予算委員会第五分科会 第1号
- 発言数
- 372 件
- 登壇者
- 41 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/03/11
会議録
○柳沢主査 これより予算委員会第五分科会を開会いたします。 私が本分科会の主査を務めることになりました。よろしくお願い申し上げます。 本分科会は、総理府所管中環境庁並びに農林水産省所管について審査を行うことになっております。 なお、各省庁所管事項の説明は、各省庁審査の冒頭に聴取いたします。 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算及び平成四年度政府関係機関予算中農林水産省所管について、政府から説明を聴取いたします。田名部農林水産大臣。
○田名部国務大臣 平成四年度農林水産予算の概要を御説明申し上げます。 まず、予算の基礎となっております農林水産施策の基本方針について御説明申し上げます。 農林水産業及び食品産業などの関連産業は、国民生活にとって一日も欠かせない食料等の安定供給とともに、地域社会の活力の維持、国土。自然環境の保全など、我が国経済社会の発展と国民生活の安定を配る上で、必要不可欠の役割を果たしております。 また、農山漁村は、農林水産業が展開される場であるほか、国土の大宗を占め、人口の相当部分が居住する国民生活の本拠として重要な地域であり、個性豊かな地域文化を継承・発展させ、国民が豊かな自然環境の中で健康的な余暇を楽しむ空間として、重要かつ多面的な機能を担っております。 したがって、我が国経済社会の調和ある発展と豊かでゆとりある国民生活を実現していくためには、二十一世紀に向かって明るい展望が持てるよう、生産性と品質が高い農林水産業を育成するとともに、農山漁村の生活の質的向上と活性化を図り、あわせて関連産業の振興を図ることがぜひとも必要であります。 平成四年度予算においては、このような基本的考え方に即し所要の予算を計上したところであり、まず、その枠組みから御説明します。 平成四年度一般会計予算における農林水産予算の総額は、関係省庁所管分を含めて、三兆三千百十八億円となっております。その内訳は、公共事業費が一兆七千五百二十五億円、非公共事業のうちの一般事業費が一兆二千百七十二億円、食糧管理費が三千四百二十一億円であります。 予算の編成に当たっては、財政及び行政の改革の推進方向に即し、予算の重点的かつ効率的な配分により各種施策の充実を図り、農林水産行政を着実かつ的確に展開できるよう努めたところであります。 以下、農林水産予算の重点事項につきましては、委員各位のお許しを得まして、説明を省略させていただきたいと存じます。よろしく御審議くださいますようお願い申し上げます。 以上であります。
○柳沢主査 この際、お諮りいたします。 ただいま田名部農林水産大臣から申し出がありました農林水産省関係予算の重点項目の説明につきましては、これを省略して、本日の会議録に掲載いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○柳沢主査 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔田名部国務大臣の説明を省略した部分〕 以下、予算の重点事項について御説明します。 第一は、二十一世紀に向けて先進的農業を育成することであります。 このため、高品質・高生産性農業の育成を目指す総合的な生産対策として、先進的農業生産総合対策と畜産活性化総合対策を発足させます。また、畑作農業振興対策の充実を図るとともに、環境保全型農業を推進します。さらに、水田農業確立後期対策を着実に推進します。 第二は、農業生産の体質強化を目指した構造政策を積極的に推進することであります。 このため、農外からの新規参入青年を含む青年農業者の育成確保等を図るための農業改良資金の拡充、農業構造改善事業の推進を図るとともに、連担的な作業条件の形成と担い手への農地の利用集積を図ります。また、農業生産基盤の整備については、生産性の向上、農業生産の再編成等に重点を置いて事業を推進します。 第三は、農山漁村の生活の質的向上と活性化を図ることであります。 このため、景観形成、環境保全等に配慮した農山漁村の整備を行う「美しいむらづくり」を推進します。 また、集落排水施設、農道等都市に比べて立ち遅れている生活関連の社会資本の整備を推進します。 さらに、山村・過疎地域等における定住条件の総合的整備を推進するため、新たな山村振興・定住事業を発足させます。 第四に、技術の開発・普及と情報化の推進であります。 農林水産業や食品産業の生産性の向上等に資するため、イネ・ゲノム解析研究、生態系調和促進型農業生産技術の研究開発をはじめとする研究開発を実施するとともに、先進的技術の実用化とその普及を推進します。 また、農林水産業・農村地域等における情報化を推進するとともに、農林水産行政の推進に資するため、各種統計情報の整備を図ります。 第五に、国民に健康で豊かな食生活を保障する観点から、消費者への情報提供業務の充実、規格・表示の適正化等消費者対策を推進するとともに、食糧管理制度の適切な運用等により、農産物の需給と価格の安定に努めます。 第六に、食品関連産業の振興と輸出促進対策について申し上げます。 まず、消費者ニーズの多様化・高度化、流通コストの上昇等に対処するため、食品流通の総合的な構造改善対策を推進するとともに、ふるさと食品の開発販売対策の強化等を通じた食品産業の振興、食品関係廃棄物のリサイクルによる環境対策を推進します。 また、アンテナショップの設置等により、品質的に優れた国産農林水産物の輸出促進を図ります。 第七に、地球腸境保全対策と国際協力の推進であります。 熱帯林の減少、砂漠化の進行等の問題に対処するため、地球環境保全対策を拡充するとともに、多様化・高度化するニーズに対応した農林水産分野の国際協力を推進します。 第八に、森林・林業施策に関する予算について申し上げます。 多様な森林の整備と国産材時代の実現に向けた条件整備を図るため、森林整備事業計画及び第八次治山事業五箇年計画を策定し、造林・林道事業及び治山事業を計画的に推進するとともに、松くい虫防除等の松林保全総合対策を実施することとしております。 また、林業・山村の活性化と担い手の育成確保、国産材の流通体制の整備と木材産業の体質強化に資するよう、各般の施策を実施してまいります。 さらに、国有林野事業については、新たな経営改善計画に基づき、その経営改善を推進します。 第九に、水産業施策に関する予算について申し上げます。 二百海里体制の定着、公海漁業に対する規制の強化等に即応し、漁業生産基盤の整備と漁村の生活環境の改善を図るため、漁港及び沿岸漁場の計画的な整備を推進します。 また、我が国周辺水域の漁業の振興を図るため、資源管理型漁業及び「つくり育てる漁業」を推進するとともに、これらに資するよう、まぐろの養殖技術等の水産新技術の開発を進めます。 さらに、水産資源保護・環境保全対策、漁協・水産業の経営改善、水産物の流通消費、加工対策等の各般の施策を推進します。 以上申し上げましたほか、農林漁業金融の充実、農林漁業協同組合の体制整備を図るとともに、農業信用保証保険制度、農業者年金制度、農業災害補償制度等の適切な運営に努めることとしております。 次に、特別会計予算について御説明いたします。 食糧管理特別会計においては、管理経費の節減等に努めつつ、一般会計から調整勘定へ所要額の繰入れを行うとともに、その他の各特別会計についてもそれぞれ所要の予算を計上しております。 最後に、財政投融資計画については、農林漁業金融公庫による資金運用部資金等の借入れ、生物系特定産業技術研究推進機構への産業投資特別会計からの出融資等総額八千六百六十七億円を予定しております。 これをもちまして、平成四年度農林水産予算の概要の説明を終わります。 ―――――――――――――
○柳沢主査 以上をもちまして農林水産省所管についての説明は終わりました。 ―――――――――――――
○柳沢主査 質疑に入るに先立ちまして、分科員各位に申し上げます。 質疑の持ち時間はこれを厳守され、議事進行に御協力をお願い申し上げます。 また、政府当局におかれましても、質疑時間が限られておりますので、答弁は簡潔、明瞭にお願いいたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。河村建夫君。
○河村分科員 おはようございます。 それでは早速質問に入らせていただきたいと思います。 まず第一点は、尖閣諸島周辺水域での操業の安全確保についてでありますけれども、先月二月二十五日のことでありますが、中華人民共和国政府は、中華人民共和国領海及び接続水域に関する法律、いわゆる領海法と言っておりますが、公布して、尖閣諸島での領有権を宣言した。これは記憶に新しいところでありますが、この領海法の条文によりますと、領海を侵犯した外国船舶、これを軍艦やあるいは軍用機などを使って領海外に追い出す権利とか、あるいは侵犯に伴う被害損失は当事国が負う、こういうことが定められているように仄聞をいたしておるわけでありますが、現に我が国はこれまで尖閣諸島を実質的に支配をしてきておるだけに、成り行き次第で不測の事態ということも予測をされますし、特に関係漁業者、あの海域で漁業をしておる皆さんにとっては非常な不安が高まっておるという現状もあるわけであります。 まず、本件について外務省の基本的な認識をお伺いをしておきたいと思います。
○樽井説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のように、尖閣諸島は我が国の固有の領土でございますので、今回の中国側の措置は大変遺憾であるというのが私どもの基本認識でございまして、外交ルートを通じまして正式抗議を行い、その是正を強く申し入れている次第でございます。 これに対しまして中国側は、本件措置は通常の法整備の一環としてとったものである。従来、中国は、尖閣諸島は自国の領土であるという主張でございますけれども、今回は通常の法整備の一環として措置をとった。日本ばかりではなく、南沙諸島、西沙諸島、あらゆる地域を含んでいる。また同時に、今回の措置で日中関係に悪影響を及ぼすことは望まないというような回答でございました。 先生御指摘のごとく、漁民の皆様が大変不安を感じておられるというのも事実でございますので、私どもとしては、先般北京で開催されました日中漁業共同委員会でこの点を強く申し入れを行った次第でございます。これに対しまして中国側より、日中両国の漁民は以前から良好な友好関係を有しているという返事がございまして、漁民としては、ないしは水産当局としては秩序を乱す気持ちはないという回答でございました。 引き続き、我が方の原則、立場を維持しつつ、さらに日中関係に悪影響を及ぼさないようにということで、中国側の善処を強く求めてまいる所存でございます。
○河村分科員 次に、田名部大臣にお伺いをするわけでありますが、昨年三月から四月にかけて、尖閣諸島付近の東シナ海公海上でも我が国の漁船が、いわゆる国籍不明船といいますか、そういうものに襲撃を受けるというこれまでなかった事件も発生をしたところでありまして、この問題もまだ解決しているわけではございませんが、それだけに、あの付近で参加しております漁業、特にこれから最盛期に入る遠洋はえ縄漁業あるいはまき網漁業等、非常な不安を抱いております。特にはえ縄漁業のフクなんかをとる船は、若い人たちが、それでなくても漁業は大変だ、これも三Kの一つだということで船に乗らないということで、実は減船という問題も起きてきておるわけでございまして、そうした不安を抱いております。これは今の尖閣諸島の占有と直接の関係はありませんけれども、そういうときだけに、農水省としては、特に漁業者を守るという立場で十分な安全操業の確保についての対応をしていただかなければいかぬと思うわけでありますが、大臣のこれに対するお気持ちを聞かせていただきたいということと、あわせて、さきの海賊船の襲撃につきましては海上保安庁、特に第十一管区だったと思うのですが、大変お世話になったわけでありまして、この席をかりて感謝を申し上げますとともに、これからも本件について特に十分な注意を払っていただきたい、あるいは巡視艇等の増船等の配備をお願いしたい、こう考えるわけでありますが、あわせて海上保安庁のお考えも承りたい、このように思います。
○田名部国務大臣 先般、中国側が自国の領土ということを言われたわけでありますが、当面、直接トラブルが起きるというような状態ではないと思います。いろいろな襲撃事件のあったのも、尖閣列島から大分上の方といいますか、距離も大分離れているところでありまして、余り尖閣列島と絡んだことではない、こう思います。 しかし、いずれにしてもそういう考え方があるということでありますから、万全を期して安全操業をしていただかなければならぬことは大事なことでありますから、特に集団操業を実施して船間の、船と船の間の連絡を密にするとか、あるいは水産庁の取り締まり船をこの水域に派遣したり、海上保安庁とも密接な連携をとりながら、先生お話しのように、以西底びきでありますとか中型・大型のまき網でありますとか、あるいははえ縄・釣り等大分出ておりますので、安全に操業できるように十分配慮してまいりたい、こう思います。
○武井説明員 お答え申し上げます。 平成三年の三月十八日から七月十七日までの間、東シナ海の公海上におきまして、我が国漁船が国籍不明船から臨検あるいは襲撃を受ける事件が十一件発生いたしております。 海上保安庁では、我が国の漁船が国籍不明船から襲撃を受けた事件を認知した直後、直ちに航行警報によりまして付近出漁漁船あるいは関係漁業協同組合等に注意喚起を行うとともに、事件発生海域に大型巡視船を配備いたしまして、水産庁の監視船と密接な連携パトロールを実施するなどいたしまして、同種事件の再発防止及び我が国漁船の安全の確保に努めてきたところでございます。 これらの措置をとった結果、平成三年七月十八日以降は、我が国漁船に対する同種事件の発生は見ておりません。 以上でございます。
○河村分科員 ありがとうございました。今後のこの尖閣諸島のそういう問題、今農水大臣から十分連絡をとってやるということでございますので、海上保安庁も引き続いてよろしくお願いをしたいと思います。 次に、遊漁船業の現状と課題についてお伺いしたいと思います。 週休二日制の定着等もありまして、まさにレジャー時代の到来ということで、海洋性レクリエーションは非常に関心が高まってきております。その中でも釣り等のいわゆる遊漁が中心であるということで、農水省の漁業センサス等によりましても、昭和六十三年の海面遊漁者数は延べ三千五百万人とも言われておるわけでありますし、この五年間でも大体四百四十万人ほどふえたということでありますから、どんどんふえていくだろうと思います。 それだけに、こうした中でいわゆる遊漁者と本来の専業しておる漁業者との間のトラブルも起きてきておるし、またいろいろな事故も発生しておるわけでありますが、まず、その実態についてどういうふうに把握をされておるのかお伺いしたいと思います。
○鶴岡政府委員 遊漁を楽しむ方は今先生御指摘のようなことではないかと思いますが、私どもが把握しておりますのは、そのうちの遊漁船関係のものにつきまして、遊漁船業の適正化に関する法律というものをつくっていただきましたので、それによりまして、遊漁船業者はすべて都道府県知事に届け出を行うということにされているわけでございます。それによりますと、平成三年十二月末現在で届け出を行いました遊漁船業者数は三万七千六十八名、遊漁船隻数は四万二千九百八十四隻というふうになっています。そのうち専業的に行っている者が約二割、残りの八割は沿岸漁業との兼業でありまして、遊漁船業は、レクリエーションということを離れましても、漁業者の就業機会の場としても重要な役割を果たしているというのが実態であると思います。
○河村分科員 ところで、一月十二日、まだおとそ気分もさめやらぬときでありますが、山口県下関沖の響灘で瀬渡し船が転覆いたしまして、釣り客が九人亡くなるという惨事が発生したわけでありますが、この事故に対しましては、水産庁はどのように対応されたわけですか。
○鶴岡政府委員 山口県下関沖での痛ましい事故につきましては私どもとしましても極めて残念でございますし、事故に適われた方につきましては御冥福を祈っている次第でございます。 この瀬渡し船の転覆事故がありまして、直ちに私どもといたしましては山口県あるいは海上保安庁と密接な連携を図りながら事故の状況の把握に努めますとともに、山口県を通じましていろいろな対応をお願いしてきたわけでございます。 それからまた、このような事故の再発防止ということは、単に山口県のあの事故だけでなくて全国的にも極めて重要な問題でございますので、関係法令等の遵守を初め気象の急変等緊急時におきます避難誘導あるいは連絡通報等の体制整備につきまして、一月二十九日付で各都道府県、関係団体あてに通達を出しまして、安全指導の徹底をお願いしたわけでございます。 それから、つけ加えさせていただきますと、水産庁の水産大学があの近くにありまして、あの周辺の状況をよく知っているということで、学生等に救難活動に積極的に対応してもらったことを私どもとしても多としているわけでございます。
○河村分科員 この事故に対しては敏速な対応をいただいたということは承知しておりますが、この事故は、大変荒れておる正月明けの海で、二十六人の定員に対して倍近くの四十七人を乗せた、これが一番大きな問題になっておるのですけれども、実は、御存じのように昭和六十三年に神奈川県の横須賀沖で、海上自衛隊の潜水艦の「なだしお」と遊漁船、釣り船の第一富士丸が衝突して三十人亡くなるという大惨事があったわけであります。そのときにこれは大変だというので、これを契機として遊漁船業の適正化に関する法律というものができたわけであります。これが平成元年十月に施行されたわけでありますけれども、これによりますと、都道府県への営業届け出であるとか乗客名簿の設置が義務づけられた。これまでほとんど野放しの状態であったわけでありますが、そういうことになったわけであります。 しかし、今回の事故を見る限りは、この「なだしお」事故の教訓が生かされてない、ここに非常に問題があるわけであります。この事故の際には、名簿等も代表者があるだけで、何人乗っておったかもわからない、巡視艇、あと調査船なども行ったのですが、一体何人おるかわからないというので、いつまでたっても事故の終結ができないというような問題も起きたわけであります。この法律があくまでも業者や業界自身の安全意識を高めるというところに主眼があったということで、規制が比較的緩やかということもあるようでありますが、こうした事故を考えてみますと、割と簡単に、県へ届け出れば、免許も第四種というのでありますから簡単に取れて、登録さえすれば営業できるというところに問題がある。瀬渡し、お客を乗せるわけでありますから、いわば海のタクシーみたいなもので、命をその間預かる商売になるわけでありますが、そういうことを考えると、余りに簡単過ぎやしないか。海での経験はどうかとか悪天候下における運航に関する基準はどうかとか罰則はどうかというようなことは全くないという指摘もあるわけでありますし、だれでもできるということでありますから、もちろん漁業者の兼業も八割ということでありますけれども、いわゆる単独経営、零細業者ということで、そういういろいろな組織的なものができていきますと、大体監督指導する立場の業者の組織化とか団体の組織化ということがあるのですが、これも十分でない。 遊漁船業団体の全国遊漁船業協会というのがあるわけでありますが、その組織化が十分でなくて、これが中心になって一定の基準を満たした業者にはマル通マークを交付している、あるいは講習会もやるということになっておりますが、県によっては講習会などもほとんど休眠状態だ。また、その後のマル適マークについても調べてみますと、今長官からも御説明ありましたが、全国三万二千の業者があって、そのうちの四百三十二業者、約一%ぐらいしかマル通を受けていないという状況があるわけであります。私のところの山口県の船でも、千七百二十隻おるのですが、そのうち二隻しかマル適マークを持っていない。こういう現状にあるということは考えていく必要があるのではないかと思うわけであります。また山口県でも、この事故が起きましてすぐにNHK等が地元の遊漁船業者にアンケートを出しておりますが、百人に対してやりますと、半分近い四八%が瀬渡しのときに危険を感じた、こういう報告もなされておるわけであります。この瀬渡しか簡単にできるというので、今回転覆した船長はこの日百人ぐらいをピストン輸送しておりまして、一人四千円というのですから一日だけで四十万入ったということになるわけであります。 そういうことを考えると、こういう事故を起こさないためには、今後遊漁船業の適正化の規制をもっと強化していく必要があるのではないか。安全対策をもっと強めるということは、これは時代の要請になってきているのではないかと考えるわけであります。今回のこの事件につきましても、亡くなった方が九人、私はその中に友人を一人失ったのでありますが、やり場のない気持ちでありまして、行政訴訟にせざるを得ないのではないかという話まで出てきておる現況を考えるときに、この規制を強化すべき時期に来ているのではないか。もちろん、自由な時間を楽しむレジャーに行政が余り関与すべきでないという意見もありますが、これはもうこれ以上放置できない状態ではないかと考えますが、それについていかがお考えでしょうか。
○鶴岡政府委員 利用者の安全というようなことから、遊漁船による事故の未然防止というのは私どもとしても極めて重要な課題だと思っております。今先生御指摘のように、遊漁船業者の組織化が進んでないとか、あるいはこの法律に基づきます、私どもとしてねらいといたしておりますマル通マークの適用船が極めて少ないとかいう実態にあるのは事実でございまして、当面私どもとしましては、現行の遊漁船法の制度の趣旨、内容を十分徹底し、極力その組織化を図っていきたいというふうに思っております。 特に、今先生お話ありましたような登録制度、これは任意登録でございますので御指摘のような実態にあるわけでございますけれども、任意制度ながら、利用者の安全確保を含めまして遊漁船業者の健全な発展に資するものであるというふうに私ども理解しておるわけでございまして、その一層の普及を図っていきたいというふうに考えておるわけでございます。 それから、遊漁船業の規制のあり方につきましては、現在門司の海上保安部等で捜査を行っておるわけでございまして、その状況などを踏まえて検討していきたいと思っております。水産庁では昨年十二月から、遊漁・遊漁船業の関係者や学識経験者の参加のもとに、遊漁・遊漁船業等をめぐる諸問題につきまして幅広く議論するために遊漁問題懇談会を設けて検討を煩わせておるところでございますけれども、その中で利用者の安全確保ということは極めて重大な問題でございますので、遊漁船業の規制のあり方につきましても、懇談会の重要な検討事項ということで検討を煩わせていきたい、そういう成果をまって考えていきたいと思っております。
○河村分科員 水産庁としても実態をもうちょっと深く調査をいただいて、この問題に本格的に取り組んでいただけるように強く要望しておきたいと思います。 次に、いわゆる農業振興、畜産振興の立場から、獣医師の確保についてお伺いをしたいと思うのであります。 畜産振興を考えるときに、獣医師の確保というのは大切な要件の一つだというふうに思っておるわけでありますが、今国会にも獣医師法の一部改正と獣医療法案が提出をされておるわけでありますが、このねらいはどこにあるか、まずお伺いをしておきたいと思います。
○赤保谷政府委員 獣医師法の一部を改正する法律案あるいは獣医療法案の提出の理由というか目的についてのお尋ねでございますが、御存じのように、現行の獣医師法は昭和二十四年に制定されて四十年ちょっとたっております。この間、日本の畜産業は我が国の農業の基幹的部門に成長をいたしておりまして、獣医師による的確な診療の提供が非常に重要な課題となっております。また最近では、消費者の安全性に対する関心が非常に高まっておる。医薬品の使用の問題とかそういう問題も出てきておりますし、他方で多頭羽飼育というようなことで家畜の疾病も複雑化し多様化しておるというような変化がございますし、また産業動物の獣医師さんが高齢化をしており、確保することが困難な地域も出てきている。それから、獣医技術が四十年の間には非常に高度化しておる。 そういうような法律制定以来の状況変化を踏まえまして今回法律改正をすることにしたわけですが、その趣旨といたしましては、動物に関する保健衛生の向上及び畜産業の発達を図り、あわせて公衆衛生の向上に資するために獣医師法の一部改正あるいは獣医療法を制定したいということで今国会に提出をしているところでございます。
○河村分科員 ただいまも御指摘がありましたけれども、いわゆる獣医師の産業動物への進出の問題で、確保が難しくなっているという問題なんでありますが、特に農業共済団体で新卒の獣医師の採用が極めて困難になってきている現況があるわけであります。先ほど高齢化という問題がありましたけれども、産業動物への進出がだんだん少なくなってきたということから、産業動物の開業獣医師の平均年齢は六十歳を超えております。さらに、ペット等の小動物の開業獣医師の平均年齢は四十歳代という、こんな開きが出てきておる。これを放置しておきますと、中等の産業動物の獣医師はいなくなってくるのではないかという大変な心配があるわけであります。現在、毎年千百名くらい獣医師が卒業されて社会に出ていかれるわけでありますが、大多数が今申し上げたように小動物、ペットヘ入っていく。産業動物獣医というのが三Kだ十Kだと言われて非常にきつい仕事である、日曜も休みもないという問題が起きるというようなこともあってだんだんそういうふうになってきておるわけであります。 そうした中で、もう一つは獣医師に対する一般の待遇の問題もあるわけであります。獣医学校を卒業する方々の初任給等を調べてみても、ここに日本獣医畜産大学の統計があるのですが、農業関係団体、農業共済等の初任給の平均が十七万三千円とすれば、化学薬品等へ出られる方になると十九万六千円、二十万近い。全体平均を見ても十八万八千円というようなことで、相当開きが出ておる。このようなこともあってだんだんそういうふうになりますし、また獣医学を卒業された方の顔ぶれを見るとだんだん女子学生が獣医学へ参加をされて、これは決して悪いことではないのでありますが、そういう方々はまたどんどんペットの方へ行かれるという問題になってきておるわけであります。ここに平成三年度の獣医学入学者数というのがありますが、千百一名、男子五百八十二、女子五百十九であります。畜産の盛んな宮崎大学なんかでも男子十三人、女子十七人、女子の方が多いという結果。これが産業動物に行ってくれればいいのですが、全部小動物へ行くということで、そういう問題も起きてきております。 そこでお伺いしたいのは、この獣医師の待遇を今後どういうふうに考えていかれるかということが一点。もう一つは、今申し上げた獣医学に携わる学生の教育のあり方であります。文部省、きょうお見えと思いますが、今申し上げた十六大学にそういう学部があるのですけれども、この中に産業動物へ進出する枠をふやすなり、あるいは自治医科大学のようなそのことのための専門の、産業動物のための医学部をつくるか、専門大学をつくるかとかそういうことを考えないと、これは対応できなくなるんではないか、このように思うわけであります。これについてあわせてお伺いしたい、こう思います。
○赤保谷政府委員 今お話がありましたように、産業動物獣医師さんは平均年齢六十一歳、いわゆるペットというかそういう関係の獣医師さんは四十八ぐらいで、ペットの獣医師さんは後続部隊、新規参入者があるんですけれども、産業動物獣医師さんは若い人がいない、新規参入がいない、そういうことで農業共済団体等においても獣医師さんの採用が困難になっている、そういう実情は承知をいたしております。 いかにして獣医師さんを確保するかということだ思うのですが、現在国会に提出しております獣医療法案におきましては、地域における高度で体系的な獣医療を提供していくための計画制度を設けることといたしております。国の定める基本方針に即した都道府県計画において、獣医師の確保に関する目標を定めて、この目標に向けての関係者の努力を促すということにいたしております。 また、このような関係者の努力に対して、これから申し上げますような支援をしてまいりたい。すなわち一つ目としては、産業動物開業獣医師、それから農業団体を対象とした診療施設の整備、この整備のための農林漁業金融公庫による長期低利資金の貸し付けたとか、産業動物獣医師を志向する学生を支援するための奨学資金の給付、それからさらには、勤務獣医師、県の家畜保健衛生所、そういうところに勤務している獣医師のOBの方、そういう方の産業動物診療への参入を誘導するための講習を行うという事業だとか、あるいは獣医師がいない地域、そういうところへ民間の獣医師さんの巡回診療をしてもらう、そういう事業もいたしておりまして、そういうことに対する支援をして獣医師さんの確保をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○柳沢主査 簡潔にお願いします。
○若林説明員 御説明申し上げます。 大学の獣医学部、それから学科の規模、先生御指摘のように、十六大学、入学定員は九百三十名でございまして、産業動物を含めまして広く獣医学に関します教育を実施いたしております。したがいまして、卒業生も産業動物等の診療業務に従事いたしますほか、公衆衛生等含めまして多様な分野で活躍しているという現状でございます。 御指摘の産業動物を扱うことのできる人材の養成につきましては、今御説明ございましたが、獣医療行政の観点から、現在農林水産省におきまして、獣医師法の改正及び獣医療法の制定を検討する中で、獣医臨床技術の習得のための臨床研修制度の創設を含めてその対応が検討をされていると承知をいたしております。文部省といたしましても、大学の家畜病院におきます研修生の受け入れなど、臨時研修制度の円滑な実施に向けて協力を行っていく所存でございまして、このような施策を通じまして産業動物を扱うことのできる人材の養成に努めてまいりたい、かように考えております。
○河村分科員 どうもありがとうございました。終わります。
○柳沢主査 これにて河村建夫君の質疑は終了いたしました。 次に、川俣健二郎君
○川俣分科員 木材関税の問題の前に、農林省、大臣ほか挙げて御努力されておるガット・ウルグアイ・ラウンドについてちょっと三問ばかりただしたいと思います。経済局長、長官、大臣と伺っていきますので、よろしくお願いします。 これは予算委員会初め各委員会で多く論議されていることでしょうが、刻々変わる状況でございますので、伺います。 三月四日でしたか、提出したという国別の約束表というか、その内容、今後の見通しというのはなかなか難しいと思うのですが、だれか出しているのか、課長クラスか部長クラスか出しているのかということをまず経済局長にお聞かせ願いたいと思います。
○川合政府委員 今お話ございましたように、三月四日に農業に関する国別約束表をガット事務局に提出いたしました。 この国別約束表は、我が国の基本的立場を踏まえまして作成したものでございます。国内支持、国境措置、それから我が国はそうしたことをやっておりませんが輸出補助金の三分野があるわけでございますけれども、国内支持につきましては、主要な農産物に関しまして、支持、保護の総合的計量手段、いわゆるAMSによる支持、保護の削減を提示いたしました。また、国境措置につきましては、包括的な関税化は受け入れないという基本的な方針に基づきまして、基礎的食糧でございます米、それから十一条二項(c)品目の関税化に関する欄については記載をしないという方針で臨みました。なお、十一条二項(c)の品目につきましては、現行アクセスの維持の問題がございます。これにつきましては、現行維持に努めるということで記載しております。また、一般関税につきましても、ある程度の削減を提示しているところでございます。 農業交渉につきましては、各国、主要国は一応内容は区々でございますが国別約束表が出ております。しかしながら、それぞれ自分の主張に基づいて出されたものでございまして、これに基づいて交渉が本格化するというふうに予想されておりますけれども、今後の成り行きにつきましては、先生先ほど御指摘のように不透明な状況が強いと思っております。
○川俣分科員 だれか派遣させる……。
○川合政府委員 私どもといたしましては、我が国の国別約束表の考え方、それから各国の状況を把握するために、塩飽審議官それから東国際部長をアメリカ及びECに派遣したところでございます。
○川俣分科員 それから、何回か論議されて報道されておりますが、もし関税化輸入ということになると、やはり食管法との関係は、これはほかの皆さんは呼んでいませんけれども、食糧庁長官からちょっとコメントをいただきたい。
○京谷政府委員 現在存在をしております輸入規制について例外的関税化をするというのがダンケル案として提示されておるわけでございますが、これには応じかねるということで、先ほど経済局長がお答えしたような我が方の国別表を作成し、提出をしておるところでございます。 また、実は米についての関税化、ダンケル・ぺーパーに一定の考え方が示されておるわけでございますが、細部にわたりましては今後の交渉にゆだねられている部分が多々ございまして、概念が必ずしも明確になっていない点がございます。したがいまして、そもそも関税化は受け入れられない、あるいはまた関税化の概念の細部についてまだ不明瞭な点があるということで、細かい点まで実は私ども検討を終わっておるという状況ではございませんが、基本的に私ども考えております認識を申し上げますと、この米の関税化という概念は、米の需給についての数量管理、それに基づきました輸出入の許可制等を定めております現行の食糧管理法とは両立しがたいものであるというふうに私どもとしては考えておるということでございます。
○川俣分科員 私らもそう思っておりますので、よろしくお願いします。 そこで大臣、歴代の大臣は国会の決議等を踏まえてこれに対処していただいているのですが、しかし今の田名部大臣は殊のほか決意を示されて動いておるのに敬意を表しております。米代議士の一人として、東北の代議士仲間としても本当にあなたを頼るしかない状態でございます。今の状態、この段階でもひとつ御決意を披瀝していただきたいと思います。
○田名部国務大臣 かねてから私の決意はもう何十回となく申し上げておるところでありますが、何といっても国会で万場一致これを決議をされ、都道府県議会、市町村議会それぞれ国民の意思を酌み取って決議が行われて私の手元に届いております。また、国内産で自給せよ、こういうことでもありますから、これを基本的方針として対処してまいりましたし、今後もその意思で全力を挙げていく、こういうことであります。 また、米の需給については、先生、我々東北でありますから、圃場整備を行った中で減反をお願いしてまいりました。農家には、減反をしながら負担金、借金を払っていくということもお願いしてきたことは量的な管理をしていかなきゃならぬということで、そういう意味からいっても関税化は受け入れられないと主張しているわけです。したがって、今回ガットに、事務局長に提案したものもこのような基本方針に対応して出しているわけでありますから、これからもそのつもりで頑張ります。よろしくどうぞ。
○川俣分科員 これは立場を超えてみんなで心を一つにして頑張らなきゃならない問題なので、与野党はもちろんですが、国会内外非常に注目しておるので、さらに堅持していただきたいと思います。 さて、米はこのようにかたい決意を示されましたが、木材関税はいかがなものだろうかということに注目しておったのですが、皆さんのお手元に参考までにお配りしましたように、三月四日付の日経新聞でしたか、政府は林産物関税の四七%という大幅引き下げをオファーしたというが、これはどういうことなんだろうか。ほかの新聞にはなかったので、そういうこともあって特にただしたいと思います。
○小澤政府委員 木材、いわゆる林産物につきましても、ガット・ウルグアイ・ラウンドの場におきましていよいよ交渉が展開されていくということでございます。その場合に、交渉の一環といたしましていろいろ数字のオファーということも必要なことではございますけれども、あくまで交渉事でございますからその都度数字を公開したり、あるいは固定化して考えるということではございませんけれども、今回は、私ども三月二日にガットの事務局に提出しておりますが、国別表の中で林産物の関税につきましてはベースレートから貿易額によります加重平均値というものを出しておりまして、その中で新聞にあるような引き下げを行うということで一定の数字のオファーを行っているということは事実でございます。
○川俣分科員 どうも自信なさそうだなと思っていたらマイクが遠かったので、少しわかるように……。 政府は、今では一昨年ですが、日米で合意された、いわゆる引き下げを約束してきた、これは私ら伺っていますが、今回のオファーというのはさらに引き下げるということなんですか。その辺を少ししかと発言していただきたいのです。
○小澤政府委員 この日米の林産物合意と申しておりますのは、合意を見ましたのは一九九〇年六月ということでございましたが、この問題につきましては日米間で相当シビアな折衝をやらせていただきまして合意を見たわけですが、この際の合意につきましてはウルグアイ・ラウンドの結果として実行に移そうという合意になっておるわけでございます。 しかし、一定の合意を見たわけではありますけれども、米国はその後、関税につきましては相互撤廃を主張してきているわけでございまして、こうなりますと当然日米合意を大変に上回ってしまう引き下げ要求ということになるわけでございます。私どもとしては、我が国としてはこの日米の合意以上の関税引き下げには到底応じられないという立場を主張しているところでございます。したがいまして今回のオファー、先ほどの件でございますけれども、当然この日米合意を踏まえた内容としているものでございまして、それ以上のものをオファーしているものではございません。
○川俣分科員 到底応じられない、この答弁で多とするものですが、そうすると、アメリカは林産物について完全関税撤廃、ゼロ・ゼロですね、これを要求しているというのだが、これはゼロになっては困る。もう一遍その辺政府の考え方を伺いたいのですけれども。
○小澤政府委員 この関税の撤廃というのはいわゆるゼロ・ゼロ提案というふうにも言われておるわけでございますけれども、このゼロ・ゼロの要求につきましては、米国はカナダとともに林産物の関税の相互撤廃を主張しているところでございます。これに対しましては、まず我が国といたしましては林業、林産業が非常に厳しい経営状況にあるということ、それから次に米国、カナダ等の丸太の輸出規制を放置したまま、ということはつまり米国、カナダにつきましては丸太についての輸出規制を行っているという状況がございます。これをそのままにしておいて、一方で関税の撤廃を要求するのは不公平、不公正ではないかということでございます。それから次に、この林産物の貿易というものはいわゆる森林資源が環境保全あるいは国土保全にもかかわる問題でございます。したがいまして、一般の工業品と同列に論じるべきものではないのではないか、論じられるものではないということからこのようなゼロ・ゼロの提案は受け入れられないということを私ども主張しているところでございます。
○川俣分科員 そうすると、長官、確認しておきたいのですが、こういうことですか、この四七%はさきに汗を流した日米合意の範囲内なんだ、こういうように理解するべきですか。
○小澤政府委員 日米合意を基本的に踏まえているということで御理解いただきたいのでございます。
○川俣分科員 そうすると大臣、今伺っているように森林、木材も、これは米と同じように青森にもあるし秋田にもあるのですが、そして日本の国土保全、水資源、環境維持、こういうこともあるので、日米合意の範囲内ではあるがこの四七%の引き下げというのは国内林業に非常に影響が大きいんだと思いますよ。そうすると、さらにやられるということもあるかもしらぬが、この辺の政府の方針というか決意というのは、私は米ぐらいの決意をもらいたいところですけれども、いかがでしょう。
○田名部国務大臣 先般も新木場の木材を輸入している現場を見てまいりましたが、大変な量が製品としてどんどん入ってきているという姿を見まして、これはとにかく大変なことだな、こう思いました。したがって、今の関税の問題でも、関係業界と密接に連絡をとりながら林業、林産業の健全な発展を阻害しないようにしなきゃいかぬ、そう思って実は視察をしてまいりました。ただ、国内の体制が非常におくれていまして、今後もっとそっちの方に少し力を入れて体質を強くしないと、あれを見ただけでも、競争しろといったって競争にならぬな、こう思っておりました。やはり国内の体制も強めながら、もちろん関税については適切に対応してまいりたい、こう思っております。
○川俣分科員 ありがとうございました。 ちょっと順序が逆になったんですけれども、大臣はこれくらいの決意はあるんだが、そうすると事務当局としては、林野庁長官、もう一遍聞きたいんですが、国内林業、林産業に対するこういった見通しに対する対応というか対策というか、そういうものを具体的に大臣の前でちょっと、私らも聞きたいので。
○小澤政府委員 先生今御指摘のように、また大臣からも御答弁をしておりますように、国内の森林の整備でございますとかあるいは林業、林産業の体質強化というものが緊要な課題でございます。したがいまして、そのような対策につきまして総合的に推進するということを考えておりまして、昨年でございますけれども森林法も大幅な改正をさせていただいたところでございます。これによりまして、平成四年度を初年度といたします森林の整備につきましては、いわゆる森林整備事業計画ということで五カ年の投資目標額を設定させていただくということをまず基本にいたしまして、そしてこれを軸にいたしまして、流域ごとに森林の整備あるいは林業等の活性化を図るということを軸にいたしまして展開したいというように思っております。 これらにつきましてはさらに内容を具体的にどのようにするかということになりますけれども、まず林業の生産性の問題につきましては、高性能な林業機械を開発導入していくというようなこと、あるいはまた森林組合等の林業の事業体の体質強化を図る必要がございますから、この森林組合の合併につきましても今回法律改正をお願いをするということにしておりますし、それからなおまた担い手問題につきましては、いわゆる三K産業ということでは後継者あるいは新規参入もなかなか難しい状況でございますから、林業というものを新しい形に転換していく必要がございます。 それから、なおまた林産業でございますけれども、非常に零細な事業体ももちろん多いわけでございます。国内の森林、それぞれ非常に小さなスケールで経営されているものが多いために、出てまいります林産物というのもなかなか、大量に集積をして外材に負けないような流通ということを考えなければいけないのでございますが、そのために、ストックポイントといいますか、ストック施設を整備するとか、あるいは住宅建築等も合理的にやっていくということでプレカット材というようなものを供給していきますとか、そのような各般の施策を講じて体質の強化を図りまして、外国との林産物の競争というものを何とか安定した供給体制あるいは円滑な流通ということを考えることによりまして対応してまいりたい、このように考えているところでございます。
○川俣分科員 流域管理システム五カ年計画、この論議、協議には柳沢委員長などと一緒に我々も計画に入っておるんですが、そこで一つお願いがあるのです。国有林、民有林を問わず各地区で協議会をやるわけですよね。その場合に学識経験者もこれあり、森林組合もありますが、やはり現実手をかけてきた山林の山子というか技術屋というか、専門家ですね、ある意味においては労働者側というか、そういった者も一緒に入ろうという考え方でいいんだろうね。そういうのは入れない、労働者は入れないということなのか、その辺どうなんですか。
○小澤政府委員 この流域活性化の協議会の運営につきましては、広範囲な参加を私どもも基本的に求めております。したがいまして、地方自治体でございますとかあるいは国有林でございますとか、さらにまた各種の林業事業体もございますけれども、ただいま先生がおっしゃいましたような専門的な方あるいは林業労働に携わってきた方も入っていただきたいということで、まだ流域協議会が発足いたしましたところすべてに実は労働の方の代表の方が加わっているわけではないのでございますが、しかしながら例えば森林組合の作業班でございますとかその他、そういう方々も今逐次お入りをいただいておりますので、今後もさらに広く御参加を得て、実質効果の上がる流域活性化に努めてまいりたいと考えております。
○川俣分科員 そこまでお話をいただければ、これから現地でそのようにやっていきます。 そこで、時間がありませんから一つだけ、せっかくの機会なんで大臣にも聞いておいていただきたい、お願いをしておきます。 私がよく方々を回ると、カモシカが何とかならないかという願いが随分あります。それからシマフクロウがこういうわけだ、根室のあの問題じゃないが。あるいは大臣の方の青森と秋田の間の青秋林道もクマゲラ云々でこうやる。そうすると問題は、こういったものは自然保護というか鳥類保護というか、私も環境委員会でこの問題をいろいろと論議してきたわけですが、しかし、環境庁の文書には、鳥類の保護と適正な捕獲管理と書いてありますね。したがってやはり、ムツゴロウさんに怒られるかもしれませんが、ただ単にあそこに保護鳥がいるから切れない、シマフクロウがいるから入っていけない、林道をつくれない、こういったことが各所にあるのであります。 この間も古川営林署に行った際に、別に陳情ではなかったが、所長が、林道三本くつるのに自然保護、環境問題でなかなか計画の作業が進まない、こういう苦情というかそういったことを聞いてきたのですけれども、鳥類保護と自然保護と林業の営みをどこにどのように接点を求めていくかは、ぼちぼち大胆に林野庁が出すべきではないか。そして農林省として私らはこう思いますと。これは例えば長良川の工事でも、環境庁と建設省は対立するのは当然なんです、開発というのは必ず環境が変わることですから。その辺に私は一つの問題を提起しておりますので、何らかの形で我々に納得できるようなものが出ないだろうかということを、もしコメントあったら。
○小澤政府委員 森林は、申し上げるまでもなく、その自然環境上も重要な役割を果たしておりますし、また同時に林産物の供給も大事だという各種の機能を有しておるわけでございます。 例示的に申し上げますと、まず国有林でございます。これが特に環境的な機能も高いということで、昨年の国有林の特別措置法改正の際にも内容を織り込ませていただいておるわけでございますけれども、国有林を機能類型いたしまして、国土保全のためのもの、それから自然維持のためのもの、それから林産物、木材の生産のため、それからさらに教育、文化等の空間利用という四類型区分で、水の問題は全体にかぶるというふうに考えております。まずこのように機能の類型をやりまして、それに対応して管理する組織なり要員の張りつけも考えていくというようなことでございまして、そのようなことで、各地域で残すべきものは残す、守るべきものは守りながら、また林業との調整も図るということでございます。 したがいまして、白神山のブナ林につきましても、これは自然生態系維持林としてしっかりと線引きもいたして、そして守っていくというようなことで、そのようにそれぞれが機能をうまく発揮できますような調整を今後とも心がけてまいりたいと考えております。
○川俣分科員 ありがとうございました。終わります。
○柳沢主査 これにて川俣健二郎君の質疑は終了いたしました。 次に、東順治君。
○東(順)分科員 私は、今鹿児島県出水平野の秋から冬にかけての風物詩となっておりますツルの飛来の問題につきまして、お伺いしたいと思います。 秋深くなって飛来して、そして春には北に帰っていくこの出水のツル。今シーズンは九千六百六十羽、約一万羽近くが飛来しております。このうち、ナベヅルが七千七百二十七羽ということで世界のナベヅルの全生息数の約八〇%、そういう大変多い数でございます。この出水に飛来するようになった理由としていろいろ挙げられるわけでございますが、ツルの習性に合った自然条件、生息条件、こういったものが備わっている、それから地元の農業者の人たちのツルの保護に対する大変な理解と外遊地確保への大変な協力、こういったことが背景にあるようでございます。ところが、近年になりまして余りにも大量にツルが飛来する、このことによりまして、ツルと人との共存、こういう問題が極めて厳しい状況となってきているわけでございます。 この出水平野のツルの飛来につきましては、三百年の歴史がある。昭和十一年、国がえさ代を助成して、二十七年には文化庁がツルと、この飛来地でございます荒崎というところでございますが、特別天然記念物に指定をして、そしてまた県ツル保護会等が発足をしまして、四十七年には荒崎の水田約五ヘクタールをツルのえさ場として農家から借り上げる、こういうシステムになっております。現在、どんどんツルが多くなってくることによりまして、外遊地として約五十ヘクタールを国が借り上げておる、こういう状況でございます。 まずお伺いしたいことでございますけれども、この外遊地の借り上げ料の問題についてでございます。農家は表作でお米を栽培して、そして主に裏作でソラマメなどをっくっておったわけでございますけれども、ちょうどこの裏作の時期にこの土地をツルの外遊地として貸し出しているということで、この外遊地につきましては現実には裏作ができていない状況でございます。現地の人の話によりますと、ソラマメというのは十アール当たり十万から二十万という値段で収穫できる。これが見込まれるわけですけれども、この借り上げ料が十アール当たり現在三万二千五百円、こういった差も現実には大きくて、現在の借り上げ料では農家経営が大変苦しい状態に追い込まれている、こういった声が非常に切実なものがございます。この点について、まずこの借り上げ料の値上げということができないかどうか、これを伺いたいと思います。
○吉澤説明員 ツルの渡来地におきますいわゆる休耕地の借り上げは、昭和四十七年度から地元の出水市、高尾野町、野田町で構成しております、ただいま先生からお話のありましたツル保護会を通して行っておりまして、これに対しては文化庁が経費の三分の二を国庫補助しているというものであります。 借り上げ料の単価はツル保護会が、農業委員会があるわけですけれども、農業委員会で定めている一般の農地の借り上げの場合の標準単価に、ツルの渡来地であるという特殊性を考慮いたしまして、ツルによるあぜとか農道の損傷の復旧費などを加算して算出しているというものであります。したがって、借り上げ料を幾らにするかは、地元の公共団体におけるこれらの客観的な基準がどのようになっているかによって決まるものであるというふうに考えております。 文化庁といたしましては、今後ともこのような方式で算出された借り上げ料の金額について、これに国庫補助を行うという立場から適切に対処したいというふうな考えております。
○東(順)分科員 現実的には昨年も外遊地の借り上げをめぐりまして、四十三ヘクタールの地権者百三十三人と、この県ツル保護会との交渉が大変難航したということを伺いました。それで、この保護会が三つの提案ということで、今後、これは後から触れますが、国の方に減反免除の陳情を行う、あるいはことしの七月をめどに借り上げ料の改定を検討する、あるいは外遊地の買い上げを国に陳情する、こういった事柄を提示して、それでもって問題を先送りにするという形で何とか受け入れて、それで外遊地提供ということで何とか乗り切れた、こういう状況であるというふうに伺っております。 そのように毎回毎回この外遊地の問題をめぐって大変紛糾する、こういう状況でございますので、先般も文化庁さん、国の方にも現地の人たちからの陳情があったかと思います。そういうふうな非常に切実な状況であるということで、この借り上げ料の問題について、何とか現状に即してもう一考深く願えないかという声が大変強いわけでございます。ひとつその辺に対しまして、現地に一度この問題でお伺いしたことはございますでしょうか、文化庁さん。
○吉澤説明員 文化庁としては、何度か現地へ行って事情は聞いております。
○東(順)分科員 その際、向こうの生産者の皆さんだとかそういった方たちからもいろいろと詳しい事情を伺ったのですか。
○吉澤説明員 よく聞いております。
○東(順)分科員 この辺の善処方をひとつよろしくお願いをしたいと思います。 それで、毎年十一万人ぐらいの学術関係者とか観光客がたくさんここに来ているわけですね。それだけに地元の人たちもツルの保護ということに対して大変強い意識があるわけで、またそういう人たちの善意でもってツルが安心して毎年ここに飛来してまた北帰行していく、そういう状況になっておるわけでございますが、その裏で現実の生活の問題で大変苦しい状況が出てきておるわけでございますので、どうぞひとつ借り上げ料ということで御検討願えませんか。これは大変いろいろな問題が重なっておるのですけれども、当面この借り上げ料の問題ということが何とか実現可能な線として検討されるのではないか、地元の保護会なんかもそのように推定されているという感じがあるわけでございます。この借り上げ料について一歩踏み込んだ、そういう検討がなされるかどうか、この辺を重ねてお伺いをさせていただきます。
○吉澤説明員 ただいまちょっと御説明いたしましたように、この借り上げ料は農業委員会で決めている一般の農地借り上げの場合の単価を基準にしているわけでございますので、これがどのように地元で、農業委員会で改定されるかということと、それから水路等の破損の復旧費を出しているわけでありますけれども、これにつきましては出水市の方のいわゆる土木作業員の一日の単価を基準にして積算しているわけでありますけれども、地元のツル保護会ではこうした方法を妥当なものとしておりますので、この基準の単価が上がれば、その時点で考えさせていただくということになるかと思います。
○東(順)分科員 よろしくお願いしたいと思います。 続きまして、四年置きにローテーションで転作問題というものがめぐってくるわけでございますけれども、先ほどもお話をさせていただきましたツルの外遊地借り上げをめぐって農家との交渉が難航する原因の大きなものの一つに、四年置きにローテーションで転作問題がめぐってくる、ここからくる減反問題ということがあるようでございます。この水田農業確立対策の実施に伴いまして、ツル外遊地も水田転作の割り当て対象地になっておるわけで、来年度はこの外遊地が転作対象になる、こういうことでございます。表作で転作になるとお米がつくれずに、裏作では、先ほど申しましたように、ツルのために外遊地として貸し付けておりますためにソラマメ等もなかなかつくれない、まさに現地の農家の人々にとっては死活問題という状況になっているようでございます。国が特別天然記念物としてツルの飛来地荒崎というものを指定しているわけでございますので、減反免除等の措置、こういったことは何とか工夫して御努力いただいて処置すべきではないか、私はこのように思うわけでございます。ツルを守るという視点にはしっかり軸足がかかっておるわけでございますけれども、同時にその裏で、現実的に死活問題にまで追い込まれていますこういう現地の人々を今度は守れないという状況が出てきているわけで、人を守るというその視点の方がやや欠落して片手落ちになっているのではないか、私は現地に行って率直にそういうふうな印象を持ちました。 もちろん、水田農業確立対策として農家の方々が全国的に本当に身を切られるような思いで転作に応じられている、これは極めて厳格な制度である、これは十分承知いたしておるわけでございますが、単年度とはいいましても、昨年十二月ですか、台風被害による需給のギャップを調整するために減反緩和が打ち出されたということもございますし、減反免除の特定地域、こういうような形で何とか対処できないものなのか、このように思うわけでございますが、この点につきまして農水省にお伺いさしていただきたいと思います。
○上野政府委員 この問題は、かなり長年月にわたって続いております問題だというふうに理解をいたしておるわけでございます。今委員からお話ございましたように、かなり広い面積の水田を幾つかに分けまして、団地的に交互にローテーションをしながら転作をしていただいているというふうな事情にあるというふうに承っております。したがいまして、ツルの飛来地につきましても、通常は稲作が可能あるいは行われている土地でございまして、そういう事態にあります限り、水田農業確立対策にぜひとも御協力をお願いをしたいというふうに考えている次第でございます。今委員のお話の中にございましたように、この水田農業確立対策は、全国の稲作農家に御協力をいただきまして実施をいたしているものでございます。これについてどこかに穴があくというようなことになりますと、全体としての対策の実施に非常に支障が生ずるというふうに考えられるわけでございまして、何分よろしくお願いをいたしたいというのが私どもの一番の希望でございます。 若干申し添えますと、夏場の転作でございますのでツルもいないわけでございますから、所要の転作をするということについてはいろいろ工夫もできるのではないかというふうに考えるわけでございまして、周辺の農家の実情を見ますと、大豆のような作物を転作をしていただいているというような事情もございまして、団地加算等を比べますれば、おおむね稲作に見合うような農家の収入があるのではないかというふうにも考えておりますので、そういうことの御検討もいただきたいと思います。 それからまた、この地区の転作の問題につきましては、県や市町村がその面積の配分の仕事をしているわけでございまして、その配分の過程におきまして、ほかの地区との間でしかるべく地域間の調整をしていただくというようなこともお願いをしたい、そういうことによって円満に解決をしていただきたいというのが私どもの期待でございます。
○東(順)分科員 続きまして、こういうふうに以上述べましたように、借り上げ料の問題、それから転作問題、こういうものがございまして、毎年交渉が、現実には借り上げ斜交渉というのが難航する。ところがツルは必ず来る。そしてどんどんどんどんふえてきている。こういうことで、現実には外遊地というものを確保できるかどうかという際どい状況にやはりいつも追い込まれておるわけでございます。 そういう意味で、この保護行政というものを進めていく上で大変難しい状況に毎年波状的にずっとこうなってきておるわけでございますので、ここで抜本的に、文化庁にお伺いしたいんですが、外遊地というものを恒久的に確保していくために、借り上げという形じゃなくて外遊地そのものを公有化をしていくというこういう方向というのは考えられないんでしょうか。いかがでしょうか。
○吉澤説明員 外遊地の公有地化、すなわち地方公共団体による農地の買い上げにつきましては、最近出水市などから話を聞いたところであるわけでありまして、まだ具体的な計画としてこちらに提示されておらないわけでありまして、その結果、公有地化することの目的とか効果とか範囲などがまだ非常に不明確な現状でもあるわけであります。また、この農地の買い上げにつきましては、外遊地を所有しておる農民の方々の理解といいますか、共通理解がもう一つはっきりいたさない、共通理解を得たものではないというふうにもちょっと聞いておるわけであります。 したがって、文化庁といたしましては、こうした外遊地の農家の人々の意向も含めて、出水市を初めとして地元地方公共団体における共通理解が形成されて、事業についての具体的な計画がある程度まとまった段階でこれについて慎重に検討していきたいというふうに考えております。
○東(順)分科員 今公有地化する目的あるいは範囲、こういったことがはっきりしないという御答弁でございましたけれども、公有地化する目的というのは、現実には、先ほども申し上げましたように、世界の、全世界のナベヅルの八割が、これはもう日本の、しかも鹿児島の出水の、しかも荒崎という本当に小さな地域を目指して飛んできておるわけでございますので、野生生物というのをしっかり保護するという意味でも、日本の環境保護の行政ということから考えても、これは僕は目的とすれば当然のものがあるというふうに思うのです。 そのせっかく飛んでくるツルというのは、つまり平和の象徴であり、人間のいわば幸福感を象徴していくような鳥でございますので、その鳥が大挙して日本に来るという、そのツルを守る、守りたいんだけれども、現実的には借り上げの問題だとかいろいろなことで、現地の土地を提供している農家の人たちがすごく生活的に逼迫しているという状況があるわけですから、これはぜひ公有化すべきという目的としては、私はきちっとしたものが当然あると思います。また同時に、世界に対して環境保護に対する日本の国の政治の姿勢みたいなものをしっかりとアピールできる非常に大きな意義、意味合いというものも持っておるというふうに私は思うわけでございます。 また、この範囲ということでございますけれども、五十一ヘクタール、もう現地に行ってみたらわかります、本当に狭いところにもう一方羽に近いツルが生息しておって、それで、そこから周辺にもどんどんどんどん飛んでいっていろいろな食害なんかも起こしているわけでございますけれども、ともかく、とりあえず外遊地をもってその範囲とするというような、こういったことも私ははっきりできるんではなかろうか。 それからもう一点、地元の人たちの共通理解が形成されれば、こうおっしゃいましたけれども、実際に共通理解というものがしっかり形成されればこれは公有地ということで一歩踏み出して検討していく、こういうことでよろしいんですね、今のお答えはいかがでしょう。
○吉澤説明員 目的、対象、範囲と申しましたのは、例えば、農民の方々が全部を買い上げてもらって結構ですというのであれば非常に効果が上がるということも考えられますけれども、場合によっては、ある方々は公有地化に余り賛成でないということになると、虫食いでところどころ買う、買われるということになりますと、非常にその効果というものがどうなのかということがあったので、先ほどちょっと申し上げましたけれども、地域の方々の共通理解が得られて具体的に話が乗ってくれば、十分検討には生かすという段階にはなるというふうに思っております。
○東(順)分科員 さて今度は、このツルの問題というのは外遊地のみに実はとどまっていないわけでございます。この外遊地とあぜ道一本あるいは田畑一枚隔てた隣接するそういう農地等に対しまして、やはりツルの食害というものが起こっておるわけでございます。こういう隣接地域は外遊地ではございませんので裏作でソラマメ等をつくっておるわけでございますけれども、このソラマメなどは農業共済補償の対象の三〇%以下、現実にはそういう被害の方がほとんどで、したがってその救済金というものが支給されずに、実際問題として生産意欲も落ちてくる。一生懸命つくっているものがツルによってついばまれていくというようなことで、現実は泣き寝入りみたいな状況になっておるわけでございます。収益がどんどんどんどん減ってくるということで農家の人たちは頭を痛めておりまして、生産意欲も低下していく。こういうようなことで、現実に私はここに隣接する出水干拓東土地改良区というところに行きまして、ここの人たちのお話を伺ってきましたけれども、ツルというのは、日本の国内、鹿児島にいる間は、えさをまきますので、どう言うのでしょうか、だんだん野性化が少し弱くなってきて、それで北帰行していって、今度改めてこの日本に飛来してくるときはもう一度野性味を当然取り戻しておるので、それで狭い外遊地で、しかも車もツルを見たさにたくさん来るそういう外遊地というよりも、むしろその隣の広い東地区のような、例えばあぜ道とあぜ道の間が二百メーターあると言っておりましたけれども、そういう広くて車も来ない、人も余りいないそういったところにまず最初に飛来してくる。ツルの自分自身の安全性のためにそういうところに飛来してくる。そしていろいろな農作物というものに被害を与える。ところが、何ら保護措置というものがないわけですから、農家の人たちは自前で例えば爆音機なんかを買って、これはワンセット七万円すると言っておりました。それを十五台ぐらい自前で買って、そしてバンバンと大きな音をたてながらツルを驚かして、そして何とか被害が出ないようにしておる。あるいはまた、ビニールですか、ツルよけのビニールテープ、そういったものを支給されるのですけれども、現実には、農家というのは御存じのように後継者不足で若い人たちが少ない、なかなかそれを張りめぐらせていく作業だって人手不足で大変だということで、本当に困っておるわけですね。 そして、このようにおっしゃっておりました。法律というのは人間がつくったのでしょう。その人間がつくった法律によって人間が苦しまなければいけないというのはどういうことなのでしょうか。私たちは決してツルは憎くない。憎くないけれども、生きていかなければいけない。何でツルはああやっていろいろなものをついばんでいくのでしょう。もうほとほと疲れました。もうあきらめるしかないのじゃないでしょうかと言ってこぼされておられました。それで、外遊地に隣接するその地域も鳥獣保護区に指定されておるわけでございますけれども、ことしの十月にこの鳥獣保護区の期限が切れる。私たちは本気になって、もう鳥獣保護区の指定なんか要らない、もうそのぐらいまで考えているのですよ。ここが指定されなければ、例えば鉄砲持ってきてツル以外の鳥だったら撃てる、そうしたらそれに驚いてツルは逃げていって被害を及ぼさなくなるのじゃないかというぐらいまで切実に考えているのですよ、こういったことをおっしゃっておられました。 したがって、国の特別天然記念物のツルの渡来地として指定されて、そしてまた国設の鳥獣保護区として指定されているこういう地域、しかも現実には何らそこに助成策というものがない、こういったところの食害被害、農作物被害、それに対する補償する対策というのは何らかの形で手を打つ必要があるのではないか、私は本当にそのように切実に感じました。例えば特別立法等でそういう施策を講じる必要があるのではないか、このように思いますけれども、この点はいかがでしょうか。
○川合政府委員 ちょっと私の方のお話と違うかもわかりませんが、私の方は、先生ちょっとお触れになりました農業共済制度との関連でお答えさせていただきたいと思いますけれども、御承知のように、農業制度、一筆ごとの場合は基準収穫量の三割を超える減収があったときに払うという方式をとっております。 御承知のように、保険の考え方に基づいて設計されておりますので、これを例えば足切りを少なくするということは軽微な被害についても共済金を払うということになろうかと思いますが、当然のことながら掛金が増額になるというようなことになるわけでございまして、私どもの方の制度としてそういう対応をするということは難しいというふうに言わざるを得ないと思っております。
○東(順)分科員 文化庁はいかがですか。
○吉澤説明員 ツルが農作物に与える被害ということについては、文化庁としてはまず被害をなくすということが第一ではないかというふうに考えているわけであります。 昭和五十年度からツル保護会に対して国庫補助金を交付して食害の防除事業を行ってまいったわけでございます。特に、昭和五十四年度からは鹿児島のツルを対象に、通常は文化財のこうした補助金は二分の一の補助なのでありますけれども、特に高率の三分の二という天然記念物食害対策事業費補助金を特別に予算化いたしております。 そして、平成三年度につきましては事業費で五千三百六十九万五千円ということで、文化庁としてはかなりの額をここにつき込んでおるというわけでありまして、ツルの食害をなくすということを第一と考えまして、こうした防除事業につきまして今後さらに努力していきたいというふうに考えております。
○東(順)分科員 時間が参りましたのでこれ以上言いませんけれども、現実はそういう食害対策として国が出しているその費用、そこからくるところの防護網だとかビニールだとか、そういったことで現地の人たちはどうしようもないからといって泣いているわけでございますので、その上で何とかできないのか、このままいけば、こういうことでございますので、どうも認識に非常なギャップがあるように私は思います。どうか真摯に現地の人たちのこういう声にもっと耳を傾けて、有効な手だてをぜひ御検討願いたい、このように思うわけでございます。 あと環境庁等にも御質問ということで用意しておったわけでございますけれども、時間が参りましたので、大変申しわけないのですけれども、また次の機会にさせていただきたいと思います。 以上で終わります。
○柳沢主査 これにて東順治君の質疑は終了いたしました。 次に、辻一彦君。
○辻(一)分科員 短い時間でありますが、米の問題とウルグアイ・ラウンドの問題、それから前回ちょっと論議をした中国の三江平原の農業開発の二点についてお尋ねしたいと思います。 まず大臣にお尋ねしますが、経済協力開発機構、OECDでは三月の二十六、二十七日の農相会議の共同声明に地球環境と共存する農業政策の転換が盛り込まれることになったと新聞は報じているわけであります。これは私は大変よい方向であるというように思っておりますが、この考え方を農相はどのように受けとめていらっしゃるか、お尋ねしたい。
○田名部国務大臣 従来は農業保護削減等の農業改革の問題や農村地域開発の議論がなされておったわけでありますけれども、一九八九年のアルシュ・サミットから、環境と調和した農業の議論も行われるようになりました。 今月の二十六、二十七日、第十一回のOECDの農業大臣会合でも、当然この議論を踏まえて農業と環境の問題が議題の一つとして取り上げられることになっているわけでありますが、OECDでは貿易の自由化と農業保護の削減を通じた市場志向型農業の確立を目標とする農業改革の考え方が依然として主流ではあります。ありますが、農業と環境の議論においては、環境の維持のためには持続的な農業の確立が必要だという考え方が一般的になってきております。私どももそのような認識をしております。
○辻(一)分科員 まず、農相はこの会議に出席しますか、いかがですか。
○田名部国務大臣 いろいろ日程が立て込んでおりまして、今のところまだ国会の日程がどういうことになるか、大体予想するところでは相当難しいかなという感じは持っております。
○辻(一)分科員 国会日程との調整等があるでしょうから難しさがあると思いますが、できればやはり大事な会議で、出席して日本の主張をよくやってもらいたい、こういう希望を持っております。 そこで、OECDはかつて農業保護の計測手段、こういうものを開発をしてガットの農業貿易の自由化への道を開いていくという役割を果たしてきたと思うのです。私は昭和六十二年六月にパリのOECDを訪ねて、ヴィアット農業総局長と会ってかなり論議をしたことがあります。それは当時土地改良、農業基盤整備、災害復旧、それから農業共済等は保護削減の対象にするというような話がいろいろ出ておったと聞いて、こういうものは削減の対象にすべきでない、こういうことをヴィアットさんとあともう一人農業課長がおりましたが、かなり論議をした記憶があるのです。 そのOECD、言うならばガットの貿易自由化、農業問題も工業と同じような考え方で進めていこうという方針のガットの方向を推進したOECDが、今地球環境と共存する農業政策の転換を打ち出すということは、ある意味では大きな方針の転換につながるのではないか、こういうように私は思いますが、どう認識しているかお尋ねしたい。
○川合政府委員 先生今お触れいただきましたように、OECDの従来の路線、現在もこの路線というのは、先ほど大臣からもお話ありましたように主流であると私どもまだ認識しておりますけれでも、先生御尽力いただいたPSEのお話など、今ガットではおかげさまで基盤整備あるいは災害復旧というようなものにつきましては緑の政策というふうになっているわけでございますけれども、端的に申しまして、OECDの中の部局によりまして、まだその考え方の隔たりがあるというふうに私ども認識しております。 環境的な部局におきましては農業と環境、これも先生一番お詳しい点でございますけれども、ヨーロッパの畑作農業はどちらかといいますと環境に対してやや負の面といいますか、加害者的な要素があるわけでございます。この点、日本の農業と違うところがございますので、こうしたことについての何らかの制約、そこで大臣今お触れいただきました持続的農業というような考え方がそちらからは出ているわけでございますが、依然として農業部局の方は自由貿易と申しますか、そちらを推進することによって世界の構造調整をやるというような考え方もまだ依然として色濃く残っております。その二つの流れを今後どういうふうに調和する、あるいは克服していくかということが今後のテーマではないかと思っております。 今ガット・ウルグアイ・ラウンドがああいう進行状況の中で、ガットの中でも環境という問題、農業と環境という問題が出始めてはおりますが、残念ながらそれがまだ本流になっているということではないというふうな認識でございます。
○辻(一)分科員 自由貿易の強力な推進役であったOECDの中に地球環境と農業の調和というような考え方が台頭してきたというか、かなり大きくなってきたということ、しかも農相会議の共同声明というものに盛り込まれておる、こういうことはかなり大きな変化じゃないか、私はこういう理解をしております。 それで、我が国はかねてからガットの中で、農業は食糧安全保障、自給、これは私たちもこの前の農林水産委員会で論議をしたところでありますが、そういう食糧安全保障論と並んで国土保全、環境保全に重要な役割を農業は果たすという主張をかねてからしてきたわけですが、こういう意味では日本の主張の正しさがかなり認められてきたということになるのかどうか、そこらはどうなんですか。
○田名部国務大臣 これまでもOECDとかガット等で、いわば国際会議の場で、農業政策においては自然条件、あるいは日本とECは農業環境が大分違いますけれども、土地条件による制約があるわけですね。特に、そういうところを放置するということになると環境が守れないという側面があります。ですから農業生産の持つ特殊性というもの、あるいは今お話しの食糧安全保障、国土、環境の保全、農業は本当に多様な役割を果たしていると思うのですね。やはりそういうことに配慮して主張をしなければならない。今後とも国際会議を通じて非貿易的な関心事項が十分考慮されていく、こういう環境問題に世界が挙げて取り組もうというときでありますから、農業の持つ多面的機能が確保されるということに最大の努力を傾注していきたい、こう思っております。
○辻(一)分科員 地球環境の立場から熱帯性雨林の消失が、緑が失われていくということで大変大きな問題になっている、言うまでもないのですが。乱開発を抑制する、それから熱帯雨林の再生ということが世界の大きな課題で、今それぞれ努力をしているという状況にあります。 こういう中で、ガットは農業も自由貿易の論理、言うなら農業と工業を同じように見る考え方、そういう政策によってせっかく自給のできる農業、緑をつぶしていくということにある面ではなっておると思うのですね。環境を大事にするということは、ごく端的に言えば緑を大切にするということであって、それは地球の各地で各国ができる限り食糧を自分でつくっていく、緑を維持していく、こういうことが、農業生産を維持し自給をするということが緑を世界の各地に維持することになるのではないか。世界の各地でできる限り農業生産をやって地球環境と共存する農業というのは、自給していくこと、食糧安保の論につながると私は思うのですが、そこらの考え方はいかがですか。
○川合政府委員 ガットの場でも、大臣が今申し上げましたように非貿易的関心事項の中間合意、先生御承知の点でございますけれども、でも配慮事項として入っているわけでございます。しかしながら、今の農業交渉などを通じて発言力の強い国はどちらかというと輸出国でございますので、どうしてもその考え方が、ガットのような特に貿易を議論する場ではどうしても声が消されがちだということは御承知のとおりでございます。 一昨年になりますか、FAOの大臣会合のときに、ある意味で典型的な議論が出たわけでございます。我が国は、今お話がございましたような各国が自給率といいますか自給力を高めていくということが世界の農産物の供給の安定のために必要だという考え方を主張したのに対しまして、むしろ貿易の自由化を進めることによって供給の安定を図るという一方の考え方と、大きく言いまして二つ考え方が出されたということがございます。 こういうことでございますけれども、やはり地球環境というようなことが叫ばれ、かつ農業はまさに国土とか環境に根差した産業でもございますので、私どもの主張というのは徐々にではございますけれども、OECDなどにも取り入れられてきているということを踏まえまして、今後とも私どももこうした主張を十分展開していく、そういうことにしたいと思っております。
○辻(一)分科員 ガットの中で我が国は、従来も食糧安全保障論を中心に展開してきた。もちろん国土保全、環境保全の役割というもの、農業の役割を主張してはきましたが、今後一層地球環境と農業の関係の理念、理論、こういうものをもう一遍再構築して強力に展開していく必要があるだろう、こう思うのですが、いかがですか。
○田名部国務大臣 先生おっしゃるとおり、最大の関心事はやはり開発途上国だと思うのですね。結局、環境が破壊されているその元凶は食糧難、売る方から、輸出国からすれば買ってほしいと思うけれども、そういう国ですから買うだけの資金も乏しい、ですから焼き畑をして何か自給をしようと努力する、これが一番の問題だと思うのです。 私も去年UNCEDとOECD、それぞれ事務局長や幹部の人たちどお会いして、環境問題しばらく話し込んでまいりましたが、食糧を安定的に供給できる体制をどうやってつくるかということは大事なことですよ。開発しちゃいかぬいかぬと言ったって生活する方が先なんですから、そういうことを考えて、環境と開発というのは非常に難しいと思いますが、しかしそういうことは言ってられませんので、何といってもやはり開発途上国には開発途上国の問題があるし、私どもにはそういう、また別の問題ですけれども、あります。 いずれにしても、自給を高めてやる、あるいは援助はそういうところにして、何とか食糧を自国で賄うようにするということに全力を挙げませんと、これは議論ばかりしておってもなかなか前へ進まない、そういうことで、私どもODAの援助だとかいろいろな、もう農林省も技術者を派遣していろいろやっているということでして、おっしゃるとおり、やはり自給がまず基本でなければいかぬ、そう思っております。
○辻(一)分科員 時間の点からこれ以上触れませんが、これがひとつぜひ大きな流れになるように頑張ってほしいと思います。 そこで、アメリカの米展示問題がまた去年と同じ時期に出てきている、煩わしい問題だと思うのですが、アメリカはことしもまた米を展示しよう、問題を起こして米を政治問題化させようというねらいがあるんじゃないかと私は感じますが、どう対処するつもりか、なかなか微妙な問題でありますが、ちょっとお尋ねしておきたいと思います。 〔主査退席、日野主査代理着席〕
○京谷政府委員 ただいまお話ございましたように、米国が、在京の大使館でございますが、一昨日記者会見を行いまして、四月の十四日から三日間にわたりまして、都内のホテルで、実は全般にわたるグレート・アメリカン・フード・ショーというものを開催する予定を公表いたしました。その記者会見の中で、まだ最終的に決定しているわけではないけれども、米国産米をこのフード・ショーで展示したいという意向を持っておるということを表明したという報道を私どもも聞いております。 また、この会見の中で、昨年の事態も念頭にあったのであろうかと思いますが、この最終決定前に農林省にも相談をしたいということを表明していたというふうに私ども聞いております。ただ、まだ現在までのところ、具体的に私どもの方への相談は来ておりませんけれども、そういう意図を明らかにしておりますので、恐らく近日中に我が方への相談があろうかと私ども思っております。したがいまして、現時点で私ども予断を持って特段のお答えをすることは避けたいと思いますけれども、国内法を的確に執行していくという観点で、適切に、その具体的な相談があった段階で適切な対処をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○辻(一)分科員 きちんと対応されることを望んでおきます。 三月十日、ゆうべの毎日の夕刊を見て、外務省が省内にひそかに米関税化について私的懇談会を設けて検討している、こういうことが報じられているのを読みました。政府は、今回ガットに米の関税率を空白にして例外なき関税化に反対の意思を示したわけですが、政府の方針と相反する検討が、外務省でありますが、この中で行われている、こういうことについてどう考えておるか、まずお伺いいたします。
○京谷政府委員 一部に報道されたことは私も承知をしておりますけれども、私もこの詳細な事実関係、外務省内部のことでございますので詳しくは承知をしておりません。報道で読んだ限りでの認識しか持っておらないわけでございますが、少なくとも最終的に政府として対応している状況というものは、ただいま先生からお話ございましたように、御承知のような内容での国別表の提出をしておるわけでございまして、報道されておるような外務省内部のいろいろな論議については、私どもとして特段の意見を持つものではございません。
○辻(一)分科員 新聞の記事によるわけでありますが、この懇談会は外務省の経済局長の私的懇談会である。四年前につくられている。座長の加藤一郎氏は、米の関税化を受け入れた場合に食糧管理法を改正する必要がないとの意見書を提出したと伝えられているようですね。これは工藤法制局長官が衆議院の予算委員会において、関税化と食管法はなじみにくいという見解を示している。また私は、二月の二十六日の農水委員会においての私の質問に対しての農水省の見解ともこれは相反するものでないかと思うんですが、これらについて農水省の見解は一体どうなのか。
○京谷政府委員 報道された内容について、私ども特段言及する立場にございませんけれども、政府としてこの関税化と食糧管理法の関係については、私どもの意見はかねて申し上げておりますとおり、細部の検討を終えておるわけではございませんけれども、両立しがたいという私どもの見解、そしてまた衆議院予算委員会において内閣法制局長官から示された見解、これが政府の現時点における考え方、認識であるということでございまして、報道されておる外務省内部での御論議というものは一切承知をいたしておりませんけれども、私ども全く関知をしていないというふうに御理解をいただきたいと思います。
○辻(一)分科員 この記事によると、新聞の報道によると、加藤座長は外務省の方にも意見書を出しているし、内閣法制局参与会にも意見書を出している、こういうふうに言われておりますが、その意見書の内容は御存じですか。
○京谷政府委員 全く承知をいたしておりません。
○辻(一)分科員 まあこれは外務省にこの意見書の提出を、ここでは農林省ですが、後で午後の分科会において求めたいと思っております。 そこで、この意見書の中を私もまだ確認をしていないので、自分が直接意見書を見たわけではないのですが、この中身を見れば、かつて自主流通米を法改正なしに政府の管理する米の中に含めた経緯から、関税化で輸入される米を政府の全量管理の枠内で処理することは法解釈上可能であり、必ずしも法改正の必要はないという主張に対して、農林水産省の見解はどうなのか。
○京谷政府委員 既に農林水産委員会でも申し上げておりますとおり、米の関税化について私どもは受け入れがたいとの基本姿勢で交渉に対応しておるわけでございますし、また関税化そのものの概念につきましてもまだ不明確な部分が多々あるわけでございます。報ぜられておりますような見解について、関税化の概念というものをいかなるものとして御認識なさって御論議なさっているのか、私ども詳細はわかりませんけれども、少なくとも我々の基本認識といたしましては、この関税化の概念、大変まだ不明確な面が残ってはおりますけれども、基本的認識としては、全量管理という体制をとっております現在の食糧管理法、そういう建前のもとでの許可制をしいている現行法と関税化の概念というのは両立しがたいという基本認識を我々は持っておるわけでございまして、この考え方は不変でございます。
○辻(一)分科員 大臣にちょっとお尋ねしたいんですけれども、外務省と農林省はいずれもガット・ウルグアイ・ラウンドの交渉の主役であり、片方は外交関係、片方は現場の農業、米を担っている。両輪でいかなければいかぬのですが、交渉が進む中で、こういう中身がどんどん知らされていった場合に、内外ともに受ける受けとめ方というのは、どうも政府はまとまっていないんじゃないか、統一を欠いているんじゃないか、こういうような印象を与えがちと思うのであります。これじゃ困るのですが、そこらをどう考えられるか、ひとつお尋ねしたいと思います。 〔日野主査代理退席、主査着席〕
○京谷政府委員 私どものこの関税化と食糧管理法の関係についての考え方、あるいは先般予算委員会で示されました内閣法制局長官の見解につきましては、外務省も十分承知をしていると思います。恐らく内部の作業として報道されておるようないろいろな検討はあるいはあったかもしれませんけれども、やはり政府として正式な認識として持っておるというところは私どもが示しているところ、そしてまた内閣法制局が示しているところでございまして、そのことについて外務省から特段の異論を私どもとしては全く聞いておりません。内部作業の一環としていろんな議論というのは各省でもあり得ることでございまして、最終的に私どもとして判断しているところについて、少なくとも外務省から特段の異論が出ていないという事実はひとつ御認識をいただきたいと思います。
○田名部国務大臣 私的懇談会ということで、大学の先生でありますとか消費者団体、池田さんは農業会議所の専務として参画しておったようで、亡くなりましたが、そういうところでいろんなお話が出たんだろうと思うのです。しかし、それは私的な方でありまして、私どもは公的なところで、国会決議を行ったり、あるいは予算委員会等で正式に議論をして、法制局長官の答弁もあるわけでありまして、とりたてて私的な方をけしからぬと言うことがどうか、これはわかりませんが、いずれにしても、新聞を通じての話でありますから、余りそれだけをもって問題にするべきではないのではないかという感じがしております。 〔主査退席、佐藤(謙)主査代理者庸〕
○辻(一)分科員 午後外務省の分科会に出ますから、その意見書の内容をひとつ尋ねて、なお論議をしたいと思います。 最後に、もう時間はほとんどなくなったんですが、一問伺いたいのです。 この間の農水委員会の最後にも三江平原のことをお話をしたんですが、大臣もレポートを読んでいただいたと思うのです。円借款のお話はこの間若干やりましたから、それは別として、JICAが三江平原に農業総合試験場を何カ所かつくって、そして、それがかなり現地で研究結果の成果を上げておる、評価をされておる。そこで、現地側は、中国の現地の皆さんは、せっかくそういう研究をした中身であるから、それを一般に普及をする、広げていきたい、しかし、それには一つの段階、いわゆる普及の施設やあるいは普及の事業というものが一般化をしていく場合に必要でないか、そういうのをJICAでなお継続してひとつ協力をしてほしい、こういう熱望が非常に現地に強いんですね。私は、この円借款の方を見ても、第三次の見直しはなかなか難しいようでありますが、第四次の円借款に何としても現地はこれをひとつ挙げていきたい、こう言っておりますので、その間をつないでいくというためにも、JICAのこの普及事業にひとつ力を入れていく、協力していくということは大変大事じゃないかと思います。これらについて、外務省の関係もありますが、農林省の専門職員も現地に何人か行っているわけでありますので、農林省でどう考えているか、この点を一つ伺いたい。 〔佐藤(謙)主査代理退席、主査着席〕
○川合政府委員 このプロジェクトは現在引き続きやっております。フォローアップということで、平成五年三月までの予定で実施しているわけでございます。今お話がございましたように、日中両国の努力によりまして、かんがい問題あるいは冷害問題などにつきまして試験研究を続け、あるいは展示的なことをやってきているわけでございます。今お触れになりました大きなプロジェクトの開発にとっても重要な位置づけを持っていると思っております。来年三月まで引き続きやることになっておりますので、その過程でいろいろな議論がまた出てこようかと思いますので、私どももその辺を見守っていきたいと思っております。
○辻(一)分科員 時間が来ましたから終わりますが、大臣、これはひとつ頭によく入れていただいて、ぜひ前進するようにお願いしたい。 それでは終わります。
○柳沢主査 これにて辻一彦君の質疑は終了いたしました。 次に、沢藤礼次郎君。
○沢藤分科員 私は以前に農林水産委員会に所属しておりました。その当時、佐藤隆農水大臣、亡くなられましたけれども、いろいろと農業に関する熱い議論を交わした経験がございます。そのときに、当時の佐藤農水大臣は、おれは百姓だということを公言なさって論議に参加していただいた記憶がございます。非常に日本の農民、農業の側に立った熱意のある大臣だったなということを、亡くなられた記憶とともに、当時の佐藤農林水産大臣の思い出として持っているわけです。 新しい農水大臣、私は岩手でございまして、隣の青森、しかも、恐らくさかのぼれば南部藩ということだろうと思いますが、同じ藩ということになります。したがって、地域の共通の土性骨というんですか、風土性ということからしても、大臣も、農業を守る、農民の側に立つという点では、故佐藤隆先生にまさるとも劣らない熱意を持っておられるというふうに確信をいたしております。そしてまた、新聞その他で報道を見ますと、先ほどの質問とかなりダブるのですが、同じ政府部内でも、あるいは自民党内部でも、いろいろな米の自由化に関するニュアンスの異なる発言、動き等が見られるようでございます。その中で、ひとつ敢然として農民、農業の立場を貫いて活躍をしていただきたいということを申し上げて、先ほど辻先生からもありましたが、きのうの夕刊トップ、毎日新聞の三月十日付夕刊トップを見て、私もびっくりしたわけであります。 今のやりとりをお聞きしていましたから詳しいことは重複を避けますけれども、ただ、やはり気になる記事です。米の関税化に関して外務省が極秘に影響調査をしている、受け入れを想定して論点を整理しているという見出しかあるわけです。そして、リード部分で、「今後の交渉の展開によっては政府方針の変更にもつながる大きな影響を与えそうだ。」というリードを書いているわけです。もしこれが真実だとすれば、やはり今の米の問題に非常に大きなマイナスの影響が与えられるんじゃないか。先ほどの答弁は関知していないというふうな御答弁に終始したわけですが、この記事に対して大臣、どういう感想を持たれたか、これの真偽をただすお気持ちはあるかどうか、そのことをお聞かせ願いたいと思います。
○田名部国務大臣 最終的な決断を、総理と外務大臣と私で、官房長官も含めて、米の問題をどうするか、十一条二項。については私に一任するということで、これは数字を入れない、要するに反対であるということの意思表示でもう提出したわけでありますから、これが最終の政府の考え方であって、私的懇談会がいろんなことを今まで、きのうきょうやったわけではないと思うのです、何年もかけておやりになった。その間に私ども国会を通じていろんな意見をちょうだいもしたし、決議もいただいておる。私的懇談会の方は決議もいただいてなければ何にもないところで、反対の人も入っておるという記事の内容でありますが、反対の人はもう亡くなっておりまして、お一人入っておったわけでありますが、そういう中での議論、それが何かこうマスコミを通じて出た。それが正確かどうかもわかりません。どうも昨今の報道を見ておると、正確に伝わってないなという印象を持つ報道が随分多いものですから、とりたてて私どもは、やった行為が正確であって、途中のいろんなことには余り重要な発言だというふうには考えておりません。
○沢藤分科員 この問題は打ち切りたいと思うのですが、今大臣はいわゆる新聞報道云々という表現をなさったわけです。そうかもしれません。あるいは意地悪く考えれば、そういった報道を流すことによって世論をリードするとか、あるいは既成事実を積み重ねるということだって考えられないではない。これは十分ひとつ意を払って、大臣、しっかりと頑張っていただきたいということを申し上げて、次の質問に入りたいと思います。 やはり今何といっても米の問題を避けて通るわけにはいきません。この国民的な日本を挙げての論議の中で、私は気になるのは、経済性とか採算ということに軸足を置いた論議がかなり先行しているなどいう感じがするわけです。そして一部の消費者も、安ければいいんじゃないかという形で、この論議に影響を与えているということ。これは私たちも反省事項でありますし、農林水産省なりあるいは政府として、農業、林業の果たしている役割、これを多角的な面からきちんと整理をして、あらゆる場でこれを主張する。もちろん閣議の場でも、そしてまた財界の人たちとの話し合いの中でも、そういった視点を明らかにしてかかるべきだという観点から、幾つかの点について私の考えを申し上げますので、それに対するお考え、所感をお願いいたしたいと思います。 農業、林業の果たしている役割というのは幾つかあるわけですが、これはただ単に経済性、採算性の側からだけの論議ではいけない。いわゆる経済行為ではあるけれども、そこには人間の健康、生命にかかわる産業であるということ、環境を守る産業だという、この視点ですね、これを強調したいわけです。 特に、最近消費者の中でも指摘されておりますように、食糧の安全性ということにつきましては、大変明確にいろいろな形で出てきておると思うのです。食糧の、穀物の自給率三〇を割るというのは異常な事態だと思うのです。結局、あとの七〇%というのは船積みして外国から来るわけでしょう。最も多いアメリカの東海岸から船積みしてくるとすれば熱帯を通ってくるわけです、パナマ運河。私は高校教師をしておりまして、化学の教師ですから、食品化学の専攻でございますからよくわかるのですけれども、食品とかああいった有機物というのは、そういう熱とか湿度に遭った場合、腐らないというのはおかしいのです。そういうことはあり得ない。腐るのが当たり前、カビの生えるのは当たり前。虫がわくのが当たり前なんです。それがないという状況。異常な状況のままに陸揚げされて我々の流通ルートに乗せられているということの恐ろしさ。そしてテレビにも出ましたけれども、輸入穀物だけで飼育したモンキーセンター、猿山の猿にも奇形児の発生率が自然の場合の百ないし二百四十倍だという指摘もあるわけです。 こういった安全性というものについて、絶対国内自給を基本にすべきだということをより強調していただきたいということと、二つ目は、環境問題は水の問題もあるわけですが、何といっても農業、林業というのは、水を守り空気をつくる、酸素をつくるのが葉緑素ですから。そしていわゆる地下水の保全、水田ですね。森林の場合は、空から降ってきた年間四千百億トンと言われる水を約七割方森林がこれをがっちりと受けとめている。こういう役割をきちんと主張していただきたい。木材は輸入できても森林は輸入できないんだ、もし仮に米が輸入できたとしても水田は輸入できないんだ、このことを大臣に声を大きくして主張していただきたい。このことについてのお考えを一言お願いしたいと思います。
○田名部国務大臣 同じ南部藩ということで、私ども東北は大体そういう意味では共通していると思うのでありますが、まあたまたま国へ帰るのですが、羽田を飛び立った飛行機から見ると、全く東京はもう曇っているように見えるわけですね。だんだん福島あたりへ行きますと、きれいに我がふるさとの方は全く澄んでおるということを見ても、環境がいかに汚染されているかということは感じます。 先生お話しのように、経済採算性、ややもすると経済大国になって目の前のもうけの方にばっかり目が行きがちだ、せっからな面が出てきまして、これが大いに問題だと私も思うのです。そこで、農林業、農山村は農林産物の安定的供給の役割を果たしているわけでございますけれども、特に水田や森林の適切な管理を通じで今お話しの水あるいは大気保全、緑豊かな景観の保持をしているわけでして、環境保全や国土保全にも重要な役割をこの農業というのは果たしておる、私は本当にそう思っております。ですから、この役割を十分果たすという点に着目をして、農林業の健全な発展と農林業が営まれる場である農山村の活性化というものを図っていかなければならない。目先だけにとらわれずに、やはり子や孫の代まで本当に見通して、今先生お話しのような考え方というものを声を大にして訴えてまいりたい、こう思います。
○沢藤分科員 もう一点追加してお聞きしたいわけですが、今の延長になるわけですけれども、一極集中という言葉にあらわされているように、都市化、大都市化、都会化が進んでいる。反面、当然過疎過密ということで、片一方では過疎現象が進行するという非常に大きなアンバランスが生じているわけです。ただ、私は大都会とか工業を目のかたきにして申し上げるというつもりはさらさらありませんが、事実として考えた場合、工業を支え、都会を支えているのは農山村なんですね。労働力が大量に大都会に集中している。恐らく東京人口の八割、九割は地方からの人でしょう、江戸時代から比べたら。それから水をせっせと供給しているのも農山村なわけです。これがなかったら工業用水が不足しますから、工業も成り立たない、大都会の生活も成り立たない。それから工業の場合は製造過程で酸素を消費して炭酸ガスを出すという宿命みたいなものを持っていますね。その大気汚染、つまりCO2、炭酸ガスの増加をせっせと吸収しているのが緑なわけです。そういった、しりぬぐいということは言いませんけれども、工業を支え大都会を支えている労働力、水、酸素、こういったことの関係をやはり都会の人、工業の人にはきちんと理解をしてもらって、そして農山村を守る、農業を守る、林業を守るというのは、工業、商業、大都会の人の運命共同体としての役割なんだということを強調して進めていただきたいと思います。 そこで、一つだけ質問です。どうも気になるのは財界の動きなんです。四、五年前でしたか、経団連、経済同友会が米の問題を中心にして提言、論文を発表しました。あれの流れは、減反はやりなさい、転作助成金は削りなさい、そして国内における自由市場をつくりなさい、外国から農畜産物を買い入れなさい、そして米も例外ではないということをだあっと書いていますね。振り返ってみますと、あの経団連なり経済同友会の提言がそのまま流れてきているような気がします。したがって、これはけしからぬ、これが自民党農政だと決めつけることよりも、財界の農政に対する影響ということを非常に重要に考えなければならないのじゃないか。そして世界貿易において摩擦を起こしているのはどちらかというと工業製品でしょう。農業は摩擦を起こしてないんですよ。それのツケと申しますか、摩擦解消のために農畜産物を輸入しなさいという言い方も私は承服できかねる。したがって、財界の一つの農業政策とか発言とかああいったものに対しては、政府としてもきちんと時と場所を選んでくぎを刺していただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
○田名部国務大臣 私の感じで、間違っている部分と正しい部分、それぞれ財界の発言の中にもあると思うのです。それは、一つは、何といっても瑞穂の国の日本ではなかなか生活が苦しいということで工業化を進めた。これは働き手を吸収したり経済が発展していったということにおいては、工業というものも発展したおかげで農業や漁業も発展してきたという点については、それは正しかった。しかし、限度がどこなのかということになりますと、余りにも過度に発展していくということはどういうことなのかという感じがしないでもないし、経済界の論理で農業に何でも当てはめていけばよくなるかというと、私はそう思わないのです。だからといって、今の日本の農業はこのままでいいかというと、これまた経営感覚でありますとか企業的な感覚、管理能力、そういうものも多少導入して努力することはしなければいかぬ。だからといって、自動車をつくるみたいなのと同じ感覚といったって、これはまた別でありますから、努力する分はしますけれども、経済家としての感覚だけで農業に押しつけてくるということは反対だ。 また、この一極集中についても、この大部分は地方から出てきている。先生や私の方の青森県、岩手県からも大分出てきて、いとこや子供やということで、怒ってみても-日野先生のところも多いのだろうと思いますが、宮城県は相当大きくなっていますからあれですが、それにしても住んでいる。そういうのを見ると、どうも水も電気も供給しないというわけにいかぬ。ただ、一極集中、これは排除していかなきゃならぬ。もうちょっと地方の発展のためにやはり努力をしていかなきゃならぬ、こういうふうに思っております。
○沢藤分科員 時間が経過していますので、先に進ませていただきます。 私は、今までの論議の中で申し上げたとおり、水田というのは日本農業の宝、財産だと思うのです。一朝一夕にはできませんね。四角に平らに地面をならせば田んぼになるという問題ではないわけです。この水面を最高度に活用する、水田の全面利用ということを一つの目標にすべきではないかというのが私の主張したい点でございます。 そこで、質問になりますが、一つは、最近耕作を放棄している農地がふえているということに接しています。耕作農地の実態をお聞かせ願いたい。簡単で結構です。
○上野政府委員 平成二年度の数字になるわけでございますが、耕作放棄地の面積は、合計で約十五万ヘクタール、田畑の内訳で言いますと、約五万ヘクタールが田、畑の方は約十万ヘクタール、こういうような状況でございます。
○沢藤分科員 これが進みますと、農地の力の回復というのは非常に難しくなると思うので、水田についても、米が過剰基調だから休出するとか、結局は休ませるとかあるいは荒れさせる、これはやってはならないことだと思うので、水田を水田のまま全面的に活用する方策というものを模索する。その場合に出てくるのは、食糧としての米を生産する水田プラス飼料としての水田の果たす役割というのがあるんじゃないか。これは私ども東北農民がえさ米運動ということでずっと続けてきたのですが、結論からいえば、やはり多収穫米のホールクロップサイレージ、これが主流になってしかるべきではないか。その場合には、ただ単に生産するだけじゃなくて、それを利用、活用する畜産酪農体系というものを周囲に展開しながら、畜産と結合した水田の飼料製作、ホールクロップサイレージ、この道を探るべきではないかと思うのですが、どうでしょうか。
○上野政府委員 水田の転作の態様といたしまして、稲のホールクロップサイレージというものは、湿田地帯やなんかにつきまして非常に有効な方策だというふうに考えるわけでございます。私どもの現在の対策におきましても、そういう考え方のもとに大いに進めるべしという考え方でやっておるわけでございます。 ただ、今委員お話ございましたように、このホールクロップサイレージをやるということになりますと、稲の栽培農家と畜産農家の間の利用関係、供給契約とでもいいますか、そういうものが存在をするということが前提になるわけでございます。そういう利用契約が要るということからきます地域的な畜産農家と水稲稲作農家との分布の問題というような問題がございますし、それからもう一つ、ホールクロップサイレージが、稲の転作という意味からいえば非常に有効なのでございますけれども、飼料自体の価値なりコストという面で見ますと、やはりまだトウモロコシなどと比較をいたしまして、コスト面でもあるいは栄養的な面でも差があるというようなこと、あるいはホールクロップサイレージを本格的にやろうとしますと、機械、施設が要るというような投資の必要性の問題もございまして、なかなか思うように拡大をしていないというのが現状でございます。 私どもといたしましては、先ほど来申し上げておりますように、水田転作の非常に有効な一つの形だというふうにも思っておるわけでございまして、畜産農家との間の取り決めの促進等を図りながら、これは畜産複合加算というような、この対策の中の加算金やなんかもあるわけでございまして、そういうものを使って促進をしてまいりたい、かように考えている次第でございます。
○沢藤分科員 今のお答えの中で、私も実際仲間と一緒にやってみた経験から申し上げますと、ホールクロップサイレージをつくるのには、サイロでもできるし、飼料の袋でもできるのです。したがって、これは技術的にも施設的にも余り問題はないということ。それからつくったものは、表面に膜が張ることはありますけれども、これを取り払えば夏を経過しても食える、飼料として使える、そして牛の食い込みもいい。それで秋田の畜産試験場で屠殺しまして試験をしたのですが、肉質もいい、増体量も変わらないという結果が出ていますから、その点はある程度自信を持ってといいますか意欲を持って進めていただきたいということをお願いしておきます。 時間がもうどんどんたちますので、水田の全面活用のもう一つのテーマとして燃料を生産できないかということであります。食糧、飼料、燃料となりますと、これはでん粉質、多収穫米を原料とするアルコール生産ということになるわけであります。 これについて通産省にひとつお聞きしておきますが、かなり前の資料で恐縮なのですけれども、NEDO、新エネルギー総合開発機構の中で予算を置いて、アルコールバイオマスとかアルコール製造関係ということを研究なさった経緯があるのですが、簡単で結構ですけれども、将来のエネルギー政策の見通しの中で、バイオマスエネルギー、バイオエネルギーの占める役割というのはどう見通しておられるか、そのことをお聞かせ願いたい。
○上田説明員 お答え申し上げます。 一昨年六月に私どもは総合エネルギー調査会の方から長期需給見通しをいただいております。その際に、石油代替エネルギー部会におきましても、メタノールとの比較においてエチルアルコールについて議論がなされております。その結論は、ポイントは二つございまして、一つは、エネルギー政策上ある程度使い得るものになるためには、大量かつ安定的に供給されることが必要である。それからもう一つは、やはり経済性の問題があるわけでございます。 先生御指摘のエタノールにつきましては、例えばブラジルあたりでこれは車に相当使われております。ただ、これは豊富な余剰農産物、具体的に言いますと、サトウキビがかなり豊富にございまして、それをエチルアルコールにし、車に使っておるということでございます。ただ、ブラジルなどの生産規模といいますのは、日本国における発酵アルコールの生産規模の約百倍ぐらいの規模でございまして、そういう意味では、残念ながら今の日本のバイオアルコールの生産規模というのは、いわゆるエネルギーとして使うにしては規模が小さいというのが一点あるわけでございます。 それからもう一つ、経済性の問題でございますが、これにつきましても、メチルアルコールは、現在天然ガスを使いまして工業的に生産されておるのが主流でごございまして、それとの比較におきまして、エチルアルコールの方はまだ経済性が現在の技術水準からして残念ながらメチルアルコールにかなわないというような議論が当時なされておりまして、結果的には、代替エネルギー部会においても、その辺のアルコールにつきましては、やはりメチルが主流じゃないかというような判断がなされておるわけでございます。
○沢藤分科員 メチルをどう生産するかといえば・バイオじゃないですね某酢からと毎バイオメチルもバイオかもしれないけれども、やはりエタノール、エチルでしょう、バイオエネルギー資源とすれば。これはお認め願えると思うのです。国内のバイオのエネルギー資源とすれば米以外に何があるかということを考えますと、バイオ手法ですよ。これは私は多収穫米がどうしてもベースになるのじゃないかなという気がします。しかし、時間がありませんから、この問題は機会をとらえて継続的に徹底して論議をしてみたいと思いますが、最後にまとめて農水省の御意見をお聞きして終わりたいと思います。 今の中で採算性、経済性ということが出てきました。それは確かに必要なことです。ただ、日本という一つの枠を考えた場合、輸入エネルギー、日本自体が取得する、得ることができるエネルギーという観点を考えた場合、これはまた価値観が違ってくると思うのですよ。さっきブラジルの例が出ましたし、アメリカだってトウモロコシを原料にしてエタノールをとって、搾りかすは家畜に与えて、出てきた炭酸ガスはドライアイスの原料にするとか、あるいは廃液はスイートウオーターということで、また農地なり家畜に還元するとか、循環ということを考えた場合、化石エネルギーを外国から買ってくる場合は循環じゃないですね。買って消費して炭酸ガスあるいはエネルギーということになる。しかし、このバイオのエネルギーの場合は、日本という枠の中で太陽のエネルギーをただでいただきながら、それを活用して、しかもただ単に工業的手法によるアルコールの原価計算だけの比較じゃなくて、その村落の活性化とかあるいは農産加工と結びつけるとか、そういった手法からすれば単価の論議もまた別に出てくる。やはり基本は、我々が住んでいる日本で、いわゆるエネルギーの需給体制を将来に向かってどう展開するかという全く基本的な問題と結びついてくると思うのです。ただ目の前の高いか安いか、こういうことだけじゃないと思う。その命題を私はバイオエネルギーということに求めたいわけです。そして、そこには水田の全面活用、そして多収穫米を一つの軸とするバイオエネルギーの取得、これを目指す一つの課題としたいと思うのですが、農水省、まとめてひとつ御所見をお願いしたいと思います。
○貝沼政府委員 ただいま先生の御指摘にありましたとおり、バイオマスのアルコールというのは非常に大事な問題だと私ども思っておりますし、ちょうど昨年までの十年間にわたりましてバイオマス変換計画という大型のプロジェクトを推進してまいりました。その中の一つは、地球環境保全というような観点から、国内産の炭酸ガスというようなことでございますけれども、原料の一つとしては米のアルコールというような問題でございます。米のアルコールは非常に伝統的な技術として、日本酒の技術でございますけれども、燃料を考える場合に、コストの問題を十分考えなければいけないということで、研究の切り口としては、次の三つの問題から切ったわけでございます。 最初に、米の生産に要する直接間接のエネルギーをどこまで低減できるか、これが一点でございます。これは稲の生産の方になりますが、先生は大変化学に御造詣が深いというふうに伺っておりますので、アルコール発酵の方を少し詳しくお話しさせていただきますと、二番目は、アルコール発酵を無蒸煮で行うというような酵素の開発とバイオリアクターの開発。それから三番目には、できましたアルコールの濃縮でございますが、減圧蒸留と膜を組み合わせたパーべーパレーション、このようなところでやっております。 現在、このような問題である程度までは解決ができましたけれども、生産あるいはアルコール化に要するエネルギーというのは、得られるエネルギーより相当大きいというような問題をまだ残しておりまして、私ども研究は続けておりますが、実用化には現在ちょっと難しい段階にあるというのが実情でございます。
○沢藤分科員 一言要望して終わりたいと思いますが、大臣、お聞きのとおり、いろいろ問題、課題はあるのですよ。ただ、エネルギー消費にしても、さっきの亡くなられた何とか先生の論とまた違う論もあるわけです、学説も。これはまた継続的にこれからやっていかなければなりませんが、農山村の活性化ということになった場合、農産加工、林産加工というものを一つの軸に据えながら、そこにはフルに農畜産物、林産物の付加価値を高める、そこには雇用の場もできる、そして地場の消費拡大にもつなげるという加工を軸として、農民自体、農村自体の力でもって活性化するという一つの要素が非常に必要だと私は思うのです。その一つの手法として今提起したのが燃料、それから飼料化ということですから、お願いしておきますが、私どもも仲間をつくって継続的にこれは研究をしていきたいと思う。そのときには農水省からもオブザーバーでも何でも結構ですか、ら、参画していただきたいと思います。 お願いをして終わります。
○柳沢主査 これにて沢藤礼次郎君の質疑は終了いたしました。 次に、貝沼次郎君。
○貝沼分科員 昨日、質問の通告のときにはなかったのでありますが、先ほど大変失礼だと思いましたが、真っ先に大臣の御発言の中から一つだけお伺いさせていただきたいということを申し上げました。ただいまも議論になっておりましたが、農山村の生活の質的向上、活性化、これが非常に大事だと私思っておるわけでございます。実は私生まれたのは新潟でありまして、現在岡山におるわけであります。同じ農村を見ましても、大分違う点がある。しかしながら、共通しておる点は過疎化であり、農村の活性化というものがどうして行われるのかということに対する不安、こういうものがございます。 そこで、大臣に端的にお伺いしたいと思いますが、元来農業というのはずっと切り離すことはできなかったわけですが、しかし、今日のハイテクの技術では、それは通用しなくなってきておる。土、太陽、自然、これに人間の手を加えてよりよい作物をつくり出してきたというのが歴史だと思います。文化であったと思います。ところが最近は、コンピューターで環境整備をすれば、いろんな温度その他でやれば季節、天候に左右されないものができる。それから種子から無菌状態ならば農業の心配も要らないというようなことで、生育のスピード、これも何倍にもなる。つまり生産量が何倍にもなってくるという技術があります。また生産地も流通機構もそういう点で変わりつつありますね。現代はそういう段階に入ってきておる。こういう時代に現在の農村がどう変わっていかなければならないのか、これでいいのか、そのためには何をしようとなさるのか、この点についてまずお伺いしたいと思います。
○田名部国務大臣 幾つか考えておることがあるのでありますが、何といっても担い手をどうするかという問題が一つあります。これがなければもう壊滅的な打撃を受けるわけですから、これを一つ今検討しております。 どういうふうにこれを解決するかというと、何といっても規模が小さくて農家自身に資力がない。いろいろ条件がありまして、もうからぬようにしておるものですから、やはりもうかる方に若い人たちが行ってしまう。これを何とか解消する方法がないか。今まではどっちかというと、きめ細かに努力はしたんでしょうけれども、何かやると全国一律という感じがありまして、もっと中山間地は中山間地、それから優良農地、まあ私は超優良農地と言っているのですが、そういうものをきちっとつくり上げる。そしてどの程度の規模を何人でやるとどういうふうになるかということから農業経営に入っていかないと、これはできない。そこで、集約化を図って、個々に持っておった人が一緒になるわけですから、多少余剰の人口が出るのではないだろうか。そうした場合に、機械の受委託をする会社なり機械のリース会社、そういうものに働いてもらう。あるいは加工農産物、これを加工場をつくって、そういうところにも人を張りつけていくということで、何とか今よりもよくならぬだろうかということで、今新しい農業、農村ということで省内で検討しているわけであります。 ですから、まあそれだけではなかなか後継者も育たぬというものですから、あるいは立ちおくれている道路でありますとか、集落排水、こういう環境の整備を図って、あるいはもう少し農村の特徴というものを生かして、これはオランダの風車のことを私は想像して言っているのですけれども、あんなに人が集まる。日本にもかつて水車だとかいろいろな農村の生活というものはあった。みんな近代的になりまして、そういうものを残して村おこしみたいにして都会の人たちに見てもらうとか、いろいろと知恵を出しながら、何といっても農業をやる人たちが意欲的でなきゃいかない。基本的にはやる気のある人でなきゃいかぬ。そういうことも踏まえていろいろと対策を考えて、農山漁村の活性化というものを春をめどに、こう言っておりますので、そう遠くない時期に大体の方向をお示しできるのではないかというふうに考えております。
○貝沼分科員 春をめどに、春というのはどういう意味の春なのかよくわかりませんが、春をめどに一つの方針が出されるやに伺いましたが、確かに担い手、それからやる人の意欲、こういうものが非常に大事でありまして、それを端的にあらわしておりますのが、どうも嫁さんが来ないということです。これはもう一番はっきりそれであらわれておると思います。したがって、その現実が解消できたときに恐らく大臣の思うような立派な農村になっておるんだろうと私は思いますね。それを目指さなければならぬと思います。 しかし、そのためには、ただやっている、やっていると幾ら言ってもなかなか見えません。そこで思い切った目に見える予算的措置というものをきちんとやらないと、これはだめだと思いますね。下水をどうのこうのと一生懸命やったって、人がいないところには要らないわけですから。したがって、まず人が要るようなこと、目に見えるそういう予算、これが必要だと思いますが、今年度の予算編成に当たって際立ってこれがそうだというようなものは一つでもございますか。
○馬場政府委員 平成四年度の我が省の予算関係の編成に当たりましての基本的な考え方を申し上げますと、今委員も御指摘になりましたように、現在の農山漁村のあり方、それが我々としては二十一世紀に向かって明るい展望が持てるようにということで、特に重点を置きましたのは、一つは生産対策でございまして、これは高品質・高生産性農業の育成を図るということで、新しく先進的な農業生産総合対策を進めていくということでございます。 それからもう一つは、構造政策といたしまして、特に農村の今の後継者問題等も含めまして、新規参入の青年を含む就農促進対策のための農業改良資金制度の拡充あるいは連担的な作業条件の形成、担い手への農地の利用集積というようなことを考えました効率的な生産システムの構築というようなことでございます。 それからもう一つは、農山漁村の生活の質的向上、活性化を図るということで、いわゆる景観形成なり環境保全に配慮した「美しいむらづくり」特別対策というようなもの。そして、さらに山村振興なり定住事業の促進というようなことも含めまして、農山漁村の生活関連の社会資本の整備を図るというふうなことを農業対策として組んでいるわけでございます。
○貝沼分科員 それらを私も見ましたけれども、それじゃ全然魅力ないんですよね。それでよしとするなら、私はこういう質問はしませんが、それでは農村は納得しておりません。思い切った予算措置というものを今後要求しておきたいと思います。 それから、次の問題に移りたいと思いますが、これは前から私取り上げてまいりました問題で、急病の問題でございます。魚のお医者さんをつくりなさいという話です、結論としては。 これは経過を申し上げますと、第八十回国会、昭和五十二年五月、衆参両院農林水産委員会で附帯決議をいたしまして、六年制獣医学教育の課程に急病学を含め、かつ獣医学系大学の急病研究体制を整備するよう政府に要望となっております。それから文部省大学局長の通知でも、大学の中に急病学を含む教育の基準というものを考える。そして、その後どんどんやってきておるわけですが、第九十一回国会、五十五年、武藤農林水産大臣は、魚介類を獣医師の診療対象動物として明確に規定するため、獣医師法第十七条の改正を検討すると約束した。約束したのです、これは。それから亀岡農林水産大臣も、これを整備しなければならないと明言をいたしました。さらに五十九年には、引き続き前向きに検討する、これは私が質問したときにそう答えております。 そして、六十一年二月二十四日決算委員会で私がさらにこれを質問いたしました。このときに、ただ獣医師法の話だけではらちが明きませんので、そうではなく、私は一つの方法をこのとき提案しております。それは獣医師法十七条の改正で、例えば家畜の中に「牛、馬、めん羊、山羊、豚、犬、猫及び鶏」、こう入っておるわけですが、その中に魚を入れる。これは諸外国では入っておるわけですから、これを入れたらどうかという考えと、それだけでなく、水産大学校の方で人材の育成をやっておるわけでありますので、そちらの方の人材をも活用して登用して、そして両方で、例えば養殖をやっておるところに対する薬の投与、それも普通ならば要指示薬と言われるような成分のものでも、魚のお医者さんがいないばかりに、その処方せんを書く人ももちろんおりませんし、書く必要もなくそのまま投与されておるわけでありますから、食生活の安全というところから見て、これは問題である、こういうふうに私は取り上げてまいりました。それが改善されるならば、この両方のところから人材登用を図って対応すべきではないのか、こういうことを申し上げて質問いたしました。そのときに羽田農水大臣は、積極的に検討していくということで、「今御指摘の趣旨を私どもも十分頭に置きながら一つの結論を得ることができますように積極的に努力をしていくということで、委員のお気持ちはよくわかっておりますことをお伝え申し上げたいと思います。」十年以上かかっておるんです。これはもうぼつぼつ十年もやったら見当はついておるんだろうと思いますが、どうなったんですか。
○鶴岡政府委員 魚病対策につきましては、私ども水産庁といたしましても、水産振興上あるいは国民に対する食品の供給という点から極めて関心を持っております。ただ、畜産等とは違いまして、漁業の場合には、やはりその養殖の仕方でありますとか、あるいは需要のふえ方その他全体的に考える必要があるということで、そういう努力をいたしておるわけでございます。 それから、今先生御指摘のように、獣医師法等との関係につきまして歴代大臣の答弁について私も承知しております。ただ、養殖魚の診療行為を獣医師に限定するということになりますと、御案内のとおり、獣医師の分布と養殖生産地が一致していない、あるいはまた養殖魚を診療している獣医師が少ない、それからまた魚類防疫士等が現実にやっておるというようなことで、まだ制度化自体についての結論は出すに至っておりません。 ただ、一点申し上げたいのは、養殖魚に使用されておる医薬品は、もう先生御案内のとおりで、要指示薬制度はとられておりませんけれども、薬事法に基づきまして、用法、用量、使用禁止期間等の使用基準が定められておるところでありまして、それを遵守してもらえば食品としての安全性は確保されるというふうに考えておるわけでございます。そういう薬事法の規定の運用あるいは現在魚類防疫士、年々三十名程度ふやしておるわけでございますけれども、そういう制度の運用と相まって魚病対策について取り組んでいきたいというふうに考えております。
○貝沼分科員 そんな答弁じゃだめなんですよ。病気の人がおる、だから医者をちゃんと国家試験でつくるんです、そうでしょう。官庁があれば医者が要らないんじゃないでしょう。あるいは家畜の病気がある、だから獣医師をちゃんと国家試験でつくるんじゃないですか。魚だけがなぜ官庁があったらいいんですか。そんなことはないでしょう。それは理屈成り立ちません。それだけの資格を持った人をきちんとつくって、そしてそういう間違いのないようにきちっと監督させればいいのであって、官庁が監督しておるからいいんです、そういう話はおかしいですよ、それは。 それから、十年もかかって、結局やる気がないんでしょう。やる気がないならないとはっきり言ってください。十年間もだまされ続けておることはできません。はっきり言ってください。
○鶴岡政府委員 急病自身が、水産、特に養殖業の展開にとって極めて重要な事柄でございますので、急病対策の取り組みについて私ども真剣に考えておるわけでございます。ただ、こういう獣医師と同じように制度化すること自身につきましては、まだいろいろ成熟していない部面もありますし、なお検討を要するということで、私どもやる気がないということではございませんことを御理解いただきたいと思います。
○貝沼分科員 それでは、百歩譲って、私も何も政府を非難するために立っておるわけではありませんから、百歩譲って、まだやるべきことが残っている、あるいはこれは詰めなければならないということのようですから、今までそういう、これとこれが今問題なので、どうしようもないとか、どうしたらいいでしょうかという話は一回もないんだ。ただ、検討します、検討しますだ。じゃ、これをきちっと整理して、どこが問題であり、いつまでに結論を出すつもりであるか、そのことについては報告できますか。
○鶴岡政府委員 やはり制度化するためには、それだけの技術的なすそ野の広がりでありますとか、例えて申しますと、大学におきます講座ができるような実態であるかどうか、それがどの程度の広がりでできるか、それからまた医師といえどもこれは一つの営業でございますので、医師側から見た場合に、現在の実態から見て対応するような経済実態があるのかどうか等々の問題があるわけでございまして、問題点はいろいろ御説明はできると思います。それがいつまでに結論を得るという時間的なお約束はできませんけれども、問題点の御説明は十分いたしたいと思います。
○貝沼分科員 またへんてこりんな説明をする。そういうのではだめなんですよ。経済的実態があるかどうかと言うが、医者が国家試験を受かってやる場合に、この医者は経済的に成り立つかどうか判断して医者をつくっておるのですか。獣医師をつくるときに、経済的になりわいが成り立つかどうかを判断して獣医師にしているのですか。そうじゃないでしょう。それは本人の問題じゃないですか。経済的に実態が合うか合わないか。合わなければなる人いませんよ、それは。制度の問題です。そうでしょう。そういう説明をしたら、僕は医師法も見ましたよ。それから獣医師法も見たけれども、経済的な実態に合ってやるなんて書いてありませんよ。医師は何をすべきか、獣医師は何をすべきかということは書いてあるけれども。それはおかしいです。じゃ、いつ結論を出せるか、いつまでに作業を進めるか、それも言えないということで全く無責任です。私たちは毎日その魚を食べておるのです。問題が起きたときには、養殖したどころではなく、その魚を売ったところがやられるのです。ああ問題が起きたと思ったときに、もうその魚は私どもの胃袋に入っておるのです。したがって、まず養殖するところが、これがきちんと管理されていなければ、それだけの資格を持った人が責任を持って薬の投与とかやっていなければ、私は本当の安全性は確保されないと思うので、これを一生懸命言っているわけですけれども、どうもそれがわかってもらえぬようですから、大臣、これだけに時間をかけておるわけにいきませんので、決意のほどをお願いしたいと思います。
○田名部国務大臣 実は、私もこの話を伺って、何代にもわたって大臣がお答えして、それだけ難しい問題があるんだな、こう思っておりました。御案内のように、獣医師自体が不足しておりまして、これをどの程度にふやしていけるのだろうか。それで、この魚の方も診るけれども、おかの畜産も診るというほど多くなってくれればいいのですが、何せ魚は海岸線にずっとですから、おかの方の畜産をやっている人はまたなかなか問題もあるのかな、そういうことで、何かひとつ漁業に関して、医者はそれは勝手になっているんだ、こういうお話ですが、医者もふえたときは定員を削減して、余り競争が激しくならぬようにとか、いろいろ配慮をしたことはあるわけですが、この点からこれも非常に難しい問題があるんだなということは、私も話を聞いて感じました。検討する、検討すると言って、また私が検討するという話になったのでは、一体いつまで続くのかということも、実はお話を私は申し上げました、率直に申し上げて。しかし、そういってみても、小動物のペットの方はどんどんふえるけれども、この種の方は余りふえない、減少しておるという実態の中でどうするかということになると、いろいろの問題がありまして、本当に抜本的に対策を立てないと不可能だなという感じは私も持っております。
○貝沼分科員 どれだけの量があるとかないとかという話ですが、先ほどそのために私はハイテクの話をしたのですが、ただ海に泳いでいる魚をとってくる時代ではないのですよね、これから先。そうすると、人工的なものが多くなってくるので、そういう体制をきちっとしておかないと日本の食生活は大変なことになるという危倶があるんです。したがって、あの話をわざわざ入れさせてもらったんです。本当にハイテク、バイオ、そういう時代に来ておるという実感があれば、これはそれなりの対応というものをきちんとやっておかないと後追いになってしまうんではないか。早急にひとつ結論を、どっちでもいいですよ、私は。どっちでもいいですけれども、やはり政治家としての責任としてこれは体制はきちんとしておかないといけません。よろしくお願いします。 それから、時間がもうなくなってしまいましたから、次は森林組合の事業のことで、これも基本的なことだけお尋ねしておきたいと思いますが、「森林所有者の経済的社会的地位の向上並びに森林の保続培養及び森林生産力の増進」を掲げた森林組合の活動は、これは大変重大であります。しかし、今この事業も瀕死の状態になっている。山は荒れ果てている。何とかしなくてはと思う人も多い。このときに象徴的な事件が岡山で起こっております。私が質問すると言ったら、きのう夜中じゅう岡山の方まで取材があったようでありますけれども、それほど大変な問題なのかなと私は認識しておるわけですが、実は岡山県神郷町森林組合の作業員が作業中に転落して死亡いたしました。裁判の結果、労働安全衛生法違反で組合は略式命令を受け、罰金一人七万円ずつでありました。組合は、法律違反だから仕方がない、しかし、罰則はあるが、事故を防ぐ経費を見てくれないと困る、国の補助金の中に安全対策費を上乗せしてもらいたい、これについてそういうふうな話がございました。よく調べてみますと、安全対策費は、国会ではあると答弁しておりますけれども、あるといっても少ないのも多いのもいろいろありまして、対策ができるかできないかという費用も、これまたあるわけでありますが、事実はないに等しいわけでございます。 そういうようなところから、初めに労働省、来ておられますか。こういう法律違反が問われるような場合に、法律上実行可能な予算措置というものは当然求められるものだろうと思いますが、この点は簡単にお答えください。
○大関説明員 労働安全衛生法におきましては、労働災害防止の責務は事業者にございまして、したがいまして、このために必要な費用につきましては事業者が負担すべきものとなっております。 なお、労働安全衛生法におきましては、仕事を発注する者は、「安全で衛生的な作業の遂行をそこなうおそれのある条件を附さないように配慮」することとされております。
○貝沼分科員 したがって、これは予算措置は私は当然なことであると思います。ところが、この組合のいろいろな中身を聞いてみますと、組合が勝手に何かをやることはない、全部企画は上の方でやってくるんであって、ただもう働くことを一生懸命させているだけである。ところが人の安全ということが非常に心配だ。したがって、例えばどこで企画したりあるいはいろいろなことをやるかというと、県の開発公社であるとか林業公社とかそういうところでみんなやっており、そしてお金はどれだけ出ているかというと、一日一人一万一千円で計算されて、賃金九千五百円、退職共済、労災保険を描けるとそわできりきり。それでも組合を運営しているのは、例えば一人一日百六十本植えるところを二百三十本植えるとかいろいろな無理をやって運営しておる。その上、厚生年金も定期昇給もボーナスもない。五年後の労働力を考えると寒くなると。営林署の職員の場合は、一人にかかる費用は、この人の計算では一旦二万五千円。それで結局仕事はさせられるが、しかしその安全対策に使えるお金というものは、予算措置がほとんどないに等しい、こういう実情でございますが、こういうことでは私はいけないと思いますので、これはまず事実そうなのか、認めるかどうかということと、もう一つは、こういう事実があって裁判になり罰金まで科せられておる現状において、日本の各地における状況というのを当局はこれを調査する考えはあるかどうか、この点について伺いたいと思います。
○小澤政府委員 林業の作業といいますのは傾斜地で行っているということでございますけれども、その中で作業を大体私ども三つに分けて考えておりますが、一つは治山事業、それからもう一つは林道事業、それから今お話のございましたのは造林事業でございます。治山や林道になりますと、発注者があり、それを受ける者がある。その発注する際に安全経費を経費の中に積算して出しておる。ところが造林の場合は、森林組合のお話が今出まして、森林組合がみずから実施しているということでございます。つまり発注者と請負者が同一であるというケースが多いわけでございます。したがいまして、国からの造林費というのは、労賃とそれから苗木代というようなものが補助対象になっておるわけでございまして、あとは雇用労働者を使用して行う場合には、労災保険等の労務厚生費等諸掛かり費というものを助成対象にしておるわけでございます。 実際には、今先生御指摘ありました事柄、私どもも調べてみましたところ、傾斜度が三十五度から四十度ぐらいという非常に急なところでございまして、それでそういうようなところにつきましては、いろいろな安全指導とかあるいは防護対策というものも労働安全規則等に定められておりますけれども、ただ、山の場合は斜面を移動して歩くものでございますから、なかなか命綱というようなものがとりにくい、つけにくい、そういう場合は保護帽等でもよいという指導もなされているわけでございますが、私どもとしては、今後この安全対策につきましては十分留意する必要がございますので、指導の徹底をいたしますと同時に、危険な作業箇所につきましては、造林事業の対象地から外すように指導してまいるというようなことも含めまして、安全の徹底に努めてまいりたいと思っております。 なお、造林事業につきましては、別途予算措置といたしまして、森林組合作業班の育成強化事業でございますとか、あるいは平成四年度から新規のものといたしまして林業就労改善促進対策事業というような別途補助事業も起こしまして、安全対策に努めてまいりたいと考えております。
○貝沼分科員 僕が聞いているのに答えはないのですよ。あなた、説明してくれと私は言ってないのです。現実に、あなたそんなこと言っているけれども、これは今傾斜から落ちたために裁判になって罰金払っているんだ。それを外すとか外さないとか関係ないじゃないですか、これは。これは裁判所の通知ですよ。私持っています。略式命令。外すとか外さないとか指導するとかしないとかの話じゃないでしょう。現実に起こっている。現実に起こっておるから、だからもう一度全国を調査なさったらいかがですかと、それに対する答弁を求めたのであって、説明してくれと頼んだわけではない。調査するかしないか、その答弁を求めます。
○小澤政府委員 災害事故というのは、減少には努めておりますけれども、確かに発生しておりますので、私どもは、今回の事故につきましても、こういう類似事故が発生しないように十分指導いたしますとともに、実態につきましても、いろいろ私どもの方の関係機関あるいは災害対策の組織も持っておりますので、十分把握に努めて対策を講じたいと思っております。
○貝沼分科員 時間がありませんので、もう終わりますが、大臣、一度ひとつお調べ願いたいと思います。 終わります。
○柳沢主査 これにて貝沼次郎君の質疑は終了いたしました。 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○柳沢主査 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。衛藤晟一君。
○衛藤(晟)分科員 それでは農政について質問をさせていただきたいと思います。 私も我が県等ずっと歩いておりましても、農村部を歩けば歩くほど、このままではひょっとしたら農業はつぶれてしまうのではなかろうかな、また農村がつぶれてしまうのではなかろうかなということを歩きながらふっと感じることが多うございます。農地を見ましても、ぽつんとお年寄りが働いている姿、あるいはいろいろ農村に行きましても、ちょっと昔まではこの部落は六十戸あったけれどももう既に二十戸しかなくなったとか、そんなところが大変多うございまして、一体この日本の食糧と国土を守っておる農業あるいは農村というのはどうなるのだろうかということを大変心配をしているところでございます。 農林水産省では、平成三年度より、そんな状況を踏まえながら抜本的な農政の見直しを始めたというぐあいにお聞きをいたしておりますけれども、その検討の状況と方向性についてお尋ねをしたいと思います。 いろいろな審議会、懇談会等もつくっておられるようでありますが、私はやはりポイントはどうしても二つは必要ではないのか。一つは、過去日本の農政は、明治以来、殖産興業あるいは富国強兵と言われる中で、農業人口から工業人口あるいは第三次商業人口等に切りかわってきて、農業人口はずっと減ってまいりました。これは明治以来一貫した流れだというぐあいに思いますけれども、そういう中で我が国がとってきた農業政策はどうもいま一つ、何とか食糧を確保しようということと、もう一つは保護策の方に重点を置かれてきたのではないかなというぐあいに考えております。そうじゃなくて、やはりこの際、まさに産業として魅力ある、かつ自立できるような農業を一体どうしたら実現できるのかということを考えなければいけないのではないのか。 いま一つは、農村を回っておりましてもそうですが、本当に後継者あるいは若者が魅力ある農村と思う、その農村コミュニティーというのを守るという、この二つの視点がなければいけないんじゃないかなということも考えておるのですが、大臣、この農政見直しの検討の状況と方向性をお尋ねしたいというように思います。
○田名部国務大臣 今お話がありましたが、全くそこに視点を置いて考えております。何といっても目先の利益を追求するというか、そういう風潮が日本全体に漂っているのですね、もうけ、もうけということだけで。ですから、農民にやはりもっと誇りを持ってもらいたい。一億二千万の国民の食糧をおれたちがやっているんだという誇りがなければいかぬということと、あわせて、誇りだけでいいかというと、そこに実質的に伴うものもなければならぬ。ですから、今や国民全体で日本の農業を守ろうという意識もあって初めて誇りも出てくるのだろうと思うのですね。具体的に保護をしてきた。かつてこれは年貢米として古いときから納めてきたというあれがあるものですから、お米というものは格別にみんな大事にしてきたという歴史的なこともあって、何となく農業に一生懸命やってやるということも当たり前、してもらう方もそれでごく普通という意識を改革しませんとなかなか難しいと思うのです。 いずれにしても、春、五月ぐらいまでは春だろうと思いますから、今お話しになりました食料、農業、農村、この方向をお示ししたい。それも先生方に肉づけをしていただきたいのですが、私が申し上げておるのは、微調整ではだめだ、抜本的にやった方がいい、こういう意見で今やっていただいているのですが、その中で何といってもさっきの担い手の不足、これは土地利用型の農業について、農業全般そうですけれども、もっと経営管理能力にすぐれた後継者でなければならぬし、あるいは企業的な感覚、そういう若い人を育成しよう。もう今パソコン、コンピューター、あらゆるものを駆使して取り組んでいく、あるいは研究も一緒になってやっていくという前向きの姿勢がないと、そこで農家の長男に生まれたから後を継ぐんだという意識も変えていかなければならぬ。意欲のある人にやってもらわないといけない。 それからいま一つは、地域の実態に合うようにもうちょっときめ細かにやってみたらどうかということで、例えば土地も、水田、畑、どの規模が適正か、適正な規模を何人でやるとどれだけの経費がかかってどれだけの利益が出てくるという、そういう観点から優良農地というものをきちっとしながら、協力したところには思い切った投資をしていくということではないと、わずかの耕作面積をやっているのも大きなきちっとこれからやろうとしてやるのも同じであってはなかなか進まないという印象を持っております。したがって、一つの大きな面積にしますと、大きい面積を持った人、わずかな面積を持った人それぞれいるのですが、二、三反歩の人もその中に入るわけですけれども、それは全部耕作してあげる、あるいは田植えから稲刈りから全部してあげる、あるいは離農するときにはそれを買い取って、その一画だけはずっと子供や孫の代になっても農地として保っていくというようなことになりませんと、なかなか面倒だと思います。ですから、あと機械のリース会社あるいは受委託をする会社あるいは生産物を加工する会社、いろいろなものを想定しながら今進めたらどうか、こう思っております。 もう一つは、嫁対策だ。いろいろありますが、何といってもやはり農村の環境の整備をしてあげなければならぬ。水洗にするとか。大体自分の娘はサラリーマンに嫁がせる。息子には農家からもらってくる。この意識も、やはり農家の娘は農業をやっている人に嫁がすということでないと、嫁対策、対策と言っていて自分たちがそれをやらぬわけですから。そこにもいろいろな理由があります。そういうものを本当にきちっとやっていこう、多様な就業の場も確保して、何とかここで本当に思い切ったことをやりませんと、もういよいよ農業は立ち行かない、こんな気持ちがしております。
○衛藤(晟)分科員 どうもありがとうございました。 私も、つい先日、卸売市場の方に行ってそこの方とお話をしましたら、こういう話をしていました。外国から農産物を入れる場合はどういう条件をあなた方考えますかという質問をしましたら、価格差が大体三、四倍以上あれば外国から入れることを考えるという話をしていました。だから、それ以内であれば我々は入れません。それと、あとの条件は何ですかと言いましたら、安全で新鮮でうまい。今言った価格差とこのことを入れまして四つそろっていなければだめだということを言っていました。私は、非常に効率のよいと言われる外国農業に、日本農業はそのことを考えると十分に対抗できる、そしてやはり所得面においても産業として自立てきる農業の方向があるのではないか。生きがいと同時に、地域を守るということと同時にそういうことを考えますので、ぜひとも抜本的な農政の見直しをこの際やっていただきたい。そして、日本農業をぜひ大臣の手で再建をしていただきたいと心から切望するものでございます。 さて、二点目でありますけれども、農村地域は大変な高齢化率でありまして、全国平均が二一・ちょっととしますと農村は平均が大体二〇パーくらいになっています。日本全国の大体二十年先を行っているというぐあいになっているわけでございまして大変でございます。私もつい先日ある町村を回っておりましたら、何と高齢化率が二八%、もうすぐ三〇%です、十人のうち三人までが六十五歳以上のお年寄りですという話をしていました。本当に深刻だなということをしみじみと感じました。 我が大分県も中山間地域の大変多いところでございまして、中山間地域全体のことを見ますと、農林省の統計をお見せいただいても、中山間地域では人口減の市町村は八、九割だ、また自然減、出生数よりも死亡数の方が多いと言われる自然減は中山間地域ではもう六、七割にもなった、七割ぐらいに達するということのようでありますので、特に私は農村、とりわけ中山間地域での活性化がどうしても必要だろうというぐあいに思っているところでございますが、その対策はどうでございましょうか。
○馬場政府委員 御指摘のように、我が国で殊に農業の現状を見ますと、いわゆる平地農村、それから農山村、山村、大体そういうふうに分かれるわけですが、先生のおっしゃる中山間地域というのは農山村ないし山村にかかる地域だろうと思います。これらの地域の割合というのはかなり高こうございまして、そこにおきます農業の問題というのは非常に深刻な状況にあるわけであります。もちろん、これらは国土あるいは自然環境の保全とか豊かな緑の提供という意味では非常に重要な役割を果たしておりまして、そこの活力が失われることは、とりもなおさずそういう我が国におきます国土の保全が損なわれるということであります。そのために我々としては、やはりこの地域を何とかしなければいかぬ、その地域におきます創意工夫というようなものを生かしながら、その地域に人が住み、そして産業が営まれるということが必要だろうと思っております。 そのためにはやはりそういう自然条件、立地条件に即した特色のある農林業を振興していかなくてはいかぬ。そこに生活するための産業としてはやはり農林業が中心だろうと思います。それから、そういう地域は都市に比べますとどうしても生活環境の面で立ちおくれているという点がございますので、生活環境の整備をしなければいかぬ。さらに、先ほど農林業の振興と言いましたが、それだけではやはり生活ができないという場合に、農林業以外に就業の機会を確保する必要があるのではなかろうか。もう一つは、都市との交流ということがないと、やはり農山村の中だけで完結するものではございません。都市との交流という点にも重点を置いて施策を講じてまいりたいというふうに思っているわけであります。 じゃ、地域で特色のあるとは何だ、こういうことになるわけでございますが、確かに生産の基盤としては、例えば平地農村に比べますと田畑が非常に零細である、あるいは効率が悪いということはあるわけですが、やはりそういうところでは付加価値の高い作物の産地づくり、これは先生の御出身の大分におきます例の一村一品のようなものもあるわけでございます。あるいは、その地域で農産物、林産物の加工の役割ができるようにしていかなくてはならぬ。また、単なる農林業だけでなくて、保健休養施設というようなものを整備しまして、そういうものに都会の人も来るというようなことを整えなくてはいかぬ、このように考えているわけでありまして、生産基盤の整備、それから定住を確保するための生活環境の総合的な整備というようなことに重点を置いてまいりたいと思っております。
○衛藤(晟)分科員 ここでちょっと農協の問題について、農協というか営農指導についてちょっとお尋ねしたいと思うのです。 中小企業の場合は商工会議所に行きますと経営指導員がおられるのですね。そして、いろいろな融資についての御相談、経営内容についての御相談ができるのですね。そこでもちろん融資制度についても御相談がありますので、いろいろなものを利用もできる。また、それから銀行に行ったりもできるということになっておるわけですが、農協の場合はそこで全部一体として行われているのですね。何が一番足りないかというと、私は営農指導と経営指導だと思うのです。農業技術だとかどういうものをつくるだとかいうことと同時に、過去のいろいろな例を見ましても、経営内容についての的確な把握をしないままにやってきたという気がするのです。ですから、農協はもっともっと営農指導や経営指導を強めなければいけない、また産地づくりをやらなければいけないということはだれもが思っているわけであります。 中小企業にやったと同じように、国は商工会議所に経営指導員を全部張りつけたのです。大変大量に張りつけた。農協には農林省が中心になって、今でもいろいろな営農指導のための合理化の推進事業だとかいろいろなことをやられていますけれども、今農協も合併いたしておりますけれども、全国の体質改善のできたところには次々と営農指導員や経営指導員というものをつくって大量に張りつけるというぐあいにした方がいいのではないのか。今の農協はそういうことと同時にいろいろな信用事業もやる、販売事業もやる、それから今言ったように融資もやるということでちょっとごちゃまぜになり過ぎているのではないのか。そうすると、営農指導だとか経営指導だとか産地づくりというのは先行投資の部分ですから、なかなかそっちの方にお金が行かない。それでつくるためにいろいろな信用事業を手がけていて、これ自身の経営が今問題になっているというぐあいに思うわけですから、農協の本当に中心としてやらなければいけないこのような営農指導あるいは経営指導あるいは産地づくりにかかわるところは、農林省から単なる補助だけではなくて思い切った人材の割り当てというか張りつけというか、あるいは今半額出しているわけでありますが、半額ぐらい出すのじゃなくて、その数をもっともっと多くふやして、農家に行き届くまで、それくらい大規模にやらなければいけないのじゃないかと思うわけですが、そこのところはどうでしょうか。
○川合政府委員 今お話ございましたように、農協にとりまして営農指導あるいは経営指導というのは、一番中心的と申しますか基本的な事業であるべきだと思っております。従来からそうしたことで私どもも指導あるいは助成をしてきているわけでございますが、今お話がございましたように、いろいろな事業をやっている中で必ずしもこの中心的事業が十分行われていないという御批判があることは私どもも承知しております。しかしながら、合併を進め、体制を強化していくという取り組みを系統みずからもしておりますので、そうした中ではもう一度原点に戻りまして営農指導あるいは経営指導ということに農協が意を用い、重点的にやるべきだと思っております。 そこで、三年度の予算につきましても私どもは農業経営の合理化指導特別対策事業、あるいは先生が前の質問でお触れになりました農山村の活性化の促進対策事業というようなことで予算的な措置を講じておりますし、今御審議をいただいております四年度予算につきましても、営農指導体制の確立や指導チームの設置というようなことの特別対策事業を計上して御審議をお願いしているところでございます。 もちろんこれはそうした予算だけでできる仕事ではございませんが、系統一丸となってこうした難しい時期にやるべきことはやはりこうした事業だということを私どもも改めて肝に銘じまして指導その他の万全を期していきたいと思っております。よろしく御指導をお願いしたいと思っております。
○衛藤(晟)分科員 ありがとうございます。 金額を見ましても、本当にまだ微々たるものでありまして、商工会議所も会費をいただきながらやっておるのですね。ここには国が相当数の指導員を張りつけているのです。営農指導員あるいは経営指導員についてはどうしても持ち出し部分でありますが、農協の中心であるべきだというぐあいに思うのです。そういう持ち出し分が大きいがゆえにどうしてもほかで稼がなければいけないということを繰り返しておりますので、むしろ本来やるべきことについてもっともっと大規模に、一億とかいうようなお金じゃなくて思い切って数百億ぐらいのお金をかけて、人数を国内で数千人にするとかそれくらいのことは農業の再建のためにもぜひ考えていただきたいということを要望いたして、次の質問に移ります。 林道については、大分県のことを言ってなんですが、中山間地域が大変多うございますして、全国的に見ましても、林道の整備というのは大分おくれているようでございます。ところが、その中山間地域は、この林道の整備というのは極めて生活面にとりましても、もちろん林業の活性化にとりましても非常に重要な基盤施設でありますけれども、この森林資源基本計画の目標に達する達成状況は今どれぐらいなのか。どうもいまいち足りないんじゃないのかなというような感じを、私どもいろいろなところへ行きましてもするものですから、ぜひそこのところを教えていただきたいと思います。
○小澤政府委員 先生お尋ねの基本計画でございますけれども、この計画は昭和六十二年七月二十四日の閣議決定でございまして、「森林資源に関する基本計画」ということになっております。この計画は大変長期にわたります計画でございますけれども、林道の整備につきましては、目標延長を二十八万五千キロメートルということにしておりまして、おおむね四十年間の計画ということになっておるわけでございます。達成率でございますけれども、平成二年度末における達成状況は約四割でございます。したがいまして、林道の果たす役割が重要であるということにかんがみまして、今後とも整備を積極的に推進してまいりたいと考えております。
○衛藤(晟)分科員 本当に四割という達成率をお聞きしまして、寂しいなと思っております。ぜひ長官、頑張っていただきたい。我々も頑張りますので、大臣、ここのところもぜひよろしくお願いいたします。大体、過疎地というのはほとんどやはり中山間地域を抱えておるところでありまして、この四割、四〇%そこそこの達成状況しかないということは、やはりこれは東京に一極集中して田舎を切り捨てていると言われてもやむを得ない数字じゃないのかというように思いますので、ぜひよろしくお願いいたします。 それから森林施業の共同化あるいは高性能の林業機械の導入を促進して、流域林業の活性化を図っていくために今後どのような林道の整備を進めていくのか、そこのところも長官にお尋ねしたいと思います。
○小澤政府委員 我が国の森林資源、戦後営々と造林にも努めてまいりまして、森林資源の成熟期を迎えつつあるわけでございます。私どもはこの資源を活用いたしまして、国産材時代というものを迎えなければならないということでございますが、今後、流域を単位といたしまして、林業の担い手の育成確保でございますとかあるいは森林施業の共同化、さらにはまた高性能機械の導入を推進いたしまして、生産性の高い林業を確立していくことが重要と考えているわけでございます。このため、これらの基盤となります林道の整備が不可欠でございます。林道のネットワーク化や高密路網の整備を推進しているところでございます。 具体的には、平成三年度からは、高密路網の整備によります国産材安定供給基地づくりを推進いたしますための林業基盤緊急整備事業を実施しております。また、平成四年度からは、新たに民有林、国有林を通じます広域な流域において、高性能な林業の機械導入等の基盤とするため、流域内の林道ネットワーク化を推進する流域ネットワーク林道整備事業等の実施を予定しているところでございまして、今後とも林道等の持つ役割の重要性にかんがみまして、積極的な整備に努めてまいる考えでございます。
○衛藤(晟)分科員 今お話ありましたように、あとこの山村の定住基盤という観点に立った林道整備にぜひ積極的に取り組んでいただきたいなというように思っているわけですが、どうでしょうか。
○田名部国務大臣 お話のように、先ほど農業のことを申し上げましたが、この山村定住を図るために、これも私は大変重要だ。特に余暇活動として国有林、民有林あわせてもっと活用できないだろうか。例えば、欧米ではキャンピングカーというものは夏に非常に、我が国に全然ないと言ってもいいのですが、そういう水道、ガスあるいはトイレ、そういうものを設備してあげる。あるいは林間学校をつくりまして都市との交流を盛んにする。子供たちが、私たちは小さいころはよく本箱、本立てをつくったりいろいろつくりました、筆立てをつくったり。そういうことも指導する。あるいは前面は海が多いわけですから、そういう生活をこういうところでやらしてあげなきゃいかぬということから考えても、道路というのは大変重要になってくるわけですね。よく交通量が多いというので建設省は交通量を測定していますが、そういうことばかりではなくて、こういうところにもっと積極的に取り組んでいかなきゃならぬと思うし、またこの前からいろいろ質問が出るのは、定年退職した人たちを向こうに定住させる方法というものを考えたらどうか。おっしゃるとおり、大変な空気が悪い都会に住む必要があるのかどうかということ等も考えてみますと、お話のように、定住基盤としてのこの道路整備、これは平成四年度新たに森林整備事業計画を策定しまして、この中でこういう整備も図っていく、自治大臣ともこの間大分話をしまして、そういうことでやりたいんだがということで、積極的に自治省も応援する、こういうことで今両省でいろいろと詰めをいたしているところであります。
○衛藤(晟)分科員 ありがとうございます。 昨年大分も台風によって大変な森林被害を受けました。周りの県からも大変な御加勢の人が今入ってきたりしてやっていただいているわけでございますが、その復旧に当たりましては激甚災の指定を初めいろいろな形で御協力いただきまして、心から感謝を申し上げます。 その復旧の中、私がちょうど見たのは、高性能の林業機械を見させていただきました。大変な威力を発揮していまして、これは将来の林業の方向性も考えた上でもっともっと導入しなければいけないなということをつくづく感じたところでございます。この林業活性化のためにこのような機械の普及を大々的に行っていただきたいなというぐあいに思っておりますが、具体的なその方策についてはどうでしょうか。
○小澤政府委員 今先生からお尋ねございましたけれども、高性能の林業機械につきましては、十九号台風ということで関係者大変御努力もされて今復旧に努めておられるわけでございますけれども、私どもこの際、高性能機械を現地に投入いたしまして、速やかな復旧も図りたいということで努力をしているわけでございます。 そして、今後のこの機械の普及の問題でございますけれども、これにつきましては、被災地域の復旧ももちろん、さらには林業の活性化のために重要でございますので、今後具体的に促進をしてまいりたいわけでございますけれども、このためには、平成三年九月十一日付で策定、公表しておりますけれども、高性能林業機械化促進基本方針というものを出させていただいております。 この内容は、林業構造改善事業あるいは間伐促進強化対策事業等の活用によりまして機械の導入促進を図るということ、さらにまた我が国の自然条件等に適した高性能林業機械の開発を産学官の連携を密にしながら計画的に実施していくということ、それからこのオペレーターの養成が重要でございますけれども、これにつきましては国や都道府県によりまして積極的に養成に努める等、総合的に機械化の促進を図っていく考えでございます。 特に、御指摘の普及定着を推進するためには機械の稼働率を高めることが重要でございますので、県の森林組合連合会でございますとかあるいは第三セクター等によります機械の貸し付け、あるいは機械利用協同組合によります機械の共同利用の促進等によりまして機械化を進めてまいりたいと考えております。
○衛藤(晟)分科員 最後に、ちょっと地元の問題でございますので要望させていただきたいと思います。 昨年広域基幹林道宇目蒲江線、これが全体計画調査をしていただきまして新規の採択になりました。それから、ことし予算が通れば同じく広域基幹林道三国灰立線が全体計画調査に入る。ぜひ新規採択を私どもはお願いしたいというふうに思っているわけでございます。それからまた、大規模林道宇目小国線等多数の路線を開設をしていますけれども、大変進捗状況がおくれているように感じております。ぜひこの進捗状況のおくれを取り戻してピッチを上げていただきたいということをお願いを申し上げます。また、開設進度をアップするためには工区をふやして両側から着工するとかそういうような手も考えていただきたいと思いますので、まずよろしくお願いいたします。 時間が過ぎましたので終わります。ありがとうございました。
○柳沢主査 これにて衛藤晟一君の質疑は終了いたしました。 次に、元信堯君。
○元信分科員 私は、最近のシラスウナギ人工ふ化研究の問題点について伺いたいと思います。 私の選挙区は浜名湖、ウナギの産地でございまして、実は私も、今を去る二十年ぐらい前になりますが、当時静岡県の水産試験場の職員で、このウナギの人工ふ化の研究をしておった者でございますが、私も人工ふ化の研究で国の補助もいただきまして、足かけ七年ぐらいやらせていただきました。ようやく一度だけ成功をしたことがあるわけでございますが、残念ながら、その後二十年ぐらいたちましたけれども、今日その研究の進歩が余りない、進捗しておらぬ。後でちょっと伺いますが、私どもの承知しているところでは、我が国ではウナギの卵がふ化して生き延びているのが十七日ぐらいが最高であるというような状況でございまして、とてもじゃないがまだ放流用とか養殖用の種苗として見通しがつくところに至っていない。きょうは、どこに問題点があり、どうすればいいかということを大臣、水産庁長官、皆さんにともども一緒に考えていただくという観点から二、三伺いたいと思うわけであります。 まず、その前提となります我が国のシラスウナギの需給状態について、一体どれぐらいとれているものなのか、どれぐらい需要があるものなのか、あるいは価格面がどういうふうに推移しているか、わかっているところでひとつお答えください。
○鶴岡政府委員 我が国のウナギ養殖業の種苗は、現在のところすべて天然種苗に依存しているわけでございますけれども、最近の需要量はおおむね五十トンから六十トンというふうに理解しております。そのうち我が国で採取します量は四十トンから五十トンということで、残りにつきましては輸入に頼っている現状でございます。
○元信分科員 五十トンから六十トンというお話でございますが、これがなかなか豊凶が激しくて、年によってもえらく違う。また、値段の方も随分差があるわけでございまして、一度、いつごろでしたか、大分前になると思いますが、一キロ五十万円ぐらいの値がついたことがあります。大体ウナギの稚魚というのは一キロにつき五千匹ないし六千匹いるわけでありますから、一匹百円というようなべらぼうな値段がついたこともありました。自来ウナギを人工的に安定的に稚魚を供給せねばならぬという観点から研究が進んでいるわけでございます。 そこで、我が国のウナギの種苗の人工生産の研究を今どういう機関が取り組んでおって、どういう成果を上げているかということを概括的に承りたいと存じます。
○鶴岡政府委員 現在のところ国の研究機関あるいは都道府県の試験場等でウナギの種苗の人工生産につきましての研究を行っておるわけでございます。 ウナギの種苗生産の試みは、もう先生御案内のとおり三十年ほど前から行われていると私聞いておるわけでございますけれども、天然ウナギにつきましては五、六歳程度の親ウナギから人工産卵によって得た卵からふ化した仔魚といいますかが十七日間生存した記録があるようでございますけれども、えさの問題等もあってなかなか飼育には至っていない。 それから、天然ウナギにかわりまして二歳程度の若い養殖ウナギを用いた種苗生産の研究が行われておるわけでございますけれども、御案内のとおり愛知県で養成した親魚から受精卵を得、ふ化に成功したところでございますけれども、長時間の飼育には至らなかったというような状況でございます。
○元信分科員 研究機関、今国の研究所とか都道府県水産試験場というようなお話がございましたけれども、主なところはどういう研究機関でこれを実施しているか、御存じのところをお聞かせください。
○鶴岡政府委員 私どもの機関としましては養殖研でやっております。それから大学等でも東大あるいは北大でそういう問題の研究をやっているというふうに承知しております。また、県では愛知県、千葉県、静岡等々でやっておるというふうに承知いたしております。
○元信分科員 どの研究機関が今一番進んだ成果を上げているというふうに考えていらっしゃいますか。
○鶴岡政府委員 これはちょっとなかなか評価が難しいので、見たりがたく弟たりがたしであります。
○元信分科員 そんなに難しくはないのです。子供が産まれてどれぐらい生存をして、どれぐらい成長をしたかということで、事はそう難しくはないと思いますが、余り深く追及するのはやめましょう。 我が国だけでなくて外国でも同じような研究をたしかしておったと思いますが、外国の研究の進捗状況についてどのように把握されているでしょうか。
○鶴岡政府委員 外国における研究の詳細というのは、申しわけないのですけれども把握してないわけでございますけれども、一例、台湾におきましては嘉義県というのですか、そこで養鰻を行っている業者が昨年人工ふ化に成功し、最終的には二十五日ぐらい生存したというのを承っております。そういうことで民間ベースで継続して研究が行われているのではないかというふうに承知しております。
○元信分科員 台湾水産試験場の鹿港分場というのがありまして、そこで何回がふ化をいたしまして、一番長いのは三十日ぐらいいったんじゃないですかね。ネットプランクトンをえさとして与えてかなりいいところまでいっておるというような話も聞いております。我が国とは気候風土も違いますから一概には申せませんけれども、我が国でも三十年来やっているけれども、台湾もなかなかハイペースで追い上げてきておってまごまごしておると抜かれてしまうということになろうかと思うわけであります。 そこで、どうして事がなかなかうまく進捗しないかということを考えていきたいと思うのですが、私のささやかな経験などから申しますと、まず卵をとるための親ウナギというものを安定的に手に入れるのがなかなか難しい、これが第一点。二番目に、これは人工採卵をほうっておいては絶対にウナギは産卵しない。あれやらこれやらホルモン注射をさまざま組み合わせて、ほとんど芸術的と私は言わなければならぬと思っておるのですけれども、研究をしてどうやら産卵をするというこの技術がなかなか安定しない。これが二番目ですね。それから、苦心惨たん卵が得られてこれがふ化をしても極めて小さいですね。三ミリ程度の糸くずぐらい、肉眼ではなかなか定かに見えぬぐらいの小さなものでありまして、これにえさを与えねばならぬ、こういう問題がありまして、この三つぐらいが研究上の隘路でないか、こういうふうに思っております。 今申しましたようなのに加えて、ほかにも研究上の問題点、認識などをお持ちかと思いますが、対策みたいなものをお聞かせいただきたいと思います。
○鶴岡政府委員 詳しい先生がおっしゃったのでつけ加えることはないわけですけれども、あとやはり難しい点は、ウナギの生態といいますか、生活史というのがなかなか容易でない、わからないというようなことがあるいはあるのかな。これは私素人の考えでつけ加えたわけですけれども、専門的な、技術的な話は先生がおっしゃったとおりでございます。
○元信分科員 水産庁長官、素人と余り言わないようにしてくださいよ。 昨年、東京大学海洋研究所の調査船の白鳳丸が南方海域でウナギのふ化直後と思われる稚魚を大量に採取をしたという報道に接しました。この報道に接して、私どもいささか愕然としたところがあるわけであります。それは、日本のウナギのふ化の研究といいますのが、秋に川や沿岸で得られますいわゆる下りウナギですね、産卵に向かうと思われる親ウナギをとらえまして、それを人工的にホルモン処理をして、大体お正月前後にふ化卵を得たということが多かったわけでありますが、この白鳳丸が天然で産卵をしたふ化直後と思われる稚魚を得たのは六月だったですね。向こうは真夏、天然では真夏に産卵をしておった。人工管理下では真冬に産卵をする。当然、ふ化したばかりの稚魚が得ることのできる初期餌料などということも全く違ってくるだろう、こういうふうに思うわけです。 そこで、従来研究の方法が、研究室内といいますか水槽内といいますか、とらえてきた魚をいかに成熟させるかというところにウエートが置かれていたわけですが、もう少し天然生態に目を向けていかねばならぬのではないかな、こういうふうに最近思われてならぬわけであります。その点についてどういう対策をお持ちなのか伺いたいと思います。
○鶴岡政府委員 なかなかウナギは、太平洋のはるか沖合の深海部で産卵するというふうに言われておるわけでございますけれども、先ほど申しましたその生態系がほとんど解明できていないという点で、今先生御指摘のように秋におりた親魚が卵を産んでどういうふうになるのか、人工ふ化する場合、人工でやる場合に、そういう自然の生態系の解明というのがわからないとなかなか容易でないところもあろうかと思います。そういう点につきまして、今のところ具体的にこうするというふうな対応、具体案を持ち合わせないわけでございますけれども、いずれにしましても、まだまだ飼育試験をやりながら、試行錯誤をしながらやっていかなければいけないような研究段階でございます。 しかし、せっかくああいう人工の親魚から産卵ができたということでありますので、この際我々が持っている知見というのをいろいろ持ち寄って、今後のウナギの人工ふ化といいますか、人工的な種苗生産につきましてどういう取り組みができるのか、もう一度今持っている知見で総合的に勉強してみたいと思います。
○元信分科員 今申しました白鳳丸は東京大学の研究によるわけですね。今まで農水省あるいは水産庁として、ウナギの天然生態ですね、天然の条件下における産卵生態に関する研究というものに対して補助とか農林省独自で研究をされたとか、そういうような事例はございましたでしょうか。
○鶴岡政府委員 今までそういう生態系がなかなかわからないというようなこともありまして、そういう助成はやったことがないというように思います。
○元信分科員 わからないから調べないじゃなくて、調べないからわからない、私は順序としてはそうじゃないかなと思うのですね。後からもう少し申し上げますけれども、なかなかウナギというのは難しい魚のようでございまして、いろいろな角度から総合的、多角的に攻めていかなければ目標を達することはできないのじゃないか。実験室一本やりというわけにもいきませんし、あるいは天然一本やりというわけにもまいりません。自然の環境から得られた知見というものを実験に反映し、あるいはまた実験で得られたもろもろの技術を天然のものにまた持ち込んでやる、これが重要でないかなと思いますので、ぜひこれからは、まあ大学は文部省の予算で研究しておるわけでありまして、もちろん所轄が違うことは承知をしておりますけれども、総合的、有機的に研究していただきたいと思うのです。 白鳳丸が、産卵場と思われるところで、その場所のプランクトンなんかも相当採取しているんですよね。ところが、それは大学側の研究だもんですから、なかなか現場に反映されない。台湾の、さっき申しました水産試験場の鹿港分場では、ネットプランクトン、つまり海の中からプランクトンネットで引いてきて、その中身を、よく調べたかどうか知らぬが、とにかくそのままやってしまうという相当大ざっぱなやり方でもうまくいっているわけですから、我々はそういうことも大いに参考にすべき必要があるのではないかなというように思います。そういう意味で、役所の縦割りの所轄を超えて有機的な研究を進めていただきますようにお願いを申し上げたいと思います。 ところで、魚の種類はたくさんあるわけですが、人工種苗生産の研究というのは多くの魚種でなされているというふうに思いますが、今我が国の魚の種苗生産の研究体制のアウトラインについて、ちょっとお知らせいただきたいと思います。
○鶴岡政府委員 基礎的な研究あるいは応用的な技術開発、それからさらにそれをもとにした具体的な、海に対して放流とか養殖とかそういう各段階の研究があろうかと思います。最も基礎的な研究は、国とかあるいは大学あるいは県の試験場等が主体になってやっておるわけでございます。それから、それを応用、実用化していくという点は、技術と試験研究の中間段階になろうかと思いますけれども、あるいは都道府県、それからまた私の方では魚の技術開発と実用化と兼ねた段階で、栽培漁業センター等で対応しているというような実態かと思います。
○元信分科員 私は、総合的な技術という点で、個々の技術については大学が進んだところもあれば、県の試験場で一生懸命やっているところもあるというふうに思いますが、魚の種苗生産全体という技術から考えますと、栽培漁業協会が果たしている役割というのは大変大きいんじゃないかなと思うのですね。今長官は、実用化の段階のものはと、こういうお話でしたけれども、例えば私昨年あれこれ質問いたしましたクロマグロの種苗生産なんかにつきましては、まだ実用化なんという段階ではさらさらないのですね。産卵するかどうか怪しいもんだという段階ですが、それでも栽培協会に委託せざるを得ない。これはなぜかというと、プロジェクトが大きいものだから、そういうことになっていると思うのです。そういうある機関に技術がどんどん集積していくということが、ほかの魚で開発されたいろいろな技術を、今の場合ですとウナギですけれども、そういう特定の魚種にフィードバックしていくことができる、これが研究を進展させる大きなキーになるかというふうに思うのですが、聞くところによりますと、ウナギの種苗生産の研究は栽培漁業協会じゃできないんだ、こういうお話を承っております。 理由は二つほど聞いておりまして、一つは、栽培協会は放流のための種苗をつくるのが仕事であって、養殖のためのものは養殖研究所というのがあるのだからそっちでやるのだ、そういう議論。もう一つは、栽培協会は海の魚を主に研究するのであって、淡水のもの、これはまた対象外である、こういう二つの理由があるというふうに聞いております。これも言ってみればおかしな議論じゃないかなと思われるわけでありまして、ウナギの種苗というのはできたら放流しないのか、養殖専門かといったらそんなことではありませんで、全国の内水面漁業協同組合では毎年何トンという魚をそれぞれ放流しているわけでありますから、放流用の技術でないということは言えないのではないか、こういうように思いますし、それから淡水、海水の議論に至りましては、魚というのはそんな簡単に割り切れないのですね。サケ・マスは海の魚か川の魚がというと、これは育つのは海でありますけれども産卵するのは川の魚、こういうことになりますし、ウナギはその逆でありまして、川で主に成長するわけでありますが、海の中で産卵をするわけですね。 ですから、成長するのが川だから海の研究機関ではできないよというようなことを言っていますと、そのことがボトルネックになって研究が進まぬのではないか。余り瑣末なことにこだわって全体の弊害のないようにひとつやってもらいたいものだ、こんなふうに思っておるのですが、いかがでしょうか。
○鶴岡政府委員 どういうことを申し上げたのかちょっと私承知してませんので、お答えになるかどうかわかりませんけれども、私は、今のところは先ほど言いましたように基礎的な研究を大学とか国の段階でやっているということで、ウナギの場合にまだその段階でないのではないか、栽培協会の段階にはまだ至ってないのではないかという気がいたすわけです。ただ、ウナギ自身せっかく一歩進んだ成果が上がっておりますので、私どもが中心になりまして研究につきましてどういう対応をしたらいいのか少し勉強してみたいと思います。
○元信分科員 余り言いたくはないのですが、あえて申しますと、そんなふうに機械的にはわからないと思うのです。といいますのは、それじゃ最も基礎的な研究は国の研究所でやるというけれども、養殖研でウナギの種苗生産の研究をやったことがあるか。ちょこっとまねをしてみたことはあるけれども、実際問題として卵がふ化して稚魚が得られるなどという段階に全然いってないわけです。だから、これはヒエラルキーみたいにトップに大学があって、その次に国の研究機関があって、都道府県の機関があって、その下に協会などというものではない。マグロなどでもさっき言ったとおりで、国の研究所など全然できないものだからいきなり栽培協会におろしているでしょう。実用化したからおろしたということばかりでもなくて、そこらはもう少し融通を持って考えていただかねばならぬ。どうもウナギというのはそのはざまにあるような気がして仕方ないのです。海と陸、あるいは産卵海域はどこでしたか、台湾だかインドネシアたかの東方海域だというようなこともありまして、なかなか一元的な研究が進まないというように思われて仕方がないわけであります。 そこで、ぜひ長官、大臣もよく聞いておいてもらわなければいかぬ。もう三十年から四十年近い研究歴があって、まだ産まれてから十七日しか育たない。しかも、天然では夏産まれるのに実研室ではどういうわけだか各産まれる、こういうギャップというものを早く乗り越えて、もうちょっとのところまで来ているのではないかな。そのためには総力を挙げることが必要なのです。あそこでちょっとやり、こっちでちょびっとやり、細切れにやっていると力が発揮できないのじゃないか。最後に残された壁を突破するために研究体制を組み立て直して、国の重要なプロジェクトだと思うのですよ、農林水産大臣、先頭になってその研究を引っ張っていく今後の構想をお持ちでしたら承りたいと思います。
○田名部国務大臣 どうも専門家の先生に十分な答えができてないような感じがいたしました。ウナギというのはつかみどころがないというか、やりとりを聞いておって本当につかみどころがないというだけ難しいのだなという感じがいたしました。 しかし、親の魚、親魚の育成技術でありますとか、人工産卵を安定的に行わせる技術、またえさ、さっきも官房長に、ウナギは何を食べているのだと言ったら、いやえさはわかりませんと言っていましたが、二、三ミリのものですが、そういう研究でありますとかは、何といっても今お話しのようにあっちこっちでばらばらにやっておったのではそれはなかなか成果が上がらぬと思いますし、国の養殖水産研究所を中心としてそれぞれの専門的な知見を有する研究機関を有機的に、いろいろの研究をやっても最後にはそこに集約して何かやるという方法もあると思います。いろいろ考えてみますので、本当に難しいなという感じがしましたので、何とか知恵をむしろ先生から聞いた方が早くいくのじゃないかなという感じがいたしましたので、また御指導ください。
○元信分科員 先ほどから申しておりますように、いろいろなものの間にあるような点なのですね。したがって難しい点も多いわけですが、それを乗り越えていけば実用化まであとわずかだ、それぞれの立場で頑張りながら全体として目標を達成する。そのためには、水産庁あるいは農林水産省の総合的な指導、調整というものが必要だろうというふうに思います。予算ももちろん必要であります。そのためにも、大臣、長官、それぞれぜひ御奮聞いただきますようにお願い申し上げまして終わりたいと思います。ありがとうございました。
○柳沢主査 これにて元信堯君の質疑は終了いたしました。 次に、吉井光照君。
○吉井(光)分科員 ことしの一月十二日に、御承知のように山口県の下関市沖合で瀬渡し船が転覆をいたしまして、釣り客九名が死亡するという非常に痛ましい事故が起きたことはいまだ記憶に新しいところでございますが、その際に、警察や消防それから海上保安庁の救急隊とともに地元住民の皆さんが必死になって遭難者の救助や介護に献身されている姿がテレビで生々しく放映をされたわけでございますが、中でも、百名を超える水産大学校の学生が、ずぶぬれになりながらの懸命な救助活動や救助した人たちの着がえの提供であるとかまたおふろまで準備をしたりという実に感動的な救援活動をされたわけでございますが、こうした活動に対して、たくさんの方々より感謝またお礼の言葉が寄せられているようでございます。実にすがすがしい光景であったわけでございますが、どうか二度とこのような悲惨な事故が起こらないためにも、万全な対策が講じられるように強く要望をしておきたいと思います。 ところで、我が国の水産業は、今までは国民に水産物を安定的に供給をする、しかもいろいろな、所得の保障であるとか雇用機会の提供などで日本の産業を大きく支えてきたわけでございますが、今御承知のように、サケ、マス、鯨、マグロ、こういった国際漁業規制の強化であるとか、また乱獲等によるところの近海漁業資源の悪化という大変厳しい状況下に置かれているわけでございます。 そうした中で、さらに追い打ちをかけるように、漁業従事者は年々減少の一途をたどるばかりで、特に、きつい、汚い、危険といったいわゆる三K産業を嫌う若者が激増する一方で、漁業を今から支えていかなきゃならないいわゆる現役がますます高齢化するという、いわば末期的な現象に近づきつつあるわけでございます。特に、山口県あたりは三万を海に囲まれまして、特に山陰方面ではこういった現象が非常に激しいわけでございます。 こうした漁業におけるところの後継者不足、また一方ではお嫁さんが来ない、こういったお嫁さん対策は今我が国における重大な政治課題の一つであろう、このように思っておるわけでございますが、水産庁としては、この後継者の問題にどのように積極的に取り組んでいらっしゃるのか、まずお聞かせを願いたいと思います。
○鶴岡政府委員 漁業後継者が年々減少しており、また特に若い層の減少が著しいということは、水産業の展開のために最も重要な問題の一つでございます。基本的には、やはり漁業をできるだけ魅力あるものにしていく、あるいは漁村を若い人が住みよいような場所にしていくということが基本ではないかと思います。 いろいろ今問題点の御指摘があったわけでございます。そういう問題点はそういう事実を我々受けとめて対応していく必要があろうかと思いますけれども、一方、魚の消費は根強いものもございますし、また無自身がいろんな方面、健康その他の方面から見直されておるというようなこともあります。それから、日本周辺の海域というのは、もう御案内のように親潮と黒潮がまじり合う世界有数の漁場でございますので、これを、栽培漁業その他を一方でやりながら、その生産力をできるだけ最大限に発揮する、有効に利用するということを基本にして政策を展開していきたいと思います。 また、来年度予算では、明るいといいますか、豊かな漁村、住みよい漁村、農山村と同じでございますけれども、そういう漁村づくりにつきましての予算を重視しておるわけでございまして、そういうものを活用して対応していきたいというように考えております。
○吉井(光)分科員 そこで、グローバル化、それから情報化時代というものが急速な勢いで進展するに伴いまして、産業構造の転換、これもまた猛スピードで進んでいるわけでございます。そして、一次産業から二次産業へ既に大きくシフトをされた。そして、今や三次産業をベースに今度は四次産業ヘシフトしようとしているのが今の日本の情勢であろうと思うわけでございます。 しかしながら、この三次産業というも四次産業というも、いずれにしても日本国民の食生活を支える基幹産業たる一次産業のしっかりした基盤があって初めて成り立つ話でありまして、これを私たちは見逃すことはできないと思います。したがって、天然資源に乏しい我が国においては、みずからがみずからの手でつくり、そして守り、育てていくことが今一番大事なことではないかと思います。 したがって、今後は漁業経営の基盤安定と魅力ある漁業づくりいかんにかかっていると思うのですが、そうした意味から、いわゆる「とる漁業」から「つくり育てる漁業」、この転換を目指した政策誘導というものをどのように具体化していこうとお考えになっているのか、この点はいかがですか。
○鶴岡政府委員 御指摘のように、二百海里体制が定着するということで、また公海漁業につきましても国際漁業規制が強化される。また周辺水域につきましては、先生お話のありましたように、底魚を中心として資源状態が悪化しておるというようなことから、やはり資源を添加しながら、我が国周辺海域を高度利用していくというのが極めて重要な課題だというふうに我々も認識しております。 従来から「つくり育てる漁業」ということで、例えば漁場につきましては、沿岸漁場整備開発事業等によりまして海の畑づくりといいますか、そういうものを展開しておりますし、また、種づくりというようなことで言われておりますけれども、栽培漁業、これはもう定着性のものあるいは回遊性のものにつきましてもかなりの技術開発が進んでいるわけでございまして、そういうものを広げていく、現場で放流する量をふやしていくというようなことをやる栽培漁業というのに力を入れていきたい。 それからまた、サケ・マス等、あるいは養殖漁業につきましても、日本にはそういう養殖適地が多々あるわけでございますので、そういうところで海の環境と調和をさせながらそういう漁業を展開していくということで、つくり育てる漁業を積極的に進めていきたいし、また自然、天然の魚につきましても、再生産を確保しながら漁業を続けていくということで、資源管理型漁業、これも来年度予算でかなりのものを計上しておるわけでございますけれども、そういう漁業を展開していきたいというふうに考えております。 〔主査退席、佐藤(謙)主査代理着席〕
○吉井(光)分科員 次に、政府研究開発費倍増目標に対するところの大臣の決意をひとつお伺いしたいわけでございますが、総務庁の統計局の調査によりますと、日本の研究開発費に占めるところの政府負担割合の推移、これが七五年度二七・五%だったものが年々減少いたしまして、九〇年度一六・五%と、七年間で二%も減っているわけでございます。GNPの実に〇・五四%で、欧米各国の半分にすぎないというのが実態でございます。日本の研究。開発資金は世界最高水準にあるわけですが、全体の八〇%以上はこれが民間資金ということでございます。したがって、海外から基礎研究の軽視を指摘される根拠も私はこういったところにあるのではないかと思うわけでございます。 そこで、老朽化した大学や国立の試験研究機関の研究設備の悪さ、こうしたものにつきましても、来日したところの外国人研究者の間でも特に評判になっているようでございます。こうした事態に危機意識を持った経団連が昨年の十月に、科学技術立国を標榜する日本としては政府研究開発費を五年でGNP比一%に倍増すべきである、このような提言をしたわけでございます。 また、宮澤総理が議長であるところの科学技術会議、これがいわゆる日本の科学技術政策の最高審議機関で、ことしの一月二十四日、今後十年間に取り組む科学技術政策の基本方針を示す答申を決めまして、政府の研究開発投資の早期倍増を目標としたわけですが、これは具体的な達成時期というものは明示をされていないわけでございます。 今年度の政府科学技術関係予算は約二兆円、十年で倍増するといたしましても毎年七%の予算の伸び率を保ち続けていく必要があるわけでありますが、来年度政府予算案の一般歳出の伸びが四・五%だったことを考えれば、これは容易ではない数字であろうと思うわけでございます。 投資の結果がすぐ形になる公共投資と違いまして、こうした研究開発投資というものは成果がなかなか見えにくい点でも私はなおさらと思うのですが、だからこそ並み並みならぬ決意で臨まなければならない。でなければとても達成できる目標値ではないと思うわけですが、農水大臣の決意のほどをお聞かせ願いたいと思います。
○田名部国務大臣 かねてから私も基礎研究がいかに大事かということで、エネルギー問題を少し手がけておったものですから、そういう感じが非常にいたしました。 各大学を回ってみても、本当に苦労しながら基礎研究をやっておりますが、積み重ねでありますから、そこがなおざりになると結局は成功していかないという感じを持って、この辺の予算の増額を実は随分働きかけもいたしてまいりました。私は核融合の議員連盟をつくった一人でありまして、以来これにずっと取り組んでおってそういう感じを持っておったわけであります。先生御指摘のように、民間はすぐもうかるものですから一生懸命投資する、一方は何十年やるかわからぬ。核融合のときも、三十年くらいでしょうかという話があったわけであります。 いずれにしても、この科学技術会議、私もメンバーでありまして、先般この会議を開いて答申が行われました。十年間の科学技術政策の基本とすることを政府に求められたわけでありますが、答申の一つとして、時々の財政事情を踏まえて早期に倍増するように、こういうことでありましたが、私どもはその答申をもとに科学技術大綱を決定することにいたしておりまして、特に農林水産関係の研究開発につきましては積極的に進めていくことといたしております。 特に、私は食品産業、この分野は技術開発が果たす役割が非常に大きい、これを積極的に推進することが重要だと考えておるわけでありますが、農林水産予算全体のバランスもございますが、試験研究予算の確保を図ってまいりたい、こう考えております。
○吉井(光)分科員 次に、水産分野におけるところのバイオ研究の課題と対策についてお尋ねをするわけですが、バイオテクノロジー、これは生物が持つ機能を効率的に利用し、そして生産性を飛躍的に向上させ得る新しい技術として非常に期待をされまして、各産業分野において積極的な技術開発が進められているわけでございます。 水産分野でいいますと、まさにとる漁業からつくる漁業の中核をなす分野ではないかと思います。そのために高度な専門知識と研究機関、そして施設を必要とするために、これは漁業者個人で取り組める問題ではないと思うのです。現在、水産庁の水産研究所また大学などを初め、バイオ関係の研究を実施している都道府県は四十六県に及んでいるということでございますが、これから見ても、いかに関心が高いかうかがい知ることができるわけでございます。また、その研究成果といたしましても、マスであるとかヒラメ、アユ等の量産が可能となりつつある。こうしたことから、これはもう大いに期待をされているところでございます。 ただ、その一方で、研究の推進に当たっては、研究に係るより専門の施設それからスタッフが足りない、こういう声も聞かれるわけでございますが、水産分野のバイオ研究における今後の課題は何であるか、また、その対策はどうあるべきか。先ほども大臣からいろいろと御答弁いただいたわけでございますが、いろいろ考えてみましても、水産分野におけるところのバイオといったものは、ほかの分野から比べれば、私はずっとおくれているような気がしてならないわけでございますが、ひとつこの問題についてのお考えをお尋ねしたいと思います。
○鶴岡政府委員 バイオテクノロジーの水産への応用というのは極めて重要な課題だと思っています。現在、大学あるいは国、都道府県の試験研究機関を中心としまして鋭意その研究に取り組んでいるところでございますけれども、水産の場合は自然の魚を捕獲するというのが主体であって、つくり育てるという漁業についてはまだ日が浅いというようなこともありまして、バイオについての研究も緒についたところでございます。 いずれにしましても、今後つくり育てる漁業を重点に置いて我が国周辺水域の開発をやっていくことが重要でございますので、その点を頭に置きまして、成長のよい品種でありますとか病気に強い品種、味のよい品種等をつくるため、魚介類の染色体操作、細胞融合等の研究に取り組んでいるところでございます。 成果としては、ヒラメとかサクラマスの雌化、それからマスの三倍体化等挙げられるわけでございますけれども、私どもとしましても、水産ハイテク技術基盤整備事業等の予算によりまして、施設、スタッフ等につきましても配慮しながら、こういうバイオテクノロジー技術の研究開発に努めていきたいと思っております。
○吉井(光)分科員 次に、水産大学校の今後のあり方についてお尋ねをしておきたいと思うのです。 この水産大学校、これは農林水産省が所管する我が国唯一の水産に関する最高学府であります。この水産大学校が我が山口県の下関市にあるということは非常に喜ばしいことでありまして、また山口県にとりましても一つの大きい誇りでもあるわけでございます。 その沿革につきましては、御承知のように昭和十六年に釜山高等水産学校として創立をされ、そして昭和三十八年に現在の水産大学校と改称をされまして、そして平成二年にはめでたく創立五十周年の佳節を迎えたわけでございます。 そこで、今日までに既に六千名を超す卒業生を国の内外を問わずあらゆる分野へ輩出し、こうした方々が活躍をしていらっしゃるわけでございますが、こうした意味からしても、この水産大学校の役割と責務というものはますます大きくなりつつあると思います。 したがって、本校の今後の活用というか方向について、長官はどのように考えていらづしゃるのか。今時代は大きく変わりつつありまして、今までの教育内容といったもので今後対応できるのかどうか、そうした点もあわぜてお聞かせを願いたいと思います。
○鶴岡政府委員 最初に、ことしの正月の水難事故に際しまして、私ども水産庁の水産大学校の学生が救助活動に当たったことにつきまして、先生から言及いただいたことをお礼を申し上げたいと思います。 水産大学校は、もう御案内のとおり、水産技術者を養成する教育機関としまして、お話がありましたように、五十年余りの歴史を持っているわけでございます。その卒業生は、国、地方公共団体あるいは漁業団体の職員として、また水産関係企業の職員等、各分野で大いに活躍しているところでございます。 今後とも、この大学校の意義というのは極めて高いというふうに私ども思っておりまして、社会的な要請にこたえ得る人材を育成できるよう、極力教育内容あるいは研究の充実に努力していきたいというように考えております。
○吉井(光)分科員 そこで、この水産大学校は、現在、漁業、機関、製造、増殖、この四つの学科に専攻科を加えて、定員約八百名。そして就職状況は、二年度卒で就職した百四十六名中、公務員、企業を含めて水産関係者が四十六名、全体の三二%にとどまっていることから、本校の特徴というものをさらに生かしながら水産関係への就職率を上げることが、私は今後の大きい検討課題ではなかろうかと思うわけでございます。 また、国家間はもちろんのこと、今は地方の国際化、情報化が非常に活発化して、発展しているわけでございますが、いわゆる地方の国際交流時代を考えますというと、この水産大学校の今後のあり方も、やはりこうした時代に即応し得るところの国際人を地方の手づくりで育成していく必要性がますます多くなってきたと思うわけでございます。さらに、そうした海外研修生を自由に受け入れるだけの基盤づくりとして、総合研究施設も必須の条件となってくると思います。 この事態を予測するかのように、既に水産庁及び水産大学校は、大学校の見直し検討を昭和六十一年五月、そして平成三年九月にそれぞれされているわけでございますが、その中において、いわゆる「本校の教育の今後の方向について」と題して、新たに研究科の充実、そしてハイテク技術研究を中心とした新たな特別研究施設の設置、こうしたものを強く訴えていらっしゃるわけでございます。これはすばらしいことでございまして、これらの点を踏まえますというと、ぜひ本校に、増殖科とは異なったバイオ専門学科の新設とともに開放試験研究施設の併設をすべきだと考えるわけでございますが、この点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○田名部国務大臣 かねてから私も文部省と、学校教育としての大学として認めてほしいという話をした経緯がありまして、今度学士号の取得が可能になったし、この卒業生を見ますと、関連のところに就職しておるその率が非常に高いということで、私どもも非常に喜んでおるわけであります。 今お話しの、バイオテクノロジーに関する高度な知識を有する者を育成しなければならない、これは時代の要請でありますから、そういう観点から、平成三年度からは生物工学の科目を新設をしてこの関係の教育を進める、こうしているところであります。今後とも、このバイオテクノロジーの重要性にかんがみて、必要に応じて、水産大学校における関係の教育研究、そうしたものを進めてまいりたい、そう思っております。 これに寄せる情熱といいますか、水産大学校の同窓会から国際交流会館等の寄附を受けまして、外国からもそういう人たちに入学してもらって一緒に勉強しているところでありますから、いずれにしても、これからもカを入れて一生懸命やっていかなければいかぬというふうに考えておるところであります。
○吉井(光)分科員 最後に、最近、日本、ロシア、中国、南北朝鮮、これらを核とする環日本海経済圏、こうした構想が非常に大きくクローズアップされてきたわけです。 こうした構想にこたえて、水産大学校を擁する我が山口県では、この構想の受け皿づくりの一環として、水産、海洋に係るところの、産み、学び、住み、遊び、いわゆる産学住遊、この機能が有機的に結びついたところの海洋文化都市構想、こういったものを、いわゆる水産庁が進めるところのマリノベーション構想、これをベースにして、具体化に向けて動き出そうとしているわけでございます。したがって、農水省としても、財政が厳しい状況下にあるにもかかわらず、地方のこうした動き、努力に対して、金融、税制、財政上のあらゆる支援措置を積極的に講じていただいて、そして、こうした構想の実現のために万全なバックアップ体制をつくっていただきたい、そして、地方からのこうしたすばらしい芽を育てていただきたい、このように私は思うわけですが、いかがでしょうか。
○鶴岡政府委員 山口県におきまして、下関地域を中心に、水産業の活性化、海洋、水産を核とした活力ある地域づくりを図るためのひびき灘海洋文化都市構想の検討が進められているということは、私どもも承知しているところでございます。 水産庁では、今先生お話がありましたように、水産業を核として沿岸域及び沖合水域の総合的な整備開発を図るためのマリノベー・ション構想を推進しているところでございますけれども、山口県におきましては、昭和六十三年度にこの地域を対象にマリノベーション構想が策定されているということでもありますし、水産庁としては、この海洋文化都市構想について、このマリノベーション構想との関連性というのがどういうことになるのか、そういう具体的な関連の中でどういう支援ができるのか、山口県からもお話を聞きまして、対応していきたいというふうに考えております。
○吉井(光)分科員 山口県としては非常に大きな期待をかけておりますので、どうか地域性、そういったものも十分考慮に入れていただいて、ひとついい方向で御検討をよろしくお願いしたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。重点に置いて我が国周辺水域の開発をやっていくことが重要でございますので、その点を頭に置きまして、成長のよい品種でありますとか病気に強い品種、味のよい品種等をつくるため、魚介類の染色体操作、細胞融合等の研究に取り組んでいるところでございます。 成果としては、ヒラメとかサクラマスの雌化、それからマスの三倍体化等挙げられるわけでございますけれども、私どもとしましても、水産ハイテク技術基盤整備事業等の予算によりまして、施設、スタッフ等につきましても配慮しながら、こういうバイオテクノロジー技術の研究開発に努めていきたいと思っております。
○吉井(光)分科員 次に、水産大学校の今後のあり方についてお尋ねをしておきたいと思うのです。 この水産大学校、これは農林水産省が所管する我が国唯一の水産に関する最高学府であります。この水産大学校が我が山口県の下関市にあるということは非常に喜ばしいことでありまして、また山口県にとりましても一つの大きい誇りでもあるわけでございます。 その沿革につきましては、御承知のように昭和十六年に釜山高等水産学校として創立をされ、そして昭和三十八年に現在の水産大学校と改称をされまして、そして平成二年にはめでたく創立五十周年の佳節を迎えたわけでございます。 そこで、今日までに既に六千名を超す卒業生を国の内外を問わずあらゆる分野へ輩出し、こうした方々が活躍をしていらっしゃるわけでございますが、こうした意味からしても、この水産大学校の役割と責務というものはますます大きくなりつつあると思います。 したがって、本校の今後の活用というか方向について、長官はどのように考えていらっしゃるのか。今時代は大きく変わりつつありまして、今までの教育内容といったもので今後対応できるのかどうか、そうした点もあわぜてお聞かせを願いたいと思います。
○鶴岡政府委員 最初に、ことしの正月の水難事故に際しまして、私ども水産庁の水産大学校の学生が救助活動に当たったことにつきまして、先生から言及いただいたことをお礼を申し上げたいと思います。 水産大学校は、もう御案内のとおり、水産技術者を養成する教育機関としまして、お話がありましたように、五十年余りの歴史を持っているわけでございます。その卒業生は、国、地方公共団体あるいは漁業団体の職員として、また水産関係企業の職員等、各分野で大いに活躍しているところでございます。 今後とも、この大学校の意義というのは極めて高いというふうに私ども思っておりまして、社会的な要請にこたえ得る人材を育成できるよう、極力教育内容あるいは研究の充実に努力していきたいというように考えております。
○吉井(光)分科員 そこで、この水産大学校は、現在、漁業、機関、製造、増殖、この四つの学科に専攻科を加えて、定員約八百名。そして就職状況は、二年度卒で就職した百四十六名中、公務員、企業を含めて水産関係者が四十六名、全体の三二%にとどまっていることから、本校の特徴というものをさらに生かしながら水産関係への就職率を上げることが、私は今後の大きい検討課題ではなかろうかと思うわけでございます。 また、国家問はもちろんのこと、今は地方の国際化、情報化が非常に活発化して、発展しているわけでございますが、いわゆる地方の国際交流時代を考えますというと、この水産大学校の今後のあり方も、やはりこうした時代に即応し得るところの国際人を地方の手づくりで育成していく必要性がますます多くなってきたと思うわけでございます。さらに、そうした海外研修生を自由に受け入れるだけの基盤づくりとして、総合研究施設も必須の条件となってくると思います。 この事態を予測するかのように、既に水産庁及び水産大学校は、大学校の見直し検討を昭和六十一年五月、そして平成三年九月にそれぞれされているわけでございますが、その中において、いわゆる「本校の教育の今後の方向について」と題して、新たに研究科の充実、そしてハイテク技術研究を中心とした新たな特別研究施設の設置、こうしたものを強く訴えていらっしゃるわけでございます。これはすばらしいことでございまして、これらの点を踏まえますというと、ぜひ本校に、増殖科とは異なったバイオ専門学科の新設とともに開放試験研究施設の併設をすべきだと考えるわけでございますが、この点についてのお考えをお聞かせ願いたいと思います。
○田名部国務大臣 かねてから私も文部省と、学校教育としての大学として認めてほしいという話をした経緯がありまして、今度学士号の取得が可能になったし、この卒業生を見ますと、関連のところに就職しておるその率が非常に高いということで、私どもも非常に喜んでおるわけであります。 今お話しの、バイオテクノロジーに関する高度な知識を有する者を育成しなければならない、これは時代の要請でありますから、そういう観点から、平成三年度からは生物工学の科目を新設をしてこの関係の教育を進める、こうしているところであります。今後とも、このバイオテクノロジーの重要性にかんがみて、必要に応じて、水産大学校における関係の教育研究、そうしたものを進めてまいりたい、そう思っております。 これに寄せる情熱といいますか、水産大学校の同窓会から国際交流会館等の寄附を受けまして、外国からもそういう人たちに入学してもらって一緒に勉強しているところでありますから、いずれにしても、これからもカを入れて一生懸命やっていかなければいかぬというふうに考えておるところであります。
○吉井(光)分科員 最後に、最近、日本、ロシア、中国、南北朝鮮、これらを核とする環日本海経済圏、こうした構想が非常に大きくクローズアップされてきたわけです。 こうした構想にこたえて、水産大学校を擁する我が山口県では、この構想の受け皿づくりの一環として、水産、海洋に係るところの、産み、学び、住み、遊び、いわゆる産学住遊、この機能が有機的に結びついたところの海洋文化都市構想、こういったものを、いわゆる水産庁が進めるところのマリノベーション構想、これをベースにして、具体化に向けて動き出そうとしているわけでございます。したがって、農水省としても、財政が厳しい状況下にあるにもかかわらず、地方のこうした動き、努力に対して、金融、税制、財政上のあらゆる支援措置を積極的に講じていただいて、そして、こうした構想の実現のために万全なバックアップ体制をつくっていただきたい、そして、地方からのこうしたすばらしい芽を育てていただきたい、このように私は思うわけですが、いかがでしょうか。
○鶴岡政府委員 山口県におきまして、下関地域を中心に、水産業の活性化、海洋、水産を核とした活力ある地域づくりを図るためのひびき灘海洋文化都市構想の検討が進められているということは、私どもも承知しているところでございます。 水産庁では、今先生お話がありましたように、水産業を核として沿岸域及び沖合水域の総合的な整備開発を図るためのマリノベーション構想を推進しているところでございますけれども、山口県におきましては、昭和六十三年度にこの地域を対象にマリノベーション構想が策定されているということでもありますし、水産庁としては、この海洋文化都市構想について、このマリノベーション構想との関連性というのがどういうことになるのか、そういう具体的な関連の中でどういう支援ができるのか、山口県からもお話を聞きまして、対応していきたいというふうに考えております。
○吉井(光)分科員 山口県としては非常に大きな期待をかけておりますので、どうか地域性、そういったものも十分考慮に入れていただいて、ひとついい方向で御検討をよろしくお願いしたいと思います。 以上で質問を終わります。ありがとうございました。
○佐藤(謙)主査代理 これにて吉井光照君の質疑は終了いたしました。 次に、五十嵐広三君。
○五十嵐分科員 時節柄、ウルグアイ・ラウンドの問題と、それから乳価などについて、少しお伺いしたいというふうに思います、 今月の上旬に各国は、ウルグアイ・ラウンドの農業分野の国別表カバーノートをそれぞれ提出をしたわけであります。日本は、当然のことでありますが、関税化に反対という立場から、米、麦、乳製品などの関税率だとか削減率はそれぞれ書き入れなかった。ECも、これは農業白書、つまり真っ白のところがあるものだから農業白書という言い方をしているぐらい、国内保護の削減目標など非常に多くの部分で示さない内容であった。伝え聞くところによると、アメリカはドンケル提案の包括合意案に沿ってそれぞれ関税化の内容を明記した、こう言われているのでありますが、しかしそれも条件つきで、これらは各国がこれに同調した場合に限るものだということで、各国が同調しなければ撤回するというような内容になっているというふうにお伺いをしているところであります。 こういう状況から見ると、どうもドンケル事務局長の当初予測をしていた、四月の半ばごろには最終合意をして年内に決めて来年から実施というようなことは全く無理だろうということが最近のどなたも見る考え方、いわば大勢になってきているというふうに思いますが、これらの見通しについてどのようにお考えですか。
○川合政府委員 今お話がございましたように、国別約束表につきまして我が国は提出をいたしたわけでございますが、各国、特に主要国はそれぞれの主張に基づく国別表を何らかの形で提出しているわけでございます。 これから先がどういう交渉の経緯をたどるかということにつきましては非常に不透明であるわけでございますが、ただ、どの国もウルグアイ・ラウンドの成功について努力するということを言っております。また、アメリカとECにつきましてはダンケル・ぺ-パーが出された以後、年明けから幾度かにわたりまして会議を開いているというようなこともございまして、率直に申しましてこれから先必ずしもどういう展開をするか、私ども不透明だと言わざるを得ないと思っております。 しかしながら、どういう展開になっても、私どもといたしましては基本的方針を貫きたいと思っておりますので、あらゆる情報の収集に努めまして今後の展開に備えたいと思っております。
○五十嵐分科員 日本の提出したこのカバーノートには、追加提案を示す用意がある、こういうぐあいに書かれているようであります。しかし、これはちょっと我々が見ると、一応こうは言っているけれども、しかし妥協する用意はあるよ、常識的にはそういうふうに読み取れるのですが、そうなんですか。
○川合政府委員 先ほど先生アメリカの場合の例で同じことをおっしゃったわけでございますが、交渉の帯といたしまして、相手次第で撤回するあるいは修正するというのは通常のことでございまして、一部報道で「譲歩に含み」というような見出しか出たりしましたけれども、全くの曲解でございまして、私どもは先ほど申しました方針に従ってこれを提出したのでございまして、そこは御理解をいただきたいと思っております。
○五十嵐分科員 しかし、アメリカの場合は、ほかの国が同調しないときは撤回するぞ、こういうのだから、いわば強腰ですね。しかし、日本の場合はそうではなくて、状況によっては追加提案を示す用意がある、こういうことだとすると、やはりニュアンスは大分違うのじゃないですか。 そこで、追加提案をする用意があるという言葉は正しくない、正しくないといいますか、そういうことではないのだ、それは誤報で、日本で言っているのはこういう言葉なんだというようなことであれば、そういうぐあいにお伺いをしたい。 それから、アメリカのことは、今言うようなちょっとニュアンスの違う表現だと思うのですが、それは常識だということであれば、ほかの国で同じような文句といいますか言葉をくっつけてあるという国はありますか。
○川合政府委員 先ほど私申しましたように、私どもは基本的な方針に従って出しておりますので、そこはそういう方針につきまして何ら揺るぎないものだと思っているわけでございます。 それから各国につきましては、詳細なものがまだ私ども手に入っておりませんのでよくわかりません。ただ、交渉に際しましては当然のことながら相手国次第で撤回あるいは修正ということはあり得るということで、みんなやっているわけでございます。ただ、先生の方からおっしゃっていただきましたけれども、基本的な方針について変えるということではないことは申すまでもございません。
○五十嵐分科員 どうもすかっとお答えでないのは残念でありますが、しかし一応そういうことであるとすれば、ここで大臣からきちんとお答えをいただきたいと思います。そういう表現ではあるが、しかしそれは今言うような常識的な表現をそこに使っておる、外交上通常のことであって、我が国として今後とも米などの基礎食糧や国内で生産調整をしているガット十一条二項。品目については関税化に応ずる意思は全くないということであれば、改めてそのようなお答えをいただきたいと思います。
○田名部国務大臣 米に関することは、もう前々から申し上げましたように、自然環境、国土あるいは地域経済にとって非常に重要だということから、もちろん国会決議をいただいておりますし、国内産で自給するという基本方針のもとで数字を入れずに反対の表明をさせていただきました。 お話の新聞に載ったことでありますが、これは記者会見でも申し上げましたけれども、もうちょっと正確に私たちの情報をとって正確に伝えてほしいということも申し上げました。要するに第四トラック、修正を私どもはいろいろ要求しているわけです。それから、でん粉、乳製品等は明確化していないものがあるのですね、ませるとミルクになる、そういういろいろ要求してある中で、米以外の修正しておる部分が修正が認められれば、あるいは明確化されればいろいろこういうことですよという部分が、何か米と一緒になって認めていくという記事になっているのじゃないでしょうか。だから、別に譲歩に応じるのだという含みを入れたものではないということだけは御理解いただきたい、こう思います。
○五十嵐分科員 新聞記事その他のことはどうでもいいですから、今私が端的にお聞きしたように、水もそうでありますが、その他乳製品なども含めてガット十一条二項(c)品目についてもそうであります、こういうようなものについては従前の政府方針どおり今後も応ずる考えはない、今日そういう政府の見解であるということについて念を押させてもらったということでありますから、そのところだけすかっとお答えいただけば結構なんです。
○田名部国務大臣 今、先にお答えを申し上げたつもりでありましたが、その基本には変わりがございません。
○五十嵐分科員 最近どこの新聞かに出ていましたが、ECの、あるいはフランスであったと思いますけれども、その一部でも農業部門をラウンドから切り離して決めていくべきではないかというような声もあちこちから出ているようであります。この前大臣が二月七日の日、閣議後記者会見で、まとまるところからスタートしていく方法もあるのではないか、こうお述べになっておられるようでありますが、私もあれを見て、ああ大臣もそうなのかなとちょっと思いましたが、しかしやはりそういう判断もあり得るということなのか、どうですか。
○田名部国務大臣 どうしてもウルグアイ・ラウンドは成功させなければならないということにおいては政府もその考えてありますが、その中で、米あるいはこの十一条二項(c)の部分はだめです。日本だけではありません、各国いろいろ事情があって反対しておるわけですから、どうしても壊さないでやろうとすれば、そんな方法も考えられるのではないか。政治改革もなかなか言うべくして進まない、できるものからという意見もあるのと同じだ、こういうことを申し上げたので、しかしこれ、まだそういう話にはなってないので、ぎりぎり詰めていけば、いよいよ苦し紛れに何らかの解決策を図っていかなければならぬときにあるいは出てくるのかもしれませんが、なかなかこれとて輸出する方と輸入する方のことがあるものですから、簡単にいいですよというわけにはいかないのかな、難しいのかな。 私どもから見れば、米というのはECはそんな関心がないし、アメリカもこれで財政が好転して雇用もふえるというものでもないのです。ないのですが、これ一つ置いていくと、ほかの方もあれもこれもと、工業分野やサービスの方でもだめになるといかぬと思って、一緒に連れていきたい、こういう気持ちがあるのでしょう。だとすれば、なかなかアメリカや輸出する方の国はこれを一緒に連れていきたいという考えがあるのかな、こう思っております。 いずれ交渉してみないといろいろわからない部分がありますので、それを見守って交渉していきたいと思います。
○五十嵐分科員 ぜひひとつ頑張ってください。それは政府、外務省もそうだし、みんな各省力を合わせてやっていかなければいかぬのでしょうけれども、結局は、つまるところ農水省の責任ある交渉や決断というものであろうと思いますから、頑張ってほしいというふうに思います。 この前、米政策研究会、代表森島賢東大教授の、関税化したときの影響の試算というようなものが出ておりました。これによると、「コメ関税化で、初年度には価格が五割下落、保護削減最終年次の一九九九年には、消費量の三割に当たる三百七万トンが流入する」というような見通しを示している。しかも、「この結果、コメ部門の縮小だけでなく、肥料、農業、機械などの生産額も縮小するため、国内全産業の生産額が五兆一千八百億円縮小し、雇用者数も七十七万人減少する」ものとして、試算を示しているわけであります。もちろんこの試算につきましては御検討になっていると思うのですが、どうお受けとめになっているかということが一つ。 それから報道によりますと、外務省で経済局長の私的懇談会を設けて、米関税化の具体的な影響調査を行い始めているという報道が最近大々的にあった。しかし、そういう細かい影響ということになると、外務省といったってそうできるわけではないわけで、農水省でもお手伝いをしているのか、どんなことになっているのか、これもお伺いをしたい。あるいは、農水省でそういうような影響調査等についてしたことがあるか、あるいはする考えがあるかという点もあわせてお伺いできればありがたいと思います。 〔佐藤(謙)主査代理退席、主査着席〕
○京谷政府委員 ただいま先生から米についての関税化に関連した二つの問題、御提起あったわけでございます。 東大の森島教授の研究グループが行いましたシミュレーション、我々も拝見をしております。ただ、私ども以前から申し上げておりますように、関税化という考え方を受け入れがたいという主張をしておりまするし、また関税化の概念が実はダンケル・ぺーパーで示されてはおるわけでございますが、細部については極めてまだ煮詰まっていない状況でございます。そういった状況下で、それなりのシミュレーションをいろいろな立場でおやりになった実例を聞いておりますけれども、私どもとしては公式のシミュレーションは行っておりません。そういう筋合いのものでもないだろう。仮に関税化の概念を明確にするということになりますと、やはり交渉の場面でどういう事態になっていくかということを見きわめなければシミュレーションのための前提条件が整わないというふうに考えておりまして、私どもとしてはそういった意味でそういうシミュレーションはしておらないということで、ひとつ御了解をいただきたいと思います。 それから、いろいろ出ておりますシミュレーションに対する評価の問題でございますが、これにつきましても、ただいま申し上げましたように前提条件、子細な関税化の概念というものが明確になっておりませんので、その中でああだこうだという議論をするのもいかがなものであろうかというふうに私どもとしては考えておるところでございます。 それから二点目の、昨日報道されました外務省の経済局における私的研究会といいますか、このアクションについては私ども一切関知をしておりません。報道内容の真偽のほどを私ども子細には承知しておりませんけれども、その中で、この関税化の概念と現行食管法の関係についていろいろな議論あるやに報道されておるわけでございますが、私どもの考え方としては、先ほど申し上げたように関税化の概念が細かくは明らかになっておりませんので子細な検討結果というものを持っておるわけではございませんが、基本的認識として、量的な管理またそれを前提にした輸出入の許可制度を備えております現行の食糧管理法と関税化の概念というのは両立しがたいという基本的な認識を私どもとしては持っておるということだけ申し上げさせていただきたいと思います。
○五十嵐分科員 それで大臣、農水省でいろいろ仮に、まあしかし極めて慎重を期さなきゃだめだが、つまり入れちゃだめだという立場から、さまざまな影響を考えてこれはやはりだめだなというようなことの議論だとか勉強なんというのは、いろいろやることはもちろん結構なことだと僕は思いますよ。そんなことやっちゃいかぬというものではないと思いますが、しかし外務省がそういうことをやるというのは、それはどうもおかしいと私は思う。これはやはり僕は、ああいう報道が出て、事実僕らも多少聞いてみましたが、はっきりはしてないもののやはりやっておるらしいということですが、大臣、これは適当じゃないんじゃないですか、外務省がそんなことやるのは。
○田名部国務大臣 どういうことでやったかまでは私も定かではありませんが、ああいういろいろやってみた結果、これはやはり自由化だめだということになれば、そうだろう、こういうことになったろうと思うのですが、そうでない方の意見が出れば、けしからぬ、こういうことになるわけでして、農業者の代表も入って、どういうことになるかわからぬでやったんだろうと思うんですね。結果としてそっちの方が出たから私どももそう思いますが、今長官お話しのように、置く数字がないのにいろいろ入れてみればいろいろなことが出てくるんだろうと思うのですね。そういうガット・ウルグアイ・ラウンドで何か数字がきちっと固まったのでないのに、こういろいろやってみたことへ、またわあわあ、おかしい、こう言うのもいかがかと思って、もっとも新聞しか私ども承知しておりませんので、適当にやっているのに余りかっかして言うこともないだろうと思って実は放置しておるわけですけれども、どうぞその辺のことは、もう数字を入れないで出して今交渉している、これには外務大臣も入ってきちっと決めたわけですから、それがもう最終のものだというふうに御理解をいただきたいと思います。
○五十嵐分科員 まあしかし、大臣からも外務大臣によくお話しください。 さて、三月九日に私どもの日本社会党が、北海道の農業の実態を調べようということで緊急に調査団を派遣した。私は北海道なものですから、現地でそれに加わりました。殊に、間もなく乳価が決まる、しかも酪農をめぐる諸情勢は極めて厳しいということで、道内の酪農畜産関係者は危機感いっぱいという実態でありました。牛肉自由化のあふりを受けて個体価格が御承知のように暴落をしている。したがって、農家所得が激減した。所得の減少分を乳量で補おうと、頭数をふやそうとまたそれぞれ努力しているわけですが、しかし施設は既に満杯だ。新しい牛舎を建てて規模拡大を目指すにしたって、借金はもう既に山積みであって、しかもその上へ将来の自由化等への不安いっぱいで、まさに八万ふさがりという状況になっているわけであります。 こういう中で、北農中央会が緊急実態調査をこの間現地でされておられまして、その報告も我々行きましたときに受けました。あるいは、北海道農民連盟であるとか酪農協会であるとか農業会議であるとか、関係者皆おいでになっていて、それぞれお話を承った次第であります。中央会の緊急実態調査によりますと、酪農経営の実態は平成元年に比べて、平成二年、三年の二カ年間で所得が約三百万円減少した。借入元利金返済後の余剰額も約三百五十万円の減少、結果的に借入金の残高が百九十万円ふえているというようなことで、全く健全な酪農経営の継続が困難な状況になっているわけであります。 北信連の勘定月報によりましても、最近の借入金の状況は、北海道の酪農の主産地は御承知のように釧路、根室、宗谷、三地区でありますが、これの十二月末の各年の残高推移を見ますと、五十九年から平成元年までは順調に借入金を減少させてきて、よし、やや軌道に乗ったかなと我々も皆喜んでいたのですが、この五年間で二百八十九億円、借入金は現に減少したわけです。しかし、平成二年と三年で、これが一転して百二十億円借入金が増加するという状況になった。短期借り入れもこの二年で六十八億円増加しているわけであります。非常に悪化している。それはもう明らかに出ているわけであります。 その悪化の第一は乳価で、昭和六十年、このころ九十円七銭、あのとき以降連年引き下げられて、御承知のとおり平成三年度は七十六円七十五銭、この六年間で十三円三十二銭の引き下げ、率にして一四・八%のダウンであります。今の乳価は結局昭和五十年の価格レベルにあるわけで、この間に賃金でいうと平均二・二倍、物価は五五%アップということになっているわけでありますが、こういう中で牛肉の自由化が行われて個体が暴落をした、まさに直撃を受けたということになっているわけであります。殊にぬれ子なども、平成元年から見ると約三分の一ぐらいに落ち込んでしまった。平成三年乳価算定時期に織り込んだ副産物子牛価格は八万一千円であったわけですね。しかし、現実の市場価格というのはややもすると半分ぐらいのところで推移しているのですから、どうしようもないことになっているわけであります。かつて酪農収入に占める個体販売の割合は大体三〇%ぐらい、今は一二、三%ぐらいだろうというのですね。ですから、以前の七対三が八対二、九対一というくらいな感じになってきて、どうにもならない実態が今生じてきているわけであります。 そこで、乳価については十分にひとつこの辺のところを踏まえて決めていただきたい、こういうぐあいに思う。殊に子牛、廃牛価格などのいわゆる個体価格の低落の実態というものを適正に反映してほしい。乳価算定に当たっては、ここのところが今回の場合一番大きいところだろうと思いますから、特に御要請申し上げたいと思いますし、また個体価格を支持する政策というものも強化してほしい。まして平成四年度には牛肉関税率が七〇%から六〇%に低下するということになるわけですから、一段と個体価格が下がることが懸念されるわけでありまして、これらの点について十分にひとつ御勘案をいただきたいと思いますが、いかがですか。
○赤保谷政府委員 北海道の酪農の状況について、今先生いろいろ数字を挙げて御説明なされました。私も地元の関係者からいろいろお聞きをいたしております。確かにここのところ何年間、負債が減少する、順調に推移してきたわけですが、最近ぬれ子の価格が下がるというようなことがございまして、収益性が低下をしてきているわけでございます。 私どもとしては、いずれにしろ、今いろいろなデータを収集中でございますし、価格の基礎になる生産費調査も三月の中旬に出る、そういった資料をもとに適正に決定してまいりたい。関係者からはいろいろなお話を聞いて承知をいたしております。
○五十嵐分科員 最後ですが、同時にこの際二、三ちょっとつけ加えて、御要望申し上げておきます。 一つは、肉用子牛価格安定基金制度についてでありますが、今申しましたように牛肉輸入自由化によって子牛価格の大幅な下落が生じた、そのために生産者積立金の払底に対する抜本的な救済措置が必要になってきたというふうに思うので、それらについての御配慮をお願い申し上げたい。 それから、高品質生乳生産緊急確保事業及び優良乳用牛緊急確保対策事業、これはいずれも大変現地では好評でありますので、これらにつきましてもその継続、強化を図られたい。 それから、もう一点は、チーズ原料乳奨励金制度でありますが、国産チーズの奨励を図り、生乳の安定生産を確保する上で不可欠な政策でありますので、ぜひこれを継続していただきたい、こういうぐあいに思います。 まあ、本体の乳価そのものがこれからでありますから、これら各周辺政策について明確なお答えはいただけないと思いますが、特にこれらについて御留意をし、御努力をいただきたいと思いますので、一言お答えをいただきたいと思います。
○赤保谷政府委員 先ほどいろいろな大変な事情を承知しておりますと申し上げましたけれども、片方また下げの要因もいろいろございますので、その辺はこれからいろいろ精査をしてまいりたい。 今お話のございました高品質生乳生産緊急確保事業だとかあるいは優良乳用牛緊急確保対策事業、これは緊急な事態、単年度ということでやったという経緯もございますので、いろいろ難しい問題がございます。いずれにしろ、慎重な対応が必要であると思います。
○五十嵐分科員 どうもありがとうございました。
○柳沢主査 これにて五十嵐広三君の質疑は終了いたしました。 次に、田中昭一君。
○田中(昭)分科員 大変困難な問題を抱える農政に懸命に努力をされている大臣を初め関係者の皆さんにまず敬意を表したいと思います。 私は、農政から若干外れる点もあると思いますけれども、しかし、農水省としても国家賠償責任を問われている水俣病の問題について農林大臣の御所見をぜひ伺いたい、こういう立場で質問をさせていただきたい、こう思っております。 水俣病問題については、二月七日に東京地裁の判決もございまして、二月五日には福岡高裁で十九回目の和解協議、その中間総括がなされるなど、あらゆる新聞の社説などでも取り上げられておりますから、三十数年たってこの問題はやや風化をしている点も全体的にはございますけれども、この際、国賠法上の責任を問われている一省庁として、この水俣病問題を何としても解決する、こういう立場での御努力をぜひ大臣にお願いしたい、こう実は思っております。 御承知のように、水俣病というのは公害の原点だと言われておりまして、世界的にも注目されておる問題です。環境行政の汚点だ、こう言われておりますし、企業による許されない犯罪だ、こう言われながら、そしてあらゆる世論、マスコミが一日も早くこの水俣病問題については解決をしなければいけないということで、世界的にも注視をされながら、そして三木環境庁長官、大石環境庁長官、石原慎太郎環境庁長官、その以前には亡くなられた園田直厚生大臣、北川環境庁長官、いろいろ水俣に行って現地調査をされまして、そのたびこの問題については何とかして早期に解決を図らなければならない、こういう発言がたくさんされておるにもかかわらず、三十数年たっていまだ解決がつかない。そして二千名を上回る訴訟による紛争がずっと実は続いているわけであります。したがって私は、率直に申し上げまして、日本の恥だ、こう思うわけです。日本の国は経済大国だと言われておりますし、憲法では明らかに基本的人権の尊重をうたっている国でありますし、また六月には地球サミット、環境問題の議論が世界的にされる中で、日本は世界の環境問題についてリーダー的な役割を担わなければいけないだろう、こう言われている状況の中で、三十数年も世界から注視をされるこの大公害の水俣病問題がいまだ解決をせずに紛争状態にあるということについて、一体日本国政府としては今後どうしていくのかという点について、まずは農林大臣の認識といいますか御見解といいますか、そういうものをまずお聞きをしたい、こういうように思います。
○田名部国務大臣 政府としての見解は別として、私ども農林水産省としての考え方を申し上げますと、確かに水俣病の発生、拡大の防止に関する法的な責任を前提として国家賠償責任に問われたわけであります。しかし、考えてみますと、その当時、魚が汚染されて、それを食べてそうなるということは全く考えもつかないことであったろうと思うのですね。そういうことで、私どもは、このような責任はなく、請求には応じられないという立場をとってまいりましたが、判決においては、そのような主張が認められたものと考えております。しかし、公害健康被害の補償に関する法律によって患者の方々の救済を初めあるいは各種の行政施策の推進によって早期に解決されることが必要であるというふうには考えております。
○田中(昭)分科員 漁業法であるとか水産資源保護法、これの規制権限の不行使だという国家賠償責任の問題、いわゆる責任論ですね。私は、責任論とか医学的にもなかなか解明が難しいと言われる病像論の問題について、ここで農林大臣と議論をするつもりは実は全くないわけです。今大臣は恐らく東京地裁の判決を指されたのだろうと思うのですけれども、確かに東京地裁の判決では、国や県に賠償責任がないという判決が実は出されております。しかし、これは原告側によりまして控訴されたわけです。しかし、判決はこれだけではないわけで、現地熊本地裁においても既に六十二年に第三次訴訟の判決が出されておるわけです。この判決の中では、国、県に明確に国家賠償責任がある、漁業法なり水産資源保護法についても、そういうふうに判決が出されておるわけで、これもまた控訴されまして、今福岡高裁で審理が続いておる、こういう状況に実はなっているわけです。 そこで、二つの判決が全く相違っているわけで、今から上級審で審理がされまして、これは恐らく最終的には最高裁までいかなければ結論は出ないだろうと言われているわけです。しかし、今日の日本の裁判制度の中では、これが最高裁までいって判決が出るということになれば、恐らく七年も八年も、場合によっては十年かかるのじゃないかと実は言われておるわけです。患者の年齢は、これももう大臣御承知と思いますけれども、既に七十になろうとしておるような状況なのですね。ですから、こういう患者の方々は、三十数年間まさしく人権がじゅうりんされ、病魔に侵されて、生活の苦労をしながら、今細々として生きながら、何とかこの問題に解決をつけたい、こういう訴えをずっと続けてきておるわけです。しかし、政府が言うように、判決で最終的な決断をするということになれば、最高裁の判決が出た際には原告はほとんど全員死に絶えてしまうという状況が目に見えでいるわけです。この日本の国で最終的に、例えば最高裁で国家賠償責任があるという判決が仮に出された場合に、原告が全部もう死に絶えておったという状況をつくるということは、日本の歴史でも世界の歴史でも大変な汚点を残すことになるのではないか、こういうふうに思うわけです。ですから裁判所も、これは最終的に最高裁までいって、そこの判決に従うということは無理があるということで、これも御承知だろうと思いますけれども、和解の勧告をしているわけですね。 ですから、そういう意味で、和解勧告はどういうことを言われておるかといいますと、これもおわかりのことだと思いますけれども、何千名という膨大な証拠調べをやるわけですから、大変な長期間を要する。仮に判決が出ても、それぞれが控訴をしたり上告をしたりする権利を持っているわけですから、これを遮るわけにはいかない。最終判決までには余りにも時間がかかり過ぎるということを裁判所が言っているわけですね。 それから、国家賠償責任については、熊本と東京の裁判所がまるっきり違う判決を出したように、これは法理論的にも非常に難しい問題だ、こう言っておるわけですね。これは裁判所が言っているわけですね。 三つ目には、病像論についても、これは医学的にはこの議論というのは永久に終わらないのではないか、これも裁判所が言っておる。 そして四つ目に、これも大臣御承知と思いますけれども、公健法に基づく認定ですね。この公健法上の認定で救われた人は、これはもういいのです。しかし、二万とか二万五千の中で、今まで公健法上の認定で救われた人はわずか三千名足らずなんだ。ほかの人たちはこれから外れておるわけですね。しかもその認定基準というのは五十二年に見直されて、それ以降公健法上の認定というものは非常に少なくなってきておる。そこで問題が出てきておるわけであります。それで例えば、大石武一元環境庁長官、今私たちと一緒にこの水俣病の問題を解決する実行委員会の代表委員になって一生懸命頑張っておられますけれども、大石先生も、このときのこの公健法上の認定のあり方を変えたことがこのように水俣病問題をこじらせてしまった、こういうことも言われておるように、今日の公健法上の認定、それに基づく補償協定、これでは今いろいろ訴えられておる患者の救済はできないだろうということを、四点目に裁判所としても言われておるわけです。 ですから、そういう意味で、生きているうちに救済、そしてこの先進国日本の中で、この問題で三十数年も解決がつかないというこの紛争状態の収拾を図るためには、和解による解決しかないのではないか、こういうことが提起されておるわけですね。 したがって、私はこの問題について、私は熊本県の出身でありますから、何とかこの問題の早期解決を図りたい、こういう立場でいろいろやはり知恵も出してみましたし、いろいろ相談もしてみましたけれども、今や、もはやこういう時期になりますと、和解勧告に従って熊本県は和解に参加をしているのです。加害企業であるチッソも和解に参加をしておるわけです。きょう午前中、通産大臣とも若干議論を行いましたけれども、原告との間に意見の相違が余りにもあり過ぎる、こう言われるわけですね。しかし私は、この県なり、そしてチッソ、原告が参加をする和解協議の中では、責任論にしても病像論にしてもかなり距離が縮まってきているのではないか。県も国と同じ立場にあるわけです。しかし、県はこの問題を何とかしなければならない、それは和解しかないということで和解に参加をしてきている。責任論にしても病像論にしてもかなり距離が縮まっている。したがって、国がこれに参加をして、この問題を和解によって解決をする、これ以外にないんではないかな、こう実は思っています。この点は環境庁長官にも何回も私は訴えましたし、先週も厚生委員会で厚生大臣にもこのことも訴えておりますし、午前中も通産大臣に訴えておるわけです。 ですから、国が和解に参加をしないとするならば、この問題を一体どういうふうに解決を図ろうとするのか。解決を図る場合には、原告の皆さん方が、これは納得するしないは別にしても、最終的にオーケーが出なければ解決がつかないわけですから、そうしますと、国はどうしてもやはり最高裁まで、死んでもいいからいかにゃいかぬという以外に解決の道はないのかということになりますと、私はそれでは国の責任は果たされないんではないかな、こういうふうに思うわけです。したがって、和解による解決が政府としてとれないとするならば、この問題について一体どういう解決の方法があるのか、そこのところを少しお聞かせをいただきたいと思います。
○鶴岡政府委員 農林水産省としましても、先ほど大臣がお答えしましたように、水俣病問題の早期解決を望んでいるわけでございます。ただ現在、御指摘のように、各級、各所で訴訟が行われ、係争中でございます。その係争の争点が国の規制権限行使のあり方という国の行政の根幹にかかわる問題でございます。そういう観点から、今回和解にはなじまないというふうに考えたわけでございます。 水俣病につきましては、先生御指摘のありましたように、公健法による認定による救済等が行われておりますけれども、さらに平成四年度からは環境庁において新たな総合的な対策を講じるための必要経費を来年度予算に計上しておるわけでございまして、そういうものによって対応していきたいというふうに考えております。
○田中(昭)分科員 今御答弁があったわけです。これは全く筋論なんですね。その筋論だけで解決がつくかつかないかという問題について私は考えてほしいと言っておるわけです。 それで、先ほど大臣も言われましたように、確かに二月七日の東京地裁の判決では、これは国に国家賠償責任ないと言われたわけですね。しかし、その判決の中でこういうくだりがあるわけです。これは東京地裁の、国が有利な立場に立った判決ですけれども、「水俣病は、被告チッソの不法行為によって生じた疾患ではあるが、人間の生命、健康を何よりも尊重するという精神を欠いたまま高度経済成長を志向した国家、社会が生み出したという側面があることは否定し難く、被害の拡大を防止し得なかったことについて被告国・県にも政治的責任があるということができるから、国家、社会全体の責任において解決が図られるべき問題であると思われる。」これは東京地裁の判決。熊本の判決じゃない。「したがって、被告国県に国家賠償法上の責任がないとしても、被告国には、本件から分離した事件の和解手続において行政上の解決責任を認めている被告熊本県とともに、本件解決のために尽力すべき責務があるといえよう。」ということを東京地裁判決文の中で明らかに言っているわけです。 それから、今お答えがございました、環境庁が総合対策をやられるということです。私は環境庁も国も県もいろいろ努力をされておると思っております。ですから、そのことはそのことで、平成四年度の予算の中にも十億二千万ですか、予算が組まれておるわけで、それはそれでやっていただいて結構だと思うのです。やっていただかなければならないと思うのです。しかし、それで紛争状態が解決するかというと、解決しないところに実は問題があるわけですね。 それは二月七日の東京地裁の判決でもそういうことを言っておるわけですね。「訴訟手続以外の面では、たとえば、一定の要件に該当する者に対し、治療費の公費負担や治療のために要する費用としての療養手当てを支給するといった行政措置の導入が、本件水俣病紛争解決のために必要、有益おものと考えられるがここう言っておるわけです。これを今答弁されておるわけです。「本件水俣病紛争を早期、適正かつ全面的に解決するためには、結局のところ、これらの行政措置とともに、訴訟上の和解による合意を全当事者間で形成することが何よりも必要とされていることが明らかである。しこうなっておるわけです。これは御承知ですか。行政上の措置、環境庁がやろうとしている総合対策、これはもう必要だ、それは「必要、有益なもの」だ、こう言われておるわけです。しかし、それだけではこれはもう解決つかないだろう。したがって、「訴訟上の和解による合意を全当事者間で形成することが何よりも必要とされていることが明らかである。」ということをはっきり言っておるわけです。 ですから、今二つの判決があるわけです。例えば熊本の判決だということであれば、これは国に国家賠償責任があるわけですよ。しかし、皆さん方は逆の東京地裁判決をよりどころにしていろいろ今物を言われておりますけれども、その東京地裁の判決でも、解決の責任、政治的責任があると言われているわけです。しかも、それは国がやろうとしている施策ではどうにもならないから、和解によって当事者間で話し合うべきではないかという、そういう判決になっているわけです。ですから、私は、先ほどから言っておるように、この問題を解決する意思があるとするならば、ほかにどのような解決のやり方があるのかということをもう少しはっきりしていただきたいと申し上げているわけです。いかがですか、大臣。
○鶴岡政府委員 東京地裁の判決は、国には国家賠償法上の損害賠償責任はないが、先生御指摘のように、国の被告チッソに対する行政指導などの面で十分と言えないものもあった。このくだりの解釈につきまして、必ずしも十分意味を酌み取ってないかもわかりませんけれども、被告チッソに対する行政指導につきましては、私の方からお答えするのはちょっと適切ではないかと思いますけれども、通産省から聞いておるところによりますと、当時の知見でできるだけの指導はやったというようなことを伺っております。 それから、確かに東京地裁の判決とそれ以外の判決と違うわけでございますけれども、それ以外の判決につきましては、先ほど申しましたように、国の行政の根幹にかかわる対応の仕方が問われておるわけでございまして、そういう点から和解というものには我々としては対応できないということを、繰り返してございますけれども、答弁させていただきます。
○田中(昭)分科員 全然答弁になってないじゃないですか。熊本地裁の判決には従わない、控訴する。東京地裁の判決が出た、それにも全く耳をかそうとしない。東京地裁の判決は自分たちの言っていることが認められたとみんな言っておるじゃないですか、環境庁も皆さん方も。さっきも言われたじゃないですか。そうでしょう。熊本地裁の判決は不満だ、だから控訴した、東京地裁の判決は我々の主張が認められた、こう言われておるじゃないですか。この我々の主張が認められたという東京地裁の中で、今言ったことが言われているわけですよ。このことも無視をするということになれば、一体どういう解決の方法があるのかということをもうちょっとはっきりしていただきたいと申し上げているわけで、ここのところをもう少しはっきりしてください。
○鶴岡政府委員 東京地裁の判決につきましても控訴されているわけでございまして、控訴審で係争されているわけでございます。 いずれにいたしましても、この問題についての法的な解決というのは、裁判所で係争されております、その争点が、先ほど来申し上げておりますように、国の行政の根幹にかかわるということでございますので、和解には対応できないということでございます。 ただ、先ほど申し上げましたように、公健法によります認定制度の適用でありますとか、新しく来年度から環境庁の方で計上しております予算等によりまして、水俣病についての対応をやっていきたいというのが政府の考えでございます。
○田中(昭)分科員 今御答弁されたのは、結局裁判で結論が出なければどうにもならないということを言われているわけですね。そうでしょう。ということは、先ほどから言っているように、裁判所すらそれはもう困難だということを言っているわけです。ですから、国に国家賠償責任がないと言う東京地裁ですら、和解による解決の方法を模索する以外にないのではないかということを判決文第十一章で何回も何回も繰り返して言っているわけですよ。そうでしょう。国がそのことを全く無視するということは、私は常識で考えられないのです。この問題はもう放置しておこうという考え方に立たれるとするならば、それはやむを得ないでしょう。しかし、午前中通産大臣も早期に何とか解決しなければいけないということを言っているわけです。しかも、その方法は何ですかと聞いたら、今もお答えしたように、環境庁がやろうとしている総合対策でやりたい、こう言っておられる。しかし、総合対策でやろうといっても、それでは解決がつかないわけです。ですから裁判所の方は、それも一つの解決の方法であるけれども、それでは解決がつかない、したがって、何らかの方法で解決するというのを、和解の場でお互いが誠意を持って話す以外にないのではないかということを何回も言っておるわけです。 最後の方は「水俣病紛争の根の深さからすれば、和解によって合意を形成することには多くの困難を伴うことになろうが、本判決が」、これはおたくたちが喜ばれた判決ですよ、「本判決」というのは。「本判決が一つの契機となり、その冷静な検討の中から、この紛争を和解によって解決しようとする気運が本件の全当事者間に生まれてくることを期待したいと思う。」こういうふうに書かれているわけです。 ここのところを政府は無視をするということは、私はおかしいのじゃないかなと思うのです。それと同時に、それを無視するなら無視されるで、では一体どういう解決の方途があるのか、どういう方途でされようとするのか、そこのところをもう少し聞かせてください。そうしないと、私はほとんど連日のように原告の方、いわゆる患者の方とコミュニケーションを図るわけで、一体どうしてくれるのでしょうかと。和解もだめだと言われておる、熊本の判決にも従わないが、東京の判決にも従わない、一体どうしてくれるのでしょうか、こう言われた場合に、いや、国はもうあなたたちが死ぬのを待っているんだよ、こう言う以外にないということは非常に悲しいことでありますから、そこのところをもうちょっとはっきりしてください。
○鶴岡政府委員 また重ねて同じ答弁になろうかと思いますけれども、各級裁判所あるいは各地方でまだ係争中でございます。その係争の問題といいますか、その事項が、先ほどから申し上げておりますように、国の行政の根幹に触れる問題であるということから、私どもは和解にはなじまないというふうな考えております。 ただ、先ほど来申し上げますような方法で、公健法認定制度、その他来年度予算等によりまして、できるだけ対応していきたいというのが我々の姿勢でございます。
○田中(昭)分科員 もう時間も余りないのですが、大臣に最後に少しお聞きをしたいのです。 さっきも申し上げましたように、六月にブラジルで地球サミットがございます。富澤首相も出席されるとお聞きをいたしておりますし、それから竹下元総理大臣も行かれる。この会議の中では、先進国日本に対して開発途上国から環境問題について今後日本にリーダーシップをとっていただくという訴えがたくさん出るだろう、こう言われておるわけです。 私は一昨日も、このサミットに一緒に行ってくれないかという誘いを実は受けておりまして、NGOで水俣病の患者が、大変年をとられてしんどい体を引きずりながら六十名参加をする、そしてこの問題を訴える、こう言われておるわけです。できれば先生一緒に行ってくれませんか、こういう訴えも聞いているわけです。 この地球サミットで、先進国日本として環境問題についていろいろと問題提起をしたり意見を聞いたりする中で、一方では、公害の原点と言われているこの問題が、既に三十数年経過してなお紛争状態にあって、幾ら判決が出てもそれに政府が耳をかさない、私はこういう状況はあってはいけないのではないかという気がします。 したがって、きょうこの短い期間で一定の結論を出すことは不可能ということはわかっていますが、しかし、いずれにしても、この時期に向けて、この水俣病問題を最終的な最高裁の判決まで持ち込まずにどういう形で解決を図るのか、こういうことについてぜひ努力をしていただきたいというのが一つです。 もう一つは、関係閣僚会議というのがございます。この関係閣僚会議の決定に従って各省庁がいろいろ動いておるという状況がございまして、午前中も通産大臣には、何としても、この水俣病の現状について再認識をしていただいて、関係閣僚会議で今後の解決の方法について再度議論をしてほしいということをお願いしました。通産大臣はわかったということでございますので、私は先週厚生大臣にも官房長官にもそのことを訴えております。ぜひ大臣、今申し上げましたような立場に立って、関係閣僚会議でこの水俣病の問題をどう解決していこうとするのか再度議論をして、一定の方向性を出していただくように努力をしていただきたいということをお願いしたいのですが、いかがですか。
○田名部国務大臣 五十二年に環境庁長官によってできた閣僚会議でありますが、私の方も平成二年から参加をいたしております。お話のように、何十年も争うというのは、やはりそれ相当に非常に困難が法的にも伴ってきたのだろうと思うのです。特に争いながら和解をしようというのですから、いよいよ難しいなという感じがするのです。ですから、いずれ、お話がありましたので、私どもも環境庁長官を中心にやることでありますから、よく相談をしていきたい、こう思います。
○田中(昭)分科員 私は、ぜひ関係閣僚会議の中で、地球サミット、六月までの間に一定の方向性が出されますように、心から期待をいたしたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○柳沢主査 これにて田中昭一君の質疑は終了いたしました。 次に、石田祝稔君。
○石田(祝)分科員 私は、農業、また林業の問題についてお伺いをしたいと思います。 私も、地元を回りますと、農林業に携わる方からいろいろな御質問、また要望等をいただきます。その中で、特に後継者の問題についての要望、また心配というものが非常に多うございます。その意味で、まず最初に大臣に、第一次産業の後継者問題についてはどういうふうな課題認識を持っているのかをお聞きをしたいと思います。特に、私も予算委員会等で大臣に対する質問を拝聴いたしますと、ほとんどが現下の米の問題に集中をしております。そういう感じがしておりますので、きょうは違った角度からちょっと農林水産業の最高責任者としての大臣にお伺いをしたいと思います。後継者の問題をどういうふうに認識されておるのか、まず最初にお伺いします。
○田名部国務大臣 質問は農業ということで受けますので、そういうお話を申し上げましたが、林業についても漁業についても非常に後継者不足に陥っていることは事実であります。 林業についても、何回かお話し申し上げましたが、何といってもやはり休日が一定していないとか、いろいろな制度が生かされていない。そういう問題があって、雨降れば休みだというようなこと等、また規模が零細だ、多様的に職場というものを確保してあげないといかぬ。ですから、今度は領域を、国有林、民有林問わず一体となって、相当大きな規模にして、そして雨降りには雨降りの労働をしてもらう。日曜日、まあ土日休みになれば、それは休んでいただくということで、一般的に整備をいたしていきませんと、何かこれ以上若い人たちが意欲を持って取り組んでくれない。機械化も今進めているわけでありますけれども、機械等も積極的に導入する。若い人はやはり今みたいにただやっているんでは魅力を感じない。そんな面でやっていこう。 それから、今これは進めている段階ですから、私の構想としてお話を聞いてほしいんです。林業、国有林でも民有林でもそうですが、何とかそこの地域の活性化を図る。村おこしになるのかどうかわかりませんが、いずれにしても、いろいろな事業、例えば林間学校をやる、あるいはゲートボール場をつくる、あるいは地形のいいところですと九ホールでもゴルフ場をつくる。海の方にもまたいろいろな施策をしていく。特に、都市との交流を盛んにするために、キャンピングカーなんかを迎え入れるような施設をつくる。そんなことをして、どんどん入ってきますと、勢いその村の特産品を売るとか管理をするとかいろいろな仕事がふえてくる。そういうものを若い人たちに、第三セクでやるかどうか、これは別でありますが、実際に経営させたらどうか。ですから、あらゆる仕事をっくってあげませんと、大きな企業が行くわけでもなし、したがって、そういう中で、総合的な中での後継者定着を図っていくという中で、林業もやる、あるいは今みたいな仕事もやるという中で、やはり意欲を持って働けるような環境をつくる。それは、働くのばかりではなくて、住んでいる方の環境も一緒につくってあげなければいかぬというふうに考えております。 漁業も、そういう面では、今つくり育てる漁業をどんどんやっておりますので、加工まで含めたそういう働く場所、雇用の場を確保して、何とかならぬか。私の地元に県立公園がありまして、そこは夏場は物すごい海水浴場なんです。ところが何にも施設がない。そういうものも、そこの若い人たちに、駐車場もあるし、レストハウスもできるし、あるいは木造でそこに見合った宿泊施設なんかも、あるいはキャンプ場も、そういうものを実際に経営させたらどうかという観点から、いろいろなことを今想定しておりますので、どれだけそういうものに取り入れられるかわかりませんが、一生懸命、とにかく農林漁、この三つを目指して頑張りたい、こう思っております。 〔主査退席、佐藤(謙)主査代理着席〕
○石田(祝)分科員 大臣の決意のほどはよくわかりました。 それでは、若干突っ込んで細かいこともお伺いをしたいと思いますが、今までいろいろな対策をこの後継者の問題で講ぜられてきていると思います。その対策等はいろいろとお話も伺いましたけれども、ずばり聞きますが、今までやってこられた対策というものが所要の効果を上げたのかどうか、それをお聞きしたいと思います。
○上野政府委員 担い手あるいは新規就農者対策ということになりますと、現在私どもは、新規に農業をやりたいという農業後継者に対しまして無利子資金の供与を行うとか、あるいは新規に農業の分野に入っていきたいという人々に対して技術的な訓練をしていただく、その経費を補助したりあるいは貸し付けたりするとか、あるいは新規就農の希望者を募るといいますか、一方、新規就農の場がどこにあるというような情報を提供するような、そういう組織をつくってPRをしていくとかいうようなことをやっているわけでございます。 ただ、委員お考えのように、なかなかその新規就農者が思うようにいない、後継者が思うようにいない、二千人を割るような水準であるという状況でございまして、こういうような対策の重要性も、私法して小さいものだとは思っておりませんが、やはり全体としての農業に対する魅力というものを回復していく必要があるんじゃないか。そのために今省内で、今大臣申しましたように、新しい政策の検討というようなこともやっておるわけでございまして、そういう方向での頑張りをしてまいりたい、かように考えておるわけでございます。
○石田(祝)分科員 いろいろとやっていただいていることはわかりますけれども、例えば平成四年度の概算決定額ということで、農業後継者育成確保対策関連施策、これは約四百五十億円かけております。これは貸付枠を含めてですけれども、平成三年度も大体四百五十億。ですから、私が端的にお伺いをしたいと言ったのは、いろいろな努力をされているのはわかりますけれども、それが当初予定されていたような効果を生んでいるのかどうか。ですから、例えば農業の後継者で新規学卒就農者、就農率というのも出ておりますけれども、年間千八百人、これは五年前の約三分の一、十年前の約四分の一という数字であります。いろいろな施策を講じてきておるからこれだけでとまっておるのか、それとも、施策を講じてやっているんだけれども、それが実際にそういう就農しようとする人たちの心に合ってないのじゃないか、そういうことも私は感じられると思うのですね。ですから、どちらかということは実験するわけにいきませんからわかりませんけれども、端的に言って、効果は上げている、この方式は間違いない、この十数年また二十年間やっていらっしゃるわけですから、こういうことが言えるのかどうかだけちょっと教えてください。
○上野政府委員 先ほども申し上げましたように、考えられるいろいろな手段を講じてまいっているというふうに思っているわけでございますけれども、おっしゃるとおりの数字の状況でございます。そういう意味でいえば、新規参入者が非常に少ないために、全体としての農業就業人口の年齢、階層が老齢化をしているというような問題もあるわけでございまして、先々の農業というものを考える場合に非常に問題があるというふうに理解をいたしております。 そのために、とにかく農業というものを魅力のあるものにしていく、全体としてそういうものに仕立て上げていく必要が何よりもあるんだ。個別の政策、先ほど来申し上げておりますようなことの充実ももとより必要でございますけれども、そういう農業にこれから入ろうかという人が意欲を持ってやれるようなものに、全体としての姿をしていくことがまず肝要じゃないか、かように考えておるわけでございます。
○石田(祝)分科員 それで、農業の後継者の問題、ずっとさっきから聞いているわけですけれども、農家の後継者、これはもちろん私は大事だと思いますが、あと日本全体を考えたときに、農業の後継者ということで、実際お父さん、お母さんは農業をやってなかった、だけれども、自分の代から農業をやりたい。ですから、農家の後継者じゃない。農業の後継者ということで、農外からの新規参入者の数を、できたら今後農家の子供だけに農業ということじゃなくて、全体的に、日本は一億二千五百万人いるわけですから、そういう方々の中から農業の後継者という観点から考えていく方が今後の道としてはいいのではないかと私は思います。 それで、農外からの新規参入者の数も教えていただきましたけれども、平成二年では七十四人、元年で七十六人、この数は大体同じでございます。大体七十人前後。これは全国の数ですから、こう見ますと、実際新規参入、新規参入というふうにおっしゃっておりますけれども、現実の問題として構造的にそういうものを阻むものがあるのじゃないか、そういうふうに私は思えてならないのですね。 そして、私も先日地元の高知県の物部村というところに行ってまいりましたけれども、そこの方がおっしゃるには、まず農地を買うときに、ゼロから始めると、とにかく三反を買わなくてはならない。二反を持っている人はふやして三反になればいい。ですから、とにかく三反までを買ってもらわなくてはならない。そういう意味で、自分が実際やりたくても、その農地の値段等で一遍に三反も買えない。そうすると、やりたくてもやれない。実はこういうふうな問題があるのです。こういうことをそのときにお聞きしたわけであります。 実際問題として、そういう三反とか五反とかいうふうなことがあるのかどうか。そして今後の問題として、新規参入を促進していく、そういう意味でもうちょっとそのバーを、そういうことであれば一反に下げるとか、極端に言えば、この農業、農家の認定というのですか、これも資料をちょうだいいたしましたが、現実には、今までは東日本と西日本違っていたけれども、十アール。ですから、これは一反ですね。一反で農家として認める、実はこういうふうになっておるわけですね。それなのに、新規参入だけ一遍に三反買わなくてはいけない、五反買わなくてはいけない、これはちょっとおかしいのじゃないかと思いますが、これは事実認識とともに、今後の問題としてちょっとお答えをいただきたいと思います。
○海野政府委員 御指摘の最小面積といいますか、私ども下限面積と呼んでおりますけれども、これは農地法で農地を取得する場合に、原則的には北海道で二ヘクタール以上、都府県では五十アール以上というのが一つの基準になっております。 これはなぜかと申しますと、もちろん徐々にふやすという考え方はあっていいのだと思いますが、ただ、現在の農業の実態を見ますと、一般的には、小さな面積でまず始めるということになりますと、その小さな面積自体が、これは非常に生産性が上がらない、何といいますか赤字が大きく出ることになってしまいます。その段階でつぶれてしまうというようなことに相なるという観点から、五十アールで十分だと思いませんけれども、一応ともかく農業がやれる面積ということになっているわけでございます。もちろん、そこで野菜とか花卉とかの集約栽培をやるというような場合には、それ相応の所得が得られる面積であれば下がってもいいわけでございまして、今御指摘の町村のように、都道府県知事が農林大臣の承認を得て四十アールとか三十アールとかいうのを決めておるところはあるわけでございます。 それで、確かに新規参入者が農業を始めるに当たっていきなりそれだけのものはとても買えないではないかというお話はあろうかと思います。ただ、では小さな面積でやれば始められるかといいますと、さっき申しましたように、その段階で機械の効率その他からいってとても小さな面積ではペイしないというような面がございますので、一つは土地が一遍に手に入らないという問題につきましては、私ども集落段階での利用増進事業その他でなるべく土地をまとめて渡すように一方でする。これは買う面積、借りる面積合わせてでいいわけでございますので、ある部分は買い、ある部分は借りるというようなこともあろうかと思いますし、買う方の出物が出ていたというような場合には、先ほど農蚕園芸局長が申し上げましたような、ああいう改良資金のような新規就農者に向けた特別の融資のほかに、農地を買うということで農地等取得資金を農林漁業金融公庫から三分五厘で融資をするというようなことで、実際にそこで資金がなくて土地が買えないということはないようにしているつもりでございます。
○石田(祝)分科員 いろいろ御説明をちょうだいいたしましたけれども、現実の問題として、新規参入を促進すると言いながら、その人数が六十人とか七十人、私は資料をもらっておりますけれども、昭和六十年からほとんど変わっていないのですね。ということは、この間同じような考え方でいらっしゃったのか、六十人ぐらいでいいやと。ですから、そこのところでどういうふうに――六十人ではこれは少ない、私が言ったように、農家の後継ではなくて農業の後継者をつくっていくのだ、そういう観点であったらやはりもうちょっと考えるべきだと思うのですね。さっきいみじくも局長言われましたけれども、五十アールとか、極端に言えば中山間地なんかそんなまとまった土地はないわけですよ。あそこにあるけれども二十アールだとか、ちょっと離れているとか、隣が貸してくれないとか、いろいろなことがあるわけです。ですから、そういうところを考えていかないと、このまま五十人、六十人でいいということであれば私は別だと思います。今は農家の子供が農業を継ぐ時代じゃない、農業全体として後継者を考えていくべき時代であろうと私は思います。ですから、農家の認定自体も十アールで認定しているわけですから、そういうことを考えたら、五十とか三十というのは、ある意味ではまた不合理な話ではないだろうか、こういうふうに私は感じざるを得ないのです。時間の関係もありますから、これ以上申し上げませんけれども、ぜひともこのことはお考えをいただきたいと思います。 この点について、大臣、申しわけないのですけれども、この新規参入が五十人をちょっと上回ったところでもう七、八年推移している。これは私は考えるべきことではないかと思いますけれども、お考え、また御感想がありましたら……。
○田名部国務大臣 新しい食料、農業、農村というので思い切った改革をしたいということで、今検討をいたしております。何といっても農家もかつてのようにたくさんの子供が産まれてというのはありません。少ないところへもってきて、意欲のない人が子供であればやっても成功しないのですね。逆に言うと、今考えていることは、意欲のある人から始まる。意欲のある人で、例えば水田を二十町歩、畑を二十町歩、これを何人でやると本当にもうかるようになるか、経費が幾らかかるか、機械は買った方がいいか、借りた方がいいか、いろいろ検討して、これからそこに農地を集約していこう。それはもう本当に長期にわたって、農地として後には買えない、超優良農地とでもいいましょうか、そういうことでいくと、持ったのは最初はわずかであっても、意欲さえあって、だんだん後継者がなくて、離農、もうやめますという者も、そこからは、区画からは除外しませんから、それは買い取ってでもそこに置いておく。その中でその人が将来意欲を持ってやっていくということも頭に入れて、これからは抜本的に、本当に企業的な感覚でやらないと私はだめだと思いますね、経営も管理も。したがって、そういう方向で今検討しております。どこまでやれるかわかりませんが、このままではどうにもならぬということはみんなわかっていますから、そういうことで意欲を持って、本当に原価計算をしてこのむだは省いていこう、ここにもっと投資をしていこう、そういう農業にしたいということですから、その一環として今そういうこともありますが、この人たちは最初から農業をやりたいという意欲を持っておりますから、そういう展望の開けるようなことを、やっていることと検討していることが一緒になればいいわけでありますから、そういうことを考えながらやってみたい、こう思っております。
○石田(祝)分科員 ぜひともなお一層の御尽力をお願いをしたいと思います。 林業の方も聞こうと思いましたが、時間の関係で割愛をさせていただきますが、農業以上にこの後継者の問題に関しては林業は深刻である。ですから、林業は平成三年にたしか百八十三人ですかね、新卒者が。ですから、けたが一つ逢うところで林業も後継者に困っているということでございますから、あわせてお願いをしたいと思います。 続きまして、国有林野事業についてお伺いをしたいと思います。 平成三年度末で累積債務が約二兆円を大きく超しているというふうに私は承知をいたしておりますけれども、ここで今後の問題として、一般会計からの繰り入れということでお伺いいたしますが、林野庁としては、この国有林の持つ公益的機能の発揮、こういうものは貨幣価値にしたら大体どのくらい国有林が公益的機能を発揮しているのか、これは数字であらわしたらどのぐらいだとお考えでしょうか。
○小澤政府委員 先生御指摘のこの森林、公益機能を非常に備えているわけでございまして、国有林につきましては、我が国の森林の約三割を所管して経営しているところでございます。機能をお金に換算するという、これはやり方はいろいろございまして、かつて、相当以前からこういう計算も実はしてみてはおるのでございますけれども、我が国の森林全体では三十二兆円ぐらいあるかというふうに思っておりますが、これはそもそも昭和四十七年に計量化調査というのを実はやりまして、このときは十二兆八千億円という計算をしてみたわけでございます。その後の物価変動等もございますから、約三十二兆というふうに考えておりますけれども、国有林だけの計算を実はしたことはございません。ございませんが、大体全体の三割ございますし、しかも国有林はどちらかといいますと国土保全上重要な奥地に存在しているということもございますから、公益的なウエートはかなり高いもの、こんなふうに考えながら、その役割を十分に発揮するように、昨年も特別措置法の改正も行わしていただいたり、新しい改善計画もスタートを切っておりますけれども、機能類型区分というのをやりまして、国土保全だ、自然の維持だあるいは木材それから空間利用というふうに、そのように新しい機能分けもやって、それにふさわしい経営をしていこうということでやっておるわけでございます。
○石田(祝)分科員 それでお聞きをしますが、私この本をいただきまして、「国有林野事業の改善に関する計画」の概要、ここで経常事業部門のところで一般会計からの繰り入れというところがありまして、ここに「公益的機能発揮等に係る費用」、こういうふうなところがあるのですね。ですから、単なる木を売ったりする用材だけの経済的価値ではなくて、さっき言われたように、国土保全とか水資源の涵養、こういうことがあると思いますが、先ほど長官は、三十二兆の約三割、大体十兆円ぐらいに計算すればなると思いますけれども、それで平成四年度一般会計からどのぐらい繰り入れるようになっているのでしょうか。
○小澤政府委員 国有林野事業に対する一般会計の繰り入れの予算の案でございますけれども、総額では三百三億円ということでございまして、これは平成三年度の二百四十九億五千万円に比較いたしますと一二一・五%ということになるわけでございます。三百三億円の内訳につきましては、おおむね三つに分かれておりますが、総額で三百三億ということでございます。
○石田(祝)分科員 そうしますと、先ほど公益的機能が大体十兆円分ぐらいあるのじゃないか、こうおっしゃいましたですよね。ですから、それを例えば百年で割っても、一千億円ぐらいは入れていただいてもおかしくないのじゃないかと私は思うのですが、これはお考え方の違いがあるかもしれませんが、その公益的機能というものを一般会計からいただくという、繰り入れするというふうにこの事業計画でなっていると私は思いますが、この数字はいかがでしょうか。
○小澤政府委員 森林が持っております公益機能、国有林のみならずこれはあるわけでございまして、これは森林の効用というようなことでございますので、それを即予算ということにはなかなかなりにくいのじゃないかと思っておりますけれども、一方におきまして、その国有林の経営の改善を進める必要がございます。これにつきましては、累積債務は累積債務として処理をし、これは二兆二千億あるわけでございますけれども、中の会計の中で区分をするということで仕切らせていただいているわけでございます。 それから、経常事業という形で国有林の使命を果たすために経営の改善をしようということでございますから、それに必要な経費につきましては、これは自主努力を行うということは当然のことでございますけれども、同時にまた、一般会計からの繰り入れもお願いいたしまして、あわせまして、その国有林の使命を発揮させることによって、その公益機能が達成されるわけでございますので、機能発揮のそれは計量のやり方としていろいろと金額も出てまいるわけでございますけれども、それはしかし経営の十分な発揮ということによってそれが行われるんだ、結果として出てくるというふうに思いますから、やはり経営そのものをしっかりさせていくということに力点を置いております。 そんなことで、今後とも改善の努力、またその使命を果たしてまいりたいというように思うわけでございます。
○石田(祝)分科員 私は、何回もこの分科会でお話もさせていただいておりますけれども、林野事業特会はもうやめたらどうかという考えを持っております。終戦当時の林野特会をやったときの意義というものは、もう既になくなっていると私は思います。ですから、これは今後の問題でありますけれども、非常に日本全体の財産であります国有林ですから、ぜひとも発展していくような方向で今後ともお願いをしたいと思います。 それから、最後にちょっとお伺いいたしますが、去年、九営林局、五営林支局の営林署の統廃合がございまして、これは頭割りで一営林局、支局でそれぞれ一つずつ、全部で十四統廃合した、こういうことでした。それから改善に関する計画では、現在三百二ある営林署の約三分の一を統合するという予定だと聞いております。そうすると再統合しなくちゃならない。しかし、その十四の営林局、支局の中で、特に高知営林局、私は非常に関係がありますけれども、事業収入で黒字なのはたしか高知営林局だけだと私は了解をしておりますが、地元の意見として、自分たちが一生懸命頑張っている、そして山を守っているところも、そうでないとは申しませんけれども、事業収入で赤のところも一緒くたに頭から一つずっとか、今後再削るときはそれぞれ七つぐらいの頭割りになるわけですけれども、そういう形で一律にやってもらいたくない。黒字のところは黒字のところなりに営林署の統廃合についても配慮してもらいたい、これはできたらやめてもらいたい、しないでもらいたいという意見なわけですけれども、その営林署の統廃合について、営林局、支局ごとに頭割りとか一律ではなくて、それぞれの実情に応じて配慮をすべきだと思いますけれども、最後にこの点についてお伺いしたと思います。
○小澤政府委員 営林署の統合・改組問題でございますけれども、その前に先ほど特別会計の問題がちょっとございましたので若干お答えさせていただきたいわけでございます。 特別会計でやっていますということは、赤字にはなっておりますけれども収入も相当量ございますし、やはり経営の能率性をはかる尺度としても特別会計の中でしっかり改善せいということを行革審でも、また林政審議会でも御議論もいただきましてそのように仕切らせていただいておりますので、何分私どもとしては一生懸命努力していきたいということでございますが、その経営改善の一環といたしまして営林署の統合・改組の問題も出てくるわけでございまして、これにつきましては、先ほどちょっと申しましたけれども、森林の機能類型というのも行っておりますので、そういう機能にふさわしい組織編成をしたい、そういうこともございます。したがいまして、平成三年度当初で三百十六の営林署の三分の一程度を改善期間内ということは十年ということでございますが、この間に逐次統合・改組することにしているわけでございます。 先生が一律はどうかなということをおっしゃいましたけれども、私どもはこの問題につきましては、平成三年度につきましては十四営林署の統合・改組でございますけれども、今後につきましてはこれから検討をしなければならないと思っておりますが、今後の問題につきましては国有林野の機能を発揮をしていくということでございますけれども、それぞれの現地での管理の森林のウエートの問題がございます。これは機能ウエートという言葉がございます。それからもう一つは、営林署間の距離がどうであるか、あるいは管理面積がどうかとか、あるいは国有林野の分布状況等いろいろな要素がございますので、これをやはり総合的に勘案させていただきまして統合。改組を図ってまいりたい、このように考えておるところでございます。
○石田(祝)分科員 終わります。ありがとうございました。
○佐藤(謙)主査代理 これにて石田祝稔君の質疑は終了いたしました。 次に、和田貞夫君。
○和田(貞)分科員 農水大臣、私の質問は直接農林水産行政にかかわる問題ではございませんが、政府の全額出資で設立された特殊法人である日本中央競馬会の従業員にかかわる問題でございますので、後ほど行政指導もやっていただく必要がございますので、ひとつお聞きいただきたいと思うわけでございます。 今日、日本の労働時間が世界で一番長時間労働だというように悪評が非常に高いわけでございますし、また高齢者が非常に元気になってきておりますし、高齢化社会になってきておるわけでございますから、どうしても高齢化労働者を雇用しなくてはならないという今日の社会情勢であることは御案内のとおりであります。 そういう時代の趨勢によって、中央競馬会も自分たちの従業員の労働条件をつくるときには、やはり公務員と同様に準公務員的な見方でその条件を就業規則等でつくり上げていただくのが私は至当だと思うわけでございます。ところがそうなっておらないわけでございますので、過日、私たちの党は近藤労働大臣に対しまして中央競馬会従業員の定年制、競馬会の方ではいわゆる雇用どめ年齢というように言われておるわけでございますが、この年齢を六十歳以上に持っていくように、さらには六十五歳まで継続して労働ができるように、雇用ができるようにという申し入れをしたところでございます。 労働省来てもらっておると思いますが、私たちのその申し入れに対しまして、中央競馬会に対しまして行政指導をやってもらったのか、どのような行政指導をしてくれたのか、ひとつお答えいただきたいと思います。
○茂木説明員 お答え申し上げます。 日本中央競馬会の競馬開催にかかわります従業員につきましては、その就業規則におきまして職種、事業所ごとに雇用年齢の上限が四十歳から六十五歳までさまざまな形で定められている実態にあるということは承知いたしております。これらの従業員につきましては競馬開催ごとの雇用でありまして、雇用年齢の上限は形式的には一種の採用条件でありまして、高年齢者雇用安定法における定年ではないと考えられるわけでありますが、これらの従業員の中には実質的には常用的に雇用されておる者も多く、雇用年齢の上限の規定が実質的な意味で定年に相当する場合もあるというふうに認識をいたしておるところでございます。 現在本格的な高齢化社会を迎えまして、高年齢者の六十五歳までの安定した雇用の機会を確保していくというふうな観点から六十歳定年というのはその基盤をなすものでありまして、現在高年齢者雇用安定法におきまして定年延長指導をやっておるところでございます。本件の場合は、今申し上げましたように雇用年齢の上限は形式的には採用条件でありまして、高年齢者雇用安定法における定年ではないと考えられるわけでありますけれども、高年齢者雇用安定法の趣旨に照らしまして改善することが望ましいと考えておりまして、かかる観点からこれらの改善方につきまして日本中央競馬会に対しまして指導を実施してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○和田(貞)分科員 指導をしてまいりたいと考えておるのか、指導したのか、どっちなんですか。
○茂木説明員 実は三月の六日に、芝園橋が担当の安定所でございますから、事情聴取をしておる段階でございます。
○和田(貞)分科員 労働省に時間をかけてまた苦言を呈したいと私は思いますが、今あなたがここで私の質問に対する答弁として答えておることと、中央競馬会のみならず地方公共団体が実施をしておる地方競馬あるいは自転車、船、いわゆる競走労働者に対して、あなたの方はもう既に三年前に自治体に対して、自治省に対して、あるいは各省に対して、もう定年制も実質的に措置がされておるし、雇用の関係も今言われたこととは逆に、日々雇用であったとしても継続し反復して雇用されておるんだから、雇用保険法で言うところの日雇い労働被保険者としては扱わない、厚生省所管の健康保険においても日雇い健康保険制度の被保険者でない、国民健康保険に入れ、雇用保険に該当するというようなことを行政指導しておるじゃないですか。片方では、日々雇用であっても、継続、反復する労働者であるという日々雇用には見られないというようなことで旦届い健康保険の切り捨て、日雇い労働保険の切り捨てをやっている。そのことをやりながら今の答弁は何ですか、これは。言うこととすることと違うやないか。きょう、あなた、中央競馬会に質問しようと思っておったけれども、あなた自身がそんな足りない、二面性のあるような行政指導の態度ということでは私は承知できない。もう一度答弁してもらいたい。
○茂木説明員 先ほども申し上げましたように、高年齢者雇用安定法の趣旨に照らしまして指導をしたい、このように思っておるわけであります。
○和田(貞)分科員 だから、あなた、このところで殊さらに日々雇用だというようなことを強調する必要はないわけなんだ。日々雇用であっても、これは継続、反復して長期にわたって雇用されておるのだからということであなたの方が思っておるのですよ。だから、こんなところに呼ぶ必要ないのですよ。だから、そういう立場に立って中央競馬会にひとつ行政指導してほしい。強く要請したいと思う。 そこで、中央競馬会、今のような考え方で行政指導を受けて、どういうふうに改めようとしておりますか。
○渡邊参考人 多少経過を報告させていただきますが、先ほど労働省の方からお話がございましたように、私どもに三月六日と三月九日の両日、私どもの実態の調査と御指導を受けまして、その際、今お話ありました私どもの雇用どめ年齢の特に五十歳というものについて何らかの実態的な改善が図られないかという御示唆なり御指導を受けまして、私ども、その点につきまして現在検討をいたしておるところでございます。
○和田(貞)分科員 検討しておるというのだけれども、どういうように検討しようと思っているのですか。例えば、労働省の方から指導を受けた、これは時代の趨勢ですよ。その時代の趨勢に逆行するような労働条件を、少なくとも政府の全額出資の特殊法人の団体が、自分たちの雇用する労働者、従業員を、いかなる形態であれそのような劣悪な条件、時代に逆行するような労働条件をつくるというようなことであってはならないと私は思う。 この間、新聞を見ますと、いよいよ公務員にも、遅きに失するわけでございますが、きょうも労働委員会で議論しておりますが、公務員に対するところの時間短縮、四月一日から実施するのかしないのかまだ定かでないわけでございますが、完全週休二日制を実施しようとしておるわけであります。定年制もまた同じこと。まして高齢者社会に及んでおるわけでございますから、しかも労働力が不足しておるのだから、若い者でできないところを高齢者によって補っていくということを、どの職場でもとの企業でもそういう努力をしないと労働力不足というものを解消することができないわけでしょう。 もうこの定年制の六十というのは、今始まったことじゃなくて、つい最近アメリカとの間に特許権の問題でぎくしゃくしておりますミノルタカメラ、この会社は本社大阪であります。戦争が終わって昭和二十二年、もう今から四十五年前、既に四十五年前から定年制六十ということで実施しておるのですよ。今さら六十になったんじゃない。二十二年から企業が六十歳の定年制というものを実施しておる。 そういうことを考えたら、ひとつ、たとえ事業所が古くあった事業所、新しくできた事業所、あるいはその事業所によっていろいろと電話で注文を受ける場所、あるいは直接お客さんに券を売る、発売する場所、それぞれやはり競馬場におけるところのいろいろな職種等々が違うとしても、それはそれなりに、女性は女性として合う職業、職場、職種、若い人は若い人たちに合うような職種、高齢者の方は高齢者の方々に合う職種というのを見つけ出していったらいいわけですから、だから、この職種については四十歳までや、この職種については五十歳までや、この職種については五十五歳までやというような扱い、あなたの方では雇用どめ年齢と言っておりますが、そういう定年制をしているところはどこを探してもないですよ。極めて非近代的な定年制度であるというふうに私は思うわけです。これをどういうように改めようとしておるのか、ひとつお答えを願いたい。
○渡邊参考人 多少私どものこれまでの経過もございますので、もう十分先生御存じの点かと思いますが、私ども投票、いわゆる競馬の開催業務というのは限られた時間に一時的に集中いたします不特定多数のお客様を相手に迅速に事務を処理していく、こうしたことで進めてまいりましたが、かつて、これが特に昭和五十年代の後半になりまして、従業員の高齢化に伴いまして、ファンとのトラブルといいますかいろいろ混乱も生じまして、やはりこうした高齢化と、そうしたファンとの、お客様とのトラブルを解消するために私どもとして五十九年から、従来いる方々は別といたしまして、新設の事業所については新たな雇用どめ年齢を設定するというようなことで現在進めてきておるわけでございます。 ただ、お話のございました電話投票所なりについて申しますと、これは非常に高度なオペレーションシステムを採用しまして、ディスプレーなりを見ながら処理するということで、この点は大変申しわけないのですが、業務的に高齢者の方々には向かないような分野もあるわけでございます。こうした点につきましては、御指摘のように四十歳というようなことに設定させていただいている点がございますが、なお私ども、新設の事業所等の雇用どめ年齢の設定につきましては、これからの業務の改善の方向とあわせて検討、改善はしていきたいと考えております。 〔佐藤(謙)主査代理退席、主査着席〕
○和田(貞)分科員 理事長、過去に客との間にいろいろと苦情があった、いざこざがあった。あったのかないのかわかりませんが、あった。それをないようにするためには若い者でなかったらいかぬ、これはちょっと高齢者に対する侮辱した物の言い方じゃないかと私は思うのですよ。私は六十七や。六十七。これ見てみなさい、ランニングです。あなたは長いシャツ着ているか、短いシャツ着ているかわからぬけれども。これは年がいってもやはり元気な者、若くても元気でない者、年がいつでも目がよく見える者、私は老眼かけてない。老眼なしで、こう見える。若い者でも老眼をかけぬと見えぬ者がある。やはり人には差があるんですから、若い人だって耳の遠い人あるわけだ。若い人で耳の遠い人に電話機やったらどうなるんだ。そうじゃなくて、やはり年にかかわりなく、その人の備わった性格、性質、特技あるいは健康状態によって職種を適当に選んであげたらいいわけであって、耳を使うから年寄りはあかん、そんなことを言われたら耳のいい年寄りは怒りますよ。そうじゃなくて、私が言いましたように適材適所にしたらいいわけだから、過去にこういうことがあったから、あったかないかわからぬ、あったとしてもそれはその人がそうであったのであって、全体に通ずるようなことを言えば、高齢者を侮辱したことになって高齢者は怒りますよ。あなたもその一員や、そうでしょう。そうじゃなくて、申し上げておるように、それはそれなりに、その職種にそのように健康の許す高齢者を配置したところで何らトラブルが起こるというようなことはないわけですから、つくったときはそういうように考えられたのかもわからぬけれども、先ほどから繰り返しておりますように時代の趨勢なのだから、四十歳で定年というようなことをやられてしまったら働くところがあらへん。 だから、人手不足になっておるのですから、若い人の労働力が不足しておるのだから、高齢者でできるだけ補うようにしていかなければ雇用問題も解決できないわけですから、もう一度改めて、出発点はそうであったけれども、ひとつ高齢者のために窓口をあけて、そして今おられる若い人たちが雇用条件がどうであろうとも六十歳までここの職場で働くことができるのだという希望を持たせるためにも、私は定年制を六十以上に持っていくということは極めて今の時代に合った措置だと思うのです。そういう方向でひとつ検討してもらうというようにしてもらわないといかぬと思うのですが、どうですか。
○渡邊参考人 先ほど私の発言が不適当な点がございましておわび申し上げますが、私どもそうした意味で、ただ高齢化するからどうとかということだけではございません。それなりの職場のあっせんなり、特に業務の面では最近のようにマークカiド方式というような窓口業務になりますと、口頭等使いませんから、かなりの方でも処理しやすくなる、そういう条件も出ております。私どもの業務自体、投票業務自体が日に日に進んでまいりますので、こういう変わっていく条件とあわせてこの御指摘の問題は考えていきたいと思います。 ただ、私ども、若い方で定着率という言葉、また語弊がございますが、非常に流動的な職場もあるわけでございます。午前午後のパートなりで非常に流動的にお見えになる方々もいらっしゃいます。そういうところと御指摘のようなそうでないところといろいろございますので、それに応じた処遇は私ども考えてまいりたい。いろいろこれからお客様がますます多くなるというようなことからも、私どもなりに自動化なり機械化なりを推進しながらこうした問題に取り組んでいきたい、こう考えております。
○和田(貞)分科員 時間もなくなってきますので、えらい押しつけのような私の質問になりますけれども、この際は、確かにこの職種だけしかないですね、事業所。そこで、今年五十五の者を雇え、今六十の者を雇えということを言うとるのと違うのだから、今三十五の者が、今四十までの者が五十になっても、そのうち職場になれてくるのだから、六十になってもいける道を開くために定年制を六十にしなさい、こういうことを言っているのです。だから、私ばと物わかりのある男はないと思うのですよ。ぜひとも時代の趨勢に逆らうことなく、中央競馬会も従業員に対して原則的に定年制を六十以上に持っていくように努力します、なお六十を超えても六十五歳まで継続雇用ができるように努力します、そして当面は、就業規則を変えるまでに四十歳の者が四十一という生年月日の日が来ても実害がないように、五十歳の者が五十一歳という生年月日の日が来ても実害がないように、それは就業規則の運用で、所属長の判断でやりますというくらいのお答えはできませんか。
○渡邊参考人 まず後段の方からお答えして恐縮でございますが、先生の御指摘もございます、現在そのように雇用どめを五十歳としておる実態があることは事実でございます。そうした場所と申しますか投票発売所につきましては、実態に合うように、御指摘の点で私どもの方を改善するように弾力的に実施をさせたい、この点は私どもも考えておる次第でございます。 ただ、先生のおっしゃいます六十歳定年、私どもは雇用どめというような考え方でございますが、あるいは先々六十五歳というような御趣旨については私ども十分参考にさせていただきたいと存じますが、こうした高齢化におきます従事員の問題になりますと、私どもの業務自体を非常に改善しまして、できるだけ能率的にそうした過重な労働負荷がかからないような形態とか、いろいろこれからの業務の改善を図りながら、その中でどういうふうにこの問題に取り組んでいくか、私どもに検討させていただきたい、このように考えておる次第でございます。
○和田(貞)分科員 時間がやってきたので、あんなことを言ってますから、労働省、さらにきつく強く行政指導をしてくださいよ。 大臣、どうですか。まだあんなことしか答えられません。あなたも生活大国を目指す宮澤内閣の閣僚の;貝であるわけでございますし、中央競馬会の指揮監督をする所掌の担当大臣であるわけでございますから、私の今まで話してきたことを御理解いただくのであれば、ぜひとも私の要望を受けとめていただきまして、競馬会に対して早急に行政指導をしてもらうというようにしてもらいたいと思いますが、どうですか。
○田名部国務大臣 お話を伺っていまして、確かに健康、能力、そうしたものは若くてもそうであるし高齢者でも丈夫な人もおるということはよくわかりまして、なるほどそうだなと思っておりました。ただ、私も勉強不足でまことに申しわけないのですが、競馬というのは一遍も見たことないものですから、実態は一体どういうことになっているのか、先ほども資料を見ながら後ろから一生懸命聞いておったのです。投票というのは何なのか、整理というのはどういうことか、一遍視察をさせていただきまして、どういう業務をやっているのか、場内整理ぐらいをやっているのか、警備をしているのか、その辺は定かではありませんが、いずれにしても高齢者の雇用あるいは就業の場の確保ということは重要な政策課題でありますから、労働省とも相談しながら競馬会に対して、職務等の実態を踏まえなきゃなりませんが、適切に対応するように引き続き指導してまいりたいと考えております。
○和田(貞)分科員 大臣、中央競馬会の理事長も、地方競馬は私の言ったとおりやっているのですよ、同じように馬が走っておるのに。自治体がやっておる競馬、あるいは地方競馬はこれをやっておるのです。同じ競走の業務に携わっておられる競艇の従事者も競輪の従事者もみんなやっておるわけです。ただやってないのは、それと変わっておるのは、中央競馬会に所属する従事者のみだ、こういうことを頭に入れてもろうて、なんだったら一緒に行ってもいいけれども、見に行かなくても、そのことさえわかっていただけたら十分行政指導はできると思いますので、強く要望いたします。
○田名部国務大臣 資料を見ておりましたが、どれが中央競馬会でどれが地方競馬場なのかわかりませんが、いずれにしても早速勉強して、どこか視察をして、そして善処したい、こう思います。
○和田(貞)分科員 終わります。
○柳沢主査 これにて和田貞夫君の質疑は終了いたしました。 次に、寺前巖君。
○寺前分科員 きょうは三十分の時間、二つ聞きたいと思います。一つは、廃棄物の処分地をめぐる問題です。これはかなり各所で問題になっておりますので、その問題が一つ。それからもう一つは、過般、足尾銅山のところへ行ってきたものですから、このガイア計画という問題が出ております。これをめぐっての問題についてお聞きをしたいというふうに思います。 まず最初に、ごみの処分地の問題です。私の方もそうなんですが、府県境にこういうものがかなり設けられるのですね。処分地のある県の方にはいろんなサービスをして、県境で流れるものはその下流で、そちらで被害が起こる。これは自治体の、市町村の場合だって境目のところへ持っていって被害を次のところへ及ぼしていく、こういう問題がかなりあるだけによほどきちんとした指導を、県を越えて見てもらう必要がある。 例えば、私の方の京都府と奈良県境に、残土処分とごみ処分の問題で、周辺の環境や木津川の水質汚染というのが随分問題になっているのです。京都府では二百十六件の林地開発のうち森林法の規制を受けない一ヘクタール未満の林地開発が百三十三件、半分ですね、四十三・二ヘクタールに及んでいる。これは、一ヘクタール未満は林地開発する場合に都道府県知事の許可が直接要らないわけですね。災害の発生、水源涵養、環境保全上の許可基準に従って、一ヘクタールを超える場合には、切り土や盛り土や捨て土、堰堤、排水施設等の基準が決められているわけですから。ところが実際に、ござござ処分地をめぐって問題になるのは、林地開発の許可を得ないところの一ヘクタール未満に問題が出てくるわけです。 そこで、農林省として特別なそういう規制をすることが必要なんじゃないだろうか、私はそう思うのです。現に千葉県の三十五市町村を見てみると、一ヘクタール未満の林地開発でも国土保全上必要な規制措置が要るという立場を市町村自身も考えざるを得ない事態にあるだけに、森林法の政省令の改正とか何らかの具体的措置がとられていくべき必要があるだろう、私はそういうふうに思いますので、農林省として今どういう措置をとっておられるのか、これからとろうとしておられるのか、御説明をいただきたいと思います。
○小澤政府委員 先生ただいま御指摘のように、林地開発の件数といいますか、数は、経済活動の発展とも関連いたしまして、ふえてきているわけでございますが、いわゆる一ヘクタール以下は確かに林地開発許可制度の対象となっていない小規模なものでございます。このような開発行為に対しましては、従前から森林法に基づきまして、地域森林計画制度等によりまして森林の土地の保全という観点から適正な森林の管理ということで努力をしてきたところでございます。 しかしながら、これらの中には防災工事が不十分であって土砂が流出しているというような事例も見られるわけでございまして、これらにつきましては、地域森林計画制度等の適切な運用に加えまして、今後のことでございますけれども、小規模な開発行為につきましては、開発行為等の実態を調査をいたしまして適切な指導をしてまいりますとともに、小規模開発行為が森林の有する機能に及ぼす影響についての調査を行うことなどによりまして、森林の土地の保全と利用の一層適切な調整を図ってまいりたいというように考えております。
○寺前分科員 現実に、さっきも言いましたが、例えば千葉県のあれを見てみますと、盛り土や堆積行為の規制に関する条例などというのがかなりいろいろ加えられていますね。ですから、そういう意味では、今実態調査をやりたいという問題がありましたけれども、実態調査のみならず、影響調査ですね、そういうのはきちっとおやりになって、そして具体的に指導性を発揮してもらう。単に調査だけではなくして、調査というのはやはり指導が前提にあればこそ生きてくると思いますので、そういうふうに御指導を重ねてお願いをしておきたいと思いますが、よろしいですか。
○小澤政府委員 一ヘクタール以下の林地開発行為の実態、また森林の有する機能に及ぼす影響等につきましては、平成四年度から新たに調査を行うことといたしておるわけでございまして、十分に調査をさせていただきまして、その結果を見て検討してまいりたいと考えております。
○寺前分科員 そこで私は、具体的に問題になっているところをちょっと聞いてみたいと思うのです。 過般、奈良県の室生村、室生寺というお寺のあるところで、寺からは随分離れておりますが、多田地区というところに、恐らく西日本一になるであろうと言われる大規模な産業廃棄物の処理場の計画があるのですね。そこへ見に行ってきたのですよ。すると、大体大阪の廃棄物をここへ持ってくるということで、大規模な計画が進んでいるわけです。それで、笠間川という川が流れているのですけれども、環境保全対策協議会というのをつくって住民は反対運動をやっておられました。聞いてみると、そこに廃棄物を処理するという業者は、大阪府の八尾市にあるというわけです。大願興産という会社が、ざっと三十ヘクタールに及ぶようなところですが、そこの中心にあるのは採石場ですけれども{単に採石場を使うというだけではなくして、その周辺全体を廃棄物の処分地にしようということで、それで反対運動があるものだから、開発基準にかからないところの一ヘクタール未満の開発で、そしてそこに自社処分といって埋めていく、それでいっぱいになったらまた次をやっていくというやり方、現地へ行ってみたら、直接管理者がそういう説明をやっておりましたので、私は実はびっくりしたわけです。そんな、一定部分やって、この範囲内だったらこれは許可要りませんさかいに、そこの範囲内やりまして、次移りまして、全体として産業廃棄物を、片一方はきちんと届け出をやって処理しなければならない、片一方は無届けで勝手なことがやれる、そんなことがもしも合法だというのだったら、早速法的な措置を直さなければいかぬだろうし、合法でないというのだったら、きちんとした指導をやらなければならない山一体これを脱法行為と見るのか見ないのか、どういうふうに見ておられるのか御説明いただきたいと思います。 〔主査退席、日野主査代理着席〕
○小澤政府委員 先生ただいま御指摘の具体的な事例につきましては、私ども内容についてまだ十分把握はしておらないわけでございますが、これにつきましては、今後事実関係の調査もさせていただいた上で対応してまいりたいと思います。 それで、先生今おっしゃいましたような一ヘクタール以内ずつでやっていくようなケースはどうかということでございますので、この点につきましてお答えさせていただきたいわけでございます。 私どもの方として、今おっしゃいますようなことを整理いたしますと、一ヘクタール以下の開発行為が連担して行われる、結果として一ヘクタールを超えるケースになるわけでございますが、このような開発行為が判断材料としては一体性を有するかどうかということになるわけでございます。連担して行われる開発が一体性を有する場合には当然林地開発許可の対象になるというふうに考えておりますので、このような事案につきましては、一体性を有するものかどうかということを検討して対応してまいりたいと考えておるわけでございます。
○寺前分科員 それでは、見ていないとおっしゃるのですから、すぐに事実を調べていただいて、今の観点で判断をしていただきたいということを要望しておきます。よろしいですね。
○小澤政府委員 調査をさせていただいた上で検討いたしたいと思います。
○寺前分科員 次に、厚生省にお伺いします。 廃棄物処理法では、産業廃棄物の処理を業とするためには都道府県知事の許可を受けなければならないということになっていると思うのです。それで、自社処分の場合は〇・三ヘクタールを超えても産業廃棄物処理施設としての届け出だけでよいことになっているというふうに私は思うのです。これは今の農林省と同じように、自社処分でやっていくのだということで次々とやっていくというやり方をとると、廃棄物処理業者とどこが違うのだということになると思うのです。本人に聞いたら、地元が反対するし、私も出そうと思っておったけれども、反対されるので自社処分でやります、こういう説明なんです。それでは、やはりこれは脱法行為と廃棄物処分の立場から見ても言えるのじゃないかと思うのですが、いかがですか。
○三本木説明員 御説明申し上げます。 ただいま先生御指摘の件につきまして、私ども奈良県の方から状況を聞いておるところでございますが、自社処分地、例えば産業廃棄物の処理業を営みながら、かつまた例えば建設業を営むというようなケースがあるわけでございます。そういう場合に、その当該建設業、例えば建設業を営んでいる部分について、その部分から出てくるものについては特に許可を要さずに、処理業の許可ということではなくて、許可が要らずに処理ができるということになっております。すなわち、処分ができるようになっております。 もう一つ、処理業の、例えば中間処理業という許可を持っているその業務の部分につきましては、その浅漬物を最終処分するという場合、特にその部分については許可が要るということにはなっておらないわけでございます。 いずれにしましても、自社処分といいましても、中間処理業の部分で処分する場合と、あわせて別の、例えば今申し上げましたような建設業のような形態を仮にもう一つ持っている場合には、それらを総称して自社処分ということで、特にその場合の処分場については営業の許可は必要ないということになっている。ただし、これはあくまでも処分場の部分については届け出が必要になっておりまして、環境上問題のないような形で都道府県知事によりチェックがなされるということになってございます。
○寺前分科員 要するに、それでどういうふうにされるのだろうかなと思うのですが、大願興産ですか、大阪府に聞いてみましたら、収集・運搬・中間処理業者としての許可を受けているのです。奈良県からは収集・運搬業の許可を受けている。そこで、おまえさんのところ、中間処理施設は八尾市にあるというのだけれども、どんなものかちょっと見せてくれといって電話したのです。電話したら、いやもうそんなおっしゃるような、汚いところですさかいという話でうやむやになるのです。だから、それでは大阪に聞いてみよう。大阪府では、一体八尾市にあるところの許可内容は何だったのかと聞いてみたら、一時間当たり五百四十キログラムの紙くず、木くずを処理する焼却施設と、去年十二月に許可を受けた廃プラ、ゴム、金属、ガラスを一日十三主立米処理する破砕機ということになっているのです。そうすると、こんなもの、小さいものですよ。それが西日本一と言われるようなあの大きな三十ヘクタールの山を次々に自社処分だといってやっていくという話と、現実に持っているところの姿と比較してみたら、こんなもの、廃棄物処理法上から考えても適切でないじゃないか、インチキを考えている以外何も考えられぬじゃないか、私は直感的にそう思いました。 それで私は、こういうようなことを勝手気ままにやらせておっていいのかどうか。直ちに見ていただいて、そしてそういうやり方については中止させるという毅然たる態度をおとりにならなければいかぬと思うのですが、いかがなものでしょうか。
○三本木説明員 もちろん先生御指摘の業者につきまして私ども調べてみたところ、中間処理業の部分につきましては、中間処理業としてこれは大阪府知事から許可を得ているわけでございますが、その許可を得ている部分。についての業務量というのは確かに先生御指摘のような状況にあるようでございます。 一方、もう一つこの業者は解体業を営んでいるというふうに聞いております。したがいまして、その解体業の部分について、解体に伴ってみずからが廃棄物を排出する部分というのはあるわけでございます。その部分についてどの程度の廃棄物の発生量になるのかということを私ども正確に承知しておらないわけでありますが、いずれにいたしましても、廃棄物の排出量あるいは当該業者の発生量と最終処分すべき量は一致していなければならないわけですが、その最終処分すべき産業廃棄物をどの程度の器を確保するかというのは、ひとえにその処理業者あるいは排出事業者の立場で、どの程度の規模のものを確保するかというのはその方々の考え方によって定まっていくものだろうと考えております。 ただし、先生の御指摘のように余りにも大規模な処分場、例えば身に余るような処分場の規模ということになりますと、先生御指摘のような心配も一部あるわけであります。すなわち、他社の廃棄物を最終処分をするということも考えておかなければならないという御指摘はそのとおりかもしれないなと思っておりますが、仮にそういう形態があるとすれば、これは最終処分業の許可が必要になります。したがいまして、最終処分業の許可を得ていなければ、これは廃棄物処理法によりまして厳正な処罰、罰則がかかるというような形になっております。
○寺前分科員 それで、どうしてくれるんです、これは。要するに私気になるのは、奈良県内では大願興産だけではなくして自社処分として最終処分というのがどんどんふえておるのですよね。それで、ちゃんと産業廃棄物処分場として許可を受けてやっておるのは既に出ているだけでも五つあるんですが、その許可なしに自社処分としてやっておるのが七カ所も出てきておるのですよ。その中には四・三ヘクタールにわたるべらぼうにでかいやつもでてきておるわけでしょう。こういうものが、大阪で仕事をして奈良県へ持ってくる、その奈良県から今度は京都府に、その木津川の上流部分にやって、それがここに流れ込んでくる。こういう大仕掛けなやり方をやっているだけに、中間処理の許可だけでこんなことをやらせておいたら困るわけなんですね。だから、責任ある処理をきちっとやってもらう必要がある。特に、自社処分の範囲から外れるような業者が、これはそのまま野放してやり得みたいなことをやらせておったら、環境全体が破壊されるから、この自社処分のあり方について厳しく指導するということをやってもらう必要があると思うのですが、いかがですか。
○三本木説明員 中間処理業者のいわゆる自社処分場と称しておるものにつきまして、これは今までも申し上げたとおり、他人の廃棄物をいわば中間処理もしないで直接埋め立てるということで仕事をやり始めますと、これは無許可業に当たりますので、厳正な処罰を受けるということになります。 それから、もちろん最終処分場は、この産業廃棄物につきましてはどうしてもどこかで確保しなければならない問題であるわけでございまして、今問題は、その最終処分場について信頼性がなかなか得られていないという問題がございます。 したがいまして、実は廃棄物処理法という法律を昨年十月改正いたしまして、その中で、施設の最終処分場につきましても設置の届け出制でありましたものを許可制に変えることにしております。この法律が施行されますのはこの七月からということになるわけでございますが、そういったような規制の強化、あるいは地域の住民の皆さんに十分納得いただけるような周辺の環境整備への配慮とか、あるいはもう一方、排出事業者に対する規制の強化として、例えば特別管理廃棄物という有害廃棄物の管理に重点を置きまして、それが不適正な流れ方をしない、どこに行ったかわからないという、行方不明にならないような事務処理の仕組みを法律上整えるとか、各種の施策というものをこの法律の中に盛り込んだところでございます。そういったことを通じて最終処分場に対する環境保全上の問題をなくする、さらには周辺住民の皆さんの理解も得られやすくしていくというようなそういった方策を今後とも講じてまいりたいというふうに思っております。
○寺前分科員 しっかりとやっていただきたいと思います。 時間の都合がありますので、次に移ります。足尾のガイア計画の問題です。 〔日野主査代理退席、主査着席〕 栃木県の足尾鉱毒事件として公害の原点のごとくに足尾町は言われています。その足尾町のところに熊谷組とか間組など大手建設業者が共同の産業廃棄物処分場を建設しよう、ガイア計画というそうですが、持ち上がっているわけです。大手二十七社がそろってやろう、それの計画を足尾町の当局が説明を受けているわけですから、そこへ行って町長さんらに、議長さんらに会いました。首都圏の産業廃棄物四・五億トンを約五十年にわたって埋め立てるんだ、これは大々的な規模ですね、計画は。 松木沢という松木川の流れているその地域、これは足尾町の奥の方ですけれども、川底幅三百メートルから五百メートルで、長さ約三キロ、面積五百ヘクタールにわたって埋め立てる、こういうふうに言っています。そうすると、足尾町の諸君たちにすれば、町長さんや議長さんを先頭にして言っていましたよ。もう長い間鉱害の町、そして山の木はもう破壊されてしまった、このイメージの悪い足尾町を何とか昔の緑によみがえらせるんだということで、今年間三十六万人の人がこの鉱山の博物館に訪ねてきてくれる、これがもう私たちは物すごい楽しみ、喜びを持っているんだ、だからこういう足尾町に悪いイメージをまたもや持ち込んでくるこういう計画はぜひやめさせてほしいんだと町長さんは訴えるし、議長さんは訴えるし、地元のその下流の、渡良瀬川の下流の市町村もそういうことを言うわけです。だから、県知事さんまでも、皆さんがそうおっしゃっているものをやろうという気はありませんというふうに言っているというのです。だから、こういう計画段階でよりによって何で足尾町という問題を提起してくるのか。これは廃棄物処理の責任と言えば厚生省になると思うのですが、この計画に対してどういうふうに、この大計画を結構な話だとおっしゃるのか、厚生省の見解を聞きたいと思います。
○三本木説明員 御説明申し上げます。 この足尾のガイア足尾計画なる計画につきまして、実は私ども承知しておりますのはあくまでもこれは新聞報道のみでございます。その後一部、栃木県あるいは群馬県といったようなところにその事情をお聞きしたところ、同じように新聞の報道によるものしかわからない、具体的な内容については承知していないというふうに伺っております。実は私どもにおいても同様のことでございます。 それで、まずもしも仮にこういった計画が具体化するというようなことになりますれば、これは当然のごとく廃棄物処理法でいろいろな各種の規制をしております、そういった規制に従って、まずその所定のことをやらなければならないというふうに思っておりますが、それはともかくとして、今の段階では、私どもといたしましては、関係の栃木県などと十分その情報の収集あるいは交換をしていくというようなことで対応をしていくということにしてまいりたいと思っております。これに関連いたしましては、関係のいろいろな方々からも、この計画に対する反対ということで私ども陳情を受けておりますので、そういった考え方も十分受けとめながら、適切に対応していかなければならないというふうに考えております。
○寺前分科員 建設省もこれは関係してくるんですね。要するに、松木沢のところは水の流れの面においても非常に問題になってくるのですね。大雨の都度に五十万トンもの土砂が流出する荒れるのために、その下流の渡良瀬川両岸は土砂流出・土砂崩壊防備保安林の指定をするとか、いろいろなことをやってきているのですよ。そして、そのずっと下流の渡良瀬川のところには遊水地帯があって、そこに今ため池をつくって、これが埼玉県や東京やというものの水源地になっていくわけです。その一番上流ですよ。だから、建設省としても、これだけの大仕掛けのこの松木沢のところをどうぞお使いくださいという態度をとられるのかどうか、これは建設省の見解を聞きたいと思います。
○松田説明員 お答え申し上げます。 御質問のガイア計画なるものの中身につきましては、栃木県からは、民間の研究会の一構想であるというお話を聞いておるだけでございまして、具体的な説明を受けたこともございませんし、内容についても私ども承知いたしておりません。しかしながら、渡良瀬川は利根川水系の一環として首都圏の治水、利水上の重要な河川でございますので、河川の近傍または河川そのものの土地あるいは、砂防事業をやってございますが、砂防指定地等に関係してくるような場合には、地元栃木県の御意見も踏まえまして、当然のこと、適切に対処していくことになると現在では考えております。
○寺前分科員 もう時間が参りましたので、最後に大臣にお聞きしたいと思うのですね。 というのは、イメージチェンジの上において、この足尾の山の問題です。これに随分林野庁が世話をしてくれていると言って感謝をしているのですね、地元の諸君は。国有林が七百五十ヘクタール、民有林が五百ヘクタールあって、特に昭和三十二年以来というものは六十二億、五十四億それぞれお金をほうり込んでいるのですよ。そして非常に急な山なために、植林――足尾銅山のために煙が出て山の木全部やられてしまったわけでしょう。それを、張りつけて木を植えていこう、あるいはヘリコプターを飛ばしてこうおろしている。ところが、カモシカが出てきてそれを食べよる。苦労しながら植林して、三十年、四十年と苦労してやってきているわけですね。 元林野庁の長官だった秋山さんが「森よ、よみがえれ――足尾銅山の教訓と緑化作戦一という本を出しておられますけれども、ここに紹介されているのです、その苦闘ぶりが。中でも八九年に、「厳しい自然条件の下での作業は危険度も高く、技術的にも困難なものであるが、四十年にわたる職員の地道な熱意と努力で、管轄する広大な国有林の荒廃地の四〇%以上に緑を取り戻す等国土保全に尽力している」のだということを得々として語っておられますけれども、その前橋営林局の大間々営林署の足尾治山事務所が人事院総裁賞という、公務員にとっては大きな名誉ですね、そういう人事院総裁賞を受賞して、非常に長年の苦闘が報われたということで感激しているわけですよ。それでここの町も議会も挙げて、よくやってくれた、こう言っておるわけですね。 そんなところを、まさか農林大臣さんがどうぞお使いくださいとは言うまいと思うんじゃけど、先生一回聞いておくれやすなというのが最後に別れるときの話だったものだから、約束を守って農林大臣の御見解を聞きたい、こう思うのです。
○田名部国務大臣 今お話しのように、足尾銅山の煙害地について、明治三十年以来、これは治山事業でありますとか森林造成に努めてきたわけであります。計画の話は何も聞いておりませんのでわかりませんが、いずれにしても私の方としては、この地区は水資源の涵養、山地災害の防止のために今後とも積極的に治山事業を実施していきたいと考えております。 ただ、ごみの問題については、一般的な話でありますが、実は私の青森県にも、千葉からごみを捨てに来たということで問題になりました。 いろいろ考えてみますと、私も、八戸市の魚が千葉の方へ行くと、千葉でも頭や号やしっぽは食いませんのでごみになる、それを捨てに来たからけしからぬ、みんながそういうことを言っておっては、ごみ問題を一体どう解決するかということは、これはもう本当に真剣に考えなきゃいかぬと思うし、私もこの種の業者の人に会うと、自分で捨てる場所を見つけて、指定はしているんですが、指定したところが埋まってしまうと困るものですから周りの方の捨て場所に捨てて、最後にはそこへ捨てるんだ、こういう話も伺ったり、あるいは建設資材なんかも捨てる。捨てる場所は決まっていればいいのですが、遠くへ持っていく。だれがその捨てる費用を負担しているのかというと、県も市もそういうものは見ていないということで、結局金がかかるから身近なところへ捨てる。 これは根本的にやはり問題を整理して、そうしてきちっとした形で、捨てるなど言うわけにいきませんから、きちっとして捨てていただく。業者任せがどうかなという感じは私も持っています。やはり国や県がきちっと場所を指定して、捨て場をちゃんとして捨てさしてあげるということをしませんと、ごみはみんな捨てているわけですから、特定の人だけに適当に任すということではなくて、そんな感じを私は持っておりましたのであえてつけ加えさせていただきますが、いずれにしてもこの地区はそういうことでございますので、これからも事業をどんどん進めていきたい、こう思っております。
○寺前分科員 終わります。
○柳沢主査 これにて寺前巖君の質疑は終了いたしました。 次に、遠藤登君。
○遠藤(登)分科員 これは、何回も何回もそれぞれの先生方なりそれぞれの各般の立場から要請があったり指摘をされたりしながら、米、ガットの問題でありますけれども、あるいは農業分野の問題でありますけれども、国会決議等々に基づいて、大臣を初め大変な御努力をされてきていることに深く敬意を表する次第であります。 きょうあたりの話、ニュースなどによりますと、アメリカあるいはECなどが輸出補助金の問題あるいはヨーロッパにおける直接交付金の問題などなど、譲歩をするというような報道などもなされている部分があるようでありますが、ぜひ私も農家の一人として、所管大臣から、改めてこのガット農業分野に対する対応姿勢あるいは対応状況などについてお聞かせをいただきたいというふうに思います。
○田名部国務大臣 先の見通しはどういうふうに進展していくかということは定かでありませんが、いずれ各国が提出した段階でいろいろこの交渉、話し合いがなされると思うのでありますが、私どもは、国会決議等の趣旨を体して米は国内産で自給するんだということで、これを基本方針として対処してまいる所存でありますし、現に、そういうガットの事務局に対しても国別の約束表を提出したということでありますから、これからも今お話しのように、この方針で全力を挙げてまいりたい、こう思っております。
○遠藤(登)分科員 今さら私ごときから言う筋合いのものではないと思うのでありますが、今日、あるいは二十一世紀にかけて人口の爆発、あるいは食糧難、飢餓の問題、環境問題含めてどうするか。これは、サミットにしましても百カ国以上が加盟をしているという状況の中で、地球規模でこれは大問題なのではないだろうか。そういう意味からいえば、日本の場合は御案内のような状況でありまして、これは、二十一世紀にかけて人類が健康に生存をしていく、食糧問題や環境問題を確保し、しかも環境を守っていくという立場からも、この食糧問題、農業問題、ガット問題というのは極めて重大な問題なのではないだろうかというふうに思う次第であります。いろいろな交渉状況が出てくるとは思いますが、ぜひあの国会決議に基づいて、断固として今おっしゃったような姿勢を貫いてもらいたいということを強く要請をさせていただく次第であります。 次に、新年度の予算が提起をされているわけでありますが、特に農水省として新年度予算の編成に当たって、力点を置かれた、力点をどこに置いて予算執行を行おうとしているのかということについて、その基本的な力点の大要についてお聞かせをいただきたい。
○馬場政府委員 平成四年度の農林水産予算、ただいま国会で御審議いただいておりますけれども、その中におきまして、私ども特に最近の農林水産業、農山漁村を取り巻く厳しい情勢を踏まえまして、従来からの施策の充実強化を図るとともに、生活関連重点化策及び公共投資充実臨時特別措置による予算措置というのにも重点を置いたわけでございます。 特に、農業の生産関係について言いますと、高品質、高生産性農業の育成を図るために、先進的農業生産総合推進対策あるいは畜産活性化総合対策等発足させる、また、畑作農業振興対策も充実を図るというようなことをしております。さらに、環境保全型農業を推進するという要素も加えています。また、農業の構造政策といたしましては、新規参入の青年を含む就農促進を図るための農業改良資金制度の拡充あるいは連担的な作業条件の形成と担い手への農地の利用集積を促進するというようなことによります効率的な生産システムの構築を図る。また、農山漁村の生活の質的向上と活性化を図るために、景観の形成あるいは環境保全等に配慮した農山漁村の整備を行ういわゆる美しいむらづくり特別対策を推進する。その他、新たな山村振興・定住事業の発足あるいは集落の排水施設なり農道等の、都市に比べまして立ちおくれている農山漁村の生活関連の社会資本の整備を行うというようなことを農業関係では重点を置いております。 そのほか、消費者対策、食品産業対策あるいは試験研究対策等々、それから森林・林業関係、水産関係等も重点を置いているところでございます。
○遠藤(登)分科員 大変な農業情勢にあるわけでありますけれども、各般にわたって議論をすれば時間がないのでありますが、特に、環境問題それから過疎化が加速をしているという状況、御案内のとおりでありますが、世界農業センサスの調査においても、五十五年を起点にして九〇年ということ、十年足らずの比較が載っておったようでありますが、約十四万百の農山村の集落が日本列島にある。そのうち、二千二百三十三の集落、その統計集計以来三年くらい経過しておりますから、恐らく二千三百くらいの、いわば山間の集落を中心に日本列島から姿を消した、これは大変な問題ではないのか。さらに、加速をするという状況にある。それはそれぞれ関係省庁があるわけでありますが、わけても、それは林野庁を含めて農水省は、その防止のためにこれ以上集落の崩壊につながらないような手だてを今講じておかなければどうにもならないのではないか。それは、山の集落の平均耕作面積というのは大体三〇アール。山は、林業関係はこのような状況でありますから、それではとても食えない。それで若い者から里に下がる。そしてくしの歯が折れるように山村から去っていく。そして、廃屋の解体の補助金などもありますが、自己負担がありますから金がかかりますから、そのまま廃屋と化しているというのが大半の状況なのであります。 これを放置するということはあってはならないのではないか。一定程度これを再生させる、そのための財政措置なども必要なのではないか。あるいは、そういうのを防止するために総合的な所得政策というものがとられていかなければならないのではないだろうかというふうに思うのでありますが、これは山村、中山間でありますから農水省の役割は極めて大きな課題だ。関係省庁にまたがる部分がありますが、強く要請をしたい。それらに対する対応、方向などについて、基本的なことだけでも結構でありますから、お聞かせをいただきたい。
○海野政府委員 山村地域、過疎地域というもの、なかなか人口の減少その他難しい面があみわけでございます。しかし、これらの地域は、国土保全、自然環境、景観の保全、また日本国民のバランスのとれた定住というような面から、欠くことのできない役割を果たしているわけでございます。 ただ、特に近年これらの地域は、若年層を中心とした人口の減少、高齢化、これが一般の農村よりもさらに進んでいるというような状況でございまして、農業の担い手の不足等によって耕作放棄の増加などが見られるわけでございまして、一部では、おっしゃったように集落の機能が低下したり、そもそも集落がなくなってしまったりというようなところも出てくるわけでございます。 これらの過疎地域、山村地域の対策につきましては、農林水産省として、平成四年度から、地域の特色を生かした高付加価値型農業の振興でございますとか、森林や農地の適正な保全管理の推進、都市との交流の促進、生活環境の整備と就業機会の確保等を総合的に図る新しい山村振興事業、定住事業を創設することとして、予算を計上しているところでございます。 また、山村地域における農地の保全等につきましては、昨年三月の山村振興法の改正によりまして、市町村等が出資するいわゆる第三セクターをその保全事業の実施主体として位置づけて、税制上支援する措置が講ぜられたところでございますので、このような第三セクターなど活用いたしまして、農地の保全を行うというような動きも芽生えてきているわけでございます。 これらの対策を進めると同時に、現在農林省で検討しております新政策の検討におきましては、このような山村地域、過疎地域の動きを十分見きわめながら、中長期的な視点から、条件の不利な地域においてその健全な維持発展を図るための地域ぐるみの定住確保対策につきまして検討を行っているところでございます。
○遠藤(登)分科員 これは二十一世紀にかけても民族の非常に重大な課題ではないか。特に、考えてみれば、やはり民族の原点、源泉というのは山間にあるんじゃないか。これは文部省でそれぞれ町並み保存とか歴史的な風景保存とかいろいろ対応されているようでありますが、何百年と続いてきた山の村は、これは一つの文化財的な、保存する価値があるのではないかというふうに私は思っているのであります。これを大事にしなければ日本の将来はないのではないかということも考えている者の一人であります。時間がありませんので、十分そういう手だてを御配慮されていくべきではないかということを強く要請をさせていただきます。 それから、予算の関連の中で公共事業四百三十兆円、生活関連を含めて重点的に対応する、これは大きな期待を寄せている者の一人でありますが、あるいは国民的にも大きな期待を寄せているところであります。建設省高規格幹線道路を初め、あるいはそれに連動する主要幹線道路、地方道を含めて、それとまた連動する幹線農道、これも農水省関係も大変な努力を重ねてきていらっしゃるわけでありますが、それぞれ広域農道あるいは団地農道を初めとしてそれに連動する道路の整備などが行われているわけであります。これは、生産道路あるいは生活道路にすべて関連をしていくということになると思います。 それから、農村総合モデル事業の進捗率なども経過措置としては相当な年数がたっておりますが、計画の進捗率としては五割前後というような状況があって、これの促進についても大きな期待を寄せられている。山形県的に言えば、山形東部の広域団地農道の促進などについては大きな期待を寄せられて、横断道あるいは主要地方道との連動あるいは基幹道路としての促進方について強く要請をされているのでありますが、その促進方について、公共事業関連、単独事業を含めて、ぜひ強く要請をさせていただく次第であります。 その場合に、特に公共事業執行に当たって、積雪地帯は工事、事業の平準化を強く求められてきている長い歴史があると思うのです。特に、公共事業が発注されるというのは大体九月なんですね。それで、十二月になれば雪が降ってくる。それで三カ月か四カ月の期間、その後冬期間が三月まで、四月に雪が消える。そして、八月まで五カ月間も大事な時期に、極端に言えば工事、公共事業がない。ましてや経済も減速下にあって、この公共事業の平準化について工費の効率的な活用あるいはその請け負う事業者、そこに働く人も、特に冬季にかかわる、あるいは積雪期にかかわる、工事が一定時期に集中する。ましてやこういう人手不足の状況の中で、これはぜひ平準化に向けて知恵を絞って対応していただきたい。これは強い願望として求められているのであります。 それで、例えばゼロ県債とかゼロ国債とかあるいは施越しの事業とか、それぞれ最近配慮をされてきている経過がありますが、そういう分野をもっともっと拡大をして、事業が効率的に執行できるような平準化に向けて大きな期待が寄せられているのでありますが、これらの面に対する対応、方向などについてもちょっとお聞かせをいただきたい。
○海野政府委員 御指摘のように農道の整備、これは農産物の流通の合理化、農業の近代化というような面から必要であると同時に、農村の生活環境の改善というためにも緊急に必要なものだというふうに理解しております。特に、今お話のございましたような広域営農団地農道につきましては、特に生活関連枠等重点的につき込んで事業量を伸ばしているところでございます。 その中で、特に今御指摘ございました積雪地帯で工期がそもそも短い、その中で年度の後半に寄ってしまったらほとんど工事ができないというような問題がございました。先生もおっしゃったゼロ国債はまさにそういうことのために考えられたものでございますので、そういうものを活用しまして、できるだけ雪が解けたらすぐ工事にかかれるというふうにやっていきたいと思っておりますし、さらに、それでなおかつ足りないところにつきましては、おっしゃるようにこれからもいろいろと知恵を絞って、できるだけ雪のない期間フルに活用できるようにしてまいりたいと思っております。
○遠藤(登)分科員 ちょっと私の地元のことで申しわけないですけれども、先ほど申し上げました山形東部の団地農道の対応、方向はどういう状況ですか。
○海野政府委員 農道整備事業全体にもちろん予算に限りがあるわけでございます。そういう意味で、県としてどういうふうにいろいろな農道の中でウエートを置いていくかということがございますけれども、村山東部地区につきましては、平成三年度末でまだ進捗は二割でございます。少なくとも、私ども県から特にこれの推進には大いに力を入れていくというふうに伺っておりますので、それに応じて私ども十分な助成措置を講じてまいりたいと思っております。
○遠藤(登)分科員 ひとつよろしくお願いをしたいと思います。 それから、毎年でありますが、三月となれば畜産審議会が開かれる。それで、それが基点になって大体農産物の価格形成が行われるというような状況にあるわけでありますが、その審議会の行方に大きな期待が寄せられているのであります。特に外圧等々によって、あるいは牛肉の自由化などなど、ガットの問題などを含めて畜産は大変な状況にあるのは御案内のとおりであります。それで、この審議会に向けて、あるいは新年度に対応する畜産の振興あるいは畜産審議会に対する基本的な対応、方向などをお示しいただければありがたいなというふうに思う次第であります。
○赤保谷政府委員 畜産の振興についての御質問でございます。 酪農、肉用牛の生産については従来よりいろいろな対策を講じております。飼料の自給率の向上あるいは粗飼料の生産、利用の合理化、さらに家畜の改良による能力の向上等、あるいは技術指導等による飼養管理技術の改善、そういったいろいろな施策を展開しているところでございます。しかしながら、今先生おっしゃいましたように、最近におきまして乳用種の枝肉の価格やぬれ予価格といったものの低下が顕著となりまして、酪農、肉用牛経営の収益性に影響が生じているところでございます。 このため、私どもとしましては平成二年四月から肉用子牛農家の再生産を確保するための生産者補給金制度を新たに発足させる、あわせて昨年度からは肉用子牛等対策を実施しているところでございます。 さらに、肉用牛の肥育経営につきましては、収益性が悪化した場合に助成を行う肉用牛肥育経営安定緊急対策事業、これを昨年の四月から拡充をして実施をしているところでございます。酪農経営につきましても、ぬれ子等の価格の低下に対処をするために、酪農家の持つぬれ子や乳廃牛、そういった資源に付加価値をつけまして収益性の向上を図るための乳肉複合経営といったことを推進する事業を昨年四月から拡充強化をして実施しているところでございます。 なお、平成四年度の加工原料乳の保証価格等についてでございますが、いわゆる加工原料乳の不足払い法に基づきまして、生乳の生産条件、需給事情その他の経済事情を考慮いたしまして、加工原料乳地域の生乳の再生産を確保することを旨として定めることとされております。 畜産振興審議会の御意見もお聞きをしまして、三月末までに適正に決定をしてまいりたいと考えております。
○遠藤(登)分科員 大変な状況にあるわけでありますから、原料乳価の価格保証の問題を含めて、畜産振興等についてぜひ十分な手だてをされまするように強く要請をいたしたいというふうに思います。 それから、時間がありませんが、新農政検討本部が設置をされておりまして、新しい農業展開政策をどうするかということについて真剣な議論がなされてきていると思うのでありますが、大体ことしの三月までにその結論を出したいという経過をたどってきておりますが、どういう対応方向にありますか、お聞かせをいただきたい。
○田名部国務大臣 三月というよりも春と申し上げた方がいいと思うのですが、今検討いたしておりまして、論点整理とその方向づけを行いたいということで努力をいたしております。 内容について検討中でありますが、私がねがね申し上げておりますことは、生産性の向上が立ちおくれている。いずれにしても、今度考えるときは本当にいい優良農地といいますか、そういうものはきちっと残す、そういうところには積極的に投資をしていかなきゃいかぬ。 それから、地方でも都市近郊の農家、特に国道沿いなんかだと、いずれ用途を変更して何かと考えておるところはなかなか規模の拡大には協力してもらえない、そういうところはもう投資を避けたらどうか。そのくらいやりませんと本当にやろうというところに積極的な投資ができていかない。今のようにまんべんなくやっておりますと、いい方もよくなれぬし、意欲のある人もだんだんやる気を失っていくということがありますので、適正な規模、先生専門家でありますから、水田だとどのくらいあるいは畑だと何十町歩、これを何人でやると本当に農業経営として成り立つか、そういう計算をきちっとやる。 したがって、これをやる人は企業的な感覚もなきゃいかぬし、経営管理能力にもすぐれていなければならぬ。今の若い人たちにそういう農業をやっていただいたらどうかということで、もうコンピューターでもパソコンでもファクシミリでもやって、機械は買った方がいいか、借りた方がいいか。いろいろな帳簿もつけて、そしてむだはどこにあったか、どこにもっと投資した方がいいか、そういう経営をいたしませんと、若い人が意欲を持って取り組もうという気にならぬと思うのですね。耕作面積は少ない、お年寄りがやってだめだとかなんとか言われてはもうやる気を失っていくということもありますので、いずれにしても規模を大きくするとなると経営体というものがしっかりしていかなければならないだろうと思うのです。 よく会社にやらしたらとかいろいろありますが、どういうことになりますか。いずれにしてもそういう地域の特色というものを生かしたことをやっていきたい。全国平均でやっても、北海道のようなところもあれば四国のようなところもありますから、一律にはやらないということが基本ではなかろうか。 それから、中山間地につきましては、これはなかなか規模を大きくやるというわけにはまいりませんから、適地適産、最も生産性の高いものを選んでやっていただくし、これは環境保全という観点から、やはり国民の皆さんも応分の負担をしてあげるというようなことが大事ではなかろうか、こう思っているわけであります。 それから、機械がどうもむだに使われているというのを私も非常に感じますので、リース会社があるいは受委託をする会社、三セクか何がいいかわかりませんが、そういうもので農家の若い人たちにこれも経営をさしてみたらどうか、あるいはできた農産物について加工をやる、これも農家の若い人たちに経営をやらしてみたらどうか。いろいろ多様な就業機会というものを確保いたしませんと、これも一つ問題がある。 もう一つは、生産面だけ力を入れてもだめなんで、何とか集落排水で水洗トイレにするとか、あるいは道路ももっと整備していろいろな施設もきちっと整えてあげる。こういうことを両面でやりませんと、若い人が意欲を持ってやらない。後継者が、担い手がふえていかない。大体大ざっぱでありますが、そういうことをいろいろ検討しながら新しいものを、もうこれは抜本的にやりたい、こう思っております。 ウルグアイ・ラウンドがあろうがなかろうが、もうそうしないと本当にだめになるという気がして今。一生懸命努力をいたしておりますので、近々またお示しをできる、こう思っておりますので、よろしくお願いをしたいと思います。
○遠藤(登)分科員 終わりますが、台風の問題やら年金制度の問題やらあとは新しい森林法の問題やら制定をされてきたわけでありますので、大きな期待を持っておりますので、その期待にこたえられるように御努力をいただくということを要請いたしながら、終わります。
○柳沢主査 これにて遠藤登君の質疑は終了いたしました。 次に、小平忠正君。
○小平分科員 過般、我が国としてもダンケル案に沿う形で一応国別表は出しました。その中でも米や酪農製品、でん粉等関税率の削減率等の記載は除外してそのほかは出したわけですが、そこで、今後のこれに向けての政府の対処の仕方は後で時間があればお伺いしたいのでありますが、国別表を出した中で、まず森林関係の問題で質問いたします。 政府は、ガット事務局に我が国の国別表を出したわけですけれども、その中に針葉樹製品が含まれております。大幅な関税引き下げが、平均では四七・四%ですか盛り込まれている、こう伺っております。 これまで林産物関税問題としてアメリカ、カナダ両国が関税の相互撤廃を要求してきており、これに対して我が国は、国内林業、林産業保護の観点もあり、慎重に対応してきたものと私はこう理解しておりますが、今回のこの国別表に示した林産物関税についてのまず考え方をお伺いしたい。 さらに、特に私が心配いたしておりますのは、これまでカナダから強く要求が出ておりましたSPF、トウヒ、松、モミ属のかんながけ製材の関税、現行は八%ですが、この撤廃についてであります。 我が国は、これまでSPF製材は北海道等のエゾマツ、トドマツ製材と競合するところが非常に大きいので撤廃に応じられない、こうしてきたところでありますが、国産材の自給率は既に三割を下回る状況に追い込まれているように、我が国の林業、林産業は依然として厳しい状況に置かれております。政府がより賢明な判断をされることを強く求めるものであります。 申すまでもなく、北海道において林業、林産業は貴重な地場産業であり、現在以上に林業、林産業関係者、その従事者を窮地に追い込むことはよくない、こう考えます。したがって、もしも関税引き下げをせざるを得ないとするならば、林業、林産業の保護育成の観点での振興策、対応策などを示してもらいたい。 以上の点について、まず御答弁をお伺いしたいと思います。
○小澤政府委員 ガット・ウルグアイ・ラウンドにおきましては、林産物の関税問題を扱われているわけでございまして、ただいま先生から御指摘もございましたけれども、特に米国、またカナダは関税の撤廃ということを要求してきておるわけでございます。 これに対しましては、私どもはやはり我が国の林業、林産業をめぐる状況が大変厳しいということがございますし、しかも最近外国からの製品輸入、大変増大しているわけでございまして、また国産材につきましても、外材に比較いたしますと、供給面での量的なまとまりということからいいますと大変小さいということでございます。あるいはまた、乾燥問題、それから質的な面、あるいは生産コスト面での立ちおくれもございまして、外材との厳しい競合状態にあるわけでございます。 また一方、御指摘ございましたカナダのいわゆるSPF、モミ、トウヒ類、それから松類でございますけれども、これにつきましてもカナダは関税の撤廃を要求しているわけでございます。先生おっしゃいますように、北海道のエゾマツ、トドマツとはストレートに競合するということもございまして、また、今申し上げましたような我が国の林業全体の厳しさということからいたしましても、これに対しては、ゼロ、ゼロの要求についてこれを到底受け入れられないという立場で対応をしてまいってきておりますし、今後もまた対応してまいりたいということでございます。特に米国、カナダにつきましては、この製品の関税ゼロ提案をしつつ、一方で丸太の輸出規制をしているというような不公平、不公正な状況にあるということもございますので、この点につきましても、相手国にそういう不公平、不公正な状態にあるということを申し入れも行っているところでございます。 そのように、現在は二国間折衝という段階に入っているわけでございますけれども、関税の引き下げオファーにつきましても、かなり大幅なものを考えておりますから、これ以上は譲れないという立場で折衝をしていきますと同時に、国内の林業、林産業の振興策につきまして鋭意進める必要がございます。この点につきましては、昨年来森林法の改正等に伴いまして新しく流域管理システムの確立を図るというようなことで、民有林、国有林も一体にいたしまして流域の活性化を図るというようなこと、また同時に、林道等の生産基盤の計画的整備でございますとか、高性能の林業機械の開発導入、これによります林業生産性の向上、林業労働力の育成確保、これも大変重要な課題になっております。 それから、木材関係ですが、国産材の供給体制の整備、木材産業の体質強化も行う、一方で木材需要の拡大策も考えてまいりたい、また高性能、省力化加工設備の開発促進も行うというようなことで、総合的な施策を推進いたしながら、ウルグアイ・ラウンドの交渉にもまた対応してまいりたい、このように考えております。
○小平分科員 ぜひその点、強力に推し進めてもらいたいと思います。 次に、昨年発生しました台風被害についてでありますが、十七号、十八号、十九号の森林・林業関係に与えた被害は甚大なものがあったと思います。総額二千億円を上回る大変な被害でありましたが、私も現地に行きましてその実態を見てまいりました。 そういうところでやはり気がかりなのは、これによって林地荒廃、さらに風倒木処理が依然としてまだすっかり復旧がなされていない、こんなふうに言えると思います。したがって、これをきちんと処理しないと、二次災害の発生について懸念をするところであります。したがって、これからの刈り入れ期に集中豪雨とか、あるいは今後梅雨の時期に入っていきますので、そんなことを思うと、早急にこの対応策が必要と思いますが、時間の関係もありますので、ひとつこれらについての林野庁の取り組みといいますか、簡潔で結構ですからお答えいただきたい。要は、しっかり取り組んでもらいたいということを申し上げて、簡潔で結構です。
○小澤政府委員 大変甚大な災害でございましたために、現在鋭意取り組んでいるわけでございますけれども、要点だけ申し上げますと、まず、今回は大量な災害であったために、自県内、自分の地域だけでは労力不足もあってなかなか処理できないという問題がございましたので、近県なり他県からの応援ということが出てまいりまして、これにつきましては大変広範囲に応援態勢がとられておるということが一つございます。 それからもう一つは、作業を効率的に進めるということで、大型の林業機械を投入しております。これが効果を発揮しつつございます。 それから、今後の問題は、二次災害防止ということを考えまして、次の梅雨期等を想定いたしまして、応援隊も二次災害の危険の高いようなところから被害材の搬出をやるというような重点的な手法をとっております。そして、この三年度末までに全体の一〇%は処理したい、四年度に入りましてさらにこれを推進しなければならないというように考えておりますが、いずれにいたしましても、先生御指摘の点を十分踏まえまして、鋭意対応してまいる所存でございます。
○小平分科員 次に、今クロマグロの会議が持たれておりますけれども、これについてお伺いいたします。 クロマグロの取引規制においては、スウェーデン政府は西大西洋のクロマグロについて国際取引を全面禁止にするワシントン条約附属書に、東大西洋のものは許可取引の附属書一へ掲載するよう求めてきました。これに対し、我が国、アメリカ、カナダ等が規制案の撤回を目指して、ICCATにおいて漁獲割り当て量の削減、資源状況のワシントン事務局への報告等の代替案を示して、昨日ですか、スウェーデン政府は事実上提案を撤回したのであります。しかし、スウェーデンのこれまでの主張の一つに、日本が西大西洋でとれたマグロの四分の三を消費しているとして、クロマグロの資源量の減少の原因に我が国のすしか挙げられている。事実、一九八九年の日本のマグロ輸入量は九千六百トン余りで、世界の漁獲量の約六割を日本が消費しているのであります。 そこで、このような状況のもとで、スウェーデンがクロマグロの規制案を撤回したことは一応歓迎すべきことであります。しかし、そのために漁獲量の自主規制等を行うことになるわけでありますが、まず具体的には、これに対してどのような内容に落ちつくと予想されるのか。 また、このICCATでクロマグロの漁獲量の五〇%を削減する動きがありますが、そうなった場合、代替漁場の確保や減船対策等が必要となってきます。このようなことにならないよう、クロマグロの生態系や資源量の科学的調査が必要と考えるわけでありますが、政府は、クロマグロの資源量の将来予測をどのように把握されているのか、お伺いをいたします。 〔主査退席、佐藤(謙)主査代理着席〕
○鶴岡政府委員 私どもは、ほかの漁業と同じようにマグロ漁業につきましても、科学的な知見に基づいて漁業を継続していくという視点に立って、国際的な問題についても対応しているところでございます。 西大西洋のクロマグロにつきましては、一九八三年以降ICCATにおきまして各年の総漁獲枠を二千六百六十トンということで、日、米、加三国に配分されてきたところでございます。昨年十一月に開催されました第十二回ICCAT 通常会議におきまして、資源量を勘案して漁獲枠の削減が合意されております。すなわち、一九九一年を基準にいたしまして、一九九二年、九三年の二年間で漁獲枠を一〇%削減する、それからさらに、一九九四年、一九九五年の二年間で二五%削減するということが決められたわけでございます。 また、その際、これとあわせまして、五月にICCATの特別委員会を開催する、その中で大西洋クロマグロ漁獲枠の五〇%削減を含め、さらなる削減措置を検討するということも決められておりまして、そこで論議を行っていきたいというふうに思っております。 今回のCITESの締約国会議におきまして、スウェーデン政府がCITESの附属書への掲載を取り下げたのでございますけれども、その際、日、米、加、モロッコの共同決議案、これはスウェーデン政府が取り下げたために正式の舞台での論議は行われなかったわけでございますけれども、そういう内容を尊重し、これはICCATでの改善努力を期待しというようなことでスウェーデン政府は考えてるわけでございますけれども、そういうことを尊重しながらICCATの枠組みの中で、この特別委員会等で適正な漁獲水準について検討をしていきたいというふうに考えております。 それから、資源の将来予測でございますけれども、これは過日のICCATの科学委員会では、今後の漁獲量にもよるわけでございますけれども、十歳以上の大型魚の資源の減少というのは、現在の漁獲枠二千六百六十トンを継続すれば一一九九四年以降は増加に転じるのではないか。それから九歳以下の中小型魚の資源は今安定しておる、しかも増加しつつあるというような認識でございます。それから、その際現行の漁獲枠を五〇%減少すればより早期に資源が上向きに転じるという報告がされているわけでございます。したがって、漁獲枠にもよりますけれども、現行以上に削減すればより早期に資源の回復が期待されるというふうに考えております。 これは、資源問題につきましては、冒頭申し上げましたように、漁民にとっても安定した漁業を続けていくために科学的知見に基づいた操業というのは不可欠でございますので、そういう観点から対応していきたいというふうに考えております。 それから、今回決定されました措置あるいは五月の科学委員会での論議もあるわけでございますけれども、こういう規制が実行されればクロマグロ資源の回復は図られる、その期間も短期であるというようなことから、資源回復後は従来の規制に戻ることが予定されているというようなこともございまして、現時点で減船その他の問題は必要ないんではないかというような認識でおります。
○小平分科員 これによる影響をもろに受ける漁民は切実な問題がありますので、ひとつしっかりと対応してもらいたい、こう思います。 次に、日ロ漁業問題なんですが、先般この合同委員会が開かれました。我が国とロシアの漁業関係は約百年にも及ぶ長い関係がございまして、今後とも良好な両国の関係を持続すべきことが肝要である、こう思いますが、特にサケ・マス漁業は四カ国の国際条約ができまして、我が国は二百海里水域内の操業の安定が今極めて重要な状況となってきております。 そこで、まず政府はこの対ロシアとの漁業交渉において、今後どのような点に重点を置いて進めていかれるのか、そこの姿勢をお伺いいたしたいと思います。
○鶴岡政府委員 本年の我が国北洋サケ・マス漁業の操業条件につきまして協議する日ロ漁業合同委員会第八回会議は、第八回というのか第一回というのかわかりませんけれども、三月二日から東京において行われております。 今回の委員会は、去る二月、御指摘のようにサケ・マスの四カ国条約が署名されまして、公海でのサケ・マスの沖取りが禁止されるという新しい状況のもとで行われておるわけでございます。このため、今回の交渉におきましては、日本の二百海里内の操業についてのクオータ及び漁業協力費の水準の問題、それからロシア二百海里内での操業に関係しますクオータ及びその操業のあり方の問題等を中心に交渉を進めているわけでございます。 いずれにしましても、我が国としては日本の二百海里内とロシア二百海里内のサケ・マス漁業の安定的な操業が確保できるように最善の努力をしたいというように考えております。
○小平分科員 私は、対ロシアの漁業関係は、今申し上げたとおり良好な関係を今後も継続をしなければならない、こう考えます。しかし、最近ロシア政府が我が国北方四島で韓国漁船の操業を認めたとのことですが、この点に関しては私は、この北方四島については我が国固有の領土として長年ロシアや旧ソ連政府と粘り強い交渉を政府当局も続けてこられたわけでありますね。そういうところで今回ロシアが一方的に韓国に対しての操業を認めたことはまことに遺憾なことと、これは国民感情としても言わざるを得ません。当然、政府としてもロシアと韓国に遺憾の意を表明されたわけですが、これの事実関係、それと今後の政府のこれに対する対応をお聞かせいただきたいと思います。
○鶴岡政府委員 まず事実関係でございますけれども、昨年九月に締結されました、当時は韓ソ漁業協定に基づきまして、 一月に第一回の韓ロ漁業委員会が開催され、二月十日から十四日に具体的な漁獲枠、操業水域等についての協議が行われたわけでございます。 これまで外交ルート、すなわち在ロシア大使館あるいは在韓国大使館を通じまして事実関係を照会してきたわけでございますけれども、韓日間において、韓国がロシアの許可を得て北方四島に接続する水域において漁業活動を行うことが合意されたところでございます。 これは、御指摘のように北方四島は我が国固有の領土であるわけでして、その周辺水域における韓国漁船による漁業活動が合意されたということは極めて遺憾である、問題であるというふうに受けとめておりまして、外交ルートを通じまして早急に遺憾の意を申し入れるとともに、早急にその善後策につきまして、講ずるよう韓ロ両国へ申し入れたところでございます。韓国側の対応につきましての正式の返答はまだ来てないわけでございますけれども、私どもとしましては、これは領土問題でもあるわけでございまして、今後とも北方四島はあくまで我が国固有の領土であるという我が国の立場を踏まえて対応してまいるつもりでございます。
○小平分科員 これは、外交交渉という非常に高度のテクニックを要することもあります。どうも最近の我が国のそういう姿勢を見ていますと、もう少し毅然と主張すべきところを主張して、これは全般的に言えることですけれども、そんなふうに私どもは受け取れます。したがって、強い姿勢で、遠慮は要らないと私は思うのです、今後に向けて頑張ってもらいたい、このように私からも強くお願いしておきます。 次に、酪農、畜産問題についてお伺いをいたします。 いわゆる自由化攻勢の中で、牛肉の自由化もほぼ一年が経過したわけですが、その影響は肉質で競合する乳用種に経営圧迫という形で集中的にあらわれてきております。同時に、枝肉価格の下落は肥育素牛、子牛価格の低迷に連動をしておる。特に低乳価を子牛販売、ぬれ子などの副産物収入で経営の悪化を防いできた酪農家の経営をダイレクトに直撃しているわけでありますが、乳牛の個体販売が低下して、北海道なんかを見ましても、ここ一、二年の比較でも、大体三百トンぐらいを搾る酪農家が平均で三百万円ぐらいの収入減、そういうところまで落ち込んでおります。そういうところで経営はまさしく危機的状況に陥っております。 酪農経営は、保証乳価等の乳価の引き下げに伴って、今申し上げましたように、副産物販売に頼る割合が非常に強いのでありますけれども、こういう状況の中で、この乳用子牛価格、ぬれ予価格も昨年末で前年同月比で四四%もダウンをしている、そういう調査が出ております。例えば平成二年一月に十三万円したものが九二年たった昨年十二月には四万三千五百円ぐらいにまで大変な急落をしている。しかし、ことしに入って一月の北海道六市場の牛肉市場の平均相場は約四万六千円と多少の回復は見られました。しかし、今年度からはこの牛肉の関税率は現行の七〇%から六〇%へと下がる、ということは、ますますその環境は、状況は厳しくなってきている。 そういうことはもう既に御承知と思いますが、このように酪農経営は、今申しましたように、個体価格は下がる、そこにヘルパー制度等による負担分ですとかあるいは設備投資にかかるいろいろな費用等々を考えて大変な状況にある。そこで、今年度のこの畜産価格の、いわゆる乳価の決定に向かって、酪農経営の厳しい状況を十二分に参酌して、平成四年度の加工原料乳の保証価格は、農家及び関係団体の要望を十二分に踏まえて、十分なる引き上げに努力すべきであると私は思いますが、政府のこれに向けての御見解はいかがでしょうか。
○赤保谷政府委員 酪農経営の状況について、いろいろな方からいろいろなお話を伺い、御要望も伺っておりますが、いずれにいたしましても、平成四年度の加工原料乳の保証価格、これにつきましては、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法、いわゆる不足払い法に基づきまして、生乳の生産状況、需給事情その他の経済事情等を考慮いたしまして、加工原料乳地域の生乳の再生産を確保することを旨として定めることとされております。今いろいろ資料も収集中でございますし、生産費調査も三月中旬に出る予定でございます。いずれにいたしましても、畜産審議会の意見もお聞きをしまして、三月中に適切に決定をしてまいりたいというふうに考えております。
○小平分科員 局長、この時期に答弁しづらい面も理解できますが、この現状を、窮状を十二分に把握されて、いわゆる温かい行政が行き渡るようによろしく対処をしてもらいたい、このようにお願いいたします。 時間が来ましたので、最後に大臣、今の酪農問題、政府は過般、酪農関係は除外してオファーを出しました。しかし、そういう状況の中で酪農製品の自由化問題が非常に論議されております。こういう現状の中で、これ以上酪農家の経営環境を悪化させないために輸入自由化というものは絶対に阻止しなければならぬ、そんなふうに私は考えますが、大臣、ひとつきょうはそこのところで大臣の今後に向けての、ECやアメリカ等と国情の違いによってなかなか難しいところにありますが、我が国としてもこれを貫いてもらいたい、こう思うのですが、大臣の見解を最後にお伺いしたいと思います。
○田名部国務大臣 農家や米農家あるいは畜産農家のことを思うと、何としてもこれは一生懸命努力をしていかなきゃいかぬという気持ちでいっぱいでありますから、最後まで一生懸命努力いたします。
○小平分科員 終わります。
○佐藤(謙)主査代理 これにて小平忠正君の質疑は終了いたしました。 次に、上原康助君。
○上原分科員 どうも田名部農水大臣、しばらくでございます。また関係者の皆さん、大変お疲れさん、私を含めてあと三名ですから、もうしばらく頑張ってください。 田名部大臣は内閣委員会で時々理事会その他でお目にかかって、防衛庁長官をなさるのかと思ったら農水大臣になった。しかし、ウルグアイやら農産物の自由化問題等々に取っ組んでおられる姿を見て、非常に適役だなという印象を持っているのですね、なかなか御熱心で。まあ頑張ってください。 そこで、時間厳守のようですから、そのつもりでお尋ねをいたしますが、農水産業問題というのは、今や我が国の政治というか経済を含めて大変注目をされている。国際化時代に日本の農業をどう守りつつ、また生産性を上げて――それから後継者問題ですね、どっちをとってみても農業の後継者問題というのは難題中の難題、みんな頭を痛めている。それだけに大きな転換期だと思うのですね。それだけに農水大臣初め関係者の皆さん、御苦労が多いかと思うのですが、やはり言わずもがな、農業は国のもとでありまして、農民というか農業振興なくして、どんなに経済が発展をしても、なかなかこれは、一時期うまくいっても、何か国際環境、情勢が非常に緊迫した場合、食糧の自給率の問題等含めてあると思うのですね。そういう意味で、米の問題初め農民や関係者の期待にぜひこたえていただきたいということを冒頭申し上げて、私も農民の手なので、農業については余り専門じゃありませんが、関心を持っております。 とりわけ、沖縄も今度復帰をして二十年になり、大分農業基盤整備等々も進んで農地改良もなされて、いろいろよくはなっているわけですが、他面、基幹作物であるサトウキビ生産、あるいはパインは自由化の波にとうとう押されて、今は生食用で出している。缶詰はだんだん減ってしまった。そういう意味で、最近の沖縄の農業の一番の柱となっており、また農地の作付面積からいっても大きなウエートを占めているサトウキビ生産の現状について、どういう認識を持って、どういう対策を考えておられるのか。また、これは気象条件とか台風とか干ばつ、そういう面に影響されますから、一概には言えませんが、最近生産量がだんだん減っていることは御承知のとおりですね。そういう意味で、企業の統合問題等々含めて今大変なピンチに立たされていると見ていいと思うのですね。これをどう打開するかは、もちろん政府だけではありませんが、我々非常に危機感を持ちながらも、何とかこの沖縄農業を大事にしていく、発展をさせていく意味で目下いろいろ考えさせられているところでありますので、そこいらからひとつお聞かせを願いたいと存じます。
○上野政府委員 サトウキビは沖縄の農業の一番大事な作目でございます。ただ、今先生御指摘のとおり、このところ作付面積の減少、生産量の減少というような傾向が見えてまいっているわけでございますが、これのかなり大きな理由は、老齢化による労力不足だというふうに私どもは見ているわけでございます。この労働力問題を解決するということが沖縄のサトウキビの安定的な発展を図る上におきまして非常に大事な要素だというふうに考えておりまして、まずこの点につきまして、ハーベスター等の機械の導入を図ってまいるというようなことについて最大の努力をしてまいりたいと思っております。そのほか、効率のよい作業体系を組んでまいります上で、基盤整備、特にかんがい排水というようなことをやってまいることがどうしても基礎になるわけでございまして、そういうことについても大いに努力をしてまいりたい。 それから、ただいま委員お話ございましたように、これから品質取引の方にまいらなければならないということになっておるわけでございまして、そういうものにたえるような良品質のサトウキビの品種育成というようなこと、あるいは病害虫の防除というようなことにつきましても努力をしてまいりたいと考えているところでございます。
○上原分科員 今お答えありました諸点につきましては、これまでもしばしば強調されてきたことで、特に、品質取引に移行するのは平成六年からでしたか、これも相当これからその対応策を講じていかないといかない課題で、正直言ってみんな心配している。鶏が先か卵が先かという論議はしたくありませんが、価格にしても、いつも畑作物の価格問題あるいはビートとの比較対照で、沖縄はむしろ大目にというか特段の配慮をしているんだ、それはそうでしょう。だが、やはりサトウキビ一トンつくるまでの労力とかいろいろな手間暇、肥料代等々を考えると、労働単価にすればむしろ率はいいんだというお答えにまたなるかもしれませんが、いろいろな複合作用があるわけですね。気象条件の問題、干ばつや台風等があると途端に生産量が落ち込む。今もありましたが、生産量の落ち込みにしましても、八九年、平成元年の百七十七万九千三百トンをピークに、九一年、平成三年度は何と百五万六千五百トンに落ち込んでいるわけですね。これは九〇年度より十六万二千二百トン落ち込んで、八九年よりは七十二万二千八百トンも減少しているありさまで、作付面積も今御指摘のように減りつつある。この二十五年間で最低の状況に相なっているということです。そういう意味で、農民もそうですが、関係企業にしても、これからのキビ作の展望に余り明るいものはない。品質取引等がある。そうなりますと、農民や関係者の自助努力や生産性を上げるということも当然いろいろやらなければいかない課題なんだが、何としても政治あるいは行政という政策的助成といいますか、そういう面が必要だと思うのです。これはぜひひとつ政府としても注意深くこれからもやっていただきたい。 そして私は、これは田名部大臣にもぜひお願いしたいんだが、歴代の農林水産大臣はみんな省力化、機械化の問題を言ってきた。今官房副長官をしておる近藤さんが大臣しておられるころも、沖縄にキビ収穫のときに行ってぜひ見てきたい、機械化の問題を上原君何とかしようやということで大分熱を入れておられた。みんなそうなんです。だが、一向にらちが明かない。らちが明かないことについて私は何回も指摘をしてきた。日本の今の工業力でそういうノウハウがないわけじゃないんだ。ノウハウはあるし、いろいろ開発はできるけれども、要するに沖縄や奄美という限定された地域の農業機械というだけではメーカーがなかなか採算がとれないだけの話なんだね。ここにどうてこ入れをしていって、本当にそういった地勢や地域にマッチをした農業機械、キビの収穫機を開発するかということは、もう議論の段階ではなくして、実施をする、そのための助成をどうするかというのが大事なんだが、いまだに明るいめどは立っていない。こういう相関関係もあるので、ひとつここいらについて、先ほどから私が指摘をした点、また今お答えもありましたが、大臣の所見をお聞かせ願いたいと存じます。
○田名部国務大臣 復帰して二十年、ちょうど本土復帰記念の国民体育大会がありまして、私が青森県の団長で参加したのが初めてでありました。その次も、この前も国体に団長で行きました。たびたびお邪魔をしておりますが、何とも異様な風景、うちの屋根に水をためるタンクがありまして、最初は何だろうと思ったのですが、考えてみると、水が問題だ、農業用水の確保ということは非常に大事だなという感じがいたしました。 それから、歴代大臣といって近藤大臣が行かれたかどうかわかりませんが、行ってないのだろうと思うのですが、私は大体毎年お邪魔をしているのです。そういうことで申し上げるわけではありませんが、とにかくサトウキビは手作業が非常に多いというふうに伺っています。ですから、どうしても労働時間を短縮しなきゃいかぬということだろうと思います。特に機械ということになると、私どもは米をつくる場合の機械を想定するわけでありますが、サトウキビとはどういう関係になるかわかりませんが、どうも一般的に機械の下になっているという感じがいたしまして、新しい農業政策の中で何とか、リースとかあるいは第三セクターかなんかで耕作をしてやる会社をつくるとか、何か工夫して機械もうんと効率のいい稼働をするということが必要ではないだろうか。機械化は、そういう意味では私は沖縄の場合非常に大事だ、そう思っていますし、時々お花をもらうのですが、すばらしい花がありますね。ですから、ランなんかもっと力を入れてやったら、観光客が多いだげにみんな買って帰るということをいつも行くたびにそう思ってまいりました。 そんなことでいろいろまた考えてみたいと思っております。
○上原分科員 まあ沖縄の屋根の上にタンクがある、観光客が、初めて行かれる方は、あれは何だろう、あれはやはり沖縄の政治の貧困だよ、残念ながら。みんな水不足だから、たまには二百六十日、一年の半分以上、三分の二も隔日給水、いわゆる隔日というのは確かに水が出るわけじゃない、一日置きということ。だからみんな上にためて対策をするのだが、問題は、ためる能力のあるうちはまだいいのだが、ためられないところは本当に大変なんです、団地とか。これは質問とは余計なことになったが、今大臣がおっしゃるから。あるいは高層アパートとかサラリーマンは、なかなか制限給水になると水が出るときにおうちに帰れない。共稼ぎならもうまんまの食い上げた。事ほどさように、飲料水さえそういう水事情で大変不便をする。最近また、おてんとうさまはなかなか我々の願いのようにはいかないもので、雨だらけで梅雨が早く来たのじゃないか、これは私は異常気象じゃないかと思って、ことしも農産物に相当影響してくると思いますよ。ですから、そういう面で飲料水さえ事欠く状況が復帰二十年たってもある。だから異様なああいう屋根のタンクというものができつつある。ましていわんや農業用水の場合は大変なんです、これは。だから大きなダムをつくるのも結構なんだが、前の近藤大臣にもお願いしたことは、昔は大体小規模のため池とか農業用水というのは地域地域に、集落にあったのだ。あれはやはり人間の、農民の知恵ですよ。どうも最近はもうコンクリートで打ち固めてやらなければダムじゃないとか農業用水じゃないというようなあれなんだが、そういうことに対しても助成措置をやるとかいろいろな工夫をぜひやってもらいたいと思う、その地方その地方にマッチした。そういう意味で農業用水確保の問題を真剣に我々も努力をしておりますが、国としてももっと積極的に助成措置を含めてやっていただきたいということ。 今機械化の問題、これはもう古くて新しい議論で――もう議論をしている時期じゃないんだ。これは農家だけでやりなさいと言っても、小規模農家がそれぞれ機械化してやるというわけにいかないでしょう、もう今農民はどこへ行ったって機械化貧乏で。だから、今私もその御意見に賛成なんですよ。農協とかあるいは市町村自治体とか、そういった第三セクターみたいなものもつくって、オペレーターも専門家を入れてやっていくということであれば、僕はサトウキビの機械化、省力化の問題というのはそう難しいことじゃないのじゃないかと思うのだ。だからそこまで行くには、やはりこの開発に要する費用であるとかあるいはそういう受け入れ態勢をつくるまでのアフターケアももちろん若干必要でしょうが、そういった基礎条件を国の援助でもっとやるべきじゃないかと思うのですが、これは大臣がおっしゃったのだから、もう実行の段階だと思うので、ひとつもう一遍御見解を聞かしてください。
○田名部国務大臣 従来からいろいろと沖縄については、そう大きな伸びとは言いませんが、ほかの県に比べると採択基準とかあるいは補助率等、優遇措置を講じてきたわけでありますが、ことしの予算でもわずかながら一・二%ぐらいでしょうか、伸びを示しておるわけであります。総額で三百六十三億三千二百万円と、一応私どもは重点的に配分されたと見ておりますが、いずれにしても、機械のこと等についてはよくよく相談をして、どういう形ならばうまく運営ができるか、いろいろ検討してみたいと思います。それが沖縄ばかりでなくて、これから新しい政策の中で機械というものは、米の方もそうである。極端な話をしますと、田植えはずっと九州の方から始まってくるわけですから、まあそんな遠くの方まで行かなくても、せめて東北六県、福島が田植えをする、宮城、岩手、青森と来ますから、そんな形でも回したら本当に効率のいい農業ができるかな、これは私の発想でありますが、そんなことを含めまして、どういうふうにつくり上げられるか、今春までにということですから、もう春でありますから、検討の方向を示して、具体的にこれに肉づけをみんなでやってみたい、こう思っております。
○上原分科員 もうこれは田名部大臣、これを実現すると、あなたは沖縄で相当評価を受けますよ、これは間違いなく。いや、今まで私も、もうきのうから言っているんだが、やはり国会で議論するのがむなしく思うのです。何回同じことを言って何回同じことを聞くんだ、もう一体野党というのは存在価値があるのかとさえ思うときがある。しかし、これはそうは言っても私はネバーギブアップだ、やらないかぬことは。だから、お互いこれはやらないかないことですから、ぜひひとつ実現してくださいよ。それで構造改善の面でも農業用水含めてひとつ特段のお力添えをいただきたい。 それでもう一つ、なぜ私がサトウキビは奄美、南西諸島、ぜひ大事にしていかなければいかぬかということは、やはり甘味資源というのは、今はいろいろあっても、大事な作物ですよ。これは沖縄にとってはもう戦前、戦中、戦後――戦時中なんか砂糖の塊があったからようやく生き延びたんだ。食う物がないから砂糖の塊をみんなこのぐらいずつ、メリケン粉じゃない、麦粉の中に突っ込んで、つぼに入れて、それで山野を駆けめぐりながら水を飲んで生き延びたんだ。そういう歴史を持つ重要な作物である。 最近、創意工夫を凝らした結果、バガス飼料が、サトウキビを原料生産すると燃えかすがありますね、今まではみんなあれを燃やしておったけれども、バガスにして、家畜の飼料、いわゆる畜産に大変貢献をする研究が何か先島、宮古、八重山あたりで考えられているようですね。そういう面からも、もっと生産性を高めて農畜産と連携をさせていくということであれば、私はやはりいろいろ困難な問題はあるにしても役立っていくと思うのですが、こういうことについては政府はどういう御見解を持ち、またどうこれからそういう振興を進めていかれようとするのか。御見解があればお聞かせを願いたいと思います。
○上野政府委員 バガスのお話に入る前に、先ほどサトウキビの機械の話を御指摘ございましたので、簡単に大臣の答弁を補足をさせていただきたいと思います。 委員御指摘のとおり、このサトウキビの問題を解決する一番大事なところは機械化だ、私最初に申し上げましたように、そういうふうに思っております。 それで、従来から一日に四十トンとか六十トンぐらいも処理をするような大型のものというのはあったわけでございますが、沖縄の事情に合わないところがあるということで、これの中小型版を何としてもつくらなければならないということで、機械メーカーあるいは生研機構の農業機械の開発部門とがタイアップをいたしまして、その機械の開発を続けてまいっております。その結果、六十三年から国の事業として実用化段階に入っておりまして、沖縄県でいいますと伊江村あたりにそういうものを入れて、具体的に実験を進めてまいりました。それで具体的な成果が上がって、実用化のめどが立ったというふうに考えております。そのために平成三年度から国の補助事業としてこれを取り入れておりまして、現実に平成三年度の導入実績というものは、大型のハーベスターを含めまして十五台というような実績を上げるに至っております。平成四年度の予算では、こういうような事情を背景といたしまして、予算的にも相当の、限られた枠の話とすれば大幅な増加をいたしたいというふうに考えておるということでございます。 それから、利用主体も第三セクターみたいなもの、あるいは農業機械銀行みたいなもの、そういうものを使いまして、共同利用の実を上げてまいりたい、かように考えております。 それから、バガスの問題でございますけれども、現在は製糖メーカーの燃料に使用しているというのが主体でございますが、今後はこれの有効利用を図るということで、土壌に還元をする、堆肥としての利用を考えてまいりたい、また一部には飼料化も進めてまいりたい、かように考えております。
○上原分科員 もうあと二分くらいしかないと思うので、皆さんお疲れでしょうから、大臣、時間は守ります。そのかわり私が言うことにぜひ立派な答えで結んでください。 花卉園芸の話がありましたね。ランの話もあるし、それにも相当力を入れているのです。だが、沖縄のこの農業の現状にしても、いろいろな面にしても、やはり当面国の助成措置というか、研究機関を含めて相当てこ入れしていただかないと、おわかりのように、何といっても戦後二十七年のブランクは大きいですよ。特に農水省は、余り派手なところじゃないと言うとあれかもしれませんが、一番大事なポストなんだな。これはあなた、飯を食わなければ、武士は食わねど高ようじと言ったってだめだ。歩けないのだな。一番皆さんがこの国民の食糧というか胃袋を担当していらっしゃるわけですからね、OBを含めて。 そういう面でぜひひとつ、水産業を含めて、沖縄農業に対する大臣の特段のお力添えをいただきたいと思いますので、改めて御所見を聞いて、質問を終えたいと思います。
○田名部国務大臣 気候が非常に亜熱帯性気候でありますから、この特性を生かすということは大事なことであります。ただ、残念ながら台風が非常に多いというので、私の方は余りないものですから、台風が来るたびに沖縄の人は大変だな、こう思っております。しかし、この地域の特性を生かすということでは大事なことでありますから、先ほども申し上げたように、農業用水を確保するとか、サトウキビの収穫の機械も申し上げました。それから肉用牛も、低コストの生産を進める可能性が非常に高いということ、野菜や花卉、こういうものを一生懸命努力をしていきたいと思います。 先ほど予算を少なく申し上げましたが、五・一%前年度よりもふえております。もう内容はよくわかっております。よく相談をして、どういう形にすれば本当に生産性が上がり、効率のいい農業ができるかということで全力を尽くしてみたい、こう思っております。
○上原分科員 ありがとうございました。よろしくお願いします。
○佐藤(謙)主査代理 これにて上原康助君の質疑は終了いたしました。 次に、森本晃司君。
○森本分科員 大臣、きょうは朝から大変長時間にわたりまして御苦労さまでございます。私の後は、あともう一人できょうは終わるようでございますから、ひとつぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。 先ほど上原先生から沖縄の農業の問題についてお話がありました。先日、私も北海道の農業の実態調査に行ってまいりまして、北海道の農家の人々の大変厳しい状況、またその声を直接伺ってきたわけでございます。 農業と並んで同様に厳しい状況にある、そして私たちがどうしても守らなければならないものに山があります。林業、山を守っていかなければ私たちの自然は破壊されていくなということを実感するところでございます。大臣の青森県も青い森と書くぐらいですから、そういった山林のことについては大臣も大変よく御承知のことかと思いますが、私の奈良県の森林地帯というのは、御承知のように有名な吉野杉があります。吉野地方を中心に優良な林業地帯を形成しておりまして、木材の生産とともに水資源の涵養、国土の保全、安全で豊かな生活環境の保全と創出を通じて県民生活に、さらにまた国民生活に重大な役割を果たしてきているわけであります。 しかしながら、昨今、もう随分長い時期になりますが、木材価格の低迷傾向はいまだに回復の兆しは見えません。一方では山林労働者が高齢化し、人手不足で出材や植林に支障が生ずるなど、木材、林業を取り巻く環境は非常に厳しく、冬の時代が今もなお続いていると言っても過言ではないと思います。このままでは緑の山がいずれ赤い死出になってしまうのではないだろうか、そういった危倶もございますし、木材、林業の将来に私も大変危惧を抱いているものであります。二十一世紀に生き残って、さらに発展していくために、この林業という問題も、官民一体となって業界の活性化を図っていくことが大事でありまして、積極的に業界振興のために対策をとらなければならないと思うところであります。 このような林業の威しき中にあって、これは農村の後継者問題等々も同様でございますが、年々林業の就業者の数が激減していっているわけであります。殊に新規学卒者の林業への就職者数というのは、四十五年で七百二十八人、そして平成三年で百八十三人という状況であります。こういった状況で本当に山を守っていくことができるのか。もう野ざらしになってしまう。それは林業だけの問題と考えでいいのだろうか。私たち国民の生活の中で国民として考えなければならないと私は思っているところであります。 山を守り、山で生き抜く人々の労働確保にいかなる対策を講じようとされているのか、その点についてお伺いをしたいと思います。
○小澤政府委員 お答えを申し上げたいと思います。 先生ただいま御指摘されましたように、私どもも承知しておりますけれども、我が国の林業就業者数、年々減少しておりまして、これは近年におきます林業生産活動の停滞や山村の過疎化の進行等が反映しているものでございますけれども、国勢調査によりますと、昭和五十五年に十七万人でございました就業者数は、平成二年には十一万人へと大幅な減少を示したわけでございます。なお、年齢構成が高齢化してまいっておりまして、五十歳以上の就業者の割合が六九%に達するという状況でございます。しかも、先生先ほど御指摘されました新規参入者も非常に少ないという状況でございますので、私どもは、このような状況を打開するために、諸対策を精力的に講じていかなければいけない。また特に若い人の参入を図るためには、魅力のある林業というものを構築していかなければならないと考えておるわけでございます。 したがいまして、これからの具体策につきまして申し上げたいわけでございますけれども、まず流域を単位といたしまして、民有林、国有林を通じました森林整備や林業生産等を推進する体制を整備してまいりたいと思うわけでございます。一方で、生産性を向上させる必要がございます。このためには、林道等の生産基盤整備の促進を図る必要がございます。なお、さらにまた事業の協業化や多角化等によりまして、事業体の体質強化、特に森林組合合併助成法の延長等によります森林組合の合併促進に努めたいと考えているところでございます。さらにまた、広域就労の促進、雨降り時の就労施設の整備等による雇用の長期化でございますとか安定化を図りたい。また他産業並みに休日や労働時間の適正化を。図りたいということでございます。そして、さらに機械化の推進等によりまして、労働強度の軽減でございますとか労働安全衛生の確保ということで、スマートな林業に脱皮してまいりたいということでございます。また技術向上のための研修の充実も図りたい。さらにまた、山村の集落林道や用排水施設等の生活環境の整備も行わなければならない。これらを総合的に講ずることが必要でございます。 したがいまして、今後とも予算、金融、税制等さまざまな手法を活用いたしまして、林業の担い手の育成確保を図ってまいる考えでございます。 なお、平成四年度でございますけれども、新たに森林組合合併助成法の期限の延長等関連いたします森林組合合併促進等特別対策事業等によります森林組合の広域合併の促進を行いますとともに、作業間断時におきます就労施設の整備を促進したいということでございます。また高性能林業機械等の整備、さらにまた、森林組合や事業協同組合等林業事業体の就労条件改善を図りますために林業就労改善促進対策事業、こういうものを導入したいと考えております。また高性能林業機械、これの普及、定着を図る必要がございますが、この際労働災害防止緊急対策モデル事業等を実施いたしたい、このようなことを総合的に推進してまいりたいと考えております。
○森本分科員 今お話がありましたが、毎年そういった施策は、メニューは打ち出されるわけですけれども、なかなか実効性がないという状況であります。 山で働く人の声をいろいろと伺ってまいりますと、先ほどの話にありましたけれども、本当に五十歳以上が六九%、あるいは現実はもっとそれ以上の人々で山が支えられております。しかも、そういった人たちが長年の山林作業に従事しているので、チェーンソーでの白ろう病になっておられる方も随分あります。きょうは厚生省をお呼びしてないのであれでございますけれども、この白ろう病に対しても厚生省が決して温かい形でやっているとは限らない。そういう状況を山で作業をする人、あるいはそういう状況を見ている若者が、これから魅力ある山の中に入って作業をしようと思わないのは、私は当然のことではないかと思います。ひとつこういった今の施策が充実するとともに、白ろう病の皆さんへの手当て等につきましても、どうぞ農水省、林野庁の方からも、よく実態を掌握して、厚生省の方にさらに強い要望をしていかないと、本当に若者はもう山に来てくれないということを実感いたします。いずれにいたしましても、魅力ある林業という状況でないと若者は来ないと思います。こういった白ろうも含めて、林野庁の考え方をお伺いしたいと思います。
○小澤政府委員 先生からただいま御指摘ございました、いわゆる振動障害でございますけれども、チェーンソーの使用とともに増加をいたしたわけでございますけれども、民間の林業労働者につきましては、新規認定の方々につきましては五十三年度の千四百二十一人がピークで、その後は年々減少いたしているところでございまして、平成二年度では九十八人ということで、ピーク時に比べますと一割以下にはなってまいりました。しかしながら、依然新規認定者があるわけでございますし、この問題につきましては、今後私ども本当に真剣に取り組んでいかなければならないということでございます。 なお、関係機関がございますために、厚生省、労働省、それから林野庁によりまして振動障害対策推進関係省庁連絡協議会を設置いたしておりまして、連携を密にさせていただいて振動障害対策を実施しているところでございます。 さらに、今後林野庁におきましても、振動障害防止のための啓蒙、普及でございますとか、さらにはまた低振動機械の改良、開発、導入を図りますとともに、一人親方等に対する健康診断の実施、あるいはまた治癒者を含む振動障害者の就業促進のための技術講習会の開催、このような各般の施策を講じまして、振動障害対策の推進を図ってまいりたいと考えておりますけれども、これからはさらにまた高性能機械等も活用いたして、生産性の高いかつ安全性の高い林業の作業に切りかえてまいりたいと考えております。
○森本分科員 そういう条件を整えていってこそ、山に人が戻ってくるのではないか。だけれども、決してこれは楽観的な様相ではありません。 一方、山の活性化を図る、あるいは労働者確保のためにいろいろと施策を講ずるということでございますが、先ほどの答弁の中にもございましたけれども、私は林道の整備というのがそういった意味で非常に必要ではないか。山で働いてもらおうと思えば、道なき道を通って山へ登るわけにはいきません。また、そういった意味からも林道の整備というのがまず必要だ。山の職場、車で行ける働きやすいところにしなければならない。ところが林道をつくるのは山持ちと山林労働者のためと思う人が非常に多いのは私は残念でならない。山の整備はみんなのため、国民全体のためにやっているということを理解してもらわなければならない。そういう意味で、中央がもっと積極的に資金面などでフォローをしてもらいたい。国でいろいろ講ずる林道、遅々として進まないという声を私たちは聞きますが、どうでしょう。
○小澤政府委員 林道は、先生も御指摘のように、森林の施業の推進あるいは森林の適正な管理経営には不可欠でございますし、また同時に農山村地域の振興に大きな役割を果たすものでございます。そしてまた同時に、先ほども申しましたような高性能機械の導入を図りますためにも、また林道は必要でございますので、この林道の整備の促進を図る必要がございます。確かに先生おっしゃいますように、遅々として進まないという側面もございましたために、これをいかにして促進するかという観点から、今般森林整備事業計画というものを策定いたしまして、平成四年度を初年度とする新たな森林整備のための投資計画をつくらせていただくことになったわけでございます。 したがいまして、これからはこのような森林整備事業計画と同時に、各流域ごとの林道のネットワークを形成していくということを考えたいと思いますし、機械の導入にもそれが貢献するようなものでなければいけないと思っております。さらにまた、山村の日常生活の利便性の向上を図るために、延長をふやしていくと同時に、林道の舗装でございますとか改良の促進もあわせて図ってまいりまして、林道整備全体の推進に努めてまいりたいと考えているところでございます。
○森本分科員 そういう状況の中で、さらにまた必要なことは、需要の拡大ということであるかと思います。時間がありませんので、拡大政策については、これは私たちもよく伺っておりますので、十分にやっていかなければならないわけでございますが、木の需要をふやしていくということは、ただ単に山を守るということだけではなしに、もっともっと日本人の心の中に同時に大きな力がある。例えば、きょう私たちはここで議論をさせていただいておりますが、この国会の中というのはまだここに板がございます。恐らく大臣は朝から座っておられまして、この周りがもしコンクリートであれば、大臣のお疲れはもう十倍ぐらいになっているんではないだろうかというふうに思います。私たちが小さいとき学校は木造の建物でございまして、一生懸命廊下を磨いたりしました。あるいは腰板を磨いたりした。そこに物を愛する心も芽生えてきましたし、小さいときにそういう環境で育ったことを今喜んでいるわけです。ところが今学校へ行きますと、もうコンクリートです。子供たちは、掃除するのに、そういった磨けば光る、愛着するという心が教育の中でなくしていっているんではないだろうかというふうに思います。 そこで、こういった点について所管大臣にちょっとお尋ねしたいわけでございますけれども、先日出雲市の岩国市長さんが我が党の新年政策勉強会にお見えいただきまして、こんな話をしてくださいました。岩国さんは二十一年間外国にいらっしゃいまして、日本の文化ほど木と紙の美しさを引き出している文化はないということであります。子供たちを、木造の校舎の中で、木のぬくもりの中、美しい香りの中で教育してこそいいんだということで、出雲では小学校、中学校全部木造で今つくっている、幼稚園も公民館もそれから出雲文化伝承館も。そして今度出雲にすばらしい出雲ドームができた。市がつくる建物はすべて木造である。この三年間木造建築以外の建設計画には判を押したことがない、こういう出雲市長さんの話を聞きまして、私は大変感動いたしました。人の心を豊かにしていくとともに、それが同時にまた山を守っていく。こういうことが非常に大事でございますが、今ちょっと早口で大臣にその状況を報告させていただきましたが、大臣の所感はいかがですか。 〔佐藤(謙)主査代理退席、主査着席〕
○田名部国務大臣 私も大賛成でありまして、もう三、四年前になるでしょうか、下北半島の佐井村に小学校の校舎を建てるということになりました。それが鉄筋コンクリートだというので、あの辺はヒバの原産地でありますから文部省に随分がけ合いました。木造でもヒバで建てると非常に高いのでだめです、こういうことでありましたが、党の部会の方に来て国産材の活用というのでどんどん打ち上げて、そっちの方から今度はこういうふうに決まったがということで、とうとうヒバの学校を建てることに成功しまして本当に喜ばれております。校長先生にすると、火事になったときどうしようかとか後で磨くのはどうしようかとか、面倒くさいのと責任問題で余り賛成しないようであります。しかし、私の方の下北半島、津軽半島、どこでもそうですが、森林に囲まれる地域にあるものは積極的に木造にした方が周りとのバランスもいいし環境にもいい。そんなことで進めていったら、本当に今先生お話しのように、教育上も非常によろしい。私の県に関する限りは、十和田湖もそうしましたし、幼稚園なんかもそうして木造でやっておるところもあり、とにかく進めておりますけれども、なお一層努力をしたい、こう思っております。
○森本分科員 木造建築のよさというのを大いにこれから積極的にPRしていただきたい。それが同時に人の心に入ってくるんだというものを積極的にお願いしたいと思います。 そこで、木造のよさということを今大臣も同感いただいたわけでございますが、日常生活の中に木材が生きている、これは長い間の私たち日本人の生活の知恵でもありました。しかしながら、最近は誤った環境保護観というのが起きてまいりまして、何か材木を使っているあるいは木材を使っているということは環境破壊なんだという感があります。森林破壊につながっているんだということで一番ターゲットにされまして、魔女狩り的な存在になりましたのは、私たち奈良県で製造しておる割りばしのことでございます。割りばしの発祥地でございますので、一言申し上げたいわけでございますけれども、一時期東南アジアの森林破壊の元凶であるというような指摘を受けて、根拠なき感情的な俗論が大手を振って通って、それが自然保護運動という名のもとで割りばしか排斥されようとしてきた。それがいまだに非難が根強くあります。 ここで私は新聞記事を一々読み上げるわけにまいりませんが、資料があるわけですけれども、千葉県や東京都、そういった官庁の中では何か物を節約するあるいは自然保護運動の一環として割りばしを排斥するということが行われている。これは随分誤った認識だなというふうに私は思っているわけです。間伐材をあるいは角を引いた後の端材を利用して割りばしをつくっているわけです。割りばしの製造業者も非常に零細な業者が大変多くて、全国に工場数四百五十、従業員が今四千人ぐらいかなという状況です。木を愛してこういったことに従事する人たちの職まで失ってしまう。 そういう意見をいろいろと申し上げますと、単に環境保護という問題だけではありません、使い捨てというのを私たちは言っているのですという反論があるようですけれども、では使い捨てというならば、この国会の中にもありますトイレで、終わった後手をふきますぺ-パータオルというのですか、あれと割りばしの価格はほとんど変わらない。ああいうことがよくて、普通であって、割りばしだけがそういう状況になっているというのは、私は本当によろしくない認識だな、農林省としてどう思っておられるか、お伺いしたい。
○小澤政府委員 割りばしにつきましては、今先生の方からお話ございましたように、奈良地方も大変先進地域でございまして、木材を大変高度利用、有効利用してこられたところでございます。したがいまして、製材の際に出る端材などを使ってやったということでございますが、最近はさらに間伐材でつくった割りばしも発売されるようになりましたし、また熱帯材の割りばしも入ってはきておりますけれども、これもいろいろ調べてみましたところ、松やにを、これは必要なんでございますが、これを採取した後の材を使う。いわゆるメルクシマツの造林木から割りばしをつくっているというようなこともだんだん状況がわかってまいりまして、私どもいろいろと正しい情報を国民の皆様方によくお伝えすることが我々の義務だと思っておりますけれども、さらにこういう情報はよく広めなければいけないなというように考えているところでございます。 木材はもちろん森林から供給されるわけでございますけれども、森林を持続的に適正に管理すれば、永久に林産物がリサイクルされて出てまいるわけでございます。ただ、使い捨ての問題につきましては、これはやはりよくないということでございますので、私どもも使い捨てないように森林を大切に育てまして、出てきた木材をみんな有効に、また大事に使うという発想で物事を考えてまいりたいと思うわけでございます。そういうようなことで、リサイクルの問題につきましても徹底してまいりたいと思っておりまして、紙のリサイクルのほかに、新年度の予算案の中には、住宅で既に使った材を再度利用するというような観点からの政策も取り入れてみたいと考えておりますし、また割りばしにつきましても、最近割りばしを炭に焼く簡易な製炭窯まで開発してくれた方もございます。こういうふうにして、最後は木炭にしてまた土壌に戻していく。土壌改良材にもなりますし、有機園芸などにも使っていただければいいなというようなことも考えながら、私ども木というものを大事に使うということで一層徹底を図ってまいりたいと思います。よろしくお願いいたします。
○森本分科員 ぜひこれは林野庁も一緒になってキャンペーンを張っていただきたいと思うのです。割りばしの業界の人たちは、割りばしの包装紙の中に、このはしは資源有効利用の割りばしですと書いたり、さらに裏側には、割りばしは資源のむだ遣いではありませんということで、割りばしかいかに自然保護に役立っているかということを、みずからキャンペーン委員会をつくって十万ぜんはしを配って歩いたという涙ぐましい努力をしているのですから、林野庁、応援いただきたいと思います。本当に、自然の有効利用をやり、自然保護をやっているんだという認識を、よく割りばし排斥キャンペーンをしている人たちに厳しく言ってもらいたいと思います。環境庁に、機会があれば、そのことをきちっと申し上げたいと思います。 同様に、最近新たに起きている問題として木箱があります。昆布とかを入れる木箱、高級贈答品等々によく使われるわけでございますけれども、あけると木の香りがして何とも言えない。しかも、木というのは腐食性を防ぐとかという形で非常にあるわけですけれども、これが最近またやり玉に上がっている。大手百貨店等々は、自然保護という名のもとで、木箱を紙箱にかえてくださいというふうな通達が出されているわけであります。これは木箱で生きている人たちあるいは木を大事にしている人たちにとっては大変なショックであり、不認識も甚だしいな。木箱を紙箱にかえて、紙で木と同じようなかたい耐久性のあるものにしようと思えば、紙の方がはるかにエネルギーのむだ遣いである。一つの紙箱をつくるために、プリントもしなければならない、木材をつぶさなければならない、こういう点から考えると、かえってその方が資源のむだ遣いになるわけであります。今杉箱の人たちが、自分たちで、「木箱は生きている」という、こういうパンフレットをつくったり、あるいは木箱の重要性、自然保護のために役立っているというパンフレットをつくろうと、一生懸命みんな小さな零細企業ですけれどもやっておられます。林野庁にぜひ監修をしていただきたいというお話もありまして、私も一緒に参りますから、林野庁、ぜひよき監修をしていただき、よきPRもしていただければと思うところでございます。 何も私は特定業種のことだけを申し上げるわけではありません。はし、あるいは木箱が、こういった状況にどんどん、自然保護、環境運動という名のもとに追いやられていくことが、逆になっていくことが私は非常に残念でならないのであります。 時間が参りました。答弁をいただきまして、終わりにしたいと思います。
○小澤政府委員 木箱のよさあるいは割りばしのよさもございますし、また紙も必要なものでございましょうけれども、社会が求め、また人間にもそれを愛用していただくということでございますので、私ども木箱を、今お話ございましたけれども、これを製造される方々、大いに木のよさを我々も一緒になってまたPRもさせていただきたいと思います。
○森本分科員 じゃ、終わります。
○柳沢主査 これにて森本晃司君の質疑は終了いたしました。 次に、北川昌典君。
○北川(昌)分科員 大変お疲れさまでございます。北川でございます。 大臣また長官におきましては、米の自由化阻止、そして農業を守り林業を再建するために御尽力いただいていることに対して、敬意を表したいと思います。 質問の第一は、山村地域の振興策についてでございます。九〇年の国勢調査結果を見てみますと、この五年間で、全国で三千三百の自治体のうち、十八の道県、そして二千四十の市町村で人口が減少いたしております。特に、減少率が一〇%を超える町村は二百十に余っておりますが、こうした人口減少は、一方では首都圏を初めとする三大都市の一極集中を進めておる、こういう状況がございます。つまり過密過疎が一段と進んでおる、こういうことになるわけでございますけれども、過疎率の高い地域は主として山間地域でございます。 そこで、人口減少は、若者が村を出ていく、こういうことでございますから、当然そこに残るのはお年寄りが多くなる、こういう実態が今出ております。特に、こうした過疎の村では、山間地域では、農業と山林が主な仕事で経営内容でございます。兼業農家とでも申しましょうか。そういう中で農業は、かつては三ちゃん農業、こう言われておりましたけれども、今はこういった地区ではじいちゃん、ばあちゃんの二ちゃん農業、こういうことで、細々と田地を守りながら農業をされている、こういう状況でもございます。しかし、あと数年もしますと、こうした農業の継続はできない、そこで農地を放棄する、こういう事態が起きることも心配されております。 また、林業では特に深刻でございまして、今も木材の話が出ましたが、山林を育てる、こういう働く若者がいなくなりつつあるということでございまして、山は荒れるのではないか、こういうことで首長さんたちは大変心配をされているわけでございます。 こうした、山を守るか崩壊させていくかという岐路にある山間部の町村に対して、国は今支援策を講ずべきではないか、このように考えますが、これは通告しておらないので失礼ですけれども、大臣の御見解があればお聞かせいただきたいと思います。
○田名部国務大臣 担い手については、農林業、漁業、どの分野も大変な問題になってきていることは、今御指摘のとおりでありますが、どうしても林業振興と裏腹でありまして、どうやって林業振興を図って担い手の育成をするか、この問題でいろいろ考えておるわけであります。 余談になりますが、実は党の方の環境で、私はNOxの小委員長をいたしておりましたときに、何とか山に国民がもっと親しんでもらえる方法がないか、あるいはせっかく行ってもトイレがないのだが水洗のトイレにして有料化を図るとか、電気自動車で中へ入れたらどうだ、いろいろな議論を実はいたしました。アメリカなども行って見てきたのでありますが、森林パトロールがおるのですね。林野庁の職員に格好のいい服を着てもらって森林パトロールなんかしたらどうだ、あるいは国有林、森林公園とかそういうものに入るのは有料にしたらどうか、それでもっといろいろなものをやったら国民がもっともっと山に親しみを持てるのじゃないかという、いろいろな議論をしたことはあります。 いずれにしても、今のような規模の小さい零細な人たちがやっておるようではなかなか労働条件もよくならぬし、何とか大きな事業体というものをつくる。事業量も安定していなければいかぬですね。今は雨が降ると休みだとかいうことですが、雨が降ったときは作業は休んでも、雨が降っても何かできるような仕事というものはないのだろうか。そういうことをやっていかなければだめですし、雇用ももっと長期化し、あるいは社会保険への加入、あるいは今の若い人たちは機械が好きでありますから、機械の導入を図る、いろいろな生活環境の整備も図る。もう少し都会の人たち――この前も衆議院の農水委員会で質問がありましたが、定年になった方々がそういうところに住める環境をきちっと整えて、そういうところに住んでもらったらどうだろうかとか、ここのところ先生方からいろいろアイデアをちょうだいしております。いずれそういうものを取りまとめて、本当にしっかりした対策というものを立てて担い手の確保に当たりたい、こう考えております。
○北川(昌)分科員 山に親しむのと山を守るのでは大分違うわけでございますが、こうした担い手の不足に対しまして一部の首長さんは、自衛手段と申しましょうか、村と森林組合と山林関係の業者の三者で出資して、第三セクター方式で役場の職員並みの賃金で若者を林業に従事させる、こういう方式を、御存じかと思いますが、愛媛の久万町とか私の県の諸塚村とか熊本の小国町、また高知県でもそういう方式が広がっているようでございます。しかし、そういった運営が財政的になかなか厳しいという状況もあるようでございます。 そういった、今その地区の一つの運動といいますか盛り上がりとして出てきておるこうした方式を、山は、山を育てる、そして環境をつくり出すという大きな使命を持っているわけでございますから、そういう意味で積極的に支援をしていただく、このことが大事だと思いますが、いかがでございましょうか。
○田名部国務大臣 多くの人たちが山に親しむという、守るのとそれとは別かもしれませんが、何といっても山を理解してもらうということから、海は割合積極的に行きますが、山の方に国民の理解を得なければならぬ、そういう意味で申し上げたわけであります。 御指摘のように、今自治大臣とも話をして、何とか振興策の一つとして、もう私の方も、国有林が青森県は非常に多いのです。軒先まで国有林ですから、それを何とか開放する手だてがないか。起債を認めるとか、償還はまた交付金で面倒を見る、町村がどうしても欲しいという場合には、あるいはゲートボール場を木造で建ててあげる、あるいは林間学校をつくる、そういうところへ都会の子供たちが来て工作もする。とにかくいろいろなことを、村おこしか何かわかりませんが、そんなことで一体となっていきませんと、一つばかりやっても、総合的にいろいろ考えて、キャンピング場をつくったらどうかとかいろいろ考えておりますが、どの方法がいいのか、今各町村にも意見を伺って、こういうものがいいというアイデアを募っているところであります。 いずれにしても、振興策を立てるということで、若い人たちにそういうものを経営させたらどうか。残すということのためにいろいろ考えてみておりますので、いずれまた固まりましたら御批判をいただきたい、こう思います。
○北川(昌)分科員 本当に人手不足というのは深刻でございまして、私の近くの村では、外国人労働者を研修生として受け入れてやりたいということで、旧満州、中国まで行った団体もございます。しかし、これはいろいろな法律の中で今阻まれているようでございますけれども、そういう深刻な状況があるということも御記憶いただくと同時に、これは林野庁が試算された森林の公益的機能の評価額といいますか、水資源の涵養とか土砂の崩壊防止あるいは保健休養、野生鳥獣の保護、酸素供給・大気浄化、こういった森林が生み出す機能といいますか、これが三十一兆、これはちょっと少な過ぎるのではないかと思いますけれども、それだけ生み出しているわけでございます。この山を育てるのは、今の山間地域の皆さん方でありますから、そこにやはり財政的に還元をして、これがまた新しく生み出していく、こういうことが大事だと思います。そういった点も含めながら、今山村地域の振興については林野庁、それから国土庁、自治省、こういった省庁で講ずべき施策についての検討を進めておる、こういうお話を聞いておりますので、こういったものも含めて、検討の段階ですばらしい、そして実行できる施策というものがつくられるようにお願いしたいと思うのですけれども、その点、林野庁長官いかがでございましょうか。
○小澤政府委員 先ほど先生の方からもお話のございました新しい芽生え、息吹が出ておるわけでございまして、宮崎県の諸塚村の国土保全森林作業隊のような、若い方々が中心になって、新しいグループで森林の整備や維持に活動していただく、このようなことは私どもも積極的に支援をしてまいりたいと思っておるわけでございます。この森林、山村をめぐります厳しい現状に対処いたしまして、先生おっしゃいました森林の公益的機能、これも確保してまいらなければなりませんし、林業の活性化を図ると同時に、活力に満ちた山村地域の振興を図るという観点から、自治省、国土庁、林野庁の三省庁で森林・山村検討会を設置いたしまして、森林・林業の活性化推進策を初めとしてさまざまな調査検討を進めているところでございまして、つい最近も、これは高知県の嶺北地域、いわゆる山村地域でございますが、現地で検討会も行わせていただいております。 今後とも林野庁といたしましても、施策の一層の充実強化に向けまして、こういう各省連携のもとでの検討会の成果も生かしながら積極的に取り組んでまいりたいと考えております。
○北川(昌)分科員 先ほど森本先生の御質問をお聞きしながら、私も国産材の需要拡大には大賛成でございます。ただ、ことしの正月に私の近くで初市があったわけですけれども、五十年たった径の五十センチぐらいの杉丸太でございますけれども、これが何と値段が四百円から五百円の間。大根二本分。これは全部すべてがそうではないのですけれども、今そういう木材の価格の低迷というものがございます。これではなかなか山から里に木がおりてこないというのも実態であります。 こういった国産材の需要を拡大すると同時に、木材の生産者価格が安定するような施策というものもぜひとっていただかないと、山からどんどん人が離れていく、こう私は思いますので、その点林野庁長官どのように理解されておるのか、お聞きしたいと思います。
○小澤政府委員 木材価格の低迷ということもございますけれども、森林を育成して木材を供給するサイド、いわゆる生産サイドの手取りはやはり低いと思わざるを得ないわけでございます。したがいまして、この対策を講じますためにはいろいろな観点から考える必要がございますけれども、木材の付加価値を高めて需要の開拓を図るということと同時に、林道等の基盤整備を大いに推進させていただきまして、その中でまた高性能の林業機械を活用するというようなこととか、先ほどから申しておりますような地域活性化というようなものも図り、あるいはプレカットというようなこともございます。やはり有効に木材を利用しながら、かつ建築資材を効率的に供給していくと申しますか、これはいろいろな対策が考えられるわけでございますけれども、それが一つ一つ実っていかなければなりませんし、そのような意味でも、さらに私どもいろいろな面から勉強もさせていただいて、森林を整備し、林業で公益機能の発揮ということも支えているわけでございますので、この点につきまして活性化を図りたいということから、今後とも鋭意諸対策を進めてまいりたいと考えております。
○北川(昌)分科員 次に、広域農道の件について一つだけお聞きしたいと思うのです。 農業の近代化、そして構造改善の一環としまして広域農道が登場したわけでございますけれども、この目的は、農産物の流適合理化とか農業経営の効率化、農産物の生産コストの低減、あるいは農村の環境改善、こういうことを目的にいたしまして農業の振興を図ることにあるわけでございます。しかし、実際に現実としましては、広域農道の進捗率、全国的に見ましても大変遅々たるものだと言えると思いますけれども、現在の農業環境の実態を見ますときに、何としても早く広域農道の工事を進めてもらいたい、これが農業者の要望でございます。 今広域農道を含めて若い青年たちが農業に一生懸命取り組んでおるわけですが、この皆さん方が広域農道の整備を待ち望んでいる。もしこれがなかなか進まないとなると、自分たちの息子は農業から離れていくのではないか、農業後継者にならないのではないかという心配もあるわけです。この点についてどのような今後の対策をお持ちか、お聞かせいただきたい。
○海野政府委員 広域農道は今おっしゃったようないろいろな点から、特に若い者が農村に残らないという中で緊急に進めていく必要があるというふうに考えております。ただ、何分にも一本ずつの道路自体が非常に大きなものでございまして、相当に金のかかるものでございますので、おっしゃるとおり、なかなか年数がかかっているというのが実態でございます。しかしながら私ども、広域農道のそのような機能から、いわばほかの事業に優先して予算の確保が必要であるということで、特にこの二年間はいわゆる生活関連枠も相当つぎ込みまして、広域農道の予算を平成三年度で九%、平成四年度で七%と伸ばしてまいりました。今後とも特に農村地域と関係する都市との距離を縮めるというような点に立ちまして、広域農道の一層の促進を図れるよう予算の確保に努めてまいりたいと思います。
○北川(昌)分科員 次に、水産問題についてお尋ねしたいと思います。 大変心配されておりましたクロマグロの問題につきましては、提出国が提案を撤回した、こういうことで一応の決着を見た、こういうことでございますが、大臣初め関係者の皆さん方の御苦労に対しまして心から敬意を表したいと思います。 ただ、今後また新しい問題としてこういった問題が提起されてくるのではないかと心配されます。そういった点、さらに漁業を守る、環境を守るという立場でさらなる御尽力をいただくことをお願い申し上げたいと思いますけれども、今後の見通しといいますか、この問題に対しての新しい提案等が起きてくるような危険性はないのかどうか、一つだけお聞かせいただきたいと思います。
○鶴岡政府委員 なかなか難しい御質問で、お答えが的確にできるかどうかわかりませんけれども、マグロにつきましても、私どもはやはり科学的知見に基づきまして漁業を永続させながら展開するということを基本に対応していきたいというように考えております。 御案内のとおり、マグロ類自身その回遊域が広範でありますし、複数の国が同じ資源を利用するということから、そのマグロの資源の実態あるいは漁業の実態から見まして、沿岸国と漁業国が一体となった国際機関におきまして、資源の適切な保存を図りつつその合理的な利用を行っていくことが必要ではないか。そういう資源に立脚した漁業をやっている限り、ああいう絶滅に瀕する種に属するとか、そういう議論は避けられるのではないかということで、国際的な機関をよりどころに、漁業として性格を同じくする国と協調を図りながら今後とも対応していきたいというふうに考えております。
○北川(昌)分科員 今後とも漁業を守る立場でひとつ頑張っていただきたいと思います。 あとははしょりまして、やはり人手、労働力の問題でございますけれども、実は私の地元に南郷という漁協がございます。かつての漁業の基地でございますけれども、ここでこの七年間に若い船員さんが鋼船に乗りかえた、その数が二百五十二人でございます。それから百八十人が組合を脱会されております。このように、漁船からほかの船に乗りかえる、こういう傾向が非常に強まっております。これは、理由としては、固定給がないあるいは休暇がとれない、こういった点があるようでございまして、鋼船なんかと比べますと、かなり――鋼船なんかはまとめて休暇を一カ月とかとる、こういうのも一つの理由ではないかと思うのですけれども、こうした人手不足、乗員不足は、将来的には倒産を招きかねない問題ではなかろうかと心配するわけでございますけれども、こうした転職の要因は、先ほど申しました待遇、いわゆる環境の問題、それと同時に魚価が低迷いたしておりまして収入が昔のように得られない、こういった点もあるようでございます。 こうした現状というものをしっかりと見つめながら漁業対策というものをしていかなければならないと思いますが、そのこととあわせて、環境の近代化を図ったりあるいはまた漁業をちゃんと守っていく、このためには漁協の基盤体制というものをしっかりと確立しなければならないのではないか。そのためには、合併法もできておりますけれども、漁協の合併、このことを急ぐ必要があるのではないかと思うのですけれども、この二つの点についてお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○鶴岡政府委員 御指摘のように漁業就業者は、国際漁業規制の強化でありますとか、また他産業への就業機会がふえてきた、さらにまた漁業自身の、先ほどお話がありましたように、公海あるいは外国二百海里内で操業する船につきましては、操業期間が長くなるというようなこと、また最近の三Kといいますか、私ども余り自分でそういうことを言わない方がいいのじゃないかと思っているわけでございますけれども、そうい風潮の中で、年々若い層が減少しておるというのが我々にとっても大変な問題であるというふうに認識しておるわけでございます。 やはり基本は、先生お話ありましたように、漁業を魅力あるものにするということ、それからまた住む場所が住みよいといいますか、そのような村をつくっていく、あるいは今言いましたように、賃金の安定、そういう所得の点等々いろいろな理由があるのじゃないかと思います。漁業につきましては、海外漁場につきまして極力、今サケ・マスその他、流し鋼その他いろいろ撤退せざるを得ないような状況になっているわけでございますけれども、これは公海漁業における各国の漁獲努力量がふえてきているというようなことも原因でございまして、何とか資源の調査、再開発というようなことに全力を挙げまして、漁場を一方で確保していく、またとったものの価値を高めていくというようなこともやはり漁民側で、産地側で考えていく必要があるのではないかというようなことを考えています。そういう生産とか流通あるいは漁場確保、漁場の整備等につきまして全力を挙げていきたいと思います。 また、村づくりにつきましても、来年度から美しい村をつくるための予算もかなり計上しておるわけでございます。そういう点で居住環境といいますか、そういう整備をやっていきたいと思います。それからまた、労働者自身は大変だと思いますけれども、やはり汗をかいて苦労して稼ぐといいますか、そういう意味で余り社会的な風潮とか意向が、そういうだめだだめだと言わないような対応といいますか、PRとかそういうことも必要かと思います。それから五十二年ぐらいから漁業につきましても最賃法の適用ということで中漁審等でやっておるわけでございますけれども、そういう制度の運用等によりまして、何とか減少に歯どめをかけ、若い層の確保という点に全力を挙げていきたいと思っております。 それから二点目の漁協でございますけれども、最近の漁協事業を取り巻く情勢というのは、金融自由化の進展とか国際規制の一層の強化とか、急激に変化しますし、また漁協自身が、その漁業者の団体というだけでなくて、地域における存在というか意義というのは極めて貴重なものがあろうかと思います。そういう点から、漁協の規模というのを今のままでいいのかどうか。もう少しやはり財務基盤を確立する、あるいは能率的な事業運営をするために、合併あるいは事業の統合によりまして、その基盤をつくっていく、充実していくのが大切かと思います。現在全漁連の中で、系統内部におきましても、そういう組織の見直しという点から基盤強化を最重点に置きまして検討を行っているわけでございます。私どもも、かねてから合併その他につきまして、それを促進するための助成事業もやっておるわけでございますけれども、全漁連等での検討ぐあいを見ながら我々の中でもそういうことを踏まえた検討を行いまして、漁協の体質強化ということに努めてまいりたいというように考えております。
○北川(昌)分科員 どうもお疲れさまでございました。ひとつ、農業、林業、漁業を守るために、大臣初め両長官、今後の御活躍をお願いしたいと思います。ありがとうございました。
○柳沢主査 これにて北川昌典君の質疑は終了いたしました。 次回は、明十二日午前九時より開会し、総理府所管中環境庁及び農林水産省所管について審査することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時三十八分散会