法務委員会 第4号
- 発言数
- 358 件
- 登壇者
- 25 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/03/27
会議録
○浜田委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、外国人登録法の一部を改正する法律案及び本日本委員会に付託になりました高沢寅男君外三名提出、外国人登録法の一部を改正する法律案の両案を一括して議題といたします。 順次趣旨の説明を聴取いたします。田原法務大臣。 ――――――――――――― 外国人登録法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○田原国務大臣 外国人登録法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。 外国人登録法に基づく指紋押捺制度については、昭和六十二年第百九回国会における外国人登録法の一部を改正する法律案の御審議の際、衆参両院の法務委員会においてこれにかわる同一性を確認する手段の開発が求められたところでありますが、正確な外国人登録制度を維持することは、外国人の出入国及び在留管理の根幹にかかわるものでありますので、その確認の手段につきましては、慎重に検討を進めてまいった次第であります。他方、昨年一月の海部前内閣総理大臣の訪韓の際に、日本国に居住する大韓民国国民の法的地位及び待遇に関する日本国と大韓民国との間の協定に基づく韓国政府との協議が決着し、在日韓国人についての指紋押捺の廃止を含むその内容を取りまとめた覚書に日韓両国の外務大臣が署名いたしたところであります。 この法律案は、右に述べた経緯を踏まえ、指紋押捺にかわる手段を中心に検討を進めた結果、我が国の社会で長年にわたり生活し、本邦への定着性を深めた永住者及び特別永住者については、鮮明な写真、署名及び一定の家族事項の登録をもって指紋押捺にかえ得るとの結論に達したため、外国人登録法の一部を改正しようとするものであり、その改正の要点は、次のとおりであります。 その第一は、永住者及び特別永住者について、指紋の押捺を廃止し、写真、署名及び一定の家族事項の登録をもって、同一性の確認手段とするものであります。すなわち、新規登録の申請の際、これらの者は、本邦にある父母及び配偶者の氏名等を家族事項として登録することとするとともに、十六歳以上の者は、登録原票及び署名原紙に署名することとするものであります。 その第二は、永住者及び特別永住者について、登録の手続及び登録証明書の様式に関する規定を整備することであります。すなわち、これらの者から新規登録等の申請があった場合における登録原票への登録、登録事項の確認、新たな登録証明書の交付等に関する手続規定を整備するととも に、登録証明書には、署名を転写することとするものであります。 その第三は、登録の確認申請の時期に関する規定を整備することであります。新たに永住許可または特別永住許可を受けた者が、登録事項の確認を受けた場合における次回確認申請の時期は、その後の五回目の誕生日から三十日以内とするとともに、署名をしていない者の次回確認申請の時期は、新規登録等を受けた日から一年以上五年未満の範囲内において市町村の長が指定する日から三十日以内とするものであります。 その第四は、不署名罪の規定を設けるなど罰則その他の関連規定を整備するものであります。 以上が、この法律案の趣旨であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決くださいますようお願い申し上げます。
○浜田委員長 小澤克介君。 ――――――――――――― 外国人登録法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○小澤(克)議員 日本社会党・護憲共同の小澤でございます。 ただいま議題となりました日本社会党・護憲共同提出の外国人登録法の一部を改正する法律案について、その趣旨を御説明申し上げます。 外国人登録法に基づく指紋押捺制度については、第百九回国会における衆参両院の法務委員会における附帯決議において、これにかわる同一人性確認の手段の開発が求められ、他方、昨年一月の海部前内閣総理大臣の韓国訪問の際、在日韓国人についての指紋押捺廃止を含む内容を取りまとめた覚書に日韓両国の外務大臣が署名をしたという経緯があり、これらを踏まえ、今国会に外国人登録法の一部を改正する法律案が政府により提出されました。 しかしながら、この政府案は、指紋押捺制度について日韓両国で合意した事項を、永住者、特別永住者に押し広げる内容にとどまっており、人権尊重を求める国際的潮流を考慮し、我が国が主体的な立場から在日外国人の人権状況をどのように改善していくかという視点が欠けているのであります。 我が党は、外国人登録法改正は、外交交渉で合意された事項を含むのは当然としても、我が国が既に批准した国際人権規約の内外人平等の精神、あらゆる人々の基本的人権を尊重するという精神に基づき、指紋押捺制度の完全な廃止や罰則の過料化等をその内容とする改正を行うべきであると考えます。 このような考え方に立ち、以下の内容の法律案を提出した次第であります。 第一に、登録事項から職業、勤務所または事務所の名称及び所在地を除くこととしております。 第二に、指紋押捺制度をすべての外国人について廃止し、署名及び家族事項の登録を本人確認手段として導入することとしております。 第三に、登録証明書の常時携帯義務を廃止し、政令で定める一定の方法で保管すればよいこととしております。 第四に、罰則を刑罰から過料に転換することとしております。 第五に、公布の日から施行日の前日までの間に十六歳となることによって指紋の押捺をしなければならなくなる者について、押捺を要しないものとしております。 以上、法律案の趣旨でありますが、皆様の御賛同を切にお願い申し上げます。
○浜田委員長 これにて両案の趣旨の説明は終わりました。 ―――――――――――――
○浜田委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。仙谷由人君。
○仙谷委員 大変重大な法案が提起をされたというふうに思料いたしております。 そこで、重大な法案でありますけれども、政府そして自民党の方はどうもこの法案の審議を非常にお急ぎになっているやに私は聞いておりますが、委員長、現在の時点で国会法四十九条の要件が充足されておるかどうか、ちょっと御確認をいただきたいと思います。
○浜田委員長 過半数に達しておりませんので、仙谷君のただいまの御質問に対しては、現在のところ条件を満たしていないという状況にあります。 委員部、大急ぎで委員の出席要請をなすってください。――申し上げます。できるならば質疑を続行されて、その間に委員の出席を要請させていただきたいと思います。
○仙谷委員 理事に取り扱いをお任せいたしますけれども、極めて重要な法案だという認識を私は持っております。急がれております。国会法の規定では議事を開くことができないというふうに書いてあります。開くことができない委員会を開くというのはこれまたいかがなものなのか、こういう話になるわけでございます。理事にお任せいたします。
○浜田委員長 暫時休憩いたします。 午後一時十三分休憩 ――――◇――――― 午後一時十七分開議
○浜田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。仙谷由人君。
○仙谷委員 なぜ定足数の話をしたかといいますと、事は、私どもの理解といいますか考え方からいきますと、本法案はまさに外国人の人権にかかわる問題だというふうに考えているからでございます。もっと言えば、マイノリティーの権利の問題あるいは人権の問題であるかもわからない。そういう重要な法案を審議するときに、国会が人数が足りなくていいかげんな審議をしたというふうなことになっては、日本の国際化というふうなことが言われながら何をやっているんだという話になるのではないんでしょうかということで申し上げたわけでございます。 それでは、中身に入らせていただきます。 政府案を拝見いたしました。提案理由説明のところを拝見しました。この提案理由説明のところあるいは法案を全部通読しましても、在日韓国人、朝鮮人あるいは中国人あるいはその他の外国人を含めて、その人たちの人権尊重ということが一言も書かれてないわけであります。この法案には書かれてない。 なぜそうなんだろうか。つまり、歴史的な経緯を振り返ってみますと、在日韓国人の二世、三世の方々を中心にしてこの指紋押捺の問題というのは、とりわけ、常時携帯の問題もそうでございますが、人権問題として社会的に提起をされてきた。それで、それが本国に打ち返されてといいますか、韓国政府からいいますと、在日キョッポの人権問題として、この日韓条約の協議の期間終了前に協議を日本政府とやらなければいけないということで、日本政府と協議がぎりぎりに行われて、そして覚書等々もつくられてきた、こういう経緯があるわけです。そういういきさつがあるにもかかわらず、これは人権問題としての位置づけが全くない改正案であるということで、私は、今の時点での改正案としては非常に奇異に感ずるわけであります。 法務大臣、どうしてこうなっておるのでしょうか。
○田原国務大臣 指紋というのは、御存じのようにある人の同一性を確認するための他に類例がないはど正確な手段であることは間違いないわけであります。したがいまして、長い間法律の中にそういうことが仕組まれてきてずっと運営されてきたわけでありますけれども、今度改正することになって、ある一定の人たちを除いては全廃することになったわけであります。そのときに当たって、私ども、人権侵害しておるなんということは考えもせずに、現在の人々の感情と従来の実効性とのうまい中間点を見つけたというような感じで、日本人と日本に定着性を持っている人たちと の関係という感じでこれをとらえたわけであります。
○仙谷委員 確認いたしますけれども、今、この指紋押捺の問題は人権問題とは考えてなかった、こういうお話でしたが、そう確認していいですか。――大臣に聞いているのです。大臣が言ったのだから、大臣答えてください。
○田原国務大臣 先生も御存じのように、法案をつくるに当たって過去からのいきさつがあり、細かい事務的な積み上げや法制局との打ち合わせ等もありますから、私に結論を聞く前に、初めから、結論の前に政府委員からお聞きになっていただいてもいいのではないかと思うのです。
○仙谷委員 私は最高責任者の法務大臣の御認識、御見解を聞きたいのですよ。刑罰をもって指紋押捺を強制することが人権問題であるかないか、その認識、判断を聞きたいのです。――いや、局長はいい。大臣、どうです。これは全く政治家マターの話ですから、どうですか。
○田原国務大臣 私は、これは純粋なる法律問題であって、実務的な指紋とかその他同一性確認のための手段として論じておるのであって、人権問題として取り上げてはおりません。
○仙谷委員 だからこういうことになるのですね。 では、大臣に続けて聞きますけれども、少年少女から始まって大人まで、日本人から指紋をとるのは人権問題ですか、それとも人権問題ではないですか、言ってください。
○田原国務大臣 なぜ日本人を、そうして全部とらなければいけないのかよくわかりませんが。
○仙谷委員 今の大臣の答弁の中身は、国家権力としての必要性の話はあっても、国家権力の国民や人間に対する行為が人権問題であるかどうかというお答えには全くなってないのですよ。そんな認識だから日本の人権行政はおくれるのですよ。日本人から指紋をとることは人権問題だというのははっきりしているじゃないですか。警察だって、今人権問題を気にしてというか、人権問題があるからそんなことはできないと言っているじゃないですか。そうでしょう。そんなことを知らないのですか、あなたは。
○田原国務大臣 日本人から、だれでもかれでもひっつかまえて、何もしてないのにすぐ指紋をとるというのはそれは問題でしょうが、とるべきときにとる、とらざるべきときにとらないということで従未来たわけでありますから、そういう御議論は成り立たないと思うのですけれども。
○仙谷委員 指紋押捺自身、指紋を採取すること自身は、人間の側からいうと人権問題だから特別の場合に限って法律で規定されている、それしか方法がない、そういうふうなときに許されるのですよ。 それじゃ、あなた、さっきおっしゃった法律によって許される場合というのはどういう場合ですか。御存じの場合を言ってください。
○田原国務大臣 私は、専門の法律家でございませんから、そういう具体的な細かいことは正確には答えられません。
○浜田委員長 高橋入国管理局長。
○仙谷委員 この人に質問していませんよ。僕はあなたに質問してない。(発言する者あり)
○浜田委員長 ちょっと御静粛に。 仙谷君に申し上げます。 局長も補足的な答弁をしたいということでありますので、まずお聞きをいただきたいと思います。入国管理局長。
○高橋政府委員 まず私から、外国人についての基本的人権と指紋押捺制度についてちょっと説明させていただきたいと思います。 我が国に在留する外国人につきましても基本的人権が尊重されるべきことは当然でございます、日本国憲法のもとにあるわけでございますから。しかし、同時に人権は無制限に保障されるわけではなくて、公共の福祉のため必要ある場合には相応の制限を受ける、こういう一般的なことはまさに先生御案内のとおりでございます。 指紋に関して言いますと、みだりに指紋を採取されないという自由は憲法の保障する私生活上の自由の一つとされておりまして、外国人につきましてもひとしく保障されるものでございますけれども、指紋押捺制度は正確な外国人登録を維持するために外国人登録法に取り入れられました制度でございまして、このように合理的必要性によって自由の一部が法律によって制限されても、このような制約が人権侵害に当たらないというふうに考えておるところでございます。
○仙谷委員 先ほどの武部先輩からの抗議がありましたので、私、言っておきますけれども、大体委員長だってそうお考えだと思いますけれども、委員会審議というのは政治家同士がディベートするのが基本でしょう。そうでしょう。私わかりませんから関係当局に任せますなんて話は、これは原則としてなしですよ。とりわけ私が今お伺いしているのは立法政策の基本にかかわることですよ、こんなことは。細かい話なんか全然聞いてないじゃないですか。そんなことが政治家同士で議論できなくてどうするのですか。それだったら大臣要らないことになるじゃないですか。 高橋局長の答弁はさておきまして、では議題を変えます。 昨年の十二月に、いわゆる自由権規約、国際人権規約の中のB規約でございましょうか、この規定に基づく報告義務を尽くすために報告書を国連人権委員会に提出をされておりますね。 この報告書の中の「外国人の地位、権利」というふうな項目がございますね。これはいわゆる国際人権規約の二条に関する、つまり外国人の地位とか基本的人権、指紋押捺とかあるいは外務省の方で出されたこの報告書に書かれておる外国人登録証携帯義務とか永住許可、再入国許可、退去強制、その他地方公務員への採用等々の問題もございますが、この種の問題が日本における外国人の人権問題であるという観点からB規約の二条関係として報告されたのじゃないのでしょうか。
○吉澤説明員 先生から御指摘ございました昨年十二月十六日に国連に提出いたしました市民的、政治的権利に関する国際規約、通常B規約と言っておりますけれども、この規定の四十条に基づきまして報告いたしました報告書の中には、確かにB規約二条関係の問題といたしまして、いわゆる日韓三世協議の決着内容として指紋押捺にかわる手段をできるだけ早期に開発すること、所要の改正法案を本年の通常国会に提出するべく最大限の努力をしているということを報告しているところでございます。 このB規約の関連条文で申しますと、二条には、この規約の締約国はいかなる差別もなしにこの規約において認められる権利を尊重し及び確保することを約束するというような趣旨の規定があるところでございますし、また第二十六条には、すべての者はいかなる理由による差別に対しても平等がつ効果的な保護を保障されるべきであるという趣旨の規定がございますし、また第七条には、何人も品位を傷つける取り扱いを受けないといったような趣旨の規定があるところでございまして、確かに外国人の人権というものも憲法と同様国際人権規約によっても保障されているところでございます。 ただ、国際人権規約の規定というものも、例えば二条、二十六条の差別の問題につきましても、合理的な差異を設けることまでも禁じているものではないというふうに考えておりますし、またこの指紋押捺、日本で行われているものがこの品位を傷つける取り扱いに当たるものではないというふうに考えているところでございます。
○仙谷委員 今の結論部分だと、なぜ今度指紋押捺をやめるのか、理由が全くわからなくなってくるのです。 外務省、ひとつお答えをいただきたいのですが、この報告書の中の「外国人の地位、権利」という項目の中に「参政権等性質上日本国民のみを対象としている権利を除きこいいですか、「日本国民のみを対象としている権利を除き、基本的人権の享有は保障され、内国民待遇は確保されている。」という記載があるんですよ。先ほど高橋局長 がおっしゃった指紋を強制されない自由とおっしゃる基本的人権は、これは性質上日本国民のみを対象としている権利ですか、それとも人間としての普遍的な権利ですか、どちらですか。
○吉澤説明員 参政権等につきましては、B規約上も「すべての市民はこという書き方になっておりまして、ほかの規定が、例えば「すべての者はこという規定ぶりになっているのと比較いたしますと違った書き方になっているということがございまして、この参政権というのはその性質上その国の国民に特有のものであるというふうに考えられるところでございますけれども、その指紋押捺といったことを含めましてそういったことというのは、みだりに外国人にのみ適用されるということは当然にそれでいいということにはならないと思。いますけれども、先ほど申し上げましたとおり、このB規約の二条とか二十六条といった規定も合理的な差異というものであれば許されるということでございます。その合理性といったことについては所管の官庁からお聞きいただくのが適当かとも思いますけれども、合理的な差異であるということが認められる限り許されるというふうに考えられると思います。
○仙谷委員 端的なお答えじゃないのでよくわからないのですが、今のお答えは、みだりに指紋を強制されない自由というのは、参政権等性質上日本国民のみを対象としている権利ではない、人間としての普遍的な基本的人権であるということはお答え総体からは確認いたしましたが、それでよろしいんですね。
○吉澤説明員 先生御指摘のとおり、参政権といったものと法のもとの平等というのは明らかに性質が違っているというふうに考えます。
○仙谷委員 先般の予算委員会の分科会でもこの報告書に関連して、人種差別撤廃条約、百三十カ国の国連加盟国が締結しているのに日本は二十数年放置したままになっているんですね。外務大臣に対しまして、これはどうするんですか。国会で二十数年ずっと、いや検討中です、作業中ですと、この答えばかり。言葉の端々から聞きますと、外務省は批准をしたいんだけれども他の省庁が足を引っ張っておる、どうもこういう感じがあるんですね。また後にお聞きしますけれども、今度のこの指紋押捺問題も、どうも法務省はこういう区分の仕方ではまずいんじゃないかと思っていた節があるのだけれども、ほかの省庁に足を引っ張られてどうにもならなくなった、そんな感じが私はするのです。 まず、この報告書作成、これは外務省が主として最後には英語で書かれたのだろうと思いますけれども、そもそもつくるときに、法務省、関与していらっしゃいますか、この報告書の作成に。
○高橋政府委員 具体的にまる、ぽつというところまではいきませんけれども、基本的には私たちも、法務省も関与しているところでございます。
○仙谷委員 そうしますと、先ほど言いましたように、おっしゃるようにみだりに指紋を強制されない自由は、基本的人権の享有が保障され、内国民待遇が確保されているのだから、堂々と国連に報告してあるわけですから、内国民待遇を確保してなかったらこの報告書がうそということになるわけです。――いやいや、内国民待遇ですよ。そんな簡単に公共の福祉で制約されるものじゃないです。 そこで外務省、次回の報告のときには、今回の法案のような外国人を区分して指紋押捺、つまりみだりに指紋を強制されない自由を取り戻した人たちと、いや、まだ三十二万人というグループが、みだりに指紋を強制されない自由をこういう合理的な、あなた方の言葉で言うと合理性のある手段、方法、範囲で制約をされているんだという報告をしますか。お答えください。
○吉澤説明員 このB規約に基づく報告書につきましては、今回三回目でございますけれども、二回目の報告書までは比較的日本の制度の説明ということに終わっておりまして、二回目の報告書の審査の際に委員の方から、日本の実態といったようなものにつきまして、この指紋押捺の問題も含めましていろいろな質問がございましたので、今回の報告書におきましては、そういった制度の説明だけではなくて、実態の説明も加えるようにしたところでございまして、四回目の報告書以降どういうふうにしていくのかということにつきましては、三回目の報告書の審査といったことも踏まえまして、あるいは先生から今御指摘のあった点も含めましてよく検討してまいりたいと思います。
○仙谷委員 これは、日本が国連においてまさに国際的に、国際社会の中で名誉ある地位を占めているかどうか、人権問題をどう扱っているか、ちゃんと報告しなければいけないと思いますよ。今の水準で国連人権委員会にこういうものをちゃんと書いて出したら、矢のような質問にさらされるはずですよ、人権委員会では。だから、先ほど申し上げた人種差別撤廃条約についての批准をしない、それからもう一つは自由権規約の第一選択議定書を批准しない、こういうことになっているわけですよ、法務大臣。 第一選択議定書を批准しないというのはどういうことを意味するかといいますと、選択議定書に個人の国連人権委員会に対する直接の被害救済の申し立て権が書いてあるのですよ。つまり、今までであれば在日韓国人、朝鮮人、中国人その他の外国人、この法案がもしこのとおり通るとすれば、ビジネスマンや弁護士やあるいは海外から日本に来ている報道機関の人やそういう人が一年以上の滞在者としてみだりに指紋を強制されない自由を侵されたということで国連人権委員会に訴え出ることができるようになるのですよ、この選択議定書を批准しておれば。だから、そういうことをされるのが嫌だから第一選択議定書を批准しないというふうなことであればなおさら、人権の点では日本というのはどうなっているんだ、甚だ異質な国だなということになってしまうわけですよ。だから、私は法務大臣にもこの機会に、人種差別撤廃条約とB規約の選択議定書、これに日本が加入し、締結し、批准をするようにひとつ努力をしていただきたいと思うのですよ。 なぜそんなことを言うかといいますと、例えば経団連あたりでももう十年も前に、国際的な経済の面における人的の交流面からいって指紋押捺だけはやめてくれという要望をしているのでしょう。例えば、きょう日経新聞を見てちょっとびっくりしたのですが、野村総合研究所の一面広告「「グローバル・フェアネス」。それは共生のための国際ルール。」と書いてある。いっぱい書いてある。もう共生とグローバルがはやり言葉になっているんです。「グローバル・フェアネス」と書いてあるのですね。ここに書いてあることは、「日本経済が今後、真にグローバル化してゆくためには、誠意よりもフェアネスを評価基準、行動原理にしてゆく必要があると思います。しかしながらそのフェアネスは、その国ごとのフェアネスであるべきではありません。」と書いてあるのですよ。 あなたは、大臣は、これ、全部正しいと思わなくてもいいけれども、たかだか野村だと思ったらそれでも結構ですが、まあそろそろこの種の考え方が、利益追求の野村ですら言わざるを得なくなってきたというのがこの時代なんじゃないでしょうか。だから、改正しようということをおっしゃったけれども、日本だけ通用するフェアネスであってはならないということなんですよ。先進国で、アメリカは指紋押捺があるなんということを言う人がおりますけれども、では、ヨーロッパ先進国、どこにあるのです。アメリカは、国籍について属地主義をとっております。そういうことを考えますと、日本だけ独特の、定住の外国人を二つに分けて、片方の人からは相変わらず指紋をとり続けるというようなことがその国ごとのフェアネス、大臣もその他の自民党の大先生方も日本のフェアネスだとお思いかもわかりませんけれども、どうもそれでは通用しない時代に入ってきたんじゃないかということを申し上げたいわけでございます。 もしお答えしていただけるんでしたら、さっきの人種差別撤廃条約と選択議定書、それと基準とかフェアネスというのはその国だけのものであっ てはならないというふうな事柄について、大臣の御見解をひとつ承りたいと思います。
○田原国務大臣 先ほどおっしゃった国連のそういう問題とか、今のフェアネスはまだ見ておりませんから、これから勉強させていただいて、よく自分なりに考えてみたいと思います。
○仙谷委員 法務省には人権擁護局というところもありまして、建前上は国民のそして日本に住む外国人の人権を擁護するという職務もあるわけでございますので、ひとつよくお考えをいただきたいと存じます。 次に、この改正案が出てきたいきさつについて聞いておきたいわけでございますが、まず、平成三年つまり昨年の一月、海部さんが韓国から帰ってこられて、そしてメッセージを発せられて、一月十一日の閣議で左藤法務大臣が何か所感を述べたというふうになっております。そして、四月の二十三日に法務省は、指紋押捺撤廃有識者懇談会をつくったということが報道をされておるわけでございます。つまり、平成三年の四月二十三日にそういう懇談会をつくったということが報道されておるわけですが、間違いないでしょうか。
○高橋政府委員 昭和六十二年の外国人登録法改正案の国会審議の際に、衆参両議院法務委員会におきまして附帯決議がございました。それから、今先生御指摘になりましたように、当時の海部総理大臣が訪韓に際しまして平成三年一月十日に日韓外相間で署名した覚書がございますが、その趣旨を踏まえまして、法務省におきましても、外国人登録制度のあり方について早急に検討する必要があるということで、各界の有識者の意見を聴取するということの一環として懇談会を設けたところでございます。それで、開催回数としては、今おっしゃいました平成三年四月から本年三月まで六回開催しております。
○仙谷委員 懇談会のほかに、外国人登録制度検討促進委員会というのも存在するのでしょうか。
○高橋政府委員 これは、省内におきましてもこういうのを設けまして、私たちの中でもいろいろ勉強したわけでございます。
○仙谷委員 そうすると、懇談会は第三者機関的な、第三者に集まっていただいて、検討促進委員会の方はお役人といいますか官僚の方々でおつくりになった、こういう理解でいいのですか。
○高橋政府委員 そのとおりでございます。先ほど先生御指摘になったかと思いますけれども、法務省の中にも、入管局だけではなくて、外国人を扱っているところがたくさんございますので、そういう法務省内部でいろいろなノウハウをあるいは意見を聴取するために、コンセンサスをつくるということもございまして、内部的な委員会を設けたところでございます。
○仙谷委員 昨年の秋ごろに結論を出すんだというふうなことも報道に書かれておるようですが、懇談会と検討促進委員会、結論が出たのでしょうか。出たとすれば、どういう結論が出たのか、お聞かせいただきたいと存じます。
○高橋政府委員 懇談会におきましては、指紋押捺の制度そのもの、それから指紋押捺にかわる措置がどういうものがあるか、それから外国人登線証明書の携帯制度、特に常時携帯制度など、広く外国人登録制度全般に及んでおります。 ただ、ここでちょっと申し上げたいのは、この懇談会といいますのは、諮問などを行う審議会とは異なりまして、いわば自由に意見を交換する場、そういう性格のものだったということを一言つけ加えさせていただきたいと思います。
○仙谷委員 そうすると、この懇談会も、言いっ放しで、意見集約というか結論的見解というのですか、全くなかったのでしょうか。 それから、法務省の検討促進委員会ですか、これも全く方向性も打ち出さなかった、こういうことでしょうか。
○高橋政府委員 指紋押捺制度にかわる制度についてはどういうものがあるかということに関しましては、鮮明な写真、それから各国の例なんか氷参考にしまして、署名それから一定の家族事項かつけ加えるのがよろしいのじゃないかというようなことが懇談会での大体の意見でもございますし、私たちの検討委員会においても、新しい手段としてはこういうところが妥当なところではないかということが、方向といいますか、そういうようなことでございました。
○仙谷委員 そういう代替措置があるんだ、代替措置とし得るんだという大体の方向が出た、こういうお話に伺っていいですね。 指紋押捺を廃止するとすればこういう代替措置があるんだという方向が出たんだというお話でございますが、対象はどの範囲にするか。つまり、今の法案のような範囲にするのか。もっと狭く限定する方法もあると思うのです。あるいは、全外国人、つまり現行法上指紋押捺義務を課されている全外国人にするのか。その点についての結論めいた方向性というのですか、それはどうなっておりますか。
○本間政府委員 お答えいたします。 ただいまの御質問の指紋押捺廃止対象の範囲についてということは確かに大きな議論でございまして、細かいことは抜きにして大ざっぱに申し上げますと、全廃の方が数としては過半数であったというのも事実でございます。 それから、もう一点つけ加えますけれども、懇談会は局長の私的な諮問機関といいますか、局で意見をつくる際の一つの有識者としての御意見を拝聴するという趣旨でやったものでございます。それから、省内検討委員会と申しますのは、入管局ももちろんでございますが、その中心といたしまして事務次官が委員長となった委員会でございまして、やはりこの問題は非常に重要であると同時に、韓国との覚書の内容というのもありますので、やはりこれは早急に内容をまとめていかなければいけないのじゃないのか、そういうことで、各省の局長級の方を――失礼しました、局長クラスをメンバーといたしまして意見を闘わせた、こういうことでございますので、入管局が中心ではありましたけれども、省全体としても取り組んだ問題でありました、こういうことでございます。
○仙谷委員 今、私の聞き方が悪いのかもわかりませんが、懇談会も検討促進委員会もいずれも全廃の方向が相対多数、多数のようであったと、いうお話なんですが、そのおおむねの意見の理論的な根拠というのはどういうところにあったのでしょうか。
○本間政府委員 一点、誤解のないように申し上げておきますが、今先生、省内でも廃止が多かった、こういうふうにおまとめになったように思いますが、これはそうではございませんで、最終的には、省内検討委員会としては、この案のごとき結論になったということでございます。 それから、廃止の理由というのはいろいろございますけれども、やはり代替手段というものがありますれば、それはなるべく統一して適用していくというのが制度としては本来のあり方じゃないかというのが一つ、それからもちろん永住者それから特別永住者、このたび私どもが廃止対象としようとしておるもの、これについては特段異論はないところでございましたけれども、それ以外のものについてどうするかということにつきましては、それぞれ先生方の中にもいろいろな意見がございました。 廃止される方の御意見というのは、いわゆる外国人の管理といいますか、同一人性確認ということについて多少それは緩むといいますか、今よりも後退するということがあってもやむを得ないのじゃないだろうか、そういう考え方が基本にあって、全廃ということを言っておられた方もおりました。
○仙谷委員 そこで、次にお伺いしたいのですが、この検討委員会の方に、検討促進委員会ですか、これ、何か各省庁の局長さんも入っておったというふうにおっしゃいましたか。違いますか。違うのであれば、それはそれで結構なのですが。 この問題に警察庁は何らかの権限なり根拠で意見を言うというふうなことがありましたでしょうか。
○本間政府委員 もしかして私さっきちょっと言い間違えたかもしれませんけれども、あくまでも 省内検討委員会でございますので、他省庁の方々は一切参加、出席はいたしません。あくまでも省内だけのものでございます。その点だけ申し上げておきます。 それから、警察庁との関係、今お触れになりましたけれども、この省内検討委員会の結論が出るまでの間に別途いろいろ警察の御意見も承ったということはございます。
○仙谷委員 ほぼ公知の事実のようになっておるのですが、大臣、予算編成に向かってこの法改正について二十五億円の予算請求をして、十二月二十二日ですか、大蔵原案でこれを留保された。その理由は、どうも指紋押捺全廃の方向に法務省があってこれに警察庁が厳しく対立したというのが、これは報道も一紙だけじゃないですからほぼ間違いない事実じゃないですか。私はほかの筋からもそういう話を聞きました。こういう事実はあったのですか。
○高橋政府委員 政府部内におきまして最終的な予算あるいは法案をまとめるに当たっては、政府一体として一つのポジションをまとめる必要がございましたのでいろいろ協議はいたしました。その結果、結論が出たわけでございます。
○仙谷委員 では、もう一遍正確にいきますよ。大蔵原案の段階では予算が留保されています。その理由は法務省と警察庁の意見対立てあったという事実はあるのですかと聞いておるのです。なかっならないでいいですよ。そのかわり、こういうところで事実と反することを言われたら困りますけれどもね。事実のとおり答えてください。
○高橋政府委員 私たちの出している案がうまく説明ができなかったということはございます。
○仙谷委員 今の話を聞いておりますと、私なりに翻訳しますと、要するに警察庁を説得し切れなかった、こういう話でしょう。それで、政府の統一見解が出なかったから大蔵原案の段階において予算が留保された、こういう話になるのですね。それはそういうふうに聞いておきましょう。
○本間政府委員 お答えしますが、政府部内でいろいろ意見があって、それが調整の結果今回の案にまとまったということは局長からもお答え申し上げたとおりでございます。もちろん法務省部内でもいろいろな意見があったわけでございまして、先ほどの政府原案の問題との兼ね合いでいきますと、当初は一応全廃ということで出してみて、それで意見調整をしながら最終的に結論を出そうか、こういうことでございましたから、動きとしては先生御指摘のようなやや全廃論が部内では強かったということは間違いありませんが、最終的な結論が少し見送られていた段階で先ほど言った予算の問題が起きている、こういうことでございますので、御理解いただきたいと思います。
○仙谷委員 ちょっとお伺いすることを変えます。 指紋押捺が、対象範囲が部分的にせよ、八七年の九月の段階では一回の押捺でいいんだというふうに変わってきた。もうちょっと詳しく言いますと、五八年の二月の段階では一年以下の滞在の外国人については押捺義務を課さないんだ。それから、大きい改正としては、八七年九月の段階では一回だけでいいんだというふうに変わってきた。それで今度の改正ですね。表向きの議論を聞いていますと廃止の理由が余りないようにも聞こえるのだけれども、それぞれ部分的に押捺義務を廃止していった段階における廃止の理由をここで陳述してください。
○高橋政府委員 昭和三十三年の外国人登録法の一部改正について申し上げますと、一年未満の在留期間が決定された者について指紋押捺を免除することとしたわけでございますが、これらの者は観光客等短期在留者で、短期間の滞在の後出国するというものでございますので、我が国社会や各種の行政にかかわりを有することが少なくて、指紋の押捺を求めてまでその人物を特定する必要に乏しいという考え方によるものでございます。 昭和六十二年の外国人登録法の一部改正は、指紋の押捺を不快とするといいますか、そういう外国人の心情を考えながら、外国人登録の正確性を損なわない限度において制度の一部を緩和しようというふうにしたものでございまして、指紋押捺を原則一回限りとしまして、人物の同一性に疑いがある場合には再度押捺させて同一人性を確認するようにしたものでございます。 今回の改正は、長年我が国に在留する外国人の我が国の社会における定着性というものに着目いたしまして、永住者及びいわゆる特別永住者につきまして、指紋押捺にかわる同一性確認の手段として採用することとしました写真、署名及び家族事項の登録による複合的手段を採用することとしたものでございます。
○仙谷委員 そこで、いわゆる定住外国人と言われております一年以上の滞在期間の外国人については指紋押捺義務が残っておりますね。ここだけ残っておるわけですね、三十二万人。この人たちだけ。つまり、一年未満の外国人の方々はもともと指紋押捺義務がない。永住者、特別永住者、こういう人たちは今度指紋押捺義務を外すのだ、こういう話ですね。短期間――短期間でもない、中期間というのですか、相当期間滞在しておる外国人だけ指紋押捺義務を残すということになっておるのですね。これらの人たちは大体どういう資格で、どのくらいの期間滞在をされるのが傾向的に多いのか。そして、このグループといいますか、外国人の人たちだけに指紋押捺を残す合理的な根拠は何ですか。
○高橋政府委員 今先生御指摘になりました一年以上在留する外国人は、一年から三年の期間滞在する資格を持って、更新する方もおられますが、そういうことで在留資格を持って滞在する外国人でございます。他方、在留外国人の人たちの公正な管理を図るためにはやはり人物の同一人性確認の手段ということがどうしても必要になるわけでございまして、今度の改正で指紋押捺にかわる手段として採用することといたしました写真、署名及び家族事項の登録による複合手段というものは、私たちがいろいろ検討した結果、長年本邦に在留し、定着性の高い永住者及び特別永住者についてはまあ有効と言える、しかしそれ以外の外国人については、一般的に言いますと、我が国社会への定着性が認められていないということで、今回は現行どおりこの指紋押捺制度を維持することが必要である、そういう結論に至ったわけでございます。 なお、指紋押捺というのは、外国人の同一人性確認の手段として必要かつ合理的な制度であると私たち考えておりますので、永住者及び特別永住者以外の外国人についてこれを維持し、永住者及び特別永住者に対する取り扱いと違っているということになっても、我が国社会への定着性の有無という合理的な理由による区別であって、法のもとの平等に反することにならないと考えているところでございます。
○仙谷委員 結論まで言われてしまったわけでございますが、定着性と同一性の確認というのはそんなにストレートに結びつくものか、理論的にも事実上結びつくものか、大いに疑問ですね。そしてまた、今のいわゆる定住外国人に対する指紋の押捺義務も一回だけになっておるわけですね。そうですよね。入管局長ですから当然のことながら覚えていらっしゃると思いますが、もう数々の法務委員会の審議、予算委員会の審議で、同一人性の確認については指紋の押捺が一回だけというのは意味がないんだということを、今まで入管局はあるいは法務省は答弁してきたんじゃないんでしょうか。答弁もそうですし、入管局の課長さんや担当者は、入管局が実質上お出しになっているんでしょう、この「外人登録」という雑誌、こういうものにも、たびたび「一度だけ押させることとすれば、登録における指紋制度はその意義を全く失い、外国人に対するいやがらせ以外の何ものでもなくなってしまう」というようなことまで、だから何回も期間を置いてとって、照合をしなければいけないんだということを法務省としては言ってきたわけですね。 ところが、さあ中身を調べてみようということになったら、一九七〇年から法務省の方で同一人性の確認として、以前にとった指紋と現時点でといいますか、三年とか五年経過後にとった指紋の照合は一切していない、するような陣容になっていない、警察庁のようにコンピューターを入れているわけでもない、担当者もいない、専門家もいない、こういうことがはっきりしてきたわけでしょう。ということになると、定住外国人についても、同一人性の確認といったって、一回だけの指紋押捺をさせてどうやってやるのですか。あるいは、具体的に聞きますよ、法務省としては一年以上の外国人についてどういう同一人性の確認を行おうとするのか。市町村を除きますよ。まず、それをお答えください。
○山崎説明員 御説明いたします。 法務省に保管しております指紋原紙は登録番号順に整理しておりまして、各自治体から法務省に対しまして指紋原紙の写し等送付要請がありましたときは、それを送付しておりますし、また同一人性確認のために関係機関から照会があった場合には、指紋原紙の写しを送付する等しまして利用しておるところでございます。
○仙谷委員 何か同じことをテープレコーダーで繰り返しておるようなことを言って、それは全く理由になっていない、あなた。 法務省に具体的に聞きますけれども、指紋を鑑識照合できる専門家は今おるのですか。技官はおるのですか。
○山崎説明員 先生御指摘のとおり、現在、指紋は換値分類はしておりませんが、登録番号順に整理してございます。一指指紋というのは、その同一であるかどうかを確認するために指紋係という係が設けられておりまして、そこの係員が、照会があった場合には同一人かどうかという確認をしています。保管しております指紋を地方入国管理官署なり、入れかわり事案等があった場合で警察から照会があった場合には、指紋の写しをつくりまして送付するという作業で同一人性の確認に役立てておるわけでございます。
○仙谷委員 時間が来たからまた次の機会に譲りますが、今のは全然答えになっていないですよ。専門家がおるのかという問いに対して全然答えていない心鑑識照合できる専門家がおるのかおらないのかの答えになっていないのですよ。それから、法務省で照合しているかどうかという答えにも全くなっていないじゃないですか。そんないいかげんなことを相変わらず言っているようでは本当にこれは大変な問題になりますよ。 いずれにしましても、時間が参りましたので、残余の質問は次の機会に譲ります。どうもありがとうございました。
○浜田委員長 谷村啓介君。
○谷村委員 順次質問をいたしたいと思いますが、法務大臣、あなたは指紋押捺をした、指紋をとられた経験がありますか。
○田原国務大臣 記憶は余り定かではありませんが、一度経験があるような気がします。
○谷村委員 それは反則か何かでしょうか。交通達反か何かでしょうか。選挙違反……。
○田原国務大臣 まじめに答弁しておりますから、まじめにひとつ聞いてください。 そういう違反、違法的なものではなくて、何だったか記憶にないのですが、指紋を押したことがございます。
○谷村委員 大分過去のことのようですが、そのときの、指紋をとられるという感じ、お気持ち、率直にどのようにお感じになったでしょう。
○田原国務大臣 特に、何といいますか普通の気持ちのときに、普通のときにとられたのですから、何だったか記憶にないのですけれども、交通達反とかそんなのじゃございませんが、手を持って押してくれまして、気持ちいいなと思った感じがいたしまして……。これは冗談じゃないのです、本当ですから。
○谷村委員 そんな感覚ではこの指紋押捺の問題はやはり理解がなかなかできないでしょう。 質問に移りましょう。 この国会に外国人登録法の改正案が提案されましたけれども、法務省は外国人登録時の指紋押捺制度の全廃を主張してきた、こういうふうに私どもは理解をいたしておるわけでありますが、今回の法案を見ると、言うまでもなく永住資格者の押捺義務はなくなっているけれども、在留資格が一年から最長の三年の人、平成二年度末で三十二万人いらっしゃるそうでございますが、引き続き指紋の登録を必要としている。これはどうしてこうなったのか、そういう点についてまず冒頭にお尋ねしたい、こういうふうに思います。
○高橋政府委員 法務省が全廃を決めていたということはございません。いろいろな意見、いろいろな考え方、いろいろな方法を勘案しつつ、いろいろなやり方を検討しておりまして、それで最終的な結論が今法案としてお出ししたことでございます。 私たちといたしましては、指紋押捺制度というのは指紋が万人不同・終生不変という特性を有しておりまして、人物の同一性を確認する上で有効な手段であるということにかんがみまして、登録をしている本人の同一人性を担保、確保、確認する手段として設けられているというものであることから、また登録証明書の偽変造や他人による登録証明書の不正使用の摘発及び不正の抑止に役立つということから、この制度は有効であるというふうに考えているわけです。 ただ、我が国社会に定着性のある永住者あるいは特別永住者につきましては、鮮明な写真、署名それから一定の家族事項を登録してもらうことによってこれにかえることができるという結論を得たので、このような法案を御提出したというところでございます。
○谷村委員 政府は昨年十二月の二十六日に、総理府で石原官房副長官を中心に法務、外務、自治、警察の関係四省庁による事務次官級の会議を開いたというふうに伝えられていますが、この日の会議で根來法務事務次官は、永住者のみに限定した指紋制度の問題点を指摘し、この制度の全廃を法務省として主張したと言われておるわけでありますけれども、この全廃の主張は事実なのかどうか。先ほどもございましたけれども、もう一遍確認するとともに、できればその際に指摘した問題点を明らかに願いたい、こういうふうに思います。
○高橋政府委員 お答えいたします。 昨年の十二月二十六日ですか、今先生おっしゃったときに、関係四省庁次官級会談が行われたことは確かでございますが、そこでは今後のこの外国人登録問題につきまして、今あるような形についての確認が行われたということでございます。そこで法務省が全廃を主張したとかそういうことというよりは、どういうふうにして今回法案をまとめるかということで、事務的に積み上がったものを確認して決めだということが正確ではないかと思われます。
○谷村委員 私はそういうふうには聞いておりませんし、さまざまなものに出ておりますものを見ましても、あなたの答弁を率直に受けるというわけにはいきませんけれども、次に移りたいと思います。 外務省に聞きますが、一方外務省の小和田事務次官もその日の会議において、指紋制度の残置は国際的に人権問題になるおそれがある、全廃は世界の趨勢であるという趣旨の主張をされ、同じく全廃を提案したというふうにも聞いておるわけでございますが、改めて外務省の方から、この指紋押捺制度の是非についてそのスタンスを明らかにされたいというふうに思います。
○宮下説明員 外務省といたしましては、従来から本件については当然対外的な関係にはね返りがないように、そういう点で対してきているわけでございます。 今次改正案につきましては、永住資格を有する者、そういう客観的な基準によりまして指紋押捺義務の廃止範囲を定めた、そういうことで国籍等の出身地によって外国人の間で差別を設けたものではない、そういうふうに考えております。日 本人の場合ですと戸籍制度が充実しているわけでございますけれども、外国人の同一性を確認するものとしてはやはり指紋ということによらない限りは一般的に申し上げますとなかなか難しいのじゃないかというふうにも考えられます。ただし、外国人の中でも永住資格を持っておる者につきましては、日本に家族と一緒に長期間滞在している、そういうふうな事情もあって指紋にかえて写真、署名それから家族事項の登録というふうなことで同一人性を確認することが可能ではないかというふうに考えております。したがいまして、以上の合理的な理由に基づく今回の改正案ということで、対外関係等の視点からも問題はないのだろうというふうに考えております。
○谷村委員 その当日の問題についてお尋ねしておるわけですが、警察庁、鈴木長官でございましたが、この巷間言われておりますこと、あれは裏づけが全くないわけじゃありませんが、法務、外務はそうじゃないとおっしゃったわけですけれども、私どもはそういうふうに受け取っているのですが、その主張に対して、治安対策の視点から、指紋制度をやめてもうまくいくとは限らない、外務省が世界の趨勢と言うが、米国では一たん廃止したけれども指紋押捺は復活しているではないかと、この指紋押捺制度の全廃に強く反対をされた。その妥協の産物として今回の二本立て登録制度といいますかこんなことになって、それを国会に提出しておる、こういうふうに私どもは聞いておるのですね。三者一致して今回の提案について十分な合意ができた、結果的にはそうかもしれませんが、その過程の中にさまざまな議論の行き違いがあった、そういうふうにも聞いておりますが、警察庁の方の考え方を聞きたいというふうに思います。
○奥村説明員 外国人登録法の一部改正につきましては、主管の法務省を中心にいたしまして、制度面、運用面の各般から鋭意検討されまして成案ができたものと承知をしております。 警察庁といたしましては、犯罪捜査とかあるいは職務質問等各般の警察活動を行う上で外国人の身分関係を確認する必要があるわけでございまして、現時点における当庁の考え方を申し上げますと、外国人登録制度は我が国に在留する外国人の身分関係等を明確にすることを目的としておりますが、今回の一部改正案のとおり、在留期間が一年以上の長期滞在者には従来どおり指紋押捺制度を適用し、また永住者には写真、署名並びに家族事項の登録を複合的に組み合わせる制度を適用いたしまして人物の同一人性の確認を行うことによりまして、身分関係の明確性を従来どおり維持する機能が果たされるものと考えておるところでございます。
○谷村委員 ここに「世界」に載った記事がございます。僕はこの中に、これはもちろんペンネームでしょうけれども、相当詳しい内容があるわけでございますが、 警察庁に押され気味となった法務省は、指紋 照会や外国人登録証明書の常時携帯などでの取 り引きも検討したようだが、結局、官庁同士の 争いの隘路に入り込み、当事者である外国人の 人権の観点が欠落してしまった。法の下の平等 や法的整合性などで糊塗しても、外国人を犯罪 者扱いする指紋制度に四〇年近くも依拠してき た外国人登録制度の大きな自己矛盾がのぞくば かりである。 警察庁のこのような政治的思惑が絡みなが ら、法務省との協議は延々と続けられた。 というふうに内部的な情報ではありましょうけれども、非常にその流れの中にそういったものを感ずるのですね。警察庁の方、もう一回答弁を願いたいというふうに思います。
○奥村説明員 ただいま申し上げましたとおり、警察といたしましては、犯罪捜査あるいは職務質問その他各般の警察活動の現場におきまして、外国人につきましての身分関係を確認する必要があるわけでございますが、こういう場合におきまして外国人登録そのものが正確なものである必要があるわけでございます。その正確な外国人登録というのを最終的に担保するのは指紋制度であろうというふうに考えておるところでございます。
○谷村委員 我が国の指紋押捺制度は外国人の人権、外交、治安問題など複雑に問題が絡み合っているわけでありまして、この制度への対応が関係省庁によってどうも経過を見ると異なっている。私は閣内不統一の感は否めないのではないか、こういう感じがするわけであります。 そこで、外務省は指紋制度は国際的に人権問題になるおそれがあるというふうに見ておると私は思いますけれども、先ほども議論がございました。この制度の世界の動き、特に先進諸国の実態を説明をされたい、そして資料があれば提出を願いたい、こういうふうに思うわけであります。
○宮下説明員 指紋押捺制度につきましては、平成二年に四十六カ国につきまして調査を行っております。これによりますと、指紋押捺制度を採用している国は十九カ国、中で特に先進諸国といいますか、OECD諸国の中ではポルトガル、スペイン、米国の三カ国ということでございます。参考までに近隣のアジア諸国におきましては、中国等を除いて大部分が指紋押捺制度を採用しているということでございます。
○谷村委員 その詳しい資料をいただきたいのですが、いかがでしょうか。
○宮下説明員 資料を出すようにいたします。
○谷村委員 先ほども、法務大臣に指紋押捺の経験がおありだというふうに聞きましたので冒頭に聞いてみたのですが、気持ちがよかったというようなことでございますけれども、手をとってもらってやってもらったというお話がございましたね。その際はやはり指紋押捺じゃなしにほかの何か交通達反か、あるいはそういったことでお押しになったんじゃないかと思いますけれども、およそ指紋を押す場合に、反則切符にしろ何にしろいい気持ちで押すなんて感覚というのは私はどうも解せないわけです。 再び繰り返す必要はないと思われるのでありますが、私は犯罪を犯していないのに犯罪者扱いをされたような、むしろ普通の人なら屈辱感を伴う、こういうふうに思うわけであります。指紋押捺の強制は私はやはり人権の侵害である、こういうふうに思うのです。これは世界の趨勢から見ても人権の問題から見ても全廃することが当然だ、こういうふうに思うめです。したがって、今回の措置というものはやはり問題がありはしないか。 昨年一月に海部前首相が韓国を訪問した際に、二年後に指紋押捺の強制の廃止の約束をされた。先ほど外務省の方から覚書がこちらへ届きましたけれども、今回の法案では全廃をしていない。これでは約束違反ではないか、あるいは国際信義にもとるのではないかという危惧があるわけですが、いかがでしょう。
○武藤説明員 お答え申し上げます。 昨年一月に海部総理大臣が訪韓されました際に、中山外務大臣と韓国の李相玉外相が在日韓国人問題に関する覚書に署名いたしました。この中で政府は、「指紋押捺に代わる手段を出来る限り早期に開発し、これによって在日韓国人三世以下の子孫はもとより、在日韓国人一世及び二世についても指紋押捺を行わないこととする。このため、今後二年以内に指紋押捺に代わる措置を実施することができるよう所要の改正法案を次期通常国会に提出することに最大限努力する。」との方針を表明いたしました。 今国会に提出されました外国人登録法の一部を改正する法律案は、この覚書に言います在同韓国人一世、二世及び三世以下の子孫を含む特別永住者並びにそれ以外の永住者に対する指紋押捺の廃止を定めるものでございまして、これはまさにこの覚書において表明された方針に合致するものと考えております。
○田原国務大臣 先ほど指紋の経験で、何か違反に違いないと言われたけれども、そうではございません。どこか受験したときじゃなかったかという気がするわけです、昔。まだ二十になる前か何か、そこらのころ。
○谷村委員 大臣のその点についての答弁はもうそれ以上要りませんよ。そんなことはないでしょう。受験のときに指紋なんて押した人はだれもいませんよ。それは何かの間違いじゃございませんか。 私は次の質問に移りたいと思いますが、我が国に三カ月以上滞在する外国人が外国人登録の対象になっているわけであります。法務省の資料によりますと、九〇年の全登録者百七万人余のうち六十四万人余が永住資格があり、永住資格のない一年以上の在留者約三十二万、これらの外国人に指紋押捺を強制しようとしているわけでありますが、これらの外国人だけに指紋押捺を強制するのは私は合理的な根拠がないと思うのでありますが、合理的根拠があるならひとつ示していただきたい、こういうふうに思います。
○高橋政府委員 一年以上の在留期間を有する非永住者に指紋を押捺させる、そのための合理的根拠は何かという御質問でございますが、指紋押捺にかわる同一人性確認の手段といたしまして採用することとしました写真、署名及び家族事項の登録ということによります複合的手段は、長年本邦に在留し、定着性の高い永住者及び特別永住者については有効と言えるわけですが、それ以外の外国人については一般的に我が国社会への定着性が認められないものでありますので、一年以上の在留期間を有する非永住者については指紋押捺制度を現行どおり維持することが必要であるということで、定着性という観点から新しい制度を永住者及び特別永住者に適用しているわけでございまして、これが私たちとしては合理的ではないかというふうに考えているところでございます。
○谷村委員 これは先ほども仙谷委員の方から議論のあったところでございますからそれ以上のところはきょうはやめておきますが、さて、今三十二万人余の在日外国人、永住資格のない一年以上の在留者に対して指紋制度を残置しようとしている。先ほどの御説明のとおりであります。これらの外国人の大部分はビジネスマン、技術者、正規の手続を経て入国する外国人労働者、コックさん等もありますが、そういう人であります。我が国には観光客など短期的滞在者、さらに多くの不法残留者など膨大な入国者が滞在する中で、この外国人たちだけに不愉快な、法務大臣は愉快なとおっしゃったのですが、不愉快な指紋押捺を強制することにどのような意味があるのか本当に疑問を持つのでありますが、いかがでしょう、もう一回答弁をお願いします。
○高橋政府委員 在留外国人の公正な管理を図るためには人物の同一人性確認の手段の確保が必要でございます。今回の改正で指紋押捺にかわる手段として採用することとしました写真、署名及び家族事項の登録による複合的手段は、長年本邦に在留し定着性の高い永住者及び特別永住者については有効であると言えますけれども、それ以外の外国人については一般的に我が国の社会への定着が認められないということで、現行どおり、一年以上の在留者については指紋押捺の制度を維持することが必要であるという考え方でございます。また、一年未満の在留者について指紋押捺を求めないのは、短期の滞在後に出国する者でございまして、我が国の社会や各種の行政にかかわりを持つことが少なく、指紋の押捺を求めてまでこの人物を特定するということは必要ないのではないかという考えに基づくものでございます。
○谷村委員 問題ですね。法務省は、今おっしゃったように写真、署名、家族事項の三点セットで同一人性を確認する、こういうことで代替措置といいますかそんなことをやる、こういうふうに決めておるわけでありますけれども、やはりこれも、法のもとの平等、外国人によって対象としたりしなかったりするというようなことが現に起きるわけですね。こういうことを考えてみますと、法的整合性などを根拠に、国籍による不平等や今回のような登録の二本立てに反対してきた、法務省はそういう態度をとってきたことは間違いないと私は思うのですが、この原則というものはやはり守られるべきでなかったか、こう思えてならぬわけです。しつこいようですが、この原則を踏み外したというかそれを放棄した根拠といいますか、もう一回お尋ねしてみたいというふうに思います。
○高橋政府委員 もちろん私たちといたしましても、新しい制度、仕組み、手段を開発あるいは実施するに当たりましては、特にそれが人間に関する限りは、内国人であろうと外国人であろうと、日本国憲法のもとで、それから人権ができるだけ、もちろん基本的人権が確保されるという観点から、それから先生がおっしゃいました法的整合性、こういうあらゆる観点から検討しなければならないということは重々承知しておりまして、そういう観点と行政のしやすさ、そういういろいろなところから考えて、今回もこの新しい制度、仕組みについて検討したところでございます。 それで、何度も同じことになりますけれども、やはり基本的に必要なことは外国人の同一人性の確認の手段ということで、それが一番問題ですが、何が一番いいのかということで、現行の指紋押捺制度というのはどうしても必要でかつ合理的な制度であるということは、これはそうだと私たちはまだ信じているわけであります。しかし、永住者及び特別永住者につきましては、私たちが今新しく開発した写真と署名と一定の家族事項を登録してもらうことによってかえ得るという結論に達しましたので、国籍による差別じゃございませんし、我が国社会への定着性の有無、こういう合理的な理由による区別といいますかそういうことであるので、法のもとの平等に反しないというふうに考えてこの新しい制度を提案しているわけでございます。
○谷村委員 ちょっと視点を変えますが、今回の改正というか改悪というか、この法案は、自治体の外国人登録事務がこれまで以上に煩雑になるのではないかと思うのであります。現行制度では、一年未満の在留者は写真だけでいい、それ以外の外国人については写真と指紋の二本立て。しかし、今回の改正案によると、一年未満の在留者は現行と同じで写真のみですけれども、一年以上の在留者は写真と指紋、在日韓国人など永住資格のある人には写真と署名と家族事項、今も説明がございましたが、こういうふうになっているわけでございます。したがって、同じ外国人の登録事務が従来より複雑になることは必至だと思います。市町村の窓口の仕事量は若干ふえるのじゃないかと思いますし、制度の変更で現場での混乱も予想されるわけでありますが、このことについて、現場を担当する自治省はどういうふうに見ておるのか。また、機関委任事務でありますから、法務省の方はこういう事態が起きることをどのように考えていらっしゃるのか。この点について両省に聞きたいと思います。
○芳山説明員 お答えいたします。 外国人登録法に基づく事務は、先生御案内のとおり法務大臣の機関委任事務として市町村長が処理しているものであります。自治省といたしましても、今回の改正に当たりましては、法務省に対して、市町村の窓口での対応も含めた事務処理のマニュアルを作成するなど円滑な施行が図られますよう要請しているところでありまして、また法務省の指導のもとで当該事務が円滑に行われることを期待しておるものであります。
○高橋政府委員 確かに窓口に関する限りは先生おっしゃったように事務が複雑化することは事実でございます。私たちは、新しい制度、仕組みを考えるに当たっても、できるだけ簡素な仕組みの易しいやり方、それから整合性のとれたものが望ましいという観点、正確性、いろいろな観点から考えておりますけれども、今おっしゃったような点も非常に重要なことではないかと思います。法務省におきましても、市区町村の窓口が混乱しないように、市区町村の職員に対して事前に十分に改正法の説明を行うとともに事務取扱の指導を行う、それから事務の合理化を可能な限り行うことといたしたいと考えておるところでございます。
○谷村委員 くれぐれもそんなことが起こらないように適切な指導といいますか、そういったこと をぜひ要望いたしておきたいと思うのであります。 今回の法案は、先ほどもそうじゃないとおっしゃるのですが、私どもはやはり法務省の主張上いうものは別にあったと思っているわけでありますが、そういった意味で、警察庁の主張の方が重視されたといいますか押し切られたといいますか、そういう経過の中で二本立ての登録制となったと理解をしておるわけであります。 そこで、法務大臣にお尋ねいたしますけれども、将来、我が国の指紋押捺制度を基本的に一体どうするのか。全廃に向けて立法化を進める方針というものはないのかどうか、全廃するとするならい つの時点までにこれらの諸点をするのか、そういった方針ももしお持ちなら、あるいは無理かもしれませんが、ひとつお答えを願いたい、こういうふうに思います。
○田原国務大臣 現在のところ持っておりませんが、ただ、今、今までと違った新しい法律を出そうとしておるやさきでございまして、今のところそういう先生おっしゃったようなことは全然頭に浮かんでまいりません。
○谷村委員 次に移りますけれども、一九九〇年十二月に国連で採択された外国人労働者権利保護条約というのがございます。御承知のとおりでありますが、これについての政府の対応についてお尋ねしたいと思うのであります。我が国は、この条約の採択に当たって賛成というふうになっておるわけであります。この点をまず確認しておきたいと思いますが、いかがでしょう。
○吉澤説明員 御質問にございました、移住労働者及びその家族の権利の保護に関する条約につきましては、一九九〇年の十二月十八日の第四十五回国連総会におきまして無投票採択ということで、投票なしに採択されたものでございます。私ども、我が国といたしましては、本条約の理念自体は理解するけれども、雇用国にとって問題となる規定があるので、各国が受け入れられるような現実的、弾力的な内容のものであるべきであるという旨の立場説明を行った上でこの無投票採択に加わったという経緯がございます。 なお、この条約の採択に先立ちまして、先進国の間では投票に付すべきではないかというような意見も出されましたけれども、この条約の理念自体は理解し得るものであって、この問題について南北対立ということがあることを印象づけることは適切でないという判断から、無投票採択に先進国としても臨むことにいたしまして、我が国もこれに加わったという経緯がございます。
○谷村委員 今おっしゃる答弁の中でもその姿勢がうかがえますけれども、東京新聞の九〇年十二月二十七日を見ますと、先ほどの御説明の外国人労働者権利保護条約、正確に言いますと、移住労働者及びその家族の権利保護に関する国際条約、この批准には日本政府は二の足を踏んでおった。今もそういうニュアンスの御説明があり、結論的には、この国連の決議というのはおもしろい決議がたくさんございますようで、投票でなくコンセンサス採択、こんな言葉でも表現するようでありますが、日本はそれでほっとした、そういうふうなことでございますし、この新聞を見る限り、国連中心という政府がよくおっしゃる精神はどこへ行ったのかというような大きな見出しか真ん中に踊っておるわけでございます。もちろん、厚い国内法の壁というふうなものも今おっしゃるようにあるわけでありますが、いずれにしても、しかし賛成はされたわけですね。先ほどおっしゃったように賛成をされた。その賛成をされた理由をこの際明確にされたいと思いますし、本条約のポイントを、簡単で結構ですから御説明願いたいというふうに思うのであります。
○吉澤説明員 この条約につきましては、先ほども申し上げましたとおり、いろいろ経緯がございましたけれども、無投票採択ということになりましたので、我が国といたしましては立場表明を行った上でこれに加わったということでございます。 それで、この条約の内容のポイントでございますけれども、この条約は移住労働者とその家族についてその権利の保護を図ろうとするものでございまして、その出身国からの出国、旅行、雇用国への入国、滞在、出身国への帰還といったすべての移住過程において生ずる法的手続、労働関係、社会生活関係、失業、社会保障、教育等のいろいろな方面にわたる問題につきまして、移住労働者及びその家族の権利保護という観点から包括的な規定を置いた条約でございます。
○谷村委員 今御説明があった点がこれに載っておりますけれども、要約すると、不法就労を含めた外国人労働者にその国の国民と同等の労働条件や。社会保障を認める、こういうものであるというふうに伺っておるのであります。 そこで、外務省に要求いたしたいわけですが、この条約の英文と日本語訳の写しを資料として提出をしてもらいたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょう。
○吉澤説明員 この条約の国連で作成されました英文につきましては提出させていただくことができると思いますので、後刻お届けいたしたいと思います。 それから和文につきましては、条約の和文と申しますのは、国会に御承認いただくために御審議を得る際に提出するということをこれまで私どもの慣行といたしておりまして、この条約というのは国会に御審議いただくことがあり得るものでございますので、その前に政府部内で詰めていない訳文をお出しするということで、こなれていないものをお出しするということでかえって混乱を招く可能性もあるということで、従来から国会に御審議をいただく前にお出しするということはしないというふうにしておりますので、その日本語訳の方につきましては提出させていただくことはできないということで御理解いただきたいと思います。
○谷村委員 なぜこの問題をこの際質問し、資料要求するかといいますと、この条約自身が今回の外登法の問題とも大きく影響を持っておる、深い影響を持っておる、こういうふうに私どもは判断をするわけであります。英文は出すけれども和文は出せないという、そんなばかな話がありますか。
○吉澤説明員 条約の訳文というものにつきましては、先ほど御説明いたしましたとおりでございますけれども、今先生がお話しになりました趣旨を踏まえて、この条約の骨子のようなものをお届けすることは後刻させていただきたいと思います。
○谷村委員 和文に訳したものは存在しないんですか、存在しているんですか。
○吉澤説明員 条約一般につきまして検討作業のために省内的にいろいろ準備したりすることはございますけれども、これは政府としての訳文あるいは外務省としての訳文というふうには申し上げることはできないものでございまして、そういう意味では訳文は存在していないというふうに申し上げた方がよろしいのではないかというふうに思います。
○谷村委員 よくわかりませんね。あるにはあるが、それは政府のものでも外務省のものでもないという御答弁ですか。あるのはあるのですか。
○吉澤説明員 外務省としてお出しできる形の訳文はないということでございます。
○谷村委員 聞くところによりますと、各省庁がまちまちになってはだめだ、こんな理由で日本語訳をつくらないようにというふうに、外務省がそういう方針を示しておる、こんなことも聞きますが、いかがですか。
○吉澤説明員 申しわけございません、今先生のお尋ねの趣旨がちょっと聞き取れませんでしたので、もう一度御質問をお願いできますでしょうか。
○谷村委員 つまり、この種の条約の訳文については、関係の省庁によってまちまちの日本語訳ができるおそれがある、こんなことで、外務省の方でそんな作業はしないようにというような、「〝厳命〟」という言葉がこちらの資料にございました けれども、そんなことがある、こういうふうに聞くわけでございますが、そんなことがあるのですか、そういうふうな質問です。
○吉澤説明員 この条約の政府の訳文ということにつきまして、先ほど申し上げたとおり、それを国会に出すまで基本的に政府としてはお出しすることはできないという一般論としてはあると思いますけれども、例えば関係省庁が勉強されるために関係省庁がお訳しになるというようなことを、外務省としてそういうことはするなということを申し上げるということが少なくともこの条約についてあったということは、私は承知しておりません。
○谷村委員 先ほども申し上げますように、もちろん政府はこの条約については非常に消極的な態度をおとりになっておって、採決が先ほど言いますようなコンセンサス採択、こんな言葉が使われておりますが、そんなことにほっとしているというようなことでございまして、これ幸いというようなことでございますけれども、そういう姿勢から見ても私どもは外務省の立場、言い分というものはわかるわけでありますけれども、先ほど指摘しましたように、この外国人労働者権利保護条約というものが今回の外登法と極めて、私どもにとって、議員にとって極めて関心の深い問題である、こういう点を指摘してその資料が欲しい、こういうふうに申し上げているのです。外務省の方は、この条約を批准する際、国会に出すときにしかそんなものは出せないんですと言っておるのですが、それじゃ遅いんだと言っているのです。そんなものは出すべきじゃないか、積極的に出すべきじゃないか、こういうふうに主張しているのですよ。したがいまして、ないとおっしゃっているのですが、委員長、私はないことはないと思うのです。全部英文でやっておるわけないでしょう。その点について、私はやはり今の議案の問題に関係があるから言っているので……
○浜田委員長 谷村委員に確認をいたします。 委員の御要求は、正式な資料として当委員会に和文を提出せよという御要請ですか。
○谷村委員 そうなんです。
○浜田委員長 そうであるとすれば、その要請は私ども理事会で検討させていただきます。 質疑を続けてください。
○谷村委員 それじゃ、その問題、今委員長御集約のとおりにぜひともお願いをしたい。 ただ、一つ聞いておきますが、この条約は外国人労働者に対する人権擁護の重要性を強調しておる。その精神に沿った施策を批准国に求めておるわけであります。しかし、我が国の外国人労働行政の実態を見ますと、この条約の水準とのギャップは非常に大きい。今直ちに批准をして関係国内法を整備することは困難だというふうに私も思いますけれども、将来批准する方向で検討をしているのか。批准するとすれば、いつごろをめどに考えているのか。この際、念のためにお聞きしておきたいというふうに思います。
○吉澤説明員 この条約の移住労働者及びその家族の権利保護を図ろうとする理念そのものは評価できるところであろうと私ども考えておりますけれども、その目的を達成するために必要な限度で既存条約との整合性とかそういった問題を考慮する必要があるということで私どもも主張してきたところでございますけれども、結果的にこういう形で採択されたわけでございます。 これを我が国において締結しようとする場合、移住労働者が国民あるいは移住労働者以外の外国人よりもかえって優遇される結果となって、平等原則との関係で問題を生ずる可能性がないか、あるいは我が国の基本的な労働政策とか出入国管理、選挙、教育、刑事手続、社会保障等の国内のいろいろな制度との関係において問題とならないかといった点を十分慎重に検討する必要がございまして、現在、どういった形で締結し得るのか、あるいは締結のスケジュールというものがどうなるのかといったことについて申し上げられる段階にないということを御理解いただきたいと思います。 なお、この条約は一九九〇年の十二月に採択されたわけでございますけれども、現在に至るまで署各国が二つ、締約している国は一つもないという状況にございます。
○谷村委員 おっしゃるように、この保護条約と日本の国内法の間には相当の差がありますね。先ほどもおっしゃいましたように、出入国、国籍、あるいは社会保障、医療、労働、教育、いずれをとりましても、出入国については余り矛盾しないというふうに新聞ではなっておりますけれども、例えば医療、労働、教育、そういった点についてほとんど国内法との間に大きなギャップがあるということは承知をいたしておりますけれども、いずれにいたしましても、この新聞ではありませんけれども、ともすれば、国連中心と言われているそういう政府の、最近とみにそういう姿勢が強いわけでありますが、この種の問題についても、やはり困難はあっても早くその点については、その方向について賛成をしておる限り批准を早めていくということ、これがやはり国際社会といいますか国際化の時代への対応ではないかというふうに思いますね。外登法等の問題もあり、ぜひ早急な批准というものを考えていただきたい。強くその点は要求しておきたいのでありますが、もう一回答弁をお願いいたしたいと思います。
○吉澤説明員 先ほど御説明いたしました趣旨、また先生からも御指摘あったとおり、この条約の批准に当たっては相当慎重に検討すべきものが多くあるということでございますので、現在のところ、締結のスケジュールといったことについては申し上げられないということで御理解いただきたいと思います。
○谷村委員 スケジュールは申し上げられないと言いながら、取り組んでいるのでしょうね、それは。
○吉澤説明員 先ほど申し上げたとおり、この条約につきましては現在のところ署名している国が二カ国、締約している国はないという状況でございまして、また条約の採択に当たりましても私どももいろいろな問題点を指摘したところでございまして、そうした問題を今後検討していくに当たって、この条約に果たして入ることができるのかどうかということは慎重に検討しなければならない問題であるというふうに考えているところでございます。
○谷村委員 次に進みます。 いわゆる外国人の不法就労の問題で関係省庁にお尋ねしたいのでありますが、法務省入国管理局の調査によりますと、在留期間を超えて滞在する不法残留者が十万人強、そのうち八〇%以上が不法就労していると予測されておるわけですが、簡単に最近の傾向を御説明願いたいと思うのであります。
○高橋政府委員 不法残留者についてのお尋ねでございますが、当局の電算統計に基づく推計によります平成三年五月一日現在の不法残留者は十五万九千八百二十八人でございまして、そのほとんどが不法就労活動を行っているというふうに推認されるところでございます。これは前回の調査時、平成二年七月一日現在、十万六千四百九十七人に比べて五万三千三百三十一人の増加という傾向でございます。
○谷村委員 最近、アジア、南米諸国などで、日本は低賃金、身分保障なしで外国人を働かせておる、都合が悪くなると国外に追っ払う怖い国だ、こういう国際的な批判が我が国に寄せられておる。これは私どもも否めないというふうに思うのであります。不法就労問題をこのまま放置し続けますとそうした批判が一段と高まってくる、こういうふうに外務省の首脳が懸念を表明いたしておるわけでありますが、この点について、外務省から実情を説明願いたいと思うのであります。
○宮下説明員 先ほど法務省の入国管理局長の方からもお話ございましたが、平成三年五月一日現在で約十六万人の不法残留者がいる、このほとんどが不法就労者、例えば工員、土木作業員あるいはホステスというようなことで、単純労働に従事しているのではないかというふうに推定されま す。かかる不法就労外国人につきましては、劣悪な雇用条件あるいは賃金の不払い等の人権にかかわる問題といいますか、そういうものも生じているというようなことが多方面で最近言われ出してきております。 外務省といたしましては、こういう状況がさらに一層進んでいきますと、我が国は外国人労働者を不法あるいは非人道的といいますか、そんな形で受け入れているのではないかというふうな非難がもし生じてくるというようなことであれば、これは非常に憂慮すべきじゃないかということで、懸念といいますか心配をしているところでございます。
○谷村委員 以上のように、外務省の方も大変心配なさっておるということでありまして、私どももその対策は急がれなきゃならぬというふうに思うのであります。政府が外国人労働問題の解明とその対応策を本気になって取り組もうとするなら、その前提として実態を正確に把握していなきゃならぬというふうに思うのです。実態が正確に把握をされないと対応というものは出てこないわけですから、そう思うわけであります。 しかし、この一月に総務庁の行政監察局が公表をいたしました「外国人の就労に関する実態調査結果報告書」によりますと、外国人労働問題が深刻化しているのに、政府全体として就労の実態を全く把握できないことが明らかになった。この報告書で指摘のあった労働省、建設省、通産省、中小企業庁は、この監察局の指摘をどういうふうに受けとめていらっしゃるのか、この指摘に対して今後どういうふうに対応をされようとしておるのか、それぞれ関係者の方から御答弁を願いたいというふうに思います。
○新島説明員 ただいまの御質問でございますが、労働省におきましては、公共職業安定所における窓口等において、事業主から外国人の雇用に関する情報把握を行う、また労働基準監督署においても、臨検監督の場合等において外国人の就労実態について調査を行うという」とで、外国人労働者の就労の実態の把握に努めているところでございます。 しかしながら、合法、不法含めての外国人労働者の実態ということになりますと不法就労者についての把握というのが技術的に非常に困難な問題もあるということでございますので、大がかりな調査はなかなか難しいのじゃないかと思っております。 いずれにいたしましても、外国人労働者の対策を進めていくに当たっては当然基本となることでございますので、労働省といたしましても、今後とも外国人就労の実態の効果的な把握としてどんな方法があるのか、検討を進めてまいりたいと思っております。 〔委員長退席、田辺(広)委員長代理着席〕
○尾見説明員 お尋ねの点でございますが、建設省といたしましては、改正入管法の成立と同時に、建設業界に対して改正入管法の内容等について通達をいたしまして、これをきちっと遵守するようにというふうな指導をしてまいったところでございます。つい最近も通達を新しく出しまして、一層その入管法の遵守をするようにという指導を続けてきたところでございます。 不法就労等の実態把握の問題でございますが、例えば建設工事を直接受注した請負業者を通じて。その実態を把握する方法がないものかというようなことは一つ問題になろうかと思います。ただ、この点につきましては、例えば建設業の場合は重層下請構造というような面がございまして、直接受注した建設業者が必ずしも労働者を雇っていないということで、その下請さらにはその下請の企業が労働者を雇うという形になっております。それから、五十一万という大量の業者数がございますし、労働省の方からの御説明も今ございましたように、就労の実態ということになりますと不法就労の実態ということに事実上なってしまいますので、事柄の性格上なかなか正確なところはわかりにくいという面があるのではないかと思います。 いずれにいたしましても、この不法就労の実態把握が対策の前提であるというのは先生御指摘のとおりでございますので、私どもも法務省、警察庁、労働省など関係省庁とも連携を図りながら、より効果的な方法について勉強していきたいと考えております。
○生田説明員 通産省といたしましても、改正入管法以来、合法的な形での受け入れというものについての指導を十分にやってきたところでございます。 ただ、今後、不法就労も含めてそれをきちんと把握した上での対策、それから今後の制度的な議論等を行う上でも基本的な実態把握というのは非常に重要なものだと認識しております。そういう意味で、関係省庁とも連絡をとりながら今後その充実を図っていきたいというふうに認識しております。
○谷村委員 時間ですから終わります。ありがとうございました。
○田辺(広)委員長代理 御苦労さんでした。 それでは、引き続いて高沢寅男君に質問を許します。
○高沢委員 私は、今の外登法の審議に関連いたしますが、第二次世界大戦の段階において朝鮮人の徴用工あるいは強制連行の人たちを雇用している、その未払い賃金がどうなっているかというようなことを質問をしながら、現に今長崎でその具体的なケースも起きておりますので、それにも触れる形でひとつ質問をいたしたい、こう思う次第であります。 初めに、これは法務大臣にお答えをお願いしたいのでありますが、第二次世界大戦で我が国が朝鮮あるいは韓国、中国、台湾あるいは東南アジア、こういう国々の人たちに非常に大きな被害を与えたわけでありますが、これは具体的に言えば例えば従軍慰安婦というふうな形であらわれたり、あるいは強制連行されて強制労働をさせられたというふうな人たちのケースであったり、あるいは日本へ連れてこられて働いていた朝鮮、韓国の人が広島、長崎の原爆によって被爆をしたというふうな人たちの問題であるとか、また日本軍に徴兵されていてそのために戦死した人、こういうふうな人たちであるとか、数えれば実に多くの被害を受けた人たち、こちらからすれば被害を与えた、そういう人たちがあるわけであります。 これらの人たちに対して、今その関係国の中から、日本はその償いをすべきである、その責任をとるべきであるというような声が最近特に激しく燃え上がっているわけでありますし、また日本の国民の中からも、それは我々日本の戦争の反省の具体的な姿としてそういう人たちに対して謝罪もするあるいはまた償いもするということをすべきだという日本の国内の世論も非常に強く盛り上がっているわけであります。具体的には、我々日本社会党の立場で言いますと、昨年の十二月八日、あの真珠湾の戦争が始まった当日、社会党の田邊委員長がこのことについて演説をやりました。そして、日本はアジアの人たちに対して謝罪をすべきであるし、謝罪をするとすればその裏づけとしてはやはり償いをすべきであるというふうなことも社会党の委員長が党の見解として天下に表明したということもございますが、こういう意見、考え方、主張に対して法務大臣はどういう御所見をお持ちであるか、冒頭にそのことをお尋ねしたいと思います。
○田原国務大臣 高沢先生がただいまおっしゃったような過去の戦争が韓国を初め多くの国々の人々に非常に耐えがたい苦しみを与えたということは、恥ずかしい思いもするし悲しい気持ちでいっぱいですが、今後再びこういうことがあってはならないという気もします。ただ、その後のいわゆる責任、償いとかいう問題になりますと我が省を超えるものがございますので、総理官邸に官房長官が中心になって関係各省を調整してとりまとめておる状況でございますので法務省としてどうするということはお答え申し上げられませんが、私としては非常に苦しい、悲しみに満ちた感じでいっぱいであります。
○高沢委員 今の大臣のお答えでありますが、大臣は、法務大臣であると同時に国務大臣であります、そしてまた大変練達の政治家であります。したがいまして、そういうお立場で、日本の要するに責任の問題というか、償いをすべきであるという問題は、これはまさに日本国民がみんなで負っている責任だと私は思います。そういう日本国民を代表する政治家としてのお立場で、あなたのそれこそ御所見、そこにおのずからあなたの哲学もあるであろうし、そういう責任の観念もあるであろうし、そういうものを、総理官邸がやっているからということでなくて、やはり一回ここでずばりと御所見をお聞きしたい、こういうわけであります。
○田原国務大臣 無責任に勝手なことを言うのは私どうもできない性格でございまして、今私が真情を吐露したように、本当に何十年か前のことだけれども、あの時代は日本が大変思い上がった時代であり、近隣の諸国を初め世界各国の人につらい思いをさせた。これについては国際的な、外交的ないわゆる事務的なものでは解決したものも多々あるでありましょうけれども、人間として見た場合にはまだまだこれからその批判が続くであろう、これに耐えていかなきゃならぬが、同時に二度とこういうことがないようにするとか、また官邸の名前を出すと怒られますが、官邸で取り組んでいることに対して積極的に協力し、推進するという私の個人的立場は国務大臣としてとりたいと思っております。
○高沢委員 それではもうちょっと具体化してお尋ねしたいと思うのですが、この種の問題について今までの日本政府の立場は、それはもう日韓の条約ができております、日中の条約もできておりますというような形で、東南アジアの国ともそれぞれにもうそういう戦後処理の条約はできております、そういう中で賠償問題とか請求権の問題はもう解決済みでありますというのが今までの我が国政府の公式な立場であったわけでありますが、先ほど私が例示で申し上げたそれらのことは、今までそういう協定や条約がある、それでもう済んだんだ、こういうことでいいのかどうか、この辺の大臣の御判断はいかがでしょうか。
○田原国務大臣 私も先ほど国家間の実務的な、事務的なレベルのことでは解決していることが多々あると思うかと申し上げたのはその辺でございます。総理もこの前たしか申していたと思いますが、二国間、多国一遍でなくて二国間ずつやっているわけですから、二国間においていろいろそういう条約その他で解決しているかもしれないが、個人が物を言う権利を奪うのではない、何かそういう意味のことを総理が言っておられたと思いますけれども、私もそうだと思います。
○高沢委員 そういう問題の一つとして従軍慰安婦の問題がありますね。このことで、宮澤総理が韓国を訪問されて非常にそういうことについての陳謝をされた、謝られた。謝られたけれども、そのことに対する償いをこうするという具体的な問題の出し方は宮澤総理はなかったわけですから、今度は韓国の政府側から、政府ですよ、韓国の政府側から日本に対してこの問題はやはり何とかしてもらわなきゃいかぬというようなことも出ているということ、これは大臣も御承知かと思いますが、この韓国のそういう動きについて、これは今度は外務省がおられますね、外務省として韓国が本当に外交ルートで日本政府に対してそういう賠償を求めてくるところまでいくのかどうか、あるいは今のところはそこまでいかないが、韓国政府として強く日本に対しておれたちにはそういう権利があるぞということを言っておられるのかどうか、その辺の状況判断はどうですか。
○武藤説明員 お答え申し上げます。 本年一月に宮澤総理大臣が訪韓されましたとき、二回首脳会談を行いましたけれども、第二回の日韓首脳会談におきまして盧泰愚大統領は、いわゆる従軍慰安婦問題につきまして真相究明に引き続き取り組んでいきたい、その上でしかるべき措置をお願いしたい旨発言されました。現在の韓一国政府の公式見解は、大統領が言われたとおりであるというふうに私ども承知しております。 なお、つけ加えて申し上げますと、これに引き続きます首脳会談の直後に行われました両首脳による共同記者会見におきましても、大統領から、私は挺身隊など過去の問題に対し日本政府がより積極的に真相を究明し、その結果に従って相当の措置を誠実に行うよう要請しましたといった発言がございました。 〔田辺(広)委員長代理退席、星野委員長 代理着席〕
○高沢委員 今の武藤北東アジア課長の御説明の中に、盧泰愚大統領がちゃんとした調査をしてくれ、その調査に基づいて言うならばしかるべき措置を、こう言われたら、そのしかるべき措置という言葉の意味が、これはまあ相手のことですからあなたから今確定的に言えといっても無理でしょうが、しかしこれは極端に言えば、日本政府と韓国政府との間におけるまた何かの賠償要求というような形になり得る可能性があるという性格のものなのかどうか、その辺の判断はどうでしょうか。
○武藤説明員 盧泰愚大統領がしかるべき措置と言われた内容について、私ども推測する立場にはございませんけれども、いずれにいたしましても法的には、先ほど先生もおっしゃいましたとおり日韓間では六五年の日韓請求権経済協力協定によりまして、御指摘の問題も含めまして日韓両国及び日韓両国民間の財産請求権の問題は、政府間の問題としては完全かつ最終的に決着済みということでございます。
○高沢委員 なおもうちょっと進めますと、このことについての国会のやりとりの中で渡辺外務大臣は、この件については何らかの措置は必要だと思うという言い方をされているわけですね。これは、外務大臣だから当然といえばそうでしょうけれども、やはり恐らく渡辺さんという政治家の立場から、外務省の役人の人たちのあれを乗り越える形で渡辺大臣の何らかの措置が必要だ、こういう発言があったかと私は思いますが、この辺の渡辺大臣の発言なり態度というものについて、法務大臣、同じ国務大臣としていかがお考えでしょうか。
○田原国務大臣 渡辺大臣は副総理でありまして、私たちから相当見上げるようなところにおられるし、渡辺大臣が通産大臣をしておるときに政務次官をやったりしたものですから、恐れ多くてとても気になって御批判など申し上げる立場にはございませんが、渡辺さんらしい表現をされたと思っております。
○高沢委員 武藤課長にお尋ねしますが、とにかくあなたの上司で参る外務大臣が何らかの措置という言い方をされたとき、あなた方はその何らかの措置とは一体どういうことになるのか、どういうことにするのかというようなことを大体省内で協議されていますか。どうですか。
○武藤説明員 渡辺大臣が国会等の場におきましていわゆる従軍慰安婦の問題について、申しわけないという気持ちが目に見える形で何かするのが政治ではないかといった趣旨の御発言をされましたことは事実でございますし、私どももそれは十分承知しております。これは大臣が政治家としてみずからの心情を述べられたものだというふうに私ども考えておりますけれども、これについて現時点で事務当局としてあれこれ申し上げることは差し控えさせていただきたいと思います。
○高沢委員 じゃ、これはここまでにして、いずれ機会を改めてまた大臣にいろいろお聞きすることがあろうかと思いますが、次に行きたいと思います。 ここに資料がありますが、昭和二十一年の十月十二日に当時の厚生省労政局長、こういう名前で、しかしこれはその後労働省へ移された、こういうふうに聞いているわけでありますが、その局長名で「朝鮮人労務者等に対する未払金その他に関する件」こういう通牒が各地方長官あてに、その当時は日本はまだ都道府県の知事は公選になってないからいわゆる官選の知事の時代、そういう知事さんにあてて通牒が出されたということであ ります。その通牒の内容は、要するに戦争が終わるまで日本の企業で朝鮮人の労務者が働いていた。そして、その人たちに対する、帰国してしまったとか等々の状況の中で、払うべき賃金でまだ払ってない未払い賃金であるとかまた出すべき退職金であるとか、あるいはそういう人たちに強制的に貯金をさせたそういう貯金の払い戻しであるとか等々、そういうものの扱いを、これをひと つ供託の措置をとるように、それぞれのそういう人たちを使っていた事業所に対して指導するように、こういうふうな通達が出されたわけでありますが、この通達が出されたということについて、今度は労働省になりますが、その当時どういう状況、またどういう目的を持ってこの通牒を出されたと認識されているか、御説明を願います。
○朝原説明員 お答えさせていただきます。 当時、非常に日本も戦後の混乱期にございました。また、韓国あるいは朝鮮の方に御帰国するというようなことで、そういう外国人、特に朝鮮人の方々についてどこにいらっしゃるかというようなことは非常に難しい状況にあったわけでございます。そういうようなことから、もし居場所等がなかなかわからないというような場合については供託という手段によってそういうふうな賃金債権をきちんとしておくようにということでこのような通達がなされたというふうに理解しております。
○高沢委員 この通牒の中にこうい三言葉もあるのですね。「追って本件供託事務については、司法省民事局長と打合せ済につき念の為申添へる。」この場合の司法省というのは今は法務省ですね、法務省の民事局長。この当時、今の労働省の労政局長からこういう通達が出された。出すに当たって法務省の民事局長に協議があった、打ち合わせがあったということ、これは法務省としては今そのことをどういうふうに掌握されておりますか。
○清水(湛)政府委員 お答えいたします。 民法の規定によりますと、債権者の居所が不明であるとかあるいは債権者が債権を受領することができないというような場合には弁済供託をすることが一般的に認められているわけでございまして、これは現在そも労働者の賃金を支払うことができない、居所不明あるいは受領不能等によって支払うことができないという場合には供託することができるわけでございますけれども、そういうような一般的な民法の供託の規定によって供託をすることとしてよろしいかということに対しまして、法務省の方ではそれは差し支えないことであるという御返事を差し上げた、こういうふうに承知をいたしておるわけでございます。
○高沢委員 そういう場合に、支払うべき相手がとりあえずいないというような状況でそういう供託をするというときに、こういう供託はしてあるよということを相手に知らせて、相手が、じゃ、自分の取り分が行けばもらえるというふうなことで手続をとってその分を受領するというふうにさせて初めて弁済が成り立つわけですね。そういうときの供託をした相手の人に対してこういうふうに供託してあるよということを通告する義務というか責任というか、これはどんなふうになるのですか。
○清水(湛)政府委員 もともと居所がわからないということで供託されたものでございますので、当時の供託所としてはこういう供託がされたということを通知することができなかった。つまり、そういう場合には通知をする必要がないという扱いに現在なっているわけでございます。
○高沢委員 それから、この通達の中には、そうやって事業主が供託の手続をとった場合は、その供託書の番号とか供託の年月日、供託した場所の名前、受取人の氏名、受取人の本籍地とか、雇用、解雇の時期、解雇の事由、未払い金の内訳などなどを記載した報告書を地方長官に三部出しなさいということが書いてあるわけです。この三部出しなさいということの意味というかねらいというか、これはどういうことでこういう条件がつけられたのか、これはどうでしょうか。
○朝原説明員 三部なぜ提出させたかということについて必ずしもはっきりした当時の資料等は残っておりませんけれども、推測の域は出ませんけれども、そういうふうな状況について、当時未払い賃金について所掌しておった地方長官がしっかりそれらのことについて把握しておくということでなかったかと考えております。
○高沢委員 なぜ三部がということで、これは労働省からの御説明あるいは法務省からの御説明では、三部という中の二部はこれを本省の方へ送りなさい、一部は県庁に保管しておきなさいというふうな意味で三部、こういうことであったと聞くのですが、本省へ送られてきた二部というものが今労働省に、何々県から来たもの、何々県から来たものという書類というものがあるのかどうか。それからもう一つは、今度は各都道府県に一部ずつは残されていたはずであるわけですが、そういうものが今でもある、こういう都道府県があるのかどうか、この辺の現状はどうですか。
○朝原説明員 お答えいたします。 実は、その件につきまして平成二年十二月に大学の図書館において未払い賃金の供託名簿が発見されたというようなことで新聞報道がなされまして、そういうことを踏まえまして平成三年二月に、賃金の未払い問題を所管いたします労働省労働基準局及び都道府県労働基準局、この地方事務というのは、その後労働省ができまして都道府県に労働基準局ができた際に移管されておりますので、この労働基準局において関係資料の存否について調査いたしましたけれども、今までのところ発見されなかったということでございます。
○高沢委員 念を押しますが、要するにどこにもそういうものは発見されなかった、こういうことですか。
○朝原説明員 そのとおりでございます。
○高沢委員 そうすると、その当時といえば今から四十年以上前の話になりますけれども、確かにそういう文書が本省へ送られてきたはずであるし、確かにそういうものが各県庁にその段階ではあったはずでありますが、それが今どこにもない、一つもない、こういうことになっているのは一体どういうわけでしょうか。その理由はどんなふうに考えますか。
○朝原説明員 一つは、当時労働省ができまして、その際文書の移管等が行われたわけでございますが、そのときの県から都道府県労働基準局への移管あるいは厚生省から労働省への移管の際の問題があったかと思います。 それともう一つ、しっかり移管されたといたしましても、通常、文書の保存年限というものがございまして、これらの書類については長くても十年というふうなことでございまして、そういうことから当時の文書については現存していないというふうに考えております。
○高沢委員 今のお話では十年たてばそういう文書は整理していいというふうな立場でのお答えがあったわけですが、それに関連しますけれども、今度は、昭和三十三年にこれは法務省の民事局長の心得通達というものが出ておりまして、こういう朝鮮人労働者に対する未払い賃金等の供託書類、これが十年の時効の過ぎた後もその金を国庫へ納付するとかあるいはその書類を整理してしまうとかいうふうなことはしてはいけません、こういう当時の法務省の民事局長心得通達というのが出ているわけでありますが、これはどういう目的、どういうねらいでこういう通達を出されたのか、それをお聞きします。
○清水(湛)政府委員 当時の朝鮮人労務者の未払い賃金の供託というのは、一般の、例えば現在の会社の社員の賃金の供託と同じような弁済供託という形でされるわけでございます。このような供託金につきましては、民法の規定によりまして、供託のときから十年たちますと、十年間供託金の還付請求がありませんと、時効によって消滅をする、これは民法の規定によって消滅するという解釈がされているわけでございまして、この解釈は現在も変わってないわけでございます。 ところが、そういうことになりますと、この問題の供託というのは十年たちますとすべて国庫に 入れるということができるわけでございます。しかしながら、昭和二十七年に平和条約というものが締結されまして、その平和条約の四条だと思いますけれども、その四条の中で、朝鮮とかそういう関係者の関係の請求権については特別に取り決めをする、それによって処理をするということにされたわけでございます。そういたしますと、十年たてば、例えば会計法の債権ですと五年たちますと当然絶対的に消滅しますけれども、民法の規定による時効消滅でございますので、時効で消滅させるためには、日本政府の方でこれは時効によって消滅したということを援用するという行為がありませんと時効によって消滅するということにはならないわけでございまして、そういうような平和条約の関係がございましたので、援用するかどうかということを暫時留保するということで、とりあえず十年間によって、時効によって消滅したという見解はもう変える余地はないけれども、これを援用して歳入納付をするかどうかということについては請求権についての特別取り決めが確定するまで待とうということで、当時この通達が出されたというふうに私どもは理解しているわけでございます。
○高沢委員 今の清水局長の御説明でありますが、これは対日平和条約の第四条の中の条項をもとにして御説明になったと思います。そうすると、つまりこの平和条約第四条は、例えば韓国の人が日本に対して持っている請求権、そういうものを処理するには、相手の韓国と日本との二国間の協定に基づいて処理しなさいというようなことがこの平和条約の第四条にあるわけですね。だから、中国人が日本に対して持っている請求権処理は日中の条約の中で処理する、韓国の人は日韓の条約で処理する、こういうようなことになるわけだと思います。そして、その後、現実に昭和四十年に日韓条約が結ばれて、請求権の協定もできた、となれば、今やもうこの時効になった供託の関係はもはや国庫納付していいという条件が整った、こういうふうに見てもいいわけでしょうか。この辺、どうでしょう。
○清水(湛)政府委員 御指摘のように、昭和四十年の日韓請求権協定によりまして、韓国民の日本国に対する請求権、これは供託金の還付請求権は日本国に対する請求権になるわけでございますけれども、これは放棄されたわけでございます。そして、さらにそういう請求権協定を踏まえまして、協定第二条の実施に伴う大韓民国等の財産権に対する措置に関する法律という法律までつくられまして、そういう韓国民の還付請求権はもうないということが国内法においても明定されたという経緯があるわけでございます。 ただ、そこで私ども一つ問題になると考えますのは、韓国との間にはこのようなことでございますから韓国民が請求権を行使することはあり得ないわけでございますけれども、北朝鮮との関係においてどうなるかという問題が残されておる。このことは必ずしも定かではございませんけれども、そういう問題があるのではないかということと、それから被供託者として掲げられておられる方が韓国の方なのか北朝鮮の方なのか、もし韓国、北朝鮮ということを区別するということになりますと、果たしてその方は韓国の方なのか、いわゆる北朝鮮の方なのかということについては判別資料は何もございませんので、現在のところそのまま供託を持続させるという措置と申しますか、特段の措置をとらないということにいたしておるというのが現状でございます。
○高沢委員 今のお答えに関連して幾つかお聞きしたいのですが、一つは北朝鮮の関係ですね。今、現に日朝の国交の交渉が行われているわけでありまして、したがってあの交渉の中で、私はいずれ妥結すると思いますが、その妥結に至る過程で北朝鮮側からこういう請求権は一体どうするんだということは、必ず今度は日本政府に対して、日本の代表団に対してそういう問題の提起が出てくるのじゃないかという感じがします、これは外務省にお聞きしますけれども。日本と北朝鮮の交渉の中で、今のところはまだそういう問題は出ていないということですか、もう出ているのですか、どうでしょうか。
○武藤説明員 お答え申し上げます。 日朝国交正常化交渉におきまして、経済的な問題につきましては現在北朝鮮側と話し合っているところでございますけれども、現在までのところ先生御指摘のような点についてまで議論は至っていないということでございます。
○高沢委員 私の理解するところでは、北朝鮮側は、戦争終了まで日本が朝鮮を植民地として支配していたそのころに対する賠償、それから今度は第二次大戦後今日までのいろいろの日本と北朝鮮との関係に伴う償いというような両面の立場の主張が北朝鮮側はある、こう私は承知しているわけでありますが、この問題も戦争が終了するまでの間のことにも関連するわけですね。今までのところはまだ具体的に北朝鮮側から出ていないというふうにさっきは言われましたけれども、これから出る可能性は、武藤課長、どう考えますか。
○武藤説明員 北朝鮮との国交正常化交渉におきまして経済的諸問題の交渉の状況でございますけれども、現状は、日本側から、これは財産、請求権として処理すべき問題であるということを御説明いたしまして、こういった形で処理するためにはどういった事実について請求するのか、その根拠となるものは何か、法律的な根拠は何かということを示していただきたいということをお願いしているところでございます。現在までのところ、私どもこういった点について十分御説明いただいていないわけでございますので、それ以上の問題についてまだなかなか今突っ込んで議論できないという状況でございます。
○高沢委員 では、この問題は今後の問題ということでわかりました。 武藤課長、今度は、日韓の請求権協定によって、供託されたものの請求権ということもこれでもうなしにした、こういう清水局長の先ほどの御説明ですが、しかしこの日韓請求権協定のときにこれらの問題に触れて、例えば徴用された朝鮮人労働者の未払い賃金はどうだとか、それはもうなしにしましょうとか、日韓協定のときにその種のことに触れた話し合いがあって、それでもうなしというふうな合意になったのかどうか、これはどうですか。
○武藤説明員 お答え申し上げます。 韓国人労働者に対する未払い賃金の問題を含めまして日韓間の財産、請求権の問題は、六五年の日韓請求権経済協力協定により完全かつ最終的に解決済みということでございます。韓国側から対日請求要綱、いわゆる八項目と言われるものでございますけれども、これが出されておりまして、完全かつ最終的に解決済みの内容でございますけれども、この八項目に含まれるもの、また含まれないもの、すべて解決済みということでございます。 なお、被徴用者韓国人未収金の問題につきましては、対日請求要綱八項目の中の第五項に含まれておりまして、そういった見地からもこれで解決されているということは明らかだろうと思います。
○高沢委員 先ほどの清水局長の御説明の中で、この人は韓国なのかあるいはこの人は北朝鮮なのかという識別が非常に複雑で難しい。確かに、日本にいる在日の人たちの中でも朝鮮という国籍を持っている人もいる、韓国の国籍を持っている人もいる。だけれども、朝鮮という国籍を持っている人も、よく聞いてみると出身は南朝鮮だという人が非常に多いという状況の中で、そういう関係者の朝鮮人、韓国人、こちらは韓国だ、こちらは朝鮮だという識別は現実には非常に難しい、私はこんなふうに思います。そういう難しいということを考慮してこの供託問題の処理はなおそのままにして保留しているとさっき局長のお話がありましたが、そういうふうに理解していいですか。もう一度御説明願います。
○清水(湛)政府委員 昭和四十年の日韓請求権協定というのが、要するに現在の韓国だけの範囲に限定された協定であるということになりますと、 朝鮮半島のその余の分の問題は積み残されることになるのではないか、こういう問題意識から私ども残しているわけでございますけれども、実際問題といたしましても、先生先ほど御指摘のようにどちらかわからない、私ども調べたわけではございませんけれども、一、二当たってみますとそれはわからないというのは正直言ってそのとおりでございますので、現在のところはそのままにせざるを得ないと考えているわけでございます。
○高沢委員 その点はよくわかりました。もっとも、この点はまた後でちょっと触れることになりますが、一応次に進みます。 それで次に、一九九〇年に韓国政府から要請があって、日本政府は強制連行されてきた朝鮮人の名簿の調査をする、そのことを一昨年の五月二十九日の閣議で決定をされた。そして、その調査の作業に取り組みをされて今日に至っておる。その調査の中心のあれは労働省がおやりになるということも申し合わせされている、こう聞いているわけですが、労働省、その復そういう強制連行の人たちの調査で今までにどの程度のことがわかったのか。向こうの要請で始めたわけですから、それを韓国の政府に報告するというか通告するというか、そういうことも当然必要になるかと思いますが、そういうふうなことは今までにどういうふうにされてきたのか、現状を説明してください。
○朝原説明員 いわゆる朝鮮人徴用者にかかわる名簿の調査ということでございまして、これにつきまして労働省といたしましても調査していったわけでございます。調査範囲としましては、都道府県あるいは公共職業安定所等を中心にやっていったわけでございます。ただ、これに基づきましての調査の結果自体は、私どもの職業安定局の方でやっておりまして、今ちょっと手元に資料を持ち合わせてございませんので、そのことにつきましては今はお答えは控えさせていただきたいと思います。
○高沢委員 では、今言われた、ここでは説明できないという資料は、また別途私の方へ説明をお願いしたいと思います。 ただ、ある程度まとまったものを韓国政府に対して、このくらいありましたよということを報告というか通告をされたやに聞いておりますが、その辺はどうですか。
○武藤説明員 お答え申し上げます。 一昨年五月の盧泰愚大統領訪日時の日韓外相会談におきまして、韓国側より、終戦前に徴用された方の名簿の入手について協力要請がございまして、これに日本政府として協力をすることを受けまして、労働省が中心となって調査を行ったわけでございます。その結果、昨年三月、調査によって存在が確認されました九万八百余名分の名簿を韓国側に引き渡しました。
○高沢委員 戦争中に日本へ連れてこられた朝鮮人の数は百何十万というふうに伝えられているわけですが、今のお話ではその中でとりあえず九万という報告ですけれども、これはまだまだですね。これからそういう調査を当然続けて、より多くこの名簿を見つけていかなければいかぬということだと思いますが、今後さらに進めて調べていくというのは労働省が中心でしょうから、これからのやり方はどんなふうにやっていくというふうなプランを持っておられるか、お考えを持っておられるか、労働省の立場をお聞きしたいと思います。
○朝原説明員 先ほど外務省の方がおっしゃられたように九万人というような調査結果が出ておりますけれども、引き続きまして労働省といたしましてはその調査を続けていくということで考えております。まだその結果等についてはまとまった数字はありませんが、今現在もそういうふうな調査は引き続き行っているということでございます。
○高沢委員 先ほど私は、昭和二十一年に当時の厚生省の労政局長から出された通達の中で三部の報告を二部は本省に置きなさい、一部は都道府県の県庁に置きなさいと言っているけれどもそれは今どうなっているんだと聞いたら、一切ない、そういうものは今一つも見つからないというような報告であったわけですが、こういうものがあれば、その中に供託をして、相手の朝鮮の人、当時は朝鮮の人もみんな日本名を名のっていることが多かったからそうでしょうけれども、それにしても、だれだれ、だれだれ、だれだれ、それは幾ら、幾ら、幾らというものがあればちゃんと資料が発見されるということになったと私は思います。そういうものが一つもなかった。しかし、これからさらに調査を進めますということになりますと、どういうところへ、どういう方法で調査をされるお考えか、これを説明してください。なるほど、そういうやり方ならある程度見つかるだろうとわかるような説明を願いたいと思います。
○朝原説明員 先生の御質問でございますけれども、我々としてもどこにあるかということがわかっていれば非常にわかりやすいのですけれども、実際どこにあるかということがわからない中で調査するということでございまして、非常に難しい状況にありまして、先ほど言いましたように、今までのところは九万人ほどについて判明したという状況なわけでございます。そういう状況ではございますけれども、これぞということはなかなか言えませんけれども、地道に我々といたしましても、この問題につきます国民世論等の高まりあるいは関心の高まり等の中で、こういう強制的に連れてこられた労働者の名簿等についてさらに新たな発見が出てくるのではないかと考えておるところでございます。
○高沢委員 私が労働省に教えてあげると言っては大変失礼かもしれませんが、こういう方法はどうなんですか。戦争中に朝鮮人徴用工を使っていた会社、企業はどれとどれとどれか、これは恐らくわかるでしょうから、そういうところが名簿を持っているとすれば、持っているはずなんでおって、そういうところに照会されて、戦争中の朝鮮人の労務者を使った名簿を出しなさい、資料を出しなさいということはできるのじゃないですか。 それからもう一つは、日本でもそういう問題に非常に熱心に取り組んでいる個人や団体がありまして、そういう人たちがどことこへ行ってこういう資料を見つけた、どこどこを探したらこういう名簿が見つかったというような形で随分、言うならばボランティアの形で、あるいは別な言葉でNGOと言っていいのかな、そういう運動をしている人が非常にたくさんありますね。労働省はそういう人たちに協力を求めて、教えてくれ、資料を提供してほしいというような形で求めるのも一つの方法じゃないですか。どうですか。
○朝原説明員 関係のありそうな企業については前回の調査でもいろいろお聞きしたところでございます。今先生がおっしゃられたそういうふうな団体等を通じてのいろいろな情報提供がありましたら、我々としては十分そういうものを受けてさらにその実態について明らかにしていきたいと思っております。
○高沢委員 もう一つの方法は、さっき清水局長から、朝鮮、韓国のいろいろな状況を考慮して、既に十年の時効が済んだ、本来ならば国庫へ納付すべき供託についてもそういう措置はとらないでなお留保しているというお話がありましたが、そういたしますと、供託を受けた全国の法務局を調査されて、法務局がなおそういう資料を持っている、その法務局の持っている資料を収集されることも最も有力な調査の方法としてあるのじゃないかと私は思いますが、これは労働省、法務省が協力されればそういうものが出てくるのじゃないですか。どうでしょう。
○清水(湛)政府委員 これは先ほど来答弁しておりますように、普通の弁済供託という形でされたものでございまして、現実には年間六十万件の供託があり六十万件の還付がある、常時数百万の供託案件がある、こういうことになっているわけでございます。そういう状況の中で具体的にその一々をチェックするということは非常に難しい問題がありますとともに、もう一つは、これはいささか形式論かもしれませんけれども、供託書というのは利害関係人、つまりその供託金還付請求権を差し押さえようとする者とか、供託金について 相続人として還付を受けようとする者とか、いわば銀行預金と同じような性格を持つものでございますので、そういう法律的な意味での利害関係を有する者にしか見せられないというようなことになっているわけでございまして、供託関係を通じて調査をするということは非常に難しいことではないかと私どもは今のところ考えているわけでございます。
○高沢委員 清水局長の答弁ですが、これはちょっといただけない。大体この種の供託は、昭和二十一年、二十二年、二十三年、あのころのタイミングで供託されているわけです。ですから、そういう年に限って供託された件数を調べるということはそんなに困難なことじゃないと思うし、その供託がいずれもだれに幾ら、だれに幾らというような関係がちゃんと中身もある供託として出されているわけですから、それを調べるということをやれば、少なくも法務局で、もうそんな資料はありませんと言う法務局ならいざ知らず、法務局によってちゃんとありますと言う法務局があるわけですから、そういうところを調べることは十分可能であると私は思います。 それから、今個人関係、権利関係に絡むからとおっしゃるけれども、この場合は国がやる調査ですから、政府がやる調査ですから、したがって政府の機関である法務省法務局にそういう資料の提供を求める。この場合には供託をした企業と相手の朝鮮人、韓国人との権利関係ということになるわけですから、そこへだれか第三者がしゃしゃり込んできてその権利をとってしまうというようなこともあり得ないケースですから、これはそこをちゃんと調査されるのが一番確実な道じゃないかと思うのですが、どうでしょう。
○清水(湛)政府委員 私ども一、二そういう例をたまたまわかっているものについて見たこともあるわけでございますけれども、日本名のものもかなりたくさんございますし、果たして正確な事実をそれによって掌握することができるのかどうか。それから、私ども聞くところによりますと、供託後に未払い賃金、当時の供託額は一人について数十円というような供託金額でございますけれども、これの還付を受けた方もかなりおられるということでございまして、そういうものが果たして正確な数字をあらわし得るものであるかどうかということについてもやはり問題があるのではないか。そういうようなことを考えますと、先生の御指摘ですから研究はいたしますけれども、なかなか難しい話ではないのかなというふうに思っておる次第でございます。
○高沢委員 次へ進まなければいけませんが、じゃ、もう一回だけ言っておきます。 朝鮮の人で日本名を名のった人は、例えば金さんは金山さんとか金本さんとか、朴さんは新井さんとか大体決まった名前の名のり方をしているケースが多いのですよ、そうでない人もあるかもしれませんが。ですから、名前が日本名だから判別はできないということだけではこれは通らないことなのであって、そしてその当時に供託されたものと見れば、大体中身は朝鮮人の労働者対象の供託なのですから、大体これは皆朝鮮の人、韓国の人、こういうふうに見て私は間違いないと思っております。そういう意味で、既に還付されたものがあったとしてもそれならその還付された人の名前がわかるわけだし、まだ還付してないものはしてないものでその名前や金額があるわけですから、それを調べるということはぜひひとつやってもらいたい、やるべきだ、こういうことを要望として申し上げます。 次へ進みますが、きょう本来お尋ねしたかったことは、これに関連して三菱重工の長崎造船所で働いていた金さんという韓国の人、この人から実はこの供託に関連し三菱重工に対して自分の未払い賃金の請求が出されているということに関連して、あとお尋ねをしたいと思います。 この金さんという方は、金順吉、韓国読みにすればキム・スンギルという人だそうですが、この人が徴用工として昭和二十年の一月から八月まで長崎の造船所で働いた。そして、長崎に原爆が落とされて、この人のいた場所は爆心地から遠かったから幸い重大な障害は受けなくて、そしてもうおれは帰ろうということで韓国へ帰ったそうです この人が昨年の夏長崎へやってきて、三菱重工に対して、私の未払い賃金があるわけだがそれをひとつ払ってくれというふうに申し込んできた。それに対して三菱重工長崎造船所では、それはあなたの分も含めてそういう朝鮮の人のものは全部昭和二十三年に供託しました、供託したからもう我が社としては関係ないのだ、この件は済んでいるのだ、こういうふうに会社は答えるというやりとりから事が始まったわけですが、この金さんは韓国の釜山にいる人だそうです。したがって、しょっちゅう日本に来るわけにいかないから、それで長崎造船所の労働組合にこの交渉の権利を委任したということでもって、後この労働組合がいろいろ会社側あるいは法務局あるいは県庁とやっておるということであります。 供託したということに対してそれを確認しなければいかぬというので、造船の労働組合が昭和二十一年通達では各地方長官のところへ一部残すということになっているから、そういう供託の資料がありますかと言って県庁へ行ったら、もう県庁にはありません。それから、法務局へ行ったら、長崎の法務局では、そういう資料はないという言い方あるいは見せられないという言い方あるいは既にそういう資料を廃棄したという言い方、何かいろいろの言い方で答えているらしい。要するに、ないというふうに長崎の法務局では言っているということであります。それから、会社側もその供託の件を法務局へ聞きに行ったが、法務局ではその供託の番号、ナンバーを言わなければ何も見せられないと答えられたというのですね。 そこで、まことに奇怪なことでありますが、三菱重工長崎造船所が本当に供託したとすれば、その供託書の正本は長崎造船所の会社が持っておるわけです。それで、法務局にはその副本があるわけですね。したがって、副本のあるなしは別として、まず本来持っているべき第一義的責任者である長崎造船所がその大事な正本の供託の書類がない、こういう状況にあるわけですが、これは三菱ほどの、三菱ともあろうものがそういう大事な書類が今ないというふうなことを、ああそうですか、ないですかということでは到底済まないことだと私は思うのですが、この辺は法務省にお聞きしたらいいのか、やはり法務省でしょうな。今ないというこのことを一体どう考えたらいいのか、お聞きしたいと思います。 〔星野委員長代理退席、委員長着席〕
○清水(湛)政府委員 御指摘のように、長崎の法務局に金順吉さんという方の供託があるかどうかというお尋ねがあったということでございます。そこで、現地の法務局でいろいろ調査をしてみたわけでございますが、金順吉さんを被供託者とする供託書副本は発見することができなかった、見当たらなかったというふうに私どもは報告を受けているわけでございます。 もし、本当に三菱重工長崎造船所が供託をしているということであれば、先生御指摘のように供託書正本はそちらにあるはずだということになるわけでございますけれども、これは三菱重工株式会社の内部の問題でございますので私どもとしてはどういうことなのかちょっとわかりませんけれども、果たして供託がされたのかどうか、私どもの方からいたしますと、供託書副本がございませんのでこの点についてはないという事実だけをお答えすることしかできない、こういうのが現在の実情でございます。
○高沢委員 これは、同じ三菱で広島にも造船所があるのですね。それで、広島の三菱の造船所は同じ時期に同じように朝鮮人の労働者の未払い賃金などを広島の法務局へ供託したというわけですが、広島でそういう供託の資料があるかどうか、この間、事前のあれでは法務省からはそれはあるというお答えでありましたが、もう一度ここで広島の状況を御説明ください。
○清水(湛)政府委員 広島法務局には三菱重工新式会社がした供託がございます。たしかこれは昭和四十九年でございますか、三菱重工広島造船所自身が、これは御本人は供託者でございますので当然そういう供託関係の書類を閲覧することができるわけでございますが、閲覧をしたという事実がございます。
○高沢委員 同じ三菱で広島はある、長崎はない。このことを考えるときに、一つの私の仮定の考えですが、そもそも供託したと言っているけれども、しなかったのではないのか。しなかったのならあるはずがない。そして、しなかったのにしたと言っているのではないのか、こんなことが一つのケースとして考えられる。 それから第二のケースは、供託はしたけれども、何らかの理由で長崎の法務局が供託の金を国庫へ納入してしまったのか、それに関連して供託の書類を廃棄してしまったのかというふうなことで今長崎法務局にありません、こうなっているのかどうかですね。 それから第三は、十年の時効になる前に三菱が長崎の法務局へ一たん供託したのを、あれはもうやめた、返してくれ、取り下げというのか取り戻しというのか、そういうふうなことをやったのか、それで法務局には今は何もないということになっているのかな。こんなふうに、一のケース、二のケース、三のケースでそれを考えてみたわけですが、私は素人ですが、そういうケースの考え方はどうかな。法務省は専門家としてどうお考えですか。
○清水(湛)政府委員 これは本当に仮定の事実で、理論的な可能性としてお答えするしかないというふうに思うのでございますけれども、供託がなければ供託書副本がないのはこれは当たり前ということになろうかと思います。あるいは、供託はあったけれども、法務局の方でこれは時効だということで処理をしてしまったということも、それは全くあり得ないことではないのかなというような感じは、それはしないわけではございません。しかし、これはまことに古い話でございまして、現在の長崎の地方法務局の責任者としては、関係書類を調査したところ見当たらない、これだけが責任を持って言える事実であるということでございますので、その事実を超えていろいろ想像を交えて申し上げることは、ちょっと現段階においては差し控えさしていただきたいというふうに私ども思う次第でございます。
○高沢委員 それじゃ、先ほど三菱は広島ではちゃんとやって広島には資料があるということが確認されました。 ではもう一つ。同じ長崎で戦争中に朝鮮人の労働者を使っていたという企業はほかにあるわけですね。川南造船とかあるいは高島炭鉱とか、そういうものが長崎にあるわけだから、そういう企業、会社は朝鮮人労働者の未払い賃金のそういう供託をしているかどうか。その資料は今でも長崎法務局にあるのかどうか。私は、これは一回法務省で、今ここでお答えをもらえれば一番いいんだけれども、もしそうでなければまた改めて調べてお答えをいただきたいと思うんです。もし、そういうところはちゃんとしている、しかし三菱はしていないということになると、どうも初めからしなかったんじゃないかというふうな感じにもなるわけですが、この辺のところはどうでしょうか。
○清水(湛)政府委員 私ども、三菱重工以外にどういう会社が供託をしたかということについては現在資料を持ち合わせておりませんので、答弁は現段階ではちょっと留保させていただきたいと思います。
○高沢委員 それは結構です。今ここでの質問ですから、後で調べていただいて、そのことのわかった結果をまた教えていただきたい、連絡していただきたい、こう思います。 それで、そうなってまいりますと、供託をしたかしないかは一応別として、請求権者である金順吉さんからすれば、自分の受け取るべき権利のあるそういう請求権はあるんだ、だけれどもとにかく今まで受け取っていないというふうになりますと、これをとにかく私はもらいたい、請求するというときに、請求の相手はその供託を受けた国であるのか供託をすべきであった三菱重工であるのか、この辺は裁判の関係からするとどっちになるんでしょう。
○清水(湛)政府委員 供託の事実があったという前提をとりますと、金順吉さんは国に対して還付請求をするということになるわけでございますが、この点については先ほど来御答弁申し上げておりますように時効によって消滅し、かつ四十年の請求権協定によって、韓国の方のようでございますから絶対的に消滅をしているということでございますのでもう既にその請求権を行使することができない、こういうことになろうかと思います。 それから、供託をしていないということになりますと、三菱重工に対して未払い賃金の支払い請求をするということになろうかと思いますが、これについても恐らく時効の問題が生じ、かつ先ほど来申し上げておりますような日韓請求権協定によって韓国民の日本国民に対する請求権は放棄され、またそれに基づく国内法によってそういう権利が消滅しているということになろうかと思います。これは、三菱重工と金順吉さんの関係について私どもが申し上げるべきことでは広いかもしれませんけれども、そういうふうなことになるのではないかというふうに思います。国に対する関係においては請求権は絶対的に消滅している、このことについてはもう争う余地がないというふうに思う次第でございます。
○高沢委員 請求権者の金順吉さんからすれば、供託をしたという三菱重工がそれを立証する大事な大事な書類を持ってない、しかも先ほども言いました三菱ほどの大企業、ちゃんとした事務の体系の整っておる会社がそれを証明する資料を持っていないということは、供託しなかったという認定もできるし、供託をしたにしてもそれを証明するものを失ったということはやはり三菱重工の大きな責任である、当然そういうことになろうかと私は思います。そういう点において、その場合には金さんから三菱重工に対して支払いの請求を提起する、裁判の提起もしたいというふうに言っておられるようでありますが、いずれそういう展開になるかもしれませんが、私はそういうことになろうかと思うのでありますが、そのときに、さっきの局長の説明では、日本国民に対しての請求権も既にないんだから、もう金さんはそういうことを三菱に対して提起する根拠というか権限もないんだ、こういうふうな御説明であったように聞きますが、そう理解していいのか。あるいは権利があったにしても、もう時間が四十年以上たっている、だから時効で、この請求は時効によっても請求できないというような意味も含めて何かお答えがあったような気がしますが、それはそういうことなんでしょうか。どうですか。
○武藤説明員 お答え申し上げます。 六五年の日韓請求権・経済協力協定第二条一項は、日韓両国及び両国国民間の財産、請求権問題は完全かっ最終的に解決したことを確認しておりますけれども、この規定は、日韓両国国民間の財産、請求権問題については日韓両国が国家として有している外交保護権を相互に放棄したことを確認するものでございまして、いわゆる個人の財産、請求権そのものを国内法的な意味で消滅させているものではございません。同協定におきましては、第二条三項におきまして、一方の締約国及びその国民の財産、権利及び利益であって同協定の署名の日に他方の締約国の管轄のもとにあるものに対してとられる措置については今後いかなる主張もなされないと規定しておりますけれども、これを換言いたしますと、同協定の対象となっているこれらの財産、権利及び利益について具体的にいかなる措置をとるかについては他方の締約国の決定にゆだねられることを意味しております。 同規定を受けまして、我が国は韓国及び韓国国民に係る財産、権利及び利益につき国内法を制定して処理してまいりました。
○高沢委員 私、素人だから、今の武藤課長の説明は、いろいろ言ったけれども、要するに三菱に対して金さんが請求を提起する根拠はもうないんだ、こういうことですか。わかりやすく言ってください、根拠はないのかあるのか。
○武藤説明員 日本国及び日本国民に対する債権については消滅しているということでございます。日本国民でございます。
○高沢委員 すると、仮に金さんが今度三菱を相手取って請求の裁判を起こしたときに、もう裁判所は入り口で断るんですか。根拠はありませんよ、こうなるんですか。どうでしょう。それは裁判官の判断になりますか。裁判官が、これはやはり三菱は払うべきであるというふうな判断もできるわけですか。
○清水(湛)政府委員 先ほど外務省の方からお答えがございましたように、四十年の請求権協定第二条に基づく日本の国内法としての法律が別途制定されまして、この法律の中で日本国及び日本国民に対する債権については消滅をするというふうに、国内法としてもそういう法律がつくられたわけでございます。 それで、先生の御指摘は、訴訟法的に申しますと、門前払いの判決をするのかあるいは裁判所は本案について裁判をするのかといういささか訴訟法的な分類に伴う御質問だというふうに考えますと、門前払いということではございませんで、やはり権利はもうこの法律の規定によって消滅したという認定をして、請求棄却をするということになるのではないかというふうに私どもは思うわけでございます。ただ、これは先ほど申しましたように三菱重工と金順吉さんの間の問題でございますから、私どもが確定的にその間の訴訟がどうなるこうなるというようなことを申し上げるべき立場ではないということは前提として御理解いただきたいと思う次第でございます。
○高沢委員 もうこれで終わりますけれども、私はこれに関して、この金順吉さんの委任を受けていろいろやっている長崎の造船の組合の人たちあるいは長崎でこの問題にかかわっておる我々社会党の仲間の人とか、あるいは金さん本人と十分協議してこれからの対応をひとつ決めていきたいと思います。 ただ、一言言いたいことは、金さん自身は自分のそういう権利が供託されているということ自体も知らされずに、全く知らずにずっと四十年たってきて、そして今ここでもってそういう自分の権利があるということに気づいて求めてきたことに対して、もう済んでいるよというふうなことでは、それこそ日本の第二次大戦に対する責任として済まぬじゃないか、こんな感じが私はするわけです。これは最後に私の見解として申し上げて、終わりたいと思います。
○浜田委員長 北側一雄君。
○北側委員 公明党の北側一雄でございます。 まず最初に、今回の法案では、永住資格のない長期滞在者につきましては指紋押捺制度を廃止しないということになっております。この長期滞在者について指紋押捺制度を廃止しない合理的な理由というのは一体何なのか、具体的に説明をお願いしたいと思います。
○高橋政府委員 今回採用することといたしました同一人性確認の手段と申しますものは、長年我が国に在留する外国人の定着性、我が国の社会における定着性に着目したものでございますけれども、永住資格のない長期滞在者、一年から三年の滞在資格を持っている人でございますけれども、そういう非永住者については、長期に在留している人でありましても、一般的に言いまして永住者や特別永住者のような我が国社会への定着性というものが認められませんので、これらの者については、写真、署名及び家族事項の登録による新たな同一人性確認手段を採用するというのは適当ではないのではないかというのが理由でございます。
○北側委員 私が答弁を求めておりますのは、長期滞在者について、なぜ指紋押捺制度を廃止すると同一性の確認の支障になるのかということを具体的に説明してくださいということを求めているわけです。
○高橋政府委員 別の言い方をいたしますと、外国人が、この人が、AがAであるということを確認するために現在指紋押捺制度を採用しているわけでございます。今度の改正は、新しい制度をもってそれを指紋押捺制度にかえようというものでございまして、永住者、特別永住者についてはこの新しい制度が有効であるという結論に達しましたのでそちらの方は外す、しかしそうでない人については現行どおりでいく、そういうことでございます。それを別の表現で言いますと、この新たな同一人性確認の手段は、日本社会に定着性のある永住者及び特別永住者にとっては有効であるが、長期滞在者といっても非永住者については有効ではないといいますか適当ではない、こういうことになるわけでございます。
○北側委員 では、私の質問を変えましょう。永住資格のない長期滞在者について、鮮明な写真そして署名でどうして同一性の確認ができないのか、そこを具体的に、どういう場合を想定して同一性の確認がしにくいとおっしゃっているのかを答弁してくださいというふうに質問しているわけです。
○高橋政府委員 長期滞在者といっても我が国の社会に定着性というものがないわけでございますので、今度の手段は写真と署名と一定の家族事項、この三つの組み合わせによってその人の同一性を確認しようというわけでございますので、その定着性がないとこの三つがうまく働かない。そういうわけで、この三つがうまく働くのは一般的に言って永住者である、しかし永住者でない人はこの三つの複合的手段がうまく働かない、そういうことでございます。
○北側委員 鮮明な写真と署名でどうして同一性の確認ができないのかと聞いているのです。
○高橋政府委員 同一人性の確認のためには、鮮明な写真と署名だけでは成りかわるのを見分けることができない、それが一番うまく、完璧にわかるのは指紋でございますけれども、その指紋を外すためにはやはり別に三つの要素が必要だ、その三つの要素が有効であるのは永住者である、しかしそうでないのは写真と署名だけではやはりその同一人性の確認手段としては不十分である、そういうことでございます。どうして不十分かと言われると、写真と署名だけではその人が、AがAでおるということを確信を持って判断し得ない、こういうことでございます。
○北側委員 通常は鮮明な写真と署名さえあれば同一性の確認はできるのじゃないですか。
○本間政府委員 指紋押捺がいわゆる絶対的な同一人性確認手段であるということについてはほとんど疑いがないと思うのですね。これを今度の制度では若干緩和したことになると思うのです。要するに変えたことでありますけれども、これに準ずる手段というふうに我々は考えているわけでございます。 そのときにどういう方法があるかということをいろいろ勉強してまいりました。その結果として、写真は今までよりももっと鮮明なものを必要とするのではないだろうかということが一つ。それから、同一人性確認としてよく西欧社会等で用いられている署名、これもかなり有効であろう。それだけでいいかという問題でありますが、それ以外にだれか人に聞いてみようじゃないかということでございます。それが一つは本人の家族関係でございます。したがいまして、写真を見ても署名を見てもはっきりしない場合には家族に照会してみようか。その三つが重なれば、三つの手段を併用するといいますか複合するといいますか、それによってかえ得るんじゃないだろうか。 ただし、その対象者となりますと、家族がいるということと、もう一つは家族とともにその付近の、近所の方とか、いろいろ社会の中で人と人とのつながり、人的関係というものがかなり濃密になっているという部類の方々、これについてこそこの手段は有効ではないだろうか、そういう観点で対象者の範囲というものを確定しようというこ とになって、その結果として永住者、特別永住者としての資格を有する、いわゆる社会にすっかり根をおろした方、これについてはこの三つの方法の併用、複合的手段というものが有効である、この方々については指紋押捺を廃してもまあ大丈夫だ、こういうことでその範囲を決めたということでございます。
○北側委員 私は今回の法案についての説明を求めているのじゃなくて、そもそも長期滞在者について、私が思うには鮮明な写真や署名があれば通常は十分に同一性の確認はできるんじゃないのですかというふうに聞いているんです。それがだめだというなら、そのためだという具体的な理由をおっしゃっていただきたいんです。後で答弁してください。 私は、法務省の考えが、今までの外国人登録に関する基本的な考え方と今回の法案とは非常に整合性がないんじゃないかというふうに思うんですよ。 まず第一点目は、八七年のこの外国人登録法改正の審議の際に当時の小林入管局長がどういう答弁をしているか、ちょっと読みますから聞いていてください。これは我が党の冬柴委員の質問に対して当時の小林入管局長が答弁しているんです。「一口で申し上げますと、不法入国者あるいは不法残留者というものが正規在留者を装う場合に、装う対象として考えるのは、一過性の三十日なり半年なりしか日本に在留しない旅行者であろうかどうかということであります。事実は、経験的には全くそうではないということが知られております。すなわち、これらの在留者がもし可能であれば取ってかわろうあるいは成りかわろうとする相手は、ほとんど例外なく長期在留者あるいは永住者であります。したがって、長期在留者、永住者であればこそその身分関係、居住関係を明確にして、こうした不正規在留者が利用する余地を排除する必要があるわけでございます。」長期在留者、永住者であればこそ、長ければ長いほど、不正規在留者が利用する余地を排除する必要があると言っているんですね。 さらに、そのために例えばこういう例を挙げているんですよ。「例えば米国においても指紋の押捺を求められているのは永住者だけである。これは法的にはその他の部分にも及んでおりますけれども、例外なく最も厳しく指紋の押捺を求めているのは永住者であります。」と言っているんですよ。「というのは、永住者こそ不正規在留者と区別して正規に永住している者であるということを立証する手段を、本人にもあるいは行政側にも確保しておく必要があるということによるわけであります。」明確に永住者ほど指紋押捺が必要なんだということを当時の入管局長が言っているわけですよ。どうして永住者と長期滞在者を区別する理由があるんですか。
○本間政府委員 当時の小林局長の答弁を今お聞かせいただきましたけれども、永住者に成りかわるのが一番例が多いんじゃないのかという危倶でございますけれども、確かにそういう面があると思います。そういう意味で、指紋押捺を廃止するその代替手段としてなぜ三つも必要なんだと先ほども先生から御指摘がありましたけれども、私ども慎重にその代替手段を研究したということで、複合的で、一本あればよさそうだけれども二本にし、二本あればよさそうだけれども三本にしたというふうな形に見えるかもしれませんけれども、三本の柱をもって同一人性確認の手段をとったということでございますから、永住者についてはどうでもいいんだ、同一人性確認については適当にやったんだということでは絶対にございませんで、指紋押捺に準ずるものとして、その確度が高いもの、有効なものとして、私どもは選択したということでございます。
○北側委員 今私は、法務省のこれまでの考えは長期在留者さらには永住者こそ不正規在留者と区別するために指紋押捺が必要なんだと言っていたんですよ、それの変更になるんじゃないですかということを申し上げているのです。
○高橋政府委員 今先生がお読み上げになりました過去の答弁、考え方については承知しておりますけれども、現在、この現行の制度を前提といたしまして、六十二年の改正のときの衆参両院の法務委員会における附帯決議とか韓国のトップとの約束を考えまして、我々新しい方向を目指していくとなると、今御提案しているところが妥当などころではないか、こういうことでございます。 それから、写真と署名でもってどうして同一人の確認ができないか、同一人性の確認ができるじゃないかという御指摘でございます。 確かに国によっては写真だけでもいいという国もございます。写真と署名でもいいという国もありますし、それから、物の性格によって写真も要らない、ただ署名だけでもいいということもございます。これは例えばクレジットカードのときとか、行為の性格によっていろいろな組み合わせがあろうかと思います。それから、どれほど正確性を求めるかというその行政上のリクワイアメントと申しますか、必要性の問題もございます。一〇〇%同一人性を確認しないと満足できない、そこまではっきり完璧に把握せよとなりますとやはり指紋ということになりますけれども、いや、そこまではいいじゃないかというんですといろいろな考え方があるんじゃないかと思います。 それで、現下の情勢におきましては、この三つの手段で代替できる、その上で外国人登録法上の「登録」の目的をそれなりに達成できるということだとすると、この新しい手段は、特別永住者を含めまして定着性のある永住者に適用するのが妥当ではないか、こういうことでございます。
○北側委員 どうも御答弁ができないようですね。 もう一つ言わしていただきますと、やはり八七年の外国人登録法改正の際に同じく入管局長がこういう答弁をしているのですよ。永住者とその他の外国人を区別できないんだという答弁をなされているのですね。永住者とそれ以外の方とを区別することによって不利益を他の国籍を有する外国人にもたらすという結果を生ずるわけで、立法論的にも行政的にも実際的じゃないというふうに答弁を当時はしているのですよ。当時の法務省のお考えと今回のこの法案とは余りにも違い過ぎるんじゃないですか。
○高橋政府委員 確かに当時はその二つを区別することは困難であるということを言っておりましたが、それは当時の制度を前提とした話でございまして、私たちは今度指紋押捺制度にかわる新しい制度をそのためにつくったわけでございますので、その事情が変わってきたといいますかそういう新しいシステムになってきた、こういうふうにお考えいただければいいんじゃないかと思います。
○北側委員 先ほど附帯決議のお話をされましたけれども、附帯決議では区別するなんということは一つも書いてないですよ。衆議院の法務委員会での附帯決議は「同一人性の確認の手段について、指紋押なつ制度に代わる制度の開発に努めること。」永住者とそうでない長期在留者とを区別しろだなんということは全然書いてないわけですよ。附帯決議の趣旨にも私は反するというふうに思います。 もう一度お聞きします。なぜ永住資格のない長期滞在者について鮮明な写真と署名では同一人性の確認ができないのか。こんな例があるから困るのだというその具体的な例を出してください。
○高橋政府委員 どの程度であれば満足するかという問題でありますけれども、鮮明な写真であっても他人のそら似とか、別のかつらをつけたとか、署名でも読みにくかったりして、署名というのは余りまねできないものですけれども、しかしその二つだけでは必ずしも同一人性の確認に不十分ではないか。それで第三の手段を設けたわけです。先ほど審議官から御説明しましたように、この家族事項ですね。長期滞在者についてはこの二つでは十分に働かないのじゃないか、こういうことでございます。
○北側委員 質問しても恐らく御答弁無理なのでしょうからもう質問はいたしませんけれども、要 するに今回の法案に長期滞在者について指紋押捺制度を残されたというのは、これまでの法務省のお考えとも反するし、理論的にもおかしいし、そして実際的にも、私は鮮明な写真、署名で十分通常は同一人性の確認ができるのじゃないのか、そう思います。こういう区別をすることによって逆に不平等の問題が出てきたりしまして、入管局長も本当は内心はそう思っているのじゃないですか。 ちょっと質問を変えます。 例えば永住資格を取得している在日韓国または朝鮮人の方と結婚するために朝鮮半島の方から日本に来られたお嫁さん、この方は先般の永住資格がございません。これらの方は韓国籍または朝鮮籍の配偶者ですね。指紋押捺義務が生じるわけですね。今回の法案によって、署名でいい人と指紋押捺をすべき人と一家の中で分かれてしまうのです。おかしいでしょう。
○高橋政府委員 今のように永住者の方と韓国におられる方と結婚した場合は、そういう一見おかしい状況が起きますし、それからこれは日本人と結婚した場合にでも、外国人と結婚した場合でもそういう一見おかしい状況にございますけれども、この関係を見てみますと、基本的には当該身分関係が存在する限りにおいて在留が認められるという立場にあるわけでございますので、直ちに永住者や特別永住者のような日本社会への定着性が築かれるということではないので、やはりこういう方にはこの新しい制度ではなくて、今までどおりやってもらうのもやむを得ないというふうに考えておるところでございます。 ただし、これらの方は日本人や永住者の配偶者でございますので、一般の外国人と比較して社会への定着性が比較的早く築かれるということを考慮されまして永住許可の要件が緩和されておりますから、永住が許可されればそういう今先生御指摘のおかしいじゃないですかというような状況は解消されることになるのじゃないかと思います。
○北側委員 大臣、私今ずっと質疑をやってきまして、そういう理由からもう指紋押捺制度について全廃すべきである、そして長期滞在者については鮮明な写真それから署名、これで同一人性確認の手段としていくという方法を採用すべきじゃないかなというふうに思うのですけれども、大臣いかがですか。
○田原国務大臣 どなたか前の段階で御質問があったとき、法務省の中にもいろいろ議論があって、そして各省との話し合いが最後に行われ、確認のし合いというのはあったのですけれども、法務省の中にもいろいろな意見があって、それで結局これになったのです。 今お話を聞いていると、入管局長非常に苦労しながらお答えしておった感じですけれども、私は同一人性の確認というのは、百点満点とれるのは指紋押捺だと思うのです。まず間違いない。アローアンスは相当あるわ、エラーも相当あるわというのが写真と署名だろうと思うのです。これは完璧、一〇〇%、一二〇%大丈夫というものじゃないだろうと思うのですよ。そうすると、全体に一〇〇%欲しいのだけれども、永住性のある、定着性のある人たちはそこのところ少しエラーが入ってもいい。それで一番問題のある、問題のあるという表現は非常に悪いのですが、ちょっと語彙が豊富でないものですから、長期滞在者ですか、一年から三年までの方たちには百点を求めなければいかぬ、そのほかのこっちの人は、これは一過性の、通過する方々ですから、それまでやっているととてもじゃないのでこれは問題にしないという三段階になってきたと思うのです。私も実は、これは言い逃れじゃないのですけれども、来たとき、法務省にお邪魔になるようになったときに既にもうかなり進んでいて、がくがくやっていた最中で、だんだんこっちに傾いていったわけなんですね。――不規則発言がありましたが、それにお答えす意味じゃございませんが、お邪魔という言葉は取り消させていただきます。
○北側委員 いずれにしても私は、永住資格のある人と長期滞在者は区別する理由はないというように思います。ぜひこれは検討をしていただきたいと思うのです。こういう制度をつくって、三段階になりますね。そして、今度は欧米からの外圧があってまた何か変えないといけないなんというのは本当にみっともない話だと思いますよ。入管局長はそう思っているのじゃないですか。
○高橋政府委員 それぞれの国におきましていろいろその国に応じた事情がございますので、欧米とおっしゃいましたけれども、欧米と日本とはまた違う状況にありますので、説明を求められれば十分説明はできる、合理的な理由がある、そういうふうに考えております。
○北側委員 これ以上質問しても仕方ないので別のにしますけれども、これまでに採取された指紋はどういうふうに処置されるのですか。
○高橋政府委員 これまで指紋は登録原票と指紋原紙に採取されておりますが、登録原票というものは市区町村において保管されておりまして、また指紋原紙というものは法務省に送られて法務省で保管しております。 それで、外国人登録法改正後、現在御提出申し上げているこの改正法が施行された後においても、永住者及び特別永住者が新制度に移行するまで、これは大体五年ぐらいかかりますけれども、この間は保存が必要であるというふうに考えております。完全に移行した後どうするかということについては、目下検討中でございます。
○北側委員 法務省の方に行っております指紋原紙はどのようにされますか。
○高橋政府委員 今検討中でございます。それから、これは五年後の話でございますので、私としてはこうなるということを確言できる立場にはございませんけれども、五年後全部入れかわってしまえば、法務省にある指紋原紙というのは余り持っていても意味がないのじゃないのかなという感じはしております。ただ、そういうことを念頭に置いてこれから検討いたしたいと思います。
○北側委員 この法案が通りましたら、法務省に今保管されてございます指紋原紙を残しておく必要性は全くないと思いますけれども、どうですか。
○高橋政府委員 法務省に保管しております指紋原紙というのは、同一人性確認の最終的チェックのためにあるわけでございまして、新しい制度に移行しますとそれは必要なくなるわけですので、五年たってしまえば確かにそういう意味では必要なくなると思います。
○北側委員 入管局長から必要がなくなるという認識の御答弁がございました。この指紋原紙を他に転写しているというようなことはございませんね。
○高橋政府委員 ほかに転写しているということはございません。
○北側委員 では次に、署名の問題についてお聞きをいたします。 今回、永住資格を取得されている方々については署名義務が出てきます。この署名、身体障害なんかで署名が困難な人、それから時には十分な識字能力がない人、さらには病気等で本人が市町村に出頭できないような場合、こういう場合にどう取り扱われるのか。
○高橋政府委員 署名をすべきである申請を行ったけれども、身体の故障や病気などによりまして署名ができない、あるいは第三者を通じて代理人が申請したことによって署名してないという者、そういう人でも登録証は交付いたします。ただ、期間については、事情によりますけれども、次回までの確認期間、これは五年ですけれども、これは短縮することがございます。 それから本人が署名できないという場合は、もし故意でなく署名できないという者については、これは別に罰則をかけるとかそういうことはございませんで、こういう方にも署名なしで登録証を交付するということになります。
○北側委員 この署名したものを外国人登録証に転写するわけですね。この署名を転写する必要性というのが一体どこにあるのか、具体的に説明をしていただけますか。
○高橋政府委員 現場において本人かどうかを見分けるのに、まず写真でもって一発でぱっとわかる場合と、ちょっとそれじゃ署名でもって確認するという場合、署名をしてもらうという場合もあるかと思うのです。そういうことも考えまして登録証には署名も転写する、こういうことでございます。写真と署名とで、そこで組み合わせて即時に本人であることを確認する、こういう手段として署名をそこに転写する、こういうことでございます。これは先ほどどなたかおっしゃいましたが、パスポートにおける写真と署名というようなものと似たような機能を果たしているというふうに考えてもいいのじゃないかと思います。
○北側委員 ただ指紋と同じで、現場で署名義務なんというのはないんですよね。
○本間政府委員 御指摘のとおり、現場での署名義務というものはございません。
○北側委員 だから、そういう意味では、現場での同一性の確認というふうに転写する必要性の理由をおっしゃったんですよね。ところが、署名義務なんかないわけですから、登録証にあえて転写する必要性はないのじゃないかというふうに私は申し上げているわけなんです。
○本間政府委員 何らかの手段で本人の署名というものがあった場合には当然それは利用されますが、御本人であるかどうかということを質問する過程で、もし御本人が私がその者でございますと言うのであれば、任意署名してみせるという協力行為というのは期待することは十分可能だというふうに考えますので、そういう意味では、現場における署名対照というものも十分機能するというふうに考えます それからもう一つ大事な点は、登録証に署名を転写する大きなもう一つの理由というのは、偽変造の防止ということでございまして、いたずらにこれが偽変造されないように御本人の署名というものをそこに転写するということでございます。
○北側委員 ほかにもたくさん質問したいので次に行きますけれども、不署名罪の罰則が今回設けられているわけですね。これが十八条の一項の八号の二で新設をされておるわけなんですが、「一年以下の懲役若しくは禁錮又は二十万円以下の罰金」これは余りにも重罰過ぎるのじゃないか、厳罰過ぎるのじゃないか、どうしてここまで厳罰にする必要性があるのか、御説明をお願いしたいと思います。
○本間政府委員 先ほど来御説明申し上げておりますとおり、署名は同一人性確認手段の一つとしてこのたび採用しようとしているものでございます。すなわち、外国人登録制度上のもととなるもの、すなわち同一人性確認の手段である。したがいまして、その手段はやはりどうしても確保しておく必要がありますので、その違反といいますか署名を拒否するという者につきましては刑罰に値するものではないかと思います。 要するに、署名しないということによって害される利益というものが外国人登録制度の根幹を揺るがすものであるというふうに評価し得るので、指紋押捺拒否と同様の刑罰的な評価をしてもよいというのが私どもの考え方でございます。
○北側委員 よく納得できないですね。署名しないことによってこうむる不利益ですか。署名しないことによってこうむる損失、不利益がその懲役、禁錮刑また二十万円以下の罰金を科さなければいけないような果たして不利益なのかどうか、ちょっと私には納得できないですね。 この改正法案が仮に通りまして施行されるまでには十カ月でしたか、期間がございます。それまでの、施行期日に至るまで、十六歳に至った方々の指紋押捺義務の問題なんですけれども、私は少なくとも、制度として指紋押捺義務というのは廃止というのが決まったわけですから、そして署名というふうに決まったわけですので、これはもう経過措置として、十六歳に至る者の指紋押捺義務については免除をするような内容の経過措置を設けるべきではないかというふうに思いますが、いかがですか。
○高橋政府委員 現在の私たちの提出申し上げている案によりますれば、その辺のところはある意味では運が悪いというか、その期間になった人は従前の例によって、この新しい改正法が施行されるまでは前の、現行法でいきますから指紋押捺の義務がある、それはやむを得ない、こういう考え方でございます。今先生のおっしゃったことは、それはそれで一つの考え方かと思います。
○北側委員 この法案が通りましたら、この中では永住資格を取得された方々については指紋押捺義務はもうなくなるわけです。それを、施行まで法律が生きているから形式的に、しゃくし定規に十六歳に至ったから適用するというのはおかしいと思います。これは当然何らかの経過措置を設けるべきであると思います。
○本間政府委員 仮に公布から施行までに十六歳になった方は指紋押捺を無条件に免除ということになりますと、結局写真と登録事項、これだけが残って、指紋押捺がないものが登録になってくるわけでございます。そうしますと、今度確認申請をするのは五年後でございますから、それから五年間たったときに初めて新しい制度といいますか、確認をするということで家族事項、署名というのが入ってくる、こういうことでございます。ですから、公布と同時にすぐに新制度というものが施行されれば別でございますけれども、遺憾ながらこの新法の施行につきましては相当期間の準備をする必要がありますので、どうしても公布と施行の間には期間がございます。したがいまして、その間に確実な同一人性確認手段のない登録というものを認めるというわけにはまいりませんので、従来どおり現行法に従って指紋押捺をしていただきたいというのが私どもの考え方でございます。
○北側委員 もう廃止をする法でございますので、ぜひ経過措置をとっていただきたいと強くお願い申し上げる次第でございます。次に、登録証の常時携帯義務の問題についてお聞きをいたしたいと思うのであります。 昨年の日韓覚書の中では「外国人登録証の携帯制度については、運用の在り方も含め適切な解決策について引き続き検討する。」というふうに書かれております。この常時携帯義務についてはもう廃止をすべきではないかというふうに考えますが、いかがですか。
○本間政府委員 常時携帯制度と申しますのは、当該外国人の身分関係、居住関係を現場で即時的に明らかにするために登録証の携帯を義務づけている制度でございます。外国人の公正な管理という観点から外せないわけでございますが、その必要性というのは、永住者であるか特別永住者であるか、そしてまたそれ以外の外国人の方であるかということによって差を設けるというのはこの登録制度そのものの趣旨を没却することになりはしないか。 例えば現在不法就労者の方、いっぱいおられます。外見的に見ると、その方が永住者であるかどうかというのはお尋ねしてみなければわからないわけでございますから、やはり常時携帯制度をとることによってその人がその人であるということが判明するわけであります。もし、持っておられないというか何も持ってない方、不法入国者が、私は永住者でございます、家に置いてありますと言ってそれがうそだったらどうなるかというと、その場で身分関係も何もわからないままに逃げられてしまうという事態も発生しかねないわけでございますので、そういう観点からいきますと、在留資格いかんということによって常時携帯義務を免除する。あるいは廃止するということについては、私たちはそういう立場はとり得ないということでございます。
○北側委員 これまで常時携帯義務について常識的かつ弾力的な運用ということを何度がおっしゃっておられます。弾力的運用とは何か、その基準を具体附に説明してください。
○本間政府委員 そもそも常時携帯しているかどうかというのは提示を求めて初めてわかることでございますので、権限ある者が提示を求めるそのやり方が機械的であったり硬直化したりというこ とになりますといたずらに人権を侵害するおそれが十分ある。よくおふろの帰りに理由もなく登録証の提示を求めるというような事案が悪い例として指摘されたことがございます。そういう機械的なものではなくて、本当に必要な状況がある場合に、当該機関の職務の執行上必要だということが真に認められる場合にのみ行うべきでありますし、また、仮に提示を求めてそれを持っておられないということで形式的には違反になるけれども、いろいろ伺ってみれば無理もないというような事情があれば、それは処罰面においても十分考慮しなければいけないということも含めまして、弾力的かつ常識的というふうに言うものだと私どもは理解しております。
○北側委員 弾力的運用の基準を具体的に教えていただきたいのです。例えば現場の警察官が、弾力的運用と言われてもその具体的基準がなかったらわかりません。基準を述べていただきたいと思うのです。
○本間政府委員 警察官のお話でございますと、警察がどういう基準でやっておられるのかということは、私どもその基準を今入手しておりませんので、果たして基準があるのかどうかもわかりませんので確たるお答えはできかねますが、要するに、一般的に申し上げれば、不携帯の事実が判明いたしまして検挙をするという場合につきましても、単に画一的、機械的な処理をしない。その不携帯に至った経緯とか事情、違反の態様とかあるいは本人の身分、生活圏との関係とか、そういったもろもろの事情を考慮して常識的な処理をするということでございまして、一律にあらわせる基準というんじゃなくて、その際に考慮すべき事項としては、ただいま申し上げたようなところを考慮して処理に当たるということだというふうに理解をしております。
○北側委員 きょうは警察庁の方も来られていますよね。この弾力的運用の現場での基準の判断は一体だれがするのか。
○奥村説明員 お答えをいたします。 現場での判断でございますが、これは現場の警察官等がやっておるわけでありますけれども、必要に応じて上司等に伺って、それで検討して判断をするということであります。
○北側委員 原則としては、現場の警察官が判断するにしては、審議官が先ほどおっしゃったような基準というのは余りにも不明確じゃないか、法的安定性というような問答にももとるんじゃないのか、そういうふうに私は思うのです。 そこで、ちょっと具体的な事例を通してお話をさせてもらいたいと思うのですが、外国人登録法違反被告事件で、大阪高等裁判所が無罪判決を出した事案がございます。一九八八年四月十九日の無罪判決でございます。 簡単にそのときの事案の概略を申し上げますと、被告人は、事件当時二十一歳の大学生でございます。下宿から外出の際、外国人登録証が見当たらず不携帯のまま、それをわかった上で家を出たわけですね。ですから、これは過失犯じゃなくて故意犯でございます。それで、居住地と実際警察官によって検挙された現場とは、電車を利用して約一時間を要する距離関係にございます。当時、その大学生、彼は学生証と運転免許証を所持しておりまして、警察官の求めに応じて素直に提出した、こういう事案の内容なんですね。これは、形式的には外国人登録証の不携帯に当たるわけでございます。 ところが、大阪高裁は次のように言っておりまして、まず外国人登録法というものの目的なんですけれども、これは、「本邦に在留する外国人の登録を実施することによって外国人の居住関係・身分関係を明確にし、在留外国人の公正な管理に資することを目的とする」というふうに言った上で、このように認定しているのですね。「運転免許証及び学生証はその文書としての性質及び発行者の社会的信頼性に照らし被告人が不法在留者でない事実を公的に証明するだけの信用性を備えているものと評価でき、かつ、貼付写真などによってその証明書等の名義人と被告人との同一人性を優に確認し得ること、更に、これらの文書の記載事項などにかんがみると、比較的容易に被告人の居住関係及び身分関係を正確に把握することができ、おおむね外登証に代替するに足りるものといい得る」というふうに認定した上で、本件については、実質的な違法性を欠き無罪である、こういう認定をしているわけであります。 このような事案については、先ほどの弾力的な運用という基準から、どう判断できるのか。どうですか。
○奥村説明員 御指摘の件におきましては、第一審が有罪、それから第二審が無罪となりました。後、検察官上告中の平成元年の十一月に大赦によりまして免訴判決が出たものと承知しておりますが、この判決をもってこの種事案のリーディングケースにするのはどうかということも考えておるわけでございますけれども、今後とも、登録証明書の不携帯事案につきましては、できる限り常識的かつ柔軟な運用に努めてまいりたいと考えておるところであります。
○北側委員 だから、その常識的かつ弾力的な運用といっても、現実にこの種のケースで検挙されているわけですよ。それで高裁で無罪になっているわけですよ。弾力的運用、常識的な運用と言っても明確な基準がなかったら現場の警察官は判断できないですよ。
○奥村説明員 警察におきますところの登録証明書の常時携帯制度の運用につきまして申し上げますと、警察官が登録証明書の提示を求めますのは、条件が二つございまして、一つは職務質問、犯罪の捜査、交通の取り締まり等、さまざまな職務の執行に当たっているということが一つ。それからもう一つは、外国人の身分関係、居住関係を確認する必要がある場合であります。 したがいまして、例えば交通検問の折に、外国人であるというそれだけの理由で自動的、機械的に登録証明書の提示を求めるということはないわけでございます。そして、外国人登録証明書の提示要求や不携帯の取り締まりにつきましては、場所的あるいは時間的な条件や被疑者の年齢、境遇あるいはまた違反態様など総合的に判断をいたしまして、個々の事案ごとにできるだけ常識的かつ柔軟な姿勢で処理をしているところでございます。したがいまして、統一した運用の基準のようなものを示すことは大変困難であるということを御理解いただきたいと思います。
○北側委員 それでは、別の観点から質問しますけれども、登録証不携帯で検挙された件数はどのように推移していますか
○奥村説明員 登録証明書不携帯事件の送致状況でありますが、平成三年中における送致件数、受認がそれぞれ四十二件、三十四人でございます。昭和六十二年当時と比べますと、昭和六十二年が千四百二十八件、千三百八十八人ということでございますので、著しい減少傾向にございます。
○北側委員 その昨年の四十二件、三十四人の検挙の内容はどんな内容ですか。不携帯のみで検挙されている事例はありますか。
○奥村説明員 この中身を申しますと、他の法律違反を認知、検挙した際に不携帯事実が発覚をいたしまして余罪として不携帯罪を送致したもの、それから不携帯事実を認知した際に本人が不法残留者であることが発覚をいたしまして、当該の不法残留事実とあわせて送致したもの等でございます。
○北側委員 不携帯のみで検挙されている事例はありますか。
○奥村説明員 不携帯のみで検挙した件数は十一件でございます。
○北側委員 去年は、今御答弁がございましたように不携帯で検挙された件数、四十二件、三十四人。そのうち不携帯のみで検挙されているのは十一件。たった十一件なんですよ。そのために、そういう処理状況であるにもかかわらず、登録証携帯義務というのをとらなければいけないのかどうか。私は、そもそもその実態からいって常時携帯義務というのはもう認める必要がないんではないのか、少なくとも永住資格を持っているような人 については認める必要はない、そのように思います。いかがですか。
○本間政府委員 永住者であるか否かという在留資格によって差を設けるということはいたしかねると。その理由については先ほど申し上げました。 それから、検挙件数が漸減している、非常に少なくなってきたということ自体が携帯義務を不必要としている理由だということには私は決してならないというふうに考えております。 〔委員長退席、星野委員長代理着席〕
○北側委員 本法案がそもそも、永住者とそうでない人を、最初冒頭で盛んに質問したように、区別をしている法案なんですよ。甚だしい自己矛盾の御答弁だと私は思いますね。この問題についてはまだ後日しっかりさせていただきたいと思うのです。 今回の法案が仮に通りましたら、外国人登録原票の様式が当然変わってくるというふうに私は思います。原票の様式をどういうふうに変えようとされておられるのか、御答弁をお願いしたいと思います。
○本間政府委員 永住者及び特別永住者についての登録原票でございますけれども、新たに家族事項登録と署名というものが必要となってまいりましたので、それを記載するあるいは署名を明らかにするような、そういう登録原票はいずれにしても定める必要があると思って、現在その内容については検討中ということでございます。
○北側委員 今私、ここに持っておりますのが、現在の外国人登録原票なんですね。私は去年の法務委員会で質問させていただいておるのですが、現在の原票の備考欄のところに、結果として刑務所など矯正施設への在監歴の記載が残ってしまうという問題について質問をさせていただきました。そのときは、当時の法務大臣から、よく検討したい、その旨の答弁を得ております。そのようなことがないような方法があるかどうかよく検討したいというふうな御答弁をいただいています。今回、登録原票の様式、形式について変えられるわけですから、この機会にこうした在監歴が残らないような登録原票の形式にすべきであるというふうに思いますが、いかがですか。
○本間政府委員 外国人登録の目的が、外国人の居住関係及び身分関係を明らかにしていくということにございますので、実際に居住している場所が矯正施設内であったといたしましても、そこへの入監、移監、出監といった事実につきましては、これを矯正施設からの通知によって何らかの形で把握しておくということが私どもは必要だと考えております。ただ、その表示の仕方としてどういう表示が適当なのかということについては現在検討しておりますが、今のやり方といたしまして確かに、例えば何々刑務所という具体的な名称を記載するというようなやり方はあるいは問題があるんじゃないかという意識は十分持っております。したがいまして、今後、様式を改める等の場合におきまして改善しまして、一見してそれがわからないような、例えば符号を使うとか何らかの仕方で工夫をしてみたいというふうに考えております。
○北側委員 当時左藤国務大臣でしたけれども、左藤大臣も、そういった面も含めてよく検討するというふうに言っていますので、この機会にそういうことがないようにしていただきたいとお願いを申し上げる次第でございます。時間が来ましたので、これで終わります。ありがとうございました。
○星野委員長代理 鈴木俊一君。
○鈴木(俊)委員 私は、与党の立場で内閣提出の外国人登録法の改正案について質問いたしますけれども、質問いたします前に、これに大変関連のあります出入国管理行政全般の最近の情勢につきまして若干お伺いをいたしたいと思います。 今日の世界情勢といいますか、国際社会の動きを見ていますと、本当に激動の時代という言葉がぴったりでございまして、ソビエトの消失に象徴されますように、戦後四十六、七年ずっと続いてまいりました冷戦構造というものが終結をいたしまして、これからどのような新しい国際秩序をつくっていくのか、日本の国もその国際的な社会における立場にふさわしい貢献というものを積極的にしていかなくてはならないわけでありますし、それからまた一面今日ほど世界の各国が相互依存の関係にある時代はなかった。この相互依存の関係は、政治、経済、文化、あらゆる面であるわけでありまして、こういうことを考えますと、いずれ、世界に開かれた日本といいますか、そういうようなことでなくてはならないような気がいた。しております。 先般も、日本と大変いろいろな面で価値観の重複しておりますアメリカとの関係におきましても、政府の高官ですとか、いろいろな責任、影響力のある立場の方の発言が、その真意が十分に伝わらなくて両国民の間にいろいろな誤解といいますか緊張があったわけでありまして、これからはそういう意味では日本人も外国のことをよく理解しなくてはいけませんし、外国の人々も日本のことをよく理解してもらわなくてはいけない。そのためには、外国人の方にも日本にどんどん来てもらわなくてはなりませんし、また日本で活躍、活動をしてもらわなくてはいけない。また、一方におきましては、今日の一つの社会問題として、いろいろ指摘もございます我が国に不法に残留する外国人の方々、そのほとんどは不法就労者であると聞いておるわけでありまして、きょうというこの時代におきましていろいろ難しい問題があるわけでありますけれども、今のこの時代におきます出入国管理行政のあり方についてどのようにお考えか、大変概括的な質問でございますけれども、所見をお聞かせいただきたいと思います。
○高橋政府委員 今日の我が国を取り巻く国際環境の変化や我が国の国際社会における地位の向上に伴いまして、我が国に入国・在留する外国人が増加している状況でございます。これは時代の趨勢でございまして、日本にとっても好ましいことでございます。他方、今先生御指摘になりましたが、我が国と近隣諸国等との経済格差等を背景にいたしまして、不法就労者とか不法残留者も急増しており、これは私たちとしても遺憾に思っているところでございます。こういうようなことを背景といたしまして、外国人の入国・在留管理を所掌する出入国管理行政というものはどうなければならないかということを考えますと、やはり国際協調、国際交流の増進にまず寄与するものでなければならないという基本的なところがあるのじゃないかと思います。そして、我が国社会の健全な発展を確保するということを理念に持って運営されるべきものではないかというふうに考えております。 こういうような理念のもとで、留学生とか就学生とか研修生とか技術者、そういう人を幅広く受け入れる、開発途上国の開発にも協力する、そういうような国際的な貢献を果たし、我が国の健全な社会の発展を図る、しかし他方、我が国の社会の秩序に悪影響を及ぼす不法残留者については厳正に対処していく、こういう基本的な態度といいますか方針が必要なのではないかというふうに考えており、そのように運営してまいりたい、こういうふうに考えております。
○鈴木(俊)委員 言葉が適切かどうかわかりませんけれども、いわゆる外国人問題ということに関連いたしましては、行政的にも大変いろいろな難しい問題がありますし、そのかかわりのある行政も多岐にわたっていると思っております。先ほどちょっと申し上げました不法労働者の問題のような労働問題、また福祉でありますとか厚生、治安の問題、本当に多岐にわたるわけでありますけれども、そういう中で、今議題になっておりますこの外登法の問題というものもあるわけでありまして、こういういわゆる外国人問題というものは大変幅広い角度から取り扱っていかなくてはならないと思うわけであります。 ところで、その外国人登録法の「目的」を見てみますと、その第一条に「在留外国人の公正な管理に資する」、こういうふうに書いてあるわけであ ります。外国人登録法制定当時の昭和二十七年と現在とでは、外国人の方々の数もまた国籍もまた日本国内におけるその活動内容も含めまして全く異なったものとなっているわけでありますけれども、国際化時代と言われる今日のような状況下におきまして、この第一条にある目的を果たすために外国人登録法がより一層重要な役割を担っているものと思っております。 そこで、現在における外国人登録の意義とあり方について当局の御認識を伺いたいと思います。
○高橋政府委員 現在における外国人登録法の意義ということでございますが、外国人登録法は、本邦に在留します外国人の登録を実施することによりまして、外国人の居住関係及び身分関係を明確にいたしまして、もって在留外国人の公正な管理に資することを目的としているのは、先生今御指摘になったとおりでございます。すなわち、その目的とするところは、福祉その他各般の行政上の目的のために在留外国人の居住関係及び身分関係に関する資料を提供するほかに、在留外国人の実態の把握、さらには不法入国者、不法残留者、資格外活動者の発見、摘発等出入国管理行政の適正な執行に努め、もって適正な行政を実現しよう、そういうものでございます。 このような外国人登録制度につきましては、出入国管理行政を取り巻く内外の諸情勢の推移を踏まえまして、外国人の出入国及び在留の管理を含む在留外国人にかかわる各般の行政の適正な遂行に資するように運営していくということが非常に重要ではないか、こういうふうに認識しているところでございます。
○鈴木(俊)委員 次に、今回のこの改正案について質問をさせていただきたいと思いますが、先ほど来他の委員の方々の質問にもあることの繰り返しになりますけれども、まず最初に、今回のこの外国人登録法が改正に至った経緯、趣旨についてお伺いをいたしたいと思います。
○高橋政府委員 本法案提出の経緯につきましては、提案理由の説明にもございましたけれども、昭和六十二年の前回の外国人登録法改正の際の衆参両院法務委員会における附帯決議並びに日韓法的地位協定に基づく韓国政府との協議の結果等を踏まえまして、外国人登録の指紋押捺にかわる同一人性確認の手段について研究開発を進めてきたところ、今般、永住者及び特別永住者につきましては、写真、署名及び一定の家族事項の登録をもって指紋押捺にかえ得る、こういう結論に達したため、外国人登録法の一部を改正することとしたものでございます。 また、本法案の趣旨は、我が国の社会で長きにわたり生活し、本邦への定着性を深めている永住者及び特別永住者の方々について、外国人登録の同一人性確認の手段としての指紋押捺を廃止して、写真、署名及び一定の家族事項の登録をもってこれにかえることとするとともに、これに関連して、登録証明書の様式変更、切りかえ交付、その他所要の関連規定の整備を図ろうとするものでございます。
○鈴木(俊)委員 今お話があったわけでありますけれども、今回のこの法の改正の背景といいますものは、一つには昭和六十二年の改正時におきます衆参両院の法務委員会における附帯決議というものがございまして、それから二つ目には昨年一月の海部前総理が訪韓した際に決着をいたしました日韓法的地位協定に基づく日韓両国間の協議というものがあった、こういうことでありますけれども、それでは今回のこの法改正の内容と今背景として御指摘いただきました二つ、一つはさきの附帯決議の内容との関係、及びもう一つの背景でありますところの日韓間の覚書との関係を具体的に説明していただきたいと思います。
○高橋政府委員 まず、附帯決議との関係を御説明いたしたいと思います。 今回の改正は、我が国の社会で長年にわたり生活し、本邦への定着性を深めた永住者及び特別永住者について、指紋押捺を廃止し、写真、署名及び家族事項の登録をもってかえることとしておりますが、これは、指紋押捺制度にかわる制度の開発に努めるという衆議院法務委員会での附帯決議あるいは指紋押捺の代替措置の検討、改善という参議院法務委員会の附帯決議、この両委員会における附帯決議の内容に沿ったものでございます。 それから、日韓覚書との関係について申し上げますと、指紋押捺につきましては、日韓覚書に言ういわゆる在日韓国人を含めた特別永住者、これはこの一部改正案に含まれているわけでございますが、その者のほか、入管法上の永住者についても指紋押捺を廃止して、写真、署名及び家族事項の登録をもってかえることとしておりまして、これは覚書の内容を実現しているものでございますが、実現するのみならず、この代替手段の適用範囲を日韓覚書よりも広く広げようとしているものでございます。 なお、外国人登録証明書の携帯制度につきましても、その制度自体は維持することといたしておりますが、携帯の便宜を考慮いたしまして、外国人登録証明書の形状を小型化するほかに、運用面においても一層の常識的、弾力的な運用を徹底する所存でございます。これも日韓覚書の内容に沿ったものというふうに考えております。
○鈴木(俊)委員 今のお話を伺いますと、今回の法改正の最大のポイントは永住者と特別永住者に対する指紋押捺の廃止にある、私はそういうふうに改正の大きなポイントの一つを理解するわけでありますけれども、今まで、日本に住む外国人の同一人性を確認する手段といたしまして、指紋の押捺によるその照合というものが合理性を持ったものとしてずっと四十年近くこれが採用されてきたわけでありますけれども、今回の改正案ではその手段にかわりまして、写真でありますとか署名及び家族事項の登録という複合的手段をもってこれにかえよう、こういうわけであります。 この新しい複合的手段で果たして指紋押捺にかわるものとして十分であると言えるのかどうか、この手段を採用するに当たっての御見解をお伺いしたいと思います。
○高橋政府委員 同一人性の確認の手段といたしましては、指紋にかわる有効な手段というものは今のところございません。一〇〇%確実に同一性を確認できるというものは指紋でございますけれども、しかし指紋にかわる手段もいろいろあるかと思います。今回この一部改正案の中で採用しようとしている鮮明な写真と署名、家族事項というものはこれにかわるものでございます。しかし、指紋に一〇〇%かわるものかといいますと、それは若干の歩どまりはあるかと思います。しかしながら、長年本邦に在留して社会への定着性を深めた永住者及び特別永住者を対象とするものである限り今までの指紋押捺に十分がわり得るものであり、外国人登録法上の目的を十分果たす信頼に足りるものではないか、そういう判断に立ってこのような法改正を御提案しているものでございます。
○鈴木(俊)委員 今回の法改正では、この指紋押捺を免除されるといいますかしなくていい方々としなくてはならない方々と、その範囲があるわけでありますけれども、指紋押捺にかえる新しい手段で行おう、同一人性の確認をしようという方々の範囲を永住者と特別永住者に限られたその理由は何であるのか。また、いわゆる入管特例法は、在日韓国人の方々、朝鮮人の方々の特別永住者について、特に安定した法的地位を付与するために制定されたわけでありますけれども、今回の改正においては、これら特別永住者だけではなしに一般の永住者にまで指紋押捺の廃止の枠を拡大しているわけでありますけれども、これはどういう理由によるのでしょうか。
○高橋政府委員 このたび指紋押捺にかわる同一人性確認の手段として採用することといたしました写真、署名及び家族事項の登録によるこの三つの手段による複合的手段はどういうところに有効かということを見ますと、長年本邦に在留し、定着性の高い永住者及び特別永住者については有効ではないか。これらのグループの人についてはこの三つで十分同一人性の確認ができるという自信があるわけでございますが、それ以外の外国人については、一般的に我が国の社会への定着性とい うものがございませんので、どうも新しい制度を適用するにはまだ無理、困難があるということで、現行どおり指紋押捺制度を維持するということとしたわけでございます。 なお、二つ目の御質問は、なぜ特別永住者のみならず、もっと広げて永住者一般にまで広げることになったのかという御質問かと思いますが、今回採用することにいたしましたこの指紋押捺にかわる同一人性確認の手段というのは、我が国の社会への定着性、どの程度定着しているかというその定着性が高いかということで判断しているものでございますので、特別永住者のように特別の歴史的な経緯を有するか否かということには直接関係なく有効ではないかという考えから対象者の範囲を一般の永住者まで広げた、こういう考え方でございます。
○鈴木(俊)委員 永住者の方や特別永住者の方というのは、考えてみますとずっと日本におられたわけでありますから、その定着性の高さから見ても指紋押捺は廃止されて当然しかるべきだと思いますし、定着性の程度に着目したお話でありましたけれども、そうであれば、それ以外の外国人は確かに永住者と比べれば我が国社会への定着性というものは薄いわけでありますけれども、しかしひとえに非永住者といいましても、その中身を実際考えてみますと大変幅広いわけであります。短期滞在者から日本人や永住者の配偶者に至るまでの多種多様な外国人の方々がおられるわけでありますし、またその中には我が国に家族のある外国人もいるわけであります。そうした非永住者の中でも、比べてみますと比較的定住性の濃い外国人の方々についてどうして今回指紋押捺の廃止ができないのか、その点について詳しくお伺いをいたしたいと思います。
○高橋政府委員 確かに先生の御指摘のとおり、非永住者というカテゴリーの方々でも事実上在留資格を更新することによって長く住んでおられる方もございますし、家族がいることによってこの社会への定着性を非常に高めているという方もございまして、そういう例外的といいますか、そういう人たちは永住者と同じに扱ってもいいのではないかという考えもあるかと思います。 そういうこともございますけれども、一般的に言って非永住者というのは我が国の社会への定着性があるわけではないので、これらの者については同一人性の確認の手段として新たな制度を採用するのは適当ではないんじゃないか。これはどこで線を切るかの話なんですけれども、どこかで線を切るとなると、中には相当定着性を強めた人もあるにしても、やはり永住者、特別永住者というカテゴリーにおられるという人ほど定着性は認められないと一般的に言えるのではないか。こういうことからこれらの非永住者の方については現行の制度をそのまま適用することとした次第でございます。
○鈴木(俊)委員 今お話ありましたその非永住者に指紋押捺の廃止ができないということで、直接関係があるかどうかわかりませんけれども、よく引き合いに出されますのは最近における不法就労者の著しい増加、こういう問題があって非永住者にもこの指紋押捺の廃止ができないんではないか、こういうようなお話もあるわけでありますけれども、現在における不法就労者は我が国に何人ぐらいいるのか、そしてそれはふえているのか減っているのか。把握をしていればその数をお知らせいただきたいと思います。
○高橋政府委員 お答えいたします。 不法就労者を正確に把握するというのは非常に困難な作業でございますので、入管として推計しており省す不法残留者についてデータを申し上げたいと思います。当局の電算機によります統計に基づきまして推計いたしたところによりますと、平成三年五月一日現在十五万九千八百二十八人が不法に残留しているというふうに認められております。こういう人たちが国内に潜在していて、これらのほとんどの人は不法就労者と考えられます。これは、十カ月前の平成二年七月一日現在の十万六千四百九十七名に比べますと五万三千三百三十一人、実に五〇・一%増となっております。そういう基本的には非常に大きな率でふえてきているというのが現状でございます。
○鈴木(俊)委員 そういうことをお聞きいたしますと、今回の改正で急に廃止対象にできなかったということもやむを得ないかとは思うわけであります。 現在、在留期間が一年未満の方は指紋押捺を免除しておられるわけでありますけれども、これらの方々についてはなぜ指紋押捺の必要がないのかをお聞きいたしたいと思います。
○高橋政府委員 一年未満の在留者の方は短期間滞在の後に出国するものでございますので、我が国の社会や各種の行政にかかわりを有することが少なくて、指紋の押捺を求めてまで人物を特定することは必要ないのではないかという考え方でございます。 他方、一年以上在留する方につきましては、我が国の社会や各種の行政とかかわりを有することが非常に多くございますので、同一人性確認手段としては指紋押捺が必要である、そういう基本的な考え方に立って現在の制度が運用されているところでございます。
○鈴木(俊)委員 一年未満の方は指紋押捺を免除しているわけでありますが、先ほどお伺いしました不法就労者の人たちを見てみますと、まさにこの短期滞在者の方が多いわけでありますから、逆にこれらの方々にも指紋押捺を義務づける必要があるのではないか、そういう考え方もまた一面できるわけでありますが、この点についてはいかがでしょうか。
○高橋政府委員 確かに先生がおっしゃったとおり、不法残留者の、私の記憶ですとたしか八割以上が短期滞在で入ってきた人たちでございまして、実はこの方々は外国人登録もしてない方でございまして、それが一つ問題ではございます。ただ、現在国際的な交流が非常に活発化しておりまして、日本が開かれた社会になっていくときに、短期滞在の人にまでその制度を広げていく、指紋押捺を広げていくというのには、そういう方向に行くべきではないのではないか。やはり不法就労の対策というのは別の手段によって解決していくべきではないかというふうに考えるわけでございます。 具体的には、入るところをきちっと管理する、それから入って不法に就労している人を摘発し、減少させる。これにはいろいろの関係省庁の協力を得てやっていく。そういうことによって不法就労を除去していく、減少させていくということが重要でございまして、それを指紋をとることによって行うということではないのではないかというふうに考える次第でございます。
○鈴木(俊)委員 先ほど初めの方の質問で、今回のこの法改正の背景は日本と韓国との覚書によるものが一つの契機になっているということを聞いたわけでありますけれども、今回の改正では、非永住者につきましては韓国人の方についても指紋押捺を廃止していないわけでありますけれども、この点につきまして、この覚書との関係で韓国側から何か要望のようなものはございませんでしょうか。
○高橋政府委員 日韓の覚書は、いわゆる協定一世、二世及び三世以下の子孫について指紋押捺を行わないということを定めているわけでございます。この対象者は、かつては協定永住者であった者、現在においても特別永住者ということを念頭に置いているものでございますので、今回の改正は覚書の趣旨に沿うものであるというふうに考えております。すなわち、一時的に日本に滞在する韓国人は覚書においても対象としておりません。そういうことでございますので、この法案の趣旨と覚書の趣旨は合致するものであると考えております。 なお、韓国側からも、韓国人の非永住者についても指紋押捺を廃止してほしいという旨の公式の要請を受けたことはございません。
○鈴木(俊)委員 次に、外国人登録証明書の常時携帯義務の問題に移りたいと思うのですが、先ほ ども北側先生からの御質問にもあったわけでありますけれども、外国人が登録証明書を常に携帯しなくてはならないという必要性について御説明をいただきたいと思います。
○高橋政府委員 外国人は、日本国民と異なつまして、本邦に在留するためには日本国政府の許可を原則として必要としまして、かつ在留できる期間及び在留資格、在留活動について制限を受けるということになっているものでございます。 外国人の入国及び在留は日本国政府の許可を必要とするものでございますので、本邦に在留している者が許可を受けている者であるかどうか、また許可を受けた者である場合には、許可された期間内にあるかどうか、許可された活動を逸脱していないかどうか、現場において即時的に認識でき、確認できることが肝要でございまして、そのために、在留中の外国人の居住関係及び身分関係を即時的に確認できるように在留外国人に対して登録証明書の携帯を義務づけているものでございます。
○鈴木(俊)委員 この登録証明書の常時携帯制度といいますのは、日韓間の覚書で指紋押捺と並んで一つの大きな柱になっているものでありまして、覚書では「外国人登録証の携帯制度については、運用の在り方も含め適切な解決策について引き続き検討する。同制度の運用については、今後とも、在日韓国人の立場に配慮し、常識的かつ弾力的な運用をより徹底するよう努力する。」こういうふうになっているわけであります。 覚書を受けた今回の法改正でありますけれども、この常時携帯制度について法改正に盛り込まれなかった理由をお伺いしたいと思いますし、そのことは覚書との関係上問題があるのかないのか、この点についてもお伺いしたいと思います。
○高橋政府委員 日韓の覚書の中には、確かに外国人登録証明書の常時携帯制度についての規定がございます。運用の問題も含めてとございますとおり、いろいろ日韓間で議論したことは確かでございます。 外国人登録証明書の常時携帯制度というものは、今申し上げましたとおり外国人の居住関係及び身分関係を現場において即時的に確認するために重要だということでございます。それで日韓間覚書におきましては、今先生お読みになりましたとおり、「外国人登録証の携帯制度については、運用の在り方も含め適切な解決策について引き続き検討する。」とされておりまして、携帯制度については、指紋押捺制度と異なり、制度自体の法改正を表明しているものではございませんので、常時携帯について法改正を行わないとしても日韓覚書には反しないというふうに考えております。 それから、日韓覚書を踏まえまして、その制度自体は維持することといたしましたけれども、運用面においてより一層の常識的、弾力的な運用を徹底することとしております。なお、登録証明書をキャッシュカード並みに小型化することを考えておりまして、これによっても携帯に伴う負担が相当軽減されるのではないかというふうに期待しているところでございます。
○鈴木(俊)委員 法律で改正をしないとなりますと、先ほどの覚書の後段にあります「常識的かつ弾力的な運用をより徹底するよう努力する。」という部分で努力をしなくてはならないわけでありますし、そういう趣旨の御答弁もあったわけであります。 先ほど北側先生の質問での答えの中で、常時携帯義務違反の検挙件数のお話がございました。昭和六十二年には千四百二十八件、それが平成三年にはわずか四十二件に減ったということでありますが、この数字の裏側にあるもの、つまり昭和六十二年から今までこれだけ減っているわけでありますから、この制度の運用についてどういう点を具体的に改善されてきてこういう結果が出たのか、それとまた、弾力的運用をされていますけれども、こういう点で改善を図っていきたいというような今後の方向といいますか、そういうことがありましたら教えていただきたいと思います。
○本間政府委員 最近における外国人登録証明書の不携帯違反事件の検挙件数につきましては、北側先生の御質問に対して警察庁の方がお答えになっていたとおり、非常に大幅な減少を示しているわけでございます。これは一つには、不携帯の事実が認められた場合の検挙についても、画一的あるいは機械的な処理に終わっているのではなくて、やはりその場の、あるいはそのときの諸般の事情というものを十分考慮した上で、いわゆる常識的かつ弾力的な運用がより徹底されてきた結果ではないかというように私どもは考えているわけでございます。今後ともそういう運用がさらに進むということにつきましては、私どもも十分関心を持っているところでございます。 それから、携帯制度の運用で今後どういうふうに改善していくのかということでございますけれども、当省の所管のことで申し上げれば、私どもの警備官とかあるいは入国審査官というものも外国人登録証の提示を求める権限というものを当然法律上認められておりますので、その運用につきまして、十分常識的かつ弾力的な運用といいますか、そういう点については心がけていくことはもちろんでございますけれども、そのほかに制度の面におきまして、先ほど局長から御答弁申し上げましたとおり、携帯義務そのものを緩和するということは制度の根幹に触れますのでいたしませんけれども、外国人登録証の様式を変え、より小型化して携帯に便利なものをつくるというふうな改善をしたいというふうに予定しているところでございます。
○鈴木(俊)委員 それでは、大臣が参議院本会議からお帰りになりましたので、最後に大臣にお伺いをして、私の質問を終了したいと思います。 今回のこの内閣提出の法律改正案でありますけれども、その背景となりました昭和六十二年の改。正時における衆参法務委員会における附帯決議それから日韓法的地位協定に関する覚書、日韓間の覚書、この二つの要請があり、また、一方におきまして、国際化時代と言われる今日における出入国者、在留者の増加、在留外国人の活動内容の多様化、不法就労外国人の急増等、出入国管理行政をめぐる諸般の状況を考慮いたしますと、その二つを考慮いたしますとまずまず落ちつくべきところに落ちついたものではないかな、私はこう思うわけでありますけれども、最後に今後の外国人登録法の運用等について大臣の抱負と決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○田原国務大臣 ただいま御理解ある御発言、ありがとうございました。今後この外国人登録制度については、国際環境、国内の諸事情がどんどん急速に推移していくと思いますが、その推移を的確につかみ踏まえ、外国人登録法の目的であります在留外国人の公正な管理を図るよう、一層の運用に努力をしていきたいと思います。
○鈴木(俊)委員 終わります。
○星野委員長代理 御苦労さんでした。 木島日出夫君。
○木島委員 私からは指紋押捺の問題についてお尋ねしたいと思います。 我が党は、一九八二年、今から十年前に外国人登録法の改正法案が国会に提出されましたときに、指紋押捺制度は全廃すること、それから登録証明書常時携帯義務も廃止することなどを内容とする修正案を提出いたしました。今回の改正によって、永住者、特別永住者については指紋押捺が廃止される、しかし一年以上の在留者については引き続き指紋押捺義務が残った。これは外国人の人権の面からも重大な問題でありますし、さらに私は、新しく法のもとの平等という問題が提起されたのではないかと思わざるを得ないわけであります。 そこで最初に、昭和六十二年二月四日の参議院本会議におきまして、時の中曽根総理は、「せめて永住権を持つか、日本で生まれ一定の居住歴を持つ定住外国人については、国籍を問わず指紋押捺制度を廃止する」こととしたらどうかという質問に対する答弁として、明確にこう述べております。「指紋押捺、登録証明書の携帯は、いずれも人物の同一性確認のために必要なものでありまし て、定住外国人につき特別の取り扱いは困難であります。」以上であります。 要するに、政府の本会議での答弁は、定住外国人、これは永住者だと思いますが、それ以外の外国人を区別した取り扱いをすることは、法のもとの平等という観点からできないという答弁だったと思うわけであります。そうしますと、今回、日韓外相覚書に基づいて特別永住者あるいは永住者について指紋押捺を廃止するのであれば、政府の立場からいってもすべての在留外国人について廃止するのが当然だと思うわけであります。今回、政府は従来の法のもとの平等という大原則を変えるという、ことなんでしょうか、明確に答弁を願います。
○高橋政府委員 昭和六十二年の外国人登録法の一部改正案の審議におきまして、定住者等について指紋押捺を廃止すべしという議論がなされたのに対して、そのような者のみを何の代替手段も措置せず区別して取り扱うことは困難である、そういう趣旨で答えたものでございます。 しかるに、今回の法案におきましては、特別永住者及び永住者に対して、写真、署名及び一定の家族事項の登録という指紋押捺にかわる手段の開発によりまして人物の同一人性を確認しようとするものでございまして、私たちといたしましては、昭和六十二年の当時の答弁とは矛盾していない、法のもとの平等に反した取り扱いをしているものではない、そういうふうに考えているところでございます。
○木島委員 今の答弁は、全く私は理解できません。当時の中曽根総理の、法のもとの平等の原則から永住者と非永住者を区別できないという答弁について、勝手な理屈を述べてそれを曲げようとするものだと思わざるを得ないわけであります。 ついでに聞いておきます。国際人権規約、いわゆるB規約の第二十六条「すべての者は、法律の前に平等であり、いかなる差別もなしに法律による平等の保護を受ける権利を有する。」これは日本も批准しているところだと思うのです。永住者については署名、写真、家族で同一性を確認する、非永住者、一年以上の在留者については指紋によって同一性を確認する。これは国際人権規約B規約第二十六条に反しないと考えているんですか、法務省は。
○高橋政府委員 永住者につきましては、この新しい制度は、日本社会に定着しているかどうかということ、そういう程度に着目して区別しているものでございますので合理的な理由があるというふうに考えておりまして、したがって国際人権規約に言います法のもとの平等という規定についても、反しているというふうには考えておりません。
○木島委員 法務省の概念は定着性の程度という、この概念で法のもとの平等に反しないということのようであります。 それではお聞きします。定着性の程度とおっしゃる定着性とは何でしょうか。具体的にお答えください。
○高橋政府委員 社会の一員として、どの程度根をおろしてその社会の構成員に深くかかわっているか、抽象的に言うとそういうことではないかと思います。
○木島委員 永住者は定着性がある、一年以上の在留者は定着性がないということなんですね。今の説明では、抽象的でよくわかりません。その区別する具体的なメルクマールを挙げてください。
○本間政府委員 一つは特別永住者、これは戦前から住んでおられる在日韓国、朝鮮、台湾の方々とその子孫ということでございますから、親の代あるいは祖父の代というふうに長年にわたって日本の社会に溶け込んでいた、とりわけ戦前は日本国籍を有していたというようなことで、定着性は明らかだろうと思います。また他方、永住者につきましては入管法に永住のための要件というものが定まっております。そこには何年在留していれば永住にするというようなはっきりしたことは書いてございませんけれども、そこに書いてある各要件というものを判断するに当たりましては、やはり長年にわたる日本の在留状態というものを基礎にして考えるという解釈、運用でやっておるわけでございますので、いずれにしましても、相当年数我が国の社会で生活をしておられるということがもとになっているということでございます。そういう、類型的に我が社会への定着性を深めたという範疇として、在留資格で特別永住者及び永住者というふうに範囲を定めた、こういうことでございます。
○木島委員 入管法二十二条が永住許可の要件であります。いろいろありますが、一つは「素行が善良であること。」二つは「独立の生計を営むに足りる資産又は技能を有すること。」とあります。先ほど他の委員からの質問に対する答えの中で、必ずしも永住許可を取った永住者の方が長く日本にいるとは限らないという趣旨の御答弁もありました。ところが、どこで線を引くかが大体問題なんだ、一般的には永住者の方が我が国への定着性がある、例外的な場合はあるけれども、その例外を考えると区別がわからなくなるから、一般的なことを考えて永住者か非永住者かで線を切ったんだという答弁でしたね。果たして、その一般、例外ということで区別ができるんでしょうか、どうなんですか。 私の方からちょっと数字を示したいと思うのです。法務委員会の調査室から配付をされました資料によりますと、日本に在留している外国人登録者数が百万を超えて、百七万五千三百十七人だ。その内訳ですが、永住者等が六十四万五千四百三十八人である。これが、今回指紋押捺義務が廃止されるわけですね。ですからいいわけです。それでは、そのほかの人たちはどういう人か。留学生、就学生、研修生、就労が認められている一般的在留資格による在留者、そして日本人の配偶者等であります。その数がこの資料に書いてあるんです。留学生が四万八千七百十五人、就学生が三万五千五百九十五人、研修生が一万三千二百四十一九人、就労が認められている一般的在留資格による在留者が六万一千五百六十五人に対して、日本人の配偶者等が何と十三万二百十八人なんですよ。圧倒的多数が日本人の配偶者等なんですね。そうすると、日本人がいる、その正式に結婚して届け出もした外国人の妻とか夫、それが十三万人もいるんですよ。その配偶者が日本人である、こんなに定着性が高いものはないんじゃないですか、どうなんですか。
○本間政府委員 入管法上の在留資格で申します日本人の配偶者等というのは、それは配偶者そのものぽかりではなくて、日本人の子供である者という意味でいわゆる二世の方々、これが入っているわけでございます。最近、ブラジル等南米の方々が大勢日本に来ておられます。それらの方々の多くがこの範疇の、この在留資格によって在留しているということで、この数がふえているというのが最近の傾向でございます。
○木島委員 だから、私が言ったのは、一年以上の在留者の中の非常に多数の部分は日本人の配偶者等で十三万人を超えている、それは配偶者が日本人なんですから、こんなに定着性の高い外国人はないわけですね。そういう人たちが、外国人で法務大臣から永住許可をもらった人間よりも日本への定着性が弱いなんということはとても言えないと思うのですね。そうしますと、法務省の先ほどからの説明によって、永住者は定着性が高い、しかし非永住者である一年以上の在留者については一定着性が低い、だから片や署名で特定し,片や指紋で特定する合理的な根拠があるんだという説明ですね。それしか説明できていないわけでしょう。その説が、この実態は全然崩れてしまうと思うのですよ。合理的に説明してください。
○高橋政府委員 「日本人の配偶者等」ということのカテゴリーの人たちは、日本人との何らかの身分関係におきましてここの日本に在留することを認められた人たちでございまして、この人たちが必ずしも定着性があるということではないわけでございます。したがって、定着性ということに関しましては、この永住者と非永住者ということで分けることに何か合理的でないということに はならないのではないかというふうに考えております。
○木島委員 そうすると、法務省の言う定着というのは何ですか。日本に長くいたか、短くしかいなかったか、そういう長さなんですか。どうなんですか。
○本間政府委員 基本的には日本に長期間いるということがやはり基礎にはなっております。それと同時に、日本の土地で、日本の社会で骨を埋めてもいいという決心をして恐らく永住されているんだろうと思います。そういう意味で、社会への親しみといいますか、一つの関係その他がおのずと変わってきますし、それは単に年数の差というよりもその人の生活実態の差、いわゆる質の差のようなものに変じていくんじゃないだろうかという意味で、永住者、特別永住者というものは、この同一人性確認の手段の点については特別の扱いができるという判断でございます。
○木島委員 単なる日本に在留する期間、そういうもめよりも日本に骨を埋めるかどうかだ、そういう質的なものなんだということだと、まさに日本人と結婚したあるいは結婚して日本人の子供だ、こんなに日本に骨を埋めることが客観的に明らかな人たちはいないじゃないですか。これこそまさに定着性の最たるものではないか。その人たちが十三万人もいて、いわゆる今度の法改正によっても指紋を強要される非永住者の圧倒的多数だということになると、全く説明できないと思うのですよ。どうですか。
○本間政府委員 先ほども申し上げましたけれども、「日本人の配偶者等」と書いてありますので、「等」の方が実態は多いわけでございまして、私ども、今の資料の中に、そのうちに何人が日本人の配偶者で、何人がその日本人の血を引いた二世、三世であるのか、こういった区別がありませんが、実態として、最近ブラジル、ペルー、そういうところから来ますところの二世、三世の方というのがこういう在留資格を与えられているということでございますので、その実態はいわゆる奥さんとかだんなさんというものよりもそういった方々が多いということを先ほど御説明申し上げました。
○木島委員 いや、日本人の子供ならもっと土着性が強い、定着性が強い、日本に骨を埋めることがもっと――配偶者ですと離婚するということがありますけれども、子供ならもう血がつながってしまっているわけですから、もっともっと法務省の説明によっても我が国への定着性が高いと言わざるを得ないわけです。全然今回の法務省の説明は破綻しておる、もう全部一律に押捺を廃止すべきではないかと私は思わざるを得ないわけであります。支離滅裂だと思います。 そこで、ちょっと質問を変えます。 今回、永住者については指紋押捺義務が廃止されるというのですが、入管法二十二条で言う永住許可が年間どのくらい法務大臣から出されているのか、数字を述べてください。
○本間政府委員 平成二年、一番最近の数字で申し上げます。 一般永住というのが五千大百六十三人を許可しております。
○木島委員 そのうち指紋押捺義務のない一年未満の在留者から法務大臣の許可が得られて永住者になった、そういう数字は大体どのくらいいるのでしょうか。
○本間政府委員 手元に資料がございません。調べられませんでしたのでそこは明確じゃございませんけれども、一年未満の在留期間で永住を認められるという場合は非常にまれというか少ないのではないかというふうに考えてはおります。
○木島委員 わかりました。要するに、ほとんどすべての者が一年以上の在留者、いわゆる指紋押捺義務のある者から法務大臣の許可によって永住者になるということだと思うのです。 じゃ、ついでに、日本に在留しなくて外国にいて、そして直接法務大臣の許可をもらってしまって日本の永住者になる、そういう道は開けているのでしょうか。
○本間政府委員 永住許可の要件は先ほど先生もお挙げになったとおりでございますが、そこの判断に当たりましては、やはり在日歴、その間の在留状況等総合的に判断して、その許可をすべきかどうかということを決しているというのが今の運用でございますので、外国にいてストレートに永住許可が取れるということにはならないといいますが、実際にはございません。
○木島委員 今回法改正で、いわゆる永住者に対しては指紋押捺義務を免除する、廃止するんだということなんですが、今私が実態を聞きますと、それはほとんどすべて一年以上の日本の在留者で、そしてようやく法務大臣の許可を得て永住者になる。そうすると、結局は何のことはない、そこでもう指紋を押捺させられているということになるわけですね。まさに羊頭狗肉といいますか、欺瞞のような感じがしないでもないわけであります。そういうことになるわけですね。永住者に対して今法改正によって指紋押捺義務をなくしてあげますよといっても、結局は、特別永住者は別ですよ、永住者についてはもうその前段階で既に指紋が一回とられているということになるわけでしょう。
○本間政府委員 一般永住の方、確かに一回は指紋押捺をとられたであろうと思います。
○木島委員 そうすると、一般永住者については今回の法改正で指紋押捺義務がなくなるといっても、結局今の入管法の体系、外登法の体系から実際は指紋押捺がとられている、しかし特別永住者についてはそういうことはないということになりますと、これは今度は特別永住者と一般永住者との間での差が出てきてしまうということになると思うのです。特に配偶者や子供の場合はそういう差が大きな差として出てくるかと思うのですが、これは法務省、国際人権規約上、平等の観点にもとるとお考えではないですか。
○高橋政府委員 この制度自体、今先生おっしゃったようなケースを見ますと、何となく一つのファミリーの中で、あるいは同じ永住者といっても結局は指紋を押捺するから特別永住者と永住者の間に差ができるのではないかということで法のもとの平等に反するのではないかということでございますけれども、基本的に私たちのこの新しい制度は、合理的な理由があって区別するのであって、人権規約には反していないというふうに考えております。
○木島委員 時間が来たから終わりますが、どうも今回の改正法案は、結局永住者と非永住者の間でも説明が合理的にできないほど矛盾がある。それから、永住者と特別永住者の間でも、まともな説明ができないほど合理的な理由がないと言わざるを得ないわけです。 なぜこういうことが生ずるかというと、結局、一年以上の在留者について相変わらず指紋押捺義務を残そうとするかたくなな政府の態度にその根源があるわけです。それをなくさないことには私は国際人権規約違反のそしりを免れないと思うわけでありまして、政府、法務省が押捺義務をなくすように配慮されますことを心から期待いたしまして、質問を終わらせていただきます。
○星野委員長代理 中野寛成君。
○中野委員 十五年来外国人登録法の改正による指紋押捺の廃止を訴え続けてまいりましたが、きょうからいよいよ審議が始まりまして一つの感慨を覚えております。その間に随分と法務省のかたくなな姿勢に対して腹が立ったことやいろいろな感情もありましたけれども、ここ数年来外務省、法務省ともに前向きの御努力をしていただいた経緯、そしてまた、今回、その内容についてはもとよりいろいろな今後の努力も重ねて必要でありますけれども、とりあえずはここまで来たその御努力と経緯について率直に評価をし、そしてまた敬意を表したいと思います。しかし同時に、一層よりよいものをつくっていくという努力は常に必要でありますから、せっかくのこの機会にもう少しこうならないかという問題等について今後御指摘をしてまいりたい、こう思います。 なお、きょうは最初の日でございますから基本的な考え方についてお尋ねをし、また後日、次の機会に各論にわたってのお尋ねをしたいと思っております。 さて、先ほど来いろいろな議論がなされておりますが、私は少し法務省としてもお立場上建前のお答えをしなければいけない部分があるのかなというふうに思いつつ聞いてまいりました。率直に申し上げますが、私は、指紋押捺制度というのは現在の国際社会の人権に関する考え方の進歩の中でやはりなくしていく方向にあることは間違いがない、そういう前提に立って、それでも指紋押捺を求めているというその裏には、日本の国益や治安やそしてまた御本人の同一人性を確保する立場や、言うならば、大小や上下で考えてはいけませんが、便宜上申し上げますならば、より大きな法益を守るためにより小さな法益を犠牲にするという部分の中で今回のこの問題が比較、論じられなければいけないのではないだろうか、こういう気持ちもしているわけであります。 ゆえに、今回入管法、入管特例法に基づく永住者及び特別永住者に限って新しい措置が講じられようとしているわけでありますが、私はそれは第一歩ではないのか、こう思いたいと思っております。将来はやはり指紋押捺制度を廃止していく方向にある、しかし歴史的経緯を踏まえ、永住者及び特別永住者についてまず新しい第一歩を踏み出した、そのことによって、ある意味ではぎくしゃくしがちな日韓関係も一つの新しい、日本の一種の戦後処理の一つとも考え合わせるならば、それはまた一つの日本政府の姿勢または日本国民の姿勢として評価される一面もあるのではないだろうか、こういうふうにも思うわけであります。 そういう意味では、単に人権の問題というだけではなくて、大変大きな人権問題ではあるが、あわせて日本の国益や外交の問題や、そして国民感情等々を考え合わせた中での一つの経過的措置、随分工夫と苦労を重ねられた中での経過的措置というふうに考えるべきではないだろうかという気もするわけでありますが、その基本的な姿勢についてまず法務大臣からお尋ねをいたします。
○田原国務大臣 ただいま中野先生から非常に貴重な御意見をいただきましたが、私どもの苦労を非常にアプリーシユートしていただいている感じがいたしておりますけれども、ただ、今すぐ、これが第一歩であってすぐまた第二歩に入るという御答弁はなかなかしかねるわけでございます。今この第一歩を踏み出すことに非常に苦労しているわけですから、そういう感じてお聞きいただくわけですけれども、確かにおっしゃるように、今回の改正は在日韓国人の法的地位に関する日韓間の協議の結果を踏まえたこととともに、これまで進めてきた指紋押捺にかわる外国人の同一性確認手段の研究開発の結果を踏まえたということで、本来ですと同一人確認は、今のところこれは必ず要るという考えてありますが、先ほど私どなたかに申し上げましたが、指紋を一〇〇%確実な同一人確認の手段とするならば、その代替手段として写真その他のことが手法として今度取り入れられたわけですけれども、これがさらにさらに開発されて全く同一の効果を持つようになれば、技術的な面から見てほかのことを考慮せずにまた別の考え方が生まれるかもしれませんが、先ほどから入国管理局長が答えておりますように、定住性というものを、時間を一つの尺度にして考えて、非常に重点を置いておるようでありますけれども、私はこの定住性というもの、定着性というか定住性というか、非常に長く日本にいてくれて日本の社会に溶け込んでしまうという人には写真とあれでいって、まだ少し、言葉は大変悪いですけれども、まだ熟してない、未熟と言うとちょっとおかしいですが、熟してない一ないし三年の人たちにはまだ完璧な手法を用いるという逆な見方をしているわけですが、それで一つの整合性を持ち、日本の現在の状況では公平性は十分保っているのではないか。ただ、いろいろな国連その他の動きを見ましても、世界の潮流を見ましても、確かにおっしゃるような動きがあることは事実でありますから、その方向は長期的視野においてはにらまなければいかぬ問題ではないかな、こういうふうに考えております。
○中野委員 少なくとも指紋押捺という制度は、人間の人権の一部を抑圧するもしくは規制するシステムである。しかし、それはより大きな法益を守るためのやむを得ない措置として講じられているものだ、言葉をかえて言えば必要悪だ、悪とまで言うべきかどうかは人によって解釈が違うでしょうけれども、そういう性質のものであって、やはり将来いろいろな工夫をしながらなくしていくべきものだ。ゆえに、例えば今回は永住者及び特別永住者に限っておりますけれども、やはり別の方途に変えだというのが、指紋押捺制度そのものが将来なくされるべきものだという前提があるからこそ一歩進歩したものとしてそういう方向をとったはずであろうと思うのですね。永住者とか特別永住者はどうでもいいから外したというわけではないだろうと思うのです。その基本的なスタンスを持っておられるかどうかということがこの問題の根底になければならぬ、それが大事だと思うのです。どうですか。
○田原国務大臣 率直に言いまして、おっしゃることよくわかるわけであります。 私、先ほどだれかから質問されたときに、子供のころの、多分まだ未成年だったと思うのですが、海軍におったときに、何か今思い出すと、指紋をとられたときは何も感じなくて、みんな並んでとったものですから、そのときの経験を聞かれたからそういうふうに答えたのですけれども、確かにおっしゃるように指紋を押すということは、適切な言葉がどうかわかりませんが、一種の屈辱的な感じがする場合がかなりあると思うのですね。だから、それは長い視野のもとにはなくしていくべきだろうと思いますが、今このシステムをつくるときにこれができたらすぐ変えるということはなかなか申し上げかねますけれども、ただ非常に長い視野で見たときに、おっしゃるようなことはよく理解できることであります。
○中野委員 外務省からもお越しいただいておると思いますので、ちょっとお聞きいたします。 日韓関係で、これも一つの戦後処理だとは思いますが、慰安婦問題等がございますけれども、これはちょっと横に置いておきます、きょうの議論の対象とはいたしません。この在日韓国人等の問題について、ほかに残された問題というのはどのくらいありますか。大体これで一つの切りを迎えるのですか。それで、また今後の日韓関係の中でどういう位置づけを感じておられますか。
○武藤説明員 お答え申し上げます。 私どもの朝鮮半島の政策の基本は、やはり韓国との友好関係の強化ということでございます。 一九六五年の日韓国交正常化以来、日韓関係というのは着実に発展を見てきていると思いますし、基調といたしましては非常にいい関係だろうと認識しております。特に、昨年一月当時の海部総理が訪韓されまして、長年の懸案であった在日韓国人問題に関する協議が決着いたしまして、二十一世紀に向けた未来志向的な日韓協力関係の方向性を示す日韓新時代の三原則、これについて両首脳間で意見の一致を見たということは非常に大きな成果だったというふうに考えております。また、ことし一月、これは宮澤総理が訪韓されました際にこうした未来志向的な日韓関係といった基本的な考え方について再度確認をしております。 私どもといたしましては、今後とも日韓両国の国際社会における役割がますます重要となる中で、この三原則を踏まえまして日韓間の真の友好協力関係をさらに強化していきたい、そのために最大限努力をしていきたいと考えております。そのためには、まず両国の国民が相手を正しく認識し、理解し、そして相互に信頼関係を醸成することが肝要だと考えておりますので、両国国民間の交流なかんずく青少年交流ですとか国内意識啓発に力を入れていきたいというふうに考えております。
○中野委員 隣国との友好関係、それから歴史的経過を踏まえた上での在日韓国人・朝鮮人の皆さん等への積極的な配慮、こういうふうなことを考えますときに、問題は、法務省が押し切られたという形ではなくてむしろ法務省がより一層積極的に人権を守る、そしてまた今日までの日本が犯した罪に対する一つの償いということなどを前向きに考えるならば、多くの施策についての態度というものがおのずから決まってくると思うのです。 例えば先ほど来議論されております常時携帯制度の問題、これなども、例えばすぐとってこられるように、家に置いてあります、または職場に置いてあります、旅行中はホテルに置いてありますでも認められる施策を、法制度上うまくまとめるというのはなかなか難しいかもしらぬ、社会党さんの案には政令ということで何かえらい御苦心をなさっているようでございますが、しかしそういう工夫を前向きにするかどうかというのはこの制度についての基本的なスタンスによって変わってくる、こう思うのであります。 それから、例えば旧法のもとでの指紋押捺拒否者にも何か救済措置を設けてほしい。例えば公布された後十六歳になる人たちは特別の配慮をしようという前向きの検討が加えられてしかるべきだと私は思うし、法務省もそういうことはお考えではないだろうか、こうも思いますけれども、せっかく法律がこれで変えられるわけでありますから、そういうことももっと積極的に考えられていいのではないだろうかと私は思うのですね。それから、法律違反の刑事罰を過料にする等の軽減措置、こういうことの検討もなされていいだろうと思うわけであります。 私がきょうは基本的なスタンスについてお聞きしたいと申し上げたのは、そういう各論を論ずるときにどういう基本の姿勢を持っているかによっておのずから態度は変わってくる、こういうふうに思うものですから、そのことに関連をして基本的なスタンスをお聞きいたしているわけであります。 今外務省からの御答弁にもございましたように、これから日本が国際化、または日本の存在を国際社会で認めていただくためには、隣の国と仲よくできないようでは何もできないわけでございますから、そういうこともあわせて考えますときに、これらのことについての基本的なお考えを法務大臣と入管局長からお答えいただければと思います。
○高橋政府委員 先ほど鈴木委員の御質問に対してお答えしたところでございますけれども、これからの入管行政というものは、国際的な視野に立ち、日本の国際的な責任というものを十分に自覚した上で実施していかなければならない、そういうふうに考えているところでございます。 この改正案の作成に当たっても、私たちとしてはそれを念頭に置いて、日本が国際社会にあるべき姿、国内的な行政需要、いろいろなことを考えて作成したところでございます。また、実施に当たっても基本的にはそのような視野に立って実施すべきであるというふうに考えておるところでございまして、その点に関しましては今中野先生がおっしゃったところと軌を一にしているのではないかというふうに考えているところでございます。
○田原国務大臣 中野先生の意のある御質問をこれからどんどんいただきながら、それを胸に刻み込んで、よく勉強し、よくやっていきたい、こういうふうに考えております。
○中野委員 基本的には前向きの御答弁をいただきましたが、これから恐らく各論に入りますとなかなか難しい問題が出てくるのであろうと思います。しかし、今お答えになられた基本的な姿勢をお持ちいただいて、それぞれの各論についていかにすれば前向きに解決できるかということをぜひともお考えいただきたいと思います。 そしてまた、日韓関係から今回の件は始まったと私は思います。今日までいろいろな形での改正が、入管法も外国人登録法も改正が行われてきました。そしてまた、その他の社会保障制度についての適用も拡大を外国人に向けてされてまいりました。しかし、朝鮮半島に対する日本の歴史的経過を踏まえての措置というのはほとんどなくて、難民条約であるとか、そういうまさに全体としての考え方の中での改正がなされてまいりました。その審議の中において、言うならば特定の国の御出身の人だからといって差別するわけにはいかないのですという答弁も、私も幾たびとなく聞いてまいりました。今回はある意味では初めて永住者及び特別永住者を優先させた。人によっては、それは公平を欠くということに指摘をされるかもしれません。しかし、日本の歴史やそして今日までの経過を踏まえますと、ある意味では一番そういうやり方というものが、いろいろなことに配慮したやり方が初めて行われていると言っても過言ではないかもしれません。しかし、行く先は、やはり差別があってはいけないわけでありますから、これをきっかけとしてまた一般外国人に広がっていくという一つのプロセスを踏んでいくということが大事なんだろう、こう思うのであります。 ゆえに私は、不十分であるからとかまだ差別が残るからとか新しい差別が生まれるからとか言って、この改正案にそういうことを理由にして反対をしようとは思いません。しかしながら、今御答弁いただきました基本的なそのスタンスを大事にして、前向きの御論議と前向きの検討がなされますことを特にお願いを申し上げまして、時間が参りました、質問を終わります。
○星野委員長代理 御苦労さまでした。
○星野委員長代理 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 両案審査のため、参考人の出席を求め、意見を聴取することとし、その日時、人選等につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○星野委員長代理 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後七時二分散会 ――――◇―――――