P政策ポータルPOLICY PORTALウォッチ
123回国会衆議院1992/03/10

予算委員会 第16号

発言数
188
登壇者
27
会派数
5
開催日
1992/03/10

会議録

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これより会議を開きます。  平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。水田稔君。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 まず、大蔵大臣にお伺いしたいのです。  この委員会の論議を通じて、本発言えば、昨年の三月で景気は一つの転機を迎えて下降曲線を描いておりておった、ことしになってそれが顕著になってきた、そういう論議がこの中でもやられて、政府でも景気対策というのを、いわゆる公共事業の前倒し、その他のことが言われ出したわけですね。そういうことを見ると、判断の誤りもあったにしても、これからこの一年間を考えてみると、景気でも、それから普通の、例えば大きな船がかじをとるときに、一たんとりかけると、もとへ戻るのはなかなか、早目に切らぬと戻らぬというような、いわゆる行き足というのがあるんですが、今下降ぎみのを上げるというのは大変なことだろうと思うのです。そういう点からいうと、税収というのは今、当初見積もったよりも減ることはあってもふえることはないだろう。  そういう中で、自民党の与党の有力な方等が、消費税の税率を上げたらどうかというような発言がある、これは政府が言ったわけじゃないのですけれども。しかし、もともとこの消費税をつくるときの論議の中では五%ということがあったわけですから、やるんじゃないか、そういう心配をするのは当然だろうと思う、景気がこういう状況にあるだけに。これは、ひとまずそれは二年前の選挙で、私どもは消費税は廃止、自民党は減税ということで、その約束した減税さえ今守られていないわけですからね。これは、与野党の両方が通らなかったということがあるんですが、そういうことで、それが決着づいていないのに税率の引き上げというようなことは、いかに財源が苦しくなろうともそれはとるべき方策ではない、こう考えるのですが、大蔵大臣はその点についてどういうぐあいにお考えになっておるか、まずお伺いしたいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 今御指摘がございましたように、確かに税収は落ち込んできておるという現実、これは、昨年の、本年度の予算を編成するに当たりましても、私ども平成三年度の税収が相当落ち込むであろうということを実は予測しておったということは事実であります。ただ、それに対しまして、私どもといたしましては、今大蔵委員会の方で御議論いただいておりますように、税制の改正も幾つかの問題についてはお願いを、必要やむを得ないものとしてお願いしておりますし、また公債につきましても、建設国債を増発する等につきまして、私ども、必要な支出というものを抑えながらも、必要なといいますか、支出を抑えながらもそういうものをもろもろお願いしてきたということでございます。  消費税につきましては、もう何回も御答弁申し上げてまいりましたように、両院の合同協議会、ここにおきました合意に基づいて、十月から、議員立法されたものが通った。そしてこの改正というのを円滑に実施することが最も重要と認識しておりまして、いろんなその議論はあります。しかし、私どもは、今三%の税率についてどうこうするといったことは本当に念頭にないということ、そして、消費税の税率の変更というのは国会の議決を要するものである、これはほかの税と同様でございます。  いずれにいたしましても、国民の御理解なしに安易な税率の変更を行うことは考えられないということでございまして、要するに、この税率の変更等につきましては、国民の意向というものをそんたくすると同時に尊重して対応していくべき問題であろう。これは総理も何回もお答えを申し上げておるところでございまして、私どももその姿勢で臨んでまいりたい、かように考えておることを申し上げたいと思います。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 通常の場合であれば、それでまあ、ぜひそういうぐあいにということなんですが、予想する以上に景気の落ち込みというのは大きいということが最近になってはっきりしてきたものですから、財源探しか、例えばこの九二年度の予算でも、本来言えば一年限りという例の湾岸戦争の後始末のものとか、自動車税の問題であるとか法人税であるとか、そういうことがやられておるわけですね。そういう点を見ると、これは財源探しで一番簡単なのは消費税になりますから、その可能性なきにしもあらずという心配をする国民の気持ちもおわかりいただけると思うのですね。今御答弁のように、ぜひその点ではそういうことのないようにお願いしておきたいと思います。  そこで、今御答弁ありましたように、十月から与野党合意による改正で、四月から施行されるわけですが、その中で、特に納税義務者の中で簡易課税制度を使うか使わないかという判断で、特に零細企業の場合は実態が、例を申し上げますと小さな大工さんとか左官さんとかというのは、請負でやることもあるし、あるいはまた日雇いで日当で働く場合もある、あるいはまた納めるのに物を買ってきて納める場合がある。ですから一種、二種、三種、四種の判断をするのに、非常にしにくいという問題があるわけです。手続はこの三月三十一日までにしろということになっているわけです。  これはどこということを申し上げるとまた問題が起こりますから場所は言いませんが、税務署もそういう零細業者に対する説明を一生懸命やっておるわけです。しかし、私が調べたところでも、例えばある税務署が千二百件、とにかく中小零細業者にこの簡易税額表を使うについての説明をするからおいでいただきたい、こう案内を出す、千二百出して集まったのが二百ぐらいですね、約二割。それから、それは何十カ所とこうやって、それを大体見てみると、どこもそのくらいのことなんですね。ですから、周知徹底という点では、これは国税庁が努力してないということじゃないんですが、受ける側が、消費税に対する認識の度合いもあるのかもしれませんが、そういう点で十分な徹底ができてないような嫌いがあると思うわけですね。  そこらを、私は、実際に与野党合意によるこの消費税の施行について、払う側も協力できるような条件をつくるためには若干その手続について期間的な余裕を、一番最初に消費税を施行した場合にはそういう事実上の配慮もいただいたわけですが、そういうことはできないかというのが零細業者としてはみんな思っておると思うのですね。私がいろいろ聞いてみてもそういう状況なんです。ぜひ大蔵省としても、その点は何らかの配慮ができないかということをお尋ねしたいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 今御指摘のございました中小零細企業、特に零細、個人企業ですね、こういった皆様方のお立場というものを、私どもは理解できないことはありません。ただ、この簡易課税制度につきまして、消費者が払った消費税が本当に国庫に入るんだろうか、益税になっているんじゃないかといったような声が消費者の皆様方からも相当強く出てきたということ、そして、国会の中で各議員の皆様方からこういった声も大変ありまして、昨年の十月から実施されました議員立法によって、法改正で、適用限度額の引き下げということで五億円から四億円にしたこと、あるいはみなし仕入れ率をより実態に即したものとするための二区分から四区分に細分化したことなどの法改正が行われたということであります。  なお、今回の改正に当たりましては、そもそも昨年の五月の法律成立から十月の施行までの間にしかるべく周知徹底期間というのがあったわけでございますけれども、改正内容の広報等の努力、こういったものもそういう中でされてきました。しかし、本年三月三十一日までの間は、簡易課税制度を選択するか否かの判断を行うことができる経過措置、こういったものも実は設けておるということでございます。  いずれにいたしましても、法改正があったことも踏まえまして、個人事業者の確定申告期の特例措置を二年間延長することとしておるということでございまして、この点について特に御留意をいただきたいな、ただ、まだ日にちもあることでありますから、私どもといたしましても、できるだけ細かく皆様方に周知徹底して理解をいただきながら、納税に御協力いただけるような体制というものを築いていきたいということは、今この機会にも申し上げておきたいと存じます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 これはいわゆる与野党合意で議員立法のような形ですからなかなか大蔵省難しいかもしれませんが、この改革法の中にも、例えば十七条では弾力的な運営を行うとか、あるいは消費税の仕組み等の周知徹底を図る等必要な施策を講ずるもの、こういう規定もあるわけであります。  今私が申し上げましたように、中央で見ておれば、半年の期間を置いて、言えば周知徹底できておるじゃないか、こうお考えかもしれませんが、先ほど例を申し上げましたのは、現場では、それは現場の税務署も努力をしておるけれども数の多いことで、またそういう点で税制についての十分な理解を、わかり切った人がやっておるのじゃなくて、本当に説明されてもなかなか理解しにくいという人たちもおられるわけですから、そのための周知徹底の配慮をぜひお願いしたいということを要請して、この点は終わりたいと思います。  科学技術庁と動燃事業団おられますか。これはローカルな問題ではありますけれども、ここで起こっておることは全体的な放射性物質の扱いの問題で、これはほかでもこういうことがやられておるのかという思いがするものですからぜひお聞かせいただきたいと思うのです。  動燃事業団の人形峠事業所というのが岡山県の、鳥取県との境にあるわけです。ここで、日本で数少ない、品位は余りよくないのですがウラン鉱石ができるということでここに事業所をつくって実験を続けてきたわけです。ここでこれまでやってこられた事業の経過、これは岡山県民はみんな天然ウランの濃縮実験ということで考えて理解をしてきたわけです。これは県議会やあるいはまた市町村議会の論議等記録を見てみてもそういうぐあいになっておるわけですが、これはどういうぐあいに事業を始めて、そして県なり周辺の市町村、当該の村とどういう環境保全協定を結んで、それから事業の変化に伴ってどういうやりとりが、例えばこの協定を見ると、変更する場合、扱う内容が変わった場合、施設の変更をする場合は了解を求めるという条項があるわけです。  そこらを含めて、事業の変遷と関係県、市町村とのやりとりがどういうぐあいになっておるのかということをまず御説明いただきたいと思うのです。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 お答え申し上げます。  先生の御指摘の点は回収ウランの転換試験に関することと了解させていただきまして、この研究開発にかかわる経緯について御説明申し上げます。  回収ウラン転換につきましては、三段階について計画が進められてまいりました。まず第一段階、これは我々小規模試験と申しておりますけれども、約五トンのウランの弗化物、これを回収ウラン転換基礎試験といたしましてまず行いました。次の段階といたしまして、中規模試験として約三十九トンのウランを弗化物の形で転換するというところまで進めてまいりました。これを我々中規模試験と称しております。次の段階といたしまして、回収ウラン転換実用化試験ということを現在計画をしている段階でございます。  その経緯でございますが、小規模試験につきましては、岡山県、上斎原村及び動燃事業団の人形峠事業所周辺環境保全等に関する協定書というものがございまして、これに基づきまして、最初の小規模試験につきましては昭和五十五年三月十七日に協議を開始いたしました。県御当局及び上斎原村当局とでございます。そして昭和五十五年九月四日付で了解を得まして試験を進め、昭和五十七年度から昭和六十二年度の間に試験を実施いたしました。  引き続きまして中規模試験に移ったわけでございますが、この中規模試験につきましては昭和六十三年四月二十七日に県御当局並びに村御当局と協議を開始いたしまして、昭和六十三年六月二十九日付で了解をちょうだいし、昭和六十三年度から平成二年度の間に試験を実施したところでございます。  そして、最後の回収ウランの転換実用化試験につきましては、平成三年、昨年でございますが、十月十四日に協定に基づく事前の御相談を始めまして、現在この協議を進めているところでございます。国からの核燃料物質使用変更許可及び岡山県、上斎原村からの環境保全協定に基づく御了解をちょうだいした上で試験を開始したいというふうに希望しているところでございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 私が質問したのは、最初の設置したときから、申し上げましたように、これは天然ウランを扱うということで関係市町村も当初は、また県民もそういう理解でこの設置を承認した。ですから、こういう協定書が結ばれていますね。これは天然ウラン鉱石の製錬、転換、濃縮などの実験、技術開発を行うことを前提とした岡山県、上斎原村との環境保全協定が結ばれておる。本当はその内容もここで出してもらいたいのですが、私は持っておりますから時間の関係で省略いたしますが、ですから、もともとは天然ウラン。  これがなぜ岡山では問題になったかといいますと、今回、昨年の十月ですよ、平成三年の十月の県議会で、十月二十五日だったと思いますが、上斎原村で、この人形峠で回収ウランの転換が行われておる、県議会で質問されて初めてわかったわけですね。ですから、今回山県では百九十万の人口の中でやり方がけしからぬという話、これはひょっとすれば県庁職員が県知事にも報告してなかったんじゃないかと思われるようなやりとりもあるわけですね。ですからこういう問題というのは、当初は天然ウランですから、それを回収ウランに変えるということになれば条件が変わるわけですから、関係自治体はもちろんのこと県民にもその実態が説明されるべきだと思う。それが今説明されてないということでそういう運動が起こっておるわけでございます。  そこで、今御答弁いただきました五十五年の最初の小実験といいますか実験のときに、最初の、天然ウランをやるときの協定書というのがありますね。それに基づいてどういう手続がされて、そのやりとりですね、例えば了解を求める文書、それからそれに対して同意を与えたあるいは了解しましたという文書があればその写しを出していただきたいのです。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 先ほど先生に対するお答えの中で、第一回の、最初の回収ウラン転換の小規模試験を実施するために協定に基づき五十五年三月十七日に協議を開始いたしまして、同年九月四日付で了解を得たということを申し上げました。この協議の開始及び了解を得たということは確認をされているわけでございますが、先生ただいま御要求の写しという点につきまして、実はまだ協定書、了解を与えるという文書が出てきておりません。現在、それをなぜないのかということを探求中でございますが、一つ動燃事業団の文書保管規程が永久保存のものとそれ以外に十年を最長といたしまして破棄をすみということになっておりまして、この時点の日付が十年以上たっておりますので、あるいは破棄されたのかなということも考えられますけれども、引き続き、非常に重要な点だと考えますので探し出したい、このように考えている次第でございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 これは一番大事な問題だと思うのですね。天然ウランをやるんだということで県民の了解をとったわけです。それが回収ウランに変わったわけですから、その最初のときにどういう話があったかということ。今最初の答弁では九月の四日ということは言われなかったのですよ、五十五年の三月十七日から協議を始めたということだけで。私は九月の四日という日にちは知っておるわけですが、それならば、それはいずれにもあると思うのですね。  ですから、一つは了解を求める文書、一つは了解をしますという、五十七年のときですか、六十三年の分ですか、六十三年の分は六十三年四月二十七日に動燃事業団の人形峠事業所から県知事に対して出ておるわけですね。そして「これが同意されたのが、了解しますというのが六月の二十九日にこれはあるわけです、文書が。これと同じぐらい大事なものだ。人形峠の事業所を運営するに当たっては基本的な問題ですからね。  これは県でも何回となく詰めたのです。県にも全くないと言うのですね。同じことを言うわけですよ。五年たったら廃棄してもいい、そういう性格のものじゃないと思うのです、これは。基本的にあそこを運営する上で天然ウランから回収ウランに変えた実験をやっていくというのであれば、その基本を認めたことになる文書ですから、永久保存であってしかるべきだと思うのですね。ないというのは、それはそのときには軽く考えて、小実験ですから口頭でやったんじゃないですか、口頭で。じゃないと、九月の四日という日のは何の記録にあるのですか、九月の四日は。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 お答え申し上げます。  九月四日の日付で御了解をいただいたということにつきましては、非常に長い仕事でございますので、途中で経緯を何回も整理をしている、内部的ではございますが整理をしているわけでございまして、その段階で何回もこの九月四日に御了解をいただいたということが記録されているわけでございます。ただ、そのものに関しましては、先ほど申し上げた文書保管の関係からあるいは廃棄されたのではないかなというふうに考えている次第でございますが、引き続き努力いたしたいと存じます。  なお、これも一つの考え方ではございますけれども、協定締結が昭和五十四年七月二十八日でございまして、この第一の小規模試験の御相談を申し上げたのが約半年後でございまして、その半年の間に大きな考え方の変更があったとは非常に考えにくいわけでございます。そういう意味で、当初から天然ウランと回収ウランとの区別というものが、一緒に考えておったかあるいは特に区別して考えていなかったのではないかというふうに我々想定しているところでございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 五十五年三月十七日から協議を始めて九月の四日に合意したと、それはこの記録があって、それの一番大事なそういうもとの環境保全協定に基づいて、変わる場合には了解を求めるという条項があって、それに基づいて出した文書もなければそれに同意をしてくれたという県の文書もないということは、そういう手続をやってないんじゃないですか。同じようなことをやっておるのは、ことしの二月に、これは厚生省から指摘されて、これは六弗化ウランというのは毒物取締法の劇物に指定されておるということを知らずにやりとりしておるでしょう。そして、厚生省から指摘されて、ことしの二月ですよ、これは実験を始めたのは五十何年ですか、五十六年からやっておるわけでしょう。今日まで、ことしの二月まで、そういう手続さえやってない、これは明らかですね。認めましょう。そして、五十五年の最初の分はない、こう言うのです。手続によって廃棄したものだ、廃棄すべきものではないわけですね。だから、やってないんならないと言ってください。  私は、これは県でも確認したし、それから質問する前にも最初のこれはぜひ出してほしいと言ったのです。だから、きょうまで恐らく調べられて、ないということは、出してないんじゃないですか。というのは、私は、一般の国民には知らさぬで、どうせわからぬのだからとばかにしておるのじゃないですか。そういう気持ちが、少々の実験なら、それはまあちょっと電話で言って、大したことはありませんからまあまあ了解してください、こういう話をして、知らぬ県の職員が、知っておるのか知らぬのかわかりませんけれども、まあそのくらいのあれならいいでしょうとやったんじゃないですか。おるでしょう、その時分やった人が、始めた人が、まだ。三十年も五十年も昔の話じゃないのですからね。はっきりしてください。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 御指摘の点につきましては、引き続き努力をさせていただきます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 努力をしますと言って、私は事前に、だから言ったんだ。だから、きょうまでにないということは、それは日本全国を探せと言っておるのじゃないですよ。だから、人形峠の事業所には大事な文書があると思うのですよ。五十五年の三月から九月まで交渉したという記録があるんなら、それについての文書がないということはないですよ。その記録もないはずですよ、そんなに廃棄すると言うなら。これがあって実際に了解を求める文書とそれに対して了解しますという文書が、回答がないというのはおかしいでしょう。県に問い合わせてもそうなんですよ。だから、あなたたちはやってないんでしょう。協定に違反してこういうことをいいかげんなところで口頭でやっておるとしか考えられぬ。  もう一つは、今申し上げましたように、劇物毒物の指定をした、手続をしなきゃならぬものをしないでやる。何か特権的な感覚を持っておるんじゃないですか。

田中久泰動力炉・核燃料開発事業団理事

○田中参考人 お答え申し上げます。  先ほど理事長から御説明申し上げましたように、動燃の内部の記録によりまして、当時人形峠事業所から県と上斎原村に対して協議を行いまして、御了解をいただいたということの記録が別の形でございました。それで、別途実は県の御当局においてもその当時了解をしたということが御確認をいただいております。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 文書はないけれども別に確認できるものがあると言うのであれば、それを出したらどうですか。県は、私、県会議員を通じて本会議でもやらすし、直接担当部とやらしてやったけれども、全くない、こう言うのですよ。それで動燃事業団にあるのなら出してくださいよ、それは。  それからもう一つは、今のこの劇物毒物の指定を受けずにやってきたということについては、どういうぐあいに考えておるのですか。だから、そういうことをやり、片一方では一番大事な、永久保存すべきような事業所運営についての基本にかかわる問題、文書をないままやっておるというのは、許されぬことですよ。  委員長、これは幾ら質問しても、事前にあそこまで言っておるのに出さぬものですから、具体的な回答が、もしくはもうないならないということを明らかにしてもらわぬと、動燃事業団の基本的な問題ですから。――、私は県で確認をして、向こうにもないと、県民自身が県もおかしい、こう言っておるんです。  ですから、この文書があるんであれば、予算委員会の終わるまでですから、最後のところで十分ぐらい時間をいただいて、そこで答弁をいただいて最後の詰めをしたい、この問題に関してのみですね。これは、恐らく私は、さっきから申し上げましたように、ないんだろうと思います。そういう運営が、動燃事業団が国民に対して知らすべからずというような感覚でやっておる一つの証拠だと思うんですね。  この点は、委員長、そういうぐあいにこの問題に対する答弁だけ保留いたしまして、最後に総括ですかの中で十分ほど時間を保留していただきたいと思います。  もう一つは、今申し上げました毒物の製造業の登録をせずにやってきたことについて、これは相当長い期間でしょう。それは当たり前のことなんですか。そこらそ走り回っておるわけでしょう、これを、毒物劇物に指定されるべきものを積んだ車も。それから、もちろんその中でやられておる。そのことはどうなんですか。  それからもう一つは、こういうことがこの人形峠で行われておる動燃事業団の運営について、科学技術庁は一体どういう指導を今日までしてきたあか、それも聞きたいと思います。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 毒物劇物法の関係でございますが、確かに厚生省の御指導をいただくまでこの登録をいたしておりませんでした。ただ、我々は基本的にいわゆる業務をやっているという感覚がございませんで、研究開発の一環であるという考えをとっておりましたので、そのような結果になった次第でございます。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田政府委員 お答え申し上げます。  御質問の後半部分でございます科学技術庁として動燃事業団に何をどう言っておるかということでございますけれども、今御質問の回収ウランの転換あるいは濃縮試験にせよ、それから毒物劇物取締法の登録等々にいたしましても、動燃事業団に対しましては、法令の遵守あるいは関係の方々と十分御理解を得た上で事業を進めるように、これまで動燃事業団に要請してきておったところでございます。  したがいまして、これからも動燃事業団の業務運営に際しましては、地元の御理解と御協力が十分得られますように事業を遂行するように強く要請してまいりたい、かように考えておるところでございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 今の毒物劇物の登録をしないでやってきたことについて、そういう製造業と思わなかった、こう言う。法令を守らせてやらすといって、法令を全く、そんな感覚はないというのですよ。いいのですか、それで。そこが問題。一番最初のときも、恐らく私は文書でなくて口頭ぐらいの了解をとったんじゃないかという感じがするものですから、そういう感覚。それから、これも製造しておる感覚はないから手続しなかった、十年以上にもわたって。そういう人たちにこんな危険なものを扱わせでいいのかどうか。もう一遍科学技術庁、それから動燃事業団、答弁してください。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田政府委員 お答え申し上げます。  法令の遵守につきましては、今ほどお答え申し上げましたように、厳にこれを徹底していただきたいということでございます。  危険性の件でございますけれども、今先生がおっしゃられましたように、なるほど回収ウランは厳密に申しますと天然ウランと違いまして、御承知のようにウラン以外の元素を含んでおることは確かでございますけれども、基本的に天然ウランにほとんど同じ、極めて近いものということでございますので、安全管理の上からはそれほど大きな違いのないものという認識で動燃はやっておったことと思います。  毒物劇物法につきましても、それ自身動燃事業団から転々ほかに出ていくという、そういうものではないということで、そういうことをやっておったわけでございますけれども、これからは関係当局の指導を十分に守りまして事業を遂行するように要請してまいりたい、かように考えておるところでございます。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 先生の御指摘は我々の取り組み方の基本に関することでございますので、今後とも監督官庁の御指導のもとに心して業務を進めてまいりたいと申し上げる次第でございます。  ただ、私どもは、先ほど宿題が残りましたけれども、第二回にはきちんと申請もしお答えもいただいておるということでございますので、何か勝手に事を進めた炉というようなことは絶対にございません。この点だけはぜひ申し上げさせていただきたいと存じます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 今科学技術庁からの答弁の中にありましたけれども、天然ウランと回収ウランでは、入っておるウラン以外の超希元素というのが含まれておるわけです。そうすると、私が一番最初の文書の大事なというのは、天然ウラン扱うのと回収ウランでは含まれておる元素が違うわけですね。これは、最初の協定には物がきちっと指定されて、排水とか排気とか河川水とか大気ダストとか土壌にウランとかラジウムとか弗素とか、こうずっとあるわけですね。当然回収ウランを扱うときには、それ以外のルテニウムとかネプツニウムとかプルトニウム、こういったものが含まれておるわけです。そうすると、それらの環境にどういうぐあいに対応するのかというのが附属文書なり別紙がなんかでつかなきゃならぬですね。ですから、文書がないというのは最初からそんなことはやってないんじゃないか。  それから、六十三年の文書を見ても、その中には限界値が書いてあるだけで、どういうぐあいに環境を守るためにやるかということは全く書いてない。それから、これらのルテニウムとかネプツニウムとか、こういうものは今の、何といいますか、分析技術からいって検知の限界値も非常に高いところにあるわけですね。ですから、そういうことをきちっと納得できるような、県や町村との協定とか、あるいは県民に対して理解を求められるような管理がどういうぐあいにされるかということは、協定書とかあるいはその了解を求める文書の中できちっとしてなきゃならぬ。全くないわけですね。そのことはどうなんです。  それが一つと、それから六十三年の四月二十七日から始めた中間の実験は実際には六十三年の何月何日から始められたのか、そのこともあわせてお答えいただきたいと思います。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田政府委員 まず、御質問の前半の部分につきましてお答え申し上げます。  先生御指摘のように回収ウランに含まれておりますものは、いわゆるトランスウラン元素と称しますところのネプツニウム237あるいはプルトニウム238、プルトニウム239、アメリシウムの241等々が含まれておることが一つと、それから、これも先生今御指摘になりましたように、核分裂生成物とでも申しましょうか、今おっしゃいましたルテニウムあるいはセシウム、セリウム等々含まれていることは御指摘のとおりでございます。ただ、これにつきましては、これもよく御承知のように極めてごく微量でございます。ごく微量でございまして、全体評価いたしますと、環境にあるいは周辺の方々の健康と安全に大きな影響を与えるような量ではないという評価になっておるところでございます。それから存在します元素、これ自身も非常に微量でございまして、一部のものは今の検出器をもちましても検出できない、そういうことであることもよく御承知のとおりでございます。  こういうことではございますけれども、全体、動燃事業団の回収ウランの転換あるいは濃縮の事業につきましては、その事業の結果、周辺の方々の健康と安全に影響を与えることのないようなそういう運営も、これまでもやってきておるものと思っておりますし、これからもぜひそうさせていきたい、かように考えておるところでございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 そういう危険なものが含まれてないとは言われぬ。含まれておるけれども、いわゆる検知能力の問題なんですね。だから、ある程度高いところでも検知できないから存在しないんじゃないわけですね。それから、特にこの中にはウラン湖が入っておると思うのですね。そうすると、これはガンマ線というのは普通の天然ウランに比べて相当危険なことも予測されると思うのですね。しかも、どういう改造をされたのか知りませんけれども、天然ウランを扱う施設でそのまま回収ウランを扱って、一体処理できるのかという疑問もあるわけですが、その点はいかがでしょうか。

田中久泰動力炉・核燃料開発事業団理事

○田中参考人 先ほど先生御質問のございました中規模試験の実施、開始いたしましたのは、昭和六十三年の八月四日でございます。試験を終了いたしましたのが、平成元年の九月末でございます。  それから次に、ただいま御質問のございました回収ウランを取り扱うことによってガンマ線の被曝が天然ウランの場合よりも大きくなるのではないかという御指摘がございましたけれども、その点につきましては、実は今回こういった一連の回収ウランの実用化試験を実施していく際の、試験をする目的の一つになっておりまして、そういった被曝を防ぐための対策を現場の機器等に対して講ずるということによって、従事者に対する被曝を防止することができる技術を、この一連の試験で開発するということでございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 いずれにしても、最初の協定に基づいて了解をとってない、どうもそういう疑いがあるし、それから六十三年の文書があります。六十三年の文書の中でも附属では「放射性物質の分析検出限界値」というのが書いてあるだけで、どうするということは全く書いてないわけですね。ですから、当然これは天然ウランから回収ウランを扱うことに変わった時点で、今申し上げましたような回収ウランの中に含まれるいわゆる超ウランの元素についてどういうぐあいにするかということは、ちゃんとやはり別表でも、従来のような天然ウランを扱うときと同じようなことを入れるべきだと思うのですね。当然そういう点での測定項目にこれらも追加して環境保全協定を見直すべきだと思うのですが、いかがでしょうか。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 ただいまの先生の御指摘を踏まえまして真剣に検討させていただきます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 もう一つは、これは答弁にもありましたように、今いよいよ実用化の実験をやろうということで県なり関係町村との話をしておるようでありますが、再処理回収ウランの転換施設、これについての事業許可の申請書なり補正書は、これは正式に科学技術庁に出すわけですか。出ておると思うのですね。これは今申し上げましたように、幾つか疑念に思われることが、人形峠の事業所と地域住民との間では不信感を持たれるような事態が起こっておるわけですから、これから何をやるかということを明らかにするためにもこれは公表すべきでないかと思うのですが、いかがでしょうか。

坂内富士男科学技術庁原子力安全局長

○坂内政府委員 お答えいたします。  核燃料物質使用施設につきましては、核燃料物質を用いた研究などを実施している場合が多うございまして、そのための使用許可申請書には企業秘密などの情報を含む場合が多いということと、それからまた核物質防護上の重要な情報が記載されているという、こういったことの理由から公開してございません。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 企業秘密ということで危険なことを地域の住民に全く知らせないでやるというやり方はそれでいいとお考えなのですか。少なくともどういうものが回収ウランの中に含まれておるということは明らかにして、そしてそれらの管理がどういうぐあいにされる、それからこの転換の仕事というのは何も全部ノウハウまで教えろというのではないのですよ。これは、変化の基本的なあれはどこも一緒でしょう。それさえも公表できぬということですか。

坂内富士男科学技術庁原子力安全局長

○坂内政府委員 今の繰り返しですけれども、企業秘密などの情報、核物質防護上重要な情報が記載されているということで公表してございませんが、安全に関する理解を得るためという意味で、その内容につきまして企業秘密などに抵触しない範囲で説明するというふうなことについてはやぶさかでございません。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 原子力の平和利用ということで自主、民主、公開という原則があるのですね。公開の原則との関係はどうなのですか。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田政府委員 お答え申し上げます。  原子力のもろもろの事業の遂行に当たりましては、原子力基本法第二条の規定を遵守すべきものと考えておるところでございます。  公開に関することでございますけれども、これは従来、企業機密にかかわりますもの、それからもう一つは、それが公表することによりまして核物質が盗取されるというようなことを防止する観点、核物質防護等の観点にかかわりますものにつきましては公表を差し控えさせていただいておるところでございます。これまでもこのような種類の資料の御要求がありましたときに、まさに企業機密とそれから核物質防護の観点から検討いたしまして、全体の申請書の中からしかるべき格好で調整しながら、いろいろ国会の場でも御議論いただいたこともございますので、それを踏まえましてこれから検討させていただければ幸いと存ずるところでございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 公開と企業秘密との関係で、企業秘密の方が優先ですか。基本的な原則は公開、いわゆる平和利用ということだと思うのですね。秘密にされることによってむしろ国民から信頼されなくなるのじゃないですか。

石田祝稔公明党・国民会議

○石田政府委員 お答えを申し上げます。  その点につきましてはまさに先生のおっしゃるとおりでございまして、いたずらに企業機密に名前をかりまして公開の範囲を制約することにつきましては厳に慎むべきこと、かように考えておるところでございます。それから、もちろん安全性につきまして多くの方々に御理解いただくためにも可能な限り公開していくべきもの、かように考えておるところでございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 公開の原則は認めながら、企業秘密で一切出さぬというのはけしからぬ話だと思うのです。  私は、委員長のところで、理事会で、限界があるかもしれませんけれども、私どもは完全な公開ということを求めますが、そこらを調整して、今申し上げたものの中で出せるものは出していただきたい、そのことをお願いしたいと思います。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 水田委員に申し上げます。  理事会において協議いたします。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 そのようにお願いいたします。  最後に、今冒頭申し上げましたように、人形峠の事業所と県あるいは周辺の市町村、該当の村との話し合いが行われておるわけでありますが、今申し上げましたようにそういう経緯をたどって、一番問題というのは恐らく私は県知事までいかずに六十三年の文書ができたのじゃないかというような感じがするのは、十月の二十五日の議会の本会議で質問をするということが出て初めて、そういうことだったのか、回収ウランをやっておる、県民の中に知れたのはその時点ですからね。だから、五十五年からいうと、これは十年以上はやられておったということに対する不信感が非常に強いわけですね。  それから、最初の協定書が出てこないということ、あるいはまた劇物毒物の製造業の指定を受けずにやってきたこと等、それから六十三年のときのものを見ても、天然ウランから回収ウランに変わってどういう核種のものが出てくるというようなことも十分知らされないまま今日まで来たということに対する不信が強いわけですから、これはぜひ新しい実用化試験をするにしても、これは県民の十分な理解と納得のない限り無理をしてやるべきじゃない、こう思いますが、事業団とそれから監督する科学技術庁の御見解を聞きたいと思います。

石渡鷹雄動力炉・核燃料開発事業団理事長

○石渡参考人 お答え申し上げます。  最大限の努力を払わしていただきます。

谷川寛三自由民主党科学技術庁長官・原子力委員長・宇宙開発委員長

○谷川国務大臣 先ほど来いろいろ御答弁申し上げておりますが、この核燃料のリサイクルの確立は原子力の平和利用を進めていく上におきまして最も大切なことでございますから、私ども真剣に取り組んでいっておりますが、その場合にはもちろん地元の皆さんの御理解と御協力が絶対必要でございまして、人形峠の場合、岡山県、それから上斎原村、地元と協定を結んでおります。私も今までその協定に基づいてやっていると思っておりましたが、今後とも十分協定を尊重しまして、御理解を得ましてやっていく。  それから、先ほどいろいろ資料の公表につきまして問題がございましたが、実はこの間もこういうことがありました。濃縮ウランの研究が完成しまして、聞いてみますと、これ、博士が取れるくらいの大変な研究だったようでございますが、今の機微な研究であるものでございますから博士論文の申請ができない。そういうこともございまして、公表につきましてはいろいろ制限がありますことも御理解を賜りたいと思います。今後ともできるだけ公表いたしまして、皆様の、地元の御理解、御協力が得られるように努力していきたいと思っております。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 長官、私は資料の公表よりも、今回山県でこれまで起こってきたことに対する理解をしてもらって、この扱いというのは慎重に地域住民の理解を得られる最大の努力をしてもらいたい、そういう意味で申し上げたので、ぜひそのように長官も御配慮いただきたいと申し上げて、人形峠の問題、終わりたいと思います。  それから、次は製造物責任法の制定の問題について御質問したいと思います。  総理おられませんから、これは担当の経済企画庁長官を中心にお答えいただかないといけない。場合によっては副総理もお答えいただくことになるかもしれませんが。  これは宮澤総理も施政方針演説の中で、私どももそう思うのですが、これまで考えてみると、企業中心の社会、だから物をつくる側、いわゆる働いておる者を含めて生産する側で物を考えてきた、社会というものを。それが問題になってきておる。そして、消費者や生活者を重視した、効率優先から公正にも十分配慮した社会への転換を図らなければならない。いや実に私どもの考えと全く同感なわけですね。  実際にどうかというと、これは我が党の小岩井さんが独禁法で言っても、なかなか、どなたがブレーキかけるのかわかりませんけれども、なかなかいかない。あれも私は、独禁法も一つは消費者保護であるし、一つは、我が国の産業が競争力を維持しながら国際社会で生きていくために大事な、必要なことだと思っておるんですね。だから、企業経営者もやはり独禁法を嫌がるんじゃなくて、そういう中で本当に国内で適正な競争ができなければ外国との競争に勝てるわけがないわけですからね。そういうぐあいに思うのですが、なかなか進まない。製造物責任法についてもまさにそうなんです。なかなか進まないわけです。  政府の方ではそういう、総理大臣がそれだけの思いを持っているわけですから、製造物責任法について基本的にはどういうぐあいにお考えになっておるのか、まずその点からお伺いしたいと思います。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 今水田委員御指措ございましたように、従来の、どちらかというと生産中心というような姿から、むしろ消費者、生活者という立場にも十分考慮したような姿、あるいはその生産においても、効率だけを優先するという姿よりも、公正という面にも十分配慮したような姿ということを目指していかなければならぬというようなことを総理は施政方針の中でもおっしゃったわけであります。  そこで、この製造物責任制度の問題でありますけれども、この問題は経済社会の変化に対応した被害者救済の実効性の確保と、それから、今御指摘もありましたが、国際化の進展に対応した制度の調和を図っていくというような観点から、総合的な検討を行うことが緊急の課題であると認識をいたしておるわけでありまして、現在国民生活審議会で御審議をいただいておりまして、御案内のとおり、昨年の秋に一応中間報告が出されておるわけであります。その内容はもう十分御案内のことだと思いますけれども、なお関係方面いろいろ意見もあり、また乗り越えなければならないいろんなテーマも実はあるわけでありまして、それらのことを踏まえて引き続き今精力的な御審議を審議会でお願いをいたしておるという段階にあるわけであります。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 形式的に言えばまさに今長官倒答弁になったとおりだと思うんですね。国民生活審議会の消費者政策部会で中間報告が去年の十月十一日行われたわけです。これをずっと読んでみますと、あるいはまた中で審議した、論議をした人の意見聞いてみますと、あの論議なり経過を見ると、まさに最後のところはこういう形でつくるべしという答申が出るのが当然というような文脈になっているわけですね。ところが最後のところへ来ますと、「引き続き精力的な検討を行っていくこととする。」と、こうなっておるわけです。どこで曲がったんだろうかと思うわけですね。  しかもこのことは総理の施政方針演説だけじゃなくて、既に十年から十五年間にわたって、緊急の課題である製造物責任制度を中心とした総合的な消費者被害防止、救済のあり方について検討する、こうやってやってきた。十年から十五年ですよ、緊急と言って。まあ日本の法律では「当分の間」で四十年やっておるのもありますけれども。同じように緊急緊急と言いながら十年、十五年。これは緊急じゃないですよ、もはや。ということなんですね。  ですから、本当にこれが消費者保護の法案として必要だと言うんなら、緊急と言っておるんなら、十年から十五年たってできぬというのはどこに問題があるのか。国民から見ると、一体どこに問題があるのか聞かしてほしい、こう言うのは当たり前だと思うのですね。長官、その点はどこに問題があるのですか。消費者保護というのはもうとにかく長官の所管のあれで、総理大臣も、それはもうまさに今まで生産者の立場で物を考えたが、消費者の立場で物を考えていこう、こう言われておるんですから、ぜひその点で問題点があるのなら、そこを教えていただきたいと思います。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 十分御承知の上での御質問だと思うのですけれども、基本的にこれは、中間報告の中でもさまざまな角度から指摘をされておるわけでございます。  一つは、製品の特性などによっても随分と違うわけでございますし、まあEC指令が既に出されて、ヨーロッパ各国でかなりそういったことが立法化されておる。しかし一方でまた、アメリカなどを見ていきますと、逆に非常に訴訟の頻発とか、そのことが非常に企業活動に率直に言って悪影響を及ぼしておるという実態も実はあるわけであります。そういった中で、本当の意味でそういった消費者の被害救済をどうしていくかということを冷静にいろんな角度から検討していかなければならぬ。今抽象的に申し上げましたけれども、そういった事柄がこの審議会の中の報告の中にもそれぞれ具体的なことが盛り込まれておるわけであります。  必要とあらば多少その辺を申し上げてみたいと思いますが、よろしいですか。まあその点でいきますと、特に「消費者の保護を図りつつ、消費者と製造者等との適切なバランスを見い出すためには、製品の特性等、実態も踏まえ、どのような制度が望ましいのか具体的内容を含めて十分に議論を尽くし、関係者の理解を深める努力をする必要がある。」ということがございます。同時にまた「制度の組立て方によっては、経済的・社会的に大きな影響が出る可能性がある。米国における製造物責任制度の現状については問題が多く、現在、制度の見直しか試みられているところであるが、米国のような問題が生ずることのないよう、今後の調査審議においても、引き続き様々な視点から検討を行うことが必要である。例えば、訴訟件数の大幅な増加といった司法に与える影響や生産・流通構造に与える影響、特に新製品開発の阻害可能性、経済的・社会的制約に基づき不利な立場にある中小企業等に与える影響等についても、重点的な検討が必要である。」と、大ざっぱに大体そういうような指摘もなされておるわけでありまして、それらのことを踏まえて今文字どおり精力的な御審議をお願いをいたしております。  ただ、これはいつまでやるのだね、何年も何年もたっているじゃないかというようなこともございますが、一応私どもは本年の、この審議会の任期が本年中でございますので、本年の秋を目途に、それを十分な濃密な御審議をお願いをし、結論を得たいと思っておるわけであります。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 それぞれ製造物責任を制定する場合の関係の業種がありますから、一つは通産省、それから農水省、厚生省、薬品ですか、それから建設省、それぞれの省庁、今申し上げました四つの省庁で製造物責任法についてどういう御見解を持っておるか、順番はどうでも結構ですから、お伺いしたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 今お尋ねがございましたが、通産省としては、製品事故からの消費者の保護は極めて重要な課題の一つであると考えております。これまでも、消費生活用製品安全法を初め種々の法令に基づく製品事故の未然防止や再発防止、SGマーク制度などによる被害者救済に努めるとともに、各種蒔晶テストや消費者相談を実施しながら消費者保護に努めてまいりました。  また、消費者保護の一層の充実を図るために、昨年の十二月、産業構造審議会に対し、事故防止及び被害救済のための総合的製品安全対策のあり方について諮問を行いました。現在、産業構造審議会では、事故と被害救済の実態、現行制度の評価など幅広く審議をしておるところであり、今後の幅広い議論の中で製造物責任制度についての検討も行われることになるものと考えております。  いずれにしても、製造物責任の問題については、今後の産業構造審議会における幅広い検討結果を踏まえて対処してまいりたいと存じます。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 私どもとしましては主として医薬品の問題でございますけれども、本来企業の製造物責任というのは、善意無過失の場合はこれはそうでもないのでございましょうけれども、私の方は、その医薬品という重大性にかんがみて、善意無過失であっても医薬品副作用救済制度というものでもってこれを救済してきたわけでございます。  そこで、今お話のございますように、国民生活審議会で今度は全部ひとつ見直そうということでございまして、その場合にはこれはどうするかという問題でございますが、現在もそういう制度がございますので、新しくできる制度とどうかみ合うのか、これは私どもこれから検討していかなきゃなりませんけれども、少なくとも幅広い見地からひとつこれは研究をしていきたいと思っております。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お答えを申し上げますが、非常に難しい問題が食糧の場合には多いのですね。まあ特にアレルギーなんか起こす人があります。物によっては、全部アレルギーを起こすかというと、例えばサバなんかは、アレルギーを起こす人があるし、人によっては何でもないという問題もあるし、あるいは漁師がとったばかりの魚は非常に鮮度が高いのですが、それを小売店で売って、売れ残って夕方ぐらいになると生きが下がっている。それは消費者が見ても、だめになっているのかどうかという判断が非常につきにくい。売る方も、まあ小さなお魚屋さんで売っているものですから、これが悪くなっているかどうかという判断がつきにくい。あるいはまあ余り生きはよくないなという程度のことはわかるのでしょうけれども、それで下痢をするとかどうかという判断はなかなかつきにくいということ。それから、最近特に毒物を故意に混入して問題になるというケースもあるのです。  ですから、どこから責任があるかというと非常に難しい。確かに消費者の立場に立ちますと、やはり救済をしてやらなきゃいかぬと思う反面、どうも私どもの方は大体が零細な人たちが商売をしておりますので、そういうことも十分検討してもらわなきゃならぬという問題がありますので、まあそこのところをよく審議会等で議論していただきたい、こういう気がいたします。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 このいわゆるPL法の対象といたしまして不動産をお考えになっているんではないかと存じます。不動産は一品受注組み立て産業という表現を実は聞きましたが、いわゆる請負契約に基づきまして注文者の指示に基づいて個別に建設されるなど、自動車、薬品等と違った特殊性を持っていると考えております。民法上の瑕疵担保責任や不法行為責任等、現行制度でも消費者の保護が図られていると、そのように考えているのでございます。  いずれにいたしましても、経済企画庁等関係省庁と十分協議をしてまいりたいと考えております。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 お伺いして、私は、いずれの省庁も国民生活審議会の結論待ちとか、自分のところから積極的に消費者のためにというあれは今聞こえてこなかった。  例えば農水大臣、難しいのは我々もよく知っておるのです、どこで切るかと。小さなお百姓が葉っぱをつくって持っていったのがというようなことをいろいろ論議しておるわけですけれども、難しいのはわかるのですが、経済企画庁がそういう論議をしながら進める中で、消費者保護ということで我が省では何をしようと、やはりそういうものを持ってほしいと思うのですね。  それから、医薬品の場合は薬害救済の基金があるけれども、これは制度として違いますから、それはいわゆるPL法に適用にはならない。だけれども負担では、薬に対する負担は同じになりますから、そこらはどうするかということは、実は今から、あの制度と、例えばPL法ができる場合の取り組みはどうしたらいいかというのは、もう既に検討されていなければならぬと私は思うわけですね。  それから通産大臣も、簡単に生活審議会のと、こう言われたけれども、だからやっておられるわけよね、通産省は、いろいろなSGマークで。で、今度もそれを強化する。あの新聞を見て、これは通産省はPL法をやらさぬために、うちはこれだけやりますからいいんじゃないかという、どうもそういうスタンスじゃないかという感じがしたのです。それは具体的にどういうことを、SGマークで欠陥商品による被害を今のPL法じゃなしにやるというのは、具体的にはどういうことでやられるのか、ちょっとお伺いしたいのです。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○麻生政府委員 SGマークでございますが、現在八十九品目、いろいろな家庭用品とか乳幼児製品を初め、いろいろな製品に及んでおります。それを対象にいたしまして、昨年はこの中で一品目を追加しております。また、昨年の十一月には、従来の賠償の上限額、これが二千五百万円でございましたが、これを三千万円に引き上げるというような措置でこの制度の充実を図ったところでございます。  今後この制度をどうするかということでございますが、これは、先ほど大臣の答弁にございましたように、産業構造審議会の中で幅広い観点から検討をいたしておるわけでございまして、現在の被害の実態、それに対応した救済の状況、さらに現在のいろんな諸制度がございますが、これを評価するということでございまして、その評価の上に立ちまして諸制度の改善策を検討するという一環の中で考えてまいりたいと思っておるわけでございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 そういうことをやれば、今の通産所管のいろんな商品での被害救済というのはほぼ心配ないようにできる、そういうぐあいにお考えですか。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○麻生政府委員 既存の制度を拡充強化すれば被害の現状の実態から見ましてすべて十分に救済されるかどうかということについて、結論を出しておるわけでございません。これは、今後の実態及び現在の諸制度の評価を十分やった上で、さらにいろんな新しいものを導入する必要があるかということまで含めて考えていきたいと考えておるわけでございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 通産省では、今の消費生活用製品安全法で協会をつくってこれをやっておるわけですね。判定するのはこれは第三者と言うけれども、その協会の職員がやるんですね。ですから、いわゆる純然たる第三者が判定することにならぬわけです。どうしてもやはりメーカー側に近い立場での判断ですから、制度があっても十分な救済ができておるかどうかというのは疑問でありますし、それからこれは、欠陥の要件についても、我々考えておるいわゆる製造物責任の要件とは全く違う判断だと思うんですね。そこらあたりは実際のこの運用の面ではどのようになっていますか。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○麻生政府委員 この消費生活用製品安全法に基づきましては、まず製造段階におきましては、これは安全基準、これを製品ごとにつくるということでございます。これは、この協会に属しております各業界ごとに、業種ごとに、品目ごとにおいてっくるわけでございますが、これにつきましては、安全委員会ということで、学識経験者あるいは消費者、製造業者が集まりまして専門的な審議を経てつくられまして、通産大臣の承認を得るという形で基準ができております。  また、それにつきましては、製造段階におきまして、一般的な工場登録あるいは型式承認あるいはロット認定というような形で、製造段階における、適正に製造が行われておるかというチェックが行われまして、この製品につきましてはSGマークが付されるということでございます。  で、SGマークの付された製品につきまして被害があったという申し立てがありました場合には、この内容につきまして専門家、これは同じように学識経験者を中心に構成されておりますが、そこで審議をいたしまして、必要な対応ということで、先ほど申しましたように、賠償額としましては最高現在は三千万円という形で対応をいたしておるという状況でございます。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 私もこの制度、PL法の検討をするためにいろいろ聞いてみたんですが、結果的にはやはり、消費者の立場でということよりは生産者の立場で被害者にどうするかという基本的な考え方のところがやはり違うんじゃないかと思うんです。  私たちも今検討をしております。この国会中には製造物責任法を出したいと考えて検討しておりますし、公明党の方も早い時期から御検討なさっておるし、できれば野党まとめて出したいな、こういうことで準備を進めておりますが、そういう論議の中でいろいろな業界へ聞いたんです。労働組合、消費者、農協中央会とかあるいは自動車工業会、食品産業センターとか経団連、中小企業三団体、もうあらゆる団体の御意見を聞いたんです。聞いてみますと、こういう制度があるから大丈夫です、もう十分あれができておる、今直ちに製造物責任法までいかなくてもやれる、こういうのが多いんですね。それだけやっておるんならその法律をつくっても同じじゃないですかとこう言うたら、返事はないわけですね。それから、ある業界では被害救済のあれが出ておる。トータルでは出てくる。各社別ではどうですかと、これは困るわけですね。どこの製品がたくさん欠陥があると言ったら困るものですから、出さないわけです。  ところが、通産省の消費生活なんかで調べておるのでもこういうぐあいに出ておるわけですね。最近でも、御承知のように、安全表示に手落ちがあって換気扇の洗浄剤で男の子がやけどをして、主婦連が通産省に指導を求める。やはりずうっとあるわけですね。余り例は出ていませんが、例えば犬のノミ取り粉で首をこうやると、これがかぶれて大変な被害を生ずる。そういう問題というのは毎日のように起こっておるわけです。だから、総理大臣や経済企画庁長官のように消費者の立場でと言うんなら、もうあしたにでも出すような準備ができてなきゃならぬと私は思うわけです。  で、長官言われたように、私どもアメリカのことを調べてみました。そのことが例えば日米の競争力の差になっておるとアメリカで言う人もおりましたけれども、私たちも、いわゆるアメリカのような裁判で何でも決着をつけるというそういう社会でなく、ああいう社会にすることは避けていきたい。そういう中で向こうも、あれは被害を受けたのだけじゃなくてだれが訴えてもいいし、そこへべらぼうないわゆる課徴金みたいなのが取られるような仕組みになっていますから、ああいう制度を見習おうとは思いませんけれども、少なくとも、ECでも既にEC指令に基づいてずっとやってくる、そういうことになれば、逆にまたそういう制度がないことは日本の非関税障壁じゃないかと言われることもあります。それが生じゃなくて、やはり消費者保護という立場で、各省庁さっきお伺いしたら、それぞれがやはり経済企画庁の生活審議会の答申待ちということで一歩下がられておる。そうじゃなくて、総理が旗振っておるんですから、経済企画庁長官も旗振って、それで各省庁がやるとしたらどういうところが問題かというのを、私は本当に率直に、日本の社会がひっくり返るような製造物責任法をつくる必要はない、消費者保護ということで、今までは生産者の立場、企業が成り立つ、あるいはいわゆるそこに働いておる人も含めて生産者の立場で物を見てきた、それを半分消費者の立場なり市民として生活するその立場で見て政策をつくっていこうじゃないか、そういう方向へ変えていくべきだと思うんですね。  私、最後にそういうことを申し上げて、決して一遍に理想的なものはできないにしても、政府なりあるいは与党も御協力いただいて、少なくとも。消費者保護の仕組みができるような日本の社会にする最小限のうったてをつくるような、消費者保護の法律案でもぜひ早急につくりたいなというのが私たちの念願なんですね。ですから、ある程度はそれは業者の方から若干の異議が出るかもしれぬけれども、そこは、これからの社会を考えれば辛抱すべきだというようなことも説得もしていただきながら、ぜひ国会での合意、あるいは政府もそれにひとつ御協力をいただくというようなことで進めていただきたいと思うんです。  ですから、具体的にそのことを、経済企画庁長官が主管の大臣でありますから、もう旗振ってまなじりを決してやる、そういう御答弁をいただければありがたいと思うのです。いかがでしょうか。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 かねてから水田委員、非常に情熱を傾けて専門家としての御勉強をしておられることに、かねてから敬意を表しておるわけでございます。  先ほど申し上げましたように、中小企業の問題だとか、新しい新製品開発への阻害にならぬかどうかとか、さまざまな、実は日本経済全体にとってもまた大事な角度もあるし、またアメリカ型の訴訟社会になってもこれまた好ましくない、いろんな具体的な問題点もあるわけです。しかし、いつまでもそれにこだわっておったんでは一歩も進まない、そういったことを十分わきまえて、そして消費者被害が実効的に救済されるという、これは非常に大事な視点であると思っております。  また、そういったことをやはりちゃんと前提とした上での企業活動が成り立っていくということも大事なことでありまして、そんなことを念頭に置きながら、審議会ということに逃げ込んでいるような印象があるかもしれませんが、しかし、やはりこれはそういう意味で、いろんな角度から今精力的に本当に真摯な検討をして、そして少なくとも、今御指摘ありましたように、ヨーロッパ各国においても次々とそういったことが実施に移され、そして今まだ、さらなる実態調査をしてみる必要があると思っておりますが、それほど訴訟が頻発しておるわけでもないし、あるいは企業コストが一体どういうことになっておるのかというさまざまな角度からさらに入念に精査をし、そして先ほど申し上げましたとおり、いつまでもずるずるしていいものではないわけでありますから、本年秋ごろをめどに、最終報告を審議会からまずしていただく。そして、そこから先、政府としても各省庁もちろんいろいろ意思疎通を図った上でこの問題を、いわゆる生活大国を目指していくという、その基本スタンスにのっとって具体的な方向づけ、そして政府としての結論を得たい、こう思っておるわけであります。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田委員 終わります。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて水田君の質疑は保留分を残して終了いたしました。  次に、辻第一君。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 私は、まず最初に、生産緑地の問題で質問いたします。  生産緑地指定のための申請期限まであとわずかになってまいりました。それぞれの地域で生産緑地の指定の準備が行われてまいりましたが、関係者への周知徹底や申請期限をめぐっては少なくない問題があったと思います。大阪府では、当初、昨年十二月末を締め切りといたしておりましたが、関係の農民の皆さんから期間の延長を求める声が大きくなって、再受け付けを実施することになりました。また、京都府や愛知県など関係各県で延長の措置がとられました。延長されたことはいいことですが、なぜ当初無理な日程が組まれたのか、建設省や関係画治体の大きな責任があると私は思うわけであります。  さて、現在の申請の状況を簡潔に説明をしていただきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○市川政府委員 生産緑地の指定状況につきましては、課税の適正化との関連がございまして、遅くとも平成四年十二月末までに行うということで、現在関係地方公共団体で、農地所有者等の意向把握も含めまして、都市計画の素案の作成を行っております。したがいまして、実は現時点では最終的な全体量は未確定でございますが、ただいまの申し込み状況は、既に三割を超えてございますので、私どもの見通しとしては四割前後までの量になるのではないかというふうな見通しを持っております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 私が調べたところでは、いろいろ地域にアンバランスがあるようであります。その原因といいましょうか、自治体や関係農協その他農業団体の対応が申請状況に大きな影響を与えております。大阪などでは生産緑地指定申請を目指す農業者決起集会などが行われました。東京都練馬区では、区長みずから生産緑地の指定を受けてほしいというお願いをされたということであります。またすべての自治体が申請を終わるまでには多少の時間が残っております。関係農家は、宅地並み課税を選択するか否か、ぎりぎりの選択を迫られているのが実情であります。  さて、改正された生産緑地法は、都市計画の中に都市農地を位置づけておる。都市の緑とオープンスペースの確保の必要性、それに対する農地等の持つ緑地機能に対する期待の高まりは、昨年一月の都市計画審議会でも指摘をされておるところであります。  それに関して、都市の緑被率という指数がございます。都市において望ましい緑被率は三〇%と言われております。ところが、例えば東京都の区部緑被率は五・五%であります。その五・五%の面積のうち五八・一%、つまり半分以上が農地でございますから、生産緑地に指定されないと、すぐにではないにいたしましても一定の期間の間に緑被率は相当落ち込むことになります。多摩地域で見ましても、小金井市、ここは緑被率は三二%、今望ましい緑被率を保っているのですが、この三分の一が農地でありますから、これからまた農地の行方は都市の環境に重大な影響を与えてくると考えます。一方で農地をつぶし、一方で緑化事業を進めるというのが現状でもあります。都市農地を可能な限り残していくことが本当に大切だということではないでしょうか。  生産緑地申請の締め切りまでの期間、わずかでありますけれども、さらに農家に周知徹底をしていただきたい。大体これまでは大変だ大変だという、生産緑地になれば、指定を受ければ大変だ、そういうイメージがどうも強いのではないか、こういうふうに思うわけでありますから、周知徹底をしていただきたい、そういうことを要望をしておきます。  次に、建設大臣にお尋ねをいたします。  先ほど来少し触れましたが、大都市圏の農地というのは、緑の保全でありますとか防災でありますとかあるいは生鮮野菜の供給など、かけがえのない役割を果たしていることは言うまでもないと思いますので、生産緑地の指定申請を毎年受け付けるべきだ、こういう御意見があります。政府にも地方議会からそのような意見書が出されていると聞いております。法律の書き方としては今回に限っているわけではない、そういうことだと思いますので、この意見書の意見、この意見を尊重をしていただいて、農家から生産緑地の指定申請があれば期限を切らないで生産緑地に指定すべきだ、このように考えますが、建設大臣の所見を伺います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 市街化区域内の農地につきましては、昨年の通常国会におきまして地方税法が改正されまして、平成四年十二月三十一日までに生産緑地地区に指定されたものが農地課税となりまして、それ以外のものは農地課税にならないものとされているところでございます。したがいまして、行政上の手続のおくれのために生産緑地地区の指定がなされないことによって農地所有者等が不利益をこうむることのないように措置する必要があるということでございます。  こうした生産緑地地区の指定による、保全する農地と宅地化する農地との都市計画上の区分は、今後の都市の動向を見定めつつ総合的に行う必要がございますが、そのためには一定の時期に一括的に行う必要があると考えるわけでございます。そこで、生産緑地地区指定の都市計画決定手続は、本年十二月三十一日にすべて完了するように指導いたしておるところでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 やはり農民の御意見を尊重して、期限を切らずに生産緑地に指定をする、こういうことをひとつぜひ実現をしていただきたい、重ねて強く要望して次に移ります。  次に、地域改善対策について伺います。  ことしは水平社創立七十周年の年でございます。また、私ども日本共産党は結党七十年を迎えるわけでございますが、部落の解放を目指して力を尽くしてまいりました。この間、国民融合の道を基礎にいたしまして、公正で民主的な同和行政の推進、乱脈、不公正一掃のため全力を挙げてまいったところでございます。既に二十三年間に及ぶ同和行政の進行の中で、同和対策の進行の中で、部落内外の格差も大きく是正がされたと考えます。そこで、特別対策としての同和行政を一般対策へ早く円滑に移行させることを私どもは重視してまいりました。  さて、現行の地対財特法は最終の特別法として国会で全会一致で可決をされ制定をされたということでございます。地域改善対策協議会への諮問に当たっても、一般対策への円滑な移行について諮問されたわけであります。しかし、今回五年延長の法改正が提案をされました。これは、現行法が最終法であるとしてまいりましたが、この方針の変更であります。いつの時点で、またなぜそのように方針が変わったのか、この点についてお尋ねをいたします。

小山弘彦総務庁長官官房審議官

○小山政府委員 まとめてお答えさせていただきます。  昭和四十四年の同和対策事業特別措置法の施行以来、関係諸施策の推進によりまして対象地域の生活環境等の実態、これは相当に改善が進んできましたが、現行の地対財特法、これは昭和五十七年に制定された地域改善対策特別措置法による事業のうち、今後なお継続して実施することが特に必要な事業につきまして、円滑かつ迅速な実施を図るための特別の財政措置を講じ、地域改善対策の一般対策への円滑な移行を図るための最終の特別法として制定されたものでございます。  この五年間に政府におきましては、地方公共団体と一体となりまして、当初予定しました事業が完了できるよう必要な予算を確保し、その実施に全力を挙げてきたところでございます。しかし、昨年の秋に事業実施省庁におきまして事業の進捗状況について精査しましたところ、地元調整の難航や事業計画の変更などによりまして当初の予定どおりに事業が進捗していないということが見られまして、また平成四年度以降いわゆる残事業量が相当程度見込まれた、こういうことがございます。  地域改善対策協議会は、昨年の十二月、現行法期限後の方策につきまして、平成四年度以降の物的事業量が相当程度見込まれており、また非物的な事業の面においてもなお今後とも努力を続けていかなければなもないことから、「平成四年度以降においても、所要の財政措置を講ずべきであり、このため、現行法制定の趣旨を踏まえつつ、法的措置を含め適切な措置を検討する必要がある。」という意見具申を出されました。  政府としましては、これを尊重いたしまして、昨年の十二月の二十日の「今後の地域改善対策に関する大綱」に則しまして、現行法の制定の趣旨を踏まえ、真に必要な事業に限って財政上の特別措置を五年間延長するということを内容としました現行地対財特法の一部改正法案の提出に至ったところでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 それじゃ、残事業量は幾らですか。

小山弘彦総務庁長官官房審議官

○小山政府委員 いわゆる地対財特法に基づく物的事業につきましては、国及び地方公共団体が一体となって事業の推進に最大限の努力をしてまいったというところでございます。しかし、用地の買収が難航していることなど地元の調整に相当の年月を要しているものもありまして、平成三年度中、いわゆる今年度中でございますが、完了することができないと見込まれる事業量があることから、政府といたしましては、各事業実施省庁におきまして、昨年秋に地対財特法に基づく事業の進捗状況と平成四年度以降も実施する必要がある事業量について把握したところでございます。これは、各事業実施省庁が地方公共団体を通じまして事業の実施見通しを把握しましてやったものでございます。  その内容につきましては、地域改善対策として実施することが真に必要であるかどうか、それから実施の見込みが明確であるかどうか、事業の実施によって周辺地域との均衡を失することがないかどうか、このような観点から精査を行ったものでございます。  その結果、平成四年度以降必要な物的事業の事業量は、少し細かく申し上げますと、建設省二千四百六十億円、厚生省八百八十二億円、農林水産省五百二十五億円、文部省十一億円、消防庁十億円の計三千八百八十八億円となっております。  なお、この事業量につきましては、平成三年度が現在も進行中である、こういうことがございます。したがいまして、事業も実施中であります。今後さらに地方自治体との細部にわたる調整が必要になっていくということもございます。したがいまして、この数値が変動することはある、このように考えております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 時間が限られておりますので、できるだけ簡明にお答えをいただき太い。先ほどは残事業は幾らですかと聞いているわけですから、簡単に答えようと思えばもっと簡単に答えられるわけであります。まあ、私どもから見ますと、国が十分進行管理をやってきたのかと言わざるを得ない状況であります。  さらに、国が示した残事業の三千八百八十八億円でございますが、法制時の残事業六千四百四十二億円に対する執行額が四千八百億あるのに残事業量が三千二百六十七億も出た、単純差し引きしましても倍になっている。さらに、政府の言う残事業量には地対財特法制定時に予定した事業量以外の事業量が六百二十一億円も含まれている。この分については執行済みが千五百九億円、合わせて二千百三十億円、つまり法制定時の残事業量の三分の一も額がさらに必要な事業量という、つまり法制定時の事業量の五〇%増しということになります。これは常識で考えにくい数字でございます。残事業量については二兆円などという主張もあります。その概念もはっきりしないのが実情でありますが、その三千八百八十八億円と政府が言っている残事業について、都道府県ごとの残事業量について、また具体的な事業内容をお尋ねをいたします。

小山弘彦総務庁長官官房審議官

○小山政府委員 残事業のさらなる詳細の御質問とお受けいたしますが、物的事業の平成四年度以降事業量として昨年秋に把握しました三千八百八十八億円の内訳を事業別に申し上げますと、建設省関係では……辻(第)委員「いや、そういうことじゃなしに、事業別といったら小集落改良事業とか道路の問題とか」と呼ぶ)そういうことでございます。住宅地区改良事業等につきまして千六百四十億円、既設公営住宅改善事業二十八億円、老朽住宅除却促進事業三億四千万円、住宅新築資金等貸付事業二百三億円、道路事業等二百八億円、公園事業六億六千万円、下水道事業三百七十一億円、それから道路事業等七百三十二億円、地域改善施設整備事業百四十億円、隣保館事業十億円、土地改良事業等四百五十八億円、造林事業一億一千万円、林道整備事業七億円、漁港改修事業二十億円、農林漁業共同利用施設整備事業三十九億円、集会所施設・設備整備事業十一億円、消防施設等整備事業十億円という内訳になっております。  また、総務庁といたしましては、全体的な状況を判断するに当たりまして、全国的に事業がどのように残っているのか、これが大切なことでございます。したがいまして、それで十分と考えておりまして、府県別の事業量を具体的に把握する必要はないのではないか、このように認識しております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 やはり具体的に物を見ていく場合には、そういう事業別だけではなしに各府県別の数字、それをはっきり公表すべきだと私は考えるわけです。きちっと公表しない、そういう姿勢が、やはり私は、公正で民主的な同和行政が、いろいろと問題点があったということにつながっているんだ、どうか府県別のを明らかにしていただきたいと思いますが、いかがですか。

小山弘彦総務庁長官官房審議官

○小山政府委員 データを最後に計量的あるいは客観的に整備をするために、もとになるデータは何らかの手段で集めなければいけないということは事実だと思います。その過程におきまして、私たちは、地方公共団体の方から事業実施当該省庁が個別にお聞きして、まずその案を受けたわけです。それにつきまして関係省庁いろいろ精査をしている、こういうこともございます。あくまでもデータ自身は物を整理するための最もベースに当たるデータということで、当該省庁の事務処理の過程において極めて重要であったわけでございますが、それ自身については私どもは今先ほどお答えしましたような認識でおります。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 私は、先日幾つかの自治体で残事業の実態を聞いてまいりました。福岡県が市町村を対象に実施した残事業調査では、これは調査が幅広くということだったものでありますけれども、市町村によっては運動団体から出た要求をそのまま県に出したり、事業着手の予定の立たない事業をカウントしたり、住民に新築資金のアンケートをとり、それを合計して出すなど、こういうことがあって、残事業と言いがたいものまで出されております。こうして関係自治体から県に上がった事業量は一千億をはるかに超え二千億に至らない、こういう数字でございました。県はこれを基礎に精査して、国に対して残事業量が八百六十億ということで報告をされております。  こうした状況の中で、私はやはり具体的な残事業量を都道府県ごとに示されるべきだと再度強く求めておきます。  次に、この間、同和行政の適正化の問題が大きな課題でございました。昭和六十一年の地域改善対策協議会の意見具申でも具体的に指摘をされているところでございます。この間政府はどのように適正化の措置をとられたのか、簡単に答えてください。

小山弘彦総務庁長官官房審議官

○小山政府委員 要点だけを申し上げますと、いわゆる昭和六十一年地対協意見具申、これは確かに出まして、昭和六十二年度からいわゆる地対財特法の時期に入ったわけでございますが、私どもは地域改善対策に係る行政運営の適正化をより確実なものとするために、昭和六十二年の四月一日付で地対財特法の施行に伴う関係各省庁の事務次官連名で、行政運営の適正化等に努めるよう地方公共団体に対して通知をいたしました。事業実施省庁におきましては、個々の事業運営の適正化について機会あるごとに必要な助言、指導を行ってきたということが一つでございます。  それから、総務庁におきましては、関係各省庁の協力を得まして、法施行前後における地方公共団体の事業の実施状況等の実態把握、これを平成元年の一月に実施いたしました。その結果を踏まえまして、平成三年二月には、関係省庁の局長連名で、事業の見直しと事業運営の適正化に今後とも努めるよう地方公共団体に対して通知をいたしております。  これらの指導等により、徐々にその効果が出てきている、こういうふうに認識いたしております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 いろいろ対策はとられたということはわかりました。徐々に効果が上がっているということでありますが、私もいろいろ実態を見てまいりますと、まだまだ大変ですね。国税や地方税の減免問題は、依然として是正をされておりません。それから個人施策では、所得制限が導入されても、不十分なものが多うございます。私が行きました九州のある自治体では、同和関係者の保育料が実態上全部無料という地域がございました。所得制限を設けておられるのですが、制限額が一定以上高くなって、すべて無料の範囲に入った。これは制限額の問題だけではないと思うのですが、現実そういうことでございます。  地方自治体では、大阪府が大阪府の同和金融公社に無利子、無期限で、大阪府だけじゃなしに大阪府、大阪市、関係市町村です、無利子、無期限で百九億円を貸し付ける。そのうち公社が八十億円を預金やあるいはいわゆる財テクの範囲に入るのでしょうか、そういうものに回して利ざやを上げておられる、こういうことがあります。  さらに、教職員の同和加配というのですか、大阪のある小学校では、五百四十六人のところへ先生は二十三人です。ところが、生徒数が三百三十五人の同和地域の小学校では、何と倍以上の五十一人です。  それから給食の調理員の方でありますが、大阪のある小学校、七百十三人に対し調理員の方は三人であります。そうなりますと、大体一人で二百四十食おつくりになるんですね。ところが、ある同和地域の小学校では、生徒さんは半分、七百何ぼの半分でありますが、調理員さんは何と十七人おられるということです。どういうことなのか。片や一人で二百四十食つくられる、片や一人で二十食しかつくらない。  こういうことが、私がいろいろ具体的に聞いたり調べたところによりますと、これはもう十五年も二十年も前の話かと私最初思ったのです、書類で見せていただいたときは。しかしこれは、今現在こういう状態があるのですね。これでどうして適正な、公正な、民主的な同和行政がやられているのかと言わざるを得ないわけであります。まさに格差是正という地域改善対策の趣旨を大きく逸脱した実態がまだ各地に多く見られるわけでございます。  また教育の現場では、学習会と称する確認、糾弾や狭山学習なども依然として行われております。  現に今回の意見具申でも、適正化について「今日においても重要な課題である。」と言っております。これは国、地方を通じて、この間是正が十分でなかった、逆に言えばそういう証明でもあると思うわけでありますが、今後具体的にどのような是正措置をとられるのか、はっきり説明をしていただきたい。

小山弘彦総務庁長官官房審議官

○小山政府委員 今回、昨年十二月十一日に出されました意見具申が今後の地対行政の一つの柱になっていくわけでございますが、この意見具申におきましては、その部分につきまして、「今後の地域改善対策を円滑に進めていくためには、幅広い国民的コンセンサスを得ることが重要であり、行政施策の公平な適用の観点から主体性をもって行政運営を行うとともに、これまでの行政運営において生じてきた問題点を是正し、適正化に取り組むことが不可欠である。」と提一言されております。これを踏まえまして、政府としましては、今後の地域改善対策に関する大綱におきまして、「地域改善対策に係る行政の主体性の確立」等の四つの課題につきましては、「今後ともこれらの達成に向けて対策を推進する。」こととしたところでございます。  その具体策としましては、行政施策の公平な適用の観点から主体性を持って行政運営を行うとともに、これまで行政運営において生じてきた問題点を是正し、適正化対策を積極的に推進するために、幾つかございますが、十個ほど申し上げます。行政職員の研修の充実、個人給付的事業の資格審査の徹底、住宅新築資金等の返還金の償還率の向上、著しく均衡を失した低家賃の是正、国税の適正な課税の執行、地方税の減免措置の一層の適正化、民間運動団体に対する地方公共団。体の補助金等の支出の一層の適正化、公的施設の管理運営の適正化、教育の中立性の確保、行政の監察・監査、会計検査等の機能の一層の活用等を行うこととしております。この際、関係省庁は、適正化対策につきまして、必要に応じ地方公共団体に対し適切な助言、指導を行うということもあわせてしたところでございます。  今後とも適正化対策を推進してまいりたい、このように考えております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 今いろいろお述べいただきましたが、口では言えるんです。本当に実行してくださいよ。実行できるようにやってください。要請をいたします。  最後に、総務庁長官に所見を伺いたいと思います。  先ほど来、残事業の問題、是正措置の問題、いろいろ地域改善対策についてお話をいたしましたが、一つ一つあいまいにしないで、これまでの問題点や不十分さはきちんと明らかにしていただく。そして本当に国民が納得できる、本当に公正で民主的な同和行政を進めていただきたい。早期にスムーズに一般対策へ移行をさせていただく必要がある、このように考えるわけでありますが、大臣の所見を伺います。     〔委員長退席、中山(正)委員長代理着席〕

岩崎純三自由民主党総務庁長官

○岩崎国務大臣 先生御指摘のように、同和問題は憲法に保障されました基本的人権にかかわる大変重要な問題である、そうした認識を持ちまして、昭和四十四年から実に二十三年間、この長きにわたりまして、特別措置法に基づきましてそれぞれの施策を推進してまいったところでございます。その結果、昨年十二月十一日、地域改善対策協議会から意見具申をいただきました。同対審答申以来いろいろ問題があったわけでございますが、生活環境あるいは生活実態、こういったものが大変改善もし、前進もいたしております。また心理的な差別の問題、これも改善の方向に向かっておるわけでございますが、まだまだ問題は残っておるであろう。そうした成果を踏まえまして、これから着実な進展を図っていきたい、こう願っておるところでございます。  そこで、御案内のとおり地域改善対策という問題は永続的に講じられる性格のものではない、こうした考え方に基づきまして、仕事を迅速に進めまして、できる限り早い時期に目的を達成する必要がございます。そのことによりまして一般対策へ移行できる、そうしたまた願いを込めて現行の地対財特法は制定されておるわけでございますので、その制定の趣旨を踏まえまして、真に必要な事業に限って財政上の特別措置を五年間延長するための法案を提出いたしているところでございます。これによりまして、残された事業の円滑かつ迅速な遂行を図るために全力を尽くしていきたい、一つはそう考えております。  また、今先生から御指摘のございました地域改善対策を適正に推進するため、そのためには行政も、また先生方の御意見に従って行うためには、小山審議官からも答弁がございましたとおり各種行政運営の適正化対策、これを一層積極的に推進をしていかなきゃならない問題であろう、行政の公平という観点からもそのように考えでおるところでございます。  いずれにいたしましても、総務庁といたしましては、二十一世紀に向かって差別を残してはならない、そうした決意を持ちまして、同和問題に対しまして、一日も早くその解決に向けて、関係省庁あるいは関係地方公共団体等々と密接な連絡をとりまして、これからも積極的に推進をいたしてまいる方針でございます。よろしくお願い申し上げます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 ぜひ十二分の対応をしていただきたい、重ねて要望いたしまして、次の問題に移ります。  次に、看護婦問題について質問をいたします。  医療に携わる方の半数を占める、まさに医療の中核ともいうべき看護婦さんが、「人間らしい生活と誇りが持てる看護を」、こういうスローガンのもとに看護婦の労働条件の改善を求めた歴史的な看護婦闘争、ナースウエーブが国民的な共感を呼び起こしたことは記憶に新しいことと思います。本当に国民のかけがえのない命と健康を守る上で深刻な看護婦不足の現状でございます。これは、長年にわたる政府・自民党のいわゆる安上がりの医療福祉行政政策のもとで、医療や福祉の分野で劣悪な労働条件が放置されてきたことに根本の原因があります。さらに、八〇年代の臨調行革路線が拍車をかけたことは明らかであります。  我が党は昨年三月、「看護婦不足を解消し、国民の医療を守るために」という緊急提言を発表いたしまして、その実現に力を尽くしてまいりました。また、昨年三月参議院予算委員会で上田耕一郎参議院議員が、十月には衆議院厚生委員会で児玉健次議員が、看護婦増員、労働条件改善などの問題で質問もしてまいりました。政府は、国民の強い要求に押されて一定の対策に乗り出し、今国会、看護婦確保法を提出をいたしました。国が責任を明確にし、養成力の強化や配置基準の見直し、労働条件の改善、需給、養成計画などを行うなど、抜本的対策が急務でございます。  さて、具体的に質問いたします。  夜勤は二人以上、夜勤回数は一カ月八日以内といういわゆる二・八制度は、これはたしか新潟県から、全医労の皆さんから始まって全国の大きな運動になった。そして、いわゆる二・八闘争という大きな運動になりました。これにこたえて、今から二十七年前、人事院が二・八制度について判定をされたところでありますので、現在どの程度実現をされているのか、また週休二日制はどの程度看護婦さんのところで行われているのか、他の産業は平均して週休二日制どの程度実施されているのか、お尋ねいたします。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 二・八制でございますが、昭和六十三年六月の調査によりますと、三交代制の一般病院につきまして、約四九%が八日以内の夜勤となっております。また、複数勤務につきましては九五%の医療機関が複数夜勤になっております。  それから、後段の週休二日制の実施でございますが、平成元年十月の調査によりますと、病院就業者のうち四四・六%が月二回以上の週休二日制を実施しているということでございます。  それから、民間産業との比較ということでございますが、民間産業調査、これは、規模によりまして企業規模が三十人以上、それから制限なしというのがございますが、これによりますと、月二回以上週休二日制と申しますのが、三十人以上では七〇・八%、それから企業規模の制限なしては三八・六%、こういう数字になっております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 今の四四・六%というのは看護婦さん全般ですか、それとも官公庁関係だけですか。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 医療機関の、病院の全体の平均値でございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 次に、昨年度学校を卒業して就業をされた看護婦さんの数、看護婦業務をやめられた数、再就職をされた人数、それぞれ何人ですか。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 確定しております数字で九〇年、平成二年でございますが、新卒の就業者が五万六千五百名でございます。それから、ナースバンク等を通じて再就職した方が一万二千三百名、ちなみにこの間の離職者が一方、三万六千八百名、こういう状況でございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 非常に離職をされた方が多いということですね、これはまた後で申し上げますが。  それから、九一年での年末の看護婦さんの就業数と政府の考えておられる昨年の需要数と、それからその需給の比率は何%ですか。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 昨年の暮れに新しく看護職員の需給見通しを検討して発表したわけでございますが、これによりますと、平成三年に需要を見込まれておりますのが、九十三万二千名が必要ではないかということでございます。これに対しまして、平成三年の年当初には八十三万四千名の看護職員の方が現にこれは実績として働いておられます。ここに、先ほど申しましたような新卒の就業者が加わり、再就職者が加わり、一方、退職によって四万数千人の人が離れるということ、これは、この後は見通しになりますが、そういうことで平成三年末には八十五万八千人という数事になるのではなかろうか。そういうことで、需要数と年末の就業者数を割りますと、九二・一%という数字が出てくるわけでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 今の数字でちょっと私合計算したら、間違っているかもわからぬのですが、七万四千人ですか、その差は。政府の見ておられる需給の差ですね、そういうことですね。私は、もう実態はとても七万や八万ではない、もっと多いのが本来の看護婦さんの需要の数から見れば姿だと思うのですね。  私も最近、いつでもですが、時々病院へお見舞いに行くことがあります。殊に夜間などお見舞いに行きますと、看護婦さんは、病室と病室の間、患者さんと患者さんの間を言うなら走っておられるというような、そういう状況にあります。また、患者さんからは、そういう看護婦さんの姿を見ておれば、もう少々のことでナースコールを押すのには勇気が要るんだと、私の親しい友達から最近聞いた話であります。そういうようなのが実態ですね。  また、看護婦さんと懇談をいたしましたが、もう平均月に九回夜勤をする、多い月には十二回、十三回しなくてはならないときがある、こういうお話。また、小さい子供さん二人持った看護婦さんが月八回の夜勤をやっておられる。また、妊娠をされますと本当に妊娠異常が多いのですね。そういうお話、大変な実態を聞かせていただきました。  そういう中で、看護婦の皆さん方は、一番よく使われる言葉、ちょっと待ってねということだそうですね。ちょっと待ってね、後で来ますから、もうこれの連続だというのですね。それはそうだと思います。五十人おられる病床に大体二人夜勤が多いわけですから、それもまだできていないところがあるようでありますが、そうなりますと重い数人のところへ、さらにその次に重い数人のところへたくさん行かなくてはなりませんので、もうその次のランクになりますと、ちょっと待ってねなんですね。中には、通られたらそこのところでつかんで放さぬ、今聞いてくれぬといつ来てぐれるかわからぬ、こういう実態があるということであります。  そういう中で看護婦さんは、ぜひ労働条件を改善してほしい、本当に人間らしい生活ができる労働条件にしてほしい、それは二・八、週休二日制、もちろん産休、育休、こういうものの充実をやってほしい、と同時に自分が納得できる、本当に自分が納得でき、患者さんも納得していただける、そのようなまともな看護がしたいんだ、誇りの持てる看護がしたいんだ、こういう切実な願いでありました。  実は私も、昭和五十六年、十一年前に、国立病院の問題を中心に決算委員会で質問をしたんです。当時二・八、まだまだ国立病院では大変な状況でありました。当時の質問の中を見てまいりますと、五十六年は国立病院では一〇〇%、療養所では七五%を目標にするということでした。奈良の国立病院では二人夜勤の割合が七八%で、療養所であります結核や筋ジスのあるところは六四%くらい、そういうようなのが実態でありました。それから病院では、六つある病棟のうちの三つが一人準夜勤、こんな古いことを言ってみても仕方がないのですが、そういうことでございました。  私は、そのときに、何としても看護婦さんをふやして二・八を早く実現してくださいよと、ちょうど当時は園田直厚生大臣でございましたけれども、国立病院だけの問題ではございませんよと、本当に日本全体の看護婦さんの問題として十分な御対応をいただきたい、こういうことを訴えました。また保育所の問題も、このときに、本当に保育所を立派なものをつくって十分な看護婦さんの労働条件、生活条件を守ってくださいよ、こういうお話も、訴えもしたことがあるわけであります。このときには、後でちょっと触れたいと思うのですが、さあ時間があるかどうか、賃金職員の皆さんのことも、あるべき姿ではないということできちっと常勤にすべきだ、こういうことを申し上げてきたわけであります。  そういうことでありますが、私は、やはり看護婦さんを充足するにはまず養成の問題だと思うのですね。それから、看護婦さんがおやめにならないように労働条件やあるいは保育所や住宅や宿舎など、そういう条件を改善をする、こういうことですね。もう一つは、やめておられる方をどう再就職をしていただくか、こういうことに尽きるのだと思うのですが、看護婦さんの養成というのはやはり非常に大事な問題で、私は基本的に今日まで国が、公的な立場が、十分責任をとってこなかったと言わざるを得ないのです。そういう中で、本当にきちっとした看護婦の養成ですね、そういう学校の建設計画もつくっていただきたいと思いますし、先生も増員していただきたいと思いますし、それから看護学校の経常経費ですね、この助成を十分の五まで上げていただきたい、このように思います。  それから、看護婦さんの修業資金の枠をもっと広げて、貸与額を大幅に引き上げていただきたいと思うのですが、時間がありませんので、この大部分を養成だけにいたしまして、看護婦さんの修業資金の枠を広げて、額を広げていただきたい、このことについて簡単に御答弁いただきたいと思います。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 御指摘いただきました各般の施策を総合的に実施して看護婦の需要に対してこたえていきたいと思っておりますが、殊にお尋ねの就学資金制度でございますが、これも平成三年度におきまして、貸与人員枠を一応九千五百八十名から一万三十四名に拡大したのに引き続きまして、四年の予算案におきましても一万三十四名から一万二千三十五名へと拡大したい、そういう方向で対処しているわけでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 次に、看護婦さんの配置基準の問題でございます。  患者四人に看護婦一人というのは、もうこれは何十年も前から変わらない。医療はどんどん進歩し、医療の内容が高度化し複雑化しているのに、これが続いているわけであります。私ども、当面三人に一人の基準に改める、国は年次計画を策定をし、患者二人に看護婦一人を最低基準にすべきだと私どもは強く要望するわけでありますが、いかがですか。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 現在、医療法におきまして、医療職員の配置の標準というのが決められているわけでございまして、これを手厚いものにして医療供給の質を上げたいということでございますが、看護婦さんの絶対数が足りないということがございまして、まず第一番目に看護の職員をふやす施策をやっていく、それに従って配置基準についても見直しのできる時期が来る、このように思っております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 自民党の皆さんの席が大変少ないということは遺憾でありますが、質問は続けます。  次に、看護婦さんの労働条件の改善であります。  幾ら養成をされても、今の労働条件あるいは生活にかかわる条件では看護婦さんがやめていかれる、またこういう状態では、将来はもちろん子供さんも減ってくるわけでありますが、看護婦さんになられる方が私は今のままでは大きく減少する、そういうふうに思わざるを得ないわけであります。  看護婦さんの仕事というのは本当に大変だと思うのですが、御家族の御苦労たるや大変ですね。私は、「看護婦を妻に持つ夫のささやかな要求」、こういう文書を見せていただいて、私も長い間医療に携わってきたのですけれども、改めて涙をしたということでございます。   結婚して十五年。私は、ひたすら「看護婦の夫」を務めてきました。子育てから炊事まで、家事はすべて妻と平等。おかげで、私の料理の腕も、今ではもう、ほとんど作れないものはないほどに、上達しました。こういうことでしたが、妻が夜勤の夜、どうしても泣きやまない赤ん坊を抱いて、白々と夜が明けるまですわっていたこともあります。深夜、熱を出した子どもの枕元にすわって、「こんなとき妻がいてくれたら」、と思ったことも度々でした。妻が夜勤の朝は、子ども達に朝食を作り、保育園へ送っていかなくてはなりません。泣いて後を追ってくる子どもを振り切るようにして仕事に出かけた日々。私も当直のある職場だったので、妻の夜勤と重なった日など、こっそりと子どもを当直室へ運れていって、おしめを替えながら、子連れ当直をしたことも幾度かあったのを覚えています。本当に自分が泣きたいような日もありました。 こういう手記であります。もう看護帰さんだけではなしに、その家族の方、子供さんがどんなに苦労されているのかということであります。  私はそういう意味で、何としても、夜勤は複数以上、月八日は最低限です。月六日、こういうことをぜひ目標にしてやっていただきたい。二人以上、月八日以内は最低限の基準にしていただきたい、こういうことであります。また、夜勤者の休憩、仮眠時間を確保できるような要員を確保していただきたい。それから、夜勤をした人が手が足らないと、さらに延長して時間外労働をやるとかあるいは連続勤務をやる、こういう場合があるのですね。こういうことはぜひなくしていただきたい。それから、看護婦さんの年次有給休暇は最低二十日ですね。それから、夜勤に従事する看護婦さんは政令で定める特別休暇を保障する。また育児休業の確保、年老いた親などの介護のための介護休業、こういう問題ですね。いろいろ私は申し上げましたけれども、ぜひ十二分にやっていただきたいと思うわけであります。  それで、外国の例ですね。やはり日本に比べますと、もうそれは全体の労働者もそうでありますけれども、格段に対応が違うのですね。例えばフランスでは年次有給休暇は五週間、三十五日ですね。育休は三年ですね。十六週の産休です。イギリスはやはり年休は五週間、育児休暇は五年間ですね。オーストラリアは年休は一般労働者が回ないし五週間でありますが、看護婦さんは夜勤や交代制でありますから特別に七週間ということであります。スリランカという国があるようでありますが、年総労働時間は千六百八十八時間ということですね。  こういうふうに見てまいりますと、日本の看護婦さんの労働条件を何としても早く改善をしていただきたいということであります。複数以上はかなりできてきておるわけでありますが、月六日以内ということを目標にしていただきたいと思うのですが、大臣いかがですか。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 やはり看護婦さんの仕事が非常にきつい中の大きな原因として夜勤回数と言われておりますが、現在、先ほど御説明したかと思いますが、平均で八・二回ということになっておりますが、これはあくまで平均値でございますから、半分が八回を超えるという現状でございます。このためには、この回数を減らすためにはどうしても病院の看護婦数の絶対数をふやすということが先決問題でございます。その努力を現在全力投球しているわけでございまして、ちなみにこれの見通しは、私、ある程度この総合的な対策によってできるということで、数値を申し上げますと、平成二年には百床当たり三十五・九人という状況でいっておりますが、この需給見通しを完全に行うことによりまして、この数が平成十二年には四十八・二人まで高まるということで、この努力をすることによってその諸般の労働環境も改善されてくるというふうに思っております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 再就職の促進の問題も今度の看護婦確保法の中で一定の対応がとられる。国、都道府県はナースセンターを設立をされる方向でありますが、きちっとナースセンターを設立をし、登録者への定期的な情報提供を行うとともに研修制度を設けて看護婦さんをぜひ再就職しやすいように努力をしていただきたい、これは要望をしておきます。  そういう状況の中で、先ほどちょっと触れられたように思うのですが、看護婦の需給見通し、これを平成元年に一度つくられたですね。それをゴールドプランの策定や勤務条件改善などということで昨年十二月に見直しをされましたね。私は、この見直しというのは、端的に言いますと、当初は平成六年にバランスを合わすんだ、こういうことでしたね。それが今度は平成十二年ですか、西暦二〇〇〇年に百十五万九千人ということで需給がバランスがとれる、こういうことでありますけれども、これは六年にやると言われたことを十二年まで延ばされたということですね。今の看護婦さんの状況というのは私は、そんな先延ばしをして、それまで辛抱してくださいよというような状況でないと思うのですね。  そういう意味から見てまいりましても、それから先ほど来申しております、本当に誇りの持てる看護、人間らしい生活ができる、こういうためには大幅な人員増が必要だし、夜勤の三人、四人、これをもっともっと必要だと思いますし、夜勤は月四日以内という状況にしなくてはならないと思うのですね。ある団体、国民医療研究所では少なくとも今すぐ百五十万人必要だ、こういうデータも出しておられるわけであります。  そういう上で、この看護婦需給見通しの見直しというのは現行の標準員数を前提としたものであり、また看護婦さんの再就職の問題とか労働条件の改善の問題とか、そういういろいろな問題について現実の実態や要求からほど遠い、真の解決からほど遠い、こういうふうに考えるわけであります。そういうことを私は抜本的に見直す必要がある、このように考えるのですが、簡単に答えていただければありがたいと思います。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 一点、前回つくりました需給見通しよりも西暦二〇〇〇年、平成十二年に向かって先送りをしたんじゃないかというようなことがございまして、抜本的見直しが必要だということでございますが、決してそうでございませんで、前回のとき策定した、平成六年では九十三万五千人必要だと言っていたものを今回の見直しでは百三万四千人必要だということで、前回よりも目標をさらに高くして努力をしていこうということになっておりますので、今回の方はその需要にこたえた見直しであろう、さらにその時期をもう五年延ばして二〇〇〇年までやっていくということでございます。  それから、実態に見合って抜本的に見直すということでございますが、これは各般の施策を盛り込みまして各都道府県から現実に積み上げてもらった数値をっくったわけでございますので、現段階ではこの実現を図るということに全力投球すべきだと考えております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 時間がありませんので、いろいろ議論をしたいわけでありますが、今のはいいんだと。前回はひどいですね、それは。今回はいいんだとおっしゃるのですけれども、やはり現実の要求、実態とはほど遠いと言わざるを得ないものがありますね。十分見直していただきたい、要望して次に移ります。  それから、次に、保育所の問題、これでお尋ねをいたします。  奈良市内のベット数百の中小病院の院内保育所は約六十名の子供が利用しております。この院内保育所は産休明けから、休日、病児を含む二十四時間体制で、保護者は認可保育園と院内保育所の両方を利用しています。泊り保育の子供を認可保育所へ、夜勤勤務の看護婦の子供を認可保育所から院内保育所べなどの送迎は病院が行っている。  病棟婦長のAさん、四十二歳は看護婦歴十五年のベテランでございます。看護学校を卒業し正看護婦として四年目に結婚。結婚一年目に第一子、その翌年に第二子、三年の間があって第三子を出産。産休明けから勤務をし、出産後六カ月から当直勤務にも入り、一貫して病棟勤務を続け、五年前に病棟婦長に。「なぜがんばってこれたの」との質問に、彼女は開口一番、   初めての育児のときから、ベテランの保母さんに見てもらえて、離乳食なども本当に安心だった。病気のときも見てもらえたし、当直明けのときも、子供は院内保育所から認可保育所に連れていってもらっているので、仮眠をとってから夕方子供を迎えにいけばよいので、疲れ切って、ということもなかった。仲間と同じように泊まり勤務もできるので詰所のチームワークもとれ、特に未婚の人に負担がかかるということもなく、お互い気持ち良く働けた。 このように言っておられるわけであります。  若い看護婦に不平等な負担がかからないこと、先輩看護婦の奮闘が若い看護婦に、結婚しても、子供を産んでも働き続けることができる、こういう展望ともなり、当事者だけでなく全体の定着率を大きく引き上げ、この病院では平均勤続九年、こういうことです。私も二十年ほど前に、本当に小さい院内保育所をつくって、苦労したというとおかしいですけれども、いろいろ問題があった、苦労した覚えがあるんですが、しかし本当に大事なものですね。  政府はいろいろ、九一年度からこういう問題で御尽力をいただいているわけでありますが、実際かなりふやしていただいたんですけれども、実態としては運営費のやっぱりせいぜい三割程度でしょうか、今度上がって。私の知っている、これは深夜もやれる保育所でございますが、大体運営費、平成三年の見込みで設置者負担が千九百四十万円、補助金が三百五十一万円、父母負担が百五十九万円ということであります。ですから本当に大変なんですね。ですから、もっともっとこの保育所というものを重きを置いて見ていただいて、さらに積極的な対応をとっていただきたいと思いますが、簡単に答弁をしていただきたいと思います。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 院内保育所の設置というものが看護婦さんの定着のための非常に大きな手段でございまして、平成二年から平成四年に向けて六百カ所から八百カ所と補助対象をふやし、さらには保育時間の延長を十時間プラス四時間プラス八時間、こうやっておりますので、この施策を続けてまいりたいと思っております。     〔中山(正)委員長代理退席、委員長着席〕

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 次に、看護婦さんの宿舎の問題でお尋ねをいたします。  これも病院の近くに、個室ですね、そういうことでいいものをつくっていただく、そのためにぜひ補助もしていただきたい、ふやしていただきたい、こういうことをまず最初に要望しておきます。これはいろいろあるんですね。最近の民間では看護婦さんを何としても定着をしてほしい、来てほしいということで、ワンルームマンションを借りたり、そういうところもあります。古いのや、いろいろあるわけでありますが、大変これも努力の要る問題だと思うんですね。  そこで、国立療養所の看護婦宿舎のことでございますが、私もちょっと二、三見せていただいたんですが、端的に申します。クーラーをつけてほしいという要望が強いんです。仕事から帰ってこられますと、それはもう夏、どんなに暑いことか、鉄筋の宿舎でありますから。そして一階はあけるわけにいかないんですね、帰ってきても。若い看護婦さんが一階の看護婦さんが窓あけるわけにいかない。どうしても宿舎をつくってほしいという要望があるんですが、いかがですか。

寺松尚厚生省保健医療局長

○寺松政府委員 先生には国立奈良病院、松籟荘を御視察いただきまして大変どうもありがとうございました。いろいろその際御指摘をいただいたようでございまして、いろいろまた参考にさせていただきたいと思うのでございますが、今先生の御発言でございますけれども、せっかくでございますけれども、実はこれは公務員宿舎全般に言文ることでございまして、クーラーは一応個人負担、こういう建前になっております。また、その均衡上、看護婦さんだけやるというのはなかなか難しい、こういうことでございますので、御理解をいただきたい、このように思います。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 まあそんなつれないことを言わぬと、将来十分検討していただきたい。重ねて要望をいたします。  看護婦さんの労働条件、生活条件にかかわる問題を充実をしていって、何としても看護婦さんを確保していく、看護婦さんも生き生きと仕事をしていただいて、患者さんあるいは本当に医療が守られる、そういうことをやるためにはやはり原資が要るわけですね。今日の医療というのはまさに保険医療でありますから、診療報酬というのが非常に大きな役割を占めておるわけです。そういう中で八〇年代の十年間、診療報酬は二・六五%しか上がっていない、こういうことですね。そういう状況の中で、今医療の経営は非常に困難になっております。自治体病院でありますとか官公立病院も大変だと思います。  もう時間がありませんので聞くことができないのですが、国立病院・療養所ですね。療養所はいろいろ収支の点で難しいことがあろうかと思うのですが、病院関係では、これもいろいろあるのでしょうけれども、これはむろん土地は国のものですし、建物とかこういうものは償却をする必要がないというふうに聞いているのですね。ところが、収支という面でいきますと足りなくて一般財政から負担をされている。それはそういうことでしょうか。イエスかノーぐらいで答えていただければありがたいのですが。

寺松尚厚生省保健医療局長

○寺松政府委員 国立病院・療養所の収支の状況についての御質問でございますので、私からお答えさせていただきたいと思います。  現在国会に提出しております平成四年度の国立病院特別会計予算案についてでございますけれども、歳入につきましては、診療報酬改定による増を含めまして対前年度二百五十三億円の増を見込み、七千十二億円でございます。歳出の方はどうかと申しますと、人件費アップや借入金の償還等によりまして四百七十一億円の増を見込み、九千四百十八億、こういうことになるわけでございます。  近年、国立病院・療養所の場合は入院患者等の減少が見られまして、そして診療収入が減を生じておるというような実態がございます。それからまた人事院勧告によりまして人件費の増額ということも行っておるわけでございまして、一般会計から特別会計への繰り入れと申しますか、受入額は二千四百六億に今なっておる、そういうことでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 一般の民間病院、殊に中小の病院というのはもう経営が大変なんですね。そういうことが看護婦さん不足を来した要因の一つでもあると思うのですね。いわゆる診療報酬が低く抑えられてきた低医療費政策、そこでの医療の経営困難、それがまた看護婦不足、こういうことになってきていると思うのですね。それから看護婦さんの技術や労働を正当に評価する、こういう看護料がなかったということですね。今度は診療報酬の改定で看護料を上げていただいた。大幅に上げていただいた。また、白内障の人工水晶体の、いわゆる眼内レンズの挿入の保険導入やいろいろ前進面もあるわけでございますが、しかしこの看護料の引き上げの問題でも、中小のところは非常に少ないのですね。  それから中小の病院は外来のいわゆる診察指導料というのですか、こういうものが削減をされたということであります。それから、もちろん薬価の基準が下げられる、こういうことで、私ずっとたくさんいろいろお聞きをしましたが、非常に多くのところで結局この診療報酬が上がったといいながら実際はマイナスだというのですね。非常にマイナスだ、どうするのか。四月から上がるわけでありますから、もう看護婦さんの増員だとか労働条件の改善なんというようなところまで頭がいかぬような状況に今入っているわけであります。  そして今度の診療報酬の改定というのは、今国会でまだ審議されていない医療法の改悪の実質的な先取り、そういう問題、あるいは自由料金、差額徴収の拡大、こういう問題もあるのですが、これは横に置いて、これで本当に中小の医療機関が、病院が看護婦さんの対策を十分にできるのかと私は言わざるを得ないわけであります。  今、これは厚生省からお聞きしたんですが、百床未満の病院が四千五百三十九、百床から二百床未満が二千六百三十四、二百床から三百床が千三百六十一、三百床から五百床が千七十三、五百床以上が四百八十九ということですね。全部で一万九十六。これは平成二年の数字だったと思います。こうやって見ますと、二百床以内でも七千百七十ですね。日本の医療の中で、過去から現在に至るまで中小の病院の果たしてきた役割、非常に大きなものがある、私はそう思います。  今そういう中で、国民の命や健康を守るために一生懸命頑張ってきた中小の病院が、こういう診療報酬の状態でどうして国民の医療を守ることができるのか。また、看護婦さんの、今言われている増員や労働条件の改善ができるのか、私は言わざるを得ないわけであります。先ほど来いろいろお尋ねもしたし御答弁もありましたけれども、政府は、この看護婦の労働条件の改善や増員を努力されているわけですね。一応そういうことであります。看護婦確保法もつくろうとされているわけであります。そういう一面、不十分でありますけれどもそういう一面がありながら、一方では、現実に中小病院は、こういう診療報酬の改定では全くやれないんですね。そういうことがやれない。これはどういうことですか。  私はこういう問題で、朝日新聞も、いろいろな団体が一〇%以上引き上げを要望している、そのことについて、それは当然だ、そういうような論調も出しているんですね。やはり私は、こんな診療報酬の改定では、もうとんでもない内容だ、どうしてもすぐ、看護料も部分でいいますと外来とかあるいは手術のところですね、こういうことも含めてこの診療報酬の再改定、本当にまともな医療ができる、本当に看護婦さんを増員し労働条件を改善できる、そのような診療報酬に変えていただきたい、これは厚生大臣にお尋ねをいたします。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 おっしゃるとおり、この中小病院の地域医療に果たす役割というのは、私も大変重大な問題だと思っております。そこで、今回の改定で特に中小病院のためにいろいろな措置を講じることにいたしておりますが、外来の慢性疾患患者に対する指導料を診療所のほか二百床以下のところに算定できるようにしております。それから、訪問診察料、訪問看護あるいは指導料の点数を今度は大幅に引き上げるということでございます。  それからもう一つ、やはりスタッフを、中小病院がややもすればスタッフがそろわない、こういう点に特に配慮しながら、スタッフを確保することに対して特に指導をし、また、我々も心がけてまいろうと思っておりますし、また、看護対策につきましても十分考慮してまいりたいと思っております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 今の答弁は、厚生大臣、大変残念な答弁ですね。厚生大臣、もっと熱意を持って答えてくださいよ。  そのスタッフ云々というようなお話がありましたけれども、それは、スタッフを調える、そろえる、看護婦さんもそろえるためには、それはお金が要るんですよ、現実に。国立病院さんでも、さんでも、言うたらいかぬですが、ああいう有利な条件の中でも、まあ不利な条件もあります、それでも一般財政から繰り入れをしなくてはならない。民間はそういうものがないわけですからね。それが四月からこういうのに変わるわけでしょう。四月から減るわけです。どうなりますか、これは本当に。  それから、ぜひひとつここのところは、本当に厚生省が、看護婦さんの問題だけで言ってもその不足を解消し、労働条件を改善をし、まともな医療ができるようにするためには、この診療報酬ではどうにもならぬということははっきり申し上げておきます。再度きっぱりと、この診療報酬をまともに改定をしていただきたい、強く要望をいたします。  それから、国立病院・療養所の――あともう三分しかないんですが、二分前にやめようということでありますのであと三分しかないんですが、国立病院・療養所の現在の看護婦さんの数、それから来年度の増員は何人見込んでおられるのか。それから、賃金職員はどれぐらいおられるのか、いわゆるパートというんですか、そういう看護婦さんは何人おられるのか。まずそれを聞かしていただきたいと思います。

寺松尚厚生省保健医療局長

○寺松政府委員 お答えをいたします。  国立病院・療養所の看護職員は、平成三年度で二万九千三百四十二人でございます。それから、四年度におきます増員でございますけれども、三百三十二人の増員をしたかったわけでございますが、定員削減が三十人ございますので、三百二人というのが増でございます。それから、病床削減をやっておりますので、そのマイナス分は七十六人でございます。  それから、賃金職員のお話が出ましたが、私ども、賃金職員と申しますのは、昨年十月一日現在で申し上げますと、産前産後等の休暇に伴う代替要員を含めまして五千八百人、それから、正規職員四分の三以下の勤務時間、そういう勤務の形態をとっておりますのをパートタイマーと呼んでおりますが、約六百五十人、こういうことでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 今お話を聞きますと、もう時間がありませんね、賃金職員という正規の職員でない方が、実際は本当に常勤の仕事と同じ仕事をされているわけですね。僕はこれ、十一年前もこの問題、取り上げたんです。園田さんは、何とかしたいんだけれども何とかできないんだ、こういう答弁だったわけですが、この看護婦さんのいわゆる労働条件の改善あるいは社会的な地位の向上の問題、いろいろあります、時間がありませんけれども、そういうことをやらなくてはならないというときに、正規の職員とそんな同じ仕事をする、その人がおらなければ正規の仕事ができない、こういう賃金職員が、二万数千の中に五千人でしたか、五千人ほどある。こんなことでどうして、国がこんなことをやってどうして看護婦さんの地位向上や待遇の改善ができるのか、私は言わざるを得ないわけであります。  厚生大臣、どうですか、こういう点。本当に厚生大臣が、政府が、看護婦さんを増員をし、待遇を改善し、地位を向上させるためにはこんなことではどうしてもだめだ。はっきりこの問題を解決するために努力していただきたい、このことをお願いをして、質問を終わります。

寺松尚厚生省保健医療局長

○寺松政府委員 先生の御質問でございますが、御承知のように、賃金職員と申しますのは、その勤務形態が日々雇用、こういうことになっております。したがいまして、実勤務日数に応じまして日給を支払う、それからまた、勤務時間や報酬日額については採用時に定める、あるいは国家公務員共済組合ではなく社会保険に加入してもらうというようなことをやっております。そのほかのことにつきましてはほぼ定員並みのことをやっておりまして、定員の均衡を考えておる、こういうことでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 時間が参りましたので、終わります。ありがとうございました。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて辻君の質疑は終了いたしました。  午後二時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時五十九分休憩      ――――◇―――――     午後二時一分開議

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。菅直人君。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 予算の一般質疑も予定では私が最終の質問者ということで、きょうは土地問題を中心にしまして各関係の大臣にいろいろと質疑をさせていただきたいと思います。  まず、ここに、実はこれは私の地元の三多摩版なんですが朝日新聞に、土地を買ってと自治体に申し出が殺到しているというのがつい数日前に出ておりました。つまり、この一、二年前からの議論をずっと踏まえていきますと、私は、全く土地問題についてはその状況が変化をしてきている。その状況の大きな変化の中でさらに今後どのようにしていくかということを考えていかなければいけないし、あるいはその方向が間違えばまた狂乱地価に戻るかもしれない、あるいは逆に乱開発といったようなものになって、土地は安くなったけれどもろくなことはなかったということになるかもしれない。そういった意味では新しい状況が生まれてきていると思いますが、まず建設大臣に、このように自治体にどんどん土地を買ってくれという申し出がふえた原因はどこにあるとお考えになりますか。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 ただいま新聞の記事の話がございました。これは初めて私拝見しますのでよく読んでみないとわかりませんが、この見出しだけ見ますと「公共団体に売れば税制改正で有利に」ということでございますから、恐らく土地の取引がバブルの崩壊あるいはいろいろな土地政策の影響で非常に少なくなっている。そこで、自治体に買ってもらいたいという土地の供給面が非常に多くなっている。需給がタイトになっているのではなくてその反対ではないかというふうにこれは感ずるのでございますが、そのこと自体は土地政策を遂行する上において有利な状況ではないかと考えられます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 まさに大臣言われるとおり、いろいろな理由で土地の供給がふえてきて、その理由の一つは、譲渡益課税を一般的にはさきの税制改革で引き上げたわけですけれども、自治体などに買ってもらうときには従来より引き下げて、民間で買う場合に比べてほぼ半分の税負担で済む。ですから、同じ価格で買ってもらうならまず自治体。もちろん従来なら民間の方が大変高かったから、それでも出なかったかもしれませんが、一般的供給がある上にその軽減税率が非常に効いてきたというのが私もそういう実感がしておりますし、この記事もそんなことも書いてあります。  もう一点大蔵大臣に、最近相続において土地の物納が大変ふえている。私、知っている限りでは、二、三年前までは全くと言っていいぐらいなかったわけですけれども、これがふえてきたのはなぜだとお思いになりますか。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 建設大臣からもお話がありましたように、やっぱり土地が、今不動産会社なんかも相当土地を持っているというのが現状でありますので、そういった中でやっぱり物納がふえてきているのじゃないのかなという感じがいたします。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 結局のところ、ことし土地の路線価を公示価格の八〇%に上げられましたけれども、従来だと実勢価格に比べて路線価が二分の一とか非常に差があった。ですから、同じ税金を払うなら、あるいは一億円分払うんなら、路線価でいえば五千万円分の土地を売れば一億円になったわけですけれども、今は路線価と実勢価格が差が少なくなった。そうすると、売却をして譲渡益課税を取られた残りで払うくらいなら、もうそのまま受け取ってもらった方がいい。特に買い手がいない今のような状況では、そのまま受け取ってもらった方が逆に有利だということでふえているということだというふうに思うわけです。  このように、二年前あるいは一年半ぐらい前までは本当に思いも寄らなかったぐらい土地の状況というのは変わってきている。この変わり方は、私は決して、金融が一時引き締められて若干今緩められておりますけれども、それによって逆行するような変わり方ではなくて、塩川大臣は自民党税調で大変御苦労をされたわけですけれども、昨年の一連の土地税制によっていわゆる土地の資産的な有利性というものは大幅に縮減をしてきているということのあらわれがこういう形になってきたんではないか、こう考えるべきだろうと私は思っております。  そこで今後の問題として、実はさらに大きな問題が出ると思うのです。それはことしから始まりますいわゆる新しい生産緑地法、つまりは三大都市圏の市街化区域内農地を、保全すべき農地は生産緑地の指定を受けてもらって農地並みの課税、しかしそうでない農地については宅地並みの課税、あるいは相続税についても、生産緑地の中でかつ生涯農業を営むという人だけは減免、猶予を認めるという制度に変わったわけであります。  そこで建設省にお尋ねをしたいのですけれども、この制度によって三大都市圏、例えば首都圏でいきましょうか、首都圏の市街化区域内農地約三万ヘクタールというふうに聞いておりますけれども、どのくらいが生産緑地の指定を受け、どのくらいが受けないことになるか、その見通しについてどうお思いになっているか、お答えいただきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○市川政府委員 生産緑地の指定の作業は現在鋭意作業している最中でございまして、平成四年の十二月末までにすべての作業を完了するということで現在農地所有者の方々の意向把握の最中でございますので、まだ確定的な数字は把握できない状況でございますが、現時点におきまして申し込み状況を見ますと、大体三割程度には達してございます。なお申し込み受け付け中でございまして、今月いっぱいぐらいで大体のめどが立っ予定でございます。そういったような状況から見ますと、三割から四割前後の農地が生産緑地に指定され、それ以外は指定されない、こういう関係になろうかと思っております。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 具体的な数字で言うと何ヘクタールぐらいが生産緑地に指定されないで残るのですか、首都圏で。

市川一朗建設省都市局長

○市川政府委員 先ほど先生からも御指摘ございましたように、現在東京圏の市街化区域農地は約三万三千ヘクタールでございますから、それの三割ないし四割ということでございますと、一万ヘクタールから一万三千ヘクタールぐらいのオーダーになると思っております。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 そうすると、残った土地はどういうふうな利用になってくると思いますか。

伴襄建設省建設経済局長

○伴政府委員 ただいま都市局長が答弁申し上げましたように、東京圏で三万三千のうち三割ないし四割が生産緑地だ、残りの土地のうちこの十年間に宅地になる、農地から他の用途に転用されるというのを私どもは大体一万六千ヘクタールぐらいあるかなと思っております。そのうちの八千ヘクタール程度が宅地供給が可能、そのうちの宅地、住宅地になるというふうに考えておりまして、この辺は実は昨年三月に大都市の住宅・住宅地供給基本方針というのを大臣が出しておりますけれども、その中でも見込んでおる面積でございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 総額でどのくらいになりますか、土地の地価の総額で。

伴襄建設省建設経済局長

○伴政府委員 ちょっと総額ではございませんが、面積で八千ヘクタールというふうに見込んでおりますが。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 ですから、総額で大体どのくらいになりますか。例えば平米当たりどのくらいだったらどのくらいになるとか、つまりこの量がどのくらいのものかということによって全然状況が違うわけですよ。わかりますか。

伴襄建設省建設経済局長

○伴政府委員 同じ首都圏でもかなりいろいろな条件がございます。場所にもよりますしそれから広さ、整形等でいろいろ違いますが、一応昨年大臣から出しておりますこの基本方針では、この市街化区域内農地八千ヘクタールを見込みまして、それで約七十万戸の住宅建設ができるかなというふうに想定はいたしております。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 地価の総額を聞いているのですよ。

伴襄建設省建設経済局長

○伴政府委員 ちょっと余りいいかげんなことを言うわけにいきませんので、一応面積で御勘弁いただければと思っております。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 じゃ、一坪百万としましょうか。平米三十万としたら幾らになります。――まあ自分で計算しろなんという数字でありましたから、計算をしてみました。つまり、私の数字が間違っていなければ、一平米当たり三十万円とする、坪百万とすると、一ヘクタールで三十億円、そうすると千ヘクタールで三兆円じゃないですか。そうすると今言われた八千ヘクタールというのは三、八、二十四兆円じゃないですか。どうですか。計算は合っていますか。

伴襄建設省建設経済局長

○伴政府委員 ちょっと確かめないであれですが、今のとおりでございますと三、八、二十四で二十四兆円になると思います。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 なぜこんなことを言うかというと、この八千ヘクタールとかあるいは今農地転用が一万六千ヘクタールぐらい見込まれると言いましたけれども、この一万六千ヘクタールという数字は実は大変な数字だということなんですね。つまり従来、例えば国鉄清算事業団の東京の用地が幾らなんというときは、多くて何百ヘクタールとか千ヘクタールぐらいですね。例えば今、去年まで生産緑地の指定を受けている全国の土地の面積、どのくらいですか。

市川一朗建設省都市局長

○市川政府委員 約七百ヘクタールでございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 いいですか、山崎大臣、約七百ヘクタールしかないんですよ、去年まで全国で生産緑地の指定を受けているのは。それが、ことしは首都圏だけで生産緑地の指定を受けるのが一方、受けないのが約二万。その二万のうち、十年間に一万六千ヘクタールが転用され、そのうち約八千ヘクタールが純宅地になるであろうというのが今の都市局長の答弁なわけです。総額で言えば、今の値段、坪百万が高いか安いかは別として、首都圏ですからそのぐらいだと想定をすると、二十四兆円分です。  逆に言えば、私はことしから郊外の地価は今よりもさらに大幅に下がっていくだろうというふうに見通しを持っています。その根拠は、こういう根拠です。  下がることは私はサラリーマンにとっては大変いいことだし、歴代内閣が言われているように、所得の五倍、年収の五倍で住宅を持つという意味ではその可能性ができることですから大変いいわけですけれども、しかし、その一方で、その土地利用をどういうふうに受けとめていくのか、どのような形でその土地利用をきちんとした、緑とか住宅とかあるいは都市施設、道路とかに変えていくのかということがないと、単に数字で八千ヘクタール、ああ、なかなか大きいですね、ビッグエッグが十か二十かな、そんな量じゃないのですね、実は。普通一ヘクタール当たりパリなんかで二百人ぐらい住めると言われております。一万ヘクタールということでは二百万人分です。八千ヘクタールということは、さっき七十万戸と言われましたが、四人ずつ住めば、四、七、二十八、二百八十万人分の住居になるわけです。これは首都三千万といえども、二百万、三百万という数は相当の数になるわけです。  そういった意味で、これらの土地がどういう形にことしから展開するか。宅地並み課税をしたときに、従来の農地並み課税と固定資産税で何倍ぐらいになりますか、自治大臣。

谷口恒夫自治省大臣官房審議官

○谷口政府委員 地域によってもいろいろ異なると思いますが、通常でありますと、三十倍、四十倍、あるいは地域によっては五十倍、六十倍というような数字だと思います。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 それは、農業収益で貯えますか。自治省。――まあいいですわ。まあ簡単に言えば、普通のレベルでは貯えないんですね。まさに宅地並みなんですから、貯えないんです。ですから、農地で守る人は生産緑地の指定を受けてくださいということですから、それを受けない人はとても農地的収入では貯えない。そうすると、その土地がどういうふうに変化をしていくかという見通しを持っていなければいけないと思うんです、建設大臣。  私は、まず、一、二年は頑張られるでしょう、土地を持っている人は農業を続けて。ほかにも、住宅を持ったり、アパートを持ったり、駐車場を持っている人が多いですから。しかし、何年がやっていると、なかなかこれはきついな、一部はじゃ駐車場に変えようか。生産緑地じゃないですから、いつだって駐車場には転用できます。今市街化区域内農地の転用というのは、農林大臣もおられますけれども、一般のように知事の許可は要りません。単なる届け出だけですから。じゃ、ちょっぴりは駐車場にしようか。そういう意味で、私はことしから郊外の駐車場の代金は下がってくると思いますね。駐車場を少しやっている、それでもなかなかきついな、じゃ、例えば地域によっては倉庫を建てようか、あるいはアパートを建てようか、住宅を建てようか、それがどのくらいのペースでやってくるかということを相当建設省なり関係各省は見ておかないと、わっと出てきたけれども対応はできない。  先ほど最初に言いましたように、乱開発になって緑地がなくなって、こんなことだったらやらなきゃよかったじゃないかといって、また二十年前、三十年前のように宅地並み課税が骨抜きになった歴史のように、こんな生産緑地法で厳しく縛るのはおかしいとかいって、またもとのもくあみになりかねないというふうに思っているわけですが、こういう大量の土地の供給に対して建設省としてはどういう計画でそれを宅地化するなり、あるいは緑地として残すというか、買い入れるなり、何か計画がありますか。

伴襄建設省建設経済局長

○伴政府委員 市街化区域内農地の宅地化する分につきましては、宅地の供給源としても大変貴重でございます。先ほどの宅地の供給基本方針でもこれは大事な供給源といたしまして位置づけまして、これから十年間で必要な宅地化をしていこうというふうに思っているわけでございます。その際に一番大事なことは計画的開発ということでございますので、その必要となる公共施設、特に根幹的な公共施設を整備する必要があるわけでございまして、私どもは、特に建設省所管の道路とか公園とかあるいは下水道とか、そういった根幹施設につきまして大都市の関公基本計画というのをつくりまして、それに基づきまして整備していこうというふうに考えておるところでございます。そういう比較的大規模なものにつきましては、この基本計画によっていきたいと思っております。  そのほか、計画的開発ということで、極力その土地所有者の方の自発的な、計画的な開発も期待したいと思っておりまして、その中では例えば地区計画とか、あるいは区画整理事業とか、あるいは開発許可の制度とか、そういったものを活用して良好な公共施設を整備していただき、また計画的な開発をしていきたいというふうに考えているところでございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 そういう計画的な開発については、後ほど都市計画法の改正問題と関連させて詳しく聞いていきたいと思いますが、建設大臣あるいは自治大臣にもお聞きいただきたいのですが、私はこれだけの大量の土地が出てきたときに、都市計画によってそれをより良好な都市空間にするというのがまさに本筋だと思うのです。しかし、本筋ではありますけれども、これをやるには相当の、一方では時間といいましょうか、計画を立てる時間と、一方では費用がかかるわけです。  そこで、やはり一たんかなりの量を公有地にかえていく、自治体が土地を自分で持って、そしてその土地を種にして、あるときには再開発に使ったり、あるときには緑地に使ったりということに使っていけばいいんではないか、私はこのように思っているわけです。特に、これは税制とも関連するわけですが、今回地価税が生まれましたけれども、地価税とか固定資産税、都市計画税という土地の保有税を土地の買い上げに充てるということは、私は非常に適していると思うのです。なぜ適しているかといえば、土地の保有税というのは、土地を持っている人からお金をもらうわけです。例えば地価税、今回〇・二ですけれども、固定資産税一・四ですが、例えばすべての土地から一%の保有税をもらったとするとどれだけの土地が買えるか。当たり前のことですけれども、平均すれば一%の土地が買えるわけです。  つまり、保有税で受け取ったお金で土地を買うということは、土地を持った人からお金をもらって、その人の土地を結果的には、長い目で見れば買うわけですから、一種の土地解放なんです。ある意味では農地解放に続く第二の土地解放が、この地価税なり他の保有税を使えばできる条件が今生まれてきていると思うのです。そういった保有税を公有地の購入に充てるということについて、大蔵大臣、そして自治大臣にちょっと見解をお尋ねしたいのですが。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 基本的に、今お話のございました都市計画あるいは国土計画の中における都市計画とか、そういうことになってくればまたあれでございますけれども、しかもまだ土地基本法におきましても、国は「公共用地の確保に努める」こととなっておるということでございまして、その点については私どもも理解できる点があると思います。ただ、用地の取得時点におきまして、今現在の考え方としましては、具体的な公共用地に供されることが明確になっていないと、どういうものに使うんだということが明確になっておらないと、そういったものに対応はなかなかできないだろうと思っております。  ただし、今地方公共団体なんかが公共用地を取得することに関しましては、都市開発資金制度ですとかあるいは公共用地の先行取得事業債、いろいろなことが講じられておりますし、また平成四年度には、前年度に引き続きまして地方財政計画上の土地開発基金、こういったものの積み増しも行っておるということでございまして、今現在行われるのはこういったものによって対応することができるであろうというふうに思っております。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○塩川国務大臣 菅さんがきょう質問されたのでまた確かに私、土地は下がると思いますよ。あなたが土地上がるぞと言えば上がっていくのですし、下がるぞ下がるぞと言ったら下がる。非常に今心理的に揺れ動いておると思います。  私は一つ具体的な例で申し上げたいと思いますが、私は大阪でございますけれども、大阪周辺のこういう方々と話し合いをいたしました、農家の方々。そしたら、大体坪勘でございますけれども四五%ぐらいが、このぐらいがいわば市街化区域として開発する用地にしたい、五五%ぐらいが農地として保有しておきたい、こういう考えなんです。  なぜそれじゃ四五%、そういう数字になったかといいますと、市当局と農協との間の話し合いをしまして、市は大体流域下水道の拡大できる年次計画に合わせて、十年ぐらいだったらこの辺までは拡大できるから、この辺まではどうしても解放農地にしてくれ、こういう話し合いでやっていったというのです。あとはまた追って都市計画の変更てやろう、こういう話し合いをしておるものですから、ですから、農地と宅地との割合がそうなってきたと思うのです。  そこで、私たちはこの対応を先行取得債、現在、御存じのように五年先の用地までということになっておりますのを、十年先までの用地の手当てに先行取得債を充てていくという改正を一つやりました。でございますから、これによって相当、先行取得債で取得してくる能力ができる。それからもう一つは、土地開発基金というのを使える。それから、当面する問題として建設省が所管しております都市開発資金でございますが、これを充てる。それと土地開発公社、そういう多様な資金をもってこれに充当していきたいと思っておりますが、おっしゃるとおりこの買い上げは、実は非常に財政上緻密な計画でやらないと、ちょっとしたことでそごが起こってくるような感じがいたしますので、私は非常に慎重に計画を見ていきたいと思っております。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 自治大臣にかなり詳しくお答えいただきましたけれども、せっかくですからその問題をもうちょっと掘り下げてみたいと思います。  今大臣も言われたように、先行取得債の起債条件を大幅に緩和をされた。私はこれは大変いいことだというように率直に評価をいたしております。しかし同時に、いろいろ自治省の若い方からも話を聞いたのですが、起債は認められるけれども、それで、じゃ各自治体が土地の買い上げにどの程度のお金を振り向けられるかというと、補助金の場合のように直接お金がおりるという形とは、とりあえずストレートではないので、それはそれで自治省がやっておられるのは一番大きな枠組みだとは思うのですが、もう一周りぐらい大きな制度が何かできないだろうか。  実は、今回の地価税収入をそういった先行取得債の例えば利子補給などに振り向けるようなことができないんだろうか、そんなことも考えていろいろ議論をしているわけですが、何らかの、その先行取得債に、ただ枠が広くなった、条件が緩和されたということを越えて、買いやすくなるというか、ある程度利息分は例えば別の財源から面倒見てくれる、こんなことをやっていくことも積極的に考える時期じゃないかと思いますが、いかがですか。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○塩川国務大臣 私はある程度それは交付税措置、いわゆる一般交付税の中である程度見ていけるのではないかなと思っておりますが、ただ、まだそのことについて研究したことでもございませんけれども、そういう感じがするだけでございまして、何かそれを、利子補給か何かのようなものをしていかないと需要に追いつけない。そうすると、おっしゃるように乱開発を進めてしまうようになってしまう。私は、ここはきちっとした計画で開発をしていきたい、そのためにはやはり保有をしていくということが大事だ、そういうことから見ますと、その制度とあわせて考えなければいけないと思っております。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 交付税の方式をとるというのが自治省の場合は基本的な考え方に今もなっているし、そのことを今大臣も言われましたが、もう一つ、私もこれはまだ自信を持って言うほどの知識はないのですけれども、現在、固定資産税に上乗せして都市計画税というものがあるわけですよね。しかし、それが名前のように都市計画に使われているのかどうか。必ずしも、自治体などで見ていてもよくわからないのです。都市計画税というのはどういう性格の税ですか。

谷口恒夫自治省大臣官房審議官

○谷口政府委員 都市計画税は、市町村が行います都市計画事業、この事業の財源の一部に充てるというために市町村が徴収する。目的税でございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 それで土地は買い上げられますか。

谷口恒夫自治省大臣官房審議官

○谷口政府委員 都市計画事業で購入する土地の財源の一部には充てられるというものでございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 自治省は、平成六年度に固定資産税の評価の仕方をかなり大幅に変えようとされていますよね。いわゆる公示価格の七割水準にする。そうしますと、今の制度では自動的に都市計画税も、評価が固定資産税と横並びですから、素直に読めばかなり増額になる、そういうふうに思うわけですが、まず固定資産税のことをちょっとお聞きしておきたいのですが、大体、固定資産税を七割水準にしたら、全国での固定資産税収入が幾らから幾らぐらいに変わるというふうに見通しを立てられていますか。

谷口恒夫自治省大臣官房審議官

○谷口政府委員 七割にするというのは、固定資産税の評価額を七割程度にしようということで今いろいろ検討しているわけでございますが、したがいまして、税収がそれに伴って直ちに何倍になるというものではなくて、そこには当然、急激な税負担増がないようないろいろな負担調整措置等々をやっていかなければなりません。したがって、その辺の負担調整措置を決めないと、固定資産税収がどのように動くかというものも出てこない。その辺の見通しは、これからの評価の作業による評価アップがどの程度になるか、それに基づく負担調整措置をどうするかということによって決まってくる問題でございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 じゃ、七割にすると、固定資産税評価そのものは大体どのくらい上がるというふうに見通しを立てられていますか。二倍とか、三倍とか、一・五倍とか。

谷口恒夫自治省大臣官房審議官

○谷口政府委員 これもなかなか、現時点で推計するだけでございますが、平成三年度の固定資産税評価額と地価公示価格の割合、これは基準地の平均で見ますと三六・三%でございます。したがって、単純にそれを七割にすると約二倍ということに、その数字だけでいえばそうなりますが、これは基準地だけの数字でございます。全体はまだはっきりいたしません。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 固定資産税の土地の総額は幾らです、ことし。

谷口恒夫自治省大臣官房審議官

○谷口政府委員 土地分は約二兆七千億でございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 つまり現在、固定資産税の土地分が二兆七千億、基準地地価だけで比べても公示価格の三六・三。一般に言われているのは、基準地価格というのは高いのですよ。だから、平均すると三六・三ほどはいってないでしょう、多分。もっとも今、地価が下がっていますから公示価格が将来下がればまた別ですが、少なくとも今の公示価格と固定資産税評価の基準地は、固定資産税の平均よりは大分、差が小さいというか、ですから、少なくとも評価が、素直に読めば倍になる。場合によっては私は三倍から四倍になるのじゃないかと思っておりますけれども、そのぐらいにはなるでしょう。銀座とかそういうところは差がもっともっと大きいですね。そうすると、現在二兆七千億の固定資産税が単純に、まさにいろんな軽減措置を加えなければ、例えば六兆とか七兆とか十兆とか、そういうことになり得る数字なんです。  私も別にそのとおりやれと言っているのじゃないのです。基本的には評価は実勢価格にそろえる、あるいは公示価格にそろえるべきだと思っておりますが、その場合には、例えば今度の相続税のいわゆる小規模宅地のように、例えば三百平米以下は定額制を導入をして、これ以下は全然ふえないとか、そういう形で足切りも必要でしょうし、あるいは税収がふえた場合は、今回もやられたようですけれども、住民税減税に半分ぐらいは増収分を充てる。そうすれば資産の格差が若干小さくなって、所得の方の、何といいましょうか、負担が若干軽くなる。そういうことをやっても、あとまだかなりのものを残すことはできると思うわけです。  それと、先ほど申し上げた都市計画税。都市計画税というのは、今までのところ、減免の制度がないわけですね。各自治体が独自に税率を下げるということは、東京都などやっていますけれども、いわゆる何平米以下というので減免の措置はないわけです。ですから、逆に言うと相当の増収が、素直に読めば見込まれるわけです。先ほど、都市計画税は都市計画事業に使う目的税だというように説明がありましたけれども、実際に自治体の中で見ていると余り、都市計画のために使うというよりは、もう一般財源と一緒のような形で扱われているよという感じが強いのが率直なところだと思うのです。  そういうことで、先ほどの話に戻りますと、例えば自治体が土地を買い上げるときに、先行取得の起債の条件を緩和をする、あるいはそれに対して交付税をさらに上乗せをする、そういうことも考えられるわけですけれども、同時に、中長期的には、自治体自身の財源の中でそういったものに充てられるものをちゃんと育てていく。そういう考え方が本来の自治体のあり方としても望ましい姿ではないかと思いますが、大臣、いかがでしょうか。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○塩川国務大臣 私も確かにそれは一つの方法だと思います。自治体の中から財源を見出すことは、私、不可能ではないと思います。平成六年の固定資産税評価がえのときに、おっしゃる都市計画税も確かに検討を要する問題だと思います。今、都市計画が終わったところでも都市計画税がかかっているところがあるのです。それと、課税額とそれから評価額とございますが、固定資産税は課税額にかかってきますが、都市計画税は評価額にかかってくるのですね。そうすると、都市計画税は非常に割高に今はなっておる。そこへもってきて六年に固定資産税の評価がえをやるということになりますと、これはどうしても固定資産税と都市計画税との権衡というものを一回考え直さなければいけないのではないか、こういう問題が起こってくると思うのです。そうした場合に、根本的に土地対策をどうするかということ、それと関連してくると私は思います。そういうことを見まして、確かに、自治体の中で土地対策資金の方のいわば格差是正というものを図っていく一つのきっかけになってくると思います。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 国土庁長官にもおいでをいただいていますけれども、国土庁も土地政策審議会の中に開発利益専門検討委員会というものを設けられて、これからの都市計画を進める上での財源としての開発利益をどう還元するかという検討をされているように聞いております。こういった面での、国土庁として、公有地拡大とかこういった開発利益の還元とかについてのお考えがあれば、聞かせていただきたいと思います。

鎭西迪雄国土庁土地局長

○鎭西政府委員 ただいま委員のお話のございました開発利益の還元の問題でございますけれども、社会的公平の確保あるいは社会資本の財源を確保する上で今後の課題として非常に重要な課題である、かように認識をいたしておりますし、また、先ほど来いろいろ御議論がございますが、土地の資産としての有利性の減殺あるいは適正利用の促進を図るという土地政策の観点からも非常に重要な問題であるという認識をしております。  このような考え方に立ちまして、土地基本法におきましても土地についての利益に応じて適切な負担が求められるべき旨定められているところでございまして、内閣といたしましても、昨年一月に閣議決定をいたしました総合土地政策推進要綱におきましても、開発利益の還元の検討の意義ということについて触れているところでございます。ただいま土地政策審議会におきまして、開発利益の専門検討委員会というのを昨年つくりまして御議論をいただいているところでございまして、私どもといたしましては、土地政策上望ましい開発利益の還元方法につきまして現実的な処方せんが得られるようにこれから鋭意検討してまいりたい、かように考えておるところでございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 もう一点だけ、公有地の拡大について触れておきたいのですが、先ほど大蔵大臣は、公共用地は目的が明確になっていないとなかなか難しいんだということを言われ、建設省が設けられたいろいろな都市開発資金もそういう趣旨になっているわけです。私は必ずしも、そういう考え方がいいんだろうか、ある程度自治体に任せて、用途についてはある程度自由に任せた方がいいんではないか、一つ一つを縛りつけるのはいかがなものかと思っているわけですが、この議論はまたにしまして、一つだけ、都市においての緑地ということについて考えてみたいと思うわけです。  というのは、何か農地というと緑地というふうに議論の中では、都市の場合ですが、かなり議論されるわけですが、実際には、本当なら木が植えてあった方が緑地の力というのは農地よりもっと強いという側面があると思うのです。私、防災のことを少しいろいろな専門家から話を聞いたときにも、木が植わっていると火事のときなどに非常にそれから延焼しにくい、酒田の火事なんかではそういう事例が見られたというのですね。ついせんだっても東京で久しぶりに直下型の多少大きな地震がありましたが、大震災から六十九年目になっているわけです。そういった意味で私は、この東京の、特に下町の、密集した地域に相当大きな防災空間をつくって、そしてそこに木を植えるということを考えることが一つの道ではないか。  特に緑地というのは、簡単に言えば、都市的に言えば収益性はゼロなわけです。つまりは都市的な収益性ですね、駐車場代が取れるわけでもないしビル代が取れるわけでもないわけです。ですから、この東京の永田町なりこの周辺を見ても、緑で残っているのは、個人の土地というのはほとんど見当たらなくて、皇居や日比谷公園や新宿御苑や、全部公有地なわけです。つまりは収益性のない土地を個人に持てと言っても、それは自由主義経済では難しいわけでありまして、そういった意味では、公有地として緑地を持つ、できればそれを防災空間としてこの大都会などではっくっていく必要があると思いますが、国土庁はそういった問題、防災の観点からどのように考えられていますか。

市川一朗建設省都市局長

○市川政府委員 都市におきます防災空間の確保は、御指摘ございましたように極めて重要なテーマであると私ども認識いたしております。防災空間の効用といたしましては、一つは、ただいま御指摘ございましたようにそういう延焼防止等の効果もございますが、もう一つには、大災害が起きました場合の避難地の確保という点でも非常に貴重でございます。  大体一般的に、現在私どもの考え方といたしましては、十ヘクタール以上の規模の避難地を適宜都市の場所に確保いたしまして大災害に備える必要があるというふうに考えておりますが、そういった防災空間の確保の過程の中で、一定の緑地を火災等の場合の延焼防止という観点からも配置していく、いわゆるそういう防災空間といいますか緑地空間のネットワークといったような確保も大事だと考えております。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 それでは公有地の問題、言えば切りがありませんがこのぐらいにしまして、いよいよ計画的土地利用という問題について話を進めていきたいと思います。  きょうの、これは何新聞でしたか、朝日でしたか、新聞に、山梨県が清里マンション訴訟について控訴を断念するという記事が出ておりました。これは二月の十四日ですか、甲府地裁が山梨県の、これは被告が建築主事になっているのですね、建築主事を被告として、いわゆる景観条例によってこのマンションを建ててもらっちゃ困る、そういう趣旨で建築確認を留保していた、そうしたら、それは不作為だといって原告に訴えられて、県が負けているわけです。また、その前の日には、福岡県地裁が、これは志免町ですか、この町づくり条例というものに適応させるためにやはりある開発を抑えようと思って水道事業の給水を制限をした。そうしたら、それがやはり違法であるということで志免町が裁判で負けているのですね。  つまりは、自治体としては、何とか景観とかいろいろな目的からそういう開発をある程度抑えようと思って条例をつくるわけですが、今の法律体系だと、少なくとも裁判所はそれは条例があってもだめだという判決になっているわけです。建設大臣は、この判決について、今の都市計画法との関連でどういうふうに思われますか。

立石真建設省住宅局長

○立石政府委員 最近、地方公共団体におきまして、町づくりに関して、都市計画法あるいは建築基準法等に基づかない条例等を制定する事例があるのについては私たちも承知しているところでございます。これらの条例等は、地域の特性に対応して個性ある町づくりを進める、あるいは環境の保護を進めるなどのそういう行政目的の上では一定の効果があると考えられるわけでございますが、建築物に係る制限等を伴う場合には、その根拠や制限等の内容が適切なものであるかどうかということにつきましても、また種々の議論があることは事実でございます。  今御指摘の山梨県の事例でございますが、山梨県が景観条例に基づきまして高さ規制を求める行政指導を行ったところ、これに対しまして、リゾートマンションの建築主が協力しなかった。これを理由にして建築主事が建築確認処分を留保したところでございますが、裁判の結果建築主事が敗訴したものでございます。  この山梨県の例に見られますように、これらの条例等の施行に当たりまして、建築基準法の運用をその手段として利用することに関しまして敗訴する事例がありますが、これは、地方公共団体等が都市計画法あるいは建築基準法等に基づかない条例等によって一定の行政目的を実現していく中で、建築基準法上の運用を実現手段として利用することは難しいということを改めて示したものだと受けとめております。  なお、福岡県の志免町におけるマンションの給水契約の拒否につきましては、福団地裁の判決は純粋に水道法上の問題でございまして、開発許可あるいは建築確認等とは無関係のものだと考えております。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 ですから大臣、ですからどう考えられるかなんです。つまり、今の答弁にまさにあったように、都市計画法、建築基準法に基づかない条例だから違法だと判決が出ておるわけです。しかし、地方自治というのは、例えば京都は古い町だから古い町を守ろうということでいろんな条例をつくる。あるいは、この山梨県は、リゾートマンションがあんまりにも高い建物じゃ景観が悪くなるからと条例をつくる。しかし、条例をつくっても、いやこれは都市計画法とか建築基準法に基づかないから規制ができない、こういう制度であっていいと思うかどうかということを、これは大臣にお聞きしたいんですがね、大臣に。

市川一朗建設省都市局長

○市川政府委員 ただいま御指摘をいただいておりますいろんな条例の例でございますが、基本的には町づくりに関する条例が、都市計画法や建築基準法の規制が及ばない部分につきまして、いろいろそれぞれの町づくりの観点から市町村レベルで条例をつくるという動きがあるわけでございまして、それはそれなりに一定の評価ができるものでございますし、その条例による規制が全く効果がないということではないわけでございます。  ただ、ただいま御指摘がございました一つの例でいきますと、それは建築確認という一つの手続がございまして、それは都市計画法、建築基準法以外のすべての法令に適合しているかどうかということを、建築する際に法令適合を確認を受けるわけでございまして、確認の結果、法律に適合しておれば建築物が建てられるという全体の仕組みになっておるわけでございます。その仕組みをある意味で無視いたしまして建築確認の行為を延ばしたと、それが不作為の責任ありということで指摘を受けたわけでございまして、都市計画法、建築基準法に規定のない部分について定められた条例だから効果がないとか規制はできないという案件ではないというふうに私どもは一応理解しているわけでございます。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 事実関係は、ただいま局長が申し上げたとおりだと存じます。  実は、この件に関しまして、昨日山梨県知事が建設省にお見えになったわけでございます。そのときに、今般国会に提出せんといたしております都市計画法、建築基準法の改正、その中に都市計画区域外の建築規制について強化する部分がございまして、その点を大変知事は評価されまして、ぜひこの法案を国会で成立してもらいたい、まあそういう趣旨であったことを申し添えたいと思います。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 大臣の方から都市計画法の改正についても話がありましたから、前に話を進めます。  つまり、それではその山梨県の知事が来られてそういうことをぜひやってくれと。そうすると、そこをやればこの判決の中身は、中身というか考え方のベースにある考え方は変わるんですか。つまり、何が言いたいかといいますと、現在の都市計画法や建築基準法は、まさに条例で規定をしようと思ってもできなくなっているわけですよ。つまり、自治体が決めようと思っても決められなくなっているわけですよ。それに対して、確かに今回都市計画区域以外のところについては条例で決められるというのを、あさってですか、しあさってですか、決められる政府の都市計画法改正案の中に盛り込まれるようですよ。いいですか、大臣、都市計画区域の外ですよ。都市計画区域の中について条例で同じように、いやここは国の法律ではこうなっているけれども、うちの自治体の特例からいってここはこうしたい、そういうふうに考えて条例をつくった、その場合に、その今度の法改正で、政府が予定している法改正で、そういうことが自治体にとって可能になるんですか。いわゆる違法じゃなくて、合法になるんですか。

立石真建設省住宅局長

○立石政府委員 まず、都市計画区域外の建築物について、今後どのような制度をつくるべく検討しているかということでございますが、現在は、都市計画の区域外におきましては、建築物の形あるいは容積率、高さ等については何ら規制を行えないことになっているところでございます。そのためにリゾートマンション等でかなり乱開発が行われて、周辺の環境等を害する場合があるというようなことがございますので、非常に乱開発が行われるようなことを防止するための一定の建築物についての規制を行おうとするものでございます。この改正が行われた場合には、地方公共団体が条例で定めまして、例えば容積率なり高さなり等について一定の制限をできるというようになるものと考えております。  また、都市計画の区域内におきまして先生の御指摘と思いますが、用途地域の塗られていないいわゆる白地の地域というのについてでございます。都市計画の区域内でございますので、その地域につきましてはいろいろな措置が講じられることになっておりまして、一つは、住民の協定によります建築協定あるいは高度地区、地区計画、さらには風致地区等が、都市計画の区域内では現在の制度下でもできることになっているところでございます。それにあわせまして、現在都市計画区域内の白地地域にかかっている制限が非常にやわらかいものでございますので、これらについての規制強化等も同時に図ってまいりたいと考えております。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 この山梨の事例は都市計画区域内ですか、外ですか。

立石真建設省住宅局長

○立石政府委員 都市計画区域外でございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 実は私が住んでいるのは、今武蔵野市というところに住んでいるんです。二十年前に同じような事件があったんですね。これは有名な事件です。これは条例はっくってませんが、要綱でした。今度のやや福岡の事件とも似ています。結局、マンションがどんどんできるから、それを抑えたいといって当時の市長が要綱をつくった。指導要綱に沿わないでマンションをつくろうとした人に上水道の供給をとめようというんでやったところ、最高裁まで行って、有罪という判決が元の市長に出ているわけです。  今いろいろ言われましたけれども、結局のところ、幾ら法律改正をしても  確かに都市計画区域外については条例がつくれるという法律になったようです。まだ正式には政府案は国会に出てきてませんけれども、その中身を見ているとそうなったようです。しかし、都市計画区域の中、まさに私の住んでいる武蔵野市などもそうですし、大部分のところは、いわゆる都市的なところは都市計画区域の内側、さらには線引きが引かれている、色が塗られているところが大部分なわけですが、そういうところについて条例で決めるということができるようになるんですか、ならないんですか。先ほどの話だと、いろんな制度があるという言いわけがありました。同じように条例で決めることができるようになるんですか。イエスかノーかで答えなさい。

立石真建設省住宅局長

○立石政府委員 武蔵野市の件については少し御説明さしていただきたいと思いますが、武蔵野市につきましては、マンションの開発指導要綱を市でっくったわけでございますが、水道の供給を拒否するということにつきまして争いになったところでございます。東京地裁の判決では、指導要綱につきましては直接の強制力を持つものではなくて、指導要綱に従わなかったという形式的要件のみで直ちに正当の事由に該当するとは言えないとした上で、武蔵野市には給水拒否をする正当な理由はないという判決を下し、給水を命じたところでございます。これにつきましては、先ほどの福岡の件と同じように水道法上の問題であって、建築基準法上の問題ではないところでございます。  今回行おうとしております内容等につきましては、都市計画あるいは建築基準法の体系の中で建築物について秩序ある建築物を建設しようとするものでございまして、武蔵野市の例のような水道法上の措置等については触れていないところでございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 ですから、市街化区域内の場合には、いわゆる都市計画区域内の場合は条例で決めることができるんですかと聞いているんですよ。イエスかノーか。

市川一朗建設省都市局長

○市川政府委員 都市計画の中に美観地区とか風致地区という特別用途地区がございまして、そういったものを都市計画決定いたしまして、それにつきましてその規制を県の条例あるいは市の条例で定めまして、それに基づいて規制をするという仕掛けは現行法でもあります。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 それは知ってます。ですから、そうではなくて、自治体が独自で条例で、先ほどの都市計画区域の外のように、外は今度はそういう制度を入れると言われたけれども、そういう今までの都市計画決定とは別の手続で、自治体の条例で決めることができるんですかと聞いているんです。

市川一朗建設省都市局長

○市川政府委員 ちょっと御質問の趣旨を正確に理解しておらないかもしれませんが、とりあえず私から御答弁をさしていただきますけれども、現在都市計画区域内につきましては、都市計画法、建築基準法等の規制がございまして、そこで都市計画決定をいたしまして、それで規制をしていく。その際、先ほど申し上げましたような法令に基づく規制以外に、条例等によって独自の規制をしようとする場合には先ほど申し上げたような規定があるわけでございますが、ただいまの御指摘は、そういったものとは関係なく条例で何でも決められるかとおっしゃっている意味だと……(菅委員「自主的に決められるかです」と呼ぶ)ある程度の限界はあるというふうに理解はしてございますが、条例でもってまたある程度のことは決められる。したがいまして、その辺は具体的な内容の問題ではないかなというふうに思う次第でございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 いいですか、建設大臣。これ非常に重要な問題なんですよ。つまり、今の都市計画法というものはいろんなところに知事と書いてあるんですね。都市計画の決定が知事となっているわけです。私は、知事と書いてあるから、これは県知事のことだと思ったんですね。だけど、確かに県知事なんですけれども、県ではないというんですね、私が聞いた理解が違わなければ。県ではなくて知事なんだという。どういうことなのかというふうに聞いてみると、これはいわゆる本来は国が持っている権限を機関委任事務で知事にいわば委任しているんだ。だから、例えば県議会が条例をつくろうが市議会が条例をつくろうがそういうこととは関係のない権限だから、建築基準法なり都市計画法がいわば優先するんだ、そういう理解であり、判決もそういう理解から来ている、こういうふうに受けとめられるわけです。いかがですか。

市川一朗建設省都市局長

○市川政府委員 都市計画の決定権につきましてちょっと御説明させていただきたいと思いますが、昭和四十三年に現行の都市計画法に改正されたわけでございますが、その前の旧都市計画法におきましては、都市計画は国の事務といたしまして大臣決定とされておりました。昭和四十三年に現行都市計画法に改正されました際に、原則としてそのすべての決定権限を地方に移譲したという歴史的経緯があるわけでございます。その際、地域に密着した都市計画は市町村決定としたわけでございますが、広域的、根幹的なものにつきましては都道府県知事決定とされたところであります。  このように、いわゆる広域的な見地から見まして、まず一つは、私権に対する制約としての公平性、あるいは国道が一つの例だと思いますが、そういったものに代表される計画としての一体性を確保しつつ、かつ地域の実態に即したものとする必要性があるものにつきましては国の機関委任事務として都道府県知事決定といたしまして、それ以外のものはすべて市町村決定、そういうことになっている次第でございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 法制局長官にも来ていただいておりますけれども、今も機関委任事務というのが出ました。この山梨の事例だと県なんですよね。しかし条例ですから、県議会を通りているはずです。しかし県知事は、機関委任事務で国の権限だから、条例が通っていようがだめだ、そういう論理になるのですか、この機関委任事務という考え方は。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 お答えいたします。  機関委任事務の考え方でございますけれども、これは地方自治法の百四十八条等に規定がございまして、そういう形で都道府県知事が国の機関としての性格で事務を執行する、こういうことだろうと思います。  ただいま御指摘の山梨県の事例でございますけれども、これは、今の機関委任事務である、あるいは固有事務であるという問題とはちょっと違いまして、景観条例でございましたか、この景観条例に基づきまして義務を課されておりますのは届け出制になっております。そういう意味で届け出は出したわけでございますが、その際にある一定の、この場合でしたら山梨県のものにつきましていわゆる大規模行為といったようなものの定義をし届け出をさせているわけでございますが、建築確認をそれとリンクさせて、建築確認はしない、こういうふうな形に時間的に延びたというふうなことだと私は承知しておりますが、そういう意味で申しますと、今度は逆に建築基準法の方から見ますと、二足の要件に適合するときには建築確認をしなければならない、こういう規制がかかっております。そういう意味で、一定の要件に該当して建築確認をしなければならないにもかかわらずそれをしなかったという意味の不作為、こういうことであろうと存じます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 この個別事件の解説をしていただいてもあれなんですよ。つまりは、県知事としてはそういうやり方しかないから、留保したり水道をとめたりするわけですよ。ほかのやり方があればほかのやり方をとるのですよ。だから、そのときに、判決はその水道をとめたことだけは言っているとか留保したことだけは言っているとかいうけれども、実は全体の行政行為としては、別に水道がとめたくてとめているわけじゃないわけですよ。留保したくてしているわけじゃないわけですよ。  それじゃ、質問の仕方を変えますけれども、法制局長官、ストレートに、例えばこの場合だと清里ですか、あるいは武蔵野、あるいは京都でもいいですわ。高さがどこかのお寺さんの、東本願寺、西本願寺でもいいですわ、西本願寺の高さよりも高いものは建ててはいけませんという条例を例えば京都市がつくった。そうしたら、今の用途区域とかなんとかだったらその制限はない、もうちょっと高いのが建つようになっている。条例でそれより厳しい条件をつくった。それでそれは建てちゃいけないというふうに停止させることができるのかどうか、それはどうですか。

工藤敦夫内閣法制局長官

○工藤政府委員 私、ちょっと具体の事例についてお答えするだけの知識もございませんが、ただ、都市計画法におきましては、都市計画法の十五条でいわゆる権限の配分が行われておりまして、都市計画法の十五条の第一項各号に掲げられているもの、これは都道府県知事が決定する、その他のものは市町村が定める、こういうことになっておりまして、この各号であれば、今の国の機関としての知事が行いますし、それ以外であれば市町村が定める、こういうことだろうと存じます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 じゃあ、その国の機関としての知事が定めることと矛盾することを条例で決めたらどうなります、県議会が。

立石真建設省住宅局長

○立石政府委員 都市計画法、建築基準法の中で、例えば高さ制限をするとすれば高度地区制度等がありまして、各種の制度を持っておりますので、高さについて例えばどういう規制を行いたいかということであれば、それらの制度を活用すればできるものだと考えているところでございます。  条例において他の規定を決めた場合には条例の中だけでやはり決めるわけでございますから、建築基準法、都市計画法の手続とは関係のない条例の規制になるものと考えております。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 この押し問答、多分私も個別には数十時間やっているので、すれ違いになるのですね。ちょっと方面を変えて言ってみたいと思うのです。  今の建設省の言い方というのは、いろいろと今でも制度がある、地区計画もあれば特別用途区域もある、あるいはいろいろな制度があるから、その制度に沿って条例なりなんなりをやってくれればそれはいいけれども、それと離れて独自でやってくれたのでは必ずしもよくない、私はそういうふうに聞こえるわけです。多分そうだと思うのです。  しかし、それじゃ本当にそういう地区計画とか特別用途区域というのが、これまで長年やってきてどこまで生きているのか。例えば地区計画、十年前にドイツのBプランを参考に生まれて、それ以来拡大しています。全部でどのぐらいできています今、都市計画区域の中の何%。

市川一朗建設省都市局長

○市川政府委員 地区計画は、現在六百地区を超えておりますが、面積では全体の市街化区域の約一%程度にすぎません。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 そうですね。十年かかって一%です。千年かかりますよね、全部が埋まるのは。ここに特別用途区域があります。これはいつのデータか、平成三年三月三十一日、全用途区域の一・九%です。確かにいろいろな制度はあるのですよ、今の都市計画法とか建築基準法とかいろいろな法律には。しかし、じゃなぜ自治体がそれを喜んでどんどん使おうとしないのか。大臣はどう思われます。たくさんあるのですよ、言われるとおり。なぜ使わないのですかね、自治体は。どう思われます。

市川一朗建設省都市局長

○市川政府委員 先生は御案内と思いますが、都市計画の基本は市街化区域、市街化調整区域の線引きを決めまして、市街化区域では用途地域を定めましてやるわけでございますから、大体の規制内容はそれで達成されておるわけでございまして、さらによりきめ細かい計画を立てたり、あるいはきめの細かい規制を行うという場合に、ただいまのようないろいろな制度を活用するわけでございまして、そういったきめ細かな行政を展開する過程でもっときめ細かな制度の活用を図っていただきたいというのが私どもの気持ちとしてはあるわけでございますが、なかなかそういった問題についての地域社会におけるコンセンサスの問題、その他いろいろ難しい点もありまして、必ずしも十分に活用されてないという面もあろうかと思います。  長くなって恐縮でございますが、地区計画は昭和五十五年に制定されましたわけでございますが、この数年、急速に適用が伸びておりまして、先ほど六百地区を超えていると申し上げましたけれども、最近では毎年百地区近くの、あるいは百地区を超える地区計画が出てまいっておりまして、非常に町づくりに対する住民サイドにおける関心が高まっている一つの証拠ではないかというふうに感じておるところでございます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 いいですか、大臣。どうも話をみんなはぐらかすのですよね。つまり、なぜ自治体はいろいろな制度があるのに使わないか。これは、私がいろいろと自治体の長などと話をしてみるとよくわかるのです。つまり、今は都市計画がない方が地権者にとっては自由なわけですよ。規制は緩いわけですよ。さっきの例でも何にも条例がない、何にもなければ自由に、自由といってももちろんある程度の高さ制限がある地域はありますけれども、それまでぎりぎりできるわけです。  ですから、例えばある市長さんが、自分の町は、この地域は緑を残しましょう、緑と何とかの町づくりと例えば市長選で出します。そして、それを地区計画で市議会に出したとしたら、その緑の地域にされた人は、あれ、おれのところはマンション建てようと思ったけれども、じゃ建てられないのか、そんな地区計画なんというのは決められちゃ困るから待ってくれ市長さん、いや、そんな一方的に何かの計画を立てては困るから待ってくれ。つまりは、自治体は計画がなくても建てられるところに計画を持ってきて、例えば建てられなくする、あるいは緑にする、あるいは他の条件をつけるということは実際上政治プロセスとしてできてないのです。できないのです。  つまり、このメモにも書きましたけれども、基本的に日本の都市計画制度は開発が自由なんです。例外的にいろいろな規制を置いているだけなんです、例外的に。ですから、先ほどの建築確認でもそうですけれども、一軒一軒の建物については確認行政になっていて許可行政になってない。既存の法律体系の中だけクリアできれば、二十何日間の間には許可をしなければいけないのですね。あるいは都市計画法の中には開発許可という言葉があります。しかし、それも千平米以下はいいとか、千平米以下は要らないとか、全部外して。あって、例えばこの東京で地上げが起きました。なぜああいう地上げ行為が起きるか。つまりは、ある面積までなればこのぐらいの高さが建つ。前の道が二四六のように広ければ高さ制限がかなり緩やかになる。そうすると、一部だけ土地が残ったよりも、それを買ってしまえば全体の高さ制限とかいろいろなものがたくさん使えますから、その二部だけ何とか無理して買おう、だから地上げ行為になるわけです。  それで、日本の場合は計画がなくても開発が基本的に自由。多少の規制はありますけれども、例外禁止です。原則自由です。それに対してヨーロッパの都市計画というのは、計画がないところは開発は許さない、そういう原則になっているわけです。そうするとどうなるか。例えば私が住んでいる武蔵野市で、計画がないと開発は絶対許しません。自分の庭に何か建てよう、あるいはちょっと農地をかえて転用して建てようと思っても許しません。そうすると、どこで計画をつくるのか。自治体の議会で地域の全体計画をつくる、あるいはそれぞれの地区ごとに、街区ごとに今の地区計画のようにつくって議会で最終的に議決をする。それがない限りは何もできませんよ、都市計画がきちんと議会で決定してない限りは何もできませんよというふうにすれば、今度は逆に市長さんのところに、いや、うちの周りもちょっと土地を使いたいからぜひ計画をつくってくれ、何とかいい計画をつくって、ある程度道路の広いのは認めるから計画をつくってくれ、あるところは公園を認めるから計画をつくってくれ、そういうふうになってくるはずなんですね。  ですから、今回の都市計画法の大改正をやろうとされている最も重要な問題は、計画がなければ開発を許さないという制度にするのか、原則的に計画はなくても開発は許す、ただ高さ制限、何とか制限を、それも国が、さつきのように条例じゃなくて国がある程度法律をかぶせて、その中で決めていく。そうすると自治体の議会は関与しない。確かに知事は関与しています、機関委任事務としてですね。議会は関与できないのです。都市計画審議会に県会議員の人が何人か入っている。それは確かに入っています。しかし、それは議会の決定ではないのです。あくまでそれは何人かが入ってくるだけなんですね。この根本的な都市計画の考え方の変更が私は今の時代に最も必要ではないか、これはぜひ大臣から答弁をいただきたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 先生がかねてから計画なくして開発なしという御持論であることは承っておるのでございます。私も、都市計画制度の沿革についてはっまびらかではございませんが、やや後追い的になっているということも印象としては持っているのでございます。ただ、都市計画制度が徐々に発達してきたと申しますか、だんだん整備されてきたことも評価していただきたいと考えております。  このたびの改正は、まだ国会に提出いたしておりませんが、これは御案内のとおり昨年一月の政府が決定いたしました総合土地政策要綱に基づきまして、税制や金融の土地政策に続きまして、このたびの法改正による土地政策を新しく行いたい、こういうことでございます。ただいままでの先生の御議論を承っておりますと、単に土地政策と申しますか、地価対策よりもはるかに大きな観点から御議論なさっておられるのでございますが、このたびの改正内容は、御存じのとおり用途地域の見直しでありますとか誘導容積制度の導入でございますとかそういった点を柱といたしまして、主として地価対策の観点から改正を行おうとするものでございますが、しかし、これは先生のような議論にも資するものである、一定の前進が行われると考えておりまして、ぜひこのたびの改正に御賛同をいただきたいと考えております。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 大臣、まさにこの数年間、土地問題では金融の問題が大きな問題になり、税制が大きな問題になり、そうしてある意味ではもともと本命は土地利用計画だと言われていたのに、それがいよいよ本格的に都市計画法改正という形で動き出そうかとしているわけです。率直に言って、土地税制の改正のときには資産的な有利性をなくするという土地基本法の中にもある考え方が制度の中にかなり私は生かされたと思うのです。しかし、今回の都市計画法は、同じく土地基本法の中に計画的な土地利用ということがたしか三条に入っておりますけれども、そこがイメージしているというか、少なくとも私が理解している。ものからいえば基本的なコンセプトが入っていないというか、従来と変わっていないのですね、残念ながら。  つまりは、メニューの数はたくさんふやしている。こういうやり方もありますよ、ああいうやり方もありますよ。しかし、さっき根本のことを言ったように、なぜやらないのか。なかなか御理解が得られないからというふうに局長は言いました。御理解が得られる、得られないじゃないのです。計画というのは、言葉はいいですけれども、まさに、ここは十階建てを建てていいけれどもここは一軒も建ててはいけませんよという、ある意味では地権に対してそういう厳しい規制になり、経済行為としても十階建てを建てていいところと緑で残さなければいけないところは、収益還元でいえば、例えば一方は坪一千万になるけれども、一方は坪ゼロ円というか、百円にしかならないということになるわけですよ。どうやってその合意形成を得るかということなわけですよ。  その基本は、計画がなければ土地利用はできませんよ、開発はできませんよ、その中で土地利用の計画を自治体ごとに立てて、ではここはどうしても緑で残してほしいというのなら隣と同じ値段で自治体に買ってください、でなければ、私は永久に持っていたってこの土地は何にも使いようがないじゃないですか、それならどうやって買いましょうかとか、そういうことになるわけです。それを今のように基本的には自由で、五階建てがいい、三階建てがいいとかあったり、あるいは前の家がなければ全体が大きくたくさん建てられるからというような状況にしておいて、そして新しいメニューを加えても、私は、これまでの地区計画とか特別用途区域とかいろいろな制度があるのと同じものをまた二つ三つ加えたにすぎないことになる、こういうふうに思うわけです。  ですから、法案が今からいよいよ出されるようですけれども、ぜひそういう根本的な観点を含めた議論をいろいろな機会にやって、私としてはそういう魂の入った法律に建設省も変えていただきたいというふうにお願いをしておきますが、いかがでしょうか。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 先生の御持論はよくわかりました。このたびの二法の改正につきましては、これは都市計画審議会あるいは建築審議会におきまして長時間にわたる討議の結果、改正点が答申されまして、それを受けましてこの法律の改正を行おうとするものでございます。そういう次第でございますから、これは先生の比較的多年にわたる御主張だと思いますが、その御主張も踏まえて、今般の両審議会からの答申も出てきたと考えておりますので、ぜひ法案が国会に提出されました後、さらに先生の御議論を承りまして、将来の都市計画制度のあり方についてこの機会にさらに一層論議を深めてまいりたいと存じます。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 残り時間もわずかになりましたので、きょうは農林大臣にもおいでいただいております。実は、都市の土地についてこの数年間税制を含めていろいろな議論があったわけですが、農地あるいは農村地域の土地についての議論も本来は必要ではないかというふうに考えているわけです。  そこで、きょうは大変時間がもう残り少ないので一、二点大臣に御見解を伺いたいのですが、私は、大臣、米の問題で御苦労だと思うのですが、戦後の農家の農地の規模が今一ヘクタールちょっと超えたとか超えないとか聞いておりますけれども、余り規模拡大が進まないのですね。農業従事者の数というのは、年齢構成等々あるいは一種、二種の兼業等々ありますけれども、基本的には戦後少なくとも半分とか四分の一とか相当の変化をしているわけです。一方で農地の規模拡大は進まない、なぜなんだろうか。  私は、実は都市の土地と共通の問題が一つだけあると思うのです。それは、農地というものがお 氷ならお米あるいは野菜なら野菜をつくるための生産手段としての農地という意味での価値ですね、それと、それを超えていつかは宅地になるかあるいはリゾートでゴルフ場になるか、他の目的になっていくということを期待することを含めたそういう資産的な保有。今持っておけばそのうちもしかしたら隣にインターチェンジができるかもしれない、だからとりあえずは親代々の土地だから持っておこう、そういう資産的な保有とでもいうんでしょうか、決してこれはいいとか悪いとか言っているのじゃないのです。そういうものがあってなかなか規模の拡大が進んでこなかったという経緯があるのではないかと思うのです。  そういった意味で、今農業の生産性という問題が非常に一方で議論がされているわけですが、国内の農業の生産性を高めていく上でも、この農地というものを本当に農業をやる人にかなり大規模にまとめ上げていくという方向で農地問題について大臣としてはどんなお考えをお持ちか、お聞かせをいただきたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お話しのように、農家の皆さんは中小都市においてもやはり道路に沿った農地等はそういう考え方、あるいは期待をしておる。また一方、地価が上がりますと農地も一緒になって上がってきますので、採算的にも問題が出てくる。その中でも、北海道、東北、九州、これはずっと農地は下がっております。そういう地域もありますけれども、いずれにしても高水準になることによってなかなか土地利用型の農業というものはできにくい、規模の拡大ができない。五十アールとか、そういう程度のところを一生懸命やってももう限界がある。農家の後継者は少なくなっていく、出生率が低下しておるということを考えると、なかなか問題があります。  しかし問題がありますが、何とか今まで農用地の利用増進法、そういうもので、賃貸をしてみたりあるいは受委託をしてやるという方法でやってきましたけれども、今の新しい農業、農村の中で本当の優良農地を大きく確保して、それはもう未来永劫に農地として確保していこう、この都市近郊のところの農地はもう余り金をかけない、やる意欲のあるところにはもう思い切って金をかける、そんなふうなことを考えないともう農業そのものがうまくいかない、そういうことを考えております。

菅直人進歩民主連合

○菅委員 つまり、私も農地法というのを少し見てみましたけれども、農地法というのは、いわゆる農地解放のときに小作制度の復活を防ぐために非常に所有権の移転を厳しく規制をしたりしているわけです。しかし、先ほどの都市の土地のことと対比して考えると、つまりは農業に使われる土地上いうこととそうでない土地という、いわゆる用途の問題と所有の問題というのは若干考え方は区別できると思うんですね。つまり、日本の農業を守るということは、必ずしも小さな農家がたくさんあって農業を守るというんではなくても、株式会社と一挙にいけるかどうか知りませんが、そういうことも含めて農用地としてきちんと守るべき地域は守る、しかし所有の問題と力るいは貸し借りの問題とか出資の問題とかは若干別の考えをする。そういう考えに立ては、全国の土地利用という面では、私は農村地域あるいは農地もあるいは林地もあるいは都市も、基本的な考え方という意味では共通のものがあった上で組み立てられるんじゃないか。  そういう点で、時間がなくなりましたが、農地法の改正なども時折新聞などに出ておりますけれども、ぜひそういった方向での積極的な取り組みをお願いをしておきたいと思います。  時間ですので、質問をこれで終わります。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて菅君の質疑は終了いたしました。  以上をもちまして一般質疑は保留分を残して終了いたしました。  明十一日及び十二日は分科会審査を行います。  本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十二分散会

国会会議録検索システムで原文を見る ↗