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123回国会衆議院1992/03/05

予算委員会 第12号

発言数
353
登壇者
45
会派数
3
開催日
1992/03/05

会議録

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 これより会議を開きます。  委員長所用のため、その指名により、私が委員長の職務を行います。  平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、一般質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。倉成正君。

倉成正自由民主党

○倉成委員 閣僚の皆様、それから政府委員の皆様、連日大変御苦労さまです。  きょうは、雲仙の普賢岳の噴火対策について質問をさせていただきたいと思います。  三月一日の未明に、ちょうど昨年の六月三十日から八カ月ぶりに土石流が発生いたしました。これは、最初は、雨が降り続いてからちょうど五十ミリ、最大雨量は、一時間当たり大きな雨量のときはちょうど一日の午前一時から二時までが十八・五ミリ、この程度の雨量にかかわらず土石流が発生いたしたわけであります。  今回の土石流は非常に小規模のものでありましたけれども、二枚目をちょっとあけていただくと、ここにありますように、海に達しているわけですね。海に約百メーター近くまで来ているという土石流であります。したがって、国道二百五十一号を切断し、島原鉄道を切断し、交通を遮断したというような状況になっておるわけであります。  それで、専門家に聞きますと、大体十五ミリ以上の雨が降ればさらに土石流が発生するというような状況になっておるわけでありまして、私はそういう意味において、これから、今当面やらなきゃならない最大の問題は、梅雨対策について万全を期することが大事じゃないかと思うわけであります。幸い今回は夜でありました。したがって、避難区域の夜は、交通、だれも通っておりませんから、人命に被害はなかったわけですけれども、これが昼間であったらかなりの人命やその他に問題が出たんじゃなかろうかという心配をするわけであります。  したがって私が申し上げたいのは、一過性のものでない見通し不透明の今回のような災害に対しては、現地住民に対して、安心して、そして希望を与え、当面の対策と長期的対策をあわせて行うことが必要であろうかと思います。幸い自民党におきましても、ここにおられる原田さん、ちょうど災害副本部長をしていただいて、基金の設定その他について御努力いただいたわけでありますけれども、しかし、現実にはなかなか不十分な点があります。  そこで私は各省に、お手元に資料を差し上げている問題点について、簡単に問題点を申し上げますので、これに対して各大臣、政府委員の方から、イエスかノーかだけで結構ですから、お答えをいただきたいと思います。  まず建設省。梅雨対策を急ぐこと。できるだけ多くの遊砂地をつくること、これは、人災にならないためにも遊砂地は必要であります。そこで、その遊砂地についてちょっと説明をいたしますと、三枚目をあけていただくとおわかりですけれども、今つくろうとしている遊砂地は幅百五十メーターと長さ三百メーターで深さ二メーターの六万立米の土砂を入れる遊砂地であります。しかし、今回の小さな、小規模の土石流が運んだ土石は千五百万立米です。したがって、よほどこの遊砂地をたくさんつくっておかないと人災になるおそれがある。したがって私は、今大蔵省と折衝中のものがあるとかいろいろ聞いておりますけれども、やはり遊砂地については思い切ってつくって、人災にならないようにすることが大事じゃなかろうか。六万立米ですから、これがたまったらすぐそれを吐いていくということで考えておるわけですけれども、どうっと来た場合になかなかいろいろな問題が出てくるということを指摘したいと思います。  それから、スーパーダムの計画。これは三枚目にありますようにダムの計画があるわけでありまして、非常に壮大なダムの計画を建設省を中心につくっていただきました。これは建設大臣初め関係の皆さん方の努力を多とするものでありますけれども、しかし、これには相当な時間がかかります。スーパーダムだけで二年かかると言われておる、実際は三年ぐらいかかるかもしれない。ほか、ずうっとつくっていきますと、これは五年も六年もあるいはそれ以上かかるかもしれない。そして恐らく、私の経験からしますと数千億の金がこれにかかる。  そうすると、数千億の金をもし使うなら、これも一つのアイデアであるけれども、さらにほかにもっと方法がないかということをやはり謙虚に考えてみることも必要ではなかろうか。確かにスーパーダム治山計画は、でき上がれば土石流にはある程度の効果はあるでしょう。しかし火砕流にはほとんど効果はありません。したがって、この件について建設大臣の所感を聞きたいというのが第一点。  次は農林水産省。農林水産省については、一番今困っているのは農民です。また漁民です。中小企業者です。サラリーマンは、いろいろ問題がありますけれども給料はもらえるわけですけれども、やはり農村というのは、何かやろうとしてもなかなかやりようがない。目の前に土地はあるけれども、しかし灰が降って、また、警戒区域、避難区域でなかなかやれないというわけです。  そこで私は、農家の方々が土地を買い上げてくれというような御要望がありますけれども、これは私も現地の方に、そう簡単にはいかない。時価で買い上げるといったら災害地の問題もあるし、また、前の価格でといったら全国的な問題になる、これは難しい。しかし、何か新天地を求めて農業をやろうという人があるなら、無利子の土地購入資金であるとかあるいは営農資金をお世話してやる、そういうことができないだろうか。そして、そういうものができたとしても、これは返さなければいけないということで、非常に現地の人はまじめですから心配します。これは出世払いで、ひとつ実際に本当にうまくいったときに払うようにしたらどうか。今、不良債権が銀行に二兆円あると言われておるわけですけれども、こういう生きた金を使うように、農林水産大臣、ひとつ関係の方とも協議されてはどうかというのが第一点。  第二点は降反対策。すなわちこれについて、灰の対策でいろいろな施策をやるようにしておりまして、農協にそのいろいろな仕事をさせることにしておるわけです。これは、苦土石灰をこれにまいたりあるいは土壌等の改良事業というようなことでやらせているわけですけれども、実はその手数料がない。これをやったらもう赤字が出てくるわけです。今この地域の農協というのはもう瀕死の状況にあるわけです。そういう農協に、そういう赤字の出るような、手数料もないような仕事をやらせるということは、机の上の議論としてはできても、全くこれは実情に適しないということを御認識いただいて、善処をしていただきたい。  それからもう一つは農産物の対策、市場対策。ここでせっかくつくったジャガイモとかその他、つくるのも大変なんですね、芽がなかなか、灰のために。ところが、せっかくつくった地下に潜っているそういうジャガイモやその他でも、市場に持っていくと、島原や深江ということでこれは売れないのです。したがって、もう農民は泣いているわけですね。ですから、こういう農産物の市場というものについて、いろいろきめ細かく知恵を出していただく方法はないだろうかというのが三点です。  それから、漁業について一点だけ申し上げておきますと、土石流が海まで来るということになると、従来でもかなりの土石流が、流木が海に来て大変だった。もうヘリコプターから見ておりまして、大きなクレーンでその流木を排除したわけですけれども、もう本当に海まで土石流が来るということになると、大変な流木がここにはんらんするということになると、従来の対策ではなかなかやっていけない。何か流木をひとつまとめるような方法がないかというようなことが現地の漁民の切なる希望であります。この点が農林大臣に対する質問であります。  それから、通産省は非常にきめ細かい施策をいろいろやっていただいておりまして、私は非常にその点については敬意を表するわけであります。私も現地からいろいろ事情を聞いて、すぐ大臣なり中小企業庁長官に電話をして、いろいろな問題を片づけたことも記憶しております。ただし、これを実際に適用するということになりますと、昨日も若干議論がありましたけれども、なかなか難しいのです。私自身が幾つかのケースをとって、融資について中央からも応援を求めて、そして地元の銀行の支店長を呼んで、そしてこれでやってほしい、制度にのっているからやってほしいと言っても、実際は担保であるとかいろいろな形でできないわけです。  したがって、幾ら中央がいろいろな報告を聞いても、現実のそんな状況を知らない限り、私は絵にかいたもちであると思うわけでありまして、その意味で、現地に二、三週間当事者能力のある人を常駐させて実情を把握してほしい。だれかやはりやって、自分で現実に融資をあっせんしてみて、なるほどこれかということであれば考えが変わるのじゃなかろうかと思いますから、この点をお願いをしたいと思います。  次は、文部省、鳩山文部大臣。文部大臣は非常に博識でありまして、いろいろ私もお話を聞いておりますけれども、やはり一番大事なことは、日本を、未来を背負う少年たちに夢を与えることではないでしょうか。そういう意味から、この島原の地区というのは、向学心に非常に燃えておりますし、灰の中で、またいろいろな状況の中でスポーツをやり、あるいは勉強し、進学をし、頑張っている人たちの地域です。  そこで、この地域で小中学校にプールがあります。しかし、このプールはほとんど灰が降っているために使えなかったわけです。しかし、だんだんこれから暖かくなってくるということになりますと、子供たちがプールで泳ぎたい、しかしそれにはやはりプールに、上に屋根が必要だということですね。そうすると、まあ今までは制度がなかったのをよくしたとか、いろいろ事務的には説明がありますけれども、未来を背負う、日本を背負う少年たちのためにプールに屋根をつけるのが一億かかる、安いものじゃないですか。こういう少年たちが日本の将来を背負うのです。ですからこの点について、いろいろ制度について、あることはよく承知をしております。私も行政の経験もあり、政治家として三十数年やっていますからよく知っている。しかし、何か知恵を出して地元の負担がないようにする方法はないかということを、鳩山文部大臣ひとつぜひ考えていただきたい。  それから、通学のためのスクールボート。こういう火砕流が、火砕流というか土石流が出ると非常に危険です。したがって、どうしてもスクールボートについて十分な準備をしていただきたいということです。  それから気象庁。これは私、地震対策についてもいろいろ勉強さしていただいておりますが、現地でも関係者は非常に昼夜兼行で努力をしておられることは認めます。しかし率直に言って、日本の火山対策については、少し手薄ではなかろうかというのが率直な私の感想であります。したがって、この問題について一層の万全を期する体制というのを気象庁の方でお取り計らいをいただきたいと思います。  自衛隊。これはもう自衛隊は警察、消防とともに最善を尽くしてやっておられます。自衛隊がなければこの地域というのはほとんど無政府状態になるような状況で、私もその都度自衛隊を訪問し激励してきておりますけれども、これからだんだん梅雨季に入り、いろいろな災害が出てくる場合には、ぜひ自衛隊が早速この応援体制がとれるようにお願いをしたいということであります。  以上、各大臣、政府委員に対する御質問をいたしましたけれども、最後にお願いしたいのは、以上お聞きになって、財布のひもを握っておられる大蔵大臣、また総理にかわって御出席になっておる官房長官の決意のほどを最後にお伺いしたいと思うのでございます。  いずれも時間が限られておりますから、答弁はイエスかノーだけで結構です。くどくどといろいろ弁解めいたことがあるなら、もうノーとおっしゃっていただければ結構です。評価をいたします。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 お答えいたします。  先生の雲仙・普賢岳噴火災害に対する真摯な御姿勢と申しますか、情熱に対しまして深甚の敬意を表する次第でございます。  私ども建設省にお尋ねをいただきました諸点につきましては、もちろん基本的には、イエスかノーかと言われればイエスなんでございますが、いろいろ専門的な技術的な対策について御質問がございましたので、担当局長よりお答えをさしていただきたいと存じます。  去る二月二十二日に県知事が砂防計画の基本的構想、先生のおっしゃるスーパーダム構想を地元に御説明をなさったのでございます。この線に沿いまして、建設省といたしましても砂防事業がいち早くできるように努力をいたしたいと思っているところでございます。ただ、先生が言われましたとおり、この計画は長期間にわたるものでございまして、その間の有害土砂対策等をどうするかという御指摘があったのでございます。そこで、有効な遊砂地、導流堤を先行して実施をいたしたいと思っているのでございますが、その遊砂地の数等についても御指摘をいただいたところでございまして、詳細河川局長より答弁いたさせたいと存じます。

近藤徹建設省河川局長

○近藤(徹)政府委員 先般長崎県知事が地元に発表しました砂防計画の基本的構想、いわゆるスーパーダム構想では、長期的な効果と短期的に効果をあらわすものとを踏まえた計画となっております。  すなわち、上流では複数の砂防ダム群を建設すること、及び下流におきましては、遊砂地及び導流堤を設けることによりまして、上流のダム建設が完了するまでの間、恐らく集中豪雨等によって発生するであろう土石流に対しましては下流の遊砂地及び導流堤によって対処することとしております。これにつきましては、地元の用地をまた提供していただくこともございますので、それらの用地のお話し合いがつき次第これらに着工することとしております。とりわけ、ことしの梅雨までには遊砂地を建設することが最も有効と思いますので、それを建設すると同時に、できるだけ用地を遊砂地計画ほどには必要としない導流堤によって対処してまいりたいと考えております。  なお、火砕流に対しましては、我々日本では人家密集地帯でこれほどの被害を今まで経験したことがございませんので、やはり現時点におきましては、火山災害予想区域図を作製するとともに、監視カメラ、情報伝達装置等による住民の避難警戒態勢をとることによって、砂防ダムの効果と相まって住民の被害を軽減することが現時点では最も妥当な措置と考えております。(倉成委員「遊砂地は幾らですか」と呼ぶ)遊砂地は二基を建設することにしておりますが、早期に導流堤を設けることが最も有効と存じておりますので、早期に地元の用地のお話し合いを詰めたいと考えております。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 イエスかノーで答えるようにと、こういうことでありますとイエスでございます。ただ、若干の検討をしなきゃならぬこともございます。例えば先生の出世払い、こういうこと、これも検討いたしますが、出世しないときはどうするかとかいろいろございますが、全部イエスでございます。

南学政明中小企業庁長官

○南学政府委員 通産省の分についてお答えいたします。  制度の弾力的運用という問題でありますが、担保の徴求の弾力化あるいは融資枠の拡大など、できるだけ被災中小企業者が借りやすいように我々努力してきておりますが、引き続きこのような努力を続けていきたいと思います。  また、第二点の実情把握の問題でありますが、私ども、毎週県から融資状況を把握するなどいろいろ努力をしてきておりますが、引き続き迅速な対応を目指しまして、通産局の一層の活用を含め、実情把握に努めていきたいと思っております。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 まず、プールのことでございますが、もう先生御承知のように、三分の一補助という仕組みになっておるわけですが、プールに屋根をつける件については、本年、一万二千百円という平米当たりの単価を七万円に引き上げるという、これからは立派な屋根をつけなければならぬということはよくわかっておるわけで、しかしながら、この現行補助制度のもとでは、先生おっしゃったのは一校一億円ぐらいということでありましょうが、地方負担なしで措置することは甚だ困難でございますが、ただ、事情が事情でございますので、地方公共団体の苦しい立場というものを理解をいたしておりますから、何らかの工夫、知恵、そうしたものからよりよき解決方法がないか大いに勉強してみたいと思っております。  それから、スクールボートのことにつきましては、長崎県から聞いておりますのは、そのような梅雨どきに土石流で通学ができなくなる、深江町あるいはさらに南の地域から島原の高校へ通うことができなくなるということについては、長崎県からの報告では、昨年同様にフェリーボートや高速艇を運航する予定であるというふうに聞いておりますので、そのような交通手段がとられて確倶されるだろうと考えております。ただ、これは須川港から島原外港までが往復五百六十円、布津港からで三百四十円という、お金もかかる、遠距離通学ということになりますから、そのようなことが家庭の負担にならないように県を指導してまいりたいと思っております。  なお、私へのお尋ねではありませんでしたけれども、いわゆる地震あるいは火山という問題につきましては、文部省の学術国際局に測地学審議会というのがございまして、今後大学、気象庁などとそれぞれ協力しつつ研究を続けていきたいというふうに思っておりますし、現在、六国立大学の各理学部あるいは東大の地震研、京大の防災研究所等で、大体地震関係で百六十人、火山関係四十人、合わせて二百人ぐらいの研究者がおられまして、五カ年計画ということで、平成四年度予算では二十三億二千二百万円を計上いたしておりますが、一層の火山研究を進めるためにこうした対策はより一層充実をしてまいりたいと思っております。

立平良三気象庁長官

○立平政府委員 今後とも、関係機関と密接に連絡をとりながら、雲仙岳の活動につきまして厳重な監視を続けてまいる所存でございます。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 自衛隊の活動につきまして御評価いただきましてありがとうございます。  ただいま約百八十人くらい、装甲車等で四十車両くらい、それから航空機六機等でこれに参加いたしておりますが、必要に応じまして、最盛期には千百名程度の出動もございましたので、万全の体制をつくってまいりたい、こう思います。

倉成正自由民主党

○倉成委員 ちょっと待ってください。大蔵大臣、官房長官の御答弁の前に二つだけちょっと申し上げておきたいと思います。  一つは、建設大臣にお願いしたいのですが、私は今回の土石流について、自衛隊の調査ですからいろいろ議論があるかもしれませんが、千五百万立米の土石が流れてきておる。遊砂地だけで六万立米なんですよ。ですから、私が言ったのは、やはりもっと遊砂地についてはたくさんつくって、大蔵省と調整中で二つ目を云々というようなことを言っているけれども、もっと思い切って遊砂地について、導流堤ももちろん必要でしょうけれども、やったらどうか、人災と言われないようにしてほしいというのが一点。  それから、スーパーダムの問題について、今せっかくこれを地元に提示中ですからこれ以外のことをいろいろ言うことは難しいかもしれないけれども、これだけの金をそして相当な期間をかけて使うなら、何かいい方法を、あるということを、ほかの人たちでほかの案についても検討してみたらどうかということを言っているのですから、その点についてどうもちょっとぴんとこなかった感じがいたします。  それから、中小企業庁は、もう全く私の言っている意味がよくわからないのか、これは通産大臣が来なければいかなかったと思うのですが、当事者能力のある人を現地に派遣しなさいというのが私の要点なんです。私自身がいろいろな形で、現地の支店長を呼び、制度の関係の人を呼び、中央から指示してもらって、そして融資をしてもできないのです。幾ら県から報告を聞いたって、それはもういい報告しか来ないでしょう。だから当事者能力のある人が行って、その実情をよく知って、そして現地の声というのそやはり反映してほしいというのが私のポイントですから、十分あらかじめ伝えたにかかわらず、そういう答弁はまことに不満です。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 遊砂地の問題につきましては極めて技術的なことだと存じますので、先生の御提案が妥当なものであると信じますけれども、よく検討させてみたいと思います。  それから、スーパーダムと別個のプロジェクトも考えたらどうかという御指摘につきましても検討してみたいと存じます。

南学政明中小企業庁長官

○南学政府委員 お答えいたします。  現地に常駐して実態を把握して迅速に処理せよ、こういう御指摘でありますが、私ども、九州通産局に設置しております対策本部あるいは移動相談室なども活用を図りながら、引き続き努力をしていきます。  また、本省から現地に行って実情を聞いてという点につきましては、私自身も一月十六日、島原に行きまして、商工会議所あるいは市長、町長等と意見交換を行って、その要望などをつぶさに聞いて対応をしてきたわけでありますが、引き続き必要に応じて現地に赴くことを考えてみたいと思っております。

倉成正自由民主党

○倉成委員 私はあえて二、三週間と非常に控え目に、当事者能力のある人が中央をあかすのは大変だと思っているからこういうふうに書いているのですよ。ですから、そういう、通産局でやっているだ云々と言ったって、私自身がそれは体験してその声をここで言っているのですからもう少し、やはり一日行って陳情を聞いたというのではだめだということを言っているのですから、ひとつよく勉強してください。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 ただいまの長崎県がもう実施されましたその被災地調査は、結果が出るということでございます。こういうものを踏まえながら長崎県と国土庁とお話しになるということでありまして、私どもは今皆様の御議論がありましたこと、そして各省が話し合うこと、こういうものを踏まえながら対応していきたいと思います。  先ほど御指摘がありましたように、この災害というのは一過性のものでない、見通し不透明の災害のために、現地住民が非常に不安にあるということであろうと思っております。こういったことも私ども十分踏まえながら各省庁と十分連絡をとってまいりたい、かように考えております。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○加藤国務大臣 いろいろ先生の御指摘ありがとうございました。政府としては、先生御承知のように、二十一分野九十項目にわたる対策を決定して強力に推進しているところでございますが、総理大臣みずからもできるだけ早く被災現地に赴いて被災民の方々にお見舞い申し上げ、また激励を申し上げたいという強い意向を持っております。具体的には、国土庁長官を中心に今日程を検討しておりますけれども、今月中旬以降の日を決めて現地に赴いていきたい、こう思っております。

倉成正自由民主党

○倉成委員 どうもありがとうございました。終わります。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 この際、村上誠一郎君から関連質疑の申し出があります。倉成君の持ち時間の範囲内でこれを許します。村上誠一郎君。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 自由民主党を代表して質問させていただきます。  まず、外務大臣にお伺いいたしたいと思います。  昨年は、湾岸戦争に始まりソ連邦の崩壊に終わるという激動の年でありました。多分、後世の歴史家が、イギリスの清教徒革命やフランス革命に当だみ年であったと記すに違いないと思います。そして、その湾岸戦争とソ連邦の崩壊が日本に与えた影響と申しますか、インパクトは非常に大きなものがあったと思います。私自身は、湾岸戦争は一言で申し上げれば、日本が今まで商人国家に徹してきた、言いかえれば自国の発展と繁栄に専念してきたと思います。そういう日本に対して、果たして一国平和主義に逃げ込めるか、そういう問題を提起させられたと思います。  一方、ソ連邦の崩壊は、戦後四十数年間世界は、いい悪いは別にしてアメリカとソ連の二大超大国が仕切ってきた、そういう中で一万の雄であったソ連邦が崩壊したわけであり、日本が新しい世界秩序に対してどのように携わっていくのか、そういう命題を突きつけられたと思うのであります。  そのような国際情勢に関して、外務大臣は今どのように国際情勢を考えていらっしゃるか、まずお伺いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 湾岸戦争は全く思いがけない突発大事件と言わざるを得ません。そのような思いがけない地域紛争というものがあることも事実でございますし、今後絶滅するとはなかなか考えられません。そういうときに当たりまして、国連が平和裏にこれを解決させようということで何度にわたる決議をし、撤退をイラクに要求し、経済制裁を加え、それでもなも言うことを聞かないということのために、去年の一月十五日までにどうしても国連の決定に従わない場合は、武力行使もやむを得ないという通告までして、しかも国連ではい中国は拒否という、棄権をしましたが、ソ連は賛成をした、そこであのような多国籍軍の出動によって決着を見たということであります。  これはやはり米ソ両国が相対峠するというのでなくて、一緒になって世界の無法者について取り押さえていこうという、新しい動きであったと私は思います。これは、とりもなおさず国連の強化というものが世界の平和と安全のために大きな役立ちになる、こういうことを示した一つの証拠でありまして、新しい世界秩序を求めてという場合にはこのような方法が今後も当然に考えられる。それは国連の強化、国連の見直しということではないかと思うのであります。  一方、ソ連が崩壊をして相対峙する二大勢力というものが消えつつある、このことは、私は好ましいことであって、これを契機として、世界は大きな軍縮の時代に入るようにしむけていくということが大事ではないかと思うのであります。  私どもは、そういうような意味において、戦争のない、しかも世界の国が協力し合っていく、地球は一つであるというものを身をもって実感できるような、いろんな部面において今後協力をしていかなければならぬ、そう考えておるわけであります。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 私は、日本がここまで繁栄できたのは、ひとえに日本が平和であったことと自由貿易体制の恩恵を受けてきたことだと思います。今日本が問われているのは、独立国家としてどのように主体性を持ってその平和と自由貿易体制の堅持に貢献していくのか、それがまさに問われているのだと思います。  まずそれで関連してお伺いしたいのは、ウルグアイ・ラウンドで日本は自由貿易体制の堅持についてどのように対応しようというふうに考えていらっしゃるのかお伺いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 もう御指摘のとおりでございまして、天然資源の乏しい我が国が今日のような世界最大の消費国の一つになって大きな繁栄をし続けてこられた原因はたくさんございますが、何といっても政策上の大きな柱は、自由主義、自由貿易、民主主義、こういうことが大きな柱の一つであることは間違いありません。したがいまして、今後とも日本が繁栄するためには、自由貿易というものを堅持をしていかなければならない。自由貿易というものはこれはそれぞれの国における有無相通ずるような経済活動が基盤になっておるわけでございます。先ほど言ったように世界は一つでございまして、一国だけの繁栄というものは永続するはずがありません。やはり世界の経済は鎖のごとくつながっておりますから、湾岸戦争が起きれば日本のエネルギーに重大な影響を及ぼす、アメリカが不景気になればこれまた世界の景気に重大な影響を及ぼしますし、日本が落ちぶれれば東南アジアの経済支援というようなものもやりようがない、みんなこれはつながっておるわけでございますから、お互いが協力し合って自由貿易のもとに相助け合っていこう、そのための一つのルールづくり、それがウルグアイ・ラウンドであります。  したがいまして、この自由貿易がどんどん拡大されるためには、ウルグアイ・ラウンドはどうしても成功させていかなければならぬ、これは各国ともそれに反対する国はどこにもありません。皆賛成。しかしながら、一肌むいてみると、それは分野分野では非常に厳しいところがございます。そこでいろいろな摩擦が起きていることも事実であります。言うならば行政改革みたいなもので、総論は賛成だが各論になるといろんな不満があるということと似たようなところでありますから、その不満を乗り越えていかなきゃならぬ。しかしながら、一地域、一業種が壊滅的な打撃を受けるようなことは、言うべくしてどの国においてもそれは承認できない。しからば、それじゃ、そういう部分は除いちゃったらいいじゃないかという議論もございますけれども、そうなりますと、発展途上国のようなものは知的所有権があるわけじゃないし、そう工業製品をたくさん売れるわけではないし、自分たちの生きる道はどうなんだという話にすぐなってくるわけでありますから、発展途上国も自由貿易に参加をでき、生きる道が開け、そして生活水準が上がるように先進国は考えていかなきゃならぬじゃないかというのがサミットなどでの申し合わせでございます。  したがいまして、そういう意味において我々は経済協力もして自助努力も助けますが、発展途上国が自活できる道をやはり手助けしてやるということも非常に重要な問題であります。そこらの調整をどういうふうにやっていくかというところに産みの悩みというものが現在あるわけであります。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 もう一方では、平和の維持のための貢献でありますが、先般総理が安保理サミットに出られて、日本も極力努力するということを申されたわけでありますが、PKO問題等について、今国会において政府はどのように対応していくのか、お伺いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 これも、物的貢献というものは日本は湾岸戦争においてもたくさんやりました。また、一般の経済協力という点におきましても、アメリカと一、二を争う額をODAで拠出をしてやっておりますから、この点は私は決して恥ずかしくないと思うのでございますが、人的貢献ということになりますというとえらい見劣りがする。この間の湾岸戦争のときも、日本はあれほどの経済的支援を行った。戦費の四分の一ともあるいはそれ以上とも言われるくらいの額に相当する国民の増税による支援をやったにもかかわらず、残念ながら世界的な評価というのはそれほどでなくて、だれかがこの前この席でおっしゃいましたが、アメリカ等におけるクウエートの感謝の新聞広告等には二十八カ国、九カ国の名前が羅列をされて感謝されておるが、残念ながらジャパンのジャの字もどこにも見つからなかった、これも事実。国民からすれば非常に情けないというか、失望感を隠し得ないことも事実であります。  ところが戦後になりまして、ペルシャ湾に落とされた機雷の除去ということに当たってまごまごしておったことは事実だが、しかし最後に日本の海上自衛隊が出動いたしまして、非常に難しい、海の上に浮かばない、下に沈んでおったような機雷を、日本の技術によって三十数発これを引き揚げることに成功した。これはまたえらい感謝をされた。しかしその出動前には、もう憲法違反であるの自衛隊法違反であるのという国内によるかんかんがくがくたる議論があったことも御承知のとおりでございます。  それなりの議論があっても私は仕方がないことだと思いますが、結果から見ると、これは最終的にはもうえらい国民の共感も得たし、とんでもないことを政府がやったと言う人は、中にはありますが、大多数の人は言わなかったことも事実。しかも使った費用が十三億円とかいいますから、湾岸戦争で我々が拠出した金の千何百分の一。千倍も使った方が評価をされないで、千分の一の方がえらいことをやってありがとうございますと。というと、タックスペイヤーたる国民からすればどういうふうに考えるか。まして戦争が起きるわけじゃない、交通安全のためにやったということでございますので、このような考え方に立ては、やはり紛争、戦争が終わって、再びそれが起こされないようにするための平和維持活動に対して日本が応分の協力をするということは私は認められることであろう。そういうような点におきまして、観念論でなく実体論としてよく国民にるる説明をすれば、現在のようなPKO法、いろんな面で武器の行使その他について制限を受けた現在のPKO法案が必ず認められる、私はそう思っておる次第でありますので、ぜひとも、まず見識のある常識豊かな国会の皆様方の御理解と御支援をちょうだいしたいと鋭意努力をしている次第でございます。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 国際貢献の中で重要なのはODAでありますが、ODAについて若干お伺いしたいと思います。  特に私は、ODAというのは発展途上国が経済的に離陸するというかテークオフするために供与するということがやはり重要じゃないかと思うのです。ところが、いろいろ問題がありますのは、例えば一つには、医療機器でCTスキャンという高価な機械がありますが、それが何台も同じ場所にあってたなざらしになっていたり、またもう一方、非常に残念に思うのは、例えばインドとかソ連などはかなり軍事費を予算に計上しているわけでございますが、それらの国の軍事費の削減を求めることなしにODAを出すということは、言いかえれば軍事費の立てかえをしていることになるんじゃないかな、そういう懸念があるわけでございます。そういう問題について外務大臣の所信についてお伺いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 基本的な物の考え方からいえばまさにおっしゃるとおりでありまして、したがって、我が国においてもODAを出す場合の四原則というものがありまして、援助を受ける国の軍事支出の多寡、比率あるいは大量破壊兵器の開発、製造あるいは武器の輸出入それから民主化、市場経済志向の状況、基本的人権に対するその国の対応の仕方、人権の保障、こういうものがどの程度行われているか、それに大きくたがっているようなところに我々は国民の税金で応援することはできないという考え方でございます。したがいまして、それらの点についてどういうようにこれをとっていくかということは、これはなかなか難しい問題でございますが、基本的な考え方としては、村上委員のおっしゃるような線において今後も進めてまいりたい、それを深めてまいりたいと思っております。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 そして現在、世界を見渡した場合に南アメリカ、アジア、東ヨーロッパそれから旧ソ連、中国等、世界各地で非常に経済状態が危機に瀕している。そういう状況において、ドイツは東ドイツを抱え込んだことによって自国で手いっぱいである。一方、アメリカも経済的に非常に危機的状況であるということでそれなりのエクスキューズができるわけでありますが、日本は世界において経済的には相対的に優等生である。そういう状況であるので非常に日本に期待されるわけでありますが、ただ考えてみた場合に、日本の政府にはお金は余りないわけであります。そういう中で、一体どのあたりが天井というか限度であるのか。外務省はそこら辺のガイドラインをどのように考えているのか、お伺いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 これは理想を言えば先進国の平均ぐらいなものは出していきたい、そう考えております。  しかし、今おっしゃいましたように、これは確かに日本の貿易黒字、経常収支というようなものだけ見ればすばらしいように思えますが、日本の財政も、これは言うまでもなく破綻寸前と言っては語弊があるかもしれませんが、一千億ドル程度の利息を国内的に支払っているわけですから、利息だけで。ですから、そう出せません。しかし、そういうきつい中からであっても日本は世界の先進国の平均ぐらいまでをめどとして今後努力してまいりたいというのが我々の気持ちでございます。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 ひとつ今後の課題として慎重に検討していただきたいと思います。  それから、あと日米関係を若干お伺いしたいのですが、今、日米関係について反米、嫌米、先日のワシントン・ポストには侮米という言葉まで出てまいりました。我々は、日本がここまで来れたのはやはりアメリカのマーシャル・プランそれから食糧援助それからまたフルブライト留学生また日米安保条約等、アメリカの恩恵でここまで来れて、感謝し、また尊敬こそすれ、そんなことは毛頭考えてないと思っております。ところが、これだけ日米関係が重要になり、経済関係が深まり、そうなっているにもかかわらず、なかなか日米の理解が、相互理解がうまくいかない。私自身は、日本は一言で言えば心は自由主義で会社だとか制度とかシステムというのは社会主義的な要素が多い。一方、アメリカは一国家多民族でありますので、原理原則というかプリンシプルをやはり非常に重要に考える国、そこら辺が私なりには原因があるんじゃないかと思うのですが、外務大臣は、なぜこの日米関係の相互理解がなかなか深まらないのか、御所見をお伺いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 これも非常に難しい質問でありまして、答弁のしようによってはまた物議を醸す危険性があるので、慎重に言葉を選ばなければならないと存じます。  確かに、今言ったようにアメリカでは多民族国家であるというような点から、それがうまくいくためには一つのルール、契約社会といいますか、ルールをきちっとしないとそれはうまくいかない、したがってどうしても一つのルールというものをここでつくろう。それからもう一つは、向こうは宗教というものが非常に日本よりも、宗教心が多いと言ったらまたしかられるのかどうか知りませんが、日本人よりは私は信仰心が厚い国民の方が多いんじゃないか、しかもその大部分はキリスト教系統が非常に多いことも事実でございます。そういう中で、宗教で一つの道徳基準というものがだれかれ言うとなくつながっているということも事実であります。日本の方は、これは単一民族ではございませんが、しかし多民族国家でもない。それから、宗教の問題は、これは仏教が大半でございますが、それほど日常生活の中にまで入り込んでいるうちは少ないと、私はですよ、見ております。それからもう一つは、まあ心と心というか、惻隠の情というか、言わずもがなというか、なあなあでわかるのですね、なあなあ主義というか、余り事を荒立てないというか。そういうようなことがいろいろございまして、経済関係では非常な大きな取引があるわけでございますけれども、文化的、歴史的、社会的問題になりますと、風俗、習慣等がいっぱい違ってかみ合わない点がたくさんございます。  したがって、日本の人が向こうに行って、工場長などがゴルフ場に行ってはお金をみんな出すんだけれども、その社会に住みついて、宗教行事の寄附などいうと、会社で損金で落としてくれないものですから、それは出さないというふうなことが多くて、私の知っている例もあるんですよ。スプレーでえらい悪口書かれたり、工場長のうちに、秘書室の女の子が十ドル出しているのに工場長のところに行ったら全然出してくれなかった。ありそうな話なんですね、これは。ですから、これはやはり宗教に対する取り組み方の違い。したがって、アメリカに行った日本の方は、郷に入れば郷に従えということがあるわけですから、やはりその中になじむというようなことなどを通じて人間関係が、信頼関係が持てるようなことで努めていかなければならぬのではないか、そう思っております。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 あとちょっとお願いなんですが、この間、総理がここで発言して、何かアメリカがえらい誤解したことがあったと思うのです。とにかく宮澤総理の言葉をもう一回読んでみますと、アメリカの労働者は倫理観に欠けるなんということはあの席では何も言ってないんですね。要するにマネーゲームで、例えばジャンクボンドだとかLBOだとか、本当に汗水流して働かないで、要するにマネーゲームでやろうとした経営者のあり方、経営方針のあり方について総理は言及したんですね。そういう点についても、外務省にお願いですが、そういうことをはっきり伝えてほしいと思います。  それから、あと最後に、ちょっとアジア外交、聞きたいのですが、日本はアジアに立脚するわけであります。私は、ヨーロッパにECがあるようにアジアにおいても、日米の関係も良好を保ちながら、一方でアジアの国同士がお互いに利益を、相互繁栄できるようなアジア型ECというものがあっていいんでないかなというふうに考えております。それに対して、この間、マレーシアのマハティール首相がそういうことを提案したやに聞いておりますが、外務大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 かねてから我々はアジア・太平洋の地域が一つの経済的な協力関係を持っていくことはいいことだというようなことでAPECをこしらえて環太平洋の地域を含めて入っているのでございますが、最初に言い出したマハティールさんの話というのは、日本はもう入って中心的な存在を果たしてもらっていいんだが、海の向こうまで入れるということについては考えられていなかった。ややもするとアジアだけで固まって、日本がその経済的な中心になってやっていくということは誤解を与えるおそれも非常に多いわけでございまして、我々は開かれたAPECのような形であるならば喜んで参加をするけれども、アメリカ等を排除する形でのアジアの経済機構をつくるということについては、これはちゅうちょせざるを得ないわけであります。したがって、速やかに賛成だとは申し上げられないということでありまして、だんだんこのEAECについても中身が変わってきつつあるようでございます。その日本と同じような考え方を持っている国は日本ばかりじゃありませんで、数カ国アジアの中でも同じような考え方でございます。したがって、もう少しASEAN外相会議等においてEAECの問題についてはお話し合いを続けられることを期待するものでございます。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 私は、これからの時代、世界は軍事力よりも科学技術力、経済力の影響が大きい時代に入ったと思います。  それで環境庁長官にお伺いしたいのですが、今回六月一日から十二日までにおいて地球サミットが行われます。その前に竹下元総理が非常に御苦労なさいまして地球環境賢人会議、別名竹下賢人会議と言われておるのですが、世界の環境問題について一連の二つの会議が予定されておるわけでございますが、この会議の意義と課題について長官からお伺いしたいと思います。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 今委員御指摘の地球サミットへ向けていろいろな準備が進められているところでございます。ここで地球の環境変化に対する認識、それに対するとるべき対策に対する認識ということがだんだん煮詰まって問いかけられ、それなりに、それですから難しい事前交渉がいろいろ続けられているところであります。  考えてみますと、一六〇〇年関ケ原の戦いのころに世界の人口は五億人だったそうですが、今五十四億人、これから数百年たっていくと百億近くなるんじゃないかと言われる。産業革命前のCO2、この我々の吸っている空気のCO2の濃度から比べると二千数十年にはその濃度が倍になる。今我々の吸っている空気は、年間〇・五%ずつCO2の濃度が多くなっているのですね。それによって地球が温暖化が起こって、過去百年はわかっているのですが二十センチぐらい海面が上がってしまった。これから百年ぐらいたつと、このままだと三度温度が上がって、一メーター上がっちゃう。そういったことが、今まではこんなこと言ったって不確定な問題じゃないかと目をそらしていたのが、直視せざるを得なくなった。  IPCCという世界の気候に関する政府間パネルがあるのですが、そこで検証を重ねて、この間も検証したけれども、むしろ今まで言われたより悪い方向になってくる。そういうことで、これは何とかしなきゃいけないということで、このUNCEDへ向けての今準備が進められているわけでございますが、ここでやろうとしていることは非常に大きなことで、こういったものに対する対策すべてを、国際的、地球的規模で具体的方策の合意をしようという極めて大事な会議なわけでございます。  そのサミットヘ向けて今準備会が開かれているところでありますけれども、準備会の中で非常に総論賛成、各論反対的なものが出てくるわけですけれども、やはりある程度の地球の上で規模を持った国の方たちは、海面が少し上がってもそれは置いておいてもというような気持ちになられるし、島の国の人たちは、海面が上がったら死活問題だ、バングラデシュなんか埋まっちゃうというようなことで懸念を表される。また白人種の方は、がんになりやすいということでオゾンレイヤー減少ということを非常に気にされる。そこで今まさに大変な論議がなされているところでございます。  しかしながら、日本は過去において地域的なこととしても大変な環境、公害というものを経験し、それをある程度克服してまいりました。そういう技術も持っておりますし、世界の中で大きな、一五%のGNPを占め、最大の貿易国である、そして域内にアジアの開発途上国もいっぱい抱えているというようなことで、日本がこの会議に積極的に参加し、やはりリーダーシップをとっていくということは、国際貢献ということで非常に必要なことではないかと思います。  今申し上げましたようにいろいろな難しい問題にぶつかっております。気候変動の枠組み条約というのをつくろうという、それがなかなかまだまとまらない。もう一遍会議をやって、もう一遍会議をやってという状態。また発展途上国をそういう技術的に、資金的に援助する、そうした資金をどう集めてどう使おうというメカニズムの問題、これに関する会議が竹下賢人会議と言われておりますが、これは実は主宰は国連であります。UNCEDの事務局長のストロングさんがやるわけで、竹下さんが請われて名誉議長を務めてこの四月にやる。ここでも論議がなされましょう。そしてある程度の資金を集めてそれを発展途上国にトランスファーしていかなきゃいけない。そういうことすべてを決めていかなきゃいけないので大変困難な会議でありますけれども、これを失敗させたら一体次にいつできるだろうかということを考えますときに、私どもは政府一体となって日本はこの成功へ向けて努力をし、これを成功に導かなければいけない、そのように存じている次第でございます。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 本当にオゾン層の破壊、CO2の増加。そしてまた私が聞いたところによりますと、世界の酸素の半分はブラジルのアマゾンの密林の中でつくられる。そのアマゾンを人工衛星で写したところ、昔は密集してあった。だからそうすると非常に、世界の酸素の半分もつくれない事態になるんじゃないかということを言われています。ですから、この問題は資金的裏づけの問題、技術移転の問題、非常に難しい問題がありますが、日本が本当に世界に胸を張って頑張っていきたい、そのためには環境庁長官がリーダーシップをとってぜひとも頑張っていただきたいとお願いする次第であります。  あとちょっと関連でございますが、さっきの日米関係で多少問題になっておりますのは、日本が諸外国に比べ外国からの直接投資が非常に少ないと言われていることは非常に問題になっております。これについて通産省の見解をお伺いしたいと思います。

榎元宏明通商産業省大臣官房審議官

○榎元政府委員 お答えいたします。  我が国に対する海外からの直接投資につきましては、九〇年末で対内直接投資残高、国際収支ベースでございますけれども、九十九億ドルでございます。これは国民一人当たり八十ドルになっておりまして、米国の千六百二十ドル、イギリスの二千四百九十ドル、それからドイツの七百八十ドルと比べまして極めて低い水準でございます。また対内直接投資の残高を対外、日本から外へ出ているという意味ですが、対外直接投資残高と比べてそのバランスを見てみますと、アメリカや欧州では一倍から二分の一倍というところでございますけれども、日本では二十分の一ということで、極めてこれもバランスが欠けているというところでございます。こういう状況でございますために、先進国からは日本市場への外資の参入がもっと増大してもしかるべきであるという声が出ておりまして、国際的にも外資系企業の事業機会を拡大すべきであるという要請が強まっております。  このような状況でございますので、通産省といたしましては、内なる国際化を進め、我が国経済の活性化を進めるために、これまで日本貿易振興会における対内投資環境情報の提供や日本開発銀行における低利融資などを実施してまいったところでございますけれども、今般、先生御指摘のような状況にかんがみまして、外資系企業に対する支援を一層進めることにいたしまして、税制等の支援措置を講ずることにいたしました。輸入の促進及び対内投資事業の円滑化に関する臨時措置法案を今国会に提出させていただいているところでございます。よろしくお願いをしたいと思います。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 非常に重要な問題でございますので、ぜひとも頑張っていただきたいと思います。  外交問題についてはそれぐらいにして、次は財政、経済の課題に移りたいと思います。  私はバブル経済というのがなぜ起こってきたかと自分なりに考えますに、私は一九八五年のプラザ合意が出発点であったんじゃないかと思います。そのプラザ合意の内容は、円高政策によって日本の輸出力を減退させて輸出を減らそう、そのかわり内需拡大をふやそう、そういう合意であったと思います。そのために円高不況を想定して大蔵省や日銀が金利を下げ、減税をした。ところが、日本の各企業は血のにじむような努力をしてその難点を克服したわけでございます。  そのときに私は、政治家の一員として今非常に悔やんでおりますのは、そういうふうに円高不況を想定して金利を下げ、減税をしたために、海外の投資も金を含めて集中豪雨で集まってきた。そうしできますと金余り現象が起こって、土地や株に集中してバブルが起こったわけであります。結局、そのときにこそ政治が発動して、二十一世紀の高齢化社会の対策はどうするのか、また二十一世紀の新たなる産業構造をどうするのか、また百七十兆になんなんとする累積赤字をどうするのか。そういうときに、やはり金利を上げたり増税をしたりして堤防を高くすべきだったんじゃないかなということが悔やまれるわけでございます。  特に、今日本の預金残高は五百七兆でありますが、二十一世紀になれば多分一千兆以上になると思います。そうしますと、低金利時代が来るわけでございます。ということは、日本人の性向からして、また第二、第三のバブルが起こる危険性があると思うわけであります。  そういう意味におきまして、大蔵省に対して、このバブルの反省、また今後の金融政策について御所見をお伺いしたいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 今御指摘ございましたように、確かにプラザ合意、それ以後の公定歩合の引き下げ、またもろもろの施策、そういったものを活用されまして企業は大変活発な活動をされ、そして大きなものを生み出したということは事実であろうと思っております。その中にあって、いろいろな批判をされる面というものは相当あったわけであり、またそこで大きな問題を起こしてしまったということも事実でありますけれども、それと同時に、日本の企業というものもある程度内容を充実したということ、また特に中小企業等が施設等を整備されたこと、こういったことは私はやはり評価されるべきであろうと思っております。  また、私ども財政の方につきましても、こういった中で、国際的な交流の基金を積み上げるとか、あるいは芸術ですとか文化、こういったものについての基金をつくり上げるとか、またちょうど平成二年度から特例公債というものの発行というものをやめていくとか、そういう効用というものがあったと思っておりますし、またその間に、私どもやはりただ財政を肥大化させてはならないということで、経常経費等につきましては、いわゆる皆さんからも御指摘ありますマイナスシーリングというようなものをやりながら、私どもは対応してきたということでございます。  しかし、今バブルの崩壊ということが言われるわけでありますけれども、これからの経済運営に当たっては、こういった過度な成長というものはやはり慎んでいく必要があるんではなかろうかというふうに考えております。  ただ、現在の状況というのは、もう既に御案内のとおり、まあ具体的に言いますと、住宅ですとかあるいは自動車ですとか非常に伸びておった、また二けた台で伸びておったようなもの、あるいは設備投資なんかもそういったことが言えると思いますけれども、こういったものが一応一巡してしまったということで今調整局面にある。しかし、私どもといたしましては、こういった大きな過熱したもの、これを冷やしながら、安定してしかもインフレのない持続可能な成長に持っていくためには、どうしてもこういった足踏みといいますか、調整をしていかなければいけないということであろうと思っております。  しかし、調整が行き過ぎてしまったならば、これはまた思いもかけないところに行ってしまうであろうということで、私どもはこの動向というものを相当注意しながら見守って、そして適切な対応をしなければいけないだろうと思っております。  特に、本年度でありますけれども、税収動向も思わしくないということがございまして、昨年の暮れに補正予算を組みますときにも、ゼロ国債を六千億円ほど用意をするとか、あるいは目いっぱいの財政投融資等を準備いたしまして、こういったものが地方にも均てんされていくような対応をいたしたところでございます。  また、本年度の予算はもう御案内のとおりでございまして、景気というものに配慮した実は予算にする、それと同時に、今申し上げた第二の予算と言われるところの財投についても、これをきめ細かく、特に中小企業等の政府関係機関等を通じながら、中小企業にお金が回るような対策等をとっておるところであります。またあわせまして、第三次の、三回にわたるところの公定歩合の引き下げ、こういうものを進めることによりまして、少しでも景気に配慮しなければいけないという対応をいたしておるところであります。  ただ、その間に不動産等が余りにも高騰したということに対して総量規制というものをかけたわけでありますけれども、最近の土地動向等がある程度鎮静化してきたという中で、総量規制というものを撤廃いたしました。しかし、再びまたこれが起こってしまってはいけない。再びバブルを起こしてはいけないということで、これに対して、動向等を見守りながら、自動的に引き金が引けるいわゆるトリガー方式と言われるものなんかも準備をいたしておるということでございまして、いろいろな面に目配りをしながら、これからやはり望まれる成長というものを確保していくことが大事であろうと思っております。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 時間が迫ってまいりましたので、問題を三つ言います。手短に答えていただきたいと思います。  まず第一点は、税収というのはそのときの経済状態によって波打つわけであります。一方、歳出というのは放物線状に恒常的にふえていくわけであります。今回の国際貢献税を含めて、いろいろな問題が起こってきたのが、景気が落ち込んだときに歳入不足をどうするかという問題があったと思います。そういう中で、やはりこれからは中長期的な、財政の余裕のあるときにそれを蓄積して、不足のときに使うような、財政の安定化資金という発想もこれから必要じゃないかと思うことについて、どうお考えか、一つ。  それから二番目は、今回法人特別税が二・五%アップになったのですが、本当に今の景気では仕方ないと思うのですが、中期的に見て、我が国の財政が赤字体制から脱却していない状況において、赤字国債の発行を回避するためには仕方ないかもしれないけれども、やはり本来、今景気が悪いわけですから、法人税を二・五%上げるというのは本来は不適切じゃないかと思うのです。しかしながら、そういう状況でありますが、やはりこれから財政、金融は一体となって、そういう公定歩合も含めて協力し合って行うべきじゃないかと思うのです。それについてどう考えるか。  それから三番目は、相続税の問題であります。  今回の相続税の改正は、土地の評価を増大させて、それで一方総額がふえないように減税するという方法であります。納税の方法についてはいろいろ問題がありますが、相続税の本当のねらいが所得再分配にあるのか、そこら辺のスタンスですね。というのは、やはり一生懸命働いて蓄積したものを税金でどかんと持っていかれるとすれば、国民の中には宵越しのお金を持たないという風潮が増長するんじゃないかという気がします。そういう面で、相続税に対して今後の大蔵省のスタンスについてお伺いしたいと思います。  以上三点、手短にお願いします。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 財政の安定化資金の創設についてという御指摘だったわけでございますけれども、これによりまして、財政の景気調整機能を充実させることが可能である、また資金に一定の残高が積み上がれば、歳入の欠陥が生じても再び特例公債の発行という事態に至ることなく対応できるという観点からの御指摘であろうというふうに考えますけれども、平成二年三月の財政審議会の報告でも述べられておりますとおり、現実の予算編成の過程におきまして、全体としての歳出規模は下方硬直性というものを有しておりまして、どうしても拡張的になりやすい傾向にございます。また一方で、巨額の利払い費を支払いつつ、他方で資金を保有しておくという余裕は現在ないんではなかろうかということでございまして、一つのお考えではあると思うんですけれども、ちょっと現実的にどうかなということを考えております。  それから、財政と金融、これを一体としてやっていくべきであろうということは、先ほどるる御説明申し上げた中でもお伝えしましたように、私どもは財政についても、今度の景気の状況というものを見ながら、やはり景気に配慮した予算というものを組んでおるということ、そして特に財政投融資ですとかあるいは地方が単独で行えるような事業、こんなものにも配慮をいたしたところであります。  そして、先ほど申し上げましたように三次にわたる公定歩合引き下げということで、しかし実際に公定歩合を引き下げましても、金利の自由化の時代でもあるということでございまして、それが本当に需要のある企業等にお金が回っているかどうか、こういったものを私たちはしっかりと見詰めながら対応していかなければいけないということでございまして、私どもも全体の景気の動向あるいは業況等を的確に判断をしながらこれらに向かって、今御指摘のあったことを私どもも念頭に置きながら、財政も適切に執行をしていきたいということを申し上げておきたいと思います。  相続税につきましては、確かに一生懸命働いた人たちがということのお話があったわけでありますけれども、これはやはりどうしても相続税について、土地ですとかそういったものが大変アンバランスがあるということになりますと、どうも何というのですか、一生懸命働くというよりは、もともと大きな財産を持っていた人が、そのままその子供たちあるいは孫たちが大きな財産を受け継いでいくということになると、やはりそこに資産格差というのが生まれてしまうだろうということがございます。そういう意味で、今度の場合の相続税の改正なんかもお願いをいたしておりますのも、今御指摘がございました資産のいわゆる配分ですね、これを、格差というものを是正するということのやはり意味があります。しかし、小さなものあるいは住んでいるものまで余り大きな影響を与えちゃいけないということで、そこである程度の配慮をしておるということについて御理解いただきたいと思います。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 次は、農業問題に移りたいと思います。  今、ガットでいろんな交渉が行われておりますが、私は、米の自由化を要求されておるわけでありますが、アメリカはウェーバー条項、ECは輸出補助金など、日本よりももっと重要な課題があると思うのです。それについて、我が国はその対応を見きわめてからで遅くないと思うのですが、安易な先走りは慎むべきだと思いますが、農水大臣のお考えをお伺いしたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 先月の二十六日に、総理、外務大臣、官房長官、基本的な米をどうするかということをお決めいただきまして、それでけさ、日本時間ですと六時に国別表を提出をいたしました。これは、余り周りをきょろきょろ見て出すというのも不見識だし、まあ早からず遅からず主体的に出した、こういうことで、先走りはしないということでやりました。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 次に、食管制度についてお伺いしたいと思います。  食管制度は、一九四二年にできましてちょうど五十年、まさに風雪五十年を経たわけでありますが、私は本来の食管制度の意義というものは、随分社会状況の変化によって失われてきたのではないかなと思います。特に、我が愛媛県においても自主流通米がもう七〇%になるという状況になってくれば、そもそもその本質自体を考える時期に来たのではないかな。ですから、例えば食管制度を三〇%の部分管理にして、その三〇%は減反を協力したところから先に買い入れる、残りについては自主流通米として自信のあるところでどんどんやらせる、そういう考え方もあると思うのですが、それについての農水大臣の見解をお伺いしたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お話しのように、自主流通米のウエートがもう大変高くなっておるわけであります。私もこの次のポスト後期等で議論をされた方がよろしいかと思うのでありますが、食管制度についてはいろいろな意見があります用意見がございますが、現状では米は我が国の農業の基幹をなしておるわけでありまして、大幅な需給のギャップの発生を防止しなきゃならぬ。そういうことを農家の皆さんにお願いするという立場からすると、今申し上げたように全体が協力をしておるということですので、余りそういう差をつけるのはどうかと思いますが、しかしこれからは、本当に国の政策、私ども今考えておる、新たな農業、農村というものを今検討しておりますが、その中では、本当に意欲を持ってやろうというところにやはり投資をしていく、そういう歯どめというか進め方というものが必要だということにおいては、先生の今言うように協力した者、そうでない者の何か一つのルールというものをつくりたいと思っております。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 あと、本来農業の陽題については、一人当たりの耕地面積をどのように広げていって農地の流動化を図るか。そして二番目の課題は、もうかる農業、言いかえればコストダウンをどうやって図るか、そしてまた付加価値の、もうかる製品をどうやってつくるかという問題。それから三番目は、本当に農業の一番大事なのは次の担い手をどう育てるか。特に、農業を天職としてやろうとしている人間と日曜しかしない農家との本当の政策の対応の差をどうするか、これが基本的問題だと思うのです。時間がないのでこれは問題の指摘だけにとどめたいと思います。  それから次に、経企庁長官にお伺いしたいと思います。  今回、総理が生活大国ということをおっしゃられたわけでございますが、生活大国の中身についてお教えいただきたいと思います。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 生活大国の中身については、総理からもう御答弁申し上げておりますけれども、現在、経済審議会に諮問を総理からしていただきまして、夏ごろをめどに今鋭意濃密な御審議をお願いをしておる段階でございます。ただ、その御審議をお願いをするに当たっての一つの基本的な視点といいますか、これは、国民一人一人が豊かさとゆとりを日々の生活の中で実感でき、多様な価値観を実現できる、そして努力すれば報われる公正な社会である、こういう視点のもとに総理から六項目にわたる具体的なその肉づけを施政方針演説の中でされたわけであります。  ただ、このことがただ単に一国繁栄主義的な、国内にだけ目を向けたようなことではないんだ。例えばいわゆる透明で公正な社会をつくっていくということ、このことはすなわち一方では外国の企業の参入をよりたやすくしていくような、そして透明度を増すような、そういうような部分もあるわけでありますし、内外価格差の問題に手をつけていくということは、これまた生活者にとっては物価の問題にプラスになることだし、また外からの輸入も促進されるということにもつながっていく。つまりそういう意味で、あるいは環境の問題、資源の問題、さまざまな問題をとりましても、いわば生活大国を目指していくということが、すなわち一方ではまた地球的視野の中における国際的協調という中にうまくマッチしていくんだ、こういう実はスタンスを構えながら、そして二十一世紀に入ればますます人口の高齢化が進んでいくわけですから、そういった中で活力を失わないようにしていくような発展基盤を今からどうやって整備していくか、こういうことがあるわけであります。  その中で特に大事な一つのポイントは、やはり何とい一つても我々の生活に関連する社会資本の整備というものが、まだまだ欧米諸国に比べて立ちおくれておる分野がたくさんあるのではないか、こういったことをさらに手厚く配慮していく必要もある、このように考えておるわけであります。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 今の御答弁にありましたけれども、イギリスは、トラファルガー海戦からビクトリア女王時代、アメリカは第一次世界大戦からベトナム戦争時代がストックの時代であった、特に社会資本充実の時代であった。それに対して、日本も社会資本の充実をしていくということは非常に重要だと思います。  経企庁長官、最後にお願いでありますが、たしか今度この生活大国について経済企画庁の総合計画局において、生活大国部会において各省庁のヒアリングを行うというふうに聞いておりますが、ただ、私がちょっと気になりますのは、今まで明治維新後、明治百年というのは欧米に追いつけ追い越せということで、生活水準をとにかくそれに追いつくということでやってきたと思うのです。ただ問題は、ちょっと私が気になりますのは、欧米から批判が出ているのは、日本人は働くことが目標じゃないか、働いた後どうするんだ、これについてのあれがないじゃないかということが非常に指摘されていると思うのです。その点をひとつ加味してよろしくお願いしたいと思います。  それから、済みません、申しわけない、次にちょっと自治大臣にお願いしたいと思います。  自治大臣は、政治改革の原点は何であるというふうにお考えでありますか。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○塩川国務大臣 根本は国民の信頼を得て国民の負託にこたえることだと思っております。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 私は、ちょっとこれは残念ながら時間がないので、自分の私見を述べるにとどまりますが、私は今自治大臣がおっしゃったとおりだと思うのですが、結局民主主義というのはコストがかかるということなんですね。私が学生時代に読んだ本に「崩壊する民主主義」という本がありました。その本を簡単に要約すれば、アメリカの大統領選挙にしても、民主主義における選挙においては非常にコストがかかる、それは買収とかそういうのじゃなくて、宣伝費だとか電話代だとかはがき代だとか、そういうものだけでも莫大にかかる、この民主主義のコストをだれが負担するのか、これを真剣に考えないと民主主義というものは崩壊しますよということなんですね。  特に、私は最近残念に思いますのは、昔は立会演説があった。その立会演説をこの間廃止してしまった。これだけマスメディアが発達している時代において、私はやはり立会演説を復活させてテレビ中継したり、きょうは財政、あしたは外交、あさっては国防というふうに立候補者同士がやはりディベートする、討論する場所が必要じゃないか。特に、私は三回選挙をやって感じたのは、一番何が大変かというと、自分の政策や哲学や理念を有権者の人たちに伝えるために、それに対して人集めをしたり、それをするのに労力や時間や経費が物すごくかかる。これだけマスメディアが発達した時代において、そういうものを加味した新しい選挙方法というものを考えていただけたらと思うのですが、自治大臣の御見解をお伺いしたいと思います。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○塩川国務大臣 私は一つの立派な考え方だと思います、それは。  まず最初に、民主主義のコストをおっしゃっていましたので、ちょっとそのことを申してみますと、確かにおっしゃるように、国が民主主義維持のため負担しておるコストというのは、日本は非常に低いです。例えば一例を申しますと、アメリカは国民一人当たりの負担が千百七十二円なんですが、日本は七百九十七円、そして西ドイツは九百六十四円、フランスは千四百四十五円というふうになっておりまして、非常に低い。でございますから、国がどのように民主主義のコストを負担するかということ、これは今後の問題だと思っております。  それから二番目のお尋ねの中で、そのコストを節減する一つの方法として立会演説なんかやったらどうだろう。これは過去におきまして随分と立会演説盛んにやったんですけれども、結局来る人は応援団の合唱になってしまいまして、応援団競争になって、これにはますます逆に政治家自身が大変なコストが必要になってくるということ等から、立会演説制度というものがなくなってきたということを聞いておりますが、しかし、マスメディアを使ってという方法は、これは新しい方法として検討すべきだと思います。

村上誠一郎自由民主党

○村上委員 あと国防をしたかったのですけれども、時間が来ましたのでこれで終わりにしたいと思います。どうもありがとうございました。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 これにて倉成君、村上君の質疑は終了いたしました。  ちょっと速記をとめてください。     〔速記中止〕

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 それじゃ、速記を起こしてください。  次に、小岩井清君。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井委員 私は、渡辺郵政大臣に質問をいたしたいと思います。  渡辺郵政大臣、けさの朝日新聞ごらんになりましたね。けさの週刊文春ごらんになりましたか。ごらんになったかどうか、ちょっと答えてください。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 遅くなって失礼しました。  新聞も見させていただきました。週刊誌も一読はいたしました。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井委員 今朝日新聞も週刊文春も見たということでありますが、私の調査によってもこの内容は間違いないというふうに確認をして、前回、二十日の日に質問をしているわけですね。この点について、この両方の記事は誤報ですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 逓信委員会でも今お答え申し上げてまいりました。その報道がありまして調べてみましたけれども、私の方はそういう事実ございません。いろいろ言われまして、私もこれ以上実は、できるだけの手を尽くしたのですが、調べようがございません。これは本当に変な意味じゃなくて、もし先生が御存じの点があったらお知らせいただきたい、御指導をいただきたい。なお調べてみることにやぶさかじゃございませんが、少なくとも、私にはその後の二百万円の云々ということの事実はございません。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井委員 渡辺郵政大臣の平河町にある渡辺事務所の政治経済懇話会という団体がありますね。それから、議員会館に新日本産業経済研究会という任意団体がございますね。というのは、渡辺郵政大臣の秘書の辺見富士子さん、この方が書いたと言われているメモを私自身も確認をしているのですね。そのメモが週刊文春にきょう載っていますね。私の確認したのと全く同じやつが載っているのですよ。これでも事実ないのですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 小岩井先生は初めからそれが辺見秘書の書いたものだ、こう思っておられるようですが、辺見秘書に確認をいたしました。自分の筆跡に似ているものもあるが、明らかに似ていないものもある、人の字もあります、それからその当時混乱もしていましたので、何のメモだったか、自分で書いたのも、似ているような字もあるけれども、実際に全く違う字もある、こういうことでございまして、当時私は、何で任意団体なのかというところも私にも実はわからないのです、先生。  それから、政治結社の届け出による領収書が出されるというのが、その後もそうでしたけれども、そのときも三百万に関してはきちんとそうしているわけです。ですから、しかもまだ秘書は、前から申し上げている私の元秘書は、非常にそういう面で、言葉は悪いかわかりませんが、非常に細かいし、神経質と言っちゃいけませんけれども、実はそういうきちょうめんな人間でして、それは本当に、自分が責任者ですから、法律を違反したり、あるいはまた任意団体で領収書を切ればどういう金かということはわかっておることですから、そんなことをやるような人間だとは思えません。  したがって、私は、あの下の二つが何で書かれているのか、しかも何か記号があるようですけれども、どういうことなのかというのは本当にわからないのです。どうぞひとつ、私がこれの今承知しているすべてでございます。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井委員 ということは、一つの報道機関じゃなくて二つの報道機関ですね、朝日新聞と週刊文春。両方ともうそを書いたということで、うそを書いたとはっきりおっしゃったらどうですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 週刊文春に関しては、私は、今まで申し上げてきたとおり、少なくとも秘書に対しても、これは私の不徳から始まったことですから、他を非難したり、あるいはまた他に対して自分の言い分を言うようなおこがましい気持ちもありませんと申し上げてまいりました。私も本当にざんきなんです。それは、全くこういう人間関係のこじれからこういうことになろうと思っていませんでした。  朝日新聞の方の問題は、実はゆうべでございまして、いきさつがございます。しかもまだ、その関係者が明らかにしたと言われておりますようですが、その関係者をむしろ私はお聞きしたいという気持ちです。私は、しかも朝日新聞の社会部の知り合いからきのうの夜電話がありまして、私は、そういう事実ないですよ、あろうはずもないということをきのうの夜、たしか十二時ぐらいでした、夜中の。私は電話の取材というのは一切実はお断りしているのですが、非常によく知っている人だったものですから、コメントも、私はきょう国会ですし、大変恐縮ですが、私もマスコミと関係のある役所にいるわけですから、一社だけ先にコメントを出すわけにこれはいかぬよ、それはわかってくれと。あすは国会もあるし、恐らく質問もあるだろう、あるいはあさってになれば、要するに明日ですが明日になれば閣議があり、閣議後の記者会見もある、だからこれはコメントはしないということにしてくれよと、こういう話で終わっておりましたところが、けさ全く私と違った記事でございました。  しかし、これも私が今、そういう皆さんに、まさに自分の不徳からこういうふうに一つの、何といいましょうか、焦点が当てられておったという不徳からだなという気持ちでございまして、事実が違うものは今違うと申し上げましたし、そこのいきさつだけはひとつ、朝日新聞とそれから文芸春秋とみんなひっくるめて何もかも違うということを申し上げているつもりはありませんので、この二百万に関しては、これは違いますということを申し上げ、それから今までも入学のあっせんという言葉を使われたときも、私はあっせんではありません、これは政治家とそして支持者との信頼関係による相談にあずかったことであって、そのことでまた非常に、合格、不合格もあるわけですが、合格した人が……(小岩井委員「そんなこと聞いてないよ」と呼ぶ)いや、まあ聞いてくださいよ先生、そこからが根ですから。そういうことで、合格をした人たちが私の支持者として、いやうれしかった、ありがたかったと。ありがたかったというのは、何もこっちが余りお世話しなくたって合格をすると、それは前に申し上げたとおりですが、今の大学はそんなシステムでない、全部コンピューターですから。これはもう全く、それは私が一番よく承知していますよ。だから、そんな変なことで入学なんかさせられる今の大学のシステムでないんです。(小岩井委員「そんな質問しているんじゃないんだよ、リクルート関係聞いているんだから。時間をむだに使わないでください」と呼ぶ)はい。まあ、そんなことで、そういうことが出発であったということで御理解をいただきたい、こう思うわけでございます。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井委員 全然質問に答えないでほかのことばかりしゃべっているじゃないですか。ということは、ここまで確信を持たれて報道されているのですよ。そうでしょう。ですから、報道はでたらめだということを言うんですかというふうに聞いたわけですから。そうしたら今何とおっしゃいました。すべてではないけれどもと言ったですね。じゃ正しい報道も中にあったんだね、これ。どこですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 大変申しわけありません。余り何回も出されたんでどこがどうだかわかりませんけれども、私はなるべく誠実に答えるために、今までもちょっとあいまいとしたことがあったかもわかりませんけれども、そういう答え方であったので、今もそういうつもりで申し上げているわけであります。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井委員 ということは、余計なこと聞いているんじゃないんですよ。きょうの報道はでたらめだったんですかと聞いたんですよ。でたらめなんですね。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 でたらめという言葉をそのまま認めることはできませんが、少なくとも真実ではないということを申し上げます。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井委員 真実ではなかったら、どの部分が真実じゃないんですか。でたらめということは全部間違っていることをでたらめというんですよ。真実じゃないというのはどの部分が真実じゃないんですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 きょうの朝日新聞の二百万円を私が受け取ったかに言われている点は真実ではありません、こう申し上げているのでございます。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井委員 私がということは、秘書が受け取ったことはあるんですね。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 私は、金銭の授受は、大変申しわけありませんけれども、ほとんど秘書に任せて、今もそうですが、しかし、それも含めて私は受け取っていませんと申し上げている、秘書も含めて申し上げております。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井委員 二十日の私の質問には、これは、これ以降リクルート献金については政治献金はないと言いましたね。また同じことを確認をするということですか。ないですか。これが事実じゃないということは、ないということですね。(渡辺(秀)国務大臣「そうです」と呼ぶ)ということは、その折に、あったときはどうしますかということを聞きましたね。今度はあったときといっても既に報道されたから、しかも私の調査と、正確だから、報道の内容が。いいですか。とすれば、あったときじゃなくて、これが事実だった場合にですよ、事実だった場合あなたはどうなさいますか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 先生せっかくの話ですけれども、先生の持っている資料はそれは誤りですということを私は申し上げているのですよ。本人が、辺見秘書が私の筆跡ではありませんと言っているわけですから、これは先生わかっていただきたい。ですから、先生はそれが絶対正しい、こうおっしゃっていますし、私はあとどうしようもないですよ、それは。それは筆跡が違うものを全部辺見秘書にあなた認めなさいとも言えませんし、あるいはまた本人の筆跡らしきものもあるのですから、そこは私、そういうふうに正直に申し上げているじゃないですか。だから、八百万というものも全部否定しているわけじゃありませんし、五百万は返していると言っているわけですし、そこは先生、まじめな、私誠実にお答えしているつもりですから。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井委員 まあ、おかしな答弁なさいますね。一枚の紙に書いてあったのが、本人が書いてあったやつ、そっちはほかが書いたやつ、こういうことがあり得るんですか。  いずれにしても、前回確認をしたことを確認をいたしておきますが、もし事実だとしたら、これはこの前の答弁のとおり責任をおとりになりますね。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 私は、前回申し上げたように、政治家としての対応をいたしたいと申し上げている。そこで御理解をいただきたいと思います。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井委員 「出てきたときはこ今回は真実だったときは、「私は政治家ですからそのときに相応に対応」すると言いましたね。きょうは「相応」が抜けていますね。相応に対応するということは、政治家ですから、もちろん責任持って対応なさるのでしょうね。どうですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 先生、お互いに国会議員同士で、私はですよ、それは間違っていますということを申し上げているんです。その申し上げていることを、先生は私の言うことを信じないで、そしてそちらのことをそれがすべて正しいということで、私にその前提に立って今どうするんだとこうおっしゃることは、私は、大変申しわけありませんが、共通の土俵での答弁ではないと思うのです。これはわかっていただきたい、今回の場合は。ただ、全般的に私に間違いが、実際に政治献金があったとかいうことであったときは、私は政治家として相応の対応をさせてもらうということを申し上げているんです。

小岩井清日本社会党・護憲共同

○小岩井委員 前回、リクルートが出てきた場合には相応に対応すると言ったんですよ。全般的にと言わなかったですね。ですから、そのことを確認したんですよ。  ということで、一応筒井議員の関連で質問いたしましたが、いずれにしても、いずれこれははっきりすると思います。いずれはっきりさせなきゃならない。そのことを申し上げて終わります。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 この際、筒井信隆君より関連質疑の申し出があります。小岩井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。筒井信隆君。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 前回の総括質問の際には、主に平和外交の問題、外交の問題でいえば平和外交の問題をお聞きいたしました。きょうは人権の問題、人権外交の問題を主にお聞きをしたいと思います。  先ほども外務大臣、地球は一つ、世界共生、この考え方を述べられました。そして、国際貢献の問題について種々お答えをされました。地球は一つ、世界の共生、そして国際貢献といった場合に、当然この地元の日本にいる外国人に対していろいろな形で差別的な扱いをしない、これが前提になるというふうに考えるわけでございまして、日本在住の外国人を対等に扱わないで、それで国際貢献とかあるいは地球は一つと言ったところで、これは自己矛盾だし、信用されないということははっきりしていると思います。さらに、これは前回も申し上げましたが、本当に平和的な立場で海外との関係を持っていく、そのためにはやはり日本が犯した戦争の問題に対して本当に心からの謝罪をして、補償をして、もう再びこういうことは繰り返さない、これを実際の日常的な態度でも明らかにすべきだということも言えるだろうと思うんです。  そこで、きょうは、戦争犠牲者援護立法等の国籍条項における外国人差別の問題を中心にお聞きをしていきたいと思います。  もう公明党の渡部議員も、戦争犠牲者援護立法についていろいろ質問をされております。重複は避けます。十三の戦争犠牲者援護立法に関して、国籍条項等で外国人に門戸を開放していない。さらに、あのときは出ませんでしたが、社会保障立法一般の方に目を向けてみますと、これは国民年金法等を含めて外国人にも、最近開放したところもございますけれども、結構開放されている。しかし、例えば生活保護法に関しては、これは開放されていない。  厚生省の方に確かめたいんですが、今生活保護法に関しては、外国人には適用されておりませんね。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 ちょっと担当の部局がただいま来ておりませんので、責任持った御答弁できませんので御勘弁願います。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 生活保護法に国籍条項はありませんが、運用上で外国人を適用をしてない、こういう中身になっているわけでございまして、この今挙げました戦争犠牲者援護立法あるいは社会保障立法、これらが全部で日本において三十ぐらい現在法律がございますが、それが一部は外国人にも適用になっている。しかし、一部は国籍条項あるいは戸籍条項等によって外国人に適用されてない。そして一部は、先ほどの生活保護法のように、国籍条項はないけれども、しかし運用上外国人に適用されてない。いろいろな形でばらばらの今法制度になっているわけでございまして、これはやはり一貫性がない。日本がこれから国際社会に打って出るに当たってやはり明確な一貫性を持つべきである。こんなばらばらの現在の法制度では、外国人との共生、世界との共生と言ったところでやはり信用されない、こう思うわけでございまして、このばらばらの状態について、外務大臣として意見をお聞かせいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 私が申し上げましたのは、今後の外交の理想的な進むべき道についての考え方を申し上げたのです。地球は一つ、これは地球は二つと言う人はいませんから。また、一国だけの繁栄というのは許されないし、地球的規模でいろいろ外交はやらなきゃならぬ。  具体的に言えば、酸性雨の問題のような公害問題にしても、麻薬でもテロでも難民でも、これは一国だけでできない。それから軍縮の問題も同じ。そういうような包括的な概念的なものを将来はみんなで一緒になって解決していくべきであるという趣旨で申し上げたのでありまして、今までの過去の我が国の何十年か前にできた次元と現在は違うわけですから、その法律がどういういきさつでどういうふうにできたという具体的な問題については、私は残念ながらお答えする知識を持ち合わせておりません。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 それぞれ法律ができないきさつ等は別のものがあると思うのです。しかし、現在において在日外国人に対してそういうばらばらの状態の扱いでいいと考えられているのかどうか、それを現在の問題としてお聞きをしているわけです。  もう少し具体的に言いますと、十三の戦後犠牲者援護立法に関しては外国人適用なし、被爆者関係の二法に関しては、これは外国人が適用されている。そして社会保障立法関係に関しても、国民年金法等は、これはそんなに昔ではありませんが、やはり外国人に対しても適用される。しかし、生活保護法は、先ほど言いましたように運用で外国人が排除されている。こういう現在におけるばらばらの状態、これはやはり是正すべきではないか。これがやはり日本のこれからの世界において歩む道ではないか、こういう考え方、これについての御意見をお聞かせいただきたいと言っているわけです。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 現実の問題として、国際国家日本ということになって、たくさんの外国人が日本に来て就労するというようなことになった場合には、例えば医療の問題というような場合に、外国人だから医療が現金でなければ受けられないというようなことでは実情にそぐわないということはあり得ると思いますので、いずれにせよ、法律の建前はどうなっているかわかりませんが、将来の問題といたしましては、それは国内と待遇が同じようにできるものはなるべくできるようにすることの方が望ましいと私は思います。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 その望ましい状況を早急にぜひ実現をしていただきたいと思います。少なくとも日本が加入している国際人権規約、これに反するようなそういう取り扱いは一刻も早く是正すべきだというふうに思うわけでございまして、その点、もう一点確認していただきたいと思いますが、日本が加入している国際人権規約等、これに少なくとも違反しない、こういう状態を一刻も早くつくり上げる、こういう点についての御意見を外務大臣、お聞かせいただきたいと思います。

丹波實外務省国際連合局長

○丹波政府委員 私の方からお答え申し上げさせていただきたいと思いますが、先生御承知のとおり、日本は市民的及び政治的権利に関する人権規約に加入してございます、B規約と呼ばれておりますけれども。ちなみにA規約も加入しておりますけれども。このB規約は、すべての者が生命に対する権利あるいは奴隷、強制労働の禁止あるいは移動の自由公平な裁判を受ける権利、表現の自由、集会・結社の自由等の権利を保障し、また法の前の平等の権利ということも規定しております。  しかしながら、この法の前の平等と申しましても、合理的かつ客観的な差を設けるということを必ずしも排除するものではないというのが国際社会の解釈であると了解いたしております。先生がおっしゃっておられるその個々の法律につきましてそれではどういうところが合理的なのかという点については、所管の官庁の御説明にお任せしたいと思いますけれども、少なくともこの条約の解釈といたしましてはそういうぐあいになっておるということを御理解いただきたいと思います。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 その中の具体的な法律を例にしながら、制度を例にしながらお聞きをしたいと思いますが、戦傷病者戦没者遺族等援護法という法律がございます。遺族援護法というふうに略称されているようでございますが、この遺族援護法によりますと、日本の国籍を失ったときは障害年金や遺族年金などを受ける権利は消滅する、こういう規定がございます。  しかし、この国籍条項、日本の国籍を失ったときは権利が消滅するという国籍条項は、サンフランシスコ平和条約の発効によって国籍を失った人に対しては適用されない。だから、この国籍条項だけであれば遺族援護法はその平和条約によって国籍を失った人にも適用されるという厚生省の通達があるようでございまして、しかし遺族援護法には戸籍条項というのがございまして、「戸籍法の適用を受けない者については、当分の間、この法律を適用しない。」こういう条項があるために遺族援護法が適用されてこなかったわけでございますが、しかし、以前は帰化すればこの遺族援護法が適用されておりました。帰化して日本国籍をとれば遺族援護法が適用される。ある意味で当たり前のことだと思いますが、これがまた日韓条約によってさらに扱いが変わってまいりました。  この点について厚生省の方に確かめたいわけですが、日韓請求権及び経済協力協定、この協定が成立したことによって、帰化しても韓国人、韓国籍の人に対して遺族援護法を適用しない、こういう扱いをされているようでございまして、まずお聞きしたいのは、韓国籍についてはどうも通達ではっきりともう帰化してもだめだということを言っているようですが、北朝鮮については直接言ってないものですから、北朝鮮については今どういう取り扱いをされているのか、その点をお聞きしたいと思います。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 韓国につきましては、日韓の協定に基づきまして別途処理がされたというふうにされておりますので、韓国については帰化しても既に処理済みという理解でございます。その他の地域、台湾あるいは北朝鮮といったようなところについては帰化することによって可能になる場合がある、こういう理解でございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 じゃ、通達では台湾出身者については従前どおりというふうに記載されておりまして、北朝鮮に関しては記載されておりませんでしたが、今のお答えで、北朝鮮についても従前どおり帰化すれば適用になる、そういうお答えで結構でございます。  同時に、今韓国籍についてはもう帰化してもだめだという通達があり、今のお答えもそうでございました。その根拠が、日韓請求権協定で、戦後の問題、戦争の問題に関しては「完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。」完全かつ最終的に解決された、この協定があるからもう帰化してもだめなんだという根拠のようでございまして、通達でもそういうふうに規定をされております。  しかしお聞きしたいのは、この日韓請求権協定の第二条の二項で、完全かつ最終的に解決されたことを確認するけれども、しかし一九四七年から一九六五年までの間に日本に居住した在日韓国人については、完全かつ最終的に解決したとは確認していない。だから、今言っている期間、一九四七年、昭和二十二年でございますが、それから昭和四十年までの間に日本に居住した在日韓国人についてはその完全かつ最終的に解決したことの例外規定がちゃんと日韓条約で置かれている。そうしますと、この期間において日本に居住した在日韓国人については、この日韓条約の後、現在においても帰化すれば遺族援護法が適用になる、こうなると思うのですが、その点どうでしょうか。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 援護法につきましてはまた別途関係の省庁から御答弁があると思いますが、日韓請求権経済協力協定につきましては、ただいま先生御指摘ございました第二条の二項で二つの例外を掲げているわけでございます。  その二つの例外と申しますのは、ただいま御指摘のように、その一つが、「一方の締約国の国民で千九百四十七年八月十五日からこの協定の署名の日までの間に他方の締約国に居住したことがあるものの財産、権利及び利益」というものはこの協定の二条の処理の対象外であるというふうに規定しているわけでございます。そして、この「財産、権利及び利益」と申しますのは、この附属の、当時、協定締結のときに作成いたしました合意議事録の二項の(a)というところで、「「財産、権利及び利益」とは、法律上の根拠に基づき財産的価値を認められるすべての種類の実体的権利をいうことが了解された。」というふうになっているわけでございます。そのような意味におきまして、この二条二項の(a)では若干わかりにくい書き方になっておりますけれども、実際には主として在日韓国人の今申し上げましたような財産、権利及び利益につきましてはこの条の規定は影響を及ぼさないというふうになっているわけでございます。  で、御承知のとおりこの二条の三項におきまして、我が国におきましては、当時国内法を制定いたしまして、いわゆる財産、権利、利益というもので韓国の方々が持っておられるものを消滅させる措置をとったわけでございますが、その措置に言う財産、権利、利益というのはこの二条に言っているものでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 日韓協定の趣旨は、だからそういう趣旨で、私も指摘したとおりでございますが、そうしますと、「完全かつ最終的に解決された」のは、先ほど申し上げました期間日本に居住した在日韓国人を除いて発効している。先ほど申し上げました在日韓国人については日韓条約が制定される前からの状態と変わっていない。だからそれらの在日韓国人に関してはやはり今までどおり、その以前どおり帰化したらやはり遺族援護法が適用される、こういうことになるんではないですか、厚生大臣の方、お答えいただきたいと思います。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 私どもの理解では、請求権については特別合意に基づいて処理をされた、そしてその処理された対象の中には在日韓国人の請求権も含まれているというふうに理解をいたしております。したがって、そういう理解に立ちますと、既に処理済みで、一度日本国といたしましてはその方々に何らかの処理をした対象の方々に対して別途また給付というものを起こす、同じ事由に基づいて給付を起こすということは、これは重複の問題が起きるわけでございますので、当然に給付の対象外というふうに理解をしているわけでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 私は一般的なことを聞いているのではなくて、この日韓請求権協定で影響を及ぼさない、その日韓請求権協定の第二条一項の規定が、影響を及ぼさないその規定がある。それが在日韓国人の人たちだ。その人たちに関しては影響を及ぼさないんだから、日韓条約がある以前からの状態、つまり帰化すれば遺族援護法が適用になる、こういう状態になるのではないか、そういう質問なんです。だから、もう一度確認しますが、一般的に聞くとどうも、逃げられると言ったらちょっと表現がおかしいですが、「完全かつ最終的に解決されたこととなる」ということを確認しておりますけれども、しかしその後で、一定期間の間の在日韓国人に関してはその規定は適用されない、そういう規定があることは確かですね。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 日韓請求権経済協力協定締結当時の処理につきまして、若干補足させていただきたいと存じます。  先ほど申し上げましたこの昭和四十年の法律でございますが、いわゆる日韓財産及び請求権に関する協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律、正式の題名はもっと長いのでございますが、要約すればそういう法律を制定したわけでございまして、その一項で、「次に掲げる大韓民国又はその国民の財産権であって、財産及び請求権に関する問題の解決並びに経済協力に関する日本国と大韓民国との間の協定第二条3の財産、権利及び利益に該当するものは、次項の規定の適用があるものを除き、昭和四十年六月二十二日において消滅したものとする。」と、こういうふうに規定しているわけでございます。  そして、ここで対象にしておりますのは、この「協定第二条3の財産、権利及び利益に該当するものはこと、こういうふうに言っておりますので、この協定の二条三項の規定している「財産、権利及び利益」というものをここの法律の第一項の対象にしているわけでございます。そして、この協定の第二条三項におきましては、「2の規令に従うことを条件としてこというのが頭にございまして、「一方の締約国及びその国民の財産、催利及び利益」、それから後に請求権というものも規定しておりますが、この「財産、権利及び利益」というのは、先ほど申し上げましたように、合意議事録で要するに「法律上の根拠に基づき財産的価値を認められるすべての種類の実体的権利」であるというふうに言っているわけでございます。したがいまして、この法律で引いております「財産、権利及び利益」というのは、この協定及び合意議事録で言っている意味の財産的権利であるということでございまして、この協定二条三項の冒頭に「2の規定に従うことを条件としてことございますので、この二条二項の例外もここにはきいてくるということでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 最終的に解決されたのは在日韓国人に関するものを除いてだというのが日韓請求権協定で明確に決まっているわけでございます。  それで聞いているのですが、しかもその韓国の方で、日本のこの日韓条約に基づいて無償三億ドルを使った韓国民に対する補償を実施しておりますが、その際に、やはり韓国の法律でもこの補償の対象から在日韓国人を除外しているわけでございまして、当然、日韓条約でその点は除外しているから韓国の法律でもその点を除外して補償を実施しているわけでございまして、だから、先ほど申し上げた期間の在日韓国人は韓国国内法でも除外されている。これは韓国国内法の方がある意味で日韓条約に忠実に従っているわけでございまして、長い説明はよろしいですから、最終的に解決されたのは在日韓国人を除いてであるかどうか、その点だけ外務省と厚生省の方にお聞きをしたいと思います、ほかの長い説明はいいですから。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 結論的な点だけお答え申し上げたいと思います。  最終的に解決したということを言っておりますのは、この二条に書いてありますとおり、具体的にはこの二条の三項によって行われた処理について今後日韓間では問題を提起しないということでございます。  その処理には二つあるわけでございますが、この三項に規定してありますとおり、これはもう先ほど申し上げましたので省略いたしますが、要するに法律的な根拠のある実体的な権利については、まあ我が国でそれを消滅させる措置をとったわけですが、それについて韓国側はいかなる主張もすることができないということで解決をしたわけでございます。そして、実体的な権利でないもの、すなわち法律上の根拠のない、いわゆるクレームといった方がいいと思、いますが、そのような請求権についてもいかなる主張もできないということを二条の三項で言っているわけでございます。そしてその中で、在日韓国人の実体的な権利につきましては、二条の二項の(a)で言っているとおり、これは消滅させていないということでございます。  まあ韓国側の措置につきましては、先生御指摘のとおり、韓国側の国内法においても在日韓国人の場合は除いてあるというふうに承知しております。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 今の日韓協定の三項も「2の規定に従うことを条件として、」つまり、「2の規定」というのは在日韓国人に関しては影響を及ぼさない、これを条件として、先ほども条約局長が説明されたようなそういう規定をされている。だから、三項も含めて、この最終的に解決したというふうに確認したのは在日韓国人を除いてである、このことはもうはっきりしているでしょう。今のお答えはそういう趣旨で言われたと思うのですが。  それを前提に厚生省に、だから確かめたい、厚生大臣に確かめたいのですが、在日韓国人に関してはこの日韓条約は影響を及ばざない、明確に言っているわけでございまして、とすれば、日韓条約を理由として取り扱いを変えることはこれはできないんじゃないか。もう一度お聞きします。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 私どもの理解といたしましては、これは在日韓国人の請求権の問題だというふうに理解をしておりまして、その請求権というものにつきましては、在日韓国人については処理されたというふうに理解をしているわけでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 厚生省の方にさらに引き続き聞きますが、しつこいようですけれども、最終的に確認されたのは在日韓国人を除いてだといってはっきり日韓請求権協定で規定されている。そうはっきり在日韓国人を除いてだと規定されているのに、その規定を根拠に在日韓国人に関する法的な取り扱いを変えることは、これは無理なんじゃないか、間違いじゃないか、こういう質問なんです。その点に関するお答えをいただきたい、それ以外のお答えはいいですから。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 前提になる協定上の問題につきまして、一点だけ確認させていただきたいと存じます。  先ほど来御答弁申し上げておりますとおり、この財産請求権協定の二条二項で除いておりますのはいわゆる実体的権利、すなわち国内法に根拠のある財産、権利及び利益ということでございますので、そうでない、国内法上の根拠のない、いわゆるクレームというものにつきましては、この二条で例外を設けていないわけでございます。したがいまして、問題の請求権が国内法上根拠のあるもの、すなわち実体的権利であるか、あるいはそのようなものでない請求であるかによって結論は分かれてくるわけでございまして、先ほど厚生省の方からお答えがありましたのは、我が国の国内法上の根拠のないそのような請求につきましては、在日韓国人のものも含めて、全体としてこの二条で処理がなされているということでございます。  その処理の意味は、三項の後段に書いてございますように、そのような請求権についてはいかなる主張もすることができない。さらに言えば、これは日韓間で相互に外交保護権を放棄した、すなわち国と国との間でそのような請求の問題を持ち出すことはできない、そういう形で処理をした。そのようなものについては、在日韓国人の例外条項というのはないわけでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 影響を及ぼさないとしているのは在日韓国人の「財産、権利及び利益」。権利、請求する権利を含めているわけでございまして、しかも国と国との今の請求権の問題を私は聞いているのではなくて、在日韓国人個人の権利の問題を聞いているわけで、全然今の答弁では答弁になっていないと思いますが、それだけを聞いていくわけにいかないので、もう一点だけ確かめて次に移りたいと思います。  そうしますと、今の答えですと、韓国の法律で在日韓国人を排除している、これがおかしいということになるわけでございまして、韓国の法律だから日本は知らないというふうに言われるかもしれませんが、結局今のおかしな解釈で日本においても在日韓国人はその権利請求から排除されている。そして、韓国においても請求から排除されている。まさに両方から排除されている、こういう結果になっているわけでございまして、これは今の条約の解釈の問題を別にして、政治的にまさにおかしなことで、政治的には少なくとも是正すべきだと思いますが、外務大臣その点どうでしょうか。厚生大臣でも結構ですが。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 御満足のいくような答弁できるか、まことに私も勉強不足でございますが、先ほどからいろいろ答弁いたしておりますように、この種の財産請求権の問題につきましては、サンフランシスコ平和条約において特別取り決めの主題とされておりまして、韓国との間には既に昭和四十年に、日韓請求権協定によって法的にはもう処理をされているという、ただもう、そういう解釈しか私にはちょっとよくわからないのでございますけれども、したがって、またこれをやるということは二重になるというふうにしか私としてはお答えできないのでございますが。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 全然理解できないのですけれども、在日韓国人の財産、権利及び利益に関しては、この日韓条約の規定は影響を及ぼさないと明確に書いてあるわけですよ。この権利をも放棄したなんという日韓条約の規定は一切ないわけでして、今までの答弁、その点を逃げているわけですが、この権利の中に、第二条の二の(a)で言っている権利の中に、日本においてこういう請求する権利、これは入っていないというふうに考えておられるのでしょうか。もう一度済みませんが、その点。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 ただいま御指摘の点についてだけ確認させていただきたいと存じます。  二条の二項(a)で言っております「財産、権利及び利益」というのは、先ほどもちょっとお答え申し上げましたが、合意議事録の二項の(a)というところで「「財産、権利及び利益」とは、法律上の根拠に基づき財産的価値を認められるすべての種類の実体的権利をいうことが了解された。」そのように日韓両国間で合意されているわけでございます。したがいまして、この協定二条二項の(a)で除外しております「財産、権利及び利益」の中には、いわゆる法律上の根拠はないけれどもいろいろ請求したいというようなもの、いわゆる請求権というものは含まれてないわけでございます。  それは三項の方を見ていただきますと明らかになるわけでございますが、三項の前段の方では、先ほど申し上げましたように、「2の規定に従うことを条件としてこということがまず冒頭ございまして、その後に「財産、権利及び利益」については、他方の締約国で国内的な措置をとっても文句を言わないということが前段で書いてございます。そして後段で、「並びに」というところの後でございますが、「請求権」というのを挙げておりまして、これについてもいかなる主張もできないということを言っているわけでございます。  したがいまして、先ほどちょっと、この前の前の御質問の中で言っておられました、訴えを提抽する権利はどうか。そこは、財産、権利及び利益でない、単に請求を提起する個々人の権利というものは、外交保護権の放棄という処理によっては、そういう訴えを提起するような権利までは殺していないということでございます。ただ、そこで言っている請求権というのは、法律上の根拠のあるものではない、もろもろのクレームを言っているということでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 いや、今はそんな訴えを提起する権利やなんか聞いているんじゃなくて、以前、日韓条約が制定される前は帰化して障害年金を請求する権利、これはまず遺族援護法に基づく法的な権利だったわけでしょう。帰化して障害年金を請求する権利は別に実体上の法的な権利でも何でもないとか恩恵であったというお答えは厚生省も外務省もしないと思うのですが、障害年金を請求する法律上の権利、だから、この日韓条約の例外規定の中の権利の中へ当然含むわけでしょう。その権利については、まさに日韓条約へ影響を及ぼさないというふうにはっきり規定されているわけですよ。  余りしつこくは聞きたくないんだけれども、しかし聞けば聞くほどちょっと逃げるから、これが法律的な権利であったでしょうという点、そしてそれは今度の日韓条約によって影響を受けないというふうになっているでしょうと、この二点だけちょっと確かめておきたいと思います。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 日本国籍を有する方の請求という意味では、以前から韓国籍の方には請求権を、この法律に基づく給付の請求を権利として認めたことはなかったということでございます。  帰化の権利というのがどういうふうに扱われるのかは私どもよくわかりませんけれども、帰化する権利というのがこの条約でどういうことになっているのか、ちょっと私の方でお答え申し上げかねます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 意識的に誤解して答えられているようなんで先に進むことができないのですが、以前は、日韓条約が制定される前は、帰化すれば障害年金を請求する権利は認められていた、帰化すれば。その後は、今度は帰化しても障害年金を請求する権利が否定されているという実態だからそれを問題にしているわけなんですよ。帰化すれば障害年金を請求する権利が認められていたのに、それを日韓条約によって否定してしまった。しかし、日韓条約ではその権利に関しては、在日韓国人の権利に関しては影響を及ぼさないというふうに明確に規定があるわけですよ。その明確な規定があるのにそれを無視していることになるんではないか、こういう質問なんです。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 私の方から一点だけお答え申し上げたいと存じます。  先ほど来るる御説明申し上げましたのは、協定第二条二項で例外にしておりますのは韓国人の実体的権利ということでございます。したがいまして、例外にしたのは、この協定締結当時韓国人の権利として我が国の国内法上認められていたものがあれば、そのようなものは消滅させないという趣旨でございます。(「だから、帰化すればということです」と呼ぶ者あり)いや、ですから、その帰化をする権利というものがどういうものであるか、これは少なくとも直接その給付の請求権になるというものではないと私思いますけれども、帰化する権利というものが実体的権利というふうには恐らく解されないであろうと思います。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 もう全然答えになっていないというふうに思うのですが、先ほど厚生大臣にもお聞きしましたが、こういう在日韓国人に関して、日本でも権利が排除されている、そして韓国においても排除されている、どこでも結局日韓条約を理由に排除されている。こういう政治的な状況について、先ほど詳しいことはよくわからないと言われましたけれども、その点をはっきりさせた上で適切な処置をとっていただきたいと思うわけでございまして、その点について、外務大臣と厚生大臣の見解をお聞きしたいと思いますが。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 三十年近く前の話でございまして、いきさつその他私はよくわかりません。しかし、このことは政府として当然に法的な統一見解があるはずでございますので、さらに調べてみたいと考えます。あなたの話を聞いていればもっともだなというようにも考えられない前もないではないが、しかし、だからといって軽々にここで返事をするわけにもいきませんので、もう一辺よく検討いたしてみます。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 先ほど申し上げましたように極めて不勉強でございますが、ただ、戦争が終わりまして既に半世紀近くたってこういったはざまに置かれている人があるとするならばこれはやはり大切な問題であるし、また半世紀にわたってこれが処理できなかったということについて振り返ってみて、これは遺憾の点があるなどいう気がいたします。したがいまして、十分また私の方も勉強いたしまして、しかるべき時期にお答えいたしたいと思います。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 じゃ検討を、今言われた趣旨でお願いをしたいと思います。  それから、この国籍条項というのは、遺族援護法に限らず、先ほども申し上げましたようにいろんな法律にあって、外国人を排除しているわけでございます。この国籍条項の趣旨をまず確認をしたいのですが、厚生省の援護局援護課長が出した通知で、国籍条項についてこういう説明をされております。「遺族援護法第三十一条には「日本の国籍を失ったときは遺族年金又は遺族給与金を受ける権利が消滅する」旨を規定されているが、この規定は、個人の意志に関係なく国家間相互の条約等の一方的権力によって国籍を変更させられた場合には適用されるべきではなく、個人の意志に基づく帰化等の方法によって国籍を失った場合にのみ適用される」、こういう通達があるわけでございまして、つまり、まとめますと、日本の国籍を失ったときは権利が消滅するというふうな国籍条項は、これはサンフランシスコ条約、平和条約によって国籍を喪失した、こういう人たちには適用されない、個人の意志に基づいて帰化等の方法によって国籍を喪失した場合にのみ適用される、こういう通達でございますが、そういう趣旨でよろしいですね。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 先生御指摘のその規定はそのとおりでございますので、附則の二項の方の関係が出てきて制限されるという場合があるということでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 国籍条項が遺族援護法にあって、さらに附則で先ほど言いました戸籍条項がある。国籍条項によっては、在日韓国人の人たちは、あるいは在日朝鮮人の人たち全体そうですが、平和条約によって一方的に国籍を喪失させられた人だから国籍条項の対象にはならない、しかし戸籍条項があるから、だから結局遺族援護法が適用されないことになる、こういう趣旨で、今もそう答えられたわけでございまして、だからもう一度確認しますが、国籍条項だけであるならば平和条約で国籍を失った人については権利が消滅しない、こういうことをもう一度確認しますが、よろしいですね。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 給付制限の方の規定で書いてありますような、その条項によって停止されるというわけではないということでございまして、これはあくまでも戸籍の関係からきているものでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 その点確認してお聞きしますが、恩給法にも同じような国籍条項がございます。日本の国籍を失ったときは権利が消滅する。恩給法にもそういう同じような権利消滅規定がありますが、しかし、これはそうしますと、今の解釈でいきますと、平和条約によって国籍を喪失した人はこの国籍条項の対象にならないで権利も消滅しないということになるわけでございまして、そうすると恩給法が在日韓国人等の人たちにも適用される。しかも、恩給法には、戸籍法、戸籍が適用されない人には権利を与えないという戸籍条項がありませんから、恩給法は、そうしますと、今の説明によりますと、在日韓国人等在日外国人にもやはり適用されることになるのではないですか。その点お聞きします。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 恩給法につきましては総務庁の所管でございますので、総務庁から答弁をお願いしたいと思います。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 筒井君に申し上げますが、後刻に保留をしていただきたいと思います。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 それじゃ別な質問をします。別な質問に入って、来られたらまた後に戻したいと思います。  この外国人排除が国際人権規約に反するという点をお聞きをしたいと思います。  先ほども出されましたが、市民的及び政治的権利に関する国際規約、これで人権規定や平等規定がございます。この市民的及び政治的権利に関する国際規約で平等規定がこういうふうに第二十六条で規定をされております。「すべての者は、法律の前に平等であり、いかなる差別もなしに法律による平等の保護を受ける権利を有する。このため、法律は、あらゆる差別を禁止し及び人種こ「出生又は他の地位等のいかなる理由による差別に対しても平等のかつ効果的な保護をすべての者に保障する。」こういう同じ規定が世界人権宣言にも、経済的、社会的及び文化的権利に関する国際規約にもあるわけでございまして、しかもこの市民的及び政治的権利に関する国際規約の第二条では、各国は人権実現、平等規定実現の義務が規定されているわけでございます。  まず、こういう規定があって、そういう平等規定を実現する義務が我が日本国にもあるということ、これを確認していただきたいと思いますが、そうですね。

丹波實外務省国際連合局長

○丹波政府委員 一般論として申し上げて、先生が引用になられました、先ほど申し上げたB規約の第二条、第二十六条、先ほど私、法の前の平等ということを申し上げたときにはこれが念頭にあったわけですが、加盟国がこういうものを実施するために必要な措置をとるということは二条にも書かれておるとおりでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 そうしますと、その義務に今日本は反しているのではないか、この点を確認したいんですが、二十六条に規定されている平等規定、この国籍による差別が二十六条の「他の地位」に該当するというふうに考えますし、そして今問題になっている在日韓国人等の人たち、この人たちに対する遺族援護法の適用に関しての問題ですが、この遺族援護法による年金というのは国籍のゆえに、国籍があるから支給されるのではなくて、日本の軍務とか、軍務に協力したり軍務についたり、そういう軍務協力業務を提供したゆえに支給される、こういうふうに考えるわけでございまして、そうしますと、それを国籍喪失したことによって遺族援護法の適用から外すというのは、この国際条約に違反をしているのではないか。この点に関して、外務省の見解をお聞きしたいと思います。

丹波實外務省国際連合局長

○丹波政府委員 お答え申し上げます。  先ほどもちょっと触れましたけれども、先生も御承知のとおり、このB規約のもとに人権委員会というものが設置されておりまして、いろんな見解を出しております。その見解を読みますと、合理的かつ客観的な基準に基づく差異というものを設けることは必ずしも二十六条に違反するものではないという見解が示されております。  それでは、個々の、先生が先ほど論じておられる法律がそういうものに当たるのかどうかという点については、これは関係の省庁から御聴取いただきたいというふうに思います。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 ちょっと問題途中ですが、恩給局長が来られましたので、先ほどの問題をお聞きをしたいと思います。  先ほどの問題を簡単に要約しますと、遺族援護法における国籍条項に関して、この国籍条項は平和条約によって国籍を喪失した在日韓国人等の人たちに対しては適用されないという、先ほど厚生省の通達と答弁をいただきました。やはり恩給法でも同じ国籍条項があるわけでございまして、そうすると恩給法の方の国籍条項、ほとんど表現が一緒でございますけれども、これもやっぱり国籍条項には、平和条約によって日本国籍を喪失した在日の人たちに対しては適用されない、そう考えるべきではないか、その点お答えをいただきたいと思います。

新野博総務庁恩給局長

○新野政府委員 恩給制度におきまして日本国籍の保持を恩給権の付与及び存続の要件としておりますのは、公務員と国との特殊な関係に立脚した国家補償的性格を有する制度という恩給の沿革ないし性格に由来するものでございまして、日本国籍の保持というのは戦前からの、この法律大正十二年にできましたが、それからの基本的約束事の一つになっておるところでございます。したがって、恩給法の国籍条項というのはそのまま現在まで有効に作用をしておるというふうに考えております。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 全然回答になっていないのですが、今問題になっているのは、日本の陸軍とか海軍の軍人とか、あるいはその要請に基づいて戦闘に参加した、さらには陸海軍内部の嘱託員とか雇員とか傭人、工員、こういうことによってまさに日本の海軍、陸軍等で働いた外国人について今お聞きしているわけでございまして、もう一度、だからそのことを前提にお聞きしますが、日本の国籍を失ったときは権利消滅するという国籍条項の対象に、平和条約によって日本の国籍を喪失したこの在日韓国人等の人たち、外国人の人たちは入るのか入らないのか、その点お聞きしたいと思います。

新野博総務庁恩給局長

○新野政府委員 お尋ねの昭和二十七年四月二十八日のサンフランシスコ平和条約の発効に伴いまして朝鮮は日本の領土から分離されておりまして、朝鮮半島出身者に例をとりますと、日本の国籍を喪失したということでございますので、これらの者の恩給を受ける権利につきましては、恩給法第九条第一項第三号の「国籍ヲ失ヒタルトキ」ということに該当することにより消滅をいたしておるところでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 そうしますと、同じ国籍条項で、恩給法においては平和条約によって日本国籍を失った人もその中に入る、そして援護法の方に関しては、先ほど確認しましたようにこれはその中に入らない。こんな矛盾、法律によって違う、あるいは省庁によって同じ国籍条項について全く解釈が正反対になる、こういう状態ですね、今現在。その点、ちょっと確認しておきます。

新野博総務庁恩給局長

○新野政府委員 恩給につきましては、公務員が相当年限忠実に勤務して退職した場合、また公務による傷病のために退職した場合または公務のために死亡した場合におきまして、国が公務員との特殊な関係に基づきまして使用者として公務員またはその遺族に給付するものということで、すなわち国家補償的性格を有するものである、こういうふうに理解をしておるところでございまして、そのために公務員との関係ということで日本国籍を有する者という形になっておるわけでございまして、これはそうした公務員との関係という特殊な関係に基づいた制度でございますから、やはり国籍というものは従来から必要であるということになっておるところでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 国籍が必要である、国籍条項があるのは二つの法律とも一緒なんです。そして、陸海軍を中心としたこれらの軍属、準軍属、これらの仕事についていた人に対する援護立法であることも一緒なんです。しかも、国籍条項というその表現自体も一緒なのに全く解釈が正反対に分かれている。一方は平和条約によって国籍を喪失した場合には国籍条項の対象にならない、一方はなる、こういう状態について外務大臣、御見解をお聞きしたいと思いますが。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 これは純法律的な問題でございますから、追って法制局長官からでも権威のある答弁をしてもらいたいと思っております。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 厚生省の方にもう一度確認しますが、先ほどの解釈自体は、今の恩給法に関して、同じ国籍条項に関して正反対の解釈が総務庁の方からなされたわけですが、それを聞いた上でも変わりませんね。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 私どもの解釈は、従来、先ほど申し上げたような解釈で来ておりまして、今のところそういう解釈でございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 これは本来法制局長官にも確かめるべきことかもしれません。  その上で、もう一度外務大臣にお聞かせいただきたいのですが、こういうふうな国籍条項に関する解釈の区分がある。その法律的な問題、解釈の問題は別にして、やはり恩給法等を含めて、同じ日本の陸軍、海軍等の仕事についた人、そしていろんな苦労をして、あるいは体も今も投げ出したような、そういう場合があるわけでございまして、これらに対して全く国籍だけでもって一切援護を拒否しているという状態、これはやはり不合理だ、もう一度検討し直す、こういうことが必要ではないかと考えますが、いかがでしょうか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 検討し直す、どうのという約束はできませんが、本当に今まで長い間、こういう議論は余り皆さんの先輩からお聞きしたことはない。韓国を認めていればもっと早くこういうような議論は、私、出てきたんじゃないのかなという感じを受けないではありません。  今おっしゃるように、朝鮮の人が日本人にさせられて、そしてその子孫が軍隊として徴兵された。それで、帰ってきたが、平和条約とともに国籍を失った。韓国へ帰ってしまった人は、こちらは、賠償じゃないが、経済協力をやって一切の責任は終わりよ。しかし、韓国に帰らずに日本に残っておった、しかし国籍は失ってしまった、そして日本に帰化した人もあれば帰化しない人もあるということですね。ですから、そうすると、人道的な立場から、日本人と同じように兵隊に行ってけがをしたり戦死をしたんだけれども、片っ方は何の恩恵もない、片っ方はある、だから人権上問題じゃないか。要約すると大体そういう御趣旨かなと思って、私聞いてみたんですよ。  だから、先ほど言ったように、もっともだなと思わないわけではない、しかし法律上のいきさつその他いろいろありますから、ここで今はっきりした返事は申し上げられない。どうしてそういうようないきさつになったのかを含めまして、少し勉強をさせてもらいます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 人権感覚にすぐれていると信じている外務大臣でございますので、ぜひ前向きの御検討をお願いをしたいと思います。  先ほどの条約、人権規約等の問題にまた戻らさせていただきますが、遺族援護法、これが非常に中心的な法律なのでこれを例にお聞きしますけれども、これは厚生省の方に確かめたいんですが、国籍があるとかないとかのゆえに支給されるものではなくて、先ほど申し上げました、日本の陸海のいろんな軍務についていた、軍務を提供していた、あるいは軍務の協力をしていた、このことによって支給されるのが障害年金や遺族年金である、こういう趣旨でよろしいですね、厚生省。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 この法律の立法の当時の議論あるいは提案理由説明というようなものをいろいろ見てみますと、GHQの指令を受けて恩給を停止された軍人等、または戦地勤務であったため旧令共済の対象から外された軍属等、こういう方々を救済しようという意図でこの法律ができ上がっているということでございますので、恩給法等の制約条件というのは一応引き継いたような形で立法を基本的には考えられているというふうに理解はされるところでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 恩給法とまさに本質は一緒だと思いますけれども、総務庁の方にはこの質問を通告していないので、遺族援護法の方の形でお聞きしますけれども、今お答えされた厚生省の方で、先ほど指摘しました通達、これは平和条約の発効によって日本国籍を失った者もこの遺族援護法が適用になる、こう明確に答えて、そういう通達を出しておられるでしょう。  もう一度言いますが、日本国籍を平和条約によって失った者もこの遺族援護法が適用される、こういう通達を出しているわけでございまして、だから明確に、国籍のゆえに支給されるのではなくて軍務等の提供をしたがゆえに支給されるんだ、その点ははっきりしているし、通達でもそのことを認めているんじゃないですか。もう一度お答えください。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 厚生省多田援護局長、早く答弁してください。わからないと言ったら、後でまた連絡しますということで答弁してください。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 もうちょっと整理して、また御答弁させていただきたいと思います。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 通達が今ありますので、それをお見せしてもよろしいですが、「個人の意志に関係なく国家間相互の条約等の一方的権力によって国籍を変更させられた場合には適用されるべきではなくこというのは国籍条項が適用されるべきではない、「個人の意志に基づく帰化等の方法によって国籍を失った場合にのみ」国籍条項が「適用されるものと解する。したがって、これらの朝鮮出身者、台湾出身者等はいずれも遺族援護法第三十一条第二号の規定が適用されないから、同法が適用されることとなる」。  もう通達で出されていることをお聞きしているので、前もって私はこの問題についてはお聞きするというふうに通告していたので確かめているのですが、今、通達、その一部引用しているところを持っていますから、見た上でお答えいただいてもいいですが。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 筒井議員、それを見せてやってくれますか。――ありますか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 後刻、調査をいたしまして、お答えしたいと思います。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 先ほど御答弁申し上げたところと同じでございますが、要するに、個人の意志に基づく帰化等の方法によって国籍を失った場合にのみ適用されるということでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 だから、私が確認しているのは、全然別な面で答えているのですが、日本国籍を喪失した人に関しても、平和条約によって日本国籍を喪失した人に関してもこの遺族援護法が適用される、こういうことでよろしいですね。またそういう通達も出している。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 日本国に帰化された方についてはそういうことでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 この通達を私読んで言っているんで、日本国籍を喪失した人も、平和条約によって日本国籍を喪失した人に関しても同法が適用されることになる、こういう通達、こういう文書を出したことは間違いありませんね。しかし、その後で戸籍法の附則があるから別なんだということがありますが、しかし国籍が喪失されているからといってそのことを理由にこの法律が適用されないことはない、国籍がないとしても適用されることとなる、こういう通達を出していることは間違いないですね。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 先ほど申し上げたとおりでございまして、法律の除外規定というのは、給付の除外規定については、これは任意のもの以外はその条項が適用にならないというふうに考えております。したがって……(「通達出したのか出さないのか」と呼ぶ者あり)通達は出しました。はい、そのとおりでございます。通達は、三十七年の十月二十九日の通達というのを先生はごらんになっておられると思います。その後さらに四十一年の十一月三十日の通達というのがございます。そこで具体的にさらにコメントがなされておりまして、「日韓協定の趣旨からは、同日以後韓国籍の者が日本に帰化し戸籍法の適用を受けることとなっても法の適用を受けることはできない」かどうかという照会に対して、それはできないという答えをしております。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 今私が読み上げた通達は確認されたというふうに、まあ当たり前な話でそんなに難しい問題ではないんですけれども、それを前提にお聞きしますが、そうしますと、国籍を喪失したからといって直ちにこの遺族援護法が適用されないとは言えない。ということは、遺族援護法というのは国籍のゆえに支給されるのではなくて、まさに軍務等を提供したから支給される、こう考えてよろしいわけでしょう。その点を確認したいわけです。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 多田援護局長、その後の方の通達もはっきりさせてください。

多田宏厚生省援護局長

○多田政府委員 考え方としてはそういうことでございます。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 そうしますと、外務省の方に国連人権委員会の見解についても前もって通告してありますが、それについてお聞きをしたいと思います。  市民的及び政治的権利に関する国際規約に基づいて人権委員会が国連に設置をされました。そして、人権規定、平等規定、これに対する違反があるとの通報を受けて検討して人権委員会としての見解を採択する、こういう機関でございまして、フランス陸軍の軍務についていたセネガル人の退役軍人、この事件がこの国連人権委員会に一九八九年かかりまして、ここでこういう結論を出しております。  セネガル人が、セネガルが独立したことによってフランス国籍を喪失した、フランス国籍を喪失したために年金の支給額がフランス人の退役軍人よりも低額となった、これはこの国際規約に反するのではないか、こういう事件でございました。まさに日本の先ほどの場合と一緒でございました。ただ違うのは、フランスの場合には、国籍を喪失した人に対してもやはりフランスに対して軍務を提供してくれたんだからということで低い金額ですが年金を支給していた、日本の場合には全く障害年金等をゼロにした、この違いがあるわけでございまして、それ以外、本質的には同じ問題でございますが、これは結局、外務省の方から言っていただきますか。このような取り扱い、国籍を喪失したことによって同じように軍務を提供したにもかかわらず年金額を低めて支給した、これが人権に関する国際規約に反すると人権委員会は判断したのかどうか、その点お答えをいただきたいと思います。

丹波實外務省国際連合局長

○丹波政府委員 先生が引用になられました、このセネガルの独立の前にフランス軍に従軍したセネガル人の恩給の関係につきましての人権委員会の見解は、セネガルの独立によりまして兵士の国籍がフランスからセネガルに変わったこと、それからアフリカ諸国にいる退役兵士やその家族をフランス当局が確認するのは困難であること、第三番目としてフランスと旧植民地とでは経済的、財政的、社会的状況が異なるという、これらの三つのことを考えたとしても合理的かつ客観的な基準に基づく取り扱い、差異を設ける取り扱いではないので、先ほど申し上げた二十六条の禁止する差別を構成するという見解を出したということでございます。そういう意味で、先生が今おっしゃった点はそのとおりだと思います。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 これに基づいてさらにお聞きしたいわけですが、こういうふうに日本の場合と本質的にはほぼ一緒のことについて、国連の人権委員会が平等規定に反する、合理的な区別ではなくて不合理な差別であるという判断をされたわけでございまして、この場合も理由づけも全く、先ほど私が申し上げました国籍による差別は二十六条平等規定の「他の地位」に該当する、そして年金は国籍のゆえに支給されるのではなくて軍務を提供したがゆえに支給される、セネガル人はフランス人と同じようにフランス軍務についていたのに年金を満額支給しないのは国籍による不合理な差別である、こういう結論を出したわけでございまして、今日本は国際貢献等も言いながら、国連中心主義と至言いながら、国連外交とも言い、国連の、世界の水準に合わせるというのが日本の外交のまさに最低限の条件だと思いますが、こういう人権委員会の結論を聞いた上で、外務大臣、どうお考えになりましょうか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 事実関係を一遍総ざらいをした上で、あなたのおっしゃることはよくわかりますから、国連社会において恥ずかしくないようにしていかなきゃならぬなという感じ、感じですよ、感じであります。

筒井信隆日本社会党・護憲共同

○筒井委員 終わります。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 これにて小岩井君、筒井君の質疑は終了いたしました。  午後二時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後一時九分休憩      ――――◇―――――     午後二時一分開議

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。戸田菊雄君。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 質問順序を変えて、まず第一に自治大臣に、予定があるようでありまするから先に質問をさせていただきます。  自治省から企業献金の実態について、政治団体の収支報告をいただきました。あれは誤りありませんね。後で審議の進行に従って政府委員の方からちょっと説明をいただきたいと思うのですけれども、それであと御退席になって結構です。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○塩川国務大臣 報告を受けたものはそのまま記載事項として、報告書として提出しておりますので、間違いないと思っております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 それじゃ御退席願って結構です。  政治改革について官房長官に御見解を伺いたいと思いますけれども、今日の共和、佐川急便をめぐる汚職腐敗、政治への不信は極限に達しておると思います。現職国会議員が逮捕、起訴されても何らの責任もとらない。また、膨大な政治献金が修正申告されたり、罰金三十万円で済まされるような現状に対し、国民はふんまんやる方なしというのが国民の真意ではないかと思います。したがって、諸悪の根源と言われる阿部議員をやはり早期に証人喚問として招請をして、その真相を追求する必要がある、このように思いますが、官房長官、見解いかがですか。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○加藤国務大臣 阿部議員の本院における証人喚問問題につきましては、それは委員会の運営の中でお決めいただく問題であろうと思いますので、政府の方から言及するのには適当ではないと思います。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 恐らくそういう御回答だろう、こう思ったのですが、そこで委員長、大変予算委員会の理事会等の皆さんを通じて御努力なさっているようでありまするが、今見解を述べたとおりでありまして、早期にやはり委員会としても決定をしていただいて、そして阿部喚問を行う、真相追求をやる。それでないと国民は理解できないと思いますね。これはもう明らかにそういう状況を、真相追求をして解明をする、こういうことでありたいと思いますが、要請をして次の質問に移ります。  そこで官房長官、今自治大臣にも伺ったのですが、一九八九年度と一九九〇年度、この二年間の企業献金の実態を、自治省から資料をいただきました。三千万以上、どれくらいの企業献金ございましょう、説明してくれませんか。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○吉田(弘)政府委員 政治資金規正法上の一般論でございますが、政治資金規正法上、企業献金につきましては総量規制もございますし、また個別規制もそれぞれございまして、総量規制につきましては資本金の額に応じまして金額が定められておりまして、個別規制についてはまだ一団体当たり、政治団体に対しては百五十万円ということになっております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 私が今聞いているのは、そういう入りの規制問題じゃないのです。今まで八九年と九〇年度で企業献金がずっとやっておりますね。例えば自動車関連産業とかあるいは通信関係とか銀行関係とか、いろいろございます。そういった三千万以上の献金をしている各業界が幾つぐらいあるか、その点を聞きたかったわけです。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○吉田(弘)政府委員 今ちょっと手持ちに資料を持っておりませんので、調べればわかると思います。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 これは自治省に届け出のあった収支報告の政治団体ですから、間違いないと思います。さっき自治大臣も言っておりますからね。  これによりますと、八九年、総選挙の一年前でありますが、このときに三千万以上献金した団体、企業、これは二十団体ございます。団体と企業。それから、企業関係ですと三十五企業ですね。いずれにしても、こういった自民党に対する政治団体、国民協会、それから派閥の各政治団体、それから個人のところもまたありますね。もういっぱい全国ネットワークで持っておられる。それは野党でも持っておる人もおりまするけれども、しかし自民党が圧倒的に多い。  そういう状況で八九年に、あの参議院選挙のときは三千百四十四億円、それから派閥、ずっと見ますと、これは二十五億円と言われております。個人を含めますとそれをはるかに上回る、こういう状況ですね。ですから、今日の自民党政治のこの金権腐敗というものは、諸悪の根源ここにあると私は思うのですね。官房長官どうですか、見解。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○加藤国務大臣 企業献金がすべての悪の根源ではないかというような御指摘でございますけれども、企業も一つの社会的存在としてそれなりに政治的な主張があり、また行動があるかと存じます。したがって、そこからの献金等が一概に否定されるべきものではないと思っております。ただ、もちろん、そういう企業等からの団体献金というものがある種の節度を持たなければならないことは当然でありまして、そういう意味で政治資金規正法によって限界を定めたり、またその献金を出す方、受ける方もその基準に従って適正にやっていかなければならないことだと思っております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 今の官房長官の説明では私は納得いかないのですね。確かに、企業は社会的に、道徳的に、あるいは秩序的にそういった一定の社会的責任は十分ありますね。ありますけれども、しかし、企業として政権党に献金をする、そういう役目まではこれはないだろうと思う。アメリカにおいてもそれからイギリスにおいても、そういうことは厳格にいろいろな規制をやっていますから、だから日本だけがそういうことを許されるということはないと思います。これは政治の浄化とそれからやはり企業存立の社会的責任、こういう面からいって、私はやはり何らかの規制措置をとっていく必要があるだろう、このように考えますが、どうですか。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○加藤国務大臣 戸田委員のおっしゃいますように、何らかの規制措置をとらなければならないということは事実だろうと思います。したがって、企業の献金につきましては上限を設けたり、それから受け取る方もある種の上限を設けられて規制されているということであって、その意味では、委員の指摘のとおり、ある種の規制をやっているということではないかと思いますけれども。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 宮澤総理が、衆議院の定数是正、政治資金、腐敗防止、国会改革・党改革等々の四点を党の方に指示をして検討を願ったと、こう言うのですね。私はやはり今の状況を見れば、これからまた佐川急便のそういった汚職状況というものもこれは全貌が明らかになってくるでありましょうけれども、そういうものに対応して、やはりこういうものを防止するために、今の政治資金規制あるいは腐敗防止のための各般の対策、これはどうあるべきだということになれば、一つはやはり企業の献金をこれは一切禁止をする、あくまでも個人献金、こういうものに持っていくということであれば浄財ということが言えるのではないだろうか、このように考えますが、どうですか。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○加藤国務大臣 今御指摘のように、企業献金をやめて、そしてすべて個人献金にすべきではないかという御意見とか、それから、いろいろ労働組合等の団体献金もやめて、すべて、天引きもやめて、すべてある種の個人献金だけに、純粋の個人献金だけにすべきではないか、いろいろな御議論が今あろうかと思います。その点につきましては、今我が党内でもいろいろな議論をいたしておりますし、また、近々開かれるであろうと私たちが期待しております各党の政治改革協議会の場で、そこで御議論をいただくのだろうと思っております。政府といたしましても、そういうところでの御議論の結論は当然のことながら尊重してまいりたいと思いますし、その協議会の成り行きを見守っているところでございます。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 今まで幾つか大疑獄事件、こう言われた事件があります。最近の例ではロッキード、しかしこれはいまだに裁判の係属。次に来たリクルート、これもまた裁判係属ですね。今の共和事件、これもこれから裁判に移行する、こういうこと。恐らく佐川急便の各般の事件についてもそういう状況になる。これでは私は、本当の腐敗防止の対策にはならぬだろう。だからやはり先ほど申し上げたように、諸般の真相を追求して、その反省からどうあるべきかということで、政治資金規正法そして汚職防止法あるいは倫理法等々の各般の今の法体系を見直しをして、検討して、そして政治資金規正法についてはあくまでも入りと出を、これを徹底規制する、アメリカやイギリスのようにですね、これはもう厳しくやっていますから。そういう一つのシステム、こういうものをつくることが必要じゃないだろうか、こう一つは思います。  それからもう一つは、例えばイギリスあたりでは、出の方、運動のための支出額、この総額を選挙事務長が当局に報告する義務があるのですね。それはどういう方法をとるかというと、選挙資金で入ってきた入金の方を全部銀行預託をして、銀行預託ですからそこからしか引き出せない、こういうシステムですから、うその報告をやるわけにはいかないのですね。ここまで規制しているのですね。だから、そういう方式をとれば、今後の汚職腐敗、こういうものは一定の撲滅をすることができるのじゃないだろうか、こういうふうに考えますし、それから、そればかりでもやはり不安だというようなことで、さらに刑罰と立候補制限、こういうものをぴしっと規制して、だから違反したらもう政治家としては自滅行為だということを考えますから、そういう買収行為なんというものはやれない、そういう状況になっているめですね。だから、これも日本でも、これまでのこういう各般の事件が起きているのですから、それはできないはずはないと思いますね。  だから、そういうものを盛り込んで政治資金規正法ないし倫理法等々の、仮称ですけれども、これを抜本的に改善する必要があるのじゃないだろうか、こう思いますが、その法体系に対する一定の見解、官房長官どうお考えですか。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○加藤国務大臣 極めて具体的、専門的な御指摘でございますので、本来ならば自治大臣にお答えいただいた方が正確ではないかと思いますが、確かに戸田委員御指摘のように、政治と金、特にその出と入りについては、我々政治をやっている者は確かにいろいろ考え込まされたり悩むところが多いことは事実であろうと思います。これは与党、野党の区別なく、みんなで考えていかなければならないところであって、そういう中で先般の公職選挙法の改正の中では、各種、日本人つき合い社会の中では当然と思われるような寄附行為についてもかなり厳しい禁止規定を入れて立法府を通していただいたわけです。それで今、周知期間等がありまして、かなりその周知には時間をかけておるわけでございますけれども、やはりその法の厳格な適用みたいなことをしていかなければならない、そういった時期に来ているのではないかなと思っております。  しかし一方、その他いろいろ、いかなるところへお金がかかっているかについての議論も今後とも私たちは大いに詰めていかなければならないところはあると思います。また、政治資金の調達の仕方につきましても、いろいろ今御指摘がございましたけれども、出と入り、その双方につきまして我が党でも今議論しておりますし、それから与野党の間でもこれから議論をいただくところでございますので、政府としても、これからいろいろその協議の過程の中で御協力できるところは全力を挙げて協力しながら、与野党のある種の合意に達せられることを心から期待しているところでございます。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 なぜそういった立法化について要望するかといえば、先ほどもちょっと、資料は全部あるのですが時間の関係上詳しく申し上げることはできませんので。  ただ、自治省からいただいたこの「平成二年分政治資金収支報告の概要」というのがございます。これによりますと、五十一年から平成二年までですが、大体一千億単位で表になっているのですが、これを見ますと、おおむね五十一年は六百九十三億円、ずっときまして、やや一千億を超えるのが五十五年、千百二十八億円、五十八年にまいりますと、経済動向もありまするけれども千四百七十二億円、六十一年が千六百七十六億円、六十三年が千七百二十三億円、平成二年、二年前は千八百四十五億円、こうなっているんですね。ですから、企業献金が年々増加している。  こういうものに対してやはり一定の歯どめをかけないと、さっき申し上げたような汚職腐敗的なものに発展する場合がありますから、そういう点でアメリカもイギリスも資産の公開というものを立法、行政、司法、各省庁に全部義務づけました。事細かにその問題についてはやっているわけです。ですから、日本としても政治資金規正法の改革あるいは出と入りの規制措置、その中心はこの資産公開にあると思いますから、だからこの資産公開を、もう少し節度のある規制をしていく必要があるのではないかな、このように考えます。ですから、今のところは閣僚だけですね、資産公開やっているのは。国会議員全員、衆参とも、それから各行政機関の高官と目されるそういった方々、それから司法の高官と目されるそれぞれの方、こういった者に全部義務づけていく必要があるのじゃないだろうか、このように考えますが、これはどうですか。

岩崎純三自由民主党総務庁長官

○岩崎国務大臣 閣僚等の資産公開につきましては、閣議等におきまして申し合わせをいたしまして実施をいたしておるところでございます。それは、政治家が行政の責任者になる、そういった面から、政治家みずからが資産を国民の前に公にいたしまして政治と行政に対する信頼を確保しよう、そうしたことから行っておるところでございます。  なお、国会議員全部等々についても義務づけたらよろしいのじゃなかろうかなという御指摘があったわけでございますが、それは院の問題として十分御検討をいただければありがたい、このように思っております。  それから、高級官僚でございましょうか、一般職の国家公務員につきましては、国家公務員法によりまして寄附金を求めたり受けたり、そういったことはもちろんでございますが、政治的な行為そのものも禁止をされておるわけでございまして、閣僚等の資産公開と同様の趣旨で取り扱うということはいかがなものであるかな、かようにも考えております。特に国家公務員というのは全体の奉仕者といたしましてその職務を遂行するわけでございますので、厳に綱紀の粛正を図っておるところでございまして、これからも綱紀粛正について努力をいたしてまいりたい、かように考えております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 官房長官の御見解は。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○加藤国務大臣 ただいま総務庁の長官から御答弁がございましたように、特に二番目の国会議員の資産公開について検討すべきではないかということでございますが、これは戸田先生、やはりこれは我々政府の方が言うことではなくて院でお決めになる、与野党でお決めになるといいますか院でお決めになることではないかなと思います。  それから、いわゆる高級公務員の資産を全部公開したら、貯金から資産からというような御指摘でございますけれども、これはどうかなと。プライバシーの問題もございますし、それから、いわゆる政治家であれば政治資金との関係、公私の区別というような意味でその資産公開の必要性があるという世論になるのでしょうけれども、公務員の場合には、仮にそれが高級公務員であろうと一般の公務員であろうと、政治資金の流れがあるわけではないし、そういった意味でしっかりとした綱紀粛正をやるということで考えるのがいいのであって、資産公開というのはどうかな、適当ではないというふうに感じております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 官房長官、結構でございます、御退席を。  米の問題について若干質問してまいりたいと思いますが、最初に環境庁長官に、アメリカの科学技術研究所だと思いましたが、そこで今後の地球の気象状況ですね、これは温暖化傾向にいくだろう、こういう判断をいたしておるようでございますね。それに加えて、研究者が、もし仮に北極や南極がこの温暖化傾向が進んでいった場合には海水が五メートル浮揚します、世界のゼロ地帯以下三分の一くらいは全部海水に埋まってしまう、そういうことが非常に農産物生産体制に各般の影響を与えるだろう、こういうことを言っておられますね。ですから今、一カ月くらい前ですけれども、環境庁の予算説明のときに係官に聞きましたら、環境庁としても大体そういう見解をとっています、こういうお話でありましたから、長官の御見解を伺っておきたいと思います。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 地球の変化、環境の変化、気候の変化に対するいろいろな研究があるわけでありますけれども、今一番私どもが注目し権威があると思っておりますのは、UNEPという国連の環境計画と、それから各国の気象をつかさどる役所ですね、日本でいえば運輸省であるとか郵政省とかみんな入りますけれども、その政府間の協議等が一緒になりまして、気候変動に関する政府間パネルというのがございます。IPCCと言っておりますが、そこで出しております知見が一番正しいのではないかということでそれを基準に考えております。そして、ことし話題になっておりますUNCEDが開かれますので、IPCCのつくりました知見をこの間またレビューいたしまして、それが正しいかどうかということでやったのですが、やはり前に考えていたように大変変化が進み、影響があらわれてくるだろうというふうになっております。  そのIPCCが出しております資料によりますと、過去百年で水面は、これは測定してわかるわけですが、十センチから二十センチくらいもう既に上昇している。このまままいりますと、今私どもがここで住んでおります大気ですが、その中のCO2の含有量が年々〇・五%ずつふえていく。それで産業革命前、十八世紀ですね、の時期から比べて、二〇三〇年になりますと、これは違うところの知見ですけれども、IPCC以外から出てきたものですけれども、倍になるであろう。だから、地球の物すごい長い歴史の中で、たった数百年の間に我々の住んでいる大気の中に入っているCO2の量が倍になってしまう。どんどんどんどんまたふえていく。それが地球温暖化を招いているということで、大変深刻な状態が出てきているということでございます。  そして、これから将来のことでありますけれども、このままいきますと、今から百年後には恐らく三度の気温の上昇があって、海面は最大で一メーター上がってくるだろうということでございます。これは南極、北極の氷が解けるということをよく言われますけれども、その影響もございますが、温度上昇すれば海水は膨張するわけです。それで確実に海面が上がってくるというわけであります。  そうしますといろいろな影響が出るわけでありますけれども、簡単に考えましても、今言われたように、非常に島の背の低いモルディブアイランドなんかはほとんど使えなくなる。上海が半分ぐらい水没するという話もありますし、またバングラデシュ等も海岸線はほとんど使えなくなるだろうというような状態が予測をされます。  こういうことになってくれば、もう当然農業にも大変な影響を与えます。気温が上がるということは、そうした物理的な、物理的といいますか、土地がなくなるとかいうことの問題のほかに、雨の降り方も変わってくるだろう。温度が上がれば栽培品目、いろいろな植物もかえなければいけないだろう。病害虫は一体どうなるのだろうか。それから微生物の活動が活発になって、そうした分解や何かでどんなような変化が地面に起こるだろうか。それから地球上の降水の分布が変わるだろう。それから大きな川の流域では、川から海水が上がってまいりますから塩害も起こるだろう、冠水も起こるだろう。大変な変化が、悪い影響が出るだろう。  それを防ごうということで、日本では政府でもって行動計画をつくり、二〇〇〇年には炭酸ガスの排出量を安定化させようということを図り、また全世界では地球サミットヘ向けて、これを安定化させようと今まさに国際会議の準備会が進んでいるところでありますが、まずどういうことが起こるんだということを認識することが大切であって、今先生の御指摘はまさにそのとおりで大変なことだと思っております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 環境庁長官、結構でございます。ありがとうございました。  それで、農林大臣にお伺いしますけれども、最近、二日ぐらい前でしょうか、農水省で国際需給見通し、これを出したようでありまするが、内容はどういうものでございますか。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 需給見通しというような形ではございませんけれども、私ども最近の世界の穀物需給につきまして考えておりますといいますか、見込んでおります点について御報告申し上げたいと思います。  御承知のように、一九八〇年代は総じて過剰基調ということで推移してまいりましたけれども、八八年に北米地帯での干ばつあるいは九一年の世界的な天候不順あるいは米国の減反政策、それから旧ソ連の不作というようなこともありまして、最近の穀物需給は引き締まった状況にあるということでございます。具体的な形といたしましては、穀物の期末在庫率がかなり低下しているということが一つ言われます。これは今お話がございましたような気象的な問題もさることながら、やはり人口増加あるいは消費の増加による要因もございまして、ここのところ八〇年代とは違った様相になっているというふうに考えております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 全中の資料によりますと、総体的には下降ぎみだ、穀物需給体制ですね。各種目別に見ますると、小麦、これは一面ソビエトが不作で、アメリカから相当数の援助、これが行われております。そういう状況で、アメリカも旧ソビエトも下降ぎみだ。減少。大豆等につきましても乾燥その他によってアメリカも不作、減少、こういう状況だということを発表されておりますが、大臣、その辺はいかがに理解されますか。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 私どもといたしましては、短期的な九一年-九二年の予想といたしまして、生産量として小麦の減少が見込まれているということが一つございます。大豆などにつきましては横ばい、あるいは粗粒穀物、これは主としてえさなどに使われるおけでございますが、トウモロコシ、コウリャンといったものでございますが、これが微減というようなことでございます。先ほども申しましたように、そうした生産の問題、これは実はここ二年ぐらい全体の穀物の生産量はかなり伸びているのでございますけれども、それのほかに消費の堅調ということが一つある。これがやはり不安定要因ではないかというふうに思っております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 そういった状況から見ると、地球全体としてやはり農作物の、いろいろ天候その他の事情もありましょう、ありましょうけれども、総じて最近は減少ぎみにある。いわば世界的に食糧は危機状況だ、そういう状況にいくのではないだろうか、こういう予測が大方世界での一致した見方ですね。現に中近東、アジア、アラブ、世界的には五千万人くらいの子供さんが餓死をするというような、そういう状況が出現しているのですね。世界の五億人口が食糧不足で非常に困っている、こういう状況だというのですね。  だから、そういうときに日本が一貫して減反政策を続け、生産縮小方式、こういうことでいくのは世界のそういう状況と逆行しているのではないかと思うのですね。これは農林大臣、どう考えられますか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 確かに自給率の確保ということは大事なことでありますが、日本の場合には価格の安定したといいますか、そういうものにみんなが、例えば米のように、今は自流米が七〇%になりましたが、従来から米は政府が買い入れるということで安定作物という観念が非常に強かったものですから、どうしても米をつくる農家というのが多かった。本当はバランスよく耕作をしていかなければならないわけでありますが、そういうのは政策的にいろいろと今後検討をしなければならない問題だというふうに考えておりますし、先ほど来先生のお話しのように、長期的に見ると不安な要因というものが食糧の場合はあるだろうと思います。ですから、いろいろな状況というものを見きわめながら、これから我が国の農業政策というものをしっかりしたものにしていかなければならないというふうに考えております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 ちょっと前言で訂正をしておきたいものがあります。飢餓人口は五億と言いましたが、これは八億です。八億人です。それから、乳幼児の餓死、これは五千万と言いましたが、千四百万です。御訂正させていただきます。  それで農林大臣、三月一日期限で国別保護削減表、これをガット、ドンケル・ペーパーですね、関税率の内容について御提示をくださいということであったのですね。一応このドンケル・ペーパーは拒否をしたようでありますが。米、乳製品あるいは生乳等々についてこれは拒否をしたようです。これは未来永劫そういう態度でいかれるわけですね。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 御案内のように、日本時間の本日の六時、この国別表を提出をいたしたわけでありますが、基本的な今先生のお尋ねの件については、私どもこの特殊な稲作の状況にかんがみて、また国会決議もありますし、自給自足をするという建前で今これから最大のこの交渉の場に臨むということで努力をいたしておるわけであります。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 本問題については、副総理の外務大臣はどうですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 ただいま農林大臣がお答えしたと同じ考えてあります。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 そこで、内容を子細に検討してみましたが、合意案に示された補助金など国内支持策の二〇%削減、これは受け入れるということですね、政府は。それから、既に関税化している品目については、合意案に示された平均三六%、この削減幅をこれは縮めて平均二四%にとどめることで主張した、以下その幾つかの品目についてあるわけですが、例えば米、でん粉、これは拒否をしたわけですが、既にこの関税化している、当然牛肉とかオレンジとかですね、昨年四月以降実行した、等々の問題もこれは全部含まれると思うんですが、その保護削減によって額にした場合にどのくらいの削減額になるんでしょうね。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 今御質問の国別表の内容でございますが、これはこれからの交渉に入ります交渉事項でもございます。それから、国際的にも取り扱いは秘扱いということになっておりますので、概略の御説明で差し控えさしていただきたいと思いますが、一つは、今お話がございました国内支持につきましては、AMSという農業の支持、保護の総合的な計量手段を用いて削減する、二〇%削減するという案がドンケル案でございます。この詳細につきましては、私ども基本的に受け入れることにはいたしておりますが、この中身としての政策につきましてかなり私ども問題を持っておるものもございます。それは、私ども日本の立場に立ちまして、その辺につきましても日本の考多方を入れてこの案を提出しております。  したがいまして、これはAMSという考え方自体がかなり政策の選択のある、自由度のある削減の方法でございますので、今先生の御質問のような形で金額がどのぐらいになるかということは計算が簡単にできない形になっております。私どもといたしましては、ダンケル・ペーパーで出されたその手法に従いまして、しかも日本の考え方を取り入れて提案をしておりますが、これは政策がけではなくて、内外価格差あるいは政策の対象となっている生産量というようなものがその要素の中に入っておりますので、先生の言われるような形での計算はできませんので、それはそういうことで御理解いただきたいと思います。  それから、国境措置につきましては、先ほど先生もお触れいただきましたけれども、基礎的食糧とそれからガット十一条二項(c)に該当する輸入数量制限品目は関税化すべきではないという考え方に立って提出しております。  さらに、関税につきまして今先生数字を挙げられましたが、私どもはそういう数字になるということでは今のところ考えておりませんで、私どもの考え方に従いまして出しておりますが、それは結果としての数字がどのくらいになるかということにつきましては差し控えさしていただきたいと思います。これからの交渉事項であるというふうに考えております。  以上でございます。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 これは局長、内容は発表できないと、こう言っていますが、もう既にこれ、どうなんですか、私は資料として全中のガット短信というのがありますが、そのガットの交渉状況その他全部記載されている資料を持っていますが、これは公表できないというようなものではないんじゃないですか。それに、ドンケル・ペーパーは一つのドンケルの私案でしょう、私案。だから、そういう私案に対して公式の場でもって発表されたわけですから、だからあくまでも公開方式をとっているんじゃないんでしょうか。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 私、概要につきましては今概略御説明したようなことでやっております。ただ、これは数字にわたるところがございます。そういう点につきましてこれからの交渉に入るわけでございますので、差し控えさしていただきたいということを申し上げているわけでございまして、概要につきましては先生お触れいただいたような概要でよろしいんでございますが、先生のお触れになりました数字につきまして、私ども若干、先年の言われた数字が正しいか正しくないかということを含めて差し控えさしていただきたいということでございます。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 各般の交渉技術等もありましょうから、そういう要請については素直に私も了解しますが、ただ、外部に発表になっているものがあるんですから、この範囲の場合は私はいいんじゃないかと思うんですよ。  それで、一つは、国内支持の削減は、保護の水準を各国共通の指標であらわした総合計量手段、いわゆるAMS、これを使って二〇%減らしますよと、こういうことですね。これは国際共通ですから、公開されているんですから、これは問題ないと思うんですが、それで、我が国は穀物についてはそれぞれの品目でなくて、穀物セクターとして一括削減してもらいたいということを要求した。それからもう一つは、保護削減の基準になる一九八六年以降の米価引き下げなど、この実績とそれらを計算すると、実際の削減率は二〇%小さくなるようだ。それから関税の引き下げ率、合意案で輸出補助金の数量の削減率が二四%なので、これに対して三六%というのは大きいんではないだろうか、バランスを欠きますよ、ですから二四%でいきますよ、こういうことでそれぞれ要請を出した、これは本当なんでしょう。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 AMSという概念を用いまして農業の支持、保護の総合的計量手段を用いて削減をしていくということにつきましては、そのとおりでございます。ダンケル案に書かれている二〇%という数字もそのとおりでございます。これはダンケル案でございます、  ただ、私どもそこから、今先生もちょっとお触れいただきましたけれども、過去の実績をどういうふうに取り扱うかというようなことを含めまして、なお交渉を要することがあろうと思っておれます。したがいまして、先生の言われたことにつけ加えまするとすれば、その問題、あるいは私片も生産調整の扱いなどをどうするかというようなこともございまして、必ずしも先生の言われたような形の数字にはならないということが一つございます。  それからもう一つは、関税の問題でございますが、これは私ども関税の引き下げということをオファーという形で出しておりますが、これは個々の品目にわたりますので、その数字が結果としてどうなるかということにつきましては、今の段階では差し控えさしていただきたいということでございます。ただ、三六という数字を挙げられましたが、私どもの考え方の中に一つ、輸出補助金の削減、これがやはりこの交渉の重要な問題点であるというようなことから、輸出国と輸入国の間のアンバランスの問題なども主張しておりますので、そうした主張に基づきましてこの国別表を出している点もあるということを申し添えさせていただきたいと思います。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 こういった一連の農業保護削減、こういうものが実行されてくる、国際的に。そういうことになりますと、今日本の農業生産、この総額は十二兆円ですね、十二兆円。うち米は四兆円、三分の一を占めているわけです。これらに対してどのような影響を与えましょうね。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 私どもこの国内支持の問題につきます交渉に臨みます基本方針といたしまして、農業政策はかなりいろいろな形で各国違うわけでございます。これは気候、風土、生産条件、その他によって違うわけでございますので、政策の自由度をなるべく残した形でこの削減というものが行われるということを基本方針として臨んできております。したがいまして、この削減の手法といたしましては、先ほど申しましたように幾つかの要素がありますので、今すぐにどれをとってこの削減をしていくかということは必ずしも明確にならないわけでございます。  それからもう一つ、この削減の対象となる政策につきましても、御承知のように線あるいは黄色というようなことで言われておりますが、私どもはなるべく削減の対象としない政策、例えば構造政策というようなものにつきましてはこの緑の政策にしたい、削減の対象としない政策にしたいというようなことで努力してきているわけでございまして、そういう面では生産の増大あるいは維持になるべく影響の起こらない形で政策展開ができるようなことを確保していきたいということが基本的な方針でございます。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 局長の見解、わからないわけではないですが、しかしそういうことで今後具体的に起きる事象は、例えば米価は五年間引き続き下げていきますよ、あるいは良質米奨励金もこれも削減をいたしますよ等々になっていくわけでしょう。その見通しはどうですか。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 先ほどから申し上げておりますように、このAMSという手法によります保護の削減と個々の政策とにつきましては必ずしも結びつくものではございませんので、今先生のおっしゃるような形で、具体的に削減がどういうふうに行われていくかということとはAMSとは必ずしも直接的に結びつくものではないというふうに私ども考えております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 しかし、米価が向こう五年間、昨年は六十キログラム当たり百八円引き下げをした。そういう状況で今後五年間やりたいという発表、農林省じゃなくてこれは食糧庁ですか、一回漏らしたときがありますが、そういう状況でいわばこのコスト論ですね、アメリカの米の六倍以上云々、これを土台にしてそういうことに手をつけたんじゃないんですか。だから、この国際的な国境調整、このいわゆる関税の削減率、これによってやはりそういう影響を受けてくるんじゃないでしょうか。どうなんですか。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 先ほどから御答弁申し上げておりますように、このAMSというのは総量としての支持の度合いを削減していくということでございます。しかも、その中には削減対象となる政策と削減対象とならない政策があるわけでございまして、個々のいろいろな対策あるいは政策との結びつきは必ずしもこの点ではないというふうにお答えしているところでございます。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 時間がありませんから前へ進みたいと思いますが、日本の穀物自給率、一九六〇年度は八二%、世界で一番高かったですね。七〇年度四五%、七五年度四〇%、八五年度三二%、二十五年前のこれは二分の一以下に激減。主要各国の穀物自給率は、カナダ二二二%、アメリカ、フランス、イギリスいずれも一〇〇%を超えていますね。ドイツ九五%。国連各国、百六十数カ国ありますけれども、このうちの百二十五番目ですよ。アジア一帯においても、中国、インドネシア、タイ、各般の国よりはるかに低い。こういう状況で将来いったら、日本の一億二千万の食糧は一体どう確保しましょうね。一たん緩急あった場合に、あるいは温暖化等で世界的な農産物の縮小体制、激減したというようなことになったら、これはどうなりますか、大臣。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 御案内のように、国内で食糧を全部自給できるかというと大変難しいわけであります。そこで、その国際需給が中長期的には不安定要因がありますということを先ほど申し上げましたが、国内生産と、あるいはその輸入の適切な組み合わせを図っていかなきゃならぬという問題が実はあります。もう御案内のように、トウモロコシで九九・九%、あるいは大豆で九五%ぐらいでしょう、大麦、小麦でも八五%ぐらい、これだけ入れてこないと一億二千万の食糧は貯えないということでありますが、カロリーベースでも四七%にもう落ちました。そこで平成二年度閣議で決定しました、西暦二〇〇〇年を目標にして何とか五〇%まで、あと三%でありますけれども、これを上げる。三%といいますが、なかなかこれも最大の努力をいたさなきゃならぬわけでありますが、そのために担い手を育成するとか、あるいはこの生産基盤をもっと規模を大きくしてやるとか、いろいろな努力をして、当面そこまでの最大の努力をいたしたい、こう思っております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 主要穀物自給率は今言ったような状況ですね。農家所得はどうですか。これだって三八%でしょう、現在。三八%。だから農家の皆さんは家計を支えるのには農外収入で食べているのですよ。そういう現状なんですね。だから、専業農家が全体の二%ある、こういっても、専業農家自身がそういう状況ですから、食いようがないのですよ。だから私は、そういう意味で国内の農業というものに対して今やはり抜本的に見直しをして、そして三十六年、農基法制定以来各般の、水田再編対策とかいろいろやってきました。やってきたけれども効率が上がらぬ。逆に縮小生産。ですから、この辺で筋目をつけて、何とかこの自給率も高める、それから農家所得も高める、減反などやめて、そして大量の生産をやっていく。実際どうですか、ことしは不作で、収量は従前一千四百万トン見当生産しておったのですが、米ですよ、ことしは大分減少でしょう、九二%というのですからね。在庫は百五十万トン、これは既にもう一度うですか、余りないのでしょう。そういう状況に陥っているんじゃないでしょうか。だから、そういう点について、備蓄体制も三百万トン以上確保する。政策的にそういういわば農業振興がいけるような、そういう対応策が今ほど大事なときはないだろうと私は思うんですね。どうですか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 備蓄をどの程度にするかというのはいづもこれ議論になるわけでありますが、何分にも天候に左右される不安定な部分であります。ただ、お話しのように、まあ備蓄は多い方がいいということでありますが、かつて四十六年-四十九年は約一兆円この処理にかかった、あるいは五十四年-五十八年のときは二兆円という膨大な金をかけてこの処理をした、こういう経験もありますので、できれば余りこういう財政負担というものをしないようにということで努力をしているわけでありますが、まあ、これはまた別途、本当にどの程度備蓄すれば安全なのかということは議論の余地があると考えております。  それから、農家全体で収入がどのぐらいあるかというと、平均で七百九十九万ぐらいあります。そのうち農業で得る百十一万という、これでは農業でないんですね。しかも、サラリーマン、勤労者の所得というのは六百万ですよ、平均して。それで、第二種の方は八百六十万、サラリーマンよりは高いんですね。その高い中で農業収入というのは四十八万でありますから。専業は七百二十八万で、五百五十万が農業収入。ですから、ここをこうよく分析してみますと、決して、農業はだめだだめだとおっしゃるけれども、よくやっている人も随分いるんですね。で、だめな人はどういうところでだめだかというのをいよいよ私どもは調査し研究してみなきゃならぬ、そういう中で政策というものをどうやって立てていくか。やっぱりもうからぬから若い人たちが後を継ごうとしない面もあるでしょうし、もうかるようにやろうとすると、どのくらいかは別として、適正な規模を何人で耕作していく。  それからいま一つは、水田ばっかりですと周年働くということがないわけです。例えば、一反歩当たりで四十時間、北海道はもっと短いんでありますが、そうすると、三反歩や四反歩持っていると、何週間か働くと後は働かなくていいということになりますから、その余った時間というか、余ってはいないんですが、別な畑作物とそういうものをあわして一年間何か働けるようにしたい。そこで、機械の例えば受委託を受ける、そういう会社をつくって耕作をしてあげるとか、あるいは農産物を加工する工場をつくってやるとかという、農家同士いろんな仕事を考えながらやっていくということにいたしませんと、本当に意欲のある担い手というのは私は育ってこないんではないだろうかということで、おっしゃるように、新しい食料、農業、農村、前近藤大臣のもとでこれスタートしたんでありますが、何とかこれで抜本的にやってみたい。本当に意欲のあるところには思い切った投資ができるようにしませんと、何か全体にぱらあっとやっていますと、いつまでたってもさっき申し上げたような八百六十万で四十八万の農業収入ということではいかぬと思います。そういうふうになると、やる人たちもまた意欲を持って一生懸命やるということになるのかなあと、いろいろと今、春をめどにやろうと。  いま一つは、生産面はこれで一生懸命やりますが、環境はどうかと、農家の。嫁がどうする、どうするという質問を受けますが、嫁も来るような環境にしなきゃならぬ。まあさしずめ道路でありますとか、あるいは下水とかそういうものをやって、もうちょっと本当にすばらしいなという環境をつくりながら、そして、この今申し上げたような政策とあわして、農家の収入というものは一定した、たしかこれならやろうというようなものにしていかなければならないのではないか、そう思っております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 時間が余りないものですから詳細触れるわけにまいりませんが、農林大臣、農林大臣も東北の一員ですから、東北の状況をよく御存じだろうと思いますね。私の宮城もまさに米どころであります。この間おいでになったそうでありますが、ありがとうございました。  その中で、農林大臣はあくまでもドンケル・ペーパーはこれは拒否をいたします、加えて今後米の自由化等々についてもこれは国会の重みを尊重して断固頑張りますよ、こういうことをおっしゃられたのですが、真意はそのとおりですね。  で、私は、アメリカの自由化要請というものは、全米精米業者、この代表なんですね。言ってみれば穀物メジャーの皆さん。農村の皆さんは日本の主張は正しいと言っているんですな。殊に日本から行って、今カリフォルニアでもって大農家経営をやっている鯨岡さん、御存じでしょうが、この人なんか、本を書いて、米の自由化はこれはけしからぬとむしろ言っている方なんですがね。だからそういった要請を政府、通商部にして、で、政府は、ブッシュ大統領はそれをガット・ウルグアイ・ラウンドにこの裁断をゆだねている、こういう状況ですからね。だからアメリカの政府自体もこれらについて直接日本との交渉で言ってきているわけじゃないんですよね。だからそういう経緯を考えること。  それから一つは、今のガット異議等の問題について、私は非常にアメリカは不合理性を持っておると思うんですね。自分の方の国はウエーバー条項でもって十四品目でしょう、この保護政策をとっているんですから。ECは明らかに可変課徴金制度でもって六十数品目でしょう、これ。日本だけがなぜそういった免責条項できないんですかね、この米について。極めて不平等じゃないですか。だから輸出国を主に考えた今回の対応じゃないんでしょうかね。だから輸入国としても、そうじゃなくして、日本の今の現状は確かにそれは農産物保護にありますよ、果物も何も。かつて、中川、亡くなられた農林大臣が、銀座のこじきも糖尿病、こういうことを言われましたが、そのとおり確かに物資ははんらんしていますよ。していますが、これは三人に二人は全部農産物、外国の物で胃袋満たしているんじゃないですか。これが現状ですからね。だからそういうことを考えれば、私はやっぱりこの自由化については断固国会の決定どおり、それはだめですよ、こういうことで十分私はアメリカも理解できるところだと思うんですよ。ひとつ頑張っていただきたいと思うんですが、その態度についてもう一回お聞かせください。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 アメリカがウエーバーを外すのかどうかというのはまだ出しておりませんが、これからどういう形かで出すか出さないかわかりませんが、アメリカにも、私のところに手紙をくれまして、生産者の方々はこれ以上日本の米をたたいちゃいかぬ、頑張れ、こういう手紙もありますし、あるいはアメリカにも、いや、自由化はどんどんさせろという意見もあるし、日本も自由化絶対反対と言う人もあれば、まあ自由化した方がいいと言う人も、さまざまおります。おりますということは、逆に言うと、どこの国にも困難な問題を抱えて頑張らなきゃならぬ部分というのはある。私は基本的に、先ほど申し上げたように、あるいはルールというものはもう、共通のルールで試合するのはいいけれども、何かハンディー背負ってやるということでは、これはだめでございます。ですから、輸出補助金やウエーバーやいろいろなことはそのままにしておいて、私たちだけが裸になれということは、それはできませんということで反対をしておるということでございます。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 米だけで時間とるわけにまいりませんので、最後に一点だけ、今日本の農業後継者、千八百名ということですね。全国の市町村が三千三百あるわけですから、一つの市、町、村、これに一人もいないんですね。結局、ばあちゃん、母ちゃんの高齢者の皆さんがせっせとやっている、こういう状況。こんな状況でいったら本当にどうなりましょう、これもう日本の農業の行く末は決定的ですね。これに対して、やはり若い青年の皆さんは情熱を失っている。意欲を失っている。ですから、そういう面からいっても私ははっきり展望の持てる農政というものをやはり確立する必要があるんじゃないだろうか、こう思うわけです。  それからもう一つは、やはり一億二千万の食糧の安定確保が第一条件でありますから、そういう点について、農水省としてはまだ食糧の展望は、ただ試算として出ているのは、米がこのくらい生産あるいは主要穀物のトウモロコシがこのくらい、その試算表を出しているだけであって、これだけ必要だという確定した食糧見通し、やってないんですね。だからここをやっぱりきちっと一つは打ち立てる必要があるんだろうと思う。そういう点について見解を伺って、次、年金問題に移りたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 やっていただきたいということは私ども持っておるわけでありますが、おやりになる農家の方が嫌だというと計画的にいかない。どうしても、いいというものをみんなやっぱりやるわけでありますから、それをやっちゃいかぬというわけにもいかぬし、そこのところは難しいところでありますが、しかし、さっき申し上げたようにひな形かなんかつくってこういうふうにやるといいですよというものに協力してもらえるというふうにしたい。それも嫌だという人も出てくるかもわかりませんが、まあ、いずれにしても相当規模のものをやっていくというときに、私はさっき申し上げたように、やる意欲のある人たちにはやはり投資していかないといかぬということと、一つは、今先生お話しのように、農業後継者をどうするか。おっしゃるとおり、千八百人であります。Uターンもありますし、あるいは新規に、農家ではないのですが農業をやってみたいという意欲のある人たちもおる。総じて言うと非常に少ないわけでありますが、何といってもやはり意欲、これはやる気がないとどんないいメニュー見せても成功しませんので、意欲と能力の高い青年農業者を育成したい。まあ、本当に将来に展望の持てる足腰の強い農業にしよう、その方法は今新政策検討本部で一生懸命やっております。若干今の人たちには不満がある案が出るかもしれませんが、二十一世紀に向けて、こうなくてはならぬという案をお示しして何とか頑張ってみたい。  それから、農外からの新規参入者、これは意欲あります。ある人たちでありますから、この教育をしたりあるいは農業改良資金制度の改善等を措置して、何としてもこの人たちも農業に参入できる、そういう体制をとっていきたい。いずれにしても、魅力あるものにするということが一番大事であろう、こう思っております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 年金問題について、時間なくなりましたので端的にお伺いしてまいります。  最初に、六十歳以上、一人の場合、消費支出幾らでしょう。夫婦の場合、幾らでしょう。

加藤栄一厚生省年金局長

○加藤(栄)政府委員 六十歳以上の方でございますが、私どもの方では全国の消費実態調査、これを基礎にしております。六十歳以上ぴったりというのは私どもの方で使っておらないので、六十五歳以上の単身無業の方の月々の消費支出でございますが、昭和五十九年調査でございまして、一人当たり九万三千七百円ということになっております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 これは、ちょっと資料出どころを忘れましたが、八九年度の高齢者単身世帯、六十歳、消費支出十三・六万円ですね、十三・六万円。それから夫婦の場合二十・二万円。八九年ですからね、恐らく九〇年度、九一年度はこれより上がっていることは間違いありません、物価も上がっておりますから。上がっておると思う。そういう状況に対して、一九九〇年の、六十一年ですが、いわゆるモデル年金、それによりますと、厚生年金、三十五年加入で月額で約二十万円。国民年金、二十四年加入で月額五・三万円。しかし、厚生年金、九百九十二万人の受給者、この平均月額は十三・八万円。国民年金の場合は七百四十一万人受給者で平均月額が三・一万円、こういう状況なんですよね。今の消費支出からいって、とても食える年金じゃないのですね。ですから勢い退職のときに一千五百万円ぐらい積んでおいて、そうやって利ざや稼ぎその他を考えてやっていかないと食えないのですよ。これはやはり平成七年の公的年金一元化に向けて抜本的に私は改善をしていく必要があると思うのですが、厚生大臣、いかがでしょう。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 公的年金は老後の基礎的な生活費を支えていくというのが基本的な考え方であることは先生御承知のとおりであります。  ただ問題は、後代の人がこれをどうして拠出していくかというそのバランスをとらなければなりませんので、今いろいろ御指摘ございました老後におよそ支出するであろうという金額を推定しながら、そこにバランスをとっていかなきゃならぬということでございます。したがいまして、その必要なものといいますと、例えば食料であるとかあるいは被服費とか住宅あるいは光熱費とか、若干の雑費というものも必要でございましょう。そういうものを今の年金に織り込んで、おおよそ今お年寄りが生活を維持されるに大体見合ったものではなかろうかと私どもは思っておる次第でございます。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 一元化の年金構想については、これは作業は始めているんですか。審議会その他、審議やっているんですか。

加藤栄一厚生省年金局長

○加藤(栄)政府委員 公的年金一元化の進行状況について御説明申し上げます。  平成七年を目途に公的年金を一元化するという目標を政府は立てているわけでございまして、基礎年金の導入その他逐次政策を進めてきたわけでございます。給付、年金額の面につきましては昭和六十年の法改正によりまして、将来に向けまして制度間の公平化を図るということになったわけでございますが、負担面につきましてとりあえず一元化の地ならし措置ということで平成二年度から、当面急がなければならない被用者年金制度間の負担調整を行うこととしているところでございます。この制度間調整事業は平成四年度が終わりますまでに見直しをするということになっておりますので、この制度間調整事業の見直しを平成四年度に取り組むことになりまして、この見直し状況、また各事業の運営状況等の推移を見ながら、しかるべき時期に年金審議会を初めといたします関係審議会での御検討をいただいて、一元化に向けての作業を進めていくことになると考えております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 この機会に大蔵大臣に二点ほどお伺いしておきますが、国家公務員等のいわゆる鉄道年金共済、これは六十一年に基礎年金導入、そういうことで自助努力それから助成方式、制度間調整でもって何とか乗り切ってもらったんですが、この制度間調整が平成五年に切れるんですね、暫定措置。そうすると、平成七年の年金一元化、ここまでどういう状況でこれを持続させるのか、その辺の見解ですね。  それからもう一つは、各般の自助努力をやりましたから、当時三千億自助努力したわけですね。助成体制が半分、国鉄の自助努力が半分、こういうことで乗り切ってきたわけですが、そういったことで例えば定年は五十八歳の前倒し、しかし各般の一般の人は六十歳ですから、そういう状況、それから特昇部分のカットあるいは標準年齢方式をとられましたから、そのことによって積算の十台が減少しました。それによる目減り等々、従来の伝統ある、一番進んでいるという鉄道年金がその点でずっと下落しましたね。だからこれは、一元化のときには何とか修復、復元方式、これを考えてもらいたいな、こう思うんですけれども、大蔵大臣いかがでしょうか。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 鉄道共済年金につきましては、今御指摘がございましたように、例の千八百五十億円、この自助努力されたこと、あるいは平成七年の公的年金一元化、これに向けて地ならし措置といたしまして制度間調整費が千百五十億ということによりまして対応されておるということになっております。制度間調整事業につきましては、法律によりまして平成四年度までの間に公的年金の一元化、これを展望しながらその運営状況等を勘案して見直しを行うこととされておりまして、平成五年度以降の鉄道共済年金対策につきましてもこれを踏まえつつ、必要に応じその見直しか行われるということを考えております。  平成七年の公的年金一元化の際の鉄道共済年金の取り扱いにつきましては、これら平成四年度におきますところの見直しの状況などを踏まえまして今後関係者の間で検討されて成案が得られるというふうに聞いております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 そこで厚生大臣、時間がありませんからずっとカットしてまいりますが、今後の保険料、年金のですね、これは私は非常に逆進性が強いな、こう思っているのですがね。例えば、国民年金は月額八千四百円、今後毎年四百円アップ、将来は一万三千円まで上げる、こういう方針でございましょう。そしてなおかつ、九一年度から学生からも徴収をいたします。しかし、実際は法定減免対象者あるいは滞納者三〇%おりますからね。掛けられない人がいる。これじゃ私は保険にならないんじゃないかと思うのですよね。だから、こういった保険料についてもう少し検討の余地があるんじゃないでしょうか。いかがですか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 ただいまの問題でございますが、この所得階層別の保険料を導入することにつきまして、多様な業態、いろんな業態がございますので、国民年金の被保険者について所得を公平に把握することが非常に難しいのでございますが、それが一体できるかどうか。あるいは、所得に応じて負担する一方、給付にこれは十分また反映させなきゃなりませんので、そういう点において国民の納得を得ることができるかという問題。従来からの保険料が負担できない方々については免除制度もございますけれども、そういった面を考慮しながら現在の制度にしてあるわけでございます。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 時間がありませんで、もうなくなりましたからすべてカットしますが、厚生大臣、一元化の際、今定年六十歳、これを適用している会社は総加入者の六〇%ですね、六〇%。あとの四〇%はまだそこまで行ってないんですよ。ですから、この前六十五歳に厚生省は引き上げようとしたけれども、結果的に六十歳に落ちつけたという理由なんですが、そういった六十歳に到達しない前で年金有資格者、こういった人が仮に五十八、五十五でやめたということになれば、私は即連動して受給者、こういうことと連動させるべきだと思うのですが、これが一つ。  それからもう一つは、今物価スライドでやってますね、物価スライド。あれは二十数年前ですから鳩山主計局長のときですが、私は参議院で本問題を取り上げているんですね。そして、本当は私は賃金スライド制にするのが一番いい、そうすれば現職の収入と年金生活者の収入というのに乖離がなくなる。ですから、そういう意味合いでは賃金スライドにするべきだと思う、賃金スライド。いかがでしょう。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 まず第一点の問題でございますが、御案内のとおり、六十歳まではもう現時点におきましては現役であるという考え方、いわゆるライフサイクルからいたしましても六十歳まではみんなが働ける年齢であるということはもう既に定着をいたしておりますので、そこらあたりを勘案しながら今の制度は決めてあるわけでございますけれども、あるいはまた、政府といたしましては、継続雇用の推進を図るために、厚生年金におきましても在職老齢年金制度というものもまた採用いたしておるわけでございまして、ここらあたりもやはり、払っていく人と支給を受ける人のバランスを常に考えながらやっていくというのが第一点でございます。  それから、物価スライドにつきましては、現在、前年度の物価上昇率にスライドしてその額を決める、さらに五年ごとにまた改定いたしてやっておりまして、それだと生活水準の変化にも対応できるという考え方で、むしろその方がいいんではなかろうかと思っております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 最後に、これは看護婦の職員需給見通しですが、資料は全部いただいておりまするからわかっています。  端的に、時間ありませんから最後にお伺いしますが、現在必要数八十五・一万人、これに対して六万人不足だ、充足率について九二・九%、こういう状況なんですね。こういったいわば看護婦不足が非常に医療の各般の困難さを招来をしている、こういうことなんですね。だから早期にこれは充足をして、そしてさらに勤務条件も週休二日、土曜閉庁、こういったもので緩和していく、そういうことでないといけないのじゃないかと思うのですね。私の調べでは、現在、看護婦の資格要件を持ちまして奥さんやなんかでもって職についていない人が三十万人いる、こう聞いているのです。三十万人。ですから、一番早い充足方式は、そういう資格要件を取った人を対象に、大いにひとつ効率のあるそういう採用、就職等々のあれをやればいいと思うのです。その場合に、やはり生活環境ですね。子供さんを持っておって保育所に預けなければいけないということで行くわけですけれども、そのときに、今の保育料みたいに上限が決められていて、所得割にされて、そして十三万円も最高払うということになれば、これは預けられないですね。だから、等々の生活環境全体も含めて、これらの充足について早期にやはり克服して埋めていかなければいけないだろうと思いますので、その辺についての見解をお伺いして質問を終わります。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 看護婦問題は、御指摘のとおり、厚生省としても一番これは大変な問題だと思っております。  二十一世紀の初頭には百十六万人必要であります。ですから、そこまで到達するためにはもういろいろな問題がありますし、しかももう一つは、レベルアップという、より良質な看護を提供するという意味におきましては、今、約八十万のうちの三十五万が准看護婦ですから、これも自然にやはり少なくしながら正看護婦へと移行していくという、そんな質の向上の問題もあります。  したがいまして、そういった問題を考慮しながら今ずっと計画を立ててやっておるわけでございますけれども、それには処遇の改善もやらなければなりません。今年度の診療報酬の改定にもこれを十分見込んであるのは御承知だと思いますが、保育料の問題につきましても、これは看護婦の子供だけというわけにまいりませんが、十階級に分けまして、生活困窮者なんかは例えばゼロでございますけれども、それがずっと所得に応じて十階級に分けておりますから、おおよそ今の点で何とか保育はやれるのではなかろうか、そういうことだと思っております。

戸田菊雄日本社会党・護憲共同

○戸田委員 終わります。ありがとうございました。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて戸田君の質疑は終了いたしました。  次に、関晴正君。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 真っ先に政治の汚れから入りたいところなんですが、特別委員会が開かれて、どうしても運輸大臣を四時までにそっちによこせ、こういう強い要請がありまして、実はきょう、そんなに長くかからないだろうと思ったのですが、意外なことが起きましたために、一番の質問事項については二番目に申し上げたい、こう思います。  したがって、運輸大臣、おいでですね。――運輸大臣に、実は私、整備新幹線の問題で質問したいと思うのですが、この整備新幹線というのは何と心得ているのだろうかというのが第一であります。少なくとも整備新幹線というものはきちんとつながっていく性格を持っていなければならない。十年計画ででき上がっても、今予定されている内容はきちんとつながる新幹線ではない。そういうことを見ますというと、この新幹線については一考を要する内容があるのじゃないだろうか。特に、新幹線とは名ばかりでフル規格とミニ規格が入りまじって、何といいましょうか、混合新幹線とでも申しましょうか、そういうような新幹線がまたあるわけであります。  特に、この我が国の南北三千キロにわたる国土の縦断が主たる任務として考えられてきた新幹線であります。それなのに、旧路線に二本足をつけて、そうして走ってくれよというような地域もあれば、また、きちんとフル規格で地盤もつくっていながら軌道だけは現行の軌道のままで済ませますよという場所もございます。そういうことを見ますというと、この新幹線を成功させようと言っていくところの願い、思いがどこにあってこれはスタートすることになったのだろうという点についても疑念を持たざるを得ません。  世上、よく整備新幹線のことを、これは政治新幹線だ、こう言いますよね。そうして、政治力の強いところにはミニからフルに素早く変わっていく、政治共の弱いところは長い間の年数をかけてもいつ来るのかわからないという姿に置かれておりまして、おまけに、先ほど申し上げたように四本足が六本足にされて、そうして歩きなさいという格好ですよね。こういうようなことを見るときに、整備新幹線というもののあり方というものが、本当に国民本位に置かれて組んだものだろうか、それとも、長野のオリンピックのために特別に組むことにして、後は附属的なこととして位置づけられたのだろうかという気もしないわけではありません。とにかく、私どもオリンピックのためにつくられいくことについては別に異議を差し挟むものではありませんが、その結果として、長く待っているところが、なおきちんとしたものでないままでつくってあげますよということで置かれているわけであります。ですから私は、この整備新幹線については、ひとつ見直しをして当たる必要があるんじゃないだろうか。  九州新幹線だあるいは北陸新幹線だあるいは盛岡以北の新幹線だというけれども、後ろに政治家の力が入っているものだから、これをきちんと整備するのはなかなか難しいでしょう。しかし私は、奥田運輸大臣ならやれるんじゃないだろうか。特に成田における問題についてもみずから身を挺してあの場所に乗り込んでいく、あるいはまた、JRにおける不当労働行為についても地労委の方針というものについての理解も深まって、これは何とかしなければならないじゃないかという答弁もさきのこの委員会でなされておりました。そういう点からいけば、私は、やはりあるべき姿というものを本当によく考えていただいて、この整備新幹線というものをきちっと期待にこたえられるようなもの、そうして、でき上がってなるほど本当に新幹線だというようなものにしてもらわなければ、金はかける、時間はかける、でき上がったものが喜ばれないというものでは金を投げるようなものになってしまうのじゃないだろうか、私はこう思いますので、そういう点からひとつ、十二分に御研究されての現状であるでしょうけれども、さらに吟味をした上での方針というものを持つことが必要じゃないだろうかと思いますので、含めまして先にお答えをいただければと思います。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○奥田国務大臣 関先生のかねての御主張は耳にたこというほどじゃありませんけれども、よく聞いて、念頭に置きながらお答えさせていただきたいと存じます。  先生がこの東北新幹線、特に盛岡-青森間に関しまして、盛岡-沼宮内閣がミニ、沼宮内-八戸間がフル、八戸-青森間がまたミニ、こんなまだら模様のような形をつくって、国の投資として本当に大きなむだ遣いに結果的になっておるのじゃないかという御指摘でございます。青森県民も含めて、この盛岡-青森間をフル規格でやってくれ、これはもう県民全体の願いでもありましょうし、先生の御主張も、これは県民の皆さんの挙げての声であることもよく承知をいたしております。  しかし、これは釈迦に説法ですけれども、何といったって、これは東北新幹線も大事でございますけれども、九州も北陸も、これは三線を同時に、しかもある程度のめどを、十年なら十年という一定のめどの間にともかく整備しろという形の中で基本スキームをつくりながらこういった結果になったということも、これは御理解はしていただけないかもしれませんけれども、ぜひ、こういった基本スキームができ上がった過程の中に、各地域のもう血の出るような御要望は踏まえながらも、こういう結果になったという形だけは何としても御承知願いたいと思います。  今、政治力の強いところ云々というお話がございましたけれども、これは恐らく、私も北陸新幹線に関与する議員の一人でありますけれども、この高崎-長野間、一九九八年の冬季オリンピックという形に備えてのいわゆるフル規格での大きな、まあ三線同時着工とはいいながら、多額の予算がこちらに引き取られてしまうという実態は御存じのとおりです。これは何といっても、鉄道整備基金、昨年の秋に発足させていただきましたけれども、これから出る果実が、毎年限定された一千億程度の整備基金、こういった実態も踏まえまして、どうかひとつ、盛岡-沼宮内間という形、ミニではありますけれども、八戸-青森間という形、でも、これも先生、ほかの新幹線に走ってきた私たちとしても、まだまだ青森県民の方は幸せだ。これはなぜかといえば、これはやはり乗りかえなしに新幹線がそのままのあの格好でともかく青森まで、東京-青森、あの新幹線がそのまま突っ走ってしまうわけですから、乗りかえなしにやはり四時間ちょっとと、時間的には四時間で寄りかえなしに新幹線の夢が果たせる。私らのところに至っては、これは何かスーパー特急とかと言っていますけれども、これは全然、乗りかえも必要なら、一体いつできるんだろう、高岡―金沢間、まあ調整区間でやってはもらえるけれども、県民には約束をした、そしてあしたから通るような公約もしてきた、結果は、もうまだらどころか、本当に情けない思いをしているのです。まだ先生の方は、ともかくも十年間たてばいい、ミニ新幹線でともかく東京から乗りかえなしで四時間で夢を果たせる。まあ私らの方にも多少の御同情と御理解をいただきまして、どうかひとつ県民の皆様にもむしろ何とか説得していただきたい。そして、これはあくまでもスタートで、フル規格に将来するのですから、フル規格にするスタート行為でもうやむなくとりあえずミニ区間がある、これは完全にフル規格に持っていく形でやっておるんだということだけで御理解を願いたいと思います。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 私は、何も北陸新幹線に行くことを否定しているわけでもありませんし、これに不賛成だということでもありません。ただ、新幹線といいながら、この新幹線が切れ切れ新幹線なんですよね。キリギリスじゃないけれども、切れ切れなんですよ。そうして、つながらない、つながらないけれども、そこに政治家の顔を立ててつくっておこうかというふうに思ったかどうかはわかりませんよ、わかりませんけれども、そういうような節が感ぜられるのがありますよね。スーパー特急、スーパー特急というんだから特急よりもさらに強いのはわかるけれども、新幹線よりはまあうまくない。ところが、中身を見ますというと新幹線ですよね、フル規格の。つまり、地盤がフル規格なんです。そして、線形もきちっとしたものなんです。いつの日につながるかわからぬけれども、いずれの日にかつながるときにはうまくなりますよという、まあ先行投資と申しましょうか、一つのあめ玉と申しましょうかね。だけれども、これはでき上がったからといってきちんとした新幹線じゃないのです。また、今おっしゃったように、北陸の場合は切れ切れもいいところですよね。ですから、そちらの方はちょっと待ってもらっても、こちらの方の急ぐ方は先にやろうかと考えても、この考えが別にそんなに間違ったことにはならないと思うのです。  私は、なるほど基金をつくった、整備基金というもので、これはうまい知恵を働かせたなと思っております。これはさすがにいいことを考えたな、自民党には珍しくいいことを考えたな、こう思っておりますのでもここに、まあもっと具体的に申し上げますと、今、盛岡-沼宮内、この間はミニですよね。沼宮内じゃなくて私はウマクナイと、こう言っているのですけれどもね。そうして、この沼宮内から八戸はフル規格なんです。それで、八戸から肝心の青森まではミニなんですよね。それで、これまでの路盤に、これまでの路線に、そのままにしておいて二本足をつけ加えるわけですよね。六本足になる。幾らスピードの出る能力を持ったって、スピードを出して走れない。  そして極端に申し上げたいことは、この八戸から青森の場合は、今走っている特急「はつかり」よりはわずかに五分より早くならない。しかも、ここに投ぜられる金が千百億ですよ。千百億も投じてわずかに五分より早くならない。そうして言うには、乗りかえがなくなるからいいんじゃないかというのが決まり文句なんですよね。これは、乗りかえのなくなることは望みますよ。望みますけれども、千百億という金、五分縮めるのに千百億といえば一分幾らです、二百二十億ですよ。どこに一分縮めるのに二百二十億もかけるというあり方があるでしょうか。投資効果というものを考えなければならないでしょう。  そうして今、やがてまたフルにすると言うけれども、そのフルの時代はいつの時代になるかといえば、恐らくそこにおられる方はだれもいなくなった時代だよ。みんな大臣やめますよね。そう考えますというと、かねがねのフル規格というのは、あれは八甲田に真っすぐきちっとしたトンネルを掘ってやろうじゃないかということなんです。いい線路ですよね。そちらの方はどのくらいかかるかというと、まあ三千億かかる。そうすると、二千億足せばきちんとしたものができるわけです。そうすると、あなたの計画からいけば、今十年できちんとやると言ったけれども、十年で今のようなやり方をするよりは、よその方はちゃんとやるのはやるとしても、あと二年延ばせば、千億ずつ二年延ばせば二千億は加わりますよね。単純計算です。  そういうことを考えますというと、むだな投資よりは有効な投資の方がいいし、しかもそれは、国民的課題としてこれはやるんだということになれば――何も青森でとまるならば言いませんよ、私は。そうして、あそこには青函トンネルができましたよね。言うなら、日本の技術の粋を尽くした世紀の青函トンネル、これは新幹線規格でこしらえたものです。これが何にも生かされない。北海道の方々も待っていますよ、きちんとした新幹線にしてもらえないのかしらと。だから極端に言えば、一、二年おくれたって、私は、日本の金の使い方からいけばそちらがベターじゃないだろうか、こうも思います。  そういう点からいきますというとまた、岩手における盛岡と沼宮内のわずかのところをミニにするという手はないと思うのです。私は、これは高度な小沢君の戦術だな、こう思っておりますよ。彼が幹事長のとき、なぜ自分の県のところをミニにしてよいということになるんでしょう。選挙区へ戻れば彼は言っていますよ、これはフルにしますと。そういうことであってはいけないと思うのです。みんな、そうだろうな、大丈夫、彼ならフルにしてくれるんだろうな、こう思っていますよ。大政治家ですものね。ところがそうでなくいっちゃったんです。ここがミニにされてしまって進められてしまいますというと、八戸までフルで来ても、八戸から青森も同様にミニだ、こうなってしまうでしょう。  平出海軍大佐というのがおりましたよね。敵を洋上に撃滅するは最高の策、波打ち際で迎え撃つは中の策、陸上に迎え撃つは下策だ。私は、これは中学生のころであったと思いますが、海軍大佐の平出さんの言ったこの言葉が今も忘れることができません。政治家というのも、やはり遠洋において敵を撃滅する、この構え、遠いおもんぱかりがあって事に携わる、これが政治家だと思うのですよ。そういう点からいきまして、私どもは、一、二年のところで、今そういう投資をして喜ばせてもらっても次のことができないなと思えば、これは我慢してもしょうがない。  ところが、今我が国とアメリカの間における日米経済協議のもとで四百三十兆円というものがありますよね。整備基金だけで間に合わせようとすれば無理も出てくるでしょうけれども、四百三十兆円という公共事業のこの構想といいましょうか取り決めと申しましょうか、そういう点からいけばこんなことで、小手先でと言えばなんですけれども、事を済ませておくというのはやはり適当ではないんじゃないだろうか。しかもこの取り決めのときには、みんな、自民党と政府が、実力者たちが集まってそうして取り決めたことです。しかし、二年後、三年後にはもう一遍見直しましょうということも取り決めておりますから、そういう見直しましょうという時点が来年になっているわけですから、今から考えておかなければならないことでもあります。今から取り組んでしまって、見直すときはもうその方法が何にもなくなったということではまた残念でしょうがないわけなんで、ひとつこの辺は奥田運輸大臣、選ばれてなった運輸大臣ですので、これはよほど熟慮されて、国民本位の、国民経済にも即したやり方で進めるというのが大事なことじゃないだろうか。これはお隣におる大臣も、特別このことについては張り切ってミニからフルに切りかえる功労者でもありましたからよくわかっていると思うのです。ですから、その点で、ひとつ奥田運輸大臣においては十二分に御考慮いただきたいものだ、こう思いますので、重ねてお答えをいただければと思います。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○奥田国務大臣 先生の御卓見を念頭に置きまして、なおかつ運輸の行政を預かる立場からいいますと、この基本スキームに従いまして、三線整備の促進に全力を尽くしてまいりたいと存じます。申しわけございません。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 もう一つ聞いておきますけれども、我が国の五十万都市間においてなお複線のないのが青森-弘前ですよね。大学があり県庁所在地があり、そうしていながら複線がまだできていない。この複線は、さきに国鉄総裁をされておった方がやると言ってなかなかやってくれない。幾らか手をつけたけれども、進まないままとまっておるわけであります。そういう点からいきますというと、私はやはりこの複線の問題で、五十万都市間を単線にしておくという手はない。まるで立派なところを、キツネやカラスの飛んでいるところは複線になっておるけれども、人のおるところが単線なんですよね。そういう点からいっても青森県は――私は本当は県のために物を言うのじゃないのです。いかにこの行政の姿勢が曲がっておって、おとなしい青森県が粗末にされているかということを御披露申し上げながら、これなんかきちんとやってもらわなければならない、こう思うのでありまして、あとまだまだ申し上げたいことがありますけれども、その点だけでお答えをいただければと……。

奥田敬和自由民主党運輸大臣

○奥田国務大臣 青森-弘前間が単線区間であるという形において将来の五十万都市……(関委員「将来じゃない、現在」と呼ぶ)現在、はい。その点に関しましてはうんと前向きに検討さしてもらいます。  と同時に、ただ青森-弘前しかないと言うたことに反論するわけじゃありませんけれども、長崎-熊本間、これはもちろん大変な中核都市でございますけれども、ここもこれ双方合わすと百万都市ぐらいだけれども、単線区間であるということも……(「大分-宮崎もそうだ」と呼ぶ者あり)ああ、そうですか。そういうことで、何も政治的に青森-弘前だけを粗略にしておるわけじゃないということを御理解ください。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 長崎と熊本の話を持ってきてお答えになっても、これはうまくない。弘前-青森、間近なんです。あなた、三十七キロですよ、たった。この三十七キロを鈍行列車が五十分以上かけて走っているのですよ。どこにこんな姿がありますか、日本の国の中で。そうして放射能のごみだけはどんどんどんどん来るというのでしょう。核燃サイクルだけは進めようというのでしょう。踏んだりけられたりですよ。こんな青森県にたれがしたと言いたいところですから、まあひとつその点は十二分に考えていただきたい、こう思います。  その次は、今度は第一の問題についてお尋ねしたいと思うのです。これは政治浄化にかかわる件であります。  私は、とにかく今日、我が国の政治がこれほど公に、汚れ、そうして話題にされているときはないんじゃないだろうか、こう思います。どうして阿部文男を喚問しないのだろう。どこへ行っても言われますよ、これは自民党のエゴじゃないだろうかって。あるいは宮澤のエゴじゃないかしらと言われますよ。泣いて馬謖を切るという言葉がありますよね。やはり泣いて馬謖を切るという構えがなくては、国の最高の地位にある人たちの責任というものは私は果たされないと思う。そういう意味においては、ぜひとも阿部文男代議士については喚問をしてもらいたいし、これをぜひひとつ実行できるように要求したいと思いますので、委員長、よろしくお願いしたいと思います。  その次、私は佐川急便の問題で、今、佐川急便から金をいただいたと言われる政治家、どのくらいあるのだろうか。言われているところによりますというと、まあ二百人近くあるんじゃないだろうかと言われておりますね。二百人近くあるうちの大部分は自民党。大部分は自民党。野党にもまた幾らかあると言われております。野党にも幾らがある。私の方にもあるかもしれませんよ。(「あったんだ」と呼ぶ者あり)あったと言うけれども、あったのは、まあ弁解すれば、権力に癒着するようなものでもないし、また面倒見てやったわけでもないし、面倒はいただいたけれども、その点については、やはり時節柄適当ではないというのでお返しをしましたよ。お返ししたのは、何も鈴木さんのまねしたり、塩崎さんのまねした。したんじゃないのです。全然質が違います、質が。  そこで私の申し上げたいのは、こういうような金をいただいて、そうして何の届け出もしないで平気でそれぞれの派閥のボスだという諸君たちが手にしているんだとすれば、これはやはりきれいにしてもらわなければならないんじゃないだろうか。せめて、きょうここに本当は宮澤さんがおられれば宮澤さんからお聞きしたいところなんですが、きょうは筆頭の、ここの場における筆頭大臣は副総理の渡辺さん、副総理ですからね。そこで、副総理は佐川からお金幾らからょうだいしていますか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 私は、質のいいお金はちょうだいして差し支えないと思っておるのです。ただ、残念ながら佐川さんからはちょうだいした記憶がございませんが、何か御質問されるとすれば根拠があって、疑うに足る十分な何か心証があってお尋ねしているんだろうと思いますから、この場で教えていただきたい。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 その次に、山下厚生大臣、いかがです。佐川の方からいただいていますか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 もらっておりません。よろしければ、この前私に御質問ございましたから、二、三分ちょうだいして説明したいと思いますが、よろしゅうございますか。  佐川から、もちろんございませんが、ただ九州佐川は私が福岡の空港から佐賀に帰る途中にあるのでございますよ。したがって、道筋だから時々寄ったりいたします。そして私が何か最近新聞に、そこから高級車を提供されたように書いてございますが、これは全くの間違いでございます。  それはどういうことかと申しますと、九州佐川は佐賀の隣ですから、しょっちゅう、福岡にありますから時々寄ったのでございますけれども、そこに佐賀の者もいっぱいおりますから。たまたまそこの社長が表に出るときに、ほこりがいっぱいかぶっている、これはベンツですよ、だれも乗らないから、あなた乗りませんかと誘われたことがあります。二、三回誘われましたよ。それで、運転手に聞いたら、左ハンドルもいいじゃないかというから、じゃ乗ってみようかというわけでお借りしましたが、ただ、借りだというのは交換ですよ。私が、うちの運転手がその日に私のセンチュリーを持っていってそれをお借りして、私が三月後に返すときにそれを返して、その日持ってきた。しかも私の方が程度がうんと新しいし、それは佐川でも中級車でございまして、六年ぐらい乗っていたんですが、交換すれば私が幾らかもらわなきゃならぬというようなことでございまして、それが新聞等にあらわれますと一方的に私が何かもらったような、私はそういう新聞記事に対して非常な義憤を感ずるわけでございまして、その一例だけでございまして、その点ははっきり申し上げておきます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 渡辺秀央郵政大臣はいかがでしたか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 私は、先日も、たしか和田先生だったと思うのですが、御質問いただいたときに、ちょうだいいたしておりませんとお答えをいたしてあります。念のため、後援会にも入っていただいておらない。そしてまた、政治献金もちょうだいしたことはないというふうに申し上げておきましたが、きょうもそのようにお答えさせていただきたいと思います。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 渡辺大臣に対しては、郵政大臣に対してはさらにお尋ねをしておきたいと思っております。  私は、あなたに対して、二月の二十四日の委員会における質問では、多額の金を入学資金にかかわることでお礼としてちょうだいしておる、こういうようなことは本当に教育界を毒することだから、あなたに今晩一晩お考えになっていただいて、大臣の職から退くようにという勧告をしたわけなんです。  あれから一晩どころじゃない、ちょうど十日ですね、十日たちました。そういう意味で毎晩お考えになったと思うのですけれども、あなたのお気持ちは、断固として大臣の職責を全うするためにはやめないんだ、こう思っておられるのですか。それとも、この予算委員会でも終われば、この際やめようか、こうでも思っておられるのですか。その点聞きたいと思うのですが、どうですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 お答え申し上げますが、先日、先生から強いおしかりをいただきました。本当にあそこにそのリストとして載っていたような多額なものを私がいただいて、入学という相談を見返りにいただいていたということであるとすれば、これは先生のおしかりをいただき、かつまた、私も考えなければならない一面があるだろうと思うのです。  だけれども、私は、あのリストはちょうだいいたしましたが、あれはまさに全然私の承知していないリストでありまして、政治資金規正法の方と実は合わないのです。ですから、私はそういう意味において、先生にも、あるいはまた今までの私に対してのいろいろな御指摘をいただいた先生方にも、この場をかりまして御説明、釈明させていただいてまいりましたとおりなんであります。ただし、先生がおっしゃられる趣旨は、まさにそういうことを指摘されることがいわゆる問題があるのではないか、こういう御趣旨だろうと私受けとめて、今答弁に立っているわけです。  私自身も、確かに自分の不徳であり、あるいはまた私自身の人間的な至らなさ、そういうものがある。きょうも逓信委員会で随分おしかりいただきました。しかし、私は、政治家として、今この問題について償いをするということを考えましたときに、何とか今大事な郵政業務の中で、郵政行政の中で、誠心誠意、お許しをいただいて職務の遂行をさせていただきたい、これが私の今の責任を果たすべき態度ではないかと思いまして、毎日実は苦しいのですけれども、これは本当におしかりをいただいて、そして釈明をしながらも、しかし一面においては、郵政行政の大切な時期だと前向きの、非常に大事な時期をとらえて、私もそのことに対して国家国民に対して役に立っていきたい、こういう心境で、先生のおしかりをいただいた今日まで考えてはまいりましたけれども、どちらかというと、責任を遂行していくことの方が今私に与えられている責任だ、こう考えておる次第でございまして、何とぞ御容赦のほど、お願いを申し上げたいと思います。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 ひどい人もあるものですね。とにかくどれほど自分が支援を失っているかということにこの人は気づかないですね。宮澤内閣のために何ほどマイナスになっているかわからないということもこの人はお感じになっていないようです。  さらにもう一つ、今あなた、合わないところがあると言いましたね。どこが合わないのですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 詳細なことはちょっと申しわけございません、ここでちょっと答えられないのですけれども、しかし申し上げてきたとおりでございまして、全面的に私は多少の浄財はいただいてきたと、あるいはまた私の支持者が私のところに相談に来るわけですから、そのことのことは……(関委員「合わないというのは何か、合わないというのは」と呼ぶ)はい。大きな金額は全く承知しておりません。承知しておりません、一千万とか二千万と書いてございましたが。しかもまだ、該当者もいないようでございます。私の、実際――いえいえ、それはあそこに、リストに載っておりましたので申し上げているわけです。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 この人は、具体的に今一千万円と二千万円のところは合わないとおっしゃいました。ということは、あとは皆、合うわけですよね。そういうことからいきますというと、とにかく大変な入学試験に当たって働いた方です、この人。しかし、その働き方というのはちっとも褒められることじゃない、これ。大変な間違った働き方をしております。  そこで、実はきょう出た週刊誌。週刊誌を基本にして物を言うのは余り適当ではないのですが、しかしながら、週刊誌といえども役に立つ部面があります。本当によく教えていただいておるなという部面もあります。きょう出ているところの週刊誌の中に、これはなかなかいろいろ書いていますよね。これはごらんになりましたか。ごらんになった……。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 午前中の質疑で小岩井先生にもお答えをいたしましたが、一読はいたしました。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 この中の記事でどこが間違っているんですか。事実は、相たがうところはどこです。御指摘ください。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 ちょっと先生、週刊誌のそれをひとつ、一々ここでこれが違うあれが違うと言うことは、まあ御理解いただきたいと思うのです。大きな問題点としまして、午前中御指摘を小岩井先生からいただきましたのは、リクルート社からのその二百万円の問題でございました。私は、しかも、これ、リストみたいのがございましたので、その週刊誌にですね、それは私としては調べてみたけれども、そういう私自身がその事実を確認することはできなかったということを申し上げたわけです。それから、もっと深く、もっとそういうものの実体、そのもの自身を見せていただいて調べようにも、実はそのものもないわけでして、調べようがないというもどかしさもございますということも申し上げました。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 暴力団から寄附をいただいたと書かれていますが、これはどうです。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 それはもう全く私は承知しておりません。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 承知してないということは、ないということか、あるけれども知らないということか、どっちです。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 それは、ないということでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 あなた、これほど書かれて、これほど書かれて、ないならば、この相手を当然名誉棄損で訴えるべきだと思うのですが、その点どうです。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 これももうとにかく四回、五回でしょうか、こうやって私も全く自分でもざんきなことでございます。しかし、これはすべて私と秘書との信頼関係、人間関係が間違って、感情のすれ違いになってしまったということから出発しましたことですから、これはもう全部あの秘書が、言うならば感情に走ってそして話をしている面もあるということも私は間接的に聞きました。そういう意味では、私は他を非難することではなくて、秘書そのものも非難することではなくて、そういうところに追い込んだ私が一番至らない。これはもう本当に私の不徳である。不明ではなく不徳である。そういう意味で、私が週刊誌をどうのこうのしたり、あるいはまた感情に思ったり、あるいはまた秘書に対しても本当にそういう意味では、まあ何といいましょうか、私の足りないところのことをいさめることの方が先でありまして、これも大きな、人生における自重自戒の、私のこれからの大きな荷物といいましょうか、そういう意味で、これからの政治活動にこの体験というか経験を、本当に身を律していく大きなエネルギーにさせていただきたいというふうに思って、今の段階では全くそういうことも考えずに、ただ自分をいさめているというのが実態でございます。おわかりいただきたいと思います。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 まあ、たまげたと言う以外にこの表現の方法がないんですけれども、政治家の倫理というものをどう考えているんだろうかと疑わざるを得ません。  そこで、国家公安委員長、国家公安委員長に聞きたいんですけれども、暴力団とつき合っていると言われても、相手を名誉棄損でございますと言って立ち向かってもいけない、それから入学試験における便宜を図ったということでちょうだいしている金についても、返そうということもない、そうして秘書が秘書がと言ってた、平然としておる、こういうようなことは、内閣の一員として置くことがどうかということは、これは渡辺副総理に聞いておきますし、自治大臣、国家公安委員長については、こういうような多額の金をいただいておいてなお平気でおるというようなことなんかは許されない行為じゃないだろうか、こう思いますので、国家公安委員長としてこれをどう見るかという点についてひとつお答えをいただきたいと思います。二つ。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○塩川国務大臣 実はいろいろと週刊誌あるいは国会の質問等で出ておりますけれども、私はまだ警察当局から警察当局が捜査をしておるとかそういうことは全然聞いておりませんし、またその事実はどうなっておるかわかりませんので、今この席で軽率なことは申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 副総理は何にも聞いていないようだから。こういう者があなたの内閣の中におって、あんたは総理じゃないから、副総理だから、副総理としてこういう者を大事にしておいて、そうして内閣がもっていくなんということについては大変な支障があるんじゃないだろうか。そういうことを考えますというと、副総理は総理を助ける立場ですよね。総理がなかなかやめろとも言えないならば、副総理は殊のほか件もいいように私は思っておりますので、本当の友人としてこの際勧告ぐらいしたらいいんじゃないだろうか、こう思うんですが、どうですか。辞職勧告ぐらいしたらどうです。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 私は副総理としてお答えすることはできません。それは総理大臣が飛行機でこう飛び立った後は私が総理大臣代理でございますが、いる間は権限がございませんから、友人といたしまして、いろいろお話を承って、私はやはり、渡辺郵政大臣が言っていることを信用せざるを得ない。しかしながら、このような騒ぎを起こしたことは、本当に我々も仲間として申しわけない、そういう気持ちではおります。本人もよくそれは感じまして、たびたび針のむしろに座るような気持ちでここでおわびを申し上げていることでございますので、まあよろしくお願いを申し上げます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 針のむしろなんてちっとも座っていませんよね、針のむしろなんてあるもんじゃないもの。じゅうたんの上を歩いているじゃないか、赤じゅうたんの上を。そういう点からいけば、本当に針のむしろの方に座らせる必要があると思いますよ、これ。そういう点からいけば、私はやはりこの際、我が国の政治の名誉にかけても、こんなことはやっぱりやっていられないなあ、こう思ってさっさと下がるのがあなたの選ぶべき道だと私は思いますよ。十日たってもまだ考えが至らないようであれば、またきょう一晩考えてだな、決意された方が私はいいんじゃないだろうか、こう思います。  次に、綿貫幹事長ですね、自民党。この方が明電工から一千万円をいただいている。これは前のときにも申し上げました。ちっとも届け出もしていない。これは自治大臣、どうします、これ。そういうものがあっても自治大臣は放置しておくんですか。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○塩川国務大臣 その件についてはまだ報告を聞いておりませんので、お答えできません。(関委員「ちょっと、もう一回」と呼ぶ)それは報告聞いておりませんから、お答えできません。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 聞いておらないということは、じゃさらに尋ねますが、六十一年の衆議院の選挙のときですよ。その選挙が終わってもう六年になりますよね。六年近くになります。そういう意味から、そういうようなことを先般の明電工における判決の文書の中に、附属文書の中にあるわけです。それはこの間私、聞きましたよ、あなたに。聞いて、ここで申し上げておきましたよ。ですから、聞いておらないなんというよりも、十日もたっているのに調べてもいない、感じてもいないというのであれば、幾ら味方だからといって放置するのは私はどうかと思いますから、そういう場合にはどう処置するのが適当なのか。法律上どうにもならないものなのか、それとも指導すべき内容があるのか、この点をひとつ聞かせてください。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○吉田(弘)政府委員 私ども、今御質問の事実関係については承知をしてないわけでございます。  収支報告上の問題でございますが、綿貫幹事長の指定団体でございます民峰会の昭和六十一年分の収支報告につきまして官報により確認をいたしましたところ、明電工からの寄附の記載はございません。また、昭和六十一年分の保有金の収支報告についても同様に確認をいたしましたところ、収入、支出ともゼロということでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 そうすると、この後の届け出の方法というものは、わかった場合にどういう方法で届けるものですか。届けなくてもいいものになっていますか。その点をお答えいただきます。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○吉田(弘)政府委員 事実関係を承知しておりませんので、その問題に即してのお答えはできないわけでございます。  一般論として申し上げれば、政治資金規正法上、政治資金の収支報告の保存期間は要旨の公表から三年間となっておりますので、それ以前の収支報告書を訂正するというような仕組みには法律上なっていないということでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 ある意味からいけば時効みたいなものになっているというのが今の答弁じゃないだろうか、こう思うのです。これだというと、届け出をしないで三年過ぎればどうなってもいいということでしょう。これはやはり法律を直す必要がこの辺にもあるのじゃないでしょうか。どうですか、自治大臣。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○吉田(弘)政府委員 政治資金規正法上、法律上の仕組みは今御説明したとおり三年間の保存義務ということでございますので、それがそれ以前の収支報告書の訂正という仕組みにはなっていないということでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 だから、なってないということはわかったのです。とすれば、三年間わからないままに過ごせば幾らいただいても構わないのだということになるでしょう。そういう法律だとすれば、法律に欠陥があるのじゃないでしょうか。書類の保存の期間とその効力の問題とは私はイコールではないと思うのです。ですから、いやいや忘れておったというならば時間がたってもちゃんと届ける、こういうふうにしたらいいのじゃないか、させたらいいのじゃないだろうか、また法律の運用もそういうことになりますというふうに理解すればいい、こう思うのですが、その辺はどうです。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○吉田(弘)政府委員 政治資金規正法上はそういう個々具体の事実に即して、それに応じて法律が規定されておりますので、それに従ってそれぞれ処理されるべきものということでございまして、今申し上げたのはその収支報告上の訂正の問題でございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 ちょっと今のお答えというのは非常に誤解を生むのじゃないだろうかと思うのです。  もう一遍確かめます。保存の期間が三年であるけれども、三年後にわかった場合でも、そうすればそれは届け出なければならないものである、こういう解釈でいいのですか。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○吉田(弘)政府委員 法律上の仕組みといたしましては、収支報告書は三年の保存義務でございますから、三年以前のものについて収支報告を訂正するということにはなっていないわけでございます。事実がどうであったかということは別でございます。     〔委員長退席、中山(正)委員長代理着席〕

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 大変な問題が中にあるようでございますけれども、この論はまたひとつ自治大臣のところで今のような問題はどう扱うべきであるかということで検討していただきたいし、こういうことであれば、三年逃れればもう構わないのだということになるならば、うまく三年逃げておった方が得だということになる、これはうまくないですよ。当然そういう点からいけば法律の是正が必要だし、運用においても考えなければならないものがあるんじゃないだろうか、こう思います。  とにかく私は、今日、政治家の汚れが政治を汚しておる。政治を浄化するためには政治家がきちんとしなければならない。そういう点について、政治改革のための具体的な法案をとにかく十二分に吟味をして――本当に大臣なんというものは国民のかがみなんですからね。国民のかがみなら瑕疵一つあったって去るというのが建前だろうと思う。傷だらけでもなお頑張るなんというのは、これは戦ならいざ知らず、政治家の道というものを考える場合にはさっさと去るものです。私は今の内閣に特にその点を求めたいし、この後佐川でいろいろと出てきた場合は、もうこれはさっさとやめるか職を去るか、そういうような気風というものをっくらなければならないと思う。これは法律以前の問題です。まあ自民党にそれを期待するのは無理だと言う人もあるけれども、しかしながら、無理だといっても現実に政治の頭にあるわけですから、これは大いに自制し、信頼を回復するのに全力を傾けていただきたい、こう思いますので、総理はおりませんが、副総理を初めとして、ひとつ閣議においては特段の御注意の喚起と心構えの指導と、そうして去るべき者は去るように決断をしていただくように、これは希望をしておきたいと思います。  思いがけなく時間をとってしまいまして、大変に残念なんでありますけれども、通告しておりましたところの問題について通産大臣にお尋ねをしたい、こう思います。  私は、先般は、我が国のエネルギーのもとに夢の原子炉ということでプルトニウムを考えておるけれども、決してこのプルトニウムというものは立派なものじゃない、これは悪魔だ。夢の原子炉じゃなくて悪魔の原子炉が夢にされておったのでは私は正しくない、こう思っております。この点については副総理においても、プルトニウムの問題について、あるいは大蔵大臣においても、プルトニウムがいいものだと思ったりしてむやみやたらに金をかけることだと思ってはうまくない、私はこうも思いますので、十二分にひとつそこは考えていただきたい、こう思います。  今日、とにかく太陽の光、この太陽の光が当たれば電気が泉のようにわいてくる、こういう時代に今なりました。また、通産大臣はこの間電気カーに乗って、ああこれはいいものだな、CO2も出さないし、空気も汚さないし、これに乗って選挙運動するのも必要だなという言葉もお吐きになったようでありまして、この言葉がどこかの予算の部面にあらわれることがないものかとひそかに期待しておりました。そうしましたら今度の予算の中に、太陽光発電を取り入れる施設に対しては三分の二の補助をする。いいことです。去年この問題で私は前の通産大臣に分科会で申し上げました。ぜひ太陽光発電の時代をつくるために国の補助をして、そうして力になるようにし、広げるようにしたらいかがですか。前通産大臣もそのことについては同感の意を表しておりました。具体的に今度、渡部通産大臣がこれを具体化したわけでありますから、私はこの太陽光発電に取り組んだ姿勢について高く評価したいと思っております。  それで、残念なことは、金額がわずかに八億四千五百万ですよね。三分の二の補助率というのは私はまあまあと思いますが、わずかに八億四千五百万円ということになりますと、実施の数が大した数じゃない。ですから、モデル的に取り組むということなんですが、もっともっと大きく取り上げていただきたい。ドイツでは、二千四百戸の個人の家について七割補助でやろうといって、今九五年を目指して二千四百世帯にやろう、こう張り切っておられます。またスイスにおいては、我が国の太陽電池をとにかく輸入しておりますよね。また、アメリカも使っておりますよ。ドイツも使っております。  そういう意味からいきますというと、我が国の本当に頭脳を傾けてつくったこの科学の成果である太陽光発電、そして太陽電池、これにぞっこん力こぶを入れるのが、言うなれば、放射能の汚染から、あるいはまた火力発電からくる空気の汚れから今や地球を守らなければならないという、環境を保護しようじゃないかというこの時代に沿うのには一番いいものじゃないのか。まあドイツは二千四百戸対象にしてやるというのだが、ひとつ渡部通産大臣、日本は一万戸ぐらい対象にしてやろうかということも考えていいのじゃないだろうか、こう思うのです。  そうして、原子力発電によって百万キロワットを今つくろうとしたら、どのくらい金がかかるだろうか。大変な金です。三千億や四千億ではできません。ましてや高速増殖炉なんということになりますというと、目の玉が飛び出すほどの金で、そうしてむだだということになるものですから、やられるものじゃありません。同じ金をかけて百万キロワットの発電の施設、そういうような力を、ここにパワーを国民に供給しようとなればどのくらいかかるだろうか。私は、今の計算でいきましても原子力発電所の金の半分ぐらいで済むんじゃないだろうか。原子力発電をつくるのに仮に四千億と見ます。一キロワットがまあ四十万、標準でいけば三十万となっていますが、四十万。百万キロワットの太陽光発電の力を国民に供給する、そういうことで考えていけばどういう計算になるだろうか。これは私も素人でありますから軽々に申し上げるわけにはいきませんけれども、少なくとも今日、太陽光発電における一ワットの値段というものが、今から十年前は三万円でしたよ。それが二万円になり一万円になり五千円になり三千円になり千円になり、今や七百五十円というところまできたでしょう。あと十年もすれば百円の時代が来ると思います。また、百円の時代をつくらなければなりません。それがためには黙っていてはできませんので、そういう部面についても国民にこれを普及していくという姿勢。  それから、この自家発電が取り入れられた場合には、電気事業法についてもやはり取り組みを考えてもらわなければならない。昼は使えるけれども夜は使えない、こういう場合には、夜は電力会社の電気系統につなぐ、昼電気が余った場合は余剰電力は電力会社に買ってもらう、売電、買電が十分できるようにしなければならない。これも長い間の願いでありましたが、来月からはこの道も開かれるやに聞きますけれども、そういう電気系統にかかわる連系の問題についてもどこまで取り組んでおられるものか、あわせてひとつ大臣からお答えをいただければと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 太陽光発電は、まことにクリーンな、また国内で外国に依存しないで自給できるエネルギーでございますから、大変お褒めをいただいてありがとうございます。既に四十九年から八百五十億ほどのお金をかけて、さらに今年は八億円、これの普及に積極的に取り組んでまいりたいと思います。  ここまでは全く関先生と同じ意見なんですけれども、そこから先に行くと、はいそうですかというわけにまいりません。  かつて我が国のエネルギー需要、特に電力、電灯の需要は非常に少ない世でありましたが、そういう時代は水力発電でこれは賄ったわけでありますけれども、今テレビを国民の皆さんが全部これを見られる。また高層建築で、これはエレベーターがとまってしまえばもう四十階の高層建築は、これは空洞化する。大体七%ぐらいずつ電力の需要がふえております。これがもしまた供給できないということになれば、せっかくの冷蔵庫に入れておった食べ物も腐ってしまう。これは国民生活は成り立たなくなるわけでありますから、現在の国民生活を豊かに維持していくためのエネルギーを供給するために、またコストの面で、やはり原子力平和利用も極めて大事であり、また、先生の御指摘をいただいた光発電等を初めとする今後いろいろの面で、これは地熱もあり、その他今御指摘の問題もあり、エネルギーの開発に努力をしてまいりたいと思います。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 私の意見の前段についてはわかるが、そればかりとるわけにもいかないという言葉は、何か勘違いされているんじゃないだろうか、こう思います。  私は、八億四千五百万円という程度では実験的にも弱過ぎるじゃないか、ですから、家庭電気においても、その向きに向くものはやはりテスト的にもおやりになって、そうして取り組むことが必要だろう、こう申し上げているわけです。  それで、系統電気につながるということも、先ほど答弁ありませんでしたけれども、電力会社の方にだって得があるわけですよ。夏になるというと電気が足りない、そういう場合に、光発電で使っている方々に昼は供給してもらう。夜はそれらの家庭にまた逆潮流をしてあげる。それで買電価格も、売る方も買う方もその。価格は似たようなものにする。これはやはり電力会社に対する指導と申しますか、場合によっては電気事業法の改正も必要になるのかなと思いますが、そういう点についてはどうですか。

山本貞一資源エネルギー庁長官

○山本(貞)政府委員 お答えいたします。  太陽電池を需要者が、あるいは電気事業者以外の人が設置をいたしまして使うという場合、一番問題は、やはり今先生御指摘ありましたように、系統連系につなげるか、それから今度、逆に潮流させて、余った分を買ってもらえるかという点が非常に大きな問題だと思います。つなげること自体は従来からも問題ないわけですが、逆潮流をした場合に問題が生ずる場合がございます。その技術的な問題点について今NEDOを通じまして実証テストをやっておるところでございます。平成五年度ぐらいまでに結果が出ますが、私どもはその前に、できましたら平成四年年度までの中間的な成果を得て、平成四年度末までには逆潮流のための技術基準をつくろうと思っております。  一方、電力会社は、この一月に電気事業連合会が発表いたしましたが、基本的には電気事業者が需要者に売っている値段と同じ値段で買いましょうということを決めました、この四月からでも実施できるように。その逆潮流の基準については個々に相談する、平成四年度末には私どもの基準が出る、基準の前にも四月からも実施できるようにするということにした次第でございます。  今の同じ値段というのは、大変ある意味で売る側にとっては有利な、需要家側にとっては有利な条件でございまして、例えばドイツは法律で定めましたが、九〇%ということで買おうというふうにしております。そういう意味で私どもとしては、太陽光発電についても、先ほどの大臣の答弁にもございましたが、いろいろな予算的な措置を講ずるほか、そういう制度的な問題点の整理というか克服を今図っておるところでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 今度の予算においての八億四千五百万というのは、今年度の予算ではその程度になっているけれども、補正予算でも組んでもっと広げるという方向に進まれないだろうか。わずか十三件。そうして対象は、五十キロワット、十三件、六百五十キロワットにすぎないんですよね。この程度だというと、大臣、せっかく取り組んで――私は褒めることは褒めるよ。やらないのに比べれば褒める。でも、やはりこれは隣の大蔵大臣とも相談をして、日本の国民に光を与えることですから、これは。日本の国民に光を与えるだけじゃなくて、この技術は当然に赤道直下のおくれている国々に対して、ODAの中にも取り入れをしてもらうことが非常におくれている国にとってもありがたいと思う。  そういう意味からいきますというと、赤道直下の砂漠に光が当たって、そうして、たき物に、燃料に困っているんです。この太陽光発電の発電所をっくってあげる。砂漠に緑がよみがえりますよ。地球環境をよくするというその技術的貢献、科学的貢献を日本が果たす。PKOで果たすよりはこちらで果たす。日本の科学的知識というものを普及するということにおいてもどんなにありがたがられるかわかりません。特に、この太陽光発電所の分散型の発電所は、そういう地域においてまた日本の技術が大いに買われています。そういう点においても私は力こぶを入れていただきたい、こう思うのです。  それからあわせまして、赤道直下、それから砂漠、地球的規模においてこれが取り入れられている。そうして、発電所が昼の国から夜の国、夏の国から冬の国、そういうふうに地球的規模で超電導のケーブルが生かされる時代、超電導ケーブルが高温で生かされる時代、この技術開発も私はよその国にはできない、日本ができると思う。だから、日本の科学の力というものに少し支えてあげればこの時代が来る。そうすると、どうでしょう。食糧の問題において解決しなければならない、エネルギーの問題についていろいろ苦労はあるけれども、この問題についても解決できる時代がやがて来るんじゃないだろうか。  そういう点で、既に我が国の学者が出しているジェネシス計画というのがありますよね。このジェネシス計画というものについて通産大臣はどのようにお考えになっているか、お答えをいただければと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 地球上の各地に太陽電池を配置して大規模な発電を行い、そこで発生した電力を超電導ケーブルを用いて全世界に供給するという構想が民間に提唱されておることがこれでございます。同計画の実現のためには太陽光発電技術及び常温超電導技術が主要な技術開発課題になるものと思われます。  通産省においては、従来からサンシャイン計画などにおいて太陽光発電技術などの研究開発を行っておるところであり、これらの研究開発がジェネシス計画の技術的な問題点の解決に役立つことを期待しております。大変すばらしい未来に夢のあることでありますから、一生懸命頑張ります。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 大変立派なお答えをいただきました。ぜひこのお考えを通産省の考えにしておいて、そしてエネルギー政策についても貢献していただきたいな、こう思います。  さらに、今アメリカからSSCの問題で二千億ぐらい負担してくれということがあるのですが、そういう金があるならばこういう太陽光発電の方に向けて、国民のためになる方向に私は組むことが大事だ。そうして、超電導、超大型粒子の加速器なんというものはいつの日に役に立つものかとなるというと、なかない見えてくるものじゃありません。そうして、我が国の科学の研究費というものが不足であるだけに、そういう方向に道を開くよりは科学陣の研究に役に立つようにこれは金使いをすべきじゃないだろうか。そういう点については、通産省の側からも、内閣が誤った方向に行かないようにひとつ心がけていただきたい、こう思いますので、この点は要望しておきますし、又部大臣もそこでお答えができる支度しておるのでしょうけれども、さきのお答えがあっておりますので、この点はその程度で要望にとどめておきたい、こう思います。  次は、むつ小川原開発。国土庁長官おられますか。  むつ小川原開発というのは、これは閣議口頭了解ということで非常に重んぜられた一つの了解事項です。しかし、この了解事項はいかにインチキであるかということを私は申し上げたい。これは藤波官房長官の時代でしたよ。このときに、青森県のむつ小川原開発というものは石油コンビナートである、その石油コンビナートにプラスして核燃のサイクルを持ってきたわけです。二つもこの巨大開発の中に入れるという場合は、全く一つはもう死んだからこちらの方に移ったのにもかかわらず、なおる油化学のコンビナートにするんだということでひっ提げたままです。これはやはり無理なんだということで即刻おやめになることが賢明じゃないだろうか。  あわせまして、ここにむつ小川原開発株式会社というのがあります。これに北東公庫から借金分融資を受けておりますよ。借金のおよそ六割くらいじゃないでしょうか。さらに借金の利子を払うというのにまた、国がですよ、大蔵省、金出していますよね。利子補給しています。こういうような不良会社といいますか、もう倒産していなければならない会社です、そういうのになお力こぶを入れておるということは、私は行政からいけばごまかし。そういうごまかしというのは金のむだであるということとあわせて、今この会社は千八百億近い借金ですよね。そうしてあの地域における広大な地域の土地利用というのは五割。  そういうことを考えますというと、この巨大開発というもののキョの字は、大きなじゃなくてうその虚大開発、同じキョでもそういう虚大開発で哀れをとどめることになるわけです。そういう点からいけば、もうごまかしはやめて、もう石油コンビナートのことはあの地域にはないんだ。そうして核燃、核燃というけれども、やがて核燃も、放射能のごみの捨て場にするということもやがてやめてもらわなければならない。ましてや再処理工場なんというような、プルトニウムの生産は百害あって一利なしですからね。こういうようなもので閣議口頭了解しておったこともやはりここで反省してもらわなければならない、こうも思いますので。  なおもう一つは、再処理工場がちっともできもしないのに、金だけはばらまいていますよね、これは通産省。科学の振興だとか言いながらも、原子力の推進のためには金に糸目をつけないでやっていく。できもしないうちに、建設の許可もないうちに、金をばらまいて買収行為みたいなものをやっていますよ。これは大蔵大臣もよく承知しているんじゃないだろうかと思うのですが、聞いていてくださいね。できもしないうちに金をまく。まき過ぎて今度は中止になったところもありますよ。来るものだと思って先に事業を進めておったが、来なくなった。当然ですよ、前倒しというのは二年前だもの。ところが、できるものが延びるものだから、前倒しじゃないんだ。  そういうことからいきますと、再処理工場はことしは許可になるだろうからというのでまたお金を上げましょうと言っていますけれども、これはそう簡単に許可になるものじゃない。ただ地方としては、許可は好ましくないけれども金はいただくのが好ましいものだから、金だけは手を伸べるわけだ。だから、こういうことについても行政はやはりきちんとしなければならない、けじめというものをつけて対処してもらわないというと、本当に情けないことになってしまうと思うのです。  そういう観点から、むつ小川原ばかりじゃない、これは北海道の苫東開発も同様にあるのですが、この開発会社、特に開発会社の取り扱いというものをどうするつもりかということと、あわせて、先ほど申し上げた点について大臣、国土庁長官からお答えをいただきたいと思います。

東家嘉幸自由民主党国土庁長官

○東家国務大臣 お答え申し上げます。  むつ小川原開発は、新全総において大規模な開発プロジェクトを位置づけられた重要な計画であったわけでございます。なおまた、同地域は、四全総においても、長期的視点に立ってその有効利用を積極的に今後推進していこうということも承知いたしております。なおまた、開発の基本となる計画は青森県が策定し、そしてまた国においてもこれを参酌しつつ、具体化のための所要の措置を今日まで講じてまいったわけでございます。  国土庁としては、工業開発を通じて地域の開発を図るという基本的な考えに立って、今後とも地元青森県等の意向を十分尊重して、私たちはこの開発に今後とも推進、協力をしてまいりたい。  なおまた、会社等のことについては、私もそれぞれの関係者の皆さん方とも意向を聴取しておりますが、具体的なこと等になりますれば、事務局の方がより詳しく承知いたしておりますから、政府委員からもって答弁をさせていただきます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 事務局は要りません。  私は、これは閣議口頭了解なんですから、全閣僚、閣議において決めていただいた。しかし今のお話の中にも、青森県が計画したのを認めたんだ、こう言っておるのです。そういうことで逃げるかもしれないけれども、形はそうです。しかし、できもしないものを持ち出してきたときこれを認めるということは、政府としては間違っているでしょう。これは問題ですよ。どうです、今から十年も前に認めていながら。私が上がってきたときに一番先に言った言葉です、これは。そのとき何と言いました、当時の国土庁長官、それから振興局長。ここば石油コンビナートでやるのです、できるのですからと。できますか、これ。とれからもできますか。全く見通しはないでしょう。にもかかわらず、ここに金をばらまくわけですよ。一千八百億も今赤字ですよ、一千八百億。  これでお答えをいただきたいのは大蔵大臣です。北東公庫からこういうようなものに金を出して、そうして借金に利子払い、借金在してその利子にまた払うのに北東公庫が貸してあげるようなものでしょう。こんな銀行どこにあります。返す見込みもないのに、そうして金を払ってあげる、金を貸してやる。枯れ木に水を注ぐようなものでしょう、これ。こういうむだなんかはやはりきちんと整理しなければならないと思う。そういう点からいきますというと、私はルーズ通ぎると思う。国のこの巨大開発にかかわる問題の対処の仕方というものはルーズ過ぎる。そういう点からひとつ、金をばらまいておけばいいだろうというこの考え方と、二つやはり整理すべきじゃないだろうかと思いますので、大蔵大臣からお答えをいただきたいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 金をばらまいているという御指摘であったわけでございますけれども、先ほど国土庁長官の方からもお話がございましたように、これは四全総の中でももう一度こうやって見直されている。確かにオイルショックなんかございまして、環境変化があったということで、当初計画に比べておくれているということがあると思っております。また、会社の内容等についてもいろいろと問題があるようでございますけれども、財務内容も土地の分譲が進めば改善が見込まれるということで、北東公庫は事業の進展のため民間金融機関と協調して支援を行っているというふうに聞いております。なお、上記の状況を踏まえまして、北東公庫としては当該の会社に対しまして経営合理化努力を要請するほか、関係機関を含めて企業誘致に全力を挙げることを要請しておるということでございまして、私どももこの推移をよく見守っていきたいというふうに考えております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 その次の問題は、これは外務大臣ですね。外務大臣は、米ソの核兵器における余剰プルトニウムを我が国において処理するのに取り組むことが必要ではないか、こういうような考え方になっておるのかおらないのか。他国の核兵器におけるプルトニウムを我が国が買ってくるとか、あるいは我が国が専門的に燃焼させてあげるための発電所をつくるとか専用焼却炉をつくるとか、そういうことは全く意味のないことだと思う。だけれども、ここに何か突き進むような格好で外務大臣がおられるとするならば、これは大変なことじゃないだろうかと思いますので、この点についてのひとつ御見解をいただきたい。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 今おっしゃったようなことは全くのそれは誤解で誤報、もしあれば誤報であります。私どもが言っているのは、一つは、ソ連の科学技術者が流出して困る、核がだんだん拡散されるんじゃないか、だからソ連の科学者をとめておこうというために何か基金のようなものをつくってやらないかという話がゲンシャー、ドイツの大臣からありまして、その後で、新聞に出ているように、ECとそれからアメリカとソ連とで相談した、日本にも入ってくれというものですから、それは科学者をプールしておくというだけの話ですから、そこから先の話は何も出てきませんから、それならば、そう大金の要る話でもないし趣旨は結構でございますから、そういうことには応分の協力はいたしましょうという程度でありまして、さらにそれが解体をして、莫大なこれは金がかかりますからね、技術も日本にはありませんし、それに、一部日本に持ってきてプルトニウムを燃やすとか、全くそれは夢物語。御安心ください。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 外務大臣がそう言うのでしょうから、これまでのは全部誤報である、そういう点において理解をいたしたいと思いますし、間違ってもこれには手をかけることのないように要望しておきたい、こう思います。  次は、官房長官、見えていますね。官房長官に、生存者叙勲のことについてお尋ねしておきたいと思うのです。  毎年春になり秋になりますと、生存者叙勲のことが出てまいりますよね。この生存者叙勲というものは、法律的根拠、これは一体、いただく方々は大変喜んでもらうのはいいんだけれども、これはきちんとした新憲法下における法律があってなっているのでございましょうか。何を根拠にしてこの叙勲の制度というものが行われているんでしょうか。その点について法的根拠をお聞かせいただきたいと思います。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○加藤国務大臣 法的根拠は、日本国憲法の第七条の規定、それから明治時代の太政官布告、それからその後の関係法規でございますが、その相互関連につきましては賞勲局長からお答えさせていただきます。

文田久雄総理府賞勲局長

○文田政府委員 お答えを申し上げます。  先生御案内のとおり、勲章制度は明治八年の太政官布告第五十四号等に基づきまして行われておるものでございますが、端的に申し上げますと、これらは、日本国憲法施行の際現に効力を有する命令の規定の効力等に関する法律、昭和二十二年の法律七十二号であります、及び、日本国憲法施行の際現に効力を有する勅令の規定の効力等に関する政令、昭和二十二年の政令第十四号でありますが、これによりその効力を有しているところでございます。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 これはそう簡単に答えて、そうして済ませられる問題で私ないと思う。少なくとも旧憲法の時代のお流れですよね、これ、お流れ。今官房長官が憲法の第七条とか第十四条とか言いました。ここには栄典の制度についてありますよね。この憲法に基づくこれは内容のものではない。明治時代のものそのままここで認知したといいますか、あるいはそういうことにするとかということにした内容ですよね。しかも、生存者叙勲というものはずっとなくて、昭和三十八年においてそういう方向にくることにしたわけでしょう。だから、もっとすっきりしたものに私はしなければならないんじゃないか。一等だ、二等だ、三等だといってみんな喜んでおりますけれども、法的根拠からいけば戦前のものです。戦前のものをそのまま後で認めて認知したと申しましょうか、そういう格好のものです。  ですから、新しい憲法を受けて新しい法律が当然なきゃならない。その上で令があるはずです。ですから私は、きちんとした法律がないままに行われて、どっちかといいますと、権威というものが在いのが現状のものじゃないだろうか。そういうことになると、今日の憲法にふさわしいものをつくる必要があるんじゃないだろうか。そんなに栄典のことにおいて取り組むとすれば、やはり考えを新たにしてやらなければならないものではないだろうか、こう思いますが、その点いかがです。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○加藤国務大臣 確かに、そういう御議論もいろいろなところからお聞きいたします。しかし、今この制度が、そういう太政官布告ではございますけれども、その後新憲法下で一つの有効性を別の法律で認められて現在進んできておりますし、またこの制度を実施して以来、長年にわたり、当初に比べて国民の間に非常に定着し、受け入れられてきたというふうに思っております。ですから、その法律的根拠等はまた国民の間にも認められてきたんではないかなという感じをいたしておりますが、御議論は十分に参考にさせていただきたいとは思いますが、現在の段階では、この現行の法律で運用させていただければと思っております。

関晴正日本社会党・護憲共同

○関委員 この問題についてはまだ折を見て論戦をしたいと思いますし、やはり憲法というものを重んずることと、旧憲法に抱かれているといいましょうか、依存しているというこの姿というものはやはり払拭すべきものだ、こう思いますので、意見を申し上げて、質問を終わりたいと思います。

中山正暉自由民主党

○中山(正)委員長代理 これにて関君の質疑は終了いたしました。  次に、近江巳記夫君。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 まず私は、北方領土問題についてお伺いしたいと思います。  宮澤総理が去る一月の国連安保理サミットに出席されました際に、ロシアのエリツィン大統領との会談後、北方領土問題につきまして、手ごたえをっかんだ、こういうことは一つの潮どきというものがある、こういう発言をされております。また、渡辺外務大臣も二月九日、栃木県で、私の在任中に決着をつけたいとお述べになっておられまして、非常に意欲的なそういう発言が聞かれておりまして、心強いものがございます。非常に期待を抱かせるわけでございますが、そういう具体的な根拠、見通しというものがおありなのかどうか、お伺いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 これはそういう具体的な根拠、見通しというものを的確に持っているわけではございませんが、我々としてはそういうような情熱を持って解決をしたい。  それじゃ、全くお先真っ暗でそんなことを言っているのかといえば、別にそんなことはありません。御承知のとおり、前政権は、前のロシアの政権ですね、これは北方領土問題をうたった一九五六年の宣言はもうあれは効力を失ったとか、既にチャンスがなくなったとか、ゴルバチョフさん言っておったわけですが、エリツィン政権になりましてから、法と正義に基づいて解決しようということを言い出したので、我々はそれならば大賛成だ。だから、客観的にこれを史実を、歴史の事実ですね、それは調べようと思えばロシア外務省、ロシア共和国の外務省の中にあるわけですからね。それを表に出してもらう。それからやはり世論。世論ということを言っているわけですから、世論喚起も、事実関係をPRしてくれればだんだんわかってくるはずでございますので、本当に文字どおりそのように向こうが行動をしてくれるならば、私は決してそれはそう長い間かからなくても話し合いがつく情勢が生まれるのでないかという希望を持って、その雰囲気づくりのためにいろいろな緊急援助を初めいろいろやっているということでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 大臣の御答弁にもございましたが、エリツィン大統領から総理あてにいわゆる親書が届いておる。潜在的な同盟国というそういう表現もございました。大臣も、その点につきましては評価されておると思うのでございますが、この点につきまして、もう一度ひとつお答えいただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 潜在的な同盟国という、日本に対して言われたのは初めてでございますが、他の国にもやはりそのような趣旨のことが行っておりますから、それだけをもって鬼の首でも取ったようなことにはならないと思っています。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 ロシア連邦の新憲法改定の草案におきましては、七十九条二項、ロシアの領土割譲には、国民投票による国民の意思確認が必要である、こうなっているんですね。そうなってまいりますと、この領土の返還ということにつきましては非常に困難といいますか、そういうおそれが生じてきたと思うんですが、大臣の御見解を聞きたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 今先生御指摘の点は、考えられる一つのケースでございます。しかし、それは世論、世論ということと裏表、議員というのは世論を見てやっているわけでございますから、世論の醸成ということも大事なことだと思いますし、今の議会の方々がそっくり当選するかどうかも、それもわからないことでもありますし、いずれにしても、友好関係は均衡拡大の方式で進めていくということが必要かと思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 ロシア国内におきましては、返還の反対運動というものも一部組織的にも動いておるというような見方もあるわけでございますが、サハリン州、あるいは北方四島の住民も、非常に厳しい空気もあるんじゃないかと思うのです。また、ロシアのそういう政治社会情勢というものも非常に不安な状態もあるわけでございます。そういう点からまいりますると、このロシア国民の世論、これは大臣もいみじくも先ほどおっしゃっておりましたけれども、見きわめたそういう新しい取り組みですね、そういうものが必要になってきた。そういう点で新しい対ソ政策あるいはまた対策を講じなきゃいけないんじゃないかと思うのでございますが、この点いかがでございますか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 御承知のとおり、過去四十五年間、議論は平行線でずっとこれはきておるわけですから、しかし、そのままでやってしまったのではいつまでたったってこれは解決しない。そこで、ゴルバチョフ大統領が訪日された、日本に来られたということで、いろんな取り決め等もいたしまして、一歩近づいたことは事実。ただ、彼が帰ってから、五六年の共同宣言、あたかも無効であるがごときようなことを言ったことはまことに残念至極であるが、しかし今度はゴルバチョフでなくてエリツィン大統領にかわってから今言ったような話で、少しずつ歩み寄るということが大事なわけでございまして、そのために我々は、政経不可分という原則はきちっと持ってはおりますけれども、しかし、厳格にそれを適用するということだけでは今までどおりになってしまうおそれが多いので、一月末のソ連に対する緊急支援の国際会議におきましても、かなり年度末でお金のないところを財政当局に工面をしてもらって、六十五億円の無償援助を出すようにいたしましたし、昨年決めた二十五億ドルのパッケージ支援等の問題も、これが有効に使われるように、向こうの準備もしてもらわなきゃなりませんが、こちらからもお手伝いをして、そういうものから動き出していく。そういうことをしながら、要するに歩み寄るといいますか、そういう信頼関係を拡大均衡という点で、私はまあ魚心あれば水心なんて言ってちょっとしかられたんですけれども、拡大均衡というのですか、お互いの歩み寄りというか、そういうような線でやってまいりたいと考えております。決して油断はしておりませんし、楽観もいたしておりません。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 大臣から、従来の政経不可分、そういう原則はやはり柔軟性を持って緩やかに、今後再検討といいますか、そういう姿勢でやっていきたいというような今御答弁がございました。そういう方向でまた御努力をいただきたい、このように思います。  それから、ソ連側のクナーゼ外務次官、一九六〇年のグロムイコ対日覚書につきまして、克服すべきもの、このように述べておられるわけでございまして、この覚書はこの発言からしますと事実上破棄された、あるいは消滅したというとり方でいいのかどうか、その点はどのようにお考えであるか、お伺いしたいと思います。

兵藤長雄外務省欧亜局長

○兵藤政府委員 日ソ共同宣言、一九五六年の共同宣言は、両国の議会、国会で批准を経た極めて重い基本的な国家条約である、したがって、一片の一方的な声明あるいは覚書でこの内容が変わるということはあり得ないということが日本政府が一貫してとってきた立場でございます。  それで、このグロムイコ書簡の前提になっております日米安保条約の認識というものがここ近年大きく変わっているということは、先生御承知のとおりでございます。クナーゼ外務次官の、ただいまの引用されました発言も、そういう事態を踏まえての発言だというふうに私どもは受け取っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 クナーゼ氏の、日露下田条約ですね、ここからいわゆる日露の国境線が択捉島と得撫島の間に平和裏に引かれた、これを次官が認めたわけでございまして、これは二島返還だけでは解決しない、結局四島返還への足がかりといいますか、十分なるんじゃないかと思うのですが、その点いかがでございますか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 ロシア連邦側も一遍に言い出すことは非常に困難な政治情勢にあることは間違いありません。ありませんが、やはり法と正義という立場から、グラスノスチといいますか、情報を、今まで隠しておいたいろんな歴史的史実、こういうものをマスコミ等でちらちら出せるようになってきているということはいい傾向であるし、この間も、ある新聞によれば、軍の機関紙、「赤い星」ですか、それなども北方四島が日本のものでないということを決定的に証拠づけるようなものは見当たっていないというようなことを書いてあるのですね。だからといって返すとは言いませんよ、それは。返すとは言いませんが、そういうことが少しずつわかってこないと、今までのように、あれはソビエトのものだというように一方的に皆国民は教え込まれておりますから、それを頭をほぐしていくというのには時間が多少かかるのはある程度やむを得ないが、どうしてそれを早い時間の中で納得してもらうようにするか。  また、政治の世界というのは必ず政敵というのがありまして、政敵が利用するのには、愛国心をあふるとか、領土を割譲する、とんでもないとかいうようなことであふるのが一番あふりやすいということも、どこの国も似たようなものなんです、これは。  したがって、そういうことにも留意しながら、政争の具に領土問題が巻き込まれないように、もちろんエリツィン政権も注意しているでしょうし、我々もそういうことにならないような何か手だてはないものかと、いろいろ工夫、苦労もしておるわけであります。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 総理はこの二月三日、政府・与党首脳会議で北方問題につきまして、日本に返還された後もロシア人の居住権を保証するという意味のことを話されておるわけでございますが、こういうことにつきましては検討されているのですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 そういうことは、まだその段階にはいっていないと考えます。ただ、我々は交渉の過程において、北方領土は日本のものだというまず主権を認めれば、現実に三万人、うち二万人ぐらいは民間人ですがね、そういう人が住みついて生活をしているわけですから、すぐ出ていけというようなことだったら住民は絶対反対するに決まってますわな、これは心配しますから。したがって、引き渡しの時期、引き渡しの様態、どういう形にしていくか、住民の希望等については今後話し合って柔軟に対応してまいりましょうということは言っています。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 もう一度、再確認しておきますが、あくまで日本に主権が返された、こういうことですね。向こうの主権のままで共同管理とか、そういうことじゃないのですね。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 そういうことは考えておりません。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 日本に返還された場合、北方四島には米軍基地も自衛隊も、施設も置かないというような方針ですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 これは今後の交渉の問題であります。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 四島関係の海峡を国際海峡にするというようなことも検討されるのですか。     〔中山(正)委員長代理退席、委員長着席〕

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 これらもすべて今後の交渉の過程で相談をされていくことであります。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 旧ソ連の経済危機への支援、あるいはまたロシア国内のそうした世論にも気を配った、そういう対応が今後さらに必要だと思いますし、また情報を国民に提供して理解をさらにしていただく、こういうことが大事だと思います。その点につきまして。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 まさにそのとおりでありまして、日本の国民の中で北方四島返還に関心が薄いということになれば、また向こうも変わってまいります。  実は私は去年の五月、日本からゴルバチョフさんが帰って約一カ月目ぐらいですが、お会いをいたしましたところ、北方四島の件について、九州の方へ行ったところが非常に関心がなかったというようなことを彼が言ったものですから、そんなことはありませんと、それは、関心の程度は離れれば少し違うかもしれませんが、日本国民は全部一丸となってあれは日本のものだと言っているのだという反論をいたしておきましたが、やはりこれは北から南まで打って一丸となって日本のものだということを強く要求し続けていくということが非常に大切でありまして、この点は与野党も本当に足並みをそろえてやらなければならない、そう思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 国連安保理常任理事国の問題でございますが、積極的に大臣として常任理事国入りを目指されるのかどうか、この点が一つです。  それから、五つの常任理事国は日本に対して、そういう態度についてどういう反応、また態度であるのか、これが二点目です。  それから三点目は、現在の我が国の憲法というものは常任理事国入りを目指す上におきまして何ら障害にならない、私はこう思うのですが、以上三点について御答弁いただきます。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 憲法と常任理事国入りとの関係については、条約局から法制上の、あるいは国連局から法制上の問題で説明をさせます。  常任理事国に入れてくれという要望は、かねてから日本政府は今までやって運動してきたことでございます。これに対しまして、これは常任理事国だけでなくて全世界的な問題でもございますから、なかなか複雑な反応が実はあります。どこの国が極めて冷たくてどこの国が温かいかということは、外務大臣としてこの席で言うことはやっぱり控えた方がよろしかろうと思いますので、答弁は差し控えますが、我々としてはそういう希望は当然持っているし、これからいろいろなPKOというものがあちこちでつくられるというようなことになって、やはり負担の問題というような問題になりますとおのずから違いが出てくるわけですから、やっぱり出すものも出すが権利も認めてもらうというのが大体世間の常識じゃないかと思います。  しかし、手続上からいいますと、これはいろいろ、憲章の改正その他という大きな問題がありますので、そういうような点も含めましてもっと検討を進めてまいりたいと考えております。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 お答え申し上げます。  我が国憲法の問題でございますが、これは法制局の権限に属する問題でございますが、長官いらっしゃいませんので、私が承知している限りを申し上げたいと存じます。  法制局長官も今までいろいろな機会に御答弁になっておりますが、先生御承知のとおり、国連軍が将来できる場合につきましては、国連憲章に規定があるわけでございます、四十二条、四十三条という有名な規定がございます。国連軍ができた場合に、加盟国と国連の間に協定をつくって軍隊の提供あるいはその他の便宜の供与について取り決めるということになっているわけでございますが、まだ今のところ現実の問題としてそのような具体的な動きがございません。  この問題につきましては、今まで法制局長官も御答弁になっているとおり研究はいたしておりますけれども、現在具体的にそういう問題が出てきてない、またどういう協定がつくられるかということもはっきりしないという状況でございますので、まだこの点については結論を得てない。ただ、これまでの憲法解釈から、問題点もあるけれども、他方国際情勢も急速に変わっているところであるということで、一言にして申し上げれば、研究はしているけれども結論は得ていないという状況でございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 憲法論議をやっていますと時間がありませんので、次に進みます。  日本核武装化の北朝鮮の発言、これは大臣も御承知のように、二月二十日、南北朝鮮の第六回首脳会談で、朝鮮民主主義人民共和国が日本の核武装化に共同対処を韓国に求めた、韓国はもちろん拒否したと。今、日朝の国交正常化交渉が行われておるそういう中で、我が国のこの基本政策を深く理解しておらないということは非常に残念だと思うのです。意図的におっしゃっているのかどうかということなんです。  我が国は御承知のように非核三原則がございますし、原子力基本法もございますし、IAEAの査察も最も厳格に受けておるわけです。日本国民一人として、そういう核武装化を日本が進めているなんて、そんなこと疑念すらないと私思うのです。しかし、こういう交渉をやっている国がそういう認識をされておるのか、まことにこれは残念な思いがするのです。この点については大臣はどう思いますか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 私なども実はびっくりした発言でありまして、そのようなことがわからないはずがない。つまり、日本で核の平和利用はやっておりますし、それはやっています。それから国際機関の査察も厳重に我々は受けておって、国際的にもどうも日本は核武装の準備をしているんだなんという話は、ここから先も、国際場裏において聞いたためしかない。にもかかわらず、日本のことについてはかなり知っているはずの北朝鮮側がどういう意図でそういう発言をしたか、まことに心外、まことに遺憾であります。何らかの意図があって言ったんでしょうけれども、こういうことは取り消してもらわなければならぬと存じます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 外務関係のことにつきましては時間があればまたもとへ戻りまして、次の問題に移りたいと思います。  文化、芸術、スポーツ、この振興につきましては非常に大事な問題でございまして、御承知のように、殺伐とした物の時代から心の時代へと入ってきております。そういう点におきまして、こうした文化、芸術、スポーツの振興ということは非常に大事なことだと思うのですね。この点につきまして、文部大臣は非常に熱心にされておるということを聞いておるわけでございますが、先般も、例えばスポーツの点でいきますと、若者、荻原君初め三名の方がアルベールビル・オリンピックでスキーの複合団体で優勝した、あるいはまた、フィギュアスケート女子シングルで伊藤みとりざんが銀をとった、黒岩選手がスピードで銀をとった、橋本聖子さんが銅をとった、一つ一つ本当にもう感動のそういう渦が巻いたと思うのでございます。文部大臣も、ああした入賞した人、また、あるいは入賞できなかったけれども真剣に挑んでおる若者の姿を見られて、感激ひとしお覚えられたと思うのです。いかがですか。ちょっと感想を簡単に、もう時間がないから。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 アルベールビル・オリンピックの壮行会に私参りましたけれども、そのときに関係者の方々は、メダルが一個でなくて、単数でなくて複数だったらいいなというようなことをささやいておられるのを私なりに耳にいたしておりました。したがいまして、金メダル一つ、銀メダルニつ、銅メダルが四つ、計七個、十二名の方がメダルを受けられた計算になりましょうか、これは大変大きな感激でございまして、実はその壮行会のときに、オリンピックは、クーベルタン男爵がおっしゃるように、参加することに最大の意義があって、勝つことは二の次であるという言葉は正しいとは思うけれども、しかし、これから日本がスポーツ大国化していくためには、やはりいい成績をおさめれば後に続く人が出る、スポーツに関心が高まっていく。そういう観点では、ちょうどこの平成十年に、長野冬季オリンピック競技大会が行われるのは今から何年でしょうか、六年というような月日が先になりますが、ちょうど小学生あるいは中学生ぐらいで今度のこのアルベールビルの日本選手団の活躍を見た人たちが長野のオリンピックのときに二十くらいで、脂の乗り切った一番強い年齢を迎える。ですから私は、今回のアルベールビルで感激をした日本の未来の有望選手たちが、もちろん長野に限ることで点ありませんけれども、例えば長野の冬季五輪で活躍をしてくださるものと確信をしていますし、そういうようなあいさつを実は壮行会でいたしましたら、それにこたえるような結果を出していただいて、感激をいたしております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 また、バルセロナ・オリンピックもあるわけでございます。  そこで、きょうは大蔵大臣にもお見えいただいておるわけですが、大蔵大臣も本当にそういう文化、芸術、スポーツ等、振興といいますか、それについては非常に力を入れておられるというのも聞いておるわけです。  ところで、今申し上げた金、銀、銅ですね。オリンピック特別賞、副賞として金は三百万、銀は二百万、銅は百万、こういう副賞がつくわけでございます。ところが、これに税金がかかるわけですね、税金が。スポーツのほかに、例えば有名な文学賞、サントリーミステリー大賞とか野間文芸賞とか吉川英治、大仏次郎とか直木賞、芥川賞、ずっと私資料としてお届けしておりますが、これはみんな税金がかかるわけですよ。税金がかからないのは、文化功労者、これの年金だとか、学士院賞とか日本芸術院賞、ノーベル賞、そのようにずっと以下あるわけでございますが、全部を網羅しておりませんけれども、これはもう大蔵大臣のところで指定がされるわけなんです。何も、例えばオリンピックの選手もお金を目当てになんかやっている人なんて一人もおりません。と思いますよ、私は。だけれども、本当に名誉、栄誉としてこうした副賞もつくわけですね。ところがそんなのが税金がかかる。これはちょっとどうかと思うのですね。  これから、大臣、二十一世紀を目指しまして、教育、文化、スポーツ、本当に大きな大輪の花を吹かしていかなければならない時代だと私は思うのです。これは大臣のところの指定で決まるわけでございますので、ひとつこの点、どのように考えていただけるのか、御質問したいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 今お話を伺いまして、私も、やはり今度のアルベールビルの冬季オリンピック、まさに手に汗を握りながら観戦をしたものでありますし、大変日本の皆さん方の活躍に感激をいたした一人であります。  ただ、こういうときにどうも税金の話になってくると、歯切れが悪くて大変恐縮なんでございますけれども、今ちょうだいいたしましたこの資料を拝見いたしまして、課税されているもの、非課税のものといったときに、一体どこに線を引くのかということが問題だろうと思っております。ただ、所得税の分野におきましては所得に応じた負担を求めるというのが、これは原則であるということであります。スポーツ振興のためにということで、このオリンピック以外にもいろいろなスポーツ振興に関連して賞金を出されるということがあるわけでございます。そのときに、幾つかの問題で、プロの選手なんかもやはりそれに参加できると言われたときに、さあ、その所得に対してということが本当に、同じ賞金でありながらそれが差別できるかというような問題があるというようなことがございます。  それからもう一点は、学術ですとか芸術ですとか、この資料をいただいたのを拝見いたしましても、長年にわたって学術ですとか芸術の水準向上に関して顕著な業績を上げた者を表するということでございまして、一つの業績に対する賞金というものを非課税にするということになると、税の公平の原則からいったときに、一体いかがなものなのかなというふうに思っております。  ただし、こういった賞金につきましても、もう御案内のとおり、所得税法上で一時所得とされまして、所得からいわゆる五十万円を引いた上、残った分の二分の一の部分に対して課税をされるということで、一般の勤労所得というものに比べましても大きく軽減されておるというのが税法上の今立場であるということを御理解をいただきたいと思います。  以上であります。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 要するに顕著な貢献を表彰する。要するに、オリンピックにしましても、ここまでの業績を上げるということは、それこそ本当にもう汗と涙の苦労があるんですよ。例えば私も百メーターの記録を持っている人をちょっと知っておりますが、それはもう、食事の制限から睡眠時間から、そして栄養のとり方から、家族含めてそれは本当に、もう〇・何秒を破るその戦いのために、本人はもうそれだけの努力は言うまでもありませんし、本当にみんなが一丸となってやっているわけですよ。本当に顕著なそういう努力を、貢献をしておるわけです。ここにあるじゃないですか。学術または芸術等に関する顕著な貢献を表彰するものとして大蔵大臣が指定できるとなっているじゃないですか。大臣のところで指定できるのですよ。いろいろな項目はあるかもしらぬけれども、オリンピックなんというのは我が国を代表しているわけでしょう。大臣が指定できるんですよ、これは、大臣が。ぜひとも大臣、これは少なくともオリンピックとか主なことにつきましては、絶対あるべきですよ。大臣のところでできるのですよ。ぜひとも検討していただきたいと思うのです。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 お気持ちはよくわかりますし、確かにこの間の受賞というのは、日本国民、本当にほとんどの人たちに一つの喜び、夢、希望とか力というものを与えたということを考えれば、どうなのかというのはもう先生の御趣旨であろうというふうに思っております。  ただ、先ほども申し上げましたように、これからスポーツを振興しようということで、いろいろな大会、オリンピックだけでなくて多くの大会がありますね。こういった大会に賞金が出るなんという話も実はあるということで、その辺を一体どうあれするのか。もう一つは、プロの選手なんかもこういったところに今度参加できるようなものが出てきておるということを一体どう判断するのか。その辺少し勉強させていただきたいと思います。

濱本英輔大蔵省主税局長

○濱本政府委員 事務的にただいままで整理をしております考え方を、今の大臣の御答弁に尽きておりますけれども、簡単に補足的に御説明申し上げておきたいと存じます。  所得があればそれに対して適正な負担をお願いする、その所得の中には、近江先生おっしゃいますように、オリンピックの選手もそうでございますけれども、そのほかにも汗と涙の所得というのはたくさんあろうかと思います。その中で、業績が公共の利益として展開されておりますものについて非課税にしてはどうかという議論が長くございました。  問題は、どこで一線が引けるのかということでございます。その議論の集積の結果が今日の制度、つまり学術、芸術等に関しまして、あるものを非課税にするわけでございますが、そのとらえ方としては、例えば学術ということになりますと、これは非商業的分野で展開されているということが比較的理解されやすい分野でございます。芸術となりました場合には、そこが非常に難しい問題が実はございました。しかし、今認められておりますものは、学術に並ぶような、つまり非商業的分野である学術に並ぶような芸術分野というものをつかまえまして、しかもそれにつきまして、今大臣申し上げましたように、ある程度長い期間にわたって業績が明確になっておるものということで基準を設けておるわけでございます。  オリンピックに代表されますスポーツの振興に対してもこういう措置を及ぼしてはどうかという議論もございますことは承知しておりますが、ただいま大臣がお答え申し上げましたように、一九九〇年版までのオリンピック憲章には、確かに「自ら競技に参加することに関連していかなる金銭的報酬も物質的恩恵もこれまでに受けたことがあってはならない。」という条項が入っておりましたものが、一九九一年版からは消えてしまったというようなことも一方にございます。また、外国の例を見ましても、アメリカなどでもオリンピックの受賞者の賞に対する所得税の課税が行われております。そういったことも見ながら私ども現在考えておるということだけ御説明させていただきます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 基準は今局長からありましたけれども、オリンピックなんというものは、これは我が国を代表して本当に若者が挑戦するわけてすよ。だれだってこんなものを非課税にして文句を言う人一人でもありますか。今大蔵大臣は、ほかのいろいろなスポーツのそういう賞も出るからという、またその波及がわからないというお話ですが、オリンピックとなるとこれは別じゃないですか。オリンピックは我が国の代表じゃないですか、これは。それをあなたが、大蔵大臣が指定を決めれるのですよ。しかし、その辺の尺度、基準というものがはっきりしていないじゃないですか、本当に。  ですから、これは委員長、極めて大事な問題ですから、ひとつ理事会で、大臣のところで決まることにつきまして、これはきちっともう一遍やってもらうということを理事会からも大蔵大臣に言ってもらう。一遍お願いしますよ。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 近江委員に申し上げます。  理事会において協議させていただきます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 それでは大臣、聞きますが、非課税項目の中に例えばマスコミの朝日三賞とか読売文学賞とか、これみんな非課税ですよ。毎日学術奨励金だってそうじゃないですか。今のあなたがおっしゃったのは、それは基準は、考え方のあれだけであって何ら明確なものがないじゃないですか。それはもう一度洗い直しをきちっとしてもらいたい。冗談じゃなくして、本当に大臣洗い直しをしてください。検討していただきたいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 私も先ほど答弁の中で、あなたの今おつくりになったこの資料を拝見していると、やはりいろいろな判断があるな。ただ、私どもの基本としては、例えば芸術賞金のうちの非課税とされるものというのは、具体的には例えば次のような基準に該当するということで、国、地方公共団体または大蔵大臣の指定する団体から給付されるものであって、受賞者は全日本または全世界を対象として選考される者であるということ、あるいは長年にわたって一つの水準の向上に関する顕著な業績を上げた者であって、その金品が特定の作品の対価といった色彩を有するものでない、いわゆるただ一つだけの業績じゃないということなんです。  ただ、私は先ほどの答弁の中で申し上げましたように、こういった問題についての線の引き方は非常に難しい、いずれにしてももう少しやはり明確にするように勉強したいということを申し上げたわけでございます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 政府で、大蔵大臣が中心になられまして、特にオリンピック、またバルセロナも控えておるわけでございますし、しっかりひとつそれを検討していただいて、非課税にできるように検討していただきたい、このように思います。その他芸術、文化全般にわたりましてきちっとその辺の精査をしていただいて、あなたのそういう指定職決まるわけですから、強くこれを要望しておきます。  先ほど委員長、特にオリンピックのこの問題については理事会でも検討するという御答弁がございましたので、これはひとつよろしくお願いしたいと思います。  それから、きょうは鍛治議員と時間を分けて乱やっておりますので余り時間がありませんので、あと一つ、厚生大臣にお伺いしたいと思います。  御承知のように高齢化社会を控えまして、年金の受給者というのは大変な数に上るわけでございますが、先般も私があるところで懇談しておりましたところ、切々とした訴えがあったのですね。それは何かといいますと、年金の振り込みの件なんですが、役所が週休二日制になって、年金支給日が土曜日のときには週明けの月曜になる。議員だとか公務員の方の給与というのは前日の金曜日に支給される。みんな本当にその年金を頼りに生活をしているのですよ。わずか二日や三日の差じゃないか。そんなものじゃないのです。本当に心からそれを待っている。公務員の方、また議員などはそのように金曜日にもらえるのに私たちは月曜まで延ばされる、何とか同じ日にしてもらえませんか、そういう本当に悲痛な訴えであり、叫びなんです。この点、ぜひ公務員並みに検討していただきたい、このように思うのです。大臣、御答弁をいただきたいと思います。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 前回も、先生からだったかどうか、同じような質問があって、前向きで検討すると私答弁したことを記憶いたしておりますが、受給者サービスという面からもこれは大いに考えていかなければならぬことはもちろんでありますが、ただ、事務を処理する上においてどういう変更をしなければならぬのかという、その事務処理形態の変更に伴う経費等も一つ考えていかなければならぬ。いずれにいたしましても、日銀とかあるいは郵便局、そういう金融機関の元締めと申しますかそういうところと相談しながら、前向きで検討してまいりたいと思っております。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 前向きに検討するという御答弁でございましたが、大臣、これは検討、検討と言っておりましてもずるずるとなるわけでございます。そういうことで、めどといいますか、いつごろまでにそれを実行するか、これは大臣の確信をひとつお伺いしたいと思います。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 今申し上げました金融機関等とこれから話し合いを進めるわけでございますので、今いつまでがめどということを、私どもこの事務処理にどの程度、どういう準備が必要かよくわかりませんので、それでそう申し上げたのですが、なるだけひとつ協議を詰めていきたいと思います。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 これはぜひ一日も早く実現できるようにひとつ御努力をやっていただきたい、強く要望いたしておきます。  それじゃ、もう時間もございませんので、きょうは関係大臣来ておりましたが、あと交通問題で一点だけ、ちょっとお伺いしておきたいと思います。  御承知のように、三年連続の一万人以上の死者が出ておるわけです。我が国の場合は二十四時間で死者という統計を出しておるわけですが、フランスは六日以内の死者、イタリアは七日以内の死者、アメリカは三十日以内の死者、西ドイツ三十日、オランダ三十日、イギリス三十日。救急センターへ行きましてドクター等に聞きますと、二十四時間経過してから実際交通事故が原因で亡くなった人は恐らく三、四倍に達するであろう、こういうことなんです。大変なことです。  ですから、警察庁としては二十四時間のデータをずっと何年来とってきておられますので、それはそれ、とっていいのですよ。だから、あと国際的なそういう統計といいますか比較といいますか、二つのいわゆる統計が私は大事だと思うのです。そういう点で、あと死者、負傷者の絶滅を目指して全力を挙げていただきたい。この点の統計のとり方について、なさるかどうか、それだけお伺いして私の質問を終わります。

関根謙一警察庁交通局長

○関根政府委員 お答えを申し上げます。  現在の警察における交通統計におきましては、交通事故の発生後二十四時間以内に亡くなった場合のみを死亡事故として取り扱っております。これは、警察として重大事故が発生した場合に直ちに交通安全対策を講ずる必要があるところから、速報性を重視するという考え方に基づくものでございます。しかしながら、交通事故に起因する死者数を正確に把握するという観点からは、必ずしも適切な方法であるとは言いがたいということも重々認識しているところでございます。  そこで、私どもといたしましては、国際比較をする際の必要性等も考慮いたしまして、従来の二十四時間以内に亡くなった方を死亡事故とするという統計の手法に加えまして、新たに比較的長い時間帯の間に亡くなった場合にも死亡事故として把握できるようにするような、そういう統計をあわせて作成する方向で検討させていただきたい、このように考えます。

近江巳記夫公明党・国民会議

○近江委員 終わります。  あと、鍛治議員に譲ります。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 この際、鍛治清君から関連質疑の申し出があります。近江君の持ち時間の範囲内でこれを許します。鍛治清君。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 私は、関連質問といたしまして、主として教育関係について御質問を申し上げたいと思います。  文部大臣等につきましては今までずっとやってきておりますし、きょうは、教育関係に関連いたしまして重要な立場にいらっしゃる大蔵大臣、それから自治大臣、それから厚生大臣にいろいろとお伺いをいたしたいと思います。よろしくお願いを申し上げたいと思います。  私どもの党ではことしの初頭に、教育に関しまして大きな時代の流れとともに曲がり角に来ておるということで、実は七つの柱を立てまして教育に関する援言をいたしました。これについては文部省初め関係のところにはお手渡しをし、その実現方について強力にお願いをしたところでございますが、それに関連しながらきょうは御質問を申し上げたいと思います。  最初に大蔵大臣にお尋ねをいたしたいわけでございますが、財政のシーリングに絡んでの御質問を申し上げたいと思います。これは一昨日の他の委員の質問の中でやりとりを多少やっていらっしゃるようで、そのことは承知しておりますが、多少重複することはございますけれども、どうかよろしくお願いをいたしたいと思います。  この財政のシーツングにつきまして、文教予算というものはがっちりと枠をはめられて今日まで来ておるわけでございますけれども、若干、平成四年度は従来になく前年度対比の予算の額がふえたということで、そういう意味では私は大変いい形になってきておるなという思いはいたしておりますけれども、やはり全般的に見ますと教育予算というものは大変な縛りをかけられておる。したがって、人件費が非常に多いものですから、関連の予算というものが極めて縛られてくる。しかも、重点的にこういうものをやりたい、ああいうものをやりたい、またやらなければならぬというものが時代の流れとともに出てまいりますと、どうしてもそちらの方に関連予算を重点的に配分する。したがってどこかを今度は削っていかなければならぬというようなことになりまして、そういう立場からいいますと、物件費、その中でも特に文教の施設費とかそれから私学に対する助成金とかいうようなものが、それこそシーリングを始めました昭和五十七年、その前年度の五十六年度の予算とも対比しましても、もう施設費などは半分以下というような状況にもなってきておる。そういう中で、今大変な状況が各学校では起こっているわけです。  そういうことを踏まえながら考えますときに、この文教予算というものはどこの国でも非常に重要視をいたしておりまして、そしてまた日本でもどなたにお尋ねをしても、教育予算というものは大切だということはおっしゃるわけです。これは昨年の十二月十二日の参議院の予算委員会での答弁の中で宮澤総理もそうおっしゃっておりますし、それに関連して羽田大蔵大臣も大切だということをおっしゃっております。  念のためにそのときの答弁を読ませていただきますと、宮澤総理はこういうふうにおっしゃっています。  ここ何年がやっております財政のいわゆるシー  リングでございますが、これはもう大変に財政  再建について大きな効果を発揮しておるわけで  ございますけれども、その結果として、例えば  文部省関係の予算、これは御承知のように非常  に人件費が大きゅうございます。そういうとこ  ろでございますと、このシーリングのもとでは  なかなか関連の予算が伸びにくい。金があれば  いいというものじゃございませんけれども、し  かし必要なものはやはり必要であるので、その  点は、シーリングも立派な役割を果たしてまい  りましたけれども、片方でそれなりのまたデメ  リットもある。これはみんなが承知のことでご  ざいますから、ぼつぼつそういうことを考えで  いかないといけないのではないかということを  思っておりますそれに関連して羽田大臣は、   シーリングにつきましては、これは機械的に  各省の皆さん方に来年の伸びはこれだけでお願  いしますよというやつなんで、これを外しちゃ  うということは、今総理からもお話がありまし  たので、我々としてもいろいろと対応を考えな  きゃいけないと思っておるんです。 こういうふうに御答弁なさっていらっしゃるわけです。  この考え方について、大蔵大臣の認識は現在もこのとおりであるとは思いますが、念のためにこの点をお尋ねをいたします。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 御指摘がございましたように、やはり社会といいますか、一つの大きな流れというものがあります。そういったものに適切に、機敏に対応するということが非常に重要なんだろうと思っております。  ただ、問題は、そういう中で予算を、限られたものの中でこれを配分するということになりますと、さてどこにその重点を置いたらいいのか。これはもうそれぞれ、私ども予算編成に際しましていろいろな各党の議員の皆様方どこうやってお目にかかりますけれども、やはりそれぞれこれが一番大事だというのがどなたものお話であろうと思っているのです。ですから、まず、何というのですか、全体に公平に、これはもう各省とも皆さんお願いしますよという概算基準のいわゆるシーリングですね、これをお願いをしながら、その中で各省あるいは関係者の皆さん方と徹底して論議をしていただきながらそこで優先順位をつけていただくというこの手法というのは、これまたなかなか捨て去れないものなんだなということを、改めて実は厳しい予算編成をしながら感じさせられておるところであるということを率直に申し上げておきます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 先ほどお読みいたしましたが、大臣の答弁はそのままそういう認識を持っておる、その上での今御答弁だという御理解でよろしいわけですね。  それで、ここでひとつ重ねて、一昨日とちょっと重なるようですが御質問申し上げますけれども、この文教関係予算というもの、今言ったようなお考えもあるかもわかりませんが、非常に、特に総理の答弁をお聞きしますと、シーリングの枠を外してでもやらなきゃいかぬ時期が教育予算については来ているんじゃないかというニュアンスでお答えになっていらっしゃるわけですね。私はやはり、それくらい教育予算というのは大切だ、こういうふうに思うんですが、ひとつ重ねて、一昨日と重ねてになるかもわかりませんが、文教予算、文部省関係の予算についてはこのシーリンゲの枠を外して特別枠としてこれは遇する、措置をするというふうにしていただきたいわけですけれども、この点についてのお答えをいただきたいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 ことし、要するに来年度の予借編成に当たりまして、大変教育について熱心な方が多かった。私たちは意外に思ったこともございますけれども、ほかの方の分野である方だと思いましたけれども、むしろ人づくりこそがやはり大事であるというようなお話もいただいたということであります。ただ、そのシーリングを文教だけについて外しなさいということになるこの特別扱いというのは、やはり非常に困難だなというふうに思うわけであります。  ただ、私が前段に申し上げましたようなことももとにいたしまして、いろんな知恵を使ったことはもう御案内のとおりであります。来年度の場合には、国と地方の事務の分担ですとか、あるいは費用分担の見直しを含む初中教育と高等教育の明での資金配分ということの見直しなんかを進めたことのほかに、各種の施策の効率化、重点化に加めたと思っております。  そういう中で、今もお話ありましたように、五・二%という伸びを特に示しておるということでありますし、またそのほかに、新たに国立学校特別会計に特別施設整備資金を設けるというようなことでございまして、これに二百億円ほどの実は基金というものを積めるようなものも新たにつくり出したというようなこともございますし、あるいは公立学校の施設整備事業量の確保ですとか生涯学習の推進、芸術文化、スポーツの振興ですとか、または留学生交流の推進ですとか、そういった面で今度は割合と重点的に配分がなされておるというふうに私どもは自負をしておるといいますか、申し上げることができるわけでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 今お答えのとおりだとは思うんですけれども、意地悪い見方と言い方をしますと、例えば国立大学の、昨年ですか、大阪の大学で爆発事故が起こりました、研究室で。それに伴ってずうっとやはり非常に、国立大学の設備のあり方とか建物とかいろんなこと、研究施設を含めていろいろ調査が進んだ、ないしは見学者がふえた。そういう中でマスコミ等の論調も、国立大学このままでいいのか、また一般論としましても、これは二十一世紀をにらんだときに高等教育はこれじゃいかぬというような状況の中で、やはりこれは、大学にはどうしてもそういうところを整備しなきゃならぬという何か世論的なものがずうっと出てきちゃって、大蔵省もこれじゃあかんわというようなことで、意地悪く言いますと、どうもそこの予算を重点的にぽっと盛ってきたんじゃないかと、こういうように思うんですね。  だからさっきも私わざわざ読み上げましたけれども、総理大臣も、さっき申し上げたように、シーリングを外してでも教育予算を考えにゃいかぬなというニュアンスでお答えになっていらっしゃる。それくらいやはり恐らくは教育というのは大切だという総理も認識でおっしゃったんだと思う。それに対して羽田大臣も、まさにそのとおりです、総理のことを踏まえて何とか考えましょうという御答弁をなさっているんだ。  とこうが、そういう総論では皆そうおっしゃるんですね。なかなか格好いいことを言うんです。ところが、具体論になってきてどうですかということになりましたら、途端に先ほどの建前的な、建前といいますか、大変もう残念な大臣の御答弁になっちゃう。その中でふやしましたと言うんですけれども、現実は最初私が申し上げたように、例えば物件費でいいますと、これはよく文部大臣もそう言って嘆いておるんですけれども、五十六年のときはそれこそ一兆六千二百六十二億という予算、ここをまあ仮に一〇〇%として考えますと、平成三年度ではこれが一兆八百七十四億ということに減っているわけですね。まさに六六・七%です。そして、平成四年は多少ふえまして、これが一兆一千七百十三億、七二・六%というふうに、前年度に比較すれば多少ふえましたけれども、昭和五十六年、シーリングの前の年と比べるともう莫大な差があるわけですね、これは。そして、その中で公立学校の施設整備費とかというのが入ってきているわけですけれども、ここで見ますと、昭和五十六年では五千二百九十七億というそういう予算であったものが、平成三年は二千二百八十八億、四三・一%、半分以下に減ってきている。そして、平成四年に多少ふえまして二千五百六億です。四七・五%、それでも。五〇%切っておる。物価の値上がりというのは多少抑えられてはきておりますけれども、あるんですね。そういうものを換算すると、これはもう考えられないほど予算というものが縛られてきておるということです。その中で、ようやく今年度は前年に比してふえてきたということで、私たち教育をずうっとやらしてもらっていて、皆さんいろいろおっしゃるけれども、ようやく政府も大蔵省も目を開いていただいたのかなというふうな思いで実はおるんですけれども、このままでもだめなんですね。私はそう思うんです。  そういう意味で、だから、特にまたこれは一般的にも私は常々思っているんですけれども、どなたも、さっきから繰り返して申し上げますように、教育は大切だ大切だと言う。ところが、我々政党人としまして、これは各党見てもそうなんですが、いよいよ大切なもので、選挙のときには大切な問題の論戦なんかになりますと、絶対教育というのは後へ引っ込んじゃうんですね。どっかへ消えちゃう。それで、ほかの外交とか経済とか安保論とか福祉とか、そういうことにもうすりかわってしまう。みんなそれで一人一人聞けば、大事だ、こうおっしゃる。だからそういうことというのは私は非常に残念なことだ。特に、二十一世紀をにらんだときに日本というのは一体どうなるのだと、目の前に見える票になるようなことでしか予算をなかなか組まないというような、そういう形がどうも出てきているような気がしてなりません。そういうものはこの際私は是正すべきじゃないのかというふうに思っているんです。  ですから、もう大臣も御承知だとは思いますが、かつて読んだ本の中にありました。ユダヤの方々は、国がなくなって放浪の中でもたった一つだけしっかりと、どんなに迫害されても守ってき、それを実施してきたのは何かといったら教育だというんですね。だから結局、この全世界の中で、国が滅びてなくなって、そして放浪して民族が生きた例はないと言われるんですけれども、ユダヤの人たちは、それこそ放浪の中で迫害されても、何か与えるものがあって何か選べと言われたときには、教室が欲しい、食べ物がなくてもそう言ってきた。そういうことが全世界で、それこそ知能とそれから頭のいい方、ノーベル賞をもらった人を集めるとユダヤ人がほとんどを占めてしまうと言われるくらいに私はなったんであろうというふうにも思うんです。今イスラエルという国をつくっております。いろいろなことのよしあしというのは別にしまして、事実関係を見てきて、大変にやはり教育というものを重視してきたことが年月の中できちっとした結果が出ておる、これはもう私が申し上げるまでもなく、大臣はもう御承知のことだと思うんですね。  そういう意味で、この平成四年度、予算がプラスになったその機会にここで新たに御認識をいただいて、この教育関係については真剣に大臣もお取り組みいただいて、ひとつ予算の大幅な増にぜひ御協力をいただきたい、こういうふうに御要望申し上げまして、このシーリングということにつきまして別の角度から、ちょっとこれは教育ということを若干離れて御質問申し上げたいと思うんです。  シーリングを始めました昭和五十七年の当時と現在と比較しますと、ちょっともう比較ができないぐらい世界の情勢も我が国内の情勢も私は変わってきていると思うんですね。ところが、シーリングそのものは五十七年当時に、その前の年までに検討されたんだとは思いますが、その枠組みの中で、ずうっとその延長線上で来ているわけです。だから私は、こういう情勢が変わったのにそのままでシーリングを置いといていいのかな。私はシーリングの効果というものを否定するものではありませんけれども、これはこれとして内容を再検討すべきじゃないか。  具体的に申し上げれば、例えば防衛予算、これは枠外になっておりますけれども、今各党とも、政府を含めてやはりこれは予算は削っていこう、減らしていかなきゃならぬというそういう趨勢ですから。ソ連がああいうふうになりました。もう、そして冷戦もなくなった。そういう中で予算というものは減らさなきゃいかぬ、こういうことで来ているのです。これは、年次計画がありますから、今すぐシーリングの中に入れちゃって、ちゃんと枠組みの中に入れるべきだとは私も申しませんけれども、これも情勢が変わった中でのシーリングの考え方を考え直さなきゃならぬ一つの例であろうと思うのですね。  さらに、科学技術関係の予算、これは各省にまたがります。文部省、科学技術庁それから通産省、それからほかにもあるかもわかりません。各省にまたがる中でこれはいろんな形で予算として組まれているわけですね。だから、これは文部省だとか通産省だとか科学技術庁だけだという枠組みではとらえられない。しかし、これは二十一世紀をにらみますと、現在、昭和五十七年のシーリングをやったときと比べますと、比較にならぬぐらいこの重要度というのは増してきているわけですね。しかも、これがしっかりとした予算を組みながら、そしてここに、ある意味では惜しみなくしっかり予算をつぎ込みながらやっていかないと、二十一世紀、資源のない日本で、これは豊かな生活というものが果たして維持できるのか、そういう思いにもなるのです。  そういうことからいきますと、国全体の安全保障、安全立国という立場でこの科学技術関係の例えば予算は、これは各省にまたがるけれども、私はシーリングの見直しをやって、シーリングの外に置いてちゃんと見ましょうとか、これは一つの具体的な私の考え方ですからいいか悪いかは別として、防衛費にしろそういうことにしろ、私はそのシーリング自体の枠組み自体を新たに再検討して、予算というものの組み方を考え直すべきときに来ているし、それが必要ではないか、そういうふうに思うのですが、この点についていかがでしょう。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 御指摘のありましたことについての考え方の基本は、私どももよく理解ができるところであります。  ただ、概算要求の基準におきましては、例えば、人件費にかかわる義務的な経費の増加ですとかあるいは各種年金の制度の成熟化に伴う増加ですとか、また国際条約の実施に伴って必要とされるいわゆる既に国庫債務負担行為が決まっているようなものですね、その歳出化にかかわる経費、また法律や国際的な責務によって極めて義務的に増加しなければならないという性格を有するもの。これは一律の枠の中で要求がなかなか行うことが困難であるという、こういうものについて要求を可能にすみ取力扱いということでございまして、防衛の予算等につきまして、まあこれは特に防衛ということでお話しということじゃありませんでしたけれども、しかし、防衛等につきましても、いわゆる後年度にわたるようなもう既に契約してしまっているもの、こういった経費というものが例外扱いになっているというだけでございまして、防衛費関係全体をそういうものになっているものじゃないということ。むしろ、御案内のとおり、ことしの場合には、食糧費ですとかあるいは隊員の宿舎ですとか隊舎ですとか、こういったものの伸びはある程度あり、また、いわゆる日米の取り決めによるところのものが百五十数億円ですかがあったということ。ということになりますと、全体のほかのものについては逆にマイナスになっておるというのが現状で、やはりこういう中に国際的な大きな流れというものもきちんと実は組み込まれているというふうに思っておりますし、また科学技術予算につきましても、ことしの場合には四・五の一般歳出に対して八%の増ということで、ここの面もやはり科学技術というものが、日本の中で今後のこれからの日本を開いていくためには、どうしてもやはり重要であろうという中で、こういう特別な伸びを示しておるということでございます。  ただ、やはり、一般的な経常のものについてはお互いに倹約できるものはする、あるいは制度なんかを見直しながらカットしよう、そのための努力目標としてのシーリングの枠というのはやむを得ず、やはり今は我々のこういう予算、限られた中でやっていく場合にはやむを得ないのかなという思いがさらにしていることについても、率直に申し上げさせていただきたいと思います。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 次の問題にこれで移りたいと思いますけれども、先ほどの御答弁にありましたように、教育予算、文教関係予算につきましては、ひとつ特段に、その今の枠の中で御配慮いただいて、お取り組みをお願いしたい、心からこれをお願いいたしまして、一つだけちょっとまた大臣にお尋ねをして、あと自治大臣に移りたいと思います。  実は、我が党の提案の中でもこれは重視して言っているのですが、学校五日制というものが試行されます。今年の九月から一カ月のうち土曜日一日が休みになるということでスタートするという流れになってまいりましたけれども、これについては、これは文部省だけでどうこうといってもできる問題ではございませんし、特に財政当局の強力なひとつ御配慮をいただいて進めなきゃならぬ問題だろうというふうに思います。各省にまたがる問題でもございますし、ぜひこれはいい形で進行するよう、また財政的な面でも強力にバックアップをお願いしたいというふうに思うのでございますが、この点についていかがでございましょうか。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 学校の週休五日制につきましては、文部省におきまして協力者会議の提言に沿って、初等、中等教育の各学校の段階におきまして平成四年度の二学期から毎月の第二土曜日を休業する学校週五日制というのを実施することが決定されたというふうに承知しております。  平成四年度の予算におきましては、我が国の社会や国民の意識の変化を踏まえまして学校あるいは家庭、地域社会が一体となってそれぞれの教育機能を高めることに資するように、公民館ですとかあるいは公立の図書館等の社会教育施設の整備ですとか、また家庭教育の振興、青少年の学校活動の振興など、いずれにいたしましても、各般の施策に対しまして所要の経費というものを計上いたしました。いずれにいたしましても、こういったことを進めることによりまして、学校の週休五日制――学校の週五日制ですね。これの実施に必要な環境整備、これが進められることであろうというふうに存じております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 細かいことを揚げ足とるようで恐縮ですが、最後脚訂正になりましたから安心しましたけれども、学校は五日制でございまして、週休五日制だと五日間休みということになりますので、それはひとつきちっとした形でよろしくお願いをいたします。  じゃ自治大臣にお尋ねをいたしたいのでございますが、これから教育予算なんか特にそうだと思いますけれども、教育のいろいろな事業を進める、教育改革を進めるということについては、各省庁にまたがる問題というのが非常に多いわけですね。これはどこの省庁でもそうかもわかりませんけれども、特に私ども教育をずっとやってきておりまして、そういう思いを深くいたしております。そういう中で、自治省が関与するところが非常に大きいんだというふうにも思いますが、ひとつぜひともそういう関連のことについて、今申し上げた学校五日制なんかもそうでございますけれども、ぜひそういう形での協力体制をとってお進めをいただきたいというふうにお願いをしたいわけですが、この点について大臣のお考えをお聞かせをいただきたいのです。  こういうふうに念を押していますのは、塩川大臣は前に文部大臣をやっていらっしゃいましたし、私もやりとりをさせていただいたことがございますから、文教関係については御理解が深いということは承知でございますけれども、こういううふうにあえてお尋ねをしておりますのは、実は大臣も御承知かと思いますが、生涯学習を推進する法というのが平成二年の六月に制定されたわけです。国会を通過したわけでございますけれども、これは中教審の答申の中では、実は法案の中に、生涯学習推進センターというものをつくる、それからさらにはセンターの中に幅広い知識経験を持つ専門的職員を必ず配置するんだというふうな答申がおりまして、そういうもののきちっ七センターも設置、それから専門的職員も配置するというようなことが法案の原案の中にはあったようなんですね。これは新聞報道で知ったわけですから、事実確認ということとは若干違いますけれども、あったと。  ところが、これがやはり生涯学習ということになると十六省庁ですかが関係がありまして、その中で通産とたしか文部省がメーンの省庁になってこれをやったみたいですけれども、結局最終的には各省庁とのすり合わせの中で、何か言葉の表現が悪いかもわかりませんけれども、袋だたきみたいになりちゃって、そのセンターというのがのいちゃった、専門的職員の配置ものいちゃった。そして結局は、地方の、都道府県の教委で事業としてやるというような形で、そういうふうな形に変わっちゃったのですね。ですから、これ自体の、生涯学習という、これは国民にとってこれから大切な問題なのに、肝心の法案ができたときは、何かしらん寄ってたかってそんなことになっちゃったということで、骨抜きとは言いませんけれども、メーンでがちっとしたところで進められるべきものが非常にやわらかな形で、どうもきちんとした形で運営ができないような形の法案になってしまったというふうなことが報道されておったわけですね。  その中で特に、本当かどうかわかりませんけれども、自治省あたりが非常に厳しい指摘があったというような話でございまして、どうもセンターをつくるとかいうのは自治省の領分の話であって、文部省あたりがやるんじゃないぞというふうなことがあったとかなかったとかいうのが報道されておりまして、結局法案として出てきてみたら、そんなものは影も形もなくなっておったということが実はあるわけですよ。  これは非常に寂しいことでありまして、むしろこれはあってはいかぬことじゃないか。これからこういうことが多いんだろう。各省庁のエゴで、おれのところの領分に手空っ込むようなことはさせぬぞというような、そんな視点での考えではなくて、国民のためにやらなきゃいかぬということであるならば、そこは文部省の根回しも悪かったのかもしれませんけれども、よくわかりませんけれども、新聞報道ですからからんとしたことじゃありませんけれども、もしそれが事実とすれば私はあってならないことだろうと思う。やはり国民の皆さんが要望する必要な法案については、各省庁がお互いによく理解をし合ってよりよい法案にしてこれを出していく、こういう流れにすべきだろうと思うのですね。ところが、生涯学習を推進する法案についてはそういうことがあった。そういうことがあるものですから、非常に私ども、何とかこれはいい形で国民のためには進めなきゃならぬ、我が党の重要な政策の一環としてやっていったわけですからそう念願はしておったのですが、結果はそうなった。  実は、学校五日制についても今後推進になるときに、これも私どもは、本当に明治の五年以来の教育改革、これ百二十年週六日制でやってきたのが五日制になるということは、もう大改革です。この機会に今までの受験競争とか、子供が今非常に情緒的といいますか、思いやりがないとか根性がないとかいろいろ言われておりますけれども、そういう中で本当にこの土日というものを生かしながらやるという雰囲気づくりのためには、自治省においてもこれは格段の協力をしていただきながら進めるということが大切になる、こういうふうに思っておりまして、その点について大臣のお考えをお聞きをいたしたいと思います。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○塩川国務大臣 生涯学習センターの件につきましてはいろいろないきさつがございまして、一概におっしゃるようなわけではないと思うのですが、基本的な考え方を私、自治、文部の間でちょっと申し上げたいと思ってはおるのですが、私はやはりこの際文部省も大きく自分のところの方向を見定めてもらいたいなと思っておるのです、他省のことになって恐縮でございますけれども。どうもやはり義務教育に重点を置き過ぎた予算になっておりますること、これをやはり大学、先ほどおっしゃった学術振興ですね、生涯学習、そういう方向にウエートをしていくべきではないかなと思うのです。そのためには何が必要かといったら、やはり義務教育関係についての一般財源化が相当すべきものがあると思うのですよ。これはやはり権限争いになってしまっておるのですね。ここなんかも私は非常に考えるべき問題が多いんではないかと思っております。  そういうことからきて、結局文部省のシーリングの問題を、私はもうシーリングの枠を撤廃すべきだと思っておりますけれども、全体のことを考えますと一概にそうはいかない。そうすると、ある程度シーリングの中に泳いでいくというか、うまく切り抜けていくのには、財源のすり合わせをしていって、そういうところの一般財源化することによって余裕をつくり、その余裕をそういう方向に使っていくということを考えざるを得ないんではないかなと思うたりするのです。そういう点について、今度の平成四年度予算で自治省の方で、もう鍛治さんも十分専門家でよく御存じのように、義務教育費の追加費用、そういうようなものの一般財源化について肩がわりしましたし、それからそのほかにもまだ随分あると思うのですよ、個々については申しませんけれども。そういうような財源の余裕をつくっていくということが私は非常に大事なことではないかな、こう思っておりまして、教育は何も文部省だけじゃなくて自治省も責任があるという観点で、文部省とはこれからも十分に相談しながら、文部省がやりやすいような方向に私は持ってきて、相談しながら進めていきたいと思っております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 時間が詰まってきましたので、もう先に行かしていただきますが、学校五日制の実施とともにいろいろと地方交付税ですか、によるいろんな措置というのはやはりやっていくという方向でこれはぜひお取り組みいただきたい、こう思うのですが、具体的にあればひとつ御答弁いただきたいということと。  もう一つは、我が党が七つの提言をしました中で、学校五日制推進を言っているわけですけれども、これは段階的にぜひやらなければいけない。父母の皆さんの理解を得るということが大前提だということで申し上げておるのですが、その中でひとつやはり土日の使い方というのがこれから大切になると思うのですね。これについてのいろんな親の方、地域の方は心配を持っているわけですけれども、その中でやはり私は土日というものはもう家庭・地域の日というふうに定めてやるべきだ。我が党としてはそういう日に定めて、ひとつ全国民の皆さん、特に子を持つ親の皆さんを含めて意識改革をやって、その日を、何かこう塾に通うとか変な非行に走るというようなことのないようにみんなでひとつ意識改革をやる中でいい形で、本当に人間性を取り戻し、子供をいい形で心豊かな子供に育てさせる、そういうための家庭・地域の日というふうにして、これは国も地方の公共団体においてもぜひひとつ取り組んでいただいて、これをPRもし、いろんな施策も講じていただきたい、こういうふうに思っておるわけですけれども、その中心でひとつ自治省でぜひ、旗振りといったらおかしいのかわかりませんけれども、指導と、いうことになるのかどうか、地方自治体にそういうことをひとつぜひ旗を振っていただいて、全国的にそういう機運をつくる中でいい形で学校五日制を、特に土日の扱いを家庭・地域の日としていい形にしていただきたい、こういうふうに思うのでございますが、この点についてはいかがでございましょうか。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○塩川国務大臣 それはやはりハードの面とソフトの面とあると思うのでございまして、私はやはり学校はもっと地域のために開放すべきだと思うのです。ところが、どうもこの学校開放というのは難しいんですね。そこらを、やはり五日制になれば私は地域の問題として相当深刻にこれは議論されてくる問題であろう。その場合、やはりその土日の利用をできるような施設は必要になってくると思うのです。この施設については十分な対応をしたい、こう思っております。設備費というか施設費として対応したいと思います。  もう一つは、ソフトの面でございますが、御存じのように社会教育主事だとか社会指導員、体育指導委員等ございますね、いろいろ。そういうのをどうして土日曜日の学校と社会との関係に働いてもらおうかということ、このことも非常に重要な検討事項ではないか。そういうような面について文部省とも十分相談しながら、要するに先ほど言いましたように、文部省がこうやりたいんだというような、文部省の財源をむしろ自治省が見てやっていいじゃないか、そういう気持ちでかかっていきたい。だから文部省の方も、こういうことをしてくれぬかということを出してこられたら私は話には乗っていきたい、こう思っております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 家庭・地域の日についてもひとつぜひお取り組みをいただきたい。この点についてはちょっとまた簡単に御答弁いただければと思います。  さらに、地方において、地方公共団体がいろんな施設を持っております。例えばこの前に新聞報道されておりましたが、横浜市において、市議会でこういう学校五日制に対する対応策として質問があって、市の施設を無料開放したらどうか、こういうふうなことが載っておりました。大変私はいいことだと思うのですが、私どもも七つの提案の中に、国立の美術館とかいろんな関係の施設については、親子連れであれば無料ないしは半額にするというふうにしろということで申し入れをしておりまして、そういう方向で動いていらっしゃるようですが、地方公共団体の持つそういう施設についてもそういう形でぜひひとつ、これも自治省の方から働きかけてそういう方向に進むようにやっていただきたい、こういうふうに思うのですが、この点についていかがでございましょうか。

塩川正十郎自由民主党自治大臣・国家公安委員長

○塩川国務大臣 各自治体におきましては、そういう方向は相当とってきておると思いますけれども、やはり根本的には、そういう施設には多大な投資をしてきた負担がかかっておるものでございますから、一概にそれは全部無料化して開放する、全面開放ということはできないと思いますけれども、逐次その方向に指導を強めていきたい、こう思っております。

紀内隆宏自治省行政局長

○紀内政府委員 お答え申し上げます。  公の施設が住民に大いに利用されるということは、その設置の目的がかなえられることでございまして、大変結構なことでございます。地方公共団体におきましては、住民のニーズに対応して住民が利用しやすいようにその設備の整備であるとか、あるいは運営についても工夫を凝らすべきだと思っております。  週末の親子連れの利用者に対して無料化してはどうかという御提案でございますが、今大臣から基本的な点についてお答え申し上げましたけれども、具体的にはそれぞれの施設の設置者であります地方公共団体が住民の意向を踏まえて適切に判断されるべきことである、このように考えております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 ぜひひとつ前向きでお取り組みをいただきたいと思います。  最後に大臣の方に、事務局でも結構ですが、お答えいただきたいのですが、実は国立大学ございますが、非常に財政難です。私も自分の母校を初めいろいろとよく大学を回るのですけれども、非常に財政的に厳しくて大変な状況の中にありますが、この中で、実は地方公共団体が、例えば例として言いますと、地域のコミュニティーもつくりたい、町づくりの中の、大学がありますと、国立大学がありますと、それを一つの核にしてそれで地域の町づくりをやりたいというような計画を立てているところもあるようです。そういうところは大学を一つの核にして、例えば地域の共同の開発をしてもらうとか、大学の開放とかいうようなことをいろいろこうやっていらっしゃるようですけれども、そういうことをやるについて地方公共団体で国立大学に寄附をしたい、寄附金もという形ですね、したいというのがやはり何カ所かあるみたいなんですね。ところが、実際は地財法の関係でこれはできないということで、何か財団づくるとかなんとかややこしいことをやって、結局人件費がかったり、いろいろなことを、かかるようなことを手間暇かけてやっているというようなことがあります。これについては私はもうあっさりと寄附金を何とか認められるように弾力的な措置というものができないかというふうに思うんですが、この点についてお答えをお願いします。

湯浅利夫自治省財政局長

○湯浅政府委員 国立大学につきましては、御案内のとおり、地方財政再建特別措置法によりまして直接的に地方団体が国に対して寄附をするということは、これは原則的には禁じられているわけでございます。これはある意味では国と地方の財政秩序をきちんとするという意味からも必要なことではないかと思うわけでございますけれども、最近は、御案内のように大学というものが地方では若い人たちが集まる施設ということで、大学を誘致したり、あるいは公立の大学をつくっていこうという空気が非常に出ているわけでございます。そういう中で地方の国立大学というものも地方の立場からいろいろな関心が出ていることも事実だと思います。ですから、その場合の国立大学に対する地方の関与の仕方、これをどういう形で持っていったらうまく運用できるのかどうかということ、これをこれからの検討課題として検討してまいりたいと思うわけでございます。  御案内のとおり、この施設の開放とかあるいは講座、市民講座を開放するとかというようなことがだんだんと行われてまいりますと地域と大学との間の結びっきというものが強くなるわけでございますが、なかなか現段階ではこういうこともできていないという問題もございますし、しかし、他方では地方の方から大学の先生方の御意見をいろいろな形で聞くという立場で審議会の委員さんになっていただくとか、あるいは研究委託をするとかというような形での結びつきというものはこれから出てくると思いますし、現在もやっておりますので、こういう形で地域の大学と地方団体というものがこれから密接になっていくような方策を考えていくべきだと考えております。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 時間がなくなりましたので、厚生大臣、厚生省にお願いしますが、もう説明抜きで簡単に大変恐縮ですが御質問申し上げます。  さっきから申し上げている学校五日制、これは受け入れ態勢が必要でございますが、その中に厚生省の所管のいろいろな施設なり、またボランティアの関係もいろいろございますが、こういったものについてもぜひひとつ体制づくりをしていただきたいというふうに思うのでございますが、いかがでございましょう。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 先ほど来それぞれの所管につきましていろいろ御答弁ございました。やはり一週間に一日だけお休み、自由時間がふえるわけでございますから、これをいかに有効に使わせるかということにつきましては、ハードとソフトの面があると思います。私どもは、厚生省としてはハードの面では児童館とか児童センターがございます。こういうものを整備していく。ソフトの面では母親クラブというのがございますからやはりある程度チームで遊ばせるとかグループで遊ばせる場合に、お母さんたちもこれに一緒になって努力、協力をしてもらうという点も考えていかなければならぬと思います。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 いよいよ時間がなくなりました。一言だけ、もう一つだけ。  今言った児童館その他についてはやはり一番大切なネットワーク化をぜひ図っていただいて、これは情報提供とかいろいろな場にもう皆さんが自由にどこでもできるようにしていただきたいと思いますが、簡単に御答弁をお願いします。

土井豊厚生省児童家庭局長

○土井政府委員 市町村が児童館とか児童センターを設置しておりますが、十三の府県で都道府県立の大きな厚生施設ができておりますので、それを中心にしましてネットワークづくりを新年度新しく五県で始めたいというふうに考えております。中身については、御案内のとおり児童館のいろいろな催し物の広報あるいは移動型のプレーバスというようなもので児童館のない地域にサービスを提供する等々の事業を予定しているところでございます。

鍛治清公明党・国民会議

○鍛治委員 もう時間になりました。大変ありがとうございました。これで質問を終わらせていただきます。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて近江君、鍛治君の質疑は終了いたしました。  次回は、明六日午前十時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後六時三十七分散会

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