保険適用から外している。一体これはどういうことなんですか。何でがんに対する薬について保険適用させて、血圧が高い者に対する薬については保険適用から外してしまうんですか。
○岡光政府委員 繰り返しになりますが、老人保健施設にお入りいただいている方は、原則としては病状が安定しているという状態でございます。それで、血圧が高くならないようにコントロールが必要だという場合に、もちろん降圧剤を使用しなければなりませんが、例えば典型的な降圧剤をいろいろ念頭に置きましても、一日当たり百五十円とか百七十円程度で済むわけでございまして、一月にいたしましても五千円とか六千円で対応できるわけでございます。そういう意味では施設療養費の中に入っておるというふうに考えております。 もちろんがんの患者なんかは、むしろこの老人保健施設で対応するよりも、しかるべき専門の機関に入るとか、場合によっては、もう終末期に入ればいわゆるホスピスのようなところを利用するとか、そういうことを考えなければいけないと思いますが、それにしても、一応がんの患者でも、安定した状態にあるときにやはりコントロールが必要になるわけでございますが、これについては病状が非常に微妙に変化するわけでございますので、そういうことを考えた上で行われるがんの製剤につきましては保険の対象にしよう、そういうふうな仕分けをしているわけでございます。
○木島分科員 どうも私は納得できるものではありません。 実は、この問題を調査するためにいろいろ各方面から意見を聴取しますと、こんな話もあるのですね。高い薬を飲んでいる、そういうお年寄りはこの老健施設に来てもらっちゃ困る。それは保険適用から排除されるからです。そんなことがもう現に出てきているのですね。安い薬を飲んでいるお年寄りなら来てもらって結構だ。今の施設療養費ですか、この枠内でおさまっているからいい、これは差別ですよね。高い薬を飲んでいるお年寄りは老健施設に入れない、こんなことをやはり放置すべきじゃないと思うのですね。 それは結局どこに手を加えなければならないかというと、老健施設の中で行われる医療行為あるいは投薬行為に対する社会保険適用をもっと柔軟に広げていかなければ、根本的に解決できないと思うのですね。目の前でお年寄りがだんだん健康が悪化してくる、それを本当に目の前で救っていかなければいかぬわけです。そういう医療行為、看護行為に対して保険適用を外すというのはやはり根本的な矛盾だと思うのです。 大臣、どうでしょうか、老健施設は中間施設です。矛盾もやはりいろいろ出てきているんですね。まだ実施から四年ぐらいですから、これがもっとこれからはっきりしていくと思うのですが、この辺で、そういう老健施設内での医療がいかにあるべきか、あるいは老健施設に入所されたお年寄りに対する医療についての社会保険がいかにあるべきか、実態調査をひとつして、保険適用の範囲について見直しが求められているのじゃないかと思うのですが、大臣の御所見をちょっとお伺いしたいと思います。
○岡光政府委員 実態調査というお話がありましたので申し上げますが、私ども、毎年処遇面それから経営面で実態把握をしているつもりでございます。先生おっしゃいますように、いろいろ現場での御要望なり問題点と考えられるようなものが出始めているわけでございまして、その辺はそういう実態調査を通じながら把握をしていきたいと思っております。
○山下国務大臣 いろいろ御指摘がございましたけれども、先ほどから部長がるる御説明申し上げましたように、現在の老健施設の趣旨、目的と申しますか、それからすれば、私はやはり妥当なものではなかろうかと思います。ただし、今後現場の声もよく聞きながら、さらにまた対処してまいりたいと思います。
○木島分科員 私、現場の声を聞いて五つ例を挙げましたね、どうもこの五つは本当に矛盾が甚だしい。合理的な説明、社会保険適用を排除する理由がとてもつかないと思いましたので、今ここで指摘いたしました。ぜひひとつこの辺検討していただいて、保険適用の範囲を拡大して、老健施設に入所しているお年寄りの命を救ってもらいたいと思うわけであります。 次に、入所者に対する退所判定の問題についてお伺いをいたします。 先ほど提示いたしました基準によりますと、基準の施行についての9の(5)ですが、「その病状及び身体の状態に照らしこ三カ月ごとに判定せよということになっているわけでありまして、受け皿となるお年寄りが退所して生活することになる家庭の状況とか、あるいはもっと悪化して特別養護老人ホームに入らなければいかぬ特養老の受け皿の問題とか、その受け皿の方は全然この通知の中には触れられていないわけであります。 しかし、私が実際老健施設を訪問いたしまして聞きますと、結局身体の状態、病状から見ると退所してもいいお年寄りだけれども、受け皿がない。特養老はいっぱいで入所待ちである、あるいはまた自宅へ戻っても単身の生活をしている、介護者がいない、とてもそんなお年寄りを自宅へ帰すわけにはいかぬ。老健施設の中にいて、食事の手当でもある。お医者さんもいる、看護婦さんもいる、弁護士もいる、だから健康が守られているのであって、そういうお年寄りを一人暮らしの自宅へ帰したら、直ちにこれは病気が出て、今も危ないようなお年寄りを帰すわけにいかぬということで、悩みが大きいということを聞かされてきているわけであります。 そういうことからいいますと、受け皿の家庭の状況、介護の力あるいは特養老の状況などを全く書かれていないで、病状及び身体の状態に照らしてのみ三カ月ごとに退所の判定をするというのは、いかがなものかと思うわけですね。この辺は非常に弾力的に、受け皿の問題も退所の判定の大きな要素として加味してもらわなければ、たまったものじゃないと思うのですが、いかがでしょうか。
○岡光政府委員 先生おっしゃいますとおりでありまして、三カ月ごとの要否判定というのは、老人保健施設にずっと入所を継続する必要があるのかどうかというそういう身体状態のチェックでございます。それで、実際にもう帰れるのかどうかというのは、家庭における介護体制の状況も考えた上で対応することにしておりますので、現場においては弾力的に運用されているというふうに承知しております。 なお、経費の面でも、退所をする前それから退所した後、つまり、入所者が老人保健施設を出ていくといったときにどこへ行くのかということをまずチェックをしまして、本当に本人及び家族が家庭においてちゃんとした対応ができるのかというチェックをする、そういう指導費をつけておりますのと、それからまた、退所後もどういう状態になっているのかということをチェックをするための指導費をやはり経費としても見ておるわけでございまして、発想としましてはそのようなことを考えておりますので、家庭における介護体制の確認ということを前提にしているわけでございます。 なお、施策としましては、この老人保健施設から退所をした後、例えば老人訪問看護をしてもらった方がいいというふうな場合には、老人訪問看護ステーションの方に訪問看護をしてくださいねという指示をする、その指示をする経費を認めるとか、あるいは退所をした後またこの老人保健施設にデイケアとして適所をする、こういう場合にはそれに対応するようにするとか、あるいは本来的な在宅福祉サービスのホームヘルプサービス等のこういった福祉対策もあわせて行う、こういうことを一体的に考えているわけでございます。 ただし、今先生おっしゃいましたように、特別養護老人ホームのようなものにつきましては、地域においてはなお不足をしている事態がございますので、その受け皿はちゃんと並行的に整備していかをければいかぬ、そのように考えております。
○木島分科員 この問題については昨年行われた老人保健審議会ですか、そこの「老人保健施設の在り方について」というもので一番最初に施設の性格について論じられておりまして、長期滞在型の可否について大分論議しているのですね。今おっしゃられましたように「入過所の判断が難しいケースも多い」、それで「各施設における入過所の取扱いの参考となるよう、要介護の程度、家庭状況等に応じた具体的な取扱い事例集を作成し、普及させることが望ましい。」とまで老人保健審議会は言っておるわけです。この審議会の建議は、先ほど私が援用した通知からは大分考え方が変わってきておると思うのですね。ぜひ、今御答弁なされましたように、柔軟に受け皿の問題をよく慎重に考えてやっていただきたいと思います。 時間が参りましたので最後に一点だけ、三つ目の問題と要望を出しておきたいと思うのです。 これからますます老健施設が建設をされていくと思うのです。本来国や地方公共団体がやらなければならない大事な施策を民間に依存しておる、民間活力の活用という発想で民間にお願いしているのがこの老健施設だと私は思うのですね。実際、多くの施設は赤字に苦しんでいます。とてもこの金額ではやっていけないという声が聞かれます。できるだけ老健施設の負担を軽減する措置もとっていかなければいかぬと思うわけで、最後に一つ、私は免税措置をお願いしたい。 現在、老健施設に対する免税措置は、建物について固定資産税が五年間四分の一軽減される、それだけなのですね。これでは大変だ。 私は長野県でありますが、地元にある最近できました老健施設から実態を聞きますと、何と土地を取得するのに四千五百万、百床の建物をつくるのに十億円かかっている。その場合の不動産取得税だけで一千六百万だ、初年度で。大変な負担ですね。ということからいろいろな税金の免税、軽減措置の要望が出されております。国にかわって老人保健という大事な仕事をしている事業団の人たち、法人でありますから、ぜひとも建物の固定資産税は、四分の一、五年間のみでなくて全部やっていただきたい。土地についても全部軽減措置をやってほしい。それから、土地建物の不動産取得税についても軽減、免税措置を図られたい。もう一つ、民間金融機関からお金を借り入れた場合の抵当権設定などの場合は、登録免許税まで免税になっていないというのですね。これは非常に大きいわけです。 今私が述べたその点について、ぜひとも租税特別措置による減免税措置をとられますように、厚生省としても強く税務関係省庁にお願いをすべきではないか、していただきたいと思うわけであります。これは大臣の決意のほどをお聞きいたしまして、質問を終わります。
○山下国務大臣 御案内のとおり、十カ年戦略というものを打ち立てて私どもやっておるのでございますが、この目的を達成するために、税の問題も含めて適切に措置をしてまいりたいと思います。
○木島分科員 終わります。
○唐沢主査代理 これにて木島日出夫君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十三分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○和田(静)主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。 厚生省所管について質疑を続行いたします。遠藤登君。
○遠藤(登)分科員 それぞれの先生方から各般にわたって質問や意見が開陳され、提起をされてきたと思うのでありますが、私も数点にわたって質問をさせていただく次第であります。 まず、高齢化社会を迎えて、しかも、政府も経済大国から生活大国を目指すということで頑張っていらっしゃるわけでありますが、老後の不安を解消していくためには、何といっても年金制度の充実ということが強く求められているわけであります。 その一元化への対応を含めて、それなりに努力をされていらっしゃるわけでありますが、年金制度の充実あるいは改善、一元化への対応方向などについてお聞かせをいただきたいと思います。
○山下国務大臣 御案内のとおり、本格的な高齢化社会がだんだん近づいてきております。そこで、私どもとしてまずやらなければならぬことは、公的年金制度全体をひとつこの際しっかりと見直しながらやっていくということでありますが、それはあくまで長期的に安定したものでなければならぬ。それに対して一番必要なことは、給付と負担の均衡であります。これをまず図っていく。このため、政府といたしましては、平成七年を目途にいたしまして公的年金を一元化することとしまして、既に昭和六十年の改正で基礎年金制度を導入いたしました。さらに、平成元年の改正によって、当面急がなければならない被用者年金制度間の負担の調整を平成二年度から行っているところであります。 今後、政府といたしましては、平成四年度中に行うこととされております制度間調整事業の見直しに取り組んでまいるわけでございますが、この事業の運営や見直し、検討の推移を見ながら、しかるべき時期に関係審議会での検討をいただくということにいたしております。そうして、さっき申し上げましたように、平成七年度を目途として一元化に向けて着々と準備を進めてまいらなければならないと思っております。
○遠藤(登)分科員 これは大変な課題で、大変な難題だとも思うわけでありますが、公費負担の拡大ということもあわせて、早期に一元化対応に向けて、しかも制度の充実に向けて一段と御努力を願いたい。これは一体どういう状況になるのかということについて、国民は大きな期待を抱きながら、かたずをのんで見守っているという状況がありますので、それぞれ努力をされていらっしゃるわけでありますけれども、なるべく早い機会にそれらの制度の充実が成りまするように特段のお力添えをいただきたいというふうに思います。 続きまして、この年金制度との関連の中で、退職年齢とも関係するわけでありますが、雇用と年金の受給との接続関係を強化していくということについて、これも大きな期待が寄せられているのでありますが、これらに対する現状あるいは対応方向などについてお聞かせをいただきたい。
○加藤(栄)政府委員 年金と雇用との関係でございます。 老後の所得保障を行うのが年金の基本的な役割でございますので、年金と雇用との連携を十分に図っていく必要があるというふうに認識しているわけでございます。 高齢者の雇用につきましては、既に政府といたしましては、六十一年に長寿社会対策大綱を策定いたしました。また、六十三年六月には雇用対策基本計画をつくっておりまして、それに示しておりますとおりに、政府といたしまして、六十歳定年制の定着をまず図る、また六十歳代前半層の方の雇用の確保を進めていく、そういう方針を固めているところでございます。 また、一昨年、高年齢者等の雇用の安定等に関する法律の改正が行われました。さらに、この法律に基づきまして、労働大臣において高年齢者等職業安定対策基本方針というのを立てまして、平成五年までの六十歳定年制の完全定着、さらに継続雇用制度の普及による六十五歳までの方の雇用機会の顕著な増加を図るということが目標とされておりまして、そのための施策を進めているところでございます。 一方、厚生年金の支給開始年齢につきましては、平成元年の法改正におきまして、次期財政再計算、すなわち平成六年を予定しておりますが、その際において、高年齢者に対する就業機会の確保の状況等を総合的に勘案して見直しを行うという規定が設けられておりまして、関係省庁が一体となりまして、年金と雇用の連携の確保に努めてまいりたいと考えております。
○遠藤(登)分科員 これも重要な課題でありますので、それなりに関係省庁との連携の中で対応されていらっしゃるわけでありますが、雇用と年金関係との連携について、特に高齢者の雇用の問題について特段の御配慮をいただきたいと要請をさせていただきます。 次に、育休制度が発足をしようとしているわけであります。この制度の充実はもちろんでありますけれども、この期間内において年金とのかかわりの中で何らかの配慮を強めてもらいたい、強めるべきではないかという強い期待が寄せられているのでありますが、これらに対する対応などについてお聞かせをいただきたい。
○加藤(栄)政府委員 育児休職制度にかかわります関連法の整備が逐次なされているわけでございます。年金関係では、厚生年金が主としてこの育児休業に関連するサラリーマンの方々がお入りになる制度でございます。 育児休職期間につきましては、年金制度におきましても被保険者資格の継続を確保するような適用の仕方をするとか、あるいは育児休業中の被保険者資格の適用に関連いたしましても、休業前の報酬において資格継続を行うというような、取り扱いに当たりまして種々配慮をしているところでございます。 さらに、育児期間について特別の措置を講ずることについては、先生の御提言として受けとめさせていただくところでございまして、私どもも今申し上げましたような配慮も払っているわけでございますが、さらに年金制度の中で対応を進めるか否かということにつきましては、やはり年金制度は社会保険方式をとっておりますので、保険料の拠出に応じて年金給付を行うことを基本としておりますことと、さらに、育児期間にかかわる費用といいますか、育児期間にかかわります拠出の費用をどういうふうに持っていくかというようなことについての国民の間のコンセンサスをどのように形成していくか、いまだその点については十分固まっていない状況であるというようなことからいたしまして、なかなか困難な問題もあるということを御理解いただきたいと存じます。
○遠藤(登)分科員 この問題も、子育ての関係と将来に向けての年金制度の充実という観点から極めて重要な課題でありますので、それぞれ制度の充実について十分な御配慮を要請させていただきます。 次に、特に国民年金関係ですが、非常に滞納者が多い。国民皆年金という制度的なねらいからいえば大変な状況なのではないかというふうに危惧するのでありますが、この滞納状況あるいはこれらに対する対応方向などについて――それぞれ市町村も都道府県段階も大変な苦慮をされて対応されている状況があるわけであります。マスコミの記事などによりますと、約五百万人などというような数字なども見受けられるのでありますが、どういう実態にあるのか、あるいは対応方向などについてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○奥村政府委員 お答えを申し上げます。 国民年金の保険料の滞納状況というお尋ねでございます。 近年、保険料収納対策を推進しておりまして、逐次未納率は減少の傾向にございまして、平成二年度で一四・八%という現状にございます。国民年金制度を健全に運営していくためには、被保険者が確実に保険料を納めていただくということが極めて重要でございますので、口座振替の推進ということで保険料を納めやすい環境整備をいたしますとか、催告状を発行いたしますとか、戸別訪問をいたしますとか、場合によっては、負担能力のある方で保険料納付を怠っておられる場合には督促状を発行いたしますとか、種々の方策を講じまして、今後ともその向上に努めてまいりたいと思っておる次第でございます。
○遠藤(登)分科員 一四・八%というと、額にしてどのぐらいになっていますか。
○奥村政府委員 概数で申しまして二千億円程度となるわけでございます。
○遠藤(登)分科員 これは本人にとっても、またこれを執行する側にとっても大変な課題だと思いますが、ぜひあらゆる努力を傾けて、これらの解消に一段と努力をしていただきたいということを要請させていただきます。 これと裏腹の関係もあるわけでありますが、国保関係、これの滞納状況、したがって、資格喪失をしているいわば未加入者も含めて大変な課題で、それぞれ努力をされていらっしゃるわけであります。資格証明書の発行などなど、それぞれ大変な努力の過程にあると思うのでありますが、どういう状況にありますか、これらに対する対応方向なども含めてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○黒木政府委員 国保の状況についてのお尋ねでございます。 まず、国保の滞納の状況から申し上げますと、全市町村の国民健康保険料あるいは税の滞納額は、平成二年度におきまして約一千四百二十億円になっておりまして、滞納率として申し上げますと五・八%になっております。 こういう滞納者に対しましてどのような対策を講じているかということでございます。 国保は被保険者全体の相扶共済ということで、そういう社会保険の意味からいいまして、保険料の滞納というのは制度の根幹にかかわるということで、実施しております市町村は懸命に収納率の向上に努めているところでございます。 いろいろ工夫を凝らしてやっているわけでございますが、その具体例で申しますと、例えば徴収体制ということで、あるいは市役所ぐるみ、その他税の関係と一緒になるというようなことで、いろいろと取り組みの体制を強めたり、あるいは夜間、休日戸別訪問という形で納付指導とか徴収に当たったり、国年と同じように口座振替制度を拡大したり、あるいは広報活動の強化とか、日曜、休日に納付相談窓口を開設するとか、納付組織の育成を強化するとか、いろいろな手段でこれが滞納者に対する対策を進めているという現状でございます。 さらに、お触れいただきましたように、悪質な滞納者に対しましては、法律上の措置として、保険証にかえまして被保険者資格証明書の発行ということで、さらに自覚を高めながら悪質滞納者に対します措置ができることになっておりまして、こういうこともあわせまして、収納率向上に市町村は取り組んでいるという状況でございます。
○遠藤(登)分科員 これも基本的な課題として大変な課題だと思いますので、特段の御努力を要請させていただきます。 それに関連をするわけでありますが、健康保険制度の改善ということも医療制度の改善とあわせて大変な課題だと思うのでありますが、この改善の方向などについてお聞かせをいただきたい。 それから、特に国民健康保険の場合は、過疎化が進行する中で、市町村単位のいわば国保財政が非常に大変な状況になってきている。それに対して一定の基金制度などの財政的な対応もされている状況があるわけでありますけれども、これは場合によったら都道府県段階も含めて国保会計の、いわば国保財政の調整措置なども検討する必要があるのではないか。 それから、国のいわば公費負担、国の財政も大変だということがあるわけでありますが、国民の健康にかかわる、あるいは保険の財政にかかわる観点から、公費負担の拡大ということも大きな財待が込められている状況もあるわけであります。それぞれ各種保険制度の改善との関連もあるわけでありますが、この保険制度の改善方向などについて、あるいは給付の一元化などという問題なども含めて、改善方向などについてお聞かせをいただきたい。
○黒木政府委員 国保制度の全般についての取り組みについての御質問だと思います。 御案内のように、国保制度につきましては、二回の法律改正を行いまして、低所得者等に対します財政基盤安定化制度をつくるなどによりまして国保の財政の強化を強めておるわけでございます。直近では、今回の予算措置におきまして、特に地方交付税の導入ということで、総額一千三百億余の財源を投入すること等によりまして、国保の運営のさらに安定化を図りますとともに、例えば分娩費、助産の費用につきましては、現在国保では十三万円でございますけれども、これを二十四万円に引き上げる等の給付内容の改善も図っているところでございます。 今後の取り組みでございますけれども、御指摘がありましたように、二十一世紀に向かって、医療保険全体を、健康保険、被用者保険も含めまして、国保をどう再構築をしていくかということが私どもの課題になっているわけでございます。 私どもは、今国会に健康保険法の改正を提案させていただいておりますけれども、今国保につきましては、厚生省に専門審議会がないということで、社会保険審議会を改組いたしまして、国保も所管できる、審議できるような審議会の場ということで、これを医療保険審議会として国保、健保、船保等、医療保険全体の審議をその場でしてもらおうといういわば舞台装置をつくることにいたしておるわけであります。 こういったことがお認めいただけるならば、新しくできます審議会で国保を含めまして、医療保険制度の今後の将来について、御指摘がありましたように、どのように給付を改善していくのか、それの裏腹になりますけれども、負担なりあるいは国庫補助の役割というようなものはどのように考えていくのかということでい思い切った検討と申しますか、幅広の検討に着手してまいりたい、こういうふうに考えております。
○遠藤(登)分科員 これが基本的に国民の健康にかかわる課題として強く求められておりますので、大変な課題でありますが、その改善の方向に向かって最大の御努力を要請をさせていただきます。 次に、社会情勢の変化あるいは高齢化社会を迎えるなど、あるいは食生活の変化などを含めて、難病が大変な課題になっているわけでありますが、その現状やらその対応状況等についてお聞かせをいただきたい。
○寺松政府委員 まず、難病の研究体制でございますけれども、私ども昭和四十七年から難病対策要綱に基づきまして研究班を組織しておるわけでございまして、現在四十三の疾患の研究班がありまして研究を行っております。 それから、この治療につきまして、私どもも特定疾患治療研究事業ということで、いわゆる治療をしました場合には、その要する医療費につきましては、保険でもって見た後、自己負担分がございますが、その部分につきまして私どもの研究費で見ておるわけでございます。
○遠藤(登)分科員 個人負担分については公的な分野で配慮されているということでありますが、実際問題として医療費あるいはこの病気にかかわる関連費用というか、そういうものに非常に苦慮されているという部分もありますので、これらの救済について、あるいはこれを防止するための研究体制などについて特段の要請をさせていただく次第であります。 それから、出産率の低下の問題が二十一世紀に向かって大変な課題ではないか。そのためにいろいろ苦慮をされていらっしゃると思うのでありますが、安心して子供を生みあるいは育てる環境というのはそろっていないのじゃないか。それをいかに改善をするかということが問われているのではないだろうか。 出産費用のことなども今お話しありまして、十三万から二十四万ということのようでありますが、育休の問題やら児童手当の問題やら、幼児保育の問題やら学童保育の問題やら、義務教育は完全に公費負担とするという問題やら、高校、大学教育の公費負担の拡大の問題とか雇用の問題とか万般にわたって、安心して子供を生みあるいは育てる、子供は国の宝、社会の宝だという、過保護であってはならない部分があると思いますが、そういう環境を一日も早くつくり上げていくというのがまた二十一世紀に向かう国民の最大の課題ではないかというふうに思うのでありますが、これらについても対応方法などをお聞かせをいただきたい。
○山下国務大臣 子供を生むか生まないか、生まないかというのはおかしゅうございますが、これは個人の価値観の違いにもよることでございますが、しかし、私は、今先生御指摘のように、やはり子供を生み育てる一つの環境、社会環境というものをつくっていかなければならぬと思います。 したがって、そういう意味におきまして、政府としてもいろいろ施策をやっていかなければなりませんが、まず十八の省庁から成りますところの連絡会議をつくりまして、そして、生み育てていくことについての喜びや楽しみを感ずることのできる社会をとにかくつくっていきましょう、そういうことから我々は今後着手していかなければならないと思っております。 さらにまた、政府としましても、児童手当等につきまして格段の配慮をしていく。例えば、今申し上げました児童手当のほかにも、多様な保育需要に対応する種々の保育のサービス、あるいは育児休業制度の実施に対応する保育所への中途入所、あるいはまたお母さんに対してよく親切に相談をする相談業務と申しましょうか、そういう体制もつくっていって、本人が生めるような社会環境をつくる、政府もそれに対して協力する、また社会全体がそういう情勢をつくっていくということが大切だろうと思っております。
○遠藤(登)分科員 特段の御配慮を要請いたします。 時間がありませんから、特にガットの検疫衛生措置の適用に関する合意、残留農薬を含めて規制が大幅に国際的に緩和される、これは国民の健康にとって重大な問題ではないかというふうにも思うのであります。このガット対応、既に国別表を提出をしているという状況もあると思うのでありますが、これらの点については十分留意をされたい。 それからトリクロロエチレン、有機塩素の問題など、水質の汚染の問題と関連して、健康上にかかわる大変な問題が提起をされているようであります。十分な対応を要請をさせていただきます。 労働省の関係ですが、時間がないのでありますが、中小企業に働く労働者の時短の達成ですね、これは最大の課題ではないか。そのために労働省も新しい法律をつくるなど、それなりの対応をされようとしているようでありますが、このことについては十分な配慮を要請させていただきます。 それから、労働災害が多発している。過労死の問題なども社会的な問題になって提起をされているのでありますが、いわば労災保険制度の強化、認定の緩和、あるいは何年も裁判になるようなそれは特異な条件なのかどうか。しかし、認定されるべきものが何年も裁判なんというようなことがあってはならないのではないか。それから適用の拡大などについて配慮されるべきじゃないか。 それから、先端企業の集積度合いは大変な御努力、各般の御配慮をいただきながら、山形県的に――私ごとで恐縮でありますが、先端産業の集積度合いは東北一高い。それで労災病院が東北でないのは山形県だけだ。それは何十年かの願望と期待が込められているのでありますが、この労災に対する対応の強化と関連をしながら、一言労働省の方から御答弁をいただきたいと思います。
○朝原説明員 中小企業に対します労働時間短縮の取り組みでございますけれども、先生も御承知のように、中小企業につきましては、大企業に比べまして経営基盤が弱いとか、取引先の関係等もございまして、週休二日制導入等の労働時間の短縮が進めにくい状況にあるというふうに考えております。 このため労働省では、特に中小企業の労働時間の短縮につきまして企業集団による取り組みが効果的ということでございまして、同業種集団あるいは同一地域集団を対象にきめ細かな指導、援助に努めるとともに、昨年できました中小企業労働力確保法に基づきます魅力ある職場づくりの一環として、労働時間短縮に取り組む中小企業の集団に対する指導、援助を行っておるところでございます。 また、中小企業の実情に応じました時短が実現するというようなことを考えておりまして、労働時間短縮のための診断、助言、指導サービスを行っております。さらに、我が国の中小企業の実態を見ますと非常に横並び意識が強く、かっ競争が激しいということが労働時間短縮の阻害要因となっておりますので、このたび、業種ごとに労使が労働時間の短縮に向けての自主的努力を行うことを援助するための法的整備につきまして、今国会に所要の法案を提出すべく準備を進めておるところでございます。 労働省といたしましては、今後とも中小企業におきます労働時間の短縮が進みますように、いろいろな面から施策を講じてまいりたいというふうに考えております。
○澤田説明員 山形労災病院の件についてでございますが、全国的に見ますと十九の府県にまだ労災病院がございません。 それで、労災病院の新設につきましては幾つかの問題点がございます。一つは、労災病院は昭和二十年代、三十年代に建てられた病院が三十そのうち三十一ございまして、それの老朽化対策が非常に急がれておりますという点が一つ。それから二点目は、各病院が独立採算制をとっておりまして、近年、医療費の抑制等の中で赤字病院が増大しております。それで経営が大変厳しいという点がございます。それから三点目に、昭和五十九年、当時の行政管理庁から行政監察を受けまして、労災病院は設置目的に沿った必要性が特にある場合を除いて新設を抑制すべきであるという御指摘を受けております。 こうした事情がございまして、新設については当面極めて厳しい状況であることを御理解賜りたいと思います。
○遠藤(登)分科員 どうもありがとうございました。終わります。
○和田(静)主査代理 これにて遠藤登君の質疑は終了いたしました。 次に、志賀一夫君。
○志賀(一)分科員 私は、過疎高齢化社会対策についてお伺いをいたしたいと思います。 昨年の十月、私ども日本社会党過疎高齢化社会対策国会調査団といたしまして、私の地元の福島県会津地区にあります最も高齢化社会が進んでいる町村、金山町、三島町の両町を調査いたしました。道路改良の進行に比例して皮肉にも過疎化は一層進み、若者は流出して過度に高齢化は進み、二十一世紀の高齢化社会を先取りした形になっておる町村であります。 金山町は、平成三年度において高齢化率が三一・六三%でまさに東北一であり、三島町もまた二六%になっております。福島県では老齢化率が約二〇%を超えている町村は十七カ町村に及んでおりまして、それらの町村は主として会津の豪雪地帯が占めております。過疎法あるいは山村振興法、豪雪対策特別措置法等が講ぜられているものの、若年労働者の流出による収入の減少、超高齢者の増加による医療費、福祉対策費の増加等は著しいものがありまして、現状のままではこれらの町村財政は破綻を招きかねないような状況下にあります。 したがって、私は、高齢化率二〇%以上になっている町村は平成二年度において全国どれくらいの数になるのかをお伺いしながら、今これらの町村に緊急に措置を講ずべき施策につきまして、御提言を申し上げながら御質問をいたす次第であります。 まず一つは、当面の対策としまして、一人暮らし、二人暮らし老人の世帯に対して雪おろしの助成をすべきではないかという点であります。 重い雪は老人にはどうにもしょうがない。老人世帯の雪おろしかますます老齢化の中では難しく困難になっておりますし、また部落間の道路の除雪等も大変であります。したがって、これら豪雪地帯、老齢化の進んでいる地域に対して除雪対策事業という制度を設けて、新たな助成制度の新設をしてはどうか、こういうふうに考えますが、お伺いをいたしたいと思います。 これとの関連の中で申し上げたいことは、冬期間におきまして老人がそれぞれの部落に点在して在住している。そういうことになりますと、在宅サービスにしましてもショートステイやデイサービス等の事業をやるにしましても、あるいは急病人が発生したような場合には殊さら大変な事態が予想されるわけであります。したがって、この冬期間におきまする高齢者の一時的に共同合宿するような宿舎を高額補助でつくったらどういうものだろうか。こういう点をひとつ御検討いただいてはどうかというふうに思います。
○岡光政府委員 まず、豪雪地帯の高齢者世帯の雪おろしに対する補助事業を創設すべきではないかという御質問でございます。 その地域社会を何とか住みやすく維持をするという観点からは検討の対象になろうかと思いますが、福祉的な施策という観点からは、そういう補助事業を創設するというのは困難なのではないだろうかと思っております。 ただし、著しい豪雪という余り通常予想されないような事態が生じまして、お年寄りの世帯でだれも雪おろしをする人がいない、地域においてもなかなか応援もしてもらえないというふうなケースにおきましては、いわば緊急避難的な対応としまして、ホームヘルプの事業がございますので、そういったホームヘルプの事業の延長線のような格好で、そういった雪おろしの作業に当たる人の人件費を補助対象にする、こういうふうなことを考えたりもしておるわけでございます。そういう意味で、コミュニティーの維持という観点からいろいろ御工夫を願うのが本来的な対応ではないかなと思っておりますが、緊急避難的な対応としては今申し上げたようなことを考えたりもしておるわけでございます。 それから、広い地域に高齢者が点在してお住まいになっている場合に、冬期間一緒に住まうようなものを考えたらどうかということでございますが、私ども「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の中で、過疎地等の高齢者向けに一定の期間住居を提供する高齢者生活福祉センターというのを整備しているところでございます。私どもは、過疎地等においては、この施設が活用されれば今先生の御指摘にありましたような状況に対応できるのではないだろうか、こう考えておるわけでございます。 もちろん、そういったところに入ったくないという人もいらっしゃいますので、そういった個々の世帯につきましては、例えば緊急な事態に腕時計型とかペンダント型の緊急通報装置を整備するということも対応しておりますので、そういう緊急通報装置の整備ということも考えなければいけないのかなと思います。それからまた、公営住宅の整備ということも本来的な対応としては考えられなければいけないのじゃないかと思いますが、福祉の施策としては、今申し上げました高齢者生活福祉センターで対応していこうではないかというふうに考えておる次第でございます。
○志賀(一)分科員 雪おろしについては、高齢化社会で、三一%というと三人に一人がもう既に六十五歳以上という状態になっているわけですから、もしそういった雪のたくさん降っている状態、屋根がつぶれてしまう、大変だから応援しようと思っても、全体がそういう人たちですから、ほかの部落までどうこうということはなかなか難しいと思いますので、ぜひそういう作業班みたいなものをつくって実現できるようにお願いしたいと思います。 その次には、特老を初めとした福祉施設あるいは住宅での介護等においても、我が国の場合、福祉先進諸国と言われる国々と比較して機械の利用というのが非常に極端におくれている、私はそう言ってもいいと思うのです。なおかつ、こういった高齢化社会の場合は、介護するケアの方々、若い人がたくさんいればいいけれども、そうじゃない、ボランティアの方々もかなり年を召していらっしゃるということになれば、やはり勢いそういう機械化はどうしても必要ではないのか。リフトを初めいろいろたくさんの機械を外国の例で見ますと使っているようでありますから、こういう制度をより積極的に導入をして、高齢化の進んでいる地域からまず最初にそういった機械の貸与制度をつくってやれるように、ぜひこれはやっていただきたい、そんなふうに思いまして、善処方、考えもありましたならばひとつお聞きしたい、そういうふうに思います。
○岡光政府委員 省力化ということは本当に考えなければいけませんので、私どもそういう介護機器の開発普及に努めているところでございます。 日常生活用具を給付するなり貸与するという制度をつくっておりますので、それでとりあえずはやっておりますが、来年度も高齢者に移動用リフト、体重の重い人を持ち上げるというのが大変でございますので、持ち上げて居室からおふろ場に運ぶとか、そういうような移動用のリフトを追加するとか、あるいはベッドもキャッチベットで起こせるような、そういうベッドも借りられるようにしていこうというふうなことを考えておりますが、それとあわせまして、地域の人たちに介護をするのはどういうふうにしたらいいんだろうか、あるいはそういう機器を使って介護をするのはどういうぐあいなんだということを現実に見てもらうような拠点をつくりたいと考えております。それから、私ども、もう少し現実の用に応じられるように、メーカーを集めまして実用的な機器の開発に着手をしたところでございまして、研究開発のプロジェクトを今動かし始めたところでございます。 そんなふうなことで、お年寄りが何を望んでいるのか、そして今ある機器はどういうことが可能なのか、それから何を開発しなければいかぬか、そしてこれを使ってもらうための普及はどうやればいいのか、こういうできるだけまんべんなく機器の問題に対応するように、今検討を進めているところでございます。
○志賀(一)分科員 高齢化社会はもう目の前に来ている社会ですから、ぜひ促進していただきたいと思います。 次に、特老を初めとして多種多様な福祉需要に対応した施設がありますが、過疎地あるいは人口の規模の小さい町村では、多くの施設を建設、運営することは財政的にも人的にも不可能であります。そこで、一つの建物に小規模で多くの機能をあわせ持った施設を集中させ、運営することが望ましいのではないかと私は思います。 先ほど申し上げました三島町、金山町にしても同様でありますが、例えばショートステイの場合でも、十床基準でありますが、なかなか十床そろわないという状況もある。また、デイサービスでも、一日十五人という対象基準になっていますが、これもそのように八人とか十人とかというところもある。さらにまた、居住部門でも、おおむね十人程度ということになっていますけれども、人口の少ない町村では利用者が少なくて基準に満たない場合が多い、そんなふうに思いますので、私は、これらのあらゆる施設をそういう高齢化が進んだ特定の小さい町村に対しては総合的に、多面的にあるいは効率的に利用できるように重複の施設整備ができるように、そういう方法でぜひやってほしいものだ、そういう期待を込めてぜひお願いしたいなと思いますが、どうでしょう。
○岡光政府委員 おっしゃいますような必要性があろうかと思っておりますので、先ほどもちょっと申し上げましたが、過疎地域等につきましては高齢者生活福祉センターというものの整備を進めております。この施設は、デイサービスの機能、それから住まいとしての居住機能、それからみんなで交流し合う地域交流機能、こういったものを一つの施設で総合的に果たそうという発想でございます。 今先生おっしゃいましたが、この居住部門について十人程度じゃないとだめだ、こう言っているわけでございますが、これにつきましては地域の実情に応じて幅を持たせてよろしい、こういうことを今運用としてやっておりますので、それは対応できるのじゃないだろうか。 それから、デイサービスの部門につきましても、従来は十五人というのを一応の基準にしておりますが、過疎地域あるいは山村等人口の少ない地域につきましては八人程度も認めようではないか。これは平成四年度からそういうふうにしたいということで考えておるわけでございまして、御指摘のように、地域の実情に応じた体制の整備ということを進めたいと考えております。
○志賀(一)分科員 高齢化率が二〇%を上回る市町村というのは、全国で三千二百六十八市町村のうち七百九町村を数えると聞いています。こういう既にはるかに二十一世紀の高齢化社会をいわば先取りしている町村に対して、特段の緊急、そしてまたある場合においてはテストケースでもいいですから、もう今やらなければいけないことをやってほしいと願っていることについては、より積極的にやってほしい。その辺大臣、どんなお考えですか、ひとつお聞かせを願いたいと思います。
○山下国務大臣 人口の高齢化につきましては地域的にはいろいろと髪もございますが、しかし、高齢化が進んだ地域では過疎化と高齢化が一緒に、お年寄りはどんどんふえてくるし、若い者は出ていくという、まさに高齢化中心の村みたいなものもできてくるわけでございまして、そういうところは、やはり同じ過疎地域においても非常に深刻な悩みがあると思います。したがって、高齢化対策につきましても、全国のどの地域にあっても、どこでも安心して住めるようなそういうサービスをやらなければならぬ、これが「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の一つの目的でもございますので、これを早急に推進してまいりたいと思っております。 具体的な対策の実施に当たりましては、高齢化が進んでサービスヘの需要が増大している地域の実情を考慮して、在宅福祉の推進や施設の整備に努めていくことにいたしております。また、高齢者生活福祉センターあるいは小規模型のデイサービスセンター、こういうものを整備いたしまして、過疎化の小集落と申しますか、比較的人口の少ない地域にもこういうものを設置して、そしてそういう過疎化地域対策を進めていかなければならぬ。 いずれにいたしましても、地域の実情に応じた高齢化対策を進めるということが一つの大きな眼目でございますので、そのようにしてまいりたいと思います。
○志賀(一)分科員 次に、高齢化社会にかかわる財政問題についてお聞きをしたいと思います。 社会福祉を推進する中核となりますのは、協議会の専門員であります。現行での補助基準額は百六十七万七千円で、補助金は補助率三分の二で百十一万八千円であります。平成四年度からは、人口十万以上の市のみ補助基準額が三百十四万一千円に引き上げられることになったのでありますが、これはどうも考え方として逆じゃないのか。財政力のない、高齢化率の高い町村にこそ配分すべきで、大幅に引き上げるべきで、人口十万以上の方々をこんなにたくさん引き上げるというのは、これは逆じゃないのか、こう私は指摘せざるを得ないのですが、それに対する見解をお聞きしたいと思います。 それから、時間がありませんので端的に申し上げますが、過疎町村では財政力が少ないために、有利な過疎債を重点的に借り入れているわけでありますが、枠の配分のためになかなか要望どおり来ないという悩みを訴えているわけであります。したがって、やはりこういった高齢化率の高い町村に対しては優先的にこの枠を与えてやるべきじゃないのか、御配慮願いたい、こういうふうに思いますが、いかがでし一よう。
○岡光政府委員 まず、社会福祉施設協議会の職員の人件費の関係でございますが、現在の単価が非常に低くて実情に合っていないわけでございまして、何とかこれを引き上げたいと考えたわけでございます。 人件費の配分を全国的に見てまいりますと、やはり都市部の方が高いわけでございます。したがいまして、当面の改善策としまして、人口の多いところから対応していきたいというふうに発想したわけでございます。 今後の課題としまして、やはりその地域地域における社協の職員の人件費の実態に即応していかなければいけないと思いますので、今後ともその内容改善には努めてまいりたいと思っております。
○田村説明員 過疎債についてお答えを申し上げます。 平成二年四月に施行されました新過疎法におきましては、産業振興による若者定住の促進と、もう一つの柱として、高齢者の福祉の増進というのが大きな柱になっておるわけでございます。このため、過疎債の対象事業につきましても、従来の老人福祉施設に加えまして各種のこういった生きがい対策、それから健康増進施設などを対象範囲に追加したところでございます。過疎債の配分に当たりましても、新過疎法の趣旨に合致するものとして、こういった事業について優先配分しているところでございます。 過疎債の配分につきましては、地域の活性に資するという観点から、高齢化の進展状況も含めまして、それぞれの地域の特性を十分勘案しているところでありまして、今後またいい事業が出てくれば、どんどんそれが採択できるような形で私どもも積極的に対応していきたいと思っております。 なお、過疎債につきましては平成四年度二千五百億という枠で、百六十億ほど増額をしております。
○志賀(一)分科員 先ほどの福祉施設協議会の職員の給料の基準額については、やはりこれはもう一度検討すべきじゃないでしょうか。人口の多いところは財政がいいんですから、高齢化率の高い町村を優先にもっと見直す、こういうことをひとつぜひ検討してください。 次に、老齢化率の高い町村では、生産人口の減少に伴う税収の落ち込み、それと同時に、今度は年々増加する老人医療費を初めとした老人福祉対策費の大幅な増加などのために、財政的に容易ならざる状態にあります。 交付税の算定についてですが、やはり高齢化率の高い町村ほど特別な傾斜配分の方法をぜひ考えてほしい。あらゆる費目で人口にかなりウエートを置いているわけですから、それでは高齢化社会を迎えている町村については極めて気の毒だ。そういう点からいって普通交付税の傾斜配分方式をぜひ検討してほしい、こういうふうに思いますが、いかがでしょう。 それから、時間がありませんのでもう一つお伺いをしておきたいのでありますが、金山町でも特老、特別養護老人ホームの建設をいたしましたが、面積で二百六十三平米、単価において六万百八十二円補助の対象基準より多く使ったために、結果として、事業費で一億二千五百六十七万円の超過負担と実はなっているわけです。国、県の補助金が四分の三ですから、一億八千四百二十四万円に対する町の負担額が、逆に町の方の負担額が二億二千五百九十九万五千円と、大幅な町の持ち出しになっているわけであります。こういう現状を見た場合に、一般的な超過負担の解消はもちうん努力していただかなければなりませんが、こういう高齢化率の高い町村に対しては特別の配慮をして、このような結果として四分の三が逆転しているような状態の負担では全く地方財政が容易ではないので、私はぜひこれは検討していただきたいなと思うのですが、いかがでしょう。
○田村説明員 最初に、交付税の関係についてお答えを申し上げます。 先生御指摘のように、高齢化の進んだ地域において、高齢者の方々が多く、それに対する財政需要が特に多いということでございまして、普通交付税の配分に当たっても配慮をしているところでございます。 具体的に申しますと、社会福祉費において老齢人口を用いて交付税の割り増しを配分しておるとか、あるいは地域福祉基金費につきまして六十五歳以上の人口比率を用いた割り増しを行っておるとか、あるいは市町村ごとに六十五歳以上人口の比率を用いて企画振興費を割り増し配分する、あるいは老人医療につきまして市町村ごとに七十歳以上の人口比率を用いて割り増し配分するといったようなことをいろいろやってまいっております。 今後とも、地方団体における高齢者保健福祉施策の円滑な推進に支障が生じることのないように、地域の実情に即した適切な財源配分をしてまいりたいと考えております。
○岡光政府委員 特別養護老人ホームの整備費の関係でございますが、まず、単価につきましては、平成四年度三・四%の引き上げを公立文教並びでお願いをしたいと思っております。それからまた、補助基準面積につきましても、五十人特養で申し上げますと、平成四年度は従前に比べまして百八十六平米増しの二千百七十四・六平米の確保を図っていきたい、こう考えておりますが、先生がおっしゃいますように、地域によりまして相当実勢が違っておりまして、そういう補助基準とかなりかけ離れているところもございます。これは全国的に見ますと本当にばらばらになっておりまして、現在の補助基準でかなり対応できるというところもございますし、その辺は地域特性も十分踏まえなければいけないと思っております。 いずれにしましても、この特養の整備は緊急課題でございますので、おっしゃいましたようなことも配慮しながら、できるだけ整備が進むように今後とも努力をしていきたいと思っております。
○志賀(一)分科員 いずれにいたしましても、今までいろいろと申し上げたとおりに、二十一世紀では四人に一人老人になるというのですが、しかし、それ以上にもう目の前にそういう社会があるわけでありますから、これらの実情、実態を十分把握していただきまして、将来の高齢化社会に向けた施策の一つのテストケースとしても、ひとつぜひ私が申し上げた諸点について御考慮をいただき、そういった社会も、金山町とかそういう町も、東京と同じでなくても、やはり金山町に行って住みたいなと思うような施策をぜひ御配慮の上やっていただきますように心からお願いして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○和田(静)主査代理 これにて志賀一夫君の質疑は終了いたしました。 次に、薮仲義彦君。
○薮仲分科員 私は、しばらくぶりで山下大臣に質問をする機会に恵まれて、心中ひそかに期するものと喜びを持っております。大臣が運輸大臣当時、見事な行政手腕で運輸行政を推進なさったこと、私も十分記憶いたしております。当時のことを思い浮かべながら、今度は厚生行政に関して、大臣の卓越した行政手腕によって、我々国民の歯科問題に関しての不安を抜本的に解消していただきたい。 なぜ私が申し上げるかというと、私は当選してから十年間、この歯科問題を歴代の大臣に質問してまいりました。きょうも懐かしく当時の会議録を読んでみました。一番最初に質問したのは、大変残念なことでございますけれども、亡くなられた園田厚生大臣のときが私が歯科問題を取り上げた最初のときでございました。園田大臣が歯科の御専門の教育を受けられた大臣でもありましたので、当時から問題になっておりました高齢化社会を迎えるに当たって、お年をとられた方の一番不安は入れ歯、総義歯の不採算です。私はこの問題を何とか解決してほしいということを十年前に訴えて今日まで十年変わらず訴え続けてまいりました。 最近、テレビもようやくこの問題を取り上げてきたようでございますが、国民の関心が高まり、そしてまたマスコミもこの問題点を厳しくえぐって、私は大臣の行政手腕によって解決されることを望みながらきょうは質問させていただきますが、時間が非常に限られておりますので、言いっ放しになるかもしれません。しかし、私は大臣に、きょうはこの歯科問題の本質を知っていただきたい、国民の声としてきょうは聞いていただきたいと思うわけでございます。 なぜ私がこの歯科問題に取り組んだかというと、私の主治医が非常にすばらしい先生でした。私は今まで歯科医へ行くのが怖かった。歯を抜かれ、痛い思いをしてという思いがあった。しかし、私が選挙も終わってお伺いした歯科の先生は、歯を抜かなかった。生涯自分の歯で食べられるようにすることが大事なんですよ、大事にしましょう。そして、私の口腔内の歯をほとんど治してくださった。 今私が問題とする総義歯、私はパーシャルデンチャー、部分義歯が入っております。しかし、大臣と話しても歯切れよくしゃべれると思うのです。私は、今入っている部分義歯でピーナツも食べられます。肉も食べられます。本当に自分の歯と同じように楽しい生活を送っていますのでも、その先生やまじめな臨床の先生が私に言いました。薮仲さん、私はお年をとられた方にいい総義歯をつくってあげたい。しかし、今の保険制度でやると非常につくりにくいのです。私たちは、総義歯をつくるときに、大学の講座で一つ一つのステップを教えてもらいました。それが臨床医になって青本という、これは保険局長いるから御承知の、保険点数を書いた青本があるわけです。保険点数に従って治療しようとすると、どうしても採算が合わないのです。いわゆる医科と違って、一番の問題は、歯科にとって大事なのは、技術というものをどう評価していただくかだ。先日のテレビでもやっておりましたけれども、あのとおりです。材料は変わらないのです、自費でやろうと保険でやろうと。要は、その技術というものをどう評価するかということが大事なんですということがずっと言われて、今日まで来ているわけです。 私は、この問題を臨床の先生にも、ほとんど全国の先生からいろいろ御意見を伺いましたけれども、私は専門じゃございませんので、いいかげんな発言をしてはいかぬと思って、入れ歯というのは補綴学会ですから、日本補綴歯科学会の歴代の会長に会いました。東京歯科を訪ねて、関根先生にも御意見を伺いました。東京医科歯科に行って、補綴学会会長の田端教授の意見も伺いました。私は名古屋まで足を運びました。そして、愛知学院大学の、あのテレビに出ておりましたけれども、平沼教授の教室も訪ねました。そして、補綴というものは一体どうなんでしょう、その先生方の御意見も伺いました。あるいは東京医科歯科で佐藤温重先生を訪ねて、これから問題にしたい歯科材料の合金についての毒性問題についても伺いました。いろいろな御意見を伺った上で、私は、これは厚生省として本気になって取り組んでいただきたいという気持ちがあるわけです。 簡単なことを申し上げますと、この私の意見に補綴学会の先生方は賛同してくださいました。当時の学会長は津留さんでございました。それで、この津留教授は、平沼先生たちの意見がございましたので、ひとつ研究をしましょう。どういう研究をなさったかというと、いわゆる大学の講座ではこれだけのことを教えております、それが現実臨床の歯科医のところへ来るとどうなるかということを調べてみましょうということで、いわゆる大学の講座で教えている内容と、臨床医が青本によって治療を行う行為とどうなっているかを対比をしましょうということで、対比をしてくださったのが、これは前の津島厚生大臣のときにお渡ししてございますけれども、いわゆる赤本という本でございます。 この赤本というのは何かといいますと、表題には、あるいは大臣もきょうお帰りになったらごらんいただきたいのでございますが、「診療並びに技工行為に関するアンケート調査」、いわゆるこれは赤本でございますが、昭和六十三年十月、日本補綴歯科学会医療問題検討委員会、これは当時の会長は田端東京医科歯科の教授でございましたし、中心になってやったのが前補綴学会の会長の平沼謙二教授でございました。 そして、その調査によってどういうことをおやりになったかというと、大学ではこれだけの講座でこれだけの診療内容を教えます、いわゆる患者に会ってから最後に総義歯を入れて、調製するまでに幾つのステップがあるかということをきちっと調べた。それはその赤本にございますように、百十五のステップがございます。百十五のステップがあるのですけれども、現在の保険で適用されているのが何項目が。これは後で保険局長にお聞きいただきたいのでございますが、二十九項目です。さらに、これを保険局はマルメという、いわゆる包括というのですけれども、マルメと言います。マルメを入れると四十六でございます。大学で教えるステップの百十五の中で、純粋に保険で採用されているのは二十九、約四分の一です。あとは保険に採用されてないですから、あのテレビでも言っておったように、どうしても赤字になりますという声が出てきたわけです。 これは六十三年でございますが、その赤本のときにどうであったか。当時の保険診療報酬といわゆる物価指数等で計算した結果でも、保険は五千八点です。平沼先生初め、このデータは、臨床経験十年未満の臨床医と十年以上の経験豊かな先生の御意見も全部あわせて、データとして調査したのです。その結果が保険は五千八点を示しましたけれども、平均値でいきますと九万四千七百五十円。あのテレビでも言っていますように、大体倍ぐらい、十万円ぐらいというのが当時の先生方のまじめな評価でございました。 私は、これをもとにして予算委員会で、当時の津島厚生大臣にこのことを真剣に検討していただきたいということを申し上げました。この総義歯という問題、今、日本歯科医師会がどう、あるいはいろいろなことがあるかもしれませんけれども、私は大臣にお願いしたいのは、これだけ社会問題化されている今日、高齢化社会の歯科診療はどうあるべきか、大臣のもとで諮問機関をつくって、あるいは検討委員会をつくって、総義歯についてきちんとした結論を出していただきたい。 あのNHKのテレビを見た後、私のところにいろいろな相談がありました。薮仲さん、本当に歯医者というのは、国家試験受かっているけれども、歯科診療は大丈夫なんですかね、あのテレビを見ると、どうも国家試験に実技がなくなってから、若い先生方は大丈夫なんでしょうか、ちょうど三十二歳より若い先生方は国家試験に実技がないそうですね、こういう話も出ました。また、本当に入れ歯がつくれるんでしょうか、こういう問い合わせもありました。しかも、あのテレビで一番まじめな歯科医がショックを受けたのは神奈川の老人ホームヘ行ったら、お年寄りが食事をするときに入れ歯を外して食べる。まじめな先生にとってはこれは耐えられない。あれを見たらば、何のための保険であり、何のための歯科診療が、心が痛みました。 しかも、あのアンケートの中で出てきたのは、入れ歯人口一千万、その約五割は、ぐあいが悪くて痛いとか、ぐあいが悪いのです。でも、半分の人はくあいがいい、私を含めて。私もとてもぐあいがいいです。それはまじめな先生にめぐり会ったからだと思うのです。でも、あのテレビに出てくる御婦人は、自由診療でやるまで八個の入れ歯をつくった。ざっと計算して、一個五万として四十万です。二十年間で八個つくったからいいだろうという御説明を私の部屋でいただきました。しかし、私は大学の先生にも聞きました。臨床家にも聞きました。大学の先生は言いました。いろいろな事情があるかもしれませんけれども、この大学では本当にうまく調製すれば十年は普通使えますよ、と。あれは二年半使えないのです、あのつくった入れ歯は。私の関係する臨床医が、私のつくった入れ歯は二十年間使って人生を終わっていきました。感謝をされて、手入れさえよければ本当にまともに物を食べて、楽しんで死んでいける。 歴代の総理の中で総義歯の総理が二人いたのです。でも、当時の歯科医師がうまいから、恐らく国民はだれとだれが総義歯かわからないと思うのです。しかし、私は歯科の先生やいろいろな方から、どなたとどなたが総義歯だったかわかっているわけです。でも、あのようにきちんと入れると――よく入れ歯で歯切れの悪い政治家もおります。入れ歯がおっこちそうで歯切れの悪いというのもいますのでも、あの歴代の総理の中で、総義歯の総理二人は立派にきちんとしゃべれた。やはりそれだけいい診療行為があれば、きちんとしゃべれるわけです。私は、あのように老人ホームでお年寄りが入れ歯を外すなんという情けないことはやめてほしい。残念な思いです。 しかも、この問題でけさも平沼先生に私、連絡をとりましたけれども、あの中で平沼先生の愛知学院大学が出てまいります。卒業実技試験をやっているのは、二十九の歯学部の中であの先生のところの大学だけです。これは文部省、きょう来ているから後で聞きますけれども、一校だけです。 じゃ、アメリカはどうだ。文部省はアメリカヘ小椋先生という東京医科歯科の歯学部長を派遣しております。そして、アメリカの実態も報告を受けております。アメリカの報告はこう書いてあります。これは小椋先生の報告書ですけれども、「米国の歯科医師免許は相当な臨床実技の力がないと取得できないという事実である。」こう出ています。あのテレビの中ではドイツのチュービンゲン大学の実態が出ておったのです。今の日本の大学は、臨床実技というのはほとんど見学なんです。患者に接することはほとんどないと言っていいほど見学なんです。それはなぜかというと、いろいろ事情があろうと思いますが、あの大学では、チュービンゲン大学では必ず患者に接する。しかも、一年間に患者を四人担当する。しかも、一年に一組の総義歯はつくる。それには指導教師がきちっとついていて、患者に不手際のないようにきちんとやっているわけです。しかも、いわゆる国家試験に実技が入ってくるわけです。 今、日本の国を振り返ってみると、どうですか。臨床実技の卒業試験があるのは、平沼歯学部長のいらっしゃる愛知学院大学だけです。国家試験には実技試験がありません。じゃ、臨床医としての研修制度はどうか。医師と歯科医師がおります。医師は、国家試験を通ってから二年間の研修医の制度があります。歯科医師はありません。 ですから、国家試験で実技がない。また、臨床の卒業の実技試験がない。これは平沼先生がけさ私にファクスを送ってくださったのです。こう書いてあります。先生は、全国の歯学部の部長会議で、大学の卒業実技試験をやるべきだと訴えていらっしゃいます。アンケートもとっていらっしゃいます。近々発表するとおっしゃっていました。その平沼先生は、教育する立場としてまことに残念であり、心苦しいけれどもと前置きされて、学生の実地臨床教育の心構えが大きく変わります、卒業実技試験があると。私の周辺にいる臨床医の先生は、私はこういう臨床をやりましたと、非常に高度な実技試験を今五十代の先生は受けていらっしゃる。恐らく厚生省の宮武課長あたりは実技試験を受けた歯科医師だと思うのですけれども、今の新しい人は違っていると思うのです。 それで、平沼先生の二番目は、患者に接するということが医師にとっては最も大事です、と。やはり患者と対話をして、歯のぐあいどうですか、痛くありませんか、どうですか、これが医師としてまず最大の条件です、と。模型やそんなものをやっていたって本当の医師ではありません、と。あのテレビも言っていました。人間は痛がるし、つばも飲み込む。本当にそうだと思うのです。やはり実技試験というのがどれほど大事か。しかもこれをやることによって基本技術の修得、レベルの均一化、一定レベルまできちんと上がってきます。 平沼先生は大学における実技試験の必要性を訴えられています。後は大学で実技試験を――同時に、ここから先は、国家試験に実技を入れるかは大臣のテリトリーです。もしいろいろな問題があって無理ならば、医科と同じように研修医という制度を何とか考えて、大臣、国民の不安を解消していただきたい。少なくとも私も自分の原体験からいうと、下手なお医者さんは嫌ですね。でも、上手なお医者さんに行くと、私はこうやって安心して生活を楽しめるわけです。ですから、きょうは私はいろいろなことを申し上げますけれども、まず厚生省の方からちょっと聞いておきましょうか。 健康政策局長、今私が申し上げましたけれども、実技についてはどういう認識でどうしようとしているか、ちょっとお答えください。
○古市政府委員 御指摘のような問題点は我々も全く同じだと理解をいたしております。国家試験と申しますものは、先生御指摘のように、歯科大学での知識、技能が履修されて卒業したということを前提として行っているものでございます。従前は実地試験もあったわけでございますが、受験生が非常に多くなったということと主観的な判断が入るということで、国家試験レベルでスクリーニングをかけるということも実際問題として非常に難しいということから、一回廃止になりまして、実地試験にかわるものとして、今臨床実地の問題が出ているわけでございます。 したがいまして、先生御指摘のことに対応いたしましては、後段御指摘いただきましたように、一般歯科医養成研修事業というものをさらに推進していきたい。また、大学には先ほどのような立派な大学もあるわけでございますから、そういうようなカリキュラム、実技というものを充実していただきたいと希望しているわけでございます。
○薮仲分科員 私は大臣に御意見を伺いたいのは、もっと詳しいことはたくさん申し上げたいのですが、お年をとられた方が不安のない人生を送るために、この総義歯について厚生省が主体となってきちんとした結論を、どういう治療、診療で、どういう保険が適正であるかということを大臣のもとで検討していただきたい。いわゆる日歯の意見を聞くとか、いろいろあるかもしれませんけれども、やはり大臣のもとできちんとした、総義歯についてどうあるべきかという将来を見通した、しっかりとしたことをここでやっていただきませんと、二〇二〇年、お年をとられた方がもう人口の四分の一という時代が来るわけでございますので、これが一つでございます。 それからもう一点は、実技について、今局長からもお話ございましたように、私は非常に重要だと思うのでございますが、大臣のお考えは。
○山下国務大臣 薮仲先生は長い間御交誼を賜っておりまして、かねがねその御高見に感心いたしておりましたが、歯科のことについてこんなにお詳しいとは私も知りませんで、先ほどから歯科のプロフェッサーの講義を聞くように黙って聞いておりました。本当に感心いたしました。 そこで、先ほど例としてお話しになりました食事のときに外すというのは、私もびっくりいたしまして、そんなものもあるのかな。これは見ばがよくたってしょうがないし、歯というのは芸術品じゃないのですから、実際に役に立たなければならないものでございまして、したがって、そういう意味からすると、実技ということに重きを置かなければならぬことは先生の御指摘のとおりだと私も思います。 ただ、今の保険制度のもとで、それではどうやってそれを評価し、どうやって報酬を払うのかということは非常に難しい問題で、大学の教授と、あるいは今インターンという制度があったかどうか、私もちょっとうっかりしておりましたが、大学を卒業して間もない若い二十代の先生とが、保険において同じ行為をやれば点数が同じだというところに大きな問題があるかもしれませんが、しかし、どうランクをつけるかというのも、これまたなお難しいであろうかと思います。 いずれにいたしましても、私はある歯医者さんから、最近テレビの政治討論会とか政治家のテレビを見ていると、みんな歯がだめだな、もっとちゃんとした歯を入れておればあんな発言じゃなくて済むのだがなと言われてみると、私自身も入れておりますので、思わず自分の歯をさわりたいようなそんな気持ちがいたしまして、先生がおっしゃるように、歯というのは本当に大切なものだなと折に触れて思うわけでございます。 そこで私は、国家試験について、前からあるところでいろいろ意見を言ったこともございますが、六年間やって国家試験を通らない者は役に立たぬじゃないかということで、予科といいますか、例えば初めの二年とか三年、ある時期において予備試験みたいなものをやりまして、それでだめならそのときもうあきらめてもらうとか、何か制度をつくらぬと、結局中途半端な人間になる。だから、やむを得ずと申しますか、ある程度レベルは下げて、六年修得した者は国家試験を通して、そして実技に振り向けるという今のシステムについて一体どうなのかな、私もそういういろいろな疑問を持ち、意見も持っておりますが、先生の今のいろいろな御意見も十分拝聴いたしました。私もこれからいろいろ人生の糧として勉強さしていただきたいと思います。
○薮仲分科員 ぜひともお願いしたいわけでございますが、次の問題も、これは大臣に聞いておいていただきたい。私の願いなんです。これは国民の願いとして聞いておいてください。 我が党の書記長の予算委員会の質問で、大臣が白内障の眼内レンズについて決断してくださいました。あれは私、地元を回って、大臣の決意に対してはお年をとられた方から絶賛の拍手といいますか、本当に喜んでいただいて、ああいう決断こそ本当にお年をとられた方にとって大きな希望なんだなと、地方を回りながら心温まる思いで聞いております。これからもこういうことを御配慮いただきたいと思うのでございますが、そのとき、これは大臣、ちょっと心にかけておいてください。 あの大臣が決断していただいた保険点数は、片目で一万六千百点、金額に直せば十六万一千円になるわけですが、歯科の総義歯は上下で五万円です。目といい口といい、非常に重要な人間の機能です。人工臓器です。こっちが五万円で、こっちが幾らという価値を言うわけではございませんけれども、私は歯科医師の先生がおっしゃる意味もわからないわけではないわけであります。 そういう意味からも、あの眼内レンズを入れるというのは、あれは病気というよりも老化現象の一つですから、手術としては、大臣も御経験とおっしゃられたように、どちらかといえば非常に安心して受けられる治療です。もうきょうやればあしたということで、ぱっと世の中が明るくなるというほど希望の持てる人生が送れるわけです。それに約十六万。両目になればどうかという話もあるわけですが、そういうことはちょっとおいておいて、歯科の問題は、今申し上げるように上下で五万円前後ですから、歯科の先生の保険のあり方というのはどうあるべきかということをもう一度お考えいただきたいということを重ねてお願いしておきます。 余り時間がないので残念なんですけれども、大臣に二点目のお願いは、私はこれはもうずっとやってきたのです。現在の歯科診療に使うところの歯科材料ですね。厚生省は薬事法に基づいて歯科材料を入れると、こうおっしゃるのです。今業務局長に聞けば、そのとおり薬事法に基づいてとおっしゃるのです。ところが、薬事法に基づいて本当に歯科材料が入っているのかどうか。これは私が十年間ずっと言い続けているのです。 例えば、これは薬事法が改正された昭和五十五年以降、厚生省薬務局が歯科材料として導入した歯科材料の一覧表です。この中に、厚生省が薬事法に基づいてという、中央薬事審議会歯科用調査会に相談した上で、審査を受けたのではないのです、相談した上で入れた材料が二十五品目です。そして、事務的なレベルではあっと入ってきている。ここにC1、C2とありますけれども、これは何かといいますと、例えばC1というのは歯科用金属、C2というのは歯冠材料、歯の上にかぶせるのですね。それからC3は義歯用材料、こうなっておるわけでございますが、ほとんどがC1、C2、C3です。これは口の中に入る材料です。型をとるための補助材料とは違いまして、これが二千五百五十品目です。審査を受けているのが二十五で、事務的に入ってくるのが二千五百五十なんです。 このほかに、私が何を言いたいかというと、これは歴史の真実を語るために申し上げておきますから、今日までの厚生省を改めていただきたい。それは何か。いわゆる鋳造用ニッケルクロム合金の導入の問題、私はこれをぶっ通しで十年間やってきたのです。このニッケルクロム合金の導入というのは、大分県で昭和五十七年の十二月二十日、読売新聞がすっぱ抜いたのです。 ニッケルクロムという粗悪な材料はまだ保険に入っていなかったのです。それを金銀パラジウムで治療したといって振りかえ請求して、当時の新聞には惨たんたることをここで書かれているわけです。「集団不正受給 百人で五億円以上」それから「全国で二百億円にも」、こういうことを書かれているのです。だれがこんなことをやったか。このときこれで済んで、きちんと改めればよかったのです。改めなかった。 日歯と厚生省の関係は私、非常に不愉快なんです。なぜかといいますと、そのときの大分県の歯科医師会長が毛利という方です。この方は日歯の専務理事です。日歯の会長は山崎数男です。この人が何をやったか。五十七年十二月二十日にスクープされて、そのときの中医協は、高齢化医療の問題をやっているのに、その高齢化医療に引っかけて、直ちに十二月二十九日に保険導入したのです。 しかもこの保険導入については、きょうはすべてを言えないことが非常に残念ですけれども、ここに日本補綴学会という、先ほど申し上げた歯をかぶせる学会が特集号をつくった。なぜ特集号をつくったかというと、情けないと。ニッケルクロム合金というのは昭和三十年代以降は使いたくない材料である。それを厚生省が入れた。しかも、だれも入れてくれと言わない。だれもが望まないこの歯科材料を導入したわけです。入れ方がまことに不愉快きわまりない。 これは時間のある限りちょっと大臣に知っていただきたいのですが、「ニッケル・クロム合金の臨床的評価」、これはさっきの田端補綴学会会長が代表執筆責任者で書いているのです。この中で 昭和五十七年十二月末、全く突然にニッケル・クロム合金を鋳造歯冠修復用材料として保険診療に採用することが中央社会保険医療協議会において決定された。後に述べるごとく、鋳造修復用合金としては種々問題が指摘されていた金属であるだけに、高度に専門的な判断を要するニッケル・クロム合金の採用については、専門学会である補綴学会に事前に諮問があって然るべきであると考えるが、実際には中医協での決定の直前に保険導入に同意して欲しい旨の電話が日本歯科医師会から学会長宛にあったとのことである。しかも即答を求められるという慌しさであったので、三谷学会長は取敢えず常務理事の範囲内で意見をとりまとめ、「ニッケル・クロム合金の保険採用には同意できない」との回答を行った。 これだけならいいんですよ。これはいかに悪い材料かということがもっとたくさん書いてあるのです。 でも、この中で東京医科歯科の毒性学の佐藤温重先生が言っているところを大臣に知っていていただきたい。このニッケルクロムは発がん性があるのです。発がん性、変異原性。 ニッケル・クロム合金の成分金属のうち動物実験で発癌性が証明されている金属は、Be、Co、Cr、Cu、Mn、Mo、Ni、Znなどであり、また疫学的にヒトでの発癌性が明らかになっているものに、Be、Ni、Crなどがある。これらの金属は、細胞の腫瘍化を開始する作用と、腫瘍を増強化する作用とがある。 それで、温重先生はニッケルクロム合金についてはこういう指摘なんです。 溶出金属量は微量であり体内に吸収される金属量は少ないので、ニッケル・クロム合金は安全であるという考えがある。しかし、毒性は濃度の関数であるばかりでなく時間の関数であり、ニッケル・クロム合金の慢性毒性試験を実施し、微量長期摂取の安全性を確認した上で結論を導くべきである。 ニッケル・クロム合金のみならず、歯科材料は前臨床試験により安全性が保証されたものについて、小規模の臨床試験を行い、既存の歯科材料と比較し優れた材料を選別し、一般臨床に使用することが、医の倫理からして必要であろう。既存の補綴材料と比較しニッケル・クロム合金は安全性の優れた材料とはいえない。 しかも佐藤教授は、 毒性試験は毒性陽性の証明に重点をおいているが、本来安全性の評価は毒性陰性の限界を証明すべきである。 これがまだ保険に入っているのです。 きょうは、このことやポリザルボンやいろいろやりたかったのですが、もう時間のようでございますので、いずれ大臣にお願い申し上げますけれども、高齢化社会の不採算と歯科材料の導入と実技の問題については、どうか心におとどめいただいて、大臣が的確な行政判断で是正してくださることをお願いをして、質問を終わります。
○和田(静)主査代理 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。 次に、斉藤一雄君。
○斉藤(一)分科員 社会党の斉藤一雄です。 水道水水質基準の考え方について、きょうはお尋ねをいたしたいと思います。 最初に、水道水の水質基準についてお伺いいたしますが、現行水質基準に至るまで水質基準項目がふえてきたわけであります。その理由を簡単に説明してください。
○小林(康)政府委員 水道法に基づきます水質基準によりまして水道水質の管理を行ってまいったところでございますが、生活、産業の高度化あるいは多様化に伴います化学物質の使用や分析技術の向上などによりまして、公共用水域あるいは地下水におきます微量化学物質が検出されるようになってまいりました。こうした事態に迅速に対応いたしますため、必要となります項目について暫定水質目標等を設定し、指導してきたところでございます。
○斉藤(一)分科員 今回予定される水質基準改定で予定される基準項目と、今後検討すべき項目、基準値見直しについての見通し、可能性についての所見を伺いたいと思います。
○小林(康)政府委員 現在、水道水の水質基準の改定の作業に入っておるところでございますが、対象項目といたしましては、世界保健機関、WHO、米国等におきます水質基準改定で検討対象となっておる物質も含めまして、日本の公共用水域及び地下水において検出されるようになった微量化学物質を中心に、生活環境審議会の水質専門委員会において御検討いただいておるところでございます。この委員会におきまして、最新の知見をもとに、幅広く検討対象項目を検討いただいておるところでございまして、この結論をまちまして水質基準の改定を行いたいと思っております。 今回改定が行われました後どうするかというお尋ねでございますが、改定しました後、新たに健康影響面での知見や水道水中での検出状況等の知識の集積に努めまして、専門家の意見も聞きながら、必要に応じまして適宜見直しあるいは追加を行っていきたいと考えております。
○斉藤(一)分科員 新年度予算の水質基準改定費はほぼ前年度並みということで、大変不十分ではないかと思いますが、この点どうお考えでございますか。
○小林(康)政府委員 前々から水質基準改定という方針のもとに、調査費、検討費を計上してきておるものでございますが、この経費の主たる部分は、情報の収集及び実態の把握というところでございまして、WHOあるいは米国等の知見も参考にしながら作業を進めておりますので、現在のところ、作業の方は既定の予算でほぼ順調に進んでおるというふうに理解しております。
○斉藤(一)分科員 今回の改定によって水道水の安全性はどの程度高まるか、また、高度処理の導入がどの程度促進されるか、さらに原水がどの程度浄化されるのか、具体的に御説明いただきたい。
○小林(康)政府委員 今回の基準改定に当たりましては、現在基準の定められていない有機化学物質及び農薬など、水質汚染が懸念をされます物質を広く検討対象として、基準について十分な安全性を見込むという観点に立ち、専門委員会において検討していただいているところでございまして、こうした検討成果を受けての新たな基準ができますれば、水道水の安全性は十分高まると確信をしておるところでございます。 水質基準の改定によりまして高度処理を行う必要がある水道が出てまいりました場合には、施設整備のための国庫補助の制度もございますので、これらを積極的に活用し、適切な施設整備を進めていくこととしております。 また、原水についてのお尋ねがございましたが、今回私どもが着手しておりますのは水道水の水質基準でございますが、原水の水質関係につきまして、水道法に関連をして環境行政での幾つかの施策がございますので、そうした保全対策の強化についての理解も、この水道法の水質基準の改定に伴いまして広く理解が得られ、施策が充実していくものと期待をしているところでございます。
○斉藤(一)分科員 今お答えがありましたけれども、水源の浄化ということについては、極めて不十分な感じがいたしております。 そこで、高度処理の導入によって飲料水の安全性が確保されるというようなお話がありましたけれども、これはもう極めて安易な考えではないかというふうに思うわけであります。より基本的には、水源における安全性の確保ということがなければなりません。そうした認識、見解についてお尋ねいたします。
○小林(康)政府委員 御指摘ございましたとおり、安全でおいしい水道水を確保いたしますためには、まず良好な水道原水を確保するというのが第一に必要なことと考えております。公共用水域あるいは地下水の水質保全という点につきましては、水質汚濁防止法初め環境行政の中で取り組んでおるところでございまして、水道としても、その一環としての原水の水質保全に努めていかなければならないというふうに考えております。 ただ、それには多少の時間がかかりますので、水道側でもより安全を期して、高度浄水処理などの水道側での対策もあわせて強化をする必要がある、こういう認識で進めておるところでございます。
○斉藤(一)分科員 水質基準を改定するとしても、それは毒性がある物質を網羅したことにならないのではないかと思いますが、いかがですか。
○小林(康)政府委員 今回の水質基準の改定に当たりましては、WHOあるいは米国等世界的な動向も参照しつつ、専門委員会において専門家によります最新の科学的知見に基づいて検討をいただいておるところでございまして、現時点において基準を設定する必要のある項目は網羅されるであろうというふうに考えております。化学物質は非常に数が多いものでございますので、すべてを網羅するという形ではございませんが、現時点で必要性のある項目は基準化されるというふうに考えております。
○斉藤(一)分科員 化学物質の化学変化や相乗作用を考えた場合、水道水の安全性は十分とは言えないのではないか。
○小林(康)政府委員 化学物質によりましては、分解等によりまして他の化学物質が生ずるというような場合がございますが、そうした化学的な変化も含めまして、基準設定の必要性について検討をいただいておるところでございます。化学物質について、今後さらに知見が加わるという状況も予想されるわけでございまして、今後そうした新たな変化が見出されました場合には、基準設定の必要性について適宜検討を行うことにしておるところでございます。 化学物質によります人への影響の相乗作用、個々の化学物質の毒性だけでなく、組み合わせての相乗作用についての御議論もあるところでございます。この部分はまだ学問的に十分明らかでないという要素もございますが、現在の段階では、個々の物質について十分安全性を見込んで基準値を設定をする、それによって全体としての安全性を確保するという考え方で世界的にも我が国でも整理をしておりまして、個別の基準設定によりまして安全性が確保できるものと考えております。
○斉藤(一)分科員 いずれにしても、個別の基準設定というだけでは不十分でありまして、今後水道水の安全性をトータルに評価する手法が必要だと思うのです。そういう考え方についてお伺いいたします。
○小林(康)政府委員 お話しのように、水道水の安全性をトータルに評価する手法につきまして学者の間での検討が進んでおることは、私どもも承知をしておるところでございます。しかし、学問的にも、あるいは行政上採用するという観点に立ちますと、まだ手法そのものが確立されたというふうには見えませんで、WHOのガイドラインにおきましても、個別項目に十分な安全性を見込んで基準を設定をするという行き方をとっておるところでございます。私ども、今後トータルでの評価につきまして、さらに基礎的な調査研究を充実していく必要があるというふうに考えております。
○斉藤(一)分科員 次に、水道水源の安全性確保についてお尋ねいたします。 現在、水道水源の安全性を担保する法律はあるのか。どうすれば水道水源の安全性が確保されるとお考えか。
○小林(康)政府委員 我が国の主たる水道水源は公共用水域の水でございますが、この公共用水域の水質保全につきましては、公害対策基本法で環境基準が設定されております。それから、個々の水質汚濁防止対策につきましては、公共用水域及び地下水を対象にいたしまして、水質汚濁防止法を中心に規制及び措置が講じられることになっているところでございます。 水質環境基準のうち健康項目につきましては、水道水の水質基準が大部分準用されておりますし、またBOD、SSなどの生活環境項目につきましても、水道水源として利用されている水域には、その水道水源での利用を考慮して基準が設定されているところでございます。 こうした体系に加えまして、水道法におきましても、水道側から関係行政機関の長に対しまして水源の汚濁防止のための要請ができることとされておりまして、日本の状況におきましては、環境行政を中心にいたしまして総合的に取り組んでいく必要がある分野というふうに考えております。
○斉藤(一)分科員 水源地域での肥料や農薬などの使用制限がどうしても必要だというふうに私は認識しているわけですが、その点を検討する御意思はありませんか。
○小林(康)政府委員 ゴルフ場で使用しております農薬についての問題が生じてまいりましたので、厚生省では、ゴルフ場で使用しております農薬につきまして水道水の暫定水質目標を策定し、水道の管理を行っておりますし、環境庁ではゴルフ場使用農薬の暫定指導指針を制定し、農林水産省において農薬の適正使用について指導するという連携をとって、現在やっておるところでございます。 現在進めております水質基準の改定作業におきまして、農薬につきまして、現在の農薬の使用頻度、健康への影響の程度、環境中での検出の状況、これらを勘案して、必要なものにつきましては水質基準に加えるべく作業を進めておるところでございます。今後とも、農薬につきましては、関係省庁との連携を綿密にとりながら、水道としての適切な対応をしていきたいと考えております。
○斉藤(一)分科員 水質基準の設定ということはわかりますけれども、同時に開発行為、立地行為の制限、排出、廃棄の制限、地域指定ということを骨子とした水道水源保全法というものの制定がなければ、水道水源の安全性は確保できないという認識に私は立っております。この水道水源保全法という考え方、先ほども具体的に申し上げましたけれども、どうお考えでしょうか。
○小林(康)政府委員 御指摘のように、良好な水源を確保するということは、水道にとりまして極めて重要なことと考えております。しかしながら、水道の取水といいますのは、河川の上流から海岸に近いところまで、全国各地で水道水源があります状況を考えますと、現在の公害対策基本法によります環境基準の設定、水質汚濁防止法及び湖沼水質保全特別措置法等によります水質保全行政の展開によりまして、水道水源の水質保全を図っていくことが妥当と私どもとしては考えておるところでございます。
○斉藤(一)分科員 そういうことにいつまでもとどまらずに、私が先ほど申し上げた問題について、ひとつ真剣に御検討いただきたいということを強く申し上げておきたいと思います。 次に、一般的に安全性が高い地下水を従来以上に水道水源として利用するために、雨水の全面地下浸透を図る施策が極めて重要ではないか、こういうふうに思いますけれども、いかがでしょうか。
○小林(康)政府委員 我が国の水道水源のうち約三〇%は地下水でございまして、地下水が水道の水源として重要な役割を占めておるところでございます。しかしながら、地盤沈下等の問題がございまして、全般的に積極的にその地下水をさらに増加して使っていくという状況にはございませんが、水道水源としての地下水の涵養という課題は、水道にとりまして大きな重要課題でございますので、水量の確保、水質の保全及び地盤沈下の防止、これらの観点も含めながら、地下水の涵養というのは、水道としても重要な課題というふうに認識をしておるところでございます。
○斉藤(一)分科員 渡良瀬遊水池の問題に関連するのですけれども、このような水道原水の悪化をもたらす水源開発は再検討すべきではないのか。少なくとも、水源開発では何よりも水質を重視すべきではないかと考えますけれども、どのような見解をお持ちでしょうか。
○小林(康)政府委員 渡良瀬遊水池につきましては、その竣工後、水質悪化の可能性があるということで、河川管理者を中心にいたしまして、水質改善の措置を講ずることを検討していると私ども承知をしております。 河川の水を貯水をいたしますと、遊水池に限らず、ダム貯水池におきましても水質の悪化が懸念をされる状態がございますので、水質の悪化ができるだけ生じないような配慮を行い、そうした努力を行いながら水道水源の確保が図られるべきといたしまして、多くの場合は水道も参加をしての多目的という形、水道もその主役の一人という立場での参画でございますので、厚生省といたしましても、そうした遊水池等の開発主体と十分調整を図り、また、参加をいたします水道事業者に対する指導を行ってまいりたいと考えております。
○斉藤(一)分科員 渡良瀬の開発の問題については改めてやりたいと思っていますので、ここでは申し上げませんけれども、東京ではいずれにしても水道水のカビ臭問題が起きておるわけでありまして、今お話しのような簡単なものではない。十分ひとつ渡良瀬遊水池について的確な認識と対策をぜひお願いしておきたい、こういうように思います。 それでは、時間もありませんので、最後に、私、長い関東京都議会にもおりましたし、都庁の職員もしておりましたので、重大な関心を持っておるわけでありますが、昨年十二月十八日に全会派一致いたしまして採択した国への意見書が提出をされていると思います。どのような項目でしょうか。
○小林(康)政府委員 昨年十二月十八日付で東京都議会から厚生大臣あてに意見書をいただいております。五項目入っておりまして、 一 放射能、アスベスト、非イオン界面活性剤 等の基準を新設すること。 二 マンガン、陰イオン界面活性剤、トリクロ ロエチレン等の基準値を強化すること。 三 残留塩素の上限値を設定すること。 四 基準値の設定根拠を公表すること。 五 水質基準の見直し期間を三年以内とするこ と。以上の五項目の意見書をいただいております。
○斉藤(一)分科員 いずれにしても、今お話しの意見書の中には「現行の水道法は、二十六項目の水質基準を定めているが、これでは水道水の安全性を確保する上で不十分である。」こういうふうに、一千二百万都民を代表する都議会において、全会派が一致して国に意見書を出しておるわけでありまして、極めて重要な内容だと思います。この点についての御見解をお伺いしたい、こういうように思います。
○小林(康)政府委員 意見書をちょうだいをいたしましたので、厚生省では、これらの内容につきまして十分念頭に置きながら、水質専門委員会の場におきまして科学的に検討を進めていただくようお願いをしておるところでございます。専門委員会の報告をまちまして、行政的な対応に入りたいと考えております。
○斉藤(一)分科員 いや、国の見解をお伺いしているので、何でも専門委員会に送って検討してもらうというだけでは困るわけで、緊急の課題でもありますので、個々について結論だけ考え方をお聞かせいただきたい。
○小林(康)政府委員 御指摘のございます基準に関する項目につきましては、基準として設定する必要があるかどうか、設定する場合の基準の内容につきまして専門委員会の意見を聞くことにしております。 残留塩素の上限値につきましても、水道水の味の問題あるいは消毒副生成物の問題、機材への保護の観点等ございますので、上限値の設定の適否及びその内容につきまして意見を聞いておるところでございます。 基準値の設定根拠を公表するという点につきましては、これは水道関係の方に広く水質基準の内容を承知していただく必要がございますし、国民の方にも内容を十分理解をしていただく必要がございますので、適切な形での情報提供に努めたいというふうに考えております。 水質基準の将来の見直しにつきましては、必要に応じ適宜見直すという制度にしていきたいと考えておりまして、そのために生活環境審議会の水質専門委員会は引き続き設置をし、御検討いただく場にしていきたい、このように考えております。
○斉藤(一)分科員 それでは最後に、大臣、今のお話の問題、全部民の強い要望になるわけでありますけれども、ひとつ御所見をお伺いしたいと思います。
○山下国務大臣 何しろ水というものは毎日飲むものでございますし、これが非常においしくて、しかも安全なものでなければならぬことは当然のことでございます。特に安全性につきましては、水質基準というものを定めて、これを担保するように努めてきた次第でございますけれども、今後この点をさらに目配りをして、ただいまの御意見の点は十分考慮してまいりたいと思います。
○斉藤(一)分科員 以上で質問を終わります。
○和田(静)主査代理 これにて斉藤一雄君の質疑は終了いたしました。 〔和田(静)主査代理退席、甘利主査代理 着席〕 ―――――――――――――
○甘利主査代理 次に、労働省所管について政府から説明を聴取いたします。近藤労働大臣。
○近藤国務大臣 平成四年度労働省所管一般会計及び特別会計予算について、その概要を御説明申し上げます。 労働省の一般会計の歳出予算額は四千八百七十一億円で、これを前年度当初予算額と比較いたしますと一億円の増額となっております。 次に労働保険特別会計について、各勘定ごとに歳入歳出予算額を申し上げます。 労災勘定の歳入予算額は二兆四千二十九億円で、これを前年度当初予算額と比較いたしますと五十五億円の増額となっております。 また、歳出予算額は一兆三千十七億円で、これを前年度当初予算額と比較いたしますと百四十六億円の増額となっております。 雇用勘定につきましては、歳入予算額は二兆四千六百六十四億円で、これを前年度当初予算額と比較いたしますと千三百四十七億円の減額となっております。 一方、歳出予算額は二兆四千一億円で、これを前年度当初予算額と比較いたしますと千五百五十八億円の増額となっております。 徴収勘定につきましては、歳入予算額、歳出予算額とも三兆八千七百七億円で、これを前年度当初予算額と比較いたしますと千七百十八億円の減額となっております。 最後に、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計の石炭勘定のうち労働省所管分の歳出予算額は百六十二億円で、これを前年度当初予算額と比較いたしますと二十五億円の減額となっております。 平成四年度の労働省関係予算につきましては、労働力尊重の時代にふさわしい労働政策の推進、ゆとりある豊かな勤労者生活と人間中心の健康・快適職場の実現、多様な個性、能力が発揮される社会の実現など、今後の労働行政の重要課題に的確に対応していくための予算措置に十分配慮しつつ、財源の重点配分を行いながら、必要な予算を計上したところであります。 以下、その主要な内容について概略を御説明申し上げるべきではございますが、委員各位のお手元に資料を配付してございますので、お許しを得て、説明を省略させていただきたいと存じます。 何とぞ、格別の御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
○甘利主査代理 この際、お諮りいたします。 労働省所管関係予算の重点項目については、その説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○甘利主査代理 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔近藤国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、その主要な内容について概略を御説明申し上げます。 第一は、労働力尊重の時代にふさわしい労働政策の推進に必要な経費であります。 二十一世紀に向けて、労働力供給の伸びが鈍化することが見込まれる中で、労働者の意欲や能力が有効に発揮されるような環境を割るとともに、産業活動、企業行動、生活慣行等の在り方を見直し、人間を中心とした経済社会を実現していくことが重要な課題となっております。 このため、第七次雇用対策基本計画の策定に取り組むとともに、労働力尊重の時代にふさわしい経済社会の構築に向けたコンセンサスの形成に努めるなど、二十一世紀に向けた総合的な労働政策を展開していくこととしております。 また、当面する課題としては、労働力不足問題に的確に対応し、経済、産業の活力の維持、国民生活の安定に寄与していくことが重要であります。 このため、看護・介護労働力確保のための総合的な対策を推進することとし、介護労働者の福祉の増進を図るための介護労働者福祉基金の創設を図るほか、介護労働者の雇用管理の改善等のための援助事業などを実施することとしております。また、福祉重点ハローワークを指定し、看護・介護労働力の確保に向けて、公共職業安定所の機能を抜本的に強化することといたしております。 そのほか、中小企業人材確保推進事業助成金の拡充や、地域雇用環境整備援助事業の拡充などによりまして、各分野における労働力確保対策を一層強力に推進することとしております。 更に、今後、経済社会の発展を担う人材の育成ということが益々重要になっていくことが見込まれる中で、多様かつ高度な能力開発を実施していく必要性が高まっております。 このため、経済社会の変化に対応した公共職業訓練体系への刷新などを図ることとし、職業訓練短期大学校における在職者訓練実施のための施設整備、都道府県立職業訓練短期大学校の設置に対する新たな財政援助などを実施することとしております。また、技能を尊重する社会の形成のための技能振興の推進に努めることとしております。 以上これらに要する経費として二千二百十六億円を計上いたしております。 第二は、ゆとりある豊かな勤労者生活と人間中心の健康・快適職場の実現のために必要な経費であります。 労働時間の短縮は、ゆとりある豊かな勤労者生活を実現していく上で、不可欠の国民的課題であります。 このため、週四十時間労働制実現等に向けて、労使の自主的取り組みを支援する労働時間適正化促進事業の創設、取引慣行など労働時間短縮の阻害要因の解消に向けた取り組みの推進等を行うほか、所定外労働時間削減推進事業の実施など、「ゆとり創造社会」の実現に向けて各般の施策を一層充実・強化することとしております。 また、勤労者が安心して充実感を持って働くことができる基盤を形成することも重要な課題であります。 このため、快適職場形成促進事業の創設などにより、快適な職場の形成を推進するとともに、死亡災害の多い建設業について店社安全衛生活動活性化事業を実施する等により、労働災害防止対策の一層の推進を図ることとしております。 このほか、余暇・リフレッシュ対策等の勤労者福祉対策あるいは、労災補償及び労働条件改善対策についても、それぞれ内容を充実しつつ推進していくこととしております。 これらに要する経費として一兆千三百六十四億円を計上いたしております。 第三は、多様な個性、能力が発揮される社会の実現に必要な経費であります。 我が国経済社会の活力ある発展を維持していくためには、女性が働きやすく、能力の発揮できる環境を整備していくことが益々重要となっております。 このため、育児休業等に関する法律の円滑な施行に向け、育児休業後の円滑な職場復帰を図るための奨励金や、適用猶予企業に対する育児休業奨励金の創設等を図るとともに、レディス・ハローワークの増設等の総合的な女子就業援助対策を推進することとしております。また、パートバンク、パートサテライトの増設を図るなど、パートタイム労働対策の一層の推進を図ることとしております。 また、本格的な高齢化社会の到来に向けて、高年齢者の雇用の場が確保され、長年培ってきた知識、経験が活かされるような環境を整備していくことも同様に重要であります。 このため、高年齢者の雇用を阻害している要因を把握分析し、必要な援助を行う総合的雇用環境整備事業の実施、高年齢者のニーズに対応した継続雇用を図るための奨励金の創設などにより、六十歳定年を基盤とした六十五歳までの雇用の場の確保に努めるほか、シルバー人材センターの増設を図るなど、高齢者対策を一層推進することとしております。 また、若年者の職業生活の充実に向けた対策も推進していくこととしております。 これらに要する経費として千五百八十五億円を計上いたしております。 第四は、国際社会への積極的貢献に必要な経費であります。 国際社会における相互依存関係の深まりと、我が国の国際的地位の向上に伴い、労働分野においても国際社会に対する積極的な貢献が求められています。 このため、旧ソ連邦に対する技術支援など国際情勢の変化に対応した国際協力や相互理解を促進するための国際交流などを積極的に展開することとしております。 また、開発途上国への技術移転を一層推進する見地から、企業等における外国人研修の実施に対する支援事業の充実を図るとともに、今後の外国人研修制度の在り方についての検討等を行うこととしております。 更に、外国人労働者問題については、現地相談窓口の開設など日系人の就労適正化に向けた体制の整備等を図ることとしております。 これらに要する経費として百十億円を計上いたしております。 第五は、障害者雇用対策等の推進に必要な経費であります。 本年は、国連障害者の十年の最終年にあたりますが、重度障害者を中心に、なお、雇用の立ち遅れが見られます。 このため、重度障害者である短時間労働者等に対する雇用助成措置の適用拡大、更には、精神障害回復者に対する職業訓練の実施など、対策の充実・強化を図ることとしております。 また、炭鉱労働者については、石炭企業が、今後、経営多角化等を図っていくこととされていることに対応し、配置転換、職業転換訓練等を行う事業主に対する助成金制度を創設するなどの雇用対策を推進することとしております。 このほか、特別な配慮を必要とする人々に対する職業生活援助等対策として、対象に応じ、それぞれきめ細かな対策を推進することとしております。 なお、雇用保険制度につきましては、近時における雇用保険の失業給付に係る収支状況に鑑み、今後、当分の間、失業給付費の負担者である労・使・国庫の負担をそれぞれ軽減することとし、あわせて、失業給付の改善を行うこと等を内容とする制度改正を行うこととしております。 これらに要する経費として一兆六千三百十七億円を計上いたしております。 第六は、行政推進体制の整備等に必要な経費であります。 我が国が内外の厳しい環境の下で今後とも発展、繁栄していくためには、良好な労使関係を維持していくことが不可欠であり、産業労働懇話会の活用等により、労使の相互理解と信頼を強化するための環境づくりを推進することとしております。 また、経済社会の変化に伴う行政需要に的確に対応していくため、行政体制等の一層の整備を図っていくこととしております。 以上、平成四年度労働省所管一般会計及び特別会計の予算について概略を御説明申し上げました。 何とぞ、格別の御協力を賜りますようお願い申し上げる次第であります。
○甘利主査代理 以上をもちまして労働省所管についての説明は終わりました。
○甘利主査代理 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑時間はこれを厳守せられ、議事の進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局に申し上げますが、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。永井孝信君。
○永井分科員 労働大臣にお伺いいたします。 昨年の年末に地対協が意見具申いたしましたね。これを受けて地対財特法の三月三十一日の期限切れになるものを政府としては事実上延長する、こういうことにしているわけでありますが、その中で就職問題がかなり重視されていますね。時間の関係がありますから私の方から申し上げますが、「就職差別につながるおそれのある事象も昭和六十年当時より減少してはいるものの最近では横ばいの状況にある。」こういう認識の上に立って「企業に対して」、前段があるのですが、「企業に対して応募者の適性と能力のみに基づく公正な採用・選考システムを確立するよう、啓発、指導に一層取り組んでいくことが大切である。」というふうに指摘をしているわけであります。 まず、これに対して大臣の所見を伺っておきたいと思います。
○近藤国務大臣 先生御指摘もございましたが、同和関係住民の就職の機会均等を確保することが同和問題解決の中心的課題であるという考え方から、労働省としてはかねてより同和関係住民に対する雇用の促進と職業の安定のための各種施策を推進してまいったところでございますが、依然として就職差別が見受けられ、また就労条件も、全体としては改善が見られるものの中高年齢層については全国平均に比べ臨時、日雇い等の割合がなお高く不安定な状況にあるなど、問題を抱えるところでございます。 先生御指摘の十二月の地対協の意見具申でも、今後の重要課題の一つに就業対策が取り上げられておりますけれども、この中にも労働省の考え方が反映されているものと考えております。労働省としてはこの意見具申の趣旨を十分踏まえまして、今後とも差別のない公正な採用・選考システムを確立するための企業に対する啓発、指導や同和関係住民の職業の安定のための諸施策の積極的な推進に努めてまいる所存でございます。
○永井分科員 そこで、もう二十七年も前のことになりますが、いわゆる同対審の答申が出ましたね。これを少し、もう一回おさらいしてみたいと思うのですね。ちょっと読み上げてみます。 これは同対審の答申の前文でありますが、「同和地区住民がその時代における主要産業の生産過程から疎外され、賎業とされる雑業に従事していたことが社会的地位の上昇と解放への道を阻む要因となったのであり、このことは現代社会においても変らないからである。」このように断定しているわけですね。「したがって、同和地区住民に就職と教育の機会均等を完全に保障し、同和地区に滞留する停滞的過剰人口を近代的な主要産業の生産過程に導入することにより生活の安定と地位の向上をはかることが、同和問題解決の中心的課題である。」と、ここで結んでいるわけです。これを受けて二十七年間が経過してきました。 そして、昨年の年末の地対協の意見具申によりますと、依然として就職問題、差別就職といいますか、こういう問題については横ばいの状況にあって、公正な採用・選考システムを確立するように求められている。これは労働省として一体どう受けとめておられるか、ずばり答えてもらいたいのです。
○若林政府委員 まさに先生今御引用になりました同対審答申において、こういった不安定雇用をなくし、そして就職差別をなくすということが中心的な課題であると据えられてまいりまして、私どももその改善に努力をしてまいっておるわけでございますけれども、しかし、依然としてなお年間八百件ぐらいの差別事象が存在しているという現実でございます。また、不安定雇用の状況につきましても、改善はされておりますけれども、なおそういった点において改善すべき点が残されている、こういう認識でございまして、今後とも一層この点について努力を重ねなければならないと考えておるところでございます。
○永井分科員 この意見具申で、公正な採用・選考のためには啓発を一層推進せよ、こう言っているわけですが、研修推進員制度がございますね、この研修推進員の任務は具体的に何を規定しておるのですか。
○若林政府委員 この研修員制度につきましては、「企業内同和問題研修推進員設置要綱」というのがございまして、ここにおきましては、「地域改善対策対象地域の住民の就職の機会均等を確保し、雇用の促進を図るためには、雇用主が同和問題についての正しい理解と認識のもとに、適正な採用、選考を行うことが必要である。」このために、一定規模以上の事業所において研修推進員を設置をいたしまして、研修推進員に対して、計画的、継続的な研修を行いまして、適正な採用・選考システムの確立を図る、そのための知識の習得をさせよう、そしてこういった推進員を核として企業内におけるこういった差別事象等の解消を図っていく、こういうことでございます。
○永井分科員 その規定によりますと、研修推進員というのは採用時が中心ですね。そうですね。では、採用時だけにそういう役割を持たせたら、採用後は事業主はどうするのですか、その啓発ということについては具体的にどうやればいいのですか。
○若林政府委員 確かに、この推進員の役割におきましては、適正な採用・選考システムの確立を図ることということでございます。それが第一に掲げられておりますけれども、何と申しましても、この研修推進員は、同和関係住民の就職の機会均等を確保するという視点に立って、適正な採用・選考システムの確立を図るわけでありますけれども、「その他同和関係住民の雇用について、当該事業所において必要とする対策の樹立及び推進」を図ることということになってございますから、ただいま先生御指摘のような点につきましても、この推進員は企業内の啓蒙、啓発を図るべきである、そういう役割を課されているというふうに考えております。
○永井分科員 現実は、採用時には一定の役割は持つけれども、それ以後は余りその役割を果たすことになっていないのです、現実は。これが企業の中で部落差別事象が続発する一つの要因になっていると思うのです。ですから、この研修推進員の制度をより効果的にすることが必要なのではないか。 ところで、今大臣から予算の概要が説明されました。その中で、地域改善対策対象地域の住民就職促進費というのがございますけれども、その中で、雇用主の指導啓発という項目についてはわずかながらに、本当にわずか三千万円、わずかながらに予算が増額をされました。金額で言いますと二億三千百九十六万四千円。ふえた分を入れて二億三千万円なんですよ。この二億三千万円で雇用主の指導啓発がなし得るのか。同対審の答申の前文にも書かれておるように、この就職問題というのは中心課題であるというふうに規定している。そして、昨年末の地対協の具申でもそのことが具体的に触れられている。それに対応するために二億三千百九十六万四千円という予算で十分なことができるだろうか。例えば、全国の一定の規模と、こう言われましたけれども、その二足の規模以上の企業の数がどれだけあるのか。その数に対して単純に割れば、一体どれだけの予算がそこに配分をされるのか。極端に言えば、配分する話じゃないのだと思うけれども、配分するとすればどれだけの金額になりますか。ちょっと答えてくれますか。
○若林政府委員 まず、規模百人以上の事業所に対しましてこの設置をするようにということにいたしておりますけれども、現在選任を行っておる事業所は百人以上で三万八千五百の事業所でございまして、選任率でございますと、九八%ぐらいが選任をいたしております。 それから、最近におきましては、従業員百人未満につきましても設置を推進するようにいたしておりますけれども、それが二年度末で四万四千でございまして、現在選任を行っております事業所は、総数で八万三千事業所ぐらいでございます。私どもはこのような事業所におきます推進員に対しまして研修を実施いたしておりますけれども、延べ受講者数は九万八千人でございます。
○永井分科員 予算措置としては非常に少ないですよね。確かに一企業に金を助成費として割り振るわけじゃない、使い方としてはね。しかし、頭割りすれば本当に微々たる金になってしまう。それだけの金で研修推進員に対して研修などやるわけですから、なかなか十分な効果を上げることができていないんじゃないか。だから、今若林局長が言われたように、そういう制度をとりながらも、年間に八百件もの採用時における差別事件が起きているわけです。こう考えてまいりますと、労働省の取り組みとしていま少しここに重点を置いた取り組みが必要なのではないか、こう思いますね。 また、地対協の具申では、実態を調査する必要があるということも言っております。この実態調査は「昭和五十年、六十年に全国的な調査を行ってきており、しかるべき時期に全国的規模の調査が行われるものと考えられるが、その際、調査結果の客観性を保証できる実施体制、方法等について」早期に検討しなさいということを言っております。私は、ここで同対審の前文に書かれていることが中心的課題だとするならば、労働省独自の調査があってもいいのではないか。職員の数も足りないということもあるでしょう。しかし、全国には労働省の出先機関も持っているわけでありますから、各自治体の御協力もいただいて、労働省自体でこの就職問題の実態調査をすべきじゃないかと思うのですが、する気があるかどうか、お答えいただきたいと思います。
○若林政府委員 今回の意見具申におきまして、ただいま先生御指摘のとおり、しかるべき時期に全国的な規模で調査を行うということになっておるわけでございます。この調査につきましては、今後総務庁を中心にいたしまして具体的な検討が行われることになるわけでございますが、労働省といたしましては、同和関係住民の雇用の促進と職業の安定を図るための施策を実施しておりますことから、これらの対策の効果を中心に把握する必要があると考えておりまして、こうした観点からいろいろ意見を述べていきたいと思っておりますが、ただいま先生独自に調査をすべきではないかという御指摘でございますが、雇用対策と申しますものは産業対策でございますとか教育対策、住宅その他と密接に関連しておるわけでございまして、これまでもそういったようなことで全国的な一体的な調査を進めているわけでございます。やはり調査対象や実施時期を同一にいたしまして、各対策についての総合的な調査をすることが適当だというふうに考えているわけでございまして、雇用、職業の問題につきましても、総務庁が行います。ただいま御指摘の調査の中でその実態が明らかにされるように、私どもとして必要なことは盛り込んでもらうように、そういったことで進めていきたいというふうに考えているところでございます。
○永井分科員 ところで、最前から私が指摘しておりますこの研修推進員という制度でございますが、この全国的な設置率はどのようになっておりますか。
○若林政府委員 この研修推進員につきましては、先ほども申し上げましたように、百人以上の規模について設置するようにこの要綱で定められておるわけでございます。そして、この対象地域におきます設置率は、先ほど申しましたように約九八%でございます。
○永井分科員 九八%の設置率だ、こう言うのでありますが、大臣は山形の出身ですね、大臣の地元ではどうですか。
○若林政府委員 これは、ただいま申し上げましたように、私ども把握いたしておりますのはこの対象地域におきます設置状況を把握いたしておりますものですから、山形県につきまして私どもその設置状況の把握はいたしておりません。
○永井分科員 大臣、今問題になっておりますのは、同和地域として指定された地域、これはそれなりに不十分であったとしても国の方で予算措置も講じて、いろいろなことの対策を講じてまいりました。この未指定地区と言われておる箇所が一千カ所を超えると言われている。この未指定地区は、一切国のそういう同和対策事業は対象になっていないのですね。新潟ではそういうことから、指定をされておろうとおるまいとそういう事業の対象にすべきだという判決も出ましたね。もう三年ほど前になりますか、出ました。そういう一千地区を超えるような未指定地区があるのですよ。 大臣の足元のことを言って恐縮だけれども、じゃ山形でそういう被差別部落がないのか。東北や北海道にはない、ごうよく言われるのですが、ないのか。実はそうじゃないのですね。古い話で恐縮でありますが、去年の分科会でも私どもの同僚の議員がそのことを盛んに追及しているわけです。例えばことし山形国体がありますね。その山形国体に絡んで、被差別部落と混同されるのが嫌だ、不快感を県外の人に与えるということから、部落という呼び方を、集落の呼び方を地区と呼びかえるというようなことを県会や市会や町会でも議論がされてぎているのですね。私の生まれたところでも集落は部落と言います。今でも部落と言います。その部落は、いわゆる被差別部落のことを指しているのではなくて、昔からの一応そこの地域の皆さんが自分たちのところを部落と呼んできた。その部落が被差別部落を連想するとして地区名の変更をどんどん進めてきたということが去年のこの分科会でも実は問題になっているのです。 じゃ、その山形で被差別部落がないのか。一つの例でありますが、山形県に二十月余りある被差別部落がありまして、その被差別部落のぐるりの、周辺のいわゆるこの地域の集落が一つの町として呼称を統一しようということになったときに、断固としてこの被差別部落二十戸ばかりを入れることに反対をして、拒否をしてきたということで大変新聞でも当時報道されたことがあるのです。だから、大臣の足元にもいわゆる被差別部落ばあるのですよ。たまたまどういうわけか被差別部落としてこの指定地域になっていない。そういうところにも、私は、労働行政として、現実にそういう差別があるわけですから、就職問題でもやはり同じように対応していく必要があるのではないか。今、局長が答えられたように、指定地区だけを対象に九八%と言ってみたって、それだって一〇〇%じゃないんだけれども、一千カ所もあるという前提に立つならば、労働省がその未指定地区と言われている地域も含めて、部落差別が就職問題に影を落としていないということくらいは把握をする必要があるでしょう、行政の責任として。どうですか。
○若林政府委員 ただいま対象といたしております県は三十六府県でございますけれども、こういった県以外におきましてもそれぞれのところでそういった指導の対応をしているところがあるわけでございまして、やはり何と申しましてもこういった問題、差別のない公正な採用・選考を行わなければならないということは、いわば労働者の基本的な人権尊重の見地からいずれの地域においても推進されなければならない事柄でございます。 私ども、指定地区を有しない県の状況につきましてはその設置状況を把握いたしておりませんけれども、各県の安定機関におきまして、それぞれにその地域における対応はいたしておるわけでございますけれども、ただいま申し上げましたように、差別のない公正な採用・選考を行わなければならない、これは基本でございまして、それはいずれの地域においても守られなければならないことでございます。したがいまして、地域改善対策対象地域を有しない県におきましても、統一応募用紙の使用でございますとか、応募者の適性と能力に基づく公正な採用・選考を行う体制をつくっていくということは必要でございます。そういった観点から、私ども、いずれにしても今後この研修推進員につきましてはそれぞれの状況に応じましてその推進なりあるいは状況の把握というものに努めなきゃならない、こういうふうに考えております。
○永井分科員 大臣の足元のことばかり言って恐縮ですが、大臣、この意見具申が出された、同対審の答申の前文にも規定されている、よし、おれが労働大臣の間にせめて自分の足元でもきちっともう一回見詰め直してみたい、そういう気持ちを持ってもらえませんか。
○近藤国務大臣 先生の御指摘、了解いたしますが、ただ、これは先生、率直に申しまして山形県は余りこういう同和問題は顕在化してないわけでございますね。それで、どうも私最近のことはわからないが、しばらく前の話でありますけれども、こういう問題を一部で取り上げようというような動きがあったときに、実は余りその意識のない人たちがほとんどで、会社もほとんどだから、それを表に取り上げない方がいいのではないかというような議論もあったやに私は承っておりまして、あそこの部落はどうだこうだというふうに言うのがいいかどうかという議論も実は県内ではあるようでございます。私、最近この問題をフォローしておりませんので、今先生の御指摘を受けまして、私は私なりにいろいろ考えてみたいとは思っておりますが。
○永井分科員 おっかぶせて悪いですが、顕在化してないというだけになお陰湿なところがあるんですよ。 これは昨年の新聞記事ですが、この山形県で問題になったときの記事です。部落長会の会長が地区名の変更についてこのように言っています。これまで部落という言葉を「何気なく使ってきた言葉なので、すぐ変えるのは難しいだろうが、広報活動を通して浸透を図りたい」、こう言っているんです。浸透を図りたいということは、なぜ部落という名前を地区に読みかえるのかということを皆さんに納得させるということなんです。そうでしょう。部落という言葉を何げなく使ってきた、こう言っているんだから。そのときに、いや実は部落というのは西日本の方へ行くと被差別部落のことを言うんだよ、それと紛らわしくて不快感を与えるから部落という名前じゃなくて地区にするんだよということを広報活動を通してやるということなんです。それは裏返して言えば差別を浸透させる行為なんですよ。そうでしょう。だれがどう言ってみたって差別を浸透させる行為を自治体ぐるみでやろうということなんだから、これは同対審の答申の精神に反するんじゃないですか。国の責務であり国民の責任であるという同対審の答申の精神からいって、これはあなた、大臣の足元で顕在化してないからということで私、済ませられる問題じゃないと思うのです。大臣が山形県だから私あえて言うんだけれども、ひとつこれは飯豊町というところですから帰って一遍調べてください。そういう事実があるわけだから、こういうことがある限りは部落差別はなくなっていかないのです。 あるいは、就職はかなりできたと言ってみても、例えば自治体で言いましょう。清掃なんかの業務には現実圧倒的に被差別部落の人がたくさん雇用されているのです。だから一般地区の人から見れば、清掃に携わる者は被差別部落民だという印象を持ってしまっている。だから昔、賎業と言った。賎業だという認識は一般地区ではいまだに変わってないんですよ、公務員であってもその公務員を見る目が。これをどうやって解消するかということですから、これは自治体だけじゃなくて企業もそうでありますけれども、啓発活動というものはそういう立場を根本から変えさせるような啓発でなくてはならぬと私は思うのですね。あるいはもう十年ほど前になりますか、藤尾さんが労働大臣のときに、この就職差別の問題で、具体的な例で私は追及したことがありました。これは常任委員会だったのですが、追及したことがありました。そのときに当時の藤尾さんが、大臣のいすにかけてこの差別採用はなくしてみせると言って、指摘したある特定企業の不採用になった者については社長を呼んで採用されたことがありました。これは十年ぐらい前の話です。それはごく一部の現象面だけは改善したけれども、それも一つの大事なことですよ、しかし、全体的にそういう雇用関係、採用問題あるいは職場の中での差別事象がどんどん今でも起きている。私の地元でもあります。自治体でもあった、郵便局でもあった、一般の企業でもあった。枚挙にいとまがないほど差別事象が起きているわけです。これはどう考えてみたって、企業の中における、あるいは働く職場の中における啓発活動がなおざりなものになっている、形骸化している。研修をするために人を集めてやればいいということだけでおさまる問題ではない。本腰を入れてやらなければいかぬ。そうなると、前に戻りますけれども、労働省はむしろそういう実態の把握にもっと積極的に対応すべきではないか、私はこのことをお伺いして、もうこれで三十分たちました、落語じゃないけれども三十分あっという間に済んでしまうから十分なことは言えませんけれども、大臣として、ひとつきちっと決意を答えてもらいたい。
○近藤国務大臣 最初に申しましたとおり、こういった差別問題というのは、民主的な社会において最もあってはいけないことでございますので、こういったものの解消に労働省もいろいろ努力してまいりました。なお、先生からいろいろ貴重な御指摘もございましたので、さらに差別廃止の問題について、労働省としてもしっかり取り組んでまいりたいと思います。
○永井分科員 終わります。
○甘利主査代理 これにて永井孝信君の質疑は終了いたしました。 次に、小松定男君。
○小松分科員 小松定男でございます。 今の永井議員に引き続いて関連して伺いたいと思いますが、途中から永井議員の質問を聞いておりましたので、あるいは若干重複する問題もあるかとも思いますが、できるだけ別の角度から質問させていただきたいと思うのです。ただ、私がここで申し上げたいのは、今もお話がございましたように、この部落差別というのは非常に根が深いことでございまして、それだけ今日なお問題がたくさんあるということで、私もいろいろとこの問題については長い間かかわってきましたけれども、ただ、労働省あるいは労働大臣に質問するのは初めてでございます。したがいまして、特に労働省にかかわる問題を中心にして、きょうのところは伺いたいと思うのです。 そこで最初に、去年の十二月十一日に磯村会長からこの問題についての意見具申が出ました。その中でも特に労働省に関係する問題としては、就労対策それから産業の振興等の問題でこの具申がされているわけです。しかしながら、これらの点について政府の対処の仕方というのが、なかなかそういうわけにはいっておりません。 そこで、まず大臣にお聞きしたいのは、この磯村会長が出されました意見具申に対する大臣の認識、考え方、これをまず最初にひとつ伺っておきたいと思うのです。
○近藤国務大臣 同和関係住民の就職の機会均等の確保ということは同和問題の中心的な解決の課題でございますし、まさに労働省としては、こうした雇用の機会の均等ということは、私たち最も関心を持っておる問題でございます。 先生御指摘のとおり、昨年十二月の地域改善対策協議会の意見具申の中にもこの問題が取り上げられてございますし、労働省としても、この意見具申の中にも省の考え方を十分に反映していただいているものと承っておりますが、この趣旨を十分に踏まえて、今後とも差別のない、公正な採用・選考システムを確立するためのいろいろな企業に対する啓蒙活動、また同和関係住民の就職、職業の安定のための諸施策を積極的に進めてまいりたいと考えております。
○小松分科員 そこで、今度は省側の、これは若林局長になるのか、あるいは後藤参事官が答えるのかわかりませんけれども、特に就職対策、これを重点施策と言われましたが、今私どもがいろいろと現状を聞いたりあるいは実態を把握してまいりますと、若年層の就業状況というのは改善されている面もあります。しかし、特に中高年齢層にまいりますと、そうはいきません。そういうような実態があるわけですけれども、そうしたことと、それから全国平均を見てまいりますと、特にこの被差別部落の就職状況というのは、中高年層を中心にしての就労状況というのは、全国平均に比べて格差が出ていることも明らかでございます。そういう意味では、特にこの点についての対策を、講じる必要があるのではないかということを含めまして、さらに実態調査も、当然されていると思いますが、これらの点をあわせて伺っておきたいと思います。
○若林政府委員 六十年の同和地区を対象にいたしました生活実態調査からこの同和地区と全国の就労状況を比較いたしますと、確かに御指摘のように、臨時、日雇い等の不安定就業者の割合が一五・一%と、全国平均の一・七倍と高くなっております。一方、常用雇用者の割合は五三・三%でございまして、全国平均に比べまして約九ポイント下回っております。また、従業員三十人未満の小零細規模の企業で雇用されております者の割合が四二・四%でございまして、全国平均より九ポイント高くなっており、一定の改善は見られてきておりますけれども、なお雇用状況は厳しいものがあるというふうに認識をいたしております。 これは、ただいま先生御指摘のように、中高年層を中心とする不安定就労者の職業の安定を図るという施策が重要であるわけでございまして、具体的には日雇い等の不安定な就労状況にある方につきまして職業に必要な知識とか技能を習得させるための講習を実施をいたしまして、受講奨励金の支給等によりまして受講を容易にする、そして職業の安定を図るという対策を進めております。また、巡回職業相談の実施をいたしまして、きめ細かな職業指導を行っておりますのと、また職業訓練の実施につきましても、やや科目をふやしまして、御本人の適性、能力に合った常用雇用の促進を図るという努力を進めておるところでございます。
○小松分科員 そういうような状況ですから、特にこの点については意見具申でも出ておりますので、労働省として今後とも力を注いでもらいたいということを強く申し上げておきたいと思います。 そこで次に、就職の機会均等とそれから就職の差別の問題をちょっと伺いたいと思うのですが、これも特に意見具申でも公正な採用、そして選考システムを確立するようにというようなことが指摘をされておるわけでございます。就職の機会均等と就職差別の撤廃についてどういうふうな認識を持っているのか、この点については後でまた具体的なことは聞きますが、まずその点をお聞きしておきたいと思います。
○若林政府委員 同和問題を解決いたします上で、就職差別の解消ということは中心的な課題でございます。これにつきましては、私ども安定機関一体となりましてこれまで努力を重ねてきておるわけでございますけれども、なお残念ながら、このところ毎年八百件くらいの差別事象があるわけでございまして、この点はまことに残念に存じておる次第でございまして、私どもこの就職差別事象の解消のために一層努力をしなければならないというふうに考えております。
○小松分科員 就職差別が八百件ある。正確に言うと、私の方の資料では八百三十九件ということでいろいろといただいておりますが、そういうことだと思うのです。これだけそういった就職差別が発生しているということは大変なことだと思いますので、この点については先ほど永井委員からもこれらに関連する指摘があったと思いますが、こういう実態だということをとらえましてぜひ今後の施策に十分対処をしていただきたいと思うのです。 そういうことでございますが、こういうことがなぜ起きるのか、こういうことで、先ほど研修推進員の問題が大変大きな一つの問題だということでとらえられていたと思うのですね。したがって、これは大変重要なことだと私も理解をしております。したがって、この同和問題の企業内研修推進員制度の確立というのをぜひもっと図る必要があるのではないかということで指摘をさせていただきたいと思うのです。 先日、これは大阪を中心にして推進員の人たちが実態調査をやって、それぞれ実際にやられた方が座談会をやっているのを資料としていただきました。この中で、私が特に労働省としてこれからのこの問題の対処のあり方として十分理解をしていただきたいのは、ここでも言われておりますが、まず推進員の意識状況というのが指摘をされております。例えば、企業が部落問題に取り組む原点とも言える部落地名総鑑事件がありますね。これは御承知のとおりだと思うのです。この事件について推進員がどういう理解を持っているかということで実態調査をしたわけです。ところが、この中で驚いたことに、聞いたことはあるけれども内容は知らない、あるいは、聞いたこともないというこの二つを合わせますと、推進員の約四分の一がこういう実態だということなんですね。ですから、実際にやりました座談会の中でこういう指摘が出ているのです。ですから、この点を先ほど永井委員が、恐らく予算ももう少しっけてやって確立した方がいいのじゃないかと、これは実際にやってみた結果そういう指摘をされております。 もう一つは、今回の調査の結果で、企業内の同和対策の責任者である推進員が部落問題を正しく認識していないというのです。このことは重視しなければならないのじゃないかということが言われております。 それから三つ目は、この調査結果で気になるのは、研修を実施したことがないと答えた事業所が三五%あるのですね。その理由として、必要ない、忙しい、やり方がわからないというのが大体過半数を占めているというのです。こういうことが実際に実施した中での推進員の座談会の中で出ているのです。 こういう実態だということを特に留意をして今後の諸施策に努力していただきたいということを含めてひとつお伺いしたいと思います。
○若林政府委員 先ほど先生おっしゃいましたように、就職差別につながる事象として把握いたしましたものは、平成二年は八百三十九件でございます。 それで、就職の機会均等を確保するというために、また企業内におけるそういった差別をなくしていくということのためには、研修推進員というのはいわば核となるものであろうと存じます。私ども、この研修推進員の研修と申しますか、これに努力を重ねてまいりまして、これまで年で延べ大体九万八千の研修推進員について研修しているわけでございます。 設置につきましても、百人以上でございましたけれども、昨年の予算の分科会で御指摘がございまして、現在は百人未満のところについてもその設置を推進しているところでございます。 私ども、こういったことでこの研修推進員の研修には特に努力をしているつもりでございますけれども、ただいま先生御指摘ございました地名総鑑について知らないというような方が随分いるということでございましたし、また企業の中で推進員が研修を実施していないというようなことであり、またその理由として、忙しいとかやり方がわからない、私どもはこういうふうにやっていただきたいということでテキストなどをつくりまして研修を進めているのでございますけれども、なお今のお話でございますと徹底していないところもあるようでございますので、この点につきましてはさらに研修推進員の活動状況などを十分に把握いたしまして、研修が企業内で徹底されるように進めてまいりたいと思っております。 なお、研修推進員のレベルにつきましても、私どもできるだけ高いレベルの人に研修推進員になっていただくということにしたいと思っておりまして、そういう方、いわば大事について発言力のある方に推進員になっていただくように、こういうことも進めてまいりたいと考えております。
○小松分科員 要するに研修推進員の資格制度、これは今別に制度としてはないのだと思うのですけれども、ただ今後そういうものも含めて対処をしていかないと、今言ったように。一応研修推進員になったけれども、これがそういう制度としてないと何にもならないので、この資格制度というものもこれから重要な役割になってくるのかなという気がしたものですから、このあたりはこれからどういうふうな考え方なのか。
○若林政府委員 まず企業の中でそういう、私どもは人事担当で責任のある方にぜひこの推進員になっていただいて、そして企業の中での研修、意識の向上を徹底していただきたいというふうに考えておるわけでございます。やはり企業の中でも、そういったような人事の異動等もございましょうから、資格制度というのはなかなか難しい問題だと思います。私どもは、何といってもまず、その推進員になる方のレベルを高めていくということが一番大事じゃないかというふうに考えております。その努力を重ねていきたいと思っております。
○小松分科員 次があるものですから、そういうことでひとつこれから十分配慮してもらいたいということを強く要望しておきます。 それから次が、大学での就職の手引というのをそれぞれつくっているのですけれども、これが学校ですから本来文部省にかかわる問題なんですけれども、しかし、事就職に当たる手引ですから、労働省としても十分実態も知ちなきゃならないし、また、そこに間違ったものがあればどんどん申し入れて改善をしてもらわなきゃならないということを含めて質問をしたいわけですけれども、これは広島大学あるいは山口女子大学あるいは日本私立短期大学協会などの例が私ども手元にあるわけなんですけれども、そういう中で、これの手引として作成するのに、親の職業がどうだとかあるいは住む環境がどうだとか、やり方によると、非常に被差別部落にとってはそれらが差別的なことでとれるような手引が幾つかそういう学校でも見られております。 それから、さっき言った私学の協会からもそういう手引が出されておるのですが、その中にやはりそういう問題があるのですね。この点についてはやはり十分労働省側としても当然対処していかなきゃならないだろうし、そういった点でこういう実例が実際にあるものですから、きょうは時間の関係で一々申し上げませんけれども、今挙げたところだけでもそういうものが出ておりますが、その点についてどんな対策をお持ちですか。
○若林政府委員 一部の大学等で作成いたしました就職の手引に、労働省が公正な採用・選考を確保するために行っております行政指導の内容と相反するものが記載されておることは、先生御指摘のとおりでございまして、まことに遺憾なことであると考えております。 これらの事案につきましては、先般文部省に対しまして、大学への指導を要請をいたしたところでございまして、この要請を受けまして、文部省としても、問題がございました大学等に対しましては個別指導を行っておりまして、これを受けて各大学等では改善の努力が行われているというふうに聞いております。 また、十一の大学等団体で構成されております就職問題懇談会というのがございますけれども、一月の中旬に、公正な採用・選考の実施について申し合わせがなされております。また、文部省から各大学に対しましてこれらについての周知が行われております。
○小松分科員 その点で今局長が言われるように、ことしの一月十六日に、就職問題懇談会でこの事務の扱いについてということで出されております。その中にも一応そういう指摘をされております。特に学生の応募書類の中で企業に対して就職差別につながるおそれのある会社の指定の書類とか戸籍謄本、抄本、住民票、こういうものを求めないような依頼をするというような手引書が出されておりますが、こういうことが出されてそれなりの徹底を図りつつあるということは私どもも理解しますけれども、それでもまだまだなかなかそれが徹底されないところがありますものですから、特にこの点は、ぜひ今後とも十分対処されるように望んでおきたいと思います。 そこで、今度は実際の就職募集の中で自治体なんですが、これは私ども、多摩市の例を一応いただきました。ここでは昭和五十年ごろの採用のときからこういう問題が指摘をされまして、一応この本籍欄は都道府県だけに改善をした、あるいは家族欄のいろいろな状況、お父さんの勤務先、そういうものを削除したとかというのがあるのですが、その後、平成元年あるいは平成二年、こういうことになってまいりまして、またまたこれが本籍地が何郡何々町何番地あるいは筆頭者等のそういう扱いが出されてきまして、東京都のこの問題に対する、いわば同和教育研究協議会から労働経済局職業安定部に、こういうことではけしからぬという話がありまして、そして改善をされたというようなことも伺いました。したがって、自治体でもこういう問題がまだまだ発生をしている地区があります。したがって、これらに対する労働省からの指導、そういうものをどのようにされるのかあるいはされてきたのか、伺っておきたいと思います。
○後藤説明員 御指摘の件は多摩市周辺の十七ないし十八市町村の約七割におきまして、本籍、地番の記入を求める等、不適正な内容のものがあるということで私ども承知しております。 労働省といたしましては、差別のない公正な採用・選考を行う必要があることにつきましては、民間企業でありましても、また行政機関であっても同じであると考えておりまして、この事案が提起された直後、総務庁及び自治省に対しましてその内容を伝えるとともに、指導を要請したところでございます。また、現地の職業安定行政機関にも連絡をいたしまして、状況把握と関係部局に対する必要な助言、協力を指示したところでございます。この結果、市町村を指導監督する立場にある東京都の担当部局の方から指導が行われまして改定が指示された、このように承知しておるところでございます。 いずれにいたしましても、同和問題解決にみずから積極的に取り組まなければならない行政機関にいまだこうした事例が見られるということはまことに遺憾なことでございまして、労働省といたしましては、公務員についても公正な採用・選考が確保されますよう、引き続き機会をとらえまして関係各省庁に働きかけを行うとともに、必要な助言、協力に努めてまいりたいと考えております。
○小松分科員 そこで大臣の方に、時間も迫っているようですから最後にお聞きしたいのですが、いろいろと今指摘をしましたように、この問題というのはまだまだ解決されない面もございます。そういうことで、私は、当然これは各省が連携をとりながら、一方ではこれらの対策を講じるということも必要だと思います。これが一つですね。 それからもう一つは、今日までいろいろやってまいりましたけれども、協議会というものがございます。ところが、こういう事例がいろいろとなかなか解消をされないということですが、こういうことをずっと見てまいりますと、単に協議機関というだけでは弱いのじゃないかなという気もしているわけです。これはいろいろ予算委員会なんかでもきっと、そういった点ではぜひ何らかの審議会をつくってほしいという要望があったと思うのですけれども、そういう意味を込めて、やはり今度の磯村会長の意見具申の中では、何らかの審議会を設置する必要があるということを述べております。この点に関して、大臣にお聞きいたしますけれども、どのような認識で臨まれるか、あるいは見解を持っているか、最後に伺っておきたいと思います。
○近藤国務大臣 実は、昨年十二月に決定されました今後の地域改善対策に関する大綱においては、今後の地域改善対策のあり方等について審議する機関としていわゆる地対協を存続させる、こういうことになってございます。いろいろ先生から御指摘もございましたけれども、政策上かかる問題について、地対協で今後とも検討していただいて、そしてその中で就労対策等についても十分審議が尽くされるように、そして当事者の意見を十分にその中で聞く機会が確保されるように、必要な環境整備がなされるように総務庁の方にも申し出たいと考えております。
○小松分科員 ひとつこれは強く要請しておきたいと思うのですけれども、この労働省としての今後の施策等については、やはり十分な施策を講じると同時に、私が先ほど申し上げましたように、こういう問題についてはかなりしっかりした、審議会等のことも含めまして十分対処されることを希望して、質問を終わりにさせていただきたいと思います。どうもありがとうございました。
○甘利主査代理 これにて小松定男君の質疑は終了いたしました。 次に、鉢呂吉雄君。
○鉢呂分科員 朝九時から夜の九時までということで、まさに日本人の今の労働時間短縮に逆行するような強行日程でございまして、大変御苦労さまでございます。私は、そのゆとりある労働時間ということで質問をさせていただきたいというふうに考えております。 実は、さまざまな産業がございますけれども、きょう私が取り上げさせていただきますのは、交通安全教育の主要な役割を担っております指定自動車教習所についてであります。 これは簡単に言えば自動車免許を取得するための機関でありますけれども、そういうことで、この教習所については現在全国で千五百三十八校、大臣はそれほど細かいことわからないと思いますので、若干説明しますけれども、約七千名の職員が勤務をしております。一校当たり平均職員数は四十二名程度、指導員という職員がおりますけれども、これが一校当たり三十二名ということでございますから、まさに小さな企業が集まっておる。しかし、千五百校程度は全国に散在をしておるということでございます。しかも、そのうち労働組合が五百校程度しか実際は組織されておりませんで、労働組合もないところもある。田舎の過疎地においては十名程度の職員でこの指定自動車学校を運営しているところもあるというような実態でございます。私ども日本社会党では、昨年末、衆参八十二名の議員でもってこの自動車教習所政策議員協議会を実は設立をさせていただきまして、交通安全総合対策も含めて、この問題に多角的に取り組んでいきたいという形で今やっておる次第でございます。 交通安全対策については、大臣御承知のとおり、今は第二次交通戦争と言われておりまして、昨年も一万一千人程度の交通事故死ということで大変大きな社会問題となっております。これが、非常事態なんですけれども、四年連続一万人を超えているというようなことで、それが日常化しているのではないかということで、交通安全に対するさまざまな、特に免許取得に対する取り組みも警察庁を中心としてなされております。例えば一昨年から初心運転者講習制度、これは免許を取得するのですけれども、一年以内に三点以上の反則金を取られた場合にはもう一度講習を受けなければならないということが義務づけられておるとか、高速道路の教習も義務づけられております。あるいはAT車、オートマチック運転ということで、余りクラッチを難しくしないでやるというような制度もございまして、これを長く話していれば三十分を超えますのではしょりますけれども、そういう教習制度上の高度化というのも行われております。 また一方、教習所業界は免許を取得する人口が急速に減っております。これは十八歳以上の人口が今急速に減るのと同時並行しておりまして、生き残りと称して非常に過当競争が行われております。教習料金のダンピングというような実態が幅広く言われておりまして、何とかしてこういうダンピング、これは安上がりの免許ということで、言ってみれば、きちんとした免許が取得されておらないのではないかということも言われております。教習所運営の場合は、経営の八〇%以上はほとんど人件費であります、マン・ツー・マンで教えておるわけでありますから。 そういった意味では、労働条件の悪化によって教習所経営もやっておるという一面も出てきておりまして、そういうような職員の低賃金や長時間を生み出しているというふうに私どもとらえておりますけれども、このような劣悪な教習所労働条件の現状について、その背景なり原因というものを労働省としてどういうふうに把握しておられるか、御答弁を願いたいと思います。
○佐藤(勝)政府委員 まず、指定自動車教習所の労働条件の実態でございますけれども、残念ながら、現在の統計では指定自動車教習所のみにかかわる数字はございません。これは毎月勤労統計でいいますと教育業、あるいは私どもがやっております労働時間総合実態調査というものの中では教育・研究業ということで、ほかの学校のようなものと一緒になっているわけでございますので、そういう意味では、今先生お尋ねの教習所のみについて実態を明らかにできるというものではございませんけれども、労働時間制度の面からいいますと、この業種におきましては、週の所定労働時間が現在四十四時間ということに労働基準法上なっておりまして、実態を見ますと大体六六%程度が週四十四時間あるいはそれ以下というふうになっておりまして、この点だけを通して見ますと、全産業計よりは四十四時間に達しているところが多いというふうに思われます。 しかしながら、ただいま申しましたのは労働時間総合実態調査ということで制度の調査でございますが、一方、毎月勤労統計調査で指定教習所を含みます教育業というものについて見ますと、これは年間の総実労働時間が千八百二十二時間ということで、平成三年でございますけれども、これもかなり低いということなんですが、ただ問題は、先ほど申しましたように、これが教習所だけの数字ではないということで、実態は必ずしもわからないわけでございます。 それで、もう一つ申し上げますと、現在私どもは北海道の自動車教習所のグループに対しまして中小企業時短促進援助事業ということで指導事業をやっております。そのケースによりますと、この集団に属しております十その教習所の労働時間はかなり長い、所定内、所定外合わせまして年間二千三百六十九時間というようなことが出ておりまして、相当長い実態にあるように承知をいたしております。
○鉢呂分科員 今局長から御答弁ありましたように、教育研究関係労働というのは非常に幅広い、公的な大学、研究あるいは学校教育も含めてということだろうと思いますので、そういう意味で労働省側の資料も的を射ておらないだろうということで、これは後でも御要望申し上げますけれども、そういう中で北海道の実態を局長言われたことは、大変私は貴重な資料だということで好感を持ちます。 実際、週四十四時間制所定内労働ということで、既にもうこれは省令改正されて施行されておるというふうに思いますけれども、私どもの調査でも、千五百程度の事業所、学校があるのですけれども、百三十三の事業所の調査でも四十四時間を超えるものは十八事業所ということで、これは先ほど言ったように労働組合を設立したところが主な調査対象でありますから、そういう意味では、それ以外のものについてはもっと守られておらないというか、そこに達しておらないというような現状だろうと思います。あるいはまた、これは経営側の協会の調査でも相当数、先ほど局長言われたような数字がまだ達しておらないということが出ておりますから、この辺の実態だろうというふうに思っております。 この点に関する、四十四時間制に対する労働省側の今後の指導といいますか、取り組みについてお聞かせを願いたいと思います。
○佐藤(勝)政府委員 当面週四十四時間の実現ということにつきましては、業種を問わず一般的な指導、援助をしているわけでございますが、その中で特に週四十四時間とされております。種につきましては、さらにそれより短縮すべく中小企業時短促進援助事業というものを行っております。 この自動車教習所という業種、業種と言ってよろしいかと思うのですけれども、これにつきましてもその対象から除外をしている、ものではございませんので、先ほど申しましたように現に北海道で対象にしている事例もございますし、今後、必要に応じましてそういう事業の対象として援助を進めてまいりたい、かように思っております。
○鉢呂分科員 同時に、いわゆる三カ月の変形労働時間制ということをとり得るように改正されておりますけれども、自動車教習所の場合は、御案内のとおり、高校生の場合は三ない主義ということで夏休みあるいは登校中は取らせないということで、どうしても冬休み、春休みに取るというようなことで非常に極端に繁忙期になる。それと閑散期を組み合わせた三カ月の変形労働時間、要するに一月に非常に込み合うものですから、十一、十二、一、この三カ月の中で変形して労働時間があってもいいというようなやり方をやっておるようでありまして、そういった意味では労働省も一定の指導をされておるようでありますけれども、四十四時間制の中での変形労働時間制についての労働省の指導のあり方、これについてお聞きをいたします。
○佐藤(勝)政府委員 今お触れになりました変形時間制は、これは御承知のように昭和六十三年四月から施行されました改正労働基準法の中で、労働時間短縮の一方策として新しく取り入れられた制度でございます。 この三カ月単位の変形制は業務の繁閑に対応するための措置でございまして、三カ月を平均して一定の時間数におさまっていればある特定の週で制限時間をオーバーしていても許容される、こういう制度でございますが、ただ、現在原則は四十四時間ではございますが、この三カ月の変形制をとります場合には三カ月を平均して過所定労働時間を四十時間以下にしなければいけない、こういうことになっております。これが原則でございますが、ただ三百人以下の言ってみれば中小の事業場では平成三年三月三十一日までこれが平均して週四十四時間以下であればいい、また平成三年四月一日以降は週四十二時間以下でなければならない、こういうようなことになっているわけでございます。 先ほど先生の御質問の中にもありましたように、かなり個々の自動車教習所が人数からいうと零細といいますか小さなところでございますので、恐らく三百人を超えるところというのは少ないのじゃないかと思いますので、今申しました三百人以下の事業場に適用されます制限時間内での変形制を行う場合にはそういう制限時間におさまりますような指導が必要かと思っております。
○鉢呂分科員 まさに局長の言われるとおりでありますから、百人以下についてもそれが適用になるだろうということでありますから、先ほどもこの詳細な実態調査がないということでありますから、全国一律全部把握する、指導するということは大変なことだと私思いますけれども、私も北海道でありますけれども、例えば北海道だとかそういうものに区切って集中的に実態調査、指導というものを行っていただきたい、週四十四時間制についても。そういうことでもう一度御答弁お願いいたします。
○佐藤(勝)政府委員 最初に申し上げましたように、かなり限定をされた業種ということでございますので、例えば毎月勤労統計調査でございますと小分類の数字が出ないわけでございますので、そういった調査の中でこの業界に関する数字のみを明らかにすることは困難かと存じますけれども、私どもの方で時短促進援助事業等の対象にしている例もございますし、これからもそういうものがあると思いますから、そういった具体的な事例に即して実態を把握しながら適切な指導、援助をしていきたい、かように考えております。
○鉢呂分科員 さらに、時間外労働に関しまして、労働省では一カ月一二十七時間、年四百五十時間ということの目安についての指導もされておると思いますけれども、これも先ほど北海道の所定年間労働時間が二千三百六十九時間というお話もありましたけれども、まさにそれよりももう少し長いような実態がいろいろ報告されておりまして、二千五百時間から二千六百時間ぐらいだろう、中には一日十時間、二千八百時間ぐらいのものもある、そういうふうに私ども聞いております。私どもきちんと把握はしておりませんから聞いておりますというふうに言いますけれども、年間の労働時間についても相当の長時間労働が行われておるということで、この辺について、実態調査はされておらないということでありますから、これに対する指導といいますか、労働省側の取り組みについてお聞かせを願いたいと思います。
○佐藤(勝)政府委員 所定外労働につきましては、現在労働基準法の三十六条に基づきまして労使協定を結びまして、そこで決められた時間の範囲内で行うことが許されておるわけでございます。 しかしながら、労使が合意さえすれば幾らでも多くていいという趣旨ではございませんで、もともとは基準法で予定をしております所定外時間は必要欠くべからざる部分についてのみのものであるという考え方であろうと思いますけれども、実態として非常に高いレベルでの三六協定の時間数を決める例が少なからずございます。それで、労働省では、労働大臣の告示によりまして、この三十六条協定が監督署に届けられましたときに内容を見て、それを超えるものにつきましては労使によくこの告示の目安時間についての御理解をいただいて、その中におさめるように指導をしているところでございます。この目安時間そのものもかなり実態を反映しまして高いレベルではありますけれども、なおそれを超えるようなものにつきましては指導によってできるだけその中におさめていただく、こういうふうな指導をいたしておるところでございます。 現在、この目安時間につきましても中央労働基準審議会で見直しの手続に入っておりますが、とりあえずはこの目安時間によりまして指導していきたいということ、それから一般的にやはり所定外労働を削減するという労使あるいは国民一般の機運の醸成ということも大事でございますので、昨年、所定外労働削減要綱というものを労働省でまとめましてそういうものの普及を図っているわけでございます。そういう手段によりまして三十六条協定に基づきます所定外時間をできるだけ低いレベルにおさまるようにということで鋭意努力をしておるところでございます。
○鉢呂分科員 局長、全般的なお話はわかりましたので、特にこの自動車教習所の問題について、相当長時間、年間二千八百時間等でありますから、ぜひ重点的に指導をお願いいたしたいと思います。 そこでもう一つ、自動車教習所の特異な問題として労働大臣にも若干説明しますけれども、教習所というのは、免許を取得しますから、道路交通法あるいは施行令で厳格に教習時間というのが決められております。これはきちんと五十分一時限というふうに定めて、これを何時間教習を受ける、それでも達しなかったらまだ追加しなければなりませんけれども、仮免とか路上試験を受けるために五十分間車を走らすわけであります。しかも、十分間の引き継ぎ時間をとるということも警察庁で行政指導ということで、都道府県警は事務処理要領でこれを通達をしております。 この十分間については明確に引き継ぎ準備あるいは手持ちのための時間ということで労働時間として確定すべきであるというふうに、これは以前からも労働省あるいは警察庁と我々議員も入ってお話をしておるのでありますけれども、この点について、いわゆるこの十分間のインターバルについての労働時間としての確定について御答弁をお願いいたしたいと思います。
○佐藤(勝)政府委員 まず、一般論といたしましては、労働者がある活動に従事している時間が労働基準法の労働時間に当たるかどうかということは、その使用者の指示、これは明示または黙示である場合もあるわけですけれども、その使用者の指揮命令下にあるか否かによって判断をされるものでございます。そういう意味では個別的、具体的な判断にならざるを得ないわけでございますけれども、いずれにしましても、作業前の準備であるとか作業後の後始末であるとか、そういう作業が使用者の指揮命令下において行われている限り労働時間ということになるわけでございます。 具体的な問題として今先生が御指摘になりました教習と教習との間の十分間のインターバルでございますけれども、これも今申し上げましたような原則に基づいて個別的に判断をせざるを得ない問題であろうと思いますけれども、今先生のおっしゃるような実態であるとすれば、これは労働時間に該当するという可能性が高いのではないかというふうに今お聞きをして考えておるところでございます。
○鉢呂分科員 先ほども申し上げましたけれども、五十分はきちんと車を走らせて、そしてこの十分間の中で、例えば教習手帳と本人との確認ですとかあるいは仮免許証の確認、これは路上試験をやる場合は仮免許証を既にとっていますからそれとの確認ですとかあるいは引き継ぎの事項の確認、こういうものをやっておるわけであります。今局長の言われたとおり、そういうことであればその可能性は大きい、労働時間という御答弁がありましたので、個別実態のものに基づいての判断ということも言われましたけれども、これは法でこういうふうに五十分と決められているわけでありますから、それ以外のものはそれ以外のところで業務をする、当然労働時間としてこれは確定すべきものであるというふうに私どもは思っておりますので、そういう点で労働省は今後の指導の徹底に当たっていただきたいというふうに考えております。 さらに、時間がありませんので進めますけれども、先ほども言いましたように、総務庁の勧告もありまして自動車教習所の役割にさまざまな多様性を持たせよう、例えば夜間の交通事故死が多くなっている、夜間型になっておるということで夜間教習の義務化というようなことも今、まだやっておりませんけれども進められておりまして、そういう点では時代の推移ということで対処せざるを得ないということは私どもも否定するものではありません。しかし、先ほど来お話ししております教習所の労働条件の劣悪さが解消されてない段階でこのようなことがなされますと、まさに長時間労働が常態化することが、固定化するということが懸念されますので、この点についての労働省側のお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○佐藤(勝)政府委員 教習所の教習が夜間行われるようになる、そういう実態があるということでございますが、ただ、それと労働時間の関係ということになりますと、夜間教習がそのまま直ちに長時間労働につながるということは必ずしも言えないわけでございます。営業時間が延びるわけでございますが、あとは個々の労働者、指導員がどのくらい従事をしておるか、こういう問題になるわけでございます。ただ、夜間教習が行われるという場合は長時間労働になる可能性があるということでございますので、例えば交代制を導入するとかあるいは労働時間管理を適正に行うというような配慮が必要であると思います。 そういう意味で、教習所におきます夜間労働が一般化すれば、やはり私どももそういう点に注意をして監督指導をやらなければいけないのではないかというふうに感じておる次第でございます。
○鉢呂分科員 交代制とかそういう点の考え方に移行するんだろうと思いますけれども、これは専門職でありますから、教習所の指導員というのはだれでもなるわけにいきません。そういった面ではパート労働とかそういうことで代替するわけにはいかない職種であります。そういう点で労働省としては、単に交代制にすればいいんだという簡単なことではない形で、それがまた長時間労働を固定化する可能性が非常に強いというふうに思いますので、その点十分監督をしていただきたいものだなと思います。 それから、最後ですけれども、高速路上教習ということで、これも時代の変遷で、前からありますけれども、高速自動車道における教習というものが今全国で二八%程度やられております。警察庁としては五〇%を超えた場合にはこれを義務化といいますか、必ずやらなければならない、教習の中に入れなければならないということでやろうとしておりますけれども、これも仮免段階で路上教習に行くということで、言ってみれば大変未熟な運転者がまさに八〇キロ以上の高スピードで走るところに入る、これは指導員といいますか横についている人も死と直面しているような状況もあろうということで、我々としては警察庁にも、免許取得した後に、先ほど言った初心運転者の段階で取るという配慮ができないかというようなことを今やっておるんですけれども、これらについて労働省として、労働管理上といいますか労働安全衛生上どういうふうな考え方をしておるか、お聞かせを願いたいと思います。
○佐藤(勝)政府委員 自動車教習に限っての高速道路の安全上の問題ということになりますと、なかなか特別のものが思い浮かばないわけでございますが、ただ、労働災害の中でいわゆる交通労働災害と言われるものによります死亡者が全産業の死亡者の三割近くを占めておる実態でございます。そういうことからいたしますと、教習が高速道路で行われるというような場合にはそういう災害に遭う可能性がある程度高くなるということが考えられるわけでございます。ただ、具体的な事例として私どもが最近把握をしておりますのは、自動車運転教習で道路上で死亡されたのが平成二年に一件発生しておるということを承知をしておる程度でございます。 いずれにしましても、労働災害全体の中でこういった交通労働災害を防止するということは、先ほど非常に死亡者のウエートが高いと申しましたけれども、そういう中では大事な問題でございますので、例えば現在労働省でやっておる活動の一端を申し上げれば、事業場におきます交通KY、KYといいますのは危険予知活動ということでございますが、交通KY活動の推進であるとか、あるいは通行する道路上での危険箇所を示した地図を作成してその普及を図るというようなこと、それから現在まだ完成いたしておりませんけれども、交通労働災害防止対策ガイドラインといったものを現在作成中でございますので、今後ともこういった交通労働災害と言えるような災害の防止対策につきましては、一層努力をいたしていきたい、かように考えておるところでございます。
○鉢呂分科員 最後になりましたけれども、労働大臣に、短時間での私の説明でこの自動車教習所の労働の実態を把握されたかどうか不安でありますけれども、平成元年十一月の道路交通法の改正の段階で、これは衆議院の地方行政委員会でも、この自動車教習所における「労働時間が長時間にわたる等の勤務条件により教習体制に支障をきたすことのないよう」十分配慮をすべしという附帯決議もされておりまして、今聞いた段階での労働大臣としての、教習所労働、なかなか長時間労働が減少していかない、これはさまざまな産業分野で見られることであると思いますけれども、労働大臣の決意なり御感想といいますか、それをお聞かせ願いたいと思います。
○近藤国務大臣 今先生からいろいろ御説明がありました、また局長も答えておったわけでありますが、自動車教習所にはなかなか特殊な問題があって時間短縮が難しいという事情も理解をできるわけでございますが、だからといって、これだけは別だということではできませんので、具体的な課題に即しながら、自動車教習所においても所定の時間に何とかうまくおさまるようにいろいろ各般の御努力をお願いいたしたいし、また、労働省としても、いろいろな点でできることがあればお手伝いもしてまいりたい、今先生のお話を承ってこういう感じがしたような次第でございます。中小企業時短促進援助事業というものもあるわけでございますので、ケース・バイ・ケースだと思いますけれども、関係者に御努力もお願いいたしたいし、また我々としてもお手伝いをすることはいたしたい、こういうことでございます。
○鉢呂分科員 自動車教習所については、事故死が一万人以上ということで、もっと交通安全、生涯教育の重要な一環として位置づけをしたいとかねがね警察庁にも御要望しております。今非常に分散して、ぺーパードライバーですとかあるいは高齢者に対する指導を教習所で行うとか、あるいは高校生の、あるいは小学校から含めての学校段階の安全教育についてももっと教習所を活用する、教習所の指導員が行って、上いうことが教習所経営の安定化にもなるだろうということで、そういう中でこの労働条件、労働時間の短縮等についても努めていきたいというふうに思っておりますけれども、やはり所管での、労働時間については労働省でありますから、今後とも引き続いて指導をぜひともお願いしたいということをお願いしまして、私の質問を終わります。 ありがとうございました。
○甘利主査代理 これにて鉢呂吉雄君の質疑は終了いたしました。 次に、松浦利尚君。
○松浦(利)分科員 私は、山で働く労働者の問題に限定をして、労働大臣並びに林野庁の御答弁をいただきたいと思うのです。 実は、九州では台風災害が非常に多うございまして、風倒木、ねじれて大きな木が倒れた事故が大変多かったわけですけれども、たまたま食糧事務所で働いておる人が、休日を利用いたしまして、お兄さんが山を持っておりましたために、日曜日にお兄さんの山に風倒木を処理するための血勢に行かれたのです。御承知のように、風倒木を処理するというのは立ち木より以上に高度な技術を必要とするんだそうです。ところが、本人はそういったことは知りませんから、チェーンソーで風倒木を裁断をしておりましたら急にぱっとはね返ってきまして、頭蓋骨にはねた風倒木が当たりまして即死をするという大変痛ましい事件があったわけです。 そのことを契機といたしまして、一体山林というのはどういう状態になっているのだろうか。特に、大分県の日田では大変な被害がありまして、山林労働者がおらないために、大分県日田地区山林救援隊というのですか、技術者を集めましてそういうのを各県で組織をして、宮崎、熊本、鹿児島から送り込んで風倒木の処理に当たる、そういう状況だったものですから、この際、労働大臣も含めて、山というものに対して日本政府はどう考えておるのだろうか、そういう点についてお聞かせいただこうと思いました。三十分間ですから、意を尽くしませんが、的確にお答えいただければと思っておるのです。 それで、ややもすると、山というと一本一本の立ち木が幾ら、百年たった杉は幾らとか八十年たったヒノキは幾ら、そういうふうに計算をしからでありますが、実際山というのは環境、緑を守るという意味で大変大きな働きをしておるわけですね。 これは林野庁の方で、そういったものについて一体どれくらいの価値があるのか、日本国全体の山の価値、これを林野庁の前の長官でありますが、この人が書かれた本で見ましたところが、総計すると約三十二兆円の評価額が出くる、こういう計算をした本を見させていただいたのですが、林野庁の課長さん、そういうことは御存じですか。
○関川説明員 先生おっしゃられますとおり、森林につきましては、木材供給という機能のみならず、国土の保全、水資源の涵養、自然環境の保全形成等種々の公益的機能を有しておりまして、国民生活に重要な役割を果たしておるところでございます。 これらの公益的機能を明確に計量化するということは困難でございますけれども、昭和四十七年に一定の前提を置きまして試算したことがございます。その当時、年間十二兆八千億円と見込んでおりまして、これを現在の、昭和六十年時点でございますけれども、価格に換算しますと三十一兆六千億と見込んでおるところでございます。
○松浦(利)分科員 もっと詳しく、何か六つの評価に数字を出しておられるようでありますが、例えば水資源涵養機能とか、そういったもので幾ら幾らというのをちょっと言ってくれませんか。持ってきておりますか。
○関川説明員 細かくなりますけれども、その内訳をちょっと御紹介させていただきたいと思います。 まず、水資源涵養でございますけれども、これは六十年評価額にいたしますと、三兆六千八百億、それから土砂流出防止六兆八千八百億、土砂崩壊防止一千五百億、保健休養四兆六千八百億、野生鳥獣保護七千三百億、酸素供給・大気浄化十五兆四千七百億ということでございます。
○松浦(利)分科員 今言われたように、約三十二兆近くの評価額があるわけですね。それ以外に、防風林とかあるいは防潮林とかあるいは防雪林とか、そういったあらゆる分野に山は貢献をしておるわけなんです。ですから、特に環境年と言われておる、しかも、これから世界的な規模で地球の環境問題が論ぜられるときに、日本の国内におけるこうした山林を守るということは、大きな意味でいえば極めて重要な役割を持っておるのです。 ところが、それじゃここの山林に働く労働者はどういう状態が、こういうことについて、これも林野庁からいただいた資料ですけれども、民有林に働く労働者の数というのは把握しておられるのですか。持ってきておられますか。
○関川説明員 我が国の林業就業者は、近年、林業の採算性の低下ですとかあるいは山村の過疎化等の進行によりまして大幅に減少を示しておりまして、昭和五十五年には十七万人でございましたけれども、平成二年には十一万人ということになっております。
○松浦(利)分科員 それは全体を包含した数字ですか。それじゃ我が党が林野庁に要求した森林組合の統計というのは、この数字は当てにならない数字ですか。これは社会党が正式に予算委員会でおたくに要求した数字です。 森林組合の関係、これはどうなんですか。
○関川説明員 その資料の人数につきましては、林業就業者のうちの森林組合の作業班員の数でございます。
○松浦(利)分科員 そうすると、森林組合の作業員というのは技術者、ほとんど技術を持った方でしょう。あなたが十一万幾らと言ったのは、技術を持っておらない、通常の不払いをするとかそういう人たちも含めた数字ですか。十一万幾らというのはどういう数字ですか。それは。
○関川説明員 全体の数字でございます。
○松浦(利)分科員 それは全部技術者ですか。
○関川説明員 作業班員を含む全体の数字でございます。
○松浦(利)分科員 十一万何人という人がほとんど風倒木等の処理能力を持った人員だと理解をしてよろしいですか。
○関川説明員 林業作業の種類はいろいろあるわけですけれども、大きく分けまして伐採の方とそれから造林の方とございますので、造林の方はやれるけれども、特に高年齢の方でございますけれども、伐採の方は必ずしもできないという方もございます。
○松浦(利)分科員 結局、ここで森林組合に登録されておる民間事業体における雇用されておる人、こういう人たちが技術を持った、育苗からずっと成木になって伐採あるいは曲線集材といったような高度の技術を持った人たちだと思うのですね。 ところが、今も課長さんお話しになったように、だんだん減少してきておるわけですよね。台風が来て風倒木を処理する技術者もなかなか見つからない。こういう状態の中で環境を守るということは、口では簡単だけれども、どうやって日本のこの山林を守り環境を守るという人たちを育成するか。特に育苗から伐採まで、あるいは風倒木等の処理、曲線集材等の高度な技術を持った技術者をどうやって養成するのか、これは極めて重要な問題なんですよ。ところが、そういう後継者はなかなか今は出てこない。まさにここは我が国の環境を守るという意味から看過できない重要な分野なんですよ。どう思われますか。林野庁の方は。どなたでも御答弁ください。
○関川説明員 ただいま御議論ありましたように、林業従事者につきましては大幅な減少あるいは高齢化というものが著しく進んでいる状況にございます。このような中で、今後優秀な林業労働力の育成、確保を図るということは、林政にとりましても極めて重要な課題と認識しておるわけでございます。 したがいまして、流域を単位といたしまして、民有林あるいは国有林を通じました森林整備、林業生産等を効率的に推進する体制を整備するとともに、林道等の生産基盤の整備あるいは林業事業体の体質強化、そのほか雇用の長期化、安定化、就労条件の改善、あるいは機械化の推進によりまして労働強度の軽減を図る、あるいは技術の向上のための研修を充実する等の施策を講じているところでございます。
○松浦(利)分科員 説明員の方の言われることはよくわかるのですが、ここに農林大臣の所信表明がありますね。これをちょっとたまたまそこで見させていただきましたら、山村の活性化と担い手の育成確保をする、こう書いてあるんですよ。書いてあるのはいいのだけれども、具体的なあれがないんですよ、展望が。ですから、山に依存してきたはずの日本の国内において、山で生活しようとする、そういう山で生きようとする技術者というのがどんどん減ってきておるわけですね。ですから、これをどうやって確保するかというのは、言葉ではない、具体的にどうするのかという提案をしなきゃならぬ段階だ、こう思っておるのです。 これは改めてまた農林水産委員会等で十分議論をさせていただきたいと思うのですが、ただ、なぜここで私が労働省分科会でこの問題を取り上げようとしたかといいますと、実は生産性を高めるために従来は手のこでやっておったのがチェーンソーにかわったんですね。ところが、チェーンソーにかわって生産性を高めていく過程で何が起こったかというと、御承知のように労働省で管轄しておられる白ろう病患者というのが非常にふえたのです。労働省の方でお医者さんに委託をいたしまして、指定医を決めてそこで白ろう病のチェックをしてもらっておるのですが、これは腱鞘炎みたいに人様から全然見えないでしょう。手が真っ白になるとかこうなったというならすぐわかるけれども、本人の苦痛というのは第三者からは全くわからない。 ところが、最近この白ろう病の認定患者について労働省の方は、十年間症状が固定したらもう指定から外してしまう、そして全部労災の方に移しかえるのですな。だものだから、非常に所得も少なくなってくる。そうすると、所得が少ないからまた働きに出なければいかぬ。働きに出ると振動病で、白ろう病でまた悪くなる。それでまたお医者さんのところへ駆け込んでいくと、今度はお医者さんから怒られる。何であなたそんなに、やるなと言ったのにやったのかといってお医者さんから大変しかられる。しかられても生活していかなきゃいかぬですから、ですから力仕事をしたりあるいは土木作業に出る。ところがそれでまた痛める、こういう状況が続いておるんですね。 それを山に依存をしておる、山で生活をしておる子供さんたちがじいっと見ているのです、全部。だから、自分の家がたくさん大きな山持ちであるにかかわらず、そこから山に依存して生きようとする人がおらなくなる、離村をしていく。山村崩壊にもつながるんですね。現実にこうした人を見ておるし、現実に周辺におじさんたちが白ろう病でこうなっておるのを見ておるものだから、しかも生活に困ってどうにもならぬ、こういう状況を見ておるものだから、後を継ごうとする人が全然出てこない。これは大変な問題だと思うのです。 労働省は労働省で金がないから、それはもうしょうがないから、白ろう病で固定化してしまえば全然進行はないんだから外してしまえと、直接ではないがそういうことが間接的に回り回って、山林の環境を守ろうとするそういった緑の戦士がおらなくなる、結果的に山が荒れる。そういう状態の中に今の労働省のこの白ろう病の対策というものが組み込まれているのです、意識するとしないとにかかわらず。先ほど言いましたように三十二兆円の六十年の評価額があるんですよ。私は現在に直せばもっと高いと思いますね。 白ろう病の関係について労働省の担当の方にお尋ねをいたしますが、十年たったら、固定化したらこうするんでしょう、みんな除外するんでしょう。
○佐藤(勝)政府委員 労災補償制度による給付の問題でございますけれども、被災労働者の、今の先生の例ですと私ども振動病と言っておりますけれども、白ろう病の療養期間中におきましては、必要な療養給付、それから休業給付を行うわけでございます。ただ、治療の効果が期待できない場合は症状固定ということで、療養の給付、それから休業給付はされないことになるわけでございます。ただ、症状が固定した段階で障害が残る場合には、障害の程度によりまして年金あるいは一時金を支給をするということでございます。 問題は、こういった労災補償制度によります給付が適切に行われるかどうかということでございますけれども、私どもとしましては、この振動障害者の補償につきましては、今後とも適切に実施をいたしてまいりたいというふうに思っております。 いずれにしましても、林業労働の大事な後継者を確保するということからいいますと、労働災害の問題としては、この災害補償の問題もそうでございますけれども、何よりもやはり振動病などの災害の防止対策ということが非常に大事だというふうに認識もいたしております。
○松浦(利)分科員 振動病の防止対策も大切ですね。何時間使ったら何分休め、連続して使わせない、それは当然のことですよ。しかし、現実に振動病で痛められている、見てもわからない。リューマチと一緒ですよ。リューマチで痛い痛いという人が医者にかかったら、外から見えぬからあなたもうだめだと言うわけにいかぬでしょう。痛がっておるけれども我々にはわからないのですよ。リューマチとか関節炎、関節が痛いというのは、女性に多いけれども、それと同じなんです。振動病だって、医者に行っても医者ではわからないんですよ、問診以外には。一生懸命本人が訴えるんだけれども、いや、認定の医師がこう言ったからもうだめなんですよ、お医者さんがもうこれは打ち切っていいと言ってきたからといって、お医者さんの責任にしてぱっぱっと切ってしまう。それは、切るのは勝手なんだ、切ってもいいかもしれない。しかし、そのことによって山林労働者が生まれてこないんだ、新しく。そういう山林の荒廃に労働省のあなた方が力をかすようなことになったらどうなりますか。現にもうおらぬのだから。小さな僻地の山に依存しておる学校の生徒さんに聞いてごらんなさい、あなた、お父さんの後を継いでやりますかと。いや、おじさん、もうそんなのやらぬよと。荒れっ放しになるでしょう。子供さんはみんな見ているんだから、白ろう病になったおじさんたちを。 もう少しやはり国の政治というのは、労働省という範囲内だけで見たらだめなんですよ。環境というのは全体で把握されなければいかぬのや。環境庁の問題じゃないんです、これは。林野庁だけの問題でもないんですよ。政治の全体の中で、どう日本の山を守り、山林を守っていくかという発想がなければ、言葉だけに終わってしまうんです。林野庁はさっきあんなにいい言葉を言ったけれども、どんどん減っていくばかりだから、ふえるはずはないんです。そういう意味でこの白ろう病対策、これは、ただ単に金が、つじつまが合わぬから、十年だったから出ていけという発想だけでは解決をしない極めて重要な問題なんですよ。 私は、労働大臣に、そういう問題を理解をしていただけるなら、ぜひこの白ろう病という問題についても、ある意味ではそういった大きな目で見るようにしていただきたい。常に地元ではトラブルが起こっておるわけですから。私もそのトラブルに何回か立ち会いましたよ。ここではきょうは申し上げませんけれども、自殺者が出ましたね。あるいはもう気が狂ってしまうんです、生活ができなくて。恐らくこれから常任委員会等で議論されると思うのですが、どうでしょう近藤大臣、こうした問題についての大臣の所見を承りたいと思います。
○近藤国務大臣 先生御指摘ございましたように、林業の持つといいますか、山林の持つ多面的、多角的な役割、効果というものについては、私も十分理解をしているつもりでございますし、そうして、やはりこうした林業が継続して行われるために必要な労働力の確保が大事である。労働省といたしましても、林業退職金共済金制度だとか通年雇用奨励金制度等の活用により、林業労働者の雇用管理の改善、雇用の安定を図っているわけでございますが、今先生が御指摘のような問題について対応が十分でないのではないか、こういう御指摘だと思うわけであります。 重要な林業の労働力確保は、私は、きょうは林野庁からも参っておりますが、やはり林業そのものの安定、そしてその向上ということがまず基本になければならないので、そういう点では、やはり林業労働者として希望を持って働けるような、そういう林業全体の施策は大事だとかねて思っておりますけれども、それと並行しながら、今御指摘のような労働災害についての対応について、いろいろ労働省としてこれもやってまいってなかなか難しい点もあるとは思いますが、今先生から御指摘ございましたので、ひとつ私も少し勉強させていただきたいと思っております。
○松浦(利)分科員 大臣は正直な方ですから、勉強させていただきたい。ということですから、ぜひ前向きに勉強していただきたいと思うのです。 本当に山林労働者を確保するために――こういった職業病というか労災事故といいますか、外から見えない病気ですから、そういったものを軽く扱ってしまう。恐らく皆さん方、一生懸命努力をしておることは認めます。予算がないからとかいうことは言わないけれども、しかし、十年だったから、固定したからでやめて、そして、仕方なく、食っていけぬから一生懸命働いたら、また再発するんですよ。じっとしていれば再発しないけれども、食っていかないかぬから、食っていくためには働かなければいけない、働いたら再発をするでしょう。再発したら、おまえ、何でお医者さんが注意したのにまたやったのか、じっとしていれば再発せぬじゃないか、こう言って逆におしかりを受けるんですね。ですから、生活とこの職業病というものとのイタチごっこに耐えられなくなって、生活が崩壊をする。そうすると、それを見ておったら子供は育たない、次の世代は育ってこない。こういう悪循環を起こしておることは事実なんですよ。 ですから、この際、労働省の担当の皆さん方もぜひ、大臣が前向きに検討されると言われるんですから、資料を出していただいて御検討をいただきたい、そういうふうに思います。よろしいですね。大臣が言われたんだから、大臣の言われたことに反発があったら答えてください。反発がなければもう結構です。
○佐藤(勝)政府委員 先生御指摘の点は十分留意して進めなければいけないと思っておりますけれども、症状固定というのは単に年数の問題であるとは、先生もそういうふうにお考えではないと思いますが、私どもも、主治医の意見を十分尊重しながら、適切な診断、判定が下せるように、今後とも努力をしていきたい、こういうふうに思っております。
○松浦(利)分科員 主治医も、固定した主治医でなくていいと思うのですよ。それも大臣と研究しておいてください。特定の人だけに限定をしている。私は内容をいろいろ知っていますよ、特定のお医者さんとも会いましたから。どういう内容がどういうふうにあるかということはもう申し上げません。前向きに検討すると大臣が言われたんですから。だから、あらゆる分野でぜひ御検討いただきたい、こう思うのです。 それから、もうあと時間がありませんが、林野庁にお願いをしておきます。 国有林野というのは、やはりそういった意味で技術者を育てるには極めて大切なところですよ。ですから、下請に出して、そして技術を持った林野庁の職員の人がその下請の人に対して監督をして習得させていく、そういう非常に重要な役割を持っておると思うのですね。ですから、今年度新たな事業として、森林・林業五カ年計画が事業年度として予算がつきましたね。だから、そういう中で、技術者を養成していく、後継者を養成していく、そのための訓練施設をどうするか、こういったことについても、この中でぜひ検討していただきたい。 と同時に、これは労働大臣もぜひ知っておいていただきたいと思うのですが、やはり国有林野というのがあって民有林があるわけですから、国有林野に依存しておる分野というのは技術の面でもそういった面でも非常に大きい。だから、行政改革で林野庁も各営林署を少なくせいとかなんとかということは時代逆行だ、むしろ地域に根差して技術センターとしての役割を林野庁に持ってもらいたい、そして後継者養成の中心になってもらいたい、私はそう思うのですよ。だから、林野庁じゃなくて林野省に昇格するぐらいの気持ちで、ここは大臣がおられぬから政府委員の方だけだけれども、あなた方が第一線なんだからあなた方が頑張っていただきたいということをちょっと答弁をしていただきたいと思うし、労働大臣、ぜひそういうことで閣議の中で国務大臣として発言をしていただくように心から期待をいたします。どうぞ、簡単で結構ですから御答弁いただいて終わります。
○関川説明員 先生御指摘のとおり、林業の活性化あるいは山村の活性化、とりわけ林業の担い手の育成確保等のために各般の施策を総合的に展開して進めてまいりたいと考えております。
○松浦(利)分科員 大臣、ぜひ指導的役割を果たしてください、国務大臣として。
○近藤国務大臣 林業の大事なことを先生も申されました、私も全く同意見でございますし、こうした大事な林業、国家的な事業でございますが、これに適切な労働者が集まるような諸般の環境整備について、私も労務担当大臣としてこれからも積極的に発言をしてまいりたい。閣議で発言をしろとおっしゃったから、発言をしてまいりたいと思っております。
○松浦(利)分科員 終わります。ありがとうございました。
○甘利主査代理 これにて松浦利尚君の質疑は終了いたしました。 次に、佐藤祐弘君。
○佐藤(祐)分科員 単身赴任問題でお聞きしたいと思います。 大臣も御承知のように、日本の労働者は年間総労働時間が二千時間以上、ドイツやフランスに比べて四、五百時間も長い、逆に有給休暇は少ない。こういう長時間な、過酷な労働を土台にした海外市場進出が国際的にも非難を浴びているという状況もあります。そういうことで、労働者の方は、今や国際語になったと言われておりますが過労死の不安とか、なかなか自由な時間が少ない、不規則な勤務。ですから、家族そろって夕食をとれるのが週に二、三回あればいい方というような状況です。とても経済力世界第二位というのにはほど遠いといいますか、そういう状態ですね。ですから、政府も労働時間の短縮を大きな課題に今しています。豊かさとゆとりのある生活という命題を提起された。そういうのを本当に実現していくためには、労働時間の短縮、有給休暇の保障、同時に、最近もう社会的な問題にもなっている単身赴任、これにメスを入れる必要があるというふうに私は考えるわけです。 我が国の企業は転勤による労働力の流動化を多用するといいますか、そういう経営戦略をとってきておりまして、単身赴任がふえておる。この数年も増加傾向が続いているというふうに思います。問題点はかねがねいろいろ指摘されてきていますが、その絶対量がふえていくという中で矛盾も拡大している。労働省は労働者の労働条件や生活向上というものに責任を持つ省なわけですが、当然こういう問題についても関心を持っておられるというふうに思います。 まず二点お聞きをしたいのですが、単身赴任の実数はどうなっているか、最近の傾向。それからもう一点は、増加の背景をどうとらえておるか。まず二点お伺いします。
○椎谷説明員 私どもの統計調査の中に賃金労働時間制度等総合調査というのがございます。それによりますと、これは三十人以上規模の企業におきまして単身赴任をしている人がどのくらいいるかというのを調べたものでございますが、平成二年末現在で二十万四千七百人となってございます。ふえ方の方でございますが、これは毎年、雇用動向調査というのをやっておりまして、これによりまして一年間のうちに新しく転勤に伴って単身赴任をした人というのを見ますと、これは過去ずっととっておりますけれども、昭和五十七年には千人以上規模の企業で年間一万六千二百人でございました。それが平成二年で年間二万三千五百人ということでふえております。 実は、どうしてふえているかということについての理由そのものを調べたものはございませんが、いろいろふえている要因というのを考えてみますと、事業活動が多角化してきたというようなことを背景に、家族持ち、配偶者を持っている人の転勤が同じ期間について、五十七年から平成二年にかけまして増加傾向にあるということがございます。一般的に転勤をする人たちがふえているという中で単身赴任がふえているのが一つでございます。もう一つは、転勤者の中で家族を含めて家庭生活の事情を優先したいと考える傾向が強まってきていることだろうというふうに考えております。
○佐藤(祐)分科員 欧米では労働者が家族と別居して単身赴任、こういうことはあり得ないといいますか考えられない。特別な、国際機関とかそういうのは別ですけれども、これはもう常識になっている。ところが日本の場合にはかなりそういうことが行われてきた。専ら企業の側の都合を契機として行われてきた。最近、やはり夫婦というのは本来一緒に暮らすのが自然なわけですから、そういう基本的人権にかかわる問題としてかなり重視されてきている。労働組合でも問題にしておりますし、先日革新懇という組織が名古屋でシンポジウムをやったのですが、それは「豊かさを実感できる日本を」、これは豊かさを実感できるというのは、総理の施政方針演説でもしばしば言われておりますが、本当にそういうテーマでのシンポジウムでもこの問題は大きなテーマになってきているという状態があります。 それで、労働省自身が、これは大臣官房のもとで置かれた調査会、調査研究会なんですが、これが平成二年、一九九〇年の十二月に「転勤と勤労者生活に関する調査研究会報告書」というのを出しておるわけです。ここでやはりいろいろ重要な指摘があるというふうに私は思います。いろんなことが言われておるわけですが、比較的まとまって指摘されているところを言いますと、「単身赴任によってもたらされる家庭における経済的負担の増大並びに家族コミュニケーションの低下など家庭機能の弱まり、さらには赴任者本人の心身両面にわたる健康面の問題等、当初から不安視されていたデメリットに悩まされる者は多く、さらに単身赴任期間の長期化、度重なる単身赴任がデメリットの拡大とメリットの縮小をもたらし、単身赴任者とその家族の悩みや不安を大きくする」、こういう指摘がなされております。労働省としてもこういう問題点があることは当然御存じだと思いますが、そのことと、こういうせっかくの調査をやられ、研究報告も出されているわけですから、労働行政に生かされるべきだというふうに思いますが、どうなっているでしょうか。
○近藤国務大臣 実は、私は山形の代議士でございますが、山形にも単身赴任の方々がたくさんいらっしゃいまして、例えば銀行の支店長さんとか証券の支店長さんとか、そういう方々にお集まりいただいて、なぜ皆さん単身赴任でいらっしゃったのですか、こう申し上げたことが、聞いたことがございますけれども、大体の方々の私が承ったときのお答えは、子供の教育ですね。やはり、大体支店長クラスの人たち、子供さん方が高校生なんです。そうすると、せめて東京の高校でやらないといい大学に入れない。だから、教育の犠牲になって、犠牲と言うとあれですけれども、自分だけ単身で赴任して家族は東京に置いて勉強さす、こういうことであって、山形に参られると、もうちゃんとしたうちもあって、東京よりはいいんじゃないかと思うのですけれども、やはり御子弟の教育を最重点にしている。ですから、先生のお答えになるかどうかでありますけれども、私はやはりまずさしあたって地方の教育水準を上げる、そういうことも単身赴任を避けて、そして御家族で地方に勤務されるために案外大事な条件ではないかな、こんなことを実は考えてまいっているわけでございます。
○佐藤(祐)分科員 今おっしゃった面は、単身赴任じゃなくて家族帯同して転勤するという観点での御意見だと思います。そういう面も確かに一面としてはある。しかし、なかなか高校の転学というのは困難ですね。なかなかおいそれとこれは解決しない。いろんな、将来大学を見通して高校選択をするわけですよね、必死に勉強して。だから、地方へ行くという場合にも、じゃそれに見合う高校に入れるかどうか、なかなか大きな困難があると思いますのでも、大臣おっしゃった点は第一の理由ですね、やはり それから、やはりそれ以外にも住宅問題もあるのですね。せっかく持ち家を持った。これをどうするのか。 それから、私は最近の大きな特徴として、これにも一部反映されておりますが、妻の仕事の問題ですね。やはり女性の社会的進出というのは、大いにこれは促進しなきゃならぬ、政府としても。妻が専門的な職業とかフルタイムの、いわゆるパートじゃなくて、そういう仕事をしている場合には、それを放棄しなければいわゆる家族帯同移転というのはできないわけですよね。それでは片っ方が犠牲にされるということですから、やはりそういうことから単身赴任せざるを得ないというケースが多いと思うのですね。 だから、よく企業などは、結局本人の選択の結果だ、家族一緒に行っていいんだと、しかし本人がそういうことを言って単身赴任を選んでいるんだという言い方をしますけれども、実態は、本人だけが喜んで行くというケースもそれはまれにはあるかもわかりません、しかし実態は、今おっしゃったような諸条件からこれは余儀なくされた単身赴任、そういうことになっているということだと思うのですね。 ですから、その結果特に私が問題だと思いますのは、単身赴任が一年、二年あるいは三、四年となってきますと、いろいろな問題が起きるということですね。やはり家族関係が大きいですよ。家族と別居状態、その間一カ月に一回しか帰れないとか、多いところは一週間に一度帰っておるところもあるようですが、いずれにしても家庭生活がゆがむ。生活にゆがみが起きる。最近テレビでもそういうのを問題にしているケースがあります。そういう中で、夫婦間がこじれたというようなのがテレビドラマになったりもしているぐらいにいろいろな問題が起きているのですね。やはり子供との関係がうまくいかない、単身赴任しちゃってると。さまざまな問題が起きているということだと思います。 そういうことから、この研究会報告でも、結論的な部分でこう言っておられて、私はそのとおりだと思うのですが、「ゆとりある勤労者生活の実現は社会の最小単位である家庭の充実を抜きにしてはあり得ず、転勤という企業側の必要性から生じる出来事を契機として、家族との別居を余儀なくされることは本来望ましくないことである。」 ところが、他方、冒頭に答弁があったように、実数はふえていっているわけですよ。この四年間で約三万人ふえていますね。まだまだ、企業のこのアンケートでも、これからもっとふえるだろうというふうに言われている。だから、やはりこの問題にまともに私は取り組んでいく必要がある。家族同道の条件整備をするというのは一つの考え方ですね。この中にもそれは幾つか出てきます。子供の教育の問題、生活、経済的負担をどうするかという問題とか。やはり、しかしそれでは解決しない問題がある。今申し上げたのは、当初の出発がどうであれ、希望であれ、余儀なくされたものであれ、二年、三年とそういう状態が続くといろいろな問題点が必然的に起きてくるということからいうと、やはり私は単身赴任は減らしていくといいますか、そのことこそが必要だと思うのです。 これは政府の人事院の、一九八八年だと思いますが、給与調査の中でこう書かれているのですね。「ところで、今後の課題の一として、職員の単身赴任に関する問題がある。職員の経済面、心身面に与える負担、公務能率に及ぼす影響等を考慮すれば、まず単身赴任を減少させるための努力を行うことが肝要であると考える。」 翌年だったと思いますが、平成元年ですから、ここでも「職員の負担、公務能率等の観点からこ単身赴任を「減少させる努力が肝要であることを指摘し、各省庁の協力の下に減少のための努力を進めてきているところである。」というふうに言っているわけですね。 そこで、大臣に、まず最初の大事なポイントとして、大きな政治的な立場からも、単身赴任そのものを減少させる努力ですね、これが必要だと思うのですが、いかがですか。
○近藤国務大臣 先生のお気持ちはわかりますし、単身赴任が決していいことではない、家族とともに新しい赴任地に行くということだと思いますけれども、おっしゃったように、配偶者の方も仕事を持っているだとか、それから子供の教育だとかいろいろな事情がある。ですから、先生のお気持ちはわかりますが、もう日本の企業も国内的にも地域的にいろいろな展開をしておりますし、それから、それこそ国際的にも大変多角的な展開をしているような状況の中で、その従業員、特にある程度の幹部職員、また準幹部職員が東京なりどこかから、本店、本社から地方に赴任をするというケースは、これはどうしても産業活動が発展してまいりますと、おのずからそういうこともふえる。現実に数字がふえているわけでありますので、単身赴任がいいことではないのは十分私はわかりますが、それじゃもう人員を固定してしまって本社なら本社、本店なら本店で動かさないよというのも、先生、どうでしょうね、なかなか現実問題として難しいのではないか、こう思います。 ただ、それこそ週休二日制、それから有給休暇とかそういう問題が進んでまいりますと、家族で一緒になって生活する、また一緒になってレジャーを楽しむ機会がふえてくるわけでありますので、そっちの方の活動で何とか単身赴任にまつわることをできるだけ補っていく、こういうことではないかと思います。先生のお気持ちに沿わないかもしれませんけれども、私はそんな気ております。
○佐藤(祐)分科員 単身赴任はよくないということは大臣もおっしゃっている。どうもやはり企業の方に気兼ねしておられるというのかな、そういう感じが私はしますね。やはり企業の必要性といいますか、その場合にも労働者の基本的人権とか夫婦の問題、そういうことをしっかり押さえた上でやらなければならぬと思うのですよ。 ところが、今の日本の実態というのはどうなっているかというと、事前によく相談して本人の同意を得て実行するというケースはむしろ少ないのです。これは、社会調査研究所というところの調査ですが、事前に何らかの相談があったのは約半数だ、半数しかないということですね。それからまた、文部省の資料でも調べましたが、これでは、事前に相談があった場合でも発令から実際の赴任まで七割が二、三週間以内というのですよ。非常に急な話として出てくる。だから、ここに私はちょっと人権軽視といいますかがあると思うのですよ。やはり労働者の権利、夫婦の権利、これは民法を引用するまでもありませんが、そういうことをベースに置いてそれとの調和、同意ですね、そういうものをもとに――やむを得ない単身赴任というのはあり得ると私は思うのです。全否定の立場で言っているのではないのです。しかし、やはりそういう手続もきちっと踏まなければならぬ。 なおかつ、今申し上げたのは、これはほかでもない、政府の機関の公式の文書ですよ。人事院ははっきり減少させるために努力することが肝要だと言っている。冒頭に紹介申し上げた調査研究会報告でも、本来望ましくないんだとはっきり言っているわけですね。だから、そういう大きな立場から、企業もそこを考えろというふうに、労働大臣にはむしろそういう立場に立っていただかなければならぬのではないか。必要性はあってもよく本人の納得を得る、同意を得る、そして本人のそういう諸権利を尊重する。子供の教育も大事なのですからね、そういうことでやるべきだ。そして、総体としてはやはり減少するのが望ましい。私はぜひそういう立場に立っていただきたいというふうに思いますが、再度御答弁いただきたい。
○近藤国務大臣 先生のお気持ちはよくわかります。わかりますが、例えば私も役人の生活をした経験がございますが、お役人の場合には同じ場所に長くおられますと多少なれ合いといいますか、ある程度かわる形でいい面もあるわけでありますから、だからお役所もそうだし会社もそうでありますけれども、いろいろなところに赴任することはいけないよというわけには、先生、どうでしょう、なかなか難しいんじゃないか。 事前によく話し合って同意を得るというお話もあります。これも大変よくわかることでありますけれども、これまた人事というのは、事前に話をして賛成ならやるよということが現実問題としてどこまで可能なのか。やはりある程度決まったら、そういうことで赴任するんだというようなことでないとなかなか難しい面も、先生、あるんじゃないでしょうか。ですから、先生、人事院のお話を引用されましたけれども、確かに方向としては望ましくないし、減らすことかなというのもよくわかりますが、現実論としてどこまで実行できるかなということも率直に私思いますので、先ほど言いましたように、その持ってくるマイナス面をどうしたらなくせるか。例えば教育についても今みたいな東京集中を排して地方の教育水準を上げていくだとか住宅環境を整備していくだとか――私も役人時代あちこち赴任した経験がありますけれども、決して赴任自体悪かったと思わないのですね。いろいろ新しい経験を持ったり、またいろいろな新しい友人もできたし。ですから、会社へ行っている間、一生そこにずっとおれというわけでもない。ただ、マイナスはおっしゃるようにありますから、どうしてその分をカバーするかということについて労働行政の面からも関係各省にもこれから物を言って、そして地方と中央とのいろいろな格差是正ということもこれからの労働行政の大きな課題ではないかと私は考えております。
○佐藤(祐)分科員 いろいろ難しい問題があるんじゃないかとおっしゃるところを、何というか、人権の立場、そういうものに立ってそこを解決していくというのかな、そうでなければ私は逆立ちすると思うのですよ。これまでの趨勢で見ると、企業は一方的に決めて発令をする。事前の相談もなしにやる。これは乱暴きわまりないですよ、こういうやり方は。だからそうじゃなくて、本人の同意で行く分にはそれはいいんです。本人の同意、家族の同意ですね。これは家族全体の問題ですからね。やはりそれをしっかり得るという方向でこの点ぜひやってもらいたいなと私は思います。 我が党は先日、労働基準法の抜本的改正についての提案というのを発表したのです。これは労働時間の短縮問題、残業の上限を決めるという問題なども言っておりますが、単身赴任についても一番重視しているのが本人と家族の同意を得ること、それから期間が異常に長くならない、少なくとも二年ぐらい。それでもなおかついろいろな問題が起きるわけですね、経済的な問題とか精神的な問題とか。そういう点の手当ては当然しなければならぬ。こういうように、むしろ労働基準法で明確にそこを定めていく必要があるというのが我々の見解なんです。 大臣に重ねて要望したいと思うのですが、そういう基本的な人権擁護に立ったシステムをつくっていく。本人が同意もしてないのに突然、おまえどこそこへ行けとか、こんな乱暴なやり方はないのですよ。あえて言うならば、それがまかり通ってきているところに日本資本主義の問題がある。ヨーロッパではそういうことは毛頭ないんだということがむしろ当たり前になっているわけですから。もちろんトップエリートとかは別ですよ。日本でも検事とか学校の先生とかで、もともと二年ぐらいでどんどん赴任地が全国にまたがるというような職業もあります。それは、それを承認してそういう職業についておるわけですよ。一般の労働者の場合は違うと思うのです。だから無理やりというようなことではなくて、実態は突然の発令というのが多い。半分ぐらいもある。あと、同意期間とか協議期間は極めて短い、こういうことです。 これは労働省の調査から一つ申し上げておきますと、労働協約がありますよね。これは労使間で協約を結ぶ。ここで転勤とか単身赴任について同意条項、同意約款というのか、これが含まれているのは九%です。それから、協議項目に入っているというのが二三・七%ですね。事前に意見を聞くのは六・二%というようなことで、全部合わせても四割にも満たない。これが実態。ここのところを私は強化していく必要があるのだろうと思っているのですよ。 ですから、私が重ねて要望したいのは、よくないということはわかっているのだから、企業の状況から無理じゃないかと言っておられるけれども、よくないものは減らしていくというのが普通ですから、やむなく単身赴任はあり得る、しかし同意を必要とし二年以内ぐらい、企業の方にそういう立場で、これまでの姿勢を改めるようにむしろ指導してもらいたい。それを重ねて要望します。
○近藤国務大臣 事前に了解を得る、二年間に限定しろ、このお話もわからないじゃありませんが、なるほど、労働法制の面でこれに対して規制を加えるということの是非については、私はこれは、基本的には企業と、また企業の人事運営の手法とか、そういったことに任せることではないかな。どういうことができるのか、せっかく先生のお話でございますから私もいろいろ考えてはみますけれども、なかなか企業のいろいろな人事、配置については、役所を含めて、一方的ということじゃなしに、そういう役所なり企業の人事のあり方で、おまえはこれからあっちへ行ってくれということはやはりあり得るんじゃないかという気がいたします。だから、それにまつわるいろいろな問題について、マイナスの点をどうしたら少なくするかということについての努力は当然企業としてもすべきであり、役所の場合は役所としてすべきであるというふうに私も理解いたしますものですから、少し考えさせていただきます。
○佐藤(祐)分科員 時間が少なくなってきたのですが、最後に具体的な事例で一つ申し上げたいことがある。 そういう状況の中で、実は財団法人の鉄道技術研究所というのがありますが、その宮崎のリニアの実験センター、そこに勤めておる佐川徹二さんという方の事例なんです。これは国鉄分割の際に、一九八七年三月でしたが、これも事前の相談一切なしなんですよ。とにかく行けということで飛ばされたわけですね。本人は早く帰りたい。もうことしで六年目に入るのですよ、分割からずっとですから。 去年実は、この方の訴えを受けて東京弁護士会が鉄道技術研究所に勧告書というのを出しているのです。これはかなり長大なものですが、とにかく要点は、「長期にわたり単身赴任をせざるを得ない勤務地に配属したままにすることはこ「家族と共に過ごすという人間としての基本的な権利を侵害するもの」だ、だから当会は、東京弁護士会は、鉄道総研が「佐川徹二を速やかに家族と同居することが可能な勤務地に配置するよう、勧告する」というものを出したのですね。 これは去年、相当ニュースにもなりました。直後に運輸委員会がありまして、私も早速この問題を提起しまして、運輸大臣も検討したいというふうにおっしゃった。その後運輸省としても、本人とか家族と直接面談をして事情を聞いておられるというふうにも聞いています。ともかく本人は早く帰りたい、最初に同意していない、六年目に入るような長期の赴任、単身赴任です。これは私は異常なことだ、人権問題だと言わざるを得ぬというふうに思うのです。 紹介しておきますが、子供さんがいろいろ手記を書いたり、手記というか日記風に書いたりもしておられるのですね。六年のときの日記で、一節しか紹介できませんが、私はお父さんが大好きです、四年間一日も欠かさず手紙をくれるからです、毎日毎日書いてきてくれるというのですね。私は余り書けないけれどもそれがうれしい。電話がまた、日曜日の夜「太平記」が終わった後に電話が鳴ってくる、それを聞くのが本当に楽しみだ。怒るとこわいけど本当は優しいお父さん、物事を最後まであきらめず取り組むお父さんが大好きです、だから私はこんなお父さんと早く一緒に暮らしたい、そういう作文も書いておられる。 どうですか、大臣。六年目ですよ。運輸省でもそれなりの聞き取りもやったりして、鉄道総研の方にも一定のことは伝えておるようなんですが、まだ解決しない。これはぜひ人道上問題として早期に解決されるように、運輸省を通じてとなりますか、働きかけていただきたい、こう思いますが、いかがですか。
○近藤国務大臣 先生御指摘のケース、私も今承って、余り詳しくわからないでここで軽々に物を申せないと思うわけでありますけれども、これは率直に申し上げて、先生、六年、長いというお話がありますが、やはりそういう長い期間であれば家族ともどもそちらの方にお移りになって、御一緒に生活をされるという可能性もあったような気がいたしますよね。ですから、まあ、もとへ戻す側でも受け入れ側の会社なり研究所ですか、そこの事情もまたあるでしょうから、だからそういういろいろな事情があってのことではないかと私は思いますが、今運輸省もいろいろ考えているよというようなお話も先生からございましたし、これは私たち直接のことではないとは思いますけれども、JRの研究所でございますが、事情は聞いてみますけれども、どうでしょうか、部外者がどうこう言うことではないような気で実は先生のお話を今承ったわけでございますが、また、もとへ戻りますけれども、いろんな中央と地方との格差なんかについて、その子供さんだってお父さんの任地先がしかるべき学校があれば喜んでついていったのじゃないでしょうか。ですから、そういう点で申しましたけれども、いろんな中央、地方、また地方でも格差がありますから、そういうことを正していって、一つの会社、機関に入って、そこでずっといなければならないというのも大変、今のような流動した社会ですから、一たん住んだらそこにずっと一生いなければならないということでもないのではないかな、それだけいろんな人生経験の展開もあるわけでありますので、先生の御指摘、お気持ちはわかります。お気持ちはわかりますけれども、もう、一つ会社やったらそこから動かないんだというわけでもないような気が私はいたしますので、どうでしょうか。
○佐藤(祐)分科員 終わりますが、それでは最後に一言申し上げておきますけれども、前段の議論は、いずれにしても本人が同意した場合にもいろいろな肝題があるということで御議論した。今申し上げたのは、本人が同意してないんですよ。早く帰してもらいたいと言っているわけです。それをかたくなに拒否しているというのは異常だと言わなければならぬですよ。 それから、子供の問題とか地方格差とかおっしゃったけれども、現実的じゃないですよ、そんなことは。何年かかるかわかったもんじゃないですよ、教育の問題にしても。この方も、奥さんは看護婦さんという専門職です。簡単においそれとそこから離れるというわけにはいかない。妻の職業はへいちゃらで犠牲にしてよろしいという立場になっちゃいますよ、大臣の意見は。私は、本人がいろんな仕事を経験するのを否定しているんじゃないんですよ。無理やりに同意もなくてやらしている、そこに問題がある。この場合は特にひどいですよ。六年目ですよ。どう思いますか、本当に。これは是正しなきゃならぬというふうに思わなけりゃ、人道的な立場でもないというふうに言わなきゃならぬと私は思うのです。だから、ぜひよく検討していただきたい。そのことを強調して、もう時間が過ぎておりますので、終わります。
○甘利主査代理 これにて佐藤祐弘君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして労働省所管についての質疑は終了いたしました。
○甘利主査代理 次に、厚生省所管について審査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。倉田栄喜君。
○倉田分科員 公明党の倉田でございます。 私は、まず生活福祉資金、この問題についてお伺いをいたしたいと思います。 生活福祉資金、以前の世帯更生資金貸付、こういう名称でございましたけれども、変更になりまして、現在生活福祉資金ということでございます。この生活福祉資金、内容は以前とそんなに変わらないだろうと思うのですけれども、身障者の方々あるいは社会的にいわば弱い立場にある方々、この方々にとって非常に大切な、また非常に役に立つ資金である、このように思っておるわけでございます。 例えば、身障者の方々が福祉器具の購入をする。車いすであるとかいろいろな福祉器具があるわけです。これは所得に応じて、全額免除であったり支給がされたりするのですけれども、所得のある方にとっては、一部負担であったりあるいは全額自己負担である、こういうことでございます。同時に、所得の低い方々にとっても、この中にいろいろな種目がございます。非常に利用の要望があるのではなかろうか、こういうふうに思っておるわけでございますけれども、もしお答えいただけるようであれば、この生活福祉資金の制度の運用の現在の実情をお聞かせ願いたい。 その上で、この生活福祉資金の貸し付けについては、いわば保証人を立てるようになっている。この保証人を必ず立てなければいけないのかどうか。実は、この問題についてもし検討願えれば、御検討いただきたいと思っておるわけでございます。 例えば、親の遺言で保証人だけにはなるな、こういうことはよく聞きますし、なかなか保証人を探すということは難しい。しかも、身体障害者の方々であるとか、特に低所得者と呼ばせていただいていいのかどうかあれですけれども、こういう弱い立場の方々が保証人を探すのは本当に難しい現状であろうかと思います。ところが、この生活福祉資金の申し込みについては、運用上必ず保証人を立てなければいけない。ということになっておるわけでございますけれども、どうして保証人を立てなければいけないのか、その必要性また問題点等についてまずお伺いをいたしたいと思います。
○末次政府委員 御案内のとおり、生活福祉資金貸付制度は、低所得者それから身体障害世帯等に対しまして資金の貸し付け、あるいは民生委員の必要な援助によりまして経済的、社会的自立と生活意欲の助長促進を図っているものでございます。 平成二年度で申し上げますと、貸付件数が合計で二万百五十三件、貸付金額にいたしまして百九十五億。このうち身体障害者への貸し付けが六千百七十九件でございますから約三〇%、金額にいたしまして八十九億という件数、金額になっております。 この制度は、もとより貸し付けという制度でございますから、しかも、なるべく簡易に制度を運用していくという趣旨から、物的担保ではなくて保証人で償還金の担保措置を講じているというところでございます。ただいま申し上げましたこのすべての件数につきまして、それぞれ保証人を立てていただきまして貸し付けをしているというところでございまして、資金の貸し付けという事業の性格からいきまして、何らかの保証人を立てるということは制度の運営上必要ではないかというふうに考えております。
○倉田分科員 今、制度の運用上保証人を立てるということはどうしても必要である、こういう御答弁であったわけでございますけれども、申し込みをされるときに、その方々がどういう人であるのか、個人的信用の問題を含めて、民生委員の方が非常に深くかかわって申し込みをされるという状況にあるのだと思うのです。そうだとすれば、本人自身の信用の問題というのも、民生委員の方々がよく御存じの場合が多いのではないのか、こういうふうに思うわけです。それから、この制度の償還率、生活福祉資金の償還率はかなりいいというふうに私は聞いております。 そこで、今御答弁の中に、物的担保ではなかなかいろいろそろえるのが難しい、簡易迅速にというのか、弾力的に運用するためにも保証人の方がいいのではなかろうか、こういうふうな御趣旨の御答弁でございましたけれども、逆に、非常にまじめな方で、信用というのは民生委員もびしっと保証できるのだけれども、まじめであるがゆえになかなか保証人を頼めないで、結局この制度を利用することができない。一方で、こういう言い方ができるかどうかわかりませんけれども、保証人さえ立てればいいのだということで、ルーズに形式的にお互いあっちこっち地域遠く離れて、保証人に私もなるからあなたもなってくれと、相互に保証人になることによって適用を受けられる。こういうふうに、うまくやる人が結局うまく利用してしまう。まじめに考える人が、保証人だけにはなるなと言われていたことで保証人を探しづらい、こういう問題も実はあるのではなかろうか、こういうふうに思います。 こういう資金でございますから、弾力的にぜひこういう方々の立場に立って適用はお願いをしなければいけないと思うのですけれども、場合によったら、全部が全部とは申しませんけれども、本人に信用性がきちっとあって、先ほど物的担保では難しいというお話がありましたけれども、国の税金を使うことだからどうしてもその担保が必要であるということであれば、物的担保でもいいのではないのかな、そういうふうにまた思います。ぜひこれは検討願いたいのです。 こういうあくまでも弱い立場の方々を助けるという制度の趣旨でございますから、ある程度の償還がされない部分があったとしても、これは考え方でございますが、場合によったら制度そのものに内在する危険負担というふうにも考えてもいいのじゃなかろうか、こういうふうに私は思うわけでございます。保証人の必要性、物的担保ではだめなのかどうか、民生委員の方の調査をきちんとやれば、本人の信用力だけで足りる場合があり得るのではないのか、このように思うわけでございますが、もう一度御答弁をお願い申し上げたいと思います。
○末次政府委員 まず、物的担保ではどうかという御指摘でございます。 実はこの点につきまして、平成元年に世帯更生資金貸付制度の検討を学識経験者にお願いしたことがございます。その際にこの点も御検討いただいたわけでございますが、低所得者が多いということで、そもそも担保物件そのものが得られない者が多いのではないか。また担保物件の鑑定評価、保管管理、処分方法等、制度の運営といたしましてなかなか難しい問題が派生をしてくるということから考えますと、現在社会福祉協議会でこの資金の貸し付けをお願いしているわけでございますが、そこへ余り複雑な事務をお願いするのもどうかということがございまして、やはり物的担保による貸し付けはなかなかなじみにくいのではないかという御意見をいただいております。 御指摘の趣旨は、いずれにいたしましても、身体障害者等が必要な資金の借り入れが円滑に行えるようにという趣旨であろうというふうに考えております。資金の貸付制度でございますから、これは全く保証人がいないというのも制度としていかがかという点がございます。したがいまして、保証人を得やすくするような工夫というものができないかどうか、この点いろんな制度も比較検討いたしまして、そういう工夫ができないかどうか、その方向で検討させていただきたいというふうに考えております。 〔甘利主査代理退席、主査着席〕
○倉田分科員 私の趣旨は、本当にまじめな人がやはりきちっと利用できるような、そういう制度にしてほしいということでございますので、ぜひ前向きに御検討いただくと同時に、その制度の内容自体についても充実を図っていただきたい、このようにお願いを申し上げたいと思います。 次に、いわゆる産業廃棄物というか、ごみ、リサイクルの問題についてお伺いをしたいと思います。 廃棄物の処理及び清掃に関する法律によりますと、一般廃棄物と産業廃棄物の区別の問題でございますけれども、非常にあいまいな部分があるのではないのか。家庭から出るごみが一般廃棄物、企業から出るごみが産業廃棄物、この二種類でございますけれども、例えば、紙くずについて、出版業から出れば産業廃棄物、印刷業から出ると一般廃棄物。また、木くずについて言えば、建物の解体は産業廃棄物、それから建物の新築から出る木くずというのは一般廃棄物。ちょっと出てきたところが違うというそこに着目をすれば確かにそうでございますけれども、出てきたもの、後から処理される部分については、同じ種類のものであってもこういうふうに違う取り扱いになるのはおかしいのではないのか。 ちょっと直観的な疑問でございますけれども、なぜこのようになってしまうのか。同じ種類のものは同じ法律の規制によって規制の対象としていくべきではないのかな、こう思うわけでございますが、この点について御答弁をいただきたいと思います。
○小林(康)政府委員 廃棄物処理法におきまして、一般廃棄物、産業廃棄物の区分をしておるわけでございますが、事業活動に伴って生じました廃棄物のうち、質、量の点から市町村の清掃事業では処理することが困難な廃棄物を産業廃棄物として指定をし、残りを一般廃棄物とする、こういう制度をとっておるところでございます。お話がございましたように、紙くず、木くずにつきまして、特定の業種にかかわりますものを産業廃棄物、これは主として事業活動に伴いまして反復継続して多量に排出する、こういう観点で産業廃棄物とし、その他を一般廃棄物としておるところでございます。 昨年十月に廃棄物処理法の改正をいただいたわけでございますが、そのときも、オフィスから出ます紙くずを産業廃棄物にすべきではないか、こういう御意見もございまして、産業廃棄物にすべきかどうかについて検討したところでございますが、まず、一般廃棄物としての処理ルートが整備をされ、それに通常の紙くずが乗っておるところでございますし、産業廃棄物として切りかえますと、その処理のルートが全く整備をされていない、新しい処理のシステムが必要で、混乱を招くという状況がございます。 それから、有害な産業廃棄物等と違いまして、市町村の焼却処理施設で焼きましても特段性状の上で問題になる状態ではないこと、それから、一般廃棄物としてそれを取り扱っております。界あるいは市町村等、関係者の間でも定着をしておるシステムでございまして、産業廃棄物への変更に関しては関係者の利害に響く問題であるというような状況がございまして、昨年の法改正におきましても、オフィスから出ます紙ごみは一般廃棄物のまま扱うことにしたわけでございます。 ただ、事業系の一般廃棄物に対しまして、多量に排出をする者に対しては、その減量化の計画策定を指示すること、それから、処理費用を踏まえまして適切な手数料を設定することなどの措置を講じますとともに、紙ごみにつきまして登録を受けた廃棄物再生事業者によります回収の促進を図ること、こういう施策を強化することによりまして適切な処理を促進をしよう、こんな状況のところでございます。
○倉田分科員 やはり同じものが取り扱いが違うというのはおかしいな、こういうふうに思うわけですね。これは根本的にさかのぼって考えてみれば、ごみをどうするかというこの制度、ここのところにさかのぼるべきではなかろうか、こういうふうに思うのですね。 そこで、これは大臣にぜひお答えいただければと思うのですけれども、もうよく議論もされておりますし、問題になっておりますごみ、ごみとして処理をする、そして埋め立てをする。厚生省の中にも、埋立処分を原則とするという通達がたしかあったと思うわけでございますけれども、もうこの埋め立てそのものが限界に来ているのではということは御承知のとおりであろうと思います。 そこで、この埋め立てということをいつまでもやってはいけないということになれば、ごみというものそのものを考え直さなければいけない。もうごみではないんだ、こういうふうに基本的にしていくべきではなかろうか。これは議論のあるとおりだろうと思います。アメリカのように原則捨てない、そういうリサイクルの制度にしていくべきではなかろうか。 そういう意味で、ごみではなくて資源なんだというふうに考えるとすれば、例えば二〇〇一年ぐらいには七〇%はごみじゃなくて資源なんだ、回収すべきなんだというふうに位置づける。二〇一〇年には九七%ぐらい、九七%というのは、三%ぐらいは有害物質があるというふうに議論がありますので、それはどうしてもリサイクルできない。もうリサイクルできるものはすべてリサイクルして、ごみとして埋め立てるべきではないんだ、こういうふうにきちんとすべきではないのかと思うわけでございますが、この点について大臣の御所見をお伺いできればと思います。
○山下国務大臣 今、厚生行政の中で一番大きな問題であり、私どもにとっての大きな悩みはこのごみでございます。この悩みであるごみに対して大変建設的ないい御意見をちょうだいして、私ども心強く存じます。 今おっしゃいましたとおり、従来はごみは捨てるものだという感覚、それをこれからはもうごみは出さないように工夫するというふうに、頭を切りかえていかなければならぬと思います。それで今おっしゃるリサイクルの問題が出てくるわけで、私どもは、分ければ資源、捨てればごみ、こういう感覚でもって今後対処していかなければならぬと思います。そこで、どうしたらごみが出ないで済むのかということ。その一つはリサイクルでございますけれども、そういうふうな考え方に改めて今後やっていかなければならぬと思っております。 そこで、平成四年度におきましても、いわゆる分別収集ということにつきまして大きく力をいたしていきたいと思って、廃棄物再生利用等推進費補助金、こういうものを今度計上いたしました。それから、市町村のリサイクルセンターの整備に対しても、補助金を今度大幅にふやしていくというふうにいたしております。そういうことによって、平成七年度が一つの目標の時期でございますから、今の状態の半分ぐらいに少なくとも圧縮していくという目標を立てていきたいと思っております。
○倉田分科員 重ねて。申し上げるわけでございますけれども、埋め立てるのはもう限界に来ている。そしてまた、埋めてしまうということが非常に危険であるという問題も実はあると思うのです。有害物質が排出されるのは、灰じん、汚泥、燃え殻、廃酸、廃アルカリ、鉱滓、たしかこの六つしかないと思うのですけれども、現在の状況は、ほかのものをきちっとしてないものですから、あとの有害物質もすべて処分場に持ち込まれて、埋め立てられているようなことがあるのではないか。これが地下水、海あるいは大気の汚染に非常に大きな影響を与えているのではないのかというふうに思います。高温とか異常大気の発生、酸性雨、森林の破壊も、地下に埋められたごみが大きな要因となっているのではないかなというふうに思うわけでございます。 日本の現状、有害物質については、産業廃棄物の先ほどの定義があいまいであると同時に、例えばバーゼル条約でアメリカ、ドイツまで規定されている有害物質の多くが日本ではまだ有害物質扱いされておらない。例えばアメリカでは有害物質は四百ないし五百種ぐらい規定されているのに、日本ではたしか百十六種にすぎない、こういう問題もあると思うのです。資源化すると同時に、有害物質は有害物質としてきちんと明確にして、そういうふうにリサイクルもしていかなければいけない。そういう意味で、埋め立ての限界、非常に公害のもとになっていることもありますので、二十一世紀に向かっては、このリサイクル法の徹底ということをぜひ要望申し上げておきたいと思います。 次に、医療廃棄物の点についてお伺いをしたいと思います。 医療廃棄物の危険性、例えば最近エイズの問題等々盛んに言われておるわけでございます。確認をされているわけではないのですけれども、例えば、医療廃棄物によって夫とか猫とかが非常にエイズに感染しているのではないのかというふうに一部に言われているわけでございます。厚生省はこの医療廃棄物について、医療廃棄物ガイドラインというのを平成元年十一月に出されておりますけれども、このガイドラインがきちんと守られておるのかどうか、この点についてまずお伺いをしたいと思います。
○小林(康)政府委員 感染性の廃棄物につきましては、滅菌処理、特別なごん包、マニフェストを使用した委託等に関します医療廃棄物処理ガイドラインを平成二年四月に定めまして、それに沿った感染性廃棄物の適正処理を行うよう医療関係者への周知徹底に努めているところでございます。 今回の法改正によりまして、感染性のおそれのある廃棄物を特別管理廃棄物ということにいたしまして、特別の基準、特別の処理の制度を整えるということで、現在法律に基づく制度を準備中でございます。
○倉田分科員 医療廃棄物の基準については、ガイドラインで今みたいに明確になっているわけですけれども、これはもしかしたら医師の判断にゆだねられている部分があるのではないのか。例えば、処理業者の立場から見た場合に、今お話しになりました感染性廃棄物としての取り扱いが妥当だ、そうしなければいけないなというふうに考えたとしても、排出者のお医者さん、病院側から、当機関には感染性疾患の患者はおりませんからというふうに言われると、非感染性廃棄物としての取り扱いを余儀なくされてしまう、こういうケースがあるとも聞いておりますけれども、この点についてはいかがですか。
○小林(康)政府委員 改正法に基づきます特別管理廃棄物の範囲及びその取り扱いにつきまして、現在、生活環境審議会の専門委員会で御検討をいただいております。先生御指摘のような点も含めまして、必要な規定を専門委員会の報告を受けながら整備していきたいと考えております。
○倉田分科員 それからもう一点、処理のシステムの問題でございますけれども、国及び地方自治体、医療機関、処理業者の連帯による処理のシステム体制の確立の問題でございます。非常に必要だと思うのです。同時に、指導機関によって処理体制の違いがあるのではないか。例えば行政で、地方公共団体の処理施設で処理する方法を指導したり、産業廃棄物処理業者で処理する方法を指導するなど、その中で処理の指導に相違が見受けられる。この点から考えれば、医療廃棄物は産業廃棄物としての位置づけが明確になっているわけでございますから、他の産業廃棄物としての特殊性もある。そういうことを考えれば、現在の一般廃棄物処理施設である行政施設での処理、これは非常に無理があるのではないか、このように思うわけでございますが、この点はいかがですか。
○小林(康)政府委員 感染性の廃棄物を医療機関以外で処理をいたします場合の体制の整備につきましては、医療機関のネットの組み方あるいは処理の体制の地域によります差等がございますので、都道府県が医師会、医療関係機関及び市町村によります協議の場を設けまして、その地域に適した適正な処理体制を整備するように指導してきたところでございます。今回の特別管理廃棄物の制度によりまして、感染性のおそれのある廃棄物、例えばガーゼのようなものは一般廃棄物の予定でございますし、注射針のようなものは産業廃棄物、いわば一般廃棄物と産業廃棄物がまざった状態での廃棄物になるというふうに理解をしておりまして、その処理の適切な体制を、やはり地域の状況を考えながらそれぞれの都道府県ごとに適切な体系を整備する、これを基本として今考えているところでございます。
○倉田分科員 ひとつ早急に適切な体制をお願い申し上げたいと思います。 時間が参りましたので、最後に、使用済み乾電池の回収の問題についてお伺いをしておきたいと思います。 欧州各国では、ほとんどの国で分別回収、処理方法、責任者が明確になっております。我が国でもこの分別収集、処理方法、責任体制を明確にすべきではないのか、このように考えます。この点についてまずお伺いをしたい。 それから次に、アルカリ電池は、国内流通量の約九二%の乾電池が水銀ゼロになった、こう聞いておりますけれども、これも回収してリサイクル化を図るべきではないのか、この点が一つ。 それから、一般消費者がこの乾電池をどのように処理していいのかわからないでいるケースがあります。そこで、すべての電池もしくはパッケージに処理方法をきちんと明示すべきではないのか、私はこう思いますけれども、この点についてぜひお答えをいただきたい。 それから、大臣も十分な問題意識をお持ちでお答えをいただきましたけれども、いわゆるリサイクル化、回収を図っていかなければいけない。そういうわけで、回収率を高めるためにデポジット、預かり金制度ですね、これも一つ一つの個別について取り入れていく必要があるのではないか。この乾電池の問題についてデポジット制度は検討の余地はないのかどうか、お伺いをしたいと思います。乾電池ではありませんけれども、京都の亀岡市だと思いますが、飲料水のメーカーがいわゆるPETボトル、これは今非常に問題になっておりますけれども、PETボトルの回収にデポジット制度を導入して成功しているという事例も聞いております。そういう意味で、この乾電池にもデポジット制度を取り入れたらどうか、こう思うわけでございますけれども、この点お伺いをしたいと思います。
○小林(康)政府委員 乾電池につきましては、その中に含まれております水銀問題を中心といたしまして、社会的に大きな問題になってきたものでございます。 この点につきましては、専門家の意見を徴しました結果、通常のごみと一緒に出され、ごみとしての処理で環境汚染を生ずる状態でないこと、事業者、乾電池のメーカーにおいて水銀を減らすあるいはゼロにするということをまず基本にすべきであること、環境保全という観点も含めて、市町村が市町村の判断で乾電池だけ集めます場合には適切な処理を行うこと、こういう方針で指導をしてきたところ、乾電池につきまして水銀ゼロというのが現実に可能となりましたし、水銀電池そのものも空気電池にかわり、水銀がゼロになるということで、乾電池の中からの水銀がなくなるという段階を迎えております。 その段階で、例えばマンガン等の資源を回収するということで、乾電池をリサイクルに乗せるということについての検討課題が残ってきておるわけでございますが、現在のところ、技術的にあるいは経済的に乾電池をリサイクルに乗せるだけの技術開発あるいは経済的な詰めがまだ十分でないというのが現状でございます。今後そうした技術開発等を踏まえまして、乾電池の回収あるいは処理について取り組んでいく必要があるというふうに考えております。
○倉田分科員 処理方法を明示するという点はどうですか、さっき聞きましたが。
○小林(康)政府委員 具体的に現実に可能であり、適切な方法が開発ができ、それを採用するのが適当ということになりますれば、今回廃棄物処理法の中でもそうした処理法を製品に明示するという条項を入れていただきましたので、製品に対する表示というのも今後十分検討できる制度になっておると考えております。
○倉田分科員 先ほど大臣に、二十一世紀に向かってリサイクル社会をどうつくるかということで、具体的に目標値を設定したらどうか、二〇〇一年には例えば七〇%、二〇一〇年にはもう全部有害物質以外はリサイクルしていく、そういう目標値を示したらどうだろうかというふうにお話し申し上げたわけでございます。具体的なお話は今からのことだと思いますが、これは非常に重要な、また必要なことであろうと思いますので、ぜひ具体的目標を示すという決意で御検討をお願い申し上げまして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○戸井田主査 これにて倉田栄喜君の質疑は終了いたしました。 次に、柳田稔君。
○柳田分科員 ことしの四月から社会保険診療報酬が改定されるということでございますので、このことについて御質問をさせていただきます。 まず、この改定の特徴といいますか、基本的考えをお聞かせ願いたいと思います。
○黒木政府委員 今回の診療報酬改定の特徴についてのお尋ねでございます。 今回の改定は、御案内のように久しぶりの大幅な改定でございまして、改定項目も広範多岐にわたっているわけでございますけれども、一口に申し上げれば、国民に対するいい医療を目指したいということで、良質な医療の効率的な提供という考え方を基本としておるということで、理解していただいて結構だと思うわけでございます。 二、三申し上げますと、医療機関の機能、特質やスタッフ数に応じた医療サービスの適正な評価、いわば提供される医療サービスに応じましてめり張りの評価をづけたという点でございます。 二つ目には、技術料重視の考え方に基づく診察料、手術料等の引き上げ及び在宅医療、リハビリテーション医療等の適正な評価ということで、これからの将来の方向にかかわるような技術については、重点的に評価したということでございます。 三番目に、薬剤使用、検査等の適正化の推進、標準人員を欠く場合のペナルティーの強化等を行うことにいたしておるわけでありまして、これは、いわばむだとかあるいは不合理だとか非効率な点を排除いたしまして、先生いろいろ御質問いただいておりますが、医療の適正化を一段と強める見地でございます。 さらに、御案内のように、看護開運についても思い切った配慮をいたしたという形になっております。
○柳田分科員 適正な技術料の評価というふうなことでございまして、大分医療に対する質の評価をそれなりの報酬で、言葉はまた繰り返しになりますが、裏づけをしていこうということであります。 先ほどの厚生委員会でも健康保険法の一部改正も通りまして、財源がこちらに回るということも聞いておるわけであります。看護料を重視して看護婦対策をしていくということも、私自身は大変評価をしているわけなんですが、この診療報酬と看護婦対策の充実、どのようにこの看護婦対策が診療報酬上なっておるか、充実に役立っておるのか、具体的に教えていただければと思います。
○黒木政府委員 今回の改定におきます看護料重視の考え方がどのようになっておるかというお尋ねでございます。 具体的には、まず改定率の設定に際しまして、今回、御案内のように平均引き上げ率が五・〇%になっておりますけれども、看護関連経費分ということで特に重視をいたしまして、その内訳として二・六%を充てようではないかという考え方でございます。 具体的にどういうふうにこれを点数設定に持っていくかということでございますけれども、イの一番と申しますか、看護料の引き上げということに重点を置いたわけでございまして、今回は看護料の約二〇%アップという非常に大幅な引き上げになったところでございます。さらに、二・八問題の解消ということを含めまして適正な夜勤体制、それから労働時間ということで、週休二日制等を考慮した形での勤務体制が整っている病院に対しましては、新たに加算点数という形で費用を加算する形にいたしまして、各医療機関が勤務条件の改善ができるように、また、そういう形でのインセンティブが与えられるように私どもは配慮した点数設定をいたしたつもりでございます。 これがどのように具体的に結びつくかというお尋ねでございますけれども、私ども、改定の実施に際しまして、医師会その他関係者に今回の改定の趣旨がよく十分周知するように配慮してまいったところでございまして、このような改定措置によりまして、これから看護職員の勤務条件の改善にこれがつながっていくものというふうに考えております。
○柳田分科員 今御説明がありましたように、看護料の二〇%アップ、夜勤体制、労働時間短縮、大変いいことだというふうに思います。高齢化社会がだんだん進んでまいりまして、労働力が、若年の労働力も大分これから少なくなるという中では、看護婦の確保、質の充実、そういう意味からして今回の措置は適切だというふうに思うのです。 このように看護料が大幅に引き上げられる中で、一部精神病院の看護料だけが引き下げられたというふうに聞いておるわけなんですが、なぜそのような措置になったのか、お答えを願いたいと思います。
○黒木政府委員 今回の改定におきましては、いわゆる基準看護以外の「その他の看護料」というランクに属する病院があるわけでありますけれども、これにつきまして、従来の一律の点数であったものを改めまして、人員配置のレベルに応じたきめ細かな評価を行うことにいたしたわけであります。いわば、きちっと人員を配置すればそれなりの高い評価がとれる、しかし、医療法の基準を下回るような配置状況ですと非常に厳しい評価しかしませんよ、こういう考え方でございます。 したがいまして、こういう考えの中で、従来「その他の看護料」ということで、基準看護以外の看護料につきましては、病棟の種別にかかわりませず一律百四十点というところで設定をいたしておったわけでございますけれども、これを病棟の種別に応じ区分して評価してまいりますとともに、看護婦の配置状況に応じて三区分を設けたいということでございます。 精神病棟の場合、その三区分の中で看護婦、准看護婦の数が患者七人に一人にも満たない、医療法の基準は御案内のように六人に一人でございまして、これが七人対一人にも満たないような病院につきましては、これがとれる点数を百三十点というふうに、一律の点数から見ますと引き下げの形になったわけでございます。私どもの医療費改定のねらいは、質の高い医療の国民への提供ということが念頭にあるわけでございまして、医療法の基準すら満たしていないような病院につきましては、やはり評価を下げざるを得ないというふうに考えたわけでございます。 特に、看護婦さん、准看護婦さんをきちっと配置してもらえることが、またひいては看護婦さんの勤務条件の改善等にもつながっていくわけでございますから、私どもは、一種の望ましい看護水準への誘導を図るという観点から、少しそういう病院には厳しい評価を下したということで、御理解をぜひいただきたいと思うわけでございます。
○柳田分科員 じゃ、この精神病院の看護料、基準に満たないところは点数が下がるというわけでありますが、これも四月から実施をするということでございましょうか、点数の引き下げは。
○黒木政府委員 そのとおりでございまして、既に大臣告示をもう官報に出しておるところでございまして、その実施日が四月一日となっているわけでございますから、ただいま私が説明いたしたとおりの形で実施に入っていくわけでございます。
○柳田分科員 看護婦さん等の数が少ない、標準に満たないので、看護料の引き下げといいますか、それで対応するように病院を指導していこうという趣旨だろう。おっしゃることはそれなりに理解ができるのですけれども、精神病院、これを特別扱いをするという気持ちはないのですけれども、やはり同じ病院の中でも特殊性があるのではないか。簡単に看護婦さんを確保できるのだろうか。病院の中身といいますか、精神病院でありますので、人材確保といいますか、人を集めるには非常に難しい面も出てきておるのではないかな。 またさらには、完治したら普通の病院だったら退院されるわけでありますけれども、こういう精神病院ではこれで大丈夫だという判断も難しいであろうし、さらには引き取りに来る家庭の方も、できればもう少し見ていただきたいというのもあるのではないかと思います。また昨今、以前病院に通っておった人がいろいろな事件を起こしてきているというのも出てきているわけであります。 そういうことを考えていただいて、この精神病院、ほかの病院と違った特殊性も考えていただいて、今回四月からもう即引き下げますというのではなくて、その病院の状況といいますか、今後の姿勢というのもあるかと思うわけであります。これから半年間か一年間がわかりません、二年かかるかもわかりませんけれども、鋭意努力をして基準に達するような配置をしていこう、努力をしていこうという病院も中にはあるかと思うわけです。 ところが、もうこれで一緒くたにぱたっと下げられてしまいますと、病院の方としても経営が非常に厳しくなるわけでありますから、この四月から引き下げるということについては、先ほど局長の御説明で、なるほどなというふうには思うのですけれども、据え置くというふうな配慮といいますか、適当な指導は考えられないものかというふうに思うのですけれども、いかがでございましょうか。
○黒木政府委員 精神病院の場合には、確かに先生が御指摘になられましたように、非常に特殊性の中で看護婦さんが集めにぐいと申しますか、充足しにくいという状況の病院もあるかもわかりません。片や私どもは、非常に手薄い看護体制の中で病院に入っておられる患者さんのケアからいうと、いささかどうかな、集められるにかかわらず配置していただけない病院もあるんではないかと思っていることも、また正直申し上げて事実でございます。しかし、前段申し上げましたように、精神病院の特殊性から集めたくても集められないという病院に対しては、確かにおっしゃるように、私どもも何か考え、配慮してやらなければならない状況かなというふうに同情は申し上げるわけでございます。 ただ、御理解願いたいのは、今回の改定につきましては、私どもは、大部分やはりそれぞれの病院が健全な医業経営が十分できるように、例えば初診料だとか手術料だとか処置料とか、いろいろなところの点数はそれなりにきちっと引き上げているわけでございます。今回の財源配分は看護婦関連が大きいものですし、それは看護婦の数に応じて配分したような形になっているものですから、看護婦さんが希薄なところは、その部分に限って言えば点数の引き下げになっているということでございますが、その部分だけが引き下がっておりますから、直ちにその病院の経営が非常にお困りになるというふうには、とても私どもとしては考えにくいわけでございます。 例えば、先ほど申しましたような精神病院であっても、今回、例えば精神患者を小規模デイケアと言って、デイケアの形で処遇するような行為につきましては、従来そういう小規模のデイケアというのは診療所だけしか認めてなかったわけでありますけれども、それを病院にも拡大してあげるとか、まあ例えばの話でございますが、いろいろな形での工夫もいたしておるわけでございますから、これからの私どもの願っております質の高い医療ということで、できるだけ看護婦さんを配置していただく。 配置していただければ間違いなく高い評価になり、経営の原資が入ってくるわけでございますが、それがどうしてもできないという場合には、先ほど申しましたように、新しい小規模のデイケアを始められるとか、その他いろいろな形での新しい私どもがねらっております今回の改定の方向に沿った経営をぜひ心がけていただきたいな。そういうことがまた国民の医療サービスヘの質の向上につながっていくわけでございますから、私どもとしては、ぜひこういった精神病院についても、いろいろな意味での新しい時代に沿った経営というものを志していただきたいなと思うわけであります。 なお、本件につきましては、随分私どもも心配をいたしまして、精神病院の元締めと申しますか、病院を総括しております日精協という団体にも十分協議、相談をいたしまして、最終的には了解、了承をいただいて、こういう措置をとったわけでございます。したがいまして、今後ともそういう団体等とも意見交換をしながら、よりよき精神病院の発展というようなことで、今後の方向ということで考えさせていただきたい。今回の措置は、申しわけございませんけれども、四月一日から実施をさせていただきたいと思っております。
○柳田分科員 とても経営が悪化するとは考えられないということであれば、病院がつぶれるようなところは一軒もないはずだということになるわけでありますが、いろいろと調査をされて、とても経営が悪化されるとは考えられないという結論に達したかと思うのですけれども、本当にこの看護料を引き下げた場合でも、倒産するような病院は出てこないという確信はあるのでしょうか。
○黒木政府委員 精神病院に限りませんで、例えば一般の中小病院の中でも、ほとんど看護婦さんを配置しない形で、例えば薬物療法その他の形で経営をやっておられたというところ、確かに今回の改定は非常にその辺にめり張りをつけておるわけでございますから、経営は非常にきつくなってくるであろうということは、私どもも心配と申しますか念頭にあるわけでございます。 ぜひお願いをしたいのは、つぶれないというふうに考えておりますのは、そういう病院もおのがじし今回の診療報酬改定の方向というものを見きわめていただいて、例えば在宅サービスするとか、いろいろな意味で非常に高い医療行為というのもたくさんあるわけでございますから、そういう私どもが、あるいは国民が望んでいる全体としての質の高い方向に――そういう病院も今までそれでやってきたのだから、今後もそれで何とか経営がもつようにというふうに言われましても、私どもとしてはやはり中医協の中で皆さんと相談をしながら、新しい方向で行こうではないかという結論の中での今回の措置でございますから、ぜひこういった病院の経営者もこれからの方向ということをお考えいただいて、私どもの方向なり、今回の中医協が判断をいたしました方向に沿った経営ということもお考えいただいて、大変厳しい中でしょうが、御努力を願いたいなというふうに考えるわけでございます。
○柳田分科員 繰り返すようになるかもわかりませんけれども、以前精神病院にかかっていた、出てこられて事件を起こす人を最近特に新聞で見るわけですよね。今回のこの引き下げ、理由はわかるのですけれども、もし厳しくなってもう病院が難しい、では帰ってください。引き取ってくれる病院があればいいのですが、そういうことも考えられないわけではないのです。 だから、今回は当面据え置きますけれども、一年後か二年後かわかりませんが、ほどよい期間にはこうしますよ、だからその間頑張って体制を整えてくださいというのも一つの手だてだと思うのですが、難しいでしょうか。難しいか、考えますか、どっちかの答えで結構なのですが、いかがでしょうか。
○黒木政府委員 やはり私どもの願いは、まず経営者、つらいでしょうけれども、看護婦さんの充足をまず図っていただきたい。医療法の標準すら大幅に守ってない病院、守れてない病院の話でございます。 今回の改定の措置というのは、看護婦関連というのを重視したわけでございますから、看護婦さんがほとんど希薄な病院というのは、看護婦さんの勤務条件から見ても厳しいわけでございます。できるだけ看護婦さんの、配置というものは、医療法の標準を満たしていただき、さらには夜勤体制が二・八に入り、さらには週休二日制に入れるような人員配置というものを経営者は志していただきたい。そのためには、経営者としても苦しいかもわかりませんけれども、看護婦の配置をぜひまず心がけていただきたい。配置さえできればたくさん診療報酬が行くように今回はいたしたわけでありますから、ぜひそういう点について御理解をいただきたいものと思っておるわけでございます。
○柳田分科員 経営者については仰せのとおりかもわかりません。でも、そこに入っている患者さん、そして万が一事件を起こした場合に、期間はわかりませんが、据え置いてでも努力をしなさいというのが人情ではないか。経営者のスタイルはわかるのですけれども、患者さんのことやいろいろな社会のことを考えると、目標はここですから頑張れ、やってくれ、しかし、もうここまで達しない人はしようがありません、ここから改定をしますという方がベターではないか。局長がおっしゃることもよくわかるのですが、患者さんや社会のことも少し考慮いただければという気がするのですけれども、難しいでしょうか。申しわけありません、また再度聞きまして。
○山下国務大臣 非常に御心配、実は私もよくわかるのでございます。もし倒れた精神病院があったらどうするかというお話でございますが、やはりこれは精神病院に限らず、病院の経営自体がある意味においては一つの企業でございますしたがって、それぞれが経営の努力はしてもらわなければならないと思いますから、その点はひとつ御了解雇いただきたいと思います。 私が今申し上げることは、これは相談してないから当たるか当たらないかわかりませんけれども、私の周辺の精神病院といいますと比較的ベッドが多い。佐賀県でも一番多いのは八百床からある精神病院もございます。百床以下というのは比較的少ないんじゃないか。それから処置料、処置といいますか、入院患者に対する注射であるとかその他の処置というものですけれども、一般病棟に比べると比較的少ないんじゃないか。したがって、自然に看護婦の配置が薄くなってきてはいないか。その点だけはやはり考慮すべきだなと思う。 まあ諸般の情勢も検討しながらこういう結果になったのでございまして、ひとつこの点は御了解いただきまして、見守っていただきたいと思います。
○柳田分科員 もう時間がなくなりましたので次に行きます。 中医協というのが先ほど出ましたけれども、これはどういうものなのか、構成メンバーばどういうものなのか、御説明をお願いします。
○黒木政府委員 中医協についてのお尋ねでございます。 中医協は、中医協法と申しますか、それだけ決めている設置法がございまして、それで厳格な構成の仕方まで規定しているわけでございます。その法律、ちょっと題名は正確ではないわけでございますけれども、中医協法によりますと、構成は、診療側が八名、それから支払い者側、費用負担する側が八名、それに公益側が四名という形で構成することになっております。
○柳田分科員 その中には病院の代表というのは入っているんでしょうか。
○黒木政府委員 現在診療側が八名おられますけれども、医師が五名、歯科医師が二名、薬剤師が一名という形で、合計八名で診療者側を構成されておるわけでございます。 病院代表ということにつきましては、従来から、現在のこの五名の医師が中医協に参画されることによって、病院サイドの意見というものも、この参画されている医師を通じて中医協の御審議に反映されるという形をとっておるわけでございまして、病院を経営している人もおられるわけでございますが、病院の経営の実情というものは、この代表の方を通じて十分考慮され、あるいは病院側の主張というものはここに反映しておるものと思っておりますけれども、病院代表という形での参画ではございません。
○柳田分科員 医師五名の中に病院を経営していらっしゃる方もいらっしゃる、その方を通じていろいろな御意見は中医協に反映をされておるということでございます。病院、いろいろと医療法のこともありますし、今のこの診療報酬も病院の経営にもかかわることでありますので、いろいろな面で病院のことが反映されるメンバーが、委員がいらっしゃるというふうに理解をいたしまして、既に病院の代表が入っているというふうに考えてよろしいんでしょうか。
○黒木政府委員 病院代表というとなかなかこれは非常に難しいわけでございまして、いろいろな病院の団体がございます。精神病院の団体もございますし、御案内のようにたくさんの団体があるわけでございまして、どこの代表が加われば病院の代表になるかというのは、私どもとしても非常に厄介な問題でございます。 したがって、私どもは、この医師五名の今の参画の中で、それぞれの病院の意向なり意見なり、そういうものは十分反映される形で御議論願っているつもりでございますし、当然そういう形で病院の診療報酬のあり方というものも、そういう五名の方の意見としてちょうだいをいたしているということでございますので、病院代表ということではなくて、病院サイドの意見も十分反映されるような人選なり構成になっているということで、御理解いただきたいと思います。
○柳田分科員 精神病院の看護料の一時据え置きが認められなくて非常に残念だと思いますが、時間でございますので、これで質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。
○戸井田主査 これにて柳田稔君の質疑は終了いたしました。 次に、大畠章宏君。
○大畠分科員 日本社会党の大畠でございます。私は、幾つかの観点から、地域の方々の声をベースとしてお話をさせていただきますし、また、幾つかの福祉問題の課題について討論をさせていただきたいと思います。 今、日本の方では高齢化社会が着々と進んでおりまして、着々とというのが当たっているかどうかわかりませんけれども、いずれにしても、日本の社会がどんどん高齢化社会に突入しているというのは事実だと思います。 幾つかの課題がありますけれども、今、日本の中で預金を一生懸命、世界の中でも預金率というのは高いわけでありますが、なぜ預金をするのだろうか。日本の福祉制度、厚生省もいろいろ考えて取り組んでおられますけれども、サラリーマンの方々にとっては定年後の老後が心配だ。したがって、貯金をしておかなくちゃ、こういうこともあって日本の預金率は高いのじゃないかと私は思うのですが、やはり寝たきり老人になったらどうしようというのが一番の課題、あるいは痴呆性老人になったらどうしようというのが一番の心配事だと思うのです。 北欧の方ではいろいろ福祉の先進国というふうに言われておりますが、寝たきり老人がいない。日本の社会の場合には、いわゆる寝かせきり老人なのじゃないか。体が不自由になっても、起こしてあげて、車いすで一日に一回散歩に連れていくことはできる。そういう意味からヨーロッパの社会、特にスウェーデンの方では、寝たきり老人というのはいないんだということが言われておりますし、また、いろいろな本でも出ているところであります。私どももこの福祉問題についていろいろと勉強させていただいておりますが、日本もぜひ寝かせきり老人のいない国にしたいなと思っております。 そのポイントは何かといいますと、何といっても介護者といいますか、そういう方々の手をどうやって確保するかということだと思うのです。今いろいろな数値が出ておりますけれども、二〇二〇年には人口が一億三千五百万人ぐらいになるだろう。その中で六カ月以上の寝たきり、痴呆性老人、在宅介護が二百八十八万人ぐらいになるのじゃないか。また、病院などの施設は三百十七万人ぐらいになるのじゃないか。そして、この寝たきり老人を介護する、いわゆる寝かせきり老人をつくらないためには、一人の老人に対して四人の介護者が必要じゃないか。 そういうものから見積もると、二〇二〇年には全人口の約一割、一千二百万人ぐらいの介護者が必要になってくる、そういう意見といいますか研究データもあるわけでありますが、厚生省として、この日本の将来の状況を考えながら、寝かせたきり老人をつくらないためにどうあるべきなのか、現状をどう分析し、将来どうされようとしているのか、まずその点から厚生省のお考えを伺いたいと思います。
○岡光政府委員 まず対象者数でございますが、先生今おっしゃいましたような数字がどういうふうな背景で積算されたのか、私どもの考えているところとは大分差がございます。 といいますのは、先生今おっしゃいました二百八十八万と三百十七万を足しまして約六百万人になりますが、二〇二〇年当時の推計では、六十五歳以上人口が三千二百万人程度でございまして、三千二百万人に対する六百万人といいますと、約一八%から一九%になると思います。これは私どもとしては、現在つかまえておる寝たきり老人なり痴呆性の老人の出現率から考えますと、余りにも高こうございます。私ども、現在の出現率から考えて将来を推計しておりますが、寝たきりの出現率は大体五%程度というふうに把握しております。したがいまして、寝たきりの数が二〇二〇年では約百六十万人程度ではないだろうか。それから痴呆性老人も、いろいろこれも研究班の数字なんかありまして、大胆な仮定を置いておりますが、二百七十万人程度ではないだろうか、こういうふうに考えております。 いずれにしましても、今おっしゃいましたように、寝たきりにならないようにということをまず考えておりまして、象徴的に寝たきり老人ゼロ作戦と称しまして、寝たきりの原因となる病気とかけがの発生を予防する。それから、仮にそういう状態になったとしても、医療機関とか専門の施設等におきまして適切なリハビリテーションを行って、重くならないようにする。そして、その後安定した段階で、身体機能をできるだけ維持するためのいろいろな施策をしていこうではないか。特にお年寄りの希望は、在宅での生活を望んでいらっしゃいますので、在宅での保健医療・福祉サービスが充実して提供されるような体制を整えていきたい。こういうことによりまして、できるだけ寝たきりを避けるように持っていきたい。 仮に寝たきり状態になったとしても、できるだけ日常生活を自分の力で送れるように持っていきたいというのが私どもの発想でございますし、施策として展開している方向でございます。
○大畠分科員 データについては、私の方ではいろいろ雑誌ですとかそういう情報から当たっていますので、厚生省のそういう見通しの方がより真実に近いものだと思いますが、今のお話を伺いましても、寝たきりが百六十万人、それから痴呆性が二百七十万人、こういう数字でございます。こういう方々をどうやって寝かせたきりにしないか。痴呆性老人に対しても大変な対応でありますが、この寝たきりの百六十万人だけをとってみても、大変な人手がかかるなと思います。 今いろいろお話がございましたけれども、厚生省として、この二〇二〇年の状況を想定しながら、どういう手を打って介護者の数をふやしていこうとされているのか、そういうことについてお伺いしたいと思うのです。 いずれにしても、ボランティアの介護者という制度を考えていかなければ解決できないんじゃないか。特に、何でもかんでもお役所に頼んでやっていこうというのじゃなくて、自分たちができることは自分たちがやろう、地域社会がそういう寝たきりの方々を介護しながらやっていこう、それが在宅介護の場合には必要なわけでありますが、そこら辺のシステム的なボランティア介護といいますか、介護者をどう育成し、どうシステム的に寝かせたきりの老人をつくらないための手を打とうとされているのか、基本的な考えをお伺いしたいと思います。
○岡光政府委員 おっしゃいますように、公的な福祉・保健医療サービスの提供と相まちまして、住民参加型のボランティアであるとか福祉公社のようなスタイルでの自主的な介護の世界への参加をぜひともお願いをしたいと思っております。 具体的にどういうふうに進めるかということでございますが、ボランティアという活動をまず理解をしてもらおうではないか。要するに、そういう介護の仕事につきまして理解をしてもらい、また、具体的にそれに参画をしてもらおう。そういうことによりまして、介護というものに対してまず近いものとして認識をしてもらいまして、そして具体的に、それじゃそういうお世話をすることに参加してみよう、こういうふうになったときに、まず受け入れる施設側と、その提供する提供可能なボランティアのサービスとをうまくマッチングしなければならぬわけでございまして、そのコーディネーターを私どもは育成していかなければならない。 それから、そういう場を提供するということと同時に、今申し上げましたような専門家を育成した上で、できるだけ近づける必要がございますので、地域におきまして福祉公社のような、皆さんが参加をして、お互いが物を考え、行動していこう、そういう福祉公社をつくり上げていこうじゃないかというのを一つのシステムとして考えておるわけでございます。この福祉公社育成のための支援をいろいろ講じまして、そういう場を通じながらボランティアの層を厚くしていきたいというのが今の発想でございます。
○大畠分科員 施設的にはそういうシステムはわかりますが、先ほどの百六十万人の寝たきり老人に対して何人くらいの介護者の手が必要なのか、それをどう見積もっておられますか。
○岡光政府委員 在宅と施設とそれから病院と、それぞれ皆さん方、心身の状況に応じて所属をされると思いますが、施設につきましては、現在の施設人員に応じましてその必要な人数を調達しようということを考えておりますのと、在宅福祉につきましては、公的な制度としましてはホームヘルパーをまず確保していこうということで、これは十カ年戦略で平成十一年でございますから、二〇二〇年とは年次が若干違いますが、十万人体制をとりたいということを考えております。 それから、ボランティアにつきましては、何人くらいというふうな具体的な数字までは今私どもは想定できておりませんが、少なくとも大都市においては福祉公社のようなものをつくりまして、そこへ地域の人たちが大いに参加をしてもらうということを進めていこうではないかという発想にしているわけでございます。
○大畠分科員 基本的なところなのですが、一人の寝たきり老人に対して何人の介護者があればうまくローテーションといいますか、介護する方もくたびれますから、何人の人が必要だと思いますか。
○岡光政府委員 まず、私どもは公的なサービスの体系を整えたいと思っておりまして、そういう意味では、ホームヘルパー、看護婦、寮母、介護職員、こういった人たちの確保をまず重点に置いているわけでございます。 そして、この十カ年戦略が実現できた段階では、例えば在宅の寝たきり老人の場合には、ホームヘルパーさんが週四回ないしは六回ぐらい行けるのではないか。それから、看護婦さんによる訪問看護が週一回ないし二回行われるだろう。それから、デイサービスも週二回程度は利用できるであろう。あるいは保健婦さんによる訪問指導も月一回行われるだろう。こういうふうなことを想定しているわけでございまして、いわば公的サービスでとりあえずは在宅での生活が支えられるようにしよう。 まず公的サービスの体制を整えようということを考えておりまして、それに従として民間ボランティアとか福祉公社によるサービスをあわせ持っていきたいというのが発想でございまして、そういう意味では公的サービスの方に重点を置いた体制整備を今整えつつあるところでございまして、ボランティアについて何人、どの程度という発想をしておらないわけでございます。 といいますのは、ボランティアはどんな程度のことができるかというのがはっきりわかっておりません。例えば、出向いていって本を読んであげるとか、一緒にお話をしてあげるとか、あるいは施設における厨房でのちょっとした皿洗いなんかのお手伝いをするとか、庭で一緒に遊んであげるとか、いろいろなサービスがあるものですから、そういうものを人数として換算できないというのが私どもの現状でございまして、むしろ今の段階では、そういった自発的な住民参加を大いに呼び起こしたいというのが私どもの今進めておる施策でございます。
○大畠分科員 そういう考えもわかりますが、要するに私が言おうとしているのは、グロスでどのくらいの人手が必要か、そういうものはきちっととらえておかないと、できるだけやりますというような形でやった場合には、これは結果がなかなか難しいですよ。したがって、例えばこの二〇二〇年というタイミングで百六十万という寝たきり老人があるとすれば、それに対してどのくらいの人の張りつけをしなければならないか、どのくらいの住民が参加をしなければならないか、そういう大まかなポイントを握った上で、そのためにどういう手を打っていくか。そういうグロスから細かなものに追っていかなければ、結局物事というのはできないのじゃないかと思うのですよ。 したがって、今プロの方々だけでやるという話でありますが、本当にそれでいいのかな、本当にそれでできるのかなという感じがするのですね。ですから、ボランティアの方がどういうことができるかわからないということでありますけれども、この問題、お年寄りの方々もいつもゲートボールばかりやっているんじゃなくて、自分たちも手伝うことがあったらやろうじゃないか、そういう機運もあります。 また、前の文部省の管轄の分科会で、青少年のいわゆる学校の週休二日制、土曜日には子供たちが一生懸命社会のために働いたり、社会のために役立つという喜びを感ずるために、ボランティアの活動、福祉活動に子供たちも大いに参加すべきだ。特に高校生あたりは体も大きいし、受験勉強だけじゃなくて、社会で生きていくということはどういうことかということを体験的に学ぶためにも福祉活動に大いに入っていくべきだ、私はそういうことを申し上げてきたのです。 したがって、厚生省の方でも、厚生省だけの殻の中でパーフェクトな施策をやろうという発想だけじゃなくて、文部省とか青少年の力をどうか力るか、あるいはお年寄りの方々の力をどうかりるか、これは本当にこれからの日本にとって、教育問題と高齢福祉対策というのは重要なポイントなのですよ。今お話があっただけでは、私は三十年後、二〇二〇年というと七十歳になりますが、どうも不安ですね。不安ですよ。あなたも多分その範疇に入ってくると思うのですが、これで安心して老後を迎えられますかね。何も自分だからということじゃなくても、今の机上ベースだけじゃなくて、もうちょっと総合力を発揮してこの福祉問題あるいは高齢福祉対策に取り組まなかったら、ちょっと誤るんじゃないかなと思うのですね。 したがって、官僚の方は非常にパーフェクトな仕事をされる。日本の官僚の方は優秀だと聞いておりますけれども、私の考えなんかも含めながら、少し柔軟な発想で、本当にこうやれば二〇二〇年のときに安心して年とれる。今の方々も、ああ日本もそういう福祉政策を組んだか、そうだな、そういうプランを出すべきだと思うのですが、再度これは厚生大臣、どうですか。これは厚生大臣の範疇に十分入っていると思うのです。
○岡光政府委員 先生のおっしゃる御趣旨、よくわかっております。それですから、まず学校の生徒につきましてはボランティア教育校というそういう制度がございまして、大いにそれを普及をしていきたい。ところが、父兄の方には問題がございまして、受験勉強させてくれとか、そういう要請もあったりしまして、なかなかその辺は問題が多うございます。 いずれにしても、それは学校教育、特に義務教育の段階からそういうことを実践をし、いろいろ自分で物を考えてもらうということが必要だと私は思っておりまして、ボランティア教育校というのは一つの方法でございますが、そういったものを拡大をしていきたいと考えています。 それから、企業におきましても、ボランティア休暇というのが最近相当数の企業で始まっておりますが、こういったことは非常に望ましいことだ。特に、企業というのは地域社会と非常に密接な関係があるわけでございまして、その地域社会を住みよいものにしていくということを企業としても応援をしていくという必要があるんだと思います。そういう意味では、企業の従業員に有給でそういう時間を与えて、ボランティア活動に参加をさせるというのは私は必要だと思っておりまして、財界の関係団体とそういう話を進めているところでございます。 それからまた、お年寄りにつきましても、高齢者が相互に助け合う必要がある。特に老人クラブなんかにつきましては、そのような方向でひとつ御協力を願いたいということで、具体的にその支援の補助金を出したりしまして、そういうことをエンカレッジもしておるわけでございます。 また、来年度からでございますが、介護実施・普及センターというふうなものをつくりまして、そこへ行けば介護について何かの知識が得られる。あるいはまた、そこに行けば指導員がいて、介護というものはどういうものだということが理解される。それから、介護機器なんかもそこに置いておきまして、実際に自分でそういうものを手で触ってみまして介護というものを体験してもらう。そういうことによって国民に広く介護の仕事を理解してもらおうじゃないか。そういう広い意識が広まることによりまして、介護に参加をしてみようという話にもなるのだと思いまして、そこから必要な人が得られていくようになるだろう、こういう発想をしているわけでございまして、先生がおっしゃるのと私は似ているんじゃないかなと思っている次第でございます。
○大畠分科員 私が申し上げているのは、今のお話もそうなんですが、ぜひ厚生省という殻を取り払って、これは日本としての大変大きな課題なんですよ。これは文部省も大蔵省も、各省庁も本当に協力し合ってこの難関を乗り切らなかったら、日本の将来というのは非常に暗くなる。そのくらい大きな課題でありますので、きょうの御説明ではどうも私は安心して老後を迎えられないと思うのです。また来年も乱やります、再来年もやりますが、ぜひあと二、三回のうちには、わかりました、ぜひそれでやってくださいというようなプランまで仕上げていただきたい。それを強く申し上げて、次の課題にしたいと思います。 次の課題は、前回も私質問をさせていただいたのですが、心身障害者用の歯の治療、これを何とか設けてくれないか。私も県会議員のときにいろいろ、茨城県でも最初は一カ所しかなかったのですよ。県の中で水戸市しかなかったのです、この心身障害者の方の歯の治療をする施設が。県下、茨城県の端っこの方から一生懸命来るわけですよ。せめて二十万都市には一カ所くらいつくってほしいというので、茨城県もやっていますが、この心身障害者の方々の特に歯の治療というのは、心身障害者の方は動きますから、なかなか一般の歯の治療の施設ではできないということで、特殊なといいますか、一生懸命その施設をきちっと整えて、その受け入れ態勢をやっているわけであります。 前回もこの問題を取り上げたのですが、国としてこの問題にどういうふうに取り組んでおられるのか、心身障害者を持つお母さん方が安心して治療を受けられるような環境が着々と整っているのかどうか、お伺いしたいと思うのです。
○古市政府委員 現在、各自治体に口腔保健センターというものが歯科医師会の協力で設置されておりまして、その中におきまして非常に難しいと言われております障害児、障害者の歯科診療を実施すると掲げている施設が六十九カ所……(大畠分科員「全国で」と呼ぶ)全国で三十七都道府県ということでございます。 今御指摘のように、着々とと言われますとややちゅうちょいたしますが、そういう方向でこの口腔保健センター等についてその機能を備えていきたいということで、助成措置等を講じている状況でございます。
○大畠分科員 日本は三十七都道府県だったですかね。幾つあったんですかね。三十七県でしょう。そうしたら、ない県もあるのですね。その県の心身障害者の方の歯の治療なんかはどこへ行ったらいいのですか。厚生省、どういうふうに考えますか。
○古市政府委員 これは非常に困難だということで、特に口腔保健センターの中に意欲的につくっていただいているというのがこの数でございまして、そのほか、一般的に歯科診療所の中に来ていただいて対応しているところももちろんでございますし、それからまた、状況によっては歯科医師さんが往診してくださっているという事例もございます。 それからまた一方、歯科医師ではございませんが、歯科衛生士の養成所の機能強化費という援助を出しまして、歯科衛生士になる方々が実習も兼ねて巡回して、そういうところに行って口腔内の清掃というものを実際お手伝いするということもやっているわけでございます。そういうことで、旧来からの歯科医療というものの上にこの六十九カ所というものがある、こう御理解いただきたいと思います。
○大畠分科員 やはり国の指導というのは、各県一カ所はそういうものをつくりなさいよ、そういう指導が国の指導なんですよ。それはいろいろ工夫されていると思うのですが、自然発生的に一生懸命やってくれているところはやってくれている。ないところはない。そして、それはいろいろ協力しながらやっているというのだけれども、やはり車いすで普通の歯医者さんに行こうとしたって、段差があるし、なかなか入れない。そういう施設がきちっとしていないと入れないのですよ。 そういうことで、福祉国家日本、まあいろいろ言われていますが、とにかくそれを目指すならば、少なくとも各県に一カ所くらいは歯医者さんがなければ、私はおかしいのじゃないかと思うのですよ。また来年質問しますが、そのときは三十七県がもうちょっとふえていることを期待しながら、ぜひ指導性を発揮していただくということで、次の質問にします。 次の質問は、今外周人の労働者の方がいろいろふえております。私の友人の医者から言われているのですが、外国人の方の医療保険制度といいますか、これも何とかしないと大変なことになるよ。医療費が高いからじっと我慢していて、さんざん悪くなるだけ悪くなって、どうしようもなくなって医者に来るというケースもあるというし、とにかく人権問題からいって、日本の保険制度の中に外国人のケースについてもやはりもうちょっと明確にすべきじゃないか。 そこで、まとめてお伺いしますが、一つは、外国人の方が一週間から一カ月旅行なんかで来ますね。そういう方もいますし、また一年くらい滞在するという方もいますし、それから今の外国人の労働者の問題じゃないのですが、二年間くらい滞在する方がいます。そういう外国人の方々に対してどういう指導をしているのか。例えば飛行場でおり立ったときに、日本の国内ではこういう医療制度がありますから加入する人はしてください、あるいはこういうシステムがありますからやってください、こういう指導をしているのか。そういう外国人の方々に対する保険制度については、厚生省としてどう考えているのかということ。 もう一つ、言葉の問題があるのですね。どんなに医者に行っても、話がわからなければ、ただここら辺をこうやっているだけで、何を言っているのかわからないということでは非常に困るわけでありまして、日本の国内で外国人の方に対する医療のサービスといいますか、そういう体制は、言葉のことも含めてどういう形で対応しようとしているのか、時間がないので、あわせてお伺いしたいと思います。
○黒木政府委員 外国人に対します医療保険の適用でございますけれども、適法に我が国において滞在または就労している外国人に対しましては、私どもとしては、国籍を問わず、日本人と同様に医療保険を適用することにいたしております。 どういう指導をしておるかということでございますけれども、例えば空港等で、どういう保険があってどういうふうにして入りなさいという指導は、残念ながらいたしておりません。就労をされた場合に、就労があれば健康保険に入ることになっておるからということで、会社側で健保に入る形を整えていただきますし、滞在されている場合には、一年以上滞在される場合には国保に入っていただくことになるわけでありますけれども、外国人登録等をされる場合に、一年以上の滞在の場合には国保に入れますというような形で、市町村の窓口で対応しているわけでございます。 その際、外国語がよくわからないというようなこともございますので、私どもとしては、いろいろな国の言葉に私どもの制度がわかるようなパンフレット等をつくりまして、公的保険に資格のある人はぜひ入っていただくという道をできるだけ周知徹底、あるいは指導等を重ねながら図ってまいりたいと思っております。
○大畠分科員 そういう正式な手続で入ってくる人はいいのですよ。ところが、前に福島県かなんかでダンサーの方が非常にトラフって、大変な国際問題になりましたね。そういうことからはかっても、やはり飛行場でそういう英文、いろいろな言葉に変えたパンフレットをとにかく渡す。正式な旅行者だか何だかわかりませんから、必ず飛行場で手続をとって入るわけですから、その入り口で全部そういう指導をするということがあれば抜けがない。あるいは人権問題から国際問題にまで発展する、そういう可能性もありますので、ぜひ今おっしゃったように、いろいろを言葉でちゃんと日本の医療制度についてわかるようなパンフレットをつくって渡していただきたいと思うのですが、どうですか。
○黒木政府委員 先ほど申しましたように、職場であるいは市町村の役場の窓口で加入の手続等がとられるわけでありますから、そこでPRをするあるいは周知徹底する形をとっておりますけれども、空港であらゆる外国人が入ってこられる場合に、どういう形でPRなり、我が国の公的保険制度がどうなっているかという説明なり、PR仕様がどういうふうに整えられ、それがどういうふうに外国人と見て渡すことが可能か等々を含めまして、いろいろな問題があると思いますので、これは勉強させていただきたいという答弁で御勘弁いただきたいと思います。
○大畠分科員 終わります。
○戸井田主査 これにて大畠章宏君の質疑は終了いたしました。 次に、有川清次君。
○有川分科員 私は、高齢者対策についてお伺いをしたいと思います。 第一次産業である農林水産業が極めて衰退をしてまいりまして、若い人たちが大都会に流出し、地方の過疎化現象はなかなか改善されておりません。このために地方での高齢化社会は急速に進みまして、生活環境の変化は集落の維持さえも困難になるような深刻な状況も迎えておると思います。 こうした中で高齢者対策は、特に地方においては最近の最重要課題となっているのが現状でございますが、厚生省としてもこれらに対していろいろ対策を講じておられるところでございます。平成二年度を初年度として「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、ゴールドプランが推進されておりますが、平成四年度予算でも総事業費五千七百億円として、それぞれの分野で増員、増設が計画されているところです。 中身を言う必要もないと思いますが、在宅福祉関係でホームヘルパーが五千五百人、ショートステイで四千床、サービスセンターが八百五十カ所増。うち、小規模デイサービスセンターのD型と痴呆性老人向け毎日通所型のE型等も新設され、在宅介護センターも五百カ所増で、施設関係でも特老が一万床、老人保健施設二万二千床、ケアハウス五千人分、高齢者生活福祉センター四十カ所など、それぞれふやす予算が計上されております。 こうした在宅福祉中心の福祉政策、高齢化対策の場合に、国の負担軽減が目的化されたり、あるいはまた家族負担がふえかねない可能性が心配をされるわけです。また、地域格差や個人格差が拡大する可能性もあると思いますが、どうお考えになっておるのでしょうか。 さらにまた、特別養護老人ホーム以外は、実情に見合わない補助基準単価や非適正な職員配置基準の是正、ホームヘルパーの待遇改善、都市部における土地問題の解決などなされないままでありまして、予定どおりの増設ができるのかどうか極めて危ぶまれますが、見通しについてまず厚生大臣の御意見をお伺いしたいと思います。
○岡光政府委員 先生御指摘をいただきましたように、十カ年戦略で、平成四年度につきましては御指摘をいただいたような内容での計画を進めたいとしておるわけでございます。 これがより進みますように、例えばデイサービス事業につきましては運営費を引き上げる、それから御指摘もございましたが、今は十五名程度ということにしておりますが、八名程度でも利用できるような小規模なデイサービスセンターを設置するとか、あるいは痴呆性老人向けには、これは普通の場合には週一回でございますが、毎日利用できるようなものをつくるとか、こういう配慮をしたいと思っているわけでございます。 それからまたホームヘルパーにつきましても、手当額を大幅に改善をいたしまして、現実に支給をされておる手当の状況に見合うような補助基準に持っていきたいというふうに考えておりますと同時に、退職手当がございませんので、ぜひとも法律改正をお願いをして、常勤のヘルパーにつきまして退職手当が支給されるようなそういう制度の導入を図りたいというふうなことも考えております。 また、施設整備の観点では、特別養護老人ホームを中心にいたしまして整備を進めることにしておりますが、御指摘もありましたが、大都市部での立地促進のためには適切な配慮が必要だということで、特例の割り増しをして、単価をアップするというふうなことを考えようとしているわけでございます。 こういうふうなことを取り上げて進めようとしておるわけでございますが、御指摘もありましたように利用するサイドに今まで以上の負担がかかるというふうなことでは困りまして、むしろ公的なそういうサービスの中における国からの補助についての増大を中心に対応しようとしているわけでございますし、また、地方団体につきましては、交付税上における職員の増員であるとか施設整備の際の利子補給の措置とか、こういったようなことを考えておりまして、むしろ公的な対応でもってこういった仕事が進むようにということを考えておるわけであります。 また、民間のそういう動きを大いに発展をさせる必要があるということで、地域福祉基金であるとか地域福祉推進特別対策事業というふうなものを自治省の御協力をいただきながら設定をしておりまして、そういう動きも大いにバックアップしていこうというふうなことを考えているところでございます。
○有川分科員 待遇改善というのを非常に私心配をしておるわけであります。 今そうした退職手当などを含めて計画しておるということでございますが、ともあれ看護職員の確保と待遇改善については、看護職員の確保が十分に図られるかどうかということが今後の医療制度を左右すると言っても過言でないと思うのです。しかし、今日看護職、特に看護婦の不足が深刻になっておりまして、さらには、私のいるところも離島や僻地が多いわけでありますが、交代制勤務や夜勤あるいは過酷な労働条件という関係から、待遇改善がおくれまして、看護婦の皆さんの忍耐と献身性にまっておる、こういうことが今日まであったためになかなか解決をし切っていないというふうに思います。 そこで、今度実施される診療報酬引き上げですけれども、五%のうち二・六%が看護関連と言われております。これが待遇改善に直結するという制度的保証がないようですが、どのように考えられておるのか。直結するシステムに変える必要があると思いますが、お伺いをしたいと思います。また、診療報酬に依存している看護婦等の養成費については、国が責任を持ってもっと政府予算から支出するなどの措置を図る必要があると思いますけれども、ここら辺についての御見解をお伺いいたしたいと思います。
○黒木政府委員 まず、私の方から診療報酬関係についてお答えいたします。 御指摘のように、診療報酬は本来医療機関におきます使途を個別具体的に特定するものではございませんで、したがいまして、診療報酬上の措置が勤務条件にストレートに結びつくことを制度的に直接担保しているわけではないわけでございます。いわば保険診療を担当していただいたその見返りと申しますか、その対価としての報酬を保険医療機関に払っているわけでございます。したがって、何に使うべしというような規定もなければ強制もないわけでございます。 そういたしますと、じゃ、今回の看護開運として二・六%引き上げたけれどもどうなんだという御質問が当然出てくるわけでございます。私どもは今回の改定におきましてできるだけ工夫をいたしたつもりでございまして、今回の改定が看護関連に重点があるということの証左として、看護料という看護婦さんが病院で勤務される、入院患者のサービスに当たられます場合の料金、この看護料を二〇%という大幅な引き上げを図りまして、この趣旨がよくわかるようにこの形をとったということが第一点でございますし、第二点は、夜勤体制等実際の勤務条件に応じた加算を新設するなどによりまして、勤務条件を改善すれば診療報酬がプラスして加算されるというような形で、勤務条件の改善への誘導と申しますか、インセンティブが働くように配慮、工夫をいたしたところでございます。 さらにまた、改定の実施に際しましては、医師会その他関係者に今回の改定の趣旨を十分周知するように配慮してきているわけでございまして、最初に大臣の方から三師会の会長にも、こういう趣旨で改定するんだからということを申し入れいただいた等のことがあったわけでございますけれども、十分関係者に今回の趣旨を徹底して、その趣旨に沿った形での対応をお願いしたいと思っておるわけでございます。 こういうことによりまして、私どもとしては、看護職員の勤務条件の改善にこれがつながっていくはずである、また、そういうふうに努力をしていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○古市政府委員 看護婦養成所、看護婦学校に対する国庫補助の充実ということでございます。 これは非常に重要なことでございまして、私どもは、平成二年の予算でこの看護婦等養成所運営費補助金というものは四十四億円でございましたが、平成三年には六十二億円、さらに来年度予算では七十四億円と、いわゆる七割の大幅増加でこれにこたえていきたいと思うわけでございます。その中身といたしましては、各養成所の教員に対する補助金の単価アップ、さらには学生指導担当者経費等を新しく設ける等で充実を図っていきたいと思います。 さらに、施設の整備費といたしましては、これは医療施設と込みでございますが、医療施設等施設整備費等補助金によりまして、新しく来年度は生活関連重点化枠もいただきまして、四十四億円から七十八億円という額を確保して養成校の増設に対応したい、このように思っております。
○有川分科員 やってみなければわかもないところで、一応の体制をとられたところでございますが、その効果が出るように期待をして、次に移ります。 医療点数が長期入院になりますと低減されるシステムに今なっています。だんだん低減されていくわけですが、三カ月から六カ月を過ぎると、私の地域でも、いろいろな病院で高齢者の皆さんに退院を迫られるという現象がかなり起こっておるわけであります。若い者と違って高齢者は健康回復がおくれるという状況の中で、転院についてけ私たちにまた相談がある場合もあるわけですが、そういう中で、訪問看護制度によりまして在宅ケアの推進が図られるということは結構と思いま十けれども、このことが老人の病院追い出しに拍車をかけるようなことになる心配をしておるところですが、どのようにこれについてはお考えなのか、見解をお聞かせ願いたいと思います。
○岡光政府委員 このたび創設を考えております老人訪問看護制度は、決して真に入院医療が必至なお年寄りを病院から追い出すことを目的に考去ているものではございませんで、要するに、介塾を要するお年寄りができるだけ住みなれた自分のうち、それから地域社会で療養生活が送れるように、必要な看護婦さんを派遣して、そういう自宅での療養生活をバックアップしたいという趣旨でございます。 それから、前段で先生御指摘ございましたが、長期入院の是正の問題につきましては、やはり病院というのは病気の治療ということが主でございまして、身体的にはもう自分のうちに帰れるような状態になっているにもかかわらず病院での生活を余儀なくされている、これは要するに受け皿が整備されていないというわけでございまして、そういう意味では、必要な施設をつくって受け皿を整備するなりあるいは在宅での生活が可能になるように、在宅への福祉サービス、保健医療サービスを行うことによってそういう生活を確保したいというのが趣旨でございまして、必要な入院医療をはじき飛ばすというふうなことを考えているわけではございません。
○有川分科員 もちろんそういうことを考えてもらっては困るわけで、ただ、現実の問題として今までよくありますし、私も同僚の議員の皆さんにあなたの地域ではどうかといろいろ聞きますと、どなたも現実にそういう問題が起こっているというふうに言われるわけでありますから、治療が主ということはよくわかりますけれども、ぜひそういう意味で受け皿もつくりながら、老人の皆さんがたらい回しにされて大変苦痛を覚えるような、あるいは家族の者がそのために振り回されることのないように、特に要請をしておきたいと思います。 それからもう一つは、老人訪問看護の場合に、医療行為を伴う看護になる場合があると思います。当然医師の協力が必要となりますけれども、医師の協力確保について十分な対応ができるのか、医療行為まで看護婦任せの危険はないのか、その辺は命の問題にもかかわりますから非常に大事な問題だと思いますので、ちょっと御見解をお伺いしたいと思います。
○岡光政府委員 お医者さんとその訪問看護を行うスタッフとの間の情報交換というのは、ぜひとも確保しなければならないと思っております。 制度のシステムとしましても、まず主治医が老人訪問看護ステーションに指示をする、指示書を出すわけでございます。その訪問看護ステーションの看護婦さん等のスタッフは、このお年寄りにどういう看護をやったらいいかという看護計画をつくるわけでございます。そして、その行った看護の結果につきましてはまた主治医の方に報告をする。つまり、主治医とその訪問看護に従事するスタッフとの間で常に情報が行き交って、そして最もふさわしいサービスが展開されるようにというふうに考えておるわけでございまして、両者の連携関係はしっかりしたものでないといけないというふうに考えておるわけでございます。
○有川分科員 非常に大事なところでございまして、連携がきちっといくような今後の指導体制をつくっていただきたいと思います。 もう時間がないようですから、ちょっと飛ばして次に移ります。 母子福祉資金特別会計と寡婦福祉特別会計の統合についてであります。 双方の資金貸付金は種類や貸付条件がほぼ同一であるわけですが、特別会計になっている事務処理の簡素化と資金の効率的な運用を図る立場から、同一会計で処理できるような改正を求めている声が高まっておると思いますけれども、まずその辺についてはどのようにお考えでしょうか。
○土井政府委員 母子福祉資金と寡婦の福祉資金でございますが、それぞれ別々の特別会計で処理をいたしております。 お話しのとおり、若干寡婦の貸付資金につきましては剰余が生じているという状態が出ております。一方、母子の方は、母子世帯の増加といったような背景で、必要が大きいというようなことから、今先生御指摘のような要望が特に九州の方から強く出ているように伺っております。 私どもといたしましては、両会計ができないろんな経緯等もございますので、関係団体あるいは地方公共団体の意見をよく聞きながら、今後の問題として検討してまいりたいと考えておるところでございます。
○有川分科員 次に、精神薄弱者の高齢化が進みつつあるわけですが、平成元年十月現在の統計を見てみますと、更生施設の入所者あるいは適所者などを加えまして、五十歳から五十九歳の該当される方が七千七百五十八人、六十歳から六十九歳までに該当される方が千七百七十人、七十歳以上の方が百四十七人、このようになっております。老人性の諸症状が今後出た場合に、安心してこれに対応できる施設は現在ないというふうに伺っておりますが、そのとおりでしょうか。 精神薄弱者の場合に、一般の人よりも大体十年ぐらいは高齢に見えるほどのハンディーがあって、体が自由に動かず、機能も落ちるのが実態だということをこうした施設などの方にお伺いもするわけでありますが、こうした場合に、一般の特別養護老人施設以上の特別な介護人を含む対応が求められることになる状況だ、こういうふうに現在更生施設で実際に携わっている人たちの意見も聞きます。 施設の内容についても研究が必要と思われますけれども、こうした精神薄弱者を持つ親の皆さんも、自分自身も高齢化が来まして子供の将来について非常に心配をされ、この子の将来を考えると死ぬに死ねないというような言い方をされる方もたくさんあるという現状でございます。よって、現在の更生施設等への特老の併設など、検討を急がなければならない時期に来ていると思いますが、この辺についての考え方をお伺いしたいと思います。
○土井政府委員 お話にございましたとおり、精神薄弱者の方々の高齢化というのは、これは年を追うごとに進展していくと考えております。私どももこのような方々の処遇のあり方につきまして、例えば平成元年度でございますけれども、精神薄弱者等の中高齢化と処遇のあり方といったようなものを特別に心身障害者研究の中でテーマとして取り上げまして、いろいろ専門家の方々に御検討もいただいておるところでございます。 今日までの考え方でございますけれども、環境変化を避けるというような観点から、精神薄弱者施設への継続入所の方が望ましいという考え方が一つ出されております。それからもう一つは、一般の高齢者と同じように、ノーマライゼーションというとちょっと言葉が正確じゃございませんが、老人ホームヘの入所が望ましい、そういった御意見も出されております。いろいろな御意見が出ておりますけれども、現在のところ関係者の間で、こうすべきだという考え方の一致はまだ見ていないというふうに伺っているところでございます。 ただ、現実に、入所者の高齢化等によりまして、障害の程度も重くなるというような状況もございますので、お話がありました精神薄弱者の更生施設におきましては、運営費の加算措置というような形で、それに見合う必要な予算措置というものは上乗せして講じているというのが今日の状況でございます。 今後、いろいろ専門家の検討状況等も踏まえながら、私どももどういうふうにしたらいいのか、勉強してまいりたいと思っております。
○有川分科員 いろいろ加算をしてやられておるということですが、現場の声としては、特老程度ではどうにもならない。そういう意味で、大変な御苦労があるようでございますので、今検討されておるということですが、先ほど申し上げましたような親の気持ち、私も友人に何人かそういう人たちがおりまして、非常に苦労をして心配をされておるという状況もありますので、ぜひ早い機会に、将来自分の子供はこうなる、安心していいんだという道しるべができるように、特段の御研究をお願いを申し上げておきたいと思います。 ちょっと時間を間違えましてごめんなさい。これで終わります。
○戸井田主査 これにて有川清次君の質疑は終了いたしました。 次に、川島實君。
○川島分科員 私は、既に通告をいたしております健康保険法改正案及び「高齢者保健福祉推進十か年戦略」等、福祉と医療対策についてお尋ねをいたします。 政府は、景気変動等に対して政府管掌健康保険の一層の安定化を図るためとして、保険財政の収支の中期的均衡を確保する、また、中期的な健康保険の保険料率の制定、事業運営安定資金の設置などを理由として、国庫補助率の引き下げを予定しておりますが、まことにもって厚かましいというか、けしからぬというか、高齢化時代を迎えて、今後ますます高齢者の増や医療費の増が十分予測される中で一方的に引き下げるということは、福祉の後退姿勢とも受けとめざるを得ないと思います。 今回の国庫補助率の引き下げは暫定的なものと言っておりますけれども、いっ国庫補助率をもとに戻すのか、まずお尋ねをいたしたいと思います。
○黒木政府委員 今回の政管健保の国庫補助率の引き下げでございますけれども、御案内のように毎年三千五百億余の黒字を出しておりまして、積立金も一兆四千億に達しておるわけでございます。こういう中で、今後の政管運営につきまして、私どもは、保険料をどういうふうに平準的に設定するのかということを中心といたしました中期的な財政運営にこの際改めようというふうに考えたわけでございます。 その際、保険料と国庫補助をあわせて調整することにいたしたわけでございますけれども、国庫補助につきましては、御指摘のように暫定措置である、そして、それを引き下げても、先ほど申しましたような財政状況でございますから、政管健保は五年程度を見通しても安定的に運営ができるということ、さらに、この引き下げ率によります一般会計の負担減分につきましては、今大事な看護婦さんの処遇改善を中心とした診療報酬改定に充てること等々のことから、関係審議会等含めまして、やむを得ない措置という御判断をいただいて今国会に提出をいたし、先ほども厚生委員会で御審議をいただいた上で、衆議院厚生委員会としては可決していただいたわけでございます。 その際、お尋ねの、今回の国庫補助の引き下げをいっ戻すのかということでございますけれども、この法案の衆議院厚生委員会の可決に対しまして、国会として検討条項が加えられまして、「政府は、この法律の施行後、政府の管掌する健康保険事業の中期的財政運営の状況等を勘案し、必要があると認めるときは、新健保法附則第十二条の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずる」という検討規定がついたわけでございまして、私どもは、この検討の趣旨を体しながら運営に当たってまいりたいと思っております。
○川島分科員 今補助率の引き下げ理由をお伺いをいたしましたけれども、大臣にちょっと御所見をお伺いしたいと思いますが、政府管掌健康保険が当時黒字だったものが赤字になったのは、一つ大きな理由が老人健保の負担率の割合ですね。これが非常におもしになって赤字に転落をし、そして料金の値上げにはね返ったわけです。今回、医療の伸び率が少ないとか、今までの保険料の値上げ率が上がってたまたま財政が残ったからといって、補助率を下げるというのは福祉の後退ですよ。なぜお金があるのなら、それを借りるという形をとらないのですか。それなら我々も理解ができますけれども、きちっとした国庫補助が――それでなくともこれから大いに上げてもらって、いろいろな福祉の充実を図らなければならない、そういう時代に来ておるのに、このことはまさに時代に逆行するという受けとめ方しか我々にはできないわけでございまして、この点について、今後の給付改善寺含めまして、大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。
○山下国務大臣 今保険局長からも御説明申し上げましたように、今後の情勢いかんによっては、これは変更し得るという一つの弾力規定も入っておるわけでございますが、いずれにいたしましても、かなり財政的に情勢が変化してまいりましたので、ここで料率を下げるということよりも、これは一つの調整費と申しましょうか、先ほど申し上げた弾力規定が入っておりますから、当分の間ではございません、大体改正の率でいくわけでございますけれども、しかし、情勢の変化によってはこれは変更することができるという弾力条項が入っておりますので、したがって、私どもとしては一つの調整という意味においてこのようにさせていただきたいと思います。
○川島分科員 私は、大臣の答弁も不満でございます。一応料率を下げるということは、政府の福祉に対する姿勢が後退をしたと受けとめざるを得ない。お金があるのですから、借りればいいのですよ、借りればすぐ返せるのですから。そういうことをしないということは、この率が将来にわたってこのままで続行の可能性があるからという一つの見方をせざるを得ないと思うわけでございまして、ひとつできるだけ早急にもとに戻すように要望をしておきたいと思います。 次に、我が国は平均寿命八十年という世界最長寿国となっております。二十一世紀には国民の約四人に一人が六十五歳以上の高齢化時代を迎えることになります。政府はこのことを受けとめまして、国民が健康で生きがいを持ち、安心して生涯暮らせるような明るい活力のある長寿・福祉社会の建設に向けて、いろいろな施策を平成二年度からスタートをいたしております。 これを受けて、知立市では地域福祉の推進拠点として地域福祉センターの設計図も完成させて、この建設に向けて整備促進を当局にお願いをしておるところでございますが、これらの建設に向けてどのように対応されておるか、お伺いをしておきたいと思います。
○末次政府委員 ただいま御質問の地域福祉センター、これは地域におきます福祉活動の拠点として、地域住民の福祉増進、福祉意識の高揚を図るということを目的といたしまして、平成二年度から社会福祉施設の一つとして順次整備を図ってきたところでございます。 平成四年度の地域福祉センターの整備につきましては、今後、各都道府県とそれぞれ個別に協議をいたすことにいたしておりまして、それぞれ地元の実情をお聞きいたしまして、検討を進めていきたいと考えております。
○川島分科員 この福祉施設の整備に一千億が用意されておると言われておりますけれども、この中で、私が今具体的に知立市の問題を指摘をいたしましたけれども、この建設可能性というか配分される要素というのはあるのかないのか、はっきり答えていただきたいと思います。
○末次政府委員 社会福祉施設整備費といたしまして九百五十億計上したわけでございます。それで、社会福祉施設整備費につきましては、予算の段階では総枠として計上いたしまして、個々の箇所づけは予算が成立いたしました後に、各都道府県の御意見を伺いながら、協議を受けながら箇所づけをしていく、そういうシステムをとっております。 具体的な話につきましては、まだこれからということでございますが、内容を審査いたしまして、適切な内容であるということであれば、これは対応をしたいというふうに考えております。
○川島分科員 次に移ります。 愛知県におきましては、二十一世紀の高齢化社会に対応するために、国立長寿科学研究医療センターの整備促進を図りたいということで努力をいたしております。長寿科学に関する基礎分野から、予防法、治療法の開発、看護・介護分野、さらに社会科学分野までの総合的なプロジェクト研究を推進するといたしておりますけれども、国立長寿科学研究センター設置プロジェクトの進捗状況及び完成の目標年次は一体いつになるのか、お尋ねをいたしておきます。また、周辺整備の関係をも含めてお伺いをしておきたいと思います。
○大西政府委員 お答えを申し上げます。 「高齢者保健福祉推進十か年戦略」の中にも掲げてございます国立長寿科学研究センターの構想につきましては、愛知県大府市の国立療養所中部病院に長寿科学医療等を推進するための中核的、総合的な機関を整備するということで、平成四年度予算案におきまして五億九千万円を計上しておるところでございます。 平成四年度におきましては、実施設計というものをさせていただくとともに、施設の整備にも着手をいたしたいと考えております。平成七年度の運営開始を予定しておるところでございます。 それから、周辺整備との関係についてお尋ねでございましたが、御承知のように、愛知県におきましては、周辺の大府市それから東浦町にまたがる約百ヘクタールの地域に「あいち健康の森」というものを整備することで事業を進めておられましていそこでモデル的な老人保健施設でありますとか健康科学教育館等の整備も推進するというふうに伺っております。私どもも、これらの施設との間に十分連絡、協力関係をとりながら、相互にその利益が得られるような、連携を十分保った形の推進を図るようにいたしたいと思っております。 失礼しました。先ほど五億九千万円と申しましたが、五億九百万計上いたしてございます。
○川島分科員 高齢化時代を迎えて、国もゴールド十カ年戦略の一つの大きな柱にしておりますので、地域もこれを受けて一生懸命頑張っておる。このことを受けて、ひとつ十分な対応をしていただきたいと要望をしておきたいと思います。 次に、福祉推進十カ年計画が平成二年にスタートして、既に二年を経過いたしております。私ども地域でいろいろ見ておりますと、市町村の老人保健福祉計画の制定は非常におくれているような気がしてならないわけでございます。当局にお伺いしますと、平成五年度までに取り組みをしていただければいい、こういうことであるようでございますけれども、計画設定の長さが四年という設定でございまして、それなのに余りに長過ぎて、きちっとした対応がなされてないような気がしてならないわけでございますが、それらの現状がどのようになっておるのか。 さらにまた、各市町村が計画を設定した後、十カ年のうちですから、残された六カ年でその目標を達成することができるのかどうか、それらのチェックシステムがどのようになっておるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○岡光政府委員 御指摘ございましたように、市町村なり都道府県の老人保健福祉計画は平成五年四月につくってもらう、こういうことにしておりますが、こういうふうな計画につきましては全国市町村においては初めてでございまして、そういう意味では一定の準備期間が必要だというふうに考えておりますので、平成五年ということにしたわけでございます。 現在どういう準備をしておるかということでございますが、平成二年度にモデル調査をいたしまして、計画をつくる際の基本的な考え方を取りまとめたところでございます。それから三年度には、こういった調査の実績を踏まえながら、どのような格好で計画をつくっていったらいいのか、例えば市町村管内においでの寝たきり老人というのはどういうふうに把握をしていけばいいのか、将来の人口がどういうふうに展開をしていくのだろうか、こういうふうなことにつきまして、やはり各市町村に即したような形でそのような方向性が、基礎データが得られないと計画がつくれませんので、そのようなものを整備をしながら、計画をつくる際のガイドラインをつくっていきたい。そういうものを示しながら、市町村や都道府県の意見も聞きながら、計画づくりというのはどんなふうにしたらいいのだろうかということを現在進めております。 そして、平成四年度には、そういった検討結果を踏まえながらガイドラインをつくる、そして計画をつくる際のマニュアルをつくりまして、かつ地方公共団体では管内の調査をしていただこう、こういうことをやりまして、平成五年度に計画をつくってもらおう、こういう手順にしているわけでございます。 手順はそのようなことにしておりますが、考え方としましては、ホームヘルパーとかデイサービスとか特別養護老人ホームの整備等につきましては、既に進められているところでございまして、五年度に計画をつくるにいたしましても、平成四年度までの整備水準をベースにいたしまして、そして管内の人口変動などを頭に置きながら、どういうサービスがその市町村において必要なのかということを十分把握をしていただいて計画をつくってもらおう。そのことは、要するに国で考えております十カ年戦略と整合性がとれるものだ、決して五年度からの計画の策定ということが十カ年戦略の推進の支障にはならないだろう、むしろそれは進めるものだというふうに持っていきたいと考えておるわけでございます。
○川島分科員 今お話をお聞きをしたそのことは、私はそれで正しいと思うのです。 ただ問題は、一度に三千三百余の市町村がたっと来て、どこの市町村の何が足らぬで、何ができ上がっているかというデータの蓄積も何も今本庁にはありませんわね。きちっといろいろなデータがあって、コンピューターに入れられて、どういう市町村が来てもぱっと出せば、そこが、何が赤ランプがついていて何が黄色で何が青だということが全部一日わかるような体制が整っておればい私は何も言いませんよ。指導のあり方やいろいろなことを言われましたけれども、やるという、このことは正しいと思いますけれども、それを伝えていくのに県を通し、市を通し、町村までおりていくとだんだん薄れて、あなた方の考え方が下まで行ってないという要素が非常に多いわけでございまして、その辺の対策をひとつ十分これからおとりいただくように要望をしておきたいと思います。 次に、この十カ年戦略のうちの在宅福祉対策の緊急目標として、政府はホームヘルパー十万人、ショートステイ五万床、デイサービスセンター一万カ所、在宅介護支援センター一万カ所等を普及させ、住みよい福祉のまちづくり事業を行うとしておりますけれども、今日までの実績だとか今後のいろいろな方策についてまずお尋ねをいたしておきたいと思います。あわせて、重要なもう一つの柱のマンパワーの確保の状況等についても、同じようにお聞かせをいただきたいと思います。
○岡光政府委員 まず、在宅福祉対策の進捗状況でございますが、平成二年度の計画と実績について御説明申し上げます。 平成二年度におきまして、ホームヘルパーは、予算上三万五千九百五人を予定をしておりましたが、実績は三万八千九百四十五人でございます。それからデイサービスにつきましては、予算上は千七百八十カ所予定をしておりましたが、実績は千六百十五カ所、ショートステイにつきましては、予算上八千六百七十四床でございますが、実績は九千六百七十六床でございます。それから在宅介護支援センターにつきましては、予算上三百カ所の予定のところ、百六十三カ所という状況になっております。
○大西政府委員 マンパワーの実績につきましては、ホームヘルパーについては既にお答えを申し上げたところですが、御存じのようにゴールドプランというものを平成二年度をベースにつくらせていただきまして、その十年間の目標といたしまして、ホームヘルパーは約七万人、寮母・介護職員を約十一万人、看護職員を約五万人確保すべくスタートして、今二年目の途中にあるわけでございます。それぞれの職種についての実績というのはちょっと今手元にございませんが、もし必要であれば、時点を切りましてまた後でお届けするということで、御了解いただきたいと思います。 いずれにしましても、このマンパワー確保は今後の私どもの非常に重要な課題でございますし、とりあえず平成四年度予算におきまして、各職種につきまして、勤務条件の改善でありますとか養成力の強化、就業の促進、社会的評価の向上といったことを総合的に進める必要があるという観点に立ちまして、予算面それから融資等、また税の面も含めまして各般にわたる対策を進めよう、こういうことにしております。 また、そういう対策の裏打ちといいますかベースとなるべく、保健医療・福祉マンパワー対策の基盤としての看護婦等の人材確保の促進に関する法律案、それから福祉関係につきましては、社会福祉事業法及び社会福祉施設職員退職手当共済法の一部を改正する法律案というものを上程をさせていただいております。これをベースに、また各年実績を踏まえながら、ゴールドプランというものをその年度年度でじっくり実態と照らし合わせながら、確実に進めるというスタンスで、今後息の長い取り組みが必要だと思っておりますし、そういう方向でこの計画を着実に実行できるように、法律をベースにしながらやってまいりたいというふうに考えておるわけでございます。
○川島分科員 私は、今回のこの福祉推進の十カ年戦略プランというのは、高齢化時代をずっと迎えて、この計画を実施をして初めてようやく福祉水準が緩やかな形で保たれる、これがもしこけたら福祉の後退だという受けとめ方を実はしているわけです。名前はゴールド十カ年なんていい名前がついていますけれども、中身は高齢化の人たちの増を迎えて、医療や福祉を後退させないための計画だという受けとめ方をしておるわけです。 だから、そういう意味で、今お話をいただいた今日のこういう実績で、皆さんが計画をしている十カ年のうちで達成できると自信を持って言えますかどうか、それをきちっとお聞かせをいただきたいと思います。
○大西政府委員 大変に重い課題であると思っておりますけれども、先生も御指摘のように、このプランに掲げました目標というのは、二十一世紀の超高齢化社会へのかけ橋でございますし、将来に備えるためにぜひとも実現しなければならぬまさに基盤整備の部分であるというふうに認識しておりますので、大変難しいとは思いますが、ぜひとも実現をしたいという意気込みで取り組んでまいりたいと思っております。
○川島分科員 次に、この十カ年戦略の総事業規模は約六兆円強の大型プロジェクト、こう言われているわけです。平成二年度が総事業費で約三千億円、平成三年度が四千二百億円、平成四年度は五千七百億、こう言われているわけでございますけれども、政府はこういう状況の中でも、将来にわたり国民負担率を五〇%以内にとめたいということで数年前から言われておるわけでございますが、高齢化が一段と進む中でこれを達成することができるかどうか。この辺の決意について、大臣がお答えできれば大臣からお答えいただきたいと思います。
○山下国務大臣 今後、高齢化の進展等に伴いまして社会保障開運の費用が増加していくことから、国民負担率も長期的には上昇することは避けられないことだと承知をいたしております。 いずれにいたしましても、社会保障につきましては、今後の高齢社会において、すべての国民が健康で生きがいと喜びを持って過ごすことのできるような水準を確保していく必要があります。また、その際、これを実現していくための国民の負担については、政府全体の歳出の合理化ともあわせまして、経済の発展、社会の活力を損なわない程度にとどめるということがこれまた必要かと存じております。 第二次行革審の答申の目標であります二〇二〇年ころにおきましても国民負担率五〇%を下回るものとすることは、容易ではない課題だと考えておりますけれども、活力ある長寿・福祉社会を形成していくために、その趣旨を踏まえて今後とも努力をしてまいりたいと思っております。
○川島分科員 最後に、政府は長寿社会福祉基金ということで七百億積み立てを行っておると思っております。そこから生み出す果実でいろいろな福祉対策を充実していくということで最初スタートをいたしておりますので、平成四年度で幾らこれを予定しておるのか。今日金利がだんだん低下をいたしておりますが、これらの対応が十分なされて福祉に生かして使われておるかどうかをお伺いしておきたいと思います。
○末次政府委員 御指摘の基金、これは六十三年度と平成元年度補正予算におきまして、社会福祉・医療事業団に出資金として七百億の基金を積みまして、その運用益により実施いたしております。運用益でございますから、各年度の事業規模というのは当然金融情勢等によって変わってくるものでございますが、この運用益そのものの使途、これにつきましては、高齢者、障害者の総合的在宅福祉事業の支援あるいは健康づくり、こういった広範な目的に使われております。 そういう趣旨から申しまして、できるだけ運用益を上げまして、事業規模を維持したいわけでございますが、何分直近の金利情勢、これに左右されることは現実問題として当然でございまして、平成四年度事業につきましても、できるだけこの趣旨が生かせるように対象事業につきまして精選をいたしまして、設置の目的が生かせるように努力をいたしたいというふうに考えております。 具体的な金利のあり方につきましては、現下の情勢を見ながら現在検討を進めている段階でございます。
○川島分科員 時間がございませんが、最後に要望しておきますけれども、非常に多額な金額で、その基金から生み出される果実の利用を待ち焦がれている人が非常に多いわけでございますので、ひとつあらゆる角度から安全な、そして高い金利の運用を心から検討していただくことを望みまして、終了させていただきたいと思います。 ありがとうございました。
○戸井田主査 これにて川島實君の質疑は終了いたしました。 次回は、明十二日木曜日午前九時から開会し、引き続き厚生省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後八時六分散会