予算委員会 第7号
- 発言数
- 401 件
- 登壇者
- 48 名
- 会派数
- 3
- 開催日
- 1992/02/24
会議録
○山村委員長 これより会議を開きます。 平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑を行います。 井上普方君の質疑に関連し、戸田菊雄君及び堀昌雄君から質疑の申し出があります。井上君の持ち時間の範囲内でこれを許します。戸田菊雄君。
○戸田委員 まず、質問の順序を変えさせていただきまして、金権腐敗、政治改革等の問題について質問をいたしてまいります。 自民党宮澤派の前事務総長で総裁選の功労者でもある阿部文男元北海道・沖縄開発庁長官が鉄骨加工会社共和から総額五億三千万円に上る資金提供を受けたと言われております。東京地検は、長官就任祝い二千万円、阿部事務所の借金肩がわり六千万円等々八千万円についてわいろとして認定をいたしまして、受託収賄の容疑で阿部元長官を起訴いたしました。また、マンション改装費として一千万円のわいろについても追起訴いたし、総額九千万円となります。今国民は、これらに対して、極めて不正不義の日本の政治に対し憤激し、未来を案じ、徹底的にその真相を追及すべきだ、こういうのが国民の声であると私は思います。国民の負託にこたえなければならない重大事態だと思いますので、この際、総理はこの件に関してどのようなお考えを持っておられますか、まず御質問いたします。
○宮澤内閣総理大臣 まことに遺憾なことでございまして、政治改革を実行いたしまして、国民の信頼を回復いたさなければならないと考えておりますが、事件そのものは司直の手によって解明が始められておりますので、しばらくそこにお任せをすべきものかと思います。
○戸田委員 自民党が国民政治協会というものを持っておりますね、これは政治団体。自治省に届け出あった分で、これは一九八九年の政治資金収支報告でございますが、これを見ますると、二つ以上の都道府県、すなわち全国比例選挙、三年前でありますけれども、またがって行われた選挙に千七百三十三億円、また、一つの都道府県内、すなわち選挙区選挙で活動する部分、これは都道府県選挙管理委員会に届けるものでありますが、これに千五百八億円、いずれも史上最高と言われますね。中央地方を合わせまして、政治資金の総額は史上最高の三千二百四十一億円であります。 政治に金がかかるとよく言われますが、自民党の金権政治のもとでは、かかるのではなくてかけるのではないでしょうかね。こういったいわゆる自民党自体の金権体質と申しますか、こういうものをやはり抜本的に私は改善する必要に迫られているのじゃないだろうか。これは総理、どうお考えですか。
○宮澤内閣総理大臣 一般的に、政治に金がかからないようにするにはどうしたらいいか、それから必要な金につきましては、その透明性を確保するというようなことが政治改革のやはり一番大事な点になってまいると思います。
○戸田委員 自治大臣にお伺いしますけれども、現在、自民党には五つの派閥があるようであります。もちろんこれは法的には合法的でありまするけれども、その政治団体、竹下派、安倍派——現在は三塚派になりましょう、中曽根派——現在は渡辺派になりましょう、河本派、宮澤派等々、政治団体幾つぐらいありましょうか。
○吉田(弘)政府委員 突然のお尋ねでございますので、各それぞれのそういう派閥の指定団体が幾つあるかということは、今承知をいたしておりません。
○戸田委員 これは調べればわかりますね、選挙部長。
○吉田(弘)政府委員 派閥ということではなかなか調べにくいということになるわけでございますが、個人の政治家の方々の指定団体ということでございますれば、それは調べればわかるような格好になっております。
○戸田委員 それは、じゃ、後で調べまして資料を提出してください。いいですか。
○山村委員長 後刻相談して資料を提出させるようにします。
○戸田委員 一応政治団体の収支報告、自治省に届け出なっているわけでありますが、これは自治省の方にいろいろお話をしたんですが、閲覧ならいいけれども資料は出せない、こういうことなんですね。報告してあったものですから、だから私は、資料として提出を求められれば当然出さなくちゃいけないと思いますから、委員長の方で後刻検討、対処する、こういうことでありますから、いいですか。
○吉田(弘)政府委員 どういう政治家の方がどういう指定団体を持っておられるか、それをどう届けておられるかということは、私どもわかるということ、政治家の名前を特定していただいて、その方の指定団体はどういうものであるかということは、こういう団体があるということは、届け出がございますのでわかるということでございます。
○戸田委員 今おっしゃられたように、例えばこれは宮澤派の新財政研究会、こういうのがありますね。この主宰者は宮澤総裁、代表者が佐々木和男、こういうふうになっておるのですね。これは全部届けられておると思うのですけれどもね。だからこれを閲覧すればわかると思いますから、それは明確にひとつ要求したものについては出していただきたい。 それでいろいろと私が調査したところでは、現在自治省に届けたもの、政治団体で、収支報告書、こういうものを届けたものは竹下派が大政治団体、安倍派、現在の三塚派は十一政治団体、それから中曽根派、現在渡辺派ですが、これは五政治団体、河本派は五政治団体、宮澤派が七政治団体、このように存在をしているようでありますが、自治大臣、これはおわかりですか。
○塩川国務大臣 選挙部長が答えておりますように、派閥そのものということの確認がなかなか難しゅうございますので、十分調査いたしまして、先ほどもお約束しておるように、委員長と理事会で御相談がございましたら、その線に沿いまして私たち作業をいたしたいと思っております。
○戸田委員 これは、例えば宮澤派の場合ですと、新財政研究会、これが一つございますね。それから宏池会というのがありますね。それから備後会。この備後会というのは宮澤総裁直の地元の後援会のようであります。それからみどり会。それから平河会。この平河会というのが二つあるようでございますね、宮澤総理が主宰者であるものとそれから粕谷前事務総長が主宰者であるものと。それから時事問題懇談会等々七政治団体があるようでありまするけれども、この政治団体の存在については総理はわかっておりますか。
○宮澤内閣総理大臣 わかっておるものもございますが、全部というとちょっとはっきりいたさないところもあります。
○戸田委員 例えば八八年、八九年、九〇年等々のそれぞれの各政治団体に寄附、収入等々について、これ、おわかりですかな、総理。
○加藤国務大臣 今私、派閥離脱しているわけでございますので、派のことについてはお答えするのは不適当かと存じますが、できる限りの知っているところでお答えしたいと思いますが、御質問の点がもうちょっと聞き取りにくかったので、そのそれぞれの団体についてどのような収支になっているかわかっているかということでございましょうか。ちょっともう一度お願いできればと思います。
○戸田委員 今回の共和事件で巷間取りざたされておるのは、どうも宮澤派、派閥ぐるみでこれらの問題に取り組んだのではないだろうか。殊に阿部さんは前事務総長ですからね、ナンバーツーの立場で、等々の立場でいろいろ本人は、非常に選挙に金がかかる、あるいは総裁選で金がかかる等々言っておられたわけですから、そういうことからいけば、宮澤派としての今回の事件に対する金の流れというものを知りたいわけですよ。そういう状況からいってお伺いしているわけなんで、だから総裁は会長だからそれはわかっているかもしれませんが、官房長官は前の事務総長をやられた経験あるようですが、ですから、そういう点でわかるんじゃないかと思って質問しているわけなんです。
○加藤国務大臣 宏池会にいわゆる共和の方からお金が入っているのではないかということとか、そういう意味の御質問でございましょうか。そういう意味では、宏池会には共和からはお金は入っておりません、事務局からそう報告を受けております。 それから、阿部さんの方から宏池会に入っているのではないかという御質問ではないか、そういう点も御趣旨にあるんじゃないかと思いますが、その点につきましては、累次総理大臣ないし私もここでお答えいたしているように、阿部さんの方からは平成二年の六月に宏池会に一千万の寄附が行われております。阿部さんの政治団体の方から寄附を受けているわけですけれども、これは当選回数が比較的多くなった議員が、言うなればみんなで少し当選回数も多くなったから派のために貢献しようということで、それぞれの人間が自分のできる範囲内でのカンパをするということがうちの派ではありますし、ほかの政治グループでもあると思うのですが、その中の一環として行われたもので、特に目立った額でもございません。それは共和とは関係ないものでございます。
○戸田委員 収支報告によりますると、宮澤派内にある七つの政治団体、その宏池会、これは八八年には総額九億六千八百七十二万円、八九年は五億七千四百三十五万、一九九〇年には十四億七千二百七十二万円。千円以下は切り捨てておりますけれども、万単位でとったのですが、そういうふうになっているのですね。それで阿部さんは新陽会という後援会を持っておりまして、そこから九〇年の六月二十三日、宏池会に一千万、これを寄附しているのですね。それは御存じですか。
○加藤国務大臣 ただいま私が申しましたように、平成二年六月に阿部さんから一千万のカンパを宏池会は受けておりますが、それと同じものでございます。今私が申し上げたものでございます。
○戸田委員 そうしますと、起訴をされたわいろ金額、総額で九千万円ですからね、九千万円。そのうち一千万円は宏池会に寄附しておりまするけれども、あとの八千万はこれは入っておりませんか。さしあたってわかった金額です。
○加藤国務大臣 その新陽会という団体から、阿部さんの政治資金団体から宏池会はカンパを受けているわけですけれども、その新陽会には共和からのお金は入っていないと聞いております。
○戸田委員 これは自治大臣、そういう報告漏れの場合はどうなんですか、当該議員に対して。何か罰則がありましょう。倫理綱領の行為規範に明確にあるんじゃないですか。
○吉田(弘)政府委員 私ども事実関係をよく承知しておりませんので、これに即してお答えすることはいたしかねるわけでございますが、一般的に、政治資金規正法上収支報告の規定等はあるわけでございまして、事実関係を承知をしておりませんので、何ともこの問題に即してのお答えはいたしかねるということでございます。
○戸田委員 これは行為規範でありますけれども、第二条「議員は、報酬(自己の事業に係るもの及び金額が年間百万円以下のものを除く。以下同じ。)を得ている企業又は団体の名称、役職等を議長に届け出なければならない。」、これは行っておりましょうか。
○塩川国務大臣 失礼でございますが、おっしゃっている事実関係を私らの方でまだ十分つかんでおりませんので、一回この後で戸田さんによく御質問の御趣旨等をお聞きいたしまして、最善の努力をもってお答え申し上げるようにいたしたいと思います。
○戸田委員 今までの総理の御答弁は、阿部議員の辞職等の要請が自民党の武藤委員からもここで出されたようですね。あんなめちゃくちゃなたかり的なことをやっておったんじゃ議員辞職は当然でしょうというようなことを言われたと思うのですが、それに対して総理は、あくまでも個人的な関係だから我々がどうと言うことはできないということを言っておりまするけれども、行為規範によってはこれは議長が罰則を加えることができるのですね。ですから、それはそういう手続をとって、そして明確に進退を伺うということがあっていいんじゃないでしょうかね。どうでしょう。
○宮澤内閣総理大臣 ただいまのお話は加藤さんからお答えしたことと別に関係がないことでありまして、加藤さんのお答えしたことは、阿部議員から宏池会の方に幹部の一人としてカンパをしてくれたことがある、それは何とか会、今忘れましたが、からの宏池会に対する寄附となっておるが、その何とか会というものは共和というところから別に金を受けたことはない、こういうことは事実関係ではっきりしておるということを申し上げたわけでございます。 それと別に、今度は阿部議員の問題について倫理綱領で院として何かをすべきではないかというお尋ねであったと思いますけれども、これは院の問題でございますので、私がお答えをするのは適当でないのではないかと思います。
○戸田委員 法制局長官、見解、どういう見解を持っていますか。
○工藤政府委員 お答えいたします。 私も事実関係を明確に存じ上げておるわけではございませんので何ともお答えをいたしかねるわけでございますが、政治倫理綱領のお話でございましたら、これはただいま総理からお話ございましたような、これは各議院におきまして制定されたものでございますので、各議院における取り扱いがあってしかるべきか、かように考えております。
○戸田委員 こういう処置は内閣としてはとれませんか。総理、どうです。
○宮澤内閣総理大臣 こういうと言われる意味が十分わかりませんが、それは院としての問題であろうというふうに思います。
○戸田委員 ロッキード事件のときも田中元総理に対してそういう各般の論議が起きたことは間違いないのですけれどもね。ですから、等々をひとつ十分検討されまして対応措置を考えてはどうかな、私は別に何も阿部さんに個人的に怨念も何もありませんけれどもね。やはり政治浄化という、これほど国民の不信を買っている重大事態でありまするから、そういう問題に明確にやはり国会は対応していかなきゃならぬ、そう考えまするから、その辺について御検討をいただきたいと思いますが、総理、どうですか。
○宮澤内閣総理大臣 国会、院がどうすべきかということについての御意見として承っておきます。
○戸田委員 そういう状況になりますから、私はやはりこの国会においてアメリカの倫理法的なものを明確に制定する。二十一日の夜に総理は、党政治改革本部の皆さんを集めて、そしていろいろと四課題について提示をした、こういうことが各紙報道に載っておりますね。一つは公選法の改正、あるいは政治資金法の改正、あるいは腐敗防止等々、それらの四課題について一応指示をした、こういうことですが、やはりこの機会をとらえて、私はアメリカの政治倫理法的な、これを明確に設置をしてはどうか、腐敗防止の対策として、そう考えておるのですが、総理はいかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 政治改革全体の問題、非常に焦眉の急を要しますので、私どもの党内におきましても党としての考え方をまとめようと今最大限の努力をいたしておりますし、その後また協議会において、各党も御意見のおありのことでございますから、御協議の上、ひとつ具体的な有効な対策を国会としてもおまとめをいただきたい、法律の形で、法律改正の形でお願いをいたしたいというふうに考えておるところでございます。
○戸田委員 それから、その倫理法の本論に入る前に、ひとつ、これは大蔵省でございますが、租税公課一億三千六百四十七万円、これは九一年、平成三年五月二十四日に共和は自己破産申請をいたしましたね。で、租税公課が一億三千六百四十七万円余。内容は、地方税二十四件、東京国税局、航空燃料税三十七万五千円、それから社会保険料四十四万六千円、破産申立書添付優先債権一覧表を債権者会議に管財人が提出しておりますね。そして了承を得ている。いずれにしても優先債権分ですから、これらについてタッチはしましたでしょうかね、国税庁は。
○冨沢政府委員 個別の案件についてのお答えは差し控えさせていただきますけれども、私ども、確保すべき国の債権につきましては、その確保につき遺漏のないようにしておるところでございます。
○戸田委員 銀行債権はどのくらいありましょう。
○羽田国務大臣 ちょっときょうは銀行局長、来ておらないのです。私ども、個別のことについて、ちょっと承知しておりません。
○戸田委員 では、これは大臣、後でひとつ資料を出していただきたいと思いますね。 それから、九千万円がわいろその他になっているわけですが、一千万は宏池会に上納いたしましたから、残された八千万……(宮澤内閣総理大臣「それは違いますよ」と呼ぶ)
○山村委員長 ちょっと加藤長官からお答えします。官房長官。
○加藤国務大臣 そう御認定、御判断いただいては困ります。事実は違います。我々は、阿部さんのところの新陽会という政治団体から、みんながやっているようにそれぞれカンパを受けまして、その新陽会というものからの経理は報告されておりますし、その新陽会の中に共和からのお金は入っておりません。
○戸田委員 さっき官房長官が、一千万円は新陽会から宏池会に入っております、こう言っておったでしょう。これは、いわゆる阿部さんが、この資金集めその地やっている過程の中で出てきているわけですよ、これは。だから、別にそれは収支報告書で明確に出しているんですからね。それはどういうふうに勘違いしているんですかな。何を勘違いしているんですか。
○加藤国務大臣 なかなかそのおっしゃっている意味がわからないのですけれども、その阿部さんの新陽会という資金団体がありまして、それはどこから、どこから幾ら入りましたということが明確に自治省に報告されているわけです。その中には、共和からのお金は入っていないわけです。その、どこから集めたという明確になっているお金の中から一千万円を阿部さんは宏池会にカンパした、それも報告、届けてあるわけです。したがって、それはどこから来たか明確なお金でありますし、宏池会にも明確に報告されておりまして、その中には共和の関係はございません。ですから、そこで断定いただくのは困ります。
○戸田委員 では、僕が阿部さんの新陽会の収支報告も見ました。総額五千万なんですよ、五千万ちょっとね。ですから、今わいろとして取った九千万、総額、この起訴対象額、これに対して、その余った分ですね、五千万、まあそこへ行っているかどうだか、それはわかりませんよ、その寄附を受けたものが。だから表数字、考えると、八千万円は脱税数値になるのじゃないだろうか、こう考えるのですよ。大蔵省、どうですか。
○冨沢政府委員 個別案件につきましては、お答えを差し控えさせていただきたいわけでございますけれども、私どもは、政治資金収支報告書に記載されておるかどうかということを問わず、仮にお金が動いておるということでございましたら、そのお金の性質に即して適正に課税をする、そういうことにいたしております。
○戸田委員 それから通産大臣、商品債権はどのくらい、聞いたことありますか。この破産申請をしまして、管財人で今債権方式をとっておるのですが、商品債権。
○渡部国務大臣 大変不勉強で申しわけありませんが、よく勉強をさせていただきます。
○戸田委員 管財人の関係で、今破産申請後、いわゆる管財人は、商品債権幾ら、あるいは銀行債権幾ら、あるいは人件費幾ら、それから税金関係幾ら、こういったものを全部整理しているわけなんですよ、共和は。だから、等々の問題で、これは法務大臣、わかりませんか。
○田原国務大臣 急なお話でございますし、細かな具体的な問題でございますので、今、ただいまはわかりません。
○戸田委員 調査すればわかるのですか。
○田原国務大臣 その辺は帰って、後日あるいはきょうのこの後、担当に、我が方の担当で全部わかるのかどうか、そういう点は打ち合わせてみます。今現在はわかりません。
○戸田委員 恐らく債権会議その地やられて、その道は恐らく報告にはならないかもしれませんが、管財人の方で恐らく申請か何かするはずだと思いますね。ですから、法務大臣、この点はひとつ後で調査をして資料を出していただけませんかね。
○田原国務大臣 今先生のおっしゃったことが全面的に法務省の問題がどうかを帰って打ち合わせてみて、もしそうであったらそのようにさしていただきます。よろしく。
○戸田委員 時間がなくなりますから前へ進みますが、こういった、いわば俗称金権腐敗と申しますかな、こういうものをやはり全体として、我々もですが、これは改善策をとっていかなければ、国民の信頼をから戻すことはできないだろう、こう考えますので。 それで、総理が指示をしたと言われる四課題、殊に当面は政治資金規制問題、政治倫理の問題、この確立の問題についてやはり立法化を図っていく必要があるだろう、こう思います。その辺について、総理、どうお考えですか。
○宮澤内閣総理大臣 私どもの党の中で一月の下旬からこの問題について、政治改革全般につきまして、精力的に実は成案を得るために取り組んでおりまして、ある程度の流れというのが出てまいりましたので、せんだってそれを総合的に報告を聞きましたところでございます。 全体像もございますけれども、その中で、ただいまお話しのような政治資金あるいは政治倫理の問題等は急ぐ必要があるということでございますので、できるだけ早く私どもの党の考え方をまとめまして、各党協議会において、各党の御意見もおありでございますから、伺いました上で、ひとつ各党間の合意をできるだけ早くつくり上げてまいりたい。私どもの党としても最大の努力をいたしておるところでございます。
○戸田委員 二十一日の夜に総理が衆院の定数是正、政治資金、腐敗防止、国会改革・党改革等々の四課題について検討を委嘱した、こういうお話ですね。しかし、この定数是正とかそれから政治資金等々の問題については、腐敗防止を含めて、私は早期にやはり着手する必要があるだろう、こう考えます。ただ、この公選法の改正については、これは海部内閣時代に廃案になったわけですからね。廃案になっている。その後、各党協議でもって政治改革協議会というものを開催をして、設置をして、そしてそこで今検討中なんですね。だから、これはやっぱり各政党とも、各議員とも非常に関連を持つやつですから、そこでやっぱり進めていくのが私は至当だろうと思うのであります。 ただ、政治資金、腐敗防止等々の問題については、これはやっぱり私は、アメリカもイギリスの腐敗防止法、これを参考にして倫理法をつくった、こう言われるわけでありますが、アメリカ等にもいろいろな疑獄事件がありまして、ニクソン大統領時代のウォーターゲート事件、ちょうどたまたま私はこの直後にアメリカを訪米しまして、ウォーターゲート事件のあったホテルに宿泊した。いろいろ聞いておりましたら、やっぱり現在の日本のような疑獄、汚職等に対して非常に悩んでおった時代なんですね。それで、カーター大統領が、一九七八年でありましたけれども政府倫理法、こういうものを制定をいたしました。これは専らイギリスの腐敗行為、違法行為防止法、そういったものを参考にしてつくられた、こういうことなんでありますが、その内容は、立法府、行政府、司法府、この三部門の高官の資産公開、あるいは政府倫理局の設置、退職後の行政府の公務員のビジネス活動の規制、特別検察官の任命手続、権限及び上院法律顧問局の設置等々定めまして、厳しく出と入りを規制をしたようであります。 その内容でありまするけれども、中核となるこの規定、これは資産報告書提出の義務、必要な事項を明確にし、記載する場合はその記載事項についても厳密に選定をしまして、そしてやっておられるんですね。等々の政府倫理法というものを一九七八年既に確定をして、その後やはりこういったものは起こりにくい、こういう状況になっておるようでありまするから、こういったものをやはり倫理委員会でもって設定をして腐敗防止に取り組んでいくべきだ、私はこのように考えるのですが、いかがでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 政治改革につきまして、私どもの党としての考え方をまとめまして、いずれにしてもすべての問題を協議会で御協議を申し上げる。また、各党もただいまのいわゆる腐敗等につきましては案をお持ちでございますので、それらを協議会で御協議をいただくことでありますが、もとよりその際、各国の立法例等々は御参考になって御協議いただけるものと考えております。
○戸田委員 リクルートの反省の上に立って若干の公選法の改善策がとられました。しかし、日本の場合は選挙区内における議員の寄附行為、この禁止なんですね。それでお茶を濁しちゃったというのがこの前の公選法の、いや政治資金規正法であります、政治資金規正法の改正のてんまつだろう、このように考えておりますが、本当にこういったことを徹底してやっぱり私は立法の中に含めて、そして総体の入りと出の方をやっぱり明確に規制すると同時に、政治家の倫理、そういったものを確立していく必要があるだろう。 アメリカはさらに、この倫理法ですね、これは立法、行政、司法、この三部門ごとにほぼ内容の資産公開を義務づけていますね。それから資産報告の義務がある者としては、正副大統領、上下両院議員、連邦判事、立法、行政、司法三部門の高級公務員、高級武官、大統領または上下両院議員選挙に立候補する者を含めましてですね、等々で非常に厳しく諸事項について規制をしている、こういうことだと思いますね。 それから資産報告書の記載事項、こういったものは、これもまた厳密に規制措置をとっておるようであります。例えば資産報告書の記載事項、これは百ドル以上の勤労所得、出所、累計金額、百ドルを超える不労所得、出所、累計金額の区分、二百五十ドル相当以上のもてなし、出所及び簡単な記述、百ドル相当以上の贈り物、出所、簡単な記述及び価格、二百五十ドル相当以上の旅行費用の弁償、出所及び簡単な記述、千ドルを超える価値を有する収益目的の財産権、一万ドルを超える債務、千ドルを超える資産取引、不動産、有価証券等の売買、交換等、ただし個人の住宅は除く、企業、組合等における地位及び肩書、その他将来の契約等々、このように資産報告書の記載事項まで徹底して規制をしている。 こういうものがやっぱり私は、本当にここ日本の場合でも倫理法の中にそれは明確に設定をして、そして対応すべきじゃないか、このように思いますが、総理はいかがでございましょう。
○宮澤内閣総理大臣 米国におけるそのような制度を私も、詳しくは存じませんがよく聞きますので、そういうことをやっておるというふうに承知しております。我が国の場合にも、各党で御協議をされますときに、それらについても恐らくいろいろ御参照の上で、立法がなされるものと存じております。
○戸田委員 阿部さん自身が当時事務総長。これは総理、この点だけ一点伺っておきたいのですが、閥務運営の場合に、まあ閥務の運営ですからね、そこまでタッチしたくはないのですけれども、事務総長というのは会長に次ぐやっぱりナンバーツーでしょう。党内取り仕切っているわけでしょうからね。だから非常に重要なウエートにあったことは間違いないのですね。それはそうでしょう。
○加藤国務大臣 今、何議員の場合とおっしゃったのかよく聞こえなかったのですが、閥務議員——閥務議員という言葉はちょっとまだわからないのですけれども、事務総長というのは私もかってやりましたけれども、派閥の中のナンバーツーというようなものではございません。中堅議員の中から、まあある意味じゃ年ごろ中堅の方がなって、それから例えば同じ派の人間のだれだれが今度国会報告会開くから先輩の人に応援演説に来てもらいたいなあと思うときに連絡したり、他派との情報交換をしたりする非公式なものでございますが、ナンバーツーというようなそういう高い地位ということではありませんので、そこは御訂正いただきたいと思います。
○戸田委員 じゃ、要請をいたしました資料等については、十分私の希望どおりいけるように委員長の方でも御配慮をいただきたい。 そこでひとつ、東京宣言について通産大臣にお伺いをしたいのでありますが、日米東京宣言、殊に自動車関係についてブッシュ大統領と総理の間で、完成車二万台の輸入、それから自動車部品、これを金額にして百九十億ドル、こういうものを前途輸入することに努力をいたします、こういうことで合意を見たようでありますね。そのときに自動車工業会の会長が、いやこれは、今度の東京宣言だが、自動車だけがいわばいけにえにされたというような趣旨の声明を発表したわけです。その後いろいろとちょっと聞いてみましたら、これは会長ではないですよ、会長ではないですが自動車関係の皆さんにいろいろ聞いてみましたら、おおむね自動車輸入二万台、それから部品の百九十億ドル、その分は日本の自動車生産の減産体制を強いられるだろう、減産体制を強いられますと金額にして約五・八兆円だ、こういうようなことを言われましたね。ですから、それは単に自動車産業だけではなくて自動車関連産業、鉄鋼とかあるいはガラスとか、それから紙等々、そういった関連産業も含めてそういう減産体制に追い込まれるのではないだろうか、こういう御意見があるようでありますけれども、これは通産大臣、どのようにお考えでしょうね。
○渡部国務大臣 先生の御心配、私も産業界を預かる者として心配をいたしております。 ただ、御理解を賜りたいのは、日米関係というものは我が国にとって過去の歴史、また将来にわたって非常に重要ないわゆるパートナーでございます。しかも貿易においては圧倒的に我が国が黒字になっており、自動車で申し上げますと、九一年では我が国の自動車はアメリカに百八十万台輸出されておる。アメリカから輸入されておるのは三万台になってない。そういう状態の中でやはり日本も発展していかなければなりませんし、アメリカもこれは頑張っていただかなければ、世界のために、これは両国のためにならないわけでありますから、しかも我が国の自動車業界にとってアメリカは最も大きなマーケットでありますから、この関係というものを大事にしたいという大きな、長い、広い立場で、自動車業界の皆さん方が今回自主的に話し合いをしてこのようなことを行っていただいたわけであって、これは誠実に実現するように努力していかなければなりません。 しかし、国内の自動車関係の産業、特に中小企業あるいは下請産業、こういうところに大きな影響を与えるようなことになっては困りますので、できるだけこれを少なくするためには、何よりも内需拡大ということが大事でございます。内需拡大のためには、一日も早くこの予算を成立させるということでありますので、戸田先生の大変産業界を御心配するお気持ちによって、この予算が一日も早く執行して内需拡大ができるようにお願いをいたしたいと存じます。
○戸田委員 経済企画庁長官にお伺いしますけれども、今年度の経済指標、見通しですね、名目成長五%、実質成長が三・五%、このように見通しをされておりますが、これは大丈夫でございますか。
○野田国務大臣 今通産大臣からも概略御答弁あったことと思いますが、私どもは現在の経済の情勢について、このところ景気の減速感が広がっておると認識をいたしております。ただ、この基調という姿から見れば、これは何度も申し上げておりますけれども、やや過熱ぎみのペースから、むしろ内需を中心とした雇用の均衡を維持しながらバランスのとれた成長過程に、そういう過程に行く調整過程にある、こう思っておりますが、率直に申し上げてやや下振れ感が強いのではないか。 そこで、やはり昨年の暮れ予算編成いそして今御審議をお願いをしております、こういった財政の側面、そして公定歩合の引き下げも行われました。今大事なことは、一刻も早くこの予算が執行できる体制に入ること、このことを今は最重点に考えております。 ただ、今後の見通しについて、そういった政府の機動的な経済運営、そしてまた一方では明るい材料もなくはない。住宅あるいは乗用車等々において明るい材料もなくはない。そういった事柄、設備投資の動向、個人消費の動向等々を勘案をいたしますと、この三・五%という本年度といいますか平成四年度の経済見通しについては達成のいわゆる射程距離にある、そしてまた、それを達成しなければならぬ、このように考えておるわけであります。
○戸田委員 これは「経済日報」でございますけれども、昨年の十一月からサラリーマンの実質所得、給与所得者四千五百五十一万人、申告所得八百六十一万人、営業二百六十一万人、農業二十六万人、これらいずれを見ましても実質所得は、いわゆる可処分所得ですね、これは全部マイナスですね。今後やはり全体としても長期落ち込みの状況にある、こういうことを言われております。それから、景気浮揚の三本柱の一つである民間設備投資、こういったものも九二年、六年ぶりに資金調達困難でもってマイナスだ、こう言われております。それから株、土地等々の、これも低迷。ずうっと見ていきますと、貿易収支等も考えまして、やはり黒字は削減にこう努力してきているわけですから、そうするとこの問題についても若干落ち込み状況。ということになると、前途の経済見通しについて非常に悲観的な各国民の意向というものが蔓延をしておりますね。これ、大丈夫でしょうかね。
○野田国務大臣 今先生、それぞれ個別の指標についてお話ございました。特に個人消費の分野での雇用者所得の側面でありますけれども、基本的には雇用者数の伸び、これも堅調であります。確かに、いわゆる有効求人倍率がこのところ若干緩和ぎみでありますけれども、依然として一・三〇というかなりの完全雇用状態にあるという基調そのものは変わっていない。そしてまた、来年度におきましてもいわゆる雇用者数の伸びというものが相変わらず、これはまた各経営者の人手不足感ということも、これは中小企業に至るほどかなり根強いものがある。このことが一方では個人消費の側面を支える要素になり、一方ではまたそういう人手不足感といいますか、特にこのところいわゆる労働時間の短縮、こういった側面からいわゆる独立投資系統、その設備投資についてもそういう省力化、合理化投資というものへのいわゆる圧力というものは相当な根強さがある、このように実は考えております。 また、このところ市場金利も低下してきておるわけでありますから、そういったもろもろのことがまた影響を与えていくのではないか。ただ、このところ特に三月決算に向けて経営者のいわゆるマインドが非常に冷えてきておることも事実であります。そういったことを十分、これ以上経営者の、あるいは企業マインドが冷え込んでいかないようなことを我々としても考えていかなけれはならぬ、このように思っております。
○戸田委員 そこで、総理は施政方針演説の中で「私の描く生活大国」ということについて、「第一に、住宅や生活関連を中心とする社会資本の整備により、環境保全も図られ、快適で安全な質の高い生活環境をはぐくむ社会であります。第二に、労働時間や通勤時間の短縮により、個人が自己実現を図るため、自由時間、余暇時間を十分活用することのできる社会であります。」以下第六項にわたって具体的に項目も羅列、援言は行っておりまするが、予算総体を見まして、そういう宮澤色といいますか、こういうものが全部通っているとはどうも私は思えないんですね。 これを具体的にこれから予算の中でこういう面についてこう、例えば住宅であれば頭金の貸し出し融資は何ぼふやしましたよ、あるいは百万戸建設予定を民間あるいは国のベースで等々こう考えて、そういうものは一つ一つずっと打ち出されているかというと、決してそうじゃないんですね。これはひとつ総理、基本的にどうお考えでしょうかね。
○宮澤内閣総理大臣 生活大国というものがもとより一日一夜にして成るわけではないのでございますけれども、やはり政策目標としてはこういうことを掲げたい。これはある意味では私が初めて言い出したことではございませんし、このいわゆる四百三十兆というような生活関連中心の十年計画というものは政府の方針にもう既になっておることでございますけれども、それから福祉につきましても、ゴールドプランというものもございますし、住宅、公共投資につきましては、みんなおのおの五カ年計画のようなものを持っておりますから、そういうものが着実に積み重ねられるということが大事である。その上に、最近は時間短縮の問題につきましても、関係省において非常に熱心にこれを具体化、推進しつつございますので、総合的に考えまして、私はこの六つに分けて申し上げましたけれども、それらについての各省庁の施策というものは問題意識を持って進んでおるというふうに考えております。 なおその上に、今年は経済長期計画の改定の年でございますので、野田経済企画庁長官から経済審議会に対して、特にいわゆる生活大国というものを目指しての長期計画のあり方について審議会に諮問をし、今その具体化について御努力をいただいておるところでございます。これは五年ぐらいの間の多少長期の問題になるわけでございます。
○戸田委員 例えば、各業種別にあるいは階層別に等々、国民の実態をずっと拾い上げてみたんですが、国民の所得、資産の格差ですね。こういった問題については、これは総務長官の方で、ジニ係数というのがありますね。このジニ係数では、九〇年まででいいですが、どういう状況になっていますか。所得あるいは資産、この格差状況。
○山田政府委員 突然のお尋ねで、手元に資料がございませんし、私の担当でもございませんので、ちょっとお答えいたしかねますので、後ほどまた調べてお答えいたします。
○戸田委員 これは質問通告のときに、ジニ係数について資料まで提示を求めて、そして資料が来ているんですよ。わからないはずないんじゃないですか。
○岩崎国務大臣 質問通告をいただいたということでございますが、具体的に承知をいたしておりませんので、至急に調査をいたしまして答弁させていただきたいと思います。
○野田国務大臣 私どもで、ちょっと細かい具体的な数字はあれですけれども、このところ所得格差についてはジニ係数はほぼ横ばい、〇・三弱程度であります。それから、金融資産格差については若干低下傾向にございまして、〇・五強という感じであります。それから、土地資産格差、これが六十年ごろまで低下傾向にありましたんですが、六十年ごろからかなり高くなってまいりまして、元年、そして二年どこのところ低下ぎみ、そして〇・六強ということでございます。
○戸田委員 総体的に、この九〇年版の国民生活白書ですか、ここにジニ係数について経企庁は余り格差は拡大していない、結論的には。そういうことを言ってるんですね。しかし、実態は全く違う、ジニ係数で見ると。いわゆるこのジニ係数というのは、御存じのように、不平等をはかる指標、これですが、一に近づくほど不平等、こういうことになるんですが、その係数によると、土地資産は〇・六五、金融資産〇・五一、所得〇・二九。二戸当たり居住指数、持ち家の方は六・〇二室、借家、これは二・九四室、こんなに違うんですよ、住居関係の環境が。だから、経企庁が言っているような、格差拡大には至らないというようなことは、これは全く私は当たっていない、妥当性を欠くと思っている。どうですか。
○野田国務大臣 いつの時点との比較かということによっても異なると思います。特に、今申し上げましたとおり、所得格差についてはほぼ〇・三弱ぐらいでずっと横ばいで推移をしておる。それから、金融資産格差については多少低下傾向にある。 ただ問題は、土地資産格差が六十年ころからかなり広がった。その土地資産格差も、この元年ころから若干低下傾向にあるという傾向値であると思っております。特に、このところ御案内のとおり、土地価格そのものがかなり鎮静化傾向にあるわけでありまして、そういった意味での土地資産格差というものは縮小傾向にあるということは言えるかと思っております。
○戸田委員 それからもう一つ、経企長官、八七年の県民経済計算、これは経済企画庁でやっておられます。この県民一人当たりの所得、これを県別にひとつ説明してくれませんか。
○長瀬政府委員 突然の御質問をいただきまして、手元に資料を持っておりませんで大変恐縮でございますけれども、県民所得統計によりまして、一人当たり県民所得のデータはあるわけでございます。全体として長期的な傾向を申し上げますと、昭和五十年代に入りまして一人当たり所得格差は縮小という傾向をたどってまいりましたけれども、昭和六十年代に入りますころからやや拡大という動きも見られましたけれども、その後経済が持続的な拡大をいたします中で、地域経済がかなり活性化をしてまいりました。そういう意味では、やや再び縮小という動きにあるのではないか。具体的なデータに即さずにお答え申し上げまして大変失礼でございますけれども、大局的にはそのような動きだというふうに理解をいたしております。
○戸田委員 本問題もレクチャーのときにちゃんとこれを言っているんですよね。資料ももらっているんですよ。審議できませんよ、こういうことじや。
○長瀬政府委員 お答えいたします。 手元にございます一人当たり県民所得は、八八年でございますけれども、一人当たり県民所得のデータ、全国平均で申しますと、二百五十二万二千円でございまして、これを一〇〇といたしますと、例えば東京都の場合には一四八というレベルでございますけれども、他方におきまして、例えば福岡県は九三・一、最も低いところで申しますと、全国を一〇〇といたしまして、沖縄県の六九というような状況になっているわけでございます。宮城県につきましては、八七というレベルでございます。
○戸田委員 今局長から説明がありましたけれども、私は、八七年の県民経済計算、これ経企庁。県民一人当たり所得、東京が第一位で三百四十四万円。ところが、沖縄は最低で百六十八万円ですよ、百六十八万円。こういう状況ですね。これはずっと四十七都道府県、序列がありますけれども、宮城は二十一位、そういう状況になっているんですがね。だから、そういう可処分所得、実質の実入りというものは県によっても大分違う。それから、就職状況においても、大体去年の就職状況は、東京が六割ですよ。あとの四割で各地域就職、こういうことになっていますね。 だから、そういういわば就職あるいは所得等々、あらゆる部面でもって地域格差というものは広がっている。こういうものは、やはり国全体として均等あるそういうものに持っていかなくちゃいけない、こう私は思うんですがね。殊に、給与所得者の四千四百何十万人余ですね、いわば源泉課税者、こういった者は四百九十二万円ですよ、平均。それから見ると、百六十八万円ですからね。これはもうめっぽうに安い。だから、こういうものをやはり給与全体の部面でも是正をしていく必要があるんじゃないだろうか、このように考えるんですが、これは総理どうですか。
○宮澤内閣総理大臣 それは戦後、いわゆる全国総合開発計画が、経済企画庁を中心に各省庁一緒になりまして何度か立てられてまいりました。最近でも四全総、御承知のようにございますけれども、これらはすべてそういう地域間の所得格差の減少ということ、それから一極集中排除ということを頭に置いてとられてきた施策でございます。結果としてはまだまだ、ただいま政府委員が申し上げましたように、県民所得の格差というのはまだございます。殊に沖縄県の場合には別の事情もございまして、かなりございますけれども、しかし、いわゆる国の施策というものはその格差を縮小する、是正するということを常に念頭に置いて行われてきておるわけでございます。
○戸田委員 総務長官にお伺いしますけれども、世界的な所得番付がありますね。八九年七月の米誌フォーブス、これによりますと、世界長者番付調査では三年連続して日本の堤義明さん、西武鉄道、国土計画社長でありますが、この人は常にトップですね。それから、十位までで日本人が六人入っているんです。 そこで、お伺いするんですが、九〇年版の日本の資産家調査、これは日経ベンチャーでやっているんですが、それによりますと、第一位に桃源社社長佐々木吉之助さん、これは資産額が四千六百億円、一千億以上の資産家は十七人おりますね。すなわち、世界長者番付調査や九〇年版日本の資産家調査対象者の高額者、これは総務庁でやっている日本の資産家調査、これには入っておりませんね、統計には。総務長官。
○山田政府委員 私の直接の担当じゃございませんのでちょっとどうかと思いますけれども、総務庁の統計局ではいろいろな統計データはとっておりますけれども、そういった個別の資産の状況とかそういったことについては調べておりません。
○戸田委員 答弁になっていませんね、委員長。——経済企画長官にもう一点見解を伺いますが、これまでのフローインフレーション、これは、通貨膨張によって通貨価値の低下、それに伴って物価が上昇します。庶民にとっては物価上昇分はこれは実質増税ですね。そうすると、とらの子の預貯金とか年金、こういったものは自然に目減りします。ところが、大手企業、資産家等々は、そのインフレの利得を、内部留保という形でふえていきますね。結局含み資産等々もこの問題があるわけですが、これで大体低所得者は、仮に三%物価上昇したということになればそれだけ目減りをしていく、こういう状況になりますね。だから、こういったいわばインフレの防止策というものは、やはり経企庁等では常に配慮をしていくべきだ、こういうふうに考えますけれども、そういう点についての見解はどうですか。
○野田国務大臣 御指摘のとおり、やはり経済運営で最も心がけるべきポイントの一つは物価であると思います。名目所得が幾ら上がっても実質所得が伸びないということでは、やはり問題であるわけであります。特に、今御指摘ありましたように、これは所得の高い低いということのみならず、むしろその所得の種類によって異なってくる、いわゆる資産所得ということに関していえば目減りは大きいわけであります。特にまたいわゆる低所得者という、あるいは特に年金その他のそういった方々からすればどうしても後追いということになりがちなわけでありますから、そういった意味で、これからもこの物価安定ということについては最大限の意を用いてまいりたいと考えております。
○戸田委員 そこで、総理、やっぱり全勤労者の所得ですね、土台のパイがやっぱり私は少ないと思うのですね。税務統でいきましても、給与所得者四千四百万何がし、これに対して年間四百九十二万円でございますからね。だから、仮に生涯賃金、四十年と計算しましても、五百万円にしてこれは二億円ですよ。しかし、国民負担率、そこから四〇%、九〇年ですと四〇・一%、税負担率が二六%、それから社会保険料その他、こうなりますから、そうすると実質可処分所得というのは六〇%しか入らない、その中で生計、教育、こうずっと出ていくわけですね。だから決して、日本はアメリカの所得よりも高いなどとこう名目賃金言ってますけれども、あれは統計のとり方が違うので、向こうは分母にそういういわば社会給付、こういったものを全部加味をして、そうして税負担何ぼ、社会保険料負担何ぼ、国民負担率何ぼと、こう出すわけですから。日本はそうじゃないですからね、ただ分母で割るだけですから。だからその点ではむしろ日本は低い、こういう状況だと思いますね。 だから、ここの底上げをやっぱりやらなければ豊かさを実感できるような生活は、これは国民全体できないだろうと思うのですね。これはどうですか。
○宮澤内閣総理大臣 一般にGNPの労働に対する分配、いわゆる分配率でございますけれども、これは確かにおっしゃいますように統計のとり方も違いますし、国の制度等によって異なるようでございますけれども、我が国の場合ですと、ヨーロッパのドイツ、フランスあたりと比較的近い配分率になっております。アメリカ、イギリスは違うというような感じになっておりますが、それは一つには時間の問題もございますので、基本的には、それは我が国も戦後経済がよくなりますに従いまして、いわば一番所得格差の小さい国、第一分位から第五分位までの所得格差は世界で一番小さい国という意味では、私はこれが社会の安定性にもつながっておるというふうに考えておりますから、その点では決して劣るところはないと思いますけれども、昨今いろいろな、働き過ぎであるとかいろんな議論が起こっておりまして、そういうことが議論になることは私は意味のあることだと思っております。しかし、いずれにしても最終的には労働への配分ということは労使間のお話し合いで決まっていく、それが円満に決まっていくということが好ましいことだというふうに考えております。
○戸田委員 大蔵大臣に二点ほど、これは改善策の要請なんですけれども、一つは、八七年ですね、従前はマル優制度というのがありまして、これに対して五%利子を、まああめ玉代ということでマル優制度というのをつくりましてずっとやってきました。ところがその八七年にいわゆる、これを廃止をして、そして逆に二〇%の課税対象、こうなったんですね。だから結果的にいうと、五%の利子がだめになって、そして二〇%課税ですから、そういうことになると二五%ですね、正味。そのいわば損失ということになると私は考えているんですが、ところが一万の金を持っている、比較的持っている人、これは分離課税で六五%でしたかね、これを二〇%に下げたんですから四五%丸々もうけですよ。 だから、これは六十五歳以上の皆さんに対しては適用しているようですが、今定年は六十歳ですから、だから六十歳、やめた、そういった人には連動してこのマル優制度の拡大をひとつできないものだろうか、これが一つであります。 それからもう一つはパート、これ、不安定雇用労働者、こういうことになるんですが、こういう方に対して、今八百八十万おりますね、男子女子、その八〇%は女子、こういった方が、これは今までの大蔵大臣等の御努力で、当初七十九万、九十万、で百万、こうなった。これをやっぱり百十万円見当まで上げるべきじゃないかと思う。大蔵省ではいろいろ論議があるようでありまするけれども、稼働賃金そのほか入れたらばこれは当然一般課税対象になりますよ、こういうことですが、しかしそれをやられると、パートに行っている皆さんは、例えば宮城県なんかですと加工業、魚のかまぼこをつくる、そういったところ、これはほとんどパートで行っている、農村の婦人の皆さん方が。そうすると、百万を超えると扶養控除対象外になっちまうからね。だから全部休んじまうというのですよ。休んでしまう。そうすると生業も成り立たない。それから、本人自身も働きたいんだけれども、扶養控除の関係でそういう状況が出現するということになるわけですよね。 これらに対して、でき得れば私は百十万円見当まで引き上げ方式、本来ならば勤労者の課税最低限、今百八十一万だと思いますが、ですから、そこまで同等の扱いずれは私は税金の課税対象にしてもいいんだろうと思いますが、そういうことがなっておりませんから、だから、こういう問題についてひとつ御考慮をいただけないものでしょうか。
○羽田国務大臣 まず一番目のマル優の問題でございますけれども、今お話がございました六十五歳未満の年金受給者、こういった方々のことも念頭におありになってお話があったと思うのですけれども、老齢者控除などの老人にかかわる税制上の優遇措置の適用対象年齢ですか、あるいは老齢基礎年金、あるいは老人福祉法による福祉の措置等の国の老人福祉にかかわる諸制度の適用対象年齢などの整合性というものを配慮いたしまして六十五歳以上とされたものでございまして、老人の範囲を六十五歳未満にまで拡大することは他の制度との整合性というものを欠くんではなかろうかというふうに思っております。 なお、パートの問題につきましては、確かに、あれは何年でしたか、いわゆる特別控除というものを設ける、それによってパートが百万円を超えると逆転してしまうというこの問題を実は解消したということでありまして、しかし、それをやったことによりまして、今いわゆる標準世帯ですね、ここの方で三百六十四万二千円ということまでこれ税がかからない、いわゆる片働きの場合には三百十九万八千円までかからないということでありまして、その点でも大きく前進をしたということでありまして、今のお話の、ほかの仕事との関連ということ、いわゆる継続して百万超えてしまうとこの人は働きに来ないという問題になりますと、これちょっと別の観点からまた議論しなきゃならない。この税の問題だけでいきますと逆に不公平を生じさしてしまうんじゃないかということを考えなきゃいけないんじゃないかというふうに思います。
○戸田委員 時間もなくなってまいりましたので、通産大臣にひとつこれは御考慮をいただきたいのですが、今中小企業、大体経営者陣のおおむね八〇%を占めてますがね。だから実質的にこういった皆さんが経済を動かしているのですけれども、そういった皆さんが一番困っているのは金融なんですよ、金融。だから、これがやっぱり、通常中小金融公庫、その他関連の金庫等もいろいろ努力はしておりますけれども、だからできるだけマル経制度で無担保方式で五百万円までは融資する、こういうことにはなっているんですけれども、それがなかなか融資を受けられないのですね。だから、ここで仮に五百万円とか一千万円あればうまい商売できるなというようなことがあっても、なかなかいかない。それから、いっても利率が高いですから、本当はそれで参っちゃうんですよね。だから、これは造船不況業種に適用しているような特別金利、三・二%ですよ。これから労働環境整備その他もいろいろ金がかかりますから、だからそういった面について特利方式を何か検討できないものだろうか。今恐らく八%くらいですよ。だから、これは公定歩合以下に、大体今回・五%ですからね、公定歩合。そうしますと、これを四%ないし造船の特利と同じように下げていきますと、その分だけ非常に潤いを持つということになりますね。だから、こういった点について御検討、そして御考慮いただきたいと思うのですが、いかがですか。
○渡部国務大臣 先生御指摘のように、中小企業にとって金融は非常に大事でありますし、また金利負担も極めて大事なことでありますから、ただいまの御意見承って、よく勉強させていただきたいと思います。
○戸田委員 時間がなくなってまいりましたけれども、労働大臣、世相とにかく労働時間短縮等々の問題についてはこれはもう国民の世論だろうと思いますし、世界的なやはり趨勢だろうと思いますね。で、確かに二年前に金融諸団体、生保であるとか銀行関係、こういったものは、週休二日、そして時間短縮、こういうものに踏み切りました。しかし、その当時も四十六時間ですね、基本労働時間。ことし政府は四十四時間に改正をしまして、そしてこれを短縮しました。この前の国会の予算委員会でお願いをしておったのですが、二年後に政府は四十時間体制、千八百時間以内にこれを持っていきましょう、それは国家公務員、地方公務員、それから総体の各省庁の関連にある各産業、そういったすべて網羅して、そしてそれらについて時間短縮を推し進めていきましょう、こういうことですけれども、最近短縮に関する何かの立法化を労働省は考えられている、こういうことでありまするが、今次国会にそれは諮られるのでしょうかな。どうでしょう。
○近藤国務大臣 先生の御指摘のとおり、労働時間短縮は私たちの最大の政治課題の一つでございまして、現実には改正労働基準法の施行以来労働時間は短縮されつつあります。平成二年度の年間総実労働時間は二千四十四時間でございますが、最近公表されました平成三年、暦年の年間総実労働時間は二千十五時間となっております。最近の趨勢を見ますと、大体二十時間から三十時間、産業別に短縮をしているわけでございますが、ただ、御指摘のように、来年度末までに千八百時間にするということは、政府としては努力しておりますが、率直に言ってもうことし、来年でございます、厳しい状況でございますので、実はこの労働時間短縮を具体的に進めるために、現在政府としては労働時間短縮推進促進法を関係省と関係者が連絡しながら調整中でございますし、やはり単に数字を示しましても、具体的にそれができるような対策を、先生も御指摘のとおり各業界または企業別にそれぞれ個別の理由がございますので、そういうきめの細かい労働時間短縮ができるような措置をひとつ関係各省また関係業界と御相談しながら進めていきたい、これからも全力を挙げて取り組んでまいりたいと考えております。
○戸田委員 これは要望になりますけれども、結局そういう経過で、今まで四十四時間基本労働時間、これを法律改正してやりました。それで二年後に四十時間、そして千八百時間以内、こういうことになりますね。しかし、これも法律改正で基本労働時間はやはり明確に保障してもらいたいですね。 それが一つと、それからオーバー労働、超過勤務、これがめっぽう多いんですね。労働省通達は、今まで私は百五十時間と考えておったのですがこの間の論議の中で四百五十時間、こういうことになったようですから、これはやはり少なくても過労死するような酷使するような、そういう労働時間ではいけないのでありますから、だからそういう点についてやはりこれを短縮して、労働省通達か何かで超過勤務についてはこれまでよ。しかし、超過勤務をやった者については、これは大概労使交渉で三十六条協定というのを結んでいるはずですから、それはやはり適切に支払いをする。それを一日十時間も残業をやってそのうちわすか二時間ぐらいしかもらえない、こんな、これはまさに不法ですね。だからそういったことのないように適切な指導監督を実施をしていただきたい。 それで、そういうことになると労働基準法の関係の皆さん、基準局に勤めている皆さん、これは全く少ないんですな。私、見ますと、ここずっと一貫して二千七百名。そうすると、工場数は二百万以上あるわけですからね、そうすると監視、指導できないんですよ。だから、いろいろ行政改革等を通じまして国家公務員等については一%削減方式とこうやっているけれども、それはやはり適材適所、弾力的に運用する必要があるだろうと思うんですね。だからこういう一本の行審の指摘によってそれができないというようなことでは、やはりその弾力運用でやっていかなければ、それは過労死とかあるいは災害、災害だって大分ふえていますね。殊にふえているのは建設労働者関係の職員、これが一番だ。その次は運輸ですし、こういった問題について。だから、そういう問題についての適切な指導監督をやるということになれば今の二千七百名じゃこれは手が回りようがないんです、何ぼ努力したって。それこそ基準監督員関係が過労死しちゃう。だから、そういう点についてもう少し適正要員配置を私は考えるべきだ、こう思いますが、三点について。
○近藤国務大臣 先生御指摘のとおり所定内労働時間は着実に減っているわけでございますが、いわゆる所定外、残業は年間百八十時間前後でこれはここ数年減ってないんですね。ですから、いわゆる所定外労働時間を減らすために具体的な措置をこれからいろいろ、これは役所が決めつけるわけにいきませんので、具体的にできるように、企業内で労使が話し合いしていただくような措置を講じていきたいと思っておりますし、割り増しにつきましても、御指摘のとおり二五%をこれを着実に払っていただくような指導を申し上げたい。 最後の監督署の職員の問題でございますが、これは先生の御指摘をまつまでもなく、率直に言って、私も現場を実際に見ておりますけれども、大変な人手不足でございます。ただ、省力化を進めております労働省でございますから、基準行政の面においてもできるだけの合理化、省力化は進めていかなきゃならないのであって、その点は努力をいたしますが、しかし絶対数が少ないという先生の御指摘につきましては私も十分に理解をいたす次第でございます。
○戸田委員 それともう一点ですが、これは通産大臣の関係なんですが、この前、武藤さんが通産大臣のときにお願いをしたのですが、中小労働確保法、こういうものをつくりまして、そして中小企業の皆さんに対しても環境づくりをやっていきますよ、こういうことで、そのとおり頑張っていただいたんですが、なかなかそれは、今言うとおり、零細企業その他の皆さんというと、それができない。だから、これはやはり環境整備をやってもらうのが必要だと思うんですね。確かに、繁華街あたりに対する商店街については、通産大臣も駐車場の設置とかなんとか、ことしあたりも五十五件大体助成するような態度をとっているようでありますが、そういった各般の環境整備に、やはり政府が一定の面倒を見てやるということが私は必要じゃないか。そうすれば現地の方でも、それは時間短縮もおおむね踏み切っていける、こういう状況になると思いますね。将来の経営展望明らかになれば、これでひとつ踏み切るかということになりますから、そういう点もひとつ御配慮をいただきたいと思います。 あわせて、運輸大臣、非常に交通事故が多いですね。私は、交通総合政策をやはり運輸省、国土庁、立てるべきだということで、この前、あれは三年前ですね、四全総が実施されたときに、国土庁が一定のものを総合交通政策持ってまいりました。それから、運輸省もそれに倣って一定の総合交通政策というものを立てました。立てましたけれども、あれはやはり開発優先ですね。現下の都市渋滞、それから陸上の車関係等々の運用等にまでは至っていないのですね。だから、開発方式の総合交通政策が悪いというわけじゃないのです。それも必要ですけれども、同時に、そういった陸路の渋滞解消その他についてもやはり十分配慮をして今後やっていく必要があるんじゃないだろうか。 それで、警察庁にお伺いしますけれども、今都市の渋滞傾向はどういう状況になっていましょうね。その原因は何でしょう。 〔委員長退席、中山(正)委員長代理着席〕
○渡部国務大臣 先生御指摘のように、今、労働時間の短縮、これはすべての働く人たちにとって大変大事な問題でありますが、御指摘のように、大企業に比べて中小企業の労働条件、まだまだ改善されなければならない問題がございます。昨年、中小企業労働力確保法案を成立させていただいて、いろいろの努力を今までしておるわけでありますけれども、今回も、この予算でも、中小企業、特に小規模企業を重視して、十一年ぶりに、厳しい財政の中でありますけれども、中小企業関係の予算をふやして今提案しておりますので、これらの予算が通りましたら、今先生御心配のように、中小企業の特色の中で労働条件が改善されるようなきめ細かい施策に努めてまいりたいと思います。
○関根政府委員 大都市における交通渋滞の原因についてお尋ねでございます。基本的には、大都市における交通量と道路容量との間の比例関係が崩れているということに原因はあろうかと存じます。 自動車の絶対量でございますが、昨年末で、原動機付自転車を含めまして七千九百万台ございます。自動車だけで六千万台を超えております。それから、道路の容量でございますが、これは細かい道路を含めまして百十一万キロほどでございまして、この十年間ほどほとんど延びておりません。他方、運転免許人口でございますが、既に六千三百万人ぐらいに達しております。そういったことで交通量は非常にふえてきているわけでございますが、それに見合う容量がないということで、違法駐車を含めますいろいろな渋滞の原因がございまして、その結果、現在のような渋滞が生じているという理解でございます。
○戸田委員 それから交通事故ですね。年間統計をずっと警察庁から資料をいただきましたけれども、死者一万人、各年とも超しておりますね。それから傷害件数、傷害者ですね、これは六十万を超えますね。こんな調子でいったら、あと十年後になったら交通傷害者だけで六百万人になってしまうのではないでしょうか。死者は何と十万人近い。これは大変なことと思うのですね。 だから、まず今渋滞解消等含めて、警視庁等が一生懸命安全運転その地やっておりますけれども、これではどうにも対応し切れないところがあるのですね。だから、車の台数は今言われましたように六千万台を超えている、道路の総延長は三分の一くらいしか収容できない、あとの三分の二はみんなはみ出してしまう、こういう状況ですから、こういった状況を真に解決をして、そして総合交通政策の中で渋滞解消その他をやる。これは道交法改正のときに私は警察庁の御意見を聞いたのです。渋滞の最大原因は何ですか、こう言ったら、それは違法駐車だとこう言うのですね。それで昨年の七月以降、道交法を改正して一車一車庫方式、こういうものをとったのです。しかし、土地が高いですからとてもこれは進捗しない。だからここを何とか駐車場促進の、私は第三セクター方式でもつくって、そして県の知事さんとかあるいは市町村とか、それらが管理者になって、そして関係各省の、それは路線駐車場は建設省でしょうから、それからパーキングセンターその他は運輸省でしょうから、そういった関係省が入って、そして本当に実行できるようなそういう受け入れ態勢ですね、これをつくってやはり政府が促進しない限り——今、それ以降は、東京あたりでは、ある人に聞いたのですけれども、自動車の駐車場、ねぐら、一カ月十万円を超すというのです。とてもこんなのではドライバーをやっていられないですよ。生活に十何万もかかって、二十万平均ぐらいの給与者が自動車のねぐらに十万も払うのでは、それでもうみんなパアになってしまう。 だから、等々の料金、まあ規制というのは僕は余り好きじゃないのですけれども、やはりこれらについてひとつ、認可制度にまでいかなくて結構だけれども、指導を強めて、そして適正料金に差しおく。ということになれば、しかし、これを管理する、だから、道路公団でもいいと思うのです。道路公団でもいいですが、そういうものにひとつ管理その他を任せて、そして駐車場を進捗させる、こういうことでいっていただきたいな、こう思うのですが、運輸大臣、建設大臣、どうですか。
○奥田国務大臣 大都市渋滞、特に東京あたりの渋滞というのは目に余る状態で、これでは健全な車社会はとても、自分らで首を絞めることになっていくということで、先般、先生方の御理解のもとに道交法改正で、しかしその第一弾としては特に東京から車庫なし車の追放ということで相当厳しい措置をとったところでありますけれども、先生の御指摘のとおり、かといって、車をつくった人も、売った人も、乗る人も、言ってみれば今日の渋滞の一因の無責任な体制の中で来ているわけですから、この人たちに最小隈車社会のマナーをまず身につけてもらわにゃ困るということで、法的には相当厳しく将来方向を目指しておるわけでありますけれども、しかし、先生御指摘のように、基本的な解決は、やはり公的な自治体なり国なりが強力に指導して、できるだけ公的な駐車場形成も含め努力していかなければなりません。警察庁も、建設省も、通産省も、運輸省はもちろんのことでございますけれども、関係省庁挙げて先生の御提言のような方向で、いい車社会をつくっていくために努力していかにゃいかぬと思っております。
○山崎国務大臣 お答えいたします。 先生のおっしゃいますとおり、東京都内では、路上駐車台数は約二十三万台、その約九割が違法駐車という実態でございます。一方、現在の駐車場の供給実態を見ますと、届け出に係る駐車場の場合でございますが、民間が約四分の三、第三セクターを含む公的主体によるものが約四分の一となっておるのでございます。 そこで、建設省といたしましては、昨年、道路法及び駐車場法の一部を改正いたしまして、道路管理者が設置する自動車駐車場の利用者から駐車料金を徴収することができるようにいたしました。また、交通安全施設等整備事業による駐車場整備制度の創設等、駐車場対策の一層の充実強化を図ってまいりましたところでございます。 平成四年度におきましても、ただいま御審議いただいておる予算の中で、有料融資事業による駐車場整備事業の拡充、道路開発資金等の融資制度の活用等の事業の拡充を行っておりまして、駐車場の整備を推進しているところでございますので、ぜひ予算の成立に御協力をお願いしたいと思っております。 また、駐車場の整備を推進するに当たりましては、先生からも貴重な御提言がございましたが、道路や公園等の地下等の公共空間の有効活用を図ることが重要であると考えておりまして、このため、先生の御指摘のとおり、官民協調いたしまして駐車場整備を強力に推進したいと考えておるのでございます。このための体制のあり方につきまして、先生の御指摘も参考にさしていただきたいと存じます。
○戸田委員 時間でありますのでこれでやめますが、年金、医療、その他、米、各般の課題については次回に触れさせていただきます。きょうはこれで終わります。ありがとうございました。
○中山(正)委員長代理 次に、堀昌雄君。
○堀委員 今を去る七年前の昭和六十年二月四日、一九八五年二月四日に、私はこの予算委員会の総括質問におきまして、当時の増岡厚生大臣に、今の国民年金はどうして保険料が単一の保険料なのですかということをお尋ねをいたしました。厚生大臣の答弁は、この対象者の所得が正確に把握されないので、実は単一制をとっております、こういう答弁でございました。しかし、私は、御承知のように出身が医師でございますし、十七年間診療に従事しておりましたから、国民健康保険を扱っておりますので、国民健康保険は、御案内のように応益応能の制度になっているわけでございます。 ですから、その点については議論はちょっと必要だったんでありますが、そのとき私が目的といたしましたのは、営庶業、農業の皆さんの税の申告というものが大変不十分でございまして、最近東京国税局が調査をいたしました約一万五千人の事後調査におきましても、申告漏れが全体の九八%に達しておる、申告漏れによるところの所得脱漏が二一%だというのが実は最近出ておるわけでありますけれども、その傾向は今から七年前も変わらなかったわけであります。ですから、私はどうしても、まず憲法三十条で「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負ふ。」こうなっておるのでありますし、さらに、この所得税の九二%というのは実は給与所得者が支払っておるわけでありまして、これは全部源泉徴収でありますけれども、残念ながら申告納税の皆さんのものは、大量の事後調査の資料を検討をいたしましても、いずれも当時は大体、申告漏れが九四%程度、そうして申告漏れの所得金額が二四%程度という平均値が統計に出ておりますので、何とか皆さんにひとつ税を正しく申告していただくためにはEC型付加価値税を導入をして、インボイスによってそれが国税庁にインプットされるならば、公正な税の申告が行われるであろう。しかし、それは増税を目的としたのではなくて、税の公正化を図るための提案でありますから、そのEC型付加価値税で入りました資金は全部、その当時から行われるようになりました老齢基礎年金に全部充当する社会福祉目的税ということで処理をしてもらいたい、こういう提案をして、実は七年になるわけでございます。 実はこの問題、ずっとその後も私は非常に大きな関心を持っておりましたけれども、今度宮澤さんが総理になられまして、「生活大国への前進」、「二十一世紀には、我が国も本格的な高齢化社会を迎えます。世の中に余力があるうちにできるだけ社会の基盤を強めていくことが、今を生きる我々の責務であると考えます。また、生産者中心の視点から消費者や生活者を重視し、効率優先から公正にも十分配慮した社会への転換を図らなければなりません。」「私の描く生活大国とはこその第三に、「高齢者や障害者が、就業機会の整備などを通じ社会参加が適切に保障され、生きがいを持って安心して暮らせる社会であります。」そうして、かなり先の方でありますが、「健康で心豊かに暮らせる長寿福祉社会の構築」、「我が国の人口は今後急速に高齢化に向かい、三十年後には国民の四人に一人が高齢者という本格的な高齢化社会となることが予測されます。「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり。」と言いますが、高齢者の豊富な人生経験や知識は、我々の社会にとって貴重な資産であります。私は、高齢者の方々がこれを社会で生かしつつ、生き生きと安心してその人生を送ることができるような社会をつくりたいと考えます。このため、雇用・就業環境の整備などにより社会参加を促進するとともに、揺るぎない年金制度を確立し、また、適時に適切な保健・医療・介護が安心して受けられるような社会の実現に向けて真剣に努力してまいります。」こういうふうに実は本会議でお述べになりました。 私は長くこの問題を温めておりましたけれども、宮澤総理なら、ひとつ私の提言がここで国民にお約束になったような形で実現できるものだ、こう考えて、時間は三十分ばかりでございますけれども、二つの問題を取り上げたいと思います。 そこで、今申し上げた中の後半のところでありますけれども、「「少しのことにも、先達はあらまほしき事なり。」と言いますが、高齢者の豊富な人生経験や知識は、我々の社会にとって貴重な資産であります。私は、高齢者の方々がこれを社会で生かしつつ、生き生きと安心してその人生を送ることができるような社会をつくりたい」、こういうふうにおっしゃっていますが、実は、これはもう大分昔からあるのでございますけれども、在職老齢年金という制度が実はございます。この在職老齢年金というのは、実は、在職したままで年金をいただくようになったらばそのときにはその年金額を減額をする、こういう制度なんでございますね。ところが、私がこの前新聞の投書欄で見ましたら、退職をして、会社をやめて二年ばかり実は年金だけもらっていた、しかし、ある友人からあなたの力をひとつうちの会社に生かしてくれないかということで、月給はわずか十五万円ぐらいだけれども手伝ってくれないか、こういう話があったので手伝おうと思ってその会社に勤めました。ところがそうしたら、今の在職老齢年金の適用を受けて、十五万円もらったのが、十三万五千円年金削られて、ネット一万五千円しか実はもらえない、こういうことになったので、幾ら何でも一万五千円を働くために一カ月働く気にならないのでやめた、何とかしてほしい、こういうことでございます。 そこで、この在職老齢年金というのはかなり古い制度でございまして、昭和四十年六月に実は創設されているのでありますけれども、これは当時はまだ五十五歳定年という時代でございましょうから、そういうところで引き続き仕事をしておるという者を頭に置いて考えたと思うのでありますが、これは実は退職年金なんですね、今の厚生年金は。そこで、今のように会社をやめて他のところへ就業するというのなら、もう退職年金の問題片がついているわけでして、今総理がこの中でおっしゃったように、新しい働く場ができてそこへ働くというときに、そうしたら今の在職老齢年金を削るという話は私は論理的に非常に問題がある、こう考えておるわけでございます。 ですから、この問題について、この前払たまたま皇居で小沢辰男さんと御一緒になりました。偶然でございますけれども、小沢辰男さんと私は大正五年十二月七日、同じ日に生まれておりまして、これを教えていただいたのは竹下さんですけれども、ですからそういう意味で小沢さんは、私が議員になりましたころは厚生省の保険課長をしておられまして、そのころからのおつき合いでございますが、非常に親しくいたしておりますが、小沢さんにこの話をいたしました。これもう在職老齢年金の問題はやめて、その会社にいる人は別です、新しい会社に勤める人には年金は年金で差し上げて、給料は給料でもらえるようにするのが正しいんじゃないでしょうかというお話をしたら、いや、堀さん、あなたの言うとおりだな、小沢さんもそういうお話でございました。 これについてきょう直ちにどうするということを伺う気はありませんけれども、今総理がお約束になったこのこと、要するに老齢者が生き生きと自分たちの能力を生かして働ける場所を総理は国民にお約束になったのでございますから、ぜひこの今の発想からしましても、退職年金じゃなくて、新しいところに就業している場合にはこれは在職老齢年金の適用をやめて、少なくとも年金は年金で差し上げる、新たな就業の労働力はそれで報酬をいただく、こういうことにしていただけば、六十歳以上の方がたくさん私は仕事につかれる可能性が開けてくると思います。私も今大正五年十二月七日と申し上げましたから現在七十五歳でございますが、総理もたしか七十三歳ぐらいじゃございませんでしょうか。私は最初に総理にお会いしたのは昭和三十四年の、当時文教委員をしておりまして、当時非常に若い参議院議員の文部政務次官として、私は委員会で宮澤総理に最初に質疑をさせていただいたことがございますが、大変すばらしい、若いけれどもクリアなすばらしい参議院議員がおられるなとそのときに感じたことでございますけれども、その後長い間、経済企画庁長官、通産大臣、大蔵大臣と、経済関係で御一緒しておりますが、どうかひとつ総理の英断でこの問題に対しての適切な処置をお願いしたいと思いますが、いかがでございましょう。
○宮澤内閣総理大臣 ただいまのお話は、堀委員が本当に長いこと御唱道になっておられる問題でありますことはよく存じ上げております。 そこで、ただいまのお話でございますけれども、推定によりますと、二〇二〇年には六十五歳以上の人口は総人口の二五・二%になるという推定でございますから、まさに四分の一を超えるということでございますが、現在が一二・五ぐらいであろうと思いますので、その急速ないわば老齢化と申しますか、驚くほどの急速な老齢化が進むと考えなければなりません。 そこで、そういうことについてたくさん問題がございますが、今仰せられたこととの関連で言えば二つ問題があると思いますので、そのようなお年寄りのことをいわゆるゴールドプラン等々で大切にすることはもとより必要でございますけれども、そういうお年寄りがまだまだ元気でおられますから、何とか自分が社会に貢献をしている、社会に対して何か寄与しているという、そういう立場にいていただくことが私は大変大事なことではないか。ただ命を全うしていただくということではなくて、積極的に自分は社会の役に立っているという、そういうことにして差し上げるというか、あるいはそういう社会にしていくことが大事であろうという、そういうことを先般の施政方針でも申し上げた。 もう一つの問題は、他方でそのような急速な老齢化が我が国の年金計算にどういう実は影響を及ぼすであろうかということは、わかっておるようで十分わかっておりません。それは恐らく非常な負担になるであろう。国民負担との関連がどうなるかということも実は十分に解決されていない問題でございますから、その二つの問題を考えていきますと、堀委員が前から言っていらっしゃるようなことがやはり十分に検討されてしかるべきではないのか。私、それ以上のことは、玄人でございませんので、細かいことが申し上げられませんけれども、大づかみにそういう問題が確かにあるということは強く感じております。
○堀委員 その次に、実は憲法十四条、法のもとの平等、「すべて国民は、法の下に平等であって、人種、信条、性別、社会的身分又は門地により、政治的、経済的又は社会的関係において、差別されない。」憲法十四条はこういうふうになっておるわけでございますが、先ほども触れましたように、今の老齢国民年金は実は単一の保険料でございます。時間がございませんから私の方で申し上げますが、現在月額九千円の年金保険料でございますが、この四月からはこれが九千七百円になります。そうして、九千七百円になりました結果、受け取ります年金額は六万四百四十二円になるわけであります。六万四百四十二円というのは一人でありますから、夫婦二人で十二万円、これが少なくとも二十五年年金を掛けて、毎月これから九千七百円、これはもっとどんどん上がってまいりますが、これでは、今消費税の問題で食料品その他に逆進性があるという話があるという話がありますけれども、単一の年金というのはもう私は逆進性の極致ではないのか、こう考えるわけであります。 そうして、この前増岡さんはこの問題について、所得が正確に把握できないから、こういうお話でございましたが、今回ちょっと皆さんのお手元に実は資料をお配りいたしておりますので、ちょっとこの資料をごらんいただきたいと思うのであります。「所得階級別納税者数の累年比較」、こういうふうになっておりますけれども、これは「平成元年分の税務統計から見た申告所得税の実態国税庁企画課」の資料でございます。 そこで、平成元年のところを見ていただきますけれども、百万円以下の所得の皆さんというのが五十八万六千人、百万円から二百万円の間が百七十二万三千人、二百万円−三百万円、百六十八万三千人というぐあいで、ずっと所得階層別に実はデータがちゃんと出ているわけでございます。−ですから、私は、少なくともこの下の率で見ていただきますと、平成元年で百万円以下七・四%、百万円−二百万円、二一・六、二百万円−三百万円二一・二、三百万円−五百万円、二二・一と、ここらにモードが集中しているわけでございますけれども、しかし明らかにこういうふうな所得データが国税庁がとっている資料であるわけでございます。 そこで、今度はもう一枚の資料をちょっとごらんいただきたいのでありますけれども、このもう一枚の資料は、これは現在の都道府県別国民年金の状況というものを示したものでございますが、この中で、一番下のところに沖縄県がございます。沖縄県は一号被保険者という、要するに農業あるいは営庶業、給与所得者でない皆さんの一号被保険者、こう申しておりますけれども、二十四万人おられます。この二十四万人おられるのに、免除率というので、免除をしている方がございます。この免除率には、沖縄の場合には所得水準が低い条件もございますので、三二・四%と、この資料をごらんになればわかりますが、そのほか免除率の高いところは北海道の二〇・四とかございますけれども、しかし、三二・四の免除率というのは大変高い免除率ですが、これは生活保護またはそれに準ずる非常に所得の少ない皆さんでありますから年金保険料を免除すると国が決めております。 この国が決めた免除というのは、計算上年金加算三分の一がつくのです、この部分は、免除をした方たちは。ところが、その上に未納というのがございまして、払えない方があります。これは、単一の今の、これまでの九千円もそうですし、これからの九千七百円も大変高くて、家族四人でもいたらもう何万円もの金を毎月年金に払わなければいかぬ。 そこで、その未納というのが三三・九%、これを計算いたしますと人数としては五万四千九百九十九人という方が未納になっているわけです。この未納の皆さんは、年金計算上ゼロなんです。払ってない年はゼロ。所得が低いから免除になった人は三分の一加算される、その上の所得層で今の単一の年金保険料だから払えない人が未納になったら、これは計算上ゼロになる。その状態が、今沖縄県を例にとりますと、免除の方が七万七千七百六十人でございまして、そして未納の方が五万四千九百九十九人、四四・六八%の人が実は未納なんです。この人たちは、恐らく今の年金制度なら未納のままで将来とも年金とは無縁の状態に置かれる方がこんなにたくさんあるわけですね。 私は、そういう意味で、この際ひとつ何としても今のこの国民年金の保険料を、要するに応益応能の保険料体制に改めるべきだ、こう考えているわけであります。 時間がありませんから、私の方で一つ杉並区における国民健康保険の実情を御紹介いたしますと、所得割が一〇七・〇%、算定基礎は区民税の税額、均等割一万四千四百円、平成四年度から一万六千八百円に引き上げる、こう書いてございまして、賦課限度額が四十二万円。要するに、国民健康保険なら必ず所得割があって、所得割は御承知のように地方税でやっていますからちゃんと自治体が持っているわけですから、それとこういうような均等割でございますか、杉並区の一万四千四百円、応益応能がバランスしているわけです。 ですから、当然私は、国民年金もひとつ今年度じゅうに改正をしていただいて、応益応能の国民年金にしなければ、沖縄だけではありません、全国で非常にたくさんの方があることは、今もう時間がありませんから申し上げませんが、こういう実態でございます。ひとつ総理に、最初の実は演説で国民にお約束になったことを体して、じゃ先、厚生大臣から一言。
○山下国務大臣 先生がもう大変お詳しくて、私の方が答弁になるかどうかわかりませんが、御案内のとおりこの国民健康保険制度、これは市町村でございまして、市町村がいかにして取るかいろいろ工夫をしながら、したがって千差万別といいますか、いろいろ工夫をいたしておりますからいろいろございますが、年金にこの制度を取り入れていいか、そういう問題であろうと思います。 そこで、年金でございますから、金持ちからたくさん取ってそして金持ちにたくさん上げていいという、そういう制度が一体いいかどうかという問題もございますし、それから自営業者その他種類が非常に多くてなかなか捕捉がしにくいという問題、あるいは、先ほど沖縄の問題御指摘ありましたけれども、沖縄は所得が低い、それから大家族制度であるということ、それから、大都市の東京その他につきましては年間の移動が大体三割ぐらいあるということでなかなか捕捉がしにくいという、そんな、これをちょうだいする方の側からすれば非常に難しいということで現状になっておりますが、しかし私は、将来、将来といってもずっと先ということではなくて、この問題は常に検討しながらよりよい方向へと改めることは当然でありますが、現行においては今の制度でやむを得ないんじゃないか、そんな気持ちがしておるわけでございます。
○堀委員 現行のままでいけば未納者はどんどんふえます。そうして、これほど矛盾した逆進性の高い制度を世界じゅうでとっているのは日本だけなんですよ。ほかのところは、イギリスだって要するに賦課方式で取ってそれを下の方の人に配るというような制度をとっているわけでして、私は、総理が演説をなすって、生活大国、要するに年金のものを考えよう、こういうことを国民にお約束になったのですから、少なくとも総理の在職中にこの問題を解決していただきたい、こう思いますがいかがでしょうか、御答弁いただきたい。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま厚生大臣の言われましたことは、現実にはいろいろな問題があってどうも今のことでおさまってきているんだが、しかしおっしゃるような問題がないわけじゃない、こういう意味の御答弁であったと思いますので、先ほども申しましたような急速な老齢化等々考えてまいりますと、やはり十分に私は考えるべき問題の一つではないかと思います。
○堀委員 社会党はとかく、何といいますか労働組合をバックにしたサラリーマンの政党と思われているのですけれども、私どもはそうじゃなくて、今一番恵まれないのは営庶業、農業の皆さんのいろいろな問題というのがあるわけですね。なぜかというと、サラリーマンは年金でも医療でも雇い主が半分払うのです。ところが事業主や農民は払ってくれる者はないのですから、全部自分たちで払わなければならないわけですね。ですからそういう意味で、総理はあそこで公正という言葉を使っていらっしゃるのですが、公正にするためにはかなりの部分を国が援助をするのが私は相当だ、それでなければ、天からお金が降ってくるわけじゃないのですから、やはり国が責任を負うというのが当然だと思うのですね。私はそういう意味で、社会党というのは決してサラリーマンや労働組合の党ではなくて、この営庶業、農業の皆さんが公正な立場で国からの協力が得られるような体制をつくることが私たちの党の非常に重要な任務であるということを申し上げて、もう一遍総理のそういう公正という問題を通じての私の提案についてのお答えをいただいて、質問を終わります。
○宮澤内閣総理大臣 長年にわたって御主張なさっていらっしゃる問題であることはよく存じておりますので、決してお話を軽く承ってはおりません。いろいろ検討させていただきたいと思います。
○堀委員 終わります。
○中山(正)委員長代理 これにて戸田君、堀君の関連質疑は終了いたしました。 井上君の残余の質疑は、後日に譲ることといたします。 午後一時十五分より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十九分休憩 ————◇————— 午後一時十六分開議
○山村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。串原義直君。
○串原委員 我が国の環境、地球環境の状況は年とともに悪化の方向にありまして、もはや時間的な猶予はない、そう考えまして、私は百二十二国会におきまして、代表質問において総理にこの点を伺ったところであります。 我が国の環境問題の多様化、新たな環境問題の重大な社会問題化など国内における環境保全対策は大きな課題を抱え、また地球環境規模で進んでいる環境破壊、汚染、資源の多消費による地球の生態系の危機には現在の公害、環境立法では十分対応できなくなっているのではないか。したがいまして、国内、国際的に環境保全の枠内での持続可能な開発が要請されていることから、そのような社会へ向けての環境保全基本法の制定が必要であると考えるのでありますが、いかがですか。
○中村国務大臣 まさに委員が御指摘になったとおりだと思います。地球規模の環境問題が世界的に重要な問題となり、我が国における環境対策も時代の変化とともに随分変わってまいりました。昔の、悪いものを出しているものを捕まえるというような対応ばかりでなくて、やはり地球規模でもって環境を考える、それはすなわち私どもの社会経済機構のようなものを環境保全型に変えていかなければいけない、そのような時代に入っていると思うわけであります。そういう中で、従来の、御指摘のとおり公害対策基本法というようなもの等では対応がやはりし切れなくなった時代に入ってきていると思うわけであります。 そこで、今年六月に開かれます環境と開発に関する国連会議、通称地球サミットでございますが、その場においても環境に関する地球憲章を採択しようかということで議論が進んでおりますのでありますから、そうした世界の動きとも整合性を持たせながら、そういった動きも見ながら、環境基本法という名前になりますかどうか、委員の御指摘のような検討をしていくべき時期に入っていると思います。 その時期につきましては、これからのことでございますが、こうした国際世論、地球サミットの動向も見ながら今検討に入っているところでありまして、各種審議会にも答申を求め、今勉強しているというところでございます。
○串原委員 今大臣から答弁願いましたが、地球サミットも六月に開かれる、関係する審議会等々にも諮問をして検討中である、大変前向きな御答弁をいただいたのでございますけれども、今お話をいただきました方向で、およそいつごろに結論づけていこうと考えていらっしゃるか、お示しください。
○中村国務大臣 早急に検討してということでございますけれども、やはり時期ということになりますと、地球サミットにおける将来の地球環境に対する世界の考え方のまとまりぐあい、また、その地球憲章の内容等の検討状況を踏まえてということになると思いますので、今鋭意検討していますので、いつまでというお約束はなかなか今できないのですが、そういった世界の検討と歩調を合わせて、そういったものと整合性がとれるような方向で、基本法というものも考えていくべきではないかと思っているわけでございます。
○串原委員 それでは、この基本法には、環境保全の理念、それから国、地方自治体及び企業、国民の役割と責務の明示、そして環境保全目標の設定、行動基本計画の策定、環境保全の推進体制の整備、それから規制措置の手段等を盛り込んでいくべき法体系、こういうものが望ましいというふうに思うのでございますけれども、いかがですか。
○中村国務大臣 今ちょうど中央公害対策審議会と自然環境保全審議会に、このことを含めて、大きなこれからの日本の環境行政のあり方、また、世界の環境に対する対応のあり方、そういったものをやるためには環境庁がどうあるべきか、そしてその中で法体系がどうあるべきかという諮問をしているわけでございまして、その答申をもって検討するということになりますが、今委員御指摘のようなことは十分その検討の中に入ってくる問題であろうと考えております。
○串原委員 では、次に環境アセスメント法の制定について伺うわけでありますけれども、我が国の環境法制上欠けているのが環境アセスメント法であるというふうに私は思っています。諸外国では既に多く制定されています。 私もかつて環境委員会に所属をしておりましたときに、大臣とたまたま一緒でございましたかと思いますけれども、この法案が成果を上げなかった、つまり廃案になってしまったという残念な経験がございます。私は、この環境保全基本法の制定とともに、ある意味では、このアセスメント法というのは車の両輪とも言えるものであろうというふうに考えているところであります。一九八四年の八月の閣議決定、環境影響評価実施要綱による取り組みをやっていますけれども、これではとても、私、現在の環境問題と取り組むには不十分である、こう理解しているわけでございます。もう待てない問題ではないか、こう考えておりますが、いかがでしょうか。
○中村国務大臣 串原委員御指摘のように、当時私が自民党側の環境委員会の理事で、社会党の串原委員が理事をされておられまして、アセスメント法案をお互いにいろいろ相談しながら委員会で動かした経験がございます。そのときのことでございますから、そのときの状況は串原議員よく御存じのとおりでありますけれども、残念ながらあのときは、法案は提出したんだけれどもなかなか世の中の御理解が全般からは得られなかったという状況にあると思います。そこで、採決をすることができずに廃案ということになったわけであります。そのようなことから考えて、私は、やはり環境アセスメントということに対する御理解を得る努力をもっとするべきであったのかなと思うわけでありました。 そういうことをとらえて、五十九年でございましたか、環境影響評価実施要綱という閣議決定のアセスでございますね、これが始まった。でありますから、それから環境庁といたしましては、これのアセスメントの適切かつ円滑な実施をして御理解を求めるということを一生懸命やってきたわけであります。そして、閣議決定に基づく環境アセスメントについては、住民や都道府県知事の意見も踏まえて国が審査を行い、その結果を事業の許認可に反映することができるというふうになっているわけでありますから、十分でないにいたしましても、これにより環境への配慮が一応確保される仕組みにはなったと認識しているわけであります。 ただ、今委員御指摘のとおり、この問題は将来を見据えて環境アセスメント、これを法定化、どういうふうにするか、閣議決定の実施状況等を見合わせて、今お答えいたしました環境に関する基本的な法制度のあり方に合わせて引き続き検討してまいりたい課題であると思っている次第でございます。
○串原委員 総理にちょっと伺っておきましょう。 今環境庁長官から答弁を願ったのでありますけれども、私は、このアセスメント法はもう急ぐべき時期に来ている、こう考えているわけであります。環境庁長官はこの基本法、今申し上げました環境保全基本法の制定等の問題と関連して検討していきたい、こういうお話がございましたが、先ほど申し上げますような実は経過がかねてありました。したがって、これは一足前へ出て取り組むべき重要な問題である、こう考えているわけであります。総理として積極的に取り組んでもらいたい、こう考えるのです。いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 環境アセスメントというものの考え方は、既にある意味で国民の中に受け入れられ、確立しておると思いますけれども、昭和五十九年でございましたか、閣議決定をして以来今日に及んでおります。 それで、先ほど環境庁長官がお答えを申し上げましたように、この問題は今後重大になるとも軽くなる可能性はございません、残念ながら。ますます大きな問題になっていくわけでございますから、基本法もやはりそういうことをよく見きわめた上で、後になって悔いを残さないように、将来を展望したものをつくっていく必要があるであろうと思っております。おくれていいと申し上げているのではありませんけれども、やはりことしのブラジルの会議などもよく見まして、その上でつくっていくことがよろしかろう。アセスメントも、その中の実は非常に大事な部分でございますから、できればやはり基本法の中で処理していく方がいいのではないかな。片っ方でアセスメントというものの考え方は確立しておりますから、今急に法律がなくてもやっていける。しかし、これはやはり基本法との関連で立法化していくのがいいんではないかなというのが環境庁の専門家の諸君の御意見のようでございます。私もそれでいいのではないかなと思っておりますけれども、なおよく御意見も承りまして、また環境庁の諸君にも検討してもらいます。
○串原委員 では、次の問題でありますが、有害な廃棄物や再生可能な、越境移動と言ってもいいでしょうな、廃棄物の輸出入ですね。つまりバーゼル条約の発効は五月になっているはずであります。これはフランス等二十カ国程度が既に加入をしていて、アメリカ等でも今議会で法案を審議中であるというふうに聞いているわけであります。我が国もバーゼル条約の批准を急ぐべきではないかというふうに考えるわけであります。 何か報道によりますと、通産、厚生、環境庁、この主導権争いで作業が進んでいない、おくれている、こう伝えられているのですけれども、まことに好ましい状態ではないなと思うのでありますが、これはどうなっているのですか。
○山下国務大臣 バーゼル条約につきましては、地球環境までにはぜひともこれはやらなければならないし、今おっしゃった一つの期限もございますから作業を急いでいる段階でございます。 今おっしゃいました三つの省庁のほかに外務も関係ありまして、四省庁にまたがっているということでございまして、厚生省は廃棄物について所管をいたしておりますから、私どもといたしましては、これらの問題について、条約批准についてとにかく四省庁そういう縄張り争いとか決してございません。今現在お互いに協議をし合っている段階で、一日も早くこれをまとめなきゃならぬ、鋭意そういう段階で努力をいたしております。
○串原委員 一日も早く批准ができるように鋭意努力しているということでありますが、少なくとも六月の地球サミットまでには、これは各省庁連携をとって、合意を得て、批准が行われて、日本の対応はこういうことでありますということを明確にサミットのときに言えるようにならなきゃいけないと思うのです。いかがですか。
○山下国務大臣 先ほどの答弁でも申し上げましたように、地球サミット、それには照準を合わせまして、これまでに絶対やるぞということで今鋭意詰めておりますから、そのように御理解いただきたい。
○串原委員 次に、林政問題について伺うことにいたしますが、総理は施政方針演説において、林業については国土・環境保全など水と緑の源泉としての森林の働きを増進させる森林づくりに努力していく、こう表明されました。私もその点では同感でございます。今も環境問題で質疑をいたしましたけれども、ことしは地球サミットが開催をされます。地球環境に果たす森林の役割と森林管理のあり方がサミットでの焦点になるというふうに私は思うのです。木材消費量の七五%を外国に依存している我が国は、サミットにおける言動が世界から注目されるのではないか。 そこで伺いますけれども、地球環境に果たす森林の役割が重視されておりますので、森林の保全管理についての国際的な合意形成に向けて日本はどのような姿勢で臨むのか、臨むべきか、総理から考え方を伺います。
○田名部国務大臣 お答えをいたしますが、お話しのように、近年熱帯雨林が大規模に減少しておることは御承知のとおりであります。地球環境の保全を図る上でその保全、造成は極めて重要でありますが、そのためには何といっても持続可能な森林経営の確立が重要でありまして、六月のブラジル・サミットに向けまして国際的な合意の形成に努力をいたします。これは何といってもやはり国際的に可能なところで話し合いをしなきゃならぬという問題がありますし、熱帯雨林の保全、造成のために海外林業協力を実は進めておるところであります。 しかし、御案内のように、先進国と開発途上国のいずれにおいても非常に難しい問題を抱えております。特に、関税の引き下げ等、木材貿易の進展が今求められておる中で、新たな国境調整措置の導入について合意を得るということはなかなか極めて難しい問題がありますけれども、いずれにしても、このサミットで各国と精力的に合意を図るように努力をいたしたい、こう思っております。
○串原委員 ちょっと具体的に触れます。 実は、国際的な森林の保全管理について重要なことは、採算ベースだけで木材を輸入する、輸出をする、このことを環境の立場からコントロールできる、世界的にコントロールできる制度をつくりませんと、合意形成を得ていきませんと、私は森林を守りながら環境保全に役立てるということになっていかないと思うのであります。この点についてどういう立場でもってサミットに臨もうとしているのか。金があれば幾らでも外国から材木を買えばよろしい、発展途上国で財政的に苦しい場合には、この山を切ってはうまくないんだけれどもやはりこの木を切って輸出しなきゃならぬという、この矛盾をほかの政策で解決をしませんと、この問題は解決しないと考えるわけであります。このことをどういう立場に立って、私が申し上げた立場に立ってサミットの場で国際的に提起をしていきますかどうか、この辺はいかがですか。
○田名部国務大臣 生活が苦しくて焼き畑をする、あるいは木材を輸出するということが非常に多いわけでありますから、ただ木材だけでこれを解決しようとすると非常に難しい問題があります。ですから、先ほど申し上げましたように、この森林というものは、持続可能な森林の経営ということは非常に大事になってまいりますから、そのために私どもは従来から海外の林業協力というものを植林でありますとかバランスよく進めていくということで協力をしていかなきゃならぬ。あるいは食糧問題で見ますと、やはり高生産の上がるそういう技術の指導、あらゆることをした上で、この解決というものは林野だけを見るのではなくて、経済全般を考えながら、あるいはODAの援助もありましょうし、そういう全体の中でやはり検討していくべきだ、こう思っております。
○串原委員 総理、私の申し上げたことは非常に大事なことだと思っているのですよ。今農林大臣も真剣に検討するという話でありました。これは農林省だけの問題ではないわけですね。したがいまして、今答弁がございましたけれども、ODAの話もありました。私は、やはり金があるから、あの国に材木があるから輸入をする、残念だけれども、この山を切ってはうまくないんだけれども、経済的にこの山を切って輸出しなきゃならぬと考えている発展途上国、このことをお互いに他の施策で援助しフォローしていくということを考えていくことをしない限り、森林管理は成果を上げないと思うのですね。したがいまして、私が申し上げた立場に立って農林大臣は答弁になりましたけれども、私、総理がそういう立場で各省庁連携をとりながら一つの方向を踏まえてサミットに臨む、こういう態度になっていただけませんか、なろうじゃありませんか、こう申し上げたいのですけれども、いかがですか。
○宮澤内閣総理大臣 おっしゃることが大事だと思います。つまり、相手の国にすれば、まさにおっしゃるように、これはうまくないんだけれども、売らなきゃやっていけないというような状況というのはあるでございましょうから、そういうときにやはりお互いに一緒になって考えていく。それはODAの場合もありますでしょうし、あるいは長期債務と自然とのスワップというようなことも御承知のようにございますから、そういうことで発展途上国といわば先進国との間で一緒に相談をしながら持続可能な森林開発というものを考えていくというのが、これが今度の地球サミットの一つの課題でもありますし、そういうふうにこれから考えていくべきだと思います。
○串原委員 先ほど私もちょっと触れましたけれども、我が国は木材消費量の七五%を外国に依存していますね。余りこれは褒められたことではないと思うのです。国内的にも褒められないだろうし、国際的にも褒められる現象ではない。したがいまして、自国の木材自給率を向上させるということは、今も議論をいたしましたけれども、現下の国際的な義務になっている。ある意味では、ここに力を入れることは国際的貢献だと私は実は思うのですね。したがいまして、国際貢献という立場からも、自国の木材自給率を高めるために、私が今申し上げました視点に立って、総理の所信表明にも言われましたところの活力ある森林づくりの基本的な考え方、これをお示しを願いたいと思います。
○田名部国務大臣 国有林野事業につきましては、今後ともその使命を十分果たしていくためには、何としても国産材の活用ということに全力を挙げて取り組んでいるところでありますが、特に、平成三年の七月に策定した新たな国有林野事業の改善に関する計画、これに則して自主的な改善努力を尽くすということを今いたしております。そのためには、予算の問題もありまして、これも、特に一般会計からの繰り入れ等所要の財源措置を講じてこの経営改善を推進しておるところでありまして、これからも一生懸命努力をしてまいりたい、こう思います。
○串原委員 大蔵大臣に伺いますが、森林整備等に要する費用につきまして、国費の負担のあり方を見直すべき時期に来ていると私は思うのです。今、農林大臣も国有林の改善計画を進めていくという話がありましたが、山の問題、森林問題を議論いたしますと、だれも山を守るという点では反対する人がいない。総論は賛成なんですね。さて、具体的な予算の問題等々になってまいりますと、なかなか思うように前進をしない。したがいまして、先ほどから議論しておりますように、森林、山を守るということは環境保全の立場からも重要だと考えておりましても、なかなか前進をしない。総論賛成、各論になりますと足がとまってしまう。このことはこの際改める時期に来ている、国費負担のあり方を検討すべき時期に来ている、こう思うんです。どうしても足かせになるのはシーリングというものだな、予算編成の場合。このシーリングというのは、これは必要なときもあるでしょう。理解できないことはない。しかし、いつまでたっても、大事な山を守るという立場に立つと、シーリングに縛られて予算が思うように計上されてこない。 きょうは時間がなくて実は残念でありますが、山林労働者、林業労働者の確保問題を議論できませんけれども、もう大変なときに来ておりますが、これも予算上なかなか思うように施策ができていない。つまり、現行のシーリング方式、環境を守るという視点に立って、経済ベースだけでなくて見直すときに来ているんではないか。これは一番大蔵省がその気にならないと前進をしないわけですね、解決をしない、こう考えている。専門家ですから、あなたは。山に対しても、農林行政に対しても本当に専門家なんだから、いかがですか、シーリングを見直すという立場に立とうじゃありませんか。
○羽田国務大臣 日ごろから森林・林業あるいは国有林につきまして大変お力をいただいておりますこと、まずお礼を申し上げたいと思います。今御指摘のありましたシーリングということになりますと、やはり一つの、どうしても財政が厳しいということがありますから、その中にあって各省庁の中で一体何を優先するか、そういうことをやはり考えていただくという意味では、私は、シーリングというのは一つの役割があろうかと思っております。 ただ、今林業そのものにつきましては、今農林水産大臣からお話のございました国有林野事業の改善に関する計画も、いろいろな森林の保全なんということも前提にしながら、これは平成三年の七月に策定されたものであろうというふうに私は理解をいたしております。そういう中で、確かに要員の規模の縮減の問題ですとか、あるいは組織、機構の簡素化等の行政改革を進めるということもあります。それと同時に、これについてのいろいろな議論があるんでしょうけれども、しかし、自己収入の確保という自主的な改善努力というものも実はこの中で求めております。それと同時に、森林の持つやはり特性というものは、なかなか自己収入だけではどうにもならぬだろうということで、財政措置というものを講じなければいけないということで、累次この問題については進めてきております。ちょうど、例えば昭和六十年、このころは百億ちょっとぐらいでありましたけれども、現在三百億ということであります。そして、今シーリングというお話があったのですけれども、厳しいシーリングの中にありましても対前年度比で一二二%ということでございますから、私どもとしては、限られた中ででき得る限りのことを前に進めておるというふうに考えております。 しかし、いずれにいたしましても、これから国際的な環境問題ということがございます。そういった問題については、またこれは違った次元でやはり我々としても議論していかなければいけないんじゃないのかな、そういう中にまたどう位置づけていくのかということがあろうかと思っております。
○串原委員 なお大蔵大臣に伺いますけれども、今もお話がありました。積極的に取り組んでいくという御答弁があったのでありますけれども、この国有林の問題は、平成三年度から経常事業と累積債務を経理区分をいたしまして、財政対策もそれなりに行われているということでありますけれども、材価の低迷、土地売りの状況などから見まして、前途は依然としてどうも厳しいというふうに判断をいたします。四年度予算を見ましても、経常、累積ともに大変厳しいわけでありますが、一般会計からの繰り入れにつきましては、累積対策分を含めて、確かに大臣が答弁されますように、前年度対比一二一%伸びました。この努力は認めますけれども、評価をいたしますけれども、なお私は不十分だと思う。一般会計からの繰り入れ措置につきまして重要なことは、経理区分をした効果が十分発揮できるような措置をすべきだということが一つ。特に、経営部門の金利が負債を大きくしておりまして、とても経営努力だけでは克服できない制度上の問題もあるわけですね。この見直しを考えなきゃならぬ。これが二つだと思うわけです。特にこの二点を踏まえて、今財政措置という話が大蔵大臣からもありましたけれども、その財政支援措置をより深めていくべきである、こう思うのです。そうしませんと、国有林会計の好転はとても望めない、こう私は思うのであります。いかがでしょう。
○羽田国務大臣 この国有林野事業の改善の方向というもの、これはまさにこれからの計画年の中で、今お話のございました問題、こういった問題についてひとつこたえていこうということでありまして、ですから、例えば造林、林道事業、こういったものを繰り入れるとか、あるいは保全管理費なんかも入れるようになったり、最近では退職手当なんかがやはり相当これを圧迫している要因にもなっておるということがございますから、これの借りかえを入れよう。そして、今お話のありましたまさに借入金というのが相当大きくなってきておるという事情もございますので、これも実は利子補給なんかに百二十九億円を入れようというようなことで対応してきていることでございまして、私どもとしては、やはり自主的な努力というのをやっていただこう、しかし国から入れるものは入れますよ、これで何とかひとつ健全なものにすることができるんじゃなかろうかということで、改善計画そのものを実はこの間つくり上げたばかりの問題でございまして、私ども、もうしばらく、御意見がございましたことも踏まえながらひとつ追求していきたいなというふうに思っております。
○串原委員 これ以上は次の機会に譲りますけれども、今自助努力という話もありました。これも理解できますよ。自助努力だけではどうにもならない、限界に来ていると私は判断をしているところであります。したがって、努力をするという大蔵大臣の答弁でありますから、ぜひ、次回の通常あるいは補正等々の予算の中でも積極的に取り組んでいただきますように強く要請を申し上げておきたいと思うわけでございます。 そこで、次に米の問題について伺いたいわけでありますけれども、外務大臣、米についてどうも外務大臣は一言多いんじゃないかな、こう思うのであります。先日もここで同僚野坂議員とのやりとりを聞いていて、どうもちょっとわかりにくいところがある。結論は総理の答弁によって締めくくったごとくに聞こえたけれども、どうもあなたの答弁はわかりにくい。果たせるかな各紙、新聞ですね、私の感じたとおりの記事を書いておられるわけですよ。これを細かく読む時間はありませんけれども、ある新聞は、渡辺外務大臣「コメ開放へ柔軟答弁「完全自給は無理」」、こう書いてあるんですね。この解説の記事の中に「「一トンも入れないで頑張る、と言っても無理」と述べ、コメは国内産による自給を原則とするとの従来の政府方針から踏み出し、完全自給は困難との考えを明確にした。」こう書いてあるんであります。これは、あなたの答弁を聞いていて受け取り方によるかなということもないとは言えないね、私は理解しますよ。しかし、この新聞が何分かのうちにアメリカに届きまして、アメリカでは、ああ、やっぱり日本の政府も外務大臣も米は自由化していいんだ、こう考えておられるのかなという話にすぐなってしまうわけですよね。でありますから、私はこれは重要なところだ、大事なところだと考えますだけに、あなたにあえてこの際伺うわけなのであります。 したがって、三度の国会決議を踏まえて、米は国内自給をしていく方針であるということできちっとしておいていただきませんと、あなたが講演会なりどこかへ行ってお話をしたときの話のようなことをここで御答弁になるというと、一トンも云々という話になってきて、外務大臣は「コメ開放へ柔軟答弁」、こうなってしまうわけですね。このところはきちっとしておいてもらわないと困る。これは国会決議なんですから、そして農林大臣も先刻明確に御答弁になっているわけでありますから、そして総理も御答弁になっているわけですね。あなたの答弁が時によると誤解を生むわけですよ。 あなたはそうでないときっと考えて御答弁になっていらっしゃると思うけれども、これはきちっとしておく必要がある、日本の国のために。そう考えるんですよ。いかがですか。あなたの答弁は時によるととても愉快なことが多いですね。そのことはいいですよ。いいけれども、どうも時によるとジョークを加えながらというふうに考えながら御答弁になったことがこうなったんじゃ困るわけですよね。明確にしておこうじゃありませんか。私の考えは違うんだよ、ぴしゃっとこう答えたらいかがです。どうですか。
○渡辺(美)国務大臣 ウルグアイ・ラウンド、非常に大詰めに来ておりまして、我々としては、総理も私も、ウルグアイ・ラウンドはぜひとも成功裏に早く決着をさせたい。で、そのためには、どこの国もみんな事情があるわけですから、各国がそれぞれの立場だけを主張しておったのではいつまでたったって平行線、成功はあり得ない。今回のウルグアイ・ラウンドは特に、今まで貿易や関税の多角的交渉というものが何回も行われておりますが、今回初めて、サービス分野とか知的所有権というように今までなかったものも交渉の対象になってきた。非常に、まあそれだけにみんなが重大関心を払っておるところでございます。したがいまして、我々はぜひともこれを成功させたい。しかし日本の事情というものがございますから、当然、日本は日本の事情を最後の最後までちゃんと説明をするということが重要でございますので、そのように目下やっておるわけでありまして、ここに来て私は一切じゃべらないことにしてあるわけでございます。
○串原委員 しゃべらないということでなくて、私の言うのは、誤解を生むようなことをあなたは前回言われたから、やはりマスコミ等々にもそういうふうにとられたから、そうではない、私は、やはり国会決議のあることであり、国会決議を踏まえて国内自給でいきます、従来の方針でいきますという立場でウルグアイ・ラウンドの米問題については対処していきたいと思っております、こういうことを明確にしようじゃありませんかということを申し上げているわけですよね。それは難しいことはわかりますよ。他にも難しい問題があることはわかる。しかし、米問題は政府一貫してそれで進もうではありませんか、誤解を生むようなことが若干あるようでしたからきちっといたしましょう、こう言っているのですよ。同感でしょう。いかがです。
○渡辺(美)国務大臣 そういうことで、今おっしゃったような御趣旨で交渉をしておるということは間違いありません。
○串原委員 まあ誤解を生ずるようなことは気をつけていきましょう。私もあなたがそうは思っていると思わないけれども、どうも時によると一言多いなと思われる節があるから指摘をしたわけであります。きょう改めてきちっと確認をいたしましたから、そういう立場でこれから答弁をしてください。 それでは次に、ことしは日中国交回復二十周年の記念すべき年であります。実は私も若干の関係がありまして、一九五〇年代半ばころより日中友好運動にずっとかかわってまいりましたけれども、顧みてまことに感慨深いものがあるのであります。年とともに日中友好の実は上がってまいりました。この二十周年に当たりまして、総理大臣は、日中両国の友好、経済交流等々どのように認識されていらっしゃいますか、まず伺いたいと思っております。
○渡辺(美)国務大臣 日中問題はいろいろな今までのいきさつがありまして、それで国交正常化をいたしました。それから二十年たちまして、大変いい方向で今将来に向かって歩んでいるところでありますから、私は、この友好関係を一層確実なものにしたいと。特に中国側でも、いつまでも過去のことだけを言っておっても仕方がない、だからこれからはここで一線を画して、そして本当にしっかりした土台の上で二十一世紀に向かってスタートしよう。全く同感でございます。そこで、それを記念すべき事業として幾つかのことが具体的に考えられておりますが、その問題につきましては事務当局から説明をさせます。
○谷野政府委員 ただいま先生からお話しのように、ことしは日中国交回復二十周年ということでございまして、これは外務省というより、官民挙げていろいろな計画が今進行中でございます。外務省はむしろそういう点について横から支援させていただくという立場かと思いますけれども、具体的にどのようなことが計画されておりますか、若干お話ししてみたいと思いますが、例えば周恩来展というのを開こうという計画がございます。あるいはオペラの上演、それからミュージカルで「李香蘭」というのがございましたけれども、これもいずれ中国で上演が決まっておりまして、こういうものにつきまして、可能な範囲で私どもも資金面その他でお手伝いをさせていただこうと思っております。バレエの公演もございますし、郵政省の方では、二十周年ということで記念切手を出そうという御計画もあるようでございます。 それから要人方の往来の件でございますが、これは既に御記憶のように、一月には渡辺大臣が北京にお越しになりました。四月には江沢民総書記を中国からお迎えするという計画がございますし、国会の方では、先方の国会議長、万里議長をいずれ初夏のころ日本にお迎えするという計画もあるやに伺っております。
○串原委員 今外務大臣の答弁にあわせましてこの二十周年記念行事についても触れていただきましたけれども、私もここに二十周年記念行事のパンフレットを持っております。各県も真剣に積極的に取り組んでくれているようだ、大変に私は結構なことだというふうに思うんでありますが、今御答弁を局長からもいただきましたけれども、率直に言って、どうもこの全体的な行事、もう一つ迫力がないという感じを実は抱いているんであります。ぜひ、なるほどあの年はこういうことをやったなというようなものが残り得るように検討願いたい、こう思っているところです。積極的に言いますならば、その行事を成功させるために必要ならば、私は補正を組んでもいい、いいではないかというくらいに提起をしたいほどであります。 そこで、今御答弁を願ったのでありますけれども、日本が中国本土で何か大きな行事をやる、やりましょうということを計画しているのか、その辺についてはいかがですか。
○谷野政府委員 それぞれ御熱心に御準備いただいておりますので、それぞれ大きな事業というお心づもりでなさっておると思いますけれども、先ほど要人の往来の件を申し上げましたけれども、具体的なことといたしましては、私もここに、手元にございますけれども、大変数々のプログラム、行事が予定されております。それをひっくくる形で、日本側ではこの関係団体のいろいろな御準備を、横の連絡をよくするということで、それのための組織もできまして、今懸命の準備が進行中でございます。 どれが大きいかということはちょっと私の立場からあれでございますけれども、例えば、しかしながら、九月二十九日が正常化二十周年のちょうどその日でございますから、東京及び北京におきまして関係の団体にお集まりいただきまして、大変大きな規模の祝賀パーティーをしようではないかというような準備も進行中でございます。
○串原委員 今お話をいただいたように、この四月には江沢民総書記が日本を訪れるということが内定しているようでありますが、総理の訪中はどんなふうにお考えですか。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま、今年の問題として何もまだ決まっておりません。
○串原委員 私は、二十周年という記念すべき年に当たって、新しい立場であなたが訪中されることが大変意義がある、こう考えているんです。ぜひその立場で取り組んでいくべきではないかなと思うんです。いかがでしょう。
○宮澤内閣総理大臣 いろいろな日程との関連もあろうかと思いますけれども、真剣にひとつ事務当局にも検討してもらいたいと思います。
○串原委員 伝えられますところ、ただいま日本、中国の間で天皇陛下の訪中について調整中である、こう伺っているところであります。報道されたところによりますというと、二月二十一日には楊振亜駐日中国大使も記者会見で、このことに関連して強い期待感を表明されたようであります。太平洋戦争終結後五十年近く、日中国交回復二十周年の機会は、日中両国民にとりまして歓迎すべき行事であり、一つ大きな節になると考えるのでございます。私は政府の決断を望みたい、こう考えるのでありますが、いかがでしょう。
○渡辺(美)国務大臣 もう言うまでもなく、第二次世界大戦において我が国が一番人的、物的被害を与えた国は中国であります。残念ながら事実は事実として認めざるを得ません。ところが、御承知のとおり日中共同声明によって国交が正常化し、中国はかつて蒋介石政権のときには、暴力に報いるのに徳をもってするというようなおふれを出して、日本の居留民、軍人等が被害を受けず大切に送還された唯一と言っていいくらい珍しい形の国であったことは間違いなく、また、新中華人民共和国になりましてからも、賠償金はこれは放棄する、日中将来の子々孫々まで禍根を残すようなことはやらぬ、こういうようなことで正常化ができて今日に至っておるわけです。 それが、戦争始まって五十年、新中国と正常化して二十年という節目に当たりまして、実は中国側からは数回にわたり、ぜひとも天皇陛下が中国を御訪問をしていただけませんか、我々は大歓迎をいたして、決して失礼なようなことはさせませんという話まであったわけでございまして、何度も何度も実はもうお申し越しかあるものですから、一つの切れ目としての申し込みでございますので真剣に検討をさしていただきますということになっておる次第でございます。 〔委員長退席、中山(正)委員長代理着席〕
○串原委員 真剣に検討中というお話でありますが、先ほど申し上げますように、江沢民総書記が四月来日される、そのときにおおよその回答ができるような検討をされることが望ましいのではないかと私は実は思うんでありますが、いかがでしょう。
○渡辺(美)国務大臣 まだ時間もございますので、検討をさしていただきます。
○串原委員 きょうはこのことをこれ以上触れませんけれども、御検討ください。 次の問題でございますが、旧ソ連と言った方がいいでしょうか、独立国家共同体、CISの将来を左右し、ロシア民族主義や西側協調路線の行方を左右するロシアの経済改革の成否というものは、その経済改革手法の適否とともに、ロシア国内政治勢力の動向あるいはCIS各共和国の民族主義的対立と政治経済連合の調整の成否にかかっているのではないか、こう判断していいのではないか、こう思うのでございますけれども、いかがお考えでございましょうか。
○渡辺(美)国務大臣 ソ連の現状につきましては、実は不透明なところがたくさんございます。 一番心配しておるのは、軍の動向と核管理というような問題でございますが、数カ国にわたって大陸間弾道弾の基地というようなものが設置されておって、それを一体だれが管理をするのか。統一的な管理をするということは言っておりますが、しかし、具体的にどういうような形でどう処理するという取り決めということになりますと、一〇〇%固まったわけではありません。統一軍を持つという問題につきましても、独自で軍を持つというような国もありまして、これもまた不透明なところがございますし、価格の自由化をやるといってもそうはいかぬというところもございますし、それから通貨調整等も、ルーブルでなくて別な通貨を発行するのだと言っておる国もございますし、そういうようなことで、旧ソ連全体についてどういうように日本が対応するかと言われましても、相手方の方がよくわからない状況でありますから、個々の国に対してこういう対応をするというところまでこちらも固まっていないというのが実情であります。
○串原委員 それでは、エリツィンの政治基盤はどのような状態であるか、これは評価について伺いたいのであります。特に、ルツコイ副大統領を中心とする民族主義派と、今御答弁ありました統一軍の維持を求める軍部ですね、連邦の復活を求める旧共産党保守派の動向、この評価ですね。これ等と関連をいたしまして、我が国の対CIS支援の戦略目標とその対象ですね、どこに置こうと外務省は考えていらっしゃるか、お答え願います。
○渡辺(美)国務大臣 私は外務大臣でございますから、あからさまに他国の論評をするのは差し控えたいと存じますが、今おっしゃられたようなことが新聞等で報道されているというのも事実でございます。しかしながら、エリツィン大統領は、民主主義の原則に基づいてロシア国内において正規の手続によって公正に選出された大統領でございますから、我々は、これが唯一のロシア共和国の代表であるというように認識するのは当たり前、当然のことでございます。したがって、一日も早く内部でいろいろ話し合いをして、統一した見解をいろいろな面で出していただくことを強く期待をするところでございます。 我々は、北方四島の問題というような未解決のことがあって、平和条約は結ばれておりません。しかしながら、これについては法と正義に従って北方四島を解決しようということを言い出されたので、大変それは結構なことである。まさに歴史的な経緯等を法と正義の立場からお互いに客観的に詰めていけば、おのずから北方四島がどこのものであるかもはっきりわかることでもございますし、ぜひともそういうような方向でやっていきたい。しかし、時間がかかる。 じゃ、その間に、今瓦解しかけたと言われるような国内体制に対して援助はやらないかと申しますと、これについては我々は政経不可分という旗はもちろんおろしておりませんし、今後もずうっと掲げていきたい、そう思ってはおりますけれども、その一方で、やはり人道的な問題ということになればこれは放置できません。したがいまして、我が国も昨年は二十五億ドルの食糧、医療等の緊急援助枠を設定したり、ことしに入りましては緊急な無償供与として六十五億円を拠出するということを国際間でお約束をし、既に一部、もう北方を中心として援助物資等をそれぞれ輸送してお届けをしておるという最中でございます。
○串原委員 非常に不透明な点もあって難しいということはわかりますが、まさに隣の国、隣国でありますから、これはいよいよ両国の提携等々、重くなるとも軽くなることはない。慎重に対応しつつも積極的に取り組んでもらいたいなということだけをきょうは、この際は申し上げておきたいと思うのであります。 そこで、援助、あるいは援助というかCIS支援の政策ですね、対策。あるいは今お話しの北方領土の問題もありましたが、両国が話し合う重要な対象事項等々あるでございましょう。が、特に私、このところ大きな不安といったらいいと思うのですけれども抱いておりますが、特に大きな不安は、憂慮すべき事態になりつつあると報道され、伝えられておりますところのCISの核管理についてであります。 この点に関しまして、実は私は前から、専門家ではもちろんありませんけれども、いささか関心を持っておりましたところ、これは日経新聞なんですけれども、きのうですか、「旧ソ連の核兵器解体により生じる濃縮ウランやプルトニウムの管理、再利用を検討する専門家レベルの国際会議を東京で開催しようという構想が政府内で浮上してきた。」こう報道されているわけであります。その東京会議を持つ、開催をしようというふうに考えられてまいりました政府は、つまりロシアの核兵器、核管理にどのように貢献しようと考えておられますか。この際、構想を具体的にお示しを願いたいのであります。
○谷川国務大臣 お答えいたします。 御案内のとおり、我が国は原子力基本法に基づきまして、厳に平和利用に限定いたしまして原子力の平和利用を進めてまいったところでありますから、核兵器についての技術はこれは持っておりません。ただ私、核兵器を解体いたします場合に、そこから出てきます核物質が拡散しませんように厳重に管理してもらう、安全に管理してもらうことを願っておりますが、手が足りなくて、今お話がありましたように技術先進国に協力を求めてくる場合があるかもしれません。ですから、私どもといたしましては、その場合にはあくまでも国際協調のもとに、それから私どもが平和目的に限って培ってまいりました技術の応用の上でどういう協力ができるか、ただいま技術的な調査を検討をさせておるところでございます。 それから、国際会議の点につきましては、これは外務省であろうかと思うのでありますが、事務当局の間に、今申しました国際的な協調のもとにどういう協力ができるか検討する場合に、日本がそういう、今お話がありましたようなことも考えていいんじゃないかということを話し合ったような話を、報告を受けておるところでございます。
○串原委員 外務大臣ですか、今御答弁をいただきましたけれども、この核兵器解体等の技術は我が国は持っていないというお話がありましたね。そうだろうと思う。 その立場で、これは外務省でございましょうか、この東京会議開催を考えているということになりますならば、この東京会議を開こうと考えたその目的、もう一つは、関係国が、この日本経済新聞によりますと、アメリカ、イギリス、フランス、ドイツ、イタリア、ロシア、スイス、ベルギー、スウェーデン等々の各国に呼びかけてと、こう書いてありますが、これはどこかの国と話し合いの上で計画をされたのか。東京会議開催のねらいは何です。
○渡辺(美)国務大臣 外務省は、国際的にはそういうことは言っておりません。いろいろ検討の話題としてはあるいはどなたから出たかは知りませんが、外務省としては東京会議を開催するという提唱はいまだしておりません。 ただ私は、ドイツのゲンシャー外務大臣が、科学者の頭脳流出というものがどんどんあって、それがお金のある小さな国に呼ばれて、そこでまた核爆弾の製造でも始まるというようなことになると大変なことになる、だから何とかこれは米英等と協力をして、科学者をソ連の中にいてもらって、今言ったような核爆弾の解体とか保管とか利用とか、そういうような勉強をさせるというようなことについての話がございましたので、日本にどの程度技術があるかわかりませんが、そういうような人だけ、二千人程度とか言っておりましたから、人件費の問題その他でしょうけれども、そういうようなことであるならば、我々はそれは何らかの応分のできるだけの協力は、それはしてもいいですよという程度の会話はいたしました。
○串原委員 外務省は、この東京会議の開催の計画はないと明確に御答弁になったのだけれども、関係する省庁とすると、例えば環境庁、通産省、この東京会議の計画等々ありませんか。今私が申し上げた立場に立つ計画はありませんか。
○渡部国務大臣 今、外務大臣からも話がありましたが、私もゲンシャー大臣とお目にかかりました。CISからの核兵器や核物質の流出及び核技術者等の流出については、国際的な安全保障を脅かすものとして極めて重大な懸念を有しておる、したがって我が国としてもその対策のための応分の貢献を行っていくことは必要である、ただし、我が国には非核三原則、この国是というものがありますから、その基本的な前提の中で原子力の平和利用という面で私どもも国際貢献で技術者の交換、こういうものの計画はいたしております。
○中村国務大臣 核物質の管理は科学技術庁ということになっておりまして、当方としては何も聞いておりません。
○串原委員 科学技術庁にもありませんか。
○谷川国務大臣 さっきお答えしたとおりでございまして、今まで平和目的で培ってきた技術を……(串原委員「東京会議、東京会議の計画」と呼ぶ)さっき申し上げたとおりでして、話の中でそういう話も出たのかなという程度でございます。外務大臣お答えのとおりです。
○串原委員 わかりました。 そういたしますと、通産大臣、若干検討しているという意味の御答弁がありました、平和利用という立場で。 そこで伺いますけれども、これもやっぱり報道によりますわけですが、二月二十二日、「通産省はCISの核兵器削減で生ずる大量のプルトニウムを国内の軽水炉、つまり通常の原子力発電所の核燃料として利用する構想の検討に入った。」そして「二〇〇〇年をめどに十二基程度の原発でプルトニウム燃料を燃やす計画を立てているが、それを前倒しし、さらに対象原発を増やすという構想」である、こう報道されているのですね。 だといたしますならば、恐らく若干の検討をしているのでしょう。だとするならば、この構想があれば、いいですか、この構想があるとするならば、発電施設の投資、あるいはこれらのことを検討するとすると、発電の原価等々にも大変影響するところ大であろう、こう思っているのでありますが、その辺、そのあたりを踏まえて検討をしているわけでありますか、検討に入ったということなのか、お示しください。
○渡部国務大臣 先ほど若干申し上げたように、旧ソ連を中心にして十年間で千人程度の専門家の技術交流による原子力の平和利用ということを考えておりますけれども、今先生の御指摘のような問題は聞いておりません。
○串原委員 これはどなたにお答え願ったらよろしいかわかりませんが、先ほど触れられましたけれども、あえて申し上げますけれども、旧ソ連のこの核兵器、核問題、核管理等々を検討して、いささか日本も貢献することもないわけではないでしょう。しかし非核原則が我が国には現存しているわけです。国是ともいうべき非核三原則、これを一歩もはみ出すことは許されない、許してはいけない、こう考えるわけであります。この点については、政府として取り組むについてもしかと注文をしておきたい。これは御答弁を願いたいと思っております。いかがですか。
○渡部国務大臣 先ほども申し上げましたように、我が国がかつてあの原子爆弾によってこの世界の歴史の中で初めて最大の被害を受けた国として非核三原則を国是としていく、これは国の基本方針でございますから、原子力については平和利用に限るということは、全く当然のことだろうと思います。
○串原委員 それでは次に、防衛庁の市ケ谷移転問題について触れさせていただきます。 防衛庁は、現在の六本木から市ケ谷へ移転計画をお持ちになっているということでありますが、これ、ある本によりますと、九〇年から九五、六年までに移転しようということなんだそうでありますが、この六本木から市ケ谷に移転するという防衛庁の計画案は、いつどこから提出されたものなんでしょう、最初。
○宮下国務大臣 御指摘の防衛本庁並びに施設庁等々、防衛本庁がございます桧町の地区の周辺地区は、六本木の中にございまして商業地区として発展を続けておることは御案内のとおりです。あそこの行政財産を利用させていただいておるわけですが、国有財産の有効利用という観点からも、同地区の活用を考えた場合に、防衛中枢をそこに置くというよりも、その位置、環境等にふさわしい他の用途に利用することが適当であるというような総合的な判断がございました。 それで、防衛庁といたしましてはこういう状況を踏まえまして、昭和六十一年度から二カ年にわたりまして桧町地区に所在する施設を仮に市ケ谷地区に移転した場合の可能性についての調査を予算をつけていただきまして行いましたところ、移転の実施につきまして特段の問題はない、このような結論に達しましたものでございまして、六十二年八月に防衛庁の本庁庁舎等の移転計画を決定し、六十三年度予算から本計画が認められ実施されている次第でございます。
○串原委員 そうすると、防衛庁として決定的な移転しなければならないという要因があって移転をするということではないんですね。 実は私は、これ国会図書館からいただいてまいりました、この「防衛庁」という防衛研究会で発行した本ですね。七十ページにこう書いてある。とても苦になった。それは、「防衛庁は六年後の七十年度実現をメドに、ここを引き払って市ケ谷に移ることとなった。移転の話がおきた理由は、中曽根首相の”民活”構想による都心の再開発といわれる。都心の一等地には、もうこれだけまとまった広い土地はないので、ここに高層ビルを建て、新しい町づくりをして経済の振興を図ろうという考えである。時あたかも、土地の値段が高騰し、地上げ屋が社会問題にもなる時期であった。」と、こう書いてあるんでありますが、前後、私も若干の調査をさせていただいたけれども、防衛庁が積極的にどうしても市ケ谷へ移らなきゃならぬという要因がなかったように思えてならない。いかがです、これは。
○宮下国務大臣 率直に申しまして、今串原先生御指摘のように、当時中曽根内閣のもとで民活その他の問題が議論された背景のあったことは私も承知をいたしております。しかし、こうした中、そういう理由だけでこの問題が処理されたわけではございませんで、防衛庁としてもまあかねがねああいう繁華街の中に防衛中枢の中心を置くことはいかがかというようなこともございまして、それらを総合勘案して決定したということでございます。
○串原委員 これ、今の六本木にある防衛庁ですね、この六本木にある防衛庁の中央指揮所、これはいつ計画されていつ完成し、どのくらいお金がかかったものなんでしょう、教えてください。
○宮下国務大臣 今御指摘の中央指揮所は、機能的には、防衛出動等の場合の自衛隊の行動に関しまして、私どもが情勢を把握して一元的に適時所要の決定を行う、あるいは部隊等に対しても連絡をするということで、この活動を極めて効果的、迅速にやるためにこれは計画されたものでございますけれども、五十六年度から五十八年度にかけて建設がされました。 それで、当時のお金で、予算でどのくらいかと申しますと、建物約三十六億円、内部の機器等約四十九億円、まあ合計八十六億円というお金をかけて中央指揮所を建設し、そして五十九年から本格的な使用を行っておる、こういうことでございます。
○串原委員 これ、そういたしますと長官、完成して間もないわけですね。およそれ十億円程度のお金をかけた。これは高いか安いかはわからないけれども、少ない金ではないわけですね、九十億というお金はね。それも、完成して使い始めてから七、八年というところですね。九十億をかけて完成した。それをなぜそんなに急いで市ケ谷へ移すのかですね。そうすると、もともと六本木へこの中央指揮所を設置することがむだであったのか、こういう話になりますね。これは私はいささか問題だと思う。完成して十年未満のうちに移転しなきゃならぬ、それも九十億である。ところがそれを移す、どうしても急いで移さなきゃならぬという理由、私には理解できないというふうに先ほど申し上げましたが、だとすると、今度新しく市ケ谷へ移転する全体の予算、どの程度考えているのですか。
○宮下国務大臣 ただいま申し上げましたように、確かに現在まで数年使用しておるわけでございますが、この計画が完成いたしますのになお相当の期日を要します。そういうことがございますが、同時に、この内部機器がかなりこの中でウエートを占めておりますね。それで、これは今のハイテク時代でございますから、情報機能その他の機器類をレンタルでなくて購入いたしております。したがって、私もつぶさにこれは見ましたのですが、やはり最近におけるハイテク、半導体その他の進歩、情報機器の進歩によりますと、やはりレンタルでやらないといけないんじゃないかなという感想を私は持っております。そういう意味で、決してこれ、全部がむだになるというものではございません。建物等もまだそれは確かに耐用年数からいいますと、それはもったいないという感じは私も率直に持ちます。しかし、全体としてこれを防衛中枢機能を移動するということでございますから、当然中央指揮所もその中に含めて移転をするという現在計画になっております。 なお、これは最後のお尋ねでございましたが、特定国有財産整備特別会計、いわゆる特特会計と申しまして、あの跡地の利用によりまして、つまりその売却代金等によってこれを整備するということでございまして、まあ今いろいろ計画がまだ確定しない点も多少ございますが、問題は、市ケ谷にある今の東部方面総監部その他、いろいろ部隊が使用しておりますけれども、これをほかへ、例えば練馬へ移す、練馬の部隊をまた移すというような、いわゆる玉突き的な整備も必要とされてまいります。そういうものを全部ひっくるめてまいりますと約三千億くらいに相当する。これは市ケ谷の移転経費だけではございません。そういった意味で特待会計の中で処理しようということでございます。
○串原委員 なるほど。そういたしますと、つまり土地を処分をして、移転をして土地を処分をして建設費を賄う、こういうことなんですね。だといたしますと私は、去年からこれ、おととしになりますか、昭和でいうと六十三年ですね、今御答弁によりますと予算がついてきたということでありますが、そういうことではありましょうけれども、先ほどから申し上げておりますように七、八年で移転をするということになるという計画だそうでありますが、今まさに防衛費削減が大きな議論になっている、あるいはまた財政難であるということも踏まえて、この市ケ谷移転の計画はそんなに急がないで、しばらく様子を見るということが適当ではないか、私はこう思うのです。 それは、土地を処分すれば建設費は出ますという話は、これはちょっといささか、土地転がしとまで私は言わないけれども、そういうことにもつながりかねないわけですね。それは、始まったということは子としないわけではありませんが、これだけ防衛問題、防衛費削減の問題が出てきていて、大蔵省の財政も大変だという時期に、これは少しブレーキをかけた方がいい。今お聞きすると、十年以内に移転をするという話はちょっと早過ぎるではないか。それをどうしても移転をしなきゃならぬという積極的な理由も、どうもお聞きするところ私には受け取れない。そうだとするならば、まあせっかく始まったという表現はいたしませんが、始まった事業であっても、これはちょっと待てよ、待とうじゃないかということになってもしかるべきものだ。始まったから何でもかんでもやらなきゃならぬということでもなかろう、私はこう思うのです。どうでしょう。
○宮下国務大臣 ただいま申しましたように、特待会計でこれを実施するということは、行政財産でございますが、これの有効活用、利用ということでございます。 冒頭申し上げましたように、ああいう地域で、また防衛庁としても必ずしも一体的な状況ではございませんから、これを市ケ谷に移しまして一体的な機能が発揮できるようにする、中枢機能として。そういうことは必要であると同時に、特待会計において行政財産を効率的に使用するという目的にかなったものと私は思っておりまして、まあ防衛庁でありますからこういう議論が出るわけでございますけれども、ほかの官庁等におきますれば、特待会計において、特に税金を投入するというような話でございませんから、その点は通常は理解されるものだと思いますが、まあ私ども防衛庁の場合でありますから特段のそういう議論が発生する余地があるのかなと思いますけれども、これは決して今委員御指摘のようなそういうものでないというように御理解を賜りたい、こう思うわけでございます。
○串原委員 長官、特待会計だからいいではないか、税金を直接使いませんという話は、どうも私には納得できないのですね。これは特待会計だから直接は税金に連動しないかもしれません。しかし、結論とすると、大枠で見ると同じ結論になるわけですね。でありますから、私は、特待会計であっても、あるいは国有財産で、移動しなきゃ現存として残るわけなんですね。でありますから、急いで移転する理由はないように思いますだけに、ぜひこのことは、始まったから何でもかんでもやってしまうんだ、それから特待会計だから直接税金にかかわりはございませんという立場は、ちょっと私容認できない、了解できない。
○宮下国務大臣 特待会計であれば何でもいいということを申し上げたつもりはございませんで、行政財産の有効活用ということで申し上げたつもりでございます。 なお、本計画はもう既にスタートをいたしておりまして、これをスローダウンさせるなり何か検討し直したらどうかという御意見のようでございますけれども、ただいま実施いたしておりましても、あそこはいろいろ文化財その他の関係もございまして、大分、まあ予定どおり進んでいないのが現状ではありますが、私としては所定の計画のもとにこれをやってまいりたいなと、こう思っておるところでございます。 なお、先ほどの私の答弁の中で市ケ谷から練馬と申しましたが、これは練馬等ではございませんで、朝霞です。正確に申しますと朝霞等でございますので、玉突きの方は、朝霞に行く、朝霞の部隊等がまた他に移動することもあり得る、こういうことでございます。
○串原委員 これは大蔵省でしょうか。特待会計という話が出たのでありますが、この六本木の敷地を仮に移転をするという場合に、これをどこかへ売却をする、あるいは売却する計画等々を今お持ちなんですか、国有財産を。
○斎藤(次)政府委員 これは非常に大きな話でございまして、今、まだ移転計画が進行中ということで、その跡地の処分方法についてはまだ何のめども立っておりません。何の方法も議論をいたしておりません。 ただ、いずれ防衛庁の移転が完了して売却ができる状況になりますと、国有財産中央審議会等に諮りまして処分方法を決定していくことになるということになろうかと思います。
○串原委員 お答えによると、今回の売却計画もないということだけれども、先ほどの御答弁のように特待会計でやるということになれば、移転費がしかるべき金額はかかる、それは土地売却のお金によって賄う、こういうことなんですよ、はっきり言えば。でありますから、結局結論は、売却しなければならぬ、こういうことになるわけですね。 したがって、私は、国家財政が厳しい財政状態の中でもあり、防衛庁であるからちょっとスローダウンしろという意味で言っているわけじゃありませんで、少なくともそれだけのお金をかけた優秀な施設を十年以内にわざわざ壊して移転するなんということは余り褒められたことではないじゃありませんか、こういう意味で言っているんですよ。これはほかの省庁であっても私は言うでございましょう。したがって、そのことについてはもう一度どうしても検討する必要がありますよ。それは長い時間かけてどうしても移転せなきゃならぬということ、大筋はそうであるにしても、しばらく検討をしたらどうだ、こういうことを申し上げているわけなのであります。 あなたの立場はわかったのだけれども、総理、私の今の質疑を聞いていてどう思いますか。
○宮澤内閣総理大臣 あんなところに役所が実際いるのは普通じゃございませんから、やはり移る方が私はいいんじゃないかなと思ってますけれども、まあしかし、いろいろお話してございますから、また皆さんも議論されるだろうと思いますけれども。
○串原委員 まあきょうはこの問題はこの程度にして、次の機会に譲っておきましょう。しかし私は、もう一度申し上げますが、これは急ぐべきではない、こういうことをあえて強く強調させていただいて、次に移らせていただきます。 さて、これは官房長官。 実は政府広報、内閣官房が「対談 我が国の国際的役割とPKO」という大きな新聞広告を十三日に各紙に出した。政府は、この日を含めて、このPKOに関してどこにどれだけの広報費をお使いになったのですか。こんな大きな、まあ新聞の名前はあえて言いませんけれども、これは各紙十三日に全部出たんでしょう、大きな広告が。この政府のPKOに対する広報活動、とてもとても熱心だけれども、これはこのとき、十三日のものを含めて、PKO広報活動にどのくらいお使いになっているの。ですか。
○樋口政府委員 平成三年度におきますPKO法案関係の政府広報の予算でございますが、抽出可能なものを引き出してみますと、今御指摘の新聞でございますね、それから週刊誌、それからパンフレット等、総額でおよそ二億円でございます。
○串原委員 まあ二億円、三億円が多い少ないは私はもう申し上げるつもりはありません。そうでなくて、今問題は、国会でPKO法案を大いに議論している最中なのですね。特に国論が二つに分かれまして、前百二十二国会ではあのような混乱の中で一応の収拾策を講じて、衆議院から参議院に送って、今審議をいただいている最中だ。私どもも広い意味でPKO活動は必要であると理解をしておりまするけれども、多くの国民と私たちが主張するのは、PKO活動の中でもPKFに自衛隊が出かけるということは問題がありますよ、憲法上問題がありますよということで意見が分かれているところです。ここが問題なのです。この最中に、これは専門家、識者の口をかりまして、自衛隊の参加が国際的に期待されているという意味の広報活動をやっているわけですね。私はここでお話しになっている識者、専門家の皆さんの意見がいいとか悪いとか、そんなことを言っているのじゃありませんよ。そういうことじゃない。問題は、この非常に厳しい、難しい国会論議の最中に、まだ決定されていない、ときによると行方がどうなるかわからないようなPKO法案の問題に対して、膨大なという表現だかどうかわからぬ、二億という金は。膨大か普通だか知らぬけれども、まあしかし私は膨大だと思う。広告費から見ると膨大だと思う。そのお金を使って、どうして、特に昨年この議場で大変な議論を展開した。そのことを御承知の上で、官房長官、あなたは、内閣官房はこんな広告を、私は無神経と言っていいと思う。ちょっと配慮が足らないじゃないか、無神経ではないかと申し上げたい。これはやめましょう、答えが出るまで。こんな広告、もうやめましょう、しばらくの間。それを新聞へまた出した。どういう考えでこれを出したのですか、こんな難しい法案審議の最中に。官房長官、見解を述べてくださいよ。
○加藤国務大臣 その政府広報は、確かに内閣官房が責任を持って出したものでございます。 それで、政府がある一つの政策を実行したいと思い、またそれを国会で御審議いただくときには、どういう意図でどういう法案を出しておりますということを国民にお伝え申し上げて、そしてそのもとでそれはいいとか悪いとかいうことの御判断をいただくのが順序であって、ですから国会審議の途中であっても、政府が法案を出した意図というものを、内容というものを国民にお知らせするのは一つの私は義務だというふうに思っておりまして、従来から政府は、ここ何十年、提出した法案についての国民の皆さんに対する広報についてはそういう形でやっております。 そういう中の一つとして、今度PKOという日本の国際貢献としては全く新しい形なものですから、こういう観点でやっておりますということをお知らせする広報をやったものでございます。
○串原委員 あなた、考え方が軽過ぎるのですよ。私はあえて言いたい。それはほかの法案、ほかの施策の広報活動は大いにやって結構。この問題は私は別でなきゃいかぬと思っているのですよ。それはこの法案審議の途中、しかるべき時期までに出したというならまだわかりますよ。大議論になって、大変な事態になって、無理な収拾策もどって、とりあえず今日の段階に来ている。あれから以降、この立場に立って出す広報というのはよろしくない。今後この法案の行方が定かになるまでもうこの広報活動はやめるべきである。こうしなきゃいかぬ。それはほかの広報とは違うのですよ。それは老人福祉の問題その他の問題等々の広報活動とは全然違うという理解に立たなきゃいかぬ。いかがですか。
○加藤国務大臣 いろいろ御議論がある点だと思います。そして、御議論がある法案だからこそ提出した意図というものをもう一回明確に政府は言うべきではないかという御議論もございます。したがいまして、それに基づいて、国民の皆さんが政府広報を見て、政府広報が一生懸命こうやって説明しているけれども、しかしやはり問題だと思うから反対してくださいというふうに自分を代表してくれる国会議員の方に言われる場合もあるでしょうし、政府広報を見て、なるほどと思ったから先生賛成してください、国会で頑張ってくださいと言う場合もあると思いますので、それぞれ区々ではないかなと思います。
○串原委員 私はそれに納得できませんね心そんな態度であるならば、私はまた改めて考えなきゃならぬと思っている。それは、政府の出す広報、情報というものは、ある意味では、ある意味ではですよ、国民は信頼するわけですよ。なるほどなと単純に考えて思う向きが多いんですよ。今言われるように、右か左か、賛成か反対かという判断をしてくださいという立場での広報じゃないじゃありませんか、これは。あなたのそれは弁解というものだ、詭弁というものだ、官房長官。これはPKOはぜひ成立させることが正しいという立場に立った広報なんですよ。そうでしょう。そういうことだからいけませんと言っている。それはあなたが言われるように、賛成か反対かの材料にしてくださいというのは詭弁だ。ここであなたと大議論をこれ以上展開するつもりはないけれども、これはやはり私が指摘することをよく理解をして、もう今後やらない、法案の行方が決まるまでこの活動はやりませんということにしなきゃ私は納得できませんないかがです。
○加藤国務大臣 従来からこれ何十年、政府としては自分たちが提出した法案というものに責任を持って、その提案の背景、内容というものをお知らせ申し上げるというのが一つの政府広報の仕事なんではないかなと思っております。
○串原委員 質疑の時間が過ぎてきましたから、この問題で時間をもうとれないわけですけれども、余り安易に考えちゃいかぬ、それは。とにかくこの広報活動は、政府の正しい姿勢に立ってやるべき姿勢ではない、法案が答えの出るまで中止すべきである、強く私は強調をさしていただきたいと思っています。 そこで最後に、時間が参りましたから総理に質問をさしていただきます。 実は私はここに、ある新聞に日本医師会の会長が次の会長に出ないという立場で発言していることに非常に関心を持った。医師会というのは、ここに書いてあるけれども、自民党支持一辺倒の団体であったというふうに言っておりますが、この羽田という医師会長さんは自民党の現状についで「聖人から巾着きりまで集まっている」こう言っているんですね。「いわば国民になじめる政党だと思ってきたが、やたらゼニ、カネの話で批判を高める状況が出てきた。」こう言っているんであります。これは驚きであります、私にとっても。ということは、なぜそうなったかというと、政治に、我が同僚が質問をいたしましたけれども、金がかかるということです。金がかかるということであります。総理は、それぞれ何回かにわたって金の出についてきちっと対応していかなきゃならぬという意味の答弁をなさいましたが、私は入りと出と両方対処していかなきゃ問題にならない、こう思っているのであります。 そこで、総理に伺います。あなたの姿勢を伺って、その姿勢でこれから政治改革の中に生かしてもらいたいという点で伺いますが、何といっても政治に金をかけるところに次から次へと汚職事件の出てくる根があるわけであります。私どもの同僚が質問をしたことがありますけれども、私もそう思うんでありますが、例えば私たち、私も含めて、私の政治活動は、国会から、国から支出されております秘書二人、あと事務員のお嬢さんが一人、それで政治活動をやっている。また、それ以外にできようはずがありません。国会議員の報酬と交通費ではそれ以外にできようはずがない。しかしながら、自民党を含めまして相当な先生方が、大きな事務所を地元と東京に六つも七つも持って、秘書さんを十五人も二十人もお願いしている。ここに大きな問題があるのであります。したがいまして、もう秘書は国が認めたもの以外は秘書さんも認めない、事務所も地元一つ、東京は国会の事務所だけ、こういうことにしなければ、いつまでたってもざるはざるで、幾ら上から水をっいでもざるから水が漏るという格好でお金が要るということになるわけであります。 私は、時間がもう少し調整できればこの点に触れて、例えば共和問題との関連でやりたいと思いましたが、残念ながら時間が参りましたけれども、どうしてもその点はきちっとこの際対応しておかない限り解決をしない、政治と金のつながりが解決をしない、どうしてもそう思う。だから、その立場に立って総理は積極的な政治改革に取り組むということを、この数日大変に努力されているようでありますが、評価をいたしますけれども、私の申し上げた立場に立って改革をするという考えはありませんか。
○宮澤内閣総理大臣 そのような問題意識を持っておりますことは確かでございます。そこで、いわゆる冠婚葬祭についての手当てをしてはいかぬということの意味は、そのための費用もさることながら、そのような冠婚葬祭を選挙区内くまなく間違いなく行おうとすれば各地に秘書を持っていなければならない、それが非常な人件費の負担になっておるということが事実であったわけでございますから、それで冠婚葬祭についての禁止をしたということは、今の問題の解決にかなりの程度役立っておると思うのでございます。しかし、まだまだそういう点がございましょうし、それからそういう秘書をいわば場合によっては企業の負担において持つというようなことも本来好ましいことではないはずでございますから、そういったようなことにつきましては、やはりこの際いろいろに出を少なくするという観点から考えていくべきことではないかと思っています。
○串原委員 今の総理の答弁、結構でありますが、やはり大事なところですから、私はもう一度伺いましょう。 とにかく秘書を、国から出た二人以上、十人、十五人ということになると、必ず無理がくるわけです。そこに問題が起こるわけであります。会社に給料を持たせて出向してもらうとか、そうでなければお金とか等々で無理がくる。これをやめましょう、まず。国から出た秘書の頭数だけ、二人なら二人、三人なら三人だけにしましょう、これを原則として守っていくことにいたしましょう。事務所は元一つである、こういう格好できちっとこの際すべきであります。 もちろん、今若干の、どこかでお話がありましたが、団体の話もやめましょうということで、それもやめましょう。全部やめようじゃありませんか。そういうことにきちっとしていかない限り、いつまでたってもこの好ましくない状態は続くであろうと考えますだけに、総理、あなたの決断が本当に実は大事なところにある。思い切ってやってください。もう一度御答弁を求めます。
○宮澤内閣総理大臣 おっしゃることはよくわかって伺っているのですが、ただ選挙民に対する我々としての奉仕といいますかサービスといいますか、それが過剰という意味でなく最低限の奉仕をするために、仮に二人か三人の秘書でやっていけるかというようなことはもう少しやはり検討する必要はございましょう。しかし、その十五人とか二十人とかいうことはやはり論外であるということは私も同感でございます。
○串原委員 時間が参りましたからこれで終わることにいたしますけれども、政治改革はこの国会における重大な与えられた使命である、この国会の使命であるということを強く強調さしていただきまして、私の質問を終わります。
○中山(正)委員長代理 これにて串原君の質疑は終了いたしました。 次に、関晴正君。
○関委員 昨年の十二月三十一日、まさに年の暮れでございました。この年の暮れの朝日新聞の記事の中に、共和から金をもらった、お車代百万円、四人の代議士にお上げした、その代議士の中に宮澤内閣の閣僚の一人である山下氏の名前があったわけであります。私は驚きました。厚生大臣もしておられる方が共和からお車代百万円をちょうだいした。目を疑ったのでありますし、恐らくうそであればいいなとも思ったわけでありますが、その後、これがうそであるとも、これが間違いであるとも、そういう記事を出したところを訴えるとも実は聞いてはおらぬわけであります。そういう意味において、記事の中を見ると何にももらっていない、こういうようなことも書かれておりました。 私はとにかく今日、何でこんなに政治が汚れねばならないのかということをいろいろ考えます。宮澤総理は二十一日、二十二、二十三、三日間、公邸にこもりまして、いろいろとお考えになられまして、今後の対策を検討されたのでありましょう。とにかく汚れが甚だしい。まずこの問題についてだけは、閣僚でもあるだけに、閣僚のまた名誉にもかかわることでもありましょうから、実際どうであったのか、先に伺っておきたいと思います。
○山下国務大臣 このことにつきましては、先週のこの予算委員会でも私ははっきり答弁をいたしております。したがって、速記録をお読みいただければわかると思います。
○関委員 私の質問に速記録で答えておるのですが、ここで明確に言っていただきたいのですが、そういうことで朝日新聞社を名誉棄損で訴えたのですか。お答えください。
○山下国務大臣 朝日新聞を別に訴えてはおりません。しかしながら、そのことはなかったということはここではっきりと申し上げているのです。
○関委員 私はこの新聞を見ましたときに、ただの記事じゃないのですね、この記事は。しかもトップ記事ですよ、トップ記事。「「自民四代議士に各一〇〇万円」 共和元幹部が山下徳・阿部文・原田昇・塩崎氏の名 宴席、「お車代」の名目 八九年八月当時 代議士側は否定」、こうあります。これほど大きな記事を見て、あなたも驚いたろうし、また総理も驚いたろうと思うのです。年の暮れですよ。これは新しい年を迎える前の日の記事であります。あなたがうそだと言うのなら、朝日新聞の記事けしからぬと言ってとっちめたらどうです。自分のことを自分で、ないと言っても信頼する人はないですよ、なかなか。ですから、こういうことの場合は、あったらあったでいい、あったけれども言われることもよくないのでこの際お返しする、こうなればそれで一つ片づくでしょう。しかし、何にもないと言うならば、あなただって大臣ですよ、けしからぬと言って取り消しの記事ぐらい書かせたらどうです、あるいは名誉棄損だと言って訴えたらどうです。その意思はありますか、ありませんか。
○山下国務大臣 もらってないものをお返しするわけにいきませんし、私は、ここではっきり答弁したということは速記録に載り、これは、予算委員会で私がはっきり答弁したということは、一々そういうことを各社に弁解するよりもっと確実じゃございませんか、それは。ここでちゃんと速記録に記載されているように答弁したのでございますから、公的な場で私はそれは否定しているわけでございます。当時の状況については、先週もっと詳しく、私が官房長官就任後、私自身の問題で非常に苦労しておった、いろいろな問題があったということまで詳しく先週答弁いたしておるわけであります。
○関委員 予算委員会で答弁したから済むんだ、こう思っておるけれども、私は、やはりあなたの名誉のためにあなたが堂々と訴えるのが筋だと思うのです、ないならばですよ。 その次に郵政大臣。郵政大臣はこれまた恥ずかしいですよね。この中身、何です、これ。私は驚いてしまって、こんなことってあるんだろうかと思いました。しかも、その書かれている内容の中を見ますと、「入学斡旋「入金リスト」の一例」ですよ、一例。どれほどあったかわからない。そうして、六十一年から始まっていますよね。二月十五日百万円、二月十八日百万円、二月二十日二百万円、二月二十五日二百万円、二月二十六日百万円、二月二十六日三百万円、二月二十八日五万円、三月四日百万円、三月五日二十万円、三月五日五万円、三月五日十万円、とにかくずっとありまして、そうして十二月の二十日三十万円、トータルで六十一年で三千二百七十一万円にこれだけで当たります。六十二年になりますというと、六十二年の二月十日五百万円、二月十三日二百万円、ずっとありますよ。そうして、おしまいの十一月の十六日一千万円、トータルで四千百五十万円です。六十三年になりますというと、いきなり二月一日二千万円、二月五日百万円、二月二十二日五百万円、そうして十二月の二十七日百万円。六十三年だけで三千百十万円。これトータルしますというと一億五百三十一万円、こうあります。 そこで、こういう金がそういうことで受け取られたということについては間違いありませんか、もっとあるんでしょうけれども。この記事が間違いですか、伺っておきます。
○渡辺(秀)国務大臣 再三この場で御質問いただき、おしかりをいただいてまいりましたが、まず最初に、何回でも私はこの問題をおわびを申し上げたり、あるいはまた釈明をしなければならない、本当に心の底からそんな心境でございます。したがいまして、先生の今御指摘されました問題に入る前におわびを申し上げたいと思います。そしてまた、政治家が選挙区の同志の人たちからいろんな相談を受ける、その実態もひとつ御理解いただきたいと思います。 その中でこの進学相談という問題も一つであったということでありまして、かつまた、私が、今申されました、それは先般野坂先生だったと思うのですが、リストをちょうだいしました。実際に私の方は、政治資金規正法による届け出そのものが正しいと実は思っております。また、前の秘書も非常にそういう点では精密なというか非常に詳しい秘書でございまして、自分が不手際をやったようなことをそのような形でということはあり得ないことだ、何かの間違いだろうと実は私は思っているわけでございます。 その、今の申されました金額につきましては、私自身承知していない金額であるということも先般この場で答弁をさしていただきました。何としても、私ととにかく二十年来一緒にやってきた秘書の問題でありますので、どこかの感情の食い違いあるいはまた二人の間の信頼関係というものがどこでどういうふうになったのかということを、本当に実は私の不徳以外の何物でもないなというふうに思いながら、先生の今御指摘されております問題も含めて、この問題については現実問題の対応から御答弁をさしていただく以外にない。どうぞひとつ御理解をいただいて、政治資金規正法に届けてございます。その献金者といいましょうか、そちらの方を私は今現在了としている状態である。 その週刊誌の、いただきましたので、私も精査しました。しましたけれども、全く実は出てこないのでございます。出てこないのです。ですから、やはりどこかで食い違っているかなという感じはします。しかし、私は、誠実にお答え申し上げて、そんな大きな金額が入っているなどということは本当に実は考えられないのです。感情の行き違いということがいかに大きなものかということを私も本当に反省をしながら、これからは自重自戒して、そして秘書に対してもそのような感情にさせたことを申しわけなく思いながら、私は、この問題について本当に世間を騒がし、あるいはまたこの入学期における大学の関係者の皆さんに大変な御迷惑をかけ、しかもまだ秘書と代議士との信頼関係についてまで御迷惑をかけたりあるいは疑念を抱かしたり、そしてこれほど大きな誤解を招いだということは、ひとり私自身の問題であると思って深く反省をし、まさに恥ずかしく、身の細る思いでございます。
○関委員 大臣の御答弁は、ただいまの金は全部政治資金の方に回した、こういうことですか。
○渡辺(秀)国務大臣 それは、そのリストにあるものが全部政治資金になっているということではないようでございまして、私はそんな大きな金額ではないと思うということを申し上げたわけでございます。したがって、政治資金規正法に、あるいは税法上もきちんとした対応を前の秘書は必ずしている、今までもしてまいりました。ですから、今の段階では、そちらの方のリストが正しいと言われましても、私のところは資料がないのです。私は、本人が言っている以上は、本人がやったことですから、政治資金規正法の届けは本人がやったことですから、したがって本人がやった行為、政治的に、法律的に間違いのないことの方が間違いないことだろうということを言わざるを得ないのです。それはおわかりいただきたいと思うのです。
○関委員 私は、このお方は入学試験においてどれほど働いたのかわかりません。どれほど働いたかわからないけれども、入学試験というものは、これは厳正なものですよね。私も教育界の出身です。この記事を見たとき、私は本当に情けなく思いました。 しかも、あなたはここでも御答弁されましたよね、謝礼としていただいた。そういう行為をして、そういうお世話をしたからといって謝礼としてもらうべき性質の金であるかどうか。謝礼としてもらい、そうして政治資金に届ければそれで済むものだという認識があるとするならば、私はこれは大変な倫理の精神に欠けているな、その感を深くするわけです。いやしくも教育界の世界で成功報酬的な意味において、後ででも金を手にするなんということがあったら、直ちに罷免ですよ、これは。教職にある者が、そういうことで早く知らせたなんということでも表に出たら、金をもらわなくても罷免ですよ。みんな入りたいんです。みんな入りたい中にあって、後ろから入るようなことがもしあって、あらわれれば、これは許しませんよ。 しかも、あなたが、一刻も早く知らせるために世話した。そういうことは一刻も早く知らせるべき性質のものですか、あなた。知らせればまた金が入ると思って知らせたかどうか知りませんよ。知りませんけれども、その行為というものは、少なくとも国会議員であり、政治家である者の道としてすべき道じゃないでしょう。政治家というもの、国会議員というものは法の上にあるものです。これは私はみんなにも申し上げたいと思うのですが、法に違反しなかったり法に合致しておれば済むだろうという程度では、国会議員としても、政治家としても私は資格が欠けていると思います。法というものは、これは最低の基準ですよ、あくまでも。そういう点からいきますというと、私は宮澤内閣、まあ宮澤内閣もリクルートで汚れている内閣だから、これはこれなりに見るけれども、それでもある程度限度があります。 そういう点からいけば、郵政大臣がそういう行為をして平気でおった、しかも六十一年、六十二年、六十三年、秘書がそういうことを表に出すようになったからこれはわかったまでの話です。いろいろ書かれているうちの真偽のほどは、一〇〇%そうでなくても、当たらずといえども遠からずの部類も多いんでしょう、あなた。もし、一〇〇%これがうそだと言うんならば、あなた、当然に処断すべきですよ。なぜ処断ができないのか、そこにはひっかかるものがあるからできないんでしょう。 思い出しますけれども、昭和五十九年三月八日午前九時、ホテルニューオータニにおいて、脅迫された現総理が格闘して逃れて頑張ったんです。思い出しますよね。私は、あのときの宮澤総理、当時の宮澤代議士というのは大変な暴力に遭って、暴行に遭って、でも負けないで、そうして頑張って、格闘して大変な状態であったと思います。そういうことを思いますと、これはまた改めて総理に聞くつもりですが、あのファイト、あのファイト今いずくにありやというふうに言いたいのですね。 そういう意味において、とにかく教育界から、我々の仲間から、とにかくひどい大臣もいるものだ、教育界を冒涜するものである、この声はわんさと来ているんです、わんさと。あなたはここで答えて、謝礼でございますの何でございますのと言っても、国民の宮澤内閣を見る目というものは厳しいものがありますよ。先般の世論調査によりますというと、今までにないところまで落ちたでしょう。あとこれ以上落ちたらどうなります。退陣しかないと思いますよ。 私はそういうことからいけば、大臣というものは、これは総理を補佐するものですよ。総理の足を引っ張るような大臣は、言われなくても去るのが道だと思うんです。ことしはさる年だからといって去れとは無理には言いませんよ。無理には言わぬけれども、胸に問うてみたらいい。おれのおやじもおれのおかげで迷惑をかけているなと思ったら、恐らく私は、宮澤総理の胸の中には、こんな大臣だったのか、やめてもらいたいなと、口には言わないけれども思っているかもしれませんよ。 ただし、今の場今いろいろ、共和ばかりじゃない、それから佐川ばかりじゃない、明電工の事件だってありましたよ。この明電工の事件においては綿貫現自民党の幹事長ですよ。一千万円をいただいた、何らの届け出もしないという記事が先般の判決文の附属文書の中に明確に書かれておりますよ。六十一年のことですよ、これは。 こういうようなことを見るにつけ、思うにつけても、私は、やはり自民党という政党、そして国民から政治を任せられている政党の内閣というものは本当に心の底から反省をして頑張らなきゃならないんじゃないだろうか、こう思うのです。今ここで私に言われたからやめますとは言いかねるでしょう。今晩、帰ってからでもいいからよく考えて、ひとつ態度を私は表明してほしいものだと思います。これは希望しておきます。 三つ目、三人目ですね、これは法務大臣ですよ。法務大臣は、実は心情からいけば、私が当選したときに隣り合わせた仲です。私が座った隣に法務大臣が座って、田原でございますというごあいさつを受けたのを忘れることはできません。恐らく真っすぐで間違いのない人だろうと思ったところが、先般のお話を聞きますというと、選挙のたびごとに違反者が絶えない、そういう方であったのかなと改めて見直しました。 その上、この人は地建の局長ですから、した方ですから、地建の局長といえば泣く子も黙る存在ですよ、地方においては。一億円以上の金をとにかく采配振るだけの権力下にある者です。大臣にかわって事業決めてやる、そうして面倒見てやる。思いのままと言えば言葉が過ぎるかもしれませんが、とにかくそういう立場にある。厳正、公正に工事の入札は行わなきゃなりません。そういうことで、局長は仕事をきちんとしてきただろうと思うのです。 その方がその職を去って今度は国会議員になった。国会議員になったらぺーパーカンパニーなんというようなことで工事をさせたり、一〇〇%、その他に下請、孫請なんというようなことをさせたり、自分がその地位にあって工事を受け取ったりなんということはできないことでしょう。そういうようなことを平気でしておったのかと思いますというと、まことに残念です。この中で、どこまでが本当でどこまでが間違いであるか、もしお答えできることがありましたら、まず答えてください。
○田原国務大臣 お答えします。 当選のとき隣り合わせになったのは、まことにありがとうございました。 私が選挙違反を複数回やったことは間違いございませんし、支持者が熱心の余りエキサイトした結果でありますが、私は、不徳のいたすところであることもまた事実でありますが、その経験を踏まえてこれから厳正にやっていきたいと考えております。 また、地建局長が云々の話でございますが、私は確かに五十三年に地建局長を退官してから社団法人の理事長になったことがございます。五十四年の十月の選挙で当選して五十五年の四十日抗争から七カ月、選挙まで代議士であったわけでありますが、その後やめておりますが、なったときから無給で、いわば顧問的な立場で奉仕しておりましたので、実態の詳細については、十何年も前のことでありますから定かでございませんので、関先生が言われるようなことは、これはやはり大事なことでありますので、深く反省し、今後そういうことが一切ないように気をつけていく糧にしたいと思っております。
○関委員 まあ、またこのほかにも、おれのことも出るかなと思って心配している人もあるかもしれませんが、社会党の中にも佐川の問題でもらったやつがあるだろうというようなことがしきりに言われますよね。それをいいことにして、おれたちのことも大したことなく終わるであろうなどと考えている人もあるでしょう。これはとんでもないことだと私は思うのです。 そこで私は、総理に尋ねたいと思うのはここからです。なぜ、閣僚を任命するときにこういうような指摘されるような方々を任命することになるんだろうか。閣僚を任命するにはやはりその資格審査、各派閥の順送り制度というものにメスを加えて、この男に指摘されるようなことがないかどうか、大臣として立派なものであるかどうか、そういうような資格審査的なものをされた上で私は総理というものは任命することが必要ではないだろうか、こう思います。 それから、何でみんなが金が欲しいのか、何でこんなに金に群がってくるのかということについても考えなきゃならないと思います。私は、昔の政治家、よく言われますね、井戸塀になっちゃった、残ったものは井戸と塀だけである。そういう意味において、昔の政治家は清廉潔白を旨として生き抜いたと思っております。明治の政治家にしても大正の政治家にしても、そこまで私はあったと思うのです。しかし、近ごろの政治家というものは何のために国会議員になるんだろうか。権力が欲しい、金が欲しい、名誉が欲しい。そういうような点において、政治への道を志す者の心構えが大変な落差を今生じてきているんではないだろうか、こう思います。 そういう意味において、まず総理は、この三日間いろいろお考えになられまして、一つの新しい法律をまたつくって対策を立てなきゃならないというところまでおいでになっておるようですし、こういう汚職、腐敗の政治から脱却するために何が今欠けて、何を補わなきゃならないんだということについてどの辺までひとつ決意されているんだろうかというところが実は聞きたいわけなんでありまして、その意味においてお答えいただければと思います。
○宮澤内閣総理大臣 けさほどからも申し上げておりますが、やはり政治にできるだけ金がかからないようにする方法、これは過去において冠婚葬祭等につきましては立法ができましたけれども、まだまだいろいろな方法がある。先ほどから皆様からいろんな御指摘もございました。 まず、その出の方をできるだけ規制をしていくということであろうと思います。次に、しかしそれでもある程度のものは要るということでございますれば、その入りの方を今度は透明性をどうやって確保するか。よそへ説明をして恥ずかしくないというような透明性を与えるということが大事ではないか。その二つのことがやはりどうしても必要である。 もちろん、それと並びまして、腐敗防止と申しますか、倫理のことがございます。これは一人一人の問題もございますけれども、そういうこともあろうと思います。 それから、さらに進んでは、全体としてそういう弊害をできるだけ起こしにくいような選挙制度というものがあるかどうか、あるかもしれません。それはしかし、各党が御同意をしていただくことの中にあるかどうかというのは少し先の問題でございますけれども、そのようなことについて、当面急ぎますものについて協議会で各党の御協議をいただいて、各党も案をお持ちでございますので、その上でとりあえずの成案を得たいというふうに考えておるところでございます。
○関委員 少なくとも政治腐敗防止法にかかわるような内容のものをこの国会には提出する、そういうお考えですか。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま申し上げましたようなもののうちで、各党で、協議会で合意のできますことをひとつ私どもとしても努力をして、国会で成立を図っていただきたいというふうに考えます。
○関委員 二つ目の質問に入りたいと思います。 ことしの日米東京会談で総理は安保を堅持する旨の線を出されたようでありますが、日米安保条約を堅持するということは、今日との部面でなお必要と考えたのでしょうか。私に言わせるならば、安保条約というものは、これはある程度一定の成果を終えたんじゃないだろうか。そうして今日、全く世界の情勢が変わった。米ソの対立の時代から、今や米国だけが君臨するような世界になったと言ってもいいでしょう。対立するソ連というものがすっかり姿が弱くなってしまった、こう思います。したがって、我が国の防衛についても、ソ連仮想敵国視ということで貫いてきたと思うのですが、この線がもう用のない線になったと見ていいんではないだろうか、こう思います。ですから日米安保というものについてもできる限り緩和をしていかなきゃならない、こう思うのですが、なおこれを強化し、なおこれを評価し、なおこれを持続していかねばならないと考える、そういう基本は何なんでございましょうか、伺っておきます。
○宮澤内閣総理大臣 日米安保条約には、御指摘のような安全保障と申しますか軍事的な面が強い、基本にあることはそうでございますけれども、それ以外にしかし、いろいろな経済条項等々がございまして、つまり、両国が基本的に価値観青同じくしている、そしてその価値観を広げよう、守ろうという意味で基本的に強いきずなで結ばれておるという、これが一番大事な事実である、このことに変わりはないと思うのであります。 それから次に、米ソの関係は大変に変わりましたけれども、太平洋地域においてはまだヨーロッパにおけるほど安定性といいますか、安定のための仕組みといいますかが十分でない、現実にまだまだあちこちに不安定な部分があるということがヨーロッパとかなり違いがあると存じます。 それから第三に、したがって、このような条約関係があるということが、我が国にとってはもちろんでございますが、東南アジアの各国自身が、おのおのの立場においてこれからのアジアの安定のためにアメリカのプレゼンスが大事であると考えておるというのが事実でございますから、それらの観点からいたしまして日米安保条約というのはその意味を失わない、新しい意味を持っておるというふうに考えておるわけでございます。
○関委員 私は、我が国の防衛政策の基本はとにかくソビエトが攻めてくるであろう、それを防ぐにはどうしたらいいだろうかということで出発された条約であろう、こう見ます。そのソビエトが今、人の国を攻めるとかあるいはそういう脅威を与えるとかというものは、与えようと思っているかどうか知りませんが、そう思ったところで全くその能力が今なくなってしまった。さらにまた、方針としてもペレストロイカの立場に立って大きく変わりましたよ。そういうことを思いますと、東京宣言でこの日米安保を評価し、さらにこれを堅持するということの意味は那辺にあるんだろうか、わかりかねる部面がたくさんあります。 私は端的に聞きたいんですが、私どもの青森県ですね、三沢に基地があります。この基地にはF16が配置されています。F16というのは核搭載の機器でありまして、ソビエトのバックファイアに対峙するために置くんだと言って当時置かれました。しかし、ソビエトに対峙するというところからいきますと、今やもう対峙すると見たところで、用がなくなったと見ていいんじゃないでしょうか。それでもF16がなお必要かということを考えますというと、必要なその理由がなかなか見当たりません。 必要どころか、このF16は何ほど落ちる飛行機だかわかりません。この間は十和田湖に落ちましたよ、十和田湖に。燃料タンクを二個落としました。一番近いところの被害です。その前は、三沢の沖に二千ポンドの爆弾ですよ、二千ポンドの爆弾、二個も投げ捨てましたよ。投棄しました。投棄したけれども、この爆弾、一向片づけようとしませんね。昨年の十一月の八日のことですよ。もう三カ月以上たった。外務大臣はどの程度交渉しておるのか知りませんが、何です、二千ポンドの実弾を片づけもしないで平気でいるアメリカ。安保条約というものは実弾を投げ捨てておいても構わないものじゃないでしょう。イラクの戦いにおいては機雷を片づけようと言ってあの遠くまで日本の海上自衛隊が出かけていった。アメリカが片づけれないならば日本の海上自衛隊ででも片づけたらいいんじゃないでしょうか。どうしてそれができない。またどうしてアメリカが片づけようとしないんでしょうか。こんな情けないことがどこにあります。 さらにもう一点聞いておきますが、地位協定です。地位協定というものも相当に考えなきゃならないところに今来ているんじゃないでしょうか。今度の防衛予算において思いやり予算、思いやり予算というのはこれは何です。地位協定の中に定めていないところ、みんなアメリカが負担するようになっているものを思いやり予算と言って日本が負担してあげるんでしょう。負担の額が足りないと言って米国の中で騒いでいる議員もありますが、地位協定にないものまで負担してあげていることをちっとも感謝していない。 そういうようなことも考えますと、安保条約というものはやはりある程度直してもらわなきゃならない。日米合同委員会にかけて配備の変更を求めるものは求めなきゃならない。ましてや青森県の六ケ所村には核燃サイクルの基地ですよ、核燃サイクルの基地の許可に当たっては、飛行機は落ちるかもしれぬが爆弾は落ちないということを条件にして許可していますよ。落ちないところか、すぐその近くに二千ポンドの爆弾が、実弾が投下されているじゃありませんか。これが落ちても大丈夫なんだと言うならば別ですよ。これがやがてできる再処理、まあできないだろうと思うが、今の計画からいけば再処理工場というものがある、その再処理工場に爆弾が落ちたらどうなります。何も青森県民が死ぬだけじゃありませんよ。あなた方もみんな死んでしまうんですよ。人ごとだと思ったら大間違い。私に、おまえの質問は青森県の話ばかりするんだろうと言ってばかにする人がありますが、とんでもない。私の質問は日本の問題であるし世界の問題であると思って言っているわけであります。 ですから、この実弾が落ちたらとてもたまったものじゃないんだから、そういう意味においてはあの許可についても再吟味する必要があるんじゃないだろうか、こうも思います。 そういう数点について、これは総理でもいいし外務大臣でもいいし、お答えいただきたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 安保条約の問題でございますが、ソ連が崩壊をしてしまっている状態の中でその必要性がないんじゃないか、我々は崩壊したとは思ってはおらないのです。防衛の問題というのは常に万一のことを考えておりますから、ああ後になってしまったと言ってもそれは終わりでございますので、そういうことのないように。 それで、御承知のとおり、ソ連は非常に経済的に困窮はいたしておりますけれども、じゃ、だからといって極東のバックファイアその他の兵力がうんと減らされたのか。新しい航空母艦が就航して極東に回るというようなことで兵力の近代化、入れかえが行われているというのは事実なんです、これは。したがって、どういうふうなことになるのか、今後の趨勢を見ないと、ソ連の極東における軍事配備というものは脅威でないということは今の段階では断言できる状態にはありません。これは数年たってまたがらっと変わればそれはそのとさのことになるか、さように考えております。 その他、F16の墜落その他の問題について、事実関係のことを踏まえて事務当局から答弁させます。
○佐藤(行)政府委員 お答え申し上げます。 まず二千ポンド爆弾の処理の問題でございますが、昨年の十一月に我々の方からアメリカ側に対して回収を申し入れておりまして、そして十二月の十四日から十七日まで救難支援艦が参りましてソーナーで調査しております。現在そのソーナー結果を分析して、その後いかなる対応をとるかということを検討しているという状況だと承知しております。 いずれにせよ地元の御懸念は我々も十分承知しておりますので、この問題は引き続きアメリカ側に対して話し合いを続けていきたいと思っております。 それから、先ほどの再処理工場、核燃料施設関連の問題でございますが、先生御承知のように、我が国の国内にございます原子力施設付近の航行の安全につきましては航空情報としての公示が出ております。それに関連いたしまして、六ケ所村の核燃料サイクルの問題につきましても、昨年の二月にそのうちのウラン濃縮施設が航空路誌で公示されたのを契機にいたしまして、昨年の三月十四日に、その施設を含めた原子力施設付近の上空の飛行の安全性についての申し入れを行っております。 アメリカ側は、従来から日本側の原子力施設関連の航空情報を基本的に尊重して安全を図るということを言っておりますが、この点は大事な点でございますので、我々は繰り返しその点を申し入れているわけであります。そして、特に昨年来、人ごとではないにしても幾つかの、人ごとのこともございましたが、幾つかの事故も続きましたものですから、本年の二月の十三日に、改めまして合同委員会でアメリカ側に航行の安全を、特にF16に関連して四点の申し入れを行っております。 一つは、事件、事故が続いたということについての遺憾の意を表しました。もう一つは、青森県三沢市の関連の地元の地方公共団体、県民の方々から寄せられている懸念を改めましてまとめて伝えました。三番目に、F16の飛行安全については、その安全確保に徹底を図るよう改めて申し入れをいたしました。そして最後に、事故の再発防止のためにも安全点検を、整備点検を含むあらゆる対策をとるように申し入れいたしました。 いずれにせよ、そういうことで、我々としては今後とも地元の御安心が得られるようにアメリカ側との話し合いを続けてまいりたいと思っております。
○谷川国務大臣 核燃料の再処理施設が原子力の平和利用を進めていく上におきまして必要なことは、もう御理解を賜っておると思います。確かに、この施設の近くに米軍の訓練場がございます。しかし、ここでは、今もお話がありましたが、実弾は全く、絶対使っておりません。去年の暮れのあの事件は、三沢の飛行場からもうすぐ海上に出まして鳥島の訓練場に向かう途中で故障が起こって、米軍の安全規定によって指定された事故の場合の爆弾投棄の地点に爆弾を落としたのでありまして、私どもは全くこの施設とは安全上関係がないと思っております。 外務省でも措置いたされましたが、私自身もアマコスト大使に厳重に申し入れをいたしました。回答がございまして、米軍は絶対、安全規定によってこれからも訓練を続ける、あの六ケ所村の施設には御心配のないように配慮がなされておる、こういう回答がございました。こういうことでございますから、今お話がありましたように施設の建設を中止するということは考えておりません。御了解いただきます。
○宮下国務大臣 具体的な御指摘が幾つかございまして既に御答弁がございましたが、地位協定上の思いやり予算についての答弁を申し上げたいと存じますが、日米安保体制の根幹をなす在日米軍の駐留というのは我が国の安全保障のために重要なことであるというのは総理が先ほど御答弁されたとおりでございまして、私どもといたしましても、このような考え方のもとに日米安保条約の効果的な運用を図っていく、そしてこの安全保障を確保していくということは重要な視点でございますので、このような措置をとっているわけでございますが、このことは既に例えば労務費の基本給を平成七年度までに、駐留軍労務者ですね、面倒を見ます、また光熱水料も見ることに、これは特別協定で国会で御承認をいただいた路線でやっておりますけれども、これらも既にやはりそういう重要性にかんがみてこのような措置をとっているわけでございます。 なお、先ほど北米局長から御答弁のございました、米軍の飛行機の核燃料サイクル基地の上空を飛ぶ答弁がございましたが、自衛隊機の場合におきましても先ほどお話のございましたような航空法に基づく航空路図誌というものがございまして、これによりましてそれを避けて通るというようなリストがずっと書いてございますが、それを次官通達で徹底を期しておりますが、なお先生のところの六ケ所村の核燃料サイクル施設等は、これは追加をいたしましてそのような措置を講じておるところでございます。 なお、三沢沖に投下した二千ポンドの問題も北米局長から答弁がございました。これは、我が自衛隊として当然に出ていくという性格のものではございませんで、あくまで原因者である米軍が一義的に原状回復義務がございますので、そのようなことで米軍が、ただいま北米局長の申しましたとおりソーナーのデータ等を今分析中でございます。そしてまた、その米軍の状況いかんでは私どもでまた対応するというような建前になっておりますので、十分その重要性は認識しているところでございます。 以上ちょっと補足させていただきました。
○関委員 今の答弁のうちで、科技庁長官の答弁は極めて残念な答弁だと思っています。つまり、飛ばないことにしておるからいいんだ。ところが、飛ばないことにしているものが飛んでくる、落ちないことになっているものが落ちてくる。しかも、やっていないという、模擬爆弾であって実弾は使っておりませんというのが十月三十日における青森県において開かれたヒアリングにおける政府のこれはお答えです。科技庁のまたお答えです。ところが、実弾というものがあらわれたわけです。あなたが今、鳥島の方へ行くつもりだからこっちの方には来ないんだ。ちゃんと行っていればいいんですよ。鳥島に行けなくて戻ってきて三沢に来たでしょう。それはある一定の方式に基づいて定められたところに投下はされましたよ。だからといって、今まで全部模擬弾でございますと言っているんです。実弾を積むなんという訓練はない、こう言ってきたんですよ、政府は。詐欺弾じゃありませんか、これじゃ、あなた方。うそを言っちゃいけませんよ。事実実弾を積んで訓練飛行が行われているんです。驚きましたよ、六ケ所の皆さん方は。六ケ所の皆さんばかりじゃない、我々も驚いた。科学技術委員会で随分質問した際に、実弾は使いません、全部模擬弾でやりますから御安心を。何が模擬弾です、詐欺じゃありませんか、詐欺弾だというんです。そういう点からいけば、やはりごまかさないで当たっていただきたいと思うのです。 〔中山(正)委員長代理退席、委員長着席〕 その次、外務省の今の答弁なんですが、三カ月も過ぎて、なお調査をしております、そんな答弁で満足しますか。何です、アメリカという国は。人の国に迷惑をかけておいて、そうしてその二百メートルくらいの下に落ちた爆弾で、その爆弾の影が映ったかどうかまだはっきりしないのでというままなんだ。情けないじゃありませんか、そんな技術、そんな低能力。我が国において潜水艦が沈没したりした場合どうします。きちんとした救難艦があるでしょう。やれるでしょう。それがどうしてこんなに投げられたままで政府はいなきゃならないんです。 渡辺外務大臣、何でも頑張って言うところの特色のあるお方でしょう、あなたは。それなのに黙っていたんですか、今まで。お答えください、この点について。
○佐藤(行)政府委員 大臣の前に事実関係だけ一言。 先ほど申し上げましたように、十二月の中旬に行いました調査の結果を目下分析している。それで、どこに爆弾があるのか、どういう格好なのか、まだ不明なところもあるようでございますので、そこを今分析しているというところでございます。
○渡辺(美)国務大臣 不明で申しわけないのですが、実際遅いですな、それは確かに。もっとスピードアップをさせて、早くきちっとさせるようにいたします。
○関委員 思いやり予算における答弁が先ほどありましたけれども、少なくとも日米安保条約に基づいて行われている行政協定、そしてまた地位協定、その中に定めている範囲内でアメリカが負担することになっているでしょう、みんな。ちゃんと読んでくださいよ。アメリカがわざわざ負担するようになっているものを思いやり予算だとか我々の了解を得てやるんだからというのは、順序が間違っている、順序が。そういう意味において、私は思いやり予算——今度だって幾らですか、あなた。二千億近い金でしょう。 私は今のこのときにさらに申し上げたいことは、これは防衛庁長官、二百五十ヘクタールの弾薬庫をつくろうというのですよ。ナンセンスじゃありませんか、今の国際情勢から見て。それに、こんなに情勢が変わったのに東洋一の弾薬庫をつくろうというのでしょう。五十億から百億ぐらいかけてやろうといって第一次計画をやっていますがね、こんなのはもうよしてもらいたいと思う、こんなのは。一番よしやすいでしょう、これ。土地は買ったけれども、あと建設やなんかは思いとどまればいいと思うのです。何で今どき二百五十ヘクタールもの弾薬庫が必要なんです。弾がたまってたまってどうにもならないというのですか。そんなたまらない話なら困った話ですね。その辺のことをよく考えて私はやってほしいと思うのですが、どうです、これは中止する方向とられませんか。
○宮下国務大臣 先生御指摘のように、航空自衛隊の関係におきまして、現在保有しております能力その他を勘案いたしまして、現在高蔵寺、愛知県の方にもございますけれども、この弾薬保管能力をどうしても確保する必要がある。弾が余り余っているわけではございません。これは、我が国の場合には弾が不足しておりまして、むしろ継戦能力その他から見て問題があるという指摘がございますし、私どももそのように考えております。 この新補給支処は、御案内のように先生の地元の東北町でございますか、その中に用地を既に二百五十ヘクタール買収いたしまして建設に着手いたしております。私どもは、これは我々の、我が国の防衛の安全保障を確保するために効果的な施設として考えて建設をもう既に着手いたしておりまして、このことはひとつ御理解をいただき、御協力を賜りながら建設をやって完了させたい、このように考えております。
○関委員 それはこれまでの計画の中にあることですから、そういう意味で今やめますなんということは、あなたできないでしょう。できないけれども、防衛予算を縮める、中期防衛計画を大幅に見直しをする、そういう場合に、一番先にこれは処理しやすい事業だろうと思うのです。二百五十ヘクタールもの弾薬庫をつくって何にします。高蔵寺にある弾薬庫が狭いから、またあそこが市街化区域になってきている、市街化されてきているから、あれをやめてこっちへ移すんだということですか。そうでないとすれば、今どきに余計にプラスしてこれを設ける必要、私はない。まだ建設に入ってませんよ、土地の買収だけですよ。やってしまってから途中で取り壊すよりは今から配慮しておいた方がいいんじゃないだろうか、こう思いますので、これは強く要望しておきます。 次に、第三番目の質問に入らせていただきます。 これはプルトニウムの問題です。プルトニウムというものは、これは役に立つものだと思って今日まで我が国の原子力政策としてとられてきました。しかし、世界的にみんな退却してきました。再処理に金をかけて、そうしてプルトニウムをつくってみたところで、このプルトニウムを燃料とする時代は今から四十年後、二〇三〇年ころ、どんなに頑張ってもそのころだろうという一つの線がありますよね。ところが、二〇三〇年になったからといってこれをつくっていいかとなるというと、これはやはり問題だ、こうなっております。大体プルトニウムというものは、これは恐るべき元素です。自然界にあるんじゃなくて人間が初めてつくった恐るべき元素です。半減期が二万四千年。一グラムがガス化したならば何千万人という方が肺がんで死ぬだろう、そう言われている代物です。それを再処理工場において今度生産しようじゃないか。使用済みの燃料八百トン、八百トンの使用済み燃料をプルトニウムに生産するとなりますというと、大体それの〇・七%がプルトニウムになるでありましょう。そうしますというと五・六トンですよね、計画どおりいって。十年たてば五十六トンになります。二十年たてば百トン超えますよ。 ところが、このつくられたプルトニウム、何に使うんだ。これを使う原子炉というのは高速増殖炉でしょう。今日ある原子炉では、たけといったってたけませんよ。使えといったって使えません。それで、一番立派な原子炉だといって誇りにしているのがフランスでしょう。フランスのフェニックスからスーパーフェニックスに変わった。スーパーフェニックスというのは百二十万キロワットの高速増殖炉。でき上がって七十カ月たっけれども、運転されているのがわずかに五カ月じゃありませんか。七十カ月に対する五カ月といったら何%です。一割以下ですよ、稼働率。しかも、とまったままですよ、今。フランスは今頭を抱えています。大変な金です。我が国だって「もんじゅ」、三人寄れば文殊の知恵なんという言葉があっていい名前をつけたと思うのですが、今や文殊の知恵でこれも考え直さなければならないのじゃないでしょうか。ここは二十八万キロワットのパワーですよ。何年かかりました。そうして、どのくらいかかりました。六千億も超えているでしょう、二十八万キロワット生産する「もんじゅ」の、実験炉。一キロワットが二百万を超えるような状態でしょう、生産コスト。今日の原子炉、生産コスト幾らになっています。百万キロワット五千億かけてつくったとすれば、一キロワット五十万円ですよ。そっちの方は何倍です。四倍でしょう。これほど不経済なものはないし、これほどまた恐ろしいものはないし、そうしてこのプルトニウム、何に使うのです。爆弾でしょう、一番近道は。歴史的に爆弾。日本は非核三原則があるからそこまではやれない。やれないとしてもやろうと思えばやることのできる、これは代物ですよね。 そういうことからいきますというと、私は、このプルトニウムを生産するところの再処理工場というものは、いろいろ計算してみて、そうしてこの技術をフランスからいただいてきてやっているけれども、フランス自体が命参っている。一番先にこの技術から撤退したのはどこの国です。アメリカでしょう。やっぱりアメリカは頭がいいなと思いますよ。賢いと思います。その次、ドイツもやっぱり、問題だ、こういうことで撤退しましたよ。フランスは、またイギリスは、日本から大量の使用済み燃料を再処理してもうけることができるものだからやめられない。やりたいし、続けたい。また日本も、使用済み燃料を始末するのに困るものだから、再処理に預けておいた方が当面気楽である。そういうことで、莫大な金を再処理にかけておるわけです。それがことしの秋に日本に送り返されてくる。プルトニウムが返ってくる。一年に一トンぐらいは返ってくる。どうやってこれを輸送するのかというところにもまた問題があります。大変なまた苦労があります。 そこで、基本的に私は、我が国の原子力政策の中でこのプルトニウム政策というものは、これは考え直さなきゃならないものじゃないだろうか。先進国がやってみせて、なるほどというならその後くっついてやろうかと言っても何にも遅いものじゃない。それを匹夫の勇よろしく、日本がやらなきゃならないだろうなんと言って取り組むなんということは、大変な間違いです。ましてや、先ほど我が党の串原議員からも質問がありました、核爆弾に装入されているところのプルトニウム、日本の技術で何とか面倒見てくれないか、アメリカの方も二つとも何とか日本が取り組んでくれないかというようなことについて、よしきたなんて言っている向きがあるとするならば、これは大変な間違いです。これだって、それを専門にたく燃焼炉、専門にたく原子炉をつくってみて、いつでき上がります。どのくらいかかります。試算もしてみないで、また我が国のこの問題についての技術の弱さをも顧みず、そうしてソ連がそうなっているならばこの際日本が、アメリカがそうであるならばこの際日本がということで取り組むことは、私は大きな間違いだと思う。 この点については科学技術庁長官、歴代の科学技術庁長官、夢の原子炉だよと言って、国民にそういうことで宣伝してきた。なるほど当初はそういうことでありましたよ、費消した以上にプルトニウムがつくられるものですからね。しかし、夢の原子炉だと言って宣伝したけれども、文字どおり夢物語に私はしなきゃならないと思うのです、これは。夢の実現じゃなくて、これは夢物語。そうして、ヨーロッパの進んだ技術がここに示されたならば、そのときに考えてもいい問題。これは長官の頭ではなかなか答弁できないでしょう。あなたの頭を超える問題です、これは。そういう点からいくというと、これは総理大臣しかない。総理大臣あるいはまたこれにかかわる問題について外務大臣、ここでしっかりした考えを持ってもらわないというと、プルトニウムのためににっちもさっちも動きがとれないような状態をつくってしまうんじゃないだろうか、こう思います。 そういう点からひとつ、再処理工場をつくってプルトニウムの生産に入るなんというようなことはちょっと待った、一歩待ったということが我が国のとるべき道じゃないだろうか。これによって裨益するところはどれほど大きいかわかりませんよ。それに投ずるような金を太陽光発電の方に向けてごらんなさいよ。太陽が余計に輝いてくるでしょう。これはその次に論じようと思いますが。 いずれにしても、我が国は決めたんだからこの路線を走るんだと言ってきかない状態にある。ことしとまらなければ行っちゃうんです、これは。そういうところにプルトニウムの問題が今かかってきておるわけです。朝鮮民主主義人民共和国においては、日本は再処理工場をつくってプルトニウムを生産するのに、何で朝鮮民主主義人民共和国がつくっちゃならないと言うんだ、御免こうむる、日本もやめてくれよ、こう言っていますよね。また、韓国の方においては、再処理の仕事は日本の六ケ所というところがやるんだから安心しろ、こう言っています。どちらの側も南北合わせて、日本の再処理工場の建設について期待するのと懸念するの二つですよ。こんなことも考えますと、ここでやはり日本は考えなきゃならない。この答弁は、ひとつ総理、お願いしたいと思うのです。
○宮澤内閣総理大臣 将来起こるかもしれないいろんな問題について御説明あるいはこれからの展望についての御見解をお話しになりましたけれども、しかしそれはいずれも不確かなことであって、そういうことがあるからといって、我々が考えてきている今までのプログラムを変えるということは今考えておりません。
○谷川国務大臣 御高説ありがたく拝聴いたしました。 先ほど串原先生の御質問にもお答えいたしましたが、我が国は原子力基本法によりまして、厳に平和利用に限定してこの開発利用を進めておるところでありまして、確かにプルトニウムは危ないものでございますけれども、そういう点から絶対道を外すことはない、ことを御理解賜りたいと思います。 今さら先生に申し上げるまでもございませんが、原子力発電所で発生する使用済み燃料に含まれますプルトニウムは、技術によりまして生み出された我が国の貴重なエネルギー資源でございまして、エネルギー資源に恵まれない我が国としましては、ウラン資源の有効利用を図り、原子力発電によるエネルギー供給の安定化を図るという観点からしまして、使用済み燃料を再処理して回収されますプルトニウムを核燃料として積極的に利用していく、これは大変重要なことでおると思っておるところでございます。 プルトニウムの利用につきましては、先ほどもお話がありましたように、高速増殖炉での利用を基本としまして、今実用化を目指して、「もんじゅ」でございますが、開発を進めておるところでございます。それと同時に、高速増殖炉の実用化までの間におきましても、一九九〇年代半ばごろから軽水炉によりまして徐々に規模を拡大しつつプルトニウムの利用を進めていきたいと思っております。また、核燃料利用面で融通性に富んだ新型の転換炉も利用していくということも考えておることを御理解賜りたいと思います。先ほど経済性とか各国の研究開発の状況とかいろいろお話がありましたが、こういう点はまた局長から技術的に、専門的に御説明申し上げます。 それから、北朝鮮云々のお話が出ましたが、私どもは、北朝鮮にこのプルトニウムを原料として発電する発電所がない、だから再処理をすることはおかしいじゃないかと言っておるんでございまして、日本はあるわけでございまして、そこは御理解賜りたいと思います。 それから韓国が、日本が再処理工場を持っているからそっちに任せればいいじゃないかというお話でございましたが、確かに新聞記事で見ました。そのうわさのもとを探ってみましたら、去年の十一月に韓国の国会で科技庁長官が質問に答えまして、自国には、我が国には再処理の施設がない、しかし、日本、アメリカ、フランス、ソ連にはそれがあるから、場合によってはそういうものを利用するということもあるなという答弁をして、実際に日本に頼むとかいうことは言ってないようでございます。現に日本へ再処理をお願いすると言ってはきておりませんこともこの際申し上げておきたいと思います。 それから、プルトニウムの輸送の問題でございますが、これはもうさきの国会でも御質疑がございました。この秋に日本から英仏に再処理を委託しましたところによって出てまいったプルトニウムを運んでまいります。しかし、これはいろいろ検討しましたが、平成元年十二月の関係閣僚打ち合わせ会によりまして、海上保安庁の巡視船で運んでくることにいたしまして、船もつくり、関係各省庁協議しまして、安全輸送について寄り寄り対処をしておるところでございます。そうして、船も立派な船をつくりましたし、そのほかに日米原子力協定の附属文書に書いております安全防護措置に従いまして、絶対安全ないろいろな、まあこれはここで申し上げるわけにまいりませんけれども施して、安全輸送を図っておるところでございますから、これも御理解賜りたいと思います。 それからつけ加えますが、先ほど御質問の六ケ所村、あれは絶対、施設の近くの訓練場では実弾は使っておりません。模擬弾でございます。この間のやつも全く別方向に、鳥島へ向かう飛行機でございまして、これは年間、聞いてみますと六回ぐらいは実弾を持っておるようでございますが、この施設の近くの射爆場とは全く関係ない。あのときに大変住民の皆さんに御心配をおかけしましたことは残念に思っておりますが、安全の上にも安全と米軍も申しておりますし、私どももそういう気持ちで建設に当たっております。住民の皆さんにも、そういう点御理解を賜って御協力をいただくようにいつもお願いをしておるところでございます。よろしくお願いします。
○石田政府委員 大臣の御答弁の残余の点につきまして、事務的に補足申し上げます。 高速増殖炉「もんじゅ」の経済性でございます。「もんじゅ」の経済性、建設コストが非常に高いんじゃないかという御指摘でございますが、これは確かに今先生のおっしゃいました数字、そのようになってございます。これは御承知のように、「もんじゅ」は高速増殖炉の実用炉ではございませんで、御存じのように原型炉でございます。したがいまして、原型炉でございますから全体の発電の規模が小さいのは当然でございまして、そういうことから今現在、「もんじゅ」と実用の軽水炉、実用されております普通の原子力発電所の建設コストを比べれば、原子力発電所のコストが非常に低い、「もんじゅ」が高くなっておりますのはいたし方のないところでございます。これからさらに実証炉をつくっていきまして、二〇三〇年ごろ、高速増殖炉が実用化されますときには、今の軽水炉と匹敵し得る経済性が達成し得るものと考えておるところでございます。 それから、フランス、イギリスあるいはアメリカ等々がプルトニウム利用から撤退するということでございますけれども、これにつきましても、御承知のとおりに、フランスはUP3という使用済み燃料の再処理施設を建設、運転しておるところでございますし、イギリスも、御承知のように、軽水炉から出てまいります使用済み燃料をTHORPという再処理施設で再処理するという、そういう計画で現在運転開始に近づいておることは御承知のとおりでございます。このようにいたしまして、各国ともそれぞれ持てる技術を用いまして、原子力の持てるポテンシャルを最大限活用する。 御承知のとおりに、天然に存在しますウランには、ウラン235は〇・七%しか含まれておりません。残り九九・三%はウラン238でございまして、これは直接燃えないものでございます。このウラン238をプルトニウムに転換すれば、私どもは〇・七%の制約から一〇〇%の大海に向けて発展できるわけでございまして、このために私どもは鋭意努力をしておるところでございます。
○関委員 これはまず総理のお答えですよね。総理はプルトニウムの問題について、私が申し上げたことについては、今は考えておらない、こう言いました。しかし、プルトニウムというものについての生産の意味というものが、先ほどから申し上げたように、電力をつくることですよね。その電力をつくるのにどれほどの金がかかり、そしてどれほどの危険が伴い、それにかける金があるならば、むしろウランを買って、百年分でも買って、そうして動かした方がはるかに合理的なんです。今安いのですからね。 にもかかわらず、ただいま石田局長が答えましたよね、金はかかるけれども、そうして三十年後、四十年後になれば、〇・七%のウラン235が、今度はウラン238が一〇〇%近くプルトニウルに変わって使えるんだからいいんだ。この論はごまかしです、率直に言って。そのプルトニウムをつくってみたところで、プルトニウムを燃料とするかまは今どんなに安く見たって二倍以上かかります、二倍以上。軽水炉をつくる値段まで持っていくようにしますというのは、これは願望です、願望。フランスも何とかしたいと思ってやっていますよ。でも二・五倍かかっています。ということは、今の日本の電力料金が、わかりやすく言えば二倍半になってもいいならば成り立つ話。電力料金、今一キロワットアワー二十五円でしょう。これが五十円になって間に合うかなという話です。 そんなことをするよりは、どうしてもウランに頼るというならウラン幾らでもあるのですもの。枯渇するのはいつの年です。日本が今の力で買おうと思えば百年分でも買えるのですよ。濃縮ウラン買ってくれないかというのはたくさんある。そんなことも考えてみるときに、これに踏み込むことがいかに不適当なことであるかということに気がつくはずです。初めはみんなこれを考えたのですよ。いいなって。これは夢の原子炉だよ。だが、この夢の原子炉が今ぱたっととまっちゃったのです。スーパーフェニックスが先ほど申し上げたように、七十カ月かかってわずかに五カ月しか動いていない。動かそうといったって動いてないですよ、今。 それから、今お答えの中にUP2、UP3、それからイギリスの再処理工場の千二百トンの処理、お話がありましたよ。このお話は間違いありません。でも、だれがここに注文を持っていくのです、再処理のお願い。日本しかないですよ。日本おいでおいでですよ。日本がつくってくれているようなもんなんです。日本がやめればこの工場はおだぶつです。再処理工場やめた、こうなってしまうのです。ですから、何もフランスやイギリスの再処理工場を生かすために日本は注文しなくてもいいのです。そうして、そういう物騒なものが送り返されてくるときに送り方の面倒なこと。この問題については、この次の時間かけて、今入ろうと思うのですが、私の時間も余りなくなってきた。だけれども、申し上げておくけれども、この輸送計画だって、科技庁長官、輸送計画できましたか。お聞きします。
○谷川国務大臣 御案内のとおり、第一回目の輸送が秋になります。ただいま、さっき申しましたように関係省庁と協議をいたしまして準備をしているところでございます。いろいろ秘密保持というようなこともございまして、ただいまはっきり申し上げられないことを申しわけなく思います。
○関委員 秋に運ぶと言うんですが、どのくらい運ぶんです。そうしてどのくらいの距離を船が走るんです。寄港先ほどこです。無寄港ですか、寄港先があってですか。そういうことがみんな整っておりますか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 輸送予定量でございますけれども、これは今のところ約一トンぐらいと思ってございます。 それからルートでございますけれども、先ほど大臣から御答弁のありましたように、核物質防護措置の観点から、これをこの場で申し上げることは差し控えさしていただきたいと存じます。 航海の方法でございますけれども、緊急の場合を除きまして原則無寄港と考えておるところでございます。
○関委員 その計画は内部で固まって、そうして討議を終了しているのですか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 現在、鋭意内部で固めておるところでございます。 それから今の御質問の討議ということでございますが、これはアメリカ及びフランスと事務的に協議を重ねてきておるところでございます。
○関委員 具体的な内容は、アメリカには報告しておるのですか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 アメリカの担当の部局とは緊密な協議をしておるところでございます。
○関委員 アメリカの方に日本の計画というものを通知したと聞くんですが、いつ通知されました。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 今ほど申し上げましたように、アメリカと内々の協議を重ねてきておるところでございますけれども、最終計画をきちんとした格好で通知しておることはまだいたしていないところでございます。
○関委員 アメリカの下院の四議員が、日本から来たところのその輸送の内容について具体的にひとつ討議をしたいから、その討議の日程、その討議の資料、そういうことについてベーカー国務長官に書類を提出しておるわけです。我々の国の中でその討議が、国会においてもしておかなきゃならない。だが、アメリカの方の討議が先で日本のこの討議は後になるわけですか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 現在の日米間の協議は日米のそれぞれ政府の間で行われておるわけでございまして、今の協議の中身がアメリカの議会等に連絡されておることはないものと認識いたしております。
○関委員 それは私の方からお知らせしておきま しょう。ことしの二月七日にベーカー国務長官に次のような文書が出ているわけであります。下院の四国会議員であります。 ベーカー国務長官殿 日米原子力協定の実施に関してお手紙差上げます。協定は、ヨーロッパから日本へプルトニウムを海上輸送する際、日本政府はアメリカ政府に輸送計画書を提出するよう求めています。 日本のこの輸送計画書はすでに提出され、今アメリカ国務省やほかの省庁で検討されているとは理解しています。 御存知のように、この八七−八八年の協定は当時アメリカ議会で、大いに論議・批判されました。原子力の安全性、安全保障と核拡散などが一般的に大きな関心事になってきているにつけ、プルトニウムを輸送し、備蓄するこの新しい計画は、アメリカ議会で充分に再検討し、協定が求めている安全性、安全保障条項を満たしているかどうかを決定するべきです。 よって我々はこの輸送計画書がどのように再検討されているのか、再検討のどの段階にきているのか、国務省や他の関係省庁からの概況説明を聞かせていただけるよう、お願いする次第です。 なるべく早いうちにお返事がいただけるよう、よろしくお願いいたします。 こういうことで、四人の下院議員からベーカー国務長官に書類が出ております。これは明らかに我が国の計画が向こうに示されている一つの状態だろう、こう思います。にもかかわらず、我々国会の方にはそういうものについてはちっとも示すことがない。そちらの方の協議が終わった上で示してくれるつもりなんでしょうか。そうして向こうの協議がうまくいかない場合は、ことしの十二月あるいは秋ということも延びる、こういうふうになるわけなんですが、そう理解してよろしゅうございますか。
○石田政府委員 お答え申し上げます。 まず第一点の、日本の案がアメリカに示されておるはずである、そういうことでございますけれども、これは先ほど申しましたように事務方がアメリカと密接に、内々の協議でございますけれども協議をしておる、そういうことでございまして、そこに指しておられますのはその内容を指しておるのではないかと思われるわけでございます。 それから、中身が固まりましたときに広く公にして御説明申し上げるかどうかということでございますけれども、これにつきましては、先ほど御説明申し上げましたように核物質防護の観点等がございますので、公の席上で明らかにすることは差し控えるべきと考えておるところでございます。
○関委員 事が難しくなるというと、公のところで論するのは避けたいと思いますというのが常習なんですよね。でも、事は非常に重要な問題なんです。そうして、我が国が必要として持ってくるものを、アメリカのオーケーをもらうことなしにはこれは運ぶことができないようになっているわけです。輸送のキャスクの問題や輸送の経路の問題や、それから一トンというものをどういうふうに分けて運ぶんだろうということなんかを考えますというと、恐らく一年じゅうこの船が輸送に携わっていなければならないことは、果たして核ジャックのおそれを防止できるであろうかという不安がまた生まれてくるんじゃないだろうかと思いますと、軽々にこの問題は進まないんじゃないだろうか、こうも思います。しかし、その点についてはこの後のことでありますので、その程度触れておいて、おきたいと思います。 次は、実はプルトニウムの前に一つ問題があるわけですが、それは六弗化ウランでございます。六弗化ウランというものが輸送されておる。この輸送に当たって、当初は六弗化ウランというものは堂々と輸送されていた。ところが、私の指摘によってこれは毒物劇物取締法の対象になる物質であるということが判明しました。その結果として、きちんとした表示をした上ででなければ扱ってはならないということになりまして、厚生省もその点についてはしかるべき指導をされました。ところが、この六弗化ウランを一番扱っているところの電力会社、それから動燃事業団、それから原燃産業あるいは人形峠における工場、これらのところがこの取締法の対象にならないままに扱っているわけです。やはり売買、製造、そういうような行為がある場合は、これはその取締法によって登録しなければならない。何の登録もないままに今日走っていることは法律違反だと思うのです。 したがいまして、これは私が先般、質問書の中にも六弗化ウランの問題についての質問書の場合にもお答えがありました。製造あるいは生産、販売、そういうような業務があれば、そういう行為があればやはり取締法の対象になって登録を受けなければならない、こう言っております。堂々と販売され、堂々と製造され、そうして毒物劇物取締法の対象から逃れたままにしておる状態というのは、完全な間違いじゃないのか。即刻違法行為を取り締まるためにも厚生省はきちんと指導監督する、そういう必要があると思うのですが、いかがでございますか、厚生大臣。
○川崎政府委員 先生ただいま御指摘のように本年の二月五日の岡山県からの報告によりまして、電力会社と動燃との間で劣化六弗化ウランが譲渡されていたという事実を承知いたしました。こういう状況がございますので、電力各社及び動燃は毒劇法の製造業としての登録が必要でございます。こういったことが判明しましたことから、電力各社及び動燃に対しまして、製造業の登録をするように指導をいたしまして、それぞれ二月十九日付で登録を受けさせたところでございます。
○関委員 ようやくそこまで方針をとられてそういう指導に当たるということになったことは大変結構であります。とかく手を緩めがちであるし、そういう点において管理監督の衝に当たる者はきちんとやってもらいたい、こう思います。 次、文部省に聞きたいと思います。 時間がありませんので。文部省の文化庁というところは宗教法人を扱っている役所でありますよね。ところが、今日、宗教法人というものがどんなにいいかげんな状態にあるのかということを見ますと、本当に監督を、管理をする必要があるし、法律を改正するそういう必要もまたあるんじゃないだろうか、こう思います。 私どもの青森県に香取神社という神社がありまして、お寺も皆つぶしてしまって、多額の金で売ってしまった。売ってしまった後、山の方にお寺をつくってとにかく何とかやるようになった。もうけ仕事です。何十億かで売って、そうして安い金でつくったままの格好にして、後、差額はそのままもうけているのですね。どのくらいもうけているのかと聞いてみたところで答えようとしない。何にも答えなくてもいいと、こう言うのです。監督官庁というものも触らぬ神にたたりなしでなかなかこれに手をつけようとしない。 それからもう一つ、今日、創価学会がございますよね。この創価学会が宗教法人として出されている書類がございますが、この宗教法人として出されている、届けを出しているものの教義、目的がございます。この教義のところを読んでみますと、「日蓮聖人の一エン浮提総與の大曼ダ羅を本尊とし、日蓮聖人御遺文集、日蓮正宗勤行要典を経典とする。」目的「日蓮大聖人御建立の本門戒壇の大御本尊を本尊とし、日蓮正宗の教義に基づき、弘教及び儀式行事を行い、会員の信心の深化、確立をはかり、もってこれを基調とする世界平和の実現と人類文化の向上に貢献することを目的とし、これに必要お公益事業、出版事業及び教育文化活動等を行うものとする。」 今日この目的が相対立している。言うなればこの目的がちっとも、消滅しておる。にもかかわらず宗教法人として認めていかねばならないものか。こういうふうに目的が行われなくなった場合にはどう取り扱うことになっているのか、こういう点についてもひとつ御見解をいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 具体の問題については政府委員の方からお答えをした方がよろしいかと思う部分もございますが、宗教に関しましては、憲法に保障される信教の自由あるいは政教分離という大原則がございまして、その辺が正直申し上げて行政にとってはなかなか難しいところもあろうかと思いまして、結局はその宗教法人については法人自体の、政治も似ているところがあるかと思いますが、自律、自治、自浄、こうしたものにゆだねなければならない部分が大変多いわけでございます。 ただ、昭和六十三年三月三十一日付、文化庁次長名で、これは正直申し上げて宗教法人の例えば優遇税制という面に着目をして、団体としての要件を備えないものからの設立認証申請があるとか、あるいは不活動宗教法人を利用しようとする動きとか、そうしたものに対処するために、文化庁次長から都道府県知事に対して「宗教法人に関する認証事務等の取扱いについて」という通達を出させていただく等、なかなか難しい問題もございますので、対応を一生懸命いたしておるところでございますが、先生から御指摘があった地元の香取神社の一件というものは、私も本日若干の報告を受けただけでございますが、青森県からの報告によれば、境内が平成元年十一月に売却され、平成二年一月には建物も取り壊されたということでありますが、移転先において、平成三年七月、本殿、拝殿が完成したというふうに聞いておりますので、この限りにおいては礼拝の施設が存続をしているというふうに解釈をいたしております。 御承知のように宗教法人の条件というものは幾つかございまして、礼拝の施設が存在をすることということでありましょう。これが消滅して特別の事情がないのに二年間礼拝の施設が継続してなかった場合には解散命令を出せるということも承知いたしておりますが、これは別のところに場所を移されて新たにつくられたというふうに解釈をいたしておるところでしょうか。青森県からはそういう報告になっております。 また、先生からお話がありました創価学会につきましては、これは私は正直申し上げて不勉強でございまして、創価学会という宗教法人は包括宗教法人かと思っておりましたら、あれは単立の単位宗教法人で、東京都の方が認証事務を取り扱っているようでございまして、新聞でいろいろ報道されるような破門だとかそういうようなことがございましても、東京都から格段の連絡はありませんし、宗教法人としての存立の要件に何らかの変更があったというような報告は受けておりませんから、問題はないことかと思います。
○関委員 今の文部大臣の答弁は、少し早過ぎるかと思います。知らないのに問題はないという答弁はないでしょう、あなた。よく調べた上で検討するのがあなたの答弁でなければならない。しかも、届け出の認証の内容の中にある目的が明記されているのですよ。私がさっき読み上げたのはその目的の内容ですよ。その目的が果たされなくなっているでしょう、今。そうすると、目的を果たすことのできない存在機関というものは宗教法人ということになりますか。ですから、その点については文部大臣としてはよく検討してみる、きょう初めて聞いた、そんなこともあったかということならわかるけれども、問題はないなんということは問題があるじゃないの、あなた。そういう点ではごまかしてはいけませんよ。
○鳩山国務大臣 私が御答弁申し上げましたのは、先生の地元の香取神社については青森県からそういう報告を受けているということ、また、創価学会については東京都から格段の報告を受けているわけではないということ、そのことを先生にお示しをしたわけでございまして、具体的な事実については必要があれば政府委員から答弁させます。
○吉田(茂)政府委員 宗教法人の存立の要件と申しますと、御案内のとおり「宗教の教義をひろめ、儀式行事を行いこそれから「信者を教化育成することを主たる目的とする」ということ、それからもう一つ、単立の宗教法人の場合には、礼拝施設が存続するということが実体的には基本であろうかと思います。したがいまして、それがいろいろ変更がございましても、その基本を備えておる場合には宗教法人としての要件を欠くことはない、このように宗教法人法では規定をしておりまして、これは憲法から参ります信教の自由あるいは政教分離の原則にのっとった規定でございまして、それに基づいて運用がなされているわけでございます。 宗教法人創価学会の場合には、これは文部大臣の直接の所轄の宗教法人ではございませんのでひとつおくといたしまして、一つの宗教法人が運営されていく場合にはその教義が必要であるということは御指摘のとおりでございますが、教義の内容がいかがなものであるかということにつきましては、これは憲法からの要請で、行政庁としては関与について厳しく排除をなされているわけでございます。したがいまして、先ほどのような要件が具備されている限りにおいては設立が存続してまいるわけでございまして、宗教法人創価学会につきましても、東京都からは格別この要件を欠いたというような具体的な報告は現在のところございません。
○関委員 お答えが、東京からまだ返事が来ていないというお話のようですから、何かこのことについては近く東京都にも申し入れをする、こう聞いておりますので、その段階でまた改めて御吟味してください。 終わります。
○山村委員長 これにて関君の質疑は終了いたしました。 次に、吉井英勝君。
○吉井(英)委員 まず、総理の疑惑というのは、何よりもまず解明されなければならない問題です。 そこで伺いますが、せんだって二月の四日、我が党不破委員長の質問の中で、服部元秘書の依頼で三千万円振り込んだという事実、これを松本秘書からいつ聞いたのか、こういう質問に対して、その話は前からずっと言っているとか、松本を通じて金が払われたということは初めからちっとも変わっていない、何度もそういう答弁をされました。問題は、この初めからとは一体いつなのかというところなんですが、これをまず総理の方から伺いたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 この間、二月でございますか、不破委員長からそういうお尋ねがございましたときに、そのときも申し上げましたのですが、ちょっとお尋ねの趣旨がよくわかりませんで十分なお答えができませんでした。その後、同じ問題についてこの委員会で別の委員からお尋ねがございまして、そのときお尋ねの趣旨がわかりました。 それで、その時点は、服部恒雄氏が略式命令を受けまして罰金二十万円を支払いましたのが平成元年の五月ごろであったと存じますが、その後にこの関係の書類を銀行の方から入手することができまして、それによってこの事実を確認することができたわけでございますと、そうお答えをいたしました。不破委員長の御質問の趣旨がよくわかりませんで、お答えをできませんで申しわけございませんでしたが、事実そのとおりでございます。
○吉井(英)委員 実は総理が今おっしゃったことは、昨年の十二月十三日に我が党上田副委員長の参議院予算委員会での質問に対して答弁しているわけですね。八九年の五月ごろですか、三菱銀行の倉庫から振り込み依頼書の写しか出てきたので、そのときに松本秘書からその内容についても詳細に改めて聞いた、だからその話は既にわかっているわけで、聞いている方もそれを前提にして聞いているわけです。あなたのお話もみんなわかっているわけです。問題は、その八九年五月過ぎですか、それは銀行から出てきた写しを見た日であって、松本秘書名義であったということを知った日というのは初めから知っていたということでしょう。その初めからの初めとはいつなのかというところが一番問題なんです。
○宮澤内閣総理大臣 この間も申し上げましたが、その書類を見ましたものですから、それではっきり確認ができたということでございます。
○吉井(英)委員 ですから、今おっしゃったのは、はっきり確認ができたと、八九年五月というのはその写しを見た日の話なんですね。見た日のことを聞いているんじゃないのです。松本名義だということを知ったのはいつなのかということを聞いているのです。
○宮澤内閣総理大臣 その書類を見ましてわかったわけでございます。
○吉井(英)委員 実は、八八年の十二月の一番問題になっていたときですね。ここに私は報道のコピーを持ってきておりますが、これは八八年の十二月十日付で報道されていることです。 自民党の国会対策委員会側は十二月、八八年十二月八日の朝のことですが、「もう観念する時期だ。野党が要求する約定書など三点セットの資料を出せなければ辞任だ」。これに対して、同日のお昼に宮澤氏と伊東自民党総務会長が会談し、「株購入代金の払い込み証明書の提出には応じない。それでダメなら辞任もやむをえない」ということになった。宮澤氏が払込証明書は出せないと、こだわったのは、「ファーストファイナンスに対する払い込みを証明する書類の名義人に宮澤氏の会計サイドの人間の名前が使われているため」だ。これは八八年の十二月の十日付の報道なんですが、ですから十二月の八日であなたは知っていたわけなんですね。 十二月の参議院で上田議員に答弁されたのも、この間他の委員の方に答弁されたのも、それはあなたが八九年の五月にその払込証明書の写しを見たという、見た話であって、松本名義だということをあなたがお知りになったのは、まさに我が党の不破委員長に答弁されたように、初めからあなたはそれを御存じだったわけだ。その初めとは一体いつなのかということを私は伺っているのです。
○宮澤内閣総理大臣 いや、その書類がございましたら、それは国会に御提示をすることができたわけでございますから、事は難しくなかったわけでございます。その書類がなかったので、いわゆる必要な書類を御提示ができなかったということが事実でございます。
○吉井(英)委員 その書類がなかったにしても、その書類の名義人が松本秘書の名前だということは御存じだったのでしょう。そこが大事なんです。
○宮澤内閣総理大臣 そうでないと申し上げているのです。その書類がなかったものですからわからなかったということを申し上げているわけです。
○吉井(英)委員 既に三年前の報道の中で、なぜ宮澤氏が払込証明書を出せないということでこだわっているのか、それはファーストファイナンスに対する払い込みを証明する書類の名義人があなたの会計サイドの人間だからだ、そういう報道がなされていたわけでありますが、ですから、あなたはそのときに知っていたわけですよ。それは、実は同じ八八年の十二月の八日、参議院の税制特での安恒議員の質問に対してこういうふうに答弁しておられますね。安恒さんも繰り返し繰り返し聞いて、あなたも繰り返し繰り返し答弁した内容というのは、八六年十月十五日にファーストファイナンスの銀行口座に三千万円振り込んだ、これは一体だれの名義ですかという安恒さんの質問に対して、あなたは、それは負担をしたのは服部だと、名義人について答えないんですね。しかし、それだけじゃないんですね。私宮澤の名義ではないということを言っておられるんですね。書類を見ていなかったならば宮澤名義であるのか宮澤名義でないのかもわからないわけですよ。しかし、あなたはそのときに宮澤名義ではないということを既に言っておられるんですよ。そして、いや服部さんの名義じゃないかというこういう繰り返しの質問に対しても、服部名義でないとも言わない、しかし、服部が負担したということだけは繰り返し言っておられるんですね。それは知っていたからじゃないですか。
○宮澤内閣総理大臣 そうじゃありませんで、大事なのは、だれの金かという安恒さんのお尋ねでしたから、それは服部恒雄氏の負担でございますと言ったんで、宮澤名義云々は、私の金でございません、私の負担でございませんから、そうなってないのはそれは当たり前だと思います。
○吉井(英)委員 今のお話は全然違います。私はここに会議録を持ってきているわけですが、だれのお金ですかという質問は全然ないんです。振り込んだ名義人の名前、名義人はだれかという質問なんです。このことを安恒さんは繰り返し繰り返し質問されて、これに対してあなたの方は話をすりかえて、負担をしたのは服部だ服部だとおっしゃる。それからもう一つは、その名義人は私の名前じゃないということは一生懸今おっしゃる。これは、知らなかったら——宮澤名義でないということを、じゃなぜ知っておったんですか。名義人がだれかを知っているからこそ言えるわけでしょう。
○宮澤内閣総理大臣 そうじゃないんです。そのときの書類さえあれば安恒さんのお答えに答えられたし、またいわゆる三点セットもお目にかけられたわけですけれども、それがありませんからお答えできなくて、ただ負担は、これは私じゃございませんよとこう申し上げていたわけです。
○吉井(英)委員 あなたはそのときに、書類があっなかなかったかは一応置いておくとしても、その名義人の名前がだれであったかは知っていたわけですよ。知っていたからこそ、これは私宮澤の名義ではありませんということをちゃんとお答えになったし、知っていたからこそ、名義人は服部がということを繰り返し聞かれて、いやそれはそうじゃないと、服部は負担をしたんだと、知らなきゃそんなこと言えるわけないじゃないですか。だから、十二月八日の時点ではあなたは既に名義人の名前はだれかを知っておられた。それで昨年の十二月十三日の参議院での答弁、先日の答弁というのは、八九年の五月にはその三菱銀行から出てきた振り込み依頼書の写しを見たと。見た日の話と名義人の名前が松本秘書であるということを聞かれた日の話とは全然違うわけですから、私はこれは非常に大事なところだと思うんです。どうですか。
○宮澤内閣総理大臣 ここにそのときの速記録がございますんで、今お答えしたのと同じことを申し上げております。安恒さんが、だれの名義で払い込まれたのか、宮澤さん、あなたの名前か服部さんの名前かそれを聞かしてくれと。私は、私の名前が使われているとは思いません、服部君の負担において行われたということは間違いない、私の負担でないんですから私の名前ではないと思いますと、こう申し上げておりまして、書類さえあればこれはもっとはっきり申し上げられたわけですけれども、それがありませんでしたから、こうお答えしておりますが、答えには結果として間違いはなかったということになります。
○吉井(英)委員 売買約定書の名前についても、あなたはそれは河合康文がやったとか、その後には、いやあれは服部がやったとか、しかしその名義人だれだということになって、いやあの名義人は宮澤でしたとか、そういうふうにだんだんだんだん話変わっているんですね。今回のこの問題も、ここで問題になっているのは、名義人はだれかということについて私の名前でないと言い切っておられるんですよ。知らなきゃ言えないじゃないですか。あなたはやってなくても宮澤の名義であったかもしれないし、売買約定書と同じことですよね。しかし、あなたは知っていたからこそ宮澤の名前じゃないとはっきりそれをおっしゃったんじゃないですか。
○宮澤内閣総理大臣 いえ、そんなことはありません。私が金出してないんですから、私の名前であるはずはありませんと申し上げて、結果としてそうでなかったんですからそれでよろしいんじゃないですか。
○吉井(英)委員 とんでもない話でしてね。売買約定書のときだって私はそんなの全然知らぬと。八八年七月にリクルート事件が発覚したときに、あなたはノーコメント十三回ですね。一週間たてば河合康文に頼まれて名義を貸したと。八月になると服部が名義を貸して河合が株取引をやったんだと主張し、十月末には勝手に宮澤名義を使って河合康文が取引をやったんだと。結局十二月に入ってあれは服部個人の株取引だったと。ところが三点セットが出てきて、この服部個人取引説が崩れて、今や宮澤事務所の株取引、こういうことになってきたわけであります。それで、その早い段階で松本秘書に問いただせばわかった話なんですね、もしあなたがおっしゃるようにまだそのとき知らんかったといえば。だって、十月にはファーストファイナンスの問題、大問題になっているんですから。そのときに聞けばいいのにやっていないというのは、やっぱりあなたの責任は重大なんですよ。 私はこの点では、もし初めからという、この間の答弁のように初めから知っていて、ですから当然十二月の八日に私は知っていたと思うんですが、そして八九年の五月になってコピーを見たという話ですから、見た話と知った話は全然時期が違うんですが、初めから知っていたということになりますと、それは文字どおりあなたを含めた宮澤事務所で次々とうそのシナリオをつくり続けてきたということになりますし、いずれにしてもこれは重大な問題です。私は、総理の責任にかかわる問題でもありますが、政治倫理綱領に基づいてみずから疑惑を解明するべき人にその気が余りなさそうでありますから、私は国会の方がこれは国政調査権に基づいて解明しなければいけない問題だと思います。 そこで委員長、改めて服部恒雄元秘書、松本雅雄秘書の両名を他の関係者とともに証人喚問することを求めたいと思います。
○山村委員長 吉井委員に申し上げます。 理事会で何度も協議をいたしております。
○吉井(英)委員 何度も協議していただいているんですが、これは委員長、本当にこれは国会として解明しなければならない問題でありますから、本当にその実現のために委員長として努力をしていただきたい、こういうことを改めて要請しておきたいと思います。 次に、共和事件についても少し伺っておきたいと思いますが、報道されているところでは、共和事件の基本というのは、現在九千万円については司直の手でこれは捜査が行われ、解明が行われております。問題は、それからはみ出した四億四千万ですか、これは報道による分でありますから、それはそのとおりかどうかはもちろんわからないわけでありますが、しかし、まさにこの部分については国会が解明しなければいけない問題だと思うんです。 この点で、この共和事件の中心人物ですね、まあ阿部代議士を通じて金がこう流れたとか言われておりますが、共和事件の中心人物というのは一体だれだというふうに総理はお考えなのか、これを伺いたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 それはちょっと私にはお答えできません。
○吉井(英)委員 じゃ、阿部議員は中心人物ではないわけですか。阿部氏は総裁選挙に金が要ると言って、十億円要求して一億数千万円を手にしたということも伝えられております。宮澤派へ入ったのは届け出では一千万円ということですが、しかし、けさの答弁でしたかね、これは新陽会から二千万円入っているが共和の金じゃなかったという趣旨の話が、官房長官からでしたか、これはファクスで入ってきている部分でありますが、加藤官房長官は二十四日午前の衆議院予算委員会でという話がありましたが、問題は、私は、大事な点はそれ以外に上納金がないのかどうかとか、それから、報道によると、総裁選挙のためと言って、今の件ですが、一億数千万円を受け取って宮澤派へ仮に一千万円しか入れていないとかなると、これは阿部代議士の詐欺横領事件ということになってくるわけでありますし、しかし、阿部氏から入金されていたのに届け出られていなかったとすると、今度はまた別な問題が出てくるわけです。事は総裁派閥に直接かかわる問題でありますから、総理、あなたがみずから解明して、阿部氏にもし詐欺横領行為なりがあれば、解明した上でそれは必要な対応をされるということになるのは当然のことだと思いますが、この点はどうでしょうか。
○加藤国務大臣 先ほど私が答弁申し上げた点について二千万という言葉が今吉井委員からありましたけれども——正確に御質問いただきたいと思うんですけれども、私たちの方は新陽会の方から一千万がありましたということで、その新陽会には共和からの政治資金は入っておりませんということを申したのであって、それ以外のことは誤解なさらないでいただきたいと思います。 それから、御質問の点は、宏池会に関するその阿部さんからの政治資金というかカンパは、それだけでございます。
○吉井(英)委員 ですから私は、阿部さんの方が総裁選挙のためだと言って一億数千万とか伝えられておりますが、これ自身が真実かどうか解明しなきゃいけないと思うんだけれども、仮にそれだけ入っておって、そして宏池会にそのお金がまあ一千万であれ幾らにしても入っていなかったならば、これは阿部さんの詐欺横領ということになってくるわけですから、必要な対応をするべきじゃないかということを申し上げているわけです。 私は、こういう点でやはり、共和の森口副社長から阿部氏ら政治家に幾ら金を贈ったかということを聞くことと、阿部氏の方から、幾らもらったのか、そして鈴木元首相ら政治家に幾ら配って、宮澤派の総裁選挙に幾ら使ったのか、なければないでいいわけですから、これを証人としてやはり出頭してもらわないと、出頭して話をしてもらわないと、国会としてこの疑惑の解明はできないと思うんです。 この点について、もう既にお話ししておりますが、委員長、阿部氏らの本委員会への証人喚問を改めてお願いしたいと思います。
○山村委員長 何遍も理事会で協議しております。
○吉井(英)委員 次に、私は、佐川急便の問題について質問をしたいと思います。 佐川急便の問題というのは、これは行政がゆがめられてそして佐川が急成長したという問題が伝えられておりますし、また、国会でも何度か指摘されてきた数多くの違法行為もありました。また、暴力団との癒着の問題もあるし、そしてその規模がロッキード、リクルートをはるかに上回る、一大疑獄事件と言われるそういうものになってきているだけに、私は今、これは政治の舞台で全容解明が必要だと思うんです。その全容解明をしていくという点では、やはり総理自身もこの佐川急便の問題については解明に当たられるということが大事だと思うんですが、あなたはどうお考えか伺いたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 政府にはつかさつかさがございまして、疑惑があるところはその関係者が疑惑の解明をいたす仕組みになっております。
○吉井(英)委員 つかさつかさでやるのは当然な話なんですが、総理としてかたい決意でもって臨むかどうかというところが私はこの点では一番大事なところだと思うんです。 具体的な話に移りたいと思います。 黒埼インタートラックターミナルの建設について伺いたいと思いますが、市街化調整区域で農業振興地域であるところ、農振地域に、四ヘクタールぐらいのこの大規模なトラックターミナルの建設をするということ、これは路線免許を持った業者の場合はできたわけですが、限られた区域での営業を許可されているだけの区域業者ですね、一般区域貨物自動車運送事業者の場合、これはできなかったのではないかと思いますが、いかがですか。
○伴政府委員 お答え申し上げます。 お話しのトラックターミナル、市街化調整区域内の許可の問題でございますが、これはもともとは地域の実情を考慮して弾力的な運用をするということになっておりますので、許可を行う道は開かれておりましたけれども、事実上は許可事例はほとんどございませんでした。それを六十一年八月に、大規模なトラックターミナルについて、限定的に四車線以上の幹線道路とか、あるいは高速道路のインターチェンジ周辺でやむを得ない理由があれば開発許可の対象にして差し支えないということにしたものでございます。 このような通達を行った理由は、ターミナルがその市街化区域内にございますと、住宅等でございますと大変大規模なトラックが頻繁に出入りするといったようなこともございますし、それから倉庫の機械騒音というのもございますので、どちらかというと嫌われる施設になっておりまして、まあ周辺の交通阻害とかあるいは居住環境を悪化するといったようなところがございますので、そういったことを背景といたしましてたびたび、記録にありますだけでも、昭和五十五年ぐらいから社団法人の全日本トラック協会からもたび重なる要望がございましたし、それから国会からも、国会におきましても緩和の必要性について質問がされたところでございますし、それから、ちょうど内需拡大の一環として市街化調整区域における開発許可基準の見直しというのを考えておりましたので、そのときに既存集落の自己用住宅とかあるいは地域振興型の工場とか有料老人ホームと一緒にこういう地域トラックのターミナルについても弾力化したものでございます。
○吉井(英)委員 私が聞く前から随分いろいろお聞かせいただいたのですが、問題は、八六年八月二日の建設省建設局の清水達雄局長通達が出される前は、この佐川急便のような区域業者がこの高速道路の黒埼インターの近くにある農振地域に、市街化調整区域ですね、トラックターミナルをつくるということはできなかったのでしょうという、この点が大事な点なんです。どうですか。
○伴政府委員 六十一年八月二日の通達以前におきましても、市街化区域内のトラックターミナルについては禁じているわけではございません。地域の実情を考慮して弾力的な運用にて許可を行ってもいいということになっておりましたが、ただ、こういうものは許可していいという例示的な通達を出しておりませんので、そこで、必ずしも一般的に緩和して許可しているという事例は少なかったと思われます。
○吉井(英)委員 そうなんですよね。あなたおっしゃったように、明示的にこれを許可してよろしいということを決めていなかったからこそできなかったわけですよ。 そこで、次に伺いたいと思いますが、この八六年八月二日の局長通達に先立って、これはこの八六年の三月十四日に自民党本部で開かれた建設部会規制緩和小委員会にこの清水達雄建設経済局長が出席されて、局長の方から調整区域における開発許可基準の見直しをやりたい、沿道の有効利用のためにということで、大型車両のトラック中継基地など流通業務施設を認めるんだ、調整区域の開発許可基準の運用緩和をやりたい、そういう方向を局長が報告をされて、そして小委員会は大筋で了承したということになっていて、その後の、同年四月四日の小委員会報告の中で、幹線道路の沿道等の有効利用ということで、高速道路のインターチェンジ周辺において区域トラック事業用施設等の流通業務施設等の立地を一定条件下で認めるという、こういう方向が出されたということ。そしてその四日後に今度は経済閣僚会議が開かれて、その閣僚会議の中で二番目の「新市街地開発の促進」というところで開発許可の見直しを行うという方向が打ち出され、そして八月二日に通達が出された。その後この経済閣僚会議の方では四月八日の総合経済対策についてのフォローアップが行われて、そのフォローアップの中では、これは九月の十九日のことでありますが、八月二日の通達を出して幹線道路の沿道等における流通業務施設の立地を許可できるようにしたんだと、こういうふうに一連の流れがあるわけです。そして八月二日のこの通達の中では、今おっしゃったように、インターチェンジからおおむね五百メートルの距離にあることを原則とすること、そして区域事業者についてもターミナルができるんだと、これがこの局長通達で示されて、そうして黒埼インター周辺での佐川急便のトラックターミナルの建設が可能になった、こういうふうに思うわけであります。 そこで、まず私が今一連の流れを少し見ていったわけでありますが、建設大臣、通達に先立って自民党としてこの方向を出されたということについては、この事実は間違いありませんね。
○伴政府委員 ちょっと事務的なことでございますので、経緯的なものでございますから、私から答弁さしていただきますが、六十一年の四月に規制緩和検討小委員会がございまして、その後、総合経済対策で内需緩和策、内需振興策の一環として出されたことは間違いございません。ただ、このときには大変市街化区域の線引きの問題、線引き制度そのものをやめたらどうかといったような話もございまして、全般的にこれをどうするかという議論の中で、必要な調整区域の規制も緩和していこうという話におった、その一環でございます。(吉井(英)委員「清水局長出席したのもそのとおりですね」と呼ぶ)当時の建設経済局長は、たしか清水局長だったと思います。
○吉井(英)委員 ですから、今おっしゃったように、清水局長が出席されて報告されてこういう方向が出されたということは、このとおりであります。 そこで、重ねて伺っておきたいのですが、私が読んだ限りでは、八月二日の通達の中にはまさに自民党の小委員会報告のとおりのことが入っているのですが、これも事実として間違いはありませんね。
○伴政府委員 実は、この委員会に出すまでには相当各方面の意見を聞いておりまして、公共団体の意見も聞きましたし、それから民間企業の意見もいろいろ聞きまして、最終的にこういう方向で緩和策が出せるということを大体、内々役所の方で決めましたので、そのことを報告したものでございまして、結果的にはそのとおりの内容となっております。
○吉井(英)委員 まさに黒埼インターのようなインターチェンジ周辺で、路線免許業者でもない佐川急便のような区域事業者が大規模なトラックターミナルの建設をできるようになったとい、つのは、これは八月二日の清水達雄建設局長の通達以後のことであることは間違いないところだと、今のお話でわかりました。 この通達以後、八九年十二月には物流二法が成立しておりますが、この間、全国で佐川急便以外の区域事業者、路線免許業者じゃなくて、そういう区域事業者で高速道路のインターチェンジ周辺で四ヘクタールとか五ヘクタールとか、こういう大規模なトラックターミナルをつくった業者の名前と場所がおわかりであれば伺っておきたいと思います。
○伴政府委員 ちょっと、先ほどの八月二日の通達のときは、実は清水局長でなくて、その後任の牧野局長になっておりましたので、通達の時点は牧野局長だったと訂正させていただきます。 それから、今のお話でございますが、実は各トラックターミナルでどの程度の面積をもって許可しているかという資料がございません。これは各県に一々聞かないと、照合しないとわからないと思われます。ただ、件数的に申し上げますと、全体で、六十一年八月以降、このトラックターミナルの許可は全国で現時点まで百九十件ほどやっておりまして、そのうち佐川急便では七件許可を得ているということでございます。
○吉井(英)委員 その辺のところは事前に皆伺っておりますが、その事前に伺ったときに局長の名前は清水さんだということを言っておられたので、言ったわけです。訂正されましたから、それもわかりました。 なお、今おっしゃったのは、佐川以外というのは伺っているところではほとんど〇・七ヘクタールとか、割と規模が小さい。それは当然のことであって、区域事業者というのは中小企業なんですから。それで、四ヘクタールとか五ヘクタール規模のものというのは、結局、今調べてないということですが、佐川以外にはないようであります。 次に、局長通達の、いろいろ私どもの方も調べてみましたが、局長通達が出るはるかに前からこの佐川急便は用地買収にかかっていたのですね。当然、正式契約の前提となる農振地域の解除であるとかあるいは農地転用の手続を進めておりました。このときに、我々の調査に外して、自民党新潟県連青年局長で当時黒埼町長であった青木太一郎氏から当時のことについて伺っておりますが、佐川の黒埼トラックターミナル建設のために制度変更には苦労した、政治家も動かし、政府や出先機関に工作したり、知事公舎に乗り込んで直談判してようやく特例をつくらせた。国や県や出先などに大変な働きかけをやった、佐川は路線免許を持っていなかったので認めにくい、そこで、建設省、運輸省の間で半径五百メーターですか、以内という特例をつくってもらって適用除外が認められたんだと、佐川急便の働きかけを受けて随分尽力したということを率直に語っておられます。佐川の関係者もこの青木氏と一緒によく東京へ行ったということも語っているわけであります。青木元町長の言っている政治家や政府という中には、これは当時の新潟県運の会長さんや、当時の運輸大臣とか当時の衆院運輸委員長とか当時の建設大臣とか多数の政治家が入っているわけでありますが、こうした働きかけのもとで八月二日通達が出された、それで、この事業ができたんだということを元町長は語っておりました。 そうして、この新社屋の竣工パーティーには、これは当時の日本流通新聞でも紹介されておりますし、それから佐川急便の「飛脚」という中でも紹介されておりますから、特段改めて珍しいことではないかとは思いますが、当時の君県知事それから田中元総理の代理の秘書、小沢辰男衆院議員、長谷川信参議院議員とか吉川芳男参議院議員らが出席されて、盛大に竣工パーティーが開かれたようでありますが、その後、当時の君知事のもとで副知事をやっておられた方が、この方が随分頑張られたわけですが、今の金子知事、知事選挙のときに佐川急便から三億円献金問題というのが今出ているわけですね。仙台での佐川裁判での証言、八九年五月二十五日のでは、新潟知事選のために仙台の方の東北佐川が千五百万円送金したと、これは分担率五%ということですから、五%で割りますと三億円という話も出てくるわけでありますが、さらに黒埼町の元幹部への六千万円献金疑惑などが噴き出しております。 私は、きょうは時間がもうありませんから、きょう取り上げておくのは黒埼インターの一例だけにとどめておきたいと思いますが、運輸大臣、監督官庁の責任者として、私は、全国の佐川のトラックターミナルの建設に当たってどんな問題が起こっているかということについて、やはり大臣として解明して、報告をしていただきたいと思うわけです。これは、かつて参議院での佐川問題の質問の後、運輸省の方は全国監査をやって報告をされた例もあります。今回やはりそれをきちっとやっていただきたい。まあ大臣も御出席のあれは、グループの「飛脚」も私も読ませてもらいました。北陸佐川の竣工式ですか、大臣も別に隠していらっしゃることじゃないから、ビデオやいろいろ見せていただきましたが、「ふれあい」ビデオですか、奥田大臣の場合は、北陸佐川のパーティーでは北陸佐川の社長とはカラオケ仲間だと祝辞を述べていらっしゃるのを読ませていただきました。親しい仲間であっても、佐川急便のこの疑惑の解明については、やはり監督官庁の長でありますから、これは解明に全力を尽くしていただきたい。 それからもう一つ、私は奥田大臣とは地方行政で御一緒させていただきましたが、ちょうどあなたは国家公安委員長として暴力団対策新法を準備されたときの大臣なんですね。今その暴力団へ佐川の方から、これも伝えられておるところでは一千億円からの金が流れておった。ゆゆしき事態ですね。ですから、これは暴力団新法をつくったときの大臣としても、また監督官庁の大臣としても、私はあなたの手で徹底的にやはり佐川急便の疑惑については解明して、そして報告をしていただきたいと思うのですが、大臣いかがですか。
○奥田国務大臣 できるだけ委員の御質問、要望にこたえて、公正な資料を提出させていただけると思います。 ただし、北陸佐川パーティーでカラオケ仲間云々といったような形は、あなたはどこからそれを取材されたか知りませんけれども、まことに不本意でございます。ありません。
○吉井(英)委員 佐川め「飛脚」にちゃんとそれは載っておりますので、私は載ってない話を言っているわけじゃないので。 そこで、委員長、私は、佐川疑惑のやはり国会は国会としての全容解明のために、今運輸大臣の方には資料提出のお約束がありましたが、まず佐川清会長、渡辺広康東京佐川前社長、それから湊川現社長、早乙女潤東京佐川の前常務、松沢泰生平和堂不動産社長の五名の証人喚問をこの機会にお願いしたいと思います。
○山村委員長 理事会において協議をいたしております。
○吉井(英)委員 次に、私は障害者の仕事の保障の問題について質問をしたいと思います。 総理は施政方針演説の中で、高齢者や障害者が就職機会の整備などを通じて社会参加が適切に保障され、生きがいを持って安心して暮らせる社会を、生活大国の第三の中身だ、それを内政の最重要課題として進めるとおっしゃいました。 国連障害者の十年が始まって間もない一九八三年の六月に、障害者が適当な雇用につくことが社会参加を保障するとしてILO百五十九号条約が採決され、批准した国は既に三十六カ国を超えて、その理念は今や国際常識となっているわけでありますが、あれから既に八年ですか、随分日本の場合は批准をしないでやってまいりました。我が党も昨年十二月に早期批准を総理にも申し入れをいたしておりますが、まずこの国会でILO百五十九号条約を推准することを初めとして、問題はその批准した後の中身ですね。批准するということは国内の問題の整備が大事になるわけでありますが、その点では昨年七月三十一日、総理大臣あてに中央心身障害者対策協議会会長から、この協議会の「「国連・障害者の十年」の最終年に当たって取り組むべき重点施策について」の申し入れ書が出されております。 この中で、全部読んでいるわけにいきませんが、私がきょう取り上げたいことだけで申し上げておきたいのは、事業主に対する障害者の雇い入れ指導を強力に実施するという問題、それから小規模作業所といった福祉的作業施設の体系については、現在における役割を踏まえ検討を進めるとともに、その整備促進を進められたいとしているわけです。問題は、理念とともにやはり具体的にどう進めるかということが一番大事なところなんですね。 その点で、まず、こういう申し入れにありますように、このILO百五十九号条約の批准とともに、その関連する国内法の整備、そういう法律制度の上でもそうですし、これを本当に進める態勢をやはり思い切って進めていく、思い切った態勢をとって前進させる、そういう点での私は総理の決意というものを最初に伺っておきたいと思うのです。
○山下国務大臣 ことしは、国連で定められました国際障害者年の十年の仕上げの年であります。したがいまして、私どもも平成四年度におきましても十分予算を組んで、そしてしっかり頑張ってまいりたいと思っております。 今御指摘の点でございますが、小規模の共同作業所につきましては、今年も百三十カ所ふやしまして約千カ所になっておりますし、今後ともこれは拡大してまいりたいと思っております。
○吉井(英)委員 そこで、もう少し具体的に伺いたいのですが、雇用率の問題なんです。これは労働省に関係する分野にはなろうかと思いますが、国連障害者の十年の最終年になっても、法定雇用率一・六%が達成されておりません。特に、企業規模が大きくなるほど実雇用率が悪くて、千人以上の大企業では一・一六%、その雇用未達成企業の割合というのは八二・一%、こういう状態です。その中には、例えばJR西日本のように、雇用率が〇・八九%で障害者雇用不足数が百八十五人、こういうところなど百数十人から不足しているという企業がぞろぞろ出てくるわけですね。 ところで、私ちょっと調べてみたのですが、中央心身障害者対策協議会に協議会委員を出しているJR東日本、それから障害者雇用審議会の事業主委員を出している会社、富士銀行、三菱電機、十條製紙、これらはすべて実雇用率未達成なんですね。この間、一月二十六日に、富士銀行などは未達成ですから、日本経済新聞に大きく広告を出されて、それはそれで大事な取り組みだと思うのですが、私は、こういう状態じゃそれは雇用率達成できないのは当たり前じゃないかと思うのです。肝心の一番政府に物を言い、審議しているところからして未達成なんですから、私は、大臣自身が労働大臣としてこの雇用率を達成させるためにどういう取り組みを今していらっしゃるか、これを伺いたいと思います。
○近藤国務大臣 確かに先生が御指摘のとおり、平成三年六月三十日現在の雇用率は、一・六%身体障害者雇用率が適用される一般の民間企業では前年同率の一・三二%となっておりまして、未達成企業の割合が四八・二%になっております。 労働省といたしましては、従来から雇用率未達成企業に対する指導に取り組んできたところでございますが、特に適正実施勧告が出されているにもかかわらず具体的な取り組みが見られない企業につきましては、公表することを前提として再度の指導を行うこととしたところでございます。今後とも雇用率制度の厳正な運用により障害者雇用の改善に努めてまいりたいと考えております。
○吉井(英)委員 今大臣おっしゃったのは、全体の平均が一・三二%、特にひどいのが、大きいところほどおくれているのですね。そこが問題だということで、そういう問題意識を持ってぜひ頑張っていただきたいと思うのです。 実は大阪に松下電器の子会社があるのですが、先にできたのは岡山の吉備松下、引き続いて大阪でも重度障害者雇用企業として交野松下というのがつくられました。国がこれまで二億八千五百万円補助金を出し、三年間は国から一人三万円ずつの雇用調整金が松下電器に支払われ、資本金は大阪府が四四%、交野市が五%、松下電器五%、つまり地方自治体が半額出資の福祉工場であるわけです。現在経営状態はなかなかよくて一割配当十分出せるというところなんですが、これだけ国や地方自治体が金を出して、そして雇用率も高めてもらおうということで頑張ってきたはずなんですが、今、昨年六月一日現在で松下電器の実雇用率は幾らですか。雇用率達成いたしておりますか。
○若林政府委員 身体障害者の雇用率の達成状況に関します指導につきましては、障害者雇用促進法に一定の手続が定められておるわけでございまして、私ども、それに基づきまして指導をいたしているところでございまして、個別の事業所につきましての雇用状況というものにつきましては、私ども申し上げない形で指導を進めているところでございます。
○吉井(英)委員 私調べてみたのですが、松下電器は昨年六月一日の労働省の調査でこれは達成してないんですね。大阪でいいますと、後ほどまた触れますが、障害者雇用不足数でいろいろ資料をつくっておられますね。その不足数、五十名よりはちょっと少ない、四十八名ぐらいですか、昨年六月で。それで労働省から幹部の方が大阪へ乗り込んでいかれて、不足している企業の社長や幹部に集まっていただいて、公表しますよ、もっと頑張ってもらわなきゃ困る、こういう取り組みをされたのも聞いております。その結果、松下では大分努力もされて、それでも約十五名ぐらいですか、まだ不足しているのです。 ただ、私はここの大事なことは、やはり公表しますよということが、これが随分威力を発揮した、これは確かなことだと思うのです。私は、松下の例を出したのはそれを言いたかったわけですよ。労働省の方が公表しますよということを言ってやれば前進しているのです。未達成企業名の公表というのは私は労働省の、さっきも大臣おっしゃいましたが、公約だと思うのですが、いつ発表されますか。
○若林政府委員 これまで身体障害者の雇い入れに関します計画、制度を中心として雇用率達成指導を行ってきたわけでございますが、適正実施の勧告を出してもなお具体的な取り組みが見られない企業につきまして、雇用改善のための措置を実施するように指導を行ってきたところでございまして、具体的な取り組みが行われず、一定の改善が見られないものにつきましては、本年度内に企業名を公表するということで今日まで指導を続けているところでございます。
○吉井(英)委員 私が大阪の方で調べたところでは、大阪でいいますと一・六%未達成企業というのは、企業の規模一千人以上という大企業で約二百四十社あるのですね。障害者雇用不足数が五十人以上だという、こういう会社が十八社、ただしシャープを、シャープという会社とシャープエレクトロニクスを一社に数えると、これは大阪府の方は一社に数えて十七社と言っているのですが。それから、二十人から五十人不足しているというのは四十三社あるのですね。 ところが、それなのに超悪質企業という基準を新たに設けることで、労働省が今大阪で公表しようとお考えになっているのは三社だけだ。百五十人から不足しているというふうな会社がある中で公表するのは三社だけだというふうに聞いておりますが、これは事実ですか。
○若林政府委員 先ほど、これまで雇用率の達成指導を行ってまいりまして、適正実施の勧告を出してもなお具体的な取り組みが見られない、そういう企業についてさらに指導を行って、具体的な取り組みが行われず一定の改善が見られないものについては、年度内に企業名を公表するということを申し上げたわけでございますけれども、その適正実施の勧告を出してもなお具体的な取り組みが見られないというのが百十三企業でございまして、この百十三企業について指導を行っているというものでございます。
○吉井(英)委員 全国百十三ということですね。それで、国連障害者の十年で十年たったわけです。十年たってまだ雇用率を達成しない、労働省頑張っておられてもまだ達成しないのはけしからぬ話じゃありませんか。じゃそれを全部公表すりゃいいじゃないか、公表したら確かに前進するということは松下の例で御紹介しました。 ところが、大阪でいえば、今全国で百十三社のお話がありましたが、大阪府の労働部から私が聞いたところでは、まあ、本社が東京は多いものですから東京はうんと多くなるのですが、大阪で公表予定は三社だけですと。大阪の労働省の出先機関の人々にも聞きました。三社だけですと言うんですね。 私は、あわせてちょっと見ておきたいのですが、実は大阪の状態はどうかということを見てみますと、これは労働省よく御存じの話で隠していらっしゃるのだけれども、さっき言いましたJR西日本、これはおいておくとして、ダイエーが雇用率〇・八九で百三十八人不足、ニチイが〇・八二で百七人不足、関西電力は雇用率一・〇九で不足数百五人、それから東レが雇用率〇・九〇で不足数百二人、大きなところが、百人を超えるところがごろごろしているわけですが、さらに五十人以上で見ていきますと、これは住友生命、大阪有線放送、鐘紡、日本生命、富士火災海上、シャープ、積水化学、武田薬品、大同生命、住友化学、イトキン、シャープエレクトロニクス、帝人、このほかにまだ二十人から五十人不足しているというのが四十三社あるわけなんですね。十年間取り組んできてこれだけ不足した状態が続いているのに、大阪でいうと公表するのはたった三社しかない。 ですから、中にはもうこの労働省のお考えも大体わかってきて、自分のところは公表の対象じゃないということで、一・六%への達成の努力はもう随分減退してしまった。そういうところもあるということを私は聞いているわけでありますが、この三社しか公表しないということでとめてしまうんじゃなくて、全部やはり問題のところは公表する、この態度を貫かないと、十年間やってきているのですからこれはやはり進まないんじゃないでしょうか、大臣どうですか。
○近藤国務大臣 先ほども安定局長から御説明をいたしましたけれども、具体的な取り組み、雇用改善のための措置を実施するように指導してまいったわけでありますけれども、一定の改善が見られないということであれば本年度内に企業名を公表する、こういうことでございますので、先生の御指摘もございましたが、さらに指導を進めてまいりたい、こう考えております。
○吉井(英)委員 まあ大臣もそうおっしゃったので、さらに改善を強めていただきたいと思いますが、何か三社しか公表しないというのには、超悪質という新しい基準とでも称すべきもの、そういう基準をつくっているために、企業の方もそれを知っておって、それをクリアしたら努力がとまっているということを私は聞いているわけです。ですから、その基準じゃなかったら三社しか出ないということはないわけですから、私は特段の努力をやっていただきたいと思います。 それで、一つは、雇用率を高めるということとも関係してやはり大事な問題は、これは交野松下の幹部の方も言っておりましたが、松下のすべての事業所で障害者の方たちが働けるように一工夫さえすれば雇用の場はもっと広がりますよ、もっと雇用率は高められるということを言っておられました。まさに、これは非常に大事な点だと思うのです。 ただ問題は、それを本当に進めるためにも、現在この三年間ほど見てみますと、労働省の雇用指導官の数、障害者当たりで見ますと実は三年間横ばいなんですね。今、達成するには本当にもっと努力しなければいけないというところなんですから、私は企業名の公表とともに、やはり来年度は障害者十年の最後の年で頑張ると言っておられるのだから、雇用指導官についても抜本的に増員して、本当にこれを進める体制をとっていただきたい。これはもう一遍、大臣の決意の方を聞いておきたいと思います。
○近藤国務大臣 実は障害者雇用につきまして障害者雇用審議会から昨年十二月に意見書をいただいたわけでございますので、この趣旨を十分に尊重いたしまして、障害者の雇用の促進等に関する法律を改正いたしまして、重度障害者を中心とした施策充実に努めるとともに、さらにこうした障害者の雇用対策について万全を期してまいりたいと思うわけでございますけれども、同時に再々お話をしておりますように、雇用率の達成については従来以上に厳しい指導をしてまいりたいと思います。
○吉井(英)委員 指導とそれを進める体制がやはり大事ですから、体制については特に力を入れてほしいと思います。 関係者の方が一様に指摘されたもう一つは、やはり通勤アクセスの問題があるんです。これは建設大臣にもここで一言伺っておきたいんですが、今事務所ビルは大体都心部に集中していますね。障害者駐車場というのは非常に不足して大変なんです。じゃ電車で行くとなりますと、新宿駅ごらんになられてもラッシュ時はとても危険で、障害者の方の通勤というのは本当に大変なんです。そこで、駅舎の改善等が必要だと。それはラッシュの問題もありますが、駅舎の改善が必要だということで、これは従来より運輸省に対しては努力をしてもらいたいと我々は働きかけもしてきまして、鉄道側に対する働きかけもしてまいりました。エスカレーターもちょいちょいつき出しているんですけれどもね。 ただ問題は、こういう矛盾があるんですね。それは、鉄道側の方は改札口入った中のエスカレーターはやるんですね。しかし、全部都合よくはそうはいかないんですね、道路の構造その他からして。例えば近い例で見ますと、永田町の参議院のところの駅見ていただいたら、参議院の会館のところへ上がるのは、改札口出たらエスカレーターないんですね、中へ入ればあるんですけれども。これは非常に大きな矛盾なんですね。 大変恐縮ですが、これまた私の大阪の方で南海高野線というのが走っておりますが、大阪の地下鉄に乗って、なかもずという終点でおりますと、ここでおりて南海高野線へ乗りかえて河内長野とかあるいは和歌山へ行こうとしたときにどうなるかといいますと、階段百五十段上がらなきゃいけないんです。ようやくのこと大阪市営地下鉄の範囲については障害者用のエレベーターとエスカレーターがついているわけです。ところが、改札口出た後は地下通路ですからね。その地下通路というのは大阪府の道路の下ですから、管理者は大阪府なんですね。そこから上へ上がれば、今度は堺市の管理している道路や広場になるのです。そこから今度は南海の橋上駅へ上がらなきゃいけない。ですから、せっかく改札からホームまではエスカレ「ターがついておっても、その間というのはうまくいってないんですね。私は、これは運輸省の方に鉄道側へしっかりせいと言ってもらうこととともに、やはりこの場合、それぞれの自治体あるいは国の管理地であれば国も関係しますが、こういう公共用地などについての、これは鉄道側と協力した、やはり特段の努力というものが大事だと思うのです。私は、この点については建設大臣の方に、ぜひあなたにこれは頑張ってもらいたいと思うのですが、決意だけ伺っておきたいと思います。
○山崎国務大臣 建設省といたしましては、人に優しい道路づくりというのをキャッチフレーズにいたしておりますが、とりわけ障害者に優しい道路づくりを心がけてまいりたいと存じます。従来から道路行政におきましても、障害者の利用に配慮いたしまして、幅の広い歩道の整備、歩道の段差の切り下げ、歩道の視覚障害者用誘導用ブロックの設置、立体横断施設へのスロープや昇降装置の設置、電線類の地中化による電柱の撤去などを推進してまいったところでございます。さらに、平成三年度を初年度といたします第五次特定交通安全施設等整備事業五カ年計画におきまして、障害者等の利用にも配慮いたしまして、安全で快適な歩行空間の確保や、使いやすい立体横断施設、駐車場の整備など交通安全対策をなお一層推進してまいっているところでございます。 いろいろと具体的な例を挙げての御指摘でございましたが、これからも障害者の福祉のために、建設行政といたしましてもさらに一層真剣に取り組んでまいりたいと存じます。
○吉井(英)委員 特に昇降装置のお話もありました。これは本当にせっかく鉄道側が改札口から中つけたって生きてこないわけですから、ぜひ頑張っていただきたい。 最後に、この問題については文部省の学校基本調査報告書によりますと、九一年三月、養護学校高等部卒業生九千六百五十四人中、就職者三千三百九十九人、無業者五千八百九十二人となっているのです。大阪、これはまた大阪で申しわけないのですが、状況は非常にもっと厳しくて、卒業生千六十一人中、就職者二百八十一人の二六・五%、他が在宅あるいは無認可や認可の共同作業所ということになっていて、それだけに特に無認可の共同作業所の果たしている役割というのは非常に大事なわけです。先ほども少しお話ありましたが、ちょっとふやしたというお話ありましたけれども、現実には全国の地方自治体が二千七百九十六の作業所に昨年度補助を出しているのです。ところが国の方は八百五十八カ所でしょう。今度ふやして約千カ所になるといっても、まあ三分の一しかまだ及んでいないのですね。国連障害者の十年の最終の年に当たって、やはりこれだけ大事な役割を果たしている作業所については、来年少しふやすというお話はありましたけれども、一つは自治体が補助しているすべての無認可作業所に対して補助をするということと、運営補助金を実態に合わせて増額するということ、私はこのことこそ、就業機会の整備という総理の演説が本当に生きてくることだと思うのです。これについて簡単に厚生大臣から取り組む決意を伺っておきたいと思います。
○末次政府委員 いわゆる小規模作業所の補助につきましては定員、開所日数についての一定の要件を考えておりまして、定員で申し上げますと十人から十九人、開所日数五日以上に該当するものにつきまして、計画的に現在補助箇所をふやす方針で進めているところでございます。また、補助額につきましても、平成三年度に従来の八十万から九十万に増額いたしておりまして、今後ともこの要件に合うものにつきまして逐次補助をふやしていきたいというふうに考えております。
○吉井(英)委員 それがぼちぼちやっているということにしても、地方自治体の取り組みに比べて実態が全然合っておりませんよということを言っているわけでありますから、本当にこの障害者の十年の最終年の取り組みということを考えるならば、これは本気で本格的に取り組んでいただきたい、そのことを申し上げまして、次に基礎研究費の問題に移りたいと思います。 日本は経済力は世界第二ですが、それでいて大学の荒廃が今深刻な事態になっております。経団連の言葉を使うと、我が国の科学技術の危機だ、こういう言葉も使われておりますし、各種報告書などでも荒廃だ、危機だと本当にこのことが訴えられております。国大協の中間報告や第二中間報告などの中でも、これは、国立大学教官の多くは現在の教育研究環境の悪化に極めて強い危機感を抱いている、将来の研究水準の維持に悲観的な見通しを持たざるを得なくなっている。それから第二中間報告の方では、国立学校の独自収入を除いて、改めて公的負担による高等教育支出を算出してみるとGNP比で〇・四九%となり、アメリカ、イギリスの四割、フランスと比べても四分の三だ。本当に深刻な事態だということを今、これは国立大学協会の方が訴えておるわけでありますし、またこれは、大学財政懇談会の方では、大体こういうふうな事態はなぜ出てきたか、制度的な要因というのは、昭和五十七年以降の画一的に適用されてきたシーリングのやり方にある、ですから、このような制度が十年も続いたために国立大学は疲弊し、私立大学では私学助成の実質削減の結果学費の連続高騰を招いてしまった、まだ今なら取り返しかきくんだ、しかし現状のままなお数年続いたら、日本の大学は改革の絶好の機会を逃がしてしまい、世界の期待に背くことになるだろう、今決断の大事なときだ、シーリング枠を外してもらいたいという、これは大学財政懇談会の訴えてありますし、それから、国立大学協会の方からは、「こういう財政上の問題とともに、国立大学の教官に定員削減を導入することは、これは国策として矛盾を感じざるを得ない。」「教育研究支援要員これはサポーティングスタッフのことでありますが、「その協力も絶対不可欠であり、特にこれが削減されているのは深刻な事態だ。」こういう多くの指摘が行われております。また、これは三年前でありますが、実は日本学術会議の方でも、百七回総会決議として、内閣総理大臣に緊急提言が出されておりました。その援言の中では、これは、「大学等での研究を支える学術予算は抑制されてきており、この事態を見過ごしていては悔いを後世に残す」「大学等における学術研究予算を一般の予算要求基準の別枠と」してもらいたい。シーリング枠の撤廃。そして「研究上不可欠な研究者及び研究補助者の充実も長期間にわたって行われていない。」「国立学校特別会計予算、私大助成及び公立大学補助の各予算について格段の増額を図る必要があり、その際、特に研究設備の整備充実を図」られたい。 本当に悲痛な叫びがこの数年間大学関係者から上げられているんです。 まあ、この点では文部大臣はよく御存じのところだと思いますが、私は、そういうふうな事態になっていることについて、つまり、これが言われておりますように、シーリング枠の撤廃による研究予算の増額をしてほしいとか、教官の定員削減計画を廃止してサポーティングスタッフの増員などをやってほしいという強い要望、そして高等教育費の公費負担率が先進国の半分だというこの事実を示して、もっと増額してほしい、私学助成をやってほしいという、こういう深刻な事態にあるということについて、総理はまず御存じなのかどうか。今日の大学の危機と言われている実態をあなたは認識しておられるかどうか、総理の御認識を伺いたいと思います。
○鳩山国務大臣 お答えいたします。 総理は、既に国会答弁で二回ほど、今先生が御指摘のような問題点についてお答えになっておられます。と申しますのは、いわゆるこの財政再建あるいはシーリングというような制度のもとで教育とかあるいは学術の予算も同様の扱いを受けてきたことがそういう問題点を生んでいるように思うというような趣旨のことを御発言をしていただいて、私文部大臣としては大変心強く思っているところでございまして、先生お話にありましたように、これは国公私立を問わない大変大きな問題でございまして、従来、国会での文部省の答弁というものはまあ八割、九割がいわゆる初等中等教育局であると言われてきたわけで、もちろん義務教育、四十人学級、初任者研修、大変重要なテーマであるわけですけれども、まあここに至って最近では、いわゆる義務教育や初中教育にばかり目を向けておったんでは大変なんだ、日本の高等教育、大学教育あるいは国立の研究所等の研究費不足あるいは施設の老朽化というようなことは大変な問題になってきているわけでございまして、当然総理も十二分にその点をよく御存じでございまして、私どももお願いをしたり指示を仰いだりいたしているところでございます。 もう十分御承知のこととは思いますけれども、平成四年度の予算案ということで申し上げるならば、科研費については五十七億円増の六百四十六億円、いわゆるフェローシップ、日本学術振興会特別研究員制度は二百人増の千三百人、あるいは大学院を中心とする高度化推進特別経費五十億円、そして、先生何度もおっしゃいましたように、まあこれは国立大学のことでありますが、この老朽化対策ということで特別施設整備費、これは二百億という金額になっておりますが、これは御案内のように、特別施設整備資金というものをつくる、同時に国立学校財務センターをお認めをいただいて、そういう路線を軌道に乗せていきたい、そのような希望で現在の予算にも対応しているところでございます。 学術審議会では、二十一世紀を展望した学術研究の総合的推進方策ということで審議をいただいておりますし、科学技術会議、総理大臣が議長をお務めであられますが、これは科学技術庁長官の所管でありましょうけれども、研究費は倍にしなければならない、こういうことであります。 で、最後に申し上げたいことは、学術あるいは教育の分野での我が国の国際貢献ということが我が国の責任であろうと思いますし、また、世界からも期待をされているというところだろうと考えるわけで、そのためには留学生がもっともっと日本の大学に喜んでやってくるような、そういう高等教育にしなければならないわけでありますが、先般、私、シンガポールとかオーストラリアとか行ってまいりましたが、そういう国々はヨーロッパやアメリカとのつき合いが大変長くて深いわけですから、日本よりも設備がいいのはヨーロッパだろう、アメリカだろうということで、優秀な学生がなかなか日本に留学生としてやってこない、こういうようなことでは国際貢献も十二分にできないという危機感を抱いております。
○吉井(英)委員 まあ、日本の事態がどれだけ深刻かということでありますから。 それで、実はその深刻な事態については、これは経団連の方も、「我が国の科学技術の土台というべき大学や国立試験研究機関の教育環境、研究環境はますます劣悪化し、今その足元が崩れ始めている。」そういうこれは報告も出しておりますし、既存の国立大学の問題は、先ほど触れたとおり。そして、国立試験研究機関の研究環境の劣悪化についても、これは経団連の方でも、深刻な事態だと。それから技術同友会の方でも、多くの大学の施設は荒廃しておると。本当に深刻な事態だということを経済界も言っておるし、それから春野さんという、これは各省庁直轄研究所の連絡協議会の代表幹事の方、これは国立研究機関は人、金とも危機的状況にあると。ですから、大学も国立試験研究機関も今や深刻だというのが大方の共通の認識であり、今文部大臣、長いお話ありましたが、いずれにしろ、要するにあなたに一番大事なところは、深刻だということを認識しておってもらえばいいわけでありますから、シンガポールまで話が飛びましたが、とりあえず日本へ戻して、それで、私は、これらの各報告等で言われている大事な一つは、これは経団連にしても、それから国立大学協会の関係者にしても、シーリング枠を取り払ってもらいたいと具体的に言っているんですね。それから、日本の研究費をGNPの〇・五%から一%へ五年間で先進国並みに二倍にしてもらいたい、この具体的な二つのことについて、私、これは、総理に深刻な事態を認識してもらったんだから、じゃどうするかということで具体的に提起されているこの二つについてどうするか、伺いたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 シーリングというものは長年にわたって財政再建のために非常にいい、立派な働きをしてまいりましたけれども、長いことやっておりますとそれなりの弊害も出てまいります。一番大きなデメリットが文教関係に出ているという、そういう意味では、御指摘の点、私も同じ意識を持って実はおりました。それで、今年度の予算編成に先んじまして、国会でもそういうことを一、二度申し上げたことがございました。で、大蔵大臣と文部大臣といろいろ御相談願いまして、今お話しの、国立施設特別整備費のような、いわばこれは、シーリングそのものをやめたのではございませんけれども、そういうシーリングはシーリングとして、しかしどうしてもこのまま放置できないと思うものについて特別の措置を講じることにいたしましたわけで、平成四年度そのものに急に大きな金額というわけではありませんけれども、これはそういう仕組みをつくりましたものですから、これからおっしゃるような問題に、こいう形で対応していけるであろうというふうに考えますし、また、ぜひそういたしたいと思っております。
○吉井(英)委員 もう一つ、GNP比の研究費を二倍にするという、こういう提起があって、私はこれについては、例えば具体的に積算校費、科学研究費補助金を二倍にふやす、五年間なら五年間で二倍にふやすという、この具体的な目標値を示していただきたいというふうに思うのです。どうですか。
○宮澤内閣総理大臣 それはやはり積み上げの努力をしていくということが実際的ではないかと思います。
○吉井(英)委員 積み上げの努力というお話なんですが、これは結局財政がネックになっているのですか。私は、これだけ深刻だという、総理も文部大臣も私もこの点は、深刻だというのは共通の認識だと思うのです。そして、これらの訴えは、やはり五年間で二倍ぐらいに研究費を本当にふやしてもらわないともうどうにもいかないところへ来ているという訴えなんですよ。深刻なんですよ。そうなれば、具体的に、じゃ積算校費なり科研費補助金などを二倍に五年間でふやしましょうという具体的な目標値をやはり示してもらわないと、これは進まないと思うのですよ。
○鳩山国務大臣 例えばGNP比で計算する場合とか、あるいは国全体の学術研究の費用を公的機関と民間との比がどうであるかとか、そういうようないろんな観点から考えることができると思っておりますけれども、私率直に申し上げて、例えば私学助成を考えますと、私学助成の額は少しずつふやしてきていますね。(吉井(英)委員「いやいや、積算校費とか科研費補助とか、具体的に今言ったことを聞いているのです」と呼ぶ)ええ、ですが、例えば私学助成の実際の経常経費に対する補助率というものは、かつて三割近くまで上ったものが今は一三%ぐらいしかないというような状況にありますね。ですから、今までと同じような、正直言って、予算編成の仕組みの中ですべてが動いていくとなかなかその具体的な目標数字を示すのは厳しいということを私は認識いたしておりますから、まあ各方面にお願いをしなければならないというふうに考えています。
○吉井(英)委員 ちょっと大蔵大臣に伺っておきたいのですが、総理にしても文部大臣にしてもなかなか具体的数値は難しいようなんですが、つまるところは財政ですか。つまるところは、各方面は、五年間なら五年間で二倍に研究費をふやさなきゃもう日本の科学技術は足元から崩れるという深刻な訴えがあるわけですね。しかしどうも、具体的に予算措置で目標数値を示してもらえるかとなるとなかなかはっきり言っていただけないのは、つまるところどうも、大蔵大臣のあたりでちゃんとしてもらえないですか。
○羽田国務大臣 確かに、文教関係者あるいは科学技術関係者、こういう皆様方からも科学技術研究費、こういったものを非常に高くという要請があること、私も直接実はお話を伺っております。ただやはり、めり張りをどこでつけていくのか。これは、皆様の方から御要請のあるものにつきましても、この部分は削ってよろしいですよというのはほとんど余りないわけですよね。そういう中で私どもとしてはどこを——いや、防衛の問題をよく言われますけれども、それ以外の問題についてはほとんどお話がないという現状であります。しかし、科学技術振興につきましては、厳しい予算の中で、全体が二・幾つという中にありましても、この問題につきましては八%、前進をさせておるということで、私どもとしてはやはりめり張りをつけた、また、そういった問題について文部省あるいは科学技術庁ともお話をしてきたということも申し上げることができると思います。
○吉井(英)委員 要するに、財政がなかなか厳しい中でやりくりしているというお話なんですが、実はこれは、積算校費にしても単価での伸びは一・一%なんですね。旅費の単価の伸びはゼロなんですね。だから、実質的には本当に今深刻な事態だという訴えのとおりの事態はまだ続いているのですよ。 そういうことを踏まえて考えていただきたいと思うわけでありますが、一方、そういう財政が厳しいという中で、科学技術会議の十八号答申については、メガサイエンスについての国際協力について、「我が国はこ「主体性を持ってメガサイエンスに取り組むことが必要である。これを推進する際には、他の研究開発活動を圧迫することのないよう配慮することが必要であり、個々のプロジェクトごとに、国内外の研究者・技術者の間での議論、国内の研究実績等を踏まえつつ、我が国としての取組み方を検討する。」と書いております。 これはもちろん、さっきもありましたように、科学技術会議の宮澤議長が宮澤総理に答申されたものでありますから、これはまあ総理はよく御存じの話であります。メガサイエンスについての国際協力もそうなんですが、我が国の中でもビッグサイエンスは、たくさんプロジェクトありますが、実際に学術会議であったりいろんな機関で検討して、随分時間をかけてやってきているわけでありますが、私は、この際、総理がメガサイエンスについての国際協力のあり方についてはこの答申の立場でいかれるんですねということだけ、これは総理の立場を伺っておきたいと思います。
○宮澤内閣総理大臣 基本的な考え方を答申が示されたものというふうに考えております。
○吉井(英)委員 ところで、SSCについては、アメリカの研究者の中でも賛成は今三%、日本の科学者の中でも同意は得られていない。賛成の方も個人的におられます、反対の方もおられます。私は、賛成、反対の論文、随分読みました。しかし、問題は、現在SSCについて日本の国内で、例えばトリスタンや大型ハドロン計画を進めるに当たってやってきたような、どんな機関における正式な検討も協議も行われていないというのが現状ですね。 科学技術庁長官、あなたは就任のときの記者会見それから科学技術委員会での私の質問に対する答弁でも、SSCについては金を出すことは困難だ、こういうことを答弁してこられましたが、会議録も持ってきておりますが、それはそのとおりですね。
○谷川国務大臣 お答えいたします。 正確には忘れましたが、御案内のとおり、先般の日米首脳会談の東京宣言におきまして、この問題につきましては別途ワーキンググループ、作業部会をつくりまして……(吉井(英)委員「いや、この間の答弁を聞いています」と呼ぶ)はい、そういうことを言ったかもしれませんが、その後はこうなっておりますからということを申し上げておるので。東京宣言で、別途作業部会をつくって、国際プロジェクトとしてどういうふうに乗っていくか等も含めて検討しようということになりました。 私、そのときも申し上げたと思いますが、建設費もまだ不同でございます、それから運転費とか維持費も相当巨額にかかりますし、それから我が国のさっきからお話があっております基礎研究にも、それから日本の科学技術をもちましての国際研究にも、貢献にも大変これから予算がかさむときでございますので、そういうことも考えて、どういうふうに協力していけるか作業部会で検討することになると思います。別途科学技術会議におきましても、学術的、専門的見地からSSCの問題を議論しましょうということになっていることもつけ加えます。
○吉井(英)委員 ワーキンググループの話を聞いているんじゃないのです。この間の科学技術委員会、あなたの就任のときの記者会見では、SSCへは金は出せないんだと言っておられたんですよね。だから、そういうふうに言われましたねということを聞きましたので、言ったことは言ったとだけ言っていただいたらいいのです。そこから先の話は、これは私は総理と今からやろうと思っているのです。 それで、アメリカの研究者の中でも賛成は三%という状態なんです、アメリカの科学者のアンケートで。日本の科学者の中でも、さっき言いましたように、いろんな意見がある。そして、具体的な手続としてはまだ何にもしてないわけでしょう。しかし総理は、ブッシュ大統領がやってきて言われたら、二千億円の財政負担の約束、これから作業部会で検討しましょうというお話なんですね。もともと、担当の大臣は去年の秋には反対だと言っておられた。なぜアメリカの大統領がやってきて賛成に変わって、進めていこうかということについては、何か総理としてこれはSSCについて評価をした基準があるはずだと思うのですね。一体SSC計画への参加とか費用負担を決める上で、日本学術会議の物理学研究連絡委員会とか日本学術会議の運営審議会とか文部省学術審議会特定研究領域推進分科会加速器科学部会など、どんな機関で検討をされたのか、これを伺いたいと思います。
○長谷川政府委員 お答えいたします。 SSCの問題につきましては、文部省の方は学術審議会の先ほど御指摘ございました加速器科学部会でその学術的意義等について議論をいたしております。 学術会議の方は、これは研究者の自主的な機関でございまして、学術会議の方は、学術会議としてSSCの意義、またそれに参加するについては国内の種々の研究基盤に充てられる研究費を損なうことのないように配慮していかなければならないという立場の表明がございまして、そういう点は、これは日米会談に先立ちまして総理の方に学術会議の会長の方から話があったというぐあいに聞いております。 そういう意味で、現在まであの日米会談の前にも研究者の間で相当議論されたということは事実でございます。
○吉井(英)委員 だから、あなたがおっしゃったようにいろいろな議論はあった、それは私も聞いております。ただ、どんな機関でも全く正式に検討して決まったものはないということですよ。SSCについて、これまで日本のトリスタンにしても大型ハドロン計画にしてもきちっと手続を踏んできて進めておるんですよ、今回は何にもないじゃないですか。担当大臣は反対だと去年の秋言っておった。しかし、外国の大統領が来たならば、それで何にも検討もなしにほいほい二千億円と、しかもこれは運転が始まったらもっと金がかかるんですよ。 この計画がうまくいくかどうかということについては、私は大事な教訓を日本は持っておると思うのですよ。それは宇宙基地計画ですよ。あの宇宙基地計画のときには、あれはアメリカの方で計画が示されて決まって、日本が分担金を求められて始まったわけですね。八九年の六月、参議院の外務委員会ではこの宇宙協力協定の外交文書の批准、強行採決をやったじゃありませんか。私はその場におりましたよ。何とむちゃなことをやるかと思ってびっくりしましたよ。ところが、アメリカ議会はまだこれ批准してないでしょう。カナダもフランスもイギリスもイタリアも批准してないじゃないですか。しかも昨年のアメリカの下院の歳出小委員会ではNASAの予算の削減と宇宙基地計画の中止という勧告が決議されている。アメリカの都合によって、SSCも同様ですよ、どうなるかわからない。科学技術庁は四百億金を組んで、使ってきて、今度二百八十二億の予算を来年度組んでいますね。しかし、こういうことをやって、この宇宙基地計画自身がもう既に当初予定よりずっとおくれるということははっきりしておるのですよ。これは科学技術庁も報告しておられますよ。予算の凍結、計画見直しから中止もあり得るという事態でしょう、今アメリカの方で。同様に、国際的なCERNのようなああいう国際共同研究の機関じゃなくて、アメリカの国立の研究所に日本が金を出す。アメリカの都合でどうなるかわからない。こんな余りにも乱暴なやり方についてどんどん二千億の金を出そうという、こういう無謀なやり方は改めて、私は改めて今専門の関係機関、学者の皆さんの意見を聞いて進めるべきである、この意見を申し述べまして質問を終わりたいと思います。
○山村委員長 この際、藤田スミ君から関連質疑の申し出があります。吉井君の持ち時間の範囲内でこれを許します。藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 関連質問をさせていただきましてありがとうございます。 まず最初に、総理にお伺いいたします。 総理は、一月九日の日米首脳会談における東京宣言と行動計画において、米の完全自由化となる例外なき関税化を打ち出したドンケル合意案について高く評価をされ、そして「ウルグアイ・ラウンドを幅広い分野にわたり成功裡に妥結させるために必要な決定を行う。」ことに合意をされたわけであります。総理はそのときブッシュ大統領に、国会決議の趣旨を体して例外なき関税化は受け入れられない、米の輸入自由化は部分的なものであっても受けられないという主張をされたのでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 我が国のこれについてのいろいろな問題については、ブッシュ大統領にもよくお話をいたしました。
○藤田(ス)委員 それならばなおさらおかしいのです。総理、ドンケル最終合意案は、日本にとって致命的な米の完全自由化となる例外なき関税化を盛り込んでいるということは言うまでもないことであります。そして、その考え方は国会決議と明白に反するものじゃありませんか。それを知りながらあえて「ウルグアイ・ラウンドを成功裡の妥結に導くための弾みをつける重要な一歩である」と評価を下すことは、国民からすれば例外なき関税化を評価し、それを受け入れることを前提にしていると言わざるを得ないものであります。それとも総理、行動計画の考え方は国会決議に反しない、そういうふうに考えていらっしゃるのでしょうか。
○宮澤内閣総理大臣 ブッシュ大統領とはおのおのの経済問題について自由にいろいろお話をいたしましたから、この問題についての国内のいろいろな問題もお話しいたしましたが、もともとこれは二国間で決めることではないのでございまして、多国間の交渉でございますから、そこのところはひとつお間違いのないようにお願いいたしたいと思いますが、いろいろな状況についての意見交換はいたしました。しかし、問題は、これは多国間で決めることであって、二国間の問題ではございません。
○藤田(ス)委員 私は、行動計画の考え方は国会決議に反しないと思っていらっしゃるのかどうかということをお伺いしているわけです。
○宮澤内閣総理大臣 反しないと思っております。
○藤田(ス)委員 それなら、ずばりお伺いいたしますが、総理、米の完全自由化となる例外なき関税化が盛り込まれた合意案については、どのような状況であろうと日本としては受けないと明確に言っていただけますか。——総理にお伺いしているわけです。
○田名部国務大臣 もうかねてからたびたび申し上げておりますように、我が国の立場というものを理解を求めるように今交渉中であります。何としても国会決議というものも十分尊重して、輸入国の立場というものをわかっていただきたいということで今一生懸命交渉中でありますから、最善の努力をさせていただきたいと思います。
○藤田(ス)委員 交渉中であることはよくわかっているのです。だからどのような状況であろうと日本としては受けないと総理として明確に言っていただけるかどうかということをお伺いしているわけです。
○宮澤内閣総理大臣 行動計画を御引用でございましたから、これにも書いてございますように、ダンケル提案は当然のことながら最終テキストではないということが書いてございます。
○藤田(ス)委員 最終提案ではない、だからダンケル提案の中で我が国としては米の輸入自由化については例外なき関税化、これを受け入れることはできない、その断固とした御意思をお持ちですか、もう一度はっきりおっしゃってください。
○宮澤内閣総理大臣 ただいま農水大臣から答えられたとおりでございます。
○藤田(ス)委員 内閣法制局は二十日に、関税化と食管法が両立しないということで法制局長官が、数量管理という考え方でできております現在の食管法となじみにくい点があることは事実だろうと思います、こういうふうに、関税化受け入れのためには食管法の改正が必要だという見解を示されたわけでありますが、間違いございませんね。
○工藤政府委員 お答えいたします。 先日、二月の二十日に当委員会におきまして私は御質問にお答えしまして、お答えしましたところをかいつまんで申し上げれば、まず第一に、現在、今御質疑ございますウルグアイ・ラウンドの交渉、これ自身が継続中であるということ、関税化という内容それ自身も不明確である、そういう前提から申し上げまして結論を断定的に申し上げかねる、これは御理解いただけるもの、こういうことをまず申し上げました上で、現在の食管法を見ました場合に、その一条にございます「目的」とかあるいは二条ノ二にございます「基本計画」、こういうものと現在の輸出入の許可といったようなものが連関の上で成り立っております。そういう観点から慎重に検討しなければならないし、数量管理という考え方でできております現在の食管法となかなかなじみにくい点があることは事実だろうと思います。そういう意味で、断定的には申し上げられないということを前置きした上でそのように申し上げたところでございます。
○藤田(ス)委員 しかし、結局食管法を改正しなければ関税化は受け入れられないわけです。先日発表されました全国農政協の調査でも関税化拒否に賛成署名をされた国会議員は衆参合わせて九割に上る、こういうふうに報告されています。食管法改正については各党とも反対しておりますから、その実現は不可能であります。 そこで、渡辺外務大臣にお伺いをいたします。 私はきょうここに渡辺外務大臣の選挙公報を持ってまいりました。覚えていらっしゃると思いますが、「わが国農業を守るため、米の輸入自由化を阻止します。」極めて明確に述べていらっしゃる。選挙公約というのは民主主義の基本でおります。しかし、大臣のお正月以降の発言は、例外なき関税化を受け入れる発言一色でなかったでしょうか。一月十九日の長野での講演を聞いておりましても、米を一粒たりとも入れないというのは通用しない、部分開放か関税化が焦点だと言っていらっしゃる。私は、外務大臣としてこのような選挙公約を踏みにじるような発言は恥ずかしいことではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○渡辺(美)国務大臣 努力をしてきておるところでございます。
○藤田(ス)委員 何の努力ですか。
○渡辺(美)国務大臣 公約が守れるように努力をしてまいりました。
○藤田(ス)委員 随分ここでおっしゃることとここから外へ出て行かれたときの発言は違うのですよ。外務大臣のおっしゃる選挙公約とはこんないいかげんなものか、あなたの地元の皆さんはきっとそう思っていらっしゃる。私もそう思いますよ。 総理にお伺いいたしますが、今宮城の参議院選挙が行われています。補欠選挙です。そこで自由民主党がどういう公約を掲げていらっしゃるか。米についておっしゃってください。
○渡辺(美)国務大臣 私の公約は、米のいわゆる完全な自由化、そういうものはしないということを言ってきたのです。
○藤田(ス)委員 私の質問に答えてください。宮城の選挙です。
○宮澤内閣総理大臣 自由民主党の公約を申しておると思います。
○藤田(ス)委員 あなたは、この国会が始まるまで外務大臣とまるで二人でかけ声をかけ合うようにいろいろおっしゃってこられた。農民に迷惑をかけないようにするにはどうしたらいいか、そういうようなことを言ってこられた。一つの世論誘導です。だから声に出してはっきり言えないのでしょう。私は読み上げますが、「ウルグアイ・ラウンドの交渉の場において、米の自由化を断固阻止します。」これは自由民主党の法定ビラです。参議院候補の公約であります。どうですか。守っていただけますか。
○宮澤内閣総理大臣 自由民主党は公約を守るために必死に努力をする党であります。
○藤田(ス)委員 本当に禅問答なんですよ。私、フランスの外務大臣の発言を聞いて、本当にこういうふうに日本語で言ってもらいたいものだと思いました。フランスの外務大臣はこうおっしゃったのです。交渉の失敗がもたらす結果を大げさに考えるべきではない、悪い協定なら何も合意しない方が草しだ、ECの農産物輸出の減少を招くような合意は受けられない。これならだれだって庶民もわかるでしょう。わかる言葉で言ってほしいと言っているわけであります。 それでは、もう一度渡辺外務大臣にお伺いいたしますが、外務大臣は、例外なき関税化は逃げられないという話もある、仮に六〇〇%の関税率で始めて、七年間で関税率を一五%削減しても、八年目にはなお五一〇%の関税率が残り、まずい米は日本に入ってこない、一月三日の宇都宮の後援会の会合でそういう見解を発表されました。関税化をしても日本に米が入ってこないという大臣の根拠はどういうものなんでしょうか、明らかにしてください。
○渡辺(美)国務大臣 私はある試算を解説をしただけてあります。
○藤田(ス)委員 だから、その試算は何を根拠に示されたのかということをお伺いしているのです。
○渡辺(美)国務大臣 それは、現在の米の価格格差等を基礎にして概算をした解説をしたわけです。
○藤田(ス)委員 外務大臣の言われるように、日本の米と格差のない高関税化をした場合に、まずい米は入ってこないとおっしゃる。私の方は、一体本当に米は入らないかという試算をいたしました。 委員長にお願いしておりますが、資料の配付をお願いいたします。 今回のダンケル最終合意案は、ミニマムアクセスとして初年度三%、九九年度には五%の外国産米が超低率関税で輸入されることになります。日本の数分の一、私の計算では七分の一から九分の一というふうにしておりますが、その値段のミニマムアクセスの米に日本の米と同価格の高関税率の米をブレンドすればどうでしょう。いわゆる抱き合わせ販売で、これはちなみに政府買い入れ価格の七〇%の価格、十キロ千四百七十円を設定したとして、九九年度にはアメリカ米で二百三十五万トン、タイ米で二百五十二万トンの輸入が行われるわけであります。大量の米を、国内産より相当安い価格で売り込めば、これだけの米が入ってくるということになるわけであります。 実は、私は農林水産委員会におきましてこの試算を明らかにし、そして京谷食糧庁長官は、「確かに、一定の前提を置いていろいろな計算をすれば計算結果として一定の数値が出てくるということはそのとおりでございまして、先生の試算値、前提の是非云々は別として、計算すればこういう結果になることは事実であろうかと思います。」「関税化というふうな、数量規制のない状態での体制を考えた場合に、相当量の輸入が予想され、そのことが我が国の国内米市場における需給なり価格について大変大きな撹乱要素になり得るという可能性については私どもも大変懸念をしておる」ところでございます、こういうふうに答えられました。きょうは、この御答弁をされた京谷食糧庁長官から、もう一度確認をしておきたいと思います。
○京谷政府委員 ただいまお話のございました、去る一月十日の農林水産委員会でただいま先生御提出の試算、私も拝見をいたしております。これに対する評価について見解を述べよという御質問に対して、さような答弁をしたことは事実でございます。今日も同様の考え方でございますが、いずれにいたしましても、置かれている、先生のこの試算の前提になっている事柄について、御承知のとおり我々としては関税化は受け入れがたいという主張を現在しておりますし、また、ダンケル・ペーパーに示されております関税化の概念自体もまだ不明確な点が多々残っておるわけでございまして、そういう状況下で計算された数値の評価そのものについては、私どもはコメントをしがたい状況にあることをひとつ御了解をいただきたいと思います。
○藤田(ス)委員 京谷長官は今いろいろおっしゃいました、遠慮されて、その交渉中なので云々というようなこともおっしゃいましたけれども、私が今読み上げた答弁については確認をすることができた、そういうふうに思うわけであります。 宮澤総理、二百五十万トンもの米というのが輸入されるということは、改めて言うまでもなく、生産量の二五%に上る輸入量であります。農林水産省がかつてこういう試算を出しました。米の生産額が三〇%減少した場合の影響として、全国の総生産額が四兆八千九百九十億円も減少し、製造業からサービス部門まで全産業で百二十三万人の雇用が減少する、こういう試算を発表されたことがあります。それだけではなく、例外なき関税化では、米だけではありません、乳製品、でん粉も自由化され、地域農業は壊滅に等しい打撃を受けることは言うまでもありません。今食糧の自給率がカロリーベースで四七%に落ち込んでおりますが、それを五一%に引き上げるというのが政府の方針であります。しかし、逆に四〇%、さらに割ってしまうことも必至であります。私は総理の御認識をお伺いしたいのです、この農水省の試算について。私の試算じゃありません。農水省の、三〇%生産額が減少したときのこの試算について総理は一体どう認識していらっしゃるか、お伺いしたいのです。私の試算じゃないのです。
○宮澤内閣総理大臣 これ、急にいただきましてもよくわかりませんので、また後で説明を聞いておきます。
○藤田(ス)委員 総理、私の質問よく聞いてください。総理、御存じじゃないはずはない、知らないはずはない、私はそう思うのです。農水省が、生産額が三〇%減少した場合の影響、そういうものをかって出されたことがある。そのときにどうなるか。総生産額が四兆八千九百九十億円、そして全産業で百二十三万人の雇用の喪失が出てくる、つまり失業者が出てくるという試算をされたことがある。今関税化するかどうか一生懸命考えていらっしゃるのだったら、この試算ぐらい御存じでしょう。そのことについてどうお考えなのかということを聞いているのです。——私は総理に聞きたいのです。中身は聞きたくないのです。
○馬場政府委員 今先生がおっしゃられました試算というのは、私ども内部の検討の資料として、国内の米生産が三割減少した場合にはどういう影響があるかということを試算したものでございまして、大変恐縮でございますが、総理大臣まで御説明するような内容のものでございませんので、御了解いただきたいと思います。
○藤田(ス)委員 内部であろうとこの資料が、試算が発表されたときには各紙にそれが載せられましたから、およそ政治に関心のある者ならこの試算は明確に覚えているはずであります。まして、総理にまでなられるあなたじゃありませんか。そんなものなんですか。私はこの試算を見ましたときに、これは大変だ、米の自由化は絶対認めてはならない、そのことを痛切に思ったのです。私は、あなたのその態度を見ても大変、正直なところ心配であります。 もう一度、最後にお伺いをいたします。 米の三度にわたる国会決議は、言うまでもなく米の部分自由化さえも認めないものであります。もしそれを踏みにじって例外なき関税化を受け入れるなら、内閣総辞職があるいは解散を行うべきでありましょう。私は、国会決議を守るのかどうかということを明確にお答えいただきたいわけであります。総理です。
○田名部国務大臣 もう再三申し上げておりますように、当面私が監督でありますから、監督にお任せをいただいて、今精力的に交渉いたしておるわけであります。 先生のその試算、まあいろいろな数字は出てまいりますが、どこを基準に置くかということによっては答えなんというのは幾通りも出てくるのです。卓上の計算のとおりにいくかどうかということも、それはやってみなければわからぬことですから、私はやる気がないのですから、そのために努力しているのですから、そのことをまず御理解いただいて、全力を挙げて今交渉中でありますから、余り取り上げてわあわあやられることがかえって日本の立場というものが、何か国内がいろいろな反対と賛成があって、このことが一々英語の新聞やフランス語やドイツ語になるわけでありますから、余り騒ぐことの方が 国民が一体となって今国を挙げて取り組む、この姿勢こそが勝利の道だ。これは、オリンピックは終わりましたけれども、一生懸命監督、選手が一体になってやるということの方が私は大事だ、こう思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。
○藤田(ス)委員 そういうふうなお言葉は、そっくりそのままこれまでの外務大臣と総理大臣にお返しいたしましょう。余計なことは言わないで、一生懸命交渉している、国会では三度の決議をしている、国民は自由化をしないでほしいと言っている、その願いにこたえるために邁進してもらいたいものだ、そういうふうに私の方からお返しをして、次の問題に入りたいと思います。 次に、同じくガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉の中の検疫・衛生分野の問題についてお伺いをしたいわけであります。 私ども、ドンケル最終合意案の農業交渉パートC、衛生・防疫措置の適用に関する締約諸国の決定という英文をいただきましたのを私たちで翻訳してみました。これが全文ですが、全部で四十六項目があります。この中には、随分いろいろなことが書かれておりますけれども、大きく言えば二つの原則がうたわれているわけであります。一つは、ハーモナイゼーションと言われる食品安全基準などの国際基準への調和の原則、もう一つは、同等性の原則と言われる輸出国の衛生・防疫措置の輸入国の受け入れの原則であります。この二つの原則は、日本の食品安全行政を無理やり国際化、緩和化させる内容を持っている、私たちはそういうふうに見ております。 そのうちのハーモナイゼーション、つまり調和化の原則の問題ですが、食品安全基準の国際基準への調和、この国際基準というのは、FAO、WHOのもとにあるコーデックス委員会、つまり食品規格委員会がこれまで制定してきた食品規格を指す、こういうふうに言われております。そのコーデックス委員会というのは、WHOの中嶋宏事務総長の文章によりますと、食品産業の奨励のための国際的な機構、こういうふうにおっしゃっておいでであります。あわせて中嶋事務総長は、コーデックス委員会のつくる基準は非関税障壁を除去して、そして国際貿易を促進するためにあるのだ、こういうこともまた言っていらっしゃるわけであります。 そこで委員長、私は「驚くべきコーデックス食品規格の残留農薬基準概要」というのをつくってまいりましたので、皆さんにそれを配っていただきたいと思います。 私どもの調査では、残留農薬基準の、このコーデックスの決めましたそれは、ずっとここに解説を書いておりますので余り詳しくは言いませんけれども、日本では危険農業として使用禁止した上、食品衛生法上も検出せずの扱いになっている。これは生物に濃縮する、そういう濃縮度の大変高いものでありますから、そういう扱いをしているディルドリンとエンドリン、これも使用を前提とした残留基準で設定しているのがコーデックスの食品規格であります。 それから二番目は、日本の残留農薬基準との比較を行いました。およそ二倍から十五倍の大変緩いものであります。 次をめくっていただきましたら、これは消費者運動をしている人はだれでも関心あるんですが、クロルデンというのがあります。これは特定化学物質の指定を受けましてすべての用途の使用を禁止しているんです、日本では。ところが、ちゃんと残留基準を持っている。それから、下の方に二・四・五T、これはベトナム戦争の際の枯れ葉剤、ダイオキシンを含有するということで日本では農業登録を無効にいたしました。 それから、環境庁は登録保留基準というのをつくっております、農業の。ところが、それと比較をしていきましたら二倍から百倍、これがコーデックスの残留農薬基準なんです。とても調和できるものではありません。しかも、今回のこの決定案は、これはその代物も調和をせよ、調和をすることを求めているんじゃありませんか。 あわせてお伺いをいたしますが、七二年の食品衛生法の改正されましたときの附帯決議、食品添加物については、極力抑制すること、こういうことになっているわけですが、この附帯決議の原則と国際基準との調和という考え方は抵触しないと考えていらっしゃるのかどうか、お伺いをいたします。
○山下国務大臣 大変詳しい資料をちょうだいいたしましたけれども、たった今拝見してこれ全部について私がお答えできるような、そういうことはできないのでありますが、しかし、この中に、やはりディルドリンとかエンドリンというものは日本においてはこれはゼロでなきゃならぬというものが国際基準によってはある程度の許容量があるということで、それぞれまちまちでございますから、その点はひとつ御理解いただきたいと思います。 やっぱり国によって食生活も違いますし摂取量もいろいろ違います。したがって、全部世界じゅうが一つの基準によって危険度をはかるわけにはまいりません。日本は国際基準よりも緩やかなものは一つもございません。国際基準に合わせて大体つくっておりますが、それよりもまだ厳しいものもございまして、食生活上心配するものは、そういう基準は一つもつくっていないと私どもは思っております。
○藤田(ス)委員 私は、国によって違うのは当然だと思いますし、日本がその厳しい基準を設定しているということも承知をしておりますが、にもかかわらず今回こういうふうな調和化の原則というものが出てきた。そして、この調和化の原則というものが出てきたときに、これまでのスタンスが大変困難になるんじゃないかということで、この問題を取り上げているわけであります。 しかも、現に厚生省は今行っている三十四品目の残留農薬基準の策定に対して、私どもがコーデックスの残留農薬基準との比較を行ってまいりましたら、そのうちの、三十四品目の中の十三品目まではコーデックスの残留農薬基準をそのまま使っている、これは間違いありませんね。
○玉木政府委員 お答えいたします。 今回公表した基準値案のうち、コーデックスによる基準値と同じ基準値の農業は、一部の農産物につき同一のものを含め三十品目となっております。そのうち、FAO、WHOの基準値すべてに合致している農業は二十八農業で、一部合致している農業は二農業であります。残余の四農業につきましては、FAO、WHOの基準値が存在いたしておりません。二農業についてFAO、WHOの基準値を一部採用しなかった理由は、ADIの見地から見てそのまま採用すると安全確保が図れないおそれがあるためでございます。 以上でございます。
○藤田(ス)委員 今の御答弁は、私が比較をしたら三十四品目のうち十三品目はコーデックスの基準を使っていらっしゃった、そういうふうに理解をしていいですね。そのこと自身は間違っていないですね。
○玉木政府委員 ただいま三十品目についてコーデックスと同一であるということを申し上げました。
○藤田(ス)委員 要するに、政府はもうハーモナイゼーションを先取りして言っているんです。だから私は、何でもないんだ、これまでの政府の、日本の国のやり方でいくんだ、そういう言い方は国民を欺くんじゃないかというふうに思うのです。今、FAO、WHOにおける安全評価が終了してA(1)ランクに分類されているもののうち、日本が食品添加物として認めていないものは百三十六品目あるとされています。今回のガット・ドンケル提案が成立するなら、アメリカを初め諸外国が日本に対して食品添加物の認可要求を出してくることは、これはもう必至であります。また、そのためにわざわざその調和化を促進せよということで監視をする、奨励をする衛生・防疫委員会というのも、この決定の中を読みますと、設けられることになっておりますから大変厳しい状態になるのです。そうなれば当然、これらの日本がまだ認めていない百三十六品目もの食品添加物については、調和化の原則のもとで日本の食品添加物として取り込んでいくことになるんじゃありませんか。 もう一つあわせてお伺いをいたしますが、日本の場合は、天然添加物については一部のものを除いて食品衛生法の規制の対象にはしておりません。この天然添加物についても国際基準での受け入れということになれば、FAO、WHOや欧米各国では食品添加物ということになっておりますから、当然それを受けて、食品衛生法の改正にまで至るんじゃありませんか。この点についてのお考えをお聞かせください。
○玉木政府委員 お答え申し上げます。 食品添加物の関係では、国際機関で評価が終了し安全とされている食品添加物であっても、食品衛生調査会の意見を聞きまして、個別の添加物ごとにその安全性、有用性並びに日本の食生活において必要性を検討しまして、これらが認められるものに限って指定を行うという考え方に立っております。天然添加物については、指定制はございません。
○藤田(ス)委員 もし本当にそういうことをまじめに考えていらっしゃるとしたら、私はこの決定、ドンケル案はとても受けられないというふうに思いますし、またこれを見てそういうふうにおっしゃっていらっしゃるとしたら、あなた方の見方はとても甘いとしか言いようがないわけであります。 これはもう有名な話ですが、八二年の秋にアメリカ政府は日本が認めていないA(1)リストをアメリカ通商代表部のロン・エーブルソンに持たせて、これが輸入規制の一つなんだということで日本にその認可を求めてきました。これをきっかけにして、日本は八三年に十一品目の食品添加物認可になっていったわけでありますが、このようにアメリカを初めとする諸外国の食品添加物数の拡大要求は極めて大きい。そのことは、港で検査を受けて、そしてノーだと言われているそのものの中、食品衛生法違反だと言われているものの中に、その日本で指定されていない食品添加物あるいは日本の食品添加物の基準よりも緩いものがたくさん入っている。だから当然こういうふうに調和化の原則を受け入れたら、これは日本は受け入れていかなければならなくなる。こういうことはもうはっきりしています。それでもあなた方はそれを否定されるのでしょうか。 もう一つ、第二の原則である同等性です。これは私、原文をここで読みましょう。パラグラフ十四にこう書いてあります。「もし輸出国たる締約国が輸入国たる締約国にたいし、自国の措置によって、輸入国たる締約国における衛生・防疫保護の適当な水準が達成されることを客観的に立証するならば、その措置を同等な措置として受け入れるべきである。」輸入国は輸出国のその検疫・衛生水準を受け入れるべきである、そういうことをちゃんと同等性の原則としてうたっているわけであります。ところが、厚生省の公表文書ではそのことが全く書かれていない。なぜその公表文書にこの同等性の原則というのが書かれなかったのか。それとも、これもそんなに心配することはない、今までの日本のやり方でやっていくんだ、こういうことなんでしょうか。
○玉木政府委員 お答え申し上げます。 調和に関する問題でございますが、貿易障害を除去するという観点から、食品衛生の分野におきましても原則的には国際基準に基づいて各国の基準を調和させる必要がある、このように考えております。しかしながら、各国により食品の摂取量や食習慣が異なっておることから、国際基準より厳しい措置が必要な場合もあると認識しておりまして、この旨、ガット・ウルグアイ・ラウンドにおいて積極的に主張してきたところでございます。その結果、昨年末ガット事務局より示された合意案には、科学的正当性がある場合等は国際基準より厳しい措置を採用し得ることが盛り込まれております。 それから、同等性の問題でございますが、同等性の規定は、輸入国と輸出国の検疫・衛生措置が異なっていても、輸出国の措置が輸入国の求める食品の安全確保のレベルを満たすこととなる場合には、そうした輸出国の措置についても一定の手続を経て認めようとする趣旨のものでございます。最終合意案では、その際の手続としては、輸出国に客観的な立証の義務を課すとともに、輸入国に査察の権利があること等を規定いたしております。したがって、我が国の食品の安全性確保を図る上において問題になることはないと考えております。 以上でございます。
○藤田(ス)委員 同等性の原則が問題になるものではないというふうな御理解はとんでもありません。また、調和化のこの原則については、積極的に主張したけれども、しかし貿易障害を除去するために各国の基準を調和させる必要があるということでこういうふうな決定になったわけであります。しかも、何か特別な配慮があるかというと、実はリスクアセスメントと、それから衛生・防疫保護の適当な水準の決定に至るまできめ細かく規定されておりまして、これはもう今までの日本の食品安全行政に大きな変化が出てくることは必至であります。しかも、日米構造協議におけるこの検疫・衛生分野でのアメリカの立場というのは非常に強いものがあります。しかし、これからは、二国間のやりとりで済んでいたそれが、ガットに提訴されるということになるわけでありますから、ガットに提訴されたらどういうことになるかということは、農業交渉の結末を見れば余りにも明らかであります。 八〇年に我が国はガット・スタンダード・コードというのを調印しました。それ以降、日本の食品安全行政は国際化の名のもとに食品添加物の大量認可を推し進め、そして輸入検査の手続も次々に緩和をしていった。だから消費者は大変心配をし、消費者団体は大きな声を上げているんです。今この合意案を受け入れるならば、ますますアメリカからの、そしてまたガットからの両方の圧力、特にガットからの強制力ということで大変な事態になることは言うまでもありません。国民の健康に深刻な影響を与えるこのような合意案を断固として撤回することを私は求めますが、総理、いかがでしょうか。
○山下国務大臣 この問題につきましていろいろと御意見を伺いましたけれども、一口で申し上げますと、あくまでこれは科学的根拠に基づいて決められるべきものであるということであります。そして、この摂取量につきましては、例えばリンゴが幾ら、キュウリが幾らとか、やれ大豆、トウモロコシ、小麦とか、百三十品目にわたってそれぞれ決められておる。これを一回に摂取してもこれは全く差し支えないというような極めて厳しい基準になっておりますから、そのような御心配はないと思いますし、しかも、これを決めるにつきましては、全部これは科学者、専門家が委員会を構成して決めるということであって、その他の者は一切入らずに純然たる権威ある科学者によって決定をされているということであります。
○藤田(ス)委員 私は、これをぜひ総理にも何遍も読み返していただきたいものだというふうに思います。読んでいただきましたでしょうか、どうでしょうか。御答弁を求めてもお答えいただけませんので、多分十分御承知じゃないんだろうなと思いますが、何せ私たちは三度三度食べて生きているわけでありますので、しかも世論調査しましても、消費者は食の安全に対して非常に大きな不安を持っておりますので、この問題はぜひよく、勉強と言ったら失礼ですから研究をしていただいて、これはとても国民の食を考えるときにはだめだという結論を出していただきたい、そのことを要求しておきます。 それでは次に、CCA処理材の問題についてお伺いをしていきたいと思います。 木造住宅の土台だとかあるいは土木の用材、建築用材、アスレチックあるいはベンチなどの子供たちの遊び道具にまで幅広く使用されているアメリカの輸入材である米ツガ、アメリカのツガです。その米ツガは、日本のヒノキやヒバに比較しまして、腐朽菌という腐りやすい菌の繁殖しやすい、そういう被害を受けやすいために、腐らないように、シロアリなどがわかないようにということで、CCA剤というそういうものを使っているわけです。このCCA剤はクロム、砒素、銅の化合物でありまして、毒物及び劇物取締法で定める劇毒物であります。このCCAはJISで認定され、それを注入した木材はJASで認定されて、一九六五年ごろより日本の中を大手を振って出回っております。もう蓄積量は三百万立米を超えているでしょう。 問題は、このCCA処理木材の廃棄による環境汚染の問題であります。このCCA処理木材は、クロム、砒素、銅の化合物が一立方メートル当たり十五キログラムもの大量のCCAが使われているために、土壌に投棄をした場合は腐敗をする、腐敗によってクロムや砒素が土壌に流出する、焼却すれば六価クロム、これがその焼却灰の中に残留をしたり、それから猛毒の亜砒酸が大気中に飛散したりして、深刻な環境汚染を引き起こしております。そのためにアメリカでは、CCA処理木材を燃やすと有害な化学物質が煙や灰に含まれて排出されるので、たき火やストーブ、暖炉あるいは家庭のボイラーで燃やさないでください、商業用あるいは工業用に使用したCCA処理木材は、州あるいは連邦政府の基準に合った商業用あるいは工業用焼却炉またはボイラーでのみ焼却してくださいという扱いをし、イギリスでは、野外裸火の場合は人家から百メートル離すようにということを要求しています。そしてまた、ノルウェーでは、CCA処理木材は焼いてはならない、スウェーデンの方は、処理木材は灰の安全廃棄ができ、それから排煙浄化装置のある場所で焼却するように、こういうふうになっているわけであります。 問題は、地方自治体にとっても大変深刻な問題になってまいりました。この二月の全国都市清掃研究発表会で、埼玉県の公害センターは、ほとんどの木くず処理チップから砒素、銅、クロムを検出し、これらの重金属類は焼却した場合焼却灰やあるいはばいじんに濃縮される可能性が高いので、これらの残滓の処分には注意が必要と報告書を出しているんです。しかしながら、日本では、このCCA処理材についてはこの危険性が明らかにされておりませんし、何の規制措置もなされていないわけであります。私は、政府として、このCCA処理木材の廃棄処理について、どういう方針を持とうとしていらっしゃるのか、明らかにしていただきたいわけであります。
○小林(康)政府委員 CCA処理を行いました木材につきましては、お話のとおり、クロム、銅、砒素を含んでおります。この処理に対しまして、CCA処理を行います事業場から排出をされます汚泥等のうち、有害なものにつきましては有害な産業廃棄物として規制をしておるところでございます。 CCA処理を行いました庭木材そのものにつきましては、有害な廃棄物としては扱っておりませんで、一般の産業廃棄物として焼却ないし埋め立てを行っておるところでございます。埋め立てにつきましては、最終処分場から出ます排水につきまして規制を行っておりまして、クロム、砒素についても管理をしておるところでございます。 こうしたクロム、銅、砒素を含有しておりますことは私ども承知をしておりますし、今後関係省庁とも連携をとりながら、庭木材についてその処理に伴います金属等の状況を把握するなど、必要に応じまして、昨年特別管理廃棄物、特別管理産業廃棄物という新しい管理区分を設けましたので、その規制もあわせながら検討してまいりたいというふうに思っております。
○藤田(ス)委員 厚生大臣今おっしゃいましたので、この七月の四日までに決める廃掃法の政令の中に何を取り込むかということを検討するときには、ぜひこのCCA処理材を取り込んでいただきたい。 実はCCA処理材については、八七年の十二月に林野庁で「CCA処理木材廃材の廃棄に関する調査研究」というのが行われているんです。私これきょうここに持っていますが、この調査研究の中では、「本報告をもとにしてさらに関連資料を加えてCCA処理木材の廃棄に伴う安全性を評価し、速やかに適切な廃棄に関するガイドラインを設け、周知、指導されるように切望する。」こういうふうに言ってるんです。 もうあれから四年以上過ぎました。しかし、その間全く放置をされているわけであります。一方、この四年間を振り返ってみますと、木材の日米構造協議ともいうべきMOSS協議というのがありました。このMOSS協議におきましては、米材輸入のために合板のJAS変更も行い、関税率も引き下げ、それからさらに、米材の需要を拡大するための木造三階建て住宅の導入のための建築基準法の改正まで行うという、これ、まことに行き届いたやり方であります。 だから、私は、この報告書を実施しないのは、政府の怠慢というよりも、米材の需要拡大のために、米材にけちのつくような都合の悪いものはやみからやみに葬り去るような意図的なものではないかということさえ思うわけでありますが、しかしバーゼル条約、御承知のように、これももう受け入れるべきだということは廃掃法の改正のときに委員会で促されているはずであります。この中にも、六価クロムの化合物、砒素及び砒素化合物を含有する廃棄物で木材保存用薬剤の製造、調合及び使用から生ずる廃棄物は有害廃棄物というふうに、ちゃんとこうされているわけです。だから、まさにCCA処理木材は有害廃棄物扱いにするべきであります。まさに健康や人体に影響を与えないように廃棄物処理法で厳格な対処を求めたい。もう一度大臣から御答弁をお願いいたします。
○山下国務大臣 実は私は本職は材木屋でございます。それで、先ほどから米材、米材とおっしゃいますけれども、むしろ南洋材の方が多いんじゃないかと私は理解をいたしておりますが、いずれにいたしましても、これらの処理につきましては、おっしゃる点は、当然これは懸念しなきゃならないと思っております。ただ、これは厚生省だけではなくて、建設省とか他の関係の役所とも協議をしてまいらなければなりませんが、さらに協議を密にして、何らかの方策をこれは立てなきゃならぬということだけははっきりと申し上げておきます。
○藤田(ス)委員 このCCAを開発したドイツのBASF、この会社は環境に与える影響を考えて既にCCAの生産を中止し、同様にクロムを含有しているCCBという剤についても生産を中止されているわけであります。私は、この問題をいろいろ勉強していきまして、これはもっと、こういう有害物質を含む木材を標準化するとき、つまりJISやJASを決めるときには環境の側面をよく見て、有害廃棄物の大量生産につながるような、こういうJIS、JASというようなものは安易に決めるべきじゃないというふうに思ったものですが、今決めておりますので、その再検討を私はここで促したい。関係する大臣はどなたですかね。農水大臣と通産……。
○田名部国務大臣 防腐剤やシロアリ防止の効果あるいは経済性等から見て、現在ではこのCCAが最も多く木材保存剤として使用されているわけでありますが、近年、消費者のニーズの多様化に対応して、CCA以外の新たな薬剤を使用した防腐木材の生産も行われてきているわけであります。若干価格が高いということで、これが利用されておるわけでありますが、考えてみますと、木造の土台とかそういうものに利用するわけでありますが、これがまだしょっちゅう腐敗するということになると、大変なことになるわけですね。ですから、放射能がいかぬというのとレントゲンを使うのはどうかということと同じかどうかわかりませんが、けしからぬと言いながらも、やはりこれ使わないというわけにはまいりません。しかし、今新しいものが出ておりますので、いろいろ所要の安全性や耐久性が確保されるものについては、本質建材等認証推進事業において認証して、その普及の促進を図ってまいりたい、こう思っております。
○藤田(ス)委員 時間が参りましたのでこれで終わらせていただきますが、要は、日本の外材輸入政策にかかわる問題であります。日本の森林資源を使えば、高温多湿にも強く、そしてCCA処理の必要はないわけでありまして、それをわざわざ輸入自由化の政策のもとでこうした危険な木材を使い、逆に、日本の森林資源は間伐もままならない、荒廃の一途をたどっているという点については真剣に考えていただきたいということを申し上げまして、大臣は、総理をさっきしきりに指さしていらっしゃいますけれども、時間が参りましたからこれで終わらせていただきます。
○山村委員長 これにて、吉井君、藤田君の質疑は終了いたしました。 —————————————
○山村委員長 この際、平成四年度総予算の公聴会の件について申し上げます。 公述人の選定につきましては、さきに委員長に御一任いただいておりましたが、本日の理事会において協議いたしました結果、お手元に配付いたしました名簿のとおり決定いたしましたので、御報告いたします。 ————————————— 予算委員会公述人名簿 一、意見を聞く問題 平成四年度総予算について 〇二月二十六日(水) 野村総合研究所 奥村 洋彦君 研 究 理 事 立教大学教授 和田 八束君 北里大学教授 坂上 正道君 慶応義塾大学総合 丸尾 直美君 政策学部部長 東京大学経済学部教授 貝塚 啓明君 名古屋商科大学国際 板谷 茂君 〇二月二十七日(木) 経 済 評 論 家 河野 光雄君 軍 事 評 論 家 藤井 治夫君 外 交 評 論 家 伊藤 憲一君 全国労働組合総連合 熊谷 金道君 事 務 局 長 日本商工会議所 松本 進君 中小企業委員会委員長 明治大学政治経済学部 吉田 忠雄君 教授 —————————————
○山村委員長 次回は、明二十五日午前九時四十五分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時二十五分散会