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123回国会衆議院1992/03/07

予算委員会 第14号

発言数
351
登壇者
47
会派数
5
開催日
1992/03/07

会議録

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これより会議を開きます。  平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑を行います。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。串原義直君。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 私は、緑、森林を守る行政の重要性につきまして、先日、二月二十四日、本委員会で取り上げ、質疑をさせていただきました。  林政にとって重要なのは政策であり、一つは資金であり、私、より重要なことは、そして欠くことのできない政策は労働力確保ということであろう、こう思っているわけであります。ところが、林業の仕事は季節、天候に左右されまして、また大変な重労働である、危険な作業であるということもございますので、こういう条件の中で林政審が指摘しているような就労、労働条件を改善して労働者を育成、確保するためには、国の積極的な施策が求められていると思うのであります。国は、森林整備五カ年計画を発表されました。来年度から五カ年でやるわけですね。なかなか内容は結構な計画ですから、私もこの着実な実現を期待していますけれども、五カ年間でいろいろな施策を兼ねて四兆円近くの仕事をやろう、こういうことになっているのですけれども、この計画を着実に実行するために必要な労働力というのはどのくらいと見込まれていらっしゃるのか、お示しを願いたいのであります。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 お答えを申し上げます。  今先生がおっしゃいました森林整備事業計画の方はいわゆる投資目標でございましで、五カ年でございますけれども、従事者数あるいは労働力の量ということになりますと、これはもう一つ全国森林計画というのがございまして、これを実施するために必要な労働力というように考えているわけでございますけれども、現在の全国森林計画は平成十九年の三月末におきます森林整備の目標を明らかにしているところでございまして、これを達成するのに必要な伐採あるいは造林等の計画量を内容としているものでございまして、昨年、平成三年の八月に作成されたものでございます。  この現行の森林計画の年平均の計画量を見ますと、人工造林面積では九万三千ヘクタールということになっておりまして、過去五年の実績に比較いたしますと若干の増加ということになります。それから伐採量につきましては、年平均で四千六百万立方メートルの水準でございまして、過去五年実績で見ますと、二割の増というように考えているところでございます。  そこで、今後の必要雇用労働量につきましては、まず施業方法やその事業量の問題がございます。それから、農家、林家等の自家労働への依存度の問題、それから機械化が進展してきているわけでございますけれども、これがどの程度進展していくのか、あるいは労働生産性がどのように向上してくるのかというようなこと、それから年間平均の就労日数がまたどういうふうになるかというように前提となる要素が非常に多い、その上にまた将来予測の困難なものが多いということでございますので、具体的に数字が今どうなるかということについて見通しがなかなか難しいなというように思っているところでございます。  しかしながら、今後労働力が減少してくる、あるいは高齢化するということがございますので、この森林計画に基づきまして森林の施業を着実に実施をしていく必要がございますし、そのためには林業従事者の育成、確保に努めるということが重要でございますので、そしてまた林業の従事者の能力が十分に生かされて生産性の向上が図られますような条件整備を推進することが重要であると認識しておりまして、このために林道等の路網の整備でございますとか、高性能機械の導入でございますとか、あるいは林業事業体の体質強化等、各般の施策を総合的に推進してまいりたい、このように考えております。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 長官、私が聞いたのは、今お話しのように、全国森林計画もありますね。それから、森林整備五カ年計画も来年度から精力的に進めていこうということなんですけれども、ここに、ある資料があるわけでございますが、昭和四十年、三十七、八万人いた林業就労者、平成元年、十二万人、今日では十万人を割っているのじゃないか、こう思うのですね。この計画は達成しなければならないけれども、現場で働く林業労働者が確保されなければ計画は達成されない。  でありますから、今後森林計画を達成するためには、常時およそこのくらいな林業就労者が必要だ、こう目標があるはずだ、計画があるはずですね。どのくらいを考えているのですか、こういうことをお聞きしたわけですよ。どうですか。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 確かに一定の労働力が必要であるということは、私どもも考えておるわけでございますけれども、その必要労働力数ということになりますと、先ほども申し上げたところでございますが、若干踏み込んで申し上げますと、計画量の増というのはある程度あるということを申し上げたわけでございます。  ところが、今後後継者を確保する、あるいは労働者を確保するということになりますと、今言われておりますような三K、いわゆる三K産業ではなかなか魅力がないということになりますので、私どもも新しい高性能機械の導入というようなことも考えまして、何とかスマートな林業の作業にいたしたいというように考えているところではございますけれども、この機械というような問題になりますと、実は諸外国ではかなり普及しておりますが、その能率ということになりますと、スウェーデンの例ですけれども、我が国の現在の能率の約三倍になっておりますし、また、カナダでは約五倍の実は能率になっております。ただし、これがそのまま我が国に適用できるかどうかということになりますと、傾斜の度合い等もございますから、我が国に適した機械の開発も今急いでいるところでございます。そのようなことから、そうしますと、我が国の場合の数値というのは、今のところまだ明確にはしにくいというところがございまして、この辺につきましては今後詰めてまいりたい、このようにお答えしているところでございます。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 何としてもこれから林業労働者をふやしていかなきゃならぬ、こういうことだけは間違いないと思っています。  そこで、労働大臣、この林業労働者ですね、林業就労者と言ってもいいわけでありますが、労基法の完全適用は今日では当然のことである、こう思うのでございますけれども、この適用に向けての対策と見通し、これを具体的にお示し願いたい。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生の御指摘の、林業労働者に対する労働基準法の適用の問題でございますけれども、実は労働基準法、一般的には適用されているわけでございますが、ただ、林業労働者については業務の特殊性がございます。天候その他自然条件に左右されることが多いものでございますので、労働時間また休日、休憩等については規定の適用が除外されております。  ただ、社会全体として今労働時間の短縮を進めておる折からでございますので、この林業労働者についても同じようなことをできればとってほしい、またとらなければならない、こういうような御意見もございます。したがいまして、現在、中央労働基準審議会において、労働基準法の新しい見直しを進めておりますが、その中で、林業労働者に対する労働基準法の労働時間に関する規定の適用の問題についても、委員の先生方にいろいろな角度から現在御議論をしていただきたい、こういうことをお願いしている状況でございます。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 大臣、今議論をしていただいている、機関で。これは長く時間がかかってはいけないと思うのです。一定の方向をできるだけ早く見出してもらいたい。いかがですか、見通し。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 御指摘の御趣旨はよくわかりますので、全体として労働基準法の見直しを進めておりますので、その中で早い時期にこの問題についてもお考えをまとめていただきたいと思っておりますけれども、ただ、御案内のように特殊事情がたくさんございますので、この点とういうふうに配慮させていただくか、いろいろな議論があると思いますので、いずれにしても速やかな御議論をお願いしておるところでございます。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 労働基準法の適用除外になっております規定の適用の問題につきましては、今大臣の方から検討の状況をお答え申し上げましたけれども、もう少し具体的なことを申しますと、私どもとしてはことしじゅうに審議会の建議をいただきたいというつもりでおりますし、また、審議会の御検討の基礎資料といたすために、この五月、六月には相当大がかりな調査をいたすことを予定をしておりますし、また、林業の関係の団体におきまして労働時間、休日あるいは雇用形態の問題等につきましての研究、検討をいたすための研究会もお願いをしまして、現在そういった面での検討を鋭意進めておるところでございます。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 林業労働者の就労条件等を改善するためには、雇用主である林業事業体等の経営の安定化が必要であります。現状では零細な事業体が多いと指摘されているわけでございまして、事業体等の体質強化方策というのは必要なんでございますけれども、国や地方公共団体を含めたしっかりした事業体をつくらないと、なかなか林業労働者というのは安心してその職に安定してくれない、こう考えるんですよ。いかがでしょうか、大臣。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お話しのように、労働条件といいますか、これは林業ばかりではなくて、水産も農業も後継者が不足しておることは先生御案内のとおりでありますが、三Kと言われる中にあって、お天気の日は働く、雨の日は休んでいるという変則的な条件のもとで働いているわけですね。ですから、何といっても、今お話しのように事業体をつくる必要がある。それで年間を通じた事業量というものを確保してやらぬと、今申し上げたように天気の悪い日は休んでいるということではやはり人は集まってこないと思うのです。そういうことを考えて、また作業の平準化をしてあげる。そのためには、今お話しのように事業体をつくって普通の勤労者と同じような条件で、日曜日は休むというような仕組みというものをつくっていかなければならぬ、そう考えております。  そのためにはやはり生産性も向上しなきゃいかぬし、あるいは省力化によってコストダウンも図る。前々から申し上げておりますように流域を単位として、お話しのように国あるいは地方公共団体、そういうものも含めてやっていかなきゃいかぬ。あるいは林業組合ですね、森林組合、これももっと力をつけてもらわなきゃならぬということで、今合併あるいは協業化による組織の再編を図りたいということで考えております。  いずれにしても事業規模が拡大しませんと、お話しのように零細な人ばかりでやっている状態では、環境整備をよくしてやろう、労働条件をよくしてやろうと思ってもなかなかできませんので、その辺を進めると同時に、さっき長官からもお話がありましたように諸外国、機械化の時代で、やはり過酷な労働ではなくて機械によって効率的な条件にしてあげるということで、これも導入を図っていきたい。いずれにしても、地方公共団体の参画を得て第三セクター、そういうものをつくって、雨降りにはどこかで何か仕事があるというようなことを考えて、それを支援してまいりたい、こう思っております。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 重要な点ですから精力的に施策を前進させてください。  そこで、労働力は必要なんだけれどもなかなか思うに任せない。とにかく、山を守って全国森林計画を推進していくには林業労働者の安定的な確保が喫緊の課題である。これはもう大臣も御答弁になって、新しい事業体もつくって、働く諸君がそこの団体に安心して身を任せられる、こういう格好にしようということで取り組んでいくということでありますけれども、そのために雇用の安定、労働条件の改善、安全衛生の確保、あるいは今言われておりました、御答弁にはありましたけれども、厳しい労働条件を軽くするという方策、福祉の増進等々を総合的に包含をした立法化、総合的な施策を盛り込んだ立法化がどうしても必要な時期に来ている、こう考えるのです。大臣の所見を伺っておきます。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 いろいろ申し上げました中で、私どもは、言われておる安定確保と体質の強化を図るとか、あるいは雇用の長期化あるいは社会保険への加入、さっきの機械化の導入でありますとか労働安全衛生の確保、生活環境基盤の整備、いろいろと予算、金融あるいは税制面でやっております。  お話しの法律を制定したらどうかということでありますが、いずれにしてもいろいろな条件整備、言われていることを今一生懸命取り組んでいるところでありまして、どういうふうな法律が必要なのか、総合的にやってみて、その中で十分満たされるものかどうか、あるいは法律がなければならぬものか、いろいろとその要否を含めて検討していく問題であるというふうに考えております。法律だけでうまくいくかというと、どうも私どもはまだ心配なところがあります。うまく動くのには一体どうしたらいいのかということで、またいろいろ御意見を伺って検討してまいりたい、そう思っております。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 この法制化の問題について、また機会を得まして議論をしてまいりたいと思っていますけれども、農林大臣、検討しているという話でありましたから、次の機会にいたしますが、どうしても法的な裏づけをもって確保対策を講じてまいりませんと成果が上がってこない、こういうところまで来ているというふうに私は思うんです。ぜひ積極的な御検討を願います。  次に、文部大臣に伺いますけれども、今や環境問題は我が国だけではなくて世界的な規模で最優先さるべき政治課題になっていますことは御承知のとおりですね。六月にはブラジル・サミットが開催されます。環境問題は多岐にわたりまするけれども、まず優先さるべきは緑を守る政策だ、私はそう思っていますね。この点を教育に生かすことは大切なことだというふうに思います。残念ながら、諸種の事情から、山、緑を守り、保護する行政というのはなかなか前進をしていかない現状ですね。  我が国の木材輸入七〇%という実態を見てもこれは明らかでありますけれども、そこで私は、この高等学校学習指導要領、これを見さしていただきました。環境、林業、林政、この科目がどの程度盛られているかなと思って見さしてもらいました。ところが、環境という文言が載っておりますのは三十九ページ。ところがこれは、つまり、緑、山を守りつつ環境を保持していくという方向での環境ということではなさそうなんですね。若干は含まれているかもしれません。と同時に、この林業問題がどんな程度に載っているのかなと思ったところが、具体的に農業部門の中の一部に、育林、林業土木、林業経営、林産加工という項目が載っているわけですね、百三十七ページ。山の問題は若干この指導要領の中に盛られているとはいいますものの、非常に少ない。  それから、中学校学習指導要領も見せてもらいました。環境問題と関連する森林保護育成ですね、これらのことがどうここに載っているのかなと思ったところが、ほとんど中学の指導要領にはない。十七ページに一文字あるだけですね。それから八十五ページに、後ほど触れますけれども、木材加工問題が載っているわけであります。  私は、時代が推移してまいりまして、先ほど申し上げますように、環境問題は非常に大きな政治課題、政治課題だけではなくて、人間生活にとって欠くことのできない問題になってきた、世界的に大きな問題として取り上げることにもなった。そのためにはやっぱり山をより重視しなきゃならぬという理解に皆立つことになった。でありますかも、この環境と緑、林政、林業ですね、これらの項を起こしまして、この科目の学習を充実すべきではないのか、こう私は思うんです。  したがいまして、学習指導要領に、検討するときが、次に機会があったらぜひこの項目を盛って取り組んでもらいたい、取り組むべきだ、こう考えます。大臣はいかがですか。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 学習指導要領の具体的な記述等については政府委員から御答弁した方がよろしいかと思いますが、環境問題あるいは線あるいは林業という山の大切さというような点については、これはもう時代の趨勢ということだけではなしに、人間も地球の中に生きている、これは王様でも支配者でもなくて、地球上に生きている多種多様な生物の一種であるという謙虚な気持ちから自然を大切にするという観点からも、先生御指摘のようにきちんとできる限り教えていかなければならないことと考えております。  とりわけ地球環境というテーマが今大きな話題にはなっておりますけれども、例えば温室効果ガスの問題とかオゾン層の破壊の問題とか、あるいは熱帯雨林の問題とかありますけれども、これはもちろんきちんと教えなければなりません。  ただ、先生、私は思うんですが、まず身近な日本の自然、あるいはそれぞれの地域の自然の美しさ、大切さということを学ばせませんと、それを肌で感じることがありませんと、例えばその温室効果ガスなどというような、温暖化などというような文字を字面で見ても、教科書で読んでも実感としてとらえることができないのではないだろうか。だから皮膚感覚を通して自然の美しさ、大切さ、林業の大切さ、山の大切さ、そういうものを教えていけるような教育を行うべきだというのが私の基本的な考え方でございます。しかも、世界にはいろいろなところに砂漠がありますけれども、日本はアジア大陸の東の端に位置しておりますから、いわゆるモンスーン気候の恩恵を受けて四季の変化は極めて明瞭で、雨が多いから森林は針葉樹林も広葉樹林も限りなく発達をするわけだし、そして、豊かな水資源にも恵まれて極めて多様性に富んだ植物層とか動物層がある。先生の、あるいは防衛庁長官の地元であります遠山川の流域あたりも、私は自分の趣味が昆虫を追い求めることでございますから、これを求めて、熊には出会いませんでしたが、椋鳩十の舞台となった遠山川流域等も随分歩き回りまして、本当にすばらしい自然が長野県に残っているなあ、長野、静岡県境あたりになりましょうか、残っているなあと思って、上村周辺とか南信濃村ですか、随分歩き回ったものでございます。  今、我田引水ではありませんけれども、昆虫採集の復権ということが言われています。一羽の鳥が芋虫にして大体十二万匹の芋虫を食べる。人間がチョウをとって何匹とるだろうかなどというような議論もありますが、昆虫採集の復権ということの根拠というのは、まあ虫を殺すということは残酷だ、いけないことだ、トンボをとる、セミをとる、チョウをとる、よくないという教育もあるかもしれない。しかし、でもそうやって昆虫を愛し、昆虫に親しむ気持ちを持てば、皮膚感覚を通じて、あるいは自分の感性として自然はありがたい、大切なものだということが頭の中に完全にでき上がっていくんではないだろうか。かえってトンボ一匹とったことのない人間は自然というものがわからないから、虫一匹殺しちゃいかぬと言いながら、実はブルドーザーで何千万匹という小動物を殺していく、こういうような意見もあり、私もやや賛同をしているところではありますが、そんなことを考えながら、環境教育の重要性というものはまず自然のありがたみを知る。文部省でやっている事業でいえば自然教室推進事業というのがありますが、そういう観点も踏まえてやらせていただきたいと思っております。

坂元弘直文部省初等中等教育局長

○坂元政府委員 先ほどの学習指導要領の問題でございますが、先生も御承知のとおりに、小学校の学習指導要領では、例えば国土の保全や水資源の涵養などのために森林資源が大切であることに気づくようにさせる、それからその内容について、森林資源の育成や保護に従事している人々の工夫や努力、環境保全のための国民一人一人の協力の必要性に気づかせるように配慮する必要があるということで、森林の保全についてはかなり具体的に触れているところでございます。  ただ、中学それから高等学校に参りますと、やや一般化した形で、環境と人間生活のかかわりとかあるいは環境保全の倫理とか、その中で自然と人間の調和のあり方について考えさせる。やや抽象的になっておりますが、こういうような抽象的な学習指導要領ではございますが、中学校それから高等学校の教科書ともに、森林事業の重要性というものにはほとんどの教科書で触れているところでございます。ただ、教科書で触れておるのは、高等学校、中学含めてですが、社会、理科あるいは地学、保健体育、道徳などで触れているところでございます。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 昆虫論まで展開してくれて御答弁いただいたのでございますけれども、私は、このことを強く要請しておきます、きょうは。学習指導要領の中に、環境問題についての学習、体験も含めてですね、学習、それから森林を守るということの重要性、この学習、このことを大きな活字で掲載をしていける改訂を検討してもらいたい。ぜひそういうことに持っていってもらいたい。強く要請をしておきたいわけであります。  そこで、中学の学習指導要領の改訂によりまして、平成五年四月から木材加工の科目が、これは必須科目に入ったわけですね。一年間に三十時間あるいは三十五時間ぐらいでしょうか、そういうことになりました。大変に結構なことです。その日のために現在、その職にありますところの大工、たくみと言われる皆さんに協力を得まして、実習に生かしながら実効を上げている学校があります。長野県等で行われております。長崎、広島、島根等々でも取り組んでいるというふうに聞いております。現場の学校、教育委員会、特に生徒たちにとても好評であるというふうに聞いているわけであります。  このことは、年々厳しい仕事でありますところから減員をしていきまして、後継者難に苦しんでおりますところの建築関係技術者への理解、養成というようなことにもつながってまいりまして、評価すべきことだというふうに思うのです。もちろん、職人さんは教師ではございません。したがいまして、技術者という立場を生かしながら、アドバイザーといったらいいんでしょうか、アシスタントといったらいいんでしょうか、あるいは嘱託といってもいいと思うんですけれども、そういう立場でこの教育、木材加工の教育に生かしていく方途、ぜひ積極的に文部省でも取り上げていくべきじゃないか。つまり、現場の汗、技術、木材を生活に生かす教育というものに積極的に取り組んでいくことが大切じゃないか、こういうふうに私は思っているのであります。  ここにこの学習を受けた子供たちの感想文が幾つもありますが、これ、時間があると紹介するとおもしろいんですけれども、その中にこういうところが一カ所あります。これは長野県のある学校で学習をした子供たちの感想文なんですけれども、これは、のこぎりや大工さんの教育を受けた子供、セメントを使って壁を塗ることを教えてもらった子供、障子張りを学んだ子供等々もいるようでありますけれども、その中の一人はこう言っています。「障子張りをする職人さん達に、教えてもらった時は、とても、うれしく、得した気持になった。教えてもらった事、一つ一つ思い出して、今度、家でやってみたいと思っている。どうせなら一人でやって、両親を、驚かせてやりたいと思う。障子張りは、良い勉強になった」、こう言っているのですね。とても私も感動をある意味ではしたのでございますが、この教育を、こういった教育方法を文部省はぜひ推進していくべきではないか、いってもらいたい、こう考えるのでございますが、いかがでしょう。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 木材のすばらしさということ、あるいは林業の大切さということは、先生から承って私もよく理解をいたしておりますし、そのような関係から、いわゆる木材加工というものを義務化したということについて先生からも御評価をいただいている由、文部省の役人さんから聞いておりまして、大変うれしく存じておるところでございます。  これは、木という素材がすばらしいということ、あるいは山や緑がすばらしいということに加えて、今の世の中、子供たちが何かを自分たちでつくるということが余りに少な過ぎるわけで、私は、情報化社会へ向かっての教育で、コンピューターの数をふやすということとか、これも大変重要とは思いますが、ボタンを押していろんな情報を画面に映し出すというのも一つの今後の行き方ではありますけれども、自分の手でつくり出すということも、これは本来、人間としてはそちらの方がはるかに重要なんだろうと私が思うことがあります。  私自身、子供のころから、戦艦大和だとかそういう模型を木を削ってつくるのが大好きでありました。学校の授業でも、私が通っていた学校がたまたま木工が大変重視されておりまして、年に五つも六つも作品をつくらず、そんな教育をやっておりました。ところが、そういう私の小学校から中学校へ進むころに、いわゆるプラモデルというものが出てきたわけで、プラモデルを批判するわけではありませんが、何かただはめ込めばできてしまうというのと、自分でのこぎりで削る、あるいは糸のこて切っていく、そして彫刻刀で少しは飾りをつけて、何というのでしょうか、チャコとか、とのことか、ニスとか塗っていくという、こういうことの方がやはりはるかに私は人間にとって意味深いこと、教育の世界でもそういうことは重視されなければならないと思っておりまして、それが木材加工の義務化につながっていることと思います。  そのような観点で、今先生御指摘のとおり、いわゆる大工さんとか左官屋さん等が学校に見えて、アドバイザーとしてお子さんたちを指導をする。その技術を教えてもらって、子供たちがそれを作品作製に生かしていくというのは大変すばらしい制度であろう。現に実験的に行われているところがあるようにも承っておりますし、そうした先生の御指摘を受けまして、そうした地域のいわば教育力というんでしょうか、学校の先生以外に地域が持っている教育力を学校教育に生かすということについては、大いに研究し、検討し、進めていきたいと思っております。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 では次に、運輸大臣に伺います。  ここに「JR五年目の検証と展望」というアンケート調査による報告書があります。私は、この報告書をずっと一読させていただきました。この報告書は、JRの有力組合が部外調査機関に依頼をし、作成した、JR五カ年についてアンケートを行い、まとめたものであります。  アンケートの対象者は、お聞きすると、国会議員、連合及び加盟組合、東証一部上場企業の社長、交通学会員の学者等々であり、読んでみて極めて貴重な報告書だなというふうに私は思いました。  このアンケート結果を報告するに当たって組合は、JRの生みの親は国会である、国会においてJR五カ年を検証し、「JR労使の進むべき道を明示していただくことを切望いたします。」こう述べているわけであります。  私は、この組合の皆さんの希望ということもさることながら、この報告書を見て、労使問題だけではなくてJR全体、経営全体にわたりまして、国会におきましても、国鉄改革法に基づきまして五年を経過したわけでありますから、その経過等々を踏まえながら、総括する審議といったらいいんでございましょうか、点検といったらいいんでございましょうか、総括審議といったらよろしゅうございましょうか、そういうことが必要なのではないか、こう思うのであります。運輸大臣の見解を伺います。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○奥田国務大臣 今御指摘になったようにJRも五年目を迎えまして、皆さんも国民も御納得いただけるように、民営化は正しかった、そしてサービスの面、安全確保の面等々においても、国民の皆さんからある程度の評価を得られるような経営安定状態に立ち至っておるということは率直に認められるべきであると思いますし、このことの陰には、安定的な労使関係等々で各JR企業間で切磋琢磨して努力したといったことが五年目の評価として私も言われるんじゃなかろうかと思っております。  この「JR五年目の検証と展望」というアンケート調査については、けさよく拝読してまいりました。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 そこで、ちょっと具体的に触れておきたいんでございますが、このアンケートに基づいていま一回伺いますけれども、このアンケート項目というのは、国鉄改革五年目の評価に関するものと、それから今も大臣答弁になりましたけれども、経営に関するもの、安全に関するもの、債務の償還に関するもの、労使関係に関するもの等々となっています。  そこで、特徴点を挙げてまいりますならば、分割・民営化が正しかったとする評価は約九〇%、非常に多いようであります。それから旅客経営に関して、通勤混雑緩和対策を求める意見が五〇%を示しています。それから根源的対策、中長期的視点といたしまして、都市機能の分散化が七〇%ですね。それからさらに貨物経営に関しましては、鉄道の利点をフルに生かしつつもトラックまたは海運との連携が図られた複合輸送体系の確立を重視する回答が七〇%も出されているわけですね。なるほどというふうに思います。それから、安全につきましては輸送業の命である、今後の取り組みに高い関心を寄せているというのが約五〇%。それから労使関係につきましては、JRの経営が順調に推移している最大の要因というふうに挙げられておるわけでありまして、安定した労使関係の確立、労使関係の信頼関係が大事だという声が非常に多いようであります。  これを見まして、なるほどやはりこの報告書は常識的なものだな、こう私としては判断したわけでありますけれども、大臣の御見解はいかがですか。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○奥田国務大臣 私もそのように評価をいたします。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 そこで具体的なことを二、三、触れさせていただきますが、交通政策の基本は安全だと思います。したがいまして、この立場に立って私も昨年本会議代表質問においてこのことも触れさせていただきました。そこで、緊急にお尋ねを申し上げたい、あるいは措置しなきゃならぬという事柄についてお尋ねをいたします。  まず、事故にかかわることでありますけれども、私も随分ショックを受けたんでありますが、信楽高原鉄道の事故についてであります。これは、どういうわけでああなったのか、原因調査はどうなっているか。それから、当事者の一方であるJR西日本会社はまだ遺族や関係者の方々に謝罪していない、こういうふうに聞いています。もしこれが事実だとするなら遺憾なことだなというふうに思うわけでございますが、いかがでしょうか。

井山嗣夫運輸省鉄道局長

○井山政府委員 お答え申し上げます。  今先生が御指摘いただきました信楽高原鉄道の事故でございますが、大変悲しい、残念な事故が昨年の五月に起きております。一つは、まずお尋ねの原因究明がどうなっているかということでございますが、私どもといたしましては、早速事故の後からJR西日本それから信楽高原鉄道の両方に保安監査をかけました。それから、関係者からのいろいろな事情聴取も数回繰り返しております。  ポイントは、やはり当日の要員がどういうふうに具体的に動いたか、それから信号が赤になったままのときにかわりの安全方式をとらなきゃいけない、それが十分に行われていたかどうかとか、まずそういう人的な面が一つございます。それからもう一つは、その信号保安システムがどうも十分に機能していなかったのではないかという疑いもございます。そういう意味で、こちらの方はかなり専門的、技術的な話でございますので、省内に学識経験者等集まっていただきまして検討会を今一生懸命やっているところでございます。ここの検討会におきましては、現地調査を三回、それから検討会を既に四回しておりまして、何とか早くまとめようということでやっております。こういうふうな人的な面と機械的な面と両方が絡むわけでございまして、大変難しいところがございます。  それからもう一つ、この人的な面では、信楽高原鉄道で事故対策の責任者をしていた課長さんが、ポイントとなる役員と課長があの列車に乗っておって亡くなっているというあたりも、かなり調査が難しくなっているところでございます。しかし、いずれにしましても、私どもはできるだけ早くこの原因究明をやりたいということで頑張っているところでございます。  それからもう一つ、今遺族補償のお話がございました。遺族の方々、悲しいことに四十二名の方がお亡くなりになりまして、それからおけがをなすった方が六百名余りございます。今までのところ、結論的に申しますと、亡くなった方のうち三名の方と示談が成立しております。それからけがをなされた方、六百十四名でございますが、そのうち四百七名の方と今までに示談を成立させていただいております。  この補償交渉の体制でございますが、信楽高原鉄道とJR西日本が共同で、ご被災者相談室というのを設けまして、これは二カ所に事務所を設けまして、JRから約五十人それから信楽側から二十人の人、約七十名の体制で一軒一軒お回りして交渉をさせでいただいております。その過程におきまして、JR西日本も、当然のことながら担当役員等が回りまして弔意を申し上げるとともに、一応交渉をしてもよろしいという方から順次補償交渉に入らせていただいておるところでございます。  運輸省といたしましても、遺族の方のお気持ち、それからけがをなすった方のお気持ちを考えて最大限の努力をするようということを再三指示しておりますし、西日本それから信楽両方とも、信楽の場合は滋賀県が非常に御熱心でございまして御協力をいただいておるし、それから西日本の方もそれだけの、先ほど言いました五十人以上の人間を出す、あるいは立てかえ払いのお金はほとんど西日本が出しておりますけれども、そういうようなことで遺漏のないよう努めているところでございます。今後とも厳しく指導してまいりたいと思っております。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 いま一つ伺っておくわけでありますが、私は地元、東京往復に随分と東海道新幹線を使わしていただいておりますけれども、昨年九月三十日発生をいたしました東海道新幹線「ひかり」二九一号の事故でありますけれども、この事故の内容を聞くと大変なことであったというふうに思うんでありますが、これは原因は一体何であったのか。それから、運輸省の警告に対してどのように対応したんでございましょうか。あるいはまたどうして、報道されたところによりますと事故発生後二十日も運輸省に報告しなかったのか。この辺についてお聞かせください。

井山嗣夫運輸省鉄道局長

○井山政府委員 お答え申し上げます。  昨年の九月末でございますが、「ひかり」の車輪が回らなくなりまして、一軸だけでございますが、引きずったために車輪にへこみといいましょうか、フラットと言っておりますが、これができた事故が発生しております。  この事故の原因でございますが、これは割と珍しい事故でございますので、会社の方が研究所の方に委託をいたしまして具体的な調査を行ったところでございます。その結果が十月の二十日ぐらいまでかかった、こういうことでございますが、運輸省との関係で申し上げますと、まずこういう運転事故といいましょうか阻害事故がありましたときには一報が来ることになっておりまして、九月三十日の夜がこの事故があったときでございますが、早速中部運輸局の方へ、車両故障があって大幅遅延があります、原因は調査中ですという連絡が、これは口頭または電話でやれということになっておりますが、これが来ております。それから十月の初めに、これは月ごとにまとめて報告書が出るのですが、運転阻害事故届出書というのが出ております。  この間、JR東海といたしましては、自分のところの工場あるいは鉄道総合技術研究所等で、破損部品を持っていきましてそこで具体的な調査をいたしております。その結果わかりましたことは、七月にさかのぼるわけでございますが、台車検査をやるときに油を十分に入れてなかった、そのために歯車の、モーターを回す歯車がございますが、この歯車が何らかの形でやや変形をしたのではないだろうか、それがどうも最初の原因だろう。それから、その後何回か検査をしておりますが、ごく一番近いのは、その前日にやはり仕業点検をやりましたところ、油がどうも足りないということで補給をしております。  ただ、このときには既にその歯車がある程度がたが来ているといいましょうか、こういう状況にあったのではないかと思われるわけでございます。これが走っております最中に壊れまして、モーターにかむといいましょうか、という状態になりまして車輪が動かなくなった、こういう原因がわかったわけでございます。これが十月二十日ごろまでかかったようでございまして、私どもの方に、これはやはり異例な事故であるということで、正式に十月二十一日に中部運輸局に事故の原因調査をした結果をまとめまして届出書が出ております。  それから、これに対応いたしまして、運輸省といたしましては、こういう点検が非常に不十分に行われたという点に問題点がありということで翌日すぐ警告書を出しまして、どういうふうにするのか報告をしろという指示をいたしております。その結果JR東海では、社内でいろいろ議論があったようでございますが、例えば全車両を一斉点検するとか、それから台車検査時の油の量のチェック、そのチェックの仕方を変えていく、丁寧にやるということでございますが、それをやるとか、それから通常と異なる給油が必要だというようなときにはすぐ連絡をして再点検をするというようなことで、社内でこの種の事故が以降発生しないように相当徹底したマニュアルの見直しなどをやったと聞いております。そういう報告を受けております。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 いま一つ運輸大臣に伺いたいのでありますけれども、いろいろな報道あるいは伝えられるところによりますと、JRの労使関係がいま一つかみ合っていない、こういう話をよく聞くのであります。  あるJRの会社では、安全問題というのは経営問題であって、労働組合との協議事項ではないというような話で、この話し合いを拒否しているというような話も聞きます。とすれば、これは余りいいことではないなと思うのでありますし、それから鐵首といいますか、現在JRの組合がJRの会社との間にへ載首といいますかいろいろな強い関心を持つべき幾つかの労偵紛争を生じているという話も聞くわけてあります。これは、大型交通手段としてはJRは非常に重要な機関でありますから、交通安全という立場からいいますならば、労使関係というのは大事だと思っているのでございます。その点に対して大臣はどんな見解をお持ちでしょうか。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○奥田国務大臣 原則的に交通機関全般でありますけれども、特に鉄道輸送にとって安全の確保というのは、これはもう最大の使命でございますから、これは労使間の問題以前の経営の根幹の問題でもございます。ですから、いろいろな評価がなされるわけでありますが、今回、例えばJR東海そしてJR西日本のこの労使間の協議の内容をお聞きいたしますと、輸送の安全確保は会社の経営の根幹であるので会社が全責任を持って行うものだということを前置きした上で、事故防止という観点では、労使間は協議会を持ってお互いに議論し合ってやっていこうという点を申し合わせておる。そして、輸送の安全確保そのものは労働条件そのものとは考えていない、労働条件そのものとは。したがって、団体交渉事項には入れない。そのかわり別個に協議会を持って、安全確保協議会というものでやる、こういった形が、これは労使間双方で申し合わされてやっておるという形を聞いております。これは東海と西日本に関したことでございます。東の方は労使一体、この安全確保の問題を最大の労使間テーマとしても協議を持っておるようでございます。  ですから、いずれにしても安全の確保をめぐっては各JR企業とも基本的には全く一緒でございまして、そしてそれぞれの各企業間の特徴、労使間体質を生かしながら、それを労使一体体制という形で現実に努力していただいておりますから、その面で立派に業績を上げていられるという点を私は高く評価いたしております。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 時間の関係もあってこの交通問題、JRの交通問題、これ以上触れるわけにまいりませんけれども、いずれにしても、先ほど申し上げますように五年になりますね。総括的に審議をしたり話し合いをしたりしていくことを私は強く希望を申し上げていくわけでありまして、その立場で運輸大臣もせっかくの御努力を期待しておきたいわけであります。  そこで、ゴルフ場の問題あるいはゴルフ会員権の問題について触れておくわけでありますが、これは時間がございますれば少し具体的にあちらこちらの例を取り上げようと思いましたが、少し詰まってまいりましたから端的にお聞きをいたしますけれども、どうもこのところ好ましくない話があちらこちらから出てまいりますと、ゴルフ場建設に伴いますところのゴルフ会員権の取り扱いについてであります。随分これはございます。  これは北海道のあるゴルフ場計画を見せてもらったのですけれども、このゴルフ場を、あるゴルフ場を建設しようとするときに、事業費は百八十億ぐらいかかって、ゴルフの会員権を売るのは三百二十億円ほど売って、その結果、百三十億円ぐらいの利益を生みたいなんという計画書がここにあるわけですね。とんでもない計画を立てたものだというふうに思いますし、それから今問題になっております茨城カントリークラブ、この会員権の乱売の問題、これは報道によりますというと、何かお金は千二百億ぐらい集めて、実際にゴルフ場建設に使ったお金は四百億円前後で、あとのお金は水野さんとかいうところほかのところへ回ったというような話なんですね。  この具体的な内容については司直の手で明らかになるでございましょう。それはそちらに譲るといたしましても、こんなばかなことを実は許していてよろしいだろうか、許してはならないということなんでございます。  したがいまして、私は、このゴルフ場を建設する場合に、ゴルフ会員権の販売、発行の条件あるいは建設の収支、貸借対照表と言ってもよろしいでしょう、これらの内容等々がきちっと管理されるシステム、場合によれば法制化も必要でしょう、この辺で行政的に確立をしておかなきゃいかぬ、こういうときに来ていると思うのです。どうでしょうか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 今先生から御指摘がありました最近のゴルフの会員権に関するトラブル、非常に遺憾なことであります。  わずかこの二十年振り返ってみても、ゴルフ場、ゴルフをやる方々、この関係が大きく変わってきておりまして、かってはゴルフ場というものは、これはゴルフをやろうとする人たちが集まって、金を出し合ってゴルフ場をつくって、みんなでこれを経営して、お互い楽しんでおったわけですけれども、最近急激に、これは国が豊かになったことでもありますけれども、ゴルフ人口が急増してまいりました。これは今後、時短の問題とか、ゆとりと豊かさを求める社会というような中で、健康を守り、ゆとりあるゴルフが国民の間に普及して、庶民大衆の健康を守るスポーツになることは、これはまことに好ましい方向だと思いますが、これが、急激なそういう変化の中で、ゴルフ場そのもの、またゴルフ場と会員の関係といったものが全く変わったものになってきておりますから、残念ながら、そういう点についての法制というものはまだできておりません。  通産省としては、このゴルフの会員制事業をめぐる消費者トラブルの問題は極めて重要な問題と認識しております。今現在、学識経験者を中心に構成される会員制事業適正化研究会において、ゴルフ場事情等の消費者に対する情報開示のあり方、また預託金の安全措置の検討、会員の地位、これらを中心に鋭意検討しておるところでありますけれども、ゴルフ場経営の健全化、また、ゴルフをやられる方が明るい豊かな気持ちでこれをやれるような方向というものは極めて大事でありますから、これらの結果を踏まえ、法制化の検討を含めて、必要な対策を講ずるために鋭意努力をしてまいりたいと思います。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 今大臣、具体的に御答弁をいただきました。それで検討されている、法制化を含めて、期待していますけれども、これも実は余り時間を稼ぐわけにはいかない。稼ぐという表現はちょっとどうかと思うのでありますが、時間を経過させるわけにはいかない問題だと思うのですよね。急がなければなりませんね。およそいつごろまでにめどをつけますか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 率直に申し上げて、本来であれば、こういうトラブルが起こる前にこれができておれば一番よかったのですけれども、私もこの立場に立って、ゴルフ場というのが通産省の所管であると、それでいろいろ勉強してみますと、本来ゴルフ場は、先ほど申し上げたように、ゴルフをやる人たちがみんなで金を出し合って、そしてつくって、そしてまたその維持管理等もグリーンフィーに代表されるように行われるわけでありますけれども、この数年、バブルの中で、ゴルフをやるために会員になるというよりは、何か会員になっておけば、五百万円で入ったものが二千万円になったとか五千万円になったとか、極めて投機的なそういうようなムードも最近鎮静されてまいりましたためにまたいろいろこういうトラブルも起こっておるのですけれども、しかしゴルフ場のやはり健全な経営、また立派なゴルフ場の建設、これは、やはりゆとりあるこれからの生活を求めるために大事なことでありますから、みんなが安心して社会の中でゴルフ場も立派に建設される、また会員も安心してゴルフを楽しむことができる、そういうために法制化は極めて重要で、しかもできるだけ早いが望ましい、こう考えて私どもも鋭意努力をいたしまして、できるだけ成案を得るようにしたいと思いますので、先生方の方もそういうふうになったら審議の促進をお願いいたしたいと思います。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 なかなか大臣、いつまでに法制化を含めて答えを出しますというのは言いにくいかと思うけれども、いずれにせよ早急にやる、やらなきゃいかぬと思いますから、精力的に取り組んでください。  外務大臣、伺います。  カンボジアの復興支援につきまして、今月下旬東京で準備会議を開くという話、報道がございます。大変に私は結構だと思うのでありますが、この報道によりますと、十九億ドルと見積もられておりますところのカンボジア支援の本格展開経費、これについては来年度予算で分担率を上回る拠出を検討する、結構だと私は思いますが、これに対して具体的にどのようなことを今考えていらっしゃるのか。  いま一つは、会議を開くに当たって、報道によりますと、日本とカンボジアのほか、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、オーストラリア、タイとこうありますが、私は、アジアの隣の国々、カンボジアに関係するアジアの国々にもう少し参画をしてもらうことが望ましいのではないかという感じを持っているわけであります。その辺について外務大臣はどんなふうに考えをお持ちでございますか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 カンボジアにつきましては、日本で和平の提唱もやったこともございますし、人的、物的両面ででさるだけの援助はしていきたい。今までもカンボジアについては、去年の十二月それからことしの一月、二度にわたって経済協力調査団を派遣しておりますし、さらに今月、今年度中に農業、医療分野の調査団を派遣をして、具体的な協力の中身も詰めてみたい、このように考えております。  しかし、いずれにしても、表に発表になっていないこともございますが、内部の治安は必ずしもいいとは言われません。したがって、一刻も早く武装解除をしてもらい、七割は減らすことになっておるわけですから、武器を保管し、そして戦闘状態をなくする、末端まで徹底させる、地雷を除去する、そういうようなものをやらないと、一万何千人も入れて、まずPKO活動を展開するということですが、物には順序がございます。国連の分担金については、日本は本来からいえば二丁四五%でいいということなんでしょうが、そういうわけにもいくまいということで、金額はもちろん明示はいたしておりませんが、私は、財政当局とのこれは相談もございますしいたしますが、何せアジアのことでもあるし、日本が和平を提唱した国でもあるというようなことも考えまして、物的、人的両面からひとつ御支援を申し上げたい。  近隣諸国等は、御承知のとおり、そう財政上といいますか経済力といいますか、そうたくさん出せる国も現実にはないのも事実でございます。しかし、これらは人的な貢献についてはかなり協力していただけるんじゃないか、こう考えております。

串原義直日本社会党・護憲共同

○串原委員 あとを、佐藤恒晴議員に質疑の時間を譲ることにいたします。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 この際、佐藤恒晴君から関連質疑の申し出があります。串原君の持ち時間の範囲内でこれを許します。佐藤恒晴君。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 本予算委員会が、防衛費の削減あるいは中期防の見直しといった前向きの議論がなされている中で、去る三月二日にRF4E偵察機が墜落をして、二人のとうとい命が亡くなられた。大変気の毒な事故が起きたわけでありますが、本件に関して質問をいたしたいと思います。  まず、現在は事故原因の調査中であろうかと思いますが、この原因について、例えばパイロットの操作ミスあるいはエンジントラブルあるいはその他の飛行上の計器のトラブルといったような、私は今三つの例えばを挙げたわけでありますが、おおよそどのあたりに事故原因があるというふうに現在の段階で判断しているのか、簡潔にお答えをいただきたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 今御指摘の偵察航空機RF4E型が福島県の平田村に墜落をいたしまして、貴重な二名の航空員の逝去ということになったわけで、また、多少物損等もございまして、大変御迷惑な話で、遺憾に存じます。心からおわびを申し上げたいと思います。  今の原因の問題につきましては、事故発生後直ちに航空事故調査委員会を設けておりますが、これが調査を開始いたしまして、現在鋭意検討中でございまして、今先生御指摘の三点のいずれに原因があるか、あるいは複合的な原因なのかどうか、今調査中でございまして、申し上げる段階でございません。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 質問の内容が言葉ではちょっと表現しにくい部分がありますので、参考資料として図面のお配りをお願いしたいと思います。  質問をいたしますが、ポイント2というのが図面の下の方にございますけれども、このポイント2は、百里基地を飛び立ってからの距離は何キロの地点にあるのかを教えていただきたいと思います。

小池清彦防衛庁教育訓練局長

○小池政府委員 墜落地点までは百里から六十一ノーチカルマイルということでございますが、ポイント2までの距離はちょっと今っまびらかにいたしておりません。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 キロで私質問したのだけれども、マイルで答えられたのですがね。実は、ポイント2からポイント3に向かって飛行するという予定であったという。この地図は、私はいろいろな資料とそれからマスコミの報道を総合的に私が仮につくったものでありますけれども、時速七百キロで飛行しているというふうに報道されておりますが、そうだとすれば、十三分後にレーダーから消えた、こういうことになっております。といたしますと、約百五十キロぐらい飛行したということに実はなるわけであります。  そうしますと、この墜落地点、ここのところを図面、見ていただきたいのですが、実は北北東に向かって飛ばなければいけないものが南南東に向かって墜落しているわけですね。ということは、この辺で十分に旋回したというようなことが推測をされるわけでありますが、十三分後にレーダーから消えたという報道でありますけれども、どの時点で、この図面上、どのあたりで消えたということにこのレーダーでは追跡しておったのか、御報告をいただきたいと思います。

小池清彦防衛庁教育訓練局長

○小池政府委員 お答えいたします。  大体レーダーから消失したと思われる点は、この図面の墜落地点のところに点線がこうかいてございますが、この点線の一番左端、そのもう少し先へ延びた、この実線を越えてちょっと先へ延びたその辺であろうと思います。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 実は、これは亡くなられた方については気の毒なわけでありますけけれども、じゃなぜ北北東に向かって飛ばなきゃいけないものが南南東に向かって墜落をしたのかと。しかも、私は百五十キロと今指摘をしたわけでありますが、十三分後ですから約そのくらい。としますと、基地からレーダーから消えた部分まで何キロぐらいあるのかということによって、実は予定の飛行コース、つまり直線的に飛ぶコースではなくて、かなり迂回飛行をしていたというふうに実は推測をされるわけでありますが、この点ははっきりしないようでありますから、いずれ機会を見て、改めてお尋ねをしたいと思います。  そこで、お尋ねをさらにいたしますが、全国に自衛隊機の低空の、低高度の飛行訓練及び試験空域は現在九カ所あるというふうに伺っておりますが、このナンバー2、縦の斜線で引いてあるところが実はエリアのナンバー2でありますが、ここはいつごろエリアとして設定されたのか、全国九カ所というのは間違いないかどうか、その点まず確認します。

小池清彦防衛庁教育訓練局長

○小池政府委員 この訓練空域は、先生御案内のように、雫石の事故が昭和四十六年に発生いたしまして、その直後に航空交通安全緊急対策要綱というものが定められたわけでございます。それによりまして訓練空域が設定された次第でございまして、記録によりますと、四十六年八月十二日に設定されたというふうにございます。  それからなお、先ほどの先生のお話で、直線飛行をすることになっていたのを直線飛行をやっていないのではないかとというお話でございますが、そもそもこの航空訓練は直線飛行ばかりやるわけではございませんで、このポイント、先生がここにポイント2とお書きになりました、それからポイント3とお書きになりましたが、このほかにも幾つかポイントを定めまして、その間を偵察訓練を行いながら航法訓練を行うということでございまして、飛ぶ方向が真っすぐ飛ぶということではないわけでございます。ただ、その飛行は、曲技飛行とか、ただいまお話しになりましたナンバー2といった訓練空域以外で行ってはいけない、そういった飛行は本来いたさない形の飛行でございますので、こういった空域でそれを行っておる。特に直線でだけ飛んでおるわけではないわけでございます。そこのところを御理解を賜りたいと存じます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 実は、航空法あるいは省令で見ますと、いわゆる最低安全高度というのと、それから低高度という言葉の定義上の整合性というのが非常に求めにくい。したがって今のような答弁で逃げようとする、こういうことになるんだろうと思うんです。私は率直に、現在の法文と、それからこの低高度訓練空域とわざわざ設定をしてあるということは、その最低安全高度を保ちながらこの訓練空域でやるというのが常識的に、法文と自衛隊と運輸省の関係において、そういうふうに読むべきである。  ところが、その地図の上の方に、北の方に大作山とか半田山というのが書いてありますが、時間がありませんから細かに説明いたしませんが、実はここは私の住んでいるところでありまして、このあたりで、実は人家の密集地であります、飯坂温泉でありますから、その上空を三百メートル以下で飛んでいる。現実に飛んでいる。これは、私がここに住まいしておるわけでありますから、私が目認しておるわけであります。それをどのように確認するかということで、写真を撮ろうと思っているんだけれども、カメラを持って休みの日にいるときにはなかなか飛んでこない、こういうことでございまして確認できないんでありますが、家内に全部記録をしておけと言っているんでありますが、最近はもう毎日来るから記録する必要がない、こう言うわけであります。その毎日の状況が今度の墜落ということになったわけであります。もう十何年来以上この現実が繰り返されておる。この二つの山をあらわしたのは、実はその山のどの中腹を飛んだとか、山腹を伝わって低空飛行訓練をしたとか、そういう現場を私は実は確認をしておるわけであります。福島市上空を低空飛行訓練をやっているというふうに私は解釈をしておるわけであります。  きょうは時間がないからちょっと先に急ぎますけれども、わかりにくいと思いますけれども、それでは、省令の百七十四条に言うところの最低安全高度三百メートルというふうに書いてあることと、その次の項のロの項に書いてある条文、この間には、人家密集地という上空では三百メートル以上ですよ、人家のないところは百五十メートルですよ、こう書いてありますが、密集と人家のないところの間の概念はどういう概念でとらえればいいんですか。

松本健治運輸省航空局技術部長

○松本(健)政府委員 お答え申し上げます。  人家の密集している地域、それからそれ以外の地域ということの御質問でございますけれども、航空法施行規則の百七十四条に言います人家の密集地域というのは、通常は都市の上空等の非常に民家がたくさん集まっているところというところでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 私がお尋ねをしているのは、人家の密集地と書いてあるイの項と、ロの項は人家のないところと書いてあるから、密集と、ないところの間の概念はどうとらえるのか、こう聞いているわけです。

松本健治運輸省航空局技術部長

○松本(健)政府委員 お答え申し上げます。  その間の、人または人家のないところというのは、水上であれば水面の上でございます、それから地上でありますれば砂漠とか全く山の中とかそういうところでございまして、その中間が先生がおっしゃっているところの区域になるわけでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 それでは、五十メートル置きに人家がある、百メートル置きに人家が連檐しているというところ、あるいはまた十メートル置きに人家が運檐しているというところは、このイの項とロの項の間のどういう概念で理解すればいいのかということを私は聞いているわけですね。  きょうは時間がないから、いずれ後また分科会等でやりたいと思います。  そこで、防衛庁は、訓練空域でないところでも低空の、低高度の飛行訓練ができるんだという解釈でありますが、一体どういう根拠でそういうことができるのか。例えば現在の省令では、水平距離で六百メートルの範囲内に三百メートル以上のものがなければ地上三百メートル以上飛んでよろしい。ところが、実際七百キロで飛ぶ飛行機が、六百メートル先に、あ、三百メートル超えたものがあるかないかという判断をして、それですぐ急上昇する、そういう飛行が実際に都市の中でできるのか、都市の上空で。こういう問題が実はあるわけであります。  九〇年の四月の十二日にこの予算委員会で我が党の串原委員がやはりこういう問題、米軍の低空飛行問題について質問をしたくだりの中で、   そこで伺いますが、我が国自衛隊の実弾射撃等を伴わない低空飛行訓練、これは我が国領空のどこでも行えるのか、それとも特定の訓練空域に限定されているのでしょうか。 こういう質問をやっております。これに対して米山政府委員が答弁をしております。   先生お尋ねの低空飛行訓練というものの定義について明確なものがあるわけではございませんけれども、自衛隊機の飛行につきましても当然航空法の適用がございます。自衛隊の戦闘機につきましては、必要に応じ公海上やあるいは演習場の上空等で航法訓練、対艦攻撃訓練等を行っておりまして、その際法律の規定を遵守をし、 こうなっているんですね。つまり、低空飛行訓練をするのは指定された空域でやるんです、演習場の上でやるんです、その場合といえども云々、こういう答弁になっておりまして、やはり航空法及び省令を守ってやる、つまり、しかもそれは演習場の上空でやる、こうなっているわけです。  にもかかわらず演習場の上空でないところでやるというのは、三百メートル以上だったらどこでもいいんだ、こういうことに解釈をしているようでありますが、現実問題としては、十年以上三百メートル以下で飛行して訓練をしているということについて、どういう根拠でやっておられるのかもう一度お尋ねをしたいと思うのです。  それから、私はここで、なぜ墜落の方向が南南東に向かって墜落をしているのか。これは直線で飛ぶわけじゃございませんという答弁ですけれども、やはり地元に多少教育上問題のある発言も現実に起こっております。これは、恐らくその資料を当局は持っているだろうと思いますから、私の方からあえてこの場で紹介をいたしません。いたしませんけれども、この方向の違っている飛行というのは、実は恣意的に行われたというふうにも判断できる材料が一、二あるわけでして、そのあたりをよく判断をされて、ただいまの根拠は何かということについて改めて答弁をいただきたいと思います。

小池清彦防衛庁教育訓練局長

○小池政府委員 ただいまの件に類します航法訓練におきましては、先生ただいまおっしゃいました三百メートル、千フィートでございますが、この千フィート以上で飛ぶようにということを私どもは日ごろからきつく指導いたしております。また、人家密集地を避けるようにということもきつく指導いたしておりまして、恐縮でございますが、先生のおうちのございますあたりも人家密集地がございまして、そこは避けて飛行をいたしております。人家密集地でございません場合には、先生ただいま申されましたように、百五十メーター、まあ五百フィートでございますが、以上なら法律上は許されるわけでございますけれども、私どもはあえて人家密集地と同じ一律に千フィート、三百メーターより上を飛んでおるということでございまして、これは航空法上許されておる空域を大事をとって飛んでおります。  さらに、この偵察機RF4Eのこの種の飛行は、対地航法レーダー、これは最低高度をそのレーダーによって確保して飛ぶことができる非常に安全な航法を確保するためのレーダー、これを使っても飛んでおるということもございまして、決してこの訓練自体が危険な航法ではないということを御理解いただきたいと存じます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 時間が参りましたので質問を終わらせていただきますが、いずれ省令のイの項、ロの項の解釈、それから瀞実に三百メートル以下を飛んでいるという具体的な状況については改めて分科会等でただしながら質問をさせていただきたいと思っております。ありがとうございました。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて串原君、佐藤君の質疑は終了いたしました。  次に、木島日出夫君。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 渡辺郵政大臣にお尋ねをいたします。  大臣の資産公開によりますと、大臣は貸し家として東京都千代田区平河町二丁目十一番八号の所在地に七十八・一八平方メートルの共有建物を持っておる、その持ち分は十一分の三とありますが、これはいわゆるクレール平河町二〇一のことでしょうか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 お答えいたします。さようでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 建物登記簿謄本によりますると、大臣の持ち分が十一分の三、大臣の奥さんの持ち分が十一分の八ということのようですが、そのとおりでございますか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 そのとおりでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 この建物は貸し家とのことですが、だれに貸しているのでしょうか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 私の政治団体に使わしております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 私は、郵政大臣の政治資金報告書、自治省に届け出られたものを調べてまいりました。そのまとめを書類にしたためて、委員の皆さんにも、了解を得て、お配りをしております。  その報告書によりますと、大臣の指定政治団体のうち八つの政治団体が、住所がちょっと異なっているのですが、クレール平河町二〇一を主たる事務所の所在地として届け出がなされております。秀央会、秀友会、東京秀央会、新政経管理協会、凌駕会、政治経営管理協会、陽山会、経済懇話会の八つでございます。借り主はこの八つの政治団体ということになるのですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 さようでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 ところで大臣は、この八つの政治団体から賃料、家賃を受け取っているのですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 これはちょうだいしておりません。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 配付いたしました、郵政大臣の三年間の政治資金報告書の支出の分をまとめてみました。お手元にあるとおりであります。  政治資金規正法施行規則によりますと、支出は大きく経常経費と政治活動費に分類をされます。経常経費は、人件費、光熱水費、備品・消耗品費、事務所費に四分類されることになっております。事務所費というのは事務所の維持に通常必要とされるものを言いまして、主に家賃などが該当するということのようでございます。  それで、資料によりますと、八つの政治団体の事務所費合計をとってみますと、昭和六十三年が二千七百二万五千円、平成元年が二千二百五十万六千二百五十五円、平成二年が九百九十七万七千百八十五円でございます。性格上、事務所費というのはいわゆる活動費と違ってそれほど大きな変動がないものと思われるわけであります。ところが、この資料のように年によって大きく変動しております。  今、大臣の御答弁で、賃料は全然受け取ってないということだと思うんですが、それじゃこの事務所費というのは賃料じゃないんですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 お答えいたしますが、まあ六十三年あるいは平成元年と、平成二年の選挙、大体想定できる段階でございましたし、電話の使用料は私のところは相当長距離ですから、電話の使用料だったりあるいは切手購入費などが非常に多額になったのでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 選挙のときの電話の使用料などは、いわゆる政治資金規正法施行規則別表によりますと、経常経費でなくて政治活動費の方の、少なくともアは組織活動費、イは選挙関係費、そちらの方に入るべきものであって、経常経費に入るべきものでは全くありません、ないと思います。どうなんでしょうか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 これは先生のお話で、先生の方がむしろ専門家でいらっしゃるわけです。事務所費というのは、公租公課とかあるいは火災保険とかあるいはほかの保険、電話使用料、ファクスを含めて、切手購入費や修繕費、その他これに類する経費が全部事務所費になっていると私は思いますが。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 いや、私は手元に政治資金規正法施行規則別表第六号様式を持っておるわけです。その中の経常経費の工に「事務所費」とありまして、読んでみます。「事務所の借料損料(地代、家賃)、公租公課、火災保険金等の各種保険金、電話使用料、切手購入費、修繕料その他これらに類する経費で事務所の維持に通常必要とされるものをいう。」とはっきり書かれております。  自治省にも私ども確認をしておりますが、電話使用料とありますけれども、これは、選挙運動のための電話などは全く入らないで、事務所維持に必要な家主さんとの電話の連絡とかそういうものだけがこれに入るんだというのが自治省の見解のようでありまして、こんな何千万というような電話は、これは事務所費でなくて政治活動費の方に入らなければ全くおかしいということになろうかと思うんですね。どうなんですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 私の方は、まさにこの事務所の方は、選挙運動費ではなくて、私は、さっきそういうように受け取られたとしたらちょっと私の言い方が悪かったかわかりませんが、選挙の、まあ絶えず衆議院はお互いにいつあるかわかりませんけれども、しかし大体まあ来年かな、再来年かなというようなことでやりますから、そういう意味ではかなりのやはり、議員会館からのわけにまいりませんから、私の方はかなりの地元との連絡、連携というのが出てまいりますから、これは特にいろんなファクスだのそういうものを使っていけばもう多額なものになってまいりますので、これは私の方が実際問題として必要とした経費であるということでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 施行規則別表によりますと、政治活動費の中の「ア 組織活動費」の中に、「当該政治団体の組織活動に要する経費一選挙に関するものを除く。)で、例えば、大会費、行事費、組織対策費、渉外費、交際費の類をいう。」と。ですから、今大臣の御答弁によりましても、政治活動費の組織活動の方にこの金は分類されて正しく報告されなければならないと思うわけであります。  大臣は政治資金報告きちんとやっていると、手落ちはないと再三言っておられるようでありますが、とても納得できませんが、そのことだけ申し上げて、時間がありませんから次の質問に移りたいと思います。  郵政大臣は、ことしの二月七日午前の閣議後の記者会見で、リクルート社から昭和六十二年十二月に三百万、昭和六十三年八月に五百万を受け取ったことを初めて認めましたが、これが未公開株以外の問題ではあなたがリクルート社から政治献金を受け取ったことを外に向かって確認した最初の機会だと思われるわけですが、そのとおり間違いありませんね。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 お答え申し上げます。  昭和六十二年十二月に三百万の献金を受けました。これについては、文春の記事を見まして再度調査をさせましたところが、昭和六十二年の十二月に三百万円の献金を受けたことがわかったので、私は、これは大きな見落としたといたしましておわびを申し上げたわけであります。この三百万円につきましては、私の三つの政治団体にそれぞれ百万円ずつ払い込まれ、浄財として私は当時適切に処理いたしております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 五百万円の方はどうだったのでしょうか。記者会見の報道を見ますと、二月六日、前日の週刊文春の指摘を受けて再調査した結果わかったと述べられたように報道されておりますが、五百万円の方はどういう調査をだれからしたのでしょうか。     〔委員長退席、中山(正)委員長代理着席〕

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 五百万円につきましても、これは小切手で献金を受けたということを認めさしていただいたわけです。これは前にも新聞に報道されていましたので、私は、このことは前に報道されているとおりということで、実は五百万のことはもう前に認めているという前提でありましたので、ちょっと言葉があるいは足りなかったかもわかりません。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 前に報道されたということは、実は私、これから質問しようと思っていたことであります。その前に報道されたというのはいつごろのことだったか、御記憶ありますか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 西暦でなくて悪いのですけれども、平成元年の四月、私の地元での記者会見のことであろうと、恐らく先生のおっしゃるのも。私もそのように記憶しています。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 平成元年の三月三十日、大臣の地元の新潟の地域新聞であります新潟日報に大きく出ておるわけです。このことを指しているかと思います。  そこで、その直前の、前の日の夜、平成元年三月二十九日の深夜ですね、新潟日報のインタビューに大臣が応じて、そのところでは、「指摘される事実はない」と疑惑を否定した。Lと書かれているわけです。また、大臣が今御答弁なさった四月、やはり大臣が地元新潟県三条市の大臣の事務所で記者会見をし、「献金を受けた事実はない」と、改めて疑惑を否定した。ヤミ献金疑惑については「昨年からリクルート社とは一切接触していない。」昨年というのは昭和六十三年のことであります。「私だけでなく秘書にも問いただしたが、(金銭授受の)形跡はなかった。」ということを。明確に否定をされているわけであります。  平成元年の三月末から四月の時点で新聞などでこの五百万円の問題が大きく報道されたときに、一貫して大臣は全面否定されたじゃないんですか。先ほどの御答弁ですと、そのときにも何か認めていたような御答弁をなされましたが、そうではないんじゃないんですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 四月の地元での記者会見のとき、御案内のとおり当時非常に大きなリクルート問題の話題でありましたので、私としてはその五百万円を一たん受け取ったということが、正直申し上げまして非常に言いにくかったことが一つでございますし、もう一つは、もう新聞でも、先生あるいはほかの新聞を見ていただいていると思うのですが、私はそのときに、余り表現はよくないのですけれども、既に決着済みだということも実は申し上げているので、それがつい、私はもうお返ししているということが、六十三年にお返ししているという前提が頭の中にあるものですから、実はもらって返したよということを言えばよかったのですけれども、返したこと重言わずに、その当時そういう言い方をした。まことに申しわけなかったと思っております。  当時、五百万円について予算委員会でも答弁いたしましたように、これは明確にお返しをいたしておりますので、若干そこのところの、私の当時の記者会見での対応が適切でなかったのではないかという感じもいたします。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 大臣の記憶を鮮明に喚起していただくために、平成元年三月三十日付の新潟日報紙と毎日新聞の記事、それから平成元年四月三日付の新潟日報紙のコピーを大臣に示してよろしいでしょうか。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 どうぞお示しください。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 一枚目、平成元年三月三十日付新潟日報、右側の記事、大臣のインタビューが書いてあります。「言われているような事実は身に覚えがない。」それから三枚目一毎日新聞平成元年三月三十日記事、見出しは「渡辺元官房副長官の名」と書いてあって、最後に「渡辺議員は「昨年も今年もリ社とは接触していない。身に覚えがない」としている。」と書かれております。  また日付の入ってないやつですが、平成元年三月三十一日の新潟日報の記事だと思いますが、右下の方に、「「事実ない」重ねて否定 渡辺氏L「疑惑を否定している渡辺氏は三十日、院内で「そういう事実はない」と重ねて強調した。」云々とありまして、そして記者から、「秘書に改めて確認したのか」という質問に対して、「「返したということではなく、事実そのものがないのか」との重ねての問いに、「改めて確認した。(もらった)事実はない」と、キッパリ。Lという記事もあるわけです。四月三日の新潟日報の記事も、これは大きく「ヤミ献金、重ねて否定」とあるのですね。  これらの事実を見ますと、とても対外的に、報道関係者に、前年の八月に五百万円をもらったということを認めていたというふうには到底とれない、全面否定してたんじゃないかと思わざるを得ないんですが、そういう記憶ではないですか、この新聞をごらんになってどうですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 ですから、当時、先ほど申し上げたように、私は五百万円を六十三年のたしか九月か十月というふうに小岩井先生のときにはお答えしていると思うんですが、その時期にお返しをしているという前提が、しかも受け取ってはならないものを、これは本当にもう、私も当時は本当に、私ここでも慌てて返させたというふうに実は表現したと思うんです。本当に慌てて、しかも振り込まれたというふうに何かたしか報道であったようですが、これは小切手でありましたので、どうしてそんなことだったのかと当時思いましたが、しかし、ちょっと言いにくいことですけれども、お返しはしたからすべていいということではないと思いますが、お返しをしている、しかもそんなに時間かからない間にお返ししているということでありましたので、私は、何回も申し上げますが、否定をせざるを得ない環境にもありましたし、否定をさしていただいた。事実、私が受け取ってその金を使って、消化していれば別ですけれども、現金化してすぐにお返しをした、こういうことでございますので、御理解をいただきたいと思うんです。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 そうすると、大臣の御答弁を整理いたしますと、六十三年八月に小切手をもらったが、同年九月か十月ごろ自分は知った、びっくりして慌ててお返ししたということですね。そうしますと、そのことを、もらったということを大臣はだれから聞いたんですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 間違うといけませんけれども、秘書から確認を私はいたしました。リクルート社から来てないねということを、非常に大きな問題になってきておりますし、そこでもう私は確認をいたしたという次第です。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 だれでしょうか、具体的に。五百万の小切手もらったことの話ですよ。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 もらったのは、ちょっと申しわけないんですけれども、事務的に恐らく会館で受け取ったのではないかと思うんですが、経理担当の秘書ではなくて、元経理担当の、やめたその秘書ではないことは確かです。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 いや、今大臣の御答弁見ると、六十三年の八月に五百万の小切手をもらったということを知って、本当は驚いたわけでしょう。六十三年の八月なんというのはリクルート事件が表に出て大変な問題になっていた時期です。本来もらってはならぬような時期なんですね。それをあなたは知って慌てて返さしたという答弁をされたから、じゃ、何という秘書がどういう経過で、リクルートのだれが五百万の小切手を持ってきたんですよ、それをもう既に現金化しちゃったんですよという報告をあなたは受けたのか、そこを聞いているんですよ。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 受け取ったのはちょっとあれですが、話を聞いて確認をしたのは小杉秘書でございます。だから、小杉秘書は受け取っていたかもわかりません。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 返すことを命じたのも、じゃ、小杉秘書に対してですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 さようでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 リクルートのだれが五百万の小切手を持ってきたかは聞いてないですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 それは秘書室の人だということは聞いております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 新聞報道等によりますと、秘書室長の小野敏廣という人ではないかと書かれているわけです。  返したということを確認しましたか。五百万返さしたことを確認しましたか。命じただけですか。確認までしてますか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 お答えしますが、これは五百万円は、返したのは私の秘書に五百万を持たして返したわけですから、これは間違いなく返しているようでございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 返したことの報告まできちっと受けていると聞いていいですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 それで結構でございます。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 その報告を受けた時期が、記憶によれば六十三年九月か十月ごろであったということですね、そうすると。そういうことですね。一応確認しておきます。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 六十三年の九月か十月ということでございましたが、恐らく九月の下旬ではないかと記憶しております。日にちはちょっと定かでございません。なぜかというと、八月にいただいたわけですから、それを確認をしながら慌てて返したのですから、そんなに時間はかかってないと思いますし、九月の下旬に、月末ですし、いろいろな話の中から来ているということがわかって、そしてそれは月内に早く返せということであったと、秘書と話をしますと、記憶をたどってみますと大体そういうことではないかという感じでございます。  ですから、今まで九月か十月かという、非常に小岩井先生に申しわけなかったんですが、あいまいな言い方みたいにしてまいりましたけれども、多分九月の下旬であろう、秘書との確認の中で、そんな感じがいたします。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 この問題に私が大変こだわりを持つのは、実は昭和六十三年八月の時期のリクルート社から政治家への金の動きというのは、これは大きな問題なわけであります。実は、当時楢崎議員に対して、リクルートの社長室長であった松原弘という者が、昭和六十三年の八月四日に現金百万を渡そうとした。同月二十五日に現金百万を渡そうとした。翌月九月三日に現金五百万を渡そうとしたという事実があるわけであります。それがいわゆる贈賄事件として刑事訴追の対象となって、松原弘氏は起訴され、平成元年には有罪が確定しているわけでありますね。  昭和六十三年十二月二十日に、その事件の冒頭陳述が東京地方裁判所で行われているわけですが、そこで検察官からこのような冒険がなされているわけです。ちょっと引用しますと、   リクルート及びコスモスにおいては、リク  ルート問題が国会で大きく取り上げられ、その  ことによって更にマスコミが同問題を大きく報  道し、最終的に、前記江副が国会に証人喚問さ  れたり、コスモス株の譲受人の氏名が国会で明  らかにされたりするような事態になれば、リク  ルート及びコスモスその他のリクルートグルー  プの社会的信用が失墜し今後の事業に悪影響が  出たり、譲受人の社会的信用・地位を傷つけ、  ひいては同人らのリクルートグループに対する  信頼を失ったりすることを憂慮すること甚だ大  であった。そこで、このような政治状況やマス  コミからの取材攻勢に対処するため、前記小松  助役に関する報道がなされたのち、リクルート  では広報室が、コスモスでは広報課が、それぞ  れ、毎日各新聞に目を通し、リクルート問題関  連の記事が有ればそれをファイルするととも  に、その写しを、被告人を含む両会社幹部に配  存するなどして、同幹部らにおいて、リクルー  ト問題に関する国会の動向等を把握するように  努めていたほか、前記江副、位田尚隆リクルー  ト社長、奥住邦夫同専務、生嶋誠士郎同常務、  間宮舜二郎同常務、小野敏廣同秘書室長、坂本  健云々  被告人をメンバーとする対策会議を設置して随  時対応策を検討していたが、その結果、最も問  題とされていたコスモス株の譲渡先について  は、個人のプライバシーとして一切公表を拒否  することとなった。 要するに、昭和六十三年七月、八月ころはリクルートが状況の動向を勘案しながら、まあマスコミなどでは、口封じのために、隠ぺいのために猛烈な工作をかけたと報じられているわけであります。  実は翌年に、昭和六十三年の八月に四千万の金が十数人、十五人の国会議員にばらまかれようとしたという事実さえ出ているんですね、表に。その金の一部が郵政大臣のところへ持ってこられた小切手だったのでなかろうかと思うわけであります。ですから、この金というのは単なるお中元とか政治献金などといったぐいのものではないということは、楢崎さんへ金を渡そうとしたあの贈賄事件の冒険を見てももう明らかだと思うのです。  今大臣は、秘書が受け取った、自分は知ってすぐ返させたと御答弁なされましたが、そのことを、翌年の平成元年の三月末から四月にかけては全面否定していたという事実は間違いないわけですね。そうしますと隠していたということになるわけで、このこと自体重大な問題だと思うわけであります。返したということも私、今直ちに信用できるわけではないわけですね、返したという確たる証拠が国会に出されているわけではありませんから。  そこで、実は、翌平成元年二月一日、自民党はリクルート問題についてのけじめということを打ち出したのは大臣覚えておられると思うのですね。その中でこう書いてあるんです。「非公開株の譲渡をめぐり、リクルート社が問題となった昨年夏以降」、要するに昭和六十三年夏以降です、「の献金等については、政治家個人個人の見識としておのずから節度をもって対処すべきものである。」と書かれているんですね。  これが出たのは平成元年二月一日ですが、実はその直前、平成元年一月の末には、時の、当時の原田憲経企庁長官が経企庁長官を辞任しているんですね。辞任したことを渡辺郵政大臣はどのように受けとめて今おられますか。あるいは当時どのようにそのことを受けとめたでしょうか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 ちょっと、せっかくの御質問ですが、大先輩のことでございますし、私からその当時のことを思い出して申し上げるような筋合いではないと思います。  私は、五百万の献金については、今のように時差が多少、まあ多少というか、大変おしかりをいただいておりますが、ございますけれども、実は、御存じのとおり六十三年の八月の夏の、そういう好意的なものであるというふうに事務所の諸君たちが思って受けとめてしまった、しかし、それはそんなことじゃないぞということで返させた。前段の三百万については、六十二年だからいいじゃないかということではなくて、これも、私としては本当に大きな見落としで申しわけないと先日記者会見でもおわびを申し上げておるところでございまして、しかも、私は大臣就任のときにも、今まで報道されていることである、五百万については別に私は否定をしておらないのでございます。そのことはぜひ御理解をいただきたいと思います。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 実は、御存じのように、昭和六十三年十二月に時の長谷川法務大臣は在任わずか四日目で法務大臣を辞任しているわけであります。辞任理由は、リクルート事件発覚後の昭和六十三年十月ごろまでリクルート社から毎月の後援会会費を受領していたということが明るみに出た。ところが、長谷川大臣は大臣就任の記者会見で、リクルートからは一銭ももらっていませんでしたよという記者会見をした。それがそうではなかったということが明るみに出て辞任しているわけですね。  それから、先ほど私が指摘しましたように原田長官が辞任したのも、まあ新聞報道等が伝えるところによれば、結局は何が一番のポイントだったかというと、リクルート事件が発覚したその後にリクルート社からお金をもらっていたということでやっぱり辞任しているわけですね。  それと今の自民党の二月の見解なるものを合わせますと、やっぱり自民党さんの方もリクルート事件が少なくとも発覚した後、金をもらうのはよくないんだということは貫かれていたと私は思うんであります。  そうしますと、郵政大臣は少なくとも平成元年の三月の時点では、五百万をリクルート事件が発覚した後もらったということは、少なくとも新聞報道や先ほどの御答弁を見る限り否定をされておられた。それで今日までずっとその事態が続いてきて、私は初めてことしの二月にお認めになったんではないかと思うわけですね。そうしますと、前例から見ても到底大臣の立場に居続けることはいかがなものかと思うわけであります。宮澤内閣の政治倫理問題に対する姿勢そのものが問われる問題ではないかと思うわけであります。かつての竹下内閣の時期の原田長官や長谷川法務大臣のとった立場、それからまたその後の海部内閣のとっていた立場、それとも余りにも大きな落差を感じざるを得ません。  内閣のかなめである加藤官房長官はあの自民党の見解なるもの、それからこういう事態が今明らかになったということをどう受けとめておられますか。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○加藤国務大臣 今お聞きしておりますと、古い話に少しなっておりまして、また複雑な事実関係のようでございますけれども、渡辺郵政大臣におかれては、ここで一生懸命、誠心誠意御答弁なさっていると思います。そういうことで、一生懸命ここで国民の皆さんにその事実関係を御説明いただいて納得していただくように努力されていると存じております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 今古い話とおっしゃられましたが、決して古い話ではないと私は思うわけです。それは、自民党としても歴代の竹下内閣でも、基本はリクルート事件が発覚した後リクルート社から金をもらっちゃいかぬのだという点で一貫していたと思うのです。渡辺郵政大臣も、実際は先ほど言ったように秘書がもらったが、現金化して一カ月か二カ月ですか手元にあった、そして慌てて返したということですが、少なくとももらったという事実が初めて世に出てきたのはことしになってからなんですね。新しい話なんですよ。こういう事態に対して自民党がみずから掲げたけじめですね、見解、これと抵触するんじゃないかということで私は官房長官の見解を聞いたわけです。  決して古い話でない、ことし二月に初めて出てきた新しい話だと思うわけですが、もう一度見解を求めたいと思います。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 五百万円の件につきましては新しい話ではございません。当時既に返したということは、五百万円を受け取ってそして返したという記事は、これは大きく報道されたんです。それは先生見落としされています。ですから、これは私はしたがって、記者会見でも報道されているとおりだということを、もうその五百万円を含めて私は申し上げている。事実関係を認めているんですよ。それはそんな私は不敵実なことはしていません。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 返したということが当時もう既に報道されているということは、私は寡聞にして初めて聞きました。これは重大な問題だと思うので、ひとつ資料を提出していただきたいなと思うわけであります。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 当時というのは、おっしゃっているその新聞に出ている平成の元年かその辺だと思うんです。ですから私が申し上げるのは、五百万円というのは今初めて出てきた話ではございませんということを申し上げているんです。今初めてこの二月で出てきたという話ではないんです。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 出てきたというのは指摘されたという意味でしょう。それは私も再三さっき指摘したところですよ。平成元年の三月末に指摘された人ですよ。しかし、それは全面否定していたんですよ。一貫して全面否定していたんですよ。初めて認めたのがことしの二月になってからなんですよ。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 いえ、昨年の大臣就任のときに認めております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 では官房長官、昨年大臣就任のときにそういう事実を存じ上げておりましたか。それに対して宮澤内閣はどう対処するかと検討したことはありますか。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○加藤国務大臣 その当時の一つ一つのことについてよく我々調べたりはいたしておりませんけれども、大臣に就任に当たっては、みずからの倫理ということについてはしっかりとした基準で考えていただくようにしておりますし、また、そう対処していただけていると信じております。

木島日出夫日本共産党

○木島委員 時間の関係で終わりますが、新しく、返した時期の問題、それから返したという事実を既にもう昨年の宮澤内閣の組閣のときには明らかにしているという新しい事実が郵政大臣の方から答弁されました。疑惑は私はますます深まったのではないかというふうなことを申し述べまして、私の質問は終わらせていただきます。  残余の時間を小沢議員の方からお願いいたします。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 この際、小沢和秋君から関連質疑の申し出があります。木島君の持ち時間の範囲内でこれを許します。小沢和秋君。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私は、まず労働時間の短縮の問題についてお尋ねをいたします。  私は、昨日も商工委員会で、アメリカの不当な要求は拒否すべきだと主張いたしましたが、今のような日米間の貿易不均衡があること自体は急いで是正しなければならないと考えております。そのためには、日本の自動車、電機などの国際競争力の重要な源泉となっております異常な長時間過密労働をなくすことが緊急の問題だと思います。  この点について、労働大臣の認識と決意をまず伺いたいと思います。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 我が国の労働時間は最近着実に減少をしておりますが、なお現時点におきまして、他の欧米諸国と比較して労働時間が長いことは先生御指摘のとおりでございますし、御指摘がございましたアメリカとの貿易摩擦のいわば原因になっているような自動車等の製造工業において、その長さが確かに比較いたしますとあることは事実でございます。  私どもは、こうした我が国の長い労働時間を短縮をする、そして欧米と同じ労働時間で物を生産していくということが大事でございますし、それは単に私たち日本の労働者の生活や労働環境問題だけじゃなしに、まさに国際的な重要な関心の的になっておりますので、何とか労働時間を短縮いたしたい、こういうことで今、労働基準法は基準法として、それと並行しながら、労働時間を短縮するための法的な措置をいろいろ関係の審議会等の協議を経ながらまとめておりまして、近く国会においても提案させていただいて御審議をお願いいたす、こういうことでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 約二カ月ほど前に私の事務所に、地元の中小企業であるくろがね運輸機工という会社の労組役員が、このままでは殺される、助けてくれと駆け込んできました。聞いてみると、月間百時間の残業協定を結んでいるのに、それを無視して残業また残業、何と二百時間を突破する人も出てきたというのであります。私はこれは明白な労働基準法三十六条違反と思い、すぐ監督署に申告をさせたわけでありますが、どう措置をされたか、お尋ねをします。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 ただいまお尋ねの具体的な企業におきます問題につきましては、私ども承知しておるところでは、二月に申告がありまして、それに基づきまして監督署で調査監督の上是正の勧告をいたしまして、その後是正をしたという報告が事業所の方から出ているというふうに承知をいたしております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 このケースは協定を無視した点が法違反になるわけでありますが、もし月間二百時間とかそれ以上の協定を結んでいたとしたら、労働者が幾ら悲鳴を上げるほどの長時間労働をしても合法的であり、現行法上は許されることになっているんじゃないでしょうか。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 現在、労働基準法の規定では、労使協定によりまして法定時間を超える労働の時間数を定めることが時間外労働をやるための前提でございますが、これは労使の意思の合致したレベルでの所定外労働が行われるということを前提とした制度でございます。したがいまして、法定の要件を備えた届け出が合法的になされていれば、これは受理すべきものでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 だから、私が申し上げたとおり、幾ら長い労働時間でも協定を結びさえすれば合法的だということをあなたは認められたと思うのです。  そうすると、こういうことであなた方の方は野放しにしておくのかどうか、改めてお尋ねします。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 制度の問題として、幾ら長いということにつきましては、一つは、これはあくまでも労使の意思が合致したところという縛りがございます。これが基本的な点でございますし、それからもう一つは、いわゆる三六協定の届け出が監督署に出てまいりましたときに、労働大臣告示によります上限の目安時間に基づく指導をいたすということで、余り過長な三六協定を労使がその問題を認識しないままに結ぶということがないような指導をいたしておるところでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 委員長にお願いしてありますように、資料を用意しておりますのでお配りいただきたいと思うのです。  今、大臣告示で年町四百五十時間の目安が設けられているという答弁がありました。しかし、その目安自体が全く守られていないのではないかということを払お尋ねをしたいわけです。  私は幾つかの残業協定を調べてみました。今お配りをいたしております資料の二枚目、ここに、私の地元で一番大手の新日鉄八幡の残業協定というのをもらってきましてつけてあります。これをごらんになっていただくとわかりますけれども、確かに一年間の残業時間については「四百五十時間以内とする。」というふうに書いてはある。ところが、ただし書きがありまして、「期間を限られた業務等特別な事情がある場合は、組合と別途協議の上、一月につき七十五時間、一年につき六百五十時間」、二百時間オーバーしているわけですね、「六百五十時間を上限として延長することがある。」ということで、もう四百五十時間という告示というのは完全にこういう形で無視されているわけです。  ほかはどうかなと思って、新日鉄の子会社でありますけれども、これもかなり大きい新日鉄化学というところのを見てみましたら、ここも年間四百五十時間、例外として六百五十時間といっただし書きがくっついているのですが、しかし、化学では昨年十月、幾つかの工場で六百五十時間をオーバーしてしまいそうな人が次々に出てきたら、協定の方を変えて年間最高九百六十五時間に、一挙に三百時間も枠をふやしております。  四百五十時間の告示などというのは、現実にはこのとおり残業時間を規制する何の役にも立っておらないのではないか、お尋ねをします。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 時間外労働の目安の上限時間の問題でございますけれども、現在実態としてかなり長い所定外時間があるという中で、何とかこれを短縮をしたいということで、この目安時間を審議会の議を経まして定めているわけでございますけれども、現実の問題として、業種あるいは規模等によりまして大変差があるのが現実でございます。  そういう中でできるだけ実効を上げる、つまり、決かたものが正しい手続によらずに破られるということがないように、その一応定めてあります上限時間を超えて行う場合には、一定の特別の事由、期間それから労使の間での特別の手続を経た上で上限時間を延長することができるというふうにその告示の中でもいたしまして、そのことによって実態を考慮しつつも実効が上がるように配慮をしているということで、この目安時間の告示を定めているものでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 だから、特別の場合があるということで、四百五十時間の倍以上でしょう、九百六十五時間も、これでいいというのかどうか。私は大臣告示というのが役に立たないはずだと思ったのです。  資料の一枚目が経営者などに大臣告示を解説をするために配ったリーフレットであります。これにはチェックポイントの4として、確かに年間四百五十時間などという目安時間は書いてあります。ところが、チェックポイントの5というのがくせ者でありまして、「特別条項付き協定」、「特別の事情が予想される場合に次のような特別条項付き協定を結べば目安時間を超える時間を一定期間についての延長時間とすることができます。」例として、新日鉄などの私がお見せしたモデルフォームになっているような文言がそこに挙げられているのです。注4として「特定の時間を定めること。」つまり、特別の条項を定めたときに最高をどれぐらいにするかということにつて「特定の時間を定めること。」と書いてあるのですが、その特定の時間というのは、要するに、時間を定めさえすれば何時間でもいいという仕組みになっているわけです。  こういうようなリーフレットを配られた経営者の人たちが、わざわざ四百五十時間をこれは守らなきゃいかぬなと思うのかといったら、ああ、こういう抜け道があるかと、これは抜け道を教えてやっているようなリーフじゃないんですか。これで告示が守られるというふうにあなた方はお思いでしょうか。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 先生が今引用されましたチェックポイントの4は、告示そのものの内容になっておりますものを、そういう事業主の指導用にそういう形でつくってあるものでございまして、それ自体が告示の内容でございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 だから私が言っているように、この「特別条項付き協定」というのを結べば幾らでもできるようになっているでしょうということですよ。  それから、次を見るともっと驚きですね。今度は「適用除外」。今のはとにかくそれでも四百五十時間を原則としなさいと言っているのですけれども、これを見ると「次の事業又は業務には目安時間が適用されません。」(1)として工作物の建設等の事業、(2)自動車の運転の業務、(3)新技術、新商品等の研究開発の業務。これはいずれも私の記憶では非常に長時間労働だということで問題になっているような業種ばかりだと思う。  こういう問題になっているような業種についてはもっと規制を強めて時間を短縮するというなら話はわかるけれども、それは適用除外です、これは幾らでも延ばせるような仕組みをもう一つ保証してやっているんじゃないですか。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 その適用除外を定めている趣旨は、最初に申し上げたことの繰り返しに一つはなりますけれども、実態として特に非常に長いところに考慮した基準をつくりますと、それに合わせた上限時間にならざるを得ないということで、とにかく一度それを除外をするとした上で、今例にお挙げになりました自動車運転手につきましては別途改善基準の告示をつくりまして、これとは別にまた特別の指導をしているということでございます。それから、研究開発等の非常に裁量的な色彩の強い業務の中身につきましては、こういった上限時間によります指導になしまないものであろうということで外しておるわけでございまして、要するに全体の趣旨は、実態を考慮しつつもできるだけその所定外時間の協定の時間を短縮をしたいというところから出ておるわけでございまして、野方図というような考え方ではございません。これはやはり労使の合意のあるところでそういうレベルを決めていただく、こういう考え方でございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 それでも、四百五十時間を超えた協定書が労基署に届けられたときに、それを何とか四百五十時間以内におさまるように是正をするように指導すれば、私は大臣告示も幾らか役に立つと思うのですが、労基署では協定書が届いたときに具体的にどういう指導をしますか。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 監督署長にそのいわゆる三六協定の届けが出ましたときにはその内容をチェックいたします。もちろん法定の記載事項が満たされているかどうかということと、それから時間数につきましては、その目安時間に照らしてこれがオーバーしているという場合には、労使がその目安時間のことを十分理解をした上でそういうふうにしているのかどうかということの確認をいたしますので、そういう点の理解がなくてオーバーの時間を決めているという場合には、ひとつそこのところをよく理解をしてその範囲にとどめるようにという指導をいたしますけれども、いや、それはもうよくわかっておるけれどもこれでいくのであるということであれば、これは法律上受理をする、こういうことになります。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 今何か窓口で幾らか指導するようなこと重言われたと思うのですけれども、私は、そういうことは監督官に対して指導されていないと思うのです。  ここに「労働基準監督官必携」、昭和五十六年度版というのを私、持ってきました。これのコピーが皆さんにお配りしている資料のナンバー三であります。これをちょっとごらんいただきたいのですが、これは三六協定、つまり残業の協定、この「三六協定届の受理に関する事務処理について」、これは労働省基準局長の通達であります。この3というところを見ますというと、「協定届の受理に当たって留意すべき点について」ということで、「行政法上、三六協定等の行政官庁に対する届出手続は、許可、認可等と異なり、記載内容の具体的審査に及ぶことなくこと、「具体的審査に及ぶことなくこと言っているんですよ、「必要的記載事項が記載されているか否かの形式的審査のみを行い、記載が全てなされている限り、受理しなければならないものであること。」と、こういうふうに書いてある。もう全く形式的な審査だけで受理しなければならないというように業務が縛られているわけです。私は、監督官の無人にお尋ねをしたら、今でもこの五十六年発行の「監督官必携」は生きておるそうであります。  大臣にお尋ねしたいのですけれども、こういう二重三重にしり抜けの道をつくり、最後は第一線の監督官まで時短のために取り組む余地がないように縛っておいて、それで大臣告示が守られると思うのか、これで長時間労働が少しでも短くなるとお考えでしょうか。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 大臣のお答えになる前に、私の立場からこの問題につきまして申し上げます。  今先生がお読みになりましたくだりは、この行政法上の三六協定の受理手続の法律的な性質を説明したところでございまして、そこにつきましては、おっしゃるように形式的な要件が整っていればこれは受理をしなければいけないものでございます。それがまず第一点。  しかしながら、その3の(2)をごらんになっていただきますと、「しかしながら、協定届の内容が長時間の時間外労働を容認するもの、一定期間の延長時間の限度を設けていないもの等施行通達の趣旨を理解していないものについては、指導通達に従って、使用者に対し、三六協定の内容について再検討することを求めるなど」云々ということで、この目安時間に基づいた指導をなすように指導をいたしているところでございます。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生御案内のように、労働基準法の改正、六十二年にいたしまして、そのときにもう四十時間というものを法定したわけでございますが、ただ、現実に我が国の今日の実態では一挙にそこまで行かない、こういうことでございますので、附則でこれを「政令で定める。」というととにして、段階的に四十時間にまで持っていこう、こういう措置を講じたわけでございますが、そういう枠組みの中で具体的な実務的な指導をして、それが先生が今御指摘になったフォームも使っているわけでございますが、基本的な方向としては労働時間を短縮してまいりたい、こういうことでございまして、例えば、今度の春闘においても労働時間短縮というのが、これはもう労働側だけでなしに経営側もこの点について基本的に理解を示して、労使の話し合いで進めていこう、こういうことでございますし、また、中小企業の場合には、といっても横並び、また元請や下請という関係もございますから、こういう関係もきちっとしながら、現実具体的に労働時間を短縮できるようなそういう時短促進法というものも先ほど申しましたように今国会で御審議いただく、こういうことでいろいろな角度から労働時間短縮にはひとつ内閣挙げて全力を尽くす、また経営者の方も労働者の方にも御協力をお願いする、こういうことでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 大臣や局長が何と言われても、この大臣告示を、こういう仕組みをつくってからもう随分たちますけれども、実際には残業はさっぱり短くならないし、労働時間も短くなっておらないでしょう。例えば、平成元年の二千七十六時間というのは、何と昭和五十年の二千七十七時間と一時間しか違わないんですよ。十四年たって一時間しか違っておらないのですから、いかにこの労働時間の短縮というのが進んでおらないかということ、この残業が野放しであったということはもうはっきりしていると思うんです。  ついでですから、私今お配りした資料のナンバー四というのもちょっと指摘しておきたいと思うのです。  これを見て私またびっくりしたのですよね。これは「事業所規模別労働者一人平均年間総労働時間の推移」であります。これを見ると、普通常識的には大企業の方が労働条件がよい、労働時間は短いというふうに考えがちですけれども、確かに六十二年ごろはまだ大企業の方がよかったんですけれども、労働時間の短縮は小規模事業所の方がむしろ進んで、今では小規模事業所の方が大企業よりも労働時間が短いのです。そうなっている決定的な原因というのは、残業時間が百時間近くも長い、これが野放しにされている、これがやはり一番の問題だということになるんじゃないでしょうか。  だから、私、今いろいろ申し上げましたけれども、本当、心ある監督官の人たちは歯ぎしりしているわけですよ。同じ大臣告示でも、自動車運転手の労働時間オーバーなどは告示違反という言葉まで使って文書で指導したりしているのに、なぜ残業については何もやらせないのかというような声も私聞くわけであります。  大臣が本当に時短を進めようと思うのだったら、直ちに大臣告示をしり抜けにした特別条項や適用除外規定などを廃止したらどうでしょうか。こういう姿勢を見せていただくだけでも私は随分労働時間の短縮は進むのじゃないだろうかと思いますが、いかがですか。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 まさに先生御指摘のとおり、労働時間短縮は、まず全体として五十年から六十三年まではむしろ定常状態でありましたけれども、六十三年から四十時間、三十数時間ずつ減ってきているわけでございます。ですから、私は最近の進歩は大変大きいと思いますけれども、しかし決してこれでは十分ではないので、これをもっと進めていきたい。  御指摘ございましたように、大企業と中小企業でございますけれども、むしろ中小企業の方は所定内の労働時間が結構高い、しかし所定外が短くて、むしろ大企業の方がいわゆる残業が多くて、これが全体としての実労働時間の減少をいわばおくれさせるわけでございますが、先ほど申しましたように、まさに春闘なんかは大企業を中心としての労使の話し合いでございますけれども、まさに時間短縮というものを最大の課題に取り上げておりますし、細々とした規則について先生御指摘ございましたが、それもさることながら、労使の話し合いで、もう時間短縮しなければ人が集まらない、そういう状況になっておりますので、私は、これからはこれまで以上のスピードで時間短縮が進むもの、かように考えておりますが、労働省としても積極的ないろいろ支援や指導をやってまいりたい、こういうことでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 今政府は時間短縮推進法案の提出を準備しているわけであります。しかし、私はその効果については疑問を持っております。伝えられるところでは、企業内の労使で委員会などを設け時短を推進することが柱になっているようですが、このような手法は残業協定と基本的には同じではないでしょうか。労使の自主的努力にまつということになるわけです。今まで繰り返してまいりましたように、残業時間の上限の法的規制がないというような時代おくれの労働基準法の抜本改正、こういうようなことこそ緊急課題として取り組まなければならないのじゃないでしょうか。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 現在私どもの方で準備をしております法案につきましては、これはまだ審議会に諮問中でございまして、国会に提出されているわけでもございませんので、詳細な内容はちょっと申し上げるのは適当ではないと思いますが、いずれにしましても、国としては最低基準を設け、あるいは労使の努力を促進する枠組みをつくるということが非常に重要でございますが、一方において、労働時間短縮は結局究極において、やるのはこれは労使でございます。そういう意味で、労使の努力を促進をする、援助をするというようなものにしたいということでただいま準備をしておるところでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私ども日本共産党は二月二十八日に、一日拘束八時間、週四十時間、完全週休二日、残業時間上限年百二十時間、残業割り増し率の五〇%への引き上げ等を含む抜本的な労働基準法の改正案を発表いたしました。私は、真の労働時間短縮の実現のためには、現在の先進各国の国際的水準に見合う労働基準を最低のものとして労働基準法で法定し、その上に労使の交渉の成果を上積みするようにすれば、世界に誇り得る高い労働条件、経済大国にふさわしい短い労働時間を実現できると考えます。  今政府も労働基準法改正の検討を始めておると伺っておりますけれども、いつごろまでにどのような内容の改正を行う考え方かお示しいただきたい。

佐藤勝美労働省労働基準局長

○佐藤(勝)政府委員 今お話しのように、現在中央労働基準審議会に労働基準法の労働時間法制にかかわる全般の問題について検討を進めていただいておりますけれども、私どもの考えておるスケジュールといたしましては、年内には建議をいただきたいというふうにお願いをしておることが一つ。  それから、内容につきましては、現在まさに三者構成で非常に真摯な議論をしていただいている最中でございますので、申し上げる立場にはございません。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 その内容が問題なんですね。だから、私最後に大臣にこの関係でもう一遍お尋ねしますけれども、私は、今国際的に、法定されているかどうかということじゃなくて、実態として既に到達している労働基準を日本では労働基準法の内容としてうたい込むような抜本的な改正を、今、年内に建議を受けたいというお話でしたが、そうすると来年の通常国会には出す、これくらいのスピードで頑張っていただきたいと思いますが、大臣の決意はいかがでしょうか。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 最初に申し上げましたように、我が国の労働条件というのは、まさに国内の問題であることと同時に国際的に大きな関心を示されておりまして、まさに我が国の貿易もそうした労働時間、労働条件についてとやかく言われるような状況でございますので、先ほどからも言っておりますように、労働省も指導いたしますし、また、関係労使の協力を得ながら、着実に時間が短縮していることは事実でございますが、この短縮の速度をまさにスピードアップしていきたい。そのためには時間短縮促進法も準備をしたい、こういうことでございますが、労働基準法の全般的な改正につきましては、今、局長申しましたように、一応中央労働基準審議会でいろいろな角度から御議論をしていただいておりますので、その御結論を得た上で、それに基づいての法改正を速やかに準備させていただきたい、かように考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 では、この関係を終わりまして、次に、大型店の出店に関係した諸問題についてお尋ねをいたします。  まず通産大臣にお尋ねします。  年頭ブッシュ大統領が来日をいたしまして、すぐトイザらス橿原店の開会式にヘリコプターで駆けつけて私たちを驚かせたわけであります。通産大臣もそれに駆けづけたことが、このように、これはあなたですよ、新聞やテレビなどで大きく報道されたわけであります。当日、周辺のおもちゃ屋さんはこの光景を見ながら、こちらにも宮澤さんが来てくれたらと嘆いたことも報じられております。もっともこれは一月の話でありますから、今も宮澤さんに来てほしいと思っているかどうか私わかりませんけれども。  それで通産大臣にお尋ねしたいのは、まず、トイザらスの出店で苦境に立った周辺の玩具店の今後にこそ思いをいたしていただくべきではなかったのだろうか。そういう人たちのところを激励に、ついでにでも立ち寄られたかどうか、お尋ねします。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 あの日は時間が非常に限られておりまして、日米関係が非常に我が国の国民の将来の豊かな生活の発展のためにも大事だ、こういう私の考えで参りましたけれども、限られた時間でありましたからその地域をぐるぐる回るような時間はありませんでしたけれども、しかし当然のことながら、周辺の小売商業の発展、また、あのことによって小売商業の皆さん方に御迷惑をおかけすることのないような施策というものは十分考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 その後、実は私も橿原に参りまして、トイザらスや周辺の玩具店を調査してまいりました。明らかに影響が出ておると思いました。最近の新聞報道では、一〇%以上の売り上げ減になっているというふうに報じられております。日本よりずっと前に既にトイザラスが進出しておりますイギリスでは、トイザラスの上陸後、玩具小売店は五年間で六千店が千五百店に激減したという深刻な結果も出ているわけです。日本でこのようなことを繰り返させてはなりません。幸い周辺の玩具店もいろいろ工夫して頑張っておられるようでありまして、私としてはもう少し今後を見守ってからまたこのことについては意見を申し上げたいと思います。  きょう、私特に大型店の出店に関連して取り上げたいと思うのは、その周辺の交通渋滞の問題であります。  実は橿原で一番言われたのは、そのトイザらスの出店に伴う交通渋滞の話であります。これは初日のことについて報道した新聞の記事でありますけれども、「初日の人出どっと二万四千人 道路は渋滞駅ラッシュ」「予想通りの大渋滞 路線バス一時間遅れも」と、こういうような騒ぎになったわけですね。今でも土曜、日曜などは大変な渋滞が続いているわけであります。  そこで、警察お見えになっていると思いますが、このようなことは早くからわかっておったと思いますけれども、これを開店までに解決をするためにどのような指導をなされたか、お尋ねをいたします。

関根謙一警察庁交通局長

○関根政府委員 お答えを申し上げます。  トイザらス出店を警察が承知いたしましたのは昨年の三月十四日、新聞報道によってでございます。それ以来、当該小売業者に対しまして十数回交通対策につきましていろいろお話を申し上げ、指導、要請をしてまいりました。  その内容は、まず駐車場の確保という点でございます。それから、その駐車場に出入りする場合に車が滞留いたしますので、その滞留を防止するために、出入り口の位置の問題ですとか滞留スペースを確保するという点についてであります。それから第三に、交通弱者保護という観点から、歩道がございますが、その歩道上のガードレールの設置と、それから交通誘導のための警備員の配置、こういったことについて話し合いをしております。  さらに、この店舗の位置は、国道二十四号線が南北に走っておりまして、その北から南に向かって右側に店舗があるわけでございますが、その裏と申しますか西側に市道がございます。この市道の方に川があるわけでございますが、この裏から入れるようにということで橋をかけるということについての指導、要請もしております。  こういったことをお願いしつつ、他方、警察自身といたしまして、まず国道二十四号線を南進する車、この車から店舗に直接入るということになりますと右折ということになりますので、それを禁止する必要がございます、そういう措置でありますとか、左折して直接入る車のためにセンターラインを移すといったような措置を講じているところでございます。さらに、現在は市当局その他関係の方々に、先ほど申し上げました裏の市道を拡幅しまして南進車からもこのトイザらスに入れるような措置を講じてもらうべく、現在協議中でございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私が現地で調査してみますと、もう県も市も警察も、事前にそういうことが予想されるというのでもう何遍も警告をしたり勧告をしたりしてきたんです。しかし強引に、そういうことはろくにやらずに開店をしてこういう騒ぎを引き起こしたから、私問題にしているんです。  去年の十二月十三日、我が党の今中県議が質問したのに答えて奈良県警森田交通部長が、トイザらス前の道路は相当な混雑が予想される、左折イン、左折アウトの厳守、トイザらス裏の川に橋をかけ、堤防の拡幅などを指導してきたが、これらのことが完了せずにオープンするとなると極めて遺憾なことだと、もう警察自身がそう言って遺憾の意を表している中で強引に開店をした。私はもう全くこれは許せないことではないかと思うんです。  トイザらスはここだけじゃなしに次々に今オープンしておりまして、今現在でも十一店予定をされているわけですね。私のところには、新潟の方からは、やはりトイザらスの出店の予定のところで、住民がやはり交通問題が大変なことになるというので幾ら話し合いを求めても全くそれにこたえようとしないというような話も伝わってきているんですが、現地では、このままでは奈良の二の舞になりゃせぬかというような声も出ておりますけれども、警察当局はこの新潟のケースについてはどう御指導なさっておるんでしょうか。

関根謙一警察庁交通局長

○関根政府委員 お答えを申し上げます。  新潟市の出店計画は平成六年の春と伺っております。この位置でございますが、やはり主要地方道二つと市道に囲まれた位置でございまして、交通上いろいろ支障が生ずるおそれがございます。  そこで、私どもといたしましては、現在道路管理者あるいは当該店舗を出そうとされる業者の方々と十回にわたっていろいろ協議をしておりますが、現在のところは、こういう幹線道路に面した位置にありますので、その店舗の出入り口の問題について協議中でございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 だから私が言いたかったのは、そういうような対策を事前にやらせるという断固たる決意でひとつ取り組んでいただきたいということなんです。  私は先ほどからトイザらスの交通渋滞で質問してまいりましたけれども、これは一例にすぎないわけです。今大店法の改正による出店ラッシュで周辺に大変な交通混雑が予想される状況が全国各地にありまして、これを心配して、出店に賛成する人々を含めて、開店前に交通問題を解決せよという住民運動が起こっております。  通産省はこういうことにどうこたえたらいいというふうにお考えですか。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○麻生政府委員 大規模店の出店に起因いたしまして、御指摘のように交通の状況がいろいろ変化するということは当然考えられます。人の流れもいろいろ変わってくるということでございます。こうした流れというのは、もちろん大規模店の場合も起こるわけでございますが、劇場あるいはスポーツ施設などができました場合にも同じような問題が起こるということでございます。したがいまして、こういう問題は、いわば町づくりあるいは都市計画の問題という形で解決をされるということが本来の取り組みの基本ではないかと考えております。  大規模店舗法でございますが、これは法目的が、消費者の利益、それと地元の中小小売店の営業利益というものをどういうふうに調整するかということにあるわけでございまして、当然この出店の調整に際しましては、新しい改正法のもとでは、市当局の方からあるいは公共団体の方から町づくりについての考え方を聞くというような形で配慮をするということになっておりますけれども、大店舗法の本来の調整目的は、やはりそのような消費者と中小小売店の利益をうまく調整するということでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 だから、今の答弁の趣旨からすると、結局、大店法というのは出店調整のシステムであって、交通渋滞は別の次元で解決をしなければならないということだと思うんです。  それで、次に自治大臣にお尋ねをしたいと思います。  私は、こういう交通渋滞を解決する有力な方法というのは、やはり自治体の条例や要綱などではないかと思うんです。宮城県では、交通指導要領をつくって、大型店出店に対し事前に交通問題を解決するよう指導することにしております。高槻市とか各地にもいろいろあるようです。私は、このような条例、要綱などをつくるのはごく当然のことだと思いますけれども、自治大臣はどうお考えでしょうか。

紀内隆宏自治省行政局長

○紀内政府委員 御承知のとおり、地方公共団体の条例制定権は憲法九十四条に根拠を有しておりまして、地方公共団体が地域的な実情なり必要なりに応じまして、条例制定権を活用することによって地域の諸問題に対処するということは当然のことでございます。  大型店の出店に伴って生じ得る交通渋滞を防止するための方策というのはいろいろなものが考えられますけれども、また、これに対応してその対策もいろいろな角度から考えられることだろうと思います。そのような種々の施策に関連する法令というものもまた数多くあるのではないか、このように考えております。  この点に関しまして、憲法においては「法律の範囲内で条例を制定することができる。」こういう規定をしておりまして、交通渋滞防止のための方策を内容とするような条例を制定する場合には、それらの個別の法令との関係について十分に検討することが必要になろうと考えております。  また、指導要綱についてお触れになりましたけれども、これも地方公共団体がみずからの判断によって自主的に策定しているものでございますけれども、言うまでもなく、条例のように法的な拘束力を持っているものではございません。したがって、要綱に基づく行政指導というものは、基本的には個々の住民の理解と任意の協力ということを前提に進められるべきものと理解しております。そのような観点からすれば、やはり要綱の策定等に当たりましても、法令との関係とかあるいは社会通念とかいうものに照らし合わせまして、適切な内容を持つものとするように心がける必要があると考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 では、通産大臣にこの点でお尋ねをしておきたいと思うんですが、改正大店法では、自治体の条例などが大店法の趣旨に合致するものでなければならないということになっております。しかし、これはあくまで出店調整についていろいろつけ加えたりするなという趣旨の話であって、今話が出ておりますような、大型店の出店に当たって予想される交通とか環境問題などを事前に解決する仕組みをつくることまで規制するものであるはずはないというふうに私は考えます。今も憲法との関連も出ましたけれども、憲法九十四条に基づく自治体固有の条例制定権などについては、当然通産大臣も認め、この交通問題などについてはそういう次元で対処する以外にないというふうにあなたもお考えじゃないかと思うのですが、その点見解を伺います。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○麻生政府委員 改正大店舗法では、大店舗法の調整に関連いたしました地方の独自規制の問題について、大店舗法の趣旨に沿った形にしていただきたいという規定が設けられております。これはどこまでも大店舗法の目的から照らしまして行き過ぎた独自規制を改善する必要があるということで、このような根拠規定が設けられたということでございます。  一般的に、地方公共団体がその所掌します事務の範囲で交通問題を初めいろいろな問題につきまして所要の対策を講ずるということは当然でございまして、このような独自規制の是正ということが、そのようなことについてまで否定をするというような考え方に立っておるわけではないというふうに理解をいたしております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 これで私、終わります。  外務大臣にはわざわざお越しいただいたのに、時間がなくなって大変失礼しました。  ありがとうございました。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 これにて木島君、小沢君の質疑は終了いたしました。  午後一時三十分より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時一分休憩      ――――◇―――――     午後一時三十分開議

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。和田静夫君。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 六日に東京佐川急便事件で渡辺広康前社長や早乙女潤前常務、平和堂不動産の松沢泰生社長、東京佐川の大内美知夫元経理課長の四人が、東京地検特捜部に特別背任罪で起訴されました。昨夕、起訴事実の説明を受けました。  そこで、今後のことをまず二、三質問をしておきたいのでありますが、東京佐川の政治家への巨額のやみ献金問題というのが話題になっているわけですが、当然こうしたことも捜査の視野に入っていると考えますが、今後の捜査の見通しについて、差し支えない範囲で説明を受けたいと思います。

濱邦久法務省刑事局長

○濱政府委員 お答えいたします。  東京佐川急便株式会社をおくる刑事事件につきましては、東京地方検察庁が捜査している関係について申し上げますれば、ただいま委員御指摘のとおり、昨三月六日、東京佐川急便株式会社の元代表取締役渡辺広康ほか三名を特別背任罪により公判請求したことは、御指摘のとおりでございます。現在、東京地検におきましては、昨年八月受理しております特別背任罪の告訴事実につきましても、引き続き捜査を行っているところでございます。  今後の捜査の見通しにつきましては、これはただいま申し上げました以上のことは、お答え申し上げることは、ひとつ御勘弁いただきたいと思うわけでございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 先日、運輸省から佐川グループヘの監査状況の説明を受けまして、一覧表をいただきました。  そこで、昭和六十一年から六十二年にかけて、グループ八十六社に対して第一回目の全国一斉特別監査を行った。平成元年の九月から十二月にかけて、佐川グループの主管府クラス十三社に対して第二回目の特別監査が実施をされた。一覧表で明らかでありますが、この特別監査で、昨日も指摘がありましたように、監査の日が事前に佐川グループに通告をされる、その結果書類が改ざんをされたという謹言が出ているわけでありますが、これは運輸省の事務方に伺いますが、第一回の監査はいつの時点で佐川グループにどういうような形で通告をしましたか。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田政府委員 お答えいたします。  第一回目の監査でございますが、昭和六十一年から六十二年にかけて行った特別監査でございます。これにつきましては、社会的に非常に大きな問題になっていたということ、それから、その以前に実施されました労働基準監督署の臨時監督の際に、書類の改ざん等の事実があったということにかんがみまして、これらを防止するということで、その前夜、監査の日の前夜と、直前に通告するということにしたわけでございます。  それから第二回目でございますが、平成元年に特別監査をいたしているわけでございます。この際の話でございますが、第二回目の平成元年の監査は、佐川急便グループの精算金とか賃金に関する制度を調査するということが主な目的でございました。このために、その前に清和商事等からあらかじめヒアリングを行いまして、その結果を各主管店に確認するというような方法をとることにしたわけでございます。したがいまして、監査に当たりましては、各運輸局に対しまして、その監査の日を事前に通告してよいということで話をしたわけでございます。  書類の改ざんどか隠ぺいとかというようなことを防ぐために、抜き打ちということも考えられるわけでございますが、本件の監査につきましては、精算金等の事業運営の制度の実情を把握するということが主たる目的でございましたので、正確な事実を調査するためには、抜き打ちというようなことよりも、他の特別監査の場合と同様に、事前に通告いたしまして、当該制度に詳しい者の同席を求めるというふうな形をとったわけでございます。そういうことで一週間程度の事前に通告をいたしたということでございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 この一回目と二回目でなぜ通告の時期に差をつけたのかということについては、大変疑問であります。しかも、一週間という時間を与えた。それで、きのうの論議を聞いていまして、調査の主目的が清和商事の精算金徴収の実態というようなこともありましたが、その点はわからないわけじゃない。しかし、過酷な長時間労働がほとんどで変わっていないという状態は、他方、労働省が精力的に全国一斉監督をやっていますから、これも報告をいただいていますが、明らかであるわけです。一回目と同様に私は抜き打ち的にやった方がまあ当然ではないだろうか。ここは非常に疑問なところです。同時期に行われている労働省の一斉監督というのは、継続的に今日まだ行われていますけれども、すべて抜き打ちですよね。運輸省がなぜこういう形で、いろいろなことを言われますけれども、便宜を与える監査をやらなきゃならなかったのか、これは大変疑問です。  いずれの監査も、例えば点呼簿や出勤簿、賃金台帳の改ざんの跡は見られなかったというふうに理解をしていいんですか。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田政府委員 お答えいたします。  お答えいたします前に、先ほど一週間程度と申し上げましたが、二、三日前ということで修正させていただきたいと思います。第二回目の監査でございます。  そこで先生御指摘の、こういうものについて事前に通告するのではなくて、その日に知らせるということで監査した方がいいんじゃないかというお話でございますが、その方が先ほど申し上げましたとおり、書類の改ざんどか隠ぺいをなくすという意味では有効であるわけでございますが、営業所に責任者がいないということも予想されるわけでございます。  私どもは実は、運輸省の職員は、通常の業務をやりながら監査もあわせてやるというような仕組みでございまして、限られた要員をうまく活用しながら監査を効率的にやるというようなことで、私どもは、特別な場合を除きまして、通常の特別監査の場合は、営業所の責任のある者の対応を求めて事情を聴取するというふうな形の方が全体として、業界全体を運輸省の限られた要員で監査していくという観点からいきますと、よりベターではないかというふうに思って、従来からそういうやり方をとってきているわけでございます。  なお、佐川急便の第二回の監査の際に書類の改ざん等が行われなかったかということでございますが、この件につきましては、一部書類の改ざんが行われた事実はあるというふうに我々は思っております。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 なお疑問は解けませんが……。  そこで、一回目の特別監査、二回目の特別監査、そして今回の事件、こうして見ますと、佐川グループの経営姿勢は全くと言ってよいほど変わっていない。労働省監査もずっとこう御報告をもらっていますけれども、賃金台帳だとか就業規則だとかというようなところで、衛生委員会、安全委員会などの簡単なところでも、何回やっても変わらないんですね。それで継続的に今もおやりになる、こういう状態が続いているわけですけれども、どうも私は、運輸省の監査の中で、推測をすれば、今言われたような甘い監査の体制というのが今回の事件を生み出す、そういう結果につながったのではないかということを非常に疑問に思います。  ところで、法務省に伺いますが、今回の東京佐川の関連家宅捜査で、佐川グループと官界との癒着を裏づけるような資料は何か出ましたでしょうか。

濱邦久法務省刑事局長

○濱政府委員 お答えいたします。  今お尋ねの東京佐川急便株式会社をめぐる刑事事件につきましては、先ほどお答え申し上げた以上のことは、現段階でお答え申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 この東京佐川急便に対する特別監査は、関東運輸局が入ったとされていますけれども、これは間違いございませんか。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田政府委員 お答えいたします。  関東運輸局で間違いございません。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 これは昨日の報道では、東京佐川関係者の証言として、この関東運輸局の幹部らに、異動のたびに役職者で片手、その片手というのは五万円だそうですが、普通の事務職員で三万円のせんべつを贈ったと言われていますね。茶封筒に「おせん別東京佐川急便 渡辺広康」と書いたのし袋を入れて「飛脚」という佐川グループの社内報に挟んで渡した。このほか、私に今寄せられている情報では、他の陸運局でも幹部などにせんべつが贈られたと言われているのでありますけれども、こうした事実というのは把握をされていますか。  まさかこうしたせんべつで特別監査に手心が加えられたということは考えたくはありませんが、こうしたことが事実であるとすれば、運輸行政に対して大きな誤解を招くと言って私は過言ではないと実は思っているのでありますが、早急にお調べになって報告をされますか。

水田稔日本社会党・護憲共同

○水田政府委員 新聞報道の内容につきまして、関係の運輸局の方に指示をして調査をさしておるところでございますが、御指摘のような、新聞報道のような事実は見当たらないという報告を関係の局長から受けております。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 これは報告は完了したということですか。ここのところは大臣、報告を受けて、結果について正確に一遍お知らせを願いたいと思いますが、いかがですか。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○奥田国務大臣 あの新聞報道以来、そういった内容についてある程度の事情聴取を行いました。まあそういった過度の社交の範囲を超えた、新聞で報道されたような事実はないということを一応確認いたしましたけれども、先生の御指摘で、特に関東運輸局を中心にそういった事情があったかないかについて調査しろということであれば、さらにそういったことで報告させていただきます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 本予算委員会で行われました「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」、これの説明によりますと、平成四年度一〇・〇八%である建設国債依存度を平成七年度に五%以下にする、そのために五年度から七年度の三年間に毎年度一兆一千五百億円建設国債を削減するということになっています。これは本当に実行できるんでしょうか。平成三年度は、計画では四千五百億円を削減し、そして平成七年度までの五年間で五%にするということでありました。しかし、当初予算での削減は二千五百二億円でしかなかったわけであります。バブル崩壊の影響による税収の悪化で、穴埋め措置が必要になってふっ飛んでしまった。補正で一兆三千八百七十億円建設国債を増発をされた。四千五百億円ができなかったのに、その二・六倍の建設国債削減がどうしたらできるのだろうかということは、どう考えてみてもわからぬのでありますが、実行する方策とでもいいますか、大蔵大臣、明確にしてください。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 今御指摘がございましたように、私ども中期目標というものをつくりながら、それに向かって努力をいたしておるわけでありますけれども、現実に、今御指摘がありましたように、平成三年度七・幾つに対しまして、今一〇%を超えてしまっておるというのが実態であるわけでございます。  ただ問題はい私どもといたしましても、何というのですか、やはり高齢化社会を迎えるということでありますから、このときにいわゆる公債の累積というものを、これをふやしていくということは、これはもう厳に慎まなきゃいけないということでありまして、私どもとしてやはり一番やらなきゃならないことは、何といっても歳出の削減ということ、これをやはり徹底してやっていかなければならないであろうということを改めて思っております。  もちろん今先生の御指摘の意味はよくわかるわけでありまして、私どもも、今度の平成四年度についてもそういうつもりでやりながらも、結果としては一〇%を超えてしまったということで、まことに残念なんでありますけれども、しかし私どもは、さらにそれを追求していくことが大事であろうというふうに考えております。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 気持ちはよくわかるんですが、特例国債脱却の第一段階財政再建も、昭和五十九年度から七年間で年一兆円の特例国債削減を計画したわけですね。最初の二年ぐらいは全然だめで、その後予想もしなかったバブル税収に助けられた、結果的には。バブルの恩恵にあずかって結果としてうまくいったわけでありますが、これは計画がよかったからではありません。今回はそれ以上の一兆一千五百億円、しかも期間は三年と短いわけで、だからどうやって実行されるのかなと実は思っているし、ただしたいと思っているところであります。明確な方針や方策なしに希望だけを述べられる、そうした「基本的考え方」を出すのは、私は、ある意味では宮澤内閣無責任だなという感じがするのであります。  現時点でこの「基本的考え方」が実行ができて、そして平成七年度に国債依存度が五%になると信じている大臣がお並びの中で幾人いらっしゃるんでしょう。一人、二人お答え願いたいと思うんですが、どうですか。それでは大蔵大臣経験者である副総理。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 まあ、よく勉強してないのでわかりませんが、努力をするということでしょう。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 どうもその程度のようなことのようなんですね。渡辺さんでさえそれぐらいですから、とても心配で見ておれないという感じがいたします。  私は、国民の多くはこんなものを実は信じられないと、大蔵大臣、言っていると思うんですよ、本当のところ。四年度予算編成時の六兆円の財源不足宣伝を大蔵省、まず先に吹きましたな。それから貢献税騒動がありましたね。納税者である国民の不信を招くような宮澤内閣のこの財政運営論議が実は行われた、予算編成の前に。その上さらに、到底不可能だと少なくとも私は思う財政再建の「基本的考え方」が出される。そして読んでみると、機械的に計算したものであるだとか、政府の今言われたとおり願望だとかいうことになるわけであります。  海部内閣では五年かけて国債依存度五%にすると公約をしていました。ところが、宮澤内閣では同じことが期間を三年に短縮しても可能だと。可能なのかなと思うんですね。可能であるならばやはりなぜ可能であるかということを、手法の違いとでもいいますか、それを国民に明示するのが財政を預かる者の責任だと思うんですが、もしあれならば主計局長とうです。

斎藤次郎大蔵省主計局長

○斎藤(次)政府委員 確かに大変難しい目標であろうかと思いますけれども、片方で私ども、先生よく専門家でございますので御承知だと思いますが、既に公債残高百七十四兆円になっている、それから、特例公債をもう出さなければならないほどぎりぎり建設国債、満席発行しているという状況でございますので、確かに五年度以降大変苦しい予算編成になろうかと思いますが、歳出カットを第一義にして、経済がどうなるか、税収がどうなるかということはもちろん不透明でございますが、私ども全力を挙げて歳出カットに取り組んで、何とか公債を減らしていくという努力を放棄すべきではないと思うわけでございます。まさに公債は依然として累増体質にあるわけでございますので、その累増体質を脱却するためには、早く五%水準に落としていかなきゃいかぬということで、これは私どもに与えられた使命だと思って、五年度以降も一生懸命やっていきたいというぐあいに考えているわけでございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 使命感というのはわかるんですけれども、どうもその使命感を満たすだけのものがあるのだろうかということを疑問に思うから、実は問題提起しているんですがね。  歳出を削減される、結構な話であります。私は、税収が海部内閣当時よりもどれくらい多く見込めるのかというのが第一。第二には、今言われた歳出は海部内閣当時よりもどれくらい多く節約できるのかというのが二つ目でしょう。それから三つ目は、その他隠れ借金や地方財政にどんなしわ寄せを与えようと考えているのかということ。四番目には、今言った三つの何も考えていないが、財政再建第二段階の目標を七年度まで五年間と海部内閣が決めていたから、それをありがたくちょうだいしているのか。いろいろ考えてみました。  以上のうちの、大蔵大臣どれでしょうかね。中期展望をおつくりになる際に、今言った一から三までのどれかを考えていたのか。どうなんでしょうか。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 いや、何といってもやはり、先ほどもちょっと申し上げましたけれども、歳出の削減ということを一番念頭に置いたというふうに思っております。そして来年度の予算を編成するに当たりましても、何というんですか、どうしても歳入というのはやはり厳しくなってくるという状況の中で、いろいろな皆様方からの御指摘の中にも、赤字国債を発行してもよろしいだろうというお話もあったわけでありますけれども、私どもは、何とか歳出カットというものの中でひとつやっていきたいということで対応してまいりました。  ただ、まあ率直に申し上げまして、いわゆる法人税のかつての臨時、あるいは自動車税の六%だったものを四・五%に下げましたけれども、こういったものの御負担をいただきながら、ともかく赤字国債だけは、特例公債だけはどうしても出さないということでやったということについて御理解をいただければと思います。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 「財政改革を進めるに当たっての基本的考え方」と銘打っているわけでありますが、今若干論議をいたしましたように、実は基本的な考え方というのは私の理解をもってすればないに等しいのではないだろうか。その日暮らしの財政運営でどうして冒頭掲げた財政改革を進められるのか、看板だけで中身がないのではなかろうかという危惧はどうしても避けられません。  私は、バブル経済を再びやるか、さもなくば日本経済をインフレに落とし込んで国民生活を崩壊でもさせるやり方、言葉はちょっと乱暴でありますが、そういうようなことしかどうも平成七年度に建設国債五%の依存度実現というのは不可能ではないだろうか、どんなに考えてみてもそう思う。そのことを一応はまあ断言をしておきたいのですが、もし閣僚の中で反論があれば受けてもいいんですけれども。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 反論ということでないわけでありますけれども、もちろん私どもは削減を、要するに今までの既成のものを削減するということを一番念頭に置かなければいけませんけれども、それと同時に、やはりインフレというものは恐れながらも、また警戒をしながらも、景気を持続させていくということは重要であろうというふうに考えておりまして、その意味では、今度の予算の中に、景気を刺激するというよりは、景気に配慮しながら予算編成がされておるということで、やはりここでも私どもは努力していかなければならない方向であろうと思っております。  まあ、できない、できると断言をしろという話でありますけれども、やはりこういう歯どめがなければっい特例公債の方へ走っていってしまうということがあるので、私ども、やはりこれは大事にしながら、また関係各省庁の皆様方にもこの点を理解していただいて、できるだけやはり縮減していただくこと、これを強く求めていかなければいけないんだろうと思っております。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 「基本的考え方」の中で、二度と特例公債を発行しない、それから公債残高が累増しない、二つの目標を掲げられて財政体質をつくっていくことが財政改革だというふうに言われているようであります。  そこで、それでは具体的に、四百三十兆円問題がいろいろ論議をされたのでありますが、一般会計が負担すべき額というものは年次別に、ラフなものでいいのですけれども、出ますかね。これは出ないですか。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 この公共投資基本計画、いわゆる四百三十兆、これはもう先生御案内のとおり、これはいわば九一年度から今世紀の間に整備をすべき社会資本の整備水準というものを念頭に置いて総括的に出した数字であるわけでありまして、それの財源内訳ということについて具体的にやっておるわけではない。もちろんこれは、それぞれ事業の分野については、各事業ごとにいわゆる五カ年計画を、十何本がありますけれども、そういう中で事業ごとには示されていくわけでもありますが、財源問題については、この計画の中で言及をいたしておりますのは「社会資本整備の財源については、租税、公債、財政投融資資金、民間資金等を適切に組み合わせる。」こういう総括的な表現をいたしておるわけであります。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 これは年次別に出せと言っても、どうも事前の折衝では大蔵もおたくのところもどれも出ないということのようでありまして、出なければ出るまで待つというのも手法ですけれども、まあ少し進めましょう。  一般会計負担分を税金で全部賄いますと、公債残高はこれは累増をしません。それは自明の理なんですが、そうはならないことは、「財政の中期展望」で、四年度建設国債が七兆二千八百億円の発行ですね。そして毎年度一兆一千五百億円を減らしても、五から七年度で十四兆九千四百億円の発行予定でしょう。この四年間、四年度から七年度で二十二兆二千二百億円建設国債は累増しますね。これは最低で、絶対これ以上になると私は思うが、これは大蔵大臣、それでよろしいですか。

斎藤次郎大蔵省主計局長

○斎藤(次)政府委員 御指摘のとおりでございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 そこで大蔵大臣、これも、まあ事前にきょう数字をもらおうと思って、もう長い間かけて総括の前にこれは各省と折衝したことでありますが、四百三十兆円計画のうちの一般会計負担分を全部建設国債で賄うと仮定した場合に、これは各年度末の国債残高は幾らになるんだろうかと、大蔵当局からも来てもらったり、企画庁からも来てもらったりいろいろしましたがね、自治省も。ここのところはやはり出ないということでしょうか。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 この点につきましては、これは毎年の景気の状況ですとか、あるいはインフレの状況ですとか、そういったものをこうやって見詰めながら対応していくということでありますから、あらかじめこうだということをちょっとお出しすることは難しいというふうに申し上げざるを得ないと思うのでございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 そこのところを私としてはもっと論議を詰めたいところですが、問題の提起だけをきょうはしておきまして、なお事務方といろいろの折衝をさせてもらいたいと思っています。  そこで、この問題の結論的なことをちょっと申し上げておきたいのは、政府の「財政の中期展望」の断り書きと同じ言い方をしますと、国債残高の累増を防ぐために、検討の手がかりを示すものとして機械的、均等的に計算したもの、この数字からいいますと、国債残高の累増は防げないことにどうもなるんじゃないだろうか。四百三十兆円投資の財源調達を税か建設国債が、いわゆる何でやるというのが宮澤内閣の方針かということが、ここのところがひとつ明らかにならなきゃならぬことではないだろうかと私は思うんです。そのことと、国債残高の累増を防ぐとの財政再建、いわゆる財政改革の目標との間に矛盾があるような気がして私は仕方がないのであります。  これまで宮澤総理も資産倍増は言ってこられましたし、二、三冊著述を読ませてもらいましたが、財源調達はやっぱり示されてはいないんですね。で、政府の四百三十兆円投資も、これは今の論議でも明らかなように同じだと私は思うんですけれども、何でやったら生活大国づくりの公共投資が着実に進められる、それと同時に国債残高は累増させないで済むのだろうか。建設国債は後世代に資産を残すのだから許されるというような式のこれまでのような言い方というのは、言い分としては私は通らない。昭和四十一年度以来二十五年余り続けた財政運営を変えないで、国債累積やあるいは国債残高増加を防げるやり方を、これはもうお互いぜひ教えてもらいたいと思っていると思うのです、私の方は。  今の政府の言い分では、四百二十兆円投資での生活大国づくりと国債残高累増体質改善とを別々のものとして国民にどうも説明をされている。これは、私はもう明確な矛盾だと思うんです。このパズルをどう解くのか。これは私は、どちらかが都合が悪いですよという形で国民に言いませんと、財政運営が不信を招いてうその政治になる危険性があるのではないだろうか。大蔵大臣の見解を求めておきます。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 確かに今先生がお考えになっている基本としては、やっぱり財政の支出というものをこうやって抑えていくということはわかるよと、しかし税収の方がそのとおり入ってこないということになれば、当然そこに乖離というものができてくるであろう。ですから、確かに一つの長期の目標といいますか計画というもの、これはなかなか前へ進んでいかないということは、予定どおりにいかないということはやっぱり現実であろうと思っております。  ただ、私たちは、今も御指摘があったように、これをうそのあれだということになりますと、やっぱり一つの目標というのはどうしても置かないと、ついその、例えば増税に走っていってしまうとか、あるいは、これは要求というのはもう限りないわけですね。ですから、その要求に対して何か歯どめというものをやっぱりつくっておく必要があるんじゃないのかなというふうに私どもは考えるわけでございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 それじゃ、次に入ります。  二時から税調会長にお見え願っていまして、どうもありがとうございます。  運輸大臣、もう結構です。お下がりください。  今日、普通のサラリーマン家庭の生活に照準を当てますと、バブルの崩壊などに関係のないところで、消費税の導入、所得税減税の見送りなどによって、生活実態というのは厳しい状態に陥っていると思うんですね。  そこで、まず、六十三年の税制の抜本改革以降における所得税負担の状況から見まして、また、この間の物価上昇による実質増税を放置してきたことについてどういうふうに認識をされるのだろうか。所得、消費、資産の間の課税バランスを確保するというスローガン、そういうもとに政府が実施してきたこれまでの税制改革全般の評価ですね。それをどういうふうに認識されておられるのかということをまず大枠聞きたいんですが、特に、前回の土地税制改革の際に、地価税の収入は所得税減税財源に充当されることになっていました。今回、厳しい財源難を理由に所得税減税が無視されたことは、これは私はまことに遺憾なんでありますが、財源が厳しいという現況では工夫した減税をすべきだろう。特に、財源的にはそれほど必要としないパート減税を実行すべきであろうと思うんですね。大蔵大臣のお考え方をこの予算委員会で何回もお聞きしましたので、税調の会長としてはどういうふうにお考えになりますか。

加藤寛税制調査会会長

○加藤参考人 お答えいたします。  現在、日本が、御承知のとおり経済成長をシャウプ勧告以来ずっと続けてまいりました。そのために、御承知のように消費の多様化が進む、あるいは税制の国際化が進んでまいりました。そういうことを考えますと、やはりそこには何らかの是正をしていかなければならないということで、ここに特に考えましたことは直間比率の問題、そしてまた土地の保有資産が、非常に保有している負担が軽いためにここに問題が起きるのではないかというようなことに着目をいたしまして、この点についての大幅な改正をいたしました。それに伴いまして所得税の減税につきましても、これは御承知のとおり大幅にやってきた。これが、年度ごとではございませんでしたが、集積いたしまして大幅にやってまいりました。そういうことを通じまして、何とか所得とそれから資産と消費とのバランスをとることができればいいと、こういうふうに考えたわけであります。  しかし、そのようなことをやってまいりましたけれども、まだ私どもといたしましては直すべきところが幾つかあるかもしらぬというような気持ちを持っておりますので、これは中期的に、長期的にやはり考えていこう、こういうつもりで現在検討を、また私どもといたしましても考えていこうと思っておりますが、現在のところ私は、これは今、起こりましたバブルの問題を解決するために必死になって全国民が取り組んでいるところでございますので、これについての方法としては今のところ大体妥当な線に来ている、こういうふうに私は思っております。  今御質問のありましたパートの場合の減税でございますけれども、これも御承知のとおり、三つ問題があると思います。  一つは、パートの減税をやるということにつきまして、これは今、三十五万と六十五万と合わせまして百万のところで行われているわけでありますが、これは御承知のように、今度その改正をするに当たりまして、当然逆転現象が起こってはならないということからその修正を行いました。したがって、現在、百万の場合、例えば百十万になって、もし一〇%の税金で一万円になるというようなときには、これは考えなければならないことは手当がございます。その扶養手当、そういうものを含めまして考えたときに、どちらが有利になるかということはそれぞれの方が考えていらっしゃることでありまして、全体といたしましては、私は、それは決しておかしなことではなくて、逆転現象はなくなった、こういうふうに考えております。  それから、二番目に考えなければなりませんことは、パート減税ということをいたしますときに、百万円というこの額が果たして世界から比べて高いのか低いのか、非課税分野が、百万以下は非課税になりますが、これが高いのかどうかということを比較してみなきゃなりません。これは統計的なことですから省略いたしますけれども、私は、決して日本の場合はこれが低過ぎるということはない、こういうふうに考えております。  そして、さらに三番目に考えていかなければなりませんことは、要するにパート減税ということが非常に大きな話題になっているものですから、そこで、パートの税金を払うところまで働いてあとは働きたくない、こういう考え方が生まれてしまうおそれがございます。私は、そういう点につきまして、いろいろな倫理観あるいは価値観の問題がございますから、簡単に言うことはできないと思いますけれども、やはり社会全体を支えるための税を負担していくという考え方からまいりますと、これは決してそれを否定して、働くのは自分の税金を払わないところまでにしておいて、もう払うことになれば働かない、こういう考えになっては困るのではないか、こんなふうに私は思っております。  以上、三つの点から考えましても、パートの減税ということを今ここでやる理由はないのではないかというふうに私は考えております。  以上でございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 だんだん触れたいと思うところまで先にお触れになりましたけれども、もう少し違った側面で私はパートを考えてみますと、このパート減税の場合に、いわゆる非課税限度を超えると夫の所得における配偶者控除の適用が受けられなくなるばかりではなくて、その超える金額がある程度多くなりますと、配偶者みずからも年金保険料、国民保険料の負担を義務づけられることになっていますね。世帯全体で見た場合に、パート収入が多過ぎるとむしろ所得が減少するというような、まことに奇妙な事態を招いていることについても私たちは注意をしなきゃいかぬと思うのであります。  現在のパートの非課税限度は、今言われたとおり百万円でありますが、これがパートの労賃の単価を決定する要件に実はなっている、いわば労賃の切り下げを制度的に認めているということになっていると私は思うのです。制度的に労賃の上昇をストップするような税制のシステムというのは、これは大蔵大臣、労働大臣、ぜひ所見を承りたいのでありますが、一体どう認識をされるのでしょうか。  確かに、非課税限度額を上げることについては、共稼ぎ世帯との均衡、給与所得控除の刻みとの関係からいって難しいというのがこれまでの大蔵省の言い分であります。しかし、非課税限度額まで働いた場合に、今会長が述べられましたように、パート主婦は、勤労意欲があるにもかかわらずそれ以上働くことができないわけであります。奉仕の精神をもっと持ちなさいと言われればそれまででありますが、また雇用主は、雇用上せっかくの熟練したパートタイマーを計画的に活用できないという、そういう二面の矛盾を持っているのです。こういう状態について、これを放置してよいと考えるかどうかというのは、これは大変疑問でありまして、ここのところも、両大臣、ぜひ見解を承りたい。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 先生は既にこのパート問題というのは、この税の問題というのはなかなか難しいということは御理解の上でのお話だと思っておりまして、私どもも、これは大分この委員会あるいは大蔵委員会でも議論してまいったわけでありますけれども、いわゆる税の問題で対応していくのはやはり非常に難しいんだなということで、今後、今御指摘のございましたいわゆるパートを使っていらっしゃる方々が、もう少し何というのですか、効率いいなんという言葉はよくないですけれども、もうあと一時間やってもらいたいと思ったときに、いや、百万超えちゃうからだめなんだという問題があるんだと思うのですけれども、これは、いわゆる雇用政策ですとかあるいは社会政策上どんなふうに位置づけていくかという問題になっていくのかなというふうに思っておりまして、私どももこれから勉強してみたいと思っております。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 パート労働者は我が国労働力の非常に重要なウエートを占めておりますし、特に、御婦人の方々の労働のあり方としては大きなウエートを占めているわけでございますので、このパート労働に対してのいろいろな労働法規上の措置というものも私どもは考えております。  ただ、減税につきましては、ただいま税調会長や大蔵大臣からお話がございましたが、いろんなことを考えて百万という数字が出ているわけでございますし、また、これを変更いたしますと、いわゆる共稼ぎで所得をお持ちになる方々との権衡の問題、いろんな問題も出てまいりますので、今のところは百万ということで妥当な線ではないか、こういうふうに私どもは考えております。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 大変不満なんですが、ある保険会社の調査をこの間読んでみましたら、パートタイマー志望の既婚女性の六割以上が、週三日、四日働いて、一日当たり四、五時間の勤務で、そして給与で月五万から十万円を希望しているというのが出ていました。それから、正社員志望者や配偶者のいない女性の希望水準というのは、週五日で一日六、七時間で二十万円程度。勤務日数、時間、月収のすべての」面で低い水準にとどまったという結果がわかったというふうに報告は述べていました。  こうした調査結果から見ましても、税制がパートタイマー志望の既婚女性の労働についての意識を低下させていることは、これは明白だと私は思うのです。  恒久的な人手不足が予想される中で、既婚女性の潜在的就業意向を刺激して労働市場に早期に復帰させる、そういうことがいわば企業戦略上今日重要になってきているんじゃないだろうか、そう思うのですが、労働大臣、いかがです。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 今のパート減税の現状で、余計収入を得られればそれだけ税その他社会負担が大きくなるということではないのではないでしょうか。その点については、いろいろもう現段階で工夫してできておりますので、問題は、一カ月の労働が例えばおっしゃるように二十万とか幾らと、こうなってまいりますと、これはもう共稼ぎと同じになってくるわけでございます。ですから、それはパートという形で考えるのか、むしろもう独立のしかるべき収入を持った女性の労働というふうに考えるのか、そのあたりのこともいろいろ考えて対処すべきではないか、こういうふうに考えております。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 先ほど税調会長も述べられましたように、私は、パートの減税を実施をする場合にどういうような基準で実施をすべきだろうか、あるいは共稼ぎ世帯とのつり合いをどうするのか、独身者との課税バランスをどうとるのかなとというさまざまな問題があることをよくわきまえます。これを、しかし、そのまま放置しておけば、雇用者が平然と低い労賃しか払わないで済むということを容認することになる一面も我々としては考えなきゃならぬ。  かつて自由民主党の中でも、パートの非課税限度を百五十万円まで引き上げるべきだという意見があったと聞いていますが、この際、この額まで限度額を引き上げるべきだと私は思うのですが、大蔵大臣、一遍所見を承りたいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 こういう言い方はちょっと粗っぽいと思うのですけれども、これをやったときに、共稼ぎですとかその他に全部やはり影響してくるということになりますね。そういったときに、さあその財源というのを一体どうしていくのかということも、私たちはやはり考えなければならないということであります。  ですから、まさに百万円以上の所得を持たれる方が、これ以上の方がある程度税を負担されること、あるいは扶養手当というものについてはっきりとした物の考え方を持たれるということ、そんなことも必要なのかなというような思いがあります。  しかし今の場合に、どうもこの間も議論しておりますと、二の足踏んでしまうのは、多少の税金払うんだということで、百三十五万円でしたかな、そこまではそんな大きなものじゃございませんから、そこまでを覚悟してもらうということになればいいんだけれども、案外その辺を雇い主の方も、あるいは勤められるパートの方々もまだよく理解されてないから、その辺を周知徹底する必要もあるんじゃないのかというようなことも実は言われておるところを申し上げておきたいと思います。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 税調の会長に伺っておきたいのでありますが、給与所得控除の問題なのですがね。控除率を見直して、いわゆる青天井の制度を廃止することが私は必要じゃないだろうかというふうに考えますが、税調会長としてはどういうふうにお考えになりますか。

加藤寛税制調査会会長

○加藤参考人 お答えいたします。  今たまたま話がパート減税でございましたので、それと関係させながらちょっと申し上げたいのでございますが、私は、すべてこの税制改革等をやりますときには、まず何といっても簡素化とそれから公平化、そして効率化ということを前提にしてやらなければならないと考えております。そういう観点からまいりますと、今ここでパートの減税でございますけれども、これは全体の給与の中の一つを取り上げてやるわけでありますから、そういたしますと、これは影響がいろいろ出てまいります。そういう意味でこれは簡単にできることではないということ、今大蔵大臣がお答えになったとおりでございますが、そのことからも考えまして、私どもは、今所得とそれから資産とそれから消費という三つのバランスを考えながらやっておりますので、その点について将来どういうふうにするのかということになりますと、これはいろいろな考え方があり得ると思うのですが、現在はそのことについての微調整が行われた、あるいは若干の調整が行われたというふうに考えておりますので、現行制度がここで当分いけるのではないか、こういうふうに考えているところでございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 少し述べてきましたパート減税について、今大蔵大臣の答弁の中にもありましたし、税調会長の答弁の中にもありましたが、独身者とのバランスの問題、共稼ぎ世帯との均衡などネックがあることは私たちは十分に知っています。しかし、それに拘泥をしていると私は先に進まないと思っているのでありますが、かつて、アメリカ、ドイツなどでも実施されました二分二乗方式を導入すべきであるとの意見に対して長い論議がありましたが、大蔵省は反対をされて、その代替策として配偶者特別控除制度を導入をされました。この制度については、婦人の働く権利、自立する権利を奪うものだという指摘も人々の中にはあります。世帯の生活のレベルは世帯全体の収入のパイによって決まるものでしょう。つまり、所得の面だけで考えた場合に、夫婦ともにそれぞれ五百万円ずつ稼ぐ世帯と、夫が八百万円、妻が二百万円稼ぐ世帯とは、本来同じ額の税金を納めるべきものであるということも一つの考え方であります。それで、改めてこの二分二乗方式の導入について検討をすべきであると考えるのですが、税調会長、当面の課題になりましょうか。  それから、大変恐縮ですが、続けて、環境税の論議が大変現実味を帯びてなされているわけでありますが、これについてはどういうふうにお考えになりますか。  三つ目には、納税者番号制をどういうふうにお考えになりますか。これはもう御存じのとおり、平成四年度中にやろうということが国会の改革協議会の中では珍しく与野党一致をしているものでありますが、税調会長としてはどう御判断になっていますか。

加藤寛税制調査会会長

○加藤参考人 お答えをいたします。  二分二乗方式につきましては、これは税調でも、給与改善あるいはパート減税の問題とか、あるいはそのほか配偶者控除の問題などを論じましたときに出まして、いろいろと議論を重ねました。その結果、現状においては、それは今のような方式で行うのがよろしいということになりました。これは御承知のとおり、税制改正全体の中で考えますと、今ここで、勤労する人々が非常に女性の方がふえてくるのを前提として考えるのか、それとも家庭の中におられる方が前提になるのかということで、内部的な家庭内部での支援関係といいますか、お互いの協力関係というものが考えられますので、その辺の議論をもっと煮詰めていこうという気持ちがあったからでございますが、したがって、中期的にはまたこの問題が出てくるかもしれませんが、現在のところは、これを直接に論ずるところにはなっておりません。  それから、二番目の環境税でございますが、環境税につきましては、これは御承知のとおり非常に重要な問題でありますし、私どもとしては関心を強く持っております。持っておりますけれども、現在、環境についてのいろいろな会議がこれから開かれるところでございますから、私どもといたしましては、それを見守りながら、世界の情勢を見て、そしてそれをどういうふうに我々として考えたらいいかというふうに思っているところでございます。この世界の情勢につきましては、御承知のとおり、フランスの人なんかに聞きますと、自分たちは炭素税なんて言われたって実際にはもう原子力発電をやっておるんだ、だから、我々はそういう意味ではその負担はないんだということを言う人もいるわけです。こういうことをいろいろと議論を重ねながら、次第次第に世界の合意をつくり上げていくということに私は日本の大きな役割がある、こういうふうに考えております。  それから、三番目の納税者番号でございますが、これは行政的にはこういうものがつくられまして、そして業務的に非常に限られた範囲でもってこれが限定されながら行われることについては、私たちもある程度の理解を示しているところでございますが、ただ、一つ私どもがまだ困っておりますのは、それはアメリカ型であるのか、それともヨーロッパ型であるかということの論点でございます。アメリカ型の方からまいりますと、これは年金制度がずっと一つになっておりますとやりやすいのでありますけれども、御承知のとおり、現在の日本では年金制度が必ずしも一括してまとめてやられておりません。そういうことから、一体どういう番号を基準にしていったらいいのかということについての議論がまだ残されております。それからまた、ヨーロッパ型の方向もこれから考える方向かもしれない。さらには、事業者の方を先にやって、個人の納税者番号はむしろ後にすべきではないかという議論もございます。  いろいろな議論がございますので、私どもの方といたしましては、こういった議論をすべて一つ一つ丹念に洗い直して、そして答えを出していこう、こんなような気もしておりますので、もうしばらく時間をいただきたいと思っております。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 労働大臣、これらに関連しまして、先日、日本開発銀行が、日本が適度に経済を成長させながら労働時間を欧米諸国並みに低下させようとすれば、二〇〇〇年の時点で五百万人近い労働力が不足するというレポートを発表しまして、読みましたけれども、この不足をカバーするためには、先ほども申しましたが、女性やあるいは高齢者などから労働人口をふやすことが必要になる、こういう指摘もありますね。そのためには、女性、高齢者の活用が円滑に行われるように、労働条件、税制などの条件を整備する必要があろうということも考えてきょうの問題提起をしたのですけれども、労働省としては、欧米並みの労働時間短縮の実現についてパート労働力をどのように位置づけているのか、御見解を承りたい。

近藤鉄雄自由民主党労働大臣

○近藤国務大臣 先生御指摘の開銀のレポートを私も読みましたが、まず基本的な認識としては、私は、日本の労働力不足というものに対するマクロの解決策は、何でも日本でつくってそして輸出する、足りなければ外人労働者を呼んできてまたつくって輸出する、こういうことを繰り返しておれば、まさに日本は世界経済の孤児になってしまう、こういう認識でございまして、むしろマクロの対策としては、日本が何をつくって、そしてどこからどこは国際分業にゆだねて、海外からむしろ製品を輸入してくる、こういうことを基本的に考えなければならないと思うわけであります。それが第一点。  それから第二点として、私の友人の大前研一君とこの間話をしましたら、大前君は、日本は今完全雇用じゃないんだ、日本が憂慮すべきはむしろ大量の失業問題だ。言いかえますと、日本は確かに完全失業率は二%、世界で最も低いわけでございますけれども、必ずしもいわば高度な雇用状況ではない、いろいろ低生産性セクターにまだ相当な労働者がおるから、これを高度利用していけばむしろ失業が起こる、こういうような考え、これは一つの考え方でございますが、開銀の考え方と逆の立場の考え方。そういうことでありますので、私は、高生産性部門にどんどんどんどん、どんどんというか現実的に労働力をシフトすることがこれからの労働行政の大きな課題だと考えておるわけであります。  そういったことはマクロの対策でございますが、しかし同時に、力を持った立派な御婦人の方がたくさんいらっしゃるわけでありますから、これをお話があったパート労働という形で積極的に労働市場に参加していただくということは大事でありますけれども、その結果、例えば家庭生活とか育児だとか、そういったことがおろそかになっては大変でございますから、労働参加とそれから家庭とか社会生活との調和をどういうふうに持っていくかということがこれからの大きな私たちの課題であって、そのために、御案内のように例の育児休業法もっくらせていただいてこの四月から実施する、そういう形で御婦人の方々の労働と家庭生活の調和ということについても十分意を用いながら、しかし積極的にその御婦人の方々の社会参加、生産活動参加に向かっての道をこれから開いていく必要があると考えております。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 今後急激なスピードでこの人口の高齢化が進む、また二千時間を超えている平均労働時間を千八百時間台に短縮することを目指している我が国の場合、労働力の確保は大きな政策テーマであります。パートタイマーの労働力はそれなりに私は社会的に重要な役割を期待されると思うのですね。したがって、今後労働市場におけるパート労働者の社会的役割、労働分担機能をどのように位置づけるか非常に重要な問題でありまして、これはお互いしっかり対応しなければならぬ。労働省、大蔵省の対応をこの機会に求めておきたいと思います。  税調会長、ありがとうございました、どうも済みませんでした。労働大臣、済みませんでした。企画庁長官も終わっていました。法務大臣も終わっていましたか。外務大臣は、そうはいきませんよ、まだ残っている。  ちょうど入ってこられましたから、あれですが、衆議院のこれからの国会改革との兼ね合いで若干の質問を事務総長を中心としてお願いをいたします。  衆議院職員のことなんですが、総長、現在の職員総数、私が調査をさせてもらって報告を受けたのでは、予算上の定員が千七百四十九人、約千八百人ですね。これら職員の採用はどのように行われていますか。

緒方信一郎衆議院事務総長

○緒方事務総長 衆議院の職員の採用でございますけれども、現在すべて試験採用、原則として試験採用ということで行っておりまして、独自の、衆議院のⅠ種、Ⅱ種、Ⅲ種という試験を独自に実施をしておりまして、その合格者の中から採用するという方法をとっております。もちろん現業の職員でありますとか、もちろん例外がございます。それから衛視とか速記。衛視につきましては衛視の試験を行っておりますし、速記職員については、これは速記者養成所に入校をしてもらってその中から採用するという採り方でやっております。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 それぞれ決められた競争試験を受けられて、それなりに優秀な人材が集まっているわけですが、ところで、そのうちいわゆる管理職と呼ばれる方々、これは私が報告を受けたのでは、現在大体百三名、定数が百九名ですね。その管理職の職名を調べさせてもらいましたら、主幹、次席調査員、企画調整室長、公邸長、宿舎長、上席調査員、課長それから副部長、主任調査員、特別調査室長、憲政館長、部長、調査室長、次長、総長、こういうふうになっていまして、副部長から後読み上げたのが大体指定職、こういうことですが、その中間管理職、それぞれ能力によってそこまでたどり着ける人あるいは着けない人があることはこれはわかりますが、平均してそこに到達するのには大体どのぐらいかかりますか。

緒方信一郎衆議院事務総長

○緒方事務総長 ちょっと平均と申しましてもなかなかお答えをしにくいのでございますけれども、Ⅰ種採用、Ⅱ種採用、Ⅲ種採用、皆それぞれ違いますが、仮に、今Ⅱ種採用というのが事務職員の主体でございます、大卒で入っておるわけでございますが、課長補佐、七級課長補佐まで約十六年ということでございます。それから、Ⅰ種につきましては課長補佐が約九年というようなのが大体の標準でございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 最上級の指定職に到達するには、これは随分年数がかかって御苦労なさるんだと思うのですが、現在その指定職というのは何名でしょう。総人数の何%に当たりますか。

緒方信一郎衆議院事務総長

○緒方事務総長 指定職以上といいますのは事務局の部長あるいは副部長、それと調査室の専門員等でございまして、現在、予算上の定員で五十九名でございます。全体で千八百二十一でございますから、ちょっと比率は、割っていませんが、そういう比率でございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 大体三%ぐらいですが、そこで、そこに行くのに大体三十年近くかかる、まあ二十五年から三十年。これは全部下から上がってきた人ばかりでしょうか。

緒方信一郎衆議院事務総長

○緒方事務総長 事務局の部長、副部長につきましては大部分と申し上げていいと思いますが、衆議院に初めから入ってきた職員でございまして、若干例外はもちろんございますけれども、ごくもう例外的な数でございます。  専門員、いわゆる調査室長につきましては、これはいわゆる高度な知識を有していろいろ専門的な御助言ができるという、そういう立場のかなり地位の高い人ということになりますので、外部からかなり人をいただいているというものがございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 きょう私は特に、まあ参議院のときでもいろいろ論議をして随分変わりましたけれども、指定職の総数で外部から来た人が占める比率が三〇%ぐらい、その中でも室長とか部長とがそれぞれの部門でトップの座を占める人が七〇%。衆議院の状態調べさせていただきました。時間もありませんから、違っていれば言ってもらえばいいのですが。  これはただ、非常に驚きました、私は。ただでさえ狭き門である指定職の大半が途中から外部の人に占められるということ、これは働いている皆さんにとってはどういうことを意味するんだろう。もうおれたちはあそこまで行けないんだということを初めから予定をして仕事をするということを意味するのですよ、実は。それで問題を取り上げさせていただいたのですが、これはどうしてこういうような形のことが起こったのでしょうか。

緒方信一郎衆議院事務総長

○緒方事務総長 先ほど指定職以上の定数、五十九名と申し上げましたけれども、実はそのうち十八名は調査室の室長でございますので、先ほどもお答えしましたように、調査室の室長というのは非常に職位の高いポストでございまして、それにふさわしい、というのは、その能力においてもふさわしいし、給与面におきましてもそこにつけるのにふさわしい地位まで行っている人を上げる、こういう任用になるわけでございます。  いろいろそのときそのときの特殊な事情がありまして、もちろん内部から最優先で任用したいということで我々もいっているわけでございますけれども、たまたま現在、そういういろいろな人的構成の面でやむを得ず外から人をいただいているのがたまたま現在非常にふえているという状況にあることは、これは事実でございます。我々はこれでいいと決して思っておりませんので、これはやむを得ずお願いしているわけでございまして、これはできるだけ早く中の人を育てまして、抜てきをしてその地位につけたい、これは鋭意努力しているところでございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 今の答弁、非常に私満足しますが、ぜひ解消の努力をやはりされるべきです。大変おかしいという感じがいたしますよ。どうしても外部の力が今言われるような理由で必要になった場合には、その時点で別枠予算で調査役とかあるいは事務補助役とか、名称はそれはどうでもいいのですが、そんな形で一時手助けを得ればよいことだろうと私は思うのです。何も苦労を重ねてこられたプロパーの職員のトップの座を七〇%まで明け渡してしまう、これはもうとてもおかしな話だと思うのです。もし今私が言ったようなことで予算措置が必要であるとすれば、我々も力を合わせてそのことのために努力をする、そういうことにすべきだと思うのです。営々と苦労を積み重ねながら、最後はトップの座を占めることができないのだ、どうせ我々はここどまりだといった、そういう投げやりな風潮が流れたら、これはもう既にちらちらそういう風潮がないわけではありませんから私は殊さら問題として取り上げたのでありますが、答弁をされました精神にのっとって、あなたが総長を務められている間に改善の芽が見えますように期待をしておきます。  希望と誇りの持てる明るい職場がつくられなければなりません。下苦しめば勢い久しからず、そういう誤った人事というものがずっと定着をしていくというようなことであってはいけません。ここの職員は特別職であって、そして立法府の職員であります。我々と苦楽をともにする職員である。そのことをやはりお互いが認識をし合う。ぜひ事務総長にそのことを期待をしておきます。これからもいろいろの面で資料をいただいたり、また論議をする必要があったらやらしていただきますが、協力を願いたいと思いますが、いかがです。

緒方信一郎衆議院事務総長

○緒方事務総長 御趣旨は十分よく承りました。ただ、ちょっと誤解を招くといけませんので一言申し添えておきますが、具体的な数字をちょっと申し上げますと、現在調査室長は十八名おります。外からいただいている方が十二名、内部登用が六名でございます。これは最近では最低記録でございまして、異常に外からいただいている方が多いということは、これは我々も十分認識しておりまして、先ほど申し上げたとおりです。  それから、事務局の部長につきましては、憲政記念館長も入れまして八名の部長がおりますけれども、外から来ている者は一名でございます。あとは全部内部の者でございます。申し添えておきます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 もう席を外してもらって結構です。どうもありがとうございました。  外務大臣、何かあれだったが、ロシアと米国との間で互いに核軍縮の提案が行われていますが、一連の提案について日本政府はどういうふうに見ているのですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 これは、日本はかねて、終局的には核兵器をこの地球上からなくそうという願望を持っているわけでございますから、その過程において、まず中距離核ミサイルの全廃とか大陸間弾道弾の縮減とか、そして戦術核の削減とか撤去とか、こういうような核軍縮については、これは非常に結構なことであって、大いにバックアップをしていくというのが政府の基本的姿勢でございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 ドイツが提案をした核封じ込め策について、これは日本は積極的に賛成していくのですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 この間ドイツのゲンシャー外相が私のところへ参りましてのお話は、要するに、とりあえずソ連の核科学者、これが国外に流出する危険がある、したがって職を与えておかなければ、キープしておかなければならない、ついては何か基金のようなものをこしらえて、そしてそのお金で核の解体とか保管とかその他のこと、将来平和利用まで、勉強をしてもらう、とりあえず流出防止ということについて協力してもらえないかというお話がありまして、それは応分の協力をいたしますと言ったところが、新聞に出ているように、ロ、独、米が集まってそういうふうな基金をつくろうということで、日本にもできれば、まあ額は言っていいのかどうかわからぬが、応分の金を出してもらえぬかと言ってきておるという状況でありますが、これには返事はまだいたしておりません。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 どういうような返事をされるのですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 これは、いつの時点で返事をするかという問題もございますし、今のところまだその受け入れ態勢というものもできておりませんし、年度内に話がまとまるか、あるいは年度を越していくか、これから、来る十、十一から、かの会合がありまして、そこで我々の方から松浦審議官に、私これ、国会があって出られないものですから、ぜひ出てくれという、ベーカーさんとか何か話が来ているのですが、申しわけないが国会で出られないというので、日本は審議官に行ってもらうことにしたわけでございます。それは協力しようという方向で参加したいと思っています。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 済みません、厚生大臣。防衛庁長官、大蔵大臣を除いて、ちょっと時間がなくなりまして恐縮でした。防衛庁長官は今から始まるのですよ。  防衛費をめぐる論議、野坂委員との間で昨日いろいろあったので、重複する部分は避けまして若 子お尋ねをいたしますが、盛んに四年度予算では目いっぱいの抑制をしたと言われるわけですね。しかし、私はとても十分なものではないと思う。  まず正面装備について言えば、現下の軍事情勢を正しく認識する限り、着上陸侵攻に対する水際撃破を目的とする新多連装ロケットシステムですね。これはどうしても必要なんだということは考えられませんが、どうして必要なんでしょう。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 お答え申し上げます。  新多連装ロケット、MLRSですか、これを今回、陸上自衛隊の装備として予算化をいたしました。これは、我が国の火砲が非常に旧式化しておるものが多うございまして、極端なことを申しますと、戦後米軍によって供与されたものすらある現状でございます。私どもは、この我が国の防衛力整備というものは、やはり質の高い、抑止力の高いものに装備も近代化していくということがぜひ必要だと考えておりまして、そういう視点から、この換装の機会に各国でもこれを採用しつつある、MLRSですね、多連装ロケットを採用することにいたしたものでございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 いやいや、必要性について聞いたんですがね、まあ、あれですが。  さらに、どうも私はもう必要じゃないものが幾らかあるんじゃないか、幾つかあるんじゃないか。ただ、AWACSですね、空中警戒管制機、一体どれだけ必要性があるんだろうか。現在E2Cを保有しているわけですけれども、かってこれを導入する際に、昭和五十四年でしたか、当時のE3Aは不適当であるとして、その理由は、よく私はあのとき向こうの院にいまして覚えていますけれども、指揮統制機能などが運用要求をはるかに上回ると、こう言われていた。それから、大型なので飛行場等の改修が必要だ。それから、E2Cに比べて高価であるというふうなことが挙げられていました。それが今回の新中期防策定時には導入が盛り込まれたわけですね。昨今の情勢から、防衛庁の中でもAWACS導入の先送りが議論され始めていますね。これもまた、多連装ロケットシステムのように、私は、米国軍需産業の生産ラインを確保するために、対米配慮という理由がどうも先行しているんじゃないだろうか、購入が決定されたという理由にそういうことがあるんじゃないかという危惧を抱かざるを得ないんですが、いかがです。     〔委員長退席、中山(正)委員長代理着席〕

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 AWACSは、早期警戒機能とそれからコントロールシステム、すなわち空中においてこれをコントロールして防戦するという機能を二つあわせ持っているものだと私は承知しておりますが、今のE2Cでございますと、能力的にも非常に限界がございます。どうしても機能的にはこういう早期警戒機、AWACSと言われるもの、これが必要だと思います。  これは、特殊の機種を指しているものでもないわけでございますけれども、しかし現実には、今米国初め何カ国かで使っておるAWACSの機体の生産その他が今中止になっておりまして、それを即購入というわけにもまいりません。そこで、今私どもとしては、その代替機が可能であるかどうか、あるいは例えばP3Cの改良型でいけるのかどうか、あるいはC130の改良型でいけるかどうか等々、いろいろこれは調査検討を要する点がございまして、確かに、中期防では四機購入ということに予定はさせていただいておりますが、現実には今先生のおっしゃったように、大変高いものになったりいたしますと、費用対効果の点でいかがかという見地もこれは考慮しなければなりません。  しかし、防衛所要上、専守防衛の立場からいって、早期にこの情報をキャッチして上着陸阻止を図るということもこれまた重要でございますので、それらを総合勘案いたしましてAWACS導入については決定したいと、こう思っておるわけでございまして、平成四年度予算では、AWACSの購入の費用は要求はいたしておりません。調査費を要求しておるところでございます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 このP3C百機体制の導入についてですが、このP3Cはシーレーンの防衛のためとして導入されつつありますけれども、旧ソ連の艦艇が油不足で十分な訓練さえできないという状況が伝えられていますね。どうして百機のP3Cを調えてシーレーン防衛の洋上任務につかなきゃならぬのかということも全く理解できませんが、いかがです。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 御指摘のように、旧ソ連が解体をいたしまして、多くの極東におけるそういった原子力潜水艦その他はロシア共和国が恐らく管理されるであろうということで、CISの中でもいろいろ議論されていることは御案内のとおりでございます。  私どもは、国際情勢の変化というものは、これは深刻にやはり見詰めなければなりませんけれども、しかし国際情勢の変化というものが、防衛力との関係で見てまいります場合は、ある程度定着化といいますか、見通しもつけられた段階でいろいろ判断すべき要素も非常に多いんじゃないかと思うのですね。そういう意味で、極東におけるこの潜水艦あるいは極東ソ連軍の艦艇等は、依然として、数は多少老朽船の廃止その他によって減っておりますが、しかし能力的にはかなりレベルアップされたものがいまだ配置されておるという状況でございまして、これが旧ソ連のように一体的に運用されているかどうかという点は多少前と違った点はあろうかと存じますが、私どもはこうした問題を注意深くやはり見ていく必要がございますし、またシーレーンは、我が国は四海、海に囲まれている国でございますし、また海上交通その他に大変依存をしている国家でございまして、レーンというような観念でなしに、我が国周辺の海域あるいは海峡、あるいは港湾の整備その地やはり専守防衛の立場に立ちましても十分防衛をしなければならない領域でございますから、P3Cの機能というものを依然私はあり得るというように考えてこの態勢は維持していきたいと、こう思っております。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 そこは見解が非常に分かれるところ、違っているところですが。  そこで私は、きょう言いたかったのは、政府は我が党の田邊委員長の代表質問に対しまして、防衛費を伸び率ゼロあるいはさらに縮小しろというのは急には容易ではないと答弁をされました。確かに正面装備というのは、何でもツケやクレジットで買っているようなものですから、後年度負担分の支払いを拒否するなどということはできようはずもないでしょう。それだけの予算化が必要なことは、特に経済で生きている我が国にとっての信用を維持するためにも避けられないことでありますが、一方、この人件糧食費も、自衛隊員であるから他の労働における水準よりも低くてよいというようなことが言えるはずもありません。当然の予算ということになります。  そうすると、この九〇年度予算では後年度負担分が三八・八%ですね。人件糧食費が四〇%、予算の約八割が避けられないものだということになる。これを見れば、防衛費を削減するためには人員の削減か装備の新規購入を見送る以外にはない。これは昨日も我が党の委員が触れたとおりであります。あのときの回答にもありましたように、自衛官の平成四年度予算充足率が、陸上自衛隊が八三・五%、海上自衛隊が九二・五%、航空自衛隊が九三・五%であることを考えてみますと、定員を現在の充足数に削減するだけでも伸び率をある程度ゼロに近づけることができるじゃありませんか。そして、正面装備の新規分をある程度見合わせれば、今年度伸び率をゼロということも決して難しいことではない。また、新規分の削減は将来にわたって後年度負担分を削減するということにつながるわけでありますから、防衛予算の将来的な削減をも容易にする性質のものであろうひそれらのことが難しいとする根拠というのは私は成り立たない、以上申し上げた理由で、と考えているのですが、ここのところは大蔵大臣いかがです。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 先ほど防衛庁長官からももうお 答えになった中に含まれていると思うわけでありますけれども、人員につきましてはあれでございますけれども、後年度の分につきましては、やはり今日本の状況が、国際的な状況というものが非常に緩和されてきたという中で、このアジアあるいは太平洋地域が一体どうなるのかというようなことが問題がありましょうし、そして中期防そのものも割合とそういった問題に対して配慮されておった。もちろんその後のまた動きが大きく出てきたわけでありますけれども、しかし、中期防そのものはやっぱり相当抑制されたものであるという中で、なかなか私ども対応難しいのかな、そして今度の場合には、正面装備そのものがやっぱり相当厳しく当初から抑えられているということでございますので、防衛計画全体の中での対応というものを我々していかなきゃならぬときに、なかなかその削減というのは難しいなということを率直に申し上げざるを得ないということであります。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 今お答えしたとおりであると思いますが、多少ちょっと補足させていただきますと、人件費の点でございますけれども、充足率を挙げられました。今現に定員で予算を組んでいるわけではございません、もちろん。充足率に近い現員でもって予算を組んでおるということでございますので、その現員を、さらに定員を削減したりなんかすればできるではないかという御意見でございますけれども、平成四年度予算をそれによって削減するということは、ちょっともう私はできないと思いますし、それから正面装備の方も過去のツケ払い、すなわち歳出化ですね、それと人件糧食もそういった形で組んでおりますから、伸び率が三・八のうち三・六はもうそういった既定分でございますので、あと〇・二の分は隊舎その他隊員の施策等々、必ずしも十分でございません。  それからまた、駐留軍経費の増等もございまして、なかなか困難な状況だということだけ申し上げておきます。

和田静夫日本社会党・護憲共同

○和田(静)委員 駐留費に触れられましたからあれですが、そこのところ論議もしたかったのですが、時間が来ましたから。どうもありがとうございました。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 これにて和田君の質疑は終了いたしました。  次に、春田重昭君。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 私は、本日、三点にわたりまして御質問をしたいと思います。第一点は、ゴルフの会員権の問題でございます。第二点は、車のNOxの削減対策の問題。第三点は、路上に放棄されました車の対策問題でございます。限られた時間でございますので、ひとつ答弁は簡潔によろしくお願いしたいと思います。  まず、午前中にも同僚議員から質問がございましたゴルフの会員権の募集の問題でございますが、春の到来とともにスポーツが非常に盛んになってまいります。プロ野球は四月から開幕でございますが、プロゴルフは今週からいよいよスタートを切ったわけでございます。しかし、このゴルフというのはプロばかりじゃなくして、今やもう国民全体の中で大きく広がっておりまして、統計見ましても、ゴルフ場は全国的に約一千八百カ所、そのゴルフ場を利用した人口が平成二年度は九千万人となっております。売り上げも年間一兆円産業という形で、大変なゴルフ花盛りとなっているわけでございますが、こういった中で、今回大変な事件といいますか、とんでもない事件が起こりました。茨城カントリークラブを初めとする会員権の乱売の事件であります。  新聞報道等によりますと、公称会員が、正会員として一千八百三十人ですか、平日会員が一千名で、合計二千八百三十名に対しまして、販売会社を通してでございますが、何と約五万二千人、約二十倍近くの募集をした。売上額も千二百とか千三百億円を集めたというのですね。事実上オーナーでございます水野容疑者、これは茨城カントリークラブだけではない、それ以外の三カ所のゴルフ場でも同じ手口で募集している。何と四カ所で十五万人、一人当たり最低二百万としても、三千億円がいとも簡単に吸い上げられているんです。しかも、この金をいわゆる株の投機とか海外の不動産の取得、ばくち等に平然として使っている。現在、詐欺罪と脱税という形で逮捕されているわけでありますが、このゴルフ会員権を所管とする通産省、大臣は、この事件に対して、午前中の御質問に対しまして、残念であるというような御答弁ございましたけれども、再度お伺いしたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 ただいま春田先生から御指摘のありましたこの問題、まさに私どもの常識を超えるひどいことがあるものだということでありましたけれども、しかしそれが法の網をくぐって、またそれについての確たる規制もないところをうまく活用して、あのようにひどいことが行われたということは我々厳しくこれは考えさせられました。  また先生御指摘のように、また私も先ほど申し上げましたように、今やこの国の国民にとって、ゴルフは健康を守る国民大衆の健全なるスポーツにこれはなってきておるわけでありますから、その健全なゴルフ場の建設が、何か善悪一緒にされるようなことで、このために停滞しておるというようなことになると、今時短であるとかゆとりであるとか憩いであるとかいうことで、健全な、豊かな生活を求めておる国民にとってもこれは望ましいことでありません。こういう悪い者が一人できたために、健全なゴルフ場の経営をしている者、これから国民の新しいニーズにこたえて健全な、立派なゴルフ場を建設される人たちが妨げになるようなことがあってはなりませんから、先生今御指摘の問題、これは私、通産省として真剣に受けとめて対処をしてまいりたいと思います。  現在、学識経験者を中心に構成されておる会員制事業適正化研究会において、ゴルフ場事業等の消費者に対する情報開示のあり方、預託金の保全処置、会員の地位を中心に研究を進めておるところでございますが、法制化、この問題については、会員制事業の法的性格づけが極めて難しいものというようなことで、大変何か、私は残念ながら法律の専門家でありませんので、いいことならばこれはどんどん行われていい、こう思っておったのですけれども、何か法律的な検討の中では、専門家たちの意見を聞くと大変難しいものがあるようでございます。  そういう中で、しかし先生のおっしゃること、全く同感であり、極めて大事な、当面する緊急の問題でございますので、これらの問題をどうクリアするか、今鋭意検討をいたしておるところでございます。通産省としては、研究会のこの検討結果を踏まえ、法規制を含めた所要の対策の具体化を速やかに図るように努めてまいりたいと存じます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 今回の事件は大臣としては真剣に受けとめている、研究会を発足して今検討している、こういうことでございますが、私は今回の問題については、これはもう要するに突然出てきたんじゃないんだ、いわゆる特殊な茨城だけの問題じゃないんだ、こう思っています。会員募集の問題につきましては、大なり小なり全国的にあり得ることでありまして、事実あるんですよね。公称のいわゆる会員募集に対してと実態とははるかにやはり違っております。  そういったことで私は、今日までこの責任として通産省が取り締まってきたわけでございますけれども、非常に甘かった。というのは、やはり従来の通産省の姿勢というのは、とってきたいわゆる規制というのは、一つは業界の団体による自主規制をやってきた。しかしこれでも効果がないということで、訪問販売法を一部改正して役務と権利の中にこのゴルフ会員権を対象とした、しかしどうも余り効果がない。こういうことで、一昨年の十一月ですか、通達を出した。また、昨年の十月も通達を出しております。全国的にトラブルが起こるたびにそういった対症療法的なことをやっておるわけでございますが、一向に効果は上がらないということで、やっと重い腰を上げて今回の研究会という段取りになったと思うのですが、やはり今日までのこういった通産省のいわゆる業界による自主規制とか、通達とか、それから訪問販売法の一部改正とか、こういった形でやってきただけに私はこういった問題が出てきたんじゃないか、こう思っておるのですよ。  そういった点で、今法規制も含めて検討しているというのですが、そういった一部の改正じゃなくして新しい立法措置としてこれを対処していく、そこまで強い決意がなかったならば私は、従来と同じような、繰り返してまた同じ事件が出てくるんじゃないかと心配しておるわけでございますが、その点どうでしょうか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 ただいまの先生の御意見を十分に踏まえて、できる限り速やかに成案を得るよう全力を尽くして努力してまいりたいと存じます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 地方自治体としても非常に苦慮しているところがあります。開発計画の段階で募集計画というか誓約書を出させる、そういった地方自治体もございますし、問題のこの預託金、この預託金もゴルフ場が完成した後に集めている、そういった自治体もあるわけでありますが、これはもう一部です。地方自治体では条例で規制をできるのですが、この条例をつくろうと思っても裏づけとなる、根拠となるこういった法的な整備がなかったらできないんですよね。やったとしても弱い。そういった面で私は、小手先のそういったことでなくして新しい法をつくっていただきたい、このように強く要求しているわけでございます。  この会員募集につきましてはゴルフ場だけじゃございませんで、リゾートまたスポーツクラブの会員募集についても同じいっぱい問題がございますので、これらも同時に規制すべきことだと私は思っておりますが、この点を聞いてこの問題については終わりたいと思います。大臣。

麻生渡通商産業省大臣官房商務流通審議官

○麻生政府委員 今お話のございましたリゾートあるいはスポーツクラブにつきましては、現在研究会の中では、そういうものも含めて会員制一般ということで研究をいたしております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 ぜひとも会員数の開示の問題とか預託金の問題等もあわせてその中で規制していただきたいことを要求しておきます。  次に、車のNOxの削減対策でございますが、大気汚染の原因でございます窒素酸化物、NOxですが、この削減につきましては環境庁はいろいろ過去おやりになっております。現在、このNOxでございますが、特定地域におけるNOxはこの環境基準をはるかにオーバーしております。したがって、環境庁はこのNOxの削減といいますか抑制につきましては、過去におきましては工場における規制、さらに工場における総量規制といったことで固定発生源についてはやってきた。しかし、この固定発生源だけではだめだということで移動発生源たる車に規制をかけていった。そして車につきましては単体の規制をやっていった。ところが車の増加とともに単体規制だけではやはりこの環境基準が達成しない、こういうことで車の総量規制ということがいろんな各方面から声が上がってきた。それを受けまして、環境庁も総量規制の一端ということで今回この国会に法案を提出する準備をなさっているわけでございますが、実は今回の法案提出は、トラック、バス事業者に対する車種の転換の義務づけによるいわゆるNOxの削減なんですね。これだけと言っても過言でない。  大臣、どうですか。今回のいわゆるこの法案、今準備されて十三日ごろ閣議決定をされると聞いていますが、環境庁が諮問をして答申を受けた今回のいわゆるこの法案、長官としては、最高の、ベストの案であるとこれに自信を持っておりますか。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 春田議員お指摘のように、自動車の排気ガスにかかわる問題で、ガソリン自動車については規制のスタートも早かった。そういうことでもって、日本のガソリン自動車の排出するガスは世界で一番きれいだろうと言われる中で、ディーゼルガスの対策というのがおくれてきたと思うわけであります。  町を歩いてみればわかるように、ガソリンに比べて極めて劣悪な排気ガスを出している。これが大変な批判を受けておる。これに対する単体規制、自動車一台から、そのディーゼルのエンジンから出されるものの規制だけでやってきたけれども、それではどうしても、非常に密集した地域の交通の多いところでは環境基準がはるかに超えてしまうようなところも出てくる。そういうことで総量規制ということでやってまいりまして、実はもう昨年の十月に、窒素酸化物自動車排出総量抑制方策検討会というようなことを環境庁の中につくりましてずっとやってまいりまして、結論を得ました。そうして、それから中公審にこれをもって諮問いたしまして、そしてこれをやはり実効あらしむるためには法律にしなければいけない、それには政府部内でいろいろな調整をしなければいけない、そういうことで、運輸省を初めいろいろな調整をしながら御検討を中公審でいただきまして、そしてこの間最後の答申を、諮問をいたしまして答申をいただき、原案を決定したというわけでありますのでありますから、やはりこれは法律にして実効あるものとして施行していくためにはいろいろな手続がございますが、私は、現在政府としてとり得るこれはベストのものをつくったと思っております。  しかしながら、これだけでは済みません。必ずその後の単体規制でありますとか、また問題が起これはこの総量規制についてのいろいろな見直しも将来の問題としてあるかもしれません。しかし、現在において私どもがとれる最善の策として考えて法律を御提出させていただこうと思っておる次第でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 運輸省や通産省の調整の段階で出てきた実効性のあるベスト案である、このように長官おっしゃるわけでございますが、私はかなりしり抜けの法案である、このように強い不満を持っているんです。  で、環境庁長官もおっしゃったように、今回の諮問するに当たりましては、窒素酸化物自動車排出抑制方策のあり方という検討委員会をつくられた。この検討委員会ではさまざまな対策が打ち出されました。で、最終報告ということで昨年の十月二十五日、環境庁にそれが提出されたわけです。で、最終報告を受けて、環境庁がいろいろ今言ったように各省と折衝した。その段階で環境庁も頑張ったと思うんだけれども、通産省や運輸省等のいろんなそういった抵抗もあったんでしょう、かなり何といいますか後退した案になってきた。長官は実効性ある法案であるとおっしゃっておりますけれども、私は非常に、果たしてこれだけの案でいわゆる環境基準が達成できるかという不安を持っているんですよ。今、特定地域、特に自排局は七十二カ所ありますけれども、六十四カ所は環境基準オーバーしているじゃないですか。八カ所だけですよ、合格は。今回のこのいわゆるディーゼルの二・五トン以下ないし五トン以上それぞれ規制しておりますけれども、これだけで長官、どうですか、環境基準達成できると自身お思いですか。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 環境庁といたしましては、地域全体の自動車から排出されます窒素酸化物の総量を抑制する方策に係る法案の内容につきまして今調整中でございます。しかし、この法案に基づきます使用車種の規制などの施策に加えまして、自動車単体規制の強化でありますとか、あるいは低公害車の大量普及などを総合的に推進することによりまして、おおむね二〇〇〇年ごろまでには環境基準を達成することが可能である、このように考えているわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 二〇〇〇年に環境基準が完全に達成できると理解していいんですか。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 私ども、各関係の省庁ともいろいろ相談をしながら、できるだけ有効な対策を講じていきたいと思っておりますので、二〇〇〇年までに達成したいと強く思っている次第でございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 達成したいではだめなんですよ。今まで環境庁は、いわゆるこの環境基準にしても、〇・〇四ないし〇・〇六ppmにしても、これは相当後退しているじゃないですか。それよりもっと厳しかったんですよ。それでも、車が増加したかもしれませんけれども環境基準達成してないんです。いろいろな施策をやったけれどもできない。最後の切り札じゃないですか、今回の対策は。それで、検討委員会では、いわゆる車種の転換以外にもいろいろな方策を出しているんですけれども、それが抜けていってしまったわけなんですよ。  例えて言うならば、今回のディーゼル車につきましては、バス、トラックだけでしょう。乗用車が約三割あるのですよ。乗用車のディーゼル車、対象になっていない。乗用車のガスの排出量というのは大体ガソリンの倍ありますよ。三割あるんですよ。検討委員会でも、この乗用車のいわゆるディーゼル車が非常にふえてきている、これについても何らかの抑制が必要である、検討委員会で出ているじゃないですか。これが抜けている。なぜ抜けたんですか、これ。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 ディーゼルの乗用車につきましては、近年著しい増加傾向にあるわけでございます。しかし、現在の全体に占めます汚染寄与と申しますか、それはそれほど大きくはないということでございまして、それからまた、乗用車でございますので、マイカーというようなものが中心になるかと思いますが、そういったものまで規制するということのいろいろな問題点等もございますので、今回の車種規制の対象としては実は考えていないということなんでございます。しかし、法律による規制の対象とはまた別に、いわゆるマイカーにつきましても、よりクリーンな車の選択あるいは不要な使用の自粛などを、これは求めていきたいと考えているわけでございまして、今後こういった普及啓発に努めてまいりたいと思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 弱腰ですよ。答申案にも出ているじゃないですか。要するにNOxの削減につきましては国や地方自治体、事業者そして国民が一致協力してやらなきゃならないとなっているじゃないですか。マイカーだってみんな責務がありますよ。そんな普及啓発だけでは抑制できません。どうせやるんやったら、いわゆるディーゼル軍全部網をかぶせるくらいの強気でやらなかったら達成できませんよ。  さらに大事な問題は、今回の検討委員会の中で際立ったものとして、今回答申になかったですが、一定規模以下の事業所に対する車の使用規制、これは検討委員会でちゃんと要するに書いてあったんですよ。地方自治体に権限を与えて、そして事業者から計画を出させる、そういった規制が検討委員会では盛られていた。このいわゆる二大規制でもって二〇〇〇年には環境基準を達成したい。ところが一本だけで、これが欠けたじゃないですか。何でできないんですか、これ。長官、どうなんですか、これ。抜けて大丈夫ですか。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 検討会の最終報告には御指摘のようないわゆる一定規模以上の事業所による車の使用規制といったものがあったわけでございますが、私ども今回関係の省庁といろいろと調整をいたしました結果、関係省庁が一致してこの問題に取り組んでまいりたいということで合意が得られたわけでございます。そうしますと、これを踏まえてそれぞれ関係省庁で指針を示して事業者に対しては強力な指導をしていくということを、これを法律に明記したいと思っているわけでございます。私どもとしては、これが最善の案であると考えているわけでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 環境庁が何ぼ調整機関といっても、こんなところまで私は調整する必要ないと思うのですよ。環境庁、やはり強い姿勢でやらなかったら環境基準達成できません。  さらに、総量規制の中で、万全を期すためには大型車の都心の乗り入れ、いわゆる流入規制というんですか、これも必要であろうと思うんです。一部地域の中ではやっておりますけれども、検討委員会の最終報告には出ませんでしたけれども、この問題もやはり検討委員会では相当論議されたと聞いているわけでございまして、この流入規制につきましても私は総量規制の一環としてやるべきではないか、こう思っておりますが、この点につきましての御答弁をいただきたいと思うんです。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 乗り入れ規制の導入につきましては、先生御指摘のようにいろいろと議論はなされたわけでございます。しかし、環境庁で調査をいたしましたところ、大都市の交通量の約八割が地域内に使用の本拠を置くものであるということがわかったわけでございまして、地域内に使用の本拠を置く車の規制で十分な効果を上げることができるだろうという判断に至ったわけでございます。しかし、将来的にはこういった問題につきましてもやはり検討は進めていかなければならないと私ども認識をいたしております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 いずれにいたしましても、私は総量規制というのは、車種の転換によるそういった総量規制、また事業所別による総量規制、また規制といいますか流入規制による総量規制、この三つが相まって初めて万全になるんじゃないかと思います。いろんな関係省庁とのそういった調整も必要だろうと思うのですが、私はやはりこの際、これは最後の切り私なんですから、そういった面で環境庁は、二〇〇〇年といいますけれども、この環境基準が達成が非常に危ぶまれる、危ない、そういった予想がされた段階では、私は二〇〇〇年を待たずに再検討してこういった強い規制を私はやるべきである、このように思っております。  運輸大臣、今回この軍種転換に対しまして、義務づけられまして、運輸省としては基準に適合しない車につきましては車検証を交付しない、これを担保にするということが報道されておりますけれども、運輸省の御見解をいただきたいと思います。  さらに、トラック、バス業界、今回車齢に応じて、ディーゼルは、二・五以下についてはガソリンに、二・五から五トンですか、これについては要するに直噴から副室式、それから五トン以上については最新式の車という形で変わるみたいでございますが、猶予期間があったとしても業界でもいろいろな意見があったのと思うのですが、こういったいわゆる業界の合意はきちっとなされておるのか、この二点につきましてあわせて御答弁をいただきたいと思います。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○奥田国務大臣 環境政策、交通政策に特に御熱心に取り組んでおられる先生の御指摘でございます。  先ほど来御質疑を聞いておったわけでありますけれども、この大気汚染の現在の緊急性といいますか、こういった対策について環境庁のお示しになった方向で運輸省も積極的に協力してまいる、こういった基本姿勢に立ちまして、今お話しのとおりトラック、バスの大型の主要車種につきましては、この実効性を確保するといった意味から車検の際に、もうこの排出基準に適合しない車に対しては車検を交付しないという基本的な措置を講じておるわけであります。  ただ、まだなまぬるいじゃないかということの御指摘は、私は一面においてそのとおりだと思っております。ということは、やはり二・五トン以下の中小型自家用ディーゼルを使用している方たちというのは、まあこれは先生も御調査済みでございましょうけれども、ほとんどが自家営業者で、しかも八百屋さんとか魚屋さんとかといったような中小業者の方が非常に多い、こういったことから多少の暫定的な猶予期間を設けてはありますけれども、これらについても今後こういった車種転換の際、きちっとした対応を示していただけるであろうということを期待しています。  と同時に、今二点目に御指摘されました業界対応についてきちっとした了解を得ておるのかということでございます。この点につきましても、各バス業界、トラック業界含めまして、全くこれらの事業者も大気汚染の現況の重大性にかんがみまして積極的に協力していただけるという形で言質をとってありますし、また必ずこの法案のいわゆる効果を上げるために最大限の協力をしてくれるということを確信いたしております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 いずれにしても、環境庁長官、私はそれなりの一定の評価をしたいわけでございますが、本当にこれで環境基準が達成できるかというと、やはり地方自治体や関係住民からいろいろな不満の声が上がっているのですよ。そういった点で、私は、中途においても見直して、きちっとこの対策をとっていただきたいと強く要望をしておきます。  最後に長官、ことし地球サミット、ブラジルのリオで六月五日を中心としながら一日から十二日まで開催されますけれども、これに昨日の報道では、関係の主要国、アメリカ初めロシアとかフランスとか、首脳がまだ返事が来ていないみたいでございますが、我が国としては総理が出席される予定なのかどうか、また長官はこのサミットに出席されるのかどうか。  それからもう一点、前から公明党が要望しておりました環境保全基本法、これについてはどう環境庁としては取り組もうとしているのか、この二点について、簡単で結構でございますから御答弁いただきたいと思います。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 地球サミットヘの出席でございますけれども、総理は国会のいろいろな諸条件が整えば出席したいという御答弁を今までされていたと思っております。私もさようでございますが、ぜひ出席させていただきたいと思っております。今一生懸命各国集まって準備会が、きょうもニューヨークで開かれております。  そして、二つ目の御質問の地球環境保全法というような考え方でありますけれども、今までの環境対策というのが対症療法的な、悪いガスが出てきたからこれを取り締まろうというようなことが主体とされた環境行政でございました。まさにそこに持続可能な開発というような考え方が出てまいりまして、それに向かって地球全体が合意をつくろうというサミットが行われる。まさに環境問題をめぐる環境というのは激変をしてまいっているわけでありまして、従来のような法体系ではこれは対応し切れない。今環境庁、この地球環境問題にも取り組んでおりますが、こういったことをやるような法体系もございませんし、そういった組織もできてなかった。そこで、一昨年地球環境部というのをつくりまして、そして法体系が整わない中でありますからこそだと思いますが、私が地球環境担当大臣ということを拝命いたしまして、調整役で働けということになっていると思います。  そういう中で、根本的な環境行政に関する法律を見直していこうという動きがございまして、環境庁でも検討いたしておりますし、今、中公審、自環審等にこの地球時代の環境問題に対処するためにはどういう組織、どういう法体系でやっていけばいいかということを諮問いたしておりまして、そういう中に今委員御指摘の地球環境保全法というのになりますか、環境基本法になりますか、そういった物の考え方が出てきております。折しもサミットにおきましても地球憲章というものをつくって、そもそも地球の環境を保全するということが地球人類の生活の基盤でありますから、そういったことを根本的にやっていかなきゃいけないという理念のもとに憲章をつくろうとしている。  そういうのも見ながら、我が国の環境行政に関する法律を考えましたときに、今検討中のことでありますけれども、環境基本法のようなものができて、その中の理念として地球環境保全というものがあったり、公害対策があったり、アセスメントがあったりというふうな方向が望ましいのではないかと思っておりますが、まさに今検討しているところでございます。  それから一つ、先ほどのNOxの件でお答えを追加させていただきたいのですが、委員の御指摘を体して一生懸命取り組んでまいろうと思います。  その総量規制のほかにどうしても考えなきゃいけないのが単体規制でありますね。そこで、私は、拝命いたしましてからすぐ自動車業界を呼びまして、単体規制の早期長期目標の達成ということを頼みました。ところが、そういたしましたら、使う軽油の方をよくしてくれなきゃだめだということで、軽油業界に今話しかけて、石油業界に話しかけて、その方たちとの懇談も持つことにしております。そして、今乗用車でもどんどんディーゼルがふえていっちゃうというのは、これは御存じのとおりガソリンに比べて半分ぐらいの税しかかかってない。そういうところから根本的に全部考え直していかなければ、おっしゃもとおり直らない問題だと思うのです。そういう問題提起をし、真剣に取り組んでまいりたいと思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 最後の問題を急いでやりたいと思いますが、放棄の自動車問題ですね。運輸大臣、環境庁長官、結構でございます。  車社会の進展とともに車の所有台数が今約六千万台ですか、言われておりまして、これを保管する駐車場また車庫というのが絶対数で不足しております。勢い路上に違法駐車またはいわゆる放棄されたままの車の量が非常にふえております。違法革は道交法で処理する、放棄車は道路法とか廃掃法で処理されているわけでありますが、この放棄車対策を行うにはやはりその実態を知ることが大事になってまいります。違法車両の実態調査につきましては警察庁が大都市でやりました。しかし、放棄車につきましては今国として正確に把握していないんですね。したがって、対策でも後手になっているという点がございますので、そういった点で私は厚生省としてこの際正確に把握する必要があるんじゃないか、こう思っておりますが、どうでしょうか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 最近廃車台数が年々多くなってきておりまして、それに比例して放置車がふえておる。そこで、これは自動車業界で協力しなさいということで、路上放棄車処理協力会というものを業界につくらせまして、市町村の要請に基づいて寄附をして市町村が片づける、こういうシステムをとっておるのでございまして、これはこれなりに実効を上げておりますが、問題は、果たしてそれが放棄車であるかどうかという認定、中には盗まれた車がそのままあったり、あるいは所有者がいても、それはもう登録寸前のやつを、何日かそこに置いているとか、いろいろな問題がございますので、その認定、これをどうするかという問題で関係業界と話し合ってまいりたい。とにかく、このままじゃこれは困るのでございますから、何とか早い機会に結論を出したいと思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 自動車工業会が調べたものによると、巷間大体二、三万台と言っておりますけれども、大臣、そんな実態じゃないのですよね。私は大阪市の放棄車実態を調べてまいりました。大阪市では、この放棄自動車の処理状況を見ますと、昭和五十八年が百六十五台だったのですが、平成元年には千九台になっているのですね。平成三年の十二月末でもう千五百十台になっているのです。この状態で推移すると、恐らく平成四年には二千台ぐらいに近づくと推定されているのです。したがって、巷間大体二、三万台と言われますが、そんな数字じゃないと私は思っております。そういった点で、私は、早急にいわゆる国として実態を把握していただきたい、このように要望しておきたいと思うのですが、今のこの放棄車につきましては、いわゆる道路法を根拠に廃掃法を適用して、実態的には道路管理者、いわゆる市町村が警察と連携しながら処理しているわけでございます。  ところで、警察庁にお聞きしたいと思うのですが、ふえ続けるこの放棄車、放棄自動車に対しまして、今後も警察が、現在これが本当に放棄車がどうか、いわゆる廃物かどうか、そういったことを調査しているわけでございますが、現在の人的体制で十分できるかどうか。今後ふえ続けるこの放棄車対策について、警察庁なりの御見解をいただきたい。

関根謙一警察庁交通局長

○関根政府委員 警察といたしましても、放棄自動車につきましては自治体や道路管理者などの関係機関と協力をいたしまして、その排除に努めているところでございます。現在の処理システムでありますと手続が必ずしも明らかでありませんので、その自動車が放棄された自動車であるのか否かの認定でありますとか、その自動車の所有者がどなたであるかといったことの調査が、最近ナンバープレートの取り除きでありますとか車台番号の削除等がございますために困難となっているところでございます。  そこで、私どもといたしましても、関係省庁と協力をいたしまして、この放棄自動車を生じさせないためのシステムづくりでありますとか、放棄自動車の認定の手続、所有権が放棄された自動車であるか否かの認定でございますが、その手続、それから所有者の調査の方法等につきまして検討を行う必要があると考えているところでございます。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 そこで、この処理方法につきましては、道路法によりまして、建設省が昭和五十年十二月十六日に地方自治体に通達を出しているのですね。十六年前です。今日のこの放棄自動車の増加に伴って、私はこの通達はやはり見直すべきじゃないかと思うのです。そういった点で建設省の御見解をいただきたい。

藤井治芳建設省道路局長

○藤井(治)政府委員 お答えいたします。  私ども道路管理者といたしまして道路が常に通れるような状態にすること、これは特に大事なことでございます。そういうことで、先生御指摘のように、五十年に当時の通達で各管理者の指導をしてまいりました。その際は、言ってみればパトロール中にそういう車があった場合にはセーフティーコーンを周りに置きまして、そしてこれがポンコツ車なのかどうなのか、こういう判定を従来はやってまいりました。  しかし、先生がおっしゃるようにいろいろな形のものがふえてまいりました。そこで、昨年国会によって道路法及び駐車場法の一部の改正をしていただいたわけでございます。こういうこともございますので、私ども関係機関と一緒になって、これからのこういう問題にどうやってうまく対処するかを、過去の経験から来るいろいろな問題点もわかってまいりましたので、対応してまいりたいと思っております。  ただ、先ほど交通局長からもございましたように、この車両そのものがいろいろな意味合いを持っておりますので、そういう意味で、その際もやはり所轄警察署と御相談しながら処理をするということはどうしても前提になろうかと思いますが、何はともあれきちっと処理できるようなことをこれからより具体的に検討させていただきたいと思っております。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 厚生大臣、警察庁もいろいろ各省と連携をとりながらということでおっしゃっておりましたけれども、一番大事なのはやはり車そのものが廃物かどうかという、その認定、判定、これが大事なんですね。これに非常に、やはり処理に時間がかかっているわけですよ。  そこで、横浜が昨年九月ですか、要するに条例をつくった。全国で初めてつくった。そして、その判定委員会をつくって、そしてまた、車の持ち主の責務をきちっとこの条例の中で明らかにした。また、この放棄車が空き地にほっぽらかしている、そういった空き地の所有者に対しても責務を課したわけですね。そういったことで、全国的にはこの横浜の条例に非常に注目しております。  そういった面で、私はこの条例を全国的にやはり広げるためには、やっぱり廃掃法ですか、これの見直しが必要ではないかと思うのです。そういった点で、この廃掃法の見直しとともに、時間が参りましたので、そのほかいろんな問題やりたかったんですが、いずれにしてもこの放棄車問題につきましては、厚生省を中心としまして、建設省や、または通産省や、または運輸省や警察庁、それぞれが一体となって総合的に取り組まなかったら、この問題は解決しないのです。  そういった点で、いわゆる最後に厚生大臣のそういった法に対する見直しとともに、御決意をいただいて、この問題につきましては運輸省なり、またそれから通産省来ておりますけれども、次回に譲りたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 先ほどお答えいたしましたけれども、これはもうナンバープレートのないやつで、これは所有者のないやつは、これはもう放棄車だから自由にどうにもできるわけでございますが、例えばナンバープレートがなくても所有者がはっきりしている、盗難車が一番厄介でございます。そういうものをどうやって認定するか。だといって、各省庁が十分協議して何とかそれを解決する方途を講じなければ、これは大きな問題だと思いますから、関係省庁で話し合ってまいりたいと思います。

春田重昭公明党・国民会議

○春田委員 終わります。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 この際、山口那津男君から関連質疑の申し出があります。春田君の持ち時間の範囲内でこれを許します。山口那津男君。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 私の方からは、防衛費の削減と、それから現下問題となっておりますカンボジアの関係についてお尋ねをしたいと思います。  まず初めに、防衛費の関係ですが、既に御承知のようにポスト冷戦のもとで軍縮の傾向というものが世界の一般的な流れとなっておりまして、もはや動かしがたいものであります。そこで、我が国といたしましても、この平和の配当を要求すべき立場にあることは間違いございません。しかしながら、平和憲法を持ち、また非核三原則のあるこの我が国が、基盤的防衛力を整備しよう、こういう基本政策に立ちましてこれまでやってきたわけでありまして、おのずから他の軍事大国等とはその姿勢が違っていることも事実であります。  そこで、近年の主要な国々におけるこの防衛費といいますか、国防費の推移及び今後五、六年を見通した上で、これらの削減計画がどのようになっていくか、これについての概括的な説明をいただきたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 欧米諸国におきましては、御案内のようにWPOの崩壊でありますとか、東欧の駐留旧ソ連軍の撤廃あるいはヨーロッパにおける通常兵器であるCFE条約の署名といった、欧州の安全保障環境の整備が行われていることは御案内のとおりでございます。  米国は今、戦略核兵器やグローバルに展開する兵力等の削減を内容とする兵力再編を計画いたしておりまして、先般の国防白書におきましても、地球的規模の脅威は消滅したけれども地域的な問題は依然として残ってクローズアップされてきているという認識を強く示しております。  ドイツ等は、国際公約として、統一ドイツでございますから、削減の一定の約束がございまして、兵力量を削減していることは御案内のとおりでございますが、英国、フランス等はこれまでのところ国防費を増加していると承知しております。  特に、アジアにおきましては、このアジア地域の構造がヨーロッパみたいな二極構造と異なりまして複雑で、対立の図式も非常に多様化しております。そして、未解決のいろいろ政治的な問題、民族的な問題等々もございます。中国、韓国、ASEAN等の諸国も国防費は大幅に増加をいたしておりまして、これまでのところ、私、これを調査してみたのですが、アジアにおきましては、防衛費を削減している国は一つもございません。  そういう状況で、個々のもしか国防費の総額あるいはアップ率等についで必要であればお答えを申し上げますが、全般的にはそのような状況でございますので、今軍縮軍縮ということが声高に言われておりますけれども、子細に見ますと、地域的にあるいは国によってかなり違ってきておるという状況にございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 この点については、とりわけ核兵器を持たない我が国としては、通常兵器のみで防衛力を整備しているわけでありますから、この通常兵器の推移というものについてとりわけ注目をすべきであろうと思うのですが、各国の防衛費等の構造からいって、この通常兵器についての動きを分析するということが果たしてどれだけ可能なのでしょうか。現時点での御見解を承りたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 ちょっと、各国の通常兵器に限定してのお尋ねでございますので、事務当局の方から説明させていただきます。

高島有終防衛庁参事官

○高島(有)政府委員 お答え申し上げます。  私どもも、各国の再編計画の中で通常兵器だけがどういう形で今後計画されていくのかといった形での分析調査はまだいたしておりません。そういう意味で、正確に現在、現時点で申し上げられる資料をここに持ち合わせておりませんが、例えば米国につきましては、今長官から御説明いたしましたように、大きな削減計画の柱の一つが戦略部門でございまして、したがいまして、通常兵器よりはむしろ戦略分野が重点の一つになっている。  それから、ヨーロッパの国々について見ますと、イギリスは一方で、例えば九〇年の三十万強の体制から、九〇年代の半ばまでには約六万ぐらいの兵力の削減計画がございますが、他方、核戦力につきましては、古くなりましたポラリス型潜水艦をトライデント型原潜に置きかえる計画が着実に実行されている。そういう意味で、防衛費は九四年までの見通しによりましても少しずつふえる計画になっております。  他方、ドイツは非核国でございますので、国際約束の一環として三十七万体制に九四年の末までに持っていくという形で、これにつきましては国防費も漸減する計画を持っているということでございますが、冒頭申しましたように、通常兵力が全体としてどういう動きにあるのかという点に焦点を当てた調査はいたしておりませんので、ひとつ御了承いただきたいと思います。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 ぜひそういう観点からも御研究をお願いしたいと思います。  ところで、我が国は中期防衛力整備計画を持っておるわけでありますが、これが単年度の個々の予算とは異なりまして、五年の期間のお金の面と、それから人的、物的、総合力としての防衛力、これを数量で計画を決めているわけですね。この計画が果たして何を拘束するといいますか、何を決めているものなのかというところがいま一つはっきりしない点もあるわけであります。  例えば、総額明示方式といいまして二十二兆七千五百億という歳出の限度というのを決めておるわけですが、これは上限を決めたということであって、これを超えてはいけないという拘束力を持つものだろうと私なりに理解をしてまいりました。そして、個々の費目を分析した上で、例えば歳出ベースですとこの計画期間中五兆一千億になるとか、あるいは契約ベースですと総額が五兆円になる、これは正面装備だけを見た場合ですが、さまざまなそういう数量の計画を持つわけであります。これがどういう意味を持つかということ、あるいはなぜ決めるのかということについて、基本的な見解をお尋ねします。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 中期防は、御承知のように我が国の防衛庁がスタートいたしましてから四次防まで防衛計画でやってまいりました。しかし、非常にその当時は、今先生おっしゃっていただいたように、基盤的防衛力構想というよりも、整備途上にございましたので、脅威対抗論とまで言い切れるかどうかわかりませんが、そういう種の考え方で非常に倍増倍増でしてきたわけですね。  例えば、三次防でございますと、四次防の約半分二兆三千四百億程度だったと思いますが、四次防になりますと、これが四兆六千三百億になるということで、当時防衛費の伸び率も二〇%になるというようなことで、際限のないことではないかという議論が当時国会で盛んに行われました。  そこで、しかし一方、国際情勢はデタント情勢になりましたものですから、この平和時における防衛力のあり方というものを問い直そうではないかということでいろいろ議論の末、我が国の基盤的防衛力構想というのがそのときに初めて出てきたわけですね。いわば平時における必要最小限度の自衛力、これはどうあるべきかということで防衛計画大綱ができたのは御案内のとおりでございます。  それ以来、一%枠の問題がございました。GNP一%の中であれば歯どめがきくということで、一%を超えるといけない、その中ならいいというような議論が国会でずっとなされてきたことも御承知のとおりです。そして、その大綱がつくられて以後は、中期防という政府レベルの防衛計画はございませんでしたけれども、防衛庁限りでは五三中業とか五六中業とか五九中業というようなことで、五カ年間の見通しのもとに防衛計画をローリングでやってきたわけでございます。  ところが一方、やはり考えてみますと、これは今先生、総額明示方式と言われましたが、各国においても、計画の長短はございますけれども、計画的にこれを整備する方がより国民にわかりやすいし、そしてまた防衛力の装備の整備等もやはり長期間を要するものでございますから、単年度単年度の今の方式でございますと、必ずしも見通しもはっきりしない、国民にも理解しにくいという点もございまして、六十一年から再び中期防衛力整備構想のもとに五カ年計画をつくったのは、前回の六十一年から平成二年度までの中期防衛力整備でございました。  これに対しまして、平成三年度から平成七年度までの中期防衛力整備計画をつくったわけでございますが、この特色は何といってもやはり世界情勢の変化というものが背景にございます。特に一昨年の十二月につくられましたものですから、東西ドイツは既に統一されておりましたし、ソビエトの状況その他も趨勢としてはもう予見できる状況にございました。しかしながら、防衛力整備というのは国際情勢が変わったから直ちにまたそれに即応してフレキシブルに即応しなければならないものでもございません。そういうことはできないわけですね。したがって、その大勢を見ながら中期防はつくられました。したがって、正面装備のお話がございましたが、前の中期防では七・七%ぐらい正面装備もふえ、今度は下降ぎみにしてあるというような点一つ見ても、非常に抑制的なものになっています。  そういう意味で、この中期防の持つ意味というものは非常に大きいわけで、この中期防の中でそれぞれの年次予算をまたその必要性に応じていろいろな角度から検討して計上してきている、こういう性質でございますので、中期防の持つ意味は非常に私は大きい、こう思っております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 この計画は行政内部での取り決めでありますけれども、端的に伺います。これは金額の面でもあるいは数量の面でもこれを超えてはいけないという拘束力を持つものですか。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 これは法律でもございませんし、また国会の議決事項でもございませんけれども、政府で決めまして、そしてそれを国会に報告をして、そしてその議論を、賛同を得る、こういう性質のもので、安全保障会議にかけ閣議決定をしたものでございますから、今度の場合、金額ももちろんシーリング上限でありますし、その中に決められております装備等もそれを超えて調達することはできないと我々は考えております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 さて、この防衛費、予算というのは極めて特殊な内容を持つものだと思います。平成三年及び四年度のいわば新規に契約できる部分の内訳を見ますと、これが人件糧食費以外に物件費というものがありますが、物件費の中でも後年度負担によって拘束されているいわゆる歳出化経費を除いたいわゆる一般物件費、これがその新規契約分の総額であります。その中でさらに正面装備の関係だけを取り上げてみますと、この経費というのはかなり少額ではなかろうかと思いますが、平成三年、四年、各年度ごとにその金額及び比率についてお答えください。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 御指摘のように本年度予算四兆五千五百十八億円でございますが、人件糧食がそのうち四一・三%を占めておりまして、歳出化経費、つまりこの以前に契約したものの支出、歳出ですね、これが三八・一%ですから、合計やはり八割程度はもうこれによって拘束を受けておる、支出を余儀なくされておるということでございます。  先生お尋ねの一般物件費につきましては、その残りで二〇・六%のシェアを占めておりますが、金額で申しますと、三年度は一般物件費が九千二百九十二億円、四年度が九千三百八十二億円ということでございまして、そのうち正面経費の歳出化はどのぐらいかというお尋ねでありますが、これは契約をした本当の初年度の支払い経費その他でございますから非常に小さいものでございます。額を申しますと、三年度に三百三十三億円、四年度に三百十九億円しか歳出化の中に含まれておりません。つまり一般物件費全体の中で四年度で申しますと三・四%、三・回ないし六%くらいしか正面装備の歳出化分はないということだと思います。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 そういう金額でありますから、例えばこれを防衛関係費全体の中での比率を見れば、平成三年ではわずか〇・七五%、そして四年度では〇・七%にしかすぎません。しかも、この正面装備のこれだけの金額も実際には通信関係のものとかが多くて、いわゆる兵器については極めてまた金額が限られる、こういうことでありますから、この防衛費削減を考えるに当たって各年度、単年度の歳出のみをカットしようと思ってもこれはおのずから限界がある、それだけ極めて硬直的であるということであります。したがって、借金をしてどれだけ買えるかというこの契約ベース、これをいかに切り込むかということにかかっているわけであります。  そこで平成三年度、つまり昨年でありますが、これは約一千二億円を削減した、こう言われております。これはほぼ正面装備の契約ベースを中心にやった、全部契約ベースで削ったということでありますが、このうち、一千二億円のうち純粋な正面装備の関係の費用がどれくらいあるか、わかりますか。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 今御指摘のように、昨年の湾岸戦争の際の問題として防衛庁で千二億円削減措置を講じました。その中でほとんどが正面でございます、正面装備でございますけれども、このうち項目的には九〇式戦車、最新鋭の戦車でございますが、それのシミュレーター等の分として十六億円ございますから、差し引きやはり九百八十六億円というのが正面経費である、正面装備の経費である、このように思っております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 そして昨年契約ベースで削ったもののその中身、単なる金額だけではなくて物も特定されていたわけであります。例えば飛行機をどれくらいあるいは船をどれぐらい削る、こういう物も特定されたわけでありますが、契約ベースで物を削るということは、すなわちその買い物を先送りしたというだけでありまして、確定的に中期防からその兵器が削減されるという意味ではございません。ですから去年のことだけを見ているとこれは誤解を生ずるわけでありまして、これが仮に先送りされた分が後々の契約ベースの増額となってはね返ったとすれば、これは丸々復活してしまうということにもなるわけでありますね。ちなみに去年練習艦というのを削減をいたしました。しかし今年度予算で同じものが計上されておりますので、物だけを見ていると一部復活をしている、こういうことになるわけでありますね。したがって、結果として歳出がどれだけ削られたか、物がどれだけ削られたかというところを着目しなければ、これは本当の意味での削減にはならないと私は思います。  さて、我が党の市川書記長の質問に対しましてことしの予算委員会で防衛庁長官は、約一千億円をきっぱりと削ります、こういう御答弁をなさっておられますが、これはどういう意味なのか。中期防総額が二十二兆七千五百億ということですから、ここから削られるということを意味するのかどうか、念のために伺います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 この点は市川書記長が総括質問で冒頭にお立ちになられた際に私の方から申し上げたわけでございますが、今、御案内のように中期防の総経費は二十二兆七千五百億円でございます。そしてこれをその期間中に一千億削減ということでございますので、当然二十二兆七千五百億円、これは価格にいたしますと、その前年度の平成二年度のマーケットプライスを基礎にいたしておりますが、それによって一千億円は削減するということをきっぱり申し上げたわけでございますから、この契約額と、それから同時にその期間内の歳出額ですね、これをきちっと減らしますということを申し上げたわけでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 したがいまして今の御答弁ですと、歳出として、二十二兆七千五百というのも歳出の総額を決めているわけですから、そこから一千億円削られる、つまり歳出として削られたということは明確になったわけであります。そうしますと、去年は契約ベースで削ったわけでありますが、ことし歳出ベースで削るということが明言されたわけでありますから、去年これこれのものを削るという物の特定というものは今の御答弁で、歳出を削るというお答えからは物が削られるということは出てくるものではありません。したがって、歳出一千億カットというこの歳出枠が今明言されたわけですから、果たしてどのものを削るかということがいずれ明らかにされなければならないわけですね。その点をちょっと指摘をしておきたいと思います。  さらに我が党の二見議員の方から質問がありまして、御答弁ですと、中期防の見直しに当たって下方修正ないし減額修正するという御答弁があったわけでありますが、それは今おっしゃった市川書記長の質問を受けての一千億歳出カットということにさらにプラスして、それを超えてさらに下方修正あるいは減額修正するという意味なのかどうか、これが答弁の文言上は必ずしも明快ではありません。御趣旨を確認したいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 これも二見議員に対しまして私は、千億の削減のほかに考え方としてさらに下方修正ないし減額修正の方向で検討がされるもの、そのような御答弁を申し上げてございますけれども、しかしながら中期防の修正につきましては今後種々の観点からいろいろ主要装備等について検討を加えなければなりませんので、現段階でどの程度だというようなことまではなかなか申し上げがたいということを申し上げてきたわけでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 この二見議員の質問に対して新聞報道では、一千億を超えてさらに下方修正する、こういうふうに報道されました。ですから、そういう意味なのかどうかということを伺っておるわけであります。もう一度、念のため。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 お答え申し上げます。  当時の議事録が、私もちょっともう一回確認をしたのですが、これは「下方修正ないし減額修正をあるいは示唆しているものというように私どもは受けとめるのが素直な受けとめ方だと存じますので、そうした方向で今後それらを含めて検討さしていただきたい、こう申し上げておるわけでございまして、これは言いかえますと、千億あるいはプラスアルファとでも言いかえれば言いかえられる可能性がある、そういうように御理解をいただいて結構だと思います。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 確かに総額が上限として決められておる、そしてそれを見直すというからには下方修正されるに決まっているわけですね。ですから、それを単にオウム返しに言ったのでは何の意味もない。一千億削減ということを明言した後にそういうことをおっしゃったわけでありますから、プラスアルファの余地がある、こういうふうに理解するのが自然だろうと思います。そうおっしゃったからにはどの程度の減額を考えておられるのか。これは確固たる見通しがあったからこそそういう御答弁をされたのでしょうから、今どういう見通しあるいはどういう根拠に基づいてそういう修正の発言をされたのか、伺います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 ただいまのところ、それでは千億のほかにどの程度の下方修正かという点につきましては、まだ検討を済んでおりませんし、申し上げる段階ではございません。早速、今防衛庁におきましては防衛力検討委員会を設けまして、前広に検討せいという総理の御指示もございますので、それを鋭意検討中である、このように御理解いただきたいと思います。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 ところで、中期防全体で過去二カ年度の防衛費削減の位置づけがどうなるかということを考える場合に、中期防の金額というのは平成二年度の価格で示されているわけですね。ですから、各年度の価格との調整をしなければなりません。  そこで、この平成三年度及び平成四年度の正面に限って、正面契約ベースでこれを平成二年度に置きかえるとどういうふうになるか、これをお示しいただきたいと思います。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○畠山政府委員 平成三年度の正面契約ベースの二年度価格の換算でありますが、これは八千九百億円ということになります。それから、平成四年度は八千五百億円という形になります。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 そうしますと、今の数字を前提にして中期防全体での正面の調達額、これを歳出ベースと契約ベースで分けて考える必要があるだろうと思います。歳出ベースではこれが五兆一千億円と言われております。また契約ベースでは五兆円、こういうふうに言われております。しかしその中身は、似ておりますけれども中身は大いに異なるわけでありまして、歳出ベースの五兆一千億円というのは前中期防の後年度負担分が繰り越されてくるわけでありますから、これは既定分として差し引かなければ真の意味での今年度の新規調達という数字が出てまいりません。  それから、契約ベースで考えますと、今中期防期間中に契約をして現に歳出化するものを除いて、つまり次期防に繰り越される分というのが入っておりますので、これも明らかにしなければなりません。それぞれの数字を明らかにした上で、中期防期間中に新規に契約もし、そして歳出もされるという数字を明確にしていただきたいと思います。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○畠山政府委員 御指摘の歳出ベース五兆一千億のうち既定分、つまり今回の中期防以前に契約をされて今回の中期防期間中に歳出に至るという部分が二兆八百億円でございます。したがいまして、五兆一千億の歳出ベースのうち、これを除いた三兆二百億円というものが、この中期防期間中に新たに契約をして、かつ支出に至る額ということであります。  それからさらに、契約ベース五兆円のうち、この中期防期間中に契約して支出に至る分が同じ三兆二百億円でありますが、後年度に、後年度といいますか、中期防以降にずれ込む歳出分というのが一兆九千九百億円ということでございます。その三兆二百億円を中心にいたしまして、それと既定分との歳出を足し算すると五兆一千億の歳出ベースになり、かつまた三兆二百億円と後年度に支出に至る一兆九千九百億円とを足し算すると契約ベースの五兆円になる、こういうことでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 今おっしゃられた数字はいずれも平成二年度価格でおっしゃられているわけでありますが、そうしますと、正面契約ベース総額五兆円ということですから、平成三年度及び四年度の平成二年度価格に置きかえた契約ベースの総額を見てみますと、先ほどおっしゃったように平成三年が八千九百億、そして平成四年が八千五百億ということになるわけであります。  しかし、中期防五年間、単純に年割りしてみますと、五兆円が、五年間ですからまあ年平均一兆円ペースで調達をしていかなければなかなか達成困難である、こういうことになるだろうと思いますが、実際にはそれをはるかに下回っているという進捗率であります。したがいまして、これがにわかに、平成五年度以降にわかにこの契約ベースの数字が大幅にアップするとは考えがたいわけでありまして、まあ常識的に言えば九千億前後で推移するのではないかと思われるわけですね。そうしますと、最終的には五兆円のうち四兆五千億程度しか達成できないであろう。つまり、大ざっぱに言えば一割程度はこれが減るであろう、このように推測されるわけであります。  こうした推定をもとにいたしましてそれを前提にすれば、新規の正面の歳出額というものがこの中期防期間中、先ほど三兆二百億円になる、こういう話でありましたから、その一割を減らすとすれば三千億円ということになるわけですね。既に一千億円歳出カットということを明言されておられるわけでありますから、残り二千億はほぼ削減されるのではないか、こういう見通しに立って、我が党といたしましてはこの中期防全体の、特に正面装備の中から現に中期防期間中歳出される金額をさらに二千億円以上削減すべきである、こういう主張をしておるわけであります。去年と合わせましてトータルで三千億円の削減を実現すべきものである、そしてこれは極めて合理的な数字である、このように私は思うわけでありますが、この点についての長官の御見解を伺います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 山口先生、大変防衛費の構造に明るくて、いろいろの御試算をなさった結果につきましては敬意を表しますが、御指摘の数字は、今先生もおっしゃられたように幾つかの仮定を置いての試算だと私どもは承知いたします。そういう意味で、きょうここで私が、それがどうのこうのと適否を余りはっきり申し上げる段階ではありませんが、きょうはそういう先生の御指摘を承っておくということでとどめておきますが、既に先ほど来申し上げておりますように、また、御質問にありましたように、千億円の約束はいたしておりますから、それに幾ら上積みできるかということは今後の検討にまつということを申し上げるしかないわけでございまして、この点はひとつ御理解をいただかなくちゃならぬな、こう思います。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 先の予算がまだ編成されてない、概算要求すらしてないという段階ですから、なかなか明言しにくいという事情はあるのかもしれませんが、今承っておく、こういう御発言がありましたので、承っだということは長官の頭の中に入ったということでありましょうから、私なりにその入ったということを前提に今後お進めいただきたい、このように私なりに理解をいたします。  さてそこで、平成四年度の正面契約ベース、これは対前年度と比べて伸び率を見ますと三・七%削減された、こういうことになるわけですね。平成三年度を見ますと、これは結果的には前年度比で一六・二%削減をされた、つまり、平成二年度の契約ベースと比べますと、この二カ年度で二割近く落ちてきている、こういう抑制傾向、削減傾向が見られるわけでありますね。しかし、まあ、過去こういう防衛費の削減というのは実現したためしかなかったわけで、平成三年度一千億というのが大規模な初めての削減の実績である、このように思われます。したがいまして、我が党が去年主張したその一千億円削減の措置が今年度にもそれが明確に反映しているということが見てとれると思うんですが、この今年度の予算について相当抑制された編成が行われたと私なりに見ておりますが、長官の見解を伺います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 確かに、昨年一千億を削ったために、正面装備においては一六・二%の削減になっております。そして、今御指摘のように、私がたびたび当委員会でも申し上げておりますが、平成四年度の正面装備の方は三・七%の減になっております。今の中期防の平均で申しますと二・三のマイナスでございますが、それをはるかに上回っているもの、つまり昨年一六・二落としたものが基礎になり、さらに落としているということで、両者を足しますと二〇%の正面装備この両年で削減がされているということで、私はこれはいつか機会あったら本当に詳しく申し上げたいなと思っていたんですが、山口先生ちょうど御指摘でございますから申し上げておきますが、そういう意味では、正面装備についてこの両年で二割減少をしたということは、これはもう今までかつてないことでありまして、私は、まあ予算の全体の額はこれは給与費その他の改善がありますからふえておりますけれども、しかし正面装備に限っては軍縮をしたというように言っても決して過言ではないというように思っております。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 さて、先のことはなかなかわかりにくいわけでありますが、過去がいろいろと教えてくれるわけでありまして、例えば今中期防で各装備の達成率といいますか調達の状況を見ますと、陸海空それぞれ典型的な、代表的な装備というものがあるわけですね。陸でいえば戦車、これが二カ年度合わせて現在のところ三五%弱しか達成されておりません。これも、本来各二割ずつ達成して初めて全体に達するというのが単純な見方でありますから、その意味では達成状況は余りよくない、こういうふうに思われます。さらに、海上自衛隊、護衛艦、これも三〇%程度であります。さらに、航空自衛隊、F15戦闘機、これは三六%弱、こういう状況であります。したがいまして、これが今後、あと残り三カ年度、しかも三年後には見直しをする、こう言っている状況で、にわかにこの達成率がぐんぐん伸びて一〇〇%達成できるとは考えにくいわけですね。  それから、これが前中期防のときはどうだったか、こういうふうに見てみますと、今の戦車でいえば、当初の二カ年度で四四%程度達成されております。それから、護衛艦で見ますと、これは五五%程度達成されております。そしてF15、これは若干少ないんですが、それでも三八%達成されております。そして、前中期防は、後半の三カ年度でこれは歳入が大きく伸びました。それに伴って防衛関係費も非常に高い伸び率を示しております。したがって、この後半の三カ年度で調達がかなりできたという実績があるわけですね。  しかし、今回の中期防では、今なお前中期防と比べてもこの当初二カ年度の達成率は非常によくない。そして、財政状況を見れば、今後にわかに好転をして防衛関係費がどんどん伸びるという状況も恐らく予想しがたいであろう。そしてまた、国際的な環境からいっても、この正面装備をどんどん伸ばしていくということ、これもなかなかやりにくかろう。そういう状況から推定すれば、やはり正面装備を、先ほど私が申しました、一割削減せざるを得ない、こういう結論になることはほぼ明らか、むしろ私はもっとさらに低い達成率になるのではないか、こういうふうに思っております。また、そうすべきかもしれません。そんなように思っておるわけでありますが、長官、私のこの考え方について、どう思われますか。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 基本的に今御指摘のように、前期中期防のときの二年目、今中期防の二年目、これはもう御指摘のとおり約三五%です、両年を通じて。したがって、その限りにおいては達成率においてやや私どもそれを近づけたいということも考えましたけれども、なかなか財政事情その他もございまして、今のような形になっております。  で、今後どうしていくか。均等割で必ずしも整備するものでもございませんのでつひとつこれからいろいろ主要装備の調達量あるいは正面装備については年度年度でひとつ検討していきたいなと思っております。  ここで一つだけ申し上げておきたい点は、数量的には大綱の大体水準に達しておりまして、その更新等々でございますから、まあこれらのことも考えながら、質の高い自衛力を持つということが私は重要だと思っておりますから、そういう視点まで含めて今後検討していきたいな、こう思っております。     〔中山一正)委員長代理退席、委員長着席〕

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 そこで、歳出カットの額が明らかにされつつあるわけですが、やっぱり最終的には何を削るかという物の側面でもこれが特定をされていかなければならないだろうと思います。その作業を明らかにしていただきたいわけでありますが、まあ今鋭意検討中というところだろうと思います。  さて、この個々の装備品といいますか、この兵器体系について、これは立法府のあり方がどうなのかということをちょっと考えてみたいんですが、この個々の装備品を一々詳細に、例えば戦車が何台要らないとか要るとか、そういう議論は、必ずしも立法府にはそういう専門的、技術的能力は備わっておらない、残念ながら。したがいまして、そういう意味では行政当局のそういう第一次的な判断というのは一応尊重する必要もあるだろうと私は思うわけであります。しかし、シビリアンコントロールの観点からいえば、やはりもっと踏み込んだ立法府のチェックというものが必要なわけでありまして、その点でこれまではその個々の装備品は予算を通じてのコントロールしか私はなかったと思います。私としては、今後この防衛計画の大綱、そして中期防衛力整備計画、こういう両者を相まって、金額の上でも、そしてまた中身の数量の上でもこれを国会がきちんと大枠を統制をしていく、こういう仕組みを確立すべきであろう、このように思っております。この点について長官、どう思われますか。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 個々の装備につきまして一々どうかなという、防衛庁が専門官庁でございますからという趣意の見解のようにも承れました、一面。それは私もある程度一つの見識だと思います。  しかしながら、一方、後段に述べられましたように、シビリアンコントロールということもございまして、防衛計画とかそういうものは十分国会で御議論をいただいて、そして、その中で国民的な理解を得てこれを実施していくということも、我が国の防衛上、非常に重要なことでございますから、特に後半に言われたように、防衛計画なりあるいは防衛構想なりそういったものも国会で活発な御論議をいただいて、そして、その合意形成を得た上で、きちっとしていきたいな、こう思いますので、その点は先生の御意見はよく理解できるところでございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 私は委員会の所属がずっと安全保障特別委員会、そして引き続き安全保障の常任委員会に属しておるわけでありますが、残念ながら、今回の中期防計画が策定をされまして、その国会への報告はあったものの、これの中身に立ち入った十分な議論というのは国会の諸般の関係上。やっておりません。ですから、今後これはやっぱり国会の何らかの議決事項とすれば、これは当然論議を呼ぶわけでありまして、その意味でのこの国会の議決を経るようなシステムを考えるということは今後の大事な課題だろうということを指摘しておきます。  さて外務大臣、お待たせをいたしました。カンボジアの問題について若干お尋ねをいたします。  先般、私は二月十九日から二十三日までカンボジア友好議員連盟の一員として超党派で各党の皆様とカンボジアヘ行ってまいりました。シアヌーク殿下あるいはチア・シム議長あるいはソン・サン元首相、こういった方々と見解を交わし、また現地の実情も幾つか見てまいったわけであります。  さてそこで、今カンボジアを取り巻く状況は、日本が安全保障理事会の非常任理事国になった、つまり、国連の活動について安全保障面で決定をする立場にいるわけであります。そして、カンボジアPKOの代表が明石さんという日本人になった。また、もう一つの重要な活動である難民の帰還活動、これはUNHCRでありますが、この代表も緒方さんという日本人である。また、PKOのUNTACの本格的な展開に先立つUNAMIC、先遣隊、これの次長、つまり文官の最高責任者、これもまた川上さんという日本人であります。それだけ日本に対する国際的期待が高いのだろうと私は思うわけでありますが、この国際的な期待をどう受けとめ、そして我が国としてどのようにおこたえになっていくおつもりか、大臣の所信を伺いたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 まさに、今ずっとお聞きをいたしましたそのとおりでありまして、日本は国際国家として大いに国連を通じて貢献いたしましょうということは、いろいろ呼びかけをしてきた手前もこれありまして、カンボジアという、日本が、おととしですか、海部内閣のときに各派を呼んで調停も試みるというようなことまでやったことでございますから、それが実を結んでやっと十数年来の内戦が終わったということですから、これは本当に定着をさせていかなきゃならぬ。  そういうような点について、さてどうするかということでございますが、口で言えば、人的、物的、最大限の貢献を、それは口だけの話でございますからね。やはり口だけではだめであって、やはり我々としては、一つはもう、人的貢献としてはぜひともPKO法案を通していただいて、それで組織的な人的協力をやらしてもらいたい。それについては、PKFの部門というようなところはとても困るというのであれば、それは話し合いのことでございますから、後方もあるでしょうし、その他のところもございましょうし、そういうようなことについてはまず若葉運転を、免許証をもらっても若葉運転というのがありますから、ゆっくりと、まず安全第一でやっていただけば、国民が見ておって、これならばまあ本当に大丈夫だと、一層賛成者がどんとふえてくると私は信じて疑わないんです、実際は。  そういうことが一つと、または、もう一つは、人的のほかに財政的な援助、これをしなきゃなりません。立ち上がりは二億ドルとかいっていますが、その後で二十億ドル以上になるのでしょうか、はっきりしたことはわかりませんが、これについては、一部は国連の分担金方式というものがあって、それで受けると。しかし、その他の部分もございますから、それはどういうふうに協力するかは、復旧その他、これはまた、これも相談でございますが、できるだけのことをやってやらないと、やっぱり口だけの国だ、調子ばかりよくてという話になっても国際信用に困りますから、ぜひとも、人様のやれることについてはできるだけ御協力をして、国際的な責任も名実ともに果たしてまいりたい、さように考えておる次第でございます。

山口那津男公明党・国民会議

○山口(那)委員 PKOもさることながら、二国間でできることはほかにもたくさんあるだろうと思います。例えば農業支援、医療支援、さらに留学生あるいは文化財、アンコールワット等の文化財の保護等々、ぜひ具体的な支援を実行していただきたい、このようにお願い申し上げまして、質問を終わります。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて春田君、山口君の質疑は終了いたしました。  次に、高木義明君。

高木義明民社党

○高木委員 私は、まず環境問題についてお尋ねをいたします。  環境には自然浄化作用があり、多少の負荷の増加は環境の状況に影響を与えない。しかし、ある一定のレベルを超える上、自浄作用を発揮する間もなく破壊され、健康被害や生態系の破壊、そのような大規模な破壊を生み出す。これが環境を考える一つの基本であろうと私は思います。  言うまでもなく、産業革命以降の技術革新は人類に大きな福祉の拡大をもたらしました。しかし、今やそのことによって、環境の自浄作用を超え、フロンガス等によるオゾン層の破壊、二酸化炭素などの排出増による地球の温暖化、酸性雨、海洋汚染、熱帯林の減少等々、地球規模での環境破壊をもたらしております。また、この問題は、原因や被害が国境を越えて地球規模で起こるだけではなく、世代を超えて、空間的にも時間的にも非常に広範囲にわたる特性を持っております。その結果として、今後わずか数十年後には、人類は想像もできないような悲惨な事態に直面する可能性も否定できないのであります。  本日のテレビ報道でも流れておりましたけれども、例えば地球温暖化の状況がこのまま進めば、二十一世紀後期においては海面が一メートル上昇する。これは茨城大学の三村助教授の研究報告でございました。我が国の国土の二千三亘二十九万平方キロメートル、約四百十万人の居住の危険地帯が生じるであろう。そのためには、堤防を一メートルから三・五メートルかさ上げしなければ大変なことになるであろう、こういうことも言われておるのであります。  そこで私は、こういう状況の中で、当面、本年六月にブラジルにおきまして地球サミットが開催をされます。そこで採択される地球憲章は、これまでの世界人権宣言とともに、私は、二十世紀最大の精神的支柱となることは確実であろうというふうに思うのです。また、温暖化防止条約、生物学的多様性保全条約、森林憲章の合意、それらを具体化させる実行計画、いわゆるアジエンダ21の策定もなされようとしています。日本としても、環境先進国としてリーダーシップをとって、条約の合意、実施のため、ほかの国をリードしながら、さらに人、技術、資金、それぞれの面において最大限の私は努力をすべきであろう、このように思います。  地球サミットに対する我が国の資金提供額は、約百五十万ドルを予定しておると言われております用地球サミットの合意で採択された条約の実行には、毎年一千二百五十億ドルが必要と国連会議事務局が各国に提示しているとも報道をされております。求められれば資金を出すのではなくて、合意、条約の実行のために日本が積極的に資金提供を含めて対応すべきではないかというふうに思いますけれども、この点につきまして環境庁長官としていかにお考えか、お尋ねをいたします。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 お答えいたします。  地球環境サミットヘ向けての環境がどうなっているという認識の問題でありますけれども、今先生御指摘のようにかなり危険であるという知見が出されております。どういう知見に基づいてそれを判断すればいいかということでありますけれども、今私どもがとっておりますのは、世界のUNEPという国連の環境計画とそれから各国の政府間パネルで、すべての国、先進国が加わってやっている気候のパネル等の出しているIPCCの知見でありますけれども、それによりますと、おおむね先生が言われたようなことであります。  しかし、今UNCEDへ向けて今言われましたようなことの準備会が行われているわけですが、その認識評価に対することもまだ必ずしも全世界の国々の意見が一致しているわけじゃございません。そこを今一致させるべく努力をしているところであります。  簡単に言いますと、地球温暖化で海面が上がってくる、これはまだそこまでわからぬからもうちょっと調べてというようなことを言っている国もあるんですよ、アメリカ等そう言うわけなんですけれども。ひっくり返って考えますと、自分のところに危険になることは非常に皆さん熱心になるわけですね。でありますから、皮膚がんができるというようなことで西欧の方は大変オゾン層の破壊を気にされますので、オゾン層の破壊をさせるフロンガスをやめていこうというようなことは日本も率先して今取り組んで、通産省とも相談して早くやろうということをやっておりますが、これはモントリオール・プロトコルというようなものもできまして、うまくいくだろう。  ところが、今先生御指摘のCO2を削減しなきゃならないという問題については、まだ先進国間の意見がまとまっておりません。これがまとまりませんと、発展途上国との話し合いもうまくいかない。しかし、このUNCEDという会議をこれだけ何年も準備をしてきて、世界で地球の環境を守っていこう、それの具体的方策について合意を求めようという会議を目指してまいりまして、これが失敗したら次に一体いつできるんだということを考えると、これが失敗したら大変なことだという、背筋も寒くなるわけでありまして、今その話し合いをしているところであります。いろいろ分かれまして、地球温暖化の枠組み、これは気候変動枠組み条約というんですが、それを検討する会、この間終わりまして、まとまらないでもう一遍またやろうということになっております。  今、資金の問題とか地球憲章の話し合いがニューヨークで行われておりますのでありますから、まずそういうことを積み重ねて、一体それにはどういうことをしなきゃならないかということをつくり出して、その上でもって幾らのお金が要るんだろうということをはじき出していって、それじゃそれをどういうふうにして調達してどういうふうにして発展途上国なりに、主に対策を要する、お金を必要とする、技術を必要とするのは発展途上国でございましょうから、そういうところに送っていくかという、今まさにその話し合いをやっているところでございます。  千二百五十億ドルとか百五十億ドルとかいろいろな話が出ておりますけれども、千二百五十億ドルというのは今バックグラウンドペーパーみたいなものでUNCEDの事務局の方から流れている数字でありますけれども、これも全部必要というんではなくて、その中には従来のいわゆるODAとかなんかでやっているものもあって、それを差し引いた環境に要るものは幾らなんであろうかというような数字でございます。ですから、それが必ずしも全部の数字ではない。  そして、この資金もどうやって捻出していこうということは、これは大変なわけでありまして、四月に、UNCEDの事務局長のストロングさんという方の呼びかけで東京でもって世界賢人会議というのが開かれます。これは請われて我が国の竹下元総理が名誉議長を務められますけれども、そこでもっていろいろこういった問題について検討を加えようということになっております。私どもといたしましては、どういう資金が必要なんだ、それでそれをこうやって世界でみんな合意して集めて使っていくにはどのようなシステムが必要なんだろうという、まず枠組みをつくって、その上で、先生仰せのとおり日本はこれだけの経済の大きくなった国でありますし、貿易も大きい国でありますから、我が国の国力に応じた協力、貢献をしていかなければいけないものというように思っておりますが、まさに今その検討中の段階でございます。

高木義明民社党

○高木委員 そこで、この地球サミットの最大の焦点であります温暖化防止条約につきましては、世界先進国の中でアメリカのみがCO2の排出抑制目標の設定に反対をしており、条約の合意が危ぶまれております。日本としてアメリカが条約に合意するよう最大限の努力を払うとともに、アメリカが最終的に条約の合意に応じなかった場合の対応をも考えておくべきではないかと思っておりますが、その点についていかがでしょうか。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 先生御指摘のとおり、米国の態度というのが一つのネックになっていることは事実でございます。しかし、物事はそれほど単純じゃございませんで、各国各様の、だんだん核心に入ってまいりますと、総論賛成であるが我が国はこう思うぞというようないろいろな意見が出てまいりまして、今それがわあっと星雲状態であって、これからまとめに向かっていこうというところであります。ただ、ヨーロッパの国々と日本は、二〇〇〇年にCO2の排出量のレベルをおおむね一九九〇年のレベルで安定させよう、それから先はまた削減は考えようということで大体の考えは一致しているわけであります。  きのうも御答弁申し上げたんですが、イギリスがちょっと長いこと言っていたのが、二〇〇五年と言っていたのが二〇〇〇年ぐらいにこうしてもいいよというような動きもございますし、そしてアメリカが、これはまだよくいろいろ調べてみないとCO2の影響もわからぬからもうちょっと科学的知見を集めて、コンプリヘンシブアプローチと言っているんですけれども、総合的にいろいろなガス等を一緒に考えていこうよというようなことをおっしゃっているのも事実であります。そういったものに対しまして、あらゆるチャンネルからあらゆる努力を傾注いたしまして、ECの諸国だとか意を同じくする国と一緒になってアメリカには働きかけを行っているところであります。  でありますから、今からこれができなかったらというようなことでなくて、これができませんと、世界の炭酸ガス排出量の四分の一を発生しているのはアメリカでありますから、アメリカがこれに加わらなかったら、それじゃCO2は減らない、安定化することもできないわけです。日本は幾ら努力したって世界の発生量の四・七%しか、これだけの経済活動をやりながら出していない、日本はいわば優等生でありますから、そこをあきらめることなく働きかけをして、地球の将来のために今頑張っていかなければならないと存じているわけでございます。

高木義明民社党

○高木委員 地球サミット成功と、いわゆる地球環境保護のためには、南北問題の解決が重要なポイントになることは言うまでもありません。一九八八年の六月のサミットにおける経済宣言の中で「持続可能な開発」という言葉が確立をいたしましたし、これが国際社会の中における重要なキーワードとなっております。すなわち、それは経済成長と環境保全との調和ということであります。しかし、開発途上国におきましては、経済発展を求めるために自然生態系あるいは土壌などの環境破壊をされている例が多いわけです。そればかりか、公害防止に充たる資金よりもむしろ経済成長に回したいというようなことも見受けられるわけであります。そういうのが現状でありますので、我が国としても、これが先進国からの押しつけにならないように配慮しつつ、無償の比率を増加させつつ、環境ODAといいますか、この五カ年で倍増する五カ年倍増計画、こういったものを策定するとともに、持続可能な開発のプランを開発途上国とともにつくっていくべきではないか、このことが私は今重要な視点ではないかと思っておりますが、この点についていかがでしょう。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 この環境ODAというものが日本のこうした世界に貢献、協力する一つの大きな柱であるというのは、全く同じ認識を持っております。そして、政府としては、既に一九八九年のアルシュ・サミットでもって三年間で三千億の環境ODAを実施するという目標を表明いたしまして、平成二年までにこれをほぼ完成しているわけであります。そして、日本は過去においてひどい公害を経験しましたので、それを克服してきた技術もあるし、ノウハウもある。そういったものをもって貢献すべき力もあるし、また発展途上国としては資金の供給等に対する期待があるのも事実であります。しかしながら、今先生言われましたように、今までのODAというのは、まあ要求ベースといいますか、向こうからこういうものをやってくれというようなことで、こっちからこういうものをやってくださいということがどこまでやってくれるかということがあるわけでありますけれども、この環境に関するODAについて、私はこれから根本的に見直していかなきゃいけない時代に入っていると思います。  これは深くUNCED、地球サミットとのかかわり合いがあると思うのですね。そこで、発展途上国にどういうことをやってもらうんだ、それにはどれくらいの資金が入り用なんだということから、その中で、それでは日本の役割はどうなんだ、そこで日本のODAは環境に関してはどういうものになっていくんだということが考えられるべきものだと思うのですね。ですから、単純に倍にするんだとか三倍にするんだということでなく、どういうことをすれば実効があり、どうしていけばいいんだ。しかしながら、これもいろいろ今準備会議でやっておりますと、先進国の方はいろいろやってもらいたいことを考えます。ところが発展途上国の方々は、それにいろいろ条件をつけないで、まあお金を下さい、自分たちはいろいろやりますからということになる。  そこをどうやっていくかということで、私は実はきのうもUNEPの事務局長、環境計画の事務局長さんが来ていたので申し上げたのですが、そこらが非常に重要な問題になるのじゃないですかということを申し上げ、今UNCEDへ向けてのバックグラウンドペーパーで、国連がそういったものに対してODAをやった後の実効あらしめるためにどういうような機構をつくり、見守っていくかということも検討課題の一つに出てきております。  ですから、方向としては委員の御指摘のとおりだと思いますけれども、どういうことが必要でどういうことをやるのだ、これも深くこのUNCEDの中の論議にかかわり、そういったものの結果をもってやっていくべきものではないかと思っております。

高木義明民社党

○高木委員 特に私たち日本の近隣に目を向けましても、中国大陸あるいは朝鮮半島地域においては、今や砂漠化と大気汚染が大変深刻になっております。その結果、我が国にも酸性雨が降り、あるいはその他の公害も危惧をされておりますし、我が国としてこの地球大気汚染と酸性雨防止、そのためには積極的に近隣の諸国とも連携をとらなければならないと思っております。  そういう意味で、私は、まあ中国等に対しての調査研究の充実あるいは積極的な援助等も考えられますが、同時に、いわゆる日本海及び日本海近隣の環境保全は今から大切な課題でありますので、こういった国々と国際協力をしながら、そしてその機関として環日本海環境保全国際会議、こういうものを私はむしろ日本から提唱してつくるべきではないかと思っておりますが、いかがでしょう。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 近隣諸国とのこれらについての協力は、委員の御指摘のとおりだと思います。環境分野において中国、韓国との技術協力、これはもう今までも進めてまいっております。  酸性雨に関しましても、今実のところは、いろいろ研究いたしますと、中国から来た酸性雨が直接降り注いで大きな被害を与えているという状況にはまだ立ち至っておりませんけれども、これは将来のことを考えれば着実にやっていかなければならないことだと存じます。  そして、日中、日韓の科学技術協力協定というのがあるわけですけれども、その下で調査研究が進められておりますし、定期的に環境シンポジウムというようなのも開いております。そして、中国の砂漠化も委員御指摘になりましたけれども、科学技術振興調整費を使いまして砂漠化のメカニズム解明に関する研究というようなのも行っておりますし、環境庁も地球環境研究総合推進費として砂漠化防止のための本格的な研究を実施していくということを四年度から考えているわけであります。  また、中国との間では、我が国の無償資金協力で日中友好環境保全センターという計画が進められておりまして、これが近々起工式が行われると思うのですけれども、そういったものも今技術協力をしていく。今後とも関係各省と連絡をして、技術移転やこういった調査研究、そして協力推進を行ってまいりたいと思います。  また、後の方で御指摘になりました日本海の方の問題でありますけれども、こういうところも、いろいろな国の工業化が進行しているということで、酸性雨はおっしゃられましたけれども、海洋汚染もありますし、国境を越えた環境問題というのを引き起こすおそれというのがふえてまいりました。こういったことに効果的に対処するために、これらの国々が環境問題に関して密接な情報交換、政府対話をしていく、地域環境協力を推進していくことが重要である、御指摘のとおりだと思います。  そして国連環境計画、さっきから申しておりますUNEPでありますが、UNEPにおいても日本海及びその周辺海域の環境保全のためのプログラムをつくろう、これは世界でずっとつくってきて、今度日本海側につくるのはUNEPとして十二番目になるわけでありますけれどもそれをつくろう、まあ日本が主体になっていろいろ努力していかなければいかぬという面が出てくると思います。まあそれもやろう。  環境庁では六十三年から韓国と一緒になって日韓環境シンポジウムというのを開催してきたのでございますけれども、平成四年度からは参加国を拡大しまして、今まさに委員が御指摘されましたような環日本海環境協力会議というのをつくりまして、日本海の海洋環境保全を含めてこの地域での環境協力推進に定期的に対話を行って進めてまいりたいと思っているところでございまして、鋭意努力をしてまいりたいと思っております。

高木義明民社党

○高木委員 次に、被爆者問題につきまして厚生大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。  御承知のとおり被爆から四十七年という年月を経ました。被爆者の多くは高齢化をいたしておりまして、今なお苦しい生活を余儀なくされておるということは既に大臣も御承知のことと思っております。全国の被爆者三十四万八千三十人、これは平成三年度末の状況でございますが、そういう中から来年度、平成四年度予算額におきましては約一千三百六十六億五千万円、三・三%対前年比増という予算の計上も見ておられます。そういう意味で、私はこれまでの被爆者行政にそれなりの評価をいたしますし、今後ともこういった問題の拡充については積極的に取り組んでいただきたいと、まず申し上げたいと思います。  そこで、この高齢化という状況に対応して今後とも見直しあるいは改善を図っていかなければならないと思いますが、政府として被爆者の高齢化に対応した諸施策、例えば健康管理手当の更新期間延長とかあるいは手続の簡素化とかあるいは相談事業の拡充とか、こういうのがあると思いますが、現状について、取り組みについてお伺いをしておきたいと思います。

寺松尚厚生省保健医療局長

○寺松政府委員 お答えいたします。  今先生御指摘のとおり、被爆後もう四十六年以上たっておりまして被爆者の方々が大変高齢化しておられます。そしてまた、健康障害等に苦しんでおられるというのもおっしゃるとおりでございます。その辺を私ども十分理解いたしまして、高齢者対策に留意して、介護手当の充実でございますとか相談事業の推進等各般の施策を講じてまいったわけでございます、先生の御指摘のところもそのようなわけでございますが。平成四年度予算におきまして、いろいろな手当がございますが、その諸手当の物価上昇率に見合った額の引き上げを行うほか、健康診断事業のがん検診項目に大腸がんを追加するということ、あるいは家庭奉仕員の派遣事業におきます人件費の大幅引き上げあるいは相談事業におきます相談員の増員、このようなことを図るなど、被爆者の高齢化に配慮しつつ施策の充実強化を図ることといたしております。

高木義明民社党

○高木委員 健康管理手当の所得制限、これにつきましては平成三年度から緩和された、こういうふうに聞き及んでおりますが、どのような考え方に基づいて措置を講じられたのか、この点についてお尋ねしておきます。

寺松尚厚生省保健医療局長

○寺松政府委員 私ども、平成三年度から健康管理手当等の所得制限を御指摘のとおり緩和いたしました。  それにつきましての考え方でございますが、被爆者の高齢化に対応いたしまして被爆者の一層の健康の保持増進を図る、こういう観点から平成三年度において諸手当の大幅な改善を行ったところであり、また所得制限の限度額の大幅な引き上げも行ったわけでございます。具体的に諸手当の支給率等につきましては、九六%から九九%というふうに引き上げたわけでございます。  したがいまして、先ほどの繰り返しになりますが、被爆者の方々の高齢化というものに対応して、そしてその健康の保持増進を十分図る、こんなことでやったわけでございます。

高木義明民社党

○高木委員 引き上げられたことは非常に喜ばしいことでございますが、ただ問題として、わずか一%の方々が対象でありまして、その所得制限を設ける。わずか一%のことにどれほどの意味を持つのか、私は疑問に思うのであります。  したがって、同じ被爆者でありまして健康管理等に係る対策であれば、私はこの際、もう九九%の方が所得制限を撤廃されておるわけですから、この際すべて撤廃してはどうか、こう思いますけれども、いかがでしょう。

寺松尚厚生省保健医療局長

○寺松政府委員 諸手当の所得制限の問題でございますけれども、私どもは被爆者の障害の実態に即した対策を重点的に実施する、そういうふうな観点から、原爆放射線によります健康障害を現に有している者、そういう方に支給いたします医療特別手当及び原子爆弾小頭症の手当、これらにつきましては所得制限を設けていないわけでございます。  しかしながら、特別手当あるいは健康管理手当というふうなものは、放射線障害が現にないかあるいは原爆放射線との関連が明らかでない、そういう場合につきましても支給される、こういうことでございますので、一般の社会保障との均衡を考慮いたしまして所得制限を設けているところでございます。

高木義明民社党

○高木委員 私は、今御答弁がありましたそのような考え方はわかるわけでもありますけれども、しかし、被爆者の被爆の特殊性という事情から考えても、私はもうそういう時期に来ているのではないかというふうに思っております。これにつきましては、さらに取り組みを進めていただきたい、このように思います。  さて、被爆者対策につきましては、昭和三十二年から原爆医療法、昭和四十三年から特別措置法、このいわゆる原爆二法によりまして進められてまいりました。この充実はさることながら、私は今このような時代的流れの中で重視しなければならないのは、被爆者福祉にかかわる要員の確保、いわゆるこれまでも福祉マンパワーの確保と言われておりましたけれども、私はその問題が大切な課題ではなかろうかと思っております。  例えば在宅福祉の状況を見てみましても、特に原爆被爆者相談事業、これは保健婦さんの活動でございますけれども、平成二年の場合を見てみますと、これは長崎市の統計でありますが、健康相談が千百二十九件、医療相談が百三十六件、生活福祉の相談が三百四十六件、原爆関係諸手続の相談が百八十一件、その他となっておりまして、いわゆる所内だけで見ても年間二千三百十一件、所外を合わせますと三千八百七十八件の相談が行われておるわけであります。したがって、今高齢化に伴いましてひとり暮らしとかあるいは家の中で寝たきりになっておる被爆者は、このような相談員への心の触れ合いといいますか、心の通いが大きな生きる力であります。  したがいまして、今の状況を見てみますと、私はもっとこのような事業を拡充していくべきではないか。もちろん努力をされておることは評価しますけれども、こういう時世ですからさらに強化をしていくべきではないかと思いますけれども、この点どうでしょう。

寺松尚厚生省保健医療局長

○寺松政府委員 今先生御指摘いただきましたのは、相談員といいますか相談事業についての御質問だと思います。  それで、現在のところどのように配置しておるかと申しますと、今二十人ばかりでやっておるわけでございますが、実は平成四年度を含めまして二人増員で二十名ということになるわけでございます。おっしゃるとおり、私どもはそういう相談事業がいろいろな形で大事であることも承知いたしております。したがいまして、地元の要望があればそれの御意見をお聞きしながらふやしていく、こういうことにいたしておるわけでございます。  それからもう一つ、やはり高齢化が進んでおりまして問題なのは、いろいろ不自由になられまして、やはり家事の世話でございますとか洗濯それから入浴の介添えと申しますか、そういうようなことをやる必要があるわけでございますが、そういうものにつきましては、ホームヘルパーといいますか家庭奉仕員というものを派遣いたしまして対処いたしておるわけでございます。

高木義明民社党

○高木委員 一般的にはこの相談事業、いわゆる保健婦さんがやられる被爆者保健相談員、私が今述べましたのはその問題であります。長崎市の場合は、平成二年度の場合で三千八百七十八件の相談に五人の相談員で対応をしておるということでございます。  それと同時に、今お答えがありましたようにいわゆるホームヘルパー、この件につきましては家庭奉仕員派遣事業という中で対応されている事業でございまして、これも例えば、これまた長崎市の場合でありますが、家庭奉仕員は六人おられます。そして平成二年度の場合、派遣をされた対象世帯が四百十六件、延べ時間数が七千六亘二十四時間という、そういう実績になっておりまして、これまた私は時代の要請であろうと思っております。そういう意味で、私はただいまの答弁、子とします。今後地元からそういう要請があれば十分に対応するということですから、そういう意味でぜひ取り組みをしていただきたいと思っております。  次に、私は被爆地域の拡大是正問題についてお尋ねをしておきたいと思います。  既に御承知のとおり、昭和五十五年に基本問題懇談会、いわゆる基本懇の答申に基づいて長崎における被爆地域の拡大是正につきましては科学的、合理的根拠に基づくもの、そういうことが答申されたわけであります。したがって、長崎県、長崎市としましても、このプルトニウム調査につきましては平成二年九月二十六日から具体的な土壌の採取をしまして、測量、分析が平成三年三月五日まで行われております。いわゆる従来から要望があっております拡大是正地域である爆心地からおおむね十二キロ、この範囲にある未指定の地域、これの残留放射能の影響を確認するのがそのねらいでありましたが、これが平成三年六月に報告書が出ました。この報告書について、まず厚生省としてどのような判断をしておられるのか、その点についてお伺いしておきます。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 今お話のございましたとおり、平成三年の六月に結論を出しました一応の報告が出ております。それまでは、今御指摘のとおり科学的、合理的というのを一つの基準にしてやってまいったわけでございますが、今申し上げました調査につきましては、十分のデータがないから科学的、合理的という裏づけが実はないわけでございます。したがいまして、非常にこの問題については苦労もいたしましてやっておるのでございますが、要するに科学的、合理的根拠というのは、原爆に由来する残留放射能があるかどうかというようなこと、あるいは住民へその残留放射能がどのような影響を与えるかといったような問題でございまして、現時点におきましては、そういう観点から十分な裏づけというものがないものですから、拡大することはできないわけでございます。  ちょうだいいたしておりますこの資料、この黄色い部分ということでございまして、ここまで拡大されますと実は私も入るわけでございます、あのとき私も琴海町におりましたから。だからそれは人によってではなくて、やっぱり地域によっていろいろなアンバランスがあることはそれはもう十分わかるのでございますけれども、今申し上げましたそういう一つの科学的合理性というものに欠けているということで、なかなかそこまで拡大できないという現状でございます。

高木義明民社党

○高木委員 これは私が言うまでもなく、当時行政区によって線引きをされたと言われておりまして、かなりいびつな格好での地域が設定をされたわけでございます。したがいまして、そういう意味で非常に不公正だという地域の声も強くあるわけでございます。しかし、戦後四十七年、もう今さらそういう調査をしてもなかなか難しい。科学的根拠を出せと言われても大変難しい状況にあります。したがって、私は、もうこの際理屈ではなくて、まさに政治的決断以外にはないんではないかと思っておりますが、再度大臣、いかがでしょうか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 結局、政治的決断ということでございますけれども、それはやはり、今までははっきりと一貫して科学的、合理的ということで参っておりますし、それに対するデータがないということで、それを今政治的判断のみによってやるということは、従来一貫して決めてきた一つの基準というものがほごになってしまうわけでありまして、そのことはやはり非常に不公平になるという点もございます。  御指摘の点はよくわかります。ただ、これも市町村別の地域によってこれをひとつ決めていくということにどだい無理があるわけでございますけれども、なかなか細部にわたって決めようがないのでございまして、ある程度は若干アンバランスも出るかと思いますが、現時点におきましては、この程度で大体ひとつ御了解いただきたいと思うのでございます。

高木義明民社党

○高木委員 ひとつ今後ともこの問題については念頭に置かれまして、善処方お願いをしておきたいと思います。  被爆者行政、最後になりますが、これまでいわゆる我が国が被爆国として世界に対してもう二度と被爆者をつくらないという決意、そして東西冷戦が終えんをいたしまして、米ソの核軍縮も画期的に進展をしておるわけです。そういう意味で世界の平和に貢献する日本、とりわけ原爆被爆体験国という立場で、そのあかしとなるべき一つのきずな、それは何といっても被爆者援護法ではないかと言われておりますが、この被爆者援護法の制定について大臣の御所見をお伺いをしておきたいと思います。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 野党の皆さんから被爆者等援護法が提案されておることは私も承知をいたしておりますが、これは原爆死没者の遺族に対してこの補償を行うということが第一点、それから被爆者全員に障害の有無にかかわらず年金を支給しなさい、こういうことになっておるわけでございまして、これをやりますと、一般の戦災被害者とのこれまた均衡が全くとれなくなるという点もございます。したがいまして、厚生省といたしましては、原爆二法を中心として従来やってまいりましたが、今後もやはり、合理性という面から見ればこれ以外に方法はないんじゃないかと思いますが、ただ、その充実という面から見ると、ほかにもっと何か充実した援護の措置がとれるかどうかということは今後の課題としてさらに検討していくべきだと思っております。

高木義明民社党

○高木委員 ありがとうございました。  次に、国土庁長官にお尋ねを申し上げます。  雲仙・普賢岳噴火災害でございますが、実はこの問題、昨年から大きな国内の一つの政治課題になっております。しかし、今なお活動が活発であります。本日も、本日現在、これは昨日からですけれども、三月六日零時から二十四時までの間に火山性地震百二十七回、微動四十五回、そのうち火砕流と思われる振動波形十五回、本日七日午前零時から八時まで火山性地震三十三回、微動十二回、うち火砕流と思われる振動波形四回、こういうふうになっておりまして、なお終息のめどが立たない、こういう状況でございます。  これまでも多く議論をされましたので私は多くは申し上げませんけれども、当面の課題の一つは土石流対策だと思っております。これはいよいよ春から梅雨にかけまして雨の多い時期にもなります。二月二十九日の夜には約二十ミリ程度の雨で約八カ月ぶりの土石流が発生をいたしまして、幹線国道と鉄道が寸断をされております。もう既に回復はいたしておりますけれども、このような状態。したがって、今警戒区域の中では、少なくとも家財道具ぐらいはどこかに運び出して守ろうということで、一部警戒区域の立ち入りを緩和をしております。したがって、それぞれにトラックを持っていって家財道具を積み込んで、それぞれ適当な場所に確保しておくというのが今、今日行われておりますが、しかし、そこに残った家屋はどうしようもない。ただ次に来るであろう土石流をそのままそこで待ち続けるという、そういう厳しい状態にあります。  県としましては、これを少しでも緩和していこうということで遊砂地をつくりまして、これは縦三百メートル、横百五十メートル、深さ二メートル、いわゆる六万立方メートルの土石流をここで受けようということでございまして、いま二個程度それの建設のために土、地の借り上げなどを進めておるわけでありますが、これで私は十分なのかという疑問も持っておりますが、この点についてまずいかがでしょう。

東家嘉幸自由民主党国土庁長官

○東家国務大臣 先生地元の立場でかねがねから大変御心配かけておりますこと、まず、厚く御礼申し上げます。  なおまた、私も現地に参りまして状況等見まして、やはりこのような状況がいつまでも続いてはいけないし、続かせてもいけませんし、やはり長期的なそういう今お尋ねのような問題点等いろいろと御意見を私どもは賜っているわけでございますが、そうした技術的なこと、今後の復旧復興計画等についてはこれから地元の御意見を十分踏まえて、そしてまた既に建設省でもその作業の準備に入ろうという計画をいたしているわけでございますから、そのスーパーダム等を含めての技術的なことについては政府委員の方からお答えをさしたいというふうに思います。

近藤徹建設省河川局長

○近藤(徹)政府委員 雲仙・普賢岳の噴火しました土石が、集中豪雨等によって土石流となって下流の人家等に大きな災害をもたらすおそれがあります。私どもは、そういう災害を防ぐ目的で砂防計画の基本構想を県と御相談しまして、過日、二月二十二日に地元の皆様に発表したところでございます。これはあくまで噴火が鎮静化した後に、今出ております土石をとめて土石流を防ぐという目的ではございますが、現段階では、上流部分につきましてはまだ立入禁止となっておりますが、五十七号から下流の避難勧告区域につきましては立ち入りが可能でございますので、この計画のうち、その下流区間の立ち入り可能な部分については早速工事に入ってもいい状況になりました。その区域のうち一部を遊砂地として使うことによりまして、少なくとも本年の梅雨季の水害には何とか一部でも土砂災害を防ぐようにできないかということで、現在、私どもの所管事業の中でございますが、県が地元の皆さんにお話をし、用地の提供をお願いしておるところでございまして、私どもとしては、残された時間の中で早く土石に対する安全度を上げるよう努力してまいりたいと考えております。  なおまた、それを超えるような土石流も懸念されますので、ソフト対策といたしまして、雨量計、ワイヤセンサー等の土石流発生監視装置を整備するとともに、関係機関とも協議しつつ、住民等の警戒避難体制の確立に努めてまいるよう努力してまいりたいと考えております。

高木義明民社党

○高木委員 災害対策基金というのは、県がつくっておりまして、国の方でその財源措置を講ずるということでございまして、大変有効に効力を発揮しておるわけでありますが、これまた災害の長期化によりまして、あるいはまた金利等の関係もありまして大変厳しい状況だと言われております。三月五日、県議会が開会中でありますが、知事は、議員の質問に答えまして、こういう状態の中で近いうちに国にその増額を要望したい、こういうふうに述べておりますが、今後県がそのようなことを表明したときにはどのように対応されるのか、この点についてお尋ねをしておきたいと思います。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 ただいま御指摘の雲仙岳の災害対策基金でございますが、これは、この雲仙岳の災害に対処するために、行政で行うことができないような、行政の補完をする仕事をしようということで、昨年の九月二十六日に、財団法人としてこの基金が設置されたわけでございます。  その基金の財源の相当部分を財政措置をするということでやったわけでございますが、現在その規模が三百三十億円になっております。この三百三十億円を決めるに当たりましては、当時の住民の皆さん方の自立復興支援対策とかあるいはこのそれぞれの地域の経済復興あるいは振興対策というようなものに必要な金額というものを県で一応積み上げたわけでございまして、その段階におきましては、一応適切な規模ではなかったかと思うわけでございます。  しかしながら、今御指摘のように、この災害が非常に長期化しているということもございまして、県ではいろいろと検討はしているということも仄聞いたしております。しかし現段階では、県から具体的に増額の御要請ということはないわけでございますけれども、長崎県の方からこの規模の追加等につきまして御要望が出てまいりましたら、その時点でその事業内容等も十分検討いたしまして、積極的に私どももその御相談に乗ってまいりたいというふうに考えているわけでございます。

高木義明民社党

○高木委員 最後になりますけれども、今国会の冒頭、代表質問におきまして我が党の大内委員長が総理に対しまして、ぜひ現地の視察をという要請をしたわけでございますが、既にかなりの月日、日数も経過をいたしております。聞くところによりますと、近々そういう機会を持てるということも聞いておりますが、その点について、今の状況についてお聞かせいただきたいと思います。

東家嘉幸自由民主党国土庁長官

○東家国務大臣 総理はかねがねから、現地に早く見舞いに行きたい、激励もしたいという意向を私どもの方に示しておられましたし、私どもも、せっかくお行きになるとするならばできるだけその環境、これからの問題をどう取り組んでいくかということの詰めを急いで今日まで来ているわけでございます。そういうことで、そういう現地視察の環境もそろそろ整ってきたかな、見通しもついたかなというふうに思っておりますので、かねがねから私も申し上げておりますように、中旬以降早い時期に現地に行ってもらいたいというふうに思っておりますので、近々このことは協議の上で行っていただく機会をつくりたいと思っております。

高木義明民社党

○高木委員 ありがとうございました。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 この際、中野寛成君から関連質疑の申し出があります二局木君の持ち時間の範囲内でこれを許します。中野寛成君。

中野寛成民社党

○中野委員 副総理には、最後に引っ張り出しまして、恐縮でございます。日本の外交のあり方、ひとつざっくばらんにきょうは基本的な姿勢をお尋ねをしたいと思います。服を脱いだつもりでお答えをいただければと思います。副総理が副を取れば総理でございますので、もう総理の席にお座りでございますが、さっき山村委員長から総理の席はどんな座り心地か聞いてみると言われたんですが、それはそれといたしまして、宮澤総理は、品格ある国日本を目指す、こう言っておりますね。日本の外交の基軸というのは一体何だろうか。副総理は宮澤総理と総理の席を争われたわけでありますから、別の視点をお持ちかもしれませんけれども、それはそれといたしまして、日本外交の基軸は一体何だというふうにお考えなんでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 日本は、御承知のとおり平和国家、軍事大国にはならない、こういうようなことが一つ。それから、やはり資源のない国でございますから、世界各国と友好関係を深めて日本の資源を確保し、そして、自由貿易、自由経済の旗のもとで今日の繁栄を築いてきた。したがいまして、これが崩れたのでは日本の繁栄が一遍に崩れてしまいます。今、一国だけの繁栄というものは長続きいたしません。世界の経済はみんな非常に密接不可分の相互依存関係にあります。アメリカが不況になればそのとばっちりを受けるし、日本の繁栄がおかしくなれば東南アジアに大きな影響を及ぼす、こういうことであります。したがって、いろいろな点でお互いに唇歯輔車の関係で助け合いながら世界は一つの歩みの方向でいかなければならない。  こういうようなことで、まあこの日米、日本の防衛につきましては、これは、独立国家いずれの国も防衛、安全保障を考えない国はありません。そういう意味において、日米安保体制というものが安全保障の基軸であることは間違いありません。

中野寛成民社党

○中野委員 軍事大国にならずして平和を守っていく、また、自由経済、市場経済を守りながら経済発展を遂げていく、このことについては私どもまさに同感であります。同時にまた、その軍事大国にならずして平和を守る一つのバックボーンとして日米安保条約がある。また、市場経済を、言いかえれば自由経済を守りつつ世界の発展に寄与をしていく、これもまた日米安保条約第二条の精神でもありましょう。そういう意味では日米間というのはグローバルパートナーシップとしての役割を担っている、こう言われる。そして、そのバックボーンが日米安保条約であると言われる。そして、これはヨーロッパのことやアジアのことを考えても、やはり日米間がぎくしゃくしていたのではいずれも成り立っていかない、こういうことであろうと思うのでございます。  ところがです、今、日米間のきずなをつなぎとめているのはその日米安保条約だけになったのではないかと極論を言う人さえいるぐらいに実はぎくしゃくをいたしております。これは経済問題を中心にしてそうでありますが、ただ、これらの問題をお聞きいたしますときに、現在アメリカは大統領選挙の真っ最中でございますから、言うならば国民感情は極めて微妙なところにあり、かつまた将来に向かっては不確定の要素がある時期でもございます。そういう意味では、この時期にお尋ねすることは大変聞きにくいことでもありますが、しかし、これは一日たりとも予断を許すことのできない関係でありますので、あえてお尋ねをするわけであります。  ところで、その日米安保条約を堅持していかなければと言うと、これに反対する人たち、それは、アメリカの属国に成り下がるのか、またはアメリカと一緒に運命共同体として戦争に巻き込まれる心配はないのか、こういうことをおっしゃる方もいるわけであります。私はまあそうは思いませんけれども。  それでは、そのバックボーンをなすアメリカの性格、これは、一部に言われる戦争好き、すなわち好戦的な国なのでしょうか。副総理はどうお考えですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 私は、好戦的な国ではないと認識をいたしております。

中野寛成民社党

○中野委員 私は、アメリカというのは、ある意味では自分で資源的にも自立てきる国でありますし、まあそういう意味では好戦的にならなければいけない理由はない、存在しない、こうも思うのであります。また、自由経済を標榜する限り、軍事力を用いてその高線を拡大をするという必要もないし、また、それはその国是に反するというふうにも思うのでございます。  しかしながら、それでもなおかつ日米間にいろいろなぎくしゃくした問題が生じるということは一体どこに原因があるんだろうか。日米は共通の価値観を持ち得るかという問題を提起した評論家がいらっしゃいます。また時に、アメリカの持っている世界観もしくは平和親、それから人権感覚、それから正義感、こういうものについて日本人が見て戸惑うときが時々あります。例えばパナマのノリエガ将軍の扱い、また、中国のあの天安門事件後の中国の人権問題に対して日本よりもはるかに真剣、神経質なぐらいにアメリカはその問題をなお取り上げております。  最も顕著な例は、湾岸戦争に率先して国連を、ある意味では加盟国を説き伏せ、まあ説き伏せというのは言い過ぎですが、説得をしてでもやはりああいう行動に出たことがいかにも好戦的であるかのごとく批判する人がいます。それで、これらはある意味では日本のある一部の人から見れば大変好戦的に見えるかもしれません。逆にアメリカのある人からいえば、何と日本は頼りがいのない国だという批判をする人たちがおります。  これらのやはり、経済摩擦だけではなくて、お互いの歴史が持つ価値観とかそういうものの違いというものを埋めるということもまた一方で大事だと思います。文化観の違いは当然あるべきです。しかし、平和とかそういうものに向かっての価値観を統一するということは一方で必要なのではないだろうか、こう思うのですが、これらのことについてはいかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 これは、国会でもあるし外務大臣でもありますから、なかなか言いづらいところもいっぱいございます。しかしながら、認識に差があることも事実でございまして、アメリカが中国の天安門事件以降の現在に至って、例えば政治犯の釈放問題等について特に議会側が厳しい姿勢をとっておることも事実。  中国にも私は何遍も行って話を聞きますと、やはり人権とか民主主義、自由というようなものには歴史的な背景がある、発展過程においてみんな多少違いがあるじゃないか、五十年前の日本、五十年前のアメリカ、今の中国というようなことを考えると、我々はまあ五十年ぐらい実はまだ発展段階においておくれているところがある。したがって、全部の者にアメリカ並みの自由を与えるとするといろいろその段階では統一や団結に問題が出てくる危険性もある。ごく少数の人権の問題が大事か、十一億人の生存権というか平和に毎年着実に生活の向上をさせていく権利が大事か、ここらのところはひとつ考えてもらわなきゃならぬ、こういう話がある。  それで、我々はそれに賛成するわけにもいかない、しかし事情はわからなくもないような気もする、しかしそれを表にアメリカに向かっても言えないという悩みが日本には実はあるのであります。ですから、これは世界観、歴史観、また現実の発展過程というようなものも加味しながら我々としてはおつき合いをしていかざるを得ない。宗教的な背景も私はあると思いますよ。いろいろございます。

中野寛成民社党

○中野委員 私は、違いがあっていいと思うのですね。そして、その違いを、今副総理言われたように、歴史観の違いがあるでしょうし宗教観の違いがあるでしょうし、いろいろある。そのなぜ違うかということをお互いに理解し合うことによって、すなわち誤解しないことによって、つまらない争いを防ぐことができるし、摩擦を防ぐことができると思うのであります。そのことをお互いに学び合うことが大切だと思いますし、自分の物差し、すなわち日本の物差しでアメリカをはかってはいけないし、アメリカの物差しで日本をはかってもらっても迷惑であるということだろうと思うのです。ただしかし、お互いに長所となるべきものがあるならば、これは提言し合い、忠告し合い、かつ学び合うということが必要だろう。  その最近の象徴的な例が、本当は日米構造協議であってほしかった、こういう気持ちもするのです。それは後ほどちょっと申し上げますけれども、その価値観の違いの中で、しかし、非常にアメリカと似通った価値観を持っている国が私はシンガポールではないか、アジアの中では、という気もするのですね。  そこで、一つだけちょっと話題が変わりますが、先般、米軍はフィリピンから軍隊を引き揚げるということになりました。移動させるということになりました。大部分はグアムヘ、ハワイヘということになりますが、その一部をシンガポールは引き受けました。それまでシンガポールは中立政策をとってきておりました。しかし、その中立政策があるにもかかわらずフィリピンから引き揚げる米軍の一部を引き受けることにしたというのは、ここには私はシンガポールのしたたかな計算、また、米国のしたたかな計算があったはずだと思います。  副総理の方からは役のお立場上申されにくいでしょうから逆に私の方から申しますが、例えばシンガポールの歴史的経過からいって、マレーシアに対する警戒感、インドネシアに対する警戒感というのは実は国民感情の中から完全に払拭し切れていない。日本に対する別の感情もこれまた払拭し切れていません。いろいろな問題がある中で、シンガポールという小さな国がみずからを守るためにとるいろいろな工夫された戦略というものがあります。  そういうことも含めて、あのASEAN諸国の情勢とシンガポールが今回とった措置、このことについてどう判断されますか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 それは一々論評するわけにはまいりませんが、シンガポールはシンガポールの国益を中心にして、いろいろな諸条件、国際環境等も考えて私はとられたことだと存じます。

中野寛成民社党

○中野委員 大変慎重なお答えでございますが、そのシンガポールのリー・クアンユー前総理、現在上級大臣になっておられますが、日米安保条約についてこうおっしゃっていますね。日本が多少軍事力を強化しても、日米安保条約があれば大丈夫だと言っておられるわけです。そういう考え方は、中国、韓国、旧ソ連、北朝鮮やASEAN諸国でさえも持っているのではないかと指摘する日本の評論家もおります。  私は、日米安保条約というものが、軍事的な側面から、軍事的な側面ではある意味では方角が変わったかもしれませんが、一方、政治的側面、経済的側面というのが大変強くなってきた、このようにも思うのですね。ですから、日米安保条約というのは、もともとは日本が自分の国を守るために、そしてアメリカはやはりアジアヘの拠点を築くために、そういう気持ちがあったかもしれませんが、しかし今は逆にその日米安保条約が、日本に無謀なことをしないようにするための歯どめの役割も果たしている、日本にその気はなくても。しかし逆に言えば、それが国際的証明になっているという一面がある、こういうことを物語っているように思うのでございますが、そしてそのことはむしろ大いに日本は逆に活用すればいい、そういう気持ちは。日本に軍事大国になる気持ちはないけれども、しかし日米安保条約があることによって周辺諸国が安心をされるならば、それはそれで大いに活用するべきだという気持ちもするのでございます。  日米安保条約のそういう意味での効用をどうお考えでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 これは私が外務大臣になる前にASEAN諸国を訪問をいたしましたときに、ある国のリーダーがいみじくも言ったのです。実は、カンボジア和平について日本が自衛隊を派遣することの是非、それにつきまして、日本が単独でASEANに自衛隊を出せるというような時代は日本が本当に平和国家だと認められたときだけでしょう、それは三十年かかるでしょうと。しかしながら、国連の旗のもとに、あるいは米軍と一緒に行動するというのであれば安心ですと、まさに同じようなことをおっしゃった。それはそのリー・クアンユーさんじゃない、別な人なんですがね。そういうような日本が単独で出すということについては不安感を持っているということは事実なんです。しかし、国連と一緒、アメリカと一緒、アメリカは、したがって彼らを助けた国だ、そう思い込んでいるわけですから、これは大変な平和国家の、何か保証人になってもらっているような印象をそのとき私は受けました。  まあソ連はどうか知りません、旧ソ連は。ソ連の指導者にこの前会いまして、これは皆さん名前を知らない方だと思いますが、安保騒動のときにどういうふうな態度をとったかということ、なぜ五六年の協定を六〇年に否定したかということ、その背景について聞いてみたところが、実はあそこで革命が起きて日本は親ソ政権ができると思ったといみじくも言った人がありますが、あるいはそうだったのかなという感じもしないではありませんでした。

中野寛成民社党

○中野委員 さてそこで、私は日米安保条約を基軸にしながら日本の国際社会に対して果たす役割というのを、やはり日米安保条約に国連のことも、きちっと国連中心主義のことも書いてありますからね。私はそういう意味では、これから日米安保条約と国連中心主義、これはある意味では二つの柱になるだろうと思っておりますが、そこで、よく日本から、日本の国内でも批判の声が出るときに、アメリカに追従するのかという誤解、これはやはり払拭していく努力が必要ではないかと思うのですね。  例えばサッチャー首相が一九九〇年にこういうことをおっしゃっている。アメリカは今世界の警察官として行動しているが、これに対して我々同盟国が積極かっ迅速にこれを支援しなければ単に利己的な行動とみなされよう、アメリカだけに全世界の軍事、防衛の任務を負わせ続けることはできない、こういうふうにおっしゃった。また一方、私どもとは思想的には友党の関係にありますフランス社会党のミッテラン大統領、どういう態度をとったか。これは湾岸戦争のときによくわかりますが、湾岸問題では、世界の平和並びにフランスの国益と密接不可分の関係にあると述べて、フランス軍を逐次増強していった、湾岸戦争では。連合軍に軍隊を参加させたその他の国々もまた、世界の平和とその平和を維持しようとして立ち上がったアメリカヘの協力を自国の運命と同一のものと受けとめた上での行動であった。  これらの国々はお互いに共通の価値観が一本太く貫通していたという評価をする人がいるわけであります。そしてイギリスもフランスもともに率先して、とりわけイギリスは率先してその湾岸戦争、多国籍軍の指揮権をアメリカに与えたわけです。これは別にアメリカに追従する姿勢でも何でもない、自分の国の明確な姿勢を持ちつつ一つの役割分担をそれぞれに果たそうという視点に立って、逆にイギリスはリードをしたという評価があるわけであります。  こういう、言うならば、決して傲慢にもならない、卑屈にもならない、しっかりとしたその国の外交姿勢というものが必要だし、その説明が国民につく、国際社会につくということが大切だと思うのです。残念ながら、日本の場合にはそういう国民のコンセンサスが確立をされていないというふうに感じられるところが残念なんですが、外務大臣はいかがお考えですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 私も同様な感じをしております。

中野寛成民社党

○中野委員 そのためには、それではそれを払拭するためにはどうしたらよろしいですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 私は、やはり日本が敗戦で廃墟の中から今日まで立ち至った原因は何であったのか、原動力は何であったのかということを、当たり前のことではありますが、国民によく知ってもらう、私は、政府は努力をすべきじゃないか。そうすれば、今後日本が繁栄をし続けていくためには何をすべきかということは、おのずから私は答えが出てくるんじゃないか。そうでないと、やはり私は、日本という国がいつまでも繁栄を持続するということは難しいんじゃないかというような気がいたします。  人に寿命があるように、国家に寿命はないといえばないが、盛衰のあることは間違いありませんで、もう我々五千年の人類の歴史の中で、繁栄し続けた民族はどこにもありませんし、繁栄し続けた国家もありませんし、みんな繁栄すれば滅びるか衰退するか、その繰り返し。時は移り、場所は変わる、こうなってきておるわけですから、その原因と結果を調べればおのずから答えが全部出るんですね、私がここで解説する必要もありませんけれども。  だから、日本は、私はもうかなり年とってきているんじゃないか、私は四十代じゃないと思う。私はもう五十近いんじゃないかという感じをしているんです。だから、そのパックデータ出せと言われましても、感じですから、そのパックデータはありませんが、しかし、いろいろなひずみが国内に出てきているのも事実。それは財政問題一つとったってそうですし、国際貢献の問題にしたって、これは何もやらないでそれで今までどおりのことで、それで世界の十数%のGNPを持続して、それで自分の都合さえよければいいというようなことで、私は長続きはできないだろうという、何となくぼやっとそういう感じを受けていることは事実です。

中野寛成民社党

○中野委員 最近は大変副総理の言葉の結びのところの表情がお上手になられたような感じがいたしまして、これ以上しかしそのことについて追及しません。というのは、大臣に失言させようというのが私の目的ではありませんから。  次に、その上に立ってお尋ねをいたします。というのは、最近やはり日本の言論界の一部でもあるのですけれども、アメリカはいたずらに日本に対して無理難題を押しつけ、あたかも日本を植民地、従属国のごとく考えていると説く人がいるわけであります。しかし、今副総理おっしゃったように、そのアメリカは時々刻々その実力を衰退をさせて、今や日本なしにはアメリカ自身が存在できない事態にまで立ち至っているにもかかわらず、その辺の認識に、まず日本の方が全くその認識に欠けているということが言われるわけであります。だからといって日本が傲慢であっていいわけはないのです。むしろ、日本の方がアメリカに依存する率はなお高いであろうと思うのであります。しかしそれはお互いに、ともになくてはならない相手になっているということを忘れてはなりません。  そこで、日米構造協議でございますが、そういう背景の上に立って、お互いに謙虚に話し合う、それが日米構造協議であったろうと思います。ただしかし、本来の英語で言いますと、日米構造協議というのはストラクチュラル・インペディメンツ・イニシアチブ、構造障壁協議、直訳すればこうなると言われておりますが、日本の場合にはこれは日米構造協議とだけ訳されて広がっております。この部分の認識の違いはあるのですが、ところが私はこう思うのです。  日本側が約束したこと、公共投資の拡大、そして都市政策などの土地利用、大店法、系列取引の是正、いろいろございますが、しかしこれらについては日本の政府及び大きな企業が努力すれば実現可能なことが多いのですね、日本側が約束したことは。しかし、アメリカに日本が提言をして、アメリカが努力をしようとしたことって何か。いろいろありますが、しかし、財政再建のためのある意味では増税、貯蓄率を高めること、教育改革を進めること。これらはいずれも、国民が知り、理解し、協力しないとできないことばかりですな。ところが、どうでしょうか。日本は、政府や企業が努力することによってかなりのほとんどのことができる。そしてやがてそれは日本の消費者にもメリットがある。そして日本のマスコミが大々的に報道し、日本国民ほとんどが知っている。  一方、アメリカの方は、国民が知り、そして努力し、協力しなければいけないにもかかわらず、アメリカの報道はそれほどなされておりませんし、国民はこの日米構造協議のことについてほとんど知らない。昨年、一昨年とアメリカヘ参りました。いろいろな方々にお会いいたしましたが、アメリカの政財界のリーダーでさえ日米構造協議、SIIの存在を知らない人が何と多いことか。私は、むしろそういう人たちがこれを知って努力する必要がある。そのためには、日米両国政府がよほど努力しなければならないと思いますが、その実態についてどう御認識ですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 まあ御承知のとおり、お互いに平等な条件で公正な競争をやろうというのがアメリカあたりの根底にあるものであります。日本も、ともかく廃壊の中からはい上がるわけですから、産業を育成するために高率な関税をかけたり、輸入制限をしてきたりやってきたことは事実なんです。しかしそれも、これだけ日本の貿易が大きくなってくれば、当然に外国の品物も日本に入れるように関税障壁や非関税障壁を取り払うという義務は、私は当然あると思うんですね、これは。  だからそれが、工業製品等は非常にうまくそれはきておりますが、またそれをやってみても、細かい非関税障壁と言われるようなものがあって、車が売れないとかいろいろありました。私は、この間のあれを考えてみて、いろいろな部品とかなんか、どっちでもいいと思うようなものも、それは日本はこういう規則だからだめだというようなことをやっておりますが、そういうことは話し合いの上で、じゃ認めようというようなことになったり、また排気ガスの問題などは、日本の言い分が通って、それじゃ向こうがそれ以上に厳しい規制をしていこうとか、私はそれなりに大きく前進をしたと思うんです。したがって、これはお互いに話し合いをしたことですから、その努力目標に向かって誠実にフォローアップをしながらやってみるということが私は大事だろう。あと、消費者が買うか買わぬかという問題は、これは消費者の趣味、嗜好の問題であるから、これはわかりません、実際は。  しかしながら、日米構造協議で例えば基準・認証のようなものは多少緩やかになった。喜んでいるのは、ドイツあたりの車の方は、いやこれは助かった、うちの方へも適用されるといって喜んでおって、向こうの車は余計入ってくるかもしれない。それはわかりません、やってみないと。わかりませんが、やはり公正な条件をつくるということですから、あとは競争でやる以外にはない、そう思っております。  ただ問題は、集中豪雨的な輸出ということがよく言われて、その中で自主規制というようなものが今まで出てきたわけであります。急激にその国の産業が短日月の間で崩壊するようなやり方は、幾ら公正だと言っても、それは理屈はわかるが、現実にはかなりの社会大問題になることは事実。その点の割り切り方が日本とアメリカではかなり違っておったということも事実。それがトラブルになっておったことも事実。しかしそこらの兼ね合いをどういうふうにやっていくか、これは難しいところではあると思いますよ。あると思いますが、お互いに助け合いながら拡大均衡の貿易になるように努力をしていくということだろう、一口で言えばそういうことだろうと存じます。

中野寛成民社党

○中野委員 私は、政府同士または政府機関の、言うならばスタッフ同士がいろいろな真剣な協議をされていることには敬意を表します。しかしながら、今外務大臣お答えがありませんでしたが、日本の国民はマスコミが大々的に取り上げることによってほとんど知っている。しかしアメリカの国民はほとんど知らない。アメリカの議会のリーダーとも大分会いましたけれども、本当に何人に一人がしか御存じなかったです、SIIの存在そのものを。随分激論をいたしましたけれども、それはそれもっと私は、両国政府がそのことを認識して啓蒙をする、理解を深めていくということが大事だと思います。  ただ、先日三月四日、米国の政府、議会の諮問機関である競争力政策評議会が初の年次報告の中で、包括的な競争力強化戦略を提言している。これによりますと、財政赤字を黒字に転換し、貯蓄及び投資の急増を図るとか、教育、労働訓練、技術の商業化、金融市場の組織的管理、貿易政策等の改革を実施するとか、ついにアメリカの政策の中に、米国主要産業のあるべきビジョンと現状を比較し、ビジョン達成についての問題点を探る、ビジョン達成などという計画経済的な言葉はアメリカの経済史上初めてなのかもしれません、大変画期的と言えるのかもしれませんが、そういう言葉が出てきた。これは日米構造協議で、どちらかといえば日本側が提示した問題がやっと網羅されてきた。ですから、これから努力をされるのでしょう。されるのでしょうが、やはりこれらのことをもっとアメリカの皆さんも、こういう深刻な状況になっているわけでありますから、もっともっとスピーディーにおやりになることの方がいいのではないかという気持ちがするわけであります。  そういう意味では、私はもっと恒常的に日米間で、日本も大いに教えてもらわなければいけませんから、そういう意味ではこういうことを提言したいなと思うのです。  日米間の懸案である日米経済摩擦の解消に向け、経済摩擦に限りませんが、官民の有識者を集めた常設の機関として日米経済調整委員会等を設けて、高い見地から両国の公正な経済関係の確立に向け、両国政府に対して助言、勧告すると同時に、マスコミ、国民の皆さんへまた提言、啓蒙をするというようなものがあってもいいのではないかと思うのですが、提案をされるお気持ちはありませんか。

小倉和夫外務省経済局長

○小倉政府委員 中野先生もあるいは御承知、御案内のことかとは思うのでございますけれども、実は若干それに似たような委員会がアメリカにございまして、二十一世紀委員会ということで、官民合同の委員会で、この委員会は日本の意見もかなり、日本の財界人、学者の意見も随分途中で聞きまして、まあこのもの自体は合同ではございませんけれども、中身、出てきました勧告の中には日本人の意見も随分取り入れた意見を、去年のたしか私は十一月か十二月だったと思いますが、勧告をつくりまして日米両国政府に、首脳に出したということもございますので、確かにそういったようなものも参考にしながら、これからの日米経済関係を政府としては考えていきます際に、十分先生のお考え、またこういった委員会の勧告などを頭に置いていかなくちゃならない、こういうふうに思っております。

中野寛成民社党

○中野委員 時間が参りましたので、ただ申しわけないのですが、一点だけ大蔵大臣にお尋ねさしてください。  私ども三月二日にここで総括質問で、景気回復策について私から御質問を申し上げました。また予算案修正大綱なるものを党として発表もさせていただきました。ところがそれと内容は、項目をもっとふやした形で、政府の方からその後七項目、総合経済対策というものを策定して発表されているわけでございます。ただ、この中身を見まして、円高不況の際、昭和六十一年の九月ですけれども、決定されました総合経済対策というのは本格的な財政出動を含む案でございました。そのための補正予算も組まれたわけであります。  一方、本日の朝刊各紙のトップ記事は、日銀が昨日発表した二月の企業短期経済観測調査、いわゆる日銀短観ですね、製造業の業況指数が四年ぶりにマイナスになったことを報じているわけであります。経済が予想外に深刻に落ち込んでいるということがなお大きな形てきようクローズアップされて報道されているわけであります。そういう意味では、今予算案は審議中でございますけれども、今からでもむしろ遅くない、もう一回追加修正をされるとか、補正予算をもう今から検討をされるとかいうふうな積極的な姿勢というものが必要ではないかという気がするわけでございます。  公定歩合についても、一日銀の仕事でございますけれども、政府として、もう一回やった方がいいのではないかという例えば意思表示もしくは示唆をするというふうなことがあってもいいのではないかという感じがするわけでございまして、私はかなり深刻だ、これに対して政府も総合経済対策を策定をされたけれども、急いでその問題については熱意を込めてやらなければいけない事態にいよいよ立ち至っているのではないか、こういう感じを持つものでありますから、大蔵大臣に最後お尋ねをさせていただきたいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 昨日、日銀の方から短観が発表されたということがあり、製造業中心にいたしまして、前回調査したときより全体的に成長のあれはさらに鈍化して、減速感が広がっておるという実は一つの評価がなされておるところであります。  ただ私どもは、先日、たしか三月五日の日の夜でございましたが、この委員会が終わりました後、官邸に関係の閣僚が集まったわけでありますけれども、これは翌日の新聞に何か総合対策というような形で出されておりました。しかし私どもはそこでいろいろと、副総理も実はおられたわけでありますけれども、その話というのは、現在の成長あるいは景気という業況の判断、こういったものをお互いにやはり認識をまずしたということです。それから、そういった中にあって、そこの結果としては、前段で申し上げたような一つの認識に実はなったわけです。それに対して我々はやはり一つの何というんですか、あれだけ行き過ぎた、行き過ぎたといいますか大変速かった成長、こういったものの中にあって、これが一つのバブル崩壊という中で調整局面にあるということであります。  そして、我々がねらうものは、やはりインフレなき持続可能な成長過程というものを求めていこうということでありまして、それに対して今の状況どうなのだろうか、また、我々としてどういうことをやっていったらいいのだろうかということが実は議論がなされたところでございまして、その中身というのは、具体的に余りこうだということをはっきりあれしたわけじゃございませんけれども、何といってもやはりこの予算というものが、そういったものもある程度見越しながらいわゆる景気に対する配慮をした予算であるということであるから、これをやはりできるだけきちんと早く上げていただくということで、今皆様に御審議をいただいておるということであります。そしてこれが成立したならば、私どもといたしましては、そのときのいわゆる雇用の状況ですとかあるいはその他もろもろの問題等を見きわめながら、その執行について一体どうしたらいいだろうか、そういったことについていろいろな形を、やはり過去にも我々はいろいろな経験をしておるわけですから、そういったものを振り返りながら勉強しておく必要があろうということ、これがまず第一のことであったろうというふうに思っております。  もう一つ、前段の部分で、我々平成三年度で補正予算を組んでおるところでありまして、この中の災害対策、こういったものを速やかに完全に消化することが大事だろうということ。それともう一点は、相当財投等もやっておることでありますから、これも着実にやること。それから六千億円のゼロ国債についてもこれをやはり真っ当にやっていくことが必要であろう。そして今の平成四年度の予算ということであります。  それとあと、これは地方単独でやる仕事というのは相当大きくあるわけでございますから、こういったものも、いわゆる中央と同じように実際の執行段階について今からやはりきちんと勉強し、通ったときには速やかに実施ができるような体制を組んでおこうというようなこと。  それからあともう一つは、中小企業に対する資金というもの、これが一体どうなのかということをいろいろと議論しております。これがやはり三次の公定歩合の引き下げの政策効果というものをあらわしていく必要があろうということで、日銀を初めといたしまして各銀行と話す、あるいは各銀行が各支店の方に話していく、あるいは財投等によりました政府関係金融機関、こういったものを通じながら、実際に必要とするお金というものがきちんと行き渡るような、行き渡るというか、ニーズに対してこたえられるような体制というものをまた我々は一つずつチェックしていこうじゃないかということなんかも、常に気を許すことなくやっていこうということ、こんなことを話し合っております。それからあとの問題としては、下請中小企業、こういったものの安定の確保のための所要の対策を講じよう。  そしてもう一つでは、電力等民間の機関、こういったものなんかでも設備投資ができるところがあるはずでございますから、そういったものをやはり速やかに着実にやってもらおうということで、私たちはひとつそういう方向を、それぞれの各省庁がよく連絡をとり合いながら適切にしかも敏速に対応していこうというようなことが話し合われだということを申し上げておきます。

中野寛成民社党

○中野委員 終わりますが、田んぼに羽が生えて売れたバブルの時代がはじけて、田んぼに羽が生えた大蔵大臣が誕生したのでございますから、ひとつ、せっかく大いなる御努力をいただくように御期待を申し上げて、終わりたいと思います。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて高木君、中野君の質疑は終了いたしました。  次回は、来る九日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時十四分散会

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