内閣委員会 第2号
- 発言数
- 176 件
- 登壇者
- 15 名
- 会派数
- 4
- 開催日
- 1992/03/05
会議録
○桜井委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、恩給法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。山中邦紀君。
○山中(邦)委員 社会党の山中邦紀でございます。 まず大臣に、恩給制度の趣旨、意義について御見識を伺いたいと思います。昨今、前大戦の後始末について国の内外からいろんな問題が提起をされております。今の恩給制度の評価も含め、関連する恩欠問題などにもお考えがあったらお聞かせを願いたいと思います。
○岩崎国務大臣 恩給は、公務員が相当年限にわたりまして忠実に勤務をして退職した場合、また公務による傷病によって退職をした場合及び公務による死亡をいたした場合、こういった場合に国が公務員との特殊な関係におきまして使用者として公務員またはその遺族に対しまして生活を支えるために支給をいたしておるものでございまして、いわば国家補償的性格を有するものである、恩給とはそのようなものであるというように認識をいたしておるところでございます。
○山中(邦)委員 それでは、今回の改正案の要旨、また増額の数字の根拠についてお尋ねをいたします。
○新野政府委員 平成四年度の恩給の改善に当たりましては、恩給が国家補償的性格を有するものである等の特殊性を考慮いたしまして恩給の実質価値の維持を図る観点から、恩給法第二条の二の規定にのっとりまして諸般の事情を総合勘案いたしまして恩給年額をこの四月から三・八四%引き上げることとしているところでございます。この改定率の三・八四%は、公務員給与の改定それから消費者物価の上昇等、諸般の事情を総合勘案したものでございます。
○山中(邦)委員 この数年見ておりますと、公務員給与の改善率には及ばないけれども物価上昇率ははるかに超える、こういう形でアップ率が決められてきているようであります。 ところで、総合勘案方式というのが今のアップ率の算定方式のようでございますけれども、六十一年まで言われておりました給与回帰分析方式、そのどの点を改善して今の方式になったのか。総合勘案方式というのはどういうやり方、手法で数字を決めるものか。
○新野政府委員 戦後における恩給の改定方式につきましては、公務員給与に追随をいたします方式であるとかあるいは消費水準を指標といたします方式であるとか、またいわゆる恩給審議会方式等の変遷を経て、昭和四十八年以降は公務員給与の改定率を指標として行ってきたところでございます。 ところで、昭和六十一年の公的年金制度改革に関連いたしまして恩給制度につきましてもこれとのバランスを考慮した見直しが求められたところでございます。それで鋭意検討いたしました結果、恩給のベースアップにつきましては昭和六十二年度以降、公務員給与の改定それから物価の変動等諸事情を総合勘案するという方式で行うことといたしまして今日に至っているところでございます。
○山中(邦)委員 その総合勘案方式でありますけれども、俗に公務員給与の改定率を八と見、消費者物価指数の変動を二と見て算定をしているんだ、こうも言われておりますけれども、やはり恩給の算定方式については、総合といっても中身がもっと明示されなければいけないと思いますので、この方式の具体的なあり方、これを説明してください。
○新野政府委員 恩給の改定に当たりましては、従来から、そのときどきにおける社会経済事情等を勘案しながら最も適切な改定指標を使うということでやってきたところでございまして、今回も、公務員給与の改定率であります場合に行(一)の俸給改定率の三・九五とか、あるいは物価につきましては予算の段階の上昇見込み三・四とかというものを勘案いたしながら、従来の方式になるべく安定的な形に近づくという形でいろいろ検討した結果、結果的に三・八四ということで、先ほど先生のお話しのような率に近づいたような形のものになっておるところでございます。
○山中(邦)委員 そういう説明はたびたび伺っているわけでありまして、この三・八四というのにどれだけの根拠があるかというのをもっと具体的に伺いたいわけであります。 それで、その点も含めて、現在この恩給を受給している人数、それから総額、平均受給額、それからまた受給者の平均年齢、これについておわかりでしたら教えてください。
○新野政府委員 平成四年度予算におきます恩給受給者数並びにその支給総額等の関係でございますが、平成四年度予算で見込んでおります年金恩給受給者数は約百九十一万人でございまして、その支給総額は約一兆六千四百八十五億円となってございます。また受給者の平均支給額でございますが、これも平成四年度の恩給改善が実現いたしました場合の見込みといたしまして、トータルで年額約九十万六千円というふうになってございます。 それから、平均年齢につきましては、文官と旧軍人とに分かれまして、文官の場合が八十一・一歳、旧軍人が七十三・九歳。それで、総平均では、旧軍人が非常に多いものですから七十四・三歳というのが平成三年三月の数字でございます。
○山中(邦)委員 予想どおり平均年齢が非常に高いということであります。この高齢の方々に対して九十万程度の平均年額というのは、先ほど大臣がおっしゃった生活保障という観点からはどういう意味を持っておるのか、こういう点の実態調査というのはなさっているのでしょうか。方式の変化は、アップ率の進化を意味しているものやら社会の情勢の変化に応じて変わっていったものやら、ずっと以前に決まった数字にパーセントを乗せていくだけで国家補償あるいは生活保障ということの意味合いが実現されておるかどうか、この辺はどういう御認識でありましょうか。
○新野政府委員 恩給受給者の生活状況等について把握をしておるかというお話につきましては、昭和五十一年度以降毎年度、トータルではございませんが、順次恩給種類別に、家族構成でありますとか就業状況、世帯収入、家計に占める恩給の役割、それから他の公的年金の受給状況、また受給者の意見、要望等について調査を行うようにいたしましてその把握に努めておるところでございます。 最近の調査結果を概観いたしますと、恩給を主たる収入としている者は増加恩給受給者が非常に多いということでございます。また、文官普通恩給あるいは文官の普通扶助料、それから公務扶助料、傷病年金等の受給者も三割以上が恩給を主たる収入としている。旧軍人普通恩給につきましては、長期在職者が三割ぐらいが主たる収入としておる。ただ、短期在職者は五%程度ということで、短期に在職された関係でその後の社会生活でいろいろ他の収入の道もあるのではないかと推測しておるところでございます。 また、これらの恩給受給者の公的年金の受給状況でございますけれども、文官普通恩給や普通扶助料受給者、増加恩給受給者、それから公務扶助料受給者、旧軍人普通恩給受給者のうち、長期在職者につきましては、他の公的年金を受給していない者の比率が短期の方に比べて高いというような状況が見られるところでございます。また、受給者の意見や要望を見ますと、いずれの調査においても、感謝しているという声が強いと同時に、恩給というものについては、毎年増額については努力をしてほしいという要望が強いことも事実ではございます。
○山中(邦)委員 恩給を主な収入源としている方もおられることでありまして、受給者の意見を聞く際にどの程度の水準を要望しているか、こういうことは把握をしておられるのですか。
○新野政府委員 これまでの長い歴史によりまして、二十八年以降各先生方の御努力によってそれぞれの受給者の要望が制度化されて今日に至っておるわけでございまして、もちろん受給者個々の方から見ればたくさんいただきたいということではありますが、今の経済社会状況の中あるいは財政状況の中では、この予算案に見られるような内容について政府は精いっぱいの努力をしておるということについては大方の受給者の御理解を得ているのではないかというふうに思っておるところでございます。
○山中(邦)委員 生活保障の面があるのであれば、生活の実態調査と絡んで本音の意見を把握してもらいたいものだというふうに思います。 それで、手続的なことをちょっとお尋ねをいたしますが、恩給の受給権というのはいつ発生するものですか。
○新野政府委員 恩給権の発生の時期でございますけれども、恩給の種類によって異なりますが、原則的には、普通恩給というのは、相当期間勤めて退職される場合にはその退職の時期、それから遺族に対する扶助料については、今まで恩給を受け取っていただいていた前権利者が死亡されたときの時期、それから傷病恩給につきましては、公務による傷病の結果症状が固定したというのがその権利が発生する時期というふうに考えております。
○山中(邦)委員 発生した権利が具体化するのはどういう手続、方式によりますか。
○新野政府委員 旧軍人に係ります恩給の請求の場合につきましては、旧軍人を退職した当時の本籍地の都道府県に恩給請求や履歴書等の請求書類を提出するということになっております。都道府県では請求書類を整備いたしまして、厚生省を経由して恩給局の方に御提出をいただくということでございます。
○山中(邦)委員 具体的には請求権者が一定の書類を整えて都道府県に請求書を出すということがきっかけになって具体化していく、こういうことであろうというふうに思います。請求書を出した場合に、これは恩給局は審査をして一定の処分をすることになりますか、どういう内容の処分ですか。
○新野政府委員 恩給を受ける権利の裁定につきましては、恩給法第十二条の規定がございまして「恩給ヲ受クルノ権利ハ総務庁ノ内部部局トシテ置カルル局ニシテ恩給二関スル事務ヲ所掌スルモノノ局長之ヲ裁定ス」ということになりまして、総務庁恩給局長が請求者から提出された請求書類等を審査して裁定を行っているところでございます。
○山中(邦)委員 この裁定の効果についてお尋ねをいたします。 そうして都道府県を経由している、さらに厚生省を経由する、これは手続全体ではどういう意味を持つものか。
○新野政府委員 まず裁定の場合の効果でございますけれども、これは恩給の請求に対しまして、請求者の主張するような権利が現に法律に照らして存在するかどうかを確認いたしまして、これを公に宣言するものであるというふうに考えております。また、その請求書類をお出しいただきますときに、例えば旧軍人の場合には軍歴というものが基礎になります。その軍歴の事実認定につきましては、旧軍人の兵籍簿等の資料がないと確認ができません。兵籍簿等の資料は、旧陸軍関係につきましては各都道府県で、また旧海軍関係については厚生省で引き継がれておるという関係から、そうしたものをそれぞれ経由して当庁の方に提出をいただくということになっておるところでございます。
○山中(邦)委員 ただいまのお話によりますと、認定に重要な書類が置かれているところを経由する、こういうことであろうというふうに思います。裁定をするのは恩給局であるということになりますと、事実認定についても恩給局が最終的には権限を持っておるということになろうかと思います。不服の申し立てその他は皆恩給局の裁定に対するものだ、こう考えてよろしいでしょうか。
○新野政府委員 総務庁の恩給局長が裁定しましたものにつきまして、不服のある者はその処分があったことを知った日の翌日から起算いたしまして一年以内に恩給局長に対して異議申し立てをすることができるということとなっております。さらに、異議申し立ての決定に不服のある者は、その決定があったことを知った日の翌日から起算いたしまして六カ月以内に総務庁長官に対しまして審査請求をすることができる仕組みになってございます。
○山中(邦)委員 そういうことでありますと、途中の都道府県の何らかの行為あるいは厚生省の認定というものについては独立して不服申し立てはできない、こういうふうに伺ってよろしいですか。
○新野政府委員 恩給に係る不服申し立てにつきましては、行政上の処分により恩給に関する権利を侵害されたということの場合に行えるということでございますので、処分の前段階におきます。その手続上の問題につきましては、不服申し立てを行うことはできないのではないかというふうに考えております。
○山中(邦)委員 いろいろ手続について承りましたのは、私、昨年もちょっと質問いたしましたけれども、山西省の残留日本軍軍人問題について関連しているからであります。この問題につきましては、北支派遣軍の中に第一軍というのがございまして、澄田中将というのが司令官であります。山西省の太原に駐屯をいたしておりました。傘下将兵約五万九千でございます。そして、我が国が昭和二十年八月に敗戦という事態を迎えたときに、ちょうどそこには、相対峙をいたしておりましたのは、中国の第二戦区司令長官というそうですが、閻錫山の軍隊であります。そして、閻司令長官は澄田第一軍司令官に、傘下の将兵の中から武装解除しないで残留をさせるように要求をいたしまして、司令官はこれに従い、当初約一万数千、それから後、資料によりますと、六千六百六十七という数字も出てまいります。そして、最終的には二千六百という数字も出てまいります。いずれ、日本軍の一部が残りまして、内戦に巻き込まれまして戦闘を行い戦死をした者もある。太原陥落の後は捕虜となって虜囚の生活を長く送った、そういう人たちもあるわけであります。 この残った人たちが現地除隊という扱いをされまして、恩給の点でも、その他いろいろな点でも不利益をこうむっているということで、いろいろ運動をしておられます。北は岩手から南は福岡まで全国二十一の団体が集まりまして、冤をそそぐ、そして正当な処遇を求めて運動をいたしております。その関係で手続をいろいろ伺ったわけでありますけれども、この点につきましては、昨年の三月十五日に質問をいたしまして、厚生省の方でいろいろ事実調査をして現在に至っておって、一定の見解をお持ちであるようであります。またその後調査もなされたのではないかと思っております。厚生省の方ではこの問題についてはどういう事実経過と認識をしておられますか。
○村瀬説明員 お答えいたします。 昨年御質問を受けましたときに御説明いたしたわけでございますが、厚生省は、関係者の記憶が比較的鮮明な昭和二十八年から二十九年にかけまして山西省残留者の実情調査を実施いたしております。その結果といたしまして三十一年の国会に御報告いたしているわけでございますが、戦後四十六年を経た今日、改めて実情調査を行ったといたしましても、二十八年から二十九年にかけまして実施いたしました調査以上に実情を把握することは極めて困難である、こういうふうに考えておるところでございます。
○山中(邦)委員 それにいたしましても、参議院でこの点に関する請願が採択をされまして、多分村瀬課長が中心になって処理要領をまとめられたと思いますが、事実調査が困難だということは別として、どういう認識でおられるか、事実認識はどういうものかをお尋ねします。
○村瀬説明員 これにつきましては、ただいま先生からも山西省の状況について御説明がございましたけれども、これは当時の状況から見まして、全軍内地に帰還する、そういう基本的な方針に基づきまして、最終的には全軍に対しまして帰還を説得いたしまして、なおかつ残留された、先ほども先生からございました二千六百名というのが最後に残ったわけでございます。それらの方々はいわば自己の意思で残留された、そういうふうに私どもは考えております。したがいまして、当時の帝国陸軍(外地部隊)復員実施要領細則というのがございまして、当時の第一軍最高司令官が現地除隊の措置をとったものというふうに私どもは考えております。
○山中(邦)委員 請願に対する処理要領として厚生省が提出した文書によりますと、現地召集解除を行った、その措置は「昭和二十年十二月から昭和二十一年一月にかけて第一軍司令官」、澄田中将ですが、「自らが全員帰還の方針を各部隊に説明して、これを将兵に徹底することに努めた。」こうあります。「さらに、当時の支那派遣軍参謀が昭和二十一年三月九日に直接太原に赴き、第一軍首脳及び閻錫山に対し全員帰還方針を説得した。加えて、第一軍の各部隊においても部隊幹部が残留希望者に帰還について説得を続けた。」というふうに書いてあります。このような事実認識ですか。
○村瀬説明員 そのように認識しております。
○山中(邦)委員 この問題については、昭和三十一年に、海外同胞引揚及び遺家族援護に関する調査特別委員会で参考人からいろいろ事情が聴取をされております。小羽参考人の供述によりますと、「私は終戦前、駐蒙軍関係におりました。その後、蒙古政府におり、終戦後ここにおられる山岡参考人が」、これは第一軍の参謀長を指します、「北京の方面軍司令部に太原の特務団残留問題についての連絡に行かれましたときに、北京において、山西には第一軍も残るから、山西に行って残るように指示をされ、そして山西に残った者であります。」こういうふうに供述をいたしております。ちょっと略してその後に「この残留当時の状況からいいまして、残留は決してただ一時的な、また個別的な個人々々の意思から行われたものでは決してありません。」こういうふうに言っているのですね。数人の参考人が招致を受けていろいろ言っているようでありますけれども、トップクラスの人はいわゆる自願残留、みずから願って残留したというような言い方、厚生省のこの処理要領に沿った感じの話をしておりますけれども、中級、下級の将校などは全くそれと違った話をしているわけであります。 二十年十二月から二十一年一月にかけて、第一軍司令官はみずから全員帰還の方針を各部隊に説明したというのは、これは根拠のある資料に基づいた認定でしょうか。
○村瀬説明員 これは三十一年に国会に澄田司令官を証人としてお呼びいたしたときに御本人からそういうことをおっしゃっておりますし、私どももそういうことで認定しております。
○山中(邦)委員 当時既に司令官クラスの人の話と、それから残った多数の人々の間の意見は一致をしていなかったろうというふうに思われます。その中から司令官の言を特にとったということについてはうなずけない点があるわけであります。この澄田中将は、中国側の軍隊の顧問の立場にあった人でありまして、結果した重大な結果についてかなりみずからをかばった話をされたのではないかというふうに思っております。 ところで、現地除隊ということを厚生省は認定をしているようでありますが、現地除隊というのはどういうもの、どういう条件、方式で、だれが行うものですか。
○村瀬説明員 終戦時外地にありました部隊の復員につきましては、先ほどちょっと申し上げましたが、当時、帝国陸軍(外地部隊)復員実施要領細則、そういう規定がございまして、通常は部隊ごとに本土に帰還した後に実施されることになっております。しかしながら、同細則によりまして特例的に外地に在留を希望する者、その他必要と認められる者などにつきましては、内地に帰還することなく現地において最高司令官が除隊させる場合がございますが、これを現地除隊、こういうふうに称しております。
○山中(邦)委員 今おっしゃった復員実施要領細則の引用だと思いますが、第九条の第一項の第二号、「外地在留ヲ希望スル者」、この認定を行うに当たりましては、もし今のようなお話であるならば、当該問題にしている方が在留を希望したかどうか、それから、これに対して司令官がこれはどういうことをするんでありましょうか、除隊命令を発するんでしょうか、発してそれは本人に通知をされなければいけないんでしょうか。この辺は、この事実に関するまとめをするときにどういうお立場でまとめられましたか。
○村瀬説明員 これは、第一軍が、先ほど先生お話ございましたけれども、復員いたしましたのが二十一年の三月でございますけれども、その間にいろいろ経過がございます。一時期におきましては確かに一万人が残留するというところまでいったわけでございますけれども、その後全員復員するんだ、そういうふうに徹底いたしまして、これは細かい経過がございますが、いたしまして、これは実は閻錫山が第一軍に対して正確な情報を流しておらなかったということがございまして、そういう正確な情報を承知いたしましてからは第一軍司令部は全員帰還だ、帰還するんだ、こういうことを徹底いたしまして、各部隊長、幹部が所属の隊員に対しまして帰還を徹底いたしました。そういうことをいたしまして、これは口頭によりまして各隊員に、帰還をしない場合は、現地に自分の自己意思で残留する場合には現地除隊にする、こういうことを口頭で徹底いたしております。これは形式要件は特に定められておりませんで、そのことは口頭で伝達すれば足りるようになっております。
○山中(邦)委員 厚生省がいろいろ復員関係で文書をつくっておられます。その中には外地残留の関係で特記すべきものとして山西省に残留した第一軍所属者のことについて書いてあります。「続々引き揚げ援護の記録」、こういう表題のものであります。いずれ立言ったような事情があって帰還がおくれ、二十一年四月になってようやく帰還移送が開始されたというようなこと、それから二千六百名が部隊側の説得に応じないで閻錫山軍に参加するため残留するに至ったというようなこと、それから内戦に従って死亡者がいるというようなこと、あるいは虜囚の憂き目に遭ったというようなことが書いてあります。これはもう非常に特異な現地残留のケースであります。この厚生省の記述は説得にもかかわらずというふうに書いてありますけれども、どうもそうではないというふうに思われます。 そもそも一万人近い者が残留したというのは、あの事情のもとにあって任意に残留したというふうには到底思えないわけでありまして、やはり命令によって残留をした、こういうことを申し立てる方々の方に私は信用を置きたいというふうに思います。完全武装して、一番手入れの整った武器弾薬を持って、転属を申告して営門から歩調をとって出て行った、こういうことを言っております。もし一万数千の方に対してそういう問題があれば、一人一人に説得をしたというのは私はこれは到底考えられないというふうに思うわけであります。いずれ事実調査について時期を経て困難になった、これはもうそのとおりでありましょうけれども、やはりお仕事柄熱心に調査をしていただきたいというふうに思います。 そういう観点からもう少し今の点伺いますけれども、二十年十二月から二十一年一月にかけてということでありますけれども、これは第一軍司令官がみずから訪問して、将兵に全員帰還の方針を徹底したというのは、これは証拠のあったお話ですか。
○村瀬説明員 これは先ほど申し上げましたように、三十一年に国会の参考人として澄田当時最高司令官をお呼びいたしまして、御本人がそこで申し上げておることと、それからさらに私ども、幕僚などあるいは各部隊長、そういう方たちから聴取いたしております。
○山中(邦)委員 ところで、厚生省の方ではこの関係の方で現地召集解除を取り消す扱いをした事例がございますね。厚生省では現地召集を解除する権限があるんですか。
○村瀬説明員 これは、先生おっしゃっておられる事例というのは、亡くなった方、現地で残留されて亡くなった方の御遺族に対して公務扶助料を支給しておる、こういう事例でございましょうか。
○山中(邦)委員 今のも含めまして、閻錫山から徴用解除の証明書を持って帰った方があるそうでございます。その方についても同種の措置をとったと言われておるそうでありますが、いかがですか。両方含めてお答えいただきたい。
○村瀬説明員 私ども厚生省といたしましては、当時軍が現地召集解除規定にのっとって行っておりますことにつきましては、厚生省といたしましてはその旧軍の残務処理をいたしておるわけでございますがら、それを取り消すことはできませんと考えております。
○山中(邦)委員 この前の去年の三月十五日のお答えでは、言葉のあやということもあるのかもしれませんが、「個別に現地召集解除を取り消しましてこというお話がございます。そういうことで伺ったわけであります。取り消しという事実はないのですか。
○村瀬説明員 事実はございます。それは三十一年から三十三年にかけまして国会で御議論になったことなんですけれども、山西軍に残留参加して中共軍との戦闘で亡くなった方、そういう方の御遺族に対する処遇ができないか、そういうことが御議論になった経緯ございます。それで、そういう御議論の中で、やはり御遺族については、御遺族の心情というものを考えまして、考慮いたしまして、そういう方々については個別に見直しをいたしまして、現地召集解除というものを取り消しいたしまして、公務扶助料を支給しておる、こういう事例はございます。
○山中(邦)委員 いずれ、厚生省にも関係の方が行って、事実調査を求めたり陳情したりしているというふうに思います。正規に恩給の請求をしてくれば、先ほど来の手続で都道府県を通じ厚生省に行くと思うわけでありますけれども、これは個別に事実を調べて、本人の言い分も聞いて恩給局に進達をしていただく、こういうことでよろしいですか。
○村瀬説明員 これは当時の、先ほど申しておりますけれども、現地召集解除と申しますのは、当時最高司令官が慎重に措置をされたわけでございますので、四十六年をたちました今日、いろいろ調査をいたしましても、十分なそれを覆すような状況が判明するのかどうか、私ども、大変困難であろう、そういうふうに考えております。
○山中(邦)委員 困難は困難として、ひとつできるだけの御努力をお願いしたいというふうに思います。既に取り消しの事例がある、取り消しというのが当たるのかどうかよくわからないのですけれども。それからまた、請願に対する処理要領においても、どうやら除隊の手続は、ある期間の幅にわたって、恐らく何度か個別の問題になっていくのだろうというふうに思われます。お願いをしておきたいというふうに思います。 今の問題に絡んで伺いますが、兵歴、軍歴に関しては、記録としてはどういうものがあって、だれが保管をしているのですか。
○村瀬説明員 陸軍と海軍と記録がちょっと違いますけれども、陸軍の軍人軍属の人事記録につきましては、陸軍兵籍、それから陸軍戦時名簿がございます。これは都道府県が保管をいたしております。それから、厚生省が保管しております人事記録といたしましては留守名簿というのがございまして、これは各部隊ごとにつくられておるものでございます。 それから、海軍の軍人軍属の人事記録につきましては、軍人履歴原表というのがございます。それからまた、軍属功績カードというのがございますが、これはいずれも厚生省が保管しております。
○山中(邦)委員 そういう資料も、所属長が辞令を出すとか一定の手続をとったものを記録したというのであれば、非常に確度は高いというふうに思いますけれども、あの混乱の時期の、恐らく各個人別に現地除隊というふうに記載がしてあると思いますが、これについてはやはり厚生省の段階で本人の申し出に従って御調査を願いたいというふうに思います。 現に、最後まで残って全体の指揮をとった今村大佐という方がおられますけれども、全員帰還の手続をとって、司令官にだまされた旨の述懐をして自決をした方の奥さんであると伺っております、東京地裁にこの問題で、現地復員処理認定無効確認等請求事件というのを提訴しておられるようであります。十分な調査を今までやっていただいておればといううらみは残ります。また、この方は御主人の冤をすすぐというような点に重点があるのだろうというふうに思っております。被告を厚生省の援護局長と書いてありますが、被告適格はどうかというふうにも思いますけれども、現地復員処理認定無効という観点に立った場合に、厚生省はどんなお立場に立つのか、この事件についてどのように見ておられるかお伺いしたいと思います。
○村瀬説明員 ただいまのお話でございますけれども、本件訴訟が出ておりまして、昨年の九月に、元陸軍大佐の妻から出ております。東京地方裁判所に提訴されておりますけれども、その概要をちょっと申し上げますと、夫は引揚援護庁から現地除隊の認定を受けているが、軍の同胞を無事帰還させるため、半強制的に残留志願させられたものであるので、現地除隊の認定は無効であるとして、現地除隊の認定の無効確認及び慰謝料支払いを求めているものであります。原告の申し立てを見ますと、裁判につきましては、係争中の事件でございますので、その推移を見守ることといたしたい、そういうふうに考えております。
○山中(邦)委員 最後に、最近においても内々の調査はなさっておられるのではないかというふうには思いますが、会津若松の関さんなどにお問い合わせはなさっておられますか。できるだけ、高齢者の方々が関係しておることもありますので、困難は困難として調査はお願いしたいと思いますが、いかがですか。
○村瀬説明員 これは先ほど申し上げましたことの繰り返してございますけれども、現時点におきましてはなかなか調査も難しかろう、そういうふうに私ども考えております。
○山中(邦)委員 やっておられるんではないかというふうに思いますが、継続をしてやっていただきたいというふうに思います。 テーマを変えまして、平和祈念事業特別基金等に関する法律の根拠に基づいてなされております恩給欠格者に対する銀杯等の贈呈事業、この関係でお伺いをしたいというふうに思います。 新規事業なども始まりまして、改めてこの事業の意義、概要、そして現在、将来をどう見通しておられるか、お伺いをいたします。
○高岡政府委員 先生御指摘の事業は、昭和五十九年十二月でございますが、総務長官の私的諮問機関としてつくられました戦後処理問題懇談会の報告の趣旨に従いまして設立された認可法人で平和祈念事業を行っておるわけでございます。 その目的といたしますところは、今次の大戦におきます戦争犠牲を銘記して、かつ、永遠の平和を祈念するため、いわゆる恩給欠格者、それから戦後強制抑留者、引揚者等の関係者の御労苦について国民の理解を深めること等により関係者に対して慰藉の念を示す事業を行うというのが目的となっております。 具体的な慰藉事業の概要でございますけれども、こういった目的に従いまして現在平和祈念事業特別基金におきましては、まず一般的な慰藉事業といたしまして、関係者の労苦に関する資料の収集でございますとか保管、それから展示、調査研究、あるいは関係する方々等をお招きいたしましての講演会の開催、こういったことをやっております。 そのほか、目的達成事業と私ども言っておりますけれども、それといたしまして恩給欠格者の方々に対する書状、銀杯、それから慰労の品の贈呈事業ということをやっております。また、引揚者に対しましては書状の贈呈事業ということをやっておるわけでございます。 なお、第三のジャンルといたしまして、特別事業ということでございますけれども、シベリア等の戦後強制抑留者に対します書状、銀杯の贈呈事業、それから慰労金の支給事務、こういったものをやっております。
○山中(邦)委員 いわゆる恩欠者というのはどういう方々を指すのか、その人数については把握をしておられますか、また、その平均年齢はいかがですか。
○高岡政府委員 いわゆる恩給欠格者と一般的に言われております方々は、旧軍人軍属でございまして年金たる恩給あるいは旧軍人軍属としての在職に関連する年金たる給付を受ける権利を有しない方、兵隊さんでいいますと、恩給でございますと加算年を含めて在職年十二年以上ないと恩給がもらえないという仕組みになっておりますので、そういった所要の在職期間に達しない方たちのことを一般的に申し上げております。 それから人数でございますけれども、これはちょっと数字が古くて恐縮でございますけれども、この基金が平成元年度に実施いたしました調査によりますと、約十万人の抽出調査の結果でございますけれども、平成元年十月時点におきましては恩給欠格者の数は約二百五十万人と推計されております。当時その平均年齢は六十九・一歳でございました。その後調査は実施いたしておりませんので、現在の平均年齢並びに対象者数というのは正確な数字は申し上げられないわけでございますが、二年ほど経過いたしておりますので、七十一歳程度に平均年齢はなっているのではないかと思います。 なお、私ども基金の方で、この二百五十万人のうちから、外地経験のある方で加算年を入れて在職年が三年以上の方という縛りをかけまして、それで慰藉事業をやらせていただいておるわけでございますが、この要件に該当する恩給欠格者の方の数は百八万人というふうに私ども考えておるところでございます。
○山中(邦)委員 今おっしゃった百八万人の方にかかわるその縛りというのは、何でかかっておるのですか。
○高岡政府委員 これは、先ほど申し上げました戦後処理問題懇談会の報告書におきましても、こういった報告の趣旨を受けていろいろ調査検討をしなさい、その際に、いわゆる戦後処理問題の大きな三つの問題、こういったものにつきましては、それぞれの方々が置かれました事情でございますとか損害の性格等の相違をも十分勘案して、結論として、「公正かつ国民の納得のいく結論を得る」ように努力しなさいという御提言をいただいておるわけでございまして、これを受けまして平和祈念事業特別基金におきましては、基金の中に運営委員会、これは十人の先生方から成る委員会でございますが、ここでいろいろと御議論をいただきまして、その御議論をいただきました結果として、先ほど申し上げました、外地勤務の経験があること、それから、加算年を入れて在職年が三年以上、こういった方たちに慰藉事業をするのが適当であろう。もちろんこれは、戦争の被害というのは当然老幼男女の別を問わず、広く国民一般が甘受しなければならない戦争犠牲というものがあるわけでございますけれども、そういった一般国民が受ける戦争犠牲ということを視野の中に入れつつ、特に慰藉事業をやる対象としてはこういう縛りが適当ではなかろうか、こういう御提言をいただきましたものですから、私ども、その線に沿って慰藉事業をやらせていただいておるところでございます。
○山中(邦)委員 この縛りがいかにもかたいもののように言われておりますけれども、今伺うと、要するに法律上の根拠はない、運営委員会の決定を尊重したものだ、こう聞こえるわけであります。 それで、三年とか外地経験とか、これはどういう観点から決まったものですか。どういう議論の上にそういう結論が出たものですか。
○高岡政府委員 ちょっと私、御説明不足でございまして、大変申しわけございません。この委員会の結論を受けまして、法律的な形式といたしましては、業務運営方法書というのが基金法に規定されております。これは、そういう法的な根拠に基づきます。務運営方法書の中でそういう資格要件を定めておるものでございます。 それでは、具体的になぜそういう要件を定めたのかということでございますけれども、これも繰り返しになってまことに恐縮でございますけれども、先ほど申し上げました、今次の大戦におきましては国土が灰じんに帰し、社会も大変な混乱の状態に陥るようなひどい状況になったわけでございますので、国民が、若い人も幼い子供も、あるいはお年寄りの方も、青壮年だけではなくて大変な犠牲を払われた。そういった方たちにすべて補償するということは、これは、国家財政の観点からいきましても、その他もろもろの事情を勘案いたしましても、それはできることではない。それでは何か一つの基準を設けて、そういう一般国民が広く甘受しなければならなかったそういう戦争犠牲の上に出るような、言葉は悪うございますけれども、プラスアルファ的なそういったものについて慰藉事業をやろうではないか。その具体的な基準といたしまして、先ほど申し上げました二つの要件をおかけになったというふうに私どもは理解をいたしております。
○山中(邦)委員 膨大なお金がかかるというお話ですが、百八万人分についてはこの縛りをかけて実行できる、こういう前提に立っておるわけですか。 それから、法律上の根拠ということはおっしゃいましたが、なるほどこの法律には、二十八条に業務方法書をつくるということはあります。しかし、中身が書いてあるわけではないわけで、あなたが委員会の意向をおっしゃったのは、どういうことで理解をしておるわけですか。
○高岡政府委員 まず、法的な根拠でございますけれども、二十八条で業務方法書について書いておりますことは御案内のとおりでございますが、その記載すべき事項といたしまして、総理府令、これは施行規則でございますけれども、その第十条におきまして記載をいたしております。これは必要的記載事項というふうに理解をいたしておりますけれども、その中に、いわゆる十条の一号から五号まで、これにおきましていろいろと列記しているものでございます。この認可につきましては、私どものトップでございます内閣総理大臣が認可をするという形式になっております。
○山中(邦)委員 形式のことをお尋ねしているわけではないので、中身のことを聞いているわけであります。委員会の議事録は公開しないような御意向のようであります。そうすると、この三年とか在外経験とかいうことはどこから出てきた上のことか、この持つ意味が将来どういう意味合いを占めるかというようなことについては、私どもはどういう議論をなされたか知らないままに対応している、こういうことになるわけであります。もし、法律事項であれば、当然ここで議論がされるわけでありまして、この点については、あなたは運営委員会に出ておられて、委員会の議論の内容、委員の皆さん方の御意見などは掌握をしておっしゃっているわけですか。
○高岡政府委員 当時私は担当ではございませんでしたので、私個人がつまびらかに承知しておるということではございませんが、役所という組織におきましては、これは十分基金から報告を受けまして、そして御説明をお聞きしているところでございます。 それから、運営委員会の中に十人とだけしか私、申し上げませんでしたけれども、こういう恩欠者の方でございますと、恩給欠格者の問題について相当に詳しい知識あるいは御経験といったものがある方を運営委員会の十人の中にお入りいただいております。そういった形で、運営委員会で十分な議論が尽くされたというふうに私ども基金から聞いておるところでございます。
○山中(邦)委員 委員に立派な方が選任をされて十分な議論を尽くされた、こういうことを疑うものではないわけであります。しかしながら、出てきた結論については私どもも非常に関心を持つ、いろいろな意見を持っているわけであります。役所の組織上知っているということではないはずでありまして、この運営委員会でいつこの要件が取り決められたのか。業務方法書として書かれたのであろうと思いますが、いつ内閣総理大臣の認可を受けたか。この方法書や運営委員会の議事録は見せていただけるものですか。
○高岡政府委員 業務運営方法書でございますけれども、これは六十三年七月十三日、基金の規定第五号という形で出されております。 それから、運営委員会におきます議事の概要を発表できないかというお話でございますけれども、これはやはりそこで自由闊達な御議論を尽くしていただくためということを担保したいという気持ちもございまして、これは審議会等で、そういうことで公開されない審議会等もございますから、同様な趣旨で私ども、中で忌憚のない御意見による十分なディベートができるような、そういう運営委員会の運営を担保したいという考え方から、議事の概要につきましては公表させていただくことは差し控えさせていただいておるところでございますので、どうぞひとつその点は御理解を賜りたいと思います。 なお、この二つの恩欠者に対します縛りにつきましては、先生を初めあるいは関係団体の方々、いろいろな方からいろいろと御批判があることは私ども十分承知をいたしておるところでございます。したがって、これでどこまでも突っ張ってしまうのかねというような点につきましても、やはり先ほど申し上げましたように、一般の国民の方々の戦争犠牲とのバランスということを常に念頭に置きながら対応していくということでございますので、これは究極申し上げれば、一般的な社会常識といいましょうか社会的な通念によって容認されるところは一体どこだろうか、こういう問題になるだろうと思うわけでございます。そういったものは常に変遷していくものでございますので、そういった社会通念といいましょうか社会的な考え方がどういうふうになっていくかということも見守りながら、この二つの縛りの要件が適正に、先ほども申し上げましたように、公正かつ国民の納得する基準であるのかどうかということは常に問いかけながら日常の業務を処理してまいりたい、こういうふうに考えておりますので、この点につきましてもひとつ先生の御理解を賜りたいと存じます。
○山中(邦)委員 なかなか理解はできません。かつては議事録は閲覧できた状態にあったというふうにも聞いております。それから、自由闊達な議論をするためというのであれば、それは議論の場所を非公開にするとかしかるべく手配をするということなのでありまして、その結果を記録した議事録についてのことではなかろうというふうに思います。どういう経緯でこの制約ができているかということは、この問題の将来を見通す上でも非常に大事なことです。かつて行革審は非公開と言っていましたけれども、最近は非常に積極的に部会のたびに資料を出していただいて、私は、そういう意味では開けてきたと思っておりますけれども、この問題について非常に不満を持つ人が多いだけに、その人たちを納得させるというのは、やはり委員の皆さんの意見、これが公開される必要があろうというふうに思っております。なぜ非公開かということをかつて聞きましたら、委員会が決めたからだ、こういうお答えも返ってまいりました。委員会御自身の見識も大事だと思いますけれども、その議事の重要性、結果の重要性からいえば、これはできるだけ、差し支えない限りは公開すべきだというふうに思います。一言申し上げておいて、議事録の公開を求めておきたいというふうに思います。 ところで、この諸事業ですね、銀杯、書状――銀杯等贈呈事業、これはこの法律のどの条項によって実行されていることですか。
○高岡政府委員 これは基金法の第二十七条第一項五号という規定がございます。これはどんなふうな書き方になっているかと申し上げますと、「第三条の目的を達成するために必要な業務を行うこと。」という書き方になっておりまして、目的達成事業と先ほども申し上げましたが、そういうことを定めました二十七条第一項第五号の規定に基づきまして行っているものでございます。
○山中(邦)委員 非常に漠然とした規定を利用しているように思われるわけでありますけれども、「第三条の目的を達成するために」ということで物品の贈呈が可能であるということになりますと、慰労金の給付というのも当然この条項にはめて考えられると思いますが、今までそういうことを考えて議論されたということはございますか。
○高岡政府委員 慰労金ということになりますと、これをどういう性格のものにするか、一方的な贈与という考え方で考えるのかという問題、それから法律関係をどんなふうに考えるかということもあるわけでございまして、やはり金銭につきましてはどうしても争い事が生じる可能性が多いわけでございますので、したがってやはり法律関係はきちっとした方がよかろう、こういうことになるのではないかと思っております。 この基金法で申し上げますと、シベリアの強制抑留者につきましては慰労金という形、これは特別事業という事業の性格のこともございますけれども、四十四条にきちっとした根拠を置いて慰労金を支給するということになっております。 それで、解釈論として、ではそのほかの慰労金というものをこの五号の事業として考えられないか、こういう御趣旨であろうと存じますけれども、シベリア抑留者に対する慰労金がそういう法律的なきちっとした根拠を持って置かれているということ、それから他の法律を見ましても、広く一般的な法律のみならず、いわゆる広い意味での戦後処理問題に関しますいろいろな法律を眺めてみますと、慰労金といいますか、お金というものにつきましては法律的な根拠を置いている。これは当然国が支給するものでございますので、予算上きちっと計上され国会の御承認を得た上でやらなければならぬという予算という法律的な性格の問題もあろうかと存じます。 したがって、私ども、解釈といたしましては、十万とか五万とか金額の多寡を問わず、何々金というようなものをこの五号の規定に基づいて支出することは難しいのではないか、担当者としてはそのように考えております。
○山中(邦)委員 なるほど、シベリア関係の方に対する慰労金は四十四条以降に規定がありますけれども、この「第三条の目的を達成するために」というのは総則的な規定であります。そして、現在すぐに慰労金を出そうという考えでつくられているわけではないわけで、これは包括的にこの条項で慰労金を排除するということはできないと私は思います。現に、旧陸海軍従軍看護婦の皆さんあるいは日赤の救護看護婦の皆さんに対する慰労金は法律上の明文がなく、予算上の措置で、日赤を通じてではありますけれども給付をされているわけでありますから、この点はもっともっと考えてもらいたい、運営委員会にもひとつお話をしていただきたいと思います。 ところで、この慰労品を贈呈するということについては、事務の遅滞の問題ということが盛んに議論されてまいっております。百八万の対象者全員に対して贈呈の準備、心がけを持っておられるのか、この点はいかがですか。 〔委員長退席、井上(喜)委員長代理着席〕
○高岡政府委員 現在御審議をお願いいたしております来年度の予算案につきましては、恩欠者を含めましていわゆる関係者に対します慰藉事業等につきましては約七十七億円の予算をお願いをいたしておるところでございます。今年度につきましては約七十二億円、たしかそういうふうな数字になっておるところでございます。 恩欠者につきましては、今先生御指摘のように基金におきます。務の執行の上で一番問題が恩欠者の方々に対するこの慰藉事業の執行でございまして、これに最も頭を痛めておるような状況でございます。したがって、財政当局とも十分御相談を申し上げ、また恩欠者団体の方々からもいろいろと御要望等を承りながら、また限られた予算、限られた人員の中で基金も一生懸命それなりにやっていてくれますので、基金のそういった事務処理能力といったものも十分勘案しながら私どもといたしましては一生懸命、誠心誠意努力をしているところでございます。
○山中(邦)委員 一生懸命努力をしていただきたいわけでありますけれども、かって実際に対象となる方は四十万くらいではなかろうかということをここでおっしゃっておられるようですね。現在はどういう予想でおられますか。
○高岡政府委員 御指摘のとおり、私ども総理府の方から一時恩給等の恩給局の例を一つの参考データといたしまして四割程度ではないかというようなことを申し上げたということは私も承知いたしております。しかし、これはあくまでも一つの参考データでございまして、これをもって私どもこの百八万人の恩給欠格者の方々から同じような割合で申請がとまってしまうだろうというふうなことはちょっと考えられない。私ども、この慰藉事業という性格からいたしますと、やはり一生懸命広報、PRに努めまして、一人でも多くの方々に申請をしていただきたい、そういう心組みでさらにさらに努力を重ねてまいりたい、こういうふうに考えておるところでございます。
○山中(邦)委員 広報として新聞、週刊誌等利用はしておられるようでありますけれども、関係者に伺ってみますと、高齢になられてなかなかおっくうであるということをおっしゃいます。百八万という数字を把握をしておられるのであれば、電算機も入れられたことでありますし、これをデータ化して何らかの方法で通知をするとか全員に対してやるという心構えは出てこないものですか。
○高岡政府委員 百八万人という推計は、先ほど申し上げましたように十万人の抽出調査に基づいて行ったものでございますので、具体的なお名前でございますとかその方の住所でございますとかいわゆるそういったリストがあるわけではございませんで、先生御指摘のようなそれぞれに御通知申し上げるということは大変難しいといいますか、できないことではないかというふうに思っております。 ただ、私ども先生の御指摘に関連する問題といたしまして、例えば三度にわたって住民票の添付を申請者の方にお願いするとかいろいろ大変な御批判、御叱責を受けるような事務処理の仕方をしてきたわけでございますけれども、この点につきましては財政当局の御理解をいただきまして事務的な予算上の措置も加えていただいたところでございますので、最初に書状の請求をしていただくときにだけ住民票の添付をお願いする、後は基金の方から往復はがきをお出しすることによって、基金の方からのアプローチによって贈呈事業を円滑にかつ迅速に進めていきたいというふうに考えております。一たん書状を請求していただきますとリストが基金の方にたまるものでございますから、つくられたそのリストをもとにして基金の方から積極的なアプローチができる、こういうことになっているところでございますので、そういう方法で一生懸命努力をさせていただきたい、このように考えております。
○山中(邦)委員 書状のことをおっしゃいましたが、書状に関する請求件数、それから処理件数といいますか贈呈件数、これはどうなっておりますか。
○高岡政府委員 これはことしの一月末現在の数字でございますけれども、書状、銀杯につきましては、基金が受け付けました受け付け件数と申しますのは、二十六万二千件でございます。贈呈件数は、書状が二十万四千件、それから銀杯が十一万四千件というぐあいになっております。それから慰労の品でございます、いわゆる新規慰藉事業と申しておるものでございますが、これにつきましては、基金の方から御通知を申し上げておるわけでございますが、通知件数は三万五千人、それからその結果お返事をいただきまして贈呈いたしましたのが二万一千人、こういうぐあいになっております。
○山中(邦)委員 書状から始まりまして、銀杯、それから新規の慰労品、こういうふうになっていくようでありますけれども、これは第一回の請求で全部手続は済み、こういうふうにはならないのですか。
○高岡政府委員 その点につきましてはいろいろ御意見を賜っているところでございますけれども、実は、書状につきましては、御請求をいただきますと三、四カ月処理期間をいただきますれば書状をお渡しすることができる状況であるわけでございますけれども、銀杯につきましては、実は現在七十歳以上の方のうちから高齢の方から順番に支給するということにいたしておりまして、これが、いろいろな事情がございまして、現在七十二歳くらいのところまでの方々にお渡しできる状況になっております。そんなことがございまして、書状を申請いただいてから七十二歳くらいにおなりになるまで若干時間をいただかなければならぬという、大変申しわけない状況になっております。 それから、これもまた大変おしかりをお受けしているところでございますけれども、新規慰藉事業につきましては、これは七十九歳の方にお渡しするのがやっとの状況ということでございまして、これも書状を請求していただきましてから相当の年数をお待ちいただかなければならぬというようなことがございまして、これは、私どもなかなか申し上げられることではないのでございますが、最初の請求をいただきましてからその間どうしても数年の間を置いていただかざるを得ないという申しわけないような状況になっておるものでございますから、やはりどうしても、建前が生存していらっしゃる方に慰藉の念をあらわすというのが事業の基本的な性格の一つでございますので、したがって、どうしてもそのときに御存命でいらっしゃるかどうかということを私どもチェックをしなければならない、こういうふうなことになっておるわけでございます。 こんな状況であるものでございますから、今までその都度住民票という形でお願いしておったんではございますが、これは当委員会でも大変いろいろと、それはまことにいかぬじゃないかという御指摘をいただいてまいりましたところでございますので、先ほど申し上げましたように、この点も財政当局とも十分お話をし、御理解をいただきまして、来年度からは住民票の添付は必要としない、基金の方から積極的にアプローチをさせていただくというふうに改めさせていただいております。 なお、現に、これは予算措置にはなっておりませんけれども、住民票の添付の点につきましては、これはことし年明け早々から住民票の添付というのは事実上中止をさせていただいているところでございます。 そんなことで、大変遅々とした歩みではございますけれども、いろいろな事情がございましてこういう状況になっております。こういう状況、決していいとは思っておりませんので、一生懸命私どもいろいろな関係各方面の方たちの御理解をいただきながら努力してまいりたい、このように考えております。
○山中(邦)委員 恐らく財政状況やあるいは品物の在庫の問題なんかが絡むのかもしれませんけれども、しかし年齢制限というのはやめてよろしいのじゃないでしょうか。制限を取り払ったところで高齢のお方から順番にというふうになるのが当然のことだというふうに思います。また、御本人でなければならない、手続として生存を確認するというのも情のない話で、遺族の方に差し上げても慰藉の気持ちは十分伝わる、この法律の精神には反しないというふうに思います。 やはり、この年齢制限その他も皆運営委員会の結論に従う、業務方法書の訂正とかいうようなことで決まっているのですか。
○高岡政府委員 この七十歳の年齢制限につきましては、先ほど申し上げました業務運営方法書において決められております。その決めるに至りました経緯といたしましては、運営委員会において十分議論を尽くされた上で、現在の諸般の事情を勘案すれば七十歳という制限は決していいことではないけれども、やむを得ないというふうなお考えであったようにお伺いをいたしております。 なお、現実に、それじゃ七十歳という年齢制限を撤廃したらどうかということになりますと、先ほど申し上げましたような事情でございますので、年齢制限を撤廃するということは事実上現在のところは余り意味がないのではないか。それから、だんだん平均年齢も上がってまいりますので、そういった意味で年齢制限の持つ意味もだんだん低下してくるのではないかと思っておりますが、ただ、現在のところでは財政事情あるいは事務処理能力、こういったものを勘案いたしますと、どうしてもやはり七十歳というようなところが一つの大きな目安にならざるを得ないだろう、このように考えております。
○山中(邦)委員 現在、一つの請求に関して標準的な処理に要する期間というのはどれぐらいのものですか。どういう手続があって、その程度の期間がかかるのか。
○高岡政府委員 恩欠者に対します慰藉事業につきましては、これは先ほどもちょっとお話が出ていたように思いますけれども、通常の手続で軍歴期間、在職期間が証明できるような方につきましては、大体、受け付けから認定までおおむね六カ月程度で処理をさせていただいておるところでございます。 なお、この事業は、先ほど申し上げましたように平均年齢が相当高くなってきているということもございますので、そういった高齢者の方々が対象であるという特異な点を十分念頭におきまして、できるだけ速やかな事務処理を心がけるよう、基金を督励しているところでございます。
○山中(邦)委員 書状について約六万件の未処理があるわけでありますけれども、一番古いのはいつごろの請求にかかわるものですか。
○高岡政府委員 これは、先ほど申し上げましたように、遅滞の理由となっておりますのが在職年に係る証明関係でございます。十分に証明できないという方がそのケースに入るわけでございます。したがって、これは、制度の発足いたしましたときから出していただいておった方の中でも、実はそういう方がおられるということでございます。
○山中(邦)委員 どれぐらいになるのですか。長引いている間の処理というのは、ただ置いているだけのことではないと思うので、どういうことをなさっておられるのですか。それから、今までの滞貨といいますか、随分長く積み荷になっておったものが一応さばけるというのはどれぐらいの先のことを見越していらっしゃいますか。
○高岡政府委員 この在職年に係ります証明の関係につきましては、先ほども厚生省の方からお話がございましたように、陸海軍それぞれ兵籍簿等のいわゆる在職年に関する公的な証明書類、こういったものが都道府県庁でございますとかあるいは厚生省等にそれぞれ分かれて置かれておるということがございます。 まず、御請求をいただきますと、私ども、恩給局の資料でございます一時恩給あるいはそれに関連するような資料によりまして、それによって在職年が証明できるかどうかということをチェックさせていただき、それから陸軍でございますれば都道府県庁、海軍であれば厚生省の方にそれぞれお願いとして、これを証明できるかどうかという御回答をいただくような仕組みになっております。それでもなおかつ証明ができないというような方につきましては、第二次調査というようなことで、先ほど厚生省の方がお話しになりましたように、留守家族名簿というのが厚生省にあるものですから、この留守家族名簿との照合をやらせていただいております。それから、あるいは軍隊手帳でございますとか、それぞれの方がお持ちになっておられるそういった証明関係の書類、あるいは上司の証言でございますとか、第二次調査と称しておりますけれども、そういったものでなお証明できないかどうかというチェックをさせていただいておる。先ほど、制度発足以来残っておりますものというのはこの第二次調査をなお継続中のものでございまして、そんな事情で、私ども関係の方からはいろいろおしかりは受けているところでございますけれども、できるだけ早く証明できるようにということで努力を重ねてまいりたい、このように思っております。
○山中(邦)委員 贈呈事業の中で、軍属の方に差し上げたものがありますか。軍属の方の請求件数、それから贈呈済みの件数はどうですか。
○高岡政府委員 軍人あるいは軍属の別による人数でございますけれども、これはまことに申しわけございませんが、私どもとしては数字を把握いたしておりません。
○山中(邦)委員 それは調べていただきたいというふうに思います。 この贈呈事業では、軍属という身分はどのように把握をしておられますか。
○高岡政府委員 軍属につきましては、これは最寄りの関係法律と申しましょうか、恩給法にあるわけでございまして、端的な例といたしましては、旧陸海軍部内の文官それから警察監獄職員というようなものを軍属というふうに申しております。
○山中(邦)委員 実は雇員とか嘱託とかそういう立場、そして軍属と扱われている場合もあればそうでない場合もある、そういう方々についてはどういう理解をしておられるか、そういう方々も含めるべきだ、こういう観点でお尋ねをします。
○高岡政府委員 これは先生、恩欠者と申しますのは、恩給を受ける権利が発生する対象であるのですけれども、先ほど申し上げました在職年数が足りないために恩給を受給する権利がない方でございますので、したがって、今先生がお話しの方につきましては、もともとと言ってはまことに申しわけございませんが、恩給を受ける対象職員の中に入っていないということでございまして、含めることは難しいというふうに考えます。
○山中(邦)委員 時間もなくなったのでこの程度でこの問題、やめておきますけれども、別に恩給法上の軍属とかそういう定義にこだわることはないというふうに思います。法の趣旨からいえばむしろ差別をしないで、同じような戦争の被害に遭った方、苦しんだ方に対する慰藉の情は変わるはずはないというふうに思っております。援護法におきましても、それからシベリア関係の抑留された方に対する処遇においても、この軍属の意味合いは必ずしも恩給法上のものではなかったというふうに承知をいたしております。その制約について、せめて一年、そして内地、外地の別を外せ、それから軍属についても差別をしないこと、請求すれば後はできるだけ早く贈呈を行い、生死にかかわらず、かわりに受け取る人があれば差し上げる、これがこの法の精神ではないか。運営委員会任せでなしに、そういう声のあることを関係者から徴して努力をしていただきたいというふうに思います。 次に、日赤救護看護婦、旧陸海軍従軍看護婦に対する慰労給付金に関してお尋ねをいたしたいと思います。 本年度予算案上にはどういう措置がなされておりますか、お伺いをします。
○石倉政府委員 お答えをいたします。 平成四年度におきまして、前年度に比べまして八・四%のアップで増額の措置をとっているところでございます。
○山中(邦)委員 各ランクごとにどのように上がったかということをお伺いしたかったわけでありますけれども、十二万が十三万に一万増額、以下十七万が十八万に、二十一万が二十三万に、三十万が三十三万に、三十二万が三十五万に、三十六万が三十九万に、一万、一万、二万、三万、三万、こういうふうな増額の案のように伺っております。下に薄く上に厚いという評は免れないのではないか、平均八・五%だとしても三十万台につきましては一〇%の増であります。十七万グループは五・九%であります。かなり差があるわけでありまして、どうしてこういうふうに数字が違ってくるのか。
○石倉政府委員 各階級において違いがあると申しますのは、普通恩給の制度を利用してこの制度を仕組んでおりますために、そういった年数の差で、しかも普通恩給よりも少しまとめてランクをつけたということから、制度上やむを得ず出てきた差かと考えております。
○山中(邦)委員 制度上やむを得ずという意味がわからないのですね。消費者物価指数の変動に応じて何年か置きにやるというのは、対象になる方の人数が少ないとしても、ちょっと思いやりに欠けるのではないかというふうに思います。 この慰労金の給付制度は、根拠は何にありますか。
○石倉政府委員 予算措置でやっておりますために、法律とは体裁を異にいたしまして、ある程度の簡略化をしながら措置いたしております。
○山中(邦)委員 予算措置でこういう制度を設けることができるという一つの実例でありまして、先ほどの贈呈事業についても同じことが考えられるはずだと私は思っております。関係者の皆さんは、当初、兵の恩給額に合わせた支給額であったがその後格差が増大をしていること今それは先ほどの恩給の増額方式に比べて消費者物価指数を後追いしているということから当然出てくる数字上の結論であります、 それから、台湾、朝鮮を加算して扱ってほしいということをおっしゃっておられます。この点はいかがですか。
○石倉政府委員 後段の地区の、特に台湾、朝鮮の問題の御質問に絞られたと理解してお答えいたしますが、これは一種の母法といいますか恩給法の考え方が、戦地であり事変地であるという認識をしておらないということを受け入れて対応をしておるところでございます。
○山中(邦)委員 この制度につきましては、そういう問題については恩給法の考えに従っている、こういうお話でありまして、増額の点に関しましては制度が違う、こういうお話を承ります。そういうことであってはならないというふうに思います。この制度の発足に当たりましては、恩給法を準用いたしまして、兵の処遇に匹敵するものを考える、こういうことであったというふうに思います。制度が違うというのはよしとしましても、その制度の準用の一部をとり一部を捨てる、そうして対象者の方に立派な処遇をしないということでは制度の建前ではなかろう、こういうふうに思います。関係者の皆さんは、この制度の欠格者についても祈念事業の適用を得たい、こういう御希望がございます。この点はいかがでしょうか。
○高岡政府委員 ただいま先生の御指摘の点でございますけれども、先ほど来からるる申し上げてまいりましたように、平和祈念事業特別基金は、これは恩給欠格者でございますとか戦後強制抑留者あるいは在外財産引揚者等の三問題を中心にして検討が行われてきたということでございます。こういった検討結果を受けまして、具体的には戦後処理懇の報告でございますけれども、この報告を受けて設立されたものでございまして、先生既に御案内のような事業目的に従ってやっておるわけでございます。これらの三問題の関係者に対し慰藉の念を示すというのが事業の目的になっておる、こういうことでございますので、ただいま御指摘のような日赤の救護看護婦さんあるいは旧陸海軍の従軍看護婦の皆様方につきまして、基金法によって対応することは極めて難しい問題であるというふうに考えております。
○山中(邦)委員 日赤の看護婦さんは軍属としての身分を持っておったことがあるわけであります。また、陸海軍従軍看護婦さんも、婦長さんでなくてもそういう立場におられた方であります。軍属についての定義というものを狭く解する必要はないと私は思います。だんだん高齢になられる方も、出てきておられることでありますから、この点は検討をしていただきたい、このように思います。 最後に、問題はちょっと違いますけれども、統計調査員の観点でお伺いをいたしたいというふうに思います。 統計調査員というのはどういう制度で、どういう法律上の根拠を持ち、どういう身分に属しておられるか。
○井出政府委員 まず法律的な根拠でございますが、統計調査のうち、国の重要な統計調査でございます指定統計調査の統計調査員については、統計法第十二条に基づいて置かれております。それから身分でございますが、国が行う統計調査の統計調査員はそれぞれ調査ごとに任命するわけでございますが、二つのケースがございまして、大臣が任命するのとそれから都道府県知事が任命するという二つのケースがございます。大臣が任命する者については非常勤の国家公務員ということでございまして、都道府県知事が任命する者については非常勤の地方公務員という身分になっております。
○山中(邦)委員 統計調査員の人材確保というのは大事な問題だというふうに思っておりますけれども、平成二年に広島で調査従事中に死亡事故があったということを聞いております。三十代の主婦の方が、日中訪ねたところ夕方にしてくれと言うので夕方行かれたらそこで被害に遭った、こういうことのように伺っております。調査員の方は、日中訪れても不在が多い、夜行かなければならない、危険な場合もあるというようなことで補助員制度を導入してほしい、こういうことを言っております。また、一度で済まないので、通信、交通費の支給についても希望しております。要員確保策を講じておられると思いますが、やはりこういう点の気の配りも大事だと思いますが、この点いかがですか。
○井出政府委員 一つの、補助調査員制度の導入については、これについては現実の統計調査において夜行くというようなことの場合は家族等を同行するということは、そういう例があるということは承知しておるわけでございますが、調査員とそれから補助調査員との業務分担あるいはその報酬をどういうふうに扱うかという問題がございますので、今後慎重に検討してまいりたいというふうに思います。 それから、調査員の確保ということでございますが、一応登録調査員制度ということで調査員を希望する方々に登録していただきまして、そこの登録調査員制度というものを設置いたしまして、そして平成二年から、それが人口十万以上の市だけでございましたのですが、人口五万以上の市、町についても登録調査員制度というのを導入しまして調査員の確保ということ、それから調査員の安全の問題あるいは調査員の資質の向上、こういうことについて現在鋭意努めておるところでございます。
○山中(邦)委員 聞くところによりますと犬にかまれるというような被害ですね、それから訪ねていっても懐をのぞかれるような気持ちになってかなかなか率直に受け入れてくれないとか、そういう環境の問題がかなりあるように思われます。これについては改善を要するところだと思いますけれども、どういう構想、活動を考えておられますか。
○井出政府委員 統計調査の環境が非常に厳しくなっておるということは私どもも十分に承知しておるわけでございます。特に共働きの世帯あるいは単身者世帯の増加というようなことで、先ほど先生が御指摘のような夜間に調査をしなくちゃいかぬというような問題もあるわけでございます。そういうことで調査環境の整備ということについても我々としては鋭意努めておるわけでございますが、何しろ統計調査というのは、調査客体であります世帯とかあるいは事業所とかそういう国民の方々の協力なくしてこの調査は円滑に進めるわけにはいきません。そこで広報、統計調査の意義、そういうものについての広報に努めておるわけでございます。 先生御承知かと思いますが、十月十八日が統計の日ということで、そこの日を中心にいろいろなイベントとかあるいはラジオ、テレビ等を通じまして広報ということもやっております。また、子供のころから統計教育、統計について親しんでいただこうということで、小中学校の先生方を中心にいろいろと私どもと交流をして統計教育の充実に努めてまいる、こういうようなことでできるだけ調査環境が整備されるように我々としても努力している次第でございます。
○山中(邦)委員 ぜひお願いしたいと思います。小中学校の時期から統計の重要性、そして統計調査員の仕事についての理解を持たせるということが大事だと思います。文部省の方とも協議をなされ、伺いますれば学校の先生に理解を持ってもらうように努力されているということですが、これはごく小規模のものと承知をしております。糸口がついたのは大事だと思いますので、伸ばしていっていただきたい。 最後にその報酬のことでありますけれども、昭和三十九年の統計審議会の答申に基づいてその後スライドがなされているわけでありますが、時間単価を予想した上のことと聞いています。それで、この答申は、調査員の業務実態調査の結果から見て、一日八時間労働としてという前提に立っているようでありますけれども、なかなか、八時間で済むのか、夜にわたるというようなこともあるわけでありまして、実態をさらに調査をされて、人材確保、資質の向上に沿うような処遇を考えていただきたいと思います。以上です。 〔井上(喜)委員長代理退席、委員長着席〕
○井出政府委員 調査員の報酬、その他勤務条件等々について、いろいろ我々としても統計調査員が円滑に仕事ができるように努めてまいりたいと思います。
○山中(邦)委員 どうもありがとうございました。
○桜井委員長 次に、竹内勝彦君。
○竹内(勝)委員 最初にお伺いしたいのは、平和祈念事業特別基金の問題に関して若干質問をしておきたいと思います。 昭和六十三年この法律が成立いたしまして、そして四年が経過したわけでございますが、いわゆる恩給欠格者あるいは戦後強制抑留者等々の問題に関しましてこの平和祈念事業特別基金が慰藉事業、こういう形で行ってまいりましたけれども、私も、あのときにも申し上げましたが、とにかく後がないんだ、年齢がもうどんどん高年齢になってきておるわけでございます。戦後ももう既に四十七年。本当にその人たちが、あの戦争、戦中戦後、本当に頑張ってこられて現在あるわけでございますけれども、悲しいかな、多くの人たちが亡くなっていってしまっております。したがいまして、本来ならもっと早くこの慰藉事業というものでやっていかなければならぬものが、ああいう形で六十三年に成立し、その後申請者、そしてその者に対しての対応ということで行われてきたわけでございますけれども、まず対象者数、それから申請者の数等の状況、そしてどういうような対応がなされたのか、さらにまた今後の見通し、あわせて御説明いただきたいと思います。
○高岡政府委員 先生御指摘のように、このいわゆる戦後処理問題につきましては、大変皆様方が御高齢である、しかも、戦地等で大変な御苦労をされ、あるいは外地で大変な御苦労をされ、灰じんに帰した日本の国にお帰りになって、そして、しかも全くひどい状態にありました日本経済、日本の社会というものを、そういった方が御帰国になってから、そういった方々が中心となられて、現在の世界に冠たる繁栄した日本の社会、日本の国をお築きになられた。こういった人生の歩みを顧みますと、先生御指摘のようなことを十分念頭に置きながら私ども仕事を進めていかなければならないというふうに考えておるところでございます。 まず、お尋ねの対象者の数でございますけれども、戦後強制抑留者でございますが、これにつきましては四十七万三千人、抑留中死亡された方を含めまして、この方々が五万五千人いらっしゃるわけでございますが、これを含めますと五十二万八千人という数字になります。それから、恩給欠格者でございますが、これは百八万人でございます。それから、引揚者の方々でございますが、この方々の数は百二十五万人ということになっております。 それでは、慰藉事業に対する進捗状況といいましょうか、請求の方の関係はどうなっているかということでございますけれども、まず恩給欠格者から申し上げますと、今この百八万人の約四分の一に相当いたします二十六万二千人の方から御請求をいただいておるところでございます。この御請求をいただきました二十六万二千人の方々の申請に対しましては、処理件数、贈呈事業を実施させていただきました方々の数は二十万四千人、約七八%の事務処理ということになっております。 それから、戦後強制抑留者の方々でございますが、この方々は、恩給を受けておられる方、あるいは受けていらっしゃらない方、抑留中亡くなられた方という区別があるわけでございます。 それぞれについて申し上げますと、恩給等非受給者につきましては十六万九千人、この対象者の数といたしましては二十八万四千人いらっしゃるわけでございますが、そのうち約六〇%に相当いたします十六万九千人の方から御請求をいただいております。それで、贈呈事業を実施させていただきました方の数は十六万人ちょうどでございまして、約九五%の事務処理ということになっております。 それから次に、恩給の受給者でございますが、この方々は十八万九千人いらっしゃいまして、申請がございましたのはやはり同じようにその六割に相当する方々でございまして、具体的には十一万三千人でございます。贈呈事業を実施させていただきました方々の数は十万八千人、事務処理は九五・六%という結果になっております。 それから、抑留中亡くなられた方々でございますけれども、この方々は五万五千人が先ほど申し上げましたように対象になるわけでございますが、請求件数はそのうち約七%に相当いたします四千人の方から御請求をいただいております。これは事務処理としては一〇〇%の事務処理で、四千人、いただきました方全員に贈呈をさせていただいております。 それから、三番目のジャンルといたしまして、引揚者の方々に昨年の秋から書状の贈呈事業を実施させていただいておるところでございます。対象者の数は百二十五万人、先ほど申し上げましたとおりでございますが、そのうち請求件数は約一・五%に相当いたします。万九千人の方からいただいております。処理できましたのは四千人の方々でございまして、これは若干事務処理能力が足りませんで、処理率といたしましては二一・一%という処理率になっております。 以上でございます。
○竹内(勝)委員 その中におきまして、恩給欠格者の件に関して若干質問しておきますが、今百八万人対象者、それが二十六万二千人が申請をされて、そして、それに対応しておる。これは、私がかねがね指摘しておったとおり、もともとこの百八万という数も、六十三年当時私が調べたものでも約二百万、正確な数字はちょっと忘れましたけれども、百七十数万、そういうような掌握がございました。ところが、その時点でもう既に、その対象者としては百八万人、こういう形で減ってきておる。なおかつ、申請が何と二十六万二千人。こういうような形になっておる状況というものをどのように感じますか。
○高岡政府委員 百八万人もの多数の方々が対象となっているにもかかわらず、御指摘のようにその約四分の一に相当する方々からしか御請求をいただいておらないということは、ひとえに私どもの努力不足であろうというふうに思っております。私ども、先生御案内のような厳しい財政状況の中、あるいは基金等の事務処理能力、こういったことも考え、いろいろそういった制約条件はあるわけでございますが、まだまだこういった慰藉事業が行われているということを御存じにならない方々は大勢いらっしゃるのではないかということを大変心配いたしておりまして、私どもさらにさらに、こういう事業をやっておりますというPR活動を一生懸命やっていきたいというふうに思っております。 先ほど申し上げましたような基本的な考えのもとに、大変申しわけない仕儀であるということを頭の中にしっかりと据えまして基金ともども努力をしてまいりたいと思いますので、どうぞ力強い御支援を賜りますようお願いを申し上げたいと存じます。
○竹内(勝)委員 ちょっと甘いんですよね。六十三年からもう四年まさに経過しようとしておりますよね。それで、努力しておるのはわかりますが、この考え方が甘いんです。 まず、二百万人もおられたのが、もう対象者だけで百八万人にも減ってきた。なおかつ申請をみんな要望しておるんですよ。何とか国として、こういう恩給がもらえてない人に対して何とかしてほしいというのは、この本委員会におきましても何度も論議がされたものでございます。そういうものから考えますと、これはやはり高齢者になってきて、その申請をする、そういったものに関しても本当にもう、意欲を失ったと言ったら語弊がございますけれども、非常に今まで多くのその労苦、あらゆるその努力というものが遅過ぎた、こちらの対応というものが遅過ぎた。今努力をしますと、こう言っていますが、この二十六万がどれぐらいふえるというように見込んでいますか。
○高岡政府委員 恩給等におきますいろいろな参考となるデータはございますけれども、しかし私どもといたしましては、先ほど申し上げましたように、この二十六万二千人の方が一人でも多くふえるように一生懸命努力をしていきたいというふうに思っておるところでございまして、恩給、援護等の関係で出ているような数字を超えるべく一生懸命努力をしていきたいというふうに思っておるところでございます。
○竹内(勝)委員 なかなか答えにくいと思いますが、ここで申し上げておきたいのは、この約四分の一、こういったものは、百八万が対象者にあっても恐らくこれは今後微増、こういう形でしかふえていかない。そうしますと、この点をぜひ理解していただきたいのは、この平和祈念事業特別基金、この目的というものは、いわゆる恩給欠格者あるいは強制抑留者等々の、いわゆるその恩給に浴していないそういった人たちに対して厚い国としての対応をしていこう、こういうことでそもそも出発したものであるがゆえに、したがいまして、ぜひこの約三十万人の、いわゆる四分の一程度のものになっておるというそういうものを、その中で、現在の中でもっと厚い手当てをしていく。そこには特別の慰藉がございますね、特別慰藉事業。こういったものへの対応を、そろそろこれに対して踏み込んでいく。いわゆる今まで銀杯と書状だけしかもらっていないそういった人たちに対して、今度は特別の慰藉事業をそういった人たちに踏み込んでいく、それは十分できるわけでございますから、そういう考え方があるかどうか、御説明いただきたいと思います。
○高岡政府委員 基本的には、先ほど申し上げましたような広報活動をさらに一生懸命やっていくということであろうかと思いますが、ただ、先生御案内のように、私どもの基金のこの事務手続におきましても、請求をする皆様方の意欲を阻害するようなという形で御批判をいただいておりました手続もございましたが、これも財政当局の御理解をいただきまして、そして、住民票を申請の都度添付するというような非常に申しわけないような事務手続になっておりましたところを改善をいたしまして、既に年明け早々から、住民票の添付は書状を御請求いただくときのみでよいという改正をさせていただいたところでございます。 なお、先生御指摘の特別慰藉事業、新規慰藉事業でございますけれども、新規慰藉事業につきましても、これも住民票の提出をお願いしておったところでございますが、これは、基金の方から往復はがきで御連絡をさせていただくというような形で簡易、迅速な手続を目指して、できるだけ応急の請求をいただけるように事務手続を改善したところでございます。 なお、先生御案内のようにこの新規慰藉事業は、先ほども御答弁申し上げましたけれども、対象となる方々が七十九歳と極めて高齢の方々にお贈りするような状況にとどまっているというようなことになっておるわけでございまして、この点は財政当局等の御理解もいただきながら、できるだけその年齢が低くなるように一生懸命さらにさらに努力を重ねてまいりたい、こういうふうに思っております。
○竹内(勝)委員 ぜひそういうことでお願いしたいと思います。もう後がない。それで、今この瞬間においても御苦労いただいた多くの人たちが亡くなっていっておる。皆さんも対応されておってわかるとおり、申請した、その後でもらうまでにもう亡くなった、そういうような例は幾つもあるわけですよね。 さて、そこでお伺いしておきたいのは、そういうようなお亡くなりになった場合は、遺族の方にはどういう対応をされておりますか。
○高岡政府委員 これは、恩給欠格の方々に対します慰藉事業が、基本的には、大変な御労苦を味わわれた恩給欠格者の方々、その御本人を慰藉する目的で行われている事業という事業の基本的な性格がございますものですから、したがって、この基本的な性格にかんがみまして、遺族の方々、遺族の方々も大変な御苦労をされたことは十分承知はいたしておるわけでございますけれども、しかし、一般の国民がさきの大戦におきまして大変な惨禍を受けたというようなことを考えてみますと、それとのバランス、均衡ということを考えますときに、やはり基本的な事業の性格、こういったことも考えまして、御本人に限るという形で慰藉事業を実施させていただいておるところでございます。どうぞこの点につきましては、いろいろと御意見はあろうかと思いますが、御理解を賜りたいと存じます。
○竹内(勝)委員 それではそのお亡くなりになった方が、今まで、例えば平成元年いよいよその申請をした、ところが、銀杯だとか書状だとかそのほかのものを受けようと思ったときにもう既に亡くなっておられた、そういうときには遺族の方がいただく、それはどういうような条件になっておるのですか。いつから、亡くなられた方ならば遺族の方がいただくというような形になっておるのか。その辺をもうちょっと明確に教えていただきたいと思います。
○高岡政府委員 これは、御本人が私ども基金の方に申請をされた時点で御存命であれば、その申請の結果認定に至るまでの過程で不幸にしてお亡くなりになりました場合には、その遺族の方に慰労の品々をお贈りするということをやっております。
○竹内(勝)委員 そうすると、今までそういうような方は何人ぐらい掌握されておりますか。
○高岡政府委員 まことに申しわけございませんが、そういったケースに該当する御遺族の方がどのくらいの件数になっているかということは把握いたしておりません。
○竹内(勝)委員 ぜひその点をお調べいただきたいのですが、先ほどから私申し上げているとおり、高齢の方なんですね。したがいまして、こういう二百万人からおられた人が、六十三年にこの法律が成立したときには、その後対象者として調べたときにはもう百八万人、半分になっておる。なおかつ、今度はいよいよ申請をしてくださいということでやってきても、これが三十万人以下になっておる。こういう事態というものは、これは、高齢者になっておる、いろいろな意味で本当に大変な状況であるということをどうか知っていただきたい。それは、先ほど答弁いただきまして、その意味では理解はいただいておるわけでございます。 さてここで、この本人が申請をされて亡くなられた。その方にはいたしますが、この平和祈念事業特別基金ができるまでに多くの方が運動してきていますよ。ところがその途中で倒れた方が大勢おるわけですよ。その無念な思いに対してぜひこの辺で、もうその三分の一以下、そういうような状況で、特別基金としてもそれだけの余裕というものがあるわけでございますから、そういった人たちに対しても何らかの対応をする時期が来たのではないか、こう思いますが、御意見いかがでしょうか。
○高岡政府委員 先生御指摘の、そういった不幸にして運動中にお亡くなりになられました方々に対しましてどういう形で私ども、この基金の目的といたしております慰藉の念をあらわしていくかということでございますけれども、これは御本人あるいはその御遺族に慰労の品々を差し上げるということは、先ほど御説明申し上げましたような事業の基本的な性格からできないところでございます。しかし、基金法の二十七条一項にはいろいろ、資料の収集でございますとか、そういった一般慰藉事業と言われる事業がございます。諸先輩のこの無念というようなもの、あるいは戦後の日本社会に対する御貢献というようなもの、その我が国の現在の繁栄した社会の礎になった、そういった御労苦といったものをそういう一般慰藉事業の形で私ども記録に残し、あるいは展示会、講演会等を通じて、あるいは出版物を作成することによって若い世代に伝えていく、そういう形で諸先輩の無念さを表現させ、私どもの世代の責務といたしまして私どもよりも後の若い世代に伝えてまいりたい、このように考えております。
○竹内(勝)委員 そこで、お伺いしますけれども、いわゆるこの書状等の交付が外地勤務者のみに限定されておりますけれども、なぜ内地で勤務されておった方、こういった人たちに交付できないのか、その点をお伺いしておきたいと思います。
○高岡政府委員 内地勤務の方につきましてもそれなりにいろいろ御苦労があったということは私どもお伺いをいたしておるところでございます。しかし、さきの大戦におきます戦争の惨禍というものは、これは老いたるも若きも、あるいは男女の別なく肉親を失い、あるいは財産をなくし、あるいは身体に障害を受けるなど、いろいろな形での戦争の惨禍というものをこうむったわけでございます。そういった一般国民がこうむっております損害の程度、状況といったことも片方ではやはりにらみながら、どういう形で、どういう方々を対象として慰藉事業をやっていくかということを考えなければならないというふうに考えているところでございまして、そういったことはまた国民の血税によって賄われるという、この基金の慰藉事業という性格の点もございます。やはり国民の皆様方に納得をしていただけるような線でなければならない。 そういったことも考えまして、基金におきます運営委員会というのが先生御承知のようにございますけれども、この運営委員会でいろいろと御議論をいただいたところでございます。もちろん、この運営委員会の中には、こういった戦争の惨禍をじかに経験された方、あるいはシベリア抑留でございますとか恩給欠格の方々でございますとか、個人的にそういった問題について大変造詣が深く、あるいは御経験もあるという方々にもお入りいただきました十人の先生方から構成されます運営委員会におきましていろいろと議論を尽くしていただきました結果、恩給欠格者の方々につきましては外地の勤務経験があること、それから加算年を入れまして在職三年以上という、この二つの要件を満たす方を対象として基金法による慰藉事業を行うということにしたわけでございます。 これは関係者もお入りになった上での結論でございますし、私どもといたしましては、これが相当尊重されるべきものであるというぐあいには考えておりますけれども、しかし基本となりますものは、やはり国民の皆様方に納得をしていただく、その線は一体どういうところにあるのか、こういう点に尽きるのではないかと思います。国民の皆様方の御意識、御意見というものも時代の変遷、社会の変化に応じてやはり変容していくものであろうというふうに考えておりますので、そういった国民の皆様方の通念、常識といったものに従いまして、そういった状況を見守りながら、私どもこの要件につきましても十分慎重に対応させていただきたいというふうに考えているところでございます。
○竹内(勝)委員 私、今申し上げました遺族の方それから内地勤務者の方、やはりあの戦争の大変な労苦、それはもうどちらが大変だとかどちらが楽だとかというようなことは絶対に言えないわけでございまして、ぜひひとつ、国としてこちらの誠意というものを本当に示していただきますよう重ねて要望しておきます。 そこで、平和祈念事業特別基金の積み立ては平成四年度末で二百億円になるわけですが、その後四百億円にしていくのはいつごろなのか、あるいはその後の増額予定、そういったものに関して御説明いただきたいと思います。
○高岡政府委員 現在、当初の予定でございました二百億円の基金造成につきましては、現在先生方に御審議をいただいております来年度予算におきまして最後の五十億円を計上させていただいておるところでございます。これを国会でお認めいただけますれば、当初の二百億円の基金造成は完成するわけでございますが、政府と与党の合意事項が平成元年にございましたけれども、二百億円の基金造成後さらに二百億円の基金を造成する、プラスアルファするということに取り決められております。しかし、これにつきましては一体何年で造成するのか、そういった具体的なことは一切触れられておらないところでございます。これはやはり財政状況でございますとかいろいろなことを考えながら、これから関係方面と十分折衝を重ねながら考えていきたいというふうに思っております。当面は、二百億円の最後の五十億円でございます五十億円の造成をお認めいただけるように格段の御援助、御配慮をお願いしたいと考えているところでございます。
○竹内(勝)委員 この基金設立の目的の中で、今も御説明がございましたが、戦争に伴う労苦を国民に伝え残すための資料の収集等、関係者の労苦の調査研究、講演会の開催、そういった業務内容が挙げられております。同時に、その問題をさらにどのように発展させていこうとしておるのか。それからまた、各地に平和祈念館の設立の動きがございます。例えば滋賀県で平和祈念館基本構想検討懇談会、こういったものもつくられ動いておるようでございますけれども、こういった自治体に対して何らかの支援をしていく、そういったような考え方はあるのか、あわせて御答弁をいただきたいと思います。
○高岡政府委員 実は、正直申し上げまして今恩給欠格者の方々に対します慰藉事業をどうやって迅速にさせていただくかということで頭がいっぱいでございまして、将来どういうふうにやっていくかということにつきましては、当面私どもが今考えておりますことは、現在やっております慰藉事業、一般慰藉事業も含めましてそういったものを一生懸命やらせていただきたいと考えているところでございます。 それから、まことにありがたいことにいろいろな地方公共団体でこういう平和祈念館というものがぼつぼつとでき上がってきているところでございますが、実はそういったところの責任者を先月も私ども基金の方でお呼びをいたしまして、一体どういう連携のあり方が考えられるかということで最初の御相談をさせていただいたところでございます。ただ、それぞれ各地方公共団体がお建てになります平和祈念館のようなものに対しまして何か財政的な援助が考えられるかということにつきましては、先ほど来からるる御説明申し上げておりますように基金が本来やらなければならない事業で手いっぱいでございますし、それにつきましても進捗状況については大変いろいろと関係者の皆様方に御迷惑をおかけしているような状況でございますので、そちらの方にまで財政的なものを回すということは不可能に近いと考えております。 しかし、大変申しわけないということで、それでは展示会でございますとか講演会でございますとか、あるいはその他資料収集のノウハウでございますとか、我々が集めました資料等をそれぞれの地方の平和祈念館の方にネットワークを組んで流す、情報の公開と申しましょうか、情報のお渡しというようなことができるのではないかということで、そういった余りお金のかからない面での地方公共団体のおつくりになる平和祈念館との連携プレーを当面のところ模索してまいりたいと考えておるところでございます。
○竹内(勝)委員 私は、昭和六十三年におきましても本委員会でこの問題を取り上げておりますけれども、その中でも申し上げましたが、いわゆる各種公務員や公共団体の職員で退職した人たちはその公的勤務年数にわずかの軍歴期間をも評価され加算し国家の生涯補償の恩典に浴しておられます。一例えば軍歴六カ月で年間五万円、二・五年で年間三十万円から五十万円、共済年金に加給されている。そういうようなものに対して、民間の人たちはこういったものが加算されておりません。もう何回も論議してまいりましたけれども、いわゆる官民の格差の問題、せっかく総務庁長官おいででございますので、あわせて長官にもぜひ御答弁をお願いしたいと思いますが、これは旧軍人の人たちが、それが官僚だから、あるいは民間だからここに差がある、そんなばかげたことはあり得ないことですよね。 したがいまして、ぜひこの官民格差の問題というものを、先ほどの運営委員会でも私は何らかの慰藉というものであらわしてもらうためにも、今までずっと官民の格差で過ごされてそういった形で来ておるわけでございますので、そういった差の問題に関してはぜひ考慮していただきたい。厚生年金や国民年金に軍歴期間を国家からその補償としてそういう何らかの考慮をすべきである、そういう議論はもう何回もしてきておるわけでございますが、何とぞその点をもう一度、とにかく後がない、そういうことから考えても、全く今までのものを全部平等にせいというようなことを、今ここでそういう暴論を言うものではないわけでございますので、何らかの考慮をすべきであるということを重ねて申し上げておきますので、どうかひとつ、長官あわせて御答弁いただきたいと思います。
○岩崎国務大臣 ただいま先生の恩欠者に対する多年の御苦労、熱い願いを込めていろいろとお話がされました。また政府委員の方からはそれへの対応について苦労もし、努力もしたけれども、その対応の難しさ、話を聞いておりまして細部にわたって承知をすることができたわけでございます。なお、ただいま先生御指摘のございましたいわゆる通算の問題につきまして、私も恩欠者の方々から数次にわたって御要請を承っておるところでございまして、その内容等については承知をいたしておるところでございます。 しかし、お尋ねでございますので、ストレートにしか残念ながら今日の立場では私答弁ができません。公務員期間については軍歴が通算をされる、厚生年金等の民間期間については軍歴が通算されておらない、この状況についてはよく承知をいたしておるところでございます。各年金制度にはそれぞれの沿革がございまして、この問題を解決するためには波及するところ極めて大きい。したがって、今日の段階では大変難しい問題である、このように申し上げざるを得ません。御了解をいただきたいと存じます。
○竹内(勝)委員 シベリア抑留者に関してお伺いしておきます。 シベリア抑留者の労働証明書の問題でございますが、現在政府ではロシアからのシベリア抑留者に対しての労働証明書の発行について状況をどのように把握しておるか。それから、ソ連にある抑留者の遺品をもとにシベリア抑留展を祈念行事として行いたい、旨の動きがございますが、そういった問題に対しての支援、公平な支援をすべきであると思います。これは総理府にお伺いしておきます。 それから、いまだ不明とされておる戦没者名簿、これは一万五千名とも言われておりますけれども、それもあわせて状況はどうなっておるのか、外務省並びに総理府の方から御答弁いただきたいと思います。
○小町説明員 お答えいたします。 今先生から御質問のございましたロシアからの労働証明書発行につきましては、最近一部の抑留者の方々の要請に応じる形で、ロシア公文書委員会の中央特別公文書館が労働証明書なるものを発給したというふうに承知いたしております。 それから、シベリア抑留者の名簿につきましては、御案内のとおり、昨年四月のゴルバチョフ大統領の来日のときに締結されました捕虜収容所に収容されていた者に関する協定に従いまして、この協定署名後、約三万八千人分の方々の名簿が我が方に渡されております。しかしながら、今御指摘がございましたように、まだ残り一万五千名以上の方々の名簿については、日本側といたしましてはこの三万八千名の方々の分の名簿を受け取った後、機会あるごとにロシアあるいは当時のソ連側に対しましてその速やかなる提出を申し入れてきておるところでございます。これに対しまして、ロシア側あるいは当時のソ連側は、新たな名簿が判明した場合にはその都度直ちに日本側に伝達したいというふうに言ってきておりますので、我々としては今後とも新たな名簿をなるべく早く受け取れますように鋭意努力してまいる所存でございます。
○高岡政府委員 先生御指摘の抑留者展でございます。一般論としてお話しさせていただくことをお許しいただければ、私ども、関係団体からこういったたぐいの事業申請がございました場合には、その事業内容が関係者の労苦を慰藉するという平和祈念事業特別基金の事業内容に合致するものであるかどうか、あるいはまた、これはまことに申しわけない話でございますけれども、基金の財政事情がこれを許すものであるかどうかといった点も十分考えまして判断をさせていただくことになると思います。 それから、基金自身といたしましても、昨年、一昨年でございますけれども、展示会を東京でそれぞれ一回開いてきているところでございます。具体的な抑留者展というようなものについての団体からの助成申請がございましたら、その時点で今のような基準を踏まえまして対応させていただきたいというふうに考えております。
○竹内(勝)委員 終わります。
○桜井委員長 御苦労さまでした。竹内君の質疑はこれで終わります。 次に、三浦久君。
○三浦委員 最初に、人事院総裁にお尋ねをいたしたいと思います。 いよいよ四月一日から民間対象の育児休業法と公務員対象の育児休業法が実施をされることになります。育休法は不十分な点もありますけれども、多くの働く人々、が願望していた制度でもあり、私は人事院が法を適切に適用し、より多くの職員がこの制度を活用することを期待するものでございますけれども、人事院総裁はこの育児休業法施行が直前に迫った今日、この育休法の施行にどういう期待をお持ちなのか、その御抱負をお聞かせいただきたいというふうに思います。
○弥富政府委員 お答えを申し上げます。 先生御承知のとおり、近年の女性の著しい社会進出あるいは核家族化に伴います家族形態の変化あるいは出生率の低下が言われております。こういう情勢に伴いまして、職業生活と育児などの家庭生活との調和、これを図る施策の社会的関心というのが非常に高まっておるわけでございまして、今申されましたように、本年四月から官民同時に育児休業制度が実施される運びとなりましたことは極めて意義の深いことであると考えております。 人事院といたしましては、本年一月に関係人事院規則や通達を制定、発出いたしますとともに、あわせて本省庁及び地方機関に対する説明会の開催などを現に行ってきているところでございます。せっかくの制度の発足でございます。ただいま言われますように、この制度の定着及び実効性のあるものとするために、今後とも育児休業制度の趣旨及び内容についてまず周知徹底を図りまして、同制度の円滑な実施と定着に努めてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○三浦委員 この育休制度を実効あらしめるものとして制度を定着させたい、そういう答弁がございましたけれども、そのために必要なのは、育休の請求者が育休をとりやすくする、そういう職場環境をつくってやることではないかというふうに思いますが、いかがでしょう。
○弥富政府委員 まさに今委員の言われますとおりそのように我々も考えております。まだ発足前でございますので、発足してからいろいろな実例が出てくると思います。それらを勘案いたしまして、ただいまの申されました趣旨にのっとって措置してまいりたい、かように考えております。
○三浦委員 人事院はことしの一月十七日付の育休の運用通知で、育休を請求した職員の業務を処理するための措置として、業務分担の変更、職員の採用、昇任、転任または配置転換、非常勤職員の採用、臨時的任用等の措置、これを具体的に列挙されておられます。現在、公務員の定員というのは、七次にわたる大幅な定員削減でぎりぎりの人数になっておると思います。業務分担によって育休者の業務を代替するというのは大変困難な状況にあるのではないかと思いますけれども、いかがでございましょうか。
○山崎政府委員 育児休業法、新しい制度は全職種に対象が拡大しております。したがいまして、いろいろな職場がございます。いろいろな職種もございます。育児休業する場合の対応もさまざまなものがあると考えております。したがって、一般的にいいますと、業務分担の変更、配置がえ、部内職員のやりくり、非常勤の配置あるいは臨時的任用による部外からの補充、それぞれの実態に合わせた対応も可能だと思っております。
○三浦委員 総合的におやりになるということなのですけれども、例えば一つの例を挙げますと、大勢の職員がいる職場、ここでは業務分担もできるかもしれませんけれども、交代制の職場や少人数の職場では事実上無理ではないかと私は思うのですね、業務分担でやるということは。例えば一人庁とか二人庁、そういうところもあるわけです。それからまた、地方に行きますと、五人以下の省庁もたくさんあるわけですね。交代制の職場の業務分担というと、これは日勤者の交代勤務者に配置がえするというのが一般的なようですけれども、そういたしますと、日勤者の年休の代替要員が困難になるという状況が生まれてくると思います。三人から四人の職場それから気象庁の測候所、海運事務所、職安、こういうところなどは少人数の職場が非常に多うございます。こうした官署では、業務分担をしても他の職員に負担がかかり過ぎて事実上業務分担は困難だと思うのですよ。ですから、こうしたところでの対策はどういうようにお考えになっているのか、伺いたいと思うのです。 例えば、私ちょっと調べてみましたら、気象庁の測候所、ここでは五人以下の職場が百カ所あります。それから、婦人少年室、これは各都道府県に一つずつ置いておりますけれども、東京、大阪で七名ですね。その他の県では六名以下です。三十一県が四人しかいない、こういう職場であります。法務局は、支局、出張所のうち五人以下という職場が五百四十三カ所ございます。一人庁が四十庁ある。二人庁が九十六庁、三人庁は百九十九庁、四人庁が百三庁、五人庁が百五庁と非常に数が多いのですね。ですから、こういうところで育休をとるためにどういう措置を具体的にお考えになっていらっしゃるのか、お尋ねをしたいと思うのです。
○山崎政府委員 御指摘のように、少人数職場はかなりございます。ただ、それも専門的な職種のウエートが高い職場と、比較的一般事務が多い、いろいろな職場がございますけれども、やはりそれぞれに応じて、場合によっては外部から人を求めるという場合ももちろん必要になってくるということだと思います。 それから、専門職種等で臨時的任用を行うという場合も出てこようかと思いますけれども、そういう場合には、中途退職者とかあるいは定年退職者、そういう方々の活用というようなこともいろいろ検討の対象にはなってこようかと思っております。
○三浦委員 今のあれですと、定年退職者、こういうものを活用することも考える、外部からの任用も考える、こういうお話ですけれども、一般業務の場合は、まあ確かに業務分担が困難な場合にあなたたちがおっしゃっている臨時的な任用の措置で代替要員ができるということは考えられます。しかし、専門的な知識とか資格、こういうものを必要とする職場では、臨時的な任用というのは実際上は困難ですね。例えば航空管制官などは、代替要員も有資格者でなければならない。それも同じ管制官でも、沖縄那覇空港の管制資格を持っていても羽田空港の管制はできない、そういう状況なんですね。特定の空港に限定しているそういう資格もありますので、代替要員は一層限定されてくると思うのです。有資格者あるいは専門性という点では航空管制官だけではなくて、税務の問題、また監督官、いろいろございます。 こういうところでの育休の代替要員については、私は特別な代替要員システムというものを検討する必要がある。例えばあなた方が出された一月十七日のこの通知によると、「業務分担の変更、職員の採用、昇任、転任又は配置換、非常勤職員の採用、臨時的任用等」、私はこれではカバーできない問題があるのではないかというふうに思っておるのですが、いかがでしょうか。
○山崎政府委員 航空管制官等の職種といいますか、そういうところでどのくらい該当例が出てくるかということもあろうかと思いますけれども、非常にレアケースの場合と、あるいは長い目で見てかなり恒常的に出てくるといういろいろなケースに応じた対応も必要かと思いますが、やはりいろいろな形で中でやりくりするということも含めて、今後いろいろな検討があろうかというふうに思っております。
○三浦委員 それから次に、部分休業の措置ですね。この問題も非常に関心が高こうございます。一日二時間、三十分単位でとれることになっていますけれども、最近は深刻な住宅問題で通勤距離が遠くなっております。そのために、子供を保育園や託児所が始まる時間の七時とか八時にすぐ預けて出勤してもこの二時間の部分休業時間を割り込んでしまうという状況が出るという心配がなされております。わずかの時間でこの部分休業制度というものが活用できないというようなことのないように、この運用に当たっては、そういう実態をある程度考慮して弾力的な運用がとられるべきではないかというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
○山崎政府委員 部分休業という全く新しい制度を今度つくったわけでございますけれども、何といいますか、職員の育児ということとあわせまして、やはり公務運営の立場ということも総合判断をして新しい制度の枠組みをつくっております。そういう意味で、通勤に要する時間あるいは保育施設の開所時間、公務への影響、これらをいろいろ勘案したわけでございます。一日を通じまして二時間を超えない範囲というような枠組みをつくっております。あるいは、始めまたは終わりにとる、あるいは三十分単位でとるというようなことでございますので、かなり効き目のある枠組みができているのではないかというふうに思っておりますが、育児休業制度とあわせまして制度の円滑な実施と定着に努めてまいりたいと思っております。
○三浦委員 育休中の無給問題ですね。これは法案審議でも大きな問題になったわけでありますけれども、法の実施を前にしてこれは現実の問題になりつつあります。問題の一つは、共済年金の掛金と住民税を合わせて、三十歳くらいの職員では月三万円くらい支払うそうですね。これが育休をとる際の障害となって育休取得に消極的にならざるを得ないという心配が出てきているわけであります。 もう一つは、特に医療の職場などに見られますけれども、従来の育林適用者は有給、それ以外は無給であるということに対して不満が強まっているということです。これは職場の円滑な人間関係の障害になりつつあります。この点について、人事院総裁はさきの国会で、民間の実態を見た上で検討していきたいというふうに答弁をされておられますけれども、この問題は法の実効性の確保からも、また公務を円滑に遂行するという点からも大変急がれている問題だと思います。ことし春の民間給与調査の際にあわせて民間の実態を調査し、ことしの人勧で一定の方向を出すべきだというふうに思いますけれども、いかがでございましょうか。
○弥富政府委員 ただいまの休業中の所得保障の問題、これは御指摘のように一番問題であったということでございまして、民間の制度発足以前におきましてもやはり労働省内で婦人少年審議会でございますか、まだ広範かっ多角的に検討する必要があるというような御答申があったというふうに承っております。 確かに国家公務員の勤務条件につきましては、今御指摘のようにこれは社会一般の情勢に適応させるという原則、情勢適応の原則ということが設けられておりまして、人事院で毎年、給与ばかりではなくその他の民間の諸制度の調査を行いまして、民間における勤務条件の実施の把握に努めているわけでございます。育児休業制度につきましても、これまで民間企業における普及状況を調査してきたところでございますが、本年四月から民商労働者を対象とした育児休業法が施行されることになりますので、育児休業制度というのはいよいよ発足して広く普及するというふうに我々も見ておるわけでございまして、今後ともこれらの調査等を通じまして、育休期間中の給付の状況を含めまして、その具体的な内容の把握に努め、必要に応じまして適切な措置をとることができるようよく検討をしてまいりたい、かように考えておる次第でございます。
○三浦委員 次に、厚生省にお尋ねをいたしたいと思います。 従来、親が育児休業に入りますと、保育園に預けていた上の子供は保育に欠けるということから一たん保育園をやめなければなりませんでした。これは子供の教育的な影響からも問題だという批判があり、見直しを求める声が強くあります。これらについて厚生省はどのように見直そうとしているのか、お尋ねをいたしたいと思います。
○冨岡説明員 御説明申し上げます。 平成四年四月から育児休業制度が本格的に実施されることに伴いまして、その円滑な実施に向けて保育所といたしましてもきめ細かな対応が必要であると考えております。このため、保育所の対応についてはいろいろな方面から対策を検討してきたところでございますが、その結果を本日、都道府県、各政令指定都市に通知いたしたところでございます。 お尋ねの点につきまして申し上げます。 実は、お尋ねの上の子につきましては保育所の取り扱いとしてなかなか難しい問題がございます。と申しますのは、育児休業制度はお子様を育てるために休暇をとられるというものでございます。一万保育所は、お子様を育てることのできない御家庭にかわりましてお預かりし保育するという制度でございます。そのようなことから、その取り扱いについて慎重に検討してきたところでございますが、今回親御さんの事情に加えまして、児童福祉の観点を踏まえた取り扱いとすることといたしたところでございます。 具体的な内容を申し上げますと、次年度に小学校への就学を控えているなど入所児童の環境の変化に留意する必要がある場合、集団指導が必要とされる三歳以上児について、当該地域に児童館等の受け入れ先がない場合、その他当該児童の発達上環境の変化が好ましくないと思われる場合、こういった場合につきましては措置を継続して差し支えないという取り扱いとすることといたしたものでございます。 以上でございます。
○三浦委員 最後に総務庁長官にお尋ねをいたしたいと思います。 この育児休業法を実効あらしめるためには何といっても解決しなきゃならない二つの大きな問題があると思います。一つは代替要員の確保の問題ですね、もう一つは有給にするということだと思うんですね。労働者によって差別をつけない、そういうことを実施しなきゃならぬと思うのです。行革審は定員の削減を押しつけておるわけですけれども、週休二日制というものの実施も目前に迫ってきております。そういうときに行政サービスを低下させない、または公務員の労働条件を悪化させない、そのためにも要員の配置というのは休日、育休、休暇等を保障するのに十分なものでなきゃならないというふうに私どもは思うのですが、総務庁長官の御所見を伺って質問を終わりたいと思います。
○岩崎国務大臣 国家公務員の週休二日制につきましては、今日までも民間の企業における労働時間の短縮というのが大変厳しい合理化努力の中で行われてきた、そういったものを考慮しながら今日まで予算や定員の増を伴わない、そういった形で行ってまいったわけでございます。今回いよいよ完全週休二日制の実施に向けましても従来からのこうした方針に沿いまして事務処理方法、人員配置の見直しなど行政の合理化、効率化につきまして十分検討いたし、平成三年十二月二十七日、平成四年度のできる限り早い機会に実施をするという閣議決定を行ったところでございますけれども、その閣議決定の際にも現行の予算、定員の範囲内で実施すること、また先生御指摘のように行政サービスの低下も極力させない、そうした方針で閣議決定を行い、予算、定員の増を行わないということで決定をいたしたわけでございますので、そうした方針に基づいて完全週休二日制の実施に向けて鋭意努力をいたしてまいりたい、このように考えております。 以上でございます。
○三浦委員 終わります。
○桜井委員長 三浦久君の質疑はこれで終了いたします。 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○桜井委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決いたします。 内閣提出、恩給法等の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○桜井委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 ―――――――――――――
○桜井委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、片岡武司君外四名から、五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を聴取いたします。上田卓三君。
○上田(卓)委員 ただいま議題となりました自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の各派共同提案に係る附帯決議案につきまして、提案者を代表してその趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。 恩給法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、次の事項について速やかに善処すべきである。 一 恩給年額の改定については、国家補償としての恩給の性格、恩給受給者の高齢化等に配意し、今後とも現職公務員の給与水準との均衡を維持するよう努めること。 一 恩給の改定実施時期については、現職公務員の給与との遅れをなくすよう特段の配慮をすること。 一 恩給の最低保障額については、引き続きその引上げ等を図るとともに扶助料については、さらに給付水準の実質的向上を図ること。 一 恩給受給者に対する老齢福祉年金の支給制限を撤廃すること。 一 外国特殊法人及び外国特殊機関の未指定分の件について、速やかに再検討を加え適切な措置を講ずること。 一 恩給欠格者等の処遇について検討の上、適切な措置を講ずるよう努めること。 本案の趣旨につきましては、当委員会における質疑を通じて既に明らかになっていることと存じますので、説明は省略させていただきます。 よろしく御賛同くださいますようお願い申し上げます。
○桜井委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○桜井委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。 この際、総務庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。岩崎総務庁長官。
○岩崎国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、今後慎重に検討してまいりたいと存じます。 ―――――――――――――
○桜井委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○桜井委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕
○桜井委員長 次回は、来る十日火曜日午前九時五十分より委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十九分散会