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123回国会衆議院1992/03/12

予算委員会第三分科会 第2号

発言数
344
登壇者
33
会派数
5
開催日
1992/03/12

会議録

北川正恭自由民主党

○北川(正)主査代理 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。  主査所用のため、その指名により私が主査の職務を行います。  平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算及び平成四年度政府関係機関予算中文部省所管について、昨日に引き続き質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沢田広君。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 おはようございます。  皆さんもすがすがしい気持ちできょうは出てこられたと思いますから、それだけまた張り切ってやりますが、お答えの方もひとつ国民のために一歩前進できますよう、お願いいたします。  大臣はもともと文部一家の後継者でありまして、日本の文部をこれまた背負って立つような気概と抱負を持っておられるのだろうと思うのであります。そういう意味で、二、三お伺いをし、また善処をしていただきたいと思っております。  一つは、今の幼児といいますか、二歳、五歳、六歳あるいはまた小学校三年生ぐらいまでの子供たちに非常に骨折が多いということであります。いわゆる骨が弱いと一口に言っているわけでありますが、成長してくれば幾らか違うのかわかりませんけれども、ちょっと倒れても骨を折るというような傾向なしといたしません。栄養学的に見れば、いろいろとまたカルシウムが足りないとかあるいは母乳が足りないとか、そういうことになるのかもわかりませんが、大臣ばどういう見解を持っておられるのか、そしてまたそういうものについては何らか検討させようとする意思があるのかどうか、その辺だけちょっとお聞かせいただきたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 先生のただいまの問題につきましては、事前レクを受けてまいりませんでしたので資料がありませんが、ただ、私の率直な思いから申し上げれば、先生方の年齢といっては大変失礼な言い方かもしれませんが、大変長寿日本になってまいりましたし、それは例えば戦中に育てられた方々は栄養がとかいうような話もあるわけですが、しかし恐らく戦中派の方々も大変な長寿を享受されるだろう。それに対して我々戦後生まれ、あるいは団塊の世代のそのまた下の子団塊の世代と言われる今の青年たちが、本当に長寿であり得るかというと、かなり疑問符をつけざるを得ないというようなこともよく言われております。  私は、生活様式と、そしてやはり食べている食べ物というものに関しては非常に心配をしておりまして、例えば野菜一つとりましても、同じ立派な野菜であっても、もう畑が焼けるほど化学肥料が使われ続けて、そして農薬が使われ続けて、そういう中で収穫される野菜というものと、いわゆる自然農法というのか、昔の味というものには相当な差があるというふうに思っておりますし、現に私は自分の庭の隅でささやかに農業を営んでおりまして、例えばホウレンソウなど、無農薬、無肥料でつくりますと、サンドイッチに何枚挟んで食べてもばりばり食べられるわけですが、やはり化学肥料と農薬づけのホウレンソウでございますと、いわゆるえぐいというのか、何か生で食べたくないという雰囲気が出てまいる。  そういうようなことから考えまして、当然先生御指摘のようにカルシウムの摂取量も減っているわけでありましょう。また、生活様式も変わって、昔の方に比べれば、お子さんを比較しても、歩いたり走ったりする、スポーツの単純な運動能力というのは高くなっているかもしれませんが、実際に山を登る、丘を登る、そういうような運動量というのははるかに減っているだろう。  したがって、栄養とか生活習慣とかというようなことがお子さんたちの体を大いに傷つけている可能性がある。小児成人病に関する質問もきょうはおありだと思いますが、そういうようなこともその辺に原因があるのではないかと思うときに、これは世代的に見て非常に弱い世代が将来でき上がっていくおそれを禁じ得ないとするならば、大変大きな問題と認識し、これはもちろん、お子さんの問題ですから教育の一環の問題ととらえて、これから勉強していきたいと思っております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 二十一世紀を支えていただくこれらの若い人々がチャレンジ精神も旺盛でまた頑健でそして日本の将来を背負って立つ、そういう意味においても、遺伝はつながっていくわけでありますから、弱いときの子供ができれば、隔世遺伝にならざる限りまた弱い子になっていくわけでありまして、その点は慎重に今御検討をいただいて、厚生省を含めまして抜本的な対応をしていただくようにお願いをしておきたいと思います。  続いて、これも私は法務でやろうと思っていたのでありますが、法務委員になっていますから後でまた基本的にやりますが、今の判決が、プールの中、校内校外等の判決で管理者の責任が非常に問われている。学校内においても管理者の責任だ。奉仕活動においてすら管理者の責任が問われている。  この間は、精神薄弱児の方がプールの中で死亡して、判決が出ましたね。この判決がいいか悪いかの問題は一応おきまして、こういう傾向というものは、面倒見ていこうとか、自分の経験を生かして教育なり体験を子供たちに与えよう、あるいは障害者に与えよう、そういう言うならば愛情というかそういうものを持ちながら活動していただいている方々が飛び出しにくくなる。関連して何かあったらならば損害賠償を請求する、社会的な責任も何か問われるような形になる。あんな余計なことをしているからとんでもないこと起きた。我々もボーイスカウトとかなんかに関係していますが、そこまでやっては行き過ぎるかな、これやって大変なことになってはかなわぬな、そういうふうな消極的な世相といいますか、そういうものをつくっていく懸念なしとしないですね。  ですから、この点をどういうふうに、法律をつくってある程度の補償体制をつくるとか、そういう人たちに対して大きな負担なり犠牲を負わせることのないように、ただ特に悪かったというんなら別なんでありますが、善良な管理者としてやっておってそういうふうな賠償請求を受ける、こういう形になりますと、日本の活性化がなくなってくる、こういうことにつながると思うのであります。  これも大臣、突然かもわかりませんが、見解といいますか、どういう考え方でこういうものに臨んでいこうとするのか。これは哲学ですから、具体的にこの部分はどうだったとか、プールの中のこれがこうだったとか、学校で鉄棒からおっこったからどうだとか、こういう問題ではなくて、全体的な日本の世相の中に、社会的な奉仕あるいはそういう鍛練というものについての一つの方向を見出していかなくちゃならぬ、そういう時期に直面している、こういうふうに思いますので、これは政府委員でも結構ですが、お答えいただきたいと思います。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 形式的な、今のそういう事故が起きた場合の仕組みだけを私の方から御説明いたしまして、あとは大臣のお考えを述べていただきたいと思っております。  まず最初に、通常、学校の教育活動の一環として事故が生じた場合には、児童の方の補償の問題でありますが、これは日本体育・学校健康センターという特殊法人で補償ができるようになっておりますし、それからそうではなくて社会教育活動でスポーツ、運動や何かをした場合に、指導者がちゃんとついていたにもかかわらず事故を起こした場合はどうなのかというのは、これは今財団法人スポーツ安全協会というものがございまして、そこで低廉な掛金で補償ができるような仕組みになっております。  それから、先生が今御指摘になりました問題は、例えばプールの管理や何かで、プールの指導をしているときに事故が起きたときに、先般一億円の補償というのが出ておりました。国家賠償法に基づく補償でございますが、教育活動も国家権方の一形態だというのが最近の確立された判例でございまして、教育活動に伴うそういう事故も、本人に過失があった場合には当然、地方公共団体なり国が賠償の責めを負うという形式になっておりますが、その場合にも過失責任主義でございまして、過失がない場合には国なり地方公共団体が責任を負わないという形には法律上なっております。ただ、先生御指摘のとおり、かなり広く無過失に近いような形のものまで地方公共団体なり国なりに賠償を求めるというような判決がややふえてきているのじゃないかという感じも私どもいたしております。  そういう点で私ども、指導としては十分過失のないように注意して、それでも万やむを得ず事故が起きた場合には、これはもう不可抗力であるのだから、積極的にいろいろスポーツ活動や何かの指導をお願いしたいというふうに言ってはおりますが、今言ったような判例の動きの中で、先生御指摘のとおり、先生方がややシュリンクする、指導に対してちゅうちょする、消極的になるという傾向があることは事実だと思っております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 それで、今言っている過失、無過失、あるいは善良な管理者としての義務の範囲。プールなどの場合でもそうですが、あるいは子供を預かって野球をやっている場合もそうでありますが、何人までが注意義務の限界なのかということが、どの場合には何人というものがない。通常、保育なんかでいえば六人までが一保育、まさか子供の保育の定員を見ているわけでもないだろうと思うのですね、乳幼児になれば三人ということになるわけですから。それがもし間違っているということになれば、これは基本的な法の、裁判との争いというか、法律を別につくっていかなければならぬということになるわけです。  これはやはり文部省としても、それでは皆さんが遅疑逡巡してしまいますから、結果的には三十五人学級が叫ばれているのもそのゆえなのかもしれませんが、とにかくある程度の管理者の限界というものを見出して、この程度までは立派に法制と太刀打ちできるというものをつくっていかなければならぬ、そういうスタンダードをつくらなければならぬというふうに思うのです。  私の言うのは校内だけじゃないのですよ。福祉活動においてもやはりそういうもの、通常ならばこの程度は十分管理し得る範囲内にあるというものを——これは皆さんもそうなんです。皆さんも通常な管理義務というものを持っているわけですから、部下がけがをしても何しても、その範囲内であれば皆さんの責任はある、範囲外であればそれは個人の責任である、そういうものがおのずからあるわけですから。そういうものが、今判決で見ると崩されていっているみたいな感じもしなくはありません。それに対応するには、やはり社会常識的な一つのルールを法律的に整備していくということ以外に守る道はないのじゃないかというふうに思います。  これは大臣には答えというよりも、そういうものを検討してもらって、審議会なりそういうものをつくりながら、これからの社会福祉にあるいはそういう校外活動にどういうルールをつくっていったらいいか、みんなが引っ込み思案にならないで積極的に取り組んでもらえるためにはどうしたらいいかということをひとつ検討していただきたい、こういうふうに思いますが、いかがですか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 先生御指摘のような事柄が現にいろいろあろうかと思いますし、具体的な事例等もお教えいただければありがたいと思っておりますが、要は、心の豊かさを求める時代でなければいけない、心の豊かさを実現できる教育でなければいけないと繰り返し申し上げますのも、国民が権利意識ばかり高まるような精神構造になって、何かあれば人の責任は追及する、自分の権利は主張する、しかし人がどういうふうにやってくれているかは余り考えようとしない、そういういわば決して豊かでない心情をみんなが持つようになれば、今先生がおっしゃったような問題はより一層色濃く出てくるであろう、私は今そんなことを考えているわけであります。  具体的な事例に基づいて文部省として検討をしなければならない点もまたあろうかと思いますが、主にこの現代社会の中でいわゆるコミュニティーとか、あるいはゲマインシャフトと言うのでありましょうか、そういうものが崩れていく過程の中で、人を責めるばかりで、みずからを主張するばかりで、先ほどから先生が繰り返しておっしゃっておられる人の善意というものを見ようとしない、見えなくなってしまう、そういう人間が出てきているとするならば、これは日本人全体の精神構造の問題として大課題、こうしたことの克服、心の豊かな時代をつくり上げるという意味で大課題だと思っております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 それから、定時制の問題に今度入ります。  定時制は今四年制でやっておりますが、だんだん子供も減ってきているという現状であります。減ってくる理由にはいろいろありますし、どんなに貧しくても高校だけは上げてやろう、親がそういう善意の努力をしていることも事実だと思うのです。しかし一方では、やはり人間の成長の中にはおくてもあればわせもある、こういうことだと思うのでありまして、後では随分伸びますけれども、初めは伸びなかったという例もあるわけであります。  私は結婚式などに行きましても、私の卒業年次は言わないでくださいなんて結婚される方が言うわけです。何でだと言うと、四年制だから、どこを出ても四年の年限で卒業年次を述べる。結婚式で経歴を言うのもよしあしだろうと思うのでありますが、これからが問題なので、過去が問われるのではないだろうと思っています。  しかし、定時制というのは三年というので、審議会もわざわざ三年という制度を出したわけです。それが実行に移らないということは極めて遺憾でありまして、これは定員だとかそういうものの影響もあるかもわかりませんが、今カセットもあるしビデオもあるのですから、そういうものの予算措置を考えることによって、来られなかった子供たちに対して、体育とかスキンシップとかいうものは若干別かもわかりませんが、それ以外はそういうもので十分代行できるわけです。ぜひ三年にやって、これからの厳しい社会の中で学ぼうとしている子供たちが、四年というのはどう考えても今の近代社会では長過ぎますよ、だから三年制にして、そういう余暇の利用の中にも十分効果を上げられる措置を講じて対応してほしい、こういうふうに思います。  この審議会の答申があっても各県はちっとも進んでいない、極めて遺憾なことだと思いますので、その点どの程度推進できるか、ひとつ展望を明らかにしていただきたい。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 先生御指摘のとおりに、定時制・通信制高校の修業年限につきましては、審議会の御提言もこれあり、定時制教育の多様化、弾力化を図るために、昭和六十三年に学校教育法を改正いたしまして、定時制は「四年以上とする。」というのを「三年以上とする。」というふうに改めたわけでございます。したがって法律上は、今先生も御指摘のとおり、現在設置者、学校を設置している教育委員会がその気になれば三年にできるという仕組みになっております。現実に、現在定時制高校というのが九百七十六校ございますが、そのうち百十一校が三年制の定時制高校になっております。  ただ、定時制高校も高等学校でございますので、八十単位以上という必修、最低ミニマムの単位数が決定されておりますが、大体定時制は毎日四時間ぐらいが普通でございます。五時から九時ぐらいまでの授業が普通でございまして、毎日四時間くらいですとなかなか三年間で八十単位がクリアできないというのもこれまた現実でございますので、そういう定時制高校で三年制をとっておる学校は通信制と併修させておる。ある意味ではカセットやなんかと同じなのですが、通信制教育も片っ方で受けさせて、通信制教育で単位を取ったものもこちらの単位としてカウントする。あるいは職業科目、職業学科の中では、職業系の技能連携として、仮に昼間職業系の専修学校に行っているといたしますと、職業系の専修学校の単位も高等学校の単位として認定するという仕組みも利用しております。  それから、先生御承知のとおりに、中学を卒業して高校を出なかった人が大学に入りたいという場合に大検という、大学入学資格検定試験というのがございますが、この大検で仮に英語の科目が合格した、あるいは社会の日本史が合格したという場合にはそれも単位として認定する。いろいろな工夫をして三年で卒業させるような工夫をしているところでございます。  ただ、ビデオ、カセットテープそのものを授業として認定するというのも、定時制にしても全日制にしても、原則として高校というものは実際に授業を先生が行うという仕組みの中でやっておるものですから、そういう場合には、そういうビデオとかカセットはむしろ学校が、先生方が生徒に与えて、場合によってはそれを大検を受ける一つの手だてにしてやったらどうかな、今先生の御提言を受けてそういう感じもいたしました。  先生からそういう貴重な提言があったということも十分現場に知らせて、ひとついろいろな工夫をして三年で卒業できるような工夫をしたらどうかというような指導も続けてまいりたいというふうに考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 そのことは今の言葉そのまま進めていただきたいのですが、大学の講義も、ビデオもあるしカセットもあるわけです。いわゆる大学の校内だけの講義ではなくて、やはり社会の中にあらわしていくということが必要だと思うのですね。十年前の講義を続けている先生も、あるいはないでしょうけれどもなしとしませんね。それであっても、やはりそういうものが公開されることによって今度は社会の中の違った意見も出てくることであろうと思うのです。  ですから、カセットであるとかビデオの制度を活用しながら、大学の講義といえども表に出せ、一般の国民も知ることができる、そういう制度もこれからは必要になってきていると思うのです。象牙の塔にこもりっ放しということではあり得ない。ぜひその点もひとつ御考慮をいただきたいと思います。これはよろしいですか。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 先生御指摘のところは大変大事な問題でございまして、大学について今問われておりますのは、大学教育というものをもっと重視していかなければならないのではないか、従来ともすると研究に偏り過ぎてはいなかったか、学生の教育にもっと力を入れるべきだ、そういう観点からいたしますと、御指摘のとおり、各大学の各教員の方が自分はこういう教育をやっているということを胸を張って外に見せるような方策が考えられるべきではないかということもございます。  具体には、御案内のとおり放送大学というのがございまして、これは放送で大学教育を流しておるわけでありますが、各大学においても、例えば私どもの方で放送教育開発センターというものを持っておりますが、そこで大学の教材となるようなビデオカセットを作成して各大学に提供するといったようなことについてもただいま研究をいたしておるところでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 大学へ進んでいく子供たちの中で経済的に恵まれない人で向学心のある人も多いわけでありますから、やはり奨学金制度は拡充強化していくことが必要であると思います。これは勤めに行きながら奨学金をもらってやっている子供もいますが、いずれにしても奨学金制度を拡充強化して、富の差によって学ぶことができなかった、こういうことのないようにしていく必要性がある、こういうふうに思いますが、これは大臣はどのように考えていただけるでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 育英奨学制度という制度は大変重要であるということ、これは教育の機会均等という考え方からも当然のことでございます。ただ同時に、国の財政事情というのもありますから、そういう中で例えば平成四年度の予算案の中では貸与月額の増額というものが大学院の博士課程しかできなかったわけで、これは御承知のように今博士課程離れということ、理工系離れというようなことが打ち続いておりますので、せめてここだけはというお願いを財政当局にしてまいったことと、あとは看護職員確保のために貸与人員をこの分野でのみふやさせていただいたということ。  なかなか苦しい財政事情の中で、育英奨学制度の充実を図ろうといたしているところでありますが、同時にこのことは、人づくりには国がきちんと財政を支出してもらいたいという私どもの願いも込められているわけでございまして、私学助成の経常費への助成率が、かつて二九・五%あったものが今や一三%台から一二%台に向かうというようなことになりますと、当然それは授業料のアップにつながってくるわけでありましょう。そうなりますと、また奨学金もより多くなければやっていけないということにもなってくるわけでありますから、この辺、総合的に努力をさせていただこうと思っております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 高校からの大学入試の問題とか、大学に入ってからアルバイトをしながら勉強している子供たち、これにも一つのあり方があってしかるべきだと思うのですね。無制限ではないだろうと思うのです。もらうお金と納める納付金との差というものがそういうアルバイトヘの偏向をつくっていくということもあるわけでありますから、貸付金がいいかどうか、そのことはまた別として、防衛大学みたいに百人ぐらいしか残らないであとはみんなどこかへ行ってしまうというのもあるのですから、それから見ればまだよほどましな考え方ではないのか、こういうふうに思います。  その点は、大学のアルバイトによってせっかくの向学心が失われないようにぜひ対応していただきたいということをお願いして、お答えは、首を縦に振っているから了解をされる、こういうふうに思いまして、ちょうど一分半前ぐらいでありますが、大臣一言、一分以内でお答えいただけますか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 奨学金のことは最大の課題の一つと思って取り組んでまいります。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田分科員 時間でありますから、以上で終わります。

北川正恭自由民主党

○北川(正)主査代理 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。  次に、常松裕志君。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 きょうは禁煙教育の問題に絞ってお尋ねをいたします。  大臣、ところで大臣はたばこをお吸いになりますでしょうか。また、大臣のお宅にはお子さんがいらっしゃって、お幾つぐらいかわかりませんが、私より相当若いですから、まだ未成年かもしれませんが、大臣のお子さん、仮に未成年であるとして、もし万が一たばこをお吸いになったら、大臣はどんなふうにやめさせるような御指導をなさいますでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 私は、たばこは吸います。そうですね、なるべく減らそうとは思っておりますけれども、なかなか減らないというような状況でございますが、おかげさまでこの分科会に丸一日おりますと、たばこの数は相当減るわけでございますけれども、実際私、たばこを家でも吸うわけでありますし、そんなときに一番気になるのは、子供が同じ部屋の中にいれば子供もその煙は結局吸い込むわけですよね。最近、そういうことが大分話題になっておりますし、私は子供が三人おりますが、特に真ん中の女の子などは、車に乗っているときに私がたばこを吸おうとすると極端に怒って、絶対吸うな、みんなが吸い込まざるを得ないんだからということをうるさく言いますが、そんなようなのが私の日常生活でございます。  ちょっと先走るかもしれませんが、私がかつて中学校のときに便所でたばこを随分吸っている生輩たちを見かけたことがあります。やはり、未成年の喫煙というのは、健康上の問題もあろうかと思いますが、当時の思い出を振り返ってみても、正直言ってこれは非行くの第一歩というように見えたものでありますから、わりかしそういうことに関してはセンシティブになっているつもりではあります。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 平成元年から中学校及び高校の保健あるいは特別活動において、禁煙教育が行われるようになっているわけであります。学習指導要領にもこの点明記されるようになったと伺っているわけでありますが、その概要についてお答えをいただきたいと存じます。     〔北川(正)主査代理退席、新盛主査代理     着席〕

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 学校におきます喫煙防止に関する指導は、小学校の体育、それから中学校、高校の保健体育、それから教科ではございませんが特別活動、こういったことを中心に学校教育活動全体の中で行っていく、こういうふうな取り組みをしておるところでございます。  小学校体育におきましては、例えば第六学年の病気の予防という項目で喫煙と健康とのかかわりにつきまして取り上げるようにというふうな指摘がございまして、これを受けまして、例えば平成西年度から新たに使用されます小学校体育の教科書、これには喫煙と健康とのかかわりについて記述されている。ものも見られるわけでございます。  それから、中学校、高等学校の保健体育につきましては、従前から指導が行われていたわけでございますが、特に新たに学習指導要領に明記をいたしまして、中学校においては疾病の予防の項目で、また高等学校におきましては現代社会と健康の項目で喫煙の害につきまして指導することとしております。教科書におきましては、小学校とは異なりまして、喫煙が健康に及ぼすこと等につきまして比較的詳細に記述されておる、このような状況でございます。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 一例を、例えば中学校に例を挙げて、仏その教科書まだ見てないんですけれども、どうなんでしょうか、今大臣がおっしゃられましたように、他人にたばこが与える影響が非常に大きい、そういうことであるとか、あるいはたばこそのものが健康にとって極めて有害であるというような趣旨について、中学校、高校、それぞれ教えることになっているんでしょうか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 もちろん未成年者の喫煙、法律で禁止されているのは、かくかくしかじかであるという本人に対する影響がまず中心ではございますが、それとあわせまして、吸わない人、同席しておるような人たちにも害を及ぼしますよということにつきましては、既に小学校の教科書等でも触れておりますし、中学校、高校になりますともっと詳細に触れるというふうなことにしております。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 そこで、昨今の未成年の喫煙の実態について少しお伺いをしてみたいと思うのですが、大臣、ここに国立公衆衛生院疫学部の蓑輪先生などが、中高校生の喫煙の実態について調べたアンケート調査がございます。これは無作為に七十中学校、三十三高校の約五万七千人の生徒さんたちを、一九九〇年の十二月と翌一月に調査をいたしました。その結果、高校三年生では喫煙の経験が四八・四%とあります。二人に一人は高校三年生では喫煙の経験がある。(鳩山国務大臣「それは男子、女子一緒ですか」と呼ぶ)男子の場合ですね。ちなみに、女子の場合でいいますと、高校三年生の女子で一七・一%。大臣のところのお嬢さんは何年生ですか。(鳩山国務大臣「中学二年です」と呼ぶ)中学二年。中学一年生の女子で八・九%。  さらに深刻なのは、高校三年生の男子の場合には、小学生までに一一%が経験している。また、高三の女子の場合では小学生までに四・四%の子供たちが経験している。そして、日常の喫煙になっている子供たちが高校三年生では二一・五%にまで達している。こういう調査をこの蓑輪先生などがなさっています。  またあるいは、ここに私の地元の小平市立のある小学校のレポートがありますが、昨年二学期に六年生の男の子に二人ほど喫煙をした子がいた。またあるいは、これは私のこれまた地元の東久留米市立中央中学校の事例でございますが、この市立中央中学校では非常に熱心に禁煙教育を進めて、学校ぐるみで進めていらっしゃいまして、毎年一年生の七月に喫煙に関する意識調査を進めていらっしゃるのですが、ここで調べた結果、中学一年生での喫煙経験なんですが、平成一年では二三%、平成二年では一三%、平成三年で一三%の喫煙経験がある、こういうアンケートがまとまっています。そして、初めて吸った年齢でございますが、その中学生で喫煙経験のある子供たちのうち九割までもが小学校時代にもうたばこを吸っている、こういう結果が出ております。  それで、このアンケートの中で、養護教諭の栗原先生の考察では、こういうふうに述べていらっしゃいます。「判断力に欠ける小学四年から六年にはじめて」喫煙を「経験し、中学生からは、常習となり得る率が一割はいると断定していいと思われます。」「一番吸いやすい場所が、自宅である。親に隠れて、誰にも見つからずにというのが自宅。」で、その自宅で吸いやすい点は非常に問題じゃないか。そして、最近顕著なのは、女子の喫煙が非常に広がってきている。このような調査結果を御報告してくださっています。  あるいは、これは三鷹のM中学の生徒さんたち自身のアンケート調査ですが、ここでも生徒さん自身の調査で、中学校で十人に一人はたばこを吸っている、こういう結果が出ております。また、同じく名古屋文理短期大学の生徒さんたちが、これまた生徒さんたちがこの調査をされていますが、これは短大生ですけれども、一年生で二七・三%、二年生では三〇%がたばこを吸っている、こういう結果が出ているわけです。あるいはさらに、これは日本たばこ会社の数字をいろいろ調べてみますると、どうも未成年のたばこの消費量が非常にふえているということが明らかになってきております。これはタバコ問題情報センターというところで調べた数字ですけれども、未成年者の喫煙がふえている。  そこで、大臣、どうでしょうか、禁煙教育を行うようになった、そしてたばこの有害なのは本当にもう国民の中に広がってきている、文部省の責任で全国的な調査をやってみるような、そういうおつもりはございませんでしょうか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 先生今さまざまな地域、学校での喫煙についての実態調査を御紹介いただいたところでございますが、残念ながら今までのところ私ども文部省におきまして喫煙の全国的な実態について調査したものはございません。こういった喫煙の防止ということを行いますためには、全国的な調査の実施というよりも、むしろそういったことが密度濃く行われておりますような地域、学校、そういったところを対象として、地域中心に行っていただくこと、あるいは学校中心に行っていただくこと、そこでそれぞれの適切な措置をとっていだだくこと、これがまず何よりも大切ではないかというふうに考えておりまして、私どもは今のところ全国的な悉皆調査をするというような考えは持っておりません。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 先ほどの東久留米の中央中学校の例でいつでも、やはり学習指導要領の中に明記をされて学校で教育が行われるようになって明らかに減っているわけですね。文部省がもし全国的にこの調査を、お金は大変ですけれども、そういう調査を行うだけでも、私は随分子供たちの中での深刻な喫煙というのを防止するような雰囲気が広がると思うのですけれども、どうなんでしょうか、今局長はするつもりがないということなんですけれども、ないではなくて、検討するぐらいのお答えはできないのですか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 恐らく、効果としては悉皆調査という形をとりますよりも、先ほどから申し上げておりますとおり、その地域や学校、大変な地域、学校はわかっておるわけでございますから、そこを中心として各都道府県ごと、各市町村ごと、各学校ごとに行っていただくのがベストだとは思いますが、そういった全国の、一体どういう状況であるかということについて調査すること、これは絶対やらないということではございませんで、将来機会があればやることも検討してみたいと思います。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 効果あらしめることが目的でございますから、ぜひそういうことも含めて御検討いただきたいと思いますが、どうなんでしょうか、各学校でどういう禁煙教育が行われているかということについて、これは文部省はつかんでいらっしゃるのでしょうか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 禁煙教育、まず先ほど申し上げましたとおり、各教科において行う、それが例えば小学校では体育、保健の時間、それから中学校、高校におきましては保健体育の時間、それからそういった教科ではなくて特別活動という時間に大変重きを置きまして禁煙活動、そういったものについての指導をいたしておるところでございます。  それから、例えばその指導の充実を図りますためには、財団法人日本学校保健会の専門家の協力を得まして、例えば小学校、中学校、高等学校の別に喫煙防止に関します「保健指導の手引」、こういったものを作成いたしまして、各学校に配付し、指導に供しておるというふうなこともございます。  それ一から、さまざまな研修会をとらまえまして、例えば保健教育の関係、安全教育の関係、指導者中央研修会、学校保健研究協議会、そういった研修会の場を通じまして、養護教諭だけにとどまりませず、例えば保健教育における指導的立場にある保健主任の先生、生徒指導担当の先生それから校長、教頭、そういったすべての方々を対象とした指導もいたして、かくかくこういうふうな形で指導していただければいかがかという指導をして、先生方の指導についての資質の向上を図るというふうなことをやっておるところでございます。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 その点については後で実際のところからお尋ねをいたしますけれども、文部省は各学校でどういう禁煙教育が行われているかということについて調べたことがありますか、こういうことをお尋ねしているわけです。あるいは、調べられるつもりはありませんかということでもあります。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 どういう教育が行われているかということは、私ども教科書を検定いたしまして、こういったふうな禁煙教育の記述があるぞということは把握しておるわけでございますから、そういったものがそれぞれの教科の時間等それから特別活動等の時間において適切に指導されておるというふうなことを一般的、抽象的に把握しておるということでございまして、各学校現場で、この学校ではどんなふうな禁煙教育かということまで調査し、把握したことはございません。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 いや、それはやはり調査をしてもらう必要があると思うのです。  局長はたばこをお吸いになりますか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 吸いません。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 吸わないのだったら同志ですから、ぜひひとつ頑張ってもらいたいですけれども、各学校でどういう禁煙教育が行われているか。私、今ここに持っておりますのは神奈川県の各市教育委員会及び埼玉県の教育委員会に関する資料なんですけれども、例えば川崎市では小学校、中学校において取り上げていませんよ。それから、藤沢市でも同じく取り上げていない。これは市教委の調査ですけれどもね。それから、平塚市でもそうです。厚木市でもそうです。また、埼玉の方にいきますと、飯能市、狭山市あるいは朝霞市などでも行われていない。そういう報告があるのです。  例えば小田原市の場合ですけれども、小田原市の市議会の中で問題になって、きちっと禁煙教育を市の教育委員会の指導方針として実施をしろという議論があって、そして小田原市で禁煙教育が市の教育委員会からの指導もあって各学校で行われるようになって非常に顕著に子供たちの喫煙が減っているという実態などが報告されているわけなんです。  やはり文部省として、県単位になりますか、あるいは県からということになりましょうか、いずれにしても禁煙教育が行われているかどうかの実態を調べないというのでは、どうなんでしょうか、いささか不十分じゃないか、そう思うのですけれども、局長は特にたばこを御自身吸わないとおっしゃるのですから、ひとつ積極的に調査していただけませんか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 禁煙教育を全く行っていないということは私どもちょっと解せないわけでございまして、教科書等にきちっと記述して、ですから、先生のおっしゃっておられるのは教科書による指導以外のプラスの何がしかの指導を行っていない、こういうふうな形としての御提言でございましょうか。  教科書につきましては、これは記述されているとおり、それをより敷衍した形で教師等が指導する、これは当然のことだと思っておりますが、それ以外の形で、例えば特別活動等にどういった指導をしているかというふうなこと、私どもこれまでにはとらまえておりませんが、学校の一つ一つに入りまして一体どういうふうな指導をしておるかということを調査いたしますことは、例えばそれを文部省が行いますようなことにつきましては大変アレルギーが学校現場にもございまして、私どもが直接ずばりという形でいくのはなかなか難しい。したがいまして、都道府県、市町村それぞれの単位ごとに御工夫をしていただいて、管理強化につながるというふうな指弾のないような形でそういったふうな調査をしていただくようなこと、文部省ではなくて、そんなことについてはまた各都道府県、市町村の担当部局等と話し合いをしてみたいと思います。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 そうです。管理、統制にならないような形でですけれども、これは日の丸とかそういうことのように学校の中がごたごたする問題じゃありませんからね、だれにとってもいいことなんですから。そういうことですから、しかし管理、統制にならないような形でどうやって調査したらいいか検討していただいて、そして実施をしていただくようにぜひお願いしたいと思います。  実は局長、例えば小学校の例なんですけれども、小学校で実際行われているのは、これは三鷹のある学校からの御回答ですけれども、せいぜいこうですよ。「特別、時間を設定してはおこなっていない。掲示物等で啓蒙をはかったり、身体計測などで保健室に来た時に保健指導の一つとして行っている程度である。」というのが、これが三鷹のある学校の実態でありまして、こういう学校でいうと、先ほどの実態とは違って全く喫煙している者はいない、小学校でもあるので全く喫煙している者はない、こういう認識が根底にあるのですね。ところが、実際は子供たちがもう小学生から吸っているということですから、したがってそういう実態を踏まえますと、やはり小学校、中学校でちゃんと禁煙教育が実施されるようにお願いしたいと思うのです。  例えば先ほど局長は、正本学校保健会からこういう手引が各学校に渡される。ところが、この三鷹市のM小学校の先生からは、私の学校には高等学校のしかない、小学校でですよ。高等学校の手引しかないから、したがって小学校向きではないから活用していない。当たり前ですよ、これは。これが実態なんですね。こういう実態についてどう思いますか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 先ほど申し上げましたとおり、これは小中高等学校別にそれぞれにふさわしい内容のものとして作成しておりまして、何らかの手違いでその学校にそういったことで渡っていないというのが実態ではないかと思います。小中高等学校別にそれぞれにふさわしい内容でつくったものを配付する、こんなことで私どもこれまで努力してまいっておりますので、ないのは、ちょっと何らかの手違いでもってそこに渡っていない、そういったことではないかと思います。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 一つであることは全部であり得るのですから、ひとつ。それはそうだと思いますよ、これは学校保健会に随分補助金を出してつくっているわけですから。しかし局長、実際に一校でも届いていないという報告が来ているわけですから、そうしますと、これは一体どうなっているんだということになるじゃありませんか。ですから、こういう点もありますから、ぜひそういう点の調査を文部省として、これは補助金がどう使われているかということにもかかわる問題ですから、ぜひ調査をいただかなければならないわけであります。  どうなんでしょうか、例えば教科書の中に、今言ったように副流煙も有害だというふうに書かれている。そうすると、職員室の中は今どんなふうになっているのでしょうか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 喫煙が禁止されております子供たちとは異なりまして、教員の場合には喫煙は法律でもって禁止されておりません。というふうなことで、各学校におきます取り組みも千差万別というふうに把握をいたしております。  例えば職員室等では吸わないようにしようというふうな申し合わせ、私のように吸わない大人もおりますので、職員室では吸わないようにしようというふうなことで、例えば喫煙コーナーを別に職員室以外に設けておられる学校もあれば、従来どおり職員室で吸っていらっしゃる学校もある、こんなさまざまな状況ではないかと考えております。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 世田谷区立上祖師谷中学校の二年生の生徒さん二百二十人の方々の調査で、先生に守ってほしいことの中のトップが、職員室や生徒の出入りする場所を禁煙にしてほしいというのが、これが子供たちが先生に守ってほしいことのトップなんですね。WHOのことしの世界禁煙デーのテーマは、「煙のない職場を。よりいっそうの安全と健康のために」ということが定められている。したがって、分煙をもっと進めようというのがこのWHOなどの呼びかけになっておりますけれども、大体職員室が禁煙になっているところは少ないようですね。私のところにいただいている手紙などでも、これは東久留米のある小学校でも教員室は禁煙になっていませんというお答えが来ています。  こんなことも養護の先生は書いていらっしゃいますよ。前の学校で六年生全員を対象にして禁煙教育を行ったときに、子供の方から、たばこはこんなに悪い影響があるのにどうしてあの先生やこの先生は吸っているのというふうに聞かれて、答えに窮してしまったと。ですから、学校の中でたばこを吸いたい先生が吸っているというのは子供たちにそういう点での影響もあると思うのですね。教えることを実行しているかどうかという点での問題も出てくると思うのです。こういう調査結果、先ほどの蓑輪先生の調査で、教師の喫煙率が高いほどたばこを吸う生徒の率が中学校では多いという結果も出ているのです。  どうなんですか、文部省として、職員室ではたばこはやはり分煙にするというような指導を行うつもりはないのでしょうか。あるいはもう一つ、特に部活のときに子供たちの中で先生がたばこを吸う、これはやはりやめさせるべきだと思うのですが、どうでしょうか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 今先生も分けていただきましたように、例えば教員が学校でたばこを吸うという場合にも、例えば休息、休憩時間中と、子供に対する部活動であり生徒指導中であり職務中のものと、やはり厳格に区分けして考えた方がいいのではないかと私はまず思うわけでございます。  ともかく、生徒に対する指導中にたばこを吹かすということは、恐らく教育指導上の配慮から避けていただくこと、これが極めて望ましいと思うわけでございますが、職員室で休憩、休息時間中にふっとくつろがれるということまですべて文部省あるいは都道府県の教育委員会、市町村の教育委員会等で上から禁止しなさいという形で対処するのではなくて、例えば各学校現場でそういったことについて、指導中であれ休息、休憩時間中であれ、そんなことをぜひ学校の教員全部で話題に供して適切な方法をとるようにしてはいかがかというふうなアドバイスをすること、こういったことは都道府県の教育委員会、市町村の教育委員会を通じて可能ではないかと考えておりますが、一概に全部やめなさいという指導はどうであろうかと思うわけでございます。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 私は禁煙派でやや過激ですからそういうことを言うのかもしれませんが、私はそのくらいやってもいい、日の丸なんかと違って、だれにとっても非常にいいことですからやっていいと思いますけれども、それはともかくとして、しかしそういう形ででも結構ですから、ぜひ学校の中で先生方の議論ができるようにしていただきたいと思います。  最後、局長にもう一つだけ、研究指定校みたいなものをつくるつもりはないですか、この禁煙教育。これはぜひつくってもらいたいと思います。手短に御答弁ください。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 現在子供たちのオールラウンドの健康教育ということを前提にいたしまして、全国で十二校研究指定校を指定しておりますが、近い将来の問題として禁煙教育ということを中心とした研究指定校を指定しますことを検討してみたいと思います。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 ぜひお願いします。  最後に大臣にお尋ねをいたしますが、これは福岡県の久留米ですけれども、久留米市で、久留米地区高等学校補導協議会、これは会長は久留米学園高校の樋口先生という校長先生ですが、ここが、久留米のたばこ販売協同組合や日本たばこの営業所に対して、自動販売機でのたばこの販売を時間制限してくれという要望書を出しているのですね。恐らくこれはほとんどの学校の先生方の要望だと思うのです。とにかく所構わずたばこがあります。さっき言ったように、子供たちは自宅でたばこを吸うわけです。ですから、自動販売機を時間制限するなどのそういう協力要請などを含めて、子供たちにたばこの害が及ばないようなことを、ひとつ文部大臣、これは大蔵大臣やほかの大臣とのかかわりもありますから、そういうところ、各大臣、各省庁と御協議をいただくことをお願いいたしまして、御答弁いただいて、質問を終わります。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 先生は恐らく嫌煙運動の先頭に立つような方なんだろうと……(常松分科員「いや、やめているだけですから。禁煙の方です」と呼ぶ)そうですか。お話を伺っておりまして、先生はいわゆる嫌煙派の旗振り後なのかなと実は思って聞いておりまして、私は喫煙をする方なものですから多少立場も違うかと思いますが、一つは、我々たばこを吸う者の立場がだんだん弱くなってきているという実感はあります。  特に、昨年アメリカヘ参りましたら、ほとんどの公共の建物ではたばこが吸えない。飛行機も全席禁煙シートというような状況で、そんな中でロサンゼルス市に一泊いたしましたときに、結局自分の部屋でしかたばこは吸えぬなと思って、部屋でたばこを吸おうと思ったら、たばこがなかった。そこで、お金を持ってホテル内を全部歩き回ってみたわけでありますが、自動販売機が二カ所ありました。二カ所とも壊れておりました。さてこうなるといよいよ一本も吸えぬなと。ここがたばこを吸う者の卑しさで、何とかならぬかなと思って、ホテルは町外れなんですが、そこから町の中へちょっと出まして、二、三十分うろついたけれども、自動販売機が見つからないので、結局その日は吸えなかったわけです。翌朝、大使館、総領事館の人に話しましたら、たばこどころじゃなくて、そんな一人でホテルの近辺を夜中にうろつくというのはアメリカの今の治安の状態からして大変危険であって、いやびっくりしたなどという話をしておられた。  でもまあ要するに、手に入らなければ吸わないということを考えますと、子供さんたちがいつでもどこでも何でも手に入るということが、たばこだけでなくて、二十四時間営業の云々ということは、私はそういうコンビニを初めとするものを批判するつもりはありませんが、二十四時間何でも手に入ってしまうというところから教育上マイナスになるような事柄がいろいろ出てくる。これは有害図書に関しても。そういうようなことを考えますと、今先生がおっしゃったようなことというのは大いに参考にしなければならない。  特に、大人はなぜよくて子供はなぜ悪いのかということを説明するのは大変難しいわけです。つまり、今先生おっしゃったように、先生の喫煙率が高い方が、子供の喫煙率というのは情けない話ですが、先生の資料によって、高いという、多分むべなるかなという思いがするわけで、大人がよくてなぜ未成年者はだめなんだ、法律違反になるのかということを説明するのはよほど懇切丁寧でなければいけない。だから、子供の禁煙教育というものは相当熱心にやらないと効果を上げにくい分野ではないかと思います。

常松裕志日本社会党・護憲共同

○常松分科員 ありがとうございました。

新盛辰雄日本社会党・護憲共同

○新盛主査代理 これにて常松裕志君の質疑は終了いたしました。  次に、大野由利子君。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)分科員 大野でございます。  きょうは、初めて鳩山文部大臣にいろいろ質問させていただきます。  中学校給食について質問をさせていただきたいと思いますが、その実施状況でございますが、データをいただいた数によりますと、昭和五十七年が六五・二%、昭和六十年が六五・九%、平成二年が六七・〇%、これは中学校給食の実施校の状態でございます。この八年間でわずか一・八%、五年間で見ますと一・一%しか学校給食が伸びていないという状況でございますが、どうして中学校給食がこのように伸びてこなかったのかということについて、文部省の御見解、中学校給食に対する考え方についてお尋ねをしたいと思います。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 学校給食は着実に伸びてはまいっておりますが、小学校がほとんど完成状態に近い状況の中で、中学校の方がまだ相対的には低い状況でございます。これにはさまざまな原因があるということでございますが、給食の実施の時期が十年ばかり小学校よりおくれて始まったということ、これが一つございます。しかも、これが致命的と言っていいほど大きかったと思っております。  と申しますのは、昭和三十一年に中学校について学校給食をやることになったわけでございますが、そのときには生徒急増期に差しかかっておりまして、各市町村がそれこそ学校施設をつくる、子供を収容するということに大わらわでございまして、学校給食の設備までとても手が回らない。こんな状況の中で中学校の学校給食が始まりまして、それから用地を求めてそこに設備をつくるということもほとんどできない。そんな状況の中で始まったものですから、ずっとおくれておる。そのことがまた、中学校の先生方の意識の面でも、小学校の場合よりもやや学校給食の取り組みについて消極的なものを生んでしまっておる、こんな状況ではないかと考えております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)分科員 確かに小学校より実施が遅かったのだと思うのですが、この十年間の伸び率も大変悪い、この五年間の伸びも大変悪い、そういう状況をどのように見ていらっしゃるかということについて伺った質問でございますが。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 中学校の学校給食につきまして、私ども機会あるごとに、小学校と同様の水準に達するように御努力をお願いしたいということでお願いしてまいっているわけでございますが、いかんせん、今申し上げましたように、中学校の学校給食を始めますには、例えば共同調理場、単独調理場といったものをつくることが必要になるわけでございますが、まずそういったものをつくる場所もないということが一番大きなネックに物理的にはなっている。それから、教員の方々にずっと啓蒙してはまいっておりますけれども、中学校になりますと学校の子供に対する教育指導で手いっぱいということで、なかなか学校給食にまで手が回りかねるというふうな教員の方々の消極的な態度、こんなことが相重なりまして、少しずつは伸びておりますが、小学校の域にはなかなか達しない、こんな状況であろうと思います。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)分科員 学校給食の設備、調理場等も難しいというお話でございましたが、最近は生徒数も減っておりまして、空き教室も大変ふえている状況でございますから、その気になれば学校内に調理施設をつくることは今不可能ではないという状況になっているわけです。  私は、いろいろ理由はあるかと思うのですが、一つは、戦後の食糧難の時代から今は大変な飽食の時代に入りました。この食生活の変遷に対して学校給食のあり方そのものが変わってないということが、余りにも給食が伸びないという一つの大きな原因になっているのではないか、私はそのように思うわけです。  そういった意味で私は、文部省さんが、大変な食糧難の時代も飽食の時代も、学校給食のあり方を同じやり方をしていらっしゃることに一つは大きな妨げになっている原因があるのじゃないかな、そのように思うわけですね。  学校給食法の第一条に「学校給食が児童及び生徒の心身の健全な発達に資し、かつ、国民の食生活の改善に寄与する」という目的がうたわれております。この目的そのものは、時代が変わっても全く状況は変わらない。この目的は今なお非常に、今なおというか、さらに大変重要な要素を占めているのじゃないかな、そのように思うわけでございます。  と申しますのは、中学校時代というのは一生の間で成長率が最も激しい。一年同で十センチ、中には二十センチから背を伸ばす子供もおります。栄養のバランスが一番求められるときですが、お弁当をつくる母親は、必ずしも栄養士できちっとしたお弁当をつくれる状況でもございませんし、今働く母親が大変ふえております。この傾向もますます増加してくると思います。本当にお弁当をつくるということが、家事、育児、また仕事という女性の身に大変負担になっておりまして、子供の出生率が落ちている原因の一つにもなっているかと思うのですね。今お母さんが働いていてお弁当というと、ほかほか弁当の中身だけ入れかえてお弁当に入れたり、また、それもできなくて毎日パンを食べているとか、学校では外へパンを買いに行くことを許さないので、学校の売店で限られたパンがなくなってしまうと一食抜かざるを得ないとか、中学校給食を実施してないところではそういう状況もあるわけでございます。  また、もう一面、今成人病の予備軍が大変ふえてきておりまして、岩手の盛岡市で小学生九千二百名を対象に肥満児の調査をした結果、肥満度二〇%を基準にして小学生で八・四%、五年生、六年生では一〇%以上が肥満児という。それを改善する処方をいろいろしたようでございますが、学校給食をちゃんとやっているところの方がはるかにその処方が守られている。学校給食をやっていないところはどうしても三食丸々子供の好きなものだけが食べられたり、偏った栄養食になって肥満児の改善がなされていない。学校給食がある方がきちんと改善がなされている。そういうふうな状況もございまして、今大変な飽食ではありますけれども、子供の小児成人病の心配もございます。そういった意味で、本当に給食というものがもっと大事なんじゃないかな、進むことが必要なんじゃないかな、そのように思うのですね。  ところが、ちょっと済みません、話が長くなって恐縮ですが、今の中学校給食がなぜ進まないのか。これは東京の七区、私の選挙区なんですが、七区で平成三年の調査、保護者にアンケートをとった状況ですが、給食は「どのような方法でも実施した方がよい」と答えた保護者は四一%、「条件次第で実施した方がよい」というのが四二%、給食導入に「反対」はわずか七%、残りはどちらでもいい、そういう状況でございます。二番目の「条件次第で実施した方がよい」という四二%の内訳は、「複数の献立による給食方法」を導入してもらいたいというのがトップで三七%、二番目は「給食か弁当を自由に選べる方法」というのが二八%、三番目は「食堂やランチルームがある方法」というのが二四%、そういう状況なんですね。このアンケートから見ても、給食は求めている、しかし今のような給食だと困るというような声が出ているわけです。立川市の中学校給食問題懇談会もまとめの中で、給食と弁当との選択方式はぜひ必要である、中学生は体格や運動量など個人差は大きいので食事まで画一化することは望ましくない、そういう結論を出しているわけです。  食べ物アレルギーの子供も何だかんだふえております。学校給食をワンメニューだけ、これを食べなければいけない、弁当は認められないという給食のあり方では進まないという状況なんですが、これについて御見解を伺いたいと思います。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 今先生から、学校給食については基本的には進めるべきであるという御基調のもとにさまざまな御提言をいただきました。今御提言ございました中をずっと聞いておりまして、私どもが把握しておることと全く一致しておりまして、まさにそういった観点から私ども、機会あるごとに都道府県の教育長の方々に、市町村の教育委員会の方々に学校給食については一段と努力していただきたいと申し上げている、まさにその内容そのものを先生から御指示いただいたと思っております。  ところで、松戸方式と申します例の学校給食と弁当持参の併用方式の問題、これにつきましては現在松戸市で平成二年の六月から二つの中学校だけで実施されているところでございます。松戸市以外では実施されていないというふうに伺っておるところでございますが、私どもといたしましては、学校給食は教育活動の一環としてぜひとらまえていただきたいという大変強い要請を持っておりますので、そういった観点からいたしますと、学校給食はすべての生徒を対象といたしまして実施されるということが基本ではございますけれども、しかし今おっしゃいましたように、地域や学校等の実態によりまして給食指導、運営等がそういった併用であっても何ら乱されないというふうなことが確実な場合には、併用であってもこれは直ちに不適当であるというふうな態度をとっておるわけではございません。  ただ、これがどんどんとふえてくることが望ましいという態度をとっておるわけでもございませんで、一番最初に申し上げましたように、生徒すべてを対象とした教育活動として行っていただきたいという建前からいたしますと、やはりすべてが基本的には学校給食を受けていただくこと、これが望ましいのではないかというふうに考えておるところでございます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)分科員 今、松戸方式をおっしゃいました。松戸方式はメニューが二通りある、お弁当がある、その三つの中から選択ができる。一週間ごとに生徒がメニューを見て判断ができる。この松戸方式が大変好評を得ておりまして、松戸では現在二校実施して、またさらに四校実施する。そして三年か四年かけて松戸市内全部の中学校がこの方式でやる、そういうふうな方向を決めているわけでございます。こういった観点から、こういうやり方を文部省としてはいいんだ、認めるんだという判断をぜひ下していただきたいなと私は思うのです。  つい昨日の新聞でしたか、武蔵野市の給食についてのことが出ておりました。ごらんになったと思うのですが、武蔵野市でもいろいろ検討しておりまして、松戸市で今行われているが「生徒全員を対象とする「学校給食法」の趣旨からみて、法に基づく給食とは考えられない。したがって、いわゆる松戸方式は検討からは除外した。」というのが武蔵野市の教育委員の判断なわけです。昨日の新聞に出ておりましたのでごらんになったと思うのですが、「学校給食法が想定している給食はあくまで画一、一斉のもの。松戸方式は当面という条件つきで認められた例外に過ぎない」、そういう認識を現場ではしているわけです。ですから、そういう給食だと反対だという武蔵野市の教育委員。しかし、武蔵野市の市議会では市民の請願を採択したわけですね。給食は進めようということで採択して、教育委員の判断と市議会の請願の採択が食い違っているということで、いろいろ今武蔵野市では注目を浴びているわけでございます。  既に松戸市は平成二年の六月から試行段階で始めだそうですが、もう一年半実施しているわけですよ。松戸市としては、このやり方はとてもいいからさらに四校ふやしたい、三年か四年かけて松戸市の全市がこういうやり方でやりたいと言っているわけですね。ですから、文部省さんが、これは松戸しか認めませんよ、ほかの学校は認めませんよ、ほかの学校はこういうやり方をしたって国庫補助はつけませんよと言っているから、よその学校は広がらないのですよ。いかがですか、これ、見解。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 学校給食につきまして、さまざまなバラエティーを持った食事がいただけるということ、これは子供たちにとりまして大変望ましいことですし、栄養豊かなものをいただくという観点からも望ましいことでございます。したがいまして、すべての者に対して学校給食を行うという場合にも、画一ということではなくて、例えばバイキング方式、カフェテリア方式というふうな方式をとっていらっしゃる学校も、全員一斉に給食をしながらそういったふうなバラエティーに富んだおかずを供給できるというふうなことで工夫をしていらっしゃるところもございます。  それから今、松戸の方式でございますが、松戸の場合、中学校でこれまでやっていなかったものを、二校についてともかくやってみようということで学校給食をやり始められた。松戸方式と申しますが、完全給食はこの二校のみでございますが、例えば七〇%以上、六〇%以上、二校のうち一校は七四・八%、それからもう一校が六〇%ということで、むしろ給食を希望する者が多いわけでございます。  そういった形で、私どもは、こういった形にありますもの、これはだめです、したがって施設費の補助の対象にはいたしません、こんなまま子扱いは一切するつもりはございませんし、これも一つの方式、ただし、これが本当の私どもが今の学校給食法のもとで望んでいる一番望ましいあり方かというとそうではございませんが、しかしこれも現在の姿の一つでございますという形で認めて、それに対して一切補助をしない、そんなかたくなな対応をとっているわけではございません。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)分科員 では時間がありませんので、最後に大臣に伺いたいのですが、この新聞で出ましたように、武蔵野市とかは、要するに松戸方式というのは今文部省は認めていないのだという認識をしているわけですね。全校一斉の給食でないと給食と今みなしてない。そういうふうな現場と文部省との食い違いがちょっとあるような感じがするわけですけれども、こういう松戸方式も考えられる、そう判断してよろしいでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 それは今逸見局長から御答弁申し上げましたのが文部省の考え方でございますから、そうした文部省の基本的な見解が正しく、武蔵野市でございますか、もちろんそれ以外、全国にきちんと話が伝わるように、広がるように、それは努めていかなければならないと思っております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)分科員 松戸市では残滓が三%か四%、ほかのところは三〇%からあるのに対して残滓が約十分の一で済んでいるというふうなこととか、やはり新しい給食のあり方というようなものを一生懸命検討している、それを文部省は後押しをする、そういうことをぜひお願いをしたいな。何となく現場との食い違いがあるのかもしれませんが、何となく昔からの固定した考え方というのしか、下には、現場には伝わっていないのが現実でございますので、そうじゃないですよ、もっと柔軟に、本当に子供たちの健康のために、食生活のためにどうあるべきか考えてくださいという方向でぜひ接していただきたい。きょうの御答弁を伺って、私が、こういうことも学校給食として認められる、補助も認められる、そのように解釈をさせていただきたい、それで間違いはない、そのように判断をさせていただきたい、そのように思います。  それでは、時間がございませんので次に入りたいと思いますが、平成四年度の予算案の中で、学習困難児、LD児に対して、調査研究に新規六百万円を計上されました。一歩踏み出したということを大変喜んでいるわけでございますが、米国、アメリカでは一九七五年に制定された全障害児教育法でもって、三歳から二十一歳までの障害児の教育が無償になりました。LD児も正式に認知されまして、LD児の予算だけで約二十億ドル、二千六百億円をアメリカでは教育省の予算の中で出しているんですね。アメリカは、日本の人口の二倍あるわけですが、それにしても二千六百億円とこの六百万円じゃ大変な差だなと思う。大変LD児に関しては日本は、アメリカに数十年おくれているなという感じがいたします。LD児は今クラスで大体平均一人、全体の二%から三%いる、そういうふうに言われておりますが、これからぜひLD児の実態調査とか、LD児の専門の教師、相談員の養成とか、また、普通学級に在籍しながらLD児のための教室に通う通級学級の充実整備とか、そうしたLD児のさまざまな問題をさらに陣頭指揮をもって進めていただきたい、要望をさせていただきたいと思いますが、この辺についての文部大臣の御見解を伺いたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 詳しくはもちろん政府委員から御答弁申し上げますが、私の今持っている感触では、LD児、LDというのはラーニング・ディスアビリティーズというふうに、学習上の能力の一部がという、そういうような英語であろうと思うのですが、例えば特殊教育全般を考えた場合に、これも統計のとり方があろうかと思いますが、アメリカという国は、そういう研究がえらく進んでいるのは確かだ、その進んだためか、特殊教育を受けている割合が一割近いですね。九・何%というような数字が出ていますね。つまり十人に一人あるいは十一人に一人が特殊教育。もちろん、いわゆる日本でいう特殊教育諸学校で教えるか、あるいは統合教育で普通のクラスで教えるかという問題は別途あろうと思いますが、それに比べて我が国では特殊教育諸学校でという割合は非常に低いわけですね。割合からいって、アメリカの十分の一ぐらい。ですから、何か、統計のとり方もあろうかと思いますが、そういう障害を持っておられるお子さんに対する見方というものが一つあるのではないだろうか。  そういうふうな観点から考えた場合に、LDというのも、私もよくわからないのですが、例えばノーベル賞をとられた方の中にもLDという判定をされた人もいるという話を聞いて、つまりノーベル賞をとるほど頭がものすごくいいんだけれども、例えば物を書くとスペリングがめちゃくちゃだというような説明を聞いて、なるほどLDというのは非常に難しい概念があるんだねというふうに受け答えしたことがある。したがって、このLDとは何かという定義とか判定方法というものがまず確立をしませんと、その指導方法についても明らかになっていかないという部分があるのではないだろうか。  私は、これからの大きなテーマであるということは、大野先生御指摘のとおり、よくそれはわかるんです。わかるんですけれども、まだこの定義まできちんとできないという段階で即行動というと、ちょっと先走り過ぎるような気がいたしますので、平成三年度から国立特殊教育研究所において基礎的な研究を進めてきたところで、平成四年度からはもう少し指導方法等についての実践的な調査研究を行いたい、その辺が幾ばくかはっきりしてから行動をとらせていただけないだろうかというのが私の率直な思いでございます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)分科員 今大臣がおっしゃったことも含めてぜひ大きく、大変せっぱ詰まった問題になってきておりますので、お願いをしたい、そのように思います。  次の質問に入らせていただきたいと思いますが、先日、我が党の機関紙であります公明新聞に次のような記事が出ておりましたので、ちょっと読んでみたいと思います。「筋力が弱くなる難病と闘いながら、高校を見事に卒業した大阪府枚方市の少年が、話題になっている。この少年、小学校入学前に発病し、小学三年生のころから、車いす生活。中学卒業と同時に、府立高校を受験したが、失敗。それにもめげず、翌年、再挑戦して合格した根性の持ち主。学校側は少年を迎えるため、段差はすべてなくした。通学には中学時代の友人が付き添い、車いすを押したという。教室内では、教科書の準備から弁当まで級友がすべてを手伝ったらしい。少年も頑張ったが、友人も素晴らしい。他人への思いやりの心を培ったことが何よりの財産になるだろう。  この少年は卒業するようでございますが、この話題に触れて真っ先に脳裏によぎりますことが、筋ジストロフィー症の玉置君、兵庫県の市立尼崎高校を希望し、試験から内申から合格していながら、障害を理由に門を閉ざされた少年がいる。同じような難病を背負っていても、一方は高校を皆に守られて卒業するし、一方は校長を相手に不合格処分取り消しを求めて裁判を起こしている。今そういう状況でございまして、あす判決が出るようでございますが、私は、初めに言いました枚方市の学校でございますが、大変すばらしいな、文部大臣が先頭切ってこういう学校を、金メダルでも上げるように称賛をしてあげたらどうかなと思うのですね。ぜひそれをお願いしたいということと、このあすの裁判、裁判のことを個人的に大臣としては、こういう二つの学校があるわけですが、どのように思われているか、大臣の御見解を伺いたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 玉置君という少年のお話は、きのうもこの分科会で話題になっておりますが、単に身体に障害があるということで入学をお断りするようなことはあってはならぬという基本的な文部省の姿勢というものについては、これからも徹底していかなければならないと思っておりますし、とりわけ、これは教育だけではなくてすべての世界で言えることと思いますが、心身に障害をお持ちの方とかあるいは非常に条件の不利な方とか、そういう弱い立場に置かれた方に温かい愛の手を差し伸べることができれば政治、行政というのは合格点だと思うし、その逆は全く逆であって、強い者にますます強くするようにいろいろな好材料を与える必要というものを政治、行政は基本的には持っていないものだ、私はそういうふうに認識いたしております。  とりわけ教育については、憲法あるいは教育基本法が教育の機会均等ということを高らかにうたいとげているわけでありますから、できる限りそうした面で温かく温かく教育行政をやらせていただきたい。私たちもやるし、市町村、都道府県にもやっていただきたい。そういう祈りにも似た願う気持ちを抱いております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)分科員 病児教育について最後に一問お伺いしたいと思います。  小児科の入院施設のある病院に院内学級をという、大変求められている、そういう声が強く出ております。現在、平成二年度で病弱の特殊学級は小学校、中学校合わせて百四十五設置されて千九百人が在籍しているわけですが、その半数以上が病院内の特殊学級、そうなっておりますが、都道府県で設置状況がまちまちで、県で一つもそういう学級がない、そういう状況もございます。小学校、中学校は特に義務教育であるわけですが、長期のネフローゼだとかいろいろ病気を抱えて勉強をしたくても勉強できない、そういう子供たちがいるわけです。国民すべてがひとしく教育を受ける権利も持っているわけでございますし、この病院内の病弱児の特殊学級の設置を大きく拡充をしていただきたい。また、家庭で療養している子供の進級や進学も可能になるような訪問教育制度、そうしたものについてもぜひ検討をして実施をしていただきたい。  今、宮澤内閣は、生活大国ということをスローガンに掲げました。ぜひ、こうした面、一番大事な子供の義務教育というようなところがスムーズに進められるような、こうした訪問教育制度というものの実施等について要望させていただきまして、御見解を伺って、最後にしたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 それは先ほど御答弁申し上げたのが私どもの基本姿勢でございまして、その病院に併設された病弱養護学校とか、あるいは病院内の病弱特殊学級とか、あるいは訪問教育とか、先生御指摘のこれらは今先ほど私が申し上げたできるだけ温かくということの最たるものだと思うのですね。実際、生徒数も変わるかもしれませんし、ごく少数、本当にマンツーマンのような形になる可能性もあるわけですね。そういう中で、経費もかかる、先生の配置とかも大変であるという中で、少しでも教育の機会均等ということで、温かくしっかりやらせていただくということで努力をしていきたいと思っております。ただ、そういう非常に、何というか、効率という意味でいうと、しょっちゅう先生の配置等も考慮しなくちゃならない難しい側面がございますので、まだまだ充実をしていない部分もあろうかと思いますが、一生懸命やらせていただくということで御了解いただけないでしょうか。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)分科員 ありがとうございました。

新盛辰雄日本社会党・護憲共同

○新盛主査代理 これにて大野由利子君の質疑は終了いたしました。  次に、竹内猛君。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 私は、昨年のちょうどきょう、一年前に同じ場所で質問をしてまいりました茨城県つくば市の小田城の文化財保護をめぐる問題について質問をします。当初質問のことについて一定の通告をしたけれども、事情が変わったから、通告どおりには質問しないから、何を言い出すかわからないから、その点についてはひとつ心得て答弁をしてもらいたい。  まず第一に、これは大臣に質問しますが、国会における大臣や責任者、次官の答弁というものと事務官の行動が一致しなかった場合にはどうなりますか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 それは、例えば私も今文部大臣やらせていただいておりますし、今私の目の前にお越しの松永先生が文部大臣のときには文部政務次官をやらせていただいた懐かしい思い出もありますが、正直申し上げて、ずっと官僚をやっているわけじゃありませんから、事実誤認をして、全く事実関係を間違って物を言ってしまうとか、そういう場合はこれは訂正をして、ごめんなさいと、私が知らなかったからということになりましょうが、そうでないケースは、やはり国会答弁というものは当然努力義務、こうしようと思いますと言えば当然努力義務が生じるものと私は思っております。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 私もそのとおりだと思うのですけれども、この小田城というのは南北朝時代に北畠親房が神里正統記を書いたという有名な場所です。この城趾を昭和十年に当時の重要文化財の規定によって文化財として指定をした。それから二十五年に文化財保護法ができて、そこで文化財保護という形でさらにそれが確認をされている。六十年になってから、当時の筑波町、現在は合併していますから、その町に若干のお金を出して計画をつくらせたのですね。保存管理計画をつくらせた。これがその保存管理計画ですが、それができた。ところが、この問題に関連をして、管理計画の中に宅地がたくさんありまして、ABCDというぐあいに区切られております。そういう中で、ともかく自分の家が建てかえもできなければ移転もできなければ、何もできない。こういうことで住民は、長い間そこに住んでいた人たちは、これに対して非常に不満を持っている。  そこでいろいろ相談をして、市に合併をしたものですから、市の方では検討委員会というものをつくって、当時の助役であった木村操という者が座長になり、それぞれのメンバーが入ってそこで検討委員会というものをつくった。これが三回ぐらい会合をやったわけですね。その都度文化庁からは服部という公務員が出張っていって、あれやこれや指導をした。あれやこれやですよ。余計なことをたくさん言っていますね。あれやこれや指導をして、そういう経過があって、そしてその検討委員会が去年の八月二十一日、三回目の会議をしたときに、また服部が行って、もう検討委員会に任せられないから、それは文化財保護法によって文化庁がやるからということで、そのまま会議を打ち切ってしまったのです。  私は、去年の三月十二日ですから、その前に、当時遠山次長にここで質問をして、次長は極めて明確に、地元に検討委員会ができていますから、その検討委員会の一つの結論を待っていろいろ相談をしていきたい、こういうことを何回もここで答弁をされている。この服部事務官の行為は一体どういうことですか、これは。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 先生御指摘のとおり、昨年の予算委員会第三分科会におきまして、文化庁次長の答弁といたしまして、この問題について全国的な視野に立った史跡の保護、それから地元市あるいは住民の方々の利益を調整してでき上がってきた基本的な方針、これを尊重していきたい、こういうふうに答弁を申し上げた次第でございまして、私どもとしては、御指摘のとおり、それを踏まえまして、それによりまして対応をしていかなければならない、御指摘のとおりでございます。  実は、検討委員会がございました折に私どもの調査官が発言をしたことでございますが、このことにつきましては、委員会の検討段階におきまして、正式のメンバーではございません、オブザーバーとして参加をしていたわけでございますけれども、専門家の一人として文化財保存ということを中心に発言をしたものというふうに考えておるわけでございまして、それは委員会の検討段階における専門家の発言というふうに私どもとらえておるわけでございます。  私どもとしては、昨年この予算委員会分科会で答弁をしたということにのっとりまして、これからも取り組んでまいりたい、こう思っておるわけでございます。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 その後、地元では去年の十二月二十二日に市長選挙があって、そして前の市長の倉田さんが敗れて木村さんにかわった。助役の鈴木助役もやめた。こういうことが行われているのですね。にもかかわらず、去年の八月から六カ月たっているのに、文化庁からこの問題についての相談が一つも地元にない。地元は、これはもう服部発言によって打ち切られたものだ、こういう理解をしていますね。  けさ私は県の教育委員会の文化課の方からも話を聞いた。市の方からも聞きました。やはり服部というのが来て、もう検討委員会ではなくて、文化庁の文化財保護の規定に基づいてやりますという形で発言をされたというような形ですね。それから、市長とも私は二回話をしましたが、市長もこれはどうしようもない。現地の小田の役人の人たちは、責任者が総辞職をする、こういう事態になっている。だから、市長選挙のときにも大変な盛り上がりをして、一体どういうことなんだということなんですよ。  これは冗談じゃないんですよ。地域住民の長い間、北畠親房の南北朝の時代からあそこで生活をしている皆さんが悩みに悩んでいるこの実態を、本当に文化庁の皆さんは、文化財を守ることも大事だけれども、その住民の心を、もう心が離れてしまっている、何重言うんだと、大変な怒りですよ、それをどういうふうに考えますか。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 御指摘のように小田城跡、これは中世以来のお城、そしてその跡でございまして、この城の跡をつくば市の住民の方々が守ってきていただいたということは、我々としても非常にありがたい話でございます。その中で、史跡小田城整備検討委員会の中でこの整備、管理について御検討いただくということで、これは昨年次長が申し上げましたとおり、我々としても大きな期待を持っておるわけでございます。  今先生の御指摘のように、その発言によりましてこの検討委員会の検討が進まなくなるというようなことでございましたら、これは御指摘のように分科会での次長の発言と食い違ってくるわけでございまして、そういうことで先生初め地元等での御理解であったということになりますれば、これは私どもの本意ではございませんので、このことはぜひ御理解を賜りたいと思うわけでございます。私どもとしては、つくば市とは早速に十分連絡をとってまいりたい、かように考えております。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 その考え方はそれはわからないじゃないけれども、一体それじゃ八月二十一日以来打ち切られてしまっている検討委員会、これは一体どういうふうにするのか。それから、それに発言をした公務員の責任です。つまり、国会の答弁を上回ったような、私の議事録を何遍読んでみてもそういうことが書いてない。ちゃんと遠山次長は、しっかり検討委員会というものの結論を踏まえて、こうなっている。ところが、検討委員会が結論を出さないうちに引き上げてしまうということになったらしょうがない。  だから、もしやるとすれば、文化庁のしかるべき責任者が一緒につくば市に行っておわびをして、同時にそれを再建し、努力をするということしかない。それはできますか。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 この点につきましては、検討委員会の進行がとまるという事態は我々にとっても非常に適切ではない事態でございます。実は、この検討委員会の検討結果を待ちまして、我々としてもそれを見、さらに調整をしながら今後の対応をしていきたい、こう考えておったところでございます。  今申し上げましたようなことによりまして、地元でそのような御理解であったということでありますれば、先ほど申し上げましたように私どもの本意ではございませんので、とりあえずまずつくば市と責任者が十分連絡をとりまして、今後どう対応していくか、よく相談をさせていただきたいと思います。まあ、その調査官につきましては、これは委員会の検討段階におきまして専門家として申し上げたということで、文化庁全体としてどう対応するかはさらにつくば市とよく相談をしたい、こう考えておりますので御理解を賜りたいと思います。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 その方向はわからないじゃないし、またそうしなければいけないと思うが、服部という人がまたそこへうろうろ出ていったら、また話はぶっ壊れてしまうんだから。これは残念だけれども、どんな有能な人か知りませんけれども、もうかなり長いね。僕はともかくあそこへ手を入れてから七、八年になるけれども、いつもこの服部という男の名前が出る。あの人以外いないのかね、文化庁にまともな人は。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 この小田城跡の事業につきましては、私ども文化財保護部記念物課というところで担当しております。記念物課長あるいは担当企画官、課長補佐、それぞれ力を合わせてやっておるわけでございまして、この件につきましては、調査官がそういったチームに加わりつつやっておるわけでございます。ですから、調査官だけがやっているということではございません。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 前々から服部という人の名前は実に有名なんだよ。僕の息子は土浦の市会議員やっているけれども、土浦の市会議員のうちの子供さえその服部というのを知っているんだ。有名ですよ。悪名が高いんだ。あの人が来るとろくなことがない、こうなっているんだから。あれが行くようなことがあったら市は受けませんね。これははっきり言っておく。  さてそこで、六十年に、筑波町のときに、井坂敦實という茨城大学の教授をやっていた人が筑波の町長をした。彼は文化財の保護に加わった。六十年の段階で地元で保存計画の策定をするときにいろいろ会合をやったはずですね。その会合をしたときの議事録を持っていますか。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 私、今その議事録はここに所持しておりません。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 いいですか、私有財産を押さえるのに、憲法の二十九条に財産権の問題が書いてある。あの三項に、私有財産を公共の用に徴する場合には正当な補償をしなければならぬと書いてあるでしょう。現在、小田城周辺の二十二ヘクタールは私有財産ですよ。それで城の修復ができないのですよ、今は。宅地ですよ、あのところは。できない。確かに三軒の人は一億七千万のお金をもらって立ち退きをした。これはどうしようもないのですよ。もう泣いて泣いて、やむを得ず一億七千万で立ち退きをした。これがせめてもの文化庁のやった仕事だとおっしゃるけれども、そんなことは中心じゃないんだ。つまり、どういう議事によってこのようなものが策定をされたかという、その経過がはっきりしない。だから問題が混乱する。これをつくるときにも服部君が行っているに違いない。だからいろいろな、言ってみれば後ろから見れば悪があって、それがばれてはしょうがないから、行ってはあれやこれやとろくなことを言わない。だから、これを排除しなければ問題は解決しない。  したがって、あそこの二十二ヘクタールというものを一体どうするか、この問題がある。私は年じゅうそこへ行っています。いいですか。昭和二十五年に重要文化財になった。現在そこの場所はどうなっていますか。雷が落ちてケヤキが焼けて、焼けぼっくいが一本ぽんと立っている、こういう状態です。城はないですよ、城は。二十五年に重要文化財といって決めておきながら、保護も何もしていない。夏などは、そこへ入ろうとすれば長靴でも履かなければ入れない。道路がありません。筑波山に来た観光の人たちが行こうと思っても車がとまらない。そして周辺にある堀は民家の人たちが占有して、米をつくったり野菜をつくったりしている。それにもかかわらず何の指導もしないで、そしてあるところにはメタンガスがたまるほど悪水がたまっている。これで国が指定した重要文化財、これはおかしいですよ。誠意がないじゃないですか。どうですか。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 これは先生にいろいろ御指摘をいただいておるわけでございまして、こういった現在の小田城跡の状況につきましては、史跡としての保存管理が十分に行われていない、そして宅地化も進んでいるというようなことでございまして、文化庁としても、これは解決しなければならない大きな課題であるというふうに考えておるわけでございます。  現在の検討小委員会の結論ということでございますが、今のような先生の御指摘のような状況でありますれば、これに対して解決を図らなければならないわけでございますが、そういった委員会での検討、こういうものを尊重しつつこれから取り組んでいかなければならない、こういうふうに考えておるわけでございます。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 二十五年に重要文化財に指定されて、六十年にこういうものができて、それから合併をして、問題が起こって検討委員会に移していった、こういうような経過の中で、少なくとも城の復活の計画とか、あるいは堀を占有している人物を排除するとか、何かちゃんとした手当てをしなければ、ほっておいて、検討委員会を開けばあれもだめだこれもだめだ、こんな国の指導はないですよ。そうじゃないですか。あなた方がこれをやられてごらんなさい。自分の財産権を押さえられて、何もしないでは文化財じゃない。隣の石下という町には平城が立っている。土浦も復旧した。出島でも城をつくった。肝心のつくばの小田が城がない。焼けぼっくいがぽんと一つ立っているだけの話だ。あとは原っぱ。これで全国の人々が、北畠親房の神里正統記だといって行ってみたら、何だこれは。僕らもよく学校のころに北畠親房の神童正統記というのは試験に出されたから、あこがれてよく知っています。ああここかと行ってみれば原っぱだ。それで文化財だ文化財だ、何を言っているんだ。  昨年は、井上文部大臣は、やはり私有財産を押さえることについては慎重でなければならぬとちゃんと御答弁がされている。これは鳩山文部大臣も同じだと思うのですが、どうですか、文部大臣。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 文化財をめぐって権利の調整というのは大変難しい問題でありましょうが、その辺はきちんとしなければいけないということ、そしてまた今先生おっしゃったように、確かに小田城という文化財については今回の先生の御質問通告で初めて知った程度でまことに申しわけありませんが、北畠親房の神里正統記、こう聞けば、なるほどそうか、こう思いますので、しっかりとした保存とか復旧とか、そういうことがなされなければいかぬなとは思います。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 何遍も申し上げるようだけれども、これからこの市長あるいは市の文化課の人々とも、長い間あの地域を守ってきた地元の小田の人たちとも、この報告をします。そのときに問題は、やはりこの前も申し上げたように、何も小田城だけが文化財じゃないのですよ。あそこにはいろいろな歴史があるもっと立派なものもある。極楽寺というのもあるし、それから大池、平沢の観音。そして関城というところでも、関の城というのはこれはまたやはり神里正統記を一部そこへ逃れていって書いたという歴史があるが、ここはよく管理をされている。土塁もきちんとしているし地下壕も管理をされている。肝心の、文化財だと称して地元に非常に悩みを生じている小田地区だけが何も手を打ってない。そのことについては甚だ遺憾なんですね。  文化庁としては、計画を立てていつごろまでには立派な文化財として社会的に公開ができるようにする、こういう計画を立ててくれなければしょうがないじゃないですか、これは。どうですか。

新盛辰雄日本社会党・護憲共同

○新盛主査代理 質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 市におきましてこの委員会の結論を踏まえつつ具体的な整備計画が策定され事業が進む、こういう段階を経まして、文化庁といたしましても、例えば城の遺跡の復元的な整備あるいは土地の買い上げ等につきまして取り組んでまいりたい。それによってこの史跡小田城跡を立派なものに持っていくということに取り組んでまいりたいと思います。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 これはいつごろまでにやる計画ですか。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 これは市の計画というのが一つありますので、今の段階でいつということはなかなか申し上げられないわけでございますが、そのあたりは市と十分協議しまして努力をしたいと思います。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 市の方でやっている検討委員会というものが今度はなくなってしまって、半年間も遊んでしまっているんだ。そういうような状態で、僕がここで質問しなければ、依然として荒れた状態ですよ、ここは。  それじゃ、いつつくば市に行きますか。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 この件につきましては私どもも早速つくば市と連絡をとりまして、そのあたりは早急に相談をしたいと思っております。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 もう時間が来たから、これは大垣に相談ですが、ともかく公務員として国会の答弁に対して逆らうような、それを否定するような、そういう公務員というのは私は好ましくないと思うのです。だれでもですよ。AとかBとかじゃないです。好ましくない。これはよろしくない。最後に大臣の気持ちを聞いて終わりたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 その服部さんという方のことに限らずですが、具体的にどこでどういうことがという事柄を承知して物を言うわけではありませんが、少なくともこうした席で文化財の問題について吉田次長や私が申し上げたことには責任を持っていかなければならないと思っております。

竹内猛日本社会党・護憲共同

○竹内(猛)分科員 終わります。

新盛辰雄日本社会党・護憲共同

○新盛主査代理 これにて竹内猛君の質疑は終了いたしました。  次に、新村勝雄君。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村分科員 私は、最初に国立大学の研究環境について伺いたいと思います。  現状の国立大学の研究設備、いわゆる研究環境は、報道されるところによると極めて劣悪である、特に世界一、二の経済大国の研究施設ではないというふうに言われているわけであります。  そこで、学術、特に自然科学系の学術を日本として研究するその責任はどこにあるのかということです。大学あるいは国立の研究機関ももちろん一つの中心だと思いますが、そのほかに各企業が研究の施設を持っていると思います。国としては政策的に基礎研究、特に先端技術の基礎研究についてはどこが中心になって、どこが責任を持ってやっておられるわけですか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 科学技術全般の問題を考えなければいけないわけでありましょう。先端技術と先生が御指摘をされる場合と、あるいは最近よく言われる基礎研究とか基礎科学と言われる分野は、全く同一の部分、重なる部分もありましょうが、また分かれて異なっている部分もあるように思いまして、先端技術と基礎科学というのはまた若干異なる概念だというふうにもとらえておりますが、国家としてこうした科学技術について一番権威ある機関というのは科学技術会議だと思います。これは総理大臣が議長であられて、私どももそのメンバーになっておるわけであります。  もちろんそうした中で文部省あるいは科学技術庁、各省庁が行うことについても調整も図られていくことと思っておりますが、ただ、文部省は教育を主管する官庁であると同時に学術、いわゆるサイエンスにも全責任を負わなければいけないという立場で、例えば学術審議会に対してどのような科学技術に関する施策を行ったらいいかを諮問し続けているところでございますし、国立大学、あるいはもちろん私立、公立の大学も含めてでありますが、そして国立の文部省関係の研究機関と総合的な力を発揮して、我が国の科学技術の振興に寄与していかなければならないと思っております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村分科員 質問の言い方が悪かったのかと思いますが、確かに基礎研究と先端技術の研究とは概念が違うと思います。いわゆる科学の本当の基礎になる基礎研究というのは経済ベースに乗らない基本的な研究、先端技術というのはもう既に基礎研究で理論が確立をされて、いわば商品化される、あるいは工業化されるという段階だというふうに考えていいのじゃないかと思います。  この場合に、科学の基本になるいわゆる基礎研究をどこでやるのかというお尋ねでありますが、科学技術会議でその基本的な方針等を決める。どっちかというと科学政策をここで決めるわけでしょうから、研究をする現場はこの会議ではもちろんないわけですよね。その基礎研究の現場はやはり国立の機関及び国立大学の理化学系の学科ということになると思うのですね。学術のうんのうをきわめるということが多分大学令の中に、大学の目的にあると思いますけれども、そういう点からしても、国立大学というのは基礎研究の一つの拠点であると思いますね。  そういう意味からして、現在の国立大学の基礎研究、国立大学の研究環境、研究条件というものが非常に劣悪だというように報道されているわけであります。私も東大の理学部へ行って、見学させてもらったことがありますが、我々素人でありますけれども、確かに劣悪というか、劣悪そのものというと失礼でありますが、建物も戦前のもの、もちろんスペースも戦前のものですよね。その狭いスペースの中へ新しい機械を詰め込んで、確かに機械の数は戦前よりはふえているでしょうが、そういうことで、素人目にも大変おくれている。そこで研究している人たちの話を聞くと、いや、お話になりませんよ、予算はもう切られるし、全く文部省御当局は我々の研究に対して御理解がない、こういうことを盛んにこぼすわけですね。  そこで、報道でありますけれども、これは関係者のアンケートでございます。「研究環境」、これは大学の研究環境ですけれども、設備については「大きく劣る」というのが五八%、「少し劣る」というのが二六%、「優れている」というのはわずかに五%。建物の面から考えると、「大きく劣る」というのが六一%、「優れている」というのがわずかに七%。「給与」の面からすると、「大きく劣る」というのが七九%、「優れている」というのは実に一%、こういう状況なんですね。  それから、教育研究費の現状と現場の人たちの要求、希望額、これを比較しでみますと、これは国立大学の統計ですが、これは数値でいいますと、「教養課程」では百二十という必要に対して六十五しか予算はついていない。「人文社会系」では百に対して五十ですから、現場の希望に対してちょうど半分しか予算がない。「教育系」では百三十に対して六十六。「理工農系」では二百五十に対して実際に予算のついているのは百。「医歯薬系」では二百に対して四分の一の五十。こういう研究費の状況だということが報道されているわけであります。  そこで、毎年国立大学の予算の要求があると思いますが、予算の要求に対して文部省はどの程度に査定をされ、これを切っておられるのか。その概略を伺いたいと思います。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 私ども国立学校特別会計という特別の会計で国立学校、それから今先生御指摘がございました国立学校設置法に基づきます文部省所管の研究機関等の予算をお願いしておるところでありますが、今御審議いただいております平成四年度の国立学校特別会計の予算は総額で二兆二千百七十二億六千九百万、こうなっております。これは対前年度に対する伸び率は五・九%ということでございまして、御案内のとおり国の一般歳出の伸び率が四・五%ということでありますので、それを上回る伸びということで、私ども財政当局とも十分協議をしながら予算査定をいただいたところ、このように理解をいたしております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村分科員 実際の必要額に応じて配分される予算はかなり少ない、現場の要望からはほど遠いというふうに言われておるわけです。予算に占める比率が低いということと同時に、基礎研究に対する投資の額が国際比較で見てもこれは極めて少ないわけですね。一方、一般の設備投資、産業界における設備投資は、今や日米はほとんど同額になっているわけです。一昨々年ですか、その実績によっても、日米両国は設備投資ではほとんど同額ということになっておりますが、一方基礎研究、特に国が支弁をする基礎研究の費用は恐らくアメリカのまだ三分の一くらいでしか出していないのではないかということであります。  そういう点からして、やはり根本的に発想の転換をしないと、確かに日本はハイテクでは今世界の市場を制しています。市場を制していますけれども、果たして研究の分野で市場を制しているほどの力を基礎研究の分野で持っているかどうかということについては、人によっていろいろでありますけれども、必ずしもまだ日本は世界一ではないというふうに言われているわけであります。その研究の中心をなす国立大学の研究機関の設備、費用が極めて劣悪であるということは大きな問題だと思いますね。  国では、国立大学に対して、これは国立ですから当然国が経費を持つわけでありますけれども、一方、私立大学に対しても補助は出しております。しかし、今やこの国立大学の設備、費用等はむしろ私立を下回るのではないかというような見方もあるわけです。というのは、国立大学というのは自由に資金を集めたり資金活動は当然できません。一方私立大学は、それぞれ卒業生の有力な人を頼って金を集めるとか、いわゆる資金活動を活発にやっている。百億、二百億はたちどころに集まってくるというふうに言われております。そういう点からすると、むしろ今国立大学の方が私立大学に比べて、費用の面からもレベルからいっても落ちているのではないかという指摘もありますけれども、そういう点ではどうでしょうか。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 いろいろな御指摘がございまして、国立学校における教育環境の劣化ということについて各方面から御指摘をいただいております。私ども甚だ遺憾に存ずるとともに、またそういう御指摘をいただくことは、私どもとしては大変力強い御支援の声としても受けとめておるところでございます。  私立大学と国立大学のどちらが施設設備等がすぐれているかということはなかなか個別には比較できないところでありますので、具体のデータをもって比較するということは難しいこともございますので差し控えさせていただきますが、先ほど発想の転換という御指摘もございました。  私どもただいまお願いいたしております平成四年度の予算案におきましては、国立学校特別会計におきまして、財政当局の御理解、御支援もいただきながら、特別施設整備資金というものを設けよう。そして、その特別施設整備資金という仕組みを活用いたしまして、御指摘がございました国立学校、大学研究所を含めて老朽化、狭隘化が著しいものについての緊急かつ計画的な改築、改修等の整備を行っていこうということで、平成四年度を初年度として五カ年計画というものを策定をいたしておるところでございます。初年度の平成四年度につきましても二百億ということで事業に取り組むということも考えております。  また、私立大学は民間資金を入れやすいが国立大学はなかなか難しいという御指摘もございましたが、実は国立学校につきましても、近年はできるだけ民間の資金を集めるように努力をしていこうではないか。これは御案内のとおり、大学関係者もかつては産学協同ということについてかなりナーバスな面もありましたけれども、最近はその辺もきちっと整理をしながら、民間資金につきましても一般的な奨学寄附金、平成三年度で申し上げますと四百四十二億の奨学寄附金、あるいは民間との共同研究につきましても平成三年度では四十五億、あるいは民間と共同してやる場合の一形態として民間から研究の受託を受けるという経費が八十一億、こういうふうなことで、各方面にわたってそれなりに努力をいたしているつもりでございますので、御理解をいただきたいと思います。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村分科員 国立大学を初め、国の研究機関の充実について発想の転換、そして飛躍的な予算等についての配慮、これをぜひ大臣にはお願いしたいと思います。  次は、いわゆる生涯教育の問題でございますが、文部省においても、高齢者あるいは第一線をリタイアした人たちの向学心にこたえるためにいろいろと新しい制度を導入しているということは伺っております。特に、高齢者でもう一回教育を受けたい、大学教育を受けたいというような人も少なくない。そのことが生きがいにも通ずるし老化防止にもなる。こういうことからも、今生涯教育というか高齢者の教育、教育というよりはむしろ高齢者のそういった意欲に応ずる行政の対応が求められているわけであります。  いわゆる生涯教育の一環として、文部省では最近新しい制度、大学の公開あるいは単位取得の便宜を図るという制度をつくられたと聞いておりますけれども、その概略を伺いたいと思います。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 生涯教育ということを考えます場合に、いろいろな場があるわけでございますが、その中でも大学というのはやはり重要な役割を果たさなければいけない、このように考えております。  従来からいわゆる公開講座といったようなものを各大学でやっていただいておりますが、さらに、それのみにとどまりませんで、最近私どもが新しく制度的に開設をいたしましたものとしては、学びたいという方が、従来でございますと聴講生ということで大学に行くという仕組みがございました。  高齢者の方でも社会人の方でも聴講生として入る。ただしかし、その場合には、聴講生には正規の単位は出さないということになっておりましたので、そこで学んだ成果というものを積み上げるという道がなかったわけでありますが、今回私ども、制度改正によりまして、聴講生という制度を改めまして科目履修生というようなことにして、そういう方には正規に大学が単位を出す、それによって励みにもなっていただきますし、また、これもさきの国会で御理解いただきまして学位授与機構というのを設立をさせていただきましたが、そういう学位授与機構の仕組みをも活用して、科目履修生で履修しながら学士号を取得するという道についても今後は研究をしてまいりたい、このように考えております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村分科員 大学の公開ということについては今までも一部は行われていたと思います。その一つは公開講座ですけれども、公開講座は今のお話のように、そのときに聴講してもそれで消えちゃうわけで、聴講した人の実績として、何といいますか、知識は蓄積されるわけでしょうけれども、実績としてのものは残らないわけですね。  それから、聴講生という制度があるわけでしょうけれども、この聴講生にしてもどの大学もすべて希望者に公開しているというところまではいっていないと思います。極めて特殊の大学が特殊の学科についてそれが認められているということだと思いますが、今のお話のように一歩を進めて、大学の履修単位を一定の条件のもとに聴講した者には試験を課して単位を与える。その単位を積み重ねていけば、例えば、大学卒は百二十四単位を取得すれば学士になれる、こういうことをリタイアした、あるいは老年者にもそういう道を開くということですよね。そういうことを御研究だと思いますが、ぜひそれを一日も早く実現していただきたいわけです。  そのことによって、高齢者の生きがい、あるいはある意味では老化の防止ということになりますし、また老年者がそういう知識を蓄積することによって、その知識で社会に貢献をする、そういう側面も考えられるわけでありますから、ぜひお願いしたいと思うのです。  これから高齢者が非常にふえるわけであります。六十五歳以上の人たちが二〇〇〇年になると四分の一になるとも言われておりますけれども、その四分の一になるたくさんの老人の方々が、我々も老人でありますけれども、単に時間を過ごすという、余生の時間を無為に過ごすということではなくて、余生、老後の質を高めていく、そういう点からしても、生涯教育というのは大変意味があると思います。ぜひそういう制度をつくって、高齢者の一つの励みの道を開いていただきたいと思います。  そういうことによって、単位を積み重ねることによって大学卒の資格が得られる。さらに一歩を進めて、意欲のある者には大学院まで進んでもいい、大学院課程の聴講も許す、またそれに対する単位も与えようということになれば、七十を超えた者でも勉強することによって修士にもなれる、場合によっては博士にもなれる、こういう一つの目標をつくることによって、これからたくさんふえる老人の生きがいをそこで与えてもらう、こういうことができると思います。  それをやる場合には、もちろんこれは一定の授業料を払うわけでありますから、公私立の大学に対して一方的な負担をかけるわけではなくて、当然その経費はその受講者が負担をして、そのかわり大学当局はそういう便宜をできるだけ与えていくということが望ましいわけでありまして、そのためには制度を確立をすることと同時に、全国の国公私立の大学に対して、大学を開放するような指導というか、場合によってはそういう機会を与えなければならないというくらいの制度化したものが必要だと思いますけれども、そういうお考えはありますか。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 先生の御指摘の中にもございましたように、現在の公開講座あるいは聴講生にしても、なかなかこれが全般的にはなってない。公開講座はちょっと別といたしまして、聴講生の仕組みというものを考えましてもキャパシティーの制限というものがございますので、先生おっしゃるように具体に取り組んでないところもあろうかと思いますが、私どもは、公開講座につきましては積極的にこれを推奨いたしておりまして、国立大学につきましてもとより国の予算措置をする、それから私立大学につきましても私学助成で配慮をしていく、こういうふうなことで勧奨をいたしております。  ただ、大学の性格、大学と文部省との関係ということからいたしまして、しなければならないというようなところまでは、やはりなかなか難しい問題があろうか、このように考えております。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村分科員 国立の大学についてはしなければならないということはできると思いますよね。それから、それについての一定の補助をするとかそういうことは、これはしてもいいのではないかと思います。とにかくそういう方向で、ぜひ大臣におかれても努力を願いたいと思いますが、いかがでしょう。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 生涯学習社会の建設という大きな目標を今、私たちはとらえて確立をして努力を始めているところでございます。先般放送大学へ視察に参りましたときに、ちょうど試験を受けに来ておられるさまざまな年齢の方々の、いわば大人の本物の学習意欲というようなものに圧倒される思いがいたしまして、みずからが過ごした大学時代というのはあれは一体何だったんだろう、確かに卒業証書は求めていたんだろうけれども、余りに子供っぽい学習意欲ではなかったか、何か放送大学に来ておられる皆様方の方が本物の学生という印象を受けました。  先般、つい数日前に、新聞を開きましたら、私のよく知っている顔がぽんといきなり社会面で飛び込んでまいりました。その方は北村実さんといって、六十四歳で東京農工大に何回かチャレンジして合格された。実は私の後援会の方でございまして、日ごろからよく一杯やったりするような方なものですから、余りに、全く話を知りませんでしたから、びっくりしたわけであります。お孫さんを抱いて合格の喜びを語るなどという、ああいうような方々の学習意欲というものは本物だと思いますし、その六十四歳の北村さんが合格されたといって新聞に出るというのが、今は新聞に出るんだけれども、そういうことが当たり前になって新聞に出なくなるような世の中になれば、生涯学習社会の建設はより一層進んだことになるのかななどとも思ってみたりしております。  そういった意味で、今先生から何度も御指摘があって局長が御答弁申し上げておりました大学の公開あるいは公開講座、これも大変重要な課題でございまして、国公私立を問わずに大学がすべての国民に門戸を開くような、そのような仕組みに少しでも近づくように努力をしていきたいと思います。

新村勝雄日本社会党・護憲共同

○新村分科員 ぜひお願いをしたいと思います。それで、大臣の鳩山家は従来から文教には大変御理解がある立派な方々が代々出ていらっしゃるということもありますので、ぜひ大臣の任期中にこの制度を確立をしていただいて、今向学心に燃えている高齢者が相当いると思うのですが、そういう人たちの要望にぜひこたえるような制度をひとつつくっていただくようにお願いしたいと思います。  あと、日本の教育の閉鎖性、国際化の推進というようなことについてもお尋ねをする予定でありましたけれども、時間がありませんので、これは別の機会にいたしたいと思います。ありがとうございました。  終わります。

新盛辰雄日本社会党・護憲共同

○新盛主査代理 これにて新村勝雄君の質疑は終了いたしました。  次に、日笠勝之君。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 午前中の質疑の最後のバッターでございますので、いましばらくよろしくお願いいたします。  マックス・ウェーバーは、政治家の三条件ということで、情熱と決断力と洞察力、こういうことを言っております。ですから、大臣、ひとつこれからの私の質疑については、それを余すところなく発揮していただいて、殊に、話は短く決断は早くということで、的確な御答弁をまずお願い申し上げたいと思います。  まず学校五日制でございますが、きのうもるる議論がございました。もう中身についてははしょります。私が一つだけお聞きしたいのは、受け皿づくり。この受け皿づくりの中のいわゆる社会教育施設。この社会教育施設をどのように児童生徒また保護者が活用していくか、大事な大事な問題でございます。  そこで、御提案であり、決断を求めたいのが、国立の文部省所管のいわゆる博物館とか美術館、それからまた歴史民俗博物館、競技場とか劇場もございますが、せめて文部省所管のこういう社会教育施設については無料開放する。特定の日を決めるとか、土曜日にするとか、それはいろいろ考えていただければ結構なんです。大臣として、政治家として、そういう文部省所管の社会教育施設については、まず地方にもお願いしなければいけないだろう、私立のいろいろな美術館や博物館にもお願いしなければいけないだろう、そういう意味では、まず文部省所管のそういうものについて、これはやりますと、このように明確にお答えいただきたいと思いますが、いかがでしょう。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 今の日笠先生のお話は、公明党さんの具体的な援言の一つとも受けとめておりまして、現に、こどもの日、みどりの日、文化の日など一定の日に一定の美術館等を無料開放しておるわけでありますから、当然そういう趣旨がどこにあるかということを考えてみれば、学校五日制に基づく土曜日が休みになった場合のお子さんたちの受け皿として、当然有力なものとして考えられますので、これは財政当局とも相談しなければいかぬことのようですが、検討を開始いたしたい、このように思っております。  ただ、先生が既に指摘されてしまわれましたように、国立のそういう施設が残念ながら決して多いわけではありませんので、地方公共団体あるいは私立、いろいろお願いをして回らなければいけないと思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 ですから、まず文部省所管のそういう社会教育施設についてはやりますよと、地方もお願いしたい、私立もお願いしたい、そういう意味で前向き、積極的にまず範を垂れていく、こういうふうにとってよろしいですか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 とにかく具体的な研究、検討に着手したいと思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 続きまして、もう四年前から取り上げております小児成人病対策でございます。実は四年前の三月一日に、亡くなられた当時の中島源太郎文部大臣と初めてこの場で質疑をしたのですね。そのときには前向き、積極的に、もうおっしゃることは取り入れていきますという、まあ会議録を見ていただければおわかりでございますが、御返事がございました。それ以降確かに文部省の皆様方も鋭意御努力をいただきまして、平成四年度より尿検査の中に尿糖検査を取り入れる、これは高く評価を申し上げたいと思うのです。  その前に、ちょっときょうは材料を持ってきましたので、何かバナナのたたき売りみたいになってしまいますけれども、大臣、ちょっと認識をしていただかなければいけないのでごらんに入れますが、これはメーカーは言いませんが、よろしいですか、物品提出をして。

新盛辰雄日本社会党・護憲共同

○新盛主査代理 はい、よろしゅうございますよ。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 では、御許可をいただきましたので。  これは「はちみつレモン」というどこにでも売っています百円の、今度百十円になるのかもしれませんが、今は百円で売っています。この中に糖類がどれくらい入っているか、砂糖類。これは一個三グラムの角砂糖なのですね。大体皆さんコーヒーを飲むときにせいぜい一つか二つ、多い人で三つですね。これがこの三百五十ミリの「はちみつレモン」の中に何と十三個入っているのです、十三個。並べますとこれだけ入っているのです。信じられない。  実は私も「コープこうべ」という生協さんの商品検査センターに行きまして、糖を検査する機械がございます、それではっきり確認をいたしました。このように、清涼飲料水は冷たいですから、冷たいものは甘みをしっかり入れないと甘さを感じない、そういうことでこれぐらい入っているわけですね。  じゃ、一体どれぐらいが子供さんの糖類の一日の摂取の目安なのかといいますと、財団法人日本学校保健会のパンフレットによりますと、一日二十グラム以下に抑えるのが望ましい、こういうふうに明確に言っておるわけですね。こういうことを、まずあるということを念頭に入れて、これから肥満だとか糖尿だとか循環器の、心筋梗塞といいましょうか、心臓病だとかいろいろなことに波及してくるのです、今鋭意研究をしていただいておると思いますが、そういうことをまず念頭に入れていただいて、これから少し議論を進めたいと思うのですね。  そこで、平成二年九月に総務庁が「成人病対策に関する実態調査結果報告書」というのをまとめて、発表されております。その中で、やはり小児成人病傾向がだんだんと増加しておる、文部省は厚生省とよく連携を密にして、協力をして、相互活用をしていきなさいという改善意見が出ておるわけです。そこで、何といいましても健康教育が大事ですね。大臣も私も同世代だからよく御存じだと思いますが、健全なる精神は健全なる身体に宿ると言われますように、健康第一なのです。生涯健康ということも考えた場合、小さいころからの健康教育というのは非常に大切でございます。  そこで、私は先ほどパンフレットのことを言いましたけれども、この日本学校保健会のパンフレットも、お聞きしますと、昭和六十一年につくられたのが一番新しいのだそうです。五年たっています。ですから、そういうふうな加工食品、清涼飲料水にどの程度糖類が入っているかとか、またこれは日本栄養食品協会認定の栄養成分表示といいまして、先ほどの「はちみつレモン」には原材料には糖類と書いてあるだけでグラム数がないのですが、最近やはり消費者の皆さんからの、特にお母さん方からの要求もありまして、先ほど申し上げました日本栄養食品協会が栄養分の成分表示をきちっと検査をして、それを表示してよろしいということで、これは表示が出ているのです。この場合は、このコーヒー飲料水でございますが、糖質十五グラムとはっきり書いてある。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 先生、その角砂糖十三個というのは何グラムになるのですか。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 ちょっと待ってください、大臣から質問されるとは予定していませんでしたから。——一一%ぐらい入っているそうですからね。なんでしたら、これはまたデータ差し上げますよ。三百五十ミリの内容量で糖度が一一・七%で四十一グラム。これは実は三・三グラムなんで、ちょっとサバを読んでいますけれどもね。多いということを知ってくださればいいわけです。大変な量だということ。二十グラムがめどだというのに、その倍ぐらい入っているということなんですね。こういうところから先ほど言った肥満ということが始まってくるわけですね。  そこで、小児成人病という言葉は、またいわゆる医学用語ではないのだそうです。老人病というのが本当の言い方で、しかし日本では成人病と言っている。子供にもだんだんその傾向があるということで小児成人病、こういうことが言われておる。そういうことでどうでしょうかね、家庭の健康教育、大事ですね、日本学校保健会あたりから、小児成人病対策といいましょうか、いわゆる表示を読み取る能力であるとか添加物のことであるとか、それから一日の目安であるとか、運動をどうすればいいとか、ストレスが問題でございますので、どうすればいいかとか、もう少し最新の情報を満載したそういうパンフレットをそろそろつくるときではなかろうか、こう思いますが、これは大臣にお願いしたいのです。きょうはもう大臣七一対一でお話ししたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 現物を私まだ見ておりませんけれども、それはできる限り新しいものにきちんとつくりかえていくべきものと思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 そうしますと、健康教育というのは地域、家庭、学校の三者の連携でございますね。学校の先生がどうなのかというと、案外学校の先生も表示を読み取る能力であるとか、こういう清涼飲料水とかスナック食品にそれほど入っているということは御存じないようなんですね。  これは高く評価いたしますが、歯周病という、俗に歯槽膿漏、最近子供の歯槽膿漏がはやっているということで、平成四年二月現在、小学生の「歯の保健指導の手引」という新しい手引をつくられました。どうでしょうか、これと同じように先生方の手引書、指導資料というのでしょうか、こういうものにも、これから子供さん——先ほど言いました、健全なる精神は健全なる身体に宿るのですから、保健体育の時間で教えておると言われるかもしれませんが、保健体育の新学習指導要領もお持ちいただきましたけれども、成人病予防なんということは高校ぐらいしか出ておりません。やはり中学生、小学生からあるわけです。大臣、中には保育所でコレステロールだとか血圧をはかっているところもあるのですよ。  そういうことから見れば、この新学習指導要領も、小学生ぐらいからきちっと成人病予防ということでそろそろ記述をしてもらわなければいけないのじゃないか。と同時に、先生方にきちっとこういう手引書も考えられるべきときが来たのじゃなかろうか、かように思いますが、いかがでしょうか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 今の先生のお話でございますが、例えば小学校におきましても、体育の保健領域の病気の予防の項目におきましては、例えば糖分、脂肪分や塩分のとり過ぎ、運動不足、不規則な生活など、健康によくない生活行動を続けると成人病になりやすいということから、望ましい生活習慣を身につけることが必要であるということについて指導しなさい、こんなことになっておりまして、小学校におきましても既に適切な指導を行っておるところでございます。それで中学校、高等学校になりますと、なお一層それを詳しいレベルで指導をするということになっております。  それから、先生のお手元の資料でございますが、例えば昭和六十一年につくられました児童生徒の健康づくりのポイント、これには実は清涼飲料水については載っておりません。御指摘のとおりでございます。ただ、間食や夜食のとり方につきまして、間食のエネルギーの目安量、それから砂糖の摂取量の目安量、こういったものが盛り込まれておりました。そして、昭和六十二年それから平成二年につくられました中学校、高校用の指導資料、手引にはきちっと清涼飲料水についての問題点、清涼飲料水の成分、砂糖の体への影響、一日に飲める清涼飲料水の目安、こういったものを具体に取り上げておるところでございます。したがいまして、昭和六十一年に書かれました児童生徒の健康づくりのポイント、小学校を含めまして、これにつきましては、次の改正の時期がございましたら、きちっと整備いたしたいと考えておるところでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 前向きに、積極的に取り組んでいただかないと、健康は待ったなしですからね。そういうことで、いろいろな観点から先生方への手引書も最新版のものをどんどん改定をしていくとか、家庭用のパンフレットなんかも学校保健会でしたか、どんどんつくっていただくとか、そういうふうな家庭、地域、学校と三者連携であらゆる方法を考えてやっていただく、これを要望しておるわけでございますから、この点をひとつよろしくお願い申し上げておきたいと思います。  そこでもう一つ、やはりどうなんでしょう、児童生徒さんは定期的な健康診断なんというのはやってないのでしょうね。学校での健康診断がただ一つのものだと思うのです。実際悪くなれば、調子が悪ければ病院に行ってやるでしょうけれども、まあまあそこそこの健康であれば、学校での五月、六月に行われる健康診断がただ一つのその人の一年の健康診断だと思うのですね。  そういうことで、学校保健法でいろいろ検査項目を、十二項目と言った方がいいんでしょうか、やっていただいております。先ほど申し上げました尿検査の中に今度は尿糖検査も取り入れるということで、前向きな対応には心から敬意を表します。  そこで、その検査項目の中で九番目の「心臓の疾病及び異常の有無」ということで、エックス線の間接撮影は今度任意にするのですね。これは被曝総量の問題とかWHOからの指摘というようなことで、それはわかります。しかしこれは、心臓の疾病というものをそれで見つけようということでございましたが、任意とするということ。  それから千八百校ですか、昨年アンケート調査をされた結果、心臓病関係の検査では心電図はもう既に小学校で三三%、中学校で三九%、高校では六三%と相当高いレベルで、義務的にやりなさいと言わなくても地方自治体が既にもう単独でやっておるわけですね。  そういうことになりますと、エックス線の方は任意になった、しかし心臓関係の、特に突然死なんということがよくありますし、そろそろ心電図とか心音図というものも検査項目で義務化をするようなときが来たのではないか、かように思いますが、いかがでしょう。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 先生御指摘のとおり、子供の心臓疾患を見分けますのに、これまでエックス線の間接撮影、こういったことを行っておる。これは小学校一年生全員に行っておったわけでございますが、科学技術の進歩に伴いまして、その発見、それだけに頼ることも必ずしもよくないということでございまして、心臓疾病、異常の有無を目的としたエックス線間接撮影、これはやめることにいたしたわけでございます。  それでは、そのほかに心臓の疾患をどういった形で発見できるか。これにつきましてはさまざまな方法があるわけでございまして、そのうちの一つといたしまして先生今おっしゃいました心電図検査等もございます。現にやっておるところもございます。  そういったことで、今のところエックス線間接撮影を廃止はいたしましたけれども、それぞれの学校、それぞれの地域の実情に応じまして適切な方法を現在のところとっていただきたいということで指導をしておるところでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 指導は当然されるとは思いますが、心電図も検査項目にきちっと義務化をしたらどうかと。先ほど申し上げました、もう相当単独でやっておりますね。私の岡山市なんかでもやっておるのですね。心音図までやっております。ですから、予算的な問題もあるのかもしれませんが、どうでしょう、やはり突然死をするということは非常に悲しいことでありますし、エックス線の方でも時代のニーズは終わって心電図なんかの新しい検査機器もできた。もちろん問診とか聴打診もやるんでしょうけれどもね。  ですから私が申し上げたいのは、循環器の病気、心筋梗塞なんかも小さいころからの食生活に関係があるということを言われておりますし、国立小児病院の医科長さんもそうおっしゃっておりますし、やはり心電図なんかはもうそろそろ義務化をしていく、そういう時代に入ったのではないか。  ただ、コストが高いということはわかります。ですから、小学校であれば一年から六年生全員であるとか、中学生も一年から三年生全員と、こうなるといろいろ難しい点もあるかと思いますので、先ほど申し上げた、小学校であれば一年生なら一年生だけ。それもたくさんの子供さんで、校医さんの問題だとか機械の問題があれば、じゃモデル校的に、やってないところはやりなさいよ、こういうふうな何かの弾みをつけなければ、これは決断力なんです。大臣。そろそろそういうときが来たのではないか、こう思いますが、これはちょっと大臣に聞いて……。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 現在の取り扱いにつきまして、日本学校保健会に健康診断調査研究委員会、これを設けまして実は検討しておるところでございます。  ただ、医者の中にも、これは私ども事務方がいいぞということで率先してやるわけにはまいりません。医者の方々の御意見をさまざまに伺っておるわけでございますが、その医者の中にも、心電図でやること、これがベストであると言う方もいらっしゃれば、いやいやさにあらず、そういったことだけはだめだ、こういった方法がむしろいいんだというふうなさまざまな御意見がございまして、この委員会におきましても、心電図を義務化しようというふうな方向での位置づけを私どもいただいておりませんので、まだそういった方向での旗振りはできない。したがいまして、その学校、その地域等で最もふさわしいさまざまな方法を研究してやっていただきたいというのが現状でございます。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 私も昨年身内の者が、中学一年生の男の子でサッカーボールをけっておって元気にしておったら、二時間後に冷たくなっていたという衝撃的な事件に出会ったわけでありまして、何か今のお子さんたち、先ほどの質問の御答弁でも申し上げたように、日笠先生や私のような戦争直後のベビーブームの世代が長生きできるかどうかわかりませんが、その子段階の世代ぐらいになると全く長生きができないんじゃないかという説があるのも、何かすべてそういうような事柄と関連がある。  「はちみつレモン」一つに角砂糖が十三個入っておったら、それを知らないでがぶ飲みしておったら一体どういうことが起きるか。決して一定の産業を批判をするわけではないけれども、それはレトルト食品だ、ハンバーガーだ、フライドチキンだという買い食いになれてしまって、そういうような食品ばかりをいつも摂取しておったら体にどういうことが起きるだろうか。  そんなことを考えますし、それに先生、これ危険なんですよね、この水が。私はこの間、この衆議院や参議院の方に、この水は何か特別いい水でも飲ましていただいているのですかと申し上げたら、ただ水道をひねっておると。この周辺、議員会館で水道から出したものを、この間——NASAの宇宙飛行士というのは、変な話ですが、小便をまた水にして飲むので、そういうような関係の技術者の人が来て実験したら、シャンプーなんかの残留成分がどんどん出てくるのですね、議員会館の水に。ここも同じだとすれば、この水だってうかうか飲んでおられないので、せめていい水飲ませたら国会会期中に一体どれくらいの金額かかるんだなんて試算をしてもらおうかと。これは余り議員の勝手に過ぎるかもしれませんが。  そういうことが、もうありとあらゆることが今のお子さんたちを、我々はまだいいにしても、お子さんたちを取り巻いでいるとしたら、これはもう従来考えられないような疾患とかあるいは突然死とか出てくるおそれがありますから、先生の本日の御質問の趣旨というものをよく受けとめて、また体育局とも検討してみたいと思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 先ほど局長、心電図検査は何ですかまだベストの方法じゃないなんて言われましたね。しかし、現実にもう三割、四割、五割と市町村が高いお金を出してやっておるのですよ。それがむだ遣いになってしまうのですね。やはりやって効果があるから継続をしているとも言えるのですね。  そういう意味で私は、実態が、もう高校で六三%も心電図検査をやっておれば、尿糖検査の方も、小中高で大体五割前後やっておるからということでゴーに踏み切ったわけでしょう。そうでしょう。五割前後は尿糖検査をもう単独で市町村はやっておるから義務化しよう、それで恐らく決断をされたと思うのですね。心電図の方も、三割、四割、六割とやっておれば、エックス線の方も任意になれば、当然これは義務化へ向けて検討していただかなければならないんじゃなかろうか、こう思いますね。そのことは、私がそう言っておるということで、よく専門家の方にも申し上げていただければと思うのです。  それからもう一つ、血圧なんですね。やはり血圧検査とか血液検査とか、これは大量のまた人手もかかりますし、機器の購入費もかかりますし、血圧測定もいろいろなやり方があって正確であるとかないとかいろいろなことが言われております。私は、そうじゃなくて、スクリーニングでげから大ざっぱといえば大ざっぱ、アバウトといえばアバウトなのです。その中でいろいろなことを校医さんが、血圧を見たり、心電図を見たり、尿糖検査を見たりしながら、これはちょっとおかしいなと思う人について精密検査を受けたらどうですか、こう言うのが校医さんの仕事でしょう。ですから、学校保健法の規則や何か見ますと、校医さんは事前にそういうデータを見てちゃんと指導しなさいとあるわけですから、だからそういう血圧だとか心電図だとか尿検査だとか、こういうものはどんどんできる限りやっていく、こういう方向で行くべきだと私は思います。  ちなみに、血圧測定も相当市町村が単独でやっているようでございますね。高校ですともう二五%やっているそうですね。さすが小学校は六%ということですが、そういういろいろなできる限りの範囲内からやっていく。全国、もう北海道から沖縄まで一律にするのが難しければモデル校をつくってきちっと定点観測をしながら、そしてよければだんだん広げていく、年次的に広げていくとか、こういうふうにやるときが来たのではないかな。これは大臣、ひとつ最後お答えください。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 そういう時代的な要請がある、またそういう必要性もあるだろうということについては、先ほど御答弁申し上げましたように、先生のお考えと私の基本的な考え方は一致いたしていると思っております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 それから、色覚検査でございますが、日本眼科医会からのこの色覚検査についてもうやめたらどうか、理由は申しませんよ、いろいろな理由があるのだそうですが、これもどうなのですか、検査項目の検討課題には入っているのでしょうか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 当然検討項目の中に重要な項目の一つとして入っています。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 時間がございませんから、なぜこれをやめた方がいいかということはきょうは申しませんが、やはり生徒間の差別であるとか、あの人は色盲だというようなことであるとか、それから、これは医学的に本当に色盲かどうかというのは難しいのだそうですね。眼科医さんがそう言っているのですから。日本眼科医の方から、やめた方がいい、こういう文部大臣への要請、陳情が前任の、恐らく井上大臣だと思いますが来ているそうですね。これはひとつ真剣に考えていただきたい。そういう項目をなくして心電図などの新しい項目を取り入れる。もうこの検査項目が、一番最近の子供の健康状態を見て新しいものを取り入れ古いものをどんどん捨てていく、こういうふうにあってもいいわけですね。そのことを申し上げたいわけです。  そうなってきますと、我が国山県で倉敷市の教育委員会が四つの学校で三十六度以下の低体温児が一割もおる、こういうふうな発表をしました。教育委員会です。そうしたら、今度は目黒区の方の学校医さんが、いや、目黒の方は四割もいるのだよ、こういう発表をしました。朝に弱い児童がふえておる。体温が三十六度以下の子供さんが多い。  これはどういうふうな症状があるかというと、朝起きられないとか、午前中は調子が悪いとか、立っていると気持ちが悪くなるとか、動悸、息切れがする、立ちくらみがするとか、こういう症状が起こるのだそうですね。そういうことで、ストレスだとか睡眠不足であるとか休養が足らないとか、それから偏食とか過食であるとか、いろいろなことが原因だそうです。自律神経の一種の失調である、冷暖房がきき過ぎてそういう体内温度調整ができないとか、こう言われているようでございます。朝、朝礼してもばたばたと倒れるのはこういうことなのだと思うのですね。貧血の方もあるかもしれません。そろそろ低体温児対策ということを文部省の方も検討をするときが来たんじゃないかと思いますが、いかがでしょう。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 実際に低体温の子供が増加しているかどうかということにつきましてこれまた専門家の間で意見が分かれておるところでございます。ただ、児童生徒の健康問題、大変多様化いたしておりますので、先生が御指摘のような症状を有する児童生徒の実態につきまして、最近の子供の体質改善の問題把握という観点から今後実態を正確に把握してまいりたいと考えております。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 最後の御質問を申し上げたいと思います。  先ほど我が党の大野由利子議員も給食のことについて言いました。私も食の教育ということでは給食は非常に大事な部分を占めておることは評価いたします。ところで、先日私の家内が子供の通っている中学校の親子給食ということで行ったそうです。そのときに栄養士の先生が我が校は六百人在校生がいますが、冬場は二百本の牛乳が残るんです、こう言うのですが、この牛乳の残、これは統計があるんでしょうか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 文部省が統一的にとったデータはございません。ただ、幾つかのところでやられた調査結果を見ますと、例えば一%未満のところ、あるいは一〇%を超えるところ、さまざまの状況のようでございます。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 時間が来ましたが、最後に大臣。これはサンプル校でいいですから一遍統計をとってみて、その対応を考えていかなければいけない。飲まないのですから。カルシウムをとらなければいけない。先ほどどなたでしたか、学校で骨折する人が多いという、あれはカルシウム不足じゃないかと言っていましたね。そういう意味では牛乳をとらない子供が多いということはカルシウム不足ですね。ということは、牛乳ばかりじゃなくて例えばヨーグルトにかえるとか、取り合わせもありますね。うどんの給食のときに牛乳が一本ういてきましたら、うどんのスープを飲んで牛乳まで飲んだらおなかがちゃぷちゃぷで飲めないと言うのです。冬は冷たくて飲めない、こう言うのです。だから牛乳が残らないように、カルシウムは栄養ということで大事なわけで牛乳は毎日出しておるわけです。和食であろうと洋食であろうと関係なく出しておる。  そこで一遍サンプルをとるということと、そしてその対策、どうやったらその牛乳を子供が飲むようになるのか。コーヒ牛乳みたいにして何か入れると飲むんだという説もございますし、ヨーグルトにかえてもいいんじゃないかという説もございます。牛乳の残の調査と対策を検討していただきたいことをお願いして終わりたいと思いますが、いかがでしょうか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 牛乳の残の問題、これは大変もったいない問題でございますので、そこでそれぞれの学校におきましてさまざまな工夫がなされておるというふうに承っております。例えば牛乳を一遍に給食の時間に飲むということではなくて、昼食時に配られました牛乳を冷蔵庫に保管をする、そして自分の好きなときに、例えば体育の時間が終わったときに飲むというふうなことを認めておるような学校もございまして、さまざまな方法で、大変いいものですからこれを適切に飲ませるようなそういった工夫、努力をするように伝えたいと思います。  調査につきましてはまだやっておりませんが、何らかの機会をとらまえたいと思います。

日笠勝之公明党・国民会議

○日笠分科員 終わります。

新盛辰雄日本社会党・護憲共同

○新盛主査代理 これにて日笠勝之君の質疑は終了いたしました。  午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時八分休憩      ————◇—————     午後一時十四分開議

新盛辰雄日本社会党・護憲共同

○新盛主査代理 休憩前に引き続き会議を開きます。  文部省所管について質疑を続行いたします。松浦利尚君。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 三十分問ですから、簡潔に質問させていただきます。  一つは、事前に通告をしておらなかったのですが、高等教育局長がおいでですから簡単なことから御質問させていただきたいと思います。  実は、大学卒業で教員免許取得の場合に憲法が指定科目から外されておるということをお聞きしておるのでありますが、事実、憲法は教員免許の指定科目から外されておりますか。外されておるとすればいつから外しておるのかをお聞かせいただきます。大臣知りませんか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 ちょっと私承知いたしておりませんので、今調べましてすぐ御返事申し上げます。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 実は本会議から直接ここに来ましたので資料を持ってきておらないわけですが、憲法が教員免許の指定科目から外されておるというのは、大臣、これは極めて大きな問題だと思うのですね。ですから、その点についてぜひお調べをいただいて御返事をいただきたい、そう思います。——わかりますか。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 御指摘の日本国憲法につきましては、教育職員免許法の施行規則で日本国憲法二単位というものがすべての免許状について必修、こういうことになっております。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 それは間違いなく必修になっているのですね。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 そうでございます。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 それは確認しなくていいですか。後で修正するようなことはないでしょうね。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 「免許法第五条別表第一備考第四号に規定する文部省令で定める科目の単位はここうなっておりまして、「日本国憲法二単位」、こうなっております。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 くどいようですが、それは間違いないでしょうな。そこに書いてあるから現実にそうだと言っておるのか、現在そうなっておるのかどうか確認してくださいよ。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 現在はそのようになっております。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 わかりました。それでは、私の聞き間違い、調べ間違いかもしれませんから結構です。  次に、これは大臣にお尋ねをいたしますが、実はこの前シンガポールに高等学校の生徒さんたちが修学旅行に行かれまして、今は非常にデラックスになりまして高校の生徒さんたちが韓国あるいは中国、シンガポール、そういったアジア諸国に研修旅行、修学旅行をなさるというケースが非常に多いのです。ただ、現地に行きましてかつての第二次大戦のときの我が国の侵略あるいは韓国併合、こういった問題を現地の歴史博物館とかそういったもので見て非常にショックを受けるということを、新聞あるいは現実に行った子供さんたちからお聞きしておるのです。  歴史は忘れても消すことはできないという言葉があります。我が国の今後の外交の上で、教科書の中に、こうした反省の上に立った歴史的な事実あるいはそれに対する指導、こういったものを記載されるのは当然のことだと思うのですが、最近はどうも我が国の教科書からそういったものが姿を消していっておる。御承知のように、韓国等の外交上におけるいろいろな我が国に対する批判あるいは意見等が出ましたために一部そういった記述も散見されるようになったのでありますが、このように高校時代から海外と交流を深めていくという段階になったときに、我が国の子供さん自身もこうした過去を知った上でお互いに交流を深めて、二度とこうした過ちを犯さないという、そういった意味から新たなアジアとの結びつきというものが二十一世紀に向かって新しい世代によって築かれていくということが大切だと思うのです。  ですから、そういった意味で、教科書にもっと積極的にこうした問題が記述されるようにむしろ文部省は指導をすべきだ。もちろん指導という言葉は検定制度上好ましいことではありませんけれども、そういったものについて積極的に取り上げるということは非常に大切なことだと思うのですが、大臣の御見解を承っておきたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 若干誤解がおありではなかろうかと思います。  と申しますのは、そもそもが歴史教育というのは大変難しいわけでございまして、歴史は当然国によって教え方が違う。数学のようにすぐれて演繹的な学問というものは万国共通の数学教育の方法というものを考察をすることもできましょうが、歴史は非常に帰納的な学問でございまして、およそ歴史的な事象というのは無限に近くある中からどれをどうとらえてどのような形で教えるかというのは、当然国によって教え方の態様も違うでありましょう。取り上げる事象も異なってくるわけであります。そういういわば歴史教育というものの本質の中に内在する難しさというものは先生も御理解いただけるだろうと。  でも、そういう中で精いっぱい、今一番いい歴史教育というのはどういうものであろうか。正しく歴史を後世に伝えていこう。正しくというものの意味内容を確定するのは本当はすごく難しいのですが、それは現代という時点で最も妥当な教え方をするというふうに解釈できるとするならば、宮澤総理の韓国での演説あるいは本国会での演説、あるいは海部前総理のシンガポールでの演説等はほぼ同じような内容のもので、第二次世界大戦において近隣諸国に、とりわけアジア近隣諸国に迷惑をかけたことは二度と繰り返してはならないという反省を込めて、そしてそのような歴史を後世には隠さず伝えていきましょう、こういう考え方は全く私も正しいとは思っております。  そこでですが、昭和五十七年以前には確かに先生御指摘のような形で、なるべくそういうことは教えまいというそういう姿勢があったと私は思わないのですが、結果として歴史教科書には余りそういう内容が書き込まれておりませんでした。昭和五十七年ごろにいろいろあって、国際世論というものもなかったわけではありませんが、いわゆる教科書問題を契機として、これは今の宮澤総理大臣が当時、宮澤官房長官として官房長官談話を発表をしまして、国際的な理解、近隣諸国とのおつき合いという観点も教科書をつくっていく上で取り入れなければなるまいということを表明されて、その結果、教科書の検定基準、これは非常に簡素なものでございますが、その「社会科」の中に「近隣のアジア諸国との間の近現代の歴史的事象の扱いに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がされていること。」という一文を入れました。  以後、著作、編集された教科書は、以前よりもはるかに第二次世界大戦に至るまであるいは第二次世界大戦中におけるさまざまな出来事を、例えば朝鮮半島との関係でいえば創氏改名、強制連行、強制労働あるいは神社への強制的な参拝、そういうようなことも書かれておりますし、高校の日本史の教科書には既に従軍慰安婦の問題を記述しているものも一社あるわけでありまして、昭和五十七年にそういうことがあって以来に編集された教科書はかなりよく書き込んでおる、そのように思っておるものですから、以前よりは、先生のような御見解のお立場の方から見ても教科書はよくなったと本来評価していただけるものだと思うのですが。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 大臣、あなたまだお若いんだから、ぜひ理解していただきたいのは、私が今申し上げておるのは、修学旅行に行った子供さんたちが現地でそういったショックを受けるということを申し上げておる。だから、さっきから言うように教科書の中に先ほど申し上げたように書かれできたということは事実だとも申し上げておるのですね。  しかし、そういった教育が現場で果たして的確に行われておるかどうか。ただ修学旅行に行って楽しくすることも結構、しかし、現地に行って子供さんたちがショックを受けるというようなことのないように、事前によく当時の立場というものを子供さんたちが理解した上に修学旅行なら修学旅行に行かれて、そして新しい若者の手で二十一世紀に向かっての親善、友好というものが築かれていくことを望んでおみので、何も文部省がどうのこうのと言っているわけじゃない。ですから、今言ったように、そんなにたくさんではないが書かれておることは事実だと思いますよ。しかし、もっと積極的にこうした問題を文部省としてもとりあえず指導してもらいたいということを申し上げておるので、あなたがそこで力んで何か言われる必要はないと思う。  あなたは文部大臣としてお若いんだから、我々よりも感覚が新しいんだから、だからそういう新しい感覚で、二十一世紀に向かって将来の日本を背負っていく人たちが本当の意味で真のアジア外交が展開できるように、お互いが過去の問題についても、いやこれは悪かった、しかし私たちは違うんですよ、世代がかわってこうなんですよということがみんな交流の中で言われていくようなそういうものにしてもらいたい、こう申し上げておるのです。ですから、そこで大臣が余り力説されることではない。むしろ大臣の立場に立って私は新しい文部行政のあり方についてお訴えをしておるつもりですよ。そういうふうに理解をしていただきたい。  次に、これも若い文部大臣にぜひ理解をしていただきたいのですが、障害者の就学問題です。  やはり、すぐ振り分けて養護学校とかそういったところに行がそうと各県の教育委員会はしからなんです。ところが、かつて私も幼稚園の経営に参加したことがありますが、小さな子供さんで障害児の方を幼稚園に入園させますと、いつの間にか健常な子供さんたちがその体の悪い子供さんに、靴をそろえてやったりあるいは手をとってやったり、小さな幼子がそういうことをするのですよ。すると幼稚園の子供さんたちは、小さいときから、差別という言葉ではありませんが、ハンディキャップを負った人をやはり自分たちで支えてあげなければいかぬというそういう気持ちが小さいときに生まれてくるのですよ。ですから、例えば小学校なら小学校にも、それは学校の先生に負担はかかると思いますね。しかし、少なくとも健常者の子供さんと一緒に就学をしたいという親御さん、子供さんがおられたら、むしろ率先して入れてあげる、入学させてあげるということが私はあっていいんじゃないかと。  この前、新聞を見ましたら、毎日毎日お母様が、雨の日も風の日も学校に車いすに子供さんを乗せて、学校の中に入れぬから、校門の外から子供さんがじいっと健常な人たちが運動場で遊んでおるようなのを見て、そして校門外卒業何とかというのがあったと新聞に出ておりましたね。で、お母様は、おかげでこの七年間通い続けて子供に少し変化が起こった、精神的に変化が起こってきたということをお母様が言っておられるのですね。  ですから、そういった意味からすれば、健常な人たちと一緒に身体障害者が交わっていくということは、本当にそういった人たちを支えてやろうという気持ちが健常な人たちの中にも子供さんのときから育っていく。そういう意味では私は非常にいいことだと思うのです。ところがへそれを画一的にもうだめです、だめですと言って就学を拒否する。本来子供さんたちは就学する権利を持っておるわけですから、ですからそういった意味からすれば、それは学校の現場の先生たちの気持ちもわからぬではありませんし、例えば車いすの場合にはスロープをつくったりなんかしなきゃならぬ、そういう面もあることは事実です。  しかし、現実には健常な人たちと一緒に就学したいという希望がある場合には、画一的に排除するんではなくて、やはり認めてやるということはあってしかるべきだ、こう思うのですよね。非常に難しいことです、これは。しかし、できるだけそういう努力を文部当局は各地方教育委員会に対して指導されるべきだ、私はこう思うのです。今までは要するに養護学校に入っていくことを勧めた、しかしこれからは新しい発想のもとでやってもらえないだろうか、そう思うのですが、どうでしょう。全部じゃないですよ、もちろん。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 いわゆる先生のおっしゃる統合教育についてのお考え、よくわかりますし、そういう統合教育の中で、障害を持っておられるお子様方が健常児との触れ合いの中で伸ばされていくという面と、そういう障害を持っているお子さんを健常児たちが大切にするというか、かばっていくという意味でのプラス面と、両方あることも私はよく承知いたしておりますのですが、外国では統合教育、インテグレーションが日本よりはるかに活発に行われているではないかという指摘をしばしば受けるわけですが、そういうインテグレーション、統合教育と申しましても、どんなに障害が重くても健常児と一緒に何でもかんでもとにかく一緒だという極端なものから、健常児との触れ合いというものを少しでも多くさせようという程度の考え方の統合教育まで、非常に幅広いように思える部分がございまして、どういう方法が一番妥当であるかということについては、これからの研究を待たなければいけないという場面が多いのではないだろうか、そんなふうに思っております。  現に、この養護学校あるいはいわゆる盲、聾、養という特殊教育諸学校あるいは特殊学級というものを設けております趣旨も、そういう方々を特別にやはり手厚く、温かく見ていく必要があるという考え方から出てきている考え方でございまして、直ちにそういうものを廃止してすべて統合教育で行うというような状況には現在はないと思っております。  それから、ちょっとこれは余り軽はずみに言ってはいけないことかと思いますが、アメリカあたりでこの特殊教育を行っている割合というものあるいは特殊教育の対象と考えられる児童の割合というのが非常に高く、数字が大きく、アメリカとかあるいは旧西ドイツとかスウェーデンとか、非常に数字が大きく出ておりますから、これは私、素人判断で物は言えませんが、我が国では健常児と判定できるようなものまであるいはそういう教育的な観念が発達し過ぎて、やや幅広く日本で言う特殊教育の対象となるべき児童というのか、そういうものをもっと幅広くとらえている西欧諸国もあるのかなというような、実はそういう思いもいたしまして、これは各国の事情が一律でありませんので我が国としては諸外国の事情も判定しながら、インテグレーションというもののよさをどうやって生かしていくかということをこれから研究していきたいと思っています。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 大臣、これはやはり非常に大切な問題だと思うのですよね。ですから、そういった意味では、教育を終わった後のこうした子供さんたちの就職とかそういった極めて関連した大きな問題がありますので、ぜひひとつ、これは若い若いと余り言うと怒られるから、しかし少なくともお若い文部大臣なんですから、やはりこうした統合教育問題を含めて、あなた自身の何か私的諮問機関か何かっくって、どうあるべきかということについてもう一遍我が国の状況に合った研究をしてみるというようなことは発想されたことはありませんでしょうかね。もしできれば僕はそういうことをしていただくと極めて有意義だというふうに思うのですがね。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 先生から御指摘のように諮問機関をというふうな形で発想したことはありませんけれども、ただ私は、人間というものは非常に身勝手に地球の支配者のような顔をして人工的にいろいろな制度をつくり上げてきました。頭がいいとか悪いとかいう話だって、これは人間が勝手につくってきた概念であって、IQというものだって同じだろうと思うわけですね。  私は、裸の大将というあのテレビ番組がありますね、あの山下清画伯を描いた、映画とかドラマとかいろいろやっておりますが、あの中で八幡学園の園長先生たる森繁久弥さんが、清、山下清さんですが、清を見ているとおれたちがまともで清がおかしいのか、そうじゃなくて清がまともで我々が狂ってしまっておかしくなっているんじゃないかというような気がしてくるんだというシーンがありまして、私それをビデオに撮ってあって何度見ても何かこう涙が出てきてしまうんですね。  私は、人間が勝手にIQとかいろいろなことを言ってどうのこうのという社会をつくり上げているという部分があるわけで、むしろ何とか事件、何とか事件でいろいろな汚れた政治献金を受け取っている人間の方がよっぽどおかしいわけでして、そう考えていくと何が健常で何がおかしいかなんという、通常でないかなどという判断も余り勝手にはしてはいけないんで、結局この日本のゴッホという放浪の天才画家がああやって登場するわけですから、私はこの障害を持っておられるお子さんと一般に言われている中から大変な別の面での能力を持っているようなそういう才能を引き出す、そういう技術というものがこれから開発されたらすばらしいなということをよく考えております。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 今言われたことは私も賛成です。いずれにしても、ぜひ身体障害者を抱えた親御さんのためにも思いをかなえてやっていただきたい、そういうことを申し上げておきたいと思います。  もうあと五分ですね。

新盛辰雄日本社会党・護憲共同

○新盛主査代理 できるだけ短くね、おくれましたから。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 あと五分でしょう。

新盛辰雄日本社会党・護憲共同

○新盛主査代理 はい。五分あってももっと短縮してください。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 はい。  高等教育局長さんにお願いをいたします。実は、私のところの宮崎大学は人文学部がないのですよね。人文学部がないのです。これは金丸信さんのところの山梨もないのですよ。それで金丸さんと一緒に陳情したことがあるのです。山梨にも宮崎にもひとつ人文学部を設けてくださいということを自民党の今の副総裁と御一緒に、去年でしたかね、お願いをしたんですが、いろいろ御配慮はいただいておりますから、それなりに感謝をしておるのですが、どうも総合大学になっておらないということで我々は小さくなっておらぬといかぬのですよ。  やはり総合大学をつくるという前提に立って各大学が統合されていったわけですから、ぜひひとつ、それはいろいろ事情があって難しいことはわかりますが、つくってもらいたい。これはもう長年の悲願なんですよね。今ないところがもう数県しかありませんね。ほとんど総合大学になっておってあと数県しか残っておらないんです。今の主査の新盛さんのところなんかはもう総合大学なんですよ。だから、そういった意味では、教育局長の方でやれと言われれば大臣はすぐ印鑑をぽんと押すんだから、教育局長のところでひとつぜひ考えてくれぬでしょうか。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 ただいま先生から難しい事情はよくわかるという御理解を賜りましたように、私どもとして今後国立大学にどう臨むかということにつきましては、基本的にやはり三つ考えなければいかぬことがあると思っております。  一つは、十八歳人口の急速な減少という問題があります。それを含めまして、第二には近隣にどういうふうな高等教育機関が配置をされているかということも考えなければいけません。そして、何よりも大きな問題としては、国立大学も国の組織でございますから、国の組織の肥大化というのはやはり避けていかなければならない。この三つのことを勘案して各国立大学の整備に当たっておるところでございます。  御案内のとおり、宮崎県には、先生御指摘のように宮崎大学には人文系の学部はございませんけれども、宮崎産業経営大学というのが六十二年に設置をされまして、法、経、経営という三学部でございます。また、仄聞いたしますと、宮崎市を中心とする近隣の自治体で人文系の学部よりなる大学を設置したいという構想もあるやに伺っております。そういうことを考えながら、今後とも国立大学の充実には当たっていこうと思っておりますが、新たに学部をつくるということについては、先生御指摘のように非常に難しい事情がありますことを御理解賜りたいとお願いします。

松浦利尚日本社会党・護憲共同

○松浦(利)分科員 これで終わりますけれども、難しい難しいと言っておったらできないということですから、もうずっと悲願なんですよ。山梨も悲願なんですよ。だから、悲願を持っておる県が全部寄り合ってお願いしたわけなんです。  大臣、これは陳情みたいになりますけれども、やはり偏っていてはいかぬのです。均衡ある教育の発展ということを考えれば、やはり私たちの地域にも総合大学を国の力でつくってもらいたい、ぜひそのことを最後にお願いをして、私の質問、まだ一分ありますけれども、終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。

新盛辰雄日本社会党・護憲共同

○新盛主査代理 これにて松浦利尚君の質疑は終了いたしました。  次に、土肥隆一君。

土肥隆一日本社会党・護憲共同

○土肥分科員 私は、いわゆる学習障害児、文部省の言葉では学習困難児というふうになっておりますが、その調査研究あるいは現状と将来についてお尋ねしたいと思います。  学習障害児または学習困難児、これは英語の翻訳でございましょうけれども、英語ではラーニングディスアビリティーズ、こうなっておりますので学習障害児と通宣言われておりますが、文部省では学習困難児というふうにおっしゃっているようでございます。  さて、私の短い議会の経験の中で平成二年度に文教委員をしておりまして、そのときに、通常LD児と申しますけれども、その研究をしてほしい、行政施設にのせてほしいという質問をいたしまして、その年から通級学級に関する調査研究がありましたので、その中にLD児も入れてもらうということになりまして、そして三年、四年と経てきたわけでございます。それで、平成四年度の予算では独自に調査研究費がこのLD児のためにつきまして、六百万円の予算がついたわけでございます。  そのこと自体は大変喜ばしいことだと思うのでありますが、私はその学習困難児に対する指導方法に関する調査研究をもっと加速させていただきまして、そしてなるべく早い時期に一般の学校の中にこのLD児の位置づけをしていただきたい、このようにまず申し上げておきたいと思います。  さて、平成二年度で通級学級に関する調査研究が始まったわけであります。その協力者会議が持たれ、そしてその中間まとめというものが発表されました。それから同時に、これは国立特殊教育総合研究所におけるLD児に関する基礎研究を依頼しておられまして、それが平成六年までの四カ年計画で始まっているというふうな状態でございます。言ってみれば、LD児の問題はごく最近国会で取り上げられるようになったと言っても過言ではないのであります。しかし、現実にこういう子供を持っていらっしゃる親たちは、非常な苦労をしながら親の会をつくり、あるいは相互に勉強し、あるいは地方におけるさまざまな働きかけや運動を起こして、そして、これは認定されておりませんけれども、高等学校に似たようなものを塾のようにして開設しているところなどもあるわけでございます。  そこで、私は、大変期間は短うございますけれども、事柄は子供たちを対象としておる関係上、実際に義務教育の現場に行って苦悩しておられる親たちのことを思うと、先ほども申しましたように、このLD児の概念とか研究とかということも大切でありましょうけれども、なるべく早く実施に移してほしいということを冒頭申し上げておきたいと思います。  まず質問をいたしたいのは、この文部省の協力者会議の中間報告でございます。  平成三年の七月十八日に「通級の充実方策について」と題する中間報告が出ました。そして、その第七章に「学習障害児等に対する対応」というのがございまして、その全文を私が今持っているわけでございますが、この中間報告を見ますと、前半はほとんどアメリカの状況がいろいろと、アメリカの状況を参考にしながらこのLD児の概念規定が難しいまだ教育学的あるいは発達心理学というか発達学的にも確立したものではないというふうにも言っております。大体これで半分以上費やしておりまして、そして後半から、我が国における研究等の現状、あるいは「学習障害に対する対応」、そして「学習上困難を示す児童・生徒に対する対応」、この三つの章にわたって述べられているわけであります。  この中間報告を見ますと、内容はちょっと時間の関係上申し上げませんけれども、まず第一に、学習障害児に対する概念規定はほぼできたのではないか。厳密に学習障害児とは何かを決めるのは大変難しゅうございまして、その判定の基準や診断方法というようなことになりますといろいろな問題がありますけれども、この中間報告でもこう言っております。「これに該当すると考えられる」、つまり学習障害児に該当すると考えられる「児童・生徒が我が国にも存在するという点では、関係者の間で見解が一致している。」それから、その原因についても「基礎には、中枢神経系の機能障害が想定されている。」あるいは、第二章の「学習障害に対する対応」でも、「基礎的研究の必要性」というような題で「先で見たように、学習障害に該当すると考えられる児童・生徒は、我が国にも存在する。」というふうに言っております。  そして、これを特殊学級に預けたらいいのか、通級学級に預けたらいいのか、あるいは原学級、原級と通級との間でどうしたらいいのかとか等々が述べられておりまして、最後には、グループ指導というようなものも考えられるのではないか、「特別な教育的ニーズに対応するよう計画されたモデルプログラムの開発と指導の実践、障害タイプ別の指導内容・方法の立案と実践、保護者に対する指導の在り方の研究等が行われることが望ましい。」こうなっております。  そこで、お聞きしますけれども、この中間報告をごらんになって、当局の皆さんは今後の取り組みをどんなふうにしていきたいとお考えなのでしょうか、お答えください。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 私どもも、先生御指摘のように学習障害児についての問題意識を持ちまして、協力者会議を設けて今日まで御検討いただいてきているところでございます。今先生が御指摘になりました中間報告は昨年の七月でございますが、これからさらにその後議論をしていただいておりまして、本年度末ぐらいには間もなく最終報告が出されるのではないかというふうに私ども見込んでおります。  ここで、先生も今御指摘ございましたが、中間報告で、当該児童生徒、そのような学習障害児が存在するという点では関係者の間で合意が見られるが、ただ先生の御指摘のように、判定基準や診断方法については若干見解がいろいろある。さらに、その判定については、表面上の諸現象だけではなくて、いろいろな検査、観察を行い、専門家による総合的かつ慎重な判定が必要だということも指摘されております。  さらに、学習障害児に対応する方法といたしまして、今後さらに医学を含め、心理学、教育学の各方面から、指導内容・方法、判定基準、類型化などについて基礎的な研究を積極的に行うことが必要であるという指摘がなされているわけでございます。  また、学習障害児の一部については、言語・障害、情緒障害特殊学級などに通級している実態があり、これが適切な場合にはこうした指導の一層の充実も必要であろうというような指摘がなされているわけでございます。  私どもとしましては、この中間報告に述べられておる基礎的な研究を積極的に行う必要があるという考え方の線に沿いまして、平成三年度から、先生も先ほど御指摘になりました国立特殊研、特殊教育研究所におきまして基礎的な研究を現在進めているところでございます。さらに、実践的な研究ということも試行的に、通常の学級における指導上の配慮、工夫の中だけで対応するのに限界がある児童生徒を対象とした試行的な特別の指導の場を設けるなど、実践的な研究を行うことが必要だというような指摘もございますので、来年度はそういうことで研究指定校を十校でございますが指定して、実践的な研究も現場で行っていっていただきたいということを計画しているところでございます。  いずれにしましても、このような現場の研究、それから特殊教育研究所の研究成果等を踏まえまして適切な対応策を見出して対応してまいりたいというふうに考えております。

土肥隆一日本社会党・護憲共同

○土肥分科員 今年度から十校が指定される、これは平成二年度ですか、通級学級に関する調査研究のあの十校、指定校と同じ学校なのか、それとも別の指定校なのか、お答えください。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 それは別の学校を考えております。     〔新盛主査代理退席、主査着席〕

土肥隆一日本社会党・護憲共同

○土肥分科員 そうしますと、今度の指定校十校は学習困難児に対する特別な指定校ということになるわけです。そこで、この「要旨」によりますと、特別の指導の場を設け、実践的な研究を行う調査研究協力者会議というふうになっておりますが、この調査研究協力者会議も全く新しい研究会議のメンバーになるのでしょうか。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 もちろん、若干委員の先生がダブることはありますけれども、全く新たにそういう研究協力者会議をつくりたいと考えております。

土肥隆一日本社会党・護憲共同

○土肥分科員 通級学級の研究というのは長年の現場の経験もあるということでありますから、十校でもよかったかと思いますが、今度のLD児の問題は全国的に、全国的というか原学級、普通の学級の中に散らばって入っているわけでありますから、その研究者会議も鋭意やっていただかなければいけませんが、研究校の指定が十校では余りいい結果が得られないのではないかと思うのですが、これをもっと二十校とか三十校、あるいは地方にも指定するというふうなお考えはございませんでしょうか。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 協力校の選定につきまして、現在非公式に都道府県の教育委員会と協議をしているところでございます。ただ、学習障害につきまして、この中間報告でも述べておりますように、定義、判定方法が必ずしも明確ではない。アメリカなどは大変造んでおりますが、我が国では比較的新しい問題であるということもございまして、協力校を設ける前提となる都道府県レベルでの予備的な調査研究自体、今後の課題としたいというような都道府県も少なくない状況でございまして、端的に申し上げますと、来年度の場合、十校程度で数としてはちょうどいい数字ではないか。言いかえますと、積極的にやりますというような県が今の段階でまだ七、八校でございます。あと、予算積算で十校になっておりますので、私どもはぜひ十校お願いしたいということで、都道府県の関係者にいろいろと接触をしているところでございます。  もちろん今後そういう実践的な研究がさらに進んでいって、もうちょっと数をふやす必要があるというようなことがこの十校の研究で必要だという判断に立ちますれば、これからふやすということも考えられるわけでありますが、来年度は予算上も十校であるということと、正直言って十校くらいでちょうどよかったのかなという感じを持っております。

土肥隆一日本社会党・護憲共同

○土肥分科員 予算が六百万ですから十校がちょうどいいというふうにお考えでしょうけれども、しかし、これは非常に新しい分野でありますから、どれくらいのサンプルがあったらいいのかという議論は平行線をたどるのではないかと思います。  私の申し上げたいのは、学習障害児という特別な概念というふうには考えておりませんで、むしろ普通に学校で生活し、しかし、言葉は悪いですけれども、勉強ができないとかあるいは落ちこぼれだとかいうような中にも、もっと早くからこういう学習障害児としてあるいは学習困難児として対応しておけば、その子供たちも随分と別の成長を遂げたのではないかと思われるケースがあるのではないかというふうに考えるからであります。  ある学者によりますれば、生まれたとき、二、三歳からでも特徴があらわれるから、そのときから対応すべきだというようなことになりますと、非常に広範囲にわたる子供の成長の全体にわたる検討が必要になるわけでありまして、単に学校教育だけではない。そういう意味では文部省の範疇を超えるということも考えられるわけでありまして、四年度は六百万でスタートするということでございますから、それはそれとして認めますが、もっと急いで来年度くらいには大幅な予算をつけて広範なサンプル調査をしていただきたい、このように思います。  さて、平成三年度から国立特殊教育総合研究所に研究を依頼されたわけでありますけれども、そのことについてお聞きしたいと思います。  これは平成四年、ことしの一月二十七日に、小学校、中学校長あてに「「教科学習に特異な困難を示す児童・生徒の類型化と指導法の研究」についての調査協力依頼」というものが出ております。この集約日が平成四年の二月二十八日となっておりますが、その結果がもう集約されたのではないかと思います。まず依頼学校、または依頼数は何枚あるいは何枚なのか、そして、ここから浮かび出てくるところの、集約されたところのLD児に関する特徴はどういうものか、お答えいただきたいと思います。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 これは先生も御承知のとおりに、来年度、平成四年度に全国的な本格調査を行うための準備調査として関東近県三県から無作為に抽出した八十五校の小中学校児童生徒約四千人について調査をしたものでございます。何分学校の方もこの種の調査は初めてでございますので、二月の二十八日がその調査票を提出していただく締め切り日になっておりましたが、必ずしも締め切りどおり来ておりませんで、そういう関係で集計はまだおくれているところでございます。集計がされてある程度まとまれば、またはっきりした形でお示しすることができると思いますが、まだ集計は終わっておりません。

土肥隆一日本社会党・護憲共同

○土肥分科員 そうすると、これは集計が終わっていないということでありますが、やはり学習困難児あるいは学習障害児を想定した調査票だと思いますが、この内容を見ますと、文部省が考えておられる学習障害児とは何かというようなことが、小学校二年生から六年生、中学生三年まで。中学生用という項目がございます、三年とは書いてありませんが三年から六年までの項目がございます。  それを見ますと、これは要するに、LD児というのはどういう子供なのかということを、社会性あるいは読む、書く、それから算数といいましょうか数学というような分野にわたって調べておられるわけです。  これの質問内容というのは、すなわちLD児の特徴をピックアップするための内容であるというふうに理解していいんでしょうか。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 先生が今御指摘になりましたとおりに、一応現段階でLD、学習障害児ということを考える場合に、これだけのことをチェックしておけばいいのかなというものを全部調査項目として載せておりますけれども、もとより、これは調査の結果をさらに専門家で分析し、ここの部分は足りないのではないか、ここの部分は不必要なのではないかというようなことを取捨選択いたしまして、最終的に調査項目を精査して来年度の、平成四年度からの全国調査を行いたいというふうに特殊研では考えているところでございます。

土肥隆一日本社会党・護憲共同

○土肥分科員 集約ができていないということで大変私も困るわけでありますが、また機会を改めて御質問したいと思います。  特にその内容を見てまいりますと、果たしてこれがLD児の判定に必要なものかどうかというようなことなども、細かいことでございまして、これは文教委員会できちっとやらなければならない問題だと思いますので、きょうの時点では、八十五校四千人に調査の依頼をして、おくれている部分もある、まだ集約はしていないということでとどめておきたいと思います。  さて、しかしこの国立特殊教育総合研究所の中にLD児のセクションが設けられたんでしょうか。新たに設けられたんでしょうか。そのことをお聞きします。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 学習障害児の特別のセクションということは特に設けられておりません。これは中に特別研究のためのプロジェクトチームを結成いたしまして、そのプロジェクトチームで調査研究をやっているところでございます。

土肥隆一日本社会党・護憲共同

○土肥分科員 この委員長といいましょうか、プロジェクトチームのヘッドはどなたですか。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 精神薄弱研究部長でございます宮崎という研究者でございます。

土肥隆一日本社会党・護憲共同

○土肥分科員 精神薄弱者の研究の方、宮崎先生をヘッドにチームをおつくりになった、まだ研究所にそういうセクションができてないということでございますが、私の希望としてはなるべく早いうちにこの国立特殊教育総合研究所の中にLD児部門を独立させて置いていただきたいと思いますが、お考えをお聞きしたいと思います。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 現在の段階で、先ほど来から御説明いたしましているとおり、LD児の概念そのものが明確に確立されていないということでございますので、どういう専門家をどういう形でそういう部門をつくりて構成させるかというのは、これらの調査等が明確になり、対策等がある程度固まった上で、さらにその対策を充実していく方向が明確になった段階で、この種の研究のためにはこの種のこの部門の専門家が必要だということが明らかになるわけでございまして、今すぐそういう部門をつくるということにつきましては私どもとしてまだちょっと早いのではないか、将来の検討課題として受けとめさせていただきたいと思います。

土肥隆一日本社会党・護憲共同

○土肥分科員 それは文部省としておっしゃる気持ちはわかるんですけれども、親の気持ちになりますと、アメリカがどうだ、ドイツがどうだとか言っているよりも、早く日本の子供たちが、現実の学習に対する障害、学習障害児という症状を持ち、そして本人もそのことを知っておって苦労しているわけでありますから、私としては、国立研究所でございますから、なるべく早くそういう特別班をつくっていただきたい、このように御要望申し上げておきたいと思います。  それでは、次に続けます。この学習障害児の問題に取り組みますのは現場の教師の皆さんであります。これは文部省がこうしたからといって一気に地方におろせるような問題ではないわけでありまして、中間報告にも出ておりますように、通級がいいのか特殊学級がいいのか、原学級と通級、あるいはグループ化しなければならないんじゃないか、個別化しなければならないんじゃないかと、いろいろ中間報告もさまざまな可能性について言っているわけでありまして、私が少なくともこの二、三年の間に経験しておりますのは、学校の現場では非常に難しいという意見を聞くわけです。  そういう意味では、こういうサンプルにいたしましてもあるいは研究にいたしましても、なるべく地方の教育委員会なり地方の教育行政に投げかけまして、そして地方ではどうしているんだとか、地方ではどう考えるかというようなことも取り込みながらやっていきませんと、さあ決定した、やれといったことでは到底難しいというふうに思いますが、地方の教育委員会や教育研究所などがあるのですが、そこに例えばLD児に関する教育班を置いてもらうとか、あるいはLD児に関する教育相談の窓口を開くというようなことはいかがでしょうか。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 その種の相談窓口を置くか置かないかということはそれぞれの都道府県の判断にもよるわけでございますけれども、いずれにしましても都道府県が判断する場合も、ある程度実態を把握しなければなかなか体制が組めないのではないかという感じがいたしております。そういう意味で、特殊研が来年度行う全国調査の成果、それからあるいは研究協力校の研究の成果、蓄積、そういうものがある程度固まってきてからそういう動きが出てくるのではないかというふうに私どもも期待しておりますし、その調査の結果、あるいは研究協力校等の学校現場における経験、観察の蓄積があるまとまりのあるものになりました段階では、また都道府県の関係者とも相談をして対応を考えてまいりたいというふうに考えております。

土肥隆一日本社会党・護憲共同

○土肥分科員 今の大学に、教育課程を持っている大学でもいいし、そうでなくてもいいのですが、このLD児に関する教育講座などを開くように文部省として指導するお考えはございませんでしょうか。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 先ほど来御質疑があってございますように、学習障害児の問題というのは大変大事な問題で、今後もますます重要になるかと思っております。したがって、今先生御指摘のように、大学でこれに取り組むということは大変意義のあることであるとは思います。思いますが、これまた御理解いただきたいことは、大学でどういうふうな授業科目を開設するか、あるいは講座を持つかということは、大学が主体的に考えるべき問題でございますので、私どもとしては、本日の御質疑あるいはただいまの先生の御提言といったものを大学の関係者に対して適切な機会に御紹介をし、この問題についての関心を深めるよう配慮をいたしたい、このように考えております。

土肥隆一日本社会党・護憲共同

○土肥分科員 最後に大臣にお聞きします。  学習障害児という概念は非常に難しいということは承知しておりますが、しかしいずれにしても、現実にそういうお子さんを持っている人がたくさんいるわけでありまして、発生率からいうと、発生率という言葉もおかしいのですけれども、全児童の二%から三%に及ぶというようなことも考えられておりまして、親御さんは自分の子供がクラスで外れているということはわかるわけですね。本人もわかっている。それは親のしつけが悪いんだとか、子育てが悪いんだとか、環境が悪いんだというふうに言われる。それから学校の先生も、その子が学習障害児として、理解ができませんと結局親の責任であるとかお荷物であるとか、学校の現場を攪乱する者であるというふうな、要するに親と教師、親と学校の間もうまくいっていない、親同士もうまくいかないということがたくさん出ているわけです。それで親が悪いと言われれば親は何も抗弁できないわけでありまして、そういうことをほっておくということは教育現場あるいは私たち国民としても許せないことでございますが、この研究をなるべく急いで、そしてなるべく早い時期に、今現実に子供が何十万といるわけですから、そこへ早くおろしてもらえるように文部省の取り組みをなお一層加速化してもらうような期待を込めて、大臣の御所見を伺いたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 先ほどから先生と局長たちとのやりとりを興味深く聞かせていただいてまいりました。LD児という、学習障害児というのでしょうか学習困難児というのでしょうか、そういう概念をどのように確定していくのかという点についてはこれからまだまだ調査研究をしなければなりませんし、また、そうしたお子さんに対してどういう対応をすれば効果が上がるのか、あるいは上がらないのか、その点についてもいろいろと研究をしていかなければならないことと思っております。ですから、その原因、先生は発生率というお話もされましたが、実際にそういうことまで議論をしなければならない場面も来るだろうかなとも思ったりいたしております。  いずれにいたしましても、先ほど別の方への御答弁の中で私申し上げましたように、アメリカ等では例えばラーンニングディスアビリティーズという研究は進んでいるかもしれませんけれども、そのことがいわば特殊教育対象児というものを我が国の十倍近くのところまで引き上げているということを考えますと、そうしたことのプラス・マイナス両方とも計算に入れていかなければならない部分もあるだろう。すなわちLD児の研究を大いにやる、そして研究成果を上げて彼らを救ってやるとか、能力を引き出すことができれば最高にいいわけですが、まだ概念が定まらないうちに誤ってLDではない人までLDに判定してしまうというような愚がもしあったとすればこんな愚かなことはないわけでございますので、その辺も考えながら、初中局長とよく相談をしながら事柄を進めていこうと思っております。

土肥隆一日本社会党・護憲共同

○土肥分科員 終わります。

越智通雄自由民主党

○越智主査 これにて土肥隆一君の質疑は終了いたしました。  次に、小森龍邦君。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 私の方からは、全般的に申しまして、児童生徒の教育環境とか条件とかいうようなものにつきまして、お尋ねをしたいと思っております。  まず冒頭にお尋ねをしたいと思いますことは、つい先般も二人の小学校の児童が何者かの手によって連れ去られて、自宅から約二十キロばかり離れたところで遺体となって発見された、こういう痛ましい事件が起きました。それ以前も、幼児が誘拐をされて殺害をされるという事件は枚挙にいとまがないほどあるわけでございまして、一体これをどういうふうに防衛するかということでいろいろと思いをめぐらすのでありますが、文部省は、幼児児童の教育というものを守るという観点から、こういった事態をどう分析をし、これをどう保護しようとしているか、こういったことについて、まずお考えを承りたいと思います。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 福岡県のある市の少女が二人、何者かに連れ去られて自宅の近所で殺害された、まことに痛ましい事件でございます。まだ犯人は挙がっていないわけでございますが、そういう意味でこういう痛ましい事件を再発させないために、文部省あるいは学校現場で何ができるかというのは大変難しい問題ではありますけれども、常日ごろから子供たちのそういう教育に、あるいは私生活におけ谷安全性については、学校の先生が一丸となっていろいろと指導をしていっていただきたいというふうに私どもお願いしているところでございます。  さらに最近は、先生お触れになりませんでしたけれども、福岡の例ですとだれに殺害されたかわからないという痛ましい事件でありますが、さらに、高等学校までの生徒学生が自分の妹あるいは同じ学校の子供を殺害するという事件も起きているわけでございまして、この点はまさにストレートに、私どもが預かっております学校教育そのものが一体どういうことなのかということで問われている問題だというふうに深刻に私ども思っております。  もちろん、こういう事件の原因や背景につきましては、それぞれの事件によってさまざまではありますけれども、一口に言いますと、それは社会の風潮とか、家庭における養育のあり方とか、学校における指導教育のあり方など、社会、家庭、学校それぞれの要因が複雑に絡み合っているというふうに考えてはおりますけれども、こういうような問題に対しては、改めて家庭、学校、地域社会が一体となって児童、子供たちの教育に当たっていく必要があるのではないか。この際、改めて児童生徒の人命や人格を尊重した指導を徹底する、そのために学校の校長初め先生が一丸となってそういう教育に邁進する、その場合には、人命や人格を尊重した教育を学校で行う場合には、地域の方々とも協力して推進するという姿勢が必要なのではないか。そういう観点から、各教育委員会を通じましてそういう方向での指導を徹底いたしたいというふうに考えております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 後ほど私が一つの事例としてさらに深くお尋ねをしたいと思っていたことを既に局長の方から出していただきましたが、それはちょっと後ほどのこととさせていただきまして、言葉とすれば、子供たちを守るために学校と地域、教育行政というようなものが打って一丸となっていかなければならぬ、こういうことでございまして、まさにそれは言葉ではそのとおりだと思うのであります。  しかし、実際に地域教育力などというようなものが今の事態で本当に効果の上がるようなことになっておるのか、あるいは、何を一つの推進力というかきっかけとしてそういう地域社会の枠組みをつくっていかれるのか。こういうことになりますと、それは単に抽象論にすぎないのではないか、私はこう思うのですが、少し具体に近いところでお考えをお聞かせいただきたいと思います。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 確かに大変難しい問題、御質問だと思います。  私どもとしましては、学校がまず第一義的に教職員が一体となって協力体制を確立していく必要があるだろう。それから、地域の学校を傘下とする教育委員会も、問題行動等の実態把握に努めるとともに、各学校と横の連絡を密にとってそういう問題に迅速に取り組む体制をつくる必要があるだろう。同時に、各学校、教育委員会が、各学校は家庭と、あるいは教育委員会は地域の関係者といろいろと話し合う場を設けて、地域全体にも協力をしていただくという姿勢が必要なのではないか。  ただ、その場合に具体的に何が話し合いの取っかかりになるのかという御指摘でございましたが、私はやはり人間の命の尊重、それから人間の尊厳を大事にする、そういうことが一つの取っかかりになるのではないかという感じがいたしております。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 私の見解は、我が国の教育制度、義務教育あるいはその他の条件、一面、世界に誇るべきものがあるわけですね。世界に冠たる教育をやってきた。つまり、非識字率が限りなくゼロに近いとか治安が極めて良好というのが我が国の特色の一つだし、基本的な国民の知識水準、学力水準というものも大変高くて勤勉で、勤労意欲も高いからこういう経済大国ができ上がったと私は思っているわけでございます。  そういう意味では、教育が果たした役割の一つが、治安のいい国家をつくることであったと思います。私は具体的な細かい事実はわかりませんけれども、先生が御指摘されたような事件、あるいはそれ以外にもこの間の十九歳の少年が一家四人を惨殺した事件とか、何かこうした事件は、アメリカとかヨーロッパでよく語られる、日本よりはるかに治安が悪いという、その治安と関係がない。つまり、もちろん広い意味ではこれは治安の問題なんでしょうけれども、例えば治安が悪いというのは、そこらじゅうにピストルがごろごろしておって非常に狂暴な人間も多いとか、あるいは教育水準も極めて低いとかいさかいが起こりやすいということだと思うのです。  これらの先生が御指摘のような事件というのは、何というのでしょうか、要するにまともに育つことができなかった人間、早い話が、常識を身につけることもできなくて、どこに原因があったのかわからないけれども、昔風に言うと極端にひねくれて育ってしまって、いわば人間性を失うというか、あるいは人間疎外というのでしょうか、それは内的原因、外的原因いろいろあると思うし、学校内原因、学校外原因いろいろあると思うけれども、何かそういうあってはならない人間の姿になってしまって、人を殺すことを何とも思わないというような人間が世の中にでき上がってくる、そういう人間の疎外現象みたいなものがそうした人たちを生産するということになるとすれば、これは大変恐ろしいことである。  ですから、物の豊かさよりも心の豊かさで、心の豊かな人間をつくらなければならないとか、あるいは感性教育が大事だとか、命や生命の尊厳を十二分に教えなくてはいかぬということをより強調していかなければならないのではないだろうか、私はそんなふうに思っております。  やや長くなって恐縮でございましたが、こういう問題は私は、一般に言う世界各国を比較する場合の治安問題というふうにどうしてもとらえられないのです。何とも非常に不幸な育ち方をしてしまってどこかでおかしくなってしまって、そういう人が事件を起こす、そういう構図に見えて仕方ありません。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 今は教育の問題を論じておるところですから、治安の方向に問題を転嫁するというようなことではこの場の議論ではだめですから、大臣の言われるとおり、私は、教育の方へ引き取って問題を見るということが大事だと思います。  そこで、地域の教育力というのは、日ごろ地域の皆さん方がよくコミュニケーションをしておられる、一つの何か共通の目標を持ってよく接触なさっておる、こういうふうな場があって、そこで子供の教育をどうするか、子供のそういう危険な状況というものにみんなが目を光らせて、学校でもよく教えてもらえるが子供たちの動きを地域の人がよく見守る。こういう雰囲気ができないと、テレビの影響を受けたりあるいは経済的に行き詰まって誘拐をして身の代金でもとってやろうかというような連中にかかっては、守りようがないわけですね。そういうことで、地域の教育的な動きというものをどう起こすかが問題だと思います。  私は、これは時間の関係もありますからちょっと物事が飛び将棋のような論理になるかもわかりませんけれども、参考までにきょうは聞いておいていただきたいと思います。  部落問題解決のためにいろいろ全国的な動きがありますが、先進的な事例というのは関西に多いですね。関西ではどういうことをやっておるかというと、部落差別の問題を解決するための市民学習というのがありまして、市長が先頭に立って町内会長が呼びかけて、そして五十人も七十人名集まったのではなかなかよい話し合いができないからといって、十戸単位の、昔のいわゆる隣保班が集まっていろいろやっておるのです。そういうところで人権の問題と教育の問題が正しく論理的にかみ合ったら、それは隣近所の人が教育の問題について、よその子だから今あっち行きよったがというようなことでも、だれか見知らぬ人に連れていかれよったがというようなのを見かけても無関心な状態ではなくて、やはり我が子と同じような考え方でもって声をかけるとかいろいろ注意を払うこともできると思うのですね。  ところが、この点は、いかんせん文部省はほとんどそういうことについては無関心というか、都道府県教育委員会がその次に無関心で、一番まじめにやっておるのは市町村教育委員会。補助金なんかのあれはあるのかもしれませんけれども、地域学習のための補助金なんかはあるのかもしれませんけれども、何も同和教育に限ったことはございませんが、通常言われる社会教育とか、あるいは最近生涯学習というようなことが言われておりますので、さまざまな取り組みができると思いますが、もう少し文部省が熱意を込めてそういった雰囲気をつくり出すということが大事なのではないか。  被差別部落には、厚生省の関係で隣保館というのがありまして、そこでさまざまなことが行われております。私は、見たところ、各地域の隣保館くらい密度の濃い地域の交流をやっているところはないと思いますよ。ほかにも公民館などがあっていろいろなことをやっていますけれども、公民館と隣保館といったら比べ物になりませんよ。ところが文部省は、割合同和教育ということについては無関心なのではないですか。  私はこの問題は、先ほど文部大臣、人間疎外という言葉を使われたが、悪いことをする者も、これは人間疎外状況なのです。しかし、その悪いことをする者によって殺される者も究極の人間疎外を受けたということになるのですね、殺されたら。ということになるので、全国的に同和教育運動というのは、大会でもやれば二万人も集まるくらい大きなうねりになっておるのですからね、文部省はもう少しその点をお考えになられたらよいのではないか、こう思うのですが、その点はどうでしょうかね。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 文部省としての見解は初中局長が申し述べるでしょうから、ちょっと私、個人的なことを申し上げてよろしいでしょうか。  それはもちろん私は今の文部大臣としての立場を無視して物を言おうというのではありませんが、ただ、一つの時代的背景として、ちょうど私どもが大学で勉強をしていたころ、すなわち昭和四十年の前半期というような時代は、私先ほど答弁の中で人間疎外という言葉を使ってしまったのですが、実は今の若い方たちは余り人間疎外ということを使わないし、その意味内容も余り知らない人が案外多いのです。若い人たちと話をするとつくづく感じるのです。  我々なぜそういうことに大変敏感であるかというと、ちょうどこの日本の国が経済成長をすごい勢いてやってきた。ところが、その経済成長がいろいろな弊害を生んできて、公害というのも、田中正造先生の昔の鉱害もあるけれども、近代型の公害というのも我々の高校時代に初めて日本語として使われるようになっていって、こういう高度の機械文明がどんどん発達することが結局人間性の破壊につながっている部分があるのではないかということがあって、私たちの世代というのは、非常に人間性を尊重しなければならない、人間性を守らなければならない、失ってはいけない、こういう意識がすごく強い。そのころに比べると、今の時代というのはややそういう部分が欠落しからで、余りに豊かになり過ぎて、そういう部分について無関心になったり無神経になったりしているような、そんな時代に見受けることがあるわけです。  ですから、私はそういう意味で言うと、昭和四十年代のときのように、機械がどんどん発達してきた時代に、ベトナム戦争へのああいう介入がそれでいいのかというようなことをみんなで議論した時代の、それこそフォークソングとかグループサウンズとかはやったあのころの時代の、とにかくみんなで人間性守ろうといって我々の世代は「戦争を知らない子供たち」を歌ったのだけれども、そういう時代の、ノスタルジーかもしれませんけれども、人間性というものにもっと着目する、そういう時代に再び戻さなければならないという、それは同和教育等の問題についてもつくづくそういうことを感じるのです。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 同和教育の重要性につきましては私どももしっかり心にとめているつもりでございまして、従来から、私どもが所管しておる学校教育、社会教育を通じて広く国民の基本的人権の精神を高めるとともに、対象地域の教育、文化水準の向上のためにいろいろと施策を講じているところでございます。今後ともそういう方向で一生懸命やりたいと思います。  人権教育というのは結局、私は、抽象的な人権教育ではなくて、やはりそこの上に人間が乗っかっておる、顔の見えた、人権というのは抽象じゃなくて、まさに人間が生きた人間を大事にする、そういう教育が必要なのではないか。そういう意味では私は、本当の意味での基本的人権を大事にした人権教育、それから人間が上に乗っかっている人権教育をこれから私どもも各県にお願いし、各市町村にも、各学校現場でもそういう教育をしていっていただきたいというふうに指導をしてまいりたいと考えております。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 疎外という言葉が出ましたので、実は私は部落解放同盟中央本部の書記長を務めておりますが、毎年運動方針を書きます。そのときに、私が書記長になってから解放同盟の運動方針の中に人間疎外という言葉を使い、しかもその人間疎外というのを自己疎外というところまで広げて使っておるわけでありますが、考えてみると、徳川封建幕府以来四百年間にわたって我々の先祖は、しかも今日も、いろいろな現象においてよくその本質を見きわめてみると、人間疎外を受けておる。それは疎外を受けておるというのは、外側から受けておるというだけではなくて、一たん外側から受けてくると、それを自分の身に引き取って自己疎外もしておる、こういうことでありますので、先ほど局長が、顔の見える人権教育ということを言われまして、それはまことに大事なことなんですね。  したがって、私どもの立場から言うと、部落問題だけを素材にしてやってもらいたいなどとは言いません。しかし、四百年間もここに具体的な材料があるわけでありますから、その具体的な材料をもって見ると、文部大臣が言われたようなこともよく一般に見えるようになるんじゃないかと私は思いますね。そうして初めて物事が前進するんじゃないかと私は思うのであります。部落差別の構造はごく簡単に言うと、上見て暮らすな下見て暮らせですから、先ほど出されました事例の姉が妹を殺したというのも、結局はそういう心理構造なんであります。すると、今日の教育の中に、外から子供たちがいじめられて殺されるというような、そういう幼児殺害事件のようなものもあるし、また、二つほど例を出されましたが、明らかにこれは学校教育の取り組みのまずさというようなものが影響してこんなことになったかなと思われるようなものもあるわけでありますから、教育の中における、人権のとうとさというものは徹底して具体的な事例をもってやはり取り組まなければならぬ。  ところが、今回和教育のかなり盛んなところでは、部落問題を教えたら、その部落問題を教えてもらった子供たちがそれをもって差別事件を起こす。これは、教師と子供との間の本当の意味の深刻な社会問題という心の通いがないんです。そういう意味では教師にどういうふうに真剣に取り組んでもらうかということと、それから、具体的な事例をいかに普遍化させるかという問題とが大事だと思いますが、これは局長、答弁としては、それは大事なことだと言われるのは簡単だけれども、もう少し物事が前へ進むように、余り要らざることで学校現場がトラブルが起きないようにしてもらいたいと思いますね。  まあそれはあれでしょう、この前も私言いましたけれども、日の丸揚げたか揚げぬかということは、すぐに文部省は統計とりますわ。しかし、不登校の子供がどれくらいおるかということは、なかなか統計とりませんわ。これは私はここで言いましたけれども、五十人以上の統計数字は聞きましたけれども、例えばそれが三十人ぐらいまでダウンしたときにどれぐらいの子供がおるのかといったら、それはとっておりませんというのですから、無関心と言わざるを得ないのですね。したがって、もう少し人権ということを中心に考えた教育に取り組んでもらわなければ、いつまでたってもこういうまさに忌まわしい事件というのは後を絶たないと思いますよ。  そして、文部大臣が先ほどから言われておりますように、これはもう生産活動が活発になって豊かになればなるほど心に傷を残す者もたくさんできてくるのです。だから、生産活動が活発になって、心に傷が残らないような方法をやはり日本の生産活動というものは考えなければいかぬ。そこで一つだけ我々が外国から言われておることに耳を傾けなければならぬのは、やはり日米の構造協議の中に、日本にアンフェアだといって向こうが指摘しておるものの中にそれはあるのです。アメリカは日本の部落問題をよく知らぬから日本の部落問題という形でよう指摘せぬけれども、あれをずっと読んでいったら、日本の経済活動の生産性の高さはアンフェアから来ておる、これは人権を無視したようなことから来ておる、あるいは市民的権利感覚の足りなさから来ておる、こういう形になってきておると思うので、経済その他一般の政策はどっちかというと人間疎外の方向に向かうわけですから、教育のところで何とか食いとめる、そのためには今のような状況ではなくてもっと徹底したことをやってもらわなければいかぬ。兵庫県の何とか高等学校で女の子をガチャンとドアで殺したでしょう。先生自体があれば一つの教育目的のために自己疎外を起こして、子供がガチャンと挟まれて死のうがどうが、とにかく時間までに来させるということだけに重点を置いてあんなことをやった。  だから、幸い文部大臣が疎外という言葉を使われまして、私は教育を見る上でこれは非常に大事な概念だと思いますので、ぜひともそういうことに力を入れてこれからやっていただきたいということを申し上げておきたいと思います。  きょう、私予定をしておりましたのは、自治省の方にもお尋ねすることにしておりましたので、自治省の方にちょっと申し上げておきますが、世の中はそういうことなんで、しかし同和問題については地方自治体がかなりやっておられることは事実です。しかし、そのかなりやっておられるところでも差別事件を起こしていることも事実です。一層取り組んでいただくことをお願い申し上げます。ちょっとおくれておりますから、時間に協力する意味でこれでやめますが、自治省の方、ひとつ決意のほどを述べていただきたいと思います。

芳山達郎自治省行政局振興課長

○芳山説明員 同和問題につきまして、国・地方を挙げて共通の解決すべき課題として努力をしておりますけれども、法律に基づきまして精いっぱい努力をしてまいりたい、また、地方団体も指導してまいりたいというぐあいに考えております。よろしくお願いいたします。

小森龍邦日本社会党・護憲共同

○小森分科員 それでは、終わります。

越智通雄自由民主党

○越智主査 これにて小森龍邦君の質疑は終了いたしました。  次に、菅野悦子君。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 私は、本日、学校での健康診断や保健室それから養護教諭の問題についてお伺いをしたいと考えます。  このところ、子供たちの健康と体がおかしいという声を学校の校医さんとか養護教諭の皆さん方から聞くのですね。かつては考えられなかったことなんですけれども、子供に糖尿病とか高血圧、それからストレスから来る胃潰瘍、こういういわゆる小児成人病、これが非常にふえていると言われています。また、アトピー性皮膚炎とか小児ぜんそくなどアレルギーの問題、これも深刻です。簡単なことで骨折してしまう、こういうことなんです。  先生方の中では学歴シンドロームというふうなことさえ指摘されている方もいらっしゃるのですけれども、最近、全国保健医団体連合会の先生方が、全国三千人のお医者さんを対象にアンケート調査を行っていらっしゃいます。そこでも、最近の子供は何かおかしいと感じるというお医者さんが入五・六%、三七・五%の医師が小児成人病を日常的に診ている、また過半数のお医者さんが登校拒否傾向にある子供の相談を受けている、こういうふうに答えているわけなんですけれども、こういう実態がある。  ところが、こういうふうに大きく変化してきている子供の健康状態あるいは体の状態があるわけですが、これを学校で正確に把握できない。現場の養護教諭や校医の方々に聞いても、特に現在の学校での健康診断というやり方では虫歯、視力それから肥満程度のことしかつかめない、こういうふうにおっしゃっているわけですね。  子供を取り巻く環境はこんなふうに非常に大きく変化しておりまして、食生活も変わっている。ところが、この変化している子供の健康状態をどうとらえるかということで、現場でやられている健康診断、これではいかがなものかというふうに思うのですが、今のようなやり方では子供の状態はなかなかわからぬという現場の声、これをどういうふうに御認識いただいているのかなということをまずお伺いしたいと思うのです。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 先生今御指摘のさまざまな小児成人病と言われておりますもの、それからアレルギーの問題、これはまだ診断基準も定まっていないとされておりまして、その実態を客観的に把握することは大変難しいというわけでございます。このように、近年の社会環境、生活様式の変化が児童生徒に及ぼしております健康の問題、私ども新しい健康問題として大変重要であるという認識を持っております。  そして、例えば全国的な実態を把握して経年的な観察を行っていく必要があるということで、全国からサンプル校を選定いたしまして定点観測を行うことによって継続的に児童生徒の健康状態の情報収集をし、それを解析し、それに基づきまして的確な指導に資したいということで、御案内かと思いますが、平成三年度から児童生徒の健康状態サーベイランス事業、こういったものを日本学校保健会に委託して実施しているというふうなことにもあらわれておりますように、この問題につきましては大変重要な関心を持っておるところでございます。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 私も、子供の状態をきちんと全面的にとらえるために、例えば健康診断の検査項目だけをふやせばいいとか、そういうふうには思わないのです。そのことを後で聞きますけれども、同時に、検査項目などを現状に合わせて進歩させる、これが急がれているのじゃないかなということを痛感させられているわけなんです。  例えば、校医さんの意見も何人かの方にお伺いしてきたのですけれども、今の検査技術というのは非常に進んでいるんですね。尿の検査なんですけれども、ここに一本のテストペーパーがあるのですけれども、これを尿の中に差し込んだら七つのデータがわかるのですよ。例えば、糖、たんぱく、いろいろなものとあわせて潜血もわかる。だから、その子供に潰瘍があるかどうかということもわかるのですね。便も同様にわかるのです。ところが、今やられている尿検査というのは、これを突っ込んで、二つぐらいのデータを見るだけで、あと五つは全部目をつぶっているんですよ。こんなことがあるわけなんですね。  例えば、今言いました小児成人病、十二指腸潰瘍とか胃潰瘍という問題ですが、こういう病気が子供にふえているのですけれども、ある北海道の先生が、医者の方がまとめたデータなんですけれども、十二指腸潰瘍になった子供の背景因子を調べてみますと、テストとか、受験とか、クラブ関係とか、転校とかいうのがありますし、胃潰瘍などではいじめとか、そういうふうな言うならば一般の学校にあることが背景因子として出てきているわけですね。  ですから、せっかく尿や便をとって調べているわけですから、例えば便だったら、回虫とかそういうものは調べているようですけれども、こういうふうなことをやればもっといろいろなことがわかる、それで大したお金もかからぬということなわけですから、そういう点でやはり工夫が要るのじゃなかろうか。  来年度から若干の検査項目の見直し、手直しか行われるということで、サーベイランス事業のことをおっしゃいましたけれども、それも今から検査対象をどこにするかとか、検査項目をどうするかというふうな状況ですね。私は、もっと急がれるのじゃなかろうかなというふうに思うのです。だから、そういう点でもっと機敏な対応が求められている、それも簡単にできるというふうに思うのですけれども、その点いかがでしょうか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 まずサーベイランス事業でございますが、これは対象の症状を何にするか、対象校をどこにするかということは平成三年度で終わりまして、平成四年度は具体の調査が始まるということにいたしております。  それから、健康診断につきまして、その検査の項目それから検査方法につきまして、これはやはり具体的な検討を現在実施しておるところでございまして、昨年の十一月にその一部については報告が出されております。先生御承知かと思います。その中で、私ども、例えばある問題につきまして、こういった意見もあるがこういった意見もあるということで書かれておるものは別といたしまして、大方の先生がこういった方向で処理しなさいというふうな問題につきましてはこれを直ちに実施することといたしておりまして、来年度平成四年度、すなわちことしの四月一日から、例えばこれまで尿の検査でございますと、先生さっきおっしゃいましたように、今まではたんぱくだけを調べておった、それを例えば糖まで行うようにというふうなことといたしますこととか、例えば心臓疾患についてはレントゲンの間接撮影、これは小学校一年で完全に全員を対象として行っておりましたが、これはもうやめるようにとか、さまざまな形での改正を行おうとしておるところでございます。  そういったことで、検査項目、検査方法につきましては、アップ・ツー・デートなものにするようこれまでも努力してまいっておりますが、今後ともそういった方向で続けてまいりたいと思います。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 ぜひ実情に合わせて急いでいただきたいなということをお願いしておきたいと思うのです。  例えば私、地元のある医師会長さんにお聞きしたのですけれども、もう今の実態に合わせて急がなければあかん、例えばこのペーパーの問題にしても、必要なら医師会がお金を出す、だからやろうじゃないかということで、現場ではそこまで頑張ってやっているということがありますので、やはり文部省がそういう実態におくれることなく、ぜひ頑張っていただきたいということをお願いしておきたいと思うのです。  それから、検査項目の見直しとともに、より抜本的には学校での健康診断のあり方も考えていかねばならないと思うのですが、特に私、ぜひ強調しておきたいのは、問診を重視してほしいという声を現場から聞くのですね。現場の健康診断が今どうなっているかということで、校医さんとか養護教諭の皆さん方にお話を聞きまして、相当努力はなさっていらっしゃって問診をふやすなど改善していらっしゃる、そういう方もいらっしゃるのですが、まあ多くのところは一時期に集中してやられますよね、健康診断というのは。だから、子供を並ばせて校医の方がどんどん子供に聴診器を当てていくというスタイルでございまして、養護教諭の先生の役目は、とにかく小学校の低学年を黙らせて並ばすというので必死だ。そして流れ作業、お医者さんの方は一日に百人も二百人も聴診器を当てて診るものですから、頭ががんがんする。後の方は聴診器の片方耳を外したりとか、中には、機械を絞って聞こえなくしてしまわぬと本当やってられんのやというふうな状況なんですよ。とても丁寧に一人一人の子供の状況を見てやれるという状況にはないわけなんですわ、現実問題として。  ですから、そういうふうな実態があるわけですから、これは今のやり方だけでは、それだけでもいいということで踏襲していくなら、とても子供たちの実態というのはつかめないというふうに思うわけなんです。例えば、何といいますか、子供たちがアレルギーの状況があってもわからないし、最近の子供はよく疲れたというふうに言われますけれども、ではなぜ疲れているのか。朝起きれないとか、そういうような状況なんかについてもよくわからぬということがあるわけです。  ですから問診重視の健康診断、これをやっていただくわけにはいかないのかなということをぜひ考えていただきたいなというふうに思うわけです。一人一人が丁寧に問診を行われて、かつ事前の保健調査とか日常の健康教育などと相まって、一人一人の子供の状態、それからまた子供集団の状態、これをやはりしっかり把握できるようなそういう健康診断、問診重視の健康診断という方向をぜひ考えていただきたいなというふうに思うのですけれども、いかがでございましょうか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 先ほど申し上げました昨年の十一月に出されました健康診断調査研究委員会の御報告には、その問題が入っておりませんでした。最近時に一番重要な問題についての御提言をいただくということで参っておるわけでございますが、先生がそういった問診を重視した健康診断を行いなさいという御提言がせっかくございますので、今後の研究委員会が開かれますような場合には、そういった御意見はお伝えしてみたいと思います。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 あわせてアレルギーについてもお聞きしたいと思うのですが、最近アトピー性皮膚炎が非常にふえておりまして、大阪府の調査、乳幼児健診などでも三人に一人というふうな状況になっております。学校に入学する前には治るというふうなことも言われているのですけれども、今実態としてはだんだん年齢が上がっておりまして、成人に近い年になってアトピーが出るというふうな深刻な事態も聞いているわけなんですけれども、どうも落ちつきがないということで先生がよく聞いてみたら、アトピーが出てもうかゆがっていたというふうなお話も聞いております。  そこで、ちょっとお伺いしたいのですけれども、文部省としてアトピー性皮膚炎などアレルギー問題について、どれくらいの子供に広がっているというふうな現状掌握をやられているかどうか、また健康診断などでこういう問題もとらえていく必要があるかどうか、そういう問題についてどういう認識なのかなということをお伺いしたいと思うのです。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 現在このアレルギー性疾患、その中でもアトピー性疾患でございますか、この問題につきまして私どもまだといいますか、発生の原因等も大変難しい問題もあるようでございまして、今のところ具体の数字はつかんでおりません。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 確かにおっしゃるように、本当に学校での対応が極めて遅いという現実がございます。保育園では今、地方自治体の援助も得たりしながら親と医師と相談して、給食でも除去食をつくるとかいろいろな配慮がされているところです。ところが、今も言いましたようにだんだん年齢が上がっておりまして、学校に入ると逆にほとんど配慮がないということがありまして、保育園のころではそういう対応がやられていたにもかかわらず、そしてそのおかげで大分よくなっていたにもかかわらず、学校に入って給食を食べるようになってまた悪くなったというふうな話も少なからず聞いているところなんです。せいぜい弁当を持ってこさせるというふうな対応になっているのですが、給食の問題でも、自校方式の場合はともかく対応も考えてみたいという声もあるようですが、センター方式だともうどうしようもないというふうな状況がありまして、これは相当深刻な状況になるのではなかろうかというふうに思うわけでございます。  ですから、文部省としても、ぜひアトピーやぜんそくなどアレルギー対策を考えていただけたらどうかなと思いまして、学校給食などの対応も含めて、ぜひ今後検討課題ということで上げていただきたいというふうに思うのですけれども、いかがでございましょうか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 学校給食におきまして、アレルギー性疾患といったものを有します子供のために、例えば児童生徒の身体状況、食生活を含みます日常生活の状況、これをしっかり把握する必要がございますので、まず家庭とも十分な連携をとりながら、しかも担任教諭、学校医、それから学校の養護教諭、学校栄養職員の方々が密接に連携し合って、児童生徒の個人差に応じた給食時の指導、それから生活指導、そういったものを行うように指導をしておるところでございます。そして、学校給食関係の職員の研修会等には必ずアレルギー性疾患の問題を含めて講演等を行っていただく、こんな指導もしておるところでございます。そういったことを総合的にあわせまして、アレルギー対策につきまして慎重に個人に応じた対応をとっていただけるように現場で指導してまいりたいと思います。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 続いて、保健室の問題について若干お伺いしたいと思うのですが、今、子供の健康状態をつかむということ自体が単純でなくて、保健室に訪れる子供の態様が非常に複雑になって、先生方もうんと困っていらっしゃるという状況があるわけです。例えば、頭が痛いとかおなかが痛いとか訴えて子供が来る。それが風邪とか病気なのか、あるいは睡眠不足とか夜型の生活によってそういう状況が出てきているのか、あるいは心身症的なものなのか、また全くほかの理由で、保健室がオアシスみたいな思いで、先生にいろいろと話を聞いてもらいたくて頭が痛いなんて言いながら来ているのかわからないということで、養護教諭の先生方の対応が非常に大変になってきているという状態がございます。  そういう中で、保健室登校ということなどに象徴的にあらわれているように、今の学校で保健室というのがオアシス的な役割を果たしている。保健室登校という言葉も一般化しつつある状況にあるわけですが、中には親が保健室登校にしてくださいと言って子供を連れてきたという話も私は聞いたのですけれども、そんな状態がございます。  先日、東京学芸大学の深谷教授らの研究グループが、小学校の養護教諭九百人の皆さん方からアンケートをとりまして、その回答をもとにした調査レポートがあるのですが、そこを見ますと、一日平均大体三十人の子供がやってくるということなんです。きのう一日に保健室に来た子供の人数ということで聞いてみて、三十人以上来だというのが全体の三五・九%に上る。七十一人以上というのも五・八%あったということで、相当複雑な中身で、しかも来る子供がふえてきているという状況があるわけです。ですから、保健室の仕事が多過ぎてゆとりがないというふうに感じている養護の先生方もありまして、本当にゆとりがない、本当にそう思うというのが四四・六%、約半数ございます。ゆとりがないと少し思うということを加えますと、七二・四%の先生方がそういう認識を持っておられるという状況になっているのです。  この調査レポートでは、具体的な声として、休み時間、来室者が多過ぎて対応できない、また、児童数約千人に対して養護教諭一人ということなので絶えず仕事に追われているような気がする、来室児童に対してゆっくりと話を聞いて落ちついて対応するというわけにはいかないことが多くて本当に申しわけない気持ちでおるというような、そういう率直な先生方の声が出ているわけです。  養護教諭の果たす役割というのは、今も言いましたようにますます重要になってきておりまして、仕事量も本当に増大しております。そこで、かねてから複数体制にということの要望があるわけですけれども、この点、文部省はどういうふうにお考えになっておられるか、ぜひお伺いしたいと思います。

遠山敦子文部省教育助成局長

○遠山政府委員 養護教諭の配置に関しましては、教員定数の改善計画の第一次から順次やってまいっておりまして、昭和三十三年から今日に至るまで、かなりのスピードで配置が拡充してまいっております。  現在では、平成三年度に完成した第五次の教職員定数改善計画におきまして、どちらかといいますと小規模の学校に対する目配りをしているわけでございますが、四学級以上の学校には一人、三学級の学校には四校につき三人、しかも無医村あるいは無医の離島に対してはこれを配置するというふうな形で定数増を図ってまいっておりまして、第五次の改善総数では五千百二十二人の増を図ったところでございます。  今後、今先生のお話のように、養護教諭の仕事というものは時代の要請も反映して非常に大事になってまいっているということも存じているわけでございますが、今後定数をどのように考えていくかということにつきましては、現在、全体の教員の定数のあり方につきまして、改善計画が完成した段階での実態を調査いたしております。その結果を十分に精査いたしまして、財政状況等を踏まえて考えてまいりたいと思っておりまして、複数配置というふうなお話もございましたけれども、そういう事柄につきましても、全体の中で今後慎重に検討していきたいと考えております。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 大臣にぜひお伺いしたいと思うのですけれども、現場からは、せめて子供の名前と顔が一致するくらい、例えば三百人に一人というふうな配置をぜひしていただきたいと言っているのです。例えば、子供たちの体がおかしいという校医さんや地域のお医者さんの訴えを聞いて、学校の健康診断や保健室のあり方、何よりも体制の強化が必要だと思うのですけれども、ぜひ大臣のお考えをお聞きしておきたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 昨日児玉健次先生からも同様の御指摘がございまして、昔と今とお子さんにもいろいろな変化が出て、一番心配なのは、前段に先生が御指摘されたように、生活環境も変わる、食べ物も変わる、そういう中で日本は長寿大国と言われているけれども、これからまた短命の国に変わっていくかもしれないという警告を発する人もいる。小児成人病といって糖尿病も高血圧もいろいろある。そういうようなことが大変心配で、しかも、何よりもストレスが昔と今とでは比較にならないのではありますまいか。生活はどんどん豊かになりながら、学歴偏重社会、銘柄志向というのは相変わらず日本の社会の中心に腰を据えたまま動かない。そういう中でお子さんたちも、豊かな物には囲まれるけれども、頑健な体を持つには条件が必ずしもよくない。あるいは、たくましい精神力を身につけるためにはいろいろな経験も不足だし、逆にそれを阻害するようないろいろな出来事が多過ぎる。  こういう中で、恐らくそういうものの一つの発露として保健室登校もあるし、四万八千人の登校拒否、あるいは十二万三千人の高校中退という問題も出てきているのだろうと思いますが、恐らく私の推測では、我々が小中学生であった三十年前と現在とでは、養護教諭の先生の役割というのがはるかに変わって重くなってきているだろう。一日平均三十人という話、私も文部省の調査で資料をいただいておりますが、昔の保健室はすいておったけれども、今はとにかく保健室が込む時代になっているという話も聞くと、できるだけのことをしてさしあげなければいけないだろうということは十分承知しているのです。  だから、そのことはきのう児玉先生への答弁でも申し上げたけれども、全国に、今遠山局長から御答弁申し上げたように、クラス数の非常に少ない学校でも精いっぱいの配置ができるように考えているし、これから、大規模校で一日に百何十人も来るところもあるという指摘をきのう児玉先生はしておられましたが、そういう大規模校を想定して、とりあえず研究のために二十五人の加配をしてみて、その様子、結果等を見ながら今後の配置を考えていきたい、こう思っております。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 大切な子供たちの健康とこういう保健室の問題、ぜひよろしくお願いしたいと思います。  あと一言、別の問題でございますが、学童農園についてお伺いなりお願いをしておきたいと思うのです。  学童農園といいますか、学校が、近所の田んぼや畑を借りて、子供たちが米づくりや野菜づくりを体験学習するということが行われております。例えば五年生がお米をつくって、取り入れのときなど全校生徒が参加をしてとれたモチ米でもちをつくったりして、非常に貴重な体験になったというふうな話があるのですけれども、私大阪でございますが、私の地元にもこういうふうなことをやっている学校がたくさんございます。  ところが、この学童農園が今次々につぶれていっているのです。原因は何かといいますと、昨年法改正がありました生産緑地法です。文部省にしてみればこれは管轄外の話なんですけれども、農地の宅地並み課税が進むということになりまして、貸していただいていた農家が、それはもうやってられへん、それだけの好意で学校に貸すよりも、それを取り返してそして駐車場などにしなければもうやっていけないというふうな状況が出てまいりまして、今私の地元の豊中市でも、七つの小学校でこうした農園があったのですが、うち二校で来年からもう継続が無理というふうな状況になっております。駐車場に転用されるというふうな状況なんですね。ですから、とりわけああいうふうな大都市の中で、お米というのがどんなふうにできるものかというのがさっぱりわからぬような状況の中で非常に大切な体験学習になっているのですけれども、これができなくなっているということがあるわけです。  私はここで生産緑地法の評価がどうのこうのという議論をするつもりはないのですが、例えば学童農園なんかに対してとかあるいはまた市民農園など、これがどんどん駐車場になっていくという実態があるわけで、これを食いとめるために、例えば宅地並み課税はそういうところは免除するとか、あるいは税金相当分の補助というふうな形で、都会の子供たちの貴重な体験学習の場がなくなることを、何とか御援助いただいて、引き続きそういう貴重な学習ができるような手だてがとれないものだろうかどうかということをぜひお伺いしておきたいと思うのですけれども、いかがでございましょうか。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 昨年の生産緑地法の改正によりまして、市街化区域の農地等について宅地化の方向で動いていくのではないかということは予想されるところでございます。ただ、農地を学校農園として利用する方法はいろいろございまして、農家と賃貸借契約を結んで農地として借りる、あるいは農家が自分の持っている農地を、農園を開設いたしまして入園契約を当該市町村、設置者ですが、と結んで、そしてその農園を学校に利用させる場合、あるいは全くただで貸してしまう、使用貸借というふうに言っておりますが、そういう三つの方法があるのですが、これら三つの方法で学校農園として利用する場合には一応今の生産緑地法のもとでは農地として認められることになっております。したがって、そういう意味では影響は特に受けないということになるわけです。ただ、全体に言えば、この法律の持つねらいが都会地周辺の農地を宅地化して宅地を供給しようということにも大きなねらいがあるわけでして、そういう方向で行政の指導等が動いていくということもあって、今私が御説明しました三つの方法で今までも農地を学校農園として提供しているわけですが、そういうことで学校農園の契約を切られたというようなことも一、二聞いております。  ただ、私どもとしましては、大都会地の勤労生産学習につきましては、小学校二、中学校一、これは各県でありますが、勤労生産学習研究指定校を指定しまして、学校等においていろいろトマト、キュウリやなんかの農園栽培等をやってもらっておりまして、その成果をまた一冊の研究のような本にいたしまして現場にフィードバックしておるというようなこともございますので、私どもは、こういう活動を通じまして生産勤労学習の充実に努めてまいりたいと考えております。

菅野悦子日本共産党

○菅野分科員 御指導、御援助を心からお願い申し上げまして終わります。

越智通雄自由民主党

○越智主査 これにて菅野悦子君の質疑は終了いたしました。  次に、薮仲義彦君。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 短い時間ですので、質問を始めさせていただきます。  きょうは大垣に四点ほど質問させていただきたいと思うのですが、分科会という限られた時間でございますのであるいは言いっ放しになるかもしれませんが、どうか大臣に心にとどめておいていただきたい問題を幾つか申し上げたいと思いますのでよろしくお願いいたします。  四点のうちの最初は歯科の問題でございますけれども、私は特に大学においての臨床実技、それから卒業の際の実技試験、それに敷衍して、厚生省もお見えだと思いますけれども、国家試験から実技がなくなった影響等についてお伺いしたいと思っております。  次は、国が指定しました名勝、天下の名勝と言われる三保松原の松が半分ほどなくなりました。本来、名勝に指定された文化財が、国民共有の財産が半分もなくなるということは一体どういうことなのか、この点、今後の保護育成策についてお伺いしたい。  それから、ちょうど春休みの時期でございますが、ホームステイの問題を私ここ数年ずっと歴代の文部大臣にお願いをし、外務大臣にも運輸省にも改善を要求してまいりました。それはかわいい青少年が初めての海外体験で苦い思いをしてそれが一生の傷となって消えないからでございます。たとえそれが一件であってもその人の人生にとっては生涯重い荷物としてしょっていかなければならない。私は事故を防いでほしい。きょう外務省お見えだと思いますけれども、外務省に聞いてみますと、一昨年と昨年のデータでございますが、やはりトラブルは減ってはおらないようでございます。特にトラベルエージェントが、ホームステイというからには一番肝心なのは受け入れ側のホストファミリーの実態でございますが、その通知であるとか、相手側の家庭の状況が本当にふさわしいホストファミリーなのかどうか、この辺の問題点をきょうはお伺いしたいと思います。  四番目は、私は自転車の交通事故についてお伺いしたいのでございますが、これは大臣も心を痛めていらっしゃるし、とどめておいていただきたいと思うのでございますが、警察庁の資料もきょう持っておりますけれども、最近交通事故の死亡者は、減りはしない、一万人前後の方が亡くなるわけでございますが、その一割近い方は自転車による事故で起きています。当然、子供たちが自動車被害によって亡くなるという痛ましい事故もございます。しかし、本日、そういう問題と同時に、統計の上には出てこないのですけれども、我々が相談されて一番心が痛み、何とかならないかと思うのは、最近自転車が非常に性能がよくなっております、五段変速とか七段変速とか物すごいスピードの出る自転車が出ておりますし、マウンテンバイクというオフロードの自転車もできております、非常に堅牢にできておりまして、この自転車が被害者ではなく逆に加害者に変わるケースが出ております。私もこの自転車の事故で相談を受けて心痛んで、きょうは大臣にまず冒頭お伺いしておきたいと思うのでございますけれども、先日も報道されましたマウンテンバイクによる死亡のこともございました。今自転車台数は七千万台と言われておりますが、保険加入は大体四百万、パーセントで五・五%程度でございます。  それで私は大臣にお伺いしたいのは、我々が相談を受けて一番困るのは、自動車は国が関与して強制保険、自賠責という保険制度がございます。しかし、自転車は強制的な保険制度がございません。ですから、自転車によって相手が重傷を負ったり亡くなったりしたときに、これは非常に気の毒なケースが出てくるわけでございます。亡くなった方も大変痛ましい事故でございますし、不注意によって相手に甚大な被害を与えた青少年の方も非常に心が苦しみます。そこには保険制度がございませんので、全部自分の生活費の中から相手の補償をしなきゃならない。相手の家庭も、そしてまた加害者であるこちらの家庭も、非常に困り果てるわけでございます。やはり私は、中学、高校生の方が地域によってはどうしても自転車に頼らなければならない、こういう事態でございますので、私は決して保険会社のお先棒を担ぐ気は毛頭ございません。しかし、国が関与した強制保険という制度がない限り、青少年を守りまた相手の方の生活を守るために、教育の現場でいわゆる社会的な責任といいますか、自転車に乗る以上この社会的な、道義的な責任ということで、保険というものの重要性を、御父兄の方なりを通じて子供の人生を守っていただけないか、こう思いますが、いかがでございましょう。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 詳しい内容は政府委員から御答弁申し上げますが、自転車のことにつきましては、自転車へ乗ることを一つの交通安全教育というような形では指導をしておるわけでございまして、特に小中高等学校の教師向け指導資料では、自転車に関する安全指導の手引というものを作成し配付しているところでございます。  自転車、私も少年時代大好きで、もうめちゃくちゃに乗り回しておりましたが、自転車の場合は、長じて車を運転するようになりますと、一番自転車をひきそうになるというのでしょうか、交通事故では自転車に乗っている人はいわば被害者というような、そういう認識をいたしますけれども、そうでない歩いている人間にとってみれば、自転車というのは加害者としてイメージされることがある。自転車はそういった意味で大変便利なものではありますが、被害者、加害者両方になり得るということでございまして、特に、よく小中高等学校での交通安全教育を問われることがあるのですが、例えばアメリカあたりでは、免許の年齢は各州によって違うのか同じなのか私はよくわかりませんけれども、高校生該当年齢の方々には完全に加害者になるんだというふうな交通安全教育をやっているというふうにも聞いておりますし、我が国でもバイクの関連では、加害者になってはいかぬということでの交通安全教育は行われているわけで、自転車についても被害者、加害者両面になり得るということで、きちんと教えることがよろしいのかと思うわけであります。  また、この保険のことについて私余りつまびらかにいたしておりませんが、手引書等では特に何も記載はしておりません。ただ、我が省で把握している中に、各都道府県や学校によって違いがあるのですが、自転車通学を認めている中学校や高等学校あるいはごく一部の小学校で、入学時のガイダンス等の場において、事故に遭ったときの負傷や相手をけがさせた場合の損害を担保する保険があるということを、それはもちろん学校の自主的な意思で説明をして、自転車通学者に対して保険の紹介とか、保険屋さんではないのでしょうが、保険への加入を勧めるというケースは案外数多いというふうに承知をいたしております。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 大臣も、交通事故でというよりも自転車事故で相手が大けがを負って、自転車保険に入っていないという相談を受けたときのことを心に思い浮かべて、どうか教育の現場でどうするか御検討いただきたいと思います。  と申しますのは、私も相談を受けて非常に心が痛んだのです。やむを得ず大蔵省の保険第二課、課長にいろいろ事情を聞いてみました。いろいろと保険会社では考えておるようでございますが、仮に中学校三年間あるいは高校三年間どのくらいの金額でどのくらいの保障ができるのか聞いてみますと、一万円足らずでございます。例えば私の家族も自転車に乗っている者がおりますから、では三年間、私が、自分はいいけれども相手にけがをさせて一億、二億という担保をしたらどのぐらいかかるか、これも金額にして数千円の範囲なんですね。ですから、私は自分も入りました。入ってきょう質問に来ているわけですけれども、二億円で、金額をずばり言えば、わずか年間二千百五十円です。そして三年間入っておくとそれがぐっと下がってくるのです。本当に一万円を半分近く割る金額で三年間担保できるわけですから、御父兄の負担もそう大きくはなくて子供さんも安心、家族全部が安心できるということが私はあってほしい。子供がかわいそうですから、決して商売のために言うのではなく、子供の人生のために親も守ってやるくらいの配慮があってよかろう、こういうことでお願いをしておきます。  次に、名勝の問題でお伺いします。この問題は私、何回かやっておるのでございますけれども、余り目立った変化がないので、大臣にももう一度お願いをしておきます。  これは古来歌にも歌われ、小学校唱歌に歌われた天の羽衣で有名な三保松原、この件でございますが、きょうは時間がございませんからごく簡単に言いますと、この三保は大正十一年、日本で一番古く名勝に指定された松原でございます。名勝に指定されておりますのが全国で六カ所でございます。佐賀県の虹の松原、入野松原・高知県、慶野松原・兵庫県、三保松原・静岡県、気比の松原・福井県、高田松原・岩手県と、六つあるわけでございますが、指定されてから今日まで、それぞれ他の松原はほとんど減っておりません。入野松原も気比の松原も高田松原も減少率はゼロです。虹の松原それから慶野松原は、〇・九七、〇・九五でこれもほとんど減っていないわけです。一%弱の減少率。  しかし、静岡だけは何と五八%減ってしまっているわけですね。半分以上減っているわけです。松の木の本数でいいますと九万三千本が五万四千本でしかないわけですね。全国でだった一カ所激減したのです。  私は、本来名勝に指定されますと文化財保護の立場から松の伐採などは絶対できないと思うのです。それがこんなに松を切られてしまった。切らない限り松がなくなるわけはないわけで、文化財に指定した立場から、国民共有の財産であり、我々は、歌に歌われたあの三保松原は後世に残すべき文化財と思っております。  このように減ってしまったのは、やはり管理上に問題がなかったのかどうか。私は文化庁に規定の見直しをしなさいと言って厳格な管理を要望いたしました。しかし、その後余り松の木のことについての変化が感じられませんが、どうか、後世に残すべき文化財として名勝三保松原、歌に歌われた名勝の松を守ってほしい、こう思いますけれども、この点についての保護育成はいかがでございますか。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 先生御指摘のように三保松原は大正十一年に当時の史跡名勝天然記念物保存法により名勝に指定されておるわけでございます。  この面積が減ってしまったということでございますが、これは主に戦後混乱期に、あるいは規制も十分ではなかったということもありまして、民有地を中心にそれが農地になったりあるいは住宅化してしまったというような事情があったというように聞いておるわけでございます。その結果指定地域を解除せざるを得なかったということでございますが、御指掩のように、こういった名勝が狭まり松もなくなってしまうということは国の名勝としては適切なことではない。そういうことで、現在これも御案内のとおりでございますが、清水市におかれまして保存管理計画をつくっておられる。その中で指定地を松林の疎密によって地区を区分して、現状変更規制についての基準を各地区について定めるというような形で、現在これが平成元年に改定された計画でございますが、保存管理を図っておるわけでございます。  またその中で、やはりシロアリあるいは松くい虫の防除事業あるいは環境整備事業が進められておりまして、文化庁においてもこれに対して補助をするという形になっておるわけでございまして、今後とも静岡県、清水市といろいろ御相談をしながらこの保存に努力をしてまいりたい、こう考えております。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 これはもう大臣、先刻御承知のとおり、私は、教育というのは、学校の教室に座って先生のいわゆる教えというものをきちんと勉強しましょうねということも教育です。しかし私は、国民として、自然の中で育っていくたくましい子供であってほしいし、また生きているもの、生命の尊厳を教えたり、自然を大切にしたり、あるいはまた国民共有のそういう文化財などは大事にしようということ包現場で教えることも私は教育だと思うのです。  そういう意味で、どうか——私はなぜきょう申し上げるかというと、文化庁が本気になって、教育というのは学校の現場もそうかもしれないけれども、県の教育委員会を通じ、市の教育委員会を通じて、本当に松の木を守ろう、言うなれば、県であるいは市で三保松原をみんなで守ろうよという松の木の日を一日つくって、みんなが参加するような日をつくっていただくぐらい本腰を入れて指導していただいてもいいと思うのです、これは普通の松じゃないのですから。文化庁が指定した名勝なんですから。ならば文化庁も、後世に残す責任の一分はあるはずです。当然私は、市民や市議会や、絶えず言っております。市長にも言っています、本気になれと。しかしやはり、一番の監督権限は文化庁にございますし、我々も力を入れますので、この名勝を再現するようによろしくお願いしたいと思うのでございます。  もう一つ残念なのは、ここは白砂青松と言われたのです。白砂がなくなってしまったのです。松の木と同時に白砂もなくなりました。きょうは運輸省並びに建設省、お見えだと思うのでございますが、私は、港湾局に対し、また建設省に対し、白砂を戻すようにお願いしてありますが、運輸省と建設省、どう対応するか御答弁いただきたいと思います。

葛城幸一郎建設省河川局海岸課長

○葛城説明員 御説明いたします。  清水湛岸の清水市蛇塚周辺におきまして、過去十年間に最大三十五メーター程度の汀線後退を見ておりまして、現在も侵食は東側に広がっております。このため、当海岸におきましては緩傾斜堤、離岸堤等の整備に加えまして、ヘッドランド工法並びに養浜工を導入しつつ整備を進めでございます。  また、清水湛岸三保真崎地区は、高潮、波浪、津波対策としてTP九メーター五十センチの緩傾斜堤を全体計画として整備を推進中でございます。この地区は、当地区のこの海岸の整備を核といたしまして、道路、公園、下水道等の建設省所管公共事業を一体的、計画的に行う清水湛岸コースタル・コミュニティ・ゾーン整備計画を昭和六十三年に建設大臣が認定し、地域整備の推進も図っているところでございます。  また、当地区は近年著しい海岸侵食を受けておりまして、現在静岡県におきまして調査を実施中でございます。今後はその調査結果を踏まえまして恒久対策を検討していく予定でございまして、当面の対策といたしましては、平成三年度は養浜工の実施を行っております。一平成四年度につきましても、引き続き養浜工を実施してまいりたいと考えております。  なお、堤防の整備に伴いまして、現在、国有地内にあります三保真崎海水浴場観光事業協同組合の資材小屋で堤防敷地に一部がかるものがございますが、これにつきましては現在、県、市、組合において調整を図っているところでございまして、建設省といたしましては、引き続き十分調整をとるように県、市を指導してまいりたいと考えでございます。  以上でございます。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 運輸省は。——来てない。では、いいです。運輸省が来てないようですから、次の問題に移ります。  歯科の問題についてお伺いしたいのですが、余りもう時間がございませんので、これは指摘に終わるかもしれませんが、大臣に聞いておいていただきたいと思います。  厚生省、来ていますね。今度は大丈夫ですね。  私は、この歯科の問題は十年間ずっと厚生省と論議を続けて、まだこれからエンドレスでやるわけでございますけれども、なぜやっておるかといいますと、この歯科の問題というのは、高齢時代を迎えて非常に重要でございます。特に、先日もテレビでやったようでございますが、私は十年前からお年寄りの入れ歯、総義歯の不採算、歯科材料の安全性、あるいはまた歯科のレベルといいますか実技の問題等をいろいろと論議を重ねてまいりました。私は素人でございましたので、東京歯科大学、東京医科歯科大学、名古屋の愛知学院大学へと足を運びまして、各教授の教えを請うてまいりました。  きょうはそういうことを踏まえて、大臣に何点か御質問をしたいわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、先日もテレビでやっておりました。あのテレビを見た途端に、私のところに全国のいろいろな方から、大学の先生や臨床の先生あるいは普通の患者さんに当たる方からもお電話がございました。  どんな意見があったかというと、国家試験から日本は実技がなくなったそうですね、今の若い先生は歯を入れられるのですか、歯の治療は大丈夫ですかというような質問もございました。これから若い先生は入れ歯をつくれるんですねというあのテレビを見た疑問もございました。特に驚いたなというのは、老人ホームでお年寄りが食事をするときに入れ歯を外して食事をした。本当は食事をするのに歯を入れて食べるのに歯を外した。歯医者さんの技術があんなに落ちたんですかという声もございました。あるいは、あのテレビで報道された一千万のうち半分はくあいが悪い。半分悪いということは、二人に一人は入れ歯がいつも痛いのですね。これで大丈夫なんでしょうかという質問もございました。  また、愛知学院大学が映っておりました。私もあの平沼先生をよく存じ上げておりますけれども、あの大学だけは卒業の実技試験をやっておりますが、ちょうどあの大学のいわゆる実技試験の様子が出ておりました。やはりあれを見て、見学だけではだめですね。ちょうど先ほども運転のお話が大臣からございましたけれども、運転免許をペーパーだけで取って実技なしで車を運転するのと同じですね、とっても怖いことです、こういう指摘等々がございました。  きょうは時間がなくて残念ですが、ちょっと、文部省が今日までこの問題についていろいろ研究していらっしゃることを通じて、大臣の御意見を伺って終わりたいと思うのです。  文部省もこの問題は非常に重要視していらっしゃると思うのです。東京医科歯科の先生を中心にしまして「歯学教育の改善に関する調査研究協力者会議長終まとめ」というのが、これは文部省でおやりになっている。これは御承知だと思うのです。この中に何点か非常に重要な指摘がございます。ちょっと読み上げてみたいと思います。「臨床実習の充実 歯学教育の特質は、臨床実習を重視し、これが体系的に組み込まれているところにあると言える。臨床実習は、講義で得た知識と技術を、指導者の下で体験を通して身につけることのみならず、将来歯科医療に携わる者として不可欠な「態度」を体得し、倫理観を確立し、患者とのコミュニケーション技術を習得するために特に重要である。」また「一部の歯科大学(歯学部)では臨床実習のほとんどが見学あるいは介助という状況となっている。これに対し、各大学においては、できるだけ学生が自ら実際に患者に手を触れる実技の機会を増加し、卒業までに経験すべき各技法の種類と回数を明確に定める」べきであるという指摘があります。  また次の指摘には、国家試験のところが出ております。これは非常に大事だと思うのです。この小椋先生はアメリカヘ行かれ、歯科の国家試験について述べていらっしゃるのですが、「ある国の試験の内容がその国の年前教育水準を示す指標の一つであると判断しても大きな誤りはない。一般に西欧先進諸国の免許試験における評価水準は、相当高いところに置かれており、特に基礎歯学と臨床の実地試験において相違があると言える。このようなことから見れば、我が国の歯学教育の水準はかなり向上してきているものの、今後、さらに改善の余地がある」、いわゆる実技が重要だという点でございます。もう一つ、「歯科医師国家試験の在り方については、大学の歯学教育に大きな影響を及ぼしていることから、関係者の間にさまざまな意見がある。臨床能力の評価を行う実地試験がないことや、基礎歯学に関する問題が独自に出題されていないために、教員や学生の関心がどうしても偏ったものになりがちである」。  それから、これは毎日新聞の鶴見大学の問題でございますが、そのことはおいておいて、この中で一つの指摘があります。「歯科医師国家試験が筆記テストだけであることも、こういう風潮をあおっているのではないか。手間はかかるが、面接や実技テストの導入も検討すべきだろう。」こうあります。  それから、これは小椋教授がアメリカヘ行ったレポートです。この中で大事なことがあります。アメリカでは「筆答式試験で全国統一の試験と各州別またはいくつかの特定地方が集合して行う、臨床実技試験を主体とする」心最初の二種類しかないですね。最初の試験に合格すれば認定書は出します。しかし、後の州の試験に合格しなければ免許証は出しません。免許証がないとその人は開業医になれないのですね。こういう二段構えです。しかも、先生は、最後のところでこういう指摘があるのです。「日本と比べた場合、まさにこの試験制度は米国の独壇場である。またその試験の内容もかなり高度なものであって、年前教育期間における彼の高密度な臨床実習を経なければ合格することは不可能であろう。」「米国の歯科医師免許は相当な臨床実技の力がないと取得できないという事実である。」こういう指摘であります。  この間のテレビでやったのは、ドイツのチューリンゲン大学のあれですね。あそこは五カ年制の大学ですが、あそこでは必ず卒業するまでに年間四人の患者を自分で診る。しかも一年に一個は総義歯をつくる。卒業の実技試験もある。  このことを国会で言うと言ったら、テレビに出ておった平沼先生が私にファクスをくださいました。そこに、いわゆるこれから実技試験といいますか、卒業実技をやっている大学ですけれども、実技試験をやると、「残念なことですが、学生の実地臨床教育の心構えが大きく変わる」。実技の試験があるかないかで全然変わるのです。「インフォームドコンセントと云うことが強調されていますが、実際に患者さんと対応する能力をつけること」が重要であります。習ったことを実際に患者の口の中でやってみないと学んだことが身につきません。基本的技術の修得、レベルの均一化に非常に重要です等々ございましたけれども、私は、文部省のテリトリーはいわゆるカリキュラムと卒業実技試験をやるかやらないか、国家試験は厚生省のテリトリーになってまいりますが、きょうは文部省と厚生省の御意見をごく簡単に、もう時間がありませんから、聞いて終わりたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 余り具体的なことがお答えできなくて、むしろ先生のお話を私の勉強といたしましてこれから政策に生かしていきたいと思っております。  全く関係ない話に聞こえるかもしれませんが、医学部の入学試験ですね、歯学ではないと思いますが、医学部の入学試験でアメリカでニューMCATとかいう方式を最近採用しているところがあるようであります。それは単純に知識で見ても結局有用な医師というのは育たないわけで、むしろ適性検査、問題解決能力というか、暗記しているとか何でもよく知っているというのではなくて、むしろ問題解決に至る道を発見する能力、探偵ストーリーのようなものを読ませるのかどうかは知りませんけれども、それは図形を使ったりいろいろなことをやるのだろうと思いますが、ニューMCATとかいう方式を採用した方が将来の医師としてより役に立つ人間をつくるのに近道だという。日本の医学部、歯学部も同様でしょうが、とにかく試験は難しい、入るのはなかなか大変、しかしこれはいわば数学とか理科とかあるいは国語、英語の単純な点数で採点をするわけでありましょう。  なぜそんなことを申し上げたかというと、先生御指摘のように、歯科医師ならば歯科医師を育てる教育という責任が文部省にあるとするならば、結局世に出て役に立って、喜ばれて、立派な仕事をする歯科医師をつくらなければ全く意味がないということでございまして、そういういわばきちんとした座標軸だけは間違いなく我々の教育行政のしかるべき原点に置いておかなければいけないなとつくづく思いましたので、これから勉強させてください。

薮仲義彦公明党・国民会議

○薮仲分科員 時間のようですから、悪いですから終わりましょうか。どうもありがとうございました。

越智通雄自由民主党

○越智主査 これにて薮仲義彦君の質疑は終了いたしました。  次に、秋葉忠利君。

秋葉忠利日本社会党・護憲共同

○秋葉分科員 社会党の秋葉でございます。主に二つの分野の問題について伺いたいと思います。  その前に、実は今の薮仲議員の質問を聞いていて感じたことがあるのです。私はアメリカの大学で教えていまして、医学部の進学のときに、学部の学生、二年間終えてから医学部に進学するというのがアメリカの制度ですけれども、その中で、医学部における成績と最初の二年間で一番相関関係が高いのが数学の成績なんです。それとあと英語の成績ですね。ですから、やはりそういう基礎的なものが非常に重要だということが相関関係としてアメリカの大学では常識になっていますので、とりあえずお知らせしておきたいのです。  実はそのことと私の質問とは関係がありまして、教育の面でもそういった非常に基礎的なところが大事であるということが、例えば医学部といったところの学生の成績にもあらわれるわけなんですが、国のパフォーマンス全体を考えてもやはり基礎的なところが大事である。基礎研究あるいは基礎科学の充実ということが当然重要になってぐるわけですが、ちょうどタイミングよく科学技術会議の方から十八号答申というものが出されました。  この答申の中に、いろいろと柱がありますけれども、その一つは科学技術の振興、特に政府の研究開発投資をできるだけ早く二倍にするということがその基本的な施策の一つだと思います。それからもう一つは、基礎科学あるいは基礎研究の充実ということだろうと思うのです。ただ、この点は、二倍にするといっても何を二倍にするのか、その範囲が非常にあいまいであるというのが一つと、それはこれからの政策立案上詰められる問題だと思いますけれども、もう一つは期限が明確に区切られていない。したがいまして、何もやらなくても経済成長率だけで、例えば三%だったら十年もすれば倍になってしまう、何もやらなくても目標を達成されたことになる可能性があるというところで問題はあるのですけれども、とりあえず倍にするということ、それから基礎研究の充実ということがございますので、その基本的な点について、まず科学技術会議の十八号答申、鳩山文部大臣がどういうふうにお考えになっているのか、特に国立大学というところがその中心になると思いますので、その国立大学の基礎研究充実といった点から科学技術会議の答申をどういうふうにお考えになっているのか、どういうふうに具体化しようと思っていらっしゃるのか、伺いたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 余計なことかと思いますが、越智先生も、秋葉先生も、私も同じ高校の出身でございまして、特に秋葉先生と私、恩師をともにいたしておりまして、その恩師の数学の先生からはおとといも手紙をいただきまして、秋葉君のような大変優秀な男とあなたと一緒に政界にいることは望ましいが、彼も非常に民主的な男だから、できればあなたと彼が同じ政党で仕事ができるようなそういう政治の実現を自分は求めているので、彼もいわゆる古臭い教条的な社会主義というものとは手を切ってくれるに違いない、社会党一年生のリーダーとして伸びることを、活躍を祈っているということが文章に書いてあったことを先生に御報告をさせていただきます。  先生は附属高校ですが、越智先生も同様でしょうが大秀才の大先輩であられますので、先生に対していわゆる科学分野のことを申し上げるというのは大変私としてはやりにくいことでありますが、率直に申し上げて、今までの日本の教育予算とかあるいは科学技術に関する予算というものが、こういうシーリングというような形であったらどうにもならないということ、そのことは宮澤総理も予算委員会等で二回、シーリングというものの生み出す弊害とまでは言い切ってくださらなかったのですが、マイナス面ということで表現をしていただいたことがあります。  科学技術会議のいわば研究予算倍増論というのは、そういう今までと同じような予算の組み方をどこかで断ち切らなければいけませんよというふうに私は読み取っていきたいと思っておりまして、そういう点で科学技術会議の十八号谷中というものをいわば全国会議員あるいは政府の全職員皆さんに理解をしていただいて、その答申の方向のような形で予算が突如圧倒的な増加傾向に向かうことを心から期待するものでございます。

秋葉忠利日本社会党・護憲共同

○秋葉分科員 ありがとうございました。  佐々木先生から私もいつも苦言を呈されておりまして、やはり非常に健全な社会党批判ということは真正面から受けとめて、できるだけ一日も早く社会党が政権を担当できるような能力をつけた上で、ともかく政策面で競争をしていきたいと思っておりますので、そういった面でもぜひ今後とも、政治の世界において越智主査もそれから鳩山大臣も私の先輩でございますので、よろしく御教示をお願いしたいと思います。  今、基礎研究について大変前向きなお答えをいただきまして大変ありがたいのですが、具体的に考えてみますと、実は大ざっぱなところなんですが、これはしかも数字のとり方が各省庁によっていろいろ違ってまいります。したがってその数字を、例えば科学技術庁が考えている数字なのか、大蔵が考えているのか、総務庁の統計なのかといったようなところで異なってくるわけですが、一応総務庁の統計をもとにして考えますと、基礎研究の分野で国がやっているのが、これは自然科学だけですけれども、大体二丁六%ぐらい、大学がそのうちの約半分以下、これが減ってきているので非常に残念なんですけれども、数字でこれを大ざっぱに見ますと約七千億というのが私の手元にある数字です。  やはりこれからの基礎研究ということを考えると、これも大ざっぱな議論で申しわけないんですが、日本の企業の研究所、民間の部門では応用それから開発といったことに力を入れてきた、大学といったところで基礎を中心に行ってきたという色分けができると思うんですけれども、残念ながらその色分けもだんだんだんだんはっきりしなくなって、大学でも応用あるいは開発といったことがだんだん行われてくるようになっている。それから外国からの見方ですと、それこそ日本は一丸となってジャパン・インコーポレーテドという形で国が応用あるいは開発といったところに、国さえもかなりの援助をしている、だから国で一丸になって基礎研究は外国の研究にただ乗りをして、それをお金にするところだけで国絡みで研究をしているというイメージがあります。そのイメージが正しいかどうかというところも実は問題です。それは私はそれほど正しくはないと思いますけれども、とりあえずそういうイメージがある。国際的にはそういったことにもこたえていく必要があるのかなとも思うんですけれども、それとは別の問題として、ともかく大学の基礎研究を充実するということは大事であろうかと思います。  そういった点で、この七千億という金額があるわけですけれども、具体的な予算の措置としてあるいは文部省の長期計画として、これを例えば倍にする、一兆数千億円にする、あるいは場合によれば二兆にしていくような形で何か基礎研究に力を入れていくというようなことは、例えばそういったことを考えることさえ実は日本の政治というのは複雑であってできないことなのか、あるいはそういった目標を設定した上で努力をしていく、しかも二年以内、十年以内にそういったことは可能だというような考え方ができる問題なのかどうか、その辺のところを伺いたいと思います。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川政府委員 ただいまの先生の御指摘で、我々各省で持っております科学技術関係の予算、自然科学でございますけれども、先ほど文部省関係七千億という指摘がございましたが、平成三年度九千三百六十三億という数字……(秋葉分科員「それは国立大学だけです」と呼ぶ)今の先生の御指摘は国立大学だけでございますか。いずれにいたしましても、国全体の研究開発費の中で民間の占める割合が八〇%をちょっと出ておる。したがいまして、国、地方公共団体が負担しておりますのは一七、八%になろうかと思います。二兆数千億というラインでございます。  国立大学における今後の振興方策ということでございますけれども、文部省は、国立大学、私立大学一緒に考えております。昨年、教育白書の中で学術研究の関係の特集をいたしておりまして、今後の課題といたしまして四つの点を掲げております。一つは学術研究環境の改善でございます。施設設備の改善、研究費の充実等々でございます。二番目は研究者の養成・確保の問題でございまして、若手の優秀な研究者をとにかく大学院博士課程できっちりとした教育をやりたいということ、それから三番目に学術研究の重点的推進ということを考えておりまして、これはまんべんなくばらまくという形ではなくて、土間利用の研究所をできるだけ育て、そこに皆が士同して集まるような設備を充実させたいという点、四番目が学術研究における国際貢献、こういった四つの課題を掲げておりまして、大体このラインに従いましてこれから文部省の中でも重要施策の一つとして位置づけまして、学術研究の振興を大いに図っていこう、こういう姿勢ております。

秋葉忠利日本社会党・護憲共同

○秋葉分科員 具体的にはどういうふうになるのか、これはやはりある程度細かい議論をしないとなかなか結論の出ないところだと思いますので、また改めて具体的な点については伺いたいと思いますけれども、大筋ではともかく基礎研究を振興するという方向でお答えをいただけたと思いますので、もう一つ、基礎研究に関連して、今度は大学院の定員の問題について伺いたいと思います。  実はこれは先日科学技術委員会で伺ったんですけれども、現在の大学院の修士課程、定員が約二万人ということだそうですけれども、これを約十年後には倍にするという計画がおありだというふうにその時点で伺いました。それはそれで大変結構なことだと思います。  同時に、科学技術会議の答申の中に出てくるのは、二〇〇〇年代の、二十一世紀の早い時期、これも具体的に何年かということを伺ったんですけれども、二〇〇六年には現在の自然科学研究者の需要がその時点で約倍になるだろう。大ざっぱな数字を申し上げますと、現在の研究者の数というのが約五十万人ですから、二〇〇六年までには百万人ぐらい必要になる。必要になるということはわかっていても、それが実際にそれだけの研究者がその時点でいるかどうかというのはまた別の問題です。例えば女性の雇用であるとかあるいは高齢者の雇用といったことで、必ずしも新卒者でなくても構わないのですけれども、しかしながら、それでもやはり今までまるっきり修士レベルでの勉強をしてこなかった人が、修士程度の勉強はした上で研究者になるということがやはり必要になってくると思いますので、それで考えますと、これから十年たって倍にするというのではちょっとスピードが遅い。しかも、修士課程を出た人がすべて研究者になるわけではありません、歩どまりがそんなによくありませんので。となると、もう少し速い速度で修士課程の学生数をふやす必要があるのではないか。  それが一つですし、それから、それ以外の研究者の確保ということも必要だと思いますが、とりあえず国立大学における修士レベルでの主に自然科学系の教育の充実拡充といったところで、この計画を、例えば新しい十八号答申に従って再検討されるという余地はあるのでしょうか、それを伺いたいと思います。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 今御指摘ございましたように、私どもの大学審議会で大学院の量的整備について答申をちょうだいいたしまして、その中で、平成十二年の時点で現在の規模の二倍以上の拡充が必要、拡大が予想されるといったようなことを述べておりますが、具体にどういうふうなテンポでやるかということについてはまだ具体的な考え方を取りまとめるに至ってはおりません。  ただ、こういうことも踏まえまして、御案内かと思いますが、国立大学の大学院について申し上げますと、平成四年度、今お願いしております予算では一千百九十人の入学定員増をお願いしたいということでおります。これは平成三年度の増員数が五百九十九でございますので、約二倍程度の規模をここでお願いしている、こういうことでございます。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 今前畑局長から御答弁申し上げましたように、先般大学審議会から私が答申をいただいたわけであります。  大体、この大学審議会というものは、もともと英語ではユニバーシティ・カウンシル構想というような形で臨教審の中で出てまいりました。考えてみますと、大学とは一体何であろうか、高等教育とは何であろうか、大学と大学院の関係はどうであろうかということすら、今まで日本の国では少なくとも審議会をつくって考えるということさえしなかった。ただ大学進学率が高くなればいい、十八歳人口二百五万人というのがいずれ来るから、それまで量的拡大を続けようということだけに目を奪われておった傾向があったのでしょうが、そんな中で臨教審が大学審議会をつくって、大学院とは、大学とはということを議論をしていただいて、大学院の量的な問題についても答申をいただいたわけであります。  ただ、これはもう秋葉先生よく御承知のとおり、門戸を広げましょう、定員はふやしましょうといいましても、結局今のような理工系離れ、実際定員が埋まらない。修士まではまだいいのですが、博士課程になると民間の方がよっぽど条件がいいというのでしょうか、あっという間にいなくなってしまうという中で、定員ばかりふやしたけれども来てくれる人がいなかったといえばこれは大恥をかく結果になるわけですから、他のいわゆる研究基盤の老朽化、狭隘化対策とか科学技術予算をきちんと取るとか、そういうことを同時並行していきませんと、大学院の拡充も結局夢のまた夢に終わってしまうだろうと思っておりますので、よろしく与野党協力して御協力いただければありがたい、こういうことであります。

秋葉忠利日本社会党・護憲共同

○秋葉分科員 御指摘ありがとうございました。  それと大学審議会についても、私は約二十年間日本の生活にはブランクがありましてよく事情がわかりませんので、御教示いただきまして、そういう形で質量とも充実していくことが非常に大切だと思いますので、そういった積極的な努力については高く評価させていただきたいと思います。  それから、理工科系離れというのが確かにあることは事実で、それについていろいろな対策が必要だと思います。それについても知恵を寄せ集めて、何か新しい政策を出していくことができればと思っておりますので、その辺でもぜひ御教示をお願いしたいと思うのですが、それに関連して、例えば人材の問題、教える側の問題もあると思うのですけれども、これもいわゆる国立大学とそれ以外の場所との間の官尊民卑といいますか、そういった哲学がどうもあるように思えて仕方がありません。そういった大枠のところでの考え方を突き崩していかないと、なかなか問題がうまく進展しないのじゃないか。  例えば、これはたまたま知っている例ですので申し上げますと、私の友人ですが、現在官庁に勤めています。研究者として非常に高く評価をされているのですけれども、東大でも、ぜひ東大に来て教えてもらいたいということを言っているのですが、ところが東大では、外からの非常勤講師はウイークデーしか教えられない。ところが、官庁では兼務が禁止されていますので、土曜日以外は官庁を離れることができないということで、結局人材がいて需要もあるのに、具体的にその人は優秀な学生に自分の持っている知識を教えることができないというようなことがございます。これはほんの一例ですけれども、さまざまな場面でこういったことが起こっている。  こういった本当に不必要な障壁、日米貿易であれば非関税障壁に相当することになると思うのですけれども、こういったものを官側から柔軟に考えていくところが必要ではないかというふうに思いますので、こういった点についてもぜひ御考慮を大幅に、この点だけではなくて、より広い視点からお考えをいただければ大変ありがたいと思います。  実はもう一点、これは日米の科学技術協力というところで少しは関係があるのかと思いますけれども、超電導大型加速器について伺いたいと思います。  非常に巨大なプロジェクトですし、日米間の首脳会談でもこの話が出てきているということで、国際的な問題にもなっているわけですけれども、研究者の立場から見て、あるいは日米関係から見て、あるいはこれは純粋にアメリカ側の科学者の立場から見ても、あるいはアメリカの市民の側から見ても、それほど好ましいものとも思えない面がございます。まず、一応ワーキンググループでこれを検討するということが現在の状態だと思いますけれども、これについて文部省としてはどういった態度をおとりになるつもりなのか、例えればと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 SSCにつきましては、アメリカのワトキンス・エネルギー省長官が昨年十二月に私のところにもお見えになりまして、そのときに日本の予算の仕組みからいって文部省予算からは一円も支出できませんよ、したがって外務省あるいは総理、大蔵省、そうしたところへきちんと話をしなければどうにも対応できませんということを申し上げたわけであります。そしてまた宮澤・ブッシュ会談におきましても、私は宮澤総理に対して、文部省の物件費というのはかって十年前に一兆六千億円あったものが今一兆円という、十年間に一兆六千億円から六千億円減って一兆円になるなどということは通常では考えられないのですが、こういう人件費中心の官庁はこんなことになってしまって、それで何にもできないという中に、まさかSSCの予算を例えば二千億ぐらい出せ、六年、七年で割ったとしてもとても出すわけにはいかぬ、こういうことは申し上げてきました。  ただ、SSCで一体何が起きるか、私はよくわかりませんけれども、何が起きるかわからないのが基礎科学というものであって、その標準理論を証明でき得るような、すべてのものに質量を与えるというヒッグス粒子なるものが本当に見つかるのか。これはいわゆる、先生の方がはるかにお詳しいのでしょうが、陽子をぶつけ合うというような非常に重たいものをぶつけ合う。それに対してBファクトリーとか、あるいはJLCですか、ジャパン・リニア・コライダーとか、電子、陽電子のような軽いものをぶつけ合っていくという方式、まあどちらの方がいいとか悪いとか高エネ研の皆様方からもいろいろな議論をいただいているわけでございますけれども、ただ、SSCのような巨大なものをつくればヒッグス機構の解明というのも可能性が高いということを考えれば、余りに巨額ではあってもその科学的な意義というものは私は決して否定はしない。そういう中で今ワーキンググループは置かれているということなのでありましょう。ですからワーキンググループに参加するに当たっては、文部省としてもいろいろ申し上げたいことはすべて申し上げていくということだと思いますが、おとは局長とうぞ。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川政府委員 文部省といたしましてこれについてどう対応するかということでございますけれども、ただいま大臣から答弁がありましたように、科学的な意義、それからもう一つは技術的な面でも種々知りたいこと、疑問の箇所もございます。そういった点をこれから共同作業グループの中でアメリカ側と話し合っていき、それと同時に、本当に国際的なプロジェクトとして日本が参加する意義があるのかどうかということを、片方では研究者の先生方、特に私ども学術審議会の中に加速器科学部会というのを置いておりますけれども、そういった先生方の意見を聞き、それを尊重しながら対応を考えてまいりたいというのが現在の状況でございます。

秋葉忠利日本社会党・護憲共同

○秋葉分科員 私は、どちらかというと例えば科研費をもらう側で今までずっといろいろなことを考えてきたのですけれども、そういったものを実際に政策として考える立場になっていろいろと考えますと、やはりこれは税金から出るお金なわけですし、税金を払っている側から考えれば、確かに今大臣がおっしゃったような非常に最先端の技術的な成果が出るというその知的な報酬ということにももちろん満足するとは思いますけれども、それと同時に、これだけべらぼうなお金を出したんだったら、日本人のノーベル物理学賞受賞者が例えば一人でも二人でも出るとか、そういうような目に見えた何らかの形での見返り、見返りといってはおかしいのですけれども、投資効果といいますかそういったものを期待すると思うのです。  そういったところから、それは科研費とは別だよという言い方も確かにできると思いますけれども、でも科研費は現在年間五百億ですか、仮に五百億として計算のためにあれしたとして、そうすると大学の現在の研究者数で割ると一人三十万円ぐらいになるんだと思います。ところが、今のSSCの場合ですと、これが仮に三千億といたしましてそれを使える人が具体的に千人はいないと思います。二百人ぐらいだと言われていますけれども、これもまた計算のために仮に千人いたとします。関連分野の人がいますから。そうすると一人三億ということで、これは一人当たりの金額だと千倍になるわけですね。  はっきり申し上げて、例えば今の日本の数学全体に出されている研究費、これを十年で結構ですから千倍にしていただければフィールズ賞受賞者というのは恐らく十人ぐらいはふえるのじゃないかと思います。それはただ単に日本人ということだけではなくて、その日本の数学のセンターに外国からたくさんめ人が来て、そのセンターで研究した共同研究というようなことを含めて。そうすると国際的な成果としては非常に投資効果が大きいということがございます。  ですからこれを、いろいろな日米間の約束があったりというようなことでどうしてもSSCに投資しなくてはいけないということで、最終的に私はそれに反対をしているのですけれども、仮にそういうことになったにしろ、同時に科研費は、やはり科研費との比較でいうとSSCの方は一人当たり千倍のお金が出ているというのではおかしいので、せめてこれは五百倍ぐらいにしろとかあるいは百倍ぐらいにしろという形で科研費の増額も同時に文部省から、日本全国の研究者にかわってぜひお願いしたいと私は思いますので、その辺のところをよろしくお願いいたします。  時間が参りましたのでこれで終わりますけれども、附属の先輩と後輩に挟まれて、しかも政治の面では非常に先輩でいらっしゃいますので何か半分舌が凍ってしまいましたので、今後ともまたよろしくお願いいたします。

越智通雄自由民主党

○越智主査 これにて秋葉忠利君の質疑は終了いたしました。  次に、神田原君。

神田厚民社党

○神田分科員 学校五日制の問題に限って文部省の見解をお伺いしたいと思っております。  我が国は今日まで知識中心の教育を推進してまいりました。その結果、知的教育水準は上昇したものの、落ちこぼれ、学校不適応という障害も生じております。こうした中で、中教審、臨教審の答申を踏まえまして、個性化教育を前面に打ち出しました。このことは、一人一人を大切にし、画一化を排した教育の推進でありまして、もっと積極的に進めてほしいというものであります。最近学力観も徐々にではありますが修正され、個人の有する多面的、総合評価へと認識が変化しつつあります。しかし、依然として知識の詰め込み、記憶中心の学力が尊重される風潮もあることは事実でありまして、その中で子供や教師、親はゆとりのない生活を送っております。  このような現状を見るとき、学校五日制への移行により、家庭とは何か、真のゆとりとは何か、次の時代を背負っていく子供たちに学校や地域や社会は何をしなければならないかを真摯に考え、実践していく上でこの制度は価値があると考えておりますが、文部省の考え方をお聞かせいただきたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 学校五日制ということは、いつも申し上げておりますようにお子さんたちにできるだけいろいろな経験を積んでもらおう。それは自然との触れ合いという形ならば自然体験、あるいは社会へ積極的に出ていくという意味では社会体験、何らかの例えば田んぼや畑を手伝うというのであれば勤労生産体験となるのでしょうか、あるいはボランティアであれば奉仕体験とか、いろいろな経験を積んでもらって、好きなことを見つけてもらって個性を伸ばしてもらおう。そうしたさまざまな経験というものが学校で、今先生が御指摘されたようないわゆる知識の詰め込みというものと違った、血になり肉になり、その少年や少女が将来大人になって仕事をしたり、あるいは地域社会で活動をしたり、あるいは家族をつくって子供さんを育てていったりというときに、学校で詰め込まれた知識と別の力を発揮するであろう。そう思うならば、学校五日制の中で土曜日にいろいろと体験をしたことが人間としての本来の意味での能力、あるいはもし学力というのであるならばそれもまた別のジャンルの新しい意味での学力、そういうものを身につけさせる、そのような機会に土曜日が使われればすばらしいというところから学校五日制を考えてきたわけでございます。

神田厚民社党

○神田分科員 教育の本質と学校五日制という問題につきましてお尋ねをいたします。  戦後の教育は、教育の機会均等化が進み、進学率が進むにつれて知識偏重の画一的指導内容の中で学校間格差は以前に比へさらに広がってまいりました。進学者は有名校、有力校へと一種の投資の形で集中しております。教育制度自体はそもそも自由と平等の象徴であったはずであります。その中で教育の目的は、児童生徒一人一人の人格を尊重しながら自主と自律を促し個々の能力を高めていくことにあったはずであります。親や教師、地域の人々との触れ合いの中で人格を形成し、自発的な学習の結果、学力も高められていく、これが本来の教育であると考えます。これまでの教育は、我が国の置かれました状況から見ますとあるいは正しかったのかもしれませんが、しかし、今までの教育の弊害が顕著になり、本来あるべき教育のあり方からかけ離れているのは問題であります。  学校五日制は、教育の本質をもう一度見詰め直し、教育を本来あるべき姿に取り戻す上でも有効であると考えますが、文部省の見解をお伺いしたいと思います。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 確かに先生御指摘のとおりでございまして、従来の教育というのは、やはり我が国が明治維新後、外国に追いつけ追い越せということで、それのまさに基幹的な役割をしたのが学校教育、義務教育を中心とする学校教育であったかと思います。まさに外国からの知識をどうやって身につけるか、知識の量を学校教育で教えてきたという嫌いがあったわけでございます。ただ、そのことがまた、我が国の戦後の復興、経済復興にかなり大きな役割を果たしたということは、これまた内外の識者が広く認めているところでございます。ただ、まさにそういうことが、知識の伝達に偏って画一、硬直化していくと、ややもすれば学校教育はそういうものではないかというふうに指摘されているわけでございます。  むしろこれからは、新しい事態に、変化に主体的に対応できる子供たちを育成しなければいけない時期に来ているわけでして、そういう意味で、学校五日制で先ほど大臣が説明しましたような体験を積むことによって、知識の集積にさらに豊富な体験を積んで、変化に主体的に対応できる子供たちが育成できる、そういう方向で学校教育ということを考えていかなければいけないだろうというふうに私どもも感じているところでございます。

神田厚民社党

○神田分科員 平成四年度二学期から学校五日制、一カ月に一回が始まるようでありますが、完全学校五日制への計画についてお尋ねをいたします。  一カ月に一回程度の休業日を設けた場合は教育課程を改正しないで日課表が組めると聞いております。一カ月に二回のとき、三回のとき、完全学校五日制の場合、教育課程の編成はどうなるのでしょうか。お伺いをいたします。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 これは、私並びに坂元初中局長が各委員会の場で繰り返しお答え申し上げておりますように、標準授業時数との関係もありましょう。月二回程度ぐらいの、例えば第二土曜、第四土曜となるのかもそれはわかりませんけれども、そういう状態の場合には学習指導要領を変更するまでのことはなかろうというふうに考えております。  しかし、いずれにいたしましても、学校週五日制というのは、仮に月一遍であったとしても、夏休みのころに民族の大移動という言葉が、東京から地方へなどということでよく言われますけれども、その土曜日は、民族の大移動ではありませんけれども、お子さんたちが学校へ行かなくて、家にいるか、ほかのいろいろな経験をしに行くかという意味では、大変大きな社会に対する変化を与えるわけでございますので、どこでどういう問題が起きていくか、まだわからないわけでございます。したがって、ステップ・バイ・ステップ、とにかく月一遍でやってみて、その段階で出てきた問題をクリアすることができるならば次へ行こう、こういうふうに考えております。  ただ、月四回、月四回というか毎土曜日全部休みというのが究極の目標であろうとは思っておりますけれども、そういうような形で次々と本当に問題をクリアできる保証はありませんし、世論というもの、世の中の皆様方の考え方というのも重要でございまして、世の中も認めてくれなければこの制度というのは次のステップヘ上がっていくことができない、そのように考えておりますから、相当な長期戦覚悟でやっていくのかなというのが私の基本的な思いでございます。

神田厚民社党

○神田分科員 教育の現場で完全学校週五日制となった場合を想定して、日課表を作成したものがあります。国の標準で定める一週当たりの時数を確保するためには、五年生の場合で一週当たりの時数が二十九時間、教科が二十六時間、道徳一時間、特別活動二時間、学校裁量二時間、合計三十一時間となります。これを過当なりの教科時数で見ますと、国語が六時間、社会が三時間、算数五時間、理科三時間、音楽二時間、図工二時間、家庭二時間、体育三時間、合計二十六時間と日課表に組むことができます。  中学校の場合は、教科の指導時数の弾力化あるいはクラブ活動の枠外等で、国が示した必修時数、特別活動、選択教科時数の確保ができるとしていますが、しかし、高等学校の場合は一週三十二時間で、月曜日から金曜日までにそれぞれ一日か二日の七時限の授業を行わないと消化ができないようであります。このことから、完全学校週五日制を実施するためには、教育課程の見直し、改訂をしないと困難であるとしておりますが、文部省の見解をお伺いしたいと思います。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 高等学校の例で先生御指摘になりましたが、現在、高等学校では、標準授業時間数というのは週で押さえておりますが、今の学習指導要領を前提としますと、週の標準時間数というのは三十二時間になっております。高等学校は現実には三十四時間の授業を組んでおりますので、数字だけで申し上げますと、机の上の数字だけで申し上げますと、三十二時間というのは月二回までは三十二時間をクリアすることができるわけでございます。月二回までの土曜日を休業日にすることはクリアできるわけでありますが、三回、四回にいったときにはどうしても三十二時間はクリアできない。  言いかえれば、先生御指摘の七時間という授業をつくらなければいけない。その場合に、七時間という授業をつくるのか、これは実証的にも研究したいと思いますが、七時間という授業日をつくることが生徒の過重負担になるのかならないのか、それから、なるとすれば、それならばそれを学習指導要領を改訂するという形で対応するのか、さもなくば、これは二時間、週二時間の時間でございますと、大体年間、月に八時間程度でございますから、その部分は夏休みを若干、あるいは長期休業日を若干短くして対応するのか、いろいろな検討の仕方があるかと思います。  私ども、先ほど大臣申し上げましたとおりに、月一回から始まり、二回というような段階で、その辺の問題も実証的に詰める、さらに、一般の父兄の皆さん方なり関係者がどういうようにその点については判断されておるのかというようなことも総合的に検討して、三回、四回の段階までの間には結論を出したいというふうに考えております。

神田厚民社党

○神田分科員 終わります。

越智通雄自由民主党

○越智主査 これにて神田原君の質疑は終了いたしました。  次に、関晴正君。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 さきの予算委員会において質問した際に、大臣並びに担当者からお答えがあったわけでありますけれども、まず第一にお聞きしたいことは、青森市に宗教法人香取神社というのがございます。この香取神社が平成元年にすっかり財産を処分してしまいました。拝殿も境内も土地も、みんな処分してしまいました。その処分がどのくらいになるのかという点も教えてくれません。県庁で聞いても答えてもくれません。氏子の皆さんたちが大変に怒りまして、そんなひどいことを勝手にするとは何事だということになりましたが、それでも答えなくてもいいんだから、答えないんだということで過ごしてしまいました。  この売却した金の中から四億近い金を他の宗教法人の方に支出しておる。言うなれば、宗教法人は、自分の法人のためには財産をまた金をそれぞれ使ってもいいとしても、他の団体に金を出すことや基本財産を供用させることは、これは法律の第十八条の五項においてとめられておることであります。  そこで、この香取神社が善知鳥神社に四億円近い金を支出したという行為は当然この法律に違反することじゃないだろうか、こう思うわけですけれども、文部省はどう見ておられますか。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 一般に宗教法人法十八条五項に違反するかどうか、これは具体的な事実に即して諸事情を総合的に考慮して判断しなければならないわけでございます。  先生御案内のように、宗教法人法は憲法の保障いたします信教の自由あるいは政教分離、憲法二十条からでございますが、こういった観点から宗教法人の自主性、自律性といったものを尊重しておりまして、所轄庁には宗教法人に対するいわゆる強制的な調査権というものがございませんで、事実関係を強制的に調査するということが困難であるわけでございます。この場合所轄庁でございます青森県におきましていろいろな事実上の問い合わせ、事実関係の把握に努めておるわけでございますが、御指摘のように自主的な協力が得られない、こういうふうに聞いておるわけでございます。  現在所轄庁はここの資産状況につきまして具体的、個別的な事情を承知しておらないということで、私どもといたしましても同じようにこの基本になります具体的な事実がどうなのかということについては了知してないという状況でございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 まだお答えが足りませんね。  つまり、言われていることは、十四億円で処分したというのです。その中から四億円近い金を他の宗教法人の方に支出をしておる、こういうことなんです。ですから、そういう行為は、その事実について訴えがあれば当然所管の県は調べた上で、いや確かにございましたとかさようなことはございませんとかということで、かわって答えればいい。しかし、今のお答えのようにそういうことが一言も出てない、聞いても答えなければ答えなくてもいいということは、大変な間違いがここにあるのじゃないだろうか。  特に、今あなたの方からお答えのないのはこの第十八条の五項です。五項のずっとおしまいのところに、「当該宗教法人の業務及び事業の適切な運営をはかり、その保護管理する財産については、いやしくもこれを他の目的に使用し、又は濫用しないようにしなければならない。」この五項というものに明らかに反する行為じゃなかったのか、反する行為だとすれば、これに対してどう措置をするのが適切なのか、これを伺っているわけであります。適切な措置も適切な方法もないというなら、ないと答えてください。あるならば、こういう方法がございますということを言ってください。簡単で結構です。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 申し上げましたように、事実関係を強制的に調査する法的な権限がないということでございますので、この十八条五項に違反の事実があるかどうかについて青森県あるいは我々のところでこれを判断することができない、こういうことでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 今私が申し上げたでしょう。向こうさんが言っているのですから、検察庁で。そして検察庁も、告発があったことに対して起訴するか不起訴にするかということで、結果的には起訴処分にはなりませんでした、不起訴になりました。しかし、不起訴になったけれども、その内容においては今申し上げたようなことが出てきておるわけです。  管轄庁が聞いても答えないと言うけれども、検察庁においてはその調べがあってそういう金が出たということは明確に出ているわけです。それでも所轄庁というのは黙っている。これは法律の中に大きな欠陥があると思うのです。その欠陥は何かということについてあなた方は考えませんか。どうです。これはもう今まで一年以上続いてきている話ですよ。それでもいいんだと思っておるのですか。これは困ったことだからこう直さなければならない、そういう考えが生まれてきませんか。どうです。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 御指摘の点でございますが、この問題につきましては、憲法二十条の信教の自由というところから現在の宗教法人法が立法されておるわけでございますけれども、その中で監督権がない、あるいはさらに強制的な調査権がない、それは宗教法人法に規定がなされてない、こういうことでございます。それはやはり現在の憲法の規定の中で立法されてこういう形になっておるのかと思うわけでございます。  いずれにいたしましても、現在の憲法の中で宗教活動の自由の尊重というような基本的な考え方に基づいて立法されておる、その憲法活動の自由の尊重ということの一方で所轄庁による設立認証など基本的な必要な規制が設けられているということでございますので、しかもようやくこの宗教法人法が宗教界に定着してきておるというような状況の中で、御指摘のような不備というようなことについてはあるというふうには私ども考えていないところでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 しかしあなた方は全然物の想像力ありませんね。法の番人でもないですね。この十八条に、してはならない、できないと言っていることですよ。してはならないことをしたときにどうするかといった場合に、処罰規定があるのかないのかと聞いているのです。処罰規定ないでしょう。ないから、禁じてみたところで、行ってみたところで、これは何の効力もないでしょう。精神訓話みたいなものでしょう、十八条の五項というのは。精神訓令みたいなものですよ。これはおかしいと思いませんか。これだったら、みだりに供してはならないといっても、他の目的に使用してはならないといっても、使用したからといって問われないのですから。そんな法律ありますか。使用してはならない、乱用してはならない、こうあったら、乱用した場合はどうするとかという罰則規定があるべきでしょう。そのくらいの分別はあなた方にはありませんか。  私は去年から言っていましたよ、こんな法律じゃ何の意味もない、効力のない法律じゃないかって。効果あらしめるためにはどう法律を改正したらいいかぐらい考えなさいよ、こうも言っておきましたよ。あなた方は遊んではかりいるんじゃありませんか、極端に言ったら。そうして、信仰の自由の言葉に隠れてサボっていると言ってもいいでしょう。自由に隠れたわがままの増長でしょう、これは。宗教法人を見なさい。今国内に。それぞれわがまま勝手なことをしているじゃありませんか。不動産屋みたいなことばかり、見られているでしょう。これを何とか取り締まることが必要だろうと言ってもへあなた方はこの法律にないんだから、どうしようかということはちっとも考えない。何の創造性もない職員だということになってしまうでしょう。  文部大臣は、これは文部省の所管になっている。教育というのは何かということになれば、子供たちに創造性を植えつけることなんです。文部省に働いている人たちは、この法律の中に欠陥があるなと思ったらこれは直さなきゃならない、みずから創造性を発揮しなきゃならないでしょう。  次、時間がありませんから、創価学会について聞きます。  創価学会が自分たちの認証に当たっての目的とした内容が今全然変わってしまっている。変わってないというなら変わってないでいいですよ。日蓮正宗を旨とし、その教義を広めるのが仕事でしょう。今、日蓮正宗との関係というのは全く、何です、この関係。わかりませんよ、我々には。わかりませんけれども少なくとも日蓮正宗を広げることを目的としているというこの創価学会が、目的喪失の状態じゃありませんか。そうだったら、形を変えて、新しい目的を置いて私は出発したらいいと思うんです。  だけれども、これについて、なお宗教法人としての資格ありとして眺めておるのか。宗教法人としての重要な項目、基本にかかわることですよ、目的というのは。その目的がどこにあるのかわからないような状態になった場合には、これは宗教法人としての機能停止、かけるか、するかする以外にないんじゃないだろうか、こう思うのですが、これは文部大臣に聞きたいと思っております。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 先般、関先生からは、衆議院の予算委員会で先ほどの香取神社並びに創価学会についてのお尋ねがございまして、私の答弁の中身については先生からやや厳しいおしかりの言葉もちょうだいをいたしたわけでありますが、創価学会の件に関して申し上げるならば、一般的に言って他の宗教法人との関係が途絶したとしても宗教法人の目的が直ちに消滅することにはならないというふうに考えておりまして、東京都の所管に属する、これは単立の宗教法人でございますが、したがって東京都の所管に属する問題でございますが、東京都から特にこの件についての報告を受けてはいないということでございまして、宗教法人としての要件は、「宗教の教義をひろめ、儀式行事を行い、及び信者を教化育成することを主たる目的」として神社、寺院等の単位宗教法人の場合には礼拝の施設を有することである、こう書かれておりまして、他の宗教法人との関係が途絶したとしても直ちにそれが宗教法人の目的が消滅することにはつながらないという観点で、東京都から報告がないのもそういう点を東京都が考えているからかなと私なりに考えている。先般の答弁とほとんど同じ内容かと思います。  ただ、先生、先ほどの香取神社の一件につきましては、現段階では吉田次長がお答えしたことが文部省としての精いっぱいのお答えであります。  ただ、一般的に申し上げて、例えば「マルサの女2」でしたかね、あの宗教法人の要するに非常にインチキのものが題材になってなかなかおもしろい映画ができているわけですね。世の中にそういうような目があるということは、これはやはり無視するわけにはいきませんので、あれは何年でしたか、あの通知、例えばいわゆるもう実際活動してない宗教法人を使って不動産屋まがいのことをやるような一件があるとかそういうことはきちんと注意しようというのが昭和六十三年三月三十一日付の文化庁次長通達でもあったわけでございまして、そういうような世の中の厳しい目というものがあるということは我々も問題意識としては置いておかなければからぬという、先ほどの先生の地元のようなお話がそれに当たるかどうかは私は承知いたしておりませんけれども、一般論としてそういう目が世の中にあるということについては、これは知っておかなければならないなという点が一つと、ディスクロージャーなどというものについては非常に難しいことと思いますけれども、この間ある大変大きな宗教法人の関係の方といろいろお話をする機会があって、関先生からいろいろな質問を予算委員会等で受けているんですよというようなお話をしたときに、そのある大宗教法人の幹部の方が、実際宗教法人、我々のように公明正大に正しくやっておる宗教法人という立場から見れば、妙にそれこそ「マルサの女2」に出てくるようなああいうようなものが世の中にかなり数多くあるように一般の人が考えて、我々みたいに清潔のものまでが疑われるとしたらこれは情けないことですね、かえってある程度厳しくやってくれた方が我々の清潔さ、正しさが証明されていいんですがねなどというふうな意見をおっしゃる方もいて、これもなかなか一つのむべなるかなというお考えだなと正直思いまして、これは今の段階では確かに次長が御答弁申し上げるような内容にはなりますけれども、前に次長通達を出しておるように我々も問題意識は十二分に持っておるということは御理解ください。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 どうもあなた方の物の考え方が私は非常に間違っていると思うのです。何も他の宗教団体と絶縁したからそれはけしからぬじゃないかとかだめだとかと言っているんじゃないのです。そこを間違わないでくださいよ。  この創価学会という宗教法人の目的に何と書いてあるかというんです。いいですか。その目的が今どうなっているのかということなんです。そうなりますというと、この目的が今、何の関係だといいますから、目的とこの創価学会の関係が。しかも、宗教法人法の第十二条の一には、「宗教法人を設立しようとする者は、左に掲げる事項を記載した規則を作成し、その規則について所轄庁の認証を受けなければならない。」一番先に「一 目的」とあるじゃありませんか。この目的に欠陥を生じたときは、目的を直して届け出るのが筋でしょう。これで文書化されていなきゃ別ですよ、仏教を普及するとかそういう抽象的なことで目的があるならば。  この創価学会の目的というものは、明らかに「日蓮大聖人御建立の本門戒壇の大御本尊を本尊とし、日蓮正宗の教義に基づき、弘教及び儀式行事を行い、会員の信心の深化、確立をはかりこ云々と、こうあるのです。これは明確なんですよ、目的が。この目的が今失われているでしょう。敵対関係みたいな格好になっているでしょう。そうすると、この創価学会は模様がえをするか、組織がえをするか、考えなきゃならないところにあるんじゃないでしょうか。池田大作さんを呼んで聞いてみたらどうです、どうなっているんだって。聞くことも恐ろしくてできませんか。目的が変質した場合に、何も問いもしないでどうのこうのということもできないでしょうから、やはり関係者に聞いてどうなっているんだ、このままでは困るんじゃないですかと、それすら言えないんですか。それなら知らないんですか。それすら東京都庁のことだからそちらだと言ってほっかぶりするのですか。それが指導的立場にある者のあり方ですか。なってないじゃありませんか。問うべきものを問う、聞くべきものは聞く、指導すべきものは指導する、定める方向があったら定めてあげる、これが上に立つ者の仕事でしょう。これはひとつ文部大臣、答えてくださいよ。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 先生御指摘の宗教法人創価学会の目的の件でございますが、現在この目的のところに書いてございま本尊あるいは教義あるいは事業としての弘教及び儀式行事を行うというこの内容が変わったという話は、これを所轄している東京都からは私ども報告を受けておりません。そういう意味で、現在のところはこれは所轄庁であります東京都の事項になるわけでございます。先ほど大臣が申し上げましたのは、まさにこの目的というもの、あるいはいろいろな要件というもの、そういった宗教法人の各種要件がなくならないということであれば宗教法人としてはそのまま存続していくということを申し上げておるわけでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 全然なってない。東京都庁から何のこともないから何のこともしなくてもいいのだという考えでしょう。これほど赤裸々なことがあって、東京都庁が黙っているなら東京都庁にどうなっているんだと聞いたらいいでしょう。私が質問してから何日たちましたか。あのときの答弁は何です、あれ。東京都庁から何のこともないので何の問題もない。私はそのとき大臣に、そんな軽率な答弁しないでくれ、問題がないからないのではなくて、問題があるかないかわからないなら調べた上でお答えしなさいと言いましたよ。きょうはその回答をもらおうと思って、ここに立っているのです。  そういう意味からいけば、私はさっきの目的の問題も、ここに明確に書かれているでしょう、これ。この明確に書かれていることを目的として運営し、仕事をしているのでしょう。そのために優遇措置もあるのでしょう。宗教法人というものは税金からいっても優遇措置がある。利殖事業をやってもいいことにされておる。だけれども、税率は安くしておる。税率のかからないものもあるというのは、すべてこの目的を達成する仕事に対する国の措置として法は定めているのですよ。目的がなくなったらその措置はとられなくなるでしょう。あなた方の考え方は、あっなかなかったかもさわらないで逃げておる方がいいというのでしょう。そんなこと許されますか、法治国家において。  そうなったらどうなっているんだと聞けばいい。創価学会の代表役員においで願えばいい。どうなっているんですか、目的を近く変更しますか、変更しませんか、目的はどう動いているんですか、どう生きているんですか、そのぐらいのことしたらいいじゃないですか。何が怖いのです。さわらぬ神にたたりなしで黙っていた方がいいと思っているのですか。そういうことは国の法律を守る立場にある最高の地位にある者の、文部省の所管でしょう。そういう点においては私はもっときちんとやってもらいたい。そうでなければ、看板に偽りありということになったらどうなります。羊頭を掲げて狗肉を売るという言葉がよくありますけれども、看板どおりいかなくなったらどうなったんだと問うのが当然その道の上にある者の仕事でしょう。  鳩山文部大臣、それこそあなたはおじいさんも立派な人だし、お父さんもまた立派な人だ。あなたもまたそれに近く立派になる人だと私は思う。この際はっきりこれについての見解なり指導の方法なりをお答えいただければと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 わかっていただけないでしょうかね。つまりこの問題は、創価学会は東京都の所管に属するわけですから、今先生が御指摘の問題についても東京都が大変大きな問題意識を感じたとして、例えば創価学会に話をされて、そして我々にも報告をしてくるということがあれば話は別でございます。  ただ、我々が強い問題意識を覚えて東京都にどうなっているんだと尋ねるような状況だとは認識をしておらないわけです。ですから、本来先生の質問に対しては東京都から何の連絡もありませんよ、ただそれだけお答えをすればいいんでしょうけれども、一般論ではあるけれども、他の宗教法人との関係が途絶したとしても宗教法人の目的が直ちに消滅することにはならないというふうな判断を私どもがいたしておりますから、あえて東京都にこちらから尋ねる要はなしという行動をとっているということであります。おわかりいただけましたか。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 私の言っていること、この大臣わからなくなっちゃったんだな。あなた方、所轄庁が東京都であろうと管轄するのは国でしょう。言うなれば宗教法人のあり方について指導したり、そういうときにおれのところじゃないから、これは単立て東京都だから東京都の考え方を待っていますよ。これは待ちの政治でしょう。黙っていれば黙っているんでしょう。だけれども私ども、単立だからといって、じゃこの単立がいいかどうかということになっても問題がありますよ。全国に組織があるのですからね。東京都内だけに組織があるんじゃない。そういう点からいけば国もかかわる部面で指導すべき当然の仕事があると思うのです。  いずれにしても、大事なのは目的だ。言うなれば大事なものの一つが欠けて、これが欠けていい問題じゃないのです。これが欠ければ認証受けられないのですよ。目的というのは必要条件でしょう。必要不可欠の条件ですよ、これは認証に当たって。その必要不可欠の条件が今どうなっているんだ。あるのかないのか、変わったのか変わらないのか。大変な状況にあるということはみ人な知っている。みんな知っているならば、じゃこれはどういくべきかというあり方を追求し、探求してもいいですよ、そうして道に間違いのないようにしてあげたらいいじゃないですか。  池田大作さんを呼んで御意見なんかも聞いたらいいでしょう、いろいろな点について言われることもあるからというので。そういうこともしないままにおるという手はないと私は思うのです。所轄庁、所轄庁で逃げるならば、鈴木さんの方にお任せするというならば、そういう考え方でおくというならば不十分じゃありませんか。十分な対応とは言えないんじゃないでしょうか。そういう点で意見を申し上げておきます。答えることがあったら答えてください。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 私どもは待ちの政治をやっているわけでも、逃げているわけでも、怖がっているわけでも何でもありません。先ほど次長も御答弁申し上げましたように、私からも答弁いたしましたように、一般論ではありますけれども、創価学会が宗教法人としての要件に問題が出てきたという判断をしていないわけです。すなわち、他の宗教法人との関係が途絶したとしても宗教法人としての目的が直ちに消滅することにはならないという判断をいたしておりますから東京都には何も尋ねない、これは待ちでも逃げても何でもありません。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関分科員 大臣はとんでもない間違いを犯しています。知らないならば勉強してみると答えればいいんです。判断が早過ぎますよ。そういう判断は軽率な判断です。裁判にならないからいいだろうと思って、判断だと言うかもしれぬけれども、ならないとも限りませんよ。しかし、いやしくも文部大臣ともあろう者が宗教法人として何のあれもありませんと答えられるほどの条件下にあるかといえば、私はない。言うなれば認証事項の欠くことのできないものにおいて欠けている状態を見れば、そんな考え方なんか出てくるはずがない。ひとつこの点は十二分に配慮して当たっていただいて、あるべき姿に、本道に道が乗るようにしてあげていただきたいな、こう思いますので、その点を申し上げて、時間ですから終わります。

越智通雄自由民主党

○越智主査 これにて関晴正君の質疑は終了いたしました。  次に、北側一雄君。

北側一雄公明党・国民会議

○北側分科員 大臣、長時間御苦労さまでございます。私は、公明党の北側一雄でございます。きょう私、学校保健の問題で幾つか御質問をさせていただきたいと思います。大臣の手元に保健室利用者調査報告書というのが行っておりますでしょうか。きょうはこれに基づいて幾つか御質問をさせていただきたいと思います。  まず、この保健室利用者調査報告書というのは昨年の十一月に報告がなされたものでございますけれども、保健室利用者の実態調査をした目的が何なのか、まず答弁をしていただきたいと思います。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 最近の学校の保健室の状況でございますが、表面的には頭痛とか不快感を訴えて参りますが、よくよく見ると心に悩みを抱えておるというふうな児童生徒が大変多くなっておるのが現状でございます。そこで、養護教諭の相談活動の充実を図ること、これが急務であると考えております。  そこで、保健室におきます相談活動のあり方等の調査研究を行いますために、平成二年度から日本学校保健会に委託をいたしまして保健室相談活動調査研究委員会を設置したところでございます。そして、保健室利用者調査報告書、今先生が御提示なさいましたこれでございますが、これは、この委員会におきます調査研究の基礎資料といたしますために作成されたものでございます。  何のためにというのは以上でございます。     〔主査退席、北川(正)主査代理着席〕

北側一雄公明党・国民会議

○北側分科員 大臣ももう目をお通しのことと存じますけれども、私、この報告書を読ませていただきまして、非常に時宜に即した調査であるというふうに思います。  かいつまんで、私が非常に感じた部分をちょっと見させていただきますけれども、大臣、ちょっとごらんになっていただけますか。五ページに「保健室に付随する相談室」、保健室に相談コーナーというのを設けている学校が非常に多いのですね。小学校では百十四校三四・八%、中学校では百十三校三四・三%、高等学校で百二十二校三七・二%、こういう比率で相談コーナーを持っている学校がある。  さらに、大臣、六ページをごらんになっていただきたいのですけれども、「心の問題で支援している事例」というのがございまして、「心の問題を持つ児童生徒に対し、かなりの期間にわたり継続して養護教諭が中心になって、本人、家庭、関係教職員及び関係機関への働きかけなどを行い問題解決を図っている」。こういう心の問題で支援している事例が、小学校で四六・二%、中学校で七二・四%、高等学校で七〇・六%というふうな数字になっております。  さらに、八ページをごらんになっていただきたいのですけれども、八ページに「保健室登校」というのがございます。保健室登校というのは、児童が「常時保健室にいるか、特定の授業には出席できても、学校にいる間は主として保健室にいる」という状態の子供でございます。この保健室登校をしている児童生徒の有無について、小学校では二十三校七・一%、この二十三校というのは三百二十八校のうちの二十三校、七・一%、中学校で七十五校二三・二%、高等学校で二十六校八・一%というふうになっております。  さらに、十一ページをごらんになっていただきたいのですけれども、十一ページの下のところに「一校一日あたり保健室利用者数」というのが出ておりまして、小学校二十八・七人、中学校三十一・三人、高等学校三十一・七人というふうになっている。さらに、この利用者数なんですけれども、養護教諭の先生方に聞きましたら、昔に比べると、大臣や私なんかが子供のころに比べると、三倍から五倍になっているというふうに言われております。  さらに、十四ページには保健室に来る理由というのをそれぞれ調べておりまして、大臣、ちょっと右の方の表をごらんになっていただきたいのですが、小学校の方で六番の「お話・おしゃべり」、八番の「先生あのねきいて」とか、それから中学校の六番の「仲間や先生とお喋り」、七番の「なんとなく」、十三番の「困った事あり聞いて」とか、高等学校で六番の「仲間や先生とお喋り」、八番の「なんとなく」、十四番の「困った事あり聞いて」、こういう数値が結構多いんですね、合計しますと。特に中学三年生では、こういういわゆる相談といいますか、これが一七・三%、来室者の六人に一人がそういう内容で保健室に来ている。  さらに、十七ページごらんになっていただきたいのですけれども、十七ページで、こういう保健室に来る子供たちを養護教諭がどうしているのかということなんですけれども、救急処置をしている以外の、相談に乗っている、または指導、連絡をしているという例がたくさんあるんですね。  ごらんになっていただきたいんですけれども、例えば二十一ページの、中学校のところの、相談が必要と判断した事項として、「発育・健康状態」というような項目以外に、「友人関係」とか「その他の学校生活」「学習・学業」「進路等」「漠然とした悩み」「家族・家庭」「異性関係」とか、こうしたことで子供が来ることが多いわけなんですね。  さらに、次の二十二ページごらんになっていただきたいんですけれども、「指導・連絡が必要と判断したもの」を見ましても、生徒指導というものも結構ある。  それ以外にも、二十六ページごらんになっていただきたいと思いますが、身体的な訴えで一応保健室には来ているんだけれども、養護教諭の先生から見ると単にそれだけではなくて、やはり心の悩み等を抱えた相談であるというふうに判断しているケースというのが、右のページに小学校が八・三%、中学校が一五・六%、高等学校が一七・三%というふうな数字が出ておるんですね。  ちょっと詳しく見ていただいたわけなんですけれども、要するに学校の保健室には、子供たちがけがをしたとか体のぐあいが悪いという身体的なことだけではなくて、さまざまな訴え、また心の悩みを持って相談に来る子供が非常に多くなっているということなんですね。ある学校の先生に言わせますと、保健室が学校の中のオアシスのような存在になっているというようなことも言われます。これは特に熱心な養護教諭の先生であればあるほど、当然そうなってくるわけでございます。  この調査結果を、まずどのように分析しているのか、お答えを願いたいと思います。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 今先生が御指摘になりました幾つかの箇所を総合いたしました感想といたしまして、一体、学校の中において養護教諭の職務というものは本当に大変広くなっている、しかし、それが本当にそのままでいいものかどうかということを、率直な疑問として一つ感じております。  と申しますのは、恐らく心の問題が体の問題と密接に絡み合って、心の問題だから一切これは養護教諭の問題ではないというふうにとらまえることも可能な場合もあろうかと思いますが、そうではなくて、何らかの身体的な状況から心の問題が出てくるというような場合も当然ございましょうから、養護教諭がそういった形で、そういった人たちを受けとめて親身な相談に乗る、適切な指導をなさるというふうなこと、これはあってよろしいことであろうと思いますが、それ以外に、幾つか先生ごらんになったところを見ますと、養護教諭以外の例えば学級担任等がもっと親身になって相談を受ける、あるいはカウンセラー、生徒指導担当の先生というふうな方がむしろ本来的には、第一次的には相談に乗ってもいいのではないかと思われるようなものが全部網羅されているように思うところでございまして、ですから、養護教諭の方々がこれらを全部一人で背負ってやりましょう、解決しましょうということでは、これは大変なことになるだろう。そうではなくて、学級担任、生徒指導の担当の先生方、あるいはカウンセラーという方がおられるとすれば、そういった方々と共同の中でそういったものを処理していくというふうな学校の体制のつくり方、そういったものが極めて大切になってきておるのではないか、こんな感想を持っております。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 北側先生が私よりも五歳も若いわけですけれども、五歳違うと本当は半世代というのか、一昔の半分は半音で五つ違うとやや時代が違うのかとは思いますが、あえて五つ年下の先生も同世代というふうにくくってしまったとして、北側先生や私どもの時代と今の時代とで、例えば全く同じような条件で教育をやったら多分教育の効果は上がりにくいだろうと言われています。すなわち、それだけ教育にプラスのいろいろな効果というのも近代文明はもたらしてはいるのですけれども、私ども教育を行う者の言葉で言えば、ちょっと面倒くさい物の言い方をしますが、教育に与える教育外の世界からのマイナス、負のインパクトというような言い方を使うことがあります。例えば、子供の数が減っているとか有害図書がそこらじゅうに転がっておるとか、いろいろな要素がいっぱいあるだろうと思うわけであります。より一層学歴偏重社会になってきたということもあろうかと思います。  それらを総合的に判断しながら今先生御説明のお話を承っておりますと、ああストレス社会というのがもう子供まで及んだのだなということをつくづく感じまして、子供とストレスの闘い、我々政界におりますとストレスとの闘いというのはいわば宿命であろうと思いますが、お子さんたちもまたストレスとの闘いをしているのだな、そういう中で心の悩みというもの、心と体というのは一体の面がありますから、今体育局長が申し上げましたように、心と体の一体性という中から心の悩み、体の悩み、要するにストレスを原点にしておるものが相当あるのだろうなと思いますと、教育の世界でもうちょっと余裕を与えてあげる方法がないだろうか、そんな中から学校週五日制などというのも一つの案だなと思うと同時に、もう一つは、先生おっしゃいました保健室がいわばオアシスのようになっていること、この事実が物語っている事柄はまことにいろいろ多いと思いますが、多方面にわたると思いますが、一つは、心の問題というものは教師全員がきちんと本当は見抜いてやらなければいけないことではないだろうか、本当の教育力のある教師というものは、その子供一人一人を丁寧に見詰めて、その個性も見詰めながら心の悩みまで見抜いてあげるということが必要なのではないだろうか、そういう教育力というものを我々は教職にある者に一層求めていきたいと思います。

北側一雄公明党・国民会議

○北側分科員 御丁寧な御答弁ありがとうございます。もう少し簡明で結構でございます。  今子供の健康というのが大きなテーマになっておるわけなんですね。養護教諭の先生、学校の先生などに聞きましても、何が問題かといいますと、病気ではないんだけれどもどこかおかしい子、どことなく何となく不健康な子、さまざまな訴え、そういう現象が物すごくよく見られるというんですね。そうした実態というのが非常に増加をしてきている。すぐ疲れたと子供が言う、朝からあくびをする子が非常に多いとか、こういうのから始まりまして、実際問題、先ほどの保健室登校とか不登校の問題とか、それからアレルギー疾患の増加が物すごいですね。私の調べた学校では、あるクラスでは半分の子供が何らかのアレルギー疾患にかかっているというような判断をされている。非常に心身の不健康な状態の子が今増加をしてきている。  だから、単に身体的な疾患というのではなくて、今大臣もおっしゃったような心も含めた子供の心身の実態を総合的に把握することが今非常に重要になってきているんではないのかなというふうに思います。現代の子供たちのさまざまな心身の健康問題が、先ほどの調査書を見ればわかるとおり、保健室に集中して、保健室の一日の出来事に非常に端的にあらわれているわけでございます。子供の心と体の悩み、訴えを最初にキャッチするのが、先ほどの報告書でわかるとおり、養護教諭であることが多いわけなんです。私は、学校保健のあり方、養護教諭の学校教育の中での位置づけ、こうしたものが今問われているのではないのかなというふうに思います。  この養護教諭というのは、小学校、中学校、高校でもどこでもそうなんですけれども、大体学校で一人なんですね。今のような調査報告書の実態を見てもわかるとおり、これは複数制度をぜひ検討すべきじゃないかというふうに考えますが、いかがですか。     〔北川(正)主査代理退席、主査着席〕

遠山敦子文部省教育助成局長

○遠山政府委員 この分科会におきましては、再三何人かの先生方からその御指摘がございました。なぜか大阪府の選出の先生が多いわけでございますけれども、養護教員の配置の状況につきましては、第一次の定数改善以降順次改善を図ってまいっておりまして、特に第五次の改善計画におきましては、小規模の学校、これまで余り配置がなかったわけでございますが、そういうところを中心にやってまいったことでございます。  複数の養護教諭をというお話でございますけれども、これからの養護教諭の配置のことに関しましては、現在、現行の改善計画完成した段階での実態の調査を行っておりまして、それらの結果を見た上でさらに財政状況等も勘案しながら検討してまいりたいと思うわけでございますが、平成四年度におきましては、大規模校に養護教員を加配しておりまして、そこで大規模校における保健指導のあり方を研究する、研究のためではございますけれども、二十五人の増員を図っているわけでございますが、そういった結果も勘案しながら、今後全体の定数改善計画のあり方で検討すべき課題というふうに考えております。

北側一雄公明党・国民会議

○北側分科員 大臣、この調査報告書を見ていただいても、養護教諭の方というのは大変だなという実感を恐らく持っていただけるんじゃないのかなと私思うんです。養護教諭の仕事として、例えば健康診断をしたときの生データなどを集計いたしまして統計的な資料として報告するなどという作業を、養護教諭の方がやっているケースが非常に多いわけなんです。そういう事務量なども結構あるわけなんです。養護教諭につきましては、学校で一人というのではなくて、複数配置ができるようにぜひ前向きに御検討をしていただきたいというふうに思います。  大臣、いかがですか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 助成局長が申し上げましたように、当分科会でも何度もこの養護教諭の配置の話は出ておりまして、先ほど申し上げましたように、北側先生や私どもが子供のころの時代に比べるとストレス社会が一層進行したという面もあって、また場合によっては食べ物等の問題、生活様式の問題もあろうかと思いますが、子供さんの体の問題というのは非常に心配でございます。そういう中で、保健室に一日当たりやってくるお子さんの数が、その割合が昔の五倍も六倍もという先生の御指摘がありましたが、そうした実態もあろうかと思っております。  そういう点を考えますと、とりわけ大規模校で本当に一人で全責任を持ってやっていくということがどの程度の負担になるものか、私もよく理解することができますので、今回二十五人の加配をしてとりあえずどういうふうになるか研究をしてみようという予算措置をお願いをしているところでございますが、そういう状況から見ながらこれは前向きに判断、また検討を続けていかなければならない課題と思っております。

北側一雄公明党・国民会議

○北側分科員 私は、保健教育というのは、要するに子供たちの心と体の健康教育ではないのかというふうに思います。健康教育について具体的にどのように取り組んでおられるのか、御答弁をお願いできますか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 学校におきましては、御案内のとおり各教科というのがございます。そして主として健康教育、保健教育の問題につきましては、小学校では体育の中の保健領域、それから中高校では保健体育という教科の中で、教科として心と体両方の健康のあり方についてこういったふうにやっていこうというふうな指導をいたします。  それと同時に、教科ではございません特別活動というふうなものがございまして、そういったものの中で具体に体等を使いながら子供たちに心と体の健康の重要さ、そういったことについて指導をしてまいる、こんなふうな仕組みになっておるところでございます。

北側一雄公明党・国民会議

○北側分科員 教科として教えるのもいいんですけれども、やはりその一人一人の子供の個に応じた健康教育をしていかないといけないんじゃないのか。そういう意味で、私は、保健教育、健康教育の中心者として、先ほどから挙げております養護教諭の方を位置づけていくべきなんじゃないのかなというふうに思うのです。学校教育法では、養護教諭というのを、「児童の養護をつかさどる。」というふうに書いてあるのです。児童の養護をつかさどる、そうじゃなくて、児童の健康教育をつかさどるというふうに位置づけていくべきではないかというふうに思いますが、いかがですか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 先生今御指摘のとおり、現在養護教諭というのは、学校教育法の規定によりまして児童生徒の養護をつかさどる、こうされております。その養護をつかさどるということの中身でございますけれども、児童生徒の保健管理及び保健指導に関する仕事をするものである、その専門的な教員である、こういったことになっております。  具体的には、例えば学校保健計画立案への参画、健康診断や健康相談への従事、救急処置、学校環境衛生活動の実施、児童生徒等に対する保健指導など、児童生徒等の健康の保持増進について万般にわたります重要な仕事をつかさどるのが養護教諭の仕事でございます。

北側一雄公明党・国民会議

○北側分科員 ですから、保健管理、保健指導というだけじゃなくて、私が言いたいのは、教育ということを言っているんですね。保健教育の、健康教育の中心者として位置づけるべきじゃないのかということを申し上げているわけでございます。その意味で、今学校教育法では、教諭、一般の先生方の教諭と養護教諭と別になっているわけですね。私はむしろこの教諭の中に今の養護教諭の方々を位置づけることを将来的には検討すべきじゃないかと考えますが、いかがですか。

遠山敦子文部省教育助成局長

○遠山政府委員 学校教育法上、養護教諭といいますのは、児童の養護をつかさどるということとされております。そして具体的には児童生徒の保健指導あるいは保健管理に従事するということの役割でございます。一方、教諭は児童の教育をつかさどるということとされておりまして、同じく学校教育において重要な役割を果たしているわけでございますけれども、教諭と養護教諭とはその職務内容を異にしているわけでございます。したがいまして、養護教諭の名称の変更あるいは学校教育法上の規定の変更を行うことは考えていないところでございます。

北側一雄公明党・国民会議

○北側分科員 大臣、この養護教諭という名称をどう思いますか。これはよく誤解されるんですよ、養護学校の先生と。私は、この養護教諭という名称も変えるべきであると思います。保健室も、保健室というんじゃなくて、健康センターとか健康教育センターというふうに変えるとか、そういう発想があっていいと思いますが、大臣、どうですか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 確かにそういう言い間違いや意味の取り違いを私も間近に見たことがありますからね。これから名称の問題についても新しい時代に新しいものを考えていくというのも一つの先生のすぐれた発想だなと思って、参考にさせていただきたいと思います。

北側一雄公明党・国民会議

○北側分科員 単に名称だけじゃなくて、養護教諭というもののあり方、本質の問題ですね、そこをやはり変えていかないといけないというふうに思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 その点も、確かに養護教諭の方は授業をするということは基本的にないだろうと思います。そういう意味での役割分担というのは当然残っていくこととは思います。ただ、子供さんたちから見れば、保健室の先生、医務室の先生という、我々のころは医務室といったかもしれませんが、そういう先生であることは間違いありませんので、先ほどから先生がおっしゃっている健康教育というその教育という概念をまた幅広くとらえていけば、先生のようなお考え方だって通用すると思います。

北側一雄公明党・国民会議

○北側分科員 要するに養護教諭の先生も健康教育、保健教育をつかさどる先生であるというふうに私はしっかりと位置づけをしていくべきであるというふうに思います。  余り時間がなくなってきたんですけれども、先ほど申したように子供の健康というのは今非常に大きな問題になっているんですが、先ほどの調査報告書を見ればわかるとおり、今子供の状態を心身ともに個に応じてよく聞いてあげる、理解してあげるということが非常に大切になっている。そういう意味でカウンセリングが重要だというふうに言われているんですけれども、そのカウンセリングマインドを一部の専門の人だけが持つというんじゃなくて、要するに私は、全教師がこのカウンセリングマインドを持ち合わせることが非常に重要なんではないかというふうに思うんです。特に教員の方々の養成の中でこういうカウンセリングマインドを養えるような、そういう仕組みを検討すべきじゃないかというふうに思いますが、いかがですか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 全く同感でございまして、例えば四十人学級ということだって、これは例えば四十五人と四十人とでどれだけ違うかは別ですけれども、少なくとも五人少ないことは事実で、それだけ担任の先生にしても、もちろん担任外の授業を担当する先生にしても、四十五人よりは四十人の方が目が届くだろうという発想があるわけですね。あるいは臨教審の言う個性尊重というのも、あるいは個に応じた教育などという私たちが使っております言葉も、それぞれのお子さんのことを丁寧に親切に見詰めていこうということだと思うわけです。  そして、先走るようではありますが児童の権利条約の批准をしていくというようなことを考えていけば、それも校則だとか何だとかということがやたら話題になるかもしれないし、委員会でもいろいろまた答弁もしてまいりましたけれども、しかし結局あの児童の権利条約だってもとをただせば、一人一人の子供を大切に見詰める教育ということが一番の本旨だろうと思うわけですね。  そう考えたときに、私たちは初任者研修もやって教員の資質向上のことも一生懸命やってまいりました。だから、教育力を持った先生が何ができるかということは、いろいろあるけれども、やはりそれぞれのお子さんの心の悩みまで、いろいろな相談事までできる先生、全教師がカウンセラーであるべきだ、カウンセラーになってほしいというのが私の気持ちです。

北側一雄公明党・国民会議

○北側分科員 最後に一問だけ、健康診断についてお聞きいたします。  まず、小学校の就学時の健康診断なんですけれども、私は、個に応じた健康教育をしていこうと思いましたら、その小学校に就学するまでの子供の健康状況とか養育された環境について理解する必要があると思います。これを可能な範囲で、適切な範囲で掌握することが非常に重要であると思います。これがまず第一点。  それと、現行の定期健康診断について、どちらかというと身体面の疾病の有無が注意されていて、心因性のもの、また問題行動を示す子供についての資料が何も上がってこないという指摘があります。この点どうなのか、お聞きしたいと思います。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 現在の健康診断、例えば就学時の健康診断はどんなことをやっているかと申しますと、まず栄養状態、脊柱及び胸郭の疾病及び異常の有無、視力と聴力、目の疾病及び異常の有無、耳鼻咽頭疾患及び皮膚疾患の有無、歯及び口腔の疾病及び異常の有無、その他の疾病及び異常の有無ということで、今一番最後に申し上げました、その他の疾病及び異常の有無というふうなところで、いわば単純な肉体でないものも含むものと私ども判断をいたしております。こういったことで、肉体の面、精神の面、それぞれバランスをとって検査をするということには一応なっております。  それから入学前の状況、例えばこれは現在は保健調査というふうな名前で呼んでおりますが、こういった学校で行われます健康診断を的確かつ円滑に実施いたしますため、健康診断を行うに当たってはあらかじめ保健調査を行いなさいということで、父兄あるいは児童生徒本人の申告等に基づかせまして、主として既往歴等を含めて、自分の体はこんなふうな状況でこうなりましたというふうなことを提出させる、こんな仕組みにもなっておりまして、先生おっしゃるように、事前のものも含めて健康診断が適切に行われるような措置をとっておるところでございます。

北側一雄公明党・国民会議

○北側分科員 以上でございます。

越智通雄自由民主党

○越智主査 これにて北側一雄君の質疑は終了いたしました。  次に、和田貞夫君。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 大臣、先週の水曜日の四日に参議院の方の食堂で、私も一緒に行きたかったのですが委員会の関係で行けませんでして、ホームステイ被害を考える会の西村郁子さんに会っていただきまして、本当にありがとうございました。  そこで直接訴えてもらったわけでございますので御理解をいただいたことだと思いますが、ちょうど西村郁子さんは私の選挙区でございまして、彼女も自分の娘さんが被害に遭っているわけです。自分の娘さんが被害を受けて、そして取り組んでいる間に、うちの娘も、うちの息子もというようなことで、自然発生的に全国的にその人たちが会をつくって、そしてボランティア活動として、そういう被害が起こらないような措置ができないものだろうか、あるいは被害が起こったときの救済措置というものができないだろうかということにここ数年の間取り組んでおられるわけです。  ところが、これは一体政府の窓口はどこなのかということがなかなか明らかでなかったわけです。外務省が、いやおれのところと違う。文部省が、いやおれのところでもない。そうすると、あっせんする旅行業者の所管の運輸省かといったら、とんでもないというようなことで、現実の問題として被害が起きているわけです。現実の問題として、ホームステイの本来の制度というよりも、あっせん業者が中に入って、ホームステイの子供たちを受け入れるような条件のないところに押しつけて、そして被害を受けているというのが現実の姿なんです。これはやはりどこかが窓口になって解決をしてあげないと、いやおれのところじゃない、おれのところじゃないというようなことでは、余りにも行政が極めて貧困であるというように海外からはとられるし、またそうであってはならないわけです。  私は去年の国会では、ちょうど中山外務大臣が同じ選挙区でございますので、ひとつ外務省、あなたの方が窓口じゃないということだけれども、訴えさせてもらうので、ぜひともこれを閣議の中で協議してもらって、一体この種のものはどこを窓口にすべきかということを議論して結論を出してほしいという訴え方をさせてもらったわけです。こいねがわくは、教育にかかわる問題でございますので、文部省がきちっと窓口になってもらって、この種の問題の解決に向けて取り組んでほしい、こういう気持ちであるわけですが、どんなものでしょうか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 これほど第三次産業が発達をしてまいりますと、人間が希望して行動しようとしますと、そこに介在をしてくるものがある。それがすべて善意ならばよろしいのですが、そこに必ずしも善意ならざるもうけ主義、コマーシャリズムが入り込みますと、とんでもないことが起きる。今和田先生御提起の高校生のホームステイ、そこで大変な被害が起きてくるという、これもそうした現象の一つではないかと思われるわけであります。  国際化社会がやってくる、国際人になりたい、あるいは子供を国際人にしたい、これは今、日本人の親たちみんな共通の考え方だろうと思います。  実は私自身も、こういう仕事をしておりまして日本を離れることができませんでしたので、今からもう四、五年前になりますが、小学生の子供二人と女房と三人をアメリカに一年半やりまして、要するに、転勤でも何でもないのに、みずから進んで子供二人と女房の三人をアメリカに行かせて、将来国際人になれるようにということを考えてそういう企てをいたしました。余計なことかもしれませんが、私、子供が三人おりますから、長男と私と二人だけで東京で暮らして、私、一年半子供の朝御飯と弁当をつくったので、けさこの分科会でお弁当の話が出たから、自分が一年半弁当をつくり続けた自慢話をしようかと思ったのですが、時間はなかったわけであります。  それは全く無関係ではございますが、当然、高校生ぐらいの年齢になって、思春期ではありますけれども自意識が出てくれば、高校時代に外国で暮らしたい、アメリカヘ行って自分も国際人になりたいと願う気持ちは相当大勢のお子さんが持っておるようになっていますから、その数も飛躍的な拡大を遂げている中で、そういう希望とか考え方をいわばむしばむというかそれを食ってしまうような、そういう善意ならざる事業というものが行われているとすれば大変なことだ。そう思いまして、この間中西績介先生からお話をいただいて西村さんにお会いしましたときに、もともと和田先生にずっとお願いをしてまいりましたというお話をされて、涙ぐんでおられる姿を見て私もじんといたしましたので、問題のありか、問題の大きさはよく認識しているつもりでございます。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 実は私の娘も過去にイギリスの方にホームステイとして三カ月ほど、大学時代に自分の希望で行かせたことがあるのですが、今自分の子供ができて非常にいい経験だということで喜んでおるわけです。  だからこれは、若いときから海外を知る、他の国の生活を知るということについて、国際化の中で非常に大事なことで、有意義なことであると思うのです。しかしそれを、大臣もおっしゃったように、ひとつ目をつけて商売にやるというようなことで、そして被害者が出てくるということは非常に残念なことで、お聞きになったと思いますけれども、聞くに聞けぬような被害も受けているということですね。  ある男の子供さんでございますが、深夜まで赤ん坊のおむつかえやミルクの世話をさせられておった。こんなばかなホームステイないんです。家業の家畜の世話を強制的に手伝わされた末に、ある日家畜業をやめるからもう出ていってしまえといってほうり出された、そういう男の子がおる。あるいは、手の甲をけがしたら、自殺を図ったというように言われて無理やり精神病院へ入院させられてしまったという女の子、ガレージの一隅の猫のトイレのそばで寝起きをさせられた女の子、こういうように常識に考えられないようなそういう具体な被害が起きているわけであります。  このことはもう、むしろ被害を受けておる日本の場合に余りとやかく言われておらないわけでございますが、アメリカの方ではむしろ非常にまじめにとらえて取り組んでもらっているわけであります。例えば、アメリカの有力紙のフィラデルフィア・インクアイアという新聞にも極めて具体に、日本の子供たちがアメリカヘ来て被害を、今述べましたようなことを受けておるということをアメリカの国内に報道しているわけですね。そうして、これまた日本の文部省ではこのような、今大臣もお答えになったような、野放し状態の交換留学組織に対して何らかの規制づくりを試みている最中であるというような記事も書かれておるわけです、これは。文部省が取り組んでおるという記事が書かれているわけですね。そしてまた、何の規制もないようなそういう産業が自由に横行しているということ自体がおかしな話だ、そういうこともこの記事に載っているわけなんですね、向こうの記事に。  そういうことでございますので、その記事の一つに、日本の文部省は今そういうことで模索中であるという記事が書かれておるのですが、一体どんなものですか。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川政府委員 ホームステイを含みます海外留学に関しまして、留学あっせんいたします事業者と契約上のトラブルであるとか、ホストファミリーとの不適応、あるいは人間関係上のトラブルなどが生じておりまして、その事例はそう多くはないわけではございますけれども、そういったプログラム、事業者がっくっておりますプログラムの中に、教育的見地から見ましても適切でない部分があるということを承知いたしております。  文部省では平成二年の六月に、高等学校における留学等に関する調査研究協力者会議が報告を出しておりまして、「高等学校における留学等について」という報告でございますけれども、その趣旨に沿いまして、昨年の二月、平成三年の二月に、ホームステイを含む海外留学等について民間のあっせん事業者が提供するプログラムに関しまして、教育的観点から見た望ましい内容を検討するということで、先ほど御指摘のございました運輸省、外務省の方々にも入ってもらいまして、あっせん団体あるいは学識経験者、そういった方々にも参加を求めておりまして、調査研究協力者会議をやっております。  この協力者会議が、その発足以降いろいろな調査に基づき、また、事業者、被害の救済活動をやっておられる関係者、あるいは関係の大使館の人々からヒアリングをする、あるいは渡航者の多い米国の現地調査を実施する、そういうようなことをやりまして鋭意検討を進めております。この四月中には調査研究の成果を報告していただくという予定となっておりまして、文部省としましては、協力者会議における検討結果を踏まえて、必要な措置を早急に講じてまいりたいと考えておるわけでございます。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 ありがとうございます。この調査をまずやってもらうべきであって、その調査の結果に基づいて、一つの防止策としては、これはそういう業者はけしからぬのだというようなことだけでは事済まないわけでありまして——このホームステイのあっせん業というような、そういう業というのはないわけですね。本来ホームステイというのは、そういう業者があっせんするというような、あっせんして商売の糧にするというようなことじゃないわけです。しかし、現実にはこの商売があるのですから、そういうような留学のあっせんをするような業者に対する何らかの立法措置というのが、この調査の結果によってやはり検討するに、これはどこの省が所管するということは別として、必要じゃなかろうかなという気がするわけですが、閣僚の一人でございます文部大臣、ひとつそういうような調査の結果が明らかになれば、そういう悪質な業者を取り締まるような立法措置というのが内閣として必要だと思うのですが、どうですか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 実は政府委員の方々とまだ打ち合わせをしているわけでもありませんから、決して文部省内で検討した結果をしゃべっているわけではありません。ですから、さようの先生との質疑応答を通じて、また調査研究協力者会議の結論等も踏まえてこれから検討していく内容でございますが、ただ、私、先ほど西村さんとお会いをしたときの私の気持ちを中心にしてお話ししたときに、今先生も御指摘されたように、何でもかんでもサービス産業が、あるいはあっせん業が出てくるというこれは時代の宿命なのかもしれません、私はそのときに頭に描いたものが、上海での就学生事件というのがありました。あのとき、三万五千人か何万人か——中国の方々は日本へ来たいですね。それは黄金の国ジパングというようなイメージもあるのかもしれない。日本語を勉強すれば将来いいことがあるという気持ちも相当あったでしょう、所得水準が天と地ほど違うのですから。ところが、日本人の方では、日本語学校を大勢の方がつくった。そこにいろいろ介在するものがあって、結局授業料というか入学金は先取りしてしまって、それを返さないままにおかしくなるというような事件があって、日本へ渡りたいという方が上海の総領事館の周辺に三万五千人だか何かあふれたという事件がありました。  結局その解決の方法としては、これはもう自民党も文部省も相当頑張りまして、あのときには結局今度は日本語学校側に、JISマークではありませんが、マル通マークというのか、適合するというマークのようなものをつくる、この日本語学校だったら間違いありませんというような形で問題の解決を図ったといういきさつがあります。  今度はそのホームステイということで、主に日本の方々がアメリカあるいは場合によってはヨーロッパヘ出かけていくというので、日本へ来る側か日本から行く側がという違いはあっても、そのような方式によって、こういう人たち、こういう組織を頼っていけば間違いありませんというようなものをいわば認めていくというのも一つの方法ではないだろうかというふうに考えます。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 きょうは時間が限りがございますので、改めてまた文教委員会等に出向いていって十分議論をさせてもらいたいと思いますが、ひとつ注意喚起のために一例を挙げさせてもらいたいと思うのです。  それはYFU、これはコピーしか持ってきておりませんが、「YFU国際交流」というこのパンフレットを見ましたら、YFU日本協会というのがありますね、めくってみましたら、YFU日本協会というのは非営利団体ということをちゃんと括弧して書いてあるわけですね。理事長がかつての駐米大使大河原良雄、その前の理事長はその前任者の駐米大使。そしてこれをずっと見てみましたら、顧問が富士銀行の相談役だとか東芝の相談役だとか、そして文部省の顧問の一員、元文部次官天城さんが入っておるのですよ。そういうようなのを並べておるのです。そういう団体があっせんをしたホームステイの被害者が出てきておる。  ちょっと言いますと、十七歳の高校三年生、昭和六十二年八月十四日にYFUを窓口にオハイオ州に出発しました。出発のときに六百四十ドルを持参させました。この金を本人名義で口座を開いてほしいとホストマザーに希望したところ、マザーは自分の口座に入れてしまった。十月になってオハイオ州が寒くなってくるので、そのマザーの直筆で住所、銀行名の書いたメモが送られてきたので二千ドルを送金した。ところがホストばこの金を猫ばばした等々の訴えが来ているわけですね。  そしてその結果、ある日この少女が帰ったら、そのホストマザーが自分の書いた日記を盗み読みをしておった。そして、帰ってくるなり、怒って、もうすぐに出て行け、どうも頭がおかしいということで、精神病院に入れられてしまった。そのマザーが怒ったのはどういう原因がというと、そんなようなことの中で、その少女の日記に私はマザーは嫌いだという一言があったわけです。それを盗み読みをして、頭がおかしいというようなことで精神病院に入れられたということで、最近、極めて最近ですよ、最近このYFUとこのお母さんとの間に話がついたとかつかぬとかという、こういうことを耳にするわけであります。  しかしこの内容も、実は、この西村さんの主宰する被害を考える会のところに文書でそのお母さんから送られてきた。送られてきたので、この西村さんたちが本人と一緒にYFUの方にかけ合った。かけ合ったところが、こういうようなおわびの文書を出したいとか、あるいは、こういうような内容で金銭の支払いでひとつ解決してくれぬかというようなファクスが西村さんのところに入ったわけなんですよ。ところが西村さんの方は弁護士でもないわけだから、金銭の受け渡しというようなことは、あるいは民事的な協定の問題はひとつ本人同士でやってくれというようなことでこうやっている最中に、突如といたしましてYFUの代理弁護士の方から、一切そういうようなことがなかったというように交渉して解決した、今までおまえのところに送った文書を全部返せ、そしてまたこの被害者のお母さんも、弁護士を代理人として西村さんの方に言ってきたというようなことで、非常に親切にやっておったことがそういうようにひっくり返ってしまったというような問題であるわけです。  時間があればこれは私はゆっくりと話をして、そして、少なくともこのようなYFUのようなところのあっせんをしたところまで被害が出ておるというようなことは、私は、大変なことでございますので、これはひとつ、きょうはせっかく聞かしていただいたわけでございますが、また改めてじっくりと議論さしていただきますが、どうぞひとつ御理解のある文部大臣——自民党さんの方もこの種の問題の取り組みに、中山太郎さんが会長で防衛庁長官の宮下さんが事務局長でやっておられるのです。この西村さんの方は、私は、宮下さんの方も今防衛庁長官をやっておられるから忙しいので行がしませんが、ずっと行かしておったんですよ。三回会ってもらって、文部省ともかけ合ってもらったりしておるのです。  どうぞひとつ、こういうような被害の起こらないような、また、被害が起これは解決をするところの窓口というものを、ぜひともひとつ文部大臣、せっかくのことでございますから、ひとつおれんとこやったろということで、文部省にそういう相談窓口をぜひともつくっていただいて、このような問題の解決のためにひとつ努力し頑張ってほしい、こういう気持ちでいっぱいでございます。  最後に、ひとつ大臣の方から、その間の決意を述べていただきたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 先生のお話十二分に聞かせていただきましたから、これからきょうのお話のあらゆる点をよく反すうしながら、どういうことができるかを考えていきたいと思っています。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 何かありますか。いいですか。

長谷川善一文部省学術国際局長

○長谷川政府委員 ユース・フォー・アンダスタンディングで起こりました事件につきましては——ユース・フォー・アンダスタンディングというのは、もう既に先生も十分御存じのとおり非常にきっちりした団体でございまして、国際的にも非常にきっちりしたネットワークを持っておるということで、私どもも、この団体を都道府県の教育委員会などに推薦する団体の一つにしておるわけでございます。  このケースにつきましては非常に遺憾なことではございますけれども、こういうケースは本当に、何といいますか、これ一件だけユース・フォー・アンダスタンディングはやっておるわけでございます。ただ、私ども、この事件の過程で両方の方から話を聞く機会がございまして、トラブルの詳細について議論申し上げる時間はないわけでございますけれども、とにかく円満に解決した、親御さんの方としてはもう余り取り上げないでいただきたいというような話を聞かせていただいております。  いずれにいたしましても、こういうような事例が今後一つでも起こっていくということは大変なことでございますので、できるだけの努力をして、こういうようなことのないように、また、せっかく若い時代に異文化の経験を積んでくる、そういうシステムを健全に発達させるように努力してまいりたいと思っております。

和田貞夫日本社会党・護憲共同

○和田(貞)分科員 解決したというのではないですよ。解決したように私は仄聞しておるけれども、これで解決したと思ったらえらい当て違いですよ。私はひたすら注意を喚起したいのは、YFUというような、日本協会というようなそういう立派な団体でさえもそういう過ちを犯すような結果ができてくるのだからということで注意を喚起しているのですから、これで終わったというのではなくて、さっき大臣にも申し上げましたように、ぜひともひとつ率先して文部省に相談窓口をつくってもらいたいということを強く要望して終わりたいと思います。  以上です。

越智通雄自由民主党

○越智主査 これにて和田貞夫君の質疑は終了いたしました。  次に、安田範君。

安田範日本社会党・護憲共同

○安田(範)分科員 私は、特に今回は、文化庁にかかわる文化行政と申しまするか、こういう問題につきましてお尋ねをしたいと思います。  せっかく大臣おいででありますから、大臣からも考え方をお聞かせいただきたいと思うのであります。  今日、文化行政というものは非常に高いウエートを持っているかな、こんなふうに感ずるのですが、文化行政を推進するに当たりましての基本的な考え方といいますか、基本的な認識といいますか、そこのところをひとつまず大臣からお答えいただければと思うのですが、いかがですか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 私自身余り文化的な人間ではなかったと思うし、これから少しでも文化の薫りを身につけていきたいと反省しながら毎日仕事をいたしておりますけれども、要するに、やや抽象的な申し上げ方で申しわけなく思いますが、便利な世の中、物が豊かな世の中というものは日本人はつくることに成功しつつある、あるいは相当な成功をおさめた、すなわちこれだけの経済大国、住宅問題は依然として残っておりますが、これだけの経済大国をあの敗戦の焦土の中から、昭和二十年以来つくり上げた日本人の英知、努力、大変なものがあったと思います。  ただ、それでは、それだけの便利で豊かな国をつくりながら人生を楽しむということができているかというと、日本人は甚だ不得意なのかもしれない。日本人異質論というのが時々話題になって、日米摩擦等でも議論されますけれども、結局日本人というのは働くことに一生懸命、名誉を求めるのも一生懸命、便利な世の中をつくるまではやるけれども、生活を楽しむことを犠牲にして働いているじゃないか、そういう批判をされると非常に反論しにくい状況があると思うわけです。  だから、働き詰めで財産もつくりました、あるいは一生懸命仕事して名誉も十二分に得ましたと思いながら、ちょっと表現は適当でないかもしれませんが、人間いつかは棺おけに入っていかなくちゃいけないわけですから、いつかそういう寿命が尽きるときに、おれの人生は何だったのだろうと思う人が案外多いのかもしれない。だから、世の中をもっと味わって楽しんでいくというのには文化というものが不可欠である。  生活大国という言葉が今あるけれども、何か生活大国、四百三十兆円と関係があるのかなと思いますけれども、それだけで本当に品格ある国家という宮澤総理のおっしゃるもう一つの言葉が達成できるのだろうか。この生活大国が文化大国と、だれが見ても文化大国だ、日本人は文化を享受している、守っている、楽しんでいるといって評価される、そしてまた世界に向けての文化の発信国である。地域にもそれぞれ文化があるということ、そうした中で日本列島の主人公たる全日本人がそれぞれの文化を味わいつつ毎日過ごしている、こういうふうにだれからも評価されるような文化大国になったときに本当の品格ある国家ができるのだろう、そんなふうに考えまして、文化行政を一歩ずつではありますが進めたいと思っております。

安田範日本社会党・護憲共同

○安田(範)分科員 鳩山大臣は感性豊か、日ごろこういうふうにお聞きをしているわけでありますが、ただいまの答弁を聞かせていただきまして、ある方向をきちっと理解をされているな、こういう印象を非常に強く持たせていただ雇いた、こういう状況であります。  ただ、問題は、そういうふうな大臣の意思に反してといいますか、そういうものと裏腹に予算がなかなか伸びない、こういう状況があるのではないか、かように思います。  率直に申し上げますけれども、宮澤政権の政策の大きな柱というものは、今もお話がありましたけれども、生活大国ですね、その言葉がいいか悪いかは別にいたしまして、ともあれ、今日までの企業社会とか管理社会とか、たくさんの問題ありましたけれども、そういうものと違った形でこれから日本人の行方というものをしっかりと見きわめていこう、あるいは生活の実態というものを大きく転換をさせよう、こういうことが言われている、こういうことだと思うのですね。したがいまして、そういう面から考えますると、文化行政というものも、今日までのカテゴリーといいますか、そういうものを超えて、新しい感覚で文化行政というものを考えていかなきゃならない時代だ、こういうように私は考えるわけであります。  そういう面で、いろいろ問題があるのですけれども、時間が非常に限られておりますものですから、ローカルの問題について一言申し上げ、さらにまたそれについての対応をお願いしたい、かように考えるわけであります。  私は栃木県出身です。御承知のように栃木県は日光が存在するわけでありまして、とりわけ全国的にも大変著名な地域、これは史実の上においてもあるいは文化財の上におきましても大変高い評価を受けつつ今日に至っている、こういうことが言えようかと思うのであります。  そういう中で、とりわけ栃木県の日光の地域には特別天然記念物、特別史跡、こういうことで国が二重に指定をしております杉並木街道、こういうものがあるわけであります。この杉並木街道は、御案内と思いますが、今から大体三百五十年ぐらい前、松平正綱親子が大体二十三年間かけましてあの日光街道に植栽をした、こういう歴史があるわけであります。そういうことで、国でも認めて今日その保存方に多くの御苦心がなされている、こういう状況については承知はいたしておりますが、これはもちろん国だけで努力をしているわけではありませんで、管理ということになりますると栃木県、そしてまたその杉並木の所有者は東照宮、こういうことになっておりますから、それぞれの関係者がこぞってこの保存方に留意をして努力をしている、こういうのが今日の状況なのであります。  ただ残念なことに、今日環境が大きく変わってまいった。一つは、昔の徒歩あるいは馬車、そういうものから車の社会になってしまった。その車も大変頻度を増してまいったというような状況があるわけでありますし、同時にまた、かつては土の道、砂利道、こういうようなものがアスファルトになりましたりあるいはコンクリートということになって全く条件が変わってまいった、こういう状況であります。  とりわけ交通の安全度ということになりますると、一車線は大体三メーターですが、あそこは大体六メーターちょっと、七メーター足らずぐらいの道幅なんです。昔のことですからそれでも大変立派な道だったんでしょうけれども、今日の時代感覚からしまするととても考えられないような狭い道、こういう状況にあるわけでありまして、そういう面からしまして、当然のこととして交通安全、こういうものも考えなきゃならないわけですね。したがって、杉の木ですからどんどん根を伸ばすというようなこともありますが、その根が伸ばしっ放しになってしまいますると、これは道幅が狭くなる、したがってその根を切らなきゃならない、こういうこともあって、今日の杉並木をどう保存するかという以前の問題として、環境が変わってまいったということと、樹木に対するいろいろな傷めつけと申しまするか、そういうものも出てまいった、こういう経過があるわけですね。  したがって、あと百十年ぐらい過ぎるとあの杉並木は全部枯れてしまうんじゃないか、こういう指摘をする識者もおるわけでありまして、私ども地元も大変な憂慮を感じているわけでありますけれども、この辺について文化庁としてはどの程度御理解をいただいているのか、これをまずひとつお聞きをしたいと思うのであります。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 御指摘の日光杉並木街道でございますが、延長約三十七キロメートルと世界的にも他に例を見ない規模として著名でございます。  それで、これにつきましては、栃木県の教育委員会のほか、栃木県の土木部、それから杉の所有者でございます日光東照宮など、こういった関係機関の連携のもとにいろいろな方策を進めておるわけでございます。御指摘のように、杉並木が枯れたりして、総本数が三年度で一万三千二百六十七という報告をいただいておるわけでございますが、現在除籍本数が五十六本というようなことで、前よりは枯れる本数が少なくなってきてはおりますけれども、枯れているものも多い、特に老木が多いというようなこともありまして、これに対する対応について取り組んで。いかなければならない、こう考えておるわけでございます。

安田範日本社会党・護憲共同

○安田(範)分科員 今、次長が御答弁なされたような状況なんですけれども、実際には明治、大正の時代に補植をいたしまして、言うなれば枯れてしまったものを新しい苗木を植える、こういうことで補植をいたしまして、今ようやく今言われましたような本数を保っているのです。これは大体直径三十センチ以上になれば登録をするということでようやく保っている、こういう状況なんですけれども、実際には非常に老化をしましたり、あるいは根が切られるというような環境悪化、特に宅地の造成なとたくさんの問題がありますから、そういうこともあって、枯れるのが一時速度がとまっているというようなことは言われましても、これは年々年をとっていくわけですから、もう相当速いテンポでやがて枯れる、こういう状況にもなるのかなという心配をしているのですね。  したがって、県としましては、もう既に御案内だと思いますけれども、あの杉並木の両側を大体二十メートル、ずっと公有地にしよう、こういうことで今事業を進めておるわけであります。総延長十八キロぐらいかなと思うのですが、そのうち、今日までようやく買えましたのが一・数キロ、こういう状況なんですね。面積にいたしましても大変な広大な地域を買わなくちゃならないのですけれども、これも非常に狭い。平成三年度までに五万百七十平米、これを買い上げたわけなんですね。対象地域としましては十八・五キロ、総面積が七十四万平米あるわけですよ。したがって、五万平米買いましてもこれはなかなか、言うなれば遅々として進まない、こういう表現が当だるかと思うのでありますが、こういう状況で、先ほど申し上げましたような枯れる速度が速くなっていくということを考えますると、できるだけ早い機会に公有地化を進めて、そして樹木を傷めない、こういうことが一番大切がなと思っているわけであります。  さらにはまた、バイパスをつくろうということでいろいろな計画もなされておりますけれども、これから相当の投資をしていかないとあの貴重な杉並木というものが保存できないんじゃないか、こういう心配を強く持っているわけであります。  時間がありませんで細かい説明はやめますけれども、ただ問題は、国として公有地の買い上げについては十分の八の補助金を出している、これは承知をいたしておりますが、ただ十分の八という言葉だけに惑わされちゃいけないんじゃないかと思うのですね。総額がとにかく文化庁としては少な過ぎるわけですから、その中でのやりくりですから、幾ら県の方でもっと広く購入をしたいと言っても、まあ枠内でということで十分の八、この大変微々たる金が補助金として出されているような状況だと思うのですね。  したがって、これでは枯渇してから土地を買ってもこれは何もならない話なんで、この辺について文化庁としてはどういうふうなお考えを持っているのかな、これをひとつ簡潔にお答えいただけませんか。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 公有化につきましては、これを一生懸命進めておるわけでございまして、特にここは、特別史跡、特別天然記念物ということで優先的に対応をする、こういうことで努力をしておるわけでございます。  予算額につきましては、簡単に申し上げますが、四年度には、いわゆる国指定の文化財の保存活用のための予算、これは非常に広い範囲でございますのでございますが、三百六十六億八千万円強、対前年度三十億強の増を図って計上しておるわけでございまして、こういった予算の中からこういう形での対応をしていくというふうに考えておるわけでございます。

安田範日本社会党・護憲共同

○安田(範)分科員 まあ総額で言われましてもなかなかこれはぴんとこない話なんですが、本当は、日光杉並木に公有地取得のために幾らかと、こういうのも答弁いただければいただきたいなと思うのですけれども、わからなければ——わかり、ますか、わからない。じゃ、それは後でまた承りましょう。  いずれにしましても、私が考えまするのには、さっき大臣も答弁されましたけれども、とにかくその発想の転換をして、人間が豊かさあるいはゆとりというものを実感できるような、そういう政治に持っていこうという場合には、やはりこの日本の文化財なりあるいは文化、こういうものについては十分重く見てこういう行政を進めてもらいたい、当然のこととして予算もそれにふさわしいだけのものを、まあ防衛費の予算は議論はいたしませんけれども、いろいろな予算の中で、将来の日本、こういうものをしっかり確立をするために努力をしてもらいたい、こういうふうに思うのです。  とりわけ、国際化だとか国際交流とかたくさんの問題が言われます。やはりその国際化あるいは国際交流というものは、文化の問題あるいは文化財の問題、こういうものについても大変なかかわりがあるんじゃないかなと思うのですね。やはり日本の文化、日本の実態、こういうものをきちんと確立をする、それで国際的にそういうものがしっかりと認められる、外国のものも十分に評価すべきものはしましょう、こういうお互いの立場というものをしっかり確立をするという意味におきましても、文化の面あるいは文化財等も含めたそういう面についての行政というものを重視をする、こういうことで今後行政を展開してもらいたいな、かように考えます。  これは大臣の方のかかわりになるかもわかりませんけれども、それをひとつ心していただきたいと考えるわけでありますが、大臣、いかがですか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 こうした問題について、私、実は持論がありまして、これを展開しますと先生の質問時間がなくなってしまいますからごく簡略にいたしますが、ごく簡単に申し上げますと、文化財保護法という法律がありますが、これを大きく分けますと、積極的な文化財保護と消極的な文化財保護とあると思うのです。すなわち消極的な文化財保護というのは、文化財を傷めたり盗んだり壊したらいかぬということ、しかし、積極的な文化財保護というものは、そうした文化財を積極的に例えば保存修復して守るためにお金も使って手を打つ、こういうことなんですね。これは予算の関係もあるし、あるいは文化財保護法の条文上の問題も若干ありまして、日本のこの文化財保護行政というのは概して消極的なものにとどまらざるを得なかったわけです。  ですからまさに発想の転換ということで申し上げるならば、消極的な文化財保護行政から積極的な文化財保護行政への転換を図るということで、今先生御提起の日光の杉並木についてもそのような形でできる限りの努力を始めなければいけない、こういうふうに認識をいたしております。

安田範日本社会党・護憲共同

○安田(範)分科員 これは次長の方にお尋ねをしますけれども、さっき次長のお話にもありましたけれども、県が管理する、特に教育委員会と土木部のかかわりの中での話がありました。まさにそのとおりなんですね。さっきもお話し申し上げましたけれども、道路幅が非常に狭い。しかし、そういう中で、今日の社会の趨勢と申しまするか当然の要請として交通の安全を期さなければならない。こういう一つの当然の話があるわけであります。しかし片方、今度文化財保護ということになりますと、どうしても現状をそのまま残しておく、こういうことになるわけですね。言うならば二律背反です。これが一つネックかなというふうに考えられるわけです。  したがって、この日光杉並木街道の保護保全というものにつきましては、よほど土木部門と話し合いを十分にされて、そして土木部門の方で交通安全というものを念頭に置いて、この保存のための異なった方策、言うならばバイパスなんかもその一つの方法だと思うのですけれども、そういうものについて十分国としても指導をする、こういうものが必要がなというふうに考えているわけですが、今日まで土木関係、言うならば建設省関係、あれはみんな国道ですから国道の関係からしますると文化庁と建設省、これらの協議と申しまするかいろいろな対応策というものについて検討されたことはあるのかどうか、これについてひとつお聞かせをいただきたいと思うのであります。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 御答弁する前に、先ほどの予算の関係でございますが、史跡等の公有化に若干絞って申し上げますと、来年度の計上額が九十四億で対前年度十四億強、こういう形になっておりますので、この数字の方が少し絞った数字で適切かと思います。  ただいま先生御指摘の点につきましては、県の段階では御指摘のように教育委員会と土木部が協力をしながらやっておるわけでございますが、今までのところ、この件に関して文部省と建設省の話し合い、協議というものは行われておりません。

安田範日本社会党・護憲共同

○安田(範)分科員 次長、そういう話でありますけれども、国の特別史跡ですから、特別天然記念物、こういう指定のものなんですから、これらにつきましては、それぞれ三本の国道がありますけれども、国道の今後の整備の考え方、こういうものとあわせて杉並木の保存、こういうものについて協議をする必要があるかな、こんなふうに考えます。言うならば県が管理をしている杉並木、国有地部分もありますから、だからということで県に全部、あなた方頼むよ、これだけではちょっとせっかくの指定のその意義が薄れる、こういうふうな感じも持つわけでありますので、その辺ちょっと留意をしていただきたい、このことを含めて決意を若干承りたいと思います。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 御指摘のように、県教育委員会、県土木部のいろいろな協力関係もございます。ただ、県管理ということで、そういう状況が今まで出てきているわけでございますけれども、私どもも、この問題につきまして、建設省とも今後連絡もとってまいりたい、そういう中で先ほど御指摘のような並木敷の外側二十メートル、こういう根の良好な生育環境を保持するという意味での公有化の事業あるいはその他のいろいろな計画に基づく杉の保全、伸長というような面につきましてさらに努力をしてまいりたいと思っております。

安田範日本社会党・護憲共同

○安田(範)分科員 そういう答弁でよろしいかと思うのですが、とりわけ時を逸してはこの問題は余り有効でない、こういうことをひとつ念頭に置いて、最大限地元の声を十分お聞きをしながら国としてとるべき方向はしっかりととる、こういうことでお願いを申し上げておきたい、かように思います。  時間がありませんので、よそのことについて余り触れられないのですけれども、御承知の国民文化祭というものが六十一年からずっとやられているわけですね。ことし平成四年度は多分石川県であろうかなと思うのですが、歴史的にだんだん長くなってきて定着もしてきている、こういう状況だと思います。  ずっと開催した県の状況なんかもお聞きをいたしましたけれども、動員数という言葉が適切かどうかわかりませんが、集まってくる人たちは大体百万から百五十万人ぐらい参加をするというようなことも聞いておるわけでありまして、これは場所によりますけれども。年々これについてはそれぞれの都道府県でしっかりした取り組みと同時に地域の皆さんにも理解が深められつつある、大変よろしい話だなと思うのです。  ただ、その面で、予算の関係ちらっと当たってみましたら、総額でそれぞれの都道府県とも大体十五億、少ないところで十億ぐらいかかる、こういうようなことが実態でございます。国の方でどのくらいの補助がされるのかなということを聞きましたら、大体二億ちょっとぐらいですかな、約二億円。これは平成元年から四年まで、多分四年度の予算もこれは変わりはない、こういうことだと思います。年々やはり世の中変わりますし、経済状態も変わってまいるわけですから、そういう意味ではそれぞれ都道府県においていろいろ発想も変わるとは思いますけれども、さっき大臣が答弁されましたように、これからゆとりと豊かさというようなことを考えますと、こういうものについても精いっぱいの予算的な措置も必要であろう、かように考えます。したがって、これについてひとつ今後の問題といたしまして、栃木県は第十回という記念すべき年なものですから、これも含めてひとつ今後の問題として御答弁いただければと思います。

吉田茂文化庁次長

○吉田(茂)政府委員 国民文化祭の経費の問題でございますが、これは各県の事情によって、参加者数が非常に多いところ、あるいは比較的そうでないところ、それぞれのやり方があろうかと思います。それに応じて県の方でもいろいろ経費を御負担いただいているという協力関係の中でやっていきたい、こう思っておるわけでございます。  ただ、予算につきましても、四年度の予算案では国民文化祭につきまして二億一千百万、さらに国民文化国際交流事業、これは国民文化祭とタイアップをしてやっておる外国からの招聘事業でございますが、これにつきましては四年度に七千三百万を計上する。この額は前年度よりふえておるという中で国としても努力をしておるところでございます。また県とも協力しながら充実に相努めていきたい、こう思っております。

安田範日本社会党・護憲共同

○安田(範)分科員 御答弁いただいたことについては理解はいたしますけれども、さらにこれらの事業については国でも積極的に支援をする、国主導というわけじゃありませんけれども、それぞれの都道府県が主導的な立場をとるということは当然なければいけない、かように思うのですけれども、それにしましても地方財政というものは非常に厳しいわけですから、そういうことを含めて、なお一層これについては御努力をいただきたいと思います。  なお、交流事業の関係も七千三百万ですか、平成四年度は七千三百万ですね。そういうことだと思いますけれども、これらにつきましてもやはり国際交流事業ということになりますと大変意義深い話でありますから、これについては国の方でさらに充実した予算を、こういうことで強く要請をしておきたいと思うのであります。  時間が参りましたのでこの程度しか発言できませんが、最後にひとつ大臣、今の要請に対してぜひ積極的な答弁をいただきたい、かように思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 答弁としては吉田次長の域を出ないかもしれませんが、昨年の秋、文部大臣になりましてすぐ、国民文化祭ちばに皇太子殿下を御案内いたしましたが、殿下は一泊二日で御見学になるほどの熱の入れようで、大変すばらしいものであり、国民文化祭もいよいよ定着をして国民的な行事になってきたなと痛感をいたしまして、平成七年に第十回の記念すべき、先生の地元での国民文化祭とちぎ、大いに期待をいたしておりますし、国として、文化庁としてできることは精いっぱいいたします。

安田範日本社会党・護憲共同

○安田(範)分科員 ありがとうございました。終わります。

越智通雄自由民主党

○越智主査 これにて安田範君の質疑は終了いたしました。  次に、倉田栄喜君。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田分科員 公明党の倉田でございます。私は、きょうはまず色覚問題について御質問を申し上げたいと思います。  色覚問題というのは、文部省の方からは平成元年三月、「色覚問題に関する指導の手引」というのが出ておりますけれども、その色覚問題でございます。この問題に関しては、「クレパスの色が見分けられますか」、こういう本が出ております。大臣、大変恐縮でございますが、委員長にお許しをいただいて、私の質問の間、ぱらぱらとでもめくっていただければ大変ありがたいと思います。

越智通雄自由民主党

○越智主査 どうぞ。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田分科員 そこで、まず文部省の方にお尋ねをしたいわけでございますが、学校教育における色覚異常者、こういう言葉も使われておりますけれども、異常者という言葉も確かにそのとおりなんでしょうけれども、やはり何となく言葉の響きとしてはよくない。色覚症、色覚症状の色覚症、そういうことでもいいのではないかな、こういうふうに思うのでございますが、この色覚症の現状について、児童数でございますね、どのように把握をされておられますでしょうか。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 文部省が行いました平成三年度学校保健統計調査によりますと、小中高等学校の検査において色覚に何らかの問題があるとされた児童生徒数の割合は、小中高合わせまして平均で男子が三・七五、女子が〇・一七、平均いたしまして一・九九ということで、この割合から推計いたしまして、小中高校全体で色覚に何らかの異常がある、問題があると考えられる生徒は三十九万四千人程度じゃなかろうかというふうに推定いたしております。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田分科員 三十九万四千人程度、大体二%、こういう数字でございます。全国民に合わせると、いろいろ何せ非常に微妙な問題でございますので、どの程度いらっしゃるかということははっきりした数字は出ないでしょうけれども、三百万人あるいは四百万人の当事者、色覚症の方々、その関係者を含めると一千万人ぐらいの方々がこの問題を抱えておられる、こういうことになるのではなかろうかと思います。これだけの数字になると、これはもう国民的な大きな課題なのではないのか、このように思うわけでございます。  そこで、この色覚症、色覚症状をお持ちの方々に対する社会的な待遇の問題、文部省の方としても、いわゆる学校入試の問題等々制限の撤廃に御努力をなされておると思いますけれども、まだ現在として、例えば国立大学において色覚障害者に対し入学制限がある大学学部もあるというふうに聞いております。この点についての数字、文部省お持ちであればお答えいただきたいと思いますし、また、労働省の方にもきょう来ていただいておりますので、この色覚症の方々が社会的な就職等々の問題において現在どのような問題点があるのか、把握をされておられればお答えをいただきたいと思います。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 お尋ねがございました大学の受け入れについてお答えをさせていただきます。  時間の関係もございますので、簡潔に申し上げさせていただきますと、平成四年度におきましては、国立て四大学四学部、公立て一大学一学部、こういう状況でございます。

北浦正行労働省職業安定局高齢・障害者対策部企画課長

○北浦説明員 就職の問題につきまして、お答え申し上げたいと思います。  色覚異常者の方々の就職に当たりましては、私ども、就職の一般論といたしまして能力と適性に応じて採用されるべきである、こういう方針を考えておりますので、こうした方々につきましても同じような考え方で取り扱うように事業主に常日ごろから指導しているわけでございます。  私ども、現実に公共職業安定所におきまして、こういう方々がいらっしゃった場合には、綿密な職業相談を通じまして、その状況を十分把握しながら、適切な職業紹介を行うように努めているところでございます。もし仮に、正当な理由がなく色覚異常ということだけで採用が拒否される、こういうようなことになりますと、なかなかいろいろな問題、トラブルも発生してまいりますので、こういった不利な状況にならないように常日ごろ企業に対しては指導を申し上げているわけでございます。  具体的には、特にそういったような色覚異常という条件のつく求人も多々あるわけでございますが、その場合には、本当に採用を予定されている職種の職務を遂行する上でどの程度支障が生ずるのか、あるいは、そういった色覚異常が本当に障害とならないような職務の改善の仕方はないのか、そういった点なども私ども指導を重ねまして、その上で、できる限り色覚異常者の方の職場確保に努めているところでございます。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田分科員 今文部省、労働省から、いわゆる色覚の区別に問題がある人についての社会的問題について御答弁をいただきました。  これは、色覚の問題について、日常生活というのか生きるということには差し支えないみたいな、こういう考え方もあるみたいでございますけれども、現実にはいろいろな不便があるということもまた事実なんであろう、こういうふうに思います。  そこで、きょうは厚生省にもお見えいただいておりますけれども、厚生省に、この色覚症、色覚異常者、この問題について、治療あるいは研究等について現在どんなふうにとらえられておられるのか、その点だけをまずお尋ねして、最後にまたもう一度御要望申し上げたいと思いますので、現状を御説明いただけますでしょうか。

伊原正躬厚生省健康政策局総務課長

○伊原説明員 お答え申し上げます。  知覚、色覚でございますが、その認知につきましての生理学的なメカニズムあるいは異常発生のメカニズムにつきましては現在でも十分解明されているとは言えない状況でございまして、これまでの私どもで実施している研究と申しますのは基礎的なものでございますが、平成元年度から色覚についての基礎的研究という形で厚生科学研究費補助金により進めてきているところであります。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田分科員 それから、文部省の方でございますけれども、先ほど申し上げました「色覚問題に関する指導の手引」でございますけれども、これはそちらの方にございますでしょうか。  学校教育においてこの問題についてはいろいろ議論があるようでございます。新聞報道もございましたけれども、日本眼科医会の方からは、いわゆるこの色覚検査があるがゆえに不当な差別、人権侵害みたいなことが起こっている、こういう要望も文部省の方に出されたと承っておりますので御承知かと思うのですけれども、要するに確かにこの色覚検査のあり方次第によってはやはり問題が起こる。そこで、そういうことがないようにということで、文部省の方で、非常に力作だと思うのですけれども、こういう指導の手引書をつくられたんだろうと思うのです。非常に丁寧に書いてあります。  例えば、先ほど「クレパスの色が見分けられますか」という本の中に一つ一つ事例が書いてあるわけですけれども、従前、先生が、なかなか何かわからないけれども自信のない生徒がいて、その自信のない生徒に対して何か答えさせれば自信がつくだろうと思って、非常に易しい問題を出して黒板に赤いチョークの線を引いて、この赤いチョークの線のあるところ、これは何と読むのかということで、当然その子は知っているはずだとわかった上で質問をする。しかしながら、その子はその赤いチョークの赤い色がよくわからない。だから、どこに赤い線が引いてあるものだかわからないから結局答えられない。先生は自分に反抗しているのかと思ってしまう。ますますその子は心が非常に傷つけられてしまう、そういう問題もございます。  また、この色覚の検査のときにおいてもまだまだ現場の方ではみんなの前で、何だ、これがわからないのかと何度も問い詰められるような、そういう色覚検査というのもある、こういう声も聞いております。  そこでお尋ねをしたいわけでありますけれども、この色覚検査の現状というのはどういうふうになっておりますでしょうか。

逸見博昌文部省体育局長

○逸見政府委員 学校の健康診断におきます色覚検査、これは教育指導上の必要性に基づいて行っているものでございます。色覚異常検査表を用いまして色覚異常の有無について検査するというものでございますが、現在では小学校では第一学年と第四学年、中学校では第一学年、高等学校は第一学年、これの定期健康診断のときに行っております。そして、日本学校保健会に健康診断調査研究委員会を設けまして、定期健康診断の各項目の見直しを現在行っておるところでございますけれども、現時点ではこの検査の実施時期及び対象を軽減すべきかどうかということにつきましては二分された意見がございまして、私どもといたしましてはさらに医学関係者、学校関係者の意見を十分踏まえつつ今後検討を進めてまいりたい、今結論を下すことはできない、こういうふうなところでございます。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田分科員 大臣、恐縮でございますが、「クレパスの色が見分けられますか」の百十四ページのところからちょっとぱらぱらぱらと、「学校生活−先生にこそ分かって欲しい」のところを。  それからその色覚検査の問題についても、確かに眼科医から指摘がされているような事項もあるわけでございますから、一方で廃止の声もある、かえって子供を傷つけているのではないのか、こういう要望もあるということも承知をしておりますけれども、そこに書かれておることは、要するに先生方がやはり色覚症を持つ子供の状況というのをよくわかってほしい、そういうことも必要なんだろうと思うのですね。  そこで、検査の廃止の問題については、多分その色覚症の子供を持つ父兄にとっては、廃止ということではなくて、検査のあり方、教育的な検査のあり方、こういうものをもっと改善してほしいのではないのかということが一点あるのだろう、こういうふうに思います。  それから、この「色覚問題に関する指導の手引」でございますけれども、これも各学校にたしか二部ずつぐらいしか配付をされてない。これだけで学校の現場の先生方が、この色覚問題に関して十分な理解を得て、そのことを得てちゃんと子供たちに当たっておられるのかどうか。実は現場の声からも、もっと何とかならないだろうか、こういう声も非常に聞きます。また、この手引そのものについても、これは色覚というのをどう見るかという問題がありますので、どう見えてくるのか、あるいは当事者の立場に果たして立ってもらっているのだろうか、環境の整備ということが重点になっていて、まあこれは言葉として適切かどうかわかりませんけれども、同情の理念から出た指導方法なのではないか、もっと自立的なそういう指導方法があってもいいのではなかろうか、こういう御意見もありますけれども、大臣にこの問題について、一つはもっと細かく子供たちの心を傷つけないように学校の先生方に周知徹底をしていただきたいということと、この指導の手引のあり方の問題についても大臣はどのようにお考えになられるのか、御所見を承りたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 まず、教育に携わる教員の方々が色覚異常について正しい知識を持って、そして、その色覚異常である児童生徒の実態を的確に把握をして、それぞれのお子さん一人一人が個性を持ったかけがえのない存在だということを十分認識して、それぞれの人間性を尊重するという観点から教育を行っていくことが大切であって、先生のおっしゃること全くよく理解できるわけであります。  妙なことを申し上げますけれども、色盲という言葉は使ってはいけないといいますね。それはいわゆる差別用語とかいろいろある。しかし、私は色盲という言葉を使ってはいけないというのはよくわかるし、色覚異常というのも使っていい言葉がどうか私は怪しげだなと、実は今この本を見ながら考えておったのです。  つまり、異常、正常というのは人間が勝手に区別しているわけで、物の見え方、異常、正常。多数派が正常で少数派が異常なのか。犬は白黒なんですか、何か僕よくわかりませんが、犬とか猫は白黒の世界に住んでいるとかいうような話を聞くことがありますけれども、確かに物の見え方が違うというのが、実生活で多数派の人間が信号から何からつくっておりますから、いろんな危険性を伴うことは確かにあるのだろうと思うし、不便もあるのだろうと思うのです。  しかし、それを異常と本当に言っていいのだろうか。実存主義によれば、みんなが赤だと言うから赤なんで、みんながここにコップがあると思うからあるので、ないと思えばないのだというのが実存主義の哲学の基本的な考え方なんではないか。私は決してひねくれてそう言っているのではなくて、心底そういうことを申し上げているわけで、だからそういう色覚異常と称されている方々の個性をきちんと見抜いて、そうした方々の人間性を守るように、いろいろな検査等についてもやっていいかどうかということも改めて考え直すということがとても大切だと思いますけれども、それ以前に色覚異常という呼び方、あなたは異常ですよと言っているわけだから、その辺から、ちょっと物の色の見え方の変わったタイプというくらいの形で何か優しい言葉遣いができないだろうかと、今そんなことを考えてこれを見せていただきました。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田分科員 今大臣からお話を承ったわけでございますけれども、この指導の手引の現状、果たしてこれで十分なのかどうか、現場の先生方に指導徹底なされておるのかどうか、この点についてはいかがでございましょうか。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 この指導の手引書は十万冊を印刷しまして全国の公私立の小学校から高等学校までに各二部ずつ配付するとともに、文部省主催の全国レベルの会議でも参加者に配付していろいろと趣旨の徹底を図ってきたところでございます。  都道府県におきましては、これをさらに増し刷りして、色覚に問題のある児童生徒に対する指導等についての研修に使っておるということも聞いております。確かにすべての先生に全部一部ずつ渡るということが理想的でありますが、全部一部ずつ渡るということになりますと、端的に申し上げますと一億円余の財政的な需要、財政がかかるというようなこともございますし、各学校に二部ずつでも、先生もごらんのとおり全体で二十八ページぐらいでございますので、それぞれ学校でどこかに置いておいて、後は回し読みしていただいて、この趣旨をぜひ頭に入れて指導していただきたいというふうに期待しているところでございます。  それから、中身の問題が今から見てどうかという御指摘もございましたが、この点については私ども、これがつくられて四年たつわけでございまして、ただ関係者から特にこの点はどうだというような指摘はございませんけれども、一度内部でチェックをしてみたいというふうに考えております。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 私も中身のことは論じる資格がありませんけれども、およそこういう手引のようなものはどのように配るかというのが第一段階でございますが、実態としては配ったものがどのようにきちんと利用され徹底していくかということだろうと思いますから、その配ったものの趣旨を徹底させるというのはまた別の努力としてやっていかなければならないことだと認識いたしております。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田分科員 先ほども大臣の、色覚異常という言葉そのものも考え直すべきではないのか、こういうお話でございました。大臣の心というのは、やはり子供たちの心をどう傷つけずにその個性を大切にしていくのか、こういう趣旨であろうと思いますので、現実に色覚の問題で困っている人たちが学校教育の中に約二%近くおられる、こういう現実を踏まえますと、ぜひこの指導の問題も、先生方御自身の指導書の趣旨の徹底と同時に、生活指導のあり方等々も研修をしていくような、そういうシステムも御検討を願いたい、これは強く要望を申し上げておきたいと思います。  そこで、基本的にはこの問題はもう文部省の領域を離れるかと思いますけれども、この色覚症、色覚異常者、これが治るのか治らないのか、この問題にかかってくる部分があるのだろうと思うのです。現在の学会、日本眼科医会もそうだと思うのですけれども、これは遺伝だから治らない、だからもうだめなのだ、こういう考え方が基礎になっている、こういう部分があるのだろうと思います。しかし、その色覚神経の問題、例えば生まれたときは白黒の世界から始まって、それから青と黄の世界に色覚が分化し、さらには成長すると黄色の色覚が赤と緑の世界に分化していわば三原色の世界になる、こういう成長過程なのではないのかという考え方も十分あり得るのであろう、私はこういうふうに思います。そうしますと、例えば色覚神経の発達、色覚神経の訓練、こういう考え方もあってもいいのじゃなかろうか。例えば、手足が麻痺して動かなくなった方々がリハビリによって正常者に近くなっていく、不自由を感じなくなっていく、そういうことも十分あり得るのだろうと思うのです。  そこで先ほど厚生省の方で、基礎的研究はやっております、こういうふうな御答弁でございましたけれども、ともかく三百万人近い当事者、関係者を含めると一千万人近くにもなる、この数字を考えますと、厚生省としても基礎的研究あるいは治療というものに対して対策というものをもっと真剣に予算をつけてやっていくべきではないのか、このように考えるわけでございますけれども、もう一度厚生省の方から御答弁をいただければありがたいと思います。

伊原正躬厚生省健康政策局総務課長

○伊原説明員 お答えいたします。  先生御指摘いただきましたように、色覚異常の原因につきましては大部分が先天性のものでございまして、後天性のものもあると言われますが、これは極めてまれであるということでございます。これにつきましては伴性遺伝と申しますか、染色体が関係があるというふうに言われておりますけれども、なおその発生のメカニズム、これにつきましては先ほど申し上げましたように現段階で十分解明されておらない状況でございまして、この点につきまして引き続き私どもとしては研究を続けておるわけでございます。  先生から御指摘いただきました治療、訓練の方法につきましても、現在行っております基礎研究、これにつきまして一定の成果、結果が得られました後に、これを踏まえまして臨床的な研究とかあるいは治療法についての研究、こうしたものを進めていくべきと思っております。現段階はまだその前の基礎研究という状況でございます。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田分科員 医学の世界も日進月歩をしている時代でございますから、これは遺伝なんだ、こういうふうに決めつける、決めつけるという言葉は適切かどうかわかりませんけれども、その前提そのものももう一度疑って、果たしてそうなのかどうかも研究をしていただきたいと思いますし、仮にそうであったとしても、果たして正常者に近いような形で色覚の問題が解決できる方法がないのかどうか、こういうことに対して基礎的研究から含めて、治療対策費等についてぜひ十分な御配慮をお願い申し上げたいと思います。  次に、もう時間も参りましたので、実は大学教官の方々の待遇の問題について、ぜひこれは文部大臣に御配慮を願いたいと思うわけでございます。  これは議論をされておりますけれども、いわゆる国立、公立大学の教官の方々の待遇、そういうものがいわゆる私立の先生方の待遇よりもかなり劣ってきているんではないのか、年間収入にかなり格差があるのではないのか。これでは基礎的研究であるとかあるいは大学の研究分野、大学教官の部分に優秀な人材というのがそろわなくなってくるのではないのか、こういうことになると大問題であろうというふうに思います。また、研究費とか旅費とか、本当に本もかかりますし、それから各学会に出席をするためにはいろいろなところに行かなければいけない。旅費なんかについてもほとんど手出しでなさっておられるという現状も聞いておるわけでございます。この大学教官の方の待遇の問題について、文部省の御見解あるいは大臣の御所見をお伺いいたしたいと思います。

野崎弘文部省大臣官房長

○野崎政府委員 初めに実情を簡潔にお話しさせていただきますと、今ちょっと昭和六十一年の調査しかございませんのでそれでお話しさせていただきますと、昭和六十一年九月でいわゆる諸手当とか調整額を含めない給与月額、これで比較したものでございますが、教授で見ますと、国立大学で平均年齢が五四・七歳で四十四万八千百円、私立大学は平均年齢が五十七・四歳で四十六万三百円ということで、私立大学の方が二・七%ほど高い、こういうデータがございます。  先生御指摘のような点があるわけでございますが、ただ、給与体系とか年齢構成、それから実際に担当しているこま数が違うとかいうようなことで、これだけのことで私学はどれくらい高いかということは必ずしも言えないわけでございます。ただ、私どもといたしましても、国立大学の先生方が民間に行くというようなことがあってはいけないし、あるいは私立学校の方に行くということで国立学校離れというようなことは大変憂慮しなければならないわけでございます。そんなことで、昨年の人事院勧告につきましても、大学教員の給与改善ということを特に重点に置きましてお願いをいたしました。そういう中で助教授等の中堅層を中心にいたしました俸給月額の特別改善とか、いろいろな手当の関係の引き上げ等の改善もされたわけでございまして、引き続き私どもとしてもそういう面につきましての努力というものを続けてまいりたいと思っております。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 高等教育の研究条件とか研究基盤とか、そうしたものの問題点が一気に噴き出してきているような昨今でありますから、特にまた大学審議会にも答申をいただいてはおりますけれども、これからの大学あるいは大学院をどうしていったらいいかということを真剣に考え、また、世界各国から基礎科学ただ乗り論のような批判があって、このままでは、資源のない我が国が、本来科学技術立国で生きていくべきところが、そういう道をたどることができないような研究費の状況であるとか、さまざまな問題が指摘されている中で、少しでも優秀な人材を確保するためには、まさに教員の人材確保法と同じような考え方でありますが、それなりの待遇というものがありませんとそっぽを向かれてしまって人材が集まらないということで、我が国の高等教育、また国立大学もますます悲惨な状況に追い込まれるというおそれがありますから、先生の指摘される問題点については十分理解をしておりますし、また官房長が今御答弁申し上げたとおりであります。  ただ、その教授の任期制導入はどうだろうかというような批判もまた逆にありますね。一たん教授になれば退官するまで御の字だというような、そういうぬるま湯的体質でいいのかというような批判もありますから、そういう面もあわせながら総合的に考えていかなければならないと思っております。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田分科員 十分に御検討をお願いを申し上げたいと思います。  時間が参りましたので、最後に、実は国立電波高専の入学手続日と、それから公立高校入試日のダブりの問題についてお伺いをして、質問を終わりたいと思います。  現在、国立電波高専は、宮城にあります仙台電波高専、それから香川にあります詫間電波高専、それから熊本にあります熊本電波高専、この三校がございます。ところが、この電波高専の入学手続の日と、それから公立高校の入試日の日がダブっている現状がございます。仙台電波高専は、私の調べたところによりますと、ことしはダブらないようになっているみたいでございますけれども、詫間と熊本電波高専の場合は、例えば、本年は電波高専の入学手続を行う日が、詫間の場合が三月十三日に対して、公立高校の入試日が十二、十三日にわたっている、熊本の場合は、電波高専の入学手続を行う日が十日に対して、入試を行う日が公立が十日、十一日、ダブっている。そうすると、どうしてもこの時点でどちらかを選択をしなければいけない、これはちょっと十五の選択にしては重過ぎるのではないのかな、こういうふうに思うわけでございます。  そこで、日程上どうしてもこの日が避けられないとすれば、例えば本人ではなくて代理でその入学手続ができないのかどうか。この選択の機会を保障できるような、そういう入試日程あるいは入学手続にならないのかどうか。この点ぜひ改善要望をお願い申し上げたいわけでございますけれども、御答弁をいただきたい、こういうふうに思います。

前畑安宏文部省高等教育局長

○前畑政府委員 電波高専は先ほど御指摘いただきました三校ございますが、いずれも発足の経緯というのにつきましては先生も御案内のとおりでございます。これは電波高等学校であっだわけでございまして、したがって、入学者の確保について過去にいろいろと難しい問題があったということから、今御指摘のような仕組みを考えておるわけですが、確かに、ただいま先生御指摘のような問題もございますので、せっかくの御指摘でございますので、関係の学校に連絡をして、何かうまい調整の方法がないか検討させていただきたい、このように思います。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田分科員 よろしくお願い申し上げます。  以上で質問を終わります。

越智通雄自由民主党

○越智主査 これにて倉田栄喜君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして文部省所管についての質疑は終了いたしました。  これにて本分科会の審査はすべて終了いたしました。  この際、一言ごあさつ申し上げます。  分科員各位の御協力によりまして、本分科会の議事青すべて終了することができました。ここに厚く御礼を申し上げます。  これにて散会いたします。     午後七時五分散会

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