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123回国会衆議院1992/03/10

物価問題等に関する特別委員会 第3号

発言数
169
登壇者
36
会派数
5
開催日
1992/03/10

会議録

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員長 これより会議を開きます。  物価問題等に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。赤城徳彦君。

赤城徳彦自由民主党

○赤城委員 おはようございます。  野田長官におかれましては、大変今経済運営のかじ取りが難しいときに当たりまして、大変御苦労さまでございます。早速でございますけれども、まず今の景気の動向をどういうふうに見られているかということをお尋ねしたいと思います。  これまで経済企画庁は、景気は緩やかながらも着実に成長しているというふうな表現をされておりましたけれども、ここに至りまして、大分景気が減速しているということで、その表現ぶりも変わってきております。先般の長官のごあいさつの中で、「景気の減速感が広まっており、やや過熱ぎみの高い成長から、堅実な消費、健全な企業行動に支えられた、インフレなき持続可能な成長経路に移行する調整過程にあります。」ということをおっしゃられました。  確かに成長はまだ続けておるかもしれませんけれども、これまでの非常に高い成長から急に低い成長へ、この落差、例えてみると十階のビルからいきなり二階、三階に飛びおりるようなそういうショックが起こるんじゃないかな。いろいろな数字を見ましても、経済企画庁が出しました二月二十五日の主要指標ですが、GNP、元年度、二年度は四・六、五・五%成長していますけれども、去年の七月から九月期、これを年率換算しますと一・六%にしかならない。三%台後半を目指す、これが安定成長だと思うんですけれども、それから見ると大分低い。個人消費も、例えば自動車消費、マイナスになっております。住宅着工、これも十二月は前年比二割減、かなり低い数字だと思います。企業の収益、これも三年度の実績、予測とも軒並みマイナス。  こういった数字を受けまして、先ごろ日銀の短期経済観測調査、これでは軒並み六月予測主要企業製造業でマイナス一二%、中小企業製造業でマイナス一九%、主要企業の非製造業だけプラスになっていますけれども、これも五%、こういう大変厳しい状況にある。去年は経済企画庁の判断がおくれて、どうも景気対策が後手に回ったんじゃないかというふうな批判もありました。今回のこういう数字を見て、今の景気状況、単に調整過程という以上に厳しいものがあるんじゃないかなと思いますけれども、大臣の所見をお尋ねいたします。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 冒頭、赤城委員には多方面にわたって大変真摯に御努力をされていることに敬意を表したいと思います。  ただいま御指摘の経済の現状認識ということですが、昨年の秋ごろから、私どもは景気の実態に即して、率直に申し上げて、月例経済報告などにおいて毎回毎回率直に実態に即するように表現を変えてきておるわけです。ただ、やや去年の秋ごろのイメージが、今日なおまた企画庁はそういう判断をしておるんではないかという先入観で見るものですから、やや甘いというようなお話もあります。しかし、この点について、私どもはそういった御意見があることは謙虚に受けとめてこれからも的確に足元の景気動向、そしてまた今後の経済の見通しなどについて的確な判断をしていくようにさらなる努力を重ねたいと思っております。  そこで現在の景気の現状ですが、今御指摘ありましたように、いろいろな指標という側面から見ますと、昨年に比べてほぼ軒並みに近いぐらいそれぞれスローダウンした姿が表現をされております。しかし率直に申し上げて、実態以上に経営者のマインドといいますか、これが従来のペースと比べての落差感が大きいだけに、マインドの方は実態以上に下振れしておるのではないか、そのことがいろいろな方面でお話があるものですから、比較的堅調であるような非製造業の分野に至るまで必ずしも好ましくない影響が実は広がっておるということは率直に言えると思っております。ただ私は、先行きについて悲観材料――率直に申し上げて決して楽観ばかりできる材料ではありません。しかし同時に、悲観ばかりしなければならぬようなものではないと思っておるのです。  その一つは、まず消費という側面でありますけれども、これは物価が安定をしておりますし、同時に所得の側面、そちらの面から見ていきますと着実に増加をしておるわけですから、そういう意味で個人消費の環境そのものは決して悪くはない。しかし実際に、消費者自身のマインドも冷え込んでやや買い控え的な傾向もあるし、さまざまそのほかにもございます。現状はそういった面であるわけですが、しかし少なくとも四年度を展望する場合でも、物価の安定あるいは雇用者所得の堅調な伸び、そういったことを念頭に置きますと個人消費の環境は悪くない。総じて、基調としては堅調な推移が期待できるのではないか。  あるいはもう一つ、最終需要の側面でいきますと、住宅投資でありますが、住宅投資についても、一時の百七、八十万戸ペースということから比べれば随分とスローダウンしていることは事実です。しかし、これも昨年の秋、九月、十月は季節調整済みの年率ペースで換算をしますと、おおむね百二十六、七万戸ペース。九月、十月がそういう水準。そして、十一月、十二月が百三十万戸のペース。そして、本年一月に入りまして百三十八万戸のペース、こういうことになっているわけですから、昨年に比べて減ってはおりますものの下げどまりの傾向があるということは言えるのではないか。そしてこれは本年度、四年度においても大体期待できる分野ではないかというふうに見ておるわけです。  それから設備投資の分野についても、確かにこのところ経営者の業況感が非常にシュリンクしておりますので、そういう点で私どもが昨年暮れに見ておりましたよりも四年度の投資計画が下方修正の傾向があることは事実です。しかしこれも、既に昨年来三次にわたって公定歩合の引き下げがあり、かなり市中金利は低下をしてきておるわけでありますし、同時に、いわば設備投資の内容そのものが、独立投資の系統が、特に労働力不足というようなこともあり、そういう省力化、合理化投資あるいは研究開発投資というものが基本的に下支えをしていく、そのニーズは非常に強いという側面がありますから、業況感がある程度回復してくることになれば、おのずからそちらの分野も投資が上方修正されていくんではないかというふうにも見ることもできますね。  そして、ややおくれぎみでありましたけれども、在庫調整が今本格的に進んでおるわけであります。したがって、この在庫調整がいつ山を越えて、そしてこの在庫の圧迫感が減っていくかというタイミングも大事でありますけれども、少なくとも今申し上げました最終需要が元気になっていけばおのずから在庫の方もさばけていく、大体そういう循環になるのだろう。特にその中で、現在審議をしていただいております平成四年度の予算、これは特に公共事業系統、これは一般会計においても財政投融資においても地方財政においてもかなり思い切った景気への配慮というものが入っているわけであります。したがって、これが一刻も早く成立をし、そしてそれがまた一刻も早く執行できる態勢になっていくということも最終需要を引っ張る上で非常に大事な一つの手段であるというふうに認識をいたしております。  そんなことをもろもろ考えますと、私は必ずしも今悲観材料ばかり並べ立てて、大変だ大変だと言うことが果たしていいのかどうか、我々は冷静に実態をよく掌握し、過度な楽観論にわたることも戒めながら、そしてまた過度な悲観論に陥ることも戒めながら、的確に現状認識をしていかなければならぬ。そして、やはり経済の担い手自身はあくまで国民一人一人、言うならば民間が、民間の皆さんが経済の担い手であるわけですから、そういう意味で国が管理する経済ではないわけです。  そういう中で、経営者の皆さんや消費者の皆さんがもう少し自信を持って、そして明るい展望の中で活発な経済活動というふうに向かっていくということが何よりも大事であり、またそういうふうな方向に持っていけるように政策的にもエンカレッジしていけるような手を打っていかなければならぬ、そういうことを念頭に置いてタイムリーに政府としても手を打っていくということが大事なことであるというふうに認識をいたしております。

赤城徳彦自由民主党

○赤城委員 ただいま子細に数字にわたる御説明をいただきまして、よくわかりました。  確かに、環境という言葉を使われましたけれども、数字的に見た基礎的なデータは必ずしも悲観するものばかりではないというふうに思います。特に、今問題になっているのは、それを必要以上に悪くなっているというふうにとらえて、投資やあるいは消費意欲が減退している、いわゆる企業マインド、消費者のマインドがシュリンクしている、そういうところが一番の問題だと思いますので、機動的に対策を打っていく、中でもやはり抜本的な対策というのは、今度の予算を一日も早く成立させることだというふうに考えておりますので、ぜひ大臣におかれましてもそういうことで御尽力をいただきたいというふうに願っております。  次の質問に参ります。地価の動向について伺いたいと思います。  最近では、バブルが崩壊しまして地価が非常に下がっております。国土庁の調査を見ましても、首都圏の住宅地ではピークの三割、商業地や大阪では三割から四割ピークから比べますと下落している。この地価の動き、大変結構なことだとは思いますけれども、一方で余りにも急激に地価が下落したために、担保としての価値が下がって、金融機関にとっても大変貸し出しかしにくくなっているとか、あるいは連鎖的な倒産の危険、やけどを負うんじゃないかというような評価もされております。経済企画庁としては、今の地価の水準というのをどういうふうに判断されているか、お尋ねいたします。

吉冨勝経済企画庁調整局長

○吉冨政府委員 御指摘のように、昨年の十二月に国土庁が取りまとめた最近の地価の動向を見ますと、大都市圏では下落傾向が強まってきております。ただ、地方圏においても鈍化または下落している地域が拡大しつつあるわけですが、こうした地価の下落に伴いまして、御存じのように消費支出については絵画等の高額商品が売れ行きが悪くなるとか、それから今御指摘のように、一静企業の資金調達に土地の担保の低下から若干の影響が出ているということも聞いておりますし、それから金融機関においても不良債権が土地を担保とする債権について発生しているというふうにも我々は聞き及んでおります。ただ、そうしたことが我が国経済の全体の需要を落とし、現在の減速過程を一層深刻にするものでは必ずしもないというふうに認識しております。  と申しますのは、今大臣も申し上げましたように、今回の景気減速というのは、雇用者数が依然として一月の現在でも前年度比で二・五%も伸びているということでありますので、その全体の雇用者所得の順調な伸びに支えられて消費は基調としては順調に推移する、一時的に、ただいま申し上げましたような高額商品であるとかあるいは耐久消費財の一部に一巡ということで陰りが出てくるかと思いますけれども、全体としての所得の基調というのは高いために消費も根強いのではないか。  それから、企業の投資につきましても……(赤城委員「地価、地価」と呼ぶ)いや、その影響なんですけれども、その地価の影響が企業の投資にどういう影響を及ぼすかということも、むしろ地価の低下の方が住宅及び企業投資にもプラスの影響をもたらすということであります。したがって、地価が急激に下落することによって特定の金融機関に衝撃が加わるということと、他方で民生の充実のために地価の下落を適切に図っていくという、両者の兼ね合いを図っていくということが我々の任務だというふうに考えております。

赤城徳彦自由民主党

○赤城委員 最後にちょっとお触れになりましたけれども、住宅ということ。私は、地価を見るときにもう一つの大事な側面というのは、消費者の側といいますか、そこへ住む生活者の側から見たときの地価がどうかという問題が極めて大事な側面になっているというふうに思います。地価が下がった、三割、四割下がったといいましても、バブルの前の段階から比べますとまだまだ高い水準にある。さて一般のサラリーマンが土地を買って家を建ててというときにどうかなというふうに考えてみましたら、一つの物差しとしては年収の何倍で家が持てるかという数字があると思います。  これはちょっと数字が古いんですが、首都圏で一戸建てを買うとき、八五年は年収の五・六倍、九〇年は八・五倍、マンションは八五年が四・二倍、九〇年が八倍と、非常に手が届かなくなっている。諸外国では、アメリカが三・四倍、イギリスが四・四倍、西ドイツが四・六倍と、大体そんな数字だそうでありますから、いまだに日本は非常に家に手が届かないという事態であると思います。これをどういうふうに政策として盛っていくか、生活大国ということを今の内閣は言われていますので、一般のサラリーマンが普通に働いて家が持てるということを具体的に目標として、大体年収倍率五倍が限度だと言われていますけれども、じゃ、その地価を、住宅価格をそこまで下げるというのか、あるいは所得をそこまで上げるのか、あるいは補助なり融資なりというところでやるか、もっと根本的には地方分散みたいなことも必要だと思うのですけれども、住宅供給をふやすという政策ももちろんですけれども、もっと根本的に住宅に手が届くようにするための土地政策といいますか、地価政策というものを考えていかなければならないんではないかと思いますけれども、その点はどうでしょうか。

長瀬要石経済企画庁総合計画局長

○長瀬政府委員 ただいま先生から御指摘がございましたように、住宅取得の年収倍率の推移につきましては、まさに御指摘のような傾向をたどって今日に至りている、このように認識をいたしております。そのような中にありまして、地価の高騰が特に著しい大都市地域におきまして、一般の勤労者が良質な住宅を確保するということが困難な状況も出てきているということは、大変重大な問題だという認識をともにするものでございます。  この間にありまして、御案内のように平成三年には総合土地政策推進要綱がつくられたわけでありますが、この中におきまして、「住宅地については、中堅勤労者が相応の負担で一定水準の住宅を確保しうる地価水準の実現を図る。」ということとしているところでありまして、このような点を踏まえながら住宅、土地政策というものを一層進めていくことが必要である、このように思っております。  ただいま先生から御指摘を賜りましたが、現在、新しい経済計画の策定作業を進めているところでございます。その中にありまして、国民の豊かな住生活の実現ということは生活大国の基礎をなすものだ、このように考えている次第でありまして、ただいま先生からいただきましたような示唆に富む御指摘も十分念頭に置きながら、経済審議会の場におきまして土地対策あるいは住宅対策の具体的な内容について、さらには国土全体における分散という問題も含めまして十分に審議をいただき、計画として内容を明らかにしてまいりたい、このように考えております。

赤城徳彦自由民主党

○赤城委員 生活大国の柱というのは幾つかあると思うのですけれども、今景気が少し減速している、こういう時期に、もう一度成長第一主義から生活の方をよく見詰め直すという時期に来ている。その一つは、やはり衣食住のまず住だ。ほかにも最近いろいろ問題になっていることで、例えばごみの問題。経済がどんどん過熱してくると、いろいろ資源を消費するようになってくる。ごみも出てくる。そういったところをもう一度省資源型の社会を目指す。  過去いろいろ不況がありまして、オイルショックのときとか円高不況のときに、いかに石油を使わない社会にするかとか軽量な企業運営に持っていくかということを考えまして、それをばねにしてまた次の成長へ持っていったということがあると思います。今は生活をもう一度考えるとき、そして環境問題を考えるとき、それからもう一つは労働者、サラリーマンの個人の生活の質を考えるとき。働き過ぎといういろいろな非難が外国からも寄せられていましたけれども、改めて、今求人倍率も下がっていることですし、もう一度そこら辺の労働構造というものを、外国人労働者問題もありますし、三Kと言われる職場ではなお労働力は不足しているという問題もございます。  そういったことをあわせて、さて、これから千八百労働時間、週休二日、年休を二十日間、ゆとりを持って家族団らん、余暇を楽しむ、そういう社会をどうやってつくっていくかということが大事だと思いますが、時短対策について今どういうことを労働省考えておられるかお尋ねします。

鈴木直和労働省労働基準局賃金時間部労働時間課長

○鈴木説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘のように、労働時間短縮というものが、今後の生活大国というものの実現に向けての非常に大きな課題であうというふうに考えております。そういう観点から、これまで週休二日の促進、それから年次有給休暇の完全取得、所定外労働の削減、そういうものを柱に各般の施策を講じてまいりました。  しかしながら、経済計画の千八百時間程度に向けてできる限り短縮する、そういう目標の実現につきましてはまだかなり努力が必要だ、そういった実態もございます。また、中小企業等につきましては時短の阻害要因というものも各種ございます。例えば中小企業におきましては競争が激しく横並び意識が強い、そのことが労働時間短縮を進めにくい大きな要因になっている。ですから、そういった時短を進めやすいような環境整備をしていくといったことが現時点で一番重要ではないだろうかというふうに考えております。  そういう観点から現在、例えば業種ごとに事業主等が共同して労働時間短縮に向けての自主的な取り組みを進めていく、そういったことができやすいような、あるいはそれを援助していくような法的整備について準備を進めているところでございます。今後こういった施策を積極的に展開して、労働時間短縮のスピードをさらに上げていきたい、そのように考えております。

赤城徳彦自由民主党

○赤城委員 最後の質問になりますが、ウルグアイ・ラウンドについてお尋ねします。  野田長官も、ウルグアイ・ラウンド成功に向けて努力されるということを言われております。確かに自由主義経済のためにはウルグアイ・ラウンドは非常に大きな意味を持っていると思います。よく言われますのは、ラウンドがまとまらないと大変なことになる、世界はブロック経済に戻ってしまう、日本は自由主義で恩恵を受けていたのだから、何としてもこれをまとめなければいけないんだということが言われます。  では具体的に、その積極的な面でラウンドがまとまると日本経済にとってどういうプラス面があるのか。ラウンドといっても七交渉グループ、十五分野ございますので、それぞれについていろいろな問題点があると思うのです。例えばサービス分野、これは単純労働者の移動を自由化しようという話も出ております。今もありましたけれども、労働構造にとっては大変大きな影響が出てくる。金融問題も話し合われています。こういう産業構造の基礎にかかわる部分。あるいは知的所有権、特許の使用が守られるという面ではいいのですけれども、逆にほかの国の特許の使用が難しくなってくるというふうな面もあるのではないかな。それから紛争処理で、まあ通商法三百一条、これをストップするという意味では前進ですけれども、アンチダンピング税の迂回措置というところで、余りこれを乱用されるような事態になると大変だ。  それぞれいろいろ利害得失、問題点があろうと思いますけれども、じゃ、ラウンドがまとまるということが日本にとってどういうプラスがあるのかということをお尋ねします。

北島信一外務省経済局国際機関第一課長

○北島説明員 赤城先生の方から、ウルグアイ・ラウンドの広範な各分野についての御指摘がございましたので、若干繰り返しになろうかと思いますけれども、そもそも、基本的に現在ウルグアイ・ラウンドが行われている背景としての世界経済の構造変化、それを考えた場合に、EC統合、それから北米自由貿易協定といった地域統合の動き、それから対外投資の活発化に見られるようないわゆるボーダーレス経済化の進展、それから開発途上国問題、それから中欧、東欧諸国の自由主義型経済への統合の動きといったものがあるわけです。そうした大きな流れを背景としつつも、ガットが標榜してきております自由かつ無差別の貿易体制の維持、強化を図ること自体は、日本全体、それから日本の企業にとっても非常に重要なことであるというふうに考えるわけです。  赤城先生の方から各論についての御指摘がございましたけれども、確かに七分野、現在はむしろアクセス交渉を中心に行われていますけれども、そうした広範な交渉分野の中で、特に日本にとっそルール分野の交渉、赤城先生の方から例えばダンピングとか紛争処理の御指摘がございましたけれども、まさにそうしたルールの分野で、アメリカの三〇一条に見られるような一方的措置をとにかく禁止するといったこと。それからアンチダンピングについても、規律の強化を図るといったようなことを通じてガットのルールをとにかく強化する。  それから、先生の方から知的所有権とかサービスの御指摘がございました。単純労働者の問題のように、これはもう従来の政府の方針がきちっと決まっているものについてはそれを維持しつつ、サービス貿易の比重の高まりを踏まえて、ないしは知的所有権問題の重要性の高まりを踏まえて、そうした分野でとにかく国際的なルールをきちっと確立していくということは日本にとって非常に重要だと思います。  最後につけ加えたいと思いますけれども、ウルグアイ・ラウンドが失敗したら云々という話がされるけれどもということでしたが、まさにその点は私ども非常に心配していることなわけで、この委員会でも話題になっています景気の後退、それから国際収支のインバランス、そうしたものを背景にウルグアイ・ラウンドが失敗すみようなことになる場合、ないしは十分にうまくいかないような場合には、保護主義の高まり、それから地域主義の高まり、そういったことが懸念されるわけで、私どもとしては、以上申し上げたようなことを背景に、ウルグアイ・ラウンドをぜひ早期に成功裏に妥結したいということで努力しているわけであります。

赤城徳彦自由民主党

○赤城委員 ラウンドは、確かにいろいろな分野がありますから、やはりそれぞれの分野でどういう状況になっているのか、特に日本としての利益は何かということを守っていかなきゃいけないと思うのです。特に私が関心があるのは、今かぎを握ると言われている農業分野、これはアメリカとECが非常に対立している。その中で日本が米で譲歩したからといってアメリカ、ECがまとまるものでもないと思いますし、じゃその交渉をまとめるために何をするのかということ、これはやはりドンケルの合意案を各国の状況とか、特に農産物の輸入国の事情というものを配慮して現実的に修正をしていく、修正することによってまとまるのではないか、私はそういうふうに考えておりまして、昨年の暮れになりますけれども、ドンケル事務局長とか主要八カ国の代表あてに手紙を出しました。  その中で、例外なき関税化は受け入れることはできませんと最初に言いまして、日本にとってこういう大事な状況があるのですということを申し述べました。最後に、ガット農業交渉においては、食糧輸入国の立場と農業の持つ環境保全の役割が配慮されるべきだ、特に輸入国の基礎的食糧について国内で生産を確保するというのは、いわば生存権みたいな一番根源的な権利として保障されるべきだ、そういうお互いの立場を尊重して実現可能な合意をまとめていくこと、これがウルグアイ・ラウンド交渉を成功させる道だ、そういうふうに手紙を出したわけでございますけれども、ぜひウルグアイ・ラウンド交渉に当たっては、我が国の利益というものを守りつつ、全体としていい方向にまとまっていくように努力をしていただきたいと思います。  時間が参りましたので、以上で終わらせていただきます。ありがとうございました。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員長 武部文君。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 最初に公正取引委員会にお伺いをいたしたいと思います。  先日の公取委員長の所信の説明の中に、独禁法適用除外の問題についてお述べになりました。昨今マスコミも大々的にこの独禁法の適用除外の問題について報道しておるようでございまして、当委員会でも長い間この再販の問題というのは論議をされ続けてきたところでございまして、この機会に公取の見解を承っておきたいと思うのであります。  当委員会が消費者保護基本法を議員立法で制定いたしました昭和四十三年、大変古いことになりますが、このときにも非常に長い時間をかけてこの再販の問題を論議いたしたのであります。独禁法の適用除外として再販制度が認められましたのは昭和二十八年のことでありますから、もう四十年近く経過をしております。当時、私の記憶でも再販の指定にキャラメルが入っておった、いかにその時代が混乱をしておって、いろいろなことが起きておったかということを今でも思い起こしますが、キャラメルがなぜ再販に指定されるのか非常におもしろい論議もございました。  当時九品目あったように思っておりましたが、昭和四十一年、二年から三年にかけて若干の整理が行われまして、あれからちょっと後、昭和四十八年だと思いますが、非常に大きな整理統合、そうしたものが行われて今日に至った、このように私自身も理解をしておるところでございます。現在、この四十八年の大幅な整理統合から二十年もたっておるわけですが、再販として指定されておる品目は何品目で、大体それに該当する商品の総額はどのぐらいになるだろうか、これがわかればちょっとお知らせいただきたい。

矢部丈太郎公正取引委員会取引部長

○矢部政府委員 現在、再販適用除外品目として、指定商品として指定されておりますのは、一般用医薬品の二十六品目と、小売価格が千三十円以下の化粧品二十四品目でございます。  再販されております商品の売上額でございますけれども、化粧品二十四品目の総額は二千五百六十九億円でございます。それから医薬品でございますが、これが再販の行われております売り上げが千九百四十二億円となっております。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 今二つの商品についてお述べになりましたが、これだけで四千五百億円ぐらいのことになるわけであります。この再販が指定されたのは、あの戦後の混乱期の中で中小企業が大変混乱をしておる時代でございまして、そうした面で必要にかられてそういうことが行われたということは我々も論議の中で了解をし、でき得るならば、消費者保護の立場からも、再販の指定というのは随時時代の変遷とともに取り消されるべきものだという主張を続けてきたところであります。  この消費者保護基本法が制定されましたときに、そういう再販が指定されたために、やみ再販とかあるいは潜り再販とかというものが当時非常に横行して、金額にして約三兆円近いやみ再販なり潜り再販というものがあるのだということがこの国会、当委員会で論議をされたことを私は今でも覚えておりますが、今日、潜り再販あるいはやみ再販、そういうものは全く影を潜めて、ないのだというふうにお認めになっておるのか、それともやはり制度そのものがある以上それに隠れて、それを利用してやみなりあるいは潜りなりというようなことがありはしないか、こう思うのですが、その点はいかがですか。

矢部丈太郎公正取引委員会取引部長

○矢部政府委員 化粧品、医薬品に限って申しますと、再販の対象になっているものは合法的に再販できるわけでございますが、それ以外の商品につきましても同じような販売方法がとられておる関係で、再販適用除外以外の商品の価格維持に悪用されておるという可能性があることは否定できませんので、この種のやみ再販がないかどうかにつきましては常に情報の収集に努めておりまして、具体的な情報に接した場合には積極的に審査を行っておるところでございまして、今後も厳正に対処していく考えでございます。  ちなみに、平成三年度におきましても、医薬品メーカー一社に対しましてやみ再販を行っていたとして法的措置を講じましたし、それからまた化粧品メーカー一社に対しましても、やみ再販の疑いということで警告、公表という措置をとっております。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 エーザイ株式会社というのは相当大きな会社でございまして、古い歴史を持っておる会社でありますが、これを公取が摘発されて昨年の七月に勧告を出されておりますね。これはやみ再販なり潜り再販というふうにお認めになっておるか、それをちょっと説明してください。

矢部丈太郎公正取引委員会取引部長

○矢部政府委員 今御指摘のエーザイの件でございますが、これはビタミンE剤についての再販価格をしていたという疑いでございまして、このビタミンE剤というのは、現在再販適用除外の指定品目にはなっておりません。したがいまして、これはやみ再販であったわけで、独禁法違反ということで取り上げたわけでございます。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 やはり今日に至っても、このような相当古い歴史を持つしにせの会社がやみ再販をやっておるという事実が去年起きたわけでございまして、私はやはり当時も論議をされたように、制度そのものが存在する以上、やみなり潜りというものが当然起こり得るだろう、そのように考えておるわけでございまして、そういう意味からも、今公取がおやりになっていることに対して私どもは非常に注目をしておるわけでございます。  そこで先に進みますが、先ほどから申し上げますように消費者保護基本法というのは、残念ながら政府の提案ではなくて超党派による議員立法で成立したものであります。そのときに論議をした今の独禁法の問題から、第十一条に「公正自由な競争の確保等」という項目を一項目設けました。これは、今ここでやりとりしておるような問題について消費者が保護されなきゃならぬ、消費者の権利を守らなきゃならぬ、そういう立場から一項目この中に挿入をし、第十一条として公正自由な競争確保、これをこの基本法の中に入れたわけであります。その末尾に「消費者に与える影響を十分に考慮するよう努めるものとする。」という字句を入れたわけであります。  これは今私が申し上げましたように、やみ再販なりあるいは潜り再販によって消費者が不当な立場に置かれる、そういうことを解消するためにこの一項目を挙げたのでございますが、この意味からいいましても、公正取引委員会が今日までいろいろ努力をされて、再販の見直しなり指定をされたことに対しては、我々は賛意を表するわけでございます。  私は委員長にお伺いしたいわけでありますが、今日この問題をめぐって学識経験者から成る研究会を開催された。その報告も出ておる。あるいは十二月の十二日に実態調査をおやりになったことを公表されました。これも我々はマスコミを通じて内容を承知いたしました。そうして十二月二十五日には公聴会を開催されて、それぞれの立場の人たちからいろいろな御意見もお聞きになった。この内容も承知をいたしております。  あれから年が明けて既に三月の中旬であります。この間の予算委員会で取り上げられました独禁法違反の罰則強化の問題、このやりとりを見ておってもいろいろなことがわかりました。独禁法の問題というのは非常に重要でございまして、いろいろな立場の人からいろいろな意見が出る、これも十分承知をしております。しかし、少なくともこれだけの順序を踏んで、研究会等は相当分厚いものでございますが、報告書も出ておりますし、公聴会もそうですし実態調査もそうでありますが、手順は十分踏んであると私は見ておるのであります。  その結果、今日を迎えたわけでありますが、一体公正取引委員会は今日の現状からこの問題についてどういう日程で、どういう手順で何をやろうとしておられるのか、これがよく私にはわからない。少なくともここまで来たものであれば、これだけの手順を踏んだものであるならば、この問題は長い長い歴史を持った問題でありますから、結論を早急に出して、消費者の団体からも、あるいは消費者の方々からも大いに期待をされておるこの再販の指定の問題について具体的な決定を公表すべきではないか、早く態度を公表すべきではないか、こう思うのですがいかがでしょうか。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○梅澤政府委員 指定再販制度の問題につきまして、昨年来の当委員会の作業の経過は、ただいま委員御紹介を賜りましたとおりでございます。公聴会を終わりまして年が明けまして、この問題につきましてなお各方面から私どものところにいろいろな意見なり見解が寄せられております。  それを集約しながら、今後行政の作業といたしましては、それぞれの物資を所管いたしております関係省庁との調整にこれから入りまして、できるだけ早い機会にこの問題の取り扱いに対する最終の結論を見出したいと考えておるわけでございます。基本はあくまでも、今日の状況に照らしてこの制度をできるだけ縮小するという態度で臨みたいと考えております。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 公取からいただきました資料を拝見いたしますと、外国の例が記載されております。アメリカは全く再販制度はない。その他ドイツあるいはイギリス、フランス、いずれも化粧品はない。書籍が一部指定されておる。あるいは新聞、雑誌を若干指定しておる。こういう状況であります。  先進国の中で、化粧品なりあるいは医薬品、あるいはCDなりレコードなり書籍、そういうものについて残っておるのは我が国だけだというふうに理解をしておるわけでありますが、今委員長のお話がございましたけれども、やはりこの問題については利害が相反する人もおるわけでございますし、あの公聴会の議事録を見ましても業界は挙げて反対、これはもう昔からそうだったのですから、ひとつも変わっておりません。業界は全く反対の態度を堅持をしておるようであります。  しかし、学識経験者あるいは消費者団体、消費者の皆さんの見解というのは一貫して、これは消費者の利益を阻害するものである、競争に対してこれに手かせ、足かせをはめるものだ、こういう主張はずっと一貫して続いておるように思いますし、当委員会で我々がずっと論議をしてきたこともいささかも変わっておりません。今日も二十何年前にここで論議をしたことも一向に変わりはない、このように見ておるのであります。  それが今日に至るまでこの制度そのものが存続をし、しかも潜りなり、やみというものが先ほどおっしゃったように、わずかですけれども摘発をされておる。そういう点から見ますと、これは一日も早く、ここまで来たものですから、公正取引委員会が早急に毅然たる態度で決定を下さるべきではないか、こう重ねて委員長の見解を求めて、私はこの問題を終わりたいと思うのです。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○梅澤政府委員 ただいま申し上げましたとおり、現在作業の最終段階に入っておるわけでございまして、委員の御指摘の点なども踏まえまして、できるだけ早く結論を見出したいと考えております。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 公取に対して私どもは大きく期待をしておるわけであります。  この際、一つだけ公取にお伺いをしたいことがあります。ことしの元日から新聞が一斉に値上げをいたしました。特に読売がトップを切って一月一日、朝刊、夕刊合わせて一カ月四百六十円という大幅の値上げをいたしました。読売は九百八十万部という日本で最大の発行部数を持つ新聞であります。一月一日が読売、十八日になったら毎日、どうしてやらぬかと思っておったら朝日が二月一日、こういうふうに、これは明らかに私は協定だと思うのですが、こういう問題について公取は何かおやりになったのか、これをちょっと聞かせていただきたい。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○梅澤政府委員 主要全国紙のことし一月に入りましてからの一連の価格の引き上げの問題につきましては、現在、価格の同調的引き上げの問題に該当するという観点から、既に調査の作業に入っております。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 もうこれは現実に進行中でありますからどうにもならぬことでありますけれども、大手の新聞の休刊日の問題等も私はおろそかにできない問題だと思うのです。どんどん休刊日がふえてまいりますが、これによってどれだけの利益を得るか、これも大変なことになる。さっき申し上げたように、九百八十万部、それから計算していけば、一日休めばどういうことになるかということは十分おわかりのとおりであります。これはまさに一月一日という日を契機に、国会も開かれておらなければだれもが休んでおる最中にぱあんと突如として値上げをする、こういう状況でありますから、こういう点については公取としても十分監視をし、ひとつ誠意を持って対応していただきたい、このことを特に要望しておきたいと思います。公取、これで結構ですから。  経済企画庁にこれからお尋ねをするわけでありますが、長官の説明によりますと、平成四年度の消費者物価指数の見通しを二・三%と見ておるようであります。三年度の決定も間もなく出るわけでありますが、三年度の消費者物価の予想見通しはどのぐらいと見ておるか、これをちょっと。

小林惇経済企画庁物価局長

○小林(惇)政府委員 今お尋ねの平成三年度の全体の消費者物価の動向でございますけれども、結論的には二・九%程度の上昇になるというふうに見込んでおります。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 平成三年度の消費者物価の見通しの数字が出て当委員会でいろいろやりとりをしたときに、平成三年度に繰り越した二年度からのげたが非常に高かった。これは一%をはるかに突破しておったわけですが、それで一体三年度の見通しが達成できるかどうかということを論議いたしました。幸いにして、今おっしゃったように二・九、三%を下っておるようでありますが、それはそれとして、今年度から平成四年度に繰り越す、持ち越すげたをどのくらいと見ておるか。前回は一%をはるかに超しておったわけですが、その数字はどうでしょう。

小林惇経済企画庁物価局長

○小林(惇)政府委員 今御指摘のとおり、平成三年度から四年度に持ち越すげたの数値については、二月分あるいは三月分の数値が出ませんと確たることは申し上げられないわけでございます。昨年も、この点に関して武部委員から御指摘がありまして、げたの数値にかわる近似値を試算するために、平成三年の四月から平成四年の一月の数字を拾ってその数字の平均値を出しまして、それと平成四年一月の数字を比較して、げたに当たる数値の出し方と同じ手法でございますけれども、二月分、三月分の数字を欠いた状態でそういう計算をしてみますと〇・三%程度になるというふうに考えております。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 去年に比べてげたの数が非常に低い。これは大変結構なことだと思うのです。したがって、二・三%という予想から見ますと、残されたパーセントは約二%程度になる、こういうことになるわけですが、物価指数が落ちついておるということは大変結構なことでありまして、ぜひそういう面での努力をさらに続けていただきたいと思うのです。特に年金生活者にとってはインフレは大敵でありますから、心してこの問題に取り組んでいただきたいと思います。  そこで、それはそうとしても、やはり国民の側から見れば物価は高いという感じを持っておることは、新聞の投書等を見ましても、あるいは世論調査の政治に何を望むかという点について、物価の安定というのが相当高い数字で出ておることも事実でございまして、そういう面から政府の発表する数字と国民の実感との間にはまだまだ相当なずれがあるということだけは認識しておかなければならぬ、このように私は思うのですが、これまた当委員会でもいろいろ論議をしてまいりました内外価格差の問題であります。  内外価格差の問題は、現在経企庁としては価格差は縮まっておると見ておるのか、それとも広がりつつあると見ておるのか、その点いかがでしょう。

小林惇経済企画庁物価局長

○小林(惇)政府委員 経済企画庁で生計費全体についての内外価格差に関しまして実態調査をやっておりますけれども、東京の物価水準は、例えばニューヨークと比較いたしますと、昭和六十三年には一・四倍でございましたけれども、それが平成三年には一・三倍というふうに縮小してございます。そういうことで、六十三年から平成三年までの間の比較では内外価格差は縮小しておるというふうに認識しております。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 経企庁のそういう計算の根拠も知りたいわけですが、今まで物価を数字で比較する場合は、ただ単なる物価の上昇の比率だけではなくて、購買力平価あるいは労働力平価、こういうような比較が非常に進んでまいりました。したがって、きょうは間に合いませんが、購買力平価あるいは労働力平価という問題について、例えばアメリカ、ドイツと日本と比較した場合はどういうふうな数字になっておるかというような点も機会を見てお尋ねしたいと思いますので、ぜひ資料をひとつお寄せいただきたいということを特に要望しておきたいと思います。  次に、昨年の一月に経企庁が地価の高騰に対する対策の一つとして土地指数というものを創設しようということをお考えになって、新聞に報道されました。これも私は昨年、賛成だからぜひ早く土地指数については結果を公表してもらいたい、今、路線価格だとかいろんな数字が出まして、一物四価だ、一物五価だと言って、国民の側から見れば、一年に何遍も土地の値段が発表されて全く中身が違うというようなことから困惑しているということを申し上げました。あれから一年以上たつわけですが、経企庁としてはこの土地指数の創設についてどういうところまで進んでおるのか、これをお伺いしたい。

土志田征一経済企画庁調査局長

○土志田政府委員 先生御指摘のとおり、地価の動向というのは、経済に与える影響が極めて大きくなっておりますので、経済企画庁といたしましても、これを的確に把握するということが機動的な経済運営に重要ではないかというふうに考えた次第でございます。そこで、昨年でございますが、経済企画庁庁内に「地価の変動を早期かつ的確に把握する手法に関するプロジェクトチーム」というのを発足させまして検討を行いました。怖年六月に報告書を公表してございます。  その報告書では、いわば地価の動向と連動して変動する経済指標というものをいろいろ検討いたしましたところ、十その指標を発掘いたしました。例えば貸し家の住宅着工とかあるいは新規マンションの月間契約率といったような指標でございます。この十その指標に加えまして名目GNPといったような総合的な経済動向を示す指標も参考の系列といたしまして、こういったものを全体として一体的に見ていくことによって今後の地価の動向について何らか参考になるのではないか、 そういうような結論を得ております。  したがいまして、その中では、やるべき方向といたしまして、先ほど申し上げましたような十その指標を継続的にフォローしていくということ、それから、そういった採用系列をどういうようにまとめて総合したものにしていくかというようなことの検討を今後進めていくこと、それから、実際の指標につきましてもいろいろその充実を図っていかなければいけないというような点があるということを指摘しておりまして、こういった点をその後の課題というふうにしているわけでございます。  その後、私どもといたしましては、先ほど申し上げました十その指標プラスGNP等、十九の指標につきまして、継続的にまずその動向をフォローして地価の動向との関連性というのを見ている、そういうことを続けております。  そういうことでございます。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 そうすると、中間的な発表はもうおやりになったというふうに理解していいんですか。

土志田征一経済企画庁調査局長

○土志田政府委員 プロジェクトチームにおきまして、大まかに過去の動きについて個々の指標との関連性がどうか、こういった指標については関連がありそうであるというのを一応選び出してはございます。それで、それは発表してございます。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 大いにこの問題は期待できると思いますので、早急に国民にわかるように数字をもってお示しいただければ大変私ども幸いだ、このように思います。  それでは、時間の関係で先を急ぎますが、国民生活局審議官、あなたも御承知かと思いますが、この委員会は国民生活の問題についていろいろ論議をし、特に悪徳商法の問題をしばしば取り上げてきたわけであります。  もう御承知のように、天下一家の会を議員立法によって撲滅した、そういう成果を上げることができましたし、マルチ商法も相次いで摘発をいたしました。特に、豊田商事の問題は一番大きかった問題だというふうに私は理解をしておるわけでございますが、一時影を潜めておったように思います。国債ネズミも法律改正によって禁止することができましたし、その後余り聞かなかったのですが、近ごろまた頭を持ち上げてきた。これは、金利が下がったりあるいは不況になったりするときにはえてしてこういう連中がはびこるわけですけれども、またぞろ頭をもたげてきたように私は思うのです。  御承知のように、この問題はどこが担当の官庁かということはなかなか難しくて、消費者保護基本法やネズミ講をする場合にも、七省庁が関連をしておるというので、大体その責任官庁がどこかということがいろいろなことでやりとりいたしまして、そんなこともありまして、やはり責任の所在というのが、後にまた申し上げますが、不明確ではなかろうかという心配が今も絶えないのであります。特にねらわれる者がお年寄り、近ごろは高校生から大学生という学生にまで蔓延をいたしました。  したがって、確かに七省庁に及びますから煩雑でございますし、いろいろ困難はあろうと思いますけれども、国民生活を担当する経企庁、これが中心となって、啓蒙が一番大切ですから常に啓蒙をし、監視をし、情報収集に努めるという役目はやはり経企庁が中心になってもらわなきゃいかぬ、このように思っております。  昨年の夏に近畿地方で起きましたラッキーチャンス、これはネズミ講でありますが、これが摘発をされてきたわけですけれども、三万円出せば最高五百二十三万円の配当だ、これに高校生が飛びついて、わずか二カ月間に高校生を中心に数千人に膨れ上がった、こういうネズミ講でございましたが、このように何にも知らぬ学生が対象になっておる。我々がネズミ講を退治したときは、やはりこれが大学に蔓延をして、サラ金とネズミ講が組んでやったわけです。したがって、文部大臣にこの実態を明らかにして、文部大臣から、文部省から各大学にこのようなことに対しての警告を出してもらったのです。一斉に全部の大学に文部大臣の通達を出してもらった、そういう経過があるのです。  それで、今申し上げたように、このラッキーチャンスというのは、また同じようなことが起きてきた、したがって、これからもまた高校生や大学生が対象にねらわれる危険性はなしとしない、このように思います。したがって、経企庁はこういう問題について、例えば文部省とも十分相談をし、各地の消費生活センターや国民生活センターを通じて啓蒙なりあるいは監視なりあるいは情報の収集なり、警察庁にも連絡をとってもらう、そういうことをやってもらわないと、やはり悪徳商法というのは、こういう時代になると裏をかくわけですから、はびこってくる可能性がある、このように思っております。  ついせんだって、また大きなやつが一つ摘発をされました。これは例の海外先物取引会社ですね、イタカ。これで百二十六億円もの詐欺をして、この会社は破産をいたしました。私のようなちっちゃな県に七十七人も被害者があるということを新聞で見まして、早速消費生活センターに連絡をとってみました。驚いたことに一件の相談もないのです。今までは、こういう私の申し上げたようなことが。起きますと、各地の消費生活センターにいつも相談があるのです。それでそこからわかってくるのです。ところが、奇妙なことにこの問題は一部一道二府三十一県という非常に広い地域にイタカの詐欺商法が蔓延をしておるのにかかわらず、一件もセンターに相談がないということはどうしたことか、これは実に不思議なことだと私は実は感じました。  経企庁はこの問題、それからさっきのラッキーチャンスの問題をどのようにとらえていますか、ちょっと聞かせてください。

小川雅敏経済企画庁国民生活局審議官

○小川(雅)説明員 ただいま御指摘のイタカの問題につきましては、私どもも事情は承知をいたしております。  こういう苦情の問題というのは、先生御存じのように私どもでは国民生活センターを中心にして集めているわけでございますが、このイタカに関しましては国民生活センターに直接に相談が一件ございました。それから全国各地の消費生活センターからは、六十一年の五月から平成三年の九月までの間に二百六十四件、そういう情報の提供がございました。そして、国民生活センターで受け付けた一件につきましては、この取引をしていた顧客がもうこれでやめようといったときに、清算金が計算をいたしますと二百四十万ほどあったようでございますけれども、実際には百三十万しか返さなかったということで、どうしたらいいだろう、こういう御相談が国民生活センターにございまして、この件につきましては、国民生活センターが、これは大阪の支社に関する問題でございましたけれども、あっせんをいたしまして、結局相談者には清算金の残額百十二万円弱が払われたということで、こういうふうに解決しているのもあるのです。  ただ、地方から先ほど二百六十四件ありましたということ在申し上げましたけれども、このうち、それぞれ地方の消費生活センターがそれなりの努力をされておられまして、あっせん解決を見たもの、あるいは自主交渉を行うための助言を行ったというようなことが非常に多いわけでございまして、当初はそういうことで片づいていたようでございますけれども、年を追うに従いましてこういう案件についての報告が多くなった。こういう手口である、こういうふうに対応した、こういうふうな情報の提供が国民生活センターにありました。  まあ件数が多くなってきたということもございまして、実は国民生活センターでは、昨年の七月でございますけれども、しかも先生御指摘のように全国的に問題が起こっておりましたので、全国の消費生活センターに案件を知らせまして、それぞれどういうような対応をしているというような情報を提供いたしまして、こういう被害が未然にできるだけ防げるようにという形での対応はしてきておったわけでございます。  ただ、先生御指摘のように、どういう事情があったのかわかりませんのですが、確かに鳥取県からは、センターで調べましたところ、センターの方にもそういう情報が上がってきていないということでございます。しかし、私どもはこういう被害については事前に予防していくということが重要だと思いますので、昨年も行ったところではございますが、これからもこういうような案件、将来危なそうな問題につきましては、直接消費生活センターに、これまで同様、あるいはこれまで以上の情報提供等を行っていきたいというふうに思っております。  それから、消費者保護の問題は、これはもう武部先生御専門でございますので私の方から余り詳しく申し上げる必要はないと思いますが、年に一度消費者保護会議で施策を決定するわけでございますけれども、施策を決定する過程で、関係省庁あるいは地方公共団体あるいは消費者団体、その他からいろいろ情報を入手いたしましたり、また私どもの方で勉強したもの、こういうものを基礎にして消費者保護会議で決定をして、それぞれの省庁に、もちはもち屋ということでございますけれども、実施をしていただいている。  その実施の過程でも、私ども、定期的に関係の省庁との間の連絡会議、また、中央だけでは不十分ということで、地方の消費者行政の担当の方々とも情報交換等を行いまして、注意喚起に努めつつ、対応方法についての意見交換等をやっておりまして、今後とも連絡を密にしながら、なるたけ早期にいろんな問題を把握して、被害が拡大しないようにということに努めてまいりたいというふうに思っております。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 経企庁が非常に努力しておられることは認めますが、今までにいろいろな問題がたくさん起きまして、起きてからここで論議をした。それではだめだ、やはり早いうちに芽を摘んでしまわなければこれはだめだ、こういう結論に達して、各省でそれぞれ緊密な連絡をとってやろうということになってきたわけですけれども、相手は一筋縄じゃいかぬわけですから、こちらの裏をかいてくる。したがって、申し上げるように、啓蒙や監視というのが大変必要だ。したがって、大変だろうと思いますが、やはり経企庁が中心になって、先ほど言った文部省なり警察庁、そういうものと十分連絡をとって、後で被害が出て泣く人を救うよりも、事前にやはり解決していかなければならぬという立場で、せっかくの御努力を特にお願いをしていきたい、このように思います。  次に、製造物責任の問題でちょっとお伺いをいたしたいと思います。  この製造物責任という問題もまた消費者保護基本法に関連をする問題であります。消費者の安全を求める権利、これをどういうふうに基本法の条文の中に入れるかという論議が闘わされました。その結果、基本法第七条に「危害の防止」という一項目が挿入されたわけであります。  今度の長官の経済演説にも、また所信の表明の中にも、特に製造物責任制度について言明がございました。一項目取り上げられております。今までこういうのは余りなかったので大変結構なことだと思うのですが、製造物責任制度の問題についてはこの第七条にきちんと明言をしてありますように、「国は、国民の消費生活において商品及び役務が国民の生命、身体及び財産に対して及ぼす危害を防止するため、商品及び役務について、必要な危害防止の基準を整備し、その確保を図る等必要な施策を講ずるものとする。」こうなっております。あれから、消費者保護会議が年に一回ずつ開催されて、それなりの論議があったことは承知をしておりますが、具体的にそれが法律に制定されて、これこれの責任があるとか罰則がどうだとかというようなものは、いまだに実現をしていない。  昨今の国会で製造物責任というものがいろいろ取り上げられて論議が交わされているようでございますが、私は、基本法第七条の精神からいっても当然経企庁が国民生活を守るために中心になってやっていくべき官庁だ、このように思っています。残念ながら、今表面に出ておみのは通産省はかり。通産省の方が一歩も二歩も先に出て、そういう問題についての論議をやっておる。これは少しおかしいじゃないかという気持ちがずっとしてきておりました。  したがって、きょう私が申し上げることは、そういう点も含めてでありますが、少なくとも、製造された商品によって被害を受けた者、被害を受ける危険がある者、そういう者を保護しなければならぬ、守らなければならぬということがこの基本法の精神なのであり、したがって、つくる者がそういうことを言ったってしょうがないので、受ける者の方に重点を置いて法の整備が行われなければならぬ。アメリカのPL法を見れば歴然としているのであります。そういう見本がちゃんとでき上がっているのであります。それがなぜ我が国においてこうした問題がいまだに進展をしないか、大変私は不思議に思っているのであります。  あれだけ基本法の際にも論議がされ、しかも行革審の中でもこの問題が取り上げられ、あるいは国民生活審議会ですか、これは首相の諮問機関でありましょう、そういうものの中でしばしば取り上げられておるのにかかわらず、今日に至るまで何ら進展がない。これはどうしたことだろうか。どうしたことだろうかと思う前に、通産省の方が先に立ってこの製造物責任の問題についてやり始めておるということは、私はちょっと本末転倒だと思うのです。被害を受ける可能性、また、受ける現実の消費者の利益をどう守るかということの方が先決なんだ。そういう意味で、経企庁は、少なくとも閣内では率先をして製造物責任の問題について指導性を発揮すべきではないか、このように思うのです。  きょう長官がおられませんから、長官もここではっきり述べておられるわけですから、この辺についてのお考えを聞きたかったのですが、ひとまず一経企庁としてはこの問題についてどういう見解を持っておられるか、これを最初にお伺いしたい。

小川雅敏経済企画庁国民生活局審議官

○小川(雅)説明員 製造物責任制度につきましては、経済社会が変化をする、それが非常に速い変化でございますけれども、そういう変化に対応いたしまして消費者被害の実効性の確保を図る、それから国際化の進展に対応した制度の調和を図る、こういうような観点から、しかしいろいろな諸側面を含んでおりますので総合的に検討を行うということが緊急の課題であるというふうに考えているわけでございます。そして、現時点では、先生も御指摘いただきましたように、国民生活審議会におきまして、製造物責任法制を含む製造物責任制度を中心にいたしまして、総合的な消費者被害防止、救済のあり方、これにつきまして、各界からお集まりいただきました委員の方々に御審議をお願いしているわけでございます。  現在の国民生活審議会というのは、一任期が二年間ということになっておりまして、一昨年の十二月からことしの十二月の初めごろで二年間ということになるわけでございますけれども、御審議をしていただいておりまして、これも御存じだと思いますが、昨年の十月十一日に中間報告というものがまとめられたわけでございます。ただ、この中間報告におきまして、なお一年期間があるということもございますけれども、具体的内容を含めて十分に議論を尽くし、関係者の理解を深める努力をする必要があるということで、引き続き精力的に検討することが必要だという報告をいただきまして、現在その中間報告の後も月に二回、一回三時間でございますけれども、委員の皆様方に引き続き精力的に御検討いただいているというところが現状でございます。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 消費者あるいは消費者団体の意見は、余りにも時間がかかり過ぎる、そうしている間にも製造物の欠陥によって被害を受ける人が出てくるわけですから急いでやらなければならない、相当な日にちがたっておるのにどうして結論が出ないかといういら立ちがあることはもう間違いかないのです。我々もそういう主張をずっと続けてきたわけですけれども、国民生活審議会の場で論議をされておる、これは所管官庁は経企庁だと私は思っておりますが、そうなれば経企庁が、せっかく大臣もそういうことを演説の中に述べておられますし、そういう姿勢があるとするならば、早急に国民生活審議会の中で結論を得るような努力をしてもらわなければならぬと思います。  私は、通産省のことをとやかく言ったのですけれども、つくる方はこういう問題についてある程度別の意見を持つことは当然だと思うのです。問題は、どちらに重点を置くかということが基本なんです。ですから、そういう面で幾重にももう少し論議を広めてみなければいけないと私は思うのです。つくる側の意見の方が強くて受ける側の意見が弱いということでは、これは本末転倒なんですよ。そういう意味で、いささか今日の論議は逆な方向に行っておるのではないかという懸念が私は今でも消えません。  したがって、それはそれなりに私どもの党の中でも発言をいたしますが、ぜひこの問題は、相当長期間にわたった問題ですし、私どもから言わせれば、基本法ができてからもう二十四年もたつのです。消費者保護基本法ができてから二十四年間たっておる、いつの消費者保護会議でも、皆さんの方から一年に一遍いただく分厚いあの中にも必ずそういう文句が入っています。しかし、それなりのことで今日を迎えた。ですから、製造物責任というのは国会の論議も相当高まっておるようですから、ひとつ経企庁がもっと率先をして早く結論を出すように御努力を願いたい、このことを特に要望しておきたいと思います。  時間が参りましたので、最後に、経企庁にもう一つお伺いをいたします。タクシー料金の問題であります。  二年連続というより若干の時間はあきましたけれども、前回、東京近郊で大幅な値上げがありましてから昨年の暮れにまた二けた台の料金の値上げの申請が行われました。端的に言いますと、運輸省から経済企画庁に対して協議がございましたでしょうか。

小林惇経済企画庁物価局長

○小林(惇)政府委員 タクシー運賃の改定の申請が、委員御指摘のとおり、昨年十二月からことしの一月末にかけて東京地区のタクシー事業者から運輸省の方になされておりまして、これまで運輸省から申請内容等についての説明を受けてきております。  企画庁といたしましては、今委員御指摘でもございましたけれども、前回の改定が平成二年五月に行われたばかりでもございますし、物価全般あるいは国民生活全般に及ぼす影響を考慮して慎重に検討しておるところでございます。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 説明を受けたという御答弁でございましたが、最終的に運輸省がこの申請を決定する場合には、経企庁と最後の詰めといいましょうか、そういうときにはどういうやりとりをして、何か経企庁との協議が整わなければならぬとか、あるいは説明なら聞きおく程度だとか、そういう点はどうなっておるのですか。

小林惇経済企画庁物価局長

○小林(惇)政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、運輸省当局から協議を具体的にいただきまして、それをもとに企画庁としても詰めを行いまして、協議が相整ってまいります段階で閣僚会議等にも諮り決定してまいる、こういう段取りになろうかと思います。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 そうすると、閣僚会議の決定の際に経企庁の意見を述べる、こういうことになるわけですか。

小林惇経済企画庁物価局長

○小林(惇)政府委員 はい。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 もう一つこの機会にお伺いしておきますが、例の、運賃には二重運賃がございます。例えば大阪では、同じ地域で運賃に差がございます。タクシーに乗ってみますと、一部のタクシーでございますけれども差がございます。京都は一緒になりましたけれども、現在は大阪ではそうでございます。そういう点についての協議は、経企庁には全くないのですか、あるのですか。

小林惇経済企画庁物価局長

○小林(惇)政府委員 具体的には、今御指摘の大阪等の例につきましては、タクシー事業者の方が、同僚の事業者が値上げ申請をするのを自分は見送るというような形で二重運賃になるケースが生じたわけでございます。今回の東京地区のタクシー運賃の改定申請につきましては、値上げ幅については区々でございますけれども、すべての事業者が値上げ申請に踏み切っておる、こういう実態でございます。

武部文日本社会党・護憲共同

○武部(文)委員 それでは、あとは次回に譲ります。終わります。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員長 佐藤恒晴君。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 まず一つは、生鮮野菜等の問題に関連いたしましてお尋ねしたいと思います。  昨年は年初来から大幅な生鮮野菜の輸入の急増があったわけであります。天候不順あるいは台風などの問題もありまして、生鮮野菜が非常に不足して消費者物価にかなりの影響を与えた。例で申し上げますが、十一月の都区の消費者物価上昇は三・七%であるけれども、そのうち生鮮野菜の部分については前年比四二・五%のアップという異常な値上がりをしたわけであります。  そういう中で、政府は十月にキャベツの緊急輸入とか大根などの産地への繰り上げ出荷要請といったような対策をとられた、こういうことになっております。あるいは消費者の支出動向という点から見ますと、総務庁の二月二十七日の発表で昨年十二月の家計の状況でありますが、実質消費支出が前年比で〇・八%減少した、これは十二カ月ぶりだ、こういうことでありますけれども、その中で食料品という部分で生鮮野菜関係で見ますと、これは買い控えなどの関係で二・九%減少した、これは七月以降六カ月連続、こういうことなのですね。  ですから、大幅に野菜が値上がりをして消費者物価に影響を与えて、一万消費支出の面から見ると、むしろ生鮮野菜を買い控えてしまっている。そしてまたこれを消費者物価の全体の状況で申し上げますと、総務庁が一月に発表しました全国の過去一年間の、九一年の平均を見ますと、前年比で三・三%、十年ぶりということで、大変値上がりをしたという総務庁のあれでございます。  こういうふうに、消費者物価の中で特に野菜がどういうふうになったのか、その結果消費者の支出が、消費支出動向がどうなったのか、全体の全国的な物価動向でどうなったのか、こういうふうに見ていきますと、いろいろと対応しなければならない問題点がたくさんあるように思います。  経企庁は、九一年度の物価実績見込みとしては二・九%のアップという見通しは達成できそうだ、こういうような見解を出しているようであります。そういう見解を出しているようでありますが、昨年の十一月の例を私申し上げましたが、その段階で経企庁は、十二月以降は落ちつくというような見解も発表されております。異常な上昇状況にある中で確かに現在は下降ぎみになっていることは私も理解ができますが、生鮮野菜の前年同月比というのは指数はどのくらいになっているのかということを、直近のデータでひとつお示しをいただきたい。  つまり、最近は暖冬という側面もございますから、野菜の生産も進んでいるということで供給がふえてきているということもありますけれども、高とまりになっていないのか。ある程度昨年の異常な状況からは下がったけれども、前年比から見ると高とまりということに、安定はしてきているとか下がる傾向にあるが依然として高どまりの状況ではないのか、こんなふうにも実は思うわけで、その辺の状況をひとつお尋ねをしたい。  それからもう一つは、昨年の七月以降、私もいろいろ数字を見てみたのでありますけれども、そういう食料品の、生鮮野菜の異常な値上がりという中で家計支出が抑えられているということになりますと、低所得層における生鮮野菜等の家計支出に対する影響というものは非常に大きいし、また食生活そのものにもいわゆる変化が起こらざるを得ない、こんなふうに実は思うわけであります。経済政策の中では、金利がどうとか公共事業をどうするとかという非常に大局的な立場からのマクロな政策論の展開もございますが、やはり庶民のそうした細かなところに物価政策といいますか経済政策のラブコールが送れるような政策があっていいのではないか、私はこんなふうに実は思いますので、見解をお尋ねしたいと思います。

小林惇経済企画庁物価局長

○小林(惇)政府委員 ただいま委員御指摘の生鮮野菜価格の高騰に伴う影響ということでございますけれども、御案内のとおり昨年の、特に九月中旬以降の長雨、あるいは日照不足、あるいは台風による冠水、暴風等の被害が重なったということで生鮮野菜の価格が非常に上昇して、三年の十一月には全国値で前年同月比二六・七%もの上昇になったわけでございます。しかし、十一月以降気候が非常に安定をしてまいりまして、秋冬野菜の生育が回復していることなどによりまして、十二月以降では前月に比べましてマイナスに転じております。本年一月には、全国ベースの消費者物価指数の中における生鮮野菜でございますけれども、前年同月比でマイナス一三・二%という大幅な下落になってございます。  それから、速報ということで、二月の東京都区部速報値では、前年同片比でマイナス九・一%という、一月に引き続きまして前年比で大幅な下落になってございます。  それから、御指摘がございました高とまりしているかどうかということにつきましては、十二月、一月等の価格下落というようなことがございまして大分下がってきておる、こういうことでございまして、高どまりの状況にはなってございません。そういう状況でございます。

小川雅敏経済企画庁国民生活局審議官

○小川(雅)説明員 低所得者層の生活への影響ということでございますけれども、総務庁の平成二年の家計調査によって見ますと、年間収入階級別五分位の生鮮野菜への支出が消費支出全体に占める割合というのを見てみますと、第一分位二・七%、第二分位二・二%、第三分位二・二%、第四分位二・一%、第五分位一・九%ということでございますので、第一分位と第五分位を見ますとおわかりのように、低所得者層ほどその比率が高いというような状況になっておりまして、こうしたことから、一般的には野菜価格の高騰というのが低所得者層の生活により大きな影響を及ぼすであろうということは言えるのではないかと思います。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 一つの具体的な例についての分析があればお尋ねをしたいと思います。  東京の大田市場のケースを七月以降すっと追ってみたのであります。特に大根と白菜でずっと値段を追ってみました。十一月までずっと追ってみたのですが、十一月になっても余り変わらないので途中でやめてしまったのですが、例えば大田の場合には、大根、白菜について高値、普通新聞には高値、中値、安値、こうありますが、高値だけなんですね。安値とか中のできはなしなんですね。これはまた単純なことですが、どういうことで高値だけの取引になって、中、安の方はできがないのか、これは農水の方、おいでになっていると思いますが、お尋ねをしたい。  またそういうことについて、これはいわゆる東京都の都区の生鮮野菜の物価動向という立場から見た場合にどんなふうな判断、見解をお持ちか、経企庁の方にもあわせてお尋ねをしておきたい。

近藤和廣農林水産省食品流通局市場課長

○近藤説明員 お答えをいたします。  卸売市場におきましては、生鮮食品の価格につきまして、価格を高値、中値、安値というふうな形で公表することとなっております。ただ、それを新聞が報道する際に、例えばその新聞のスペースの関係で高値と中値のみを報道するというケースがございます。それから、価格が実際に実現した場合に、例えば高値と安値のみで中値に相当するものがない場合、つまり高値と安値がほぼ同量の場合、そういう場合には中値なしという形で表示されることがございます。  それともう一つ、非常に価格が高騰して、例えば一本の値段になってしまった場合ということがございます。そういう場合には、一本値でございますからその一本の値段だけで外へ出ていくということになるわけでございますが、その際に、例えば、明らかに野菜の値段が高騰して、これは非常に高い値段だという状態になりますと、それが高値ということで公表されるということがございます。  以上でございます。

小林惇経済企画庁物価局長

○小林(惇)政府委員 ただいま農水省の方から御説明があったとおりでございますけれども、こういった市況の表示のされ方自体につきましては、基本的には誤りのないやり方でやっていただいているというふうに見ておりますけれども、こういった高値あるいは中値なしの状態になるというようなことは、基本的に、卸売市場への野菜の入荷量が著しく、減少したということが原因であるというふうに考えておりまして、供給確保を通じた野菜価格安定のための各般の施策を農水省と連絡をとりながら実施してまいりたいというふうに考えております。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 私は、ただいまの農水省の答弁というのはちょっと理解しにくいのですね。例えば新聞報道のスペースの関係とか、高値、中値が同じようなときには一つで発表するとか、こういうことなのでしょうかね。私は生鮮野菜の市場状況の報道欄、あそこをずっと遣っているわけですよ。だから、他の物品については、できずの場合は横棒であるわけですね、中値、安値も。横棒が引いであるということは、つまり書くスペースがあるということですよ。報道する場合に、高値が幾らで、中値が、安値がと書く欄があるのだけれども横線が引いであるというのは、報道のスペースの問題ではないと思うのですね。  ですから、そういう答弁では私は納得できませんけれども、しかし、今経企庁の方からありましたように、要すれば、入荷が非常に少なくて、あるいはまた先取りなどが非常に多くて、もう大根であったら何でもいいから買ってしまうということで値が決まっているんではないかなというふうに想定いたしますが、その点はあえて申し上げませんけれども、今の答弁では私は納得いたしません。  続けて参りますが、市場の先取り問題であります。  これは農水省の方でありますけれども、先取りの問題は品不足に追い打ちをかけることになって、結果的には消費者にツケが回ってくる。しかも、先取りされた商品の値段を幾らにするかということについても、結局は残りの商品の競りの結果として値段がつけられるということになれば、先取りされて残りの商品をみんなで競争するということになれば値上がりするわけでありますから、それが値となって、先取りしたものの値段となって決まっていくということは非常に問題があるのではないか、実は私はこんなふうに思っております。  そんなことがあるんだろうと思うのでありますが、東京都の場合も、昨年の八月から先取りの限度量を二〇%ほど引き下げましたね。そういう状況でお尋ねをいたしますが、全国に卸売市場等を含めてたくさんの市場があろうかと思いますが、先取りの状況、例えばこういうものについては七〇ぐらいやっているとかそういう傾向があると思うのですが、その辺の傾向と、それが価格に対してどういう影響を来していると思っているのか、簡単にお答えをいただきたい。  それから、問題がないということなのか、問題点はやはりあるんだというふうにお考えなのかどうか。もし問題点があるとお考えであれば、先取りについてのどのような指導をやっていくお考えなのか。  さらには、またちょっと続けて申しわけございませんが、卸売市場から転送という問題がいろいろございます。この転送問題は、生産地が非常に遠隔地になっている、つまり、近郊農業がなくなっていって、一方に転送しなければいかぬというような状況も実はあると思いますけれども、この転送問題は、価格形成に非常に大きな影響をもたらすと思うわけであります。  こういう細かいデータをとっているかどうか、農水省は転送の状況については当然統計をとっておられるわけでありますが、例えば昨年の七月以降の大根とか白菜というように私は限定して聞きたいのでありますが、そう限定できない場合でも、転送状況が取扱量の何%ぐらいになるのか、特に東京から他の市場に転送されている、あるいは横浜から他の市場に転送される、そういうものがどのぐらいの割合になっているのかというようなことについてお尋ねをしたいと思います。

近藤和廣農林水産省食品流通局市場課長

○近藤説明員 お答えをいたします。  先取りとは、先生も御案内のとおり、卸売市場におきまして、通常の競りの時間の以前に行われる卸売のことでございますが、卸売市場の施行規則に幾つかケースが掲げられております。そのケースについて、仲卸業者や売買参加者に対して不当に差別することとならないものとして開設者が許可したときに行うことができる、そういうふうになっているわけであります。開設者はこのように許可するわけですが、その場合、各市場において、その市場の構造、需給実態、商慣習、そういうものを勘案しまして、取引委員会等の合意を得て限度の設定をするというふうなことを行っているわけであります。  農林省が先取りの状況につきまして平成三年六月に調査をいたしましたが、この際開設者を通じて調査をしたわけでございますけれども、大都市の中央卸売市場の一部について五〇%を超えているものがございましたけれども、おおむね三〇%以内というふうな形で行われておったわけです。  先取りに対する考え方でございますけれども、先生お話がございましたように、先取りが無秩序に行われた場合に、これはもちろん卸売市場の本来の機能、そういったものに大きく影響を与えるということがございます。そのために、先ほど申し上げましたように、施行規則あるいは開設者の許可というふうなことになっておりまして、各市場の状態を踏まえた形できめ細やかな対応がされているわけでございます。農林省としましては、今後とも開設者を通じそういった市場秩序がきちんと守られるような形で対応していきたいと思っております。  それからもう一点、転送についてのお尋ねがございました。  転送は、中央卸売市場から地方の市場への輸送というふうなことでございますけれども、近年増加をしてございます。その理由といたしまして幾つかございますけれども、やはり大都市圏への人口の集中、それから道路網の整備、輸送手段の発達等によりまして、大都市の集荷力が高まっているということだと思います。それから、大型産地にとっては、非常に労働力不足というふうなことがございまして、大型トラック輸送の輸送単位の効率をよくするためには、小規模な荷物を零細な市場へ分散して輸送することがなかなかできないというふうなこともございます。  さらに、地方の市場にとりましては、豊富な品ぞろえをするために、そういった市場が全国の不特定の多数の出荷者から直接集荷するよりも、大規模市場から転送を受けた方が合理的であるというふうなことを考えて、そういうふうな形で対応することもあるわけでございます。しかし、転送については、そういう意味で一面合理的な面もあるのですけれども、流通経路が複雑化するために、価格形成上コスト高となるという面もございます。  転送の数量につきましては、全国の市場でどの程度の転送が行われているかという全体の数字でございますけれども、約一割弱、一〇%弱というふうに考えております。  以上でございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 転送問題につきましては、今お話ありましたようにいろいろな事情がありますが、しかし流通価格が最終消費者価格に転嫁するということでございますので、十分ひとつ検討していただきたいと思います。とりわけ産地の中央市場なりから東京都などの大きな市場に来て逆転送といったような問題も品物によってはあるわけでありまして、そういうところについてはひとつ今後の対応をきちんとしてほしいな、こんなふうに思います。  そこで、時間も大分過ぎておりますから簡単にしたいと思いますが、先ほど申し上げましたように、昨年は緊急輸入の施策をとったということになっておりまして、かなりの種類の物が膨大な増加傾向にあります。白菜、キャベツ、レタス、ホウレンソウ等々たくさんの物が輸入をされたわけでありますが、昨年の一月から十月あたりまでの統計を見ますと、多い物では千何百%という増加量であるとか、あるいは今まで全然なかった物をたくさん輸入したとか、そういうことで物すごい増加量であります。  こういう中で、例えば大手のレストランといいますか、大衆レストランということなんだと思うんですが、そういうところの一つの談話としてこういう一文があったんですね、報道として。「輸入物は虫や土がついていて品質管理が難しく店で洗うのには時間がかかるということで苦労している。」こういう記事があるんですね。そうすると、これは植物検疫というのは一体どうなっているんだろうか。土がついています、虫がおりますというのでは植物検疫をやっていないのと同じじゃないか。国の機関としてはできないから、どこかに委託なり自主機関でやっているのかどうかわかりませんが、一体その辺のこと、現在七百人体制ぐらいでやっておられるようでありますが、そういう報道があることに対して、所見があったらひとつお答えをいただきたい。

大川義清農林水産省農蚕園芸局植物防疫課長

○大川説明員 植物検疫は、海外からの病害虫の侵入を防止するために行っております技術的な措置でございます。現在全国の主要空海港九十八カ所に設置されました植物防疫所、これには支所、出張所を含みますけれども、ここにおきまして七百六名の検査官を配置いたしまして、植物防疫法に基づき輸入植物等の検査を実施しているところでございます。  植物検疫の実施に当たりましては、従来から的確かつ円滑な実施に努めてきているところでありますけれども、前回の野菜の緊急輸入に際しましても適切に対処してきたところでございます。なお、検査の結果病害虫等の付着が認められました場合には、消毒等の措置を講ずるなど的確な検疫対応に努めてまいったところでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 そういうことでしょうけれども、虫がいるとか土がついているとかこういうことでは困るというのがあるわけですよね、現に。そういうことで、ひとつ十分な体制が整っていないからそういうことになるんだろうと思いますので、そこのところはそういう報道なんかが出ないようにきちんとやっていただきたい。何も日本の野菜みたいに、もう規格に合わせて品ぞろえをしてきれいに包装するということをやれと言っているんではなくて、土とか虫がついているなんということではしょうがないんじゃないか、こういうことでございます。  それから次に、厚生省の関係であります。  食品検査でありますけれども、時間がたっていますのでちょっと飛ばしますけれども、野菜の種類あるいは産地国あるいは輸送の方法、こういうものにょってポストハーベスト農薬の問題が問題になろうと思います。従来の検査体制からいいますと、約二〇%ぐらいが検査率ということになっているようでありますが、昨年の野菜の緊急輸入という異常なこの輸入増の中で、どんなふうな検査体制で臨んだのか、お尋ねをしたいと思うんです。  特に、これはあるものに載っていたことでありますけれども、要すれば一つの野菜についてアメリカでは基準があるけれども日本では基準が全然ない、日本で基準にされているものだけ日本では検査をするということになりますと、アメリカで基準に載っているものは日本では全然検査する必要がない。要すればアメリカと日本の、例えばアメリカですが、そういう決め方、基準の農薬の設定が違うものですから、規制値が違うのではなくて農薬自体が全然違うものですから検査が行われないというような実態があるということが、実はあるものに記載をされているのであります。そういう状況になりますと、果たして検査はやっている、しかもそれは二〇%程度であるということになりますと、安全な食品が入ってきているのかどうかということについてかなり疑問を持たざるを得ない、こういうことに実はなるわけであります。  それで重ねて、厚生省は昨年の十二月から、あるいはことしになりましても、農薬についての残留基準の諮問をされております。そういうことで昨年の十二月、三十四品目の基準案をまとめられておるわけでありますが、それらについて、例えば発芽防止剤ということで除草剤を使う、ジャガイモに使っている例えばクロルプロファムというのですか、これは今度はアメリカと同じような基準になるようでありますね。アメリカの基準というのは五〇ppm、日本の登録保留基準でいいますと〇・〇五ppm、千倍もの緩和をやる、こういうことに実はなるわけであります。これは一例であります。  そこで、そういう昨年の暮れから行われている基準の設定に関して、例えばガットの加盟国に説明に回っていて、そこでいわばオーケーがとれ札ばそれを実施するというようなことも実は新聞で報道になっている。しかも、ちょっと紹介をしますが、八九年十月のNHKのテレビだそうでありますが、要すれば、輸入食品と国内の食品の残留農薬基準を分けて、輸入食品に対してはポストハーベスト農薬を受け入れる基準を作成していくといったようなことを厚生省のある課長さんが発言をされている。ということになりますと、日本人の健康を食品の上からどう守っていくのかというのではなくて、貿易交渉問題として農薬の基準問題を考えている、こういうふうに読める発言を実はされておるわけであります。こういうことになりますと私は非常に問題ではないか、こんなふうに実は思いますので、この食品の検査体制、それから私が今指摘をいたしました基準の設定の基本的な考え方等々についてお尋ねをしたいと思います。

織田肇厚生省生活衛生局食品保健課長

○織田説明員 検疫所におきます輸入食品の検査体制についてまずお答えいたします。  現在の検疫所におきます輸入食品の検査体制につきましては、全国二十六カ所の輸入食品監視窓口におきまして、百四十三名の食品衛生監視員が食品安全確保業務に従事しております。また、平成三年度には、農薬等高度な検査を集中的に実施する検査センターを横浜検疫所に設けたところであります。平成四年度におきましても、監視窓口の増設を四カ所、食品衛生監視員の増員二十二名を予定しているほか、神戸検疫所にも検査センターを設置することにしております。  食品が輸入された場合には、検疫所ではその安全確保を図りますために、届け出書類の審査を十分に行い、必要に応じて現場検査、試験室内検査を行うこととしております。昨年輸入された野菜についても同様に現場検査等必要な検査が行われたところであります。

牧野利孝厚生省生活衛生局食品化学課長

○牧野説明員 残留農薬基準の設定につきましてお答えいたします。  残留農薬基準は、その農薬につきまして科学的に定められた一日摂取許容量、ADIと称しておりますけれども、この一日摂取許容量と、その農薬が使用されます各農産物の摂取量に基づきまして各農産物ごとに設定されるものでございまして、仮に日本人が設定されました残留基準値の上限までその農薬が残留した食品を摂取したといたしましても、農薬の摂取量は一日摂取許容量以下となるものでございます。したがいまして、今回検討しております基準値につきましてもこの考え方に基づいておりまして、いずれも安全性の面で問題ないものと考えております。  また、輸入農産物と国産農産物に二つの基準をつくるんではないかという御指摘がございましたけれども、現在考えております基準につきましては、輸入、国産を問わず同一の基準を適用するものでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 まず、私はそういう議論をここでやってもしょうがないと思うので、基準を今度相当な品目に、昨年の十二月から決められるということについて、これはこういうふうな実験データに基づいて安全であるから、この数値までは、基準値までは許されるとか、そういう決定過程というものを公開すべきだというふうに思っております。そこで、そういうお考えがあるのかどうか、私はすべきだと思っておるのでありますが。それから、東京弁護士会が意見書を出しておられますね。四点のポイントがあると思いますが、簡単にもし見解を述べられるんであれば出していただきたい。  先ほども消費者保護基本法のお話がございましたけれども、この四条には「事業者の責務」ということで、危害の防止ということできちんと書いてある。それから七条には、消費者保護に関する施策の中で、身体及び財産に危害を加えるようなことは防止しなきゃいかぬというふうに、書いてある。十四条には、商品の試験、検査をきちんとやりなさい、それは公表しなければならない、こうなっているんですね、消費者保護基本法には。この法律というのは、私は個別の法律を超えているものだと思うんですね。この立場に立って消費者保護をすべきだというふうに私は思っておりますが、公開をすべきだということを、そのことについて公開をすべきだと思いますけれども、いかがお考えか。それから、東京弁護士会の意見書等についての見解が述べられるんであれば述べてほしい。  それから環境庁にお尋ねしますけれども、例えばマラチオン、小麦については八ppmだということになっているんですね、現在の基準案は。しかし、登録保留基準では〇・五ppmだ、こういうことでありますけれども、特に環境庁は最近の新聞で、水田等の農薬の審査基準を強化するということで、メーカーに対して、メーカーの実験データをかくかくしかじかの審査をやりますよということでその基準を告示するというような報道を実はされておるわけであります。  私は、このことは、環境庁は前向きの行政をやっているというふうに思うのでありますが、厚生省のポストハーベスト農薬の問題についての基準値の設定の方向は後退の姿勢である、実は私こう思っておるのであります。環境庁が言うのはちょっと立場が苦しいんだと思いますが、政府の一貫した姿勢をきちっと私はしてほしいという立場から、あえて見解があればお尋ねをしておきたいと思うんです。

牧野利孝厚生省生活衛生局食品化学課長

○牧野説明員 残留基準設定にかかわる審議の過程の公表でございますけれども、残留農薬基準は食品衛生調査会におきまして御審議を願っているわけでございます。食品衛生調査会は科学に立脚いたしました自由な議論が行われ、審議内容に中立性が確保されるよう、審議が終了し、食品衛生調査会より答申が出されるまでは資料の公開はしないこととしております。なお、審議が終了いたしまして答申が出された後でございますならば、食品衛生調査会の審議資料は御希望があれば閲覧は可能でございます。  それから東京弁護士会、ことしの一月の意見書でございますけれども、四項目の御指摘がございました。  第一点目は、基準設定に当たりまして情報を公開し、国民の意見を反映させることという御指摘がございましたけれども、これにつきましてはただいまの答弁のとおりでございます。  それから二つ目が、ポストハーベスト使用、農薬の収穫後使用は禁止することという御指摘でございますけれども、これにつきましては、農薬の収穫後使用は国際的に広く認められた方法でありまして、その使用をもって直ちに安全性に問題が生ずるわけではないことから、厚生省といたしましては、農薬の収穫前あるいは収穫後使用を問わず食品中の残留基準を順次整備していくこととしております。今後とも関係資料の整備に努めまして、順次許容基準を設定いたしまして、食品の安全性確保に努めることとしております。  それから第三点目が、登録保留基準を尊重し、国際基準に合わせないことという御指摘でございますけれども、これにつきましては、残留基準設定の考え方は先ほど御紹介いたしたとおりでございまして、農薬の摂取量が一日摂取許容量以下になるように残留基準を設定しているところでございます。したがいまして、安全性の面で問題ないものと考えております。  それから四つ目の御指摘は、問題点が指摘された農薬から優先して基準設定することということでございまして、これにつきましては、私ども厚生省といたしましては、食品中に残留する農薬につきまして、その安全性を確保するため、早急に残留基準を設定すべく鋭意作業を進めているところでございます。例えば昨年九月の四十一品目、本年一月の二十品目の諮問でございます。今後とも関係資料の整備に努めまして、資料の整ったものから順次許容基準を設定いたしまして、食品の安全性確保に努めてまいることとしております。  以上でございます。

細田敏昭環境庁水質保全局土壌農薬課長

○細田説明員 私ども環境庁の農薬登録保留基準でございますけれども、農薬によります環境の汚染を未然に防止するという観点から、国内で使用されます農薬の製造、販売を規制するということを目的としまして、国内における農薬事情あるいは使用方法を念頭に置いてこの登録保留基準を定めているものでございます。  一方、厚生省の食品規格でございますが、今御説明ございましたように、農薬摂取量の総計が一日摂取許容量を上回ることがないように個々の食品ごとに設定されていくものというふうに聞いておりまして、この考え方は私ども従来から設定してまいりました登録保留基準の考え方と必ずしも矛盾するものではないわけでございまして、今回も農作物の農薬残留によります健康影響の未然防止を図る観点から、厚生省において適正な食品規格が定められていくものというふうに考えておるところでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 環境庁と矛盾しないということでありますが、要すれば環境汚染を通して人体にどういう薬害の影響があるかということが問題でありますし、食品についても一品一品は規制値は低いとか安全だとかということを言っておりますが、要すれば毎日我々は一品のものを食べて生きているわけじゃございませんで、いろんなものを食べて生きているわけでありますから、そういう安全であるというデータを、決まってから公表するんではなくて、こういうことで安全だという審査をしているということが決定過程でやはり国民に明示されるべきだということを、私はこの際申し上げておきます。  最後に、野菜問題で、時間もありませんので簡単にお尋ねします。  実は後継者不足とか、あるいは近郊農業の崩壊といってはなんですけれども、非常に少なくなっているということで、今後の生鮮野菜の国内供給という問題については中期的にはやはり問題が生ずるんではないか、こんなふうにもいろいろと心配をされているところであります。供給者側の価格安定政策あるいは物価としての安定政策、こういうことについてはいろいろ御苦労されておるようでありますが、農水省で、この生産体制の問題について何か施策的な方向性について御見解があれば簡単にお尋ねをしたいと思います。

小松兼一農林水産省食品流通局野菜計画課長

○小松説明員 お答えいたします。  野菜の生産、特に中長期的な野菜の安定的な供給体制の点でございます。  私どもとして、まず第一は、生産者が安心して作付をしていただくというためには、まず価格の安定対策の充実というものが一点必要であろうかと思います。いわば生産農家が安心して作付し、価格低落時には一定の補てんがなされるということがまずポイントとして必要であろうというふうに思っております。  また、もう一点、これは現在最も深刻な問題でございます、先生御指摘の野菜の主産地におきます農家の高齢化あるいは労働力不足、そういった問題に対処することであろうかと思っております。そのために、機械の開発や導入などによって作業の省力化を進める、あるいは出荷や調製につきまして農協などが農家労働の代行体制の推進に努める、さらには北海道あるいは南九州などの近年野菜の生産の意欲の高まっている畑作地帯を中心にいたしまして新産地を育成するという対策、あるいは流通の問題では特に簡素な包装、規格での取引、そういった形で出荷段階での労働力不足に対処するといった点が非常に大事であると思っております。そういった価格安定対策、あるいは生産、流通の面での対策等を総合的に推進して、野菜の中長期的観点からの安定供給を図ってまいりたいというふうに考えております。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 時間の関係で野菜の話は終わりたいと思います。  大臣にちょっとお尋ねをいたしますが、今度の国会で経済政策あるいは景気動向についての議論はもう大分されておりますから、あるいはまた大臣の見解表明もありますし、政府の緊急景気対策というものも発表されておりますから、その辺のことについて改めてお尋ねをするというのはもう時間もありませんし、いささかもったいないので、ちょっと皮肉った言い方になるかもしれませんがお答えをいただきたいと思います。  実は率直に申し上げまして、高等学校新訂「現代社会」、これは第一学習社で出しているのでありますが、その中で「政府の経済的役割」という項が第一から第五まで五つに分けて書いてあります。これをそのまま先生が子供に教えるということになりますと、なるほどということでこれは理解ができる。しかし、具体的に現在の経済といいますか景気の局面において、それでは指摘されているようなことを具体的にはどう理解すればいいのだろうか、政府はどんなふうにやろうとしているのだろうか、あるいは何が今問題だと政府は考えているのだろうかということをいろいろとやりとりをした場合に、どんな答えが出てくるのだろうかということでお尋ねをしたいと思います。  一つは、政府の役割というのは「自由な競争の条件を確保することだ」、こうなっていますが、現在最もというか、一つ二つ自由な競争を確保できない問題点ほどの辺にあるのかということについて指摘したい事項を、最もこの辺は公正な競争のためには解決しなくてはいかぬことだということがあったらひとつお答えをいただきたい。もう全部一挙に五つまとめてやっちゃいますから。  第二番目は、「景気調整を図って完全雇用と物価の安定」、こうなっているわけですね、これを政府はやらなければいかぬ。そうすると、現在のようなインフレなき持続的経済成長を図ると言っておりますが、しかし景気は下降であるとかあるいは大変不景気な状態になっているとかいろいろ言われておりますが、それじゃ庶民が理解するのに雇用という問題についてはどんなような状況とかどんなような数値、指標というもので理解をすれば、庶民はああなるほど雇用というのはそうなっていれば安定しているのかとか、あるいは悪い方に向いているのかとかという理解ができるのか、あるいは物価というのは例えば二・二%台で推移すればこれは安定というんだとか、いろいろ見解がありますけれども、そんなような数値は一体どんなふうにお考えになっているのかちょっとお尋ねをしたい。  それから三番目には、「公共的な用途を持つ財及びサービスの供給をしなければいかぬよ」、こういうふうになっているわけですが、それでは生活大国を目指すという宮澤内閣において、現在最も経済大国から縁遠いと思われる財及びサービスというのはどんなことだ言いたいのか、ひとつその辺を御指摘いただきたい。  それから第四点は、「中小企業の保護育成をやるのですよ」、こういうことが書いてある。それじゃ、現在の中小企業が正本経済に果たしている役割というのはあえてここで申し上げませんけれども、現在中小企業対策として最も欠けているものは何だ、緊急景気対策の中ではいろいろと書いてありますが、そういうことではなくて、最もこの辺がポイントだと思うというところをひとつお示しをいただきたい。  第五には、「経済的不平等をなくすために所得の再配分を図ることですよ」と書いてあるわけですね。そこでお尋ねいたしますが、今最も経済的な不平等だと思われることはどういうことなのかということをひとつお示しをいただきたい。それから、再配分の向上ということになれば、賃金を上げるとかあるいはまた税金をいただいて、それを低所得層に政策として還元をするということとかいろいろあると思いますが、このいわゆる所得の再配分ということをした場合に、こんなことにすれば国民は本当に生活大国として実感できるのじゃないかというようなことについてどう考えているのか、この辺を、簡単には言えないと思いますが、ちょっと後の問題もあるものですから、ひとつよろしく。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 私もこの教科書の表現を見て、ああなるほど、こういう表現の仕方もあるものかな、こう思って見ております。それぞれ見ると、私なりに個人意見を言いますと、これは私ども文責を持っているわけじゃありませんので、率直に言って多少どうかな。これは多分市場経済を前提とする政府という大前提が一つあるのじゃないかな。やはりこれは計画経済下ではこういうような目標ではないのかもしれないですね。  それから若干気になる表現ですけれども、第四で「中小企業を保護・育成することである。」というのは、これは率直に言ってちょっと言い過ぎだな。私どもは中小企業に十分手厚い支援をする必要性を考えておりますけれども、保護政策ではないと思っていますね。少なくともいわば大企業と比べて中小企業というものが、技術開発力、情報収集能力、マーケティングの話あるいは資金能力、いろいろな面で、やはり人的、資金的、技術的、いろいろな制約があるわけですから、そういったものをどう支援するかということで現在の中小企業政策をやっておるわけで、そういう点で「保護・育成することである。」と言い切っちゃっているというのは多少どうかなという感じもしないでもない。  そういう意味で、順序がいろいろあるかと思いますが、特に中小企業については、今申し上げましたような中小企業が大企業に比べてハンディを背負っておるような分野をどう支援するかということで今日まで、特に最近は今申し上げました金融の側面、技術開発の側面あるいはマーケティングの話のほかに人手不足というものが、特に労働時間短縮などの問題もあるわけですから、そういった中小企業が労働力をいかに確保するかということに今日特に重点を置いておるということは言えると思います。  それから第五の中に、「極端な経済的不平等をなくすために、所得の再分配をはかる」、これは私ども、現在の我々の政府としてそういうことを考えておるわけでありますけれども、これはむしろ政治的――いろいろなことだと思います。恒久的に政府の役割であるかどうかというものは、それはまた政策の問題だ、政治の問題だと思います。  そういった面で見ますと、少なくとも私どもは福祉国家といいますか社会保障の充実ということは政治的にも大事な要請である。それから所得の再分配の話も、もちろんまずそれぞれ労使間においてどういうふうに所得が配分されるのかというような問題はありますけれども、この所得再分配というのは結果論という側面も実はあると思っております。特に直接税の世界において、財政、特に租税政策の効用の一つの中に所得再分配効果があるということは、これはもう厳然たる事実であると思います。  それから、「市場経済の長所がじゅうぶん発揮できるように、自由競争の条件を確保することでありこれも我々市場経済の中で大事なことは、まず基本的に自由な新規参入ができること、そして同じ競争条件のもとでそれぞれ努力した者が正当なる成果が得られるような環境をどう整備するかということだと思います。そういった中から、不当なカルテルであったりあるいは優越的な地位を利用して抑えつけていくとか、そういう中に独禁政策の非常に大事な仕事がある。さまざまいろいろな角度からの独禁政策が入ろうかと思いますが、少なくとも一つはそれぞれの持てる活力を自由に発揮してもらう、そのことがトータルとしては経済にとっても国民の福祉にとってもプラスの成果が上がるんだという前提に立っておる。  そういう中で見てみると、不当な競争制限ということが行われるということは好ましくない。しかし一方で、弱肉強食的な姿になったのではぐあいが悪いというようなことから、若干の例外措置が独禁政策の中でも認められておるということだと認識をいたしております。  それから、「景気の調整をはかって完全雇用と物価の安定を実現することである。」これはまさに景気政策の目標であります。しかしこれは、ご案内のとおり、我が国はたまたま今日までの国民の努力と、率直に申し上げて我が政府の政策と相まって、世界の中でも最もすぐれた完全雇用の水準と物価の安定ということを達成しておるわけでありますが、世界全体を見てみると、必ずしもそれがうまくいってない国々もたくさんあるわけであります。私どもはその点を念頭に置いて、さらにこれから完全雇用、物価の安定の定着のために努力をしていきたい。それは私どもが常々申し上げております、雇用の均衡を維持しながらインフレなき内需中心の安定成長を実現をしていくということが大事なことだと申し上げておるわけであります。  そういう点で、この教科書に欠けておる視点は、実は国際経済社会における協調という視点が一つ欠けておるな、率直にそういう感じもいたしております。まだまだいろいろな視点があろうかと思いますけれども、これはかなり思い切って五つに限定してあるものですから、あれっと思って見ておりますけれども。  それから「公共的な用途をもつ財やサービスの供給」の問題、これはまさにそのとおりでありまして、まず社会資本の整備あるいは生産基盤の整備、いろいろなことを、我が国はどちらかというと民間の産業基盤の方が先行して整備されてきておるということから見れば、生活大国を目指していこうという上で必要なことは、そういう社会資本の整備を特に今世紀の間にさらに充実をしていかなければならぬ、このように考えておるわけであります。  時間の関係で多少大ざっぱな物の言い方で恐縮でありましたけれども、大体そのようにこれを拝見して、先生の御質問を受けながらそういうふうに感じた次第であります。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 いずれまた改めた機会にいろいろ御教導をいただきたいと思います。 時間がありませんので、公取委の皆さんもおいでいただいておりますので、要約してちょっとお尋ねをしたい。  一つは、最近缶ジュースの値上げの報道がございます、その報道の中には、業界の中心であるコカコーラの動きを見ながら他の業者はこれに右へ倣えしていくというような報道になっております。現実にそういう方向にあるのではないかと実は思うわけであります。この独禁法の十八条の二のことにかかわってお尋ねをするわけでありますが、これのいわゆる報告等の徴収の基準等については、運用基準については理解をいたしておりますので、その説明は要らないわけでありますが、飲料水のうち缶という場合に、特にコーラ類の場合は、もう上位三社で九五%を占めている。それから、炭酸飲料等に関してもかなり独占的な状況になっているということが数字上、統計上は出ているわけであります。  しかし、この運用基準の別表の中では缶ジュースとかコーラとか、こういうものは入っていないのですね。したがって、私は特に子供たちが、我々もそうですが、自販機というあの機械で百円のものを買っていたわけですが、こういう一つの販売システムが規格化されているというような場合にはなおさらこういう状況が続く、こういう状況というのは、コカコーラが上げれば次の業者もということに実はなってくるのではないか、こんなふうに実は思いますので、改めて運用基準の別表に掲示すべきような商品というのは、業界の状況をよく分析をして、もう少し商品を個別化してもいいのではないか、缶飲料なら缶飲料ということで、そういうふうに実は私は思うのでありますが、そこのところをひとつ御見解を伺いたいと思います。  それから、もう時間がありませんので、次に証券問題に関しまして伺います。実はいろいろ問題が起きたときには、売買手数料を自由化するとかしないとかいろいろありまして、大体自由化の方向に向かったのでありますが、業界等の反対もあったせいでしょう、いろいろと議論されて、証取審の答申の方向は、大口については一年かけて検討する、小口についてはその実施の状況を見ながら検討する。しかし、大口とは幾らを指すのかということなども明確にならないままにそういう方向になっているということであります。政府等の規制によって独禁法の除外を受けているというさまざまなものがございますけれども、この手数料の自由化という問題について、公取委は既にもう自由化の方向を出すべきだという見解のように私は思っておりますが、改めて見解をお尋ねをしておきたいと思います。  それから、最近報道になりました問題で、いわゆる飛ばしの問題があるわけであります。この飛ばしの背景は、私から申し上げるまでもなく、いわゆる発行手数料を当てにする、あるいは取引手数料を当てにする。そして、そういう過程で株価を上げていく。そして主幹事の指名をもらうというか、それを動かさないというか、そういうところにやはり根本的な原因があった。損失が発生をしたから、あるいは発生しようという状況があるから飛ばしをやって穴埋めをしようというのが本当の飛ばしのねらいではなくて、主幹事になって手数料を稼ごう、こういうところに実は問題があるというふうに思うので、これは不公正な取引だというふうに思います。  残念ながら、この証券不祥事の中で、独禁法の定めについてはこれを排除しないという規定は全くといっていいほど生かされなかったという点については、私は非常に残念に思っておるわけでありますが、時間がありませんから、個別の具体的な問題を述べながら言うわけにはいかないのでありますが、少なくとも、つい最近この飛ばしの問題が起きたのではなくて、バブル崩壊ということが表に出ないうちから実はそういう取引というのは行われていた。しかもそれは、そういう処理が最近では難しくなって訴訟という状況に物事が持ち込まれている、こんなようなことでございますので、これは明らかに不公正な取引であるというふうに私は思いますけれども、見解をお尋ねしたいと思います。

梅澤節男公正取引委員会委員長

○梅澤政府委員 幾つか御質問があったわけでございますけれども、彼ほど技術的な点、詳細な点については担当部長から補足を申し上げます。順不同でございますが、まず株式の売買委託手数料の問題でございます。  これは御指摘のとおり、現在証券取引法で、取引所が決定いたします手数料については独占禁止法の適用が除外されておるわけであります。この独占禁止法の適用除外制度につきましては、競争政策上は不必要なものは極力自由化すべきであるというのが基本的な考え方でございまして、これは一昨々年になりますが、当時委員会の事務局が委嘱いたしました学者の研究会においてもこの問題が取り上げられております。  この点につきましては、既にこの考え方は、所管をいたします大蔵省にもっとに伝えてありまして、それを受けまして、ただいま委員がおっしゃいましたように、証券取引審議会等の議を経て、とりあえず大口の部分から自由化をする。ただ、大口のどの部分の水準から始めるのか、あるいは時期をどうするかといったようなことは、これから一年ぐらいのめどで具体的に決めたいという考え方、これはまた折り返し大蔵省から連絡を受けております。  私ども、資本市場の観点から、所管省がどういうふうにこの問題に取り組んでいくのか、非常に大きな関心を持っているわけでございますけれども、既に証取審の答申等の基調をなしておりますのは、やはり競争促進という観点をかなり強く出しておりますので、今後私どもはこの段階的自由化と申しますか、こういった作業の動向を注意深く見守っていきたい。ただ、そういった方向に作業が進み出したということは一定の評価を与えるべきではないかというふうに考えるわけでございます。  それから、最近問題になっておりますいわゆる証券トラブルの問題でございます。  これは彼ほど担当部長から補足して御説明申し上げた方がいいかと思いますけれども、基本的には今起こっております問題は、証券会社の従業員と顧客の間のトラブルである、そういった関係で訴訟が提起されておるというふうに関係当局等からも聞いておりまして、そういう点からいたしますと、証券会社という事業者の行為であるかどうかということがいわば基本になるわけでございまして、そういった点から我々は、現時点で問題になっておるのが直ちに独占禁止法で禁止いたしております不公正な取引方法に該当するのかどうかということについては、いましばらく状況の推移を見なければならないのではないかというふうに考えております。  残余の御指摘の問題につきましては、担当部長からお答えを申し上げます。

糸田省吾公正取引委員会経済部長

○糸田政府委員 冒頭お尋ねのございました缶飲料の最近の値上げの問題でございますけれども、委員まさに御指摘のように、独占禁止法の第十八条の二という規定の関係でどうなんだということでございますが、十八条の二の対象になりますのは、法律の条文によりますと、同種の商品についてシェア基準あるいは出荷額基準を満たしたもの、これが対象になるということでございます。  この場合の同種の商品とは何なのかということでございますが、これまでこの規定の解釈、運用として行ってきておりますところによりますと、これは、機能または効用が同種の商品であるということで行われてきているわけでございます。こういったようなことで考えてみますと、こういう缶飲料といったものにつきましては、いわば清涼飲料水ということで機能または効用が同種であるというようにとらえまして、それで先ほど申し上げた二つの基準が満たされるかどうかということになるわけでございまして、現時点で、清涼飲料水として見た場合に、特にシェア基準の方でございますが、この要件に欠けるということで、別表には掲げられてないことでございます。  ただし、この問題というものは、いわば産業界の実態あるいは消費者嗜好の問題、そういったことをいろいろ考えながら同種の商品であるかどうかの判断をしていかなければならない問題でもございますので、今後とも私どもいろいろな観点からこの問題をつかまえていきたい、かように考えているところでございます。

佐藤恒晴日本社会党・護憲共同

○佐藤(恒)委員 時間でございますので終わらせていただきます。ありがとうございました。ただ、最後に一言だけ。  トラブルの問題でございますが、これは毎年証券報告書でトラブルとしてたくさんの数字が挙がって報告になっておるわけでございますから、そういうことを改めてまたトラブルだというふうに言うところに実は問題があるということを申し上げて、終わりたいと思います。  ありがとうございました。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員長 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十三分休憩      ―――――・―――――     午後一時三十二分開議

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。岡崎宏美君。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)委員 よろしくお願いをいたします。  きょうは、私は、大臣が所信表明の中でお述べになりました経済をめぐるそれぞれの考え方、また、今回その中で、特に大きな柱として生活大国の形成ということが、これはもう本会議場でも経済演説としてなさいました。それに触れて、特に福祉という観点に絞ってお考えをお尋ねしていきたい、こんなふうに考えております。  今、福祉といえば、特に高齢化をどう支えていくのか、そういう観点からもうだれもが意見を言うようになりました。そのだれもが一致している中身は、地域社会でだれもが普通にともに支え合って生きていくこと、そういう観点で進めなければならないということについてもこれは一致をして、今いろいろな政策が進められていると思います。そういう中での政府が推進をするところの十カ年戦略、いわゆるゴールドプランだと思いますし、また、その推進をするためにも昨年来人の確保というもの、これを抜きには語れない、こういうふうにも言われてまいりまして、厚生省あるいは労働省からその確保法というものがこの国会でも提案をされている、今、こういう中にあるわけです。  ただ私は、在宅ということが福祉の中心になってきて、そこに期待もしながら、しかし本当に在宅ですべての人が福祉を受けたというか、暮らしやすくなった、こういうふうに実感をすることができるためにはまだ随分道のりは険しい、こんなふうにも思います。また、在宅を支える人の確保だけではなくて、労働の現場の第一線から離れていったときの生活を支えるために年金というものもあるわけですし、あるいは在宅に戻ったとしても、ただ人の手だけではなくて住居はどうかということも問題になってまいります。本当に広い範囲で、一口に福祉といっても非常に広い範囲で関心やらあるいは期待が寄せられている、こんなふうに思うわけです。  そこで、この期待の大部分というのは、そのさまざまな分野においていかに公的な保障というものがされるのか、いかに公的な保障の上で自分が豊かに老後を暮らしていくことができるのか、ここに集約されるというふうに思うのです。  ただ一方で、そうはいっても率直な感想として、公的な部分だけではどうも不安てしょうがない、こういうふうな声があるのも事実なんです。特に行政に対する不安の一つの原因になっているのが、行政改革がずっとこの間追求をされてきて、その中で日本型福祉社会というものが言われ始めたときに、福祉にお金をばらまくなというふうな、極端に言えばそういう主張がある中で、非常に自立自助ということが言われた。私は、自立自助のあり方というのは、ばらまきはだめだというふうな考えからいくと実は対極に本当はあるべきではないかと思うのですが、一人一人が自分の生活を豊かに生きていける、それだけの所得も何もかも含めて、自立自助でき得るためには行政がやらなければいけないことというのはたくさんある、こういう観点に立つわけなんです。  そこで、今回、この公的な保障というものは、それぞれ所轄の官庁があってそれぞれ責任を持ってやっていらっしゃるということは認めた上で、しかしなおかつ人一人の暮らしは、例えば肩の部分が厚生省で、おなかの部分を労働省にお願いするというわけにいかないわけで、ひっくるめて生きていっているわけですから、それぞれが責任を持った、なおかつその上でひとつトータルに公的な保障というか、福祉という観点に立って公的な保障というのはどこまでやろうとしているのか。いろいろな役所の機関の会議なんかを見ておりましたら、その都度、例えば民間の活用というふうなことも最近言われていることもあるようですので、それではその民間の活用ということを行政のサイドで頭に置いて実は計画を立てているのであれば、一体それはどういうところに踏み込んでいくものなのか。一度そこらあたりを、大きな話になるようですが、それぞれ少し御意見をお聞かせをいただきたいと思います。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 特に最近、いわば高齢化社会というと語弊があるかと思うのですけれども、長寿社会ということになり、平均寿命がどんどん延びていくということは大変結構なことであるわけですけれども、同時にどうやって老後の生活を安定した、安心して年とることができるような環境をつくっていくかということが、これは政治的に非常に大事な中心課題の一つであろうと思います。  そういった中で、率直に言って私ども感じておりますのは、いわゆる高福祉高負担か低福祉低負担かという端的な問いかけがあるわけですけれども、日本型福祉社会というのはやはり社会の活力といいますか、そういったことを阻喪させることなく、そしてしかも充実した老後が送れるような体制をどうつくっていくか、そういった中に、余り何でもかんでもそういう老後の保障ということを公的セクターに全部依存していくということになれば、おのずから負担の方も結局は高い負担をせざるを得ないということにつながるわけで、負担が余り大きいということになると、これは一方でいわば経済の活力を阻害する要因になりかねない。  そしてまた同時に、何でも依存型にしてしまうということは人間自身の生きざまの問題としても、何といいますか、経済的にばいいのかもしれないけれども、いわば生きがいといいますか、やはり我々年とってすぐいろいろ人のお世話になるよりも、できるならば自分が元気なうちは年に関係なく社会に貢献できるような形の方が生きがいもあるわけでありますから、そういった意味で、この自助努力というものを加味した日本型福祉社会を目指していったらどうなんだ、その方が人間のあり方としてもいいのではないかというのが、私は日本型福祉社会という言葉の持つ意味だろうというふうに思っております。  しかし、だからといって今度は逆に、それをいいことにして、本来公的セクターでちゃんとやらなければならないような事柄をサボっていいということでは私はないと思います。問題は、若干そこの感覚の相違が、どちらに力点を置くかということが非常に大事なことではないかなというふうに思います。そして、公的セクターが果たすべき分野についても、すべて国家公務員なりあるいは地方公務員がダイレクトにすぐ行政サービスをやっていく形がいいのか、あるいはむしろ第三セクター的な形を活用しながらやっていく方がいいのかということもあると思います。  特に介護とか、今御指摘のようにそういうマンパワーが非常に確保が難しい。今の日本の人口の推計によると、いわゆる労働力不足、特に若年労働者をどうやって確保するか、さまざまな問題があるわけですから、そういった中で雇用という側面から考えてみても、すべて公務員という形の中でやるよりも、極力民間でそういう仕事ができる部門は大いにそういう能力を発揮してもらい、そういう中でトータルとしての福祉が充実をしていくということをみんなが今考えておる、厚生省においてもそういうことを切実な問題として検討しておられることだと理解をいたしております。

中村秀一厚生省大臣官房老人保健福祉部老人福祉計画課長

○中村説明員 ただいま大臣の方からお答えもございましたが、厚生行政の立場から、主に老人保健福祉の介護にかかわる分野につきまして、先生のお尋ねの奉仕の問題についてお答えをさせていただきます。  最初の人口の高齢化のピークがあと三十年後に参りますので、これから三十年間は少なくとも高齢化が進むわけでございます。そういった中で、二十一世紀におきましてだれもが健康で生きがいを持って安心できるような体制を築いていく、これが高齢化社会における保健医療福祉の目指すべきゴールである、こういうふうに考えてやっておるところでございます。  こういう福祉社会を実現していくために保健医療福祉、所得保障と社会保障のいろいろな分野におけるサービスの充実を図っていかなければならないわけでございますが、今先生からお話がありました公的分野についてどうやってやっていくか、それから私との分担をどういうふうに考えるかという点でございますが、基本的には国民の基礎的なニーズにつきましてはナショナルミニマムということもございます。二〇〇〇年までは高齢者保健福祉推進十か年戦略というものも定めまして、公的な保健福祉サービスとして充実していくような計画も政府でつくっているところでございますので、そういう基礎的な部分につきましてはもちろん公的施策で充実を図っていきたいというふうに考えております。  それから、しかし国民のニーズというのは多様化しておりますし、より快適性、そういったものを求める動きもございますし、そういうニーズの多様化、高度化がございますので、そういったさまざまなニーズにつきましては民間の持っております創意工夫を生かしまして、活力の活用を図るといった意味で民間の活力といったものも十分図って、各種の施策を推進していく、こういうふうなことを考えているところでございます。  なお、基礎的なニーズの公的施策の部分につきましても、供給体制につきましては、大臣のお答えにもございましたように、地域地域に応じましてさまざまな供給体制がございますので、社会福祉でいえば社会福祉法人の特別養護老人ホームが八割を占めている、そういうふうな状況でもございますので、介護サービスについて民間の持っておりますよさというものは十分生かしながら、公的施策の中でも供給体制につきましては多様化を目指しながら地域の実情に応じて構築していく、こういう施策で進めているところでございます。

野寺康幸労働省職業安定局雇用政策課長

○野寺説明員 今大臣及び厚生省からお話しのとおりでございますけれども、特に介護の分野についてだけ申し上げますと、労働省としては、人口がやがては減っていき、労働力人口がその前に減っていくことになるわけでございます。こういった中でさらに、現在若干緩和はされておりますけれども、労働力不足の基本的なトレンドの中で、特に今後高齢化の中で必要とされる労働力につきましては特別な対策を講ずる必要があるというふうに思っております。  ゴールドプランにおきましては、主として公的な分野について触れておりますが、民間部門の介護につきましても大きなニーズが最近言われております。そういう意味で、労働省としては、民間部門を中心に介護労働力というものをどういうふうに確保するか、そういうふうに事態を眺めましたときに、介護の分野ではどうも雇用管理の改善がおくれているのではないかという発想をとったわけでございます。そういう意味で、そういう基本的な条件を改善することによって労働力を確保するという政策を中心に考えまして、今国会に法案を一つ提出させていただいております。  いずれにしましても、この分野は厚生省が従来手がけてまいっておる分野でございますので、厚生省を初め各省と協力しながら必要な労働力の確保という観点から施策を進めてまいりたいと思っております。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)委員 今三つの省庁からお話を伺って、私は皆さんの努力を別に否定をするわけではありませんけれども、しかし例えば、自立自助というか、今大臣のお話の中に、人の生きがいというか、生きざまとしても、すべてを人に頼ってしまって生きていくのはどうか、こういうお話がありましたけれども、私は、基本的にどの人もそういう生き方は望まないと思っております。人に頼らないということのまず基本は、働ける間は自分が働くということであるし、第一線から離れたときには、自分が働いてきたことの蓄積の結果として年金で生活が支えていけるということであるし、できるだけ健康を害さない、そういう基本的な生活が送れるということだろうと思います。  例えば、仮に、そうはいっても、年がいっできますと転んだら骨を折るというふうなこともあります。案外病気をするということも出てきます。そのときに、私も家族で幾らか経験をしてぎましたけれども、若い人でも例えば一週間丸々寝てしまいますと、立ち上がるのは大変なんです。年がいきますと一月、仮に起き上がれるまでに、治療を必要として一カ月間は寝たきりになったといたします。そうしますと、退院をしてきたときに、そのお年寄りは一人では歩くことができません。別に足の骨を折っているわけではなくても歩くことはできないのです。一人で立ち上がるまでに一週間、十日あるいは二週間という日にちを要します。  そのときにその人が一人暮らしであったときに、起き上がらせる訓練をその一週間、二週間というものはだれかがしに行かなければ、その人は実はそこから先ずっと寝たままになるわけです。そこで寝たきりというものが生まれてくるわけでして、自立庄助の形で生きていってもらうために実はその二週間、間髪を入れず人の手が必要だ、こういうことが生まれてぐると思うのですね。  ここは物価対策の委員会でありまして、そこをどうこう言うことになると何だということになるかもわかりません。ただ私は、こうした介護の分野に今民間の企業が非常に、一つの収益事業として入ってきている。これは経済企画庁としてはきっちりと見ておいていただきたい。これからいろいろな形で問題が出てくることだろうと思うのです。特に生活をする、例えば公的な場合はその所得に応じた費用負担だとかそういうものが比較的配慮されているわけですけれども、民間の企業が行う場合は、これはそういう配慮がございません。もちろん、提供したものに対して幾ら払うか、こういうことになるわけですから、これを随分最近いろいろな人たちの声を聞くようになりまして、私もあちこち調べてみたんです。  そうしますと、これはある会社の一つのモデルサービスなんですけれども、例えばこんなものがあります。比較的重介護を要する人の介護のモデル料金、食事の介助、洗濯、清拭、お湯で体をふいてあげるということですね。それから床ずれ予防、おむつ交換、掃除、これが大体五時間コースで一回一万一千七百円、こういう基本のモデル料金が出ております。この介護の中身といいますかサービスの中身を見ていると、当然毎日必要なことばかりですね。食事の介助にしろ、洗濯にしろ、床ずれの予防にしろ、おむつを交換するにしろ、毎日必要なことが一回一万一千七百円です。掛ける三十をしていきますと、ざっと三十五万なんですね。  これでは実はおふろには入れない。公的に保障される場合はよしとして、それが頼めない場合も広々にあります。全部企業の手を頼るとしたら、おふろに一回入れるのに、この関連の会社でいくと一回一万五千円なんですね。三日に一回入れるとして一月に十回、十五万足すと五十万の支払いをしなければこの人はやっていけないわけですね。  それで、例えば年金という話にもなるわけですが、私はたまたま議員になる前国民年金の仕事をしておりましたので、その年金額というものもよくわかるわけなんですが、この春からというかことしから、基礎年金がやっと、多分月にしたら六万円を超えるというところだろうと思うんですね。二人合わせても十二万です。これは二十五年以上掛けるという納付期間というものがあって初めてそうなるわけで、そうしますと、本当にこれで五十万を掛けた、なるほど確かに民間サービスとしてはいろいろなものを持っているかもしれないけれども、これで果たして人は豊かに老いることができるのか、こういう不安が出てきているというふうに思うんです。  そこで、これからの問題も含めまして、若い人は例えば年金に対しては民間の個人年金をどんどん掛けているというふうなことが言われております。一体どれほどの件数が今あるのか、それは増加の傾向にあるのか減少の傾向にあるのか、ちょっと調べてくださいということでお願いしておりましたので、大蔵省の方ですか、数を教えていただきたいと思うんです。

北村歳治大蔵省銀行局保険部保険第一課長

○北村説明員 私どもの担当しております民間保険につきまして、これは先ほどもお話がございましたように、社会保険を含みます社会保障政策の補完あるいはバランスをとるものとしてさまざまな商品が出されているわけでございます。  今お話に出ました介護保険の状況でございますが、介護保険といいましても、最初に違う保険に入っておりまして途中で介護保険に移行するというふうなタイプのものもございます。そちらの方の数字は必ずしもとれませんが、最初から介護保険というふうな形で売られておりますものでございますが、これは去年の三月末で、生命保険の場合には三十二万件、それから損保会社の介護費用保険は九十万件ということでございます。生保の場合には、既存の契約に入っていて、それから例えば五十歳過ぎてから介護保険の方に移行するというふうな特約のケースもございますが、そちらの数字は必ずしも今十分とられておりませんので、今申し上げましたような数字になるわけでございます。  ここ数年、こういうふうな介護保険は、ほかの保険よりも非常に売れ行きが伸びておりまして、大体毎年三〇%程度の伸びを示している状況にございます。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)委員 毎年三〇%以上の伸びを見せているということは、これはもう先行き不安がそうなさせるんだと思うんです。こういう年金、一般商品が安い掛金で保障されているかというと、これもまたかなりの保険料を要するんですね。私は今四十歳なんですけれども、自分の先行きには不安を持って、ある会社の個人年金に入ろうかなとちょっと興味を持ちまして調べました。そうすると、四十歳の女性が個人年金で初回受け取るときに、年間百二十万くらいを保障させようとすると、月に掛ける保険料は何と四万九千円を超えるわけでして、こういった年金は一般のサラリーマンの人たちはまさに身を削って掛けて、そうでないと自分の退職後に活路を見出せない、そうしなければ自助自立と言われてもとてもできないというふうになっているということ、これはもうぜひ御理解をいただきたいと思うのですね。  こういう形で公的年金、本来私は公的年金が基本ベースで、もうそれ以上に、例えば年いってからあちこち遊びに行くゆとりを持ちたいとかいうなら別ですけれども、本当に生活をするために一けさの新聞を見ていましたら、年寄り夫婦二人が一カ月生活するには最低今二十五万必要だというふうに、いろいろなアンケート調査の結果として出ていました。ちょっと切り抜いてくるのを忘れたのですけれども。そうすると、二十五万必要なところに国民年金が二人で十二万ではもうとてもできませんし、さつきのような民間企業のサービスを利用しようとすれば実は五十万ないとやっていけないわけです、これ以外に食べることも必要だしということになってくるわけですからね。  企業がやる場合は必ず収益を見ますから、そういう部分で、福祉というものを商品として売り出され始めてそれを買う消費者の方は一体どうなのか、生活大国と言われる中で本当にこれが豊かな生活であり得るのかどうかということが大変大きな問題になってくるだろうと思います。  余り時間がありませんので飛ばしていくしかないのですけれども、結局お金がなければサービスが受けられない、五十万というお金がなければサービスが受けられない、こういう人たちをつくってはいけないだろうと思うのですが、大臣の収入は別にして、例えば公務員の皆さんの賃金であれば、御自分のお父さんやお母さんを家で見るということを想定したときに実際どうかという調査も私は現実の問題としてやっていただきたいと思います。それと、国民生活センターがおありになるわけで、ここのところ福祉ということに関連したトラブルというか相談がどれくらい出てきているのか、これはこの際お尋ねしておきたいと思うのです。  それをお答えいただいた上で、今後こうした問題が多分広がってくると思うわけですから、国民生活全般を結局担当するここの長として、この民間の企業が、買う側にしては高い、そこで働く人はまだこれからいろいろな形の労働力になるわけですから、安くたたかれて結果的に非常にサービスが悪い、こんな問題が起きてこないようにぜひ研究あるいは対策に踏み込んでいただきたいということをお尋ねして、終わりたいと思います。

加藤雅経済企画庁国民生活局長

○加藤(雅)政府委員 国民生活センター、それから地方の消費生活センターというのがございまして、そこに、私ども老人福祉関係ということで統計をとらせていただいておりますが、平成三年度にどれだけの件数の苦情といいますか相談と申しますか、そういうものが来たかということでございますが、三十一件今のところ私どもとしては受け付けをしております。その中で一番多いのが老人ホーム関係でございまして、これが二十三件ございます。苦情と申しますと、一番大きいのは、例えば料金とか契約の内容と実際のサービスが違う、予定外に費用の請求があるというふうなクレームがございます。それから、そういうことがかなり新聞等で報道されておりますので、苦情内容を教えてくれ、どういうところがいい老人ホームなのかというような問い合わせがそういう数であるということでございます。  それから、そのほかホームヘルパー等の御質問ございましたが、ホームヘルパーに関しましては、今のところ余り多くございませんで、三件とか四件とかそんな数でございます。内容といたしましては、どうも掃除の仕方が悪いとか、それから態度が悪いというのでかえたいとか、そういうような問い合わせというか苦情が多いようでございます。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 今御指摘のところは、これから非常に大事な政治課題だと思います。どんどん家族も少なくなっているわけですから、そういった意味で、できればそういう家族愛に支えられてやっていくという形が望ましい、しかし、だんだんそれだけに依存するわけにいかないし、そういうことをいろいろ考えますと、対応の仕方もいろんなメニューをそろえる必要があるんじゃないかな。年をとってからのいろんなサービスが必要になる場合に、いろんなメニューを用意する必要がある。やはり画一的なことではなくて、中には高いお金でもあえて充実したサービスは受けたいという人たちもあるかもしれないが、しかし、お金がなければそういうようなサービスが受けられないということじゃこれは困りますから、そういった点である程度メニューというものは必要なのじゃないかな。  そういう意味で、民間のそういうサービス産業といいますか、民間の会社がやる場合もあるけれども、できるならば民間だけに依存するんではなくて、やはり公的セクターの中でそういったものに対応できるようにやる必要があるんではないかというふうに思いますね。

岡崎宏美日本社会党・護憲共同

○岡崎(宏)委員 きょうはぼんやりした話になっていますが、これかも個別にこういう問題が出てくると思います。大臣も最後におっしゃってくださったように、お金がなくてもだれでもやはり生きていく上で必要なことは保障され得る、こういうふうになるためにぜひ取り組んでいただきたいと思いますし、私たちもそういう意見をどんどん出していきたいと思います。  これで質問を終わりたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員長 大野由利子君。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 宮澤内閣は生活大国をスローガンに掲げられまして、また野田経済企画庁長官も第百二十三回通常国会の施政方針演説の中で「経済発展の成果を生活の分野に配分し、豊かさを一層実感できる多様な国民生活の実現を図り、生活大国の形成を目指す」ということをはっきりとうたわれたわけでございます。生活大国は、スローガンからどう、何をなしていくかということが、今これから非常に大事なことであるということを問われているとさだと思うんです。総論からもう各論の時代ではないか、そのように私は思います。  ところで、生活大国を目指すに当たりまして、生活の分野におけるゆとりと豊かさを示す指標と申しますか物差しと申しますか、そういうものを明確にする必要があるかと思いますが、どのようなことを考えていらっしゃるか、経済企画庁長官の御見解をお伺いしたいと思います。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 今御指摘のとおり、まさに抽象論ではなくて、より具体的な姿をお示しをしていかなければならぬ段階にあると思っておりまして、そういう意味で、御案内のとおり経済審議会に改めてこれからの長期経済計画策定の中で生活大国という柱を提示をして、その具体化の作業を今お願いしておるわけであります。これはもちろん経済計画ですから、生活大国という視点、さらにはまた国際社会における視点、そしてこれから二十一世紀にかけて高齢化がどんどん進んでいくわけですから、そういった発展基盤を整備をしていくというこの三つの視点の中で今勉強していただいておるわけです。  ただ、その中で特に社会資本の整備であるとかいろんな面について、今までよりもさらに具体的なわかりやすい一つの整備目標みたいなものをできるだけ具体的にお示しできるようなことも考えてもらいたいと思っておりますし、同時に、そういう側面のみならず、今お触れになりましたが、これは別途国民生活というサイドの中で豊かさ指標といいますかそういったものを、御案内のとおり昨年国民生活白書の中でこれは一つの考え方として地域ごとの豊かさ指標というものを提示をして、各方面にいろいろ御意見をちょうだいしておる段階でありますのできますならば幅広くいろんな考え方が反映されるように、さらなる努力をしていきたいと思っております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 これから経済審議会で具体的なことは練っていただくというお話かと思いますが、それぞれの問題に関しましてまた目標の設定等も当然必要ではなかろうか、そのように思っております。  現在のところ、労働総時間が千八百時間を一九九二年度中に目指したいという、これに対しては目標が出ているようでございますが、その他の問題、先ほど経企庁長官がおっしゃいました社会資本の整備の問題、個々にはいろいろあるかと思いますが、こうした問題について大体何年ごろまでにどういうようにするか、下水道の整備をいつごろまでにするとか、住宅の広さも何年ごろまでにこれぐらいを目指したいとか、やはり目標がなければ励む努力がないわけですけれども、こうした目標の設定はいつごろなされるか、今新経済五カ年計画を一生懸命進めていただいておりまして、夏ごろにはでき上がる予定だそうでありますが、この中にこういったものが盛り込まれるかどうか、お伺いしたいと思います。

長瀬要石経済企画庁総合計画局長

○長瀬政府委員 お答えいたします。  実は先生御案内のように、平成二年の六月に公共投資基本計画が策定されたわけでございますけれども、日常生活に密接に関連いたします施設の充実に関しまして、二〇〇〇年を目標といたしまして、例えば下水道につきましては総人口普及率七割程度でありますとか、あるいは都市公園につきましては住民一人当たりの面積十平米程度でありますとか、そのほかごみの減量処理率、さらには住宅の面積、こういった二〇〇〇年についての目標というものが掲げられているわけでございます。  今回策定いたします計画は五年計画でございますので、二〇〇〇年までの途中までということでございますけれども、新しい経済計画の策定に当たりましては、公共投資基本計画の基本的な考え方というものを踏まえながら、これとの整合性という点に十分留意をいたしまして、具体的に新計画においてどのような指標をどういうふうに設定するかにつきましては、先ほど大臣から御答弁がございましたように、今後経済審議会の場において御審議いただく問題でありますけれども、いずれにいたしましても両計画の間に整合性が保たれた形で、そのような日常生活に密接に関連する分野につきまして、できるだけわかりやすい目標と申しますか、そういうものが設定できればというようなことで事務局といたしましても鋭意努力をいたしたいと考えております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 経済審議会の結論は大体いつごろに出るのでしょうか。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 今一生懸命精力的に作業を進めていただいておりますが、私どもとしては夏ごろを目途として策定していただければありがたい、こう考えておるわけであります。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 先ほど経済企画庁長官のお話の中にもございましたが、今回初めて都道府県別の豊かさ総合指数等を発表されたわけですが、その趣旨と今後どういうふうな方向でこれが活用されるようになるかについてお話を伺いたいと思います。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 この地域別豊かさ指標の問題ですけれども、一つは、率直に言って豊かさというのは人間個々人の受けとめ方ということも随分ございます。そういった意味で、ある程度意識改革を伴う側面も実はあるわけです、価値観の問題にもつながることでありますから。そういった意味で幅広く国民次元でぜひ考えてもらいたいなというようなこともあり、そういったことから、率直に今私どもは、来月この豊かさ指標づくりについて全国シンポジウムを開催をして、そしてさらに各都道府県ごとにもまた考えてもらいたいな、こう考えておるわけです。  そして、それを一つの材料として、この豊かさ指標づくりをさらにより中身の濃いものに持っていきたい、こう考えておるわけであります。現在国民生活審議会の調査委員会におきましてこの生活指標の改定についても検討中でありまして、本年五月ごろに改定の方向が取りまとめられる予定になっております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 最近若い夫婦の方とお話をする機会があっていろいろお話をしたのですが、住宅を探すに当たって、今まででしたら家賃が安いか、通勤時間がどうかということを判断の基準にしていた。ところが、最近は若い人の間で何が話題になっているかと申しますと、住む町に乳幼児医療の助成制度があるかどうかとか、それから子供を抱えたファミリー世帯に家賃補助制度があるかどうかとか、安心して遊ばせられる子供の公園とか児童館が近くにあるかとか、そういったものを一つの大きな基準にして住まい探しをしているみたいな、そういうお話をちょっと伺ったりして、今の若い人は大変しっかりしているな、そういう印象を受けたわけでございます。  今回経済企画庁で発表された県単位の豊かさ総合指数というものから、もう一歩市町村の、豊かさとは言えないかもしれません、先ほど言いましたような行政サービスも含めて、例えばごみの減量とかリサイクルにどれだけ熱心であるかというようなこととか、そうしたことも含めて市町村の生活重視指標みたいなものを策定してはどうかな、そのように思うのですが、企画庁長官の御意見を伺いたいと思います。

加藤雅経済企画庁国民生活局長

○加藤(雅)政府委員 お答え申し上げます。  実はこの種の指標は、従来からそのような統計がとられておるかというふうなことでございますとか、それからその地域の住民の方がどういう意識を持っておられるかというような調査をしないと正確な結果が得られないわけでございます。御指摘のようにあるかないかというふうなことでございましたら現状を調査すればできるのでございますが、生活の非常に多様な領域につきまして調査をする必要がございますので、県単位の数字でも私ども一応自信は持つておりますが、しかしながらまだまだ改善するべき点は多いのじゃないかというふうに考えておりまして、さらにこれが市町村までおりていくということになりますと相当難しい問題がいろいろ出てきて、それを発表して皆さん方に御納得いただくということがなかなか難しいのではないかということで、ちょっと心配いたしております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 私は、生活大国を目指すに当たりまして、国だけじゃなくて市町村また企業の役割も大変大きいわけでございまして、企業もしっかり取り組んでもらいたいな、そういう意味で、もちろん企業は時短とか職場環境の改善とかに一生懸命取り組んでいらっしゃるし、また最近ではフレックスタイムの導入とかボランティア休暇だとかサバティカル休暇だとか、いろいろな企業の御努力をしていらっしゃるようでございます。  そうしたことに加えて、また育児休業や介護休暇をどれだけ実施されているか、実施状況だとか、また高齢者や障害者の方の雇用率がどうかというような問題とか、また女性の管理職の登用率がどこまで進んでいるかとか、企業の社会貢献、フィランソロピーだとかメセナ、文化活動とか、そうした問題、環境問題にどれだけ配慮しているかとかというような一つの指標みたいなものをつくってはどうかな。  一括した指標というのは無理だと思いますが、企業の社会貢献度の指標とか女性の活用度はどうかとか企業の環境保全度はどうかとかいうような、そういう指標の算出方法みたいなものを発表して、そして企業がそれぞれで自分の会社の自己採点をしていただく。去年よりことし、ことしより来年というように点数がよくなってくるということを企業も努力をしていただく。自信があるところは名のり出ていただいてもいいかと思いますが、そのように国、市また企業とか、みんなが一体になって努力できるみたいな、何かそういうものを検討していただけないかなと思うのですが、御意見はいかがでしょうか。

加藤雅経済企画庁国民生活局長

○加藤(雅)政府委員 お答え申し上げます。  企業が社会的な生活の改善のために努力をしていただくということは、私どもとしても大変、そのようにしていただきたいというふうに考えております。私どもでやっております国民生活審議会の基本政策委員会というところで先ごろ中間報告を発表いたしましたが、その中に企業の社会的貢献というのが非常に大きな検討項目といいますか、将来推進していかなければいけない項目になっておりまして、それについていろいろな議論をいたしております。おっしゃいますようにフィランソロピーでございますと、例えば使われた費用が税の免除になるかとかいろいろな問題がございまして、現在いろいろ企業で新しい方法を考えておられるということでございます。  ただこれも、私どもは今のところはまだ強制的になるというのはちょっとまずいのではないか。つまり企業が自主的にやっていただくということは大いに結構でございますし、そういう御意向がございましたら国として後押しをしていくという点は全くそのようにしていきたいと思っておりますが、ただ指標を発表するあるいは計算方法を発表するということになりますとどうしても、また申しわけございませんが、非常にコンプリヘンシブな、全体をカバーするような指標ということになりますと、大企業ではあるいはそういうことはできるのかもしれませんが中小企業ではなかなか全部はできないとか、またいろいろな問題が出てまいると思いますので、そこのところはまだやはり企業の方になるべく自主的にそういう活動をおやりいただくという方向でさしあたりは考えた方がよろしいのではないか。  基本政策委員会でもいろいろな議論がございまして、企業にそういうことを求めるべきではない、企業はちゃんといい製品をつくって税金をちゃんと払えばいいのだというような御主張をなさる委員の方もございましたけれども、やはり全体的な流れといたしましては、今おっしゃるように社会的貢献もするべきだという方向には行っていると思いますが、また私どもの方で何かガイドラインのようなものを出して強制すると、あるいはそれが結局強制的なことになりかねないということをやや危惧するものでございます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 もちろん強制するものではないと思いますが、私は、全国民、日本全体で一つのムードというか、みんなで取り組んでいくというようなものがやはり必要じゃないかな、そういう一つのきっかけをこの経済企画庁でつくっていただけるといいんじゃないかな、そういう思いで提案をさせていただきました。  経企庁長官のお考えを一言伺いたい。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 余りまじめに考え過ぎますと、社会的貢献とは何ぞやとか、これはそれに当たるのか当たらないかとかいうような話になっていくとちょっと迷路に入っちゃうんですけれども、ただ最近の、今御指摘ありましたように、社会的風潮といいますか、そういう中で企業みずからが我が社は環境に優しい企業でございますと言うのがある種の企業イメージアップにつながり、雇用の場合にもそれが一つの材料になってみたり、新しい人を採用する場合の条件になったり、あるいは製品を売っていく場合消費者にどうアピールするかというような面でも、だんだんそういうような環境が今ずっとできつつあるような感じがいたしておりますね。  それから、そういう社会的貢献のみならず、今お触れになりました労働時間の問題にしましても、最近の総理府の調査でも、賃上げも大事だがそれ以上に労働時間の短縮の方に重点があるんだというような、労働者の意識もどんどん変わってきている、やはりそういう社会的なニーズに即して企業も変わってくる、そういったことを我々はできればみんなでバックアップをして、そして企業自身もそういった意味で、今までみたいな効率優先ということだけでなくて、もう少し企業自身の行動パターンにしても、公正さというような問題だとか社会的貢献だとか、そういういろいろなものに配慮していくような企業経営というものがこれから大事になってきておると思っております。具体的にどこまでその辺を求めていくかなどについては、もう少し時間がかかるのじゃないかというふうには思います。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 公正取引委員会から来ていただいておりますので質問させていただきたいと思います。  現在、やみカルテルや談合が多くの消費者の利益を著しく損ねているということで、企業が大変な不当利益を得るということで、このやみカルテルや談合をともかく廃止していきたい、やめていきたいと言われながら、なおかつなかなか日本の市場が改まらないということで、いろいろ問題になってきております。  その一つが、昨年の独禁法の改正で課徴金が若干上がりましたが、刑事罰が最高五百万円であるということが、これは改めていかなきゃいけないというふうなことになっておりまして、この刑事罰を大幅に引き上げる、強化する、独禁法の改正案を公取で検討していただいていると思いますが、これが今国会に間に合うように提出されるのかどうか。もうすぐ法案提出のリミットが来ているのじゃないかと思いますが、この見通しについて伺いたいと思います。

植松勲公正取引委員会官房審議官

○植松政府委員 お答え申し上げます。  今委員御質問の中に申されましたとおり、まさに今日一般消費者の利益を図るとともに、国際的に開かれた市場を実現するためには、公正かつ自由な競争を維持することが重要な政策課題であるとされているわけでございます。このために、独占禁止法違反行為に対する抑止力の強化ということが、政策課題を実現するために重要な施策の一つとして位置づけられていると考えるものでございます。  この観点から、公正取引委員会では、独占禁止法の違反行為に対する抑止力を総合的に強化するということで、委員御指摘の、昨年課徴金の引き上げを行ったわけでございますけれども、もう一方の刑事罰についても昨年の一月から我が国の独占禁止法、刑事法の有数の有識者による独占禁止法に関する刑事罰研究会というものを設置しまして、昨年末までに刑事罰の強化の検討を行いまして、ことしの三月二日でございましたけれども、その検討結果を取りまとめた刑事罰研究会の報告書の最終報告書を公表したところでございます。  それで、現在、公正取引委員会ではこの研究会の報告書の内容を踏まえまして、関係各方面の理解を得た上で独占禁止法の改正の検討を進めておりまして、今次通常国会の提出に向けて最大限の努力を行っているところでございます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 先ほどおっしゃった独占禁止法に関する刑事罰研究会の報告書が発表されてなかったということで、予算委員会でも大変問題になったわけですけれども、独禁法が強化されることに対する危惧を持った経済界と自民党が共闘して露骨に妨害をしたというようなマスコミ報道がなされました。こういうことが、そうじゃないということのためにも、ぜひこれはしっかりとしたものを、法案を提出していただいて、成案できるように頑張っていただきたい、公取の皆さんにぜひ頑張っていただきたい、そのように要望をさせていただきたい、そう思います。  それから建設業界で、埼玉で談合が行われたのではないかといろいろ取りざたされております。私、ある建設業界の方から伺ったところによりますと、その営業社員に対して、談合に加わった場合、私の責任のもとに行ったもので会社には責任ありませんという趣旨の一筆を書かせているということ、それはかなりの建設会社で一般的に行われているという状況のようですが、このことを公取の委員会では御存じかどうかということと、これに対する見解を伺いたいと思います。

植松勲公正取引委員会官房審議官

○植松政府委員 今委員の御質問の件でございますけれども、実態について必ずしもつまびらかにしておりません。  しかし、刑事責任の有無ということでございますけれども、最終的には裁判所が事案ごとに具体的な証拠に基づいて判断するということでありますので、公正取引委員会として、今御質問のような刑事責任についてどういうことになるのかお答えを差し控えたいと思うのですけれども、カルテルの成否という観点から一般論として申し上げると、そのような誓約書が提出されたとしても、その一事をもって企業がカルテルにつき免責されるとは言えないのではないかというふうに考えております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 独禁法の違反行為というのはまさに企業の事業そのものとして行われる事業でございますので、個人としてはあり得ない、そう思うわけですけれども、社員の方々は企業犯罪の責任を負わされるということで、非常に不安を隠し切れない、そういう状況があるようでございますので、公正取引委員会としてはこうしたことが事実あるのかどうかという実態をぜひ調査をしていただいて、しかるべき指導をしていただくべきではないかと思いますが、その点について伺いたいと思います。

植松勲公正取引委員会官房審議官

○植松政府委員 独占禁止法違反行為の抑止に関しまして、万全の措置をとっていきたいというふうに考えております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 最近、新聞報道によりますと、千葉県が平成四年度から公共事業の指名競争入札を一般競争入札に切りかえた。事前にある程度の資格審査を行って、工事を請け負える実力のあるところに一般競争入札に切りかえたという報道がなされておりました。県単位では初めてだそうですが、公正取引委員会としてはこのことについてどういう見解を持っていらっしゃるか、伺いたいと思います。

糸田省吾公正取引委員会経済部長

○糸田政府委員 委員、いろいろ御指摘なさっていらっしゃる点、例えば建設工事における入札の際に談合行為が行われる、これは申し上げるまでもなく入札制度そのものを否定するものでもありますし、それから、もちろん談合によって受注予定者を決めるといったようなことがありますと、これは独占禁止法でカルテルとして禁止されているところでございます。こういったことについては排除命令を出す、あるいは課徴金を課するといったようなことで独占禁止法で厳正に対処していかなければいけないと思っておりますが、一方で、例えば発注機関が入札を行うに当たって、こういった談合のような不都合な行為が行われないように、万全の対策を講ずるということも、これも非常に大事なことかと思っております。  ただいま委員御指摘の新聞報道でございますが、私どももまだこの報道に接しているだけのことで詳細は承知いたしておりませんけれども、今申し上げたような観点から、こういったような工夫がいろいろなところでとられるということは非常に望ましいことであるというふうに考えております。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 私もこうしたやり方が、一般入札のやり方みたいなものがもっと全国的に広がればいいんじゃないかな、それを積極的に公正取引委員会としてもアピールしていただいた方がいいんじゃないかなということを要望いたしまして、この問題は終わりたいと思います。  最後に、大手信販会社のオートローンと連帯保証人のトラブルの問題で、現実に起こっている問題でございますが、ちょっと質問させていただきたい。  ある外車の販売会社から購入者のAさんと一応しておきますが、大手信販会社のオートローンを設定してベンツを購入したわけでございます。初回から支払いが滞っているという知らせが連帯保証人に入ったものですから、連帯保証人が危ないと思って信販会社に調査をしてほしい、車が転売されるようなことがあると大変だからちゃんと調査してほしい、そのように申し出たにもかかわらず、そのままほっておかれて車が転売をされた、そういう事実があるわけでございます。  まず、こういう状況のもとで連帯保証人が責任を負わねばならないということがあるのかどうかということを伺わせていただきたいと思うのです。契約書の中にはちゃんと「立てかえ払い契約に基づいて債務が完済されるまでは当社に留保されることを認める。」というふうなことがきちっと書いてあるわけですね。それにもかかわらず売買されるということが法的に認められるのかどうかについてまず伺いたいと思います。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 お答えいたします。  クレジット契約におきましては、購入者あるいは連帯保証人等契約当事者におきまして、その契約の内容について正確に把握をしていただくということが極めて重要なわけでございます。したがいまして、購入者に対しましては、割賦販売法によりまして書面の交付義務等、そういう法律上の規制が課されているわけでございます。また通達におきましても、その交付すべき書面の内容あるいは本人の確認、これを確実に行うことの義務づけ、これを詳細に定めているところでございます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 時間がございませんのでもう詳しくできないわけですが、債権者が担保を放棄した場合は保証人はその請求を拒み得るのじゃないか。車があって初めての保証人なわけでございまして、車がないのに保証だけとらざるを得ないということは、これはもう常識として考えられない。じゃ残金を払い終わったら車が自分のものになるかというと、そうじゃないわけですよ、車は既に転売されているわけですから。そういうことが現実に行われ得るのかどうか。  この大手信販会社に対して、こうした実態が一体どうしてこうなっているのか、きょうは詳しくお話しする時間がございませんが、最初の段階からこの連帯保証人は何度も何度もこの信販会社にいろいろ申し立てているわけですね、申し立てているにもかかわらず、それをほっておいて、そして車が転売されたことも伏せておいて、最近になって裁判所を通して強制執行ということを言ってきているわけですね。こういうことが許されるのかどうか、通産省はしっかりとこの辺は調査していただいて、指導をしていただきたいと思います。もう時間が来ましたので、最後の結論だけ伺って、終わりたいと思います。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 割賦購入あっせん業者等は消費者と継続的な契約関係を維持しているわけでございまして、割賦販売法に基づきまして種々の規制が課されているところでございます。したがいまして、消費者の保護について特に注意を払っていくという非常に重要な社会的な責任を持っているものだというふうに考えているところでございます。  このような観点から、割賦購入あっせん業者等につきましては、消費者の要望等につきまして誠実な対応をすることが重要であるというふうに考えております。したがいまして、仮にそのような誠実な対応がなされていないというような状況があるとすれば問題なしとしないわけでございまして、私ども適切に指導してまいりたいと考えておるところでございます。

大野由利子公明党・国民会議

○大野(由)委員 ありがとうございました。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員長 倉田栄喜君。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 公明党の倉田でございます。私はまず景気について、令ともかく国民の皆様方の関心事項でございますので、長官に御質問をさせていただきたいと思います。  まず端的に、いわゆる昨年まで言われていた好況、これを平成景気と呼ぶのかどうか、まだネーミングはわかりませんけれども、この景気というものは過去言われたイザナギ景気、これを超えたと今の時点で判断しておられるのかどうか、長官のお考えをお伺いしたいと思います。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 景気のいわゆる山、谷の判定の問題なんですけれども、この問題はむしろ専門的、技術的な形の中で検討しなければならぬ問題だと思っております。いずれにしても具体的な、それらを判定する素材が、かなり後になっていろいろな方面からの指標をもとにして山、谷を専門的な角度から判定することになるわけでありまして、今の段階でいつが山であり、いつが谷である、したがってそれがいつまで続いたかということについて言及するのは差し控えたいと思います。  ただ、率直に言って、一般論といいますか、やや不正確な表現になるかもしれませんが、昨年の秋ごろからそれまでの経済の姿がずっと変化をしてきておる。そこで、政府としての公式の景気に対する見解であります月例経済報告の内容も、毎月毎月経済の現状に即して表現を実は変えてきておるところであります。そういった意味で、既に今日時点では御案内のとおり私どもは景気の減速感が広まっており、いわゆる調整過程にあるというふうな認識をいたしておるわけでおります。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 まあ確かに一つ一つの言葉自体が景気に反映をしていくということもありますので、非常に慎重に言葉も使われておられるということもよくわかりますけれども、やはりわかりにくいというのは否めないと思うのですね。これは大臣の所信の中にもまた今の大臣の御答弁の中にもございましたけれども、景気の減速感と、インフレなき持続可能な成長過程に移行する調整過程、この調整過程というのは一体どういうことなんだろうと率直に思うわけでございますが、この辺は長官、いかがでございましょうか。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 これは、一つは過去のかなり加熱ぎみの成長の時代といいますか、そういう姿から、いわゆる堅実な消費、健全な企業活動といいますか、そういう姿によって支えられる雇用の均衡を維持しながら、インフレのない、内需中心の、そして持続可能なそういう成長経路に移行していくという調整過程であるというふうに表現をしておるわけですが、同時にそれを具体的な現象という側面でとらえますと、素材部門あるいは加工組み立て部門においてもいわゆる在庫調整がかなり進展をいたしておりますし、これはまた耐久消費財だとか消費の分野においても、あるいは住宅の分野においてもストック調整といいますか、そういったストック調整という側面にある。それらのことを念頭に置いて調整過程にある、こういうふうに表現をしておるわけであります。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 その調整過程ということでございますけれども、過程ということは今お話で理解できたような気がいたしますけれども、それでは調整というのは一体どういうことなのか。先般、景気対策の五項目の実施というのを閣議で決定をなさいました。そういう景気対策そのものを調整というふうに呼んでおられるのかどうか、この点が一点。  それから、調整の中に景気をどう見るかということに民間消費、これも非常に重要な要素であろうかと思いますけれども、この民間消費の動向を今後どのようにお考えになっておられるのか、この二点についてお伺いをいたしたいと思います。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 先般、一応五項目について、主として財政の側面からの当面の景気への配慮のための事柄を決めたわけであります。これは御案内のとおり、今の局面で大事なごとは、一つはさっき調整過程と申しましたが、基本的にそういう経済の現状にありますけれども、企業家の心理あるいは消費者の心理の方がさらに下振れ感が強い、マインドは非常にそれよりは冷えておる。したがって、これをどうてこ入れをするかということが一つの大事なことであると思っておるのです。  そこで、最終需要をある程度エンカレッジしていくということは非常に大事な今の対策の一つであるということから、早期の予算成立、そして早期に適切な予算執行ができるような姿をぜひお願いをしたいし、あわせて六千億に上るゼロ国債などを含む平成三年度の補正予算の完全消化を図っていかなければなりませんし、似たようなことは地方財政においてもお願いもしなければならぬ。あるいは電力などのいわゆる公益事業的な分野でも、民間とはいえ公共事業に準ずるようなところについてはあわせてお願いもしたいし、そのほか幾つかの当面のてこ入れ策について決定をしたわけです。これはいずれも最終需要というものを念頭に置いているということであります。  それから、消費の今後の展望ですけれども、率直に申し上げて、個人消費を考えます場合に、一つは所得環境ということが一体どうなのか。この所得環境という側面でとらえてみますと、基本的には雇用者所得も着実にふえておるわけなんですね。したがって、現在、消費マインドが低下しておるということについて、所得環境からするところの消費の問題というよりも、むしろ消費者自身の中の多少一服感といいますか、そういうようなものがある。特に、消費行動がより堅実化したという側面もなくはない、そういうこともあろうかと思いますね。大事なことは、必要以上に消費マインドが沈滞してしまうということは好ましいことではないと思っておりますが、いずれにしても、多少心理的な側面で影響があるのじゃないかなというふうなことを率直に実は感じております。  それは今までの成長の高さから比べれば、特に経営者の皆さんや何かが非常に落差感が大きいだけに危機感を持っておられる。そのことがどんどん喧伝されるということが、一方では消費マインドまで多少影響といいますか、少なからざる影響があるのではないか。したがって、これから先について、まず何よりも物価が落ちついておりますし、今後においても雇用者所得そのものは堅調に伸びていくわけでありますから、個人消費というものはGNPの六割を占める大きな最終需要の需要項目ですから、それらについて余り悲観的な見方ばかりを並べ立てるのはいかがなものかな、私はそのように実は感じておるのです。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 いわゆるバブルが崩壊をしたと言われる中で、今長官もお話ございましたけれども、堅実な消費へと移行していかざるを得ないということになるとすれば、個人消費の増大を見込んで景気を下支えていくという見方については本当に十分に考えなければいけないし、またそのことを含めて景気の対策も考えていかなければいけないと思いますので、ぜひ十分な御配慮をお願い申し上げたいと思います。  そこで次に、最近論議されております日本型経営危機論、これはソニーの盛田会長が問題提起をされておられますけれども、この点についてお伺いしたいと思います。  盛田会長の問題提起の中で、日本の賃金は高いのか安いのかという議論がございました。私は、これはどの部分を比較してこういう論議があったのだろうかという疑問を一つ持っておるわけでございますけれども、いわゆる大企業サイドの賃金もありましょうし、中小企業あるいはパートで働く方々の賃金の問題もございましょう。長官としては、この議論、また日本の賃金は高いのか安いのか、この点についてはどのようにお考えでございましょうか。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 この点は実際に経済界の中でもいろいろ論争が行われておるわけでして、しかも時期が時期ですからなかなか物を言いにくいのですけれども、基本的に購買力平価というような側面で見れば、日本は全く威張れるような状態にない。為替レートで比較していくと、時間当たり賃金はほぼヨーロッパ、ドイツは別として、欧米並みぐらいになっておる。これはいろいろなデータのとり方にもよるかと思っております。  ただ、私は率直に申し上げて、労働分配率のお話もあったり、あるいは企業のいろいろな企業活動についてのさまざまな角度からの反省そのものが、経済界のトップの人たち自身の中にそういう気持ちが生まれてきておるということは非常に大事なことである、私はそう評価しておるわけであります。そういう点で、春闘の時期を控えて、特に日本の経済をリードしていく組合の方も経営者の方もそのことを従来以上に真剣に受けとめて、特に労働時間の問題であったり、あるいは賃金水準の問題であったり、あるいは社会的活動、貢献といいますか、そういった問題であったり、私は大事なことだと思っておるのです。そのことは非常に大事だ。我々もできるだけバックアップもしていける体制をつくっていきたい。  特に、これは組合の皆さんも経営者も考えてもらいたい一つは、中小企業の問題です、先生もその辺よく御案内と思いますけれども。金曜日に発注して来週の火曜日にはそろえろとか、そんなことを言われたのでは下請企業は困ってしまうわけです。ですから、そういったあり方について、単に経営だけの問題じゃないんだ、そういうことを労使ともに、社会的な責任といいますか、労働時間の問題、社会的貢献というか責任の問題、それらをある意味で、単なるコストアップ要因という姿で受けとめるだけではなくて、人間三度の飯を食っていくのと同じような前提で、それを前提にした一つの慣行ができていくということが非常に大事なことだと理解をいたしております。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 今お話にもございましたけれども、いわゆる下請企業というふうに、下請制度というふうに呼んでいいのかどうかわかりませんけれども、日本の産業を支えておるこの制度、今ここの部分に非常にしわ寄せというのか無理が押しつけられてきているのではないのか、こういう気が非常にするわけでございます。この部分をいかに健全化していくか、これも日本に与えられた、また日本の産業に与えられた大きな課題であろうかと思いますので、その点も十分に対策をお願い申し上げたいと思います。  そこで、次の質問に移らせていただきたいと思いますけれども、私は先ほど、バブルがはじけていわゆる個人消費の増大が非常に難しいんじゃなかろうか、こういうふうに申し上げましたけれども、これと関係するだろうと私は思っておるんですけれども、いわゆる多重債務者、カード破算が最近盛んに報道をされるようになりました。この問題の背景の一つに過剰与信というものがあるのではなかろうか、こういうふうに思います。そこで、きょうは通産省さんにも大蔵省さんにもお見えいただいておると思いますけれども、この過剰与信、いわゆるファイナンス、クレジット関係における問題点についてお尋ねをしたいと思います。  まず、この過剰与信の対策として現在どのようなことをお考えになっておられるのか、これは、通産省、大蔵省さんにもお見えいただいておりますので、お答えをいただきたいと思います。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 お答えいたします。  いわゆる多重債務者問題につきましては、消費者利益の保護、経済社会の健全な発展の観点から非常に重要な問題と私ども認識しているところでございます。  私どもは、このような認識のもとに、クレジット業界に対しましては、業界の健全な発展のため、多重債務者防止について指導をしてきているところでございまして、既に各社におきまして与信体制の整備あるいは社員教育の徹底等個々に対応が図られておりますが、それ以外にも社団法人日本クレジット産業協会におきまして、与信精度向上のための信用情報機関への登録情報内容の拡充、あるいは信用紹介システムの整備等について具体的に検討をしているところでございます。  今後とも、関係各省庁と密接な連絡をとりつつ、関係産業団体に対しまして与信の健全化のための指導を行いますとともに、引き続き消費者の啓発にも努めますことにより、この問題に対しまして積極的な対応を図ってまいりたいと考えているところでございます。

杉本和行大蔵省大臣官房企画官

○杉本説明員 ただいま通産省からお話がありましたように、私どもも、多重債務問題、これは非常に重要な問題であると認識しております。  こうしたクレジット破産につながる多重債務問題の発生を防止するためには、まず、借り手でございます利用者側におきまして、消費者信用の節度ある合理的な利用がなされることが必要であると思っておりますが、他方、貸し手であります。者側におきましても、顧客審査に当たりまして過剰な貸し付けが行われないように適切な対応を行っていくことがぜひとも必要であると考えております。  私どもの関係しております法律でございます貸金業規制法におきましては、貸し金業者に過剰な貸し付けを禁止する規定がございます。具体的には貸金業規制法十三条でございますが、従来より貸し金業者が貸し付けを行うに当たりましては、窓口における簡易な審査のみによって無担保、無保証で貸し付ける場合のめどは、当面当該資金需要者に対する一業者当たりの貸し付けの金額については五十万円、または当該資金需要者の年収額の一〇%に相当する金額とするというように指導を行っているところでございます。また、多数の業者からの借り入れによりますいわゆる多重債務を防止する観点からは、プライバシーの保護に配慮しつつ信用情報機関を活用するよう指導しているところでございます。  私どもといたしましては、多重債務につながる過剰貸し付けを未然に防止するため、金融機関、貸し金業者に対して一層適切な顧客審査の徹底を求めていくとともに、引き続きプライバシーの保護に配慮いたしまして信用情報機関の積極的な利用を指導してまいりたいと考えております。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 これは通産省にお伺いしたいと思うんですけれども、いわゆる物品販売に係るクレジット契約、その契約書を時々見させていただくことがあるんですけれども、小さな文字でいっぱい書いてあって、何が大事で何が見落としていいものかどうかよくわからない。そこで、後で問題が起こったときに初めて、それを利用された方々が、実はこんなことが書いてあったのかとわかって、非常に困惑されるケースが多々あります。  そこで、契約書の作成で、注意事項とかクーリングオフの制度とか、そういうことにもっと何か工夫があってもいいのじゃないか、こういうふうに思うわけでございますけれども、その点はいかがでございますか。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 お答えいたします。  私ども、従来より販売信用に係ります契約書面に関しましては、割賦販売法施行規則あるいは通達に基づきまして、文字の大きさ、それから購入者に対します注意事項は、書面の中に赤字で記入すること、さらには契約書に使用いたします紙の厚さ、質などにつきまして十分注意をするように、購入者にとって見やすい書面となるよう指導してきたところでございます。  ただ、今先生も御指摘ございましたけれども、これらが、専門用語あるいは法律用語、そういったものを避けまして、わかりやすい言葉で記載され、購入者にとりまして理解されやすいものになっているかというと、必ずしもその疑問がないわけではない、そのような認識を持ってございまして、既に平成二年の六月、通産省の指導のもとに社団法人日本クレジット産業協会内に学識経験者から成りますクレジット契約約款研究会を設置いたしまして、消費者にとりまして理解しやすく見やすい契約約款のあり方について検討を進めているところでございます。近々その具体的なモデル約款が提出される予定でございまして、今後はこの新しいモデルをもとに、さらにわかりやすく見やすい契約書の普及を指導してまいりたいと考えておるところでございます。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 ぜひともよろしくお願いを申し上げたいと思います。  そこで、それに関連してもう一点ですけれども、いわゆる購入申し込みをする際あるいは金融を申し込む際、保証人を立てるということが多くあるわけですけれども、その場合、いわゆる申込者本人は窓口に来られても保証人は来られなくて、後で電話で確認をするケースがよくございます。これは、結局裁判になったときに電話で確認をしたかどうか非常に問題になるわけでございますけれども、確かに本人の意思が確認されればそれでいいんでしょうけれども、非常にトラブルのケースになる場合が多い。  そこで、こういう不確実な電話による確認というのはない方がいいんじゃないか、こういうふうに思うわけです。民法上の原則の問題もございますので一概には言えないわけですが、この点について通産省、大蔵省、何かお考え、行政指導はございませんでしょうか。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 物品販売に伴いますクレジット取引におきまして保証人の本人確認を電話で行っておりますのは、一つには保証の意思確認の作業が迅速ということで、早期に商品の到着を期待しておられます消費者の御期待に沿えること、そういった理由があるからでございます。通常電話によりまして保証人の方に対し確認しております内容は、その保証契約の意思確認のみならず、契約いたします商品名あるいは支払い総額等もあわせて確認してございまして、その契約に関します認識の相違あるいは間違い、そういったものがないよう御本人の意思をチェックしているところではございます。  したがいまして、電話によります確認方法でも対面確認と同様な効果があるものと判断して各業界では行っているところでございますけれども、いずれにいたしましても、当省といたしまして、契約をめぐりましてトラブルを起こす、トラブルが発生するといったことがないように今後とも適切に指導に努めてまいりたいと考えておるところでございます。

杉本和行大蔵省大臣官房企画官

○杉本説明員 私の方からは、貸し金業者が小口の消費者ローンを行いますときの保証の確認についてお答えさせていただきたいと思います。  貸金業規制法十七条がございまして、貸し金業者は、貸し付けに係る契約について保証契約を締結したときは、遅滞なく、保証契約をした相手方に保証契約の基礎となる貸し付けに係る契約の内容を明らかにする書面及び当該保証契約の内容を明らかにする事項を記載した書面を当該保証人に交付しなければならないと規定されておりまして、貸金業契約に係りましては、こういたしました保証契約の書面交付が要件となっております。したがいまして、仮に電話で保証人の確認をとりました場合においても、後で必ず保証契約の書面を交付するように、私ども従来から指導しておりまして、こうした指導等を今後とも徹底していきたいと考えております。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 それから次に、きょうは警察庁の方にもお見えいただいておりますけれども、いわゆるこの過剰与信の問題は、今貸したとしても何とか取り立てることができる、そういうことも一つの要因になっているのではないのかな、こういうふうに実は思っているわけでございます。  そこで、この取り立てに際して、いわゆる債権譲渡が行われるケースもあります。四月からいわゆる暴力団新法、こういうのも施行されていくわけでございますけれども、いわゆるこの取り立ての問題について、例えば現在は、暴力団新法の中では名刺に暴力団みたいな名称が書いてある、そういうふうな状況であるとそれに抵触をするわけでしょうけれども、そういう名刺を出さなくても、例えば小指がないとかパンチパーマをかけて明らかにその筋だと思われるような方々が取り立てに回るケースもあるのだろうと思うのです。そこでこの債権譲渡、不良債権の譲渡という点に関して、これは時間がありませんので通産省にお伺いをしたい、こう思います。  これが業界の中で、あるいは先ほどの協会の中でどのような規制を考えておられるのか。それから警察庁に対して、このような債権譲渡、不当違法な取り立て、この暴力団新法との絡みの中でどんな対応をされておられるのか。  それから、もう時間がなくなりましたので、あわせて大蔵省と警察庁の方にあと一点ずつ。いわゆる暴力団と、企業舎弟という言葉で言っていいのかどうかわからないけれども、暴力団の構成員の人たちが役員をしておる金融業者、こういうことも多々あるだろうと思いますけれども、こういうことにトラブルが起こった場合、大蔵省としては取り消しの問題だとか、あるいは金融業者登録のときについての資格審査基準、こういうのをどのように考えておられるのか。警視庁の方はそういう実態というものをきちんと把握をしておられるのかどうか。最後まとめてしまいましたけれども、お伺いをして質問を終わりたいと思います。

石附弘警察庁刑事局捜査第二課長

○石附説明員 お答え申し上げます。  暴力団が、先生御指摘のいわゆる債権取り立てに関与してくるというケースは確かにございます。例えば、平成二年では民事介入暴力、相談件数で二万三千件ほどございますけれども、約一割弱はそういう債権取り立てをめぐる暴力団の介入ということで承知しております。しかしながら、一般的に申し上げまして、債権者が債務者に対してその権利を行使する場合、これが正当に行われる限りにおきましては何ら取り締まりの対象になるものではないことは当然のことでございます。  そこで、今回の暴力団対策法でございますが、本法においては、暴力団に、債権取り立てについては暴力団の威力を示して、利息制限法に定める利息の制限額を超える高利な債務等の履行を要求する形態のもの、こういうものが大変多いという実態にかんがみまして、こういう形態のものに対して暴力的要求行為ということで禁止をしたところでございます。暴力団による債権取り立てにつきましては、個々の形態に応じて、こうした暴力団対策法の規定及び刑法等の既存の刑罰法令を活用しながら適切に対処してまいりたいと考えております。  以上でございます。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 債権譲渡の問題でございますけれども、販売信用にかかわります債権譲渡につきましては、例えば中小のクレジット会社が回収能力のあります大手のクレジット会社に回収を依頼する場合、そういった場合などが一部あることはあると思いますけれども、総じて債権回収のための債権譲渡は余り行われていないのではないかというふうに私ども思っているところでございます。  ただ私ども、取り立て行為の規制に関しましては、昭和五十九年の産業政策局長通達によりまして、購入者を威迫するような言動を行うこと、あるいは購入者の私生活等の平穏を害する言動を行うこと、さらには、債務の弁済に充てる目的で例えば貸金業者からの借り入れを強迫すること、そういったことなどがないよう指導しているところでございまして、今後とも悪質な取り立てなどがないように適切に指導してまいりたいと考えているところでございます。

杉本和行大蔵省大臣官房企画官

○杉本説明員 先生御質問の貸金業規制法と過剰な取り立て行為との関係でございますが、貸金業規制法は、借り手側でございます資金需要者保護の観点から貸金業登録制といたしまして、登録を受けた貸金業者に各種の業務規制を課しているところでございます。登録に際しましては、貸金業規制法に基づきまして、登録を受けようとする者につきましては、禁錮以上の刑を受けて一定期間を経過していない場合などの一定の登録拒否要件がございまして、これに該当する場合には登録を拒否することとしております。  また、登録を受けた貸金業者が債権の取り立てに当たりまして人を威迫するなどの行為を行った場合には、同法に基づきまして業務の停止が、また特に問題となるような場合には登録の取り消しという行政処分を行うことがでさることになっております。今後ともこうした貸金業規制法を適正に運用していきまして、先生のおっしゃったようなことについても十分配慮していきたいと思っております。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 いわゆる債権譲渡が転々と行われて、最終的には暴力団が関係するところの金融業者によって非常に悪質な取り立てが行われる、現実にある問題でございますので、ひとつ関係各省、ぜひ適切、厳格に対応していただきたいと強くお願いを申し上げまして、私の質問を終わりた いと思います。  ありがとうございました。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員長 菅野悦子君。

菅野悦子日本共産党

○菅野委員 きょうは消費者保護行政のあり方、今もお話がありましたが、とりわけ消費者信用問題についてお伺いをしたいと思います。  茨城カントリークラブの会員権乱売事件につきましては、本委員会でも私取り上げさせていただいたのですけれども、ゴルフ会員権が五万人とも言われる大量の皆さんに乱売をされておった。この詐欺行為によって一般の庶民も多く巻き込まれた、大問題になったものなんですけれども、予算委員会で通産大臣の方から、法制化を含めて必要な対策を検討したいとの意向が表明されたようで、大変結構だと思うわけでございます。しかし、非常に多くの犠牲者が出るまで行政の対応ができないというのが問題ではないかというふうに思うのですね。  ところで、今サラ金地獄ならぬカード地獄という言葉があることに象徴。されますように、ローン、クレジット契約をめぐるトラブルが非常に急増してきているということが言われております。九一年三月末現在で、カード発行枚数が一億八千六百九十六万枚、銀行系が六千八百四十万枚、流通系が四千四百六十五万枚、信販系が五千八百二十二万枚と、年間二千万枚、すさまじい勢いで伸びていると言われているわけなんです。そのうちでも一千万枚以上が銀行系というふうに言われているわけなんです。  そこで通産省さんにお伺いしたいのですが、この販売信用、それから消費者金融、それぞれ信用供与額ですね、九一年度で幾らになっているかということ、それからまた回収不能となるいわゆる焦げつき傘なんですけれども、これはどの程度がおわかりでしょうか、お尋ねをいたします。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 お答えいたします。  九〇年度の数字でございますけれども、販売信用供与額につきましては、九〇年度二十六兆円、これは社団法人の日本クレジット産業協会の数字でございますけれども、二十六兆二百十一億円でございます。また消費者金融に関しましては、私どもの所管ではございませんけれども、あわせてこのクレジット産業協会の数字で申しますと、三十九兆五千三百六十五億円となっているところでございます。また、不良債権の率については私ども正確に把握しているところではございません。

菅野悦子日本共産党

○菅野委員 これは合計しますと六十六兆円、国家予算にも匹敵するほどの産業になっているわけなのですが、リスクの方ですけれども、この焦げつき、大体〇・五から〇・七ないし一%見込んでいるというふうに私ども聞いております。といいますと、あらかじめ五、六千億円の未回収を当然のリスクとして見込んでいるということになるわけなのですが、これは非常に大きな問題ではないかと思うわけなのですね。貸し付けさえすればいい、売りづければいい、全体では何とかもうかる、もうかればいいのだというふうな銀行やクレジット会社の営業姿勢が出ているように思うのです。  クレジット・サラ金問題研究会というところの宇都宮健児という弁護士の方によりますと、クレジットカードで借金をするキャッシュサービス、あみいはカード利用による返済能力を超えた買い物などで、数百万とか千万単位の負債を負っている例も最近では相次いでいるというふうに言われております。返済能力のない者になぜ数百万あるいはそれ以上というふうな借金が可能になるのかということを非常に不思議に思うわけなのです。  経企庁にお伺いいたしますが、この返済不能となっている問題としては、相談に駆け込む人たちというのは多数のカードを使っての多重債務者、これが多いというふうに私認識しているのですけれども、それでいいかどうかということと、それから駆け込んでくる消費生活相談などから見て、信用調査ですね、これはどの程度行われているのか、その辺をぜひお伺いしたいと思うのです。

加藤雅経済企画庁国民生活局長

○加藤(雅)政府委員 私ども、消費者信用問題につきましては、日本クレジットカウンセリング協会を通じていろいろ伺っておるところでございます。御指摘のように、負債金額としては最近は五百万から一千万というようなところの比率が非常に高くなっております。また二十九歳までの若い方が多いというようなことで理解をしております。  ただ、消費者生活相談から見てどうかということでございますが、私どもの国民生活センターが受けております相談の内容というのは、今申し上げたような内容、つまり二十代が多い、それから五百万未満の債務額が多い。ただ、所持カードの枚数とか、なぜそういうカードを、どんな目的で持っているのかというようなことは、実は国民生活センターの相談においては伺っておりません。またどんな信用調査をされたかということについても調査をしておりませんので、申しわけございませんが実態はわかっておりません。

菅野悦子日本共産党

○菅野委員 国民生活センターの方の書いたものものなどを読んでみますと、相当二十代がふえてきていて、しかも金額もだんだんふえてきているというふうに言われているのですけれども、通産省の方の関係でクレジットカウンセリング協会というのがございます。そこに寄せられている相談の中身、例えば相談者の年齢とか、債務額の状況とか、それからカードの所持枚数の問題とか、あるいはカード使用ですけれども、キャッシュ目的があるいは買い物の方が多いのかというふうなことなど、特徴的なことがございましたらぜひその方も通産省の方、報告をお願いしたいのですが。

小川洋通商産業省産業政策局消費経済課長

○小川(洋)説明員 お答えを申し上げます。  財団法人日本クレジットカウンセリング協会は、多重債務者を経済的、社会的に早期に立ち直らせるために、公正、中立な機関といたしまして六十二年に設立されたものでございます。以来、相談にあずかってきたわけでございますけれども、業務開始以来昨年の十二月末までの間受けつけました相談、カウンセリングの件数を申し上げたいと思います。  全体で六千四百六十六件ございまして、そのうち助言、アドバイスで済んだものが五十二%の三千三百六十二件でございます。残りの四八%の三千百四件がカウンセリングを要するものでございました。このカウンセリングを要するもののうち、実際にカウンセリングを実施しましたものは二千二百二十一件ございまして、年度別にこれを見ますと、平成元年度三百七十七、二年度四百五十六、平成三年度は十二月末まででございますが、前年度同期比約五割アップの五百件となっておりまして、最近増加傾向にあるということが言えると思います。  それから、カウンセリングを受けました方の性別を見ますと、平成元年度におきましては男女の比率が約七対三でございましたが、平成三年度は十二月末までで男性が約六割弱、女性が四割強と、女性の比率がふえつつあるという状況にございます。  それから、年齢別に見ますと、過去五年間を通して見ますと、二十歳代が四四%、三〇歳代が二六%ということで、両方合わせましてこの年齢層が全体の中で七割強を占めておりましたが、そのうちの二十歳代の相談者の割合が平成三年度全体の五割を超えておりまして、そういった意味での二十代の相談者の増大傾向というのが言えるかと思います。  それから、平均債務額でございますが、これまで五年間やってきましたが、毎年度大体五百万前後となっております。先ほど国民生活局長から御答弁がありましたように、階層としては五百万から一千万の層がかなりのウエートを占めております。  それから、お尋ねの物販とキャッシングの比率でございますけれども、同協会では債権者ごとに整理はいたしておりますけれども、その債権者ごとに物販とキャッシングを区別して整理をいたしておりませんので、ここで数字をつまびらかにすることができません。それから、カードの枚数も同様でございます。  いずれにいたしましても、私どもは、多重債務者が増加する中でこの協会の役割はますます重要になろうかと思っておりますので、今後とも協会と連携を図りながら多重債務者の方々の経済的、社会的更正に努力していきたいと思っております。

菅野悦子日本共産党

○菅野委員 相談件数が増加しているということ、それから多重債務相談者の大半が二、三十代ということで、若年化の傾向が顕著だというところあたりが私は非常に問題だなというように思うわけなんですね。それが特に今五百万から一千万というふうな負債の額になっている。ですから、借り手の側に問題がないとは思わないわけなんですけれども、若年者の場合は一般的に返済能力が低いことは歴然としているわけなんですね。  ところが、実態を見てみますと、マスコミの広告などでも、カードの利便性だけを強調した広告が今はんらんしております。そして、その一方で、信用調査とか、本当に過剰与信というふうな問題を貸し出す側がちゃんと調査しているのかどうかという点でやはり相当問題があるのではないかというふうに思うのですね。  八四年の十一月に、割賦販売法の改正に伴いまして通産省の方から業界に指導通達が出ているのは承知をしているのですけれども、事態は急激に悪化しているのではないかというふうに思うわけなんです。誠実に業界がこの通達を遵守していれば、家庭破壊とか自殺にまで追い込まれるなどの、サラ金被害同様の今の事態というのは防げたのではないかなというふうに思うわけなんですけれども、なぜ十分ないろいろな調査などをせずに、しかもリスクの大きいことを承知でキャッシュカードやクレジットカードがこれほど湯水のようにどんどんどんどん発行されるのか、乱発するのかというのが私としては非常に不思議に思うわけなのですね。野放し状況という言い方はちょっと当たらないかもわかりませんけれども、こういうふうな乱発の状態が非常にあるということなのです。  キャッシュの側面は大蔵、それからクレジットの方は通産ということで、カードについても双方別々の所管になっているかと思いますが、この辺の、カードが乱発されているという問題なのですけれども、大蔵省さん、通産省さん、それぞれ対策というのを何か考えておられるのかどうか、お伺いしたいと思います。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 販売信用にかかわりますクレジットカードの発行に際しましては、信用供与をいたします段階で消費者の方の支払い能力を十分に審査いたしまして、過剰な与信にならないこと、これが大変重要なことであると考えております。  先ほど先生も御指摘なさいましたように、割賦販売法におきましては、割賦販売業者等は、信用情報機関を利用すること等により得た正確な信用情報に基づき、消費者の支払い能力を超えると認められる割賦販売等を行わないよう努めなければならない旨規定されているわけでございまして、またあわせて、産業政策局長通達によりまして、支払い能力を超える購入の防止等を指導するなど、厳に過剰与信とならないよう指導をしてまいっているところでございます。  これらの趣旨を踏まえまして、信販会社各社におきましては、みずから持っております個人情報あるいは信用情報機関の信用情報を利用して与信審査を行ってきているところでございますけれども、さらに今後その信用供与が今までよりもよつ十分な情報のもとに行われますよう、私ども通産省からの要請に基づきまして、業界団体でございます社団法人日本クレジット産業協会におきまして、与信精度向上のための信用情報機関への登録情報内容の拡充について現在具体的に検討を行っているところでございます。

杉本和行大蔵省大臣官房企画官

○杉本説明員 お答えいたします。  クレジットカード会社がカードを発行するに際しましては、他のカードの保有状況を含めて顧客審査を行うこととしておりまして、カード利用額、カード利用の限度額を設定する際の措置も講じて、過度なカード利用を防止するよう指導しているところでございます。  また、過剰貸し付けを禁止するという趣旨から、貸金業規制法に基づきまして、窓口における簡易な審査のみによりまして無担保、無保証で貸し付ける場合のめどは、当該資金需要者に対する一業者当たりの貸付金額については五十万円、または当該資金需要者の年収の一〇%に相当する金額とするというような指導を行っておりまして、過剰貸し付けにつながらないように配慮しているところでございます。  また、昨今の多重債務問題に関しましては、多数の業者からの借り入れが累積しているという面に着目いたしまして、プライバシーの保護に配慮しつつ、信用情報機関を活用する等指導していくこととしております。  いずれにいたしましても、割賦販売法に基づくクレジットカードによる物品の割賦購入を所管していらっしゃいます通産省と協力しつつ、クレジットカード会社がより適切な顧客審査及び顧客管理を行えるよう指導してまいりたいと考えております。

菅野悦子日本共産党

○菅野委員 情報ネットワークづくりなどでこの人はどうかというふうなチェックシステム、ブラックリストといいますか、グレーゾーンを含めて情報交換というのは、確かに業界がリスクを回避するという点では一定の効果もあるかと思いますし、本当にそれを充実させていくということ自身についてはその必要性を何も否定するわけではないのでございます。一方、例えば銀行窓口などでそういうふうなカードの発行がどんどんやられている、場合によってはノルマとして課されているような状況もあるやに聞いているわけでございまして、このカードの乱発、過剰与信の禁止ということについては引き続きぜひ御努力いただけたらというふうに思うわけでございます。  あらかじめ一%程度の債務不良が出ることを見込んで、信用調査もせずに、返済能力や消費生活に抵抗力の弱い若者層まで無差別にカードを乱発する、それで回収困難に陥った債務者には、取り立てる業者を使ってまで追い立てる、そして訴訟に持ち込み家財まで差し押さえる、このように、リスクがあってもなお高い収益を上げているというふうな実態があるわけなんですが、これはなぜか。銀行系では二七・八%程度、それから流通、信販系では三〇%前後と言われている違法な高金利でカバーできるから成り立っているのかなというふうにも思うわけなんですけれども、こういうことが野放しになっているようでは、銀行、デパート、信販会社等が高利貸しになっているというふうな図式になってしまうというふうに思うわけなんですね。  こういう中で今起こっている結果なんですが、例えば、この問題に詳しい木村達也という弁護士の方がおっしゃっておるのですけれども、全国の簡易裁判所に申し立てされる支払い命令や取り立て訴訟、それから公証人役場で作成される金銭消費貸借契約公正証書、それから動産、債券の差し押さえ件数などから推計すると、年間百万人を超える消費者が支払い不能に陥っているものと思われるというふうに言われているのです。これはちょっと大変な事態だな、今百万人を超える人たちが結局そういう形で支払い不能という状況があるということですから。  そこで大蔵省さんにちょっとお尋ねしたいのですけれども、金利の問題ですね。例えば十万未満のお金を貸す際に、金利が二〇%以上なんだと本人に知らせないでもし契約書が作成された場合ですけれども、これは違法行為にはならないのでしょうか。それをお尋ねしたいと思うのです。

杉本和行大蔵省大臣官房企画官

○杉本説明員 お尋ねの点でございますが、貸金業規制法では、貸し金業者は、貸し付けに係る契約を締結したと岩は、遅滞なく貸し付けの利率等について契約の内容を明らかにする書面をその相手方に交付しなければならないと規定しているところでございます。また、行政当局といたしましても、契約の締結時にとるべき措置といたしまして、契約内容文書または口頭で十分説明しなければならない旨指導しているところでございます。したがいまして、金利に対する説明は十分行われるように当局としても今後指導していきたいと思っております。  貸し付けの上限金利は、今貸金業規制法で本則に移行しておりまして、四〇・〇〇四%が上限金利となっております。

菅野悦子日本共産党

○菅野委員 そこで、私もそういう御指導がされているのだなと思っていたのですけれども、ジャーナリストの溝口敦という方の取材レポートを読んだのですが、ジャックスでは、客に貸し付ける場合に、二〇%以上の金利ということを承知しているということを前提で貸し付けているというふうに答えているのですね。だから、違法行為による高金利や過剰与信が野放し状態になっているのではないかなというふうに思うのです。  クレジットカードにキャッシング機能を併存させる、今ほとんどそうなっているのですけれども、そういう点では問題はないのかなというふうなことを率直に疑問に思いますし、それからクレジット会社が銀行から資金を調達する際なんですけれども、カードの発行枚数で貸付額とか金利が左右されるというふうに言われておりますし、このことがカード販売の過当競争をあおっているのではないか、問題を深刻にする要因になっているのではないかというふうに思うのですけれども、大蔵省はこういう問題をどうお考えになっているのかなと思うのですね。ちょっとその点お伺いしたいと思うのです。

杉本和行大蔵省大臣官房企画官

○杉本説明員 お答えいたします。  第一の御質問でございます貸付利率等について書面による交付を徹底するという点でございますが、この点に関しましては、私どもできるだけ指導しているつもりでございまして、立入検査等で貸金業者の検査をいたしますときもその点は十分念頭に置いて指導しているところでございます。  それから、先生御指摘の第二点目でございますクレジット会社が銀行から借り入れを行う際に、カードの発行枚数によっていろいろ条件が違っていることが過当競争をあおっているのではないかという御質問でございますが、この件については事実関係を私どもよく承知しておりません。ただ、一般論として申し上げれば、銀行がクレジット会社であろうと何であろうと、融資をするに際しましては融資先の業況、財務内容、返還財源、担保等を総合的に勘案した上で銀行みずからがその是非を判断しているものと承知しております。

菅野悦子日本共産党

○菅野委員 その辺はあれなんですね、確かに実態としては、今ジャックスのお話をしたのですけれども、プロミスなんかについても、現実にお客さんが高金利であることを承知しているということを前提にして商いをしているということを公言しているようですから、その点では、きちっとそのことが違法でないという状況にあるのかどうかという点ではもっともっと調査それから監督ということを大蔵省にぜひお願いをしておきたいと思うのです。  ですから、二十数%、三〇%というふうな高金利で当然借りに来ているものだ、そうでなくて改めて確認されるという場合にはそれはもう貸しませんよというふうなことでの商いなんですから、これは本当に大変な事態だなと思うわけなんです。ですから、その点は大蔵省の監督、これをぜひお願いしておきたいと思うわけです。  最後に長官にお尋ねしたいと思うのですけれども、こういうふうな実態の中で、今、年間百万の消費者が返済不能に追い込まれている、悲惨な結果を招いているという実態があるわけなんです。  労働金庫研究所の調査によりますと、ブラック情報に載った人たちの五、六割が転職をしている。転居した人も二七%いる。破産後も保証人に支払いを続けているという人は三五%いる。こうした無謀な貸し付け、販売がこの先も多く犠牲者をつくり出すということになると、本当に大変だと思うのです。業界の自主規制ではこの過剰与信を防げない事態になっているというふうにも思うわけなんです。  ここまで来ている状況の中で、しかもカードはもっともっとふえ続けておりますし、そういうふうな若者がとりわけそういう中で大変な事態に追い込まれているという実態があるわけですから、これはもうこういう事態を禁止する法的規制、こういうものも必要になってきているのではないかというふうにも思うわけなんです。消費者保護基本法、これを所管するのは大臣ですから、基本法六条、これは「国は、この法律の目的を達成するため、必要な関係法令の制定又は改正を行なわなければならない。」というふうに規定されておりますけれども、この六条に照らしても、いよいよこの問題、検討の必要があるのではないかと思うのですけれども、ぜひ長官の御意見、御感想をお伺いしたいと思うのです。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 先ほど来のいろいろなやりとりを伺っておりまして、これはかなり重大な問題をはらんでおることであるという認識を改めて深くしたわけであります。今直ちに規制を云々という考えもわからぬではないのですけれども、先ほど来通産、大蔵、それぞれ関係省庁において、まず関係業界の自主規制なりあるいはそういう情報連携関係をさらに充実しようとか、あるいは過剰な与信行為を慎むようなことをやろうとか、こういうことをやっておるわけですから、まずそういう対応をしっかりやってもらいたいと一つは感じております。  しかし同時に、常にこういう場合には借りた人がみんな犠牲者だみたいな話になりかねないのですけれども、やはり基本的には家庭においても、その辺は似たような問題がこの消費者信用の問題のみならずさまざまな分野であるわけですから、そうへった意味での消費者教育といいますか、そういった面もあわせて充実していかなければならぬことだな、こう今のやりとりを伺いまして感じました。

菅野悦子日本共産党

○菅野委員 本当に強調いたしますけれども、学生あるいは若い青年男女というところに非常に被害がふえているわけでございまして、今も長官がおっしゃった教育の問題、これも本当に大事かと思います。同時にやはり事態は相当深刻だと思いますので、消費者保護という立場でぜひ引き続き独自の積極的な乗り出し、これもあわせてお願いを申し上げまして、終わりたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員長 柳田稔君。

柳田稔民社党

○柳田委員 我が民社党は、平成四年度予算修正大綱を発表いたしました。ここには、公定歩合の引き下げ、さらには公共事業の前倒し発注等を柱にした景気対策も盛り込んでおります。また、これまでの代表質問や各委員会の質問においてもこれに沿って同じような主張を続けてまいりました。  先日、政府の方で総合経済対策ということで発表されまして、この中に私どもの主張も入っておるということで評価をしたいと思うわけであります。その中の一つが政府系金融機関による省力化・合理化投資の推進、二つ目が四年度予算の公共事業前倒し、三つ目が電力、ガス会社などの設備投資繰り上げ、四つ目が下請中小企業の仕事量確保など中小企業対策、五つ目が住宅金融公庫の弾力的運用などによる住宅投資促進、六つ目が金融政策の機動的運営、七つ目が内外価格差縮小、労働時間短縮など構造調整、こういう内容で総合経済対策を策定したというふうに聞いております。大変いい中身だと思うわけでありますけれども、この計画を今後どのように具体化していくのか、時系列的に具体策を示していただきたいと思います。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 今御指摘のありました事柄は、多分ある新聞社が独自の取材をして報道をされたことだと思っておりますが、基本的な事実関係で申し上げますと、政府として今お読みになりました総合経済対策というものを決定をしたという事実関係はございません。  ただ先般、先週ですか、三月五日に総理からお呼びがありまして、そこで関係閣僚が集まりまして五項目、つまり平成四年度予算の早期成立を期し、あわせて公共事業等について予算成立後適切な執行をなし得るよう鋭意検討を進めるということ、これは国・地方を通じてということであります。  二つ目に、平成三年度補正予算の着実な実施、これは災害関係を初め、ゼロ国債の完全消化などを言っているわけです。  それからさらに三番目に、地方単独事業の弾力的な実施を地方公共団体に要請をする。  四つ目に、中小企業に対する円滑な資金供給への特段の配慮あるいは下請中小企業への配慮、こういうことが四つ目であります。  そして五つ目が、電力等の公益的色彩を持つ民間企業に対する設備投資の円滑な実施の要請をする。大体この五つの柱を決めまして、翌日の閣議で総理から関係閣僚にも御指示があったわけでありまして、事実関係として今お話にありました事柄、報道されたこととは多少異なっております。

柳田稔民社党

○柳田委員 今、長官の方から御説明がありましたけれども、その中身について、では今後それをどのように具体化していくのか、さらには、では時系列的にいつごろはこういうものがあるのか、御答弁ができる範囲内で結構であります。お願いします。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 時系列的にどういう順序になりますか、まず大事なことは、平成三年度の補正予算は既に実施されておるわけですから、これをまず年度内に完全消化をしていくということが時系列的には一番大事なことだと思います。  それから、引き続いて、特に今審議をお願いをいたしております平成四年度の予算案が速やかにまず成立をするということが何よりも大事なことでありますし、同時にそれを前提として、そして予算の執行が適切に機動的に早期に執行できるように具体的な検討作業を既に始めておることだと私は思っております。  それから、似たようなことが、これは地方財政においても同じような努力が現在なされておることだと思っておりますし、既に自治省からはその旨地方団体には要請が行っておることでありますし、それからけさ閣議で報告があったのですが、郵政大臣からもNTTとかKDDとか、そういったところに対しても極力投資促進あるいは上積みをお願いをいたしましたという報告も実はありましたし、通産省からは、公益事業、電力等については既に内々要請を進めておることだろうと思います。  また、中小企業へのいろいろな資金面での配慮は、これは既一に昨年の暮れの財投の追加などによって、当面それだけ十分な資金需要におこたえできるだけの体制はもう整えておるわけであります。  大体時系列になっているかどうかよくわかりませんが、そういう状況にあります。

柳田稔民社党

○柳田委員 公共事業の前倒しというのは何かお考えがありますでしょうか。もう前期にできるだけ前倒しをするとかいうことについてはいかがでしょうか。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 まあ地方団体にそういうことを既に要請をしておることですから、国がそのことを念頭に置いておるということは常識的な姿だと思いますが、ざっくばらんに申し上げて、若干今そういう表現をしておりますのは、まだ現在衆議院における予算審議中でございまして、やはり参議院の立場もこれあり、私どもは多少表現が鮮やかでない表現をしておるというようなことは御理解をいただきたいと思っております。

柳田稔民社党

○柳田委員 ちょっと質問の順番を変えますけれども、今お話しになりました、五つか六つでしたね、これを通称総合経済対策と考えてよろしいかなとは思うのですが、いろいろと予算も含めながらこういうことをやっていくというお考えをお示しになったわけでありますけれども、日銀が今月の六日に発表した二月の企業短期経済観測調査によりますと、主要企業、製造業の業況判断指数は、八七年十一月調査以来四年三カ月ぶりにマイナスとなった。実体経済の落ち込みは相当深刻なものだというふうに私どもは受けとめておるわけであります。  予算の早期成立、おっしゃるとおりだというふうに思いますし、さらには先ほど御答弁を願いましたいろいろな経済対策も実施していかなければならないかというふうに思うのですけれども、果たして予算の執行、さらには今のおっしゃっていた対策を実施したとして、本当に効果のある景気対策になるのだろうかというお話がいろいろと聞こえてくるわけであります。特に、在庫調整が当初の見込みよりは進んでいないというお話も出てきておりまして、この予算の執行並びに経済対策をしたとしてもまだまだ足りないのではないか。一部には、公共事業予算をさらに追加しろとか、さらに公定歩合の第四次利下げをしろとか、そうしなければ、実際本当に効果のある景気対策にはならないのではないかという声も聞こえてくるわけであります。  円高構造不況といいますか、昭和六十一年のときに、政府の方が総合経済対策、本格的な財政出動を補正予算を組んで行ったわけでありますけれども、今回それに比べますと、若干迫力が欠けるのではないかな、政府として考えておる以上に企業なり製造業なりは厳しいのではないかと私どもは実感としてそういうふうに思うわけであります。大臣もこの点についてはいろいろな方から情報を得ているというふうに思うのですけれども、再度の補正予算を組んででもやらなきゃならないという認識についてはいかがなものでございましょうか。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 率直に申し上げて、特にこの三月決算を控えて、経営者の方々が、非常に前がよかっただけに落差感が大きい。極端に言えば二けた増益から二けた減益、こういうことになるわけですから、そういった意味で大変危機感をお持ちであるということはよく理解いたしておるつもりであります。  そういったところから、先行きに対する何とか明るい見通しが欲しいとか、いろいろな景気対策への要請ということを言われることは、そういう意味において十分理解できるのです。ただ、基本的に経済を、足元の経済だけじゃなくてやはり全体のパフォーマンスを見てみますと、基調的な判断としては、月例報告の中でも申しておるのですけれども、過去数年間の伸びが過熱ぎみのノーマルでない姿であった、その中からさまざまな問題点も浮かび上がってきておるわけで、むしろ日本経済が中長期的にインフレのない、そして雇用のバランスのとれたそういう着実な安定成長経路をずっと持続していくという経済運営を心がけようという場合には、今までのままのハイスピードで行くということには問題がある。そういう意味で、そこへ行く避けて通れない一つの調整過程にあるということが基本認識だと思うのです。  そういう意味で、我々は市場経済をあくまでも原則としておるわけでありますから、そういう意味での自律回復能力といいますか、経済自体計画経済じやありませんので、何でもかんでも政府がもう事細かにやっていくというような経済ではない。したがって、多少現在は在庫調整がおくれてスタートしたりあるいは今かなりのいろいろな分野、素材のみならず加工組み立て、そして地域的な広がり、いろいろ見ておりますけれども、かなり本格的な今在庫調整の局面にあるわけですから、そういった意味で非常に業況感が芳しくない、今そういう状況にある。  そういう調整局面にはあるものの、経営者のマインドの方はさっき申し上げたとおり落差感が大きいだけに、実態以上に下振れしておるのではないかな。そういう意味で、調整が余り行き過ぎますとこれはまた必ずしも問題なしとしない。そういったところから、政府としてはそういう景気の現状を十分念頭に置いた手を打っていく必要がある。  そういう基本認識のもとに、昨年の暮れ、この平成四年度予算編成に当たりましても、例えば国債の追加発行であったり、あるいは公共投資を国・地方、財投を通じて大幅に拡大をさせるとか、いろいろな配慮を実はこの予算自体に盛り込んでおるわけであります。  もちろん金融当局においても三度にわたる公定歩合の引き下げをやった。いずれも私が今申し上げましたような基本認識に基づいて、調整の行き過ぎということは避けなければならぬ、こういう認識でやっておるわけでありまして、いずれにしてもまずはこの予算が通るということが大事で、そしてそれが執行されるということが大事なことだ。しかし、ただそれだけでなくて、その通った暁にはさらに機動的な適切な執行ができますように今から検討をしておくということも必要でありますし、そのほかに先ほどいろいろ申し上げましたことを含めて五項目にわたって当面の景気に配慮した手を打っていく必要がある、こう思っておるのです。  そこで、経済成長というものは、よく言われるのですけれども、何が何でもある一定の数字の成長率に向けてやっていくというような代物ではないと私は思っています。基本的にはやはり経済の姿ということが大事だ、そのパフォーマンスが大事なのだ。やはり内需型でなければなりませんし、物価ということも考えなければなりませんし一雇用の状況ということも考えなければならぬわけでありますから、そういった全体の姿のバランスがとれるということ、このことが非常に大事なことだと認識をいたしております。  そこで、そういうことから見ますと、いろいろな材料、必ずしも芳しくない材料もたくさんあるわけですけれども、基本的には底割れするようなことはない、日本の経済はそんなひ弱なものではない。時間の関係で細々申しませんけれども、住宅の問題あるいは設備投資あるいは個人消費、在庫調整の進展状況などいろいろ考えていきましても底割れをするようなことはないし、着実に在庫調整が進んでいけば、我々が当初見通しております経済成長の目標ということは達成されるのではないか。  もちろん、ただ手をこまねいて天気予報みたいなことで言うわけにはいきません。そういう経済のとぎどきの状況というものを的確に判断をしながら、そしてまた必要なときには、今いろいろ御指摘がありましたけれども、経済運営の手をタイムリーに打っていくということもあるいは必要になる場面もあるかもしれないというふうには考えております。

柳田稔民社党

○柳田委員 全般的に見れば今長官がおっしゃったように調整の過程に入っているというふうに思うのですけれども、業種別に見ますと大変厳しいところも出てきて、売り上げがもう二〇%減とか、ことしはもう三〇%減とかいうふうな業種も出てきておるのも事実であります。全般的にはよく言われているので私もそれなりにそういうふうには理解をしているのですが、ただそういう非常に厳しいところの業種にいきますと何かの対策が要るのではないかなというふうに思うのです。  ちょうど円高構造不況も業種によって非常に厳しいところが出たわけでありますし、ちなみに申し上げますと、私もこのときに会社が厳しくなりまして、本体は残っておるのですが、私がおりました工場は閉鎖になりまして仲間とともにやめた経験もありますし、あの厳しさを考えますと、全般的におっしゃることはまあまあ理解はできるのですが、その厳しい業種に働いている人たちは、仲間はやめざるを得ないという局面にもなる。昨年までが過熱ぎみであって、今はまあまあいいのではないかとおっしゃるのは全般的だ。要するに、業種で見るともっともっと厳しいところが出てきているというのも認識をしていただきたいというふうに思います。  時間がもう大分少なくなりましたので、用意した質問をできるだけ進めたいと思うのですけれども、業種別の対策について、長官、個人的でもいいですけれども、予算が通って対策が出たとしても、業種は多分浮かび上がってこれるような状況にないというふうに思うのですけれども、何かアイデアはありませんでしょうか。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 限られた時間の中で時間をとって申しわけないのですけれども、私は円高不況のときと今とでは全然違っておると思うのですね。あのときはいわば外部的要因で、特に輸出関連産業にとってはまさに生存にかかわる問題だった。そして実際に、売り上げが落ちる前から為替レートが非常に大幅に変更されておる。それで、基本的には事前対応型であったと思います。そういう為替レートが高くなった状況においても生き延びていかなければならぬ、そういう意味で非常に血のにじむような努力をされたと思うのです。  しかし、そのときには逆に円高によって輸入物価が下がりましたですね。そのことは、逆に消費だとかいろいろな側面では、原材料の値段も下がったわけですから、そういう意味ではプラスの影響もあったわけです。今回の場合は、むしろ内部的要因の側面がある。それだけにその調整局面に対するインパクトの感じ方が、円高のときほどの経営者のインパクトはなかったと思います。しかし、意外どこの問題は内部的要因、特に証券、金融その他いろいろな問題もありました。そういうさまざまな要因も積み重なってくるし、それから同時に、単にバブル経済云々というだけでなくて、多少消費者のニーズと供給側のサイドとの間に商品の選好についてややミスマッチ的な現象もなくはない。耐久消費財系統はやや一服感みたいなものも出てきておる。そういったさまざまな要因が今回重なっております。  したがって、あのときにはまさに輸出関連産業、特に中小企業、しかもそれが地域的に地場産業としてやっているような地域だとかそういうところにある程度特定して手を打っていくというやり方ができたわけです。今回の場合はそういう意味で内部的な話ですから、かなり影響は広くなっているということは基本的に言えると思います。  ただ、そういう中であえて言えば、地価が暴騰した後、下落傾向が続いてきておる、そういった中で不動産関係が昨年も非常に倒産件数も多い、このままではかえってよくないというようなことから不動産融資についての総量規制を一応やめた、もちろんトリガーつきではありますけれども。これなんかは、ある意味では特定の業界についての話ということに言おうと思えば言えなくはないということだと思っております。ただ今回、そういう意味で全体的な広がりということが言えると思っております。

柳田稔民社党

○柳田委員 業種の名前を挙げていくと切りがありませんけれども、製造業でも大分出ておりますので、機械をつくっているところとかも出てきておりますので、できるだけ早いうちに情報を収集して手を打っていただきたいなというふうに思います。  次に、大蔵省の方にも来ていただいておるので大蔵省に質問をしたいと思うのですけれども、公定歩合の引き下げについて新聞紙上大分物騒な動きが報じられておりまして、首をとってでもというお話もあったわけなんです。これは元来日銀の専管事項でありまして、勇み足といいますか越権行為といいますか、そういうふうに思うのですが、この問題に対すう大蔵省の見解はいかがなものでございましょうか。

山口公生大蔵大臣官房調査企画課長

○山口説明員 経済情勢につきましては、日銀とも私どもはしょっちゅう意見交換しますし、また、経済企画庁、通産省等とも意見交換を常に行っております。そういうことの中でいろいろな政策論議をやっておりますが、いずれにせよ、公定歩合というものは日本銀行が銀行に対する貸し出しのレートをどうするかという問題でございますので、それはもちろん金融政策の重要なポイントではございますが、その判断というものはやはり日本銀行にお任せするという姿勢でずっとまいっておるわけでございます。

柳田稔民社党

○柳田委員 一つの例として、公定歩合でありますけれども、アメリカの場合は、景気が少しでも落ちてきて見通しがついたらばさっと下げたりしますよね。逆に日本の場合は、状況を読むのに時間がかかって、判断をする、そして実施するまでに時間がかかるということもありまして、大分この金融政策については、今の日銀、大蔵省を含めて複雑じゃないかなという気が少しするのです。  我が党は行財政改革を進める党でありますけれども、こういうふうにもう景気が外にも左右され、内部の動きにも左右され、いろいろ変化する時期において、的確に、タイムリーに、先ほど長官おっしゃいましたようにタイムリーに対応するためには、もう少しすっきりした状況をつくる必要があるのではないかな。さらには、大蔵省から言われるから考えなければいかぬとか、どっかの議員さんから言われるから考えなければいかぬとか、まあないということでありますが、もっとすっきりと対応する必要があるような気がします。  例えば、公開市場操作と公定歩合の決定は日銀、そして外為は大蔵省、日銀券の発行限度、準備率、市中金利規制は大蔵省の指示に基づいて日銀が決定、実行、非常に複雑じゃないかな。これを、大蔵省にあります銀行局、証券局、ちょっと問題になっていますけれども国際金融局などの組織は廃止する、そして日銀に権限を移譲するなり、または大蔵省から完全に独立した証券・金融監視機関をつくるなりの施策を考えたらいかがかな。余りにも込み入っているものをきれいに責任分担をする。大蔵省としても、こういう言葉がいいか悪いかはわかりませんが、権益保持というのもよく聞かれるわけですけれども、大蔵省の権限を圧縮してでも、この時代の変化にタイムリーに適応できるような体制を確立すべきだと思うのですけれども、大なたを振るってでもやるというのはいかがでございましょうか。

野田毅自由民主党経済企画庁長官

○野田国務大臣 まあ一つの考え方だろうと思いますけれども、基本的にそういう仕事をどこかがやらなきゃならぬわけですね。そういった意味で、大蔵省と別にそういう仕事をやるような役所をまたつくった方がいいのか、これが行革の精神に沿うのかどうか。むしろ、逆に一つの役所の中で、そういう外国為替であり、銀行に対する、あるいは証券に対する行政を、やはりそういう中で省内の調整をやらせていった方がいいのと、どっちがいいのかという選択の問題だと私は思いますけれども、現在のところ、私は、それはとかくのいろいろな見方はあると思いますが、戦後今日までの少なくとも日本の経済運営のかじ取りは大枠においてうまくやってきた、だからこそ今日の日本の経済のパフォーマンスが、あるいはファンダメンタルズをとってみても、諸外国に劣らない姿ができ上がっておることである、こう思っております。  なお、公定歩合の問題につきましては、いろいろな方々が現在の経済の情勢を心配をしておっしゃることは、それはそれでその心配のあらわれだと受けとめておりますが、私は、日銀当局というものは、少なくとも、だれかから言われたからやるとか、だれかから言われたからやらないとか、そういうことを超越をして、きちっとした責任ある態度で現状をしっかり見据え、そして、現在の足元の景気の状況、あるいはまた一方では為替の状況、物価の状況、さまざまな角度の中で的確な判断をされることだと思っております。

柳田稔民社党

○柳田委員 まあ別な役所をつくるのが行革に反するか反しないかということでありますけれども、行革は何のためにやるかといいますと国民のためにやるわけでありまして、縄張りを守るために、それを変えるために行革はやるのではない、国民がいかに恩恵を受けられるか、そのために行革をやっていただきたいというふうに思うのです。ただ、いろいろと見聞きする中において、複雑怪奇きわまりないところもありますし、おくれているなというところもあるし、さらには越権行為みたいなところもある。この辺をすっきりして、国民のためになる金融政策をとる体制をつくっていただきたいなという気持ちから申し上げたわけであります。  もう時間がなくなったようでありますけれども、大分これからことしも、政府の方も心配されているとおり、厳しい時代に突入する可能性もなきにしもあらずでありますので、先ほど長官がおっしゃいましたように、タイムリーな施策を、おくれないように、できるだけ効果のある施策を打っていただきたいというお願いをしまして、質問を終わらせていただきます。  ありがとうございました。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時七分散会

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