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123回国会衆議院1992/02/03

予算委員会 第2号

発言数
213
登壇者
30
会派数
2
開催日
1992/02/03

会議録

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これより会議を開きます。  平成四年度一般会計予算、平成四年度特別会計予算、平成四年度政府関係機関予算、以上三案を一括して議題とし、総括質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山花貞夫君。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 社会党を代表して、内政、外交全般についてお伺いをしたいと思っております。  まず最初に、何よりも安保理サミットからお帰りですから、御苦労さまでした。まずその状況について、国会、本会議の後でしたので、この場で御報告をいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 国会のお許しを得まして、先週末にニューヨークで行われました安保理事会の十五の国の、政府、国の首班の集まりがございまして、お許しを得て出席をいたしてまいりました。  基本的には、国連が誕生いたしましてから間もなく五十年に近くなるわけでございますが、その中の世の中の変貌も厳しゅうございまして、ただし国連自身は、ごくごく最近までそういう中にありながら比較的地味な存在であったと考えますが、湾岸危機等々を契機といたしまして、冷戦後の世界の主な担い手に国連がならなければならない、また、なることを期待するという、そのような期待が高まっている、そういう今の時点でございますので、国連自身がそのような新しい任務に果たしてたえ得るか、またどのようにすればそれができるであろうかということは、多くの関係者の問題意識に共通しておったところであったと思います。  たまたまそういう時点でロシア連邦が従来のソ連を受けまして、安保常任理事国となったということ、それから、ペレス・デクエヤル事務総長にかわりまして、ガリ事務総長が新任をしたということ、そういう状況の中で、この際、国連のあり方について、共和国、安保理事会を代表する十五の国々の首脳が、一日だけでありましたが、基本的な議論をしよう、こういう場であったと存じます。  で、結論といたしましては、したがって、ただいま申しました問題意識そのものが議長の最後の総括声明という形で討論を反映いたしまして出たわけでございますが、基本的には、五十年近くたった国連が、この新しい事態にどのように対処すべきであるか、またその中心になるべき事務総長の権限あるいは事態処理のための迅速な体制、それは例えば戦争の未然防止でありますとか平和を招来することでありますとか平和を維持することでありますとかいうことに関して、あるいはまた最近のことでございますので、軍事行動以外にも世界を脅かす問題はたくさんに出てきておる、難民の問題でありますとか、環境の問題でありますとか、そういうことにも国連の行動範囲を広げていく必要がある。そういったような中で、財政問題を含めまして国連全体がそのような問題により有効的に対処できるように、また事務総長がその中にあって中心的な存在として効率的に働けるように、そのような問題をいかにすべきか、さらには軍備管理等々の問題もございましたが、それらを含めましてのこれからの国連のあり方について、一日の会議ではございましたが、関係者が認識を深くし、また具体的な問題について事務総長に今年七月までにその所見を求めるといったようなことがこの理事会そのものの会合の主たる成果でございました。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 政治的なショーであったという言い方もありますけれども、お話を伺って、要するに大事なのは、国連の改革を初めとしたこれからの具体策の提起の仕方ということになるのではないかと思いました。  外務大臣も帰国後の御報告を簡単にお願いしたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 私は、最後の訪日の分だけ御報告をいたします。  あれは、一つは中東和平会議に出席をいたしまして、初めて日本が直接参加するわけですが、そこで二国間の、パレスチナ人と他族の争いですか、イスラエルとの争い、アメリカが仲介をしてこれは二国間会議を三回ほど持ったのですが、なかなか遅々として進まない。進まないが二国間の交渉を持ったということ自体に意義があるわけであります。何とかそれを進めさせよう、外部からバックアップしよう、もしこれが進むようであれば、それを取り巻く多数国間でその地域の環境を整備したりあるいは開発に応援をしたり、その他水の問題等でいろいろダムをつくるとかそういうことを手伝ったり、いずれにしても住みやすくいたしますから、大いに二国間を進めてくださいという趣旨の会合でありました。  たまたませっかく訪日いたしたものですから、ロシアの首脳者と面会をして、北方四島を含めた日ソの今後の問題について話し合いをしたいという申し入れをいたしました。ところが、最初はエリツィン大統領もオーケーというわけでありましたが、前日になりましてから急遽どうしてもロシアにはいられなくなった、モスクワにいられなくなった、アメリカに行くに当たって避けて通れない勉強をしなければならぬというのが公式の理由でありましたが、突然雲隠れ二日間ばかりしてしまってだれもわからない。後になってそれは、新聞に出ているとおり、黒海方面に出たことはわかったのですが、そういうことでわからないものですから、外務次官とかあるいは外務大臣、それから議会の指導者層の方々、そういう方々といろいろ話をしてまいりました。  そして、来る十二日からこの日ソ間の平和条約の作業グループ、これを正式に発足をさせるということが一つですね。十日、十一ですか。それを一つまず決めて、それから後は外務大臣の訪日、これをぜひやってくれと。エリツィン訪日に向けての下ごしらえという意味でぜひやってもらいたいということ、これも三月下旬のなるべく早い方というようなことも決まりまして、あとはエリツィン大統領の訪日だけが、これは大統領がいないから御返事ができない、帰るまでに何とか返事をもらえぬかという話でしたが、それはちょっと難しい、じゃ一日残ってくれないかということは、国会の都合があるからこれは残れない、いずれ近くエリツィン大統領が宮澤総理と会うんですから、じゃその時期にでもできればきちっとしたことを、返事をしてもらいたいということをよく頼みまして帰ってまいったという、簡単に言えばそういうことであります。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 昨年末は内政の中心である予算の編成をぎりぎりまでされまして、年明けましてから日米首脳会談、東京宣言にスタートして、日韓首脳会談、そしてきょう帰朝報告されましたそれぞれの外交上の日程が済みました。今お話を伺いまして、総理の場合にも外務大臣の場合にも、日本の発言がどういう中身であって、どういう提案したんだ、こういうことが伺えなかったところが残念であります。  そうした外交日程を終わったところで、総理に伺いたいと思うのですけれども、宮澤政権誕生直後は五〇%はるかに超す高い支持率ということが印象に残っておりますけれども、世論の支持率が先々月も先月も続いて大幅に下がっています。ついせんだっての先月末のあるマスコミの世論調査によりますと、不支持率の方が高くなっている、こういう状況にもなっているわけであります。  恐らく総理としては不本意だと思いますけれども、内政、外交問題につきましてひとしきり宮澤政権の方向というものが国民に語られた後のこの数字であります。総理としてはこうした世論の支持率低下の問題について、どのようにお考えになっているのか、どこに反省すべき点があるとお思いになっているのか、この点について伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 まず、外政と申しますか、世界の状況において我が国の行くべき方向でございますが、それは昨年の臨時国会におきまして、冷戦後の平和構築、民主主義と平和の構築に当たって我が国が果たすべき役割を正確にとらえ、そしてそれを推進していくということが課題であるということを申し上げました。  で、その方向に間違いはないと思っておりますが、その具体的な一歩一歩の処置といたしまして、今日我が国がこのような世界的な地位を占めました一つの理由は日米間の友好関係でございますし、一つの理由は我が国がアジアの国であるということについてしっかりした認識を持ち、アジアにおける友好関係を進めることである、こういう考え方から、ブッシュ大統領をお迎えし、東京宣言をいたしました。また、韓国を訪問いたしまして、両国間の問題もございましたけれども、やはりアジアにおける日韓、世界における日韓の協力について共感するところがございました。  で、このたび安保理事会のサミットというのは、従来から予定をいたしていないところでございましたけれども、私の観点からすれば、この新しい平和の時代における国連の役割は大きいということで、前国会からそれについていろいろなことをお願いして今日に及んでおる、我が国の国連に対する貢献ということをいろいろ御審議を願っておるということからもおわかりいただけますように、国連の地位を高める重要な役割を与えるということはまことにしかるべきであるというふうに今回の会議を評価をいたしております。  と同時に、実は我が国にとって長い間の問題が、すべての国と平和友好関係にあるにもかかわらず、従来のソ連邦との間に平和条約が締結されていなかったことでございます。ソ連邦はその後解体をいたし、平和条約の当事者はロシア・フェデレーションということになりましたが、そのロシア・フェデレーションとの間に、何とか早く接触をいたしまして、そして、懸案の領土問題を含む講和条約へのめどをつけたいと念願をいたしてまいったわけでございます。これは、国民の多くが当然それを必要と考えておられるところでございますが、その問題につきましても、先ほど渡辺大臣からの御報告もございましたが、このたびのエリツィン大統領との会談におきまして、これから二月、三月、九月にかけましてのいわゆるサブコミッティーの会合から、ソ連の外相の来日、エリツィン大統領の来日というふうに、講和会議の協議につきまして、それは当然に領土問題を含むことでございますが、具体的な筋道が描かれてきたということは、まずまず外交面におきましては大きな筋はかけてきておるというふうに考えておるわけでございますけれども、しかし、おまえの支持率はだんだん下がっておるとおっしゃいますことはそのとおりでありまして、それはまあ私が、内政、殊に前国会におきまして、法案の処理について自分がふなかであったこと。それからまた、残念なことでございますけれども、同僚の間にいろいろ世の中から指弾を受けるようなことが報道をされ、それが毎日国民の関心を呼ぶことになったといったようなことにつきましては、当然のことながら、政治に対する国民の批判というものは厳しくなる、当然のことでございます。これに対抗して、我々が政治改革によって政治に対する信頼を取り戻す、こういう努力が強く求められておるということをただいまの世論の評価の中で感じております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 支持率低下の理由として、外交よりもむしろ内政というお話をされましたけれども、私は大事な問題が抜けておったと思いますね」法案処理ふなれであった、あるいは同僚議員が云々と共和の問題について触れましたけれども、みずからのリクルートの三点セットについて十分説明することができなかったことに始まりという、ここがなければおかしいんじゃないでしょうか。これが総理の一つの基本的な姿勢ということじゃないかと思っています。リクルートに次いで共和は、後に触れさせていただきますけれども、宮澤政権の基盤を揺さぶっている、こう思います。そして、これからさらに大きな疑惑として予想されている佐川に関するこれからの展開というものは、一つの政権の基盤を揺さぶる以上の激震を予想させています。そうしたことの中で、内政につきましても、単なる法案処理といった問題ではなく、今最後に触れました政治改革の問題について、いろいろなマスコミの論調、宮澤総理は冷淡ではないか、こういう指摘があったり、この問題についてリーダーシップを発揮することができないでいるではないかということが、これは世論調査の中身の分析でも不支持の最大の理由になっているのだということを受けとめていただかなければならないと思っています。大体、不支持の理由として今お話ありました外交問題の倍以上がこの政治改革の問題に触れている、政治の倫理に触れている、この問題について指摘をしておかなければならないと思っています。  外交につきまして、大筋よかったんじゃないかという御趣旨だと思いました。私は、実は総理が冷戦後の時代認識を明らかにされた中で、新しい世界の平和の秩序の構築の時代、こう位置づけられたことにつきましては、前回の予算委員会におきましても私は評価する、こういうふうに申し上げたわけです。ところが、その後、今お話ありましたような外交日程をこなした上で、じゃ、一体何をするのかということが見えてきていないのであります。  これは私だけではないと思っています。一体何なんだろう。確かに冷戦後、スローガンとしては掲げられましたけれども、日本のこれから進むべき進路について総理がリーダーシップを持って示したのかということを軸にしてこれまでの外交日程を振り返りますと、私は、今回の安保理サミットにおきまして日本の常任理事国入りということについて間接的ながら総理が触れた、そのことを伺って、あっ、こうだったのかというふうに思ったのです。一言で言いますと、経済大国になった日本のこれからの方向として総理は政治大国という羅針盤をお持ちになったんだ、そうだったんじゃないでしょうか。施政方針の中で、国力に相ふさわしい責任ということを触れ、これを引き受ける時代が到来した、こういうようにまとめておられるのも、そのキーワードを考えるとよくわかる気がするわけであります。  経済大国から政治大国へ、そうした政治大国ということになれば、そのことが世界の目から見るならば、昨年の予算でも触れました韓国の国防白書でも指摘しておりましたような、近隣諸国は、経済大国になった日本が政治大国を目指す中で自衛隊を海外に派遣することを含めて軍事大国になろうとしているというこうしたアジア諸国の批判、そういうことが起こったのはむしろ当然ではなかろうか、こういう気がしてなりません。政治大国を目指したけれども、日韓首脳会談ではそのことに対する反発が背景にあって、後ほど伺いますけれども、未来志向の新しい日韓関係という宮澤首相のその意図というものは十分実現しなかったのではないかと思っています。  その前に、日米首脳会談があります。まず冒頭、ブッシュ大統領が昨年来の懸案であった来日を果たされて、東京宣言が発せられました。まず、このことについて総理は自己採点もしておられるようですけれども、自分で自己採点をするのではなくて、日本の国民大衆がどう採点されている、どう採点していると思いますか、この点について伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 いわゆる東京宣言について、国民がどのように考えておられるかということでございますけれども、私は、国民の多くはまずまず日米が今後長きにわたってそういう方向をとっていく、そのことは世界にとっても両国にとっても好ましいことであろう、国民はまずそのような常識的な評点をされたと思います。  と申しますのは、日米両国が民主主義、自由、基本的人権あるいは市場経済等につきまして価値観を同じくしているということは、これは多くの人が認めるところでございますし、また安保条約を基本に友好関係にあることも多くの人の認めるところでございます。しかも、両国が二つの国の間で、世界のGNPの四〇%を占めるという現状は、両国が力を合わせれば強いリーダーシップが生まれるということもこれは客観的な事実でございますから、真珠湾の五十年後にこのような将来に向かっての決意を両国がしたということについては、これは恐らく国民が共感を持って迎えられることであろう。何となれば、それは今ソ連邦解体後、世界が平和と民主主義に向かって動いていこうとするその流れに立ってそれを促進しようという決意である、このこと自身には私は国民の大多数が共感を持たれたであろうと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 アメリカの反応も含めて考えてみると、どうもそうじゃなかったんじゃないでしょうか。私たちの印象に残ったのも、総理が繰り返し主張されましたグローバルパートナーシップということではなく、むしろアメリカとの貿易摩擦、ライバル関係ということが非常に印象に残った。世界の反応もそうだったんじゃないでしょうか。アメリカの圧力に日本がどれだけ譲歩を強いられるのかという、これまでの日米交渉そのとおりの旧態依然の関係が我々には強く印象に残りました。  前段、じゃ一体グローバルパートナーシップ、どこで話が進んだのかということについて思ってみると、たくさん世界の問題について項目は書かれておりますけれども、むしろグローバルパートナーシップということでアメリカの思惑と日本の思惑が一致したのは、パートナー的な話になったのは、安全保障の関係だったんじゃないか、こういう気がいたします。安全保障関係についての、いわば軍事的な側面におけるグローバルなパートナーシップということについては総理はどうお考えだったんでしょうか、この点について伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 確かに、言われますように、いわゆるマスコミュニケーションの、より注目いたしましたところは、これは我が国においてもアメリカにおいてもそうでございましたけれども、当面の日米間の経済摩擦の問題でありました。それはそのとおりでございます。  しかし、考えますと、これだけ大きな接触をしております両国の間で何かの経済摩擦というのは常にあるのであって、それはたかだか、しかし何年かの問題でございます。また新しい問題が生まれてまいりましょうけれども、それは何年かの問題であって、日米両国が今後世界の平和と民主主義のために力を携えて何をやるかということは、これは数十年にわたる基本的な問題でございますから、マスコミがプレーアップする、しないのいかんにかかわらず、問題の重要性は、私はやはり前者の方にあると考えるべきであろうと思います。  その中において日米の安全保障関係がどういうことであったかということでございましたけれども、日米の安全保障関係は、ただ安全を保障されている、保障しているということではなくて、基本的に共通の価値観があって、それをお互いに大事にしよう、それをもって世界をリードしていこうというところに、そこに本当のパートナーシップの意味があるというふうに考えております。  それからさらに進んで、もしお尋ねの意味が、このように世界が冷戦後の時代に入ってきたときに日米安保関係というものがもう要らないのではないか、そうはおっしゃいませんでした、おっしゃいませんでしたが、意味合いということであれば、それはやはりまだまだこの極東の地域におきましてもいろんな不安定要因がございますし、またアジアの多くの国々が、日米がそういう関係にあるということが東南アジア全体の平和の枠組みにとって大切であると考えておる、そういう傾向は顕著でございますから、そのような意味をなお十分に持ち続けるものというふうに考えます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 経済摩擦の問題の前に日米安保条約絡みの話について伺いたいと思いますけれども、「この同盟関係は、両国がグローバル・パートナーシップの下で、世界の平和及び安定を確保するため、各々の役割と責任を担うべく協力していく上での政治的基盤となっている。」こういう形で安全保障関係を位置づけています。日本がグローバルな形でアメリカと協力する、これはどういうことなんでしょうか、この点について見解を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 両国が基本的な価値観を共有にしている、これは最も大事なことでございますが、その上に立ってまた、世界のGNPの四割というようなものを占めておるということは、このような新しい平和と民主主義を構築する世界の動きに対してこれはもう否定できない大きな影響を持ちます。その影響を、この流れを促進するためにお互いに行使していこう、お互いに協議をし協力をしながら行使していこうということが両国の共通の意図である、このような意味と御理解いただきたいと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 実は、ここで総理が東京宣言に盛り込まれた安保条約の運用についての考え方、これがまさにこれまでとは違った安保条約の新しい危険な方向を示しているのではないか、こういうように指摘しないわけにはまいりません。  全体として、冷戦後の時代ということと同時に、安保条約の運用の問題につきましては、昨年の湾岸戦争の後、幾つかの立場から議論なされてまいりました。防衛庁内部の議論、いろんな論文を拝見いたしますと、湾岸戦争によって日本の貢献の仕方、このことが議論される中で、安保の面から見てみるならば、アメリカの軍隊が横須賀からあるいは沖縄から中東に出ていくことができた。すなわち、アメリカは第一線を担当して、日本は後方基地としての役割を担った、こうしたあり方について安保条約を変えていく、運用していくというところが大事であるということを防衛庁の方が強調されている。  実は今度の東京宣言の中でも、いわば冷戦後今日の防衛力を確保しながらアメリカとの関係をどう将来つくっていくかということについて、安保条約についての解釈を拡大するということとは違った、安保の運用において従来とは全く違った、安保条約の枠を超えたアメリカとのパートナーシップ関係、しかもグローバルな関係での任務分担というものが合意されたということではないでしょうか。この点について、総理の見解を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 もともと、現在の安保条約は、いわゆる安全面のみならず、広く経済、文化等々における両国の間の幅広い関係を規定をいたしておるものでございます。したがいまして、冷戦後の時代になりますれば、勢いそういう部分にも大きな視点が置かれるということは当然のことでございますが、同時にしかし、この冷戦後の時代になりましてもなおこのアジアという地域には核の兵器がかかっておる状況でございますし、またアジア各地において、かなり好転はしておりますものの幾つかの紛争も見られる、そういう問題がございます。それからまた、これは観点を変えて申しますと、アジアにおける各国から申しますと、日本がこれだけ経済的な強い国になってきておることについて過去の経験からそれなりにいろいろな心配を持つ国も、これもないわけではない。そういう全体の中でこの地域の平和が保たれるということに、これらの国の多くはアメリカが平和勢力でこの地域に安定的な要因となってほしいという、そういう希望があることも、これもおのおのの国の意見の中から読み取ることができるわけでございます。  そういう全体でのこの地域における安全保障というような意味も、この冷戦後の時代における安保条約、安保体制というものの中からこれを読み取る人もいる、またそれも一つの見方であるというふうに考えます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今、冷戦後の時代ということで説明されましたのは、要するに自衛隊を削減しないでなお現状のままに維持しようという理屈ではありませんか。ソ連の脅威がなくなった後、地域紛争型、そこに重点、軸足を移すということの中で防衛力の削減に抵抗している自衛隊のその考え方を今総理、お話しになったんじゃないですか。  そういう中で、さらに、日米首脳会談におきましては、先ほども指摘したように、地域紛争対処におけるアメリカの軍隊の役割を正面戦闘力の分担に限って、日本が後方の分担をする、これがこれからの日米の一つのあり方だということ、こうしたグローバルなパートナーシップというものは、日米安保条約を明らかに変質さして、世界の憲兵と言われたアメリカの軍隊に対して日本が一定の役割をきちんと担っていく、こういう危険性があるんじゃないでしょうか。そうであってはならないということを、後ほど防衛問題あるいはこれからの予算の国会を通じて私たちは主張していきたいと思っているところであります。  さて、そういう中で、ここでは一つだけこの機会に伺っておきたいと思うのですけれども、「早期警戒監視機能の強化の重要性を再確認する。」ということで、AWACSの問題について東京宣言の中で触れました。この点について説明をしていただきたいと思います。  これはもう長年の懸案の問題でありまして、こうしたものは必要ではないではないかということに対して、政府はことしの予算に盛り込もうとしたけれども状況の変化があってできなかった。じゃ一体来年はどうなのか、その次はどうなのかということが関心持たれている中で、わざわざ東京宣言の中でこのことに触れた。総理はいずれ買うつもりで触れたんですか。この点についてお答えいただきたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 総理の御答弁の前に私の方から申し上げておきたいと思いますが、AWACSという言葉はちょっとなれておりませんが、これは英語で申しますと、エアボーン・ウォーニング・アンド・コントロール・システムということでございまして、つまり早期の警戒監視機能というものが一つございます。それから同時に空中管制機能、コントロールシステム、この二つの重要な機能を持つ航空機でございまして、これは我が国が専守防衛を旨としておりますこのために、情報収集機能の一環である早期警戒監視機能の充実ということは、有事であると平時であるとを問わず、大変私は重要なことであると考えております。そしてまた、諸外国におきましても、こうした早期警戒監視機能は今日も国際的に重視されているところであるのは御案内のとおりでございます。  ところで、今防衛庁は、どのようにしてこの早期警戒機能を持っておるかと申しますと、防空に任ずる戦闘機、防空に当たります戦闘機の管制、コントロールというのは、地上の管制装置から行っております。すなわち、これから、レーダーサイトあるいは指揮装置等がございまして地上でコントロールするという建前でございますが、最近の技術の向上によりまして、ミサイルの向上等の航空技術、軍事技術の趨勢がございますし、また、陸上だけでございますと脆弱性を有しておるということでございますから、どうしても空中におけるコントロールシステム、管制機能を重視するということは必要でございまして、諸外国の空軍においてもこのような傾向を持ってございます。そこで、今お話しのように、現在はE2Cとかあるいは地上レーダーサイトを保有しておりますけれども、航空技術の進歩に即応いたしまして質の高いものを、私どもは有効な防衛力を整備しようということでございますから、広い探知能力と長い航続距離を有するそういう早期警戒機能が極めて重大だと思っております。  そこで、今御指摘のように、東京宣言におきまして、特にアクションプランにおきましてこのことが触れられております。これはどういうことが書かれておりますかといいますと、早期警戒機能の強化の重要性を再認識する。これは共通の認識、私どももそう思います。そして、日本の中期防衛力整備計画は四機の早期警戒管制機を整備することとしており、日本は新しいタイプの早期警戒管制機を含むさまざまな航空機の取得の可能性及び妥当性についての調査を継続する。これは日本が継続するわけです。米国はこの努力を支援する。これはアシストという言葉を、この努力に対してアシストするということが書かれてございますけれども、私ども中期防で一応四機予定をいたしておりますが、新しいタイプの航空機の取得可能性とか妥当性につきまして調査を継続することといたしまして、米国がこの努力を支援するというのは、この航空機はNATOでも保有しておりますし、サウジ等でも保有しておりますけれども、アメリカしかこれは生産をいたしておりません。したがいまして、私どもは、この有用性について調査をしていこう、そして可能性の有無について調査していこう、こういうことでございまして、アメリカも、唯一の生産国でございますから努力をしていきましょう、アシストしていきましょうということでございます。  いずれにいたしましても、早期警戒機能の重要性と必要性というのは私どもは重要なものと考えておりますが、あるいは後ほど議論が出るかもしれませんが、中期防衛力整備計画の修正の見直しの問題もございますが、その中で十分検討していきたい、来年の予算の中にもそのための検討のための調査費が計上されている、こういう事情でございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 要するに買うのか買わないのかということを伺ったんです。これは一体世界でどこかの国が、買おうとしている国があるんですか。ボーイングのラインがなくなってしまって、従来の形はもう世界じゅうどこも買えないのでしょう。従来は幾らぐらいの予算で見込んでおったんですか、今幾らぐらいの予算になったんですか、それで買えなくなったんでしょう。この点についてはっきり答えてください。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 具体的な数字等については防衛局長の方から答弁させていただきますけれども、先ほど申しましたように、米国が今三十四機、NATOが十八機、サウジが五機というようなことでございます。なるほど先生のおっしゃられるとおり、これはボーイング社の707号機というものを前提としておりまして、これは生産中止されております。しかし、それにかわるべきものとしてどういうものがあり得るかということを調査をいたしまして、私どもとしては防衛所要上必要でございますから、これの調査検討をしておるということでございまして、買うか買わないかはまだはっきり私ども決定したわけではございません。この検討の結果によって決断を下す、こういうことでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 大体、今年度から四機を目指して購入する予定であった。一機三百二十五億円の予定であった。ところが、ボーイングのラインがストップしたということによって、一機三百二十五億円のはずであったものが二倍以上の七百億円から八百億円になった。したがって、とても買えないじゃないかということでことしの予算が見送られたということだと思いますが、いかがですか。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 今委員の御指摘のとおりでございまして、私ども、数字は今申されたとおり、大体そのように理解しておりますが、生産ラインが中止したことによりまして、その機種を再生産するということになるとあるいは倍くらいの値段になる可能性があるということでございまして、費用対効果を十分検討しながらこれから調査をしていきたい、こう思っております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 とにかく、従来は一機三百億だった飛行機が八百億円になった、何でこんなものを買う必要があるのですか。しかもアメリカではこの形の飛行機についてはもう終わったんじゃないですか、時代が終わっている。おひざ元のアメリカでは、七〇年代に開発されたE3の導入をもう全部終えてしまって、これからは、あのおわんのついたよく知られている形ではなくて、フェーズド・アレー型新鋭AWACSの開発に入っている。アメリカではもう使わなくなっている。それを従来の値段の二倍で買おうとするようなことは想像を超えている、でたらめだと思いますよ。  私は、これからの中期防の問題でもこんなものは全く必要ないと思いますけれども、それに調査費がついた。調査費というのは、予算を見たんですけれども、一体どこに書いてあるかということがわかりませんでした。いろいろ聞いて、何か旅費がちょっとついておるということのようですけれども、これは予算のどこを見れば、どういう中身であって、何に使おうと思っているのですか。どの程度準備が進んでいるか、この点について伺っておきたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 アメリカが現在このE3を使っていないのではないかというお尋ねでございますが、アメリカは所要の機数を保有いたしまして、これは二十一世紀の初めごろまで耐用命数がありますから、それによって十分対応し得るという体制をしいておるわけでございます。もちろん、軍事技術のことでございますから研究されておることは当然でございます。  なお、第二番目の調査費がどうかということでございますが、これは約七百万、後でまた経理局長の方から、予算項目等につきましてはお尋ねでございますから御答弁を願いますが、約七百万、七百七十万程度だと承知しておりますが、これは実際に早期警戒管制機を運用している米国の国防省とか空軍省等を訪問いたしまして、運用要領、性能等に関する資料、情報を入手いたしまして、我々の検討の参考にしたいという予算でございまして、専門官を数名派遣をする、こういう旅費でございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 七百七十万の旅費、これがついたということは、まだアメリカに気を持たせているということですね。去年ブッシュ大統領がいらっしゃるという前にこの売り込みが大変激しかったということについてもマスコミで伝えられておりますけれども、そうした攻勢に押されて、とにかく首一枚つながって、まだひょっとするとこれが生きて出てくるんじゃなかろうかというのが我々の不安といいますか、問題の提起であります。  大体振り返ってみると、この今買おうとしているAWACSにつきましては、かつて防衛庁の方でも、これは必要じゃないんじゃないかという理屈があったんじゃないでしょうか。幾つかの理由、一九七九年段階でありますけれども、この新しいAWACSタイプにつきましては、戦術統合作戦の指揮統制用のものである、したがって低空侵入への対処という限定された運用要求をはるかに上回るものである、第二番目、重量約百五十トンという大型の飛行機になるから非常に施設にも金がかかるし大変だ、あるいはもう一つは、今の値段の関係ですけれども、今ので十分間に合っているんだけれども、大きいのを買うということになれば何倍のお金がかかる、こういう格好で、一時期防衛庁自体もこのAWACSにつきましては必要ではないではないかと、こういうことを議論した時代があったわけであります。  飛行機というものは、新しいものができればどんどん欲しかると、典型的な例じゃないですか。武器というものがひとり歩きをするという一例でありまして、とにかく今度の問題は、貿易摩擦の、その中の一つのテーマとして、従来三百億だった飛行機を七百億、八百億で買おうとするようなことは、国民の血税を使うことは許されない、こういう大きなテーマであるということについてこの際は指摘をして、またこの問題についてはこれからの議論に譲っていきたいと思います。  東京宣言のもう一つの問題、自動車の販売と拡大、部品の購入の問題がありました。この点について、公約だったのか、一体だれが約束したのかということがはっきりしません。今度のブッシュ大統領との総理の話し合いの中でも、公約は守るということを強調したと一般論として言っているわけなんですけれども、この点一体どういう仕組みになっているんでしょうか。  東京宣言を見ると、本文の次に各会社の意気込みということがある。もっとも、全部、日本の会社も気をつけて、条件づけていますね。こういう条件があったらこれだけ売れますよということにはなっているわけでありますけれども、一体だれが約束したのか、この点について御説明をしていただきたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 今御指摘の問題ですけれども、先ほどからもお話がありましたように、長い歴史の中で日米関係は将来に向かってもまた大事にしていかなければならない。一時にその中で、我が国は毎年日米の貿易で大きな黒字を出しております。今年も四百億ドルを超す黒字。その中で自動車が大きな部分を占めておることも現実であります。そういう中で、アメリカに台頭しつつある保護主義、こういうものがさらに増幅するようなことはあってはならない、ましてや管理貿易というようなものが進んではならない、そういう背景の中で我が国の自動車工業会の皆さんあるいは自販連の皆さん方が、今後の日米関係を大事にするという意味で、自主的な立場で行動計画というものの内容に御協力をいただいた、こういうふうに解釈をいたしております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 いろいろ御説明ありましたけれども、しかし、要するに今大臣が心配されておったような管理貿易が進むおそれがある等々のことを考えてみるならば、これ、約束を守れなかった場合にはもっとひどい摩擦になるんじゃないですか。もっと大きな反発が来るということだと思います。一体だれが約束したことになっているんですか。もしこの販売目標について、あるいは購入目標について達することができなかった場合にはどうなるんですか、これは。この問題につきましては大体が、このアクションプラン全体を見ても、アメリカ側の約束というのはほとんど何もない。日本の約束だけがある。しかも政府が直接約束しているんじゃなくて、クッションを置いて約束しています。これは公約なんですか。どうなっていますか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 これは日本とアメリカ、極めて密接な経済関係を持ってきており、その中で自動車、これは非常に、振り返ってみれば、かつて三十年前、四十年前、これはアメリカの自動車がほとんど日本の市場を占有しておった時代もありますけれども、今ではまさに主客転倒をしておる立場になっておるわけですから、そういう中で今は質問したんだから聞いてください。そういう中でこれは、日本の自動車工業会の皆さん方、あるいは自販連の皆さん方が今後の日米の経済関係を重要視するという立場の中で、これは血のにじむような大変な努力もありましたけれども、そういう中で今度のブッシュ大統領の訪日を成功させたい、成功させることが世界のためであり、将来の長い意味での日米のためであり、また我が国の自動車工業界あるいは我が国の自動車関係の部品関係、そういうもののためにでもあるという中で、血のにじむような思いでこういう努力計画という目標をこれはしたわけでありますから、それに私どもも立ち会っておるわけでありますから、当然私どもは、この民間の皆さん方が努力目標を達成するために全力を尽くしてこれを実現するために頑張ってくれるというふうに確信をいたしております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 確信をしたところで実現するかどうかはまだわからない問題でして、一例を挙げますけれども、いろいろな品質の問題もあります。部品などにつきまして指摘されている例を一つだけ挙げたいと思うのですけれども、自動車と半導体なんかで見ると、自動車では調達部品の品質水準、すなわち受け入れ部品の欠陥率を比べると、日本は〇・〇一%である、アメリカは一・八一%と二けたも違っているそうです。日本は平均一万個に一個の欠陥品が見つかる、部品です、ということだけれども、アメリカの場合には百個に一個というのが、大体これが調査の結果出ている問題点です。半導体につきましても、アメリカのメーカーから購入している半導体の代表的な産物につきまして、九〇年の実績におきましては、日本製よりもこの部品の欠陥率が五割高い。すなわち、一万個に一個と百個に一個とかあるいは五割高い。こういう問題などを考えてみると、大丈夫なのかなというこういう心配するのは当たり前じゃありませんか。  政府が約束したんじゃなくて民間が約束をした、今大臣、期待する、確信を持つと言いましたけれども、「グローバル・パートナーシップ行動計画一第二部)」の13、「自動車及び自動車部品」につきましての項を見るとこうなってますね。「我が国自動車メーカーは、別紙にあるとおり、米国製部品購入拡大の努力目標を発表した。」ということなのですが、私が強調したい点は、この本文、東京宣言の本文の中に「別紙のとおりこということになっているんです。そうして各社の目標が書いてある。各社の目標は、「別紙のとおりこということで本文の中身になっているのです。アメリカ側から見れば、政府の公約ということになっている。こういう仕組みですよ。それを今大臣の方は、確信を持つというような甘い問題じゃないでしょう。文書のこの書式からしたって、形からしたって、「別紙のとおりこということで、本文と一体化した日本政府の公約になっていますよ。したがって、アメリカ側はそう考えているということでありますから、このことの責任は、これは今の政府が負わなければならないということを指摘しておきたいと思います。  今、アメリカ大変だからと言っていますけれども、ブッシュ大統領の選挙の応援ということが、アメリカのマスコミでも盛んに報道されております。そういうことで、大事な問題としてひとつ聞いておきたいと思いますのは、超電導超大型粒子加速器、SSCの問題。これは、ブッシュ大統領やベーカー国務長官の地元である、すなわちこれはブッシュ再選のための利権なんだというアメリカのマスコミの論調があります。これに対してどういう格好で協力しようとしているのですか。これも今度の東京宣言の中のもう一つの大きなテーマだと思っていますけれども、この点について説明していただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 SSCというのは、かなり前からアメリカにおいて我が国への協力を求められていたところでございますけれども、これはもとより、その学術的な意味で、将来のいわゆるコライダー、世界最大のコライダーをつくりまして、地球の起源、物質の起源をきわめようとする壮大な計画であることは私どもも聞いておりましたが、そういうことについて協力を求められる。ただ、それは国際的な規模を持つ計画でございますから、我が国に協力を求められるというのであるならば、おのずからそれは、計画の当初からこういうことを考えたい、やってみたい、日本はどう考えるか、また、日本として技術的にあるいは財政的にも一体どのような協力をしてくれるつもりがあるかといったようなことは、事柄を最初からまず相談をするということでありませんと、国際的な分業、国際的な協力になりませんということを、私は、ベーカー国務長官にもブッシュ大統領にも申し上げでございます。  そのことは先方もよくおわかりになって、確かに何か。一つの計画のようなものが先行した嫌いがある、それは考えてみればおまえの言うとおりであるから、ひとつ日米で作業部会をまず始めよう。そして、この計画がどういうものであって、どれだけの意味があるものであって、日米間、あるいは他の国も入るかもしれませんが、の相互協力ということがどういう意味があって、またどういう分担ができるだろうか、そういうことを作業部会でまずやってみましょう。その作業部会でそれが有意義であるということになれば、我々としても協力するのにやぶさかではありません、今回はそういうふうに申し上げて作業部会を開くということになったわけでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 これまた作業部会ということを一歩踏み込んでいるのですね。これ莫大な予算がかかる。大体このSSCというのが見当のつかないものですね。まだ国民の皆さんにも、なかなか一体どういうものか説明もしてないのじゃないですか。説明できないのじゃないですか、これは。一体何の目的で、具体的にどういう効果を期待してというようなことは全く一切無縁でしょう、この話は。これは、文部大臣、一言あるのじゃなかろうかと思いますけれども、文部省の科学技術の補助費との関係で、全体、向こうの要求としては八十二億五千万ドル、約一兆一千億円のうち四分の一を海外からの出資で賄いたい、こういう格好で、二千億から三千億日本に出してもらいたい、こういう要求になっているのじゃないですか。  文部省、いかがでしょうか。この点につきまして、大臣の方はいろいろ意見おっしゃっているようですけれども、ちょっと文部省の見解を伺いたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 私のところには、昨年、アメリカのワトキンス・エネルギー省長官がお見えになって、アマコスト大使も同道をされましたけれども、SSCについての日本の協力を頼むということで、確かにおっしゃるように、全体が一兆六百億ぐらいのもののうちの二千億強のものを日本から、例えばお金であれあるいは現物供与であれ、お願いできないかというようなことであったわけでありますが、まあ学術的な意味合いというのは、これは科学技術庁の皆様方も文部省の方もこれは認めているわけでございまして、私はそういう専門ではありませんが、いわゆる素粒子物理学というような分野で、正直申し上げて私が学校教育を受けたときは、陽子とか中性子とか電子とかそういうような段階でありましたが、今やもっとずっと細かい粒子の存在が云々されて、そういう中でとりわけ、すべてのものに質量を与えるというヒッグス粒子というものを見つけることができるならば、これはそれこそ宇宙がどうしてでき上がったかということまで解明できるというような、そういうようなことで、私はそれ以上の知識はありませんが、学術的な意味合いというのは十分理解をしておるわけですが、山花先生御指摘のとおり、ただ文部省の予算というのは、十年前に一兆六千億円あった物件費が今一兆円になってしまった。物価上昇率を考えますと十年間で、文部省が人件費以外に使えるお金が二分の一からあるいは三分の一近くに減ってきてしまったわけで、そういうようなことで実際、日本の高等教育とか学術の研究設備は、私学助成も十分出せない、国立の設備ですら大変老朽化して、これでは留学生も余り見向いてくれないというような、そういうような状況にありますから、少なくとも二千億というような数字を文部省の予算の中から捻出するということは、それを例えば六年、七年で割ったとしてもそれはできませんので、宮澤総理にもその点の御説明をして、学術的な意義は十分認めております、ただ文部省の予算の枠内では処理できませんのでよろしくお願いしますと御説明をしてまいりました。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 九一年度の科学研究費補助金、文部省の関係については六百億弱ということであります。一年間の文部省の全体の科学技術についての補助金の三倍以上のお金を出してくれという話でありますからスケールが大きい。今の大臣の話でもなかなか一体何かなということはわかりにくかったと思うのですけれども、直径二十七・五キロ、局長八十七キロ、大体山手線の二・五倍ぐらいの地下六十メートルの長円形のトンネル、切り口の直径三・六メートルを建設して、その中に約一万個の超電導磁石を並べ、水素原子核の陽子を逆方向に光速に近い速さで走らして衝突させることによって約四十兆電子ボルトという宇宙の出現直後に近いエネルギーの世界を現出する。  専門家に説明していただきますとうんと長くなると思いますから、私が要約したところを今御報告さしていただいたわけですが、これは、ずっと五十年先、百年先一体どうなるかということにつけての、本当に長年かかってやる問題ですね。日本にとって何が必要かということにつきましては、それは基礎的な問題だから百年、二百年たったら役に立つだろうというようなことでは、今の予算の中から二千億出してくれというような注文は、こたえられるはずがないと思うわけでありますけれども、作業部会をつくるということは、今度の東京宣言というのはそういう問題があると思うのです。  大きな問題として自動車問題での貿易摩擦について解決をした、一方においてAWACSは旅費がついている、あるいはこのSSCについて調査研究のための作業部会がスタートした、これが実は、余り表に出ていない、しかし大事な問題だと思うわけでして、このSSCについて最後にもう一度、安易にこの作業部会というものを進めるということは大変危険である、こういうように思っていますけれども、総理の見解を伺いたいと思います。

佐藤行雄外務省北米局長

○佐藤(行)政府委員 お答え申し上げます。  先生御承知のとおり、この間の東京宣言で合意いたしましたことは、日本の参加が可能となる国際プロジェクトとして、このプロジェクトを編成する方途を考察するそのための共同作業グループということでございまして、共同作業グループをつくるということそのこと自体が日本側のコミットしたものではございません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 問題、山ほどありますけれども、東京宣言だけやっているわけにいきませんから、先に進みたいと思います。  日韓首脳会談について伺いたいと思いますけれども、今回、端的に言って、訪韓の成果につきまして、施政方針でもちょっとお触れになっていますけれども、総理からまず伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 かねてから、もしこの栄職を汚すことがあるとしましたら最初の訪問国はアジアの国にしたいと考えておりました。殊に韓国は、その中でも我が国と一番近い、しかも着々と力をつけてくる国でございますので、訪問をしたいと考えましたところ、先方からの御招待を受けることができました。参りまして、盧泰愚大統領との個人的な信頼感、日韓両国にまたがりますたくさんの問題についてお話をすることができましたし、また、両国ばかりでなく、今後のアジアあるいは世界の中における日韓の共同の平和友好の増進ということについても認識を深めることができたと考えております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 就任初の外国訪問に韓国を選んでアジア重視の外交姿勢というものを内外に示された、この点については私たちも評価できると思っているところであります。しかし一体どういうことだったのかということについて振り返ってみると、総理の意気込みとは違って、韓国国内の空気は必ずしも好意的ではなかったというのが、報道だけではなくて、事実だったんじゃないでしょうか。韓国のマスコミを見てみると、何の実りもなく両国間の感情の溝を深めただけだという厳しいものまであったと紹介されています。今回の韓国訪問の際にさまざまな形で浴びせかけられた非難に対して、戦後四十六年を経てなおこのような国民感情が残っているということについて、総理はどう受けとめているのか、この点について伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 韓国訪問を決定いたしましたときに、恐らく韓国からいろいろな問題についてのお話があるであろう、それは必ずしも我々にとってすべて非常に愉快なことばかりではないということはよく承知をいたしておりました。したがって、むしろそういうお話を率直に先方からしてもらって、それに対する我々の考えも率直に述べまして、そしてお互いの問題をどうしていくかということを討議をしていく、そのことに意味があるだろう、いろいろ問題があることを知りながらそれを何となく避けておるということは、今後の日韓関係にとって決してよろしいことではありませんし、また、日本が韓国と今後アジアにおいてアジアのために一緒に仕事をしていくという意味でも、そういうわだかまりがあることはよろしくないことでございますので、私は、むしろそういうことを率直に承りに行った、自分のミッションの一つはそういうことであるということをあらかじめ考えておりました。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 総理が今お話しのような立場で戦前の植民地支配等について反省の意思を表明したということにつきましては、その後、今回の国会におきまして初めて総理が公式に、かつての侵略戦争の対象となった諸国の皆さんに反省と遺憾の意を表した、このことについては私たちも評価するところであります。  そして、今度の韓国の訪問、実は私たち国民の立場から見て印象に残ったことは二つのテーマじゃなかったでしょうか。一つは、一斉にマスコミが伝えました、第一回首脳会談におけみ盧泰愚大統領が正しい歴史認識を求めたこと、PKOの法案に懸念を表明したこと、これが一つです。もう一つは、元従軍慰安婦の問題について正式にしかるべき措置が求められたということ。日本がアジアの一員としてアジアの諸国と将来にわたって信頼関係を築いていくためには、何が原点なのか、必要なのかということが問われたというのが、今度の韓国訪問の一つの大きなお土産だったんじゃないでしょうか。  昨年は大事な年でした。朝鮮半島に対する侵略の覇権を争って、かつての日清戦争、日露戦争、これに勝利した日本が、朝鮮半島から清国及びロシアの影響を排除して朝鮮を事実上植民地として治め、そして一九一〇年には日韓併合条約ができた。八十余年が過ぎたのであります。日中戦争から六十年、パールハーバーから五十年という昨年、私たちは、いわば節目の年として、日本の戦後責任と新しいアジアの関係、これが今日的課題だということをさまざまな機会に政府に対しても訴えました。  私は、昨年この予算委員会におきましても、まず第一に、総理の国会における正式な謝罪が必要ではないだろうか、第二番目、国会決議が必要ではないだろうか、第三番目、そしてアジア諸国に対して必要な対応があるのではなかろうか、四番目、歴史教育の問題について提起をいたしました。幾つかの問題については、総理の方がこの問題について取り組んでいただいたということは承知しております。しかし、総理の反省と謝罪の言葉が、果たして朝鮮半島を初めとするかつての戦争犠牲者の心の中に届いているんだろうか。届いてなかったということが今度の韓国の経験ではないでしょうか。今その努力のあり方が問われているのではないでしょうか。韓国の民衆の感情を重視して、誠意ある回答をすべきであります。  こういった問題は、この直近の日朝国交正常化交渉においても同様であります。総理の歴史的な認識の発言とは裏腹に、一月三十一日の交渉で日本側が日韓併合条約について、当時の一般国際法として認められている、当時日韓併合に異を唱えている国はなかった、こう言っていわば開き直った回答をしている。これでは、日朝交渉、これから先行きが心配です。日韓併合条約についての歴史的な認識を冒頭伺っておきたいと思います。総理大臣、外務大臣、どうぞ。

谷野作太郎外務省アジア局長

○谷野政府委員 お答え申し上げます。  この点は、日韓正常化交渉の過程におきましても問題になったところでありますけれども、日本側のこのお尋ねの件についての立場は、要するに、お尋ねの条約は今やもはや無効であるというのが日本側の立場でございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今、よくわからなかったですね。聞いていてもだれもわからなかったと思いますね。今御指摘になったものは、当時の日本側の主張であって、韓国側の主張ではありませんよ。当時から意見の対立したまんま、日韓基本条約について現在でも意見の対立した部分じゃないですか。日本の立場を説明するだけではいけないと思っています。  この日韓併合条約について、外務大臣、御認識はいかがですか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 これはまあ意見を異にするところはいろいろございましたが、しかし、日韓の正常化のための条約は結ばれて一応の解決を見たことでありますから、それをさらにもう一遍やり直しというわけにはまいらぬのです。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 もう一遍やり直すということではなく、今私は、日朝の交渉でお役人はこういうことを言っておる、こういうことではこれからの日朝交渉は進みませんよ、こういうことを申し上げた次第でありまして、正しい歴史認識に基づいて日朝交渉についても臨むべきである、そして、韓国とのさまざまこれからまだ出てくる問題につきましても正しい歴史認識に基づいて臨むべきである、こう主張しているわけでありまして、この点について総理の答弁を求めたいと思うのです。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 日朝交渉は誠心誠意今やっております。第六回目までやりました。しかしながら、日韓と条約を結んだことと全く別な次元で朝鮮半島の北半分である朝鮮民主主義人民共和国と条約を結ぶということは、実は考えられないのです。南と全く差をつけちゃうというわけにはいかない。やはり日韓との間でできた条約というものが一応頭の中に置かれて、その上で交渉は進められなければならないと私は考えております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今のテーマにつきましては、総理の施政方針と外務大臣の過日の方針と、似ているようで外務大臣のは、誠意を持ってやるということがきちんと書いてあったので、そこのところを評価したいと思います。これからもそういう姿勢で進んでいただきたいと思いますが、お答えしてもここだけで議論とめるわけにはいきませんから本論に戻して、先ほどの日韓首脳会談に戻して伺っておきたいと思うのですけれども、韓国の政府は、その中で一つのテーマとして残った従軍慰安婦の問題について一月二十一日、韓国側でも各省庁の実務責任者会議を開いて、日本政府に対して徹底した真相解明とこれに伴う適切な補償などの措置をとるよう求めている、こういう方針が決まったそうです。韓国内の市民運動が国連に持ち出すという問題もある。大体この問題については、政府はずっと問題に触れないで、逃げて逃げて逃げてきましたね。実態、真相究明、調査をすると言いながら、みずからこういうものがありましたという報告はなかった。市民運動や学者の先生がやっと見つけた資料が世にあらわれて、そこから動き始めだというのが実態じゃなかったでしょうか。  実は、この問題につきましては、これまで五点ほどの資料が集まったということのようでありますけれども、その後、四十七点ぐらいの新しい資料が見つかったということにつきまして、これは私は行いません。昨日それを入手いたしました、後ほど我々の同僚の伊東秀子議員がこの問題に基づいて、新しい四十七点の資料に基づいて伺いたいと思いますので、真相究明の努力につきましては、そうした資料を積極的に政府が発表して、そして内外に明らかにする中でオープンな格好で進めていただきたいという、これからの予算委員会での問題について御紹介するにとどめたいと思います。  さて、そこで、問題絞っていきまして、従軍慰安婦の補償の問題につきまして、現在の政府の基本的な考え方はどうなっているんでしょうか、この点について伺いたいと思います。

谷野作太郎外務省アジア局長

○谷野政府委員 先生も御案内のとおりでございますが、本件につきましては、ただいま日本の国内におきまして訴訟の手続がとられております。政府といたしましては、その帰趨を見守るということでございますが、あえて申し上げますれば、この種の問題も含めて法的には六五年の日韓の正常化の折に決着済みであるというのが政府の立場でございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 決着済みであるということについてもう少し敷衍して御説明をいただきたいと思います。なぜ決着したんですか。この点について御説明いただきたいと思います。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 お答え申し上げます。  先生も御承知のとおり、一九六五年、昭和四十年の日韓請求権経済協力協定の第二条におきまして、日韓両国及び両国国民間の財産請求権の問題がこの協定をもって完全かつ最終的に解決したということを確認しているわけでございます。また、この協定の第二条三項におきましては、いわゆる請求権放棄についても規定しているわけでございます。  それで、これらの規定は、両国国民間の財産請求権問題につきましては日韓両国が国家として有している外交保護権を相互に放棄したことを確認しているものでございまして、これ自体はいわゆる個人の財産請求権そのものを国内法的な意味で消滅させるものではないということは、今までも何度か御答弁申し上げたとおりでございます。  これらのいわゆる条約上の処理の問題でございますが、この日韓の場合におきましては、これも御承知のとおり二条三項におきまして、一方の締約国及びその国民の財産、権利及び利益であって同協定の署名の日に他方の締約国の管轄のもとにあるものに対してとられる措置につきましては今後いかなる主張もなし得ないというふうに規定いたしまして、一定の国民の権利、我が国におきましては韓国及び韓国国民の財産権等を、法律をもって、法律を制定いたしまして消滅させたということでございます。  長くなりますのでこの程度にとどめますけれども、冒頭申し上げましたとおり、日韓両国間におきましては、両国間の問題といたしましてはこの請求権の問題というものが完全かつ最終的に解決したということでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 短く伺いたいと思います。  完全かつ最終的に解決されたと説明しましたが、解決したということは、相手側に対して賠償金を払うなり和解金を払うなりしたということなのでしょうか。この点について伺います。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 簡単に要点だけお答えを申し上げますと、当時のこの日韓の交渉におきまして、一方におきましては、ただいま申し上げましたように財産請求権の問題は完全かつ最終的に解決したということ、同時にまた、我が国から経済協力といたしまして無償、有償の一定額の資金を供与をすることを約束をし、これを実施したということでございます。このような形におきまして我が国から一定の資金が、具体的には財産、役務ということでございますけれども、一定額の経済協力が行われた、そして同時に請求権の問題が解決された、こういうことでございます。  さらに、若干繰り返しになりますけれども、この財産請求権の問題につきましては、この協定によりまして、日韓間で外交的にこれを取り上げることは行わないという形で解決したわけでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 私が伺ったところとちょっとずれたお答えになっているわけですけれども、お話は、無償三億ドルの供与、有償二億ドルの長期低利の貸し付けという経済協力ということによって完全かつ最終的に請求権問題については解決されたということの説明だったと思いますけれども、この無償、有償五億ドルの経済協力ということは、請求権との関係ではどういう関係にあるんでしょうか。この点について、今の御説明ではよくわかりません。御説明していただきたいと思います。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 当時の日韓国交正常化交渉におきましては、この請求権の問題につきまして、先生も御承知のとおり大変に長いかつ複雑な、困難な交渉が行われたわけでございます。その結果といたしまして、ただいま先生もお触れになりましたように、無償三億、有償二億ということがこの協定で約束され、実施されたわけでございます。  これは、この協定上は直接韓国及びその国民に対する補償と、直接そのような支払いという形では行われなかったわけでございますけれども、ただ、先ほども申し上げましたように、経済協力という形で日本から実質的には資金が韓国の方に行く。そして、一方におきましては、先ほども若干触れましたように、請求権の問題につきましては、一定の場合には請求権の放棄あるいは国内的な財産権の処理に対して相手側が主張しないという形で解決をしたわけでございます。  したがいまして、経済協力と請求権の処理というものがこの協定のもとにおいて並行的に行われ、俗に言えば一つの大きなパッケージとして解決がなされたということでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 パッケージという言葉の意味がわかりませんね、聞いておって。この経済協力の性質は何だったんでしょうか。請求権問題の処理あるいは請求権を解決するために肩がわりとしての五億ドルということだったんでしょうか。この点について伺いたいと思いますが。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 先ほども申し上げましたとおり、この経済協力というのは韓国側の請求権あるいは請求に対する直接の支払いというものではございませんけれども、日韓両国国家間におきましては一定の額の資金が実質的には韓国側に支払われるわけでございますので、そのようなことも考慮して、請求権の放棄等の形で請求権問題を解決した、そういう一つの大きな外交的な交渉の結果であったということでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 経済協力を行うことになった、それで請求権がなくなった。この関係はどういう関係なのですか。法律的な関係か何かあるのですか、あるいは全く関係ない話なのですか。全く関係ないということになれば、この完全かつ最終的に解決されたということはわかりにくくなると思いますけれども、この点についてさらに伺いたいと思います。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 この点、若干繰り返しになって恐縮でございますけれども、先ほど来申し上げておりますとおり、日韓請求権経済協力協定におきまして、一方においては請求権の放棄等の形での請求権問題の処理、解決ということをなし、同時に並行的に経済協力というものを行うという形で、この協定上、直接その請求権の補償というような形では規定しておりませんけれども、しかし、全体としてはそれぞれが外交交渉上関連を持って妥結に至ったということでございます。これを俗にパッケージと、大きな形のパッケージということを言って申し上げているわけでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 ということですと、請求権の問題と経済協力の問題は全く関係なかったんだと、関係なかったんだけれども、並行的に解決したから一緒に整理したんだ、こういうことですか。要するに、法律的に、条約上法律的には関係ない問題がたまたま一緒になって解決したと、外交上政治的に解決したということですか。そういうことならそういうことでいろんなこれから出てくる問題についての対応の仕方が出てくると思いますけれど、も、もう一遍そのパッケージの中身、わかりませんね、聞いておって。全く関係ないものがたまたま一緒になってということなのですか、それとも関係あるのですか。両方がパッケージということの意味についてさらにちょっと伺いたいと思います。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 これは全く関係ないということではございませんで、むしろ外交上一つの大きな交渉の中で関係があったからこそパッケージということを申し上げているわけでございます。  繰り返しになりますが、請求権の補償という形で規定してはおりませんけれども、請求権の解決を考慮に入れて、日本側から見れば経済協力を行う、また韓国側から見れば日本側から経済協力という形で実質的に資金が供与されるということを考慮してこの請求権の問題を解決したということでございます。したがいまして、この規定上は請求権の補償という直接の書き方はしておりませんけれども、全体としてこれは両者関連して大きな一つの当時の外交上の判断として、これは両方、両側の判断でございますけれども、この問題を解決したということでございます。  当時既に日本の韓国に対する支配というものが終わって相当の年限もたっておりました。具体的な請求権の積み上げ金額等についてもいろいろ議論が交渉上あったわけでございますけれども、相当の年月もたち、また資料も必ずしも全部そろっているわけではないということも考慮いたしまして、一つの大きな解決策ということで、一方においては経済協力をなし、一方においては請求権問題の解決、放棄等の処理を行うということでございます。したがいまして、両者は交渉上関連をしていたということでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 請求権の補償ということではないけれども関連を有しておった、こういう結論というふうに聞きました。  請求権というのはどんな中身があったんですか。その中身には例えば慰安婦の皆さんの補償問題等は入っておったんですか、入ってなかったんですか。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 当時、日韓国交正常化の大変長い複雑な、かつ困難な交渉の中でいろいろな具体的な請求が韓国側からなされていたわけでございます。ただいまここにそのすべての資料を持っておりませんけれども、その結論といたしまして、日韓請求権経済協力協定の第二条の第一項におきましては、ちょっとこれは短いので読ましていただきますが、「両締約国は、両締約国及びその国民」、ちょっと間を飛ばしますが、「の財産、権利及び利益並びに両締約国及びその国民の間の請求権に関する問題がこサンフランシスコ「平和条約第四条同に規定されたものを含めて、完全かつ最終的に解決されたこととなることを確認する。」というふうに規定しているわけでございます。したがいまして、交渉の過程でいろいろな具体的な請求がなされた経緯がございますけれども、そのようなものをすべて含めて完全かつ最終的に解決されたということでございます。  この交渉の過程で出されました具体的な請求につきましては、例えば対日八項目の請求というようなものもあったわけでございます。ただ、いわゆる慰安婦の問題について当時具体的にそのような請求がなされたというふうには私は承知しておりません。ただ結論といたしまして、あらゆる請求権の問題が完全かつ最終的に解決されたということでこの条約上の合意をしたということでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今お話がありましたとおり、当時八項目の請求がありました。その中に、今またお話がありましたとおり慰安婦の補償問題についてはその中には入っていなかったということです。入っていなかったのに全部解決したという理屈はどこから出てくるんですか。全く相談していなかった、解決していなかった問題について整理できてないんじゃないですか。テーマの中に入っていなかったんだけれども解決したはずであるというその理屈について説明していただきたいと思います。今これはわかりませんね。

柳井俊二外務省条約局長

○柳井政府委員 お答え申し上げます。  ただいま申し上げましたとおり、いわゆる対日請求人項目というようなものがございまして、そのような中で韓国側が具体的に請求したものの中に、いわゆる慰安婦の問題というのが入っていなかったという経過はあるわけでございます。ただ、それでは当時韓国側があらゆる問題について、あらゆる請求について具体的に請求をしたかということになりますと、これは大変に日本の統治時代のいろいろな問題、これを具体的に請求するというのは種々困難があったと思います。  この請求権の処理の問題というのは、日韓に限りませんけれども、具体的な問題の処理ということでいろいろ議論はいたしますけれども、そのような請求の根拠なり資料なりが必ずしもそろわないということも現実でございます。そこで、交渉上ある一定の時期に妥結を図るということになりました段階におきまして、そのような具体的には触れることができなかったような問題も含めて請求権問題をすべて完全かつ最終的に解決するという処理がしばしば行われるわけでございまして、繰り返しになりますのでこれ以上申し上げませんけれども、先ほど読み上げましたように、日韓の条約の上では、そのような当時具体的に取り上げられなかった問題も含めてすべての請求権の問題が両国間では完全かつ最終的に解決されたというふうに規定しているわけでございます。したがいまして、この点につきましては、日韓両国政府間で合意の上でそのような処理をしたということでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 議題として取り上げられていなかったということについては、今お話しのとおりでありまして、取り上げていなかったことについて解決したと言うのは、これは理屈に合わないというように思います。この問題については、八項目の中で全体として対応しているわけでありますから、全体としてそういう理屈にならざるを得ないと考えるわけでありまして、また今資料の問題がありましたけれども、改めてこの問題については取り上げていきたいと思っています。  最後に訴訟の問題について、訴訟の推移を見守るということだったわけですけれども、単に長い裁判を見守るだけでよろしいのでしょうか。こうした問題について五年、十年長く続いていくならば、その間見守っているということでは足りない、政治的な決断が必要なのではなかろうか。この点について、これは官房長官がこの問題についてずっと担当しておった経過もおありになるようですから、この問題についてどういうように対応するお気持ちなのか、新しい議論も出てきておるようでありますから、この点についてまとめて伺っておきたいと思います。

加藤紘一自由民主党内閣官房長官

○加藤国務大臣 私が累次記者会見等で申し上げてまいりましたことは、このいわゆる韓国人慰安婦の問題につきましては、法的、条約的にはただいま言いましたように個人の補償の問題は処理が終わっているというのが政府の解釈でございます。ただいま条約局長が申しましたように、しかし、個人の訴権をまたこれを奪うものではないので、現在進行されております裁判において司法部がいかなる判断をするかを見守っていきたい、こう思っております。  ただ、この慰安婦の問題は、単にそれだけではない心の傷の問題という点もございますので、我々はそういう観点から何をなし得るのかということを考えていかなければならないと思っておりますけれども、しかし、それをどういう形にするのか、これからいろいろ政府としても慎重に考えていかなければならない問題、またいろいろな意見をお伺いしながら考えていかなければならぬ問題だと思っております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 この問題については、裁判の訴状を一遍ごらんになっていただきたい、こういう気がいたします。大変分厚いものではありますけれども、この現物を読んでいただきたい。まさにこれまでの私たちの歴史をそこから知らなければいけない。そして、その中にある苦難に満ちた原告の皆さんのその叫びというものをぜひ直接聞いていただきたい。そうした中で、官房長官も今この問題についての重要性について触れましたけれども、この問題については、単なる裁判を見守るということでは到底済まない問題だということを強調しておきたいと思います。  次に移りたいと思います。安保、防衛問題。  今、冷戦後の時代ということで、改めて議論が始まっています。日本社会党も、シャドーキャビネット委員会、安全保障委員会におきまして、上原委員長でありますけれども、いろんな各界の皆さん集まっていただいてのアドバイザーの会議なども踏まえまして、一つには九二年度以降の防衛費の削減の問題、第二番目、中期防、防衛計画大綱の抜本的見直しの問題、三番目、新しい時代の自衛隊の位置づけ等について作業を進めて、問題提起をしていく予定であります。とりわけ予算と絡んでまいります防衛費の削減の問題については、できるだけ早い時期に全体の整理をして、党の立場を明らかにした中で他の野党の皆さんとも相談を進めていきたいと思っているところでございます。  まずそのことを御紹介した上で、総理は施政方針演説におきまして、平和憲法下、軍事大国とならないという基本理念に従って、「中期防の修正について前広に所要の検討を行ってまいります。」こうおっしゃっています。前広というのはどういうことなんでしょうか。わかりませんね。昨年十二月末、総理がそうおっしゃった後も、官房長官の説明と防衛庁の説明が一年、時期について違っておった。前広のとらえ方が違っておったということだと思うのですけれども、一体どういうおつもりなんですか。どういう方向で見直そうとされているのかということについて、前広なんていう国民のわからない言葉ではなくて、わかる言葉でひとつ総理にまず説明していただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 昨年の暮れに予算編成を、最終段階に入りましたころでございますけれども、この中期防には、三年後には修正を再検討するという意味の規定がございます。それは、ほっておきますとまだまだ後のことになるわけでございますけれども、こういう大きな国際状況の変化があるときに、それではいかにも間延びをしておるのではないだろうか、すぐにもこの状況の中で中期防をどういうふうにしたらいいかということを検討することが適当ではないかということを、私、防衛庁長官と話をいたしまして、同様の趣旨を安全保障会議で申し述べたところでございます。  私の申しました趣旨は、すぐにもその検討を開始をしてほしい、そしてこれという結論が出たならばそれはなるべく早く実行しようではないか、こういう趣旨のことでございまして、その限りにおきましては防衛庁長官におかれても、できるだけ早く検討を開始をいたします、その結論が出ましたならばその実行につきましてもできるだけ早くできるように努めます、やってみませんとどういう時間がかかるかわかりませんが  それはもっともなことでございますが、そういうことで二人の話が一致いたしまして、防衛庁では既にその検討を開始をした、従来予定しておりました時期よりは非常に早い時期から検討が開始された、そういうふうに承知をしております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 総理は、急にやることはできない、こういうようにせんだってもおっしゃっていましたけれども、最近の二十八日、ブッシュ大統領の一般教書における、核軍縮などを進め五年間で五百億ドルに上る国防費削減計画を明らかにしたこの内容について、どう受けとめておられますか。まさにここには平和の配当の考え方が出ています。ことしの予算にそれが出ていないのではないでしょうか。この一般教書に対する総理の受けとめを伺った中で防衛問題、予算について伺っていきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それには幾つかのことを申し上げられると思うのでありますけれども、まず我が国の防衛、これは昭和五十一年の防衛計画の大綱によって基本が定められておるものでございますけれども、御承知のようにここには仮想敵というようなものを考えておりませんで、一つの国として最小限、基盤的防衛力をどの程度に整備すべきかという、そういう思想が今日の防衛計画、中期防まで貫かれておるわけでございます。そういう意味では、中ソが持っております防衛計画とは、かなり性格も、また大きさも異にするものであるということを御理解を願いたいと思います。と申します意味は、確かに世界の大きな変化は私どもも敏感に感じております、そのとおりでございますが、本来、防衛計画の大綱がそのような思想に基づいておりますから、中ソのように変化にすぐに即応するといったような、基盤的な部分というのは多少性格を異にしておるということがあろうと思います。  第二に、しかし、ブッシュ大統領が五年間で五百億ドルの防衛計画の削減を発表されたということは、私は極めて高く評価いたします。我が国でございますと、予算が単年度主義でございますので、何年間にこの計画をどれだけ削減するということが、第一、非常に申しにくいのでございますが、もう一つは、大統領制でございますから、大統領は自分の考えとしてそれを言われる自由がございますが、議会がそれをどういうふうに処理するかということが全く別個のものということになっておりまして、そういう意味ではああいう大統領としての意図を世界に宣明されるというそういう立場の自由を持っておられる。私は、そのことは非常に高く評価いたします、そのことは高く評価いたしますが、そういうふうに私はあれを拝見しております。  そこで、しかしながら、そういう状況、理由はございますけれども、この大きな世界の流れの中で、我が国の防衛計画がそのような性格なものであれ、全く影響を受けないでいいという理由はない、これは小さいものは小さいなりにやはりいろいろ考えていかなければならない「こう思いましたのが、私が防衛庁長官に指示をいたしました基本の考え方でございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 小さいなりにとおっしゃったけれども、世界有数の軍事予算を組んでいる国なんですから、そういうことを言うのは間違っていると思いますし、何かアメリカの大統領はリーダーシップを発揮できるんだけれども日本の大統領はリーダーシップを発揮できない、こうとられる発言ですね。これでは困るわけでありまして、まさに劇的に変化している世界の状況に照らして、総理がおっしゃっておった冷戦後の新しい時代、平和の配当をどこにということについてブッシュ大統領は明確じゃないですか。ところが、今度の予算はそうではない。  大体あの大綱の見直しなどはもう当然のことと言わなければならないと思っています。状況が変わりました。当時言ったような直接侵略、間接侵略の可能性はないんじゃないですか。あるというんですか。あるいは安保条約第五条の日本国の領域におけるいずれか一方に対する武力攻撃、こういうことがあるというんですか。ないんじゃないでしょうか。そしてアメリカ、ソ連の対峙関係、東西の対立要因というものを大変強く規定した中で、基盤防衛力整備と言いながら防衛計画の大綱をつくっておった。見直しは当然だと思いますけれども、長官の御意見を伺いたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 防衛計画の大綱は、今御指摘のように五十一年につくられました。我が国の防衛力整備は一次防から四次防まで始まりまして、年次計画でやってまいりました。しかし、その基本的な理念といいますか、基盤的防衛力構想と今言われているようなものあるいは平和時における防衛力のあり方、こういうものがまとめて議論されたのが、私は五十一年の防衛計画の大綱であると存じております。その後は、やはり中期計画の倍々ゲームで予算がふえてきたという御指摘等もありましたし、当時国際情勢は、米ソの対立関係は依然として存在はいたしましたが、デタントの状況でございました。したがって、平和時における防衛力のあり方はどうかというような議論の結果、五十一年度の防衛大綱の基本的理念が決められ、そして国際情勢、それから別表による今後の防衛所要の問題、これが決められたわけでございます。  ところが、年次的にずっとやってまいりましたけれども、やはり防衛力の整備について、一%問題等もございまして、改めて総額で中期防をつくることが必要であろうという認識のもとに、六十一年から改めて中期防衛力整備計画がつくられたものでございます。そして、現在の中期防衛力整備計画はそれを引き継ぎまして、一昨年の十二月の終わりでございますが、二十日に現在の防衛力整備計画がつくられております。この基本的考え方は、当時東欧の民主化あるいはドイツの統一、またソ連の今日の情勢等は十分その当時世界の変化として、情勢変化としてございました。私どもはそういうものを考えながら中期防を策定したわけでございます。  したがって、まず第一に言えることは、中期防自体が、例えば正面装備で申しますと、それ以前の中期防は七・七%ずつふやそうという計画でございましたが、一昨年つくられた今のものはこれを二・三%ずつ正面装備を減らしていこう、一例を申し上げますとそうです。それから平均伸率で申しますと、前のは五・四%くらい増強していこうということでしたが、今度の中期計画はそれを三%くらいに抑制をするというようなものでございまして、この世界的な情勢変化を踏まえて中期防をつくり、そして平成四年度の予算はその二年目として位置づけをしているものでございます。  したがいまして、現在私どもが世界の情勢を全然無視しておるということではございませんで、中期防自体の中にそういった傾向を十分織り込んで中期防衛力整備計画をつくったということ、そしてまた二年目におきまして、これは新聞等でも報道されておりますように、これは昭和三十五年に〇・六%という伸び率でございましたが、以後五%以上全部伸びてまいりました。我が国はゼロベースからスタートした防衛力整備でございましたから当然そうであったと思いますけれども、ことしはこれを三・七八%というように抑制をいたしまして、私どもとしては対応したわけでございます。  ふえてけしからぬではないかという御議論でございますが、防衛費はこれは人件、糧食その他、あるいは歳出化の分等の当然的なものが多く、八割以上を占めておりますので、私どもとしては隊員の処遇等も改善しなければなりません。隊舎、兵舎の改善もしなければなりません。そういうことを考慮しながら定めたものでございまして、私どもは、この時代の変化を織り込んだものとして平成四年度予算を編成したもの、このように存じております。  ただし、今総理からもお話のございましたように、今までの中期防と違いまして、世界の情勢変化というのはなお今後進むであろう。現実に中期防をつくりまして以降、ソ連邦の解体その他大きな出来事がございます。したがいまして、三年後には必要に応じて総額の範囲内で修正をする、必要に応じて修正をするということを明記しておるのも今回の中期防の特色でございます。そういうことで、基本的な考え方としては、この世界の情勢を十分私どもも頭に置きながら、そして平和目的のための自衛隊のより効率的な、しかも均衡のとれた防衛力をつくっていこう、こういうことで編成したようなわけでございますので、御理解をいただきたいと存じます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 何から何までお話しになりましたけれども、三年後というのは、いつの予算から具体的に反映させていくということですか。短くその質問に対して答えていただきたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 先ほど申しましたように、現在の中期防は平成三年度から四年度、五年度、六年度、七年までの期間のものでございます。したがいまして、この中期計画によりますと、三、四、五、つまりその間にきちっとした方向づけをして、六、そのあと二カ年にこれを反映させていこうということでございますが、総理から先ほど御答弁のありましたように、早急にこれは前広に検討して結論を出していこうじゃないかという御意向もございまして、私も、総理の御指示に従って、防衛庁で防衛力検討委員会を直ちに発足さして検討をさしているところでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 そんな先の話じゃなくて、我々は、ことしの予算から考えるべきであるということをこれからの予算委員会の中で主張してまいりたいと思います。  ただ、一つだけ聞いておきたいと思うんですけれども、この予算書の中でペトリオットについて書いてありますが、まず全体として、こういう新しいものが出るのに、最近は防衛庁は我々に対する説明資料が出てこないですね。出てこないんです。多連装ロケットしかり、その他の新しい兵器について、ちょっと前ならば詳しい説明があった。最近は漫画の歩みたいな絵が一枚出てくるだけであって、これで何百億円の予算を決めるというのは全く誠意がないと言わざるを得ない。  今たまたま古いものを持ってきましたけれども、これは早期警戒機導入について非常に詳細に、予算のメンバーだけではなく関係者に対して配って説明して、これでこれだけお金がかかりますということだったんです。もう一つあるのは、これ国産短距離地対空誘導弾、SAMに関してでありますけれども、大変詳しくパンフレットをつくって、今度新しい兵器買うからこうです、こういうことだったんだけれども、大体これ、一行あるだけですよ、一行。それからもう一つ、絵図面が一枚あるだけですよ。これまでとは違って、全くこの点について説明がない。かつてとはお金のけたが違っている。百億、何百億、何千億とかかるようなものについて紙一枚で予算に臨めというのは、これはどだい全く誠意がなくて、十分議論ができないと思います。  こういう問題につきましては、従来あったようにこうした詳しい説明書をあらかじめ配るべきであるということについてまずそのことを指摘した上で、ペトリオット、これ〇・二五個群プラスワンセットというのは、これはどういうことですか。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 なるべく私ども、これ防衛装備というのは非常に専門的なものでございますから御理解を得るように努めなければならないわけでございまして、今後そうした方向でさらに努力は重ねて理解を求めていきたいと思います。  なお、ペトリオットの点の具体的なこの装備の数あるいは位置づけの問題でございますので、防衛局長の方から答弁をさしていただきます。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○畠山政府委員 ペトリオットについての御質問でございますが、ペトリオットのファイアユニットというのがございまして、運用しますときの、配備をいたしますときの単位が四個のファイアユニットで一体を形成する、こういうことでございます。その〇・二五個群と言っているのは、これは、その四個のうちの一つ、四分の一という意味でございます。それを教育所要として入れる。そのほかに一セット、定期修理用に一セットのものを用意する、こういうことでございます。  なお、ペトリオットにつきましては、これは全体として六個群ございまして、六個群についてはすべて予算的手当てが従来型でなされておるわけでございますが、そのうちの最後の分の四分の一が欠けておるということもございまして、今回それから湾岸戦争等で経験いたしましたことから、この部分については今まで装備予算手当てされた以上の性能の高いものをここに新たに導入するということでございまして、基本的にペトリオットというのはそれ自体新しい装備ではございません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 プラスワンセットについて説明してください。プラスワンセット。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○畠山政府委員 先ほど触れたつもりでございましたが、定期修理用のワンセットということでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 定期修理用ということは、同じものを入れるということですか。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○畠山政府委員 これは、新しい機能を持つものについてそれに付加する形で改良を今後加えていくわけでございますので、そういった意味で定期修理用の部分をワンセットということでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 これは、昨年削った部分について補充するということではないのですか。それとも新しい考え方のもとですか。

畠山蕃防衛庁防衛局長

○畠山政府委員 御指摘のように、昨年の予算の修正のときに、第六番目の高射群につきまして、四個ファイアユニットのうちの一つを削減したという経緯がございました。それの補充ということではございませんけれども、これは四個ないと完全な機能を果たしませんから、現在教育所要として持っております旧のタイプのものを恐らくそちらに回して、その教育所要のところに新しい〇・二五群と書いております四分の一のものを新たな機能のものとして入れるということでございますから、実質的には当然その去年の削減された分を玉突きの形で補充するという形になることは事実でございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 こうした問題については、先ほど申し上げましたとおり、改めて我々の考え方を予算委員会の中でまた主張していきたいと思っております。  いろいろお伺いしたいこともありますけれども、要は、中期防につきましても、大綱の問題につきましても、前広にという総理の発言はあったけれども、全く、今の流れありましたとおり、考えていないのではなかろうか、こういう気がいたしますし、とりわけ膨大な予算を使う問題について何らの資料説明もないということについては、今防衛庁長官も努力すると約束いたしましたので、そういう資料について早急に配っていただきたい、こういうことについてお願いをしておきたいと思います。  あと、質問変えますけれども、もう一つだけ、ガット・ウルグアイ・ラウンドの農業交渉をめぐる状況について伺っておきたいと思います。  農水大臣に伺いたいと思いますが、遅くとも三月一日までに国別の約束リストを提出するよう求められているようですけれども、どう取り組みを進めていくのか、農水大臣の決意を伺いたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 合意文書案がダンケル事務局長から提示されましたけれども、この見通してありますが、日本はもちろんでありますけれども、他の国々も非常に困難な問題を抱えておりまして、なかなか思うように進展をしていないようであります。ただ、私どものこの文書案を見る限りにおいては、特に農業部分については輸出補助金に比べて国境措置の取り扱いにバランスを欠いておる、特に包括的関税化の考え方は我が国として、は対応が極めて困難ということを主張しておるわけであります。  三月一日にどういうふうになるかということでありますが、今のところ、私どもも全く見通しが立てられないという状況にございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 全く見通しが立てられないということでは困るわけでありまして、実はその後の状況、一月十三日の貿易交渉委員会では三十九カ国が発言したようですけれども、日本初め、包括関税化にも反対したグループが強い主張を展開した。補助金問題につきましては、アメリカ、ECとの対立が激しくなっている。ECでは簡単には妥協しない、修正を要求する、こういうことを言い切っておるようであります。一月九日、アメリカで公聴会が開かれておりますけれども、公聴会に参加した主要農業団体十五団体のうち十一の団体については反対であった、こういうような状況も伝えられているわけであります。  こうした不透明な状況の中でのこれからの方向でありますけれども、基本的な方針については堅持するという言葉では大臣も繰り返しておるわけでありますけれども、しかし、この問題についていよいよ大詰めということになってきていると思います。やはり政府は世界最大の食糧輸入国として、少なくとも国民の基本食糧である米の関税化の例外措置、ガット十一条二項(c)を認めるようさらに強く働きかけるべきである、こういうように思いますけれども、農水大臣の決意を伺っておきたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お答えいたしますが、日本の立場は、もうかねてから申し上げておりますように、これまでの基本方針のもとに、農産物輸入国としての我が国の立場が、交渉の結果、適切に反映されるように努力をしてまいりますということで一貫しておるわけでありますから、ただ、それぞれの国がいろいろ立場があって、これもまた難しい問題を抱えておる、私の方は今の立場を貫いていく、こういうことであります。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 いろいろ各大臣に伺いますと議論が出るんじゃないかと思いますが、総理にまとめて、改めてこの問題についての決意を確認的に伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 基本的にはただいま農水大臣から申し上げたとおりでございます。  今の段階におきまして、我が国、アメリカ、ECの間の、殊に、農業問題に限りませんが、農業問題をめぐります関係はかなり複雑でございまして、しばらく前に言われましたように早く全体が動いていくという状況ではございません。それは、一つを申しますれば、今農水大臣が言われましたように、国境措置の厳しいことに比較して輸出補助金についての切り方が十分でないといったようなこと、あるいは、所得補償について、それをどのように扱うかといったようなこと等につきまして、殊にEC内部におけるこの問題についてのいわゆるダンケル提案についての批判はかなり厳しいものがあり、また、それについてECとアメリカとの間の交渉もはかばかしくは必ずしも進んでいないといったような状況がある中で、我が国は我が国としてのまた問題を持っておる。そういうことでございますから、私は、今農水大臣の言われましたようなことを基本にいたしまして、このラウンドの最終段階での我が国としての協力を進めてまいりたいと思っております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 日本の農業を守り、基本食糧を守る、安全性を守るという観点で最後まで努力を続けていただきたいということを要請して、次のテーマに移りたいと思います。  政治改革を中心といたしまして、共和疑獄を初めとした最近の幾つかの問題について伺っていきたいと思っております。  混同するといけませんので初めに聞いておきたいと思うのですが、渡辺郵政大臣、大臣が初当選以来十八年間金庫番を務めておったという人の内部告発が一部の週刊誌に載っています。今、受験シーズン、その真っただ中にあって、受験生を食い物にし、最低三万円から最高二千万円の入学あっせんの謝金を受け、受験生を持つ親心につけこんでむしり取るだけむしり取る手口ということで掲載されておるわけでありますが、内容を拝見して、みんなびっくり仰天しているというのが正直な印象であります。もし事実とするならば、政治倫理にもとるという当たり前の言葉では説明できないような出来事と言わなければなりません。  この問題について、郵政大臣は十分お読みになっておると思いますけれども、釈明を求めたいと思います。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 今回の今先生の御指摘の問題につきまして、まずおわびを申し上げたいと思います。  私の問題で、国民の皆様、あるいはまた大学の関係者、特に私立大学の関係者の皆様、あるいは、今まさに受験の時期でございますが、受験生そして父兄の皆様、さらには国会議員と秘書との信頼関係という問題にまで、考えてまいりますと、大変な御迷惑をおかけいたして、まことにもって私の不明不徳、本当にこれは恥ずかしい話でございまして、まずもって心からおわびを申し上げたいと思う次第でございます。  私も政治家として、後援者の方々からさまざまな相談、陳情を受けるわけでございます。進学の問題もその一つでございまして、相談、陳情があるわけであります。その場合、私は、中には大学に対してできればその合否を早く知らせていただけないかとお願いをすることもございますけれども、記事上御指摘ありましたように、コネで押し込むとか、あるいはまた入学をあっせんをするという、相談に対して処理するということよりもあっせんをするというようなことは、今の大学のシステム上、これは事実上不可能なことでございます。したがいまして、合格の場合もございますれば、不合格の場合もございます。合格を知らせた方々の中には、一部の方ということで、当然私の方は御辞退、御遠慮申し上げますけれども、それでもなお、記事にあるような多額なものではもちろんないと思いますけれども、浄財をいただいた方もあるいはあるのではないかと思います。しかし、私の方から謝礼金やあるいはまたそういう金額を要求したこともございませんし、また秘書にそんなことを命じた記憶もございません。  いずれにいたしましても、例えば浄財をいただいた場合などは、当時の担当秘書は、これは非常に税務あるいはまた政治資金規正法あるいは会計とか、そういうことにも一生懸命に勉強した人間でございますので、適正かつ公正に私は処理してあるというふうに信じております。私といたしましては、秘書のせいにいたすわけではございません。まさに秘書のことは、これは私の責任でもございます。したがいまして、全面的に秘書を信頼いたしてまいりましたし、金銭に関することも初めとして、長い間の信頼関係でございますので、すべてを実は託してまいりました。結果として、しかし、名前の出た大学の皆さんを初めとして多くの方々に御心配をかけましたようなことの今日の事態は、これは本当にもう言葉に尽くせない私の不徳不明でございまして、今後こういうことのないように対応いたしてまいりたいと思う次第でございます。まことに恥じ入っております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 報道された数字は、六十一年が三千二百七十一万円、六十二年四千百五十万円、六十三年三千百十万円、三年間一億五百三十一万円という数字であります。これ、もし今大臣おっしゃるように事実に反するということであるとするならば、またこれはゆゆしき事態であります。このことを内部告発したのが全く知らない方ではなかったであるということであるとするならば、確かめるなり抗議をするなり、あるいは何らかの法的手段をとることも一つの身のあかしということだと思いますけれども、大臣、この点いかがですか。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 今先生の御指摘ですけれども、これはもう、相手を非難したり、あるいはまた今までの秘書に対して不満を言ったりすること以前に、私と秘書との信頼関係の問題でありまして、これはその前に、私が本当に至らなかったということから、なぜ秘書にそういう気持ちにさせたのか、そのことの方がまず先だと私は深く反省をいたしているわけでございまして、先生のおっしゃるような処置には、私は今全く考えておらないということでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 自治省に伺いたいと思います。  政治家のお金の集め方として、後援団体が政治献金を受け取る方法、全額指定団体が受け取る場合、指定団体と個人が扱う場合、個人が扱う場合等々があると思います。渡辺郵政大臣の場合には、昭和六十三年には保有金の届けが提出されておりませんけれども、これは一体どういうことなんでしょうか。結論的に言えば、渡辺郵政大臣の昭和六十三年分の政治資金の収支については指定団体の収支報告書に記載されているということになると思いますが、いかがでしょうか。自治大臣の方に。自治省で結構です。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○吉田(弘)政府委員 政治資金規正法上では、政治家個人として受けた寄附についても保有金としての収支報告の制度が設けられておりますが、政治家個人として受けた寄附をその受けた年において全額指定団体に寄附をした場合には、保有金の収支報告は要しないこととされているわけでございます。つまり、指定団体を通じて報告をするか保有金として報告をするという仕組みになっているわけでございます。  渡辺郵政大臣の昭和六十三年度の収支報告関係につきましては、指定団体の収支報告書に渡辺郵政大臣からの指定団体に関する寄附が記載されておりまして、大臣個人に対する寄附について指定団体を通じて報告されているわけでございまして、保有金の収支報告はございません。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 私が調べたところでは、大臣の政治資金を扱う指定団体、自治省届け出は八団体ありました。六十三年分個人からの寄附の総額につきましては、八つで合計して一億六千四百七十一万円ということであります。そうして、大事なことは、これは担当しておったのは今回週刊誌に内部告発をした方が会計責任者であるということのようでありまして、そうなってくると、一番詳しかった人が今度の内部告発をしている、こういうことになっているわけであります。  もう一つの問題点は、割合あれは細かく出されておりまして、いわゆる透明度ということになりますとほぼ一〇〇%という中身であります。したがって、照らし合わせて合うか合わないかということによって、これはもう自動的に結論が出てくることになっているわけであります。  自治省に伺いたいと思いますが、もし政治資金規正法の違反等があった場合の罰則その他について、だれがどうなるのかということについて伺いたいと思います。

吉田弘正自治省行政局選挙部長

○吉田(弘)政府委員 政治資金規正法の関係でございますが、指定団体の記載義務違反とか帳簿の備えつけ、保存義務等の違反についてでございますが、政治団体の会計責任者は、会計帳簿を備え、収支報告書を提出し、会計帳簿等を三年間保存するものとされておりまして、会計帳簿の備えつけの義務違反につきましては三年以下の禁錮または二十万円以下の罰金、収支報告書の記載義務違反については五年以下の禁錮または三十万円以下の罰金、帳簿の保存義務違反については三年以下の禁錮または二十万円以下の罰金という規定がございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 ということから明らかなとおり、ここでもまた現行政治資金規正法の問題点が出てまいります。  この中身につきましてこれからまた大臣が説明されることになると思いますけれども、もし全部事実であった場合、一部事実であった場合、何らかの格好でお金が入っておって届け出がなかったというようなことになるとするならば、透明度一〇〇%ですから、あるかないかすぐわかるんです。そうなってくると、罰されるのはだれかといえば、また秘書が秘書ががここで通用いたしまして、政治家本人は法律的には何らおとがめなしということになる、所得税違反ということでまた別のケースになればそれはそれということになるわけですけれども。そうなってくると、政治家としては、あくまでもこの問題に対して政治資金規正法で罰されることはないということになれば、それだけ政治的道義的責任ということが大事になってまいります。さっきの大臣め答弁では、まあ秘書に対しても信頼関係、それが崩れたんですから、やはり何とか国民の皆さんがなるほどとわかる措置をとらなければならないと思いますけれども、改めて大臣のこの点についての決意を伺いたいと思います。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 先生の御指摘されること一々ごもっともだと思います。私は何とか、これは先ほど申し上げたいろんな関係者に御迷惑かけておることでもありますので、これからの私の政治活動でこの償いをし補いをいたしたい、今後そういうことのないようにやっていきたい、そう思っております。どうぞ御理解をいただきたいと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 いわばこれから後ずっと伺う共和に関する問題等々含めて、やはり国民の皆さんは、総理は一体何考えておるのか、どういう責任をお感じになっているのかということに問題尽きると思います。先に移るに当たって渡辺郵政大臣の今回のテーマにつきまして総理の見解を伺っておきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 先ほどから御本人がお話しになっておられますように、一般的に報道されておりますところとはかなり事実が違っておるようでございます。それにしても、それにしても御自身はそれなりの御自分としての責任も感じられ、また長年大切にしておった秘書の人についてもいろいろにお考えのようでございます。その辺のことをもう少し総合いたしまして、判断すべきことがあれば判断をいたします。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今、事実が違っているだろうということを前提として総理の答弁がありました。今後の問題ということで、先にたくさんの問題ありますから移っていきたいと思います。  阿部元環境庁長官が逮捕、そして起訴ということになりました。――失礼しました。阿部元北海道開発庁長官が逮捕、起訴ということにちょっと修正をいたします。  この問題については、やはり何よりも宮澤さんの派閥、宏池会の事務総長であったということだけではなく、ちょうどこの時期が、リクルート事件の批判を受けて竹下内閣がつぶれ、そしてこの後始末、宇野内閣も何もすることができず、海部内閣が誕生したその一番最初の閣僚になった。当時の海部前総理は、政治改革が自分の最大の課題であるということで大臣を任命した。  そこで同時並行的に、今度のはひどいですね、従来とはまた違った意味で政治家がたかりにたかっているという、我々同僚であることが恥ずかしいという気がいたします。これだけの事件に対して、やはり一体これからどうするかという根本的な問題が出てくるわけですが、後にこれから伺っていく幾つかの関連するケースにつきましても、やはり共和の事件につきましては宏池会の皆さんがかかわった、一番多くかかわっておるということは明らかなわけであります。我々は、この宮澤政権誕生に当たりまして、テレビでみんな見ていますね。阿部さんが事務総長として総理誕生のために努力をして、テレビでにこにことあのことを喜んじゃったということについてはみんな見ておるんです。改めてこの問題に対する総理の責任を伺いたいと思います。起訴されたんですから、このことに対してどうするかということについて総理の責任を伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 このたびのことは、私としてもまことに遺憾なことに存じますし、殊に、阿部議員とは私も長い間いわば同じかまの飯を食ってまいりました。政策も論じ、つき合いもいたしておりましたので、それだけにまことに残念なことに存じております。国民に対しまして、このようなことが起こりましたことを心から申しわけなく思っております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 もともとが宮澤政権誕生に際して、私たちはロッキード、リクルート花盛りの内閣だ、党の幹部だと言いましたけれども、総理は、衆議院の選挙で有権者の信任を得ているんだから、一応それで政治的には解決済みだというようなことから組閣をされました。そして今日に至っている。今の答弁を伺っても、もう既に逮捕、起訴されているんですから、このことに対して、やめるべきである、やめさせるべきであると思いますけれども、総理はいかがですか。この点について伺いたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 逮捕、起訴が行われたわけでございますが、事の真相、黒白と申しますか、これからは裁判の手続によって判明をしていただく、いくことであると考えております。最終的に事が決定をしたわけではないと申し上げることは、これは憲法上間違いではないと思いますが、そこで、御本人の進退のことについてでございますが、私は本会議におきましても、これは、基本的には阿部議員御自身が考えられることであろうということを申し上げました。  と申しますのは、これは山花議員にもあえて申し上げるほどの、よく御存じのことでございますけれども、私どもと選挙民との関係というのは、お互いが選挙民から信頼を受け、負託を受けてこの仕事をしておるわけでございます。それは、ある意味では他の何人も、よほどの理由でない限り口を突っ込むことではない、その選挙民と代議士との信頼関係というものは、それだけやはり基本的なものであると思います。したがいまして、御本人がその辺を考えられて、自分の受けた負託を、自分の受けた負託と信頼とを、これからさらにそれにこたえて努力をしていこうというふうにお考えになるのか、あるいは受けた負託、信頼について、自分としてはこの際一つの別の決断をしようと考えるかは、これはやはり憲法の、しかも民主主義の一番基本のところでございますので、私は、そこは御本人において判断をせらるべきことだというふうに考えるわけでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 単に一般の議員との関係ではありません。総理を生み出した宏池会の事務総長として力を振るった方の事件であるということですから、一般の議員についての話を伺っているんじゃないわけでありまして、私は、何よりも総理御自身が責任を感じなければいけないと思っています。そして、そのことに対して対応するのはどうか、横に置きましても、本人に対してやはり辞職を勧告するぐらいのことは当たり前ではなかろうか、こういうように思います。こうした問題につきましては、我々は議員辞職勧告の決議案についても検討すべきだ、こういうように思っておりますけれども、これは、総理のあるいは自民党内のこの問題についての動きを見きわめて、我々としては野党間でも相談しなければいけない、こう思っているところであります。  法務省に伺いたいと思いますけれども、一応共和についてはけじめがついたということですか。それとも、なお捜査が進んでいるということでしょうか。

濱邦久法務省刑事局長

○濱政府委員 お答えいたします。  ただいまお尋ねの株式会社共和をめぐる阿部議員の事件につきましては、去る二月一日に阿部議員を受託収賄の罪で、同時に株式会社共和の元副社長森口五郎を贈賄の罪で、それぞれ東京地方裁判所に公判請求いたしました。現在、なお東京地検において捜査を続けているところでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 なお続けているということにつきましては、これまでたくさんお金も出たし、名前も出た。一体どの点について、どういう方向で、大枠だけでも御報告していただきたいと思っております。  やはり我々は疑問に思っているわけでして、起訴は阿部さん一人で終わってしまうのではなかろうか、あとは何か上申書だという話も出ていますし、参考人としてお茶を濁すということも新聞に出ている。どうなりますか、もし終わったということならばきちんと報告をしていただかなければならないし、場合によっては、ロッキードのときもそうでしたけれども、これから共和、佐川と大きな事件がある、中間報告を国会にすべきだと思いますけれども、この点について伺っておきたいと思います。

濱邦久法務省刑事局長

○濱政府委員 お答えいたします。  先ほどお答え申し上げましたように、阿部議員の事件につきましては、先般公判請求したばかりでございまして、なお捜査中でございます。どういう点について捜査をしているかということについてのお尋ねでございますが、この点につきましては現在捜査中でございまして、その捜査の内容等につきましては、お答えを差し控えさせていただきたいと思います。  それから、先ほど御質問の中にございました、中間報告をするかどうかというような御質問もございましたけれども、今お答え申し上げましたように、阿部議員の受託収賄の事実を先般起訴したばかりでございまして、なお捜査中の段階でございます。今お答え申し上げた以上のことを現段階では報告するわけにはまいらないわけでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 法務大臣に伺いたいと思います。  起訴の中身を拝見して大変特徴的なこと、受託収賄についての起訴の中身は、平成元年、八九年と、平成三年、九一年です。九〇年についてはすっぽり抜けています。九〇年というのは選挙があった年、ここで一番お金が動いている。政治家が絡んでいる。この年が一切消えているというのが今度の起訴状の特徴ではないかというように読みました。  例えば、これは九〇年、さっき総理に質問した関連で言いますと、九〇年度には入閣の運動資金として一千万円を求めた、大臣をお金で買うためにお金をもらったという話が出てくる。あるいは、九〇年一月には、二月の選挙で宏池会が資金を必要とするとして、五千万円を森口に預けだということがマスコミで報道されたことに加えて、大体宮澤派向けの資金は一億円動いたと九〇年の出来事として伝えられています。  九〇年が全部なくなりましたね。そういう意味では、法務大臣、断固この問題について取り組む決意あるのかということを聞かなければいけないと思っています。この点について法務大臣に伺いたいと思いますし、同時に、時間の関係もあるから伺いますと、ロッキード事件のときは当時の法務大臣が国会に対して、国政調査にも資することということで、極めて詳細に中間報告と最終報告を行いました。やるべきだと思いますけれども、この点についても伺っておきたいと思います。

田原隆自由民主党法務大臣

○田原国務大臣 お答えします。  九〇年抜けておったとかそういう具体的なことにつきましては捜査そのものでございますから、刑事局長が答えるのが妥当だと思いますし、また、先ほど刑事局長からお答えいたしましたように、現在阿部議員の捜査をまだ続けておる段階でございますから、私からお答えはできないわけでございますので、刑事局長からもう一度答弁させます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 きちんとした段階で中間報告なり、最終報告もちろんだけれども、法務大臣、責任を持ってやってもらいたいと思いますけれども、この点についてやはり答えてくださいよ。

田原隆自由民主党法務大臣

○田原国務大臣 中間報告については先ほど刑事局長が答えたとおりでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 さらに質問を続けた中で質問を重ねていきたいと思っております。  刑事局長に伺いたいのですけれども、その他の進展ということで私たちはこのケースは一体どうだったんだろうか、このケースとうたったろうか、たくさんあります。  まず一例を挙げますと、塩崎代議士関係で幾つかの事件が伝えられました。丸紅との口ききてトータル五千万円共和から出ている。そのうちの二千万円もらったのではないか、もらっていないのか、これが一つのケースです。もう一つ、佐世保重工との関係でも、倒産会社十一億円の借金を四億円に棒引きをしたということから多額の資金が流れていると報道されました。これは捜査の対象になっていますか。なったんだけれども消えたんですか。この点について伺いたいと思います。

濱邦久法務省刑事局長

○濱政府委員 お答えいたします。  ただいまお尋ねの点につきましては、いずれも現在東京地検におきまして、先ほど申しました阿部議員の事件について捜査を続けているところでございますので、今御指摘のあった点等について調べているかどうかということについてもお答えはいたしかねるわけでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 塩崎代議士については、今御紹介した問題等々しかり、あるいは鈴木元総理につきましても一億一千万、名刺がわりに一千万、その後一億円ということがマスコミで伝えられておったわけでありまして、こうしたケースについては捜査の対象になっていますか。あるいは塩崎さん、鈴木さん、元総理につきまして参考人として調べたことあるんですか、ないんですか、これからやるのかどうか。政治家については全く手をつけないで終わるんじゃなかろうかと思うものですから、この点を伺っておきたいと思います。

濱邦久法務省刑事局長

○濱政府委員 お答えいたします。  いずれの点につきましても捜査の内容に属することでございますので、お答えを差し控えさしていただきます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 大体私もいろいろ事前にも聞いてみたんですけれども、まず九九・九%は捜査の秘密ということで話せない。ということですから、我々の方の調べた点について少し関係省庁に伺っておきたいと思っています。  具体的な問題としては、今お話をいたしました佐世保重工絡みではなかろうかと思っているわけですが、塩崎代議士のファミリー企業、有限会社今日社の共和の土地取得をめぐる疑惑ということで伺いたいと思っております。  法務省に伺います。  有限会社今日社、千代田区にありますけれども、この概況についてお話しいただきたいと思います。

清水湛法務省民事局長

○清水(湛)政府委員 お答え申し上げます。  有限会社今日社は、昭和四十五年の三月二十六日に設立されまして、現在、その会社の目的は、書籍及び印刷物の出版並びに販売、宣伝及び広告に関する事業、宣伝用小物類等の仕入れ及び販売、不動産の売買、賃貸、管理及び仲介、前各号に附帯する一切の業務、こういうことになっております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 我々調べたものでそれぞれ資料があるものですから、私の方から一々聞かないで、報告するところも含めてお話しさせていただきたいと思うのですけれども、今お話しの今日社、代表取締役は塩崎恭久さん、塩崎廣榮さん。典型的な塩崎代議士のファミリー会社です。この会社が、今お話あった中にちょっと聞き漏らしたかもしれませんけれども、本来は書籍及び印刷物の出版、販売ということだったわけですが、平成二年六月二十九日、会社の目的を変えました。単なる本の出版ではなくて、不動産の売買、貸借、管理及び仲介というのが会社の目的に加わりました。  これが実は疑惑のスタートになっているわけでありますけれども、塩崎代議士が佐世保重工に働きかけたとされておりますのが八九年十二月末です。翌年選挙があった。二月十六日、まさにこの選挙が二月十八日だったわけですが、そのさなかということになるわけですけれども、株式会社共和が前の所有者坪内寿夫氏から代金二億六千二百四十万円で松山の土地を購入しております。  どういう土地かと申しますと、塩崎代議士の持っている土地二筆に連なった土地でありまして、そこを現在は今日社、塩崎代議士のファミリー会社の今日社の土地の隣の土地であります。松山市三番町四丁目五番六、百五十七・七四平方メートル、そごう百貨店やまつちかタウンのある伊予鉄ターミナルから徒歩圏にある一等地でありまして、それが一体となって塩崎代議士のファミリー会社の今日社のものとなった、こういう経過なわけでありますけれども、この土地をまず坪内さんから共和が買い取ります、二月十六日。そうして、債務者を共和、根抵当権者を株式会社協和銀行、取扱支店は新宿西口支店とする極度額を八億五千万円の根抵当権を設定いたします。その後、二月二十八日に海部内閣で総務庁長官に就任をする。その後、共和がつぶれるのは十一月に入ってでありますけれども、十月一日に共和はこの協和銀行西口支店から二十億円のお金を借り入れます。そして、その後十一月十五日、共和は協和銀行の方から八億五千万を借り入れる、こういう作業が続いてまいります。  十一月二十六日に和議の開始。いよいよ共和が怪しくなりまして、保全処分ということで全財産差し押さえということになる。大蔵省も税金を持っておった、したがって差し押さえをする、こういう経過になるわけでありますけれども、共和がつぶれた。そうして、つぶれたけれども、裁判所で和議が調わないということになった。一たんこの和議が取り下げられまして破産の申し立てということになります。  非常に時系列をのみ込まないとこのからくりといいますか、わかりにくいわけでありますけれども、したがって破産の前のほんのちょっとしたあいた期間があった。この期間に実は売買転々として今日社の手にこの不動産が落ちてくる、こういう仕組みであります。しかも、この問題につきましては、大体この土地が一体幾らであったのかということについては、共和が坪内さんから買ったのが二億六千万ちょっとです。その共和から今日社、塩崎さんのファミリー会社に移ったのも二億六千万、同じ値段であります。じゃ一体、このお金について銀行が幾ら出しているのか。八億五千万のお金を出している。二億六千万の土地に八億五千万のお金を出している。別口二十億円については担保もついていない。むちゃくちゃなお金の貸し出し方をしています。担保ということで調べてみたら、共同担保ということで土地だけではなく建物もありました。建物についても調べてみたわけでありますけれども、調べたけれども存在しなかった。価値のない建物なんです。買った後すぐこれをつぶしてしまう、こういうことになっていたわけであります。  この点につきまして、大蔵省も税金が随分あったんじゃなかろうかと思いますけれども、大蔵省も一たんした差し押さえをおろしちゃっています。差し押さえを解除している、こういう経過になっております。一体どういうことなんでしょうか。銀行は、二億六千万の土地に二十億出して、八億五千万出している。担保は、二億六千万の価値しかない建物に八億五千万お金を出している。どっかへ全部消えている。選挙の時期に消えているわけであります。大蔵省は、あっという間に、お金がまだ残っているのに担保を取り消しちゃっている。この点については大蔵省に説明していただかなければならないわけでありますけれども、大蔵省に対しては、一体どのくらいの金が共和に対して税金として残っておったのか、そうしてなぜ差し押さえを解除してしまったのか、こういう問題について伺いたいと思います。担当の方で結構です、細かい話ですから。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 ただいまの御指摘の点につきまして、私どもとして、まだ融資があったのかどうか含めて、事実関係を承知しておりません。  この問題につきましては、私どもの方としても、金融機関については、これは銀行法に照らしまして、その健全性ですとか、そういった観点から審査することになっておりますので、これは実際にどういう状況かというものについては調査をさせたいと思っております。  それから、担保取り消しの問題について、ちょっと今、私手元で承知しておりませんので、またあれしたいと思います。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 要するに、あらかじめ言うならば、銀行も大蔵省も協力をして差し押さえなどについてはどんどんどんどん消えてしまう、消してしまう、こういうことをやっているんです。  ちょっと問題点、今の流れについて整理したいと思うんですけれども、共和という会社は松山などに事業進出の計画などは全くありませんでした。倒産のときに所有しておりました五十六の不動産につきましては何らかの事業とのかかわりがあるわけですけれども、この土地については何もない。たまたま塩崎代議士のファミリー会社である土地に隣接していたということだけの理由であります。  第二番目に、この共和と今日社、土地を塩崎さんの会社が取り入れたのは、五月二十七日の破産宣告のわずか十日前であります。その一年前の十二月に和議が開始されまして、仮登記がなされ、共和が一切処分することができない状態だったわけですが、五月十日に突然和議が取り下げられました。私たちは、この間一体どういう相談をしていたかということについての情報もとっています。  すなわち、塩崎代議士側が働きかけます。会社ですから、側が働きかけて、裁判所の和議についても取り下げをし、自己破産の申し立て、そして仮処分が決定される空白の時期にこの財産をさっと名義をかえてしまう、こういう格好で取ってしまっているわけであります。外形的に見たって、これからこのお金が破産財団に入っていく、それをすっと横から取ってしまったというわけでありますから、大体なぜそう移ったのかについてもおかしい。破産財団のほかの債権者を害する行為であるということにもなっているわけであります。しかも、今の経過の中でも明らかにしたとおり、協和埼玉銀行の西口支店、とにかく担保もとらないでお金をどんどん出している。そうして、差し押さえたものについてもこれを今のような空白の時間に移してしまっている。  しかも、そういうことを重ねてまいりますと、結論的には、この問題の土地は、塩崎元総務庁長官が佐世保重工に働きかけた謝礼と関係があるのではないか、こういうように見ざるを得ないわけでありまして、その謝礼としてファミリー会社今日社に有利な条件で引き渡したんじゃなかろうか、こういうように考えざるを得ないわけであります。  ただ、この問題につきましては、全部、登記の流れ、裁判所の債権者集会の流れからいきますと、ほぼ間違いないというようには思っているわけでありますけれども、こうした問題をも含め、鈴木元総理に対して名刺代一千万行ったのか、一億円どうなったのか等々を含めますと、こうした関係につきましては共和の取締役でありました森口五郎さん、今度の被告人、あるいは田中一雄さん、あるいは十倉正樹さん、そして塩崎さんの今の関係につきましては、今日社の代表者である塩崎廣榮さん、こうした皆さんについて事情を聞く必要がある、こういうように思っているところでございます。あるいは問題によりましては阿部文男代議士、塩崎潤代議士にも事情を聞く必要があるのではないかと思っています。  また、このやりとりにつきましては、新宿の協和埼玉銀行の西口支店の副支店長の中村正俊さんがこの事件についてはほとんどやったということになっておりますので、この方につきましても私たちは調べる、事情を聞く必要があるのではないかと思っています。  これから私たちの党も含め、各党からこうした問題についての証人喚問の要請が出てくると思いますけれども、我々の方からは、冒頭まず以上挙げました皆さんにつきまして、当委員会に喚問して共和の疑惑について徹底的な真相解明をする、そのことについて要求をしたいと思いますので、お取り計らいのほどをお願い申し上げたいと思います。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 山花委員に申し上げます。  理事会で協議をさせていただきます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 今の問題を含め、これから共和から佐川にいくということになりますと、ひょっとしたら指揮権発動という問題もあり得るのじゃなかろうか。この問題につきまして法務大臣に、そういうことは絶対にやらぬということをまずあらかじめ言っておいていただきたい、こう思いますので、法務大臣、お願いしたいと思います。

田原隆自由民主党法務大臣

○田原国務大臣 公正、厳正、不偏不党の捜査を続けておりまして、指揮権などのことについて私は今静かに見守っておるわけでありまして、それで十分ではないかというふうに考えております。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 静かに見守っているということは、そういう大臣の答弁では不安であります。  昭和二十三年法務省検察局秘第三六号訓令、処分請訓規程というものがあるとされています。一般的な指揮権に関連してということだけではなく、常時いろいろ相談事があるのだということについて、元検事総長であった伊藤栄樹さんが検察庁法解説の中で言っているわけですが、「検事総長は、国会議員を逮捕する場合(ことに、国会の会期中)その他将来政治問題化することが予想されるような事件については、国会における検察権の代表者である法務大臣に対し、折りにふれて積極的に報告を行うものと考える」、その際「とくに法務大臣の指揮を仰ぐこともある」ということで、日常的にこうした政治問題化する場合、代議士がかかわる場合には法務大臣と検察庁が相談するとなっている。  処分請訓規程について、これを提出していただきたいと思いますけれども、この点いかがでしょうか。これ、提出していただかないと、今のお答えのままではこれは納得することができません。

濱邦久法務省刑事局長

○濱政府委員 お答えいたします。  今委員御指摘の点につきましてお答え申し上げますが、昭和二十三年に大臣訓令として定めました処分請訓規程というのがございます。これは私どもの内部規則でございまして、特に検察運営にかかわる事柄を定めているものでございまして、これを国会に提出するということはいたしかねるわけでございます。  ただ、その内容について先ほど委員から若干のお尋ねがございましたので申し上げますけれども、これにつきましては、例えば内乱の罪のような国家の存立を危うくするような罪につきまして起訴、不起訴の処分をする場合に、その処分の適正を期するために法務大臣の指揮を仰ぐということが定められているものでございます。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 実は伊藤さんの「逐条解説」が違うから出してくれと言っているんです。伊藤元検事総長は、書物にしている解説において、将来政治問題化することが予想されるような事件については相談する、そして処分についての請訓を行う、こう書いてある。それが書いてあるのはこの規程であるというのです。だから、出していただかなければ今言ったようなものかどうかわからないじゃありませんか。この問題については出していただかなければ法務大臣に対する質問はできない、こういうように申し上げているところでして、これは出していただきたいと思います。

田原隆自由民主党法務大臣

○田原国務大臣 お答えいたします。  先ほどの山花先生のお尋ねについては、実務に関する訓令規定でありますので、刑事局長に答弁させましたが、同じ答弁になると思いますけれども、よろしくお願いします。

山花貞夫日本社会党・護憲共同

○山花委員 これだけ政権を超える大きな動きがある疑獄事件について指揮権発動をするなということに対して、法務大臣は、当たり前のことである、厳正中立の立場を守って断固究明するとなぜ言えないんですか。指揮権を発動などは毛頭考えていませんと言うべきじゃないですか。  この問題について、今の答えでは納得できないし、同時に、このさっきの処分請訓規程というものが出なければわからぬということでありますから、その内容については理事会で取り計らっていただきたい、こういうように思いますし、さっき私の方で、証人喚問のときに協和埼玉銀行の西口支店中林副支店長、中村と言いましたけれども中林でありますので、この点については修正してお きたいと思いますし、証人尋問に関連いたしましては、我々は、総理が今回の国会におきまして、代表質問の際に三点セット等の問題について一切従来と変わらない答弁をなさっておったということにつきましては、従来から我々が持っておりました疑問については全く解消されていないわけでありまして、総理から明確なこの三点セットについてのその後の説明がない限り、一連の取引が服部元秘書個人の取引であったということについては到底考えることができません。この問題を解明するために、従来から議院証言法に基づいて関係者の証人喚問を求めているところでありますけれども、この機会に再度この問題については我々として証人喚問を求めたいと思っております。服部恒雄元秘書、松本雅雄秘書、小林宏ファーストファイナンス元社長、以上三人の喚問を最後に要求いたしまして、先ほどの証人喚問と含めてこれからの理事会等において十分御検討し、実現のための努力をされることを委員長にお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて山花君の質疑は終了いたしました。  午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時一分休憩      ――――◇―――――     午後一時開議

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。武藤嘉文君。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 私は、自由民主党を代表させていただきまして、主に総理並びに関係大臣に御質問させていただきたいと思います。  いずれにしても、総理、大変な強行日程で国連の安全保障理事会の初めてのサミット、御出席御苦労さんでございました。どうも先ほど、私はテレビを通じて、いろいろと総理になかなかきつい質問もあったようでございまして、私は、せっかくお疲れのところでございますからなるべく余りきつい質問はしないようにと思っておりますけれども、たまには、私のことでございますので時たまきついことを申し上げるかもしれませんけれども、それは善意で申し上げますので、お許しをいただきたいと思います。  私ども、新聞あるいはテレビで承知しているだけでございますけれども、今回の安保理サミットは、ドイツがたまたま今安保理の加入国ではございませんので、ドイツがいなかったことは寂しい限りではございますけれども、何といっても、昨年暮れソ連邦という国が崩壊をし、ロシア共和国その他に分かれ、その国連への代表は、ソ連邦にかわってロシア共和国が代表ということになり、その大統領であるエリツィンが出席をされたということ、あるいはまた中国は、天安門事件以来いろいろ人権問題その他で必ずしも国際社会の中ではよく思われていない点もあるかと思いますけれども、あえてそれを承知で李鵬首相が御出席になったということ。これらを考えますと、初めて、まあイギリスの首相がたまたま議長であるために計画をされたようでございますが、このサミットが行われたということは、今のいわゆる東西対立がなくなり、冷戦構造がなくなり、そして世界が平和を目指して一緒にやっていこうというときに、大変意義のあったことではなかろうかなと私は思っておりますが、御出席なさいました総理の、新聞記者会見その他おやりでございますけれども、率直なひとつ所感をこのきょうの委員会を通じて国民にお知らせをいただけるとありがたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 御指摘になりましたように、このアイデアが初めてイギリスのメージャー首相によって発表されましたときには、私自身も幾らがその意図を危ぶんだものでございます。しかし、結果としては、まさに武藤委員の言われましたように、なかなか思わない幾つかの成果があったと存じます。  それは国連自身に関することはもちろんでございますけれども、それを除きまして、今おっしゃいましたように、ちょうどこの会議の出会いを一つの目標としましてアメリカ側が大幅な軍縮案を発表した。そしてエリツィン氏がそれにこたえる形で、キャンプ・デービッドの会談を頭に置きながらロシア側の案を発表した。これは、やはり一つのこういう出会いを頭に置いての大きな提案の交換であったと思うのでございます。  それからもう一つ、今おっしゃいましたように、李鵬首相とブッシュ大統領との会談というものは、おっしゃいましたようなアメリカの雰囲気でございますのでなかなか真っすぐにワシントンでは行いにくいものであって、おっしゃいますような国連という場でございましたからああいう形でそれが実現をした。その結果は必ずしも十分ではなかったにいたしましても、天安門事件以来のとにかくトップの出会いができたということは、恐らく中国にとりましては少なくともやはり非常な救いであったろうと思うのでございますね。  それから我が国にとりましても、エリツィンという人と私と話し合いまして、九月にエリツィン氏が訪日をされる、それも御自身が領土問題等を十分勉強した上で講和条約の問題もあって来るんだということを自分で言っておられますので、この点でも一つの進展があった。  やはりおっしゃいますように、当初考えていなかったようないろいろな結果を生んだというふうに申せると思います。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 特に総理が演説でおっしゃっておられました中で、いわゆる武器の管理と申しますか、そういうものが勝手に行かないようにしようとか、日本が今日まで言っておる軍備・管理の問題、それなどについては、今たまたま軍縮のお話がございましたけれども、今大変心配されておりますのは、ソ連の核、これがどこかへ行くんじゃないだろうかということを心配されておるわけでございますが、議長の声明の中にはそれを防ぐんだと書いてありますが、皆さんが議論なさいました中で、その辺のところは具体的に何かありましたのか、教えていただければ教えていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 そのことにつきましては我が国も提案をいたしましたし、また管理について、我が国は我が国のノウハウをいろいろ持っておりますのでそういうことを提供してもいい、また、広島でそういうことについての会議をことしもやったらどうでしょうかと、かなり具体的な提案を我が国としてもいたしました。  問題は、しかし本当に、ソ連と申しますかロシアと申しますか、ソ連と申した方がいいと思いますが、全体でそういう問題意識があったにしても、効果的にそれを行い得るかどうかということは、例えばアメリカが四億ドルの支出をしましてその手伝いをすると言いましても、果たしてどこでだれがどういうことをするのかということすら実は分明でありませんし、技術者は、ある程度登録されておるとはいいましても、これもやはり自由な時代になっておりますから、国外に出ることはもうきっとそんなに難しくはないのだろうと思います。そういう意味では、問題の意識はあって、いろいろ相談をいたしましたものの、具体的な方法というものがまだ十分に伴い切らぬでおるのではないかということを心配いたします。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 政府の中でも、場合によれば日本が引き取ってもいいのじゃないかというような意見も出されたやに報道されたこともございますけれども、正直、私、非常に心配いたしますのは、例えばあのイラクのフセインのような方がまたほかにもいらして、この機会にこっそりとソ連の核に関する科学者をできるだけ集めて、ひとつ原子核兵器でもつくろうではないかというようなことになりますと、これは本当に大変なことになると思います。私は、そういう意味で、今申し上げましたように、議長の声明の中にも防止をと言ってありますので、これは一番難しいのは、今おっしゃったように、ソ連がなくなってしまって、ロシアの国の中に全部まだあるのならそれもまた管理がしやすいと思うのでございますが、どうも残念ながらロシア共和国の中だけでもないようでございまして、一日も早くこれはロシア共和国の中に全部が集まってしまって、ロシア共和国できちんと管理をしてくれれば、あるいは人も全部集めていただいて管理してくれればいいのでございましょうが、なかなかその辺難しいのでございますけれども、これは本当に私は、変な独裁者が出て変なことをされたら大変なことになるという非常に心配をいたしておるものでございますから、これから日本として、せっかく安保理事会の理事国に、常任ではございませんけれども理事国になっておられるのでございますから、これから折を見ては、せっかく議長の声明の中にもあるわけでございますので、その辺のところを早急に進めるように、私は、日本がやはり原子爆弾を受けた世界唯一の被爆国としてその辺のところは強くアクションを起こすのが当然かと思いますけれども、いかにお考えでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それはまことに極めて大事なことでございますし、また、実際そういう危険が現実に存在していると思いますので、私ども一生懸命そのことは注意をいたします。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 次にもう一つ、総理は間接的な表現ながら、これは実際は死文化はいたしておりますけれども、私ども国民感情からまいりますと、あの国連憲章の中にあります敵国条項というのはどうも何となく気分的には悪いわけでございますね。だから、やはりこれはこういう機会をとらえてぜひ、一つの世界が非常に変わってきたわけでございますから、しかも私は、これからの安保理事会は、従来はどちらかというと軍事的なものが中心であったと思うのでございますけれども、片っ方に確かに経済社会理事会もございますけれども、安保理である程度、これからは軍事よりはそれぞれの国の繁栄を考える場合にやはり経済というのが中心になってまいりますので、私は安保理の中でも経済問題をこれから取り上げられる機会は多いのじゃないかと思うのでございます。そういう意味においても、日本がこれから世界に経済的に国際貢献をしていかなければならないときには、やはりその国連の安全保障理事会の中で議論しているときに、ほかの連中のおれは敵国だよ、こう何か書いてあるということだけでも余りこれは感情的には気持ちのいいものじゃないわけでございます。もちろん国連憲章の改正というのは大変難しい、手続的に難しいし、またやりましても実際にそれだけの賛成が得られるかどうかもわかりません。しかし、例えば日本がアクションを起こして、国連総会において無効決議をするとか何らかの方法というのはとれないものだろうか。その辺は、総理のお考え方いかがでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 これももうおっしゃるとおりでございまして、とにかく我が国は分担金はアメリカの次に第二の支払い国でございますが、それが敵国ではどうも大変おかしいということはみんなわかっておって、余りわかっておりますから実はその都度問題にもしないでおるのでございますけれども、何かの機会がございましたら、今のような、問題をあちこちに広げないような形でできることならとは思っております。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 総理は演説の中で、ぜひともPKO法案も通してやるんだ、成立をさせていただくんだというようなこともおっしゃっておられます。もしPKO法案が通りますと、国連の下に、一応指揮下に入ると思いますね、形としては。そうするとその敵国が、向こうの国の国連、敵国以外の人たち、自分たちの全部のほかの敵国が集まっているその国連の指揮下に敵国である日本の自衛隊が入るというのは、どうも私はこれもちょっと脇に落ちないのでございますけれども、その辺は御議論なさったのでございましょうか。

丹波實外務省国際連合局長

○丹波政府委員 お答え申し上げます。  敵国条項の問題につきましての日本の国民感情という観点からの御指摘、まことにおっしゃるとおりだと思います。そういうことでございますので、一昨年の国連総会におきまして、当時の外務大臣から総会演説で十四年ぶりに日本として明確にこの問題についても問題指摘をいたしまして、昨年の国連総会でもこの問題提起をいたしまして、今般の宮澤総理のスピーチの中でもそういうふうに読み取れるような発言をきちっとされておるわけでございますが、ちなみにこの問題につきまして各国の、国連加盟国の意見は、確かに字句としては存在しておるけれども、実体としては日本が国連加盟国になったときに既に意味は失っておるということでございます。したがいまして、字句が存在していることは問題でございますけれども、実体的な意味は失っているという意味でございますので、日本がPKOに参加していく上に当たってこれがあるために何か支障が生ずるということはないものと私たちは思っております。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 私もそのくらいの常識は持って実は御質問しているつもりでございまして、やはりせっかくこれだけ今国際貢献という立場で日本に期待をされている。今総理のおっしゃったとおり、分担金もアメリカに次いで日本が第二位である。中には分担金を払ってない国もたくさんあるわけでございますね。そういうことからまいりますと、日本が一番国連で今主張していいのではないだろうか、私はこう思うわけでございますね。  だから、こういう機会というのはめったにないので、今十四年ぶりというお話もありましたけれども、私はぜひひとつ、近いここ一、二年のうちに、少なくとも安保理に入っている、参加している間にぜひそういうことを実現するように政府として努力するというのが国民に対して私は、本当に死文化していることはみんなわかっておりますし、まあまあみんなそれで何となくいっておることもわかっておるわけでございますが、やはりそれは書いてあるということだけは気分が悪いわけでございますから、あれは無効だというふうに決議をさせるぐらいのことをやり、それこそ国連外交を通じて日本はいろいろな国とこれから仲よくするのでございますから、そういう国々にも日本の国民の感情をよく伝えて、実現するように努力するべきだと私は思うのでございますが、総理、いかがでございましょうか。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 ごもっともでございますので、そういう趣旨で今後とも努力をしてまいりたいと存じます。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 それから、次に進めさせていただきますが、私は、今度の国連でもう一つの問題は、やはり安保理の中で、先ほど申し上げましたけれども、経済社会理事会と安保理事会と私はこれからある程度混同していくところがあるのじゃないかなと思うのでございますけれども、これはもし何だったら、条約局長でございましょうか国連局長でございましょうか、そういうようなことは国連としては十分あり得るのか、その辺ちょっと教えておいていただきたいと思います。

丹波實外務省国際連合局長

○丹波政府委員 先生先ほどおっしゃっておられますとおり、現在の国際社会におきましてはいわゆる軍事的な問題に比べて経済的な問題というものの比重が変わってきておるという趣旨のことをおっしゃっておられましたけれども、そのとおりであると思います。  ただ、国連憲章上は安全保障理事会は、先生ももう十分御承知のところでございますけれども、国際の平和と安全の問題について主たる責任を負う機関であるということになっておりまして、いわゆる経済問題につきましては基本的にはそのどちらの理事会かと問われれば、やはり基本的には経済社会理事会の問題であると考えているのが、憲章上もそうなっておりますし、加盟国の考え方であろうかと思います。そういう意味では、この二つの理事会が融合していくような活動をするという方向には当面はならないんだろうと思いますけれども、しかし、先生のおっしゃっておられる問題意識は、今般集まりました十五カ国も十分共有しておる問題でございまして、まさに宮澤総理の演説の中でも、国連全体としてこの非軍事的な問題にもっと比重をかけていくべきであるという主張をいたしたわけでございます。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 そうなってまいりますと、私は、現在は非常任理事国でございますが、そのような経済問題が相当これから安保理事会の中でも議論をされていくとするならば、少なくとも世界のGNPの第二位であり、まあ言ってみれば国際競争力で私は少しアメリカよりも、一部を除けば日本が強くなってしまったと思うんでございますが、そして今後国際貢献をどんどんしていかなきゃいけない。それは、いわゆるODAを通ずる開発途上国だけではなく、この間もたしか外務大臣行かれまして、ソ連へ六十五億円、食糧並びに医療の援助をするということを表明されたわけでございますし、どんどんこれから貢献をしていかなきゃならないとなりますと、これまた国民感情でございますが、国民感情からすると、金だけはよこせ、しかし口は出すなというのはおかしいじゃないかという気持ちが私は起きてくるのもこれ当然かと思うんでございますね。  昨年は湾岸戦争というああいう緊急の事態でございましたから、四十億ドルに次いで九十億ドルを出すときも、石油税と法人税から特別にいただいてやりますよと言ってもそんなに国民は不満もなかったと私は思うんでございますけれども、これからどんどん出てくるについて、特に私も税制で大分政府の方とも議論いたしまして、国際貢献税をどうするかということで議論いたしましたけれども、例えば将来そういうことをやっていくとするには、やはり国民が、なるほどおれたちは国連を通じて世界のために協力するんだ、世界の人たちの幸せのために、世界の平和のために日本がこれだけのことをやるんだと言うには、まあ経済問題も入ってくるとすれば、安保理事会の常任理事国になってもいいんではないかと私は思うんでございます。  そして、安保理事会の常任理事国が、従来は軍事的な面が多かったものでございますから拒否権というものがあったわけでございますけれども、私は、東西対立がなくなり冷戦構造がなくなった今日は、そういう拒否権というようなものは本当はなくすべきではないだろうかと。私は、日本が常任理事国に入って、そして拒否権をなくして、決議はやはり国連総会でやるんだから、大国だけがそういうことをやるのはやはり覇権主義じゃないですか、そういうことはやはりやめましょうやというようなことを日本がリーダーシップをとってやるぐらいの国連外交があっていいんではないかと私は思うんでございますが、いかがでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 それもまことにごもっともなお話だと私は一方で思うんでございますが、他方で、現実には、今の国連のあり方、あるいは安保理事国の選ばれ方、その数等々を、恐らく数で言えば大多数の加盟国が満足していないということになろうと思います、数だけで申しましたら。そうしますと、例えばそういう、非常にいわゆる人口の上で大国であって、しかも地理的にもそういうしかるべき場所を占めている国々、例えて申しますとブラジルでございますとかインドなどはそうでございますけれども、そういう国々が、この現状というのはおかしいなというふうな音頭をとりますと、恐らく加盟国の数では非常に大きな数がそれに賛成をするであろうと思われます。それはまあいわば、従来国連を運営してきた、何と申しますか、既存のと申しますか、体制に対するチャレンジになるわけでございますが、そういうチャレンジの先頭に我が国が立つというような結果になることが国連全体のためにいいのか、我が国のためにいいのかという問題もございまして、その辺をいろいろ見きわめながら、全体がそのような一種のコンプロンテーションにならないような、そういう形での穏やかな解決というのをやはり考えていくべきではないかと思っております。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 私も決して拙速をすべきではないと思います。ただ、方向としては、やはり日本の将来、そういうことは当然私は考えていいんではないかと思っておるわけでございます。  次に、もう少し国連の問題で、せっかく国連へいらしたのでございますからお話をさせていただきたいと思いますが、昨年だったと思うのでございますけれども、オーストラリアとか日本とかメキシコとかの国連にいる大使の連中が、今の国連の機構は余りにも膨大になり過ぎてかえって硬直化してきておる。こういう幾ら平和であっても何が起きるかわかりませんし、また、各国それぞれいろいろのことを勝手気ままに今やっているわけでございまして、やはり国連を通じて世界がうまくいくようにするということについてはもう少し機構を改革をし、効率あると申しますか、そういう機能にしていくべきではないかということをたしか提言をされたと承知をいたしておりますが、これはもし何でございましたら事務局でもいいのでございますが、その辺、もし総理が何かそんなようなことをお感じであればひとつお聞かせをいただけると大変ありがたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 詳しくは政府委員から申し上げますけれども、今度も私参りまして、今度の事務総長でございますけれども、が、実は事務総長代理と申しますか事務次長と言われる人の数は大変にたくさんあるのだそうでございます、驚くべくたくさんあるのだそうでございまして、それをまず整理するところあたりから思い切ってやらないとなかなかできないし、それも余り時間がたってからだとなかなかやりにくいので思い切ってやりたいというようなことを言っておられたということを承知いたしておりますが、確かに片っ方で財政不如意という問題がありながら、片っ方で実は合理化、合理化と申しますかそういう余地がいろいろあるのではないかというふうに私も思っております。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 次長は二十七人いるそうでございます。だから、何かあの提案は、二十七人を四人にしろという提案がたしか出されたと、間違っておったらあっちから言ってもらいます。たしか私の承知では二十七人を四人にしろということであったと思っております。  その次にもう一つ、国連の場でこれから議論されていくのがやはり地球環境の問題だと思うのでございます。  ことしはブラジルで地球環境サミットも行われると承っておりますし、ところが最近、例えばマレーシアあたりの大臣が言うのは、木は切ってはいけないと言われても、うちはやはり経済的に木を切らないと金が入らないんだから木を切るんだ、こういうことをおっしゃる。いわゆる経済成長と地球環境保全というこの関係というのが非常に強くなってきておるわけでございますね。どちらかというと開発途上国は、地球環境保全も大切だが経済成長をやりたい、そしてそれをやると、時たま、それは日本がやったんだとか、何も日本が特におまえのところその木を切れと言ったわけじゃなくて、たまたま向こうが木を切って売ってくれるのでございますから、結果的にはそれは日本がその木を買ったからいけないと言えばそうなのでございますけれども、何も向こうが売らないと言えば決して日本は無理して買うわけじゃない。世界どこにでも、木はどこかからいろいろ入れ手はありますし、今合板が非常に向こうで、現地で合板にするのも東南アジアでも大分ふえてきているわけでございますし、この地球環境と経済成長というもの、これは何だったら通産大臣あるいは環境庁長官からお話を聞いた方がいいのかもしれません。私も通産におりましたときにこの問題で大分苦労をいたしましたけれども、やはり大切なのは、世界が今非常に経済が沈滞をしております。やはりこれからどの国も経済は成長していかなければいけない。しかし、片っ方にはCO2の問題、その他あるいはオゾン層が破壊されるというフロンの問題、いろいろたくさんあるわけですね。だから、やはりそれをどう持っていくのか。その点においては通産で今一生懸命技術の開発をやらせておられるようでございますから、その技術の開発をひとつなるべく早く進めて、その技術を開発途上国に教えてあげて、そして開発途上国がその技術によって、いわゆる今までとは違ったその新しい技術でやればCO2の排出は非常に少なくて済みますよ、こういうことをやらせるのが大変大切ではないか。これはちょっと慌てないと、これこそ今度は急がないと、ちょっと最近私ども、非常に経済が各国落ち込んでおりますだけに心配をいたしております。その辺、通産大臣と環境庁長官からお話聞ければありがたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 今武藤委員の御指摘の問題、まさにこれから世界が生きていく一番大きな、大事な問題だと思います。  もとより、美しき自然を我々は百年、千年後に残していかなければなりませんが、しかし、その自然を利用して我々が豊かに暮らしていかなければならないために自然はあるわけでありますから、環境保全が大事だということで自然を利用していかぬということになれば経済は成り立ちませんから、今御指摘のありました化石燃料の問題にしても、もちろん地球環境保全ということで非化石燃料への移行というのも大事ですけれども、先般私は産油国へ行ってまいりましたけれども、やはり我々が技術を開発して、石油を使用してもCO2を出さないような技術開発というものに非常に大きな関心を持っておりましたので、通産省としては、今先生御指摘の技術開発を急いで、経済も自然を利用しながら豊かにしていく、自然環境もこの技術の開発によって保全していくという両立を急いでおるところでございます。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 今通産大臣が答弁されたとおりでございますけれども、折しもことし六月に地球のサミットというのが開かれることになっております。  それで、人類生存の基盤の地球の環境を保全するということは、これはもう一番大切なことだと思いますが、それに対して今準備会議がいろいろ開かれておりまして、そこで我が国といたしましても、環境庁を中心に、政府一体となって出席をいたしまして、いろいろな論議をしておりますが、まさに今委員御指摘のようなことが問題になっております。やはり日本はすぐれた公害対策の経験もございますし、技術力があるわけですから、そういったものをもって世界に貢献していかなければならないということだと思いますが、そういう中におきましても、やはり今度のUNCED、地球サミットが、開発と環境に関する国連会議ということで、環境、開発ということを両方並べた会議でございます。そういう意味で、いろいろな技術力、民間の技術力も生かして世界に貢献していくべきであろうと思っているわけでございます。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 総理、実は昨年の総裁選挙のときに、私は総理の、いろいろのパンフレットを読ましていただきました。その中に、これから地球環境保全は大変大切である、だから今後五年間ぐらいの間にODAの中で森林造成であるとか大気汚染の調査であるとか、そういうものについて、環境保全対策の援助分、こう書いてありましたけれども、環境保全対策の援助分を今後五年間倍増させます、こう私論ましていただいたのでございますが、今度の平成四年度の予算でそれはもう入っているのか、それとも、平成四年度は概算要求はもう既に去年の八月にできておりますのでちょっと無理なので、これは平成五年度からというお気持ちであったのか、ちょっと、せっかくの総理の総裁選挙のときのあれ。でございますので、お聞かせをいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ちょっと今数字、正確でございませんが、ODAの中で環境関連と申しますか、受け取られる国がこれを環境改善に充当してほしい、また、そういうふうに考えられている、たしか二一%、そんなぐらいございます。これはかなり大きくなってまいっておりますので、これを倍といいましても、そう大きくすることはない。逐年でいいますと、五年でございますからある程度伸ばせばいいと思っていますし、世界的な認識もございますものですから、それをやっていきたいと思っておりまして、今年もふえておりますけれども、大体そういうことをやっていきたいなと思っておるのでございます。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 今の二一%の中にはたしか無償と有償とあったやに、私の記憶が間違いかもしれませんが、今後はこういうものは、いわゆる利潤を生むわけでもございませんので、無償でやはりやっていくべきではないかという考え方を私は持っているのでございますけれども、そのときの総理はやはり無償というお考え方であったのかどうか、あるいは私の勘違いで、今有償がない、全部無償なのかもしれませんけれども、私は有償が少し入っていたやに思っておるのでございますけれども、もし私の考え方が正しければ、今後はどうかということをお聞かせをいただきたいと思います。

川上隆朗外務省経済協力局長

○川上政府委員 お答え申し上げます。  ちょっと事実関係についてお答えさせていただきたいと思いますけれども、先生御指摘のとおり、ODA全体の中で今の環境分野、ただいま総理からも御答弁ございましたけれども、大体一二%内外かと思っております。その中には無償、それから有償、それから技術協力、マルチといろいろございますが、無償の割合が比較的多うございまして、九〇年で見ますと二四・二%ほどは無償でございます。有償につきましては一二・四%、技協、マルチはそれよりずっと少ない数字でございますが、大体そういう形でODAが供与されているということでございます。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 ぜひこれは要望をいたしておきます。お答えじゃなくて結構でございますから、今後五年間のことでございますから。私は、日本政府としては、もうこれからそういうことをやってあけなきゃならない国は相当お気の毒な国だと思いますし、こういう利潤を生まないものについては、やはり日本は無償でやるべきだということを私は考えているということだけを申し上げておきます。  それから、次にそれじゃ珍らしていただきまして、何にしても当面のもう一つ大きな国際問題といえば、ウルグアイ・ラウンドということになるわけでございます。これはいろいろの御意見があるわけでございまして、今からもう既に五年近く前にウルグアイでガット閣僚会議があって、そしておととしの暮れまでに実はこれはもうまとめる、こういうことになっていたのが今なおまとまっていないということにおいては大変私は残念に思っております。何としても今のガットのルールでは律し切れないものがいろいろ出てきておるわけでございますし、あるいはアメリカの三〇一条のように一方的措置を勝手にやられてもそれを制裁することもできない。アメリカに言わせれば、いやそれは紛争処理機関にかけたら結局うまくいかないからおれのところはやっているんだ、こういうふうにアメリカは答えますけれども、それなら紛争処理機関をきちんとするというのが本当ではなかろうかと思うのでございますね。大体ガットは、お気の毒ですけれども、事務局の機構さえしっかりしていないわけでございまして、その点はIMFなどとは非常に違うわけでございます。こういう点からいっても、私は、一番今日まで自由貿易の恩恵を受けてきた日本がリーダーシップを発揮してでもまとめる努力をすべきではないかと思いますし、もしこれがまとまらなかったとき、それぞれの国が保護貿易に、それでなくても今経済が低迷をしていることもあります、ヨーロッパの連中は、ヨーロッパの統合は決してブロック化ではない、開放するんだとおっしゃっておられますし、あるいはアメリカ、メキシコ、カナダの自由貿易協定にしても、これもあくまで開かれたものだとおっしゃっておられますけれども、経済が非常に沈滞をしてまいりますと、非常に私は心配になるわけでございます。そういう意味においても、ぜひとも早くこれはまとめなきゃいけないと思うんでございますが、その辺について、日本もウイークポイントがありますからなかなか難しいことはよく私はわかるわけでございますが、もう少し何かこううまくやっていけないかなという感じがするんでございますけれども、これはできれば総理から御決意のほどを承れるとありがたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ただいまのお尋ねはウルグアイ・ラウンド全般につきましてのお尋ねでございましたので、その部分を私から申し上げますが、確かに一九六〇年代のケネディ・ラウンドに始まりまして、今度のウルグアイ・ラウンドは、いわば非関税障壁と言われるもの全体について、それからサービス等々について、あるいはいろいろの財産権について非常に広く、今まで十分いたしませんでした農業も含めまして全体で大きなラウンドを完結させようとしておるわけでございます。全体として評価いたしますと、これは私はやはり非常に野心的な試みである。そうして、ここ四年余りかかりましてかなりのところまで話はきたということが私は言えるであろうと思います。  ですから、全体として評価いたしますならば、これは何とか妥結をさせたい。各国おのおのみんな自分に言い分がございますし、しかしそれはこれからのやりとりで決まっていくことでございますので、逆にこのようなラウンドが全く失敗に終わってしまったということになりますと、今後ガットなり何なりが自由貿易の流れをもうっかむことが難しくなります。むしろ、いろんなものが逆の方向に動いていく兆しは、ただいま武藤委員がまさしくおっしゃいましたようなブロック化というようなことでも心配されるわけでございますから、全体としては何とか妥結させていきたい。今残っておりますのはあれこれございます、各分野にいろいろございますし、我が国は米のことばかりが報道されますけれども、我が国自身にもいろんな分野があるわけでございますが、ならば妥結させでいきたいというのがやはり私の基本的な気持ちでございます。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 これは事務的で結構でございますから。今の話で、何も農業問題だけではなくていろいろの問題がウルグアイ・ラウンドでは議論されておるわけでございますので、新聞は農業、特に米ばかり書きますけれども、決してそうじゃなくて、もう通産大臣の御所管であるTRIPの問題、TRIMの問題、いろいろございますし、あるいは大蔵大臣の所管である金融の問題、あるいは運輸大臣の所管である観光の問題、もうたくさんあるわけでございます。  これは事務局からでも結構でございますから、現状を、どうも日本の新聞は農業のことだけ報道してほかのことを一切報道いたしませんので、この機会に、例えばTRIPとかTRIMはどうなっているのか、あるいは一方的措置の制裁はできるようにきちんとなっているのかどうか、あるいは今のサービス分野では特に最後まで金融の問題が残っておりましたが、これも既にセットされておるのかどうか、あるいは市場アクセスで関税の引き下げということがまたお互いに言われておりますが、少なくとも特に工業製品については一番日本が関税は安いわけでございますけれども、これは日本に対して言っているのか外国へもっと日本が言っているのか、あるいは先ほどもちょっと触れましたけれども、一体、機構をきちんと決めようということが特にカナダあたりから強く出されておりましたが、それはそういう方向に行っているのか。そんなところをちょっと、私はやはり日本人として、ウルグアイ・ラウンドというと何か米しかないように思っているというのは非常にこれは間違いでございますから、貿易全体の、新しい世界の自由貿易ルールをつくろうということなんでございますから、そういう意味でも、細かいところで恐縮ですから局長からで結構でございますから、ちょっと教えていただけるとありがたいと思います。

小倉和夫外務省経済局長

○小倉政府委員 ウルグアイ・ラウンドの今先生御指摘の、御質問の状況でございますが、まさに今武藤先生もおっしゃいましたように、昨年いわゆるダンケル提案というものが出てまいりましたが、これは従来の三年、数年にわたりまする今までの各国の非常な困難な交渉というものを一応まとめまして、大体どういうようなことで今後やったらいいかという今後の交渉の、何と申しますか、一つの基礎を提供したものでございますが、そうしたものを見ましても、まさに先生が御指摘になりましたように、非常に幅広い分野について交渉をしようということが書いてあるわけでございます。  そして、どういうことかと申しますと、例えば、この文書を見ましても、いわゆる補助金、なるべくそれを下げていきましょうというような問題。それから日本が非常に関心を持っておりますセーフガードの問題。それから輸出自主規制といったようないわゆる灰色措置、こういったものは廃止していこう、こういうことが書いてございます。  それから、現在日本の経済は御承知のとおり海外に非常に発展しておりまして、海外投資が非常にふえておりますが、その海外に投資したものについていわゆる貿易関連投資措置という問題がございまして、ローカルコンテストを要求するとか、あるいは輸出入の均衡をどうしろとかいうふうなことが言われておりますけれども、そうしたものをやっぱり抑制していこう、こういういわゆる貿易関連投資措置の問題、こういうことについても交渉をこれからまた詰めていこう、大体の交渉の結果も出てきておりますけれども。  それから繊維の問題。御承知のとおり繊維は従来多国的繊維取り決めという、MFAというもとで規制されておりましたけれども、これを二〇〇二年の末までに、そういった経過期間は置いた後に完全にガットに整合させよう、こういうようなことも今話し合われているわけでございます。それから、今先生がおっしゃいましたような紛争処理の問題。御承知のとおりアメリカの三〇一条とか一方的措置の問題というのは、これから日本が一番考えて処理していかなくちゃならない問題でございますが、こういった問題が、一方的措置によって貿易紛争が処理されるということのないように紛争処理のやり方というものを合理的なものにしていこう、こういったものも含まれております。  それからさらにサービスの問題。サービスの問題につきましても、いろいろな分野において一般のルールを決めて、それからおのおのそのルールのもとにおいて各国がどういう分野でどういうことができるかをオファーと申しますか提供し合って交渉していこうということで、この点についても、日本にとりましては非常に重要な利益のある分野であろうと思います。  それから知的所有権。いわゆる著作権とか商標、特許、そういったものについて、やはりこれはいわゆる先端産業に非常に密接に関連する分野でございますので、アメリカもそうでございますが、こういった点についての国際的な機関ができるということは日本にとっても大変な利益のある点であろうと思います。  それから最後に、組織の点につきましても、今のガットというのは御承知のとおりいささか、まあ非常に変形な国際機関でございますけれども、これをきちっとした組織にしていこうというような点も含めたものでございまして、もちろんそのほかに先生御指摘の農業の問題もございますけれども、市場アクセス、国内支持の問題、輸出競争の各分野、こういった問題についての農業分野の交渉というものももちろんあるわけでございますけれども、その他の分野についてもこういったような交渉が現在行われているというところでございます。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 私は通産大臣のときに多少農業についてやわらかい発言をして、ここで大分野党からいじめられましたけれども、しかし私は……(「激励をしたんだ」と呼ぶ者あり)ありがとうございます。私は、あのころから関税化は絶対だめだ、日本の国の将来の農業を考えた場合に、関税化だけは絶対受け入れるべきでないということを非常に強く主張いたしておりました。まあ今度のダンケルのペーパーでは一応最低一五%、それから平均三六%、そしてどこへ  設けるのは例えば七〇〇%でもいいとかいうことになるのかもしれませんが、七〇〇%というのは実はアメリカが言っておって、日本の今の米と、ちょうどそれだけやれば大体国際価格と同じだというところからアメリカが七〇〇%と言い出したと思うのですが、ただあのころ、私の記憶が間違いなければ、ヒルズ代表あたりはいつかは五〇%ということを言ったような記憶が私はありまして、それで私は関税化は絶対反対ということで当時頑張ったつもりでございますが、そればっかり頑張るわけにいかないものだから少しやわらかく言ったら、ちょっと野党におしかりをいただいたのかもしれません、激励で結構でございますが。  いずれにしても、最近非常に心配しておりますのは、政府の中で少し関税化を受け入れてもいいかのような御発言ととれるような新聞報道がございますので、私はこの報道は間違いだろうと思うんでございますけれども、ぜひ日本の、関税化だけはやはりこれは防いでいかないと将来大変なことになるのではないかと思いますので、ひとつその辺だけは、特に何か一番誤解を持たれておられます外務大臣からひとつその辺のところをはっきりとおっしゃっていただけるとありがたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 それでは先にお答えさしていただきますが、どう進むかという仮定の話でいろいろ聞かれるんで非常にお答えしにくいことが多いんでありますが、いずれにしても、総降雨量というんですか、三分の一ぐらいは水田で押えてくれておるわけですね。ですから、基本的な地球全体の食糧が一体どうなっていくのか、あらゆる角度からの検討をしてみましても非常に問題があるんです。今のダンケル・ペーパーを見ても、ルールというのはだれにでも共通でなきゃいかぬわけですけれども、輸出補助金を今まで使っておるところは下げるだけで認めるけれども新しくやるのはけしからぬとか、これじゃもう一方的なルールでプレーをしなきゃいかぬ。そんなことなんかも、いろいろ見てみますとあります。考えてみますと、どこの国も言ってみれば自分の国に有利なように有利なように決めようとする、ここが私は一つの妥協点というものが出てこない大きな点ではなかろうか、こう思っております。  特に感じますことは、輸出する側の立場に立っての主張というものが非常に多くて、これを輸入する方の立場というものもやはり尊重してもらわなければいかぬ。各国にはいろいろな問題がありますけれども、特に農業分野ではそれぞれ特徴的な難しい問題というものを抱えておりまして、そういうことで何%が何とか言いますけれども、それもまた決定しているわけではありませんので、その辺のところは、私どもは国会決議を尊重しながら、各県の、都道府県の町村議会の決議というものも見ながら、忠実に主張を貫いておるところであります。御理解いただきたいと思います。

渡辺美智雄自由民主党外務大臣

○渡辺(美)国務大臣 これは武藤委員がおっしゃるように、これはもうウルグアイ・ラウンドを成功さして、そして世界が保護貿易にならないで、そしてみんなが栄えるようにしよう、これに反対している国はないんですよ、ますます貿易を促進しようというんですから。総論は賛成。問題は、その中で、いろんなことがありますが、関税化の問題というのが今問題になっております。  あれはたしか米に関して言ったことでございますが、関税化をやれと言ったわけじゃ別にありません。ウルグアイ・ラウンドをまとめるために米開放ということが要求をされている。一トンも入れない――本当に自由貿易だと言いながら、米の問題は確かに非常に基本的な食糧ですから大事な食糧でありますが、ヨーロッパでも酪農の問題ももちろん基本的食糧でしょう。しかし、一トンも入れないという国は世界にはないのです、実際は。アメリカの線とかピーナツなんかは一トンも入れないに近いようなことをやっている。これは事実でございますが、基本的食糧で牛肉であっても入れている国が多い。したがって、これをまとめていくためには、一トンも入れないということで頑張っちゃうかということが一つですね。しかしこれは、頑張るといったってそれは物には常識があるんじゃないか。それは頑張れまい、恐らく。それじゃ完全に開放しちゃう、こんなことはまたできるはずがないね。  ということになると、部分的に、それは何万トンになるか知りませんが、部分的に三%とか二%とか五%とか、いろいろあるでしょう、それは交渉事ですから。だから、部分的に入れる、いろいろ条件があるでしょう。入れ方は、純然たる部分開放という手が一つありますね。しかし、部分開放はやるんだけれども、関税化というようなことで、拒否的関税のようなものでもいいと言っているわけですから、一応大義名分だけで、実際はまあはいれない、こういうこともあるでしょう。どっちが損か得かはこれはよく研究して、判断の結果、とるとすればいずれをとるかは、これは勉強をしてみなければわからぬでしょう。だからそろそろ両方を勉強しておいた方がいいんじゃないですかという問題提起をしたことは間違いありません。  以上であります。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 ひとつ外務大臣、ぜひ国民が誤解をしないようにひとつよろしくお願いを申し上げます。(発言する者あり)

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 静粛に願います。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 それから、次に進みまして、二国間の問題に少し入らさせていただきたいと思います。  総理、総理は、たまたまことし一月七日にブッシュさんがお越しになり、そしてまたこの間向こうでお目にかかられた。一月の間に二回首脳会談をおやりになったわけでございます。  日本はアジアの一員でございますから、最初に韓国へ御訪問になったのは大変よかったと思います。いろいろの不幸な出来事がたまたま、不幸な出来事というか非常に残念なことが、日本としても恥ずかしいことが表へ出まして、大変つらいお立場であったかと思いますけれども、いずれにしても、隣国を御訪問になったということは私は一番よかったと思います。  同時に、アジアの一員であると同時に、日本はやはり日米を基軸にしてこれから世界のためにやっていかなきゃならないというのも当然でございましょうが、とりわけ、先ほど申し上げましたけれども、この冷戦構造が終わった後、今経済は疲弊しておりますから、やはり経済を中心として日米がこれからやっていかなきゃならない。特に、ソ連が昨年崩壊をし、七十年以上の共産主義の歴史に終止符を打ったわけでございます。今世界の人たちは、共産主義、あるいは社会主義と言うと社会党から怒られるかもしれませんが、まあ要は共産主義、社会主義という管理社会、そういういわゆる管理経済ではうまくいかない、いわゆる自由主義経済あるいは資本主義経済の市場経済原理、競争の原理を導入してこそ経済は発展するんだということを今世界の人たちはわかってきたんじゃないかと思うのですね。ですからお隣の中国でも、共産主義の国家でありながら特別区を設けて、経済特別区を設けて、そこは自由経済だよ、自由貿易だよとやっております。キューバのような国でも最近変わりつつあると承っております。そういう点で、私は、世界の国々も、やはり自由主義いいな、やはり市場経済原理を導入して我々はやっていかなければいけないなと今思いつつあると思うのでございますね。だからゴルバチョフさんもおっしゃったし、それでお気の毒に、余りやり過ぎちゃってゴルバチョフさんはおやめになっちゃったんですけれども、私は、ゴルバチョフさんはすばらしかったと思いますね。ソ連にああいうことを目覚めさせたということは、私は大変な功績だろうと思うのでございます。  いずれにしても、そういうときに、それじゃ自由主義、資本主義の総本山はどこかといえば、これはアメリカでございます。そのアメリカが残念ながら今ちょっとおかしくなってきちゃったわけでありまして、私は、アメリカよ強くなれということを、もう一昨年通産大臣をやらしていただいたときから、アメリカ人の指導者に会うたびに申し上げてまいりました。あなたのところが先生だよと、おれのところは生徒なんだと。今から三十何年前に日本に生産性本部をつくれと、そうしておれのところの生産性本部と、ちょうどそのころ参議院にお出になっておられましたけれども、そして日本に生産性本部をつくって、その生産性本部を通じて日本の労働者、日本の経営者、どんどんアメリカヘ来い、みんな生産性向上運動を教えてやるといって教えてくれたわけでございます。それで、それを忠実に守って今日まで来たから、資源のないこの日本の国が今日の経済大国になったんだと私は思っている。もちろんその間に西ドイツでも労使協調というのが出てきて、労働組合の中にももうストライキはやめようという空気も出てきたことも、これは事実だろうと思います。いずれにしても、どちらかといえば、主たる原因はやっぱりアメリカから生産性向上運動を教えられたからだろうと思うんでございます。  実は私、総理もお忙しかったものでございますから、ブッシュさんにお目にかかられる前に、ぜひブッシュさんにおっしゃってくださいよと。同じアメリカ人でも、いわゆるマネージがうまくいっている工場ではいいものできているんですよ、マネージがうまくいってないところはいいものができないんですよ、例えばGMとかフォードとかクライスラーが最近うまくいかなくなったのは、マネージが悪いんだと。それでもまあ多少はよくなってきたと思います。あのベトナム戦争直後あたりが一番悪かったと思うんでございます。ところが、日本のトヨタとか日産とか本田のアメリカの工場は全部労働者はアメリカ人です。アメリカ人が日本のトヨタ、本田、日産でできるよりもいい車をつくっているわけです。だから決してアメリカ人が、労働力とか労働者が悪いんじゃなくて、その人たちをいかにうまく使うかが問題なんですと。うまくGMもクライスラーもフォードも、もう少し昔の生産性向上運動に立ち返っていただいて、そして経営者もその会社のためにと。  アイアコッカさんみたいに、赤字になってつぶれかかっていても十億円も十五億円もボーナスを取るような、そういう経営者はいけないと思いますね。あるいは労働者も、何か自分たちの条件は全米自動車労働組合がやってくれるから、何も会社はどうだっていいやじゃ、これはいけないと思うんです。やっぱりそういうことをきちんとマネジメントをやり、経営者も労働者も一体となって消費者のためにいい車をつくるんだと、こういう気持ちにならないとなかなかいいものはできませんよということをぜひひとつ。  私はトヨタなり本田なり、みんな工場をアメリカで見てまいりまして、日本でつくっているよりも立派な工場ができております。本田の工場もトヨタの工場も、日本のトヨタ、本田の工場より新しいもんですから、非常に能率がいいわけでございます。すばらしい車ができておるわけでございましたので、それをぜひブッシュさんに申し上げてくださいと言ったんでございますが、ブッシュさんはお気の毒に来られたときに倒れられちゃったんで、おっしゃったかどうか、ちょっとその辺をお聞きをいたしますが、おっしゃっていただきましたでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 ブッシュさんとのお話をする機会はあれ以外にも幾らかございまして、そういうアメリカのいわゆる生産性の向上及び物をつくるという、付加価値をつくるということ、それはマネーマーケットも厳密に言えばそうかもしれません。これはしかし、物をつくるというところでない、そういうことについては随分お話をいたしました。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 まあ、私たまたま自分の経験で大変恐縮でございますけれども、一昨年ダンフォース上院議員が三月に参りまして、同じような話をいたしました。それから四月にまたアメリカに参りまして、彼が上院議員を何人か集めていただき、そこで同じことを申し上げました。それからまた、夏にまた申し上げました。大体三回話をしたらダンフォースはわかってくれまして、あれだけジャパン・バッシングをやっておられたダンフォースさんが、今はジャパン・バッシングはやっていないはずでございます。  それからもう一人は、今まだうるさいんですけれども、ゲップハート、これも昨年夏に私は一時間以上にわたって話をいたしまして、そうしたら彼もわかってくれました。おれはやっぱり日本だけをたたいておったんじゃいけないな、アメリカの経営者、労働者にも注意をしなきゃいけないなということを言ってくれまして、この間日本に翻訳されたある雑誌に、何も日本だけが悪いわけじゃない、アメリカにも反省しなきゃいけないところがあるということを彼は書いておるわけでございまして、根気よく私はそういうことをアメリカに言えば、アメリカはわかってくれるんじゃないか。  と私が申しますのは、何もアメリカをいじめるというつもりで言っているわけじゃないんであって、今本当にこれだけ世界の経済が疲弊している中で、何とか日本がまあまあの状態だから今みんな日本へ期待の目を向けておりますけれども、本来ならば、アメリカの経済が本当に国際競争力においても一番になっていただくのが本来の姿だと思うのです。あれだけ資源のある国で、あれだけ人間が多くいて、あれだけの広い領土で、残念ながらベトナム戦争以降、麻薬が広まったりなんかで本当におかしくなったんでございますが、私は去年アメリカヘ行ったときに言ったのは、あなた方あの湾岸戦争のときは本当に国民が一緒になってやったじゃないですか、あの気持ちをもう一、回思い出して、今度は経済でみんな一生懸命やってくださいよということを私は申し上げたんですけれども、残念ながら今のところ経済がおかしくなって、ブッシュさんまでが、あれだけ堂々としておられたブッシュさんがもう本当に青息吐息で、今一生懸命選挙のことが気になるというようなことになっております。私の親しくしているモスバッカーも、何か今度は選挙の責任者になっちゃってやっているようでございますけれども、私はやはり大切なのは、アメリカが本当に経済力をもう一回回復をしてくれることだ。そうするとソ連の国民も、アメリカ大変すばらしい、それをまねをして強くなった日本もすばらしい、おれたちもそれをまねしようということになるんじゃないかな。  そういうことを考えますと、やはりアメリカが強くなっていただくことが大切なんで、私は、日本は、それはアメリカのためになる話でございますから、アメリカの経営者も労働者も本当に、それからもう一つ消費者も問題があると思うんです。  あのレーガノミックスというのは、当時私どもは大変すばらしいと思いました。しかし、今から思うと、あれが原因で大幅な財政赤字と貿易赤字の二つの赤字をつくったわけでございまして、あれはレーガンさんがあのときに、ひとつ思い切ってあなた方の税金は安くしてやるけれども、そのお金はぜひ貯蓄に回してくれよということを一言おっしゃっていればよかったのが、おっしゃってなかったもので、みんな消費の方へ回っちゃって、結局あれが貿易の赤字と財政赤字につながっていったんじゃないか、大きな赤字につながっていったと思うのでございますね。これもやはりアメリカ国民、消費者もわかっていただかなきゃいけない。やはり貯蓄ということは大切である。  それから、週休二日も私はこれから日本は大切で、やらなきゃいかぬと思います。しかし、かつてアメリカでは、もう今はなくなってまいったようでございますが、かってアメリカで言われたことは、月曜日と金曜日の車はなるべく買うなということがよく言われたわけでございます。これは私のアメリカの友人がみんな言っていた。なぜかといったら、週休二日制で土曜、日曜は遊び過ぎちゃって、月曜はちっとも力が入らない。それから、今度は金曜日になったら、明くる日から遊ぶにはどうしたらいいかということに頭がいっちゃって、いい車ができなかった、こう言われたことがあるわけでございますね、現実に。総理もお聞きだと思うのでございます。そういうようなことになってはいけないので、私は週休二日制も結構。だからアメリカも月曜から金曜までは一生懸命働く。こういうのが私は、人間というのは働くところに人間のよさがあるんでございますから、働き過ぎはいけませんけれども、与えられた間だけはきちんと働くというのが私は正しい勤労の姿ではないか。やはりアメリカの方にそれをわかっていただくように日本は努力をしていくべきだ、こう思いまして、たまたま総理にあのとき申し上げたのでございます。  今後もそういう意味合いを込めて、アメリカの経済が立派に立ち直っていただくようにしなきゃいけないと思いますが、いかがでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 まことによくわかるお話を私、聞かせていただいたと思いますけれども、確かに今アメリカに欠けておりますものといいますか、この十何年、ここに至ったゆえんを見ていきますと、物をつくるというか、価値を生むということについての解釈が非常にルースになったと申しますか、それはマネーマーケットでも価値を生むには違いないだろうとか、そういう額に汗をして一つ物を創造していくという、そういう勤労の倫理でございますか、そういうものがいろいろなことに関係があったと思います。コンピューターなんかにもやっぱり関係がありまして、そういうことで、大学を出た若い人が大変な高給をもってウォールストリートにたくさん入っていってしまった。その結果としては、物をつくるエンジニアというものがどんどんどんどん減ってしまっていったということを、武藤議員も見ていらっしゃいますし、私も見ておりました。  そういうことでいいのだろうかと考えているうちにマネーマーケットが進みまして、今度はジャンクボンドというものになりました。ジャンクボンドというようなものは、これは本当にある意味で言葉が示すように危険なものでございますし、LBO、レバレッジド・バイアウトなんというのも、全く自分で手金を持たずに人のものを買収して、その結果、利子が払えなくて倒産してしまうという、だれが考えても長続きがしないことをここ十年余りやってきた。私は、その辺のところに働く倫理観というのが欠けているのじゃないかということをずうっと思ってまいりました。  今、御心配になっていらっしゃるのは、私はまさにそのことだと思いますし、ある意味で我が国のバブルと言われるものにもそういう要素があったのだと思うのです。ですから、あのバブルということが起こりまして、お互い今こういう後始末が大変でございますけれども、あれはやっぱり国民全体に対する教育であったとすら私は思います。やはり額に汗をして価値をつくり上げていくということが大事なことだ。  ちょっと説教がましくなりましたけれども、お話がそういうお話であったものでございますから、私の感じておりますこともそういうことで、ですからブッシュさんが教育をと言い出したのも、そういうことをもう一遍言おうとしておられるのだと思います。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 もう一つだけアメリカとの関係、先ほど山花書記長の御質問に対しては通産大臣がお答えだったようでございますので、できれば総理からお答えをいただきたいのでございますが、自動車の問題でございます。  私の承知しておるのでは、ブッシュさんが来られたときに大変通産省が苦労いたしまして、各自動車メーカーあるいは自販連、強く要請をして、できるだけやれるだけのことをやってみてくれよということでそれぞれ努力目標をつくってもらい、そして、それを通産省がまとめてくれたのが別表でくっついたわけでございますね、東京宣言に。これが私は事実だろうと思うのでございます。ですから、政府が約束をしたというようなことになりますと、これは管理貿易になりますし、共和党がまさか管理貿易をやってくれと言っているわけでもないと思いますし、たしか何か宮澤総理が御発言になったのに対していろいろちょっとにぎやかであったとき、ちょうどアメリカヘいらっしゃる前、向こうからヒルズ代表は、決して宮澤総理のおっしゃっていることは間違いではない、こういうふうにヒルズ代表は言っておったと新聞に報道されておりました。  私は、ヒルズ代表が正しいのであって、政府間でそういうようなことを取り決めれば、これは完全に管理貿易でございますから、まさかそんなことをブッシュさんが要求されたわけではないと思います。あくまで政府は、業界がそういうことをやっているのをウォッチしながら見ていて、なるべく、しょっちゅう会いますから、それは通産省の人が、まああなた一生懸命やってくれよぐらいのことを言うのは幾らでもいいと思うのでございますが、政府間の約束という判断でアメリカがいると、これは大変間違いでございますし、その辺はあくまで各会社が、企業がこういう目標でやりますと言ったものを取りまとめて、それを別表につけたというふうに私は解釈をしておりますが、その点は首脳会談でおやりになったことでございますから、できれば総理からお答えをいただきたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 今、総理に答えろということに対して大変役不足で申しわけありませんが、一体でございますから、この内閣は。  大先輩の武藤先生から大変示唆のある御意見を賜ってまいったわけですけれども、昨年の暮れから、ブッシュさんがおいでになったら、やはりきょうまでの歴史、これからのこと、日米会談は成功させなければならないということで、関係企業、団体の皆さん方が必死になってこの会談を成功させるために頑張ってくれまして、私はまさに自工会にしても関係企業にしても血のにじむようなその間の努力はあったと思いますが、大きな立場に立ってやはり日米関係を大事にしなければならない。また、アメリカにこれ以上保護主義を台頭させるようなことがあっては、あるいは管理貿易とまさに今武藤先生お話ありましたけれども、自由主義経済のとうとさを教えてくれたのは、これはアメリカなんでありますから、また、我々の今日の自由の繁栄も、これはアメリカから大きな示唆を受けてきたわけですから、この会談を成功させなければならない、しかし、かりそめにも管理貿易というような方向にとられるようなことになってはならないということで、これは全く自主的に自動車関係の皆さん方が、これはアメリカ側といわゆる努力目標としてアクションプランというものができ上がったものであって、これが誠実に努力されることは当然ですが、これは当然市場原理の中で、日本ももちろん努力しなければなりませんが、アメリカも日本の市場に物を売るのですから、日本の消費者のニーズを十分十分に考えて生産する。やはり物というものを生産する場合は、欲しい人の立場に立ってつくるのもこれは当然のことでありますから、日米双方の努力目標として、これはお互いに努力して、誠実に努力して実現されるもの、こう思っておりますので、なお大先輩でございますのでいろいろ御指導を賜りたいというふうに思います。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 国際問題でもう一つだけ、ちょっと総理から承りたいと思います。  それは、先ほど総理もお触れになりましたけれども、安保理サミットにお出になってエリツィン大統領とお会いになって、何かこの九月ごろには日本へ来られる、そして、そのときには平和条約の話も出そうというようなことが報道されておりましたが、平和条約となれば、当然北方領土の問題が日本としては入らないことには平和条約の締結はできないわけでございます。そうすると、北方領土の問題も含めて平和条約が、まあそのとき締結されるか案が出されるか、その辺はわかりませんが、近いうちにそういう北方領土の問題を含めて平和条約の締結の方向に進むだろう、こう期待をしてもいいのか、その辺、エリツィン大統領とお会いになったときのことをお聞かせをいただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 結論としては、そういう強い印象を持って帰ってまいったわけでございますけれども、ここに至りますまでには外務当局は非常に従来努力をしてこられましたし、また渡辺外 務大臣、この間も訪ソされて、エリツィン氏とは向こうの急な都合でお会いになられませんでしたけれども、外務大臣と話されたとおっしゃられました。  そういう従来の蓄積の上でエリツィンさんと。私との会談が行われまして、私がいろいろソ連の経済の現状、どうやって市場経済に移るかというようなことについて、日本にも昔の経験がございますから、そんな話をしたり、あるいは核拡散の話をいたしましたり、いろいろ歴史にない大きな変革に当たっている彼の経験なり苦労なりについていろいろ話をして、その上で、そういう大事な立場にあられるあなたであるが、ロンドン・サミットの各国、G7はすべてもうこれで歴訪されたことになるので、日本だけが残ります、したがって、できるだけ早く日本を訪問されることを私としても要請をいたしますし、日本人もいろいろな意味でロシア連邦には関心を持っておるわけですからという、その辺から話が始まりまして、自分としてもそれならばできるだけ早い時点ということで九月の中旬にはひとつ訪問をしようかということで、私どもも、それは大変タイムリーだと思います、ただ、一つ二つ、きちんと日を決めるのには一日ほどお待ちを願いたいということで、実際上しかしそこでほとんど決定していくと思うのでございますけれども、そのときに、そのためには領土問題を含む平和条約のいろんな面を自分としても研究も準備もしていかなければならないからなということをエリツィンさんが自分で言っておられました。  それで、それには先ほど申しましたように、実はこの二月の十一、二日でございますか、モスクワでロシア連邦の外務次官と我が外務省の斉藤外務審議官とが、この平和条約問題についての最初のワーキンググループの会合をすることが既に決まっておるわけでございます。それが今月の十一、二日でございましたかと思います。それがございまして、そしてそれが三月の渡辺・コズイレフ外務大臣交渉につながる、それで、その後もう一度渡辺さんが訪ソをされますのかどうですか、そこは、訪日をされますかどうかはまたそのときの外務大臣の御判断と思いますが、その延長線上で九月の私とエリツィン氏との会談になる、こういうことでございますので、具体的に領土問題を含む平和条約の交渉がこの二月からその時点までずっと継続してだんだん上のレベルに向かって積み上げられていくということになると考えております。それで、その間に我々の期待いたしますように十分な内容になって交渉が進んでまいりますのか、あるいは交渉のことでございますからいろいろなことはあるかもしれませんが、スケジュールといたしましてはかなりそういうことできちんといたしてまいったという印象を持っております。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 次に、国内の問題に入らさしていただきたいと思います。  あれは、去年、おととしてございましたか、私どもの自民党の大会へ曽野綾子さんが来ていただいて、お客さんでごあいさつの中で、政治家たるものは、本来、国家、国民のために命を投げ出す覚悟のある人がなるべき天職だと、こうおっしゃったと私は記憶をいたしておりまして、大変すばらしい言葉だと思うのでございますが、今回、同僚の阿部議員がああいう形で起訴されたことは、本当にまことに遺憾に存じますし、私ども残念でならないわけでございます。まあ、受託収賄罪が成立するのか、職務権限があるのかどうか、これは裁判でおやりになることでございますから、おのずからその結論は出ると思います。  ただ、今、曽野綾子さんの言葉を私はそのまま申し上げれば、少なくとも、まあ、そんなことであってはならないし、それはもう報道が間違っていると私は信じたいのでございますけれども、本当に阿部君があのような形で、何でもかんでも金を要求したということがもし事実であるならば、これはもう政治家として私は、今申し上げた天職からいって失格だと思うのでございます。だから、これは本人が一番わかるわけでございますね。もうだれよりも本人が一番わかっているわけでございますから、まあ大変おつらい、御一緒にお仕事をおやりになってきて本当に、事務総長にまでされた方でございますので、大変おつらいお立場だとは思いますけれども、私は、なるべく早い機会に、やはり総理・総裁というお立場よりは、自分が事務総長に使ったというお立場でやはりよくお話しをいただいて、その辺本人によく言い聞かしていただいて、そして反省の上に立ってみずから自発的におやめになるというのが一番いい姿ではないかと思うのでございます。もちろん我々の自民党内にも、いや、判決が決まるまではこれはまだはっきりしないんだから、議員という職は非常に大切なものだからやめる必要もないという御意見もあるやに聞いておりますけれども、私は、本人自身がああいう形で本当におやりになっていたとするならば、これはもうその議員としての、政治家として資質を疑うわけでございまして、そういう面で、本当のことを話をできるのはやはり会長、宮澤派の会長である総理ではなかろうかと思いますので、私は、ほかの方がどなたが言っても本当の話をされないと思います。二人でよくお話しをいただいて、もし事実であるならばみずから身を引くようなことをされるのが一番いいと私は思いますが、いかがでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 大変残念な出来事でございまして、おっしゃいますように、事実関係はこれから公判の過程を通じて明らかになってまいるということでございますけれども、したがって、ああいうことは事実でなかったということを私は祈っておりますけれども、しかし、ここまでの段階、物が進んだということはまことに残念なことでありますし、私自身も、同じかまの飯を食った友人として大変にいたたまれないような気持ちでおります。  で、本人がこの隣どういうふうに身を処するべきかということは「それは、友人は友人なりとしておのおのそういうベースでもって御本人のためを思って物を申すということは十分あっていいことですし、またあるいはなければならないのかと思いますけれども、基本的に申しますれば、結局御本人が、自分と、自分を信頼し負託をしてくれた選挙民との関係をどう考えるかということであると思います。これはほかの何物にもかえがたい民主主義の一番大事な関係でございますから、また、お互いそのゆえに今日こういうところで仕事をし、仕事をさしてもらっているわけでございますから、この信託関係、信頼の関係というものは、まさに自分が自分の天職を行う上で、それを正しく期待されたとおり実行していけるのか、あるいは何かの理由で実行していけないのか、それによって私は判断すべき問題であろう。何かの理由によって自分に与えられた信託に背いた、あるいは信義を裏切った、あるいは仮にそうでなくても、その信託と信義を実行していくことができないと考えられた場合には、恐らく御本人はそういう決心をされるでありましょうし、またそうでない場合には、自信を持ってやはりその信託と信義に自分はこたえていくんだ、こういう判断をされるであろうと思います。そこのところの判断は最終的には個人の判断でございますけれども、そこに至りますまでの間の友人としてのアドバイスに欠くるところがあってはならないと考えております。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 まあいろいろの問題が起きてまいりますと、私どもはやはり本当に、またか、こう国民から言われるのは非常に残念に思うわけでございます。本当に今こそ私ども襟を正して、何とかもうこういうことが二度と起きないような方向に今言われておる政治改革を進めなければならないと思うのでございます。  そこで、政治改革というのは、しかし私は、非常に難しいのは、有権者の方にまたたかりがあってもいけないわけでございます。最近の新聞などでその辺が非常に反省をすべきだという記事が出てきていることは、大変私は新聞もいいことを書いておってくれると思うのでございます。やはり政治の場にある者、選ばれる者も選ぶ者も、みんなが選挙とか政治というものには金というものがまつわってはいけない、こういう空気ができることが私は一番大切だと思うのでございます。  今、国会の中でこの政治改革をどうするのか、自民党としては三法案セットとして出しましたけれども、これは前国会で廃案になりました。そして今、それじゃその後どうするのかということで与野党協議が始まるわけでございますが、まだその方向が打ち出されていないわけ」でございます。ぜひこれは一日も早くやるべきだと思うのでございますが、正直、自民党の中も二つの意見に私は分かれているように感ずるわけでございます。  一つは、とにかく金の透明性、金の流れを透明性にしなければいけない。そういう点からいって、政治資金規正法の強化、それから連座制の強化、それから違憲判決が高裁から出ておるわけで、最高裁からもそのうちに出るわけでございましょうから、やはり定数是正の問題を早くやらなければいけない。これをまずやって、抜本改革は引き続いていくんだという二段階論と、いや、前のときにやはり金のかからないということでああいう形で小選挙区比例代表並立制というのをやり、まあとにかくあのときに政党助成と政治資金規制とそれは三点セットでやってきたのだ、やはり今後もパッケージでその三つ、その中身はともかくとしても、考え方としてはその三つを同じように持っていくべきだという考え方、二つに私は党内も分かれていると思うのでございます。長谷川さん、本部長をお引き受けになったけれども、なかなかこれは大変だろうと思うのでございます。  総理でありますから、総理は、内閣総理大臣としてのお立場ではありますけれども、また、自民党総裁であるわけでございますので、やはりその辺は、せっかく金丸副総裁も御就任いただいたわけでございますから、やはり副総裁と御相談をいただいて、党としての方向というものを、まあこれで長谷川さんのところでうまくまとめていただければ結構でございますけれども、こんなことをいつまでもほっておいていいものではないと思います。今こそ本当にきちんとしなければいけない場合だと思いますから、なかなか党内がまとまらないようなときには、やはり最高責任者であるお二人が御相談をいただいて、こういう方向でいこうというものを打ち出されるべきだと私は思うのでございますけれども、その辺の御決意を承りたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 御指摘のように、これは基本的に倫理の問題でございますし、なお、選挙制度、資金開運、その他定数もございますが、いろいろなことが相互に連関をしている問題でございます。  御承知のように、我が党の中では、しばらく前にかなり長い激しい総合的な議論をこれについては一遍いたしました。ついせんだってまた、政治改革本部のもとで議論が始まったわけでございますが、前回もうかなり議論が出尽くしておりますので、今回は比較的早くある方向に向かって集約されるであろうと思っております。その段階で政治改革本部長、正副本部長等々の御意見を私聞きながら一つの方向を出してまいりたい。その時期をいずれに選ぶべきか、今党内の議論をもう少し様子を見たいと思っておるところでございますが、最終的には私がそういう方々と御一緒に決めてまいらなければならないと思っております。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 もう一つ、これも総理にぜひお願いしたいんでございます。先ほどの話、申し上げましたように、選ぶ人も選ばれる人も意識改革をしなきゃいけないと思います。  例えば、例にとって悪いんでございますが、奄美大島の選挙区なんかは大変激しくお金が動いているということはよく承るわけで、この問なんか、町長選挙までが何か投票箱の奪い合いまでやっちゃって、町長がしばらく決まらなかったということも現実にあったわけでございます。こんなこと、恥ずかしいことでございまして、私は、やはり日本国民も政治に対してもっと目覚めていかなきゃいけないんじゃないか、やはり選ぶべき人を選ぶ、自分たちで選ぶんだということにならなければいけないんじゃないかと思うのでございます。ひとつ国民運動を展開するようなお気持ちがないか、これもひとつできれば総理から承らしていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 新しい制度ができますと、やはりそういう意味での国民への呼びかけも必要と存じます。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 次に、それでは進めさせていただきますが、ことしの予算を前にして、行革審から平成四年度の予算に対してという、何というか、答申といいますか、出たわけでございますね。「行政改革に関する意見」という、これは総理のところへ出ているはずでございます。その中に、「行政改革は、率直に言って未だ十分とはいえず、財政改革もこれからが正念場である。」というようなこととか、それから「激動する内外の諸情勢に対応できるよう中長期的な行財政の体質改善を目指す必要がある。」こう書いてございます。とりあえず平成四年度の予算編成に向けた意見でございますけれども、そういう長期的なことも書いてあるわけでございます。  私は、この際、今申し上げました政治の浄化とともに、やはりもう一度あの土光さんがおやりになったように、小さい政府というのを考えていかなきゃいけないんじゃないか。それはたまたまことしの税制改正のときにも国際貢献の税の話が出ました。これからは、あるいは福祉の関係もどうしても考えなきゃいけない財源が出てくると思うのでございます。そうなってくるときに、やはり小さい政府にできるだけしていく必要があるんじゃないか。  土光さんの答申が出てからもう相当の期間がたちました。やはり今の、たまたま阿部君のあれで私は恐縮でございますが、時たま私は疑問に思いますのは、北海道の方に怒られるかもしれませんけれども、札幌へ参りますと、各中央官庁の出先機関は全部ございますし、立派な北海道庁がでんと構えておりますし、まだ外務省あたりは、少なくともあそこに大使を一人置いておるわけですね。もうソ連がなくなっちゃったんでございますから、私は、外務省人が足りない足りないと言うのですから、あの大使なんて即刻どこかほかへ回してあげた方がよほどいいんじゃないかな、やはりそういう行政機構の改革というのを思い切って進めて、効率のいい小さい政府にする方が国民はそれを期待しているのじゃないかという感じがするわけでございます。  あるいはもう一つ、たまたまこれも阿部君を例にとって悪いんでございますけれども、北海道東北開発公庫というのがあるわけでございますが、これもどうしてもあの地区だけの金融公庫が今必要なのか、かって北海道を振興させなければいけないときはそれは当然必要であったと私は思うのでございますが、もう今の時期に果たして必要なのかな。そういうことを言っちゃ悪いのでございますが、どうも役所の方の出先が一つでも減るのが困るというお役所の考え方があるやに私は想像するのでございますけれども、この辺は、せっかく行革審で今いろいろとやっておられるのは、国際貢献とこれからの総理のおっしゃる豊かな生活はどういうふうにしたらいいかということで今おやりいただいておるわけでございます。しかし、平成四年度の予算編成に対する意見としてはそういうことが出ているわけでございますから、行革審に対して、あの土光さんのときのように小さい政府、効率のよい行政を確立するにはどうしたらいいかということを、答申を改めてしていただくと大変いいのではないかと私は思いますが、いかがでございましょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 何回か行政改革が行われてまいりましたけれども、今、大づかみに言いまして、残っております方向が三つあると思います。一つは中央と地方との関係でございます。行財政を含めまして中央と地方との関係、それから官から民へという関係であると思います。これもなかなか思ったほどには役所から民間への仕事の移譲が進んでおりません。それから、許認可の簡素化ということでございます。これも数で申しますと驚くべき数のものがまだ残っております。こういうことはやはり毎年毎年継続して忍耐強くいたさなければならないということを示しておると思います。この三つの方向で行革審をこれからまだ大いにやっていかなければならない。今おっしゃいました公団、公庫に関することも、その公庫、公団を申すのではございませんけれども、やはり官から民へという一つの問題ではないかと思っております。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 それからもう一つ、もし行革審でいろいろと議論していただくとすれば、今我々よく承るのは、各地方地方へ参りますと、縦割り行政のために非常に困っているということをよく承るわけでございます。例えば、水利権の問題一つにいたしましても、農水省と建設省と水利権を争っていて、地元の人には何も罪はないわけでございまして、そういうことをもし縦割り行政のままでやるんならばどこかの官庁がそれを調整をしてあげるということをやらないと、これは本当に困るのはその地域住民でございまして、こういうようなのもやはり行政、まあ、もし役所間でなかなか縦割りでやれなければ、行革審あたりでその辺はどこでそういうものは調整をすべきかというような意見を出していただくとこれも非常にうまくいくんじゃないかと思います。  縦割りは、私は今急に変えると言ってもそれはなかなか大変だろうと思いますから、今の役所の機構、今のようなまあまあ必要でないものはできるだけやめてもらいたいんですが、必要なものは残しておくのはやむを得ないと思いますが、その横の調整をどこがやるかというのが今はっきりいたしておりません。確かに国土庁あるいは経済企画庁という調整機能を持った役所がありますけれども、じゃ企画庁や国土庁が建設省に言えるかというと、まあ正直、力関係からいくと建設省の方が強いものですから、申しわけないですけれども、局長、長官、皆さん申しわけない、事実はそうです。事実関係を申し上げれば、建設省や農水省の方がやはり現場の役所だから強いものですからなかなかうまくいかないわけです。この辺をどうお考えいただけるのか、これもやはり行革審で乱やっていただくといいと思いますので、これはお願いだけ申し上げておきます。一時間も大分たってまいりまして、最後に総理の方から、施政方針演説読ましていただきましたけれども、総理は前から生活大国、生活大国、これはもう前からおっしゃっておられることでございまして、今度も大変大きな一つの柱に施政方針演説でおやりになっているわけでございますが、私はこれを読ましていただいて、大変すばらしいのでございますけれども、六つの条件があって、六つの条件がまた細かく、社会資本、生活環境の整備、土地住宅問題、労働時間短縮、快適な職場づくり、いろいろ細かく書いてございます。しかし、これ読んでいて、いやあすばらしいなと思いますけれども、現実にそれじゃこのままうまくいくかというと、はてな、こう思うところが時たまあるわけでございます。  例えば週休――社会資本の方は建設大臣から後で答弁もらいますから、答弁もらわないところで総理に、例えばこれも、じゃ労働大臣からもらいましょうか。じゃ総理からじゃなくてほかの各大臣からもらいます。これは閣議でお決めになったあれでございますから。  それじゃ、まず建設大臣からお聞きをしたいのでございますが、「昨年、公共投資基本計画を踏まえて策定した住宅、下水道など八分野の五カ年計画ではこ云々と書いてあるわけでございます。これはぜひ達成をしてもらわなきゃいけないと思うのでございますが、なかなか予算関係もあるわけでございますし、大変だろうと思うのでございますが、ぜひひとつ国民の方からは、今例えば大都市では若い人たちが、住みたくても住む住宅がない、やむを得ず遠くから通わなきゃならない、あるいは場合によればUターンをして田舎へ帰らなきゃいけない、こんなようなことが起きているわけでございます。そういう面において、せっかくここに総理の施政方針演説に書いてあるわけでございますから、ぜひそういうような若い人たちが町でも働けるように、努力目標でも結構でございます、なかなかすぐにというわけにいかないかもしれませんが、決意のほどをひとつ承らせていただきたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 お答えいたします。  ただいま大変いい質問をしていただきまして、まことにありがとうございます。建設大臣はなかなか答弁の出番がないのでございますが、一九九〇年代は、私は建設省の出番である、そのように考えているのでございます。  と申しますのは、ただいま先生が御指摘になりました宮澤内閣の内政の柱でございます。この内政の柱は、生活大国づくりということでございまして、その生活大国とは何ぞやということで、先生の御紹介いただきました六項目が過日の施政方針演説の中で述べられたのでございます。  その第一が、「住宅や生活関連を中心とする社会資本の整備により、環境保全も図られ、快適で安全な質の高い生活環境をはぐくむ社会」であるということを言われたのでございます。このことはまさに我が建設省が、住宅や社会資本の整備を通じましてこの目的にかなった行政を行っていくという負託を負っているものと考えているのでございます。  それから第五に、「国土の均衡ある発展が図られ、中央も地方も、ゆとりある生活空間や高度な交通、情報サービスなどを享受できる社会」ということもうたってあるわけでございます。このことも、まさに建設省が建設行政を通じまして達成していかなければならない目標であると考えるのでございます。  それからもう一点は、四百三十兆円の公共投資基本計画でございますが、これはいわば国際公約的な意味を持つものでございまして、そのことを通じてさらに内需の振興を図っていくという使命も我々は負っているのでございます。  両々相まちまして、強力に建設行政を推進してまいりまして、国民一人一人が真に豊かさを実感できる生活大国を築き上げてまいりたいと思っているのでございます。  特に、先生御指摘になりました住宅問題でございますが、昭和六十三年度では住宅一戸当たりの居住スペースは八十九平米でございますが、これを一九九五年には九十五平米、二十一世紀には百平米にしてまいりたいと思っております。  また、地方の拠点都市の整備を通じまして均衡ある国土の発展を図っていく、これは本国会に、関係省庁と協議いたしまして法案として提出をいたしますので、十分に御審議を賜って、ぜひ所期の目的を達成さしていただきたいと存じております。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 建設大臣、もう一つだけあなたに御質問でございますが、モータリゼーションの時代になりました。もうどんどん道路をよくしても、自動車の方が先へこう行くものでございますから、なかなか追っつかない。もうこのごろ地方へ行っても、東京だけじゃなくて地方都市で結構渋滞がどんどんどんどん起きている。  そうなると、地方都市において、今建設省がいろいろお考えいただいて、環状道路というので高規格道路でおやりをいただいているようでございますが、あれも何か聞いておりますと、二十一世紀ごろにそれぞれ完成するんじゃないかというようなお話を聞いているわけでございまして、せっかくならばもう少し、今度も公共事業は建設国債で大体あれしますし、道路は特定財源もあるわけでございますから、何かスピードアップして、各地方のそれぞれの主要都市の、東京に余り変わらないような渋滞を直してあげなきゃいけない、そう思いますが、その辺の道路の整備について建設大臣の御意見をお聞かせいただきたい。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 大変また大事な御質問をいただいたのでございますが、先生御案内のとおり高規格幹線道路の整備をただいま進めているところでございまして、二十一世紀初頭までに一万四千キロ、全線の完成に向けまして努力中でございます。現行は五千四百数十キロといったところでございまして、平成四年度中に六千キロを突破し、さらに西暦二〇〇〇年に九千キロという今の予定でございますが、さらにスピードアップをいたしたいというのは我が方の強い希望でございますので、御支援を賜りたいと思っているのでございます。  なお、この高規格道路に全国の都市や農村から一時間以内に到達できる、そういう広域的な交流圏を形成していく上での骨格となる道路を地域高規格幹線道路といたしまして、次期五カ年計画でこれを取り上げてまいりたいと考えておりますので、この点につきましても御支援方をお願いしたいと存じます。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 もう一つ、今の「国土の均衡ある発展と地域の活性化」は、五省庁でいろいろ御検討いただいていることはよく承っておりまして、法律案もこの国会に出るようでございますから、ぜひ見せていただきたいと期待をいたしておりますが、せっかくでございますから、どうも午前中、郵政大臣、少し、大変気の毒な感じをいたしましたので、郵政大臣、ひとつ私が前向きの御質問をいたします。  ここにも書いてあるように、これから高度の情報化時代でありますから、「高度な情報、通信網の整備」というのがやはりこの「生活大国」の中に書いてございます。これは郵政省の管轄になるわけでございまして、今、道路の方は道路の方、みんなこううまくやるわけですが、情報通信網というのもこれからは、情報化社会においては非常に大切だと思っております。郵政大臣が思い切ってこういう方向でいきたいと言っておられる決意のほどを承りたいと思います。

渡辺秀央自由民主党郵政大臣

○渡辺(秀)国務大臣 今、武藤先生からの御質問でございますが、まさにありがたい御質問をいただきました。  今、郵政省は、二十一世紀に向けまして高度情報社会の実現のために精いっぱいの努力をいたしているところでございます。  現在、産業、国民生活などのあらゆる分野において情報通信の果たす役割が一層増大いたしてくると思います。こうした状況の中で、だれもが、どこでも、いつでも、これらの情報通信サービスを平等に受けられるようにしていくことは極めて大切だと思っておりまして、光ファイバー、衛星通信など高度な情報通信ネットワークの整備とか、あるいはニーズに応じた多様な情報通信サービスの提供などについて努力をいたしていく必要があると思っております。  大変役所の方で用意してくれました答弁が長いものですからはしょって申し上げますが、――郵政省であります。どうも失礼いたしました。  あるいはまた、地域格差の是正を図るために、この情報通信格差が起こらないように情報通信基盤の整備、あるいはまたお年寄りに対して、この情報通信に対してはお年寄りは不得意ですから、こういうこともひとつサービスとして考えていかなきゃいかぬと思っております。  あるいはまた、地方情報化の進展に伴う課題として、情報通信の信頼性、安全性確保やプライバシーの保護など必要性が増大いたしているわけでございます。  鋭意検討を行ってまいりたいと思いますが、さらに技術の開発とか、そういった先端高度技術の開発促進、そういうことにも大いにこれから努力をいたしまして、我が国の産業経済の発展のためにも郵政省といたしましての一層の努力をいたして全力を注いでまいりたいと思います。  どうぞよろしく御指導をお願い申し上げます。

武藤嘉文自由民主党

○武藤(嘉)委員 それでは、あとの時間は左藤さんにお譲りをいたしまして、私はこれで質問を終わらせていただきます。  総理以下皆さん、ありがとうございました。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 この際、左藤恵君から関連質疑の申し出があります。武藤君の持ち時間の範囲内でこれを許します。左藤恵君。

左藤恵自由民主党

○左藤委員 基本的な問題として、先ほど武藤委員からの御質疑がございました中の政治改革に対します総理のお考えについて、御決意について、まず最初に少し補足してお伺いしておきたいと思います。  総理、訪韓のときにもお話がございました。政治資金規正法の改正というものを政治改革関連の三法案と切り離して実施したいというようなことがお話があったように伺っています。その後、御承知のこの共和事件というようなものが出てきまして、政治家と金というふうないろいろな問題から考えますと、私は、場当たりの改正などはすべきでない、基本的に抜本改正というものもあわせて考えなければならないんじゃないか。基本的には、政治の問題につきまして、水道の元栓のところを締めないでおいて蛇口だけ工作するというようなことをしてもまた水道管が破裂するようなことにもなりかねないわけでありまして、問題は、私は現在の仕組みというのは、現行の中選挙区制というようなものには金がかかる大きな原因をなしているんじゃないかということを思いますけれども、このことにつきまして国民の皆さんがいろいろなこの問題についての報道とかそういうようなことでいろいろなお考えを皆様方お持ちだろうと思います。  いずれにしましても、しかし、定数是正とかそういったものも含めまして、政治改革というのが我が党の公約でもあり、また私は、これを国民の皆さんが期待をしておられる、そして党としても政治改革大綱というものをつくって、そしてそれを党の決定として国会へ提出されているという三法案のこともありまして、その三法案が海部内閣の最後におきまして、これが野党の皆さんの御理解を得られない、いろいろな問題がございまして廃案になったことは御承知のとおりですが、そうした意味において、やはり私は抜本的な問題を含めての取り組みというものが絶対に必要である、このように考えますが、総理がその後党大会で、不退転の決意でこうした問題について強力に実施したい、こうおっしゃるわけであります。  そうした意味におきまして、今党改革本部でもって論議をされておりますが、最初に、二段階方式というような方法論はともかくといたしまして、このことについてはやはり全体を抜本改正していかなければ国民の皆さんの期待にこたえられない、このように考えますが、総理がそういった問題について強力なリーダーシップをとってやっていただくということの御決意を国民の前に明らかにしていただきたい、このように思いますが、いかがでございましょう。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 政府が国会に提案いたしまして、残念ですが廃案になりましたが、あの三つの法案が示しておりますとおり、この問題はみんな相互関連をいたしておりまして、一つの制度だけを抜き出してそれだけをやるということは非常に困難なお互いの間のかかわり合いを持っておる、あの三法案をごらんいただきますと、それは明らかであると思います。中にはしかし、実現に非常に長く時間がかかるかもしれないと思われるようなもの、あるいは中には選挙制度、区制のように非常に議論が与野党間で早期に決着しないという可能性のあるものもございましょうし、その間にいろいろなものがございますけれども、みんな関連をしていることは確かでございます。  それでございますから、先般私が我が党の改革本部、それから大野委員会にあわせてお願いをいたしましたことは、みんな関係をいたしておりますので、全体を御検討をひとつぜひお願いいたしたいと思います、その中で、もし御判断によりまして比較的先に、早い処置を急ぐものと、それからしばらく時間がかかっていいものと、そういう御判断があればそれはもうそういうことでございますけれども、全体と切り離してある一つのものだけでいいんだということにはどうも私はならないように思いますので、その辺の御検討をお願いいたしますと申し上げました。  そのようなことで、私どもの方の党の中で今、前回かなり長い時間をかけてなさいました議論を 今度はもっと集約的に始めておられますので、比較的早くそこから方向が出かかってくるであろう。そのときに、私としては正副本部長と御一緒に大体の流れを拝見しながら、流れを出すことをひとつお願いをしてみたい、こう思っております。  その次の段階がございまして、それは政治協議会の問題でございます。各党でもこれはいろいろに御検討でございますから、各党とも問題意識を持っていらっしゃることは間違いございません。したがいまして、政治改革協議会におかれて、今度はその中で早いもの、遅いもの、あるいは取捨選択ということになってお願いをしたいと思っておりますけれども、そこらにつきましても、できるだけ早くひとつ結論を出していただくようにお願いをいたしたいと思いますし、私もそのためには全力を尽くしたいと思っているところでございます。

左藤恵自由民主党

○左藤委員 まず、自由民主党の中で、この問題についてはっきりした考え方、そういうようなものをまとめていただく、これは総理のやはりリーダーシップだろうと思います。その上で、いろいろな国会の中におきます協議会とかそういうところで御理解を得られる線を出す努力をしていただく、これがやはり一番正しい道であり、またこの問題についての解決できる唯一の方法ではないか、このように思いますので、この点について特にお願いを申し上げたいと思います。  次に、教育の関係につきまして、私は、今いろいろな問題があるわけでありますが、特に初等中等教育というところの段階におきまして、現場で混乱が起こらないように、起こる心配がある問題について若干お伺いをしたいと思います。  と申しますのは、一つは、一昨々年ですか、一九八九年第四十四回の国連総会で児童の権利に関する条約というものが採択されまして、百三十カ国以上の国がこれに署名をいたしまして、現在、百カ国までいっていないかもしれませんが、かなり多くの国が批准をしておりまして、我が国は一昨年の九月に署名したということで、この批准の問題につきまして外務省を中心に各省庁で検討しておられるという段階に来ておる、このように思います。  そうしたわけですが、この条約は基本的にはやはり非常に困難な状況にある児童に対します基本的な人権を保障する、こういうためのものであって、我が国がこの条約を私は基本的には批准してもいいんじゃないか、このように考えますけれども、その場合に条約の内容というものが、今検討されている段階と聞いておりますが、偏向した。拡大解釈したり特定の運動に結びつけようというような動きもあるようにも聞いております。  そこで、子供たちを指導します現場、学校、そういったところにおきます、あるいはPTAとかそういった方々のいろんな心配がありまして、児童生徒の行動に、例えば校則、学校の校則がありますが、こういったもの、一定の制約をこれによって課すことができなくなるんじゃないだろうかというふうなことを言うところがありますが、私はこういったものは年齢とかあるいは成熟度とかいうものによって内容の変化はいろいろありましても、こういった例えば校則とかそういったものは、これは必要なことであって、たとえこの条約が批准されましても、そういう校則に基づく例えば髪型だとかあるいは服装の規制というふうなものができなくなる、こういうようなことにはならないんじゃないかと思いますし、例えば高校生が政治的な活動でビラを配るとかそういうようなことは今は禁止されているわけでありますけれども、こういったことも自由にできるようになるんではないか、こういうようなこともあると思いますが、私はこの問題についてはそういうことにはならない、こう思いますが、その辺のところの文部省の御理解といいますか、そういうようなものをお伺いしたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 左藤先生は政治家であられるばかりでなくて、学校法人の理事長も、あるいは園長もお務めであられますから、大変よく御理解をいただいておられまして、先生の基本的な考え方は、私全く同じでございます。  この児童の権利条約というものは、そもそも例えば貧困あるいは飢餓あるいは病気その他で真っ先に犠牲になるのは子供であるという、そういうお子さんたちを救わなければならない。あるいは先進国でも、例えば子供に対する虐待のようなこと、時々話題になりますが、そういうお子さんを救っていかなければならないというのが条約の第一の本旨としてあるんだろう、そのように考えております。  そして、その規定の中に、私も細かく精査をいたしたわけではありませんが、当然日本国憲法に保障されている基本的な人権と同種のものが同様の表現で書かれていたり、あるいは国際人権規約に同じような表現の見られるもの等があるわけであります。したがいまして、憲法に保障されている基本権である同じものを児童の権利として条約でも認めるかどうか、そういうふうな考え方でございまして、ただ、しかしながら、例えば日本語の正課についてはまだできておりませんし、解釈あるいは各条文の解釈等につきましては今各省庁で議論をしたり、あるいは法制局の意見を伺うというような段階でありますから、それ以上のことは現段階では申し上げるべきではないとは思いますけれども、私は基本的にこの条約の本旨というのはむしろそのようなところにあって、これを教育の現場に当てはめてみれば、例えば臨教審、三年間の審議をやって、最大の柱として、一人一人の子供の個性というものに着目してこれを伸ばすような教育をやろうというのは臨教審の一つの大きな結論だったろうと思いますが、教育力のある先生がそれぞれのお子さんを一人ずつ丁寧に見詰めていって、そのお子さんの伸ばすべき個性を殺すことなくうまく引き出してあげるというようなことが、ある意味でいうならば児童の権利条約の本旨にも合致することであって、先生が今御指摘された校則がどうだとかあるいは成績とかあるいは内申書にかかわるものにこれらの条約が影響を及ぼすものとは私も考えておりません。  けさの毎日新聞に外務省の河原節子さんという国際協定課の若い方の記事が載っておりまして、大変興味がありますのは、この方はこの条約を担当しておってイギリス、ドイツ、フランス等を回ってきて、これらの国ではもう条約締結国でありますから現実に発効をいたしておるわけです、それぞれの国内で。例えば、イギリスと日本では同じ義務教育でも仕組みが随分違うわけで、イギリスでは学校に行かせなくても親が家庭教師を雇ってもいいというような、そういう子供に教育を受けさせる義務という、形は全く違うけれども、この条約はどこの国でもうまく機能をしておるということが書いてあります。同時に、この記事の中には、今のところは条約を日本が結んで締約国となっても多分国内法上の問題はないだろうと思うけれども、ただこの条文の拡大解釈をしていろいろ無理なことを要求するというような動きも全く耳にしていないわけではないということまで書かれておりまして、その辺は注意をしていかなければならないと思っておりますが、基本的には左藤先生御指摘のとおりに私も考えております。

左藤恵自由民主党

○左藤委員 今お話で、十分そういった点を徹底していただきたいな、このように思います。特に学校の学習指導要領ですか、これを今、一部の人たちの中には、これを押しつけておるのはけしからぬ、教育課程の自己編成を進めていくべきだ、こういうふうなことを言われることがあります。あるいは、例えば入学式とか卒業式のときに子供を中心にその式を進めていくんだ、こういうふうなところがあって、日の丸とか君が代を歌うのはけしからぬとか、こういうふうなことになってきたら、私は大変な間違いを起こしかねない、このように思います。国歌・国旗に対します。そうした、またこれを尊重するという指導、条約の批准にかかわらずこういうものは当然進めていくべきだ、このような点を十分指導していただいて、現場に混乱が起こらないようなことをぜひお願いをしておきたいと思います。  次に、もう一つの教育の問題としまして、義務教育課程や公立高校、こういったところの週休二日制を、これは当面の間は一月一回ということになるだろうと思いますけれども、これを本年の九月から実施するということが伝えられておるわけであります。この準備のことにつきまして、文部省は全国で、一昨年からですか、六十八校か何か試行しておられて、そして二月か三月には最終答申もあって、それから都道府。県の教育委員会に指示していかれる、こういうふうなことを聞いておるわけでありますが、ここでいろいろ心配があるのは、まず第一に、こういった措置、これは一体本来、国家公務員の週休二日制というものを実施して、四週二休ですかの今実施をしておられるわけです。こういったことで教育公務員である先生の勤務時間の軽減というものを目的としておられるのか、それとも子供たちにゆとりを与える教育を目的としておられるのか、この点をまず第一に明らかにしていただきたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 先ほど申し上げませんでしたが、児童の権利条約の件につきましては、条約のいわゆる正課とかその解釈等がきちんと整った時点で、各教育委員会や学校あるいはPTA等にも文部省の方からきちんと考え方を伝達していこうと思っております。  ただいま学校五日制の御質問でございますが、いわば社会とか時代の流れ、変化というもの、現実に国家公務員の完全週休二日制が平成四年度中のできるだけ早い時期から、これは法改正も必要なのでありましょう、そうなりますと、当然そのことが地方公務員あるいは教職員の先生方にも波及はしていくわけでございまして、そういう一つの時代的な流れというものはあろうとは思いますけれども、この学校五日制の本旨というものは、子供さんに余裕を持って、あるいは余裕だけでなくて自然体験、奉仕体験あるいは生活体験、いろいろな体験を積んでもらって幅広い人間になってもらいたい、あるいは先ほども申し上げましたが、個性の豊かな人間に育ってもらおうというところから出てきているわけでございまして、現実に今国家公務員、地方公務員、大方四週六休制ということで、隔週の土曜日が休みということになっておりますが、学校はもちろん土曜日は実験校を除いて全部やっているわけでありますから、お子さんたちは月曜から土曜まできちんと学校へ行く。したがって先生方もいわゆる四週六休制はとることができませんから、これを夏休みにまとめどりをしていただくという制度になっているわけで、したがいまして、例えばですが、この地方公務員に完全週休二日制が波及をいたすようになりますと、だからといって学校を休ませるという発想を、学校を完全五日制にするという発想を私たちは全く持っておりませんから、その分はより多くのまとめどりを学校の先生方は夏休みにしていただくという形になりまして、あくまでも教育を受ける側、お子さん方の側に立って、教育上の効果という観点から五日制を考えていこうと思っております。

左藤恵自由民主党

○左藤委員 それならそれで十分その点についての配慮をしていただかなきゃならないと思いますが、まず、六十八校ですか、今、先ほど申しました試行校というのがどうしてそんな少ない数であるか。特に近畿地方を調べましたら一校も入ってない。都道府県でも九都県だけしか入っていないというのは、どういう理由でそういうことになっておるのか。これはやはりもう少しそういったものを、試行校を広範囲にとって考えて、それで実施した上の判断というのが正しいのではないかということが一つ。  それからもう一点は、一体、子供を休ませる、そして土曜日の、どういう責任でその子供たちの指導をするのか、受け皿なんですが、これは完全に一つの理由として、父親といいますかが最近のあれから見て週休二日制ということがどんどん実施していくから、家庭で子供を指導してもらいたい。家庭で子供と接する機会がふえるというのは、これは一つの理屈だと思いますが、そういうことができない家庭というのも相当あると思います。両親ともに働いておって、土曜日はもう働かざるを得ないような人も相当たくさんあるわけであります。それから、身障者とかそういった子供たちで特別の何か配慮をして指導してやらなければならない子供たちもおるわけであります。そういう意味でいろいろな、要するに教育、家庭外でもそういった子供たちを、仮に一カ月一回であってもこれをやはり指導する体制というものをやっていく必要がある。  それから学力の低下。これもやはり今は一回くらいではそんなに大きな低下はないだろうと思いますけれども、これ毎週休むようなことになりましたらかなりの低下になってくる。非常にこの辺のところにつきましても、中小学校の場合は、学校行事とかそういったものの時間を詰めたり、いろいろな工夫をするということも考えられるわけですけれども、高等学校になるとそうもいけない。そうすると、七時間目の授業をやるというようなことにもなりかねない。いろいろなことで学力の低下というような問題も心配があるわけでありますが、そういうものに対しても対策を考えていただきたい。  問題は、そういう意味におきまして、私は、たった四月から数えますと四カ月かそこらぐらいの間に、九月から実施するというので、準備といいますか、そういうようなものが一体できているのか。それからもう一つ、そういった問題について、例えば地域地域におきます青少年指導員とかそういったところに負担をかけるわけでありますが、こういうものに対する対策はとってあるのか、こういう点についても、現場が心配しないようなことについての御配慮があるのかどうか、この辺をお伺いしたいと思います。

鳩山邦夫自由民主党文部大臣

○鳩山国務大臣 まず調査研究協力校、すなわち実験校が六十八校であったということの詳しいいきさつはわかりませんけれども、平成四年度ということですが、これは一県五校で四十七都道府県ですから、五掛ける四十七は二百三十五校で研究協力をお願いをしているわけであります。  先走ったことは言えませんけれども、例えば九。月ぐらいから、二学期から月一遍土曜日を休みにするというようなことになった場合には、そういう二百三十五校の学校ではその一つ先の月二回土曜日を休みにするというような形で研究をいたしていこう、そのように考えております。  それから、受け皿のお話につきましては、これはありとあらゆる協力を世の中に広くお願いをしていかなければならないわけでございまして、いわゆる青少年団体、婦人団体等の社会教育団体にもお願いをしなければならないと思いますし、あるいは美術館とか博物館とか自治体にもいろいろと協力をしていただくというようなことにもなろうかと思っておりますが、私といたしましては、先生も御指摘があられましたように、学校五日制というのは、学校五日というふうに考えないで、地域・家庭二日制、地域と家庭でお子さんが毎週二日間を過ごす、これは公明党の皆様方もおっしゃっておられますけれども、我々もそういうふうに考えているわけですから、まず家庭の両親が子供さんに責任を持つということ、その土曜日を休みにすることによって親と子供の接触が明らかにふえる、会話もふえる、対話もふえるというようでなければ、この五日制はそもそも意味がないと考えております。  先生が御指摘になられたように、そうであっても、まあ御両親の職業が忙しいとかいうことで面倒見れない場合はどうするかということについては、例えば学校を開放をする。すなわち、土曜日は授業がないけれども学校に集まって、そこに指導員の方が来て面倒を見るというようなことに関しましては、これも実はちょっと先走っているんですが、自治省にお願いをしまして、その地域のお子さんが学校へ行った場合にしかるべき方がそのお子さんを見るとか、あるいは特殊教育諸学校では一校当たり十人ぐらいの方が土曜日、休日となる土曜日にも面倒を見ていただくというようなことで、実は地方交付税のお願いをいたしているところでもございます。  それから、学力の低下ということに関しては、これは大変重要な問題でございますから、正直申し上げて月一回土曜日を休みにするだけでも、多少他のウイークデーにしわ寄せというのが出てくるわけですから、この五日制を段階的にやらなければいけないというのは、まさにやってみて、実験校ではやっていますけれども、本格実施をしたとしても、やってみてそこでいろんな問題が出てきたら、それをまた解決するような形でしか先へ進むことができませんから、一気に物事を進めていくというのはなかなか難しいわけで、その大きな観点が学力であることは間違いがありません。  ただ、学力とばそもそも何ぞやということを考えた場合に、試験の問題を解く能力だけを学力というならば、これは低下をするかもしれませんが、実際に自然との触れ合いとかボランティアとしての体験をしたりすることによって、人生においていろんな難問にぶつかったときのこの解決能力がふえるという意味では、学校五日制というのも学力を減ずるものではないという観点もあろうかと思います。

左藤恵自由民主党

○左藤委員 この問題も議論をしておれば切りがないわけでございますけれども、学力の問題、いろんなことの判断の問題もありますが、子供たちのゆとりといいますか、そういうようなものをつけるという意味においては、私もこれはいいことだとは思いますが、その分を壁とかそういうところへ行きまして、かえって子供たちに負担をふやすようなことにする、あるいは家庭の教育費の増高を来すようなことがあっても、これは私は本来の趣旨に反することでもありますので、こういったことについて単に学校の現場だけの指導ということでなくて、もっと広く国民の皆さん、つまり家庭の両親初めそうした人たちの理解というものを十分、実施するまでにとっていただきたい、これをぜひお願いをしておきたいと思います。  それで、余り時間がありませんが、もう一点。これは最近非常に私も心配している問題でありますが、昨年の交通事故によります死亡者といいますか、これが前年よりは少し減ったとかいうことを聞きますけれども、なお一万人を超えております。大変これは痛ましいことでありますが、最近は特に自動車同士の、あるいは自動車の無謀運転によります事故が非常に、事故死が非常に増加しているというふうに聞いております。中でも若者たちが、例えば猛スピードで車を運転していって、カーブを曲がり切ることができなくて側壁に激突したり道路下に転落したりして死亡しているという事故がもう毎日のように報道されておりまして、まことに残念なことだと思います。それと関連して、暴走族も相変わらず後を絶っておりません。ふえておって、この点につきましては取り締まりするにも非常に警察官は危険な思いをしなければならぬということで、なかなかこれは暴走族をなくするということもできないのですが、交通安全の見地から見ましたら、非常に現在の指導体制では弱いというふうにも思うわけであります。  いろいろ車の問題について問題点があります。例えば、自動車というものは最近若者に迎合してというのでしょうか、ランドクルーザーのようなサファリに走るような車を大都会のところで走らせておるのですが、高いタイヤに取りかえたりなんかしておりまして、それのために非常に、例えば小さな子供が三輪車に乗っておるのを巻き込むような危険もありましょうし、いろいろそういう危険がある。あるいは砂丘ですか、そういったところに行ったりなんかしまして、ウミガメの卵を踏みつぶしたりなんかするようなことも起こっておるというようなことで、非常に日本の国内でこういったものをどんどん販売して、そういうことで走らせること自体も、私はいろいろなことで交通安全の見地からも問題があると思いますが、こういったことに対して何か対策を考えておられないか。この点について、国家公安委員会だと思いますが、警察庁の交通局長から何かの対策についてのお考えを伺いたいと思います。

関根謙一警察庁交通局長

○関根政府委員 お尋ねの若者の無謀運転による事故死者数の関係でございますが、御指摘のように甘動車に乗っている事故死者数は若干ふえております。しかしながら、自動二輪車に乗っている若者については若干減少しておりまして、こちらの方はこの傾向をなお進めるべく努力したいと考えております。  ところで、暴走族の関係でございますが、暴走族は大体高校生ぐらいの年齢の人たち、若者がグループをつくって無謀運転しておるわけでございますが、暴走族の取り締まりはここ数年ふえております。大体年間十二万人くらいの検挙をしておるわけでございますが、しかしながら御指摘のように、最近の暴走族の暴走の仕方が、昔のように数十台車を連ねて爆音走行をするという形態から一、二台とごく少数の人たちが暴走をするといった形態に変わっているということでありますとか、それからナンバープレートを隠して走るというようなこともございまして、私どもの取り締まり、一生懸命努力しておるわけでございますが、なかなか国民の方々の苦情に対して適切に完全に対応できるというところまでいってないのが現状でございます。  そこで、私どもも、最近の暴走族のこのような傾向に的確に対応することができるように、各方面の方々から御意見を賜りまして、立法措置も含めて現状に対応できるように今後検討してまいりたい、このように考えているところでございます。

左藤恵自由民主党

○左藤委員 そういうふうな強力な指導をしていただくことも、場合によっては、例えば身障者とか勤労青少年とかそういう人だちは別としまして、そういった無謀な運転のことにつきましての運転免許を受ける年齢の引き上げとか、そういったものまで含めてひとつ御検討をいただきたいと思います。  交通安全の対策のいろいろな問題、そのほか駐車場の問題とかいろいろありますが、時間がありませんので、また他日に譲りたいと思います。  なお、質問の通告として外国人の労働者の問題とか不法無線の取り締まりにつきまして、時間があったら御質問させていただきたかったわけですが、時間もありませんので、また別の機会にさしていただくことにして、私の質問を終わらせていただきます。ありがとうございました。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 この際、町村信孝君から関連質疑の申し出があります。武藤君の持ち時間の範囲内でこれを許します。町村信孝君。

町村信孝自由民主党

○町村委員 通告をさせていただいた質問に入る前に、きのう長崎県のまた大火砕流が発生をしたということで地元の皆さんまた新たなる不安、引き続く不安にさいなまれておられるようでございます。半年以上もう自分の家を離れる方が八千人以上おられるということで大変不安に感じておられると思うのです。ですから、総理、ニューヨークに行かれたりあちこち御日程は大変だろうと思いますが、できるだけ早い機会に一度現場を訪れていただきまして、直接現地の方々のお話も聞いたり、そして必要であればまた新たなる対策も講ずるようにしていただきたい、このことを申し上げさせていただきます。  そこで、きょうは、私は北海道の選出の国会議員でございますが、同僚の同じ北海道から出ております阿部代議士が逮捕をされ起訴をされた、本当に残念な思いでいっぱいでございます。先ほど武藤委員も総理のお考えを御質問しておられましたが、私は、やはりこういう事態に対して、文字どおり長年の友人であった阿部代議士に対して総理みずから議員辞職をお勧めになるという、そういう友情ある説得ということをなさることが国家を救い、党を救い、政治に対する信頼を回復する、その一番今とれる有効な手段ではないのかな、かように思うのでありますが、総理、先ほど友人としてのアドバイスに欠けるところがあってはならない、こういう御意見でしたから、アドバイスをしていただけるのかな、こう思うのでありますが、もう一度くどいようですが、お考えを承 らせていただきます。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 御指摘の雲仙岳の問題につきましては、実は既に国土庁長官には私がどのような時期にお見舞いかだがた視察に参っていいかを判定を御依頼をしてございますので、いずれそういうことをぜひさせていただきたいと思っております。  それから、次の問題でございますが、私としましても、長いこと政治行動を一緒にしておりました阿部議員がそのような疑いを受けられて起訴されたことを大変に残念に思っております。いずれ事態の真相は裁判を通じて明らかになることと思っておりますが、願わくばそのようなことはなかったということになることを祈っております。  しかし、今現にこのような事態になりまして、阿部議員がどうされるべきかということは、大変に難しい問題をいろいろに含んでおると思います。基本的には私は、やはり我々国会議員というものの生命と申しますか存在の理由は、有権者から信託を受け、信頼を受けて、そして国会に出てきているということでございます。もしその信頼が欠けたということになれば、それはまことに残念であるけれども、そういう人たちを代表するという資格を欠くことになります。あるいはまた、信頼はあるけれども、事実問題としてその信頼と負託とを実行できないような状況になるという場合にも、これもまたやはりいかにすべきかを考えなければならないということだと思いますが、それらは一番基本的な有権者と代議士との関係でございますから、しょせんは御本人自身がそこを判断しなければならない。自分に信頼と負託を実行するだけの信頼が保たれておるか、あるいは保たれておったとしても、それを実行することが事実上不可能であるか、その二つのことについて判断をされなければならないことであろうと思います。  友人といたしましては、そういうことの判断を御本人がされるのに、そういう意味でのアドバイスに欠けることがあってはならないと考えておりますけれども、最終的には御本人が判断をせられるべきことだというふうに考えております。

町村信孝自由民主党

○町村委員 もとより御本人が判断をされるべき性格のものであることはおっしゃるとおりであろうと思います。ただ、やはりこれだけ世の批判を浴びている昨今でございます。これは私一人の意見ではなくて、私が会長をしております自民党札幌支部連合会においても同じ意見でございますし、私が所属しております自民党北海道支部連合会あるいは代議士会、みんな同じ意見だ、こういう雰囲気もひとつ総理の方から的確に御運絡をいただければありがたいかな、かように思っております。  そして、これも先ほど武藤委員あるいは左藤委員からお触れになりました、政治改革を断行していく、もうこれも当然のことだろうと思いますし、その面での総理のイニシアチブというものを大きく期待をしたいわけでございます。  実は、この事件、北海道開発庁長官に阿部代議士が在任中起きた事件であるということで、私も北海道開発庁、大変に今まで重要な役割をしてきた、先ほどやや違う意見も某議員からございましたが、私は北海道開発庁は立派な仕事をしてきた、こんなふうに思っているのでありまして、特に私は、近い将来北方領土でも返還をされれば、積雪寒冷地でいろいろ公共事業の経験を持っている北海道開発庁が多分役所の名称でも変えて、北方領土の開発に当たっても開発庁がまたこれまでのノウハウを大きく発揮してもらう、こんなことも必要なんだろうと思うのであります。  そういうやさきにこういう事件が起きて、本当に残念なんでありますし、もとよりこれは開発庁の組織ぐるみの問題ではない、こうは思っておりますが、今回の事件について伊江長官の御所見を承りたいし、さらに今後北海道開発に当たる決意をひとつお述べをいただきたいと思います。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 お答え申し上げますが、阿部元北海道開発庁の長官が収賄容疑で逮捕から刑事被告人として起訴されております今日に至る間のことにつきましては、率直に申し上げまして、当庁にとっては大変ショックでございました。と同時にまた、今も申されましたが、将来の北海道開発の行政について不信の念が出てきたら、これは大変なことだという、そういう受けとめ方を私どもいたしておりまして、謙虚に努めなきゃならぬなということでございますけれども、甚だ遺憾に存じている次第でございます。しかしながら、今日もう既に司直の手にゆだねられているようなことでございますので、静かにその解明を待ちたいということでございます。  この一連のこういう報道がなされましたときに、私は当庁の職員に対する信頼感と申しますか、綱紀の厳正な維持については非常に信頼を持っておりましたんですが、念のためということで、次官を中心にいたしまして、この一連の容疑に対する解明と申しますか、庁内の調査を命じました。その結果は、もう心配のないということで、私の信頼のとおりでございました。  しかしながら、今後は北海道の開発、十カ年計画の第五期の計画がちょうど折り返し地点でございますので、今委員が申されましたように、将来の北海道、四島の返還の問題も控えまして、大いに開発をしなきゃならぬところでございますから、一生懸命職員とともに頑張ってまいりたいと思っております。

町村信孝自由民主党

○町村委員 ひとつその決意で大いに御奮聞いただきたいと思います。  いずれにしても、こういう問題の解明の努力というのは国会としてもしなければならないと思いますが、しかし、だからといってこれは予算が大変に、今から暫定予算だ云々というような報道が出ていることは大変残念なことでございまして、私どもは、やはり景気の先行きやや不透明感というよりは停滞感というようなことさえ言われている昨今であります。私どもの地元の北海道などはもう公共事業に大変大きく依存しているのでありまして、これが半月、一カ月もおくれるようなことがありますと一挙に不況になってしまう。したがって、私どもこれは国会の責務として一刻も早い予算を成立させる必要があるということを強く指摘をしておきたいと思います。  次に、午前中山花委員からもお話がありました防衛問題につきまして少しく議論をさせていただきたいと思います。  もう既に言われているように、大変国際情勢は大きく変化をし、冷戦も終結を迎えているという、喜ばしい事態に基本的には向かっている、こう思うのでありますが、私は、もう既に冷戦終結になったのが所与のこととはいうものの、しかし、なぜ冷戦が終結したのかということを考えてみることは、この冷戦終結の構造がどのくらい長続きするかとか、どういう質的な意味を持っているのかということを考える際に重要なんじゃないかなと思います。やはり私は、社会主義なり共産主義が持っている内在的な矛盾というものが、共産党の一党独裁でありますとか計画経済でありますとか、本質的にそのイデオロギーの持つ非人間性とでも言うのでしょうか、そんなようなことから矛盾が拡大再生産していってつぶれてしまった。特に、やはり一九八〇年にレーガン大統領が登場して、西側諸国、日本も含めて一致していわば軍拡をソ連に強いて、それが結局ソ連が耐えられなくなっていわば自壊してしまったという、その論理やら説得もあったのでしょうが、基本的にはやはり力が冷戦を終結させ、力がソ連邦を崩壊させた、こんなふうに実は私は考えるのでありまして、反核運動とかそうしたような、平和運動とかそんなことで核の拡大がとまったわけではないということをあえて申し上げたいわけでありますが、歴史あるいは国際的な問題で大変知見の深い総理大臣は、この冷戦がなぜ終結したのかというふうにお考えなのか、お考えを承らしていただきたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 特に私が人と異なる意見を持っているわけではございませんけれども、やはり一九一七年から行われた偉大な実験と申します か、それが失敗に終わった。一つはやはり人間の自由というものが抑圧されて、その状態に最後に人間たちが耐えられなくなったということ、もう一つは人間が神様でなかったために、すべての人は働きに関係なく平等に食えるという状況では経済が持っていけなかったということ、その二つが基本であつだろうと思います。もちろん副次的な原因としましては、そういう社会が閉鎖的に運営できればなお命があったかもしれませんでしたが、テレビ等々の力によって、その閉鎖的な運営ができなくなったということがあずかって力があったと思います。  もう一つ、町村議員が言われましたように、世界の二大軍事大国と言われながら、実はそういう体制の中ではアメリカに平等に対抗できるほどの軍事力をついに維持することができなかったという点があろうと思います。そのことは、逆に言えば町村議員が言われましたように、そういう状態にアメリカが強いた、そういう状態にソ連を置いたために、ついにパリティーが破れて自壊せざるを得なかった、そういう論点がございました。それはしばしばレーガン大統領が言っておったところでありますし、また客観的にそれを支持する説もアメリカの中にもソ連の中にも多うございますから、それも真理であったと思います。

町村信孝自由民主党

○町村委員 今言われた、特に閉鎖性というようなことを考えたときに、やはり我が国のそばにある北朝鮮なり中国、中国は大分開放政策とは言っておりますが、先般の天安門事件を見てもまだまだ私は閉鎖的な国だな、こう思わざるを得ないのでありまして、そういう不安定な国が我が国のそばにあるんだということは依然として一つの状況認識としては、特に防衛を考える際の一つの認識としては重要に押さえておくべき点ではなかろうか、こんなふうに思います。  アメリカ、ソ連の大核軍縮といいましょうか、盛んに報道されております。私は大変結構なことだし、どんどん進むような環境醸成を私どももしていくべきだと思う。ただ、私はこれは過大なレベル、物すごく過大なレベルで蓄積した核兵器の縮小ということであって、これはまだ核をやめると言っているわけじゃない。そのうんと過大なレベルになった核兵器を縮小することがすなわち即これ平和の配当で同じだから、日本も通常兵器、日本は通常兵器しか持っていないわけですから、この通常兵器を縮小しろというのは、私はそこに論理の飛躍があると思っております。それはソ連やアメリカの置かれた核軍縮というのと、日本の極めて抑制された形で持っている通常兵器の抑制とは僕は全然違うものだ、まずこのように考えるべきじゃなかろうかと思うのです。  日本の自衛隊が非常に軽武装であり抑制的である、もちろん核兵器なんか持っていない、こんなことはもう世界のいわば常識になってきております。特に一人当たりの国防費を見ても、日本は圧倒的に小さい。GNP比も一%と主要国では最も低い。例えば兵力の数、日本の自衛隊の数は一億二千万人に対して二十三万人しか自衛官がいない。日本の人口の半分であるフランスやらイギリスは三十万、四十五万と日本の倍前後持っている。もっと言いますと、韓国は日本の約三倍の七十五万人、北朝鮮は日本の約五倍の百十一万人、物すごいこれは大軍事国家であります。もっと言うならば、中国は三百三万人で日本の十三倍の兵力を持っている。そういう中国が日本のことを軍国主義云々と言うのは、私は本当言って笑止千万だ。そのまた論調に乗って言う国内の人もいるの、で、これまた笑止千万だと実は私思っているのです。中国こそ大軍国主義者であり、この軍国主義というものをやめてもらうことが重要なのに、日本みたいな軽武装の国が何でそんなに軍国主義だと言われるのか、全く議論が逆転をしている、このように思っておるのですけれども、どうでしょうか、防衛庁長官、日本の自衛隊の今兵力の状況といいましょうか、軍備の状況、防衛力の状況をどんなふうに認識をしておられるのか、ちょっと現状認識を伺います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 今先生がるる、いろいろ資料を提示しながら申されましたけれども、我が国の防衛力というのは、御案内のようにこれは脅威対抗論ではありません。我が国自身が直接侵略あるいは間接侵略を受けた場合の必要最小限度の自衛力を保持するということ、それから我が国自身が力の空白であるならば周辺諸国に対してかえって不安定要因が増すというような防衛計画の大綱の基本的考え方で整備をしているところでございます。  したがって、我が国の今保有する防衛力が決して過大なものでないことは委員の今御指摘されたとおりでございまして、我々は今、中期防のもとで平成四年度予算も二年目として位置づけし、それの編成をやったわけでございますけれども、例えば中期防自体も大変抑制的なものになっております。これは、前期中期防が平均伸率でいつでも五・四だった。しかし、今度は三%くらいの抑制的なものになっておる。また、正面の兵器、ぴかぴかの兵器を調達しているんではないかという議論がよくございますけれども、これは前期防衛力整備計画では、中期防では七・七%ぐらい上昇傾向にあったものを、二・三%くらいに今回の計画では抑制しています。なお、本年度予算もさらにそれを下方修正しているというようなこと等々ございまして、私どもは、非常にこういう中で抑制したものになっていると思います。  ただし、我が国の自衛力というのは隊員施策その他において大変状況の悪い点もございますから、こういった点は自衛官が本当にこの国の守りに誇りを持っていただけるように、あとう限りこの予算は充実したというのが現実でございます。  よく兵力量、今先生御指摘のとおりでございまして、これは、一人当たり国防費、そのときの為替換算その他もございます、年度のとり方もございますが、我が国の場合約四万円前後、一人頭。米国あたりはこれが十七、八万円ということでございます。英国あるいはフランスも九万円くらいというようにかなりな一人当たりの国防費を持っておりますし、今御指摘のGNP比も、一%問題、いろいろ議論あって取っ払われましたけれども、いまだかつて決算ベースで一%我が国は超えたことがございません。そういう抑制的なものになっておりますが、これは申し上げるまでもなく米国は五・四、やがて三・四にしようという計画もおありでございますけれども、そういうことでございます。イギリスあるいは西独等も二、三%以上、四、五%というようなことに相なっておるわけで、兵力量も今言われたとおりでございまして、兵力量だけで、人数だけでその国の力を測定することはもちろんできませんけれども、有力な資料でございますが、実人員で二十三万四千人くらいしか今おりません。そういう点に比べて中国が三百三万、さっき御指摘のとおりですね。韓国もそのようだということですから、決して我が国が過大な軍事大国を目指しているものでもございません。  我が国は、基本的な防衛政策は、専守防衛、そして非核三原則、そして軍事大国を目指さない、あるいは攻撃的兵器は保有しないというような防衛の基本政策に従って節度のある効率的な防衛力を整備しているところでございまして、先生おっしゃるとおりであります。

町村信孝自由民主党

○町村委員 そういう抑制されたものである中で、さらに平成四年度の防衛予算を削減できないかというような議論もあるようですが、私は、これはとんでもない暴論だ、このようにあえて結論づけさせていただきます。  それから、中期防については先ほど関連の、もう御答弁がございましたから結構ですが、大綱の見直しも、これ既に本会議その他で総理お触れになったところであります。いついかなる状況でも大綱一切触れる必要なしと私も思いません。そんなに硬直的に考える必要もないと思います。ただ、やはり大綱の決められた過程あるいはそのときの状況は、まさにベトナム戦争が終わった翌年のことでありましたから国際的に大変なデタントの状況であったとか、あるいはロシア共和国は、まあ確かに幾つかにソ連邦はばらけたわけですが、ロシア共和国一国とってみたって、依然として大軍事大国であることには変わりがないし、また、ロシアの伝統で南下政策というのが専制ロシア時代からずっとあるわけですよね。そういう意味から、私はそうしたものというものも大綱の見直しに当たってやっぱり念頭に置くべきポイントであろう、こんなふうに思います。  それから、先ほど来御答弁ありますように、隊員施策、私の地元にも随分自衛隊の駐屯地あるんですが、駐屯地の外に一歩出て、非常にみすばらしい隊舎が並んでいるのは、大体これ自衛隊の官舎なんですね。もう本当に惨めなものなんです。それから、自衛隊員の一日当たりの食費なんというのも、八百六十円ですよ。今度若干上がって、それが九百十円に上がるんでしょうか、あれだけ激しい訓練をしている人たちに三食で九百円、一食三百円。今、ちょっとこの辺のコーヒー飲んだって四、五百円するんですよ。それを、自衛隊の人たち、一食三百円の食費、こんな状況の中で、私は、計画の大綱をどっちかというとレベルダウンで考えておられるようなんですが、本当にいいのかなという疑問を実は持つものであります。  例えば、全国にいっぱい、百五十数カ所駐屯地、分屯地があるわけですけれども、私ども地元の北海道にもたくさんあります。そして、例えば倶知安町というのが私の地元にあって、ここに第二九普通科連隊というのがあります。これは、人口が約一万八千で、隊員の家族やなんか含めると千七百人で、約一割近くが自衛隊関係者なんです。去年春ごろにマスコミから報道があって、縮小なり廃止になるだろう、こういうのが出て、実は大騒ぎになって、倶知安町議会は全会一致で存続決議をやりました。全く同じようなことで、名寄、留萌、滝川、こういうようなところ、それぞれ普通科連隊があるんですが、全会一致の決議、あるいは一部棄権はありましたが、その中で、あえてこういう場だから申し上げるのは失礼かもしれませんが、社会党も公明党も、それぞれの市議会議員さん全員縮小に反対、現状のまま残せということに議決をしておられるわけですよね。  だから、地に足のついた活動をしておられる方々はそうやって自衛隊の縮小には反対をしているんだ、こんな実情もあえて私は申し上げさせていただいた上で、私は、この防衛計画大綱についてどういうお考えで臨もうとしておられるのか、防衛庁長官なりあるいは総理なりから、どちらからでも結構ですが、お答えいただきたいと思います。

宮下創平自由民主党防衛庁長官

○宮下国務大臣 防衛計画につきましては、今の中期防の中に二つの制度が予定されております。つまり、一つは三年後の見直しでございます。  これは中期防自体が平成三年から七年までの間の問題でございますが、これの修正の見直しの問題、これは昨年の十二月二十八日の安全保障会議におきましても、総理から国際情勢の変化等々を考えて前広に検討してほしいということでございますから、これをいたしております。  またもう一つは、この中期防衛力整備計画の中に書かれていることとして、人的資源の供給の面、要するに自衛官の確保の問題でございますね、これはなかなか困難な状況等にもございますので、そういった問題を考慮しつつ、防衛力のあり方について本防衛期間中によく検討をして、そして結論を得るということになっておりまして、この点も総理が本会議等におきまして、別表の、あるいは検討の結果によっては変更にもなり得るかなという御答弁をいただきましたが、私もそのように考えておりまして、基本的には防衛計画の大綱の、先ほど申しました理念というものは、これは変える必要はございませんけれども、それらを総合的にひとつ検討してまいりたい、このように思っておるところでございます。  なお、あなたが言われた、現地の部隊が非常に住民にとにかく溶け込んで、そして、いろいろの指導的な役割を自衛隊が果たしているということも大変私も聞いておりますし、このことはさらに進めていかなければならない御指摘だと存じます。

町村信孝自由民主党

○町村委員 時間がなくなってまいりましたから、最後に一つだけ、高齢化社会への対応という点で、厚生大臣あるいは労働大臣に伺いたいと思うんですが、自民党はとにかく防衛予算ばかり使ってと、よくこういう宣伝をされるのでありますが、現実に、国債費あるいは地方交付税交付金を除くと、最大の支出項目は、社会保障関係費十二兆七千億、防衛予算の二・八倍も実は我々予算の中で組んでおりまして、大変そういう面で、我が自由民主党は、どうやったらこの社会保障を充実し、高齢化社会に対応できるのかということに大変意を用いているのだということを国民の皆さんに御理解をいただきたいと思っております。  ただ、ちょうど私よりちょっと下の世代が、団塊の世代といって、非常に戦後のベビーブームで数が多いのですが、この人たちが、そろそろお父さんやお母さんがあの世に行ったりなんかして、あるいはうんと年とってやや恍惚ぎみになってきて、高齢化社会というのはこれは大変なことになるなというのが、ようやっと団塊の世代が今気づき始めているんですね。それで、まず年金は、これ、もらえなくなるなと、ほとんどのそういう人たちが、今大体四十代前半から半ばくらいの人たちが、もう年金はまず当たらないな、だから自分で何とかせにゃいかぬなとこう思って、自衛策をいろいろ考え始めている。そのくらい、例えば年金一つとりましても、大変な不安を持ち始めております。  出生率が今、一・五三ですか。このままいって、どんどん下がって、イタリア並みの一・二〇ぐらいにまでいってしまうと、これはもうどうにもならない。厚生省の推計では、いや、いずれまた一・八五に上がるとか、二ぐらいまで上がるだろう、こう言っておられるが、ちょっとこれは楽観的に過ぎるのではないのかな。そんな、出生率一つとりましても、非常な不安をかき立てている一つの大きな原因になっていることはもう御承知のとおりであります。  それからまた、社会保障関係経費がふえること、予算がふえることはいいのですが、結果的には税負担や社会保険料の負担がふえてくるだろう、際限なくふえるのじゃないだろうか、こうした不安も実はあるわけでありまして、私はそういうことを考えたときに、やはり生活大国のいわば前提条件として、そういう、将来に不安がない社会をつくるということが重要だろうと思うのですね。  したがって、これは前回の財政再計算のときは見送られましたけれども、例えば六十歳から六十五歳の、年金の支給年齢を引き上げるでありますとか、あるいは六十五でも七十でも、働きたいという人、結構たくさんいるんですね。元気なお年寄りがふえてきました。そういう働く方々への各種の援護措置でありますとか、あるいは、資産を持っているお年寄りも実は結構いるのです。みんなそう持っていないような顔をして、結構持っているのですね。そういう持っている資産をある意味ではうまく活用して、年金のうまい補完の形にしていくとか、いろいろ六十歳以上の方々に対する施策というものも考えていかなければいけない。  そうした高齢化社会への不安にどうこたえていくのか、それが例えば平成四年度予算でどんなふうに盛り込まれているのか、時間がないから、済みません、厚生大臣からで結構でございますが、ひとつ御答弁いただければと思います。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 将来の日本の人口の推計、これは非常に不確定要素が多いためになかなか正確に占うことは困難でありますが、昨年の統計におきまして、一応その中位をとりまして、先ほど御指摘がありましたような一・八五という数字をとっております。これに対して、先生は不安だというお気持ち、私わからないではございません。一つは、若い年代が価値観の相違で、二十代が余り産まなくなった。しかし、大体ずれながら、これ以上少なくなることはなかろうという推定も一応いたしておりますけれども、やはりおっしゃるとおり、二・一産まなければ、これが現状の人口の推移でございますから、もっと産めるような一つの環境づくりとか、いろいろ考えていかなければなりません。  それから、もう一つお尋ねがありました、お年寄りでお金を持っている人はどうするのだ、それも一々年金やるのかというお話でございますが、これは非常に難しい問題でございまして、その方々が若いときに、非常に安い給料の中から年金をずっと納めてきている、老後自分がそんなに豊かになるかならないかわからない、とにかく老後のためにずっと積み立ててきた、それを、おまえ、年とって所得が多いからもうおまえもらわなくていいよということを言えるかどうかというのは非常に難しい問題がありますが、御指摘の点も我々も十分わかりますし、将来いつということはわかりませんが、ある段階においては、お年寄りの年金はその人の資産とか所得に応じて格差をつけるということは考えられることではないかな、こう思っております。

町村信孝自由民主党

○町村委員 時間が終了したので、終わります。どうもありがとうございました。

山村新治郎自由民主党

○山村委員長 これにて武藤君、左藤君、町村君の質疑は終了いたしました。  次回は、明四日午前九時より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時散会

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