法務委員会 第1号
- 発言数
- 284 件
- 登壇者
- 26 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/02/26
会議録
○浜田委員長 これより会議を開きます。 この際、御報告申し上げます。 本委員会の委員でありました中島源太郎君が、去る七日、逝去されました。まことに痛惜の念にたえません。 ここに、委員各位とともに故中島源太郎君の御冥福を祈り、謹んで黙祷をささげたいと存じます。 御起立をお願いいたします。——黙祷。 〔総員起立、黙祷〕
○浜田委員長 黙祷を終わります。御着席願います。 ————◇—————
○浜田委員長 理事補欠選任の件についてお諮りいたします。 委員の異動に伴い、現在理事が一名欠員となっております。その補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、理事に津島雄二君を指名いたします。 ————◇—————
○浜田委員長 この際、お諮りいたします。 本日、最高裁判所千種事務総長、上田総務局長、仁田経理局長、今井民事局長、島田刑事局長から出席説明の要求がありますので、これを承認するに御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○浜田委員長 国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。 裁判所の司法行政に関する事項 法務行政及び検察行政に関する事項 国内治安に関する事項 人権擁護に関する事項の各事項につきまして、今会期中国政に関する調査を行うため、議長に対し、国政調査承認要求を行うこととし、その手続につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○浜田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————◇—————
○浜田委員長 裁判所の司法行政、法務行政、検察行政、国内治安並びに人権擁護に関する件について調査を進めます。 この際、法務行政の当面する問題について、法務大臣から説明を聴取いたします。田原法務大臣。
○田原国務大臣 委員長を初め委員の皆様には、常日ごろ法務行政の運営につきまして、格別の御尽力をいただき、厚く御礼申し上げます。 当面する法務行政の重要施策につきまして所信の一端を申し述べ、委員各位の御理解と御協力を賜りたいと存じます。 第一は、治安の確保及び法秩序の維持についてであります。 最近における犯罪情勢を概観いたしますと、全般的にはおおむね平穏に推移していると認められますが、いわゆるバブル経済の破綻に伴い、大規模な脱税事犯や株式相場操縦事犯、公務員による涜職事犯が相次いで発覚しており、これらの内容もますます複雑多様化、広域化、悪質巧妙化しております。また、経済活動の国際化等に伴い、国の内外から、取引ルールの一層の遵守を求める声が高まり、公正取引委員会から十七年ぶりにいわゆる独占禁止法違反事件の告発がなされるなど経済取引の公正を図るため刑事罰の活用が求められております。 私はこのような情勢のもとで、各種犯罪事象に的確に対処するため、検察態勢の一層の整備充実を図り、さらに、具体的事件を通じて刑事司法に関する国際協力を促進していくことにより、時代の要請に応じた良好な治安の確保と法秩序の維持に努めていきたいと考えております。 第二は、出入国管理行政の充実強化についてであります。 近年、諸外国との人的交流がますます活発化しているほか、新東京国際空港の二期施設及び関西国際空港の完成を間近に控え、業務量の大幅な増加が見込まれることから、引き続き要員及び施設の確保に努め、業務体制の整備を図ることとしております。 また、不法就労を企図して我が国に入国する外国人も増加の傾向にありますが、こうした外国人については、その定着を防止しつつ減少を図るとの基本方針のもと、厳正な入国審査による上陸の防止、悪質事犯に重点を置いた摘発の実施及び警察等関係機関との協力体制の確保に努めてまいります。 さらに、我が国に入国、在留する外国人に関する諸問題については、内外の情勢や世論を踏まえながら幅広い角度から検討を加え、これらに的確に対処することができるよう、全力を尽くしていきたいと考えております。 第三は、一般民事関係事務の効率化と訟務事件の処理についてであります。 一般民事関係事務は、登記事務を初めとして量的に逐年増大するとともに、取引等の国際化、社会経済生活の多様化、複雑化を反映して年々複雑困難な事件がふえてきております。逐年大幅な増加を続けてきた登記事件は、不動産取引の沈静化に伴い、その伸びに若干の低下が見られますが、やや長い期間をとってみますと、経済規模の拡大、公共事業の活発化等に伴い、登記事件の増加の傾向は引き続き継続するものと考えられます。そこでこのような現状に対処し、あわせて窓口サービスの抜本的改善を図るため、現在、登記事務のコンピューター化を鋭意推進しておりますが、全国の登記所をコンピューター化するには相当期間を要するため、その間も、要員の確保に努めるなどして増加する登記事件の適正迅速な事務処理体制の確保を図っていきたいと考えております。 次に、訟務事件の処理についてでありますが、最近の訟務事件は、最先端の知識、技術に関連し、あるいは諸外国の法制度との対比が問題とされるなど、複雑困難なものが増加する傾向にあります。また、これらの訴訟は、集団化、大型化し、全国各地の裁判所に提起される傾向にあり、訴訟の結果いかんが、国の政治、行政、国民生活等に重大な影響を及ぼすものが少なくありませんので、訟務事務処理体制の一層の充実と強化を図り、適正、円滑な事件処理に努めていきたいと考えております。 第四は、人権擁護行政についてであります。 人権の擁護は、憲法の重要な柱の一つであり、民主政治の基本でもあります。 国民のすべてが人権について正しい認識を持ち、お互いの人権を尊重し合いながら幸福を追求するという態度が必要であると考えます。 人権擁護行政におきましては、各種の広報活動によって国民の間に広く人権尊重の思想が普及、高揚するように努めるとともに、具体的な人権に関する相談や人権侵犯事件の調査、処理を通じて関係者に人権尊重を啓発し、被害者の救済にも努めておりますが、中でも、我が国社会の国際化に伴う人権問題、部落差別を初めとするいろいろな差別問題、子供をめぐるいじめ、体罰問題につきまして、関係省庁と緊密な連絡をとりながら、一層啓発活動を充実強化していきたいと考えております。 第五は、犯罪者に対する矯正処遇と更生保護についてであります。 犯罪者の矯正処遇、社会復帰及び再犯防止につきましては、対象者に暴力団関係者、覚せい刑事犯者のほか、施設への入出所を繰り返している累入者等改善困難な者の占める割合が増加しているのに加え、高齢化傾向が顕著であるなど、処遇の複雑困難化が著しくなっております。これらの者の年齢、心情及び行動の変化に応じた新たな処遇方策の開発を図るとともに、犯罪のない明るい社会の実現のために多大な貢献をしている民間篤志家、団体との連携を強化し、一層適切な対策を講ずるよう努めていきたいと考えております。 第六は、法曹養成制度についてであります。 法曹養成制度につきましては、平成二年十月の最高裁判所、日本弁護士連合会と法務省の法曹三者の基本的な合意に基づいて法曹養成制度等改革協議会が設けられ、この協議会において司法試験制度と法曹養成制度の国民的見地に立った抜本的改革、改正司法試験法を実施するための検証に必要な事項等について調査、研究、検討を行うこととされております。 この協議会は、平成三年六月に発足し、以後協議が重ねられておりますが、その成果が得られますよう、今後、一層の努力をしてまいりたいと考えております。 最後に、これら法務行政の適正円滑な推進の確保のため、本国会に提出し御審議をお願いすることを予定しております法務省関係の法律案は、既に提出しました外国人登録法の一部を改正する法律案等を含めて七件であります。このほか、前国会から引き続き御審議をお願いしております刑事施設法案はか一件があります。今後、提出法律案の内容について逐次御説明することになりますが、何とぞ十分な御審議をいただき、速やかに成立に至るようよろしくお願い申し上げます。 以上、法務行政の重要施策につきまして所信の一端を申し述べましたが、委員長を初め委員各位の一層の御協力、御支援を得まして重責を果たしたいと考えておりますので、どうかよろしくお願い申し上げます。(拍手)
○浜田委員長 平成四年度法務省関係予算及び平成四年度裁判所関係予算につきましては、お手元に配付いたしております関係資料をもって説明にかえさせていただきますので、御了承をお願いいたします。
○浜田委員長 この際、最高裁判所千種事務総長から発言を求められておりますので、これを許します。千種事務総長。
○千種最高裁判所長官代理者 去る二月十三日、最高裁判所事務総長を命ぜられました千種でございます。前任の川嵜事務総長が大阪高等裁判所長官に転出いたしました後を受けまして司法行政の任に当たることになりましたので、何とぞよろしくお願い申し上げます。 改めて申し上げるまでもないところでございますが、裁判所は、具体的な事件の裁判を通しまして国民の基本的人権を擁護し、あわせて社会の法秩序を維持する重要な責務を担っております。この責務を全うするために司法行政の面で微力を尽くしてまいりたいと思いますので、よろしくお願い申し上げます。 幸いにして、当委員会の委員長並びに委員の皆様方の深い御理解と力強い御支援によりまして、裁判所の運営は逐次充実してまいっております。何とぞ今後も一層の御支援を賜りますようお願い申し上げまして、私の就任のあいさつとさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○浜田委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鈴木喜久子君。
○鈴木(喜)委員 私はまず最初に、昨日の予算委員会での証人、参考人喚問に先立ちまして法務大臣からなされました共和汚職事件の中間報告、これについて、その内容等について伺っていきたいと思います。 ごの中間報告によりますと、大体もうこれは、阿部被告人については全部終わったというふうに理解をしてよろしいのでしょうか。そして、この阿部被告人について、今起訴されている事実以外の犯罪の成否というものについては、もうここでは全くないということになるのかどうか、この点についてお答えいただきたいと思います。
○田原国務大臣 実務にわたる内容が多いと思いますので、刑事局長に答えさせます。
○濱政府委員 お答えいたします。 昨日、予算委員会で法務大臣と私の方から御報告申し上げましたように、この株式会社共和をめぐる刑事事件につきましては、阿部議員及び株式会社共和の元副社長森口五郎に対する二回にわたる受託収賄罪及び贈賄罪のそれぞれの起訴をもちましてこの事件の関係の一連の捜査を終了したというふうに聞いております。
○鈴木(喜)委員 一連の捜査といいますと、この阿部被告人について言いますと、これ以上、例えば脱税の問題ですとか政治資金規正法についてはあり得ない、結論に達している、訴追をするには、足りないというふうな御報告があったと思うのですけれども、脱税についてはまだこれからもいろいろと、もちろん国税その他の調査等によりまた告発があれば、そういったことによっての起訴ということもあり得るわけでございますね。
○濱政府委員 お答えいたします。 今御指摘の脱税の問題につきましては、これは第一次的には税務当局において所要の対応をされるというふうに考えております。税務当局において所要の対応をされまして、刑事罰を科するに相当であるという御見解になられますれば告発等の手続があると思いますし、告発がありますれば当然、一般論として申し上げるわけでございますが、検察当局において捜査をするということになると思います。
○鈴木(喜)委員 さらに、阿部被告人以外の人についても、一応その捜査が関連のものについて終了したとしますと、昨日の証人喚問、参考人について、その中でまず出てまいりました塩崎代議士の場合でございますけれども、塩崎代議士の場合には、これも一応政治資金規正法ということには当たらないという見解ということでよろしいのでしょうか。
○濱政府委員 今お尋ねの、塩崎議員に対する事実という具体的な事実を特定したお尋ねにはちょっとお答えいたしかねるわけでございますけれども、昨日も御報告申し上げましたように、阿部都議員に係るもの以外の犯罪の成否等につきましては、この点も、東京地方検察庁におきまして贈収賄や政治資金規正法違反の嫌疑の有無を中心として捜査、収集した証拠に基づいて検討を続けたわけでございますが、これらの犯罪の嫌疑ありとして訴追するに足るものは認められなかったという結論でございます。
○鈴木(喜)委員 一番疑問に思いますのは、きのうの参考人の鈴木さんのことについてでございますけれども、一千万円については受け取っている、そしてこの受け取った内容というのが預かっているという形でお話をされていたと思いますけれども、これについては政治資金規正法、またはそれでなければ脱税、いずれかの問題としてこの場合には刑事訴追の可能性が十分にあるというふうに思います。これについても、阿部議員以外はもうすべて一応そういう訴追に足るものはないというふうにもしお考えになったとすれば、この点は一体お調べになったんでしょうか。 要するに、預かったものについて、預かったという概念というのは非常に難しい概念でございますから、そのものを持って懐に一遍入れて、私たちが習いましたのは、そこに入れまして持てば、それは別に紙幣には色がついているものではございませんから、一遍懐に入れれば自分のものとして受け取った、後で返そうがどうしようがまたそれは別の問題であるということでございますから、この点についての取り調べということもなさり、その上で結論がこれは訴追に足りないというふうに出されたということでしょうか。
○濱政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、阿部議員に係るもの以外の犯罪の成否等につきましても、東京地検におきまして捜査、収集した証拠に基づいて検討いたしまして、その結果、これらの犯罪の、これらと申しますのは政治資金規正法違反等の犯罪の嫌疑ありとして訴追するに足るものは認められなかったという結論に達したというふうに聞いております。
○鈴木(喜)委員 この点で至らなかったというのは国民としては非常に疑問の残るところでございまして、詳しいその内容がわかるわけではないし、ああやってテレビの画面でも出て、現実に一千万円というお金は預かったと言われている。預かったという言葉ですから、結局は受け取ったというそのあたりについて、これは訴追しなかったというのでは何かあったのじゃないかということで、これはまた検察に対する国民の不信というものを招きかねないのではないかというふうに思うのです。 さらに、ここでもう一つの問題がございます。 昨日の新聞でございますけれども、その中に出てきましたので、これは今も共和の事件で被告となっております森口という共和の元副社長、この人が一億円のお金というものを紙袋に包んで、二つに分けて、それを阿部さんに鈴木さんのところに持っていってもらった、鈴木事務所のあるビルの中にその紙包みを持って阿部被告人が消えていった、そこまでの証言があるのだということが新聞に出ておりました。 そういたしますと、その場合には、鈴木さんの言われるように、きのうの発言をお聞きしても、一切そういうものは受け取っておられないということになれば、一切受け取ってないものがどこかに消えてしまった一億円というものにすれば、これは阿部被告人についての横領なり詐欺なり、その辺の法的な構成は別といたしまして、そうした犯罪が成立するという可能性はどうなんでしょうか。このあたりもお調べになったということでございますか。
○濱政府委員 先生の最初の御質問、要するに、こういう今回の株式会社共和をめぐる事件の処理について国民が納得するかどうかという点についてのお尋ねがあったかと思うわけでございます。 これはもう委員も御案内のとおり、検察当局におきましては、犯罪とされる行為について、法の定めるところに従いまして証拠を収集して、そういう収集した証拠に基づいて合理的な、疑いを入れない程度に犯罪の嫌疑が認められる場合に限って公訴を提起するものというふうにされているわけでございます。これを逸脱することはもちろん許されないわけでございまして、このような権限の範囲と限界の中にあって検察当局においては最善を尽くしたものであるというふうに考えているわけでございまして、このことについて国民の皆様からも御理解をいただけるのではないかというふうに考えるわけでございます。 それから、委員のお尋ねの中の後の方でのお尋ねでございますが、検察当局は今御指摘の点を含めて捜査をしたのかというお尋ねでございます。 先ほども申し上げましたように、阿部議員に係るもの以外の犯罪の成否等につきましても、あらゆる角度から捜査、収集した証拠に基づいて検討したわけでございます。その結果、先ほどお答え申し上げましたように、犯罪の嫌疑ありとして訴追するに足るものは認められなかったという結論に達したと聞いておりますので、御理解いただきたいと思うわけでございます。
○鈴木(喜)委員 しかし、この場合に、私も今それでもまだ納得がいかないと思います。森口証言の信憑性ということについては、これは新聞に出ていることだけですから、それこそ取り調べをされたのは検察の方で、または警察の方でもしっかりとした取り調べをされているであろうし、それについて国会からとやかく口を挟む問題ではないとは思いますけれども、しかしここで森口証言——前にも塩崎さんについてかなり森口さんの口から一千万、二千万渡した渡したということが随分前の段階から出ていた。それについて、一銭たりとももらっていない、その次には、もらったけれども返した、次は一千万円もらった、こういった形で幾つも幾つも形が変わってくるわけですね。でも、塩崎さん御当人の方は変わってくるのですけれども、一番初めに、当初言われた二千万円渡した、この森口証言についてはかなりの信憑性、今現在最終的に明らかになったものというのは、きのうのものを聞きましてもそこまでのところは全く同じになるわけです。 森口証言の信憑性そのものについての御判断もあろうかとは思いますけれども、これが、今現在ではなくて、これからもう少し先まで行きましてこういった形で森口証言がもう少し明らかになってきて、公判廷なり、またはこれは必ず国会の中でも喚問してたださなければならない重要な証人であろうと思いますけれども、そうした中から答えが出てくるとしたならば、そこではやはりこれは刑事告発でも何でもせざるを得ないというような状況になると思います。その場合、検察としては、これについては自信を持ってもう訴追なし、そういうことを断言されることができるわけでございますか。
○濱政府委員 まず委員のお尋ねの前段部分でございますが、森口被告人がどういう話をしているというようなことが報道されているとのお話がございましたけれども、報道されている内容については私どもの方から御意見を申し上げることはいたしかねるわけでございます。 後段部分のお尋ねでございますけれども、これはもう一般論としてお答えするわけでございますけれども、告訴、告発がございますれば、検察当局において、告訴、告発を受理した場合にはその告訴、告発の事実について捜査をするということは当然のことでございます。
○鈴木(喜)委員 その点についても、私はかなり疑問を持ちます。そういう告発があればやります、一般論としては当然ですけれども、ここまでこの国会の中で、法務委員会の中で言い切られて、全部こういったものについては捜査も完了いたしましてこれ以上の刑事訴追の可能性はあり得ませんと断言されながら、もちろんこれならお受けしてもう一回いたしますというのでは、余りにも定見のないお答えではないかと思います。私の今言ったことにお答えは必要ないと思いますけれども、これは私の感慨でございます。 これとあわせて考えますと、今の検察または法務省の行政の中で私たち非常に疑問に感ぜざるを得ないことがたくさん出てまいりました。 今回の問題でも、法務省が、国会の予算委員または国対のそれぞれの議員のところに、今回の共和の事件について刑事被告人になっている者については証人喚問ということではいろいろな問題がある、これは控えてほしいというニュアンスの旨の申し入れを、各議員のところを図られた、各党の議員のところを回られた。特にここで回られたのは幹部の方でございまして、事務次官それから刑事局長、官房長、刑事課長、こういったお歴々の方々が図られて、そういったことを言って図られた。そしてまた、ある党にはその申し入れに対するメモも置いてこられた。こういうことが平成四年の二月十二日、十三日にかけてあったということなんです。これ自身、どういうわけでこういうことをされためかという点で、非常に疑問なしとしない。先ほどの刑事訴追についても、ここでもう断定的に訴追なしというような形で結論を出されているということと考え合わせると、今法務省というのは一体どういうふうな立場でおられるのかということに非常に疑問を感ぜざるを得ないわけです。 ここでまずお聞きしたいのですが、こういう方が図られた、しかも同一の趣旨のことを言って回られたわけですから、皆さんでそういうことは御相談されたのかもしれません。まずこの目的と、だれがどのようにしてこういうことをやろうということを決めたのか、そういうことについて伺いたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 私ども法務省の職員が各党の委員の方々のところをお訪ねいたしまして、刑事被告人を証人として国会に喚問することについての法務省の考え方をお伝え申し上げ、法務、検察の立場からの陳情を行ったということは、委員御指摘のとおり事実でございます。 ただ、正確に御理解いただきたいと思いますのでもう少しつけ加えさせていただきたいと思うわけでございますが、法務当局といたしましても、国会の国政調査権の行使につきましては、法令の許す範囲内においてできる限りの協力をしなければならないということは当然のことと思っておりますし、また、国会がどなたを証人喚問されるかどうかということにつきましては国会の御良識に基づいて御判断されることでございましょうし、法務当局といたしましても国会の御判断を尊重するということについては全く異論がないわけでございます。ただ、これは一般的に申し上げるわけでございますけれども、現在裁判係属中の刑事被告人を証人として国会に喚問されるということにつきましては、裁判係属中の公判の審理との関係をも十分御考慮いただいた上で国会において御判断いただきたいという趣旨のことを御説明申し上げて、ひとつ御判断の参考にしていただきたいということで陳情に伺ったつもりでございます。 それから、だれがどういうふうに決めたのかというようなお尋ねもあったかと思うわけでございますが、これは法務省の、私も含めまして幹部の間で、今申しましたように、一般的に刑事被告人を証人喚問することについての考え方を各党の委員の方々に御理解をいただいた方がいいであろうということで御説明に上がろうということで、寄り寄り協議して決めて、私をも含めまして法務省の職員が委員の方のところに伺ったわけでございます。
○鈴木(喜)委員 幹部の方々が寄り寄り、そういうふうにして回ろうよなんということを決められた、そのことについて法務大臣は、予算委員会の中でもお答えされていましたけれども、事前には全く御存じなかった。事後的には報告を受けた。事後的というのは、回った後で報告を受けたのか、回る前に、こういうふうに決めましたからこれから回りますという御報告を受けたのか、どちらですか。
○田原国務大臣 お答えします。 回った後でございます。
○鈴木(喜)委員 これだけ重要な問題です。三権分立という非常に大きな国政の柱をなすものについて、行政機関が立法機関のそれぞれの重要な地位を占めている人のところを回る、これこれのことでと言って回る。これが要望であれ陳情であれ要請であれ、全く同じことだと思います、言うことは全く同じなんですから。そういうことを言って回るというような重要な問題について、法務大臣をおいでおいで、回ってしまった後で、回りましたからよろしくと言うだけをやる。これでは法務行政というものが成り立たないのではないかということが一つ。 それからもう一つ、大臣、そういったことをお聞きになって、よくやったとお思いになったわけですか。これはよかった、頑張ったね、御苦労さんとおっしゃったわけですか。
○田原国務大臣 後で報告を受けたときに私は、全く一般論として、刑事訴追を受けている人を、要するに司法に戴いてもらうところまで行っている人をお呼びすることは、裁判に予断を与えるということとか、あるいは被告的な立場に置かれている人も人権があるとかいうことを考えると、全く実務として、行政の中の流れとしてそういうことが考えられる。そうすると、それを担当者が真剣に考えて、どうなんだろうということで、阿部さんはやめてくれというのじゃなくて、一般論としてこういう問題がありますがということを御説明して回ったというふうに私は判断しましたし、またそのように受けたので、ああ、そうかということで、それが私の回った人に対する言葉であったわけですが、ただ、幹部が回ったということは、各党の幹部の方のところを回るのに幹部が回るというのは礼儀上当然だということで幹部が回ったというように私は理解しております。
○鈴木(喜)委員 よくわからないのですけれども、どうもお聞きしますと、これはそういうことで、やったことについては肯定的に考えたんだよ、よくやったとまではおっしゃらないにしても、ああ、そうかということでこれを了承した、そういうことだろうというふうに今伺いますけれども、もし違っていたら後で言ってください。 そういうふうな形でされるということについて、三権の分立、とりわけ国会における国政調査権というものの重みですね、法務省というところ、ましてそこでの長であられるところの法務大臣がこういった問題についてどのくらいの重い認識を持っておられるかを私は非常に疑問に思うのですよ。今刑事被告人がそのことについて呼ばれたらば裁判の公正がもしかしたら害されるかもしれない、刑事被告人の人権も侵されるかもしれない、だからこういうことを一般論として言って回ったっていいじゃないか、こういった軽いお気持ちでおっしゃるのであったら、法務大臣としての自覚が少しお足りにならないのじゃないかと、潜越でございますけれども思ってしまうわけでございます。 この問題については、一つは、これは裁判所が言っているのじゃないのですよ。私のところでこういうことをやられてしまいますと裁判の予断の中にいろいろと偏見が出てきたりすると困りますからと裁判所が言っているわけではなく、この問題で裁判の公正が害されるかどうかということについて言うならば、裁判所と国会との、司法との問題でしょう。今法務省で検察でと言われているのは、行政の部分ですね。言うならば要らざるおせっかいの部分のことについて、しかも今、国会の中でだれを喚問すべきかについて議論が百出しているところに、そういう形で、ある一派に偏するような、その人について援護射撃になるような形での回り方というものが果たして国会に対して行政のあるべき姿なのかどうか、そのあたりについては、大臣、お考えになりませんでしたか。
○田原国務大臣 私も、法律屋ではございませんが、民主主義の国で国会議員をやっておりますから、三権分立というものはよく存じ上げておるつもりでございます。司法と行政と国会、立法があって、中でも国会が最高の権力を有することは憲法に書かれていることでありますから。しかし、行政側としても配慮すべきことは一応ある。で、それぞれは必ずしも大きな溝で仕切られておるのではなくて、びっしりと相関関係を持って成り立っておる。 私は、法務省の事務方がそういうことをしたと聞いて、そうかと言ったのは、それでも国政調査権を発動されて国会でお決めになってやるといったときは、咲くお従いするという前提のもとにやったというふうに判断しております。
○鈴木(喜)委員 快くやるもやらないも、それは当たり前の話だと思いますので、その点についてはそれしかありませんが、言葉じりをとらえるようですが、法律屋というようなお言葉は使っていただきたくないと私は思います。法律屋というのは建築屋とかと同じような形でおっしゃっていると思いますけれども、やはり政治屋という言葉もあるとすれば、これはおのれをも落としめている言葉だと思います。以後これから……(「庶民的な言葉だよ」と呼ぶ者あり)庶民的な言葉を今ここで使っていただきたくない。もうちょっときちんとした格調の高い言葉で言っていただきたいと思います。 それで、ここで保釈の問題に行きたいと思います。 阿部被告人が保釈をされました。私たち一般人が否認事件において第一回の公判期日前に保釈を受けるということはかなりまれな例であると思いますけれども、この点、裁判所、いかがでい」ざいましょうか。
○田原国務大臣 先ほどは大変失礼な言葉を使いまして、法律家と改めます。
○島田最高裁判所長官代理者 否認しておる被告人であっても、第一回公判前に保釈されるというケースはそれほどまれなこととも言えないと存じます。
○鈴木(喜)委員 パーセンテージがおわかりでしたら、私の資料では全体を通じての二五%くらいというのはわかっているのですが、第一回公判期日前というのがわからないものですから、もしわかったら教えてください。
○島田最高裁判所長官代理者 第一回公判前ということで絞って統計を見ますと、否認しているか自白しているかという区別はとっておらないわけでございますが、全体の事件で申し上げますと、第一回公判前の保釈が毎年約六〇%強ということでございます。
○鈴木(喜)委員 全体はわかるのですが、否認事件ではなかなか保釈が認められなくて非常に困っているという事実は、私たち実務の上で非常に体験しているところでございます。これが保釈になるというときには、なるかならないかということについては当然阿部さんの場合にも検察官に対して意見を聞いていると思うのですけれども、この意見というのは、不相当だったのでしょうか、それともしかるべくという回答だったのでしょうか、どちらだったのでしょう。
○島田最高裁判所長官代理者 お尋ねでございますが、具体的な裁判の内容にわたることでございますので、検察官の意見がどうであったかということまでは私ども承知いたしておらないわけでございますが、ただ、検察官の意見はもとより法律に従って聞いたわけでございます。検察官の意見も聞いて、それも参酌した上での保釈決定というふうに承知いたしております。
○鈴木(喜)委員 今のお答えと、そしてまた、これで保釈が決定された後で準抗告もされていないという点を考えあわせますと、これはしかるべくというお答えがあったのではないかなということが当然予測されてくるわけでございますけれども、そうなりますと、これは先ほどの問題に戻るんですけれども、もうそういうことで準抗告もされない、公判維持はもうこれで十分である、それだけの証拠の収集もしたし、取り調べもしたし、全部これで公判維持は大丈夫であるという、一つのそういった確信をお持ちになってここで保釈ということもこれでよろしいというふうにおっしゃったのが検察の考え方だと思うのですよ。 それにもかかわらず、その後に国会を回るということ、保釈の決定されてもうぴんぴんとこの世の中に出てこられた後に、そういうふうなことで証拠隠滅のおそれもないということで出てこられた後に、国会議員の間を先ほどの裁判の公正ですとか被告人の人権云々ですとかそういうことをおっしゃって回られたということは、これまた非常に矛盾するものではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○濱政府委員 今委員お尋ねの何点かございましたので、順次お答え申し上げたいと思います。 一つは、阿部議員の保釈請求に対する検察官の意見でございますが、これは、法務当局が聞いておりますのは、罪証隠滅のおそれがあるということで保釈不相当の意見をつけたというふうに聞いております。 それから、保釈の決定がありました場合に、準抗告をするかどうかということの判断はもちろん検察当局が行うわけでございますけれども、その段階におきまして、保釈決定について準抗告をすべき理由があるかどうかということを判断した上で行うわけでございまして、本件の場合には準抗告をするには至らなかったというふうに聞いております。 それから、検察官の既に起訴した事実の公訴維持と証人喚問の問題との関連についてお尋ねがあったかと思うわけでございますが、これも正確に御理解いただきたいと思いますのであえて申し上げるわけでございますが、もちろん一般的に申し上げまして、検察官が公訴を提起した事件につきましては、その公訴の維持に万全を期することはもとより当然のことでございます。先ほど、一般に刑事被告人を証人喚問することについての法務当局の御意見を申し上げました。これは、もう少し敷衍して御説明申し上げまするというと、要するに一般的に刑事被告人を証人として喚問するということになりますると、被告事件の内容についても国会で質問が及ぶことが予想されるのではないか、その結果として公訴事実の存否について論じたのと同様の結果を生ぜしめることとなる場合には、本来司法がこれを使命としているところの公訴事実についての判断を国会がしたとの印象を当該被告人のみならず国民一般にも与えてしまうのではないか、したがって、そうなりますと、刑事裁判の公正と司法に対する信頼を確保する上で問題があるのではないか、さらには偽証罪の制裁のもとで刑事被告人に証言を求めた場合に、法廷における被告人の防御権一般の観点からも人権保障上の問題を生ずるおそれがあるのではないか、そういう点を御考慮いただきたいということで御意見を申し上げたわけでございまして、この起訴した事件の公訴維持との関係で検察官が支障があると申しますか、検察官の立証に万全であるかどうかとかいうこととの関連で先ほど何かお尋ねがあったように思いましたので、あえて御説明申し上げた次第でございます。
○鈴木(喜)委員 今のは一般論であって、あえてこの時期に——今ここで阿部被告人という方を喚問をすべきか否かということが問題になっている。今一人しかいないのですよね。一人しかいない阿部さんという人について、刑事被告人であって国会で問題になっているというこのさなかに、幾ら一般論としてそういうことをおっしゃったとしても、それは本にもいろいろなことが書いてあります、いろいろな学説もあります。おっしゃったような学説に一番近いものも、それでもちょっとニュアンスが違うと思いますけれどもそういったものはありますよ。それは、出版物もいろいろその他にあります。私たちが見ようと思えばどこでも見られる形で、そういったたぐいの意見というものもあるということは私も承知しております。しかしそれを、今一人しかいないこの刑事被告人を国会に呼ぶか呼ばないか、証人にするかしないかというそういった議論をしているさなかに、一般論でございますけれども刑事被告人についてはこうこうで云々、こういう形で被告人の人権も守られないおそれもございますなどということを言われたとして、これが本当にごく当たり前の一般論として受け取られるかどうか、これは非常に疑問だと思いますし、それは今御答弁いただいている方もよく御承知の上でおっしゃっているんじゃないかというふうに私は思えて仕方がありません。 今のそのことと、一般論として考えた場合にですけれども、同じ事実が議会と裁判所でそれぞれ全く異なる目的から調査されるということ自体、これ自体についてはこれを司法権の独立を侵すとか裁判の公正を害するとか、そういうことは言えないと思う。事実上あるかどうかという問題のときに、かなりある程度の判断というのはあると思うのですが、それはだれもそこを否定しているという学説はないのではないかと思うのです。ただ、事実上の問題として危険があるから遠慮すべきではないかという学説は一番こっち側に、ちょうど今法務省のおっしゃっているような見解に近い見解としてあると思います。また、もっと一番反対側の方には、そんなことは全然お構いなし、抵触しても何でもいいからやってもいいという学説も当然ございます。 そういう中での議論ですから、お互いにそれを議論していっても、右と左でかみ合わないことは間違いがないと思うので、時間がかかりますからその点はいたしませんけれども、そういった学説があることは承知の上で、それでもなおかつ、こういった問題を行政機関が国会に言ってこられる、この時期に言ってこられるということの意義、これは何遍も言いますけれども、非常におかしなことである。しかも、先ほど申しましたように、刑事訴追はもうこれでおしまいでございますみたいなことをおっしゃっているのと両方一緒に考えますと、何か大きな力がその裏に働いているのではないかと、国民にそれこそ裁判というよりは検察の信頼を失わしめるもとになるのではないか、私はそれを大変恐れるわけでございます。 国民に真実を知らせる、そしてそこからこれから政治改革に取りかからなければならない国会の中では、その政治改革の問題としてどうしても現在、今ある疑惑というものを洗いざらいそこに出して、そしてそこから政治改革をしていかなければならないという真の目的がございます。ただ単に被告人を処罰するという目的でやるわけではございませんので、その点については目的が全く違うことですから、それがそうであっても、並行的に調査されるということ自体、これについては何ら本来文句を言うことがないのではないかというふうに思っているわけです。これをあえて強行されたということで、非常に私たち議員としてはこれをこのままにうやむやにしておくことはできないという立場でございますけれども、今の議論をお聞きになりまして、大臣、それでもやはり前の意見とお変わりになりませんか。やはりこれはいいというふうに思っておられますか。
○田原国務大臣 先生からいろいろお聞きしましたけれども、私も、事務方がまじめに考えて、そして御説明に回って陳情したということを聞いて、そうかと言ったのは、私は事務的にはそれでいいんだなというふうに判断したわけでございまして、別段奇異に感じませんでした。
○鈴木(喜)委員 事務方がこういうことをやれば、いつもああそうかということで、事務方がまじめにやったからああそうかで済んでいくんだったらば、いろいろなことがずっと済んでいってしまうと思うのですよ。ここでは法務大臣のそのお考えですね、指揮権というのですか、そういったものがないと、法務大臣が振るわなくても、ある種の指揮権発動ということが行われてしまっているのではないか。指揮権を発動するなどということはこれは大変なことで、そういうことはよもや今現在あるとは思っていませんけれども、大臣が振るわれなくてもミニ指揮権発動があちこちであるというような危険性を持たれるんじゃないですか。そういうことになれば、今ここで法務大臣がどういうお考えを持っているのかがはっきりしなければ、事務方はこれから先もどんどんとこうなさるわけです。だから、これがよいという法務大臣のお考え、こういうことをするのはいいんだよとおっしゃるんだったら、それはそれで自信を持っておやりになるでしょうし、そうじゃないんだったら、そうじゃないということでしょうし、ああそうかだけでは全然わからない。これから先も続くなということで、私たちはこれはゆゆしき問題だと思って、これから先もこれを取り上げていかなければならなくなってしまいますけれども、いかがでしょうか。
○田原国務大臣 これからずっと続くというよりも、行政をあずかる実務者がまじめに考えたらそうなったわけでありまして、一般論として御説明申し上げ陳情したことでありまして、先ほど先生が、何か大きい後ろの力が働いたんじゃないかと言われたけれども、私が知らない指揮権の発動というのはあり得ないわけでありまして、私は検察官が厳正、公正、不偏不党にやっているということを信じてきておるし、過去にもそうであったし、今日現在もそうでありますから、指揮権とかなんとかいう難しい言葉を使って不当なとにかく圧迫を加えてというようなことは今毛頭考えていないので、そういう意味で見守っておるというふうに申し上げたわけでございます。
○鈴木(喜)委員 何だかよくわかりません。事務方がまじめにやることだからじっと見守ろう、それだけでは何のお答えにもなっていないと思うのですけれども、もう一つ具体的なことで聞かなければならないのは、差し控えてもらいたいということを言っておいでになったら、いつまでの間、これが一体いつまで、要するに全部の証拠調べを終わって、証人尋問を終わって、被告人の質問を終わって、どこまでの間待ては一番適当だと一般論としてお考えなんですか。
○濱政府委員 お答えいたします。 その点は恐らく国会におかれまして最終的には良識に基づいて御判断されることだと思いますけれども、私どもが先般来御説明して回っておりますのは、要するに、裁判係属中の刑事被告人ということで申し上げでいるわけでございます。
○鈴木(喜)委員 では、裁判係属中ずっと何もできないということになったら、一体議会の国政調査権はどうなるのですか。そんなおかしいことは絶対あり得ないでしょう。十年戦争になってしまいますよ。その間には何回選挙があって、どうなってしまうのですか。そういうことを許すというのがもし検察当局のお考えであるとすれば、これはゆゆしき問題だと思います。とてもこれからの時間だけではできないと思いますけれども、これから先ももう一度厳重な抗議をもって私たちは考えていかなければならないと思います。 それで、この問題と同時にここでもう一つやっていっていただかなければならないと思うのですが、先ほど法務大臣の所信表明を伺いました。この中でも、私は一番はっと見た印象といいますか、聞いた印象で、一番初めにあったのが治安の維持です。二番目にあったのが出入国管理行政の拡充と強化です。一と二で、三ページ丸々使って、そこで出てくるものは治安の維持と出入国管理行政の強化ですよ。それで、その次が訟廷事務その他の、訴訟または法務事務のその部分の効率化といいますか、そういうものですよ。そうすると、そういう問題について非常に大きなスペースをというか、重点を置かれているという法務大臣の姿勢が私には感じられて、人権、もちろんおっしゃっていますね、第四番目ですけれども。人権という部分が非常になおざりにされ、特にここで今問題になっているところの議会政治、こういった三権分立てあるとか、政治の根本、憲法の根本に属するものには一言も触れられていない。私は、やはりこれが大臣の一つの姿勢じゃないか、こういうふうに思わざるを得ないわけです。 この点、もう一回所信表明し直せということではありません。何としてももう一度よくお考えになって、法務大臣としてこれからの司法行政をしていかれるお立場として、今のような姿勢では国民は浮かばれないと思うのです。ですから、今の問題も含めまして、事務方が一生懸命やっているんだからそれでいいじゃないかということではなくて、もう少し法務大臣としての自覚を持った、高い識見のある、そういったことを私たちに示していただきたいというふうに思います。 時間がないので、次の問題に移ります。 実は、これは二月四日の予算委員会で社民連の楢崎代議士が法務大臣にお尋ねをし、その後も何回かそれに関連する質問が予算委員会の中で出ておりますし、マスコミの誌上にも関連した記事が出ている。私はその予算委員会での楢崎議員と法務大臣とのやりとりを聞いたのですけれども、さっぱりわからない。聞く内容もわからないけれども、答える内容もわからない。御当人たちはきっとよくわかっていることなんだろうけれども、周りの、その事情がわかっていない者には何だかよくわからないという内容でしたので、その後に関連した質問も二、三ございましたけれども、私もいろいろな人から質問を受けましても憶測以外には答えられないというような状況ですので、この点について、一応どういうことなのか、二、三お聞きしたいと思います。 まず建設省の方に伺いたいのですけれども、九州地建と言われている建設局がありまして、そこの管轄で、そこで監督をしている社団法人だと思いますが、九州地方計画協会というのが現在あると聞いております。この団体の業務内容、それから規模、役員構成、これをちょっと教えていただきたいと思います。
○青山説明員 御説明申し上げます。 社団法人の九州地方計画協会の業務内容は、河川、道路、ダム等の調査、計画立案、建設資材、労務等に関する情報収集、提供、公共事業に関する相談等を行いまして、社会資本の整備拡充と公共事業の円滑な推進に協力し、もって地域の発展に寄与することを目的としております。 この目的を達成するために、治水事業等国土の保全に関する調査、計画立案。道路網体系の整備に関する調査、計画立案。水資源開発に関する調査、研究、計画立案。河川、道路等の維持管理及び環境の美化等に関する調査、研究、対策等。建設工事の施工管理に関する指導。公共事業実施に当たっての問題解決等の相談及び対策。住民の公共事業に関する相談及び対策。建設資材、労務に関する情報収集並びに提供。社会資本に関する資料の刊行配布。その他これらの目的を達成するために必要な事業ということが業務内容になっております。
○鈴木(喜)委員 あと、役員構成と規模をお知らせいただきたい。
○青山説明員 現在、役員数は十四名いらっしゃいます。
○鈴木(喜)委員 この十四名のうち、九州地建から図られた方は何名おられますか。
○青山説明員 九州地建からの出身者は六名でございます。
○鈴木(喜)委員 この六名の人、現在もおられるということでありますと、登記簿を見ればわかることかもしれませんけれども、それについての姓名を言っていただけますか。
○青山説明員 申し上げます。 平成四年一月現在でございますが、山下泰三、それから柏原宏、田中鶴義、野村慎市、片山宗法、高田正敏、以上の六名の方でございます。
○鈴木(喜)委員 今並べられた六名の方、法務大臣御存じの方はどういう方がおられますか。
○田原国務大臣 その前にでございますけれども、先ほどイントロでおっしゃった、何かよくわからなかったということでございますが、私は答弁の機会がほとんどなくて、一方的に質問されたばかりでしたからわからなかったのだろうと思います。それから、その後二、三回御質疑があったということでございますが、関先生から一回あっただけでございます。 実は、私が退官したのが五十三年でございましたから十四年前の話でございまして、そのころ私、頼まれて無給でここの理事長を引き受けておって、顧問的なことを時々しておりましたが、外に出ていることが多くて、今から考えたら申しわけなく思っておりますが、責任を逃れようというのではなくて、いろいろ言われているのは不徳のいたすところだと考えておりますけれども、今の六名はおおむね知っております。
○鈴木(喜)委員 結局、同僚またはもう少し後輩、そういった方々が現在ここにはおられるわけですね。大変親しい間柄になっておられる。 この会社、先ほど業務内容を盛りだくさんに言われたのですけれども、この盛りだくさんの内容というのはほとんど企画、立案、その他調査というようなところにあるわけで、ここで工事の施行とかなにかはされていない。特に、社団法人ですから営利団体ではないわけですから、そこまでのことをされていると思うのですが、この企画、立案をする提出先は九州地建が多いわけですか。
○青山説明員 九州地建が多うございます。
○鈴木(喜)委員 九州地建に対して調査、企画立案してさまざまな工事等についての計画を立てる、それが社団法人九州地方計画協会というところが今やっている内容だと思うのですね。そしてそれなりの対価を払ってもらってやっている、これは正常な形だと思うのですけれども、これについて、工事の請負を一たんこの社団法人九州地方計画協会が受け取るというようなことはないのでしょうか。
○青山説明員 九州地方建設局が協会に委託している業務は、主として土木関係の建設コンサルタントに属する業務、それから堤防点検業務を含む除草工事でございます。
○鈴木(喜)委員 これはマスコミ等でうわさされていることですけれども、一遍ここが請け負って、ここが施工するということはないわけでしょうから、ここからまたほかの業者に一括してこれを下請に出す、そしてそのさやというのがかなり莫大な額であると聞いております。九州地建は工事事務所長が一億までの権限を持って工事を発注することができるわけでございますから、誌上では、年間にすると何でも四、五億のものがあるということ、そのくらいの利潤が計画協会にも上がってしまうのではないかというようなことが書いてあるわけですけれども、そういった事実はお調べになったことがありますか。
○青山説明員 今お尋ねの件は、除草工事の内容についてのお話かと思いますが、除草工事の内容といたしましては、堤防点検及びそのために必要となる堤防の草刈りを一体として発注しております。 河川の堤防は、先生御存じのとおり、洪水から流域住民の生命と資産を守る重要な河川管理施設でありますことから、堤防点検に当たりましては専門的な知識と経験が特に必要とされます。堤防の亀裂、欠落、モグラ等による穴の発見等を目的とします堤防点検は草刈りの直後に行うことが望ましいことから、堤防点検と草刈りを一体に発注しているものでございます。 一括下請に当たるかという御質問でございますが、当協会が民間企業に委託しております。務は、単純な草刈り業務でございまして、協会みずからが堤防点検を実施するとともに草刈り作業の監督を行っておりますから、本件につきましては、一括下請には該当しないと考えております。
○鈴木(喜)委員 今規模のことを伺いましたから、理事は十四人ですけれども、そうすると、そこに、この協会には従業員はたくさんいるわけですか。
○青山説明員 従業員も含めました役職員トータルの構成でございますが、役員は、先ほど申し上げましたように十四名でございまして、あと、職員、臨時職員合わせて三十四名でございます。
○鈴木(喜)委員 合わせて三十四名ぐらいの人で、それも、しかもいつもいるわけではなく、事務職員だけで今言った盛りだくさんの調査、立案、企画、そういったものをやっていくということについては、これはちょっと考えられないことだと思うのですね。一括下請をしないでそれをやるということは考えられない。 この問題は、現在だけでなく、今から十二、三年前にも、ちょうど大臣が当選されてしばらくたってからでしょうか、そのときにもやはりマスコミにそういった形での記事が流れたことがある。その段階から今までですから十年くらいたつわけですけれども、この間にこういった社団法人が一体どんなことをやっているのか、そういうことについてどのぐらい調べておられるのか。また、これは後でもしも文書で提出していただければお出しいただきたいと思うのですが、そういった調査内容、どのくらい監督庁としては調査されているのかどうか、こういったことです。 時間が来ましたので、最後に大臣に、これからも法務大臣としての自覚というものをお持ちでやっていただけるかどうかということと、もう一つ、この九州地方計画協会、またその関連する業者から政治献金というものはどのくらいもらっておられるのかどうか、この点について、ちょっと一言だけでもお聞かせください。
○田原国務大臣 私は、在職中も給料をもらわなかったし、政治献金は一銭ももらっておりません。 それから、堤防点検というようなもの等は非常に特殊な技術でありまして、これが当時なかなか民業になじまなかったのでそういうことをやったんでありますが、最近の情勢は私は知りません、十四年たっておりますから。しかし、十何年か前の七カ月選挙というのがあって、五十五年の六月二十二日投票の選挙がありましたが、その後の雑誌に書かれたことがございますが、抗議を申し込んだことを覚えております。 それから、法務大臣の自覚は十分持ってやらせていただきたいと思いますので、御指導賜りたいと思います。
○鈴木(喜)委員 終わります。
○浜田委員長 沢田広君。
○沢田委員 大臣、今の質問にちょっとつけ加えてお伺いをしておきたいと思うのでありますが、さっき、行政分野においての各党への働きかけというのは、公務員法からいって違反になるのじゃないですか、また、公務員法の中立という立場からいっても違反になるんじゃないですか。
○田原国務大臣 公務員法の詳細については存じておりませんし、なんですが、ただ、自分の仕事に関して忠実に一般的な内容について御説明申し上げ、陳情することは一般的な話でありますから、別に中立を害する話でもないし、国会が良識を持ってお決めいただければそれに従う前提でやっておりますので、私は公務員法違反にはならないと思っております。
○沢田委員 これが一方では予断を与えるおそれがあるから望ましくない、また逆に言えばそのことによって新しい事実が生まれる可能性もあった、これは両論だと思うのですね。ですから選択は、とにかく身柄を出しているわけですから本人は自由に動ける者なんです、その動ける状態においてなお国会の調査権を封鎖をする、そういうことは、私は国会史上の今後の問題として非常に重要なものを与えるのではないか。いわゆる本来持っておる調査権というのは侵すべからざるものがあるはずだと思うのですね。 その点は、法務大臣も恐らく政治家として、国会議員ですから、同意すると思うのですね。そのことが間違って行き過ぎたり、あるいはそのことがよかれと思ってしても、調査権そのものをある程度抑制をしたという結果が出たという事実は否定できないと思うのですね。故意か、あるいは別な意図があったかどうか、そのことは別として、結果としてそういう現象が今日出てきている、このことについては大臣はどう理解しておられますか。
○田原国務大臣 予算委員会でも申し上げましたように、私は、事務方が一般論としてこういうことがあるということを御説明して陳情したわけでございますから、こういうことがあるのは、一つは、先ほどから言われておりますように、裁判に予断を与えてはとか、あるいは被告人といえども人権があるのでという一般論を申し上げたわけでありまして、ただし、その前提には、国会でお決めになれば当然従うのだという前提で、逆らうとかいうつもりで申し上げておるのではないというふうに、私は後の報告でああそうかと言ったときに判断いたしました。
○沢田委員 では、プロセスは一応さておいて、国会の調査権というものは、今こういう経過があったかもしれぬけれども、厳然としてそれは存在するものである、このことはお認めになられますね。
○田原国務大臣 お答えします。 国政調査権は、申すまでもなく憲法六十二条に由来するものでありまして、国会が立法権や行政府に対する監督等の権限を適正に行使できるようにするために認められた制度でありますから、極めて重要なものとしてこれを尊重していくつもりでございますし、無視するとかそういうことは一切、あるいは制約を加えるとか、そんな気持ちは一切ございません。これをとうといものとして考えております。
○沢田委員 刑事局長等は、行政官であると同時に司法の一部委託を受けておられるわけですね、職務権限としては。だから今回の行為は、言うならば司法としての立場から、行政なり立法府が、表現は適切であるかどうか別ですが、この時期に余りとやかくやられては困る、そういう裁判の方の意向を受けてやられたのではないのですか、本当の立場というものは。だから、大臣にも相談しないで対応した、こういうことになるのじゃないですか。
○濱政府委員 今委員御質問の中でおっしゃいましたように、国政調査権の行使によりまして、例えば過去の証人喚問の事例等におきまして、国会において新たな事実と申しますか、事実が出て、例えばそれを検察官の公訴権の行使について参考にさせていただいたとかそういう事例はあるわけでございまして、それはもう委員の御指摘を待つまでもなく当然のことでございます。また、先ほど払お答え申し上げましたように、この証人喚問だけに限って申し上げましても、国会がどなたを証人喚問されるか、あるいは証人喚問するかどうかということにつきましては、これはもう国会が御判断されることでございますので、私どもはその国会の御判断を尊重するということには全く異論はないわけでございます。 ただ、繰り返し申すようでございますけれども、要するに刑事被告人につきましては、その裁判係属中の公判審理との関係をひとつ御考慮いただきたいということを申し上げて、参考にしていただきたいということでお願いに上がったつもりでございます。
○沢田委員 そういう一般論で答えるのではなくて、これは阿部さんだから、ざっくばらんに言えば、政治的に与える影響、国内外に与える影響、予算に与える影響等々これあり、まあちょっと勘弁してくれないか、平たい言葉で言えばそういうことであったのではないのですか。これがもし一般論になりますとまた議論しなくちゃならぬのですが、私は、阿部さんの問題であるからこの問題はこれでおさめて、おさめてというわけにはいかないのでしょうけれども、証人喚問は勘弁してくれないか、庶民的な言葉で言えばこういう形になるのじゃないのでしょうか。
○濱政府委員 私の方の先ほどのお答えに若干舌足らずがあったかと思いますのでもう少し申し上げますけれども、先ほど委員がちょっと司法との関係についてもお触れになられましたけれども、御承知のとおり、法務省は検察当局を持っているわけでございまして、検察当局におきましては、公訴提起した事件の公訴維持につきましてはこれはもう重大な関心を持っているわけでございますし、そういう観点から、裁判の公正ということにつきましても十分な関心を抱いていることは、もう御理解いただけると思うわけでございます。 また、裁判所との関係から申しますと、御承知のとおり法務省は、例えば裁判所関係の法律案等につきましていろいろ国会の先生方に御理解をいただいて御協力をいただかなければならぬというときには、法務省の私どもがいろいろ御説明に上がったり御理解を得る努力をしているわけでございます。そういう意味で、司法との関係につきましては極めて密接な関係にあるわけでございますから、そういう立場にある法務省の私どもがいろいろ御陳情に上がるということはこれは御理解いただけるのではないかなというふうに思うわけでございます。
○沢田委員 結局、さっき鈴木さんのときの質問の続きで私言っているのですが、そのときには、裁判所の方の意向とは、検察の方とは別というふうに言われましたけれども、実態は、検察の方の立場を憶測し推測し思惟し、おもんぱかって、そしてあなた方はそういう行動に出た、こういうことでしょう。簡単に言ってください、時間がないから。
○濱政府委員 繰り返すようでございますけれども、検察当局の考え方を踏まえたということも事実でございます。また、同時に密接な関係にございます裁判所のお考え、これは今回に限らず、従来から刑事被告人を初めとする裁判係属中の事件関係者の証人喚問につきましてはたびたび御議論がございまして、裁判所の当局からも御意見が出ているわけでございまして、そういうものも私どもは踏まえたつもりでございます。
○沢田委員 また後の方がやられるでしょうけれども、やはり一般の国民の目に映った姿として、それこそ事務所にふろしき包み持って入ったというだけでも、李下に冠を正さずでありまして、なかなかそれぞれ立場の苦しいものを持っているわけです。ですからそういう意味においては、皆さんが、刑事局長さんだの何かが歩いだということは、国民の目に映ればそれはやはりいい姿ではなかった。 大臣、これは結果として、今後はこういうことは単なる陳情ということだけにとどまっていかない影響を与えるおそれがある、やはり行動は慎重でなければならぬ、こういうふうに言えることだと思うのです。これはその後始末の問題として、大臣がこのことの経過を考えて今どう御認識をいただいているか、その点お答えいただきたいと思います。
○田原国務大臣 先生が前半におっしゃったような何か意図的なものがあるならば、特別なものと結びつけて予算やその他と云々というお話がありましたが、そうだったら、私が知らずに行くのはまことにおかしい話でありまして、私が知らずに行ったということは、それほど、法務行政の中の考え方としては、一般論として当然の考え方をやったというふうに事務方は皆思ってやったことであります。 ただ、私も後で知ったわけでございますが、そうかと言ったのは、それで別にいかぬという意識は当時なかったのですが、ただ、一斉にやったという印象を与えたかもしれませんが、そんな深い気持ちは私は毛頭なく、本当に、この前も予算委員会で申しましたように真心を込めてやったと思います。
○沢田委員 だから今までのことはさておいて、今後こういうことはまあ二度と起きないと、そこまで言えるかどうか、大臣の任期中だけぐらいのものしか言えないでしょうが、とにかくこういうことは余り望ましい姿でない。いい姿だと思わないでしょう、国民の目に映ったものとして。それでもし党が動いたとかということになったとすれば、これは重大な問題ですね。だから、そういうことは望ましい時期ではなかった、少なくともそういうことは言えるのじゃないのか。その点についてはやはり反省を含めながら、今後はこういうことについて十分注意をしてもらいたい、こういう希望を含めて今質問しているわけです。おれのやったことに何文句を言うんだというのならまた話は別ですが、その点をもう一回大臣からお答えいただきたい。
○田原国務大臣 お答えします。 先生のお考えに反論して申し上げているのではございません、こちらの考えもわかってほしいということでちょっと申し上げたのですが、ただ、同じことをするのにも、同じことを進めていくのにも、確かに行政としてそういう考え方は私はあると思いますから、その持っていき方を、今度のように、世論というか報道など見ましても、書かれておるような言い方はこれからは検討しなければいかぬなというふうに考えております。
○沢田委員 そこの問題は、こればかりを予定していたわけじゃないですから……。 次に、予算委員会に報告された中間の報告ですが、法務委員会にはなぜこの報告書を出さないんですか。これは委員長も知らなかったんですか、理事も相談しなかったんですか。少なくとも、予算委員会に出した中間報告を法務委員会に報告して出したって、もう言ったことですからちっとも これは変わるものではないんですから、当然これは法務委員会へ提出すべきだと思うんですね。これは、国会の方の事務の問題もあったと思うんですが、法務大臣の方も、それはやはり法務委員会には報告すべきじゃないかと思うんですが、いかがですか。
○田原国務大臣 国会の要請に基づいて報告するということになっております。法務委員会からの要請があったとは聞いておりませんし、それから、原則として予算委員会の総括の間じゅう他の委員会は全部とまっておりましたから、こういう結果になったんじゃないかと思っております。
○沢田委員 親元を忘れてもらっては困るので、法務大臣は予算委員会の法務大臣ではなくて、法務委員会の担当大臣。これは答えなくていいです。 委員長、これは今と言ってもしょうがないですから、後刻でもいいですから、これは配付してください。やはりそれが法務委員会の権威にも関係することですから、その点はきちんと委員長の方で取り計らってください。よろしいですね。
○浜田委員長 また理事会においても、この問題については協議をしていただくようにいたします。
○沢田委員 予定の時間を大分過ぎましたので。 大臣は、九州にいるときは災害課長だとか、今も質問も若干あったようでしたけれども、工学博士だし河川行政にも大変明るいしということで、私は埼玉で委員長と同じ場所でありますが、河川の問題と水害の判決、それから法務大臣としてどう認識するかということについて、二、三質問をしていきたいと思います。きょうは、それにかかわって建設と国土にもお願いを申し上げております。 大臣、日本列島は、荒川ができてからもう二百年ぐらいたっていますが、これは木曽川にしても、あるいはその他、長良川にしても、大体そのくらいの年数がたっている、部分的に改修したりなんかはしているでしょうけれども、たっていると思うのですね。大臣は、大体この日本の川の状態というものはどういう認識をお持ちになっておりますか。余り長く講義されても困りますから、どうぞ簡単にお答えいただきたい。
○田原国務大臣 私は、政治を志してから十四、五年になりまして、その間ほとんど昔のことを忘れておりますので余りわかりませんが、ただ、日本の河川は非常に、大陸的な国から見るとその上流部に当たるような感じのするところです。例えば、アメリカのロッキー山脈を横に水平に切って、あるところから上をとると日本の河川に似ているんじゃないかなと思うような、激流の多い、荒川が多いというふうに考えております。 それから、訂正していただきたいのは、九州の防災課長ではございません。建設省の防災課長です。
○沢田委員 そういうふうに理解して申し上げているつもりなんです。 時間の関係で結論的に申し上げますと、この間、河川敷を下げるというような工事というのは、堤防を上げてきましたね、また二メートルも荒川でも上げていますが、河川敷を下げるという工事をしていない。それがどういう影響を与えるか、大臣、わかりますか。
○田原国務大臣 建設省、国土庁からお見えになっておりますので、まずお聞きして……(沢田委員「いや、大臣でいいですよ」と呼ぶ)私ですか。 堤防を上げれば、その堤防の幅が要りますから敷地がたくさん要るし、切れたときまた怖いし、河川敷を下げれば済むところは下げればいい場合が多いのですが、ただ、下流の方に行って下げると海と同じ高さになってきて、水が流れなくなるというようなこと等が起こると思います。
○沢田委員 時間の関係で、これは建設省で基本的にやるのかもしれませんが、国土庁もそうですが、やはり川は常に泥を運んでいますね。だから、上流からどんどん、荒川でいえば秩父の方から大雨が降るたびに泥を運んできているわけですよ。その泥はどこへ行くかといえば、どこの川であっても、歴史的に見てだんだん下流に堆積をしていっているという状態は変わりはないわけですね。だから、この二百年の間の堆積というものはどういう状態になってきているかということを、私は建設省の方には縦横断測量図を出せ、こう言ったんですよ。縦横断測量図を出せば、河川の部分と河川敷の部分とがどの程度の高さになっているかということもわかるし、幅もわかるし、こういうことで言ったんです。 専門家だからあえて長くは言わないが、荒川なら荒川という川は、どこからどこまでを荒川というかといえば、堤防から堤防まででしょう。河川敷は荒川の中に入るでしょう。どうですか。
○松田説明員 私からお答えさしていただきます。 荒川の河川敷と申しますのは、荒川の堤防の……(沢田委員「荒川の中に入るか入らないでいい」と呼ぶ)中に入ると思います。
○沢田委員 それで、この前の十八号台風が一番いい例かもしれませんが、大東水害もそうですし、長良川の水害もそうですが、グラウンドレベル、御承知のとおり、一般の方は地盤沈下もあったりして三・八とか、亀戸あたりは二ですが、三・六とか、それにOPとTPの差の一メートル十、これが加わりますから、グラウンドレベルにおいても三・六ということは、四・七なんです。この河川敷の中が三・八、三・七、三・八、三・四、三・六、四、四・二、こうなれば、グラウンドレベルの一般の住宅地の方の地域の方が河川敷の高さよりも低くなっているんですよ。わかりますか。要すれば、川の河川敷の方が高いんですよ。その結果は、放水路で低くしているんですね、無理に。本川と放水路を使って。ですから、逆流となると水門をすぐ閉めてしまうんです。だから、一般のところは湛水の現象が起きてくる、ところが荒川の河川敷だけはにょこっと顔を出しているわけですよ。一般は内水面で水がたまりました、しかし、河川敷はちゃんとその上にあるんですから、顔を出しているんです。だから、荒川としての機能というものは、ほとんどその十分の一とか八分の一ぐらいしか機能を果たしていかないんですね。それが、例えば裁判例、判例を出したときには、長良川の判決にしても、はんらんにしてもこれは天然自然のことで、建設省も人的にも資的にも限界がある、だから、精いっぱいやっていればそれをもってよしとするということで判決が出てくるのですが、二百年ほっておいた結果として生まれたのがこの河川敷の高さなんですよ。 大臣も工学博士だし、よく見てください。これが河川で、こっちが浜田委員長の地盤ですよ、選挙区ですね。そういうことで、十八号台風でも、これからは関東平野、それから近畿、あるいは名古屋、濃尾平野、あるいは九州もそうですが、そういうスタイルがだんだんと出てくる、台風時期になればみんな内水面現象が起きてくる。特に関東平野などは地盤沈下がどんどん進んでいますから、余計にやはり地盤である草加なんというのは胸までつかる水になってしまう。そういう状態になることはこの図面でわかると思うのです。これは何も人為的につくったものでも何でもない、地図の製作でつくってちゃんとしたものなんですから、その点はどういうふうに判断されますか。
○松田説明員 先生の御指摘の点について若干御説明させていただきたいと思いますが、河川改修、荒川の改修が始まった当時は、川の中の高水敷とその堤防の外側の市街地といいますか、水田地帯とは恐らくほとんど同じ高さであったかと思います。しかし、堤防ができまして洪水が川の中を流れるようになりまして、そのほか戦後の地下水くみ上げその他等いろいろ影響があるかと思いますが、埼玉県の南部あるいは東京都区間におきましては、大幅に地盤沈下が進んだ結果、堤内側といいますか市街地側の地盤が随分低くなりました。川の中の高水敷の役目に、二つは堤防の根っこを保護するという堤体保全の意味もございまして、高水敷が低い方がそれはよろしいかとも思いますが、極端に低くなりますと、水はけが悪くなるとか、また逆に高潮その他で低水位の上昇があったときに冠水する。そういったことで堤体の保全上よくないというようなこともございまして、高水敷に計画高水敷高というのを私どもは持っております。それで、それより大きくなる場合には削ったり掘削させたりしておりますが、低くなったときに水はけが悪くなって常時水がたまるような場合にはある程度埋めさせていただくというようなことで、高水敷は計画的には、長期的には見張っておるつもりでございます。
○沢田委員 説明にちっともなってないのですよね。結果的にはどんどん河川敷が高くなってきていますよ。だから、三・八なり四・〇になっています。それに一メートル十のTPで足せば四・九なり五・一になってきていますよと。その内陸部というか、河川の外側の方が三・八なりやがて三・六なりになっていますから、当然河川敷になるときは、その付近はやはり越水するという状況が地形上生まれてきています。 さらに、もう一つ加えて出てくることは、水門を閉めるから荒川の方は楽になってくるけれども、その上流に降った水は低湿地帯部に全部内水面現象を起こしてくる。それがこの前の第十八号台風の結果ですね。僕はこれは人災だと思うのですよ。要するに、こういう地形的にも明確にわかっているものなんだ。いや応なしにそこに出てきた水というものは、内陸部に入っていって湛水するように今日なっちゃった。なってきた間、これは建設の方だが、全然見逃してきたということは、樋門だけ閉めたらいいと。土曜日に台風がみんな来る。意地悪で来るかどうか、そのことは別として、ここ三、四年は全部土曜、日曜だ。その土曜、日曜のときには建設省は勝手に閉めて、さっさと帰ってしまう。だもんだから後はどんどん上流から降った水は内陸部へ湛水して大東水害のようなものも起こすし、あるいは十八号台風のような水害も起こす。その事実関係は認めるでしょう。
○松田説明員 河川の下流の沖積……(沢田委員「いや、その事実関係だけ認めるか認めないか言ってもらえばいいんですよ」と呼ぶ)先生が御指摘の、何でしょうか、堤内地側の地盤高が低いから水門を閉めたときには堤内側が冠水するではないか、こういう御指摘だと思いますが、荒川の本川の洪水が出る前には堤内側の内水河川の排水がなされております。水門を閉めた後には排水機場のポンプが回転して内水を排除することになっておりまするから、直ちに水門を閉塞したことが内水はんらんに直接結びついているということでもないかと思っております。
○沢田委員 だから今度は問題が出てくる。今大体あの辺の勾配は三千分の一の勾配ですよ。だから、水の到着時間というのは、綾瀬にしても江戸川にしても中川にしても新河岸にしても、どこへ行っても到着時間は六時間とか七時間とか十時間とか下流に来るまではかかるのですね。ポンプでやって、砂をかくんなら別だけれどもそこに水がなければ幾らポンプを動かしてみたって、一秒間に何十トンのポンプを動かしたって水は追いついてこないのですよ。わかりますか。あなたも技術屋だったらそのぐらいのことはわかるでしょう。それはもう何時間がたって、たまってからポンプアップしなかったらできないのですよね。だから、その後どんどん内水面の中は滞留時間でたまって被害を起こしていく。これはきょうはもう余り専門の話はしないけれども、そういう認識でいると草加のような事態や三日間湛水というようなものが当然起きてきてしまうのですよね。だから、今考えることは、どうやって早く内陸部の水を荒川なら荒川、東京湾なら東京湾にどう早く出せるか。出せなくなったときにはもう終わりなんですよ。そのときにはもういや応なしギブアップなんですよ。地盤は低いのですから、十四メーターなんて堤防を高くしてみたってとても……。あのときに行ったときには、全部もうこの辺を含めてだよ、この辺を含めてつくっているんだ。 もう一つ言っておきたいのは、江戸城なんて城をつくったところで、いい地形のところへつくるわけないんですよね。大体沼あり谷あり坂ありというところへ城はつくるのですから、攻めにくいところへ。ですから、それはそういう状況というものは当然生まれてくるわけです。城のあるところは皆そうですよ、大体。ですから、あなた方がこの荒川なりあるいは綾瀬なり江戸川なり隅田川なりすべてを見るときに、この上の堤防だけがすべてでないというなら、河川の流速とそしてその勾配というものを考えながら、ポンプもどの程度の機能でそれを発揮できるか、そういうことをきちんとしないと、この大東水害の判決は、これは無理な都市災害を起こしたのですけれども、それにしても改修部分は早期に改修工事しなければならない特別の事情は認められない、こんなふうな判決が出てくる根因は出てくるのですよ。 もう一つ、これは法務大臣に私の経験から言っておきたいのですが、もう時間のあれでこれは一応これで終わりますよ。しかし、その地図上げますからね、大臣、少し熟読玩味して次の質問の機会のときには、なるほどどうしたらいいんだ、技術屋さんとしてはどうしたらいいのかというのを基本的に、ポンプで何とかするなんで言ったら笑われちゃいますよ。みんなそれはもう人災ですよ。完全な人災と言っていい。 もう一つ、裁判所のある人の発言で、一万円取るのに裁判にかけた、そうしたら、これは高裁ですがね、高裁で裁判官は、一万円ぐらいのものを取るのにそんなむだな費用をかけて何ですか、こういう発言だった。これは刑事局長もどうだかわからぬ。行政の平等というのは、納めた人と納めない人が、そういう滞納を許さない、そういうところに公平感が生まれるんで、いわゆる営利主義でいけばそれに五万円の金かけて二万円取るということはあほうだ、こういうことになるのですが、これはもう政治論理ですからね。公務員とか裁判とかというものは、やはり公民の公平というものをどう維持するかということがやはり行政官の仕事だと思うのですね。 大臣はこれどうです。高裁のある人が一万円取るのに五万円もかけたってしょうがないじゃないかと言った発言と、一万円取るためにやはり努力していかなければ住民の公平感は失われてしまうという信用を守ることと、どちらを大臣は選びますか。
○田原国務大臣 具体的なケースに当てはめてみないと軽々には申し上げられませんが、一般的な感じとしまして、やはり公平を守ることが非常に大事なことであると思います。
○沢田委員 さきに戻って、先ほどの議論の内陸部といいますかの、ことしの台風も恐らくそういう現象が出てくるのは間違いないですからね、十八号台風と同じような現象が出てくることも間違いないわけですから、国土庁としては、長期展望に立ってこれをどういうふうに把握してどういうふうにしていこうと考えているのか。建設省も、今のちょこちょこっとした話じゃどうに、もならないけれども、同じように簡単にひとつ、簡単というわけにいかないかもしれないけれども、ひとつどういう状況にあるのか答えてください。
○速見説明員 御説明申し上げます。 我が国では、先生御案内のように、毎年のように梅雨の時期あるいは台風の時期を中心にいたしまして、各地で大雨が降っでございます。それで湛水でございますとか河川のはんらん、あるいは土砂崩れ等による被害が発生しております。 このような状況に対処するために、水害による被害を未然に防止しまして、または軽減をするために、関係省庁が連携をいたしまして、一つは、気象観測の充実と迅速な予報、警報の発表、これで皆さんに注意を呼びかけて、あるいは関係部局の対応を考えていただくという一つの効果がございます。それから、治水五カ年計画等に基づきまして治水施設の計画的な整備でございますとかあるいは総合的な治水対策の推進を図っております。また、海岸部におきましては、海岸保全施設の計画的整備などの対策も進めておるところでございます。さらに、災害に備えるためには、行政のみではなくて地域住民が居住地域の危険性を正しく認識していただくことも重要かと考えてございまして、浸水予想区域図の公表なども現在進められておるところでございます。 関係省庁連絡をいたしまして、引き続きこれらの施策を積極的に進めてまいりたいと私ども考えております。
○松田説明員 河川下流部の内水問題につきましては、現地の地勢とか河川の状況あるいは市街地の立脚している場等いろいろ複雑な事情によってよくはんらんが起きたりいたします。地元の市町村あるいは皆様方の地元に詳しい御意見も参考にしながら従来私ども鋭意努めてまいったつもりでございますが、今後下水道の普及その他内水排除施設の普及、だんだんそういう時代になってくるかと思います。地元の状況を丁寧に集めながら、よりよい内水対策ということに努めてまいりたいと思っております。
○沢田委員 両省の答弁には若干問題がありますが、時間の関係できょうの段階はこれでとめますが、水を治めるものは天下を治める、昔の教えにもあります。大臣、やはりこの関東平野というところにいる限りこの問題とは離れて生活はできないのでありますから、関東ばかりじゃありませんが、名古屋にしても大阪にしてもそうなんでありますが、そういう分野を通じて対応に、これは一瞬でできるわけじゃないですからね、コンピューターに入れたらこう出たというわけにはいかない問題ですから、その辺は慎重に着実に進めなければならぬ。それをもってやむを得ざる災害だという判定を下していくという発想にも問題がある。百年このまま放置してきた責任は極めて大きいということを念のため申し上げておきたいと思います。 続いて、時間の関係がありますが、解放同盟の問題はまた後でやると思いますが、一応私の方から申し上げておきたいのは、土地改良だとかそれから墓石の移動とか、これは一つの例ですよ、そういうようなものが五年とか二年とか細切れに、これは法務大臣として閣議で言ってもらうということなんですが、細切れで片づくものではないのですね。土地改良だって、私もちょうど関係して三十年ぐらいになりますが、そういうふうに遅々として進まない仕事なんですよ。そういう仕事をやっておいて、この仕事は五年で切るよということは意地悪にしかならないですね、意地悪にしか。法務大臣も閣議にそういう法律がかかってきたら、土地改良が五年でできるなんということはありっこない、区画整理だってできっこない、そういうものを地対審議会、法律でつくって、これは五年で制限するんだということは、それ自身が無法なんですね。わかりますか、その言っている意味が。昔の個人的なものだったら瞬間的で、学費の補助とかそういうものはわかりますけれども、こういう事業を同和対策としてやっていく場合に五年で切りますよ、三年で切りますよというのは意地悪以外にないのですよ、これは。できっこないんだから、これは。やはりそういうものは十年なり十五年という期間をきちっと置いておく方がかえって安心感も与えるし、事業も推進していけるということにもなるわけですね。 これは大臣の認識として今後心得ておいてもらって、後で小森さん等が質問されると思いますけれども、人権の擁護という問題はそういう長期展望の問題である、そういう長期展望の問題であるから、それだけに細切れで出していけばそれはかえって意地悪にしか映らない、そういうことをちょっと肝に銘じておいてもらいたい、こういうふうに思うのですが、いかがですか。
○田原国務大臣 先生のおっしゃる意味もよくわかりますが、一方で予算制度が単年度になっておりますし、実際に物をやっていくときに、物価指数も変わっていくし情勢が変わるので、十五年計画という具体的な計画になると抽象的になってしまうというような意味で、五カ年とかそういうふうに刻んでいきながら延長していっているのが実態だろうと私は思うわけです、これは積み上げていかなければいけませんから。十五年たつと相当世の中変わってしまいますから、そういう意味で私はあながち細切れも悪くないんじゃないか。そのかわり続けていくということがわかってなければいかぬわけですけれどもね。
○沢田委員 これは住宅建設でも何でも皆同じなんで、それは牽強付会のおそれなしとしませんね、同和対策だけ細切れにして、ほかは長いけれどもそれは別なんだ。それは逆にまた差別になるんじゃないですか。
○田原国務大臣 私は、年次計画とか道路計画とか河川計画とか、そういう計画一般論を申し上げたのでありまして、人権問題として申し上げたのじゃございませんし、人権問題については、私も法務大臣であり、せっかく法務大臣になったのですから、熱心に取り組んでまいりたいと思っています。
○沢田委員 時間がだんだん迫りますからちょっと急ぎますが、今青少年犯罪の傾向というのは、これは今まではイザナギ景気とか飽食時代とか虚栄の時代とか、だんだん悪くなっていくとそういう表現が出てくるのでありますが、言うなら物が足りている、食うものに困らない、ウサギ小屋だけは解決しなかったけれども、そういう時代が続いた。だから、そういう時代における犯罪というのは経済犯罪、知能犯罪という傾向が多くなる。しかし、物が不足し貧しくなれば、これは暴力犯罪なり、知能犯罪は同じように続くでしょうけれども、青少年犯罪などが多くなってくる。時代の変遷とともにそういう傾向があるんだろうと思うのです。 最近の統計が今日の時代に直ちに当てはまると思わない。特に青少年犯罪はこれから外人労働者問題も含めてやはり相当大きな問題になってきていると認識するわけですが、これは局長はどういうふうに認識しておりますか。
○濱政府委員 お答えいたします。 もうこれは委員十分御存じのところでございますのでできるだけ簡単に御説明させていただきますけれども、最近における少年非行の動向を、これは刑法犯の検挙人員数で見ますると三十一万七千四百三十八人という多きを数えた、これが昭和五十八年でございますが、それ以降、多少の増減を繰り返しながら減少傾向にある。平成二年におけるそれは二十四万四千百二十二人ということでございまして、昭和五十八年に対比いたしますと約二三%の減少になっておるという状況でございます。 犯罪の内容がどうかということになりますると、これは窃盗とかあるいは占有離脱物横領が全体の約八五%を占めておりまして、万引きあるいは放置自転車の乗り逃げ等のいわゆる初発型非行と申しましょうか、これが少年犯罪の大部分を占めているということでございます。したがいまして、凶悪犯罪について見ますると、これは昭和四十一年以降五十三年ころまでは急激に減少したのでございますが、その後、毎年多少の増減はありますけれども、全体としては減少傾向にあるということでございます。
○沢田委員 私は十二時十五分までということなんですが、やはり十二時になれば腹の方も響いてくるでしょうから、割り当て時間よりなるべく少なくして、休憩時間だけは与えないとまずいかなということを考えながら、あとかいつまんで質問をしていきます。 外国人の入管のことで、実はこの前、電話が全然通じない、私が電話をかけようと思ってみてもなかなか通じない、それで電話もふやせ、人もふやせ、こういうふうに言ったわけですが、ここで今話題にしようとしていることは、外国人労働者問題というものをおろそかにしてはまずい。単なるねたみだけで問題が起きるわけじゃないけれども、いわゆる外地における日本人が被害を受けるという傾向が強くなるよというのを私は三、四年前から警告してきたんです。 だから、外国人労働者が日本のこの繁栄にあこがれて難民船もたくさん来ました。しかし、あのときの処遇とか対応というのは極めて冷た過ぎた。これは向こうから来た人にとってみれば、日本という国は何て冷たい国なんだろうというふうにしか映らなかったと思う。そのことは、じゃ国へ帰ってどうなるかといえば、それは国へ帰って、とんでもないやっらだったということを言って歩くということにしかならないんですよ。 ですからこれは、時間の関係でこれを詰めますが、結果的には、外国人の入管の事務や差別やそういうものを日本のこの鎖国的な政策をとっていれば、今度は日本人が、四百万人外国へ行こうが行くまいが、いろいろと迫害を受けたり盗人に遭ったり被害を受けたりするということにはね返ってくる。そういうことを政府としてちゃんと受けとめて対応していかなければならぬのではないのかということを私は注意しておきたかったわけですよ。余り差別をして、余り拒否だ拒否だとばかりやってくれば、せっかく自分の食べるものを求めてきた、ODAがどうのあれがどうのというのはそれはまた別ですよ、しかし、一人一人の憎しみは変わっていかないんですよ。我々も戦争に行った苦しみはやはり同じように残りますわね。だから、そういうようなものと同じように、そういう差別が、その結果旅行に行った人たちがその分を被害を受ける、こういうことにはね返るわけです。 きょうは、今まで外国人の入管の事務の停滞や、あるいは十五日間の滞在期間であるとか短期のものやいろいろありますけれども、そういうことのはね返りを十分考えて対応に過ちなぎようにしてほしい。これは法務大臣でいいです、法務大臣がそういう気持ちを持ってこれから対応してもらいたいということを、自分の省でなかったら違った省でも、やはり犯罪を扱う立場から見て、ここらはお互いさまなんですから、だからこっちで冷たくすれば向こうへ行って冷たくされるわけですからね。そのことを十分理解して対応してほしいということを、ひとつ大臣として肝に銘じて、肝に銘じたとは答えなくていいですがね、よくわかったらわかったと言ってください。
○田原国務大臣 外国人問題、大変大きな問題になっておることは存じております。大きく一番問題になるのは一般労働者であろうと思いますが、ただし不法労働者ですか、どのようなことがあれ人権は大事にしながらいくということも考えておりますから、言われたことは肝に銘じてまいりたいと思います。
○沢田委員 大体十二時四分になったら終わる予定だったんですが、警察庁にも来ていただいております。 駐車違反をやりましたが、車庫がなくて車庫料がだんだん高くなっている。大臣もわかりますかな。車庫代がどんどんどんどん高くなって、駐車違反をしたのはいいけど、言うなら学校へ男の子は来てもいいけれども女の子は来ちゃいけないよといったようなもので、今度はその行けなくなった子供は、それじゃどうしたらいいんだというので迷っちまうのと同じなんですね。だから、警察の取り締まりをうんと厳しくすれば恨まれるし、それから緩めれば交通渋滞を起こすしと、まあ行ったり来たり。しかも食料はだんだんだんだん値上がる一方である。だから生産緑地なんかを求める農家は二六%程度にしかとどまっていない。これはみんな何か車庫にでもして、七十倍以上に上がってくる税金をどうやって補うか、こういうことなんですね。これも、警察の人来ていると思いますが、ひとつ法務大臣の薫陶をよく受けながら、今後こういうことのないように大臣からも忠告をしてもらうことをお願いして——できるでしょう、大臣は。できない。できなければじゃあ答弁してください。時間もったいないけれども、警察言ってください。
○古賀説明員 駐車場の不足の問題でございますが、私ども全国の都道府県警察では各自治体などに対しまして公共駐車場の整備あるいは駐車場対策協議会の設置、附置義務条例の制定など、踏外の駐車場整備のための働きかけを行っておるところでございます。また、私どもといたしましても、従来ございます駐車場の有効利用を促進するために駐車場に誘導するシステムの整備などの対策を実施しているところでございます。
○沢田委員 終わりますが、ただああいうふうに述べただけでできるわけじゃないので、ちゃんとそれには法の指導とかあるいは予算の裏づけとかそういうものを考えなければだめなんですから、ここでうわ言のようなことを言って物ができると思ったら間違いなんで、ちゃんと実のある行動をとってもらうことを、大臣もその一面を担う者としてひとつ御努力をお願いして、私の質問を終わります。
○浜田委員長 午後一時に再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時六分休憩 ————◇————— 午後一時一分開議
○浜田委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小森龍邦君。
○小森委員 午前中の社会党の質疑に続きまして、今から私の方も質問をさせていただきます。私の予定しておりました順序を多少変えまして、午前中の続きもありますから、余り雰囲気が冷めないうちに尋ねておきたいと思います。先ほどの議院証言法の問題につきましてお尋ねをいたします。 新聞で見ますと、事務次官あるいは官房長、刑事局長、もう一人となたか課長さんがおいでになったようでありますが、どことどこ、どなたを訪ねて回られたか、ここが私はっきりしておりませんので、まずその点からお尋ねしたいと思います。
○則定政府委員 各部局の幹部にかかわる問題ですので、私の方からお答えいたします。 私どもの方は、事務次官、それから刑事局長、それから私官房長、それと刑事局の主管の刑事課長がそれぞれ手分けして御説明に参ったわけでございます。 訪ねました先は、国会の院内、何と申しましょうか交渉団体の大きなところ、つまり自民党から共産党の各党の国会対策の責任者及び各党の予算委員会におきます重立った方といいましょうか、筆頭理事さん等々をお訪ねして御説明、陳情申し上げたわけでございます。
○小森委員 自民党から共産党までというと、政党の衆議院の議席数からいうと民社党の方が一、二名少ないわけで、民社党へは行かなかったわけですか。
○則定政府委員 自民党、社会党、民社党、公明党、共産党、こういうことになろうかと思います。
○小森委員 そういう問題を持って各党を訪問される際に、既に政党間の議論、とりわけその焦点は、予算委員会の理事会あたりで証人を呼ぶか呼ばないか、あるいは現に刑事被告人である者を呼ぶか呼ばないかというような議論が行われていたということは承知の上で回られましたか。
○則定政府委員 十分承知の上、回ったわけでございます。
○小森委員 そういう政治レベルの問題として議論をされておる最中に、行政の立場のそういったメンバーがそういうことへくちばしを入れると言うと少し語弊があるかもわかりませんけれども、客観的にはどちらかの議論に加担をすることになる、そういう判断はなかったわけですか。
○則定政府委員 先ほど申しましたように、国会で議論をなされます上で各党の関係者の方々に問題の所在を御説明申し上げるということでございまして、与党自民党から各政党に御説明申し上げたわけでございまして、そういう意味では、何と申しましょうか、一党のためにとかいったような観点で御説明申し上げたのではなくて、法務当局として考えております問題点をよく御説明申し上げて、国会の良識ある御判断の参考に供していただきたいということで参ったわけでございます。
○小森委員 各党を回ったから公平ということにはならないのであって、政党間で対立をしておることについて行政府が一つの党が主張しておるのと同じようなことを言って歩くということは、それこそ公平を失しておるわけです。私の、いわゆる議員の立場からいえば、あなた方が言って歩かれることは既に議論の俎上にのっておるわけですよ。つまり、あなた方が言われるような議論というものは既に行われておるわけですよ。だから、各政党の幹部、そういう議論をしておる者が、そんな理論を知らないから議論をしておるわけじゃないのですよ。 そうすると、いや、それに介入する気持ちはなかったとか、不公平なことをしようと思ってやったのではないということになると、議員をそんなに水準が低いと見ておられるのですか。どうですか、その点は。
○則定政府委員 委員御指摘のように、私ども各党を回らせていただきまして、党によりましてはいろいろなお答えをいただいておるわけでございますけれども、おっしゃいますように、その問題があることはもう十分承知の上で対応するつもりでおるということを幾つかの党の方からいただいております。そういう意味では、何と申しましょうか、私ども以上にそういった問題について御理解いただいているなということで心を安めたということが実情でございます。
○小森委員 あなた方の方が議会に対して各政党にそういうことを言って多かれたわけで、こんなことはイロハのイの字でしょう。憲法に国政調査権というものがあるわけです。一方では捜査権とかあるいは裁判に予断を与えてはいけないとか、つまり、あえて言うならば対立の芽が我が国における三権分立のそれぞれの権力構造の中にあるわけですね。それを、あなた方が知ったらしく言って多かれる。しかし、あなた方が言って多かれることは既に何回も与党と野党との間で議論をされておるわけでしょう。政治的な議論となって、政治的にどういうふうに決着がっくかという問題でしょう。それぞれ各省庁の幹部職員が、腹の中では何党に対して熱い思いを持っておるということはそれは勝手ですよ、勝手ですけれども、行動として出てくるということになれば、それは慎重の上にも慎重を期さなければいかぬでしょう。それがけさからずっと言っておる問題ですよ。しかし、究極において、国政調査権というのは憲法に書いてあるわけですから。憲法事項中の最も憲法事項の一つなんですからね。そして、以前も刑事被告人を証人で喚問した例があるわけでしょう。何でこの時期に言って歩かなければいかぬか、ここが問題なんですよ。 それで、もしそういう問題が起きておって、これはよほど法律論上問題があると思えば、何のためにあなたの省には大臣がおるのですか。何のために与党から出られた大臣を一人据えておるのですか。どうもこれは与党が野党に押しまくられそうだ、与党の代表者がここの法理論をよく知らない、しかし行政の立場にある我々が言うたんではちょっと介入じみたことになるから、大臣、あなたがここは言われるべきじゃないですか、与党の幹部に言われるべきじゃないですか。そのために大臣がおるのでしょう。そういう判断つきませんでしたか。
○則定政府委員 私ども申し上げましたのは、いわば事務当局として各般の問題があるということを、事務レベルといいましょうか、事務的に御説明申し上げたわけでございまして、まさにおっしゃいましたような政治的な問題ということまで法務省といたしまして求める必要があるといたしますならば、大臣にお願いして御支配していただくということもあろうかと思いましたけれども、私どもはあくまでも陳情ということで、いわば細かな問題についてお話しさせていただいたわけでございます。
○小森委員 新聞で私も陳情という言葉を読みました。しかし、どちらにこの問題が傾くかわからないくらい、ちょうどてんびんのはかりがこうこうなっておるときに、だから極めて政治的問題となっておるわけですね。そのときに事務的じゃとか陳情とかいう言葉を使うて、てんびんがほわっとなっておるときには、ごみの一粒、つまり重みにして〇・〇一グラムでもふわっとごみが落ちた方へふっと傾くのですよ。そういう状況のときを介入というのですよ。大変な高学歴の、しかも法理論やそれにまつわった政治的な問題だってよくわかるそうそうたる法務省の幹部が、ごみの一粒がふわっとこっちのてんびんに落ちたら〇・〇一グラムでも重たい方へふわっと傾くのですよ、政治的に物すごい影響を与えるのですよ、それが考えがつかないのかということを私は問いたいのですよ。事務的じゃとか陳情しましたとか、強力な行政権力を持っておる、予算権を持っておる者に国民が陳情するならわかるが、強力な行政権力を持っておる者が政党に陳情するというのは、私はちょっと聞いたことないな。だから、あれは陳情という名の介入だと私は思っておるのですよ。 この点は午前中、鈴木委員や沢田委員がかなり遠回しというか、あなた方の立場も考えながら今後そんなことはやってもらっては困る、こういうことでいろいろと議論をしたのでありますが、どうも法務大臣の答弁もあいまいだし、やはり今私が尋ねておるような切り口上でもって言わなければいかぬなと思って私は午前中聞いておったのです。ちょっとどちらかに力学的作用をもたらすということはわかりませんでしたか。それをちょっと答えてください。
○則定政府委員 私どもの御説明の影響力といいましょうか、重みをそういうふうに評価していただくということになろうかと思いますけれども、私どもあくまでも法務省の人間といたしまして、仮に刑事被告人となっております方を国会で証人という形で一、かっまたいわゆる起訴事実、公訴事実にかかわる事項についてお尋ねになる場合には各般の問題がありますよ、その上で国会が最終的にはもちろん良識ある御判断をされるということでございますから、その参考に供していただきたいといったことでございまして、そこは何といいましょうか、国会の先生方、各行政府なりあるいは民間の方々から各般の陳情を受けられ、それをもとにいろいろとまた政策決定などされるわけでございまして、私どももそういう中の一つの御説明というふうな形でさせていただいたわけでございます。
○小森委員 そういった問題について不安があれば政党レベルで、我々がよくやることですが、それぞれの省庁の専門家に来ていただいて、いわゆるレクチャーを受けるという形でやるのですよ。それを越えて自分らの方が先に行くから、政局に影響を与えようとしたのか、こういう気持ちを私は持って尋ねているのです。 どうもそれは、あなたの言われるのは同じことばかり繰り返されておるが、それではもっと言いますが、これからも再々そういうことをやる気なのですか、それを答えてみてください。
○則定政府委員 今の時点でといいましょうか、この状況下で私どもが再々そのことをやる必要があるかということになりますが、先ほど申しましたように、既に私どもがお話ししました段階では、それぞれの担当の方々が十分その問題の所在を御認識されておるわけでございますから、今さら私どもが同じことにつきましてまたお願いに回るという必要は全くなかろうというふうに考えておるわけでございます。
○小森委員 法務大臣、これは議員の立場からすれば、おたくが指揮監督しなければならぬ幹部職員が、議会側を少しなめておるというか、要するにこういった問題について議会の運営とかあるいは三権の分立のシステムとか、要するに近代民主主義の政治構造のあり方を知らないとなめて歩いたということになりますよ。簡単に言うと、あなたの監督が十分いってないということになりますよ。学説には、それはいろいろあるでしょう。しかしながら議会は英知を絞ってやりよるのですからね。そしてそれも、遠い先の一般論を言って歩いておるのでなしに、現に一つの問題点が浮かび上がった、その一番大事な時期に歩いておるわけでしょう。法務大臣の午前中の答弁では私は納得いきませんよ。今だってあなた、いや、そう再々やるつもりはありませんと言って、今までやったことに対する反省がないのだから。私は、きょうはこのことは余り時間をとりたくないと思っておったのだけれども、前後関係を全部総合してみなさいよ、明らかにどういう政治力学作用を果たしておるかということがわかるのですから。 では、法務大臣に、答弁される前にもう一つ聞きましょうか。 例えば私が一千万円もらったとしますか。じっと温めておったというか、ほかへ流用しておったとしますか。何か事件が発覚して、これはどうもやばい、それで返した。政治倫理というものはそんなものではないでしょう。そんなことで政治倫理という問題が、返したからいいというようなものではないでしょう。そういうこととまつわって、国会が議論をするのは政治の問題として議論しておるわけですよ。それを行政府が国会筋へ、陳情というのは後からつけた言葉だと思うけれども、つまり差し込んできたわけでしょう。大臣、ひとつそこらを、あなたは幹部職員を監督なさらなければいかぬ立場ですから、今午後の私の質問を踏まえてちょっと答弁してみてください。
○田原国務大臣 お答えします。 私、午前中にお答えしたように、実務者が本当に実務の気持ちでやったわけでありますが、そのことに対して各省の組織等を振り返ってみても、私が経験した省のことを振り返ってみても、実務にわたることは委任されておりますから、それでまじめな気持ちでやったんだろうと私は思っておるわけでございます。ただ、先生おっしゃるように、妙な誤解を受けたとしたら、進め方が適切でなかったんではないかという感じでおります。
○小森委員 官僚の皆さんがせめて、今の法務大臣のは私は不満足だけれども、せめて法務大臣ぐらいの気持ちにならなければ、これは一度あることは二度ある、二度あることは三度ということになりますよ。 私は、法務大臣の言うことも不満足だと思うのは、国会が参考人招致、証人喚問というような時期に、法務省の刑事当局、検察庁は、事件の捜査打ち切りという時期を合わせておるということが結果から見て一つわかりますね。そしてこの間の参考人の鈴木元首相の答弁を聞いておると、阿部代議士と会って、私は対決という言葉がよいか悪いか知らぬが、わしは全然もらっておらぬのだから聞いてみる、聞いてみたいぐらいだと言われているでしょう。政治的に解明できないという問題が鈴木元首相の言葉から出ておるでしょう。そういう状況のときにあなた方がやられたことだから、何を一つとってみても変なことばかりでしょう。法務省は証言法の問題で議員のところを根回しをして歩く、そして、もう捜査は打ち切っている。そして、自分の潔白さを表明するために、議院証言法で喚問してもらっては困ると言って歩いた人と国会の場でその真偽のほどをただしたいぐらいだと本人は言っておる。何をとってみたところで、国民の前では解明できてないじゃないか。そういう状況の中で行われたということを考えたら、最低のところが法務大臣ぐらいの答弁にならなければだめですよ。 だから、これは法律専門家からいって今のことを答弁してもらいたいとともに、例えば私がだれか社会的不正義の煙の立っているような者から金をもらっておって、それでずっと一年なり二年なりしかるべき時期持っておって、それでその問題が発覚しかけたときに持っていって返した、それで世の中の道理が済みますか。しかし、それについては、どの法律もそれを規制することはないのですか。善意で管理しておったと言う。しかし問題が明らかにならなかったら、そんなことは全然返さないわけでしょう。国民はみんなそう思うよ。 だから、例えば政治資金規正法とか税金の問題とか、いろいろあると思うが、私は、一般国民の問題だったらこれよりもまだまだ軽い問題を、やろうと思ったら検察は何ぼでもやっておるよ。この間の、今の釈放の問題だって私は鈴木委員が質問するのを聞いておって、私のごく懇意な人だって、あんなことでよく半年も拘置所に入れておるなと思うような事件があるよ。これは同和問題に関係しておるから私はよく知っておるんだけれども。 だから、それは、まあ釈放したということについてまで私はきょう時間の関係で言及しようとは思わないけれども、今のこと、ちょっと答えてみなさい、法務大臣ぐらいの気持ちになれないか。 それから、善意で金を預かっておったようなことが、こういう大きな政治的な疑惑のときに、捜査を打ち切った。何も私は罪人をつくることを快しとはしないけれども、何か仕組まれておるような感じがしてなりませんよ。ちょっとそれを答えてください。
○濱政府委員 お答えいたします。 まず、委員最初にお尋ねの、私どもの陳情活動と申しますか、陳情申し上げたことについてのお答えということになるかと思いますが、これは午前中にも私申し上げましたように、国会の委員の方々に法務当局、これは法務当局だけではなく行政各庁そうだと思いますが、法律案の審議あるいはその他もろもろのことにつきまして正確な御理解をいただきたいということで、これは御協力をいただくために御説明に上がったり陳情に上がることはしばしばあるわけでございます。その際に、今委員が御指摘になられましたように、その時期、方法をよくわきまえるべきであるという御趣旨の御質問につきましては、私どもも十分心しなければならないというふうに思っておるわけでございます。 それから、株式会社共和をめぐる事件の具体的事実関係についてのお尋ねでございますけれども、この点につきましては、午前中にもお答え申し上げましたように、阿部議員に係る、あるいは森口被告人に係る公訴提起をした事実以外につきましては、検察当局として犯罪の嫌疑ありとして訴追するに足るものは認められなかったというのが検察当局の結論でございます。 これは十分御理解をいただきたいと思いますので、つけ加えて申し上げますけれども、委員も御案内のとおり、検察当局は、証拠に照らして合理的な、疑いを入れない程度に犯罪の嫌疑が認められる場合に初めて公訴を提起することができるわけでございます。したがいまして、その権限の範囲と限界において検察当局は適切に職務を行っているというふうに私どもは考えておるわけでございます。
○小森委員 そういうことは口の先では言えるのです。口の先では、私らは公平にやっておると言えるのです。しかし、本当に軽微な事件でも連れて帰ったり、今度外登法の審議がありますが、今までいわゆる外国人登録法をめぐってどれだけのことがこの数十年間に展開されておるかということを考えたら、本当に軽微なことでも、あなた方がやろうと思ったらやっている。 だから、私は、罪人をつくれと言っているのではないのです。例えば五百十二名の衆議院議員あるいは二百五十一、二名の参議院議員が今と同じ手でやったら、我が国の政治倫理の確立というのはありますか。もらった金をばれそうになったとき持っていって返したら、もう訴追もされない。もしあなた方が、それが法律的に訴追に値するところまでいかないということになれば、なおさらのことこの問題は政治の舞台に任せておけばいいじゃないか。それをやらずに、どっちかというと、隠す方に加担をしておるということがあるから、私はこうやって声を大きくしているのです。 それでは、私がそういうことをして一もいいのですか。何かばれそうなことを、ばれるまでは一年でも二年でももらったきりにしておいて、ばれなかったらそのままいきますがね。ばれそうなときにばっと金を返して、それで物事は済むのですか、世の中の道理として。あなた、法律論としては今そう言ったのですよ。まあそこまでは私はきょうは立ち入らぬよ。しかし、我々が議論しておる政治論として、あなた、済みますか。
○濱政府委員 私、午前中にもお答え申し上げましたけれども、国会におかれて議員の政治的、道義的責任を判断するという観点から国政調査権の行使をされますことにつきましては、これは法務当局といたしましても法令の許す範囲でできる限りの御協力をしなければならないということは当然のことでございます。 片や、検察当局におきましては刑事責任の追及をするということを任務として職務を行っているわけでございますから、それは、先ほど申しましたように、国会において政治的、道義的責任を追及するという観点から国政調査権の行使をされることにつきましては、私どももできる限り御協力させていただくということは当然のことでございます。
○小森委員 もし、あなた方の言うことに対して、それが余り強い反省を伴った言葉でなかったら、それは裁判は裁判でやりなさい、あなた方に介入する気持ちはありません、だけれどもうちはうちの方でいろいろやりますよと、裏返したらそういうことになるんじゃないのですか。お互いに節度を持ってやらなければいかぬわけでしょう。しかも、裁判官の方は国会議員と違って選挙という試練を受けなくてもよいのですよ。身分の保障ということでは我が国の身分保障の制度の中では最高の厚い処遇を受けておるんだ、裁判官は。だから裁判官の良心の自由とか裁判官の自由心証とかいうことがあるのですよ。国会の方は世論とかそういうものによってかなり影響されるし、同時にまた、次の選挙のときには、よかれと思ってやったことだって別の意味の評価が加わるかもわからぬのですよ。そういうことで三権分立はちゃんと権衡をとっていっておるわけでしょう。 ぜひ通したいという法案について私の部屋なら私の部屋へ刑事局長が話に来られる、それは当然のことですよ。別に悪意は持ちません。自分らがつくった原案を通したい。当たり前のことです。ところが、もう一つほかの権力でしょう。三権分立のもう一つほかの権力のことについて、しかもこちらの方では政党間で今対立しておる、そのことについてあなた方がばっと横口を入れることはないのです。もし入れたいなら、法務大臣を通じてやったらいいのです、政治家を。それを言っておるのですよ。 それで、法務大臣自体は、ちょっと正確な言葉は今よう覚えないけれども、そこはよく慎重に考えてやらなければいけないという意味のことがあった。やっぱりあれじゃないの、あなたの方がそこまでの水準に到達してないんじゃないですか。言いづらいことはわかるが。 それじゃ、こういうふうにしましょう。法務大臣の考え方と同じように思っておりますと、そういう考え方なんですか。
○濱政府委員 ちょっと御質問の御趣旨がよくわかりかねますが、先ほど法務大臣がお答えになられたことは、私どももそのとおりだと思っております。
○小森委員 やっぱり物事のかみ合いというものが大事だから。あなたの答弁なり官房長の答弁を聞いておったら、自分らがやったことの正当性をまずぐっと上塗りをしておいて、そして、国会の筋へ我々は別段政治的な力学作用を及ぼそうとは思っていなかったのであります、それは国会の自由なんですと言う。言葉の響き、全然違うんだな。だから私は今のような問い方をして、法務大臣の考え方と同じなのかと尋ねたのです。 私は、こう見ておって、幾ら上司と職員という間柄であっても、法務大臣は、それは皆さんの顔を立てた答弁をしておるのですよ。そこがわからなんだら感性が足りないことになりますよ。そこをよく考えて、今後こういうことのないようにしてもらいたいと思います。 それでは、質問を次に移します。 法務大臣は所信表明の中で、治安の確保と法秩序の維持ということを強調されております。法務大臣の所信はけさも聞かせてもらったし、数日前に読ませてもらいました。治安の確保とか法秩序の維持ということは、だれが法務大臣になられようが大事なことであります。しかしながら、今日の我が国の社会情勢が抱えておる問題、こういう表面をさっとなでたようなことで本当に治安の確保とか法秩序の維持ができるのか。 例えば、法務大臣に一つの例を挙げてお尋ねをしますが、この間警察官が殺されましたね。ピストルを取られたですね。きょうは質問が余り多岐にわたってもいかぬと思うから警察庁に来てもらわなかったけれども、あれはやりようがないですよ。机の位置を少々変えたって、夜中に交番に用事があるようなふりをして来て、警察官のそばに寄って、何か頼み事をするようなふりをしてずぼっとやったら、もう終わりじゃないですか。警察庁は何か、机の配置を変えなければいかぬとか言うが、まさか防弾ガラスや金網を張るわけにいかぬでしょう。そうすると、治安の維持とか法秩序の維持というものは、法務大臣、この程度では今日の我が国が抱えておる社会の病気には対応できないのですよ。 この間、子供が二人連れて行かれて、自宅から二十キロか三十キロ先の山の中に殺されて捨てられておったですね。法務大臣、これはどうやって治安の維持をするのですか。そこまで考えて、ここのところをもう少し補足説明してみてください。
○田原国務大臣 あの所信表明は、表現はおっしゃるように非常に短かったかもしれませんが、万感を込めて書いたものでございまして、御質問を通じ、いろいろその所信が上がってくると私は考えておりました。 例えば、今おっしゃったような凶悪犯罪などにつきましても、その犯罪の動向はその時代時代の姿を反映する。姿というのは政治、経済、社会情勢でありますが、その変化に応じた犯罪の態様が出てきておると思うのであります。国民の生活様式や規範意識がやはり変わってきているということであろうと思います。 今日の社会を振り返ってみますと、社会の中で孤立して十分な社会的対応のできない者を生み出すような、そういう社会になってきておる。物質万能、金もうけ主義等々いろいろありますが、こういう社会の情勢を反映したのが御質問にあったような凶悪犯罪等であろうと思いますから、一つは、治安維持と申しましても、その社会情勢まで変えてしまうような治安の維持はとてもその治安という言葉の中に含めるわけにはまいりませんが、治安維持という観点から見たら、そういうことを知りつつ、なお一層いろいろ工夫し、細かく検討し、真剣に考えて取り組んでいかなければならない、そういうふうに考えるわけであります。 我々法務省の立場は、法の秩序の維持という責任を負っておりますので、法務省として見た場合には、検察の体制を一層強化するということに尽きるのではないかと考えておるわけであります。
○小森委員 同じ刑事政策でも、言うなれば犯罪に対して直接対症療法的な政策もあれば、いわば刑事社会政策というか、もう少し根源に近づいたところで、要するにそれに対する対応策を考えていくという政策が当然あってしかるべきですね。 これはずっと古い話になるけれども、京都大学の滝川教授が刑事社会政策について何かを言うたら、あれはどうもマルクス主義じゃといって京大を追われたことがある。末川先生なんかも腹を立てて同情退学というか、同情して大学をやめたことがあります。あのときは二、三十人やめたんでしょう。つまり、そういうような刑事社会政策という意味で私は言ったのです。そんなことが法務大臣、あなたの念頭にあって、そして今そういう意味のことも言われた、社会の問題。 〔委員長退席、田辺(広)委員長代理着席〕 しかし、その社会の問題について、内閣全体に対して閣僚の一員としてそういうことを差し込んでいかないと、子供が連れて行かれて殺されて捨てられるようなことについて、この子たちは抵抗する力がないじゃないの。まあ強いて言うなれば、地域教育力みたいなものをつけて、自分のところの子供とよその子供とその地域の人が同じような気持ちで、ああ、だれだれちゃん、どこへ行くのというように声でもかけるようにぴしっとした体制がとれれば、それは相当程度防げると思う。しかし、今日のように物すごく忙しくて、自分のところの子供にも声をかけられないような、朝起きて飯をばさばさっと食べて職場へ行かなければいけないようなときでは、そこはどうしてもおろそかになるでしょう。そこをどうするかという問題がなかったら、単なる治安ということを項目に挙げたにすぎなくなる。法秩序の維持もそうなるのです。女子高校生を殺してドラム缶に入れてコンクリート詰めにするとか、暴走族が駆けるいってちょっと注意したらずぼっと突き刺すとか、ちょっと考えられないでしょう。確かにそれは、犯罪と言われるものを全部勘定すれば犯罪件数は減少傾向にあるということは言えるのかもしらぬけれども、わしらが子供のときから、あの戦後の大混乱の時期でもこんなことをしょっちゅう聞かなかったよ。きょうこのごろのような凶悪犯罪のことは聞かなかった。ちょっとどこかであったら、隣の県のことでもばあっと広がる。ああいうことがあった、恐ろしいことだと。 法務大臣、そういう時期に対する治安の確保、法治国家として人々が安んじて生活できる体制、それをつくらなければいかぬのですから、ここよりもう少し深いところを法務大臣から聞かなければいかぬでしょう。再度ひとつ。
○田原国務大臣 おっしゃる意味はまことによくわかるわけでありますが、法務省が抱えておる検察当局が治安の象徴でありますが、これが検察政策的なものをどんどん前に走らせて、そして治安維持政策をやるということは私はいかがなものかというように考えておるわけでありまして、やはり社会全般の問題でありますから、起こったときにその事実に基づいてやる体制がぴしっとでき、しかも二度と起こらないような矯正政策とかそういうものがとられるべきであろうと思うので、いわゆる検察庁の人たちが張り切り過ぎて、二度と起こさせぬぞと目をきょろきょろ回しながら監視して、そして全般にプレッシャーかけていくということは私はむしろ望んでないのであって、やはり刑事政策以前の政策とどのようにうまくバランスをとりながらマッチしていくかということなんではないかと思っております。
○小森委員 今法務大臣が言われておるようなことを私は尋ねておる。このままのことだったら、単に検察陣や警察を強化するというほかに読み取れない。だから、そこだけを強化するよりは、そういうことが余り実働をしなくても、子供を誘拐して何人も何人も殺すような者が出てこないような、高校生が女子高校生を殺してドラム缶へ入れて缶詰にしてどこかへ捨てるようなことのないような、そういう状況がいかにしたらつくれるかということも政治の面で考えていかなければいかぬ。なるほど、法務行政だけでそれはできるものじゃないです。だから、閣僚の一員として内閣に対して、今の世の中がなぜこんなに荒れすさぶのか、社会的病理現象、この後私は同和問題でちょっと言いますけれども、こういうのを社会的病理現象と言うのです。それに対してどうするかという一応のお考えがなければ私はいかぬのじゃないか、こういう意味で尋ねておるので、いや、そういう考えがなければいかぬのだというところまで今法務大臣は答えたわけだ。では、その考えとは何ぞや、ここのところを私は議論したい、それはどうですか。
○田原国務大臣 法務大臣として、法務省として一省でできる問題ではないということはおわかりいただいたわけでありますが、法務省の責任は、やはり起こった問題に的確に対処し、厳正、公正にやっていく、それだけに必要な体制をつくらなければいかぬということに尽きるわけでありますけれども、閣僚の一員として申すならば、法務行政を離れて内閣の総理のもとでこういう議論をして、ほかの関連する大臣にも張り切っていただくというふうに私自身行動してまいりたいと思います。
○小森委員 それには、きょうの私と法務大臣との間のやりとりだけでは問題点が明らかになっていないわけですから、これからまた機会をとらえてはこの種の議論というものも私はしたいし、法務大臣もひとつその点については思いをめぐらしておいていただきたいということを申し上げておきたいと思います。 では次に、法務大臣が所信で述べておられる出入国管理行政の充実強化についてお尋ねをいたします。 今、我が国の出入国管理行政の体制、つまり職員配置などではとてもやりようのない、いわば実際の動きの方がはるかに大きい、こういう状況にあることは、担当の法務大臣よく御承知だと思いますが、この出入国管理行政の充実強化というのをどの辺のところまで考えておられるのか。この間出てきました予算をちょっと見させてもらいまして、多少人の配置がふえておりますけれども、それではとても私は及びはつかないと思います。したがって、そのことがまたずさんな管理となって、何も人を入れないように、締めるだけの意味で言っておるのではないですよ。要するに、ずさんな管理になって、例えば不法に入国し滞在しておる人のことが今はもう全く管理できないのですね。そして、たまにそういう者が見つかったら収容所へ入れる。収容所へ入れて、事情によれば——ベトナムの人がフランスヘ亡命しておった、その人がこっちへ縁故があって来た、亡命したところから出たからもう向こうへ帰られない、自分のおったベトナム、自分の母国へも帰れない、日本も不法滞在だからどこかへ出ていけ、どこにも行くところがない。こんなことどうするのかと私は一度尋ねたことがある。数日して、何か身寄りの人のところへ釈放しておったようですけれどもね。テレビを見て、ああ、数日して釈放したな。しかし、全く見当のつかないような行政をやっておると私は思いますよ。 そうすると、私がきょう提言をしたいのはこういうことなんです。日本という国がこれだけの経済力を持ち、しかも過去半世紀あるいは半世紀以上にわたる対外政策によって、特に不幸なあの戦争の時期にアジアの民衆には大変迷惑をかけた。この時期、我が国は経済も活発だし、場合によったら人手不足という産業もたくさん出てきておる。人手不足のために倒産するというようなのが今出てきておりますからね。そうすると、我が国の経済の活性のためにも、また日本に職を求めようとされる方のためにも、どういうようにこの出入国管理行政というものを他の省庁の行政と相談をしてやったらいいか、こういうマクロな考え方が法務大臣にあってしかるべきだと私は思うのです。 ヨーロッパ諸国を訪問してみますと、フランスでもドイツでもイギリスでもそうですよ。イギリスは主としてインドとかバングラデシュ、ドイツはトルコ系住民、フランスは北アフリカ、いずれもあの第二次大戦のときの植民地と母国のような関係で苦しい人を受け入れて、大体労働力の一割、人口にしても一割受け入れておりますよ。日本がどういうことをすべきかということについてはよくよく考えなければいかぬけれども、法務大臣、これはマクロな考え方がなかったらだめでしょう。出入国管理の事務体制をどうするかということも計画立たぬでしょう。そういうことについてどう思われるかということを私は尋ねたいのです。
○田原国務大臣 お答えします。 日本が国際化が進んでいっているのは皆さん同感でございますし、それに従って外国人が、表現はちょっと悪いかもしれませんが、好むと好まざるとにかかわらずふえていくであろうということは想像できるわけだし、現に相当ふえておるわけであります。 そこで、分類して見ますと、技術を持った人、それから技術を持たない人、それから今度は別の分類をしてみると、ちゃんと手続に従って入国している人、それから有効期限が切れて不法に滞在している人、あるいは不法に入国した人というような分け方もありますが、非常に多く、今百二十万を超えておるくらい、人口の約一%ぐらいになっていると思いますが、その管理と申しますと、私は、物理的な管理と精神的な管理と要るんだろうと思いますが、まず何よりも大事なのは、やはり物理的だろうと思うのです。というのは、その実態把握を一体どういうふうにやるのか、あるいは入国する際の、あるいは出国する際の手続の簡素化、簡便化、時間の短縮等のいわゆる効率化を図るとともに、入っている人の管理をきちんとしなければならぬ。そうすると相当膨大なデータベースが要るということになるわけでありますから、そこで法務省としては、その一つの分野として、今そういう面のサービス並びに仕事の正確さを図る意味でコンピューター化を進めておるわけでありまして、私も現地を視察しましたが、外にいて考えたときよりは随分大がかりなコンピューターで、大がかりな相当高度のものになってきておる。これからもそれをどんどん進めるために必要な体制をとっておる。 その体制のとり方は、コンピューター化を進めるために必要な技術者というのは、通産省などと違って今までいなかったわけでありますから、下請に出す部分と委託する部分とみずから養成する部分とに分けて、相当技術者をふやしてきておるのも事実でありますが、何よりも直接当たる出入国管理の職員の手が足りないということで、今回予算要求でたくさん、例年の倍ぐらい認めていただいたわけでありますけれども、そういう実態があるわけであります。気持ちとしては、これからやはりどんどんふえていくことに対してきちっと対応しなければならぬという気持ちでおりますが、それには、先ほど申し上げたような体制が要るということであります。 ただし、難しいのは、やはり外国人に対して、不法入国者といえども、不法滞在者といえども、人権を重んじてやらなければいかぬということであろうと思います。
○小森委員 少し皮肉じみた話になるかもしれませんけれども、しばしばPKO法案とかあるいは国連平和協力関係の法律を議論するときに、いずれの国家も自国のことのみに専念し他国を無視してはならないということは、海部総理の言葉からも、あるいは今日の宮澤総理の言葉からも、私は本会議場でも聞きました。何か火を吹くようなことへ加担するときだけ、いや国際協調だと言ったのでは、それはちょっと聞こえぬ話ですよ。火を噴かない、平和的なことについて、いずれの国家も自国のことのみに専念してはならない、これがつまり自国の主権を維持し他国と対等関係に立とうとする各国の責務である、これが憲法の精神なんです。しかし、ここのところが不十分なままでありますと、午前中の沢田委員が話されておりましたように、それはもう日本に対する考え方というものは、アジアの諸国は信用しなくなりますよ。それから、アジアの諸国が信用するしないは相手の心の問題だけれども、こちらの心が済まないというのが本当なんですよ。日本国民としてこちらの心が済まない、こういう観点で、ここは法務大臣、私はマクロなプランというものが必要だと思います。 これは、法務委員の委員相互では、雑談ではあるけれども、与野党協力して何かいい方法を考えなければいかぬな、ひとつ研究をやるかというぐらいの話は三々五々あるのです。しかし一番手っ取り早いのは、行政当局がプランをつくるというのが、今の日本のあり方からすれば、国会議員は秘書も少ないし、そういう機能を持とうと思ったってアメリカの上院議員のようなわけになかなかいかぬのですから、だからそこのところを法務大臣に大事なことだと念頭に置いてひとつ十分に取り組みを開始していただきたい、これは申し上げておきます。 次に、人権擁護行政のところに移らせていただきます。法務大臣がせっかく挙げられた三項目目のところは、きょうは時間の関係でちょっと飛ばしますので、御理解をいただきたいと思います。 この人権擁護行政の問題で、余り時間もないという関係もありますので、一つの具体的な事例をまず申し上げます。 北九州市小倉北区で、部落差別に関するビラ、チラシをばらまいたという事件が最近も起きました。これは以前も起きまして、そして大変物議を醸したのでありますが、最近のものはどういうことかというと、部落のすぐ近くの中古住宅を購入した、その後で同和地区だということを知った。その人がチラシに書いておる中身を見ると、同和地区のすぐ近くだということで住む勇気はない、住宅会社は損害の責任をとれ。これと同じような事件は以前も起きておるのですけれども、そういう露骨な差別事件というものが起きております。 時あたかも地対財特法が三月三十一日で期限切れとなり、今の状況では政府も閣議で決定をされて国会に提出をされておるが、これが午前中沢田委員が言われた細切れ細切れで根本的に物を解決しないのは要するに意地悪をしておるのか、こういう発言となって、これはまことに物をぴたりと表現しているなと思って私は聞いておったのであります。 法務大臣にお尋ねしますが、なぜこういう事件が後を絶たないと思われますか。
○田原国務大臣 まことに残念というほかはございませんが、やはり国民全体がこの問題をよく認識するように、人権擁護を担当する我が法務省もその一つでありますが、啓発に努めていかなければいかぬというふうに深く考えております。 なぜ起こるかと言われると、やはりこれから啓発が必要な要素がまだ社会にある、そうかなというふうに考えざるを得ないと思います。
○小森委員 これはもうごく基本的なことを法務大臣に申し上げれば、部落の近所に住むということは、部落の者に間違えられるということもあるし、同時にまた、部落とわかればその財産価値が下がるし、法務大臣、これは個人の生活にさまざまな不利益がついて回るのです。だから、自分が知らずにその不利益の中にずるずるとのめり込んだら、恨まぬでもいいものを恨むようになるのです。 それで、法務大臣は今啓発が大事だと言われたが、このビラをまいた人は県庁の職員でしょう。県庁の職員だと思いますよ。そのときに、同じようにコピーをしたものを見ると、西日本新聞に、奥田八二県知事がこの差別チラシについて記者会見をして、つまり県民に陳謝をしたと。県の職員といっても、福祉事務所の職員ですね。福祉とか人権とかに最もかかわりのある者がその程度の意識なんであります。 この前も私は、法務大臣が着任されて間もなく、向こうの会議場でやったときに、いろいろ法務省は弁解をしておるけれども、愛媛の松山の法務局の職員、だから大枠で言えば法務省の職員が、もう結婚の日取りを決めて結納をいつ交わすというようなことになっておったのに、おまえは部落ということがわかったからちょっとうちの親が承知せぬからやめたと言って、結婚差別事件を起こしたのがある。それはやはり法務省の職員、だから啓発をせにゃならぬというようなこと。確かにそれは啓発しなければいかぬですよ、しなければいけぬが、こんな議論のときに、啓発というような単純なことでは問題の核心をついておることにならぬと思います。 そこで、きょうせっかく地対室長に来てもらっておりますので、これはもう毎回私は予算委員会の分科会でもやっておるのです、政府部内に徹底しなきゃいかぬと思って私は同じような質問をしているのだが、この同対審答申は、こういう差別の、いわばこれは心理的差別ですよね、人間がこういう心理に陥る原因というか、そういうものをどういうふうに説明をしておるかということについて、ちょっと地対室長から答弁をしていただきたい。
○荒賀説明員 お答えを申し上げます。 同対審答申におきましては、部落差別につきまして実態的差別と心理的差別とに分類をいたしておりまして、この相関関係については、心理的差別が原因となって実態的差別をつくり、反面では実態的差別が原因となって心理的差別を助長するというぐあいに、この相互関係が差別を再生産する悪循環を繰り返している、このように述べておるわけでございます。 今お尋ねの心理的差別でございますが、これは人々の観念や意識のうちに潜在する差別でございますが、それは言語や文字や行為を媒介として顕在化するというふうに同対審で述べております。例えば、文字や言葉で封建的身分の賎称をあらわして侮蔑する差別、非合理な偏見や嫌悪の感情によって交際を拒み、婚約を破棄するなどの行動にあらわれる差別でございます。私ども政府といたしましては、このような実態的差別あるいは心理的差別の解消を図るために、国、地方公共団体が一体となりまして、二十三年間にわたって生活環境の改善でありますとか産業の振興、職業の安定、教育の充実、人権擁護活動の強化、社会福祉の推進等の特別対策を実施してきたところであります。 昨年の十二月の地対協の意見具申におきましては、この同対審答申で指摘された同和地区の生活環境等の劣悪な実態は大きく改善を見、同和地区と一般地域との格差は全般的には相当程度是正され、また、心理的差別についてもその解消が進み、その成果は全体的には着実に進展を見ているという評価をされておるところでございます。しかしながら、同意見具申におきまして、心理的差別の解消につきましては、同和関係者と一般住民との婚姻の増加が見られるなどの改善の方向にあるものの、結婚や就職などに関連した差別事象が依然として見られ、十分な状況とは言いがたいとしておるわけでございます。心理的差別の解消に向けて、今後とも努力を続けていかなければならない状況にあるというふうに認識をいたしておるわけでございます。
○小森委員 地対室長の同対審に関する中身の説明によって法務大臣もわかっていただいたと思いますが、私はやはりこれは生活の不利と結びついておるということを申し上げたいのです。生活の不利と結びついておるということは、こういうチラシを配るというのは単なる観念の亡霊ではない、これは同対審にも単なる観念の亡霊ではないというところがあるのです。そうすると、この生活の不利と結びつくということは、それは地対室長は、自分が受け持っておる業者だから、人がちょっとようやってくれておると言ったらすぐそのようやってくれておるというところだけを言いたいわけで、ようやっておることで本当に効果が上がっておるのだったら、これで生活の不利にならぬのですよ。それは表向き、かわらぶきのまあまあいい家が建ったということではあるかもわからぬ、事業の進んでおるところはですよ、事業の進んでいないところはたくさんあるけれども。しかし、どこに生活の不利というものがあるかというところまで見通して、そして我が国の同和行政、政府流の言い方をすれば地域改善対策の行政ですね、それを打ち立てなければならないのですよ。そういうことが裏打ちになりつつ、法務大臣、この人権擁護行政というのは考えないと、これもまた大変浮いたものになってしまうのですね。根のない根なし草みたいになってしまうのですね。だから、これも閣僚の一員として宮澤内閣にどういうふうに反映さすかという問題なのであります。 それで、時間がうんとあればこれは室長も来ておることだし議論をしたいけれども、もうかれこれ十分もないような状況ですから、かいつまんで法務大臣に申し上げますけれども、我が国には、大正年間に調べたら約五千七百ほどの被差別部落がある、当時の社会局か何かが調べたのでは。その後も五千三百という数字が出たこともあるし、まあ大体私は五千五、六百ではないかと思っているのです。東京都内でも、これは美濃部さんがあの人一流の哲学で同和地区の指定というのを大都会だからやらぬといってやらなかったけれども、今のところ私の持っておる資料では約二百カ所あるのです、この東京都内に。そこは全然地域指定されていない。 だから、事業は進んだというけれども、そこは、国費はほかの名目では入っておるかもしれぬけれども同和対策では入っていない。北九州小倉地区というのはかなりやったところであるが、まだ人々の意識にはこういう形で反映しておるわけだ。そうすると、やっていないところはなおさら物すごい人々の差別意識というものがそこの実態からわいてくるわけです。しかしながら、地対財特法はもう五年前に締め切っておるのですようちが部落だから財政的に有利な方法でやってもらえませんかと言っても、それはもう締め切っておるんだということです。これは締め切るだ、締め切らぬだという問題じゃないでしょう。だから沢田委員が、意地悪しておるんじゃないだろうか、こう言うのです。 どう思いますか。私はマクロにということをさっきも入管行政でも言いましたけれども、部落問題をせっかく解決しようと政府が本当に意図するならば、きちっと問題を調べ上げて解決せにゃいかぬと思いますよ。どう思いますか、法務大臣。
○田原国務大臣 小森先生のおっしゃるとおりだと思います。
○小森委員 それで、これは何も行政だけを責めるということは、私らのようにこの問題に長くかかわった者からすれば行政だけ責任を負わすということはどうだろうかと思う。なぜかというと、おまえのところ部落だろう、調べに来た、こう言えば、それはもう今まで残っているようなところは部落であるということは自分らはよく知っておるけれども、これを表に出してやったところで自分らの生きておる間にとても物は解決つかない、だからこれはもう隠すのが一番、処世の術としてこの生涯をまあまあ余り荒波を立てずに生きていく道だ、こういう考え方を持っているのです。これが藤村の書いた「破戒」の中に出てくる主人公の丑松の生活態度なんですね。しかし、同和対策審議会の答申は、寝た子を起こすなという考え方にくみすることはできないという意味のことを書いてある。そうではあるが、あの手この手を使って、部落民であることが恥ずかしいのではなくて、これは何も知らない間にそうなっておるわけですから、そういう社会状況にあることを解決しなければならぬという、そこにみんなの気持ちが向くようにしなければいかぬと思うのです。そのためには我々もいろいろ努力しなければいかぬ。 例えば私は広島県ですけれども、広島県は部落は四百七十一カ所です。全部地域指定しているのですよ。しかし、私らの県一つ越えた、つまり竹下元総理の島根県が百五十ほどあるけれども、百ほどはつまり法律の枠外にあるのです。いや、それは私らは隣の県だから、行って心安い人もだんだんできよるものだから、そういう気持ちはやめてひとつお互いに力を合わせてやろうじゃないかという一種の掘り起こしというものを、運動もやりたいと思っているのです。だから、そういうところがまだ千カ所、法務大臣、残っているのですよ、日本列島に。これを放置して幾ら問題解決しようといったってできないでしょう。部落の場合はどういうことになるかというと、例えばここの部落が環境改善をやって非常によくなった、しかしこちら側が寝た子を起こすなということでよくなっていない。今度は、国民一般のおくれた方はどう考えるかというと、おくれた方というのは間違った差別意識を持っておる。あそこは立派に環境改善されているけれども、あれはあそこらと親戚だと、おくれたところを引っ張り出して、よくなればよくなったで差別するという人間の意識の構造になっているのです。だから、絶対にこれはやり上げなければならぬ、やり遂げなければならぬ問題だと思っておるのです。 法務省が担当される人権擁護行政というのは、いわばそういう我が国の基本的なその問題に対する取り組みの上部構造といいますか、上の方の人間の心理ですね、人間の意識とか観念とか、それが結婚差別とかいろいろなチラシや何かの差別として生まれてくるので、その解決策についても私はこれは物すごい不満を持っておるのです。今日の我が国の法務省の人権擁護行政に対しては物すごい不満を持っておるのですけれども、そういう構造にあるわけですから、だからそのもとのところと真剣に取り組まなければならぬ。たまたま人権擁護行政を担当される法務大臣ですから、閣僚の一員といいましても閣僚の二員、三員に匹敵しますからね。ひとつその決意を持って、では一緒に本気になって解決しよう、私はこういう法務大臣の決意をもらいたい。
○田原国務大臣 今るる御説明いただきましたが、北九州の小倉というのは私が育ったところでありますが、懐かしい地名が出て、子供のころを思うと、仲よくしていた同和の関係の人もたくさんいて、私の大分県にもありますが、私の支持者も非常に多うございますが、それはさておきまして、法務省の担当のことは事務当局を督励いたし一生懸命やりますが、閣僚の一員として、関係各省と連絡をとりながら誠心誠意この行政に取り組んでまいりたいと思います。
○小森委員 最後に一言つけ加えさせていただきます。 先ほど来、この人権擁護行政をめぐって、できるだけ構造的に新法務大臣に中身をわかっていただこうという意味で質問をさせていただきました。そして、大体その差別の構造というものが、生活の不利益ということと、そしてそのことの反映としての人間の意識、二階建てになっておるということはわかっていただいたと思うのです。ここまでの議論は二階建てなんです。しかしながら、我々のように長らく、何十年もこの問題とかかわってくると、いろいろなことが処理しなければならない課題として頭に浮かんでまいります。 それは何かというと、人間は一面では仏さんのような非常に優しい性質を持っているが、同時にまた、キリスト教でいえばエゴイズム、仏教でいえば煩悩、非常に醜い性質もあるわけですね、人間は。したがって、この差別の問題というのは、一面では人間ならでは解決をして前に進まないようなものであるが、人間ならではこんな社会的な病理現象、病気を思うということはないのですね一したがって私は、もっと言うならば、端的に言うようですけれども、二階建てではなくて人間の存在の根本的なところもえぐらなければならぬ。しかし、法務大臣、政治の課題ということにならないのです、それは。政治の課題は二階建てのところなんです。そうすると、二階建てを全部やってもなかなか解決しにくい大きな課題を持った問題だということになれば、なおさら二階建てのところは完全に解決しておかなければいかぬ。あとは宗教の課題であったり道徳の課題であったり、学問的にいえばまたいろいろ課題があろうと思うのですけれども、そういう人間の存在の根源的あり方というものにかかわっておる。それがもう一つあるのですから、だから、せめてこうして政党政派を超えて議論できる分野のことについては、あれこれひとついじめたり意地悪をしたりせずに、解決の方向に全力を挙げていただきたい、以上申し上げて、終わります。
○田辺(広)委員長代理 木島日出夫君。
○木島委員 私は、昨日二十五日に予算委員会で法務省が行った共和事件の証人喚問、参考人招致の直前における報告についてお聞きしたいと思います。 昨日の報告で、法務大臣から共和事件についての捜査は終結したということが述べられました。私は、これは共和事件の幕引きをするものだと考えざるを得ないわけでありますが、こうした捜査が終了したという検察当局からの報告を、法務大臣はいつ受けたんですか。
○濱政府委員 法務当局におきましては、東京地検がこの株式会社共和をめぐる一連の事件の捜査を終了したということにつきましては、その直後でございますが、今ちょっと日にちはあれいたしますが、その直後に受けております。後ほと、ちょっと……。
○木島委員 その直後という、そのというのは何ですか。二回目の起訴の直後という意味ですか。(濱政府委員「そういうことです」と呼ぶ) その報告を、法務大臣はいつ受けましたか。
○田原国務大臣 その報告ということは、捜査終了という意味ですか。
○木島委員 捜査を終結したという報告が検察庁から法務省当局にあった、その報告を法務大臣自身はいつ受けたかということです。
○田原国務大臣 刑事局長から受けたわけでありますが、それは刑事局長の、ちょっと急に言われても何日の何時とかいうのはちょっと覚えませんが、刑事局長が報告をしたときに、私は受けたんです。(木島委員「いつでしたか」と呼ぶ)日にちはちょっと覚えておりません。
○濱政府委員 先ほど日にちの点、あいまいなお答えで失礼いたしました。二月の十七日に追起訴を終えまして一連の捜査を終えたということを、その直後に報告を受けまして、法務大臣にも御報告申し上げました。
○木島委員 新聞報道等によれば、検察当局は鈴木元総理についても直接事情をお聞きしたいと考えていたようでありますが、出頭が得られなくて、何か上申書で終わったと伺っております。せっかく二月二十五日に鈴木元総理が初めて公の場でみずから事実を語るという機会が国会サイドで与えられた、また塩崎潤さんが、これは議院証言法に基づく証人喚問で、公の場で、うそをつけば罰せられるような制約の中で事実を述べる機会が与えられた。なぜ、その報告を聞かずに二月十七日の日に検察当局が捜査を打ち切ってしまうということについて、法務当局はお認めになってしまったんでしょうか。どうも私は納得がいかないのですが、どうですか。
○田原国務大臣 いつも申し上げておりますように、検察は事実に基づき厳正、公平、公正にやってまいったわけでありますから、その報告を受けたのでありますから、終わったということであります。
○木島委員 検察は、事実をしっかり把握して、それらの事実が罪に該当するかどうかを判断する責務があろうかと思うのです。恐らく鈴木元総理から直接事情を聞かなければならぬというのも、一定の事実が罪に該当するかどうか判断するために不可欠だったからであろうと思うわけであります。それができなかった。ようやく国会の方ではそれができるようになったということ。そこまで行きついたにもかかわらず、公の場で、国会の場で鈴木元総理から語られる事実について聴取するあるいはそれを傍受するといいますか、そうしたことを待たずに捜査終結の宣言をしてしまったというのは、私はいまだに不可解であります。しかし、時間がありませんから深追いをいたしません。 昨日の報告を私は予算委員会の席上お聞きをいたしました。とてもこれでは国民が納得するものではないと思いますので、順次この内容についてお聞きをしていきたいと思うわけであります。 一つは、受託収賄罪によって起訴したものを除く株式会社共和から阿部議員に対する資金提供に関する犯罪の成否の問題であります。 この報告書によりますと、資金提供の全体につき、贈収賄や政治資金規正法違反の点を中心として捜査を尽くしたけれども、贈収賄については職務権限の問題あるいは対価性の問題があって訴追するには足りなかった、政治資金規正法違反については、これらの資金提供が公職の候補者としての阿部議員に対する政治活動に関する寄附とは認めがたい、要するに、政治資金規正法上の寄附とは認めがたいからこの違反については公訴提起ができなかったという内容であります。 余りにも一般的漠然として、これでは果たして検察の捜査あるいは訴追をした、しなかったかが正しかったかどうか、まさにこの法務委員会で審議すべき事項だと思うのですが、これではわかりません。そこで、起訴に係るもの以外の共和から阿部議員に対する資金提供の全容を明らかにしていただきたい。
○濱政府委員 お答えいたします。 まず、株式会社共和から阿部議員に対して、起訴に係る九千万円のほかに資金提供があったのかどうかということからお答え申し上げますけれども、この点につきましては、起訴に係る九千万円のほかにも資金提供があったものというふうに聞いております。株式会社共和から阿部議員に対する資金提供は、起訴に係る事件をめぐる一連の事実の流れの中にあるわけでございまして、相互に密接な関係にあるということでございます。したがいまして、それらの具体的な内容等につきましては、公訴維持等の問題もございまして、お答えはいたしかねるわけでございます。
○木島委員 到底納得することはできません。公訴事実について直接私は聞いているわけではないわけでありますし、それと密接な関連があるといってもとても私は納得できないわけであります。 実は、ロッキード事件のときにどうだったかということを振り返って調べてみますと、公訴提起が行われて、まだ裁判がこれから始まろうかというその段階で、例えば全日空ルートについてはどういう報告が国会になされているかといいますと、総額にして五千七百五十万円が十三名の国会議員に渡された、前後二十八回にわたって渡された、そういう報告がなされています。しかもその内容として、その内訳まで報告されているのですよ。せんべつが十三回、政治献金が十一回、中元が一回、お歳暮が一回、不明が二回だった。そこまで具体的に国会に対して公益上の理由から報告をしているわけであります。 それでは、総額と回数、始めと終わり、それから分類、政治資金だったのかせんべつその他だったのか、せめてそのぐらいは、抽象的でありますが、答弁願いたい。公訴提起の維持には関係ないと思います、そういう抽象的な答えなら。
○濱政府委員 お答えいたします。 先ほどお答え申し上げましたように、株式会社共和から阿部議員に対する資金提供、この起訴に係る九千万円のほかの部分についてのお尋ねでございますけれども、起訴に係る事件をめぐる一連の事実の流れの中にありまして、これは相互に密接な関係にあるものでございます。したがいまして、その総額等につきましては、今は検察官の立証すべき事実さえ明らかにされていない現段階におきましては、公訴維持等の問題もございまして、お答えを差し控えさせていただきたいということでございます。 それから、先ほど御質問の中に報告の内容につきまして一般的な御意見がございましたけれども、これはもう申し上げるまでもないことでございますが、国会で私ども御報告するにつきましては、守秘義務によって達成される公益と国政調査権によって達成される公益とを比較判断しながら、法務当局といたしまして、いまだ検察官の立証すべき事実さえ明らかにされていない段階におきまして、可能な限り国政調査権の行使に最大限の御協力をする範囲で御報告申し上げたというふうに御理解いただきたいと思うわけでございます。
○木島委員 既に起訴が終わって公訴事実が明らかになっているわけであります。おっしゃる趣旨は、第一回の公判で冒頭陳述を待てということなのですか。
○濱政府委員 今委員お尋ねの中にございましたように、検察官が冒頭陳述におきまして当然検察官が立証すべき事実を明らかにするわけでございますけれども、その段階で明らかにできる範囲のものは当然明らかにすることができるであろうというふうには思うわけでございます。
○木島委員 今刑事局長から答弁がありました。大臣、よろしいですか、第一回の公判廷で、冒頭陳述が行われた段階で明らかにするものは明らかにすると。
○田原国務大臣 私は訴訟事務についてはよく存じておりませんので、刑事局長にもう一度答弁させます。
○濱政府委員 先ほどお答え申し上げましたように、公判の段階で検察官が証拠により証明すべき事実を明らかにする段階があるわけでございますけれども、その段階で明らかにできる範囲のもの、要するに守秘義務との関係で法務当局からも明らかにできるものについては御説明申し上げることができるかと思います。
○木島委員 これは委員長にお願いしたいのですが、ロッキード事件でできた、阿部議員に対する起訴されたもの以外の支払われた全員の総額、回数、始期及び終期、分類、これについて法務当局から当委員会に提出されますように取り計らわれるよう、お願いしたいと思います。
○田辺(広)委員長代理 ただいまの御要望につきましては、理事会に御相談申し上げまして、また御報告させていただきます。
○木島委員 わかりました。 それでは次に、法務省の昨日行った報告の中にある第二、阿部議員に係るもの以外の犯罪の成否等についてお聞きをいたします。 非常に簡単な報告でわずか四行でありますが、「贈収賄や政治資金規正法違反の嫌疑の有無を中心として捜査収集した証拠に基づき検討を続けましたが、これらの犯罪の嫌疑ありとして訴追するに足りるものは認められませんでした。」これだけであります。何人の国会議員が幾らもらったか、これすら書いていないわけです。 これは直接起訴された阿部議員の問題ではありませんから、公訴提起の維持とは直接かかわりなかろうかと思われます。ぜひとも、ロッキード事件でやった、せめて国会議員の数、何回なのか、その趣旨、特に政治資金規正法違反にならないと認定した、それじゃせんべつなのかどうかというそれを明らかにするための種別、始期と終期、これらについて御報告願いたいと思います。 〔田辺(広)委員長代理退席、委員長着席〕
○濱政府委員 起訴されていない具体的事実関係につきましては、従来からそういうふうにお取り扱いいただいているわけでございますが、お答えを差し控えさせていただいているわけでございます。 つけ加えて、敷衍して御説明申し上げますと、これは申すまでもないことでございますが、その捜査の内容等が公になりますことは、これはもう委員も御案内のとおり、関係者の人権の保護はもとよりのことでございますが、捜査自体というものが捜査機関が強制力を用いて他人の秘密等にわたる事項について立ち入るわけでございますから、そういう捜査の秘密に属するような事柄を公にいたしますことは、これは国民の信頼と協力のもとに円滑に遂行しなければならない捜査、公判に影響を及ぼすことになるということで、従来からお答えを差し控えさせていただいているわけでございます。
○木島委員 いや、もう捜査は終わってしまったという報告が昨日あったわけでしょう。終わった結果について報告を求めているわけですよ。従来からやってないと言ったけれども、さっき私が言ったように、昭和五十一年にはロッキード事件の全日空ルートで明らかにしているんですよ。金額の総額、何人の国会議員に何回にわたって行われたか、その種別ですね。これ明らかにしているんですよ。法務大臣、やれているんです。せめてロッキード事件でやれたことぐらいはこの問題についてやってほしいと思うのですが、いかがですか、法務大臣。
○濱政府委員 今委員のお尋ねの中に、捜査は終わっているはずだから捜査の秘密に属する事項も公にできるのではないかというお尋ねがあったかと思うのでございますが、先ほど私申し上げましたのは、要するに捜査というものは捜査機関が強制力を用いて人の秘密に立ち入るわけでございますから、その捜査終了の前後を問わず、これを公にいたしますと、先ほど申しましたようにその関係者の人権の問題はもちろんでございますし、現在及び将来の捜査、さらには係属中の公判との関係から支障を生ずるということで秘匿しなければならないということになっているので、お答えを差し控えさせていただきたいということを申し上げた次第でございます。
○田原国務大臣 刑事局長の答弁で御推察いただきたいと思います。一
○木島委員 とても納得できません。 刑事訴訟法四十七条にこういう条文があります。この条文を前提にして、かつて国会はロッキード事件のときにも、先ほど来私が何度も指摘しているように、国会議員については名前は伏せられましたけれども、回数とかその金の趣旨の種別について報告があったわけです。刑訴法四十七条はこういう条文ですよ。「訴訟に関する書類は、公判の開廷前には、これを公にしてはならない。但し、公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りでない。」公益上の必要がある場合というのは、まさに国会の国政調査権の発動としての真相解明の必要があった場合にはこのただし書きが適用されるという立場から、かつてロッキード事件では一部が報告されているわけなんですね。法務大臣、これが法律の建前ですよ。 そうすると、私が言ったように、私は名前まで求めたいわけですが、仮に名前は伏せても、何人の国会議員に都合何回共和から金が流れたのか、その種別はどういうものだったのか、政治資金としての金なのか、単なる謝礼なのか、せんべつなのか、お祝いなのか、その種別くらいを出すことは全く刑訴法四十七条から見て全然問題ないと思うわけです。法務大臣どうでしょう。
○田原国務大臣 刑事局長に答弁させます。
○濱政府委員 今委員、刑事訴訟法の四十七条を御引用になられましたのでお答え申し上げたいと存じますけれども、この訴訟に関する書類につきまして規定しております四十七条のただし書きには、「公益上の必要その他の事由があって、相当と認められる場合は、この限りでない。」こういうことで守秘義務が解除される場合が規定されているわけでございます。もう委員御案内のとおりでございます。ただこれは、公益上の必要その他の事由の中にはもちろん国政調査権の行使というものも一つの態様として当然考えられているであろうことは、これも委員お考えのとおりだと思うわけでございます。 ただこれは、事件事件によりまして、今ロッキード事件の場合を御指摘でございますが、例えばリクルート事件の場合にも御報告というものがあったと思うわけでございますが、それぞれケース・バイ・ケースによりましてこのただし書きの要件に当たるかどうかの判断がなされるのだろうと思うわけでございます。したがいまして、どの事件でこうだったからこの事件でこうだというふうに一概には申せないのではないかというふうに思うわけでございます。 したがいまして、十分今委員御指摘の刑事訴訟法四十七条ただし書きの趣旨をも踏まえまして、法務当局といたしましては、昨日報告いたしましたのが現時点において申し上げられる限界内のことであるというふうに御理解いただきたいわけでございます。
○木島委員 時間が来たから終わりますけれども、刑訴法四十七条は、訴訟に関する書類ですらですよ、公益の必要があったときには公判の開廷前に公にしていいんだということです。私が求めているのは、その訴訟に関する書類なんという大事な文書じゃないのですよ。その結果の取りまとめをせめて抽象的でもいいから報告すべきではないのか、それが公益上の必要ではないかと言っているわけですね。 どうですか法務大臣、まさに昨日の参考人招致あるいは証人喚問の結果、国会議員というのは偉いものだなあ、元総理という肩書きがあればゴルフ場の名誉理事長に就任を内諾しただけで何か一億円のお金が動くのか、あるいは内容がよくわからなくても口ききをしただけで二千万円の金がもらえる、そういう疑惑が国民の中に蔓延しているわけであります。それが共和の事件です。それを本当に解明してそれを正さなければ、政治に対する国民の信頼は回復できない。政治に対する国民の信頼を回復するというのは、最大の公益上の理由があることだと思うわけですね。そういう立場から私は、法に触れない範囲でも結構ですから、ロッキード事件でやれたことを共和事件でもやってほしいというふうにお願いしているわけです。法務大臣の所感を求めて終わります。
○田原国務大臣 ただいま刑事局長がお答えしたようにケース・バイ・ケースであろうと思いますので、御推察いただきたいと思います。
○木島委員 時間が来たから終わります。
○浜田委員長 中村巖君。
○中村(巖)委員 本日は法務大臣の所信の表明を伺いまして、法務省がどういう基本的な方針でもって法務行政を行うのかということについてはあらましのことがわかったわけでありますけれども、さらにこの法務省の法務行政、さらには裁判所の司法行政についてやや詳しくお伺いをしてまいりたいというふうに思います。 まず最初は法務省の職員の数の問題でございますけれども、法務省の職員については、私どもは行政改革というものが非常に必要であるということはわかりますし、また行政改革というものは大いに進めていかなければならないものであるというふうに思っておるわけでありますけれども、事法務省に関する限りにおいては、私どもが見る限りにおいてやはり職員の数がいろいろな部分において足りないのではなかろうか、こういう感じがしてならないわけでございます。 例えば法務局、今日バブルがはじけていろいろ不動産取引等々が少なくなってまいりましたからある程度登記の件数等々も減っているわけでありますけれども、やはり基本的には都会地における法務局を中心として非常に繁忙であるという実態があるわけでございます。また、今話題の入国管理という問題になってまいりますと、入国の審査官もあるいは警備官も非常に足りないということで、後で不法入国外国人や不法就労外国人のことについても伺いますけれども、こういうものが多数放置されているという現象を生ぜしめておるところでございます。また、これも長らく指摘をされているところでありますけれども、矯正官署におきましては、やはり職員の数が非常に足りないために、矯正職員、殊に刑務所の刑務官でありますけれども、こういう人たちが有給休暇もとれないという状況の中で働かざるを得ないという実態があるわけでございます。 そこで、まず最初に大臣にお伺い申し上げることは、この法務省の職員の数の問題について基本的にどういうふうに認識をされておるかということについてお答えをいただきたいと思います。
○田原国務大臣 お答えします。 法務省は、予算と人員との問題等を他省と比べてみますと経費のうちの八三%ぐらいは人のための経費でございまして、大変人の力をたくさん使う省であります。そして、大きく分けて検察の系統とそれからその他登記、入国管理等のサービス、一種のサービスといいますか、そういうものとに分かれますが、検察は別にしまして、今不動産登記とかそういうもの、不動産売買等が非常に盛んでございますから件数がふえておるし、先ほど仰せになりましたように、入国管理についても国際化に従って非常に事務がふえてきております。にもかかわらず、この一律定員削減という行政改革の方針が、行政改革ですか、正確なことはちょっとあれですが、方針がありまして、減員の方向が示されておる。 しかしそれではやっていけないので増員要求した結果、ことしは多少の増員があったということでございますが、基本的には私は人でもっておる、人がほとんどやる仕事の役所でございますから、増大する仕事に対応できるために省力化できることだけはやらなきゃいかんということでコンピューター化などを進めておりますけれども、それにしてもなお私は、人手不足の状態にある役所であるので、これから増員を図らなければならないというふうに認識しております。
○中村(巖)委員 法務省からいただいた「法務省所管平成四年度予算について」というのによりますと、定員の関係については前年度定員に比較して純増が百四十五人である。増員総体は五百三十人になるけれども、そこから定員削減分として三百八十五人を引くと、結局純増が百四十五人である、こういうふうになっておるわけでありますけれども、この純増百四十五人、これではまだまだ不足しているのではないかというふうに思われますけれども、この純増の内容というのはどこで現実的に人間がふえることになるのか、ある意味ではどこで減ることになるのかということについておっしゃっていただきたいと思います。
○則定政府委員 お答えいたします。 純増に限ってお答えさしていただきますが、先生おっしゃいますように、総計百四十五名の純増のうち、一番大きくふえますのが地方入国管理官署の八十三名、それから二番目が法務局の五十名、それからあと矯正官署につきましては十名ということでございます。減員になるところというのは幸いございません。現状維持というところが最低でございます。
○中村(巖)委員 その辺がまあ、毎年毎年のことでありますけれども、よくわからないところでございまして、要するに総定員についての内閣での定員削減というものの枠があって、毎年毎年その部分だけは減らしていく、こういうことになる。ところが、伺うと大抵減員になるところはないのだ、こういうふうにおっしゃる。そうすると、その定員削減分というのはどこから捻出をするのかということは大変不思議に思っているわけでございまして、考えてみると、何かどこかに隠し財源じゃありませんけれども隠し枠みたいなものがあって、それを減らして何とか格好だけはつけているんだ、こういうような感じになってしまうわけでございます。あるいは直接現業というかそういう部分は減らさないのだ、ただ、守衛さんとかそういうものを減らすのだとか、そういうことなのかもわかりませんけれども、その辺のことをひとつざっくばらんに明らかにしていただきたいと思います。
○則定政府委員 お答えいたします。 私ども査定官庁じゃございませんので政府全体の構図がどうなっておるかつまびらかにいたしませんが、私どもの承知しておりますところによりますと、例えば農水省の地方統計事務所等々、現在の状況にかんがみまして、従来あります定員を削減するところでまさに純然たる減ということが相当大きな数で立っているように思います。それらのものを一部があるいは大部分がわかりませんが、いわゆる増の方に回していただいておるというふうに受けとめておりますし、また本年度はございませんでしたけれども、法務省の機関の中で振りかえという措置がとられる場合がございます。 典型的なのは、例の公安調査庁の五カ年にわたります定員二百名減ということで、毎年にならしますと四十名、これらを法務部門の中で必要の高い、また純増が認められるところに振りかえていただいておるというような形になっていっていると受けとめておるわけでございまして、来年度政府全体で千七百から二千名ぐらいの減になっておるかと思いますが、そういったところで真に必要なところに増員の配慮がなされているというふうに考えているわけでございます。
○中村(巖)委員 政府全体のことはともかくとして、法務省に関する限り三百八十五人を削減すると。三百八十五人、これは膨大な数になると思うのですね。それでどこからそういう削減の人員を算出することができるわけですか。
○則定政府委員 お答えいたします。 法務省全体の削減の数といいますのが、総定員で各省庁に何%というところからも数が出るかと思います。じゃそれをどういう部門から実際に削減しているのかということになりますと、いわゆる単純な事務の部門でありますとかあるいは庁舎の保守等々、あるいは車の運行要員とか、そういったところから現実に削減数を上積みしていくというところが実態でございます。
○中村(巖)委員 その件はそれ以上追及をいたしませんが、現実に矯正施設について今純増で十名だとおっしゃって、また出入国関係では八十三名だとおっしゃる。八十三名というのはかなりの数でありますけれども、あるいは法務局五十名、これでもまだ不足をしていると思いますけれども、その点はいかがでしょう。
○則定政府委員 おっしゃいますように、事務の増加の傾向が、今挙げられました出入国管理の問題、それから登記業務の問題、法務行政の中でも際立って高こうございます。したがいまして、何といいましょうか、単年度でその絶対必要量を実現するということは到底今の状況下では困難でございますので、今後とも増員の確保について努力していく必要があろうか、こう思っているわけでございます。
○中村(巖)委員 次に、裁判所の方にお伺いをいたしたいと思いますけれども、裁判官がやはりこれまた大変に不足をしているということは客観的に見れば事実であろうというふうに思うわけでございます。今回もう裁判官の定員法が国会に提出をされたわけですが、裁判官が不足をしてくるというのはやはり何といっても司法研修所から裁判官に任官をする人が少ない、こういうことに結局は帰着するわけで、まず第一に、本年度は裁判官の任官を希望する人がどのぐらいあったかということをお聞かせいただきたいと思います。
○上田最高裁判所長官代理者 お答えいたします。 現在六十五名ほど希望していると聞いております。
○中村(巖)委員 六十五名というのは大変少ない。こういう状況では非常に困ってしまうわけでございまして、裁判所でも今度は弁護士会と協議の上に、また弁護士の方から弁護士を裁判官の給源としていわゆる公募というか、裁判官の公募をやるんだ、こういうことでお始めになられたようでありますけれども、これについてはどのぐらいの裁判官の増加が見込まれることになりますか。
○上田最高裁判所長官代理者 直接の担当の局ではございませんのではっきりわかりませんが、余り期待できないというふうに聞いております。
○中村(巖)委員 その裁判官の不足の問題というようなことから、先般、平成三年に司法試験法の一部を改正する法律というものが提出をされまして成立をいたしたわけでありますけれども、これの中でとにかく司法修習生の数をふやすんだ、そういうことの中でできるだけ裁判官の任官者をふやしていく。それでだめだったら今度、だめだったらということないけれども、さらに四年先ですか、要するに受験資格の制限の方をやるんだ、こういうことでありますけれども、今回法務省で御担当でありますけれども、司法試験の結果としてやはり三回なり五回なりのそういう回数で合格された人というのは増加したのかどうか、その辺のことはいかがでしょう。
○濱崎政府委員 正確な数字をちょっと用意してまいりませんでしたけれども、御案内のとおり、昨年の司法試験の合格者を、先般の司法改革に伴う法曹三者の合意に基づきまして、約百名ふやして六百人余り合格ということになったわけでございますが、初年度の百人程度の増加ということでございますので、平均年齢とかあるいは受験回数という点において直ちにそれほど顕著な効果といいますか影響があらわれているということではございません。ことしも百人程度ということでございますが、来年からは二百名程度増加させるということでございますので、今後の推移を見守っていきたいというふうに考えております。
○中村(巖)委員 司法試験法の改正に際しまして、法曹養成制度を考えなくちゃならないということで法曹養成制度改革協議会というものが発足をしたはずでありますけれども、その協議会は現状どうなっておりますでしょうか。
○濱崎政府委員 先般の改革に伴う法曹三者の合意、それから国会の法務委員会の附帯決議を踏まえまして、昨年六月から法曹養成制度等改革協議会を発足させておりまして、現在まで四回の会合を持ったところでございます。 大変幅広い問題について検討していかなければならない問題でございますので、現段階ではまず主として法曹三者以外の立場から御参加いただいております大学関係者あるいは一般識者、そういった立場の委員からいろんな問題について自由な御意見を伺って、それに対して法曹三者の考え方を伝えてフリートーキングという形でこれまで推移しておりまして、次回は四月に予定しておりますが、そこでは法曹養成制度、その前提になります法曹の活動の実情といったことについてまず主要諸外国の実態を勉強するというところから出発していくのが適当ではないかという協議会の意向によりまして、そういった勉強を始めたいというふうに考えている段階でございます。
○中村(巖)委員 その点で裁判所に最後に一点、裁判官を今後全般的にふやしていけるのかどうか、その見通しについてお伺いをしたいと思います。
○上田最高裁判所長官代理者 修習生がふえたために裁判官希望者がふえるかどうかというお尋ねでございますが、これは正直に言いまして何とも申し上げられないというのが実際でございます。私どもとしましては、ぜひ裁判官希望者、特にその資質、能力等においてすぐれた者が多数希望してほしい、こういう希望を持っておる状況でございます。
○中村(巖)委員 何かこうもうちょっと積極的な姿勢がないとなかなか難しいのじゃないかなと思いますけれども、その点はそのくらいにいたしまして、次に法務省予算のことでございます。 先ほど触れましたけれども一法務省所管の「平成四年度予算について」という文書をちょうだいしておりますけれども、この中でいろいろな予算の種目別の金額が触れられているわけでございます。例えば、今度外国人登録制度が変わる、こういうことで、これに関する経費が相当に計上されている等々のことがあるわけでありますけれども、今お伺いしたいことは、施設の整備の関係がどうなるかということでございます。 現状、法務省の関係施設というものはいろいろございますけれども、例えば法務局とか、あるいはまた一番問題になると思われるのは矯正の施設でございます。私どもが現実に矯正施設の視察等してみますと、新営のところはいいわけでありますけれども、もう大変に老朽化してどうしようもないというようなところも多々見受けられるわけでございます。そういうものを含めて、今年度の予算要求の中では施設整備について百五十七億六千七百万円というふうになっているわけで、その関係で今年度とういうことを具体的にやられるのか、御説明をいただきたいと思います。
○則定政府委員 お答えいたします。 御指摘の施設費百五十七億六千七百万円のうちの主なところでございますけれども、順不同になりますが、最初に矯正施設の関係でございます。 特に老朽化の著しい矯正施設につきまして、刑務所整備等といたしまして、既に前年度からの継続工事としていわゆる大都市周辺の五大行刑施設というのがございます。従来これをいわゆる特待会計でやってきておるところでございまして、来年度はそのうちの三庁につきまして一般会計で手がけさせていただくことになっております。それから、拘置支所の整備ということで四庁、千葉刑務所等三十一庁が継続工事でございます。新規の工事といたしましては麓刑務所等三庁、結局新規、継続合わせましてトータル三十四庁になりますが、これに九十九億二千八百万円を計上させていただいております。 それから、法務総合庁舎、これは法務省機関が入っておるわけでございますが、その整備につきましては、いわゆる継続工事といたしまして千葉・木更津法務総合庁舎等十一庁、新規工事といたしまして東京の立川に法務総合庁舎等五庁、結局新規と継続合わせて十六庁の整備を図りますために計十六億三千七百万円を計上いたしております。 それから、検察庁の単独庁舎の関係でございますが、これは継続工事といたしまして、熊本地方検察庁等三庁と、新規工事として鹿児島の鹿屋支部等二庁ございます。計正庁につきまして総額六億八百万円を計上しております。 それから、保護観察所が単独の庁舎を持っておるところでございますが、前年度からの継続工事といたしまして、岡山の津山駐在官事務所の整備ということで九千六百万円を計上しております。 また、入国関係では、入国管理センターの整備につきまして、前年度からの継続工事といたしまして、これは大阪府下でございますが、そこに西日本入国管理センター庁舎の整備を図ることにしております。この関係で九億二百万円を計上しております。 それから、既存建物の有効利用を図りますために、その増築整備費及び建設省が行います官庁営繕工事の対象から除外されております収容施設につきまして、いわゆる特別修繕費、すなわちこれは新営をするまでに至らない老朽庁舎の屋根とか建具等の全面的改修を実施するための経費でございますが、これが七億三千九百万円計上されております。 そのほか、社会環境の変化に伴いまして法令上義務づけられることとなりました公共下水道直接放流化あるいは浄化槽整備等のための諸設備五億四千六百万円を計上しております。 それから、一般会計の関係の最後でございますが、省庁別宿舎の経年により生じました老化、劣化等に適切に対応いたしますために、居住者の安全、健康、さらに良好な居住環境を確保するための特別修繕経費ということが新規に認められまして、これが三億一千万円計上しております。 以上が一般会計におきます施設費の内訳でございます。
○中村(巖)委員 この関係で一点だけ伺っておきたいのですが、今もお触れになりました拘置支所というものがあるわけでございます。これは、かねて懸案の刑事施設法あるいは留置施設法の関係で、拘置所というものが足りないのではないか、それはある程度計画的に拘置所というものをふやさなければやはり代用監獄の問題になっていくわけで、その辺について、本年度拘置所関係については収容人員をふやせるようなそういう予算になっているかどうか、その点だけ伺っておきたいと思います。
○則定政府委員 御指摘のように拘置所の中で老朽化が非常に高いものがございまして、平成元年度からそれらの整備計画を進めておるわけでございます。既に十七庁につきまして緒についておりまして、これらはいわゆる六カ年計画のもとで順次整備を図っておるところでございますが、来年度の予算におきましては、小田原拘置所等六庁の改築を実施するための経費といたしまして十六億三千八百万円計上しております。 それから、新規に拘置所を設けますことは大変立地条件あるいは地元住民の方々の御理解を得る上での困難がございますが、このように古い拘置所を建て直しますときには極力収容定員をふやすという方向で実施させていただいております。
○中村(巖)委員 次に、裁判所の関係でございますけれども、同じく予算に関しまして「平成四年度裁判所所管歳出予算要求額説明」という文書をちょうだいいたしておるわけでありますけれども、この中でも裁判所のいろいろな費目の歳出予定が書かれてあるわけでございます。 そのうち裁判所施設の整備を図るための裁判所庁舎の新営、増築等に必要な経費として百十六億五千百五十九万円が計上されておるわけでございますが、この施設整備というのは具体的にどういうところがどういうふうになるということでございましょう。
○仁田最高裁判所長官代理者 百十六億五千二百万の予算をお願いをいたしておりますけれども、その主なものを申し上げますと、庁舎の新営と増築、この二つに分かれます。 庁舎の新営は四庁でございまして、前年から継続しているものも含めまして申し上げますと、新設の支部でございます札幌の苫小牧支部、釧路の網走支部、旭川にございます稚内支部、熊本の水俣簡裁の新営をお願いしております。 庁舎の増築の関係でございますが、これは六庁ございまして、大阪の高裁、地裁、簡裁の合同庁舎の増築、浦和にございます熊谷支部、前橋の高崎支部、岡山の倉敷支部、釧路の北見支部、それから水戸の土浦支部でございます。 その他の施設整備の関係の主要なものとしましては、法廷が二階以上にございまして体の不自由な方に大変御迷惑をおかけしておりますので、その関係で昨年度から身障者用のエレベーターの整備をしておりますけれども、本年も三庁の整備費を計上しておる次第でございます。 以上でございます。
○中村(巖)委員 裁判所の関係では、簡易裁判所はいろいろ統廃合をされましたけれども、まだまだ簡易裁判所の建物というものが非常に老朽化をしているというか、非常に使い勝手が悪いというか、あるいはまた職員の側からいえば執務環境が非常によくない、こういうようなところが多いように見受けられますけれども、簡易裁判所の庁舎の整備関係についてはどういう計画でいらっしゃいますか。
○仁田最高裁判所長官代理者 簡易裁判所につきましては、もう住民に非常に密着した裁判所でございますので、訴訟関係人に御迷惑をおかけしないあるいは職員の執務環境を改善するということで順次整備をしてまいりました。平成三年度で厚木と橋本と三角をやっております。これが終わりますと、全国の簡裁の木造庁舎は一掃されることになりますので、これを受けた後さらに内部的ないろいろな執務環境の改善に努めたい、そのように考えておる次第でございます。
○中村(巖)委員 それでは、問題を変えまして、不法入国外国人、不法就労外国人についてお尋ねをしてまいりたいと思います。 このことはかねてから問題になっているわけでございますけれども、やはり不法入国と申しますか、目的は観光等々と言って入国をするけれども、実は就労を目的にしているのだ、こういう人たちの入国というものが後を絶たないというのが現状であるわけでございまして、なかんずく最近ではイラン人の増加というものが非常に言われているわけでございます。 それで、総体としてのいわば不法に入国をした、あるいは適法に入国をしたにしても本来の滞在期間を超えて就労をしている、あるいはまた就学だといっても実は就労をしている、こういうような不法就労というものがあるわけでございまして、これについてその人数がどのくらいいるだろうかということになりますと、巷間言われているところでは十五万人ぐらいはいるのではないかということ。しかし、法務省としては、これも数の上でもなかなか把握ができない。それはいろいろコンピューターを操作してみてもなかなか計算しづらいのかもわかりませんが、この不法入国ないし不法就労をしている外国人というものが、それは結果としては不法就労にでもなるのかもしれませんが、どのくらいあるのだろうかということをまずお聞きをしたいと思います。
○高橋政府委員 お答えいたします。 不法に就労をしている外国人を正確にとらえるということは非常に難しゅうございますが、昨年、平成三年一月から六月までの間に法務省が入管法違反で摘発いたしました外国人は一万三千六百人ございますが、そのうち不法就労外国人は一万二千二百六十五人でございました。国籍別に申し上げますと、韓国、イラン、フィリピン等の順でございまして、職種では、男性は建設作業員、工員、女性はホステスが多い、こういうことになっております。 それで、先生御質問の不法残留者ということでございます。これは観光ビザで入ってきて、あるいはある特定の資格で入ってきまして、滞在期限が切れても滞在を延ばしているという不法残留でございますが、これは今先生おっしゃったようにコンピューターで出国と入国を突き合わせて推計をいたします。二月一日ぐらいの現在を昨年の五月一日現在の数で当省のコンピューターによって推計いたしましたところ、十五万九千八百二十八人が不法残留者として国内に潜在しているという推計が出てまいりました。この不法残留者はただ不法に残留しているというのではなくて、この人たちは恐らくは不法な就労をしているのではないかというふうに推察しております。
○中村(巖)委員 そういうコンピューターで計算をして十五万を超えるということは、不法残留者でありますけれども、不法残留でなくたって不法に滞在しているというか、滞在の資格を偽って、滞在期間は確かにその滞在期間内だけれども実は就学と言ってホステスとして働いていたり、あるいはまた観光と言って現実に成田へ着いた翌日から働いておるというような人も含めたら、これはもうまさに二十万を超えるのじゃないか、こんな状況だろうと思うわけでございます。 この問題をめぐってはいろいろあるわけでございます。というのは、労働力不足というような問題があって、そういう人たちが全部いなくなってしまったら大変困るということもあるわけでありますけれども、しかし、法がそういうふうにある以上、不法な滞在というか不法な就労というか、これを放置しておいていいということにはならないというふうに思うわけで、法務省も恐らくは御努力はされているとは思いますけれども、それにもかかわらず二十万を超える人たちがいるという実態、それはある意味では法が機能してないという状態ではないか、こういうふうに思うわけであります。 これについてある程度放任、是認しておくのはやむを得ないという考え方なのか、徹底的にこういう人たちは国外へ退去してもらわなければならないという方針で臨むのか、その辺のところをまず大臣からお伺いしたいと思います。
○田原国務大臣 お説のようにコンピューターで調べたところでは十六万ぐらいでございますが、あるいは先生おっしゃるように二十万近いかもしれません。大変な数字でございますが、これをそのまま放置しておいていいというものでないことは、これはもう我々一致した考えでございます。 しかし、徹底的にといっても能力に限りがありますから、そこをどうするかという問題だろうと思いますが、入国管理のときに一番問題は、入るときの入り口の問題であろうと思いますが、それすら、先ほどから人間、定数について御質問をいただきましたように、ことしは随分認められましたがまだ十分でないというところでございますから、非常にこれから困難を伴う問題であろうというふうに思います。しかし、気持ちとしては、秩序ある滞在をしてもらい、秩序ある入国をしてもらう、そして秩序ある就労をしていただくというのが本筋であろうと思います。ただ、不法でいる人は現実でありますから、ではその人たちはどうでもいい、徹底的に人権を無視していいかというとそうではなくて、人権を尊重しながらやらなければいかぬというまた一面ありますので、大変難しい課題であると認識しております。
○中村(巖)委員 この問題については、確かに人員も少ない、予算も少ない、こういう問題はありましょうけれども、何か法務省の方針というものがあいまいというか、中途半端というか、そういう感がしてならないわけでございます。その辺についてもきちっとした原則というか、そういうものを持って臨んでほしいというふうに思うわけでございます。 それともう一つは、最近話題になっているのは、イラン人が多いじゃないか、こういう問題でございまして、上野の山に行くとイラン人がいっぱいたむろしている、あるいはまた代々木公園の方にイラン人がいっぱいたむろしている、こういう現状があるわけでございまして、先回りして言ってしまえば、要するに、イランとの間には査免協定があるから、査証がないからあの人たちはいっぱい来ちゃうんだ、こういうことであろうかと思うわけでございます。イラン人の入国の実態はどうなっているのかということと、査免協定というものは、本当は外交上の問題だから大変難しい問題ではありますけれども、さきにバングラデシュの人が物すごくいっぱい来た、それでバングラデシュはその査免協定を廃止してしまった、こういう経緯というものがあったわけでございまして、イランの場合においてもその種の考え方というものをやる余地があるのかないのか、その辺のことについてもお伺いをしたいと思います。
○高橋政府委員 お答えいたします。 イラン人の入国につきましては、一九八一年に新規入国者が千二百四十二名だったものが一九九〇年、平成二年には三万一千人ということで、一九九一年、平成三年、昨年の十一月までの累計で、十一カ月でございますが、四万四千を超えております。 この原因は、今先生がおっしゃったように一つには査証免除協定があるということと、日本とイランとの間の経済格差というものがございまして、特にイランは、湾岸戦争の後、湾岸諸国に行く出稼ぎの人たちの行き先がなくなってこちらに向かっているというお話も聞いております。 ただ、イランとの査証免除をどうするかということにつきましては、こちらから行く問題というものもございまして、確かにバングラ、パキスタンの場合には非常に効果があったわけでございますが、イランとの関係でどうするかについては今外務省と相談しているところでございます。
○中村(巖)委員 今度はまた問題を変えまして、日本とアメリカとの間の経済摩擦という問題から日米構造協議というようなものが行われておって、この日米構造協議の中でやはり法務省の施策に触れたものが幾つか出ているというふうに思っておるわけでありますけれども、例えば外国人の弁護士の問題、これについては法律が成立をして外国人の事務弁護士制度、こういうものができましたけれども、それに対してなお、まだアメリカにおいてもあるいはEC諸国においてもこれは不十分である、こういう御主張があるようでございます。また、商法の改正問題についても、先般商法改正が実現をいたしましたけれども、なおこの問題について、まだ監査の問題等々に関してやはり日米構造協議というか、アメリカ側から日本の会社法はよくないんじゃないか、こういうふうなことを提起をされている。 こういうことでございまして、日米間に、本当の経済摩擦かどうかわかりませんから、一経済摩擦に関連をして懸案になっているような法務省の施策、それはどういうものがあるか、またそれぞれについて今現状はどうなっているのか、御説明をいただきたいと思います。
○濱崎政府委員 まず、外国法事務弁護士の問題について私の方から御説明をいたします。 外国法事務弁護士問題は、日米構造協議の直接の対象にはなっておりませんで、これは個別に日米間あるいはECと日本政府との間の交渉事項になっております。構造協議以外の場面で個別折衝をしている対象事項でございます。 この外国弁護士の受け入れ問題につきましては、委員既に概要を御案内のことと思いますけれども、御指摘がございましたようにこの制度は昭和六十二年の法律の施行によって導入されたわけでございまして、この法律の成立自体大変厳しい外交折衝を経まして、いわば双方の歩み寄りによって制度ができたというものでございますが、その後間もない平成元年の秋に、アメリカ側から一層の緩和を求めて、御案内と思いますが五項目の要求がございました。ECからもほぼ同じ時期に同様の要求がございました。その要求事項のうち、一番向こう側から要請が強く、また日本側として対応の難しい問題がいわゆる共同経営と雇用の問題でございまして、外国法事務弁護士と日本弁護士との共同経営を許容すること、外国法事務弁護士が日本の弁護士を雇用するということを許容すること、これが一番大きな争点になっているわけであります。 この問題につきましては、私ども法務省といたしましては、その要求事項のほとんどは既にその法制定の際の交渉により決着済みという基本的立場でありますけれども、ただ、その後の国際社会情勢の変化等に対応して検討すべきものは検討していこうということで、平成二年から三年にかけまして政府間交渉を行ってまいりました。また国内的には、この問題に直接の関係を持たれる日本弁護士連合会と鋭意意見交換を行ってきましたが、現在のところ、大変難しい問題でございまして解決の道を見出すには至っておらないわけでございます。 本年一月、アメリカの大統領が訪日されるに際しまして、アメリカ側はこの問題がなかなか進展しないということについて不満を示しまして、これを機会にこの問題の進展を図るように対応を求めてきたわけでございますが、我が方からはこの問題の難しさということを説明いたしまして、その結果、御案内のとおり一月九日に発表されましたグローバル・パートナーシップ行動計画の中で、日本政府はこの問題の解決のために今後一層の努力を行うという趣旨の記載がされるという経緯にあるわけでございます。 この問題、法務省といたしましては我が国の司法制度の根幹に関する重大な問題を含む難しい問題だと考えております。今申しました最大の争点である共同経営、雇用といった問題は、この制度の基本構造にかかわる問題でございます。また、この問題はとりわけ日弁連の自主性を尊重しながら対応していかなければならない問題であるという認識を持っておりまして、こういった基本的な立場に立って今後も問題の処理に当たっていかなければならないと考えておりますけれども、他方、この国際化の進む中で我が国の置かれている立場といったことにも配慮する必要もございます。そういった観点から、諸外国の考え方にも十分耳をかさなければならないという点もございますので、こういった両方の要素を踏まえて、かつ今申しました行動計画の趣旨に従いまして今後解決のための一層の努力をしなきゃならぬというふうに思っております。 とりわけ、最近EC諸国で弁護士制度のかなり抜本的な改革がございまして、国際的な弁護士の協力関係についても重要な改革が行われております。こういった運用がどういうふうに行われるかというふうなことを十分勉強していかなければならぬ。また、アメリカの制度自体も余りはっきりはしていない、まだ流動的な面がございまして、そういった面も十分に勉強しなければならぬ。そういった勉強を通じてこれからの国際化の中で各国の弁護士の協力のあり方はどうあるべきかということを考え、その中で解決の道を探っていくという努力をしたいというふうに思っているわけでございます。この問題はとりわけ弁護士間の問題でございますので、政府間の協議と並んで今後とも法律実務家同士の相互理解を深めていくということも大変重要なことであろうというふうに思っております。 なお、そのほか私どもの所管の問題といたしまして民事訴訟の提訴費用の問題がございますので、簡単に申し上げさせていただきます。 日米構造協議の排他的取引慣行の場面におきまして、アメリカ側から独禁法違反に係る損害賠償訴訟の活性化を図るという観点から、その訴訟の提起の手数料について大幅な引き下げを図るべきだという要請がされました。この点につきましては公正取引委員会とも協力して検討しましたけれども、独禁法違反事件についてだけ手数料に特別の手当てをすることができないという結論に達しまして、昨年のフォローアップの会合でその旨を伝えました。 ただ、その際独禁法違反の問題を離れて我が国民事訴訟全体の問題として考えました場合には、訴額が高額な訴訟につきましては、現行法上ほぼ一定の割合で手数料の額を定めるという制度になっております関係上、やはり手数料としては割高であるという感じが否めないという問題が生じてきておりまして、そういった問題については法務省としても関心を持っており、研究に着手しているということをアメリカ側に伝え、またその第一回年次報告書にも記載されたという経緯がございます。 その後、法務省といたしましてこの点の研究を進めました結果、民事裁判を国民が利用しやすくするという観点から、訴額が高額にわたる部分については早急に手数料の算出比率をある程度引き下げるという措置をとるべきという結論に達しましたので、その趣旨に沿った内容の法律案をこの国会に提出させていただくべく現在最終的な作業を行っているところでございます。この法案は、アメリカ側の要求に対応して行うというものではございませんが、今申しました意味において日米間の問題との関係を持っておりますので、申し上げさせていただきました。
○清水(湛)政府委員 日米構造問題協議で会社法の見直しの問題が取り上げられておりますので、この点についてのお答えを申し上げます。 法制審議会におきましては、現在、昨年五月の日米構造問題協議の第一回フォローアップ会合年次報告書を踏まえまして、アメリカ側の指摘する諸問題を含めまして会社法の見直しのために審議が精力的に進められておるという状況でございます。 法制審議会におきましては、まず報告書で指摘されております合併の弾力化という問題が取り上げられまして、合併することができる会社の種類の制限の緩和だとか、あるいは報告総会、創立総会の制度を廃止するとか簡易合併制度を導入するとか、あるいは合併に係る債権者法手続の合理化等について検討が進められておりまして、これはかなりの段階に到達いたしております。 また、報告書で指摘されております商法におけるディスクロージャーとか株主の権利の拡充に関しましても検討が進められております。この点につきましては、アメリカ側からかなり細かい点についていろいろな改正事項の要求があったわけでございます。例えば、累積投票制度の復活というような問題もございましたけれども、その種の問題につきましては、これはもう一たん廃止した制度であって復活する考えは全くないということを私ども明確にお答えしたわけでございますが、その他のいろいろな細かいアメリカ側が提起した問題等につきまして、このようなことを取り上げて改正することができるかどうかというようなことを含めまして、現在検討が進められております。 このような点につきまして、法制審議会の答申が得られますならば、速やかに改正法案を取りまとめまして国会に御審議をお願いいたしたいというふうに考えているところでございます。
○中村(巖)委員 次に、民事訴訟法の改正の問題でありますけれども、これは法制審議会でこの問題が論議をされて、今問題点というものが出され、それに対して各界の意見が求められておる、こういうことは承知をしておるわけであります。 そこで、一つは、何で今この時点で民事訴訟法の改正か、こういうことについてお伺いしたい。これは言い直せば、今の民事訴訟法にはこういう問題点があるじゃないか、こういうことが改善されなければならないのじゃないか、こういうことから発するわけだろうと思いますけれども、その点について御説明をいただきたいと思います。
○清水(湛)政府委員 お尋ねのように、現在民事訴訟法の全面改正作業に着手しておりまして、昨年の暮れに検討事項というものを取りまとめて外部に公表いたしまして、現在意見を求めているところでございます。 御承知のように、現在の民事訴訟法というのは明治二十三年に制定されたものでございまして、判決手続の部分は大正十五年に全面的な改正がされておる、こういうことになっております。その後、そのときどきの実情に応じまして一部改正が重ねられてきたわけでございますけれども、全面的な見直しというのは今までされなかったという実情がございます。 この間社会経済情勢が大きく変化いたしまして、いろいろなタイプの民事紛争が出てきておる。そういうようなものに適切に対応することができなくなっておるのではないかというような指摘が従来からされていたわけでございます。例えば、現在の民事裁判は時間と費用がかかり過ぎるのではないか、そういうようなことから一般の国民にとっては非常に利用しにくいものになっているのではないか、あるいは、訴訟手続や判決書の内容が非常に一般国民にはわかりにくくてどうもなじみにくい、こういうような指摘もされているわけでございます。 そういうような問題点の指摘がされておりまして、そういうようなことから、近年、裁判所やあるいは弁護士会におきましては、民事訴訟の運用の改善というよう。なことを目指しましていろいろな活動や研究が活発に行われてきたわけでございますけれども、しかし究極的にはやはり訴訟手続の全面見直しかどうしても必要ではないかということになったわけでございます。例えば、先生御承知のように現在の民事訴訟法は「第一・条 普通裁判籍」というところから始まっているわけでございまして、最近の法律ですと、第一条から読んでいきますと大体法律の全貌がわかるというような形になっているわけでございますけれども、専門家でも学生でも今の民事訴訟法を素直に読んで直ちには理解できないというような法律になっているわけでございます。そういうようなことから、わかりやすい、利用しやすい民事訴訟法というような観点からこの全面的な見直しをしようということになったわけでございます。 平成二年からこの作業を始めまして、現在民事訴訟部会におきましては、平成七年じゅうにはとにかく全面改正案をまとめたい、その段階では口語化したわかりやすい民事訴訟法という法案をつくりたい、こういうことで、これは弁護士会も大変熱心に検討事項の作成には参加していただきまして、検討事項というのは従来ですと法務省側で問題点を整理してこれを公表するというようなやり方をとっていたわけでございますけれども、弁護士会、裁判所、学者、法務省、四者の全く平等な共同作業で検討事項を取りまとめてこれを対外的に公表して意見を求める、こういうことにいたしているわけでございまして、非常に精力的な作業を現在進めておるという状況でございます。
○中村(巖)委員 そうするとその問題については、今後のスケジュールですけれども、問題点に対する検討事項に対する意見というものをいつごろまでに吸い上げて、それからまた法制審議会でどういう審議をして、また要綱がいつごろ出てくる、それで国会提出がいつごろになるんだ、そういうスケジュールについてはどうですか。
○清水(湛)政府委員 さしあたり現在確定している日程といたしましては、本年の六月十五日までに各方面からの意見をいただきたいということにいたしております。全国の弁護士会、裁判所、それぞれ主要な大学も網羅して求意見をいたしておりますので、六月十五日にすべて間に合うかどうかわかりませんけれども、六月十五日ということで一応お願いいたしております。それで、六月十五日にそれぞれの意見が集約されますと、そこでまた法制審議会の審議を本格的に再開するということになります。それで改正試案を作成いたしまして、それをまた世間に公表して試案の段階で各方面の御意見をいただく、こういうことになろうかと思います。 もちろん、検討事項について大方の意見が一致するということでございますと非常にスムーズに進展するかと思いますけれども、既に検討事項についていろいろな各方面からの意見もあるようでございまして、そういうものについて審議を重ねるということになりますとまた時間もかかるかもしれないという要素がございます。今の段階ではっきりしておりますのは、六月十五日までに意見をいただいて直ちに法制審議会の審議を再開する、こういうことでございます。
○中村(巖)委員 最後に一点伺いますが、御承知のように今子供の権利条約というものが非常に話題になっているというか、端的に言えば、この条約、日本は加入しているけれどもまだ批准をしていない、近々批准をするということが取りざたをされている、こういう状況にあるわけでございます。この子供の権利条約を批准をするに当たって、国内法整備ということが必要なのか必要でないのか、こういう問題であります。 子供の権利条約というものは、これは決して法務省だけの問題ではなくて、文部省とかいろいろ広範囲にかかわってくるわけでありますけれども、法務省との関連においても、一部意見も言われているところによりますと、例えば民法及び戸籍法で嫡出子と非嫡出子を区別しているということが子供の権利条約に抵触するのではないか、こういう意見もありますし、あるいはまた出入国管理法制の中で、親からの分離禁止規定や家族の再会に対する規定との矛盾があるのではないか、こういうことも言われているわけであります。さらにまた、少年司法というか、その関係についてもどうなんだということが言われているわけでありますけれども、法務省としては、子供の権利条約批准に当たって国内法整備をされるおつもりがあるのかどうか、それを伺いたいと思います。
○則定政府委員 お答えいたします。 先生御案内のとおり、子供の権利条約につきましては我が法務省所管の法律の各部門に関係してくるところがございます。そういう意味で、現在各民刑その他の、入国管理局もそうでございますが、検討中でございまして、御指摘のような非嫡出子の問題あるいは親子の離合の問題あるいは刑事施設における分離収容の問題等々ございます。 現段階におきましては、いまだ外務省におきます定訳が完成しておりませんで確定的なことは申し述べる段階ではございませんが、私ども官房として掌握しておるところによりますと、大部分この新条約の条項は現在法務省所管の法律と抵触するところはまずなかろう。ただ、一部場合によりましては解釈宣言あるいは留保ということをお願いする場面も出てくるのではないか。この辺は現在外務省並びに法制局と検討を重ねておるところでございまして、いずれもう少し詰まりますともっと具体的なことをお答えできるかと思っております。現状はそういうところでございます。
○中村(巖)委員 私が今具体的に御指摘申し上げたような点についても、なぜ抵触しないのだ、こういうことをお伺いしたいわけでありますけれども、時間がございませんので一点だけ、少年司法の関係については、何か、いわば今の憲法の規定が適用あるようなないような、そんなところがありまして、子供の権利条約もどうなんだということがあるわけですけれども、その辺どうお考えでしょう。
○濱政府委員 今お尋ねの点は刑事局の関係でございますので、私からお答え申し上げますけれども、児童の権利条約と刑事局関係の現行法制との関係で申しますと、条約十二条の児童の意見表明権でございますか、それから三十七条(C)の児童と成人との分離、それから三十七条、四十条の児童に対する刑事手続及び少年審判手続上の諸権利の保障の各点を中心に今検討を進めているところでございます。 おおむね現行の刑事訴訟法、刑事訴訟規則、少年法それから少年審判規則等におきまして、あるいはこれらの法令等に基づく実務上の運用によって実質的には保障されているというふうに考えておるところでございますが、先ほど官房長からもお答えございましたように、なお細部については関係省庁との間で協議中でございます。
○中村(巖)委員 では、終わります。
○浜田委員長 星野行男君。
○星野委員 一般の行政官庁は、所管する事務事業につきまして直面しております問題の解決や施策の遂行のために、日常各政党や所属の国会議員に対して問題点や法案の趣旨説明をし、理解と協力を求めるいわゆる陳情、要望活動を行っているところであります。私どものところにも毎日各省の担当の方々が熱心においでいただいているところでございますが、法務省の場合はこのような活動は日常やっておられるのでありましょうか、お伺いをいたします。
○則定政府委員 各政党との関係などを中心にお尋ねでございますので、まさに御案内のとおり、官房長と申します職員は、各省庁とも共通かと思いますが、各政党の先生方との折衝役、陳情役といいましょうか、そんなことに職務の大半を費やしているのが現状でございまして、私ども、法務行政のそれぞれの部門が円滑にその所掌事務を実現いたしますために、関係の議員の先生方に日常よく接触させていただきまして御理解を賜ることが多うございます。また、法務当局で立案中の政策、これは具体的には法案という形で具現するわけでございますが、その過程でできるだけ広く国民代表であられます議員先生方の事前の御意向を把握し、これを極力立案の過程で参考、反映させるためには、また日常そういうふうに各党の先生方と接触することが必要である、こういうふうに受けとめておるわけでございます。 それからまた、一般的に法務行政を円滑に進めます上には、現在法務省が抱えておりますいろいろな問題点につきまして、個々に御説明申し上げたり、あるいは各党のそういう政策立案のための会等に出席させていただきましてお話し申し上げることも多々ございます。そういう意味で、予算の編成時期におきましては、単に与党の先生方のみならず野党の先生方にも、私どもぜひとも重点的に査定をいただきたいという点につきましては逆に財政当局その他の査定当局に働きかけをお願いするということもあるのが現状でございます。
○星野委員 日ごろ皆さんが一生懸命やっていらっしゃるのを承知しながら御質問したわけでありますが、御説明ありがとうございました。 それで、最近は司法試験法の改正とか入管法の改正あるいはまた借地借家法、新しい法律ができたわけでありますが、これらにつきましては、政治的あるいは社会的に利害や意見の異なっておっ、たものであります。そういう内容について、あるいはまた政治的ないろいろな問題、複雑なものの絡んでいる事案につきまして、皆様方非常に努力をして各法律の改正案の成立にこぎつけた、こういうふうに私は理解しているわけでございますが、具体的に、例えば入管法とか借地・借家法の改正に当たりまして、全党、与党あるいは各野党の皆さん方に御説明をされたのかどうか、あるいは説明先ほどういうところに説明をされたのか。御説明できたらお願いをいたしたいと思います。
○則定政府委員 昨年の夏の臨時国会で借地借家法を成立させていただいたわけでございますが、当時私はこの衝にございませんでしたが、承知しておりますところによりますと、全党の先生方にいわばきめ細かく陳情させていただきましてその内容の御理解を深めていただきますとともに、できるだけ早期に国会の委員会での御審議をお願いするということをお願いして回ったと承知しておりますし、また今回、入国管理の関係で在留の外国人登録法の改正がございます。このようなものにつきましても、法案の国会提出前におきまして、与党はもとよりのこと野党の先生方にも、また先ほど申しました政策審議の会とかあるいは国会対策の担当者の先生方とか、いろんな分担及び立場におられますところに原局の入管局が参りましたり官房が参りましたり、それぞれ御理解と国会に上程されました場合の早期御審議をお願いしてまいったわけでございます。
○星野委員 そういたしますと、立法権は憲法の定めているところによって国会に属し、各議員、それぞれ所管の委員会等が担当するわけでありますが、そういう皆様方の各党あるいは所属担当議員等に説明をされるということは、要するにそういう問題点を担当の方々に説明をし理解をしてもらって、そしてその施策の推進に御協力をいただくように要請する、こういうことになると思うわけですね。 さてそこで、先ほど来問題になっております今回のいわゆる共和汚職事件について、法務省幹部の皆様方が各党に対しまして、起訴された阿部文男代議士あるいは共和の元副社長森口五郎の衆議院予算委員会の証人喚問について問題点を説明申し上げ、慎重な御判断をお願いをして回った、こういうことを新聞でも拝見しましたし、朝来の御質疑での御説明でもお聞かせをいただいたわけでありますが、こういう行為、行動の性格というのはどういうことになるんでしょうか、御所見をお願いいたします。
○則定政府委員 私どもの考えといたしましては、先ほど来御説明申しましたように、国会議員の先生方に対する一連の陳情と同性格のものというふうなことと考えておるわけでございます。
○星野委員 大臣にお伺いいたしますが、法務省では一般的に今お話しのような陳情活動を行うについて、すべて大臣に事前に御報告をするとかあるいは大臣の指示を仰ぐというような仕組みになっているのでありましょうか、お聞かせいただきたいと思います。
○田原国務大臣 お答えします。 各省共通だと思うのですけれども、ルーチンワークといいますか、平生日ごろやるものについては、省によっては基準をつくって、こういうものは局長までとかこういうものは次官までとかこういうものは大臣とかいうようにやっていると思うのです。しかしそうでないものもありまして、陳情などは非常に幅広いものですから、やはり事務的な流れの一つでありますが、基準をなかなかっくれるわけじゃないものですから基準は多分ないと思いますけれども、法務省にはもちろんございませんと思いますが、そういうことについて一々大臣に指示を仰いだり事前に了解を得てということは、まず通常の業務を進める場合においてはないと思います。各省においてもそうだろうと思います。
○星野委員 先ほど来お答えもいただいておりますが、今回の共和問題について法務省幹部の皆さんが各党を回られたということについては大臣に対して事後の御報告があった、そういうふうに理解しておるわけでありますが、それでよろしゅうございますか。
○田原国務大臣 今度の、午前中等に質問があった件と同様の意味でございますか。
○星野委員 はい。さっきお聞かせいただいてはいますけれども。
○田原国務大臣 事後に報告を聞きましたけれども、事前には聞いておりません。
○星野委員 憲法の六十二条には「両議院は、各々国政に関する調査を行ひ、これに関して、証人の出頭及び証言並びに記録の提出を要求することができる。」と定めているわけでありまして、これがいわゆる議院の国政調査権でありますが、基本的なことでございますけれども、御承知のとおりこの国政調査権につきましては、議院の立法その他の憲法上の諸権限と並ぶ独立の権限であるとする独立機能説と、そのような議院の諸権限を有効に行使するための補助的権限であるとする補助的機能説とが学問の上で分かれているわけでございますが、法務省はどのような見解をとっておられますか。
○濱政府委員 私限りの考え方だけを御説明することになるのかもしれませんけれども、委員御指摘の後者の方の考え方が主流ではなかろうかというふうに考えております。
○星野委員 この点につきましては学説も補助的機能説が多数説でございますし、最高裁判所もそのような説をとっていると承知をいたしております。それでよろしいのではないか、こう思うわけであります。 さて、この国政調査権が議院の補助的機能であるとする立場に立った場合に、三権分立の建前から、国政調査権の行使に当たりまして司法権の独立を侵してはならないということは自明のことであり、また憲法の基本的人権尊重主義の観点から人権侵害にわたってはならないということも当然である、こう考えるわけでありまして、そこにおのずと限界があると思うわけでありますが、この点についてはどのように考えておられますか。
○濱政府委員 委員の御質問に対するお答えになるかどうかわかりませんが、一般的に司法権に属する作用でございましてもいわゆる司法行政につきましては、これは国政調査の対象になり得るものというふうに考えております。ただ、司法権の本質である裁判作用につきましては、憲法七十六条によって保障されております司法権の独立の原則によりまして国会の機能の外にある、国政調査権は裁判の作用そのものには及ばない、司法権の独立にいささかでも反するような国政調査を行ってはならないということは広く認められているものと私も理解をしております。
○星野委員 さてそこで、一実は過去政府側の答弁例によりますと、稻葉法務大臣の答弁に代表されますように、証言を求める事項が当該証人が起訴されている公訴事実あるいはこれに関連する事実に及ぶ場合には、この証言の内容を裁判官が知ることによって裁判官に予断ないし偏見を与え、あるいは検察官の公訴の維持に悪影響を及ぼし、裁判の公正や検察権の適当な行使を害するおそれが強い場合が往々に考えられ、さらに国政調査の目的が起訴されている公訴事実の存否を目的にするような場合には、個々の裁判についての事実の認定、刑の量定等の当否を批判することにもなり、司法権の独立を侵すおそれがあるので許されないものと思うとしておりますように、刑事裁判と同一の結果を招来しかねないような証人喚問は妥当とは思われないのでありますが、このような刑事裁判係属中の被告人についての証人喚問については非常に難しい問題を含んでいる、こう思うわけであります。 一つは、御案内のように、「裁判官は、その良心に従ひ独立してその職権を行ひ、この憲法及び法律にのみ拘束される。」これが憲法第七十六条の三項でありますが、この裁判官のいわゆる事実の認定に当たっての心証形成は、刑事訴訟法に定められた手続に従って収集された証拠に基づいて行うわけでありますが、いわゆるそういう国政調査権行使の結果行われた証人喚問等によって、例え。ば公訴事実にわたるような証言、質問あるいは答弁があった場合、これがやはり裁判官の心証形成にそういうルール以外の面から影響を与えるおそれがある、そういうふうに推定されると思うのであります。この点については局長さんいかがお考えでございますか。
○濱政府委員 お答えいたします。 しばしばお答え申し上げていることでございますけれども、その国政調査権の行使として国会がどなたを、あるいはどういう方法で国会に召喚され、どのような御質問をなさるかということなどは、これはもう国会が良識に基づかれて御判断されることでございまして、いつも申し上げておりますとおり、法務当局の私どももそういう国会の御判断は当然尊重しなければならないことであるというふうに思っているわけでございます。 ただ、今委員御指摘になられた点に関連してでございますが、国会における証人喚問も一定の事実のありやなしやということを明らかにすることを目的として行われるものであるというふうに考えるわけでございますが、お尋ねのような事例の場合ですと、本来司法の場においてその有無、ありやなしやが判断されなければならない公訴事実の真偽というものを他の機関が論じるということにもなりかねないと思うわけでございます。特に、その機関が国権の最高機関である国会というような権威ある機関であります場合には、その議論が司法判断に実質的影響を与えるおそれがあるという見解もあるわけでございます。裁判官は法廷において取り調べられた証拠とその裁判官としての良心のみに基づいて裁判を行うものでございますから、国会等による事実認定が司法の判断に影響することは万々ないといたしましても、司法の独立というものは、実質的に、司法がその中立、公正であるということだけではなしに、その公正についての国民の信頼がなければ成り立ち得ないものではないかというふうに思うわけでございます。したがいまして、別の権威ある機関が司法において判断すべき事柄をこれに先立って町擬するというような場合には、その公正に対する国民の信頼が揺らぐおそれもあるのではないかというふうに考えるわけでございます。
○星野委員 さて、国政調査権の行使による証人の喚問、これはそれこそ国政調査の目的、あるいは政治家の道義的あるいは政治的な責任を問うというようなことで、いわゆる裁判における公訴事実の存否を明らかにして刑事責任を問うという目的とは違うわけでありますけれども、しかし、そこでいわゆる問題となる事実が、いわゆる公訴事実そのものを除外してはそれこそなかなか全体の解明が難しいわけであります。そういう点から見ますと、やはり刑事訴追中の被告人の国会証人喚問というのは議院において慎重に判断をしなければならないことではないか、そう思うわけであります。私は実際にこの国会における証人喚問に立ち会ったことはございませんけれども、今申し上げたような、国会における証人喚問が全く公訴事実に触れない、要するに裁判の公正、公平を損なうおそれのないようなそういう方法で行うということが、これは可能なものでございましょうか。
○濱政府委員 これは私からお答えすべきことではないかもしれませんけれども、結局、どなたを証人喚問するかあるいは参考人として招致するか、あるいはどういうことをお聞きになられるか、どういう時期にそういうことをなさるかというようなことの判断にかかってくるんだろうと思いますけれども、それは要するに、例えば今の刑事被告人の場合でございますと、裁判係属中の公判の審理との関係を十分考慮しながら、そこのところを国会で良識に基づいて御判断いただくということになるのではなかろうかというふうに思うわけでございます。
○星野委員 そういう微妙な、いわゆる三権分立の限界というか境界というか、そういう問題もございますし、私思いますにもう一つは、憲法では先ほど申し上げたような基本的人権保障を基本原則として掲げているわけでございますが、そういう中で被告人の権利というものが保障されておりまして、憲法の三十七条、三十八条に定められているわけであります。中でも憲法第三十八条の第一項と刑事訴訟法の第三百十一条第一項では刑事被告人の黙秘権が保障されているわけでありますが、今お話しの国会での証人喚問、これはまさに国権の最高機関である国会における国政調査権の行使ということになるわけでありますし、おのずとそこに全国民の耳目が集中する、非常に緊張した中で行われる、こういうことは容易に想像できるわけでありますが、そういう場合に、刑事被告人が証人として喚問された場合そういう今申し上げた憲法や刑事訴訟法で保障されておる刑事被告人の権利というものが本当に守られるのかどうかという危惧があるわけでございます。この点はいかがでございましょうか。
○濱政府委員 お答えいたします。 今委員御指摘の点は刑事被告人の人権との関係でのお尋ねだと思うわけでございますが、刑事被告人は、例えば裁判係属中の事件におきまして検察官の公判立証が不十分である場合には、法廷で公判の推移に照らして適宜の反証を行って無罪判決を得るということも認められているところでございます。 片や、証人喚問の結果として、その供述内容が国会で偽証罪の制裁の威嚇を通じてと申しますか、制裁があるということによりまして事実上固定されるということになりますと、刑事被告人としての広い黙秘権という形で持っておりますこのような一般的防御権の行使に重大な支障を生じさせるおそれもあるのではないかというふうにも思うわけでございます。
○星野委員 検察官は、今ほど米お答えいただきましたようないわゆる公正な司法を担保する、あるいはまた基本的人権、被告人の権利を保障していくというようなことにつきまして非常に大きなかかわりを持っているわけであります。そういう点から検察行政を所管する法務省として先ほどのような各党に対する陳情に及んだ、こういうふうに理解をするわけでございますが、大変念を押すようで悪いですけれども、もう一度ひとつお答えいただきたいと思います。
○濱政府委員 お答えいたします。 先ほど来官房長あるいは私の方から再々お答え申し上げておることでございますが、ぜひその意のあるところを正確にひとつ御理解いただきたいということで重ねて申し上げるわけでございます。 先ほど来申し上げておりますように、国会においてどなたを証人として喚問されるかあるいは参考人として招致されるかということは、これはもう国会がその御良識に基づいて御判断されることでございますから、私どもはそういう御判断があればこれを尊重するということにはいささかの疑念もないわけでございます。 ただ、現在裁判係属中の刑事被告人を証人として国会に喚問するということになりますと、裁判係属中の公判の審理との関係を十分御考慮いただいた上で御判断をいただきたいというのが私どもの真意でございまして、そういう真意を御説明して、ひとつ参考にしていただきたい、国会が刑事被告人を証人喚問する問題等について御判断される際の参考にしていただきたいということで御説明に伺ったというのが真意でございますので、ひとつ正確に御理解をいただきたいと思うわけでございます。
○星野委員 わかりました。 いずれにしても、先ほど申し上げたような一般の法務行政の中で、例えば入管法の改正とか借地・借家法の改正とかいろいろな問題が出てくるわけでありますが、そういう問題について実態、実情を、例えば各党あるいは各国会議員に説明をして理解と協力を求める、ただ、その結果は当然議院の権限で決定されることでありますから、その結果、決定には従う、こういうふうに私は理解をする次第であります。 さて、若干時間があるようでございますので、次の質問に移りますが、外国人の問題につきましては先ほどお話がございましたけれども、私からも二、三お伺いをしておきたいと存じます。 先ほど中村委員の御質問に対しまして、現在のいわゆる不法入国者が十六万人、あるいは実際にはもっと多いかもわからない、こういうふうなお話もございました。また大臣所信におかれましては、外国人については、その定着を防止しつつ減少を図るとの基本方針のもとに厳正な入国審査による上陸の防止を行う、こうごあいさつをいただいたわけであります。 先ほど来お話がございますけれども、日本は幸いにして島国でありまして周囲を海に囲まれておるわけでありますから、これはもうやろうと思えば厳正な入国管理は物理的に不可能じゃない、そう思うわけであります。この外国人問題につきましてはまずそこのところが基本だと思いますけれども、大臣からもう一度、この厳正な入国審査による上陸の防止、これについて具体的な今後の御方針をお聞かせいただきたいと思います。
○田原国務大臣 不法入国の水際防止という点での御質問と思います。 昔は船だけで通航しておったと思いますので、水際作戦という言葉も成り立つようにいろいろあったかもしれませんが、今は航空機でしますから、やはり大量の入国の管理は成田とかその他の飛行場であろうと思うのです。しかし、四面海に囲まれている、もし、ボートピープルといいますか、ちょっと意味が違いますけれども、ボートで来る人ということで解釈してみますと、日本の海岸線は三万数千キロあるはずですから、これはどうしたって監視しようがありません。そういう意味では厳密にはなかなか困難な問題なんですけれども、大多数の入国は今他の手段で参っておりますから、溝とか空港とかいうことで厳密に、厳格にやれば相当防止できると私は思っております。
○星野委員 その点をひとつしっかりとやっていただくようにお願いをいたします。 それからいま一点でございますが、いずれにしても合いわゆる不法就労者の問題が大きな社会問題になっておりますし、同時に政治の課題にもなっているわけであります。そういう不法就労の対策、外国人研修制度等の問題を含めて関係省庁との話し合いも大分煮詰まってきていると思うのでございますが、これからの外国人問題についてどのような政策で日本政府が臨もうとしているのか、概要についてお聞かせをいただきたいと思います。
○田原国務大臣 お答えします。 好むと好まざるとにかかわらず、というのは適当な表現かどうか知りませんが、国際化が進むに従って外国人がふえてまいるのは、もう間違いなくふえてまいるわけであります。政府としては、技術を持った人、技能を持った人等は積極的に受け入れるし、また研修という形でそういうポテンシャルのある人を受け入れて研修してお帰しするとか、さらには新たな考えとして、ある程度の研修が済んだ人を就労という形で研修してお帰しするとかいうところまで考え方を進めたらどうかということで考えておるわけですが、一般的な、要するに技術、技能、そういうもののない労働者の方々については、これは慎重に考えなければいかぬという態度であります。慎重というのは、日本の社会その他に及ぼすインパクトが相当大きいというようなこと等を考えて、国民的合意を得なければならないし、その行政的対応として各省庁の話し合いを進めなければならぬという意味で慎重と申しているのです。
○星野委員 午前中の沢田委員の質問にもありましたように、海外で邦人のいろいろな事件あるいは被害が報道されておりますが、これらはやはり我が国のそういう外国人に対する対応の今までのまずさと無関係ではないと理解せざるを得ないわけでございます。そういう外国人の人権の問題も含めて、これからの国際化の中で後顧の憂いのないような外国人対策をしっかりと国の政策として確立し、また外国人の人権の擁護もきちっとできるような、そういうふうにしていかなければならないと思うわけでございますが、今後につきましてひとつ大臣にこういう分野に大いに御努力をいただくようにお願いを申し上げまして、私の質問を終わります。
○浜田委員長 中野寛成君。
○中野委員 私はまず、最近の証券・金融不祥事、そしてまた今話題の共和事件などを見ますときに、何かどこか日本のシステムに一本欠けているところがあるのではないかな、こういう感じがしてしょうがないのであります。企業倫理の問題もありましょうし、それをチェックする機能というものも必要でありましょう。同時に、昨年、商法改正を行いましたけれども、やはり日本の会計制度というものが欧米に比べてなお大福帳的といいましょうか、おくれている。そういうことなどを思い起こすわけでありまして、幾つかの提案をし、お尋ねをしたいと思うのであります。 結局、企業の不祥事や問題行動をなぜ会社の内部の監査などで防止できないかということであります。当然それ相当の規模の会社には監査役がいるはずでございますけれども、そのチェック機能が果たされていない。結局名目上だけの監査役というのが実態ではないか。そういうところが多いのではないか。もちろん、そうではない監査役の場合には、能力とかやる気の問題とかということもあるでありましょうし、会社のシステムの中に組み込まれてしまって言うべきことが言えないという体制もあるかもしれません。商法等関係法律の整備を含めまして、これらのことについて考える必要があるのではないだろうかということと、さきの一月二十九日、大蔵大臣の諮問機関であります金融制度調査会では、社外重役の導入も検討に値するという報告があったようであります。問題が起きてしまってからでは当事者、関係者に不測の損害を与えることになるわけでありますし、これらのことは前向きに考えていいのではないかという感じもいたします。 そこで、法務省としては、監査役の機能強化、あるいは社外から重役を招く仕組みを整備する、これらの考え方についてどうお考えか、お尋ねいたします。
○清水(湛)政府委員 お答え申し上げます。 株式会社の監査制度につきましては、昭和四十九年に大改正をいたしました。これは山陽特殊鋼の倒産等、大企業が倒産した粉飾決算等の問題が生じだということを背景にする改正であったと言うことができようかと思います。それから昭和五十六年にも大変大規模な改正が行われました。当時、ロッキード事件とかいろいろな企業の不祥事件があったということも影響しているのではないかというふうに私ども考えております。そういうことを通じまして、企業の会計を公明正大なものにする、それから企業の行動を少なくとも法令、定款に違反する行為がないようにするというような見地からこれらの監査制度の強化ということが図られてきたというふうに私どもは考えているわけでございます。 このような一連の改正におきまして、監査役に、会計監査権のみならず会社の業務の執行についても監査をする、取締役の行動について法令、定款に違反するような行為があればその差しとめをするとか、あるいは各種の報告を求めるとか、取締役会に出席をするというようなことを通じまして監査制度の機能を十分に発揮させよう、こういう趣旨の改正をいたしたわけでございます。それとともに監査役も非常に責任が重くなって、権限が非常に強大になるとともに責任も重くなる、こういうふうな改正にいたしたわけでございます。 しかし、先生御指摘のように、最近、昨今の証券・金融の不祥事あるいは最近における各種の企業の不祥事等依然としていろいろな事件が起こっているわけでございます。そういうような不祥事が現在の監査制度の運用に問題があるのか、つまり、法律上与えられている権限が十分に行使され得ないようなことの結果としてそういうことが起こっているのか、あるいは法律に不備があるのかというような点については、これは慎重な見きわめが必要だとは思っております。 しかし、日米経済構造協議でも出たことでありますけれども、社外重役あるいは社外監査役というような意見もあるわけでございまして、そういうような問題につきまして、監査制度上の充実強化すべき点があるかというような観点から、会社法の改正について法務大臣の諮問機関である法制審議会がいろいろな問題について現在精力的に検討中でございますけれども、そういう審議会の中でもそれに関しては意見も出ているところでございます。なおまた、先生の御指摘のような問題につきましても、私どもといたしましては法制審議会に伝えまして、十分に検討をして対応してまいりたいというふうに思っている次第でございます。
○中野委員 ひとつせっかくの御検討をお願いを申し上げたいと思います。 次に行きます。 最高裁にお尋ねをいたしますが、最近、個人による自己破産の申し立て件数が急激に増加しているということがよく言われますし、マスコミにも特集記事など報道がよくなされているわけであります。最高裁の方へ来ております状況が一体どういう状況か。また、あわせまして、最近の破産事件では若年者によるカード破産が増加しているということが指摘されているわけでありまして、その実態につきまして、最高裁の方で把握されている状況で結構でございますから、御報告をいただければと思います。
○今井最高裁判所長官代理者 お答え申し上げます。 御指摘のように、破産事件は最近非常にふえております。若干数字を申し上げますと、実は昭和五十九年、これが一次のピークでございまして、五十九年には二万六千三百八十四件ということであったわけです。ところがその後この事件は減少しまして、最近数年間は一万件強というふうに落ちついておったわけです。ところが平成二年から増加の傾向があらわれまして、平成二年には一万二千四百七十八件、その前の年の二割増ということになりました。さらに昨年、平成三年に入りましてからは急激に増加しまして、昨年の申し立て件数は前年の約二倍でございますが、二万五千九十一件というふうになっております。ピークでありました昭和五十九年の事件数に迫る件数でございます。 このうち、今御質問ございました個人の自己破産の申し立て件数でございますが、これは二万三千二百八十四件ということでありまして、平成三年度の全破産事件の九二・八%という割合を占めております。このように最近非常に自己破産の件数というのは増加を示しておるわけであります。 それで、その自己破産につきましてどういう事件が多いのかという御質問でございます。 これにつきましては、この破産者の年齢あるいは破産原因ということにつきまして正確な統計というものは実はとっておらないわけでございますけれども、最近幾つかの大きな裁判所の担当者に実情を聞いてみますと、一つは、若年者の事件がふえておるということのようでございます。それからもう一つは、最近話題になっておりますいわゆるカードでございますが、カードによりまして、いろいろなところからカードでお金を借りたあるいは物を買った、こういうことで払えなくなったといういわゆるカード破産というのも相当ふえておる、こういうふうに聞いておるわけでございます。
○中野委員 この最近の傾向等を聞きますと、意外に無責任な感覚というのがはびこってしまっておって、このカード破産というのを意外に安易に考える。もちろん、それまでに深刻に悩む若い人たちも多いとは思いますけれども、何かその自己破産の申し立てをすればいいんだというような感じで、それがいかにも責任逃れの、それこそカードであるかのごとく思って安易に考えるということもあるようなことを聞くわけであります。これはやはり日本の社会をまさに崩壊させることにつながるわけでありまして、しかもその数が今御報告いただきましたようにべらぼうにふえているということであると、我が国の将来というのは、ましてや若年者がやるということでありますとなおさら心配になるわけでありまして、このことの傾向と、そして自己破産宣告された場合に、申し立てをして受理された場合にどういうふうな制約を受けることになるのか、これはやはり十分警告をしておく必要がある、また認識をさせておく必要もあるであろう、こう思うのでございまして、この後の危険性とか、また警告の意味も含めて、法務省の立場からのお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○清水(湛)政府委員 お答えいたします。 破産の宣告がございますといろいろな制約があるわけでございまして、財産の管理処分権がまずなくなるとか、あるいは破産手続が進められている関係におきましては居住の自由が制限されるとか、いろいろな各種の制約が伴うわけでございます。場合によっては裁判所に引致される、監守されるというようなことも、それは起こり得ないわけではないというふうに思います。 ただ、先生御指摘の若年者のクレジットカード破産というようなものは、そもそもほとんど財産がございませんので、破産宣告はされましても直ちにその破産手続の費用すら賄うことができないということで、同時に破産廃止の決定をされる、こういうことになります。したがいまして、破産手続が長く続くということはございませんので、現実の問題として、先ほど申しました財産の管理処分権の喪失だとかあるいは自由の制限というようなことは問題にはならないということになるわけでございます。 ただ、同時破産廃止になりましても、破産法上の制約というのはございませんけれども、破産者は一般的に社会的、経済的信用を失うということになりますので、ほかの法令上いろいろな資格制限が生ずる、こういうことになるわけでございます。細かい話になりますけれども、例えば民法の規定によりますと後見人になることができないとか遺言執行者になることができないとか、あるいは弁護士とか公認会計士になる資格を有しないとか、あるいは会社の取締役は破産によって当然に解任されるとか、そういった各種の制約があるわけでございます。 さらに、現実のクレジットカード破産等の場合におきましては、大部分は破産宣告と同時に破産廃止決定を得て、さらに免責の申し立てをして債務を全部帳消しにしてもらうということもするわけでございますけれども、これもしかし、たびたびそういうことになりますと免責ももらえない。現在の破産法上ですと、十年前内にそういう免責決定をしてもらった者は免責が今度は認められないというようなことになるわけでございます。 したがいまして、若いうちに極めてイージーに金を借りて破産宣告をしてもらって免責を得ればいいというふうに考えますと、将来いろいろな問題を引き起こしかねないということは間違いなく言えることではないかというふうに思うわけでございます。
○中野委員 そこで一番大事なことは、今御答弁がありましたが、例えば弁護士になれないとか会社の取締役になれないとか公証人になれないとか、いろいろございますけれども、若い人たちにとって、そういうことは全く自分にとっては無縁。もちろん弁護士になろうと思って勉強している人にとっては大変でしょうが、大体、弁護士になろうと思って勉強している人がカード破産を起こすわけもない。そうすると、いかにして消費者教育をやっていくかということが大事なのであろうと思うのでございます。 これは法務省の所管ではないかもしれませんが、経企庁や総務庁や、そしてまた学校現場においては文部省の方でよほど教育をしていただかないといけないかと思いますし、場合によっては法務省の方でPRといいますか、警告のPRをするというか、そういうことは可能かもしれないなと思ったりするのでありますが、他の省庁にまたがりますことについては法務省からひとつ協力要請をしていただく。それから文部省からは、きょう福島中学校課長お越しいただいておりますので、福島さんの方からお答えをいただきたいと思います。法務省、文部省、続いてお願いいたします。
○清水(湛)政府委員 法務省の所管といたしましては、不幸にしてそういうクレジットカードで返済能力を超えるような債務を負担してしまった、そういう場合にどういうふうにしてそれから逃れることができるかという段階になりまして初めて法務省の所管する破産法の問題ということに入ってくるわけでございまして、法務省としては、やはり事後的な救済措置をきちんとする。そのためには、破産法上のそういった手続にいろいろな問題があるということでございますと、これはやはり検討して直すべきものは。直していかなきゃならないというふうには思うわけでございます。 ただ、先生御指摘のように、何よりもまず、そういうふうな返済能力を超えた債務を負担しないようにするということが本当に先決問題だと私どもも思うわけでございまして、そのために法務省がどういうことをそういう観点から積極的にすることができるかどうかということについては、なかなか法務省の性格、立場上難しい問題もあろうかと思いますけれども、考えてはみたいというふうに思っております。
○福島説明員 この問題、私ども、経済企画庁などから従来働きかけを受けておりましてやっているところでございます。 この問題、おっしゃるように本人も困りますし、周りの人も迷惑でございます。こういう規則、基本は、私ども学校教育でぜひやらなければいけないと思っております。従来、「社会」「家庭科」などでやっております。また、学習指導要領というのを十二年ぶりに変えましたが、そこで、消費者教育につきましては内容を抜本的に見直したところでございます。 例えば、教科書をちょっと、短い文章ですので読ませていただきますと、中学校の「社会」などでは「カード社会と消費者」ということで、「カードで買い物をしたり、簡単に金を借りたりするしくみが、急速にひろがってきています。現金を用意しないでよく、安全で便利なことが魅力です。しかし、うっかりすると、先に品物が手に入ってしまうために、支払いのときになって家計の大きな負担になったり、不注意なカードのあっかい方から大きな被害を受けることも、しばしば見られます。」というふうに、カード社会の問題につきまして最近は教科書でもかなり記述しておりますし、高等学校になりますと、破産の問題、破産に至ることもありますというようなこともかなり詳しく書いております。こういうことをきちっと学校で教育いただければかなり効果があるのじゃないかと思います。 いずれにしましても、最近、環境教育だとかコンピューター教育だとかあるいは消費者教育だとか、時代が大きく変わっておりますので、それに対応する教育というものを私ども全力を挙げてやっていきたいと思っているところでございます。
○中野委員 最後に大臣に一言お尋ねいたしますが、これはやはりマスコミの協力だとかそれから各省庁の連携、また通産省等から各業界へできるだけ気をつけていただくように要請をするとか、売らんかな売らんかなというので少々危なそうなのにでも売ってしまう、商売をしている人に危なそうなのには売るなと言うのも変な話かもしれませんが、しかし、お互い社会を構成している者同士が、やはり青少年の健全な育成という精神も含めて、みんなで力を合わせでこういう無責任時代の到来を防いでいかないといけないのではないか、こうも思いますので、また閣議等いろいろな機会に大臣からもその辺の協力要請をしていただいたらいかがかと思いますが、いかがでございましょう。
○田原国務大臣 カードの問題につきましては、私も商工関係をやっていたころは大分勉強しましたが、お説のようなことがいっぱいありますし、重大な社会問題でもございますので、関係する官庁みんな寄って検討を既にやっていると思いますが、閣議等でもお説のように発言して、この目的を、先生の言われるあれを達したいと思います。なお、法務省としても、民事局長答えましたような問題点ありますので、機会があれば、機会があればというかいろいろな機会に乗じてこの問題に、破産すればこうなるんだとかいうようなことをよくわかるようなPRも心がけていきたいと思います。
○中野委員 終わります。ありがとうございました。
○浜田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十分散会