文教委員会 第5号
- 発言数
- 223 件
- 登壇者
- 13 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/04/15
会議録
○伊藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山元勉君。
○山元委員 私は、ただいま議題となりました法案について、現今の大学が置かれている状況から考えて、社会の要請により正しくこたえていく大学づくり、そういう観点から本法案に賛成する立場に立ちます。しかし、幾つかの明らかにしておきたい点や求めておきたい点がございますので、申し上げていきたいというふうに思います。 最初に、神戸大学の教養部と教育学部を国際文化学部及び発達科学部に改組することについてお尋ねをいたします。 提案理由では、簡単に、「各大学における大学改革と教育研究体制整備の一環としてことだけあります。もう少し詳しく、この必要性、そして目的とするところをお述べいただきたいと思います。
○前畑政府委員 ただいま御指摘ございましたように、神戸大学では、教養部と教育学部をあわせて改組いたしまして、国際文化学部及び発達科学部というものを設置する、こういうことでございます。 御案内かと思いますが、かねてから神戸大学では一般教育のあり方を含めた教養部改革というものについて検討を重ねてまいっておりました。また教育学部につきましても、御案内のとおり、近年の児童数の減少に伴う教員就職者の逓減という実態をもとにいたしまして、その改革について教養部改革と連動をさせて検討してきたところでございます。教養部と教育学部と申しますのは、御案内と思いますが、かなり幅広い分野の専門の教員の方々が集まっておられるところでございますので、それを生かしながら新しい学部構想を立てつつ一般教育の改善を図る、こういうのがねらいでございます。 新しい学部についてるる申し上げますことは差し控えさせていただきますが、一般教育の改革というのが基本的な検討の理念でございますので、従来の教養部という組織ではなくて学部としての組織になりますので、そこでの専門的な教育内容を全学的な一般教育に役立てていこう、こういうふうな構想でございます。全体として、全学がそれぞれの学部で四年一貫のカリキュラムを責任を持ってつくる、そして、その中で所要の授業科目について発達科学部あるいは国際文化学部の授業科目を履習をする、これによって一般教育の充実及び専門教育の充実を期そう、こういう趣旨のものでございます。
○山元委員 この新しい学部構想ということは社会の要請ということで一応理解できるわけです。しかし、現実的にはこのように、教員養成大学あるいはそういう学部の改組によって定員の一部が教員養成の目的以外の課程になっていくわけです。いわゆるよく言われるゼロ免コースに転換をしていくわけです。後ほど教員養成について主に申し上げていきたいわけですけれども、そういうことで、一九八七年度に山梨大学やあるいは愛知教育大学がこのように転換をされました。その状況ですね。いわゆる総合科学課程に変わっていって、一体その卒業生がどういうふうに就職をしていくか。例えば愛知教育大学で、教員養成が主たる大学でありましたけれども、そういう課程になっていって、じゃ、卒業生がどういう就職をしていっているのか、教員養成の条件がどうなっているのかということについて、またお伺いをしたいというふうに思います。
○前畑政府委員 ただいま御指摘ございましたように、昭和六十二年度に山梨大学と愛知教育大学につきまして、いわゆるゼロ免課程というものを初めて設置をいたしたわけでございます。したがいまして、平成三年三月に両大学から卒業者が初めて出ました。したがって、この段階でいわゆるゼロ免課程の卒業生の進路というものを判断をするということはなかなか難かしいわけでございますが、両大学の平成三年三月の卒業者の就職状況について申し上げますと、両大学の卒業者、合計九十七人でございますが、製造業、金融業など教員以外に就職した者が七十七人で七九%ということになっております。なお、山梨大学の総合科学課程では、教員に三人、愛知教育の総合科学課程では教員に六人、それぞれ合計いたしましても一割弱の者が教員に就職をしている、こういう状況でございます。
○山元委員 現実にこういうふうに教員になる者が激減する学部になっていっているわけですけれども、この新しい神戸大学の課程では、教職課程は、学科ごとですか、定員ですか、両方合わせて一体認定をされる予定はどういうふうになっているのか、お知らせをいただきたい。
○前畑政府委員 神戸大学では、今御審議いただいております発達科学部におきましては、ほぼこれまでの教育学部のいわば経緯を受け継ぐわけでございますが、それ自体が教員養成を目的とするものではありません。しかしながら、ただいま申し上げましたように、これまでの前身となる学部の実績あるいは関係者の要望を踏まえまして、教員養成の課程認定を受けるということにいたしております。したがって、希望する学生は引き続き教員の免許状が取得できるように配慮をしているところでございます。
○山元委員 重ねてお尋ねしますけれども、そうすると、今までこの学部は四百二十名の定員であったわけですね。同じょうに四百二十人の課程になるわけですが、今おっしゃるように二百八十人の発達科学部の方が教職課程の認定をしようと思っている。それじゃ、この四百二十人の学生が卒業するときどれだけ免許状を手にするのか、あるいは教職を希望するのかということは全く予定されていないわけですか。極端に言えば、ここから、四百二十人の中から教員になる者はゼロから四百二十人までの間の非常に幅広い、つかみどころのないような形になるという印象を受けるのですが、今の答弁からもですよ。その点はどうなんですか。
○前畑政府委員 端的にお答えいたしますと、今先生御指摘のとおりでございます。
○山元委員 それでは、一体文部省は教員養成の基本的な構想をどう持っているのかということがわからなくなっていってしまうわけです。 そこで、大臣にもお伺いしたいわけですけれども、一体今の大学のあり方についてどのようにお考えになって、特に教員養成について文部省は将来の計画、いわゆる基本構想をどういうふうにお持ちなのか、おっしゃっていただきたいというふうに思います。
○前畑政府委員 大臣からお答えがございます前に、事実関係についてちょっと御説明をさせていただきたいと思います。 先生御案内のとおり、教員養成につきましては、さらにその高度化を図るというのが一つの課題になっておりまして、各大学につきまして大学院の設置ということもこのところ進めてまいっておるところでございます。先般成立をさせていただきました予算でも、四大学について教育学研究科の設置をお願いをいたしております。現在、三十五大学に大学院を設置いたしまして、残り十四大学というふうになっておりますが、今後とも各大学の整備状況を見定めながら大学院の設置を進め、さらにその教員養成大学としての充実を期していきたい、このように考えているところでございます。
○鳩山国務大臣 今高等局長がお答えをしたとおりだと思いますが、大学においてどういう教員養成をいたすかということについては、それはその大学の特色、伝統もありましょうし、あるいは地域事情というものもあろうかと思っております。 ただ、そういう中で児童生徒数の急減が始まっておりますから、その辺もまた大きな要素になってくるわけで、いずれにいたしましても、重要なことは、質の高い教員をどうやって確保していくのかという、量的な問題から明らかに質的な問題に問題は転化してきていると思うわけでございまして、もちろん臨教審の答申を受けて、教育改革の一環として免許法の改正をいたしましたのも同様の趣旨であろうと思っております。 教育問題は教師問題であるという部分がございまして、また先生から習う子供たちは一生涯その先生の影響から自由になることはできないと、私はみずからの経験に照らしてもかたく確信いたしておりますから、すばらしい教育力を持ったよい先生をつくり上げれば、教育の過半の目的は既に達成できるのと同じだろうとも考えることがございます。省内でもいろいろと研究を続けてまいりまして、質の高い教員を養成できるように努力をしてまいりたいと存じます。
○山元委員 御案内のように、教員養成については、戦前は師範教育から、戦後は教育改革の中で大学における教員養成、一般大学、国立、公立、私立すべての大学で専門教育を履修すれば免許が与えられる、いわゆる開放的教員養成制度というのができ上がった。そして今総合科学課程という新しい課程が入ってきて転換をしている。今も大臣がおっしゃるように、児童生徒が激減をする状況の中で、そういうふうに転換していくということは納得がいくわけです。しかし、変わらないのは、しっかりとした使命感なりあるいは教育観なり教育への情熱というものを持っている、あるいは高い技能を持っているという教員、質の高い教員を養成することは非常に大事なことというのは変わらぬわけです。とすると、先ほどからお伺いしているようなゼロから四百二十というような、外の大学をとってみても、そこでどれだけの教員が養成されるかわからぬような計画というか構想というのは、これはやはり間違っているというか不十分だというふうに思うのです。 大臣のおっしゃるように、確かに量から質へというふうに転換をしていかなければならぬけれども、高い質を持った教員をどれだけ養成しなければならないのか。それは国の責任、大学の責任ということを明確にしなきゃならぬ。そういう施策が必要だろうというふうに思います。 申し上げておきたいのは、もう一つは、そういう児童減のときに、教師の需要が低くなるから養成を、定員を減らすというのでは、私は前向きではないと思うのです。今の状況からいいますと、やはり欧米諸国に比べて日本の四十人学級というのはまだまだ行き届いた教育はできる状況になっていない。とすれば、子供が減るときに教員の数をしっかりと確保しながら、三十五人学級、三十人学級というふうに前を向いていかなきゃいかぬと思うのですけれども、そういう意味からいうと、こういう教員養成計画というのは極めて不十分だと思うのです。 大臣にお伺いしたいのですけれども、今の四十人学級にとうとう到達をした、将来は三十五人、三十人というふうに現場の要請もあるけれども、どういうふうにお考えになっていらっしゃいますか。
○鳩山国務大臣 四十人学級が完成をしたばかりでございます。また全然別のことでございますが、昨日、超党派で何人かめ先生方が海外の日本人学校を視察された結果を持ってこられまして、いろいろと御要請をいただきましたけれども、御承知のように、日本人学校については、国内に比べますと八二、三%分の割合でしか教員を派遣いたしておりません。したがいまして、四十人学級を日本人学校では達成できていないケースもあるわけでございまして、まあそういう意味でいえば、なぜ四十人学級であったか。それは先生の目が少しでも一人一人のお子さんに届くようにということで、四十人学級を完成いたしたところでございます。 そして、次の新しい計画はどうなるんだ、定数改善計画はどうなるのだと言われますと、それは四十人学級が完成した今日の時点で、その状況を十分に把握をさせていただいて、もちろん国家の財政状況というものもあろうかと思いますが、そういうことを勘案して、また別途いずれ新しい計画をつくっていくことになろうと思います。ただ、一般的に申し上げて、教育というものは、どれだけ一人の先生の、例えば専門でもよろしいですが、いわば担任の先生の目がどこまで行き届くかということを考えますと、それは少なければ少ないほど目が行き届くということは事実一でございまして、例えば欧米で、今ここはいわば学校の教室と同じような並びになっておりますが、前の席と後ろの席と、伊藤委員長が担任の先生だとすれば、最前列の方と最後列の方とは距離の差があるわけですが、この距離の差がない方がいいというので、丸く生徒を並べて真ん中に先生が立つというような教育方式は、多分もう日本のアメリカンスクールあたりでもやっているかと思うわけでございまして、そういう場合は輪に四十人を並べるということはちょっと不可能ですから、二十五人ぐらいの規模になっていくのでありましょうか。それは三人、五人、六人というのではかえって人間関係を学ぶ場にはならないと思いますから、適正の規模というのは当然あろうと思いますが、私は、一般論から言って、四十人よりももうちょっと少ないようなところで適正規模があるような気がしておることは事実であります。
○山元委員 この問題はもう終わりたいと思いますけれども、四十人学級が完成をして、次の段階で別途計画をというふうにおっしゃった。私は急いでもらいたいと思うわけです。一方で大学のそういう改組が行われていっているわけですね。ゼロから四百二十、しつこく言いますけれども、そういうような不確かな計画ではなしに、きっちりとした計画をやはり立ててもらいたい。確かに、学校現場では、例えば最大限の発達を保障するためには、障害を持っている子供、あるいはいろいろな家庭的な事情を持っている子供、いろいろな才能を持っている子供、それぞれに対応していくためには本当にまだまだ教師が足らない。どんどんと教師をふやしてもらいたいというのが要請ですから、そういうものにこたえていくためにもしっかりとした計画的な教員養成について努力をしていただきたいということを申し上げて、次の問題に移らせていただきます。 埼玉大学と和歌山大学の両経済短期大学部が今度廃止になります。そのことについて、これも提案の理由では、簡単に、「発展的に解消しことありますけれども、もう少し具体的に廃止をする背景について、あるいは目的についておっしゃっていただきたいというふうに思います。
○前畑政府委員 御指摘がございました埼玉大学及び和歌山大学の経済短期大学部と申しますのは、夜間三年の短期大学部でございます。 これらはいずれも発足当初は勤労青年のための夜間の教育ということで発足をいたしたものでありますが、近年、社会のいろいろな状況の変化もありまして、有職のために夜間にしか学べないというような者が減少をしてきたという状況がありますし、また三年行っても短期大学ということから、もう一年で四年制の学部という、教育内容の高度化を図りたい、あるいはそういうところで学びたいというような要望もございます。さらに近年における生涯学習と申しますか、一般社会人がさらに新しい教育の場を求めるというふうな動きが出てまいっております。 そのようなことで、一つには、より高度の専門教育の実施を目指す、二つには、勤労青少年だけではなくて、広く一般の社会人のための教育機会を提供する、こういうことから短期大学を廃止して、それぞれ経済学部の中にいわば発展的に解消をして、しかも経済学部の中に主として夜間に履修をするコースというものを設定した、こういうことでお願いをいたしておるところでございます。
○山元委員 普通、発展的解消といいますのは、一つのものがあって、そして、その質を余り変えないで、よりよきものをということだと思うのですけれども、お伺いしますけれども、この短期大学、例えば埼玉でいいますと、昭和二十九年に設置をされて四十年近い歴史があるわけですね。そこのところで、四十年近い歴史の中で三年制短期大学というものが果たしていった役割、これがどうであったのか。単なる廃止ではなしに、「発展的」とおっしゃっているわけですから、そこの果たしてきた役割というものがどういうふうに評価されるのか。そして、それをどういうふうに発展させて、次の四年制の夜間主コースの大学にするのか。そこのところのつながりがこの説明では見られないし、今の局長の説明でも見られないわけですけれども、改めてその四十年にわたる短期大学部の評価についておっしゃっていただきたいというふうに思います。
○前畑政府委員 御指摘のように、長い歴史を持つ短期大学であったわけでございますが、これも先生御案内かと思いますけれども、全体として、最近の進学動向といったものは、短期大学から四大の方に女子の場合でもシフトするというような状況がございます。 つまり、より高度の専門的な教育を求めるということが一般的に風潮としてございますし、また国立大学として考えます場合にも、短期大学ということにとどまらず、四年制の学部としての教育機会を提供するということを考えなければならないということでございまして、勤労青年のための夜間の教育についての長い実績を生かしながら学部に転換をして、学部の中に夜間主コースというものを置きまして、そこでこれまでのいわば勤労青少年を含めた一般社会人のための幅広い教育機会の提供ということに転換をしていこうということでございます。
○山元委員 単なる学生生徒の教育の高度化というのですか、そういう志向というだけではなしに、十分御案内のように、今社会は国際化しているし、情報化しているし、そして産業や技術や就業構造というのは大きく変わっていっている。ですから、より高い教育あるいは研究をという志向が社会人の中にもある。そういうものにこたえるために、夜間あるいは二郡の教育があっ化し、この短期大学もあったと思うのです。そうして、そういうより高いものを求めるという要請にこたえて今転換をしていこうというのだとおっしゃる。確かにそういうことをしっかりと踏まえていい学部をつくってもらいたい、いい課程をつくってもらいたいと私は思うのです。 そこで、そういう条件の一つとして、新しい大学、夜間主コースの大学のために教員、教官の定数、例えば埼玉大学でも和歌山大学でもいいのですが、例えば埼玉で教員、教官の定員は一体ふえるのか減るのかということと、もう一つは、勤務の体系がどうなるのか、どういうふうに考えていらっしゃるか、おっしゃっていただきたいと思います。
○前畑政府委員 教職員定数につきましては、従来は三年の修業年限でありましたものを延長するわけでございますし、さらにまたより高度の専門教育を実施するということでございますので、所要の増員をいたしております。例えば、今御指摘の埼玉大学の場合につきましては、今後の学年進行に伴う年次計画による整備を含めまして、全体として教員については十五人の増、職員については四人の増ということで考えております。 なお、勤務の問題でございますが、昼夜開議制による授業が夜間に及びまして、その授業を担当する教官が従来同様夜間に勤務するということも出てくるわけでございますので、そのための夜間勤務の特殊性を考慮した特別の配慮を求める要望もございます。この点につきましては、なお検討してまいりたい、このように考えております。
○山元委員 定員増については十五名、四名ということで、ただ、事務職にしてみれば、昼と夜と別の対応をしなければならないわけですから、当然定員増があろうと思います。 今特別の配慮という言葉でおっしゃったのですが、これは夜勤手当のことですね。
○野崎政府委員 お答えを申し上げます。 先生、現在の仕組みにつきましては十分御存じかと思うわけでございますが、併設の経済短期大学部の教官が経済学部の非常勤講師として正規の勤務時間外に授業等を担当した場合、これは正規の勤務時間外に勤務をしたということで非常勤講師手当が支給されておるわけでございます。今回、短大が廃止されまして四年制の経済学部に統合されますと、短大に所属していました教官も経済学部の所属ということになりますから、その先生方の勤務というものは、正規の勤務時間内で全体として処理をする、これは勤務時間の割り振りの問題として処理をするということになるわけでございまして、したがって、勤務としては本務としての勤務ということでございますから、給与上の措置というようなことは、この制度の中では考えられないわけでございます。 今高等教育局長が答弁をしましたのは、そういうような特別な配慮を求める要望があるということを私どもは承知しておりますが、ただ、これはなかなかほかの同種の勤務をしている人とのバランスの問題とかいろいろな面で慎重な検討を要する問題である、このように認識しております。
○山元委員 ちょっとわかりにくいですね。具体的に言うと、今までの短期大学部で授業をしておられた教官は、昼夜ともにわたって開議され、そこのところに出なければならないわけですね。そして、今まで経済学部にいらっしゃった、昼の授業をしていらっしゃった教官は夜もしなければならないことになる。そういう形に入り組むわけですね。そこのところ、どうですか。
○野崎政府委員 確かに、これは同じ経済学部の仕事になるわけでございまして、したがって、実際上の授業の形態によっては入り組んでくることもあろうかと思いますが、しかし片方、勤務時間というものが先生方にあるわけでございますから、その勤務時間の割り振りでそのあたりを処理していく。いずれにいたしましても、これは経済学部の仕事でございますので、本務としての仕事でございますから、その本務としての仕事については、現在本俸で措置されているということでございますので、私どもとしては、まず勤務時間の割り振りというものを適正に行っていただくことが大事だと思っておるわけでございます。
○山元委員 それはおかしいですよ。だれが考えても、素人といいますか社会的通念で考えて、昼勤める、夜勤めるということについては、普通の生活から考えて、夜勤めてもらう人には手当を出さなければならぬ、あるいは二つの勤務をする者については手当を出さなければならぬ、より質の高いかあるいはより質の違う仕事をするわけですから、手当が要るわけです。 そこて、先ほど申し上げましたように、私は単に口先だけでいい大学にしてもらいたいということを言っているのではなしに、こういう社会の要請でつくられる、その中身は何かといったら、社会人になっていて社会体験あるいは勤労体験を持っている人がこの大学へ入ってくるわけです。そういう社会人が勉強の場を求めてやってくる大学、自分たちが既に社会体験なり勤労体験を持ってへて、この質の変わった、普通の大学生とは違ったいわゆる課題意識で大学へ入ってくるわけです。そういう学生に対応するのは、昼間の学部の授業、講義とはまた違った質を持っていなければならぬと思うのです。単なると言うたら語弊があるかもわかりませんけれども、大学教育とあわせて社会人教育とか生涯学習教育、そういう機能をその大学が持っていないといかぬと思うのです。そういう質の違う、あるいは言い方によれば、より質の高い授業、教育をしようとすれば、先生たちにはそれなりの勉強をしてもらわなければならぬし、あるいは労力を使ってもらわなければならぬと思うのです。そうでなければ、単に昼か夜かという時間が違うというだけの大学ではない大学に今の社会の状況からいってもしなければならぬわけでしょう。そうすると、その先生は、普通の社会生活をしている者であれば、朝から夕方まで勤務するのが楽に決まっているわけです。三百六十五日ずっと家で家族と一緒に夕御飯を食べられないという生活をする、なおかつ、教育的な情熱を持とうとすれば、それなりの手当を仕組みとしてしっかりつくらなければ、いい大学、いい教育にはならぬと私は思うのです。そのことで団体から要請があるとか、それに配慮しなければならぬという要請があるということだけではなしに、いい大学をつくるという意味で前向きに検討してもらいたいと思うのですが、大臣、いかがですか。
○野崎政府委員 先生のお話は、お話としては大変傾聴すべきお話であるわけでございますけれども、先生方の勤務というのは、一週間の勤務時間が決まっておるわけでございまして、その勤務時間の中で仕事を処理していくというのが基本原則でございまして、その勤務時間自体もかるべく短縮していこうという方向で来ておるわけでございます。したがって、今の制度におきましても、夜間に勤務したから手当を出すという制度ではなしに、勤務時間外にほかの学部の仕事をするので非常勤講師手当でそれを措置しておる、こういうのが今の制度でございますから、やはり基本は勤務時間の適正な割り振りの中で処理していくということでございます。 ただ、先生の貴重な御意見でございます。他の職員とのバランス等、なかなかいろいろ問題もあるかと思いますけれども、研究課題にさせていただきたいと思います。
○鳩山国務大臣 文部省として御答弁すれば、今の官房長のようなことになろうと思いますが、私は先生の今のお話を承って、非常にいいお話であり、感銘深く聞かせていただきました。 と申しますのは、私前にも国会でお話をいたしたかとは思いますが、放送大学を視察へ参りましたり放送大学の卒業式に出たりいたしまして、別に差別的な発言をするわけではありませんが、みずからの学生時代を振り返って、何か恥ずかしいなという気持ちがあったわけです。本当に学びたいという気持ちで自分は大学生であったかと思いますと、放送大学で、それは入学した方で全科履修で卒業する方は、それこそ一割とかあるいは二割というようなオーダーではないかと思いますが、その問をくぐり抜けてこられる方の、いわゆる生涯学習ですね、まさに教えられるのではなくて、みずから学び、習っていこう、その意欲の真剣さ、純粋さ、あるいはその向学心の本物だという感じに非常に感激をいたしたわけです。 先生の今のお話、全く同じでございまして、勤労体験あるいは社会体験を積んで、そうした中から学ぼうという意欲を持っている、そういう人たちはすごいんだ、そういう学生の向学心というのはすごいんだということを先生は指摘されたものと私は今受けとめたわけでございます。そういう方々の方が体験を積んでいる分吸収力がある意味では強いのかもしれませんね。私どもみたいに高校を卒業して大学受験してはっと入った人間に比べれば、体験がある分向学心も大きなものがあるし、吸収力もはるかに強いものがある。そうした方々の熱意や希望にこたえるような教育の体制をつくれという意味では、先生のお話を深く肝に銘じなければならないと感じます。
○山元委員 ぜひ前向きに検討をしていただきたいというふうに思うのです。要請があるから、ニーズがあるから箱はつくる、教員は時間の割り振りとして配置をする、単なるそういう大学であってはならぬというふうに思います。 そういう意味でもう一つ。そういう職を持っている人たちが半数を超えるような大学で、今度学校五日制になってくる。昼の間は週休二日制になる。学校五日制と週休二日制になってきて、夜勉強しようという学生諸君も、昼は月曜から金曜まで、夜も大学は月曜から金曜まで、こういう状況になるわけですね。土日が全く学校も会社も休みというのは、これはやはりじっとしていられない気持ちになるというのです。 そうすると、時代の流れに逆行するかもしれぬけれども、例えば学校は月曜日休みで土曜日に集中的に講義をしてもらう時間になったら一番いいな、ハードな昼の仕事、夜の勉強というのが月曜日から金曜日まで続いて、土日が休みだ、体が休養日だというぜいたくはするいとまがない、できたら月曜日は夜が休みで、土曜日は集中的に、より精力的に授業があったらいいなという、まあ六日間授業をということが無理であれば、同じ五日であれば、土曜日開議があって月曜日体が休まるというような、あるいは自分の時間が持てるというような、学校五日制の変形になるわけですけれども、そういう土曜開議ということについて、これから希望が高まってくるだろうと思うのですけれども、その点についてはどうですか。検討されていますか。
○前畑政府委員 ただいま先生が御指摘になりました問題は、実は大変大きな問題として私どももそして大学側も受けとめております。 先ほど来御指摘がございましたが、従来から夜間における授業を行う、あるいは公開講座といったものも夜間において行ったり、あるいは休日において行ったり、さらには大学から離れて出張しての公開講座というようなものを行ったりしてまいっておる学校もありますが、いず札もある意味では、それぞれの担当する教員の方の大変な負担において行われているという実情もございます。しかも、御指摘のように、週休二日、週五日制というものが社会に定着していきます場合に、大学が土曜、日曜をどのように対処すべきかということは、大学の役割からしても大変重要な問題であるということは認識をいたしておりますし、繰り返しになりますが、大学側もどういうふうに対処したらいいかということを考えつつあります。 しかしながら、現段階では学校五日制というものを大学でどのように定着させるかということがまずの課題でございまして、今も大学内で議論をされておりますことは、例えば図書館はどうしたらいいだろうか、あるいは食堂等はどうするのだろうか、あるいは研究室等もかぎをかけてしまうのだろうかといったようないろいろな議論がなされております。学校五日制、週休二日の定着の状況を見定めながら、新たな課題として検討を要する問題であろうというふうに認識をいたしておりますので、しばらくお時間をいただきたいと思います。
○山元委員 問題点として認識していただいていることについてはありがたいと思いますけれども、学校五日制が定着をすることが今まず大事だ、定着をして、それから新たにそれを手直しをしていくのだというのではなしに、今五日制に変わっていくとき、それを定着するときに、夜間の授業については、例えば特定の特殊な講義は土曜日に開議するのだとかいろいろな方法があろうと思いますけれども、そういう点について、これからも前向きに検討していただきたいというふうに要請を申し上げておきたいと思います。
○鳩山国務大臣 私がしゃしゃり出る場ではないのですが、いわゆる学校五日制の問題ということを九月の二学期の初めからということで決定をし、国会でも相当な御議論もしていただいたり、各党の御意見もいただいたりということで、実験校を設けて懸命に努力をして、これが段階的に進んでいけるようにしたい、こう思っておるわけでございます。 そういう学校五日制の問題と別に、いわゆる公務員の週休二日制というものがあって、完全週休二日制への移行という問題があって、これが先にどんどん決まってしまうわけですね。これはもう当たり前のことで、本来の学校五日制と勤労者の週休二日というものはダイレクトにすべてが一致して結びつくものではありませんから、時期がずれるのは当然ですが、国家公務員の完全週休二日というものが五月からということになってしまいますと、なってしまうという言い方はいけないのかもしれませんが、なりますと、国立学校に関してはすべてそれが当てはまる。国立大学については当てはまるということになって、学長の判断でいろいろできるようにはなっておりますけれども、そちらが先行するものですから、大学における週休二日というのか学校五日の問題というのは、これは義務教育段階で我々が考えていることとはやや切り離して考えていかなければならないと考えております。
○山元委員 もう一つ。時間が余りありませんが、大学一般にも言えますけれども、特にこういう有職社会人が学ぶところということで、特に警戒といいますか懸念をするというのですか、考えておかなければならぬ問題として三つあるのです。 企業との関係の問題です。先ほども言いましたように、勤労経験を持って、課題意識を持っている、そういう学生が入ってくる。そしてまた、その地域には、恐らくその大学の周辺には企業があるということになりますから、そういう観点から広く開かれた大学、社会に開かれた大学という言葉がありますけれども、企業に開かれた大学というふうになっていかないようにひとつ用心をしなければならぬ。これは文部省の指導が必要だろうと思うのです。またさらには、そういうことからいうと、その学生が持っている要請から、技術的なあるいは実用的な教育内容に偏っていく心配がないのか。さらには企業に利用されると言ったら語弊がありますけれども、よく言われる企業と癒着の関係になるようなことがないように、今言いましたように、特定の企業に開かれた大学ではなしに、本当に市民に開かれた大学でなければならぬし、そして技術的、実用的な、そのことは大事ですけれども、それに偏ってはならぬ、あるいは企業と癒着してはならぬ、企業の利便といいますか、宣伝とかそういうものに利用されてはならぬと思うのですが、そういう点について文部省の指導なり、あるいは今考えていらっしゃる、警戒と言ったらおかしいですけれども、指導についてお伺いしたいと思います。 〔委員長退席、中山一成)委員長代理着席〕
○前畑政府委員 企業の方から大学に対して、いわばリフレッシュ教育といいますか、近時における科学技術の進歩のテンポが非常に速いということもありまして、大学で学んだ知識が極めて速い時間で陳腐化していく、それを大学でさらにリフレッシュする機会を設けてもらいたいというような要望がございまして、私どもで研究会を設けて議論をしていただいたことがございましたが、その中でも大学側は、特定の企業から呼ばれて、そこに講師になって行くということについては大変警戒といいますからゅうちょをする雰囲気がございますのできるならば特定の企業ではなくて、いわば業界挙げて何か研修会なり講習会をやるといったようなことにしてほしい、そういうチャンネルを考えてほしいといったような気分もございます。したがって、大学側において既に特定企業にコミットをして、そこの教育を行うというようなことについては大変慎重でございますので、今先生が御指摘になったようなことは、私どもから大学に対して申し上げるまでもなく十分心得て対処をしているというふうに考えております。 御案内かと思いますが、かつては短期大学の三部制といったものがございまして、特定企業あるいは幾つかの企業の勤務時間に合わせての短期大学というようなことが設定されたこともございましたが、その場合でも、短期大学の方では企業側との勤務時間の調整に大変苦労をしたという経験もございます。ただいま先生の御指摘のところは、私ども十分踏まえまして大学側とも相談をしてまいりたい、このように考えております。
○山元委員 この問題は終わりますけれども、最後に重ねてお願いしておきたいのです。こういう新しい課程が出てくる、ぜひいいものにしていただきたいと思うのです。 実は私も定時制高校で四年間夜間勉強しました。そういう経験からいいますと、その当時は、それほど立派な勉強に対する情熱があってということではないかもしれませんけれども、やはり一生懸命やって、昼働いて夜勉強する。だからいい勉強をしなければならぬとか、いい場が欲しいということは、実利的といいますか、そして夜間の高校を卒業するときに、私は滋賀県ですけれども、大津から京都の同志社とか立命館とか、夜間がございます。そこへ続けて行くのか、それとも五年勤めた会社をやめて教育大学に行きたいなという思いと非常に迷って、親に断わりなしに会社をやめて教育学部へ行って親に怒られましたけれども、そのときに本当に真剣になって考えて、自分の勉強をどうしたいのや、どこで勉強したいのやということは一生懸命になって考える。そして夜学校へ行って、私が行ったときは終戦直後でしたから、電気もない、夜の体育施設もない、ないもの尽くしのところで夜間高校をつくっていく、そういうことをしたわけですけれども、こういう新しい、例えば埼玉大学で夜の授業を受けようと思うと、勉強にありつけると言ったらおかしいですけれども、本当にそういう勉強ができる、そしてほっとすることができる、そういう場、学校にしなければならぬと思うのです。これは銭金にかかわることではございませんから、努力してぜひいい大学をつくってもらいたいとお願いをして、この問題について終わります。 次に、新しく設けられる特別施設整備資金の問題についてお尋ねをしたいと思います。 この資金の設定の理由は、緊急に対処するべき課題となっている国立学校の老朽化した施設だとか狭隘な施設を改善するために、この資金を設置するんだ、こういうふうにされているわけです。具体的にというわけにはまいらぬと思いますが、そういう老朽化、狭隘化の実態について、そして、その財政について、少し具体的にというか概要をお伺いしたいと思います。
○野崎政府委員 私の方から施設の関係だけ御答弁申し上げまして、財政状況、繰り入れ状況等につきましては、会計課長の方からお答えさせていただきます。 老朽化等の問題につきましては、従来、十八歳人口が急増していくというようなことで、そういう学生増に追われる、あるいはいろいろな新規の需要に応じていかなければいかぬということで、どうしてもそちらの方に施設の整備費が回るというようなことがあったわけでございます。そういう中でも、平均しますと大体年三百億円程度の改修費なり改築費をつぎ込んできたわけでございますが、現在の状況を見ますと、国立学校が保有する建物、これは平成二年の五月一日現在でございますが、千九百二十三万平米ございます。そのうち通常改修等が必要とされます二十年以上たった建物が八百二十六万平米ということで、全体として四三%を占める、こういうような状況になっております。この四三%の中で、例えば二十年から二十四年というようなものも相当多くの分を占めておりますから、すぐにすべてを改修しなければならないというような状況ではないわけでございますけれども、やはり今までの年数の中で、総体的には施設の老朽化が進んでおるということで、その対応につきまして、私どもとしても真剣に取り組んでいかなければならない、こういう現状認識を持っている次第でございまして、今回の法案もそういうことでお願いしている次第でございます。
○泊政府委員 ただいまお尋ねのございました施設関係の整備費との関連で、一般的な国立学校特別会計の構成等について御説明をさせていただきます。 御案内のとおり、この国立学校特別会計は、一般会計からの繰り入れと、病院収入でありますとか授業料、入学検定料といったような収入、それから今回法案でも御提案申し上げているところと関連するところでございますが、国有地の有効活用という観点での学校用地の売却処分等という構成になっているわけであります。 大まかな比率で申し上げますと、平成四年度の予算におきましては、特会全体に対する一般会計からの繰入率が六二・八%、こういう構成になっております。したがいまして、自己収入等が三七・二%。その自己収入等の中で主なものを申し上げますと、病院収入が一八・六%、それから授業料及び入学検定料が一〇・四%、それ以外がその他の収入ということに相なっておるわけでございます。 そこで、一般会計からの繰入率でございますけれども、今年度は六二・八%ということでございますが、昨年度、平成三年度は、この数字が六〇・五%ということでございますので、二・三ポイントほど、厳しい財政事情のもとではございますが、改善を図っているという状況にあるわけでございます。 全体としての状況は、そういう状況でございます。
○山元委員 施設や建物は年がたてば古くなってくるのは当たり前です。古くなっていってぼさっとなってしまうまでにきちっとしておかなければならないのは、これも当たり前です。今お話ありましたように、二十年以上で改修が必要なのは四三%を超している、こういう状態になってしまったのは、やはり行政の大きな責任だというふうに思います。今もおっしゃるように、繰入率が六二・八%、こういう状況になった。ピークのときには八三%あったのですね。いわゆる高等教育は一般会計で八三%、これだけ見ていた。今繰入率が六二%に落ちているわけです。一九八二年から大幅に抑制されるゼロシーリング、マイナスシーリングがずっと続いてくる中で、これはやはりこういう状況を生んだのだろうと思うのです。これは改めて今認識するというのは遅いわけですけれども、こういう状況になっていると、本当に思い切って予算の幅を広げないと、四三%を超している二十年以上の改修が必要な施設ばかりになってしまっているこういう状況は克服できぬと思うのです。今ちょこっと去年の六〇・五%が六二・八%になって二・三%ふえて、ちょっとにこっとしていらっしゃるけれども、私はそんなのではとてもじゃないが四三%というのは解消できぬだろうと思うのですね。 そこで、文部省はこれからの予算についてどういう展望を持っていらっしゃるのか、お伺いをしたいと思います。 〔中山(成)委員長代理退席、委員長着席〕
○泊政府委員 国立学校特別会計の充実ということを考えますと、これは文部省全体としての一般会計の充実の問題とも関連いたすわけでございます。したがいまして、私どもといたしましては、国立学校特別会計、先ほど申し上げたような構成になっているというようなことを踏まえながら、一般会計からの繰り入れを含めて、全体として国立学校特別会計の充実を図っていくということが必要だろうと思っております。 ただ、現下非常に厳しい国の財政事情ということもございます。したがいまして、いろいろな形での工夫を凝らしながら新たな政策課題、今御指摘の国立学校の施設の老朽化あるいは狭隘化といったような問題等多々抱えておりますけれども、こういった新たな政策課題にこたえられるべく、文教予算の確保に努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○山元委員 大蔵省にお尋ねしたいのですが、今の二十年以上で改修を必要とするのが四三%を超している状況がある。御案内のように、国立大学協会だとかあるいは大学財政懇談会等が非常に窮状を訴えるアピールをしていらっしゃるわけです。そういうものを受けて、今の状況でいいますと、六〇・五%が六二・八%にちょっと繰入率が上がった、それぐらいのことでは、今の状況というのは何年かかっても解消できぬと思うのですが、大蔵省はこの問題についてどのように認識していらっしゃるのか、お尋ねをしたいと思います。
○乾説明員 お答えを申し上げます。 ただいま先生から御指摘のありました国立大学の施設整備の現状につきましては、財政当局といたしましても非常に強い問題意識を持っているところでございまして、そのような観点から、先ほど来御質疑あるいは文部省から答弁がありましたような特別施設整備資金の創設等を初めといたしまして、いろいろな措置を本年度予算において講じているところでございます。 ただ、今後の問題につきまして、先ほど来繰入率の議論がございますけれども、私どもは、繰入率自体が目的ということではなくて、あくまでも特別会計の歳出面における必要額というものを一方で確保しながら、その財源といたしましてどのような自己財源があるか、そしてもちろん現下の厳しい財政状況等を見ながら、どのようにしてそういった施設の整備の改善を推進していくために必要な財源を確保していくかということが重要であろうかと思っておりまして、その観点から今後とも文部省と相談しながらいろいろ工夫して努力してまいりたいと思っております。
○山元委員 強い問題意識を持っていただいているということはありがたいと思うのです。わかるのですけれども、ただ後の方でおっしゃったように、率と違うて実質で、私は率が何%ということだけじゃなしに、それじゃ、例えば実際に繰り入れの額がGNP比でいうとどうなっているか。これは国立大学協会の資料ですけれども、GNP比に対する繰り入れの率、これはもう金額になるわけです。一九八〇年が〇・四%であったのが九〇年、十年たったら〇・二八%に下がっているわけです。GNP比での比率が〇・四%から〇・二八%に大きく落ちているわけです。これは、教育で私はよく使うのですけれども、親の気持ちで教育の条件整備なり教育をしなければならぬ。親というのは、貧しくて親が食えなくても、親が着られなくても、やはり子供のためには食う物を着る物をという気持ちがあるわけです。財政が厳しいからといってGNP比が〇・四%であったのが十年たったら〇二一八%に落ちているということについては、やはりきちっと認識をし直していただいて、大幅な改善を大蔵省に要請をしておきたいというふうに思います。 こういう状況というのはもう少し調べておく必要があるだろうと思うのですけれども、国民所得に対してどうなっているのか、あるいは総生産に対してどうなっているのかということですが、私がひっかかるのは、財政制度審議会が去年の十二月に出した答申です。これは恐らく予算編成に絡んでいるのだろうと思うのですけれども、我が国の公財政支出学校教育費の対国民所得比率は、全体として欧米諸国と同程度の水準にあるが、それを高等教育と初中教育とに分けてみると、初中教育の方にウエートがかかっている、だから、財政の配分の見直しをして、高等教育の方にウエートをもう少しかけなければいかぬ。だから、総枠としては変える必要は余りないけれども、こちらへ移したらいいのだというようなことがこの財政制度審議会で出ているわけですが、そういう発想でいくと、今大蔵省がお答えになったことは信用できぬというふうになってくるわけです。十分出しています、ただウエートが偏っているのですということだけでは、この問題は解決をしないというふうに思う。そこのところをどういうふうに認識をしていらっしゃるのか。大蔵省は、この審議会の答申をこのとおりだ、総枠としては不足ないのだ、こういうふうに受けとめて予算をつくられるとなると、今主計官がおっしゃったことは言うだけのことになってしまうわけです。 私の持っている資料で、これは文部省の大臣官房から出ている「教育指標の国際比較」という資料ですけれども、国民所得に対する比率で、学校教育費は、日本は四・八%、アメリカは六・二%、格段の開きがある。西ドイツは五・三%、これも日本よりも多い。イギリス、フランスは五・八、五・五というふうに、国民所得に比べると、日本は今申し上げましたような国々から比べると低いわけです。初中教育費に触れてこの答申は出ているわけですけれども、それで見ても、例えば日本の初中教育費は、国民所得に対して三・九%、アメリカは四・七%、わずかに西ドイツだけが三・三%で日本よりも低いけれども、イギリスやフランスは日本よりも高い、こういう状況で、初中教育も低いわけです。全体も低いわけです。そういう点でいうと、この答申は私はおかしいという気がするのですが、この文部省の資料と答申とを大蔵省はどういうふうに判断していらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○乾説明員 ただいま先生が御指摘になりました学校教育費及びその内訳といたしましての初中教育、高等教育の対国民所得比の数字は、私のただいま持っております数字と年度の差はありますけれどもほとんど違いはございません。事実関係はそこを申し上げます。 それで、御指摘になりました昨年の十二月の財政制度審議会の建議、答申でございますけれども、その中で「我が国の公財政支出学校教育費の対国民所得比率は、全体として欧米諸国と同程度の水準にあるがこという指摘がされているわけでございますけれども、この意味は、私どもこの答申の作成のお手伝いをいたしましたけれども、言うまでもないことなんですけれども、GNP比、GNPといういわば国民経済全体の概念と政府の支出との間には、直接これを結びつける議論というのがよくあるわけでございますけれども、その前に政府の規模、いわば政府の歳出規模をどの程度と見るかということが必要だというのがこの財政制度審議会の考え方でございまして、そのためには、我が国はGNPはこれぐらいだけれどもあるいは国民所得はこれぐらいだけれども、そのうち租税負担として幾らを国民あるいは我が国企業が負担をいたしまして、それを政府部門に振り分けるかという議論がまず先にあるべきだというのが財政制度審議会のお考えであります。 そのような観点から、GNPと政府の歳出との議論をつなげるものといたしまして、いわば政府の規模ないしは租税負担率の議論が間にくるべきだということでございまして、その租税負担率を加味して考えますと、例えば国民所得比は先ほど先生御指摘の数字とほぼ同様でございますけれども、租税負担率は、例えば九二年で日本が二六・四、アメリカは八九年度で二六・一ですけれども、英国は九〇年度で四〇・一、フランスは八八年度で三三・九、西ドイツは八九年度で三〇・穴と、アメリカを除きまして日本より高い水準になっておるわけでございまして、こういうものを総合的に勘案した場合に、政府の規模まで考えた場合に、全体として欧米諸国と同程度の水準にあるのではないかというのが財政審の答申であり、かつその内訳を見た場合に、初中教育と高等教育との配分を各国比較いたしました場合に、日本は諸外国に比べまして、やや高等教育が手薄、初中教育にウエートがかかった配分になっているのではないかというのがこの答申の趣旨であると私ども理解をいたしております。
○鳩山国務大臣 先生もう十二分に御理解いただいていることでございますが、例えば科学技術会議で科学関係学術研究予算の倍増を目指せということ、国会内の各政党の中でも今そういうような動きが具体的になってきております。私昨日東京大学を視察いたしましたけれども、理学部も工学部もとにかく狭いところで超電導の研究をやってて、外へ出すべき酸素ボンベが外へ出せないで中に転がっておるというような、本当に危険な状況の中で学術研究をやっておる。そこでノーベル賞級のものも生まれつつあるというような話を聞きましたが、これでは世界各国に比較して、いわゆる学術研究という意味で、これから科学技術立国の道を歩むことができなくなってしまうだろうと、大変強い危機意識を、現場を見て新たにいたしたわけでございますが、高等教育とそういう学術研究というものの関係は一体不可分だと思うわけであります。そこにいわば基礎・基本を教え込む初等中等教育というもの、それと高等教育というものの本質的な違いというものがあるわけでございまして、同じ教育予算だ、同じ文教予算だというのは間違いがないのですが、その中での配分というのでしょうか、初中の方がちょっと多目だから、初中をもぎり取って高等の方に移そうかという議論だけは、財政審もそういう意味で言っているとは思わないのですけれども、そういう議論にもしなってしまいますと――これは両方うまくいかなければ人づくりはできないわけだし、科学技術立国ができないので、それをこっちがちょっと多いからこっちへ、いや、こっちが多過ぎたからこっちへと、二王のめんを一度にゆがいてラーメンのどんぶりに両方移して、どっちが多過ぎるというようなことをやっておったら、日本の国は立ち行かないというふうに思います。
○山元委員 おっしゃるとおりだというふうに思います。 それじゃ、片っ方の初中教育が本当に欧米に劣らない立派なものかというと、私はまだまだ足らないところがあるだろうと思うのです。例えば学校図書館一つをとってみてもそうですし、教室の広さをとってみてもそうなんです。ですから、そういうウエートのかけ方の問題じゃなしに、総枠として考えなきゃならぬし、大臣も今おっしゃるように、とりわけ大学の状況を何とがするということであれば、租税負担率がどうだとかウエートがどうだとかいうような論議ではだめだということについては、大蔵省はこの際理解をしてほしい。この資金がせっかくつくられたわけですから、やはり大幅な改善をこれから実現していただくように大蔵省にお願いをしておきたいと思います。 時間がありませんから、そういう予算でしわ寄せを食っていると言ったら語弊がありますけれども、大学の施設や設備が老朽化している、狭隘化しているというのもしわ寄せの一つですけれども、もう一つ家計負担の問題があると思うのです。この間から新聞でも、例えば私立の問題が出ていました。親が悲鳴を上げている、東京の私立大学にはなかなかやれぬようになってきた、首都圏の私立大学の学生は、東京、首都圏外からは半数を切った、とてもじゃないが東京へ勉強にやれない状況になってきている。これは父母負担が過大になっている証拠だというふうに思うのです。授業料を含めて学校納付金、これの経緯、時間がありませんから私の方で申し上げますと、十年ほどの間におよそ二倍になっているというふうに思うのです。この私立大学協の資料でいいますと、二十年間で授業料が実質十二倍になったとなっている。そういうふうに国立も私立もずっと授業料が上がっている。これは今言っている予算の貧困のしわ寄せを一つ食っていると思うのですけれども、一体このことについて文部省はどういうふうに認識をしていらっしゃるのか、お伺いしたいと思います。
○前畑政府委員 御指摘のように、授業料等の学生納付金が年々値上げをされておるという状況がございます。私学については、御案内のとおり、その収入のかなりな部分が学生納付金で賄われておるわけでございますので、教育、研究条件の充実等を図ろうとする場合には、どうしても学生に負担を求めざるを得ないという問題がございます。また国立大学につきましても、これも御案内と思いますが、諸般の状況を勘案しながら、一つは私学とのアンバランス等についても留意をしながら適宜改定を図っておるところでございます。授業料に限らず、もとよりすべての物価については、これが高騰するということは好ましいことではございませんが、私どもとしては、今の国立大学の状況、私学の状況からすれば、何がしかの負担を学生、父兄に求めざるを得ないということは、大変遺憾でありますが、やむを得ない状況ではなかろうか、このように考えております。
○山元委員 具体的に数字をおっしゃらなかったのですけれども、これは文部省の資料ですが、例えば国立大学の授業料でいいますと、昭和四十年には一万三千五百円であった。十年たって五十年になったときに八万六千円となっている。六倍ほどになっているわけですね。そして五十五年まで五年間で二十六万円、これまた三倍ほどになっているわけです。昭和五十五年から平成三年まで、昭和でいいますと六十六年ですから十年ほどの間に、二十六万円が五十八万円になっているわけですね。国の予算の公財政支出がこういうふうにぼんぼこと二倍になり三倍になり、あるいは私立大学が言うように十年間で実質十二倍になっている。そういう状況というのは、これはひどいなというよりも異常だというふうに思うんです。そういう状況というのは、これはやはり一定のところで抑えなければならぬと思うのです。 今大学が非常にひどいことになっている、だから国も金を欲しい、授業料も上がるのは当然だといって天井知らずにこうなっていくことについては間違いだと思うのです。いかにも、この十年間で二十六万円が五十八万円になった、あるいは昭和四十年から見ると、あるいは五十年から見るとすごく上がって、何十倍になっているわけですね。そういうものについて文部省としては、一体この大学の授業料、納付金というものをどういうふうにお考えになるのか、どういうところで決めるべき、あるいは抑制すべきだというふうに考えていらっしゃるのか。これは将来ちょっと不安ですから、お伺いをしておきたいと思います。
○前畑政府委員 授業料等学生納付金のあり方は、高等教育全体の経費について公と個人の負担をどう考えるかという基本的な問題でもありますし、また教育投資のもたらす効果として、個人に帰属すべきもの、さらには国家社会に還元されるものについてどう考えるかという基本的な問題があろうかと思っております。 御案内と思いますが、高等教育への進学率がかなり低い時期におきましては、旧制の大学の例にもございましたように、専ら国家枢要の人材を養成するという観点が非常に大きく出ますが、近年のように、高等教育、専修学校等を含めますと進学率が五割を超えるというようなことになりますと、そういった色彩が薄れまして、いわば広く国民に高等教育をというようなことになってまいろうかと思います。そういった状況におきまして、ただいま申し上げましたようなことをどう考えるかということ、さらには御案内のとおり、近時、国立、公立、私立という設置者別の高等教育機関が非常にボーダーレスになってまいっておりますと、国立大学と私立大学との授業料の関係をどう考えるかというような問題もございます。人材育成や教育機会の均等の確保という観点からいたしますと、家庭の経済力に余り影響されずに進学できるような水準を維持するということが必要ではございますけれども、私どもといたしましては、私学については直接にはこれに介入する方策もございませんし、私学助成について尽力するということを通じていささかでも貢献をしたいと思っております。また国立大学につきましても、今後の高騰についてはできるだけ抑制的に対処をせざるを得ないと思っております。いずれにいたしましても、社会経済上の諸情勢を総合的に勘案しつつ対処をするという、ことになろうかと考えております。
○山元委員 時間が余りありませんので、この問題についてもう少し実際に、大学の予算の中で占める繰入金の率と家計負担の部分とがどういうふうに逆転をしていって、どんどんとふえていったかということについて、しっかりと文部省にも、そしてとりわけ大蔵省にも御認識をいただいて、改善をしていただきたいなということを申し上げたいわけですが、時間がありませんから、御理解をいただきたいと思います。 もう一つ、先ほども言いましたように、予算の貧困さからしわ寄せが老朽化に行って、今申し上げた父母負担に行って、そしてもう一つ私学に行っているのだろうと思うのですね。私学の財政というのは非常に厳しい状況になっている。だから、先ほども言いましたように、首都圏の私立大学には他府県からなかなか来られない状況になっているわけです。 この私立大学、まあ日本は非常に経済成長をした、高等教育の量的な拡大によってそのことがもたらされたとも言えるというふうに言われるわけですけれども、そういう高度成長を担った高等教育の七割を私学が分担しているわけです。その私学に対する国庫の助成というのはこれもずんずん落ちてきているわけです。平成三年度でいえば国庫補助率というのは、例えば経常費で見ると一四%を切るというふうに言われているわけですね。経常費の国庫補助が一四%、逆に言えば八六%はひいひいと言いながらそれぞれの私学がつくり出している、こういうことになるわけです。今も局長がおっしゃるように、広く国民に高等教育をということからいえば、この一四%の補助というのはいかにも低いと思うのです。文部省の気持ちは理解できるのですけれども、大蔵省はこれをどう考えていらっしゃいますか。
○乾説明員 私学の果たしている役割は、今先生も御指摘になりました七三%の大学生が私学で勉強しているという状況等を踏まえまして、一方で累次の臨調、行革審の答申がございますけれども、そういうものを総合勘案いたしまして、私学助成につきましては、四年度予算におきましても厳しい財政事情の中で対前年度七十二億円増の三千五百四十億円を私学助成として計上しているところでございます。 今後のことにつきましては、ただいま御指摘のありましたような父兄の経済負担の軽減等に資するため、また私大の研究条件の向上のため、私学側の自主的な経営努力を促すとともに、財源の効率的、重点的な配分に努力をしてまいりたいと思っております。
○山元委員 それでは少し解釈を聞いておきたいのです。 この私学の問題は、私学助成法に基づいて行われるというふうに思いますけれども、この第四条に「国は、大学又は高等専門学校を設置する学校法人に対し、当該学校における教育又は研究に係る経常的経費について、その二分の一以内を補助することができる。」とあるわけです。今挙げましたが、経常経費一四%を補助している。私学助成法では二分の一、五〇%以内を補助することができると書いてあるわけです。五〇%と一四%の差は余りにもひどいわけですね。この第四条の規定の解釈、これも大蔵省にお伺いをしたいのですが、これはどうなんですか。
○乾説明員 法律的な理論から申しますと、「以内」と書いてございますから、そういうことで御理解いただきたいと思うわけでございます。それでよろしゅうございますか。
○山元委員 文部省どうですか。
○奥田政府委員 お答え申し上げます。 主計官が答えられたとおりでございますけれども、御案内のように、一応の積算の上ではそれなりの積算をいたしておりまして、配分の効率的な方法というふうなことで、したがいまして、結果としましては、あのような数字になっているというふうな状況にございます。
○山元委員 笑い事じゃないんです、これは。この四条で「二分の一以内を補助する」、大蔵省は、これは文字どおり読んだら以内、一%であろうが一〇%でもいいと言うのだろうけれども、私はそうでないと思うのです。この法の精神というのは、やはり多い方がいい、多い方がいいけれども、二分の一に抑えるべきだというのが法の精神だと思うのです。現に、次の第五条には「補助金を減額」する。悪いことをした大学には減額をしますよと言っているわけです。一三、四%で減額ということはおこがましくて言えぬでしょう。五〇%以内に抑えなさいよ、悪いことをしたら減らしますよというのが法の精神だというふうに思うのです。第七条には「補助金の増額」というのが書いてある。この増額というのは四条にかかわって、「四条第一項の規定により交付する補助金を増額して交付することができる。」と書いてある。これは法の常識からいうと、二分の一にしなさいよ、悪いことしたら減らしますよ、そして特別の事情がありましたら五〇%を越して四条一項の規定にかかわらず増額することができるというのはそういうことでしょう。違いますか、文部大臣。
○鳩山国務大臣 法律というものは人間がつくり出すものですから、一番大事なのは、先生御指摘のとおり、法の精神を読み取るということで、私学振興助成湊という法律をなぜつくらなければならなかったか、あるいはどうしてそういう法律をつくったかという立法の趣旨を読み取って、これを守っていくことが一番大切だと思うわけでございます。したがって、一四・一%というのが経常経費に対する助成率――平成二年の数字だろうと思います。本平成四年がどれくらいになるかと言えば、平成二年から三年にかけてプラス六十六億であります。平成三年度予算から四年度予算にかけてプラス七十二億円でございます。増分が前年よりも六億ふえて、鳩山さんよかったなと随分言われたこともあります。メンツという意味ではそうなのかもしれません。 しかし、今急増期、いわゆる十八歳人口の急増期がずっと続いてまいった過程で、物価上昇もある。そして大学もふえる。恒常増、臨時増募もやって人数もふやす。したがって、分母はどんどんふえていく中で七十二億円増というのが、その前年度の六十六億円増というのがパーセンテージを上げる力にはならないで、無論下がる数字でございまして、どれくらい下がっていくのか、ひょっとしたら、この平成四年度という時点では、結果が出るのは今から二年後ぐらいかもしれませんが、一二%台ではないだろうかというようなことを私は恐れているわけでございまして、そうなりますと、立法の趣旨をそもそも守り切れなくなっているというふうにも言えるわけですから、これは懸命にお願いをして、何十億、ちょぼちょぼふえたとかいうのではない、抜本的な問題としてとらえていきたいと思います。
○山元委員 時間がありませんから、大蔵省にもお願いしておきたいのですけれども、この助成法ができた昭和五十年というのは私はここにおりませんから、法ができたときの審議の過程をもう一遍詳しく調べてみたいと思うのですけれども、だれが見ても、私が先ほど申し上げましたように五〇%以内ですよ。「以内」というのは、そこで抑えるんですよということで、そこへ近づけていく努力が必要であるし、当然だというふうに、この法がつくられたときにはなっていたと思うのです。そういう点で文部省も努力をしていただきたいし、大蔵省もそういう理解をして、今後大幅な改善に努力をしていただきたいというふうにお願いをしておきます。 きょう私あと財務センターについてもお尋ねをするつもりでしたけれども、全く時間がありませんから、こういう財務センターについても理解をしますが、ぜひ公正、適正な運営ができるように、本当に実が上がるように、このセンターについて運営をしていただきたいというお願いを申し上げて、またこれは後の機会に譲りたいと思います。 それからもう一つ、第百十八国会でも百二十国会でも国立学校設置法が審議をされて、そのときに附帯決議がつけられているわけです。とりわけ、今申し上げてきましたようなことも含めてですけれども、大学院の研究や教育体制の質的向上を図るために学位授与の円滑な施策を進めることとかあるいは奨学金制度、大学院の学生の皆さんが親から仕送りを受けながらアルバイトをしながらというのは、先ほどからおっしゃっているような高邁な高等教育の名に値しないような実態があるわけですから、この奨学金制度の問題についても改善をしていただきたい。 そしてまた、先般総理もおっしゃいました特定の大学に偏重するような社会風潮を是正するのに努力しなければならぬ、こういうふうにおっしゃっていましたけれども、確かに私もそう思います。 そういう点について、これから努力をされるように申し上げて、質問を終わりたいのですが、最後に一つだけ。蛇足ですけれども、私はことし初めて文教委員会に参加をいたしました。そこで最初に、この間聞いたときに初中局長でしたが、名前を出したらいかぬけれども、きょうも何人か出ました。父兄という言葉が出てくるのですけれども、父兄という言葉はやはり文部省が使う言葉ではないというふうに理解していただきたい。これは親で父がなければ兄だ、母も姉もないというような、そういう父兄という言葉は国会では使うべき言葉でないというふうに御理解をいただいて、これから委員会ではそういう言葉を使わぬようにお願いをしておきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○伊藤委員長 御苦労さまでした。 松前仰君。
○松前委員 山元委員の方からるるこの法律についての御質問があったわけでございますが、多少私も質問の内容についてダブるところもあろうかとは思いますけれども、私なりに理解をしていかなければいけない、そういう感じでおりますので、ダブルところは御容赦いただきたいな、そのように思っております。 午前中と午後と分かれるわけですが、午前中ちょっと大学の改組のことについて、先ほど山元委員も詳しく御質問されましたが、それ以外のことも含めて別の角度からの質問ということで、答弁をお願いしたいと思っております。 早速入りますが、お茶の水女子大生活科学部設置の件ですね。児童科、食物科、それから被服、家庭経営、家庭科教員養成、この五つが二つの学科になっていくというようなこと、そして学部の名前も変わる、こういうことでございますけれども、特に先ほど教員の話がございました。児童学科、家庭科教員養成課程、これについてはどのようになっていくかということをお答えいただきたいと思います。
○前畑政府委員 現行の家政学部におきましては、家庭科教員養成課程に限らず各学科とも中学校教諭一種免許状及び高等学校教諭一種免許状、いずれも教科は家庭でございますが、その免許状を取得することができることになっております。また児童学科につきましては、小学校教諭の一種幼稚園教諭の一種の免許状を取得できることになっております。 今回お願いいたしている改正に伴いまして、家庭科教員養成課程というものは廃止をされますが、大学当局では、改組後の各学科におきましても、引き続き現行と同種の免許状を取得することができるよう課程認定の申請手続を行いたい、このように考えておると聞いております。これによりまして学生の免許状取得の要望には対応できるというふうに考えております。
○松前委員 京都大学の総合人間学部設置の件を次にお伺いいたしますが、先ほど教養部の目標と総合人間学部のお話があったと思いますけれども、教養部というのは、私の理解では一般教養ということをやるところだ。京都大学に行ったことはございませんが、そうだと私思うのですけれども、そうなると、一般教養というのはすべての学生に対しての教育を行う場所である。そういうことになると、教養部を総合人間学部に変えていくと言ってはいますが、教養部の実態は、人数としてあらわすと数字は出てこないはずであった。ところが総合人間学部百三十人というようなことが出ておるということになると、これは京都大学の定員をふやす、こういうことになっているのでしょうか、その辺をちょっとお伺いしたいのです。
○前畑政府委員 京都大学の総合人間学部におきましては、入学定員百三十人に設定をしてお願いを申し上げておりますが、これはただいま先生御指摘のように、京都大学の現在の入学定員総数に対しまして百三十人の増員をするということでお願いをしておるところでございます。
○松前委員 こういう新しい学問の分野といいますか、そういう分野についての人を育てるという意味で、増員ということは結構なわけでございますが、こういうことになりますと、これはやはり総合的に考えますと、大学の定員というのがあるのかどうかわかりませんが、大体あると思いますが、やはりもう少し、これは大学の現状から考えて、定員をふやしていかなきゃならぬ、そういうような時代にあるということを示していると見ていいのかどうか。そこまで深く考えるなということなのか。その辺ちょっとお伺いしたいと思います。
○前畑政府委員 先生今御指摘のように、今後における十八歳人口の動向を考えますと、大学の全体としての入学宝貝はできるだけ抑制的に対処すべきであるという考え方が私どもの大学審議会からも示されております。そこで京都大学の教養部の改組に伴いまして、百三十人いわゆる純増ということにつきましては、大学設置審議会――御案内かと思いますが、大学設置審議会は、法律上の職務としては公立大学と私立大学の設置認可について審議をする機関でありますが、国立大学についてもやはり十分慎重に設置を行うべきであるということから、事前に、概算要求の前あるいは後に審議会で御審議をいただきますが、その際にもかなり議論がございまして、私立大学、公立大学については定員増に厳しく対処しながら、国立大学についてはこうやって新しい学部をつくって安易に定員増をするのかという厳しい御指摘がございまして、私どもの方から教養部改組に伴う新しい総合人間学部の構想等についても御説明をし、この学部が時代の要請に即応したものであるということから、例外的な取り扱いとして、私学にとっても認められている例外的な取り扱い、それに準じた扱いとして大学審議会でも御了承をいただいた、こういう経緯がございますことを御紹介させていただきます。
○松前委員 まさに私が指摘をしようとしていたことをおっしゃっていただいたわけでございますが、新しい時代に対して立派な人間を育てるという目標、これを高く掲げた京都大学、その趣旨について十分理解をしながら、私学についてもやはりそういうような、理想といいますか、そういうものを持っているということを御理解いただいて、新しい時代に即した形の、そしてまたどうしても必要だというようなところが出てきた場合には御理解をいただきたいな、そういうふうに思っております。 神戸大学ですね。国際文化学部、発達科学部、この設置でございますけれども、これもやはり教養部を含めて教育学部と一緒になって二つの学部ができるわけでありますが、これもトータル、新しいのを含めて四百二十人ですね。教育学部は四百二十人。これは教養部と一緒になってくるということで、定員増ではないわけですか。
○前畑政府委員 神戸大学の場合につきましては、今お願いいたしております国際文化学部が入学定員百四十人、発達科学部が入学定員二百八十人、合計で四百二十人、こうなりますが、これは現在の教育学部の入学定員四百二十人を分割をしているということでございまして、入学定員につきましては増減はございません。
○松前委員 ここの新しい学部をつくる理由、先ほど山元委員の方からいろいろ指摘ございましたが、児童数が減って教員就職者が減少してきたことに対処する。教養部の方は、一般教養教育を受ける教養部というものをやめて、先ほど御説明ございましたからそれは理解するわけですが、児童数が減って教員就職者が減少してきたことに対処するということでありますけれども、教員就職者減少というのは、先ほど一例が出ました。それの実態、それから教員定員の変化、将来像というものを、大ざっぱで結構ですから、先ほど山元委員の方から御指摘ありましたが、四十人学級を含めた問題ですね、三十五人とかそういうことになってくれば教員の数はふやさなきゃいかぬかもしれない。ところが子供たちが減るということもあったりして、本当の教員の数というものは将来どうなっていくのかというようなことをやはり知っておかないと、こういう理由をぱさっと述べられると困るということなので、その辺お答えいただきたいと思いますが、よろしいですか。
○前畑政府委員 教員養成課程の改組といいますのは、昭和六十一年の四月に参議院の文教委員会から、国立学校設置法の一部改正に際しましての附帯決議がございまして、「児童・生徒数の減少に伴い教職への進路が厳しくなっている状況にかんがみ、教員養成大学・学部のあり方等について検討する」という御指摘をちょうだいいたしました。それを受けまして、「国立の教員養成大学・学部の今後の整備の方向について」ということで、関係者による調査研究会議を持ちまして、こういった一つの方向づけをいただいたわけでありますが、その中でも、教員の需給状況、需要供給の状況といいますのは各都道府県によりそれぞれ事情を異にしておりますので、それらの個別の実情を十分見きわめつつ進めるということで、一律の対応は避けることという御注意をちょうだいいたしております。 私どもが現在承知いたしておりますところによれば、教員需給見込みの数は平成三年度実績で一万三千八百となっておりますが、平成四年にはこれが一万五百まで減少するということもございます。今後、具体にどのように対処していくか、対応していくかということにつきましては、先ほど来御議論があります学級編制の問題もございますが、基本的には各都道府県における具体の状況を見定めながら、また当該地域の要請もくみ上げて、それぞれの教育系大学がどのように改組を図っていくかということにもかかわるところであろうと考えております。六十二年度以来、いわゆるゼロ免課程を設置してまいりましたのも、総合科学課程であったりあるいは文化研究課程あるいは情報教育課程といったいろいろな課程がありますが、それぞれの大学が地域の要請をも十分踏まえて大学改革構想の中の一環として取り入れて要望してまいっておるところでございます。
○鳩山国務大臣 先生の御質問の趣旨については教育助成局からお答えすれば一番よろしいかと思いますが、参っておりませんので、あえて私からお答え申し上げます。 私ども、当時は昭和五十五年から昭和六十六年までの十二年間、こういうふうに言っておったわけですから平成三年まででございましょうか、いわゆる義務教育における第五次定数改善計画、高校は第四次だったかと思いますが、これが完結をした。その中で四十人学級も実現をしてまいったわけでございますけれども、現在第五次のものが完了した時点での状況というものをよく見きわめて、また各界からの御意見あるいはもちろん国会の皆様方の御意見等を承っていく中で、当然新たな計画というものを策定をしていかなければならないわけでございます。それが平成四年度、すなわち今年度はいわば中期計画のないという意味ではお休みの年、もちろん大蔵省にはお願いをして改善はいたしているわけでございますけれども、新しい計画をどのような形ていつ始めていくかについては、既にもう助成局長のもとでは研究を始めておるわけでございまして、私どもも、皆様方やあるいは各界の意見を聞きながら、いずれそうした新しい計画の策定に向かって努力をしていこうと考えております。
○松前委員 将来の教員の問題というのは、四十人学級が達成された、ところがそれで十分であるとは言いがたいということを先ほどお話ございましたが、そういう将来のことを考えて教員の数をどう確保していくか。先ほどお答えいただいた中で数字が出てまいりましたが、これは恐らく四十人学級をそのままやったときの話だろうと思うのです。これを三十五人にしたらどうなるかというのは計算したらすぐわかるわけですが、そういうことをちょっと考えただけでも、今単純に教員の就職者が減少してきたことに対処するとか、そういうことだけでぱっと変更していく、改組していくというような考え方は、やはり問題があるのじゃないか、そういうふうに思うわけでございます。 ですから、理由にこんなことを書くからいけないのであって、神戸大学はもっと広い立場での考えなんだと私は思うのです。そういう理由をどうしても書けということになると、こういうことになってしまうかもしれない。大学の立場、自主性というのを十分理解しながら、私は文部省に、先ほど大臣が言われましたように、これからの計画を本当にしっかりつくっていただきたい。私学の方は、将来の十八歳人口の低下ということについて、もう既に今から対処しなきゃ死んでしまうよというようなことで必死の努力をしているというのが実情でございます。文部省においても、そういう実情を十分頭の中に置きながら教育行政をやっていただきたいということを、ちょっと余計なことですけれども申し上げまして、次に埼玉大学及び和歌山大学の話を申し上げたいと思います。 先ほど、夜間の短大を廃止して、そして夜間にも授業を行うような経済学部ですか、そういうものを設置していくというようなこと、これは夜間の働く人たちが学ぶという数が減ってきたというようなことが一つの理由であるというようにお答えを聞いたんですが、そういうことでしたでしょうか。もう一回繰り返してお願いします。
○前畑政府委員 夜間に学ぶ人の数が減ってきたということではございませんで、夜間に学ぶ人の中でいわゆる有職者、有職の青少年が減少してきたという実態はございます。そういう実態を踏まえながら、広く一般社会人にまで夜間あるいは土曜日の午後等に学ぶ機会を提供する、それとともに教育、研究内容の高度化を図る、こういうのが趣旨でございます。
○松前委員 夜間に学ぶ有職者の数が減ったということでこれを変えていく、非常にもっともなように感じるのでございますけれども、これは国立大学でございますね。国立大学に全部やれという話じゃないんだけれども、しかしそういう人が一人でもいる、一人というのは極端かもしれないが、まだたくさんいらっしゃるわけですよ。これはどういう実態が、数字を後で示していただければわかるのですが。私立大学の中でもこういう学科を持っているところはある。そういうところは学生が来ている、教室が満員になるくらい来ていますね。そういうような実態があるわけであります。そういうような状況があるのに、そういうのを私立大学のそれがある学校、そういうところに任せてしまって、国立は新しいこういうところへ向かってはんばん進んでいく。それは新しいところへ向かうのは結構です。しかし、教育の原点に戻って考えれば、そういう人がいるということに対して、やはり何かの教育機会を与えてやらなきゃいかぬじゃないか、それは国立の使命じゃないかというように思うのですね。私立も一生懸命それをやりたい、人間教育をしたい。ところがそれをやっていくと、これは効率的じゃない、非効率になりますから授業料にはね返ってきてしまう、そういう点もある。努力してそういう人間教育をやろうとすればするほどお金のかかるのが私立なわけですね。だから、そういうところは国立の方にしっかり頑張っていただいて、模範的な形で進めていかなければいかぬじゃないか、そういうような感じがするのですよ。その辺をどう考えていらっしゃるのか。 この経済学部の新しい夜間も通えるコースへ行ったからといってほとんどの人が救えるのだろうかということを考えると、そうじゃないのじゃないか。そういう世の中じゃないんですよと言われちゃうとおしまいだけれども、私はそうじゃないと思う、私の実際に見た目では、経験したところでは。そういう有職者の人で夜通っている人はちゃんといるんです。かなりのお年寄りだってちゃんと通っているし、そういう教育機会を与えてほしい、時間がないという人は随分いるのです。そういうことですので、その辺どういうふうに考えていらっしゃるのか、ちょっとお伺いしたい。
○前畑政府委員 先生ただいま御指摘のことはまことにごもっともだと思います。私どもの方でも、経済学部における主として夜間に授業を行う履修コースというのを設定をいたしましたのは、まさしくただいま先生御指摘の趣旨にこたえるということでございまして、改組後の経済学部において、例えば埼玉大学につきましては、夜間に主として授業を行うコースというのに入学定員を五十人、和歌山大学におきましては六十人設定をいたしております。これによって実質的には従来夜間の短期大学に進学をせざるを得なかった人たちについても十分対応できる、このように考えております。
○松前委員 そうしますと、夜間だけ通えば卒業は可能ということになっておりますか。
○前畑政府委員 基本的にはそのようなことになっておりますし、また先ほど来も御議論ございましたが、近年における週休二日というようなことを考えますと、土曜日休みであれば土曜日の昼間のコースにも来てよろしい、こういうふうな構想でございます。
○松前委員 できるだけ、社会のニーズというのは多数のものですけれども、そこから取り残されたといいましょうか、どこか片隅に追いやられそうになっているところも十分面倒を見られるような姿であってほしい。私は、埼玉大学、和歌山大学、ここは当然そういう考えでやっていらっしゃると思うのです。文部省が理由として、新しい時代とか、先ほどありましたように、児童数が減って教員への就職者が減少してきたとか、こういうような理由で改組をするんだということであれば、文部省の考え方というのは、教育現場にいる人に対しては大変失礼というか、そういう感じがするものですから、ちょっとお伺いしたわけでございます。 さて、午前中時間もありませんが、この埼玉大学、和歌山大学の定員の問題ですけれども、どうなっていましたか。これもたしか短大が百十人、経済学部が二百二十人、そして新規経済学部は三百四十人となると十人ふえる。それから和歌山も同じようなことがある。短大百二十人、そして経済学部三百六十人、新規経済学部が五百十人となれば、これはやはり定員をふやしていくというようなことになるわけですね。その辺確認していきたいと思います。
○前畑政府委員 御指摘のように、形式的に申しますと、埼玉大学では、現在、経済学部二百二十人、短期大学百十人の三百三十でございますものを三百四十といたします。うち夜間主コース五十でございますから、昼間部は二百九十ということになるわけでございます。和歌山大学につきましても、経済学部三百六十、短期大学百二十、合計四百八十を改組後は五百十人といたしますが、夜間主コースを六十人設定をいたしておりますので、昼間部は四百五十、こういうことになるわけでございます。
○松前委員 ちょっと今わからなくなったのだけれども、夜間コースと昼間とかを分けられましたね。昼間も夜間もこれは一緒なのではないのですか。両方どっちでもいい、そういうコースではなかったのですか。
○前畑政府委員 夜間に主として授業を行う履修コースというものを設定いたしまして、その当該履修コースについての入学定員というのを定めみわけでございます。それが埼玉大学は五十、和歌山大学は六十、こういうふうな設定をいたしております。
○松前委員 わかりました。 午前中時間がございませんので、この辺で終わりたいと思いますが、大学改組について、それぞれの大学はそれぞれ自主的に、そしてまた自分たちの哲学というものを持ってやっておられる。特にこれはお茶の水大学、京都大学を除いて神戸、埼玉になりますと、首都圏の大学から少し外れたところにあるという形にもなるし、和歌山もそうであります。そういうことで必死の努力をされていらっしゃることも十分理解するわけでございます。そういう意味において、この趣旨を十分私どもは理解し、そして文部省において大変苦労しているのだということは十分御理解をいただいて高等教育行政に当たっていただきたい。 そんなことを言って、午前中の議論を締めくくっておきたいと思います。
○伊藤委員長 御苦労さまでした。 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時六分休憩 ――――◇――――― 午後一時開議
○伊藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。松前仰君。
○松前委員 午前中一応の締めくくりをしてみたのですけれども、いろいろまたその中から想像力を働かせて考えてみたのですが、けさの私の質問、御答弁だと何といいますか不十分なような気がいたしまして、一つだけ大臣にお聞きしたいわけです。 埼玉大学、和歌山大学、神戸もそうでしょうけれども、定員の話を払いたしました。定員増になってない。京都大学はふえている、こういうことなんですけれども、そういう中で教員就職者の減少といいますか、そういうことを理由にして定員がふえてない。新しいものをつくるということになっても、教員就職者が減少しているというのでそちらの方の関係の教育をやめていく。やめていくというのは語弊があるかもしれないですけれども縮小していく、こういうことですよ。そういうことを考えますと、どうも何かしっくりしないというのが今の感じです。 なぜかというと、地方の国立大学といえどもやはり地方の大学は大変なんですよね。その存続、将来のための存在価値、それをきちっとしておかなければいかぬ。そういうことで必死の努力をされていることは私も知っているわけですが、群馬大学のテレビなんかも私拝見いたしたのですけれども、そういう中で何とかユニークな新しい教育をして、そして地方の大学を位置づけていこう、高いレベルヘ持っていこう、こういう努力をしていることはもう皆さん御承知のとおりだと思うわけです。 その一つがこれだったのですけれども、やはり何か教員の教育を縮小して、そしてそれを新しい方に振り向けるというようなことを四苦八苦していかなければならないというのが実態なんですね。何かここは地方の大学に対して大変厳しい文部省の制約というか、そういうのが働いているような感じがするのであります。私は新しいものをやりたいということならば、必要である従来の課程というものはきちっと存続をさせておいて、そして新しいものをつくり上げる。すなわち定員はふえていく、京都大学みたいに。こういう形が、無限にはできないけれども、多少なりともやっていけるように地方にはやらせたらどうだろうか。その結果として、何か文部省の方で心配しておりますように、将来の十八歳人口の減少というところで、大学の定員よりも学生数が減ってしまうというようなこともある。そういうことも考えられるわけでありますけれども、しかし、それは午前中の質疑にもございましたように、生涯教育というのでしょうか、一度社会に出て、そして高等教育を受けたいという人がたくさんいる。そういう人たちに門戸を広げるということによって定員の問題、学生数の問題、そういうものは解決を、解決ということにはならぬかもしれないけれども、生涯教育としてふさわしい姿に変わっていけるのじゃないか、そんなような気がするわけなんです。 ですから、文部省の方で、大変申しわけないのですけれども、定員定員といって抑えている結果がこういう地方大学にかなりのしわ寄せをしてしまっているんじゃないか、そんな気がするのです。その辺少し柔軟な考えで、そして新しい時代に即した大学教育、高等教育というものを考えていけるように、文部省も、また大臣も先ほど新しい時代に向けての検討を始めるというお話がございましたが、そういう中に含んで考えていただけないだろうか、そんなことをちょっと要望したいのですけれども、どういうふうに大臣お考えでしょう。
○鳩山国務大臣 各県によって県内にある大学の数にも大きな隔たりがございます。その関係でいわゆる地域収容率というのでありましょうか、分母はその県内で卒業した高校三年生の数をとって、分子にその県内でいわば新一年生となった大学生の数をとるのか、いや、本当は別のもっと正確な計算式だと思いますが、おおむねそういうようなもので計算をいたしますと、例えば私の生まれたところであります東京都の文京区あたりですと、何百%というような数字になってしまうのかもしれません。その全国平均はちょうど大学の進学率と一致をする仕組みだろうと思いますが、地域によってそういう収容率が大きく異なるというのは、生涯学習という観点から見ても決して望ましいことではありませんから、地方の大学の活性化というのは、先生御指摘のとおり大きなテーマの一つではないだろうかと思っております。 私学助成においても、地方活性化推進特別経費というような形で特別補助の道が開かれておりますし、いわゆる国公立に関しましては、大学設置基準を昨年の七月に大綱化、弾力化をしたというのは、地方の大学が思い切って特色を出して自主的に個性豊かな教育をやってもらおう、そのことが地方の大学の活性化につながるのではないか、そのような考え方もとっているわけでございまして、先生が御指摘のように、いわゆる国立学校設置法改正に伴っていろいろ改組転換を行ったり、あるいは定員を変えたりしていく中で、今後地方になるべく日が当たるような方法、方向というものはたどっていくべきではないだろうかと思っております。 ただ、私はひねくれたことを言うわけではありませんし、また決して大言壮語しようというわけではありませんけれども、地方の大学を活性化するということもとても大切ですが、大学というものが都心部に過度に集中している、これを分散化させるということも将来の課題ではないでしょうか。都心部に大学が集中している、あるいはますます集中してくるというのもいろいろな事情のなせるわざとは思いますが、大学というものが勉学の府であるならば、決して都会の真ん中にある必要はないわけで、特に地方から都心の大学へ入学をした場合には、生活費、家賃も大変高くかかって困るというような実情があろうかと思います。そういう意味では、都心に集中している大学を地方に分散させていくというのが、これは大変時間のかかることでございましょうが、そのこともいずれやっていかなければなりますまい、そのように考えます。 今回の財務センターという、特別会計の中に、いわば校地等を売り払って場所を別に移した場合に、そのお金が残るようにして、そして、そのお金を使って国立大学の諸設備の狭隘化とか老朽化対策にも資していこう、特別施設整備資金をつくって事業をやっていこうというのも、将来的にはそういうものを見込んだものと私は考えております。ですから、地方の大学の活性化のためにはできることを懸命にやりますが、また同時に、集中し過ぎている大学の地方分散というのを私は将来の一つの方向として見据えていきたいと希望いたしております。
○松前委員 東京にある、中央にある大学の分散、言葉では簡単に言われますけれども、私は余りそれを政策の中心に据えるのは賛成ではない。それはそれでも結構ですけれども、日本の力というのは、たくさんの人が努力して、そしていろいろな創造力を発揮してつくり上げていく社会、これが日本の力となっていく。それならば、やはりそういう場をたくさん与えてやることが必要だ。地方の大学の活性化ということを、それと同時にもし中央の大学を分散するというようなことを考えると、これは相矛盾することが起こってぐるんじゃないか。地方の大学があるいは消滅してしまうということも、極端ですけれども、東京大学がどんどんその名前でもって広げていってしまったということになれば、そういう形も生まれる可能性は出てくる。私は、多様化の時代の中で、この大学というのを、地方の大学、これはやはり非常に重要な存在である、そういう位置づけで文部省も考えていただいて、そして、それに対するお金の出し方、それからまた教育のあり方、そして定員の問題というものをきちっと考えるべきだ、そういうふうに思うんですよ。ですから、東京の中央集中を分散する、簡単に事はそういうふうに言えますけれども、先ほどお話ありましたように、大変難しいことだと思います。分散したって、それは分散するよりもかなり範囲を、権力を広げちゃうというような形、格好。権力とは言わないけれども、そういう形が出てきてしまうんじゃないか。 そうすると、多様な教育が本当にできるだろうかというようなことにもなってくる。やはり大学というのは、非常に自由な、多様な場所である。高等学校までの教育と違って、基礎教育をやっているのとは違うのでありますから、非常に自由そして、その中で創造力を発揮する、それぞれが充実した学校生活を送るというのが大学生活の一つであって、そういうことですから、そういう中で学校の哲学があるということですから、そういう多様な大学の存在というものを消すわけにはいかない。そういうところを十分注意しながら、分散も結構ですけれども、注意をしながら、多様な人間が存在するということ、そういう人たちがみんな集まって力を寄せ合って社会が成長していくんだ、そして、また世界にも貢献できるんだ、そういうことを考えていただきたいな。まあ考えていらっしゃると思いますが、そういうことをちょっと申し上げておきたいと思います。 国立学校財務センターのお話が出ましたので、そこへ行きたいと思いますが、単純な質問ばかりですけれども、お答えいただきたいと思います。 第九条の五、一項一号ですか、国立学校財産の「適切かつ有効な活用」というようなことが書いてございます。この「適切かつ有効な活用」というのはどういうことを言っているか、お答えいただきたいと思います。
○前畑政府委員 御指摘の、御審議いただいております国立学校設置法の一部改正案で、第九条の五で、「国立学校特別会計に属する国有財産の適切かつ有効な活用について」と規定をいたしております。これは各国立学校の財産を適切に教育、研究の用に供すること及び不用になった財産の処分を適切に行うことということを趣旨とするものでございます。
○松前委員 この第九条の五、一項一号でしたか、「他の国立学校に対する協力及び専門的、技術的助言」というのが書いてございますが、「他の国立学校」これは私言葉がよくわからないのですが、この主語は、どこの大学が他の国立学校に助言などをするのか。その辺ちょっと。
○前畑政府委員 国立学校財務センターという機関は、国立学校設置法に規定をいたしておりまして、そこでいいます「国立学校」という中には、この国立学校財務センターも入るわけでございます。したがいまして、ここで「他の国立学校に」と申しておりますのは、国立学校財務センターが国立学校財務センター以外の国立学校にということでございまして、その中には大学、短期大学等、あるいは研究所等も入る場合がございます。
○松前委員 その次ですが、「特定学校財産の管理及び処分」こういうことも含めて仕事の一つにしておりますけれども、この目的とするところは、言葉は悪いかもしれないけれども、財産を投機の対象にするというようなことも考えているのかどうか。もしそうだとしたら、バブル経済とかそういうものに左右されて、非常に不安定なものになってしまうのじゃないか。そう懸念するのですが、その辺はどうでしょう。
○前畑政府委員 第一号で、国立学校財務センターが「特定学校財産の管理及び処分を行うこと。」こういたしておりますが、具体に処分を行いますときには、所管の財務局に事務を委任いたしまして、財務局で処分を行う、こういうことになるわけでございます。 従来から私どもの方では、国有地処分の基本方針であります公用、公共用の用途に優先的に充てるということにいたしておりますし、また財務局で処分するにつきましては、必要に応じ、所管の国有財産地方審議会等にも諮って処分が行われるということになりますので、決してそこで投機を行うというようなことにはならない、このように考えております。
○松前委員 その次ですけれども、第九条の五、一項二号ですか、「教育研究環境の整備充実を図るため、総合的かつ計画的に実施することが特に必要な整備事業に関する調査」、この「特に」という言葉があちらこちらに出てくるわけなんですよ。これはどういうケースを言っているか、お答えいただきたい。
○前畑政府委員 国立学校の施設の整備充実を行うといいますのは、いかなる場合にも、そこにおける教育、研究環境の整備充実を図るために行われるわけでございますが、なかんずくその中でも「総合的かつ計画的に実施することが特に必要」というふうに考えられるもの、そういうふうな限定を付しておるところでございます。全体としていろいろの課題がある中で、政策課題として重要であり、かつ総合的かつ計画的な実施が必要とされる事業、こういう趣旨でございます。
○松前委員 抽象的でよくわかりませんけれども、そういうケースがまだ出てきてないからだというように思うのですけれども、十分しっかりした運用をしていただかなきゃいかぬと思います。 第九条の五、一項四号ですけれども、「高等教育に係る財政及び国立学校の財務に関する研究」、こう書いてありますけれども、この研究というのは一体何をやるのか。それと、その研究をやるからには何か問題点があったはずでありまして、その辺をちょっとお聞かせいただきたい。
○前畑政府委員 高等教育財政につきまして、近時、各方面からいろいろな御指摘をちょうだいしております。当委員会におきましてもいろいろな御指摘をちょうだいしたところでございますが、高等教育財政のあり方、また大学経営のあり方ということは非常に大きな、大事な問題ではございますが、我が国において必ずしもこの分野の研究が十分に行われてない、一部の研究者によって散発的に行われているというような状況にあるというふうに考えております。したがいまして、このように高等教育に係る財政問題が各方面で非常に大きく関心を集めている折から、高等教育に係る財政あるいは国立学校の財務といったものにつきまして、基本的にその研究を目的とする機関を設立いたしまして研究を深めてまいりたい、このような趣旨でございます。
○松前委員 問題点は、言うなれば非常にむだ遣いがあったとか、そういうような効率的じゃなかったお金の使い方、そういうことが中心だろうと私は思うのです。それを研究するということですけれども、それを研究した結果を一体どうするのか。私が危惧するのは、この研究結果によってかなり財政的な面からの締めつけはあるけれども、それと同時に自由な研究までそういう方向の専門分野の方々の意見によって締めつけられてしまうのではないかということがあるわけなのです。ですから、それをやめるとは申しませんが、非常に難しい研究になりますよということを申し上げておきたい。普通の単純な会社経営とはちょっと違うのじゃないか。自主性というものを発揮させるということはかなりむだも必要だということもあるのですね。そういう点を留意していただきたいと思うわけでございます。 次に、似たような話ですが、国立学校の財務の改善に関し、情報提供、連絡調整その他という仕事があるのですけれども、これがわざわざ書いてある。何が一体問題か、やはり何かすごい問題があったのじゃないか、こういうふうに思われるわけなのですけれども、何を改善しようとして、どういうふうにしょうとしているのか、ちょっと簡単に御説明いただきたい。
○前畑政府委員 ここで「財務に関する事務の改善」と申しておりますが、財務というのは、私どもは財政の事務的な側面であるというふうにとらえております。いろいろな機会に国立大学の学長あるいは学部長さん等とお話を申し上げる機会がございますが、いろいろな国立大学の会計事務、財務事務も国の会計事務の一環に組み込まれておりますので、大学の教育、研究活動を実施する上で必ずしも国の一般行政機関の会計事務にルールがマッチしない場合があるということをよく聞かされます。どういう点について問題があり、それを全体としての国の財務会計のルールの中で解決をしていくか、そういうふうなことについての研究もしていただきたいし、またその成果について各大学に情報を提供したり、また各大学で抱えている問題について連絡調整を図りたい、こういう趣旨でございます。
○松前委員 この部分の運用についても、十分国立学校の現在仕事をされている皆さんの声、意見を聞いていただいて、それで実行していただかなければいけないと思いますので、よろしくお願いいたします。 それから、附則の方ですか、これは第五項になるのかな、「教育研究を行うのに著しく不適当である状態を解消することを目的として、特定学校財産の処分収入を財源として」云々とあります。この「処分収入」、どうもこの言葉が出てきますと、その処分というものをやはり投機の対象、利益を見込む、そんなように見えてしまうのですけれども、そうでないという答弁がございましたが、その処分財産の見通し、処分する財産から生まれてくる金額といいますか、そういうものの見通しと整備事業の達成目標というもの、こういうものについてざっと大ざっぱに御説明いただければと思います。
○前畑政府委員 ただいま私どもが具体に念頭に置いております財産といたしまして、大阪大学の医学部の移転跡地がございます。大阪大学の医学部は平成三年九月に吹田市へ移転をいたしまして、その跡地が大阪市の中之島でございますが、約一万五千平方メートルが処分可能ということになっております。その価格は、まだ具体に明らかにはなりませんが、一千億は超えるものではなかろうか、このように考えております。したがいまして、この一千億というものを念頭に置きまして、平成四年度の予算では特別施設整備事業として財政投融資の借入金で二百億を充てる。当面一千億の処分財産を念頭に置いて、二百億の五カ年計画というようなものを念頭に置いておるわけでございます。
○松前委員 確定した値しゃないけれども二百億くらい、全体で一千億ということなのです。そのくらいで、私が聞きたかったのは整備事業がどこまでできるのかということだったのですが、そのことについてはまた後でちょっとお答えいただければ幸いだと思います。 一千億ぐらいのものが今出てきている。だからこういうものをつくるのだということですが、恐らくそれだけで整備をやるにしても、そんな大した整備は私はできないと思うのですね。そうすると、それから後をどうするかという話になると、先ほど大臣からお話ありましたように、東京一極集中的な大学を移転させる。そこから生まれる収益というようなこと、収益を生むために、その大学を移転するというようなことになってしまっては困るということなのですね。その辺を、変な意味でお金を生むためにやっていくんだということにならぬように、ぜひお願いをしたいと思うのです。 それで、一千億くらいのところが出てくる、それを使ってということになるのですが、これはやはり大学が自助努力といいますか、国立大学といえども自助努力に近いような形をとりなさいということ、自主性の拡大というような言葉でどこか表現されていたと思うのですが、そういうことが表に出てきている。一方では公的支出の一層の拡大という思想もあるということなのです。両方やればいいということなのでしょうが、しかし、今後の日本の高等教育は一体どっちの方向へ向かっていくのか、自主性の尊重の方向に向けるのか、それとも公的支出の一層の拡大によります国から縛られた教育上いいますか、縛られたとは言い過ぎですけれども、かなり一律的な教育、そういうようなところに持っていくのか。そういう中でも、また自主的な運用をさせるような方向にするのか。その辺がどうも私は思想として最近わからなくなってきたのでありますけれども、その辺を大臣は一体どういうふうにお考えになっていますか。
○鳩山国務大臣 人づくりには金がかかる。金があればいい教育ができるというものではないけれども、しかしお金がなければ、これからの新しい教育、とりわけ高等教育は極めて難しいということを私は繰り返し申し上げておりますから、当然それは私学助成という意味でも、あるいは国立大学の老朽化、狭隘化という問題の対処にしても、これから大変大きなお金がかかるわけで、その工夫の第一弾として国立学校財務センターをつくって、このような国立学校設置法の改正をお願いして、御理解をちょうだいしようと念願をいたしているわけでございますが、一般的に申し上げて、公的支出が決して国による大学に対する管理の強化にはつながってはいけないということを私は十二分に意識いたしております。これはいわゆる大学の自主性、自律性、大学の自治、学問の自由という点も当然考えなければいけないポイントでございますし、文部省としても大学設置基準の大綱化あるいは柔軟に物事に対処できるように変えてまいりましたのも、そういう意識が強く働いているからでございまして、公的支出の増大が大学に対するいわば国の管理強化につながらないようなやり方を必ずやっていきたいと私は考えております。公的支出も当然必要、そして自主性も当然必要ということになろうかと思います。 大蔵省は今お帰りになっておりますけれども、要するに、今回の財務センターというやり方は、国立学校特別会計の中でそれなりのお金が生じることがあれば、ある程度は計画的に財産処理をしなければならないかとは存じますけれども、もちろん松前先生御指摘のとおり、金をつくるために大学をどこへ移そうとか、そういう発想は絶対とるつもりはありませんけれども、それは大前提にございます。しかし、ある程度の計画性を持って財産を処分して、そのお金で国立大学の設備や施設の問題をやっていこうというふうに考えておるわけで、その際に、特別会計の中にお金ができたから、先ほど山元先生の御質問にあったような一般会計からの繰り入れが減ってしまうというようなことがあれば何の意味もないわけですね。衆議院か参議院か忘れましたが、予算委員会で総理大臣が、この教育予算の仕組みについては、今回は特別の配慮をいたしましたという答弁をされました。特別の配慮というのは、この国立学校設置法の改正、財務センター、特別施設整備資金の創設のことをおっしゃっていることは間違いがないわけですから、それが特別な配慮であるということは、すなわち、特別会計内にそのような資金が生まれても、決して特別会計への繰り入れは減らさないというふうに私は読み取り、聞き取っておるわけでございますので、その辺も御理解をいただいて、国立学校特会内で、ある意味でいえば自主的にやっていくこともありますが、もちろん一般会計からの繰り入れという公的なお金は決して減らしてはいけないと思います。
○松前委員 大臣のお話を聞いて安心をしたわけでありますが、この特別会計について、入ってきた収入というもの、これは言うなれば自主的な自助努力というような部分にも相当するものでありますから、この運用についてはかなり大学の自主性を尊重する方向の運営に使っていただきたいな、そういうふうに要望しておきたいと思います。 特別会計がたくさん入ったからといって一般会計を減らすということはないということをお話しいただいたので、それならば、さらにもっと大学の教育、研究を充実させるためにいろいろな資金を導入するということも必要であろうということでございますが、その中に民間からの寄附がございます。これも教育改革に関する第三次答申の中にたしか書いてあったのですけれども、寄附について「一般の寄附については、その手続が煩瑣で、制約が少なくない点を改め、教育・研究に対する法人、個人からの寄附あるいは遺贈に係る税制上の措置の十分な活用および必要な改善が図られるよう検討すべきである。」と答申ではなっておるわけなんですけれども、この辺についてどのような検討をなされ、どういうような状況になっているか、お答えいただきたい。
○前畑政府委員 御指摘のとおり、いわゆる臨教審の第三次答申で「高等教育機関に対する寄附金の増大を促すため、国・公立大学等および私立大学等のそれぞれにかかわる寄附受入れの諸条件を改善する。」という御指摘をちょうだいいたしております。現在、国立大学及び公立大学につきましては、これは国・地方公共団体が設置者でございますので、これに対する寄附金は国・地方公共団体に対する寄附金として全額損金算入されるというふうに承知いたしております。私立大学につきましても、日本私学振興財団を通してのいわゆる受益者指定の寄附金につきましても、これも指定寄附金として全額損金算入されるという扱いになっております。したがって、大きな意味での制度上では、いわば寄附金の受け入れについての制度は整っていると言えるわけでございますが、ただ、具体になりますと、いろいろな手続上の問題があるということをいろいろな方々から承っております。今後は税制改正というふうな大きな問題にはなりませんが、事務的に具体に税制当局といろいろな御相談をさせていただきながら手続面における問題の解決に努めてまいりたいと考えております。
○松前委員 寄附については、私がいろいろ聞いているところによりますと、日本の寄附受け入れの制度といいますか手続といいますか、これと外国の例、アメリカあたりの寄附――アメリカあたりはかなり寄附が中心になって学術研究が振興しているということも聞いているのです、実態は十分存じ上げませんが。外国でそういうことがかなり自由に行われているということを聞くと、どうしても日本の状況はもっと改善しなければいけないのじゃないかということは考えられるわけなんです。今御答弁いただきましたけれども、何かこれに対しては、そう積極的じゃないような面が私は感じ取れました。ぜひともこの辺はアメリカの例も研究していただいて、この寄附が有効に学術研究に活用していけるようにこれから検討して努力をしていただきたい。この結果についてまたいずれお聞きをする機会をもらって聞いてみたいと思っておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 その次に、時間がだんだん迫ってまいりましたが、この法律にはございませんけれども、関連して学位の問題でございます。 学術研究の環境はお金の面で充実をするということがあります。今不十分でありますけれども、お金の面をもっと充実させて、研究環境を十分整えるということはどうしても必要であることは間違いない。それができ上がっても、それで十分な研究ができるかというと、そうではないのは皆さん御承知のとおり、宝の持ちぐされになってしまいます。そこの中で働く――働くといいますか研究する人材を確保していかなければならない。そういう人材確保という意味がこの学位の問題にあるのじゃないか、あるはずでございます。要するに、研究者の研究意欲、学習意欲を高める、やりがいのある、充実した気持ちをつくり上げる、それが新しい創造性のある高い研究結果を生むことになるわけでございますが、そういう学位制度があるのですけれども、この新しい博士課程は、博士課程の修了を示す論文の合格者、こういう者に博士を与えるというようなことが本来の目的なんですけれども、どうもその目標が達成されていないということがあります。工学部とか医学部なんかは、やたらにそれをどんどんやっていると言ったらいけませんけれども、どんどんやっておりますけれども、活性化してやっているわけでございますけれども、しかし、それに比べたら文学部とか経済学部はまるで学位をもらう人はいない。せっかく大学院へ行って博士課程を修了して論文を書いてもだめというのが多いというようなこと、これは本来の博士課程についての考え方とは違うんじゃないかと思うんですけれども、その辺について、今後どのように活性化させていくかということについて、文部省のお考えをお聞かせいただきたいと思います。
○前畑政府委員 ただいまの先生の御指摘、まことにごもっともでございます。 大学院設置基準には、例えば博士につきましては「博士課程は、専攻分野について、研究者として自立して研究活動を行い、又はその他の高度に専門的な業務に従事するに必要な高度の研究能力及びその基礎となる豊かな学識を養うことを目的とする。」こうございますので、先生御指摘のように、博士課程を修了いたしますと、そういう能力があるという認定でございますので、当然に学位が出されるべきものと私どもも理解をし、各大学にもそのようにお願いをいたしておるところでございます。しかしながら、実態はなかなか改善をされないということも御指摘のとおりでございます。 そこで、大学審議会で学位制度の見直しにつきまして御審議をいただきまして、昨年の二月に答申をちょうだいいたしました。その趣旨は、いわば従来からの博士という学位に対する意識の改革を図ろうではないか、こういうのが基本的な考え方でございます。まず一つは、学位の種類につきまして、学位規則により限定的に列挙するという現行の方式を廃止する、そして各大学院が学位を授与するときには、基本的な考え方は、博士という学位を授与するのである、そういうことによりまして、文学博士というものに持つイメージというものを大きく改めようではないかということでございました。そういうことで、学位規則につきましても改正を行いまして、現在は博士の学位というのは、学位規則上は博士というだけになっております。こういうことを通じまして、各大学でも若干ながら意識の改革が進んでいると考えます。 御案内かと思いますが、ことしの四月一日でございましたか、朝日新聞の夕刊に報じられているところでは、東京大学におきましても方針を転換して、積極的にといいますか適切な学位の授与を行おうと、「博士課程の学生に、論文作成計画を作らせ、教授が細かく指導し、研究の中間報告をさせた上で博士論文を書かせる方式を取る」こういうふうな改革に着手をしたということも報じられております。学位規則の改正を通じまして、特に人文社会系における学位に対する意識が改められて、積極的な学位の授与が行われることを期待をいたしているところでございます。
○松前委員 人文科学・社会系ですね。このところに特に問題があったわけでありますけれども、今東京大学はそのような形で進行しつつある。これがすべての大学院に広がっていくようにいろんな手だてを講じていってほしいと思っておりますが、それが大学の自治を破壊するような格好になってしまっては困りますから、十分注意しながら、しかも日本の学術レベルの向上のために、ぜひとも今私が申し上げました学位取得、これをもっと活性化するような施策を講じていっていただきたい、そのように思う次第でございます。 その次に、大学院、やはり人間教育といいますか、日本の学術研究のレベル向上ということに関係しますけれども、大学院生というのは、教育、研究、学問というものを十分にみずからの力で修得して社会のために貢献していこうという人が入っていって、そして十分な深い研究をしてレベルアップを図っていくところなのですけれども、そういう人たちを手厚く保護してやらないといけないのじゃないかというようなことが感じられます。 なぜかというと、大学院の学生というのは、学部を卒業してから入るわけですから、かなりお年をとっている人が多い。二十歳から三十歳のドクターの学生もいる。そういう人たちが親からの仕送りでやっているという人もいる。また家庭を持つドクターコースの学生もいる。研究に専念できるような保障というものがそういうところで生まれていくかというと、経済的な問題から考えると、どうも何か非常に苦しい生活をしながら研究に励んでいるということが実態のようでございます。月十一万から十三万ぐらいのところで生活をしなければいけない。それは研究や本を買うのも資料、代も全部含めてそんなことをやっているわけで、そしてまた二十五を超えますと、結婚をするという、家庭を持っているという人もいる。そういう人たち。に対して、やはり奨学金、今現在幾らでしょうか、大学院博士課程月八万を超えているんでしょうか、そんなようなことがあるわけなんですけれども、その程度ではなかなかいかないし、十分な安心して研究環境にいるというわけではないというようなことが感じられます。 私はそういう意味で、時間がございませんから、ひとつ提案させていただきたいのですけれども、例えばドクターコースの奨学金貸与額というものを倍増するとか、そのことによって一体どれくらいの増加になるかというと、ざっと計算して四百億円ぐらいでございます。これは上げちゃうわけじゃありません、貸すわけでありますから、戻ってくるという格好になりますから、四百億円ぐらいだったら、これは倍増したって、倍増することば容易じゃないだろうか。容易ではないけれどもできるんではないかというように思うのでございますけれども、大学院のそういう奨学金の問題について、御意見ございましたら……。
○鳩山国務大臣 具体的には政府委員からしかお答えできません。私は詳しく数字等を述べる能力はありませんが、先生が先ほど御指摘されましたように、人文科学・社会科学系でいわば博士になかなかなれない。そういう人文科学系、社会科学系で修士を取って博士になろうという意欲さえ持ってくれる人が減っていくという現象は顕著にあったと思います。そしていよいよ最近では理工系離れ、理工系まで大学院の定員に対して、修士はまだ充足率がいいのですが、博士課程になるとがくんと減るという、この現象は今先生が御指摘の事柄と無縁ではありません。結婚適齢期にもなっていく、どうやって暮らしたらいいんだ、企業に行けば、同様の研究がいい給与のもとに、はるかに広々とした立派な研究設備の中で行えるのだ。そのような中で理工系離れというものが進行してきたというまことに残念な現象がございます。 今回の厳しい財政状況の中で、奨学金については、たしか博士課程だけ月額二万円ほどのアップを図ったのかなと今記憶をいたしておりますが、そういう大変厳しい中でそのような措置をやらせていただきました。あるいはオーバードクターの問題もありますけれども、いわゆる日本学術振興会の特別研究員制度、フェローシップ、この拡充によってそういう若い研究者たちが少しでも豊かに暮らしてもらえれば、あるいはそういう若手研究者を目指して大学院に進んでくれる人がふえてくれればという願いを込めて、そのような施策も行っているわけですけれども、抜本的な解決ということでいえば、今先生がおっしゃるような大胆なことができるぐらいの予算がなければいけないのかなとも思うわけでございまして、あとは政府委員からお答えをいたしますが、私もこの問題は極めて深刻に受けとめております。
○前畑政府委員 ただいま大臣から御答弁がございましたが、大臣の御指示もございまして、平成四年度の予算では、大学院の博士課程、博士後期課程の学生についてのみ貸与月額の増額をお願いをいたしまして、月額八万六千円のところを二万円増額し十万六千円といたしております。なお、博士課程、後期課程の学生につきましては、貸与率は約六割でございます。 なお、この四年度の予算でもう一つ大学院につきまして、これは端的には学生の処遇の改善ではありませんが、学生の処遇の改善にもつながるものとして、ティーチングアシスタントの制度というものを予算措置によって導入をいたしております。国立大学について申しますと、博士後期課程学生の約一割程度に対しまして、これをティーチングアシスタントとして採用し、学部学生に対する実験、実習、演習等の補助的業務に当たらせて、それに対して非常勤職員としての謝金を支払う、これによっていわば学部教育の充実を期するとともに、大学院学生の処遇の改善も図るということを期したわけでございます。 ただ、御指摘の貸与月額の倍増という問題になりますと、これはあくまでも貸与ということでございますので、返還が伴うということになります。御案内のとおり、この返還の問題については、片一方で免除という制度もあり、その均衡の問題等がいろいろ論議を招いておるということもございます。そういったバランスもよく考えながら対応する必要があろうかと思っております。 なお、これも御案内のことでございますが、学術振興会で特別研究員制度というものにつきましても、博士課程の学生を対象にしておりますが、これにつきましても充実を図っておるところでございます。
○松前委員 この大学院の研究意欲旺盛な若者を育てるためにいろいろな施策を講じていらっしゃいますけれども、ぜひともさらに一層この分野についての経済的な支援について国として考えていっていただきたい。ティーチングアシスタントも、これはお金を払うためにこういうふうにやらせるのだろうけれども、実態は、お金はもらうけれども、自分の研究はできなくなるということもあるのですよ。私は東大の大学院の中へ入って一度見たことがありますけれども、教授の下働きをしなければいけない、そういうことがございました。いろいろな雑用を全部かぶる。それも仕事の一つだということではありますけれども、本当にそれがいいのだろうかということもあるので、ティーチングアシスタントというのになると、今度は逆にそこに全部持っていかれちゃうということもある。その辺はそれで十分と私は言いませんので、ぜひともそれ以外の施策を講じていただきたい、そのように思います。 全然話は違いますけれども、ほんのわずかな時間をとらしていただいて雲仙の問題をちょっとやらせていただきたい。 実は雲仙、災害対策特別委員会の方で視察をして、私もまた行きますけれども、今災害に遭った人たちに対する対策というのはいろいろやろうとしております。しかし、一番ネックになるのは、あの火山が一体今後どうなるのかというところ、そこが一番の問題になってきている。これはいろいろな人の意見がございまして、官庁の方は非常に都合のいい孝之方を持ち、結局十ヘクタールだけはどうしてもだめなんだ、あとは使えるんだといって、その移転とかそういうものをさせないというか、そういう予算をとってくれないとか、そういうことがございます。しかし住民はいつまでたっても自分の土地へ帰れない。十ヘクタール以外のところも、百何十ヘクタール、そういうところの人たちも帰れない。いつになったらもとどおりにできるんだというようなことが非常に不満になっている。 そこで一番問題になるのは、火山が一体これからどうなるのかということ。長期にわたるのかわならないのか。このことについての研究調査というものが十分になされているかどうかということが非常に懸念をされております。それがわかりさえすれば行政も施策を講じることができる、住民も納得することができる。ですけれども、あそこにあります観測所の機械は何か陸上自衛隊のものが非常に多いというのですね。大体、学術的な問題が非常に多いにもかかわらず、そこに今結集しなければいけない火山の学術的な問題について、そういう状況の中で陸上自衛隊といいますか、そういうようなところに非常に頼っているというのは大変情けないと私は思うので、何とかしなければいけない。ところが、先ほどお話を聞きましたら、何か大分特別措置はされたということでございます。全国の大学の先生方も呼ぶような措置もしてあるということなんでありますけれども、実態はそういうふうになっていないということがあります。文部省としても、この辺について十分頭の中へ入れておいて、調べながら十分の措置をしていただきたいと私は思います。私も来週ちょっと調査しできますから、それを終わってから、また文部省の皆さんにお話しして必要な対策を申し上げていきたいと思います。これについては答弁は結構でございます。 最後に、もう時間がございませんから、一言だけ大臣の方からお話しいただきたいと思いますけれども、入試の問題です。これはもうだれが何と言おうとも、今の入試は大変問題があるということはわかり切ったことでありまして、それについての原因はいろいろ言われている。共通一次が悪いんだとか、共通一次が大学の序列化を固定化してしまったとか、それから地方の大学も含めてそれぞれ偏差値が減少したために、たくさんの大学をみんな生徒たちが受けるようになっちゃったとか、そのことによって私学はたくさんぼろもうけしているとか、そういうような話まで出てくるというようなことはある。競争はますます過熱化して、一流大学と言われるところはもう非常に安泰だけれども、偏差値で二番目、三番目に位するようなところは生徒の確保さえ難しい。せっかく合格した、いい人が来たと思って、レベルを上げようかと思って員数を制限しておくと、どんどん上の偏差値の高い学校へ行ってしまう、そうすると定員が足りなくなっちゃう、繰り上げ入学とかそんな問題も出てくる。何か入試がいろいろなところに大変問題を起こしてしまっているということなので、その辺について大臣、一体これはどう考えているか、どうしようとされているかということをちょっとお伺いしたい。
○鳩山国務大臣 入試は猫の目入試であってはいけない。つまり受験生あるいはこれから二年以内、三年以内に大学入試でいえば大学受験をするであろう受験生予備軍に不安を大きく与えるようなものであってはいけない。おれは今高校一年だが、二年後受験するときには制度がどんなに変わっているだろう、しょっちゅう変わるからなというのでは困るわけで、そういう意味では法的安定性の要請というものは極めて強いと思いますし、余り私もうかつに物を言うべきではないと思います。しかしながら、この入試というものがいろいろな教育問題の原点に位置していることは事実でございますから、この抜本的な解決というものがもしできるとするならば、それに向かって一歩でも近づけるように努力をしていかなければならないと存じます。しかしながら、先生もよく御承知のとおり、私は入試というものがさまざまな教育問題の原点だと申しましたけれども、本当はもっとさらに原点が別にあることは御承知のとおりで、それはいわゆる学歴偏重社会というものであって、肩書とか銘柄、形式というものをたっとぶ、重視し過ぎる日本人の性格にも起因をしているのかもしれません。 入試に関して、あるいは学歴社会ということに関して言えば、皆さん総論賛成で各論反対であります。学歴社会は打破しなくちゃならない、大学を銘柄で選んではいけないし、何大学出だからいいだろう、この大学出だから大したことないだろうという形式的な人間評価をしてはいけない、そういうものはいけないんだ、でもうちの子供たちだけはいい大学へ行かせなければねというのが一般的な風潮で、総論賛成、各論反対というものがあろうと思うわけです。ですけれども、およそ何万人というもちろん受験生の数ですから、百万に近いようなときだってあるわけでしょうけれども、数十万というような受験生の中から何十万を選抜するという。どんな選抜方法をやっても、選抜をする限り、勝者と敗者が出てくる限り、およそ学歴偏重社会が打破されないと絶対に解決し得ない部分というものが大きくあるということを私たちは知らなければいけないと思っております。ですから、まず最大の眼目は、学歴偏重を打破していくことであって、それを一朝一夕に打破することはできないということがわかっておりますから、それに向かって努力しつつ、入試についてもできる限り、受験生の悩みが少しでもふえないように、少しでも減らすことができるように努力をしてまいりたいというふうに考えているわけでございます。 共通一次試験がアラカルト方式も採用していいですよということで大学入試センター試験になって、そして私学の利用もふえてきているのも確かでございますのでも、じゃ未来永劫このセンター試験はこのままでいいかといえば、私は決してそうは思わないわけでございまして、まあ分離分割だ、AB日程だ、連続方式だ、分離分割だといろいろな工夫をやって、国立大学の間でも努力はしてきているわけでございましょうけれども、まだまだ偏差値偏重あるいは偏差値輪切り、大学の序列化というような現象は全く揺るぎなく存在をしているというのはまことに残念でございますので、私ども文部省も入試の改善については不断の努力をしていかなければならないと思いますし、私も文部大臣をやらせていただくのはあと数カ月であろうかとは思いますが、また自民党に帰れば、党としての入試についてのいろいろな本格的な議論に参加をして、野党の皆様方とも協議させていただきたい。私もこれは一生の課題の一つだと思っておりますが、現在申し上げられるのはその程度でございまして、申しわけありません。
○松前委員 数カ月なんて言わないで、一つのことをやり遂げてやめていただきたいと思いますね。 ぜひとも入試については受験生の心配のないような方向を探りながら改善を図っていただきたい。よろしくお願いします。 以上で終わります。
○伊藤委員長 御苦労さまでした。 平田米男君。
○平田(米)委員 きょうは午前中からいろいろな質問がございまして、国立学校、特に国立大学の研究環境の状況について皆さん御認識が一致をしておるわけでございまして、具体的な中身は、昨年の三月と十一月に国立大学協会が出しましたこのアンケートの結果、この中ではっきり出ておるわけてございます。高等教育全体に対する政府支出はもう〇・四%の水準を割り込んでしまった、また基盤的な研究費でありますところの校費、これは二十年間で実質四割減ってしまった。こういうような数字から見まして、日本の高等教育機関の教育研究環境というのは劣悪になったといいますか、まさに惨状と言っても過言ではない、こんなふうに思うわけであります。 この状況に立ち至ったのは、財政が非常に厳しくなった、これが一番の理由かと思います。いろいろ計算しますと、二百三十兆円ぐらい国は今借金を抱えておる、こういうような説まであるわけでございまして、この財政再建というのは極めて急務ではございますが、しかしこれまでの約十年間にわたる予算編成の中でシーリングが行われてきましたが、防衛費とODAの予算は別枠になってきたわけでございます。ODA、日本は貿易黒字が大変大きいということで、金を持っておるだろうということで諸外国からもいろいろ要求があります。日本も国際的責務を果たす意味でODAはふやさなければいけないということは十分わかっているわけでありますが、しかし、そのODAを一体いつまで出せれるのかということが今問題になってくるのではないかと思うのです。日本は資源もありません。国土も非常に狭い国でございます。この日本があの第二次世界大戦の敗戦を乗り越えて復興できたのは、これは人材、人の力によるものだと思います。 人材とは何か。これは結局、教育と研究、その力であったのではないかと私は思うわけでありますが、その力によってODAを出せれる身分になったと言っていいのではないかと思うのですね。その身分を支えておるのが大学であり、大学の良好な研究環境であるはずなんですが、しかし今はまさに惨状になってしまっている。だからODAを出せれるのも、このままであったならば、ODAの源である高等教育の予算がこのような状況であったならば、ODAもいずれ日本は出せない国になってしまうのじゃないか、こんなふうに私は思います。 この厳しい財政状況の中で、文部省もいろいろ御苦労をしておいでになると思います。先ほど午前中は大蔵省が呼ばれまして、主計官がいろいろ答弁しておりました。しかし、今官僚にそういうことを言うことは私は非常にむなしい感じがしておるわけであります。官僚というのがどれだけの力があるのか。要するに、決められた枠内で、決められた予算内で工夫をするしかない。これが官僚の限界ではないかと思うわけであります。 確かに日本は財政が非常に厳しいわけでありまして、財政に対するいろいろな要望を聞けば、今の予算の何倍盛りかもしれません。しかし、その課題に優先順位をつけて、予算を適正に配分するのは、これは省庁の枠を超えなければいけないわけでありますから、これは私は政治の責任だろう、すなわち政党、政治家の責任だろう、こんなふうに思うわけであります。特に政権を握っておりますところの自民党、そして自民党の議員の責任というのは、私は極めて重いのではないかと思うのですね。大臣はシーリング枠は何とか文教予算から撤廃をしたい。私は、文教予算全体から撤廃できないにしても、高等教育に関しては直ちに撤廃をしなければいけないと思うわけでありますが、これまで十年間にわたって放置をしてきたその責任というものを、政権政党である自民党とその所属をしております自民党の政治家の皆さんにしっかり自覚をしてもらわなくちゃいかぬと思うのです。大臣は大変お若くて見識も高い、行動力もあるというふうに私たちば評価をしておるわけでございますが、大臣という立場を離れて、日本の将来を考える政治家として、また自民党の国会議員として、このシーリング枠の問題について、政治家の責任、政党の責任についてどのようにお考えになるのか、所見をお伺いしたいと思います。
○鳩山国務大臣 ただいまの平田先生の見識ある御発言に関しては、異論はありませんし、反論できないというか、今日までのそういう政策を続けてきた政治の責任というものはまことに重いと思うし、これをこれ以上続けることは許されないことと思うわけであります。 先生は今優先順位の話をされましたが、およそ政治というものがプライオリティーというものをきちんとつけることをしない、できないならば、政治家というものは世の中に必要がない、行政マンだけいればいいということだろうと私は思うわけでございまして、そういう点で教育、人づくりというものに正しい優先順位を与えることができないで放置をして十年も二十年も経過をして、私学助成を見ても公立文教を見てもあるいは高等教育を見ても、どこを見てもあらゆる数字が極めて悪い、そしてそのためにいろいろなひずみが出てきてしまっているということを私たちは真剣に反省しなければなりませんし、自民党はもとより国会のすべての教育に理解のある政党あるいは代議士、参議院の先生方にお願いをして、教育という、人づくりというものが国家の原点にあるんだ、人づくりが失敗をしたら国はどうつくってもうまく立ち行かないということを理解していただけるように努めるのがせめてもの私の仕事、役割ではないだろうか、そんなふうに考えております。 と申しますのも、先生よく御理解のとおり、これは教育予算というもの、文教予算というものの特殊な仕組みの問題があろうかと思います。十年間に一兆六千億円あった物件費が六千億に減ってしまったわけですから、物価のことを考えてみれば三分の一以下四分の一くらいになってしまっているわけです。ですから、国立学校特会への繰り入れといっても、国立学校特会の人件費分は大変多いわけでございましょうから、施設設備が老朽化、狭隘化するのは当然の帰結であるわけで、まことに残念な状況にあろうかと思います。 昨日、私は東京大学を視察をしてまいりました。きょう最初に御質問された山元先生が、例えば築二十年以上で改築の必要があるのが四三%とか四三・五%とか、そういう質問をされておられましたが、事、東京大学に関していえば、戦前に建てられた建物が大量に残っておる。ところが、これは委員長にもぜひ御理解いただきたいのですが、東大のケースでいえば、昭和二十年以前の建物は十二分に使えるし将来も使えるであろう、むしろ戦後量的拡大を考えて昭和四十年代の前半くらいに建てられた建物が一番痛みが激しくて使い物にならないというわけですから、教育というものは将来を見通さなければいけないのに、いわば高度経済成長が十二分に軌道に乗って、昭和三十九年の東京オリンピックが済んだ後に四十年とか四十一、二、三、四、五というあたりに建てた建物が使い物にならないというのですから、まことに近視眼的な校舎建築というものをやったんだなと思うわけでありまして、そんなあたりにも教育というものに対する基本的な重要性を見逃しておる日本の政治、行政の実態というのがあろうと考えております。 理屈はさておき、そのような先生御指摘の観点から、今までの政治のプライオリティーのつけ方に厳しく反省をしたりあるいは反省を求めたりしながら教育予算の抜本的な改革や拡充に努めてまいりたい。前にも申し上げましたけれども、金丸信先生が、公共事業を削っても防衛費を削っても人づくりの予算はふやさなければならないという、あのすばらしい演説の響きが今も私の頭の中をめぐっております。
○平田(米)委員 プライオリティーをつけるのがまさに政治の基本的責務であるという御認識、私と全く一致しておるわけでございます。しかし、それがわかっていながらできていない、これが十年間続いてきたわけでございまして、今金丸さんのお名前を言われて、来年、金丸さんのツルの一声でシーリング枠が撤廃されるかのような期待を私どもに与えられるような発言をされたわけでございますが、本当に来年には、来年といってももう七月から始まるわけでございますので、来年度の予算にはシーリング枠は完全に撤廃をさせるということをやらないと、本当にもう時間的に間に合わない、日本が立ち直るには時間的な余裕がないくらい大学の状況は惨状を来している、このように思います。私は、もう少し踏み込んで、今までの自民党政治のあり方、そして政治家のあり方についての厳しい御認識を承りたかった。まあ将来ある身でございますから、少しは手かげんも必要かもしれませんが、恐らくお心の中では厳しい反省と認識をお持ちではないか、このように思います。(「政治改革だ」と呼ぶ者あり)おっしゃるとおりでございまして、政治改革をやらなければいかぬわけでありますが、私も野党の一員ではありますけれども、政治の現状に対して本当に嘆かわしい、こういう思いで政治改革に力を入れたいと思っておる一人でございます。 いずれにしましても、きょうは法案の審議でございますので、法案に入りたいと思います。 さきの委員会では、公立の義務教育諸学校の教職員等に係る共済費追加費用等を一般財源化するための義務教育費国庫負担法の一部改正をしたわけであります。要するに、これは端的に言いますと、現在の予算のシーリング枠にちっちゃな穴をあけた、私はこういう認識を持っておるわけであります。今回の国立学校財務センター、また特別施設整備資金の創設も、結局のところ現在のシーリング枠にちっちゃな穴をあけるためのテクニック、どうもこういうふうに見えてしまうわけでございますが、その辺について、まさに今回の制度の創設の目的、そしてシーリング枠との関係性について御意見を例えればと思います。
○鳩山国務大臣 この間の義務教育費国庫負担法の共済の追加費用の問題は、非常に技術的な問題、昭和三十七年に始まった、共済制度の成熟化に伴って追加費用と現職の教職員の先生方との関係が薄れてきたということをもって、自治省の御理解もいただいて、もちろん我が文教予算の組み方の問題も踏まえてあのようなお願いをしたわけでございます。これは年間六百億くらい、三年間で終了をして一般財源化、非常に技術的であり、そういった意味では財政的にはやや近視眼的な効果しかないかと思いますが、それに比べれば、今度のこの法律の方は、穴としては大きな穴、またはできる限り大きな穴になることを期待するわけでございまして、先ほど御答弁で申し上げたように、宮澤総理がこの場で特別な配慮を教育予算についてさせていただいた、シーリング問題を尋ねられて、四年度の予算については特別な配慮をさせていただいたというのは、まさにこの法律案、財務センターのことを指摘されたものと私は受けとめておりまして、もちろんお金をつくるために国立大学関係の財産を処分するという発想は決して持ってはいけないとは思いますけれども、当然さまざまな移転の話というのがこれから予想をされてくるわけでございますので、特別会計内で生じた資金のために特別会計への繰り入れが減るというようなことがあれば全く意味がありませんので、そういうことがなく、そうしたお金がきちんと国立大学の将来のために、狭隘化、老朽化問題解消のために使われるように努力をしよう、法律はもちろんいろいろな意味を持っておりますが、これがこの法律、財務センターや特別施設整備資金の趣旨であると私は考えております。これをできるだけ大きな風穴にしていきたいと思います。
○平田(米)委員 そういう御認識の上でお伺いをするわけでございますが、私の手元の資料によりますと、国立学校施設整備費、平成三年度では八百九十八億円。それが平成四年度では千二十七億円。今回特別施設整備資金は二百億円積み足しをするわけでございますが、これを単純に平成三年度の予算に足しますと千九十八億円になるわけでございまして、差し引きすると七十一億円合計では減っている。ということは、要するに特別施設整備資金二百億円は別枠では認められましたが、一般財源から入ってくるものは七十一億円減った。本来これはもっと伸びていなければいけないわけですが、逆に減ってしまっているように理解をするわけです。その辺はいかがなのでしょうか。
○泊政府委員 今先生から国立学校特別会計におきます文教施設費の予算額等についてのお尋ねでございます。 それで予算額、今回の特別施設整備費を含めまして各種事項をトータルいたしますと、平成四年度は総額千六百九十四億円余り、こういう状況でございます。これに対比いたしまして平成三年度の予算額が千五百二十八億円余り、こういう形に相なっているわけでございます。したがいまして、広い意味の国立学校の施設整備費の増というのは、この差額ということに相なります。 ただ、御案内のとおり、この文教施設費の中身につきましては、いわゆる新設大学等の整備を図るといったようなものと、それから今話題になっております国立学校の老朽化したものを解消していこうということでの一般の改修、改築事業等も実施をいたしているわけでございます。 そこで、その一般の改修、改築事業につきましては、今回新たに御提案を申し上げております特別施設整備事業といったようなものも、これまではその中で実施されてきていたという状況でございますが、平成四年度の予算で申し上げますと、新たに創設をいたすことといたしております特別施設整備事業で二百億円の事業を実施する。それから従来から実施しておりますいわゆる一般の改修、改築等の費用として、そのほかに約三百七億円余り、トータル五百七億円という形での老朽化等に対応する予算額を計上いたしているところでございます。
○平田(米)委員 説明を聞いてもどうもよくわからぬのですよ。私が聞きたいのは、要するに、今までの予算よりも一般財源から出てくるのはふえたのか減ったのかということなんですよ。端的に、幾らふえました、逆に減りましたというふうに答えていただければよくわかるので、いっぱい数字を並べられてごちゃごちゃ言うとかえってわからなくなってしまいますので、わかりやすくお願いします。
○泊政府委員 お尋ねの文教施設費そのものだけでの増減を申し上げますと、平成四年度は平成三年度に比較いたしまして百二十九億円増の千二十七億円、こういうことでございます。
○平田(米)委員 千二十七億円でございますから、先ほど私が質問で申し上げたとおり、要するに実質七十一億円、一般財源から入っているのは減っているわけです。では、二百億円は一体何のために積んだんだ、こういうことになってしまうわけでありまして、特別枠を設けられましたというふうにおっしゃる宮澤さんの発言というのはペテンだという話になってしまうわけですよ、本来一般財源も一定の率で伸びていないといけないわけですから。平成二年度と三年度の間は約五十億円アップになっております。ということは、差し引きすると百二十一億円一般財源からの分については減ったというふうな評価もできるわけですね。片っ方で二百億円積みましたよと言いながら、片っ方で百二十一億円減らしているという計算になるわけです。実質八十億円しかふえていないということなんですよ。今回の法律の意義はそれだけのものなのかなという感じがするわけです。それだったら余りにも国民をだますといいますかばかにした話でございます。 私は、午前中大臣が述べられたように、二百億円積むからといって一般財源からの繰り入れを減らすなどということは到底許せない、そういう考え方が正しいと思いますが、実態はそうなっていないわけですね。それはまさにシーリングということがあるのかもしれませんが、しかし、こんなことをやっていたら、先ほど大きな穴をあけたとおっしゃいましたが、全然大きな穴にならないわけでございまして、ことしはもう予算は通ってしまったわけでありますが、平成五年度の予算でもしまたこのようなことが行われるとするならば、今回の法律は何のためにあるんだ、改正は何のためにあるんだということになると私は思うのです。どうでしょうか。
○鳩山国務大臣 私も余り数字を細かく見ておりませんで、そういった意味ではもっとよく検討してみます。正直申し上げて、午前中の御質問にあったような特会への繰入額あるいは繰入率というようなものをどうしても中心に見てしまうものでありますから、先ほども十二分な御答弁をいたしませんで申しわけなく思っておりますが、先生御指摘のとおり、まさに、私が先ほど宮澤総理の御答弁の内容についても申し上げましたが、特会への繰り入れが減らされないように、先ほど具体的に阪大の医学部跡地というのが出ましたけれども、例えばそういうようなことがあっても、特会への繰り入れが減らされないようにするための法律であり、制度でありますから、今先生から御指摘のようなことがあってはいけないわけでございまして、二百億も実際のお金として現に存在するのではなくて、初年度に関して言えば財投から借り入れる二百億でございますから、そういった意味で言えば将来の大きく花開く芽を何としてでもつくろうというような形で、ことしは、予算は直接の一般会計からもらえなくても、財投からという形で出発しようというやや苦しい発車の仕方ではあるわけですが、今後これが大きく育つように懸命に努力をしていきたいと思いますし、それが多少育ったがゆえに、逆に一般会計からの繰り入れが減れば全く意味がありませんので、十分留意して平成五年度予算に向かっていきたいと思っております。
○伊藤委員長 鳩山文部大臣はそう言っていますけれども、課長はどうですか。
○泊政府委員 今の平田先生の御質問にポイントを絞って予算額を具体に申し上げてみますと、まず歳出ベースで申し上げますと、施設費のうち今話題となっております建物の老朽改築等を含めるいわゆる狭義の文教施設費として掲げておりますのが、従来から実施しております一般の文教施設費といたしまして前年度は八百九十七億円余りございました。それが今年度は、今先生からお話がございますように八百二十六億円余りということで、一般の文教施設費という意味では七十一億円余り減少いたしております。ただ、もう一つ、先ほど申し上げましたように、新たに特別施設整備事業費というものを歳出ベースで二百億円確保いたしております。したがいまして、トータルいたしますと百二十九億円余りの増。ただ、これは歳出面で申し上げました。これが御案内の現下の財政事情にかんがみて、一つの工夫として、今回御提案申し上げました資金及び特別整備事業関連ということで、この特別施設整備事業費につきましては、具体の特定学校財産の処分が平成五年度以降に見込まれている、ただ、一方では老朽校舎等の改築は喫緊の課題だということで、この二百億円が初年度は財投資金を導入するという形に相なっているところが先生の御指摘になった点ではなかろうかと思います。
○平田(米)委員 今の説明、大臣も同じような説明をされましたが、二百億は借り入れたから、今回こうなった、純粋に二百億のせることもできなかったし実質七十一億円減ってしまった、一般財源からの繰り入れが。これは全然理由にならないと思うのですね。僕はそういう説明をしておっても意味がないと思いますよ。だから、本当のところはどこにあるのかなと思いますがね。大蔵省との折衝の中で、こういう制度を認めてやるから今回は我慢しろ、恐らくこういうことを言われたのじゃないかと私などは見るわけでございますが、これも結局はシーリング枠というところに帰結をしてしまう、そして政治の力がないということに帰結してしまうので、私は泊会計課長をこれ以上責めるつもりはありませんが、大臣がおっしゃったように、一般財源からの繰り入れが減らされるようでは、今回の制度を設けた意味は全くない、これはしっかり御確認をしていただいて、平成五年度の予算ではこういうことはあり得ませんということを約束していただきたいと思いますが、どうでしょうか。
○鳩山国務大臣 先ほどから先生に御指摘いただいている点については、残念ながらそういうスタートになったという経緯がございまして、それは予算のいろいろないきさつもあったのではなかろうかと私もみずから知り得ていない部分については想像をいたすわけでございますが、これを大きく育てるために努力していきたいと思いますし、先ほどから繰り返し申し上げておりますように、一般会計から特別会計への繰り入れに影響が出てしまったら制度をつくった意味が半減してしまいますから、その点に十二分に注意をしてまいりたいと思っております。 なお、一般会計から特別会計に対する繰入額というものはもちろんずっとふえてきておりますし、率は、ピークがあって、減って、また少し上向きというようなことを午前中から議論をいただいておりますけれども、一般会計から特別会計への単純な繰入額だけを見ておりましても余り意味がない。それは当然人件費が大量に含まれているわけですから、文部省全体で一%のベースアップが四百二、三十億円に響くというものは、それは過半は義務教育国庫負担金でありましょうが、もちろん膨大な国立学校関係の人件費も含まれておりますから、特別会計への規模が膨らむのは当然の必要経費の増としてこれは膨らんでいくわけでございましょうから、これからは特別会計への繰り入れというのは、人件費増以上にこれがきちんと拡大していくように、そして他方また新しく発足した制度を大きぐ育てるように、両面の努力をしていきたいと思います。
○平田(米)委員 今の立場では約束ができないということなんだろうと思いますが、本当にこういうことを繰り返しておったならば、当初に申し上げたとおり、今の大学の惨状というのは救えないわけでございますので、総理もそして金丸副総裁もシーリング枠を考えなくちゃいけないとおっしゃっているならば、それを言葉ではなくて予算として示していただきたい。それを大臣としてから取っていただきたいと心からお願いしておきたいと思います。 予定の質問がこれで随分なくなってしまったものですから、あと簡単にこの法案についてお伺いをしたいと思いますが、今回財務センターというのがいわゆる第三章機関として設置をされておるわけでありますが、国立大学との関係ということを非常にはっきりしておく必要がある、重要であるというふうに思いますが、その点についてどういうふうに理解をしておいでになるのでしょうか。
○前畑政府委員 私どもこの法律案でお願いをいたしております仕組み、つまり国立学校の移転等によりまして不用になった土地を処分した場合に、そのお金を単年度で費消することなく、一定のプールをいたしまして計画的に使用する、こういう仕組みをつくりたいと考えましたときに、やはり一番大きな問題は国立大学との関係でございます。仮に文部省で直接そういった仕事をする、国立大学の不用になった土地を文部省の所管の財産にする、あるいは調査等も文部省で直接に行う、資料の作成等もすべて行うということになりますと、これは各大学との関係で大きな摩擦が出る、こういうことが当然に予測されるわけでございます。午前中の御質疑にもございましたが、大学の自治といいますか大学の主体性というものを尊重しながらそういう仕組みを考えるということになりますと、国立学校設置法の機関として財務センターというものを設置させていただく、そこでは、国立学校設置法の機関でございますから、例えば大事につきましても、教育公務員特例法を準用いたしまして、文部大臣に対する自治権というのが持たれます。また運営委員会あるいは評議員会というのが設置されまして、関係の大学の学長あるいは教授等がこのセンターの運営に参画をする、こういうことで、その性格からして国立大学と極めて類似した性格のもの、そして国立大学の側からも、これを仲間内の機関として見てもらう、そういう性格のものとして考えた次第でございます。
○平田(米)委員 仲間内の機関という表現をされました。要するに大学と対等である、大学の自治を互いに守り合う、こういう立場であるというふうに理解してよろしいわけですね。
○前畑政府委員 そのような趣旨で御提案をさせていただいております。
○平田(米)委員 この財務センターの業務は、法案を読みますと金部で六つあるというふうに私は読んだわけでございますが、第九条の五の一号から五号と、そして附則の第五項、合わせまして六つあるというふうに理解をするわけでございますが、それでいいのかどうか。 それに関連してあわせて質問をしておきますが、例えば第一号前段の業務であります国立学校財産の有効活用について協力、助言、これを行うということになっておりますが、この協力、助言というのは、当該国立学校の要請があって初めて行うものなのかどうか。 また、第二号の業務に調査というのがあるわけでありますが、調査についての目的、内容、そして大学の自治との関係ですね。その調査がどういうきっかけで始まるのか、センターの独自の判断なのか、あるいは相手方の大学の要請に基づくものなのか、また調査の結果はどこに提出されるのか、文部省に提出されるとするならば、文部省はその調査に基づいて何らかの対応をして、そしてそれぞれの国立大学にどのような働きかけをするのか、その場合に、大学の自治に対する配慮はどうされるお考えなのか、御答弁願います。
○前畑政府委員 センターの業務を列挙いたしますと、御指摘のとおり、本則第九条の五各号が列記いたしております五つの業務、それから附則第五項に規定しております資料の作成を行う業務ということで、合計六つということになります。 本則九条の五の一号の前段にございます国立学校財産の有効活用についての協力、助言ということになりますと、やはり先ほど先生御指摘ございましたように、このセンターの性格また各大学の施設の管理に対する立場ということからして、基本的には各大学の意思を尊重し、その要請を受けて必要な協力、助言を行うということを基本にして対処いたしたいと思います。ただ、場合によりましては、センターが蓄積をいたしました情報といったものを各大学に積極的に提供するということはあろうかというふうに思っております。 第二号にございます「国立学校における教育研究環境の整備充実を図るため、総合的かつ計画的に実施することが特に必要な整備事業に関する調査」ということになりますと、これは各国立学校の個々の状況に関する調査ということよりは、むしろ近年指摘をされております国立学校全体としての施設の教育、研究環境といったようなものを把握いたしまして、文部省として、あるいは国立学校特別会計として、総合的かつ計画的に実施するべき事業は何であるかというのを、いわば各国立学校の状況をも踏まえながら、このセンターでもって調査をする、こういうことになろうかと思っています。したがいまして、個々の大学の意向ということもございますが、全体的にこのセンターが国立学校の施設の状況を見定めて、特に必要な整備事業というものを調査をするということになると考えております。 調査の結果につきましては、附則の五項にまいりまして、そこで調査の結果に基づきまして、特に必要とされる整備事業というもののうち、「施設が老朽化したため又は狭いため教育研究を行うのに著しく不適当である状態を解消することを目的としてこここにございますように、「特定学校財産の処分収入を財源として緊急に実施される国立学校の施設の整備に係る事業であって、文部省令で定めるものについて、その実施に関する計画の策定に参考となる資料の作成を行う」ということになります。調査結果自体を文部省が云々するということではなくて、調査の結果に基づきまして、財務センターがこの附則五項によります資料の作成を行っていく、こういうことになると考えております。
○平田(米)委員 大学に対する働きかけについて御答弁いただけますか。
○前畑政府委員 センターが大学に対して働きかけるということでございますが、この特別施設整備事業というものをどのように対処するかということにつきましては、基本的には、現在も行われておりますが、各大学において自分のところの施設をどういうふうに整備をしたいか、改修をしたいかというのが概算要求に関する要望として提出をされてまいります。その提出された要望について対処するに当たって、このセンターが作成した資料を十分活用しながら、文部省として特別施設整備事業を定める、こういうことになるということでございます。
○平田(米)委員 そうしますと、文部省の方から移転したらどうかなどというようなことはおっしゃらないんですか。
○前畑政府委員 大学の移転の問題につきましては、これはまず第一義的には大学が主体的に決める、そして大学が主体的に決めたところによって、大学の側で文部省に対しまして、こういうふうな移転をしたいという要望として提出をされるのが今までの手順でございますので、文部省側からそこの土地を明けてくれというようなことをするつもりはございません。
○平田(米)委員 手順はそうかもしれませんが、実質そういうようなことがなるのかならないのかということだと思うのです。今まではこういうセンターがなかったわけで、そういう中でどういうことが行われてきたのかわかりませんが、手順はまさに今おっしゃったようなことだと思うのですが、こういうセンターをつくることによって、実質的に文部省が大学の移転あるいは大学の内容、いろいろな設備についての計画などについて積極的なアドバイスといいますか、そういうことをされることになるのかどうかということなんです。
○前畑政府委員 そういうふうな御疑念といいますかあるいは大学側の疑問が起こるということも十分考えられますので、文部省で直接こういうふうな仕事をやるというのは適当ではない。そこで、最初にお答え申し上げましたように、国立学校設置法の機関として設置をし、センターの所長の人事、教授の人事、さらには評議員会、運営委員会という組織を設けて対処をするということにいたしておりますので、そういうふうなことは起こらないというふうに考えております。 なお、ちょっとつけ加えさせていただきますが、いわゆる省庁移転の問題がござまして、東京都区内の大学についても移転という問題がございますが、これについては私どもは積極的に働きかけております。
○平田(米)委員 先ほど大臣は、岩國さんが言っておられるような教育減反という話をして、首都圏にある大学を地方に分散をさせた方がいいんじゃないかと、私も同様の考えでございまして、それを全部大学の要望だけ聞いてやっておるということになりますと、それもできない、それを言うと大学の自治を侵害することになる。ここで矛盾に遭遇して非常に悩むわけでございますが、文部省みたいにあっさりと、それは建前論からいけば大学の自治を侵害する可能性があることは一つもやりませんということになるのかもしれないけれども、果たしてそれだけでいいのかなという気もするわけであります。文部省がぐいぐいと各大学を支配下において強制的にやっていくなどということは到底許されることではありませんが、しかし大学の自治だからといって大学が自分のことだけ考えていればいいということにもならないと思うのです。そこにこの財務センターをつくった意味があるのではないかというふうに私は考えたいわけでございますが、その辺をどう立て分けをしていくのか。非常に難しいことだとは思うのですが、しかしやらなければいけないことじゃないかなというふうに思います。難しい答弁になるかと思いますが、大臣、一遍、この辺はどうですか。
○鳩山国務大臣 先生は弁護士であられますが、私は法律論を展開するのは極めて不得意でございますから、法律的に正しいことを言えるかどうかわかりません。今前畑高等局長が文部省としての解釈論をいろいろと申し述べたところでございますが、率直に、今先生がおっしゃられた、その難しい悩みというものをそのまま私も持っているわけでございます。つまり前畑局長が申し上げましたように、いわゆる中央省庁の都心部からの移転という中には当然文部省関係のものも含まれるわけで、これは一省庁どれぐらいやれという課題に応じて文部省もやっていきますというお話があったわけですが、将来の大学のいわば配置構想みたいなものを私たちだって考えないわけにはいかないわけです。そういう場合の大学の自治とか自主性、自律性というものと私どもの働きかけとか構想というもの、今度の財務センターというものがどういうふうに絡むかということは大いに研究していかなければならない将来のテーマだと思っておりますが、文部省として将来の大学の配置について何の構想もなくやっていくわけにはいかないというふうに私は思います。 また、先ほどの松前先生の御質問に対して私がお答えをした趣旨というのは、大学の地方分散という言い方を何度もいたしまして、その言葉遣いでいいのかどうかわかりませんが、本来勉学とか研究というものは、少しでも緑、自然に恵まれたところにあってしかるべきだ、これからはそういう時代ではなかろうかという発想を私は以前から抱いております。かつて、二十四歳で若くして夭折された立原道造という天才詩人が、東大の建築科時代の卒業論文に、すべての芸術家が彼の愛した信州、浅間山ろくに集まって、それぞれに芸術活動をやったら、自然環境はいいし、お互いも刺激されてすばらしい成果を上げるだろうと書いて、私読んだことはありませんが、その天才詩人の建築学における業績が今でも高く評価されているというふうに聞いておるのですが、それとやや似た発想で、自然環境に非常に恵まれたところに幾つかの大学が都心から出ていって、そういうところに大学村みたいなものをつくっていくというのは一つの立派な構想ではありますまいか。伊藤委員長の地元の八王子にも大学が相当多く行って、大学以外の学校も相当進出している。私どもに若干関係のあります共立女子学園も八王子に中学と高校を持っていったりしているわけですが、八王子も今や大都会の一部なのかもしれません。そういった意味では、遷都論、首都機能移転論ではありませんけれども、自然環境に非常に恵まれたところに学校村、大学村をつくるというようなことは、将来当然考えていくべき構想であって、そういう構想を考える場合には、今先生が御指摘されたような難しい問題をどこかでクリアしていかなければならないと存じます。
○平田(米)委員 大変難しい問題だと思うのです。大学の自治というのはどこまでも学問の自由を守るためのものであると思います。大学の自治も、大学人の良識、また学生の民主的な意見というものも取り入れながらやっていかなくてはならない。同時に、大学というのは国民あっての大学でありますから、国民の意見もしっかり聞く大学でなければいけない。そうでなければ大学の自治はないという観点で、対等で誠実な話し合いの中で協議をしていったらどうかなというふうに私なりには思うわけであります。基本的には大臣と意見は一致しているのではないかと思うわけでありますが、こればかりやっておるわけにいきませんので、次の質問に移りたいと思います。 いずれにいたしましても、地方拠点都市整備法が今審議にかかっておるわけでありますが、あれも大学というものが非常に大きな位置を占めるというふうに思っております。ただ、文部省は主管官庁になっておりません。また私国立大学の学部をずっと調べてみましたら、地方の大学は理科系は多くないのですね。理科系がないところというのは地域の産業に与える影響というのもそんなに大きくはない。文科系を小さく見るわけではありません。両方がきちっとなければいけないわけでございまして、地方の大学をもっともっと充実して総合大学化するということも、東京の大学をあちこちに移転する前にやらなければいけないことではないかということを申し上げて、次の質問に移りたいと思います。 今回の法改正は学校施設の狭隘化ということに対応してつくられたわけでございますが、狭隘化した原因でございますね。また今具体的にはこれに対する対応というのはないわけでございまして、例えば国立学校施設建築面積というのを予算事業量で見ますと、平成三年では二十八万一千平米、それが平成四年では二十八万六千平米で、わずか五千平米しかふえていないのです。予算は、二割まではいきませんが、ふえたというふうに言えるわけであります。しかし伸び率からいきますと、予算の伸び率と面積、事業量の伸び率というのは大変違いがあるわけです。狭隘化の原因をお示しいただいて、それに対する対応をどのようにお考えなのか、具体的な考えがあるならば示していただきたいと思います。簡単にお願いします。
○前畑政府委員 それでは簡潔に申し上げますが、一つは、近年の科学技術の進展に伴う各種研究設備の増加及び大型化。二つには、研究室等における図書資料及び情報化対応のスペースの増加、例えばパソコンの導入等でございます。三つ目には、大学院の充実及び学生増募等、高等教育の発展に伴う学生数の増加、さらには留学生数の増加というのがございます。(平田(米)委員「対応」と呼ぶ)対応する方策がなかなかとれませんでしたので今日に至っておるわけでございますが、今度の平成四年度にお願いいたしております二百億の事業で五カ年計画を考えますと、私どもが緊急にやらなければならない事業量のおおむね半分程度は解消できようか、このように考えております。
○平田(米)委員 ちょっと質問の仕方が悪かったのかもしれませんが、要するに、今までの学校を設置する基準があるわけですが、この基準がもう時代に合わないのではないか、こういうことになると思うのです。例えば研究設備の増加や大型化、これは二十年も三十年も前につくったような基準では対応できない。あるいは文科系でも研究室に図書をたくさん置かなければならなくなった、書架をたくさん置く、こういうことになります。まあ数がふえるというのは今までの算定基準でも対応できるのかもしれませんけれども、今回の特別施設整備事業の中で、これについての具体的な算定基準の見直しなどというのはお考えになっていないのでしょうか。
○前畑政府委員 国立学校の建物基準面積につきましては、昭和三十五年に設定をされたも一のでありますので、先ほど申し上げましたような状況からすれば、必ずしも時。代の進展に即応しないところもあろうかと思います。しかしながら、現在その基準に照らしてのいわゆる資格面積というものにつきましても、なお一〇〇%充足をしてない状況にもございます。そういうふうな状況、それから今後における老朽、狭隘化の進展等も踏まえながら、今後この見直しの問題について検討してまいりたいと思っております。
○平田(米)委員 特別施設整備事業として行うものについては、例えば理科系はこれまでの何割増しとか、文科系はこれまでの何割増しなどということをお考えにはなっていませんか。
○前畑政府委員 この特別整備事業を行うに当たりましては、理科系学部については、現行基準に対しまして二〇%増、文系学部につきましては、現行基準に対して一〇%増を目途として対処をしたいと考えております。
○平田(米)委員 今の厳しい状況の中で、今のところこれしかできないということなんだろうと思いますが、局長ももう古い基準なので考え直さなければいけないというふうにもお述べになりました。ぜひともそういう方向性で考えていただきたい、検討していただきたいというふうに申し上げて、次の質問に移ります。 実は、私は平成四年三月にアンケート調査をいたしました。今の財政事情の中でシーリング枠を撤廃すれば一番いいわけでありますが、なかなかそれに至らない、いろいろな知恵を絞らなければいけないということで、大学の支援財団、いろいろな答申の中でも提案をされておりますが、これを積極的に推進すべきだということで、前にも私は御質問をさせていただいたわけであります。全国立大学、金といいましても九十五大学でございますが、これに関するアンケート調査をいたしました。五十校から回答がございまして、回収率五二・六%でございますが、この「国立大学・大学院の支援財団に関するアンケート調査結果」を少し報告させていただきたいと思います。 まず、「現在、貴大学・大学院に研究活動等のために、財政的に支援する「支援財団」がありますか。」と聞きましたら、「ある。」というところが十四大学、二八%、「ない。」というところが三十六大学、七二%でございました。 「「支援財団はある。」と答えた十四大学に、「現在の支援財団」に満足しているかどうか」と聞きましたところ、「満足している。」というところが三大学、「満足していない。」というのが九大学で、無回答が二大学でございました。 「「満足していない」と答えた九大学に、その理由を伺った。」ならば、「財政基盤が弱い」また「大学全体としての支援財団でない」、それ以外にも同様な御回答がございました。 また、「「満足していない」と答えた九大学に、現在の「支援財団」に関する改革案の有無を伺った。」は、「改革案は持っている」というのが七つございました。 「「改革案は持っている」と答えた七大学に、その改革案の要旨を伺った。」ら、「基本財産増額のための募金活動を企画し、実行している。」「大学全体をカバーできるものを検討中。」である、このようなお答えがございました。 「「支援財団はない」と答えた三十六大学に、近い将来、支援財団の創設の予定があるか伺った。」ところ、「予定している。」というのが二大学、「予定は全くない。」というのが三十四大学ございました。 そして、「「創設の予定は全くない」と答えた三十四大学に伺った。」ところ、将来、支援財団を「創設したい。」と思っているのが九大学、「創設しないでよい。」と考えているのが三大学、無回答が二十二大学でございました。 また、「現在の研究費に満足しているか」あるいは「現在の「研究設備費」に満足しているか」というふうに聞きましたところ、「満足」はゼロでございました。 それで私は、この支援財団には、民間のお金はもちろんでございますが、地元の地方公共団体からもぜひとも寄附をしていただきたい。なぜならば、地元の国立大学が振興、発展することは即地域の発展につながる。したがって、地方自治体としては地域振興のためには地元の国立大学を応援することは大変効果的な方法であると私は思いましたので、地元の国立大学がありますところの市町村、そして県にもアンケート調査を同様に行いました。 実施日は平成四年三月でございまして、都道府県の回収率は五三・二%、市町村は七十一の市町村に出しましたが、回収率は四六・五%でございました。 その結果を申し上げますと、「地元にある国立大学の研究環境に関して、どう思われるか」と伺いましたら、「劣悪な状況にある。」と答えたのが、県が五、市町村が九でございました。「劣悪な状況とは思わない。」と答えたのが、県が四、市が十五、四五・四%ございました。無回答が、県が十六、六四・〇%、市が九、二七・三%でございます。そして無回答のうち十三府県は状況未掌握のため答えられない、また四市町村も状況未掌握であるので答えられないという返事でございました。 「地元にある国立大学の研究費・校費に関して、どう思われるか」と伺いましたら、「少なすぎる。」というのが、県が六、二四・〇%、市が十六、四八・五%、無回答が大変多くて、十八府県、七二%、市町村が十三、四九・四%でございました。 「地元にある国立大学は、地元の発展に貢献すると思われるか」と伺いましたところ、「大きな貢献を果たすと思う。」「ある程度の貢献はあると思う。」の合計で、県は六八%、市町村では何と九一%がそのように思うという御回答でございました。 「地域の発展のために、地元の国立大学に何らかの支援をしたいと思われるか」、これに対しましては、「現に支援している。」というのが、県が十二、四八%、市が十四、四二・四%。「現に支援はしていないが、できる方法があれば支援したい。」というのが、県が六、二四%、市が十七、五一・五%でございました。「現に支援している。」あるいは「現に支援はしていないが、できる方法があれば支援したい。」というのを合計で見ますと、県が七二%、市は九四%に上ります。 「大学の研究費を充実させるために、地元の国立大学に「大学支援財団」を設立する方法に関してどう思われるか」と聞きましたところ、「賛成です。」というのが、県が三、布が八でございました。「どちらとも答えられない。」というのが圧倒的に多くて、県が十九、七六%、市が二十一、六三・六%でございました。それはその場になってみないとわからないということだと思いますが、しかし、支援していただける可能性が十分ある数字ではないかというふうに私は見ております。 そこで、「地元の国立大学の「大学支援財団」の設立について、基本財産の提供をはじめ協力される考えはあるか」と聞きましたところ、「支援財団の基本財産の提供も含めて設立について協力する」というのが県はゼロで市が一でございました。「支援財団が設立されれば応分の寄付をする考えはある」というのが県が四、一六%、市が七、二一%でありました。これも無回答が多くて、県が七二%、市が五四・六%が無回答でありました。これもやはりその場になってみないとこういうお金を出す、出さないというのははっきり言うべきではないという公共団体の考え方が出ておるかと思いますが、出さないという考えではない、こんなふうに私は思うわけであります。 こういう状況を見まして、アンケート結果を見まして、まずお伺いをしたいわけでありますが、もう時間がありませんので、まとめてお伺いをしますので、まとめてお答えをいただければと思います。 まず、各国立大学に大学の教育、研究活動に資するための大学支援財団、これを設立することについて文部省は積極的なのか消極的なのか、これが一つです。 それから、アンケート結果によりますと、国立大学の地元の地方公共団体の相当数において大学の教育、研究環境が劣悪な状況にあることが認識されておりません。これは情報の提供の不足によるものではないか、こんなふうに思いますが、これについての現在の対応、また将来の対応について御説明をいただきたい。 三番目に、大学支援財団の設立は、各国立大学自身が熱意を持って当たらなければ基本的にはできないことだと思うわけでありますが、しかし、その熱意にプラスしてノウハウというものが必要ではないかと思います。文部省としては、ノウハウの積極的提供について考えがあるかどうか、お聞かせをいただきたい。 四番目に、大学支援財団を設立したいと考えている大学も、現状の文部省の基準は厳しいと言っております。例えば基本財産が一億円以上でなければならないとか、あるいは一大学に一財団でなければならないという基準は窮屈だ、こういう意見がございます。また既設の財団がある場合の取り扱い、これもあわせて文部省の考えをお伺いしたいと思います。 最後に、大学支援財団については特定公益増進法人の証明を与えるべきであるというふうに考えますが、文部省のお考えをお聞かせいただきたい。 特に、これまで大学支援財団で特定公益増進法人の証明を受けたのが幾つあるのか、また既存のもので六十二年以降設立されたものは三つ、これは全部証明を受けているそうでございますが、既存のもので証明を受けられているのが幾つあるのか、お教えをいただければと思います。 以上です。
○鳩山国務大臣 ほとんどは政府委員からお答えを申し上げますが、私の感想だけ申し上げれば、一つは支援財団の問題については、かつて公益法人がいろいろ問題のあるものが多過ぎるという時期がございましたから、十年あるいは十五年ぐらいにわたってこうしたものが抑制される傾向にあったし、現に抑制してまいったと思いますが、その後臨教審の答申もございまして、大学が支援財団を持つとかあるいは自己基金の充実を目指すべきというようなこともございましたので、現在はむしろ積極的にこれは支援をしたいというふうに態度を改めておりますが、それではどんどん支援財団ができつつあるかというと、残念ながらそういう状況にはないということ。 それから、先生からの懇切丁寧なアンケートについての御報告を承りながら思いましたのは、支援財団というような有効な方法がありながら、現実には非常に少ないということ、そしてまた、あってもそれが十二分に機能しているとは限らないのだなと思った点がございます。 そして、地方公共団体についていえば、私どもの宣伝の問題もあろうかと思いますが、正直言って地方自治体も自分のところに大学を持ってこいという陳情が非常によくある。大学を一つ持ってきてくれというような話、あるいは大学ができれば地域に貢献してくれるのだがなという意識は強く持ちながら、現に自己のテリトリー内にある大学についての具体的な関心というのは案外薄いのだなということを先生のアンケート結果から感じました。
○前畑政府委員 まずお尋ねの、各大学の悩んでいる様子が県なり市なりに伝わっていないのではないかということでございますが、これは先般の三次行革審の二次答申でも御指摘がありましたが、地方の国立大学と地方自治体との関係が必ずしも緊密に保たれてないということに大きな原因があろうかと思います。私どもとしては、今後地方の国立大学につきまして、「地域の要請を適切に受け止め、相互の交流・疎通を図るため大学と地方自治体等との協議機関を設置する。」という行革審の答申の指摘を受けとめて各大学に指導をしてまいりたい、このように考えております。 支援財団に対する取り組みのノウハウが不足しているということでございますが、これは先ほどのアンケートでも承りましたように、国立大学につきましては、財団法人を設立するまでもなく、ストレートにそれぞれの学部なりあるいは学科なり研究室にお金が入る奨学寄附金というシステムがございますものですから、必ずしも財団をつくって、そのファンドでということについての関心が低いのではないかと思っております。私どももいろいろな機会をとらまえまして、そういった財団の設立ということについて大学側の関心を高めてまいりたい、このように思っております。 なお、財団設立の際の基準につきまして一億円と決めておりますが、これは先ほども大臣の御答弁にもございました、公益法人についていろいろな問題がありました際に、財団という以上、基本財産を確立すべきであるということからそういう対処をいたしております。 また、各大学一つという問題でございますが、これにつきましては、既に複数の後援法人が設立されて、それぞれ適切に実績を上げている場合等につきましては、さらに増設をするということについても対処させていただいております。 特定公益増進法人の問題でございますが、必ずしも正確には把握をいたしておりませんが、帯広畜産大学、長岡技術科学大学、大阪大学、小樽商科、鹿児島大学、東京農工大、東京大学の経済学部、東京工業大学等々、国立大学につきましては十一ほどが特定公益増進法人に指定をいたしております。したがって、多くのものはそういう指定を受けてないという状況にあろうかと思っております。
○平田(米)委員 時間が参りましたので……。少しオーバーいたしまして申しわけございません。ありがとうございました。
○伊藤委員長 御苦労さまでした。 山原健二郎君。
○山原委員 本法案の質問ですが、最初に財務センターについて質問をいたします。 財源を財産処分収入に限定しては抜本的な老朽施設解消は望めないのではないかという疑念を持っております。この点をちょっと申し上げてみますと、昨年の十一月に国大協がまとめました国立学校財政基盤調査研究委員会の第二中間報告が出ておりますが、これによりますと、「施設の狭隘化と老朽化」の項で、これは読み上げる必要はありませんけれども、全国の国立大学で教育、研究施設の極度の狭隘化が進んでいる、さらに既設の建物の構造的な劣化の進行も著しい、こうしまして、建築後既に三十年前後を経過し、内面、外装ともに傷みが激しく、緊急に改築、改修等の適切な対策を講じることが必要となっている、こういうふうに指摘しておりますし、けさの文部大臣の東京大学の例を出しておられましたが、大学を訪問しましても、実際はそういう状態にあるまことに深刻な事態であるということは、認識は一致すると思います。 ところで、文部省の特別施設整備事業五カ年計画は、予算規模で各年度二百億円、合計一千億円、またこれによって解消される老朽施設面積は約三十五万平米で、スペース拡大分を含む事業量で四十万平米程度だと説明を受けています。ところが一昨年五月一日現在の数字で築三十年以上の建物面積は百六十八万平米に上ります。しかも年ごとにその数字はふえ、改築が行われずにこれから三年経過するとなりますと、三百八十九万平米に達することになります。この三十年間前後を経過した建物を文部省計画の年間約七万平米というペースで整備するとなると、五十年以上もかかることになります。これでは特別施設整備事業が進められておる間に次々と新たな老朽施設が増大していくことになるわけでございまして、この悪循環を断ち切るためには、老朽・狭隘施設整備事業に国立学校の財産処分収入だけでなく、一般会計からの繰入金を思い切って手当てをする必要があるということはだれの目にも明らかでございますが、この点はどのようにお考えになった結果でしょうか。
○鳩山国務大臣 私どもは、今回の設置法改正の中で特別施設整備資金、そして国立学校の財務センターをつくって、初年度の二百億が財投の借り入れであるという苦しいスタートであることは、先ほどお話をしたとおりですが、例えば五年間で一千億というような計画を立ててやってまいりますが、先ほどの平田委員からの御質問に対して私なりにお答えをしておりましたように、国立学校特会への一般会計からの繰り入れという、何も私どもがこういう工夫をしなくても、本来一般会計がそうしたものを出してくれる、このことを守りあるいは拡大しつつ、また他面この財務センターを使って特別施設整備をやっていこうということで、あくまでも両方やっていこうということでございます。
○山原委員 この法律によりますと、附則第五項に「施設が老朽化したため又は狭いため教育研究を行うのに著しく不適当である状態を解消することを目的として、特定学校財産の処分収入を財源として緊急に実施される国立学校の施設の整備に係る事業」、こう規定しております。このように法律上書き込んでしまいますと、老朽、狭隘施設解消を目的とした施設整備は特定学校財産の処分収入で貯えという法的根拠を財務当局に与えるのではないかという懸念を持ちますが、これについてはどういうお考えでしょうか。
○前畑政府委員 御提案させていただいております国立学校特別会計におきます特別施設整備資金の設定でございますが、これはあくまでも一時に多額の財産処分収入が見込まれました場合に、それを単年度で費消することなく、いわばプールをしておきまして、計画的にそれを歳出に充てたい、こういう趣旨のものでございます。したがいまして、特別施設整備事業と申しますのも、この資金の財源でもって対処できる事業、こういうふうに逆に特定学校財産処分収入を財源として緊急に実施される事業ということでございますので、先ほど大臣から御答弁がございましたように、当該処分収入と見合わない施設の整備事業はもとより一般会計繰り入れでもって対処をしていく、こういうことになります。
○山原委員 特別施設整備事業のほかに従来の国立学校施設整備費があるということはわかるわけですけれども、新増設も多いわけですし、また不足整備面積も約百六十万平米に達するような状態ですから、結局老朽、狭隘施設解消は特別施設整備事業の枠で行えということになる懸念があるわけですね。 そしてさらに、もう一つの問題としてお聞きしておきたいのですが、特別施設整備資金は当分の間置かれる制度ですね。ところが国立学校財務センターは恒常的機関として設置をされることになっているわけですが、これはどういう意味でしょうか。
○前畑政府委員 財務センターは本則の九条の五で一号から五号まで事業を掲げておりますが、これは今後におきます国立学校の財務の改善に資するためには恒常的に設置されることが必要な機関、このように考えて御提案をさせていただいているところでございます。 特別施設整備資金は、先ほど来御指摘がございますように、施設が老朽化またはその老朽化したためまたは狭いため教育、研究を行うのに著しく不適当である状態を解消することを目的として特定学校財産の処分収入を財源として行えるものでありますので、いずれか一方が成立をいたしませんと、これは成り立ちませんので、例えば特定学校財産処分収入が見込まれなくなった場合、あるいは老朽、狭隘が解消された場合には、この資金を設ける理由がなくなる、こういうことで「当分の間」とさせていただいております。
○山原委員 次に、このセンターですが、その役割は特別施設整備事業の財源確保ということと、それからもう一つ、それだけではなくて、国立学校の財務の改善に資するための業務、こういうことで各国立学校に財務改善の自助努力を促すという広い役割を担っております。 これでちょっと私は思い出すのですけれども、ちょうど八年前、いわゆる臨教審で教育の自由化論が出ましたときに、この問題が随分論議をされたことがございます。民活論が一世を風塵した状態が一九八四年、ちょうど八年前のことだと思いますが、当時中曽根首相が自民党の軽井沢セミナーにおいて講演をしております。「国公有地、国鉄の所有地を民間に解放して、都市計画、経済活動、その他に使ってもらうことを始めています。」 「これを民間のデベロッパーや建設会社の力を借りてやろうということです。全国を調べてみると相当膨大な土地があるんです。行政財産になるともっとたくさんある。東京大学の持っている土地なんか、一説によると埼玉県ぐらいの広さだそうです。もちろん演習林なんかも入るんでしょうけどね。ともかく、官公庁が持っている土地で活用できるものはそういう形で工夫してやろうということであります。」こういうふうに述べているわけですね。この考え方というのが、いろいろな曲折はあるけれども、根本に貫かれている。センターの業務第一項には、「国立学校財産の適切かつ有効な活用」とありますが、国立学校が有する所有地などを処分促進する役割をセンターが担うことになるのではありませんか。この点を伺っておきます。
○前畑政府委員 国立学校が所管をいたしております財産の中で使用されなくなった、例えば例に出しております大阪大学の医学部跡地などは、既に吹田の方に移転をいたしておりますので、これは使用されなくなっておりまして、いわば遊休地になっておるわけでございますが、そういうものについては、この財務センターが所属がえを受けまして処分の促進をするということになろうかと思います。しかしながら、現に有効に活用しているものについてそういうふうなことが起こるということは、毛頭考えられないところでございます。
○山原委員 その点で、大学の自主性の尊重あるいは大学の意向を踏まえて財産の有効適切な活用を図るということ、そういう意味での大学の自主性というものについてはどういう配慮がなされているのでしょうか。
○前畑政府委員 大学の自治と言われますときに、一つには、もとより教育、研究活動を自由に行うことができる、さらには大学の大事に対する自治権という問題があり、さらには施設の管理についても、大学がある程度においては自主的な管理権を持つということがとられておりますが、そういう観点からいたしまして、従来から大学の校地の問題につきましては、大学の自主性を十分に尊重してまいったところであります。 しかも、この国立学校財務センターば、国立学校設置法機関として設置されますし、教育公務員特例法を準用する機関でございますので、そこにおいて運営委員会あるいは評議員会等が設置されまして、このセンターの業務については、そういった委員会の意見のもとに適正に運用されるものと考えております。
○山原委員 次に、センターは、国立学校の財務の改善に資するための業務を行う、そういう機関とされているわけでございますから、この法律規定のため、センターが行う財産処分はできるだけ処分収入が大きくなることが求められて、公共用地や緑地の確保などよりも、むしろ民間への払い下げが優先されることになるのではないか、そういう危惧を持たざるを得ません。 例えば、今国立大学所有地の少なくない部分というのはいわゆる一等地なんですね。それが多くあると思われます。民間から見れば、まさにのどから手が出るほどの欲しいところ、いわゆる垂涎の的と言われるところですね。センターの目的と民間の思惑が一致していく可能性が大きくて、緑地や公園にしてほしい、公共用地として残してほしい、あるいは地価の高騰にならないようにしてほしい、そういった政策上の国民的要求を離れて、処分が収入の大きい民間優先で行われる懸念が払拭できないのでありますが、これはどうお考えでしょうか。
○前畑政府委員 従来から国立学校特別会計所管の土地を処分いたしますときには、大蔵省の所轄の財務局に処分を依頼いたしまして、当該財務局では、必要に応じ国有財産中央審議会に諮った上で適切に処分がされてきたところでございます。この特定学校財産につきましても、従来と同様、大蔵省の所轄財務局に処分を依頼するということにいたしておりますので、御指摘のようなことは起こらない、このように考えております。 なお、大阪大学の医学部跡地につきましては、土地の高騰といったような問題もございまして、今大阪市の方で主導的に市街地再開発事業として取り進めているところというふうに承知をいたしております。
○山原委員 次に、特別会計制度発足当時は、一般会計からの繰入率は大体八二%ないし八三%程度であったわけですね。それから学生納付金や病院収入、財産処分収入などの自己収入は一七%から二割程度であったわけですが、今年度予算では一般会計からの繰入率は六二%にまで低下をしております。 そこで、文部省関係者の国立学校特別会計研究会が著した「国立学校特別会計制度のあゆみ」というものがありますけれども、その中で、当時関係した方が座談会をやっております。これを読みますと、このことが当時問題になっておりまして、「少なくとも八〇%以上の繰り入れ金は常時保障してもらいたいということがお互いの交渉の過程で話に出た」「法定してくれという意見があったのです。」「たしか口約束で終わったと思います。」「紳士協定のようなもので、予算でそのつど悪いようにはせぬというようなことだったですね」というような証言がございまして、いわゆるこういう一般会計からの繰り入れというこの原則が次第になし崩しにされて、今や繰入率は約六割というふうに低下してきております。ここに国立大学の財政困難の根本要因があるわけでございまして、このことにメスを入れないで、国立大学の自助努力で財務の改善を図ろうという本法案の基調は、今の危機打開の本筋から外れているのではないかというふうに思います。この点について鳩山大臣に、この繰入率引き上げ、あるいはシーリング枠撤廃、あるいは大学予算の抜本増額を図るべきではないかと思いますが、これは大臣のお気持ちも一緒だと思いますけれども、あえてここで伺っておきたいのです。
○鳩山国務大臣 その点は毎回申し上げておりますように、文教予算のいわば構造をこのままにしておいて五年、十年経過をすれば、人づくりというものが大変大きな障害に直面して、あらゆる場面でにっちもさっちもいかなくなるのではないかということを繰り返し申し上げてきたところでございます。全国会議員、全政府関係者の皆さんの御理解をいただいて、一工夫、二工夫、あるいは抜本的な改革というような大きな工夫をしていただいて、文教予算が飛躍的な増大を遂げるようにいたしませんと、いわゆる初等中等教育段階においても、そして最近とみに話題になる高等教育の問題、それは先生たびたび御指摘の施設設備の老朽化、狭隘化だけではありません。いわば先端科学技術の問題、科学技術ただ乗り論というのでありましょうか、科学技術立国を目指すべき日本が、そういう面で国際貢献をして世界から尊敬を集めるべき日本が、そのような道をたどれないときに国全体がどういう運命のもとにさらされていくか、その辺をもっと真剣に考えなければならない。ですから、もちろんスポーツとか芸術、文化の点も含めてではありますけれども、とりわけ教育の予算というものについて、私は深刻に悩み、真剣に考えてきているつもりでございます。 今回の設置法によってそういう一つのちょっとした工夫を凝らすことができたわけでありますが、いわゆる根本的な予算増額の問題としては、国立大学のために特別会計に対しては一般会計からできるだけ多くのお金をいただくという今日までの姿勢をさらに強化して臨み、他方、その特別会計内ではこのような工夫をすることを今回の予算で大蔵省に認めていただいた、こういう状況にあります。
○山原委員 次に、教養部の改組問題でありますが、これまで、京都大学では教養部を教養学部に、神戸大学では教養部を総合科学部として改組するということが検討されていましたが、それが文部省の認めるところとならず、急転直下今回の改組となったわけです。この改組については、一昨年暮れあるいは昨年から実質的に始まり、急いだ改革となり、学生の声、職員の声が反映されていないなどという批判も起こり、相当無理を重ねた改革となったというふうにも聞いております。また学内民主主義上問題もあるとの批判も上がっております。教養部改組問題を含めて、改革に当たっては当然学内の各層の意見を十分反映することがまず基本的に大事だと思いますし、またこの改組に当たっては、各大学で自主的に判断するものであって、教養部としてそのまま存続する、また教養部を教養学部とするなど、さまざまなあり方があってしかるべきだと思いますし、文部省として教養部改革を押しつけることがあってはならない、あくまでも各大学の自主的判断、自主的改革によるものだと言明すべきだと思いますが、そのように理解してよろしいでしょうか。
○前畑政府委員 私ども教養部の改革構想を各大学から聞きますときには、学生の側に対する配慮というのを特に重点的に求めております。往々にして教養部を教養学部にするという構想について学生はどうするのかと聞きますと、学生は今までのとおりでありますという回答が返ってくることもあります。そういう点で、学生に対して一般教育をどのように行うのかという点について重点的に聴取をいたしておりますが、いずれにいたしましても、教養部を廃止して学部をつくるということは大変大きな改革でございます。こうして国会の御審議も煩わせなければいけない問題でございますので、改組をした後に果たして円滑に教育、研究が行われるかということは、ただいま先生御指摘のとおり、一にかかって学内の合意が円滑に円満に得られているかどうかということにかかわる問題でありますので、私どもとしては十分学内の合意の形成ということについても確かめながら対処をいたしておるつもりでございます。
○山原委員 一般教育の問題ですけれども、昨年、一般教育と専門教育の区分をなくしまして、卒業のための最低の総単位数を規定するにとどめるとして大学設置基準をそのように改めたわけですね。しかし、その前の大学審議会答申は、この「区分を整理することについて、一般教育を軽視する大学が出てくるのではないかと危惧する向きもある。」こう述べておりまして、「本審議会としては、一般教育の理念・目標は極めて重要であるとの認識に立ち、それぞれの大学において、授業科目の枠組みにこだわることなく、この理念・目標の実現のための真剣な努力・工夫がなされることを期待する」こういうふうになっているわけですね。 ところが、今度京都大学、それに神戸大学の授業科目、取得単位を見ますと、京都大学の場合、カテゴリーⅢでこれまでの一般教育を組み、取得単位は十六単位、カテゴリーⅡで高度な一般教育となり、とりようによってはこれまでの一般教育をとらなく、専門教育に近いものの取得で済むようにもなっているわけでございます。また神戸大学の場合、一般教育十六単位、専門基礎を入れると二十四単位というぐあいになり、それぞれ一般教育の軽視となっているとの指摘も出ております。 もともと戦後の一般教育は、大学設置基準協会の昭和二十六年の「大学に於ける一般教育」によると、「我が国の新制大学における一般教育は、大学教育の本来的意義から必然的なものであり、今日の我が国の社会的、政治的現実から不可欠のもの」であると述べて、「学生が善良な社会人として有意義な生活を営み、かつ民主社会に有用な一員として寄与することを可能にする教育」と位置づけております。したがって、これだけ重視されたこの一般教育が、これは今度の京都と神戸が最初の改定になるわけですが、この一般教育十六単位ということを、今後の教養部改革に当たっては、他の大学に押しつけるべきではないと私は思いますが、それはそのように理解してよろしいですか。
○前畑政府委員 先ほど来御指摘がございますように、私どもは、大学側が教養部問題あるいは一般教育改革問題についてどういうふうに対処するかというのは、基本的に各大学が主体的に考えるべき問題であるというふうに受けとめております。したがいまして、京大、神戸大の改革方式をモデルとして押しつけるというようなことは毛頭考えておりません。
○山原委員 京都大学及び神戸大学の改組に当たって、教職員の定員増がない改革、定員増がないと一般教育の改善につながらないとの批判がございます。大学の改革に当たっては、教職員の増を文部省として保障すべきだと私は思います。京都大学の場合、最低十五名の職員増がないと職員の勤務が大変になると、これまで増員を要求してきた向きもあるわけでございまして、文部省としては積極的にこの定数増についてもこたえるべきであろうと思いますが、この点についてお伺いをいたします。 さらに、この間教養部のあり方が大変問題となっています。というのは、条件が極めて劣悪だということなんですね。例えば定員増によって定員オーバーする授業が続出しており、最初の授業の時間に着席している学生のみ受講を認めるという教官が出てきましたり、また授業をとるのに、朝の五時から便所の窓から侵入して席をとらなければならぬという例も出ています。これは大学の名前を言ってもいいのですけれども、朝の五時半に教室が満員となる例も生まれています。また最大亘三十五人用の教室で行われる講義に千五百人の学生が登録、教官が授業に出ないでくださいと言うような事態も生まれているわけでございまして、授業を受けましても、立ち見、また双眼鏡を使わなければ黒板の文字が見えない。結局ノートもとれず、だんだん講義を受ける学生が減る、そういう事態が生まれているわけでございます。 これでは一般教育が学生から嫌われる。高校や予備校以下だ、大学に入ってがっかりした、そういう声も出る始末でございます。これでは教養部改革どころか大学の条件整備の問題が問われるわけでございまして、一般教育を重視するというのなら、こうした条件を整備することが先決ではないでしょうか。そのための教官の増、施設の改善を図るべきだと思いますが、この二点について最後にお伺いをしたいのです。
○前畑政府委員 京都大学の教養部改革につきましては、御提案させていただいておりますように、新しい学部に入学定員が純増でつきますので、それに伴いまして、学年進行で所定の教職員定員の増を措置することと予定をいたしております。神戸大学は入学定員の増がございませんので、現定員でやっていただくということになっております。 なお、教養部など一般教育実施体制の現状につきましては、御指摘のように、かねてからいろいろな問題点が指摘をされております。各大学におきましては、これまでにも増して、その教育のあり方についてカリキュラムの問題、あるいは教育方法の問題等について鋭意検討が行われているというふうに受けとめております。私どもとしても、このような各大学の自主的な努力の状況を見ながら、必要な対応について努力をしてまいりたい、このように考えております。
○山原委員 大臣の方に、私が最後に申し上げた教養部の実態ですね、御承知だと思いますから、私はあと説明しませんが、これはやはり改善しなければならぬと思います。この点についての見解を伺って終わりたいと思います。
○鳩山国務大臣 一般教育と専門教育の区分をなくしたということは、一般教育を、一般教育という言葉は私は余り実はまだなれておらないので、従来から言うリベラルアーツという言い方の方が何かぴったりくるような気がするのですが、そういうリベラルアーツを軽視するとか無視するということではありませんで、むしろいわゆる一般と専門の間の区別をつけることに無理があるとか、有機的な関連性が十分確立していないとかという点で、まさにそれぞれの大学が自主的に判断して、一般教育も重要、もちろんその一般から専門へ移行していくプロセスも重要、そして専門教育も深くやってくださいよということでいわばお任せをしたような形だと思うのでありますが、まあそうした趣旨をもっと徹底するように、これは決して他の大学に押しつけるというのではなくて、一般教育の重要性ということについては、私など相当強く認識をしている方でございますから、これからも訴えていきたいと思いますし、もし山原先生が今おっしゃったような、何か巨人・広島戦の切符を手に入れるみたいな形で、並ばないと席に着けないとか、席に着かないと出ていかざるを得ないというようなことがあれば、これは大変なことだと思いますが、よく実態を聞いてみようと思います。
○山原委員 終わります。
○伊藤委員長 御苦労さまでした。 柳田稔君。
○柳田委員 この法案では、国立大学の学部再編と施設整備のための施策が盛り込まれております。私は、この法案の具体的中身に入る前に、高等教育の充実について、まず政府の姿勢をただしたいと思います。 昨年の十二月十二日公表されました臨時行政改革推進審議会の第二次答申の中で、大学の将来あるべき姿として、特に地域社会や地域産業との共同研究・共同活動の推進、大学と地方自治体との協議機関の設置、地域住民への生涯学習サービスの提供という方向を示しております。このことにつきまして、政府は十二月二十八日の閣議で決定を行っておりますけれども、この方向性については私どもは積極的に評価したいと存じております。しかしその中で、「最大限に尊重」するという言葉は非常にすばらしいと思うのですが、その直前にある「中長期にわたる課題として」という、この文言が大変気にかかります。私どもは、この課題については、中長期にわたる課題というよりは、緊急にすべき課題だというふうに考えておるのですけれども、先ほど申しました答申の中身、問題につきまして、今後どのように取り組んでいかれるのか、まずその方針をお伺いしたいと思います。
○前畑政府委員 御指摘のいわゆる三次行革審の第二次答申におきましては、いろんな重要な御提言をちょうだいをいたしておりまして、私どもとしても積極的に対応していきたいとは考えておりますが、ただ、中長期的に受けとめざるを得ない課題もございます。それは、御案内かと思いますが、地方の国立大学について地方自治体への移譲等についての御提言がございます。これは条件整備の問題もあったり、あるいは関係者の合意の形成等、非常に難しい問題もありますので、そういう問題については中長期的に受けとめざるを得ないと考えておりますが、また国立大学についての組織・運営についそ、「法人化など設置形態の見直し」という問題もございます。いろんな大きな課題もございますので、できるものにつきましては積極的に対応いたしますが、全体としては中長期的に受けとめさせていただきたい、このように考えておるところでございます。
○柳田委員 今御答弁されたことについてはわかります。先ほど申しました、地域社会や地域産業、さらには大学と自治体の関係、住民へのサービス、この辺については、中長期的ではない、早急にやるというふうにお考えでございましょうか。
○前畑政府委員 この提言の中にございます、例えば「地域社会や地域産業との共同研究・共同活動を推進する」といったことにつきましては、例えば地域共同研究センターといったようなものの設置を六十二年度以来積極的に進めております。今後とも積極的に対応いたしたいと考えておりますし、また地方の要請を適切に受けとめるための「大学と地方自治体等との協議機関を設置」といったことにつきましても、機会をとらえまして関係者に留意を求めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。さらに「地域住民に対する生涯学習機能を積極的に発揮する。」という点につきましても、これも私どもの生涯学習審議会の提言を受けとめながら積極的に対応してまいりたい、このように考えております。
○柳田委員 今大学と地方自治体との協議機関については機会をとらえてという御答弁でありましたけれども、機会というのはどういう機会でございましょうか。
○前畑政府委員 例えば、例年六月にお願いいたしております国立大学の学長会議であったり、あるいは秋に開催されます国立大学協会の総会の席、そういうことを念頭に置いて申し上げたところでございます。
○柳田委員 では、その機会にはこの辺の協議に入られる、協議機関の設置についてもいろいろ提起しながら進めていくということでよろしいのでしょうか。つまりことしの六月スタートかもわかりませんし、年末かもわかりませんが。
○前畑政府委員 そういう機会に、行革審からこういう答申が出た、政府としてこういう答申をちょうだいをしたので、各大学長におかれても御留意をいただきたいということをお願いいたしたいと思っております。これらはあくまでも各大学が主体的に取り組むべき問題ということでございますので、私どもの方では、そういうふうに御留意を促すというのが適切な対応ではなかろうかと考えておるところでございます。
○柳田委員 大学の主体性、文部省としては御留意を促す――いろいろと問題はあるかと思うのですが、やはり大学はその地域の大学であるというのも一つの特徴ではあるかと思うのです。大学の主体性というのもどこまで認めるべきなのかという問題があるかと思うのですけれども、できますれば、御留意を促すだけではなくて、指導に近いまでお願いをしていってもらいたいなというふうに思うのですが、そこまで踏み込んでは進めていけないものでしょうか。
○前畑政府委員 大学め運営について外部の方の意見を反映させる、あるいは外部の方の意見を受けとめる仕組みをつくるということは大変重要なことでございますので、従来から幾つかの大学には参与という制度も設けているところもございます。しかしながらなかなかこれも既設の大学に広がっていくというような状況にはございません。私どもとしては、参与制度の活用といったことも含めて、外部の意見の受けとめ方について留意を促すというのがやはり適切ではなかろうか、このように思っております。
○柳田委員 開かれた大学をつくるということで大変評価をしておりますので、できるだけ努力をしていただければと思います。 よく言われますけれども、大学の活性化ということが聞かれます。この活性化ということを考えてみますと、地元の若者に進学の機会を与える、これはもちろんであるでしょうし、また地域企業へ人材を提供する、また地域文化の振興や公開講座などを通じて、地域住民に対する生涯学習や、地元企業に勤務する人に対して再修学の機会を与えるようなリカレント教育を提供する、こういうふうなことを通じて地域社会に対して大きく貢献する、これも地方の大学の活性化の一つではないかというふうに思います。 私どもは生活文化先進国づくりというものを従来から提唱しておりますが、国民の価値観が経済優先から生活志向へ移行しつつある今、大学が地域住民に多様なサービスを提供することは非常に意味のあることだと思っております。また地域の産業と一体となって、地域社会に貢献できる産学協同を推進できるのではないかと思いますし、またそのためには、もっと大学と自治体との風通しをよくする意味で、定期的な協議をする場を設けることなどはすぐにでもできるのではないかと思っております。先ほど、大学の自治ということもありましたけれども、政府と自治体としても、産学官の協力による環境整備、これは進めるべきではないかというふうに思うのですけれども、いかがでございましょうか。
○前畑政府委員 大学と地元の地方公共団体とが連携を密にする、あるいは行革審の答申で指摘されておりますように、相互の交流、疎通を図るということは大変大事なことであるというふうに受けとめておりますが、大学側が必ずしもそれに積極的ではないという一つの問題としてございますのは、御案内かと思いますが、企業からはお金がもらえるけれども、地方公共団体からはお金がもらえないという問題がございます。そういう点についても大学側はいろいろ私どもに要望をもたらしておりますが、なかなか難しい問題があることは御理解を賜りたいと思います。 いずれにいたしましても、先ほどお答えいたしましたように、行革審答申の趣旨を十分関係者に理解を深めてまいりたい、このように考えております。
○柳田委員 今回の法案の中で財務センターが創設されるわけでありますけれども、国公立大学の施設の老朽化、狭隘化に対する措置というふうに感じております。今この国公立大学の施設の老朽化その他で、目的といいますか目標とします施設を新しくするということを考えた場合に、総額としてどれぐらいお金が、予算がかかるものなのでしょうか。それと同時に、今回の法案でそのうちのどれぐらいが手当てができるとお考えになっておりますでしょうか。
○鳩山国務大臣 私は数字のことはわかりませんし、そういう数字は政府委員はお答えをできるのであろうかと思いますが、例えば老朽化、狭隘化と言葉で言うのは簡単なのですが、じゃ、どこまで解消すれば解決かということ。すなわち、私はきのう東京大学の工学部、理学部を見て、これはもう間違いなく狭くて危険で、それこそ事故が起きて当然というような状況にありますから、例えばこれを改善するのにどの程度までやれば改善なのかというのは、先ほど基準の話がありましたが、もうこの基準は変えなければなりません。例えば部屋が学生さんや研究者がふえて狭くなる。留学生もとっている。そうしますと、大型の実験器具がますますふえていく。そうするとデスクのスペースがなくなりますね。それで今柳田先生がおられるその質問席のテーブルぐらいのところで五人ぐらいの人が書き物をするというような状況になっておりまして、部屋があれでは倍になって解決と言えるのかな、三倍になれば解決なのかなという、実際にはなかなか難しいものがあろうと思います。しかも設備の方の老朽化ということを考えますと、いわば最先端設備をきちんと整備できて初めて問題解決というふうに読める部分もありましょうから、老朽化、狭隘化から脱するということと、もうこれでよしというところまで、特に理科系であるならば、科学技術立国のための基盤ができたと言えるほどの設備をつくり上げるというところの境目をどこで読むかとか、私自身はその辺の境目をなかなか引けないと思っております。 無限とは申しませんけれども、やらなければいけない仕事は相当ありまして、先ほどから老朽化、狭隘化対策を特別施設整備事業でやったらほかは何にもなくなってしまうのじゃないのか、ほかから出てこないのじゃないかというような御質問がありましたけれども、これは当然一般会計から特別会計への繰り入れということで、いわゆる設備の近代化に対しても大きなお金をちょうだいしなければならないと思っております。
○前畑政府委員 予定いたしております一千億の事業費で改築できる面積が約三十五万平米と考えておりまして、これは現在緊急に整備を要する面積約七十万平米の約五〇%、このように考えております。
○柳田委員 今のお答えは、今回の法案でそれだけ出るというのも含まれておりますでしょうか。
○前畑政府委員 御提案いたしております法律案によります特別施設整備資金を財源としての特別施設整備事業につきまして、当面二百億の五カ年計画、一千億という事業量で考えておるわけでございますが、その一千億によって改築できる面積が三十五万平米ということでございます。
○柳田委員 要するに、まだまだ足りない。一生懸命どこからか財源を持ってこなければ対応がきかないのではないかなというのだけはよくわかります。先ほど大臣がお答えになりましたように、どれだけやればいいかというのも理解はできます。 ちなみに私がおりましたときの水槽は、海当時代の持ち物を使って学生時代実験をやっておりましたので、学生というのは大変粗末な、昔からある施設を使って最先端の技術を生み出さなければならないという大きな課題があるのかなと思いつつ実験をやっていたのですけれども、これはさておきまして、どうにかして直さなければならないということは、もう文部省さんも御認識のほどだというふうに思いますし、本当に不十分だというのも文部省さんが一番御理解をされているはずだというふうに存じます。 今回の財務センターの創設ということは、多分大阪大学の移転という偶然の要素に伴う収入を財源にしているのではないかなというふうに我々は推測するわけでありますけれども、緊急避難という意味では、それなりに必要な措置であろう、また重要であろうというふうには思うのですが、先ほどの大臣の御答弁のとおり、一朝一夕といいますかすぐそんなには手当てができない。長い時間かかってやっていかなくちゃだめだということなのですけれども、恒常的といいますか長期にわたる計画をどのようにお持ちなのでしょうか。
○前畑政府委員 御指摘のように、大阪大学の医学部が移転をしたということをとらえまして、当分の間の事業として特別施設整備資金を置き、特別施設整備事業をやらしていただきたい、こう考えております。それで、先ほどお答えいたしましたように、約一千億超の資金が得られようかと考えております。 さらに、これから先はかなり予測になりますが、大阪大学につきまして、やはり中之島の近くに附属病院がございます。これも近々に移転が完了いたします。これは医学部の跡地を上回る面積がございますので、これにつきましても、さらに一千億超の資金が予定できるのではなかろうか、このように考えておるところでございます。
○鳩山国務大臣 今の柳田先生のお話については、しつこいようですが、老朽化、狭隘化問題を解決しませんと、まさに先生が研究しておられたところを私はきのう見てきたのであろうと思いますが、酸素ボンベが部屋の中にあるのですね。何かわきでたばこを吸って大丈夫かなというような感じでございますし、有機化学の方も、何かいろいろな液体を流して、水槽が置いてありますけれども、においぷんぷんで何か呼吸がおかしくなるのではないかというふうな気持ちもしたわけでして、そういう問題を解決してきちんと改めるために全力を尽くす、その一つのきっかけとして、今回の法律案を御提案させていただいているのは確かでございます。 ただ、長期の計画ということになりますと、いわば我が国の研究予算、学術研究予算を倍増するという科学技術会議の決定や、それを後押ししていただいている自民党を初めとする各党の皆様方のさまざまな見解、これからの科学技術立国を目指す日本が何をしたらいいかということ、もちろん役所でいえば文部省だけでなくて科学技術庁もあるいは通産省も絡んでくることだろうと思いますが、そういうことの一環としてこれをとらえていただいて、とにかく人づくりとか科学技術立国のためにはお金を惜しんではいけないんだ。それが正しい政治のプライオリティーのつけ方だということを十二分に皆さんに御理解をいただいて、それを実行していくということがいわば長期計画の第一歩なんだろうなと思います。
○柳田委員 精神論としては私もそれで大変すばらしいと思うのですが、具体的にどうするんだ。正直言って、既にもう改築してほしい、新しい施設を買ってほしいということは、多分いろいろなところから出てきているはずだと思うのです。先ほどの御答弁の中で二百億、一千億、いろいろありましたけれども、多分それでは焼け石に水と言っては怒られるかもわかりませんが、大変おくれているのではないか。それじゃ、お金がなくてできるか、予算がなくてできるかというわけにもいかないのですが、簡単にどこかから持ってこないといけないとしますと、予算編成の段階のシーリングというのを撤廃して、文部省の予算だけというのも一つの手としては考えられるのですが、これすらも大変難しい状況にあるというのも聞いております。なぜ文部省だけだ、ほかに高齢化社会もあるではないかという御意見もありまして、非常に難しいとは思うのですが、何か目標が、これぐらいまでには、今皆さんからたくさん要望が出てきているはずなので、半分ぐらいはかなえられるように努力したいというものも何かございませんでしょうか。要するに、皆さんからいろいろこういうふうにしてほしい、こういうものをやってほしいということが出ているはずですけれども、その半分ぐらいは今世紀中にはめどを立てたいと思います、努力しますということぐらいは言えませんでしょうか、予算の措置は別として。
○前畑政府委員 今関係者が一番要望いたしておりますのは、施設の整備の問題、それから大学院の博士課程の充実の問題、この二つではなかろうかと思っております。もとより研究費の増ということはございますが、施設の問題については、御審議いただいております財務センター、この財務センターの機能を活用しての特別施設整備資金の設定と特別施設整備事業ということで、見通し的には二千億程度の資金は見通しができるというふうに考えております。 大学院の充実の問題につきましても、これも大臣からも先ほど御答弁がございましたが、特に博士後期課程の充実ということで、今私どもの方でも育英事業の新しい取り組み方について検討を進めておるところでございますが、予算の問題あるいは学部等との関連の問題等いろいろな問題がございます。 当面の課題としては、御提案させていただいておりますこの法律案によります施設の整備について全力を挙げて対処をしてまいりたいと考えておるところでございます。
○柳田委員 大変難しいというお答えだろうと思うのですけれども、やはり財源はどこかに求めなくてはならないだろう。郵便貯金、その中で国際ボランティア貯金と称しまして、ボランティア活動や環境保全のために預金の利子の一部を海外援助するという制度があるというのは御存じだと思うのですけれども、これを高等教育の財源のために求めろというわけではありませんが、これに似たようなものを何かつくる、何か考える手だてとしてはいいものが出てくるのではないかなと思うのですけれども、何か仕組みを考えながら、日本の将来に大変必要な科学技術の進歩のためのものでございますから、柔軟な発想を持ってきて国民の協力を求めるという考えはどんなものでございましょうか。
○鳩山国務大臣 私はまだ特にアイデアを持っておりませんから、すばらしい案がありましたらぜひお教えを願いたいと思っておりますが、先ほどから山原健二郎先生の御質問にもお答えをいたしましたように、その前のときにもお答えをいたしましたように、昨年暮れの財政審の答申というのでしょうか、それをややひねくれて読んでみれば、高等教育あるいは学術研究の予算はかなり厳しい状況にあって、これではいけないから、それに比べて初中関係の予算は比較的厚目であったから、初中関係の予算を引っぺがして高等教育へもう少し厚目につけたらどうだろうというふうな読み方ができないわけでもないのですが、そういうことだけは絶対に実行されては困るわけでございまして、基礎・基本を教える義務教育から高等学校までのものと高等教育は、それは社会へ出るための準備でもありましょうが、我が国が科学技術立国として世界にそういう面で貢献していくための重大な基盤をつくるものであると考えるならば、初中教育も極めて重要、高等教育も両方重要であって、どっちのお金をどっちへ移せばいいというものではないわけです。したがいまして、一般的に考えて、高等教育の充実を図ろうというならば、教育全体、文教予算全体の拡充を図っていかなければならないわけでございまして、そのためには一工夫、二工夫、大きな工夫をしていかなければならない。それは場合によってはシーリング外しというような形になっていくでありましょう。先ほど私が申し上げた、例えば科学技術会議の言う学術研究予算の倍増ということを考えれば、当然今のシーリングの範囲内では絶対に行えないことでございますので、どこかで今までのような予算編成の枠組みを変えていただかないと、我々の目標とか目的は達成できないと考えております。
○柳田委員 もう時間がなくなりましたので、最後の質問をいたしますけれども、大学における教養課程のことであります。 私も大学に行きまして教養課程を受けたわけでありますが、ほぼ高校の延長だなというふうな感じを持ったのですけれども、最近、特にいろいろなところで専門の分野の方も入ってきておるように聞いておるのですが、ただ、これも教養課程、一年生、二年生だろうかと思うのですが、まだしっくり理解がいかないところがあるのですけれども、大学における。教養課程についてはどのような見解を持っていらっしゃるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○鳩山国務大臣 設置基準を大綱化して、いわゆる教養課程と言う方がわかりやすいのですが、一般教育と専門教育の境をなくして、その辺は自主的にすべて各大学が編成をしてくださいというふうに変えたことは、一般教養科目を軽視したことではないので、むしろ妙な、無理に線引きをすることがかえって有機的な関連を失わせているという面も強いということで、それぞれ自主的にお任せをしようという形にしたわけでございます。もちろん、これはそれぞれの大学の判断があろうと思うのです。一般教養、リベラルアーツと言われるものは高校の延長だから無意味だというふうなことをお考えになる大学もあろうかと思います。しかし大学は、まず専門教育をやる前に、人間として幅広い知識を身につける方が重要だという考え方をとる方々もおられましょう。その辺については、各大学に個性というか、それぞれ相違点があっても、これからはいいのではないかと考えております。
○柳田委員 大臣のおっしゃるとおりだと思います。特に気にかかるのが、理工系と文系の教養課程のとらえ方が、また若干我々はどうなのかなという気がするのですが、これは今の考えていくと、どちらも同じように包括できるかと思うんですけれども、授業を受ける立場からすると大分違うような気がするんですけれども、いかがでしょうか。
○鳩山国務大臣 その点は、私は文科系を出て、先生は理科系をお出になったんでしょうから、私がよくわからない点はまた先生から教えていただきたいと思いますが、あえてちょっとだけ私見を申し上げれば、ノーベル賞を取られた福井謙一先生が、I字型人間というものは存在し得ないので、T字型人間しか成功しないということを新聞に書かれていたことがあります。それは、T字型というのは、逆から見るわけでしょうが、間口が広くないと、専門で研究していっても奥まで、深いところまで行けないんだ、だから自分は自分の研究分野以外にいろんな趣味があったからノーベル賞をもらえたんではないかということを書いておられたわけで、間口が狭くて専門ばかだったら、Tの字のようには伸びないで途中で挫折してとまってしまって、深く掘り下げることができなくて、大きな成果を上げることができないということを福井謙一先生が書いておられて、私も非常に共鳴をしたことがあります。 また、著者は忘れました机、外国人の書かれたもので、「科学と文学」というような本でありましたでしょうか、有名ないわゆる物理学者等は趣味が文学であったりする、あるいはノーベル賞を取るような文学者の趣味が数学であったりする、そういうふうに人間は幅広くないといかぬよということを盛んに書いた本を読んだこともございまして、人間はやはりそう単純にはできていない、相当幅広い存在なんではないか。人間の本来の姿というのは非常に多面的な能力を持っているものであって、そのいろいろな能力が有機的にかみ合わさったときに本当の能力を発揮するというふうに考えれば、それぞれの大学で一般教養と専門との有機的な一番いいと思われる絡み、関連性というものを見つけていただくのが本筋ではないかと存じます。
○柳田委員 時間になりましたのでやめますが、私の聞いたところによりますと、ある数学の大家で世の中に通貨があるというのを知らなかった方もあるというお話を聞いたことがあるのです。教養課程の大事さというのは身にしみてわかっておりますので、今後予算獲得に向けて御尽力をお願いして、質問を終わります。ありがとうございました。
○伊藤委員長 御苦労さまでした。 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○伊藤委員長 この際、本案に対し、山原健二郎君から修正案が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。山原健二郎君。 ――――――――――――― 国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部 を改正する法律案に対する修正案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○山原委員 私は、日本共産党を代表して、ただいま議題となっております国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部を改正する法律案に対し、修正の動議を提出いたします。その内省はお手元に配付されております案文のとおりでございます。 国立大学の教育、研究環境の荒廃、とりわけ切実な問題の一つとなっている老朽、狭隘な施設を解消するために特別施設整備資金制度を設けることについては必要な措置だと考えます。 問題は、その特別施設整備事業の財源が特定学校財産の処分収入に限定されているということであります。老朽、狭隘施設の解消を抜本的に進めるとなれば、それに応じて大規模に大学の財産処分を行わなければならないということにならざるを得ません。 国立学校財務センターは、各国立学校に財務改善に関する自助努力を迫り、特に国立大学の財産処分を促進するという側面を持っ機関です。センターによる大学移転跡地などの財産処分は、国立学校の財務の改善に資するために行われることから、処分収入をできるだけ大きくしようとし、公共の用に供するより民間への払い下げ優先となる懸念があります。特に、特別施設整備事業が特定学校財産の処分収入に限定されているもとでは、その危険は一層大きいものと考えます。これは国土政策、地価対策という点からも大きな問題を持っています。 修正案は、こうした政府案の問題点の是正を図るものですが、その概要は次の二つの柱から成っています。 第一は、国立学校財務センターを設置する条項を削除するものです。 第二は、特別施設整備事業の財源として、特定学校財産の処分収入だけでなく、一般会計からの繰入金をも充てる仕組みとしたことです。そのために、国立学校特別会計を当分の間、一般勘定と特別施設整備事業勘定に区分し、特別施設整備資金を特別勘定に設置いたします。その財源として、財産処分収入や借入金などとともに一般会計からの繰入金を充てることとしております。 我が党としましては、築三十年以上の老朽施設を基本的に五カ年で解消すべきと考えます。これに必要な財源として、財投資金からの借入金二百億円のほかに一般会計から初年度分千三百億円の繰り入れを見込んでいます。 なお、学部改組関連では、神戸大、京都大の改革で一般教育が軽視される懸念や学内民主主義を尽くす点で不十分さを残したことなど問題点は少なくありませんが、修正の対象とはしていないことを申し添えます。 以上が本修正案の提案理由であります。 何とぞ委員各位の御賛同を賜りますようお願い申し上げまして、提案理由の説明を終わります。
○伊藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 この際、本修正案について、国会法第五十七条の三の規定により、内閣において意見があればお述べいただきたいと存じます。
○鳩山国務大臣 国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部を改正する法律案に対する修正案については、政府としては反対であります。 ―――――――――――――
○伊藤委員長 これより原案及びこれに対する修正案を一括して討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。山原健二郎君。
○山原委員 私は、日本共産党を代表しまして、国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部を改正する法律案に対する反対の討論を行います。 大学の教育、研究環境の荒廃が大学関係者のみならず財界団体、マスコミなど各方面から深刻な問題として指摘されています。その打開の方策として共通して強調されていることは、教育、研究、学術予算について臨調行革のシーリングの枠を外し、関連予算を抜本的に増額し、高等教育に対する公財政支出を対GNP比で他の先進国並みにすべきだということであります。ところが、本改正案の基調は、こうした大学危機打開の本筋からそれ、国立大学に自助努力を迫るものとなっています。老朽、狭隘施設の解消事業についても、特別施設整備事業の財源を大学移転跡地などの財産処分収入に限定しています。今日の事態に対応するには、特定学校の財産処分収入だけでは不十分であり、一般会計からの思い切った繰り入れが当然必要となります。 緊急に実施される特別施設整備事業の財源について、特定学校財産の処分収入に限定することを法律上明記することは、老朽、狭隘施設の整備は財産処分収入で賄うのが基本という法的根拠を財政当局などに与えることになりかねません。 国立学校財務センターがこうした財政的な縛りのもとで、国立大学に財務改善に関する自助努力を迫り、大学の財産処分を促す機関として設置されることは、各大学の自治権の侵害につながる危険性を持っています。しかも、センターによる特定学校財産の処分に当たっては、「国立学校の財務の改善に資する」と法律に規定されており、処分収入をできるだけ大きくしようとして民間への払い下げや土地信託などが優先される懸念があります。このため、地価抑制や緑地、公共用地確保などの国民的要求が軽視され、国土政策、地価対策などの面で否定的影響を及ぼすおそれがあります。国立大学の土地切り売り促進機関となりかねない性格を持つセンターの設置には反対せざるを得ません。 相次ぐ大幅な学費値上げで国立学校特別会計に占める学生納付金の比重が年々増大し、一般会計からの繰入率が制度発足当時の八割台から今や六割程度に落ち込んでいます。国立大学の財務の困難の根本要因はここにあります。そこにメスを入れず、国立学校の自助努力を促す仕組みをつくることは、独立採算制をとるものではないとした国立学校特別会計制度の基本的性格に背き、その変質をさらに進めることになります。 学部改組問題もありますが、総じて国立学校財務センターの設置を含む改正案に賛成することはできません。これが本法案に対する反対の理由であります。 以上で討論を終わります。
○伊藤委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○伊藤委員長 これより採決に入ります。 内閣提出、国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、山原健二郎君提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○伊藤委員長 起立少数。よって、山原健二郎君提出の修正案は否決されました。 次に、原案について採決いたします。 原案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○伊藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○伊藤委員長 ただいま議決いたしました法律案に対し、中山成彬君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党の四党共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。吉田正雄君。
○吉田(正)委員 私は、提出者を代表いたしまして、ただいまの法律案に対する附帯決議案について御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 国立学校設置法及び国立学校特別会計法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府及び関係者は、次の事項について特段の配慮を行うこと。 一 国立学校財務センターが大学教育・研究の充実を目的に設置されるものであることにかんがみ、その業務の遂行に当たっては、各大学の自主性を尊重し、地域社会とも協調しつつ、公正・適切な運営に努めること。 二 特別施設整備資金が、国立学校特別会計の一層の充実を図るために置かれるものであることにかんがみ、引き続き国立学校特別会計への一般会計からの繰入れの確保その他必要な諸条件の整備に努めること。 三 新たな時代の要請に応える大学院の研究・教育体制の質的向上を図るため、学位授与の円滑化のための積極的施策を講ずるとともに、奨学金制度の改善充実及び特別研究員制度の拡充に努めること。 四 特定大学偏重の社会的風潮を是正するために、地域の国立大学の特色ある発展を目指した教育・研究体制の整備に努めること。 五 大学入学者選抜のあり方については、受験生の立場に配慮しつつ、一層の改善のために最大の努力をすること。 以上でございます。 その趣旨につきましては、本案の質疑応答を通じて明らかであると存じますので、案文の朗読をもって趣旨説明にかえさせていただきます。 何とぞ御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○伊藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○伊藤委員長 起立総員。よって、本動議のごとく附帯決議を付することに決しました。 この際、本附帯決議に対し、文部大臣から発言を求められておりますので、これを許します。鳩山文部大臣。
○鳩山国務大臣 ただいまの御決議につきましては、その趣旨に十分留意をいたしまして対処してまいりたいと考えております。 ―――――――――――――
○伊藤委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○伊藤委員長 御異議なしと認めます。よって、さよう決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○伊藤委員長 内閣提出、長野オリンピック冬季競技大会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案を議題といたします。 趣旨の説明を聴取いたします。鳩山文部大臣。 ――――――――――――― 長野オリンピック冬季競技大会の準備及び運営 のために必要な特別措置に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○鳩山国務大臣 このたび、政府から提出いたしました長野オリンピック冬季競技大会の準備及び運営のために必要な特別措置に関する法律案について、その提案理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 昨年六月、平成十年に開催される第十八回オリンピック冬季競技大会の開催地が長野市に決定いたしました。 政府といたしましては、招致に当たり、平成元年に閣議了解を行っているところであり、さらに、開催決定後、大会の準備及び運営を行う財団法人長野オリンピンク冬季競技大会組織委員会の理事に内閣官房長官及び文部大臣が就任しているほか、平成四年二月には、長野オリンピック冬季競技大会の準備に関し国の施策に関連する事項について連絡調整を図るため、長野オリンピック冬季競技大会準備対策協議会を設置し、国の協力体制を確立したところであります。 今回の法律案は、同大会の円滑な準備及び運営に資するため、このような政府による支援の一環として必要な特別措置を定めようとするものであり、その内容の概要は、次のとおりであります。 第一は、この法律案の趣旨が、同大会の円滑な準備及び運営に資するため必要な特別措置について定めるものであることを明らかにしたものであります。 第二は、寄附金付郵便葉書等の発行の特例を定めるものであります。お年玉付郵便葉書等に関する法律に規定する寄附金付郵便葉書等は、同法に規定するもののほか、組織委員会が調達する大会の準備及び運営に必要な資金に充てることを寄附目的として発行することができることとするものであります。 第三は、組織委員会の職員に係る退職手当の特例等を定めるものであります。組織委員会に対しては、国家公務員及び地方公務員が派遣される予定であり、これらの職員について、国家公務員退職手当法、国家公務員等共済組合法及び地方公務員等共済組合法の規定の適用の特例を定めるとともに、組織委員会の理事等は、刑法その他の罰則の適用については、法令により公務に従事する職員とみなすこととするものであります。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重御審議の上、速やかに御賛成くださるようお願いいたします。
○伊藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、来る二十二日水曜日午前八時五十分理事会、午前九時から委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十七分散会 ――――◇―――――