地方行政委員会 第4号
- 発言数
- 174 件
- 登壇者
- 18 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/03/26
会議録
○中島委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、警察法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより質疑に入ります。質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北沢清功君。
○北沢委員 おはようございます。私は、日本社会党・護憲共同の北沢清功でございます。 本日の議題であります警察法の改正の一つとして暴力団対策部の新設がされるわけでありますが、その根拠とされておりますのは、さきの百二十国会で成立し、本年三月一日から施行されておりますいわゆる暴力団対策法の有効な取り締まりのためであります。そこでまず、深く関連してまいります暴対法についてお尋ねをいたしたいと思います。 さて、暴対法は実施されてから一カ月近くが経過をしているわけで、実際に運用されて、その効果、影響等、現在の施行状況についてお聞かせいただきたいと思うのであります。聴聞など行われる予定であると聞いておりますので、具体的なものをお聞かせをいただけたらというふうに思っております。
○國松政府委員 暴対法は三月一日に施行されたわけでございますけれども、暴対法の中心的な規制措置でございますいろいろな行政命令といったようなものがまだ行われているわけではございませんので、そういったものの効果というものはまだこれからということでございます。 現在各都道府県においてやっておりますのは、そうした規制の前提となります指定作業をやっておるという段階でございます。そうしたその指定作業につきましては、各都道府県警察において着実にその所要の事務を進めているところでございまして、最近寡占化の著しい、かねてから警察庁をして重要対象団体として指定しておりました五代目山口組、稲川会、住吉会の三団体につきまして、兵庫県公安委員会及び東京都公安委員会において、聴聞の通知及び公示を既に完了いたしまして、四月十日の聴聞実施に向けて準備を進めているところでございます。 それ以後、聴聞が行われますと、法律の定める手続に従いまして、国家公安委員会に設置されている審査専門委員の意見の聴取、それから国家公安委員会における確認などを経まして、事が順調に推移いたしますれば五月中には指定の公示がなされるのではないかというようなところでございます。 また、この三団体以外につきましても、京都に本拠のございます会津小鉄、それから山口に本拠のございます合田一家、それから福岡に本拠のございます工藤連合草野一家、広島にございます共政会といった、各府県におきまして特に指定を急ぐ必要のある暴力団につきましても順次聴聞を実施していく予定でございます。
○北沢委員 そこで、暴対法では暴力的組織を指定する場合、学識経験者など審査専門委員の意見を聴取することになっておりますが、この審査専門委員の選定基準はどのようになっているのか。既に実際に行われている具体的な例があるならば教えていただきたいと思うのであります。 といいますのは、意見の聴取というのは大変結構だと思うのですが、この場合大事なのは、どういう人が審査専門委員になるのかということだと思うのであります。私ども危惧をいたしておりますのは、公安委員会が選ぶという大きな規定があるだけですので、公安委員会に都合のよい人が選ばれるというおそれがあるのではないかということを懸念をいたさざるを得ないのであります。この点についてはいかがでしょうか。
○國松政府委員 審査専門委員につきましては、十五名の方を公安委員会において任命をしていただくことといたしておりますが、その具体的な人選につきましては目下作業が進んでおるところでございまして、四月の上旬には国家公安委員会による任命が行われる予定でございましたが、氏名等はまだ確定しているものではございません。 委員の選任の基準につきましては、暴力団対策法の第二十七条の第二項というのがございます。そこにおきまして「人格が高潔であって、指定暴力団等の指定に関し公正な判断をすることができ、かつ、法律又は社会に関する学識経験を有する者のうちから、国家公安委員会が任命する。」ということとされているところでございまして、具体的には、マスコミ、法曹界、あるいは学界、あるいは財界、それから刑事実務家など、各界から有識者の御参画を得たいと考えております。 なお、公安委員会の都合のいい人ばかりが選ばれる危険がないかという御懸念もあるようでございますけれども、そういうことではございませんで、例えば弁護士さんにも何人かなっていただくわけでありますけれども、その場合にはいわゆる日弁連、日本弁護士連合会に適任者を推薦をしていただきまして、それに基づいて任命をするということでございますので、真に適任者が任命されるような仕組みにもなっております。私どもとしてもそういうように配慮してまいりたいと考えております。
○北沢委員 今御答弁がありまして、ぜひ公平で納得のいく人選が行われるよう、強く要望いたしたいと思います。 既に私の地元の松本などは暴力団の解散届が出されていったように、具体的な動きが出てきておる中で、そこで問題になるのは、偽装解散であるとか、また会社化であるとか、または政治団体などへの改編ということであります。こうした実態は現在どのような程度に把握をされておりますか。また、こうした隠れみのとしての装っているものとの区別をどうなさっておられるのか。これは強く懸念されるところでありますので、対策などをお考えになっておられるかどうか、お答えをいただきたいと思います。
○國松政府委員 まず、今いろいろな動きがあるわけでございますけれども、暴力団によります会社設立というものの動向につきましては特に山口組において顕著でございまして、本年一月の初め、総本部から直系の組長に対しまして会社の設立をするようにという指示が行われました。これを受けましてあっという間に九十を超える会社、私どもの把握しておる中で三月十日現在では、九十五の法人がこの約三カ月の間にわっとできてしまったということでございます。そういうものが設立されたわけでございます。 また、解散の動きにつきましては、いろいろあろうと思いますが、代表的なものといたしましては、警視庁の管内にございます義人党というものが一月三十日に解散届を出すなど、やはりそういった解散の事例もあるわけでございます。さらに、政治団体の設立につきましても、山口組が全国国土浄化同盟という政治団体をつくりまして届け出るなどの状況がございます。 こうした動きにつきましては、暴力団対策法の指定逃れを企図しているのではないかというように疑う余地が大いにあるわけでございますけれども、暴力団の政治団体の届け出あるいは会社の設立の動きにつきましては、届け出とか設立の目的が名目的なものであるか否かなど、政治団体あるいは会社としての活動実態が十分あるかどうかということを検証いたしまして、その結果、当該暴力団が暴力団としての実態を備えるという一方で、そうして設立されました政治団体なり会社というものの実態が名目的なものであれば、これは法の指定要件を充足しているものと認め、当然に指定を行い、所要の規制を行ってまいりたいと考えております。 また、一解散の動向につきましても、真実に解散され組織が完全に消滅したというような場合は別といたしまして、その動向を見きわめた上で、実質的には暴力団としての活動実態があり、法の定める要件に該当するものであれば、暴力団対策法の指定逃れのための偽装解散であるというように認めまして、これも同じように指定を行ってまいりたいと考えておるところでございます。 いずれにいたしましても、暴力団の指定逃れの動きにつきましては十分に注意を払いまして、その実態を十分に把握した上で適切に対処してまいりたいと考えておりますが、今のところそうした偽装の動きについて、私どもの仕事といいますか指定が実際非常にやりにくくなったというようには私どもは考えておりません。
○北沢委員 今御答弁がございまして、その辺についてはひとつ十分に見きわめて、実効ある対策を立てていただきたいと思うわけであります。 次に、暴力団の追放運動推進センターについてお尋ねをいたしたいと思います。 暴対法に基づきまして、各都道府県に暴力追放運動推進センター、各県の指定の形態や名称は異なっておると思いますが、センターが指定をされてきております。その設置状況、活動しているものについては現段階の内容について、どのようになっているかお尋ねをいたしたいと思います。
○國松政府委員 暴力団対策法によりまして各都道府県に暴力追放運動推進センターというものを設置していくんだということにいたしましたところ、各府県におきまして大変な熱意のある取り組みがなされまして、ここのところ大変急ピッチでセンターの設置が進んでいることを、私ども大変ありがたいことであるというように考えておるところでございます。 現在までに、暴力追放運動推進センターの母体となる財団法人は、既に十九県で設置をされております。この四月、五月になりますとこれは急速に進みまして、ことしじゅうには全都道府県で財団法人が設立されるという運びになるわけでございます。 名称等につきましては、これは各県いろいろとございますけれども、県民会議というようなものもありますし、推進センターというものをそのままっくっているところもございます。いろいろでございますが、いずれにいたしましても、暴力団員による不当な行為の予防に関する知識の普及であるとか思想の高揚を図るための広報活動であるとか、それからそうした暴力団員による不当な行為に関する相談業務をやるものであるとか、あるいは暴力団を離脱する意思を有する者に対する援助事業といいました、法の定める事業をやるという中身においては同じでございまして、かなり充実した事業主体ができてくるのではないかと私ども期待をいたしているところでございます。
○北沢委員 運動推進センターについて今御答弁をいただいたわけでありまして、都道府県で順次指定がされているわけでありますが、心配されることは、ややもすると警察主導の組織になってしまうのではないかという懸念をぬぐい切れません。 と申し上げるのは、実は地方の話ですけれども、新聞でも報ぜられておりますので御存じたとは思いますが、現職の警察官が企業を回って、今度暴力団追放の団体をつくりました、ひとつよろしくと言って、センターの設立金を集めているとの事例があるように聞いております。詳しいことは小委員会でやりたいと思いますけれども、相談員の人選についてもいわゆる出身者が多いということになるのではないかということを含めて、相当広く市民の力を結集して暴力団を追放していこうということから考えてどうなのかということを指摘しておきたいと思います。このところはどのようにお考えになっておりますでしょうか。
○國松政府委員 暴力団対策の推進と申しますものは、事柄の性格上、やはり警察が前面に出てとにかくその取り締まりをやっていくという姿勢がございませんと、なかなかうまく進まないというように私ども理解をいたしておりまして、特に取り締まりを中心にしてとにかく警察が、おれたちがやるんだという姿勢を示さなければならない。そういう意味では私は、もう警察が主体になって暴力団対策を推進するという姿勢が私ども警察にございませんといけないのではないかというように考えております。 ただ、暴力団排除活動と申しますものは、余り警察が前面に立って警察が全部やってしまうというのではなくて、やはり県民の皆様方の自発的な、熱意のある御活動を結集するということが必要であることは言をまたないところでございますので、そういったものにつきましては、いろいろな県民各層の御参画を得て、そういう方々の主体的な努力によってやっていただく、警察はどちらかと申しますと裏に回っていろいろと御支援をしていくという姿勢がいいのではないか。 暴力団対策には取り締まりと暴力団排除活動という二面があるわけでございますが、取り締まりについてはあくまで警察が主体、暴力団排除活動につきましては民間の皆様方の動きというものを主体にしていくという、この使い分けがどうしてもやはり必要であろうということは私ども考えているところでございますので、ただいま委員御指摘のような、警察主体になって暴力団排除活動が何か非常に官製品のような形で進んでいくようなことのないように、私ども戒心をしてこれからやってまいらなければならないというように考えております。 なお、相談委員などにつきましては、なるほど今まで、各県に県民会議であるとかいろいろな暴力団排除の組織があったわけでございますが、そういうところにおきましては、確かに警察OBと申しますか、長い間暴力団対策に従事していたような者がOBになりましてから、そのもとの知識を生かしてやるというような面が非常に強く出たことは事実でございます。ただ今度のセンターにおきましては、そういう者でなくて、弁護士あるいは少年補導員、保護司といったような方々の御参画を得るつもりでございます。特に弁護士につきましては、それぞれの県単位の弁護士会と緊密な連携をとって、弁護士さんの十分な御参画を得るようにしております。保護司の選任につきましては、各地域の保護観察所からいろいろと御推薦をいただくというような形で、いろいろな各界各層の知恵を出していただいてつくっていくというような形にしてまいるつもりでございますので、相談委員も、何か私どもだけの相談委員というような色彩はないように努力してまいりたいと考えております。
○北沢委員 推進センターが官製にならないようにというお考え、非常に正しいと思うわけであります。私も、長野市における本郷というところで、かつてけん銃を乱射するという暴力団を、市民の皆さんが非常に高まりの中で、事務所の撤去やついには彼らの追放に成功した経験もよく存じておりますが、このことは非常に大事なことでありますので、ぜびひとつこの暴力団追放という面を国民的な視野に広げていただくという面も十二分に御考察をいただいて、適切に対処をしていっていただきたいと思うわけであります。 今、更生相談員のことについて若干刑事局長から触れられました。これは特に更生相談員というものについてでありますが、この制度は余り世間の注目をされていないように思われるのでありますけれども、実際にはこの暴対法の趣旨である暴力団の壊滅のための一役を担うと言っても過言ではないほど、その本来の役割が最大限に機能されることが期待される重要な制度ではないかと思われるのであります。そこで、その役割を担う人の選び方、委嘱の仕方については、若干触れられておりますけれども、この面についてさらに突っ込んだお考えがございましたら御答弁をいただきたいと思います。
○國松政府委員 委員御指摘のとおりでございまして、暴力団員の更生保護といったようなものにつきましては、これが今後の暴力団対策の大変重要な一つの要素になってくるということはそのとおりであろうと思います。そういうことも考えまして、この暴力追放運動推進センターの事業の中につきましては、法律の二十条の二項五号におきまして「暴力団から離脱する意志を有する者を助けるための活動を行うこと。」というのがこのセンターの事業の一つに加わっておるわけでございますが、この事業につきましては、今後大変重要な意味を持ってくるものというように私ども考えておるところでございます。 そういうこともございまして、暴力追放相談委員というものには、先ほどちょっと御答弁をいたしましたように、弁護士、少年補導員、保護司、あるいは民事介入暴力相談等に従事してきた元警察官等が選任されるわけでございますけれども、保護司あるいは少年補導員というものは、今申しました意味からもその御活躍が大いに期待されるところでございます。その場合、相談委員になっていただく保護司などにつきましては、各地域の保護観察所と緊密な連携をとりまして、その御推挙を得ながら、そういった保護観察所の活動ともリンクをしながら、ふさわしい方になっていただいた上で活動していただくというように配慮をしてまいりたいということでございます。 なお、その選任につきましては、まだこれからの段階でございますので、具体的にだれが決まっておるというような状況ではないわけでございまして、恐らく五月、六月ごろになれば、全国的に大体そのスタッフがそろってくるのではないかというように考えております。
○北沢委員 これは、暴力団を離れたい、そういう組織から抜け出したいと願っている人たちにとっても本当に頼りになる、そうした道しるべのような役目になっているものでありますから、これからの人選でありますから、くれぐれも深い御配慮をいただきまして、単に天下り先の一つなどといったことのないよう、能力のある方を委嘱されるよう重ねて特にお願いをいたしたいと思っております。さて、このたびの暴力団対策部の設置に関してでありますが、ここには、新しい暴力団対策部を設置し、部長を置くこととするとし、当該事務を担当するとしているわけでありますが、その具体的な機構、業務内容、人員、暴力団対策室から格上げになっておりますのでどのような利点があるか、さらに、この暴対法の運用により、部局に必要な予算措置など、お伺いをしたいのでありますが、どうでしょうか。 また、来年度予算では、暴力団対策の充実ということで新たに暴力団情報管理システムというものが予算化をされておりますが、これはどのようなものか、お考えをお示しいただきたいと思います。これについての具体的内容、これによって期待される効果など、あわせてお聞かせをいただきたいと思うのであります。
○國松政府委員 御審議をいただいております警察法の一部の改正が御承認いただけるということになりました場合には暴力団対策部ができるわけでございますが、この暴力団対策部には暴力団対策第一課と暴力団対策第二課が置かれるわけでございます。その業務につきましては、暴力団対策一課の方が、どちらかと申しますと暴力団対策法の運用と申しますか暴力団の指定など、そういったものを担当してまいるという課になります。暴力団対策二課と申しますものは、これまでの法令をいろいろ駆使いたしまして取り締まりをやっていくといいますか、暴力団取り締まりの全国の指導に当たる、大体こういう振り分けで業務を進めていこうと考えておるところでございます。 この機構が整備されることによりまして、今まで府令職ということでやっておりました暴力団対策室というのが大変な格上げをいただくわけでございますけれども、これによりまして、従来必ずしもそうだったとばかりは言えないのでございますが、どちらかと申しますと暴力団犯罪の捜査を中心として、取り締まりを中心として構築してまいりました暴力団対策を飛躍的に発展させまして、いわゆる民事介入暴力等の不当な行為を繰り返している暴力団に対し、より総合的かつより強力な諸対策を推進することができるものと考えておるところでございます。 なお、その必要な経費でございますけれども、平成四年度予算におきまして三億五千四百万円を措置しているところでございます。 その内容といたしましては、各都道府県が措置をいたします実態把握等のための調査の経費、あるいは聴聞開催の経費、これは参考人の旅費とか印刷製本費、郵送費などを含むわけでございますが、そうした聴聞開催の経費、それから官報への掲載料などの経費に対する補助金、及び、国家公安委員会に設けられます、先ほど御質問のございました審査専門委員の経費、これは委員手当であるとか会議費とかが含まれるわけでございますが、そういった専門委員の関係の経費などでございます。 それから、システムでございますけれども、暴力団情報管理システムというものを私どもつくっていくつもりでございまして、これは、暴力団の広域化、寡占化が非常に進んでおりまして、暴力団情勢が大変悪くなっている現状におきまして、暴力団に関する情報を、いわば警察庁の電子計算機を使用いたしまして一元的に管理をいたしまして、全国的な活用を可能にするためのものとして導入をしたいというように考えているものでございます。
○北沢委員 次に、警衛に関する事務の移管に関連をしてですが、警衛に限らず要人の警護という面で、古くから私どもの党だけでも、浅沼委員長に対するテロ、さらには土井たか子前委員長、山口書記長に対するテロ等、また長崎市の本島市長、そしてつい先ごろにおきましては金丸自民党副総裁への発砲事件など、絶対にあってはならない、言論の自由を暴力で封じ込めようとする、震憾せしめる事件が起きております。こういったことへの対応はさまざまな御労苦がおありだと思うのでありますが、従来のやり方では対応できなくなっている面もあると思うのであります。 特に暴力団や右翼の、かつてのあいくちだとか日本刀から最近はけん銃によるものなど、こうしたテロに限らず、何か最近の事件の特徴的と見られることがあったらそれについてお伺いをし、それから、けん銃に対する取り締まり状況、そして新たなテロ対策などお考えだと思いますので、この辺の状況について、非常に不安を持っておりますので、お聞かせをいただきたいと思うのであります。
○吉野政府委員 お答えいたします。 先ごろの金丸自民党副総裁への狙撃事件、これは大変ゆゆしき事態でございまして、私どもも大変深刻に受けとめている次第でございます。右翼も、従来はどちらかというと刃物を使ったテロが主流でございましたが、今回の事件に見られますように、最近のけん銃の出回りの状況を受けまして銃器使用というふうに変わってまいりまして、これは一つ重大な事態であるというふうに私ども受けとめております。したがいまして私どもいろいろ工夫してまいりたいと考えております。 申すまでもなく、民主主義の基本というのは政治家の方々と民衆との自由な触れ合いというのが基本でございます。警備が厳重になればなるほどそれに逆行するというような状況もございます。さりとて、一たんテロが起こりますとこれまた民主主義の危機でございますので、これは何としても防がなければいかぬということで、率直に申し上げて実は私ども大変苦労があるわけでございます。これは今後、一にも二にも演説会なら演説会を主催する方々とのお話し合い次第でございますが、よくお話し合いをした上で、多少目ざわりではあっても演壇の下に聴衆の方を向いて、不審な不逞な者がいないかどうかよく見るとか、あるいは若干多目に人を配置していただくとか、こういうことを主催者の方々と御相談の上でやらしていただきたいと考えております。 けん銃につきましては、今相当出回っております。暴力団のみならず右翼にも相当出回っておりますので、これは今後徹底して集中的に取り締まってまいりたいというふうに考えております。 なお、右翼につきましては、従来も厳しく取り締まってきたつもりでございますが、今後とも、今どんどん取り締まりに当たる人員をふやしておるところでございますが、徹底して集中的に取り締まってまいりたいというふうに考えている次第でございます。
○北沢委員 私は、今回暴対関係が刑事局暴力団対策部、それから警衛関係が保安部から警備局へという形に変わったあたりにはそれぞれの意義があるのではないかというふうに思っているのです。特に、武器や凶器の取り締まりもさることながら、やはりそういう面で社会情勢に触れながら、例えば右翼団体等の人物を監視をし、なおかつ、それらの要人に対する接近を事前にチェックするというか、そういう体制が非常に大切ではないかというふうに私は思っております。特にそういう意味で、警備の面で移管をされたということの意義も一つあるのではないかというふうに私は解釈をしているのですが、そこら辺について。 さらにこのことについて、テロ事件ですけれども、これはある面では、国民と要人との接近といいますかそういうものを極端に妨げることは非常に難しいわけでありますし、またそのことは本旨ではないわけでありますが、しかし、今言ったような、事前にチェックをし、そして事前に凶器を総合的に取り締まるという面で、さらに一層の強化を図っていただきたい。そういうことについて、鈴木長官からの再度のかたい御決意をいただきたいと思っております。
○鈴木(良)政府委員 暴力団も右翼も、最近はまさにけん銃というものを使ってのいろいろなテロ行為などを繰り返しておるわけでございまして、このけん銃に対する態勢というものを我々はいろいろな形でシフトしていかなきゃいかぬというふうに考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、暴力団に対しましても、あるいは右翼に対しましても、私ども、総力を挙げて、こういうものを許してはいけないということで、一面では取り締まりをもっと徹底していくということをやっていかなきゃいけませんし、また現場におきましてもそういうことを許さない態勢でしっかり臨んでいきたい、かように考えておるところでございます。
○北沢委員 それでは進めますが、さて、暴対法が成立をし、それに伴う新しい機構ができ上がって、いよいよ本格的な取り締まりが期待をされるわけであります。形式的に完全な体制ができ上がったとしても肝心なのはその内容でありまして、そして、取り締まりに当たる警察官自身のモラルを厳しく問われなければならぬというふうに私は思っております。厳しい姿勢でこれらの運用に当たられるのでなければ、せっかくの体制も何の効力も発揮しないばかりか、悪の温床をはぐくむことにもなりかねないのであります。 残念ながら、これまで地域によっては、市民から信頼されているはずの警察官の不祥事がたびたび発覚をいたしまして、事前に摘発情報が流されるというように、第一線の警察官と暴力団との癒着もあるやに聞いております。 特に、ごく最近ですが、東京地裁八王子支部での差し戻し審の判決で明らかになったことでありますが、覚せい剤の罪を軽減するために、知人に依頼をし短銃を入手をいたしまして提出をしたという事件でございます。捜査員と被告の暴力団組長との間に罪を軽減するための取引があったこと、また、逮捕した際に手鉄をかけなかったり直接外部と電話連絡をさせるなど破格の優遇があったとして、裁判官から警察に十分反省を求められているというような報道がなされておりました。 私は、もちろん大多数の警察官の皆さんの地域での地道な御苦労には感謝を申し上げるところでありますが、こうした一部の不祥事が大きなイメージダウンとして悪影響をもたらし、この法律の実効力を損ねるものになりかねません。近来特に嘆かれているモラルの低下に関し、どのような対策、指導をお持ちなのかどうか、お伺いをいたしたいと思います。
○國松政府委員 ただいま御質問の中にございましたその具体的な事件につきましては、これは先般、三月十六日に公判の結果が出て、それが報道された件でございます。この御指摘の件につきましては、まことに遺憾なことでございますが、捜査の適正について誤解を招くような軽率な行為があったことは事実でございます。ただ、私どもといたしまして、その入手したけん銃について、それが取引で行われたというようなことはなかったと今でも信じておるところでございますけれども、その過程におきまして、相手の暴力団との癒着というようなことを言われてもいたし方のない軽率な行為があったことは事実でございまして、まことに申しわけないことと思っております。 この件につきましては、既に関係職員二名を含む関係者五名が処分をされておるところでございまして、こういった問題につきましては、引き続き厳正に対処をしていきたいと考えております。 特に、この暴力団対策法の施行という時期におきまして、暴力団との癒着というような御批判を万が一にも受けるようなことがありましてはまことに申しわけないことでございますので、綱紀粛正につきまして、この際さらに一層強力に推進をしようとしておるところでございます。暴力団排除を願う国民の期待にこたえるためにも、暴力団犯罪捜査等に当たりましては、厳正な態度を保持して、その適正が疑われることのないように、これは繰り返し第一線に徹底をしておるところでございますし、今後もそういった努力を十分に続けてまいりたいと考えておるところでございます。
○北沢委員 御決意のほどをぜひひとつ徹底をしていただきたいと思います。 それでは、せっかくの機会でありますから、ここで、いわゆる拡声機の規制条例とか騒音防止条例について幾つかお伺いをしておきたいと思いますが、八四年の岡山県を皮切りに、最近では山形県、ついこの間静岡県でこの種の条例が成立をしたように聞いております。また、この成立に当たっては、警察の方から条例の制定を推進しているやにも実は聞いておるのですが、現時点での条例制定の状況というものをまずお聞かせをいただきたいと思います。
○吉野政府委員 拡声機騒音を規制するための条例、私どもはいわゆる暴騒音規制条例といっておりますが、これは、ただいま御指摘の昭和五十九年に岡山県で初めて制定されたのに続きまして、平成元年には石川県で制定されております。それから平成二年は岐阜県、長崎県、熊本県、そして福島県で制定されております。それから平成三年は群馬県と宮城県でございます。それから本年、平成四年になりまして山形県、静岡県、和歌山県、これらの県において制定されておりまして、都合十一の県で制定されているところでございます。
○北沢委員 この条例については各県の中でも問題点を指摘をされておるわけでありますが、最近の市街地における騒音といいますか、そういうものが非常に大きくなってまいりまして、騒音の対象というのは、八十五デシベル以上を取り締まりの対象とするということになっております。 問題なのは、私ども一番大きな心配をしておりますのは、政治活動の自由といいますか、街頭で政策的なお話をする、呼びかけをするということについても、周囲の騒音のためになかなか徹底をしないという面で若干音声を上げるというか、そういうものも含まれるわけであります。町の中の騒音にかき消される中でのこれらの政治活動といいますか、そういう問題についても、今までの慣行上から見ても私どもとしては一つの危惧を持っておるわけであります。特に、選挙以外の政策宣伝についてのこの条例の適用というものについて、どのようにお考えになっておられますか、その点についてお尋ねをいたしたいと思います。
○吉野政府委員 お答えいたします。 ただいま委員の方から通常の政治活動についての御懸念の御指摘がございました。一番新しい和歌山県の条例の第一条に目的がございまして、この条例は、県民の日常生活を脅かすような拡声機の使用について必要な規制を行うことにより云々と、こういうことがございまして、あくまで県民の日常生活を脅かすようないわゆる暴騒音を取り締まる、規制するというものであるというふうに承知しております。したがいまして、正常な政治活動、市民運動あるいは労働運動、こういうものについてはこの条例の規制の対象とはならないというふうに承知いたしておるところでございます。
○北沢委員 私どもそのように解釈をしていきたいと思いますけれども、こういう騒音の問題等は、私の知る限りでは、県における知事部局の環境部等で所管されているわけでありますが、たまたま静岡から以後、公安委員会の取り扱いになっておるように実は聞いておるわけであります。何としても表現の自由であるとか政治活動の自由、憲法に抵触をしない、また、やる側においてもそこら辺については良識ある態度で臨みたいというふうに決定をしなければいけないわけでありますが、実情に即したものとしてこれらに合致するように、条例の制定またその運用については特にひとつお願いをしておきたいというふうに思っております。 若干時間がございますから、私は、最近二つ実は感じたことがございます。 特に、先ほどのけん銃の入手にしても麻薬の入手にしても暴力団の一つの資金源になっているわけでありまして、暴力団もかつての、先ほど申し上げるようなあいくちの時代からけん銃の時代というようになり、また資金源も時代とともに非常に変化をいたしまして、総会屋であるとか地上げ屋であるとか、または仕手グループなりに関与して暴力団の経営といいますか、多角化、悪い意味での近代化が急速に今進行しているように実は見受けられるわけでございます。そういう面で、日本の暴力団がいわゆる海外のそれらの勢力といいますか暴力団、そういうものと結ひっく可能性が非常に多いし、またそういうものの背景として、けん銃の入手にしても麻薬の入手にしても、海外のいわゆる悪のルードとのドッキングといいますか、そういうものが成立をしなければならない要件になっておるのではないかというふうに私は実は思うわけでありまして、これらは非常に心配されるわけでございます。 それと同時に、今国際化ということが言われておりますけれども、実は私のところは小さな町なんですが、小さな中小企業がございまして、東南アジアの労務者が来ておりまして、たまたまそこの社長が、給与は払ったのです。それはいわゆる人材あっせんセンターといいますか、そういうものに払ったのですが、しかし実際に支払われているのはたったの一万円で、毎日腹を減らして、もう部屋へ帰ってもラーメンの水をなめるというような形で生活をしていく悲惨な状況にありまして、たまたま私の近くの婦人がその工場に勤めておりまして、非常に心配をされて、みんなで物を出し合ったり米を出し合ったという経過がございます。渡された給与は一万円であるというふうに聞いておりますが、やはりその仲介になる者はやくざだろうというふうに私は推察をいたしますし、また、その事業主も迫ったのですけれどもなかなか強硬な恐喝で、届け出ることもできなくて、ついに日本に悪い感情を抱いて帰らざるを得ないという、そういう状況であるわけであります。これは、一つは労務におけるやみの組織でありますから、そのことは当然考えられるわけでありますので、今国際化といい、また国際親善といいながら、そういうような悪の存在を許すということは、私は、田舎までそういう問題がしみているということも看過できない問題であろうと思いまして、これらに対する取り締まりなり指導の強化ということに向けてもされなければいけないというふうに思っております。 それともう一つ、私は近くシベリアヘ視察に行こうと思っておりましたところが、私の知人が、シベリアにやくざがいるんだ、そういうことを言われまして、私は外務省のロシア課へ参ったところが、課長さんが、やくざがいるということは承知をしております、これらについての情報は警察庁の方へ聞いていただけないか、実はそういうお話がございまして、あんな末端のロシアの果てまでやくざがおり、なおかつマフィアが根を張っているということも聞きまして、非常に驚きの念を深めたわけであります。今日本の海外旅行者が多いわけでありますが、いわゆる暴力団の最後の逃げ手を海外のそういう分野に彼らがその生きる道を求めていくのではないかという心配も危惧されるわけでありますが、これらを含めて、これからの国際化という面での暴力団の海外交流、そして海外における悪の温床という面について、ひとつ積極的に解明をしていただいて、日本の国際信用を得るべく指導の徹底を特にお願いをいたしたいと思いますが、これらについては、答弁をいただきたいと思いますが、いかがでしょうか。 〔委員長退席、岡島委員長代理着席〕
○國松政府委員 御指摘のとおり、一括して言うと暴力団活動の国際化、そういうことになると思うのでありますが、そういうものにつきましては、私どもといたしましても、これまでも関心を持ってやってまいりましたけれども、今後はますますやっていかなければならぬであろうというような認識を持っております。 暴力団が海外に進出することはこれまでもございました。いろいろな目的で行くのだろうと思いますが、例えば、御指摘もございましたけれども、けん銃とか薬物を密輸入をするために出かけていくというのもございますし、あるいは、いろいろな海外からこちらに働きに来られる方の地元でのお話もございましたけれども、いわゆるジャパゆきさんといわれるような外国人女性をリクルートに行くというような目的の場合もございました。あるいは、若干自分の趣味と実益を兼ねたような賭博ツアーといったようなもので行くこともあったのでありましょうけれども、最近私どもやはり一番注目いたしますのは、海外における不動産投資であるとかそういった資金獲得活動と申しますか、彼らなりのいわゆる稼業といいますかしのぎをやるために海外に進出をしていく、そういう形で資金源活動というものが多様化し国際化をするというところがあるのではないかというように考えております。 確かに、このバブルの時代に彼らは相当の資金を獲得をしておるということはあるわけでございまして、そういった非常に潤沢な資金というものを海外に投資をしていくというような動きが今後ますます出てくるのではないかというように考えておるところでございまして、そういったようなものの動きにつきましては、国内の関係機関、入国管理局でありますとか税関でありますとか、そういったような関係機関はもちろん、外国の捜査機関等々との連携を強化をいたしまして、まずその実態の把握に努めるということが第一でございますが、国内法の適用を最大限に行いまして、違法行為の取り締まりを徹底してまいりたいというように考えております。 私どもは、そういう目的もございまして、既に昭和六十二年には警察庁の捜査二課の中に暴力団海外情報センターというものを設置いたしまして、各国の捜査機関等との情報交換を行ってきております。また、特に暴力団の進出に大変重大な関心を持っているのはアメリカでございますのですが、そういったアメリカの捜査機関等とは、昭和五十五年以来七回にわたりまして日米暴力団対策会議というものを相互に定期的に開きまして、いろいろな情報交換をやっておるところでございます。この点につきましては、つい先般、三月の十一日から十三日までハワイにおきまして会議を開きまして、かなりの成果といいますか、そういう情報交換という面では進んでまいったという感じがいたしております。今後そういった努力をやはり我々はやっていかなければならぬというように考えております。 なお、いろいろな御指摘の中に、シベリアにやくざがおる、そのやくざというのは日本のやくざが行っておるという御趣旨でございますのか、それともあるいは、向こうに日本のやくざのような暴力組織があるという意味でございますのかあれでございますが、シベリアというのはかねてから流刑の地でございますので、そういうところに日本のやくざが行っておるというのはちょっと私ども存じておりませんが、ただ最近は、先般のソ連邦の解体にも若干関連もあるのかもしれませんけれども、ソ連あるいは特にロシアの国内におきまして、かなりいろいろな形で犯罪が多発をしておる、そういう過程で、いわゆるやくざとどの程度同じなのか私どもつまびらかではございませんが、いわゆる組織暴力と申しますか暴力組織といいますか、そういう組織化された暴力集団というものがだんだんできつつあるということは聞いておりまして、先般もヨーロッパのある国の治安機関のトップの方がこちらにお見えになりましたけれども、その方もそういった旧ソ連邦内におきます組織暴力の台頭と申しますか、その方はマフィアという言葉をたしか使っておりましたけれども、ソ連流のマフィアというものが大変盛んになっておるというようなことについての危惧を表明をいたしておられました。 そういうものもあるのではないかと思いますが、まだ今のところ私ども、具体的な形でソ連のマフィアと日本のやくざが何か連携をとっているというような具体的な状況というのを把握しているわけではございませんが、ただ、今後はそういうものにつきましてもやはり十分関心を持ってやっていかなければならぬというのは御指摘のとおりでございますので、そういった暴力団の海外進出と申しますか、海外の組織暴力との連携といいますか、そういったものを封圧していくという観点からも、我々暴力団対策部を設置をしていただきましたならば、その暴力団対策部を中心にいたしまして、そういった情報交換、必要な取り締まりというものをやってまいりたいと考えておるところでございます。 〔岡島委員長代理退席、委員長着席〕
○北沢委員 日本のやくざだと思いますが、積極的に対応していただけるという決意のほどをありがとうございます。 これまでいろいろとお尋ねをしてまいりました暴対法でございますが、この法律が成立をいたしたときにはさまざまな意見がございました。最近とみに一般市民生活のあらゆる面で脅かしております存在となっている暴力団に対する取り締まり強化を期待する声も大きいわけでありますし、その活動をさまざまな角度から封じ込めようとする新しい法案を私は評価をし、また歓迎をする市民の意見も多かったわけであります。 しかしその反面、法案の提出そのものが余り性急過ぎて国民的合意を得るための論議に必要な時間的余裕がなかったのではないか、この地方行政委員会においても五時間余という短時間の審議しかなされなかったという反省や実は批判もございました。暴対法は、その内容の方向において評価すべきであると思われますが、どんな法律を施行されようと、ひとり歩きする面が多分にありまして、懸念のある部分も少なくありません。 例えば、暴力団組織と指定する際の第三者による審査制度の不十分で一方的に権力側が決めるということになるおそれはないのかどうか、また、その定義にしても、「その団体の構成員が集団的に又は常習的に暴力的不法行為等を行うことを助長するおそれがある団体」というだけであいまいさを残している点等々、拡大適用されたり乱用されて不当な人権侵害を招くのではないかとの危惧も多かったように記憶をしております。この法律は基本的人権ともかかわるものだけに、そして国民の人権にかかわることの多い警察庁だけに、取り扱いには慎重の上にも慎重を期していただくことをお願いをいたしたいと思うわけであります。 一人の市民が一たん侵害をされた人権を回復するということは容易でないことは、つい数日前の福島地裁いわき支部での再審請求が受理をされた宿直員強盗殺人事件に例を見るまでもないわけでありまして、こうしてこそ回復の糸口の見つからないままの例も実はあるはずだというふうに思っております。こうしたあってはならないことが起きないように、暴対法は附帯決議をつけて、人権侵害の職権の乱用について決議をしておるわけであります。この点を含めて運用に当たっての姿勢について大臣に御答弁をいただきたいと思いますので、よろしくお願いをいたしたいと思います。
○塩川国務大臣 今申されました附帯決議の趣旨というのを私たちもよく存じておりますし、要するにこの法案の一番運用上難しいのは、まさに今御指摘されたところだろうと思っております。したがいまして、聴聞の手続をとるとかいろいろな手段を講じまして、やはりこれが国民的納得を得られるような方法を講じてきたところでございますけれども、要するに、制度はいかに整うておりましても運用する側に立ちました場合の心得が一番大事だと思っております。そういうことのないように十分な注意を払いながらこの運営に当たっていきたいと思っております。
○北沢委員 それでは最後に、本法の改正で暴村部が設立をされ、体制も確立をするわけでありますから、今後の暴力団の壊。城への警察庁長官と国家公安委員長である塩川大臣の御決意のほどをお聞かせいただきまして、私の質問を終わりたいと思います。
○鈴木(良)政府委員 国民の期待を受けまして昨年暴対法をおつくりいただきました。また、今回も組織体制の整備につきましてお願いをしておるわけでございます。この組織体制を認めていただき、また、暴力団対策法の施行につきまして万全を期しながら、また、今いろいろお話ございました慎重の上にも慎重にというお言葉を十分踏まえながら、私どもは総力を挙げて暴力団の壊滅に向かってしっかりやってまいりたい、かように考えております。
○塩川国務大臣 私は、この法律は市民生活の中において、ある意味において画期的なものであろうと思っております。したがいまして、まず第一に心得るべきは人権との関係、先ほど北沢さん御指摘されました、この点が非常に大事だと思っております。それと同時に二番目には、どうも暴力団を使おうという側も相当日本人の中にはおるのです。こういう不届きな気持ちをやはり払拭してもらいたいということでございまして、これはやはり私は、情報の収集ということが非常に大事だろうと思っております。この情報の収集がまた行き過ぎてもいけませんし、いたしますにはこれは難しいなと思ってはおります。 しかし、例えて申しますと、一つの方法でございますけれども、外国人労働者問題一つ見ましても、雇用者の方にもやはり私は責任があると思っておりまして、現在雇用者の責任は余り強く追及されておらない、むしろ外国人労働者の方に同情だけいっておりまして、こういう事態が起こった根本の雇用者の問題というものを、もう少ししっかりとしたもので法を義務づけさせていくというようなことをさす、私は、それが暴力団対策にも非常に大きい影響があるような感じがいたします。 先ほどちょっと質問の中に出ておりましたが、そういっただ単に直接的な暴力団対策だけじゃなくして、暴力団をめぐります環境整備というものをこの際に思い切り進めていって浄化作業を進めるべきだ、こう思っておりまして、一生懸命これからも努めていきたいと思っております。
○北沢委員 ただいまのかたい御決意のほど、しかと受けとめまして、今後ひとつ大いに国民のために頑張っていただきますようお願い申し上げて、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○中島委員長 山口那津男君。
○山口(那)委員 私の方からは、暴力団新法の実施の状況あるいは今後の問題点並びにカンボジアで今問題となっておりますUNTACへの文民警察の派遣についての問題点等をお伺いいたしたいと思います。 昨年の新法成立に当たっての御議論、また今回での御議論で真剣な御討議がなされたものと思っておりますが、あるいは重複になるようなこともお伺いするかもしれませんが、お許しいただきたいと思います。 まず初めに、この新法によりまして、既に施行されておるわけでありますが、暴力団の指定、これが単一といいますか個別の暴力団とそれから連合体と二つの指定の方法があるわけです。現在までにこの指定についての実情といいますか、例えばその数とか、それから、指定をするに当たって聴聞手続をとられると思うのですが、その通知を出した状況とか、それからその受領をすべてなされているかどうか、あるいは拒否するような者もいるのかどうか、これらについての指定の現状、実情についてお伺いしたいと思います。
○國松政府委員 聴聞を行う予定として通知を出しましたものは、これまでのところは三団体でございます。五代目山口組、稲川会及び住吉会についてでございます。これにつきましては既に、五代目山口組につきましては三月十八日、稲川会、住吉会については三月十七日に通知を行っておりまして、その公示を、山口組につきましては三月十九日、稲川会につきましては三月二十五日に行ったところでございます。受領を拒否するというような動きはございません。 なお、この公示を受けまして、受けましてと申しますか、我々の予定といたしましては、聴聞をこの三団体につきましては四月十日、五代目山口組につきましては兵庫県公安委員会、稲川会、住吉会につきましては東京都公安委員会において行う予定といたしておるところでございます。 なお、その他幾つか、会津小鉄とか共政会、合田一家等の団体につきましては、四月の後半から聴聞をやっていこうかという予定でございますが、まだ通知等の行為はいたしてはおりません。
○山口(那)委員 今三つの団体を挙げられましたが、これはいわゆるこの新法の三条に基づく指定なんでしょうか、それとも四条に基づく指定なんでしょうか、いずれも兼ねるものなんでしょうか。
○國松政府委員 三条に基づく指定でございます。
○山口(那)委員 この指定の法律上の要件に該当する団体、暴力団あるいはその連合体というのは、今挙げられた名前以外のものも多数あるのではないかと私は思われるわけであります。それを、要件に当てはまる限りは今後順次ごとごとく指定をされていかれるおつもりなのかどうか、その点についてお伺いいたします。
○國松政府委員 指定要件に該当いたします暴力団がございましたら、それにつきましては今後指定をいたしていく予定でございます。 ただ、事務的なと申しますか、それぞれの団体一つ一つ指定をいたしますには、先ほど来御議論もございましたように、聴聞に始まりまして、かなり慎重など申しますか人権を配慮した上での慎重な手続がございますので、かなり時間のかかる手続でございます。したがいましてタイムラグはかなり置かれるのではないかと思いますが、私どもといたしましては、より悪質など申しますか重要な団体から、大きな、悪性の強い、広域的な団体から順次、指定要件に該当する暴力団がございましたら、それにつきましては指定をしてまいるつもりでございます。
○山口(那)委員 いわゆる山口組を例にとりますれば、広域暴力団といわれているわけでありますが、先ほど三条に基づく指定をされるというお話でありました。しかし、これらの傘下の何々組あるいは何々暴力団といわれるものはいっぱいあるわけでありまして、これが四条に基づいて山口組が指定される、あるいは山口組系の何らかの団体が指定されるということも将来あるんでしょうか。
○國松政府委員 精査をいたしておるわけではございませんので今後のことについてはわからないのでありますが、三条に該当するものがあれば三条でやり、四条に該当するものがあれば四条でやる、お答えになっていないのかもしれませんが、そういうことでございます。 それで、原則は三条指定というのがあるわけでございまして、そうでなくて、三条で指定できない連合体形式をとっているものがあれば四条でやるというものでございます。もし今後、いろいろな暴力団の活動実態というのを見てまいりまして、四条の指定にふさわしい暴力団があります場合には、ふさわしいというか、そういう該当する暴力団がございますれば四条で指定することももちろんあるわけでございます。
○山口(那)委員 それに対して、世上報道では、暴力団側がデモを行ったりとか、あるいはこの法律に対する問題点を指摘するキャンペーンを張ったりとか、いろいろな行動に出ているやに伺っておりますが、警察庁として、現時点までの暴力団側の対応の実態について御認識をお述べいただきたいと思います。
○國松政府委員 暴力団の側におきましてこの暴力団対策法の施行に合わせてにわかに出てきた動きでありますので、指定逃れの動きではないかということで、私どももそういう意味で関心を持っている動きは幾つもございます。会社を設立する、政治団体を設立する、あるいは解散をするといったような動きがございますが、そういったものにつきましては、私どもとして、とにかくこの実態がどうなのであるかということが一番問題でございまして、会社の設立にいたしましても、もちろん本当に会社をつくって実態的にその仕事をしていくという意図があるものにつきましては、それはそれなりに実態を見て判断をせぬといかぬわけでございます。ただ会社をっくりましたといいましても、一月から三月までの間に八十も九十も会社がどんどんできる、内容は何だといったらそう余りないのではないかというようなことであれば、会社設立というのはもう全く名目だけのものではないかということであろうと思いますので、そういった実態をよく把握いたしましてそれなりに対応していこうと思っておりますが、今までのところ、先ほども御答弁申し上げましたけれども、彼らの動きについて、大変困ったことになった、指定がなかなかできにくいではないかというような認識を私ども一切持っておりません。 なお、デモとかそういったいろいろな動きもあるわけでございますが、そういうことをやるのはおやりになる方の御自由でございますので、私ども特にこれについてもそう関心を持っているわけでもございません。
○山口(那)委員 株式会社にしたからといって、そういう法的な形式が変わったからといって直ちに指定の要件から免れるというものではないだろうと思うのですが、ただ、これがいたずらに拡大解釈されるようなことが行われては、また正当な業務というものが侵されるという可能性もあるわけであります。そこは慎重な御判断が必要であろうと思うわけでありますが、法律上は「名目上の目的のいかんを問わずこしかも団体でありますから、法人形式か個人形式か、これも問われないことだろうと思うわけであります。その点での暴力団側の今言ったような会社組織化、あるいは解散する、そういう行為が果たしてこの指定から逃れるようなことにつながっていくのかどうか、それとも、指定の要件が確実に満たされればそういうことは何らこの指定に当たっての障害とはならないということになるのかどうか、この点についてもう一度お考えをいただきたいと思います。
○國松政府委員 会社を設立するということ、これはもうどのようにも自由にできるわけでございまして、そういうものをつくりまして暴力団であれだれであれ会社の活動をしていくという自由は常に保障されておるわけでございます。彼らがそういうことをやりまして、実質的に会社組織によりまして会社の活動だけをやるというようなことがありますれば、それはそれで結構なことでございまして、私どもとしてそのことについて何ら申し上げるところはないわけでございます。 ただ問題は、暴力団という実態は、組織の威力と申しますか暴力的な威力というものを背景にいたしまして市民をおどすといいますか、そういったようなことによりましていろいろな資金稼ぎをする、その隠れみのとして株式会社というものをつくる、それで、その株式会社の実態は何があるか、金を貸すとかあるいは地上げをするというような行為はあるかもしれませんが、結局もとのとおりの暴力団としての威力を背景にしてその構成員が前と同じような実態でやっている、ただそれが隠れみのとして株式会社というものをかぶらたにすぎないというような実態があるわけでありますれば、それは私どもとしては、三条の一号の指定要件に該当しなくなるようなことはない、昔と何も変わらないのであれば、それはそれなりに指定をしていくということであろうと思います。 あくまでこれは実態の問題でございまして、実態が変わって全く株式会社としての活動をしておるというものについて、その株式会社としての活動に、暴力団対策法、名目は何であれ、私どもがそういった正当な営業活動に関与していくということはあり得ないことであります。ただ、そういったものを隠れみのにして暴力団の活動を続けていくということは絶対に許さないというのが私どもの基本的な立場でございます。
○山口(那)委員 ぜひこの実態を慎重に見きわめた上で、人権上の配慮をとりつつもなお果断な措置をお願いしたいと思います。 さてそこで、本法によりますと、暴力的要求行為をなした場合に、直接それが処罰されるのではなくて、必要な措置を命ずる、つまり十一条でそういう措置を命ずることになっておるわけでありますが、単発で、その暴力的要求行為で金銭等が授受されるとか、あるいは利益が移転するということになった場合には、この命令を発するいとまがないといいますか、結局そういうことになるわけでありますから、果たして実効が上がるのかどうかという点で問題があろうかと思うわけですね。 そこで、今後の課題について、まず十三条で「暴力的要求行為の相手方に対する援助」という項目があります。ここで、例えば不当な利益を返しなさい、あるいは返すことについての助言をします、こういう規定になっておるわけでありますが、この十三条各号で掲げられた返還行為等、これは、かわいそうだから返してあげなさい、こういう任意の返還行為のお勧めなんでしょうか、それとも、違法だから返しなさい、こういう認識のもとでの返還の助言なんでしょうか。
○國松政府委員 十三条に、暴力的要求行為の相手方に対する援助ということが公安委員会においてできる、一定の場合に、もちろん法的な要件はございますが、できるということになっておるわけでございます。 この暴力的要求行為と申しますものは、違法な行為には違いないわけでございますけれども民法上の取り扱いというのは大変微妙なところでございまして、例えば強取をされる、つまり強盗に遭う、あるいは恐喝をされるというようなものにまで至らない状況におきまして、ただ暴力団の組織の威力を背景にしていかがわしい行為として行われる、そういうものを暴力的要求行為ということでやっておるわけでございます。いわば、ブラックまではいかないグレーのゾーンの行為というように認定をしておるわけでございまして、こういうものにつきましては、民法上の取り扱いというものにつきましては、これはかなりいろいろな御議論があるようでございます。 したがいまして、この十三条によりまして、公安委員会は暴力行為の相手方に対する援助を行うことができるということで、金品等の供与を受片でしまったような場合には、返還に当たってその当事者が行う業務を援助することができるということでございますが、これは、いわゆる返還する、しないということの法律行為の中身にまで立ち入りまして公安委員会なり警察なりというものがタッチをしていくということは、なかなか難しいことでございます。したがいまして、ここで書いてございますのは、言ってみれば事実行為として行うわけでございまして、何か法律的な効果が我々の援助にかかってくるというようなものでは原則的にはないわけでございます。 ただ、私どもといたしましては、例えば、警察がどういう具体的な援助行為をするのかということにつきましては、施行規則に書いてあるわけでございますが、例えば、警察署の施設を利用していただいてそこでいろんな返還交渉をしていただくということになれば、そのこと自体は法律的には何の意味もないことでございますけれども、そういった警察施設などにおいて行われれば、その金品の暴力的要求行為の結果相手方に移ってしまったいろいろな利益を返還をしてもらうという交渉を当事者がおやりになる場合につきましても、いろいろな意味で事実上の効果があるのではないか。 そういうことを期待してつくった法文でございまして、法律的な効果というものがそこから直接に出てくる援助という行為ではないというように御理解をいただきたいと思います。
○山口(那)委員 この十三条はあくまで十一条の規定によって命令をした場合に働いてくるわけですね。ところが、その暴力的要求行為に対して抵抗している間は時間的余裕がありますから、それで命令をなして、これこれをしてはいかぬ、こうやれるわけでございますが、一回的に要求をして直ちに金銭が授受された、利益が移転したといろことであれば、もうこの法律が働く余地がないわけですね。そういう行為を野放しにしておったのでは実質的な対策にはならないと私は懸念するわけであります。もちろん十一条の命令というものが適切かつ迅速に行われることが前提でありますが、それでもなおかつ金銭の授受、利益の移転というものが一回的になされてしまうであろう、こういうふうに思うわけですね。そうすると、市民として果たしてこの法律で抵抗をきちんとできるのかどうかというところがまだ問題があるのではないかというふうに思います。 その場合に、この暴力的要求行為そのものを違法視して、これを構成要件化して処罰をするとか、あるいは、そういう移転した利益あるいはその金品についてこれを直接返還させる、あるいはそれを没収するとか、そんな不当な利益を剥奪する、こういうことも検討されなければならないことだろうと思うのです。 既にいろいろ御検討はなされておるのだろうと思いますが、今の点について、二点についてどうお考えでしょうか。
○國松政府委員 暴力的要求行為が既遂に達してしまった場合ということが一つあると思います。私どもとしては、そういうことにならないように暴力相談という活動を十分に行いまして、なるべく十一条の一項の方の中止命令というものを図れるような段階において我々が関与をしていくという努力をすべきことは言うまでもないことでございます。そういう努力をしていかなければならぬと思います。 ただ、不幸にしてそのいとまがなかったという場合には、二項というのがございまして、そういう場合にはその再発防止のための措置をとらせる命令を出すことができる、いわば再発防止命令というものを出すことによって被害がそれ以上拡散することのないような措置をとるということで、二項の手当てをいたしておるところでございます。 それ以外のところでこの暴力的要求行為そのものを処罰をするというようなことにつきましては、これはなかなか、恐喝に至らないような行為として初めから考えましたこの「暴力的要求行為」でございますので、これはなかなか難しいのではないのかなと思うわけでございますが、もう一つ御指摘のございました、そういうようにもう既遂になってしまった、金品が向こうへ行ってしまった、それをいわば没収をするというか、それを剥奪をするという行為が必要であろうということにつきましては、私どもといたしましても全くそのように考えておるところでございまして、この立法の当初の段階におきましてもそういうことは考えておったところでございます。 ただ、当時、麻薬二法という法律が別の委員会でいろいろ御審議をされておりまして、そこで不法利益の剥奪という仕組みをいろいろ御検討なさっておったといういきさつもありますので、それを見ながら私どもはやるべきではないかということで、この法律の当初の案からは、一度さらに長期的に検討すべきということといたしまして、この当初の案からは外した経緯もございます。たた、外したといいましても、そういうものに意味がないという認識では全くないわけでございまして、今後ともそういうものは必要であろうということでございます。 したがいまして、今、その不法収益の剥奪を盛り込むといたしましてどういう仕組みというものが可能であるのか、既に御審議の成りました麻薬二法に定められた手続というものも参考にしながら、現在関係省庁と協議、検討を行っておるところでございまして、今後もこれは十分検討していかなければならない問題であろうというように考えております。
○山口(那)委員 きょうは時間がありませんので、後ほどまた論点をクリアにいたしまして御議論したいと思います。 さて、このほどカンボジアのプノンペン政府のフン・セン首相が来日をいたした折に、文民警察を派遣してほしい、こういう要請があったかに報道されております。この点について、現行法に基づいて地方公務員である警察官をそのニーズに応じた派遣をすることが事実上可能なのかどうか、その人的な能力、あるいはそのニーズに合った業務が提供できるかどうか、こういう警察の実態について、まずお伺いしたいと思います。
○井上(幸)政府委員 御案内のとおり、PKOの遂行というのは、現行法上は警察の任務ということにはなっておりません。したがいまして、現段階では、警察官を警察官の身分を保持したまま今御指摘のような要務に派遣するということは不可能である、このように認識しております。
○山口(那)委員 法的にはそうだろうと思いますが、その法的整備が仮にできたとして、実際に警察官を派遣するというその事実上の準備の状況といいますか、それは整う可能性があるんでしょうか。
○井上(幸)政府委員 このPKOの任務というものは大変重要なものであろうと思います。同時にまた、私どもが今まで経験したことのない仕事になるわけであります。 この法案が成立いたしましていよいよ要員を派遣するという場合にも、要員を選定した上で、やはり十分かつ徹底した事前の教養訓練というものがなされる必要があろうというふうに思います。そのような訓練を十分に経た上で派遣する、すなわち、法案が成立したからすぐに即応できるというものではないというふうに理解をいたしております。
○山口(那)委員 現行の警察法上、派遣は法律上不可能である、こういうお話でした。 さてそこで、外務省にも念のため伺いますが、外務省では既に、地方公務員である選挙の関係の職員を外務省の職員に身分がえをして派遣をする、こういう実績が過去あろうと思います。これの法的根拠というのは外務省設置法に基づくものであろうと思いますが、これと同じ考え方で、警察官を外務省設置法に基づいて外務省職員に身分がえをして、このPKO活動に協力するということが可能なのかどうか、この点について外務省にお伺いいたします。
○神余説明員 お答え申し上げます。 先生御指摘のとおり、過去におきまして選挙のための監視ということで二度ほど、文民を選挙監視ということで外務省に採用の上、外務事務官にして派遣をしたことはございます。 その際に、外務省といたしましては、外務省設置法に基づきまして、外務省の国際連合に対する協力という観点からこれを行ったわけでございますけれども、他方、今度のUNTACに関する文民警察の問題につきましては、要求されております現地の状況が、要するに、カンボジアにおきます法と秩序が維持され、そして、選挙の際の治安維持あるいは人権が擁護されるようにカンボジアの警察が機能するといったことを指導監督するということになっておりますので、このようなことを外務省の職員たる身分を有する者ができるかどうかにつきましては、現行の外務省設置法との関係ではかなり困難があるのではないかというふうに考えております。
○山口(那)委員 そうしますと、設置法に基づいても警察法に基づいても派遣はできない、あるいは非常に困難である、こういう御答弁ですので、現行法上やはり限界があるんだろうと思います。したがいまして、このカンボジアに対する国際協力が必要だとすれば、ぜひともPKOの法案の成立が待ち望まれることになるんだろうと思います。 さてそこで、最後に大臣にお伺いいたしますが、このカンボジアの文民警察に対するニーズといいますか、それをどのように御認識されておられるか、並びに、これに対する日本の協力をどのように行っていくべきなのか、その点のお考えをお伺いしたいと思います。
○塩川国務大臣 日本の国内、特に政界の事情というものは別といたしましても、国際的に、特にカンボジアの国内におきましては、日本にそういう協力が非常に強いものがあるということを私たちも感じておりますし、そういう要請もございました。世界的にもこれは一つの世論になってきているように思います。 でございますから、我々といたしましては、いずれにいたしましても、PKO法案を一刻も早く国会で成立させていただいて、その法案のもとで、先ほどいろいろ御質問ございました疑問をそこへ集約しまして、そこで解決をして派遣を一刻も早くやっていきたい、こう思っておりまして、ぜひPKO法案に対する御審議の御協力をお願いいたしたいと思っております。
○山口(那)委員 以上で終わります。
○中島委員長 吉井英勝君。
○吉井(英)委員 まず、暴力団対策新法に基づいて警察庁の組織機構を整備しようというのが今回の警察法一部改正の趣旨でありますが、この暴力団対策新法もいよいよ三月一日から動き出して、暴力団に対して従来より決意を表明していらっしゃるように、これから暴力団を壊滅させるのだということで今取り組む、そういうときでありますが、このときに、せんだって二十日の日に、自民党の金丸副総裁が右翼団体員から短銃で狙撃をされるという、言論を暴力で封じ込めようという本当に許しがたい事件が発生しておりますが、これに当たって塩川自治大臣は、総理の方からの警備強化の要請に対して、今後は、要人警備を強化するだけでなく、けん銃に対する警備の強化策を検討するという旨の発言をされたということも伺っております。今まではピストルといえば大体暴力団、これが今度は右翼までけん銃を使って次々と、けさほど来議論もありましたように、テロ事件を引き起こすという事態になってきていることは、民主主義の危機を招く本当に重大な事件だというふうに思うわけです。 そこでまず、こういう不法所持の短銃の数、これは全国的に大体どれぐらいになっているというふうに見積もっておられるのか、あるいはふえているのか減っているのかという問題、ここのところをまず伺いたいと思うのです。
○関口政府委員 お答えをいたします。 私ども警察で押収したけん銃の数ということで申し上げますと、過去五年間で五千八百七十丁ほどを押収しております。そのうち五千百五十二丁という数が真正けん銃でございまして、外国で製造をされて何らかの形で密輸入されたものというふうなことかと思います。 さらに、先生の今お尋ねの中で、どの程度けん銃が出回っているのかということでございますけれども、かつてはけん銃一丁というのが暴力団組員十人に匹敵をするというようなことが言われておりました。ところが最近では、組員一人がけん銃一丁を持っているというふうなことも言われるわけでございます。それから果たしてどの程度のけん銃があるかということでございますけれども、これは私どもとしてもなかなかつかみがたいところでございますけれども、暴力団の発砲事件、そうしたものが発生した際に、検挙の都度、私ども総力を挙げましてけん銃の摘発等をする、しかしまた続発をするというふうな状況等を見ますと、まだまだかなりの数が暴力団関係者等々のところにあるのではなかろうかと推察をいたす次第でございます。
○吉井(英)委員 かつて大阪で暴力団の組長が狙撃されたときに、ボディーガードについておった組員が全員ピストルを持っておったということで、ですから今おっしゃったように、組員一人が一丁ということはもう当たり前がなという、まさにこれは異常な事態だなというふうに思うわけであります。 ところで、せんだっての金丸副総裁を狙撃した犯人の所属しているという右翼団体、憂国誠和会は八八年八月にも構成員が日本刀を持って自民党本部に侵入し、逮捕される、その後も銃刀法違反等で捜査を受けているわけですね。そしてまた銃器による事件を引き起こして、今回けん銃で、しかもまかり間違えば金丸氏が本当に命を奪われてしまう、こういう事態であったわけですね。ですから、国民からすると、普通の国民というのはピストルなんか入手する必要もないわけですが、手に入らないわけですよね。それが容易にけん銃が入ってますますふえているということ自体が非常に異常な事態なんですが、この団体、暴力団とピストルの関係はよくわかっているのですが、右翼団体がピストルを持っておったということは暴力団から入手したということになるのかなと思うわけですが、暴力団との関係はどういうふうになっているのですか。
○吉野政府委員 お答えいたします。 この犯人が所属しております右翼団体、憂国誠和会と申しまして、昭和六十二年に政治団体の届け出をした団体で、構成員は約十人の小さな団体でございます。残念ながら今のところ入手経路についてはわかっておりませんで、ある男から買ったと申していますが、あいまいなところがありますので追及いたしておるところでございます。 なお、暴力団との関係につきましても、現在のところ定かではございませんで、その面でも鋭意追及しているところでございます。
○吉井(英)委員 さっきもおっしゃったように、暴力団の組員の方は一人一丁というふうにどんどんどんどんふえているわけですね。だれから買ったかは今言わないにしても、結局ルートといえばそういうところかなということになるわけですが、これはわかりませんが、問題は、押収状況をこれは警察白書や犯罪白書等で見ていると、ピストルの押収が減っているのですね。かつて、一九八五年の千七百六十七丁をピークにしてだんだん減って、九一年で九百十八丁と押収けん銃が約半分に減ってきている。一方ふえているのに押収が減っている。こういう理由は一体どこにあるのですか。
○関口政府委員 先ほど申し上げましたように、年間約千丁程度の数を最近押収をしているわけでございますが、かつてよりも押収の数が減っているということでございますけれども、一口に申し上げることはなかなか難しいと思いますけれども、暴力団関係者等が、極めて巧妙にと申しますか、いろいろなところへ隠匿をしている。自分自身というよりも関係の筋等に、比較的わかりにくいような場所を選定しながらというふうなことかと存ずるところでございますけれども、しかし私どもとしては、どうにかして一丁でも多くのけん銃を摘発したいということで総力を挙げてこれに取り組んでいるところでございます。
○吉井(英)委員 警察白書の中でも、今おっしゃったようにけん銃の密輸方法、隠匿方法の著しい巧妙化、確かに相手も巧妙になっているわけです。しかし、その一方で押収件数が減り、かつては一丁が十人に相当するというぐらいのものであったのが今や一人の組員が一丁を持つというふうにどんどんどんどんふえてきた。これは使用されたときに本当に国民の生命に直接かかわる問題でもありますし、そしてかってのような事件、この間の事件のようなことになると、これは日本の言論、民主主義の危機そのものを招くわけでありますから。これは昨年もこの取り締まり強化のために銃刀法が改正されたばかりなんですね。それなのに今回こんな事件が起こってしまった。 私はこういう点では、やはり改めてこういう銃器の押収を徹底して、本当に国民生活が安心して過ごせるように、また民主主義に対するこういう危機をやはり未然に防止するために、特別体制をとってでも摘発、押収しなければいけないと思うのですが、この点については長官の決意を伺っておきたいと思います。
○鈴木(良)政府委員 お話のとおり暴力団の問題あるいは右翼の問題、けん銃というものを使ったテロ行為が大変多くなっているわけでございます。ゆゆしき問題だと私も考えております。そういうことで昨年も銃刀法を改正さしていただいて、三月一日から施行しているわけでございますが、これはまだその効果はこれからでございますけれども、大変有効な手段を与えていただいたわけでございまして、まさに海外から密輸するという状況が現状一番強くなっておるわけでございますから、これに対しましてぜひ改正した銃刀法を有効に活用してまいりたい、かように考えているわけでございます。 それからやはり、銃の摘発につきまして我々ももう少し知恵と工夫を持たなきゃいかぬと思いますし、それからまた体制も整備しなきゃいかぬということでございまして、この暴力団対策法の施行を機会に銃器の摘発班をそれぞれの県につくってもらいまして、専従した体制でがっちりやっていこうというふうに努めておるところでございます。
○吉井(英)委員 次に、暴力団新法が施行されて、この新法というのは犯罪行為に至らない暴力団のいろいろな行為、現行法で難しいということで、今いわゆるグレーゾーンをこれでカバーしていこうということで始まったわけでありますが、ただ、同時に、グレーゾーンの拡大に走るようなことになってはやはりまずいので、やはりあくまでも現行法を厳正に活用して徹底的に暴力団の壊滅に向かって取り組んでいくということが大事だと思うのです。 せんだって三月十一日に大阪府警捜査四課が住吉署と共同で、暴力団がアパートの一室を借りて家主に無断で組事務所に改造しておった、こういう問題について、これは損壊罪を適用して暴力団組員を逮捕する、また逃げたのを指名手配する。つまり、暴力団新法の適用ではなくて現行法、知恵を使ってそしてその活用で徹底的に壊滅に当たっていこう、こういう具体的なあらわれだと思うのですね。私はやはりこういうことをやらないと、新しい法律、新しい法律とか、グレーゾーンがまたできたということでイタチごっこをやっておったのでは徹底した壊滅にならないから、こういう点では私は、大阪府警の方で取り組んでいるこれは大事な一例だと思うのです。 こういうあらゆる法令を適用して取り組むんだという決意も報道されておりますが、こういうあらゆる法令の適用で取り組むという姿勢を、これは警察庁の方針として徹底してもらうことが大事だと思うのですが、その点はいかがなものかと思いまして、伺っておきたいと思います。
○鈴木(良)政府委員 おっしゃるとおりでございまして、暴力団新法という手段も与えていただきました。さらに現行法令でいろいろな手段があるわけでございますから、そういうものを総合的に活用して、運用していかなきゃならない、かように考えております。
○吉井(英)委員 暴力団新法の規制対象となっているのはとりあえずいわゆる三団体ですが、最近の暴力団員の検挙件数を見ておりましても、確かに三団体がふえているのですね。ところが全体としては、昭和六十年ごろをピークにして検挙件数は減っているのですね。事件が減ったわけじゃなくて減っているのですね。そういう点でやはり、今回の大阪の例もありますが、あらゆる刑罰規定の活用ですね、新たな法律をつくるというより、現行法を徹底して活用して、そして、昨年来問題になっております証券スキャンダルの問題とか、今日の佐川急便を通じて暴力団に不正に金が流れたという問題とかそういうものなどについても、今暴力団に対する国民の批判が高まっているときですから、やはり暴力団取り締まりというのは、国民の世論が背景にあるというこういうときは実際はやりやすいといいますかそういうときですし、また新法施行に対する国民の期待も大きいときですから、私は、新法の活用はもとより、新法だけに頼るのでなく、原則は現行法の厳正な適用によって壊滅を図るんだということで取り組んでいただきたいと思うのですが、最後にこの点は国家公安委員長のお考えのほどを伺って、質問を終わりたいと思います。
○塩川国務大臣 これは私はいい提案をされたと思って、私もその御提案に対しまして努めていきたいと思います。
○吉井(英)委員 終わります。
○中島委員長 神田原君。
○神田委員 警察法の一部を改正する法律案についてお伺いをいたします。 暴力団新法の施行に関連し、暴力団対策の総合的かつ効果的な推進を図ることを目的とした警察法の一部を改正する法律案が提出されていますが、この法案によりどの程度暴力団対策が効果的に行えると考えているのか、お聞かせをいただきます。
○國松政府委員 今回の警察法の一部改正を御承認いただきますれば、暴力団対策部が設置されることになりまして、今までどちらかと申しますと、暴力団犯罪の捜査を中心にいたしまして構築をしてまいりました暴力団対策というものを、もう少し幅広く総合的にがつ強力に推進をしていく総合的な体制が整う、その全国警察の行う総合的な暴力団対策の中核的な組織として暴力団対策部をつくっていただくということになるわけでございますので、この組織を中心にしながらより効果的な諸対策を推進することができるようになると考えております。
○神田委員 また、これに関連しまして一各都道府県における暴力団対策の体制整備も早急に行うべきだと考えていますが、現状はどうなっておりますか。
○國松政府委員 都道府県の体制につきましても、新たに暴力団対策を主管する独立した所属というものを設置をいたしましてやっていくという県が幾つかございます。ただ、その具体的詳細な内容は、今ちょうど県会をやっておるときでございますので最終的な結論は出ておりませんので、ここで具体的に申し上げるわけにいかないのでございますけれども、かなりの県でそういう独立の所属をつくる、あるいは独立の所属とまではいかないまでも暴力団対策室といったようなものを設けまして、そこで重点的に行っていくというような組織ができてきているように報告を受けております。
○神田委員 暴力団は、その威嚇力を背景として合法、非合法の資金源活動を行っております。また、暴力団が株式会社、各種団体と名称を変更するケースが目立っております。指定逃れの一策としまして、暴力団が通知書を不受理するとのマスコミ報道などもなされておりますが、これらの偽装工作に対しましてどういう対応をするのかをお聞きします。
○國松政府委員 御指摘のとおり、暴力団がこの暴力団対策法の指定逃れをするというようなことで株式会社をつくる、あるいは政治団体をつくる、あるいはその解散をするというような動きが見られるのは事実でございます。そういった動きにつきましては、先ほど来御答弁を申しておりますとおり、あくまで実態が大切でございまして、その実態においてそういった株式会社なり政治団体というものが全く名目上のものにすぎない、実態がないということを立証ができる場合、そのかたがた、暴力団としての実態が今までと何も変わっていないという実態が立証できる場合というようなものにつきましては、私どもとしては当然にこの指定を行って所要の規制を行っていくというように考えておるところでございます。あくまで私どもといたしまして実態を把握をいたしまして、そうした暴力団の指定逃れの動きに対しては十分な対応をしてまいりたいと考えております。 なお、暴力団が通知書を不受理するとのマスコミの報道もございましたが、不受理というわけではございませんで、我々としては適正な、適法な通知はもうなされたものというように考えておるところでございます。
○神田委員 さらに、バブル経済崩壊に伴って噴出してきましたが、暴力団が実質的経営を行いながらも表面は合法的企業である企業舎弟が、一般企業とかかわりを持ち資金を集めるという暴力団の経済活動への進出も激しくなってきております。これらに対しましても毅然とした対策をとる必要があると考えますが、いかがでしょうか。
○國松政府委員 暴力団が関連企業等を設立いたしまして一般企業との取引等を通じて資金源活動を行う実態があることは承知をいたしております。毅然とした対応が必要であるとの御指摘はもうそのとおりと私どもも考えておりまして、こうした活動に対しましては、その実態を十分に把握した上で暴力団対策法の適切な運用を図るとともに、他のあらゆる法令を活用いたしまして、経済取引への介入過程における違法行為の取り締まりを徹底してまいりたいと考えておるところでございます。
○神田委員 最近の金丸事件などを見ましても、極右、極左の団体による暴力行為が急増しております。これらの団体に対しまして対策を強化すべきだと考えますが、警察庁のお考えをお聞かせください。
○吉野政府委員 お答えいたします。 御指摘の極左、極右に対しましても厳しく取り締まってまいりたいと思います。極左というのは、世間では過激派と申しておりますけれども、私どもは内部では極左暴力集団と呼んでおりまして、形を変えた暴力団というふうに見て徹底的に取り締まってまいりたいと思っております。また、右翼につきましても、先ほど来御議論ございますように、けん銃を持った非常に危険な団体に変身しているものが多うございますので、これにつきましても徹底的に取り締まってまいりたいというふうに決意いたしております。
○神田委員 最後に、暴力団の指定についてでありますが、拡大解釈をしますと結社の自由を侵害し、合法的な活動を行っている政治団体等に規制が及ぶ可能性もあると一部指摘されております。この点については慎重な運用が必要と考えられますが、運用のガイドラインをお聞きしたいと思います。
○國松政府委員 御指摘の点は、私どもとしても十分に戒心してまいるつもりでございまして、いやしくも合法的な活動を行っている政治団体等に規制が及ぶというようなことは絶対ないようにやってまいりたいと考えております。 運用のガイドラインということでございますが、要するにそういうことはやらないということでございまして、実態をよく掌握をいたしまして、そうした合法的な政治活動あるいは会社活動というようなものの実態があるものにつきましては、その実態に触れるような行為をしないということであろうと思いますが、本法成立の際に当委員会の附帯決議をちょうだいいたしたわけでございますが、そこに「国民の人権の侵害、事業者の営業の自由を損ねないよう特段の配慮を払うとともに、職権の濫用のないよう十分留意する」ようにということでございますが、これはまさに私どもにとりましては一つのガイドラインでございまして、そういう趣旨に従ってやっていくつもりでございまして、いやしくも結社の自由を侵害するというようなことはない、そういうことがまたできない仕組みにこの暴力団対策法はなっておる、そのような形としておつくりいただいておるというように考えております。
○神田委員 次に、警察官の定員についてお伺いいたします。 さきに栃木県などの警察官の数などにつきましても警察庁に陳情したことがあるのでありますが、千葉県、埼玉県などは他府県に比べまして警察官の数が少ない、こういうふうにも聞いておりますが、警察官の配置基準というのは一体どういうふうになっているか、御説明をいただきたいと思います。
○安藤政府委員 都道府県の警察官の定員でございますが、各県の人口、面積、地形とか、また犯罪情勢や交通の発達状況等、いろいろな諸要素を総合的に勘案して決めているところでございます。
○神田委員 何かちょっと余りはっきりしない話でございます。 やはりこれらの県は、東京都のベッドタウンという形で発達して人口が急増している、加えて犯罪も増加しておりますが、そういうところについては警察官の定員増が必要と思われる。あわせて、警察官という職業に対し魅力が低下している一因がありますが、警察官の待遇についても、待遇改善が必要ではないかというふうに考えておりますけれども、いかがでしょう。
○安藤政府委員 御指摘のように、首都圏の千葉、埼玉あるいは首都圏につきましては、人口の増加も最近著しいものがございまして、それに伴いまして犯罪あるいは交通事故の増加も全国的には高い指数で伸びております。したがいまして、警察官の業務負担も勢い重いものとなっているのが実情でございます。 増員の問題につきましては、国・地方を通じて厳しい行財政改革が行われている中で厳しく抑制されておりますが、資機材の活用であるとか、あるいは既存の定員を再配置するとか、そういう形で内部合理化で努力を続けているところであります。必要によりましてまた将来増員等についても検討してまいりたいというふうに考えております。 もう一点の、職員の処遇改善の問題でありますが、確かに警察官の勤務、日夜第一線で厳しい勤務を繰り返しております。そういう警察官一人一人が誇りと使命感を持って職務に精励できますように、また、将来にわたりまして質の高い人材を確保するためにも、処遇の改善が大変重要なことだという認識を持っております。現在でも給与あるいは手当それから宿舎等につきましても計画的に力を入れて努力しているところでございますが、今後とも一層その努力を進めてまいりたいと考えております。
○神田委員 次に、道路交通法について質問したいと思います。 今回の道路交通法改正の中で、国家公安委員会は交通事故調査分析センターの指定をすることになっております。そして、このセンターの業務内容として、分析センターの行う交通事故調査の方法、分析センターに対する警察の保有する情報等の提供、情報等の管理に関する規程その他所要の規定を整備することとなっております。基本的な考え方は問題はないと考えますが、情報を集中して管理することは、個人のプライバシー保護という観点から、取り扱いに際しまして厳しい注意が必要であると思われますが、プライバシー保護のための対策をお聞きしたいと思います。
○関根政府委員 現在国会に御提案を申し上げております道路交通法の一部を改正する法律案についてのお尋ねでございます。 先生御指摘のとおり、今回私どもが御提案申し上げております道路交通法の一部改正法案の中におきまして、交通事故の調査分析センターについての規定を設けさせていただきたいということを内容としております。この交通事故の調査分析センターの事業でございますが、その中身は、ただいま先生御指摘になりましたとおり、個人のプライバシーにかかわる事項を取り扱うという場面も想定しております。そこで、私どもといたしましても、交通事故の関係者のプライバシーの保護に関して十分配意をする必要があると考えまして、幾つかのシステム、仕組みを設けさせていただきたいと考えております。 主な点は三点でございますが、一つは、現場に出向いて調査を行うために、事故の関係の方々に御協力を求めることになるわけでございますけれども、その際に、その方々の生活または業務の平穏に支障を及ぼさないように調査担当者は特に配意をしなさいという規定を置かせていただきたいと考えております。 それから二点目といたしまして、個人のプライバシーの保護の観点から特に厳重な管理が必要と考えられます情報、これはただいまの現場調査の情報でありますとか、警察庁が調査分析センターに提供することとしております情報等でございますが、これらの情報を特定情報と名づけまして、これは個人のプライバシーにかかわる情報でございますが、その特定情報の管理及び使用に関する規程を調査分析センターに作成してもらいまして、その中身について国家公安委員会が認可するようなシステムを設けさせていただきたいということでございます。 それから三点目といたしまして、分析センターの役員及び職員等に関し、秘密保持の義務を守っていただくような仕組みを設けさせていただきたいということでございます。そして、これらの特定情報につきましては、その管理に関する規程に従わずに職員、役員等がその情報を使用した場合には、その役員、職員等に対しまして公安委員会が解任命令を発することができる旨の規定でありますとか、秘密を守らなかった職員等に対しては罰則を定める等の規定、こういったものを置かせていただきたいと考えております。 そして、このような仕組みを通じまして、いやしくも個人のプライバシーが不当に侵されることのないように、この分析センターの活動が円満に目的を達成するように全体として大きく配意してまいりたいと私どもの方でも考えております。
○神田委員 終わります。
○中島委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○中島委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 警察法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中島委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 —————————————
○中島委員長 この際、午後一時まで休憩いたします。 午後零時二分休憩 ————◇————— 午後一時三分開議
○中島委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 内閣提出、地方自治法の一部を改正する法律案を議題といたします。趣旨の説明を聴取いたします。塩川自治大臣。 ————————————— 地方自治法の一部を改正する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○塩川国務大臣 ただいま議題となりました地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由とその要旨について御説明申し上げます。 この法律は、国の行政機関と並んで地方公共団体についても完全週休二日制を実施することとするため、地方公共団体の休日に関する地方自治法の関係規定を改正しようとするものであります。 次に、この法律の内容について御説明申し上げます。 地方公共団体においても完全週休二日制を実施することとするため、地方公共団体が条例でその休日を定める場合、土曜日についてはすべての土曜日を定めるものとしております。 また、別表の規定の改正等、所要の規定の整備を行うこととしております。 なお、この法律は公布の日から起算して六月を超えない範囲において政令で定める日から施行することとするとともに、地方公共団体の休日に関する条例が改正施行されるまでの間について、必要な経過措置を定めております。 以上が、地方自治法の一部を改正する法律案の提案理由及びその要旨であります。 何とぞ慎重御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○中島委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○中島委員長 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。小林守君。
○小林(守)委員 社会党の小林守でございます。早速質問に入らせていただきます。 このたび提案されました地方自治法の一部を改正する法律案につきましては、私たちが長い間待ち望んでいた地方公務員の完全週休二日制を実施するための法案であります。今から十九年前、一九七三年に人勧においてその言葉が取り上げられ、そして二年後、七五年、昭和五十年の人事院勧告において四週五休制の試行を提案されて以来今日まで、完全週休二日制に向けて着実に試行、実施を積み重ねてきた成果とを言えますし、また、国民の理解と協力を得ながら、さまざまな困難を乗り越え、解決しながらここまで来た地方自治体の皆さん、そして、運動の先頭に立って頑張ってこられた労働団体の皆さん及び人事院や自治省の関係者の皆さんに心から敬意を表するものであります。実に手がたくやってきたものだなという実感をいたしているところであります。 申すまでもありませんが、国際化する社会にあって、日本人の働き過ぎが、先進諸国民の間でひんしゅくを買い、貿易摩擦の原因にもなるなど、対話と協調の今日の国際社会にあっては、日本に対するこのような長時間労働に対する圧力が高まっている現状でございます。また一方、国内におきましても、経済大国と言われながらゆとりとか豊かさが実感できないという国民の率直な声は、宮澤政権をして、生活大国の、実現ということを掲げ、政策の大きな柱に据えさせるというところに至っているところでございます。 具体的に申しますと、今日、日本人の年間総実労働時間につきましては、他の欧米先進諸国に比べまして、およそ二百時間から五百時間も長くなっておりまして、これが、GNPの高さの割には真に生活の豊かさ、ゆとりが実感できない大きな要因だろうというふうに思います。労働時間の短縮は、まさに豊かさとゆとりを日々の暮らしの中で実感し、個性的で多様な価値を追求し、実現しようとする国民生活の質の向上の観点からも、また、先進国にふさわしい労働条件を確保し、余暇の拡大を通して内需の拡大をしていくという国際社会の中における日本経済の協調の観点から見ても、我が国の最も重要な国民的課題であると考えております。 したがって、冒頭申し上げましたように、社会一般め情勢に適応しながらということを基本として公務員のさまざまな労働条件が定められているわけでありますが、公務員の労働時間短縮に歴史的な、画期的な意味を持つこの法案を私たちは待ち望んできたわけであります。 そこでまず、地方自治体の特別職の御経験もおありでございます塩川大臣に、この法案をみずからの手で提案をするという歴史的な思いも込めまして、所見を伺っておきたいと思います。
○塩川国務大臣 労働時間の合理的な短縮ということは、今や時代の趨勢でもあり、また国民的要望であろうと思っております。現に今回の春闘におきましても、賃金のベースアップもさることながら、時間短縮をいかにして実現していくかというその方策をめぐりまして相当激しい論争が行われたと聞いております。したがって、そういう社会の趨勢に合わせまして、まず国家公務員、地方公務員もそれにふさわしい時間短縮、すなわち、いわば完全週休二日制を実施すべきであるというこの思想につきましては、長年にわたりまして固定してきておるように思っております。 ただ民間との関係をいかにして調整するかということが課題であったと思うのでありますけれども、しかしここを乗り切りましてまず国家公務員が週休二日制に乗り出すということになりましたし、それに合わせまして地方公務員も週休二日制を実施すべく鋭意努力しておるところでございまして、今や具体的なスケジュールの問題にまで来ておるのではないかという感じで私は取り組んでおるところであります。
○小林(守)委員 それでは早速法案の具体的な中身に入っていきたいと思いますが、私たちが大きな関心を持ち、そして今ポイントとなっていると思われている幾つかの点についてお聞きをしていきたいと思います。 まず第一点は、この法案の実施時期の問題でございます。 法案では実施時期について「公布の日から起算して六月を超えない範囲内において政令で定める日から施行する。」このようになっているわけでありますが、昨年の八月七日に勧告がなされ、そしてその後七カ月たってようやく法案が出されたというようなことであります。時短それから完全週休二日制への多くの国民の期待にこたえていくためにもできるだけ早急に実施をしていただきたい、ねばならない、そういう観点に立っているところでございますし、また、その人事院勧告におきましても「平成四年度のできるだけ早い時期に実施する。」というような勧告もなされているわけでありますから、これについていつごろを考えておられるのか。我々は、今すぐにでももう行政的な手続きが最大限短期間でできるものを想定してやっていただきたい、ねばならない、そのように思っているわけですが、その辺の見通し、お考えについて伺いたいと思います。
○秋本政府委員 地方公共団体の完全週休二日制導入のための自治法改正でございますけれども、成立をさせていただきましたならば、できる限り国の関係法と同時期に施行するというふうにいたしたいと思っております。
○小林(守)委員 今、国の関係法と同時期に実施したいというようなお話だったわけなんですが、今回国家公務員につきましても、また裁判所の職員等につきましても、同時にこの法案が審議をされているところでありまして、今国会の中で、三月中には成立をさせたいというふうに思っているところでございますから、相当速やかにこれから進めていかなければならないという課題もあろうかと思います。 しかしながら、地方団体におきましては条例の改正というような課題があるわけでありますから、国が法律が通った、しかしながら自治体におきましては三月の議会は僚は終わったのではないかと思います。ということになりますと、幾ら頑張っても六月の議会ということになってしまうのではないかというふうに思うのですね。そういう点で日程的に詰めてまいりますと、六月の議会で成立、そして最も早い時期ということになりますと七月一日から実施というようなことが最短距離ではないのかな、そんなふうに考えているわけですし、またそうしなければならないのではないか、そのように思うのですが、いかがでしょうか。
○秋本政府委員 地方公共団体におきます具体的な完全週休二日制の導入は、今御質問の中でもございましたように、それぞれの団体で条例で定めるということになってまいりますが、その前提として、まずこの地方自治法の成立、施行ということが必要になってくると、いうことでございます。それぞれの団体は住民の皆さんの理解、協力を得、条件整備に努め、そして具体的な導入時期を定めていくということになってまいりますので、どうしても地方公共団体によりまして導入の時期は異なるということになってくるかと思いますけれども、先ほど大臣からも御答弁申し上げましたような完全週休二日制の導入の趣旨、あるいは国と地方との行政が密接な関連を持っておるといったようなことからいたしますと、さきの閣議決定におきましても、できる限り国との均衡をとりつつ導入することができるよう所要の措置を講じる、こういうふうに決定されているといった趣旨を踏まえまして、自治省としても必要な指導をしてまいりたいと存じております。
○小林(守)委員 自治体によってはずれる可能性もあるという受けとめ方もできるような答弁ではないかと思うのですが、これはやはり一斉に、期日を明確にして、政府がみずからこういうふうにやりたいんだというような線を出す必要があるのではないか、そんなふうに思うのです。そういうことで、七月一日を目途にして各自治体の実施を図っていく、そこら辺までの回答ができないのかどうか。いかがでしょうか。
○秋本政府委員 国の方の施行時期がいつかということも今の段階では明確になっていないわけでございます。それぞれの地方団体におきましては、やはりそれぞれの地域の実情などに応じながら条件整備に努め、そしてまた住民の皆さんの理解、協力を得るといったようなことが必要になってまいりますので、どうしてもそれぞれの団体による時期の差というのは避けられないかと思いますけれども、先ほど申し上げましたように、できる限り国と均衡をとりながらやっていこうではないかということを閣議決定もいたしておりますので、そういう趣旨に沿って私どもとしても必要な指導などを行って努力をしてまいりたいと考えております。
○小林(守)委員 国との均衡ということが何度も出てくるのですが、例えば、住民の皆さんに対する理解とか啓発とか協力とかいうものを得るための時間も必要だというようなこともニュアンスとして含まれておったと思うのですけれども、六月の議会にかかって七月一日実施というのが時期的に、期間的に足りないというような意味なのかどうかですね。私は、七月一日実施がなぜできないのか、どうも納得できないわけなんです。 もう一度、国の施行に合わせてやっていくということになれば、地方団体はいずれにしても六月議会というものが控えているわけでありますからそこに焦点を合わせてやっていく。それで最短のコースをたどるとするならば、「平成四年度のできるだけ早い時期」というものを受けまして実施をするということになるならば、七月一日だろうと思うのですけれども、いかがですか。
○秋本政府委員 前提となる国の方の施行時期が明確でございませんので明確な御答弁もなかなか難しいわけでございますが、地方公共団体の議会からいたしますと、今多くの県で開かれているような議会の次は六月の定例議会ということが常識的にはあるわけでございます。そういうときに全くないということを今申し上げているつもりではございませんけれども、しかしそれぞれの地域の住民の皆さんの理解、協力をいただくということ、そうしながら条例改正をしていくということのためには、やはりそれなりの期間、努力というものは必要であろう。また同時に、条例が制定される、それからその。条例をいつ施行するか、それには何がしかの周知期間というものは必要ではないか、こういったようなことも今お話の中であったのではないかと思います。そういったようなことを含めまして、それぞれの地方団体で総合的に適切な時期を判断をするということになろうかと思います。 ただ、そういう中で、たびたび申し上げて恐縮でございますが、閣議決定でも国と地方公共団体との均衡ということをうたっております。そういったようなことを踏まえながら、私どもとしても必要な指導をしてまいりたいと存じております。
○小林(守)委員 何か明確にイメージがわいてこないのですけれども、いずれにしても閣議決定ということとか、国との均衡とか、そういうことがあって明確に今自治省として方針が出せないというようなことなんだろうとは思います。 ただ、周知期間の問題で若干触れておきたいのですが、四週六休、土曜閉庁の方式を導入したときの法律制定が昭和六十三年、八八年の十二月九日だったのですね。法律の制定が十二月九日で、その実施が次の年の一月一日ということですから、一カ月切る期間で、これはもうずっと二十年来の取り組みだからこそ無理なく住民の理解と協力も得られる体制が、着実にやってきているわけでありますから——私は、土曜閉庁という方式を取り入れるということはやはり画期的なことなんだったと思いますよ。今回は完全週休ですから、土曜日は全部閉庁だということになるわけなんですね。そういうことで、この完全週休二日制への過程の中では最も質的な転換の時期であったこの四週六休の土曜閉庁方式、これを導入したときというのは、非常にインパクトがあったんだと思うのですよ。しかし、それの延長、それの倍やるんだというような形で考えるならば、今回の完全週休二日制の導入というのは、そういう点では比較的国民の抵抗感というか、そういうものについてはもう完全に二十年間の間になじんできている、そういうふうに言っていいと思うのですね。ですから、周知期間についてはそれほど、一カ月あれば十分だというふうに私は考えているところであります。 いずれにしても、このような観点に立って、やはり待ち望んできているものでありますし、また、大臣もさっきおっしゃられましたが、今回の民間の春闘におきましても時間短縮の問題については大きな前進をしているという社会的な動向も見まするならば、早くやっていくということがまさに時宜を得た、生活大国づくりへの宮澤政権を浮揚させていくものになるのじゃないでしょうか。そんなことも考えまして、ぜひ積極的な姿勢でこの実施に踏み切っていただきたい、そのように要望しておきたいと思います。 次に、交代制職員等の週四十時間制の実施の問題について触れていきたいと思います。 昨年の十二月二十七日になされた閣議決定におきましては、閉庁の対象とならない職場、官署ですね、国のものになりますが、自治体も同じになりますが、閉庁の対象とならない職場については、交代制の職場としてやらざるを得ないところもあるわけであります。このような職場があるという現実は当然認めるわけですけれども、この法律の趣旨からいうならば、できるだけその範囲というものは少なくされるべきだ、何らかの創意工夫によって、また事務改善等によって、そういう交代制の職場ではなくてできるような仕組みをつくっていくべきだ、そういうふうに思います。 そうはいってもできない職場もあるのはわかっています。そういうことで、できるだけ範囲を縮小すべきだというふうに私は考えているわけなんですが、いかがでしょうか。
○秋本政府委員 完全週休二日制を導入する趣旨を強く進めていくという観点からいたしますと、御質問の中でもございましたように、できる限り広範囲に導入する、閉庁除外職場と申しますか開庁の部分というのはできるだけ縮めていくということになってまいりますけれども、それぞれ地方公共団体の場合は住民に密着した事務を多く抱えているということで、ただいま御質問の中でも御指摘ございましたように、やはり地域の実情あるいはその業務の性格からいたしますと、開庁せざるを得ないという職場も出てくるだろうと思います。 それで、どういう部門について開庁するかしないかといったようなことにつきましては、それぞれの業務の性格に応じながら、また地域の事情を踏まえながら、それぞれの団体におきまして住民の皆さんの理解、協力を得つつ決定をしていくということになってこようかと思います。
○小林(守)委員 これまたなかなか、核心に触れる答弁というよりは周辺を包むような答弁だろうというふうに思うのです。 実は大臣が立派な写真で載っているこの雑誌、月刊「自治」という中に、直接大臣の取材記事には関係ございませんけれども、ある県のある町の一つの施策として、また特に最近よく言われていることですが、自治体というのはその地域の最大のサービス産業だというようなキャッチフレーズで、住民に対するサービスをいかに高めていくかというような観点に立って、土曜日、日曜日も窓口サービスを始めるというような自治体が話題になっているわけですね。これは全体的に見るならばやはりわずかだとは思いますけれども、しかしながらマスコミ等には取り上げられるケースが多いようであります。実はこの中にも、町は言いませんけれども、取り上げられている自治体があるわけなんです。別の角度から考えますと、こういう時代の流れの中にあってわざわざ交代制職場をつくるようなものではないのかなというふうにも思えるのですね。 そういうことで、特に意欲的な首長さんの自治体でこういうことが結構話題となり、取り上げられてきているというようなことでもあるのですが、私はどうも土日の窓口のサービス開設については、確かに住民受けはするなという感じはするのですが、じゃ、実際に利用率はどうなんだ、それから職員の本当の声はどうなんだということを考えていった場合、これは必ずしももろ手を挙げて立派だというふうにも言えないのではないかな、そんなふうに思っているところであります。 この法律の趣旨から見ましても、そういうことよりも行政のサービスの中身、質、そういうものの向上というのですか、そういう観点が問われるべきであって、土日も職員は頑張って住民にサービスをしていますということが一つのセールスポイントにするようなものはちょっと疑問だなというふうに思うのです。特定の自治体を指すわけではございませんけれども、自治省としては、このような動向についてどのように認識されているか、御意見を持っていられるか、お聞きしたいと思います。
○秋本政府委員 休日となります土曜日、これは申し上げるまでもございませんけれども、基本的に申しますと、従来からの日曜日とか祝日とかと同様のものであろうということだと思います。したがいまして、現在ほとんどの団体におきましては閉庁土曜日の窓口サービスといったようなものは行っていないのが実態でございます。ただ、たびたび申し上げておりますように、この週休二日、土曜日の閉庁ということを導入します場合に住民の皆さんの理解、協力を得なければならないという点がございまして、その部分についてそれぞれの首長の皆さん、議会の議員の皆さん方、一番頭を悩ませている点ではないかと思います。 そういったようなことから、御指摘のございましたような費用対効果の問題だとか、その自治体の行政サービス論でありますとか、いろいろな考え方、いろいろな点から検討をされながら、やはり行政サービスのことについてできるだけのことはやる必要があるのだろうといったようなことから、それぞれの地域で実情に応じながら工夫して、必要だと判断したものをやっているのではないかと存じます。
○小林(守)委員 これ以上触れる必要もないかと思いますので、次に移りたいと思います。 もう一つ、閣議決定の中では、この週休二日制については「現行の予算・定員の範囲内で実施する。」というふうになっているわけでありまして、自治省の局長通知におきましても、この趣旨をもって自治体でもやってくれというようなことでありますが、この「現行の予算・定員の範囲内で実施する。」というものが、大変実施困難職場というか、交代制職員等の問題について無理が出ているのではないかなという実態も見聞きするところでございます。 そこで、どうも自治体によっては、この閣議決定の中身、「現行の予算・定員の範囲で実施する。」ということが、その自治体の例えば交代制職員の職場、それからなかなか実施するのが困難な職場、そういう自治体の中の個別の職場ごとに現在の定員と予算でやりなさいというふうに受けとめている自治体もあるのですね。しかし、私はそこまで閣議決定で言っているはずはないんだろうというふうに思います。 そういう点で、この「現行の予算・定員の範囲内で実施する。」極力サービス低下をさせないというようなこともついておりますが、この言葉は一つの自治体の全体の中で予算と定員をいじらないでやってみろというような中身として理解していいのではないか、そのように思いますが、いかがですか。
○秋本政府委員 完全週休二日制を導入するに当たりまして、現行の予算、定員の範囲内で行う、こういうことは、今御質問の中でも御指摘ございましたように、国家公務員に関する閣議決定の中でもはっきりうたわれております。その背景などにつきましては改めて申し上げるまでもないかと思いますけれども、最初に大臣からも御答弁がございました民間における週休二日の導入、時短、これにつきましては大変な合理化努力をしながらやってきておるだろう。そういったことを考えますと、住民の皆さんの理解、納得をいただくためにも、地方公共団体としても予算、定員の範囲内で実施するといったような努力が必要だろうということからやっているわけでございます。 具体的にどういうように努力をしていくかということになってまいりますが、それぞれの職場あるいはそれぞれの団体によりまして事情はまちまちであろうとは思います。数はそう多くはございませんけれども、それぞれ地方団体で試行しておられるそういった状況など幾つか拝見、お聞きいたしますと、やはりそれぞれの職場でどういう努力ができるかということを、工夫を積み重ねてやっていくということをまずやっておられるようでございます。 そういったことをやりながらそれぞれの状況に応じて考えていくといった部分はあろうかと思いますけれども、やはり基本的に予算、定員の範囲内という、そういったことを基本にしながら工夫を重ねていく努力をしていくということでやっていく必要があろうかと考えております。
○小林(守)委員 直截的な答弁ではなくて、やはり少し何というのですか、はぐらかされているなというふうに思うのですが。ですから、よくわかります。そういうことでもちろん当該自治体の中のそれぞれの職場が創意工夫して、その範囲内でやってみる、努力を重ねる、当然だと思うのですね。 しかし、最終的にはその自治体の中で総体的に人員、予算をふやさない、現行でやるんだという、この大枠の設定の中で、じゃどうしてもこの忙しいときにこちらから応援部隊が行くとか、そういう人的な流動態勢のもとでこの完全週休二日制を実現させていくんだ、そういう観点に立ってみていいのではないか、これは当然のことではないかと思うのですが、いかがですか、それは。
○秋本政府委員 それぞれの職場、団体の実情に応じ。ましていろいろ違うものがあるかと思いますけれども、まずその職場というのはある、しかし、職場によりましたら、その職場だけですべてを解決するということは難しい場合もあろうかと思います。 しかし、地方公共団体が完全週休二日制を導入するに当たりまして、たびたび繰り返して恐縮でございますけれども、皆さんに納得していただかなきゃならない。そのためにはできる限りの努力をしていくということを基本にしていかなければならぬだろう、こう考えております。
○小林(守)委員 もう一歩というところなんですが、それでは次に移りたいと思います。 やはり、同じく交代制職員等の職場の問題で、職員の立場から見るならば、交代制の職場では職員がローテーションを組んで週休二日制に見合う勤務体制をつくることになろうかと思いますね。そういうことなんですが、確かに土日を休めるということは不可能になってくるわけなんですが、問題は、交代制、ローテーションで組んだとしても、その人個人、一人の公務員の立場から見るならば、その人は連続して土日に匹敵するように例えば月火を休むとか、そういう連続した休日が確保されることが他の職員とやはり同等のというのですか、例えば月曜日休んで今度は金曜日休むとか、そういう飛び離れてしまった休暇のあり方ではなくて、連続して土日に匹敵するような例えば月火に休む、そういうようにすることが、やはりその本人のリフレッシュ、また研修、それからいろいろな意味での多様な価値観の実現とか、家庭サービスセか、そういう点からもいいのではないかなというふうに思うのです。 基本としてそういう困難職場の交代制職員のローテーションの対象職員においても連続した休日がとられることが望ましい、そういう観点に立つべきだろうと思いますし、またそう指導してほしいというふうに強く願うわけなんですが、いかがですか。
○秋本政府委員 交代制等職場におきましては、今御指摘ございましたように弾力的な形態による完全週休二日制、こういう形にならざるを得ないと思いますけれども、そういう場合におきましては、お話ございましたようにできる限り連続休日となるように、できればそのことは望ましいと思いますので、それぞれの職場によっていろいろな事情は違うと思いますけれども、できる限りそういう努力をしていただきたいなというふうに私どもとしても考えております。
○小林(守)委員 それでは、次に移りたいと思います。 週休二日制の問題については、この法案によって完全な形で導入されるということになったわけなんですが、世界の流れ、それから国民の、民間の動向、そういうことを全体的に見まするならば、完全週休二日制になったことですべて終わったということではないわけですね。要は、政府のつくりました経済運営五カ年計画におきましても年間総労働時間を、計画では平成四年度までに千八百時間程度に向けてできる限り短縮するという方針が出されているわけですね。こういうことを考えますると、やはり公務部門におきましても年間総労働時間千八百時間体制をどう確立していくのか、そのワンステップとして大きな歴史的なエポックとして完全週休二日制の導入があると思うのですね。そういう点で大きく評価したいのですが、しかし世界の趨勢から言うならば、労働時間はまだ長いではないかと言って過一言ではないと思います。そういう点で、この完全週休二日制導入の後においても、いかに先進国並みの労働時間体制にしていくのかということが問われているのではないかと思います。 そういうことで、実際にこの法案が成立した段階におきまして公務員の所定の労働時間は年間どうなってくるのか、それから、今日の実態はどのくらいの時間になっているのか、その辺をわかる範囲で結構ですから、お示しいただきたいと思います。
○秋本政府委員 現在四週六休によりまして土曜閉庁を実施している団体の場合、平成三年で見ますと、年間の勤務日数が二百七十日ということになりまして、これによります所定勤務時間は二千六十時間でございます。本法改正によりまして完全週休二日制を導入するといたしますと、年間の休日数が二十五日増加をします。それによりまして、年間の所定勤務時間は千九百六十時間ということになります。ここからのいわば逆算めいたことになってまいりますけれども、仮に年休などを年間二十日使用するということになりますと、これによります実所定勤務時間数というのは千八百時間になる、こういうような計算になってまいります。 御質問のございました実際の勤務時間云々ということになりますと、それ以外に時間外勤務はどうかとかいったようなことが出てくるわけでございますけれども、実際の時間外勤務がどうかということの調査をそれのみについて行っているわけではございませんが、大変粗っぽい話で、時間外勤務手当の支給総額から仮に逆算をしてみればということでやってみますと、一般行政職員の一人当たりの一カ月平均で、これは平成二年度の数字でございますが、時間外勤務はおおむね十・五時間というように推計されます。そういったような状況でございます。
○小林(守)委員 今所定の労働時間について、年休を除いたものにすると千九百六十時間になる、そして年休を二十日完全に取得したということになると千八百時間でちょうど帳じりが合うんだというようなことになるわけなんですが、実際に超過勤務というのは非常に職場によってばらつきもあるのですけれども、また年休の取得についても二十日間本当にとっているのかというようなことになりますと、極めて実態はそうではないという現実があるわけであります。そういう点で、今後やはり千八百時間を目指して行政指導的に労働時間短縮を図っていくということについては、ポイントになるのは年休をどうきちっと取得させるか、それからもう一つは超過勤務をいかに少なくさせるのか、確かにだらだら超勤ということがあってはならないわけですけれども、こういう点ではきちっとしたやはり管理体制も必要だろうと私は思うのです。 しかしながら、職場によってはどうにもならない、こうこうと夜まで電気をつけている職場が非常に目立つわけですね。特に公共事業関係の部門の職場というのは遅くまでやっているのが多いのですね。そういうことも見聞きしております。そういうことも考えてみますれば、やはり超過勤務とそれから年休の取得、超勤についてはいかに縮減をさせるか、それから年休についてはいかにきちっととらせていくか。一説によると、年休もとれないような職員はだめだというぐらいの逆の価値観を持った管理者も出てきている時代であります。 そういう観点に立って、いかにして超勤や年休取得をしっかりとさせるのかという観点に立って自治省のお考えをお聞きしておきたいと思います。
○秋本政府委員 超過勤務につきましては先ほど申し上げたような数字でございますけれども、年次休暇の方につきましては、平成二年度の調査によりますと、地方公務員の場合、平均使用日数は十二・三日というようになっております。御質問の中でもございましたように、今後時間短縮ということをさらに進めていくという場合の問題は時間外勤務そして休暇の使用ということになってまいりますが、このことにつきましては、自治省といたしましても、超過勤務時間の短縮、そしてまた年次有給休暇の計画的な使用の促進ということにつきまして、昨年四月に地方公共団体に対し通知によりましてその適正化に努めていただくように要請をいたしております。このことは年間の実勤務時間の短縮といった観点はもとよりでございますけれども、それだけでなくて職員の健康の保持あるいは福祉の増進といった観点からも重要な問題であろうと存じております。 今後におきましても、完全週休二日制の導入の趣旨も踏まえまして、超過勤務の時間の短縮につきまして地方公共団体を指導してまいりたいというように考えております。
○小林(守)委員 指導していきたいというような御回答をいただきましたので、了解いたします。 ただ問題は、年休取得については先ほどもあったように十二・三日というようなことでありますから、これがやはり千八百時間をさらに膨らませてしまう、なかなか千八百時間に到達できない大きな課題だろうと思いますし、また超勤についても指導をしていくということなんですが、現実に自治省はこの超過勤務の実態については把握をまだされていないのですよね。そういうことになりますと、どう指導していったらいいのか、どういうところに問題があるのかということを把握するためにも、やはり公務員の、いろいろな給与実態調査とか定員管理の調査も毎年やっているわけですよね、ですから、これからの大きな課題として、超過勤務縮減のための実態的なデータを把握して、そしてその縮減策をそれぞれ研究して提言をしていくというふうなことが必要ではないかと思うのですね。第一点として、ですから、そういう点での実態把握のための調査をやはりやっていく必要があるのではないか、そのように思います。 職場によって、職員によって非常にアンバランスなところもあるのですね。それから、ふろしき残業なんてよく言われるのですが、ここにいらっしゃる政府の皆さん方も、家までふろしきで持っていって一生懸命勉強されている方もいるのだろうと思いますが、やはり少しは自分の健康とか家族とか、それからリフレッシュの観点からも、ふろしき残業だけはもう時代おくれだよ、そこでふろしきを包んでいらっしゃる方もいらっしゃるようですけれども、そういう観点に立って、時間の使い方と。いうか、仕事の時間中充実してやって、終わったらきちんと切りかえをできる、そういうことをしないと、定年になって切りかえがきかないのではないでしょうかね。そういう心配があるのです。 そういうことでもとに戻りますが、超勤を縮減させるための実態把握について、自治省としてはいかがお考えですか。
○秋本政府委員 御質問の中でも御指摘ございましたように、職場によって大変違う面があろうかと思います。どういうような方法で実態把握すればよいのか、それ自体がこの場合はかなり難しい面があろうかと思います。しかし、要するに時間外勤務をできる限り縮減をしていくということがこの場合大事なことであろうと思いますので、例えば労働省におかれましても時間外勤務というのをできるだけ圧縮するようにということでいろいろ工夫をしておられる、指導をしておられるといったようなこともあるようでございますので、そういったようなことも参考にしながら、そしてまた地方公共団体におきましても、御質問の中でもございましたけれども、最近はだらだらと時間外勤務をすることのないようにといったようなことを首長の方々の中でも大変御熱心にやっておられる方も最近は出始めているというふうに思います。そういったところでは特に時間外勤務を縮減するための工夫というのもやっておられると思いますので、そういったような事例も私どもとしても参考にしながら、地方公共団体に対してそういう方向での指導というのをこれからもひとつ努力してまいりたいと存じております。
○小林(守)委員 国全体で集計表的にやっても、縮減のための方策というのはなかなか見出せないのではないかと思うのですね。ですから、県レベルなら県レベルで、各自治体のところで特に多い職場はどういうところか、どういう仕事に多いのか、そういうことを分析的に集計させるというような姿勢がやはり必要なのではないか、そんなふうに私は感じているところなんです。やはり例えば月百時間も出てしまったような職場については大事なら人事の担当者が行って、どうして今月はこれだけだれさんが出たのか、ほかの職員はどうなっているということも考えなければなりませんね。特定の人だけが超過勤務が多いとか、そういう場合にはやはりほかの職員はどうなんだという問題が出てきますね。それから今度は、その職場が全体的に多いということになれば、じゃどういう仕事をしているのか、これについては短期間の一過性のものなのかどうか、そういうことも分析する必要があるんだと思うのですね。その辺のきめ細かなものをやっていかないと、この問題はやはり解決できないと思いますし、また、五時になってから忙しくなる人もやはり解決できないですね、細かく見ていかなければなりませんから。そういうことも含めて実態に応じたきめ細かな把握というものが必要になってくるんだと思うのです。その辺をぜひ踏まえて指導の方をお願いしたいなと思います。 それで、最後に大臣にぜひお願いしたいのですが、今年度中におきまして、この法律が制定をされて、そして完全週休二日制を実施することになるわけでありますから、先ほど、地方自治体の事情によってはすぐにというわけにもいかないところもあるというようなお話もございましたが、それを認めていきますと、またずるずるいってしまうのではないかというふうに思うのです。そういうことで、公務部門の完全週休二日制というものをやはり一斉に行われるということは、民間中小企業や地域社会に与える労働時間に対する考え方、短縮の世界的な動向というものについて、公務部門が一斉にやるということに大きな意味があるのだと思うのです。 そういう点で、国民の理解や協力の態勢もこの二十年来の努力によってつくられてきているというふに評価できるわけでありますから、ぜひ、どんなにおくれても九二年度中には全自治体に完全週休二日制を実施してもらう、そういうかたい決意を大臣の方からお伺いしておきたいと思います。
○塩川国務大臣 この法律が成立させていただきましたならば直ちに、六カ月以内の施行となっておりますけれども、できるだけ早くこれを公布いたしまして、実施に踏み切っていきたい。したがいまして、各自治体の受け入れが、もう今から準備もしておるだろうと思いますけれども、この点につきましての点検もそろそろ始めていきたいと思っております。条例の制定等、作業スケジュールをおっしゃって、六月は議会人低やりますから、それに間に合うように、できればそうしていただくのが一番いいんだろうと思っておりまして、その時分を見計らいまして、一度全国の実施状況等を調査いたしまして、適当に調子をずっと全国合わすようにいたしたいと思っております。 それから、先ほど来時間短縮、非常に強く主張しておられまして、私らもその趣旨に全く賛成でございますが、この実態ができましたならば、完全週休二日制になりましたら、数字の上ではございますけれども、完全に千八百時間を切ることは間違いございません。ただ、それを実際に運用して利用するかどうかということは若干残りますけれども、しかし、これは相当なインパクトになっていくだろうということを私は思っております。 つきましては、やはり住民も、特に議会も、全部がこれに協力してやらなければいかぬと思うのでございまして、ある国の話でございますけれども夕方になってからみんな集まって想定問答だとかなんか、これで全部お役所が残ってしまっている、そういう国もあるようでございますので、そういうことがあっては、私はそこらもやはり合理化していかなければいかぬのじゃないかなと思うたりしておりまして、そういう点で努力していきたいと思っております。
○小林(守)委員 終わります。
○中島委員長 山口那津男君。
○山口(那)委員 私の方からは、これまでの労働時間の短縮についての経過を若干初めにお聞きしたいと思います。 まず、四週五休から四週六休の実施がなされてきたわけでありますが、その四週六休について、最初は閉庁方式をとらないで実施しただろうと思います。後に閉庁方式を取り入れた。そしてさらにまた一歩進んで、交代制等の職場について週四十時間の勤務体制、これも試行されてきた。このそれぞれの実施の経過、そしてその過程で出てきた問題点等について、それぞれお述べいただきたいと思います。
○秋本政府委員 今御指摘ございましたように、段階を経ながら完全週休二日制へ向けて進めてきておるわけでございます。 四週六休を閉庁方式で導入するということにつきまして、前回、さきの自治法改正でその道を開いて、試行することになりましたのが平成元年でございましたが、それから約三年を経まして、今、施行済みないしは議決済みまで含めますと、九九%の地方公共団体が閉庁方式による四週六休制を導入するということに至っております。 また、今も御指摘がございましたような交代制勤務職場につきまして週四十時間勤務の試行をするということを国も始めまして、地方公共団体に対してもこれを試行するようにということを通知をいたしました。 この試行状況について申し上げますと、都道府県では四十一団体ございますが、市町村におきましては三百十四団体、全体の中で九・七%という数字でございます。したがいまして余り多くはないということになるわけでございますけれども、市町村におきまして交代制等職員の週四十時間勤務制試行がこのような状況になっておるということにつきましてはいろいろ事情があるようでございますけれども、地方公共団体の場合、この試行を実施することにつきまして、国の方の完全週休二日制導入に係る方針はどうなるかといったことを見守っていたヶ、あるいはまた、特に市町村におきましては、土曜閉庁方式を導入することによる四週六休の導入自体につきましてもかなりな時間を要したところも多うございまして、土曜閉庁方式そのものの導入を行ってから間がない団体、こういったところがある、あるいは小規模な職場が多いといったようなことから試行がおくれてきておる、そういう団体があるようでございます。
○山口(那)委員 労働時間短縮そのものは大いに進めなければならないわけでありますが、常識的に、非常に大きな観点から申し上げれば、労働時間が減るわけですから、行政サービスのトータルは低下をするおそれが濃いわけであります。これを低下させないようにいろいろ工夫しなければならないわけでありますが、そのために職員をふやしたりということであればまた行政改革の精神に反することになりますし、またそのための予算措置を伴うということになれば、これもまた、サービスそのものが拡大しないのに、組織を変えた、運用の仕方を変えただけでお金がかかるというのでも住民の納得を得られないということは当然のことだろうと思います。そうしますと、行政サービスを低下させないで労働時間を短縮させていくということは一見困難な課題であろうかと思うのです。 さてそこで、過去、閉庁方式を採用してきたわけであります。労働時間短縮ということを考えれば、個々の働く人たち、職員の労働時間を短くするというのが本来のあり方だろうと思うのですが、それを閉庁方式をとったことによりまして、土曜日のサービスが全くなされないのが原則となった。そうしますと、土曜、日曜、まさに祝日が連続すれば、かなりの期間行政サービスが行われない。つまりこれは、行政サービスがある意味で低下をするということになるわけであります。これが住民の理解を得られていけばいいわけでありますけれども、しかし、住民側のニーズというのはむしろ多様化する傾向にあるだろうと思うのです。民間でもその意味では、労働時間短縮は進めつつも、機械化の促進あるいは休日におけるいろいろなサービスの工夫によりまして、創意工夫のまさにしどころというぐあいだろうと思うのです。行政サービスだけが民間のサービスと比べて例外であるという理由は全くないだろうと思いますし、むしろ民間の市場原理では提供されないようなサービスをやるのが行政の本来の姿ですから、そこでこそサービスにむらなくいろいろな工夫がなされてしかるべきだと私は思うわけです。 そこで、土曜が閉庁になったとしても、それが原則であったとしても、その間、行政サービスの質、内容、その他、地域の実情によってはサービスが可能であるという分野は幾つかあろうかと思うのです。実際にそういうサービスをこれまでの制度の範囲の中で行ってきた自治体もあろうかと思うのですが、どういうサービスが閉庁下でも行われ得るか、そういう実例を挙げながら、ちょっと御説明をいただきたいと思います。
○秋本政府委員 完全週休二日制を導入するに当たりまして、土曜閉庁方式を導入した場合に、今御質問の中で御指摘ございましたように、行政サービスとの関係の問題というのがございます。国における完全週休二日制導入についての昨年末の閣議決定におきましても、行政サービスを極力低下させないようにする、そのための事務処理体制の整備でありますとか、あるいは緊急の対応体制でありますとか、そういうものを整備をしようといったことを国におきましても閣議決定しているわけでございますが、特に地方公共団体の場合は、住民の皆さんと密接なかかわりのある事務が多うございますので、そういう意味での問題はより多いのではないかというふうに、私どもも考えております。 そういう中で完全週休二日制を導入していくということのためには、やはり行政サービスにつきましては極力低下をさせないようにする努力をしなければならない。片や、土曜閉庁ということになりますと、御指摘ございましたように、従来の日曜日、祝日と同様に閉庁日でございますので、基本的には、あるいは原則的には、そういう窓口を開かないというやり方になってくる、その間の調整ということになってまいります。 閉庁方式による四週六休を導入しました後、その際におきましても、これまでもいろんな行政サービス維持のための工夫をやっておりますけれども、例えば、証明書類申請の郵送受け付け、あるいは住民票の交付なんかにつきまして自動的に行える機械を導入するとか、あるいは窓口の増加をするとかといったような事務処理体制の整備、あるいはまた受付窓口につきまして、特に閉庁日に限らず開庁日におきましても数をふやす、あるいは時間外の受け付け体制を整えるというような、それぞれの工夫を凝らしてやってきております。 今後、完全週休二日制を導入するに当たりましても、サービスの維持向上といったことは、サービスを極力低下させないということの努力は、そういういろいろな工夫の中でやっていかなければなりませんが、同時にまた、そのために定員をふやすとか予算をどんどんふやすとかといったようなことでは、やはり住民の皆さんも納得されないだろうと思います。先ほどから申し上げておりますように、民間におきましても、大変厳しい努力をしながらやってきているというところでございますので、公務、地方公共団体におきましても、やはり予算、定員をふやさないという、そういう原則を持ちながら工夫を重ねていく。先ほど申しましたような行政サービスについての例、例えば機械を導入するといったような例、そういったようなことはそういう考え方にも合うものだろうと思いますけれども、そういうような工夫、努力をそれぞれの職場で、それぞれの地方公共団体でやりながら、完全週休二日制導入ということをしていかなければならないだろう、私どもにおきましても、いろいろな情報等を集めまして助言をして、そういう努力をお助けをするというようにしていかなければならないだろう、こういうふうに考えております。
○山口(那)委員 例えば、私ごとで恐縮ですが、ウイークデーの昼間なんというのはとても役所に行っている余裕がないわけでありますね。これは、代理人がいればいいんですけれども、独身の方なんというのも非常に多いだろうと思います。したがいまして、これから生活が多様化するに従って、例えば夜間ですとかあるいは休日にもサービスが行われてしかるべき分野というのは、私は、あってしかるべきだ。ただそれが、先ほど同僚議員からもお話がありましたように、効率が悪いのに開庁しなければいけないとか、窓口を設けて職員が拘束されるとかいうことにつながっては、これもまた困るわけで、その辺の限界とか、あるいはさまざまな工夫というのがあるだろうと思うのですね。例えば、さっき住民票の自動交付というのがありました。しかし、そのほかにもいろいろサービスの質によって考えられ得るものがあるだろうと思うのですね。例えば各種相談窓口、これはむしろ、休日だからこそ設けなければいけないという分野もあろうかと思います。もっとサービスの中身に立ち入って、実例を挙げて考えられませんでしょうか。
○秋本政府委員 住民の皆さんに対するサービスを確保するということからしますと、いろいろなことはやれば切りがないぐらいあるだろうと思いますけれども、今お話ございましたように、やはり同時に職員の勤務条件といったことも考えなければならない、経費の問題も考えなければならない、それらをあわせて総合的に判断をするということになってくるかと思います。 具体的にやっております例を幾つか申し上げますと、例えば、市民サービスコーナーを駅前の観光案内所、文化センター、公民館などに設置をして便宜を図るとか、あるいは、閉庁日の前日などには窓口業務や図書館の受け付けの時間を延長するとか、あるいは、サービスコーナーなどの窓口を増加をさせる、あるいは、郵便局に設置をしたファクシミリを使って住民票の写しの交付請求を行えるようにする、あるいは、住民票等の交付申請書の郵送の受け付け、病院案内や観光案内のテレホンサービスなどを実施するといったような、いろいろな例がございます。 そういったものは、先ほど申しましたような考え方のもとに、地方団体としてそれぞれ判断をしてやっておられるものだろうと存じます。
○山口(那)委員 これまで四週六休の体制でさえも完全な一〇〇%にはなっておらないわけでありますが、今度の新しい制度のもとでも、これが速やかに実施されてほしいと思うわけてありますけれども、やはりいろいろな制約要因があって、これがどの程度になるか予断を許さないという面があるだろうと思います。この点についての新しい制度の普及の見通し、あるいはそれに対する自治省としての指導の体制、これについていかがお考えでしょうか。
○秋本政府委員 これからどういうふうになってくるかということにつきまして、具体的、断定的なことを申し上げることは今の段階で難しゅうございますけれども、さきの土曜閉庁方式導入によります四週六休というのが、一〇〇%ではございませんけれども九九%、まずほとんどの地方公共団体で導入するに至っている、そういう経験があるということもございますので、そういったようなことを踏まえながら、さらに努力をしていくということが必要だろうと思います。 最初にも申し上げましたように、抽象的な言い方になってまいりますけれども、国が導入する、となりますと、国とできる限り均衡をとりながら地方公共団体も導入することができるように、私どもとしても努力をしていくという考え方でございますので、そういう方針のもとに指導してまいりたいと考えます。
○山口(那)委員 形が整っていったとしても、その形に外れるような労働の形態というのがあってはいけないわけですね。例えば、民間においてはサービス残業の実態というものが非常に問題視されております。公務員の勤務の体制の中でも、超過勤務時間というのが相当数あるだろうと思うのです。それが手当につながってないものも多いはずでありまして、必ずしも数字で把握されてないかもしれませんけれども、かなりの部分があるということが想定されます。それからもう一つは、年次有給休暇というのが、制度はありながら消化率は非常に悪い。ですから、ここも何とかしていかなければならない。その環境整備も含めて、この点について今後どういうふうな体制で臨まれるか、その御決意と方針を伺いたいと思います。
○秋本政府委員 完全週休二日制を導入した段階におきましても、今お話ございましたような時間外勤務の問題でありますとか年次有給休暇の利用の問題でありますとか、そういったことが大きな問題であると思います。昨年四月におきましても、自治省から地方公共団体に対して、時間外勤務をできるだけ縮減するように、そしてまた、年次休暇を有効に利用するように。ということで通知をいたしておりますけれども、今後におきましても、先ほど来御質疑がございましたようなことを踏まえながら、それらをさらに推進するように私どもとしても指導を進めていきたいと考えております。
○山口(那)委員 最後に、大臣にちょっとお伺いいたしますけれども、労働時間を少なくするに当たって、大原則としては職員の数をふやさない、あるいは特別な予算がふえることがあってはならないということは当然だとは思うのですが、ただ、それを進めるに当たって機械化の促進が進むとすれば、それに対する財政的援助というようなものが考えられてもよかろうと私は思いますし、また、個々の職員の労働時間というのは短くするわけでありますけれども、例えばフレックスタイムの導入のようなことを柔軟に図る、あるいは一日当たりの労働時間というのはもっと短くして、そのかわり働き手はふやして、そして、労働時間が短くなるわけですからその分手取りも、手取りといいますか給与も多少の影響はあるかもしれない。そういう例外的な創意工夫というのは僕はあってもいいことだろうと思うわけですね。さっき言った、閉庁方式を原則としておりますけれども、その閉庁の中でもやはりそのサービスは多様なものを考えてよかろうというふうに私は思うわけであります。 しかし、そうでない考え方もあろうかと思いますが、大臣のその辺についての行政サービスのあり方についての基本的なお考えをお聞きしたいと思います。
○塩川国務大臣 山口さんも同様であろうと思うのですが、それぞれの地元におきまして、この問題は住民との関係でいろいろな問題を引き起こしておることも事実でございまして、そういう懸念も走っております。しかし、これはやはり確実に前進させていかなければならぬと思っております。 そこで、御質問の中にございましたように、一つは、機械化を進める、事務の合理化を進めるというものに対しましては、やはりこれは基準財政需要額として見込んでいって一般財源の中で措置をしてやるということ、これはぜひ必要だろうと思っております。それからもう一つは、市のサービス並びに業務の中で、私は、もう少し綿密に見直していって、どうしても市の職員の固有の事務としてやっていかなきゃ 固有の事務というのは語弊がございますけれども、職員でなければできない事務というものと、それから、そうではなくして、例えばその地域のボランティア組織にある程度移管していっていいような業務というものもあるのではないか。あるいはまたそうではなくして、ただ単なる経済行為として委託関係に任していってもいいような業務もあるのではないか。そういうようなものの合理化も同時にこの際に進めていくべきだと思っております。 とりあえず発足することが私は大事だと思っておりまして、発足いたしましてそれから、これはもう確かに、土曜閉庁式ですら定着するのに二年、三年かかったのでございますから、これが住民の間に完全に融和して定着していくのにはやはりある程度の時日も必要だろうと思いますけれども、そこらは、市当局並びに職員も努力していくことによって住民が納得し、それに協力してくれる態勢ができる、その関係を私は非常に重要に実は思っておるところであります。一生懸命これから努めさせていきたいと思います。
○山口(那)委員 では、終わります。
○中島委員長 吉井英勝君。
○吉井(英)委員 週休二日制の問題というのは、これは一九八八年五月の閣議決定で一九九二年度までに年間千八百時間に向けて短縮を図る、ここから始まって、そして四週六休の土曜閉庁法案が出され、今回週休二日制法案、こういうふうになってきたわけでありますが、問題は、総理府の世論調査の結果なども私見ておりますが、多くの住民の要望としては、これは八六年七月と五年後の九一年七月のアンケート調査の比較をやっても、職員は交代して休んでも業務はやってもらった方がいいというのが病院など医療機関、警察、消防、官庁の窓口業務でもふえているのですね。これは国の調査でそういうふうに出ているわけであります。一方、実際に、ではそれをするときに地方自治体はどこにぶっかっているかということでは、「自治日報」の昨年八月十六日付のでも、これは「「行政サービスを低下させず、予算・定員もふやさない」という国の方針のもとでは保育所など少人数職場での対応は難しいと訴える市町村が多い。」これが実際の自治体の現状だというふうに思うわけです。 それで、実は全国の自治体病院の開設者協議会の方で出している資料の中でも、これは「社会保険診療報酬対策」の中で出てくるのですが、週休二日制、この場合は四週六休なんですが、これを実現するためにも理論的には四・八%の職員増が必要である。ところが、昨年の改定ではすべてを含めて〇・九%増の分しか財政的に見てくれなかったから、四週六休を進める上で財政面で大変なんだということが自治体病院の開設者協議会の資料等でも述べられております。 実はこういう問題は、私も、八八年の十一月二十二日の参議院の地方行政委員会で、梶山自治大臣にこのことを土曜閉庁のときに質問したのですが、梶山大臣はこういうふうにそのときに言われたのです。「現実に週休二日というのを完全に実施をし、しかも何もかもうまくいくというためには、果たして定員や予算をふやさないでできるのかしらという疑問も私もあります。」これは、実際現場の実態からすれば、サービスはもっと向上しよう、しかし金も人もふやさない、ほんまにできるんかいなということになったときに、これは私は、梶山自治大臣の発言というのは非常に率直な内容だったというふうに今までも思っているのですが、塩川大臣も地方自治体の問題についてはみずから手がけてこられたので現場はよくお詳しいわけですが、大臣、どう思われますか。
○塩川国務大臣 それは多少無理しなければならぬということは吉井さん自身もよくおわかりだろうと。その無理を努力でやっていくということに世の中前進があるのでございますから、従来と同じことをやっていて、同じようなことでいいことだけしようと思って、その分ふえると言っておったのでは、これは前進ではないと思います。みんなが努力して、少しでもやはり新しい時代に向かう態勢をとればいいと私は思います。
○吉井(英)委員 保母、看護婦等については配置基準というのがあるのですね。これは国も定めているわけなんです。無理をするということでこの基準を取っ払うというわけにはこれはまたいかないわけなんです。むしろ、戦後の基準であれば、今日の時代に合うように基準自身を充実させなければいけないという問題があるわけですから、ですから、大臣ちょっと今おっしゃった意味、そのことをおいてほかのことをお考えなんでしょうけれども、実際に病院職場とか保育所とかそういったところを考えたときに、それは人も会もふやさないが、しかし交代勤務でこれで完全週休二日という、四週六休のときでも問題になっているのですから、これは梶山大臣がまさに頭を痛められたように、どうするかということについて、やはり今、金も人もふやさないという、こういう三ない主義ではなしに、やはり前進を図っていく、文字どおり、今おっしゃったように、前進を図る国としても今は姿勢が求められているときだと思うのですが、どうですか。
○塩川国務大臣 どうも吉井さんの質問はいつも土俵がいつの間にか違ってくるのですね。つまり、最初私にお聞きになったのは、一般論をお聞きになっていたのですよね。ところが、そういう看護婦さんだとか特殊なものをぽこんと聞いて、これはどうするんだとこうおっしゃるから土俵が合わなくなってしまうのです。 私は、一般論としては、これは少々の無理があっても、合理化に努力をしながら進めていくべきだとこう言っておるのです、私は。そういう特殊な部分はあります。特殊な部分に対してはやはり特殊な部分としての対応を考えていかざるを得ないんだろう。それと一般論とごっちゃにしてしもうたら議論は進まないと思います。だから、特殊な問題についてはそれ相応の措置はしていかなければいけない、こう思います。
○吉井(英)委員 特殊なものと一般のお話もあるのですが、時間が余りありませんからそのことについては余り議論していられないのですが、総務庁の世論調査でも、それは窓口業務とか、それから病院、保育所関係とか、消防とか、そういったことを挙げてやっておりますので、一般も特殊も含めてなんですが、しかし私が最初にだからこそ指摘したのは、医療機関とかそういうことを含めて言っているのです。まさにその点については特別努力しなければいけないというお話ですから、これはぜひ人も金も。三ない主義でというのは現実に打開できないのですよ。これは今おっしゃったように、やはり特別の努力を払っていただきたい、こういうふうに思います。 あわせて、このときに公務員部長の方から、千八百時間に向けて具体的にこれからどう進めるかという計画は今の段階ではないとおっしゃっておられたのです。これは八八年の段階ですが、現時点では千八百時間に向けての具体的な計画、何かありますか。
○秋本政府委員 千八百時間に向けての政府全体の対応というのは私どもの所管ではございませんが、少なくとも今回御審議をお願いしております完全週休二日制の導入ということが地方団体で実現するということになりますと、千八百時間に向けての大きな前進にはなるのではないかと考えております。
○吉井(英)委員 それで、まず千八百時間に向けるとともに、やはり、先ほど来出ております残業の問題ですね、非常に深刻です。 私、大阪府下のあちこちの自治体も見て回ったりもしているのですが、全部御紹介できませんから、一つだけ。大阪府庁の例で、これは二年前の二月二十一日というある日をとってですから、ほかの日はどうかという議論はこれまたいろいろありますが、大体平均的なところなんですが、八十一の職場で四百十五人が午後九時になっても働いているのですね。これは全国の多くの自治体で、やはり下水道とか建築とかそういうところで本当に残業が長くて、大阪府庁でも午前零時になっても二十三の職場で九十二人まだ残っている。ですから、地方自治体でも長時間残業が恒常化してきているのですね。 ですから、大体千八百時間に向かうものと思いますということだけではなかなかこういう方向へ行かないので、実際に仕事の量がふえて——工夫は工夫で大事です。しかし人もふやさない、金も抑えてということでは現実には打開できないものがあるのですね。しかも今後、都市部になればなるほど、これは都市だけじゃありませんが、公共下水道の整備とかさらにこれを進めようというときに、やはり特別の対策が必要になっているときなんです。 そこで私は、時間が参りましたので最後に聞いておきたいのは、こういう現実というもの在まず自治省としてよく把握してもらうところから出発すると思うのですね。それで、少なくとも都道府県と政令市について、こういう下水道職場など、月七十時間とか百時間を超えるような残業の実態も顕著なところがありますが、まず実態調査をしていただいて、そして、この週休二日を出発点にして千八百時間に向けてどう前進させるかということについて、調査に基づいて検討を進めていただきたいと思うのですが、調査の点だけ伺って、質問を終わりたいと思います。
○秋本政府委員 完全週休二日制を導入するに当たりまして、行政サービスとの関連でこれをさらによりよいものにするということのために、例えば予算、定員はどんどんふやして、そして住民の皆さんに納得していただけるかということになりますと、そうはいかないだろうということで、何とかこの三つの考え方をうまく調整をとるように努力をしていかなければならぬということだと思います。 そしてまた、今お尋ねのございました都道府県等におきます残業の実態ということでございます。今も御質問の中でもございましたけれども、それぞれの職場によって違うことはもちろんでございますが、またその時期によっても違うとか、災害等が発生をした場合というのは全く違ってくるとか、いろいろな事態がございます。したがいまして、実態把握と一口に言いましてもなかなか難しい面があると思いますので、どういったことが可能なのか少し検討させていただきたいと思います。
○吉井(英)委員 終わります。
○中島委員長 神田厚君。
○神田委員 地方自治法の一部改正による地方公務員の完全週休二日制の実施につきまして御質問をしたいと思っております。 地方公務員法第三十条で「すべて職員は、全体の奉仕者として公共の利益のために勤務」すると地方公務員の本質が定義づけられておりまして、住民サービスとの関連から数点確認をしたいと思います。 まず、住民サービスについてお伺いをいたします。 土曜閉庁による地域住民への影響も少なからずありますが、住民サービスを低下させないためにも住民票等の写しの交付についての改善措置を実施すべきであると考えますが、現在の自治省の対応をお聞かせいただきたいと思います。
○紀内政府委員 土曜閉庁を導入するに当たりまして、地方公共団体におきましては行政サービスをできるだけ低下させないようにこれまでにもいろいろな工夫をいたしております。 例を挙げてみますと、閉庁の土曜日に宿日直等によりまして死亡届とか婚姻届のような緊急を要するものについての受領のサービスを行うとか、さらには、住民票の写し等の交付申請については時間外の受け付けを行っているなどでございます。これに加えまして、コンピューターとかファクシミリとかといういわゆるOA機器でございますが、これらを活用して窓口のサービスの一層の向上を図る工夫といたしまして、昨年から一部の市についてではございますけれども、住民票の写しの自動交付機といったものを設置して、閉庁時においても交付が行える、このような仕組みが稼働し始めております。またことしの一月には、郵便局にファクシミリを設置しまして住民票の写しの交付請求が行えるような仕組みをつくったところでございまして、一部の町において既に実施に移されているところでございます。 御指摘のように、完全週休二日制の導入によりまして住民サービスの低下を見ることがないよう、いろいろな工夫が必要でございます。私どもといたしましても、助言、協力等に努めてまいりたい、このように考えております。
○神田委員 次に、公立病院の外来部門についてお伺いをいたします。 公立病院の外来部門では、地方における地理的条件、役割が一様でないことから各地方公共団体が地域の実情を踏まえ決定するとしつつも、原則土曜閉庁となった国立病院と同様の措置をとるとしております。土曜休診により少なからぬ影響が出ると思われますが、この対策をどのようにいたしますか。
○石川(嘉)政府委員 全国の自治体病院の約一四%に当たります百三十八病院におきまして、昨年の八月一日現在で調査をしたところ、その一四%に当たります百三十八病院におきまして完全週休二日制の試行を実施中もしくは実施完了という状態になっておりますが、これらの結果についてはまだ分析は終わっておりませんけれども、完全週休二日制の病院での適用につきましては、先生御指摘のような問題も含めましていろいろ問題があることは事実でございます。しかし、既にほとんどの病院で開庁方式で四週六休の実施をしておりまして、それなりの経験もございます。したがいまして、職員が一体となっていま一段の創意工夫を凝らして経営努力を行うことによりまして、完全週休二日制の実施も不可能ではないというふうに考えております。 ただ、その実施の方法でございますけれども、実施に当たりましては、個々の病院の置かれております地理的条件とか役割等が一様でございませんので、土曜日を閉庁とするか開庁とするか等、その実施方法につきましては基本的には住民の理解と協力を得られる方法でやる必要があるというふうに考えております。 自治省といたしましては、いずれにしても、国立病院の職員を含めまして国家公務員の完全週休二日制が実施される場合には、自治体の病院におきましてもできる限り早期に導入が図れるように、必要な情報提供等を含めまして指導してまいりたいというように考えております。
○神田委員 地方公務員の完全週休二日制が実施されても、国家公務員、地方公務員等の管理職につきましては残業、休日出勤が恒常化している、こういうことから、これら管理職の労働時間短縮についてはどのようにお考えになっておりますか。
○秋本政府委員 地方公共団体の管理職の職員につきましても、年間の総実勤務時間の短縮の必要性はもちろんでございますし、また健康面あるいは福祉面からも、超過勤務、休日出勤、こういったことの縮減を図ることが望ましいわけでございます。自治省におきましても昨年四月に、管理職を含む地方公務員につきまして超過勤務等の縮減を図るように地方団体に対して通知をし、御努力をお願いしたところでございます。
○神田委員 地方公務員の完全週休二日制の実施に際しましては、住民に対しての事前、事後の広報が重要でありますが、このことについて自治省として、地方公共団体に対してどのように指導していくのか、お聞かせ願いたい。
○秋本政府委員 住民の皆さんへの周知は、混乱なく円滑に完全週休二日制を導入していくために大事なことであろうと存じております。各地方公共団体におきまして、いろいろな広報媒体を使う、ポスター、パンフレットを使う、あるいは各種の会議等を利用する、関係団体に対して御協力をお願いするといったようないろいろの積極的な周知活動によりまして、住民の方が土曜日に過って窓口を訪れるといったような混乱のないように適切に対応していただきたい、そういうことで自治省としても指導してまいりたいと存じます。
○神田委員 最後に、第三セクターについてお伺いをいたします。 最近、民間活力の観点から地方公共団体が、リゾート開発、鉄道運営等に際しまして第三セクター方式をとることが多くなってきております。 先日、浦和地方裁判所におきまして、第三セクターに派遣した市職員の給与を市が負担するのは違反であるとの判決が下されました。もちろんケース・バイ・ケースで異なると思いますが、第三セクター派遣地方公共団体職員の給与を地方公共団体が支出することについて、自治省としてはどういうお考えでありますか。
○秋本政府委員 浦和地裁の判決があったわけでございますけれども、職務命令によりまして職員を市の出資する株式会社に派遣して、給与は市が支給した、こういう事案につきまして、当該職務命令は地方公務員法第三十五条に違反する、市が職務専念義務の免除措置をとらずに職員を第三セクターに派遣して給与を負担したことは、法律及びこれに基づく条例の根拠がなく、地方自治法第二百四条の二の規定に違反するというような判決が出たわけでございます。 地方公共団体が職員を第三セクターに派遣します場合に、その派遣の形態、当該第三セクターの形態や業務の公務とのかかわり合い、これらは多様なものとなっておりますことから、派遣職員に対して地方公共団体が給与を支給することの可否につきましては、今もお話がございましたが、個別具体のケースに応じて派遣形態、当該第三セクターの形態や公務とのかかわり合いなどを総合的に判断して検討すべき問題であろうと存じます。 この判決のありました件につきましては、これは控訴されたと聞いておりますので、そのことにつきましては今後の訴訟の推移を十分見守ってまいりたいと存じます。
○神田委員 現在、地方公共団体が第三セクターに派遣した一般常勤職員のうち、四四・九%が職務専念義務免除、三二・五%が休職、二二%が職務命令、〇・六%が退職という形で派遣されておりますが、これら職員の身分は現行の地方公務員法に照らし合わせても不安定であります。さきの違法判断とあわせまして、現行制度下における第三セクターへの地方公共団体職員派遣制度のあり方について検討すべきだと思いますが、いかがでありましょうか。
○秋本政府委員 いわゆる第三セクター、地方公社など地方公共団体の外郭の団体に職員が派遣されているケースがございますが、今回浦和地裁の判決が出たことでもございまして、このような派遣職員の身分取り扱い等に関しましては、私どもとしても制度のあり方を検討してまいりたいと存じます。
○神田委員 終わります。
○中島委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 —————————————
○中島委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 地方自治法の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○中島委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○中島委員長 御異議ないものと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕
○中島委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後二時三十六分散会 ————◇—————