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123回国会衆議院1992/02/27

農林水産委員会 第3号

発言数
150
登壇者
18
会派数
3
開催日
1992/02/27

会議録

高村正彦自由民主党

○高村委員長 これより会議を開きます。  農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。  農林水産業の基本施策について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。佐々木秀典君。

佐々木秀典日本社会党・護憲共同

○佐々木委員 私は冒頭、昨日ガットに関連して関係閣僚の協議が行われたようですが、これについて大臣にお尋ねをしたいと思います。  報道によりますと、昨日、二十六日の夕方、宮澤総理大臣が官邸に渡辺副総理・外務大臣、それから田名部農林大臣をお呼びになって、このガットの問題について、特に米の扱いについて協議をした、こういう報道がなされております。これは、来る三月一日がいわゆる国別リスト、これの提出の一つの期限になっているというか、そういうことを意識してのことだったろうと思われます。  報道によりますと、例外なき関税化は受け入れられないという従来からの政府の方針が改めて確認されたんだ、国別表のうち、米の関税率に関する部分については記入しないことを決定した、政府は他の品目を含めた国別表を早急に完成させて、来週中に提出する運びだというように書かれております。そして、いろいろとこれをめぐる情勢、アメリカあるいはECの動きなどについても、当然のことながら情報の交換も行われたのではなかろうかと思うのですけれども、これに参加をされた田名部大臣から直接に、このきのうの協議の内容はどうであったのか、この新聞報道は間違いないのか、これをひとつ確認をさせていただきたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お答え申し上げます。  今お話しのとおり、総理と官房長官、副長官、外務大臣、私と、最終的に最大の関心事である米はどうするかということで会議が持たれたわけでありますが、私から、従来の基本方針どおり、ぜひ数字を書き込まないということでお願いをいたしたいということを申し上げまして、それについて、その方針でいくということが確認されたわけであります。  なお、きのうは米だけが問題になりまして、あの場でこまい個々のことまで一々やるということは、米をどうするかということで政府の方針を明確にしておこうということになりました。  あとの品目については、私を中心に、具体的な数字やいろいろありますので、提出期限までに調整をしていくということにいたしたわけであります。

佐々木秀典日本社会党・護憲共同

○佐々木委員 きのうのこの会談には、かねて部分開放やむを得ないのではないかというような発言をされたということで、私ども大変懸念をしておりました渡辺外務大臣も参加をされておられるわけですけれども、この基本的な方向の確認について、渡辺外務大臣から何らか特別の御発言などがあったのかどうかをこれまた確認させていただきたいことと、それからもう一つは、米が主要な議題であった、ほかの品目についてのお話し合いはなかったかというように今承りましたけれども、そうすると、他の品目についての扱い、これをどうするかということは、主管である大臣、田名部農林水産大臣及び農林水産省に任せるというようなことが、総理あるいは外務大臣から了承の御発言があったのかどうか、この点もひとつお聞かせをいただきたいというふうに思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 外務大臣からも、反対とかそういう話は全くありませんで、了承するということで終わりました。  それから、他の品目は、農産物だけではありませんので、それぞれ通産、各省にまたがっておりますから、それはそこでおやりになるということになりまして、私の方には、例えば国内支持については主要な農産物に関してAMS、これは非常に計算が難しいのでありますけれども、そういう保護あるいは支持の削減、国境措置については、基礎的食料品である米やあるいは十一条二項(c)品目の関税化は提示しないけれども、十一条二項(c)品目に関する現行アクセスの維持は提示するとか、これからいろいろあります。その他の一般の 関税についてはある程度具体的な削減を提示する、それではどのぐらいになるか、こういうものはいろいろあります。それについては担当の大臣それぞれでやる、こういうことになりました。

佐々木秀典日本社会党・護憲共同

○佐々木委員 そうすると、他の品目の扱いについては、まだリストにどういうように記載をするかということについては固まっていない、こういうようにお伺いをしていいわけですね。  ただ、期限が差し迫っておりますね。そこで、一つは、三月一日にこれを出されるのかどうか。それから、他の品目、特に、私など北海道の出身なものですから、でん粉だとか乳製品、これはかねてパネルでクロ裁定を受けているだけに、これについては今度はどういうことになるのかということを生産者の皆さんは大変心配している、豆もあるんですけれどもね。従来お伺いしておりましたら、これらについても従来の方針を変更しないで堅持していくんだということをお聞きしているわけですけれども、しかし、こういう最終段階に来て、これらの方針に変更があるのかないのか。あるいは、このリストの提出の期限と申しますか時期、これらについてはほかの国とのかみ合いもあると思いますけれども、どんなふうに考えられておるのか。場合によりましたらこれは事務方の方でも結構ですけれども、大臣よろしいですか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 十一条二項(c)については、記載をいたしません。  細部にということは、例えばその他のシロになっている部分があります。そういったものをどうするか。雑豆だとかピーナツだとかいろいろあるので、それはシロということになって、そういうものをどういうように扱うか、いろいろこまい部分であるわけです。基本的なところは変わっていませんが、そういうところの問題や、あるいは、従来から日本と一緒に、とにかく十一条二項(c)はカナダあるいはスイス、そうした国々と一緒に行動してきたということもありますので、よくよく確認をしながら、どういう方法でやるか。  そういう問題が残されておりますので、提出期限については一日ということになっておりますけれども、一応よくよく相談をして、どういう方法でいくかということになりますから、まあ一日の週なるべく早い時期に、もう基本が決まったんですから、別にほかの国の顔色を見るということでもないのですけれども、しかし、アメリカもECも今後どういうことになるかということもこれはまた関心のあることですから、その辺の状況を見ながら、なるたけ早い時期に提出をしたい、こう考えております。

佐々木秀典日本社会党・護憲共同

○佐々木委員 いろいろ難しい問題があろうかと思われますけれども、しかし、従来から大臣も、それから農林水産省の皆さんも大変に御努力をされて、日本の立場というものもよその国々に御理解をいただくための御努力、総体的な御努力は、あるいは個別的な御努力もなさってきたことは私どもとしても敬意を表するところですけれども、きのうも大臣この委員会でもお述べになっておられたけれども、まさにこのことに当たるチームの総監督であるわけですから、自信をお持ちになってぜひ頑張っていただきたいものだ。  新聞の一部報道によりますと、今のところアメリカもそれからECもこのダンケル案に対しては賛成しているというわけではない。また、その間の合意というものもできておらない。しかし、最終段階に来てこれが急速にまた展開をして、アメリカ、EC間の歩み寄りなどということがあるやもしれない。その場合のことも農水省の中では憂える向きがあって、そのときには態度の急変を迫られるかもしれないというような憶測記事を書く向きもありますけれども、そういうことに右顧左べんすることなく、従来の方針を堅持されてひとつ頑張っていただきたい、私ども十分応援させていただきますので、その点を申し上げてこの質問を終わらせていただきたいと思います。  経済局長、何かつけ加えることありますか。いいですか。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 大臣の御発言で尽きているわけでございますが、大臣からもお話がございましたように、昨日の会議を踏まえまして、私ども、基礎的食糧、それから第十一条二項(c)の品目につきましては従来の基本方針に基づいて対応していくということでございます。  この国別約束表は非常に大部でございまして、いろいろ詳細な記載事項がございますので、そうした点につきまして今の基本方針に基づきまして私ども作業に入るということでございます。

佐々木秀典日本社会党・護憲共同

○佐々木委員 はい、ありがとうございました。  じゃ次の質問に移らせていただきますが、昨年の暮れに農林水産省はいわゆる転作の緩和の処置を出されたわけですね。これについては昨日藤原委員からも御質問があったわけですけれども、例えば二月二十五日の日本農業新聞などでは、この目標として減反緩和十三万ヘクタールとなっているのだけれども、これはなかなか難しいのじゃないか。十一万ヘクタール前後しかいかないのではないか。その要因としては、農水省の方でこの処置が一年限り、緊急の当面の処置だというようなことを言っている。これが明年度あるいは再来年度というように続いていくのであれば別だけれども、一年限りということについては大変な生産者には不安感があるのではないかというようなことが言われております。  そしてまた、私ども、これが打ち出されましてから私の地元の生産者あるいは市町村それから農協の関係者の方々などとも実情をお聞かせいただいたりお話をしてまいったのですけれども、稲作農家の皆さんとしてはずっと今まで減反減反をやって続いてきた、それが昨年の作況が悪かった、あるいは災害があったなどとということから、お米の在庫も少なくなっているというようなことで、この減反率というものが緩和をされた。そのために多くつくることができるということに対しては、一定の賛意を表したりあるいは喜びを感じている向きもあるわけですけれども、ただこれが打ち出されたのは何といっても去年の暮れなわけでありますから、今年の春からを考えると非常に手間がかかるし、また正直金もかかる。そしてまた、この転作していた畑を今度は田に復元しなければならない。この復田のための費用あるいは手間というのは大変なことだというようなことごとなどもあって、果たしてこれだけの目標面積を達成できるのか。北海道の場合には一万八千四百ヘクタールなんですけれども、それぞれにさまざまな御苦労を述べておられるわけですが、きのうもお話があったと思うのですが、この目標達成の見通しがあるのか。現在はどのぐらいまで達成しているのか。今私が申し上げましたようなことなどを含めて、この目標達成についてのネックになるような事項として考えられるようなことはどんなことがあるのか、生産者の反応などもお聞きをしていると思いますので、その反応あるいはそれに対する協力の度合いなど、こういうことについて総体的にひとつお話をいただければと思います。

上野博史農林水産省農蚕園芸局長

○上野政府委員 この転作等目標面積の緩和は、委員御指摘のとおり、昨年の米の不作のために、米の安定的な供給に必要な最低限の在庫を確保する、そういう必要性に迫られて、昨年の作柄がはっきりした段階でとられたわけでございまして、いわば臨時応急的な措置だということでございます。  したがいまして、今お話がございましたように、その配分面積の地元までの配分あるいは農家への配分、こういうことにつきまして大変皆様方に御苦労をおかけしているということは事実でございまして、その状況でございますけれども、北海道のように植えつけの早い地域におきましては、大体農家の段階の調整も終わりの段階に近づいているのではないかというふうに考えておりますが、南の方の植えつけの遅い地域につきましては、まだ十分な農家の間の調整等が行われていないという状況でございまして、全体としてのこの転作緩和の農家の段階の受け入れの状況を数字として確定をできるような状況にはないということは御理解をいただきたいと思います。  しかし、そういう農家の段階への配分の作業を通じまして、農協なり市町村なりを通じました状況というものは上がってまいっているわけでございまして、その一般的な事情に関する情報によりますと、水稲の種子の確保の状況なんかも勘案をするわけでございますが、保全管理であるとか地力増進作物であるとかあるいは青刈り稲といったような対応を行われてきていた水田については、比較的容易に水稲作の復元が図られる可能性があるという状況でございますが、一方で野菜のような、転作が団地を構成してしっかり行われているというようなところ、あるいは逆に中山間地域のように条件が悪いところで担い手が十分にいないというような地域、こういうところでは復元がかなり難しいという条件があるというような情報が上がってまいっているわけでございます。  お米の安定供給のために何としても十三万ヘクタールの稲作の復元を図らなければならないというのが我々の考え方でございまして、県や食糧事務所の職員あるいは市町村、農協という関係者が一致団結しましてこういう十三万ヘクタールの水稲作の復元というのができるように、今最大限の努力をしている状況でございます。  こういう農家の段階への配分の作業が行き渡りまして、受け入れられる数量というものがはっきりしてまいりまして、地域間の調整というのがその次必要になるだろうというふうに我々考えておりまして、まず市町村段階、それからさらに過不足がある場合には都道府県段階におきましても調整を行って、十三万ヘクタールの達成ができるように最大限の努力をいたしてまいりたい、かように考えている次第でございます。

佐々木秀典日本社会党・護憲共同

○佐々木委員 何といっても今回の処置というのは緊急な処置であるわけですね。それに伴って緊急整備事業というものも考えられている。時間がありませんから、その内容については余り深くお聞きをすることは避けたいと思います。私どもも資料をもらっております。  ただ、端的に言うと、その事業内容というのは、今お話のあったような対象の土地に関しての復田のための排水の施設だとかかんがいの施設、あるいは整地だとか区画整理、こういう面的な整備、水田としてすぐに役立たせるためのそういう事業、これについては一定の条件のもとに一定の助成をする、こういうことになっておるようですけれども、現地をお伺いしてみますと、やはりなかなかに大変なようですね、今でも。  特に北海道の場合には、三月いっぱいは雪ですから、この復円の作業あるいは工事を始めるのはやはり雪が解けてということにならないとできないわけで、それで田植えは、例えば去年なんかは、私どもの上川地方ですと五月の中旬ぐらいなんですね。そうすると、やはりしっかりした水田に修復するのは五月までにやらなければならないけれども、雪が解けてからということになると、工事期間も短いわけだし、一斉にこれをやらなければならないということになりますから、業者との関係もあって、段取りがきちんとできないと恐らく混乱も出てくるのじゃなかろうか。工事費も恐らく随分かかるのではないかという心配が非常にあるのですね。そんなこともあって、この目標枠の達成ということにみんな協力しながらも大変に苦労しているという状況があるわけです。  加えて、これは後に大臣にお尋ねしたいと思うのですけれども、これが単年度限りの措置なのかどうかというような問題、それからまた、今回は緊急措置なんだから、これはやはりお願いをするわけですね、国としては。そうすると、やはりお願いされる側の意向というものを尊重し、それに見合うようないろいろな対策あるいは助成というものを考えていただかなければいけないのではないかと思うのですけれども、一つの問題として、今も転作団地のお話がありましたけれども、今度の緊急措置のためにその団地の形成が崩れるというようなこともある。そうすると奨励金なんかも、それによって今まで入っていたものが入ってこなくなるというような心配もある。これについては、緊急措置だということで、転作奨励金などを何とか維持してもらえないか、あるいは転作営農基準などについては緩和してもらえないだろうか、こういう要望もあるのですけれども、こうしたことについては特別の配慮というのはできないものですかね。

上野博史農林水産省農蚕園芸局長

○上野政府委員 まず条件整備の、水田農業確立対策推進事業の緊急整備事業の関係のお話についてお答えを申し上げますと、委員御指摘のとおり、ことしの植えつけの時期までといいますと、予算がいつ上がるかというのが一つの大きなポイントだろうと思っておりますが、これが通りました後早急に執行してまいらなければならない、しかしその期間は非常に短いという御指摘のとおりでございまして、我々とすれば既に今の段階から、今おっしゃったような条件の厳しい北海道あたりについては、北海道庁あたりと相談をしながら特に前広に準備を進めさせていただいておりまして、予算の執行に支障が生じないように、あるいは必要な条件整備が十分行われるように、これは十分な配慮をしてまいりたいというふうに考えております。  それから、二番目の団地加算の要件の緩和の問題につきましては、事情は、おっしゃられることはよくわかるのでございますが、一方で、この水田農業確立対策という転作対策の本質的な要請から申しますと、団地化の転作というのは非常に本命でございまして、大事なものである。我々とすれば、ここでそういう団地加算の対象になるようなものを大いにつくり育ててまいらなければならないということで、そういう一定の考え方のもとに基準を置いて加算をつけておるわけでございまして、これを崩すことについてはやはり非常にぐあいが悪いのではないかという考え方を持っているということでございます。  地元でいろいろな工夫をしていただきまして、その要件を壊すようなことがないようにできるだけの調整をしていただきたい。我々とすれば最大限、市町村間あるいは都道府県間の緩和数量のやりとり、地域間調整によりまして、稲作をやることの意欲のあるところに、そういう条件のあるところに引き受けていただくということを努めてまいりたい、かように考えている次第でございます。

佐々木秀典日本社会党・護憲共同

○佐々木委員 時間の関係がありますので、余りこれ以上突っ込むことは、やめたいと思いますけれども、ただ、何にしても、言ってみれば生産者にとっては寝耳に水のような緊急措置であったわけで、国の方からお願いをしているということを十分わきまえていただいて、生産者の実情に見合った、できる限りの助成措置をとっていただかなければいけないのではないだろうか。建前からいって、あれもできない、これもできないということでは、生産者の意欲もますますそがれるわけですし、協力意欲もなくなってしまうわけですね。その点を考えていただいて、まだ実施の時期まで多少時間があるわけですから、いろいろまた御検討いただきたい、御工夫いただきたい、私どもの方からも、こんなことができるんじゃないかという要請もまた申し上げることになると思うので、お願いしたいと思います。  この問題について最後に、今もお話がありましたポスト後期対策との関連で、一体どうなるんだということですね。大臣は所信の中で、米については、円滑な需給操作に資するため、転作等目標面積を軽減したところだ、これに応じた米の生産を図りつつ、水田農業の体質強化を引き続き推進していく、こういう所信をお述べになっておられるわけですね。これに応じた米の生産を、こうあるものですから、そうすると、事務当局は今度の緊急措置、単年度と言っているけれども、明年度にも続いていくのではないだろうかというような期待も、この大臣所信の中から読みとれるのではないかという期待もあるんですけれども、この後期対策等含めて、減反緩和の問題、どういうふうにお考えになっているか、見通しなどを含めてお伺いできればと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 なかなか難しいのが農業でありまして、天候に左右される。今回の措置もやはり緊急的な避難措置といいますか、そういうことでお願いしているわけです。したがって、立派に野菜団地とかそういうようにできたものを無理に 水田にするということではなくて、比較的可能なもの、地域によっては割り当ての消化というのは難しいところもあろうかと思います、相当きちっと整備して。そういう場合には県同士での交換等を考えて、まあしかし何にしても農家の皆さんも、こういう事態ですから、これはだれも予想し得なかったことでありますから、やはりみずからも一生懸命やる、緊急的に外国から米を買ってこなければいかぬということだけは我々の手で極力防ごうという意欲を持ってもらわぬと、確かにお願いするんだから何でもかんでもという、やれるものはやりますけれども、おのずから限界がある。したがって、そういう、まあ国も農家も一体となって、やはりいつもあることではありませんから、それにはお互いにそういうときには一生懸命やろうということは、気持ちの上では大事である。したがって、めちゃくちゃな方法でやろうということでもない、まあしかしどのぐらいあるか、全然及ばないということであれば、また何らかの方法をやらなきゃいかぬ。今取りまとめておるところでありますから、達成するかどうか、急いでそれを見きわめたい。  それから、ポスト後期のことでありますが、何といっても農家の中期的な営農計画に支障を生じないように、極力変動のないようにしたいと思っているわけです。そう言いつつも、また相当過剰米を抱える、その処理に何兆円もかかるということは、国民の批判も受けますし、負担もお願いしなきゃならぬということでありますから、そこまでは、これは御勘弁願いたいと思うのでありますが、今回のこの十三万ヘクタールの軽減措置についても、できる限り安定的な転作営農の確保にも配意をしながら、今後の米の円滑な需給操作に資するため、緊急、応急的な措置、今申し上げたようなことで必要最小限の面積を緩和しているわけであります。  米については、後期対策終了後においても潜在的な需給ギャップがありますから、これを自由にさせますとまた過剰ということにもなりますので、何らかの形で生産調整はしていくことが必要であろう。その具体的なあり方については、農家の営農の安定にも配慮しなければならぬ。また、ことし四年産米の作柄はどうなるであろうか、また冷害で大変だということになるかあるいは豊作になるか、これは全く見通しが立たないわけでありますから、本年秋の時点における在庫、需要がどのぐらいいくか、その辺もよく見きわめたい。また、水田農業確立後期対策の推進状況、これもよく見きわめてやりたい。また、水田農業の健全な発展を図るとの観点等を踏まえながら、関係者の意見もよく伺って慎重にやはりやっていかなければいかぬ、そう考えております。

佐々木秀典日本社会党・護憲共同

○佐々木委員 いずれにしても、先ほど冒頭申し上げましたように、これが単年度の措置だからということで、農家の皆さんが心からこれに協力できないというわだかまりを持っている、そんなことから考えますと、何とか明年度にもつなげていけるような御配慮をひとつお願いしたいということを申し上げておきたいと思います。  次に酪農問題ですが、これも時間がありませんので幾つか予定しておりましたのをはしょりまして、具体的な差し迫った問題にちょっと絞りたいと思います。  いずれにしましても、畜産、酪農、これもなかなか厳しい状況にありまして、北海道でも離農をする人が随分多くなっております。特に中堅の酪農家あるいは畜産農家の中で、今は何とかなっているけれども先行きの展望がない、これ以上やっていてもどうにもならぬということで離農するという人が非常に多いということもありますので、ここで抜本的な畜産あるいは酪農対策というのをやはりもっと真剣に考えていく必要があるのではなかろうかと思っておるのですが、こういう問題も今後また議論をさせていただくことにいたしまして、とりあえず差し迫った問題として、チーズ原料乳の奨励金制度のことについてだけお尋ねをしておきたいと思います。  これは、御案内のように三月末で一応この措置が切れることになっておるわけですね。もちろんチーズの国内産の奨励のためということですけれども、外国のものに比べてまだまだチーズなどは国内産品というのは差があるのじゃないかということも言われているけれども、しかし最近は品質も非常によくなってきている。私などは割合チーズが好きなものですから食べる方なんですけれども、どうも自分の口には外国のものよりは日本でできるものの方が合っているのじゃないかと思って食べているのですけれども、そういうような点からいっても、これがなくなるということについてやはり北海道あたりの生産者、大変な不安を持って、これにまた影響が出てくるのじゃないかということを言っている向きがありますけれども、農林水産省としてこの問題、どういうように考えておられるのか、この制度の今度の期限切れやむなしとお考えなのか、あるいは継続について、これは大蔵当局との関係もあると思いますけれども、なお存続のための御努力をいただけるのかどうか、この辺についてお伺いをしたいと思います。端的にお答えください。

赤保谷明正農林水産省畜産局長

○赤保谷政府委員 お答えを申し上げます。  チーズの生産振興につきましては、酪農安定特別基金を設けまして、ナチュラルチーズ原料用生乳に対して特別な奨励金を交付する、あわせて国産チーズ、ナチュラルチーズの製品の開発に対して助成をしてきたところでございます。  この対策につきましては、チーズ向け原料乳を六十二年度から不足払い法の対象から除外をした、そういうことに伴う激変緩和措置として暫定的に実施をしているものでございます。おっしゃるとおり、そういうことで実施をしているものでございますので、いろいろそういう事情等から困難な事情がありまして、その存続については慎重な対応が必要であるというふうに考えております。

佐々木秀典日本社会党・護憲共同

○佐々木委員 これは何とかひとつ存続の方向で頑張っていただきたい、私どもとしても応援をいたしますので、交渉をしていただきたい、こう考えております。時間がございませんので、残念ですけれども酪農関係、これだけにしたいと思います。  その次に担い手対策ですけれども、これは大臣も所信の中で、この担い手問題というものを今度の農業政策の中でも極めて大事なものとして一番最初に掲げておられ、そして今度の新年度の予算の中でも具体的な担い手対策というものを幾つか出されておるわけですが、率直に言って、本当に担い手不足というのは深刻なわけであります。新規の就農者は北海道でも、例えば昭和四十五年には、学卒新規就農者ですけれども四千九百人あった。それが十年後の五十五年には千二百人、それから平成元年には六百人、平成二年に至っては四百人と減っているのです。ただ、平成二年の場合にはUターン就農者が四百人くらいあるということですから、合わせると八百人くらいになっているようですけれども、それにしても、今の北海道の農業規模からいってもとてもこれを維持していくには足りないわけでありまして、この外圧に抗してガット問題などで頑張っていただいても、つくり手、担い手がいなくなるというのはまことに深刻な問題になるわけで、さまざまな対策をお立てになっているわけだと思います。  私ども社会党としても、この青年農業者の就農について援助をするという法案を今検討しているところですけれども、ことしの担い手対策の目玉、そしてそれによってどんな効果が上げられると見ておられるのか、その辺についてお尋ねしたいと思います。

上野博史農林水産省農蚕園芸局長

○上野政府委員 今先生御指摘のとおり、後継者の確保というのは大変差し迫って重要な問題だというふうに考えております。この原因、非常に難しい状況にあるわけでございまして、他産業の求人が非常に強い、しかも農業に就業した場合に比べて給料等が比較的いいというようなことがございますし、それから農業の分野でいえば、先々不透明感があるというようなことが言われているというようなことがございまして、解消することが 非常に難しい条件というのが多いわけでございますけれども、新政策検討という過程を通じまして先行きの農業の姿というものをはっきりさせていくということをしながら、私どもとすれば、当面の問題として農業改良資金助成法の改正をいたしまして、後継者対策資金の範囲を広げて、親が農業をやっていなくても新たに農業へ参入をしたい人にある程度の規模の無利子資金をお貸しできるようなことを考えていきたいというような対応、その他予算的にも考えておりますけれども、やれるだけのことはやってまいりたい、かように考えている次第でございます。

佐々木秀典日本社会党・護憲共同

○佐々木委員 この問題についてもまだまださまざまな角度から論議をしなければならなかろうと思っております。今のお話のように、農業改良資金助成法ですか、この改正の中でも打ち出されるようですから、この審議のときにもまたひとつ論議をさせていただきたい、このように思っております。  それと一つ、お答えというよりは要望なんですが、現状農業の担い手というのは非常に高齢化していることはもう御承知のとおりで、それでこの高齢者が頑張っていることによって農業が何とか支えられている面もあるのではなかろうかと思うのですね。ところが、こういう高齢者、老齢者などに対してそれだけの、その意欲に見合うような手当てなり助成というのが国としてできているのだろうか。全然ないとは申しませんけれども、こういう頑張っている高齢就農者に対する助成措置も具体的に、あるいは営農助成とか、こういうことももっと考える必要があるのではなかろうか。若い人が育ってくる、新しい担い手をつくろうという前に、現在の担い手が少なくなってしまうということではこれまた農業荒廃ということに非常に急速になってしまうわけですから、このようなことについてもひとつ考えていきたいものだと思っております。時間がありませんので、このお答えは結構です。一応こういう問題提起だけさせていただくにとどめたいと思います。  最後の問題ですけれども、林業問題についてお尋ねをしたいと思います。  昨年、いわゆる森林法が抜本的な改正を見たわけですね。さまざまな関係者に大変御努力をいただき、自民党、社会党なども基本的な点で合意をするというようなこともあり、抜本的な森林法の改正が昨年行われました。それで、新しい森林・林業政策というものが策定をされて動き出しております。特にその中で、森林の流域管理システムを確立するための事業、これが一つの大きな要素になっていることは御承知のとおりでありますけれども、私どもとしても、このシステムの活用によって流域ごとの林業だとか、これは民有林、国有林を通じてですけれども、林産業も活性化されることを心から期待をしております。  そこで、具体的にはこの流域林業活性化推進事業が発足いたしまして、昨年度たしか三十一流域ですか、これが指定されているわけですが、この指定流域活性化事業の今の実施状況ですね、うまくいっているのかどうか、この辺について、簡単でいいですけれども御説明いただきたいと思います。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 お答えいたします。  先生お尋ねの流域林業活性化の推進事業の実施状況でございますけれども、これはやはり民有林、国有林を通じ、さらにまた川上、川下を通じまして、森林の整備や林業の振興を図ろう、活性化を図ろうというものでございます。  このために流域林業の活性化協議会を設置するということで進めておるわけでございますけれども、現在までに三十二流域、全国百五十八流域ございますけれども、このうちの三十二流域で既に設置がされております。  内容的には、森林施業の共同化等森林施業の推進体制の整備、さらにまた林業の機械化、路網の整備等生産性の向上、さらにはまた国産材の安定供給体制の整備、林業事業体の体質強化あるいはまた事業量の確保等、就労条件の改善等、これらにつきまして協議を進めているところでございます。

佐々木秀典日本社会党・護憲共同

○佐々木委員 それで、今お話の中にも出ましたけれども、この事業を推進するために、流域ごとにというか地域ごとにというか、活性化協議会をつくる、こういうことになっておるわけですね。これは地元関係者の合意形成を図ってこの事業を効率的なものにしていこうというねらいがあるわけですけれども、こういう事業の実施のためには、どうしても林業労働力の確保、これが一つのキーポントになるのではないかと思われますが、これも御承知のように林業労働力というものが大変な不足をしている、この担い手問題もあるわけです。  そういう意味でも、やはりこの流域あるいは地域で現実に働いている林業労働者の代表にこの協議会に入っていただいて、いろいろな要望だとかあるいは意見だとかを聞くということは非常に重要じゃないかと思っておりますが、この活性化協議会、今三十二できているということでしたけれども、この中に労働者の代表が参加しているのはどのぐらいあるのか、仮に参加をしていないところが多いとすれば、その参加を求める方法などについてどう考えておられるか、お伺いしたいと思います。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 三十二流域のうち、現在林業労働者の代表が参加し、協議が進められている流域は、この三分の一に当たります十三の協議会でございます。  今先生お尋ねの、入っていないというところでございますけれども、私どもとしてはやはり広範囲な構成メンバーで活性化を図るということが好ましいというふうにも考えておりますので、今後とも実情に応じまして、適正な構成となりますように、都道府県との連携を密にしながら、各種の場を通じまして広範囲な参加についての指導を行ってまいりたいというように考えております。

佐々木秀典日本社会党・護憲共同

○佐々木委員 先ほど申し上げましたように、やはり労働者の声というものを無視してこの協議会の発展ということは私はあり得ないと思いますので、まだ入っていないところは、例えば山林労働者の団体などもあるようですから、ないところはないなりにまた代表の選定をする方策を考えていただいて、ぜひ早急に労働者代表の参加を求めていくということについても林野庁の御指導をぜひお願いしたいと思っておりますので、よろしくお願いしたいと思います。  それから、この流域の管理システムを推進、定着させていくためには、やはり専門的な技術や知識を持っている人を活用することが大変大事だと思うのです。そういうことになりますと、やはり何といっても各地域の営林局あるいは営林署、これが大きな役割を果たすことになるのではなかろうか。そういうところから、この事業のための専任者、専任の担当者を配置したらどうかというように考えておるのですけれども、この辺についてはいかがですか。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 流域管理システムの推進につきましては、民有林、国有林一体となって行うということにしておりますし、昨年の森林法改正によりまして、民有林における森林計画の策定、それからまた国有林におきますやはり計画策定につきましては、相互に意見等も入れまして連携を図ったものにしたいということでスタートしたわけでございます。  そこで、このような観点から、営林局あるいは支局も含めまして、都道府県との間に森林計画連絡調整会議というものを設けまして、森林の施業方法なりあるいは担い生育成とか機械化の推進等につきまして調整を行うということにさせていただいております。  その中で、今お尋ねの専門官というような職務の設置でございますけれども、これにつきましては国有林の地域別の森林計画につきまして調整を専門的に行う担当者ということで、平成三年の四月に全営林局及び営林支局に地域森林計画官なるものを置いたところでございます。

佐々木秀典日本社会党・護憲共同

○佐々木委員 それでは最後の質問にしたいと思いますけれども、この陣容です。平成三年度までに三十二流域が指定されている、こういうふうに 伺っております。しかし、お話しのようにこの流域は全国で想定されているのは百五十八、これが計画区になっているわけですから、全部についてこの事業を進めるためにはまだ相当な時間がかかるのではないだろうかというように思われるわけです。これを何とか全体について早急に実施するためには一体どうしていったらいいだろうかというようなことについて、方策についてのお考えがありましたら、最後にお尋ねをしたいと思います。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 この問題につきましては、確かにこの森林計画の策定の回転といいますか、こういうものが五年刻みでなされているということもございまして、五年をかけてというように一応考えてはおりますけれども、御指摘のように、そしてまた我々も考えていることでございますけれども、活性化というものはやはり急ぐべきものだというように思っておりますので、予算の配分等に工夫もすることも必要でございましょうし、また早目に動きがある場合には私どもも大いにこれを助長しなければいけないだろうというように考えておりますので、いろいろと工夫もさせていただきまして極力早い体制づくりというものを考えてまいりたいと思っておるわけでございます。

佐々木秀典日本社会党・護憲共同

○佐々木委員 抽象的なお話だったのですけれども、具体的にやはりこれを早期に、しかも効率的に事業を推進していくということが要請だろうと私は思っております。  これについては、きょう時間がありませんからこれで打ちどめにいたしますけれども、なお今後この具体的な方策について議論をさせていただく、またいろいろな手だても考えていただかなければならなかろうと思っておりますので、この点を特に強く御要望申し上げたいと思います。  以上で終わります。ありがとうございました。

高村正彦自由民主党

○高村委員長 堀込征雄君。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 林野庁長官おいでですから、ちょっと関連的に林野問題を質問させていただきます。  今お話ございましたように、昨年森林二法それぞれ議論をしてまいったわけでありまして、特に国有林野事業改善特別措置法改正から一年が経過したわけであります。この改善計画が順調に進んでいるのかどうかという点で心配をいたしておるわけであります。  今年度予算を見せていただきますと、長期借入金が二千六百億円余さらに積まれているわけであります。これは私なりに解釈をさせていただきますと、昨年、経常事業部門と累積債務部門で一応経理の区分をすることになる、その視点から見ますと、この二千六百億円余りの長期借入金は、経常事業部門が千二百億円、累積債務部門がおよそ千四百億円と見ていい、こういうふうに思うわけであります。ことしも経常事業部門の借入金千四百億円余あったわけであります。これは五年間据え置き、二十五年償還、こういうことになるわけでありまして、改めてこの支払い利子が将来生じてくる、こういう問題があると思うわけであります。  そういう意味で、昨年の法律で改善期間は、特に経常事業部門については十年間で収支均衡を図る、こういうことになっているわけでありますが、こういうふうにさらに借入金が拡大をする、その支払い利子が生じていく、こういう状況があるわけであります。一年を経過して、改善計画、順調に進んでいるというふうにごらんになっていますか、いかがでしょうか。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 お答えいたします。  平成四年度の借入金でございますけれども、先生もおっしゃいましたように、これは経常事業部門と累積債務処理部門に分けて考えているわけでございまして、経常事業部門では千百七十九億円、累積債務処理部門としては千四百二十八億円の借入金を行ったわけでございますが、このことは、昨年改正されました国有林野事業改善特別措置法に基づきましてまさに経常事業と累積債務部門を区分いたしたことから、借入金につきましても分離しているわけでございます。そして、なお私ども目指しておりますのは、累積債務におけるこの経理が経常事業部門にその影響を及ぼさないようにということが目的でございますので、このように区分して経理をし、それぞれにつきまして対応策を講じてまいるということでございます。  さて、経常事業部門がどのように進行しているかということでございますけれども、この部分につきましては昨年の七月に新たな改善計画を策定いたしまして、これで進めてまいるわけでございます。内容的には、請負化等によります事業の民間実行の徹底でございますとか、あるいは要員規模の適正化、さらに営林署の統合、改組、組織機構の簡素化、合理化というようなこととか、林産物の機動的な販売、森林空間の総合利用の展開、これによりまして自己収入の確保もいたします。  その他、森林の公益的機能発揮等の観点からの一般会計からの繰り入れというような財政措置も講じまして、経営体質の転換、改善を図るということを基本的に考えつつ財政の健全化の確立に努力しているところでございますので、改善の実績につきましては一歩一歩着実に前進を図ってまいろうという考えでございます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 今の御説明で努力をされていることもわかるし、それからこれからいろいろな方策を講じていくという姿勢もわかりました。  ただ、私が心配をしますのは、単純に、予算書を見せていただきまして、経常事業部門の方の支出がおおむね三千八百億円ぐらいある。しかし、事業収入の方は大体二千億円強くらいしかない。千八百億ぐらいの差があるわけですね。しかも、その支払い利子がさらに膨らんでくる、こういう事情があるわけでありますから、これは人件費だとかあるいは経費を減らしても、あるいは今の長官答弁のような事業による努力を重ねても、収支均衡を図っていくのはなかなか難しいのではないかという心配を実はするわけであります。  そういう意味で、一般会計についても皆さん御努力をいただいて大変ふやしてはいただいておりますが、これはやはり百七十五億円程度よりもさらに大幅にここのところをふやさないと難しいのではないかというふうに、私は予算書を見て読めるわけでありますが、一般会計からの繰り入れ大幅増の問題についてはいかように考えておられますか。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 確かに、確実な収入を図るということが大変重要でございまして、平成四年度の歳入につきましては予算案では業務収入が二千百三十七億円、雑収入百五十九億円、治山勘定からの受け入れ百四十二億円、そしてさらに今先生おっしゃいました一般会計からの繰り入れは百七十五億円、このようなことでそれぞれの対応策をしているわけでございます。  業務収入につきましては、材価の変動等もございますのである程度波はございますけれども、そのような中で着実な収入を図ってまいりたいと思っておりますし、なお、一般会計繰り入れにつきましては、繰り入れ総額としては先ほどの百七十五億円も含めまして三百三億円の計上でございます。これは前年度に比べまして二一%増ということになっているわけでございまして、内容的には、造林・林道等の事業施設費で百六十三億円、これは前年度比一一七%でございますし、その他保安林の保全管理等の一般行政費用が十一億円、このように一般会計繰り入れも前年より増加させているところでございます。  今後私どももこの国有林の経営の改善につきましては、自主的な改善努力も大いにいたしながら、また所要の財政措置、予算措置というものも、これらの経費確保につきましても努力をさせていただきたい、このように思っております。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 一般会計の繰り入れをできるだけふやして大切な国有林を守るべく、そして改善計面に沿って改善が進行できるように、ぜひ大臣を初め御努力をいただきたいと思います。  もう一つ、累積債務の方でありますが、これも大変な債務を消していかなければならぬということであるわけでありますが、最大の費目でございました国有林野の売り払い実績、今年度ですか、たしか七百二十六億円ぐらいの予定をしておったはずでございますが、実績見通しはどのぐらいに なりそうでございましょうか。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 お答えいたします。  平成三年度の林野・土地売り払い収入につきましては、当初予定七百二十六億円でございますけれども、平成三年度の補正予算におきましてこれを三百二十六億円に補正いたしたというところでございますので、実績見込みは平成三年度末におきまして約三百三十億円と見込んでいるところでございます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 そこで、今答弁ございましたように、累積債務の方も最大の収入予定であった国有林野財産の売り払い実績が半減をしている、これはバブル経済がはじけたとかいろいろな事情があると思いますけれども、一応そういうことになっているわけであります。  それで、今年度末、平成四年度末の累積債務の残高見通しがおよそ二兆六千億強、こういうふうになるのだろうと思います。つまり、この二年間で大体四千億円程度また膨らんでいる。つまり、年々二千億程度累積債務がふえていっている事情が今あるわけですね。しかし、そういうものを重ねていっても、累積債務については平成十二年度以降十年間で、経常収支のバランスをとった後、これは十二年度からの十年間で消していくのだ、こういう改善計画が立っているわけであります。この収入源は、主に林野売り払い、それから経常業務からの収益を十年後から充てていくのだ、こういう仕組みになっています。これは、例えば今申し上げましたように、林野売り払いも一兆二、三千億を予定しておったわけでありますが、初年一度からもうそういう事情になっているということがあります。  それから、経常業務の方も、さっき申し上げましたように相当一般会計からの繰り入れをしていかないと、この計画ができるかできないか、非常に難しい状況もあるのではないか。それから、そういうような事情を考えますとこちらの方も、昨年の法改正でいろいろな道は開けましたけれども、さらにさらに一般会計の拡大などを考えでいろいろな努力をしなければいけない。この累積債務問題も将来にさらに禍根を残すようなことになるのではないかというふうに思うわけでありまして、この点の考え方、見通し、ひとつしっかりやってもらわなければ困りますけれども、一年目を経過して、その考え方について聞かせていただきたいと思います。

小澤普照林野庁長官

○小澤政府委員 累積債務処理の問題でございますけれども、この問題につきましては、林野・土地等の資産売却収入をもって充てる、さらにまた、将来生ずる剰余金もこれに充てていく、そしてこれらの自己収入を充当しても債務処理に要する費用がなお不足する場合には一般会計繰り入れ等の財政措置を予定しているところでございまして、平成四年度で見ますと、林野・土地等の資産売却収入は八百七億円を考えております。一般会計の繰り入れにつきましては百二十八億円ということでございますし、また借入金で処理する部分が千四百二十八億円ということでございますけれども、確かに先生御指摘のように、資産処分等がおくれてまいりますと借入金等で振りかえていく部分がふえてまいりますから、我々としては極力この累積債務の増加を防ぎたいと考えているわけでございます。  そこで、この資産の売り払いにつきましてはなかなか状況が厳しいものがあるわけでございますので、これの対応策につきまして若干具体的なものを考えておりますので、ここで御報告させていただきたいわけでございます。  一つは、売り払いの計画的推進ということで、毎年度、三カ年計画を作成いたしまして、より具体的に資産の処分を行うことを考えております。  次に、公用あるいは公共用としての買い受けが見込まれますような地方公共団体との情報交換の場も設置してまいるということでございます。  さらに、林野・土地売り払いに関します各種の情報というものを公開していこうということでございまして、これにつきましては林野庁、営林局あるいは支局、営林署におきまして情報公開コーナーも設置したところでございまして、このような諸努力を通じまして累積債務対策を進めてまいりたい、このように考えております。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 大変な事態でありますが、改善計画に沿って御努力をされている様子もわかりました。一層御努力をいただきたいと思います。林野庁、ありがとうございました。  ちょっとガット関係で二、三点質問させていただきます。  きのう来の質問で、要するに国境措置にかかわる関税化にかかわる部分、米、乳製品、でん粉等十八品目についてはそれぞれ関税率は記入をしないんだ、こういうことは確認をされ、先ほどの答弁でも明確になりました。  問題は国内支持政策の削減でございますけれども、国別表のリストを出す、こういうことになっているわけであります。これはOECDで計算をされているPSEで、この前、去年出した場合は十三品目を検討の基礎としながらくくって計算をして出した、こういうことでございますが、今回もそういう考え方でリストを用意している、こういうふうに考えてよろしいですか。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 国内支持につきましては、一昨年の十月に、私ども農業の支持、保護の削減の手法としてAMSを用いるということでオファーを出しております。この考え方を踏襲したいと思っております。  現在のダンケル・ペーパーは、今お触れになりましたPSEと少し違う方式でございますが、私ども国内支持につきましては緑と黄色という政策の主張もございますが、それを踏まえましてAMSでオファーを出したいということで、今作業をしております。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 それでは確認をいたしますが、一昨年十月に出した国別表及びオファーとの関連でございますが、数字は当然変わるでしょうけれども、大体品目のくくり方は同じだ、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。このときはPSEが計算されて、我が国で生産されている十品目を対象として小麦、大麦、米、これを穀物セクターとしてトータルAMSで出した、それから砂糖、牛乳・乳製品はユニットAMSの方で対応した、こういう経過がございますけれども、こういうことでよろしゅうございますか。  それから関連をしまして、その他農産物で関税の方で引き下げをする主な品目は何と何でしょうか。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 これから具体的作業に入ることは先ほど申し上げたとおりでございますけれども、おおむねそんな形で踏襲したらどうかというふうに今考えております。  それから関税につきましては、これは非常に詳細にわたりますので、ちょっと今のところまだそこまで整理がついておりません。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 そこで、穀物セクターとして小麦、大麦、米をくくって削減計画を出す、こういうことですね。例えばその場合、転作奨励金あるいは良質米奨励金、これは数字の積み上げの中に入るのでございましょうか、いかがでしょうか。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 その辺につきまして、まだ詳細に私ども態度を決めているわけではございませんが、緑と黄色の境目の政策につきましては、私どもの主張に基づいてやりたいと思っております。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 そこで、何がグリーンボックスに入るのか、何が境目ということなのですか。今の数字の積み上げの中に、例えば良質米奨励金は計算の基礎として入れざるを得ないわけですね。いかがですか。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 良質米奨励金は、削減対象にならざるを得ないのではないかと今のところ思っております。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 したがいまして、私は、ガット問題は国境措置問題が中心に議論をされてきた、そして米の自由化を何としても阻止をするのだ、こういうことで我々も一丸となってやってきたわけでありますが、この国内支持の削減も我が国米作に極めて影響が大きい、良質米奨励金の削減を来週にも予定されるリストに含めざるを得ないという 事情になっているわけでありまして、これから米価価格政策に深刻な影響を与えるのではないかというふうに思いますので、ぜひそういう面でも、これから我が国米作に影響を与えないような、なるべく影響が少ないような努力を賜りたいというふうに思います。  もう一点質問させていただきます。食管法の関連は、これは予算委員会の質疑それからきのうの当委員会での質疑で、もし関税化を受け入れれば食管法は改正をしなければ通らないであろうということが確認をされてきました。そこで、例外なき関税化の場合、ガット十一条二項(c)の関連で、乳製品、バターなどの関連でございますが、同じ趣旨で加工原料乳生産者補給金等暫定措置法、この十三条、十四条は、私は、数量規定でございまして、例外なき関税化を受け入れる場合はこの法律も改正が必要だ、こういうふうに思いますが、いかがですか。

赤保谷明正農林水産省畜産局長

○赤保谷政府委員 乳製品の輸入制限措置につきましては、さきにガット規則違反というパネルの裁定がなされておりまして、また昨年の十二月にガットの事務局長から提示されましたいわゆる合意文書案では、包括的関税化の方向が示されておるわけです。しかしながら、我が国は、かねてよりウルグアイ・ラウンドにおきまして輸入数量制限に関するガット十一条二項(c)の規定の適用要件の明確化を提案しているところでありまして、また、この基本方針に照らして関税化は受け入れがたい、そういう主張をしているところでございます。  さらに、交渉の場におきまして関税化については種々論議がなされているわけでございますけれども、その内容というか概念にはなお不明確なものがある、そういう事情でございまして、御質問のようなケースにつきまして具体的に検討する段階にはない、そういう点、ひとつ御理解をいただきたいと思います。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 答弁が非常に不明確でございまして、私の質問は、もし例外なき関税化を受け入れた場合、食管法は改正の必要がある、こういう答弁が予算委員会以来なされている。きのうもこの委員会でなされた。その場合に、加工原料乳生産者補給金等暫定措置法の十三条、十四条は明らかに食管法と同じ数量規定だと私は思う。したがって、これはどうしても、仮に関税化、そうなっては困りますけれども、受け入れる場合は法改正の必要がある、こういうふうに思いますが、いかがですか。

赤保谷明正農林水産省畜産局長

○赤保谷政府委員 断定的なものとしては申し上げがたいわけですけれども、あえて申し上げますれば、いわゆる関税化ということになりますれば、現行の輸入制度の見直しと法律改正の問題を惹起する可能性があるのではないかというふうに考えております。要するに、法律改正をする必要が出てくる、そういう問題が出てくるというふうに考えております。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 それではそういうふうに確認をさせていただきます。例外なき関税化、仮にそういう事態になった場合は、この法十三条、十四条の改正が必要だ、こういうことの答弁として受けとめます。  それでは、青果物の流通関係について質問を移させていただきます。  農水省で、卸売市場の取引問題検討会をつくって第五次の卸売市場整備方針に基づいて今諸課題が検討中だ、こういうふうにお聞きをしております。それから、野菜の分野につきましては野菜研究会をつくって、報告書も出されているわけであります。それぞれ検討を重ねているということは、今の流通に問題があるということだろうというふうに思います。この問題意識なり、それから卸売市場をどうしようとしているのか、具体的にいつごろまでにどうかするというようなスケジュールがございましたら、ちょっと説明をいただきたいと思います。

武智敏夫農林水産省食品流通局長

○武智政府委員 卸売市場につきましてのお尋ねにお答えいたしたいと思います。  先生御承知のとおり、近年卸売市場をめぐりましていろいろな変わった事情が起こってきております。産地サイドにおきましては、生産なり出荷が大型化いたしておりますし、また、消費サイドにおきましては、量販店なり外食産業等のいわゆる大口需要者の比重が非常にふえてきております。したがいまして、従来の競り取引だけでは十分でなくなってきておりまして、いろいろな取引方法が必要になってきておるわけでございます。  そんなこともございまして、取引問題検討会におきましては、こういったような状況のもとで、幅広く市場関係者あるいは学識経験者の意見を聞きまして、具体的な改善を検討するために設けたものでございまして、できれば年度内に中間的な報告をいただこうということで進めておるところでございます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 大体考え方はわかりました。  そこで、果樹もそうですが、特に野菜生産ですね。この十年間くらいで全国で一万九千ヘクタールぐらい減少しているという数字が出ています。しかも、産地が北海道だとか東北だとか四国だとか九州にだんだん追いやられていっている、つまり南北端の方に産地が移動している、こういう事情もあります。さらにはまた、白菜、大根、キャベツというような重量野菜が非常に減ってきているという事情もございます。一方で輸入野菜がふえている。こういう事情がありまして、消費者の方は最近野菜価格が高いのではないかというような声も出ているわけでありますけれども、これは今産地がそうなっている。重量野菜が生産者が少なくなって生産量が減っている、あるいは野菜生産量全体が減ってきている、この傾向なり原因についてはどういうふうに分析をしていられますか。     〔委員長退席、簗瀬委員長代理着席〕

武智敏夫農林水産省食品流通局長

○武智政府委員 野菜についてのお尋ねでございますが、先生おっしゃいましたとおり、最近の野菜生産をめぐる状況について見ますと、ほかの品目も同じでございますけれども、農家が高齢化をいたしたりあるいは労働力不足があるといったようなことに加えまして、野菜の場合に連作障害等も出てきております。そういったようなことで、野菜の作付面積全体についてみますと、この五ないし六年の間に二万ヘクタール前後ぐらい減っておるのじゃないかというふうに思っております。  そういった中で、先生御指摘のございましたような労働力不足の問題それから消費者サイド、両方絡んでおるわけでございますけれども、大根ですとか白菜ですとか、そういった在来型の野菜が減っておる。他方におきましては、レタスですとかホウレンソウ等がふえておるといったようなことで、かなり品目間の相違が出てきております。  それからまた、地域別におきましては、御指摘のように都市化の進展等によりまして、都市近郊野菜の作付面積が減る一方で、道路網が整備いたしましたりあるいは輸送手段が発達いたしましたことから、北海道ですとかあるいは北東北ですとか南九州ですとか、そういったような遠隔地の産地での作付がふえておりまして、そういったところからの大都市への市場出荷がふえておるというような状況でございます。  最近、先生御指摘のように野菜が高いというようなお話もございましたけれども、これは例えば去年の場合で見ますと、非常に秋以降の長雨があったというようなこともございましたし、それから前の年の災害の影響等もありまして、そういった毎年の災害の影響と、今申し上げました、やや若干ずつ面積が減ってきておる、そういったようなことも絡んでおるのじゃないかというふうに思っておるわけでございます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 そこで、ちょっと取引問題について質問させていただきます。  今の取引は、競りが非常に後退をしたといいますか競り取引が少し減ってきて、先取りの取引だとか相対取引が非常にふえてきておるわけですね。これはいろいろ原因があるわけでありまして、私はやむを得ない傾向かな、ある程度はやむを得ない傾向かなというふうにも見るわけであります。農水省としてはこの傾向について、大体今の 状況でいいというふうに見ているのか、好ましいと見ているのか、あるいは多少改善が必要だというふうに判断していらっしゃいますか、どちらでしょうか。

武智敏夫農林水産省食品流通局長

○武智政府委員 市場における取引の問題でございますけれども、御承知のとおり、原則的に競りまたは入札ということにいたしております。しかしながら、最近におきましてはいろんな市場をめぐる条件が変わってきておりまして、一つは、生鮮食料品等の規格性なり貯蔵性が高まっておるというようなことが一つございます。それからまた、産地が大型化したり、あるいはそういうようなことによりまして生産者サイドからむしろ安定した価格での取引をやりたいというような意向も強まっておりますし、それからまた、消費者サイドにおきましては量販店等がふえておりまして、市場での取引の開始時刻以前の取引、いわゆる先取りと言っておりますけれども、そういった取引によります安定した数量での供給を求める傾向が強くなっております。  それから、さらにはまた、大都市の中央卸売市場が集散市場としての役割がふえてきておる。要は転送、一たん東京に入りましてそれからまた地方に出るといったような問題でございますが、そういったようなもろもろの卸売市場をめぐる情勢が変化してきております。  したがいまして、特定物品ですとかいわゆる先取りですとか、あるいは転送等の相対取引が増加してきておるわけでございます。これも各市場によりましてかなり違っておりますので数字的に一概には言えないわけでございますが、例えば青果物について見ますと、十年前に比べますと一〇%ぐらいの相対取引がふえてきておるのじゃないかというふうに思っておるわけでございます。  したがいまして、そういったような取引をめぐる情勢の変化あるいは先取り等がかなりふえてきておるわけでございますが、これがまた無秩序にふえていきますと、いろいろ適正な価格形成といった面で問題も出てくるおそれなしとしないというようなこともございますので、そういった観点で現在取引問題検討会をつくりまして、要はいろんな形での取引ルールの確立を図った方がいいのじゃないかというふうに考えて検討いたしておるところでございます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 今の先取りは、生産サイドへは非常にたくさんのしわ寄せが行っているわけであります。特に産地の方は、収穫時間とか出荷調整作業時間なんか非常に早まったり非常に問題が出ているわけでありまして、あるいは消費者ニーズという名前で、そういう名目で大型店から品物の規格を極めて細分化したような形で要望が出てくるとか、産地へ非常な問題が今出ているわけであります。  そこで、これはやはり多少量販店の台頭によって先取りがふえているわけでありますけれども、もう少し、川下の意見ということだけではなしに生産者の苦情などを聞いていかないと、産地の崩壊につながっていくのではないか。そのことが、ひいては日本の青果物の価格をさらに上げて、結局は消費者にはね返っていくのではないか、こういうふうにも思うわけでありまして、そういう点でひとつぜひ産地側の事情というものをもう少し声を大にして農水省の方でもやっていただきたい、こういうふうに私は思うわけであります。  そこで、いかがでしょうか、今答弁を聞いておりました中で、見直しが必要だと。今まで農水省は入札による予約取引を非常に重視されてまいりましたけれども、ずばり卸売市場法の改正ということを視野に入れているんでございましょうか。いかがでしょうか。

武智敏夫農林水産省食品流通局長

○武智政府委員 お答えいたします。  昨年の四月に第五次の卸売市場整備計画をつくったわけでございますが、その際にいろいろ関係の方々に議論をしていただきまして、ちょうど去年一月に卸売市場の審議会の専門調査会報告を出していただいたわけでございますが、その中におきましては新しい取引ルールの導入が法改正に直結するとは考えていないというように書かれておるわけでございまして、今回これらの答申も踏まえまして検討を行っておるところでございます。  先生お話ございましたように、確かに生産者の方々から卸売市場法を変えたらどうかというようなお話があることは我々聞いておりますけれども、具体的にどこが不十分であるからというようなことでは実はございませんで、先ほど来お話がございますように、現在の競り取引を中心視し過ぎておるのではないか、むしろ取引方法についてもっと弾力化すべきでないかというような声が中心でございます。したがいまして、それらの問題につきまして現在生産者団体等の方々にも入っていただいて広く意見を求めておるわけでございますので、それらの方法ができればまた生産者の方々の納得も得られるのではないかというふうに考えておるわけでございます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 今の答弁で大体、全面的に今ある問題点をどう解決するかということで検討しているということはわかりました。  いずれにしても生産者側の意見が、今の状態は全面無条件委託という方式になっているわけでありまして、これではやはり産地の方はだんだん過重な労働も強いられますし、いろいろな条件を強いられるわけですね。消費者ニーズという名目でいろいろ努力をしなければならない。最近などはゼロゼロ運動などといいまして、十二時までには荷をつけろとか、もうむちゃくちゃな産地側への要請が現実問題として出ていまして、農家の方はもう大変でございます。さらには最近の運賃の高騰だとか輸送問題をどう解決するかというような問題もあります。そういうことで、川上の生産者側の意向が反映できるシステムをぜひ検討してつくっていただきたい。  さらには、競りか先取りかというような問題もあるわけでありますが、今の競り方式は、私はやはり長所は価格が非常に公明だという点と、生産者側から見ますと代金決済がスムーズに行われて、出荷をして二、三日で農家の口座へ入っていくというシステム、これはもうどうしてもきちんと守っていかなければならないシステムだというふうに考えるわけでありまして、これが崩れて量販店などから手形か何かで決済をされるようなことになると、これはもう産地の方はとてもじゃないが大変な事態になるのではないかというふうに思うわけでありまして、そうしますと、やはり競りと予約相対と先取り、三つの方式を組み合わせであるべき姿を探していくしかないんではないか、こういうふうに思うわけであります。  その長所を生かしつつ、しかも今私が申し上げましたように、消費者の声もあるんだけれども、今野菜生産が減ってきている、あるいは青果物の生産が減ってきている、これはやはり産地の声を何とか反映をしていかないと将来大変なことになるんではないか、こういうふうに思っているわけですが、農水省、考え方はいかがですか。

武智敏夫農林水産省食品流通局長

○武智政府委員 先ほど来出ておりますとおり、産地の方も非常に大型化いたしておりますし、消費サイドでも量販店のウエートが非常に高まってきておりますので、当然取引につきましても弾力的に対応していく必要があるというふうに思っております。  したがいまして、競り取引はもとよりでございますけれども、いわゆる特定物品、これは開設者の個別の承認を必要としないで相対取引ができる物品でございますが、こういった特定物品の拡大ですとか、あるいは予約相対取引、これはあらかじめ数量なり価格につきまして生産者との間で契約をしておきまして、それらに基づいて一定期間にわたって行われる取引でございますが、そういった予約相対取引の改善ですとか、あるいはまた予約取引と申しまして、産地側の出荷情報に基づきまして前日に入札等で値決めを行うといったようないろいろな取引方法を有機的に組み合わせていくことが、産地サイドにとりましてもあるいは消費サイドにとりましても非常にいいことじゃないかというふうに思っておりまして、そういう考え方も考慮しながら、現在取引問題検討会で幅広く 関係者の意見を求めておるところでございます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 ぜひそういう考え方で取り組みを一層進めていただきたいと思います。  それでは次に、ちょっと食管問題について質問させていただきます。  私の地元から発生した問題でございますのでまた恐縮でございますが、例のアサヒ通商・飯塚米穀事件が二月四日新潟地裁で第二回公判が行われて、検察側の冒頭陳述がございました。この中で、不正規流通といいますか、不正規流通ではなくて、にせ米が飯塚米穀からアサヒヘ十三万二千俵、そして自由米の仲介業者ジャネックという会社を通じて三万七千俵、計十六万九千俵というものが判明をした、こういうことになっております。  そこで、食糧庁も最近一生懸命処分等を通じながら御努力をされています。この事件でアサヒ通商ルートで出た食糧販売店、特に川崎食糧、京都府米穀、長崎県米協、広島食糧、横須賀食糧、タキヤ、徳島県食糧、高知県米、福岡県食販連、つまり全国にこのにせ米が流れていたわけですね。こういう実態があるわけでありまして、こうした業者については、これはアサヒ通商を特定米穀業者、特定米穀の資格しかないということを多分知っていて取引をされたのではないか、こういうふうに思いますが、これなどについて、この事件の事後処理と対応策ありましたら、食糧庁お願いいたします。

京谷昭夫食糧庁長官

○京谷政府委員 先生から御質問のございましたこの案件、大変遺憾な事態であるわけでございますが、お話ございましたように、刑事案件としては既に関係者が起訴をされ、公判が開始されておるという状況でございます。  実はこれは、刑事案件と並行いたしまして、食糧管理法上許されていない米の不正規流通という問題を含んだ案件でございますが、私ども告発以来若干の事実確認を進めたわけでございますけれども、刑事捜査との関係がございまして、実は調査を中断しておったわけでございます。刑事捜査の終了を受けまして、一月下旬以降私どもの方の措置の前提として、事実確認作業を本格的に始めております。  ただいま先生から御指摘のあった業者名等は公判における冒頭陳述の中で例示をされておる案件であろうかと思いますが、それらの案件すべて私どもの調査の視野の中に入っております。できるだけ早く事実確認の上、その事実関係に即して私どもとして可能な厳正な措置を講じてまいりたいというふうに考えておる次第でございます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 ぜひそういうふうにお願いします。  それから、この事件でもう一つ私はゆゆしき問題があるというふうに思っているのです。業界トップの大阪第一食糧、それから山種産業という代表的な業者がこれはかかわっていたわけですね、にせ米の流通に。そして大阪第一は、にせ米であることがわかった時点でクレーム処理に三百万円で手を打っている、こういう事実がございます。これはもう明らかににせ米であることがわかっていてそういうクレーム処理を行った。それから、これも業界最大手の一つであります山種産業、これも、このにせ米のルートは一社百八十袋だけにしてくれという話をあちらこちらにして手を打っていた、口裏を合わせていた、こういう事実があるわけであります。これは我が食糧行政の中の日本のトップクラスの両社でございまして、特に厳重に食糧行政の上からも対応してもらわなければ困る、こういうふうに思いますが、いかがですか。

京谷昭夫食糧庁長官

○京谷政府委員 ただいま先生から御指摘のありました状況というのも、私ども、刑事案件としての検察側の冒頭陳述の中でるる述べられておる状況であろうかと思います。現実にそこのにせ米の認識が、関与した業者、どの程度のものであったかということについては、さらに私ども、事実関係を我々の立場から当たって、確認をしていくという作業を進めております。  我々なりの認識を固めた上で、事実関係に即した措置を、ただいまご指摘のあった業者を含めて当然やっていかなければいかぬと思いますが、いずれにしましても、お話ございましたように、やはり代表的な卸売業者、それなりに責任が重いという認識は私ども持っておるわけでございますので、ひとつ事実関係を十分見きわめた上で所要の措置をとっていきたいということで、今作業を進めておるということでございます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 今、一つのにせ米という事件があって法廷で裁かれている、こういう事態がございます。それから、例の富山県の川崎商店事件がありまして、これは食糧庁非常に御苦労いただきまして、業務停止あるいは行政処分措置などを講じながら今やっていただいている。しかしこれも、やはりその周辺業者を業務停止処分したり営業停止処分をしたり、そういうこともしながらいろいろな努力をしていただかなければならないということはもちろんあるわけでありますが、日本の米の流通の実態を見ますと、不正規流通という世界はもう法律があってなきがごとしというような状況と言えないでもないぐらい、そういう実態になっている。やはり価格政策や食糧行政を通じながら努力が必要だというふうに思います。あるいは、政府米と自主流通米の価格差などについても検討しなければならないし、消費者米価の決め方などについても、不正規流通が発生しないような仕組みも検討しなければならないでしょう。  そこで、昨年自主流通米価格形成機構などができて、値決めについては一応市場の動きを取り入れてやる機関ができたわけであります。問題は、私は、正米市場を初めいろいろあるわけでありますから、やはり流通の段階で自主流通米価格形成機構がかかわるとか、あるいは別な機関をつくるとか、いろいろな方策もまた必要があるのではないかという感じもしているのです。これはまだちょっと私の考え方であります。いずれにしても、食糧管理法に沿った流通ということを考えていかなければならないというふうに思いますし、また、流通実態に見合った食糧行政というのをやりながら食管法を守っていかなければならない、こういうふうに考えていますが、最後に大臣、ひとつその食管法の今の流通に沿ったあり方について、考え方ございましたらお聞かせをいただきたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 お答えをいたします。  食糧管理制度につきましては、情勢の変化に応じて昭和五十六年に所要の改正を行ってまいりました。平成元年の農政審の報告に基づいて、各般の流通改善を行いましたし、また、今申し上げましたように、先生お話しのように自主流通米価格形成の場の設置等を行って、運営の改善を進めているところでありますが、さらに今回のこの不正規流通問題の背景に見られるような米の生産、流通、消費をめぐる情勢の変化を踏まえた適切な対応というものは研究していくことが課題になっていると思っております。  先生のところから出たということで、新幹線も決まり、オリンピックも開催が決まった長野県でありますから、ひとつ県とよくよく相談されて、どうぞこの上とも御指導賜りますようにお願いを申し上げます。

堀込征雄日本社会党・護憲共同

○堀込委員 終わります。

簗瀬進自由民主党

○簗瀬委員長代理 鉢呂吉雄君。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 まず、大臣にお伺いをいたしたいと思います。  これは緊急の質問でありますけれども、きのうも外務大臣が答弁をしておるようでありますけれども、ロシア共和国と韓国が北方領土領域内で操業するかの協定を結ぶかの報道がされておりまして、特に日本と韓国は今漁業の自主規制の協定をしようということで、昨年から七回ほどの実務会談を含めてほぼ合意が成ってきたというふうに私ども聞いておりますけれども、この日韓漁業自主規制協定に今回のロシアと韓国の問題は支障を及ぼすのではないかというふうに、私ども北海道の漁民の方からもきのうからきょうにかけて盛んに電話をいただいておりますので、大臣のお考えをお願いしたい。特に日本と韓国の場合は二百海里を設定できないということで、北海道でも非常に漁業者が漁網の被害ですとか乱獲の被害に遭って Bおりますので、そういう点を踏まえて、農林大臣の御見解をお伺いしたいというふうに思います。     〔簗瀬委員長代理退席、岩村委員長代理     着席〕

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 韓国とロシアの漁業問題でありますが、御案内のように日韓の漁業協定、非常に難航していまして、私も去年だけで十回くらい訪韓をして、何とか日本の漁業を守っていくために協力してほしい、ようやく年内に妥結をしようと思ったのですが、諸般の事情でまだ締約をしていない、来週ぐらいになると思いますが、そういう両国の関係が、非常に気を使いながら、二百海里も引けない、そういう中で、取り締まりもお互いの船に乗船をしてやろう、仲よく、しかも今度漁業管理と培養殖のセンターもお互いにやろう、こういう良好な関係にあるときに、しかも、この北方四島については従来から韓国も日本の立場というものを支持しておった。今まさに北方四島返還の交渉が行われようというときに、その四島周辺で韓国とロシアが漁業協定を結ぶ、私はまことに遺憾だと思います。  どういう内容で期間がいつまでとか、いろいろあると思いますけれども、期間は、自分のものだと思っておりますから、その間はいいだろうというような考えがもしあるとすれば、日本は固有の領土だということを主張しているわけでありますから、これはよくよく内容を調べた上でありますが、厳重に抗議しなければいかぬ、こう思っております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 私の質問は、日韓自主規制協定に支障を及ぼすかということでございますけれども、大臣が非常に遺憾の意を表されたということで、それは当然今回合意をされるということでありますけれども、何らかの問題を生ずるというふうに私ども受けとめた次第でございます。  そこで、昨日の総理を含めた閣僚会議で、米の問題についての削減リストを空欄にして出すということをお決めになったということでございますけれども、私は、ガット・ウルグアイ・ラウンドにおける日本のこの交渉戦略というものが見えないということを常々前から言っておりました。先日、加藤官房長官にもお会いをして、むしろ日本がいろいろなオファーを出してさまざまな協議をすることになるのでありますけれども、アメリカにも行って、日本の立場を、日本はもう有数の食糧の輸入国であり、アメリカからも最大の輸入をしておるわけですから、そのことを踏まえて米問題についてもきちんとした対応をしたいということを積極的に言うべきであるというふうに加藤官房長官にも言ったわけでありますけれども、おまえはそれは二国間協議に移行するのかというふうに反論を受けましたけれども、そうではない状況に今来ているというふうに思いまして、今回、削減リストを来週の週に提出するということに当たって、大臣として今後のガット・ウルグアイ・ラウンドに臨む日本の対応、基本的な考えというものをまずお聞かせを願いたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 もうかねてから私の考え方は、本会議、予算委員会、この場でも、何回も明確にしておるところでありますし、そのために日本の立場というものを諸外国に理解を求める必要がある。世界の国々は十一条二項(c)の方に非常に関心が高いのですね。米というのは余りありませんから。ヨーロッパには売るわけでも買うわけでもない。言ってみればアメリカとタイ、このあたりが大体関心国なんだ。そういうことで、この米のことは、再三役所の方からカナダにもECにもアメリカにも、二度にわたって実は派遣をいたしました。そうして、日本の立場というのはこういうことで、包括関税化は受けられませんということをはっきりと意思表示をしてきておるわけであります。  ただ、一番困ったことは、主食、米が主食だ、こう主張するのでありますが、どうも世界は主食というのがないんですね。パンが主食かというとパンも主食でない、肉が主食かというと肉も主食でない。そこでこの主食というものを今一生懸命PRするのですが、向こうはその辺がぴんと来ないところがあります。  ただ、アメリカの農業団体から一昨日、もう日本からこれだけ農産物を買ってもらっている、もうこれ以上米の問題で日本をたたいてはいかぬ、むしろ頑張れという手紙が私のところへ参りました。カナダも、農林大臣から、十一条二項(c)については大変頑張ってくれて感謝申し上げたい、これからも一緒にやろうという手紙、それぞれから来ますが、いずれにしても、きのうの会合でも、従来の基本方針のもとにひとつ空欄で提出をさしていただきたいということで、これはもうすんなり了解をしていただいたということで、先が見えないということでありますが、私どもにも実は先が見えないのでありまして、しかしいずれにしても各国のそれぞれの事情、どこの国も自分の国に不利な提案をする国は一カ国もないんです。  ですから、私どもも書かないということも私どもの国にとって大事なことだ。この背景はもう何回も申し上げておりますので省略さしていただきますが、いずれにしてもそういうことで今後ウルグアイ・ラウンドの場で全力を尽くして日本の立場というものを主張していく、その覚悟であります。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 大臣の今の決意を聞きました。ただ、これまでずっと日本は内向きの対応に終始してきた。今回の空欄にするということも、国内の事情というものが非常に大きいのではないか。言ってみれば先送りの状態じゃないか。問題は一切まだ解決をしておらないわけでありますから、修正項目を、日本は、お役所が回ったというふうに先ほど言われましたけれども、私はむしろ、先ほど言いましたように、これはいろいろな条件下もありますからむやみにどうということではありませんけれども、日本の大臣がやはりアメリカなり、先ほど言われましたように農業団体から手紙が来ているとかあるいはECの副委員長が来たということでなくて、日本の立場は一向に、世界に伝わって納得するまでいっていないわけでありますから、むしろもっと大臣が積極的に行くことを、これは要望であります、これは別に大臣が不満顔をしなくてもよろしいと思います、まだ行くチャンスでないというふうに思っておられるのであればそれでいいのですから。私はむしろ、行って相手の胸に飛び込んで、今は何か日本たたきを避けるようなことに終始しておるというふうに見えるわけです。これは、農家もそのことに対して、いずれ開放されるだろう、自由化されるだろうと不信感を持っているし、消費者も、日本は何を考えているんだということを痛切に感じているわけですから、積極的に、ガットをリードするということは、日本の立場を入れてそういう姿勢に転換していただきたいものだなというふうに要望させていただきます。  若干局長に聞きたいのですけれども、先ほども、米以外のものについてはまだこれからということでありますけれども、もう来週であるのになかなか決まっておらないというふうに、決めておっても決まらないというふうに言っておるのかわかりませんけれども、それはいいのです。基本的な考えだけ聞かせていただきます。  非常に輸出補助金が、数量でいって二四%、国境措置とのバランスがとれていないということを日本も修正項目の中で言っておりまして、いわゆる合意案における三六%の削減率、最低でも一五%ということにのっとって国境措置における削減を出すおつもりなのかどうか。  それから、これは御要望でありますけれども、でん粉との抱き合わせということでコーンスターチ用のトウモロコシが二次関税率がかかって、基本的に国内のでん粉を保護していることになるのですけれども、これらについても削減率を適用していくのかどうか。適用してほしくないという考えで私は御要望をさせていただいておきます。  さらには、先ほど乳製品関係が出ましたのでそれを省きまして、国内支持政策の中で、特におととしの、一昨年のオファーの段階で、大豆については輸入量の割合が極めて高いのでAMSの削減対象から除外をするというふうに、日本は大豆に ついてはこれは適用外にしておりますけれども、その考えで臨むのか。それから牛肉、豚肉等については、国境措置のみなので国内支持の削減は関係ないというふうにそのときには言っておりますけれども、肉用子牛の不足払いについては、これを国内支持削減の対象にしていくのかどうか。これは、答えられない場合はよろしいですけれども、答えられる場合は答えていただきたいと思います。

川合淳二農林水産省経済局長

○川合政府委員 先ほど大臣からもお話がありましたが、私どもといたしましては、基礎的食糧と十一条二項(c)につきましては、今までの基本方針に基づいて国別約束表におきましても対応していくということで臨みたいと思っておりますので、十一条二項(c)についても決まっていないということではございません。ただ、まだいろいろ詳細な計算とか、それからいろいろなことがございますので、それはこれからの作業だということを先ほど申し上げたわけでございます。  それから関税の問題でございますが、これも非常に膨大な関税品目の中でございますので、その中で私どもは幾つかのタイプ分けにして、引き下げするもの、引き下げしないもの、その引き下げにおきましても、一般的な引き下げというもの、それから若干引き下げ率を少なくするものというような分類をしたいと思っております。もちろん、私どもは三六%ということと、これは国境措置の引き下げでございますが、それと輸出補助金との関係でのアンバランスを主張しておりますので、その点も考慮した扱いにしたいと思っております。今先生がお触れになった品目については最終的にどうするか決めておりませんけれども、非常に我が国にとって重要な品目だというふうに考えておりますので、そうした立場で考えたいと思っております。  それから、AMSにのせる品目についてでございますが、これにつきましては、やはり我々の主張と若干異なるところがございますが、国内支持につきましては、我々の主張もおおむね取り入れられているところもございますので、なるべくそれに沿った形では出したいと思っております。しかしながら原則としては、前回、一昨年出しましたオファーを踏襲したいと思っております。しかしながら、大豆についてはやはりこれは取り上げざるを得ないのではないかというようなことで、今検討をしております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 それでは、平成四年度の転作緩和の問題に移らせていただきます。  この問題は、昨日からきょうにかけまして五人の方が質問をしておりまして、野党各党質問をしておる。私はそのことも踏まえまして質問をさせていただきます。  転作緩和の問題につきましては、六十一年の十二月三日に農水省で水田農業確立対策の大綱をお決めになっております。この中身を見ますと、従来から考え方を変えまして、米の計画生産ですとか転作の面積確定に当たっては、国が生産者団体や地方公共団体等の意見を聞き決定する、こういう項目をつけた次第でございます。転作面積のこの四年度の緩和につきましては、十二月の二日に農水省の事務次官名で、「平成四年度の転作面積と限度数量の配分について」という文書を各知事あてに出しておりますけれども、この文書を出すに当たりまして、農水省は生産者団体あるいは地方公共団体の方の意見をどのように聞いたのか、そしてこの意見を聴取するに当たって、どのような反映をしたのか、その点をまずお聞きしたいと思います。

上野博史農林水産省農蚕園芸局長

○上野政府委員 十三万ヘクタールの転作等面積の緩和を決める過程におきましては、生産者団体ということでございますと、全国農業協同組合中央会の関係とは私も行って話をしましたし、それぞれのレベルにおきまして随分公式、非公式に会議を重ねております。それから北海道関係の農協の方々ともあるいは道農連の方々ともいろいろな機会、折に触れて意見交換をしてまいったというふうに記憶をいたしております。  それから、最終的にあの数字を決めます際には、あの要綱に書いてございます推進会議という、この水田農業確立対策の実施につきまして一番の相談相手ということになりましょうか、そういうところでの議を経て最終的には固めておりまして、この推進会議には関係する諸団体の代表者の方々、先ほど御質問にございました都道府県の関係の代表の方も入っておられるわけでございます。もちろん都道府県の方とも事務的にはいろいろと調整をいたして、そういう数字を固めてまいったということでございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 それらの御意見聴取をして、どのような御意見があったのか、また、その意見を聴取して、今回の配分等に当たってどのような反映をしたのか。

上野博史農林水産省農蚕園芸局長

○上野政府委員 やはり今思い起こしまして一番印象に残っておりますのは、十三万ヘクタールというその面積自身何とか小さくできないのかというのが第一でございますけれども、一たん決めたものについては、これを単年度ではなくて継続してやってほしいというようなお話があったということを一番強く記憶をいたしております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 私も聞くところによりますと、十一月二十八日には全中の中央本部常任委員会でも、五年度以降の転作等目標面積についても継続性を確保してほしいという申し入れをした。あるいはまた十二月二日、これはもちろん決定したときでありますけれども、先ほど局長が言いましたように推進協議会ですけれども、協議会にお諮りしたときにも再度全中は、「営農現場においては、四年度限りの措置であれば生産農家の理解を得ることは困難という実情にあり、五年度以降の転作等目標面積について継続性を確保していただきたい。」という御要望を強くしたというふうにお聞きをしておりますけれども、この二つの会議、そのような御意見があったというふうに理解をしてよろしいですか。

上野博史農林水産省農蚕園芸局長

○上野政府委員 日時はちょっと定かに覚えていないのでございますが、そういう御意向が非常にございまして、私どもとしてはできるだけそういう御意向を配慮しながら、ポスト後期対策を検討する際には考えてまいりたいというふうにお答えをしたように記憶をいたしております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 そこで、きのうからの局長の御答弁によりますと、まだ配分の状況についてはそのさなかであって、確たるものなしということでございまして、反復すれば、きのうの後半では、三月いっぱいかそれとも四月にずれ込まなければこの取りまとめ確認はできないものというような御答弁がありました。その中でまた、種子確保ですとか、あるいはまた復円をできる地帯とかそれから復円が困難な地帯というようなものがあるということの御説明があったわけでありますけれども、私は、一年限りであるというところに一番の問題点があるのである、そのように認識をしておりますし、先ほどの二つの会合でもそのことの御要望が、御意見があったというふうに理解をしております。     〔岩村委員長代理退席、委員長着席〕  そこで、十二月に農蚕園芸局で示された「転作等目標面積の軽減措置をめぐる事情」という冊子がございまして、それによれば平成四年度の転作軽減の考え方というところがありまして、昨日来お話しになっておりますように、九五%という作況指数で三十万トンから四十万トンの在庫になってしまうということで、六十五万トン相当、十三万ヘクタールの転作面積の軽減を図るということが述べられておりまして、その際、来年、五年の十月末の在庫は百万から百十万トンになるということを表として示されております。  そこで私は、単年度の需給計画というのは非常に不親切であり、また非常に泥縄的であり、緊急、応急的だという表現もありますけれども、非常に、国が責任を持って米の需給をしているという観点からいけば、もちろんきのう米お話ありますけれども、ことしの作況でありますとかあるいは需要の動向、消費動向というものも勘案しなければなりませんけれども、ずっと今日まで四十六年以降転作はあったわけでありますけれども、三年の程 度の幅を持ってやってきたわけであります。もちろん、今回は水田農業確立対策の後期対策の三年目でありますから、その後期の対策の一環でありますけれども、ただ一番問題になるのは、かつてないほどの減反緩和、転作緩和であります。従来は三万ヘクタール内外でありましたけれども、今回は十三万ヘクタールという大きな転作面積の緩和ということでありますから、私は、需給に当たっても単年度を示すのではなくて、もっと中期のものを示した中で転作の面積の方向を示すべきであるというふうな考え方を持っております。  そこで、若干御質問いたしますけれども、今の十三万ヘクタールを軽減した中で推移をしたときに、平成六年の十月末あるいは平成七年米穀年度の在庫はどのような形になるのか、お考えを聞かせていただきたいと思います。

京谷昭夫食糧庁長官

○京谷政府委員 ただいま先生からるるお話ございましたように、平成四年産米についての水田農業確立対策の規模設定に当たりまして、十三万ヘクタールの転作緩和をしたわけでございますが、この措置による直接的な需給見通しとしては、平成五米穀年度末の、つまり平成五年十月末の持ち越し在庫水準を百万トン程度にするという考え方のもとに設計をしておるわけでございます。  お尋ねの平成六年、七年のレベルをどう考えるかということにつきましては、実は私ども先ほど申し上げました百万トン程度の持ち越し在庫というのは、御承知のとおり昭和六十二年度から本年度、平成四年度の六年間にわたって展開をしています水田農業確立対策、この期間のいわば転作のあり方を設計する際の前提として置きました、持ち越し在庫水準百万トン程度という目標を持っておりまして、このレベルを平成四年産米までの期間において実現をしよう、こう考えておるわけでございます。  それで、実はこの平成五年度末の在庫水準を百万トン程度という考え方をとったわけでございますが、平成六、七年の米穀年度の在庫水準をどうするかということは、これも私どもの課題になるわけでございますが、平成五年度以降進めるいわゆるポスト後期対策をどのように考えていくかということにかかわってくると思います。基本的には、主食としての米の需給安定を図っていくために適正な持ち越し在庫の水準を確保するという考え方で設定をしてまいりたいと考えておりますが、今回の十三万ヘクタールの転作緩和によって、平成六米穀年度あるいは七米穀年度の在庫に直接的な効果を持っ措置ではないわけでございまして、平成五年なり六年の転作なりあるいは水稲の作付をどう設計をしていくか、そのことによって平成六あるいは平成七米穀年度の在庫水準は決まってくるであろう。これは今後のポスト後期対策を考える際の適正持ち越し在庫水準をどう考えるか、こういう課題になってくるものというふうに考えております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 まさに今長官がおっしゃられましたように、今回は応急的な措置である。大臣、来年といいますか、六、七米穀年度の在庫については、需給等については考えなければならないけれども、あくまでも転作を、面積を含めてどういった方向にしていくかということはポスト後期の中で考えた中でやっていく、長官が言われておるのはそういうことであります。ということは、今回の平成四年度の転作の当て方は、局長は最小限のものは配分したということを盛んにきのうから言っておりますけれども、私は最小限という中身がよく理解できませんけれども、最小限というよりもむしろ非常に応急的な措置であって、いわゆる一年限りの措置である。したがって、局長は先ほど農業団体の中で継続性の確保に努力をするといったような表現を答弁したというふうに言っておりますけれども、これはそのことが非常に農家は不安である。これはだれが考えたって、今回十三万ヘクタール軽減して、そのまま推移をすれば三年、四年後には三百万トンから四百万トン在庫になっていくことは、これは農家だってだれだってわかるわけであります。したがって、現状のこの十三万ヘクタールの軽減が全く見込みのない、計画性のない転作緩和である、そのことを示しておるというふうに思いますけれども、大臣のこの点についての御見解をお願いしたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 まず御理解いただきたいことは、特殊な気象条件によって大変に作況指数が低下した、私の青森県でも相当不稔障害、非常に寒い年でありました、そういうことで、言ってみれば突発的なことであって、通常在庫をどの程度、備蓄をどの程度にするかというのは平均的に考えて試算をしている。それがそのとおりいくかいかぬかというのは天候もありますから、そういうことではことしは突発的な状態で、在庫も非常に低下する、まあ何といっても国内産で米は自給するんだということを言っているわけでありまして、適正な在庫数量というものを緊急に確保するんだということで農家の皆さんにお願いをしておる。まあお願いしてはおりますけれども、どの程度になるかというのは今調査を進めておる。そこで、野菜団地をぴしっとつくったとか、なるたけそういうところでなくて、可能なものは一体どの程度あるのかということで今進めておるわけであります。どの程度になるかはもう少し時間をちょうだいしたいわけでありますけれども、いずれにしても営農計画に余り変動を与えないようにしたいという気持ちは実は持っているわけであります。  また、この十三万ヘクタールについてもできる限り安定的な転作営農の確保にも十分配慮をしていかなきゃならぬ。今後の米の円滑な需給操作に資するために、何回も申し上げますけれども、緊急、応急的な措置として最小限にとどめたものである。これでいいかどうかというのはことしの四年産米の作柄、本年秋の時点における在庫、需要の動向、そういうものをよくにらみながら、皆さんとやっぱり相談していかなきゃならぬことであって、いずれにしても十分慎重に意見を体して進めていきたい、こう思っております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 大臣、突発的なことである、これはことしの秋、また作柄どうなるかわからない。そのことはどの年であってもそうなわけであります。しかし、転作の面積を配分設定するときには必ず三年あるいは六年という設定をしながら面積を確定して、それでやっていく、もちろんこの過不足は当該年だけ見るとあるわけでありますけれども。今回十三万ヘクタールと大きな軽減をしたわけでありますから、その大きな転作緩和をしたことに当たって、これから三年間を見通してどういった転作面積を設定するかというようなことがなければ、まさに農家は猫の目農政だと不信感が募ってくるわけであります。米の需給計画を立てるということは、これはもう食糧庁としては必ずやっているわけでありますから、これは先ほど言いましたように、六、七年度に向かっての需給計画というのを立てる計画はないんですか。

京谷昭夫食糧庁長官

○京谷政府委員 私ども制度上、需給に関する基本計画をつくることになっておりますが、これは実質的に前年度の需給事情、米穀年度単位で申し上げますと前年度の需給実績、それから当年度の需給見込み、それから当年の生産見込みを前提にした翌米穀年度の見通しというものをセットにしたものでございます。シミュレーションとしてより長期的なものを内部作業としてやっていないわけではありませんけれども、これはやはり作付のあり方について、現実の運営は水田農業確立対策の設計に沿って確定をしていくわけでございますので、あくまで内部作業にとどめておるという状況でございます。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 私は先ほども言いましたけれども、今回は大幅な転作緩和であるということにかんがみて、やっぱりことしを初年度として三年程度どのようにこの転作を持っていくのかということをきちんと打ち出すべきである。今長官は内部資料としても出るということはおっしゃったわけでありますから、それを受けて三年程度を中期的なものとして、これは水田農業確立対策の前期であっても後期であってもそのことは設定しているわけです。ちょうど中間、期央期央どのくらいの需給がある、需要供給を見込んで、そこからはじき出して転作面積を出してきておるわけですから、そ のことをやっぱり早急にすべきである。大臣先ほど、今調査をしてどのようになるのかな。先ほど言いましたように、最小限と言いながら百十万トンを確保するために今回十三万ヘクタールを軽減した。だけれども私は、三年間を見通したときにはもっと、例えばもう少し在庫を百万トンから百五十万トンくらいに変えるということも頭に入れながらやっぱりやるべきだ。九五の作況指数が出たらもう政府の在庫がなくなって非常に不安定になるような状況でありますから、そういうことも見越した三年程度にわたる転作の目標面積というものを設定すべきではないかというふうに思いますけれども、どのようにお考えになりましょうか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 今後の検討課題として極力変動のないようにしたい、そうであろう、こう思いますので、十分今後検討さしていただきたいと思います。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 大臣から今極力変動のないようにしたいということを受けまして、今回の例えば十三万ヘクタールの軽減措置が次年度以降にも継続性が確保されるということを期待したいというふうに思います。  ただ、局長がきのうも答弁されておりますように、日本は北から南まで長いんですけれども、この転作緩和の把握というものが四月にずれ込むというようなことでは、幾ら県間調整をやろうと思ってもこれはできない相談です。これは種苗を含めて、種もみを含めて、この資材の確保もあるわけでありますからもっと早急に、これは農家段階にいかなくてもある程度のものはつかめるわけでありますから。新聞によれば十万とか十一万ということも農水省の数字ということで出ているわけでありますから、もっとその辺の調査を適宜早急に行うということが必要である、この辺についての考え方をお聞かせください。

上野博史農林水産省農蚕園芸局長

○上野政府委員 地域間の配分などはできるだけ早目にやっていかなければならないというのは委員の御指摘のとおりでございまして、それぞれの地域で農家への配分というものの作業が一段落をしまして、こなせるのかこなせないのかというようなことがわかってまいりましたら、順次県内の調整にはもう入っていただく。何も全国の数字がまとまらなければできないものではないだろうというふうに考えるわけでございまして、県内の調整が済めば済んだところから順に希望に応じて県間の調整も入っていただきたい、そういうふうに前広にどんどんやっていただきたいというふうに思っております。  ただ、十三万ヘクタールの面積のどれくらいが全国ベースとして達成可能なのかというまとめの数字として聞かれますと、先ほど来委員が引用しておられる私の発言になるということでございますので、達成に向けての努力というのは着実に、できるだけ早急にやってまいりたいというふうに考えております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 さらに、一年限りということに対して農家は軽減をできないという観点が非常に強いのですけれども、きのうからもお話がありますように、さまざまな加算措置等についても枠組みを堅持するということが農水省側からも文書で出ておりまして、例えば団地化加算あるいは地域営農加算、あるいはまた今回設定した緊急促進事業、この事業についても、転作の受け手に三千なり五千円助成するというような非常にかたい感じてきております。ですから、もっと柔軟な対応ということを目指さなければ十三万ヘクタール達成はなかなか難しい。きのうもある同僚委員がお話をしておりましたけれども、農水省は非常に机上計算的で冷たい、本当に十三万ヘクタールを達成するのであれば対応の仕方がもっと柔軟であってもよいのではないか。何も再来年まで継続するということではありませんから、ことし一年限りのことということでみんな頑張っておるわけでありますから、もっとその辺を血の通った、農家段階を見て、農水省から厳しい指導を受けていますから、これは農家はどこでも苦労しております。強制配分ということも聞いておりますし、あるいは各自治体でさまざまな転作緩和を促進するための助成措置も講じておるようでありますけれども、農水省の枠組みが非常にかたい。やはりきのうから六人の方も質問しておるわけでありますから、その趣旨がそういうことに通じておるわけでありますから、柔軟な対応を具体的に示してほしい、その考えをお聞かせ願いたいと思います。

上野博史農林水産省農蚕園芸局長

○上野政府委員 この十三万ヘクタールというのは、米については国内産で自給をするということを基本とするという大方針を何としても破りたくないというために、安定的な最小限の在庫の回復を図るというところから出たわけでございまして、私どもとすればそれの達成に全力を挙げたいと思っておりますし、その関係で皆様方の大いなる努力を、御協力をいただかなければならないというふうに考えているわけでございます。  いろいろ予算的な制約もある中で、今御指摘のございました対策も予定をしておるわけでございますけれども、ただ、若干御理解をいただきたいと思いますのは、稲作から他作物への転作を推進するというのが水田農業確立対策の本旨であるということからいいますと、この加算の関係を、例えば稲作農家に振り向ける、稲作農家向けの加算金ということにするという点については非常に難しい問題があるということでございますし、それから条件整備の補助事業につきましても、この手の補助金というのは共同で事業を行う場合に出される、個人的な補助というのは行わないという補助金交付の大原則みたいなものがございまして、なかなか大枠としてうまくいかないところがあるということについては御理解をいただきたいと思います。  その運用については、北海道でございますと道庁あるいは農業団体の方々とも十分に意見交換をさせていただいておりますし、これからもしてまいりながら、その意のあるところを酌んで、できるだけ現地での稲作復帰が円滑に行われるように最大限の努力はしだい、かように考えております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 水田農業確立対策の大綱によれば、水田全体の農業をどうしていくかということに移行しておるわけです。したがって、このさまざまな加算措置についても水稲にかかわる分についても認めてきておるわけですから、局長の言われた転作の方向だというのが趣旨だということ、その重点はわかりますけれども、こういう大きな十三万ヘクタールの軽減ということにかんがみれば、もっと柔軟な対応をしていただきたい。さまざまな生産組織もつくって、しかし大幅な今の転作軽減ということで、その生産組織が崩壊するというようなことを農家は心配をしておりますので、もっと柔軟な対応、今最大限の努力をしたいということでありますから、今後の具体的な施策にまちたいと思います。  最後になりましたけれども、酪農、畜産関係でございます。  時間がなくなりましたけれども、酪農、畜産関係については、昨年の牛肉の自由化以来、特に酪農家においては乳雅子牛が価格大暴落ということで、今日までその価格が上がっておらない。二年ほど前は一頭当たり十四万から十二万したものが、今四万三千円程度、三分の一以下になっておるという状況を呈しておるわけで、そのことの農家粗収入に占める割合も大変大きな減収になってきております。これらに対しては農水省は、乳肉複合経営推進事業ということで一頭三千五百円という事業を設けておりますけれども、その程度ではなかなか今日の厳しい状況を回復することができないという現状であります。これらについて、自由化関連でもありますから、畜産局長としてどのような価格対策を講じようとしておるのか、そのお考えを聞かしていただきたいと思います。  さらには、酪農家の戸数についても大変大きな減少を示しております。ほぼ十年前の昭和五十五年、十一万五千戸の酪農家がおったのですけれども、平成三年度、農水省の統計でも五万九千八百戸と約半減をしておる状況でございます。しかも生乳が伸び悩むという状況で、かつてない乳製品の輸入をしてきておるわけでありまして、特に昨年の三月の畜審の答申の「最近における酪農経営 の動態把握に努めること。」という建議を受けまして、農水省として一億五千万ほどかけまして酪農家の実態調査に乗り出したというふうに聞いておりますけれども、この調査報告についても、この三月の酪農対策にこれが生かされるように、その前にこの報告書が私どもにも渡されるように、そういう方向になるのかどうかも含めて御答弁を願いたいというふうに思います。

赤保谷明正農林水産省畜産局長

○赤保谷政府委員 まず最初の個体の価格が非常に低下をしている、酪農家が非常に御苦労されている、その対策というようなことでございますが、先生からお話がありましたような乳肉複合経営を進めておるわけです。みんな御存じのことですけれども、ぬれ子を四カ月以上保育育成した場合、肉の価格が低落局面になっても一定の補給金を交付する、あるいは乳廃牛の肥育を行ってもらう、肉量をふやす、乳質もグレードを上げる、そういうようなことをしていただくというようなことで酪農家の所得の確保に努めていただいておるわけでございます。今申し上げましたような事業につきましても、今年度それぞれ奨励金の単価の引き上げを行う、あるいは新しい新規措置も講じて、そういうようなことを通じて酪農家の経営の安定に努力をしているところでございます。  それから離農の問題についてお触れになりまして、今、おっしゃるとおり調査をいたしておりますので、集計中でございまして、できるだけ早く取りまとめようとしておりますが、確定的にいつごろまでということをちょっと申し上げられませんが、とにかくできるだけ早く取りまとめをいたしたいと考えております。

鉢呂吉雄日本社会党・護憲共同

○鉢呂委員 乳雅子牛については、昨年の三月の乳価決定時にもこの算定織り込み価格は八万一千円でした。ところが、昨年のもう四月から六万円台、八月から十二月、四万二千円前後ということで、当時の乳価織り込み算定価格よりも暴落をしておるのでありまして、三千五百円程度の対策ではどうにもならない。牛肉自由化のソフトランディングを図るということで農水省は言ってきたわけでありますけれども、集中的にここに矛盾があらわれておるということで、三月のこの酪農畜産対策においては特段の農水省の対策を講じられんことを心からお願い申し上げまして、私の質問を終わります。

高村正彦自由民主党

○高村委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時三十分休憩      ————◇—————     午後一時三十分開議

高村正彦自由民主党

○高村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。志賀一夫君。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 私は、前回もガット・ウルグアイ・ラウンド等の問題について御質問をいたしましたが、その際、ウルグアイ・ラウンドで取り上げられている工業その他の問題の規制と農業の規制について、同じようなやり方で規制措置をするのはやはり極めてなじまないのではないかというような御質問をいたしました。また同時に、この問題は昨日もいろいろな皆さんからもお話が同時にありましたし、いろいろな立場で議論がされているように思います。  また同時に、こういう農業に対する規制措置と同時に、いま一歩踏み込んで考えますと、前回も申し上げたのでありますが、二十一世紀における世界人口の増大による食糧問題、環境破壊や土壌浸食による農地の減少、地域温暖化による異常気象等による食糧生産の減少等を考えれば、今世界の場で、一体、二十一世紀における膨大する人口増に対する食糧問題をどうするのか。あるいは現実に今も困っている人たちが、世界には飢えで亡くなっている人もたくさんいる。貧困のために食糧を買えない方々もいる。公平な分配をどうすべきなのか。こういう問題は、私は少なくともガット・ウルグアイ・ラウンドで輸出国を中心に規制措置を考えているそういう問題よりは、もう一歩高い次元の大変なグローバルな、しかも人間の命を大事にするという視点からの大事な問題ではないかというふうに考えますと、私はこの問題を、やはりウルグアイ・ラウンドの中でひとつ問題提起としてやるべきではないかという意見を持っているわけであります。  前回の私の質問について、大臣は、いやアメリカの通商代表部の方ともいろいろ話をして、そういった問題を十分世界の場で取り上げるようにお話をされた、そんなふうな御答弁をされているわけでありますけれども、今これだけガット・ウルグアイ・ラウンドの中で、農業問題の決着がつかないでいる中で、この問題をやはり最大の課題として大きく取り上げて、やはりいろいろ理解して協力していただける国々の皆さんに呼びかけて、そういう関係者でまず集まって、そして将来に対する食糧問題をどうするのかという課題をやることの方がはるかに高い次元の問題ではないのか。  私は、このことをぜひこれからの交渉の中で、大臣にひとつ取り上げていただいて、大臣の政治力のあるところをお見せいただきたいものだ、そんなふうに考えますが、所信をお聞きをしたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 おっしゃるとおり、ヒルズ代表にこのお話を申し上げました。基本的には、やはり人口はどんどんふえていくわけでありますから、そのふえる人口は開発途上国、言ってみれば食糧の困難な国に人口がふえる。先進国の方が横ばいでありまして、むしろ日本などは低下している方でありますから。いずれにしても私は、この食糧問題というのは、ですからウルグアイ・ラウンドで議論するのがいいのかどうか、むしろFAOか専門のところでこういうものは検討をするのが妥当ではないだろうか、こういう気がするわけであります。  いずれにしても、機会あれば、事務当局にもちょっと資料をつくってもらうことにしておりましたが、一体世界の食糧というのは、過剰な部分というのがどの程度で、これが援助にどれだけ回せるか、それで不足の分はどうするかというようなことをやれば、あるいは我が国も減反政策をせずにそういうものをやれる、全体の中で計算が成り立つというふうにも考えられます。  いずれそういう世界の会議等に出る機会があろうかと思いますので、資料をつくりましてみんなでやはり、困っている国の人たちをどうやって食糧面で援助するかということを私の意見として申し上げてみたい、こう思っております。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 この問題は、本当に今そう申し上げてみたいというお考えをいただきましたから、ぜひ実現してほしい、そんなふうに思います。その問題はウルグアイ・ラウンドでやるべきなのか別な場がいいのか、それは極めて高い次元の立場で、いろいろ日本を代表して外交交渉をやっておられる大臣のお考えにお任せしますので、新たな視点からのこれからの日本の役割を持つその中で出てくると思いますので、ぜひ実現のためにやっていただきたい、そんなふうに思います。  次に、二年ほど前に元EC委員長をやられたマンスホルトさんが我が国に来られまして、ある講演の中で、私が今最も心を痛めている問題は、「地球的規模での食糧問題の深刻化」であるとして、「とくに日本の場合には食糧需給に関して非常に脆弱な立場にある」とし、我が国の食糧自給率は、一九七〇年の六〇%に対しまして一九八七年には五〇%にまで落ち込んでいることは、代表的な先進工業国では、このような低い自給率は例外中の例外だというふうに指摘をし、さらにアメリカの自給率はこの期間中一二〇%から一三〇%にふえ、ECでは九〇%から一〇〇%へと上昇した。さらにまた、一人当たりの耕地面積は、アメリカが一・八ヘクタール、ECが〇・四ヘクタールであるのに、日本はわずかに〇・〇四三ヘクタールにすぎない。一億二千万人の人口が必要とする半分の食糧しか生産できないことは、構造的な気象変動を考えた場合、これは特に異常な状態であると警告いたしたのであります。  年々低下する一万の我が国の食糧自給率について、大臣はどのようにお考えになり、今後いかな る方針でやっていくのか、その辺を明らかにされたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 先生お話しのように、この我が国の食糧自給率の低下、これは四八%から、平成二年度は一%下がりまして四七%となったわけであります。狭い国土に一億二千万を超える人口を擁しておるわけでありますから、いずれにしても、国民生活の豊かさを背景として、さらにこの食糧の消費というものは多様化が継続すると見込まれておるわけでありますが、特に食糧自給率の維持、向上を図ることは大変な努力が要ると思うのです、ここまでもう来ておるわけでありますから。  しかし、この平成二年に閣議で決定されました「農産物の需要と生産の長期見通し」では、西暦二〇〇〇年を目標年次として供給熱量で五〇%の自給率を見込んでおるわけであります。このために、米については国内で自給を基本としているわけでありますから、さらに良質米や加工米の供給など需要に即した生産をしていく。あるいは小麦、大豆につきましては、品質、コスト面の改善を進めることによって生産の拡大をする。大家畜については、飼料基盤の拡充、経営の体質強化を図って、これも生産の拡大を図る。野菜、果実その他の農産物については、何といってもやはり消費者のニーズの動向に対応しながら、多彩な国土条件を生かした生産の維持、拡大等を図ってまいりたい。  あと、問題は、すぐれた担い手の育成と、生産基盤、バイオテクノロジー等の先端技術をいかにこれに駆使をしていくか。考えてみますと、五〇%が目標でありますからわずか三%だと、こう思いますが、この三%はなかなか本当に努力をしなきゃいかぬ。いずれにしても、もう少しきめ細かに、どの部分で何%上げるという計画のもとに、この達成のために努力をしていきたい、こう思っております。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 今お話しいただきましたので、計画を立てつつある、こういうふうに考えるわけで、おっしゃられたからやっておられるのだろうと思うのでありますが、しかし、現在のいろんな作物の品目別で見ましても、年々低下をしている、そういう状態をどう底上げをしていくかという点については、やはりもっと詳細な、具体的な計画を立てないといかぬな、そういうふうに思うのです。  例えば、牛乳、酪農の問題にしましても、牛乳が余ったときにはもう川に投げろ、そしてまた牛を殺せ。足りなくなってくると今度はいっぱい生産しろといっても、酪農の実態を考えればそんなに急にふやすわけにもいかない。そして足りなくなれば、その分今度は外国から乳製品として輸入をする。そういう繰り返しをやっているところに、若い酪農家も一生懸命やっていても、おれら働きがいかないなということで、だんだん嫌気を差して、先ほど鉢呂委員からもお話がありましたように、あるいはだんだんやめていく方が多くなっている。  こういう今の現状、酪農一つを考えても、もう少しこの若い人たちが、今いる若い担い手たちが意欲を持ち得るようなそういう具体的な政策というものを農林省みずからつくってくれないことには、やはり幾ら安いお金を貸すよ、たくさん、これでやれよと言っても、担い手はふえてない。現実に、ある資料によりますと、担い手は毎年下がっている、それから、よそからの新たな担い手としての参入の割合も下がっているというのが実態なんですから、やはりそれにはそれなりの、そういう実態を踏まえて、具体的な展望のある政策を立てて、ようし、やってみようか。こう意欲を持ち得るような政策をぜひ出さなければいけないのではないでしょうか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 おっしゃるとおりだと思います。私は、農家の青年の育成、指導というものをやった経験はありませんが、スポーツでも同じことがありまして、何のためにこれをやるのか、どの程度やるのか、もう本当に理解させて練習をしますと、選手というのは本当に意欲を持って力を出してくれるのです。何のためにやっているのかわからぬ、いつまでやらされるのかわからぬ、やれというとだらだらやりますね。それとやはり農業も同じであろうと思うのです。ですから、言われたことをやるのではなくて、言われたことをやるためには何が必要であるかとか考えないとだめなんですね。よく見てよく考えるということを僕は注意しますけれども、言われたとおり何となく、何だかわからぬでやっているのでは、意欲というものは出てこないし、結果もわからなければ、やって、ああよかったというのはない。  これは余談で申しわけないのですが、相撲でも、今の貴花田、若花田、貴ノ浪にパフーアップのトレーニングをしなさいと。ただやってもだめなんで、パワーというのはスピードと筋力を掛けたものがパワーになる。それを何回やるとパワーになってきますということを教えまして、それで一生懸命やりました。そういうただやればいいのではなくて、その結果として、例えば上腕がうんと太くなった、胸囲が何センチ広がった、こういうデータを示すことによって選手たちはもっと大きくしようという気になるのですね。ですから、やることの結果の評価というものがわかってないといけない。  そういうことを逆に農家に置きかえてみますと、農家もやはりやったらこれだけの生産が上がって、これだけの収入があったということでないと、何となくやらされているのでは成功しないだろう。そのためには、お示しはします。自分たちもそれをよく理解して、そしてだんだん自分たちでできるようにやっていく。人に言われて、最初は仕方がありませんが、やはり自分でつくって、自分でやるように、自主的にやろうという気がないと、人にやらされているというのではなかなか効果というのはあらわれない。そういう意味では、計画は、当分の間は立てて、それをよく理解してもらって、若い人たちに意欲を持って取り組んでもらうということは大事なことだな、こう思っております。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 今大臣が言われたことについては私もわかるのですね。それで、私がずっと前に、ここで質問する前に、二十代、三十代の若い十人ばかりに集まってもらっていろいろ話し合いをしました。私もかつて酪農をやりましたから、いろいろ話し合いをしましたら、もう今の若い人たち、おれらできることはすべてやっているよ、もう乳質改善でも何でもいろいろやっているよ、しかし、今やろうとしている、意欲を持ってやってきたけれども、その努力の成果を少しも乳業会社、農水省も買ってはくれないのではないか、乳価は実質的に下がる一方だ、これではおれたちが意欲を持って酪農を一生懸命やれと言ったってそんなの無理でしょう。一番望むことは何だ、やはり乳価だ、安定した乳価だ、こう若い人たちはみんな断言しているわけです。ですから、今大臣のおっしゃられたこともわかるわけですけれども、やはりそれはそういう今の乳価の現状をもう少し冷静に分析をして受けとめて、政策、酪農家が期待するような方向での乳価の対応を考えていかないと、もうどんどんやめていくということになるだろうと思うのです。その辺はやはり政策的な課題ですよ。大臣、それはもうきちっと受けとめてくださいよ。  これでまた議論しますと長くなりますから、次に、私はこの前の質問の際に、えさとして濃厚飼料、粗飼料を含めて二千五百万トン輸入をしておる、こういうことから、やはり飼料自給率を高めるためにはもっと下げるようにすべきではないかというふうな質問をいたしたわけであります。それに対して大臣は、いや七〇%でもう不可能ですよ、それからまた、大豆や油脂原料、そういうものも、菜種というものも相当伸びてはいるけれども、これもまたもう限界で不可能ですよ、結局その自給率を高めるという点では全くだめだ、こういうような答弁をいただいたのです。その辺について、やはりこれはそれだけではないなと私は思うのですけれども、工夫の余地はないのですか。

馬場久萬男農林水産大臣官房長

○馬場政府委員 私どもが、よく自給率の問題を御議論になりますときに、いわゆる今先生の仰せ られました飼料穀物、おっしゃるように二千万トンを超える輸入をしているんですが、これを国内で生産するとすれば大変な土地が要りますよ、あるいは油糧原料である大豆、菜種等も今輸入しているものを国内で生産しようとすれば大変な土地が要ります、それは日本のように非常に平地が少ない、山の多いところで国内で自給するのは難しゅうございますという話は申し上げたことがあると思いますが、一切今後ふやせないというような意味で申し上げたわけじゃなくて、そういう意味で自給率を飛躍的に高めようと思うと、土地の制約というものはどうしてもございますというふうに申し上げたわけでございます。  先ほど大臣から御答弁申し上げましたように、西暦二〇〇〇年に五〇%のカロリー自給率を達成するためには、小麦あるいは大豆等につきましても生産の拡大を図っていく必要がある、あるいは大家畜に関しましては、飼料基盤の整備をして、その飼料の生産の拡大を図る必要があるということは掲げておるわけでありまして、それぞれにつきまして二〇〇〇年にどのぐらいまで拡大ができるかというようなことは、平成二年に閣議決定していただきました見通しの中でも述べているわけであります。ただ、それは一生懸命やっても、先ほど申しましたように、現在四七%まで落ちております熱量自給率を五〇%に上げるぐらい、それをもっと飛躍的に上げろと言われてもなかなか難しゅうございますよという意味で、前回申し上げたのだと思います。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 私の前回の質問に対しての大臣の答弁を子細に見てみますると、そういう今言ったような説明では受けとめることができないのであります。最後の方で大臣は「全部が自給できれば一番いいわけでありますけれども、そういう状況にないことは大変残念だと思うしこというようなことで言っていますが、とにかくいずれにしても二千五百万トンという膨大な粗飼料を含めて輸入している、そして畜産加工業になってしまっている、これは将来の世界の気象状況やいろいろなことを含めて考えると、もう日本の畜産なんて根なし草のような状態のものではないかとさえ私は思うのであります。ですから、もっと着実な、日本の畜産が発展するようにやはりやっていくべきではないでしょうか。  かつて実は、福島県と茨城県ですか、八溝・阿武隈山系の開発ということで、大変国も県も熱を入れてやられまして、そしてそういう中でたしか、定かではありませんが、国県の補助金で四百億くらい使って、大変な草地やあるいは牧場をつくった。しかし、今そのうちどれだけ残っているか。明確に言いませんけれども、かなり少なくなってきておる。それはやはり今日までとってきた畜産行政の結果だ、そういうふうに私は思うのです。  ですから、そういう点をいろいろ考えますと、例えば日本の畜産や酪農というのは、北海道は別でありますけれども、本当に戦後だと私は常々言っているのでありますが、ヨーロッパの畜産は三百年の歴史がある。そういう中で畜産振興を図ってきたという過去の経緯があるわけですから、そういう中で、もっと日本の立地条件に適合したような畜産をどう伸ばすのかということをやはり真剣に畜産行政の中で取り組んでいくべきなんでありますけれども、そういうことが意外とその場主義で、場当たり主義で一貫した方向がない、こう私は言ってもいいような状況下にあると思うのです。  ですから、そういう点で今具体的にお聞きしますが、まずどんな状況にそういった草地や牧場があるのか、あるいはまた荒れ地としてはどのくらいな面積が国内で今なっているのか、ちょっとお聞きをしたいと思います。

馬場久萬男農林水産大臣官房長

○馬場政府委員 大変恐縮ですが、にわかなお尋ねでございまして、数字が手元にありませんので、後ほど調査しましてお届けいたします。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 荒れ地はわかりませんか。

馬場久萬男農林水産大臣官房長

○馬場政府委員 先生の仰せられている荒れ地という概念はちょっとよくわかりませんが、いわゆる耕作放棄地と最近言われているものがございます。これは別に畜産のための用地だけではございませんで、田畑を含めてでございますが、これが最近ふえておりまして、これはたしか平成二年の統計だと思いますが、十五万ヘクタールぐらい耕作放棄地があろうかと思っております。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 私のちょっと最近聞いたところでは、荒れ地は二十万ヘクタールある、そんなふうに聞いているわけであります。その多寡については今どうこうと申し上げるところではありませんからいいのでありますが、ただ、この前の答弁で、もう山地は七〇%占めていて、食糧の自給率、えさの自給率の向上というものもほとんどできませんよ、そういうような言い方に私は受けとめたものですから、やはり今いっぱいあるんじゃないか。まだまだ、例えば荒れ地ももちろんありますし、里山の利用をどうするのかという畜産的利用という方法もまたありますし、また、裏作の利用ということでの活用もあるわけですし、いろいろ総合的にもっともっと対策をやっていけば、自給率を、えさを二千五百万トンという膨大な量を海外に依存しているということを是正する農政を、大臣、ぜひ検討してつくるべきだろう。そうじゃないと、極めて日本の畜産、国民のニーズがだんだん肉を希望するようになってきた、そうはいってもそれにこたえられない状況が必ず来ると思いますし、そういう点からいってもやはり今から対策を考えるべきではないでしょうか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 先ほども申し上げたと思いますが、大家畜については飼料基盤の拡充等経営の体質強化を図って生産の拡大をしてまいりますということを申し上げました。だめだというのではなくて、おのずからこの狭い国土に一億二千万の人がおって山が七割という現状を考えると、質問されるときは野菜は野菜で自給をしろ、米は米で自給をしろとみんなおっしゃるものですから、それは全部できればいいわけでありますが、なかなか地形上からいって難しいということを申し上げておるので、だから努力しないかというと、努力は今申し上げているように各分野で、小麦、大豆についても野菜、果実についてもさらに努力をしてまいります、こう申し上げておるわけです。ただ、ヨーロッパや、私はよくカナダに参りますが、食生活が全然違うのですね。私はどっちかというと魚をたんぱく資源としてとっておった国民、もともと欧米は肉でたんぱく資源をとった。歴史的に相当古い歴史を持っているわけでありまして、そういうことでは、畜産の部門では何といってもやはり後発の国でありますから、努力はいたさなければならぬ、そう思います。思いますので、国民のニーズもだんだん魚のたんぱく資源の方が少しずつ下がってまいりまして、もう四〇、五〇%を割っちゃっているわけですから、何といっても今の若い人たちは肉嗜好というのが強いし、この先もそれが変わると思いませんので、さらに努力をしていきたい、こう思っております。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 ここで私は大臣に、自給率を二十一世紀に少なくとも五〇%は上げるというなら何をどの程度まで上げるかという具体的なブランをひとつ、今すぐということではありませんが、委員会に御提案いただきたいというふうに思います。  そこで次の問題に移りますが、最近農林水産省がまとめた「穀物の国際需給動向」によると、九〇年代に入って、豊作続きにもかかわらず、人口増や農業生産者の高齢化などで世界の穀物在庫量は減少傾向になっているとの認識を示し、ガット新ラウンドが始まった八六年前後の過剰基調と状況は変わったとの分析に立って、各国がそれぞれ自給体制を確立していくことこそ必要であるというふうに認めた。さらに、年々下がる自給率に歯どめをかけ、自給率向上のための具体的施策こそ必要ではないか、こんなふうに思いますが、こういう認識に立った以上、今回の予算案にはこの認識の上に立ってどのような施策を織り込んだのか、お聞きしたいというふうに思います。

馬場久萬男農林水産大臣官房長

○馬場政府委員 先ほど先生のおっしゃられましたのは、本年の二月に私どもの方で「穀物の国際需給動向」という当面の問題をまとめたものをも とにおっしゃられたんだと思います。  そこにおきましては、穀物の国際需給が一九六〇年代は安定していたけれども、一九七二年、三年の世界的な天候不順による同時不作から逼迫基調に転じた。したがって、一九七〇年代は過剰と不足の大きな変動を繰り返しつつ逼迫基調で推移した。ところが、一九八〇年に入ってからは主要生産国で生産を拡大するということがありまして非常に大幅な過剰基調になる。これが一九八〇年代中ごろまで続いたわけでありますが、その後、世界各地で北米地区の干ばつ等による減産その他があって引き締まってきた。そして、九〇年代に入って、九〇年度の豊作はあったけれども、穀物の在庫率は世界全体で九一年度末には一七・七%まで下がると見込まれるということをまとめたものでございます。  そういうことであるから国内で自給率を高めるという必要がある。ついては平成四年度予算でどういう対応をしたかという今のお尋ねでございますが、今申し上げましたように、これをまとめたのがことしの二月でございますから、予算編成とはやや時点が違うわけでございます。しかしながら、私ども西暦二〇〇〇年に向けて国内の自給率を高めようということで、それぞれの作物について生産の振興あるいは生産性の向上ということを図らなければいかぬということで、それぞれ各局におきまして作目ごとに生産振興のための予算を必要な限りにおいて編成をしているところでございます。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 御承知のように、今農村は兼業化がもう極端に進んで新規農業者はもう減少の一途をたどっている。平成三年の総務庁労働力調査でも、農業就業者が前年対比一三%の減少、さらには六十五歳以上の高齢者が三〇%を超えたというふうに発表されています。まさに農村社会が崩壊の危機に瀕していると言っても過言ではない、そんなふうに思います。このような状況の中で、農村社会をそして農業をどうするかはまさに焦眉の急を要する課題ではないでしょうか。  私は、昨年のちょうど十月ごろかと思いますが、福島県内の会津、大沼郡金山町というところを国会調査団ということで、五名ほどで行ってまいりましたが、そこは高齢化率が既に三一・五%、東北一であります。ここではもう既に農地は三分の一に減少しているという状態です。若い者が勤める場所といえば役場、農協、郵便局。したがって、若い者はほとんどみんな流出してしまっているというのが実態で、ある部落に行きましたらば、六十戸ばかりのうちで、若い者がいる家はたった三軒、そういうふうにある老人は言っておられたわけであります。  こういう状況を考えますと、何が今問われるかといえば、やはり山村、過疎地域では雇用の創出をどうするのか、若い者が都会並みとまではいかなくても、おれはここで生まれたのだからここで生活したいよ、こう言えるような賃金を保障する雇用の場がほしい、これが実態ではないでしょうか。こういうことをこれからの施策として考えるべきだろうと思うのでありますが、こういう点についてはどんなお考えをお持ちでしょうか。

海野研一農林水産省構造改善局長

○海野政府委員 お答え申し上げます。  特に、御指摘のとおり、農業自体がなるべく一人一人の規模大きくしてということになりますれば、外延的に拡大しない限りはどうしても農業に携われる人の数というのは減ってまいるわけでございます。そういう意味で、その中でその村が本当に維持していくというためには農業以外の就業の場というものがどうしても必要なわけでございまして、そういう点から昭和四十年代に農村地域工業等導入促進法をつくったり、現在どの程度に進んでいるかということについては御議論あると思いますが、リゾート法などの試みもございます。さらに、平成四年度から過疎地域で実施しておりますいわゆる定住事業、これはまさに新産業の創出を中心とした事業に持っていくというようなことで、なかなかこれは一朝一夕に新しい産業ができるわけではございませんけれども、やはり何としても雇用の場確保のためにいろいろな手を尽くしてまいりたいと考えております。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 今度の予算書はよく詳しく見ていませんが、大臣の所信表明を拝見いたしますと、従来にない考え方として具体的にあらわれてまいりましたのは、景観形成、環境保全等に配慮した農山漁村の整備を行う美しい村づくり、さらには山村、過疎地域等における定住条件の総合的整備を推進するため、新たな山村振興・定住事業を発足させるというふうに書かれているわけでありますが、これらについてどのような具体案をお持ちなのか明らかにされたいのであります。

海野研一農林水産省構造改善局長

○海野政府委員 昨年、山村振興法が改正になりました。それにあわせまして山村振興事業、従来からもやってまいりましたけれども、新しい新山村振興事業というものを始めることにしておるわけでございます。  その場合、特に山村振興事業の中では、先ほど御指摘ございました耕作放棄地のようなものが相当ある、これがある意味では山村、もちろんそれが本当に生産に向いていかなければいけないわけでございますけれども、荒れ地があること自体いろいろな意味で障害になってくるというようなことで、農地、林地の管理を第三セクターその他でもってやっていくというようなことなどを含めまして、山村の振興について、特に今まで山村振興事業は施設の整備中心でやってまいりましたけれども、そういうソフト面を充実していこうということで新山村振興事業をスタートさせる考えでございます。  また、定住事業につきましても、さっき申しましたような新産業の創出を核にしておりますが、全体にソフト重視ということにつきましては、山村振興と同じような格好で新しい定住事業をスタートさせようというふうに考えております。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 今お話がありましたけれども、時間がありませんので、十分議論ができないというふうに思いますが、私は前回の質問でもまたきのうの質問でも、スイスのデカップリング政策についていろいろお話がございました。この前たしか具体的にスイスの農業政策を紹介して、国民に対する良質な食糧の供給確保とか、対外貿易の困難や危険のときに備えて食糧の安全保障あるいは健全な環境と正常なエコロジーの保持、また農山村には十分な人口と活性的な家族経営が存在する良好な社会構造の維持という四つの柱を建て、現に農家には都市の労働者並みの所得を保障する価格支持政策あるいはまた農業生産の維持と定住の確保を条件とする直接支払いの制度等を政策として今日まで実践してきたがために、自然景観の維持や自然環境の保全、農村社会の保持等が行われてきた、こういうことが言えると思うのであります。  先ほども申し上げたように、我が国の農山村では今まさに農村社会が崩壊しつつある、こう言ってもいいような状態の中では、従来のような政策だけではもう既にどうにもならない、農村、山村地域の過疎化をとどめることはどうにもできない。若い新たな担い手を迎えるなどそんなことも全く考えられないという状況下にあるとすれば、スイスなどの状況を十分参考にしながら、デカップリングのような政策もいろいろ今検討中だという話でありますが、早急にそういった施策を考えないとどうにもならなくなる。山林の公益性あるいは農業、食糧の重要な使命というようなものを、総論では多くの皆さんが賛成しておっても各論になるとなかなか難しい、こういう状態を乗り越えて具体的な政策を立てないことにはどうにもならぬ状況下に来ているのではないでしょうか。  大臣、この辺については、あらゆる角度から検討されて、私たちも既に考え方をまとめつつありますが、どうぞ具体的な方針をこの委員会に提示されて、農村の将来のために十分御議論のできるような場をぜひつくってほしい。大臣の若干の所信をお聞きして、私の質問を終わりたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 デカップリングについては、きのうですか、官房長から御答弁ありましたが、私はそう悲観的にも見ていないのです。  随分あちこち私も歩きますけれども、私の夢みたいな話でも聞いてくれて非常に意を強くしたという青年たちがおるのですね。本当に夫婦で、私はこの分やっています、これだけ利益が上がりましたと言ってくれる人たちもおるし、全部が全部だめだというふうには見ておりませんし、そういう人たちを見習ってというか、まあよくわからないでやっている人たちも中にはあるものですから、目の前にいい事業として農業をやっている人たち、そういうものを勉強していただければ、私は、決して農業は先行き暗いものではない。  ただ、もっとよくしたい、するにはどうすればいいのかということで、景観形成とか環境保全というものも配慮した村づくりをしてはどうかというのを今回提案いたしているわけでありますけれども、私はオランダの風車を、一昨年行ってまいりましたが、行って見れば何の変哲もないところにあるのですけれども、観光客が、先生方もおいでになった方もあると思うのですが、要するに、日本で何でこういうことができぬのかな。昔風車小屋があって、そうしたものを残す、昔はこういう農業をやっていたという、村の中に歴史的なものを残すとか、あるいは水路もちょっと工夫して石積みの水路あるいはせせらぎの水路、そういうものをつくったり、あるいは花壇や、木造での活用した橋をつくるとか、蛍のブロックを入れてやるとか、いろいろなやり方があると思うのです。伝統的な、さっき申し上げたような、今はもう農家でも大分家が変わりまして昔のようなものがない、しかし昔はこういう農業生活をしておったというようなものを残してあげて、そこへみんな見学に行くとかいったときには、そういう花壇もあり、広場もあればいろいろなものでやれる、そういう環境をよくして何か活性化ができぬだろうかとか、いろいろと考えながら予算をつけて、これに向かって少し、農村地帯というものにみんなが行ける環境、都会の人たちも。国有林もそう考えておるわけでありまして、いずれにしても、そういうことで都会にはない田舎のいい雰囲気というものを想定しながらさらに努力をいたしたい、こう思っておりますので、ひとつよろしくお願いします。

志賀一夫日本社会党・護憲共同

○志賀(一)委員 ありがとうございました。

高村正彦自由民主党

○高村委員長 倉田栄喜君。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 公明党の倉田でございます。  私は、今農業あるいは農村地域社会というものに何が求められているか、こういう視点から、いわゆる二十一世紀における農業というものはどうあるべきなのか、あるいは二十一世紀の農山漁村社会はどういう形なのだろうか、これを明確に示すことが一番必要なのではなかろうか、このように考えているわけでございます。いわゆる農業従事者にとって夢と希望が持てる、あるいは農山漁村社会に誇りを持って住むことができる、どうしたらそのような地域社会を築いていくことができるか、そのグランドデザインというものをやはり明確に示していく必要があるのではないか、このような視点から質問をさせていただきたいと思います。  そこで、まず大臣、所信の中にもございますけれども、「活力ある農山漁村づくり」、こういうふうに大臣はお述べでございます。そこで、農山漁村社会を二十一世紀これからどのように位置づけようとされておられるのか。所信の中には、新しい食料・農業・農村政策検討本部、本年春を目途に論点を整理していきたい、こうあります。この論点を整理される中で、いわゆる農山漁村社会、そのグランドデザインというものをどのように描こうとされておられるのか。夢と希望ということを大臣もよくおっしゃられると思いますけれども、どのようにつくり上げていこうとされておられるのか。そして、そのグランドデザインの中に農村、山村、漁村の役割をどのように位置づけようとしておられるのか。抽象的に所信の中で述べておられますけれども、もう少し明確にお伺いをしたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 新政策については今検討中でありますが、私なりにいろいろなことを頭の中に描いて、こういうふうにしたらいい、漁村はこうあったらいいというのはありますけれども、しかし、いずれにしても、農山漁村はそれぞれの置かれた地理的環境によりおのずから差異があるわけでありますが、総じて言えば、食糧の安定供給を初め国土・自然環境の保全、豊かな緑や水辺空間の提供等いろいろあると考えております。  しかしながら、農山漁村の多くは、程度の差はあっても、過疎化、高齢化の進行によって活力が低下してきていることも事実であります。このため、農山漁村については、地域の特徴を生かした農林水産業の振興を基本として、何といっても集落排水施設、これをやりながらいろいろな計画を立てていきませんと、後の方も進んでいかない分野というのは随分あるわけであります。また一方では道路、何といってもこの二つを整備していかなければならぬ。その上に立って、景観形成等に配慮した美しい村づくり。  先ほども申し上げましたが、例えて申し上げますと、私の地元でも県立公園がありまして、海岸が物すごくきれいなのです。東京からよく合宿などで連れていきますと、こんなすばらしいところは見たことがないと言うのですが、そこに至る道路、夏の海水浴のときにはもうびっしり混雑をする、大変な人なんです。そこで道路の整備を図って、ところが、駐車場が今度はない。ですから、私は漁村の人たちに、畑を多少持っていますが、そこを整備して駐車場にして、いささかの料金を取る。あるいは食堂やレストラン、特に市長に申し上げておりますのは、いながらにしてハワイのワイキキの海岸に行ったような雰囲気をつくりませんか。そのかわり鉄筋コンクリートではなくて、木造のレストハウスとか宿泊施設、そこにマッチしたものをつくるべきだ。それから、海だからといって放置するのでなくて、砂浜が何キロにもわたっていますから、その中にプールをつくってあげたらどうですか。海であっても、子供たちにはプールの方が安全だしという、例えて言えばそういうことがありますから、やはり集落排水の施設、道路というのは基本的には大事だ。せっかく行きましても、トイレは従来のようにくみ取り、こういうことでは、都会から行った人たちはどうも余りいい感じで帰ってこれないというようなことがあろうと思うのです。  これは一つの例を申し上げましたが、国有林なんかでも、ゲートボール場を木造、集積材なんか利用してっくってあげるとか、キャンピングカーをもっと利用できるように、水道、ガス、トイレ、そうしたものをやはり完備してあげるとか、いろいろなやり方はあると思うのです。先ほど申し上げたようなことでありますが、いま一つは、多様な就業の機会、これは私は、どうも若者が定着しないしないというのですけれども、今申し上げたような施設、販売も必要です。林間学校をつくって、そこで工作をさせて、実費はちょうだいする。あるいはキャンピングカーの利用、そうすると売店が必要であります。物によっては、私は青森県の体育協会の会長でありますが、九ホールのゴルフ場を持っておるのです。これが安くて大変な利用率で、ですから、郵政政務次官、逓信委員長のときにも提案をしたのでありますが、保養所の周辺にそういう施設をつくってはどうかというので、今屋根つきのゲートボール場、テニスコート、そういうものを各県にある保養所に設置することにした。そういう活用の仕方をして、もし土地があったらゴルフ場をつくってもいい。それはチャンピオンコースじゃなくて九ホールでも十ホールでも十一ホールでも、ショートコースだけでもいいわけでありまして、いずれにしてもそういうものを村の若い者に経営をさせるということにすれば、若い人たちも喜んで農作業をやりながらそういうのもやる。  これは発想の段階ですから夢物語として聞いていただきたいのですが、いずれにしても、多様な就業の場ということになれば、そこでとれたものを加工するのも農家の人たちでやるということに考えて結びつけてやらないと、漁業は漁師の人たちが、ただとったものだけではなくてこれを加工 するのまでをやる、農業も同じようなことで、何とかやはり自前の就業の場というものをみんなが努力をしてやるということ、そんなことを考えながら、これがどれだけ取り入れられるかわかりませんが、新政策本部の検討を踏まえて、今申し上げたような観点から、二十一世紀にふさわしい、そういう農村、漁村、そんなものをつくってみたいと思って、今努力をいたしております。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 実は時間があればもっと大臣にその夢物語というのか、それを実現するためにもっとお話しをいただきたいわけでございますけれども、実は今大臣がお話しなさったことの中に出てくることが多いと思うのですけれども、従来の農山漁村というのは、いわゆる生産の場、食糧供給の場、そういうふうな位置づけしかなかったのではないのか。これからつくる地域、そのグランドデザインというものの中には、今大臣お話しになりましたように、居住の場であり、就業の場であり、あるいは同時に例えば定年退職者の生活の場として位置づけていく必要があるのではないのか、そういうふうに考えるわけであります。そうだとすれば、そういう視点から考えるならば、今大臣お話しなさいましたように、集落排水設備、道路という話がございました。もっと住宅環境の整備という視点から考えるならば、あるいは病院等の医療施設、コミュニティーセンター、こういう各種の公共設備の設置等々も必要になってくるのではなかろうか、私はこのように考えながら、その二十一世紀の農村、漁村、山村社会を考えてみるわけでございますけれども、その点いかがでございましょうか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 全く同感でありまして、この空気の悪い都会で、きのうもテレビを見ておりましたらぜんそくのことが出ておりました。大変な苦しみようでありまして、そういう方々がこういう空気のいい地方に来て生活をしたらどんなにいいだろうなと思って見ておりますが、いずれにしても価値観の多様化等によって、ゆとりある生活や自然との触れ合いを求める傾向が強まっておるわけであります〔  農村に対しても、生産の場としてだけではなくて、都市住民の生活の場あるいは学習の場、心身のリフレッシュの場という期待があるわけでありますが、これにこたえるために、農村の農業生産基盤の整備はもとよりでありますが、さっきいろいろ申し上げましたが、農村を快適で住みやすくするための各種の生活環境の施設、あるいは高齢者等を人材として活用するための施設でありますとか、もう既に秋田県かどこかだと思いましたが、東京都がお年寄りの何か施設をつくってそちらにお願いするという、もう一カ所ほどできた。私の県でもそういう希望が今出ておりまして、お迎えをしてゆっくり静養していただきたいということもあります。いずれにしても、御指摘の農村を都市からの定年退職後の生活の場として活用していくという点についても、私は賛成であります。  ただ、地方によっては、全部がそういう希望があるかどうかわかりませんが、将来ともお世話をしていくということになると、それなりのまた地方自治体の負担というものが出てくる。ですから、本当にこれはもう国の政策として、何かぴしっと自治省やみんな集まって、そういうふうにしようという方向づけをして、そうしたところには交付金やいろいろな面で面倒を見ていく。私の家内のおふくろも亡くなりましたが、農作業が好きでありまして、わざわざ遠くにうちをつくりまして、そうしてハウスをつくって自分が一人でやりまして、できた野菜等を持ってきて私たちによく食べさせて、本当に喜んでやっておりました。ですから、定年退職になって、そういうことをやりながら本当に健康で明るい生活が農村でできるとすれば、私はこんなすばらしいことはない、先生の今のお話で私も全く同意見であります。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 今のお話、もうちょっと進めたいと思うのですが、例えば定年退職後は農村、そういうところに住んでいく、そういう視点から考えるならば、先ほどの新しい食料・農業・農村政策検討本部でありますけれども、例えば二十一世紀の生活のスタイルというものをどのように考えておられるのかどうか、もしお聞きできればと思うのです。  例えば、若いときは都会の中で社宅に住みながら働く、それで休暇は田舎に帰ってリフレッシュしていく、あるいは老後になったらそういう農村、漁村社会に住んでいく、そういうスタイルを国として決めていくならば、まさにこの地域の活性化になっていきますし、今言われておる過疎化、廃村という問題も解決をしていくのではなかろうか、こういうふうに思うわけでございますけれども、その点、いわゆる二十一世紀の生活スタイル、どんなふうに描いておられるのか、お聞きしたいと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 全くそういう形態で進むことが、お互いこの東京に住んでおってこれで本当に幸せだろうかなと。若い人たちにはいろいろなものがあっていいと思うのでしょうけれども、どうも私の親戚なんかも東京へ来て、その生活ぶりを見ておりますと、三畳間か四畳半に住んで、何がよくてこんなところへ住んでいるのか、早く田舎へ帰れと言うのです。まあ、それでも会社へ勤めて社長にでもなるという夢でも持っているならいざ知らず、どうも大したこともなさそうですので、帰った方がいいのになと思うことはよくあります。しかし、今おっしゃるように、そういうふうないつの時点ではどういうふうにできるということになれば、非常にいい先生の発想であります。何かそういうものをひとつ将来に夢を持ちながら、若い国会議員の先生方でいろいろ検討をしながら実現をしていったらすばらしいことだな、私もこう思います。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 ともかく今、農業、農村の方々にどういうものを示せるか。具体的な形あるものを示す必要があると思うのです。そういうことで、ぜひ、夢物語ということだけではなくて、実現の方向へ向かってひとつ具体的な形として示していただければ、こういうふうに思うわけでございます。  例えば都市住民との交流、そういう意味からすれば、市民農園等というのはもっと具体的に意義づけていく必要もあると思いますし、また、都市からの流入者、これの受け皿づくりというのももっと積極的に進めていってもいいのではないのか。また、地域社会というものを単に生産の場としてだけ意義づけるのでないとすれば、学校教育であり、例えば子供と自然の交流の場として学校農園等みたいな、そういうものももっと考えていってもいいだろうと思いますし、いわゆる耕作放棄地等々の問題ありますけれども、公共的農園というのですかね、いわゆる生産的な農業じゃないけれども、先ほど大臣、お母さんのお話なさいましたけれども、定年して本当に生きがいとして農業をやってみたい、そういう方々の農園公社みたいな、そういう発想もあり得るだろうと思います。  ぜひ、農業というもの、あるいは農山漁村社会というものを生産の場としてだけではなくて、大臣の所信の中にもありますけれども、地域の土地、景観、伝統、文化等を含む自然、社会総体を活用して、非農家を含む総合的な施策というもの、そして国民にとって開かれた緑の空間として意義づけられるような政策というものを示していただければな、また、そうした姿の中に、積極的な議論に参加をさせていただきたい、こういうふうに希望しておりますので、ぜひよろしくお願い申し上げたいと思います。  それから、今私は地域の問題を申し上げましたけれども、いわゆる農業というものをどうするか、林業というものをどうするか、漁業というものをどうするか。これも具体的な形としてやはり示していかなければいけない。この危機的状況の中に、そのしっかりとした姿をやはり示さなければ、後継者の方々も、いわゆる青年農業者を導入しようとして手厚い政策を施したとしても、未来に希望が持てるかどうか、未来の農業、漁業というものがどういう姿なのか、これがわからなければやはり失敗するのだろう、こういうふうに思うのですね。  そこで大臣に、また抽象的な話になってしまい ますけれども、農林漁業の未来像というのを本当にどんなふうに描いておられるのか。どのような形で夢と希望というものを与えていこうとされておられるのか。  例えば、きのうの委員会の中でもちょっと話が出ましたけれども、農業の企業化、企業参加の農業、そういうのもひとつぜひ、いろいろ御議論があると思うわけでございますけれども、やはり検討されていくべきであろう。そういう中で、いわゆる農業サラリーマンであるとか、あるいはまた夢物語的にすれば農作業ロボットであるとか、あるいは工場としての食糧生産等々、そういうことをもっと大胆に検討されることによって新しい農業、農村の未来像を示せるのではないのか、こういうふうに思うわけでございますけれども、いかがでございましょうか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 土地利用型農業を初めとする農業の担い手の高齢化の進行というものは、近年、農業後継者の著しい減少あるいは耕作放棄地の増加等によって、地域によっては今後農業生産を進めていく上で支障が生じることが懸念されておるわけでありました。こうした状況を踏まえ、農家の経営意識を喚起しながら、経営管理能力にすぐれた企業的経営のできるような担い手ということをしばしば申し上げておるわけでありますが、何といっても、これはどんな方法をお示しいたしましても、やる人がもう本気でかかるということでないと、これは失敗に終わる。また、これならやってみようというようなものでなくてはいかぬと思うのです。  今お話しのように、きのう来、企業も参画をさせるかどうか、賛否両論はあると思います。あると思いますが、最初から避けて通るのではなくて、どういう方法ならやれて、本当に農家の皆さんもそれなら参画できるという方法があるのかないのか。なければ、これはもうやめればいいわけでありますけれども、全然議論の中に入れないということではなくて、土地に問題があるとすれば、土地は農家が持っているわけでありますから、農家の所有として資本の参加をする、あるいは管理能力、そういうものを提供してもらうという形でいけるのかどうか。その辺のところもあわせてやはりいろいろやってみる必要がある。  そういう人たちは、どの程度の規模、どれだけの資本を投下して何をやるともうかる農業になるかということの方は専門家でありますから、よくわかると思うのですね。それが農家の人と物と金、この三つが一緒になりませんと企業というのはうまくいきませんから、それがだれかが入ることによって三つが一緒になるということであれば、やる人たちがそれでよろしいということならばあえてこれを拒否するものではないだろう、そう思います。あるいは中には自分たちだけで農地法人でやる。その場合も、農産物をつくるあるいは機械で受委託でやってあげる人あるいはそのできたものを加工する工場でやる人、これすべて農家の人たちでやっていく、適切な規模ですね、そういうふうにしてやれば、農村というものはもっともっと今流の経営管理のしっかりした農業として意欲が出てくるのではなかろうか、こういうふうに思います。  しかし、何といっても農業は従来の家族的農業経営というものが基本であります。基本でありますけれども、農家の長男だから農業に意欲を持っているかというと必ずしもないという場合には、やはり意欲のある人をそこへ持ってくる。あるいは地域的な広がりで持続的あるいは安定的な経営が可能な多様な担い手の育成をいたしてまいりたいというふうに考えております。  今鋭意検討いたしておりますので、いずれ先生方の意見も伺って、いろいろな角度からの検討はしてみたい、こう考えております。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 私は先ほど、その地域をいわゆる生産の場あるいは居住の場、就業の場、同時に緑の空間の場として、このようにお話し申し上げましたけれども、同時に農業に従事する方々も、例えば生産のための営農プロ集団、あるいは生きがいとして農業というものをやられる集団、あるいは余暇にやられる集団、そういうものをきちっと区別をしていくこともひとつこれからの農業政策というものにとって必要なのではないのか、こういうふうに思うわけでございます。  また、例えば大臣、今担い手の問題をお話しになりましたけれども、担い手の問題として、従来どっちかというと、また現在もそうかもしれませんけれども、いわゆる青年農業者、若手の後継者をどう育てていくか、こういう方向、こういうところに重点があった。これはとても大切なことだろうと思うのですけれども、もはやこれだけでは済まなくなっているのではないのか。同時に、女性であり、定年退職者であり、高齢者であり、先ほど大臣は多様な担い手と、このように言われましたけれども、その多様という意味の中にはこういうもつと枠を広げた担い手の存在というものをきちっと意義づけていって、そしてそれぞれが果たされる役割というものを示していくべきではなかろうか、このように思うわけでございますけれども、この点、大臣の御所見をお伺いできればと思います。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 営農プロ集団というか、農業的集団、もうそのとおりだと思います。もう多様なものを、いろいろなものを組み合わしてやっていくということが大事なことでありますから、特に我が国の農業、とりわけ稲作等の土地利用型農業において生産性の向上を図るためには、経営規模の拡大も図るし、その体質を強化する必要がある。適正な規模、何人でやるかということは大事な要素になってくるわけであります。  このためには、地域農業の将来展望についての合意形成を図って地域農業の担い手を明確化していく。農地の売買、貸借、農作業受委託といったような、先ほど申し上げたような多様な手法によって農地流動化を推進する。これが、担い手への農地の利用集積を図っていくことがまずこの営農プロ集団として大事なことでありますし、このために、農業構造の改善を積極的に推進しようとする地区に対して、担い手づくりや生産システムの形成等についての重点的な指導、支援をしてまいりたい。  ですから、本当に意欲を持ってやりたいというところから積極的にやはりやっていかなければならぬ。また、農用地利用増進法に基づいて経営規模拡大計画の認定を受けた者への農地の集積をしてあげる。あるいは規模縮小農家から農地を買い入れ、または借り入れて規模拡大農家に売り渡したり、また貸し付ける、農地保有合理化促進の事業の推進等を実施して、担い手の明確化と担い手への農地の集積を図っていく。  このほか、平成四年からは、連担的な作業条件の形成を図って担い手への利用集積を促進するための助成金を交付していこう。中には土地は放したくない、しかし一画に全部きちんときれいになってなければいかぬという場合にはその中にその人も入れて、まあいずれ農業をやめるというときはそういうものを買い取ってもそこだけは崩さない方法なんというものを考えてみたらどうかなということもあろうと思うのです。  また、担い手を支援するための措置として、農地を取得して大幅な規模拡大を図る農家に対しての助成金の交付をする。農地取得や施設整備等を行う農業者に対する一括の長期低利の融資をする。あるいは、この平成四年からは、新規就農者やまたは規模拡大農業者の機械等の割り増し償却制度を創設するということをいたしているわけであります。  また、女性、退職者、高齢者についても、女性が農業の就業人口のうち六割、六十五歳以上の高齢者が四割、こういうことでありますから、重要な役割をもう担っているのですね。今後とも農山漁村においては、青年農業者、中核農家を中心としながら、女性、退職者、高齢者が、それぞれの能力に応じて農業生産、地域社会活動に参画し、役割を分担できるよう、普及活動等を通じて努力をしてまいりたいと考えております。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 今大臣、御答弁いただきましたけれども、いわゆる高齢者の問題、それから女性対策 の問題ですね。従来、どちらかとすると、いわゆる高齢者、これは早くもう若い人にバトンタッチしてもらったらいいんではないのか、そんなふうな政策誘導があったんではなかろうかな、こういうふうに思うわけですね。しかし、高齢者といえども、六十代、七十代、八十代、これはいろいろあるわけでございますから、まだ六十代、七十代というのは本当にお元気でお働きになれる方々が非常に多いわけです。だから、今大臣、お話しになりましたけれども、そういう六十代、七十代の方々がやりがいを持って農業を続けられる条件整備、あるいは場合によったら、高齢者向けの技術の開発、そして同時に、さっき申し上げましたけれども、定年退職した方が農業にこれからつく、学校の先生をしていた人たちが農業をやりたい、あるいは都会で一生懸命働いていた人たちが田舎に帰って農業をやりたい、こういう方々も受け入れられるような、例えば農業技術講座、研修会、それからいわゆる高齢者対策の事業、それから高齢者生産のための活動基金を創設する、そういうところをもっと積極的に意義づけていってもいいんではないのか、またそうしなければこれから農村地域社会の担い手の問題として非常に穴があいてしまうのではないのか、こう思うわけですが、いかがでございましょうか。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 今お話し申し上げたように、大変な御婦人と高齢者の人が農業に責任を持っている。若い後継者、後継者と言っておりますが、これは全部がそうなのかわかりませんが、私の親戚を見ておりますと、お年寄りの人たちはどうも頭がかたくて、息子の言うことを聞かぬのです。当時ですから、小学校を卒業してもう農業をやった人ばかり、たたき上げという感じがありまして、ところが、柔軟性がないものですから、若い連中がこうだああだ、こう言っても、そんなのはだめ、こう言って一蹴して、頑固で頑張っておるものですから、そういう意味では、やはり若い人たちは今はやりの経営感覚を持っているけれども、そこのギャップが埋まらないというところに問題がありまして、私は、こういうことで高齢者の人たちを決して粗末にするわけではありませんが、やはりそこの切りかえをして、若い者と一緒になってやろうという気さえあれば、先生おっしゃるように十分対応していける、そう思っておりますから、貴重な御意見として伺っておいて、新政策の検討の中でまたいろいろとやってみたいと思っております。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 いわゆる高齢者の方々を、これからの農業をつくるためにはもう邪魔になりますよ、新技術とても無理なんですから、どうぞ引退をしてください、そう言うんではなくて、やはりこの方々も本当に重要な戦力、戦力という言い方はおかしいかもしれませんけれども、重要な担い手として頑張っていただこう、こういう発想で考えていくならば十分やっていただけるところはたくさんあるんだ、こういうふうに思うわけでございますので、ぜひ真剣に御検討を願いたい、こういうふうに思うわけでございます。  それから、いわゆる農村婦人、女性対策の問題、後継者危機の問題の中で、花嫁さんのなり手がない、これが非常に大きな問題である。なぜ花嫁さんのなり手がないのかというと、やはり農村婦人の姿を見ていて、大変だな、ああいうところに嫁に行きたくないな、こういうところもやはり一つの原因があるのだと思うのですね。そうだとすれば、いわゆる農村婦人、女性、この姿をいかに魅力的に、私もああいう姿であれば行きたい、こうつくり上げられるかということが、ひいては後継者対策にもつながっていくんだろう、こう思うわけです。  そういう意味からすれば、先ほどの高齢者と同時に農村婦人、女性というのも、先ほど大臣お述べになりましたけれども、農村の六割、三百四十万占めているにもかかわらず、余りにも大切にされてきてなかったのではないのか、こういうふうに思うわけでございます。いろいろ女性に不利な慣行は廃止しましょうとか、あるいは労働報酬というものも明確化していかなければいけないとか、あるいは女性の年金も確立をしていこうとかいろいろあるのだと思うのですけれども、もっと具体的に女性というもの、農村婦人というものに視点を当てた政策、施策というものをつくり上げていくべきではないのか。例えば、海外への視察の研修ももっと農村の婦人というものを対象にしていっていいのだろう、そういうふうに思うわけです。  さらには、いわゆる農業委員会とか農漁業協同組合、あるいは森林組合、これらの役員の参加の問題。今農協の組合長さんに女性がおられるかどうか、私よくわかりませんけれども、多分一人もいらっしゃらないのじゃないのかな、こう思うのですね。そういう点からももっと女性を対象にした政策、施策、それから各種の役員、あるいは意思決定における機会参加、これをもっと積極的に図っていくべきではないのか、このように思うわけでございますけれども、この二点についていかがでございましょうか。

上野博史農林水産省農蚕園芸局長

○上野政府委員 大臣との間で非常に政治的な高度な議論が行われているときに、やや事務的な答弁で恐縮でございますけれども、委員御指摘のように、農村におきます女性の数、割合というのは大変多いわけでございますし、そういう実態を考えますときに、これらの婦人に十分活躍をしていただくことが、農業のみならず、地域社会のために大変大事なことだということは、我々としても十分認識をいたしているわけでございます。  私どもの仕事でこの関係を一番重点的にやっておりますのは、生活関係の改良普及員がその仕事を担っているわけでございますけれども、昨年の二月にこの関係の仕事のあり方の基本を定めました計画を改定をいたしまして、従来のような衣食住の改善というようなことにとどまりませんで、婦人あるいは高齢者のいろいろな面での活躍を促進をしていくような普及活動に内容を高めていかなければならぬというふうに考えて、このところやっているわけでございます。  その中で若干ブレークダウンをしてお話を申し上げますと四点ぐらいございまして、女性が農林水産業に大きな役割を持っておるという関係上、技術的なあるいは経営能力の向上を図っていくということをやはり重点的に考えてまいりたい、そのときにまた労働の環境も大いに改善をしていかなければならないという点が第一点でございます。  それから、女性が働くということになりますと、いろいろと家庭的な意味でのヘルパーみたいなものの存在も要るというわけでございまして、地域的な互助活動とでもいいますか、相互補助とでもいいますか、そういうようなこともこれから実現をしてまいらなければならない。あるいは、従来の伝統的な固定的な婦人の役割というような物の考え方を改めまして、労働の過重にならないようなこともこれから大いに進めてまいらなければならない。  それから、委員御指摘のように、農協等の組織におきます婦人の活躍というものもこれから大いに進めてまいらなければならないということで努力をいたしております。事例的には、女性が農協の役員になって活躍をしておる、しかもこれは言葉が悪いかもしれませんが、期待した以上に積極的にやっていただいているという事例もあるというふうに聞いておるところでございます。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 次に、生産緑地法改正と市民農園の問題についてお伺いをさせていただきたいと思います。  生産緑地法改正によって、三大都市圏の特定都市の市街化区域に農地を持つ農家は、新しい生産緑地の指定申請で、農地を保全をするのかあるいは宅地化するかの選択を今迫られている状況であるわけでございます。生産緑地法の施行日は平成三年九月十日でありますけれども、この三大都市圏の特定市は、この日からことしの十二月三十一日までに都市計画を決定しなければならないというふうに私承知しておりますけれども、このためにいわゆる指定申請期限、既にもう締め切った特定都市もあるそうでございます。また、遅い市で も三月末日が申請期限の締め切りのようであるというふうにも聞いております。  そこで、これは建設省きょうおいでいただいていると思いますけれども、この指定申請の実態を今どのように把握しておられるのか、お聞きをしたいわけであります。その実態をお聞きする中で、農地は農業者にとって必須の生産施設であるわけでありますから、最長五ケ月で将来にわたる方向決定をしろというのはかなりきついのではないのかな、少し短か過ぎるのではないのか、このような思いを持つわけでありますけれども、指定の申請期限の延長を考えていくべきではないのか、こういうふうに私は思うわけでございますけれども、この点についてはいかがでございましょうか。

林桂一建設省都市局都市計画課長

○林説明員 生産緑地地区の指定につきましては、農地課税の適正化の実施等を勘案いたしまして、遅くとも平成四年十二月末までに行うこととしておりまして、現在関係地方公共団体で指定に関します農地所有者等の意向把握を含めまして、都市計画の素案の作成を行っているところであります。  先生お尋ねの意向把握の期限の問題でございますけれども、この農地所有者の意向把握につきましては、当初平成三年内を目途に行っていただくように公共団体にお願い申してきたところでございますが、その後、農地所有者等の意向の決定にやや時間を要するというようなこと等に関します地方公共団体の要望もございまして、多くの地方公共団体で意向把握の期限を三月末までというふうに延長してきているところが多うございます。  私どももいろいろな手続に時間を要するわけでございまして、平成四年末までの都市計画の決定をきちっと行っていただくという前提で手続を進めていただくようにお願いしているところでございますけれども、三月末程度でありますれば、その後の都市計画の決定手続を遅滞なく行うということに余り大きな支障が出ないのではないかというふうに考えておりまして、これらの地方公共団体の措置につきましては、一応差し支えはないものということで現在見守っているところでございます。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 実際、農業者の判断のために与えられた期間というものが、地方自治体、地方公共団体の都市計画決定に要する時間としても余りにもちょっと短か過ぎるのではないのか、こういう視点もありますので、ぜひこの点柔軟に対応をお願いしたい、こういうふうに思います。  それから、市民農園ですけれども、この市民農園に対する相続税納税猶予制度の適用の問題について、きょう大蔵省にもお見えいただいておると思いますので、お聞きをしたいと思います。  現在、生産緑地法の指定を受けた地方公共団体の市民農園に貸与している農地が相続税納税猶予制度の適用を受けられてない、これはどんな理由によるものでしょうか。

窪野鎮治大蔵省主税局税制第三課長

○窪野説明員 御説明いたします。  御案内のように、先般の土地税制改革の一環といたしまして、三大都市圏の特定市の市街化区域農地等につきまして、農地等についての相続税の納税猶予の特例の適用を原則廃止したところでございますが、これに伴う経過措置といたしまして、既に特例の適用を受けている一定の方につきまして、平成四年一月一日から三年以内ということで、特例農地等をまず住宅・都市整備公団等の賃貸住宅の建設のために貸し付ける場合、それから都市公園用地として地方公共団体に貸し付ける場合、そういう場合には、税務署長の承認を条件として、その農業相続人の方一代に限って、転用する特例農地等につきまして引き続き納税猶予の継続を認める措置を講じているところでございます。  この経過措置の考え方でございますが、そもそも納税猶予の特例と申しますのが、農業相続人がみずから額に汗して農業経営を継続する場合に限り認められている特例でありますことから、その経過措置の対象となる事業も、事業の重要度が高い、さらに事業の緊急性も高いもの、こういうものに限定する必要があると考えた次第でございます。すなわち、何億円という規模の相続税が農業経営の継続をしないで結果として免除になってしまう、そういう公平上の観点も考えまして、住宅それから都市公園に限って認めることとしたところでございます。  もう少し具体的に説明をさせていただきますと、まずその事業を促進するための法律が設けられていること。さらに、一定の年限を一期とする計画が定められていること。御案内のように、住宅につきましては住宅建設五カ年計画、都市公園につきましても都市公園整備五カ年計画があるところでございます。さらに、緊急性の要素といたしまして、平成二年六月に閣議了解されました公共投資基本計画及び日米構造問題協議長終報告の対象となっている事業ということにさせていただいた次第でございます。  以上のほかに、今御提案の、地方公共団体に市民農園のために貸し付けている土地、これにつきましてはあくまでも地主としての個人の、比較的短期間が多いようでございますが、そういう貸し付けでございまして、法律的には地主さんの判断で任意にそういう供与を廃止できる、あるいはそこで財産として処分ができるというような法律的な性格もあるものでございます。したがいまして、御提案の市民農園につきましては、住宅あるいは公園事業と同様の事情にはないということから経過措置の対象にしていないものでありますことを御理解いただきたいと思います。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 先ほど私は、これからの農村地域を考えるために、例えば市民農園の重要性、都市住民と農村地域の交流の問題を取り上げました。そこでこの相続税納税猶予制度の問題に突き当たったわけでございますけれども、今お答えの中では、その市民農園の貸与の場合、これは猶予制度の適用を受けられないけれども、生産緑地法の改正に伴ういわゆる都市公園ですかね、都市公園法施行令の公園の方は受けられるようになっている。ここがちょっと違うんだという御説明だったのですけれども、都市公園と市民農園というのは実際的には果たしている機能というのはそんなに違わないんではないのかな、こんなふうにも思うのですが、この点、いかがでしょうか。

窪野鎮治大蔵省主税局税制第三課長

○窪野説明員 御説明をいたします。  少々繰り返しになりますが、相続税と申しますものは基本的に財産課税でございまして、本来ならば取得した財産、すべての財産につきまして平等に取り扱うことが課税の公平上必要であると考えております。  しかしながら農家の事業用資産である農地につきましては、特別にこれについてだけ相続税の納税猶予の特例が設けられているところでございますが、これは、農地の所有と経営の不可分という農地法上の制約、こういったものを考慮いたしまして、農業の自立経営を目指す方が民法の均分相続制にとらわれることなく農地を引き継ぐことができるようにというそういう農業基本法の趣旨がございまして、これに対処するために農業政策の観点から設けられた極めて異例の措置なわけでございます。  そして今お尋ねの点は、先般の土地税制改革の議論の際に、三大都市圏の特定市の市街化区域農地等につきましては、このような相続税の納税猶予の特例の適用はもう原則廃止すべきではないかということで、そういう方針を御決定いただいたところでありますが、こういう原則廃止を円滑に進めます。そういう一つのあくまでも経過措置、しかも三年間に限って、今申し上げました賃貸住宅あるいは都市公園に限って極めて例外的に引き続き納税猶予の継続を認める。したがって、そういう場合には何億円という相続税が農業経営の継続をしないで結果として免除になってしまうという、課税上の公平の観点からは極めて重い経過措置ではあると思いますが、あえて住宅と都市公園に限って認めさせていただいた次第でございます。  その重要性、緊急性の判断の要素は申し上げたとおりで、繰り返しませんが、どこまでそれを対象にすればというお話で、こういう三年間の経過 措置ということで以上の二つのものに区切らせていただいたわけですが、お尋ねでありますのであえて申し上げますと、都市公園の場合には都市計画法上の都市施設として都市計画決定がされている、それで法律上設置者は原則として廃止できないというような仕組みになっております。一方、市民農園についても法案があることは承知をしておりますが、そこまでの縛りはかかっていないで、市町村が供与される場合につきましても、あくまでも地主の方が任意の契約として貸し付けていて、いつでもその契約を解除する等して廃止ができる、さらには自由に処分ができる。処分をすればまさに恐らく資産価値とすると相当高額なものになると思うのですが、そういうことがあっても、例えば何億円ともいう相続税がそういう場合に免除されてしまう、こういう仕組みであるということを御説明いたした次第でございます。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 今課税の公平という視点から御説明をいただいたわけですけれども、もう一つこれは農水省にお聞きしたいのですが、いわゆる都市公園に貸与している農地には特例を認めておきながら、市民農園の部分については特例を認めてない。これは結局、都市における農業をどんなふうにとらえておられるのか、この視点が一つ大きく影響をしているんではないのかな、こういうふうに思うわけですけれども、農水省としてはこの都市農業の取り組みというのはどのようにお考えでしょうか。

馬場久萬男農林水産大臣官房長

○馬場政府委員 都市の区域内またはその周辺において営まれている農業、都市農業という定義も明確なものはございませんので、そういう都市の区域内なりその周辺において営まれている農業につきまして、これは先ほど来御議論がありましたが、都市住民に対する野菜等生鮮農産物の供給あるいは緑やレクリエーションの場の提供、環境保全等々、いろいろな役割を果たしておると考えております。しかしながら、そのような農業に供されています農地につきましては、都市の発展なり拡大に伴いまして、宅地等農業外の土地需要と競合することになるわけでございまして、これをどのように調和させていくかという問題があるわけでございます。  このため、原則的に私どもは都市計画法の市街化区域の中と外とを分けるということを昭和四十二年に行いまして、市街化区域内の農業のあり方については、これは原則といいますか、おおむね十年以内に市街化する土地であるということで考えておりまして、その外にあるものについては、今後とも市街化を抑制していくという土地であるというふうに分けておりますが、そういう二つの地域に分けて考えるということをしてきたわけであります。  しかしながら、今御議論のありました、市街化区域の中におきましても、その土地が生産緑地のようなものに指定されまして、そこで継続して農業が営まれるというものについては、農業の政策の上でも評価をしてそれなりに必要な施策を講ずる、こういう考え方で対応しているところでございます。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 そろそろ時間が参りましたので、最後に大臣に、るる二十一世紀の農業あるいは農山漁村社会のグランドデザインというものをどう示すかという視点からお答えをいただいたわけでございますけれども、この議論を通す中で、やはり農業基本法なりあるいは農地法なり、これにも取り組んでいかなければいけないのではないのかな、こういうふうに思うわけでございます。  大臣としては、農業基本法については、以前の委員会でちょっと御質問をさせていただいたところでございますけれども、例えば、農地法については農地法改正等々どんな問題認識を持っておられるのかどうか、お伺いをして私の質問を終わりたいと思います。

海野研一農林水産省構造改善局長

○海野政府委員 大臣がお答えする前にちょっと先にお話しさせていただきます。  昨日も御審議の中でお答え申しましたように、私どもは、担い手を育成するためにどんな方法をとるか、またどのような担い手を育成していくかということの検討を先行させておりまして、その結果、必要が出てくれば改正をするということでございまして、農地法の改正というのが先にあるということではないという考え方をとっております。

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 今局長からお話しになりましたが、担い手の確保というのは、先ほど来申し上げましたように大変大事なことであります。特に農外から新規参入する、農業経営を開始しようとする場合に、みずからが農作業に従事して取得した農地において適切かつ効率的に耕作を行うということであれば、いろいろと便宜を図っていかなければならぬというふうにも考えるわけでありまして、いずれにしても、新しいやり方でありますので、いろいろと検討して支障のないように進めていかなければならぬ、こう考えております。

倉田栄喜公明党・国民会議

○倉田委員 農業、農村というものの未来像というものをどう明確に示せるか、これは本当に大切なことだろうと思いますので、いつまでも検討検討ということではなくて、きちっとこういうものですよということをできるだけ早くお示しをいただきながら、また議論をさせていただきたいと思います。  以上で、私の質問を終わります。

高村正彦自由民主党

○高村委員長 これにて農林水産大臣の所信に対する質疑は終了いたしました。      ————◇—————

高村正彦自由民主党

○高村委員長 次に、内閣提出、松くい虫被害対策特別措置法の一部を改正する法律案及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案の両案を議題とし、審査に入ります。  順次趣旨の説明を聴取いたします。田名部農林水産大臣。     —————————————  松くい虫被害対策特別措置法の一部を改正する   法律案  森林組合合併助成法の一部を改正する法律案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

田名部匡省自由民主党農林水産大臣

○田名部国務大臣 松くい虫被害対策特別措置法の一部を改正する法律案及び森林組合合併助成法の一部を改正する法律案の二法案につきまして、その提案の理由及び主要な内容を御説明申し上げます。  まず、松くい虫被害対策特別措置法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。  松くい虫被害対策特別措置法は、松くい虫による異常な被害の終息を図るため、昭和五十二年に五年間の限時法として制定されたものであります。  その後、昭和五十七年及び昭和六十二年にその有効期限を五年間ずつ延長し、今日に至っております。  この間、政府といたしましては、鋭意松くい虫の防除に努めてきたところであり、この結果、昭和五十四年度には二百四十三万立方メートルにまで達した被害量は、平成二年度には九十五万立方メートルにまで減少し、全体としては、松くい虫の被害の鎮静化に相当の成果を上げてきたところであります。  しかしながら、被害量が依然として百万立方メートルに近い水準にあるほか、地域によっては一部に激害地が存在し、また保全すべき松林及びその周囲に感染源が残存するなど、遺憾ながら異常な被害が終息する状況には至っておりません。  このため、本法が本年三月三十一日に失効するに当たり、被害の実態に即し、被害対策を推進する松林をより重点化しつつより徹底的かつ効果的に対策を実施するため、所要の改正を行うこととして、この法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の主要な内容につきまして、御説明申し上げます。  第一に、松くい虫被害対策特別措置法を平成九年三月三十一日まで五年間延長することとしております。  第二に、防除を必要性の高い地域において重点的に実施するため、都道府県知事等が積極的に被害対策を推進する松林の範囲を限定するとともに、特別防除、すなわち航空機による薬剤防除を直接実施することのできる松林群の範囲を限定することとしております。  また、その一環として、都道府県知事及び市町村が定める実施計画において、対象松林の区域を明確化することとしております。  第三に、保全すべき松林及びその周囲における松くい虫被害の感染源の除去をより徹底的かつ効果的に行うための措置の拡充であります。  現行の被害木の伐倒等の駆除命令とあわせて、被圧等による枯死木についても伐倒及び薬剤による防除を行う補完伐倒駆除の命令をすることができることとするほか、樹種転換を一層促進するため、都道府県知事が森林組合等に対し必要な助言等を行うことができることとしております。  以上がこの法律案の提案の理由及び主要な内容であります。  続きまして、森林組合合併助成法の一部を改正する法律案につきまして御説明申し上げます。  近年の森林・林業の状況を見ると、林業の採算性の低下、林業従事者の減少、高齢化の進行、森林整備、林業生産の停滞等まことに厳しいものがあります。  このような状況のもとで、流域を基本的単位として森林整備、林業生産等を総合的に推進するためには、森林所有者の協同組織であり、地域の林業労働力を組織化している森林組合がその中核的役割を担う必要がありますが、組織、経営基盤が脆弱なものが依然として多い状況にあります。  政府といたしましては、このような状況を踏まえ、森林組合の合併を引き続き促進してその体質を強化し、森林所有者の協同組織の健全な発展に資するために所要の改正を行うこととし、この法律案を提出した次第であります。  次に、この法律案の主な内容につきまして御説明申し上げます。  第一に、合併及び事業経営計画の都道府県知事への提出期限を五年間延長して、平成九年三月三十一日までとすることとしております。  第二に、合併及び事業経営計画の計画事項として森林施業の共同化等を内容とする森林施業の合理化に関する計画を追加するとともに、合併後の組合の事業経営に関する計画が地域森林計画及び市町村森林整備計画と調和したものであることを認定要件に追加することといたしております。  第三に、合併及び事業経営計画の提出期限の延長に伴い、都道府県知事の認定を受けた森林組合の合併について、税法上の特例措置を設けることとしております。  以上が、この法律案の提案の理由及び主要な内容であります。何とぞ、これら二つの法律案につき、慎重に御審議の上、速やかに御可決いただきますようにお願い申し上げます。

高村正彦自由民主党

○高村委員長 以上で両案の趣旨の説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後三時三十二分散会

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