農林水産委員会 第2号
- 発言数
- 211 件
- 登壇者
- 31 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1992/02/26
会議録
○高村委員長 これより会議を開きます。 農林水産業の振興に関する件について調査を進めます。 農林水産業の基本施策について質疑の申し出がありますので、順次これを許します。金子徳之介君。
○金子(徳)委員 昨日、平成四年度の予算編成の概要の提示とともに、大臣の所信表明がございました。その中で、大臣は我が国の農山漁村の国土保全、環境の保全そしてまた食糧の安定供給のみならず、国民に緑と潤いに満ちた生活・余暇空間の機能の位置づけを明確にし、これを前提に農林水産業の置かれている厳しい国内外の情勢に対処するための諸般の施策を開陳されたのでございます。今農林水産業すべてを網・罪する幅広い分野に対処をしていくのには、まことに国内外とも容易でない課題があるわけであります。そうした中でのこのかたい決意のもとに表明されたことにつきましては、その労を多とし、評価するところでございます。 私は、この所信表明をよりわかりやすく身近な政策として国民の理解を得るために、以下御質問を申し上げたいと思いますが、まず初めにガット・ウルグアイ・ラウンドについてお伺いをいたします。 昨年十二月、最終合意案を示されましたいわゆるドンケル・ペーパーについてでありますが、本年この会議が再開された後、この食糧貿易問題について各国の反応、あるいはきょう我が国においても政府首脳がお集まりになって、そして修正案の方向づけをされるというふうに仄聞をいたしているわけでありますが、これらの問題とあわせて各国の反応がこの修正案についてどのように動いているか、この推移を伺っておきたいと存じます。 あわせて、今後のこのガット農業交渉の見通し、我が国が関係省庁一丸となって当たるべきだと思います。中には、これはそれぞれの政治家がばらばらの発言をすることによって、現在農水省が総力を挙げて取り組んでいることに対して後ろ弾が飛んでいるのではないかといううわさすら出ているわけでありますが、それにもめげず頑張っておられることに敬意を表したいと思います。この点について、この交渉スタンスについてもあわせて伺っておきたいと思います。
○川合政府委員 最初に私から、各国の反応状況について御説明させていただきます。 今お話がございましたように、昨年十二月二十日に提示されました合意文書案に対しまして、今までのところ私どもが承知しております各国の反応は、まずアメリカでございますが、アメリカは、政府自体は基本的にはダンケル合意案によりまして交渉を早期に終結することを望んでいるという反応でございますが、ただ農業関係団体、特に輸出競争力の強い団体、穀物を持っております団体あたりは輸出補助金の削減率が不十分であるというような反応、それからウエーバー品目を持っている団体はこの関税化に反対というような意見が出されているところでございます。また、農業以外の分野でも関係業界の不満が強く、これらを受けまして議会にもダンケル合意案につきまして否定的な評価が出始めているというような状況ではないかと思っております。 それから、ECでございますが、昨年十二月の二十三日に、ダンケル合意案の農業部分はEC共通農業施策の基礎に合致しない限りにおいて受け入れられない、修正が必要だというようなコミュニケを発表しております。ことしに入りましてから、この方針に基づきましてダンケル合意案の修正意見を取りまとめるための加盟各国での調整が行われているように承知しております。 それから、カナダでございますが、カナダは、ダンケル合意案につきまして、今後の交渉の促進にはつながるというような評価はしながら、特に現行ガットの十一条二項(c)の取り扱いについて、例外なしの関税化としていることは問題であるということを明確に態度をあらわしております。 こんな状況だというふうに今のところ把握しております。
○田名部国務大臣 農業交渉の見通しとこの交渉に臨むスタンスということでありますが、ウルグアイ・ラウンド農業交渉については各国が国別約束表を提出した後にこれをめぐって三月から本格的に交渉が行われるわけでありますけれども、今経済局長から答弁ありましたように、各国ともいろいろな困難な問題を抱えているわけでありまして、交渉がどのように進展するかは全く不透明という状態にあります。 いずれにしても、私どもは、従来から申し上げておりますように、これまでの基本方針のもとに食糧輸入国としての立場が確保されるように最大限の努力をするというスタンスで臨んでいきたい、こう思っております。
○金子(徳)委員 この米の問題によってガット・ウルグアイ・ラウンドが結局不調に終わった、スケープゴートにされないような形でどうか進めていただくように強く御要望申し上げ、また、大臣に厳しいそういった姿勢で今後も臨んでいただきたい、お願いをいたしておきます。 次に、農協法の改正の提案がいずれなされるわけでありますが、農業後継者問題、担い手問題を含めてお伺いをしたいと思います。 我が国の農村は新規就農者が激減をいたしているわけでありますが、高齢化の進行も一方進んでおりまして、加えて現在の農業経営に対する不安感で農村地域、集落が崩壊しつつある。とりわけ中山間地域の過疎化というものが非常に厳しい状況に置かれていることは御承知のとおりでございますが、今後土地利用型の構造対策や担い手の育成確保、これはもう焦眉の課題であるというふうに思っております用地域の協同組織である農協がより積極的に直接農業生産に携われるよう、その事業機能を強化していくことが必要であると考えられるわけであります。 そこで、お尋ねをしたいのは、構造政策の一環として単協に受託経営が認められておりますけれども、スケールメリットで国際化時代を迎えたそれぞれの農業経営をより基盤を強化するために、遊休耕作地をフルに動かしていくような構造政策も一方必要であろう、そういったことから連合会がこれをやれるようにやってみてはどうかというふうに思うわけであります。経済連の畜産物関係では、畜産農家のデメリットの分をそれぞれ保有生産施設の中でお預かりをする、そしてそれぞれの経営を進めている中で、これも仄聞したところでは、畜産局からの御指導があったということも聞いておるわけであります。どうかそうした面で、法的な裏づけについても、これはしっかりとしたものにしていかなければならない、家畜保健衛生上のそれぞれの組織というものもしっかりしていただきたい、そう思うわけでありますが、どうかぜひこれからの受託経営可能な施策を実現してほしいと思うわけであります。これについてお尋ねをしておきたいと思います。
○川合政府委員 地域によりまして農業の担い手問題が非常に深刻なところが既に現出していることは御指摘のとおりでございます。そうした地域におきましては、やはり農協の役割というのはこれまで以上に非常に重要かつ緊急の課題になっていると思っております。 その中で、今御指摘の受託経営の主体として現在単協がその位置づけがなされているわけでございますが、今お話にございましたように、特に畜産などの分野におきましては、農家が専門化あるいは大規模化が進んでおりますことから、経済運が直接対応するというようなことが、これは技術の面あるいは経営指導、経済事業などの面におきましても必要になっておりまして、実際にも先進的事例として単協機能を補完しているような事例が出ているところでございます。 このような状況でございますので、今後の担い手の問題あるいは規模拡大の問題というふうなことから、私どもといたしましても、単協に加えまして連合会につきましても、こういう受託農業経営が実施できるような、そういう方向で対応したらどうかということで現在検討を進めているところでございます。
○金子(徳)委員 関連いたすわけでありますが、農事組合法人制度についても協業化を促進させるために、法人が効率的な経営ができるようにその見直しを検討してみてはどうかと思っているわけでありますが、この点と、それからさらに、中山間地域の担い手がなくなった場合、農協みずからが直接経営できる、耕作放棄をなくする意味でも、あるいはこれまたスケールメリットの分になるわけでありますが、そうした直接経営を進める必要があると思うわけであります。 それからあわせて農協の信用事業についても尋ねておきたいと思いますが、ことしはいよいよ金利の自由化についての施行の最後の年であるわけであります。これから金利の自由化になれば他の金融機関との競争が一段と激化するわけでありますが、農協組織の中では極めて環境が厳しい中での運用をしていかなければならない、当然、今後金融制度改革が行われると思います。また、そのように事務方で検討をしているわけでありますけれども、この農協信用事業の特性をしっかりと守っていただきたい、そして、健全経営を進めるためのそれぞれの方策というものが具体的にあると思いますが、それをお示しいただきたいと思います。簡単で結構でございます。
○川合政府委員 農事組合法人制度も、できでかなりの時間が経過しております。私どもといたしまして、今の担い手問題の受け皿の一つとして一層の活用を図っていく必要があると考えておりまして、この制度につきましても、組合員数の要件とかあるいは常時従事者の要件などがありますけれども、この辺をもう少し緩和して、円滑にその活性化を図る必要があるのではないかということでございまして、その辺につきまして改正すべく今検討を続けているところでございます。 それから、農業経営そのものを農協がやることについての問題です。これにつきましては、各方面からいろいろな形で御議論があります。積極的な御意見は今お話しのような点でございますが、やや慎重を要する点といたしまして、組合の事業との競合の問題あるいは農地法などの制度との関連の問題などがございます。私どもは、この問題は担い手対策としてどういうあり方で進めるべきかというやや広がりの広い問題でもございますので、もう少し検討をさせていただきたいということで、特に新政策の検討とのかかわりもございますので、そういうことで引き続き十分検討させていただきたいと思っている問題でございます。 それから、金利の問題につきまして、これは先般の金融制度調査会の答申におきまして、一層の自由化が進められていくことになっております。御承知のように農協におきます信用事業は、農協の経営基盤の重要な役割を果たしているわけでございますので、これにつきまして十分な対応が必要だと思っております。一つは、地域金融機関として役割が発揮できるような事業の充実を図るということが一方でございますが、今お触れいただきましたように経営の健全性を確保する、競争が激しくなればなるほどその健全性の確保ということが、もう一方で非常に重要でございます。自己資本比率の規制とか業務執行体制の整備強化ということが不可欠でございますので、あわせてこれらの体制につきまして整備していかなければならないのではないかというふうに思っております。
○金子(徳)委員 次に、食料・農業・農村政策検討本部の活動状況について伺っておきたいと思いますが、これを略して新政策本部、この新政策、実際の検討の中で最も大きい課題は、まず何といっても第一に担い手不足にいかに対応して新しい経営形態を創造していくか、確立するかということであると思います。そのために、農協のほか第三セクター方式であるとか農外からの新規参入者の受け入れあるいは新しい農業経営者づくり、これらを含めて地域の実態に応じた多様な担い手対策、育成を図ることではないかなと思っておりますが、これは現在の農地三法の中で、農地制度面で手足を縛っておいて新しい経営をやれと言ってもなかなか容易でない。そろそろこれは見直し検討をしてもいいのではないか、これはある面では暴言ととられるかもしれませんけれども、今世界あるいは日本が経済的にもドラスチックに変化している時代に、思い切った決断が必要ではないかなと思うわけであります。そうした意味で農地制度面の対応が必要と考えますけれども、検討状況がいかになっているかということを伺っておきたいと思います。 それから土地問題。どうしても経営規模拡大、土地利用型構造政策をやっていく中で、地方の活性化を図る、フレッシュリゾート構想云々の話もあります。これらリゾート構想などで最近しばしば地元の自治体等と問題が生じるようになっているわけであります。我が国ではきちんとした土地利用規制が容易にはできない状況にあるわけでありまして、このような中で、この新政策の検討に関連しまして、株式会社に農地所有を認めて商社等の株式会社の参入を図ったらどうかという声がありますけれども、農民は、農家は非常にこれについて不安を感じているわけであります。私は、農地三法、農地制度面を改正、検討してみてはどうかということについての逆な印象をとられるかもしれませんが、あくまで農地を農業者にとって容易に利用しやすいように農地三法を改正すべきであるという主張であって、これら一般の株式会社に農地所有を完全に認めるということ等については反対であります。そうした意味で、多様な担い手を育成していくことは必要であると考えますけれども、株式会社一般の参入については土地問題の観点から問題が多いと考えますけれども、担当部局の見解はいかがであるか、伺いたいと思います。
○海野政府委員 お答え申し上げます。 新政策の検討の中で、御指摘のように農業生産の担い手につきまして、労働力の減少、高齢化の大幅な進展が見込まれる中で農業生産を維持し発展させていくためには、従来の家族的な農業経営に加えまして、地域的な広がりを持って持続的、安定的な経営が可能になるような多様な担い手を育成し得るように幅広く検討しているところでございます。 そういう中で、農協でございますとか市町村公社などの第三セクターにつきましては、現在でも担い手不足に対応して地域の農業生産を補完的に担っているケースがございます。このような実態を踏まえて、今後のあり方や農地制度上の位置づけを検討していきたいと考えておりますが、ただこの場合に、農協や市町村公社などの第三セクターの性格を考慮いたしますと、特に農協は農業者の協同組織であるという基本的な性格との関係をどう整理するかという問題がございます。また、農協や第三セクターが担い手たる農業者に農地を引き継ぐまでの間のつなぎとして耕作をするのか、あるいは恒久的な形態として考えるのかというような問題の整理も必要でございます。これらを含めまして、地域のニーズを十分に踏まえて検討すべきであろうというふうに考えております。 また、家族経営、それから家族経営を超えたもの、いずれにつきましても経営管理能力にすぐれた企業的な経営のできる担い手を育成するということが最も重要な課題でございますけれども、それにつきましても、一般企業に農地を取得させて農業経営を行わせるということにつきましては、ただいまの御指摘と同じような問題がございますので、昨年九月に近藤前大臣が本委員会で御答弁申し上げましたように、そのような一般企業に農地を取得させて農業経営を行わせるということは、そういう考えはございません。
○金子(徳)委員 質問事項が非常に多いものですから、再質問等は行わないつもりでおりますが、よろしく自信を持って進めていただきたいと思います。 次に、農業改良事業関係について御質問いたしたいと思いますが、現在の農村の活性化、そしてまた、農村の過疎化を防いで農村の定住圏、環境づくりを進めるためには、農村婦人の役割が極めて重要となってきておると思います。言いかえますと、新しい担い手は婦人ではないかとすら言っても過言ではない、そのように思っております。村おこしのため、あるいはふるさと産品創造、これらはいずれもこの婦人の手で行われ、そしてまた農村の高齢化社会を支えているのもやはり農村婦人であります。そうした意味で、生活関連改良推進員のいま少し強化を図るべきではないかな、そのように思っておりますが、御見解を伺っておきたいと思います。 また、一般の農業技術関係についてこの普及事業を進める場合に、現今国内外の農業情勢が厳しゅうございまして、この普及事業の手法についても極めて神経を使いながら進める、そしてまた、農家自体もそういったことから非常に高度な技術について勉強もしておるというようなことで、例えば最近ではこの普及事業についてのいろいろバックアップ体制を世界各国でもどり始めておるというふうに思うわけであります。我が国の場合はいま少し資質の向上という面で、もう食糧生産は命を守るんだというような立場からこの普及事業の展開をしてほしいと思いますし、そのために普及職員の資質の向上をしっかりとやってほしい。国内外の派遣研修、これらについてもその現状を伺っておきたいと思います。 アメリカでは、既に農地の砂漠化が進んでおりますので、その防止をするために農業生産性法とか、これは無化学肥料あるいは無農薬栽培、有機農業を進める積極的な国の施策があるというふうに思われるわけであります。またECでも、化学肥料を削減していくための法案等もつくっておるという現況であります。そうした意味で、どんどんと海外に、農林大臣が委嘱をする農業改良普及員、資質の向上に努めてほしい、念願を込めて御質問をいたしておきたいと思います。
○上野政府委員 まず、農村婦人の役割が非常に重要だという点についてのお話でございますが、委員御指摘のとおり、現在婦人が農業就業人口の六割を占めているという状況でございまして、これらの婦人の役割というのは非常に大きなものがあるというのは御指摘のとおりだというふうに考えております。私どもの普及事業におきましても、そういう事態に対応いたしまして、農村婦人に地域社会の地域社会活動、単なる農業生産の担い手というにとどまりませんで、その面での大いなるてこ入れというものを必要とするということはもちろんでございますけれども、特産品をつくったり、あるいは村づくりというような面での地域社会活動にもうちょっと積極的に婦人に取り組んでもらえるような、そういうような普及活動を展開してまいりたいというふうに考えているところでございます。 こういう考え方で、去年の二月に出しました新しい基本計画の中におきましては、従来の衣食住の改善、こういう関係の普及事業は一応の役割を果たしたということで、農業労働の改善の問題あるいは農家経営の確立というような生産とつながったような生活課題というものに生活関係の普及員に取り組んでいただく、あるいは畜産物の利活用の促進であるとか快適な農村生活環境の形成といったような地域的な生活課題にも重点的に取り組んでいただくような方向で、生活関係の普及改良、普及活動を展開してまいりたい、かように考えている次境でございます。 それから、普及員の全体的な資質の向上を大いに図るべきではないかという第二の点でございますけれども、この御指摘についてはまことにごもっともだというふうに考えているわけでございまして、農業技術の進歩というのも非常に著しいものがございますし、それから、いろいろ御論議がございますように、農業、農村を取り巻く諸情勢というのは厳しいわけでございますので、改良普及員の資質の向上というのはこれは大いに力を入れてやらなければならないというふうに考えているわけでございます。 そういう観点から、先ほどお話にございました欧米の先進諸国に普及員を派遣いたしまして研修をしてもらうというようなことにつきましても、平成二年度からやっているところでございまして、現在、平成三年度の数字で言いますと七十一人ぐらいの方がヨーロッパだとかアメリカだとかへ集団でなりあるいは個人で出かけておられるという状況にございますし、それから国内的にも先進地に普及員を派遣するというようなプログラムを持って努力をいたしておりますので、ひとつよろしくお願いを申し上げたいと思います。
○金子(徳)委員 最後の御質問をいたしたいと思いますが、大臣にお伺いします。 この新政策本部、大変頑張っておられて、昨年の五月からですからもう約一年になんなんとしようとしているわけであります。まだまだ検討中の分野が多いと思いますけれども、この検討を通じて農村と農業を今後どのような姿に持っていこうとするのか、これを、その展望を伺っておきたいと思います。 また、あわせて北方領土二百海里水域内での漁業交渉が、ロシア共和国サハリン州とそれから韓国間で行われたというニュースが流れました。三月二日には日ロ漁業交渉が行われるわけでありますが、これは国際法上の問題のみでなくて、日・CIS間の、国際情勢間での出来事としては極めて不愉快な問題であります。今後、我が国がどのように対応していくのか、これはきょうは外務省から来ておられないと思いますので、水産庁としての考え方、あるいは大臣としての考え方を伺っておきたいと思います。
○田名部国務大臣 省内に検討本部をつくりまして、新政策についていろいろと検討いたしておりますが、特に抜本的にやった方がいい、もう手直し程度では二十一世紀に対応できないのではないかと見ておるわけです。特にここのところ、非常にうまくやっている人となかなかうまくいっていない例と、何か大分差が出てきているような気がするわけですね。それを見ておりますと、先ほどの指導員の資質を向上させるということもさることながら、農家自身の意識の改革、これがないと、なかなかいいアイデアを提案してもそれに乗ってこないということが今大きな問題ではなかろうかと思います。特に生産性の向上でありますとか、担い手の不足に陥っている稲作等の土地利用型農業については、何といってもやはり経営管理がしっかりしていること、あるいは企業的経営のできる担い手をどうやって育成するかということが最大のポイントであろう、こう思うのであります。 また、地域の実態に即した多様なやり方、例えばいろいろな、規模を拡大することによって多少余剰の人たちが出てくる、それは、機械のリースでありますか、受委託でありますか、農産物を今度生産する加工場をつくる、こういったようなところへみんながそれぞれうまく張りついてそしてやっていくという、何か少しアイデアを出したいと思っているわけであります。いずれにしても、今幅広く大胆に検討をしてお示しをしたい、こう思っておりますので、これはよろしくお願いします。 それから、北方領土の二百海里の問題でありますが、これはかねてからいろいろと漁業協定に基づいてやっておるということはわかっておりましたが、二月十日、十四日に具体的に漁業枠でありますとか操業水域、これらについて協議が行われました。新聞報道によると北方四島周辺の水域も含めて韓国側の漁獲枠が設定されていると伝えられておりますが、今外交ルートを通じて照会をいたしておるところであります。いずれにしても、我が国としては固有の領土だと主張しておるその水域で漁業協定がなされるということはいかがかな、そんなことも含めて、今確かな情報をきちっととって対応してまいりたい、こう思っております。
○金子(徳)委員 ありがとうございました。終わります。
○高村委員長 石破茂君。
○石破委員 この時期に農林水産政策のエキスパートであります田名部先生が農林水産大臣に御就任になったということは、まことに時宜を得たものであろうと思っております。どうか国家国民の将来のために、そしてまた民族の将来のために御健闘をいただきたいと念じておりますし、私どもも全力を挙げて御支援できるようにいたしたいと思っておるところでございます。 さて、猫の目農政という言葉がございまして、大変に政府の農政というのは評判がよろしくないと言われます。そしてまた、地元へ帰りましても毎年毎年農業政策は変わるので大変にぐあいがよくない、十年後にこのようになるのであるというような政策を提示してくれれば我々もそれなりにやりようがあるのであるというようなお話を承ることもあるのでありますが、しかし、だれにもいい政策なんというのは恐らくどこにもないだろうと思っております。ある人によければある人に悪いのでありますし、ある地域によければある地域に悪いというようなことがございます。また、いろいろな説があるのでありまして、例えば食糧自給を六割にするというような説が出てみたり、そしてまた米の自由化はある程度やむを得ないというような説が出てみたり、現行の選挙区制度のもとではいろいろな説が出るのもこれまたやむを得ぬことなのかなという気もしてはおるめでありますが、なかなか難しいことであろう。だれがやっても農林水産行政というのはそう評判がいいことには相なるまいとは思っておるところでございます。 さて、金子議員の質問とも重複をいたすかもしれませんが、観点を変えてお尋ねをいたしたいと思います。 米の自由化はなぜいけないかということをもう一度明確にする必要があろうかというふうに思っております。最近、そうはいっても外国とのおつき合いもあるのだから、ミニマムアクセスぐらいは仕方がないんじゃないのというようなお話を聞くことがございます。そしてまた、あるいは農家の方の中にも、特に稲作を主体としておられない方々は、別におれたちは米が自由化になってもちっとも構わないのである、おやじ、おふくろがずっとやってきた田んぼであるからして仕方なくなくやっているが、これが自由化になるとみんな米をやめちゃうので、そうすればビニールハウスでもつくって、もうちょっともうかるものができるのかねなんというようなことを言っている人もいる。しかし私は、米の自由化をしてはいけないというのは、私どもは決して農家のためにとか、農民票のためにとかそのようなことを申し上げておるのではないのであって、国家の存立のために自由化はいかぬのだということを国民世論としてもう一度確認をしておく必要があるのではないか、かように思っておる一人であります。 私は、自衛権が自明の理でありますように、食糧の自給をする、少なくとも主食は確保する、日本国民でいえば基本的に何とか二千キロカロリーぐらいは国内で自給できる体制をつくっておく。それは供給力という言葉にしてもよろしいでありましょうけれども、それは独立国の権利であり、同時に義務ではないかというふうに思っておる一人でございます。 羽田先生がよくおっしゃっておられたことでございますが、要するによその国に日本の胃袋を預けていいのかねということなのでありましょう。すなわち、その国民が何を主食として生きるかということは、決して偶然によるものでも何でもない、それは必然によるものだと私は思っておるのであります。なぜ日本人が米を食って一億二千万が生きておるかということは、傾斜が急峻な国土であって、そして雨が降って連作が可能であるから日本人は米を食べて生きておるというような、気候、風土、そういうものに起因するものでありましょう。だから、気候も風土も全然違うような外国にそれをお任せするということがいかに危険なことであるかということを認識する必要があると思っておるのでございます。 ヨーロッパで行われております畜産主体の農法というのは、それ自体自給的なものであるというふうに思っておるのですね。多分三国式のような形で牧草をつくり、牛を飼い、小麦をつくりというようなことなのでありましょう。牛や豚はそれなりに自給力を持ったものでありますし、そしてまた小麦もつくっておるわけでありまして、畜産主体の農法というのはそれ自体が自給的なものでありましょうけれども、日本のように稲作主体のというのは、下手をすれば自給そのもの自体が崩れてしまうということではなかろうかと思っております。 そしてまた、これだけ人口爆発の世の中であって、一説によれば地球の人口というのは一年間に一億ふえているという話なんですね。これは一日で三十万ふえている。私の選挙区は鳥取県という全国で一番の過疎県で、全部合わせても六十二万人しかいない県なのでありますが、要するに二日で鳥取県一つ分の人口がふえてしまうというようなことなのでありましょう。それは、貧しいから働き手がたくさん要る、よって子供を産む、ますます貧しくなるという悪循環を繰り返しておるのであって、この人口爆発というのは容易なことではとまらない。そしてまた、農業保護の削減ということも言われておる。だんだん世界の食糧が足りなくなるような状況の中で、国家の権利であり義務であるというような食糧自給、米の自給体制というのをこんなところで放棄しては、これは国が滅びる、かように確信をいたしておる次第であります。 そこで大臣にお尋ねをしたいのは、その方針でこれから先も貫徹をしていただけるのかということ、そしてまた、一部に言われておりますミニマムアクセスくらいはおつき合いだから仕方がないじゃないかという話がありますが、ミニマムアクセスとは一体何%かということは、ガットの条文どこを読んでも、何%ということはどこにも書いてないはずであります。三%と言う人あり、五%と言う人あり、いろいろでありますが、一回ミニマムアクセスを認めてしまえばそれが三%になり五%になり一〇%になり、とめどなく広がっていくのではないか。やはりミニマムアクセスというのもアリの一穴になるおそれがあるのであって、やはりそれも認められない。関税化は論外でございます。そのような論法で間違いがないかどうか、そのことについてお尋ねをいたしたいと存じます。
○田名部国務大臣 石破先生の考え、全く私もそう思っております。 農家だけを守らなきゃいかぬという発想ではないのでありまして、それは当然農家も守る、結果としてはなるわけでありますけれども、日本全体として一体今どうあるべきか、食生活の文化が全く違うわけですね。先生方もよくアメリカ、ヨーロッパにお出かけになると思うのでありますが、日本の環境と地形、そうしたものは全然違いますよね。ヨーロッパなんかは山が余りなくてそして平地が多いという中でやられておる農業と、日本のように七割が山に囲まれた国土の中で農業をやる、一体何をやるか。雨にしても非常に多い。そのことは、大体水田で全体降る量の三分の一は田んぼが受けとめておる。必然的に我々の先祖はいろいろなことを考えながら今日の米文化というものをつくり上げてきたと思うのであります。 それからいま一つは、先刻ヒルズ通商代表がおいでになったときも、一体全体、世界の農業あるいは食糧というものは実態はどうなっているかという観点から議論をいたしませんと、五億の人が食糧難であえいでいるということも言われておる。そういうことを考えると、一体こういう人たちをだれが援助してあげるかということも非常に大きな問題であります。それを、米をつくれる、主食の自給をしておる日本のような国が外国に依存するということになりますと、つくれない国がたくさんあるというものを、特定の国だけが将来にわたって援助をしていくということがいいんでしょうか。しかも、人口はどんどんふえております。開発途上国が多いわけでありますから、この国は食糧難にあえいでいるわけでありますから、そういうことも考えながら、ただ輸入してくれ、輸出したいというだけの話ではないのではないでしょうかという話をいたしたのもそのとおりで、私は思っておりました。 ですから、何といっても今お話しのミニマムアクセスについても、大体今までのこういう交渉事は、一たん入れると、さらにさらに、こう言ってくる。しかも三割減反しているところに、仮に言われているように三%、五%といっても、それがふえていく。そうすると量的に管理をしなきゃならぬわけでありますから、さらに減反をさせていかなきゃならぬ。いろいろと困難な問題があります。国民の中には、まあ安い米少しぐらいならいいだろうという、ただ単にお金の面で、量の面で満たされておりますから余りそういうことはお考えになっておらない。しかし、これは一たん本当に米を全部だんだん外国に依存するということになると、その国のでき次第では高くなったり安くなったりということはあるかもしれませんが、しかし、いずれにしてもこの値段でなきゃ売らないと言っても買わないというわけにはまいりませんね。そうすると、今の石油と同じように、幾らでなければだめですといってこれを買わないというわけにはいきませんから、そういう事態で国民が不安に陥るということがあってはならない。石油はないからしようがありませんが、米はつくればつくれる環境にあるものを失うということは一体どういうことであろうかということを考えて、いずれにしても、従来申し上げてまいりました基本方針でこのウルグアイ・ラウンドには対処していく、こういう方針であります。
○石破委員 世の中には譲れることと譲れないこととあるのでございまして、どうかこの点だけは何と言われましても貫徹をしていただいて、民族の将来のために御努力をいただきたいと思っておるところでございます。 よく、備蓄をすればいいじゃないかと言う人がいますが、それではその備蓄はだれがいかなる負担でどのようにしてやっていただくかということについてのお答えをしていただける方がだれもいない、私はこれは大変無責任な論だと思っておるのです。ですから、だれがいかなる負担においてそれをやるのか、それをきちんとしないと、備蓄をすればいいじゃないかというお話には相ならない。そしてまた、海外あちらこちらから輸入すればいいではないか、多角分散でいけばいいじゃないかと言う人がいますが、それでは、三十年に一回か五十年に一回か百年に一回か、必ず異常気象というのは来ることに決まっておるんで、そのときにお金を積めば必ず米を分けてくれるという保証を今からしていただかなければ、そんなことは無責任以外の何物でもない、かように思っておるところでございます。 ただ、私は米の自由化はいけないのでありますが、しかし、米の自由化さえしなければ農政はこれでおしまいだなんて話には相ならない。よくアメリカと話をいたしますと、日本は大体規模が小さくてけしからぬ、規模拡大をやれ、規模拡大をと言うのでありますが、一体だれがそんなに規模を小さくしてくれたのとこっちは言ってやりたいわけでありまして、それは農地解放というのでアメリカが規模を小さくしてくれたわけでありますから、それならあなた方も責任の一端はあるのではないかと言えば、それは憲法と一緒で君たちが直したらいいでしょうという話になってしまうので、これはもうどうにもこうにもならないことであります。しかしながら、日本の農業がこれでいいというお話には決してならない、自由化をしてはいけないということと日本の農政をこれからどうするか、それはまた別に議論をされねばならないことではないか、かように、当然のことではありますが、思っておるところでございます。 そこで出てきますのが、まだ公式の文書で余り拝見をしたことがございませんが、デカップリングというものを日本に入れるべきや否やという議論でございます。つまり、スイスやオーストリアや、ヨーロッパの農業を視察してこられた方は、向こうはデカップリングという制度をやっておって非常によろしい、日本の場合も条件不利地域にはデカップリングというのを入れなさい、これから先の農政の方向はこれですよというようなことをおっしゃる方がありますが、日本型のデカップリング論というのが農政の中でも検討されておろうかと思いますが、それはいかなるものを予想しておられるのかということをお尋ねをいたしたいと思っておるのであります。 自明のことでございますが、デカップリングというのは、生産刺激的機能と所得補償機能というのが農業保護の中で二つあるわけでありますが、これを切り離しましょう、生産刺激的なものを切り離して、しかしながら、単にそれだけやったのでは所得が減ってしまいますから、それを国家から直接に補償いたしましょうというのが恐らくデカップリング論というのでありましょう。それはすなわち歴史的な背景からいって、食糧が足りない、農業保護せねばならぬ、よって農業保護政策がいろいろとられたが、その結果として農産物が過剰になった、過剰になったのでこれを何とかせねばならぬというお話になって、それはアメリカ、ヨーロッパのようにどんどん補助金をつけて売り払うような無責任なところもございますが、それでは余りに財政負担が過剰になって圧迫をされるというようなことで考えられた。農業保護を削減するが、所得が減らないということで直接的には補償いたしましょう、これが恐らくデカップリング論であろうかと思います。 ただ、簡単にそのままデカップリング論を適用することが農産物過剰の根本的な解決になり得るかといえば、それは必ずしもそうではないのではないか。仮に農産物価格を五割下げたとした場合にどういうことが考えられるかというと、それでは五割下がったので、もっともっとこれは生産過剰になるように努力を、過剰という言葉はおかしいですね、集約化によってもっともっと生産を上げるように努力をしましょう、そういうような農家と、そしてまた社会保障に依存をせざるを得ないような劣位の農家、これの二極分解を起こすのであって、決して生産過剰が、デカップリングをそのままストレートに導入されたからそれがなくなるということではないのではないかというふうに思っておるのであります。 これは、私もまだまだよく考えたわけではありませんが、その「ホショウ」という言葉が、いわゆる補う償うというような補償ではなくて、それがいわゆる、同じような音ではありますけれども、ギャランティーという意味の保証として考えることはできないのだろうか。すなわち、国土保全的であり、なお生産刺激的ではないような農法というものを保証する、そこに定住をし、やっていただくということをギャランティーするというような形でのデカップリングというのはできないのかなというふうに思っておるのであります。 日本の場合には、よかれあしかれどこでもよほどのところでない限りは兼業というのができるのでありまして、単にお金を出す、言い方は悪いのでありますが、つかみ金というようなことになってしまいますと、所得は息子や娘さんが車に乗って近くの工場やらスーパーやらに出て稼いでくる。ですから、ほかに所得がある場合に、つかみ金を出す、直接補償をするというやり方はやはりよくないのではないか。そこの場所である制約をかけた農法をやり、国土保全をやり、例えて言えば、田植えもしましょう、稲刈りもしましょう。しかし下刈りもしましょう、枝打ちもしましょう。道路工事もいたしましょう。あるいはお土産屋さんもやりましょう。そういうようないろいろな通年就業的な労働をそこでやる。国土保全をする。そのことに対する労働の対価として政府のお金というのは払われるべきものであって、単につかみ金というようなヨーロッパそのままのやり方は日本型にはなじまないのではないかというような気がしておりますが、そういうようなことに対しましての御見解を承れれば幸いであります。
○馬場政府委員 今デカップリングの話が出ましたけれども、デカップルという言葉、先生御案内のとおり、生産と直接結びつかないという考えでございまして、今までヨーロッパで行われておりますのは、山岳地域その他条件の不利な特定の地域において生産活動をやっている農家に対する直接所得支持制度という考えでございます。もう一つは、先生もお触れになりましたが、今後、国際交渉の結果でありますが、いわゆる共通農業政策の改革をECがやろうとしているのですが、その中で、経営が困難になった農家に対する救済措置として経過的な支持制度、二つございます。 今までヨーロッパで行われているのは、先ほど申しました条件不利地域の農家に対するもの、これはその目的として、最低限の人口をその地域で維持する必要がある、それからその地域の景観を保持する必要がある、そういうために農業を営んでもらう。いわば条件の不利なところで農業をやっていただくためのハンディキャップを是正するためのものというふうになっているわけであります。これはこれで、その地域の農家が一定の規模以上の農用地を経営して、少なくとも五年以上農業に従事するということを約束した農家に対して、家畜生産の場合は例えば成年一頭当たり幾ら、あるいはそれ以外の場合は農地面積一ヘクタール当たり幾らという単価を決めまして、そこで農業経営を営む者に対しての助成を行うということでございます。 先生おっしゃるように、我が国の場合、そういう条件不利地域というのを特定して、しかもそこに農家がいることについてお金を払うということが可能であるかどうかということは、政策的には当然検討をいたしておるわけでございますが、御案内のとおり、我が国におきましてはそういう個人に対する助成というのは今までなじんでおりません。大体集団とか組織というものが農業について何らかの措置をとる場合に助成するということで、個人に対する助成ということ自身問題があろうかと思います。 それから、これはかつて減反政策をとる場合に休耕田にお金を上げるというやり方をしたときにも問題になりましたけれども、農家の労働意欲との関係で、要するにそこにいればお金がもらえるという形のものがいいのかどうかというような問題も出ました。一種の社会福祉的な側面と農業振興政策との関係という点で非常に問題があろうという議論がなされております。 また、そういうお金を出すことについての国民の合意が得られるかどうかという問題もございまして、ヨーロッパで行われているような意味でのデカップリングを行うことが日本にすぐ導入できるかというと、なかなか難しかろうというふうに思っています。しかし、これからの農業政策の展開の中で、そういう政策が世界の中で行われておることは十分あるわけですから、検討の視野には入れて今検討しているという状況でございます。
○石破委員 これは要するに、十年先の農業がどうなるかということを示す一つのファクターにはなろうかと思うのですね、デカップリングというのは。ですから、この後どうなるかということについてのデカップリング、日本型のデカップリングという言葉がありとすれば、これはかくかくしかじか、このようなものであるということをできるだけ早い時期に明示をしていただく必要があるのではないかというふうに私は思っておるのです。 その場合に、今官房長のお答えにもございましたが、じゃ、デカップリング政策というものをやるとして、例えば国土管理指針とか土地管理指針みたいなものを策定をする必要があるのではないかというふうに思いますし、もう一つは、これは本当に条件不利地域だけに限っていいのという議論があろうかと思うのです。平場にもこれはやはり同じように適用すべきなのかどうかというような論点もあろうかと思いますので、これから御議論をいただきたいなというふうに思っております。 最後に、やはりこれから先の農政のあり方というのは、私、農林省が単なる農村整備省であってはこれはぐあいが悪いと思っておるのですね。確かに、集落排水にいたしましても農道にしましても林道にいたしましても就業改善センターにいたしましても、農村に一番マッチしたものは何かというのを考えるのは、ほかのどこでもない農林水産省が考えるべきことでありますから、もちろん、それはそれで大いに進めていただかねばなりませんし、公共事業も増額をしていただかねばならぬ、かように思っております。しかしながら、公共事業というのは実際の話が四百三十兆円というアメリカのお約束等もございますので、ある程度は伸びていくのでありましょう。問題は、非公共の部分をどうやってやっていくのかということでございます。やはり農業の生産性というのは向上させていかねばなりませんし、非公共の部分というのもこれから先もっともっと充実をさせていかねばならぬだろう、かように思っております。 ですから、農林省というものが、やはり農業が滅びれば国が滅びるというようなことでございますので、国民全体の共通の理解のもとに、生産性を向上させて外国に遜色のない日本農業というものを確立をしていく必要があるのではないか。そのためにはやはり構造改善事業、非公共事業、こういうものも同時に伸ばしてやっていかねばならぬ、そのために国民の合意をとらねばならぬ、かようなことではなかろうかと思います。我が国は一対三なんぞという大変な格差がございますので、議員が農村地域の票が欲しいがためにやっておるのではないかなどというふうに言われるのはまことに残念なことでございます。それはもう国民全体の合意を得て、どうか大臣の御指導のもとに進めていただきたいと思いますが、最後に御見解を賜りたい。 そしてもう一つ付言をすれば、農協法の改正というのもいろいろ言われておるようでございます。しかし農協の本来の役割、協同の理念、これから逸脱することは余りあってはならぬだろうというふうに思います。農協が地域に密着をしておるわけでありますから、福祉事業をやるのも大いに結構なことだと思っております。しかしながら、それが本当に農村、農業の発展に資する、そういうような農協法の改正であっていただきたいと思っておりますし、協同理念というものもやはりいつも忘れてはならぬことだ、かように思っておりますので、その点を付言をいたしたいと思います。 いずれにいたしましても、日本の農業というのは、外国は余ったものは世界じゅうにたたき売るということをやってまいりました。しかし日本の場合には、農家の減反という犠牲において農産物の過剰というものを処理してきたはずでございます。そういうふうに、つらくても苦しくても額に汗をして働く人のために、民族の将来のために御活躍をいただきたいと思います。最後に御見解を承りまして、質問を終わります。
○海野政府委員 農村におけるいろいろな公共投資につきましては、生産性の向上その他の点においても必要でございますし、同時に、都市に比べて生活環境の整備のレベルが非常に低いということがございますので、どうしても農村に対する公共投資というのは強化していかなければいけないということでございます。 公共投資はもちろんでございますけれども、やはりきめの細かい、いろいろな事業のできるような構造改善事業、山村振興事業、定住事業、これらにつきましても、今後さらに格段の充実を図っていかなければならないというふうに考えております。
○田名部国務大臣 お話しのように、やはりただ単に生産体制の整備だけではなくて、集落排水でありますとか道路でありますとか、それからいろんな都市に劣らない整備というものをしてあげて若い人たちの定着を図っていかなければいかぬということで、生活環境の整備に積極的に取り組んでいきたい、そう思っております。いろいろ検討中でありますから、どうぞ石破先生、大分勉強されておるようでありますから、どんどん意見を出していただいて立派なものにまとめたい、こう思っておりますのでよろしくお願い申し上げたいと思います。
○石破委員 終わります。
○高村委員長 辻一彦君。
○辻(一)委員 きょうは私、ウルグアイ・ラウンドの交渉の中で米が非常に重大な段階にきておると思いますので、米を中心にしたウルグアイ・ラウンドの状況等についてただし、そして日本の米だけは何としても守り抜かなくてはならない、そういう立場で若干質問をいたしたいと思います。 まず、先ほどもお話がありましたが、我が国の食糧自給率が非常に下がっているということと、そういう中で食糧安全保障の考え方についてもう一度確認をしておく必要があるだろう、私も同様な見解を持っております。 専門の農林大臣にこういう数字を挙げることは必要のない感じもいたしますが、念のためにちょっと申し上げてみたいと思います。これは昨年の八月に衆議院の予算委員会で私が論議をしたときに提出を求めた資料でありますが、それをもう一度引用したいと思います。 サミットに参加する世界に八つの国がありますが、一体どんな食糧自給率の状況にあるか、それを一番新しい年度で提出資料をちょっと読み上げてみます。日本は三〇%、イギリスは一二二%、西独一〇〇、フランス二〇三、イタリア八九、豪州四一六、カナダ一九七、アメリカ一七二というようになっている。サミットに参加する八カ国のうち、ほとんどは一〇〇%を超えている、しかるに我が国が今や三〇%切ろうとしているという、世界に例のない食糧自給率の低さがあると思います。 もう一つは人口一億以上の食糧自給率、穀物ベースでありますがそれを見てみると、世界に十カ国ありますが、アメリカ一七二、ナイジェリア八三、ブラジル八五、バングラデシュ八八、中国九八、インド一〇四、インドネシア九八、パキスタン一〇二、ソ連八三、我が国は言うまでもなく三〇%。人口一億の国は世界に十ありますが、我が国は一億二千三百万、こういう人口を持っていながら、まさに人口の点からいっても歴史に例のない低い自給状況にある。これは我が国並びに民族の食糧安全保障という観点からすれば大変低い数字であるというように思いますが、農林大臣はどういう認識を持っていらっしゃるか、お伺いをいたしたい。
○田名部国務大臣 食糧は国民生活にとって最も基礎的な物資でありまして、私どもは、何としても食糧の安定供給の確保を図っていくというのは農政上の基本的な役割であると認識をいたしておるわけであります。 先生今数字を挙げてお示しになりましたが、我が国の自給率は、食料消費が多様化をしてまいりまして米の消費は毎年減少をいたしておるわけでありますが、一方畜産物の消費というのがもう急激に伸びてきておるわけであります。そのために飼料穀物の輸入が増大をしてきた。米の方が減少するものですからどうしてもカロリーベースで低下をしてきているわけでありまして、御案内のように平成二年度で供給熱量、カロリーベースで四七%、これは一%ほどまた減ったわけでありまして、飼料穀物を含む穀物で見ますと、今お話しになりましたように三〇%となっているわけであります。 こういうことを受けまして、平成二年に閣議で決定された二〇〇〇年を目標年次とする「農産物の需要と生産の長期見通し」ということでは、国内農業の持てる力を十分に発揮をすることによって食糧自給率の低下傾向に歯どめをかけたい、供給熱量ベースで五〇%に持っていこう、穀物で三一%、これを見込んでいるわけであります。そのためには一体どうするかということでありますが、政府としてはすぐれた担い手をまず育成しなければいかぬ、それから生産基盤の整備をする、あるいはバイオテクノロジー等の先端技術の開発普及等を各般にわたって、わずか三%でありますが、この三%をいかにして上げるか、きめ細かく分類してこれに全力を挙げて取り組むということ にいたしておるわけであります。
○辻(一)委員 我が国の穀物ベースで三〇%、これも米を国内で完全自給しているから三〇%が維持されるのであって、米を例外なき関税化等によって自由化につながるような方向に進めていけば、この自給率は二〇%台に明らかに低下するということは言えると思うのです。 東大の森島教授の試算が一つありますが、ガットのダンケル案のような数字でやっていった場合に、受け入れた場合に三百万トンの米が外国の米によって置きかえられるという可能性がある、こういう試算が出ておりますが、もしそういうようになったときに、一体穀物自給率はどのくらいになるとおよそ考えていらっしゃるか伺いたい。
○馬場政府委員 東大の森島教授の試算というのは、それなりに前提、仮定の置き方があってのものでありますから、この数字そのものについて我々コメントすることは差し控えたいと思いますが、外国から今国内で生産しているものにかわって米がある程度入ってくるとすれば、自給率が下がるのは先生のおっしゃるとおりでございます。 現在の穀物の消費量、飼料用のものも含めまして約四千万トン国内で消費があるわけであります。これが二〇〇〇年にも同じような消費があるという前提といたしますれば、例えば森島教授が言うような三百万トンという数字は七%強に当たるわけでございます。ただ、これは今後その国内の穀物の消費量がどうなるかということ等が変わりますから、的確なお答えはできないと思います。
○辻(一)委員 消費動向とかそういうものはこれからいろいろな複雑な要素がありますから、その数字はなかなかきっちりとは出ませんが、少なくとも三百万程度、三分の一程度の輸入をされると仮になるとすれば七、八%、いわゆる我が国の自給率は二二、三%に転落をする。言うならば三〇%でも、これは世界史に例がない。イギリスはかつて工業輸出重点主義で農産物を外国から買えばいいというやり方をやったときに、やはり二十数%になった例がありますが、農村が寂れて非常なイギリスの国力衰退のもとになったとも言われている、そのわだちを我が国が繰り返す心配がある。そういう意味で、米は国内で自給をして少なくともこの三〇%を割らないようにするということが、この食糧安全保障論からいって非常に大事だと思いますが、農相の見解はいかがですか。
○田名部国務大臣 お話しのように、米が自由化になるとそれだけ下がるわけでありますから、もちろんそれにかわって別な穀物をやるから、そのままストレートな数字ではないにしても、いずれにしてもこれ以下に下がるということは大変なことだと私は思うし、ソ連の食糧難のあの状況を見ますときに、やはりいかに農業というのは大事か、もう全く大国であるソ連が食糧問題であんなに困っている姿というのは本当に大変だなと思うし、ひところは大豆が値上がりをして日本にも相当の影響を与えたということからいたしましても、あるいは食糧難にあえいでいるアフリカの人たちの実態を見ても、いかに食糧というのは国民に安定的に供給しなきゃならぬかということは、もう本当に身にしみて国民の皆さんにもわかっていただきたい。どうも所得が向上して平和で、何となくお金を出せば何とかなるという、そういう気持ちが何とも残念な気がしてならぬわけであります。 そういうことで、私どもも本当にこのウルグアイ・ラウンドの交渉については一生懸命やはり日本の主張というものを貫いていかなきゃならぬ、そんなふうに考えております。
○辻(一)委員 ガットが発足した当初、この関税以外の障壁をなくするということを原則にして出発をした、しかし、繊維と農業はこれは例外としたわけですね。今確かに繊維の方は十年後に大体この障壁をなくするという、輸入制限をなくすというこういう方向に進みつつある。ところが、私は福井県ですから、米と繊維の両方の産地になりますが、繊維の状況を見たときに、今、人造繊維、テトロンであるとか、あるいは最近は新合繊と言われて、新しいシャツなんかの原料にほとんど、女性物も含めて含まれている。天然の繊維でなしにいわゆる工場でつくる繊維がどんどんふえてきたということ、これが私は、この繊維の状況が農業とかなり変わってきた一つの大きな要因じゃないかと思うのです。 ところが、農業は一体どうかということを考えますと、もしも農業が、でん粉を工場で光合成によって生産できるとか、たんぱくや脂肪を分子の組みかえによってどんどん工場で生産できる、こういうことが可能になったときは、これは私は様子は非常に変わっていくと思う。しかし、一番問題は、土地という要件があるのですね。その土地抜きで考えると、この制約を考えないと、鶏等は十万、二十万、三十万、五十万羽養鶏でもやれるから、余り土地に制約されないから、そこで生産される日本の鶏肉や鶏卵は国際的価格に十分対抗できる内容だ。しかし穀物、それから畜産をも広く含めてこの農業というのを見て、これは土地に制約をされる、土地という変わらない条件があるという、ここに繊維と農業は、今日ガット発足後、何十年かたっても、まだ基本的に違っている点がある。言うならば、それは工業と農業の相違であるということですね。 これを規制するのは、御承知のとおりでありますが、例えばサミットに参加する国の二戸当たり経営体の面積を見たときに、日本は一・三ヘクタールこれはちょっと上がっておりますが、一・三ヘクタール、イギリスはかなり大きくて六十四、西独十七、フランス二十九、イタリア六、EC全体は十三ヘクタールですね。アメリカは百八十七ヘクタール、それからカナダは二百三十一ヘクタール、豪州は、これは八九年ですが、三百八十九ヘクタールとなっておるのですね。だから、日本を一とすればECは十倍、それからアメリカは百三十倍。いわゆるケアンズ・グループの主要な国は二百倍、三百倍という日本に対する耕地を持っている。この土地は何か動くのかどうか。これは御承知のとおり動かない。余談になりますが、アメリカで随分論議したことが一遍ありますが、それだけ輸入をじろじろと言うのなら、農地を輸出しろ、幾らでも買ってやると、こういう論議を乱暴にやったことがあるのです。国土は動かない、国境で線を引いて移動もできない、そして農地はもちろん移動できないという、こういう工業と決定的に違った要素がある。それを何か一緒にしてしまって、そして工業も農業も一緒にやろうという今日のダンケル合意案は、そもそもそういう農業の工業との相違を無視した内容でないかと思わざるを得ないのですが、これは一体どういう見解でしょうか。
○田名部国務大臣 先生お話しのように、工業と農業というのはおのずからもう一緒になるというものではないわけでありますね。それは、工業ですと幾らでも必要に応じて生産できるし、売れなければ抑えればいいという、もう簡単にできますけれども、農業分野というのはそうはいかない。 したがって、私どもは、このウルグアイ・ラウンド農業交渉において農業生産の持つ特殊性、今申し上げたようなことですね。あるいは食糧安全保障、これも先ほどソ連やいろいろな例をお話し申し上げました。あるいは国土、環境保全、これも再三私は申し上げておるのですが、七割から山に囲まれた日本は雨量が多い、それを受けとめておるのが三分の一は水田であるということからしても、この環境保全というものは山も含めて大事なことなんですね。地形からいっても何からいっても、日本というのは他の国と違う、そういう中で我々の先祖が米という文化を今に伝えてきたわけでありますから、そういう農業の果たした役割というもの、あるいは多様な役割が適切に反映されるとともに、特に交渉においては、可能とするために、私どもは各国の最低限の利益を損なわないということが大事だと思っているのですね、工業と違いますから。それが私どもの今主張している点であります。 しかしながら、現在のこのダンケル合意案の農業部分においては、輸出補助金というものに比べて国境措置の取り扱いのバランスが欠けておるというところに最大の問題点がありまして、包括的関税化の考え方が特に示されているわけでありますから、いろいろの問題を含んでいるわけであります。したがって、今後は、ダンケル合意案の農業部分についての修正を求める、もう画一的にはやらない。それはもうお話し申し上げるまでもなく、私どもは余剰農産物に輸出補助金をつけて売ったという例がないわけでありますから、減反政策をして国内できちっと他に迷惑を及ぼさないことをやってきたわけでありますから、補助金をつけてどんどん競争して売った国と我々とは全然違う。そういことでありますから、この修正を求める。これまでの再三申し上げてまいりました基本的方針のもとで、食糧輸入国としての我が国の立場、これがまた大事なところでありまして、ややもすると輸出したい方の意見だけが都合よく出てくる。輸入する方の立場というものが確保されなければならぬわけでありますから、そういうことに向けて最大限の努力を傾注してまいる所存であります。
○辻(一)委員 大臣も当然農水省の主務大臣として農業と工業の違いはしっかり確認していらっしゃると思うのですが、工業にもできないことをまだ農業に押しつけている感じがするのですね。 例えば、私のところに産地で繊維がありますが、繊維は自由貿易じゃないのですが、ある意味では。自主規制で日本の方で遠慮している、こういうことで、アメリカの方は随分粋を押しつけているのですね。自動車はそうですよ。工作機械、それから半導体ですね。まあ鉄鋼にしても、およそ主要な工業製品というものは、アメリカでもECでもそうですが、一定の市場を我が国の製品が占めるとすると、これ以上はひとついかない。しかし、ガット違反になるからやはり自主規制という形で遠慮してくれ、こうして自主規制がいや応なしに受け入れざるを得ない状況になっている。労働力と技術と資本が移動すればどこでも似たような生産ができる工業においてもなおなし得ないことを、今これだけ世界の中で、一・三ヘクタールと三百ヘクタールのようなこれだけの大きな格差がある、農業のハンディがある中で、工業にできぬことを農業に押しつけようということがそもそも無理な要求じゃないかと思うのですが、長い説明は要らぬですから一言、どう感じますか。
○田名部国務大臣 おっしゃるとおり、それぞれの国に都合のいいような話ばかりでしているわけでありまして、そのことが私は輸出の、スポーツをやる場合もルールは一緒じゃなきゃいかぬ、別々のルールで試合をやったんでは試合にならぬわけでありますから、そういう意味では、今このウルグアイ・ラウンドの中でもそれぞれの国が自分の国に有利なようにやっておるわけでありますから、なかなか難しいというのはそこにあるわけですね。 ですから、今お話しのように自主規制をして、いろいろとそう言いつつも壊滅的な打撃を相手に与えるということはいかぬということで、私どもも遠慮してやっている部分はあるし、向こうでも入れないというものを持っていながら、そういうものはそうしておいて日本にだけ自由化をしろという、そこのところが今最大の問題で交渉に当たっているわけであります。
○辻(一)委員 三〇%の自給率ということは、逆に言えば七〇%輸入しておるということですから、これはアメリカやECの市場で七〇%も外国の物が入っておったら大変なことになるのですね。我が国は七〇入れてまだ、買わない、けしからぬ、こう言っているのですね。だから、今大臣もお話がありましたが、これはやはり輸入国の立場をもっともっと強く打ち出して、そしてダンケル合意案については修正がない限りは受け入れられない、こういうことをはっきりやっておると思いますが、なおひとつすべきだと思いますが、その決意はどうですか。
○田名部国務大臣 今お話しのように相当買っているわけでして、アメリカの農業団体からもこれ以上日本の米問題でたたいちゃいかぬ、これだけたくさん買ってもらっているということを、トウモロコシ等は九九・九%、もう異常ですね。まあしかし、そう言っても全部それじゃ日本で、国内で一〇〇%全部賄えるかというとそういう状況にない。譲れるものは極力譲って、あるいは大豆にしても小麦にしても輸入しているわけです。その辺の実態は向こうでもよく理解しておる人もたくさんおるんです。ですから私どもは、この修正を求めて、全力を挙げてダンケル案の修正をやろうということで各国とも提携をして努力している最中でありますから、よろしくお願いしたいと思います。
○辻(一)委員 農水省が大臣を先頭にそういうふうにして頑張っておるし、これは決議も踏まえて国会と一つになっておると思うのですな。海外に、ジュネーブに行っておる我が国の代表も一生懸命頑張っておる。それから各国に日本の立場に理解を求めて何人かの人を出しておるけれども、一生懸命日本の立場を説明して理解を求めておるんですね。ところが国内で、政府首脳の中に非常に不用意な発言が多いと私は思うんです。 名前を挙げて恐縮ですが渡辺外相、この政府の副総理が、一月の上旬、一月中旬、一月下旬と三回にわたって、例外なき関税化を受け入れるがごとき、容認することがごときとも受けとめられる発言を繰り返している。明くる日は、新聞に出ると、いやそうでなかった、こう言って釈明しておりますが、三回も同じことをやっているのはこれは確信犯ですよ。もう世論の誘導をねらったところの発言だと思わざるを得ないのですが、主管大臣としてどう感じていらっしゃるのか、ちょっとお伺いしたい。
○田名部国務大臣 しばしば質問を受けるんですが、どうもどういう真意でお話しされているかということは、私ども心の中までは見えぬものですから。それで、いろいろとどういう趣旨でございますかと伺いますと、いやまあそれは自由化はだめだ、一〇〇%、百点満点というのはないんだということを言っているんだ、いろいろとお話しされて、まあしかし例えばと、例えばのところからいろいろお話しされると誤解を招くのかなと思うところもありますけれども、まあまあいずれにしてもそういうことですから、断定的に私もこうだということは差し控えさせていただきたいと思うのですが、いずれにいたしましても、政府は米についてはおっしゃるように、国会決議の趣旨を体して国内産で自給するんだということで、この基本方針のもとで交渉に臨んでおるわけであります。この方針のもとで関税化は受け入れがたいと主張しておるわけでありますから、これも再三申し上げておりますが、私が監督であります、監督のとおり選手が今一生懸命プレーしておりますから、ひとつ私が全力を挙げて取り組むということで御了解をいただきたい。 ただ、その種の発言がけしからぬといっていろいろな団体の皆さんがわあわあやることがかえって外国には、日本は賛成、反対と大分おるんだなという印象を、確かに英語の新聞やフランス語、ドイツ語に毎日日本と同じように載っているわけですから、そういう印象だけは与えてほしくない。チーム一丸となって今まさに交渉に当たっているんだということに何とかならぬかなあ、こう思って日夜心を痛めているわけでありまして、応援団も一緒になって私たち監督、選手を支援するということであってほしい、こう思っております。
○辻(一)委員 これはちょっと簡単には了解はなかなかできないんですよね。 二、三お尋ねしたいのですが、その前に、よく一粒たりとも、あるいは一トンたりとも、こういう言葉が使われておりますが、これは私は現実には言葉のあやであって、沖縄の泡盛の原料米あるいはエビなんかが加わった加工米にして相当量が、米にすれば実質四、五万トンぐらいは入っているのではないかと思うのですが、簡単で結構ですからその実態をちょっと御報告いただきたい。
○京谷政府委員 御指摘のとおり、現在米そのものにつきましては沖縄における泡盛原料及び一部モチ米につきまして一万トン余りの輸入が行われております。そのほかに自由化品目で米の調製品という形で、御指摘のような数量のものが入っておることは事実でございます。
○辻(一)委員 数量はおよそ、そう正確でなくても、幾らぐらいに見ておるのですか、入っておる量、全部を合わせて。
○京谷政府委員 米そのもので約一万一千トン程度であろうかと思います。それから、その他の調製品、これは自由化品目でございますが、それを玄米換算にしたものを加えて約五万トンというふうに推計をいたしております。
○辻(一)委員 だから、四万数千トンが形を変えて入ってくるということになるので、その一粒も日本に米が入ってないとか一トンたりとも、そういう状態でないということは、私はこの際明確にしておいていいのではないかと思うのですね。 そこで問題は、高い関税をかければ米がほとんど入ってこない、こういう見解があるんですね。いわゆる例外なき関税化を受け入れたとしても、当初七〇〇%あるいは六〇〇%という高い関税をかければ米は大体入ってこないのではないか、こういう見解がよく流されておりますが、私はこれは誤りだと思うのですね。というのは、初めから今後六年間、七年間で相当の関税をだんだん下げてくるということを、これを受ければやらざるを得ないでしょうが。もう一つは、日本の米が当初七〇〇%、六〇〇%が認められても、日本の米はもう世界の歴史に例のない高い関税をかけている、これは世界じゅうからしょっちゅう批判されますよね。そうすれば、結局その関税を下げざるを得ない、だんだん下げていく。下がれば下がっただけ外国の米が入ってくるということにならざるを得ない。だから、高関税によって輸入が抑えられるというのは、そういう見解は私は非常に誤りであると思いますが、この点とう考えるか、お伺いしたいと思います。
○田名部国務大臣 仮定の話で余りこういうことを答弁しますと、何かもうその方向で検討しているんだというふうに受け取られることもありますので余りお話を申し上げたくないんでありますが、お許しをいただきたいと思います。 しかし、いずれにしても量的な管理をしておりますから、程度はどうあっても入ってくるということになれば、今三割の減反をお願いしているわけですから、入ってきた分はこれにまた減反をさらにしなければならぬということで、いずれにしても困難な問題ですので関税化は受け入れがたい、こういう主張をしておるのであります。よろしくお願いします。
○辻(一)委員 去年の八月に衆議院の予算委員会で当時の海部総理に質問したときに、米の関税化を受け入れれば自由化につながるのではないか、こういう趣旨の質問に対して、必ずしも自由化にはつながらない、こういうような見解を当時総理は予算委で述べたわけです。後で従来の方針と変わりがないということを訂正はしておりましたですね。しかし、関税化はそれはそのまま自由化につながっていくという点は明確であって、この点、当時の海部総理の見解は大変甘かったということを指摘をしておきたいと思います。 そこで、今大臣も言われるように、例外なき関税化を許してはならない、そういう意味で米が輸入されることはやらせてはならない、これはもう当然でありますが、しかし、アメリカ等のいろいろ準備をしている状況を見ると、もしも例外なき関税化を容認したならば大変なことになるのではないか、こういう懸念を私はするのですね。 四年半ほど前ですが、アメリカのカリフォルニアからアーカンソー州に単身行ってアーカンソーの米を十分調べたことがあります。そこの状況をちょっと御紹介して、これは関税化を米で認めたら大変なことになる、やらしてはならない、こういう点で、私の見ましたアメリカの実態をちょっと紹介してみたいと思うのです。 これは、私が四年半ほど前に行ったアーカンソー州、それからカリフォルニアを中心にした米のレポートですが、写真があるので、見ていただければわかりやすいと思いますね。それで、カリフォルニアはアメリカの米の二一%、それから、ミシシッピー流域のアーカンソーは四一%のアメリカの米を生産している。いわゆるミシシッピー流域の南部諸州はたくさんの米を生産しておりますね。そこへ行って、ライスランドというアメリカ第一のもみを扱っている、生産と輸出をしている、そこの農協といいますか生産組合、全米の二割を扱っているというから大変な量ですが、そこのベル会長やリード副会長と半日ほどいろいろ言ってやり合ったことがあるのですが、そのときに彼らはこう言っておるのですね。もし日本の米の市場があけられるということになった場合に、当初はカリフォルニアの米がこの日本へ入っていくだろう。これは中粒種が入ってくる。アーカンソー等は、南部諸州はカリフォルニア米が米国市場で占めておったあとをまず埋めることになるだろう。第一段階ですね。しかしいよいよ日本が米の輸入をする、アメリカからいえば輸出できる、そういう状況ができるようになったら、アーカンソー州の八五%でつくっている長粒種は二カ年で切りかえることができる、こう明言しておるのですね。そして、アーカンソー州立大学へ行きますと、広いところに育種試験をやっている。何の育種かといったら、中粒種をだあっと並べて育種をやっていものです。だから、日本の市場開放を目指して彼らは準備をして備えている、こう見なくてはならないわけですね。 そこで、農林省の方からの資料もいただきましたが、アメリカには今二百二万ヘクタールの米生産潜在力が休んでおるわけですね。二百一万ヘクタールですか。だから、日本へ米が行く、出せるとなったら、これがまず息を吹き返していくだろう。それから、ロサンゼルスの郊外に、カリフォルニアに行ったときに、野菜農家で、日系人で非常に成功したその農家でも、日本に米が送れるようになったら自分たちは米に切りかえたいと言っておるのです、米に切りかえたい。確かに加州、カリフォルニアは、雪解けの水をダムで、山の水を蓄えて導水路で運んでやっている。これは水に制約がありますから、それはそれほどたくさんの米ができるかどうかは問題がある。だけれども、南部諸州、天下のミシシッピー川の流域は伏流水で幾らでも水がとれる。そして、必要なら土木工事をやってその水を引いてもいい、こう言っておるのですね。 だから、もし日本が市場を開いてアメリカの米が日本へ入ってくるという、そして、それに応じた南部諸州等が米づくりを中粒種に切りかえて日本向けの生産体制にだんだん切りかえていったときに、輸出圧力、アメリカ国内におけるいろいろな圧力が、カリフォルニアの圧力と比較にならない大きな圧力が生まれてくる可能性がある。そういう状態にしてはならないと思うのですが、アメリカのそういう準備をしている状況等々をひとつ頭に入れて、ここは何としても自由化に、いわゆる例外なき関税化を容認するということがあってはならない、こういうように思いますが、農林大臣の御見解いかがですか。
○京谷政府委員 ただいま先生からお話しのありました、たしか一九八七年であったろうかと思いますが、先生、アメリカの米作地帯を御視察になりましたレポートを私どもも拝見をさせていただいております。 お話にございましたように、アメリカの米の生産、年によって大分変動はありますけれども、約七百万トン程度の生産規模を持っております。これも、お話ありましたように相当程度のセットアサイドを前提にして現在の稲作を行われておりますので、潜在生産力としてはもう少しあるかもしれません。 ただ、これもそういった生産状況、御承知のとおりアメリカにおける米作自体もかなりのコストを要する状況でございまして、御案内のとおり大変強固な不足払いでありますとか、あるいはまた輸出に当たっては大幅な輸出補助金がこれをサポートしておる、こういう状況でございまして、先生御指摘のような対外輸出に対する意欲があることは事実でございますけれども、一定の制約もかなりあるのではないかと思っています。 特に、御指摘のアーカンソー、生産量としては相当のウエートを持っておりますけれども、現在のところ我が国の、少なくとも主食用マーケットでは余り一般的に使わない長粒種の生産地帯でございまして、御指摘のとおり中短粒種はおおむねカリフォルニアに集中をしておる。カリフォルニアの中短粒種の生産も、お話ありましたように水の制約条件等々でいろいろ困難に直面しているという状況でございますが、いずれにしましても、そういったアメリカ国内における米の供給条件いかんによって輸出圧力が拡大する危険というものは私どもも十分に注目をしておるところでございます。 また、特に米の生産地帯としては、特に生産余力を持った国としては、タイ国あるいは最近においてはベトナムが相当の力を持っておるという評価を我々としては持っております。
○辻(一)委員 長官も御存じのとおり、アーカンソーでは八五%が長粒種ですから、今言ったように中粒種の育種を準備して切りかえると言っているのですから、道を開けば日本に対するアメリカの米輸出のもっともっと大きな圧力が生まれる可能性がある。そういう意味で、道を開いてはならないということを私は強調したいと思うのです。この点は、容認をすれば高い関税でももう際限ない関税引き下げの要求にあって、それを下げれば下げただけ米が入るという、日本の米と農村にはかり知れない打撃を与える心配がありますので、このことはひとつよく心してやっていただきたいと思います。 そこで、先ほど申し上げましたが、ジュネーブで日本代表が、例外のない関税化は認めないと頑張っておる。各国にも代表を送って頑張っておる。そういう中で、さきのような政府首脳の発言は、政府代表の背中に弾を撃ち込むようなものです。これは、交渉に迫力を失ってしまうと私は思うのです。だから、ある意味では閣内の不統一な意見がいかに国内外の世論に大きな影響を与えているか、こういうことを十分感じていただいて、内閣でひとつこれを閣議でも問題にすべきだと私は思うのですが、いかがですか。
○田名部国務大臣 そのようにいたしたいと思っております。
○辻(一)委員 先ほど伺ったとおり、大臣もいろいろ苦労していらっしゃるし、苦衷も私は理解しますが、閣内の意見を一致をし、政府の意思を統一するということが今一番大事なときではないか。そういう意味で、所管大臣のかたい決意とこれからの行動を心から求めておきたいと思います。
○田名部国務大臣 もう何回かお答えしておりますが、三月一日に国別約束表を提出しろ、そのことには、ダンケルの合意案というものについては包括的な関税化等いろいろの問題点があるので、これの修正を先にやりなさい、第四トラックが先です、個別のちまちましたものをやって後から大きいのというのはおかしいということで今申し入れをしておりますし、何といっても農産物については安定供給が本当に私どもには何よりも大事です。特に、島国でありますから、ヨーロッパ等のように陸続きで緊急の場合いつでも言えばさっと持ってこられるというような環境にもありませんし、あるいは生産制限の実効性を確保するという観点から、今申し上げたようなことでいずれも量的に不安のない状態にしておく。ですから、包括的関税化は受け入れられないんだということを食糧輸入国として立場を明確にし、これが交渉結果に遣切に反映されるように最大限の努力を傾注してまいる所存であります。
○辻(一)委員 食管法の問題について一、二点伺いたいのですが、従来宮澤総理は、例外なき関税化を受け入れるには食管法の改正が必要だが、国会では食管法改正は通らないから、この米についての関税化は受け入れられない、こう言ってきたと思うのですね。ところが、つい先ほども政府部内に、ちょうど自衛隊機の海外派遣と同じように、食管法を改正しなくても政令でやれる、こういう見解が出てきた。ところが、さきの予算委の質問に対して工藤内閣法制局長官は、米の関税化と食管法はなじまない、言うならば食管法を改正しなければ受け入れられないという趣旨の答弁をしておるのですが、主務官庁、これを主管する官庁として、農林水産省の正式見解を改めて聞きたい。
○京谷政府委員 御指摘の問題については、米についての関税化は受け入れがたいという主張を現在我々はしておるわけでございますし、また、ダンケル・ペーパーで示されている関税化の概念そのものが確定的に明確になっておるわけではございませんので、細かい点まで私ども検討を終えているという状況ではございませんけれども、基本的認識として申し上げますれば、米の自給についての数量管理、そしてまたその一環として輸出入の許可制を定めております現在の食糧管理法とこの関税化の概念というのは両立しがたいという考え方を私どもとしては持っておりまして、法制局長官の御答弁もこの趣旨と同意であろうというふうに私どもは理解をいたしております。
○辻(一)委員 あと十分ほどになりましたので、私はちょっと三江平原の農業開発問題についてお尋ねしたいと思います。これは、後で同僚の目黒さんがまた質問されると思いますから、私は先の方の要点をちょっとただしたいと思います。 これは十月の中旬に三江平原を私たち四名で視察調査に参りましたそのレポートで、ちょっと大臣にもひとつ見ておいてほしいと思うのです。 御存じだろうとは思いますが、三江平原は中国の北端、黒竜江省に位置して、松花江、ウスリー江、黒竜江の三つの大河に挟まれた平原であって、一千万ヘクタール、農耕可能地六百万ヘクタール、既耕地は三百万ヘクタール、約三百万前後の耕地が洪水、干ばつ、一万メーターに一メーターという落差で低湿地で水が流れない等々、低い生産力あるいは荒れているという状況にある。ここを中国の要請によって、日本のJICAそしてまた農林省は、一九八二年から三年にわたってかつてない画期的な調査団を三カ年送って、この三百万ヘクタールの一部、四万八千ヘクタールを竜頭橋モデル地区としてダムをつくり、そしてかんがいや排水をやる、こういう青写真といいますか、設計を完了した。しかし、中国のいろいろな資金の優先順位によってなかなか手が回らずに、八年間ほどその計画は具体的に動かずにおった。もちろん、中国は国の計画で相当大規模な投資をやり、独自の開発を進めてはおりますが、日中で協力してやろうとした竜頭橋ダムを中心とする開発計画は棚上げになっておった。最近、中国側からの働きかけ、また日本の方からも、与党の皆さんも参加された調査団、私たちも参りまして、ここを黒竜江省が中心になって何としても竜頭橋ダムを中心とする開発をやりたいという意欲が非常に出てまいった。私たちも十月に行って向こうの国家計画委員会それから水利部、農業部等々責任者と会っていろいろな懇談をし、黒竜江省の責任者にも会い、現地もずっと見てまいりました。 これは私は大きく言うと、中国は今十一億余の人口ですが、もう十年たてば十三億の人口になる。十三億の国民に食糧を確保するのもまた大変なことでありますから、この開発によって中国自体の食糧問題の安定化を図るということが第一だろうと思うのですね。しかしまた、我が国としましても、中国のそういう安定化が日本の安定につながるという点から、この点を支えるということは大変意味があるのではないかと思います。 第二は、今世界が三つの経済ブロックに分かれようとしている。そうなってはいかないのですが、そういう中でアジア・太平洋圏の新しい活性化の場所として環日本海という経済圏が構想されているが、そのシベリア開発が、森林をも含めて天然ガス等の開発ということが将来非常に大事になってくる。今、シベリア開発には、ロシアはウクライナから食糧を運んでおるわけですが、近くの三江平原に食糧が生産されてシベリアに供給することができれば、日本海はもちろん、日本、南北朝鮮、中国、ロシアを含めたこれからの経済開発の発展にも大変役に立つのではないか。 それから、素人考えてありますが、輸出輸入もいずれの面も余り特定の国に依存し過ぎるのは非常に問題がある。輸出にしても、アメリカに余りにも経済構造に組み込まれ過ぎている。やはり分散をすることが必要だ。輸入も私はそうであろうと思う。 日本の畜産は、アメリカのトウモロコシ、コウリャン、マイロ等々に大部分依存をして、日本の畜産はアメリカのえさによって振り回されておると言っても過言ではない。そうなると、三江平原等に、今吉林省等を中心にやっているあの立派なトウモロコシが世界の三大産地としてできるわけですから、こういうものが生産されるようになれば、品質と品物がよくなければいかぬのですが、条件が合えば我が国も大いにまた活用でき石のではないか。 こういうことを考えると、せっかく農林省が三カ年もかかって百八十七名延べ人員を派遣してやった調査を有効に生かして、円借款の対象に向こうは求めておるのですから、何とか円借款の方に向けて取り組んでもらう、こういうことが農林省、外務省、大蔵省で必要でないかと思いますが、まずは所管大臣の農水大臣からその点をお伺いしたい。
○田名部国務大臣 先生、この件に関しては非常に御熱心に取り組んでいただいておることはかねがね承知をいたしております。 御案内のように、中国政府でも一九七八年に農業を基礎として四つの近代化を推進するということで十カ年計画を定めたようでありますが、いずれにしても、今お話しのように確かに日本の立場から見てもソ連の現状を見ても、中国というのは非常にそういう面での役割を果たし得るというふうに私も思います。三江平原のことについては、中国政府はこれを穀物の生産基地として位置づけておるわけでありますから、我が国においては、中国政府の要請にこたえて国際協力事業団を通じてモデル地区の開発、調査を実施してきたところであります。先生御指摘のとおりであります。 現在は低温、冷害あるいは水利開発にかかわる研究について協力をいたしておるわけでありますが、農林水産省としては、今後、今御指摘の問題につきましては、新たな要請があれば外務省を初め関係機関と協議の上対処してまいりたい、こう考えております。
○辻(一)委員 次に、外務省にちょっとお伺いしますが、私は三江平原の調査の帰りに北京へ行って橋本中国大使と一時間余り状況報告をして懇談をしたのですが、橋本大使も自分の気持ちだが、こう言っていましたが、黒竜江省には我が国は今まで随分いろいろな迷惑をかけた、吉林省や遼寧省にはいろいろな円借款等々の協力をある程度やってきたけれども、黒竜江省にはこれというプロジェクトにもまだ本格的な協力体制にはなっていない、そういう意味でせっかくのそういう計画を何とか支えたい気持ちがあるのだ、こういうことを意見交換の中で率直に聞いたのです。 これは前の予算委員会でも一、二回私も質問をいたしましたが、中国の方から非公式にどういう状況の話が出ているのか、そして正式に要請があった場合にどう対応するのか、この点についてお伺いしたい。
○内藤説明員 お答えします。 農業分野については、中国側も次第に円借の要請の中に入れるようにはなっております。現在揚子江の北部地域でかんがいプロジェクトに円借を出してやっております。ただ、先生御指摘の三江平原の中の竜頭橋地区、このことにつきましては、まだ具体的な話としては、私どものところに非公式にも来ていないわけでございます。 いずれにしても、この円借のメカニズムは、まずは中国側の要請があってということになりますので、中国側の検討結果を待ってその時点で検討させていただきたいと思います。
○辻(一)委員 これは、あなたのところの川上政府委員、経済局長ですか、八月二十二日の衆議院予算委における私の質問に対して、「御指摘のとおり、内々中国側からそういう示唆も既に出てきておりますが、正式の要請としてはまだ伺っておりません」、こう言っておるのですね。だから、話がきちっとあったというのじゃないが、示唆程度がいろいろあったということは非公式に私も聞いておるので、公式な要請があったら、しっかり外務省として対応してもらいたいと思います。それは強く要望しておきます。 それから、大蔵省見えていますね。大蔵大臣の羽田蔵相と、年末にこの三江平原問題で状況を見に行って、私と目黒さんでこの報告書を渡して、ひとつ勉強してほしい、こう言っておいたのですが、羽田さんは一九八一年に、衆議院の、当時田名部さんが委員長時代に、うちの新盛さんや松沢さん等々と現地へ、八一年、まあ十年ほど前ですが、行かれたこともあるのですが、私は、特に窓口は外務でありますが、そういうことが外務省等で具体化してきたら、大蔵省がぜひ積極的にこれは対応してもらいたいと思うのですが、ちょっと気持ちを聞かせてほしい。
○河上説明員 お答えいたします。 羽田大蔵大臣が数年前に中国に行かれました際に三江平原を視察されたということは、大臣からも聞いておるところでございます。 本件につきまして円借款の対象にするかどうかということにつきましは、先ほど外務省から答弁があったところでございまして、正式な要請がございました場合には、現在第三次の円借款ということで供与をしておるわけですが、その中で検討していく問題かと考えておりまして、必要に応じまして、外務省等関係省庁それから中国側と相談していく、こういうことになろうかと存じます。
○辻(一)委員 時間が参りましたが、三江平原の農業開発については私たちも非常に深い関心を持っておりますので、農林省また外務省、大蔵省、それぞれ積極的な対応をこれから期待しておきたいと思います。 具体的な問題は、目黒さんがまた後で少し御質問されると思いますから、それに譲りたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○高村委員長 午後一時から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時二分休憩 ————◇————— 午後一時開議
○高村委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 農林水産業の振興に関する件について、本日、参考人として日本中央競馬会理事長渡邊五郎君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○高村委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 —————————————
○高村委員長 質疑を続行いたします。竹内猛君。
○竹内(猛)委員 私は久しぶりに農林水産委員会に帰ってきて、今重要な段階に来ている日本の農業のこれからについて、農林水産省の見解を求めたいと思います。 昭和三十五年に池田内閣の所得倍増論が登場し、それが実施に移った裏側に農業基本法が取り上げられておりまして、これは既にヨーロッパの方でもドイツを初めとして多くの国々が農業基本法の問題については手がけてきたわけでありますが、社会党もこの農業基本法については独自の提案をしてまいりましたが、残念ながら社会党の出席できない状態で農業基本法は強行採決された、こういう歴史があります。 その農業基本法に関連をして、しばしば実態と法律の間に非常に距離があるじゃないか、こういうことで本委員会でもいろいろ追及をした歴史がありますが、現在は激しい外圧と、国内においては一極集中の不均衡発展という中で、後継者が残らない農業、農村ができている。近藤前農水大臣が農業基本法の見直しをすると決意されて以来、今日、農林水産省では農業、農村、食料等についての政策づくりに入っておりますが、自民党もこれに対応して検討を始めているようであります。 そういう中で、私たち社会党は既に三年前に、土井委員長が宮崎提案ということで、農業基本法にかわる新たな農業政策を打ち出してまいりまして、今回、三年目に当たってようやくそれを整理して、地域農業振興法と中山間地帯の農業を振興するための特別措置法、農業後継者に関してこれを育成していくための特別措置法というような三つの法律を今国会に提案をするようになりました。それは、農業の有する多面的な機能というものを大事にし、都市と農村との均衡ある発展を期しながら、同時に消費者に対しては安全な食糧を安定的に確実に供給する、そして農村で働く人間と都市で働く人間との労働の価値というものを均衡にし大事にしていこう、そして国と自治体並びに農業者の果たす役割を明確にしていこう、こういう方向で私たちは問題を提起しております。 今のことに関連をしては、既に国会の議事録で明らかになっておりますが、そこで第一問としてお伺いしたいことは、今日、農林水産業、第一次産業が非常に衰退をしていく、後継者が残らない状態になっているということ、二町五反歩の農家を百万戸つくって都市と所得を均衡させていこう、こういうことが実現できなかったという原因について、一、二、三、四というように挙げて説明してもらいたい。
○馬場政府委員 農業基本法が制定されて三十年を経過したというところで、今日の農業、農村の状況を見ると、高齢化が進展している、担い手が不足している、あるいは耕作放棄地がふえているというようないろいろな問題を抱えているということは御指摘のとおりであります。 なぜそのようになったかという点について申し述べよということでございますが、もちろん非常に複雑ないろいろな原因があるわけでございますが、基本的なものといたしまして私ども考えておりますのは、やはり昭和三十年代からの我が国の経済が非常に発展をしてきた、そういう経済の高度成長を背景にいたしまして、一つは、非農業での就業機会が増大しまして、農業労働力、かつては過剰就業で悩んでおったわけでございますが、それが非農業部門へ流出する、あるいは農家に在宅のままで兼業化をする機会が恵まれるといったことによりまして、兼業化が進行したという労働力の問題が一つございます。 それからもう一つは、国民の所得水準が向上いたしまして、食生活が非常に豊かになった、多様化してくる、一方で経済の国際化に伴いまして、食糧についても農産物を輸入するということで、非常に食糧需要の変化が起こったということがございます。 それから三つ目は、都市化の進展あるいは非農業部門での土地の需要の増大がございまして、農地の非農業部門への転換を促された。また、それに伴いまして農地の価格が高騰いたしまして、土地利用型農業の規模拡大が当時予想したように進まなかったということがございます。 そして四つ目は、他産業の生産性向上が農業の生産性向上を上回り、農業所得による農業従事者と他産業従事者との間の所得の均衡が必ずしもバランスがとれなかったというようなことで、労力の問題、それから食糧に対する需要の変化の問題、そして土地の問題、それから他産業との所得の不均衡、そういうようなことが理由だろうと思っております。
○竹内(猛)委員 今四つ挙げたけれども、今日、日本の農業というのは、十二年前の昭和五十五年から考えてみただけでも、農業に残る新規卒業者が当時は七千百人、そしてこれは農業に従事する者の中の三二・五%ぐらいの者が残っていたわけですが、平成二年になると千八百人、こういう形になり、大変数が減ってしまっている。そして耕作の放棄は現在三十一万ヘクタール。 それから一戸当たりの所得を計算してみると、平成二年の場合に全国平均で六百六十万二千四百円、その中で農業所得は百十六万三千円、あとは農外所得である。北海道だけが五百九十六万の農家所得の中で農業が四百十一万、こういうように多いけれども、北陸であるとか中国、四国のように、農業所得というものが百万円を割ったところがある。こういうふうに平均所得が五百万から六百万という地域の農家の中で、農業所得の占める比率というものが非常に低い。この状態というのは、人間に農業を例えてみると、非常に重症だ、農業は重症状態にある。そういう重症状態にあるものを診察をして原因を明らかにして、そうして処方せんを出して、その処方せんに対して十分な手当てをしなければ農業は死んでしまうじゃないか、こういうふうに考える。先ほど官房長からの話は四つあったけれども、四つだけではないですね、これは。やっぱり行政の問題があるんじゃないですか、それには。そして農家が悪いわけじゃなくて、農家が一生懸命働いてもこういう状態になって、住みにくい状態になってしまっているという、この病原をもっとしっかり分析をして見詰めて、処方せんを出していく、その出した処方せんについて、手術をするなり薬を盛るなり、そうしていかなければ健康な農業にはならない。 農林大臣、いかがですか。
○田名部国務大臣 今官房長からいろいろお話がありました。私は、我が国の農業、農村は、今担い手不足、高齢化、国際化、そういう大きな節目を迎えていると思うのであります。 卑近な例で申し上げますと、私の父の方も母の方も農家であります。年とった人たちと若い人の考え方に大分ギャップがある。で、処方せんを、私も私なりにこうした方がいいと言うんですが、一笑に付して、一向に、何とか新しい方法でやろうというのはなかなか難しいんです。 ですから、行政のサイドあるいは農協等がいろいろとやることも大事でありますけれども、私は、基本的には農家の意識の改革というものがないと、処方せんが立派でも受け取る方がもう全然受け付けないということでは、おっしゃるとおり、もう私の親戚だけで見ても、長男が役所に勤めたり、それで、子供が昔のようにたくさん生まれないものですから、私の本家はもう女の子ばっかり二人で、長女はお婿さんをもらいました。しかし、もう全然別な仕事をやっているという実態で、自然とその世代の人たちが農業をやめると放棄をしていくんだろう、そういういろんな実態があるわけです。 そういうことで、省内に新しい食料・農業・農村政策検討本部を設置して、総合的にこれを見直してみようと、本当にこうなければならないということで処方せんをお示しする。この前もいろんな方々を表彰したんですが、うまくやっている人もいるんですね。ああいうのなんか本当に参考になると思うんですが、そこはやっぱり全体のその地域の人たちの理解が進んで、じゃ、この一画に全部集めてやってやろうと、連担的にもやろうとかというところはうまくいっている、そういうことでありますが、今抜本的に手直し程度ではいかぬということで検討をいたしておりますが、何といっても稲作等の土地利用型の農業については、そうでない方もそうでありますが、やっぱり農業といえども経営管理能力にすぐれて、企業的な感覚での経営というものは必要だ。まあひところ記帳義務というのがありまして、とうとう反対してあれはつぶれましたが、やっぱり何に一番むだにかかっているかとか、ここのところはもっと経費を詰めた方がいいとか、ここには思い切ってかけた方がいいというのは、やっぱり何というんですか、原価計算みたいなもの、帳面をちゃんとつけてやってみないと、実際に出てこないと私は思うんですね。 そうなると、機械というものは買った方がいいのか借りた方が得なのかとか、いろいろな角度でするには、これは何といっても担い手の今の若い人たちはそういうものにはなれておりますから、パソコンでもファクシミリでもコンピューターでも操作する能力はあるし、そういう経営のできる担い手を育成しよう。そういっても、それぞれの地域の実態に応じたことをやらなければいかぬものですから、中山間地は中山間地、あるいは平場ではこうやる。規模等もあります。ですから、私がいつも申し上げているのは、例えば水田が二十町、畑が十町、これを何人でどういう方法でやるともうかる農業ができるか、そういうことから経営診断をして、それに農家の皆さんが協力できるかどうかということで何かをやってみたらいい、こう思っているのです。 いずれにしても、今この新政策本部において検討をいたしておりますので、いずれ二十一世紀という新しい時代にふさわしい農業、農村の方向を明らかにしてまいりたいと存じております。
○竹内(猛)委員 いずれは明らかにということだけれども、そのいずれを待っていると死んでしまうから、これは直ちに出してもらわなければ非常に困る。専門の田名部大臣のときにいい処方せんを出して、それに立派な薬を盛って健康にしてもらいたい。全部死んでしまっているわけじゃないんだから。まだしっかりした根があるんですからね。その根に勇気を与え、知恵を与え、力を与えていくというのが、これは政治の責任ですよ。 そこで、今政府筋、農林省筋あるいは自民党が描いているこれからの農業像というものは一体どういう姿の農業を考えているのか。全体像を明確にしない限り、若い人たちは、それは部分的にはいるかもしれませんが、よしわかった、一緒にやろうじゃないかという形にならない。どういう全体像を描いているかということを第一点。 それから第二点は、環境と農業問題というのは分離できない問題ですね。世界は人口において現在五十一億、農業の粗生産が十七億トン。やがて二〇五〇年には六十億、八十億という人口になる。そういう中で、先ほど社会党の辻さんの方からも話があったように、アメリカはかなり耕作放棄をしているところがある。しかしながら、世界の全体からすれば三百四十キロぐらいの平均の割り当てになるけれども、これはお金の関係等々があってなかなか流通をしていない。だから、今の段階でも飢えている国民というものがアフリカや東南アジアや、そういうところにあって、食糧が必ずしも行き渡っていないという状態である。ソ連なんかも、今大変食糧に困っているという状態である。 こういうことを考えると、日本の食糧というものを考えるときに、先ほど来自給率の問題があったけれども、単に日本だけの問題ではなくて、国際的に見て環境、農業、食糧というものは、人口問題と絡んで大きな問題になるから、それもあわせてどういうような農業像をつくっていくのかということについての検討、もし不十分であれば後で資料を全員に配ってもらいたい。
○馬場政府委員 先生のおっしゃるように、新しい食料、農業、農村の検討というときに私ども考えておりますのは、これから二十一世紀を迎えるに当たりまして、我が国においてどういう農業、どういう農村があるべきであるか、またそのためにはどういう政策が必要かということを検討しているわけでございます。 全体像を示せというお話でございますが、現在、全体像をどういうふうに描くかということについて各方面の意見を聞きながら検討している最中でございます。 テーマとしましては、まず一つは農業の担い手、これも従来の家族的な農業経営というものに加えまして、地域的な広がりを持って持続的、安定的に農業経営を行っていける経営体というものはどういうものがあろうかというようなことを含めて検討しておりまして、その中におきまして農地の所有と経営の分離あるいはその利用のあり方等についても検討をいたしております。 また、土地利用型農作物の生産の体制につきましても、米はもちろんでございますが、麦、大豆等土地利用型作物についての国内での供給力の確保、そしてまたそのための生産体制の確立という点について、新しい、地域の実情に応じた農法の確立、あるいは技術の革新ということも含めて検討いたしております。 さらに、そういう農業を営まれる地域の問題といたしまして、新しい地域政策というものはどうあるべきかということも検討いたしておりまして、地域住民にとって文化的で利便性のある生活の場と生きがいのある就業の場というものを確保しつつ、豊かな自然を享受できる空間の形成、そしてまた、農業者以外の国民に対する場を提供するというための農村地域のあり方ということについての検討をいたしておりまして、そういう農村を形成するための計画づくりなり実現手法についても検討している段階でございます。 そのほかにも、先ほどお述べになりました環境保全に資する農業の確立ということもこれからの重要なテーマでございますので、農業が有する環境保全的機能と、物質循環型産業としての環境に優しい特質を活用するという観点から、いろいろな検討を行っております。 そのほかに、農産物を利用する食品産業政策、あるいは消費者に供給するための流通政策等々も検討の視野に入れているところでございますが、いずれにしても、今申しましたように非常に広範にわたる問題を検討いたしておりますので、その全体像をお示しするにはなお多少の時間が必要かと思います。いずれまとまりました段階で御説明をさせていただきたいと思います。
○竹内(猛)委員 まだ全体像が明らかにならなくて、全体像に行く道筋がいろいろ説明があったけれども、例えば所得の方から考えた場合に、どの程度の農業所得と農外所得で何人家族で構成されるどういう農家をつくるのか、つまり専業農家的なものでつくっていくのか、兼業でいった場合にはどうするのかというようなこと、それを地域的に見て、北海道ではどの程度のものが望ましい、都市近郊ではどうだ、中山間はどうする、平場はどうする、こういうところに焦点を合わせて、農家を対象にした一つの写真。 そして、自給率を一体どうするのか。穀物の自給率、今は三〇%を割ろうとしている。あるいはカロリーでも四八%だ。これは下がるばかりだ。こういう国は世界の先進国にはない。これは甚だ恥ずかしい話ですね。そういうものを一体どこまで上げるのか。 土地利用はどうするか。どんどんいい土地はなくなってしまって、山村僻地の谷津田、そういうところだけが残っていって、そこには人が住めない、集落が蒸発してしまう、こういうような状態というものを回復するために一体どういう力をそこへ加えて、どういう農山村をつくっていくのかというような青写真が出なければだめですね。そういうものをいつごろまでにつくるのかということについて、もう一度官房長から、事務的な話だからはっきり聞かしてもらいたい。
○馬場政府委員 現在、私どもが行っております検討は、先ほどお話がありましたように昨年の五月から始めておりますが、おおむね一年、したがってことしの春ぐらいにそれぞれの問題の論点を明確にしてその方向性を出そうということで現在検討しているところでございます。
○竹内(猛)委員 池田元総理は、農業は民族の苗代だと言いましたね。福田元総理も、何よりも何よりも農民を愛するという言葉を残している。今民族の苗代がなくなってしまうじゃないか、愛するものがなくなってしまうじゃないか。そういう中で役所が一人で作文をしてもぐあいが悪い。どうしても、頭の中に汗を流して働く農民の姿が、山の中で一生懸命になって木の枝をおろしている山の労働者の姿が浮かんでこなければ、あぜ道の声が反映しなければ愛情のないことになる。 そこで、農業というのは、単に物をつくるということだけではなくて、安全にして新鮮で良質なものを確実に消費者に送るということと、もう一つの任務として、これはきのう大臣の所信表明にもあったけれども、緑や水や国土の保全をし景観をつくっていく、こういう社会的な任務があるはずだ。それを経済的にだけ割り切って、工業のように機械に労働力を使って一定の原料を入れれば物が出てくる、こういうものと同じような扱い方をさせているところに問題があるのでしょう。現在の農業が滅んでいく、衰退していくのは、工業優先、利益優先、これが中心じゃないですか。だから、何としても農業というのは一定の保護、支えを加えなければならない。それは農水省でも計算しているように、水や緑や国土を保全する、二 〇〇〇年の水田の持っている役割、文化的な役割、社会的な役割、こういうものを計算すると二十六兆から三十六兆になるという計算をされている。そういうものを無償で農業や山に働く人たちは社会に放出をしているんだから、その中の何%かは農林水産業に返してもいいじゃないか。こういう論理がなぜできてこないか。計算はするけれどもそれをなぜ主張しないんだ。おかしいじゃないか。いかがですか。これは大臣だ。青森県出身の大臣は、これはよくわかるはずだ。
○田名部国務大臣 もう私のところは全くどこを見ても農村地帯でありまして、冬になるとみんな出稼ぎに行く。もう嫌というほど、農家の生活というのは私たちの気持ちの中にしみついておるわけであります。 おっしゃるとおり、工業重視、私もそう思いますが、しかし若干やむを得ないところがあったのかなと。農業が多い終戦直後、どうにもならぬということで工業化の道を歩んだ。それはそれなりに国民の所得も国の力もついてきたと思うのでありますが、やはりこの辺で、今先生お話しのように、そういうものを農村にどう還元して、新しい、すばらしい環境の農村をつくるかというところに本当に力点を置かなければいかぬ。これは、カナダやアメリカ、特に私が印象に残っているのは、カナダ、スイス、オーストリア、あのあたりを歩いてみて、農村地帯というのは環境が本当にすばらしいのですね。住宅なんかを見ても、昔の貴族のやかたみたいなところに住んでおる。ああいうのを見て、本当にすばらしいな、そう思いまして、ああいうものをイメージに描いて、何とかそういうふうにしたいものだと思っております。 確かに都市化も進んでおるところもありますが、まだまだやりようによっては、いい環境の農村地帯をつくるところがたくさんある。したがって、これから投資するのも余り都市近郊、都市化が進むようなところに投資するよりも、将来とも農業でやっていけるというところに適当な規模と何人の人数でどれだけやればいいかという基盤整備をきちっとやりながら、地域によってそういうものを優先的に進めていくということが必要ではないだろうかと考えております。
○竹内(猛)委員 青森県御出身の大臣の健在中に、いい農民像を出してもらいたいと思うのですね。私は、まだまだいろいろなことをこれから注文しますからね。 官房長、政策というものを立てた場合に、ただ単に単年度じゃなしに、やや長期の見通し、中期あるいは単年度、単年度というような形でもちろん出されると思うけれども、そうしなければ希望がもてないのですね。三年後にはこうなるのだ、十年先にはこうするのだ、こういうような形を、しかしそれはよく、出すことは出すけれども、ほとんどそれが実行になっていないということで、どうも甚だ残念ですね。私は、四十七年に最初に本委員会で、当時櫻内農林大臣、今の議長に質問したことがあるが、長期見通しというものを出したけれども、さっぱりこれはだめじゃないか、そうしたら、あんどんみたいなものだ。あんどんだと言うのですね。あんどんというのは暗い中でちょっと明かりがついている。そのあんどんの役割もこのごろはしなくなってしまう。だから、長期見通しを出したらそれに沿って、自信を持ってそれが政策化していけるような、そういう裏づけをしなきゃいけない。なぜそれが、四七年、六〇年、六五年、また最近は八〇年というように、いろいろ言葉は違うけれども、見通しを立てながら狂ってきてしまう。 そういうことになっているというのは、どうも大臣は一年ごとにかわってしまうのだよ。本当に大臣というのは隣組の組長みたいなものだ。内閣がかわれば大臣かわってしまう。たまには二年ぐらい続けて大臣に残る人もいるけれども、おおむねかわってしまう。ところが、霞が関にいる高官の皆さんは、これは初めから積み上げてきて、立派に各地で勉強した上で、縦横の連絡をとってがっちり構えているから、ここはあるところまではちゃんと座っている、そして、しっかり見詰めている。大臣というのは、どうもなれてきたころにかわってしまう。前の大臣の近藤さんもなかなか農村のことはしっかり愛した人だ。その前の山本大臣もしっかりしていた。ところが、一年ごとにかわってしまうから、いよいよ本気になってやろうとするとあっちへ行ってしまう。これでは思い切ったことはできないですよ。やはり霞が関の役所の主導型の農政しかできない。ここに、僕は全部が悪いという意味じゃないですよ、どうしてもこれは熱の入らないところがあるのじゃないか。やはり政党内閣だから、自民党が責任を持ってちゃんと農政のあるべき姿を出して、これをこういうふうに制度化しなさいということがなぜ言えないのだ。現在の青写真を進めていくにも、まず農水省の方から一つの構想が出て、それじゃとりあえず農業団体の方から手をつけようかという、そんなことをしているから魂が入らない。初めから自民党の方でちゃんとした農業政策はこれとこれとこれで行くのだ、三つのポイントで行くのだ、五つのポイントで行くのだ、これを政策化して何日までにやれ、こうすると、それに青写真が出て将来像が出てくる。それが今は逆ですよ、今は。ここに問題がある。 そういうことで、このあぜ道の声——僕がここへ来るときに、朝日農業賞をもらった農家のところで何軒か聞いてきました。農林水産委員会で質問をするのだけれども、あなたはどう考えるのだ。そうしたら、希望はないね、第一にこう言うのだ。何を言ってもだめだよ、こう言うから、何を言っているのだ、そんなことはないということで気合いを入れてきたのだけれども、しっかりした答弁をしてもらいたいですね。つまり、農業像、それに到達する筋道、それを実行する方法、こういうことにしていかなければ、これは本当に崩壊しますよ。 そこで、もう一つ言いたいことは、この国会の決議は三回もしている。その三回の決議は与野党一致なんだ。与野党一致で決議したことを、与野党一致でひとつ農業を守っていくのだ、日本の食糧と農業と環境を守るのだ、こういうことを野党も加えて一つの話し合いをする場をつくってやっていくということはできないですか。制度改革については協議会をつくってやっている。農業問題だって一緒にやったらいいじゃないですか、別にこれにはイデオロギーなんかないのだから。それぐらいの熱を持って、一緒になって日本の農業を守っていくのだという、こういう迫力のあることをやらなければだめだと思うのです。いかがですか。
○田名部国務大臣 おっしゃるとおり、農業については与野党余り反対するものがなくて、皆さんそれぞれ一生懸命取り組んでいるわけであります。貴重な提言でありますので、よく検討させていただきたいと思います。
○竹内(猛)委員 農林大臣、それはそうしないとだめだよ。もう少し、今大事なことなんだから、今申し上げたことは本当に非常に大事なことですよ。私は冗談に言っているのじゃないのだ。もう長い間ここで頑張って、二十年間ですよ、この農業の問題で同じようなことを言っているのは。大臣がかわるたびに同じことを言うのは申しわけないのだけれども、それしな言いようがないのです。 そうなると、与野党が一致で決議したことを、決議のしっ放しで、あんなものはそのときの決議だ。冗談じゃない。あの決議を実行するために、少なくとも与野党が一つになって、各省庁の行き過ぎに対しては抑える、そして農林水産業が今つくっているところの社会的価値というものに対してこれを国民に了解をしてもらって、そしてこれに対して一定の税金を注入する、いわゆる保障というか保護というか、表現は考えてもらえば結構だけれども、そうして与野党が一つになって守っていくという、そういうことについて情熱を持ってやってもらいたい。
○田名部国務大臣 国会決議、私たちも大臣をやめましても党の農林部会でいろいろとお手伝いをするわけでありますけれども、これは当たっているかどうかわかりませんが、何人か専門に本当に取り組んでいる人、あとはいろいろな部会があってそっちこっちに顔を出している人もあるし、結局決議というのは、どっちかという、と、こういうふうに行った方がいいと言うとみんなわっと賛成と、こうなる。ところが、よく勉強して中身を精査して、実行可能なものであり、これに予算が一体どういうふうにどのぐらいかかるか、いろいろな角度から専門にやっている人というのはそう何人もいないのですね。だから、決議ということになると、いいことであるとみんな賛成賛成と言うのですが、決議はしてみたけれども、実際に担当してやる人にするといろいろな険路があるということで、この実行可能なものと、何となくいいものという感じとあるのではないだろうかな。私たちも実際に自分の思ったことを言って事務方とやるのですが、そうすると、こういう問題があります、こういう問題がありますと、我々がわからない部分が出てきますね。そんなことを一つ一つクリアしながらやるものですから、全部集まってやるのも結構でありますけれども、その前に各党で政策をきちっと、本当に実行できそうな形のいいものを出し合って、それから議論するということでないとなかなか進まぬのではないだろうか、こう思ってもみたりしていまして、しかし、いずれにしても前向きにお互いにこういうことでやろうということが決まれば進んでいく、私はそう思っております。
○竹内(猛)委員 この議論をこれ以上しても、なかなか急にここでやりますということも言えないだろうが、そういう議論もあることを胸の中に入れて対応してもらいたいということだけは要請をします。 外務省が見えていると思いますが、外務大臣が放言のような形で、ウルグアイ・ラウンドの問題には一括関税化はやむを得ない、その方が農民にとって有利だというようなことをよく発言をして、けしからぬけしからぬと思っていたところが、外務省でもどうも計算をしてみた、計算をしたらそういうふうに言えるんだというようなことを言った。計算したらどこが有利ですか。あれはやはり十年で、十年でしょう、全部十年です、十年で始末をしようという形になっている。そうなると、そういう有利であるという根拠というのは、何が根拠なのか、その点についてひとつ外務省から説明をしてもらいたい。
○北島説明員 まず御指摘の外務大臣の発言でございますけれども、米の問題について一つの方法論として、昨年十二月二十日に提出されましたいわゆるダンケルの最終文書案、それを適用した場合にどうなるかという解釈を加えたということであって、米について関税化の受け入れを容認するとの意図に基づいたものではないというふうに承知しております。 それから、竹内先生の試算ということですけれども、その試算という御質問の趣旨が、例えばガットの十一条二項(c)のミニマムアクセスとの関連ということでの御質問であれば、御承知のとおりガットの十一条二項(c)に基づく輸入制限の要件を満たす条件の一つとして、国内生産総量に占める輸入の割合を、制限がなかりせば合理的に期待される割合に確保するといったことが書いてございまして、これがいわゆるミニマムアクセスとか合理的期待量とか言われているものでございますけれども、これまでのガットのパネルの報告書の例を見ても、これが具体的にどのくらいの量になるかということは、一概に判断することができないという状況になっております。 ただ、その比較云々ということであれば、先ほど解釈という言葉を使いましたけれども、米国がそもそも提案しておりました関税化の提案、それとダンケル・ペーパーの中に出てくる関税化の提案、その中身の比較ということで外務大臣が説明されたことはあるというふうに御理解いただければと思います。 ちょっと長くなりまして申しわけありません。
○竹内(猛)委員 ともかくこれは外務省の皆さんに申し上げても仕方がないのですけれども、これは先ほども質問をしたように、内閣の中では米を預かっているのは農林水産省だから、農林水産大臣が全部責任を持ってこれに対して始末をしていく。各省は物は言いたいけれども、それはひそかに後ろの方で大臣に言えばいいわけであって、あっちで発言こっちで発言されると閣内不統一。そこへもってきて、今度は閣僚でない者は、前句とか長官とかなんとかいうのがまた横の方から、米の自由化はやむを得ないとかなんとか言ったら、それは外部から見たら何を言っているんだ、がた、がたじゃないか、こうなってしまう。政治の信頼をますます失うことになるから、こういう大事なことについてはお互いに発言は慎んでもらうように、ひとつ大臣からくれぐれも注意をするように、これは私から要請をしたいと思います。外務省、御苦労さまでした。 そこで、私は、農業の問題に関連をして、一種の理念と哲学というものが必要だと思うのですね、これは。工業には哲学がないでしょう。いい物をたくさんつくって、売って利益を上げようというのは、これは工業の一つの論理かもしれない。農業は、やはり天候とか土とか歴史とか文化とかいうものをちゃんと持っていて、特に日本の米などはそういうものはもともと、だから、水田農業の持つ役割というものは非常に多岐にわたっている。こういうものが果たしている役割というものに対して、お互いに理解をし合うということが必要だ。 私、先ほども申し上げたように、日本の細長い国土の中では、面積が広いから所得が多いんだ、面積が狭いから所得が少ないんだという論理は、今や通らない。やはり都市近郊では面積が狭くても総合所得は多い、北海道は面積は広くても総合所得は少ない、こういうふうになっているわけでございます。地域性が非常に多いのです。それから、地域の特産物というものがやはり軸になっている。だんだんそうなってきた。だから最近は農水省の書類を見ても、地域農業というようなことを言い出した。私たちはもう前から、地域農業ということを中心として地域の特産物というようなものに依拠しながら、同時にその他のものと手を組んで、総合所得というもので、複合経営、総合所得でいけということを主張してまいりました。 そういうようなことについて、農業の持つ一つの環境を保金をしながら、同時に市民に対して安全なものをつくっていくんだ、農業の持っている消費者と生産者をつなぐものであるということについて、これはしっかりしておかなければ、何か安くて物でさえあればどこでだれがつくっても構わないんだ、こういう論理がはびこっていますね。新聞の論調なんかを見ると、常に規模を拡大して足腰の強い農業をつくって、そして海外のそれに対応していくんだ、こういうことで一点張りなんだ。そういうのは財界の論理でしょう。その論理では納得しないですね。だから、そこに物の考え方、理念の相違がある。大臣、その点についてどうですか。
○田名部国務大臣 財界なのかどうかは別として、私は、どんな努力をしてもこの内外価格差というものは、幾らかは詰まってももう同じになるとは思われないのですね。アメリカやタイやベトナムと同じようにはいかないということは、これはもうはっきりしていると思うのです。しかし、だからといって現状の日本の農業そのままでいいかというと、やはり問題があるのですね。そこはそこであらゆる可能な限りの努力をしていただく、それであとはその努力を認めてもらって、国民がどれだけの負担をしていくか。 あるいは中山間地でもそうですけれども、これはどんな努力をしたって採算の高い農業にはなりません。しかし、均衡ある国土を発展させていこう、あるいは環境をきちっと守っていくという上からはこれは必要なことですから、そこはみんなの合意で、金がかかってもいいという基準みたいなもの、それが今のところ、何か農業は保護をされて甘えているのじゃないか、これは決してそうでないんです。農家に直接補助を出しているのを見ても、我が国の場合は三千億程度、ECはたしか二兆九千億かそのぐらいだと記憶しておりますが、もう全然違うのですね。そういうことを見ても、やはり精いっぱい努力をした上で国民がこれに理解をして、そして農業というものを維持していく必要がある、私はそう思いますね。 ですから、規模を拡大してどんどん安くすればいいんだという、それはまあ話としてはそうですけれども、やはりそれはおのずから限界がある話ですから、だからといって今のままでは、何となく国民全体に理解が得られるようにいっているかというと、やはり農家自身の努力としてやらなきゃならぬ部分もありますので、そこのところは私どもも挙げて農家と一緒になって努力をしていきたい、こう考えております。
○竹内(猛)委員 今のままでいいということはだれも言っていないですね。現在を固定しようというのはこれは超保守であって、それはそうじゃない。現在を変えながら未来につながる道はないのかということをお互いに模索しているわけですから、それは大事なことですね。 そこで、全国農業会議所の檜垣徳太郎会長がこういうことを言っていますね。ある講演の中で、現在は転換の時期ではない、農業は転換じゃない、変革だ、こう言っている。変革という言葉を使われましたね。そしてその方向としては、やはり規模拡大も一つの方法でしょうし、農政のあり方についても地域の声を大事にしようということも言っておられる。農業会議というのは、何といっても農地の番人みたいなものですからね、これは非常に農業のことについては真剣に考えることは当然だと思う。そのときに、やはり私は、先ほど申し上げたように、霞が関の農政というのはずっと今までやられてきたし、霞が関にいる多くの皆さんは命がけで日本の農業を守るために努力をされてきた、これは大変敬意を表しますけれども、それが今日だんだんこういうような農業になったということは、これは農林省だけの力ではどうにもならないと思う。やはり総合的に農業というもののあり方について理解をし、それを支えていくという力がなければいけない。環境問題については環境庁があり、国土の利用については国土庁があり、建設省は河川の管理をしたり道路のことをする、あるいは通産省は工場の導入をするというような形であって、まあ大蔵省が最終的にはその予算も査定をするわけだから、それにも理解をさせなければならないという形で、お互いが農業というもののあり方について理念と哲学というものをしっかり持って、やはりこれは一億二千万の国民並びに世界の飢餓に飢えんとしている者に対して、できるだけその国の基礎的食糧というものはその国でつくっていくんだという理念を与えながら、同時に生産者がその地域に定住するという、そういうことをしていかなければいけないと思うんですね。 そういうことにするために、やはり何といってもこの官民一体の霞が関の方針と、それからあぜ道の声というものが一体になる官民一体という形で進めていかなければ、本当の血の通った農政にはならないんじゃないか。ただ補助金をやるぞ切るぞ、補助金のとおりやらなかったらけしからぬということだけではいけないと思います。だから、そのやり方についてもやはり一考を要するわけであって、何とかして、檜垣さんの言うこと全部を私は理解をしておりませんけれども、ある一部を考えると、相当な決意で話をされた、こういうふうに思っていますが、これはいかがですか。
○田名部国務大臣 私もそう思います。統計に基づいていろいろな計画を立てる、それはある程度、地方にも農政局があって県にもそれぞれ出先があって、そういうところで調べてやっているわけでありますけれども、基本的には北海道のようなところでの農業あるいは東北地方における農業、西の方、いろいろ千差万別だと思うのですね。しかも、雪の降るところもあればそうでないところもある。その地域の特徴を生かすというのはそういうことで大事だと思うし、先生おっしゃるように、官民一体となって、やはり県ぐらいがいろいろと農家の皆さんの意見を聞いて、こういう方向でいきたいというものなんかも吸い上げて一つのものをまとめてやらないと、こちらで計画を立てても向こうの方が全然乗ってこないとこれは進みません。そういう意味では、どういうふうにやると一番望ましいかという地元の意見というものを聞いて、多少大ざっぱにでもやり方が変わっていいと思うのです。その地域に合ったようにやらなければいかぬ。 今も、哲学、そういうものはきちっと持つべきだ、今度やっている勉強会の結果が新しい時代の農業の哲学としてやっていけることではないかなと私は思いますし、そのためには、学識経験者はもちろんでありますが、幅広い地方の皆さんの意見も随分聞いておるわけであります。地方視察をしていただいたり、有識者のヒアリング、あるいは村長、農業者の意見を聴取したり、有識者の意見、県の農政担当者の意見を聞いて地域の実情の把握もするというふうにずっとやってまいりました。そういう中で一応の方向づけをするわけでありますが、それにはまた皆さんの意見を伺って、一つのきちっとしたものにまとめ上げたいということで今やっております。 いずれにしても、今後とも農業者が何といってもやはり誇りと希望の持てる農業を営める、そういう環境をつくりたい。それは生産ばかりではなくて、先ほど言ったように、下水にしても道路にしても何にしても、いろいろな面で環境づくりに全力を挙げて努力をしていきたい、こう思っております。
○竹内(猛)委員 だんだん話が整理をされてくるのですが、なかなか一遍ではそれは話が交わるというわけにはいかない。何回か話をしているうちに問題が整理をされてくると思うけれども、重症な今の農業というものを実際活性化するためには、まず若い後継者が残らなくてはいけない、いい土地がなければならない、つくったものの価格が所得として農家に返ってくるという所得が明らかでなければいけない。人づくり、地域づくり、物づくり、そして経済が見える、それは農産物だけじゃなしに、他の収入も入れて見えるようにしなければ、やはり一軒の家からいってみてもなかなかやりにくい。 私は篤農家のうちを訪ねたときに、そのうちは自分の土地が二町歩、借り入れた土地が一町歩、それから受委託で十三町歩、こういう農家であります。その主人は、もう自分の時代で、子供は農業はできない、こういうふうにおっしゃる。一に自作、二に小作、三、四がなくて、五番目が受委託、こういう話をされました。よくわかるような気がしますね。だから、それを三、四も入れて、それだけの経営をやっている、機械も買った、倉庫もある、全部ある、こういう人たちが、よし子供にも農業をやらせようじゃないか、こういう気力を持つためには、どうしても霞が関とそれから県、市町村、それから地域、これが一つになった地域の声を政策化して実行していく、こういうことが非常に大事だと思う。そのための農村教育というものが本当は大事だ。 きょうは文部省を呼ぼうと思ったけれども、文部省を呼ぶまでもないが、農村の教育、人づくり。今文部省の中にも、農業協同組合などというものを教えているところはどこにもない、もう前からないんですね。農業というものの価値を教育の中で一体どのように教えているのか、これはどうですか。
○上野政府委員 学校教育における農業問題、これは文部省の所管でございまして、私どもも農業についての国民の理解を得ていただくように十分な教育をしていただきたいということは、かねがねお願いをしているわけでございます。 そのほかに、農業の後継者づくりというような観点も含めまして、農政の中での農業者教育とでもいいますか、そういうものをやっているわけでございまして、この問題につきましては、このごろの厳しい我が国の農業をめぐる環境、あるいはそうでいながら、一方で農業技術の目覚ましい進歩というようなものに対応いたしまして教育内容も徐々に高度なものにするというようなことで、大いに努力をしているところでございます。
○竹内(猛)委員 これはやはり人づくり、地域づくり、物づくり、所得づくり、この四つが一貫しないといい形は出てきませんね。ぜひそういうふうにしてください。 さてそこで、一体これからの日本の農業経営というものをどういう経営形態にしていくのかということについてお聞きしたい。アメリカはこれは大経営、企業経営。ソビエトは、失敗したけれどもコルホーズ、ソホーズ、アルテリ、これも失敗しましたね。中国は人民公社、請負制度、郷鎮企業という形で、今中国の農業はようやく都市近郊、中間地帯から息吹いてきている。私は昨年中国の農業を南北にわたって見てきたけれども、事実上なかなか中国は変わってきました。朝鮮民主主義人民共和国は共同農場ですね、その他のことについては余り触れませんが。 そこで、一体日本の農業のあり方というのは、家族経営、多角的集約農業、これはヨーロッパの形をとってもいいけれども、ヨーロッパでも経営面積からいくと、フランスは二十九ヘクタール、西ドイツが十七、イギリスでも七十もある。日本の場合には、北海道は別にして平均一ヘクタール未満、これではなかなか難しいと思いますけれども、どういう経営形態が望ましいのか。企業がいいのか家族経営がいいのか、まずそこからいかがですか。
○海野政府委員 お答え申し上げます。 まさに今御指摘のようなことで、特にこれから労働力が減り、高齢化をしていくという中で、だれが農業をこれから担っていってくれるのかということで、まさに今検討しているところでございますが、やはり家族経営というものはどうしても基本だろうというふうに私ども考えております。先ほどアメリカの企業的大経営とおっしゃいましたけれども、少なくとも私の記憶によりますと、一九七〇年を中心とするころ、特に、急にそれまで余り農業の行われてなかった南部諸州に水が行ったり、井戸をくみ上げたりというようなことで一時企業経営が盛んになるような空気があったことがございました。家族農業経営の人たちが家族農業を守れということで危機感を持った時代がございましたけれども、今どうやらまたその南部にも農業が行き渡った段階で、やはり家族経営に押されて企業経営はうまくいかないというのが実情のように思います。そういう意味で、私ども各国の今までの歴史的なことを見ましても、やはり中心になっていくものは農業については家族経営じゃないだろうかというふうに考えております。 ただ、そうは申しましても、今や特に条件不利地域を中心にいたしまして、本当に家族経営だけでやっていけないというようなところがございます。そういうところについて、家族経営に加えて地域的な広がりを持って持続的、安定的な経営が可能な多様な担い手を育成し得るように幅広く検討しておるところでございますが、あくまでも家族経営というものがやはり中心になるだろうというふうに考えております。
○竹内(猛)委員 関連をして、中核農家、中核農家ということを言いますね。中核農家をつくっていけということをよくマスコミが新聞に書いている。規模の拡大、中核農家、海外の農業に太刀打ちのできる強い農家をつくろうじゃないか、念仏みたいにちゃんとそういうことが書いてある。どの新聞もそうだ。中核農家というのは一体何ですか。
○馬場政府委員 私ども世間に中核農家という名前をつけて申します農家は、基幹的な労働力を有し農業生産の中心的な担い手となるべき農家だという性格を持つもので、統計上は基幹男子農業専従者、十六歳以上六十歳未満の男子で、年間農業就業日数が百五十日以上の者のいる農家というものを中核農家として把握しております。
○竹内(猛)委員 そういうような説明は前々からつけてあったからそれはよくわかるけれども、そういう中核農家というのが一体所得構造としてどれくらいの所得になっているのか、農家の収益はどういうものですか。
○馬場政府委員 今申しましたような統計上に把握されております中核農家、これはまず経営規模で見ますと、これは平成二年の統計でございますが、都府県では一・九二ヘクタール、北海道では十七・〇七ヘクタールというのがセンサスの結果でございます。所得につきましては、若干明確な統計がございませんので、ここでちょっと申し上げるわけにまいりませんが、今言ったような程度の規模の農家というふうに御理解いただきたいと思います。
○竹内(猛)委員 よくわからないから、後でまたこれは話をします、なかなか難しいことですからね。 そこで、先ほど自民党の方からもヨーロッパにデカップリングという話が出ています。日本ではこの言葉が珍しいというような印象が非常に強い。先般、群馬県の上野村、あの飛行機が落ちた上野村の村長さん、黒澤さんに来てもらって話を聞いた。そうしたら、社会党の方からデカップリングの話を出したら、社会党がそういうことまで考えているんですか、こういうふうに驚いたんですね。ヨーロッパでは、西ドイツでも五一%、フランスが四〇、イタリーでも五五、それからイギリス五三というように、広い面積があってもやはり条件不利地帯というものに対しては特別な扱いをしている。これだけの面積があって今言ったようなパーセントで条件不利地帯として支えていますね。日本の場合には、何か物を出すと、あれは過保護である、それは補助金の出し方が悪いのかもしれないけれども、それをやはり、まあ名目を変えろというと悪いけれども、とにかく自然を守るとか環境を保護するとか、あるいはきれいな水をつくるとか、何とかして条件不利地帯におけるところの農業を大事にする、こういう考え方を持つことができないかどうか。ヨーロッパでできていて日本でできないはずはない。どうですか、これは大臣。
○馬場政府委員 午前中石破先生の御質問にもお答えしましたように、私どももヨーロッパにおいて行われている条件不利地域対策についてはいろいろと研究をさせていただいているところでございます。ただ、この際、もう申し上げましたように、我が国にそれがなじむかどうかということになりますと、先ほども申しましたが、要するに個人に対する、しかも特定の地域で農業を営んでいるということをとらえての助成を行うということは、今までの、少なくとも私どもがやってまいりました集団とか組織とか協同とかというものを前提に行ってきた助成体系と異なるということで、行うとすれば初めての試みになるわけでございます。 それからまた、どういう形態の農業にどういう形の所得支持を行うかということになりまして、それが先ほども申しましたように、例えば減反のときに休耕に補償を行ったときにいろいろと我々批判されたわけでございますが、何もつくらないで、そこに農家が畑を持っていれば、田んぼを持っていればお金をもらえるというのはおかしいではないかというような、逆の意味の、農家の労働意欲に対してマイナスの効果が働くのじゃないかというような批判があるおそれもあるというようなこともありまして、これらの施策は当然我々検討の対象にはしておりますけれども、なおいろいろな観点から検討を要するものと思っております。 また、当然のことながら、そういう施策をとるという場合に、国民全体の合意を得ることが可能かどうかということについても十分考えなければいけないと思っております。
○竹内(猛)委員 この問題は初めに言ったように、農業が持っている社会的役割の中の無償奉仕ということから考えてみて、これをやはり論理化して、どうしてもそういう条件不利の地帯において、水だって条件不利地帯で水をつくって、その水を都市の人たちが飲んでいるんだ。そこが空っぽになっているのですから、耕作放棄をしているのですから。それから、そういうところで山をつくり、水田を耕しているから洪水や公害がまだ少ない。あれをほっといたらもっと出る。そうしたら、その被害の方が大きいでしょう。そういうことを論理化していったら、それは条件不利地帯におけるところの一定の支えをするなんということは、それほど理に合わない理屈じゃない。きょうは時間の関係から、余りそのことを言うとまたややこしくなるから、これは課題だ。これから何遍でも何遍でもこのことは繰り返して言います。 そこで、きょうは建設省と国土庁が来ているはずですが、建設省は土地をこれからまだ再利用する、土地区画整理法の改正をして何かをしようということを試みているようですが、その建設省の試みというものについてちょっとひとつ、土地をどうしようとしているのか。それから、国土庁もあわせて土地について何事かを考えているのですね。その何事かをひとつ説明してもらいたい。
○林説明員 お答えいたします。 都市計画制度の見直しを現在進めておりますけれども、これにつきましては平成三年一月二十五日に閣議決定されました総合土地政策推進要綱等に基づきまして、税制面あるいは金融面の施策とともに総合的な土地対策の一環をなすものとして進めてきておるところでございます。昨年、約一年間をかけまして都市計画中央審議会でその内容につきまして幅広く御審議をいただいてきたところでございますが、昨年十二月に同審議会から「経済社会の変化を踏まえた都市計画制度のあり方についての答申」がなされたところでございます。 現在、答申を踏まえながら具体的な見直し案を策定中ということでございますが、その答申の中で主なものを一、二御紹介いたしますと、例えば適切な住環境の保護あるいは住宅の確保を図るための用途地域の細分化といった問題、あるいは市町村が住民参加のもとに地区ごとの課題とか整備の方針を明らかにするような市町村の都市計画のマスタープランの創設といったような問題、あるいは容積率制度の活用によりまして公共施設の備わった土地の有効高度利用を誘導する誘導容積制度の創設といった問題等が提案されているところでございます。 建設省としましても、このような答申に沿った制度の見直しを行うべく、現在検討を進めているところでございます。
○伊藤説明員 お答えいたします。 良好な土地環境の形成及び土地の有効高度利用の促進を図るということと、それから地価対策にも資するという視点から、土地利用計画の整備充実というものを図ることは土地対策上重要な手段の一つとして認識しておりまして、平成二年十月二十九日の土地政策審議会答申におきましても、土地利用計画のあり方について御提言いただいたところでございます。このため、土地政策審議会の指摘を受けまして設置された土地利用計画専門委員会におきまして、現在土地利用計画のあり方について学識経験者の方々に検討をお願いしているところでございます。 この専門委員会は現在まで六回開催いたしましたけれども、土地利用計画のあり方についての学識経験者の方々の御意見を伺った段階でございまして、これから意見の集約等に入っていく段階でございます。
○竹内(猛)委員 いずれも土地に対して手を加えようという意思と意欲を持っている。土地も限られたものであるから、そのままほっておいていいということじゃありませんが、いずれにしてもきょうはその入り口で話は終わりにしますが、この土地についての重要性から考えて、やはりこれから我々も十分に関心を深めていきたいと思っています。 そこで問題は、農地法の改正という問題がこのごろ新聞によく出る。学者の話を聞いても、農地法はどうも古くてあれは手をつけなければならぬ。そこで、農地法についてどことどこをどう改正しようとしているのか、もし試みがあったらそれを出してもらいたい。
○海野政府委員 私ども、特に農地法を改正するという意図を持っているわけではございません。先ほど申しましたような、農業経営の担い手をどうやっていくのかということで、家族経営に加えでいろいろな多様な担い手を育成していくための検討の結果、必要があれば改正はもちろんすることになります。ただ、新聞等で盛んにはやし立てられておりますような、一般企業が農地を取得して農業を行うというようなことは、昨年九月に近藤前大臣が当委員会で御答弁申し上げましたように、そのようなことは認めるつもりはございません。
○竹内(猛)委員 注意をしておきますけれども、株式会社が農地を持ちたいという意欲を盛んに持ってあちこち動いているね。株式会社に農地を持たせるなんということは絶対やらしてはいけない。どんなことがあっても、農地はやはり耕す者が持つことが大前提であって、賃貸借はまあいいでしょう、それから農業法人なんというのは。少なくとも株式会社なんというものは土地を持ち出したら何をするかわからない。 それについては大臣、どうですか。
○田名部国務大臣 私がひところ、農業経営を企業的感覚、こういうことを申し上げまして、何かその次の日、株式会社に農業をやらすというふうに書かれたことがありますけれども、言っている意味は決してそういうことではなくて、担い手の人たちも、今両親がやっていることをそのまま踏襲するのでは経営を喜んでやりたいという意欲がなかなか出てこない。それはなぜかというと、農業というのはもうからない、苦労が多い割にはさっぱりどうも嫌だという気持ちがあるだろうと思うのですね。若い人たちは、我々でもそうですが、私たちの子供でももう何かテレビに向かっていろいろな機械で遊んでいますしね。もう時代がそういうふうになっていますから、パソコンやファクシミリやコンピューターを導入した新しい農業経営ということになると、少しは喜んで一生懸命やろうという気になるでしょうけれども、ただ朝起きて田んぼへ行って田植えをして稲刈りをしてということでは何とも魅力がないのではないだろうか。そこで、そうなると若い人たちはそういう面では近代的な感覚、経営も相当教育も受けておりますから、これは私の親戚を見ておって申し上げるので、ほかの方はどうかわかりませんが、そうして見ておりますと、やはり帳簿もきちっとつけて、交際費がどのぐらいかかっているとか革は多過ぎるとか、油代がかかっている、これは詰めようとか、機械は買ったらだめだ、借りてこようとか、そういう企業的感覚という、あるいは経営管理というものを、どの程度規模を、何人でやったらもうかるかという計算をした上で農業というものに取り組んでいったら意欲が出てくるであろう。 ところが、残念ながら、じゃ、今そこまでやれるかというと、一挙にいきません。農林中金なんかでは経営診断をしてくれまして、私はこれだけの規模の水田と畑をやりたいがどうなるかと言うと、全部今積算してくれるんです。それで、二人でやる場合にはこれだけの収入が上がってこれだけの経費がかかって幾らもうかります、あるいは、これじゃもうかりませんからあとこのぐらいの規模にしてください、こういう診断をしてくれておるんですね。ですから、せめて農協が営農指導、そういうことができてやるとか何かして育てていただかないと、若い人たちが機械を使うところまでいってないという意味で、家族経営というのは主体だといいますけれども、今の家族単位では、今度は子供が女ばっかりで後継ぎがいないとか、いろいろあります。ありますから、幾らがその辺をまとまって、そして水田、畑をやる人、あるいはとれた農産物で加工する工場をやる人、あるいは機械をリースあるいは受委託を専門にやる若い人たちというふうに、いろんなふうに分担をしながら一つの目標に向かって努力する。何といっても人間の欲望が満たされることがないと、何かどこかに抑えられて、幾ら働いても幾らというのでは、やはり努力したらいいよということでないと私はいかぬと思って申し上げたことが、何か株式会社、まあそれは会社だとそういうものはぴしっとやるからうまくいくかもしれません。 もし、それにしても、今先生おっしゃるように、土地を何かに利用するとかなんとかということはあってはならぬことでありますから、まあまあ、やるということではなくて、どんな方向なら農家と一緒になって新しい何かそういうものをつくってやった場合にはどうか。土地は農家が持つ、しかし会社ももうけたいと思って参加していくということが、養鶏とか養豚の世界では大分もう高度化していますから、農家の人も一緒になってやればうまくいくのかな。まあまあ、それは確定している話ではなくて、いろんなことで申し上げたことがそういうふうに話になっているということで、決してそういうことで申し上げたのではないということは御理解いただきたいと思います。 〔委員長退席、岩村委員長代理着席〕
○竹内(猛)委員 もう時間が来たから、最後に二つ伺いたいんですが、食糧庁長官にどうしてもこれは尋ねておかないとしょうがない。 きょうの日本農業新聞を見ても、それから日本経済新聞を見ても、富山の川崎商店が、昨年来自分が食管法違反をしているんだけれどもひとつもこれを告発もしないし何もしない、こういうようなことを言ってうそぶいている。ところが、実際末端でまじめに農業経営をしている人から見れば、やっぱり食管法を守ってもらいたいが、あれを何とかしなければいけないんじゃないかということを言うし、それからそれに直接携わっている人たちは、やっぱり自分たちの仕事がどうもこれはもうなくなってきちゃったのかなという、意欲をそぐようなことがある。両方とも非常に困ったことだと思うのですね。そこへ持ってきて価格形成の場というのができて、経済連、全農などが関連をして価格のつり上げをしたり引き下げをしたりするようなことでよろしくないということがテレビで放送されるというようなことになると、ますます大事な食管法が非常に有名無実になってしまっては困る。 昭和十七年二月二十一日にできた食管法、ちょうど五十歳ちょっと超しましたね。そういう大事な食管法というものは外国に対しては一つの国境、隔離をしていて、それがあるために、先ほど一粒たりともという話も出たが、米が入ってこない。国内においてはやはりもう少し検討をして国内においていろいろ話し合いをしていく余地はあるんじゃないのかなという形で、国内的の食管法のあり方についてやっぱり少し動いてほしいなという感じがいたします。まず食糧庁長官のお答えをいただきたい。
○京谷政府委員 ただいま先生から御指摘のあった問題を含めまして、米のいわば不正規流通問題が昨年の夏以来相次いで露見をしておりまして、私どももその処理に追われておるという状況でございます。 御指摘の案件につきましては、私ども事実関係を調査してきておりまして、処分権限を持っております関係の都府県のお力もかりながら、事実関係に即して、この不正規流通に関与した許可業者に対する行政措置を現在順次進めておるところでございます。全部完了はしておりませんけれども。 それからまた、御指摘の不許可業者に対する対応でございますけれども、とりあえず私どもとしては、この不正規流通に関与している許可業者に対する措置を厳正に行うということを当面進めておりまして、不許可業者そのものに対する措置につきましては、行政措置の進捗状況を見て、その上で関係当局とも相談をしながら方針を固めていきたいというふうに思っております。 いずれにしましても、私ども米の需給をめぐる諸般の情勢を踏まえながら、米の価格形成なり流通について一定の範囲で競争原理あるいは市場原則を導入するという試みを今進めておるところでございます。そういった中で起こってきているこういう事態、大変広範な機能を果たしております食糧管理制度に対する不信を惹起するもとになりかねない問題であるということで、大変重大な懸念を持っておるところでございますが、御指摘の問題も含めて、不正規流通の是正に引き続き努力をしてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○竹内(猛)委員 時間が来たけれども、後の目黒さんにちょっと了解をいただいて、もう一点だけ質問をします。というのは、リゾートの問題でやっぱり質問しなくちゃいけない。 リゾート法ができて五年たちましたかね。あのときにはそのリゾート法ができれば山間僻地は非常に潤ってこれはいいことだということで、お互いに一つの希望を持って出発をしたはずですね。ところが、五年たった今日のそれを見ると、最近三十三ぐらいの道府県を調査をしたらしいですが、四つが大体まともに動いていて、あとはほとんど問題を残してしまった。一番先にやった三重県などというのは、宮崎県もそうですね、およそぐあいが悪い、こういうことになって、山村僻地までが資本にだまされ、荒らされているというこの実態を黙っているわけにはいかない。何としてもこのリゾート法というものを見直しをする必要がある。国土庁、これはどうですか。
○斉藤説明員 御指摘のように、リゾート法が施行されて五年たちました。この法律が制定されました背景には、余暇時間の増大等に伴う環境の整備、それから地域の活性化と二つの問題があったわけでございます。その後、六十三年七月に最初の基本構想を承認しまして、まだ日が浅いこともありまして、全体としてリゾート地域の整備は緒についたところでございます。 全国各地で構想の具体化に向けて整備が進められております。その中で、ただいま御指摘のように計画の内容等について予定どおり進んでいないものもあるわけでございますが、私どもは現時点では、法の趣旨に従いまして、自然環境の保全との調和に十分配慮しつつ、それぞれの地域の特性を生かしながら国民だれもが利用できる総合的な機能を備えた魅力あるリゾート地域の整備を着実に進めることが重要であると考えております。特に自然環境の保全等の関係につきまして、あるいは長期的な観点に立った着実な地域づくりという観点もありますので、昨年の十一月に各都道府県の課長会議を開いて、着実な地域づくりの一環として地道に努力を積み上げるよう要請したところでございます。 今後も法の趣旨に沿いまして、より適正な運用がなされるよう努めてまいりたいと考えております。
○竹内(猛)委員 これで終わります。
○岩村委員長代理 目黒吉之助君。
○目黒委員 これまでの同僚議員の質問の補充的な質問を含めまして、手短にお伺いをしていきたいと思います。余り時間もありませんので、ひとつ端的にお答えを願いたい、こう思います。 最初に、ガット農業交渉の問題であります。これも辻先生の補充みたいな形になりますけれども、大臣にお伺いします。 いわゆる国別保護削減表、オファーリストの提出期限が三月一日になっているということで、米それからでん粉、乳製品等についての態度の決定はやはりもう時間的な余裕がない。新聞の伝えるところによりますと、きょう何か農水大臣と外務大臣、それから総理大臣を中心にして決定をされるということが伝えられております。きょうこれからオファーリストについて御決定をなさるのでございましょうか。
○田名部国務大臣 きょう決定するかどうか、お会いしてみないとどういうことになるかわかりませんが、いずれにしてもこの委員会終了後、総理、外務大臣とお会いするということになっております。まあ話の内容は、お会いしないとお互いどういう話し合いをするかわかりませんが、私の方は、この国別約束表というようなものを三月一日までに出すということになっておりますが、これによって個別交渉を、それから開始をするということであります。 私どもとしては、ダンケル合意案については包括的関税化等いろいろな問題がありますので、きょうのお話でもこれを修正をしたい。あるいはこのダンケル合意案の農業部分についての修正を今求めると同時に、これを踏まえて国別の約束表を作成する必要がある、こう考えておりますので、その具体的な方針というのは、どうもこの前から情報をずっととってもらっておりますが、各国とも相当いろいろな考え方があります。ありますので、いずれにしても前々から申し上げておりますように、基本的な方針のもとに食糧輸入国としての立場が確保されるように最大限の努力をする、こういうことをたびたび申し上げておりますので、まあ話し合いの中では当然私の従来の方針を申し上げることになる、こういうことになろうと思います。
○目黒委員 後段のお話につきましては、今までも何遍も繰り返してお聞きをいたしておりますからそのとおりに理解をいたしております。 ただ、前段のきょう話し合いをされるということについて、やはり外務省は各国の意向などを踏まえてそれなりに御意見もあることは容易に想像できますけれども、先ほど来お話がありますように、やはり米の管理については田名部農林大臣が最高責任者であるわけでありますので、やはり大臣が主導的に、今まで当委員会あるいは本会議それから予算委員会でも、もっと言いますれば、既に何回か指摘されておりますように、国会決議等を踏まえていただいて、包括関税化は受け入れられない。今までのお話ですと、ダンケル最終案について修正を求めていく。その立場でオファーリストについては、米について白紙、でん粉それから乳製品も対象になろうと思っております。今までずっと大臣の説明をお聞きして、私の方はそういうふうに理解をしてきたわけですので、そこはやはり貫徹をしていただきませんと、これまでの一連のやりとりや日本政府の決意というのがいかにも弱々しいといいますか非常に弱い決定であるかのような印象を与えていくのじゃないだろうかというふうに思うわけですね。ぜひこの点は最高責任者として貫き通していただく必要がある、こう強く期待もし要請もしたいのです。どうもいろいろな話があると言われると、ちょっと待ってくださいということになる。この辺はどうなんでしょうか。
○田名部国務大臣 基本的には全く変わっておりません。それできょうはやります。相手がどういう話できょうの会合をやろうというのか、多分どういうものを出すかということでこの会談をすると思うのでありますが、行われれば、当然今まで申し上げてきたこと、これをきちっと私は主張してやりたい、こう思っております。
○目黒委員 今相手とおっしゃいましたが、私はちょっと勘違いしておりましたけれども、各国がこれから出すわけですね。したがって、それぞれ各国の意向もあろうから、日本の態度は決まっておるけれども、それにどう対応していくかという問題が残っているというふうに理解をしたのですが、大臣のおっしゃるのは総理なり外務大臣なりが別のことを言うかもしれないという、そういう心配でしょうか。
○田名部国務大臣 恐らくそのことでの会合であろうと思っておりますから、それはいつも申し上げているとおり私は主張してまいります。 ただ、出す案というものは、三月一日ですね、そこへ今度は行きますと、各国はどうかというと、いろいろと自分の国の都合のいいようにばかり案をつくっていますから、これもまた日本は従来の方針できちっとしたものを出す、こういうことでありますから、そこからいろいろと話し合いは行われるであろう。ですから、そういう従来の基本方針は一歩も後退しているものではない、そういうふうに考えていただいて結構だと思います。
○目黒委員 これまで、少なくとも閣内不統一のようなぶざまなことは絶対にないようにという強い御注文もあったわけでありまして、オファーリスト提出に当たって、大臣が所管大臣である立場でぜひひとつリードするという姿勢を堅持していただきたい。このことを強く要望しておきたいと思います。 次に、先ほど三江平原のお話がございまして、この点について二点について念を押させていただきたい、こう思います。 私ども、昨年十月に三江平原の調査を行いました。お話にありましたように、三江平原は将来の極東アジアの穀倉地帯になるであろう、日本も大きくかかわることになるという想定でお話もございましたが、調査をしてまいったわけであります。 調査の目的は二つございまして、一つは、日本国際協力事業団、JICAが一九八一年から八三年まで四次にわたる三江平原開発調査を行いまして、竜頭橋モデル地区開発について大規模な現地調査を行ったわけであります。あれから八年を経過しているにもかかわらず、竜頭橋ダムの事業化がされていないものですから、一体原因は何であるかということを探り、今後の対応策を見出していきたいというのが一つであります。 この点につきましては、先ほど来お話がありましたように、私どもが調査に参る何カ月か前に、地元の黒竜江省から北京政府に対していわゆる建議書が上がりまして、そして水利部ではこれを認めて国家計画委員会に上がっておった段階であります。国家計画委員会とのやりとりの中では、近いうちに結論を出す。そこで要望されましたことは、できれば竜頭橋地区開発について八千百億円のODA資金の別枠にしてもらえないかという強い要望があったわけでありますが、これはいろいろな周囲の状況からして少し無理なんじゃないかという認識を持ってまいったところであります。 その後、いわゆる第三次借款について、見直し時期に一定の余剰が出た場合これを振り向けることができないかというような案、さらにはまた、第四次にはどうしても入れてもらいたいというような案、それぞれ出てまいったわけであります。今申し上げましたいわゆる見直し時期あるいはまた第四次に入れる、こういったことで要請があった場合、日本政府としてこれに対応していく決意を持っておられるのかどうか、この点が第一点であります。 第二点目は、国際協力事業団が一九八五年から黒竜江省に設置をした総合農業試験場の研究援助期間が切れることになりまして、その後の活動はどうなるのか、ここを探るために調査に参ったわけでございます。期限は切れますけれども、中国側はこれまでの協力事業、試験研究事業を大変高く評価しておりまして、今後は研究成果を、モデル地区を設定して普及していきたい、こういう強い要望を持っておりました。これに対して日本政府は一体どう考えておられるのか。この点についても伺っておきたいと思います。 また、一方でこの研究機関、施設を、全国の大学の研究施設として国家科学委員会の所管にして存続していきたいといった意向もあるわけでありますが、こういった要請があった場合、どのように対応されるおつもりでありますか。この二点についてだけお伺いをしておきたいと思います。
○内藤説明員 お答え申し上げます。 最初の開発計画の円借案件でございますが、これにつきましてはまず中国側の内部での検討の結果を待ちまして、私どもに具体的な要請が出た時点で検討させていただくというつもりでおります。 それから、三江平原の中で我々が技術協力をしているプロジェクトがございます。これにつきましては、既に七年ほどの実績を経ておりまして、来年には一応の終了を予定しているわけでございます。 もちろん、それに先立ちましてこの成果を評価するという段取りがございますので、その評価を待った上でさらにその次のことについては検討してまいりたいと思っております。
○目黒委員 ちょっと時間がなくなりましたので、まとめてお伺いをしておきたいと思います。 一つは、あらかじめ通告してございますように、食料、農業、農村政策の検討が大詰めを迎えておるということで、第九回の検討会で課題のほぼ全般にわたって討議が行われてきたようでございます。大臣の所信表明では、この春に一定の方向づけをしたい、こういう所信が表明されました。これは今まで議論がありましたように、極めて重要なことである、このように受けとめております。 そこで、方向づけが出た場合にこれからの取り扱いは一体どうなるのか。普通ですと、結論、方向づけが出て農政審議会に答申されて、その後、制度化するなりあるいは法制化するなりという作業が待っているわけでありますが、この後の取り扱いについて若干お伺いをしたいと思います。私は、これは紛れもなく、現在の農業基本法は廃止をして、新しい日本の農業憲法、農業基本法になり得るものである、このように理解をしておるわけでありますが、取り扱いの方向についてどのような認識を持っておられるのか、お伺いしておきたいと思います。
○馬場政府委員 先ほど申しましたように、私ども省内に本部を設置していろいろと検討しているところでございますが、そこにおいて論点の整理とある程度の方向づけをしました後、今先生がおっしゃいますように、正式に政策として取り上げるということになれば、農政審議会あるいは物によりましてはそのほかの審議会もございますが、そういうところへまたお諮りをしていく。その上で、例えば制度改正を行う必要がある、法的な手当てをする必要があるという方向がそこで認められることになれば、それからその法改正を行うということになると思います。 したがいまして、まだ検討の段階でございますので、御指摘のような農業基本法そのものに直接かかわるかどうか、あるいは個別の制度にかかわるかどうかという点は、まだ申し上げられる段階ではございません。
○目黒委員 どうもおかしいですね。それはあなた方の手続の関係で申し上げられないという、どうもそのように聞こえてならないのです。 と申しますのは、昭和三十六年の農基法というのは、あらゆる面で現場との乖離が甚だしくなっているわけですね。これはもうたびたび指摘がありますから、私から多くを申し上げませんけれども、農業基本法の目的あるいはまた農業基本法が達成しようとした幾つかの課題というものについては、一つ一つ検証してみましても現状と全く合ってないんですよね。したがって、物によっては農政を進展させていく上で私は障害になっているんじゃないかという部分もあると思うのですよ。例えば、この選択的拡大にしましてもあるいは中核農家育成にいたしましても、もはや農基法が求めようとした事態とはおよそかけ離れていて、もう見えないのですよね。したがって、これはもう一日も早く新しい体制を築かなければ、日本農業の再建などできっこないわけです。そういう意味で、そういう認識に立っていろいろと手順を進めるに当たって、周囲の状況などもあろうかと思うのですけれども、私はやはり一日も早くこれは実現をしていかなきゃならない課題、こういう認識でなければならないと思うのですね。 一々申し上げませんけれども、今日的な社会経済の中で、農業、農村の位置づけの問題にいたしましても、あるいはまたこの地球環境の保全に役立つ農業にいたしましても、あるいはまた先ほど来いろいろな議論のございましたこの新しい課題としての環境保全に役立つ農業にいたしましても、すべての課題が新しい課題です。こういったものは、現行農基法体制の中でやろうったって本来無理なんですね。したがって、これらを取り込むことのできる体制というものをしっかりつくっておかなきゃならない。そういう意味で、どうも少し憶病になっておられるんじゃないかと思うのです。先ほど、こういった観点に立って検討されたことについて、一つ一つ制度のあり方あるいはまた制度の新設等々は、施策の展開に当たって必ずやはり要ることなんですから、そういう立場に立ってやらなければ、まさに出たとこ勝負で、そして何の評価もなく、あるいはまた新しい展開もなく終わっていくことになってしまうんじゃないかという点で、非常に実は心配しておるわけですね。この点はどう認識をしておられますか。余り時間もありませんので、ひとつ手短にお答え願いたいと思います。
○馬場政府委員 仰せられましたとおり、基本法が現在の時点に合うか合わないかというところは我々の検討の出発点でございます。ただ、これは先生も御承知のとおり、農業基本法ができまして、それに基づきまして、例えば価格政策については畜産物価格安定制度あるいは加工原料乳の不足払い制度、それから選択的拡大という意味では、果樹農業振興特別措置法とか甘味資源特別措置法とか、諸制度が農業基本法を基盤にずっとできてきておるわけでございます。したがいまして、単に農業基本法自身が現代に合わないからといってこれを廃止する、改正するということを簡単には申せないわけでございまして、それに基づく諸政策体系をどうするかということも含めて検討しなければならぬ問題でございますから、そういうふうに申し上げたわけでございます。
○目黒委員 私の申し上げたことをひとつ十分に、またこれからも取り上げますけれども、御認識された上で、一日も早い新しい事態に対応することのできる体制というものはつくってほしい、このことを強く要望しておきたいと思います。 次に、農業を通じたいわゆる国際貢献について、大臣にひとつ伺っておきたいと思います。 この問題は、どうも大臣は予算委員会ででしょうか、日本はこれだけたくさんの食糧を外国から買っておるので、そういう意味でもかなりの国際貢献をしているのじゃないかといった認識を持っておられるようでありますが、これまでの国際貢献策ということになってまいりますと、いわゆるODAを通じた開発援助あるいはまた地球環境に対する協力等々たくさんあるわけでありますが、私は、やはり日本農業が一体どうやったならば国際貢献ができるかという観点での国際貢献策というものももう少し追求をしていかなければならないのじゃないか、このように思います。 大臣も御案内と思いますが、FAOの第二十三回総会で採択をされました世界食糧安全保障の取り決めの中に大変明確になっておるわけでありますが、望ましい水準の食糧生産の達成あるいはまた食糧供給の安定化の向上、必要とする人々への食糧の供給、こういった中で先進国政府は食糧生産、備蓄、輸入、政策決定について世界全体の利益を考慮すべきであって、特に、最も弱い開発途上国の食糧供給を困難にさせるようなことをしてはならない、こういうことをはっきり宣言をしておるわけであります。 そういう点でいいますと、日本が三千三百万トンもの穀物を輸入をしておるということ自体がこういった国に対する食糧供給をむしろ逼迫させているのじゃないか、あるいはまた価格をつり上げているのじゃないか、多く指摘されているところでありますが、こういった面でのいわば国際貢献といったようなものについてもう少しやはり目を見開いていかなければならない、このように感ずるわけでありますが、この点についてはどのように認識をしておられますか、お伺いをしておきたいと思います。 きょうは外務省もちょっと来てもらっておるわけでありますが、外務省もODAを通じてその窓口になって農業関係についての国際貢献と申しますか、しておるわけでありますけれども、こういった問題についてもこれからはやはり取り上げていかなければならない課題というふうに思っておるわけでありますが、どう認識されておりますか、こういった点についてもお伺いをしておきたいと思います。 ついででありますが、ODAの関係でいいますと、やはり農業分野の国際協力といったようなものがますます重要になってくる、こんなふうに思っております。新年度予算でも新しくこういったものに対応する調査費などもついておるようでありますが、やはり日本のODAに取り組む体制がこれでいいのかという疑問もあるわけでありますが、いわゆる外務省、通産省、大蔵省、企画庁、それで農林省と建設省は実働部隊、こういう形になっておるわけでありますが、この点について大臣は一体どのようにお考えになっておりますのか、あわせてお伺いをしたいと思います。
○田名部国務大臣 平成四年度の農林水産予算は、御案内のように社会資本の整備でありますとかいろんなことを計上しておりますが、特に今御指摘の国際貢献、この分野におきましても、他の政策と並んで農林水産省が重要な役割を果たすべきだと認識しておるわけであります。 具体的には、国際貢献につきましては、多様化、高度化するニーズに対応した農林水産分野、国際協力の推進、環境対策はもちろん熱帯林の保全でありますとか砂漠化、いろんなことをいたしております。特にこの中の私どもの農林水産業の協力は、食糧不足問題への貢献、発展途上国の自立的な経済発展に対する支援、熱帯林の減少や、砂漠化の進行等の地球規模での環境問題の対応等、理念として実施しておるわけであります。 また、一九八九年の農林水産分野におけるODAは、アメリカに次いで世界第二位となっておるわけであります。私どもの省としては、今後とも発展途上国の農業、農村事情、政策の方向等十分に見きわめ、多様化、高度化するニーズに即応する農林水産業協力を推進してまいる所存であります。
○内藤説明員 外務省の方からお答え申し上げます。 私どもも開発途上国の貧困を軽減する際に、食糧増産、農村の開発、この点につきましては重点を置いて従来からやってきております。かつ、食糧を供給するだけではなく農村が自力で食糧を増産するというためには、総合的、有機的な協力、ただの円借でかんがい施設をつくるだけではなく技術協力、無償の機材供与、そういったものを組み合わせて協力するように努めているところでございます。 なかんずく稲作は我が国の伝統的な分野でございますから、この点は技術を含めてアジア諸国にも実績を誇っております。ちなみにインドネシアにおきましては、総合的な協力の結果、稲作の自給をほぼ達成したという報告も受けでございます。 さらに、国際的には世界食糧計画が食糧分野の唯一の国際機関として活躍しておりますが、そこにも毎年約四十五億円ほどの拠出を行っておるところでございます。
○目黒委員 時間が参りました。通告した大部分を残してしまいましたが、終わりたいと思います。
○岩村委員長代理 藤原房雄君。
○藤原委員 昨日大臣から所信の表明がございまして、その所信に基づきます具体的といいますか、それらの何点かにつきましてさらに一歩進めた形で御質問を申し上げたい、こう思う次第であります。 新しい平成四年度の予算が編成されまして、大臣も初めての予算、そしてまたこの予算の審議が今行われているわけであります。そういう中にございまして、それぞれに、また最近は国際情勢、内外ともに非常に大きな転換点を迎えておりまして、特に農林漁業につきましても大きな変革期にある、こういうことを踏まえまして昨日の大臣の所信表明がございました。それらのことも踏まえまして、数点についてお伺いをする次第であります。 〔岩村委員長代理退席、杉浦委員長代理 着席〕 最初に、対外的な問題といたしましてガット・ウルグアイ・ラウンドの問題についてお聞きをしたいと思いますが、昨日の大臣の所信表明の中にも「ガット・ウルグアイ・ラウンドにおける農業交渉につきましては、昨年十二月にダンケル・ガット事務局長より合意文書案が提示されたところでありますが、その農業部分については、食糧安全保障や生産調整への配慮が十分なされず、すべての非関税措置を関税に置きかえるとの考え方が提示されていることなど、多くの問題を含むものであります。我が国としては、このような問題点につき今後の交渉において所要の修正を求めていくとともに、従来からの基本方針を踏まえ、世界最大の農産物純輸入国としての我が国の立場が交渉結果に適切に反映されるように努め、我が国農業の健全な発展を図る上で遺憾なきよう、最大限の努力を傾注してまいります。」このような大臣のお話がございました。 午前中から同僚委員からもお話がございましたが、このガット・ウルグアイ・ラウンドは一九八六年からいろいろな経緯を踏まえてきておるわけでありますが、いよいよ昨年の十二月に合意文書案が示されたわけであります。当委員会も久しぶりに開かれたわけでございますので、昨年の暮れから今年にかけまして、年の初めに一度委員会がございましたが、新聞にはいろいろなことが、農林省の見解といいますか考え方等報じられておりますが、委員会ではっきり大臣の口から、また事務当局からお聞きするのは、確認をしておかなければならない、そういう面でお聞きをする次第であります。 この大臣の所信表明にもございますけれども、所要の修正を求めていくという修正要求、これも新聞等にもいろいろ出ております。最終合意に対しまして、一つは例外なき関税化の撤回、二つ目には市場アクセスと輸出補助金の削減率の均衡、三つ目には国内補償の削減対象外政策の拡大、四つには輸出補助金に関する例外措置、この四つの項目を柱として修正要求するんだ、こんなことが新聞に出ておるわけでありますが、この修正要求問題の中身のことについてちょっと御説明をいただきたいと思います。
○川合政府委員 ダンケル提案は、先生御承知のとおり非常に大部なものでございますので、細かい点につきましてはいろいろと問題意識を持っておる点もございますが、主要な修正項目として私どもが今考えておりますのは、今お触れいただきました包括的関税化の問題、これは基礎的食糧及びガット十一条二項(c)についてでございます。それから基準年、削減率、これは今お触れになりました市場アクセス問題と輸出競争の間のアンバランスの問題でございます。それからもう一つ、青の政策の基準といたしまして所得政策あるいは構造政策などの要件が厳しいという点は私どもも問題意識を持っております。さらに輸出補助金につきまして、既に輸出補助金を出している国についてある意味では既得権的な扱いがなされているというような点が主要な修正項目ではないかというふうに私どもは考えております。
○藤原委員 この修正要求は考え方はわかりましたが、それをガットの場に提出するといいますか、今後の手続的にはどういうことになりますか。
○川合政府委員 一つは、まず交渉に参加している各国につきまして、この主要修正項目について理解を求めることが必要ではないかということで、これにつきましてはさきに担当官を派遣して主要国に日本の立場を説明いたしております。 今後は、交渉の道筋が御承知のように第一トラックあるいは第四トラックというようなものがございますので、その場を通じてこの主張点を明確に言っていくということになろうかと思います。 とりあえずは国別表などの提出に際しまして、日本の立場としてこの修正点を明らかにしていくということになろうかと思っております。
○藤原委員 次は、三月一日に保護削減計画の国別表を提出することになるわけでありますが、これも新聞報道によりますと、いろいろ準備が進んでおるとかいろいろなことが報じられております。そしてまた、本日、国としてもその態度を決めるようなことが報じられておるわけでありますが、きょう、先ほど同僚委員の質問に、話し合ってみなければわからぬような、大臣お話ししておりましたが、保護の削減計画表、オファーをまとめるに当たりまして、きょうお決めになるのか、そしてまた、提出する三月一日以降、これは内容的にはいろいろ新聞に報じられておりますけれども、農林省としましては、少なくとも考えておりますこの内容はどういうことなのか、具体的にはきょう閣議ですか、関係大臣とのお話し合いの中で決まることだろうと思いますが、少なくとも農林大臣としてのお考えというものをまずお聞きしておきたいと思います。
○田名部国務大臣 具体的に細かい、細部の話になるのか、大きなところの話なのかというのは、事前にわかっているわけではありませんから、きょうお会いしてみないとわかりませんけれども、いずれにしても、今経済局長お話しになりましたように、私どもは従来から、基礎的食糧あるいは国内で生産調整を行っている農産物については、安定供給、生産制限の実効性を確保する観点から、いずれも量的な管理が必要であり、包括関税化は受け入れられないという立場を私がもう何回も申し上げておるとおりでありまして、きょうの会談でどういうものが話になるかわかりませんが、そのことであれば、明確に従来の基本方針どおり、この基本方針を貫いてまいりたい、こう思っております。
○藤原委員 米、それから乳製品、でん粉、これは十二品目のときにクロということでありましたが、我が国はこれは受け入れられないということでありました。雑豆は灰色ということで、これらのことにつきましての関税化、これはまあ大臣も一貫して主張しておりますが、しかし閣僚の主要な方々からいろいろ御発言があるものですから、そこらあたりのことについては、きょうのお話、どういう形に進むのかということは私どもも非常に関心を持っておるところでありますし、私ども公明党も、やはりそういう関税化に押し切られるということになりますと、関税率が下がればもう完全自由化と同じになる、そういうことから、関税化を防ぐためにはどうしても、現在あります十一条二項の(c)ということでのミニマムアクセスのところで話し合いがつけばという思いがあって今日までも主張し続けてきたところであります。 こういうことからしまして、いよいよ昨年の十二月に例外なき関税化という形での取りまとめが出たわけで、これに対しましては断固として臨んでいかなければならないと思いますし、今大臣から何度も、同僚委員を初め御答弁ありましたが、その姿勢でひとつ臨んでいただきたいし、また、そうでなければ日本の農業というのは大変なことになるという思いを込めてお尋ねをいたしているところであります。 これからどういうふうに推移するか、各国にそれぞれいろいろな問題があって、これがガットの場でもいろいろ進められてきたわけでありますが、今時に私ども関心を持っておりますのは、アメリカとECの交渉が非常に難航しているといいますか、非常に困難な状況にある、こういうことから報道が、ダンケル事務局長が主張いたしております三月二十日まで、四月の十九日ですね、イースターまでには終局したいということを述べておりましたが、最近のアメリカの選挙情勢のことやアメリカ・ECの交渉、いろんな国際情勢といいますか、それらの関係国のことから、まとまるというのは非常に難しいのじゃないかということが報じられておりますが、農林省としましては最近のこういう情勢等を踏まえて、どういう御判断をしていらっしゃるのか。まあ交渉事ですから最大の布陣をしいて対応するというのは当然のことでありますけれども、また、こういう場でどこまで御答弁できるかわかりませんが、いずれにしましても最近の、年が明けましていよいよまた大統領選が動き出すというこういう状況の中で、国内状況等いろんな情勢のある中で農林省としてはこの今後の見通しをどう把握していらっしゃるのか、まずその辺ちょっとお伺いをしておきたいと思うのです。
○川合政府委員 各国のダンケル合意案に対します考え方につきましては、例えばアメリカのように、政府はこれをもとに推進すべきというような意見を持ちながら、農業界あるいはそれ以外の業界にも異論があるというようなところ、それからECは御承知のように修正を要すべき点があるということを明確にコミュニケで出しておりますし、カナダにつきましても十一条二項(c)について修正を要するというようなことを言っておりまして、各国それぞれ、今御指摘のようにこのダンケル案について意見を持っているわけでございます。 したがいまして、例えば三月一日の国別表につきましてもそれぞれの各国の立場を踏まえて提出するのではないかというふうに、まあ憶測といいますか推測があるわけでございますけれども、さてこの三月一日に出されてからスタートして、個々にあるいは複数での交渉が始まろうかと思いますけれども、今の段階で、私どもこの今後の交渉がどういうふうに進んでいくかということにつきましては、いろいろな情報を集めておりますが、不透明というふうに言わざるを得ないというような状況ではないかと思っております。
○藤原委員 大臣、今局長からお話ございましたけれども、どういう形でいつ出すかというのは、今後の交渉のタイミングというのは、非常にタイムリーな提出時期といいますか、これが非常に大事なことだと思います。修正等については日本の主張といいますか、カナダ、ECお互いに同調する面もあって、いろんな話し合いはしていると思いますが、このオファーの提出というのはやっぱり全体の動きを見ながら、そしてやっぱりタイムリーにしなければいかぬだろう、こんなふうに思うわけでありますけれども、大臣としましては、この提出時期とか今後のあり方等どういうふうにお考えになっていらっしゃるか。一言だけお伺いをしておきます。
○田名部国務大臣 もう基本的に受け入れられないというものははっきりしておりますから、あとの分については各国の状況、そういうものを判断しながらやっていかざるを得ないのではないだろうか。まあまだ若干日にちもありますので、そういう戦略、戦術的なものは十分詰めて、さらにECの情報、カナダの情報、それぞれ日本とかつて一緒に、部分によっては反対をしてきたそういう国々の情報をよく見きわめながら日本の対応というものを決めていかなければならぬ。ですから、何回も言うようですが、基本的に受け入れられないというものはもう明確になっておりますから、それ以外のことについては各国の情報をよくとって、そのときそのときに対応していかなきゃならぬ、そんな問題だろうと思っております。
○藤原委員 このガットの経緯をずっと見ますと、一九八六年ですか、当時からもう六年を経過するわけでありますが、当時、穀物の過剰ぎみな八〇年代後半、輸出補助金競争とか、そのための財政赤字とか、そのための赤字解消策、こんな農業政策に対する、過保護に対する討議とか、この時代背景にはこういうものがあったと思うのであります。しかし、少なくとも九〇年代、今日に至りますと、この当時とは情勢が非常に変わってまいりました。ガットの交渉とガットの理念ということとは別な話になるのかもしれませんけれども、一つの流れの中で考えてみますと、しかも最近は人口の着実な増大とともに地球規模で気象変動ということが言われているわけであります。そういうことからしまして、FAOあたりでもいろいろな試算がなされているようでございますけれども、私はこういう問題につきまして、交渉の方の問題、今後の結論がどうなるかということとは別の話なのかもしれませんけれども、これは別な観点から考えてみなければならない、そんな思いがしてならないわけであります。 きょうは気象庁の方にも来ていただいておるわけでありますが、最近の気象変動につきましてどのようにとらえていらっしゃるのか、これは人為的なことなのか、いろいろな原因等につきましてもそれぞれの各国、それぞれの機関がいろいろ調査をいたしておるようでございますが、日本の気象庁としての最近のこの気象変動等についての見解といいますか、まとめられた状況というのをちょっと御報告いただきたいと思います。
○吉住説明員 昨年は、暖冬それから八月の低温、秋の長雨と台風の襲来などによりまして社会経済に大きな影響が出ました。世界的に見ましても、中国の洪水、バンクラデシュのサイクロンやフィリピンの台風、それからアメリカやオーストラリアの干ばつなどで大きな被害が発生しております。 このような異常気象は、毎年世界のどこかで発生しております。昨年が世界的に見て特に異常気象が多発したということではございません。それからまた数年を見ましても、年々の変動がございますけれども、増加傾向にはございません。 それからもう一つ、地球温暖化ということで問題になっておりますけれども、これにつきましてはIPCC、気候変動に関する政府間パネルというところでいろいろ評価を進めておるところでございますけれども、パネルでの現在の考えでは、炭酸ガスが現在より二倍になりました場合、地球全体での平均気温は約三度Cくらい上昇するだろうと見ておりますけれども、それたよりまして異常気象がふえるかどうかということについては明確な結論は得ておりません。
○藤原委員 今御報告がありましたが、IPCC、気候変動に関する政府間パネルでは、人間の活動による温室効果とするにはあと十年ぐらいデータの蓄積が必要だろう、こんなこともおっしゃっているようでありまして、私どもからしますと、六年も暖冬が続いたということは、これはやはり何かただごとではないぞという感じもするわけでありますが、人為的な温室効果が出た、こういうことを結論づける段階ではないということのようです。しかし、今気象庁の方のお話にもありますように、CO2が二倍になりますと平均気温が三度上昇する、こういうこと等も考えますと、なるかならないかはこれから国際会議とかいろいろなところでのことがございますからあれですけれども、非常に地球規模でこういう大きな変動が起きつつあるということだけは言えるだろうと思うのであります。 そういうことからしますと、人口の急増とともに、現在耕作しております耕地面積というのはそう大きく拡大できるような状況にもないということをかんがみますと、農業というのはやはり地球規模で考えてみなければ、貿易という観点の側面と、ここへ参りますと、農業というのは地球規模で需要供給のバランスがどうなのかという穀物の状況というものを把握しなければならない、こんな思いがしてならないわけでありますが、こういう気象変動というのは何十年、何百年というスパンの中での変動でありますから、まだ五年や六年のことで軽々には判断できないのかもしれませんが、そういう兆候が見えつつあるということだけは何かしら我々に感じさせるものがある。こういうことから言いますと、農業もさることながら、漁業につきましても海流とか流氷とかいろいろなそういう影響もございまして、食糧の生産という供給面につきましての影響は非常に大きい、こう考えざるを得ない、こう思うのです。 こんな気象と農業という大事な関係等につきましては、農林省でも全然考えてないわけじゃないのだろうと思うのですが、最近日本の国内におきましても一昨年は大きな災害がございましたし、何らかの変動がある、こんなことについては農林省としてどうお考えになっていらっしゃるのか、もし答弁ができましたら聞いておきたいと思うのです。
○川合政府委員 世界的な穀物需給の動向と申しますか、そういう観点で見てみますと、今先生まさにお触れになったわけでございますけれども、ウルグアイ・ラウンドの目から見ましても、始められました八六年を中心とした八〇年代は大幅な過剰基調で推移してまいりました。八八年に北米地域での干ばつ、それから九一年、つい最近は世界的な天候不順というようなことがありまして、それに人為的な旧ソ連の不作問題それから米国の減反というものも重なりまして、ここのところ、八〇年代の状況とは変わりまして需給が引き締まった状況にあることは確かでございます。 例えばアメリカの農務省の発表などによりましても、穀物の期末在庫が、ウルグアイ・ラウンドが始まりました八六年には二八%というようなことであったのに対しまして、九一年度末では一七・七、これはFAOが最低の安全在庫水準というものを示しておりまして、これが一七から一八というようなことでございますので、かなりこの線に近づいているということがございます。 これは、一つは気象変動というようなこともございますが、それよりも開発途上国などを中心とする人口増加あるいは食生活の向上といったものによる飼料穀物あるいは穀物の需要の増大というようなことも大きく影響しておるのではないかと思っております。したがいまして、今後人口の増加などが見込まれておりますので、そういう面からも不安定な面があるということは、やはりこの食糧問題を考える上には重要な要素として考えていかなければいけないのではないかというふうに考えております。
○藤原委員 気象庁の方、結構ですから。 きょうはこのことだけやっている時間もございませんので、一応のお考えはわかりました。 さて、大臣のきのうの所信の中に、「米につきましては、円滑な需給操作に資するため、転作等目標面積を軽減したところであり、これに応じた米の生産を図りつつ、水田農業の体質強化を引き続き推進してまいります。」というお話があるわけでありますが、今年度といいますか、平成四年度におきまして、十三万ヘクタールの転作等目標面積を軽減するということでございますけれども、この各都道府県に対する面積割り当てと、これの説明会、いろいろ行われておりまして、地元でもこれをどうするかということが非常に話題になっておるわけであります。 まず、一年限りであるということで、ことし取り組んでも来年はどうなるかわからないということに対する非常に不安感、不信感、それから農林省から言わせますと、転作奨励金というのを出すということはちゃんとそれなりの管理をしていただかなければいかぬということなのかもしれませんが、いろいろな作物、各地域におきましてはそれ相応の工夫の中で、減反したところについては転作作物をつくったり、また工夫をしておるわけでありますから、にわかに水田をつくってよろしいということになりましても、水のことから圃場整備から、いろいろなことで手数がかかる。これに対する経費は一体どうなるのか、こういうことについていろいろ困惑をいたしております。 新聞等を見ますと、どうも十三万ヘクタールの達成は難しいのではないかというふうなことも報じられておりますが、農林省としましては、これはどのように受けとめていらっしゃるのか。 一つは合理的な水田営農緊急促進事業の実施についていろいろな施策が持たれておるということ、そして十六億二千三百万、平成四年度の予算の中に組み入れられているということです。また、もう一つは水田稲作のための緊急条件整備事業の実施、これは四億五千八百万の平成四年度の予算額になっておるようでありますが、私ども全国を見たわけではございませんけれども、この予算枠の中でこれらの十三万ヘクタールの転作目標軽減ということが進められるかどうか。農民の方々も非常にこれに危惧を抱いている心情がわかるような気がするわけでありますが、農林省としましては、これを発表しましてから大分日にちもたっておりますから、担当官の方も現場に行っていろいろな事情も御調査なさっていると思いますけれども、これはどのようにこれの推進方、受けとめていらっしゃるかということをお伺いしておきたいと思います。
○上野政府委員 転作等目標面積の緩和の行政対応の状況でございますけれども、現在、市町村なり農協がそれぞれの地域の農家に転作等目標面積の配分をする作業をやっているところでございまして、まさにその最中だと言ってよろしいかというふうに考えております。そういう状況でございますので、各農家の対応がまだはっきりいたしておりませんので、どういうような農家の受けとめ方になってくるのかということにつきましては、現在の段階で確たる情報を持ち合わせているわけではございません。 ただ、そういう作業を通じまして、各県あたりからの感触として、あるいはことしの稲作のための種子の確保の状況等からいろいろと状況がうかがわれるわけでございますけれども、それを総合的に見てみますと、保全管理だとか、地力増進作物、青刈り稲といったような転作の対応が行われていた水田を中心に、稲作の作付増加が相当程度見込まれるというのが、一方の事実でございます。しかしながら他方で、野菜等の転作が定着している地域あるいは担い手が十分に確保されていないというような地域、要するに条件の悪いところにおきましては稲作の復元が困難であるというような情報もあるところでございまして、地方公共団体、農協におきまして今一層一生懸命努力をしているという段階でございます。 今後のお話になるわけでございますけれども、転作緩和の趣旨を十分周知徹底を図りながら稲作復元に努めてまいりたいというふうに考えておりますが、これがどうしても困難な地域につきましては、稲作拡大を行いたいと考えている地域も一方にございますので、そういう地域との間で転作面積の地域間調整をやるというようなことに今後とも努力をしてまいりたいというふうに考えております。 先ほど委員お触れになられましたように、そのための奨励金あるいは圃場の条件整備をするための予算措置というのも予定をいたしておりまして、こういうものの十分な活用を図りながら、稲作の予定どおりの復帰が行われるように努力をいたしてまいりたい、かように考えております。
○藤原委員 私のちょっとお伺いしたところで、集団圃場に点在的に転作畑になっている、こういうところの耕地ですね、それは増反にならない範囲内において、交換、集約耕作ができるのかどうかというようなお話があったのですけれども、これはここの二番目の水稲作付のための緊急条件整備事業の中にあります。けれども、水管理とか、それからできるだけ集約して転作できるような、いわゆる圃場の条件の整っているところは、面積自体はオーバーすることのないような形で整備しませんと、点在しているやつをまとめて、そしてまた一括してやれるような形にするということは、こういうことは二番目の水稲作付の緊急条件整備事業、こういうことで可能なのですか、どうなのですか。
○上野政府委員 水田稲作の復元を進めてまいります場合に、私どもとしましては、これまでの事業の実施によりまして、良好な、かなりの広がりのある転作団地というものが実現をしているところもたくさんあるわけでございまして、そういう良好な転作団地につきましては、これは今後ともそれが維持発展をされるということが望ましいというふうに考えているわけでございまして、そういうところの転作緩和の扱いというようなことについては、もちろん地域内での十分なお話し合いが前提になるわけでございますけれども、なかなか稲作への復帰が難しいということであれば、先ほど申し上げましたような地域間の調整等を用いまして調整がなされることが好ましいというふうに考えております。 それから、これまでの転作の対応として、保全管理であるとか地力増進作物あるいは青刈り稲というような形での転作対応が行われていた、そういう水田につきましては、実際問題として稲作をしようということになりますと、そのままではなかなか稲の作付ができないという事情のところもあろうかというふうに考えるわけでございまして、こういうところにつきましては、本来生産力を良好に維持するということが前提ではございますけれども、現状の状況に対応するために必要な若干の条件整備をする予算を用意をしている、かような状況でございます。
○藤原委員 次へ進みます。 畜産問題につきましては、生産性の向上等経営体質の強化、畜産主産地の活性化等に重点を置いた対策等を総合的に推進しますということで、大臣のきのうの所信に述べられておりますけれども、きょうは時間もございませんから長いお話もできませんが、来月下旬になりますと乳価の問題が出てくるだろうと思います。ここのところ生乳の需要というのは非常に多かったり、それから乳製品の輸入、こういうことで需要というものが非常に強かったという一面もございますが、しかし、酪農民にとりましてはずっと乳価の引き下げということで、非常にそれが経営を圧迫していることは事実であります。 過日、根室の方へ行ってまいりましたが、非常に大変な状態をお聞きしてまいったのであります。それはバラ色といいますか、鳴り物入りで始まりました新酪農村、ここで希望を持って一生懸命酪農に取り組んでおりました農家の方が、乳牛百六頭あったのですけれども、これを畜産業者に売ることにしまして、夜逃げ同然でどこかへ行ってしまった。それで、農協と畜産業者の間でその百六頭の乳牛の奪い合いがあったということで、担当の農協の組合長さんにもお会いしていろいろなお話を聞きましたが、今日酪農は非常に努力をしながら頑張っているという、私どもそういうイメージでおりましたれども、昨年の牛肉の自由化、それ以降、廃牛や子牛価格の低迷、そういうことでいろいろな影響があることは聞いておりましたけれども、あの新酪農村の経営自体にこういう大きな影響をもたらすということは、ちょっと想像できなかったのであります。 これは来月また機会がありましたらしっかり整理をしましてお話を申し上げたいし、また対策についても、今後の酪農のあり方等について、大規模化を進めてまいりましたそういう中にありまして、現在何が大きな船路になっているのか、こういうことで諸対策をひとつお考えをいただきたいと思うのであります。 しかも、この乳牛百六頭の売り払い代金が七百五十万というのですから、しかもその農家の借金が一億ということですから、どこからはじき出しましてもちょっと考えられないようなことが地元では言われておりました。そもそもこの新酪は、当初の計画のときには乳価は年々アップをし、百円ぐらいになるだろうということの上に立っての長期の返済計画が立てられておったわけでありますし、また担当の方々はそういう経営指導のもとに進められておったわけでありますから、こういう、実質的に七年間据え置きに等しいような状況の中にありましては、そういう計画で進められたものがやはり行き詰まるのは当然のことだろうと思うわけであります。 とにかく、肉牛ということでありますが、酪農の方々も、廃用牛や子牛の価格が低迷いたしますと、それはもろに農家経済に大きな影響を及ぼすということでございまして、根室地方の酪農家およそ二千百戸のうち七〇%近くが赤字経営で、いつどうなるかわからないという非常に厳しいお話もしておったわけであります。 それからもう一つは、新酪にはスチールサイロがございますが、現在は地上二十三メートルも高い二千万円も三千万円もかかるスチールサイロは使っておりませんで、サイレージは地上の、堆積するバンカーサイロの方がかえっていいということでありまして、このスチールサイロが百万円近い電気料金と固定資産税もかかるということで、今や無用の長物であります。こんなことを考えますと、つくってやったんだからそれは全部農家が負担をして返済しなければならぬという、借りたものは返さなければならないと思いますけれども、しかしこれだけ世の中の変化、技術の革新の中で大きな負担になるものにつきましては、やはりそれ相応の対策を考えてあげませんと、その時点では確かにいろいろな返済計画、そしてまた必要性、そういうもので設置したのかもしれませんし、そうせざる得なかったのかもしれませんが、これだけ技術が進んで、そしてまたこれだけ時代が大きく変わった時点で、なおかつ同じことを続けようといっても、どんなに努力しても、それは経営の安定が成り立つわけはございませんから、これはぜひひとつ実態をお調べになっていただいて、必要な対策をとっていただきませんと、世界銀行の金を借りて、そしてまた大きな希望を抱いて発足いたしました根釧原野の酪農というものは一体何だったのかという、こんなことになってはならぬと私はしみじみと思うのであります。 きょうは時間もございませんから、一つ一つ申し上げることもできませんが、ぜひこういう現実があったということ、そしてまたこれに対する対応をぜひ、また来月機会がありましたら申し上げたいと思いますが、対応策をひとつ御検討いただきたい、こう思うのですが、どうでしょう、畜産局長さん。
○赤保谷政府委員 酪農経営を開始または規模拡大するに当たりまして、そのリスクを軽減するためにいろいろな補助だとか融資措置が講じられているところでございます。そういうようなこともありまして、酪農は我が国の農業部門の中で最も専業割合が高く、また安定した基幹的な部門に成長をいたしてきたわけでございます。しかしながら、借入金に依存をして急速に規模拡大を行った経営の一部におきましては、経営力だとか技術力あるいは資本力等が伴わないというようなこともありまして、負債が固定化した者も見受けられるわけでございます。 ただいまお話のございました道東におきましても、御苦労されながら一生懸命やっておられまして、健全な農家が大勢おられるのも事実でございますけれども、今お話のありました農家は、道庁からお聞きをしたところによりますと、本人の経営意欲も乏しいというようなこともありまして、固定化負債を多大に持つ経営になったというようなことであるかと思っております。 国といたしましては、経営を継続をいたしまして体質強化に積極的に取り組む意欲と能力を有する経営者に対しましては、長期低利の各種負債整理資金の融通を行っているところでございます。 ただいまのお話のありました件、それからスチールサイロその他のお話がございました。私どもといたしましても、さらに実情をもう少しよく道庁の方からお聞きをいたしまして、いろいろ検討してまいりたいと思っております。
○藤原委員 個人差があったり立地条件があったりいろいろなことがありますから、今お話しのようにそういう中で努力をして、また健全経営をしているところもあることはありますが、どちらかというと、いつ入植したかという入植の時点とか、また既存の方とか、確かに条件のいい方々は安定的な方もいらっしゃいますけれども、やはり五十年代、四十年代後半、そういう方々は、どちらかというとやはりさっき申し上げた七割方大変な苦労をしていらっしゃることは事実でありますから、その点ひとつ個人の責任に帰するのではなくて、ぜひひとつ公平に、農協の指導的な立場の方々もいらっしゃった上で進められてきているわけでありますから、そういう点ひとつ御検討いただきまして、必要な対策はぜひひとつお考えいただきたいものだと思います。 時間がありませんから、次に漁業のことについて、大臣もちょっと触れられておりますし、また最近公海におきます漁場がだんだん狭められておるという状況の中にありまして、自分の国の中の二百海里をしっかり守る以外にないのか、こんな思いがしてならないわけであります。最近におきましては、韓国との間に漁業条約が結ばれ、日韓漁業関係について合意がなされて、いろいろな条項について、年来懸案でありました諸問題については大分お話が進んだようであります。しかし、根本的な抜本的な問題ということになりますと、ちょっと私どももこれではということがございますが、相手のあることでありますから、どうも一歩か二歩前進ということに見なければならないのかもしれません。大臣は今までも韓国へ参りまして漁業交渉等いろいろ経験をお持ちになっていらっしゃって熱心に取り組んでいらっしゃったということでございますから、この間のことについてはよく御存じのことだろうと思うのであります。 最初に外務省にお聞きをしておきますが、何といっても資源保護という立場に立って日本と韓国の間では十二海里、こういうものも西と東いろいろな問題がございまして、明確な国際的なルールにのっとった形ができていないのが現状であります。そういう中にありまして、枯渇する資源を保護しようということで、国内的にはいろいろな自主規制をしておる、こういうことの上に立って、それはやはり韓国にも守ってもらわなければいけない、こういう思いがあるわけでありますが、今日のトラブルは、それを日本の国の漁業者が自主規制をしておるものを無視をしてというところにトラブルの原因があったと思うのであります。こういうことで、今回の日韓漁業関係についての合意に当たりましては、外務省としてもこういう漁業者の心情というものを十分念頭に置いての交渉であったと思うのでありますが、少なくとも何点かにつきましてはもう少し話し合いができなかったのかという思いがしてならないわけであります。 例えばトロール漁船の操業期間にしましても、日本の国は三カ月禁漁しておるわけでありますが、一カ月間自主的に操業を停止する、こういうこと等、期間とか時期とかいろいろな問題につきまして、昨年来いろいろ申し上げてきたことがようやくここで合意がなされたということでは、それなりの皆さんの御努力は私もわかりますけれども、一歩突っ込んでのことができなかった、そこら辺のことについて、この交渉に当たりましての外務省としての見解をお伺いしておきたい。
○武藤説明員 お答え申し上げます。 昨年の四月以来本年二月まで、合計七回にわたりまして日韓漁業実務者協議が開かれまして、その際ほぼ毎回にわたりまして私どもの方から、最近の両国周辺水域の資源状況の悪化につきまして問題点を指摘してまいりました。また、昨年日韓外相会議、これは四月と七月と十一月でございますけれども、この外相会談の場におきましても、日韓の漁業問題に対する我が方の強い関心を伝えてまいりましたし、この実務者協議の促進力申し入れてきたわけでございます。このように、私どもといたしましては、事態の改善に向けて最大限の努力を払ってきたと考えております。 これに対しまして、韓国側は、資源保護というのは韓国漁船の操業規制に結びつくおそれがあるということから、極めて消極的な態度をとりまして、協議は非常に難航を極めたわけでございます。結局本年から資源問題に関する協議を行うということで意見の一致を見たわけでございまして、今後この資源に関する協議、これはもう外務省も参加いたしますけれども、こういった場を通じまして我が国の関心を引き続き韓国側に伝え、事態の一層の改善に向けて努力をしていきたいと考えております。 次に、北海道周辺水域における韓国漁船の操業問題に関しましては、我が方から、漁船の規模を縮小するか、それができなければ隻数を縮小することといったことをお願いしてまいりましたし、また我が国の漁民が遵守しております夏季三カ月間の操業規制を韓国も行ってほしいといったことを強く要請してまいりました。これに対しまして韓国側は、こうした日本側の要求は韓国漁船の全面撤退を求めるに等しいものであるといったことで強く反発いたしまして、逆に済州道周辺水域における我が国漁船の操業規制を要求してきたわけでございます。 こうした厳しい雰囲気の中で交渉を行いまして、この問題は最後の最後までもめたわけでございまして、結局韓国漁船が一カ月間操業を自粛するということになったわけでございます。私どもとしては、これが代償なくして得ることのできるぎりぎりのものだったというふうに考えておりまして、それだけ厳しい交渉だったというふうに理解しております。
○藤原委員 一つ一つお伺いする時間もございませんのであれですが、これから実務者会議というのでいろいろまたこれらの問題についての進展が図られるのだろうと思います。そういう点では今後の交渉にゆだねるということになるのかと思いますが、しかし長年の懸案がこういう形でまとまったわけでありますから、これは急激に進むというふうにはなかなか考えづらいのですけれども、長年の懸案でもございますし、資源という大事なことでございますので、今後ともひとつ現状等を踏まえましてしっかり交渉に当たっていただきたいものだと思う次第であります。 それで大臣に、大臣は閣僚の一員でありますから、漁業だけのことではなくてあれですが、結局、公海の流し網、そのほか近海のことにつきましても、日本が自主的な規制をしたり、またソ連との交渉で日本がそこから引き揚げた、そこに韓国や台湾の船が行くということになりますと、これは何のために自分たちが引き揚げてこなきゃならなかったのかということで、漁業者にとっては非常に理解しづらい問題ということになるだろうと思います。 また、北太平洋における溯河性魚類の系群の保存に関する条約もいろいろ取りざたされておりまして、これは外務省で、また外務委員会等でも議論になると思います。きょうもお話ししたいと思いましたが、時間がありませんから個々にはちょっとお話しできないんですけれども、非加盟国対策として「条約区域におけるさけ・ます保存に悪影響のある漁業活動の抑止措置」という項目がございますが、これらのことにつきまして具体的にどういう措置が考えられるのかという、こういうことをひとつお伺いをしておきたいと思います。 それから、この近日報じられておるところによりますと、日本が韓国といろいろ交渉しておりましたとき、昨年の秋ですね、韓国とロシアの漁業協力協定が結ばれて、漁業協力協定に基づいて実務協議が行われて、ロシアの主張する二百海里の経済水域内に韓国漁船の操業を認める決定をしたということが報じられております。その中で、沿海州や太平洋水域、北方四島周辺の操業もその区域の中に入るということで、北方四島がこの操業の中に入るということになりますと、これは今後いろんなトラブルのもとになるのではないか。 我々、新聞報道しかわかりませんが、水産庁も外務省も、この実態はどうかということで韓国に問い合わせたり、また、実態についてはいろいろお調べになっていらっしゃるようでありますが、韓国とロシアの漁業協定は実際に結ばれて、この北方四島もそういう形で話し合いがついておるんですか、どうですか。また、今後これに対しては、水産庁、また外務省としましては、この対応についてはどう対応なさるんでしょうか。これはきちっとしていただきませんと、今後また禍根を残すことになるんじゃないかと思うのでありますが、この点ひとつ、大臣からきちっと御答弁をいただいて、私は終わりたいと思います。
○鶴岡政府委員 お答えしたいと思います。 漁業は、もう先生御案内のように、その資源を有効に利用していけば再生産可能な形態であります。また一方、公海におきましても、二百海里体制の定着に伴いまして、全般的に漁獲努力量が増大してきているのは否めない事態でございます。また、そういう資源の問題あるいは環境問題から、公海漁業についていろいろな議論が行われ、制約が強まってきているというのも事実でございます。 そういうことを踏まえまして、できるだけ公海漁業につきましても、漁業国の間で管理機構をつくり、そういう中でやっていく必要があるんじゃないかと思います。そういうことに際しまして、非加盟国につきましてもできるだけそういう中に取り込んで、全体的な管理の中で漁業を続けていく必要があろうかと思います。 それから、今先生の後の御質問のロシアと韓国の漁業協定の話でございます。 外務省の外交ルートを通じまして、在ロシア大使館及び在韓国大使館等で事実関係を照会してきたところでございますけれども、今次韓ロの間で、我が国固有の領土であります北方四島周辺、ああいう漁業協定が結ばれたのは事実のようでございまして、その中には我が国固有の領土であります北方四島周辺の水域におきまして漁業活動が行われるということが、詳細はまだわかりませんけれども、されたような模様でございます。 これは極めて遺憾なことでありまして、政府といたしましても、韓ロ双方に対してしかるべき申し入れをするということで考えておる次第でございます。
○藤原委員 大臣、こういうことですから、ひとつ一言決意のほどをお述べください。
○田名部国務大臣 韓国とロシアのこの協定の問題は、内容は今定かではありませんが、いずれにしても、二百海里内での北方四島周辺でやるということになったようであります。 これについては、もう北方領土は我が国の領土であるということと、それに基づいてこれから交渉をしようというときでありまして、韓国自身も我が国の領土であるということには理解を示しておったわけでありまして、そこへこういうことになりますと、いずれにしても返還要求の交渉というものは一体どういうことになるのか、私どもも非常に関心を持っているわけであります。 いずれにしても、この問題は両国に対してはっきりとした態度で臨んでいかなければならぬ、こう思っております。
○杉浦委員長代理 よろしいですか、藤原房雄君。——質問を終わりました。 〔杉浦委員長代理退席、金子(徳)委員長 代理着席〕
○金子(徳)委員長代理 藤田スミ君。
○藤田(ス)委員 一昨日、予算委員会で米の輸入自由化問題を取り上げておりますので、きょうは米の需給問題について、そこからお伺いをしていきたいと思います。 私どもはこれまで政府の米需給政策については、政府の米需給政策がゆとりのないもので、もし連続して不作が続くならば米の輸入に結びつくものであって、正常な姿ではないんだという批判をしてまいりました。その指摘が決して間違ったものでなかったことが、昨年の冷害と台風災害による不作で、作況指数九五というそういうものであっても、減反面積を急速十三万ヘクタール緩和をしたということから明らかではないかと思います。 その点、政府として今回の事態をどのように反省して、今後の需給政策にどのように対応を反映させるおつもりなのか、まず明らかにしていただきたいと思います。
○京谷政府委員 米につきましては、国内産で自給するということでかねてから諸般の政策を進めてきておりますが、一方におきまして潜在生産力が大変高いということで、御承知のとおり、水田再編対策を通じまして事実上の生産調整を行っている状況でございます。 そういった中で、昨年の米の作況が予想を超えまして不調であったという事実はございますが、少なくとも当面する平成四米穀年度につきましては特段の支障を生じないという状況でございます。さらに、平成五年の需給安定を図る観点で、御承知のとおり、御指摘ございましたように、平成四年産米についての生産調整規模についてはかなり大幅な調整を行って需給の安定を図りたいというふうに考えておるところでございます。
○藤田(ス)委員 昨年冷害、台風の被害が起こったときに、私はぜひ被害地に対しては所得補償という面から、災害地の減反緩和面積を考えてもらいたいということを要求したわけでありますが、今回見せていただきましたけれども、そういうふうな側面を持った内容になっているということは、これは私はそれはそれとして評価をするわけでありますが、しかし、本来政府がゆとりを持った米需給政策をとっていれば、多少の不作があってもそのために米生産を大きく変動させなくても済むわけなんですね。それをぎりぎりの需給調整のために米生産者は八十三万ヘクタールもの減反を押しつけられ、そして九五という作況指数の中で今度は一五・六%に及ぶ減反の緩和ということになるわけです。これはもうここでもたくさん言われておりますから私多く言いませんけれども、一年限りで再び畑に戻すというようなことになれば、これは手間も経費もかかってとてもこんなものは協力できないし、水田用の水路が間に合わないんだ、こういうふうな声が出てくるのは当然であります。いわば政府の場当たり的な政策に対する、これは厳しい批判だというふうに思うのです。 そこでお伺いしたいのですが、この十三万ヘクタールの減反緩和というのは、実際には成るんですか、どうなんでしょう。
○上野政府委員 転作目標と目標面積の配分は、先ほどもお答え申し上げましたが、現在農家への配分の段階でございまして、いまだはっきりした数字をつかんでいる状態にはございませんけれども、地方公共団体、農協が配分の努力をしている過程でつかんでおりますおおよその感じからいいますと、保全管理をしているような水田であるとか、あるいは青刈りというような対応をしてきたところへの稲作の復帰というものは、行われる見込みが大体立ってまいっておるわけでございますけれども、一方で野菜等の団地的な転作を行っているところについては、なかなか稲作への復帰が難しい面があるというような状況かというふうに考えておりまして、その間の過不足の問題につきましては、市町村間あるいは都道府県間におきます地域間調整を今後努力をして進めてまいりたい、かように考えております。
○藤田(ス)委員 達成できるかどうかということは、もちろんまだ調査の段階ですから言い切れないでしょうが、なかなか、余り自信のある御答弁に聞こえないわけです、それにしてもね。 安定的な生産をしたい農業者の立場からも、また多少の不作でも需給が安定することを望んでいる消費者、国民の立場からしても、今回の減反緩和は、これは単年限り、そういうことにしないで、来年度から予定されている新たな減反政策につなげていくべきではないかと思いますが、その点についてのお考えはいかがですか。 〔金子(徳)委員長代理退席、簗瀬委員長 代理着席〕
○上野政府委員 来年度、来年度といいますか平成五米穀年度以降の生産調整のあり方につきましては、今後ポスト後期対策と言われる話でございますけれども、詰めてまいらなければならないというふうに考えております。 ただ、委員御指摘のとおり、稲作農家の方からしますと、今回の転作緩和に伴って稲作を復帰した場合にはこれを安定的にやっていきたいという希望があるのは、これはもっともなところだというふうに考えておりますが、一方でお米の生産調整という観点からいいますと、非常に大きな潜在的な米の生産量があるという現状におきまして、やはり過剰な米の生産を生じないように適切な転作を実施していかなければならないという事情も一方であるわけでございまして、ことしのお米の生産の状況、それによります需給の状況あるいは転作の定着の状況等をさらに見きわめました上で、稲作農家の安定的な経営ということにも配慮しながら今後さらに検討を進めたいと思っておりますし、その際にはいろいろな関係者の意見も十分に聴取してまいりたい、かように考えております。
○藤田(ス)委員 私は、この点については大臣からも御答弁をいただきたいと思うのですが、とにかく問題は、ことしの端境期もさりながらですが、来年度のこの端境期、このことはことしの稲作にかかってくるわけですから、これが大変問題だと思うのです。先ほども気象の話がありましたけれども、エルニーニョ現象というのも起こっておりますし、ことしの夏も冷夏になる可能性が高い。韓国から輸入されましたときに、輸入しなければならなくなったあのときですね、不作が四年続いたんです。不作は三年続くというふうに私たちはここでやいやい言っていたら、ずんずん延びて、大変困ったことに四年も続いたんです。だからことし、昨年以上の冷害ということも考えなければならない。そうすると、来年の端境期には米の輸入にまで追い込まれるのではないかという不安があるわけであります。 ましてウルグアイ・ラウンドで米の輸入自由化問題が議論されているときにこのような事態が起こったならば、もちろん米の輸入自由化圧力は、それはもうどんどん強まってくることは必至であります。だから政府としては、米の輸入自体を何としても避けなければなりません。そのためには、十三万ヘクタール、これは絶対確保しなければならないわけです。仮に確保しても、作況指数が九五というようなことになりましたらこれはたちまち在庫が減りますし、ましてそこがうまくいかなくて五十万トン程度しか減反緩和からふやすことができなかった、その程度にしかつまり減反緩和できなかったというような状態になれば、これはますます在庫が減ってくるわけです。 したがって、こういうことを考えますと、私は、来年度から予定されている新たな減反対策にぜひこの教訓をつないでいかなければならない、この問題が一点と、もう一度重ねて米を輸入する、これは不足分ですよ、自由化の問題じゃなしに、不足分を輸入するというような事態は何としても避けなければならないと思いますが、大臣のお考えをお聞かせください。
○田名部国務大臣 なかなか難しい問題だと思うのです。輸入はしない、天候はどういうことになるか、この見通し。韓国から一時、輸入か、貸したものを返してもらったのか、いずれにしても来たことには間違いないわけですから、私はよく言葉の遊びだと、しかし、まあ三十年で返していただきたいということで貸したことは事実であるわけであります。いずれにしても、余った、例えば相当過剰米を抱えた場合に、かつて何兆円という金をつぎ込んでこれを処理したということ、こういうことになると、国民の、消費者である皆さんから相当批判が出てくる。余りぎりぎりでは、今度は輸入すると農家の皆さんから怒られる。 これはなかなか難しい判断ですが、いずれにしても転作等目標面積については、農家の中期的な営農計画に支障を生じさせないよう、極力変動のないようにすべきであるということは、これは言うまでもないことであります。今回の十三万ヘクタールの軽減措置についても、できる限り安定的な転作営農の確保にも配慮しながら、今後の米の円滑な需給操作に資するため、緊急、応急的な措置として農家の皆さんにも極力この努力をしていただきたい。必要最小限度の面積緩和を行ったわけであります。米については、後期対策終了後においても潜在的な需給ギャップが見込まれておるわけでありますから、何らかの形で生産調整を行っていく必要があるのではないか。つくりたいだけつくるというわけには、したがってまいらない事情にあるわけです。 この具体的なあり方については、農家の営農の安定にも配意しながら、四年産米の作柄、これもまた先生お話しのように三年続くか二年か、これはだれも、神様でもなかなかわからぬわけでありますが、本年秋の時点における在庫、これがどうなるか、それから需要の動向、水田農業確立後期対策の推進状況、水田農業の健全な発展を図るとの観点等を踏まえつつ、関係者の意見もよく聞きまして、慎重に検討してまいりたいと思います。 〔簗瀬委員長代理退席、委員長着席〕
○藤田(ス)委員 政府がこういうぎりぎりの米需給政策をとるようになった一つの原因としては、臨調行革で食管赤字の攻撃があったからなんです、だから、私は、この食管の赤字ほど実に大胆に削られている、そういうものはないというふうに思っています。 八一年に九千九百四十八億円あったのが、九二年度は三千四百二十一億ですから、ざっと三分の一に減らされてしまいました。七五年当時は、農 林水産関係予算の中の四一・七%を食管で占めているけれども、今日では一〇・三%というような状態であります。しかも、ことしの食管経費削減というのは、何というのですか、まさに事きわまれりという思いがするわけですが、とにかく政府は、食糧管理費のうち食管会計繰り入れ資金として、昨年よりも三十億円減らしまして過去最低の二千七十億円を予算化いたしました。一方、厳しい米需給を緩和するために、政府買い入れ数量をふやす事態に追い込まれて、国内の米管理勘定は、九一年よりも三百二十七億円買い入れ措置がふえる、経費負担がふえているわけです。また、この二年ほど国内麦の不作によって買い入れ経費が少なくて済んだ国内麦勘定も、平年作より四百三十九億円買い入れの経費がふえる、こういうことになっているわけですね。そのために食糧管理特別会計は、年度末の残高が、これまで千八百億から千三百億円ぐらいまであったのが今年度はわずか五十六億円、そういうふうなところにまで追い込まれているわけですが、これはパンク寸前じゃないかとこの数字を見て私は思うのです。どういうふうに受けとめていらっしゃいますか。
○京谷政府委員 ただいま先生から御指摘のございました食糧管理特別会計におきます米麦の売買操作に伴う損益の結果を、調整資金という形で集約をいたしまして、それを一般会計で補うという形での繰り入れが行われておるわけでございます。 ことしの一般会計予算では、その調整資金への繰入額、御指摘のとおり二千七十億円計上されておりますが、その際に調整資金の残高の見込み五十六億円という予算計上をしておりますけれども、この当初予算編成段階におきます調整資金の残高見込みについては、従来とそう大きな変動はないわけでございます。前年度の需給操作の結果発生をしております損益結果というものを織り込んで算定をして計上しておるわけでございまして、この当初予算編成段階における調整資金の残高見込み、これだけを見ますと、平成三年度当初予算においても五十六億円という見込みで計上されておりまして、平成四年度の見込みもそれと同額に置いて予算編成を行っておる、こういう状況でございます。
○藤田(ス)委員 いろいろ理屈はおっしゃいますけれども、私はやはりパンク寸前の食糧管理特別会計というふうに言えるのではないか、同様の水準を確保するということになったら、具体的には食管会計繰り入れ資金を一千億円ふやさなければならないわけですから、それさえ無視して食糧管理費を削減した政府の姿勢というのは、私は大変問題があるというふうに言わざるを得ないわけであります。 続いて、学校の米飯給食の問題でありますが、米飯給食の助成金を削減するというようなことになりまして、私ども、これは宮澤総理と我が党の不破委員長との党首会談でも、この削減は絶対やってはならないという申し入れを強く行いました。しかしながら、農水省は予算の事務次官折衝で、学校給食関係の総額予算のほぼ前年並みの確保ということと引きかえに、政府米の値引きの売却の値引き率、これを受け入れまして、大臣折衝まで行わないということになったわけです。総額予算の確保の名のもとに、新規実施校以外の学校では結局は父母負担がふえるわけであります。私は、米飯給食の拡大が米の需要を拡大して、そして食糧の自給率の拡大にも寄与するという点では、積極的な助成措置ということを常に求めてきたわけでありますけれども、今回の結果は極めて残念であります。この点について、どうして大臣折衝まで頑張ってくださらなかったのか、私はお伺いをしたいわけです。
○京谷政府委員 平成四年度の政府原案の編成に当たりまして、この学校給食に関する助成措置が一つの課題になりましたこと、たしか昨年の本委員会でも先生から問題提起があったやに記憶をしております。 この学校給食に対する、米飯給食に対する政府米の割引率について、当時も御説明を申し上げましたが、その普及状況等々を考えて引き下げができないか、かなり大幅な見直し要請が財政当局からあったわけでございますが、私どもとしても米飯学校給食が持っております需要維持の効果というものも踏まえまして十分協議をしたわけでございます。 この過程におきまして、学校給食の全体的な窓口をしております文部省ともよく協議をしながら論議を進めたわけでございますが、結果的には、政府米につきまして新規の供給については従前どおりの値引き率、その他のものについては若干の引き下げを行う、あわせて学校給食に供せられる自主流通米についての助成については、値引きに対する政府助成率を若干引き上げるというふうなことで、関連対策も講じながら、全体として学校給食の持っております機能が確保されるように措置をしたつもりでございます。 折衝はいろいろな段階を踏んで行っておりますけれども、一応、現在予算案に織り込んでおる内容で、文部省等ともおおむねこういうことでやむを得ないという判断のもとで、次官折衝段階でこの問題の決着を見た、そういう経過になっておるところでございます。
○藤田(ス)委員 財政当局から大幅な見直しの要請があった、確かに私どももそのことを承知しておりますが、問題は、今回の助成率の引き下げが一つの取っかかりになって、来年もまた来年もというふうに続いていきはせぬかという心配があるわけです。これは文部省関係のほかの、大学の授業料を初めいろいろなものを見ていましても、どんどん父母負担の増大につながるようになっていっているのです。 学校給食も、少なくとも今回この問題からそういうふうにいけば大変ですから、その点では私は、農水省として今後はこういう率の引き下げを受けない、そういうことをはっきりしておいてもらいたいわけですが、その点いかがですか。
○京谷政府委員 米飯学校給食に対する財政措置の将来の見通しについて、率直に申し上げまして、財政状況でありますとか米飯学校給食の普及の状況でありますとか、いろいろ変動要素がございますので、この場で私将来の事柄について断定的に申し上げることは残念ながらできませんけれども、ここ当分の間、米飯学校給食が米の需要確保なりあるいは日本型食生活の定着、普及のために持っている役割というものは大変重要なものであるという認識を持っておりまして、本年度の予算編成に当たってそういった事態がなし崩し的に行われていくというふうなことがないように、我々としても、財政当局はもちろん、関係者の理解を得べく努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 一々大臣に御答弁求めませんけれども、今回の学校給食の政府米の割引率の率の削減というのは、これからまた一つの取っかかりになってどんどん先行きも減らされるというようなことにつながる、そういう入り口になりはせぬかという心配をしておりますので、これはぜひそうならないように、大臣、頑張っていただきたいと思うのです。 次の問題に移りますが、昨年、農林水産省後援のフーデックスに、アメリカ大使館は食管法違反のアメリカ米の展示を強行しまして、最終的にはその撤去に応じたわけでありますが、その後、ブッシュ大統領がこの問題を取り上げるなど日米間の政治問題となりました。このアメリカ米の展示については、ことしはフーデックスヘの展示はしないとのことなのですが、それにかわってアメリカ大使館が主催をしてホテルを借り切って独自にアメリカ米の展示を行う、こういうことが伝えられているわけであります。フーデックスに参加しようが独自に行おうが、食管法違反のアメリカ米展示は許されていいものではありません。私は、ここで大臣の断固とした姿勢を示していただきたいわけであります。
○京谷政府委員 昨年幕張メッセで開催されましたフーデックスにおきまして、米国産米の出展問題、一つの話題になったわけでございますが、ことしの問題として、ただいま先生からお話のあった問題について詳しい情報をまだ私ども得ておりません。要すれば関係方面に情報を聞きまして、適切な対応をしてまいりたいというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 大臣、仏の顔も三度までといいますが、本当に今度それをやるというのだったら、余りにも日本をばかにし過ぎやせぬか、こういうふうに思うわけです。市場開発や商業活動を目的とした展示のための米輸入は、米の商業的輸入を認めていない現在の食管制度のもとでは到底認めることはできないわけです。今は詳しい情報を得ていないが、しかし、適切な対応をするという御答弁でしたけれども、これは大臣、きっぱりとした対応をしていただきたい、私大臣にこれは御答弁を求めたいと思います。
○田名部国務大臣 今食糧庁長官お答えしたとおり、どういうことなのか、私も去年、おととしですか、この問題のあったのは知っておりましたけれども、輸入できないのに何で見せに来るのかなと思って、見せるだけは違反なのか、これは売るとなれば問題がありますが、一体何を考えてやっているのかな、こう思っておりました。いずれにしても、具体的な話が出た段階で毅然としたことをしたいと思います。
○藤田(ス)委員 次に、都市農地の問題であります。 現在、生産緑地法の改悪、皆さんに改悪と言ったら怒るかもしれませんが、私は改悪だと思ってますが、新たな緑地指定作業が続いております。期限はとりあえず三月いっぱいということで今その作業が進められているわけですが、各地の状況を見ておりますと、その申請率は極めて低い水準にあるというふうに伝えられています。三〇%とか二〇%とか、そういう数字が出るわけですが、建設省は現在の申請状況をどういうふうに認識していらっしゃいますか。
○林説明員 お答えいたします。生産緑地地区の指定につきましては、全体の作業につきましては遅くとも平成四年十二月末までに都市計画の指定を完了していただくように地方公共団体にお願いしているところでございますが、現在の状況は、関係の地方公共団体で、指定に関する農地所有者等の意向把握や都市計画の素案の作成を行っている段階でございます。 生産緑地の指定の見込みについてのお尋ねでございますけれども、このように農地所有者の意向把握につきまして多くの地方公共団体でその期限を三月末というふうにしておることが多いわけでございまして、したがって、その指定量につきましてもまず全体の傾向をある程度正確に把握できるのは四月ごろになるのではないかというふうに考えられております。 そういうことでございまして、現在の時点では、幾つかの地方公共団体で未確定ながら大体の感触を把握しておるところの情報を把握して見ておるわけでございますけれども、非常に大まかに言いまして、地域によって幅がありますけれども、十一都府県の平均値といたしましては、おおむね三割四割前後の指定になるのではないかというふうに予想されております。
○藤田(ス)委員 大変低い状況だと、私たちもこういうことを当初から心配もし、そしてこういうことになりますよと指摘をしてまいりました。結局農業者は自分の農地を切り売りして宅地並みの固定資産税の負担を賄うというような処理の道を選ぼうとしているわけです。これはずっと以前に、地域社会計画センターが独自の調査をやられたことがありますが、そのときにも、宅地並み課税をしても農業者は自分の農地の六%程度を切り売りすれば宅地並みの固定資産税を賄いながら農業を続ける、しかし、そのことによってスプロール開発が進んでいくだろうというふうに予測をしておりました。まさにそれが現実になってきたわけです。そして生産緑地指定がされていない農地は、相続発生時には確実に宅地化されていく。結局このままでは当面はスプロール開発、そして最終的には都市の農地の七〇%の宅地化ということにつながっていくんじゃないでしょうか。この点について、こういうスプロール開発が妥当だというふうに考えていらっしゃるのですか。
○瀬野説明員 御説明申し上げます。 宅地化する農地に区分された農地につきましては、スプロールを防止しつつ計画的な市街化を進めることが重要な課題だと認識しております。 このため、私どもといたしましては、道路、公園等の整備、土地区画整理事業の積極的な実施を図るとともに、地区レベルの区画道路、小公園等の公益的施設と建築物等に関する一体的かつ総合的な計画である地区計画制度等の活用あるいは開発許可制度の適切な運用により、計画的な市街地整備を図ってまいりたいと考えております。 また、宅地化に当たりましては、土地所有者自身による活用を基本といたしまして、良好な町づくりのための基盤整備及び良質な賃貸住宅建設への誘導、促進を図るための各般の措置を積極的に活用することにより、市街地の整備を行ってまいったいというように考えております。 なお、委員ただいまお話ございましたように、市街化区域内において宅地化をすることを選択した農地が固定資産税を払いつつ事実上農業を継続することは、もちろん現行制度上可能になっております。このため、当面このような選択をする所有者の方たちもかなりの数に上るかとも思われますが、私どもといたしましては、このような農業継続地を含めて、一定のまとまった土地についての面的な整備ということを図ってまいりたいというふうに考えております。
○藤田(ス)委員 口で言ってたらえらいきれいに聞こえるのですよ。机の上に書いていてもそうなるのですわ。しかしそれが実際の現場へ行ってごらんなさいよ。あなたが今認められたように、実際にはこの宅地並み課税を負担しながら農業を続けていく、そして切り売りをしていく。相続税の問題が出てきたら全部宅地化してしまう。これがスプロール化、スプロール開発にこうなっていく。なかなかそんなにきれいに絵にかいたようにならぬ。もともとスプロール開発をなくしていくためにと、計画的な町づくりで住宅をもっとふやしていくためにと言いながら出してきたこの問題は、ちっとも解決になっていないということだけ申し上げておきたいと思います。 ところで、現在、野菜の生産体制が高齢化、後継者不足で深刻な問題に直面をしております。私は、あちらこちらに行って何がつらいといって、もうとにかく我々は白菜だとかキャベツだとか大根だとかそういう重いものはつくれなくなった、我々はもうつくれないと言われるときほどつらいことはありません。 そこで、政府にお伺いいたしますが、九一年度の野菜づくりの農家の意向調査結果、これの内容をお示しください。簡単で結構です。
○須田説明員 お尋ねの件につきましては、平成三年度の野菜作の農家意向調査、これは先日私どもの方で公表いたしたものでございます。そのことを指すと思いますけれども、これにつきましては、主産県におきます夏秋野菜四種類につきまして、その販売農家を対象といたしまして、作付の意向等につきましてその把握をするという調査でございまして、今後の野菜行政の基礎資料にするということで、平成三年七月一日現在で調査したものでございます。 内容につきましては、概略申しますと、一つは、今後の野菜作農家の二、三年後の野菜の作付の意向でございますけれども、現状維持が過半を占めているわけでございますけれども、縮小あるいは廃止、中止をするといった者が拡大したいという者よりも大きく上回っている実態でございます。また、作付面積の決定要因といたしまして、いろいろ聞いたわけでございますけれども、各品目ともに自家労力の問題がやはり八割以上を占めておるという実態になっております。ごく概要でございます。
○藤田(ス)委員 昨年のあの台風の後、ずっと野菜の高値が続きまして、品不足がありまして、もう買い物に行ったら本当に大変でした。今でも東京都の中央卸売市場だとか大阪の中央卸売市場で取り扱っている量は、それぞれの大都市の農産物が実は大きなシェアを占めている。東京都でも、つまみ薬とかカリフラワーとかカラシナ、タカナ、コマツナというような、そういう非常にカラフルな野菜がたくさんとれている。そういうのは大阪でもそうなんです。ミツバとかネギとかそういういわゆる軟弱野菜、こういうふうに呼ばれますものがやはり市場の中で大きなシェアを占めているわけです。そういう都市近郊野菜の生産農家が、このままでは大臣、七〇%減ってしまうわけです。だから、野菜の生産体制の面から見ても、私はこの事態を深刻に受けとめなければならないというふうに考えます。 だから、農水省としても、現在の生産緑地指定についてさらにその期限の延長を図り、都市近郊野菜の生産を守るとともに、場合によっては、私は、現在の生産緑地法の再改正も求めていく、そういう主張を農水省がされてもいいんじゃないかというふうに思います。また、建設省も指定の受け付け期限の延長を検討すべきじゃないか。 とにかくばたばたとまくら元で何かもうせっつかれるように、どないするんや、三十年間続けるかどうかのこの問題をどうするのかというような畳み込み方をされまして、どの農家も本当に大変なんです。だから私は、指定受け付け期限の延長をぜひ検討するべきだというふうに考えますが、最後に大臣と建設省から御答弁を求めたいと思います。
○海野政府委員 生産緑地地区の指定につきましては、耕作者の本当の意向が十分指定に反映されるということが重要でございます。そういう意味で、市町村の農業担当部局、農業委員会、農協、それと市町村の都市計画担当部局とが相互に密接な連携を図っていくことが必要だと考えておりまして、農林水産省としましても関係市町村や関係団体に対して、制度の周知措置や農業者の意向把握等について積極的に協力をするように指導したところでございます。また、生産緑地地区となったところにつきましては、長期にわたって営農の継続が見込まれるということでございますので、農林水産省として営農継続のための必要な農業施策を講ずるということにいたしまして、その旨関係団体や農業者に対しても周知を図ったところでございます。 いずれにしましても、生産緑地地区の指定に当たっては、農地の所有者、貸借人等の関係権利者の同意が要件になっているわけでございますので、耕作者が今後耕作を継続していこうという意思を持っているか持っていないかという点が何といっても重要でございます。関係の農家が諸般の状況を十分踏まえて適切な判断が行えるように、農林水産省としても努力をしていきたいと考えております。
○林説明員 生産緑地の指定につきましては、先ほどもお答えいたしましたように、都市計画におきまして宅地化するもの、保全するもの、その区分を平成四年中に行うということにいたしております。 平成四年十二月までに行うわけでございますが、そうしておりますのは、大都市地域におきます住宅宅地の供給は緊急に推進する必要があるということのほか、農地に対する課税の適正化が、市街化区域内農地の区分を平成四年中に行うということを前提に制度全体が構成されているということでございます。また、都市計画における農地の区分は、今後の都市の動向を見定めながら総合的に行う必要があるということでございまして、そのためには一定の時期に一括的に行わなければ区分作業が困難であるといったような事情もあるわけでございます。 そこでこの指定につきましては、当初、昨年の十二月末をめどに意向把握を完了していただくように公共団体の方にお願いして作業を進めていただいたところであったわけでございますが、しかしながら農地の所有者等の意向の決定に時間を要するという要望も多々ありましたもので、多くの地方公共団体で意向把握の期限を三月末までとするように延長をしているところが多いわけでございます。建設省としましては、平成四年末までに指定が間に合わなくなって、結果的に農地所有者等に税法上の不利益等が生ずるということではいけませんので、そういった不利益の生ずることのない範囲で、つまり平成四年末までに指定が間に合うというような範囲の中で、これらの地方公共団体が措置したように、意向の把握の期限を延長していくということについては差し支えないだろうということで、現在三月末までの意向の把握については、そのようなことでやっていただくように見守っているというような状況でございます。 よろしくお願いいたします。
○藤田(ス)委員 大臣、一言でいいですから。
○田名部国務大臣 先生の御質問は非常に難しい問題で、農地並みの課税にしておくと大都市周辺は非常に高騰しておる、問題がある。あるいは住宅が不足しているから何とかこれを開放したい、そのためには宅地並みだということになると、また今みたいな問題が起きてくる。なかなか難しいと思うのですが、全体として何でもかんでも国内で自給するのがいいのかどうか。この間台湾から輸入してみて、まあああいう小さなところだと向こうが高騰しますから迷惑かけますが、いずれにしても土地が高いところでそういうものをやろうという意欲が農家にあるのかどうか。最終的には農家の皆さんの御意思でありますから、まあいずれにしてもこれはもっと幅広く検討して将来ともどういう方向をとるかということをきちっとしなきゃいかぬ、私は基本的にはそう思っております。
○藤田(ス)委員 時間が参りましたので、残念ですがこれで終わります。 私は何にも、何から何まで自給せよなんて一つも言っていませんし、しかし、野菜まで輸入するというのはやっぱり異常なんですよ。キャベツの果てまでよその国から持ってくるというのは大変異常なんです。私はやっぱり食糧を供給する責任のある大臣としての御答弁にはかなり異議がありますが、きょうは時間がありませんので、これで終わらせていただきます。 ありがとうございました。
○高村委員長 小平忠正君。
○小平委員 私は、まず最初に外国産馬に対する出走制限の緩和問題について質問をいたします。これは競馬の番組編成にかかわる問題でありますので、委員長にお願いをいたしまして、本日はこの開催者であります日本中央競馬会の渡邊理事長さんに参考人としての出席をお願いいたしております。理事長さん、出席感謝申し上げます。御苦労さまでございます。 御承知のように、我が国の軽種馬産業、北海道の日高が全体の八割を占めるその中心地でございます。日高地方は、この軽種馬産業は農業の立場からも非常に我が国として大事な一つの財産だろうと思います。また同時に都市市民の側からも、この日高の景観というものは我が国が誇り得る国の宝としてぜひとも今後に向かっても守り抜いて存続をせなきゃならない、こういう大事な農業の一分野である、このように私は考えております。 そんな中で、日本中央競馬会は外国産馬の出走制限緩和五カ年計画というものを提案されておりますが、これについては生産者の団体が白紙撤回を迫っているのは御承知のとおりでございます。特に昨日でございますか、日高の静内町で軽種馬生産危機突破日高生産者大会を開きまして、その大会席上、白紙撤回の決議がなされた、こういう事実もつい昨日ございました。景気の後退がいよいよ本格化している、こういう感がございます。この時期に生産者が競馬の将来や軽種馬生産経営の今後について不安を持つことは当然であり、生産者の気持ちはまことにそのとおりであろう、こう思います。 一方、最近になって我が国に対する米国などから競馬の開放を求める要請がますます強まっている、こういう情勢を見ますと、米国政府からの正式要求、全面開放要求といった状況に至る前に、中央競馬会として自主的にかつ計画的に番組を開放していくという考え方も理解できないわけではありません。しかし、私はこの問題については、国際化に耐え得るような足腰の強い軽種馬生産農家を短期間に育成するための対策を十分に講じ、生産農家が不安を抱かないような状況をもつくり出して初めて計画が実行に移されるべきものである、こう考えます。時間の関係もございまして、絞ってこれから質問をさせていただきます。 まず、平成三年度で外国産馬の混合レースが全レースに占める割合は三〇%である、こう言われております。また、出走頭数に占める外国産馬の割合は、いわゆる全延べ頭数で約三万八千頭、正確に言うと三万七千五百七十九頭ですか、このうち外国産馬が五百三十頭、ということは一・四一%、このようになるわけであります。計画では今後このマル混レースの割合を毎年五%ずつふやしていき、五年後の平成八年には六五%にまで持っていこうというわけでありますけれども、その場合、外国産馬の出走割合はどの程度になると予測をされておられるか。生産者に対する影響がどの程度のものか。このあたりの基礎的な数字がわからないと、生産者対策の立てようもない、私はこう思いますが、この点についてお考えをお聞きしたいと思います。
○渡邊参考人 お答え申し上げます。 ただいま先生から、国際化に対しまして中央競馬会として五カ年計画を提示したことは事実でございますが、それについて私の方からちょっと申し上げさせていただきたいのでございますが、やはり国際化への対応をせざるを得ない状況が刻々道りつつあることは御理解いただいているかと思いますが、その際にも、中央競馬におきましては、国内産馬を主体としたレースを確保していくというスタンスで臨むべきである、かつ、ただいまお話のありましたような点からも、こうした問題については段階的に、漸進的に対応して、生産者の方々に大きな打撃を生ずることのないよう配慮していかなければならない、こういう立場に立っております。 御指摘のように、平成三年の実績では、出走率は一・四一%でございます。専門的な立場からいたしますと、今後の五カ年にわたってもそう大きな頭数の増はないだろうという見通しを私どもとしては持っておりますけれども、ただ、具体的にどういう数字か、恐らくこれにはいろいろな条件、外国産馬の動向につきましては、それぞれ購入される馬主さんの経済的な要件、外国の競馬事情あるいは国内の景気の動向、為替レートその他各種の変動要因を含んでおります。必要があれば私どもなりにそれのシミュレーション等の検討は進めなければならないかと思います。要は、この率がどうなるか、不測の事態になったときにどういうふうに考えるか、むしろその点について私ども中央競馬会といたしましては、混合レースの増加によりまして国内生産者への大きな打撃が懸念されるような事態におきまして、私どもが仮に五カ年計画を進めるという前提に立った場合には、計画についての見直しなり検討、そういうことを考えさせていただきまして、ただいま御指摘のような、生産者に不安をもたらすようなことのないように弾力的に私ども考えたい、このように思っております。
○小平委員 それでは、競馬会が出されております「中央競馬の国際化に関する基本的考え方」を拝見しますと、国際化は我が国の強い馬づくりの一環として行うとの考えがあり、国際化による影響が少なくない生産界に対する諸対策を強化する旨書いてありますが、具体的にはどのようなことを考えておられるのか、これについてお伺いしたいと思います。
○渡邊参考人 私ども、先ほど申し上げましたように、国内産馬を主体上する競馬を進めて、ただいまお話のありましたマル混レースと言われます外国産馬、未出走の外国産馬がこれから輸入されましても、そうしたものに太刀打ちできるような強い馬づくりということで、国内産馬の資質の向上、生産者の経営安定を図るために、かねがね生産者対策といたしまして、優良種牡馬の生産者団体への寄贈なり育成技術者の養成あるいは種馬場の整備、軽種馬改良情報システムの整備といったもろもろの生産地対策を、私どもの一般予算をもちまして平成三年度には約二十億円の事業を実施いたしております。 また、先般当委員会におきまして御審議をいただきました競馬法並びに日本中央競馬会法の改正によりまして、特別振興資金制度というのが、御指摘もございましたが、この活用によりまして、約十五億円ぐらいの基金をもちまして、こうした産地に対する施設改善なり機械整備等の諸事業を私どもとしては手当てしてまいりたい、このように考えております。 ただ、そうした面でなお不十分だという御意見があるかもしれませんが、こうした点については、ただいまの計画について具体的ないろいろ御提案がありますならば十分協議いたしまして、必要な対策は私どもとして講じてまいりたいと思います。ぜひともそうした国際化の趨勢に御理解を賜りまして、こうした諸政策も私どもとして講じさせていただきたい、このように考えております。
○小平委員 ぜひ強力に進めてもらいたいと思います。 理事長さん、生産者を初め関係者は今大変な危機感を持っておりますけれども、同時にこのままでは通らぬ、特に昨今のこういう国際的な、世界の競馬界のこういう情勢の中で拡大は、このままでは通らぬ、その気持ちを持っていることは事実だと思います。しかし、競馬界には開放要求という外圧に対する危機感があるわけですね。また生産者にも、外国産馬が増加することに対する危機感が同様にあるわけです。そこで、これを乗り切るにはできる限り短い期間に国内における馬づくり、人づくり、すなわち資質のよい馬を確保して牧場経営を安定させ、また後継者を確保することが特に必要である、こんなふうに考えるわけであります。 今、理事長さんからいろいろと御説明いただきましたが、私は、これだけでは生産者が抱いている危機感の答えには十分になってないような気がいたします。もしこんな状態が改善されないでいくと、今後、特に零細農家を初めとしてはたばたと経営危機に陥って生産農家が倒産するという、そんなことも危惧されます。したがって、生産農家が何を望んでいるかをもっと研究されまして、短期間のうちに足腰の強い生産農家をつくることができるよう、関係者の理解を得て、効果のある思い切った国内策を講じてもらいたい、こう思うのでありますが、重ねるようでありますけれども、これについての御見解はいかがでしょうか。
○渡邊参考人 私ども、先生の御指摘まことにごもっともでございますし、そのためにもぜひ生産者の皆様方にも、今日置かれております我が国の中央競馬の状況、国際的な環境についての御理解も得られまして、必要な対策は私どもとして十分してまいりたいと思っております。 ただ、今日大変不幸なことに、まだ私ども、これからの国際化への見通しについての話につきまして、先ほど先生おっしゃったような白紙撤回というような御意見もございます。やはり何らかの接点を求めまして、私どもとしてもこれに対しては十分な施策をとりまして、生産者の方々に御心配をかけることのないように私ども努めてまいりたいと、重ねてでありますけれども、そのように考えております。
○小平委員 次に、若干視点を変えて質問いたします。 現在の中央競馬のレースは、その全部が軽種馬レースで、しかもそのほとんどがサラブレッドの競走であります。しかし、外国、特に欧州諸国を見渡しますと、スタンダードブレッドのトロッター系の馬が繋駕速歩競走に使われたり、またクオーターホースが短距離競走ですね、さらにはそのハンターが障害競走に使われるなど、非常に多岐にわたっている。日本でも一部重種ペルシェロンを中心に輓馬競走なんかが見られます。こういうところで、我が国の馬の歴史の違いもありますけれども、これから中央競馬会でもこのようないろいろな種類の馬が走ることのできるような番組を考えることも、馬産業の強化のためにも効果あると私は思います。 また同時に、最近我が国のこういう国情の中で、国民娯楽が多様化いたしております。そういう中で健全な娯楽の発展にもつなげるため、またファンの楽しみもふやすために、生産地対策にもなっていくわけでありますし、このようなことも一つの課題として検討するのはいかがでしょうか。 それともう一点、続けて質問なんですが、アラブ種の問題なんですが、中央では、細々と、こういう表現だと思いますが、アラブのレースが行われています。一部には廃止を唱える声がないわけではありません。しかし、アラブを生産する農家は、概して零細な農家が多いのが実情でありまして、中央でのレースがなくなるということになれば非常に影響が大である、こう言えると思います。 現在、アラブの問題について関係者が集まって検討されているようでありますけれども、出走馬の数が少ないことなど、レース内容がおもしろくないために廃止論が出ているのはそういう状況がありますから、地方との交流を深めるなど興味のある番組が提供できるよう、これも競馬会として十分研究して、中央でのアラブレースがふえるよう努力していただくこともこれも馬産業の振興発展につながると、私はこういうふうに思うのでありますが、あわせてこれについての御見解を賜りたいと思います。
○渡邊参考人 御指摘の第一点でございますけれども、各種レースにおきまして、現在中央競馬におきましては平地のレースと障害レースのみでございまして、御指摘のようなトロッターのような繋駕競走と言われるもの、あるいはクオーターホースによりますレース等は実施いたしておりません。繋駕競走につきましては、法律上決して不可能ではございませんけれども、ただ、現在、トロッターのような専門的な馬が生産されないような状況でございまして、ほとんどサラブレッドを中心にしたレースになっております。 この点は、先生御指摘のように、我が国の馬と人の歴史といいますか、非常に諸外国に比べますとまだ層が薄うございます。むしろ私どもとしてはもっとファンなり皆様方に馬と人が親しんでいただくというようなことで、私どもとしては、新たに乗馬関係とか、そうした意味での国民の皆さん方に馬にまず親しんでいただく基盤づくりから始めなければならないだろう。多少そういうような新しいレースのことについてはまだまだ時間がかかると思いますので、まずそういうような基盤をつくってまいって、いろいろなレースヘの御要望がファンの中から出てくるような状況になります段階で検討させていただきたいと存じております。 もう一つ、第二点のアラブ系の競走でございます。 これは、もう先生御存じのことかと思いますが、現在、中央競馬におきますアラブ系競走の現状におきましては、競走の不成立、あるいは少数頭で、かつ、同一メンバーによるレースが多くなりまして、非常に競馬ファンからも魅力が少ないというようなことをたびたび言われておる状況でございます。そのようなことに加えまして、最近中央競馬の馬主協会連合会から、アラブ系の抽せん馬の購入につきまして、平成三年度の種つけ分をもって終了したいという強い要請等も出ております。 アラブ系競走の存続についての非常に重要な問題を抱えておりますので、先般私どもで中央競馬におけるアラブ系競走に関する懇談会を馬主、生産者、学識経験者等によりましてお諮りして、いろいろな意見を出していただきまして、馬主さんのサイドからいいますとアラブ系の競走を廃止しろというような強い意見がございますし、一方、生産者サイドからは、アラブ系競走を継続すべきであるという強い意見もあるわけでございますが、学識経験者からは、産地の状況を見ながら地方競馬対策など今のうちに早く手を打つべきではないかという御議論もあったわけでございます。 こうした懇談会の意見を参考にいたしまして、私どもも今後の方向づけといたしましては、ただいま先生のおっしゃられました生産者の立場を十分配慮しながら、生産者の中でも、アラブをさらに存続していこうという方もいらっしゃいますし、サラ系に、サラブレッドの方へ転換する方もいらっしゃる、その他いろいろな方もいらっしゃる、そういう状況を十分踏まえながら、中央地方を通じましてどういうふうにアラブ系競走を今後とも継続していくか、そういう方途を見出したい、このように考えておる次第でございます。
○小平委員 今いろいろと見解を賜りました。そこで、今後の推移を見て再検討もしながら、生産地に打撃が、影響がないように進めていきたい、そういう御答弁のように私受けとめました。 そこで、この監督官庁でございます農水省、きょうは畜産局長さんお見えになっていますね。監督官庁としてこの問題についても、そのようなことで臨んでいってもらいたいと私も思いますし、これについてのいわゆる産地強化策といいますか、そんなことを含めて、簡潔で結構ですから御答弁をいただきたいと思います。簡単で結構です。
○赤保谷政府委員 軽種馬生産、北海道旦局地方にとりましては非常に農業生産の中でも大きなウエートを占めている、そういう中で外国産馬の出走制限緩和案が出されてきておる、そういう関連での御質問でございます。 先ほど来お話がありますように、我が国の競馬、海外からは外国産馬の参入機会の増大等の要請がある。また、国内からも外国産馬の参加によるレース内容を充実させてくれ、そういうファンからの要望が高まっている。そのようなことから中央競馬会におきましては、内国産馬に加えまして外国産馬が出走できる混合競走、これについて生産者団体等の理解を得ながら、二十年間にわたりまして毎年段階的な制限緩和を進めてきたところでございます。 今般、日本中央競馬会が提示をした出走制限の緩和案、これにつきましては世界的な潮流となっている競馬の国際化の進展、特に最近になってアメリカ等から制限撤廃要求が強まっている、こういうことを踏まえて、これまでのように年度ごとに出走制限緩和案を示すのではなくて、長期的な緩和案を示すことによりまして、生産者においても計画的な対策ができるよう提示をしたというふうにお聞きをいたしておるところでございます。 なお、今後とも内国産馬中心の競馬を維持しつつ、先ほど理事長の方からもそういうお話がございました競馬の国際化のために段階的にどう対処していくべきかということについて、関係者が十分に協議をいたしまして、速やかに成案が得られることを望んでおるところでございます。
○小平委員 渡邊理事長さん、ありがとうございました。これで競馬関係の質問を終わりますので、どうぞ御退席ください。本当に御出席ありがとうございました。 次に、平成四年度における減反緩和、この問題について質問いたします。 政府は、昨年の十二月二日に平成四年度の十三万ヘクタールに及ぶ減反面積の緩和を決定いたしました。その配分が今、各農家段階の調整に入っているところでございます。その考え方なり基本的な対応方針については、私も前回の一月十日の当委員会で質問もし、また御答弁もいただいたところでありますが、その際に私が申し上げましたように、減反緩和についてその後いろいろと農家の方や関係者の方の声を伺いますと、やはり現場では非常に厳しい受けとめ方をしているのが実態でございます。 確かに、保全管理を行ってきた水田や地力増進作物を作付してきた水田などでは、無理をすればことしの春から稲を植えることも可能かもしれません。けれども、畑作物などへの転作が定着して、作付体系が確立をしていも農家、言いかえれば政府の転作計画に沿った転換作物の作付に積極的に協力をしてきた農家にとっては、単年度限りの稲作への復元というのは、技術的にも、経済的な問題は言うに及ばず、意欲の面からいってもなかなか受け入れがたいものがあるわけであります。私の地元北海道でもあのように多くの面積が割り当たっていますけれども、こういう場当たり的な対策には協力したくないという声も事実ございます。こういうことが農家のやる気そのものをそいでしまうことにはなりはしないかと懸念を強くしているわけであります。と同時に、この国の施策に協力をして、そしてできるだけお米をつくっていきたい、またそういう反面、この気持ちも強く持ちながら、非常にふくそうした中で今その対策に取り組んでいるのが実情でございます。 そこでお尋ねをいたしますが、平成四年度の転作目標面積の配分状況は現在どのような状況になっているのか。また、このような現場の厳しい状況の中で、本当に十三万ヘクタールの減反緩和が達成できるのかどうか。努力目標ではなくて現実的な見通しについてどうとらえているのか、お答えをいただきたいと思います。
○上野政府委員 四年度の転作等目標面積十三万ヘクタール緩和をいたす予定で今努力をしているわけでございますけれども、その見通しにつきましては、先ほど来お答え申し上げておりますように、現在まさにその作業の最中でございまして、明確に数字的な把握をするというような状況には至ってない点を御了解いただきたいというふうに思います。 それから、委員がお話をされましたように、保全管理や地力増進作物の入っているようなところについての稲作の復旧ということについては、比較的順調にといいますか進んでいるというような話がある一方、お話ございましたように転作が定着をしているようなところについては、なかなか難しいというような状況もあるというふうに聞いているところでございます。 私どもといたしましても、転作が大きな転作団地として確立をしているようなところについてこれを稲作に戻していくというのは非常に困難があるし、また転作の定着ということが水田農業確立対策の主要な目標であったということからいたしましても、決して望ましいことではないという感じもあるわけでございまして、地域間の調整をやりまして、稲作の再現できるところに稲作をお引き受けをいただきまして、転作を引き続き続けた方がいいというところについては転作を続けていただくというようなことの方がむしろ望ましいというふうに考えているわけでございまして、現在やっております農家への配分作業がある程度めどが立ってまいりましたところで、その辺の過不足についての調整を進めたいというふうに考えているわけでございます。 十三万ヘクタールといいますのは、昨年度の水稲作の不作の状況に対応して一定の在庫を確保するために必要最小限の考え方として実施に移しているわけでございまして、これの達成については最大限の努力を払ってまいりたいというのが我々の考え方でございます。
○小平委員 今その取りまとめ中というふうに答弁ありましたけれども、十三万ヘクタールというのはこれは大変な面積であります。例えば水田預託、自己保全管理を行っている水田などを合計しても九万ヘクタール程度で、あと四万ヘクタールぐらいは実質的に水田復元を行わなければならない、そういうわけであります。場合によると減反緩和の目標をかなり下回るという事態も実際には想定されているのじゃないかと思います。その際には、いわゆる府県間の再調整も当然必要になってまいるでしょう。それについても適宜必要な措置をとることもまた大事である、このように思うわけであります。 また、減反緩和の決定の際に政府が公表いたしました平成四年度から五年度における米需給の見通しによりますと、平成四年十月末の米の期末在庫数量は三十万トンから四十万トンと、計算上は非常にタイトな状況になっているわけで、もし減反緩和が大幅に目標を下回って、かつ平成四年度の作況が昨年度のような状況になった場合は、平成五年度に向けても米の需給にまた同じような支障が生じることも考えられるわけであります。 そういう中で、そもそも現在のような減反のやり方あるいは政府在庫の管理のあり方がこういう異常の年に当たってかかる事態を招いていることも言えなくもないわけですが、せんだっての委員会の際にも政府から私の質問に対して御答弁がありましたように、平成五年度以降のいわゆるポスト後期対策の検討に当たっては、現在の減反のあり方についての謙虚な評価と反省の上に立って、国民の皆さんが安心できる主食の需給管理と、農家の方々が腰を据えて農業に取り組んでいける中長期的な生産調整の仕組みを考えていただきたいと強く願いますが、これらの点について、再度その決意のほどをお伺いしたいと思います。
○上野政府委員 十三万ヘクタールの転作等目標面積の緩和は、今お話ございましたように、来年度の十月末の在庫を安定的な必要なレベルに保つという目的を持って行われるわけでございまして、私どもとすれば、この十三万ヘクタールの作付復帰というのはぜひとも実現したいというふうに考えているわけでございまして、大いに努力をしてまいりたいということを申し上げておきたいと思います。 それから、ポスト後期の問題につきましては、現在米の需給管理を、現在のお米の潜在生産力の大きさ、千三百八十万トン程度あるわけでございますけれども、それとその需要量一千万トンぐらいのオーダーとの間の差を需給管理をしてまいるということのためには、どうしても生産調整の措置を続けていくことが必要なんじゃないかというふうに考えているわけでございまして、しかしながら、今委員お話ございましたように、ポスト後期の具体的な内容を考えるという際におきましては、これまでの水田農業確立対策の実施の状況であるとか、あるいはもっと直接的には米の需給状況、そういうものを考え、それからまた農家の営農の安定というようなことも考えまして慎重に検討してまいりたい、かように考えておるところでございます。
○小平委員 その問題とあわせて、今回のこの緩和問題に対してのいわゆる助成措置についてもしっかりと対応していただいて、農家の負担増にならないように、このことは強く私からも要請をいたしておきます。 次に、ラウンドの問題で質問いたしたいのですが、時間の関係上、少しまとめて質問いたしますが、今このオファーの提出時期が迫ってきております。そういう日時的な状況の中ではあるのですが、外務大臣を初めとして多くの人が米の関税化は受け入れるべきであるとか、受け入れても大して影響はない、そう受けとめられる発言を繰り返し、また米の関税化を受け入れなければ我が国は孤立化する、このように言っております。 しかし、米国やECの国内事情を見ますと、例えば米国では大統領選挙を前にして、ウエーバーの関税化に伴う輸入の急増に危機感を強め、また小麦等の輸出志向型の農業団体は輸出補助金の同率削減は不公平だ、こう反発を強めております。また米国の経済にとっては、このガットよりもメキシコやカナダとの北米自由貿易圏の確立の方が優先である、こういう意見も強くあるわけであります。一万EC諸国では、経済統合を前にいたして、これも同じくガットのウルグアイ・ラウンド交渉、これよりも共通農業政策の回復の方が重要だ、こういう意見も強くあるわけであります。非常にふくそうしておるという、いわゆるウルグアイ・ラウンドに対する各国の思惑の違いが特に最近際立ってきている、こう言われております。 そこで、農水省として各国の、特にアメリカやEC諸国、これらの内部情勢はどのようになっているのか。また、どのように受けとめられているのか。そして、オファーの問題についても、米とか酪農製品、でん粉等々は除外していく、そういう政府の姿勢も見受けられます。そんなことも含めて、この情勢等についての御認識、見解をお伺いしたいと思います。
○川合政府委員 各国の状況などにつきまして、私から触れさせていただきます。 先ほど先生もお触れいただきましたように、各国ともにこの問題につきましては難しい問題を抱えております。米国政府は、今お話がございましたように、政府自体は交渉を早期に終結することを望んでおります。基本的にはこのダンケル合意案によって交渉を進めるべきだと言っているわけでございますが、農業関係団体は、競争力のある団体の方からは輸出補助金の削減率が不十分である、またウエーバー品目の関係団体につきましては関税化反対というような両方からの意見があります。また農業以外の分野につきましても、関係業界の不満が出ているというようなことで、昨今では議会におきましてもダンケル合意案に対する否定的な意見なども出ている状況にございます。 ECは、御承知のようにダンケル案が出た直後に、既にダンケル合意案につきまして農業部門のEC共通農業政策の基礎に合致しないものにつきましては受け入れられない、修正が必要であるというコミュニケを出しておりますし、ことしに入りましてダンケル合意案の修正意見を取りまとめるような各国間の調整を行っているというような状況でございます。 カナダは、御承知のように十一条二項(c)の取り扱いにつきまして、例外なしの関税化は問題ということはつとに表明している点でございまして、そういう状況でございますが、この三月一日に出すオファーにつきましては、今までの私ども把握。している中では、それぞれの問題をそのままにと申しますか、それぞれの立場を踏まえまして、この意見、オファーを出してくるのではないかというような状況を把握しておりますけれども、今なお各国ともに、かなり各国間でいろいろな形の調整と申しますか情報の交換などは行われておりますし、各国それぞれの国の中でもそれぞれの作業あるいは調整というようなものは行われているというふうに承知しております。
○小平委員 時間が来ましたので最後に、農業分野は、今私がお話をしまして、またお伺いしましたように、各国とも大変厳しい状況に陥っている、こう言おざるを得ませんが、同様に他の分野、すなわちサービス貿易あるいは知的所有権、これらの問題でもまだまだ議論があるところではあります。 そこで、今回のラウンド全体を通して見ますと、これまでのラウンドが、今までのいわゆる東京ラウンドあるいはケネディ・ラウンド、そういう今までのラウンドが物の貿易の分野に限って対象としていたのを、今回は知的所有権やサービスといった新しい分野に手をつけたことや、また農業分野のごとく各国の基本的な国内政策まで手をつけようとしていることが、このように難航を重ねている最大の原因であると思います。したがって、ダンケル・ペーパーが目指すようなすべての分野を一挙に解決するということはまことに困難至極な状況であって、ウルグアイ・ラウンドを成功させようとするのであれば、困難な問題は今後に積み残すといった、そういう選択肢も我が国として強く出すことも、これも一つの外交の方策ではないか、こんなふうに思うのですが、最後に大臣、これについての御見解をお伺いして、私の質問を終わりたいと思います。
○田名部国務大臣 先般の記者会見のときにどうするかという質問がありまして、従来からウルグアイ・ラウンドは成功させなきゃならぬという我が国の立場でありまして、まあしかし、こうたくさん集めて、もういろんな困難な問題を抱えて難航しておるし、政治改革もなかなかやろうとしてもいかぬが、できるものからスタートさせようという意見もある。そういうことを考えれば、このウルグアイ・ラウンドも、各国ともまとまるものがあるのならそれを先にスタートして、困難な問題はじっくり時間をかけてやったらどうかという話をしたことが、何かえらい大きく取り上げられたのでありますが、いずれにしても交渉が難航している分野があることはお話しのとおりであります。 サービスの分野でも、どうするのだろうなと思うのがありまして、ややもすると何か米だけが難しい、農業分野が難しいようにとられておりますけれども、他の分野も非常に難航しておる分野があるわけであります。しかし、各国が国別約束表を提出した後に、これをめぐって三月から本格的な交渉が始まるわけでありますが、交渉の過程においては行き詰まったり進んだり、そういう中であるいはこういう選択肢も出てくるかどうか、いま少しこれからの交渉でありますから推移を見守っていきたい、こう思っております。
○小平委員 終わります。
○高村委員長 阿部昭吾君。
○阿部(昭)委員 今も御質問がございましたが、減反割り当てというのが削減をされた。削減された減反割り当てというのがなかなか現場においては消化されていない。さっきの御答弁ですと、今最中ですからまだ把握されていないという趣旨の御答弁がありましたが、どうも例年の状況からいうと、今ごろになってまだよく把握をされておらない減反割り当てというのは、ちょっと私合点がいかぬのであります。 田名部農水大臣、大変難しい時期にこの重職を担当されることになったわけでありますが、車ほどさように、米をめぐる生産農民の考え方というのは非常に厳しい状況にある。減反をした、まだ根はついておらぬけれども転作をいろいろ考えた。一遍減反をやった面積というのはそう簡単に再び田んぼにはならぬということであります。農水省や政府の方は、役所の中では縮めたり伸ばしたり簡単なもののように思っておるかもしらぬけれども、現地の生産現場、農村の第一線というのはそんな簡単なものじゃないということを、今度の減反割り当ての削減という問題をめぐって、まだ今最中だからはっきりわからぬという話ですが、今間もなく二月が終わって三月になれば、ことしは花が咲くのであります。今ごろまだ把握ができておらない減反割り当てなどというのは、私の経験では合点がいかない。一体減反割り当て十三万ヘクタールの削減はどのようになるというふうに把握されておるのか、もう一遍ひとつお聞かせを願いたい。
○上野政府委員 十三万ヘクタールの緩和面積は、市町村までは配分が終わっているわけでございます。そこから先、農家にどういうふうに配分をするか、農家の意向も聞きながら今調整を続けているというのが実態でございまして、これは地域によって時期的な早い遅いはあるだろうというふうに思っております。北海道あたりですと大分いいところまで作業が進んでいるんじゃないかというふうに考えておりますが、西の方、南の方に行けばもう少し遅くまでかかるということでございまして、全国狭い範囲の時点で全部終わるというふうにはなかなかいかない。そういう意味で全国的な数字として農家の引き受け状況がどうであるかということを確たるものとしてつかまえるのには若干時間がかかるだろう、こういうことを先ほど申し上げたわけでございます。 ただ、先ほど来申し上げておりますように、そういう配分の作業をやっている過程で得られておりますいろいろな状況からいたしますと、やはり転作を続けていきたいあるいは稲作への復帰が難しいというところもあるわけでございまして、そういうところについては調整を図って、所要の稲作の復帰を確保してまいりたいということを申し上げているところでございます。
○阿部(昭)委員 いつごろになるとはっきりしますか。
○上野政府委員 定かにははっきり確定できない時期で申し上げるのは難しいと思いますけれども、三月中ないしあるいは四月に若干入るというようなところもあるんじゃないか、かように考えております。
○阿部(昭)委員 大臣、閣議を見ておりましても、みんなてんでんばらばら、言いたいほうだいのことを言っておる。農林水産業の第一線現場というのはそんな簡単なものじゃないという認識が、私どもこの大臣たちのいろいろな御議論を聞いておっても、実は非常に感じることができない。 したがって、四月ごろまでかかる減反割り当てなんというのは私今まで聞いたことはありませんよ。しかも、面積をふやすという意味で現場がもめておるというのはまだ話はわかるわけです。面積を縮小しよう、減らそうということがなかなか簡単にいかないのですよ。それほど第一線の現場は深刻だということであります。この認識が、やはり農水省本省は非常に厳重に受けとめなきゃいけない。かつて韓国から五十万トンの米を持ってきたことがある。案外そんなところから、このダンケル・ペーパーその他が重大な山にあるときに、今のこの日本の自給体制というものに大穴をあげようという何か下心でもあるのかなといったようなそういう勘ぐりさえ私は実はしたくなるのであります。現場は大変深刻である。農水大臣はぜひ閣議の中でも、てんでんばらばら、農業が嫌になるような議論が出ないように厳重に言ってもらわなければいかぬだろうと私は思うのであります。 第二の点は、さっきもお話にありました大臣の所信表明の中では、例えば、国会決議の趣旨を体し、既定の方針を貫いて、ウルグアイ・ラウンドの最終的な、これから始まっていよいよ大詰めに来た段階に臨む、こう所信を言われております。これは日本政府の方針なのかというと、新聞を見ると、今もお話しのように、閣内の有力なメンバーがいろいろなことを勝手に言っていますね。これは農水大臣、怒らなければいかぬと思うのです。少なくとも、米に関する問題はこれは農水大臣の責任であります。それをほかの、副総理か何か知らぬけれども有力な大臣が、一括関税化やるのだみたいな話をしたら、これは農水大臣怒らなきゃいけないのじゃないか。国民の印象は、いろいろなことを言っておりますが、じりじりと最後の段階では、カナダや韓国のように最後まで突っ張るということはしない、日本政府はどこかで、妥協した格好をなるべくとらずに、押し切られました、寄り切られましたという格好でこの米問題は決着をつけようとしておるというふうに、ほとんどの皆さんが思っているようであります。この問題については、田名部農水大臣はやはり東北の米どころの出身でありますから、政治的な命をかけてけじめを全うするということのテーマではないか、こう私は思うのであります。 時間がありませんので、もう一つ申し上げておきますが、この大臣の所信表明演説の中に「経営管理能力にすぐれた、企業的経営のできる担い手の育成を初めこという強い大臣のお考え、抱負を明瞭に言われておる。あの農業基本法農政が発足した当時、私も国会へ出てくる直前でありましたが、私は田舎で県会議員をしておりました。その当時、特に農業の協業化、農協法七十四条以降の改正が行われた時代でありますが、私のところも米どころでありますが、たくさんの協同経営体をつくった。今もその流れは私の郷里ではたくさんいろいろな方面に展開しておりますけれども、問題は、「企業的経営のできる担い手」というのは一体いかなるものなのか。 私が恐れるのは、今のようなやり方ですと、農村で担い手はできませんよ。嫁の来手もおりませんね。どんどん、田園まさに荒れなんとすです。そして農地が荒廃していった段階に、いわゆる農業者にあらざる企業、これがどんどん農村の中に、企業的に成り立つ経営をやってみようといって乗り出そうという動きも今いろいろな意味でうごめいているのが事実であります。私は、企業的経営をやらなければいかぬというならば、少なくとも農協が限度だろうと思います。個々の農業者を大きく統括しておる農協、もしくは農協法七十四条以降による農事組合法人、これがやはり私は、企業という形態で行うとするならば、農業の実態だろうと思う。私が言うのは、普通の、今まで土地バブルや何かではじけてしまったという大企業が農村にはまり込んでくるということになると、短期間の間には非常にもうかることをやるかもしれません。しかし、恐らく農地は一遍で農薬、化学肥料その他いろいろなものでおかしくなってしまうだろうし、長い命を持った農業というのは、私は大企業的立場では日本の場合はやり切っていけないというふうに思っているのであります。したがって、この企業的経営の担い手というものについて、私はやはり一般株式会社のような形態のものがどんどん農村に参入する形態には非常な危機感を持っておる一人であります。 したがって、時間がありませんから大臣、今の問題と、さっき申し上げました、有力閣僚がガット・ウルグアイ・ラウンドに対して、もうこのあたりでやれといったような無責任な発言に対して、担当の農水大臣としてまなじりを決して立ち向かわなければいかぬ問題ではないかと私は思うのでありますが、田名部大臣の所信をお伺いしたいと思います。
○田名部国務大臣 有力閣僚の発言、こういうことで、私も発言の現場におるわけでないものですから、微妙なニュアンスというものはわからぬ、まあ新聞で、報道でわかるわけでありますけれども、閣議のときも直接、どういう御意思ですかと伺うわけでありますが、基本的には自由化はだめだよ、こういう話なものですから、基本的でないところでいろいろこう、例えばのところで話されたものが、どうもそこだけが取材されている、報道されておる、こう言われると、基本的にだめなものに、これ怒るわけにいきませんから、何回かあって、そのたびに私も報道内容を見て伺うわけでありますけれども、大体しかし、自由化すべきだという人は一人もおりませんでしたので、そのことは御理解いただきたい。それ以上のことは、どういう気持ちで、どういう考えで言ったかというのは、心の中までは見るわけにいきませんので、いずれにしても、現場におって聞いた発言でないものですから、これ以上のことは差し控えさせていただきたい。 それから、企業的経営感覚と申しましたのは、私の一族も全部、母方も父方も農家でありますから、その実態を見て申し上げておるわけでして、とにかく子供たちはみんなどこかへ勤めに言ってしまう、女の子ばかり二人しかいない。いろいろなことを見ておりまして、親の言うとおりに若い人たちがやるかというと、しない。結局、何とか農家を、後を継がしたいと思って、自動車買ってくれ、うち建ててくれ、そういうことを言うことを聞いて何とかかんとかやっているわけです。実際そういうことでやりますから、経営内容というものはいいはずがないですね。農機具にしても、隣へ行ってみていいのを使っていると、あれ、おれのところも買ってこいというようなことで、一体どの程度かかっているのかというものは全くない。 ですから、私はいつも行っては、もうちょっとこういう面は借りた方がいいとか買った方がいいとかという、もう少し帳簿をつけてきちっとやってみろ、むだはどこにあるか、もっと投資しなきゃならぬところはどこか、こういうことを言うわけです。見ておるものですから、これからの若い人たちにあのままやれと言ったのでは後を継ぐ人はいないな、やはり経営管理、原価計算からはじいて、どの程度の規模を、何人であれば採算が合ってむしろもうかる農業をやれる、そうしたものまでやるようにならぬといかぬわけでありますけれども、残念ながら今の状態でそれをみんなに求めても無理な状態なのです。 先生、農協が限度だ。どこでもいいわけですけれども、この経営のそういう指導をきちっとやって指導してくれるところがあってやってくれれば、これは私は結構だと思う。農林中金なんか、融資の場合には一々診断をして、この規模だとこれだけの利益が上がるが、経費はこの分かかってあなたのところはもうかります、もうかりませんというのを出しているわけです。ああいうことが本当に農家の末端の段階できちっとやれるようにして、これからの農業というものを魅力あるものにしていきたい、こういうことで発言したので、別に株式会社がどうのこうのという話ではない。 ただ、私のところに養鶏会社がありまして、これはもうすこぶるうまくやっておる。農地も自分で持ってませんから借りて、そしてえさをまいてみたり、あるいは鶏ふんをいろいろなふうに利用して、肥料にならぬかとかいろいろな研究をやっておるところがある。あるいは、三年ぐらい前ですか、漁協へ行きまして、もうアワビやウニというのは放流しないでおかの上で物をつくるようになれば、何も漁師でなくても会社でももうかると思ったらやれる時代が来ると思うから、そのときはどうするかという話をしたら、この前テレビで、もう売るまでアワビも施設で放流しないでやっているというのが出ていましたので、そういう時代になったのかな、そういうことを考えると、土地は持たせなくても、そうやりたいという人と農家の人たちが一体となって、うまく管理をその人たちにやってもらいながらいく方法でもあるのかな。 別に、こうするという気持ちはないのですけれども、いずれにしても、よくやるためにはどうすればいいのかということは今私の考えの中にあるものですから、いずれにしても、そうした若い人たちに魅力のある、パソコンやファクシミリやコンピューターを操作しながらやる、そんな農業を目指して頑張ってほしいな、こう思って申し上げたことでありますから、皆さんの御意見を伺って、あるいは若い人たちの意見を伺って、これからいろいろな政策の中に打ち出していきたい、そう考えております。
○阿部(昭)委員 まだ意は尽くしませんが、時間が参りましたので、以上で終わります。
○高村委員長 次回は、明二十七日木曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時五十九分散会