文教委員会 第7号
- 発言数
- 201 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1992/06/03
会議録
○伊藤委員長 これより会議を開きます。 第百十八回国会、中西績介君外一名提出、学校教育法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。輿石東君。 ————————————— 学校教育法等の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○輿石議員 ただいま議題となりました学校教育法等の一部を改正する法律案につきましては、一昨年の本委員会におきましても、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げたところでありますが、継続審議となっている間に情勢の変化も生じてきているところでございますので、会期も改まりましたこの際に、改めて御説明を申し上げる次第であります。 科学・技術が急速に発達し、社会の国際化・情報化の進展が著しい今日においては、科学・技術の進展や社会の変化に主体的に対応できる、心豊かな人間の育成を図ることが求められております。このような状況において高等学校教育には、受験教科中心の暗記力を競う形で知識だけを詰め込むのではなく、社会の変化に対応し、かつ実際場面に即応できるような、実体験に裏打ちされた幅広い思考力や適応能力、応用能力を兼ね備えた実践力のある人材の育成が求められているのであります。高等学校がこうした課題にこたえるためには、高等学校の専門教育が一層重視されねばなりませんし、その中でもとりわけ実験・実習教育が重要となってきているのであります。 実験・実習教育は、観察・測定、機器の操作や材料の加工・製造といった過程を通じて、生徒に理論と実際との関係を修得させ、あわせて生産にかかわる基礎的知識と技能・技術をも修得させるものであります。また実験・実習教育は、一般教科との有機的な結合により、科学的な認識力や自主的な判断力、適応力などをも培うものでありますから、まさに時代が要請する教育であると言えるのであります。 さて、この実験・実習教育にかかわって、高等学校や障害児学校高等部に実習助手が置かれております。実験や実習というのは、普通科四十五人、職業科四十人という通常の学級編制での一斉指導は極めて困難であります。このため、高等学校における実験・実習の指導は、班別ないしはグループ分け等によって行われているのが通例であり、また、このような学習形態に対応できることを考慮した定数配当がなされているのであります。学校教育法が、「教諭の職務を助ける職」として実習助手の制度を設けているのも、こうした事情によるものであります。 ところがその実習助手は、現実には「実験・実習の準備、整理等」という「教諭の職務を助ける職」を果たすにとどまらず、実験・実習にかかわる指導計画の作成、実験・実習における個別指導、あるいは成績評価等に至るまで、教諭と何ら変わらない職務に携わっているのが学校現場の実情であります。このことは、実習助手が法令に示された「教諭の職務を助ける」ことだけに終始していては、実験・実習教育が成り立たないことを示すものでありまして、高等学校教育における実習助手は、まさに実習助手という名の教員であると言ってもよいのであります。 このように、実習助手は実験・実習教育において、現実に教諭とほぼ同等の職務を担っているのでありますが、現行制度のもとではあくまでも助手であり、「教諭の職務を助ける」者にすぎず、その給与も教諭とは異なって教育職俸給表日の「一級」に格付されているのであります。このために、生徒を学校外に引率することはできないという教育活動における不合理な制約を強いられたり、四十歳を過ぎると昇給幅が少なくなり、生涯給与の面で大変に不利な扱いとなっているのであります。 以上のような事情につきましては、かつて我が党が提出しました同趣旨の法案に対する五度にわたる質疑の中でも明らかにされております。とりわけ、昭和六十一年の第百四回国会では、当時の海部文部大臣も「実習助手の努力が報われるようにしたい」との答弁を打っております。にもかかわらず、依然として根本的な解決につながっていないのは、文部省の考え方が「教員免許状を所持する実習助手には教諭任用への道が開かれている」というところにとどまっているからではないでしょうか。 文部省は、これまでにも、実習教科の免許状を取得した実習助手の教諭への任用や俸給表の改善に一定の努力をしてきております。この結果、実習助手で教員免許状を取得した者が教諭に任用されたケースは少なくありません。したがって、実習助手もこれを励みとして、教育職員としての責務と自覚の上に立って教育職員免許法に基づく認定講習や各種の教育講座に参加するなど研さんを積んでいるのであります。 ところが、学校教員統計調査報告書によりますと、平成元年における公立高校の実習助手の教員免許状の取得状況は、専修免許状が〇・四%、一種免許状が四四・二%、特別免許状が〇・一%、臨時免許状が〇・二%となっています。すなわち、教員免許状を取得したにもかかわらず、教諭に任用されずに実習助手の職にとどまっている者が実に四四・九%に達しているのです。また、高等学校の理科実験担当の実習助手や、盲・聾・養護学校の「特殊教科」ないし養護・訓練を担当する実習助手の場合は、その免許状を取得すること自体が制度上極めて困難な状態にあります。これでは教員免許状を取得すれば教諭任用の道が開けている」という文部省の説明も合理性を失っていると言わざるを得ません。 さらに、実習助手という職に対するイメージも検討を必要とする重要な問題であります。一般に「助手」といえば、大学の「教授—助教授—講師—助手」という昇進を前提にした序列区分における「助手」でありまして、一生涯の仕事としての「助手」というイメージはないわけであります。高等学校の実習助手も、教員免許状を取得すれば教諭になるという過渡的な職としての職名であるなら抵抗感は少ないと思われますが、免許状を取得しても定年になるまで実習助手のままという現状のもとでは、その教育活動への意欲や士気にかかわるゆゆしきことと言わざるを得ないのであります。 したがって、都道府県段階では、既に、積極的に独自の教育講座を開設して実習助手の力量を高め、その処遇の改善をも進めているのが実情であります。また、身分上は「実習助手」であっても、「実習教諭」と言いならしている県も出ているのであります。このような点から見ても、この際、実習助手の制度を廃止するとともに、実験・実習を担当する教員の制度を改め、現に実習助手である者については実習担当教諭への移行ができる措置を保障することに踏み切るべきではないでしょうか。これが本法案を提出いたしました理由であります。 次に、本法律案の内容の概要について御説明申し上げます。 第一は、実習助手制度を廃止して教諭に一元化することとし、これに伴い、学校教育法その他の関係法律の改正を行い、実習助手の廃止に必要な十二年間の経過措置を設けることといたしております。 第二は、公立高等学校の設置、適正配置及び教職員定数の標準等に関する法律を改正し、実習助手の規定を削り、従来の実習助手の定数を教諭等の数に加えるものとし、所要の措置を定めることといたしております。 第三は、教育職員免許法の改正を行い、実習担当教諭の免許状の取得資格に看護婦の免許状取得者を加え、また現に実習助手である者のうち理科及び特殊教科担当者については文部省令で定める資格を有する者について教諭免許状取得の措置を講ずることができることといたしております。 第四は、施行期日であります。この法律案では平成四年四月一日から施行することといたしておりますが、法案が継続審議されている間に期日が過ぎておりますので、今後の審議の中で期日等について修正していただく必要があります。 なお、本法律案が成立いたしますと、実習助手の教諭への一元化が速やかに行われることになると思われますが、政府におきましても、教諭資格の付与に必要な認定講習の開催や研修会等への参加の保障等の措置について特段の配慮が要請されるところであります。 以上が本法律案の内容の概容であります。 さて最後に、本法律案につきましては、過去の類似の法律案を含めますと十年にも及ぶ期間、本委員会の審議案件となっているのであります。この間に五回の審議が行われ、成否の結論に近づいたこともございました。にもかかわらず会期が改まりますと、政府提出法案が優先審議され、本法律案は審議がなされないまま継続扱いとされてきているのであります。この際、本法律案に関する小委員会の設置を行う等、徹底した御審議をお願い申し上げ、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
○伊藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○伊藤委員長 第百十八回国会、吉田正雄君外一名提出、公立幼稚園の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。吉田正雄君。 ————————————— 公立幼稚園の学級編制及び教職員定数の標準に 関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○吉田(正)議員 ただいま議題となりました公立幼稚園の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案につきましては、一昨年の本委員会におきましても提案理由及び内容の概要を御説明申し上げたところでございますが、継続審議となっている間に若干の情勢変化も生じてきているところでございますので、改めて御説明を申し上げる次第であります。 我が国の未来を担う幼児が、心身ともに健やかに成長することは、国民がひとしく願うことでありまして、既に四歳児並びに五歳児につきましては九九%が幼稚園または保育園に通っているのであります。また国民の三歳児に対する就園要求もますます高まってきているところであります。その意味で、幼児教育は既に国民教育であると言っても過言ではないと思うわけでありますが、この幼児教育の行政上の位置づけは大変におくれていると申さねばなりません。 例えば、幼稚園も学校教育法に規定される教育機関ではありますが、その幼稚園を具体化する法令は「幼稚園設置基準」しかないと言っても過言ではないのであります。公立幼稚園が少なく、幼児教育が私学に大きく依存せざるを得なかったのも、この法整備のおくれに一因があるのではないでしょうか。 また幼稚園が、学校教育法に規定される教育機関である以上は、教育の機会均等の原則からすべての幼児に門戸が開放されるべきでありますが、「保育に欠ける」とされる幼児は厚生行政の「保育所」の対象であり、実質的に幼児教育を受ける機会が奪われているのであります。幼稚園と保育所それぞれの保育・教育内容の充実や、保育重視の自治体と幼児教育重視の自治体という施設の地域的偏在の問題、保育と幼児教育の差から生じる父母負担の格差の解消、幼稚園と保育所の教職員の労働条件の改善などについても、それぞれ緊急の課題となっているところであります。 さて本法律案は、このような法整備が急がれる幼児教育をめぐる国民的課題のうち、公立幼稚園においては、「一学級当たりの幼児数は何人が適当なのか」、「教職員はどのくらい必要なのか」ということについては見直しを行い、新たに立法を行おうとするものであります。 この学級編制並びに教職員定数の問題につきましては、「幼稚園設置基準」が定めるところでありますが、昭和三十一年に公布されてから数次の基準改正を経たにもかかわらず、何の見直しも行われてこなかったものであります。そればかりではありません。明治三十二年に「幼稚園保育及設備規程」が「保母一人の保育する幼児の数は四十人以内とすること」と定めて以来、本質的な見直しは一度もなかったのであります。小学校の学級規模は、明治三十三年に「七十人以下」と定められましたが、九十二年後の今日では「四十人以下」となっています。にもかかわらず幼稚園は、九十三年前と同じなのであります。早急に、その見直しが必要でありましょう。 では、幼稚園における適正な学級規模とはどの程度でありましょうか。さきに示しました明治時代の小学校の学級規模と幼稚園の学級規模の比率を今日に当てはめますと、小学校の「四十人学級」は幼稚園では「二十二人学級」に相当します。他方で厚生省所管の「保育所」の保母の配置基準は三歳児の場合で「幼児二十人につき保母一人」、四歳児、五歳児については「幼児三十人につき保母一人」となっております。さらに西欧諸国に目を転じますと、一九六一年の国際公教育会議で、就学前教育については「教師一人当たりの幼児数の標準は二十五人を超えないことが望ましい」とされており、実際に多くの国で二十五人程度となっているのであります。このように見てまいりますと、やはり二十人ないし二十五人程度であることが望ましいということになるのではないでしょうか。 なお、「幼稚園設置基準」でも「学級は、同じ年齢にある幼児で編制することを原則とする」とされているわけでありますが、公立幼稚園の場合、三歳児から五歳児までを一緒にする学級が全国で三十七学級もあります。これは二年前に本法案を御提案した際に申し述べました数より十六学級ふえております。さらに「異なる年齢で編制する学級」となると、これは全国で四百九十二学級もあります。これも二年前に御提案した際の数より三十一学級ふえております。これでは「設置基準」とは何であるかが問われることになるのではないでしょうか。本法案では、公立幼稚園の学級編制標準を「四十人」から「二十人」ないし「二十五人」に変えますので、異なる年齢で学級編制するケースも大幅に減少するはずでありますから、この際に「異なる年齢で編制する学級」については廃止することが望ましいと考える次第であります。 次に、学級編制に伴う教職員の配置基準でございますが、現行の「幼稚園設置基準」では、「園長のほか、各学級ごとに少なくとも専任の教諭一人を置く」こととしております。しかし同時に第五条第三項で「専任でない園長」の存在を認め、同条第二項では専任教諭は「特別な事情がある場合」は学級数の三分の一までは助教諭でも講師でもよいこととしております。このために、公立幼稚園六千二百二十四園のうち、専任の園長はわずか二千三百九十二人にすぎず、多くは小学校・中学校の校長との兼任となっており、中には高校の校長が幼稚園の園長を兼ねるという事例さえ出ております。また、現行基準では「一学級に一人の専任教員」でよいため、公立幼稚園の一万六千九百六十七学級に対する専任教員(教諭、助教諭、講師)の数は二万一千四百七十二人にすぎず、教員が年次有給休暇を消化することさえも難しく、病休もとれない実情であります。これでは、国民的に高まっている「延長保育」や「障害児の受け入れ」の要求にもこたえることはできません。 教員についてすらこの現状ですから、「幼稚園設置基準」では養護教諭や事務職員については「置くように努めなければならない」と定められるにすぎません。このため公立幼稚園の事務職員数は二百三十九人にすぎず、養護教諭に至ってはわずかに三百四十一人が配置されるにすぎません。また、その他の職員が二千五百八十一人いることになっておりますが、おそらくこうした職員には給食調理員なども含まれ、事務や用務の兼任者も含まれているものと思われますが、これをすべて含めましても、「教員以外の職員」が配置されている公立幼稚園は全国の半分にも満たないのが現状であります。これでは、新しい「幼稚園教育要領」が「幼児一人一人の特性に応じた教育」をうたっても、その実現はおぼつかない生言わざるを得ません。ここに、幼稚園にも教職員の定数法が必要な理由があるのであります。以上が、本法律案を提出するに至った理由であります。 次に、本法律案の内容の概要を御説明申し上げます。 第一は、この法律の目的を定めたことであります。公立の幼稚園に関し、学級編制の適正化及び教職員定数の確保のために、それぞれの標準について必要な事項を定め、もって幼児教育の水準の維持向上に資することを目的といたしております。 第二は、学級編成の標準を定めたことであります。三歳児学級の編制は二十人、四歳児及び五歳児の学級についてはそれぞれ二十五人といたしております。なお、異なる年齢の幼児で編制される学級は設けないものといたしております。 第三は、教職員定数の標準を定めたことであります。その一は、園長を一園に必ず一人置くほか、教諭等の数は学級数の一・五倍とし、障害児を受け入れる幼稚園については必要な加算を行うことといたしております。その二は、養護教諭等、事務職員及び学校用務員については、一園につきそれぞれ一人を置くこととし、また給食を実施する幼稚園については、学校栄養職員及び給食調理員を置くことといたしております。その三は、教職員の長期研修など、特別な事情があるときの加算措置を定めることといたしております。 第四は、施行期日であります。この法律案では平成四年四月一日から施行することといたしておりますが、法案が継続審議されている間に期日が過ぎておりますので、今後の審議の中で期日等について修正していただく必要があります。なお、学級編制の標準及び教職員定数の標準に関しましては、幼児人口の減少等を考慮して五年間の年次計画で実施することといたしておりますが、それに伴いまして必要な経過措置を定めることといたしております。 以上が本法律案の概要であります。 何とぞ十分御審議の上、速やかに御賛成くださいますようお願い申し上げます。(拍手)
○伊藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 ————◇—————
○伊藤委員長 文教行政の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小宮山重四郎君。
○小宮山委員 立ってやらなきゃいけないですか。——失礼して、座ってやらせていただきます。 大学の教育研究費というのは、校費と科学研究費と部外資金の三本立てで成り立っていると思いますけれども、担当の方、それで間違いございませんか。
○泊政府委員 お答えいたします。 大学の場合、国立大学について申し上げますと、教育研究経費というのはさまざまな形で予算措置等もされておりますが、代表的な例としては、教官当たりの積算校費でありますとか学生一人当たり幾らといったようないわゆる基幹的な教育研究経費、それからある種の研究プロジェクト等に着目して出すところの教育研究経費等に大別されようかと思います。これらの充実にはいろいろな形で努力をいたしておるところでございますが、まだまだ必ずしも十分でないといういろいろな御指摘も受けているところでございます。 なお、私立大学等につきましては、御案内の経常費助成の中でそういった形のものを助成を図っていく、こういう仕組みに相なっております。
○小宮山委員 ありがとうございました。 私の手元にございます資料を見ておりますと、一九七〇年を一〇〇としますと、教官当積算校費が一九九〇年、おととしには六〇までおりている。それで、この使い方ですけれども、校費が足らない、科学研究助成金が足らないからほとんどその方に校費を回しておる。理科系では研究設備費の高度化を光熱水料、文科系ではコンピューターの導入で文献調査等に充てておりますから、大変技術、補助の方々の給与等も低く抑えられて、各大学、特に国立大学は大変困っている。ですから、そういうことから考えますと、実質的な研究費というのは一九七〇年の七〇%しか大学の先生は持たないということになる。そういうことを考えますと、私たちは、百年後あるいは西暦二〇〇〇年に実際そのようなことができているだろうか、本当に研究されているだろうか、金が余っているのだろうか、そういうようなことを大変憂えます。大臣、ちょっとその辺の見解を……。
○鳩山国務大臣 今小宮山先生が御指摘された問題点というのは、いわゆる我が国の高等教育の大変重要な課題、あるいは高等教育全体が非常に厳しいクライシスに直面をしていると言ってもよろしいのかと思っております。 その前に、いつも申し上げる数字ですが、昭和五十六年という行財政改革の始まる直前というのでありましょうか、まだシーリング等を厳しくやる前の昭和五十六年に、文部省がいわば人件費以外で物件費として比較的自由に扱うことができたお金が一兆六千億ありました。それが現在は大体一兆円ということでございますので、物価上昇等を考えますと、その間に文部省の使える物件費が半分以下になってしまった。すべての局面でそのことは顕著にあらわれておりまして、一番ひどいのが公立文教で、一時は物価を考えれば三分の一を割り込むぐらいの減額を余儀なくされてきました。そうした中で、高等教育についても当然研究費とかあるいはいろいろな意味での当たり校費とか、そうしたものも極めて厳しい状況に置かれてきておりまして、例えば科研費は懸命に増額をしてまいりましたし、フェローシップについても人数の増を図ってまいりましたけれども、ただ大学、例えば国立大学の施設等を考えましても、その狭隘化とか老朽化というものをどうしても防ぐことができないで今日に至ったわけでございます。したがいまして、そういう一つの危機を打開するために、今回文教委員会でも法律をお願いして、国立学校設置法を改正していただいて、財務センターを設け、特別施設整備資金というような仕組みをつくって、ことしを初年度として二百億で、これは残念ながら最初は財投からの借り入れでございますが、とりあえず二百億円を使って国立大学の施設整備を特別会計内で始めようということにいたしております。 そのような今後長期的な展望を持って努力をしなければならないと思いますが、現在我が国の高等教育が研究費、研究条件等極めて厳しい状況の中に置かれているということは、残念ながら率直に認めざるを得ません。
○小宮山委員 今大臣がおっしゃったように、大変な時代に入っていると思います。建築俊二、三十年だったものが四〇%を占めておりますし、二十年後にはやはり八〇%が老朽化し、狭隘化し、施設を利用できないような事態になります。私も、外国から研究者が来たときに、見せてやりたいけれども、恥ずかしくてちょっと見せることができない、新しいものは見せてあげますけれども。そういうことで、私たち、今応用面は企業に大変依頼して、基礎科学、そういうものについては費用がないものですから大学の先生がほとんどゼロでございます。また大学院の学生を助手のようにただで使っている、そういうようなことが大変大きなネックになっていると思います。 そこで、大臣にお願いするのは、ここに平成二年六月に経済企画庁が出しました「公共投資基本計画」というのがございますけれども、アメリカがSSCの問題で何としても金を出せ。当初イリノイ、オハイオというのが候補地で、その後にカリフォルニア、テキサスが突然出てまいりました。これについては科学技術庁も文部省も、科学研究費は目いっぱいですから、それはもうつけられませんと。裏でいろいろ交渉をして、向こうから来ておりました。私のところにも随分通っていらっしゃって、エネルギー庁の次長が私のところに来ておりましたけれども、これはトップで会談してくれということだったのですが、それも不調に終わって、今裏で細々とやっている状況ですけれども、四百三十兆というのはどういうお金でございましょうか。
○泊政府委員 お答えいたします。 今先生お話ございましたように、御指摘の件については、平成二年六月にいわゆる平成三年度を初年度とした十カ年計画による投資総額四百三十兆円ということで公共投資をやっていこうということが閣議了解されているわけでございます。 ちなみに、文教関係で申し上げますと、この了解の中でも、学校の施設あるいは同じく研究の高度化等のための設備といったようなものがこの対象として含まれているところでございます。したがいまして、この趣旨を踏まえまして、厳しい財政事情のもとではございますけれども、今年度も可能な限りの大学等に対する施設面、設備面に対する配慮を行ってきているところでございます。
○小宮山委員 これは建設国債でもなければ、政府がアメリカから要求されて、ただ単に四百三十兆ということで決めたものであって、それがどこに帰属するかということは明確になっておるのですか。
○泊政府委員 お答えいたします。 閣議了解の中でおおよそ四百二十兆円ということと十カ年間の期間というものが明示をされておりまして、これらの具体化につきましては、各年度の予算編成過程を通じて対応していくということで、具体の内容等について定まっておるという状況にはございません。
○小宮山委員 そうすると、一般会計から四百三十兆を十カ年で出すという意味ではないのですか。出すのですか。
○泊政府委員 政府全体としてこの四百二十兆円をどうこなしていくかということは、不明にして払お答え申し上げられないので、お許しいただきた。いと思いますが、文教について申し上げれば、文部省所管の中で各種の施設費なり大型の設備費等がございます。これらを一般会計予算において措置をし、また国立学校につきましても、御案内のとおり、国立学校特別会計の歳入と申しますと一番大きいのが一般会計からの繰り入れ、それから授業料でありますとか入学検定料でありますとかいわゆる学生納付金、それから附属病院の収入、こういったもので構成されておりますけれども、国立大学の同じような施設面等につきましても、それなりに配慮をいただいているという気はいたしております。
○鳩山国務大臣 私のような非専門家がお答えして間違ってしまうといけないのですが、私の基本的な認識では、四百二十兆円という対米公約というのか国際公約というのか、対米公約という方が近いのであろうかと思いますが、いわゆる公共事業として認識されるもののうち国と地方の境も決められていない。もちろんその中身が何が幾らという、例えば省庁別の境目も決めていない。全部で四百三十兆で十年間ということのみしか決められていないということで、例えば実績等についてどう見るかとか、今後どう考えるかというようなことを衆参の予算委員会等で相当厳しい質問が出ても、政府側はいつもそのような答弁に終始をしておったように記憶いたしておりますから、そのようなものではないかと存じます。
○小宮山委員 そうなってまいりますと、性格がよくわからないものでございますけれども、この「公共投資基本計画」、平成二年六月に経済企画庁が出した書類の中の四番目に、「学校教育条件等の改善・充実を図るため、改築・改造を始めとする学校施設の整備及び教育、研究の高度化等に対応した設備の整備を着実に推進する。また、社会教育施設等についても生涯学習の推進等の観点から整備を図る。」と書いてあります。これはある意味では四百二十兆を頭の中に描いて書いたものであろうと思います。そうなってまいりますと、私は、学校施設は建設国債の中に入れられないと文部省は言うけれども、入れて、大幅に考えてもいいのだろう、財政法第四条の附則で見ることができないだろうか、その点について会計課長からお答え願います。
○泊政府委員 建設公債の発行対象経費につきましては、先生御案内のとおり、財政法でいわゆる公共事業費あるいは出資金あるいは貸付金ということで定められて、各年度のそれらの対象限度額等については、御案内のとおり予算総則で定められている、こういう仕組みに相なっております。 それで、文部省の国立学校特別会計関係で申し上げますと、先ほど申し上げましたように、国立学校特別会計の歳入の構成が一般会計からの繰り入れあるいは授業料等の学生納付金とかあるいは附属病院収入等でもって充てられておりますけれども、この一般会計からの繰り入れ等におきまして、御案内のとおり、国立学校におき。ましても、施設費あるいは船舶建造費というものにつきましては、予算総則におきまして公債発行の対象経費ということで取り扱われているわけでございます。 なお、国立学校特別会計自体において独自の公債といいますか、というものを発行することはどうかということはございますが、これにつきましては、御案内のとおり、国立学校特別会計がいわゆる独立採算制をとる事業特別会計というものと異なりまして、いわば国立学校の教育研究水準の維持向上を図るということで区分して経理をするということが主眼でございます。そういったこともございますので、この点につきましては、相当慎重な検討を要するのではないかというふうに考えております。
○小宮山委員 私は、文部行政、教育行政の中で一番おくれている施設またファンダメンタルなスタディーをするグループがもっと研究費を与えられて、施設がしっかりしたところで、その補助員も給与が出るような形にしませんと、欧米から大変非難を受けている、そういうことから考えますと、今会計課長がいろいろなことをおっしゃいましたけれども、拡大解釈して、ある一定期間、二〇〇〇年までは建設国債で賄えるような物の考え方をつくるべきだ。それは大変経済に与える影響であり、科学技術の基本に関する大きな影響でもあります。 十数年前に私が科学技術基本法を出したときに、学術会議で三度否決されました。GNPの一〇%を出せ、自衛隊のような言い方なんですけれども、それは人文科学の中で心理学あるいは法律も科学が使えるんだから、そういうふうにしなさい、これは共産党の学術会議の方々が強力に反対して、とうとうつぶれたといういきさつがございます。私は、今の形ではなかなか、先進国と言いながら研究環境は年々非常に劣悪になる、そのように感じております。私は、私たちが一番重要なのは建設国債の第四条の附則をどう解釈するかだけのことであって、これを乗り越えればできるはずだと思うけれども、大臣、どうでしょうか。
○泊政府委員 先ほど申し上げましたように、国立学校の施設費それから船舶建造費につきましては、現在でも公債対象経費として扱われておりますので、一般的に建設公債が発行されるとすれば、一般会計からの繰り入れという形で対象に充てられるということは、現在もとられている仕組みでございます。 いずれにいたしましても、これらの予算上の制約からなかなか整備がスムーズに進まないということが先生からの御指摘ではなかろうかと思っているわけです。この点につきましては、いろいろな苦しい事情のもとではございますけれども、私どもなりにいろいろな形の工夫も試みながら、今後ともその確保には十分努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○小宮山委員 特に基礎科学の勉強については、金も相当要りますし、すぐ成果は出ませんけれども、新しい応用科学に結びつけられる、将来日本が科学立国としての確立をしなければいけない。諸外国あるいは日本の国民の中でも、日本は科学が世界一だなどとうぬぼれたところがございますけれども、それはそうではなくて、半導体部分のみが少しずば抜けているだけの話でもございますから、やはり施設をしっかりさせておく必要があるし、また人的資源をもう少し吸収する。例えば第二次世界大戦が終わったときにドイツから相当量ドイツ人をアメリカが吸収した。現在もソ連の人材をドイツに吸収している。では日本はどうかというと、客員教授にしたという方がいるけれども、それは数は大したことはないのです。では、スウェーデンからいらっしゃいといって、スウェーデンから理化学研究所で研究させようと思っても、奥さんのコストがない。それは大変問題であるし、施設、研究環境というものを整えなければ、日本は世界の中の科学分野では孤立する可能性がある。日本へ行きたいと手を挙げる人がいない。確かにロボット、半導体は生産部面では大変大きな力を見せましたけれども、実際の問題については大変お寂しい限りでもございます。ぜひその辺のところも、外国の科学者を受け入れられるような体制は、今のような方法しかないだろう。金を急速に入れて、私たちがこの十年以内に四百二十兆の一部でも使えれば、各大学の状況が大変よくなることは事実である、そのようなことを考えますので質問したので、大臣、ちょっと御所見などを言っていただければありがたいと思います。
○鳩山国務大臣 四百三十兆円の件につきまして、ふだんから私よく、国会の御答弁では余り申したことはありませんが、演説などをいたしますときには、人づくりなくして国づくりなしでありますと、人をつくらずして何をつくるのでありましょうかと。そうしますと、あくまでもこの三十七万平方キロの上で朝起きて飯食って一日頑張る、そういう日本人が主役であるとするならば、その日本人がおかしくなってしまったら、あるいは世界からばかにされたらどうにもならないわけで、人をつくるということがいわば最大の公共投資ではないでしょうかと。例えば四百三十兆円という対米公約があるけれども、そうしたものがきちんと教育や人づくりに生かされるということでなければ、教育が最大の公共投資であるというその意味合いが実現されないのでございます。そういうようなことはよく申し上げているわけで、今の小宮山先生の御質問を聞いておりまして、基本的な趣旨は同じではないだろうか。したがって、その四百三十兆円のお金がもっともっときちんと教育に使えるようにしなければならない。また、そういうような仕組みをつくらなければ、我が国の高等教育は諸外国から尊敬されるものにならないというふうな御趣旨と考えまして、全く同感でございます。 ことしは特別施設整備事業というのを始めましたけれども、それだけで高等教育や科学技術の問題が解決するわけではありませんし、自民党でも、中村喜四郎先生を座長として、いわゆる科学技術関係の予算を五年間で倍増せしめようという大変ありがたい御提案でしょうか御提言でしょうか、そうした動きもございますし、また科学技術会議の答申に基づいて科学技術政策大綱を閣議決定いたしておりますが、その中にも、もちろん何年間という区切りはありませんが、科学技術予算は倍増の方向に向かうべきだというふうに打ち出されておりますから、そういう意味では、小宮山先生がおっしゃったような科学技術に対する立派な環境をつくるためには、私どもはあらゆる努力を惜しんではならないと思います。 なお、本年の一月に、若干の時間をいただいて、オーストラリアとシンガポールでいろいろ向こうの関係大臣等と会って帰ってまいりましたけれども、オーストラリアにいたしましてもシンガポールにいたしましても、いわゆる発展途上の国々ではありませんで、しかもヨーロッパやアメリカと極めて緊密な関係にある。そういう国々では、どうもこの留学生の問題について言うと、我が国自体は二十一世紀初頭、留学生十万人受け入れ計画を着々と進行、推進中ではあるのですが、そうしたヨーロッパやアメリカと親しい国々は、アメリカやヨーロッパの方が研究条件がはるかにいいのではないかと、残念ながらそういう実態にあることを知っておりますから、結局第一級の人たちはそちらへ行ってしまう。二線級とか、そういう言い方をしてはいけないかもしれませんが、今野球で言うと、三番、四番、五番バッターはなかなか日本に来てくれないという状況があろうかと思うわけであります。そうなってまいりますと、当然、今のロシアの問題等もありますが、世界の最高水準にあるような科学者の皆さん方が、例えばロシア問題に見られるような状況の中で日本に来ていただけるかというと、その点はますます厳しいということになりまして、このままでは、なに半導体でちょっとあれしているだけでと先生おっしゃいましたが、事実そういうふうに事態を厳しく認識しなければいけないと思います。
○小宮山委員 ありがとうございました。 それから、海外からの研究者の受け入れ体制がはっきり言ってネズミ小屋であるし、給与も十分ではない。そういう中で、嫌み重言うわけじゃございませんけれども、文部省もう少し、例えば私が数年前に、理化学研究所を中心として大学院大学をつくらぬかと。これは埼玉大学あるいは早稲田大学、東京大学の先生方が来ているんだから、そこのアンダーグラデュエートのできるのを引き抜いて、そしてグラデュエートコースヘ入れて、マスター、ドクター、ポストドクターまで勉強させて、各大学に振り分けて置くべきだという考え方を持っておりましたけれども、やったのは、結局理化学研究所と埼玉大学だけで、今度は筑波学園都市と筑波大学との関係であって、早稲田大学あるいはほかの私立大学、そこには東海大学の先生もいらっしゃいますけれども、やはり私立の学校の優秀な先生方が集められるようなこともひとつ考えておく必要があるのではないだろうか。幾らお願いしても国立と国立との提携であって、それは財政法上の、金を使うがために、そういうことでできないというなら別でございますけれども、大学院生にマスター、ドクター、ポストドクターまでのコースを勉強させるということが、理科系のエリートを育て、その新しい知恵、活力を日本の大きな活力にするという一つの大きな意義がやはりあるのだろうと思います。それについてどなたか、担当局長か課長か答えてください。
○長谷川政府委員 ただいま小宮山先生御指摘の大学院の研究と大学外の研究機関との連携についてでございますけれども、御指摘のとおり、現在、埼玉大学と特殊法人の理化学研究所、それから今度筑波大学と筑波学園都市にあります研究機関との間で連携をとって、大学院の博士課程の学生が出入りしていろいろ研究を進めるというような方式をつくったわけでございます。もちろん私ども、そういったシステムが国立大学だけじゃなくて、私立大学との連携でも、いいシステムができる可能性のあるものについては、今後ともできるだけ進めてまいりたいと思っております。大学にとりましても外部の研究機関にとりましても、双方いろいろな面で刺激し合うということは、科学技術あるいは基礎研究の進展のためには絶対に必要であるというぐあいに認識いたしております。
○小宮山委員 もう一度言っていただきたいのですけれども、私を区別しているわけではないんですな。なぜ入れないのですか。
○長谷川政府委員 先生の御指摘は、私立大学の大学院の学生と国立大学の大学院の学生との交流がない、こういうことでございましょうか。(小宮山委員「いや、大学院大学で理化学研究所では一緒にさせていませんな。早稲田は申し込みをしたけれども、早稲田は全然論争もさせてくれずに埼玉大学だけを入れたということですよ」と呼ぶ)申しわけございません。そういうような御質問だとは思いませんで失礼いたしました。 理化学研究所のそういった件につきましては、大変申しわけありませんが、実情を存じておりません。理化学研究所は科学技術庁の機関でございますので……(小宮山委員「だって、埼玉大学はおたくですよ」と呼ぶ)埼玉大学はもちろん私どものあれでございますが、早稲田大学と理化学研究所との間にそういう話があったということにつきましては、ちょっと存じておりませんので、申しわけございませんが……(小宮山委員「私が提案したんだから全部知っているんですよ」と呼ぶ)どうも、調べましてまた検討いたしたいと思っております。
○小宮山委員 現在の時点で、距離とかあるいは相当離れているからということで、私だ公立だということで大学院大学に入れないというならそれは別です。何人がここに出ていらっしゃいますけれども、私たちは再来年、日米の科学技術会議はテレビでやります。今まで行っていました。そして向こうから来ましたが、アメリカと年一回、毎回テレビで話をするような時代に入ったのです。そういうことから考えますと、今のお話は何としても受け入れがたい。国立大学だけでガードを固めて縦割りをつくるような形にするのがどうも文部省の悪い癖ではないのだろうか。私大学は一歩下に下がっているような言い方をされるときがございますけれども、その辺がないということだけ、またそういうことに今後努力する、私大学と理化学研究所と一緒に研究できるような措置を大臣ぜひお願いしたい。そういう形が本当の勉強のあり方、自由なあり方だと思います。
○鳩山国務大臣 それはもう先生御指摘のとおりだろうと思っております。ただ、理化学研究所の研究員が埼玉大学の大学院のいわば客員教員というような形で埼玉大学の大学院の学生にいろいろと教える、そういう仕組みができておるということについてでありますが、そういう各研究機関や大学との横の連携のようなものがごれからできるだけ盛んにならなくてはいけない、なるべきであると考えております。その一つのはしりとしてこういうような制度ができているわけで、お互いが国立同士なので身分や何かの問題でとりあえず扱いやすいというような側面があったのではないか、これは全く私の推測ですが。これからはもうそういう時代ではないわけですから、私立の大学あるいは大学院とそうした国の研究機関等がきちんと連係プレーがとれるような、そういう制度的な研究を大いに進めていかなければならないだろうと思っております。 今我が国の高等教育を論じる場合に、単に大学の学部を議論すれば、学部だけを見ておりますと、危機的状況がまだまだそれほど大きいように見えないかと思いますが、大学院というものを考えますと、修士、博士を見ますと、日本の高等教育の条件がいかに劣っているかということがよくわかるわけであります。特に、修士までは定員充足率がまあまあなんですが、理科系で博士課程ということになるとばあっといなくなって空席だらけになってしまうというのは、もちろん外国に行く方も多いとは思いますが、当然企業の方が研究条件がはるかにいいということを物語っているわけでありましょうから、これからめ高等教育問題の一番大きな柱は、科学技術問題等を含めて大学院問題であるというふうに私は考えておりますので、そういうような面でも、それこそ国のものと私立のものがきちんと連携できるようにできるだけの努力はしたいと存じます。
○小宮山委員 ありがとうございました。お願いいたします。 ただ、今私大学の大学院学生がマスター、ドクター、ポストドクターに働くことに対しての給与あるいは経費について十分面倒を見られないからおまえさんたちは雇わないよ、そうなりますと、最も優秀な私大学の学生はどこへ行くかというと、資金の余裕がある民間の研究所へ入っている、そこで成長している。そういうことでは、私は民間で悪いとは言いませんけれども、少なくとも国の機関としての優秀さを維持していくには、そういう若さと知恵を入れておく必要があるんではないだろうか。どうもそういう傾向が相当多い。 また、悪い言葉で言うと、東京大学など大変うぬぼれている面があって、UCLAの教授を十六年やられている方が日本へ帰ってきたら助教授になった。あるいはスタンフォードの教授が日本へ帰ってきたら、これも助教授になる。その人たちが言うのは、それほど立派な研究所があるんですかと、大変私は皮肉られ、国家公務員ですからお部屋をいろいろ調べたけれども、その環境状況が非常に悪くて、とうとう奥さんたちを置いて、年三回か四回アメリカヘ帰って生活している。単身赴任の形になっております。それほど条件が悪いんだろうと思う。 やはり、そういう意味での、もう少しテークケア、あるいはそういう立派な先生方、外国でも自立ができる、外国でも立派な教授として認められる方々が日本に来ると、やはり認められないということを考えれば、文部省の今の大学制度というものはもう一回見直す時期に入った。もちろん施設が相当数老朽化していることは事実でございます。そういうようなことも考えて、ぜひ決意のほどなどを聞かしていただければありがたい。
○鳩山国務大臣 施設設備の老朽化ということで、いわば諸先生方の御協力をいただいて、これから研究予算や人づくりの予算をどんどん取って、我が国が科学技術立国として生きていけるように頑張りましょうという点では、先生方や私どもの認識は基本的に一致していると思うし、文部省もその線に乗って大いに努力をしてまいりたいと思っております。 ただ、他面、先ほど私は、学部と大学院ということで考えると、課題は大学院が大きいですよと申し上げましたが、昔から白い巨塔というふうに言われて、その白い巨塔の中では何が行われているか、外にはなかなか見えないというような批判が相当なされてきたのも事実でありまして、国会が政治改革を大いにやってもっともっと国民に開かれなければいけないのと同様に、日本の国立大学ももっと開かれたものにならなければならないという要請もまたあるであろうと思っております。先ほど小宮山先生がお話になられた幾つかの例を聞いてもなるほどそうかなと思う部分がありますし、もちろん相当の国際交流をやるようになってはきておりますけれども、まだまだそんなことがあるのかなと思う部分もあります。したがって、例えば国立大学について一般で語られるのは、一たん教授になってしまえば、後は論文もろくに書かなくたって教授として最後まで通用してしまうんだからな、選挙があるわけじゃないしというのは我々の感覚かもしれませんが、そういうようなことも言われるわけですね。ですから、大学の教授は外部からきちんと評価されるべきである、もちろん内部での評価も教授になった後もされるべきである、任期制を導入すべきであるというようないろんな意見があるし、中には学生に教授の評価をさせるという、アメリカで取り入れられている仕組みとも聞きますし、我が国の私立ても一部そういうような仕組みがあるように聞いておりますが、何か大学というものが、その中で行われていることは外からわからないというようなことがあって、またその一部で、何というんでしょうか、一度いいポストについたら、そういう方はいないことを望みますが、努力しなくたってずっとやっていられるんだからというようなことが世の中の批判の対象になっていることは残念ながら認めざるを得ませんので、そういう点までいずれは議論をしていかなければならないと思っています。
○小宮山委員 ありがとうございました。 私ノーベル賞を出すカロリンスカ・インスティチュートのお世話を長いことしておりますけれども、日本からは三、四百人勉強に行っております。スウェーデンでございます。しかし、向こうからは一人もいらっしゃいません。かつ、日本にそのカロリンスカ・インスティチュート・イン・ジャパンというものをつくりたいということで、サミュエルソンというノーベル賞をもらった方から何度か日本に来ていただいてお話を受けておりますけれども、一向にらちが明かない。これは科学技術庁もだめであるし、金のある通産省に話をしないとできないんだというような話でございますけれども、私はこのようなことは文部省が積極的にやるべき仕事だと思います。この秋にIPUがスウェーデンでございますので、またその話をふり返すことになるのですけれども、大変いいお申し出があっても、我々は逃していく、それはその受け入れ体制が十分でない。例えば外国から来た、スタンフォードも京都大学、フランスのパスツールかな、この研究所もうまくいってない。これは政府がちっとも援助しないということも一つあるのです。日本で学校は育たない、外国の研究所は育たないという話も出てきておるようなことを聞きます。大臣、お若いのですから、ぜひそういうことを将来に向かって閣議の中でもそういう発言をしていただいて、四百三十兆の中でそういう金を出してくれぬかと、そして日本に世界から勉強に来る人ができるような形にしてくれないだろうかということをぜひお願いをしておきます。これは答弁は要りません。 二番目は、私はあなたのお父様と一緒に退職公務員の会長をやっておりますけれども、実を言いますと、退職公務員というのはどのぐらい小中高の先生方が入って出ていくのか、その数字さえ文部省は持っていないのは大変残念である。少なくともそのぐらいの数字を持って、文部省がやめられた人たちの老後の生活についての把握をしておくべきであろう。 国家公務員共済法第一条、国家公務員法は百七条でございますけれども、そこにも、長く勤めていたんで、共済年金の三階部分に職域年金相当部分を加えておりますけれども、現在は厚生年金基金が非常によくなりましたので、それに埋没し始めてまいりました。 そういうようなことから考えましても、その辺のことをどういうふうに助けてやるか。これは文部省に聞いても、全然私たちのところではございません、これは恩給局ですよと。恩給局じゃないのです、実を言いますと。これは大蔵省、自治省等々になるのです。皆様方の下で本当に長く働いた人がそのような老後を不安がって生活していることは大変心配でもございます。そのようなことについて、どなたか担当している方がいらっしゃったらお答えください。
○井上(孝)政府委員 お答えいたします。 まず最初に、先生から、公立学校の教職員につきまして、公立学校共済組合の組合員数あるいは退職年金者実数について掌握していないのではないかというお尋ねがございましたが、平成二年度現在におきます組合員数が百十二万でございまして、それに対して退職年金者数が四十四万でございますので、そういう意味で組合員数に対する退職年金受給者数は約三九%、こういう実情になっているわけでございます。 そこで、例えば年金受給者の将来推計についてもお尋ねがあったかと思うわけでございますが、これは各公的年金制度に共通していることでございますが、例えば公立学校教職員を含む地方公務員につきましては、地方公務員等共済組合法の第百十三条の規定によりまして、少なくとも五年ごとに行われる長期給付に要する費用の再計算の際に行われているところでございまして、先ほど先生もお話がございましたように、公立学校共済組合については、平成二年四月から地方公務員共済組合連合会に加入したことによりまして、地方公務員全体を一つの単位といたしまして、その財政運営が行われることとなりましたことから、公立学校共済組合の年金受給者数についても、地方公務員共済組合連合会における地方公務員全体の年金受給者の将来推計に包含されておりますので、公立学校共済単独の将来推計は行っていないというところでございます。 なお、地方公務員全体の退職年金受給者数の将来推計については自治省の方で行っているところでございますが、それらについても、今後退職年金の受給者数が増加し、成熟度が上がっていくということが推計されているところでございまして、先ほど先生から、公務員についての従来の制度の経緯、あるいは歴史的な経緯等踏まえて十分そういうものに対して公的年金制度の一元化に向けた検討において配慮していくべきであるという御趣旨ではないかと思うわけでございます。 そこで、この共済年金については職域年金の水準の引き上げについてお尋ねがあったわけでございますが、公務員共済年金のいわゆる構成としては、現在三階の構成になっているわけで、先生御案内のとおり、一階部分は国民共通の基礎年金、その上に二階部分として民間サラリーマンと共通の厚生年金相当部分があるわけでございまして、さらにその上に三階部分として共済年金特有の職域年金部分が上乗せされているわけでございます。そこで、公務員共済年金の職域年金部分の水準につきましては、昭和六十年の制度改正の際に、衆議院地方行政委員会等で人事院等の意見も踏まえて見直しに関して検討することの附帯決議がなされていることもございまして、今後公的年金制度の一元化の検討が進められる中で、並行して共済年金の職域年金の水準のあり方についても検討が行われるものというように考えておるところでございます。 そこで、公立学校共済年金を所管する文部省の立場といたしましては、自治省等関係省庁とも十分研究協議して、先生の御心配のような点についても私どもできるだけの努力をしていきたい、このように考えておるところでございます。
○小宮山委員 できるだけ努力というのはどういうことですか。
○井上(孝)政府委員 お答えいたします。 実はこの点につきましては、先般共済年金の今後の一元化問題につきまして、公的年金制度の検討につきまして、去る五月八日の公的年金制度に関する関係閣僚懇談会において有識者による被用者年金制度間調整事業に関する懇談会の開催が決定されたことは既に御案内のとおりでございますが、今後被用者年金制度間の費用負担の調整事業についての見直しの検討が行われるわけでございます。 そういう懇談会の意見等を踏まえて、平成七年を目途とする公的年金制度の一元化の検討が進められていくわけでございますが、公立学校共済組合あるいは私立学校共済組合を文部省として所管しておりますので、それぞれの歴史的経緯等を踏まえて、その検討において関係省庁に対して文部省としての考え方、そういうものについて十分申し述べていきたい、こういうことでございます。
○小宮山委員 ありがとうございました。 今いわゆる共済年金を受けている方が四十四万というのは、これは数字はどこから出てきましたか。
○井上(孝)政府委員 これは公立学校共済組合につきましては、私ども所管しておりますので、現状については十分掌握しているわけでございまして、平成二年度の状況として組合員数が約百十二万人、退職年金者数が約四十四万人という実数は私ども掌握しております。
○小宮山委員 だけれども、文部省は、私は三日にわたって、現時点で働いている方々とそれから厚生年金をいただいている人たちの数字を出してくれと言ったのですが、厚生年金の方は把握していませんと言ってきた。四十四万というのは国家公務員の共済組合の数字が四十四万なんです。だからそれとはちょっと違うのです。だからそれは把握ができてないはずだと思う。私は何人かに聞いたのですから、把握できてないと言うのだから間違いないのだろう。おたくができていると言うのなら、なぜ前に教えないのです。
○井上(孝)政府委員 お答えいたします。 恐らく先生のところに担当者が御説明に行った際に、先生からのお尋ねが年金受給者の将来推計についてのお尋ねだったというように……
○小宮山委員 いやいや、全部同じです。あなたの言ったことは全部そうです。四十四万という数字は言っておりません。
○井上(孝)政府委員 それで、公立学校共済組合についての実情については……
○小宮山委員 長いから、イエスかノーかだけでいいよ、もう私は時間がないもの。
○井上(孝)政府委員 公立学校共済組合の実情は、先ほど私から申し上げましたような数字でございます。
○小宮山委員 それは大体わかっています。私は退職公務員連盟の会長だから、そのぐらいのことはわかります。だから、あなたのところからどのくらいいるのですかと聞いたら、それは出ません、掌握していません。これは何度も御質問申し上げても、おたくたちの役所だけが返答が来ないのです。 例えば、これはここにいらっしゃるお役人の方々、聞いていただきたいのですけれども、国家公務員は共済年金をもらわないわけにはいかないのです、入らなければいけないのです。しかし厚生年金と違うところは、厚生年金基金を入れて、大きな会社は全部政府が支払っているのです。ですから、非常に高い厚生年金基金をもらう人たちが相当いる。しかし共済年金の方はそのようなことができませんので、国家公務員法百七条、共済組合法第一条の、長年国に奉仕したがために、それについての見返りとして出しているだけのことなんです。しかし共済年金はどんな罰則を受けても年金が半減しないのです。厚生年金は半減するのです。例えば私、そういうことはないけれども、選挙運動をしてちょっと違反を起こしたらば、これは年金パーです。半減以下になるかもしれぬ。 そのようなことを考えますと、国家公務員法、昔は師範学校をただで出して、そして月給は安いよ、恩給で将来見ますよという、戦後そうなったから皆さん我慢しておりますけれども、少なくとも国家公務員、特に教職員にあった人たちは地方社会にあってはオピニオンリーダーであり、実質的な仕事をされているのは事実であります。しかし、年金について今厚生省が主体でございますけれども、厚生省が厚生年金の基準を合わしていません。平成七年に一元化する、どういうふうに一元化するというようなことも示しておりません。企業年金はどうするんだ、これも示しておりません。そういうようなことからすると、やはり何ら設計ができないのであって、あなたが言うように、ぺらぺらしゃべられたけれども、実際そのようなことであなたたちのところへ行っても玄関払いのような状況で、私の方が本を書いてちゃんと配っているわけですから、やはりそういうようなことも少し、安い月給で、首席の課長が十一級であって、小中学校の校長は九級ぐらいであります。そういう意味でも、同じ学校を出たとしても、そのような形になるのは大変かわいそうだと思うし、かつ、初任給が高いからというけれども、平成三年は初任給が高いけれども、平成元年は初任給が低いのです、行政職よりも。その辺もそのようなことにならないように、今後とも学校の先生方を十分優遇していただきたい。これは大臣にお願いし、一言お言葉をいただいて私の質問を終わります。
○鳩山国務大臣 私は率直に申し上げて、年金とか健康保険というのは余り得意な分野ではありませんので、正確にお答えできるかどうかはわかりませんが、まずは冒頭先生からのいろいろなお話に関しまして、文部省の対応が必ずしも十分でなかったかなと思う点についてはおわびを申し上げなければならないと思っております。 文部省のお役人さんたちは国家公務員でございますが、恐らく国共済については余り研究や勉強をする機会はほとんどありませんで、恐らく公立学校生済と私学共済という、私どもの仕事の範囲のみ懸命に勉強しているというのが実態ではないかと思っておりまして、年金の一元化というような大目標に向かって、どういう推移をたどっているかも私自身もつまびらかにいたしておりませんから、余り大きなことも申し上げることはできませんが、先生が現在退公連の会長をお務めであられる。また、私の父が大蔵省で三十一年間勤務をいたしまして、それをやめて参議院の全国区に臨んだときに、退職公務員連盟の皆様方はいわば父の最大の支持母体でありましたから、私も何十回と通いましたし、行く先々で退公連の皆様方とお話し合いをいたした経緯がございます。 大体地元の小学校とか中学校の校長先生を経験された立派な名士の方々が老後について今まさに心配しながら、自分自身の老後についてもあるいはこれから校長や教頭になるような方々の老後も心配しながら努力しておられる姿を見まして、やはりおかしいのじゃないか。おかしいというのは単純な、当時私はまだ二十四歳ぐらいでしたが、学校の先生という立派な職業で一生懸命子供を育ててきた方々が、さて退職したら老後が困っちゃうというのでは、本当の先生のなり手がなくなっちゃうじゃないかという単純な疑問を当時感じたことを思い出すわけでありまして、先生が今おっしゃったように、そうした方々が安心して学校教育に専念できるように、私今詳しくありませんので多くを語れませんが、文部省の皆さんと一緒に研究をしてみたいと思っております。
○小宮山委員 ありがとうございました。
○伊藤委員長 御苦労さまでした。
○吉田(正)委員 委員長、審議日程にはなかったのですけれども、今政治改革は全国民の強い要求であるわけです。政治改革の中身はいろいろあると思うのですけれども、国会改革も私は極めて重要な柱だと思うのです。 その国会改革の中でも、委員会の形骸化ということが厳しく批判を各方面から受けているわけです。私はずっと、前の委員会でも何回か指摘をしてまいりましたけれども、委員会の成立は委員の半数以上の出席をもって成立をするのですね。とりわけ与党の責任というものが極めて重いと思うのです。単に法案が提出をされて採決をするときだけ定足数を充足する、定足数に満ちるというふうなことでは、これはまさに委員自身が委員会の任務を放棄したと言わざるを得ないというふうに思っているわけです。 何回か、従前においては委員の出席を求めるということを行ってまいりましたけれども、例えば本日の委員会を見ましても、定数が充足をしておったのは、衆法二法についての趣旨説明のときだけは成立をいたしておりましたけれども、その後においてはほとんど成立をしていたかどうか疑問です。私はずっと、過去毎回の委員会の出席を確認をしてきておりますけれども、野党が半数を割ったことはない。ところが与党が半数を割ることがしばしばである。しかし全体として半数を超えておるときは、私どもはそれはやむを得ないというふうに思っておったのですけれども、きょうは極めて出席が悪いわけです。ほかの委員会も開催をされて、委員がダブっておるというのも一つの理由がもわかりませんけれども、これはもう従前から当然承知の上でのことなんですから、したがって、委員会の成立というものは私は極めて重要だと思うのです。 例えば、ただいまの小宮山先生の極めて傾聴すべき、うんちくのある御意見が述べられておるわけなんですね。これはどの党派ということでなくて、やはり全委員が議員の発言について十分に聞いて、そして文教行政の発展に資するということでなければ私はいけないと思っておるわけです。次の質問者が準備もされておりますからあれですけれども、これはもう与党の方で責任を持って、早急にひとつ定足数を充足するようにやっていただきたい、このことを当初に強く申し上げておきます。 なお、委員長におかれても、これはもう大臣も出席され、委員長の権限に関する問題でもあり、権威というと変ですけれども、権威にも関する問題でありますから、今後の委員会の成立については厳しくひとつ各党に対して申し入れをしていただきたい、このことを強く要望しておきます。
○伊藤委員長 各党の特に理事を通じてお願いを申し上げておきたいと思いますし、改めて理事会でそれぞれの各党の理事を通じまして、先生の御趣旨をしっかりとお伝えしてまいりたいと思っております。ありがとうございました。 沢藤礼次郎君。
○沢藤委員 先ほど輿石委員から提案のありました学校教育法等改正案につきまして趣旨説明があったわけですが、これの質問に入る前に、大臣にお聞きしたいことが二つございます。 一つは、この前の四月二十二日の文教委員会で、オリンピックに関して大臣とかなりやりとりをさせていただきました。そのことに関して、オリンピックに対する指摘として、商業化、アマチュアリズムの喪失あるいは金の力をもっての誘致合戦、メダル至上主義、こういったことを指摘しながら一定の御見解をいただいてきました。大臣のお考えは私がなり理解できたと思っております。 ところが、ちょうど時を同じゅうしまして、イギリスでオリンピックに関する本が発刊された。この本は「五輪の支配者たち」といって、いわばオリンピックの陰のいろいろな、どろどろしたものが載せられているわけであります。ある紹介された記事を見ますと、オリンピックにおけるアマチュアリズムが金と薬物にじゅうりんされている、純真な人々が決して読んではならないような物語が展開されているというふうな指摘があるわけであります。日本でも最近出版されまして、私も今手に入れてここにあるのですが、まだ全部読んでいません。いずれにしても、こういった問題が明らかになった。世界的に明らかに、白日のもとにさらされた。そして、これが日本でも論議されるだろうと思います。 そういう意味で、この前の延長になりますが、大臣、オリンピックのアマチュアリズムというものの観点から、こういった動向がどういう影響を我が国に及ぼすかという心配も込めて、大臣の所見をお聞きしたいと同時に、大臣はこの前のやりとりの最後の部分で、オリンピックの今の流れについては、これを見守り、また我が国のIOCに参加される方々が日本の意見をもっと積極的に表明されてほしいという意味の発言をなさっておるわけです。それを今度のこれに関連させまして、オリンピックのあるべき姿ということについて、JOCを初めとする関係者と真摯にお話し合いをしていただきたいと思うのですが、この件について一言お願いします。
○鳩山国務大臣 結論から申し上げれば、JOCを含めたスポーツ関係者の皆様方、あるいはIOC委員をお務めの方々等とも積極的に意見交換をしてまいりたいと思っております。先生との前回の委員会でのやりとり等を思い起こしてみましても、オリンピックというものにできる限りアマチュアリズムのきちっとした枠をはめておくべきではないかと私は基本的に思っているわけでございます。というかアマチュアとプロというものの関係の変化あるいは定義の変化等もあろうかと思いますけれども、アマチュアということをかなり厳しく考えていきませんと、どこかで何かが崩れていく、そういうおそれがございますので、アマチュアリズムを非常に厳格に解釈をされた先人の言葉等には従来から感銘を覚えているわけであります。 ちょうど、「ザ・ローズ・オブ・ザ・リングズ」ですから、先生おっしゃったように、「オリンピックの支配者」というのかあるいは「オリンピック貴族」というのか、この間、先生からの御指摘だったか、あるいはどういうときの答弁側の指摘だったか忘れましたが、例えばオリンピックを誘致したいというときにIOCの方々がやってみえる、その場合の滞在期間は何日以内でなければならぬとかいうような話があると聞きました。そんなことが決められなければならないというのは、大分いろいろあるのかなと思ったところに先生から御指摘の本の出版の話を聞きました。私も実はまだほとんど読んでおりませんが、ただ、「本書は金メダルをめざす選手たちの話ではない。背広に身を包み、自分たちの意のままにスポーツを操る男たちの、隠された世界の話である。」などということ、「華やかで偽善に満ちた、現代オリンピックとその指導者たちの裏側を探る過程で、私たちの頭に何度も浮かんだのは、新しい服を着て行列する王様の正体を見破ったあの小さな子供のことだった。王様は実は裸だったのである。」などということがかなりセンセーショナルに書いてありますので、読んでみたいと思っておりますが、正直言って、その内容について私がコメントできる立場にはありませんけれども、体育局で先に読んだ者等の話を聞いてみますと、英国のジャーナリスト二人がオリンピックを中心とする国際スポーツ界の現状について、これまでいわばアンタッチャブルというかさわることがなかった、触れられなかった企業サイドの関与やドーピングの実態、サマランチIOC会長やネビオロ国際陸連会長等の人物評等を長年の取材に基づいて記述をした労作であるということは認識をしております。ただ、批判されたIOC会長が著者二名を名誉棄損でスイスのローザンヌの訴訟審理機関に告訴したということも聞いておりますから、そうした審理を見守っていかなければならないのであろうと思います。 ただ、いずれにいたしましても、沢藤先生おっしゃるとおり、こういうことが盛んに話題になること自体がスポーツという純粋なものにとっては大きなマイナスであろうと思っておりますので、そういうことが今後できる限りなくなるように、日本の国は日本の国としてベストを尽くすべきだと思うし、スポーツを所管する大臣としては、我が国のスポーツ指導者あるいはIOC、JOC関係者とはできる限り話し合っていかなければならないと思っております。
○沢藤委員 これは日本のアマチュアスポーツにかかわっている人たち、あるいは子供たちにかかわる問題ですから、どうぞひとつ大臣、真剣に取り組んでいただきたいと思います。 もう一つ大臣にお聞きしたいのは、前回の発言の最後に触れたのですが、特殊学校、特殊教育という呼称はどうにかならないものだろうか。この前も申し上げたのですが、ノーマライゼーションという社会に今きているわけですが、このノーマライゼーションの意味というのは、どのような児童、障害者であっても特別視せず、基本的に普通の人間として接するんだというのがノーマライゼーションの精神であります。したがって、特殊、特殊学校という表現は古くからの表現でありますが、もっと適切な表現があるのじゃないか。社会党内部で話し合っている内容としては、障害児福祉教育とか障害児福祉センターというふうな呼称を今話し合っているのですが、このことについて一言大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○鳩山国務大臣 ノーマライゼーションとインテグレーションの違いが時々私も頭の中で混乱をしてしまうことがあるのですが、私の認識しておりますノーマライゼーションというのは、最終的に、心身に障害を持たれた方々が社会の中にすんなり受け入れられて、普通の方々と全く同じになるように教育していくプロセスをノーマライゼーションと言うのかなというふうに思うことがあるのですが、間違っておれば、また沢藤先生から御指摘をいただきたいと思います。 確かに、特殊教育とか障害児というような言葉が何かもっと別な言葉に代替されるべきではないかということをお聞きすると、ほかにいい言葉があればという気持ちがあります。ただ、特殊教育と私どもが申し上げている場合の特殊というのは、決して特殊な人間ということではなくて、障害の種類、程度に応じて、特殊な、特別の、格別の配慮や愛情を加えて教育するという意味での特殊性をあらわしているというふうには考えておるわけですが、何分熟語でございますから、受け取る方としては、受ける感じとしては、百人、二百人みんながそのことを理解してくれるとは限らないわけでございます。したがって、私どもは特殊教育という用語には必ずしも固執するつもりはないわけでございまして、他に適当な言葉が、国民的な合意を得られるような適当な言葉があればというふうな気持ちを持っております。
○沢藤委員 本題に入ります。 実習助手の身分、待遇にかかわって、提案者はこれを実習教諭、つまり教育者の位置にきちっと位置づけるべきだという精神で提案になっていると思うのです。随分長い間この問題が国会で論議されて、まだ結論を得ていない。いずれ次の国会に向けて結論が出る時期が間もなく来ると思いますけれども、そこの文部省と私どもの把握の違いの基本的なところは、実習助手というのは、実習教育の場で一体どういう立場にあって、どういう役割を果たしているのかということの価値判断の違いがあるような気がいたします。文部省とのやりとりの議事録等も見ましたが、こういうニュアンスが出てきているのですね。いずれも教諭に対してお手伝いをする、準備、後始末等々ですね、そういうニュアンスが強い。私どもは、実習教育の場においては実習助手と教諭はペアである、どっちが欠けても実習教育は成り立たないという実態を踏まえて主張しているのです。実習助手というのは教育の場で一体何になるのか。教育者なのか技術者なのか、ここのところの認識を最初に一言お聞きしたいと思います。
○坂元政府委員 私どもとしましては、実習助手は、高等学校において特に農業、工業等の職業に関する教科あるいは理科、盲・聾学校等における教科に関しまして、教諭の職務を助けて実技指導を行うとともに、実験・実習の準備、後片づけ、必要な器材・器具・薬品・作物・家畜等の維持管理などを行うということで、実験・実習の実施に当たり、重要な役割を果たしておる。言いかえれば、これらの職業学校において教育を行う上に欠くべからざる職員であるというふうに認識をいたしているところでございます。
○沢藤委員 教諭がおります、実習助手がおります、そして最も重要な生徒がいます。助手と生徒はどういう関係になりますか。
○坂元政府委員 学校における子供たち、児童生徒からとりますと、先生ももう私から御説明するまでもなく御承知のとおりでありますが、事務の先生、あるいは栄養職員に対しても栄養を指導する先生というような受け取り方をしているわけでございますので、まして、実験・実習について直接先生とともに指導を行っている実習助手の人に対しては、我々の教育に携わってもらっておる先生、そういう意識であろうかと思います。
○沢藤委員 だんだんと認識が近づいてきたなという感じはするのですがね。 よく、学校教育法の文言そのままに、「高等学校には、前項のほかこ云々とあって、「実習助手を置くことができる。」「実習助手は、実験又は実習について、教諭の職務を助ける。」「助ける。」というところにいろんな解釈が出てくるような気がするのですよ。私は、余り時間がないので、きょうは詳しく言えないのですけれども、よく実験・実習の場合の準備とか後始末が助手の主な仕事だみたいなことをおっしゃる人がいますけれども、これは違うのです。私は理科実験の教師をやっていましたから、助手と一緒に実験に当たってきた。また農業教育の免状を持っていまして、農産加工の実習もやってきましたから、農業学校の実習助手とのペアを組んで生徒指導に当たってきた。この実態は私よく知っているつもりであります。これは両方いなければ成り立たないのです。 例えば、農業実習を例にとりますと、総合実習という単位がございまして、十四単位、その中の六単位は、実は学科と離れて、いわゆる農場に行っていろんなものに接し学ぶということで、例えば教諭がこっちの方で座学をする、あるいは職員としてのいろんな仕事があるときに、常に接触しているのは実習助手なのです。それから宿直当番というのがありますね、泊まって実習に当たる。これの指導はほとんど実習助手なのです。それからこういう例もあるのですね。カリキュラムの上の実習、正規の実習の場合に、出席をとって全体指示をやるところは教諭だけれども、後はもう実習助手と教諭が一体となって実習教育が展開されているという実態があります。それから今度カリキュラムの中に、例えば工業の場合は平成四年から課題研究というのが入りますね、二単位入る。これは原則として生徒一人一人が課題研究をするわけですよ。しかし実際職員が足りないから、結局は教諭と実習助手とが力を合わせて、何個班かに編成して複数の指導をしなければならない。これは試験的に実施している学校に行って見てきたのですけれどもね。それは当然ローテーションを組む場合には、教諭と助手が一体となって組んでいるわけです。またそうしなければ成り立たない。こういうことからしまして、実習助手の職務内容は、明らかにこれは教諭と一体のものとして実習教育が展開されているということを、まだまだ資料はありますけれども、そのことをぜひ御理解を願いたいと思うのです。 さてそこで、法体系の中で実習助手の扱いが一体どうなってきたかということを振り返ってみたいのですが、これは確認をお願いしたいのですけれども、学校教育法がいつも問題になるわけですが、学校教育法が制定されたのは、昭和で言えば二十二年三月三十一日、この時点では実習助手という言葉がありませんでした。技術職員というのが入っていますね、最初から。つまり終戦前から実態として、何といいますか、職人さんみたいな方が実習のお手伝いをする。鋳物をする場合には、鋳型をつくるとか、そういったところで入ってきた技術職員というのが学校教育法の当初から入っていますけれども、実習助手という言葉がないのです。しかし、実態はそうじゃないぞということになったのでしょう。二十三年、一年後の高等学校設置基準には、第十二条「高等学校には、校長、教頭、教諭、事務職員のほか、実習助手及び生徒の養護をつかさどる職員を置かなければならない。」必置の条項として出てきているわけです。 そして、それから約十年たって、産業教育手当、給与の問題が持ち上がってきたときに、昭和三十二年、初めて教育職俸給表の中に実習助手が位置づけられた。教育職の俸給表ですよ、教育職として位置づけられた。そして産業教育手当支給法や、それを受けての政令の中で、かなりはっきりと実習助手についての職務をうたっているわけであります。ちょっと読んでみますと、「実習助手は、実習を伴う科目について教諭の職務を助けて行う次の各号に掲げる職務」云々とありまして、その各号というのは、「一 実習の指導並びにこれに直接必要な準備及び整理」。指導に当たるのですね。指導ということは生徒と接触するということですよ、もちろん準備も整理も入ってきますけれどもね。二番目、「実習の指導計画の作成及び実習成績の評価」。実習助手が指導計画作成に携わる、評価に携わるのだ。実際問題とすれば、実習の評価というのは、常に接している実習助手を除いては評価はできません。私は農業高校におりましたが、実習科目の評価は、特に総合実習等の評価は、七割から八割、あるいは八割から九割方までは実習助手の方の意見、話し合いによって評価が決まっていくのです。こういう実態があるからこそ、この産業教育手当支給法あるいは支給規則の中で、実習助手というのは実習の指導をやるんだよ、指導計画をつくることにも成績の評価にも携わるんだということをうたっているわけですね。 ところが、ずっと来て、学校教育法の改正があって、初めて学校教育法の中に実習助手という言葉があらわれたのがずっと後の昭和四十九年。つまり学校教育法が生まれた昭和二十二年から四十九年まで約二十何年間、三十年近くある。そして初めて実習助手という言葉が学校法の中に出てきた。しかし、実態はどんどん進んでいますから、学教法の一年後の高等学校設置基準に始まって、先ほど申し上げたような経過を経て、十年たって、職務内容が産業教育手当に関して政令できちんと出てきた。それから十六年たって、学校教育法に実習助手という名前が出てきた。私は、学校教育法、随分長い間冬眠してきたなという感じがします。事実を追認もいいところ、四十数年、四十年くらいたっているわけですね。恐らくそこに並んでいる方はお生まれになっていない方が多かったと思う。 そういう学校教育法なり法体系を見た場合に、学教法というのが実習助手に関しては随分冷たいなと思うし、しかし、それにもかかわらず、学教法と学教法の約三十年の間には、実態を認めざるを得ないということがあって、高等学校設置基準が必置として出てくる。そして産業教育手当の内容でもって、実習助手は教育に参加するんだということもはっきり打ち出している。この認識をきちんとしてもらいたい。どうですか。
○坂元政府委員 経緯については、先生が今御指摘になったとおりかと思います。
○沢藤委員 質問が悪かったのかなと反省はしますけれどもね。 当番実習というのがあります。二単位七十時間、これは時間表以外の実習です。それにタッチしている、指導しているのはほとんど例外なく実習助手です。二単位七十時間、こういう実態がある。つまり私が申し上げたいのは、どうもニュアンスとしては、文部省が我々が提起している問題になかなか乗ってこない、応じていただけない基本的な問題として、実習助手というものを学教法の生まれたときの技術職員と混同しているのじゃないかという感じがする。学教法の生まれたときの技術職員は、さっき言ったとおり全く職人的な人が工業高校に入ってきて工場でトンカチやる、あるいは農場に来で全く技能者的な仕事をする、そういうのがあった。しかし、実際教育という場になれば、実習助手という役割が非常に大きくなってきたという事実があるものですから、結局後を追いかけた形で高等学校設置基準でもって実習助手をきちんと必置にした。そして、先ほど申し上げたような職務内容を後から追いかけてきた。これは幾ら多くの言を労しても、この事実は確認していただかなきゃならないのです。 つまり、実習助手は、私が推理しますと、昭和二十二年に学校教育法は実習助手という職名を入れなかった、そして技術職員という名前でスタートした。しかし、今技術職員というのはどういう形で存在していますか。恐らく調理員とか運転手とかあるいはボイラーマンとか、そういった形でしか存在していないでしょう。つまり実習に関する教諭と一体となって指導するという職務は、技術職員じゃないのですよ。やはり高等学校設置基準で一年後に追認した実習助手なんです。くどいようですが、実験の準備をするのが実習助手の役割じゃないです。私は生徒と一緒に準備するのが教育だと思っています。薬品を扱う、一定の濃度の溶液をつくる。昔を思い出しますと、モル濃度、モル・パー・リットルという言葉があった。それをつくるにはこうこうこうする、その準備段階から教育が始まっているのです。後始末だってそうですよ。実験の後始末をしない生徒というのはおかしいと私は思う。つまり実習助手が準備をやって後始末をやって、あとは実験・実習のときにちょいちょいと先生のそばについて、ちょうど手術室のメスを振るう外科医が教諭であって、メス、はいと渡すのが助手だみたいな感じでおられるのじゃないですか。だとすれば、それは訂正していただかなければならない。くどいようですが、どの学校に行って校長先生と話をしても、教諭と実習助手はペアですという答えが返ってきます。念のため申し上げますが、これから触れる問題も含めて、私は三つの県、十の実業高校を回ってきました。その集大成で今質問しているわけです。その実態があるということ、これは重く受けとめていただきたい。 したがって、きょうはここで法案の採決をするわけじゃありませんから、いずれこれからこの委員会で先ほど提案になった学教法の改正案が審議されると思う。それに対応する場合に今申し上げたことを文部省当局の方々はしっかりと理解をして、必要があればもちろん現場へ飛んでいく。調査官制度というのがありますね。出かけていっています。そのときに、ある集会、大会に行って講評したり講話をして帰ってくるのが調査官の本当の仕事じゃないと思う。むしろ第一線の今申し上げたようなことをきちんと見て、感じて、それを文部行政に持ち帰って、大臣、これはこうだよ、局長、実習助手の実態はこうですよというパイプの役割を果たすのが私は調査官の仕事だと思うのですね。そのことも含めて要望しておきますが、局長、今まで申し上げたことについて、これから先に向けてのお考えというものを一言お聞かせ願いたい。実習助手の方の絶望を誘うような御答弁じゃなく、希望を持たせるような御答弁をお願いしたいと思います。
○坂元政府委員 最初に、調査官が県やなんかに出張に行きまして現場を視察して、帰ってきてから必ず簡単な文書で復命をいたしておりまして、決して復命をしていないということじゃございません。実態やなんかについてはいろいろ聞いております。 それから、先ほどの経緯でございますが、戦後急激に新しい六・三・三制度をつくったということで、学校教育法をつくったと岩は恐らく短期間でやったという経緯があろうかと思います。したがって、そのときに実習助手につきまして学校教育法で技術職員という規定、これはその立法当時の事情を私詳細に調べたことでございませんので、ある意味では予測でございますが、技術職員というふうに規定したのは、先ほど先生が例に挙げましたボイラーマンとかなんとかという、いわゆる地方公務員法で言っておる単純労務職員のようなものと同じような意味で、それを頭に描いて技術職員という言葉を使ったのではないのじゃないか、むしろちょっと技術のある、別の言葉として使ったのじゃないかという感じがいたしております。ただ、実際技術職員といっても、現実には学校で実習について先生を助ける、あるいは今先生御指摘になりましたような、場合によっては先生と一体となって実習を指導する、それから実習の評価について、その評価に参画する、そういうようなこともあって、実習助手という言葉を設置基準で使ったんだと思います。そういう意味で、学校教育法の制定当時の技術職員が決して違うことをイメージしていたんじゃないというように私は感じております。 いずれにしましても、実習助手の方々の職種が先ほど来先生が御説明になっておるような、そういう部分も持っておるということは、私ども十分認識しているつもりでございます。
○沢藤委員 まだ二つほど大きな問題を抱えていますので、いずれこれは今申し上げたような考え方、基本でもってこれからの法案審議、我が党が提案した法案審議に当たっていくということを申し上げておきますので、ひとつ実態をじっくり把握していただきながら前向きの法案審議に参加していただきたいと思います。 言うまでもないことですが、実習助手は、教育職俸給表、つまり教育職である。そして、しかるがゆえに教育に直接関係し、教育の職務、教員の職務に準ずる職務を行っているということであるから教育公務員特例法にも準用されているわけでしょう。これはもう動かしがたい事実なわけですよ。お聞きするまでもなく、これは認められておると思いますから、実習助手は単純なる作業のアシスタントではない、教諭とペアになって実習教育を展開する職務を持っているのだということを御確認をお願いしたいと思います。もし反論があるなら出てきて御発言を願いたいと思います。よろしいですか。
○坂元政府委員 教育公務員特例法を準用するかどうかというのは極めて政策的ないろいろな判断があったんだと思いますが、ちなみに寮母についても先生御承知のとおりに準用されているところでございます。ですから、教育公務員特例法が準用されるから直ちに教諭と全く同じだということにはならないと思いますが、実態そのものについては、先ほど申し上げましたとおり、私ども認識をしているつもりでございます。
○沢藤委員 繰り返すようですが、これからの法案審議でぜひ前向きの討論をしてまいりたいと思います。 最後に、この問題一つだけ申し上げておきますが、法律解釈というのはもちろん大事でしょう。実態調査も必要だろう。しかし我々が最も基本として考えなければならないのは、子供たち、生徒たちがどういう見方をし、どういう受けとめ方をしているかということなんです。局長がどう判断するかということよりも、そっちの方が重いのです。 ある例を申し上げますと、新入生が入ってきた。先生と一緒に実習助手が紹介された。これは実習を担当する先生ですよ。そうしたら、しばらくしてから、あれは助手だそうだという格好で、生徒と学校側との間にちょっと意識のずれが生じたという、本当はあってはならないことがあるわけです。ですから、基本資格からいえばこうだとか、法律解釈からすればこうだという論議はあると思います、残されると思います。しかし、大事なのは、それはどのような方角に向かって論議するかといえば、生徒に対してどういうプラスの影響を及ぼすか、子供たちと教諭、助手との間に協力関係、信頼関係がどうすれば醸成されるかという視点でこれから論議していきたいと私は思う。そのことを申し上げて、次の問題に移りたいと思います。 実習助手の待遇、それから免許状を取るための研修、この二つについてです。 待遇改善、頭打ち、そういった問題について、現在何らかの検討あるいは人事院との間の話し合いがなされているかどうか、そのことを一つ。 それから、いわゆる単位認定講習の実施について、これはたくさんして欲しい。勉強したいわけですよ、実習・実験の内容がどんどん新しくなっていきますから。教諭が知らなかったハイテクなどというのが出てきているわけでしょう。当然、実習助手も一緒になって勉強しなければならないのです。そういった研修あるいは認定講習というものをもっと強化してほしい。この二つについてお願いします。
○遠山政府委員 まず、俸給の関係でございますけれども、実習助手につきましては、先生御案内のとおりに、教育職俸給表の(二)が適用されまして、一級に格付されることになっております。一級は、二号俸から四十号俸までとなっているわけでございます。これは、昭和五十九年までは三十四号俸であったわけでございますけれども、文部省におきまして、人事院に対しまして号俸の増設を要望いたしまして、昭和六十年以降、合計六号俸の増設が行われた結果でございます。これによりまして、現在、最高号俸到達年齢は、毎年定期昇給を受けるとした場合に五十五歳、五十六歳となっているわけでございます。俸給表が定年退職時を想定して終身の俸給表として見ました場合には、なお改善の要があると考えておりまして、文部省といたしましては、人事院に対して引き続き号俸の増設を要望してまいりたいと考えております。 それから、実習助手に対する単位認定講習についてでございますけれども、実習助手が、一定の期間良好な成績で勤務して、大学等において所定の単位を修得することによって、農業実習、工業実習など実習にかかわる免許状を取得できることとされているわけでございますが、この単位を修得させるために、都道府県の教育委員会あるいは大学におきまして免許法の認定講習等を実施しているわけでございますが、平成三年度には三十二部県、四大学におきまして百二十科目の講習が開設されているところでございます。順次、この面についての講習の開設も進んでいるところでございまして、こういうものを利用して実習助手の方々の資質向上に役立てていただきたいと考えております。
○沢藤委員 いろいろ改善の努力を積み重ねられてきたことは私どもも承知をしております。努力については敬意を表したいと思います。ただ、今御答弁がありましたように、やはり頭打ちという状況があるわけですから、これはきょう提起しました法案との関連も出てきますから、これから引き続いて論議をしてまいりたいと思います。認定講習等については、強化充実されるように各都道府県教育委員会をぜひ指導していただきたい、このことをお願い申し上げておきます。 次に、実験・実習費についてお尋ねいたします。 あと十分ちょっとしか時間がないので急ぎますが、普通高校における理科実験等ももちろんでありますけれども、実業高校における実験・実習費というのは、いわば教育の命の綱であります。これがないと実験・実習ができない。この場合に、都道府県によって若干違いがあると思いますけれども、農業と水産の教育の実習費を都道府県から各学校に令達をしますね。これを実は一般に収入を伴う実験・実習費と私たちは呼んでいるのです。多分農業と水産が主体だろうと思います。前は工業もありましたね、何割というもの。つまり令達した予算に見合うくらい収入を上げなさいということなんです。もうけるという表現はちょっと乱暴かもしれませんが、一〇〇%収入を上げなさい。今全国で五〇%ぐらいの県が収入を伴う実験・実習費、つまり令達予算一〇〇に対して一〇〇の収入を要求されているという実態が恐らくあると思うのです。たしかあると思います。これは望ましい姿ではないと私は思う。 ある学校に行ったら、農業の近代化ということで直播のもみで直まきの水田をやりたい、米づくりをしたい、しかし膨大な面積でこれをやって、もし失敗したら一〇〇%の還元に応ずることはできないぞ、こわくて手をかけられないと言うのですね。これは極端な例かもしれません。しかし、そういうことがあるのです。それからハイテクはとてもじゃないがすぐ収入を上げるなどという性格のものじゃないですね。しかも、実験費はかなり高くつく。そういったところに一律に、いわゆる収入を伴う実験・実習費という名前の示すとおり、還元率を設定して還元を指導するということについては、文部省は指導をしているのですか。まず、この辺を聞きたい。
○坂元政府委員 一般的な基礎的な経費につきましては、実験・実習費については地方交付税で適正に積算してい。ただきたいということで、若干ずつではありますが、その引き上げを私ども自治省に毎年お願いして今日まで来ているわけでございます。 ただ、それに加えまして、収入を伴う農業とか水産のような場合に、農業とか水産の教育が、そういう実習、種々の体験を通じて実践的な農業経営のあり方を探っていく、習得させることも一つの目的としているわけでございますので、そういう意味で、生産活動によって一定収入を確保することも、これまた一つの教育だろうと考えております。ただ、私どもは、必ず収入を上げるようにし、かつまた、その収入見合いで予算の積算を考えるべきだというような指導は特にいたしておりません。
○沢藤委員 つまり収入を伴う実験・実習費ということで、予算計上額に見合う収入を上げることを指導している事実もなければ通達もないと理解してよろしいですね。
○坂元政府委員 特にございません。
○鳩山国務大臣 今先生のお話を承っておりまして、私はやや変わり者ですが、実は祖父以来、趣味で三十坪ぐらいの家庭菜園を私も今やっておるわけであります。興味がありまして、農業の関係のいろいろな本が出ておりますから、月刊誌のようなものを買ってきて読んでみますと大変な実験、もちろんそれは専門家たちもやっているわけですね。例えばホウレンソウの外側の皮は発芽を阻害するから、これをひんむいてまいた場合どうなるかとか、種まきも、糸に種を全部くっつけておいてからまいてみたらどうかとか、いろいろな実験を相当やっています。もちろんそれは農林省関係で専門の実験もありましょうが、しかし、そういう農業の実習等で、ちょっとしたことで新しい技術が発見・発明されることもあるだろうと思いますと、できるだけ大胆な実験をしなければならないということであれば、先生がおっしゃったように、失敗覚悟で実験させなければ世の中進歩がありませんので、今の先生のお話を私感銘深く聞いて、それなりに初中局長とも話し合ってみたいと思っております。
○沢藤委員 この問題はこれで終わりますが、さっき申し上げましたとおり、やはりそれぞれの学校には校長を中心としてこういう研究をしたい、こういう実験をしたいという課題があるわけですよ。そこの自主性にお任せする。もちろん収入が上がるというのは当然ですから、経済的な観念を植えつけるのも教育ですから、それはあっていいのです。ただし、それは何%何%というふうな形で押しつけるようなことはしないでいただきたい。これは今確認いただきましたので、そのとおり。その中に、実験・実習費の中に農場経営の光熱費も入っているケースが多いわけです。つまり管理運営費として支出すべきものまで収入の伴う実験・実習費として支出して吸収するという例もありますから、この辺ひとつ御注意をお願いしておきたいと思います。 さて、最後の問題ですが、自営者養成制度というのがスタートしました。これは農基法農政がスタートして間もなく、全国三十数校ですか自営者養成制度の学校で全寮制度というのをとりました。問題点が幾つかありますが、もう時間が五分ぐらいしかありませんので大幅にはしょりますけれども、その全寮制度というものが今再検討の時期を迎えているということは私はあると思うのです。これは平成元年度の第二十五回全国自営者養成農業高等学校研究協議会で文部省のある調査官が触れているのですね。やはり二カ年丸々全寮生活あるいは一カ年丸々全寮生活というのはちょっと考える時期に来ているのじゃないかとおっしゃっています。たしかスタートした当初は二年以上でしたよね。それが指導要綱か何かの形で、一年もいいですよという格好で若干後退した。今現場では、それもさらに変形して、男子は四月から十月まで、女子は十一月から二月までというふうに分割してやっているところも出てきているし、学年をばらして、学級ごとに学級担任を中心にして一カ月、二九月という宿泊実習、寮生活に切りかえているところもある。そういう実態に応じた入寮期間、寮の期間というものをひとつ御検討をお願いしたいということが一つ。 それから、当直舎監についてですけれども、寮生活の指導書を見ますと、教育なのですね。もう夜中まで教育なのです。寝て目が覚めるまで教育。したがって、舎監の人たちは学校で一日勤務をして、午後十時まで勤務がある、実態は。十時から朝六時まではお休み、断続勤務、六時からもう既にまた教育が始まっているという実態がありますから、これはひとつ御検討願いたい。当然代替休日とか翌日の勤務時間の配慮というものが必要だ。このこともひとつお答え願いたい。 最後に、女の先生が泊まっている、当直しているということ。これは労働省お見えになっていますか。——いわゆる労働基準法の女子労働基準規則第四条第二号、それについての労働省の御見解をお聞きしたい。そして、今お聞きのとおり、全寮制度というのがある。今どこの学校でも宿直は学校閉鎖ですよね。そういった中で、女の先生にも当直が来ている。一カ月に二ないし三回という例がある、これは第四条第二号の趣旨に合致するだろうかということ、このことをお聞かせ願いたい。
○伊藤委員長 坂元初中局長。
○沢藤委員 いや、私は労働省に聞いているのです。
○伊藤委員長 労働省、尾上婦人政策課長。
○尾上説明員 お答えいたします。 先生御指摘のとおり、女子労働基準規則の第四条の二におきましては、「女子の健康及び福祉に有害でない」として、深夜業が許される業務として、「女子のみを入居させる寄宿舎の管理人の業務」というものが挙げられております。この場合の「女子のみを入居させる寄宿舎」というのは、紡績工場の女子寄宿舎とか女子学生を収容する寄宿舎といった入居者が通常生活をともにする、共同生活を営んでいるというものをいいまして、こういった寄宿舎の管理人の業務は、その性質上深夜に勤務することが当然必要だというものでありますし、社会通念上女子がその任に当たるということが強く求められているという考え方で、深夜業の規制が解除されているというものでございます。 それで、先生のお尋ねの件につきましては、この業務に具体的に該当するかどうかといった事実関係を個々具体的に明らかにしていたしませんと、直ちに労働基準法上問題だということは軽々に判断できないということでございます。
○沢藤委員 引き続いて、ここでいう女子のみを収容する管理人というのは、これは専任でしょう、どうですか。管理を職としている人でしょう。
○尾上説明員 通常はそうでございます。
○沢藤委員 文部省の方、お聞きのとおりです。これはいわゆる労働基準法の女子労働基準規則第四条第二号「女子のみを入居させる宿寄合の管理人の業務」には該当しないのです。そのように指導してください。よろしいですか。
○坂元政府委員 お答えいたします。 ちょっと労基法との関係で、私の記憶では、女子のみの女子寮や何かの宿日直、労基法上断続的な勤務と言っておりますが、それについては専任でなくとも許されるというふうに私は理解をいたしておりますが、この点については検討させていただきます。もちろん、私どもとしましては、労働基準法に反するような実態というのは許されるものでありませんので、ちょっと検討させていただきますが、私の理解とちょっと違うような感じがいたします。 それから、先ほどの御質問に自営者農業学校の……
○沢藤委員 いいです。問題を絞ります。もう時間が来ています。 お聞きしたところは、私はやはり労働省の考えと違うと思いますよ。女子のみの入寮している寄宿舎です。つまり女子学生が一つの寄宿舎に集まっている、そこにそれを本務とする舎監がいていろいろお世話をするという場合と、一日本務として教員の生活をして、そして引き続いて今度は寮に当直するというのは、これは労働省、どんなことを言ったっていわゆる女子に対する第四条第二号の解釈とは違うと思う。私はそう思っていますから。 私は別に答弁を要求してないのですが、どうしてもおっしゃりたいなら、どうぞ。
○伊藤委員長 どうしてもやりますか。——尾上婦人政策課長。
○尾上説明員 申しわけございません。 ただいま私が申し上げましたのは、管理人の業務といいますのは、管理人として専任の者を置くという意味ではなくて、専ら管理の業務を行っている者ということでございます。したがいまして、先生の御指摘の点では十分お答えになってないかもしれませんけれども、専任の管理人として一人別に置くという意味ではございませんので、念のため申し上げておきます。
○沢藤委員 時間が過ぎましたから、これで終わりますが、一言……。 つまり専任ということ、今専任という言葉を使いましたか。——使ったね。つまり、それが職務であるという意味ですね。ということですから、文部省がどう指導しているかわかりませんけれども、現実に女の方が当直して夜中に二回も三回も見回りしているという実例もあるのです。それは労働基準法に照らしては問題がある。県によっては、これは問題だということですぼんと外している県と、先ほど局長おっしゃったような言い方でもってやっている県と両方あるのです。これはやはり整理して、きちんと労働基準法に即するような方向で御指導願いたい。そのことを申し上げて終わります。
○伊藤委員長 御苦労さまでした。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二十分休憩 ————◇————— 午後一時二分開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。中西績介君。
○中西(績)委員 平成四年度の予算審議が終わりまして、これからいよいよ本格的に五年度に向けての概算要求がどうなるかについて質問をさせていただきたいと思います。 まず第一に、概算要求の編成基準を、通常でありますならば七月決定を六月下旬に決定するという意向のようでありますけれども、この点については正式にはどのようになっていますか。 〔委員長退席、木村(義)委員長代理着席〕
○鳩山国務大臣 新聞報道等でことしはいろいろな参議院選挙とかあるいはサミットとかございますから、政治日程というようなことでシーリングが早まるようなことを私も字面では読んでおりますけれども、そのような正式の話は、政府部内では一切お話はございません。したがって、まだシーリングの時期は未確定と考えております。
○中西(績)委員 未確定だというようでありますけれども、いずれにしましても、七月にはどういう条件になろうとも基準決定をいたしまして、八月には概算要求をするということになるわけでありますから、したがって、文部省の概算要求に向けての基本方針が策定をされなければならない時期に来ておるのではないか、こう思うわけです。 私は、三月六日、本委員会で平成四年度予算について討論いたしましたけれども、野崎官房長は、一般会計二・七%増、文部省所管予算が五・二%増、さらに国立学校特別会計五・九%増、これは高い水準を確保できたのではないかという答弁をなさっています。しかし、枠内ではこの水準確保ができたといたしましても、問題になっておりますように、内容的には決して満足できる状況でないということは大臣御自身も認めているところだと思います。言いかえますと、まさに文部省予算、この前も申し上げたのですけれども、破産状況にあるのではないか。したがって、文部省予算を語るときにシーリング枠の問題を抜きにしては考えられなくなってきている。大臣も弊害を認めておるようでありますけれども、編成基準決定に際し、いかに対応していくのか、どこから手がけていくつもりなのか、この点についでお答えください。
○鳩山国務大臣 日本の政治のあるいは行政のシステムというものが、極端に言うと一年じゅう予算を扱っているようなところがありまして、平成四年度の予算が確定して執行に入って、それから半年してからというならわかるのでありますが、財政再建のためにシーリングとか概算要求基準を設ける今のシステムでは、当然夏前から予算についての議論をしなければならないわけで、四年が終わったと同時に五年度予算のことを私どもは考えなければいけないわけでございます。 私が常日ごろ申し上げますことは、もう繰り返しませんが、例えば平成四年度の予算というのを見れば、若干の特別の配慮というものが幾つか見られて、そのためにまあまあの姿をとることはできたわけでございます。というのは、昭和五十七、八年ぐらいにシーリングが極めて厳しくなったときに、文部省予算は人づくりであるからしてやや特別な配慮を加えなければならないというシステムがとられておったならば、物件費が十年間で一兆六千億円から一兆円に減ってしまうというようなことは避けられていたのかもしれない。残念ながら特別の配慮なくずっとやってまいりましたので、現在のような厳しい姿がそこにあり、平成四年度の予算で若干特別な配慮を加えていただいたといたしましても、問題の抜本的な解決はなされておりません。 すなわち平成四年度予算について言えば、きょう一日はまあまあおいしいごちそうも食べることができるかもしれない、しかし、こういうふうな形でやっておったら何日か先には、もちろん年でもいいのですが、米びつが底をついてしまうだろうということを私は申し上げているわけで、どこかでこの特別な配慮をさらに上に進めて特別な枠組みというのか、従来の予算編成の枠組みを突破するというか、打破するというか、どこかでそれをやりませんと、この予算が大変なことになるということを申し続けてまいりまして、今回もいろいろとお願いを各方面にしていかなければならないと考えております。 〔木村(義)委員長代理退席、委員長着席〕
○中西(績)委員 今お話を聞いておりましても、新しいシーリング枠をどのように突破していくのか、あるいは文部省予算、この前も言っておりましたし、今も申されましたけれども、一〇・七二%、一般会計の中に占める文部省人件費。したがって、この約四兆一千五百億が人件費になっておるわけですね。こういう中身であるということは皆が知っておりながら、これが突破できないというのはなぜなのか。ということになってまいりますと、政府自身ではもう手のつけようがないというのが現状ではないかと思っております。 したがって、委員長に私は提案を申し上げたいと思うのです。それは、いろいろ長いこと論議をしてまいりましたけれども、文部省予算はこのままでは、事業費は約二〇%程度しかことしの予算でもないわけでありますから、一兆一千五、六百億しかない、一兆一千七百億近くですか、になると思うのですね。したがって、本委員会でシーリング枠の見直しあるいは文部省予算についてのこうした問題を突破する何らかの決議を上げる必要がもうあるのではないかと私は思っております。この点御検討いただきたいと思いますけれども、委員長の御見解、お伺いしたいと思います。
○伊藤委員長 理事会でよく検討して、この点についてはこれまでもいろいろと御指摘をいただいてきたところでありますので、十分皆さんの御意見を伺って、その趣旨が生かされますように配慮してまいりたいと思います。 いずれにいたしましても、理事会で改めて協議をさしていただきます。
○中西(績)委員 そこで、理事の皆さんがいらっしゃらないということが非常に残念です。たった一人でしょう。——二人ですか。こういう状況ですから、行政府、政府から国会が軽視をされるという状況はこういうところからもあるんじゃないか、これを私大変憂えると同時に残念に思っております。まじめにしても、こうした点がどうしても形骸化してしまっておるというのが今の現状ではないかと思います。この点も先ほどどなたかが、同僚が申し上げておりましたように、委員長も、文教委員会だけは違うというところくらいは示していただきたいと思うのです。 それで、多く論議できませんので、概算要求について二点だけお伺いしたいと思います。 高等教育関係で、国立学校施設の整備充実費は、事業二百億、あるいは財務センターで数十億という、ゼロから新しく今年度は予算をつけておりますけれども、これとあわせて教育研究基盤の充実というものが大変おくれておるというのは、先ほどの小宮山委員の方からも指摘をされておったようであります。研究費、施設費不足は目に余るものがあると思うのですけれども、この概算要求をするに当たって、こうした点を解消すること、これから大変大きな課題になってくると思います。したがって、今、先ほど言うように、ゼロから二百億あるいは四十何億でしたか、さらに高度化推進特別経費が四十億というように、ゼロからそれだけ積み上げたということは評価されましても、これでは到底不足するわけでありますから、今後いかに方針化していくのか、その構想があればお答えいただきたいと思うのです。
○長谷川政府委員 お答え申し上げます。 現在学術審議会におきまして、二十一世紀を展望した学術研究の総合的推進方策ということで、学術審議会の先生方の御意見をまとめていただいておるところでございます。ただいまお話ございましたように、平成四年度には科学研究費の補助金あるいは特別研究員あるいは大学院の充実あるいは施設設備の老朽化対策等々につきまして、それぞれの手当てをやったわけでございますけれども、これが現在当面しております大学の種々の問題をすべて解決するものではないということにつきましては十分認識いたしております。その基礎研究の振興、充実というのは重要な課題ではございます。 それから、政府の方といたしましても、四月に科学技術政策大綱というのをつくっておりまして、「政府の研究開発投資額をできるだけ早期に倍増するように努める。」というような一応の方向を出しておるわけでございます。これからの予算論議の中で、文部省としても学術研究の充実につきましてあらゆる機会を通じて声を大にしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○中西(績)委員 午前中の小宮山委員の発言の中にも何回か出てきたことでありますけれども、私たちもこうした点について五、六年前から指摘をし続けてきたわけです。特にこの前、昨年でしたか申し上げましたように、少なくともこの文部省予算について二兆円程度は不足しておるんじゃないかということを指摘をしたし、さらに高等教育については五、六千億の投入をしないと、これを続けていかないと、ますます後退し続けていくんじゃないかということを指摘をした経験がありますけれども、こうした点、さらに概算要求に向けて我々この委員会も、先ほど御提案申し上げましたように、予算をどうするかという視点から発言をしていくようにお願いを申し上げておりますので、政府側にとりましても、このことは極めて重要ですから、ぜひ十分な検討をしていただいて、いち早く声を出していただくように要請をしておきたいと思っています。 もう一つだけ聞いておきます。それは義務教育諸学校の教職員定数について第五次終了、完成をいたしましたが、その後、本年は自然減一万一千七百名、この前の遠山局長の答弁によりますと三百六十五億、改善措置はわずか千五十四名、三十六億となって、一服休憩というような格好になってしまっています。 そこで、私は来年度へ向けての取り組みを本委員会でもお聞きいたしましたところ、詳細な調査をやっておるようでありますけれども、六月ごろにまとめが成るということのようでありますが、これはどの程度合作業が進んでおられるのか。そして八月の概算要求に向けて、特に、先ほど私申し上げましたように、六月中という報道がなされましたように、予算の要求編成基準がもう示されようかという時期になってまいっておりますだけに、やはり早く方針化する必要があろうと思っておりますけれども、この点についてお答えをいただきたいと思います。 なお、あわせまして、高等学校の第五次の改善につきましても、どのようにお考えになっておられるのか、これもあわせお答えください。
○鳩山国務大臣 中西先生から事前に御注意をいただきましたので、できるだけ短く答弁をいたそうと思いますが、第六次定数改善計画、高等学校の第五次の定数改善計画につきましては、教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議を四月に発足させまして、現在検討中でございまして、私どもの観測では七月中に中間のまとめがなされるというふうに承知をいたしております。 いずれにいたしましても、教職員の定数の問題というのは、丁寧な教育を、そしてまた臨教審が提言しておりますように、個性を伸ばす教育を行うためにもぜひ必要なことだと思っておりますので、四十人学級はもちろん完成をさせていただきましたが、よりゆとりのある定数のもとでより教育力のある先生方によって懇切丁寧な指導がなされることを期待をして計画を考えていかなければならないと思っております。四万八千人の登校拒否とか十二万三千人の高校中退とかという問題もありますし、ことしの二月に石垣島で中学二年生の方が九人の同じ学校の生徒さんに殴り殺されるという事件がありました。実は二、三日前に、そのお父様からお手紙をちょうだいいたしまして、息子の死がむだにならないように、こういうことが二度と起きないように教育行政の場からも考えてもらいたい、病院で手術を終えて瀕死の重傷で寝ている子供の姿を見ながら、これが本当に人間のすることだろうか、これが本当に中学生のすることだろうかと荘然としておりましたなどというくだりを読めば、もう涙なくして読むことのできない手紙でもあったわけでございまして、そういういろいろな問題を考えた場合にも、より教育力のある優秀な先生をより多く配置することができれば、それは教育の向上につながるわけでございますので、新しい計画の策定に向けて努力はしたいと思っております。
○中西(績)委員 高等学校もあわせてもうちょっと。
○遠山政府委員 大きな方向性につきましては、今大臣からのお話にございましたとおりでございます。 教職員定数改善計画にかかわります調査結果といいますか調査の状況はどうかというお尋ねでございますけれども、現在、第五次の改善計画が完成した段階での教職員配置の状況等あるいは今後の児童生徒数の推移とこれに伴う教職員定数の推移等に関する調査について、集約、分析を行っているところでございます。 この内容については、先般申しましたので省略いたしますけれども、これは全学校悉皆の調査になっておりますし、全市町村において作成する部分あるいは全都道府県において作成していただく部分等非常に膨大な作業になってございます。したがいまして、相当の作業量になっておりまして、できるだけ作業を急いでいるところでございますけれども、結果取りまとめは平成四年六月末になる見込みでございます。 一方で、次のステップとの絡みを御心配いただいていると思いますけれども、大臣の方から御答弁ありましたように、教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議で目下鋭意検討をいただいているところでございまして、その際、個に応じた多様な教育を行うための教職員定数はいかにあるべきかという観点から御議論をいただいているところでございます。この会議におきまして、本年七月までに中間の取りまとめを行う予定でございます。 文部省といたしましては、今後の教職員定数のあり方につきましては、この会議のまとめと、さらに今後の児童生徒数の推移とそれに伴います教職員の配置の見込み等について調査分析中の実態調査の結果等を踏まえた上で検討してまいりたいと思っております。したがいまして、これらの作業は予算の要求の日程を意識しながら進めているところでございます。 〔委員長退席、中山(成)委員長代理着席〕
○中西(績)委員 それは高等学校の場合も同様ですか。——ただ、私この前IPUの会議に行きまして、帰りにドイツに寄って四、五日おったのですけれども、そのときにドイツ各州文部大臣連絡会議、三十二名で構成をしておるんだそうですけれども、そこの事務局長がちょうど休みだったのだけれども残ってくれまして、いろいろ話をしたときの一番最後に、日本に留学生あるいは研修生が行きますが、四十人学級というのが何だかわかりませんという言い方をするんですよね。大体まだ四十人学級なんですかということを指摘されましたから、私は文部省がいつも答えるようなことでごまかしてきました。ですから、これはもう本当に恥ずかしくて物が言えなくなるからごまかしたわけですけれども、いずれにしても、この点については三十五人学級に向けて、取りまとめも皆さん方の筆一つで成るんじゃないかと思いますから、ぜひ十分お考えいただきたいと思います。 そこで、次に教職員の採用問題を含みましてお聞きしたいと思うのですけれども、これは山梨県の教員の募集のポスターですよ。「せんせいやーい」と言わんばかりのポスターになっています。「あなたの情熱を子どもたちが待っています!」ということで募集し、こうした子供たちの写真が出ています。なぜこういうポスターまで出さなくてはならぬかということをお考えいただければと思って、きょうそうした問題について質問をしたいと思っています。 教員の採用に対する応募状況が全国的にどのようになっておるのか。私が一番心配するのは、なぜこのようにまでして教員募集をしなければならないのか。この点、優秀な教師が採用できなくなったのか。原因は何なのかということをお考えになったことがありますか。これはどなたからでも結構ですが……。
○遠山政府委員 お答えの前に、現在の教員募集の状況の事実をお話ししておきたいと思いますけれども、確かに最近の公立学校の教員採用選考試験の受験者数は減少傾向にございます。これに伴いまして試験の競争率も低下しているところでございまして、平成三年度教員採用選考試験の競争率は三・七倍でございまして、過去十年間で最も低い数字となっているところでございます。先ほどポスターの点について御指摘ございましたけれども、各教育委員会がすぐれた人材を教員に確保するためにさまざまな取り組みを行っているところでございまして、ポスターであり、あるいはパンフレットであり、いろいろ工夫をして作成配布することによって広報活動をし、できるだけ優秀な人に来てもらいたいという意欲の活動があるわけでございます。そういう段階ではございますけれども、三・七倍の競争率は持っているわけでございます。 ただ、これからどのように推移してまいるかはわからないところでございまして、教員の選考試験に対する受験者の率といいますものは、その時期の社会の動向あるいは経済の動向、他にどういう職があり得るかというようなことが大いに影響もあるわけでございます。殊に理数系の分野についてはそういうこともあるわけでございますが、しかし、教員の職の魅力というものは変わらないわけでございまして、その意味では、文部省としても大いに各都道府県を通じまして優秀な人材を確保するように努力してもらうよういろいろな援助、助言をしてまいりたいと思っているところでございます。
○中西(績)委員 一般的な答弁であったわけでありますけれども、私は二つの点から指摘してみたいと思うのですね。 一つは、賃金それから勤務態様、さらに学校の現場、こうした点を一つの問題として指摘できるのではないかと思います。 特に、賃金は人材確保法が——長々とありますから人材確保法で御勘弁願いますけれども、七四年に策定されまして、策定当時は我々論議をいたしまして、私は反対した一人でありますけれども、三〇%賃金が高くなるよという話だった。ところが、それが二〇%になり一九%になり、だんだん下がってきて、確定がどうなったかというと一〇%。アップ財源を充てたけれども、ベースアップがあったので実質的には九%であったというのが実態ですよ。ところが今人事院は、一般公務員との対比について何%とかいうような優位性を保つという議論は全くありません、してなかったということを強弁いたしておるわけです。 そこで賃金表、七三年、七八年、九一年、昭和でいうと四十八年、五十三年、平成三年というものを取り上げてみますと、一般公務員と対比いたしますと逆転が起こっておると私は思うのですけれども、この点についてどのようにお考えですか心
○鳩山国務大臣 もちろん政府委員から御答弁申し上げますが、そのような現象が起きておりますことは、私も資料等を見て正しく認識をしているつもりでございます。 私の恩師である田中角榮先生の時代に人材確保法というものを提案されて、二割五分とか三割とか給料がいいということで、少しでも優秀な人材を教職にという政策をとったわけであります。それが、定額部分等のことがあったり、あるいは俸給の表の問題があったりして、どんどん縮まるというか、先生がおっしゃったような逆転現象まで起きているということを私も知っておりますが、これが意外と世の中一般に知られておりませんで、学校の先生は給料が二割も三割もいいからというようなことを今でも時々耳にすることがありまして、そういう方には、いや、そういう政策をとってきたけれども、いろいろな関係で差がうんと縮まってしまったんですよということを私から関係の方々に説明をしたことすら何回かあるほどでございます。
○中西(績)委員 当時論議をするときに、ここに同僚の皆さんもおられますけれども、そのことを当初から私たちは指摘したのです。給与改定が何回かされるうちには必ず行政との間における逆転現象が起こってくるということを指摘したのですけれども、この部分について、人事院の方では起こってないとなお強弁いたしていますね。それからさらに教職員には義務教育等教員特別手当があり教員特殊業務手当がある、だから合算するとこれだけ高いんだというようなことをぬけぬけと言っていますよ。公平であるべき人事院にこういうことを言わしむるということになりますと、これは大変なことだと私は思っております。 時間がありませんから細かくは申し上げませんけれども、こうした問題に対してどのようにこれから対応していくつもりなのか、この点についてお答えを願います。
○遠山政府委員 教員の給与改善につきましては、もう御案内のとおりに、人材確保法に基づきまして、昭和四十八年度から昭和五十三年度までに一般職員に比較して優遇されるように計画的に改善をしてまいったところでございます。その後の通常の人事院勧告に基づきます給与改善におきましても、行政職と同じような改定を行っているところであります。人事院に対しましては、初任給の引き上げとともに号俸の増設を図ること、あるいは最高到達給与を引き上げるように毎年要望しているところでございますが、さらにその改善が図られるように努力してまいりたいと思うわけでございます。 一般の公務員と比較した場合に、今どのような状況に教員の場合があるのかというのはなかなか難しい比較でございますけれども、非常に明確でありますことは、一つは、義務教育等教員特別手当が定額であるわけでございまして、この点についての目減り部分の回復、あるいは一般の公務員につきましては、昭和六十年に職務の複雑専門化に伴いまして、新たに職務の級が設けられたこと等に伴いまして、相対的に教員については給与水準が低下しているという状況にあるのは事実でございます。 このようなことを背景にいたしまして、文部省といたしましては、俸給の改善、号俸の増設、さらには義務教育等教員特別手当の改善につきまして人事院に対し要望しているところでございまして、今後とも努力してまいりたいと考えております。
○中西(績)委員 この点は午前中の答弁の中にもございましたけれども、大蔵省あるいは人事院に対するこうした文部省の主体的な問題提起というものが本格的になされていかないと、予算がこういう状況にまで追い込まれておるのと全く同じような状況が出てくる可能性があるわけですから、ぜひ明確に示していただければと思います。この点は要望しておきます。 もう一つ、時間がございませんから答弁は要りませんけれども、勤務の態様が複雑であって、この点についてもやはり整理をしてかかっていく必要があるのではないか。 それともう一つは、学校での管理強化、画一化のために、希望に燃えて就職するけれども、意欲的教育活動ができないために、例えば創造的な発想は排除されたり、新任者などにとりましては最も勉強の機会になる職員会議が上意下達の機関に変わってしまっています。そして職員会議が時たま開かれるとすると、校長の自己の責任回避のための形式的な職員会議になり下がっておるというのが現状ではないかと思います。したがって、発言すらもする気にならないあるいはさせないという状況が出ておるといたしますと、まさに教育現場は完全に死んでしまっておると言いたくなるような状況でありますし、したがって、意欲的な論議ができなくなる。 六十歳の定年制が施行される前までは、私たちの同僚であった者は六十三歳から六十五歳まで教員をし続けたわけですけれども、六十歳定年がしかれてから、近ごろは五十七歳、五十八歳で退職する者が増加しておる、こういう現状を私たちは見落としてはならないと思うのです。それから熱心な人ほど早くやめていくという状況が出てきておる。この点は何なのかということをもう一度文部省行政の中でとらえ返す必要があるのではないか。私が聞くと、必ず文部省は、それは県の教育委員会がというふうに答えると思いますから、きょうはもう聞きません。こういう内容を十分知っていただいて、教員希望者が減少するのでなしに、むしろ増加する傾向をどうすれば私たちが造成できるのか、この点をひとつお考えいただきたいと思います用意見だけになりますけれども、次に入ります。 次は、公立幼稚園の学級編制及び教職員定数の標準に関する法律案について質問を申し上げたいと思います。 ここで委員長に私は見解をお聞きしたいと思うのですけれども、衆議院での提出法案の本委員会における取り扱いについての見解であります。 御存じのように、憲法第四章の「国会」、第四十一条「国会は、国権の最高機関であって、国の唯一の立法機関である。」ところがその構成員が本院の文教委員会に提出した法案をたなざらしにして、行政府提出の法案を優先させ、それが終了すると、審議時間は十分あり過ぎるほどあるにもかかわらず議論させない。あるいは、きょうも最初から出ておりますように、委員会に出席しない、欠席するのが当然視されるような状況というものは、私たちは国会をみずから軽視して、みずから責任放棄していると言わざるを得ないわけであります。私はこのことをこの上ない堕落ではないかと思うわけであります。特に政治改革、国会改革が叫ばれている現状の中で、正常な国会の再構築を図るべきだと私は思うわけでありますけれども、委員長の見解はいかがですか。——委員長はいないんですか。
○中山(成)委員長代理 委員長はただいま外出しておりますので、後でまた申し伝えておきますから。
○中西(績)委員 では、あなたの見解をお聞かせください。
○中山(成)委員長代理 まことにおっしゃるとおりでございまして、今鋭意そういう方向で呼びかけておりますので、しばらくお待ちください。
○中西(績)委員 だから、趣旨説明だけさせてたなざらしにする、あと何時間がまだ審議の期間があるわけですから、これは当然討論をして採決するなりなんなりして、やはり片をつけるべきだと私は思うのですよ。この点はぜひ、委員長今いらっしゃらないから、委員長にお伝えいただきたいと思います。
○中山(成)委員長代理 わかりました。
○中西(績)委員 そこで、本日は提出者との討論ができませんので、提出されておる法案の内容数点について、政府・文部省に考えをただしたいと思います。 この法律案は一九八二年、昭和五十七年に提出され、四月一日以降三回にわたって討論してきたところでございます。そのとき小委員会を設置しようというところまで話が進んでいこうとしておったのですけれども、解散によって、これは一九八三年の解散ですが、その役とぎれてしまったという経緯があります。以前は委員会はそのようにして正常に運営されておったということを私は付言しておきたいと思うのです。 そこで、政府に聞きますが、一八九九年、九十二年も前に幼稚園保育及設備規程が策定されて以来、設置基準が公布されたけれども、それ以降この幼稚園というものが、学教法第一条に「学校とはこ云々とありまして、「及び幼稚園とする。」とありますように、学校としての位置づけが明らかになっているにもかかわらず、ここでの学級編制及び教職員定数の標準に関する法律等が全くっくられずに、今なお設置基準で、あいまいな中で施行されようとしておるわけであります。この点についてどういう意見を持っておられるのか、お答えください。
○坂元政府委員 御承知のとおりに、幼稚園設置基準は国公私立の幼稚園を設置するために必要な最低の基準を示しまして、そして設置者の主体的な水準維持向上の努力を促すという機能と同時に、私どもとしましては、公立幼稚園等に対して施設の補助金あるいは地方交付税の財政措置を改善するということで幼稚園の教育条件の改善に今日まで努めてきたところでございます。恐らくこれはもう先生十分御承知のとおりに、六十二年の臨教審の答申でも幼稚園の学級定員を小さくすることについての提言がございますし、そういうことも踏まえまして、私ども平成二年度から学級定員を三十五人以下に引き下げるという方針を打ち出しまして、関連の施策を講じているところでございます。 なぜ幼稚園には、小中学校はもとより非義務制である高等学校のような標準法がないのかという御質問でございますが、この辺について私どもも必ずしも自信のある答弁ではございませんけれども、御承知の小中学校あるいは高等学校もともに公立学校を対象とした標準法でございます。御承知のとおりに、幼稚園は私立幼稚園に収容されているものが約八割弱、公立が二割強というような状況でございます。したがって、公立学校の方は数としてはむしろ少ないのであるから、地方交付税や何かで努力をしていけばいいのではないか。一方、公立学校とはいうものの、標準法が制定されますと、公立がそうであるから私立もそうすべきだということが当然のこととして父母から要望が出てくることは明らかであるわけでございます。そうなりますと、また父母負担の増加にもつながるというようなこと等もございまして、恐らく幼稚園の標準法は今日までつくってこなかった。公立幼稚園の教育条件の改善につきましては、先ほど申し上げました補助金あるいは地方交付税の財政措置を充実するという方向で今日まで進めてきたのではないか、そういうふうに私は理解をいたしております。 〔中山(成)委員長代理退席、委員長着席〕
○中西(績)委員 今のは答弁になっていないのではないかと私は思うのです。少なくとも私立幼稚園が多いからといって公立幼稚園の、申し上げました設置基準だけでなしに、教職員定数標準を示す法律というのはつくられるべきだと私は思うのです。 そこで、先ほど同僚の吉田委員からも法律案の説明がございましたけれども、その中にも明らかにされておりますように、一九〇〇年、明治三十三年、小学校の学級規模は七十人以下になっています。現状は四十人です。そして一八九九年、明治三十二年に幼稚園の学級規模は四十人以下。これで計算をいたしますと、大体二十二人というのが該当するのではないかと思います。さらに、この中にもありますけれども、一九六一年国際公教育会議等でも二十五人以下ということが指摘されています。 したがって、あらゆる資料あるいはあらゆるこうした論議の今までの過程から見ましても、提出法案は、その意味でも、一学級三歳児の場合には二十人、四歳、五歳児の場合には二十五人というのが正当な数字ではないかと私は思いますけれども、この点はどういう見解をお持ちですか。
○坂元政府委員 御指摘のとおり、公教育会議の勧告でも二十五人というような数字が出ております。 ただ、幼稚園の学級定員について何人が適当であるかというのはいろいろな研究がなされておりまして、必ずしも最適数について定説があるというふうには言えないのではないかというふうな感じがいたしております。 ちなみに日本保育学会、先生は恐らく御承知だと思いますが、日本保育学会クラス規模共同研究委員会というのがございまして、それの報告が昭和六十年に出ております。それでは、例えば四、五歳児について下限二十人、上限三十五人、そういう二十人から三十五人という数字を挙げているところでございます。 いずれにいたしましても、先ほど御説明いたしましたとおりに、現在三十五人学級に向かって、事実上三十五人に引き下げるということで地方交付税の財政措置の改善に努めてい岩ところでございます。私どもとしましては、さらにそれが完成した後にどうするのかということもございましょうが、大体実態として現在公立幼稚園の九五%が三十五人学級になっておりますが、それが完成した後の対応については、第三次幼稚園教育振興計画というのが、現在御承知のとおりに、主として三歳児を引き受けるという方向で幼稚園の振興計画を走らせておりますが、それの進捗状況等を見守りながら検討してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○中西(績)委員 したがって、今言われた二十人から三十五人ということを主張しておったようでありますけれども、いずれにしましても四十人以下、そして今三十五人に向けて努力しておるということでありますけれども、これはどこに行ったって幼稚園児の場合二十人台というのが常識になっておるわけでありますから、この点はもう一度文部省の中におけるそうした論議も改めていただければと思います。 特に問題なのは、幼稚園の設置基準というのがありまして、これの第二章の第三条に「一学級四十人以下を原則とする。」四条には「同じ年齢にある幼児で編制することを原則とする。」第五条の三項には「一人置くことを原則とする。」「原則とする。」とか、あるいは養護教諭、事務職員というのは「置くように努めなければならない。」努力目標ですね。こういうものに基準がなっておるのです。ですから、こうしたあいまいさというのが、どうしても財源だとかいろいろなことを考える、公立ということを考える、その立場からものを追求するわけでありますから、こうしたことを悪用することが非常に多く出てきておるということを私たちは忘れてはならぬと思います。これはもう指摘だけにします。 そこで、昨年三月十五日に幼稚園教育振興計画要項というのが発表されています。この中を見ますと、「計画期間及び目標」の中に、一に平成三年から十三年という、こういう十年間の規定がされています。二の項目に平成十三年当初までに希望するすべての三−五歳児を就園させることを目標とするということになっています。したがって、先ほどちょっと触れておったようでありますけれども、私はこうしたことを考えていくと、昨年の同じ三月十五日に初中局長通知、「幼稚園教育の振興について」というのが出されています。これを見ますと、配慮事項としていろいろなことを挙げられたり、あるいは「一学級の幼児数の引き下げその他教育条件の整備充実について」云々というのがありまして、「三十五人以下とするよう計画的な改善に努めること。」云々というふうに書かれていますが、この点についていつまでに実施するのか、この点を明らかにする必要があるのではないか。そうしないと、私たちが提出をしておるこうした法案とあわせ考えてまいりますと、我々が提出していることを否定はできぬわけですから、否定ができない中でこういうようなあいまいさで絶えずごまかしていくというやり方、そしてしかも、これでいきますと、平成十三年まではこの状況で十年間という経過措置をとるような文章の書き方なんですよ。こうしたことでよろしいかどうか。この点、どうお考えですか。
○坂元政府委員 この振興計画は、先ほど先生御指摘のとおり、十年間を振興計画の計画期間といたしておりまして、これは特に三歳児が中心なんですが、入園希望者のすべての三歳児から五歳児を就園させるということを目標にしておりますが、中心は御承知の三歳児でございます。これはそのことを十年で行うということでございまして、初中局長通知で留意事項で指摘いたしました幼稚園の教育条件の改善の一学級の幼児数を引き下げる、一学級の幼児数についてはできるだけ三十五人以下とするよう計画的に改善を図っていただきたいという部分につきましては、同じような表現で誤解を招くわけですが、十年間というこの振興計画の計画期間とは違いまして、これはできるだけ速やかに三十五人学級にするようそれぞれの市町村で計画的に取り組んでもらいたいということをお願いしたところでございまして、十年間ということではございません。私どもとしましては、できるだけ速やかにこれらの措置が可能になるように、これからもこれに対応できるような地方交付税の財政措置ができるように関係の自治省等にも要望なり折衝をしてまいりたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 そうすると、三歳児を中心にしての指摘のようでありますけれども、三十五人という、これに向けても年限制限なしに早急に実施をすべきだということをこの文章は意味しているというふうに理解してよろしいですか。——わかりました。 それじゃ、この点を早くやって、次の段階どうするか、私たちが今提出をしておる法律について、そうした問題とあわせてどういう接点を求めていくかということをぜひ論議をしていきたいと思っています。 委員長お見えですから、先ほどちょっと申し上げたのですけれども、衆法、我々本委員会で提出をしているこうしたものについて、委員会を設定すれば時間があり余るほどあるのに全く審議をしないというこの委員会のあり方について、私は非常に問題視しているわけですね。したがって、この点につきましても、時間がありませんからよしますけれども、先ほど理事の方に強く指摘をしておるし、私たちの意見に賛同いただいておりますので、理事会等においてぜひこの点についてもあわせ御答弁をいただきたい、こう要請をしておきます。よろしいでしょうか。
○伊藤委員長 承知しました。理事会で十分検討してまいります。
○中西(績)委員 もう時間がありませんから、もう一点、学校教育法等一部改正について、午前中同僚の沢藤委員の方からいろいろ指摘がございました。それに対する初中局長答弁がございましたけれども、私はいろいろ調査はしてあると思うけれども、学校現場の実態を知らない内容を文部省は依然として持ち続けておるということを指摘をしたいと思うのです。 それは私は、学校教育法等の一部を改正する法律案について、文部省の担当者の方になぜ今提出をしてある一部改正について反対をするのか、その問題点について文章化してくれということを申し入れしまして、ここに文章を持ってきています。その一つは「法律案の概要」が三点、それから「問題点」として四点にわたって記述されています。これを見ますと、もう時間がありませんから指摘だけになると思いますけれども、一点目の「実習助手は、教諭の職務を助けて、実験・実習の準備や後片付け、教諭の補助としての実技指導などを行うとともに、必要な機材・器具・薬品・作物・家畜等の維持管理等に当たり、実験・実習の実施において、教育活動上重要な役割を果たしていることから、職制上も必要である。」ということから始まっているわけです。そして二点、三点とあるわけですね。もう読む時間ありません。 そこで、これを見た私の感じなんですけれども、学教法第五十条三項に「実習助手は、実験又は実習について、教諭の職務を助ける。」こうあるわけですね。行政の側からしますと、法律を遵守する責務がありますから、こうした(一)から(四)までの間における、「助けてこということを中心にして文章が書かれています。したがって、この問題点から脱却できないように身を縛っているような感じがしてならないわけであります。 したがって、私はこの点についてぜひお願いでありますけれども、ぜひ討論をしていただいて、そこいらについて深く掘り起こして、もう一度この点について再考していただければというのが私の意見であります。まさにこうした点、現場を余りにも知らな過ぎるし、午前中も沢藤委員、同僚が指摘をいたしたように、多くの問題を抱えておりますので、ぜひこの点の再考をお願いしたいということと、委員長に、ぜひこの点について御論議をいただきたいということを申し上げておきたいと思います。 再考できるかどうか、この点について文部省からの御回答をいただきたいと思います。
○坂元政府委員 私も四十二年に先生御承知のとおりに福岡の教育委員会に出向いたしまして、そのときも高教組との関係で、具体的な勤務条件ということで一番話題になって、私の記憶で交渉回数が多かったのは実習助手部会の諸君との交渉でございました。そういう意味で、私もそれなりに実態なり実情なりは、そのときのことですからもう二十数年前の話ですが、わかっているつもりではございますけれども、学校教育法の規定というのは主たる職務をあそこに規定しているわけでありまして、それで尽きるわけではございません。 先ほど来、午前中の沢藤先生の御指摘のような、成績の評価あるいは実験の指導というものを教員と同じようにやっておるということもわかっているつもりでございますが、その辺の、学校教育法の実習助手に関する職務の規定との兼ね合いでどう解するかというのは、これは検討課題ではあろうかと思いますが、私どもとしましては、現時点では主たる職務をあそこに規定しているというふうに理解しているところでございます。
○中西(績)委員 時間が参りましたので、終わりますけれども、いずれにしても、この学校教育法等一部改正、この法律案、これに賛成をする人たちの意見を私は文部省は聞いたかということを指摘したいと思います。恐らくこれは聞いていないんです。ですから、こうした点も含めまして、これから徹底した討論をしていきたいと思いますので、文部省側におきましても十分御配慮いただきたいと思います。 以上です。終わります。
○鳩山国務大臣 先ほどの沢藤先生の御質問の中で、実習助手の皆様方がどういう仕事をしておられるか、新たに私どもも勉強した部分もありますから、先生方が法律を提案される背景にはそれなりの勤務の実態等がおありだろうと思います。いつでもお話しに来ていただければ、私も承りたいと存じます。
○伊藤委員長 御苦労さまでした。 鍛治清君。
○鍛治委員 私は、公明党を代表いたしまして、児童の権利に関する条約、これは子供と言った方がいいと思いますけれども、一応そういう法案として出ておりますので、児童の権利ということで言わせていただきますが、この児童の権利に関する条約について、さらには学校五日制の問題、それから生涯学習に関連して一つ、もう一つは生と死の教育に関して一つ、この四点についてお尋ねをいたしたいと思っております。大半が児童の権利に関する条約と学校五日制の問題になると思いますが、整理してみましたら質問項目が非常に多くなっておりますので、特に最初に質問申し上げます児童の権利に関する条約等につきましては、私の意見を長々と述べるのはやめまして、簡略に要点を御質問させていただきながら進めさせていただきますので、答弁もひとつよろしくお願い申し上げます。 まず、きょうの質問に関連して、きょうは外務省、それから自治省からも来ていただいておりますが、よろしくお願い申し上げたいと思います。 まず最初に、児童の権利に関する条約につきましてでございますが、この条約につきましては、我が国は、私が申し上げるまでもなく、一九九〇年、平成二年の九月にこの条約の基本的な趣旨を評価して署名を行い、さらに本年三月に本条約の批准案件が国会に提出をされております。私は、これは非常によいことで、早くこれを論議の上批准すべきであろうというふうに思っておりますが、この条約の解釈につきまして、教育に関することが多々いろいろ含まれておるわけでございまして、この解釈について実はさまざまな方々、それから諸団体等からも意見や主張がなされておる。特に、今申し上げた子供に関係の深い教育現場から、条約の趣旨や内容、解釈について、非常に私も各地回っておりまして説明を求められることがございます。そういう意味合いから、私はきょうはこの条約に関して、その趣旨、それから内容等に関して総論的な質問と、それから学校現場にかかわる問題について若干質問を申し上げて、御答弁をしていただきたい、こういうふうに思っておるわけでございます。 まず最初に大臣にお尋ねをいたしますが、この児童の権利に関する条約は、その前文にもございますように、極めて困難な状況にある児童の救済を主眼として、あらゆる国、特に発展途上国の児童の生活状況の改善のための国際協力の重要性ということを認めた上で策定されたものであるということはよく知っているのでございますけれども、我が国のような先進諸国にとって、この件について、その意義をどのように考えていらっしゃるのかお尋ねをいたします。
○鳩山国務大臣 先生御指摘のとおり、この児童の権利条約は、地球上では疾病とか飢餓というような人類生存にとって非常に過酷な条件のもとで毎日大変な数の子供さんが、いわば弱い立場にあるお子さんたちが命を落としていくというようなことに最初の着眼点があって、そうした子供さんたちを救おうという観点からつくられた条約である。そして、もちろん先進国においても、虐待とか麻薬あるいは性の問題とか、そういうような子供に対する虐待行為が現に存している。これは我が国でも決して少ないわけではないわけでありますが、そういうような観点からこの条約がつくられておりますので、国際協力を通じて地球上のすべてのお子さん方が生を継続できるように我が国も努力をする、先進諸国が努力をするということ。また、一種の先進国病なのかもわかりませんが、そういう親による虐待のようなものをみんなでなくしていこうというふうに考えて努力をしていくのが私たちの責務であると思っております。日本国憲法がございます。国際人権規約がございます。ある意味でいうと子供の人権というのは既に保障はされているわけでございますが、より温かい目で子供を見詰めていこうということでございましょう。 ただ、この条約を認める、あるいは加入するということが、いわば今まで子供というものが保護の主体であったものを権利の主体として突如コペルニクス的な転換を図って、保護の主体を権利の主体というふうに突然変えていくたぐいのものでは決してないということもあえて申し添えさせていただきたいと思います。
○鍛治委員 総論的なものを続いて四つ、外務省の方においでいただいていると思いますが、御質問申し上げたいと思います。 最初に、この条約の主な内容、それからまた、国会提出に当たって一部の規定に付した留保や解釈宣言等の趣旨について御説明をお願いいたしたいと思います。 また、外務省の説明書によりますと、批准に当たって国内法の改正や新たな予算措置は必要ないということでありますけれども、この条約と憲法を初めとする国内法との関係、さらには国際人権規約との関係について御説明を願いたいと思います。
○小西説明員 お答え申し上げます。 この児童の権利に関する条約は、条約上の「児童しを「十八歳未満のすべての者」と定義した上で、表現の自由、思想、良心、宗教の自由などいわゆる自由権、教育についての権利、社会保障を受ける権利などのいわゆる社会権等を保障しております。また麻薬、性的搾取及び虐待からの保護、こういったことについても規定しております。また我が国は、この条約第九条の児童の父母からの分離についての規定及び第十条の家族の再統合のための出入国についての規定に関して解釈宣言を行い、また第三十七条同に定めます自由を奪われた児童の成人からの分離についての規定に留保を行う予定でございます。 この条約と憲法、国際人権規約との関係についてでございますけれども、この条約は憲法、また我が国も既に昭和五十四年に締結いたしております国際人権規約と軌を一にするものでございまして、本件条約の各条文の定める権利義務の内容と我が国国内法令との関係につきまして、政府部内で詳細に検討しました結果、条約において規定されております児童の権利の実現のために、我が国は既に立法措置、行政措置を講じておりまして、本件条約によって課される義務の履行を確保するための現行国内法の改正または新しい立法措置は必要ないという結論に達しております。
○鍛治委員 外務省と申し上げたらいいのか国と言ったらいいのかわかりませんが、この条約の各規定の解釈を検討するに当たって、国連での審議状況とか諸外国でのこの条約の解釈はどのように調査をなさったのか、また政府の解釈は諸外国の解釈と同一のものであって、各国の見解や国連での審議の趣旨と矛盾しない、こういうふうに考えておられるのかどうか、この点についてお尋ねをいたします。
○小西説明員 我が国は当初からこの条約の作成作業に参加してきております。条約の草案作成段階における国連での審議状況につきましては、国連人権委員会の作業部会における審議の経過を記録いたしました作業部会報告書等の国連文書を詳細に検討いたしまして、また諸外国におけるこの条約の解釈につきましては(在外公館を通じ、さらには担当官の外国出張により調査したところでございます。 また、諸外国につきましては、歴史的、社会的な事情等が異なっております。それぞれ国の考え方は必ずしも同一視はできない面がございます。また本件条約上の義務を国内においていかに履行するかについては、各締約国の判断にゆだねられている面もございます。 いずれにいたしましても我が国は、この条約の解釈を確定するに当たりましては、これら諸外国の考え方及び国連での審議の経緯等を十分に参考にしておりまして、我が国の解釈は国連での審議の趣旨を踏まえたものとなっております。
○鍛治委員 一部においては、この条約は子供観や子供に対する考え方を根本的に変革するもので、憲法や国際人権規約と軌を一にするものであり、国内法の改正は必要ないとする先ほどの外務省の見解を批判する向きもあるわけでございますが、この件について外務省はどういう見解を持っておられるのか。これは先ほど大臣の答弁の中にもちょっと触れておられましたけれども、外務省はどうお考えなのか、お聞きをいたします。
○小西説明員 先生御指摘のとおり、先ほど大臣からも御答弁があったとおりでございますけれども、私どもは、この条約は我が国が既に昭和五十四年に締結いたしました国際人権規約において定められている権利を児童について広範に規定するとともに、さらに児童の人権の尊重及び確保の観点から必要となる詳細かつ具体的な権利を初めて国際条約として包括的に規定したものとして意義があるというふうに考えております。
○鍛治委員 条約の名称ですが、これは冒頭ちょっと私申し上げましたけれども、「児童」という言葉ではなくて、やはり「子供」という言葉を用いるべきだという意見が非常に強いわけです。我が党でもこの件について関係部局で相当議論をやりましたけれども、この名称については、やはり「子供」という言葉を使うべきではないかという意見が強かったということもございますし、また先日関係者が総理にも陳情に行ったというふうにも聞いておりますけれども、政府が訳文で「子供」ではなくて「児童」という言葉を使った理由、それはでされば「子供」というふうに変えるべきであろうと思いますが、この点についてお尋ねをいたします。
○小西説明員 訳文の訳語の問題でございますけれども、我が国が現在までに締結いたしました条約におきましては、この条約に用いられておりますチャイルドあるいはチルドレンという言葉でございますが、これが親子関係における子という意味に限定される場合には「子」という訳が用いられておりまして、必ずしもかかる観点に着目しないで、低年齢の年少者を一般に指す場合には「児童」という訳語が通例用いられているわけでございます。「子供」と訳した例は見当たりません。また、我が国の法令におきましても、「児童」の定義は必ずしも統一されているわけではございませんけれども、児童福祉法第四条、児童手当法第三条第一項等では、いずれも「児童」を「十八歳に満たない者」として定義しており、これらの諸点を考慮し、本件条約においても「児童」と訳したものでございます。
○鍛治委員 この名称等については総論的な問題の中で、また法案に関係のある委員会で論議になりましたときに我が党の委員からこの件についてはやりとりがあると思いますので、この点はこの辺で置きまして、あと、この条約をめぐりまして、教育関係の問題というものがございます。何点かお伺いをしたいと思います。 先ほどからも若干話が出ておりましたが、子供というのは心の面においても体の面においてもまだ完成されたものではない、発達途上、いわゆる成長発達をしていく途上にあるものであって、これは逆に言えば、また子供の魅力だというところもあるわけでございますけれども、学校や保護者は子供の健全な発達を願ってそれに協力をし、将来立派な社会人として成長してほしいということを望みながらいろいろ関係を保っていっておるわけでございますが、やはり子供に対しては必要な指導をしなければならない、またしつけもしなければならない、場合によっては子供の行動についても若干それを規制するというようなこともあるいは必要ではないかというふうにも私は思います。 当然のことですけれども、子供にも権利を認めるということは大変大切なことでございまして、これを規制するとかいうような考え方は全くございません。ただ、教育の場だとか学校において、子供のために、子供がよりよい人格を形成し、そして成長発達するために、教育上の合理的な理由がある場合は、児童生徒の行動についても若干制約を加える方がいいという場合もあるのではないかなというふうな気が私はいたしております。全く放任してしまって、子供の言うとおり、これを権利と称してそのままにさせるということもいかがかなという危惧も持つわけでございます。 そういう意味において、校則の問題、こういったことは、この児童権利の条約と関連しましていろいろ取りざたされているわけでありますけれども、私は、校則というものは、やはり全くなくすべきものではないだろう、必要なものはある、しかし、確かに時代おくれになったものとか社会的に批判を受けている内容のものというのは現実にあるのも確かでございますから、こういった見直しは、この条約を批准する機会にきちんとやるべきであろうと思いますが、この一番問題になると思われますこの条約で規定する児童の権利と校則との関係、これについて幾つかお尋ねをしたいと思います。 最初に外務省にお尋ねしますけれども、条約が第十二条から十六条に定めているような権利については、我が国では既に児童にも保障されているというような見解があるようでありますが、これについてどういうふうにお考えか。先ほども若干答弁の中でも触れられておったように思いますが、改めてお尋ねをいたします。
○小西説明員 この条約に定められております先生御指摘の十二条から十六条に掲げられております児童に対するもろもろの権利は、我が国の憲法を初めとする現行の国内法制によって保障されているものと考えております。各条につきまして、憲法を初めとする国内法を申し上げてもよろしゅうございますけれども、時間の関係もございますでしょうからあえて申し上げませんが、関係の国内法により保障されております。
○鍛治委員 条約と校則との関係についてさまざまな議論があるのですけれども、これは文部省にお尋ねをいたしますが、この条約を批准することによって校則やその指導運用のあり方について何か影響が出てくるのかというような問題があるわけです。これについてどのようにお考えか、お尋ねします。
○坂元政府委員 先ほど来大臣並びに外務省の審議官からもお答えになっておりますように、この条約と校則との関係で議論になります十二条、十三条、十四条等につきましては、既に日本国憲法、それから国際人権規約の規定によって児童に保障されているものでございます。そういう中におきましても、学校で定める校則が学校の教育目的を達成するために必要な合理的な範囲内であれば、それらの校則によってこれらの日本国憲法あるいは国際人権規約で定められた児童の権利に一定の制限を課するということは、従来から最高裁を初めとして裁判例でも認められているところでございます。したがって、私どもは、基本的にはこの条約が批准されたことによって校則の問題について基本的に考え直さなければいけないということにはならないのではないかと解しております。 ただ、さはさりながら校則というものは児童生徒に実際に守ってもらわなければならないわけでございますので、学校で校則を定める場合には、児童生徒の一人一人の個性を大事にする、一人一人を大切にする教育指導、学校運営を行うという前提で定めるべきものだと思いますし、それからさらに、児童生徒に守ってもらうということを考えれば、校則を定める場合にみずからの問題として児童生徒に議論してもらうというようなことも必要なのではないかということで、既に昭和六十三年かに、私ども校則を定める場合の生徒指導の指導資料の中に、そういう手続として児童生徒の意見を十分徴するようなことが必要なのではないかという指導をしてきているところでございます。 校則に対する基本的な考え方は、先ほど述べたとおりでありますが、校則を制定するに当たりましてのいろいろな手続につきましては、この条約が仮に批准されたらば、改めて一人一人の児童を大事にする、それから児童生徒にみずから参加させるというようなことも学校現場で考えるべきではないかというような指導はしてまいりたいと考えております。
○鍛治委員 外務省にお尋ねをいたします。 二つ一緒にお尋ねをしますが、児童の権利を制限できるのは、第十三条から十五条で、しかも法律によって定められる場合のみであるという見解があるというふうにも聞いておりますけれども、こういう考え方ですと、学校での指導に影響があるのではないかと思います。この件についての外務省の条約の解釈をお尋ねします。それからもう一つは、条約で規定するさまざまな権利の保障と校則などによる学校での児童生徒の権利の規制との関係についての政府の解釈、これは我が国だけではなく諸外国も同様に解釈しているのかどうか、この点も。二点お尋ねをいたします。
○小西説明員 ただいま文部省の方からも御答弁ございましたが、私から重ねてお答え申し上げます。 この条約の第十三条から第十五条は、児童に対しまして表現の自由、宗教の自由等を保障し、かつ、これらに対しては法律によって定められる制限のみ課することができるということを定めております一これは、本件条約が国家と国民一般との関係を念頭に置いたため、このような関係において権利に一定の制限を課すには法律によって定められることを要する旨を規定したものでございます。学校等の特別の目的を持った施設が、その目的を達成するために必要な範囲内で校則を含む内部規則を定め、そのような内部規則によってこの条約に定められております権利に一定の制限を課すことを禁じたものとは解せられないわけでございます。また校則その他の学校の規則につきましては、この条約も第二十八条二におきましてその存在を当然の前提として認めているわけでございます。 また、先生第二の御質問で諸外国がどのような立場をとっているかということでございますが、諸外国におきましても、心身ともに発達途上の段階にある児童の人権に対しましては、学校における教育的観点から一定の合理的範囲内であれば指導を行い得るということで、校則は広く認められているというふうに承知しております。したがいまして、これらの点につきましては、我が国の立場と諸外国の立場は基本的に共通していると申せると思います。
○鍛治委員 現在校則について各学校で見直しの取り組みが行われていると思います。これは文部省もたしか数年ぐらい前から校則の見直しについてはいろいろな通達で出していると思うのですが、その取り組みの状況、進捗状況等をひとつお聞かせをいただきたい。 さらに、この条約をきっかけに今後どのような改善を行っていくお考えなのか。多少先ほど答弁もございましたが、お答えいただきたいと思います。
○坂元政府委員 校則の見直しにつきましては、前々から私ども指導しているところでございますが、つい最近では、兵庫県のある高校で、門を閉めて、先生がその門の間に生徒を挟んで死亡させたという事件がございまして、その事件を契機に、改めてもう一度校則の見直しを促したところでございます。 私どもは、校則が一定のルールで学校運営を秩序を持って行っていくという観点から必要であるという考えを持っておりますが、ただ、本当に校則が教育的効果を持つためには、その内容が児童生徒の実態や時代の進展等を踏まえるとともに、極めて瑣末な事項にまでわたって規制することのないように留意する必要があるかと思います。 また、校則の指導に当たっては、教師がいたずらに規則にとらわれまして、機械的に一方的な指導を行うのではなくて、一人一人の子供の特性に配慮した、人間味のある温かい指導を行うとともに、生徒に内面的な自覚を促し、自主的に守るように指導することが大切であるというようなことから、各高等学校等に指導をいたしまして、こういう観点から見直しをしていただきたいということで指導したわけでございます。 その結果、昭和六十三年から平成四年四月までの校則の見直し状況でございますが、中学校、高等学校含めまして、六〇%未満程度しか見直さなかったというのが中学校二件、高等学校七件。ちょっと細かい数字で恐縮でありますが、六〇%から八〇%見直したというのが中学校十件、高等学校十一件。八〇%以上、一〇〇%を含みまして八〇%以上学校が見直したと」いうのが中学校三十件、高等学校二十六件ということで、平均いたしますと、九割近い、九割前後の中学校、高等学校がこの間校則を見直しておるという実情でございます。 先ほども申し上げましたが、私ども従来から指導しておりますが、この条約が批准されれば、さらに、今申し上げましたような観点から、校則の見直しについて、常時見直すということについて指導を徹底したいというふうに考えております。
○鍛治委員 じゃ、続きまして、第十二条の「意見を表明する権利」の関係で幾つかお尋ねをいたします。 まず外務省にお尋ねをいたしますが、第十二条が設けられたいきさつ、趣旨、規定内容等についてお答えをいただきたいと思います。また、この権租と表現の自由との関係についてもお答えをいただきたいと思います。
○小西説明員 この条約第十二条一につきましては、この条項の原案が、一九七九年のポーランド草案——ポーランドがこの条約の提案国でございましたけれども、ポーランドの草案の中で提案されておりまして、この原案の中では、「自己の意見を形成する能力のある児童が、自己に関する、特に、結婚、職業選択、医療、教育及びレクリエーションについて自己の意見を表現する権利を確保する。」という趣旨が規定されておりました。 また、この条約の第十二条の二でございますが、二につきましては、「分別のつく年齢に達した児童に影響を及ぼすすべての司法上及び行政上の手続において、当該児童が当該手続における独立の当事者として意見を聴取される機会が与えられるものとし、その意見は権限のある当局によって考慮される。」このように規定されておったわけでございます。 このような経緯を考えてみますれば、この条約のまず第十二条の一は、児童がみずからの意見を形成し得るようになれば、児童といえども、だれと結婚するか、どのような職業につくか、どのような学校を選ぶか、その児童個人に関するすべての事項についてみずからの意見を述べることが認められるべきであって、また、そのような事項についての意見は相応に考慮をされるべき、こういう理念を一般的に規定したものと考えております。 また、第十二条の二は、自己に影響を及ぼす事項について意見を表明するという児童の権利を手続的に保障することを目的といたしまして、児童一般に対してということではなく、特に、個々の児童に対しまして直接影響を及ぼす司法上及び行政上の決定または措置に関する手続におきましては、当該児童に対して意見を聴取される機会を与えるように国家に対して義務づけたものというふうに解されるわけでございます。 表現の自由については、この条約の第十三条におきまして一般的に規定されるところではございますけれども、特に十三条一においては、自己の意見を形成する能力のある児童に限定せず、口頭、手書き、印刷、芸術等のあらゆる形態により、また自己の意見に限らず、あらゆる内容の情報や考えを伝える権利が認められております。 他方、この条約の第十二条におきましては、特に第一項は、「自己の意見を形成する能力のある児童がその児童に影響を及ぼすすべての事項について自由に自己の意見を表明する権利」を認めたものでございます。したがいまして、第十二条一の「自己の意見を表明する権利」は、第十三条一で規定されている表現の自由の一つの内容を規定したものと考えております。
○鍛治委員 毎日毎日学校運営や教育指導を学校現場ではやっておられるわけでありますけれども、これについては、児童の実態を無視して行われるというのではなくて、児童の、子供の意見を、それから物の考え方、見方、こういったものがどういうふうにあるのかというふうなことを踏まえて行うのが当然必要だと私は思います。 以前、「内外教育」でしたかに載っておりましたけれども、ある中学で校則について、たしか十八ぐらい項目があった、それをこういう文部省の指導もあったのか、そういう世間の流れの中でやったのかわかりませんけれども、これを子供にもひとつ任せて校則をつくり変えようということで、生徒に任せてその校則をつくらせたということが出ておりました。結果はどうだったかといったら、項目が三十六か何かにふえた、こういう話でありまして、そういうのを見てみますと、私は、やはり生徒も児童も非常にちゃんとした良識は持っておる、団体の活動の中でどうしても最低限必要なものはちゃんと規則として決めなきゃならぬというようなこともわかっているんだなというふうに非常に意を強うしたこともございますけれども、私は、そういう意味で、この第十二条によってどこまで児童の意見を聞いたり、それを考えたりしなければならないか。具体的なことについて、これは文部省にお尋ねしますが、校則との関係でどういうふうにお考えなのか、重ねてお尋ねをいたします。
○坂元政府委員 ただいま外務省の方からお答えしましたとおりでございまして、むしろ十二条の二項の方が私どもの方にストレートに関係する部分がございます。言いかえれば、十二条二項では、一定の行政上の手続について、児童に直接影響するような事柄については、児童が意見を聴取される機会が与えられる旨規定されております。これは、例えば学校で退学処分、停学処分、出席停止等を受ける場合には、当該児童の意見が聴取される機会が与えられなければならない旨の規定であるというふうに私ども解釈いたしております。したがって、個々の児童を直接対象とした行政上の手続ではないカリキュラムの決定、教科書の採択、校則の制定等については、条約上の義務として児童の意見を聞く機会を設けなければならないというものではないというふうに私ども解釈しているところでございます。ただ問題は、校則などというものは児童に自主的に守ってもらうという、そういうことが望ましいわけでございますので、先ほど来私が御説明し、かつまた今先生からも御指摘のような例もあるわけでありますので、児童のそういう自発的な校則作成に参画させるというような、そういう手続を学校内である程度考えるということも必要であろうというふうに考えておるところでございますし、従来からも指導しているところでございます。
○鍛治委員 さらに、十二条によって、退学や停学などの子供たちの権利に重大な影響を及ぼすような手続については、児童に意見聴取の機会を与えるよう法令改正すべきであるというような意見もあるわけでございますが、これについて文部省はどのようにお考えなのか、お伺いをいたします。
○坂元政府委員 十二条一項によります手続を保障するための措置としまして、立法措置をすべきでないかというような意見もございますが、本項は、立法措置だけに限らず学校に対する指導等の行政上の措置も広く認められるという解釈でございます。したがいまして、教育関係の手続に関して新たに法令改正を行う必要がないというふうな結論に達したところでございます。 なお、退学、停学処分につきましては、児童に懲戒処分を行うに際しての教育上必要な配慮をする法令上の規定がございますし、また従来から、その場合には、どういう状況でどういうことでそういう退学なり停学になる行動に出たのかということを十分事情を聞いて、教育的な配慮のもとに処分をすべきであるという指導をしておりますし、また出席停止につきましては、通知によりまして、児童に弁明の機会を設けるということが望ましいという指導を行ってきております。実際上も、大体意見の聴取が今までもこれらの処分が行われる場合には行われてきておりますが、今後条約締結後は、これらの手続において必ずこういう機会を設けるべきであるという指導は行ってまいりたいというふうに考えております。
○鍛治委員 このような条約の趣旨、それからきちんとした解釈については、私は国民にいろんな機会に周知徹底をしていくということが非常に大切だと思います。それで正しく運営されていくということになると思います。 そこで、この件についてまず外務省にお尋ねをしますが、政府としてはどのような方法で国民に周知徹底をしていくお考えか。特に、条約第四十二条では、児童に対する広報も規定されているわけでありますけれども、子供たちに対してはどのような広報の方法を考えているのか、お尋ねをいたします、
○小西説明員 先生の御質問、大変重要な点でございます。政府といたしましては、これまでも定期刊行物、ラジオ・テレビ番組、講演会等を通じて、この条約の意義、内容等について広報に積極的に努めてきたところでございます。 この条約の締結を終了した後にも、条約四十二条に定めております規定に従い、関係各省庁とも十分連絡協議をいたしまして、この条約の意義、内容、趣旨について国民の皆さんに適切な理解を得るための広報活動を積極的に展開したい、このように考えております。 具体的には、当然のことながら官報による広報がございますが、それに加えまして、各種の広報手段を通じまして、この条約の原則及び規定の広報に一層努力してまいりたいと考えております。また文部省の方におかれましても、いろいろなチャネルを通じまして、この条約の内容について広報されるお考えだというふうに承知しております。 私どもといたしましては、児童と申しますか、子供にもわかりやすい方法でこの条約に対して的確な知識と理解が得られますように、当面、小冊子、パンフレット、リーフレット、このようなもの等各種の手段を通じまして、具体的な方策について今後十分検討いたしまして、積極的に広報したいというふうに考えております。
○鍛治委員 学校現場の教員に対しては、文部省はどのような方法で条約の趣旨、内容や政府の解釈を徹底していくのか、お尋ねをいたします。
○坂元政府委員 広報全体としましては、外務省を中心としまして関係各省、政府全体として取り組む課題である、そういう意味で、外務省からいろいろ要請があれば私ども積極的に協力してまいりたいというふうに考えております。 ただ、先ほど来先生からも御質問がございましたとおり、この条約は教育に関連する規定が多々あるものでございますので、文部省独自でも、条約締結の承認についての国会審議等をも踏まえながら検討をし、教育に関連する重要な規定につきましては、私どもとしましては、条約締結後、学校関係者へ通知を発出する、あるいは公報等による広報活動を行うということで、積極的に条約の趣旨、規定の内容、解釈等を学校関係者、教員等に周知徹底してまいりたいというふうに考えております。
○鍛治委員 この関係の質問の最後に大臣にお尋ねをいたしますが、この条約の精神を学校現場に反映していくということは私は非常に大切なことだと思っております。そのことについては、私は、各学校が児童生徒一人一人を大切にした学校運営を行う、また教員が日々児童生徒の個性を生かした温かい教育指導に努めていくことにあるというふうに基本的には思っておりますけれども、この件について大臣の御所見をお伺いをいたします。
○鳩山国務大臣 全く鍛治先生のおっしゃるとおりでございます。先ほどから先生の御質問や政府側の答弁を聞いておりまして、この条約に対する先生のお考えというものがよくわかりましたし、その先生のお考えと私の冒頭申し上げましたこととはぴたり一致するものだと思っております。逆に申し上げれば、この条約を私たちが予定していないような、鍛治先生が考えておられないような解釈の仕方がもし横行するようなことになると、学校の教育現場等に混乱が起きるのではないかという心配を先生もされておられるかもしれませんし、一部の方々はそのことを大変心配されて、この間もある研究会の方々がわざわざ私のところまでお見えになって、この条約の精神は非常によくわかるし、条約が間違っているとは思わないけれども、この条約の条文を盾にして拡大解釈とか拡張解釈をすることによって教育現場にもし混乱が起きるとするならば、こんなばかげたことはないから、国会での批准の承認というものをしばらくおくらせたらどうだろうか、こういう意見を開陳しに見えた方々もおられたほどございますので、私どもといたしましては、先生ただいま御指摘のとおり、徹底した広報や正しい解釈の宣伝等にも努めていかなければならないと存じます。 おっしゃるとおり、子供一人一人を温かい目で見詰めていこうというのがこの条約の趣旨そのものであり、精神そのものでございまして、その条約の趣旨や精神を最も大切にしなければならないと存じます。 なお、先ほど先生が児童の権利条約は子供の権利条約でもいいのではないかとむしろ考えますよとおっしゃいました。私も、実は社会党さんの参議院での御質問等で「子供」という言葉も響きの温かさからして捨てがたいと思いますと。文部省用語では、「児童」というと小学生のみを指すというようなそんな理屈もないわけではありませんし、また一部の方々は、総理官邸までお越しになって、児童の権利条約を子供の権利条約と言い直すべきだというような御意見もおっしゃっておられるようであります。有力な鍛治先生がそういう意見をおっしゃられたことは、外務省ももう一度考えてみたらいかがだろうかと思います。
○鍛治委員 大変温かな御答弁で、どうもありがとうございました。 外務省、ありがとうございました。これで外務省関係は終わります。 それでは次に、引き続きまして、学校五日制についてお尋ねをします。 この問題は、私、過去いろいろな場で発言してまいりましたが、きょうも少し立ち入った中で御質問申し上げたいと思いますが、最初にまずひとつ、再び大臣に御登場いただいて、学校五日制に取り組む文部大臣の決意、これを改めてお聞かせをいただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 なるべく長くならないように注意しますが、学校五日制というのは、地域・家庭二日制であると私どもも申しておりますし、我々よりも先に公明党の皆様方がその言葉を使われたという説もありますが、そうした休みとなる土曜日に子供さんたちにいろいろな経験をしてもらいたい。社会体験、奉仕体験、勤労体験、自然体験、スポーツ体験、いろいろあろうかと思うわけでありまして、そうした中で、子供さんたちが若干の余裕の中から日ごろのストレスを解消し、自分の個性のありかというものを見つけ出し、その個性を伸ばせるようにみずから努力するようになれば、そのお子さんたちの人生は大きく変わるのではないだろうか。逆に申し上げますと、午前中から申し上げておりますような登校拒否とか高校中退とかあるいはさまざまな陰湿ないじめとか、そういうような悲しい現象、場合によっては病理現象、そうしたものから子供さんたちを救い出す一つの有力な手段になりはしないかという大きな期待がございます。みずから好きなことをみずから進んで自主的にやっていく、やりたいことを選択していく、そういう人生を子供さんたちに歩ませたい、それが学校五日制の導入の意義でございます。 よく、時々私も腹を立てることがあるのですが、テレビ、ラジオ等で、全くこの事情を知らない方が学校五日制反対だということを盛んにおっしゃって、そしてその理由として、文部省はけしからぬ、学校の先生を休ませるために学校を五日間にしようとしているというようなことを言って、そうだそうだなどというようなテレビ番組があって、非常に腹立たしく思いまして、それは基本となる事実についての誤認がございますので、そういうことではもちろんなくて、学校の先生方の勤務条件の問題は、これはもちろん学校五日であろうと何であろうと、これはむしろ四十二時間か四十時間とかいうことによって決まっていくことでございますが、案外その辺を取り違えて、文部省が学校の先生方にごまするために、すり寄るために学校五日制を導入しようとしていてけしからぬなどという考え方を時々テレビで耳にして、非常に怒りを禁じ得ないことがございますが、学校五日制はあくまでもお子さんたちの将来を考えてというふうに思っております。
○鍛治委員 この五日制を導入するに当たっていろいろな危惧が言われてきておるわけです。現実に九月には月に一日休む、第二土曜日休むということが実施されるということが決まりまして、いろいろと父母の皆さんの不安、それから一般の教育関係者の不安というものがやはりあるようでございまして、その中で、一つは学力低下への懸念ということが特にいろいろと言われております。この点について文部省では、この子供の学力低下への不安、これに対してどのような学校教育を展開していこうとされているのか、まずお尋ねをいたします。
○坂元政府委員 学力というのを、単に従来から考えられておりますように、知識や技能の量を蓄積するというふうにとらえるのではなくて、むしろこの五日制を導入することを機会に、従来からこういう学力観は言われているわけですが、学校、家庭及び地域社会における学習や生活を通じて、子供がみずから主体的に判断し行動するために必要な資質や能力として身につけるものが学力であるというふうに明確に考える必要があるのではないか。そのためには、各学校において体験的な学習や問題解決的な学習を重視するとともに、基礎的、基本的な内容を子供一人一人確実に身につけるよう個に応じた指導を工夫するなど、指導内容や指導方法の一層の工夫、改善を行うことが肝心なのではないか。同時に、家庭や地域社会をこのような学校教育を発展する場、あるいはそれを補完する場としてとらえて、子供の個性を発揮し、子供が自由な時間を遊び、自然体験、社会体験、生活体験などをすることによって豊かにするということが大切なんじゃないかというふうに考えております。 それともう一つは、こういう方向で私ども父兄の方々あるいは学校の先生方にもいろいろと工夫をしていただきたいとか理解をいただきたいということで現在お願いしてきておりますが、同時に、月一回程度ですと、機械的な話で恐縮でありますが、余り学力水準の低下ということを気にしなくてもいいのではないか。私どもの机の上の計算だけでございますけれども、月二回程度までならば、何とか今の、例えば学習指導要領をこなす上に必要な標準授業時間数、これは学校教育法施行規則で定めておりますが、これをクリアできるだろうというふうに考えておりますが、月三回、四回となりますと、これは学習指導要領をこなすための標準授業時間数については若干改訂をしなければいけなくなるのではないかというような感じもいたしておりますが、いずれにしましても、その種の問題については、今後、総合的な観点から検討をしてまいりたいというふうに考えております。 学力低下の問題については、今言ったような方向で対応を学校も考えていただきたい。家庭も土曜日なり日曜日に社会体験、自然体験をぜひやってもらうように子供を指導していただきたいというふうにお願いをしているところでございます。
○鍛治委員 続いて問題としていろいろ言われておりますのは、塾通いや非行などの問題行動が増加するのではないかというような、国民の皆さんは非常に懸念があるわけでございますが、この点についてはどのように考え、どう対応されるのか、お尋ねをいたします。
○坂元政府委員 確かに、学校が休みになって、要するに家庭教育を余りしないで、すべての今の父母の一般的な傾向として、他者に教育を委託するというような傾向がございますので、土曜日が休みになれば当然のこととして、うちでぶらぶらしていられちゃ困るので、それならば塾にやった方がいいではないかというようなことで塾通いがふえるではないかと危惧する人々がかなりいるということは承知いたしております。 私ども、学校五日制というのは、先ほど申し上げましたような、家庭と地域社会、それから学校が一体となって望ましい人間形成を図る上に子供に自由な時間を与えるという趣旨で設けたものでございますので、この辺のことにつきましては、私どもPTAの団体の方々を集めまして、この趣旨を十分理解していただきたいということもお願いしましたし、先般学習塾の関係団体を文部省に来ていただきまして、学校五日制、言いかえれば学校五日制になったことに伴って休みになった土曜日をターゲットにして塾の宣伝をしないように、学校五日制の趣旨についてこういうことだからということを説明いたしまして、協力方をお願いいたしましたところ、PTAの関係団体も塾の関係者も大体理解をしてくれたというふうに私ども感じております。 ただ、月一回ですからそうですが、月二回になり三回になりということになりますと、これまた事情が変わってくると思いますので、私どもとしましては、この問題につきましては粘り強く、必要に応じてこれ一回だけではなくて、これらの関係団体の人たちとは意見を交換して、学校五日制がねらう成果が上がるように、学校五日制が社会に定着するように、今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○鍛治委員 自治省においでいただいておると思いますので、ちょっと一問だけお尋ねをいたしますが、私の地元でいろいろ学校の校長先生方にお尋ねをして状況を伺いました。そうしたら、やはり非常に心配をして真剣な取り組みをやっていらっしゃるのですが、やはり地域との連携の中で、この五日制というもの、これは土日という問題もかかってまいりますので、そこの関連性も含めて、非常に取り組みをやっておりながらも、非常に心配している向きがある。特に地域、PTAの皆さんとの関係の話し合いというのは、学校でのことですから割と話し合いできやすいのですけれども、そこだけでは対応し切れない部面があるものですから、やはり地域の、私どものところでいいましたら、自治連合会だとか社協とか婦人団体その他いろいろあるのですけれども、そういうところともぜひ話し合いをしたい。だから、呼びかければ確かに応じてはくれるのですけれども、実際問題として地域全体を、校区の中をそういう形で本当にイニシアチブをとっていこうとすると、やはり大変にやりづらいところがあるようです。ですから、どうしても若干引っ込み思案になったり、そういうところを心配しながら、そういう対応をなさっている向きがあるようです。 むしろこの学校五日制というのは、私たちは土日が家庭の日、地域の日というふうにすべきだということで提案をしているわけですけれども、そういう観点に立って、ひとつ自治省を通じて、やはり地方公共団体ですね、これが口を差し挟むという、余り過度にどうこうと言うのはいけませんけれども、やはり地域のそういう自治体の皆さんや社協の皆さんとかいろいろな、そこらあたりが地方自治体とのいい関連の中で、実質的にむしろそちらの方が旗を振って学校五日制の本当の意味での一意義を成功させるという意味での流れをつくっていく必要があるのではないかなということですね。これは私は本当に大切なことだ、こういうふうに思っております。 それからもう一つは、先生は自分の校区の中だけしかどうも考えが及ばなくて、もうそれだけで手いっぱい、学校内とそこでいっぱいだというような思いがありまして、その五日制に対して、土日の考え方を含めて、やはり非常に視野が狭くとらえられておる感覚がどうも感じられてなりませんで、非常に心配なのですね。 そこで、自主性をとうとばなければなりませんから、そこも考えながらやるということになると大変なのですけれども、情報提供の場を、これは従来から我が党も言っているのですけれども、ひとつ地方自治体でしっかり考えるという方向に、自治省、指導していただきたいなという気がするのです。 生涯学習法というのが、略称ですが、一応通りましたけれども、各都道府県を見てみましたら、それを受けて審議会を発足させた、それから生涯学習センター的なものをつくっていくという流れがそんなにまだ強く出てきているという認識は私はいたしておりません。その点も非常に心配なのですね。だから、例えばお天気情報を含めて、いろいろな催し物も含めて、校区外のいろいろな親子連れないしは家族で楽しめるようなところの情報提供とか、またいろいろなことを勉強したいと思うときに、ボランティアの人たちはどういう人がいるかという情報、こういったことを含めて、そういった点まで考えが及ばずに、何か小さいところで非常に一生懸命やっていらっしゃるという気がして、そういう苦労を取っ払うためにも自治省がひとつリードしていただいて、地方自治体中心に大きく動いていくという形をぜひやっていただきたいな、こう思っておるのですが、この点についてお尋ねをいたします。
○遠目塚説明員 お答えいたします。 今回の完全週休二日制の導入に関しましては、学校のみならず、私ども、一般の知事部局等の職員におきましても、住民へのPRというのは非常に大事なことだというふうに考えておりまして、先日地方自治法の一部を改正いただきましたことを受けまして、四月十四日にその旨の通知を出しました。その中でも、基本的には学校については文部省の方で御指導いただくわけではございますけれども、その通知の中に一項目を設けまして、今年の九月から月一回ではございますけれども、学校週五日制がスタートする、実施されるということを注意を喚起する意味でも一項目設けておりまして、地方団体もそのことを受けて、全体としての週休二日制の導入、その中での住民へのPRあるいはいろいろな施設等とのつながり、そういったものを十分考慮して実施していってくれるものというふうに理解をいたしております。
○鍛治委員 時間が参りましたので、あと要望と、一つだけ御質問申し上げて終わりたいと思いますが、五日制についてはまだ時間をとってやらせていただきますけれども、先日山口高校に行ってきました。これは文部省の協力校としてやっているのですが、一日だけの休みじゃなくて、月に二日の休み、そしてさらにあと二日の土曜日も教科の教えは一切なくしてやっちゃうということで取り組んでおられまして、校長先生や関係者にお会いしましたら非常に自信を持っておるということですね。そして、むしろ積極的にこれを受けとめておる。要するに、されているからしょうがない、学力低下を防ぐにはどうしようか、土日どうしようかという受け身の考えではなくて、こうなるんなら、流れが現実ならばもうこれを真っ正面から受けとめて、時間数が減るうが何しようが、この中で四日休みになっても学力が低下しないようなことを先生方が協力して全部やってみせる、こういう決意で取り組んで、そこまでいくまでが大変だったようですが、その決意ができてからは学校で校長先生中心に先生方の意向がまとまって、そして、それがいい形で教育内容とか、それからいろいろな教え方の内容、教え方等についても非常に真剣な討議が始まる、内容の深い議論ができてきました。もう三年、四年やられたのですか、その結果、そういう表現でいいのかどうかわかりませんけれども、学力が落ちてないという一つの評価として、学校側で喜び、父母も喜んでおったのは、国公立大学に入学する数がそれをやる前よりはふえちゃったというのですね。平成四年は二百十六人が通ったというわけですよ。これは過去、それをやる前は、平成一年のときには百六十八名ぐらいの入学数であった、それがふえた、非常に喜んでおられる。入学したことがいいか悪いかということもありましょうが、一つの結果的な結論として喜んでいらっしゃるわけですね。それで、昨年山口高校の評判を聞きつけて見学をしにきた数が二百十六人だった。ちょっとおもしろい数字になったということで感慨深く校長が言っておられましたけれども、前向きに飛び込んで、教員の皆さんが本当にこれで学力も落とさぬぞ、子供も変なことにはさせないぞという意欲に燃えてやられると、父母が動き、地域が動き、非常にいい結果が出ておる。 ですから、意識調査があり、もう時間がないから申し上げられませんけれども、むしろ四日間休みという形を実質的にやってよかったという父母の人たちが毎年毎年ふえてきて、もう五〇%を軽く超しちゃった。そして、まあまあよかったという人を合わせると八二%になったというような実績があるわけですね。しかも、過去、平成二年、三年、四年というデータ、父母の人たちの意識調査をしましたら、塾通いの人が当初一五%ぐらいになっておったのが、平成三年の十二月のときには九%に減っておるというふうな事実もあるようであります。そういう意味で、受け身ではなくて積極的にやるようなひとつ取り組み方の指導なりアドバイスを大いにやっていただきたいし、私たちも地域においてもそういう形でお話もしていきたい、こういうふうに思っておりますので、今後この進め方についてはひとつ真剣に文部省も取り組まれるように再度お願いを申し上げておきます。 時間過ぎちゃって恐縮です。一つだけ、生と死の教育。脳死の問題等が出てきて、死ということが非常に言われるようになりました。生と死の教育は道徳の時間でやっているというようなお話ですが、具体的にお聞きしますと、すっきりとした教え方というのがないようであります。これはドイツなんかのお話を聞きますと、日本に相当するところでは、週に二回中学校、高校で宗教の時間があって、学際的な広い視野からの生と死について考えさせておる。さらに各宗教や哲学的な死生観、それから自殺防止などを詳しく教えておるということなんですね。そして、ある意味では死への準備教育が熱心に行われておって、これが非常に人生観確立においては役立っておるというふうにも聞いておりますが、これに本当に取り組んでいく必要がある、こう思うのです。 この点について最後にお尋ねをして、私の質問を終わらせていただきます。
○坂元政府委員 確かに大変重要な問題であろうかと思います。ただ、学校教育の場でかなりの時間をそれだけに割くというのは、また大変難しい状況であります。 ただ、私ども従来から、生命を尊重する態度を児童生徒に身につけさせることが重要であるということから、小中学校段階より先生御指摘の道徳、社会科、理科など、学校の教育活動全体を通じて人間尊重の精神、生命をたっとぶことの大切さについて指導してきているところでございます。特に昭和六十三年三月に道徳教育指導資料として「生命を尊ぶ心を育てる指導」というのを作成いたしまして、全国の小中学校等に配付いたしまして、生命を尊重する心、生と死を見詰める心を育てることなどの指導の充実を図ったところでございます。新学習指導要領におきましても、道徳におきまして、生命に対する畏敬の念を培うことを目標に加えまして、このことに留意しているところでございます。高等学校でも、倫理の時間に人間の尊厳と生命への畏敬を教えることとしております。さらに、関連で言えば、バイオテクノロジーの発達に伴って人工的な生殖や臓器移植が可能になり、生と死の概念が問い直されるようになってきたことなども場合によっては理科で扱うというようなことをしているわけでございます。 いずれにしましても、単に脳死の問題だけではなくて、最近の子供たちの学校におけるナイフ等での殺傷事件等を見ますと、この種のこういう生と死、人命をたっとぶ教育というものの重要性を改めて私どもも痛感しているところでございます。今後とも、各教育委員会、私どももさらにきめの細かい指導資料の作成に努力すると同時に、各都道府県を通じまして各学校現場を指導してまいりたいというふうに考えているところでございます。
○鍛治委員 どうもありがとうございました。 若干時間が延びましたことをおわび申し上げます。ありがとうございました。
○伊藤委員長 御苦労さまでした。 次に、山元勉君。
○山元委員 私はきょう学校図書館の問題と高等学校の養護教諭の問題についてお尋ねをしたいと思うのですけれども、まず学校図書館の問題です。 この国会でもさきの国会でも、参議院で若干の論議がございました。大臣の所信も少し聞いているわけですけれども、改めまして、この学校図書館法の目指すところ、そして現在の実態と問題点、大臣はどういうふうに御認識を持っていらっしゃるか、まずお伺いをしたいというふうに思います。
○鳩山国務大臣 子供が本を読まなくなってきているという現象はかなり顕著なものがあろうと思っております。それはいわゆるコンピューター、ファミコン、パソコンの発達、情報化社会が進んで便利になる。あるいは先ほどからも学校五日制のところで議論をいたしましたように、子供がスケジュールがいろいろあってストレスがたまっていく。そういうような中で本を読むという機会が、我々の時代よりも、あるいは我々より先輩の時代に比較すればなおさらだろうと思いますが、子供さんの本離れのような現象がございます。これは国語力の問題でもありましょうし、芸術とかあるいは文化、すなわちいい文学等に親しむ機会が減るということにもなっていくわけで、読書教育というのでありましょうか、もっと子供がいい本を読むように教育をしなければならないのは焦眉の急ではないかと私は思っております。 また、さらにこの問題が厄介なのは、今教壇に立っている学校の若い先生方が昔の先生方に比べると読書経験が乏しい。したがって、すばらしい文学書、もちろん自然科学書でもいいのですが、そういうものに出会って感動した体験というものを余り持っていないから、その体験を児童生徒に伝えることができない。したがって、児童生徒は本を読むすばらしさが余計わからないということで、一つの恐怖のらせん階段みたいな話になってしまっているのかもしれない。そんな中で私は、学校図書館を使って読書教育というものが一層進展するように努めなければならないということを参議院の文教委員会で、主として肥田美代子先生の質問であったであろうかと思いますが、私なりにお答えを申し上げてまいりました。 実は、今から四、五年前でしょうか、工藤巌さんという今の岩手県知事が文教部会長を務めておられたころ、私が部会長代理であったろうかと思いますが、工藤先生はとりわけこの読書教育について熱心でございまして、当時古村初中局長らと私どもお話し合いをして悉皆調査をいたしたと思っております。そのときの資料ももう一度勉強しなければいけないと思いますが、司書教諭の有資格者はどれくらいいるのか、どれくらいそういう講習をやっているのか、あるいは司書教諭を発令しない理由は何なのか等学校図書館の実態について悉皆調査をいたしたわけですが、その後も事態が余り改善をしておりませんので、もう一度悉皆調査をしなければならないかなとも思いますし、また調査よりも何らかの実行で、実行できることには一体何があるだろうかということを大いに勉強し研究していこう、こういうことを参議院でも答弁いたしまして、現在も考えております。
○山元委員 大変現実的なお話なんですけれども、私もう少し法に基づいて論議を進めたいと思うのですが、図書館法の第一条がはっきりと「学校教育において欠くことのできない基礎的な設備である」、「学校教育を充実することを目的」として、この学校図書館を置くのだ、こういうふうになっているわけですね。ところが今の実態というのは、大臣もおっしゃるように、確かにそういう活字離れ、読書離れという実態が起こって、それをどうにもし得ていない、そういう学校図書館の実態だろうというふうに思うのです。思うことあるいは法の精神は高いけれども、実態はいかにも貧し過ぎるという感じだというふうに思うのです。 そこで、そういう実態をよく御承知だと思いますので、これは文部省の初中局長に聞きたいのですけれども、一体、そういう実態を踏まえて、今あるいは今まで文部省はどういう施策をとってこられたのか。現在の文部省の学校図書館の指導のあり方について少しお伺いをしたい。
○坂元政府委員 今も大臣からお答えいたしましたが、私どもの方としましては、子供の読書時間について、遺憾ながら文部省自身で調べた調査はございませんが、NHKの国民生活時間調査、一九九〇年の調査によりますと、小学校の平均読書時間は平日十九分、日曜三十七分、それから中学校では平日二十一分、日曜三十六分、高校生では平日二十六分、日曜三十八分というふうになっておりまして、この傾向は過去十五年ぐらいの間にそう変化はございません。そういう中で子供たちの読書意欲を高めるというのは大変難しい。それ以外にやることがあるということで大変難しい問題ではありますが、私どもとしましては、学習指導要領上の扱いとしまして、新学習指導要領におきまして、図書館の機能の活用に関すること、あるいは読書意欲を高めること等の文言を加えたところでございます。 それから、司書教諭の問題ですが、この司書教諭の有資格者を養成するために国立大学に司書教諭講習の実施を委嘱してきているわけでございますが、平成元年度まで七大学で実施しておりましたのを、平成二年度においては十大学、平成三年度においては十五大学で実施するようにいたしまして、毎年三千人から四千人が受講して資格を取っているところでございます。 それから、学校図書館の事務職員の配置でございますが、小学校におきましては三十学級以上の規模の小学校、中学校では二十四学級以上の学校にそれぞれ学校図書館の事務を担当できる事務職員を配置しているところでございます。それから高等学校では十八学級以上の全日制の課程または定時制の課程について学校図書館事務を担当できる事務職員の配置を定数上は措置しているところでございます。 それから、小学校、中学校、高等学校の学校図書館の関係者を集めまして毎年学校図書館研究協議会という協議会を開催しておりまして、学校図書館の活性化、子供の読書意欲の活性化のための読書意欲を高めることについての研究発表をしていただきまして、それを現場にフィードバックしておるというところでございます。 また、学校図書館指導資料の作成ということで、学校図書館の利用、指導等に関する調査研究を行いまして、その成果をもとに学校図書館指導資料を刊行しているところでございます。先ほど大臣がおっしゃいました悉皆調査を行ったのは昭和六十三年でございますので、もう一度学校図書館の利用状況、活性化あるいは将来の学校図書館の未来像、言いかえれば情報センター的な役割を果たさせる、例えば学校五日制がさらに進んでまいりまして、地域でボランタリー形式の、公民館あるいは社会教育関係の情報センターと学校図書館をオンラインで結びまして、そして必要に応じてボランタリーリストをそこから引き出すこともできる、あるいは視聴覚教育、コンピューター教育等を含めましたそういう関係の資料も学校図書館で整備するというような、そういう将来像を含めて学校の現場でどういうことを考えておるかというようなことを含めまして悉皆調査をしてみたいというふうに考えているところでございます。
○山元委員 今施策を幾つかおっしゃいました。実に細切れと言ったら失礼ですけれども、今の実態からいって法の精神を実現していくということでは極めて不足な細切れの施策だというふうに思うのです。 第一、ここに「我が国の文教施策」というごっつい六百ページほどある本があるのですね、文部省が出しておられる。この初中教育のところでは学校図書館というのは一言も出てこぬのです。例えば生徒指導だとかあるいは環境教育だとかいろいろなことが出てきておる。特に君が代や日の丸のことは詳しく率まで全部書いてあるのですね。けれども、学校図書館教育についてどうするんだということについての文部省の方針、気持ちというのは一言もあらわれてないのです。ですから、そういう細切れの施策に陥ってしまっているんだろうというふうに思うのです。確かに、例えばおっしゃるように、ことしから実施をされました小学校の教育課程の指導書の中にも、立派に学校図書館について、学習センターの機能を発揮することが必要だとかいろいろずっと書いてある。けれども、どこを見ても、だれが一体そういう立派な図書館をつくるんだということは、私もずっとたくさんいろいろな資料を見たけれども出てこないのです。確かに細切れで、定員上は学校司書を配置するとかいろいろなことはあるけれども、実際に本当に今の子供たちの読書の問題あるいは人間形成の問題をどうするんだということについては見えてこない施策になっているわけです。その点私は非常に、きょうは余り時間がありませんから詳しくは申し上げられません。また、これから粘り強くこの問題については審議をしていきたいと私は思いますけれども、まず具体的なことをちょっと聞きますけれども、文部省の中でこの学校図書館問題について生きがいを感じて一生懸命取り組んでくれているセクションというのはどこです。
○坂元政府委員 学校図書館の担当は初中局の小学校課で担当いたしておりまして、小学校課の中で学校管理係がそれを所管をしているところでございます。なお、その係に二人の職員がおりますが、さらに学校図書館の問題につきましては、特活担当、国語担当の教科調査官、視学官の協力を求め、さらに課長補佐がおり、課長がおりということで、文部省としては組織的にはそういう組織で学校図書館問題に対応しているところでございます。
○山元委員 大臣、お聞きのとおりなんです。図書館の問題が大事だということはたくさんの人が言っているし、図書館協議会もありますし、マスコミもこの数年は盛んに言っているわけです。ところが今おっしゃるように、初中局の小学校課学校管理係がやっている。今のこのような大きな問題をたった二人の係員の方が、私は図書係とか学校図書館係とかそういうのがあるんだろうと言ったら、ない。私も事前に聞いたら学校管理係の中の二人がやっていらっしゃる。それでは日本の図書館というのはよくならないと私は思うのです。そこのところはまず大臣考え直していただきたい、検討していただきたいというふうにお願いをしておきたいのです。 そういう今の状況、先ほど局長からもありましたけれども、例えば小学校の子供が十九分だ、こういうふうにNHKの調査があるといいますが、子供の成長にとって、例えばスポーツをして体を鍛える、同じように読書で心と知識の豊かさというのを大事にしていかないと人格形成上望ましくない、大事な要素だというふうに思うのです。そういう意味からいうと、今の実態というのは本当に憂うべき実態だと思うのですよ。十九分という数字から見てもそうですし、例えば全国図書館協議会が去年行われました調査で、子供たちが一カ月どれだけ本を読んでいるかといったら、小学生で月に五・八冊、これは絵本も入ります。ところが中学校へ行くと一・九冊にどんと落ちるわけです。あるいは昨年五月の一月の間に一冊も本を読まなかったという子供、中学生で何と約五割、半分の子供は一カ月に一冊も本を読んでいない。高等学校へ行くと七割の子供が本を読んでいない。これはもうゆゆしい状況だというふうに思うのです。 ですから、そういうことから考えると、今の学校図書館が果たすべき役割、期待される役割というのはいやが上にも高いと思うのです。そういう状況を、今文部省の中のセクションのこともありました、今の子供の実態もありました。先ほど文部大臣は調査をすべきかあるいは実行の方が先かなとおっしゃいましたけれども、今の実態をもう一回考えて、時間が余りありませんでしたから詳しくは言えませんでしたけれども、文部大臣どうですか、文部省として学校図書館についての取り組みについて一遍考えなければならぬというふうに、今の実態からお考えになるか、再度お伺いしたいと思います。
○鳩山国務大臣 ですから、読書を取り巻く状況、条件あるいは学校図書館の利用のされ方等を考えますと、正直言って法の精神が具体的に実施されているとは思えませんし、惨たんたる状況といってもいい。そんな状況がもうずっと前からあらわれてきておりますがゆえに、私は工藤部会長、鳩山部会長代理の時代から、この問題には強い関心を持ってやってきているわけですが、例えば図書館がずっと常にあいておつて指導する先生が常にいるかという条件を考えただけで、もうこれが整っているとは言えない。司書教諭の発令の問題でも、結局これは各学校へみんな問い合わせてみれば、なかなかこれは人間関係上とかいろいろな問題があって発令したくてもできないというような場合も確かにあるわけでございまして、文部省として一体今何が本当にできるかということをよほど真剣に考えませんと、突破口が開けないなと思うほど、私はこの問題については事態は深刻だと思っておりますので、近藤小学校課長が学校図書館の鬼と言われるくらいに評価されるように、彼も頑張ってくれることを期待をいたしております。
○山元委員 まさに大臣がおっしゃるとおり、今の実態から何ができるのか、あるいは何が原因なのかということが今一番真剣になって考えなければならぬことだと思うのです。私は端的に言ってやはり司書の問題だと思うのです。これは私は前の質問のときにも教師の経験があると申し上げましたけれども、私も若いときに何年か図書館の主任というのをやりました。学級担任をしながら図書館の主任をやるわけです。いかにしんどいか。意欲を持ったら意欲を持つほどしんどいわけです。それで、本務と言ったらおかしいですけれども、担任の方が忙しくなってくると、こちらの方がやはりおろそかになってしまうわけです。そういう経験からも、何としてでも司書の問題だと思うのです。 六十三年に文部省がやられた調査、これである程度明らかになっているわけです。それから以降に改善されたということにはなってないと思うのですけれども、その六十三年文部省がやられた悉皆調査の中で、司書教諭として校務分掌上位置づけられている学校はどれだけかというのが文部省の調査で出ている。小学校で何と〇・三%です。図書館担当教員のうちで——大体平均して二人ぐらい担当がいる。貧しいところは一人、多いところは三人、四人というふうに、ことし一年間図書館の仕事をしてくださいという教員の校務分掌の担当が決まるわけです。その中で、司書教諭の免許、資格を持っているのはどれだけかといったら小学校でわずか一〇%です。九〇%の学校は司書教諭の資格のない、例えば新聞にも出ていましたけれども、今おっしゃる研究協議会をやる、そうすると、悩みは何ですかと運営上の悩みなどを尋ねたら、本はどのように並べればいいのですかと聞く先生が図書館の担当になるわけです。これは若い間しんどいのです。本当にしんどい。毎日子供に借りさせようとすると、休み時間も先生は図書館に行かなければなりませんから、若い者が順番にやられるわけです。だから、本の並べ方をどうするのか、「〇」からの分類の仕方はどうするのですかということをまず講習会で聞かなければならぬ先生が学校図書館の担任になっているわけです。そこのところを何としてでも変えなければだめだと思うのです。 私は、この間、この問題でずっと見ていて、新聞に幾つかの記事が出ていましたから、進んでいる、一番近いところで東京の日野市へ行ってきました。日野市の教育長さんの記事も出ていましたから日野市へ行ったわけですけれども、大変努力をしていらっしゃる。例えば三年前からパートの人を、父母の皆さんに呼びかけて、何とか学校を助けてくださいということで募集をして、そして小学校二十校、中学校八校に一人ずつパートの職員さんを、一人百万円、二十八校ですから二千八百万円で市が金を出して各学校、全校に司書のパートの職員を配置をした。結果どうですかと言ったら、大変図書館が明るく美しくなりました。そして貸し出しの量は急激に大幅に増加をしました。子供たちが図書館へ喜んで来てくれる。いろいろありましたけれども、そういう生まれ変わるような状況が、この年間百万円のパートの職員を一人置くことによって図書館が生まれ変わるわけです。そういうことは、これは日野市の教育長や市長さんが頑張ってやる前に文部省がやるべきだろうと私は思うのです。 それだけではありません。例えば岡山市の皆さんの努力で、各学校に、一九五三年から始まっているようですけれども、九〇年には全校配置が実現をした。一九九一年から全員正規職員化に向けて大きい前進が見られました。これは岡山市です。そういうふうに努力しているのですね。これは努力をせざるを得ないし、すれば教育上大きな効果が上がるということを皆さん知っていらっしゃるからこういうことをされるのだろうと思うのです。 そういう点で、実態をわかってもらって大臣にお尋ねをしたいのですけれども、この日野の教育長さんはこういうふうにおっしゃっておられるわけです。学級担任や教科担任をしながら学校図書館といった専門的職務をつかさどるほど先生も暇でない、学級担任をしながら兼務ではだめだ。ところが、これも新聞記事ですけれども、こういう実態に対して、「毎年のように、都道府県を通して配置を指導しているのだが。別に専任ではなく、いまいる教員の中の有資格者を兼任として校長が発令すればいいのですが、どうも、制度そのものが理解されてないようだ」と文部省の担当者が言っている。文部省の担当者は、兼務が当たり前で、その制度を理解してもらっていないから悪いんだというような言い方をしている。現場の教育長は、それはとても無理なんだ、たとえパートの人でも入れなければ図書館は生き生きとしないのだというふうにおっしゃっている。文部省の担当者は、有資格者を兼務として校長が発令すればいいのですが、この制度がわかってもらっていないんだ、こうおっしゃっている。これはどちらが正しいのですか。文部省の姿勢として、これからあるべき姿としてどう考えていらっしゃるのか、まずお伺いをしておきたい。
○坂元政府委員 学校にいろいろな仕事があるわけでございます。例えば最近で言えば登校拒否の子供あるいは今まさに荒れなんとするような子供に、いわゆる教育困難校という学校でございますが、そういうところに教員を加配しなければならないとか、いろいろな問題があるわけでございます。そういう中で、厳しい財政状況の中でとにかく少しずつ教員の定数などの改善をしてきて、そしてさらに今度は四十人学級が終わった後にどういうような定数改善をすべきかということを今検討している最中でございます。 それで、確かに司書教諭というのは充て職になっておりますが、学校の中である特定の仕事だけをするという教諭は今まで置かれておりません。結局司書教諭も充て職ということで対応をされてきているわけでございます。かつては教頭先生まで教諭をもって充てるということで、小さな学校へ行けば教頭先生は一般の教諭と同じように授業を持ち、かつまた教頭という職務もやらなければならなかったという状況下にあったわけでございます。 したがいまして、私どもとしましては、充て職である司書教諭であっても、とにかく司書教諭の資格を持つ人を認定講習会で広く養成をし、現在小学校で大体二〇%の学校に司書教諭がいるというデータがございますけれども、そういう司書教諭の資格を持つ人を司書教諭に任命し、そしてその司書教諭を中心として学校図書館のための校務分掌組織をつくって一歩一歩改善をしていっていただきたいというふうにお願いをしてきているわけでございまして、充て職がいいというふうに言っているわけではございません。今の段階では充て職でしかこの問題には定員の問題としては対応できない状況にあるということを説明したのだろうと思っております。
○山元委員 今局長おっしゃるように、厳しい財政状況の中でそれぞれ事務職員などいろいろの職種があって大変だと言われることは実態としてはわかるわけです、現実としてはわかるわけです。けれども、これはいかにも私らから見て、この法ができたのが昭和二十八年なんです。施行されたのが昭和二十九年四月一日から。ですから、三十八年前からずっと充て職とする、「当分の間、置かないことができる。」このまま三十八年間過ぎているわけです。その間、先ほど大臣もおっしゃったように、情報化時代にどんどんなっている、あるいは子供がどんどんと図書離れ、活字離れをしているという状況の中で、手当てをしなければならないにもかかわらず、やはり充て職、当分の間置かなくてもいい、それが続いてきているわけです。ですから、こういう実態がつくり出されたんだというふうに率直に考えなければいかぬだろうと思うのです。そうでないと変わっていかないだろうと思うのです。そこのところを今の実態やあるいは各自治体の努力をせざるを得ない状況から見て御理解いただきたいと思うのです。 そこですべきことは、我々が望むことは、図書館法の五条に書いてある充て職の問題と、そして附則二項にある「当分の間、置かないことができる。」ということ、このことの削除をしてもらわないと、今の状況というのは変わらない。局長がおっしゃるように、確かに司書をたくさん養成しているんだ、あるいは校長に配置するように指導をしているんだ、あるいは講習会をしているんだ。けれども、それはさっきも言いましたけれども、細切れの施策でしかないだろうと思うのです。そういう今の子供たちの様子を変える。文部大臣おっしゃいましたように、当たっています。教師が読書をしていないように、活字離れの時代が出てきた、その中で育ってきた子供たちが教師に今なっているわけです。例えば、昔ぞうきんを絞れない子供とかいっていましたけれども、そういう絞れない子供たちが教師になっているわけです。いろいろ悪い方悪い方へとやはり回っていくわけですね。そういうのを断ち切ろうとすると、やはり思い切って五条の改正に文部省が本腰を入れて、私は、先ほど中西先生からも話がありましたが、本当に文教予算をふやす、そのためにはこれとこれとが要るんだというのをしっかりと文教委員会ぐるみ、あるいは文部省ぐるみ、やはり方向を決めてやらなければならないし、この司書教諭の定員化、成員化ということについても言える、その中に入る問題だというふうに思うのです。ぜひこれは文部省として積極的に検討をして歩き出していただきたいというふうに、これはお願いをしておきたいと思います。 時間がどんどん来てしまいますから、先ほど文部大臣もちょっとおっしゃいました、調査かな実行かなというふうにおっしゃいました。前の参議院で肥田議員にお答えになって、肥田議員は後のところで舞い上がるほどうれしい答弁を大臣からいただきました、こうなっているのです。その後続いて大臣が答えているのを見ると、実行の方が大事かなというふうに思い直しているというようなことが書いてあって、これは肥田議員は一時喜びをしたというような印象があるわけです。けれども、大臣、私はやはりこの調査が悉皆調査でなくてもいいと思うのですよ。全国図書館協議会が毎年三%抽出調査をしていらっしゃるのですね。その調査の結果というのは、実に今の現実をしっかりと見えるようにつかんでいらっしゃる。ですから、私は、問題は何のために調査をするのか、図書館司書がいないから現実どうなっているのか、子供たちは図書離れをしているというけれども、本当に読書意欲がないのかどうか、なぜそうなっているのかということをきちっと焦点を当てて調査をすれば、そんなに難しい調査でもないし、大臣がおっしゃるように、調査か実行がという、その実行の方向がつかめる調査になるだろうと思うのです。これはぜひ調査をしてほしいと思うのです。そのかわりに、その調査は実行を前提にした、何をするのかということをしっかりとえぐり出すための調査をしてほしいと思うのです。 これは要望ですけれども、一つお尋ねをしますけれども、六十三年に小中高、養護学校を含めて四万の悉皆調査というのが行われた。私は文部省にどういう調査をしたのか、結果はどうであったのか、分析はどうしているのか、資料をくださいと何遍言っても出てこないのですけれども、なぜ出てこないのか。私は、それは四万の悉皆調査をして大変だっただろうと思うのです。貴重な資料があるだろうと思って、出してくださいと言ったのですけれども出てこない。一体その悉皆調査から何を文部省がつかんだのか、何を方針として出したのか。これは六十三年ですから、もう三年以上前です。だから、私は、しつこいですけれども、やはり文部省が悉皆調査をした資料というのは大事にして、手がかりにして方策を立てる、そういう意味でなぜ出せないのか、どうなっているのか、これはお伺いをしたいと思うのです。
○坂元政府委員 現状に関する調査ということで、調査の内容がこのときはどちらかというとハードの部分、入れ物とか、司書教諭が置いてあるかないかという、問題意識を持って、こういうふうに改革するためにはこういう調査が必要だというものでは必ずしもない調査であったものでございますので、先生のお手元に学校図書館の図書の状況、図書館施設の状況、学校図書館担当教員の状況等の集計した資料をお持ちしていっていると思いますが、大体これで、あとは細かい個表やなにか若干ありますが、調査項目としては、これではほぼ尽きているのではないかということで、担当者はこれを持っていったのじゃないかというふうに考えております。
○山元委員 やはり出たでしょう、問題意識なしにやった調査だから。そんな調査がありますか。四万の悉皆調査を全国でやって、各現場がこの忙しい中を、それはどういう趣旨の質問だろうか、何だろうかと言いながら、恐らく校長さん、教頭さんが汗をかいて書いたのだろうと思いますけれども、それを問題意識なしの調査であったというようなことを局長が答弁するのは、これはいかにもお粗末過ぎる。ですから、先ほども申し上げましたように、大臣、お願いですから、調査をする、そしてそれは何をする、現実の問題としてこういう問題があろうがという問題意識を持ってぜひ調査をしていただきたいということを御要請申し上げておきたいと思います。 もう一つ御要請申し上げたいと思いますが、そういうことをしっかりとするためにも、先ほど申し上げましたように、文部省の中のセクション、学校管理係の一人が、二人がやるということでなしに、しっかりとしたプロジェクトがある。そして、やはりもう一つ欲しいのは、名前は何というのですか、学校図書館の審議会のようなもの、そういう機関を大臣の諮問機関のような形で、実際に調査をしたり、あるいは方策を大臣に対して勧告するような機関をぜひ持ってもらいたいと思うのです。それは学校図書館法ができて四十年を超さないまでに方策を立て直すということがやはり大事だろうと思うのです。そういう意味で、今、調査の問題にしろ、審議機関の問題にしろ、大臣、これはぜひ約束をしてもらいたいと思うのですが、いかがでしょう。
○鳩山国務大臣 もちろん調査はいたしますが、有益な調査でなければいけないわけで、単なるデータを集めるだけではなくて、どうしたらいいかという問題解決のヒントを得られるような調査をしなければ全く意味がないと思っておりますし、これの目的は、子供たちの活字離れを食いとめるというか、もっと子供さんたちが本を読めるようにするというのが目的であって、学校図書館がいわば死んでしまっているような状況にあるのが幾つもあるとするならば、その学校図書館を生き返らせるような、そんな読書教育ができるようにするということ、そして結果として、子供さんたちが本になれ親しんで、いい文学にも、すばらしい自然科学にも触れて成長していくことが目的なわけでございまして、司書教諭の発令がどうだとか、学校司書がどうだとかということは、実はその手段の問題であろうと思うわけであります。 ですから、私が調査よりも何か実行できることはと申し上げておりますのも、例えば今法律を直ちに改正するようなことがあったとしても、そのことによって実態をあっという間に変革することができて、それで子供さんたちがすぐ本を読むようになる、図書館が生き返るというほど単純ではないような気がいたすわけです。ですから、今できることは一体何であるかということを段階的にでも考えていかなければならないと思いますし、その点については、小学校課には厳しく申し上げるというよりも、私は既に前に、参議院の後にも厳しくその辺は申し上げているわけでございますので、これからいろいろと結果を出していくまでにはいましばらく時間がかかろうかと思いますが、しばらくお待ちいただければありがたいと思います。 ただ、一つ、この学校図書館法が議員立法であるからというわけではありませんが、図書議員連盟という超党派の組織があるわけですね。今会長が不在なのかな、私は詳しく知りませんが、山下徳夫厚生大臣あたりがその中心の役割を今果たしておられると思いますが、図書議員連盟の方で超党派で大いに議論を煮詰めていただくというのも、学校図書館法が議員立法であるがゆえということもプラスして大いに意義があることだというふうに考えておりまして、どうぞそんな超党派の組織で、子供さんに本をもっと読ませる、学校図書館を活性化させる方策を御研究いただいて、また文部省といずれ歩調を合わせることができればありがたいと思っています。
○山元委員 重ねて要望しておきたいわけですけれども、確かに図書館法には、司書を置く、こうなっているわけですね。それは置いた方が、置かなければ図書館の機能はどんどんとよくならないということはわかってのことなんです。今現在そういうふうに、先ほど出ましたように、司書が置かれている実態というのは非常に低いわけです。これは当面新たな調査をしなくても、本当に、今文部大臣は手段の問題だとおっしゃいましたけれども、やはり自治体の努力なんかを見てみると、現実的に必要な施策です。ですから、そういうことについては一層努力をしていただきたいと思いますし、先ほど御要望申し上げましたように、五条の問題と附則の問題は、早急にやはり前向きの結論を出していくように検討をしていただきたいというふうに申し上げて、この問題を終わります。 そしてもう一つ、時間がないのですけれども、高等学校の設置基準の問題です。簡単に申し上げますけれども、高等学校の設置基準というのがありまして、その十二条、十四条、十九条、三十一条、ここのところを私は改正をしてほしい、すべきだということを申し上げたいわけです。 簡単に言いますと、設置基準の十二条、十四条には、例えば「校長、教頭、教諭、事務職員のほかこ「生徒の養護をつかさどる職員」を置くというふうに高等学校はなっているわけですね。「生徒の養護をつかさどる職員」というまどろっこしい言い方なんですが、これは実際に養護教諭という、身分がしっかりとした教諭があるわけです。ですから、そういうふうに、養護教諭というふうに改めるべきだというふうに十二条、十四条について思います。ほかのところは実習助手だとか事務職員とかしっかりと書いていて、そしてここのところだけ「生徒の養護をつかさどる職員」を置く、こういうふうになっていることについては、改正をしない理由というのがわからないわけです。ちなみに、この設置基準というのは昭和二十三年にできているのですね。戦後直後にできていて、こういう実態というのですか、そうであったのかもわかりませんけれども、今平成四年ではこういう表現ではいけないだろう。いけない理由は後ほど申し上げます。 そして、十四条の二項には、「生徒の養護をつかさどる職員はこれは養護教諭はというふうにすればいいわけですけれども、養護教諭は「乙種看護婦以上の資格をもつ者でなければならない。」こういうふうになっているわけです。乙種看護婦というのは、これは昭和二十三年に看護婦法が改正をされて、ないんです。戦中に乙種看護婦という免許を取った人が、その当時、終戦直後は学校の養護をつかさどる人についたかもしれぬけれども、昭和二十三年、この基準ができたその年のうちに看護婦法が改正をされて、乙種看護婦というのはない免許なんです。それを乙種看護婦以上の資格を持つ者が養護教諭だという規定が今文部省の基準としてあるわけです。 十九条、三十一条には、学校に医務室、休養室とか部屋をずっと置くのが書いてあるのですけれども、医務室を置くと書いてあるのです。医務室というのは、今のそれぞれの学校を見てみても、医務室という看板がかかっているあるいは学校の運営の、経営の組織図の中にはないわけです。これはそれぞれ保健室というふうに変えるべきだと思うのです。絡めて言いますと、この昭和二十三年にできた基準が一向に変えられていない。変えられていなくて、乙種看護婦だとか医務室だとかいうのは古いということだけで私は申し上げているのじゃなしに、例えば乙種看護婦というのは、今養護教諭を募集するときに受験資格は乙種看護婦以上の者とは書いてないはずです。養護教諭の免許を有する者となっているはずなんです。医務室というのがなぜいけないかといったら、医務というのは、例えばわかりやすく言うと、けがをした子、病気になった子に腹痛の薬を飲ましたり、赤チンをつけたりするのが医務室かもしらぬ。医療に当たるところ。ところが、保健室というのは、子供の本当の健康、成長をきっちりと考えていく、もちろん今言いましたような薬もあるけれども、子供全体の保健を、健康を考える、健康管理をする、あるいは丈夫な子供を育てていく役割が保健室に、保健という言葉であるわけです。ですから、これはやはり昭和二十三年からなぶられていないというのは、これは文部省の怠慢だというふうに、きつく言えばなるわけです。そして、これは文部省令です。ですから、文部大臣が、わかった、それはおかしいと言っていただければ、あしたにでも変わる問題だと思う。高校には養護教諭を置かなければならないというところに少しひっかかるところがあるかもしれませんけれども、私はぜひこれは早急に変えていただきたいというふうに思うわけです。 もう一つだけ申し上げますと、これが大事なことは、現実にそぐわないとかそういうことだけではなしに、養護教諭の人々の士気にかかわるというのですか、自覚にかかわること、あるいはその職を重んじる、軽んじるということにかかわるわけですから、ぜひこれはきっちりと、身分等にかかわることですから、変えて明確にしていただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○坂元政府委員 いろんなこれは経緯があるようでございまして、二十三年に学校教育法が制定をされましたときに、先生も御承知のとおりに、小学校、中学校には「養護教諭を置かなければならない。」ということになっておりまして、附則で、「当分の間、養護教諭は、これを置かないことができる。」という規定になっていたわけでございます。ところが、高等学校の方は、御承知のとおりに、養護教諭または養護助教諭、実習助手、技術職員、——実習助手のところは当時とちょっと違いますが、「その他必要な職員を置くことができる。」ということで、「置くことができる。」という規定になっていたわけでございます。 これはなぜかといろいろ当時調べてみたんですが、養護教諭という制度が比較的新しいということで、高等学校まで需要に応じ切れないという実態もあったようでございます。ただ、養護教諭という職務から見ると、やはり義務教育の小中学校が中心である、したがって、小中学校の方にはとにかく必置にしようというような経緯で、小中学校には本則では必置にし、高等学校の方では「置くことができる。」という規定にしたようでございます。 そこで、そうはいうものの、高等学校設置基準の方で、養護教諭を全く置かないという、養護をつかさどる職員を全く置かないというわけにも言えないので、養護教諭に限らないで、看護婦さんみたいな方でもいいから、とにかく「生徒の養護をつかさどる職員一人以上」を置くという、そういう規定にした経緯があるようでございます。その場合に、その職員は、今准看といっておりますが、乙種看護婦以上の資格を持つ者でなければならないという規定になって、そういう経緯があったようでございます。その後、こういう制度の中で、この高等学校の設置基準が各都道府県における高等学校の設置認可の際の基準として機能してきたわけでございますので、私学の一部では、今でも准看以上の看護婦さんしか置かなくても、この設置基準でクリアできるということで、私学などは養護教諭が置かれていない。公立学校の高等学校はほとんど養護教諭が置かれている実態がございます。 いずれにしましても、そういう経緯で、今先生が、医務室というのは名称の問題ですから保健室というふうに変えることは簡単でございますが、ここの部分は、私学の実態がどうなっているかということをもう少し私ども調査をし、先生が御指摘になったような方向で改正すべきではないかというようなことを検討してまいりたいというふうに考えております。
○山元委員 検討を前向きにということですから、お願いをしたいのですが、これは、今局長もおっしゃるように、全校配置ということについて配置しかねるという言葉遣いをされたと思うのですけれども、そういう部分があっただろうし、今もやはりそれだけの分の配置が小規模校についてはないわけです。けれども、やはりこれは高等学校、小規模校であろうとも全校配置だということ、子供たちの健康のことを考えると、やはり全校配置だという姿勢でこの基準の改正に取り組んでいただきたい。ただ字面を変えれば、あるいは現実に合うだけの改正であれば余り意味がないというふうに私は思います。先ほども申し上げましたように、省令ですから大臣の決断だろうと思いますけれども、ぜひ前向きに御検討いただきたい。要請を申し上げまして、終わります。ありがとうございました。
○伊藤委員長 御苦労さまでした。 山原健二郎君。
○山原委員 きょう、衆法が提案されまして、実習助手の問題が非常に大きく取り上げられました。これは大変いいことだと思いますし、かつて私どもも共同提案をしたこともありますし、また、その後社会党がしばしば法案を出されまして、それに対する質疑も随分行ってきたわけです。 したがって、きょう、私の質問が重複するところがあるとは思いますけれども、それなりに切実な要求が出ておるということの証明であろうと思いますし、そういう意味で答弁をいただきたいと思います。 最初に、けさほどの質問に対して初中局長だったと思いますが、こういうふうに答えています。実習助手は教育公務員特例法の適用を受けている、しかし、教諭と同格ではないという答弁をされておりますね。 ところで、鈴木勲さんの書いています「逐条学校教育法」、この解釈をちょっと読んでみますと、こういうふうに書いてあるのです。「実習助手は、教育に直接関係し教員の職務に準ずる職務を行う者であることから、教育公務員特例法の規程が準用される。」そして、「準ずる職務とは、より下位の意味ではなく、同種の職務と解釈する」と。下の位ではないということを書いておるわけですね。このことをまず指摘しておきたいと思います。 そして質問に入りますが、現在全国で約一万五千七百人に実習助手の数は上っています。実習助手から教諭への道を開くということで、一九六一年に免許法が改正され、附則第十一項の規定により、実習助手の方でも、一定の経験年数を持ち、必要な単位を修得すれば実習教諭免許状が取れることになり、職業科の実習助手については免許取得の道が開けたわけであります。この制度による教諭免許取得者は毎年二百人弱、一九九〇年度でいいますと百八十九人となっています。教諭免許の所有者は、実習助手総数の約四三%、約六千五百人ないし六千六百人となっている。これは昨日文部省からお聞きした数字でございます。 ところが、実習助手の中でも、理科と障害児学校の実習助手の場合、そうした免許状取得の道がふさがれている。けさほどから取り上げられている問題であります。この隘路を教員免許制度の改正によって打開してもらいたいというのが長い間の関係者の切実な要求で、この問題は当委員会でも繰り返し提起されてまいりました。第百四国会で当時の初等中等局長は、「今後、その実態を十分分析した上で検討していくべき課題であろう」というふうに答えていますが、この点での早急な具体化を求められておりますが、これに対してどういう態度をとられるか、お伺いしておきます。
○遠山政府委員 先生のお話で、実習助手の受け入れの道は一部閉ざされているというお話でございますけれども、今実習に絡む教員の免許状が設けられていることについて若干御説明を申し上げますと、高等学校の職業に関する教科につきましては、その性格上、特に実習が重視されておりまして、また実習を独立して行えるために教育課程の上でも実習を中心とする科目が設けられているわけでございます。このために、これらの科目に対する教育指導上の必要性ということから、これらの実習に関しすぐれた知識及び技術を有する者を教員として迎え入れるように、工業実習あるいは農業実習などの実習を担当する教員の免許状が設けられているわけでございますが、理科の場合には実習助手が配置されているわけでございますけれども、この場合には、この教科が教育課程上実験・実習のみを取り出して独立的に教育課程としてそのことのみを要するというふうにはなってないわけでございまして、実験・実習のみを担当する教諭の免許状を設けることは、現在のところ考えていないわけでございます。
○山原委員 たびたびの政府側の答弁、文部省側の答弁から随分後退する答弁になるのですね。 もう一つの問題は、実習助手が教諭免許状を取得しても、実際に教諭に採用されるのは極めて限られている状態です。文部省から説明を受けますと、一九九一年度に教諭に採用された実習助手は百四十五人、毎年大体二百人に足りない。せっかく教諭の免許を取っても、実際にはなかなか教諭になれないというのが実態でございます。 抜本的な教諭採用が進まないのは、いわゆる実習教諭という定員枠が広げられているわけではないからなんですね。実習助手を教諭に採用する場合、教諭の定数の枠内で対応しなければならない。したがって、抜本的な大幅採用ということは現実には実現しないということになるわけです。これを打開するには、実習助手をなくしてすべて教諭として位置づける制度改正が必要になってくるわけです。きょう趣旨説明があった学校教育法等一部改正案は、この制度改正を盛り込んだもので、十二年の経過措置をもって実習助手制度をなくして教諭制度に任用がえをしていくという中身だと承知しております。法律案として提起されて既に十数年経過しているわけですが、ここに非常に切実な要求があるということを把握していただきまして、文部省はこの問題に具体的に検討を進めるべきであるというふうに思いますが、これに対してお答えをいただきたいのです。
○坂元政府委員 実習助手が実態的にどういうような職務に従事しているかというのは、午前中からの質疑や何かで明らかになっているところでございます。ただ、それは属する学科によってさまざまでございます。例えば理科等の実習助手については、実験・実習の準備、後始末、器材・器具の維持管理、授業における教諭の補助としての指導などを行っているわけで、仕事としては不可欠な役割を果たしているというふうに私ども認識はしております。しかし、普通の理科の実習助手が工業とか農業とか水産のような意味での、例えば評価のあれに参画するとかというような仕事を大体の人が持っておるというような形では機能していないというふうに理解をいたしております。したがって、実習助手制度を廃止するということは、私どもは現実的な問題解決の仕方ではないのではないかというふうに考えているところでございます。
○山原委員 昭和三十六年に免許法改正が行われましたときに、当時の内藤政府委員、後に文部大臣の内藤誉三郎さんですが、「そこでせっかく免許状を取った者が教諭に採用されないという事態になりますと、これは非常に本人を失望させますので、そういうことのないようにいたしたい」との国会答弁をされています。やはりそのことに文部省はしっかり責任を持ってもらいたいということを、この際私は強く指摘をしておきたいのです。 この問題について当面の切実な要求となっている給与改善についても伺いたいのですが、実習助手に適用される教育職俸給表目の一級については、この間少しずつ号俸延長がなされるなど若干の改善はされてきました。しかし、それでも現状の給与水準はとても一家の家計を支える水準からはほど遠いのでございます。例えば最近の家計調査報告、これは本年、一九九二年一月の月報によりますと、一家四人の勤労者世帯の一カ月の全国平均の実支出は約四十二万七千円となっています。この場合の世帯主の平均年齢は四十二・六歳です。一方、四十三歳程度の実習助手の給与月額を見てみますと、高校を卒業してすぐに実習教員となった場合ですが、二十三万円ないし二十四万円。一時金は別としましても、これでは生活は成り立たない。このことは二級の号俸月額の場合も言えることですが、特に一級の俸給月額では生活は支えられない。こういう実態も踏まえまして、この夏の人事院勧告に向けて引き続きこの教育職俸給表目の一級について大幅な改定と号俸延長を人事院に強く働きかけ、実現を図っていただきたい。こういう実態ですから、私はこのことを申し上げまして、文部大臣の決意を伺っておきたいのですが、大臣、いかがでしょうか。
○遠山政府委員 午前中の御質問の際にもお答えいたしましたとおり、実習助手の給与の号俸延長につきましては、昭和六十年以降合計六号俸の増設が行われたところでございます。これは昭和六十年に四号俸をプラスし、六十二年に一号俸、六十三年にさらに一号俸ということで、現在教育職俸給表(二)の一級の号俸は四十号俸まで措置されているところでございます。そのほかに、俸給月額の改善に当たりましては、一級の俸給月額につきましては、教諭にかかわります二級の俸給月額の改善に比しまして手厚く改善が行われているところでございます。例えば昭和六十年につきましては〇・二%比較して高いわけでございますし、平成三年には〇・六%、細かくは申しませんけれども、その改定のたびごとに改善が行われているところでございます。 先ほど先生が御指摘になりました平均給与につきましては、その数字がどういうところから出ましたのか、私どもの考えておりますところとは若干乖離があるように思うわけでございますが、いずれにいたしましても、実習助手の方々のお仕事は非常に重要なことをやっていらっしゃることは確かでございますし、また俸給表そのものが退職時のことを考えますと、現在のところではまだ必ずしも十分でない点もあるわけでございますので、私どもとしましては、引き続き実習助手の給与の改善につきましては、人事院に対して要望してまいりたいというふうに考えております。
○山原委員 大臣、おわかりだと思いますが、けさからずっとこの問題は論議されているわけですから、こういう事態の中で働いている、教育を支えている職員の処遇の問題ですから、人事院勧告に向かってぜひ努力をしていただきたいと思います。お気持ちだけでも最後に聞かせていただきたいのです。
○鳩山国務大臣 本日衆法として提案理由の説明がありました実習助手の問題につきましては、先ほどからいろいろと政府委員から御答弁を申し上げたとおりでございまして、その法律案の中身に直ちに文部省が賛成をできるような内容ではないことは事実でございます。しかし、実習助手という立派な仕事をしておられる方々が、これは現在の給与体系は職務給でございますから、実習助手である限りは一級に格付をされていくという中で、天井を少しでも高くできるように、そして毎年の給与改定において他の教諭よりも少しでも改善率が〇・何ポイントでも上になるように人事院に対してはお願いし続けてきたところでございますし、これからもそのような方向で努力をしてまいりたいと思っております。 また、実習助手の皆様方がいわば実習教諭というような免許を取得されながらも、これは免許取得と採用、発令というものは教員の世界では全く別でございますので、これは意欲の意味では、先ほど先生が引用されたのは内藤大先輩の御答弁であろうかと思いますが、確かにそういうこともあろうとは思いますけれども、現在の予算とか定員とか、そうした関係からいえば、これも残念ながら直ちに応じるわけにはいかない、その辺には難しい問題が横たわっているということは私なりに認識はいたしております。
○山原委員 ぜひ実態もよく把握していただいて、せっかくこういう法案が毎国会ごとに出るわけですから、やはり少しでも前進さすという気持ちは皆一緒だと思いますので、よろしくお願いします。 昨年十一月に滋賀医科大学予防学教室が京都府下の小中高等学校の教員の健康実態調査を行っていますが、教職員が極めて不健康な状態を示す数字が明らかになっています。これはここだけではないのですけれども、きょうはこの滋賀医科大学の例を挙げます。 数字を挙げますと、「ちょっとしたことでもすぐ怒りだすことがある」、これが女性の場合には七五%、男性が六八%。「なにかでスパーッと憂さ晴らしをしたい」という数字も出ておりまして、女性が六四%、男性が七二%という状態です。これは小学校の教職員の数字ですが、この結果について報告書は、「蓄積的疲労兆候調査の項目の中でもイライラの状態に関する自覚症状で男性に比べて女性はいずれの症状も高い訴え率となっていた。疲れはてて不健康な状態の人間は共通してイライラした心理状態になることが知られている。こうした精神状態は、およそ人間を相手にする職業人の精神状態としては不向きであり、この調査結果は教師自身だけではなく子供に対しても深刻な問題を示していると思われた」というふうに医学的な立場で述べられています。これは最近幾つかの調査を私見ておりますが、こういう数字が随分出るのですね。それから、この調査の場合でも、小中高等学校の先生方、男女とも「とても疲れる」あるいは「やや疲れる」が九〇%前後、とりわけ女性の五〇%以上が「とても疲れる」こうなっています。 また、別の一九八九年の五月に行った日本高等学校教職員組合の調査によりますと、これは一万六千二百六十三名を対象にして回答を得ていますが、その結果でも、高校教師の九割以上、男性で九四・四%、女性が九七・三%が疲労感を表明しています。まさに教職員の健康管理問題は深刻な事態ではなかろうかと思うのですが、これについて、「雑用が多すぎる」とか「休息休憩が少ない」とか「授業が多すぎる」などの例が挙げられておりまして、実際に労働時間を見ましても、通勤時間を入れますと、高校の女性教師で十一時間、最も長いのが中学校男性教師で十二時間となっているわけでございまして、こういう状態の中からいわゆる在職死、過労死などが報告される今日でございます。 こういう問題について、今文部省として何らかの調査をされておるとお伺いするわけですが、これはどういう調査をしておられるか、お聞きしておきます。
○逸見政府委員 今先生が御指摘になりました調査結果、私どもは実はそういったデータを把握いたしておりません。ただし、そういったことがもしありまして、多くの先生方が疲れ果てている、そして、それによって立派な教育ができないということになれば大変な問題であると思いますが、私どもの方では、各学校で学校保健法に基づきまして毎年度定期的に行われております健康診断、これが最近の状況に合いますようにということで、例えば平成二年度には健康診断項目に新たに貧血の検査、肝機能検査、血中脂質検査、心電図検査、そういったものを追加するよういたしまして、近年の疾病構造の変化に対応して健康診断の充実を図っておるところでございます。そして、今先生がおっしゃったような状況がもしあるとすれば、私どもまさにそれにぴったりと当てはまるような施策を実は昨年行っておるところでございます。 と申し上げますのは、昨年の四月十二日でございますが、教職員の健康管理主管課長あてに私どもの方から通知を出しておりまして、これによりまして、例えば各学校に置かれております学校医のうちで、特に教職員の保健管理について助言に当たられる学校医の役割を定めるように、そして学校におきます教職員の保健管理体制の充実を図るように、こういった指導を行ったところでございます。健康診断の結果、実態を把握するということをより一歩進めまして、各学校ごとでそういったふうに先生方が身近に、気軽に学校に相談をまずしていただく、重症の場合にはもっと精密な健康診断を受けるように、そんなふうな仕組みを各学校ごとに整えてほしい、こういったふうな指導を昨年四月したばかりでございまして、この成果を期待したいと思っております。
○山原委員 私は実際に学校を回ってみましても、本当に実態だろうと思います。物すごく忙しいのですね。時間がない、余裕がない。子供に影響することはもう間違いないわけでして、完全週休二日制の問題もありますし、そういう点から、教職員の増員の問題あるいは学級定数の改善の問題をどうしても改善しなければならぬわけですが、本来なら第五次定数改善が終了した本年から第六次定数改善計画に踏み出すべきところでございますけれども、今年度は見送られ、文部省として来年度から定数改善に踏み出すと聞いていますが、先ほどの御答弁によりますと、七月ごろその結果が出るというお話なのですね。ところが小中学校における三十五人以下学級あるいは高等学校四十人以下学級について検討されているかどうかということです。高校の場合、第四次定数改善計画でも四十五人のままで見送られ、四十八人、四十九人学級が実際行われています。諸外国の例はもう挙げる必要はないと思いますけれども、これは随分違いますね。それはアメリカの二十五人とかイタリアの二十五人ないし三十五人とか、旧西ドイツの三十人学級あるいはフランスの二十四ないし四十人学級、カナダの八ないし三十一人学級というような、結局先進諸国の中でいわばこの意味では最低な状態に置かれているわけです。 これはかつてこの問題についての論議が随分なされてきましたから、今さらここで申し上げる必要はないかもしれませんが、これはイーバートというかつての世界教職員団体総連合の会長でございますが、彼は「四十人の群れと二十人の集団では雲泥の差がある。群れの中でまわりの子供に話かける子どもは授業のさまたげとして罰せられるが、適切な集団のなかではお互いに影響しあってはげまされる」というような例も挙げています。これを引くまでもありません。さまざまなゆがみが日本の教育は学級定数が多いために起こっているわけです。実際、高校で四十五人、四十六人のクラスを受け持って、次に三十二人のクラスを受け持った先生の報告では「三十三人のクラスの長所として第一に授業への集中度がちがうこと。」それから「机間巡視が楽でノート・プリント指導ができて生徒も意欲を示す。第二には提出物が一回で集まる。授業の能率がよくエピソードも多く語れ、生徒も興味を示す。それに欠席・遅刻もすくなくなるということで、ただ単にマイナス十ではなく相乗的効果をあらわし三十五人以下の学級ではお互いに援助しあいながら授業に参加するというつながりがつくれる」というふうに述べています。これは実際に授業に当たった者にはもう目に見えるように差が出てくるわけでございまして、そういう意味でこのことは今やらなければならぬことなのでございますが、この点についてどういう改善をするつもりなのか、基本を伺っておきたいのです。
○遠山政府委員 今後の教職員定数のあり方につきましては、教職員定数の在り方に関する調査研究協力者会議というものをことし四月に発足させまして、今鋭意検討していただいているところでございます。先生からるるお話ございましたけれども、ちょうど新しい学習指導要領がねらいとしておりますものと同様の方向としまして、個に応じた多様な教育を行うために教職員定数というのは一体いかにあるべきかという観点から今議論が行われているところでございます。この協力者会議におきましては、本年七月までに中間のまとめを行う予定でございます。
○山原委員 もう時間がなくなってまいりましたけれども、本当に諸外国の場合と比べても、学級規模二十五人から三十人が当たり前なのですね。それは実現していかなければならぬと思いますが、今おっしゃった研究協力者会議の結果が七月というお話を聞いたわけですけれども、七月というのは国会が終わりますね。六月二十一日に国会が終わるのです。それから参議院選挙がありますね。その真っただ中。そうなると、今度は八月がもう目の前ですから、そのまま概算要求となっていくわけでございまして、きょうもいろいろ問題が出ておりますように、文教予算を別枠といいますか、シーリングを外せという声が圧倒的に強い状態ですね。そういう中で、概算要求が組まれる直前、しかも七月に答申といいますか、その結果が出るということになりますと、国会の意思というのは第六次定数改善のときにはほとんど反映することができない。御承知のように、第五次定数改善のときには、この文教委員会に定数小委員会を設置しまして相当な議論が行われたことを記憶しておられると思いますが、そういう中で定数改善に対する意思が反映されて、そして今日のように改善されてきているわけですね。こうなりますと、全くここの文教委員会の意思というものはほとんど今度の概算要求には反映されないままに出ていくのではなかろうかというふうに思います。 そういう意味では、実際きょうも理事会の中で教育予算についての決議を上げよという声が出ていましたし、それは当然のことだと私は思いますし、同時にこの定数改善について、やはり本委員会に小委員会くらい設けて、一致できればここでこれを進めていくということをやるべきじゃないかと私は思いますが、これについては当然これは委員長にも、これは理事会ででも結構ですが、ぜひ検討していただきたい。これは切実な問題であることを申し上げたいと思いますが、いかがでしょうか。
○伊藤委員長 理事会で十分検討してまいりたいと思います。
○山原委員 最後に、今度の教科書ですが、来年度から使用する中学校の公民的分野の教科書の見本本を見ますと、日本書籍の教科書の中に、「緊張緩和のなかの自衛隊」の項に、「日本が世界平和に責任を果たすために、憲法前文や第九条に反しないありかたにより国連のPKOに参加する道も模索されている」とか、あるいは東京書籍のものでは、「日本の安全保障と自衛隊」の項で、「イラクのクウエート侵攻以降、政府は、国連維持軍に自衛隊を参加させることができるよう、国連平和維持活動協力法の成立をめざしている」とかいうことが出てくるのですね。ところが、これは原稿本にはなかったのです。そうすると、こういうものは文部省がこういうものを書きなさいというふうに指導したのか、あるいは検定意見をつけたのかということが疑問になってまいりますが、この経過はどうでしょうか。 私は、そうなってきますと、今審議されているさなかですから、これが廃案になるかあるいは通るかそれはわからない、今のこの瞬間では。そうなってくると、数年間使う教科書をまたどこかで変えるのか、あるいはあの教科書の時点では古いんだというふうなことが当然出てくるわけですね。それがどうしてこんなところへこういうものが出てきたのか、この経過について説明をいただきたいのです。
○坂元政府委員 平成三年度に行いました中学校教科書についての検定の結果等につきましては、現在全国の市町村で採択の事務が進められている最中でございます。したがいまして、採択への影響があってはいけませんので、個々の教科書の具体的内容等についてのコメントは差し控えさせていただきたいというふうに思っております。 なお、本年七月には教科書の内容や検定の結果等については統一的に公表する予定にいたしております。一般的に言いますと、中学校社会科の教科書においてPKOをめぐる最近の動きを記述した内容が幾つかの教科書に見られるところでございます。PKO問題についで、文部省として直接的に検定意見として言及してはおりません。 以上でございます。
○山原委員 時間が来ましたので、終わります。
○伊藤委員長 御苦労さまでした。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本月は、これにて散会いたします。 午後四時三十五分散会 ————◇—————