予算委員会第三分科会 第1号
- 発言数
- 382 件
- 登壇者
- 43 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/03/11
会議録
○越智主査 これより予算委員会第三分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願いいたします。 本分科会は、文部省及び自治省所管について審査を行うこととなっております。 なお、各省所管事項の説明は、各省審査の冒頭に聴取いたします。 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算及び平成四年度政府関係機関予算中自治省所管について、政府から説明を聴取いたします。塩川自治大臣。
○塩川国務大臣 平成四年度の自治省関係歳入歳出予算につきまして、概要を御説明申し上げます。 一般会計予算につきましては、歳入は、五億二千百万円、歳出は、十五兆八千八百四十九億五千五百万円を計上いたしております。 歳出予算額は、前年度の予算額十五兆八千六百六十六億五千五百万円と比較し、百八十三億円の増額となっております。 また、この歳出予算額の組織別の額を申し上げますと、自治本省は十五兆八千六百七十四億四千二百万円、消防庁は百七十五億一千三百万円となっております。 以下、主な事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、説明を省略させていただきたいと存じます。 よろしくお願い申し上げます。
○越智主査 この際、お諮りいたします。 ただいま自治大臣から申し出がありました自治省所管関係予算の概要につきましては、その詳細は説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔塩川国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、この歳出予算額のうち、主な事項につきまして、内容の御説明を申し上げます。 最初に、自治本省につきまして、御説明を申し上げます。 まず、地方交付税交付金財源の繰入れに必要な経費でありますが、十五兆七千七百十八億八千万円を計上いたしております。 これは、平成四年度の所得税、法人税及び酒税の収入見込額のそれぞれ百分の三十二に相当する金額、消費税(消費譲与税に係るものを除く。)の収入見込額の百分の二十四に相当する金額並びにたばこ税の収入見込額の百分の二十五に相当する金額の合算額十六兆六千二百十六億四千万円に平成四年度における加算額二百十億円を加算した額から、平成四年度特例措置に係る額八千五百億円及び「昭和六十年度分の地方交付税の総額の特例等に関する法律」附則第二項の規定による減額二百七億六千万円を控除した額を交付税及び譲与税配付金特別会計へ繰り入れるためのものであります。 次に、国有提供施設等所在市町村助成交付金に必要な経費でありますが、二百十五億五千万円を計上いたしております。 これは、いわゆる基地交付金でありまして、米軍及び自衛隊が使用する国有提供施設等の所在する都及び市町村に対し、助成交付金を交付するためのものであります。 次に、施設等所在市町村調整交付金に必要な経費でありますが、五十六億円を計上いたしております。 これは、特定の防衛施設が所在することに伴い税財政上特別の影響を受ける施設等所在市町村に対し、調整交付金を交付するためのものであります。 次に、新産業都市等建設事業債調整分の利子補給に必要な経費として、三十二億二千七百万円を計上いたしております。 これは、新産業都市、工業整備特別地域等の建設、整備の促進を図るため、建設事業債の特別調整分について利子補給金を交付するためのものであります。 次に、公営地下高速鉄道事業助成に必要な経費でありますが、五十三億一千百万円を計上いたしております。 これは、昭和四十七年度から昭和五十一年度までの間において発行された公営地下高速鉄道事業債の支払利子に相当するものとして発行を認めた特例債の利子の一部について、地方公共団体に助成金を交付するためのものであります。 次に、公営企業金融公庫の補給金に必要な経費でありますが、七十六億四千四百万円を計上いたしております。 これは、公営企業金融公庫の上水道事業、下水道事業、工業用水道事業、交通事業、市場事業、電気事業及びガス事業に対する貸付利率の引下げに関連し、同公庫に対し補給金を交付するためのものであります。 次に、広域市町村圏等の整備の推進に必要な経費でありますが、五億六千七百万円を計上いたしております。 これは、広域市町村圏等において、田園都市構想の推進を図るための地方公共団体に対する田園都市構想推進事業助成交付金の交付に必要な経費であります。 次に、明るい選挙の推進に必要な経費でありますが、十六億二千八百万円を計上いたしております。 これは、選挙人の政治常識の向上を図り、明るい選挙を推進するために要する経費について、都道府県に対し補助する等のために必要な経費であります。 次に、参議院議員通常選挙に必要な経費でありますが、四百四十二億八千万円を計上いたしております。 この経費は、平成四年度における参議院議員通常選挙の執行に必要な経費、参議院議員通常選挙の開票速報に必要な経費、選挙人に対する参議院議員通常選挙の啓発の推進をするために必要な経費であります。 以上が自治本省についてであります。 次に、消防庁について、御説明申し上げます。 消防防災施設等整備に必要な経費として、百五十一億二千五百万円を計上いたしております。 これは、市町村の消防力の充実強化を図るとともに火山噴火災害・震災等大規模災害に備えるため、消防車、ヘリコプター、高規格救急自動車、耐熱装甲型救助活動車、防火水そう、耐震性貯水そうなどの諸施設等を地域の実情に応じて重点的に整備するために必要な経費であります。 第二に、特別会計予算につきまして、御説明を申し上げます。 自治省関係の特別会計といたしましては、交付税及び譲与税配付金特別会計があり、交付税及び譲与税配付金勘定と交通安全対策特別交付金勘定があります。 まず、交付税及び譲与税配付金勘定の歳入予定額は、十八兆五千七百二十七億六千八百万円、歳出予定額は、十八兆二千八百十四億六千八百万円となっております。 歳入は、「交付税及び譲与税配付金特別会計法」に基づく一般会計からの受入れ見込額、消費税の収入見込額の五分の一に相当する額、地方道路税の収入見込額、石油ガス税の収入見込額の二分の一に相当する額、航空機燃料税の収入見込額の十三分の二に相当する額、自動車重量税の収入見込額の四分の一に相当する額、特別とん税の収入見込額等を計上いたしております。 歳出は、地方交付税交付金、地方譲与税譲与金及び借入金の償還財源等の国債整理基金特別会計への繰入れ等に必要な経費であります。 次に、交通安全対策特別交付金勘定の歳入予定額は、九百九十九億六千九百万円、歳出予定額は、九百二十四億八千七百万円となっております。 歳入は、交通反則者納金の収入見込額を計上いたしております。 歳出は、交通安全対策特別交付金等に必要な経費であります。 以上、平成四年度の自治省関係の一般会計及び特別会計予算の概要を御説明申し上げました。 —————————————
○越智主査 以上をもちまして自治省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○越智主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。田辺広雄君。
○田辺(広)分科員 おはようございます。 大変早くから大臣にはお出かけをいただきましてまことにありがとうございます。大臣は私のことについてはよく御承知でございますが、私は名古屋市の出身でございまして、特にきょうは政令指定都市の問題につきましてお尋ねをいたしたいと思います。 ちょうど昭和二十九年ですか合併促進法が施行されまして、当時私どもの市は東京都の都制を目指して、大阪、名古屋、横浜、神戸、京都というような、都市が県による支配というか県からいろいろな指導をいただく、そのことを脱皮してみずからで行政をやっていきたい、こういう考え方で出発をいたしました。その間に県、都市の間に大変な確執があったことについては既に大臣もよく御承知のとおりでございます。そうした中から、県から大都市を切り離すということから、二つのものの妥協というのですか、そういうことから政令都市というものが誕生したわけでございます。 そこで、現在その当時にいただきました政令都市の権限は十六項目、しかし財源としては余り付与されていません。そこの中には建築行政だとか教育行政だとか、また保健衛生だとか、そういうものがありまして、十六であったわけです。それが今日はどれだけになっておるかといいますと、大体今現在で十一の都市がありまして千七百五十万人の人口があります。加えて四月には千葉が八十三万人、この人口が新しく政令都市に加わるわけでございまして、そうしますと、全国の約一六%の国民が政令都市に生活をするということです。 特に、私いつも考えておりますが、現在の地方都市というのは、東京都のような大きな都市がありまして、そこから一極集中打破だとかいろいろな問題が出てまいりまして、その次に政令都市が大体二百万、二百五十万都市から八十万近くの都市まで二段階目、三段階目が三十万、五十万の都市であり、その次が約五万、六万の地方都市、町村。それからもう一つは過疎。地方自治体の大きな断層といいますか、いかにして市民また町村民の豊かさを求めていくかということは、大臣にとりましても大変な問題でもありますし、私どもにとりましても大変なことでございます。 そこで、東京一極集中の弊害、魅力ある地域社会の創造が叫ばれましてからもう既に随分になります用地方自治体、とりわけ指定都市というような地方分権の中核となり得る大都市について、地方への権限の移譲、税財政措置についてどのようにお考えになっておみえになりますか。 今回、法案の提出をされています中に、いわゆる拠点都市法案というものがございますが、これは三大都市圏が除外をされまして、その他の政令都市の中でもそこへ九市が入って実行される。ですから、これは東京都の巨大化、一極集中を排除するということによって、引き続いて三大都市も東京都並みの扱いを受けてしまう。こういうことについてはどのようにお考えになってみえますか、まず関係当局の方からお聞きをいたします。
○紀内政府委員 お答え申し上げます。 国土の均衡ある発展を図る上で政令市を含めて非常に力のある都市というものを育てていく必要があるというふうに考えております。現在、自治省といたしましては、地方への権限移譲に関して一般的にできるだけ国から地方へ権限を移譲すべきというふうに考えて進めているところでございます。 御指摘の特に規模の大きな都市についての権限なり財源の移譲ということにつきましては、一つには府県制度との関係をどう考えるか、それ以外の市町村との関係をどう考えるか、こういう観点がございます。また、現在地方制度調査会におきましては、御指摘にもございましたけれども、都市の規模、能力というものがいろいろ変わってございますので、それぞれの規模と能力に応じた事務移譲を含む都市制度のあり方というものについて審議中でございまして、この辺の検討を十分に行う必要があるというように考えております。 また、提出しておりますいわゆる拠点都市法案についてお話がございましたけれども、確かに現在地方拠点都市地域につきましては、三大都市圏のうちでも、首都圏でございますと既成市街地と近郊整備地帯など、それから近畿圏整備法に規定しております既成都市区域、それから中部圏につきましてはいわゆる旧名古屋市の区域、そういうものはこの指定から外すという考え方をとっております。 これらの除外する区域につきましては、既に産業業務施設等の機能の集積の程度が高いということでありまして、今回の地方拠点都市地域の考え方は、産業業務施設の集積を初めとする諸都市機能のまだ十分でないところについて、しかしながら潜在的な成長力を持っているところについてそれに力をつけていこうという考え方でございますので、そのような区域は除くことと考えているわけでございます。 したがって、結果といたしまして、同じ指定都市の中で、さっき申し上げたような三大都市圏に立地するものとそれ以外のものとの間では、この拠点都市法案の上での取り扱いは違うことになりますけれども、拠点都市法案というものそれ自体はそこに新しく権限を付与するというふうな考え方のものではございません。あくまで地域振興のために考えているわけでございまして、したがって、地方拠点都市法案の中で三大都市圏に入っているか入っていないかは政令都市によって違いますけれども、それによって既存の政令都市の権限に差が出るということは生じないわけでございます。
○田辺(広)分科員 よく理解をいたしました。 そこで、私はいつも思うのですが、そうした面から考えてみますと、東京それから三大都市圏が抜けた。苦情を言うわけじゃないんですけれども、三大都市というのは今度は農地の宅地並み課税も行われまして、同じ農地を持ってお百姓をやってみえる方々もその負担は非常にふえてくるわけです。ふえてきて税収は上がってくる。しかし税収が上がってくれば上がってくるほど地方交付税の不交付団体になってしまう。ということは、三大都市圏の農地が宅地並み課税になることによって、その得られた税金が他都市へ、極端な言い方をしてはいけませんが分配される。こういうことについて私はちょっと疑問に思うので、そこで上がった税財源についてはやはりその地域へ還元をするということが大事ではないかと思います。 特に、今お話にありましたように、産業の整備だとか基盤整備だとか、こういうものにつきましてはおっしゃるとおりです。しかし、三大都市は三大都市としての大きな悩みを持っております。それは一つは何かといえば、やはりごみ処理はどうするんだとか、また交通網はどうするんだとか、また車がどんどんどんどんふえてきて駐車場をどうするんだとか、そういう悩みがあるわけでございますので、今度の拠点都市は別にして、我々政令都市にも何らか物が与えられなければいけない、考えの中に入れておいていただきたいなと思います。 地方はふるさと創生で大変立派な行政が行われて、私どもも現地を見させていただきました中から、これはいいことだなということをしみじみ感じておりますが、肝心な私どもの政令都市は飛んでいってしまいますと、それについての大変な心配があるわけですが、その点についてお聞かせをいただきたいと思います。
○紀内政府委員 三大都市圏につきまして宅地並み課税になる農地が多くて、これに伴って税収がふえるであろう、確かに一般的にはそのようなことが言えるかと思います。 まず第一に、固定資産税につきましても、課税標準の見直しは行いましても直ちにそれが税収増につながるわけではない。というのは負担調整措置を行うわけでございます。したがって、緩やかな調整によって徐々にその額がふえていくということになろうかと思います。しかしながら、結果として固定資産税は確かにふえることになりましょう。固定資産税がふえることによって、結果として基準財政収入額がふえる、これによって交付税の配分がそれ以外のところヘシフトしていく、こういうことが考えられると思います。 そこで問題は、大都市の固有の財政需要というものをどのようにつかまえていくかということであろうかと思います。今日におきましても、基準財政需要額の算定上は大都市にかかる需要として、特に土地が高いというようなことにつきましてかなりの配慮は行っているところでございますけれども、今後そのような情勢に合わせて一層の見直しを行っていく必要があろうか、このように考えております。
○田辺(広)分科員 そこでお尋ねでございますが、今お話ありましたように、平成三年十二月及び平成四年一月に臨時行政改革推進審議会だとか、第二十三回の地方制度調査会、いろいろなものの中から、今ちょうど地方自治の組みかえというか、大きな流れの変動のある時期に来ておるのではないかと思います。そこで、行革審の立場からいっても、やはり権限の移譲だとか事務の重複だとか、そういうものを整理する時期に今来ておると思います。 先回、既にもう昨年もその一部が行われまして、そこで私どもが思っております、御承知かと思いますが、今回、権限移譲に関する要望書というのが政令指定都市の方から出されるように聞いております。 特に具体的な問題で申し上げますと、例えば、自主的な町づくりに必要な権限ということで都市計画の決定の問題がございます。都市計画の決定は、私は名古屋市より知りませんが、名古屋市で都市計画審議会を開いて、それがまた持ち上がって愛知県の都市計画審議会にかかり、そしてまた国の建設省の方にかかってくるというような問題。 それから、運輸省の問題につきましても、例えばバス停の位置の変更それから駐車の時間等、こういうことにつきましてまで運輸省の認可を得なければならない、こういうことが言われております。その次に、市民に身近な保健、福祉、そうしたものの施策の実施ということについても大変問題があるわけでございまして、社会福祉法人の設立の認可、届け出、これはもうやはり県を通じて厚生省へ出す。ところがそれを建設するという場合になりますと、それは地方自治体の名古屋市がそれを受けて挙行する、こういうじぐざぐなものが残っております。医療監視等の行政処分につきましてもそういうことが言われると思います。 それからその次に、地域に密着した経済行政の推進に必要な権限ということが言われて私ども要望しておりますが、農地転用の問題につきましても、やはりもう既にほとんど今宅地並み課税というような問題から、近郊の三大都市圏はほとんど農地というものは頭にないわけであります。にもかかわらず同じような行政が進められていくというようなこともあります。また教育行政一つとりましても、教育委員会が名古屋市にも県にもありまして、そして市がその人事権を持っておって、給料を払う金はだれが扱うかといったら県が扱う、こういうものがまだまだたくさん残っておると思います。 そのことについてどういうふうに整理をされ、これからお考えをいただけるか、お聞きをしたいと思います。
○紀内政府委員 御指摘にもございましたけれども、確かに最近国と地方の関係の見直しということについての議論は各方面で盛んでございます。行革審、地方制度調査会等の国の機関はもとよりのことといたしまして、民間団体におきましても関経連を初めといたしまして各種の方面から議論がございます。それは一つには、昔から言われております住民の身近な行政はできるだけその手元でという話の系譜のほかに、最近我が国の国際的地位の増大とともに国は対外的な責務を果たすことにもっと力を注ぐべきだ、したがって内政についての機能、事務というものはできるだけ地方公共団体に持っていく方が好ましい、こういう背景に支えられていることであろうかというふうに思っております。 行革審なり地制調なりのお話がございましたので、その最近の模様をちょっと申し上げますと、第二次行革審が平成元年の十二月に国と地方の関係に関して答申を出しておりまして、その中でいわゆる地域中核都市につきまして、人口規模その他一定の条件を満たす市に対して、都市における各般の行政分野について都道府県の事務権限を大幅に移譲し、これに必要な制度化を図るというふうな提言がなされております。 この地域中核都市制度につきましては、現在地方制度調査会におきまして、先ほども申し上げましたけれども、都市の規模、能力に応じた事務移譲を含む都市制度のあり方ということで検討いたしているところでございます。 また、その地方制度調査会の検討の中で現在まだ論点を整理しているという段階でございます。したがって、その結論を今出うわけにはまいりませんが、大まかに申し上げますと、この地域中核都市制度につきましては恒久的な地方自治制度として位置づける。その場合に現在政令指定都市に認められている権限配分の特例などを参考といたしまして、一定の規模、能力を持っている都市に対してはそれにふさわしいような事務権限を移譲しよう、そういう考え方になっていくのではないかと思っております。 一方、昨年の十二月に第三次行革審の第二次答申の中で地方分権特例制度、いわゆるパイロット自治体という提言がございまして、それは現在地方への権限移譲が必ずしも進んでいないという現状にかんがみまして、いわばこの閉塞状況を打開するために一定の地方自治体を対象に、いわば特例的に実験的にと申しましょうか、国や都道府県からの権限移譲を行おうという構想であるというふうに考えております。なお、これは具体的なことがまだ決まっておりませんで、今から議論されるということになっておりますので、その状況を引き続いて見守っていきたいと思います。 一方、政令市からの要望につきましては私ども存じておりまして、お話にございましたように、まさに地域づくりに必要な機能、特に都市計画でございますとか運輸関係、それから産業経済関係として、おっしゃったような農転の問題等についての提言がなされております。 これも、今申し上げましたような全体の流れの中で、当面は、例えば地方制度調査会の議論は、正確に言いますと、現在の政令指定市よりはやや一回り小さいと申しましょうか、そういうところについての検討をやっておりますけれども、それが熟してまいりますと、少なくともそこに考えられる権限よりはもう少し大きなものを政令市に考えていく、それ以下に下ることはないわけでございますので、その全体の文脈の中で考えていくべきことかと思っています。 なお、その地方制度調査会で地域中核都市について議論しておりますのは、直接的には、都道府県の機能をそういう都市にどう持っていくかという話でございますけれども、その視野の中には、いずれ国からこういうものにどう持ってくるかということが含まれてくることになろうか、このように考えております。
○田辺(広)分科員 今話がありましたが、行革審だとか地方制度調査会において検討されております連合制度というような問題、行革審が豊かなくらし部会の中の小委員会で検討されております地方分権特例制度、今お話があったパイロット自治体について、指定都市の関係で、法的な整合性その他、その権限内容についてどんなようなお考え方を持ってみえますか、お聞きしたいと思います。
○紀内政府委員 地域中核都市制度につきましては、御存じのことと存じますけれども、もともと市長会からの提言がございまして、それが反映して行革審でいろいろと取りまとめられた、こういう経緯がございます。 そのときに焦点が当てられておりましたのは、既存の政令市よりはやや小さ目なものについての議論でございました。巷間いろいろな議論がなされておりまして、三十万だとか五十万だとか二十五万だとかいう議論がございますけれども、いずれにしても、既存の政令市よりはやや小回りなものについての議論でございまして、現在もその辺をイメージに議論が進められております。 しかしながら、それは、そこに県からの権限をどう持ってくるかというときには、当然現在の政令指定市のものを参考としてというか、その範囲内でということになりましょうか、議論をしているわけでございまして、仮にこれが現在の政令指定市に移譲されている機能を越えるようなものまで議論の材料になる場合には、当然これより大きな政令市についてはその部分が入ってくることは間違いない、こういう関係になろうかと思います。 なお、パイロット制度そのものにつきましては、先ほども申し上げましたように、昨年十二月に提言がございましたもののそれは抽象的なレベルにとどまっておりまして、具体的な中身は六月までの間に小委員会で詰める、こういうお話でございますので、その詳細はわかりません。
○田辺(広)分科員 いろいろな問題の中で、やはり話を聞いておりますと、主に政令都市の下の段階のことが地方制度調査会の方で取り扱いをされておりまして、政令都市というのはちょっと後に置かれたという感じがするわけです。 最後に、時間もございませんので、大臣に、これはお願いかだがた申し上げておきたいと思います。 それは、もう既にこの政令都市というものができましてから三十六年になります。当時の関係では、まあこれでいいじゃないかということで終わっておりましても、その政令都市というシステムが三十六年間、十六項目から七十項目までふえてはきましたけれども、本当の政令都市としての位置づけがなされていない。こんなことを言いますと県にしかられるかもしれませんが、県に比べてもそれ以上の大きな人口と行政能力を持っておりますので、県と同じような位置づけをした仕事をできるように、ひとつ大臣、お考え方をお聞きをしたいと思います。
○塩川国務大臣 地方団体を分けまして、府県と市町村を分けています。今政令指定都市は市町村の枠組みの中に入ってしまって、統計上そうなっておりますが、確かに、おっしゃるように政令指定都市は、現在一六%相当がこうなるでしょうね、人口からいいまして。さらに、埼玉県なんかでも政令指定都市をいずれはつくらなければならぬでしょう。新潟もそうなっていくだろうと思いますし、そうしますと、政令指定都市というものはこれから相当ふえていきます。それは地方の拠点、一極集中を排除して多極分散をしようといったら、やはりその政策も必要なんですね。 そうした場合に、政令指定都市はどうするかということ、この位置づけがはっきりしておらぬじゃないか。あなたがおっしゃるように、確かに便宜的にあんなものをつくったんですよ。ですから、政令指定都市というものをきちっと、法制上も権限をきちっとしたものにして、私は、その際にやはり、機関委任事務だ、団体委任事務だとか今いろいろな市町村がやっていますが、そういうこともどう改正していくかということを一緒に考えていくべきだ、権限の面ではまずそう思います。 それから、財政の面について、あなた、えらい財政が苦しいとおっしゃるけれども、政令指定都市は一番効率がいいんですね。面積当たり見まして税収を見ましたら、政令指定都市が一番効率いいですよ。それから、人口当たりの税金の税収を見ましても効率いいんです。ですから、決して財政事情はそんなに悪くはないと思うのです。 しかし、今それなら政令指定都市で何が一番特権がといったら、起債能力が抜群に大きいということですよ。それを生かしてやはり仕事をしていく分はしてもらいたいと思うし、財政上の問題は、私はそんなにえらい深刻な問題とは思わないけれども、しかし、政令指定都市を今度どんどんつくっていって、何か人口が多いから政令指定都市にしていくんだということだけでは能がない。これはやはり、府県と政令指定都市とそれから一般市町村とどう違うかということは、この際考えていくべきときに来ているだろう、こう思います。 それから、さっきから局長がちゃんと説明しておりますけれども、地方拠点都市、今度法案出ましたね。あれは、今一県の中、一つの県の中に県都集中、地方は地方でまた一極集中が始まっておるんですね、それをやはり防止しておかなければいかぬということなんですよ。 例えて、えらい適切かどうかわかりませんが、私が勝手に言っているんですけれども、富山県一つ見ましても、どんどんと富山市に全部集中していきます。これはいかぬ。そうすると、やはり高岡という都市をぐっと育てていって中核都市に持っていかないかぬ、例えばの話ですよ。あるいは伏木をするのがいいのか、どこがいいかわかりませんけれども、そういう一つの地方で一極集中が起こらないように、多極分散、地方は地方で多極分散をしてもらう、そういう意味において地方拠点都市の形成が急がれるべきである。こういう発想のもとにやったわけでして、あの法案から政令指定都市を強化育成するんだという考え方は全く読み取れないという、ここだけはひとつ御勘弁いただきたい。 しかし、政令指定都市はそれなりに大変な力を持っておりますから、むしろ政令指定都市はヒンターランドとのうまく提携をどうしてやっていくかというここの権限の問題があるだろう、こう私は思っております。
○田辺(広)分科員 大臣からお話を聞きまして大変ありがたいと思いますが、政令でなしに法的な立場をひとつ都市に与えていただく、このことが一番大事だと思いますので、強くそのことをお願いをしておきます。 それから、大臣今、財政豊かだとおっしゃるんですが、なるほど豊かなように見えますが、私の区は十四万五千なんです。隣の尾張旭市は六万の人口で、体育館だとか文化会館だとか、そういう施設の面からいきましたら、人口が多いがらそれを集約してうまく利用されておるだけで、その区ごとでいきますと、やはりその小さな都市でも割に立派なんですね。ですから、名古屋から、隣の文化会館を借りて演芸会をやろうかといって行く人もあるんですから、そういう面ではなかなか難しさがあります。 どうぞ、これから私に課せられた一つの大きな命題としては、やはり政令都市を一日も早く格上げをして、大都市という特例を法令に定めていただく、そして、権限移譲の問題やら、また、事業を自由に我々の力でやっていけるような、また、起債につきましての許可につきましても、いろいろな面でひとつみずからの力で自治の力を発揮できるように、このことを強くお願い申し上げまして、私の質問を終わります。ありがとうございました。
○越智主査 これにて田辺広雄君の質疑は終了いたしました。 次に、辻一彦君。
○辻(一)分科員 きょうは私、自治大臣に原子力防災の問題について少しお尋ねしたいと思います。 その前に、ちょっと私の周辺の原子力関係のことを参考までに申し上げておきますが、福井県の若狭湾は、御承知のように現在原子力発電所が十三カ所動いております。その容量は一千二十万キロワット。それからあともう二つ近く稼動する。その場合に、十五基で千二百万キロワット、日本では第一でありますし、また世界的にも最大の容量を一定の地域に持っている地区になると思います。そういう点で、原子力の安全性というものと同時に防災について非常に深い関心を私も持っております。 ここ二、三年、東京電力の福島原子力発電所の事故あるいは昨年二月の関電の美浜二号炉の事故等々非常に大きな事故がありました。これは安全問題では随分論議をされてまいりましたが、もう一つどうしても重要なのは、原子力防災、この体制が必ずしもほかの国々に比べて十分であるとは言えない感じがします。 そういう点で、歴代自治大臣に私は、昭和六十三年の予算委員会総括質問で当時の梶山自治大臣、また去年の予算の分科会では奥田自治大臣にそれぞれ考え方をお伺いいたしました。かなり歴代自治大臣は前向きな姿勢を示していらしたのでありますが、そういう状況の上に立って、現塩川自治大臣、どういうふうにお考えになっているか、まずひとつお尋ねいたしたいと思います。
○塩川国務大臣 前大臣が持っておりましたその方針、これは変わらず継続していきたいと思っております。
○辻(一)分科員 政策の継続性というのがありますから、それを必ず踏襲していくということは当然でありますが、ちょっと具体的にどういう決意を持っていらっしゃるかまずお尋ねしたい。
○塩川国務大臣 この記録を見ますと、住民参加の訓練を積極的に考えていきたいと言っております、各大臣は。その中で非常に答弁の中にはっきりしておりますことは、地域住民の皆さんと相談しながらということを言っております。私はそこがやはり一番大事だろうと思うのです。 といいますのは、地方自治体はどのように住民との間で訓練問題について話をし、また取り組んでおるかということを、私、今突然のことでございますので承知しておりませんので、そういうようなものもよく聞いてみまして、その上で、私基本的にはやはり住民参加するのがいいと思います。思いますけれども、そのことが市町村にとって、例えば住民に非常な不当な不安を与えてはいかぬということもあるだろうし、訓練の仕方が、極度に訓練された従業員とそれから割と知識の乏しい一般住民の方と一緒に混合して訓練するという訓練のやり方も非常に難しいだろうと思っております。 そういう避難訓練の一つのモデルなんかをつくっていって、その上で住民とよく話し合って参加させていく道を開いていくべきだろう、こうお答えしますので、今私はこういうことという具体的なことをよう申しませんけれども、先ほど申しましたように、歴代大臣が前向きに取り組んでいきたいと言っておりますこと、これは私も一緒になって取り組んでいきたい、こう思っています。
○辻(一)分科員 大臣はまたそれぞれの分野をやっていらっしゃるので、この道で今いろいろ聞いたということでありますが、去年の四月の二十七日に、いやこれは二年前、平成二年ですが、四月二十七日のこの予算の分科会で、かなり奥田自治大臣に聞いた後、彼は、大臣はこう言っておるのです。 既に住民参加で防災訓練が行われたという形は北海道でもあったように聞いているし、福島でもそういったケースが事実行われていると聞いている。そういった意味から、自治省としてもできることなら住民参加、全部の原子力発電県でそういった形が行われることが望ましいことは当然である。こういう答弁があります。 それから後の方で、住民が納得する安全性、そういった形はどれだけやっても当然である。法的にどういう形で義務づけるか、住民自治との問題、そして住民参加という形をどういった形で自治体を指導してまいるかという形については、もう少し時間をかしてほしい。今ここですぐ法的に防災計画をやるべしという形の意見は、私は今ちょっとまだ不勉強な面もございまして、この面についてはよく委員の指摘を踏まえて勉強し、そういった方向で検討してまいることに努力したいということで理解をいただきたい。こう答弁されておるのですね。 大臣、そこにメモを持っていらっしゃいますから御存じのように、今の大臣答弁をひとつ事務当局は具体化をするようにぜひお願いをしたい、また一年たって同じことを聞かないで済むようにお願いしたい。こう言っておるのですね。 あれから二年たっておるのです。六十三年に当時の自治大臣に質問したときから言えば四年たっておるのですが、今のお話を聞いていると、二年前とそれほど変わりのないようなことをまたここで論議しなくてはならない、こういう感じがするのですが、なぜ、国会では自治省、自治大臣はかなり前向きな答弁をされながら、実際としては遅々として進んでいないというか、それは一体どこに原因があるのか。その点をひとつお尋ねしたい。
○浅野政府委員 大臣の御意向を踏まえて事務当局としてどう対応したかということにかかわることでもございますので、まず私の方から答えさせていただきたいと思います。 この問題につきましてなぜ進まないのかということについて端的にお答えをいたしますれば、それは二つの面があるだろうかと思います。 一つは、関係地方公共団体がどう考えるかという面は、やはりこれはございます。その地方公共団体等にまだまだ消極的な意見が少なくないということは、これは一つございます。 それからもう一つは、これは消防庁だけで、あるいは自治省だけでやることではございません。非常にたくさんの省庁がかかわりを持っておる原子力の安全ということでございます。そこのところをいろいろな考え方があるわけでございまして、原子力防災については防災業務関係者を中心に訓練を行うことが大切である、こういう考え方を相当前にこれは原子力安全委員会で出しておられるわけですが、そういう考え方を維持しておる、そういう面もあるわけでございます。 そういうようなことで、自治大臣なりあるいは自治省、消防庁としての姿勢というものは繰り返しお答えしておるとおりでございまして、そこは変わっておらないわけでございますが、政府全体としてどう取り組むかという面もございまして、そこのところがまだ関係省庁ともいろいろ意見の交換をしておるというところであるということでございます。
○辻(一)分科員 昨年と思いますが、予算委員会の質問の後、自治省は、原子力防災は各省庁の連絡会議をもって連携を図って進めたい、こういうことを伝えてきておるのですが、その後この連絡会議はどういうように持たれて、どうやっておるのかということをちょっと伺いたい。
○浅野政府委員 ただいま御指摘をいただきました連絡会議でございますが、これは科学技術庁それから国土庁、通商産業省及び自治省の間で設けております。これを設置いたしましたのは昨年の三月でございまして、目的とするところは原子力防災対策の一層の充実豚図ろうということでございまして、現在まで三回会議を行ったわけでございます。その中で避難訓練というようなこともテーマとしては取り上げたことももちろんございますし、それからさらに幅広く、原子力防災対策を一体どう充実していくかということをいろいろと意見交換をしてきたということでございます。
○辻(一)分科員 これは事務当局が科学技術庁に置かれておりますね。そういう点で科学技術庁もこれは自治省と両輪でやってもらわなくてはいかないわけでありますから、科技庁がどういう取り組みをしてきたか、この点をあわせてちょっとお伺いしたい。
○漆原説明員 お答えいたします。 ただいま御答弁ありましたように、原子力防災に関する連絡会を昨年の三月に発足させまして、事務局は科学技術庁がやっております。これまでに三回程度開催されまして、地方公共団体が実施する原子力防災訓練とか、関係地方公共団体からの要望等とか、そういったふうな原子力防災対策一般について幅広く意見交換しておるところでございます。
○辻(一)分科員 事務的には三回会合を持たれたということは伺いました。しかし、住民参加の訓練ということを随分と今まで論議をしてきたのですが、幾つかの県がありますが、全体としてなぜそれが進まないのか。そういう問題について四省庁の連絡会議はどういう論議をしているのか、ちょっと伺いたい。
○漆原説明員 お答えいたします。 住民参加の防災訓練につきましては、先ほど御答弁がありましたように、やはりそれぞれの地域の実情に応じてその実施主体でございます地方公共団体が判断して行うのが最も適当であるという形で意見交換が行われておるところでございます。
○辻(一)分科員 実情に応じて自治体がやればいろいろ助言、協力をすみという域を余り出ないようなんですが、これは時間の点から詳しい論議はいたしませんが、科技庁の考え方の根本には、原子力発電所はそれほど大きな事故はないというような考え方が流れておるような感じがしてならないのだけれども、御承知のようにスリーマイルそれからチェルノブイリという大きなものがあり、それから去年の二月は美浜二号の事故があった。これは多くを言うことはありませんが、緊急冷却装置が働いて、もうがけっ縁の前にちょっと立った、命綱にぶら下がった、こういう感じがするわけです。 今までああいうこの美浜の二号のような、蒸気発生器の細管の破断というようなことはあり得ないということをしばしば言われておったのですが、事実として起こっている。こういうことを考えると、やはり事故が万が一にはあり得る、こういうことを当然前提にした取り組み、そうなれば住民の避難訓練等は当然考えていくべきであると思いますが、そこらのその流れている考え方について科技庁は一体どうなのか、ちょっとお答えいただきたいと思います。
○漆原説明員 お答えいたします。 我が国の原子力発電所等につきましては、設計、建設、運転の各段階におきまして十分な安全対策が施されております。具体的には、原子力施設の多重防護でありますとか適切な隔離条件それから周辺公衆の放射線防護等の確保という基本的な考え方に基づきまして安全対策が講じられることになっておりまして、これらにつきまして基本設計、詳細設計、それから建設、運転の各段階ごとに国より個別に審査、検査等が行われておるところでございます。 このため、我が国の原子力発電所等につきましては環境に放射性物質が大量に放出されるというような事故が発生することは技術的には考えられないと考えております。しかしながら、それでもなお万が一の放射性物質の大量放出があった場合に、その影響を最小限に食いとめるというために所要の防災対策を講じておるというような考えでございます。
○辻(一)分科員 大地震がよく心配される。しかしそれは、そんな大地震は起こらないんだという前提に立ては、まだ本当の意味の防災訓練、地震の訓練、火災にしてもそうですが、身が入らないのと同じように、万が一ということがやはり起こり得るということを前提にして住民の参加ということを考えるべきであると私は思うのです。 そこで、住民が参加をした原子力の防災訓練をやったところは、例えば北海道それから福島、茨城ではかなり取り組んでおるのですが、その三県の特徴をちょっと伺いたいと思います。
○浅野政府委員 お尋ねの三道県についてでございます。 概要をまず、北海道の場合は二十七機関、延べ千三百六名の参加でございます。それから茨城県の場合は百十二機関、四千七百三十一名の参加、福島県では五十六機関、八百四十八名の参加でございます。なお、それは総参加者でございまして、住民だけについて申し上げますと、北海道が四百七十九、茨城が百八十九、福島が二百、こういうことに相なっております。 それで、どういうところが特色であるかということでございますので、関係の道県から報告をいただいたところに従って簡潔に申し上げますならば、まず北海道では特に想定風向、風向きでございますが、想定風向と連動した住民の退避・避難訓練に重点を置いて実施したということでございます。 次に、茨城県でございますが、ここは昨年初めて住民の退避・避難訓練を実施したということでございますが、特に気をつけたこととしては、緊急時の医療活動マニュアルに基づく緊急医療訓練それからAV機器あるいはSPEEDIシステムというようなものを活用した訓練を実施したというふうに報告が来ております。 それから、次に福島県の場合でございますが、同県におきましては、前回の訓練とは想定する風向きを変えまして、そういうことによって新たな地区の住民を対象に退避・避難訓練を実施した、こういうふうに報告を受けております。
○辻(一)分科員 詳しいお話を聞く余裕はありませんが、その中で住民の参加の数字を見ると、北海道が四百七十何名ですか、一番多いわけですね。私はこれは、北海道の場合は、北海道の自治体の長である知事が、原発を試運転をやる、運転をする前に住民避難計画と住民訓練が必要である、やらなくてはならない、こういうことを一つの基準を出した、こういうことがかなりな規模の住民参加の訓練が行われた原因であるのではないかと思いますが、その点とう思いますか。
○浅野政府委員 恐縮でございますが、ただいまお示しのように、知事の姿勢というものと住民参加数のかかわりについては私どもも確たる認識は持っておりませんものですから、ちょっとお答えできなくて申しわけございません。御容赦いただきたいと思います。
○辻(一)分科員 大臣、これは前にもお話ししたことがありますが、アメリカも今、大統領令等で規制はかなり緩めている点はありますが、私がスリーマイルを見に行って、あとNRC、アメリカの原子力規制委員会へ行ってゼック委員長等と会っていろいろな論議をしたときに、アメリカでは当時ニューハンプシャー州に百十五万キロワットの電力会社があったのですね。アメリカは、試運転段階と営業一〇〇%運転と二段階に許可を出す。試運転はそう難しくないのですが、一〇〇%の営業許可をする場合には住民の避難訓練計画、こういうものがきちっと出されないと一〇〇%営業許可は与えない。そのために、このニューハンプシャー州の電力会社は、百十五万キロの発電所に日本円に換算すれば六千億円のお金をかけて発電所を試運転やったのだけれども、計画が出ないために一年九カ月そのまま運転しておった。だから、六千億の金をかけて一年九カ月も何%かの試運転で、赤字が出るのは当然。とうとうその会社は倒産したのですね。だから、アメリカの場合は一〇〇%運転の許可をするにはそれぐらい厳しさを持っておった。これは余り厳しいので、最近大統領令で多少緩和していると思うのですが、基本的な姿勢は、私はそういう点があると思うのですね。それが一つ。 それから北海道の場合、私考えるには、やはり住民参加が可能になったのは、試運転をやる前にこういう避難計画や訓練が必要だ、こういうことを確認して、それをやらなければ運転は難しいてしょう、こういう基準が出されたので電力会社はこれに応じたのじゃないか、私はこう思うのですね。そういう点で、私は、やはり国が一定の基準や指針を与えないとなかなか住民参加の計画、訓練は難しいと思うのですね。 先ほど消防庁長官のお話のように、やはり地方の自治体がいろいろ考え方があるという点、これはある面ではわからぬこともない点がある。それは、今まで原子力発電所はそんな大きな事故はないんだ、心配ない、こう言って地域を説得をして発電所を誘致してきた経緯があるから、ここで住民参加も含めた訓練をやらないといかないとなると前の話との整合性がなかなかとれない、こういう点で住民にかえって不安が出るのではないか、こういう点を懸念する点があるわけですね。 私は、その一面はわからぬではないのですね。だけれども、そういう状況ですから、だからやはり国の方で一つの指針、基準、こういうものを示して防災訓練に取り組むということを進めないと、自治体の今までの経緯からいうとなかなかそこらの壁が乗り越えられない点があると思う。 そういう点で、自治省としてはもっと強い行政指導等によって、助言によって原発立地の自治体がすべて住民参加でできるような、そういう体制を進めていくような努力をする考えはないのかどうか。いかがですか。
○浅野政府委員 この原子力防災ということは、極めて高度の専門的知識を要することでもございます。特に政府部内におきましても、原子力安全そのものを所管しておるのは、これは原子力安全委員会といいますか科学技術庁である。その他発電所等の関係におきましては通商産業省等も関与する、そういうことでございますので、やはり国が一定の方針を持って地方公共団体を指導するという場合には、関係省庁が十分話し合いをして合意の上で、国としてこうやるんだというものを持った上でないと、なかなかこれは具体的な指導ということは難しい面があるだろうと思います。 私どもは、従来から言っておりますように、とにかく訓練というのは非常に大事ですし、それから地域の実情に応じて住民参加の訓練等も行われることは結構なことじゃないかということは申しておるわけでございますが、これ以上さらに出た形で申し上げるということは、やはりこれは関係省庁間で十分意見交換をして、その上でないと、なかなか私どもだけでやるというわけにもまいらないところがあるのではなかろうかというふうに思っておるところでございます。
○辻(一)分科員 今の答弁で、私は問題の所在ははっきりしたと思うのですよ。それは連絡会議が各省庁の四庁で設けられて三回の論議はされているけれども、やはりそこの中身で本当の防災訓練、住民参加の訓練が必要だ、やらなければならぬという合意がなかなか得られないという点があるのではないかと思うのですね、私は。 そこで、大臣に一つ伺いたいのですが、常識的にいって、原子力発電所の立地をする、それから建設をして安全運転をやる、運転の管理、こういうものは全部国の一元的な責任のもとにやっておるんですね。これはもう立地から日常の運転までは、国の責任でやっていますね。具体的にはそれは現地の電力会社に任せておるけれども、指導監督権限というのは国にあるわけですね。地方自治体はある意味では、それに立入検査等を問題があるときにやろうとしても、特別の協定がなければできないですね。だけれども、国はいつでも立入検査等は当然できる、一元的になされているのですね。 ところが、もし事故が起きたときに、それに備える防災体制というものは、これは自治体でひとつ自主的にやってくれ、そして必要なことは政府の方はいろいろ援助や協力をしましょう、助言をしましょう。こういうのはどうも原子力の立地、運転、そして安全性の、国の一元化指導監督というのと、もしも事故が起きたときにそれに備える体制というものは、整合性を私は持たない感じがするのですが、そこらを、そんな専門的じゃなくていいのですが、常識的に考えてどういうふうにお考えになるか、お伺いしたいのです。
○塩川国務大臣 原子力の発電所が建設されましたときを、私は三十数年前のことを思い出しますと、避難の、いわゆる災害が起こりましても、原子力発電所から起こってくる事故というものがこの範囲内に及ぶから、その範囲内の者に対する措置というものと、それから副次的にその周辺に及ぶ被害に対する住民の対策というものと、何かそんな段階があったように私は思っております。したがって、立地を許可する場合に、そういうことが非常に条件になって、第一次災害といいますか、と言うたらおかしいですけれども、直接事故に対してはこの範囲内の危険区域を決めて、この範囲内には立ち入りできないような措置をとった、そういう立地許可をしておるということを聞いておるのです。 したがって、今、辻さん非常にこれは前から熱心にやっておられるなと私は敬服しておるのですけれども、確かにこの事故は、要するに原子力発電所で起こって、事故以外の想像せざるような大規模な災害が起こった場合、周辺の予想せざる地域まで広がっていく場合、その場合の訓練をあわせてやっておくべきじゃないかな、こういう趣旨が含まれておるように思うのです。 そういたしますと、どういう項目を訓練の対象にするのか、そして訓練をして、どういう避難措置をとったらいいのかということ等が各省庁の中でなかなか決まってこないんだろう、といって自治体だけがこんなサイレンを吹いてはあっと訓練をする、そんな簡単なものじゃないだろうと思うのです、原子力発電所の事故というのは。そうじゃなくて、放射能というものが降ってくるのでございますから、それに対する措置というものはこれは相当科学的な、専門的なものでございますから、だからやはり住民参加も必要でございますし、それに当然協力してもらう意味において必要でございましょうが、当面の災害事故というものに対する責任者というものは、やはり国なりあるいは原子力発電所自体が負うていかなければならぬという責任感が非常に強いのだろうと思うのです。 でございますから、まずそちらの方の意見をきちっとまとめて、そしてその周辺の住民がいわば予想せざる事故に対してはどう対応するかということ等、それの検討を急がすべきではないか、私はそんな実情にあるのではないかなと思うたりするものでございますから、要するに普通の火力発電所が爆発した、そら避難訓練だというものとは根本的に違うような気がい次します。しかしこれは辻さんが非常に熱心にやっておられますので、私たちもその気持ちを酌んで、関係省庁にこんなことを、この問題は自・治体だけの問題ではなくて、政府の問題として考えてくれということは提案していきたいと思います。
○辻(一)分科員 時間が来ましたのでこれで終わりますが、ちょっと私の質問の趣旨と御答弁、必ずしも合ってないのですが、スリーマイル、チェルノブイリ以降、美浜も含めて今全国の立地市町村は、安全問題等は国が一元的責任でやっているんだから、防災の方も国の一元的責任でやるべきではないか、そういう体制をつくるべきだ、だから、そのためには原子力防災の単独立法を用意をして、この声にこたえるべきではないか、こういうことが国会にも出されているし、政府の方にも、これは自治省にも科学技術庁にも通産にも全部行っているのですね。そういう市町村の要望に対してどうお考えになるか、それを一言伺って終わりたいと思います。
○塩川国務大臣 先ほど来ずっと通じて御意見ございましたように、災害対策基本法に基づく防災計画の策定、これを通じて国あるいは地方の間で所要の措置を講じていくということになるだろうと思うのでございますが、私はやはり原子力対策というのは、おっしゃるように普通の防災対策だけのことでは済まないと思っておりますが、そういうことが研究が実際はまだそこまで行っていないんだろうと思うのです。ただ言えることは、原子力発電所を中心とした安全対策、これだけはもう絶対おれたちの責任でやるという、そちらの方は非常に強いものがある。それだけに、先ほど申しましたそこから起こってくる事故の範囲というものを、そこをどう想定するかということについては各省庁てまとまってこないんじゃないかと思いまして、そこらの協議を急がすことがこの問題の核心に触れていくことだろうと思います。
○辻(一)分科員 まだまだ十分ではないのですが、時間が来ているのでこれで終わります。
○越智主査 これにて辻一彦君の質疑は終了いたしました。 次に、沢藤礼次郎君。
○沢藤分科員 おはようございます。 大臣とは、文部大臣をなさっていたころ私も文教委員をやっておりまして、教育について真摯なやりとりをさせていただきました。感謝を申し上げます。きょうは自治大臣として、また国家公安委員長としての塩川大臣に幾つかの点を御質問申し上げますので、どうぞひとつ率直な御所信を御披瀝願いたいと思います。 まず最初に、基本的なことで大臣のお考えをお聞きしたいのですが、私は、昨年文教委員会理事としてヨーロッパを旅行してきたのですが、特定の国の名前は申し上げませんけれども、非常に痛感したのは、国にとって、国民生活にとって、治安の維持と民生の安定、このことがいかに大切であり、そしてそれがその国にとって、地域にとって財産であるか、そういう貴重なものであるということを実感してまいりました。 そこでまず最初にお聞きしたいのは、繰り返すようですが、国民、市民が安心して暮らせる、そしてまた生命財産が安全に守られているという体制、つまり民生の安定と治安の維持というものが非常に大切であるという認識と、政治においてあるいは行政において他の分野にもまさるとも劣らない重要な分野であって、これの充実強化が国民にとっては非常に望まれることであると私は思うのですが、大臣の御所信を一言お願いしたいと思います。
○塩川国務大臣 仰せのとおりだと思います。
○沢藤分科員 限られた国の予算の中であるいは人的配置の中でいろいろ制約もあられると思うのですけれども、それは優先順位ということになれば閣議なりあるいは政府内部でいろいろ論議なさると思うのですが、今お示しになられたお考えというものをぜひその場でも貫いて大切にしていただきたいということをお願いして、次の質問に移らせていただきます。 警察関係についてですが、昨年、ちょうど今の時期だったと思うのですけれども、この同じ分科会で私は警察官の待遇、身分の問題、特に外勤の警察官あるいは駐在所に奥さんともども頑張っている人たち、この御苦労というものを指摘しながら、それにこたえる施策というものを要望したいきさつがありますが、その後どういう形での検討なり政策改善がなされているか、それをお聞きしたいと思います。
○安藤政府委員 お示しの外勤警察官あるいは駐在所の警察官、これは直接国民との接点でございまして、日夜苦労をしているわけでございますが、来年度につきましては、例えば駐在所夫人のいわゆる奥さん手当、駐在所報償費でございますが、関係省庁の御理解を得まして、従来月二万八千円でございましたが、これを倍増していただきまして五万六千円に引き上げるよう地方財政計画に盛り込んでいただく等の措置を講じております。 そのほか、施設の改善であるとか、あるいはどうしても休暇がとりにくい環境がございますので、その休暇をなるべくとらすような措置等を講じているところでございます。
○沢藤分科員 その点についての質問は終わりますが、今最後に申された休暇をとるということ、これはやはり裏づける何かがなければ休暇をとりやすい状況というのは生まれてこないわけですね。これはやはり定員にも関係してくるだろうと思うし、勤務時間にも関係してくると思うのです。そういったことを含めて具体的な御検討をお願いしたいということを申し上げて、それに関連する定員についての質問に移らせていただきたいと思います。 いただいております資料の地方警察官の政令定員、全国の都道府県別の定員の一覧というものをいただいております。昭和五十六年度から平成四年度まで十年余の数字でございますが、これを見ますと、年度ごとの若干の変動はありますけれども、十年たった今、増員されていると言い切れない状況じゃないかと思うのです。そうですね、私の計算が間違いなければですが、昭和五十六年度二十一万二千二百三十人、これを一〇〇としますと、平成四年度は二十二万五百十九人、一〇三・九一という、ほんの十数年かかって三%しか定員が伸びていないということなんですね。 さて、それを今度は別な角度から見ますと、例えば交通事故の発生状況を拝見しますと、五十六年四十八万五千五百七十八件、これは人身事故であります。これは平成三年度の数字ですけれども六十六万二千三百八十八、つまり昭和五十六年を一〇〇としますと、平成三年は一三六・四一、四〇%近くもふえているということです。それから死亡事故もやや同じでありまして、昭和五十六年に比較しますと、平成三年は一二七・四、つまり三〇%近く死亡事故件数もふえている、これが実態であります。 もう一つちょっと厳しい数字があるのですが、刑法犯の認知件数と検挙件数も数字を眺めさせていただきました。ところが、刑法犯の認知件数を見ますと、昭和五十六年を一〇〇とした場合、平成三年は二七となっております。それから検挙件数の方が、非常に複雑な要素があったようですが、昭和五十六年八十七万五百十三件を一〇〇としますと、平成三年は六十五万四千五百三十八、七五という数字が出ていますね、一〇〇に対して七五。つまり認知件数は一〇〇から一一七にふえているけれども、検挙件数は一〇〇から七五に落ちている。これはストレートに相関関係があるとは言い切れないにしても、一つのやはり数字だろうと思うのです。これは私の側の解釈からすれば、やはり犯罪関係が非常に複雑化し、あるいは広域化してきている、あるいは組織化してきている、これに対する困難度というのが出てきているのではないかと思うのです。 以上の数字から申し上げたいのは、こういう刑法犯の認知件数、検挙件数の変動の実態、交通事故の実態、こういったものに照らして、私が今申し上げたことについての分析というのですか、所感をお聞かせ願いたいと思うのです。
○安藤政府委員 先生お示しのように、犯罪あるいは交通事故の発生の増加傾向が続いていることは事実でございますし、また、犯罪捜査の捜査環境というか、検挙に至るまでの困難性を増していることも事実でございます。また他方、増員の関係につきましても、十年ぐらい前からいわゆる国・地方を通じての行財政改革ということで厳しく抑制されている中にありまして、警察といたしましては、可能な限り省力化、資機材を導入するとか、あるいはその都度定員の内部での再配置等を行って、懸命に努力をいたしているところでございますが、それでいてなお難しい点、解決できない点につきましては、関係省庁に体制の整備等もお願いしてきているところでございます。
○沢藤分科員 大臣、私冒頭に申し上げましたとおり民生の安定、消防のことは後で触れますけれども、治安の維持ということは、戦争みたいにいつ起こるかの問題ではなくて、全く日常的に目の前の切迫した課題なわけです。特に交通安全対策、防犯対策ですね。特に、いわゆるマル暴、暴力団対策の新法が出ましたが、これに対する対応として、機構的に、組織的に、人員的に何か措置がなされているか。これは政府委員の方からお答え願うにしても、先ほど申し上げたこういった状態の推移の中で、地方警察官の定員がほとんどふえていない。これは政治全体から見た場合のバランス云々、あるいは中曽根さんがおっしゃった行革路線とかいうことを踏まえながらも、なおやはり検討し、考えなければならない実態ではないかと私は思うのです。特に交通関係、防犯関係、これを含めて、先ほど政府委員の方からお答え願ったので、大臣ひとつ御所見をお願いいたします。
○塩川国務大臣 沢藤さん、大変警察の方に御関心を持っていただいておって、日常そういう御理解を深めていただいていること、感謝いたします。 私も、警察要員の人数が伸びないことはやはり多少気にはなっております。それで、端的な表現で恐縮でございますが、今財政もスリム化すべきであるということで合理化をやかましく言われてきておりまして、警察行政においてもその要請がございます。そうすると、合理化を進めながらどうして警察の持っている行政能力を高めるかといえば、私は、量の問題も大事でございますし、定員が決してこれで十分とは申しません、足らないのでございますからふやしていきたいことは十分でございますが、まず急がれることは、それより質、現在あります能力を高めるということに重点を置くべきではないか。 そのためには、やはり警察官一人一人にやる気を出させることだと思うのです。現在非常に意気盛んにはやっておりますけれども、しかしながら、応募状態等から見ますと、他の社会情勢の変化に対しまして、警察関係の社会情勢に対応する変化が的確ではないように思う。そこらをもう少し警察も時代の要請に合ったように変えて、例えば、任用の問題であるとか昇進の問題であるとか、あるいは物理的な経済的な待遇の改善であるとか、そういうものを改善して、まず警察官のやる気を起こさせることが私は非常に大事なところへ来ているのではないか。 それと同時に、能力——機動力は非常についてまいりましたけれども、警察官相互の協力体制をとるための訓練というもの、例えば県警が違いますと何もかも相当事情が違いますので、こういう能力を一体化するには制度的にもどうあるべきかということと、そういうものを通じて警察の総合能力の向上というものに努力すべきだ、私はそう考えております。
○沢藤分科員 私も高校教師の経験からしますと、卒業後の進路について子供たちから相談を受ける、あるいは卒業後警察官になった子供たちからいろいろな話を打ち明けられる。今公安委員長がおっしゃったいわゆる身分、待遇の問題ということもやはりその中には含まれるわけでございます。今そういうお話をお聞きしましたので、総体的に御検討願って、意欲のある、そして効率的な治安体制というもの、民生の安定に資していただきたいということをお願いして、警察関係、もう一つだけ簡単に事務的にお伺いして終わりたいと思うのです。 去年も触れたのですけれども、養殖漁業が重要になってきている現在の状況の中で、アワビの密漁がすごく組織化し、広域化し、暴力団の介入という看過できない状況が出てきておる。これに対して、アワビの養殖地であります三陸沿岸、幸い青森、岩手、宮城三県警が合同会議を持つとか、あるいは海上保安庁とか水産庁とか連携体制をとっていただいているということ、私は大変すばらしいことだと思っております。 そこに一歩進めて、その水産団体の方から、こういった取り締まり関係でいえば、近年の密漁の組織的な広域的な実態からすると、漁業関係法令だけの取り締まりではなかなか大変だ、消防法あるいは高圧ガス取締法等の法令違反を重ねている密漁者が多いわけだから、それを取り締まるためには、漁業に関する罪に限定されている漁業監督吏員だけでは対応はできない、そこでお願いなんだけれどもということで、岩手県の水産団体から県の知事に対して、「暴力団等の組織グループの密漁に対応すべく県警察本部から県林業水産部(県漁業取締事務所)への出向制度の導入を図られたい。」という要請が出ているわけです。出向になるか派遣になるか、この辺はちょっとまた微妙に違いますけれども、この点について、もし取り組みの状況があったらお聞かせ願いたいと思うのです。
○松原説明員 お答えいたします。 平成三年十一月、岩手県漁業協同組合連合会から岩手県知事に対しまして、警察本部から知事部局に対する出向制度等の導入を内容とする要請をいただいたという報告を受けているところでございますが、岩手県警察におきましては本年四月から警察官を知事部局へ派遣することにしているという報告を受けているところでございます。
○沢藤分科員 わかりました。ただそこは、派遣か出向かということで微妙な問題が出てくるわけです。派遣ということになれば警察官の身分そのまま行くわけでしょう。出向となれば県職員の定数を確保して行くわけですから、当然そこには警察官としての県警に対する定員の補充ということが考えられるわけだけれども、派遣ということになれば定員補充というものは恐らくないのではないかと思うのですが、これはどうですか。
○松原説明員 岩手県警察から受けております報告によりますと、派遣という形での人事交流を考えておるということでございます。あるいは出向という制度もあるわけでございますけれども、出向といたしました場合には警察官としての権限がなくなるという問題もございまして、取り締まりのより一層の効率化を図っていくという観点から派遣にしたという報告を受けております。
○沢藤分科員 その点は理解しました。ただ、やはり警察力といいますか定員配置というごとについては、東北は暴力団の最後のターゲットになっているとかいろいろな特殊事情が出ているわけです。そういったことについて御配慮願いながら、地方警察官の定員の配置等については今後ひとつ御配慮をお願いしたいということを申し上げて、次に、消防の方に入っていきたいと思います。 消防団員と職員の待遇改善について幾つか質問申し上げたいと思うのですが、団員それから婦人消防協力隊員、これは義勇消防と言われておりますように、あるときには日常の生活を犠牲にして消防活動に参加をする、身分は正式な職員とはまた違うというふうな、しかもそれは生命の危険を覚悟で飛び出すわけですから、十分な待遇上のあるいは身分上の改善といいますか裏づけというものを考えていただかなければならない。これはお答えいただくまでもなくおわかりいただけると思うのですが、その中で二つほど触れてみたいと思うのです。 公務災害補償についてでありますが、認定基準というのがあると思うのです。これは各地方公共団体ごとにいろいろ条例をつくって実施しているというのが実態なわけですが、恐らくそれのもとになっているのは消防庁の政令か省令かじゃないかと思うのです。その中で、公務災害の認定という項目、これは地方公務員災害補償関係の資料からピックアップしてきたのですけれども、恐らくこれはさっき申し上げた省令なり政令なりを下敷きにして書かれていると思うのです。その中に、こうこうこれこれは公務災害として認定してよろしい、「ただし、故意または本人の素因によるもの、あるいは天災地変によるものは公務災害とは認められません。」とある中で、「本人の素因によるもの」というところにちょっと引っかかるのです。これは岩手県の公務災害の認定基準ですから、それについて違いがあれば指導していただきたいのですけれども、こういう例があったのです。 消火活動で水をかぶった。たっぷりかぶった。急性肺炎になった。これが公務なのかどうかということでかなり論議をした。ついに霞ケ関まで来まして認定をしていただいたという経過がある。もう一つ、認定されなかった例としては、救急活動中に担架を持ち上げました、腰を痛めた、あなたは前に腰の病気なり何かしたことがありますか、はい、ありますということで認定にならなかったわけですね。 さてそこで、この素因というのは一体どこまで線を引くかということになるわけです。私は首をかしげるときは字引、辞典を引くことにしているのですが、素因というのは次のように説明されています。「個体自身」、その人自身ですね、「個体自身の内部にあって疾病にかかりやすい形態的、機能的性状」つまり、ぎっくり腰というか腰を痛めた人は、それはあなたは腰を痛めるような素因があったのだからこれはだめですよということになるわけですね。これは認定基準の緩和ということでひとつ御検討願いたいという結論になるわけです。実際命がけで消火活動、防災活動に行っているときに重い物をしょった、担架を持つ、あるいは可搬式のポンプを持つ、そこで腰を痛めた、あなたは素因があるからこれは公務じゃない。極端に言えば、転んでけがして骨を折った、あなたはカルシウム分が不足の食事をとっていて骨が弱い体質だから、素因だからこれは当てはまらないということにもあるいは発展しかねない。 これは二つの例だけを申し上げましたが、結論は、公務災害の認定に関しては認定の幅を緩やかにして、活動できる体制を団員あるいは婦人消防協力隊員あるいは職員にも与えてあげていただきたいということが一つであります。 時間がどんどんたちますので、次の問題も含めてお答えを願いたいと思うのですが、それは団員の報酬であります。 これは交付税の算定基準というのがあってそれぞれの額があるわけですけれども、実態とかなり離れているのですね。例えば、岩手県の場合の平成二年度の県平均ですけれども、団員手当が各市町村の平均が一万六千八十三円なんです。それから出動手当ですけれども、一日または一回当たりの出動手当が火災を例にとりますと千四百二十三円なんです。恐らくこれは交付税の算定基礎とはかけ離れているのではないかとは思うのだけれども、そこは余りかけ離れているとなれば、せっかく交付税として算定基礎があるわけですから、実態に近い報酬なり手当というものを設定すべきであろうと思うのです。これは交付税の算定基礎として単価としてどんどん実態に合わせて上げていただきたい。と同時に、こういったギャップをどう指導していただけるか、このことをお聞かせ願いたいと思います。
○秋本政府委員 消防職員の公務災害補償につきましてお答え申し上げます。 具体的な事例も挙げていただきましてお尋ねございましたが、具体事例につきましては消防職員については基金といったようなところで判断いたしますので、一般論で答えさせていただきたいと思います。 消防職員を含めまして地方公務員の公務災害の認定につきましては、今も御指摘ございましたような認定基準などに基づきまして迅速公正に判断をするというようにいたしておるわけでございます。その際には、お示しのあったようなことなどいろいろございますけれども、被災職員の職歴、勤務状況、業務量、作業の態様、生活状況、既往歴、身体及び当該疾病の状況などいろいろな点につきまして調査をして、医学的意見を求めて、そしてそれらを総合して公務と疾病との間に相当因果関係があるかどうかといったことを判断して公務上外の認定をしているわけですけれども、具体的な事例に当たりましての基本的な姿勢としては、救済できる方につきましては最大限救済するという姿勢で認定に当たっている、こういうことでございます。 ちなみに数字を申し上げますと、平成二年度における消防職員に係る公務災害認定請求の受理件数は千八百四十八件ございまして、一方、同一年度におきまして公務上として認定された件数は千八百十件というようになっております。 消防団員の公務災害につきましても基本的な考え方は同様でございます。
○沢藤分科員 繰り返すようですが、いわゆる報酬とか出動手当等の地方交付税算定額の基礎金額、団員の年報酬がそれには二万一千五百円となっているのだけれども、実態はさっき申し上げたとおりの数字であります。 お答え願えますか。
○浅野政府委員 消防団員の報酬等につきましては消防庁の方でお答えさせていただきたいと思います。 消防団員に対する報酬というのはいわゆる職務に対する反対給付という性格のものではありませんけれども、非常に御苦労されているわけでありますから、その御苦労に報いるように私どもといたしましてもその財源措置等についてしっかり今後とも努力をしてまいりたいと思っております。 それから、せっかく財源措置をされながら、それが実際に市町村の段階で支給されるときにかなり差があるではないかという点でございます。これも事柄の性格上、国として、消防庁として基準を決めているわけではないということではありますけれども、しかしそれにしても、せっかくそういう財源措置がありながらひどいばらつきがあるということでございますから、私どもとしてこれだけの措置がしてあるんだというようなことも十分御説明しつつ、そういうことも踏まえながら適切な措置が講じられるよう指導をしてまいりたい、こういうふうに思っております。
○沢藤分科員 時間が来ましたので、最後に要望を二つ申し上げまして、そのうちの一つについては大臣から、一つについてはお答えをいただきませんという要望をいたしたいと思います。 今のお答えの中でもありましたように、義勇消防ですからこれは奉仕精神というものが柱になっていることは確かです。しかし、生活、時代の変遷もありまして、消防団員の確保というのが非常に難しくなってきているという実態があるわけでしょう。若い人たち、御婦人の参加というものを期待しなければならないというのが消防庁の一つの方針なわけですね。それを裏づける一つの施策として、今申し上げたようなことはきちんとやっていただきたい。これは大臣の御決意のほどをお聞きしたい。これが一つ。 もう一つの要望というのは、これはお答えは要りません。消防協会の表彰式に私お伺いしてちょっと感じたのですけれども、それぞれの性格があると思いますから決めつけるわけにいきませんが、総理大臣の出席が代理ですけれどもある。ところが、総理大臣の代理出席の方をさておいてというのは変ですけれども、いわゆる一番偉い人が旗を立てて静々と入場してきて、総理大臣は結局それを迎える格好になるというふうなこととか、あるいは、式次第の中でお祝いの歌を、ある個人の作品といいますか歌を披露するというふうな、私たちからするとややおやっと思うような会の進行があったように思うのです。これは小さいことですけれども、やはり公の団体ですから、これはきちんと整然とやっていただきたいという希望を申し上げておきます。この点については、御答弁は要りません。
○塩川国務大臣 今お話されました要望でございますが、なかなか的確な問題で、地域消防団は本当に若い人が確保できにくいですね。したがって、私たちも地元でやっておりますことは、その地域の婦人消防団とか企業消防団ですね、そういうようなものを組んだりなんかしてやっておりますが、私は婦人消防団が非常に町を明るくしてきているなということを見まして、各市町村もずっとそれがだんだんと浸透してきておりますので、これなど、制度的にというよりも自治体がもうちょっと積極的にやってくれるように呼びかけていきたいと思います。
○沢藤分科員 終わります。
○越智主査 これにて沢藤礼次郎君の質疑は終了いたしました。 次に、小岩井清君。
○小岩井分科員 地方財政について伺いたいと思いますけれども、平成四年度の政府予算案、地方交付税については、法定額から八千五百億円が交付税特別会計より一般会計に繰り入れられております。これについては、後年度精算されるということになるわけでありますけれども、この点については極めて遺憾であるということを最初に申し上げておきたいと思います。再びこういうことは繰り返さない、これはまず確認ができるかどうか、この点、伺いたいと思います。
○湯浅政府委員 平成四年度の地方財政対策におきましては、ただいま御指摘のように、地方交付税の法定額から八千五百億円を減額いたしまして、それを国に貸す措置を講じたわけでございます。これは、現在の国の極めて厳しい予算編成の状況を踏まえまして、国と地方が相協力して財政を担っていくべきだということからこの措置を講じたものでございます。 この措置を講ずるに当たりましては、まず地方が当面する財政需要というものが的確に算入される、これが前提でございますが、この点につきましては、各種の施策が盛り込まれることが可能であるということが判明いたしました。しかし、中長期的に見る限りでは、まだ借入金残高も相当ございますし、また今後の地方の財政需要というものが非常に多種多様なものがあるわけでございますので、地方財政にとって余裕があるというようなものではないわけでございます。 そういう意味から、今年度の措置というものはやむを得ない措置として私どもやったわけでございまして、今後の問題につきまして、こういう地方財政の置かれている状況というものをよく踏まえた上で検討していかなければならない問題であると思っているわけでございます。
○小岩井分科員 いや、状況は説明いただきましたけれども、今質問したのは、ことしの件で、地方財政ゆとりあるということではないということでありますけれども、とすれば、こういう地方財政に対する予算編成のあり方ですね、再びこういうことは繰り返さないということをまず最初に確認をしてもらいたいのですよ。どうですか。
○湯浅政府委員 御案内のとおり、地方の財政というものは国の財政といろいろな点で密接に絡み合いながらできているわけでございまして、国の予算編成と地方のそれぞれの自治体の予算の編成というものがバランスのとれた形で執行ができなければならないという問題も他方にあるわけでございまして、そういう点も十分踏まえながら明年度以降の地方財政対策というものも考えていかなければならないのではないか、こういうふうに考えているわけでございます。
○小岩井分科員 明年度以降の地方財政を考えていかなければいけないということは、場合によっては明年度もこういう措置があり得るということですか。明年度以降こういうことをやらないということを今確認をしたいと申し上げたのですが、この点、確認をしておきたいわけですよ。
○湯浅政府委員 この点につきましては、今の段階で明年度以降のことを確約するというような状況ではないわけでございまして、毎年度毎年度の地方財政対策を検討していく過程で、国の財政と地方の財政がバランスをとってやっていけるかどうか、こういうことをよく見きわめながら検討していくべき問題ではないかと思うわけでございます。
○小岩井分科員 明年度以降こういうことは再び繰り返さないということについては、確認をしませんね。ということはやる可能性がある。ということは、国と地方の財政のあり方、まず、国と地方の権限を見直したらどうか。この点はどうですか。
○湯浅政府委員 財政問題を考える前には国と地方の役割分担というものがまず基本にあるわけでございまして、その役割分担に応じて税財源をどういうふうに国と地方が配分をしていくかということでございます。特にこれからの我が国の社会経済情勢を考えていきますと、住民に身近な行政というものはできるだけ地方でやっていくべきだということを考えますと、この国と地方との役割分担において、地方の役割というものは今後ますます大きくなるという分野も多いわけでございます。 そういう意味からいきまして、今御指摘の権限配分の問題、それに伴う税財源の再配分という問題を常に念頭に置きながら、今後の地方財政対策というものを考えていくべきだと思っているわけでございます。
○小岩井分科員 国と地方の役割分担について十分検討する、権限を見直すべきだという質問をしたわけでありますけれども、この役割分担を変えていくには財政措置が伴っていかなければさらに地方に重い負担をかけることになりますね、ということですね。この点はどうですか。
○湯浅政府委員 一番理想的なことを申し上げるならば、地方が自主的、自律的に財政運営を行うというためには、国からの国庫補助金とか国庫負担金というものがなくて、税や交付税のような一般財源で仕事ができるということが、これが一番望ましいんではないかと思うわけです。そういう意味で、これからの地方自治というものを推進していく、地方分権を推進していくという立場から考えますと、地方の一般財源をこれからどう充実していくか、こういうことに尽きるのではないかと思うわけでございます。 確かに、国の国庫補助金あるいは国庫負担金というものが他方にございまして、これと、国と地方との仕事の役割分担というものとが密接に絡み合っているわけでございますけれども、できるだけ地方が自主的に仕事をしていくということを考えるならば、財源的にもこれは地方の財源でできるだけ仕事をしていくということが望ましいわけでございまして、そういう点から考えて、これからの地方財政対策におきまして地方税あるいは地方交付税という一般財源の充実というものを今後とも心がけていくべきだというふうに考えているところでございます。
○小岩井分科員 今答弁の中で出てきておりますけれども、国と地方の権限、役割分担という表現がありましたけれども、これを見直して、現行の交付税率や補助金制度などを含めて再検討していく、ということは、国と地方自治体の、地方公共団体間の財政構造をも含めてこれは変えていく、それを考えた措置をとっていくべきではないか。 ということは、冒頭申し上げましたのは、八千五百億円についての今回の措置、これはことし限りにして来年からやらないということを確約してくれというふうに申し上げましたけれども、そういうなし崩しに毎年毎年同じような措置をとっていくということからぐるこの今の考え方なんですよ。とすれば、今申し上げましたように、財政構造をも含めて考えた措置をとっていくべきじゃないか、こう思うわけでありますけれども、これは大臣答えてくれませんか。
○塩川国務大臣 先ほど来話を聞いておりまして、まず小岩井さんのおっしゃるのは、財政を変えることによって権限を変えていこう、こういうことをお聞きして、私はちょっと御意見を差し挟んでえらい恐縮でございますが、私はやはり権限が先だろうと思っておるのです。 といいますのは、今権限の前に、入るまでに、意識が大事だろう。依然としてやはり地方行政というのは中央政府の出先のように思っておるのですね。これを変えない限り、権限の問題に踏み込んでもいきませんし、ましてや財政の問題までいかぬ。私は今一生懸命に地方の自治の本旨というものをやかましく言っておるのですが、したがって、これは一応意識革命と並行してやっていくべきだ、こういうことを思っておりまして、その中で財政の確保ということをやっていきたい。 それからもう一つ。先ほどから何遍も急所を押しておられますけれども、こちらの方面なかなかうまいこと逃げておって、思っておるような答弁出ていないのですが、それで私は、やはり役所はそれしか仕方がないと思うのです。というのは、交付税は長い間にわたりまして貸し借りの積み重ねなんですね。これを来年から、ようかんをかみそりで切ったようにぷすっと、もうここから先あかんねんというわけにはいかないだろうと思うのです。しかし、おっしゃることはもう私は全く同じ気持ちですから、そういうことが起こらぬように極力こっちで努めて、そのためにはいろいろと自治省の方としても、基準財政需要額の見直しをするだとか、あるいは税収の確保を図ると同時に自治体のあり方も変えていくというか、いろいろな面から総合的に取り組んでいかなければならぬ問題だろうと思っております。
○小岩井分科員 大臣から御答弁いただきましたので、次に移りたいと思います。 地方財政計画の骨格となっている地方財政収支見通し、これは歳入規模七十四兆三千七百億円、対前年四・九%増としていますね。ところが、地方税、住民税については、前年の所得に課税するわけですから、そういう面ではバブルが崩壊した後になるわけですね。ですから、この平成四年度あるいはその先、次年度以降に非常に大きな影響が出てくることが想定をされるのですけれども、この点、どう見ておられますか。
○湯浅政府委員 明年度の地方税の見込みにつきましては、これは今御指摘の住民税は前年度の所得でございますから、ちょうど今所得税が歩んでいる道をほぼ同じような形でたどっていく可能性はあるわけでございます。そういうことで、そういうものも前提にいたしまして住民税の積算をいたしております。 それ以外のものにつきましても、特に都道府県の場合には法人関係税が非常にウエートが高うございますけれども、これはまさに国の法人税と同じような動向をたどりますので、明年度の地方財政計画におきましても、全体の地方税の伸びは四・一%で見ましたけれども、都道府県分の税収はわずか一・六%の伸びしか見ておりません。その主な要因は、今申しました法人関係税というものが非常に厳しい状況だということで、むしろ平成三年度よりもマイナスの見積もりをしているというようなことでございまして、そういう意味で、税収の見積もりはかなりかた目にやっているつもりでございますので、大きな今後の変動がない限りは、地方財政計画に計上した平成四年度分の税収は確保できるのではないかというふうに考えますが、後年度以降の問題につきましては、景気の状況を十分踏まえまして税収の把握をきちんとやっていかなければならないと思います。 今申し上げましたのは、これはあくまでも地方財政計画上の問題でございますから、地方税全体の問題でございます。問題は、個々の地方公共団体におきましては、これとはやや違った税収の動きが出てくる可能性もあるわけでございますから、個々の地方団体の税収の動きというものもよく注意深く見まして、財政運営に支障のないような措置を講ずるようにこれからも努力してまいりたいというふうに考えております。
○小岩井分科員 状況はそのとおりだというふうに思います。それらのことを踏まえながら、この地方財政における一般財源の占める割合は、確かに増加をしていることは事実ですね。しかし、公共投資資本計画、これは公共投資十カ年計画それから日米構造協議による投資四百三十兆円、これは時々問題になっておりますが、これらを踏まえた形で地方の単独投資事業経費、対前年一一・五%増というふうに見ていますね。拡充していますね。これは、地方財政にこのことを肩がわりさせてきているという、国の本来やるべきことを肩がわりさせてきているというふうに見られるわけですけれども、この点についての考え方を伺いたいと思います。
○湯浅政府委員 公共投資の基本計画は、平成三年度から十カ年間で四百三十兆円という規模でやっていこうということでございます。結局、この公共投資の基本計画の基本的な考え方は、国民生活の豊かさを実感できるような経済社会をつくっていこうということでございますから、住民に身近ないろいろな公共施設というもの、これの充実というものがどうしても必要になってくるのではないかと思うわけでございます。 そういうことになりますと、地方の役割というものは、今までの公共投資以上にやはり役割は大きくなってくるということを考えざるを得ないわけでございまして、こういうものを地域の実情に応じて的確に投資をしていくということになりますと、国の補助金あるいは負担金というものを当てにしないで、単独事業を積極的に実施していくということによってそういうものが実現できるんじゃないか、こういう気もするわけでございます。国は国として公共事業を的確に推進していく、これに地方が御協力をするということは当然でございますが、それと同時に、地方の単独事業というものを大幅に拡充いたしまして、地域の実情に合った投資をしていただきたい、こういうことを私ども考えておりまして、この投資計画ができました平成三年度、これは地方単独事業を一〇%伸ばしてもらいました。平成四年度におきましては一一・五%の伸びを確保させてもらいました。こういうことで、これは決して国からの肩がわりということではなしに、地方みずからがみずからの住民のための施設というもの、公共施設というものを積極的に充実していく、国の手をかりずにむしろ地方の財源でこれをやっていく、こういう姿勢でこれからやっていくべきではないかな、こういう気がしているわけでございます。
○小岩井分科員 物も言い方だなというふうに思いますね。というのは、地方の役割が大きくなった、地方がやるべき事業だということでありますけれども、私は逆に、国がやるべき事業を地方に肩がわりをさせている、ということは負担をかけているという、そういうふうに見るわけですよ。ですから、まあ、これはそうではないというふうに御答弁が返ってくると思いますので、先に移りたいと思います。 今地方の単独事業を伸ばしていくという話をされましたけれども、地方単独事業を伸ばして公共投資を拡充する、さらに地方債計画対前年三・七%減少させるということですね。歳出において国保事務費や義務教育の一部、国が負担していた千五百億円を地方負担にしましたね。高齢化対策もすべて地方に任せているということについて、これは地方財政を圧迫をして、地方財政硬直化の要因をつくっていることになりませんか。この点について伺いたいと思います。
○湯浅政府委員 先ほど来申し上げましたとおり、地方が自主的に財政運営をしていく、行政運営をしていくということをやっていくためには、国の財源に頼らずに、地方の一般財源で仕事をやっていくという体制がとれるのが一番望ましいんじゃないかというふうに考えております。そういう意味から申しまして、今御指摘の国庫補助負担金につきましても整理合理化をして、地方が受け持てるものは地方がこれを負担していく、こういう形での一般財源化というものは今後やっていくべきだ、それが地方の自主性、自律性を増していくんだというふうに考えております。 そういう意味で、ことしは義務教育の関係あるいは国保の関係についての一般財源化を進めたわけでございますが、これはあくまでも地方の自主性、自律性をふやしていくという観点からの措置だということを御理解賜りたいと思うわけでございます。 またさらに、先ほど来の投資的経費の地方単独事業に並行いたしまして、例えば高齢化社会に対応する地域社会の施策といたしまして、国はゴールドプランというものを今つくりまして十カ年戦略をやっているわけでございますけれども、なかなか国の基準では合わないようなものが地方ではいろいろございます。そういう地方の実情に合ったいろいろな福祉施策というものを地方自治体が単独で実施できるような、そういう財源をやはりこれからは充実していかなければならないんじゃないか。こういうことを踏まえまして、社会福祉系統のソフト経費につきましても今回大幅に増額をさせてもらっておりますし、また環境整備というような問題につきましても地方が単独でできるような、そういう財源も確保するようにしたところでございます。 こういう単独で地方団体が実施をしていくという分野は、これからの地域の実情に応じた行政を行っていくということを考えていった場合には、よりよりこれは充実をしていくべきものではないか、こういうふうに考えているわけでございまして、国の役割というものは役割として当然考えながらも、地方はみずからその地域の実情に応じたハード、ソフト面のいろいろな施策というものを積極的に推進できるような、そういう財源というものを私どもは確保してまいらなければならないというふうに考えているところでございます。
○小岩井分科員 今の御答弁いただきましたけれども、次に移ります。 生活関連枠二千億円、この配分については目立った変化がありません。それから、新設の臨時特別枠でも、省庁別配分シェアはそのままだということですね。下水道整備、ごみ処理、これなどの補助については、主として未整備自治体を重点にしていますね、これは当然といえば当然ですけれども。ということは、地方都市に傾いてきているということになりますね。とすると、大都市周辺都市、これは土地の高騰で非常に苦しんでいるわけでありますけれども、大都市近郊都市の整備水準についておくれが出てくるんじゃないか、この辺はどう見ておられますか。これの対策についても伺いたいと思います。
○湯浅政府委員 御指摘のように、生活関連施設の整備という問題になりますと、地方におきましては各種の施設の整備がおくれているという問題がありますし、また大都市周辺におきましても同じような問題が一方で起こっているんではないかと思います。 特に、大都市周辺におきましては用地が最近高騰しているというようなこともございまして、ハード面のいろいろな整備をするという場合に、建設事業費の中に占める用地費の割合というものが、地方におきます場合に比べますとかなり高いものになっている、こういうことが統計的にも出てきているわけでございますので、私どもとしましては、この投資の配分をどうしていくかということと同時に、そういう地価の高騰というようなものを踏まえた財源の配分というものも頭に入れていかなければならないのじゃないか。 例えば、地方交付税の場合でございますと、地方交付税の基準財政需要額を算定するに当たりまして、土地の価格というものを基準財政需要額に反映させるというようなことを現在もやっておりますけれども、そういうこともこれから考えて充実していかなければならない問題ではないかと思いますし、用地取得をするに当たりましても、大都市周辺はなかなか難しい問題もございますので、そういう取得のしやすいような地方債の活用、あるいは土地基金というものも今回また五千億円お願いしておりますが、こういうものの活用を含めて建設事業がスムーズに行えるような、そういう配慮を私どももしてまいらなければならないと思っております。
○小岩井分科員 地方債の話が出てまいりましたけれども、公債費負担比率、これは一応一五%基準で健全財政がどうかという判断があるのですけれども、一五%以上の自治体はどのくらいありますか。この点について、財政の弾力性が乏しくなってきている自治体についての対応をどうするか、この点を伺っておきたいと思うのです。
○湯浅政府委員 最近の全体的な公債費の負担比率を見ますと、一時のピークを過ぎまして、だんだんと低下傾向にきているということは言えるかと思いますけれども、今御指摘のように、よく言われております警戒信号になる一五%を超える団体というものがどのくらいあるかということを調べてみますと、これは平成二年度の決算で見ますと、千二百三十二団体、全体の地方団体の約四割に相当する団体がこういう状況にまだなっております。それで、四十九年度、オイルショックの直前の財政状況ということで見ますと、このときにはわずか五十団体しかなかった。それが今や千二百三十二団体ということで、大幅にふえているということでございまして、この公債費をできるだけ軽減していかなければならないということを私ども考えております。 そういう意味で、平成元年度から地方財政計画におきましても、五十年代に財源不足の関係で特例的に発行した地方債を繰り上げ償還できるような、そういう対策費、基金費を基金で積めるような、繰り上げ償還できるような、そういう財源措置を平成元年度からずっと続けておりまして、明年度におきましても一兆一千八百億近くのお金を用意しているところでございます。こういうことで、公債費の軽減をできるだけしてまいりたいと思っているところでございます。
○小岩井分科員 一五%を超えた自治体がまだ四割あるということでございます。これについて、今御答弁ありましたけれども、積極的に少なくしていく対応を要望いたしておきます。 続いて、市部の都市財政の推移を見てみますと、確かに自主財源比率はふえておりますが、人件費比率、経常収支比率は低下をしているけれども、公債費比率が高まって、投資的経費比率は足踏み状態だというのが今の状況ではないかと思います。投資的経費については、道路、公園、住宅など町づくりの関連経費だと思いますね。ということはどういうことかというと、豊かさの実感を求めている住民の要望にこたえられなくなってきているのではないかというふうに思います。この原因について、どうだというふうにお考えになりますか。
○湯浅政府委員 最近の都市の財政状況を見ますと、一時期に比べますとかなり好転をしてきているのではないかという感じもいたします。それから、どちらかといいますと、町村部に比べますと地方税源もございますので、財政力指数から見ますとかなり高い団体があるわけでございます。そういうことも受けて、地方都市の一般財源の比率というものは町村部に比べますとかなり高いというふうに考えられるわけでございますけれども、そのかわり、やはりそれに対応する財政需要も今御指摘のようにハード面、ソフト面両方でいろいろあるわけでございます。 ハード面におきましても、生活環境施設というものはまだまだ不十分でございます。下水道、公園というようなものをとりましても、まだ先進各国に比べてかなり見劣りをするというような状況もございます。また、ソフト面におきましては、これからの高齢化社会というものにどういうふうに地域社会というものが対応していくのかという、非常に難しい問題を各都市が抱えているわけでございまして、こういう今後の多種多様化する財政需要には私どもも的確にこたえていかなければならないという意味で、今後の地方財政対策を講ずる上では、そういう財政需要というものを今後充実するような、そういうことで進んでいかなければならないということで努力してまいりたいと思っております。
○小岩井分科員 最後に一点伺いますが、自治体の財テクや特定目的の基金などの積立金がこの十年間で二倍以上になっていますね。これは都市経営の感覚のあらわれだというふうに評価ができる反面、国の税源の配分を当てにできないということもあるんじゃないか。書いてある。このことについてどうお考えになりますか。
○湯浅政府委員 それぞれの地方自治体が財政運営を行う場合には、単年度単年度の仕事ということを考えると同時に、やはり中長期的にどういう仕事をしていくかということを常に考えながら仕事をしているわけでございますから、そのための財源というものをどういうふうに配分していくかということは常に問題になってくるかと思います。そういう意味で個々の地方団体が、それぞれの政策目的をどういう時点で実現していくかということを踏まえながら財源を調整していく。そのためにはやはり積立金、基金というようなものを使って、そういう各年度間の財源調整をしていくということがどうしても必要なわけでございます。ですから、そういう趣旨からこういう制度が行われているというふうにお考えをいただきたいと思います。 もちろん、国と地方財政との関係という問題もございましょう。あるいは、単年度単年度の景気動向によって税収というものが非常に激変するわけでございますから、そういうものに備えておかなければいけない。あるいは、災害に対して備えていかなければいかぬ。いろいろな要素があってこの財源調整のための積立金というものが的確にそれぞれの自治体で運用されているんだ、こういうふうに考えるわけでございます。
○小岩井分科員 時間が参りましたようでありますので、最初に申し上げましたことをもう一度申し上げますが、平成四年度の政府予算案で、地方交付税の法定額八千五百億円が交付税特別会計から一般会計に繰り入れられて後年度に精算される、こういうことであって、これについて来年度やらないということを確認してもらいたいということについては、とうとう確認の答弁いただけませんでしたけれども、この点については冒頭申し上げましたように、来年度以降やらない、そういう地方財政の対策についてきっちりしていただきたいことを要望いたしておきたいと思います。 終わります。
○越智主査 これにて小岩井清君の質疑は終了いたしました。 次に、常松裕志君。
○常松分科員 自治大臣にお尋ねをいたします。 昨年十月に再生資源の利用の促進に関する法律が施行されました。同法案成立時に、国会は全会一致で、本案の施行に当たって政府に対し、事業者等に再生資源の積極的な利用を指導すること、地方自治体を積極的に支援すること、及び再生資源としての利用の促進が特に必要な製品については生産者、流通業者の販売ルートによる回収等の協力が行われるよう関係業者を指導することなど、必要に応じ適切な措置を講ずるべきである旨の決議を行っています。 しかし、リサイクル法が施行されたちょうどその時期から鉄くず価格の暴落が始まりました。鉄くずリサイクルの第一線で長い間活躍してきた回収業者の方々は、現在危機的な状況に直面し転廃業を余儀なくされ、また、廃棄物処理法の改正と相まって、住民参加によるリサイクルに積極的な地方自治体は逆有償化のため財政負担の増高に悩み、市民ボランティアによる鉄くず回収は不可能になってきております。今や鉄くずリサイクルの回収機構は崩壊寸前にあると言っても過言ではありません。 確かに、世界的な鉄鋼不況あるいはスクラップの過剰、バブル経済の崩壊など需要の冷え込み、あるいは安価な銑鉄の輸入などの原因を挙げることができます。しかし、二十一世紀に向かってリサイクル社会の構築を目指す我が国におきまして、市場における需給関係だけの理由で鉄くずリサイクルの機構を崩壊させてはならず、さらに今後、鉄くずだけではなくてガラスであるとか古紙であるとかウエスであるとか、そうした有価物のリサイクルを推進していこうという我が国にありまして、鉄くずリサイクルの問題に失敗をするということは全体のリサイクルが崩壊していくことにもつながりかねない、そんなふうに考えているところでございまして、その立場から二、三お尋ねをいたしたいと思います。 まず最初に、東京都市長会会長の吉野和男府中市長らから、鉄くずリサイクル対策についての要望書が出されていると思いますが、この要望書につきまして大臣はお目を通していらっしゃるかどうか、お尋ねをいたします。
○塩川国務大臣 私は、えらい不勉強でございまして、直接要望書はいただいておりませんが、拝見しておりませんが、おっしゃることは私も状況を承知いたしております。
○常松分科員 ぜひ後ほどごらんになっていただきたいと思いますが、その要望について二、三指尋ねをいたします。 まず第一に、逆有償になって東京都及び各市町村が九一年度予算で補正をいたしたり、あるいは九二年度の予算で予算化をしている、そういう実情について御報告をいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 今御指摘のように、鉄くずのリサイクルの問題につきましては大変な事態になっているということ、東京都の市長会の方からも私どもに申し入れをいただいているところでございます。具体的にこのためにどれだけの経費がかかっているかという点につきましては詳細つかんではおりませんけれども、こういう問題が部かの自治体におきまして大変大きな問題になっている、こういう点についてはよく承知しているところでございます。
○常松分科員 武蔵野市におきましては、今年度平成四年度の予算で、トン当たり六千円として千四百トン、八百六十五万円予算化をいたしております。小金井市におきましては同じく一千百万円の予算化をいたしております。トン当たり九千円ということであります。国立市におきましては、トン当たり七千円で千三百五十トンを見込んで九百四十五万円を予算化いたしておりますし、立川市はトン当たり六千円ということで一千五百六十万円予算化。昭島市におきましては、トン当たり一万円ということで一千三十万円ほど予算化。保谷市におきましても、年四百五十トンぐらいということで五百八十五万円予算化。これが実情であります。 こういう実情でございますので、自治体にいたしますと非常に財政負担が厳しくなってきているわけでありますが、後ほどまたその点についてはお尋ねをいたすといたしまして、この吉野府中市長らから出されております要望の中にございますが、資源リサイクルのために市町村の分別収集が不可欠であるわけでありますが、そうした分別収集への支援措置などを含め、市町村の資源化事業に対する技術的、財政的援助の充実について自治省どうお考えか、御答弁ください。
○湯浅政府委員 廃棄物処理の問題につきましては、これは都市の行政の中でも今一番難しい行政ではないかと思います。この廃棄物処理を円滑に運営するためには、資源のリサイクルという問題を避けて通れないということではないかと思います。また、環境問題に関連いたしましても、この問題は避けて通れないということで、各都市におきましてはこの資源のリサイクルという問題を今積極的に進めているというふうに私どもも理解いたしております。 そのために、明年度の地方財政対策におきましては、環境保全あるいは廃棄物、ごみの減量化、リサイクルというような経費に充ててもらうために、地方財政計画で千七百億円の額を計上いたしました。従来は公害対策費ということで約六百六十億ばかり計上いたしましたが、これを改組いたしまして千七百億円の環境保全費を計上いたしまして、これを交付税の基準財政需要額に的確に算入するように今交付税法の御審議をお願いしているところでございます。 そういう意味で私どもは、技術的な御援助というのは私どもの役所ではちょっとできないわけでございますが、そういう財政的な面での御支援という意味で、地方財政計画にただいま申しましたような経費の計上をことしはお願いいたしておりまして、こういう経費をうまく使っていただいて、ごみの減量あるいはリサイクル活動というものに充当していただければというふうに考えているところでございます。
○常松分科員 自治大臣にお答えをいただきたいのでございますが、この逆有償化という異常事態、逆有償化の根本的な原因は鉄くずの大暴落でございますけれども、どうもこの鉄くずの余剰というのは構造的あるいは長期的なものになるのではないかというようなおそれがございます。 そこで、ぜひ自治大臣と通産大臣及び厚生大臣との間で御協議をいただいて、自治省管轄からいえば、こうした逆有償化という異常事態を解消するために、関係各大臣と御協議をなさっていただく、そういう御決意があるかどうか、お尋ねをいたします。
○塩川国務大臣 昨年末あたりから急激に下がってまいりましたので、それは一つはシュレッダー業者が在庫を思い切り出したこと、それから予測で売り過ぎていったということ等が相場を冷やしていった、そういう直接の引き金になったということも聞いておるのです。 そうだとするならば、これはあるいは、極端に下がっているということは一時的な現象かなと思うたりもするのですけれども、しかし私は、地合いは非常に悪いと思っております。景気は減速化しできますし、設備投資におきます鉄の使用量というのもだんだんと減ってきておりますから、そういう点でやはり何らかのてこ入れをしなければならぬだろうと思ってはおりました。 その一つとして、先ほど財政局長が言っておりますようにリサイクル関係の、交付税措置ではございますけれども、自治省は交付税しか措置しょうがないものでございますからそれをやって、地方自治体に、おっしゃるようにこの制度をつぶしてしまうことのないようにいたしたい、こう思います。
○常松分科員 いかがでしょうか、通産大臣や厚生大臣とこういう事態についてお話し合いをいただくということはできないでしょうか。
○塩川国務大臣 通産大臣とすぐ相談してみましょう。わかりました、
○常松分科員 同時に、先ほど御答弁ございませんでしたけれども、局長さん、各自治体での鉄くずリサイクルの状況や財政負担の動向について、鉄くずだけでなくてももっと広く、瓶とか古紙とかに広げてもらった方がなおいいのですが、そういった実態調査を自治省としてしていただくことはできないかどうか。及び、市民のボランティアがリサイクル活動に参加するようになっているわけですが、そういったリサイクル活動に対する自治体の支援策や、回収機構を円滑に維持運営するために必要な自治体のコスト負担に対する支援措置というようなものについて自治省として考えることはできないか。最後に、この鉄くず需給調整機能を活性化させるために、自治体等に設置されておりますストックヤードやリサイクルセンターに対する必要な施設整備費、保管費等についての応分な財政措置の実施はできないか。以上三点についてお答えいただきたいと思います。
○湯浅政府委員 自治省といたしましては、先ほど申しましたように、廃棄物の減量化あるいは環境問題というものがこれからの自治体にとっては大変大きな問題になるということで、鉄くずに限っての調査というのはなかなか難しいわけでございますけれども、こういうごみの減量化対策についてどのような対応をしているかということはこれからもつかんでいかなければならないと考えております。 今御指摘のような市民ボランティア団体のリサイクル活動に対して自治体がいろいろな援助をいたしております。あるいはコンポスターの設置の助成とか、いろいろな形で自治体はこのリサイクル活動あるいはごみの減量運動に対して助成措置を講じておりますので、こういう内容につきましては私どもも適切に実態を把握してまいりたいと思います。 その支援措置でございますが、これについては、先ほど申し上げましたように自治省は特定の補助金というものを持っておりませんが、交付税の基準財政需要額を充実することによりましてそういう関係経費が使いやすいような、そういう自治体の経費を充実する努力をこれからやっていかなければならないということで、今回は千七百億円の経費をこの環境保全という問題のために計上させていただいているところでございます。 最後のストックヤードとかリサイクルセンターにつきましては、これはハード面の施設整備の問題でございますので、回収されたものの選別を行うための簡易なリサイクルセンターでございますとかあるいは資源ごみを保管するためのストックヤードというようなものを自治体が整備する場合には、それに地方債を充当いたしまして財政的に支障のないようにしてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○常松分科員 私、この問題を通産大臣やその他の関係大臣にもお尋ねをしていくつもりでおりまして、資源として再生できるものがこういう形で事実上は廃棄物同然になっているわけです。鉄くずの場合にお金をつけなければ業者が引き取ってくれないという事態は、これはもう有価物ではありませんで廃棄物同然になっておるわけであります。こういうことであってはこれからのリサイクル社会を到底円滑に進めていくことはできないと思いますので、ぜひひとつ大臣並びに自治省のこの点についての御配慮をよろしくお願いいたします。 次に、育児休業法について幾つかの御質問をさせていただきます。 地方公務員の育児休業法がこの四月から施行されるわけでございますが、この育児休業法、私ども社会党が、もう十年前になりますか、一九八二年に初めて参議院に提案をいたしました。その後八七年に社会党など野党四党の統一提案をして四年、この間ずっと論議を積み重ねてまいりまして、その中でようやく与野党間の合意が成立をして、昨年御存じのとおり成立をしたわけでございます。 その地方公務員の育児休業法についての審議をいたしました昨年の十二月十六日の地方行政委員会の中で大臣は、この育児休業に関する法律について次のように御発言をなさっていらっしゃいます。「育児休業に関する法律案が提出できたということは、私は、一つは社会のいわば変化というよりも進歩である」、こういうふうに大臣はおっしゃっておられます。私も、これはもう変化じゃなくて進歩だという大臣の御発言、全くそのとおりだと思っているわけでありますが、重ねて、進んでさらに大臣は、生活レベルが非常に向上してまいりましたに伴って、子を養育するについても非常に多様化、多岐多端になっております、親として子を養育するのに十分な時間をやはりかけたいというのは親の心情だろう、そういう観点からこの制度ができたことは、子の養育に親が一定期間安心して従事することができるということで、非常にいい傾向だ、こういうふうに大臣はおっしゃっているわけです。 休業法の施行がこの四月からされるわけですけれども、大臣のこのお気持ちは、今もなおこういうお気持ちであるということで御確認させていただいてよろしいでしょうか。
○塩川国務大臣 私は今でもそう思っております。 同時に、小学校の週休二日制ですね、これもぜひやるべきだ、それがやはり社会をよくするのだと私は思いますよ。
○常松分科員 大変力強い御答弁で頼もしく思っておりますが、さて、この育児休業法の今のこの十二月十六日の審議の過程の中でも、この法律が本当に有効に、子供の育児にお父さんが、あるいはお母さんが安心して従事することができるためにはということで、大きく言って二つの問題が指摘されていたと私は思います。 一つは、その育児休暇をとっている期間中の保育所の問題でございます。この保育所について児童福祉法では、お母さんなりお父さんが育児休業をとりますと子の養育に欠けるということにならなくなりますから、結局上の子を今まで保育園に預けていたのを家に引き取らなければならなくなるなどということとか、そのほか、育児休業が終わってからお子さんを保育園に預けることができるかとか、こういうことについてのきめの細かな配慮が必要だということが多くの方々から指摘をされておりました。もう一つは、その期間中の賃金補償のことが指摘をされていたわけであります。 まず、その保育所の弾力的な運用の問題についてお尋ねをしたいと思います。平成四年の三月四日付で、厚生省の児童家庭局母子福祉課で「育児休業に伴う保育所の対応について」などの御通知をしたということが伝えられておりますが、その趣旨について御説明いただきたいと思います。
○冨岡説明員 御説明申し上げます。 四月から育児休業制度が本格的に導入されることに伴いまして、その円滑な実施に向けて、保育所といたしましてもきめ細やかな対応が必要であるものと考えております。このため、保育所の対応については幅広い観点から対策を検討してきたところでございます。その結果を今月五日に各都道府県、政令市に通知いたしたところでございます。 その内容でございますが、まず御指摘の上の子についてでございます。先生のお話にもございましたように、保育所は御家庭で育児ができない場合にお預かりするという制度でございます。一方、育児休業につきましてはお子様を育てるために休暇をとられるという制度でございまして、実はなかなかその調整が難しい点がございます。そうは申しましても、大変大事な育児休業制度が実施されるに当たりまして、その折り合いをどうつけようかということで検討したわけでございます。そういうことで、通知におきましては、保護者が育児休業をとられたからといって一律に保育所から退所させるといった取り扱いではなくて、例えば保護者の健康状態がよろしくないといった場合につきましては入所が継続できること、これは従来どおりでございますが、これに加えまして、次年度に小学校への就学を控えているといった入所児童の環境の変化に留意する必要がある場合、それから集団指導が必要とされます三歳以上のお子様につきましてその地域に児童館といった受け入れ先がない場合、それからその他当該児童の発達上環境の変化が好ましくないと考えられる場合につきましては、入所を継続して差し支えないということで通知いたしたところでございます。 それからもう一点の御指摘でございます。育児休業を明けて職場に復帰する際に年度途中に保育所に入りにくいのではないかという点でございますが、この点につきましては、まず平成四年度予算案におきまして年度途中入所対策費というものを計上いたしました。それから、このような年度途中におきまして受け入れる場合には、一〇%定員を超えましても運営費をお支払いするということにいたしております。それから、加えまして、一たん退所したお子様がもとの保育所に帰りたい、それからまた、上の子と下の子が同じ保育所に入りたい、そういった事情がある場合には一五%定員オーバーしても運営費をお支払いする、そういったことも通知で書いてございますのできる限りこういった柔軟な対応をいたしたいと思っておるところでございます。 以上でございます。
○常松分科員 法律は法律として、その中で、この育児休業法で、自治大臣もおっしゃったように、子供の育児のために親が安心して従事できるようにということで、法は法としてあるけれどもこの柔軟な運用を図るという趣旨でございますね。そういう趣旨、大変賛成でありまして、頑張っていただきたいと思います。 次に、それと並んでもう一つ大事な賃金の補償の問題についてお尋ねをするわけでございます。 まず、これは申し上げるまでもないと思いますけれども、やはり安心してこの育児休暇をとる、そして子供の育児に専念するためには、大臣、やはり家計の問題の安心が第一でありまして、給与が支給されないというこの法律ででは安心して育児に専念することがなかなかできないのじゃないか、私はこんなふうに考えているわけであります。 そこで、平成三年の審議の過程では民間の状況についての言及をされているのですけれども、どうなんでしょうか、民間での実情はどんなふうになっているのでしょうか。
○佐田説明員 労働省におきまして、昨年二月に女子雇用管理基本調査というのを実施いたしました。これによりますと、育児休業制度の普及率は二一・九%でございますが、この中で有給としているものが五一・一%、無給が四六・二%でございます。有給の中では、社会保険相当額を支給というのが四三・二%ございまして、社会保険を超えて支給するのは四・六%、それより少ないのが三・三%という状況でございます。
○常松分科員 ここで本格的に育児休業法が施行されていきますと、今申し上げましたような二〇%だけでなくて、育児休業は企業種に広がっていくでしょうし、中で五〇%が現状有給だ、賃金補償されているということですから、その傾向はずっと広がっていくと私は思うのです。必ずそうなる。 しかし、今回のこの四月一日から施行されます地方公務員の育児休業法の場合には、私の聞き及んでいるところでは、全国で相当のところが条例で、今まで育児休業条例のようなものがあって、そこで現実に有給になっている、賃金補償されている。例えば共済の掛金分くらいは補償されているというふうに聞いているわけであります。そういう状況を引き下げることになるんじゃないか、この法律によって。この法律によってむしろ、今まで安心して育児休暇をとることができていた地方公務員のお母さんたちにとっては、この法律によって逆に安心できなくなってしまう。大臣のこの法律の御趣旨にもとるのではないか、こんなふうに思うのですけれども、その点いかがでしょうか。
○秋本政府委員 育児休業法の制定に当たりましていろいろ御議論がございました中で、御指摘のありました育児休業期間中の給与の取り扱いということがございました。 成立しました法律におきましては育児休業期間中無給とする、こういうことになっているわけでございますが、衆参の地方行政委員会での御審議の結果、附帯決議がつけられておりますけれども、その中におきましても、「法の目的に沿って、国家公務員の取扱いに準じて適宜制度の見直し検討を行い、特に育児休業期間中の経済的援助については、適切な措置を講ずべきである。」というふうにされております。この育児休業期間中の給与の取り扱いの問題につきましては、民間の状況を踏まえながら、人事院がどう判断されるか、また国家公務員についてどういうふうにされるか、そういうようなことを見守って適切に対応してまいりたいと存じます。 現在の成立しました育児休業法におきましては育児休業期間中は無給とするということにされておりますので、仮に御指摘のような団体がありましても給与は支給できないということになってまいります。
○常松分科員 もう少しそういう点を議論したいと思いますけれども、時間もございませんから、大臣に最後にお尋ねをいたしましてこの点は終わらせていただきますが、大臣はこの十二月十六日のときに、民間、国家公務員、地方と、それぞれの立場に立って議論を尽くし、改善していくべきところがあればそれを改善していきたいということを最後におっしゃっているわけであります。 この際お伺いいたしますが、改善すべき対象として、改善すべき事項として、この賃金補償の問題はその改善すべき事項の中に、大臣の頭の中にあるかどうかという点だけ最後にお答えしていただいて、私の質問を終わります。
○塩川国務大臣 その中に一つの要件としてやはり協議されていくであろうと思っておりますけれども、こちらの方からそれを積極的にやってくれとかいうのじゃなしに、先ほども言っていますように、まず民間とそれから国家公務員の関係がどうなるかということを見定めながらこちらも対応していきたいと思っておりますが、しかし検討要件に当然なってくるのではないかな、私はそう思っております。
○常松分科員 ありがとうございました。
○越智主査 これにて常松裕志君の質疑は終了いたしました。 次に、沢田広君。
○沢田分科員 三年ぐらい前でありますが、大臣は初耳かもわかりませんが、地方自治体に貸借対照表と損益計算書を、自治体の財政事情報告なりあるいは決算なりにつくって、市民にわかるようにすることが望ましい。私のこれは信条なのでありますが、その後モデルだけはとってもらったわけであります。 バブルもありましたが、もうそろそろこういう時期でありますから、ある一定の、決算までの状況に至らなくとも資産の公開、いわゆる十月一日現在で財政事情を報告しますが、財政事情の報告のときには貸借対照表と損益計算書を添付することがやはり望ましいのではないか。大臣はどのようにお考えになっておられますか。また同時に、これをひとつやってもらいたい、こう思うのでありますが、いかがでしょうか。
○湯浅政府委員 大臣の御答弁の前に私から御答弁させていただきますが、御指摘のようにこの地方団体の財政事情というものを的確に把握するためには、現在のようなフロー面だけの指標ではなしにストックの状況、地方団体のストックの状況というものを総合的に把握するというためには、例えばこの貸借対照表のようなもので資産の状況、それに対する負債の状況がどうなっているのかというようなこと、こういうものを明確にするということで、実は研究会も行ってまいりました。行ってまいりましたけれども、現段階でこれを実は全団体に拡張することができるかどうかということにつきましては、まだいろいろと問題点もございますので、これは非常にこれからの問題としては大切な問題でございますが、今直ちにこれをやっていくということについては、もう少しひとつ検討の期間をいただきたいという感じでございます。
○沢田分科員 そんな答弁を求めているんじゃなくて、大臣がそういう事情で、やはり今は民間企業でもみなし法人も廃止されて全部そういうものになっていこうという時節ですよ。そういうときにそんな言い逃れみたいなことを言っているようでは、それは住民も首長を選んだり議員を選んだりする場合に、やはり物差しというものがないわけですね。いわゆる財産を売り飛ばしてやっているような形を示す首長もいれば、一生懸命財産をためてストックを持っていくという首長もいるし、どう住民が選ぶかという選択のためには、どれだけ借金を、今全体の市町村の借金も六十兆円ぐらいに減ってきているわけですから、こういう時期に一つの基本をつくって、毎年毎年これをつくっていけば四年目にどうなっていたか、あの首長の業績はどうだったということが一目瞭然に市民にわかるようになる。今後は者すべてがそういう会計になるわけですから、今先端に立っている自治省がそんな逃げ腰で、それじゃみなし法人以下じゃないですか。そういうことは話にならないのですよ。これは大臣、叱咤勉励をして、やはりそれは施行するようにしてくださいよ。だから私は、あえて決算でなくて、財政事情報告のときにというワンクッションを置いて、そのときぐらいはいいじゃないですか、こう言っているわけですから。
○塩川国務大臣 地方財政法上だとか会計法、いろいろなものがございまして、それで役所は役所のスタイルでやっておりますが、私はこれは全然わからないのです、本当のことを言って。わからぬのです。おっしゃるように、ストックの状態なんてわかりゃしませんし、それで、私はかねてから、公開する場合、貸借対照表と損益計算書、これが本当なんだろうと思うのです。けれどもそこへ、役所は明治以来のずっとそういうしきたりがあってなかなかそうもいかないと思うのです。 しかし私は、オンブズマン制度、あのままでいいとは思いませんけれども、そういうところなんかがやはり中心となって、それを役所の資料から分解して組み立てていくとかいう、そういう知恵なんかも働かしていただいたらなと思うたりもするのです。地方自治体もそのくらいの努力をして、わかりやすくする努力をするべきだと思います。私はそう思っていますが、役所はなかなか言うことをよう聞きませんし、これは至らぬところでございます。
○沢田分科員 八百屋さんでも魚屋さんでも、みなし法人がなくなれば三十五万円の控除のためにはこうやって記帳していかなくちゃならなくなるのですよ。すべて青色申告の適用を受けるという仕組みになっていくわけです。自治体だって、特別会計を持っていますし、企業会計も持っているわけですから、できないわけでないし、前のあなたの立場になっていた、名前はちょっとあれしましたが、ちゃんとモデルで百都市ぐらいのをつくってくれたわけですよ。私もそれを見まして、ただこれは単年度だけじゃだあだな、やはり二年、三年後のものと比較して見ることが、借入金がどれだけ多くなったか、あるいは償還がどれだけ上がったか、あるいは財産がどれだけふえたか、いわゆる公務員の数はどうなったか、そういういろいろなものが見てはっきりわかる。 ただ一般財政事情報告というのは、全然それは滞納がどれだけあるかわからない。今の滞納は、あなたも御承知のとおり、現在はもう滞納を取る以上の費用をかけているでしょう。滞納額の方が人件費よりもずっと少なくて、滞納額よりも人件費の方にべらぼうな費用をかけて、これは公平を期するためだからやむを得ない。しかし、やむを得なくてもそういうものが整備されていく必要性があるでしょう、効率を上げるためには。だから、そういう意味においても公開というのは絶対要件なんです。これはみんなやるのですよ。それが高等教育を受けた人間ができないなんて、何で給料もらってるのかと言いたくなる。これは暴言じゃないと私は思う。だから、世間がそうなってきているときに順応できないなんて、話にならないですよ。これはちゃんとやってください。
○湯浅政府委員 今お話しのとおりでございますけれども、私どもも決して手をこまねいているということじゃございませんで、いろんなモデルなど使ったり、あるいは自治体にお願いしてモデル的にいろんな試算をやってもらうということで、どういう問題点があるか、あるいはこういうことが全団体に漏れなくうまく円滑に普及できるかどうかという点についてのいろいろな検討も進めているところでございますので、これからの検討課題として私どもも積極的に取り組んでまいらなければならないと思っております。
○沢田分科員 これは大臣も趣旨に賛成だし、だんだん社会がそういうふうに流れているのですから、それにおくれをとらないように対応してください。 それかも次に、いろいろの時間の関係で大体十二時には終わらせたいと思うのでありますが、一つは、消防の方ですが、高齢者が焼死する率が極めて高い。これをどういうふうにしたらそのときに助けることができるか。これはこれからの大きな課題だと思うのですね。私はどのくらいの費用になるかわかりませんが、この辺で言えばガラスふきのときの施設、体を綱でかけて腰かけるようないすになって窓際からおろす。それが一つ。またこれも十メートル、二十メートルの高層建築になってくるとなかなか難しいのだろうと思うのですが、しかし、そういうことめ知恵というものをやはり出さなくちゃならぬ時期に来たのではないのか。あるいはマスクというか、煙に巻かれないためのものを非常用に備えるということも必要なんじゃないかと思うのです。特に建築許可のときに、すぐ前を道路にしてコンクリートにするということはやめさせて草木にして、万が一、二階から飛びおりた人でも、それはお年寄りじゃなくても川そのまま死なないで済む、そういう建築上の考慮とかそういうものも総合的に検討するべき時期じゃないかと思うのです。その点ひとつどういうふうに考えておられるか。やはり知恵を生かしていく時期に来た、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○浅野政府委員 高齢者に火災による死者の割合が非常に高いということは御指摘のとおりでございまして、私どももこれからの消防行政の一つの最も重要な課題だとしてこれに取り組んでいかなければいけないということで、また取り組みもやっているつもりでございます。 現在、具体的にやっていますのは、どっちかといいますと……(沢田分科員「簡単に答えてください、抽象的じゃなくて」と呼ぶ)はい、わかりました。今御指摘の問題は、具体的に避難のための器具の開発、普及を図ればどうかということであろうかと思います。問題は、自分で自発的につけるのか、規制をするのかということになりますと、いろいろまたそのやり方も変わってまいりますが、あくまでもこれは住宅ということで、自分で自発的にそういうものをつけるという前提で考えるといたしますと、やはり構造的に安全なものにする必要があるだろう、そういうところの研究を一つやってみなければいけないんじゃないかというふうには思っております。
○沢田分科員 その程度ではまだ考えている状況には至っていない。命綱をどういうふうにつけてもらうとか、そういうことも考えてください。今の状況では、とてもそういう答弁ではなかなか済まされない時期であります。 それからもう一つは、今の雲仙の問題と関連して、災害の基本法に基づけば、事前にある一定の蓄積をしておくということが必要になっているわけですね。災害の計画もできていたが、全然あのときには災害計画どおりの中身にはなってなかった。 私は、あえてそのときにも申し上げたのですが、家屋で今百七十六兆ですね、固定資産の評価額でいきまして。土地は二百九十二兆。山林を含めるかどうかで別になりますが、一兆ちょっと、二兆円ぐらいですね。私は、この家屋の百七十六兆の中に災害準備金というようなものを、固定資産評価額に対する税率としては一%ぐらいなものなのかもわかりませんが、その程度のものをして、最低限度、火災、震災あるいは火山の爆発というような場合には最低の補償金額を三百万であるか、今度の場合は五百万だとかいうふうになっていますけれども、その程度が出せるように蓄積をしていくということは一つの自治体だけではできないだろうと思うのですね。それからもう一つは、一つの自治体で災害準備金を積み立てる制度をつくるということが一つ考えられますね。これは選択的に対応していくわけでありますが、数県、関東なら関東で申し合わせをしてつくる、あるいは九州なら九州だけで申し合わせをしてつくる、そういうブロック別にお互いに基金を積み立てていく、こういう方法もあると思うのです。 私は、日本的に全部、ある程度皆さんの御協力を仰いで、災害のときには最低限度、生活に支障のない給付ができるようにしていく。損保協会なんかがいろいろ文句は言うかもしれませんが、しかし震災の場合はこれは適用がないというのが大筋ですから、そういう立場で対応していくということも一つではないか、こう思うのですね。 この点は、大臣、答えるつもりで聞いていたかどうかわかりませんけれども、大臣の方からそういうものについて、ひとつ来年度予算を目指してこれから準備をし研究をしていく、そういう点についてはどのように考えておられるか。半端だったら、あとほかの者でもしょうがないですがね。
○湯浅政府委員 私、事前にちょっと申し上げますと、今御指摘のように、個々の地方団体におきましては、財政救助基金でございますとかあるいは財政調整基金というようなものを持っておりまして、これに基づいていろいろな不測の事態に対応するような積立金を持っております。こういうものと、今の御提言ではもう一つ、数団体が共同でそういう積立金ができないかどうかという問題でございまして、この問題については、実は私どもまだ検討したこともございませんでしたので、どういうふうな対応が可能なのかということについてこれからの勉強にまちたい点がちょっとございますので、御了解いただきたいと思います。
○沢田分科員 今度の雲仙のときになぜこれだけ国会で国で対応をしようという主張が多かったか。いわゆる災害基本法からいえば、当然それは対応できたはずのものなんですね。それが基本法の法律では十分でなかった。全国からとにかく三百億もの金がカンパされた。これは確かにとうとい気持ちなんです。しかし、こういう間に合わせ的な行政で災害というものはやるべきものではないと思うのですね。もっと基本的に、桜島もあれば浅間もあれば、日本列島は全部噴火口を持っているところですから、当然永久的な、ある程度の蓄積を持って国民が困らないようにしていくのは、地方自治法の根本趣旨じゃないですか。生命と財産を守ることが地方自治の本旨である、こういうふうに第二条には書いてあるのですからね。ですから、その第一の基本が今のような答弁で、研究するなんて言っているが、今まで何年地方自治にいたのですか。その大基本を、今度の長崎だって長崎だけだからだめだったのでしょう。あれをもし九州全体で考えていたらあんなことにはならないし、熊本からも応援に行っただろうし、鹿児島からも応援に行っただろうと思うのですね。それが長崎だけでウーウーうなっていて、結果的にはこういう今日のような状況になってしまった。それは災害基本法的なものの体制がブロック別にはできていないということのあらわれで、それで国民のカンパでようやく——そういうことで大臣、今のような答弁ではこれからの災害に対してどうにもならないですよ。これから起きないという保証はないのですからね。だから起きた場合に、国民のカンパによるというのじゃなくて、制度としてある程度安定したものをつくっていくということが政治じゃないですか。我々も、幾らか負担を求めるという案を言うということは勇気が必要ですよ。しかし、そのことが全国民の万一の場合に最低限度の救助の対象になり得るという道を開くことは、固定資産評価額に基づけば割合平等だと思うのですね。家のない人には負担はないのですから。 そういうことであえて提言をして、こういう災害の場合に大変な事態にならないように処置していく。これはもう事務屋の答弁は要らないですよ。分科会は三十分なのだから、講釈を聞いてもしょうがないのだ。大臣のいわゆる決断的な対応が必要になってきている、こういうふうに思いますが、いかがですか。
○塩川国務大臣 沢田さんの御提案を承りまして、私自身も一回勉強させていただきたいと思います。
○沢田分科員 もう一つ、これは大臣一人の力ではだめなのでありますが、地方団体に対する福祉の諸施設の負担とか、今もいろいろ議論をされておりましたいわゆるひもつき補助の問題ですが、もっと地方団体に判定権というものを持たせるようにして一般財源化したらどうか。いうなら地方の議会の見識といいますか、そういうものを信頼してなるべく一般財源化をして支給して、何に使うかということの判定は地方団体に任せながらしていく。それが四分の三のもののさらに二分の一ぐらいは一般財源にする、三分の一出ているものはその六分の一は一般財源にするというふうに自治体の自主性というものを生かしていく。これからはこういう、私は今は全額と言っていません、全額と言うと不安材料の方が多くなってしまいますから、二分の一は一般財源化していくことの方が正しいのじゃないか、正しいというよりもべターなのではないか、こういうふうに思います。 これは大蔵省もありますし、厚生省もありますし、それぞれいろいろ意見があると思いますが、自治省の出発点が一般財源化に共鳴されなければそれはだめなのですから、その点の回答を聞いて、若干残れば後でちょっとUターンしますが、ひとつお願いいたします。
○塩川国務大臣 私もかねてからそのことを主張しておりまして、財政収入額が変わりましたことに伴いまして、この構造的変化について財政需要の方でもそれにマッチしたものにしていかなければいかぬ。その際に、財政需要の構造変化の中で一番重要な問題と考えるべきものとは機関委任事務、団体委任事務に関するもの、そのものに関する国との支出関係、こういうものはできるだけ一般財源化していく方が自治の本旨に沿っていくのではないかと思いますので、このことについては今後とも進めていきたいと思っております。
○沢田分科員 念のためですが、これは減らすという意味じゃないのですね。これはもう大臣もそのつもりでお答えいただいていると思います。それは大いにお互いに進めさせていただきたいと思います。 それではさかのぼりまして、貸借対照表と損益計算書、どちらかといったら、どちらの方だけぐらいはできそうですか。これはあなた自身の答えによって決まってしまうのだから。
○湯浅政府委員 今でもフローの関係につきましてはかなり的確に算定できるわけでございますから、そういう意味からいきますと、損益計算書の方をつくることは計算上は非常にあれだと思いますが、しかし損益計算書と今の官庁会計というのはほぼ似たようなものでございますから、これはどっちでも可能だという感じはしております。 問題はストックをどういうふうに捕捉していくか、貸借対照表というものをどういうふうにつくっていくか、これが一番問題ではないかと思っているわけでございます。特に一般会計、普通会計の事業というものは、多種多様なストックがあるわけです。例えば道路もある、公園もある、同じ土地であってもいろいろな施設がありまして、それぞれの目的、効用が違うわけでございます。その効用は数字にはあらわせない、こういう問題がございまして、単に財産的な価値というものだけをストックであらわすということで果たしてその財政事情を的確にあらわすことができるのかどうか、こういう問題もあるのではないかという気が実は私はしているわけでございます。
○沢田分科員 それはこの前のモデルでつくられたときに、行政用の現在使用している財産と、そうでないものと、まあ現在の商法というか、いわゆる現在の会社では購入価格をもって記帳しているわけですから、いつの時点で買ったかということさえはっきりしていればこれはいつでも市民にはわかる仕組みになっていますね。行政用の財産は行政用の財産で現在既に使っている。ただ、廃止されたものの道路とか、あるいは廃止された河川のものであるとか、それは現在の路線価格によるとか公示価格によって表示するということで可能だと思うのですね。そういうものが今自治体の中でどれだけロスが多くなっているかということは、これは河川は建設省がやっていますが、どんどん民有地だの官有地が入り組んじゃってどうにもならないで、まだ登記もできていないというのが現状でしょう。百年たってもだめなんですね。ですから、それは難しいことはわかりますが、だからといって貸借対照表ができないということにはならない。 これはぜひひとつ、希望をしているというか実行できるところから実行してもらう。それは市民が今度は選択しますよ。実行しないところの首長とそれから実行しているところの首長をどういうふうに評価するかは、市民が選んでいきますよ。だから、どこか最後の村ができないからやらないとかというんじゃなくて、できるところからきちんとやっていけば、自然に社会の風潮でできていくものなんですから、ぜひ実行——もう十二時には終らせるという約束でしたから、二分ぐらいありますが、ちょうどお昼には皆さんも休みたいでしょう、皆さんもずっと一日じゅうやっているのですから。その点はひとつできるところからやるということで進めていっていただけませんか。そうあなたが心配することじゃないのですから。
○湯浅政府委員 前からもモデル的に幾つかの市町村にお願いしてこういう試算をしてもらっておりますから、こういうことは勉強はもちろん続けていかなきゃなりません。それで公表できるものは公表していただくように市町村にもお願いしていかなきゃならぬと思いますので、これからも協力していただける市町村を数多くふやしていくという努力は、私どもも大いにしていかなきゃならぬと思います。
○沢田分科員 いや、名前を発表して出してくださいね。あれは名なしじゃやはりどこだろうと想像するだけになってくるし、だから出しても差し支えないところからはどんどん出していただく、こういうことを特にお願いして、大臣、この点はお願いいたします。 以上、私は終わります。
○越智主査 これにて沢田広君の質疑は終了いたしました。 以上をもちまして自治省所管についての質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午前十一時五十九分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○越智主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 文部省所管について、政府から説明を聴取いたします。鳩山文部大臣。
○鳩山国務大臣 平成四年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げます。 平成四年度文部省所管予算につきましては、我が国が、来るべき二十一世紀に向けて、創造的で活力ある文化の薫り高い国家として発展し、世界に貢献していく基礎を築くとともに、国民一人一人が、生きがいと潤いを持って一層充実した生活を営むことができるよう、教育・学術・文化・スポーツの文教施策全般にわたり、その着実な推進を図ることとし、所要の予算の確保に努めたところであります。 文部省所管の一般会計予算額は、五兆三千百九十四億六千六百万円、国立学校特別会計予算額は、二兆二千百七十二億六千九百万円となっております。 何とぞよろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 なお、時間の関係もございますので、お手元に配布してあります印刷物を、主査におかれまして、会議録に掲載せられますよう、御配慮をお願い申し上げます。
○越智主査 この際、お諮りいたします。 ただいま文部大臣から申し出がありました文部省所管関係予算の概要につきましては、その詳細は、説明を省略し、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○越智主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔鳩山国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、平成四年度予算における主要な事項について、御説明申し上げます。 第一は、生涯学習の振興に関する経費であります。 まず、生涯学習推進体制の整備充実につきましては、地域における生涯学習に取り組む体制の整備、多様な学習情報の提供、社会教育主事等の養成確保に努めるとともに、生涯学習社会における放送大学の将来の運営の在り方について所要の調査研究を行うことといたしております。 次に、生涯学習機関としての学校の機能の充実につきましては、大学等における社会人の再教育機能を高めるとともに、公開講座や学校の開放を促進するほか、放送大学の整備充実、専修学校教育の振興を図ることといたしております。 また、社会教育の振興の面では、公民館、図書館等の公立社会教育施設の整備、多様な学習機会の整備充実に努めるほか、家庭教育の振興、青少年の学校外活動の振興、長寿化対策事業の促進等を図ることとし、所要の経費を計上いたしております。 さらに、国立オリンピック記念青少年総合センターの整備を進めるなど、国立社会教育施設の整備充実に努めることとしております。 第二は、初等中等教育の充実に関する経費であります。 まず、義務教育諸学校の教職員定数につきましては、新学習指導要領への対応、外国人子女への日本語指導など緊急に対応しなければならない課題について所要の教職員配置の充実を図ることといたしております。 次に、教員の資質の向上を図るため、初任者研修制度を平成元年度より学校種ごとに実施してきております。平成四年度は、新たに特殊教育諸学校において本格実施することで、初任者研修制度を完成させることといたしております。また、新たに幼稚園新規採用教員に対する研修を実施するなど教職員に対する研修の充実を図るとともに、教員の海外派遣、教育研究団体への助成等を行うことといたしております。 教育内容につきましては、新学習指導要領の趣旨徹底を図るため、引き続き講習会等を行うことといたしております。 また、理科教育における観察・実験を重視するため、小学校の設備基準を改訂し、その整備を図るほか、情報化への対応を円滑に進めるため、教育用コンピュータの整備等を推進するとともに、我が国社会の国際化への対応のため外国語教育の充実に努めていくことといたしております。 学校週五日制につきましては、社会の変化に対応した新しい学校運営等に関する調査研究の一環として、さらに研究を進めることとし、調査研究協力校の拡充を図ることとしております。 また、中央教育審議会の答申の趣旨を踏まえ、高等学校教育改革につきまして、調査研究の委託、研究指定校の指定などその推進を図ることといたしております。 なお、義務教育教科書の無償給与につきましても、所要の経費を計上いたしております。 次に、児童生徒の登校拒否等の問題について適切に対処するため、適応指導教室についての実践的研究を拡充するなど、学校不適応対策事業の一層の充実を図ることといたしております。また、児童生徒の健全な育成を図るため、自然教室推進事業等の施策を実施することといたしております。 道徳教育につきましては、今後の道徳教育の参考に資するため、新たに、道徳教育推進状況調査を実施するなど、その一層の充実を図ることといたしております。 幼稚園教育につきましては、幼稚園就園奨励費補助を充実するとともに、幼稚園教育振興計画を推進するなど、一層の振興を図ることといたしております。 特殊教育につきましては、心身障害児の指導方法等の調査研究を行うとともに、特殊教育就学奨励費を充実するなど、一層の振興に努めることといたしております。 また、海外子女教育・帰国子女教育につきましては、日本人学校の増設、児童生徒数の増加に対応し、派遣教員を増員するとともに、在外教育施設における現地社会との国際教育・文化交流等を一層推進するほか、中国等帰国孤児子女教育研究協力校を拡充することといたしております。 さらに、児童生徒等の健康教育の充実に努めるとともに、豊かで魅力ある学校給食を目指して、その充実を図ることといたしております。 次に、公立学校施設の整備につきましては、小・中学校校舎等の新増改築事業を中心に事業量の拡充を図るとともに、屋外教育環境整備費補助制度の継続等を行うこととし、これらに要する経費として、平成三年度に対して二百十八億円増の二千五百六億円を計上いたしております。このこととも関連し、国と地方の役割分担の在り方の見直しの一環として、義務教育費国庫負担金のうち共済費追加費用等について段階的に一般財源化を図ることといたしております。 なお、定時制及び通信教育の振興、産業教育の振興、地域改善対策としての教育の振興など各般の施策につきましても所要の経費を計上いたしております。 第三は、私学助成に関する経費であります。 まず、私立の大学等に対する経常費補助につきましては、平成三年度に対して四十二億円増の二千六百一億五千万円を計上いたしております。このほか、教育研究装置施設整備費補助及び研究設備等整備費補助についても、それぞれ増額を図るなど教育研究の推進に配慮いたしております。 また、私立の高等学校等の経常費助成を行う都道府県に対する補助につきましても、平成三年度に対して二十四億円増の八百二十三億円を計上いたしております。 日本私学振興財団の貸付事業につきましては、六百七十億円の貸付額を予定いたしております。 第四は、高等教育の整備充実に関する経費であります。 まず、高等教育の高度化等の要請に応え、大学院につきましては、大学院研究科等の新設整備、大学院を中心とする高度化推進特別経費の新規措置及び大学院最先端設備の充実など、各般にわたる整備充実を図ることとし、所要の経費を計上いたしております。 国立大学につきましては、その教育研究環境の改善充実を図るため、国立学校特別会計に特別施設整備資金を設置し、この資金の仕組みを活用して、特別施設整備事業を実施するなど、国立学校施設の整備充実を推進するとともに、国立学校財産の有効活用を図る等の業務を行う機関として、国立学校財務センターを創設することとし、所要の経費を計上いたしております。さらに、教育研究基盤の充実、学部の改組など、教育研究上緊要なものについて、整備充実を図ることといたしております。 また、附属病院につきましては、看護婦等の増員を図るとともに、救急医療等の社会的要請の強い分野に関する診療組織の整備を行うことといたしております。 なお、国立学校の授業料につきましては、諸般の情勢を総合的に勘案し、これを改定することといたしております。 次に、育英奨学事業につきましては、大学院博士課程学生の貸与月額を増額するほか、看護学部・学科の学生生徒の貸与人員の増員を図ることとし、政府貸付金七百三十九億円、財政投融資資金三百七十六億円と返還金とを合わせて、千九百一億円の学資貸与事業を行うことといたしております。 また、公立大学につきましては、医科大学、看護大学等の経常費補助及び教育設備整備費等補助について、所要の助成を図ることといたしております。 第五は、学術の振興に関する経費であります。 まず、科学研究費補助金につきましては、独創性に富む優れた学術研究を推進し、我が国の学術研究を格段に発展させるための基幹的研究費として引き続きその拡充を図ることとし、平成三年度に対して五十七億円増の六百四十六億円を計上いたしております。 次に、学術研究体制の整備につきましては、研究組織の整備、優れた若手研究者の養成・確保に資するための特別研究員制度の拡充、研究設備の充実、学術情報システムの整備、大学と産業界等との研究協力の推進など各般の施策を進めるとともに、地球環境に関する諸課題の解明に資するための研究の推進を図ることといたしております。 また、天文学研究、宇宙科学等のそれぞれの分野における研究の一層の推進を図ることとし、これら重要基礎研究に要する経費として五百四十六億円を計上いたしております。 第六は、スポーツの振興に関する経費であります。 広くスポーツ施設の整備を進めるため、社会体育施設及び学校体育施設の整備に要する経費として百九十六億円を計上いたしております。また、学校体育につきましては、学校体育指導の充実を図るため所要の経費を計上いたしております。 さらに、生涯スポーツ推進の観点から、指導者の養成確保など、幅広く国民のスポーツ活動を助長するための諸施策の一層の推進に努めることとし、所要の経費を計上いたしております。 次に、競技スポーツの振興につきましては、日本オリンピック委員会が行う選手強化事業を引き続き実施するとともに、スポーツ科学の推進を図るため、国立スポーツ科学センター(仮称)の建設に伴う事前調査を行うほか、国民体育大会への助成など、所要の経費を計上いたしております。 また、一九九八年に長野で開催される第十八回オリンピック冬季競技大会の準備を推進するため、所要の経費を計上いたしております。 第七は、芸術文化の振興と文化財の整備・活用の推進に関する経費であります。 まず、芸術文化の振興につきましては、若手芸術家の育成に資するため、国内外における研修の機会を提供する芸術フェローシップ事業の拡充を図るほか、優れた舞台芸術活動への支援の推進、地域の文化振興のための新文化拠点推進事業等の諸施策につきましても、所要の経費を計上いたしております。 次に、文化財の整備・活用につきましては、史跡の整備・公有化の促進、国宝・重要文化財の保存整備等の推進を図るとともに、国分寺・国府跡等の史跡を地域住民の生活・文化のふれあいの場として活用を図る地域中核史跡等整備特別事業を実施することといたしております。 第八は、教育、学術、文化の国際交流・協力の推進に関する経費であります。 留学生交流につきましては、二十一世紀初頭における十万人の留学生受入れを目途に、国費留学生受入れの計画的整備、私費留学生に対する援助施策の充実、宿舎の安定的確保、大学等における教育指導体制の充実など各般の事業を積極的に推進するとともに、円滑な海外留学を促進することとし、そのために要する経費として三百四十七億円を計上いたしております。 さらに、外国人に対する日本語教育の充実を進めるとともに、識字教育事業に対する協力などユネスコを通じた教育協力等もその推進を図ることといたしております。 次に、学術の国際交流・協力につきましては、諸外国との研究者交流、各種の国際共同研究、発展途上国との学術交流、国連大学への協力等を推進することといたしております。 また、文化の国際交流につきましても、優秀な芸術家の招へい、海外フェスティバル等への参加公演、文化財保存の国際協力など各般の施策の充実を図ることといたしております。 ただ今御説明いたしましたように教育改革の着実な推進を図るため所要の経費を計上いたしておりますが、このほか、文教政策の企画立案のための総合調査研究等の経費を計上するとともに、国立教育研究所における調査研究機能の強化を図るため、引き続きその整備を進めることといたしております。 以上、平成四年度文部省所管予算につきまして、その概要を御説明申し上げた次第であります。 何とぞよろしくご審議くださいますようお願い申し上げます。 —————————————
○越智主査 以上をもちまして文部省所管についての説明は終わりました。 —————————————
○越智主査 この際、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力を賜りますようお願い申し上げます。 なお、政府当局におかれましては、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。細川律夫君。
○細川分科員 私は、障害者の進学についていろいろとお尋ねをいたしたいと思います。 まず、昨年の三月でありますけれども、兵庫県の尼崎市で玉置真人君という方が市立尼崎高校を受験いたしましたけれども不合格になりました。玉置君は成績が悪かったのではないわけです。成績は非常によくて上位一〇%の中にはいたのでございます。実は玉置真人君は病気を持っておりまして、進行性の筋ジストロフィーの障害を持つ子でございます。ふだんは車いすを利用しなければ移動することができない。 そこで、なぜこの玉置君が不合格になったかといいますと、その理由とするところは、高等学校での体育の単位が取れない、そして高等学校のこの校内におきます設備が十分整っていないということで移動が難しいというような理由で不合格になったわけでございます。 その高校入試前、いわゆる中学のときにはどういうことであったかといいますと、尼崎市立の中学校、公立中学に通っておりまして、その中学校では玉置君が車いすで十分移動ができるようないろいろな配慮をしておりまして、玄関などにはスロープをつけるとか、あるいは教室も三年間ずっと一階での教室に玉置君を勉強させるとかといういろいろな配慮をしていたわけなんです。玉置君自身は成績は大変優秀で大学の方に行きたいということで、友達が多く進学をいたします自宅の近所の市立尼崎高校を受験いたしたわけなんです。 どうしてこういう玉置君が不合格になるのか、私としては率直に言ってこの新聞記事を見ましてショックであったわけなんですけれども、ちょっとここで大臣に、若い文部大臣に、こういう事実があったということに対して率直にどういうふうにお感じになるのか、ぜひその率直な感想をまずお聞きをしたいと思います。
○坂元政府委員 大臣からお話しになる前に、私からちょっと事実関係についての私どもの考え方だけお話ししておきたいと思います。 先生御指摘の本件につきましては、高等学校入学者選抜における個々の具体的な合否判定の問題でもありますし、また現在訴訟が提起されているということでもありますので、当該不合格処分の是非について言及するのは差し控えさせていただきたいと思いますが、ただ、私どもとしましては、心身障害児の高校入学をめぐって裁判にまでなってしまったというのは大変残念なことだというふうに考えております。 私どもは、一般論でございますが、従来から、単に障害を有するということのみをもって受験の門戸を閉ざしたり、不合格、不合理な取り扱いがなされないように各県教育委員会を指導してきたところでございます。本件につきまして、私ども訴訟になる前から大変関心を持ちまして兵庫県教育委員会から随時報告等を求めてきたところでございますが、今後とも関心を持ってその訴訟の推移を見守ってまいりたいというふうに事務的には考えております。
○鳩山国務大臣 教育は機会均等という大原則だけでなくして、これは教育以外のすべての場面で言えることと思いますが、行政とか政治というものに最も求められているのは優しさであって、とりわけ条件の整わない方とかハンディキャップを負った方をどう扱っていくかというのは常に行政のすべての分野の最大の課題だろうと思うわけで、ちょっと極端な言い方になりますけれども、政治あるいは行政というものは強い者をますます強くすることには何の力もかす必要はないので、弱きを助け、強きをくじかなくてもいいかもしれませんが、そういう弱い人を助けることさえできれば政治あるいは行政は相当な高い点数をとれるもの。そのように考えたときに、いわゆる心身に障害を持っておられる皆様方が、例えば養護学校に九万人以上行っておられるんでしょうか、あるいは特殊学級に行っておられる方が七万人とかそういうオーダーでおられるんでしょうか、あるいは統合教育を受けておられる方もおられると思いますから、そういうハンディキャップをお持ちのお子さんの方の数というのは大変な数字に上るわけですね。そうした方々を温かく遇することができるかできないかというのは教育のかなえの軽重を問われるような問題ではないかと私は考えております。
○細川分科員 大臣の大変力強い御答弁をいただきまして、ありがとうございました。 ただ、事務当局からの御答弁では、裁判をしているからということで核心に触れたところのお答えはなかなかいただけないわけでありますけれども、こういう例というのはたくさんあろうかと思います。同じような障害を持った人たちが玉置君と同じように高校に入れなくて悲しい思いをしなければならない、そういうことがないようにぜひとも行政での御努力をお願いしたいと思うわけです。 今大臣からもお話がございました。憲法二十六条第一項には、「すべて国民は、法律の定めるところにより、その能力に応じて、ひとしく教育を受ける権利を有する。」というふうに規定をしておりまして、そしてまた十四条では、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」というように規定をされているわけでございます。身体障害者、いわゆる障害、ハンディキャップを持っている人も、その能力に応じてひとしく教育を受ける権利があるわけでありまして、その権利を十分行使できるような行政の対応が求められているものというふうに思います。 そこで、お聞きをいたしますけれども、身体障害などいわゆる障害を持っている子供たちが、どういうような形で教育を受けているのか。普通学級に行っているのか、それとも養護学校など、そういうところに行っているのか、この実態を、わかっていれば御説明をいただきたいと思います。
○坂元政府委員 まず、盲聾養護学校に進学している数でございます。これは幼稚部、小学校、中等部、それから高等部というふうになっておりますが、盲学校に行っておる子供が五千二百二十八、聾学校が八千百四十九、養護学校に進学している子供さんが七万八千百五十七というふうになっております。 それから、小中学校の特殊学級に、通常の小中学校に併設されております特殊学級に行っておる子供は、小学校で四万八千二百七十一、中学校で二万五千九百九十六、そういう数字に相なっているところでございます。 ただ、今先生の御指摘の、心身に障害のある子供で例えば通常の高等学校などに行っている者はどのくらいか、あるいは特殊学級がない学校に心身にハンディキャップを負っておる子供が行っておる数字はどのぐらいかというのは、ちょっと私ども数字はつかんでおりませんが、ちなみに高等学校の例で申し上げますと、これはむしろ入り口のところでつかまえた数字でございます。 例えば盲聾養護学校の中等部を卒業をしまして、高等部ではなくて通常の高等学校に進学した者という形でつかまえた数字を平成三年度で申し上げますと、ちょうど五百人でございます。中等部を卒業した者全体の五・八%の数字に相なります。 それから、中学校の特殊学級に在学しておって、養護学校なり盲聾養護学校の高等部に進学した者ではなくて、通常の高等学校に進学した者が千八百四十人、卒業生の一八・一%、そういう数字になっております。
○細川分科員 障害を持っている子供たちが普通学校、普通学級で学びたいという場合に、これを受け入れるにはいろいろな設備をしなければいけない、それには経費もかかるだろうというふうに思います。そういう意味では統計的なものをきちんととっておく必要があると思いますし、また、今はいわゆる高等学校のお話でしたけれども、普通の義務教育の小中学校などで、特殊学級でもなくて、障害がある子が普通の子供たちと一緒に教室で勉強をしている、こういう例もたくさんあるわけなんでありまして、それにはまたいろいろな学校の設備なんか、あるいは教員の配置の問題とか、いろいろしなければいけないと思いますので、どういうふうになっているかということは文部省の方でも把握をしておく必要があろうかと思いますけれども、そういう統計、この点いかがでしょうか。
○坂元政府委員 実は私どももそういう事柄を把握したいという気持ちは持っておるんですが、現場の学校の関係者等にいろいろ意見を聞きますと、若干プライバシーに属する問題であるし、かつまたその判定が、ハンディキャップがあるといっても、明らかに目が悪いとか耳が聞こえないという点については客観的にある程度数字を出すことは可能でありますけれども、本人が何でもないと思っておられて、ところが先生から見て若干ハンディキャップがあるんじゃないかというようなところを判断するのが大変難しい、それを数字として表へ出すのはいかがなものだというような現場の関係者の率直な意見もございまして、私どももそういう調査をするかどうかというのはちょっと苦慮している、そういう点がございます。 先生が御指摘のとおり、きめの細かい施策を推進していくためにはできるだけそういうものは数を把握しておいた方がいいことは間違いないわけですが、そういう点もあるということを御理解いただきたいと思いますし、私どもも、そういう点もクリアしてなお、何とか調査できるかできないかというのを今後も検討したいというふうに考えております。
○細川分科員 ひとつその点についても御努力をよろしくお願いをしたいというふうに思います。 そこで、先ほどの玉置真人君でございますけれども、新聞の報道によりますと、二月十六日に私立の私立関西学院高等部の方に入学をされた、こういう報道がされていたわけでございます。昨年公立の高等学校が入学を拒否をして、そして、ことしは私立の高等学校の方に合格をした。非常に私自身、この新聞の報道を読みまして、果たしてこれでいいものだろうかという感じを受けたわけでございます。事務当局の方にお願いをしておりましたけれども、この兵庫県の方で、玉置君はこの私立の関西学院に入るということになったんでしょうか。それとも、ことしも公立高校を受けられたんでしょうか。
○坂元政府委員 私ども、新聞報道等その他、教育委員会等に聞いてみましたところ、ことしは公立高等学校は受けてない、受験してないそうでございます。したがって、この私学に行くのではないかというふうに考えております。
○細川分科員 玉置君、結局そういう私立の方に進学をされるということでございますと、これは、いわゆる公教育であります公立の高等学校が、この障害を持つ玉置君の学習をしたいという気持ちをいわば踏みにじったような感じにもなりますし、憲法で保障されております教育を受ける権利というのは、子供の立場から見れば学習する権利でもございます。したがって、こういうことを、ぜひ公立の高等学校に進学できて、普通の健常児の皆さんと一緒に勉強できるようなそういう行政をぜひ進めていただきたいと思います。 そこでお伺いしますけれども、この玉置君のような方が高等学校に入学をしたいというような場合に、受け入れ態勢は一般的、全国的にはできているのかどうかをお聞きしたいんですけれども、いかがでしょうか。
○坂元政府委員 私ども先ほども御説明申し上げましたとおりに、単に障害を有するという理由のみをもって学校に受け入れないということのないように対応をしていただきたいということで現在各県を指導いたしております。各県ともそれぞれ障害者の高校受け入れの態様はさまざまでございますけれども、それぞれいろいろな工夫をして受け入れるという方向で動いておる、努力しておるというふうに私ども理解をいたしております。 例えば入試の場合に、点字の受験の機会等を与えるとか、拡大文字による問題を与えるとか、ヒアリングは別途実施するとか、その他受験や何かについても、別室で受験をさせる、時間を延長させる、あるいは付き添いも許可するとか、そういうような、それぞれ各県そういう方向でいろいろ努力をしているというふうに理解をいたしております。
○細川分科員 障害を持っている子供が普通高校に進学をするということについては、いろいろと設備の点などでもお金もかかるだろうというふうにも思います。そういう意味で、ぜひ文部大臣、ひとつそういう点での財政的な措置についてこれから大臣のお力を発揮していただきたいというふうに思います。
○鳩山国務大臣 全くおっしゃるとおりで、そういう温かい教育を進めていかなければならないと思っております。 今、初中局長がお答えした入試の問題ですけれども、私は、高校ではありませんが、先般大学入試センターを視察いたしましたときに、点字でつくられた入試問題とか、字を拡大して目のやや御不自由な方のために非常に大きな問題用紙をつくってあるわけですが、ああいうものを見まして、よかったなという気持ちで涙が出るような思いがしたわけですね。これはもちろん大学入試のことですが。 したがって、先生御指摘のとおり、学校に施設とか設備とかいろいろかかることもありますから財政的な問題もありますけれども、入試も含めてできるだけのことをしてさしあげるようなそういう文教行政でありたい。そのためにはまた、予算面でもいろいろ国会全体に御配慮いただきたいという思いです。
○細川分科員 ひとつよろしくお願いしたいと思います。 私も子供が通っている学校のPTAなどにも関与していたときに、その学校で全盲の子供が普通の子供たちと一緒に学習をしていたというところを見まして、運動会のときにその全盲の子供が健常者に手をつながれて校庭を走っているそういう光景を見まして、教育といいますか、それのすばらしさというものを非常に感じたこともございました。 そして、最近また私、新聞を読んでこれもまたすばらしいことだなというふうに思いましたのは、二月の十八日に新聞に報道されておりましたけれども、ミトコンドリアという病気にかかりました平本歩ちゃんという方が今度小学校に入学をすることになった。この赤ちゃんは全然もう歩けない寝たきりの子供でありまして、人工呼吸器をつけたままの人なんです。これが外れますともう五、六分で命が危なくなるようなそういう症状の方が、今度普通の公立の小学校に入学をされるということになったようなんですね。私は、これを見まして、関係者の御努力というものに大変敬意を表するわけなんですけれども、こういうことにもまたいろいろお金もかかろうかと思いますけれども、ぜひこういう子供たちが本当に健常者と一緒に勉強ができる、学習ができるというそういう環境をぜひさらに整えていただきたいというふうに思います。 ところが一方で、三月の八日にこれまた新聞に報道されたことなんですけれども、これは、脳性小児麻痺によって運動障害を持っておりまして、言葉もなかなか発声することもできないし文字も書けないような方なんですけれども、この方がどうしても高等学校で勉強したいということで、もちろん入学試験を受けましたけれども、これは不合格になりました。しかし、勉強したいということで六年間、六年間その高等学校の校門のところまで行っていわゆる自主入学をして、毎日毎日六年間通って、そしてこの三月のこれは七日に、その高等学校の卒業式に合わせて校門の前で自主卒業式というのをやったというのですね。 一方で、先ほど言った平本歩ちゃんはそういう状況で小学校に入れた。一方は、確かに身体に障害を持っていて物も言えないあるいは文字も書けないような人だけれども、とにかく高等学校へ行きたいけれども行けなくて、六年間校門の前まで毎日毎日通った、そして自主卒業式をしたというこの報道を見まして、障害者に対する学習をどう保障をしていくか、難しい点はいっぱいあるかと思いますけれども、ぜひ細かいところにいろいろ気をつけていただいて、こういうことが、こういう人たちもそれぞれのところで学習ができていくようなひとつ御努力をお願いをしたいというふうに思います。 それから、時間が余りありませんので最後に申し上げたいと思いますけれども、これまた埼玉の方で起こっている事件であります。 これは、二十四歳の増田純一さんという方が定時制の高等学校を受けまして不合格になった、こういうことなんですけれども、これについて文部省の方で把握されていることがありましたら簡単に説明していただきたいと思いますが。簡単で結構ですから。
○坂元政府委員 増田純一君という方が浦和高校の定時制を受験され、昨年の三月でございますが、その場合に、出身養護学校長が同校長に記録を、本人が入試をする場合あるいは入学した後にどういうような手当てを浦和高等学校でしなければならないかということの参考のために、養護学校の校長さんからいろいろな記録を提出してもらったようでございます。 結果として同君はこの学校の第二次選抜を不合格になったわけでございますけれども、ただ、提出した記録に、精神薄弱者が持つ療養手帳、いわゆるみどりの手帳と言っておりますが、みどりの手帳を持っていないにもかかわらず、この子は持っておるとか、あるいはその他若干の障害をことさらに強調するような表現の記載があったというようなことで、私どもとしてもその事実を聞いて大変遺憾に思っているところでございます。
○細川分科員 この増田君の件なのでありますけれども、この増田君というのは定時制高校を受けたわけなのです。この定時制高校はいわゆる高校生募集をしたのですけれども、定員に足りないかった。その募集に満たない、足りない点を、今度は社会人特別選考という形で、また社会人に広げて募集をしたわけです。それにその増田君という人は応じて、定員に満たないのだけれども、結局不合格になったということでございます。私は高等学校で一生懸命学びたいという人を余りいたずらに排斥すべきではなくて、やはりできるだけ入学を許可して学習をさせてあげたらというふうに思います。 これも読売新聞にちょっと書かれているのですけれども、この増田君という人は、本当に定時制の高等学校へ行っても十分勉強ができる方だと思います。ちょっと読みますと、増田さんは、「障害者の自立に高校程度の学力は不可欠だと夜間中学で学んできての県立高校受験だったが、卒業した養護学校が用意した「事前協議資料」の誤記、障害者に対する偏見の満載に驚いた。「こんな面倒くさいこと本当はやりたくない」とはにかみながら、後に続く仲間を思って駅頭で演説も。現在、車いすながらリサイクルショップでアルバイト、行きつけの飲み屋や好きな銭湯に顔を出し、アパートで一人暮らしを楽しむ。来月、再度の受験に挑む。」というような簡単な、読売新聞の「近況」というので書いてありますけれども、こういう方はぜひ高等学校で、定時制で、しかも社会人の高校入試の定時制のものは学力試験もないのですから、ぜひ勉強、学習ができるような御配慮をひとつお願いをしたいというふうに思います。 以上、そういう点の御努力をお願いを申し上げまして、時間が来ましたので、私の質問は終わりたいと思います。ありがとうございました。
○越智主査 これにて細川律夫君の質疑は終了いたしました。 次に、遠藤和良君。
○遠藤(和)分科員 私は、最初に鳩山文部大臣にお尋ねをしたいのでございますけれども、最近の看護婦さんの不足、これは深刻な状況になっております。厚生省が需給見通しの見直しをやりまして、昨年の十二月にその数字を明らかにいたしましたが、それを見ておりましても、平成三年度は需要に対して七万四千人不足をしておる、こういう実態でございまして、どのように養成をしていくのかというのは大きな課題でございますが、私ども公明党は、この看護婦さんの養成に対しましては一県一看護大学という構想を提言しておりまして、やはり文部省としてこの問題に真剣に取り組んでいただく、そして各県におきます養成機関の中核的役割といたしまして、そうした一県一看護大学というのをきちっと整備をしていく、これは大変大事なことではないか、このように理解をしているわけでございますが、この一県一看護大学構想につきまして文部大臣の所見をお伺いします。
○鳩山国務大臣 平成二年の十月十四日に既に公明党の皆様方が一県一看護大学構想を提言されておりまして、「国民の医療・看護への高度なニーズに応えられる資質の高い看護職の養成・確保を図るためには、「看護大学」の拡充が不可欠です。」という提言を公明党の皆様方はされました。基本的に十二分に理解をさせていただいておるつもりでございます。なお、昨年の七月には自民党社会部会からも、各都道府県一看護大学の設置を推進したらどうかという、公明党さんと全く同趣旨の提言も行われておりまして、これも承知をいたしております。 国公私立と分けて考えますと、国立大学については、これは地域の看護婦需給状況とか大学における設置準備状況とか、あるいは国全体の行財政需要とか、そうしたものを踏まえつつ、国立の看護大学をどんどん新しく設立をするというのは正直なかなか困難を伴いますので、国立大学の医学部の看護系学科の設置というような方向で当分対処していくことになるのではあるまいかと思っております。 公立、私立については、御承知のように十八歳人口の急増、急減、二百五万人というピークが現在ですが、これがまた大変少ない数字へ落ちていくわけですから、二百五万人にふえていく子段階の世代の受験に当たって大学の新設、あるいは定員の恒常的な増、あるいは臨時的な増というようなことをずっとお願いをしてまいりまして、これからまた急減期にかかっていくものですから、基本的にはこの高等教育計画では新設は抑制方針となるわけでありましょうが、そういう中で、いわゆる看護大学というものについてはこの原則の例外として積極的に対応をしていきたいと考えております。 したがって、公立大学で大学新増設の意向のある地方自治体に対し、看護系の大学を設置したらいかがかと勧奨というか推薦をしているところでございますし、私立大学についても、看護系大学の新増設の申請に対しては積極的に指導をしてまいっておるところでございます。
○遠藤(和)分科員 看護婦さんの養成につきましては、文部省と厚生省、両省でやっていくべきもめと思いますが、やはりその役割分担と申しますか、そういうものが出てくると思います。 そこで、文部省としては看護婦養成に対して基本的にどういう気持ちを持っていらっしゃるのか、これを伺います。
○前畑政府委員 現在いわゆる正看と言われる看護婦についての養成規模は、文部省所管、厚生省所管を合わせて約四万一千という入学定員になっております。そのうち、文部省所管のものが約一万人弱ということでございまして、四分の一弱程度が私どもがお世話をしておるということになっております。 そこで、私どもとしては、当面倒案内のとおり看護婦の不足ということが焦眉の急でございますので、例えば従来から医学部附属の看護学校を看護短期大学、医療技術短期大学というものに転換をしてまいりますときも、入学定員を五十人から八十人にふやす、こういうふうな養成規模も拡大を図っておりますが、それとともに、先ほど一県一看護大学のお話にもございましたが、看護教育の充実とともに今後看護婦の養成規模を拡大していく、全国的にそういうことを考えるときに、一番今大事なことは教員の不足でございますので、看護教員の養成ということも考えなければならない、このように考えております。 そこで、看護学校の短期大学への昇格、転換ということとともに、先ほど大臣の御答弁にもございましたが、先般東京医科歯科大学では、医学部に保健衛生学科というのを設置をさせていただきましたし、今御審議いただいておりますこの平成四年度の予算におきましては同様に広島大学の医学部に、これも看護学校からの転換でございますが、医学部の保健学科というものを設置をさせていただきたいとお願いをいたしております。これは、看護学校の定員五十人を六十人、十人ふやすという構想でございます。 以上のように考えております。
○遠藤(和)分科員 そこで一つ問題を提起したいのでございますが、いわゆる看護婦さんの養成施設を持たない新設医科大学というのがあるわけです。十六校ございますけれども、そのうち持っているところは二つだけでして、あと十四校というのは持っておりません。 これは、そもそもその歴史的な経過と申しますのは、お医者さんの不足があるからお医者さんをつくらなければいけない、こういうことで、地元の皆さんの強い期待もありまして設置されたのでございます。その当初は、看護婦さんは他の機関で養成された方々をその新設医科大学の附属病院なりにいただきまして病院を開業した、こういう経緯がございます。 文部省の考え方は今お話ございましたけれども、各地域において看護婦さんを養成する中核として機能していかなければならないのですが、この中核たる新設医科大学また附属病院におきまして、他の施設で養成された方々を活用といいますか採用いたしましてこの医科大学の運営を行っている、これはちょっと考えますとまことに本末転倒ではないのか、このように考えますが、これは今後どう措置されますか。
○前畑政府委員 今御指摘がございましたように、いわゆる新設医科大学と言われるものは無医大県解消計画ということもございまして、昭和四十八年度以来十六大学設置をしてまいったわけでありますが、四十八年度には旭川、山形、愛媛とか、あるいは四十九年度には筑波、浜松、宮崎であるとか単年度に三校の医学部を設置するというように大変膨大な財政負担を負いながらやってきたわけでありまして、当時はなかなか看護婦養成機関を自前で持つところまで手が及ばないということで、これも御案内のことと思いますが、設置の際には地元にお願いいたしまして、看護婦の養成はぜひ地元でやっていただきたいということで御了解もいただきながらやってきたわけであります。 当初はそれで格段の支障はなかったわけでありますけれども、ただいま先生御指摘のように、近年におきましては地域においては非常な看護婦の需給アンバランスがありまして、国立の医科大学の方で地元の養成した看護婦をほとんど持っていくのはおかしいではないかという御指摘もいただいております。 ただ、これも御案内のことだと思いますが、看護婦養成を国立大学で、新設の医科大学で考えますときには、先ほど申し上げましたように、大臣の御答弁もありましたように、看護学校というレベルではなくて、できれば四年制ということで考えていきたい。こういうふうになりますと一番問題になりますのは教官の問題でございまして、それぞれの大学で地元の需給状況を見ながら検討を進めておるところでありますが、私どもとしてはその大学の検討状況を見ながら行財政当局とも十分調整をしつつ前向きに対処していきたい、このように考えております。
○遠藤(和)分科員 当初のことはさておきまして、この看護婦さんの不足が今や国民的な心配事になっている、こういう状況の中で、地域医療の中核たるべき医科大学に看護婦さんの養成機関がない、いまだにその地域に養成をお願いをしておる、こういうのがやはり是正をしていかなければならない問題だと思うのです。 先ほど一番最初に申し上げましたが、一県一看護大学構想、これで調査をさせていただきましたところ、今、大学とか短期大学、それも国公私立全部入れてでございますけれども全くない、いわゆる大学、短大が看護婦さんを養成する機関を全く持たない、空白区と言ったらいいのでしょうか、空白都道府県、これが十県ございます。具体的な名前を申し上げますと、山形県、福島県、富山県、山梨県、和歌山県、島根県、香川県、佐賀県、大分県、宮崎県、このうち新設医科大学に看護婦さんの養成学校をつくると十県のうち八県までそろいます。あと二県だけ足らないのでございますが、福島県と和歌山県は別途検討しなければいけないのですけれども、これはその設立の経緯というものもその当時は理解できるわけで、それはもう昔の話をしてもしょうがないわけですけれども、こういう看護婦不足という国民的要請の中で文部省が積極的にとり得ることは、この新設医科大学の中に積極的に看護婦養成機関をつくりましょう、そうすると、それがとりもなおさず一県一看護大学構想に大きく進むわけでございます。 これは大変整合性のある話だと私は思うのですけれども、文部大臣、そういう視点でこの新設医科大学に対して看護婦養成機関をつくりましょう、こういうことをどうか決意をされていただきたい士思います。
○鳩山国務大臣 ただいま先生のお話を聞きながら、同時に勉強をいたしている思いであります。 私はちょうど戦争直後の生まれでございますから、いわゆる敗戦の焦土の中から日本の国が立ち直って立ち上がっていくプロセスの中に学校時代をずっと過ごしてまいりました。当時との分野をとっても量的拡大ということが中心でありまして、例えば大学も数をふやす、あるいは大学の進学率を高めるということが高等教育では第一の目標のように言われておって、医療についても同じだったろうと思うわけです。お医者さんのいない地域がこんなにあるんだ、お医者さんをふやさなくては、歯医者さんをふやさなくては、それがしばらくたってみると医師過剰だ、歯科医師過剰だというような時代になってきてしまう。 何か政治や行政というものが長期的な視野というものをやや欠いていたという反省を真剣にしなければならない部分が相当あるように思うわけで、例えば医療技術というような分野でも、我が国は相当な高水準にあります。あるいは私の地元の地域産業、地場産業の最たるものとしていわゆる医科機械、医療機械、これももう世界をリードするような状況になってきておって、そしていよいよ国民がどちらの国がお互いより健康であるかということで競い合っていくようなそういう時代がやってくるというときに、お医者さんは十二分にいるのですけれども看護婦さんが足りないのですという大変深刻な状態が先生御指摘のとおりあるわけであります。 目的はとにかく看護婦不足を解消することでございますので、私もまだこれから勉強を始めなければならない人間でございますが、厚生省とももちろん十二分な打ち合わせをして目的達成、すなわちこの看護婦さん不足というものが一日も早く解消できるためにはどうしたらいいかということを真剣に考えていきたいと思いますし、役所全体にも検討を命じていきたいと思っております。
○遠藤(和)分科員 もう一つ歯切れが悪い感触がいたします。 一番最初お話がありましたが、看護婦さんを養成するための教員の養成ということもございましたね。そうすると、やはり各県に看護婦さん養成の中核機関といったらいいのでしょうか、そういうものがぜひ必要なわけでございまして、その仕事は文部省の仕事でございますよね。十県ないということでございまして、そのうち八県まで新設医科大学ということに着目をいたしまして整備をしていけば達成できる、こういうことでございますから、そういう展望、これを現時点の中でもう一回検討し直してそういう方向で検討したい、少なくともそのぐらいの答弁はいただけるものではないかと理解していますが、どうですか。
○前畑政府委員 大臣のお答えになる前に事実関係について御理解いただきたいと思います。 大学四年制で看護婦の養成を行いまして、そこを卒業した看護婦がいわゆる看護学校といったようなところの教員になるということは期待できる、先生御指摘のとおりでございます。ところが、四年制の大学となりますと、そこの教員になる者はさらに上のレベルの看護婦でなければならないわけでございますが、御案内のとおり、現在我が国に看護系の大学院というものは五校しかございません。特に博士課程まで持っておりますのは東京大学と聖路加看護大学だけでございまして、現実に各新設の医科大学で看護系の学科をつくりたいとして努力をいたしましても、なかなか教員が求められないというような実態がございますので、御指摘のように、計画的にということを考えますときにも、現実には着実に教員を集められるどころから対処していくということになろうか、このように考えております。
○鳩山国務大臣 私は、まだ余りこの問題に対して詳しくありません。自信のない部分もありますので、みずからの到達度がまだ余り高くありませんので、それで若干歯切れが悪くお聞こえになったのかもしれませんが、私、気持ちとしては先生がおっしゃったことは大変貴重な意見であって、これはもう具体的に即刻検討しなければならない課題だというふうに認識をしておるわけで、特に看護婦養成施設のない十県、これが新設医大とともにつくっておけばわずか二県になったはずだ、八県は解消していたはずだよなどというようなことについても、私自身はまだ不勉強で、今教えていただいて、なるほどそうかと心に期すものもありますから、そういった意味では私は決して後ろ向きではありませんから。
○遠藤(和)分科員 よく勉強していただきまして、特に与党の中にもそういう構想があるようでございますから、ぜひ積極的に推進をしていただきたいと思います。 地元の問題で恐縮でございますが、徳島大学のことについて二点ほどお聞きしたいと思います。 一点は、総合科学部というのができたのですが、これができる経緯として、当時教育学部というのがあったのですが、鳴門教育大学ができてそこに教員養成課程をつくるということがありまして、この教育学部を改組しました。そして、そのかわりに総合科学部というのをつくったのですが、地元といたしましては、できればこの際法学部だとか経済学部をつくってもらいたいという要請があったのでございますが、一挙につくるには教員のこともありますので、やむなく総合科学部という形で発足をしたわけです。その当時は総合科学部でやむを得ない、しかし将来は、できれば存在意義のある、もっと主張のはっきりした学部にしてもらいたい、こういう要請が強くあったわけですが、それをどのようにいたしますか。 それからもう一点は、工学部の再改組の問題がありますが、工業短期大学部というのを発展的に解消いたしまして、工学部の中のそれぞれの、例えば機械学科であるとか土木工学科であるとか、そういう中のいわゆる定時制コースのような形で吸収をする、四年制大学として。あるいはまたそういう中で光応用工学科というものを新設したい、このようなことを地元では考えているようでございますが、この総合科学部並びに工学部の再改組につきまして文部省はどのような見解を持っているのか、お伺いします。
○前畑政府委員 総合科学部の問題につきましては、これは御指摘のように六十一年四月に設置をさしていただきました。そのときにも先生からただいま御指摘のような御指摘をちょうだいして、政府委員も答弁をさしていただいておりますが、以来いろいろな客観情勢の変化もございまして、徳島大学では現在のところ、教養部の改組を含めまして一般教育のあり方と申しますか、そういうことも含めて全学的な見地から大学改革構想の検討が進んでいる。その中で、総合科学部の整備充実も考えていきたい、このように私どもも承知をいたしておりますので、今後大学側の検討を踏まえて対処をいたしたいと思っておりますが、基本的には御案内のとおりの行財政事情でございますので、新しく学部をつくるということについては私どもとしては慎重にならざるを得ない、こういうふうな事情があることも御理解を賜りたいと思います。 また、工学部の再改組につきましては、これまた今先生御指摘ございましたが、現在徳島大学には工業短期大学部という夜間三年制の短期大学がございます。これを廃止いたしまして工学部に吸収をする。その吸収をする中で光応用工学科といったものを設置をしたいというような検討が行われているということは承知をいたしております。 御案内かと思いますが、これも今回国会にお願いいたしております国立学校設置法の一部改正におきましても、平成四年度にも岐阜大学の工業短期大学部を四年制に転換をしたということもございまして、従来から夜間三年制の短期大学を工学部の学科に転換をしていくということ、あるいは工学部の中に吸収をして夜間に授業を行うコースを設定するということはやってきております。 ただ、徳島大学の場合には、まだ具体に工学部四年制としての夜間教育への適切な対応の方法、あるいは短期大学を廃止いたしますときにそこにいる教官の処遇という問題もございます。それらを含めて円滑な廃止ができるかといったような問題もありまして、なお検討を学内で行っているようであります。そういうふうなことでございますので、大学側の検討状況を踏まえながら対処をしていきたい、このように考えております。
○遠藤(和)分科員 小さなことで恐縮なんですが、この大学の設備の問題なんです。地元の声でございますから、正直にお伝えいたします。 総合科学部の前に門があるのですが、コンクリート塀でございまして、それは目抜き通りにあるのです。その近所にある高等学校なんかは青石で生け垣をつくりまして、その景観にマッチした形になっているのですが、大学だけは高い塀のような形で周囲を拒絶しているような感じがあるわけですね。これをやはり地域の景観にマッチした建物に少なくともしてもらいたい、こういうふうな要望があるのですが、なかなか地元は大学には怖くて物が言えない、そういうのがありまして、何か治外法権的なところがあるんでございまして、そういうところもよく配慮していただいて、地元の要請をぜひ聞いてもらいたい、こう思うのでございますが、どうでしょう。
○野崎政府委員 今御指摘の点につきましては、私どもまだ大学から特段の予算要求というのは聞いていないわけでございますが、聞くところによりますと、壁を取り除いたらどうかとかいう意見、あるいは塗装をして少しきれいにしたらどうかとか、いろいろな意見があって、必ずしも学内的にまだ統一がされていないようでございます。よく大学の事情を聞きまして、適切な対応をしてまいりたいと思っております。
○遠藤(和)分科員 大学というのはその地域の文化の中心という役割もあるわけですから、市民に愛される大学というのが大事なわけでございまして、ぜひそういった配慮をお願いしたい。 それから最後に、これは前にも取り上げたのですが、徳島県立聾学校というのがあるのですが、その高等部に普通科がないのでございます。したがいまして、いわゆる筑波技術短期大学というのができましたが、そこに徳島県からは応募者がゼロでございまして、徳島県から見ますと、要するに聴覚障害の方々は、せっかく短期大学を国がおつくりになったのですけれども、そこへの門が閉ざされている、これが実態でございます。ぜひこの聾学校の中に普通科をつくってもらいたい。これはやはり教育の機会均等という意味からも大変大事なことだと思うのですね。こういうことでございまして、この問題、どのように推移いたしておりますか。
○坂元政府委員 聾学校の高等部にどのような学科を設けるかというのは、基本的にはそれぞれの聾学校を設置しておる設置者が判断する問題だというふうに私ども考えておりますが、ただ文部省としては、一般的にほかの学校を含めまして、聾学校なども含めて学科のあり方につきましては、生徒の適性や希望、生徒数の推移、聴覚障害児を取り巻く社会的な状況の変化等を踏まえまして、普通科の設置を含め適宜見直しを行っていくことが必要だという指導を各県に、設置者にしているところでございます。 今先生御指摘の徳島県の聾学校の高等部の普通科の問題につきまして、現在徳島県の教育委員会において既設の三学科のあり方を含めて、やや感触としては前向きに検討を進めていきたいというようなことを私ども聞いておりまして、適切に検討が進められていくのではないかというふうに思っております。
○遠藤(和)分科員 いつも検討検討ばかりでございまして、この間もたしか最後は検討だったと思うのですが、これは地元の父兄の皆さんとかそれから障害のある方々、深刻な訴えをもうここ十年来続けているわけですよね。それをもうただ検討検討と言う徳島県の教育委員会も私はおかしいと思うのでございまして、大所高所から、教育の機会均等ということを保障するのが文部省の考えである、徳島県の教育委員会もそのためにもっと汗を流して努力しろ、こういうことをどうかぜひはっきり申し上げていただきたい。これは文部省として、設置者がやることですけれども、やはり補助金等も出している関係もあるわけですから、障害児教育を文部省としてきちっと推進していく立場にもあるわけですから、どうぞ文部省の態度を明確にして、近々できるという話は漏れ伝わってきているのですが、早く、ことしじゅうにつくるとか、そんな結論を出すとか、こういうふうに努力をしていただきたいと私は思います。いかがでしょう。
○坂元政府委員 先ほど申し上げましたとおりに、どういう学科をつくるかというのは、それぞれの教育委員会がその地域の実情を最もよく知っているわけでございまして、私どもは先ほど申し上げましたとおり一般的な指導はしておりますが、最終的に判断をするのはそれぞれの地域の教育委員会、設置者だというふうに私は考えております。 ただ、この問題が相当長い間の懸案事項であるという経緯もありますし、そのことも十分文部省としても承知いたしておりますので、私どもとしても徳島県の教育委員会に本日の先生の御質問の趣旨を十分伝えておきたいというふうに考えております。
○遠藤(和)分科員 以上で終わります。ありがとうございました。
○越智主査 これにて遠藤和良君の質疑は終了いたしました。 次に、馬場昇君。
○馬場分科員 私は、文化財の保存の問題についてまず質問をいたしたいと思います。 私の地元の熊本県の水俣市に徳富蘇峰が八歳まで住んだ生家があります。その弟の盧花は三歳まで住んでおりました。その生家が現在残っております。その生家は、一七九〇年、寛政二年に建築した建物でございまして、もう二百年以前の建物でございまして、熊本県では最も古い木造建築の一つでございます。この蘇峰、蘆花の生家については、蘇峰は「蘇峰自伝」という本の中にこの生家のことを書いております。それから、蘆花は「死の蔭に」という本にこの自分の生家のことを書いておるわけでございます。実は、水俣市は昭和四十七年に水俣市の文化財に指定をしておるわけでございますが、もう二百年以上たっていますから非常に老朽化がひどくなっておるわけでございまして、地元に蘇峰、盧花旧宅保存会というのができておりまして、それが市議会に保存の請願を出しまして、現在それも可決されまして、全市を挙げて解体、修理、復元の運動をやって取り組んでおるわけでございます。 ところが、この問題は、もう御存じのとおりに、建築基準法が非常に隆路になっておるわけでございまして、自治体指定の文化財は、国指定の文化財と違って建築基準法が適用されるわけでございまして、その解体、修理、復元につきましても、火災予防のために屋根を不燃物にせよとか、あるいは道路から何メートル下がらなければいかぬとか、あるいは土台はコンクリートにしなさいとかボルトでとめなさいとか、こういう基準法の指導があるわけですけれども、こうなりますと文化財の価値は全然なくなってしまうわけでございまして、この建築基準法は文化財を破壊しているということにもなるわけでございまして、実は私も文教委員会で平成二年の五月にこの問題について質問をいたしました。当時の保利文部大臣が、やはり文化財を守るという立場からそれはぜひ検討しなければならぬ問題だということを言われまして、直ちに当時の建設大臣と保利文部大臣が話し合いをやられたわけでございまして、建設大臣も非常に理解を示しまして、当面の間、建築基準法の第三十八条に建設大臣の認定という条項があるのですけれども、これを弾力的に運営して、この徳富蘇峰、蘆花の生家の解体、修理、復元が文化財の価値を失わないようにできるように努力しようというようなことで、文部大臣と建設大臣の間で善処が行われたわけでございます。 それで、まず第一番に質問いたしますが、この蘇峰と蘆花の生家の解体、修理、復元の保存の工事が現在どうなっておるかということを、まず文化庁に尋ねておきたいと思います。
○吉田(茂)政府委員 御指摘の徳富蘇峰、蘆花先生の生家についてでございますが、熊本県からの報告によりますと、これは御指摘のように水俣市の指定の文化財建造物であります。市では、老朽化が非常に著しいということがございまして、いろいろ県とも相談し、これはいわゆる建築基準法の規定によって規制を受ける大規模な修繕には該当はしない、こういう判断をいたしまして、平成二年度から五年度にかけまして、総事業費約三億二千七百万で現在改修工事を実施中だということで工事は順調に進んでおる、こういう報告を受けております。
○馬場分科員 非常にいい方向で進んでおりまして、八棟あるんですよ、あとの棟が、それを二分の一以下改修するときには基準法の適用を受けないというような弾力的運用で一つずつやっていこう、こういうような形で、今言われたように、三億幾らの金で平成二年から五年にかけて修復をしようということで今工事は順調に進んでおるということは、私も行って見てきて知っているわけでございます。 そこで、しかしこれは少なくとも徳富蘇峰、蘆花の家に関する限りのことでございまして、現在、この基準法の適用を受けてやはり文化財として復元ができないという自治体指定の文化財もたくさんあるわけでございますので、基本的には、この前も申し上げたんですけれども、地方自治体が指定した文化財でも国指定の文化財と同じように建築基準法の適用を除外すべきであるということが基本的な課題であると私は思いまして、この前も、建築基準法から国の指定の文化財は除外してあるんだから自治体指定の文化財も除外するという建築基準法の改正をしなさい、こういう課題も提案しておいたわけでございます。 これに対しましても建設省は非常に好意的でございまして、いろいろ対策を立てていただいておるようでございますが、この問題について現在どうなっておるかということを建設省の方からお答えいただきたいと思います。
○梅野説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘のように、文化財につきましては、国指定の文化財は基準法の適用除外になっておる、しかし公共団体指定の文化財については基準法がそのまま適用になるということでございまして、いろいろなことがございますが、そういう文化的な価値の高いものについては公共団体指定の文化財についてもなるべく保存ができるようにというような声が、今御指摘のように大変強いわけでございます。 私どもも、昨年の十二月に建築審議会でこのテーマも御議論いただきまして、十二月に御答申をいただいております。その御答申の内容は、地方公共団体が文化財として指定したような価値の高いものにつきましては、国が指定したものと同様の措置ができるように検討すべきであるという御答申をいただいたわけでございまして、私ども建設省といたしましても、その答申の趣旨に沿って建築規制の見直しを前向きに現在検討を進めているところでございます。
○馬場分科員 私が聞いたところによりまして、建設省といろいろ相談した中で、もう既に建築基準法の法改正を準備されて近々、私はあしたと聞いておるんですけれども、閣議でこの改正が決定されて今国会に提案をされて、今国会でその自治体指定の文化財、価値のあるものについては除外するという法改正ができ上がる、こういうぐあいに非常にいい情報を聞いておるんですが、そのとおりですか。
○梅野説明員 私どもの事務的な準備は大体でき上がっておりまして、できるだけ早い機会にきちんとした形でお諮りいただけるようにしたいという状況でございます。
○馬場分科員 事務的な答弁で、閣議のこととか国会のことは答弁できないと思いますけれども、大臣、大体そういう状況になっておるんです。 そこで大臣にお聞きしたいのは、この前保利さんも、若いころ蘇峰の本を読んだとか、蘆花の本を読んで非常に懐かしい、現在は余り覚えておらぬけれどもということで変なことをつけ加えたんですけれども、やはり水俣市というのは水俣病でいろいろ非常に暗い面もあるわけでございまして、それはこれと別ですけれども、少なくとも文化財というのをぜひ国の文化財に格上げということをしていただきたい。そうしてやはり蘇峰、蘆花の生家を、もう二百年以上たっておるんですから歴史的、文化的価値を認めて、重要な文化遺産として後世に残すために国の文化財に格上げしていただいて、物心両面にわたって国がこの保存について協力をいただきたい。これは地元の、そして私どもの考え、意見でございますけれども、大臣の所見をお聞きしておきたいと思います。
○鳩山国務大臣 先生からお話を承っておりまして、二百年ちょっとたっておりますか、大変な建造物だということを今伺っておりまして、国指定の文化財とするためにはそれなりに調査が必要だろうと思います。教育の大家であるだけでなくて同時に大変な文化人でもあられます馬場先生からのお尋ねでございますので、これは国としても機会を見て調査をしてみたいものと思っております。実際、現在水俣市の文化財建造物ということでありましょうが、これが国の重要文化財として指定されるとするならば、例えばその地方の民家の特色を備えているかとか、あるいは建築当初の形態や形式をよく残しているのか、あるいは当初の形に復元可能であるか等を総合的に評価して判断をするということになるわけでありましょう。先生からお話もありましたが、また関係の方からも御要請をいただいて、ぜひとも調査を行う方向で検討してみたいと思っております。 で、これは本来、今建築基準法のお話がありまして、法改正になるのかどうか私は承知をいたしておりませんが、これは本来、大変大きな価値のあるものについては国がいずれ指定をさせていただくというのが私は筋だろうと思うわけであります。こんなことを私が答弁をしますと吉田次長が腰を抜かすかもしれませんが、これは私の実は持論でございまして、文化財保護行政というものが国と都道府県、市町村とでともに行われておるわけです。これはもちろん国も都道府県も自治体も両方が責任を負う必要があるわけですけれども、例えば史跡名勝天然記念物という文化財保護法の一項がございますね、国は重要なものを史跡、名勝、天然記念物と。これは、国が指定したものはやっぱり重いわけですね。ところが準用規定があって都道府県や市町村も、史跡名勝天然記念物の指定はできないんだけれども、県指定の天然記念物は指定できるんですね。ちょうど非常に何か言葉の遊びみたいな、そこにやや文化財の重さが社会的に混乱するような場面というのが実はあるわけなんです。 ですから、そういう混乱がないようなきちんとした文化財保護行政というものを三千三百地方自治体にお願いをするのが一番正しいのですが、私は御承知のように昆虫をずっとやってきておるわけですね。ある人がいたずらして、これは本当はどこかで法律を破っているわけですが、いたずらして日本にいないチョウを放したんです。非常にきれいなチョウなんです。ところが、それが飛んでいってある田舎で発生しちゃった。珍しいので天然記念物に指定しようとしたんですね。これはもうどうってことないものなんですが、そうやってびっくりして急に指定されちゃったなんというケースがないわけでないのですね。 ですから、文化財の保護行政というのは本当にきちんと市町村、都道府県、国と全部がやらなければいけませんが、やっぱり本当に価値のあるもめは国が堂々と認めるということが本筋だと思っております。
○馬場分科員 実はおととし質問したときに調べたところが、五年間に八十棟の旧家が自治体指定から国の指定になっているんですよ。だから、この蘇峰、蘆花の生家はもう最有力な候補者だと思っておりますので、よろしくお願いいたしたいと思います。 それでは次は、今度は別の問題でございますが、教科書の問題について、特にこの教科書の記述は差別じゃないかと私心配している教科書がございますので、その点についてひとつまず質問しておきたいと思います。 ここに教科書を持ってきたんですけれども、東京書籍の「新しい社会6上」、これは小学校六年の社会の教科書で、この中に日本の歴史を書いてあって勉強するわけですけれども、「3人の武将と天下続こという項があるんですよ。三人の武将というのは、信長と秀吉と家康のことでございます。その項の中に「「天下統一すごろくしをつくってみよう」というところがあるんです。その中の「すごろくのコマ」というところに、まずすごろくの図がここに載っておりますけれども、天下を統一できるか、スタートというところからすごろくがスタートするわけです。いろいろありますけれども、秀吉は大阪域を築いて全国統一の根拠地とした、その絵があるところに二こま進むと書いてあるのです。そこに行ったら二こま進んでいいわけですね。それから、秀吉は朝鮮へ出兵、だが失敗と書いて二こま戻るとなっている。それから、関ケ原の戦い、疲れた、一回休みとなっている。最後は、家康は征夷大将軍になり江戸に幕府を開いた、おめでとう、ゴールですと書いてある。こういうのがここに絵がついて、すごろくのつくり方まで載っておるわけでございます。 そこで問題は、秀吉は朝鮮へ出兵、だが失敗、二こま戻る、こういうことは、私がどう見たってこれは朝鮮への侵略者から見た価値観で、失敗だったから二こま戻るんだ、こういう歴史的な評価をしておるんじゃないか。こういうことで、侵略者から見た価値観というのがここに出ておるのではないか、これを児童が教え込まれるんじゃないか、こういう心配をしておるわけでございます。そして、朝鮮に対する出兵は当然だ、そういう民族差別といいますか差別意識を吹き込むということにこのことはなりはしないか、差別助長の学習になりはしないか、こういう点、非常に心配をしているんですが、文部省はどのように分析なさっていますか。
○坂元政府委員 先生御指摘の本件の教科書の記述は、戦国時代における天下統一の過程について理解を深めるために学習のまとめとしてすごろくを作成することをねらいとしたものでございます。ここで記載されているすごろくは、生徒が作成した作品を、学習の際の一つの全体的なイメージを与えるものとして例示したものであって、それぞれのこまに記載されている内容は学習の直接の対象となっているものではないというふうに私ども理解いたしております。したがって、そのようなこまの記載内容は教科書検定の対象になっているものではございませんし、現に先生も見て、私なども先生から御指摘になって眼鏡を外して見ても、二こま下がるというところがなかなかわからないぐらい、判読することも極めて困難なものになっております。それで、もとよりこれは形式的に天下統一の過程を子供の発想により単純化して表現したものであって、このことが直ちに秀吉の朝鮮出兵を容認するということにはつながらないのではないかというふうに私ども考えております。 ただ、私ども従来から、我が国と韓国等近隣アジア諸国との間の近現代史の歴史的事象の扱いについては、教科書検定基準に、御承知のとおりに国際理解と国際協調の見地から必要な配慮がなされているということの趣旨を踏まえまして、今後とも適切な検定を実施してまいりたいと考えております。 実際に先生恐らくほかの部分も、下の方はお目通しになっておられると思いますけれども、この東京書籍の教科書につきまして特に近現代における日韓関係につきまして、我が国が韓国にあるいは朝鮮に大きな損害を与えたということをかなり具体的に記しているところでございます。我が国が韓国を併合、植民地としてそのもとで……(馬場分科員「そこのところはいいです」と呼ぶ)かなり詳しくこの教科書は説明しているところでございまして、この執筆者もそういう朝鮮出兵を容認するという、そこまで考えてではなくて、単純に図式化してしまったということではないかというふうに理解いたしております。
○馬場分科員 今眼鏡を外して見られましたけれども、先生たちに聞きますと、生徒は虫眼鏡を持ってきて、教科書の図のここに何と書いてあるかを見るというのです。そして虫眼鏡で見て、こう書いてあった、こう書いてあったということをきちんと整理しておる。それが先生方のお話です。そして問題は、こういう記述を検定外だと言われます。ところが、教科書に載っているわけだから、例示してあるわけだから、これを検定外というのは私はおかしいと思うし、しかしこれは検定外であっても生徒たちは見てこれを学ぶわけでございますから非常に問題だと思うんです。 もう一つは、あなた方文部省は侵略者と言いませんけれども、監督者でしょう。ところが生徒の側から見た場合、例えばこの図を韓国の子供たちが、あるいは北朝鮮の子供たちが見た場合、何と思うだろうか。そういう配慮が欠けているわけです。自分の国に豊臣秀吉が攻めてきた、失敗した、二こま戻る。それから植民地として支配された、あの十五年戦争でいじめられた、こういう朝鮮の人たちがこれを見たらどう思うかということを考えますと、これは絶対載せてはいけない問題だと私は思うんです。 そこで、もう時間がありませんから大臣に聞きますけれども、やはり教科書をつくり、そして世界の中の日本として、特にアジアの中の日本として日本が信頼を得て今後生きていくためには、やはり十五年戦争とかあるいは出兵とか、こういうものの反省というものがそこになければ、世界の中の日本、アジアの中の日本にはならぬと思うんです。そういう点について、この記述についてはやはり問題だとしなければならぬと私は思うんですが、その反省という点についても含めて、大臣の御見解を聞きたい。
○鳩山国務大臣 先ほど初中局長からお答えをしたとおりでございまして、私も今これを眼鏡を外してじっと見て、二こまというふうに初中局長が眼鏡を外して読みましたが、私が見たところこれは二升ですね。あなたは眼鏡を外しても読めなかったんだ。多分二升と書いてあるんだと思うんですが。こういうようなすごろくが教科書に載っておることは、信長、秀吉、家康という当時の天下人を目指した人たちがどういう具体的な動きをしていったかを、江戸幕府のでき上がるまでを、遊びながら、できるだけスムーズに頭の中に入るように配慮してこうしたものが出てきたわけでございまして、馬場先生御指摘のような趣旨から出てきてはいない。朝鮮半島と我が国の関係、とりわけ近現代史におけるアジア近隣諸国と日本の関係というものは委員会で最も多く議論をされているところでございますが、この教科書の後半の部分では強制連行等、小学校の教科書としては相当丁寧に教えておる方のように私は今読み取っておるわけでございまして、したがって、先生から御指摘ではございますが、この個々の記載内容は教科書検定の対象となるものではありません。仮に、この発行者の方がその内容に学習を進める上に支障となるものがあると判断をして、先生方のおっしゃることを聞かれて訂正の申請をするというようなことがあれば、またそれで別に考え直していきたいということでしょう。
○馬場分科員 意図は、いろいろ弁解なさいますけれども、これを受ける側、そして特に世界の中の日本、アジアの中の日本という、十五年戦争とか出兵とかの反省というものを為政者は考えなければならぬ、そういうことはぜひひとつ考えて対処していただきたいと思います。 あと時間がほとんどありませんけれども、部落の子供たちの高校や大学の進学率、これはやはり全国の平均と格差があるわけでございまして、平成三年度の調査によりますと、全国平均が、高校、高専に入るのが九五・四%ですが、対象地域の人たちは九〇・二%で五・二%の格差があります。大学、短大は全国平均が三一・六%ですが、対象地域が一九・九%で、一一・七%の格差がやはり進学率についてあるわけでございまして、これはこの前十二月に地域改善対策協議会の意見具申の中にもちゃんと指摘してありまして、進学率格差がまだ見られる、こういうぐあいに指摘しておって、「より効果的な推進が必要である。」こういうぐあいに意見具申にも出ておって、総理大臣も政府も、この意見具申は尊重するということを国民に公約し、国会にも約束しておるわけでございますので、この格差はぜひ解消しなければならぬ。 時間もございませんので、どう解消しておるかということを全般的に聞く時間ございませんが、やはり憲法二十六条ですべての国民に教育を受ける権利があるわけですし、教育基本法の「教育の機会均等」という中でいろいろあって、「人種、信条、性別、社会的身分、経済的地位又は門地によって、教育上差別されない。」しかし、この進学率の差というのは結果的に見れば差別を受けているということにもなるわけでございますし、教育基本法三条に「国及び地方公共団体は、」「経済的理由によって修学困難な者に対して、奨学の方法を講じなければならない。」こうなっておるわけですから、この教育基本法を守らなければならぬわけですけれども、そういうような立場から一つだけ質問をしたいのです。 文部省は、ずっと以前には対象地域の方々に高校進学奨励費補助事業というのをやっておったんですよね。ところが、昭和六十二年から、地対財特法によりまして、奨学金が給付制から貸与化になったときに、この部落につきましても、育英会の奨学金が給付という形から貸与というふうになりまして、借金するというふうな形になりました。低所得者の人は借金というのは大変な重荷であるのは当然でございますから、少なくとも部落の子供たちの教育の機会均等の権利を保障するために、この奨学金をやはり貸与から給付にする、ぜひこれはしなければならぬ、これは復活ですから、復活をすべきだと思うんですが、この辺について大臣の御見解をお聞きしておきたいと思います。
○坂元政府委員 先生も今御指摘になりましたとおりに、高等学校の進学奨励費補助事業の貸与制から給付制への切りかえは、昭和六十一年の地域改善対策協議会の意見具申に示されました「個人給付的事業については、原則として廃止し、同和関係者の自立、向上に真に役立つものに限定すること。」という考え方に沿って給付制から貸与制に切りかえられたわけでございます。その際、私ども、貸与制への切りかえに当たりまして、この進学奨励事業がこれまで果たしてきた役割を考慮して、今後とも対象地域の生徒に対する進路指導等を一層充実するとともに、返還免除制度の導入等により、真に経済的に修学が困難な者の高等学校等への進学を阻害することのないよう配慮したところでございます。 昨年の十二月のこの協議会の意見具申においても、六十一年の考え方に沿って事業を見直すべきであると述べられたところでございますので、私どもとしては、貸与制という今行っておる奨学制度の充実を図っていくことにはこれからも努力をしたいと思いますけれども、給付制に戻すということは大変困難であるというふうに考えておるところでございます。
○馬場分科員 大臣、今奨学金だけ申し上げましたけれども、やは久進学率の差があるのは、これを解消するためには、教育の機会均等の上からいっても人権の上からいっても、ぜひたくさんのことをやらなければならぬと思うものですから、今後とも全力を挙げて頑張っていただきたいということを申し上げ、一言決意を聞いて終わりたいと思います。
○鳩山国務大臣 その点については全く先生のおっしゃるとおりで、ただ、今の奨学金の給付か貸与かということに関しては、初中局長の答弁どおりとしか申し上げることができません。
○馬場分科員 終わります。
○越智主査 これにて馬場昇君の質疑は終了いたしました。 次に、田並胤明君。
○田並分科員 部落差別の解消のために教育の果たす役割が極めて重要であることは大臣も御承知のとおりだと私は思います。きょうは文部省に対して、特に学校教育の中でこの部落差別を完全に解消するために、昨年の十二月十一日に地対協の意見具申が出されましたが、この意見具申との関連で、文部省の今後の部落差別を解消するためのいわゆる同和教育の問題について、幾つか質問をさせてもらいたいと思います。 そこで第一点目は、今申し上げました昨年の十二月十一日に出されました地対協意見具申、この中で幾つかの点が、教育関係で重要な点が指摘をされております。この中で指摘をされております同和教育の推進についての地対協意見具申の評価をどのように文部省は受けとめておられるのか、あるいは具体的にこれに対してどう今後対応されようとしておるのか、まず基本的な点についてお伺いをしたいと思います。
○坂元政府委員 先生御指摘の昨年の十二月の協議会の意見具申では、教育につきましては「依然として差別事象が発生しており、また、進学率格差の存在や中退者の発生等がみられるので、学校教育、社会教育のより効果的な推進が必要である。」というふうに指摘されております。この御指摘は、私ども、今後の同和教育推進上の課題を挙げられておるということで、引き続き同和教育の推進が必要である旨述べているものであって、この意見具申を踏まえまして、さらに同和教育の充実に努めてまいりたいというふうに考えております。 具体的に文部省としましては同和教育の推進を図るために、高等学校等、今御質問にもございました進学奨励費補助事業、研究指定校、教育推進地域等の事業を実施しているところでございますが、これらの施策の一層の効果的な推進に努めてまいりたいというふうに考えております。
○田並分科員 特にこれは教育だけではないのですが、この地対協意見具申の結びの中で非常に重要なことが言われております。一つとしては、二十一世紀に差別を残してはならないというかたい決意で取り組んでもらいたい。これは意見具申の結びの一つです。それから二つ目は、同対審答申の精神を受け継いで、国、地方公共団体、国民一体となって取り組むべきである。それから三つ目に、人権問題についての国民の意識改革と一層の啓発を進める必要があるし、これが大きな国民的な課題であるという結びになっていると思うのですね。 それで、今お答えになりましたように、確かに現実に、今学校の中でも差別が発生をして、文部省の調査でも、これは恐らく数としてはこれ以上あってはいけないのですが、現実には文部省の資料によっても年々どんどん目に見えて、減っていればいいのですけれども、ほとんど横ばいもしくは年によっては前年よりもふえているという、こういう実態が報告をされております。学校において発生した差別事象として把握をしているものとして、今資料として六十一年度から平成二年度までの一覧を私いただいているわけですが、これらを見ても、例えば児童生徒の発言にかかわった差別事象、これが平成元年度で百五十八件、小中高で。平成二年度になりますとこれが百九十二件というふうにふえているわけです。それから、教職員の発言によって差別事象が発生をしているものが、平成元年度が八件というふうに報告されておりますが、平成二年になりますとこれが十五件。あるいは差別落書き、その他ということで、残念ながら、小中高、今申し上げた児童生徒の発言、教職員の発言、差別落書きにかかわるもの、その他の総合計が、平成元年で二百十九件、平成二年度で二百五十四件、こういう表に出ている数字として実は示されているわけですね。 これは、はっきり申し上げて今までの地対財特法以前の同和対策事業、かなりの年数やっているわけでありますが、具体的に最も重視をされなければならない学校教育の現場で、こういうものが残念ながら減っているところか多くなっているということ自体、この地対財特法が制定されて本年の三月でとりあえず終わるわけでありますが、この地対財特法五年間の取り組みについて、文部省はこういう一つの事例をとらえながら、どのような総括をされ、これをもとにして今後、どういうふうにより具体的に抜本的に教育の場で部落差別を解消するための施策に取り組もうとするの年この辺についてもお伺いをしておきたいと思います。
○坂元政府委員 今先生御指摘のとおり、差別事例というのは先生が挙げた数字のとおりでございまして、私どもとしましてはまことに遺憾に思っております。 それで、このような差別事象発生の背景として、私どもとしましては、小学校から高等学校までの系統的な同和教育がやや徹底されてないのではないか、あるいは個々の教師の指導力の不足もあるのではないか、あるいは校内における指導体制が十分とれていないのではないかなどの理由が挙げられると思うわけでありますが、このため、地域における学校間の連携の強化や校内における教職員の共通理解の徹底などを通じまして、同和教育の一層の改善充実に私ども努めてまいりたいと思っております。 こういうような方向で各都道府県を今後とも一層指導してまいりたいと思いますが、同時に、具体的な問題としましては、先ほど挙げました高等学校進学奨励費の充実や教員の加配の措置、あるいは研究指定校とか、それから研究協議会、同和教育資料を全国的に配布する事業などを従来以上に充実させるという方向で今後とも取り組んでまいりたいというふうに考えております。
○田並分科員 局長の答弁でそれはいいのですけれども、現実に今までの文教委員会の質疑あるいは分科会の質疑を通して同じような質問を同僚の議員がしておると思うのですね。しかし、一向に直らない、逆に言えばどうもふえているという実態があるわけでありまして、その辺はさらに意を用いて、こういう差別事象が起きないように一層の努力をしてもらいたいと思うわけであります。 関連して、この地対協意見具申の中に、同和地区の実態や国民の意識等について把握することが重要である、国では昭和五十年、昭和六十年に全国的な調査を行ってきているけれども、しかるべき時期に恐らく政府の方は全国的規模の調査が行われるものと考えられるけれども、その際、調査結果の客観性を保証できる実施体制、方法等について慎重かつ早期に検討すべきであるということが触れられていると思うのですね、総括的な意見具申の中に。これは確かに文部省一つでやるわけにはいかないと思いますが、国全体の仕事として、例えば物的な問題あるいは心理的な問題、いろいろ総合的な実態調査等が私は当然必要になると思うのですが、文部省としても綿密に、全国的な教育現場における差別を解消するための同和教育の推進がどのように行われているか、これはもちろん社会教育も含めて、これはやはりしっかりと実態把握をする必要があるんではないだろうか。 もちろん文部省を初めとして都道府県の教育委員会あるいは市町村教育委員会、学校現場、社会教育の現場、皆さん一生懸命やっていらっしゃることは間違いないと思うのでありますが、それにしても具体的な差別の事象が後を絶たない、逆にふえているという、こういう現実はどこから来ているんだろうかということについても、もっともっとより客観的に科学的に調査をして、それに対する対策を早急に立てる必要があるだろう。せっかく、現在の地対財特法がなくなって新法制定が必要だということでこれからやるわけでありますが、それらを本当に生かす意味でも、文部省としての取り組み、特に教育というものが非常に重要な地位を部落差別を解消するためには占めるわけでありますから、そういう意味での真剣な実態調査の取り組みを強く求めたいと思うのですが、考え方をお聞かせ願います。
○坂元政府委員 先生御指摘のとおりに、この調査につきましてはこれまでの地域の改善対策の効果を測定し、同和地区の実態や国民の意識等について把握するため、しかるべき時期に全国的規模で調査を行う旨、そういう提言をいたしているところでございます。これは政府全体として行うわけですが、私どもとしましても、文部省が持っておる、先生が今御指摘になった点について十分問題意識を持って、適切な調査が実施できるよう、各省庁と十分協議してまいりたいというふうに考えております。
○田並分科員 委員長。——いいですか。大変静かな質問なんで、いい声に聞こえるのかもしれませんが……。 それでは、今局長の方から答弁のあったことで具体的に実態調査等ぜひ取り組みを、文部省としても政府全体に対してそういう呼びかけをお願いをし、実現をぜひ図っていただきたいと思うのです。 特に学校教育の中で同和教育を進める場合に必要なことは、文部省もずっとやっていらっしゃいますように、同和教育の研究指定校を毎年毎年各都道府県本部にお願いをして何枚か設定をして、具体的にその小中学校、高校も含めて研究指定校になったところが具体的により深い同和教育の推進を行って、その成果を県内に普及させる、こういう意味でこれが行われているわけでありますが、私の持っている資料では、これは昭和五十九年までしかないので、その後のことはちょっとわかりませんが、この中を見た限りでは、残念ながら各都道府県によってかなりのばらつきがございます。 この五十九年までの資料ですと、例えば、三十四年からこの研究指定校制度というのは始まったのでしょうか、残念ながら、東京、神奈川、新潟、山梨、宮崎、鹿児島、こういうところでは研究指定校の指定が一校も毎年度ございませんでした。ゼロでございました。それと、この間に一校だとか六校だとか、平均して大体六、七十校、多いところでは九十校ぐらい三十四年から五十九年までの間に指定をして具体的に同和教育の推進に努めている府県もございますが、今言った県はこの間にただの一回も研究指定校として指定をされておらない。しかも、茨城であるとかあるいは静岡であるとか愛知であるとか、こういうところについては、ゼロではございませんが、この三十四年から五十九年までの間にわずか一校であるとか多くて四校であるとか、こういう実態なんですね。 これは文部省の方から具体的な指導援助を強化をしないといけないのではないか。地区がないなんてことはあり得ないのですよ、あるのですから。これをどういうふうに我々としては考えたらいいのかということと、もう一つは、教育推進地域という指定もございますね、文部省で指定しています。これを見ても、栃木であるとか東京、神奈川、新潟、山梨、静岡、愛知、長崎、宮崎、鹿児島、こういうところでは残念ながら教育推進地域の指定事業が行われておりません。 この教育推進地域の事業というのは、推進地域内の小中学校等において基本的人権尊重の教育を実施をするということ、それから対象地域児童生徒に対して学力その他について積極的な指導を行う、さらに指導者研修を行う、地域住民に対する啓発的教育活動を行う、これがこの教育推進地域の指定事業の内容ですから、これはやはり文部省の所管として、先ほどの局長がおっしゃいましたように、本当に気持ちを入れかえて部落差別を一日も早く解消するための教育をとにかく実践をするのだという、その決意のほどはわかるのですが、現実に過去においてこういう事例があるわけですね。五十九年までですからそれ以降の資料は私は手元にないもので、その後どういうふうに文部省がやられたか、その辺も含めて今後の教育推進地域の指定の事業とそれから研究指定校、この事業についてどのように取り組まれようとするのか、お聞かせを願います。
○坂元政府委員 先生が今五十九年までと申しましたが、それ以後の傾向についてもほとんど変わりはないような状況でございます。研究指定校及び推進地域の指定に当たりましては、これは都道府県が積極的に取り組んでいただくというようなことも必要でございますので、私どもは、もちろんなるべく多くの県に手を挙げていただいて、多くの県で押しなべて大体同じような数ぐらい平均してやっていただきたいという方向で各県にはお願いはしておりますが、必ずしも手の挙げ方が一様ではない、そういう結果として今先生が御指摘になったような偏りがあるのではないかというふうに考えております。私どもとしましては、今後そういう偏りを少しでもなくして、各県にこの問題について、同和教育について真剣に取り組んでもらう姿勢なり心構えをつくっていただくという方向で、この研究指定校等の指定に当たっても努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○田並分科員 そういう御答弁だろうと思っていたのですが、もう一回例の昨年の十二月十一日に出されました地対協の意見具申、これを文部省としてぜひ各都道府県の教育委員会に対して、その中身について、また文部省の考え方について私は指導をしていただきたいと思うのですね。 手の挙げ方が一様でなくて偏りがある、そういうお言葉でございますが、手の挙げ方が少なかったら、同和教育の重要性を文部省としても指導しながら、手を挙げてくれ、こういう指導もあわせてしなければいけないんじゃないだろうか。そのために、国の責務であり、あるいは行政の責務であり、国民的な課題なんだ。これは国民の責任も非常に大きいかもしれませんが、法律である以上は、その法律を実際に施行する行政の責任というのは非常に大きい。まして相手も行政でございますから、各都道府県の教育委員会というものも。ですから、でき得れば、恐らく各都道府県の教育委員長会議だとかあるいは教育長会議だとかいうのは文部省はやられているはずでありますから、そういう会議の中でも特別に一項目ぐらい起こして、現在の同和教育の重要性、また、それぞれの教育現場である差別の事象を解決をするためにどうしたらいいかということを、率直にぜひ議題として供していただいて、手を挙げないところは手を挙げてください、もう一日も早く、とにかく二十一世紀には部落差別をなくすんだというのが先ほど申し上げました地対協意見具申の結びとしてあるわけでありますから、その辺をしっかりと踏まえて努力をお願いをしたい、このように思いますが、いかがでしょうか。
○坂元政府委員 私ども従来から、指導部課長会議あるいは都道府県の教育長会議などについてはこの問題について私から直接指導をしておりますが、先生のそういう御指摘を踏まえましてさらに指導を徹底してやります。
○田並分科員 ぜひ重点的にお取り組みをお願いを申し上げます。 それと、最後になりますが、この地対協意見具申の中に、文部省関係で「特に大学において人権教育の普及・充実を図ることが望まれる。」このように指摘をされております。 国公立あるいは私学等いろいろありますので、文部省の指導の範囲というのはどの程度までかよくわかりませんが、例えば、この地対協意見具申を受けて閣議が昨年十二月二十日の日に「今後の地域改善対策に関する大綱」というのを出しました。この中で、文部省関係では「教育については、基本的人権尊重の精神の確立、教育上の格差の解消、教育・文化の水準の向上を図るため、学校教育、社会教育をより効果的に推進する。」このように閣議決定の中で触れられております。それを受けて、今手元にありますのは「地域改善対策特定事業の見直し」ということで、文部省関係では、高等学校等進学奨励費補助事業、集会所施設・設備整備事業、その地先ほど指摘をいたしました研究指定校事業であるとか、研究協議会事業であるとか、指導者研修事業、調査指導事業、社会教育事業、集会所指導事業、それから教育推進地域事業等々が書かれております。 この中で、意見具申が指摘をいたしました「特に大学において人権教育の普及・充実を図ることが望まれる。」ということはどの部分を指しているのか、また具体的にどうされようとするのか、お聞かせを願いたいと思います。
○前畑政府委員 今先生御指摘のございました意見具申で大学について特に言及があることは十分承知をいたしておりまして、私ども具体には、国立大学につきましては学長会議あるいは学生部長の会議、公立大学につきましてもことし一月に公立大学の事務局長会議がございましたし、また、二月には市立大学の関係者の学校法人運営協議会というような会合の場もありました。その場をもちまして、大学における同和教育の推進につきまして十分留意をし、適切な指導が行われるよう今後とも適切な取り組みをお願いすること、また、特に教員養成系の大学、学部につきましては、将来教職につく学生に対して同和問題に対する知識、理解を深めるよう適切な配慮をお願いいたしたいこと、また、いろいろな差別事象、先ほども先生御指摘ございましたが、差別につながる落書き事件等が生じたときには速やかに関係課まで連絡を願いたいこと、また、このことについても学内に十分周知徹底されるようお願いするといったような趣旨で指導をいたしております。
○田並分科員 もう時間がございませんので、今私が聞いたことに対してそれぞれ局長から答弁ございましたが、大臣の方から総括的にひとつ答弁をいただいて、終わります。
○鳩山国務大臣 同和問題というものは、今回の地対協の意見具申の最後の部分、先生が読み上げられましたように、二十一世紀に残してはいけない問題であります。絶対あってはならない差別あるいは心理的な差別、そうしたものが今も尾を引いているという現実、残念ながらこれを直視しなければならないわけであります。 先ほど先生がお示しになった、差別事象として把握されている事件の発生数が減っていなくてこの二年ふえてきているということは、まあ人権思想というのは相当普及してきていると思うし、小中高、今最後に大学のお話もありましたが、義務教育でもあるいは高等学校でもきちんとそういうことは教えてきているつもりであるのに、結果としてこういうようなものが出ておる。したがって、同和教育の一層の推進にはまだまだ力を抜くことはできない、ますます力を入れなければならないと改めて思っておるわけであります。 と同時に、先ほど馬場先生からも御指摘がありましたように、そうした対象地域における高等学校への進学率や大学進学率の差、縮まってきてはおってもまだまだ相当な開きがあるということは、そういうあってはならない差別というものがまだ残っていることによって、いろいろな意味で最終的に不利益な結果に甘んぜざるを得ない、そういう方々の存在というものを推定できるわけでありまして、そういう点で、いわゆる同和教育、人権思想の普及ということと、そうした地域での教育、文化面での条件の整備向上と、両面できちんとやっていきたいと思っております。
○田並分科員 終わります。
○越智主査 これにて田並胤明君の質疑は終了いたしました。 次に、鈴木喜久子君。
○鈴木(喜)分科員 私も続きまして今の同和問題について、教育関係を初めに御質問したいと思います。 先ほど田並議員の方からも話がありました学校における差別事象が発生している、その発生件数というのをまとめられたということでお話がありましたけれども、確かにこの二年間ふえている。その中でも私が一番命感じておりますことは、学校内で発生した差別事象というものが、小中高どれもですけれども、教職員の発言にかかわるものというのがふえてきているようでございます。先徒児童の発言も当然二一%ぐらい、平成元年に比べますと平成二年がふえているという形でございますけれども、教職員の発言ということになりますと、先ほども田並議員から言われましたけれども、八件が十五件、要するに倍増。パーセンテージにすると八七%ぐらいふえるという、非常に大きな、二倍近いふえ方をしているということです。 教職員の発言にかかわるものが出てくるということは、一体何を意味するのかということを考えますと、結局、教職員を養成する大学教育、そういうところにおいてどのくらい同和問題、部落差別問題ということの正しい認識を教職員の卵になる学生さんに教えてきているか。もちろん強いて言えば、幼小中高というそうした教育の中でも当然人間としてそれを体得していなければいけない人権思想、そういうものが植えつけられてこないということにも関係があります。鶏が先か卵が先かみたいな議論にはなりますが、私はここでそうした学校における教職員の養成ということ、これは非常に大きい問題であるというふうに考えて、その観点からの質問をさせていただきたいというふうに思います。 まず最初に、ちょっと数字をまたお聞かせいただけるかどうか伺いたいのですが、差別事象として文部省が把握されているものは小中高でございますけれども、大学についての差別事象として把握されているものがございますかどうか。ありましたらその数字をお聞かせいただきたいと思います。
○前畑政府委員 過去五年間について大学側からの報告に基づいて把握している差別事件の発生件数は、十四大学二十一件となっております。平成二年度の一件と平成三年度の一件は、いわゆる差別発言ということでありますが、他は不適切な落書き事件、このようになっております。年次別で申し上げますと、平成三年度が三大学ございます。平成二年度が二大学、平成元年度五大学、六十三年度二大学、六十二年度二大学、こういう状況でございます。
○鈴木(喜)分科員 そうしますと、この不適当な落書きという問題、かなり大学の中でも発生している。どんな事象かということを具体的に把握されておりますでしょうか。
○前畑政府委員 幾つか承知をいたしておるものがございます。例えば、立教大学の差別落書き事件であるとか、あるいは中央大学でもあったようでございますし、そのほか早稲田大学、東京大学等でも差別落書き事件があったということは承知をいたしておりますが、具体の内容につきましては省略をさせていただきます。
○鈴木(喜)分科員 大学も、立教、中央、早稲田、東京大学、東洋大学、こういったところで発生しておりまして、かなりの有名校その他の中で、この大学はいずれも教員養成の課程を持っておる大学でございますから、そういうところでの発生件数というのがあるということで、内容は私の方も調べたのがありますけれども、ここで一々それを言葉にして言うのも何かちょっと、本当にこういうことを、書かれたものが学校という、大学という最高学府の中にこういうものが書かれているのかと思われるようなひどい内容だと思います。ですから、ここでそれを一々読み上げることは控えますけれども、非常にひどい、心をずたずたに傷つけるであろうというような内容の落書きがそういった大変有名な大学の中にも置かれているという現状があるわけでございます。 この中で、こうした大学について一体どういうふうな指導をされているか。先ほどの田並議員からの質問に答えられたときにも、幾つかの通達を出されているという、またはそういった事例が発生したときにはそれについての報告をするようにというような形で通達が出されているというふうなお答えがありましたけれども、それも含めてもう一度とういう対応の仕方をされているかをお伺いしたいと思います。
○前畑政府委員 先ほど御指摘もございましたように、具体には公立大学、私立大学ということになりますとなかなか難しい問題もございますが、国立大学を中心として申し上げますと、例えば昨年の十一月に行われました国立大学協会、これは国立大学の学長による団体でございますが、そこの懇談会という場に参りまして、大学における同和教育の推進につきましてお願いをいたしております。 要点は四点ございまして、一つは、同和問題について大学における啓発活動についてその趣旨を十分に理解し適切な指導が行われるよう今後とも適切な取り組みをお願いすること。今御指摘がございましたが、二番目には、特に教員養成系の大学、学部につきましては、将来教職につく学生であるということを念頭に置いて、同和問題に関する知識、理解を深めさせるよう適切な配慮をお願いいたしたいこと。また三番目には、これは就職の問題でございまして、同和地区の卒業予定者の就職に関しましては、かねて通知を出しておりますが、同和問題の正しい理解と認識のもとに適正な就職事務の処理に当たるよう要請をいたしておりますが、昨年の十一月でございましたので、本年度においてもこの通知の趣旨を踏まえて適正な就職指導に努められたいということをお願いいたしております。また、第四点につきましては、御指摘の差別事件でございますが、万一差別につながる落書き事件等が生じたときには速やかに関係機関まで御連絡願いたいこと。そしてこのことは学長を通じて学内に十分周知徹底されるようお願いするという、この四点について先ほど申し上げました国立大学協会の席で申し上げました。 ことしになりましても、国立大学の学生部長、学生部長と申しますのは学生の厚生補導というものを担当する職でございまして、これは一大学を除きましてはすべて大学の教官が併任をいたしておりますが、その学生部長の会議でも同様の趣旨を申し上げております。また、公立大学についても関係の会議、私立の大学につきましても関係の場において同様の趣旨のことをお願いいたしておるところでございます。
○鈴木(喜)分科員 そうした取り組みをぜひともこれからも続けていただきたいのですが、その中で、国立大学にどのくらい部落問題の関係講座というものが設置されているかどうか、その数字を伺いたいと思います。国立大学全体、それからもう一つは国立の教育大学、これは十校ほどあるのでしょうか、そこについて一体そういうものが本当に現実に設置されているのかどうか、特に首都圏、関東におきます教育大学について設置されている大学は国立てあるのかどうか、この点について伺いたいと思います。
○前畑政府委員 国立大学で同和問題に関する授業科目を開設する大学についてのお尋ねでございますが、教員養成大学について申し上げますと、平成二年度では四十九大学中三十四大学において同和問題に関する授業科目を開設をいたしております。また、お尋ねにございました関東圏に所在する国立大学につきましては、六大学、茨城大学、筑波大学、宇都宮大学、群馬大学、埼玉大学、東京学芸大学でございますが、この六大学が同和問題に関する授業科目を開設をいたしております。
○鈴木(喜)分科員 ここでは具体的に、開設した中で学生さんがこれをとる、どういうふうなものか、内容について把握されておりますですか。
○前畑政府委員 具体にその授業科目の中でどういうふうな授業が行われておるかということでございますが、これは甚だ残念なことでございますけれども、御案内のとおり基本的に大学の授業の内容というものを、大学改革の一環としても、いわゆるシラバスというような形であらかじめ明らかにし、学生にもそれを知らしめて、そしてその内容を十分に承知した上で授業を受けるというような取り組みが必要であるということを一般的にも私ども指導いたしておるところでありますが、まだなかなか実行されない段階にございます。 そういうこともございまして、具体にどういうふうな教育内容、授業内容になっておるかということについては、申しわけございませんが把握をいたしておりません。
○鈴木(喜)分科員 大変大事なことでございますので、今後ぜひともその点の調査そして把握、また御指導というものをしていっていただきたいと思います。 この大学の中で、国立大学の代表として先ほども東大の問題がちょっと出ました。先ほどのお話ですと、東大の中には講座はないということでございましょうか。
○前畑政府委員 東京大学で同和問題に関する授業科目を開設しているという報告は受けておりません。
○鈴木(喜)分科員 おととしになりますか、ここでやはりその落書き事件が発生して、そのことについて解放同盟からの抗議を受けたというような事例がありますが、そのことについての報告は文部省は受けておられますか。
○前畑政府委員 東京大学において平成元年度に差別的な落書きが発見をされた、そのことに関しまして平成二年に東京大学と部落解放同盟との間で話し合いが行われたということにつきましては、その都度東京大学から報告を受け、承知をいたしております。
○鈴木(喜)分科員 私はこれは大変疑問に思うのです、そういう報告を受けて、その内容ということではかなり解放同盟側からも、教育の場にこうした講座を置いてもらいたい、または研修の場、それからたくさんおられる教職員にもそうしたことについての周知徹底をされるように、また人権意識の啓発ということも行われるようにという強い申し入れがあったと思うのですね。 そういうときに、文部省はただこういうことで報告があったということで終わってしまうのでしょうか。それとも、やはりこういう場合に、今もって設置をされていないその講座でございますけれども、こういった機会があるのですから、このときにはぜひともその講座の設置をというような指導はなされないものなんでしょうか。
○前畑政府委員 私どもは、東京大学の件について申し上げますと、報告を受けた都度、先ほど申し上げましたような内容のものをその都度大学側に申し入れまして、適切に対応するよう指導をいたしておるところでございます。 ただ、大学がどういうふうな授業科目を開設するかあるいは講座を設置をするかということは、同和問題、大変重要な問題ではありますが、それとともに私どもとして考えなければならないことは、やはり大学における学問の自由、大学の自治というような問題もございまして、これこれの講座を設置すべきではないかというような指導ということになりますと、やはりなかなか難しい問題があることを御理解をいただきたいと思います。
○鈴木(喜)分科員 それで、そういったいきさつのあることでございますから、私もこの場に東京大学の学生部長なりまたは責任ある方に来ていただいて、そうしたことについて東京大学側がどうお考えなのかお聞きしたいということを申し上げましたけれども、この場にはそういう人を呼ぶことができないというお答えで、残念ながらきょうはこちらにいらしていただくわけにはいきませんでした。この問題はこれから先も委員会の質問等を通じて、そうした形での大学当局側の考えも伺っていきたいというふうに思います。 随分古い話になりますが、昭和二十七年の同和教育についての文部省からの次官通達によりますと、国立大学について学校及び社会の教育を通じてこうした同和教育の精神というものを徹底させなければいけないということで、講座を置くようにということで通達まで出ているというふうに聞いております。そのことをぜひ守っていっていただきたいというふうに心からお願いを申し上げます。このことにつきましても大臣に後ほど一括して御答弁をいただきたいと思います。 時間の関係がありますので、次の問題に移らせていただきます。 これも大学にかかわる一つの差別の問題と言っていいと思いますが、これは国立大学における職員の方の昇格昇給ということに関する男女の格差ということについての問題でございます。平成二年の四月にやはりこの分科会におきまして、私同じようなことについて質問をさせていただいております。その後この点についてかなり私たちの願いというのを聞いていただいた形での改善がなされたというふうに伺っておりますけれども、その当時、私の質問の議事録の中で、大学側の問題についての、どのくらい女子が、級としての三級、四級、五級というようなクラス、四級になるにはある程度、何かしらの管理、主任とか係長とかそういった役職につかなければならないんだけれども、そのあたりに占める大学の中での女性の割合というものが余り、ほかの官庁に比べても、また文部省本省の方の職員の方に比べても割合が低いのではないかという質問をさせていただいたと思います。 その中で、いただいたお答えの中で、どうも全体で、事務系もそれからそのほかの技術系も含めたお答えをいただいてしまっているようなので、今回は現在のことで結構でございますから、三級、四級、五級ということにおける女子の事務系の場合の国立学校全体での割合がわかっていれば今お教えいただきたいと思います。
○野崎政府委員 国立学校につきまして事務職員の関係でございますが、平成三年の七月一日現在でございます。三級につきましては、全体で一万一千三百四十人ございます。そのうち女性が四千二百七十七人ということで、率でいたしますと三七・七%。次に四級でございますが、四級は全体が一万二十七人ございます。そのうち女性が千八百七人ということで、率でいきますと一八%。五級の方が全体で四千四百四十五人、うち女性が五百五十二人ということで、率でいきますと一二・四%ということでございまして、一昨年先生にお答えした当時の数字から見ますと前進を見ているのではないか、このように思っております。
○鈴木(喜)分科員 前進されているという点では非常にうれしいと思うのです。ただ、まだこれから先のいろいろなことがあるんですけれども、この中で大学、またここで代表として東大が出てしまうわけですけれども、東大、特にここで一つデータが出ておりますので、生産技術研究所というところがございます。そこでの女子の職員ということについてのパーセンテージ、今三級、四級、五級ですけれども、そのあたりのことについては今お答えいただけますでしょうか。
○野崎政府委員 一昨年先生からお尋ねがあったわけでございますが、全体は今そういうことで数字を申し上げたわけでございますけれども、特に現段階におきまして、その後東大生産研という形で調べておりませんので、御必要があればまた後ほど資料を届けたいと思います。
○鈴木(喜)分科員 ここで前のときも生産技術研でお答えいただいているのですが、どうもそれが技術系も事務系も含めているものですので、ぜひとも事務系だけについてのお答えをいただきたいと思います。かなりまだ、現在におきましても女性の占める位置が、三級のあたりにどっといっぱいいて四級、五級にはなかなか来ないという状況があるように思いますので、またこのところもお知らせいただきたいのです。現実としては、しかしこの二年間に、その前の十年間にちっともびくとも動かなかったようなところがかなり改善されたということが見られているようでございまして、ぜひともそれをまた前進させていっていただきたいという意味で、今後の問題点について二、三個いながらお願いもしていきたいというふうに思っています。 まず、先ほども申しましたように、女性でまだまだそういった形で、一番上の段階まで行って、主任とか係長とかいう役がつかないためにとどまったきり昇給もできないでいるという人たちが多いという現実。もう一つが、昇格をすると、三級の十四号ですか、そこまで行った人と、三級の十二号あたりからほっと主任という格がついて四級に上がった方、二通りあるわけでございます。 女性の場合には三級の中でもどん詰まりの一番上の方まで、大変同位の号数のところまで行きまして、そしてそれから四級にやっとこすっとこ上がるという、こういった状態がありますと、そうではなくて、楽々ともっと低位の号俸のところからぱっと四級に上がってしまった方と比べますと、そこで、上がった途端にお給料に逆転の差ができるという、こういった現実があるんですが、その点は把握し一でおられますでしょうか。
○野崎政府委員 具体の数字という形での把握はしていないわけでございますが、先生御存じのように、公務員の任用、登用につきましては成績主義の原則で行われておるわけでございまして、実際の職務の中で幅広い職務上の知識あるいは能力を養うあるいはいろいろな研修を受けるというようなことで、勤務成績が優秀そして能力がある、こう認められた者につきまして、これは男だからとかあるいは女だからというようなことじゃなしに男女を問わず登用を促進するということで各大学を指導してきておるところでございまして、今後ともいろいろな機会でそういう指導を進めてまいりたいと思っておるわけでございまして、その辺のところは、やはり現実に能力があるということで早い段階で上級号俸に進むという者も、これは今の任用制度のもとにおいてはそういう職員の能力ということに基づいてやっておるわけでございますので、そういうことは十分あり得ることでございます。
○鈴木(喜)分科員 ただ、これはちょっと今のお答えでは私は不満足なんですね。といいますのは、女性は今たまりにたまって上の方まで打っちゃったために、別に女性の能力が、今のお話を聞きますと、もっと早期の、低位の号俸のころに四級にはっと上がるのも、それからそこの三級にずっととどまってちゃって何号俸までか高位のところまで行ってから四級に上がるのも、それは本人の努力または能力次第であって男女の問題ではないとおっしゃいますけれども、しかし、そうではない現実が絶対にあるわけです。 今、女性が能力がなくて上の方にたまったのではなくて、その点では明らかにこれまで、今改善されたと言われていることですけれども、現実十年間よどみによどんでいたそのものの解決の結果というものでございまして、女性は同じ仕事をし、同じ能力を持ち、また同じ研修を受けた中で、優秀な成績をそこで得ていながら、そういった形での昇給昇格というものがおくれおくれてきた。そしてこれを改善しようということでの動きがあった結果、お給料の逆転という現象が起こってしまったわけでございますから、これを能力ということだけで片づけられるとこれは大変な心外な問題になると思います。 人事院の方に、先ほどのお給料の額の逆転現象というものについては男女のそういったことでの差があるということについてわかっておられるか、また承知しておられてどういうことかお考えがあれば伺わせていただきたいと思います。
○福島説明員 今先生のお話しいただいた逆転というのがどういう状態なのか、例えば今の俸給表の構造からいたしますと、三級の高位号俸、昇格がおくれて高位号俸から昇格した場合と若い号俸から昇格した場合にはその俸給表の号俸の組み方が、上の方に行きますと専門的な言葉で申しますと双子とか三つ子というのがございまして、それを通過した後に昇格するのとその前に昇格をする者とでは若干の差はございます。 ただ、今先生のおっしゃる逆転というのがどういう状態なのかはちょっと定かではございませんので、お答えいたしかねるところでございます。
○鈴木(喜)分科員 私の言い方が適切でなくてちょっとわかっていないところがあるのかもしれませんけれども、今の差異が生ずるということではどういう差異が生ずるのでしょうか。
○福島説明員 どういう差とおっしゃられますと、具体的な数字があれば一番説明しやすいわけでございますが、例えば、先ほどおっしゃられましたように、三級の十二号俸から昇格する場合と十四号俸から昇格する場合に、例えば三級の十三号俸と十四号俸が双子であるとしますと、十三号俸から昇格しても十四号俸から昇格しても同じ号俸に行くわけです。十二号俸から行きますと、これ一つの号俸に行くわけですが、仮定の話でございますが、十三と十四から昇格すると一つの号俸に行くものですが、十三から十四号に行く場合には十二月経過しているわけです。したがいまして、その十二月経過した者と十二月経過していない者が一つの号俸に行くというところで差が出てくるというふうに御理解いただけると思います。
○鈴木(喜)分科員 わかりました。その点について、非常にとどまっていた期間が長かった人に不利に働くような差異は、何とかそこのところでの調整といいますか、そういうものをお考えいただきたいというふうに思います。 それともう一つ、これも女性の問題にかかわるわけなんですが、なぜそういったことになってくるか、低位の号俸からまた上に上がるということが女性に少ないかといいますと、女性の採用そのものが現実非常に薄くてこうなっている。ですから、若手の女性というのがなかなかいなくなっているという現状があります。これも一つの差別であると思います。採用の場合に女性も差別することなく採用をしていただきたいというお願いをしておきます。 もう一つの問題は、中途採用の技術者が例えば特殊な学校の実験室などには必要となってくる場合があるというふうに聞いております。実験材料というのはただ既存のものができてくるわけではなくて、そこに非常にきめ細かなガラスの工芸でつくった特殊なガラス工具みたいなものが必要であったり木工の一つの模型が必要であったりするときに、大変すばらしい技術がなければできない。なくてはならない人材がある。こういうのが民間におるときに、民間にそれを発注すると物すごく高くなる、そういうことでその人材を呼び込んでそして公務員になってもらう、そういうことが現実にもあるようでございます。 しかし、その場合に、中途採用の技術職ということになりますと、二十年間いても定年になった場合には主任並みのものしかもらえないという、給与の点について特殊の技術の加味ということが全くないという形になってしまう。この点、人事院でお考えをいただきたい。 ここで答弁をいただきたいのですが、同時に、人事院の方の御答弁と一緒に、大臣、最後になりますが、先ほどの同和の、大学における講座の設置ということについて御配慮いただき、その点についても含めて御答弁をいただきたいと思います。
○福島説明員 今の具体的な例はちょっと定かではございませんので、一般論としてお答えいたします。 民間経験を有する者を公務に採用する場合の給与の決定方法でございますが、まず採用を予定しているところの職務の内容をもとにしまして職務の級を決定いたします。それから、その職務の級の中で何号俸になるかということでいわゆる俸給月額を決定することになるわけでございますけれども、その場合には職務と責任に応じた給与とすることは当然のことでございまして、かつ同じ職務に従事している公務の在職者、すなわち最初から採用されてそのまま来ている職員がいるわけですが、そういう方々との給与のバランスを図ること、それを基礎としながら、他方におきましては民間経験も視野に入れながら給与の決定を行っている。 具体的にはどういうことになるかといいますと、号俸の決定でございますけれども、原則的には民間企業においても中途採用があるわけでございまして、民間企業における中途採用者の給与の決定方法と同じような取り扱いということでやっておりまして、標準者を超えない、すなわちもともと採用されている職員を超えないような範囲で、その者が有している経験年数をもとに号俸の調整を行っていくというふうな形でやっているわけでございますが、特殊の技術や経験を必要とするものについては、特例的に十二月につき一号俸で号俸を調整するというふうなこともやっておりまして、部内職員とのバランスを考えながら、本人の経験も踏まえて号俸を決定しているということでございます。
○鳩山国務大臣 地対協の意見具申の中に、大学において人権教育、同和教育をきちんとやれということについては重く受けとめさせていただいているところでございます。もちろん、大学と申しましても国立と公立、私立とでは文部省との絡みぐあいが違ってくるわけであります。ただ、大学の自治あるいは学問の自治ということについては共通でございまして、文部省にとりまして国立大学というのはみずからがいわば持っている大学ではありますけれども、その学部学科等についてはもちろん強い関心を持っておりますが、具体的なその授業科目あるいはその内容ということになりますと、こういう授業科目名でこういうふうに教えなさいというところまでは、学問の自由、大学の自治という関係で申し述べることはできない。これはもちろん私立の大学等については、その設置あるいは学部学科の増設、新設、定員等は全部審査はしてきてはおりますけれども、実際その教える内容までを縛るということはできないということでありますから、文部省としては大学においてそういう同和問題についての教育あるいは人権についての教育というものが大切であるというその地対協の意見具申が出たことを、いわば宣伝をするというのは妙な言い方ですが、広く周知せしめるためにいろいろ申し上げることはできる。ただ、こうしなさいとまでは言えないという難しいところでございますが、大学側がそういう問題の重要性を自発的に判断をしてくれるとありがたいと思っています。
○越智主査 これにて鈴木喜久子君の質疑は終了いたしました。 次に、中西績介君。
○中西(績)分科員 時間が三十分ですから、いろいろ多くのことを申し上げたいのですが、先ほどから三名の方の質問をお聞きしておりまして、同僚議員の提案あるいは指摘等がございましたが、高校から大学、さらにまた義務制教育の中における多くの問題点等を含めまして、たくさんの問題があるということを実感するし、特に私は、文部省におかれましてはこうした点について十分認識をしておいていただきたいと思います。 そこで私は、昨年井上前文部大臣から、重要な引き継ぎ事項の中に同和教育問題を入れておるということをお聞きをいたしました。鳩山文部大臣になりまして、この点についての継承された事柄について、あるいは具体的な内容で幾つか処理された面があればお答えいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 同和問題につきましては、井上前文部大臣から、これは基本的人権にかかわる問題であり、教育の機会均等という側面もあり、いわゆる心理的差別を初めとする同和教育の重要性という点もあり、前大臣から引き継ぎを受けておるところでございます。 私有身も、先ほど前の前の方の御答弁で申し上げましたように、この同和問題、なぜこのような問題がいまだにこんな形で残っているのか全く理解できない。つまり理解できないというのは、歴史的な沿革等については知っているわけですが、なぜ日本という世の中にこういう全く不合理な差別が残っているのか、なぜこんなことになってしまっているのか、そういった意味では、何か一つのそういう神のつくった、与えた歴史を恨むような、そういう心境を持っておりまして、とにかく地対協の意見具申にありますように、もう二十一世紀になったら、同和問題って一体何だったっけ、だれもそんなものを感じない、心理的な差別も実態的な差別ももうどこにもない、早くそういう世の中をつくらなければならないというときに、その差別事件の数が減っていない、ふえておるなどということを聞きまして、改めてこの同和教育の重要性に思いをいたしたところであります。 また、先般は「橋のない川」の映画の試写会を文部省で開きまして、実は私は仕事でそれは見られなかった、他の日程でそれは見られませんでしたが、生涯学習審議会関係の方々に見ていただいて、文部省選定映画とさせていただいたところであります。
○中西(績)分科員 今大臣言われましたように、今なぜこんなものが残っておるのか、あるいはこういう不合理な差別があっていいのかというこうした問題について、不思議に思うくらいに感じておられるようでありますけれども、そのことが、戦後新しい憲法体制の中で自由と民主主義、人権をということが柱になっておりながら、依然として、そうした差別というのはむしろ強まっておる傾向がある。ということになりますと、私たちは、一九六五年の四年がかりでつくり上げました同和対策審議会答申、この中身というのは二十五年たった現在におきましても、この前文にありますように、同和問題というのは人類普遍の原理であるというこのことを忘れてはならないし、また忘れることはできない問題だと私は思います。 そこで、これに基づきまして、同和対策事業特別措置法が一九六九年に制定されましたけれども、失礼とは思いますが、大臣はこの間におけるそうした経過なり内容について御理解いただいておるかどうか、お答えください。
○鳩山国務大臣 正直申し上げまして、私が同和問題というものが大変重要だということに気づきましたのは、昭和四十六年当時であります。昭和四十年に同対審の答申、今中西先生が御指摘のお話、ちょうど私は高校二年生であったわけであります。私はその小学校から大学を卒業するまで、ほとんど身の回りの問題として部落差別問題あるいは同和問題というものに接したことがありませんでした。島崎藤村の「破戒」を読んでも、不思議だなと、よくわからないようなところがあったわけであります。 ところが、アメリカに生まれて初めて旅行をいたしまして、いわゆるあのころの黒人問題、黒人の人権をどうやって守るかという、それはクー・クラックス・クランもあるわけですし、別に、だが等しく、セパレート・バット・イコールなどという意見があったり、いろいろなものを見て、そしてそのときに何人かの日本人の先輩方と一緒に食事をしました。 私はアメリカに四十日ばかりおったわけですが、とにかくいわゆる黒人に対する差別問題に非常に興味があって、そのことをいろいろ話しましたら、鳩山さん、あなた、東京の真ん中に住んでいて全くそういうことに関心ないかもしれないが、日本における人種問題だってすごいじゃないですか、私は関西でそういう地区のすぐ近くに住んでおるから、その悲惨な状態よくわかるんだという話を懇々とされまして、すごいショックを受けて日本に帰ってきて、当時の、今でもおられるのかわかりませんが、大変優秀な漫画家白土三平さんが「カムイ伝」とか「カムイ外伝」とかそうしたもので描いている場面というものをいま一度読み返してみますと、これもある意味では壮絶な事柄でありますし、藤村の「破戒」にしても読み返してみると、そういう問題意識を持って読み返してみれば、大変重要な問題提起がなされている。絶対あってはいけない全くもって不合理な差別がいまだにこの世の中に、この祖国日本の中に存在しているということは、これは本当に恥ずかしくて悔しくて、何とかならぬものかというそんな気持ちを持ったのが、今申し上げたように、その昭和四十六年というような時代であったわけであります。 ですから、そうした後に同対審の答申等も読ませていただいて、先生今おっしゃいましたように、人類普遍の原理であるとか、日本国民の一部の集団が云々とか、そういうようないろいろなことをなかなか鋭く指摘されて、それがいまだに残念ながら解決をしておらぬということ、これが残念であり、私としては深い大きな問題意識を持っております。 今秘書官から、日本における人種問題というふうに言ったのは間違いですよ、こういう指摘があったのですが、私は実はまさにそこなんで、そういうふうにその人に言われたのです。もちろんそんな表現は公にできるものじゃない。その人がそう言ったのです。それで、僕がそんなものはないでしょうといってその人と議論をしたという、そのいわば括弧書きの言葉の問題を申し上げたんで、不適当であればいつでも取り消しますけれども、そういう趣旨で申しました。
○中西(績)分科員 括弧書きの「人種問題」であれば、十分な御理解をいただいておるだろう、こう思いますが、いずれにしましても私は、今言われた答弁の中から、同和対策審議会答申の基本理念は、私たち、そして大臣の中にも現在もなお生き続けておるということを認識してよろしいということを言ったと思うのですが、それでよろしいですか。
○鳩山国務大臣 それで結構です。
○中西(績)分科員 そこで私は、こうした認識をお互いに統一いたしまして、そこからいろいろな施策なりあるいは対策なりが出てくるだろうということを期待するわけであります。 特に、先ほど強調されたように、本当に今までの部落差別問題というのは、日本社会の根底にある差別、分断あるいは従来の支配的構造、この凝縮されたものが部落差別問題であろうと私は思うし、この非科学性と非人間性をどう克服するかということが一番大きな問題であろうと思うのです。そうすることがまたこれからの、国際的にも日本の自由と民主主義、そして人権が確立をされておるということが認められることになるわけでありますから、この点をどう文部行政の中であるいは教育の中で発揚していくかということが一番問題ではないのか、こう思うわけであります。 私はそうした意味で、先ほども大臣触れられました「今後の地域改善対策について」の意見具申が昨年十二月に出されております。ところが、これをずっと見ますと、内容的には問題のあるところがありますが、しかし最後のところ、先ほどの同僚の指摘にもございましたけれども、最後のところになりますと、まとめのところになりますと、はっきりこれから後の指針というものが出されておるのではないか、こう私は思います。「二十一世紀に差別を残してはならないという固い決意をもって、同対審答申の同和問題を一日も早く解決すべきであるという精神を受け継ぎつつ、国、地方公共団体、国民が一体となった取組みに力を尽くすべきである。」ここが私はこの意見具申の中の一番重要なところではないかということを感じるわけであります。 ところが、実際には政府としては、ハードの事業重視、そして教育だとか啓発などが精神面で欠落をしておるとしか言いようのない地対財特法を二月十四日に単純延長するということだけになってしまったのですね。私はこれは大変残念でしょうがないのですが、政府の重要な要職の一員として意見を聞くことは酷だと思いますけれども、果たしてこれでいいのかということを私は指摘をせざるを得ないのですが、何か御意見ございますか。
○坂元政府委員 いろいろな経緯、私よりも中西先生の方が経緯はよく御存じでありますので多くは言いませんが、いろいろな経緯はありましたが、最終的に、先生が今御指摘の十二月二十日に「地域改善対策に関する大綱」というものを総務庁長官から閣議に報告があって閣議で了承されて、先生御承知のとおり対策法につきましては単純延長ということで決まったわけでございます。 私どもとしましては、その閣議了解の線に沿って、とにかく心構えとしては先ほど来大臣が申し上げておりますとおり、あるいは先生も御指摘になりました意見具申の最後の部分にございました二十一世紀までにとにかくこの問題を解決するということで、そういう取り組みの姿勢でこの問題に取り組んでまいりたいというふうに考えているところでございます。
○中西(績)分科員 私はこの点、地対財特法そのものがもう打ち切りだということを、あの五年間で終わりだということを法律として制定をしておった。だからこうした意見具申は、改めなければならぬというようなことまで付して協議会が出しているわけですから、率直にそうした点を具体化して、法そのものをやはり見直す必要があったと思います。これは、先ほどから言われておりますように簡単に片づく問題ではありませんから、これからも重要な課題としていつまでもこうした問題を論議をしていかなければならぬと思います。 そこで私は、そうした点をさらに、この地対財特法というところにとどまるのではなしに、もう少し前進をするということになれば、この中にもありますけれども、「これまでの地域改善対策の効果を測定し、同和地区の実態や国民の意識等について把握することは重要である。政府においては、昭和五十年、六十年に全国的な調査を行ってきており、しかるべき時期に全国的規模の調査が行われるものと考えられるが、その際、調査結果の客観性を保証できる実施体制、方法等について慎重かつ早期に検討すべきである。」ということが述べられています。 ということになりますと、何としても五十年、六十年、これより以上の調査をする必要があると思うのです。実態調査の実施をしなくてはならぬと思うのですが、この点についてはどうですか。御意見ありますか。
○坂元政府委員 今先生がお述べになったのは意見具申の中ですが、先ほど私が言及いたしました「対策に関する大綱」の中でも、「これまでの地域改善対策の効果を測定し、同和地区の実態や国民の意識等について把握するため、しかるべき時期に全国的規模の調査を行うこととし、調査結果の客観性を保証できる実施体制、方法等について慎重かつ早期に検討する。」ということが決まっているわけでございます。 私どもとしましても、当然この調査の体制、方法等につきましてこれから政府部内でいろいろと検討が加えられていくと思いますが、私どもは文部省プロパーの問題意識を持って、この調査が適切に行われるようにその検討に参画してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○中西(績)分科員 それとあわせまして、こうしたものは、実態調査を集めましたら、これを今度は分析し、具体的に審議をする機関がやはり必要なんですね。ですから、この地対財特法に基づく形をそのままでいきますと協議会方式だということを言い張るでしょうけれども、本当に内容を一歩前進させるためにも、審議会なり何なり新しい機関で実のある討論をしていく必要があるんではないか、こう思いますが、これについてはどうですか。
○坂元政府委員 この問題につきましても、いろいろな経緯はありましたけれども、端的に申し上げますと、地域改善対策のあり方について従来の協議会がずっと提言をしてきておる、その提言に沿って政府もこの施策を進めてきたという経緯で、最終的に、この地域改善対策協議会を存続させて地域改善対策についての今後の問題点を審議する機関というふうに決めたわけでありますので、文部省としましても、この協議会の場において必要な説明、あるいは要望、あるいは参画等をしてまいりたいというふうに考えております。
○中西(績)分科員 私は、協議会でいろいろな指摘ができますけれども、やはり今から二十五年前のことを思い起こしていただけば、この時期から余り前進をしておらないということを考えますと、もう一度協議会などということでなしに、枠の中での論議でなしに、新しい機関を設置して、そこで本当に日本が国際的にも信頼される体制というのをつくるためのやはりこれが基礎になる、こういうことを考えれば大きく前進させることができるのではないか、私はこう思うのです。ですから、この点は問題を残しておきましてまた論議をし続けていきたいと思っております。 そこで、もう時間がございませんから、先ほど多くのことが出ましたけれども、こうした問題等からいたしましても、私は審議会なりあるいは調査ということが物すごく大事だということを言うのですけれども、九〇年にこの国際識字年というのが設定をされてまいりましたけれども、これ一つ取り上げましても、日本の場合にはわずかな広報だとか識字指導者協議会で論議する程度で終わらせまして、義務制就学率が九九・七%あるということでもって解決済みだという言い方をし続けています。 しかし、私がその実態調査をしたいと言うのは何かというと、今度やるということになっていますから手落ちのないようにしてもらいたいと思うのは、部落における平成二年の国の補助を出しているところが百五十学級でしょう。市町村、県、すべてがやっているところ百五十三あるわけですね。ところが、それ以外に、在日朝鮮人あるいは韓国人あるいは夜間中学、障害者あるいはアイヌの人々の識字問題等考えますと、非識字者をこれからどうなくしていくのか、こうしたことを考えたときに、私は何としてもこれだけは本格的な調査をすべきだということの提言をいたしておきます。きょうはもう時間がありませんから、答弁をいただきませんけれども、必ずこれは後でまた論議をしていきたいと思います。 それともう一つは、子供の権利条約問題であります。 これまたいろいろ言われておりますけれども、聞くところでは、三月十三日に閣議か何かで決定するようなことを言っておりますけれども、これまた子供だとか、あるいは非識字者だとか女性だとか障害者、差別されておる多くの弱者を守る、その中の、今なぜ子供の人権がということを私たちは考えなくてはならぬし、それがゆえにまた大変有意義な条約でありますが、いち早く条約を批准すべきではないか。 なぜなら、九〇年六月に子供サミットで海部前総理が署名をしてきています。随分張り切って参加し、その中でも行動されたようでありますから、この点についてもぜひいち早い批准をすべきだと思います。この点については、いつ批准するのか、どうするのか、その点だけ答弁ください。
○長谷川政府委員 ただいま先生お話しのとおりでございまして、現在法制局、外務省を中心に政府部内で関係各省庁、最終段階の調整をやっております。それで、正課とそれからその解釈をめぐって作業を続けておるところでございまして、近日中に上程されるというぐあいに考えております。上程後は、国会の手続に従いまして、両院で審議され、了承されれば批准書の寄託、それをもって日本が締結するという段取りになるかと思っております。
○中西(績)分科員 私は、やはり人権問題で我々がいち早く国際的にも肩を並べるような達成をするように、その一つとしてもぜひお願いをしたいと思います。 それから、大臣、「今日の部落差別」「おおさか 部落の実態」、こういうのをごらんになったことございますか。これはまた後で差し上げたいと思いますから、十分内容を御精査ください。 時間がまだちょっと余っていますけれども、先の人が、同僚議員が時間をかけたようでありますから、やめます。
○越智主査 これにて中西績介君の質疑は終了いたしました。 次に、東中光雄君。
○東中分科員 実は大都市、これは大阪ですが、学年別に小学校、中学校が分校と本校に分かれておるというのがありまして、非常に過大学校でそういう事態がおこっております。私は、これはもう全く異常なことだと思いましてお聞きしたいのでありますが、今小学校の適正基準といいますか規模についての標準あるいは適正基準というのは、これは規則で決まっているようですが、中学校についてはないのか。小学校、中学校の適正規模というのはどういうものなんでしょう。文部省としての方向はどうなっているんでしょうか。
○遠山政府委員 必ずしも適正規模という表現ではございませんけれども、標準として考えられている学級規模で学校の規模を言っておりますけれども、小学校の場合は十二学級以上十八学級以下ということでございます。中学校についてもこの規定が準用されているところでございます。
○東中分科員 学校教育法施行規則十七条、十八条それから義務教育諸学校施設費国庫負担法施行令第三条ですか、施行規則の方は「標準とする。」ということで「十二学級以上十八学級以下」というふうになっております。そして「小学校の分校の学級数は、特別の事情のある場合を除き、五学級以下とし、前条の学級数に算入しないものとする。」という規定があります。ただ、五学級以下の学級数の学校と普通の学校とを統合する場合だけは最大二十四学級とすることがあるというのが国庫負担法施行令の三条だと思うのです。 適正な学校規模の条件、これは小学校も中学校も同じであるはずなのです。私、学年別分校のある、ある学校へ行きまして、校長さんに適正基準とはどんなものですかと言ったら、そんなのあるんですかなといって教頭さんと相談して、知らぬと言う。これは、余りにも文部省の出している規則が完全に無視されているというところから来ている状況だと思うのです。どういうことで十二学級ないし十八学級を標準とするということになっておるのでしょうか。これはやはり教育上の立場というのがあるのだろうと思うのです。私が小学校のころは一学年二学級でした。だから、六年制ですから十二学級ですね。この基準の中に入っておったわけですよ。そういう点では、学校としての一つの有機的な性質として、校長先生も学校の先生も児童の顔を見たら大体わかるという程度になっているということが教育上必要だということから来たんじゃないかなと私は思うのです。標準とするとか適正基準とするというふうに書いてあるのですから、そういうふうに理解していいのじゃないでしょうか。どうでしょう。
○遠山政府委員 教育上のいろいろな角度から見て、小学校について十二学級から十八学級、中学校についてもそうでございますけれども、これらの規模は、通学距離あるいは学校での授業ないし教育活動のあり方等の総合的な判断のものと思いますけれども、ただそれが標準ではあります。したがって、さまざまな、いろいろな施策の際にその標準を考慮しながらやっているわけでございますが、しかしこの規定の中でも、「ただし、土地の状況その他により特別の事情のあるときは、この限りでない。」というふうに書いてございますし、また学校といいますものはそれぞれの地域のいろいろな伝統あるいは住民の考え方等も反映をしてでき上がっているものでございまして、必ずしも標準でなければならないというわけではないのでございます。
○東中分科員 特別の事情がある場合ということはありますけれども、国庫負担法施行令三条の場合は、「学級数がおおむね十二学級から十八学級までであること。」これが適正な規模の条件だとはっきり書いていますね。あるいはさっきの学校教育法の施行規則でいけば、「十二学級以上十八学級以下を標準とする。ただしこ特別の事情がある場合はこの限りでない、例外なんですね。標準、適正条件と書いてあるものを、もう当たり前みたいなことを、局長がそんなことを言われたら困りますね。規則は現に生きておるのですよ。 私は、今問題になっている点でいいますと、これは私の自宅の近くなんですが、私の孫の入っておる小学校から独立した小学校なんです。独立した小学校は昭和五十六年に開校して九学級で百七十九名から出発したわけですが、現在どうなっているかといいますと、五十二学級千八百七十三名です。そして、このうちの一年生から三年生までは分校ということで二十八学級分校に通っているのです。それから四年、五年、六年は本校で二十二学級あるんです。そして一つずつ養護学級があるんです。 それで、本校と分校との距離は大体六百メーター余りあるのです。分校というのは追加してつくってきたわけですから、非常に小さいのです。そうすると、全校集まろうということになったら分校から本校へ行かなければいかぬわけです。そうしたら、一年生、二年生、三年生が六百メートルほどを列をつくって行くということになりますと、一学年行くだけでも三十分かかるのです。プールがないものだから本校のプールへ行こうと思ったら、移動するのに三十分かかってしまう。もうどうしてこういうことになるのだ。分校は先ほど言いました施行規則によると五学級以下とする、こうなっているんですよ。全く教育条件、学校制度としては話にも何もなりはせぬ、こう思うのですが、どうでしょう。
○遠山政府委員 確かに過大規模校という考え方を私ども持っておりまして、三十一学級以上の学校は過大規模校ということで、これの解消に向けてさまざまな施策を打っていることは確かでございます。 先生のお話の、地元のお話のようでございますけれども、そのことに関しましてはやはり地域の事情があるように聞いております。恐らくある団地に最近非常に住民の方が集まってこられまして人口がふえてまいっている、しかしながら同じ団地の中で学区を分けて独立校を分離、新設をするということについては地元住民の方の反対が強いというふうにも聞いているところでございます。それからまた、十分な広さの用地が取得できないというふうなことでやむなく分校の方式をとっているというふうに聞いているわけでございます。 したがいまして、先ほども申しましたけれども、標準という考え方はもとにありながら、しかしそれぞれの地域の状況ということもあってそれぞれ市町村の教育委員会が十分な検討、配慮のもとにこの学校の設置については責任を持って行っておられるというふうに考えている次第でございます。
○東中分科員 これは私の地元だけじゃなくて、城陽中学校というのがあるのですが、これは中学校ですから三学年ですね。ところが、現在この中学校の在校生は千百五十人、三十三学級であります。そして、一年生は分校ということで三百七十四人、本校は二年生と三年生、各三百七十二人と四百四人ということであります。この間隔は七百メーター離れている。途中には四車線の道路があってそれを横断せにゃいかぬ。しかもその分校というのは、元小学校を建てかえた、その小学校の廃止になる部分を中学校の分校にしている、こういうことなのですね。 これも先ほどの適正基準あるいは標準とする、それから分校は五学級以下というふうに規則に書いてあることから、これくらい離れておって、そしてそれはそれぞれの教育委員会が特殊な事情で責任を持ってやっておるのだから、そんなこと言うとって文部省、いいのですか。そういうものですか、学校というのは。規則というのはそういうものなのですか。過渡期でちょっと変わっているというのじゃないのですよ。これは分校になってから十年になっていますよ、今の友渕小学校というのは。 これは大臣、今局長のお話とは、これくらいけた違いに離れています。ちょっと過ぎておるとかいうのじゃないですわ。分校というものあるいは学校の単位という点からいって、これはやはり、ちゃんとそれこそ文部省の学校教育法あるいは国庫負担の施行令の立場からいってたださなければいかぬ問題じゃないかと思うのですが。
○鳩山国務大臣 この間シンガポールの日本人学校へ行きましたときに、小学校が千八百人一どきにみんなが集まって私の話を聞いてくれましたが、これも日本人学校でとにかく早く二つ目の学校が欲しいということでありましたから、先生がおっしゃる千八百人というような生徒の、どれくらい膨大で多過ぎる数であるかは私なりによく理解はいたしておるわけで、文部省としても従来から過大規模枝分離促進については相当努力をしてきたと思っております。 もっとも、ある意味ではうらやましい話で、私の地元のように、とにかくどの小学校も新入生が十人くらいしか入ってこないというドーナツ化現象の真ん中の学校もまた、これは千代田区もそうでありましょうが、私の地元の中央区、台東区等では逆の悩みもあるわけです。 実際、義務教育という我が国の誇るべき制度、仕組み、そうした中で、お子さんの数がどんなにふえてもどんなに減ってもとにかく全国一律に最低限度、また同質の小学校教育、中学校教育をできるだけ同一条件のもとにお与えをするという、これは大変な作業でありまして、当然財政の負担も巨額に上るわけでありまして、それは学校の先生方の給与につきましては、これは大蔵省も認めざるを得ない経費ではありますけれども、例えば公立文教の予算を見てみますと、かつて六千億近い水準にあったものが平成三年度は二千二百八十八億円しかない。余りにひどいというので、平成四年度は若干、二百億くらいでしょうか増というふうな形にはお願いをしているわけですけれども、そういう財政事情の中で、約十年前六千億あったものが二千二百億円というのは実質的に言えば三分の一どころではなくて四分の一、五分の一というような予算しか小中学校の新築、改築にあるいは増築も含めてお金が使えないというような要素もあり、いろいろな事情の中で、先ほど助成局長から御答弁されたような結果になっていると私は思うわけですが、問題の大きさは十分に受けとめさせていただきます。
○東中分科員 やっているところはやっているのですよ、必要以上にどんどん大きなのを建てたり、やっているのです。それでまた特殊条件と称して、何も特殊条件が十年も続いとるはずがないのですが、それも基準の五割ふえとるというのだったらまた別ですけれども、何倍にもなっておる、こういうこと。それはそこの責任でやっておるのだというようなことを言ってもらったんでは困ると私は思います。 そして、こういう分校にすることによってどういう状態が起こっておるかといいますと、例えば今の小学校の例で言いますと、分校の方の小学校低学年がいるところのプールといいますのは、保育所のプールみたいなのですね。四十センチか五十センチぐらいの深さなのですよ一だから、一年生が水遊びをするのならいいけれども、二年生、三年生は本校へ行かなきゃだめなんですよ。体育で本校へ行くということになれば、さっき言ったように三十分かかるんだから、隊列組んで行きますからね。そういうことになったままだ。 それから、教室を見ましたら、これはどんどん建て増しをやるわけです。私、このとき初めて聞いたのですが、対面教室と普通言われているのがあるのですよ。何かと思って見に行ったのですけれども、廊下を挟んで両方に教室があるのです。そうすると場所が狭くても教室がたくさんとれるというわけですね。だから、それは合理的なように見えるんだけれども。 そこへ授業中に校長さんと一緒に見に行ったら、そっち側とこつち側の言っていることが全部聞こえるのです、廊下でちょっと離れているだけですから。先生方はたまったものじゃないですな。私、授業中だけちょっと見に行ったつもりなんだけれども、みんな見えるわけでしょう。そうしたら、そっちで物を言うとる、こっちで物を言うとる、先生方はどうにもならない。 後で聞きましたら、しかも付近に高速道路があって騒音があるのですね。先生はうんと大きい声を出さなきゃいかぬと言うのですよ。それで「はい」と言ったら、この教室で言うとるのか向こうの教室で言うとるのかわからぬわけです、向かい同士ですから。そういう格好になっておる。それを聞いてみたら、そういう対面教室と言われておる中廊下で両方教室が対峙しているというのはここだけじゃないのですね。やはりあちこちにあるんだそうです。 教育条件の整備というのは、とにかく教室数さえつくればいいという格好になってしまっているのですね。プールでもプールがあったらいいといって保育所みたいなプールでどうにもこうにもならない。運動場はもちろん非常に狭いんだということになっておる。こういう条件整備というのは、これは本当に考えないと、教育現場としては形だけ整えているということになったんでは、それは本当に貧弱も貧弱、大変なことだというふうに思うたのですが、対面教室なんというような格好のいいことを言っておりますけれども、それはもう本当に教育になりませんわ。そういうのは御承知ですか。
○遠山政府委員 対面教室というのは私も昨夜実は初めて用語を聞いたのでございますけれども、いわゆる中廊下方式という形態の教室の配置のようでございますが、従来一般的には、全国的に日本の小中学校といいますのは片廊下方式の設計で、片方にずっと教室が並んでいる方式であったようでございます。 対面教室の実態を先生ごらんになりまして、やはり廊下の両方に並んだ教室からいろいろな声が聞こえてくるというのは大変なことであろうかという面もわかるわけでございますが、一方で、最近では教育方法等の多様化に対応した施設づくりという観点から、いわゆる中廊下方式の設計による施設づくりの方向も出ているようでございまして、必ずしもその対面教室そのもの自体について、それの適否ということは言いにくい話であるわけでございます。 今の話はそこにある分校なり本校なりの児童生徒数が非常に多い、また過大規模の学校であるというようなことからくる対面教室の問題点であろうかと思うわけでございますが、そういう過大規模校の解消につきましては、文部省としては市町村を一般的には指導しておりまして、その分離、新設に伴います学校用地取得費あるいは学校建築費に対しまして国庫補助を行ったり学校の適正規模の確保に努めているところでございます。 ただ、個別の話になってまいりますと、それぞれの教育委員会におきまして、用地の問題あるいは住民の意見、理解というようなことを背景にして、やはりその地域の条件に合わせて適切に対応していただきたいというふうに考えるところでございます。
○東中分科員 今の中廊下方式ですか、これは実際もう現場へ行ったらわかりますよ。だめです。廊下へ全部声が聞こえますよね。それは本当にひどいものですよ。そういう建築方式もあるなんて済ませてもらっては困るのですよ。先生に聞いたら、もう声を出すこと自体は、大きい声でしゃべること自体は、なれてきたと言うのですよ。しかし、難聴になりはせぬかというようなことさえ思うというふうに私が会った先生は言っておられました。こういうような中廊下方式なんていうのは、えらいそういう方式もあるのかなというような感じがするけれども、そうじゃないんですね。やはり今まで片廊下でやっておったというのは、それだけの理由があったわけなんですよ。だから、もっとやはり児童の立場に立って見てみる必要があるのじゃないか。 それから、先ほど申し上げました城陽中学校の場合でいいますと、本校との間が七百メーターある。先生方もその両方を行き来しなければいかぬでしょう。だから、自転車が置いてあるのですよ。何と二十数台の自転車が置いてあるんですよ。先生はこっちでやったら自転車で向こうへ行くわけです。それでまた帰る。職員会議もできない。それで、一年と二年、三年は別だ。こんなことは、規模が大きいだけじゃないのですよ。分校の精神からいったら、まるっきりなっていないのですよ。そういうのは努力しておるけれどもできないとかいう問題じゃなくて、やはり教育委員会というのは教育条件整備が第一の任務なんですから、それをそんな、これはたまたま事故が起こっておらぬからいいようなものの、生徒が行き来する途中で、四車線の新しい道路ができて事故でも起こってごらんなさい。これは大変な問題になりますよ。そういうことで、ちゃんとしてほしいということであります。 それで、私、学校へ行って、パソコン教室ができておるということで見せてもらいました。これは、情報化あるいは情報機器についての教育をやるということ自体は結構なことなんですが、この過大校でいいますと、城陽中学の場合は、本校で教室二つをぶち抜いて、それで二十一台のパソコンを入れて、それでパソコン教室がやられているわけです。ところが、パソコン教室、パソコンが入るからということで、ここでは空調がつくのです、機械を壊さないために。十度から二十度の間にするのですか、冷暖房をちゃんとしておくのですよ。そういうふうにやられたから教室が少なくて、だから分校と本校とに分けていなければいかぬのだという格好になっておるのです。 だから、パソコン教室結構です、高い機械が二十一台も入ったんだから空調をつけるというのは結構ですけれども、小学校にしても中学校にしても今鉄筋ですね。四階建て、三階建て、二階建て、上が屋上になっておるところの下の教室ですね、この教室は全部夏は暑いのですって。大体摂氏三十四度から五度くらいまで上がるというのですよ。絶対全然冷房入れないのですね。機械が入ったらだっと冷暖房なんですよ。こんなおかしなことありますか。 本当にそういう点は、教育条件あるいは教育整備あるいは教育効果を考えるという点からいったらどうでしょう。教育委員会は、それは上だから窓をあけたらいい、こう言うのです。そうしたら少しは風が通って涼しくなるだろうと言う。ところが、窓をあけたら、外は四車線の道路だから、わあっと騒音でどうもこうもならない、こういうことですよ。小学校、中学校、義務教育の、少なくともそういうパソコンのは二階ですからそんなに暑くならないのだけれども、ちゃんと空調が入っておる。教室はほっぽりっ放しだ。 これは私、考え方の基調の問題としていろいろ問題があると思うのですが、文部大臣どうでしょう、そういう点、どう思われます。
○鳩山国務大臣 御指摘のことはよくわかるのですが、戦後の教育行政の仕組みとして、非常に強い地方分権の色彩が取り入れられて、市町村教育委員会があり、都道府県教育委員会があり、国家教育委員会といわず文部省という中央官庁にはなっておるわけですが、文部省、許認可官庁というよりは指導助言官庁であるということは、教育関係の法律をお読みいただければよくわかるわけでございまして、そこに問題点を把握しておりながら、市町村や都道府県に完全に命令をするというような形になっておらないという部分がございますので、先ほどから先生御指摘の趣旨の問題点、その地域の教育委員会の問題であることは間違いがありませんので、もちろん先生からいろいろな御指摘があったことはそれなりのルートでお伝えすることができるわけでありますが、その辺に教育行政の仕組み自体にやや難しい点があるということだけは御理解ください。
○東中分科員 それはちょっと心得ません。教育行政、これは教育条件の整備が中心だと私は思っております。教育内容について文部省がいろいろ口を差し挟む、指揮命令関係なんかないのに指導要領や何かでどんどん中へ入ってくる。やっちゃいかぬことをやっておるのです。条件整備はそうじゃなくて、指導助言、監督だけじゃないのですね。校長も監督権限しかないのですね、学校に対して。教諭は教育をつかさどると書いてある、学校教育法には。ところが、そういう教育内容について、助言、監督じゃなくて行政が入ってきて、本来やらなければいかぬ教育条件の整備でしょう、学校はこういうふうにやるんだという標準なり適正基準ということを書いておいて、そういうことについて、特殊事情があればということでもう全部例外へ行ってしまう。 これは、鳩山文部大臣はもっとファイトを持ってもらって、こういうことこそちゃんとやる、文部大臣の孫の文部大臣なんですから。教育行政の建前というのは、条件整備についてはちゃんとそれくらいの建築予算はできるはずだ、むしろ用地確保について怠慢なんだということではないかと私は思います。こんな、分校だといって、二つの学校としても規模としては大き過ぎるような、そんなことをほっておいて、地元の責任でやっておるというようなことを言ってもらっては困るということでございます。教育内容には入らない、教育条件は、金を出す方は積極的にやってもらうことを特に強く要請しまして、時間ですので質問を終わります。
○越智主査 これにて東中光雄君の質疑は終了いたしました。 次に、鳥居一雄君。
○鳥居分科員 南関東地域の直下の地震が懸念をされているわけでありますが、小学校、中学校の学校施設との関係につきまして御質問をしてまいりたいと思います。 資料を用意いたしまして、委員長、配布をしたいと思います。よろしくお願いします。
○越智主査 結構です。
○鳥居分科員 これまでかなり地震の予知研究というのは進んでまいりまして、今日地震予知連絡会、この地震予知連は、日本全国の大変地震が懸念される地域八地域を、合わせて土地域になりますが、これを特定観測地域、こういう指定をいたしまして、目が離せない地域、特にその中で東海地域、南関東地域、この二つは特別に観測強化地域という指定を現在いたしております。一方は、大震法という法律に基づきまして地震対策の強化地域、一方の南関東につきましては、観測強化地域ではあるけれども、大震法に基づく地域には指定がない、その理由は短期的予知が非常に困難であるということだけの理由であります。 地震につきましては、科学者の間で再来期間が迫っている、あるいは品質管理工学に基づく確率計算をいたしまして、そして懸念される地震の確率計算を公表いたしておりまして、これがいわゆる規模、マグニチュード七程度。そして一九九〇年代、二〇〇〇年までの十年間に四〇%の確率で起こる。東海地域につきましても、この確率はマグニチュード八で確率四〇%。南関東につきましてはマグニチュード、一つランクが低いマグニチュード七で、そして四〇%。この確率計算は、マグニチュード八では五%というふうな計算の結果が出ているわけですが、切迫性という点でかなり問題点を指摘しているわけです。これが行政の上になかなか反映されにくい状況にある、こういう懸念を実は抱いております。 小学校、中学校の学校施設でありますけれども、例えば、私は今回真剣にこの調査をいたしました。ところが、県としては耐震性の診断がどのくらい進んでいるのか、耐震性の診断に基づきまして補強工事、改築工事をやるわけですけれども、この数字は際なして出さない。文部省の一つの施設助成という観点で調査ができないかということで、文部省は当然つかんでいるんだろうと思いましたが、この数字は持っておりません。しかも文部省が調査に乗り出したのでようやく出てきた、こう言って間違いないんだろうと思うのです。 まず、現状、耐震診断というのがどう進んだのか、南関東に絞りまして大都県市小中学校の数、昭和五十六年が一応境でありますので、昭和五十六年以前の、つまり検査をしなければならない、診断しなければならない数、それから既に診断が終わった数、診断率、これを明らかにしていただきたいと思います。
○野崎政府委員 今先生の方から資料が配られておりますが、この数字が文部省として確認した数字でございますけれども、これをこの場で、口頭で御説明申し上げた方がよろしゅうございましょうか。
○鳥居分科員 いいです。 それで、文部省として極めて重要な点は、小学校、中学校という学校施設の耐震性というのは、今回例えば県に参りますと、県は県立高校については責任があるけれども、小学校、中学校は市町村任せである。それから文部省は、都道府県の責任においてやっていることで文部省はかかわりありません。そうすると、今度の調査の様子を伺ってみましても、県の教育委員会が集約するために非常に手間がかかり、文部省のもとに資料がすべて整うというのに二週間かかりというような実態であったわけですけれども、文部省として無関心ということで果たしていいんでしょうか。この点不可解でならないわけですけれども、どういうお立場なんですか。
○野崎政府委員 この耐震診断、特に建築基準法が改正される前の五十六年以前のものにつきまして耐震診断が大事であるということは文部省といたしましてもかねてから考えておったわけでございまして、特に文部省の中に文教施設部というのがございますが、そちらの方でいろいろな研修会をやる場合にはそういう耐震診断についての講座を設けるとか、そういう形で実施はしてきたわけでございます。 ただ、先生御指摘のように実態まではなかなか十分数字の上で把握をしていなかったというのが事実でございまして、今回先生の御指摘を受けまして資料にございますような状況をまとめた次第でございまして、私どもといたしましても、この資料にございますように県によって大変ばらつきがあるということでございますので、改めて各県に対する指導を強めてまいらなきゃならない、このように考えておる次第でございます。
○鳥居分科員 中央防災会議のメンバーの一人であることは紛れもない事実だと思うのですね。そして文部省としては、災害弱者という立場で小中学生の生命の安全、これを守らなければならない立場だと思います。学校教育法の基盤であるこの学校施設の安全、また児童福祉法の精神から見ましても国、地方自治体の両親と同様の責任をやっぱり重く受けとめていかなければならないお立場にあると思うんですね。だが、この実態はまことにお寒い限りだと思うのですが、率直なところ大臣の御感想を伺いたいと思うのです。 六都県市に限りまして今ここに一覧になっております。全く耐震診断という発想がない県がゼロ、千葉県が八・六、政令指定都市ですから横浜、川崎、これは別枠ということでありまして、川崎が一・四、東京都も耐震診断の対象に対しましてようやく二分の一超えた、こういう状況であるわけですけれども、御感想いかがでしょうか。
○鳩山国務大臣 この件につきましては先般衆議院の予算委員会で鳥居先生から同様の問題提起がございまして、私があのときに持ち出させていただいた数字と鳥居先生調べの数字とが大体合っているのであろうかとは思いますが、あのときにも先生の調査結果も拝見をさしていただいて、六都県市のこのような診断率で実際に直下型の地震が襲った場合にどういうことが起きるかと考えますと、昭和五十六年以前に建築された学校が本来避難所あるいは人々がみんな集まっていくべきところとならなければいけないものを逆に倒壊をするというような事態があっては大変だと改めて問題意識を持った次第であります。 私は、文部大臣になりまして各局の概要説明を受けたときに、学術国際局に二つの審議会がある、一つは学術審議会で、もう一つは測地学審議会と書いてありまして、正直言って異様な感じがしたわけです。学術審議会は膨大な方々にお願いをして科研費を精査したりするところですから、学問全部に及ぶと考えておりますが、そこにもう一つだけ測地学審議会というのがある。沿革的に残っておるのかなと思って、これは一体どういうことですかと聞いたら、この測地学審議会は地震あるいは火山、そういうものも全部やるのですよという話を承って、なるほどそうした事柄が重視されているのだなと改めて思ったわけであります。 気象庁とか科学技術庁とか関連する省庁が多いと思いますが、測地学審議会を擁しているという点から考えましても、文部省は地震問題についてはより一層オーソリティーたらなければならないし、そういう文部省が行っております教育行政の場におけるこのような診断率が実際に表になっておりますと、もっときちんとやらなければなとつくづく思います。
○鳥居分科員 文部大臣の御答弁は、必要があるならば文部省が連絡役を引き受けてもよい、これはどういう意味でございましょうか。
○鳩山国務大臣 それはこの間申し上げましたよね。それは六都県市に限らず、本当に地震はどこで起きるかわからないということを考えれば、北海道から沖縄まで全部調べるべきかと思いますが、実際に学校というもの自体は当然市町村が中心となって行っておるものでありますから、文部省として実態をよく把握していく中で、余りにもこれではということであるならば、先ほどの質問と絡みますけれども、全国に通知をいたすとか、そういうような形で問題の処理ができないだろうかという私の考え方を先般予算委員会で申し上げた次第であります。
○鳥居分科員 これは大変な時間もかかることでありますし、具体的に計画を立案し、そして文部省の通達という形になるのでしょうか、実態をまずつかむ必要があると思うのです。私は、六都県市、まず南関東地域、観測強化地域という名文のもとに何らかの対策が打たれなければならない、あまねく全国一般という扱いで今日に至っている点、これは意識を変えていただかなければならないのではないのか、こう思うのですけれども、この点いかがですか。
○野崎政府委員 この六都県市だけでも五十六年以前に設置された学校数が五千三百にわたるわけでございます。したがいまして、これをどこも全部ということになりますと、先生お話しのように大変時間がかかるわけでございますので、私どもといたしましては、耐震診断の対象となる地域あるいはその建物をどう考えるか、あるいはその診断の手法をどうするかというようなことを、いろいろな関係機関がございますのでそういう関係機関と連絡をとりながら、まず具体的に検討してまいりたい。その上で、検討結果を踏まえまして、学校施設の耐震性の実態を把握するということで、耐震診断等の実施について各教育委員会を指導してまいりたい、このように考えております。
○鳥居分科員 いわゆる大震法に基づく強化地域の指定がなぜ受けられないのかという点で、もう一つ重要なかかわりがあるわけです。つまり、一方においてはどういう財政支援をしなければいけないかという数字が明確なのだ、一方の南関東の方は中央防災会議の要求である、何といいますか、定量的な対策の全体像というものが全くないわけですね。ですから、今回短期間に実態の掌握をし、手だてをとる必要があるのかないのか、これを明らかにさせなければならないだろうと思うのです。 それで一方、五十六年、五十六年というのは建築基準法が変わりまして、これに基づくいわゆる構造基準が、耐震性を加味して基準が決まった。五十六年以降は、一般的に言われていることは震度五でびくともしない、震度六で倒壊がない、こういう構造基準だということですから、これ以前の建物について実はチェックをする必要がある。現在東京都でやっているIs、昭和五十二年にこの基準を設けまして、〇・六というのが基準で、〇・六以下について補強しなければならないという技術基準を持っていますけれども、文部省としてはどういうふうに考えていますか。
○野崎政府委員 文部省としましては〇・七以上は補強しないでいい、それから〇・三から〇・七までは補強の必要がある、こういう考え方でやっております。
○鳥居分科員 一つの基準だと思うのですね。もちろん御検討いただきたいと思いますが、この基準に極めてばらつきがある。したがいまして、チェックの基準というのをまず明確にする必要があると思います。 それから地域について南関東、これは先ほどの官房長の答弁で、とりあえずは五千校を超えるという規模からいって南関東を対象にしたい、こう受けとめてよろしいですか。
○野崎政府委員 私どももそのように考えております。
○鳥居分科員 いわゆる大震法に基づく地震防災対策強化地域、この指定がなくても小中学校については直ちに検討に入ってそれをやる、こう受けとめてよろしいですか。 〔主査退席、北川(正)主査代理着席〕
○野崎政府委員 地震防災対策強化地域、ここにつきましては、指定されますと補助率のかさ上げという措置があみわけでございますが、南関東地域はまだ指定されていないという状況でございますけれども、この耐震診断につきましては、そういう指定されているか否かということにかかわらず適切に対応していくことが必要である、このように思っております。
○鳥居分科員 そうすると、文部省としては通達を発する、こういうふうに受けとめてよろしいですか。
○野崎政府委員 先ほど御答弁いたしましたが、まずどういう地域を対象にするか、また建物をどのように考えるか、そしてまたその診断の方法等をどうするかということを検討いたしました上で、その検討結果を踏まえてどういう対応をしていくか考えてみたいと思っております。
○鳥居分科員 状況はそういう状況でありまして、特に災害弱者、防災白書を見る限りにおきましては、極めて拙劣であるとしか言いようがないと思うのです。隣近所が声をかけるとか、極めて精神的な弱者対策しか現在のところ望めない、期待ができない。そういう状況ですから、学校施設に関しましては、発災後の拠点という意味でそれなりに重要な位置づけになるわけでありますし、ぜひ小中学校のこの地域における耐震診断、それに基づく補強あるいは改築、これを計画化をしていただきまして、実現をさせていただきたい、こういうふうに思うわけです。大臣、いかがでしょうか。
○野崎政府委員 先ほど大臣もお答えいたしましたように、文部省として連絡をとるという意味は、いろいろな関係機関が関係してまいりますので、そういう機関とも十分連絡をとりながら先生の御趣旨を踏まえて対応してまいりたいと思っております。
○鳥居分科員 診断の計画化、これすらも大変だと思うのですね。ですから、その診断の結果を受けて一つの事業としてそれを進めていく、この計画化はまたさらに大変だろうと思うのです。ぜひお願いをしたいと思います。 放送大学につきまして、残る時間伺いたいと思うのです。 生涯学習という非常に大きな期待が寄せられる中で放送大学が昭和六十年四月に初めて学生の受け入れをされまして、そして平成元年に学生の卒業があり、またこの春卒業生が輩出されるわけでありますけれども、生みの親と言っては口幅ったいわけですが、生みの親であり育ての親としての国会の役割というのは、一方で大学ですから、大学の自由、学問の自由があり、また学園の自由があることはもとよりのことでありますけれども、期待を込めて、実は一、二お伺いをしたいと思っております。 放送大学の基本計画が昭和五十年、四十五万の学生を受け入れられるように全国一円に放送があまねく普及できるようにしていきたい、これが基本計画だと思うのですね。放送大学が魅力のある放送大学として生々発展をしていかなければならない一つの要因は、単位の互換制を進めていくんだ、こういう目標、方針を持ってこれまでおやりになってこられたと思うのです。これを今後どのように進めていくのか。 それから、いわゆる専業学生、もちろん生涯学習という大きな旗印がある一方におきまして、魅力のある放送大学という位置づけをいろいろ分析してみますと、高校を卒業した、そして大学進学だというごく一般の専業学生をどのくらい受け入れることができるのかという要素は非常に重い要素だと思っております。単位の互換制の進みぐあいは全国五百十五大学の中で現在五%、ちょっとお寒いという現状だと思うのですが、この点どうでしょうか。
○内田政府委員 先生御指摘の他の大学と放送大学との単位の互換の現状でございますが、放送大学では昭和六十一年以来、大学、短大等との単位互換協定を結んでおりまして、これによって放送大学の授業時間を活用していただいている次第ですが、この数は年々増加しておりまして、現在十三大学、十五短期大学と単位互換を実施しているところでございます。この単位互換協定によりまして多くの他大学の学生や短期大学生が放送大学の講義を受講できるという状態になっております。 放送大学が開かれた大学として国公立や私立の大学とさらに連携を図り、単位互換をさらに行うことは相手の大学にとっても非常に大きいことだと思います。我々としては、できるだけさらにこの単位互換の制度を活用し、放送大学を利用できるように努力していきたいと思っています。
○鳥居分科員 それから、基本計画の段階でも衛星を利用してあまねくこの充実を図っていこう、地上系の放送システムとコストの点でまるきり違いますから衛星系を何とか導入できるようにしていこう、こういう方針は変わらずお持ちだろうと思うのですが、文部省として今後どうされるのか。
○鳩山国務大臣 その件については、郵政省、郵政大臣にも折りに触れてお願いをしているところでございます。もっとも、放送大学自体文部省と郵政省の両方の共同所管ということでもあるわけでありますから、十二分の御理解をいただいていると思いますし、今後のチャンネル獲得のためには、諸先生方の御支援もぜひとも賜りたいと思っております。 私が特に放送衛星のチャンネル獲得に強い意欲を燃やしておりますゆえんの一つは、先般放送大学を視察いたしましたときに、ちょうど試験をやっている当日に当たりまして、大勢の学生さんが、それは全科履修生の方々ばかりだったのか、あるいは科目履修生とかそういうような方々もおられたのか、仏その辺の細かいことはよくわからないのでありますが、試験と試験の休み時間に皆さんとお話をしたり様子を見ておったりしましたが、何というのか本物の学習意欲というのはこういうものなのかなと、私自身のあるいは友人たちと一緒に過ごした楽しい大学時代、余裕のあった大学時代をみずから振り返りますと、それと比較して、本物の学習意欲というものを非常に強く感じたわけでございます。それは今先生おっしゃった単位互換等のことを考えて大学卒業の資格が欲しいなと思っておる方もおられるでしょうけれども、それ以外に、かつて余り学ぶ機会が持てなかった自分がこれからとにかく学ぶことができる少ないチャンスを与えてくれて充足してくれるのがこの放送大学なのだという気持ちで勉強しておられる方がいかに多いかということを知ったときに、これこそ生涯学習社会建設の目玉だ、それはビデオ学習センターもありますけれども、今のままでは全国化できない、どうしても放送衛星のチャンネルが欲しい、これを全国化すれば本当に大勢の日本人の皆さんの本物の学習意欲を満たすことができるのに、そういうふうに感じたからであります。
○鳥居分科員 もう一つ大事な要因というのは、学歴社会が懸念されてまいりましたけれども、放送大学を卒業して就職ができるのかという問題があるわけです。専業学生を大幅に受け入れられるように門戸を広げていこう、入りやすくて出にくい大学である、これも一つの魅力の要因だと思うのですけれども、卒業後就職のお世話が全くできない大学というのではいかがなものかと思うのです。この点も要望いたしまして質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○北川(正)主査代理 これにて鳥居一雄君の質疑は終了いたしました。 次に、柳田稔君。
○柳田分科員 まず、教職員の給与についてお尋ねをしたいと思います。 昭和四十九年に学校教育の水準の維持向上のための義務教育諸学校の教育職員の人材確保に関する特別措置法、いわゆる人材確保法というのができたわけでありますが、これができた背景並びに趣旨を御説明願いたいと思います。
○遠山政府委員 この法律は昭和四十九年にでき上がったわけでございますけれども、これは第一条の目的に書いてございますように、学校教育というものが次代を担う青少年の人間形成の基本をなすものであるということにかんがみまして、その教育を担う義務教育諸学校の教育職員の給与について特別の措置を定める必要があるということで、恐らく当時教員の給与というものが一般の職業人に比べて必ずしも十分でなかったということを背景にしまして、給与を高めること等の特別措置を定めることによって、すぐれた人材を確保して、そして学校教育の水準の維持向上に資するということを目的として定められたものと考えております。
○柳田分科員 今御説明ありましたけれども、要は教育というものはこれからの日本を支えるために一番基礎になるものである、そこで学校の先生についてはできるだけいい人材を集めよう、そのためにはこういう手当てをしていこうということでこの法案ができたと思うのですが、そういうふうに理解してよろしいのでしょうか。
○遠山政府委員 私どももそのように考えております。
○柳田分科員 ということは、では給与の差が民間と大分あったから手当をつけたというのではなくて、本来の意味のとおりだというふうに、今御答弁の中で給与に差があったのでこの手当をつけましたという御説明があったのですが、そうではなくて、いい人材を集めようということでつくられたということでよろしいのでしょうか。
○遠山政府委員 必ずしも給与において十分でなかったということも背景に持ちながら、特別の措置をとることによって人材を確保するということが目的であった法律であると考えております。
○柳田分科員 この義務教育等教員特別手当についてお尋ねをしますけれども、昭和五十四年度ごろには俸給表の六%相当が支給されておった。平成四年三月はどのようになるんでしょうか。
○遠山政府委員 義務教育等教員特別手当と申しますものは、御存じのように昭和五十年一月から支給されておりまして、その最高限度は当時九千円であったわけですが、それは本俸の四%でありました。それが順次引き上げられまして、昭和五十三年四月にその最高限度が二万二百円ということで本俸の六%相当額に引き上げられたところでございます。そこで、これが教員の俸給の級あるいは号俸別に定額で定められているわけでございますけれども、その支給状況を本俸と比較いたしますと、平成四年四月現在では四%相当額になっているところでございます。
○柳田分科員 教員の平均給与というものですか、二級十九号、これが昭和五十四年俸給の六%程度で一万一千三百円、それから現在、これも同じ額ということで、率に直しますと今度は四%になるわけなんですけれども、どのあたりといいますか、どの程度がこの特別手当の趣旨に沿うのかということになるかと思うのですけれども、六%が妥当なのか現在の四%が妥当なのか議論があるところだと思うのですけれども、本来の法の趣旨に照らし合わせれば、私自身は六%程度は必要ではないかと思うのですけれども、文部省の御見解はいかがでしょうか。
○遠山政府委員 この額につきましては、御指摘のとおり目減りしていることは事実でございます。ただ、この内容につきましては最終的には、給与に関しまして専門的あるいは中立的に考えていただく機関であります人事院の勧告によって行われているところでございます。そのような措置が順次勧告によりまして全体の状況を見ながら手当てをされている部分もあるわけでございますけれども、現在は先生が御指摘のとおりの状況となっているところでございます。
○柳田分科員 この人材確保法の第三条に、「義務教育諸学校の教育職員の給与については、一般の公務員の給与水準に比較して必要な優遇措置が講じられなければならない。」ということで政府の責任が定められております。となりますと、文部省が予算を確保して、そしてこういうことでありますので人事院の方から勧告をお願いしますということになるんではないかと思うのですが、制度上、仕組み上はこのようなものというふうに理解してよろしいのでしょうか。
○遠山政府委員 人材確保法第三条、先生がお読みになりましたとおりでございますが、第四条で、人事院は国会及び内閣に対して同条の趣旨にのっとって必要な勧告を行わなければならないとしているところでございます。人事院が国会それから内閣に対して勧告を行います場合に、義務教育諸学校の教育職員の給与について、一般の公務員の給与水準と比較して必要な優遇措置を講ずるという特別な配慮が必要であるわけではございます。 それでは勧告の前に予算措置をしてそしてその中身を勧告でやってもらってはどうかということではございますけれども、この点につきましては、一般の公務員と同様に、教育職員につきましても、人事院の勧告を待って財政当局において所要の予算措置を講ずるという形で給与改善が行われるというふうに考えているところでございます。
○柳田分科員 ということは、人事院の方がこの一万一千三百円で現在も、平成になってからでも結構だという御判断で、それに従って文部省としてはその手当を支給しておるということでしょうか。
○遠山政府委員 財政の仕組みと人事院勧告の仕組みについてのお尋ねでございますので先ほどのようにお答え申し上げたわけでございますが、当然私どもといたしましては、毎年人事院に対しまして給与改善の要望を行っているところでございます。優秀な人材を確保するという角度から見ますと、私どもも今後とも給与改善について人事院に対しての要望を継続して行ってまいりたいと考えております。
○柳田分科員 今の教育職員の就職についてお尋ねをしたいと思うのですけれども、教員の採用試験の競争率でございますが、昭和五十七年から昭和六十三年ですか、昭和の後半を見てみますと、競争率が大体五倍前後あったわけでありますけれども、平成元年になりますと四・五倍、平成二年になりますと四・一倍、平成三年になりますと三・一倍ということで、教員の採用試験の競争率が大分下がってきておも。さらには、大学で教員養成学部で勉強しその知識を得たにもかかわらず、実際に教員になる方という率も大分下がってきておる。ちなみに申し上げますと、卒業して教員に就職された方は、昭和五十三年から五十七年ごろは七四%から七八%あった、が、しかし平成元年から平成三年まではこれが五九・八%から五六・九%と低下をしておる。 いろいろと経済事情も従来から変わってきたということもあるかと思いますけれども、それにしても魅力がなさ過ぎるのかな、なさ過ぎるというと極端かもしれませんが、大分教員の魅力がなくなってきたのかなという気もするのですけれども、この競争率の低下や就職率の低下を、文部省としてはどのように分析をされておりますでしょうか。
○遠山政府委員 競争率の低下あるいは教員就職率の低下につきましては、ほぼ先生の御指摘のとおりでございます。この状況は、すぐれた教員を確保するという角度からは憂慮すべき点の一つであろうと思うわけでございます。 教員にすぐれた人材を確保するというために、給与の水準というふうなものを確保していくということは一つの大きな点であろうかと思いますけれども、教員の職に魅力を感じていただくためには、さまざまな事柄をさらに力点を置いて行っていく必要があるわけでございます。またその周辺の状況として、先生も御存じのように、民間企業は採用に非常に意欲的である時代でございます、さらに続くかどうかは別といたしまして。そのような周辺の事情、あるいは、公務員全体についての受験者数あるいは競争率が低下状況にあるというふうなこともそれの一つの絡みで理解することができるわけでございます。 そういう背景のもとに、しかし教員の職につきましては、もちろん給与の改善等も必要ではございますけれども、さらに教員の職が魅力的になるように、さまざまな方策、採用、研修あるいは養成の段階、さらには学校の中でのいろいろな教育活動のやり方なり、いろいろなそのねらいとするところが達成されるように、さまざまな形での工夫というものが必要であろうかと思います。そういったことが総合的に行われてすぐれた人材が得られていくのだろうと思いますけれども、確かにこの率の低下につきましては、私どももいささか憂慮しているところでございます。
○柳田分科員 総合的にいろいろなことを行って、いい教員を集めて、さらには教員の教育、と言っては言葉がちょっと違うかもしれませんが、質を高めていくというのも大事かと思うのです。ほかの職とこの教育というのはやはり意味合いが大分異なってまいりますし、将来の日本を支えるまず第一歩でございますので、この教員の特に特別手当については考慮をお願いしたいというふうに思うのです。 ただもう一方、父兄の皆様といろいろとお話をしておりますと、教員の質といいますか、熱意といいますか、大分批判的な御意見もあるのもまた事実だというふうに思っております。一つの例としては、学校で勉強が不十分だからこそ塾に行くかと思うのですが、今の子供たちはもうほとんどと言っていいぐらい塾に通わないとついていけない。これはいろいろな要素があるとは思うのです。家庭のこともあるでしょうけれども、やはり大きなポイントとしては、まずは学校の先生方の熱意、この手当とも関係をするとは思うのですけれども、最近非常に、質の低下、熱意が伝わってこないなと、これは全般じゃありません、大分聞くようになってきて、私自身もそういうことを残念だなと思うのです。 学校五日制がもう始まるようなことにもなるでしょうし、家庭の責任、地域の責任もあるかと思うのですが、この学校の先生の熱意ということについては、文部省、何かお考えがあれば教えていただきたいと思うのですけれども。
○遠山政府委員 なかなかお答えしにくい御質問ではございますけれども、教員の熱意ある指導というものが子供たちの成長に極めて大事であるということは申すまでもないわけでございます。 確かにいろいろな問題が各地で起きていることから類推いたしましても、先生方の熱意というものがどうであろうかという懸念もあるわけでございますが、一方で、例えば最近私どもで力を入れております初任者研修という制度がございます。これは初任の教員たちに対しまして、一定のシステムに従いまして研修を行うわけでございます。その一環としまして、文部省でも洋上研修というのを行っているわけでございますが、私は昨夏、本当に短い時間でございましたけれども、それにともに参加することができました。その経緯で拝見いたしましたところ、私は本当に感銘を受けたのでございますが、若い先生方が非常に短い時間の中で、お互いに協力をしながら一つのテーマに取り組んでいく、あるいはそれを教育と結びつけてどのような形で授業に反映していこうかというふうな熱意、そういったものをひしひしと感じまして、これはやはり研修の機会なり、あるいは、先生方の活躍の場をうまく引き出すというふうなさまざまな工夫をすることによって熱意というものも生まれてくるわけでございますし、私どもはそういういい教員像というふうなものを描きながらそれに対応できる施策をまた今後とも考えてまいりたいと思います。
○柳田分科員 若い人の間でそういう熱意がたくさん出てきておる、それを消さないようにさらに伸ばしていっていただきたいと思います。繰り返すようですが、その一つの裏づけも要りますので、ぜひとも文部省としても頑張っていただきたいなと思います。 少し時間が残りましたので、大臣にちょっとお聞きしたいと思うのですけれども、先日新聞紙上で上級職ですか、ある特定の学校が出てまいりまして、どのようにするのかわかりませんが、調整をするような旨の記事が出ておったのですけれども、大臣、その中身について御存じでございましょうか。
○鳩山国務大臣 いわゆるエリート国家公務員というのでしょうか上級職というのでしょうか、東大卒、特定大学といっても東大を指していることだけは明瞭でございまして、東大卒が余りに多過ぎるのではないだろうかということが、官房長官そして総理の方から提起がありまして、これを一応目標値としては五年後に五割以下にできないだろうかというようなことになって、みんなで話し合ったということでございます。 ただこれは、実際に文部省に例を当てはめてみますと、文部省では大体毎年四割台あるいは三割台ということで、上級試験の合格者で採用している率は五割を切っておるわけですから目標に既に到達しているということになるのかとは思いますけれども、実はいろいろ難しい問題があると思うのです。つまり、逆差別になったとしたら、これはやはり問題でありましょう。 一時、中教審であったか何であったか、東大への合格が今度も何か発表されて、あれは一番多かったのは開成が百八十人以上でしょうか、その辺がターゲットになるのかわかりませんが、特定高校からの東大への合格のマキシマム、上限を、シーリングを設定しろというような意見が出たりしましたよね。これも物事の道理としてはわかるわけですが、しかし逆差別につながるとすればこれも大問題だということがありますから、私としては、東大の率が大変高いということがいろいろな意味で決してプラスばかりだとは思っておりませんから、基本的には五年で五割以下にしようということはよくわかるわけだし、そのことが地方の大学の活性化あるいは私学の活性化につながればより結構なこととは思ってはおりますけれども、まだまだ議論しなければならない点は数多くあるように思います。
○柳田分科員 いろいろと今の教育言われておりますけれども、画一教育、皆さん同じレベルに、上はたたき、下はできるだけ上げようとするけれどもドロップアウトしてしまうというのが今の教育の基本だろうと私は思っているのです。これは大いなる間違いだ。子供はそれなりに自分のしたいこともあるし、できることもあるし、不得意のところもある。だからできることを伸ばしてあげて、その得意とするところで食べていける、生活ができるようにしていくのが教育だろうというふうに思うのです。ですから、努力したところは認めてあげなければならない。だから、努力しない人は、自分の得意なところはしっかり努力するはずですから、それを見つけてあげて、努力したことを評価してあげて、また伸ばしてあげる。 上級職ということもありますけれども、一億二千万の国の行政に携わるところですから、これはやはり優秀な人に来ていただいて、これはラベルがどうのこうのじゃなくて、できるだけ優秀な人に来ていただいて、努力をして来ていただくわけですから、例えばある学校、大学は十人、ある大学は五人以上採りませんというわけじゃないわけですから、私自身としてはラベルじゃなくて、やはり本人の努力を認めてあげるというのがいいスタイルではないかな、個人的には思っております。 またいろいろとこの問題は、先ほど、できないだろうかということで目標値みたいであったわけでありますが、いろいろなところで議論が出るかと思いますけれども、私自身としては努力を認めてあげるのが教育だと思っておりますが、大臣いかがでございましょうか。
○鳩山国務大臣 それは全くそのとおりだと思うわけで、努力を認めるという面もありましょうし、意欲を認めるという面もある。この問題については、私が聞きました一番有力な反論としては、例えば東大から中央官庁に就職する人が多いですね、だからおれは中央官庁の役人として、一億二千万か三千万でしょうか、この祖国日本のために公僕として働きたいという意欲を持って東大を目指したんだ、それで東大から予定どおり中央官庁に入ろうとしたんだ、そういう人を天井をつくって締め出すような制度は、そもそも人間の、若者の意欲を失わしめるのでけしからぬという反論をなさっている方の意見を聞いて、なるほどそれも一つの考えだなと思いました。
○柳田分科員 いろいろと議論があるところだと思いますけれども、これからの文教、文部省、学校教育、資源のない国でありますので、大臣を初め文部省の皆さんには頑張っていただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 先生私より六歳お若いのでして、先ほど先生のお話を聞いておりまして、グラッドストンだかディズレーリだか忘れましたが、イギリスの有名な政治家の言葉に、青年に魅力のない政党は必ず滅びる、そういう言葉があるのですね。 ですから、そういう意味でいえば、今の政治の問題点もありましょうけれども、若者が教職員というものを魅力のないものとして考えるようになって、教職課程をとる人が減る、資格を取っても採用試験を受けなくなってしまうというようなことが現実に起きてしまうとすれば、これは教育の世界に大変大きな悪影響を残すことになりますので、先ほどから助成局長も何度もお答えを申し上げたように、やはりいい先生を確保するために条件を整えなければならないという場も多いたろうと思っております。 また、先生のようなすばらしい青年が情熱を燃やして、三十五歳で初当選されておられるようですけれども、先生の政党は大変魅力があるから先生が頑張られたんだなというふうに思いますし、自民党も、実は私どもが初当選したころは大変若い人間が多かったのですが、一時若手の初当選というのが非常に減りまして、この間は多かったのですが、一時大変減りました。そういうときにはやはり政党というのは反省しなければいけない点が多いんだろうと思いますし、要するに若者が熱意を持って向かっていく目標というものは大体いいものなんだろうと思います。
○柳田分科員 お褒めの言葉までいただきまして、ありがとうございました。 本当に教員の質については我々民社党も精いっぱいいろいろな面で御支援をしたいと思いますので、連合時代でもございますので、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。ありがとうございました。
○北川(正)主査代理 これにて柳田稔君の質疑は終了いたしました。 次に、大畠章宏君。
○大畠分科員 日本社会党の大畠でございます。 今柳田分科員の方からもいろいろお話がございました。この分科会というものは、私がとらえているのですけれども、地域の声を、大局からの教育問題ということじゃなくて、まさに地域のいろいろなささやきというふうなものを取り上げて、そういう問題に対しては今の政府の教育政策あるいはいろいろな政策が適合しているのかどうか、あるいは大きな観点から間違えているのかどうか、そういうものをいろいろと討議する場であるというふうにとらえております。そういうことで、きょうは幾つか小さい問題も含めて、地域の教育の実態等を踏まえて、まず大臣を初め文部省の関係の方といろいろ討論をしていきたいと思います。 私はこれまで、前回は偏差値教育の問題点、あるいは高校の進路指導のあり方、ボランティア教育等の論議をしてまいりましたけれども、これらの問題について一部、偏差値教育問題については前進が見られました。しかし、まだ小学校の四年生以上ですとか、あるいは中学校の五教科については相変わらず偏差値問題が残っているわけでありますが、こういう問題についても時間があればまた論議したいと思いますけれども、きょうは視点を変えまして、一つには、週休二日制の問題についてお伺いをしてまいりたいと思います。 いろいろ地域の方では、この学校の週休二日制問題について賛成、反対がございます。その歓迎しないという反対の理由の一つは、地域的ないわゆる社会的受け皿ができていない、そういう問題から、学校の週休二日制というものを導入した場合には社会的な混乱が起こるのじゃないか、あるいは子供たちにとって悪い環境がよりできてしまうのじゃないか、そういう懸念がいろいろと表明されているところであります。 今、いろいろ教育問題で論議されておりますが、いずれにしても頭でっかちな子供が多過ぎる、もっと欧米並みに体験から学ぶ、そういう教育が必要じゃないかと私は思います。この受け皿づくりの一つとして、今いろいろなことが言われておりますけれども、例えばボランティアの少年隊といいますか、そういうものをつくっては町の福祉の問題あるいは森林の整備ですとか、そういう意味で自分たちが活動することによって社会がよくなるあるいは社会のために役立っているのだ、そういう活動を教育の一環として取り上げるべきじゃないか、この学校週休二日制の一つの受け皿としてそういうものを考えていくべきじゃないかと私は思うわけでありますが、文部省のこの問題についての現状の計画といいますか、対応についてお伺いしたいと思います。
○鳩山国務大臣 政府委員からお答えする前に私から、今先生がおっしゃったことが全く正しいということを、賛意の表明だけいたしたいと思っております。 と申しますのは、学校週五日制というのはあくまでも子供のために考え出してきていることでございまして、それは単純に考えて、もっとたまにはお子さんに余裕を与えて、その余裕を使っていろいろな経験をしてもらいたい。それは自然と触れ合う自然体験であったり、いろいろな社会を見る社会体験であったり、あるいは今先生御指摘のような奉仕体験というような形でボランティアのすばらしさを知ってもらったり、そしてもちろん家族でいろいろと楽しいことをするという親子の交わりというようなものも充実をしてもらいたい。 そういうさまざまな経験が児童や生徒の中に蓄積されていって、それが本当の意味での血となり肉となっていって、そのお子さんが大きくなって社会へ出て仕事をする、あるいは家庭を持って子育てをするときに、そういう経験こそが大いに役に立つ。あるいは場合によっては難局にぶち当たっての問題解決能力というのは、そういう体験から出てくるのではないだろうかと考えるならば、先生御指摘のとおりのいろいろな子供さんたちに経験させたい事柄、それらを経験することはまさに新しいタイプの学力と言ってもいいのではないか、そんなことを私は考えておりますので、学校五日制に対する先生のお考えに全面賛成であります。
○内田政府委員 学校の週五日制や、あるいは五日制による休業日となる土曜日やあるいは休日の増加について、これを子供たちの家庭団らんあるいはゆとりの確保、あるいは地域での自然体験、生活体験、社会体験の機会にすることは大変重要なことだと考えております。 それで、私どもはこの五日制の実施に関連しまして、この受け皿といいますか、青少年の学校外活動の充実に関する調査研究協力者会議というのを設けまして、そこで審議のまとめを先日いただいたところでございます。このまとめでは、このような観点から子供たちの地域での多様な活動の場あるいは機会の充実のためのいろんな方策を提言しているところです。私どもとしまして、このまとめを十分に参考にしながら、市町村あるいは都道府県、青少年団体、PTA団体等の関係団体との協力、あるいは公民館、博物館、図書館等の社会教育施設において子供たちに配慮したいろいろな活動を展開していていただきたいと思っているところです。 具体的には、平成四年度予算において、子供たちが休日等に行うさまざまな活動を振興するための都道府県において講じられる促進策に対する補助事業としまして、新たに地域少年少女サークル活動促進事業一億五千万円の予算を計上することになっております。これとともに、子供たちの地域での活動に関するもう既にある事業あるいは新しくこれから始める事業、社会教育、スポーツ、文化活動、ボランティア活動等の活動についても、これを子供たちのそのような活動のために活用するということを考えているところでございます。
○大畠分科員 今の文部省の具体的な検討もかなり進んでいると思うのですが、そういうものを受けて実際にやるのは自治省の方じゃないか、地方自治体の方だと私は思うのです。きょう自治省の方もおいでになっていると思うのですけれども、この問題について自治省の方ではどういう心の準備をされているのか、お伺いしたいと思います。
○田村説明員 学校の五日制が導入されますと、子供は休業日となる土曜日には家庭や地域社会で生活することになるわけでございますけれども、その日に保護者が家庭にいない子供さんたちを中心に学校などの施設において、遊びそれからスポーツなどの対応が必要になってくるわけでございます。そこで、文部省の方からの御要請に基づきまして私どもの方、現在審議をお願いしております平成四年度の地方交付税法の改正案におきましては、学校の開放それから指導員の配置などに必要となる経費を、交付税上措置を講ずることとしておるところでございます。 具体的に申しますと、幼稚園、小学校につきましては、各市町村ごとに指導員の配置、それから学校開放の経費、それから、初めてのケースでございますのでいろいろ試行錯誤があると思いますので関係者の方々に研究会のようなものをやっていただくといったような経費を、全体で標準的な市で百四十九万、全国で約二十三億円を措置してございます。それから指導員については、一応各小学校区に一人以上配置できるような形で考えております。それからまた特殊教育の諸学校につきましても、各県ごとに、指導員の配置などの経費のほかに、スクールバスが必要になりますのでその運行のための経費を措置しておりまして、標準的な県で六百六十七万円、全国で約五億円をこのために措置をしてございます。 このような財源措置により平成四年度、地方団体においては円滑な制度の導入がなされるものと考えております。
○大畠分科員 今のお話を伺っていまして、文部省の方でもあるいは自治省の方でもいろいろ対応が進んでいると思うのですが、前段に申し上げましたとおり、子供を遊ばせるということも重要だと思うのですね。しかし子供たちに今一番不足しているのは、いわゆるお手伝いといいますか、自分たちが活動したことによって周りの人が喜んでくれる、あるいは自分たちが活動することが社会的に役立っているんだ、そういう体験が非常に貴重な、算数を覚えるよりも重要な教育につながると私は思いますので、この点はよく文部省の方でも、あるいは自治省の方でも、単に予算をつけて子供たちの余暇時間を、何といいますか、有効に時間を費すという観点じゃなくて、逆に子供たちに社会のために働くことは楽しいんだという体験をさせるための活動にいくように、ぜひ配慮をしながら検討をし、具体的な行動をしていただきたいと思います。これは要望であります。 それから、ちょっと別な観点から申し上げたいと思うのですが、生涯教育という言葉が今言われています。この生涯教育というのは、いわゆる学校を出たら終わりじゃなくて、ずっと定年退職後も物を学ぶという楽しさを知ってもらおうじゃないか、そういうことから生涯教育というものがいろいろ言われ、かつ六十歳以上、いわゆる定年退職した方々のこれまでの人生上の経験やそういうものを社会的に生かしていこうという観点からも、この生涯教育というものが言われてきたと私は思うのです。 原点に返ると、保育園と幼稚園、幼稚園以上が文部省の管轄だと思うのですが、この保育園というものも、言ってみれば三つ子の魂いつまでもということ、あるいはまた後ほど文部大臣ともこの教育問題については少し論議をさせていただきたいと思うのですが、知、徳、体、この三つが教育上非常に重要である、教育といいますか人間として重要であると私は思うのです。この幼児教育、いわゆる保育園といいますか、文部省から見た教育という観点から、そろそろ厚生省という管轄じゃなくて文部省が、この幼児教育も含めて保育所の所掌として担うべきじゃないか、いわゆる三歳までの子供たちの教育というものを考えた保育所のあり方というものに踏み込むべきじゃないかという声が、地域のお母さん方からもちょっと出ておるのですが、その点、文部省並びに厚生省はどういうふうに考えておられるのか、それぞれお伺いしたいと思います。
○坂元政府委員 いわゆる幼保一元化という問題につきましてはかなり前から議論がございまして、それぞれ文部省、厚生省等でも議論をしてきておりますし、それから、それぞれの審議会でもいろいろな議論がされてきております。つい最近、一番最後では臨時教育審議会でも幼保一元化という観点等を含めましていろいろ議論がされたわけでありますが、最終的には、幼稚園、保育所は就園希望、保育ニーズに適切に対応できるよう、それぞれの制度の中で整備を進めるというような結論になっております。 そういうことから、私どもとしましては、今の段階では、幼稚園は学校教育として文部省が、保育所は福祉施設として厚生省が整備を行うという建前で整備を行っているわけでございますが、ただ先生も御指摘のとおり、小学校入学以前のこの時期というのは、生涯学習の基礎を培う人間形成の重要な時期でございますので、私ども文部省としましては、従来から厚生省と協力連携をとって、保育所における三歳児以上の保育内容については、幼稚園に準じて実施されるようにお互いに協力してきて配慮してきたところでございます。 先般、平成元年三月に、幼稚園における教育内容の基準、幼稚園教育要領を小中学校の学習指導要領の改訂とあわせて全面的に改訂を行ったわけですが、この改訂に合わせて厚生省におきましても、厚生省で所管しております保育所保育指針の改訂を行ったところでございます。 それぞれ文部省、厚生省が内容の整合性に配慮しながら、保育行政、幼稚園行政を行っているところでございまして、いろいろな経緯があって幼保一元化というのを現在までできておりませんけれども、それぞれの立場でそれぞれ連携をとりながら教育を推進しているところでございます。
○冨岡説明員 御説明申し上げます。 保育所は、ゼロ歳から就学前の保育に欠ける乳幼児、言いかえますと、御家庭におきまして保育できないお子様をお預かりし保育することを目的とする児童福祉施設でございます。具体的には、非常に小さなお子様の場合には、おむつの取りかえとかミルクを差し上げるといったことから実はやっておるわけでございます。こういうことで、現在保育所は全国に約二万三千カ所ございまして、百六十万人の子供がおります。 最近におきましては、女性の職場進出が本格的になりましたことに伴いまして、ゼロ歳といった乳児、それから一歳、二歳といった低年齢児の保育、それから夕方遅くまでの六時とか七時とか、もっと遅い場合もございますが、そういった保育のニーズが増大しております。また、育児休業制度の普及に伴いまして、ことしの四月からは新しい制度も始まるわけでございますが、年度の途中に入所する児童、それから乳幼児の入所希望者がふえることが見込まれております。このようなことから、このような子供たちを円滑に受け入れることが各方面から要請されているところでございます。 厚生省といたしましては、このような状況を踏まえまして、福祉施設としての保育所の充実にさらに努める必要があると考えておりまして、今後とも多様化いたします保育需要に対応して保育対策の充実に努めてまいる所存でございます。 なお、年齢が高くなるに従いまして、保育所におきましても幼児教育という色彩が高くなるわけでございます。この点につきましては、先ほど文部省の局長様の御説明にございましたように、文部省とも十分調整を図っているところでございます。今後とも臨教審の提言等を踏まえまして、文部省と協力連携しながら対応してまいりたいと考えておるところでございます。 以上でございます。
○鳩山国務大臣 私は、今の我が文部省の坂元局長それから厚生省の御答弁は正しいと思いますよ。それは行政側から答弁すればそういう形になる。しかし、大畠先生の質問の本当の趣旨にはこたえてませんよね。私は、私の一つの教育的な理念からいって、先生の御質問の趣旨は大変鋭く正しいものがあると思っているのです。 つまり、教育、人づくりであると申しますが、これは植物も動物もみんな同じなんですね。最初に幹や根っこができてしまうわけですから。根がうまく伸びなかったり双葉がうまく展開しなくて、幹がずっと、茎ができなかったら、後からどんなに肥料やったって剪定したって何やったって本当に立派な植物にはならないわけです。生物学というほど——ヒトゲノムなどという学問もありますが、これは理の当然なんですね。 ということは、よく申し上げるのは、学校の先生がどんなに大切であっても、子供にとっての第一の教育者、第一の教育責任は親にありますよ。親以上の影響は先生といえども与えることができませんという理屈にもなりますし、そういった意味では、本当は六歳、小学校に通う前に人生の勝負を決めるぐらいの大きな影響がさまざまに与えられていくのです。だから、六歳までの教育がすべてだということをおっしゃる方すら教育評論家にも理論家にもおられるわけだし、きょう座長を務めておられる北川正恭先生が中心となって、三歳児の就園奨励費獲得に立ち上がったのも、そういう幼児教育の重要性をよく認識しておられるからであって、本当のことを言うと、幼稚園と保育園ともちろん行政需要が違いますから、だからよくわかるのですが、本当は幼保一元化で省庁が何か縄張り争いしているなんというような時代では本来あってはならないのです。
○大畠分科員 大臣からもそういうお話を伺いましたけれども、私もそのとおりだと思うのですね。この問題はなぜ質問させていただいたかといいますと、これから労働人口が非常に不足しできます。日本とアメリカの労働人口の差は何かといいますと、女性の就労率、就業率というのが二十四、五歳から四十四、五歳までダウンするのですね。アメリカの方はそういうことなく二十四、五歳から五十歳ぐらいまでほぼ台形をとっているのですが、日本は二十四、五歳からダウンして、そしてまた四、五十になられますともとに戻るという、その労働人口、女性の方々の手をかりなければ、これからの日本の経済というものあるいは産業というものはやっていけないのじゃないかという声が出ているのですね。 そういうことから考えますと、この保育所というものがもっと必要になってくる。そうすると、私立の保育所とかなんかが出てきて、粗悪と言ってはなんですが、厚生省もよく見ているのだと思うのですが、乱雑に保育所ができて、その中で子供たちが無味乾燥な環境の中で育った場合、今鳩山文部大臣がおっしゃいましたとおり、それから一生懸命文部省でどんなに教育しようとしても、いびつな精神構造の人間ができてしまうのではないか。 そういう観点から、私はぜひこの保育所の問題についても、今文部大臣は二つの省庁は多分伸よくやっていくだろうと言うのですが、日本の行政の悪いところは縦割り行政。いつもそのすき間におっこちてしまうのですね。私の責任じゃない。要するに、ぽてんヒットみたいなヒットが出てきてしまうと困るのですよ。したがって、私は、大臣がおっしゃるように、将来この保育所の問題についても一つの省庁、言うならば厚生省でなくて文部省が管轄すべきじゃないかという観点から質問したわけであります。そういうことで、いろいろ御意見はわかりましたので、私の趣旨も踏まえてぜひ御検討をし、将来に禍根を残さないような教育行政をやっていただきたいということを要望したいと思います。 時間がなくなってまいりましてあれですが、新聞の投書に「教育ローンはだれのため」という投書がありました。大学の受験生のお母さんからですが、息子が、私立学校に入るので六十万の教育ローンの融資をお願いした。ところが、お母さんの確定申告を持ってきなさいというので、二百八十万の確定申告を出したところ、収入が少ないというので断られた。一体、銀行が何億も何十億もいわゆる架空の預かり証書みたいなものでもって融資を片っ方でしながら、こういう勤労学生、お金はないんだけれども一生懸命頑張って勉強して大学に入って、そして将来社会の役に立つような人間になろう、こういうけなげな子供に対して融資を断った、そういう投書があったのですが、この問題、文部省かと思ったら大蔵省だというので、大蔵省の方も見えていると思うのですが、文部省の大臣の目の前で大蔵省の方から答弁してください。
○福田説明員 お答えいたします。 金融機関の教育ローンにつきましては、銀行業務の公共性あるいは健全経営確保の観点を踏まえながら、借入希望額や借入者の返済能力、すなわちどれぐらいの金額の借り入れを希望されるか、そして返済能力がどれぐらいあるか、そのようなことを勘案しながら金融機関みずからの経営判断において決定するのが基本でございまして、その結果、個別の金融機関によって商品内容や貸付条件は相違しているというふうに承知いたしております。 ただ、御指摘のとおり、私どもといたしましても、教育ローンを初めとして金融機関の消費者金融につきましては、従来からその充実について積極的に取り組むよう要請してきたところでございまして、今後とも引き続き同様の指導を行ってまいりたいと存じます。 なお、御指摘の教育ローンそのものにつきましては、銀行等の民間金融機関のほかにも国民金融公庫、郵便局、生命保険会社等で幅広く取り扱っておるわけでございまして、いろいろな手段を利用していただく可能性はあるということだけ申し上げたいと存じます。
○大畠分科員 要するに、よくわかりませんけれども、このケースの場合は借りられるのですか借りられないのですか、これは。
○福田説明員 一般に民間金融機関の融資の場合に、借入者の、例えば個人金融ですと、年収を全く無視して貸し出すということはできないだろうと思います。したがいまして、どの程度の希望をされているのかという借り入れの規模とそして返済能力、その相関において決定されていると思いまして、実例としてもちろん年収が百数十万でも貸し出しをされている場合もございますし、このケースについてどのような判断で貸し出しか行われなかったのかにつきましては、詳細を承知しておりません。
○大畠分科員 ヒアリングのときにこれを渡したのですよ。詳細知らないなんて、そういうことじゃ困りますよ。それで、教育ローンを借りるときは、学生だから担保なんかないのですよ。担保がなかったって銀行は貸しているじゃないですか、そこら辺を大蔵省はもうちょっときちっとチェックをして、それこそまさに行政指導してほしいのですよ。わかりますか。そういうことをやっているから銀行からもばかにされて、担保がないのにさんざんな大型融資をやったりなんかしているのですよ。もうちょっと大蔵省はそういう目から見て、この教育ローン問題、真剣に取り上げていただきたい。これは要望です。 教育問題について大臣と少し討論をしたいと思ったのですが、あと二分しかありませんので、先ほど大臣の方からいろいろと私見を交えて力強いお話がありました。私も同年代の議員としてぜひ鳩山文部大臣に期待をしているところでありますが、今この日本、私はこれは教育者の衛藤瀋吉さんの講演を聞いたことがあるのですが、日本が滅びるときは外がら攻撃されて滅びるのじゃなくて内側から滅びるだろう、こういうことを衛藤さんはおっしゃいました。すなわち何かというと、最近の学生は勉強しなくなった。他人に対する思いやりなんかもなくなっちゃった。いろいろ新聞投書にも出ていますが、工学部離れとか、あるいはつらいことはどんどん避けていくという、そういう学生の傾向があるのですけれども、いずれにしても私はこの日本の将来は教育にかかっていると思うのです。その教育の根幹は何かというと、この今の偏差値教育だとか大学の入試制度の持つ問題点だと思うのですね。 それで、中で論議されていると思うのですが、大臣から、もう時間がありませんけれども、この日本のこれからの将来を考えて、今の教育問題についてどういう決意を持って改革を進めようとしているのか、非常に難しいかもしらぬけれども、一言お話を伺って私の質問を終わりたいと思います。
○鳩山国務大臣 答弁に三十分ぐらいかかりそうな壮大なテーマなんですけれども、やはり教育というものを考えた場合には、教育目標、昔、期待される人間像というものがいろいろ評価されたり批判を受けたりしましたけれども、やはり一定の人間像というものは頭の中で描くべきだろう。もちろんそれは多種多様でいいわけですけれども。そんなことを考えてみれば、二十一世紀の日本を担い、二十二世紀へ向かっていく国土の主役たる日本人はどんな姿であればいいのか。一つはもちろん国際性豊かであるということと、そして優しさとたぐましさと両方持つことができるならば、大体かなり理想に近い日本人像というものではないだろうか。 そんなことを考えるわけですが、しかし、世の中の教育の外側にある条件というのは決してよくなってはいない。非常に悪化しているわけですね。例えば少子化現象、核家族化という問題もありましょう。あるいは有害図書のはんらんということもありましょう。あるいは過度の学歴偏重社会というのが目の前にあるということもありましょう。そういう中で、先生冒頭にお話をされたように、お子さんが個性を伸ばすことができない、発揮することができない。そして今四万八千人の登校拒否だとか十二万三千人の高校中退だとか、かつての校内暴力の問題にかわってそういう学業不適応現象というのか学校不適応現象というか、大変厄介な問題があらわれてきているわけでございます。それをすべて解決するのが学校五日制と言っているわけじゃありません。ただ、学校五日制というのも、個性を伸ばし、いろいろな経験を積む中で人情の機微というようなものも理解してもらって、心豊かに育ってもらいたい、そういう願いが込められているわけでございます。 したがいまして、これからの教育というものはできる限り心豊かな人間を育てていくということに尽きるわけで、物質的な豊かさあるいは便利な社会、ボタン一つで何でも手に入るという時代はやってくるかもしれないけれども、そのかわり人間が心の豊かさというものを悪魔に売り渡してしまうようなことが起きたらどんなことになってしまうだろうか。そういう場合、とどのつまり国づくりは失敗したと言わざるを得ないのではないか。物は豊かだ、しかし人の心は殺伐として白けておったのでは、その国づくりは失敗だ。私はそんな観点から、竹下総理ではありませんが、心の豊かさを求める、そんな時代に見合った教育をしていかなければならないと思っております。
○大畠分科員 ありがとうございました。
○北川(正)主査代理 これにて大畠章宏君の質疑は終了いたしました。 次に、石田祝稔君。
○石田(祝)分科員 大臣、あと私を入れて二人ですから、いましばし御辛抱をお願いしたいと思います。 大臣はチョウの収集家としても非常に高名でございますし、それ以上にチョウを卵から育成をしてサナギ、成虫にするという大変な大家だというふうにお伺いをしております。その意味で、文部大臣として子供を卵からサナギ、成虫へと、そういう育てていく役割にぴったりじゃないか、そう私は思っております。その意味で文部大臣に期待するところ大でございますので、そういう観点から質問をさせていただきますので、どうぞよろしくお願いしたいと思います。 まず最初に、学校週五日制についてお伺いをしたいと思います。 本年の九月から全国一律で国公立の学校が週五日制になる、こういうことで言われておるようでありますけれども、私は、その大前提に週休二日制ということが、これはもう否定できないことであると思います。しかしこの週休二日制を考えて見ますと、例えば私は選挙区は高知県でありますけれども、高知県で例えば完全週休二日制がどのくらい実施されているかというふうに見ますと、一五・六%なんですね。全国平均は二五・四%、そして東京は四四・二%。大前提の中の、前提がたくさんあると思いますけれども、その中の一つの週休二日制、非常にそこの部分がばらつきがある。そういうことを結局そのままで全国一律でやっていくのは、私は無理があるのじゃないか、こういうふうに思うんですね。そして、時期に関しましても、例えば今だったら、もう次年度のカリキュラムはほとんど決まっている、そういう中で九月からやるということ、これについては、現場に対してどういう影響があるんだろうかということを心配をいたします。ですから、全国一律では無理があるのではないかということと、それから年度の途中で変わるということ、これについて大臣はどういうふうにお考えなのか、まず最初にお伺いをしたいと思います。
○鳩山国務大臣 これは、もちろん私学は、私ども、学校五日制に公立諸学校と歩調を合わせていただけるようにお願いをして歩こうかとは思っておりますし、もちろん私学では既に学校五日制をやっているところもあるわけでございます。ただ、日本の義務教育の仕組みが、基本的に北海道から石垣、西表、与那国までみんな同じ制度で、それは画一化ということではなくて、基礎基本についてはきちんと教えたいという我が国の教育政策の基本の問題で、そのような形で公立小中学校にお願いをしているという経緯から考えますと、これを地方の教育委員会に任せて自由というのは、なかなか難しいのではないだろうか。専門的には初中局長から御答弁を申し上げますが、先生おっしゃったように、親の条件が地方によって異なっているという現実があったとしても、これは段階的に導入していく中で、それぞれの地域での問題点の出方というものの変化、違いというものを見届けて、また次のステップを考えていくというような形で御了承いただければありがたいと思うわけであります。 それから、学校五日制については、六十八校の調査研究協力校というか実験校を設けて、いろいろお願いをしてきたわけでございます。もちろん、それではなぜ来年の四月でなくてことしの九月なのかという必然性については、これは正直申し上げて、実験校も置いてやってきたのでできるだけ早く導入をしたい、こう思って、本当だったらこの四月からというタイミングでも望むところではあったわけですが、いろいろ意見をまとめたり、文部省内の二つの調査研究協力者会議のまとめをいただいたり、あるいはその間にPTA等の団体にお話を承るというようなことで、スケジュール的に、それがちょうど一月、二月というふうに年を越してまいったものですから、幾ら何でも四月からというのはちょりと準備期間が短過ぎるので、夏休み後という形をとったわけでございます。
○坂元政府委員 学校五日制をなぜ文部省として踏み切るかという点につきましては、先ほど大臣が大畠先生の御質問に答えたとおりでございまして、子供達に自由に行動できる時間的な余裕を与えて、社会体験、自然体験、生活体験などを豊かにしてもらおうという意図からでございます。 そういう意味から申し上げますと、確かに先生御指摘のとおり、週休二日制については全国でばらつきもございます。それから学校によりましても、例えば特殊教育学校等につきましては、学校五日制について、土曜日家庭に子供がおられたら困る、学校に行ってもらいたいという父兄の方が多いということも聞いておりますけれども、学校五日制の趣旨というものについては、それは全国の全学校、職種でも同じではないか、それならば全国一律にやっていただこうという趣旨で、全国一律にやることに踏み切ったわけでございます。 それから、年度途中、二学期からなぜ踏み切るのかということでございますが、今大臣が御説明したということのほかに、例えば養護学校とかそれから幼稚園、小学校の低学年になりますと、当然のこととして、父母が、保護者が土曜日に午前中家庭にいない、それからボランタリー活動とか社会教育活動が、今生涯学習局の方で鋭意地域の人たちをエンカレッジして用意をしておりますけれども、その準備ができていないというような場合に、どうしても学校に登校して、学校という場を使って、そして学校で預かってもらわなければならない、学校で文化活動やスポーツ活動を実施してもらわなければならないという事態になるわけでございます。そうなりますと、当然のこととして、新しく学校に入学してきた一年生、二年生あるいは三年生ぐらいまでの父兄を対象にして学校はアンケートをとり、土曜日の日にどのくらいの子供たちが学校に出てくるかということをある程度数字的に固めてから、その準備を教育委員会はしなければならない。そういうことになりますと、三月前の子供たちというのはもう既に一年前へ進んでしまうわけですから、むしろ新学期に新しく入学してきた父兄に新しくスタートする場合にはちゃんと意見を聞いて、そして九月までに準備を整えて、そしてスタートさせる方がかえってベターなのかなというようなこともございまして、あえて二学期から踏み切ったわけでございます。 ただ、二学期から踏み切ったわけですけれども、関係者には比較的前広に、二学期から踏み切る可能性があるということについては、私ども、非公式な形でありますけれども話をしていたところでございます。
○石田(祝)分科員 答弁をもうちょっと短くお願いをしたいと思います。それから、お言葉を返すようですけれども、最大の関係者は親ですので、ひとつそこのところを御理解をいただきたいと思います。 大臣の答弁でも、全国で一律でやる、また、九月からやるということについて、答弁の中で、やはりバックアップ体制は十二分にとっていただけるものと私は理解をいたしました。 それで、私も自分の選挙区を回りますと、一番心配しているのはやはり学力の問題なんですね。ですから、先日予算委員会でもたしか大臣は、月二回までやっても大丈夫なような指導要領を組んでいるんだ、こういう答弁をなさったというふうに記憶をいたしております。それで、学力の低下ということを一番心配しているという観点から、授業時数、こういうものの心配が本当にないのかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○坂元政府委員 授業時数につきましては、標準といたしまして学校教育法施行規則に、小学校は年間千十五時間、中学校は年間千五十時間というように定めておるところでございます。現在の学校における状況をいろいろ勘案いたしますと、月二回ぐらいまでならば標準授業時間数は何とかクリアできるだろう、これは机の上だけの計算でございます。そういう意味で、いわんや月一回ということならば何とか、そう無理しなくて標準時間数はクリアできるというふうに私ども考えております。
○石田(祝)分科員 続きまして、休みの日の受け皿づくりについてお伺いをしたいと思います。 例えば休業土曜日の指導員の配置。学校を開放して、学校を一つの受け皿としてここに指導員を配置をする、そういうふうなお考えもあるように聞いておりますけれども、これの予算措置が十二分にされるのかどうか。この点を、交付税の方に関係すると思いますので、お願いしたいと思います。
○田村説明員 幼稚園、小学校につきましては、各市町村ごとに指導員の配置、学校開放経費、研究会経費を措置しておって、標準的な市で百四十九万、全国で約二十三億となっているわけでございますが、指導員につきましては、積算上、おおむね各小学校区に一人以上配置できるように措置をしてございます。それからあと、特殊教育諸学校につきましても、同じように指導員の配置の経費のほかに、スクールバスの運行のための経費を措置しておるというようなことで、私ども地方財政上の措置は、文部省の方からも御要請いただきまして今年度については必要な措置をしておるものと思っております。
○石田(祝)分科員 この点は、例えば実際に動き出してみたら、もう少し現場では人をふやしてほしいという声が上がってくるかもしれません。そういうときにはぜひとも最大限の配慮をお願いしたいと思います。本当に百二十年間週六日でやってきたのですから、それを変えるわけですから、これはもう教育の大改革、そういう観点からあらゆる措置を今後お願いしたいと思います。 それと、これは学力に関係するかもしれませんが、いわゆる私立学校が同時並行でやるのかどうか、この問題が私は非常に重要な問題だと思います。 私の地元の話ばかりして申しわけありませんが、私立高校、私立中学が非常に優秀である、こういうふうな位置づけをされておりまして、そういう中で公立高校が月一回ということであっても週五日制になる、その中で私立高校はそのままいく。新聞を読みますと、こういうふうに書いている人がいるのですね。「都内の私立高校長は「土曜日の授業を他の曜日に上乗せするよりは今のままの方が、ゆとりを持って勉強できる。六日制は私立のセールスポイントになる」。」こういうふうに言っている人もいるのですよ、現実に。これはお一人の声かもしれませんけれども、この裏には同じような考え方を持っている人がいるかもしれない、私立の学校はこれから生き残りの時代へもまた入ってくるでしょうから。そういう意味で、公立だけは五日制だ、そのときに、うちだけは六日制でこれが勉強に役立ちますよ、こういう形で逆宣伝に使われたら、これはどうなっていくのだろう。この五日制というのは一度始めたらもう後戻りはできないと思うのですね。うまくできなかったのでもとに戻すということはできないと思うのです。 私立については教育の独立とか自主とかいう観点から強制できないと思いますけれども、こういうことを言わせていて本当に日本全体の教育というものをやっていけるのだろうか、これは私は非常に疑問であります。この私立の六日制、これをどういう形で足並みをそろえていただけるのか、このことについて方策また見通しはあるのかどうか、お聞きをしたいと思います。
○坂元政府委員 私立学校につきましては、休業日については学則で定めるということになっておりますので、それぞれの私立学校が定めてもらうわけでございますが、現在でも私立学校は、小学校で二五%、中学校、高等学校で一〇%ぐらいの学校五日制をとっておる学校がございます。 それで、確かに御指摘のような心配がございますので、私立中学校高等学校連合会、中高連と一口に言っておりますが、私ども中高連の幹部の方々に直接会いまして、もう一回やりましたが、ぜひ学校五日制の意義というものを理解していただいて、この公立学校の学校五日制のスタートに合わせて私立学校も学校五日制に踏み込んでもらいたいというお願いもいたしましたし、さらに春になりますと、五、六月ごろに中高連のそれぞれの総会がございますので、総会の席にも私ども行きまして私立学校に協力を求めたいというふうに思っております。 ただ、今の段階で私どもが接触している中高連の方々は、これはあくまで幹部ですけれども、文部省の趣旨、考えはわかるけれども、年度途中、本年度の九月からやるのはちょっと無理なので、やるとすれば来年の四月からだろう、だけれども、すべて全国一律に全部の私学が来年の四月から月一回の学校五日制に踏み切れるかどうか、それは私学のそれぞれの自主性があるので中高連の本部としても何とも言えない、そういう状況でございます。これからも私どもいろいろ協力を求めてお願いをしていきたいと思っております。
○石田(祝)分科員 現在でも私立て五日制をやっているところがあるとおっしゃいました。これはほとんどカソリック系とか宗教系の学校ですね。私も、自分のことで申しわけないのですが昭和四十六年に入った大学はその当時から週五日制でございました。そういう意味で、もちろんばらつきは、こういう形でもう現在やっておるところもあるということですけれども、こういう今回の文部省がいろいろな討議を経て決めたこと、お進めになろうとしていることに対して、逆らうなと私は言いませんが、考えてみたらそういうところが一つの意識に立っていかないと、公立はやる、私立もやるところとやらないところが出てくる、それでは中がまだらになってくるわけですね。そしてそれを結果的にどこで判定するかというと、じゃ受験のときにどうなのか、こういう一つの最終的な大学入学の物差しというのがどうしても高校卒の時点であるわけですから、そういうところにまた収れんをしていくのではないだろうか。ですから、これは今後またお話し合いをしていただいて、私立は私立て用意ドン、こういうことはぜひお願いをしたいと思います。 それから、この問題で最後ですけれども、現場を預かる各都道府県の教育委員会等との打ち合わせ、連携についてそごはないのか、十二分に打ち合わせができているのかどうか、この点について、問題ないと思いますが確認のためにお願いしたいと思います。
○坂元政府委員 学校五日制の問題を文部省で二年半前から協力者会議を設けまして検討をいただいているところでございます。その中に、現場を預かります都道府県の教育委員会の代表者といたしまして、もちろん小学校から高等学校、幼稚園それから私学の関係者含めて、そういう関係者の方々も入れておりますが、埼玉県の教育長さんを委員として委嘱して協議に参画していただいておりますので、その教育長さんを通じましてこの協力者会議の議論の推移については都道府県の教育委員会の教育長さんたちの方にも逐一流れているというふうに私ども思っておりますし、私どもも、必要に応じて年に数回開く教育長の集まり、研修会等あるいは会議においてその都度経過的な状況を説明して今日まで来ております。 先般学校五日制を九月から実施するということに踏み切ったわけでございますので、近々県の教育長を呼んで改めて大臣初め私どもからいろいろこの趣旨の説明をし、意思の疎通を図ってまいりたいと考えております。
○石田(祝)分科員 せっかく乗り出すわけですから、ぜひとも成功させていただきたいと思います。 続きまして、これは私の地元の高知の問題でありますけれども、工科系大学の設置について若干お話を伺いたいと思います。 現在、全国で国公立大学の理工系学部の設置状況は百一学部あるというふうに聞いております。それで、県内に国公立大学の理工系学部のない県は全国で四つ。そして我が高知県を考えてみますと、国立の高知大学というところに昔文理学部がございまして、そこから分かれた理学部がございます。しかし、今後の県の人材の育成とか産業の振興を考えた場合に、何としても工科系の大学、高知大学とかに工学部というものをつくってもらいたいという県内の、県民の広い要望がございます。 私も地元のデータを調べますと、大学進学率が平成二年度で高知県がおよそ二八%、全国が三一%。そして大学進学者に占める工学部の進学者数の割合が大体一五から一六%、これは高知県でありますけれども、人数で大体三百人から四百人、理学系の進学者が百人前後、こういうふうな状況になっております。ですから、両方合わせますと四百人から五百人が理工系の県外の大学に出ておるわけであります。 我が県の特色として、非常に県民所得が低い。全国で第四十三番目、一人当たり百八十五万六千円、そして全国平均の約四分の三の県民所得である。そういう中で県外にそういう人たちが行くということは、結局未来の人材も外に出す、そしてそれを追っかけてお金も出すということなんですね。ですから両方ともに中央に流れていってしまう、こういうふうな状況がございます。 ですから、何としても行かなくてもいいように、県内であれば行きたいという人ももちろんたくさんいるわけですから、そういう意味で工科系の大学をつくってもらいたい、こういうふうな声がございますが、現在それで新しい大学設置、学部設置の考え方に、文部省としてはどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか、お考えを聞かしていただきたいと思います。
○前畑政府委員 御案内のとおり、ことしをピークといたしまして、今後十八歳人口が急激に減少をしていくという客観的な状況がございます。そういう状況を踏まえますと、大学の規模の拡大ということについてはできるだけ抑制的に対処すべきであるというのが大学審議会の答申をちょうだいいたしました私どもの立場でございます。 そこで、今のお尋ねの御趣旨は、基本的には国立学校でという御趣旨だと思いますが、国立学校につきましては、御案内のとおり、国の行財政事情もございますし、また、国立学校というのは国の一つの組織でございますから、国の組織の肥大化を抑制をするという考え方もございまして、なかなか対応するのが困難であろうと考えております。 また、公立大学、私立大学につきましても、基本的には原則的に抑制ということで対処をいたしておりますので、時代の要請あるいは社会の進展に即応した新しい構想というものを私どもとしては申請者側にお願いをいたしておるところでございます。
○石田(祝)分科員 これは大臣にお伺いをしたいのですが、予算委員会等でも質問が出ておったと思います。いわゆる基礎教育にかけるお金、特に大学の工学部、そういうものに対して研究費が非常に少なくなってきている。これは大臣もたしかそういう御認識を十二分にお持ちだというふうに私答弁を聞いて感じました。その意味で、例えば私立というのはどうしても経済効果という問題もございますし、なかなか難しい部分もあろうかと思います。それで、局長のようなお考えでしたら、これはもう未来永劫に、例えばできないというような感じになってくるんですね、御答弁を聞いている限りでは。ですから、これはある意味で言えば、大学の再配置等もこれは考えていただくことになるかもしれませんけれども、それ以上に工科系、いわゆる理科系、理数系のいわゆる基礎学問、そういうものに対するもっともっと国としての理解を私はいただきたいと思うのですね。そういう意味で、大臣が非常にそういう部分で御心配もされているんじゃないかというふうに感じておりますので、お考えをぜひ聞かせていただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 日本の高等教育全体が大変今財政的に厳しい状況にあって、当然今先生、私学と国立あるいは国公立との比較をさりげなく説明されたと思いますが、全くそのとおりで、国立の高等教育、しかも理科系、理工系の設備の老朽化とか狭隘化とか、そういうことが指摘されているわけですから、まして私学は財政的に、今私学助成もこのような水準にありますから、より一層厳しい状況にあることは間違いがありません。 とりわけ、そういう中でこの理工系離れというような現象が起きたり、あるいは留学生をどんどん募っても、本当に優秀な留学生は、条件はアメリカやヨーロッパの方がいいからと言って来てくれないということもあり得るわけでございまして、したがって、応用的な技術は日本人は得意だけれども、基礎的な科学については、人の国が発明、発見したものにただ乗りをするという基礎科学ただ乗り論のようなものも出てきてしまっておる。 これでは今国際貢献が盛んにテーマになっている中で、もちろんPKOでの協力とかいろいろあるわけですけれども、少なくともこの科学技術立国などというものは、資源のない三十七万平方キロの我が国にとっては、国際的な信用を得るためにも一番いいやり方でございますから、科学技術の分野で国際貢献をすべきでありますし、とりわけ弱いと言われている基礎科学の分野で国際貢献ができれば世界の日本を見る目も随分変わってくるだろうと思うときに、今のような高等教育、大学の状況ということを考えますと、非常に薄ら寒いものを覚えるわけで、例えば科学技術会議が研究費をできるだけ速やかに倍にしなさいという提言をされていたり、あるいは日本の研究費の八割は民間で二割がパブリックということのようですが、諸外国はフィフティー・フィフティーぐらいですぞというようなアドバイスをいただいたり、そんな中で今回国立学校設置法の改正案をお願いをして、財務センターなどというものを設けて特別設備整備資金というものをつくって少しでも国立の大学関係の施設や設備、研究基盤の問題に役立てようというような戦略も今練っているところでございますが、御承知のように私学はもっと厳しいと思います。
○石田(祝)分科員 大臣の認識は、これからの日本の基礎科学を中心とした進むべき道というものを私は御認識になられていると思います。その意味で、私は、先日も電気通信大学という調布にある大学に参りました。そこでもいろいろ設備等を見させていただいて、またお話も聞きました。外国から教授とか勉学に来ていただく、非常に世界的な研究もやっているのですね。ですから、共同研究をやりたいというところもたくさんそのときもありました。ですけれども、ゲストハウスもない。そういうところで非常に呼びたいんだけれども呼べない、来たいんだけれども来れない、そういう状況もあるやに聞きました。 そういう意味で、私は自分の県に何とかつくっていただきたいというのがまず第一でございますけれども、それとともに日本全体を考えたときにも、やはりいま一度、財政の原理だけで考えていいのかな、そういうことも実は痛感をしておりますので、この点も今後とも御配慮をいただきたいと思います。 それで、最後になりますが、これは本当に細かい問題かもしれませんけれども、ちょっとお伺いをしたいと思います。 実は、我が県で短期大学の設置について今申請をいたしておりますが、その短期大学の設置の認可状況について最後にお伺いをしたいと思います。
○前畑政府委員 今先生御指摘の件は、学校法人土佐女子学園が申請者となって土佐女子短期大学というものを設置をしたいという申請であろうかと思います。 本件につきましては、昨年の七月三十一日付で申請がございまして、その後大学設置・学校法人審議会に大臣から諮問をしていただきまして、審議会の審議を経、これは御案内かと思いますが、二段階審査と言っておりますが、最初の段階では基本的に大学の構想等の審査をいたしますが、その審査段階では不可としないという判定をいただきまして、現在二段目の審査に入るべく本年六月の末までに所要の書類が提出をされるということになります。その所要の書類が提出されますと、具体に個々の教員の資格であるとかあるいは実地に審議会の方からお伺いをいたしまして実地調査をやる、そういう経緯を経まして本年の十二月ごろに最終的な答申をちょうだいする、こういうふうなことになっておるわけでございます。 ただいま申し上げましたように、現在審議会で審査の途中でございますので、具体の見通しにつきましては差し控えさせていただきます。
○石田(祝)分科員 通告をしておりました質問、ちょっと最後時間が足りませんでできなかったことをおわびをいたします。どうもありがとうございました。
○北川(正)主査代理 これにて石田祝稔君の質疑は終了いたしました。 次に、児玉健次君。
○児玉分科員 最後の質問者になったようですが、日本共産党の児玉健次です。この場所で養護教諭の問題を取り上げるのはことしで三年目です。それは現在の日本の教育が抱えているさまざまな問題、それらが保健室の中に随分集約されている、そういうふうに思うからでもあります。 きょうはまず、僻地で頑張っている養護教諭の先生方の努力や、それから養護教諭が配置されていない学校の問題について質問をします。 鳩山文部大臣は、たしか東京育ちでいらっしゃるだろうと思うので、僻地でどんな苦労がされているか聞いていただきたいと思います。 先月の一日に、私は札幌に住んでいるのですが、釧路に行きまして、北海道東部の広大な地域で苦労している養護の先生方の話を聞きました。お一人の方、複式の小学校で子供の数は二十一人である。全国の教職員の努力や文部省の御苦労もあって最近養護教諭が配置される学校がふえていますが、その一つです。残念ながらまだ保健室がつくられてなくて、職員室で執務されている。 さて、地域の人たちが、初めて来たこの女の先生、養護の先生を見て何をする先生だろうかというので随分好奇心の目で見られた。そういう中でこの方は大規模校で努力をした経験が支えになって、今一生懸命やっている、そういう話でした。保健の指導とそれから性教育に随分取り組んで、同じ学校の他の先生方や校長先生もこの養護の先生の教育内容に関心を持って参観もしているということです。さて、頑張った結果がどういう形で具体的にあらわれているかというと、子供たちの齲歯が急減したというのですね。結局一人一人の子供に対して歯磨きの使い方を文字どおり手とり、まあ足はとらないけれども手にとって教える、そういうことで虫歯が急減をした。そのあたりは部落の皆さんから大変喜ばれている。 別の先生のお話ですが、その方は一日に五人から六人の子供が、複式の学校ですが、保健室にやってきて、子供たちの健康状況が非常によくわかる。小学校の入学時にいわゆる入学の健康検査をやりますけれども、そのときはわざわざ父母の方まで一緒に来て、お父さんないしはお母さんの話を聞きながら子供の様子も見る、非常に喜ばれているといいます。それが積極的な例です。 次の例は、今文部省がなさっている配置の基準によれば、四学級以上の学校には養護教員一名、三学級の場合は四つの学校に三人しか配置されない。去年は兼任の問題を取り上げたのですが、北海道は地域が非常に広いから兼任というのが実際上困難ですね。それで、配置されるか、養護教諭がいない学校が生まれるか、そういう形になります。 私がお会いした先生は、以前は養護教諭がいた学校です、子供が少なくなって転任を余儀なくされたそうです。そういうところ、具体的に言いますと町まで車で三十五分、町の開業医がいるところまで車で三十五分かかるのですね。北海道は交通渋滞ありませんから、これは大体三十キロから四十キロという距離です。以前使われていた保健室はもうあるじがいなくなってしまったから、かぎがかけられて使われていないのです。子供たちがぐあいが悪くなったときは、火の気のある公務補室で休まなければいけない、こういう状態になっていますね。 私は、速やかに養護教諭の全校配置を進めるべきだ、こう思いますが、いかがですか。
○遠山政府委員 養護教諭の配置の問題につきまして先生なかなかお詳しいわけでございまして、ここで申し上げるまでもないのかもしれませんけれども、今年度完成をいたしました第五次の教職員定数改善計画におきましては、四学級以上の学校に一人、三学級の学校には四校につき三人の割合で養護教員が定数措置できたわけでございます。さらに、三学級以下の学校の存する市町村で無医、お医者さんがおられない無医市町村、それから無医の離島地域につきましても養護教員が一人加配できるように措置をしているところでございます。 この養護教員の配置につきましては、第一次から第五次にわたります改善計画の中で、当初昭和三十三年には二四%程度の配置しかなかったわけでございますが、今日では全体で九六%を上回る配置率になってございまして、この配置について私どもも努力を重ねてまいっているところでございます。 先生お話にありました三十分かかって町へ、お医者のところへということでございますが、そういう地域につきましては養護教員の配置ということについて配慮をしているわけでございまして、今回の改善計画の完成によりましてその面についてもかなり前進できたのではないかなと思っているところでございます。
○児玉分科員 今あなたのおっしゃったその前進過程で生まれている問題を私は述べているのです。以前はいなかったけれども配置されるようになった。そして児童数が減った結果、以前は配置されていたけれどもいなくなった。無医地区の養護教員の人数が幾らかプラスされているということもよく承知しています。 そこで、私は大臣に申し上げたいのですけれども、同じ日本の子供、子供にとっては教育を受ける機会というのは一生涯で一回ですね。小学校の三年というのを二度やるわけじゃないのですから。そういう子供たちにとって養護教諭の方々が進めている健康教育や保健指導、それを受ける機会があるかないか、学校の規模の大小によってその差が生まれるというのは明らかにおかしい。憲法二十六条で言われている「ひとしく教育を受ける権利」、これが損なわれるんじゃないか、こう思うのです。大臣ちょっと考えていただきたいのですけれども、もし学校の規模のいかんによって、ある学校では算数、数学の授業があり、他の学校では算数、数学の授業がされないとすれば、これはもう公教育にとって大変な問題ですよ。日本ではそういう状態ではないのです。ところが、子供の心身の健全な発達に重要な役割を果たす養護教員について言えば、配置されている学校と配置されていない学校がある。ただいまのお答えにもかかわらず現に存在している。この状態を放置していいのか、大臣のお考えを聞きたいと思います。
○鳩山国務大臣 きょうの分科会でもたびたびお答えをしてまいりましたように、我が国の公立学校で行っております義務教育制度というものは世界に誇るべきものがあろうと思っております。それは決して画一ということではなくて、今先生御指摘の憲法あるいは教育基本法上の教育の機会均等という観点から源を発しまして、そしてどこにいても同じような、等質の教育を受けることができる。日本の非識字率が限りなくゼロに近く、あるいは基本的に言えば、いろいろな事件はありますが、世界各国と比較をすれば治安も極めて良好であるというのはそういうところに起因すると思いますし、戦後の廃墟の中からこれだけの経済大国を築き上げた基本的なマンパワーというものもそうした義務教育制度に基づくものと私は誇りに思っているところでございます。 そういう観点から申し上げれば、先生がおっしゃっておられる事柄に私は異論を挟む気持ちはありません。それはどの学校へ行っても養護教諭の先生がおられるというのが理想であることは間違いがないわけでありますが、同時にまた、そのことが財政上の問題と微妙、微妙というか大変難しい絡み方をするということもこれは先生よく御承知のことだろうと思いまして、そういうような事柄の接点の中で、現在の具体的な教職員の配置があったり、養護教諭の先生方の配置があったり、栄養職員の方や事務職員の方々の配置も決められているということでございまして、先生のおっしゃる趣旨、我が国が誇る義務教育の基本的な制度というものについては大いに誇りを持ちつつ、その実現に努めながらも、そういう財政上の問題もあるということだけは御理解をいただきたいと思うわけです。 先般、文教委員会でしたかどこかで申し上げたのですが、およそ公立学校にだれも通わせたことがない財界の方が、私が文部大臣になった後で義務教育のことを私に聞かれるわけで、義務教育は無償だというのは授業料はもちろん必要ないのですよ、それは知っている、教科書もただですよ、それも知っている、しかし君、子供がふえたり減ったりしたときに教室をふやしたり減らしたりするのかと言うから、基本的に言えばそれはすべてに対応するのですよ、大アパート群ができてそこのお子さんの数が三倍になれば、その三倍のお子さんを収容できるように学校をふやすのですよ、過大規模校なんという問題もあるのですよという話をしたら、はあ知らなかった、すごいんだな、日本の国はすごいことをやってきたんだなという話を聞いて、私もそういう話を聞いてびっくりしましたけれども、実際、ふえたり減ったり、いろいろな教育の需要に義務教育段階では全部対応してきた今日までのあり方に、私は、文部省は誇りを持っていいと思う。 ただ、先生がおっしゃることも正しいのですが、財政上の現実論も少し踏まえていただければありがたいと思います。
○児玉分科員 すべての子供がひとしく教育を受ける権利、これが保障されなければいけないという点では、当然のことですが大臣と私は完全に意見が一致しますね。 そこで、問題なのは、先ほど文部省がお話しになったけれども、かなり前に進んであとわずかですよ。九六%まで進んでいるとすればあと四%ですよ。竿頭一歩進めてなぜそれを全校配置にしないのかという問題です。もちろん一定の財政措置が伴います。しかし、この点について言えば、国民のコンセンサスは完全に形成できます。その点を私は強く指摘して、この後また同様な議論をしますから、次の問題に進みます。 それは、昨年の十一月——文部省が最近なさる謝査を私は随分興味深く拝見しています。例えば、おととしの「登校拒否問題について(中間まとめ)」、そして去年の十一月に日本学校保健会が明らかにされた「保健室利用者調査報告書」、非常にスケールの大きな調査だし、回答率も極めて高い。関心が強いことのあらわれだ、こう思います。それを拝見していて、保健室利用者数、小学校で二十八・七人、中学校が三十一・三人、高校三十一・七人。一定の傾向は示しているけれども、これは大都市部における大規模校の実態を、当然のことながら反映していないと思うのです。 ちょっと資料を配っていただきたい。主査にあらかじめ承認は得ていますが、それを皆さんに配ります。よろしくお願いします。 それでは続けます。ちょっと古いのですけれども、一九七二年に保健体育審議会が養護教諭の役割について答申をお出しになった。その中で、途中略しますが、「専門的立場から」「疾病や情緒障害、体力、栄養に関する問題等心身の健康に問題を持つ児童生徒の個別の指導に」当たる、これが養護教諭の役割だ、そのように保健体育審議会はおっしゃっているようです。これがどのくらい大変な仕事であるか。 今お配りした資料は、北海道の都市部の大規模校で、全校生徒、これは昼間の生徒ですが、について健康調査をして、要観察者がどのくらいいるか、その子供たちの抱えている症状とは何か、ここに百五十二人について、学年や性別や名前は全部消してありますが、書いています。アトピー性皮膚炎から始まって、第一度房室ブロック、いろいろありますが、肺動脈弁狭窄症術後とか花粉症とか随分あります。これだけの子供たち一人一人について学校医やその他の医師と協力しながら、注意すべき体の状態、心の状態についてつかんで、高校の宿泊研修のときに登山が日程に加えられて、そのときこの子供について言えば何合目まで登ることが可能だ、この子供は登山の日程には参加しない方がいい、それを医師とも相談しながら、担任と協議をする。そして修学旅行のときに同様、こういうところまでは可能だ。全校マラソンのときが養護教諭の先生たちが一番緊張するときですね。心臓に疾患のある子供たちがどの程度参加できるか。こういう仕事を千数百人の子供を相手にして、そして五十人、六十人の教職員の中でただ一人懸命になってやっている。それが養護教諭の人たちの仕事ですね。もちろんいろんな教職員との協力関係はありますけれども。 こういう仕事を背負っている養護教諭の職員の重さと厳しさ、その点について文部省はどうお考えでしょうか。
○逸見政府委員 最近の児童生徒を取り巻きます生活環境、細かく言えば例えば食生活の問題とか生活様式の問題、さまざまな面で大変大きく変化してまいっております。そういったことから、児童生徒の起こしますさまざまな故障、健康問題、これがますます複雑多様化しておるということは御指摘のとおりでございます。そういったことで、養護教諭の先生方のお仕事の範囲が、本当に従前には比ぶべくもなく広がっておる、大変になっているということは私ども十二分に承知をいたしておるところでございます。 したがいまして、そういったことで養護教諭の方々はまだ、先ほどから定数上の配置措置、説明されておりますが、そういった中でひとり養護教諭だけにおぶさる負担としてではなくて、すべての学級担任あるいはその他の保健主事の先生方その他を通じた教育相談部というふうなものを設けて、複数の先生で、養護教諭だけの負担にならないような形での対応をぜひお願いしたいというふうな指導を、私どもそれにあわせて現在進めておるところでございます。
○児玉分科員 当然、民主的な校長さんや多くの教職員と力を合わせてやることになりますね。しかし、学校教育法の二十八条では、「養護教諭は、児童の養護をつかさどる。」それが主な任務となっていますね。こういう職員を持っている先生は養護教諭だけだ、こう思います。 いわゆる保健室登校の問題なんですが、この重要性についても文部省は御存じのようだし、そして幾つかの調査もなさっている。つい数日前、私は東京都の小学校の養護の先生から、こういう苦労をお聞きしたんです。新学期、小学校の子供で、姉と妹が学校に行こうとしない、いわゆる不登校になった。それで、親御さんがいろいろ努力をして、そのきょうだいの子供さんをとりあえず保健室まで連れてくる。それで、保健室で彼女たちは養護の先生といろいろ話をしながら過ごす。その努力を続けて続けて、その結果三学期から姉も妹もやっと教室に行くようになった。大変な苦労です。それでなくても多数の子供たちの全体の保健指導と、省つき言いました個別の健康状態の掌握、それをやりながら保健室登校の子供たちに温かい配慮をしなければならない。 私が今持っていますのは、全日本教職員組合養護教員部、いわゆる全教の養護教員部が去年の十二月に全国の小学校、中学校、高校、養護学校千七百九十三校を対象にして行った調査、「養護教諭の仕事に関する調査」なのですが、そこで養護の先生たちが一番言っていらっしゃることは何か。それは、多忙なときに子供たちに目が届かないということと、学校に一人しかいないから、出張やどうしても病気その他育児の関係で学校をお休みになるときの後が気がかりだということです。例えばこうおっしゃっている。「検診中にも保健室へやってくる」、検診というのは健康診断、「保健室へやってくる子が多く、パニックになる」。別の方は「時間に追われて仕事をしている状況にあり、子供の話をうけとめる体制がつくれない。」そういう中で苦労をされておりますね。 こういった状況のもとで一人の養護教諭の苦労にのみ、献身的な努力にのみまつというのは、もうそういった時代ではない。前から多くの方が言っているように、この際大規模校での複数配置に踏み切るべきではないか。いかがでしょうか。
○遠山政府委員 養護教諭の仕事の大切さ、それから個別の児童生徒に応じた対応の非常な仕事量等、私ども十分理解するところではございます。しかしながら、先ほど申しましたように、次第に改善計画を遂行してまいりまして、現在、極めて小規模の学校を除きましてはぼ全校配置を実現することになったところでございます。 今後どうかということでございますけれども、現在、第五次の改善計画が完成した段階での小中高等学校等の学級編制あるいは教職員定数の配置の状況とかあるいは今後の児童生徒数の推移、それに伴います教職員の配置見込み等につきまして実態調査を行っているところでありまして、これらの結果あるいは財政状況を十分に勘案しながら慎重に検討してまいりたいと思っております。 平成四年度におきましては、大規模校に養護教員を加配して、大規模校において保健指導がどういうふうに行われていったらいいかというふうなことを研究するために、二十五人の増員を図ることとしているところでございますが、これは研究のためということでございます。 いずれにしましても、複数配置あるいは小規模校の問題等も含めまして今後慎重に検討していくテーマの一つであろうと考えております。
○児玉分科員 おととしは、よく覚えているのだけれども、文部省の方は、研究課題の一つにしたい、去年は新しい定数の改善計画をつくるときの検討課題にしたい、そういうふうに表現が微妙に違いますね。今慎重に検討する、こうおっしゃった。 それで、文部省が養護教諭の複数配置であるモデルケースをおつくりになってことしの四月から始めるということは私も承っています。これも皆さんの模索的な努力の一つだと思います。 それで言いたいのですけれども、複数というのは、御承知のとおり二以上幾らでもいいのです。それで今はとりあえず二人ということですけれども、調べてみますと、養護教諭の先生方の中で、千人以上の規模で頑張っている方々を対象にした先ほどの調査によれば、生理的な要求、それを多忙のために我慢している、ときどき我慢しているという方の総計が千人以上の小学校で六九%、中学校の八四%、高校の七三%ですね。ある中学校の例えば英語の教師が週三十数時間のその学校の授業のうち三十時間持たされる、しかもそれが局部でなくて全国的に及ぶ、昼休みにやってくる子供たちへの対応でトイレにも行けない、こういう状況がもし生まれたとしたら文部省は放置されないと思います。それが養護教諭で同様になっているのだけれども、ここのところがまだ手がついていない。非常に残念ですね。 全教の要求ですけれども、一ないし十一学級については養護教諭が一名、十二学級から三十学級について二名、三十一学級から四十二学級については三名、こう言っている。学校規模に応じて累増させる形での養護教諭の複数配置を検討していただきたいと思うのですが、お尋ねします。
○遠山政府委員 御指摘の御意見はよく承りました。将来の方向につきましては、先ほども申しましたように全体の状況を勘案しながら進めていくべきであろうかと考えております。 ただ、こういった問題に関しましては、他の職種とのバランスあるいは優先順位、それから養護教諭の小規模校への配置との関係、あらゆる要素を勘案した上で全体として日本の学校教育が円滑にかつ内容豊かに展開されるような形で条件整備をしていかなくてはならないと考えているわけでございます。そういう全体状況の中で検討してまいりたいと存じます。
○児玉分科員 学校教育全体を前に進めることを目指しながら取り組んでいくという趣旨のお話だったと思うのですが、私も大賛成です。他の教職員との均衡ともおっしゃった。例えば北海道の公立の全日制の高等学校について言えば、比較がちょっと適切ではありませんが、事務職員はどうなっているか。五学級以下が一人、六学級までが二人、十五学級が三人、十八学級までが四人、二十四学級までが五人、事務長を含んでの数です。こういうふうに累増しているのですね。そういったことも勘案しながら他とのバランスをとる、まさしくバランスをとっていただきたい。 それで、最後に伺いたいのですが、養護教諭の複数配置を求める、ある意味では父母や子供や教職員が力を合わせる幅広い運動が起きている中で、児童生徒の身体的な健康に対応するのが養護教諭である、心の問題に対応するのが学校カウンセラーの職員だというふうに機械的に分類してしまっている。子供の体と心の問題を機械的に分けてしまって、学校カウンセラーの資格制度の検討だとか学校への配置を目指す動きがあるようですけれども、これは文部省の意向を踏まえてのことでしょうか。
○逸見政府委員 先生今心と体の問題を二分をしてというふうなお話をなさいました。私ども文部省、これまでのところではそういったふうに心と体の問題を分離して対応すべきだというふうなことではなくて、むしろ特定の個人が持っておる問題、さまざま複雑であろうと思います。体の問題が心に及んでいる場合もある、心の問題が体に及ぶ場合というふうなことで、一人の人間に対してさまざまな複数の人間が対応するというふうなことで対応していただきたい。養護教諭だけじゃないいわばカウンセラー的な訓練を積まれた先生方と御一緒に一人の人間に対応していくというふうなことで、心理面はカウンセラーで肉体面は養護教諭でというふうな必ずしも区分けをしてやれ、やった方が望ましいというふうな指導はしていないところでございます。
○児玉分科員 それは当然だと思いますね。私がお聞きしたのは、そういった動きが現実にあるわけだけれども、文部省の意向を踏まえてのことですか。
○逸見政府委員 今私が申し上げましたのは、私が申し上げたような立場で御指導申し上げておるということでございますから、そのような動きは、私ども文部省の動きといいますか、考え方とは異なる次元の問題であろうと思います。
○児玉分科員 私はカウンセリングというものの持っている役割について否定するつもりは全くありません。すぐれた教師というのは、例えば教科の指導やクラブ活動の指導や、学校におけるその教師の努力の全領域を通じて非常にすばらしいカウンセラーとしての役割を発揮していると思いますね。それらが重層的に組み合わさっていけば大いに好ましいと思います。 ところが、さっきも言いましたように、いろいろな言葉を考えているようだけれども、スクールカウンセラーというふうなことを言ったり学校カウンセラーと言ったり、そういったものを複数配置のときに養護教諭以外に新たに一人配置する、これは今日の学校教育が抱える困難を解決する道ではない、私はそう思います。皆さんがこれまで進められてきた努力ともう一歩の飛躍が求められているので、あくまで養護教諭の複数配置、そして未配置校に対する新たな配置、竿頭一歩進めていただきたい。その点で重ねて大臣のお考えを最後に聞かせていただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 先生と各局長とのやりとりはじっと聞かせていただきました。今のカウンセリングあるいはカウンセラーという件に関しましても、先生がおっしゃっていることは間違いないと思います。それは、大体生徒と先生というものが心のつながりを持つべきだし、あるいは先生が生徒のそれぞれの個性をきちんと見抜いでやってもらいたい、個に応じた教育をやってもらいたいということを私どもは申し上げておりますから、したがって、子供の心の悩みのようなものをわかる先生たちであってほしいということで、先生がおっしゃっていることは間違いないと思っております。 また、養護教諭についていろいろお話がありましたけれども、確かに今の子供さんは保健室に行く機会が恐らく我々のころよりも多いんだろう、それだけ物質文明が進歩した中でかえって体が弱くなっているという部分もあるのかもしれない。そんなことも考えますと、確かに千人を超す学校では相当すごいのかなと思いますけれども、それは先ほど申し上げた今後の教職員の配置の改善計画をいつごろどうやって立てていくか、現状をしっかり把握していく中でこれから考えていこうというふうに思っておりまして、去年もおととしもあるいは同じ問題を取り上げたと先生おっしゃいましたが、先ほど遠山局長から御答弁申し上げましたように大規模校に二十五人の養護教諭の加配というか、こういうふうに加配をしてみたらどうなるかということで研究をしてみて、その成果のぐあい等も見届けていかなければならないと思っております。
○児玉分科員 積極的な努力をお願いして終わります。
○北川(正)主査代理 これにて児玉健次君の質疑は終了いたしました。 次回は、明十二日午前九時から開会し、引き続き文部省所管について審査を行うこととし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時十四分散会