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123回国会衆議院1992/03/17

大蔵委員会 第8号

発言数
117
登壇者
18
会派数
2
開催日
1992/03/17

会議録

太田誠一自由民主党

○太田委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、関税定率法等の一部を改正する法律案、国際金融公社への加盟に伴う措置に関する法律及び米州開発銀行くの加盟に伴う措置に関する法律の一部を改正する法律案及び日本輸出入銀行法の一部を改正する法律案の各案を議題といたします。  これより質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石原伸晃君。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 本日は、大蔵省が提出しております国際関係三法につきまして、国の内外の経済状況並びに対外経済関係を中心に質問をさせていただきたいと思います。  まず初めに、昨日二万円の大台を日経平均株価がおよそ五年ぶりでございますけれども割り、本日もまた、八十円ほど戻しておりますが一万九千九百十七円となっているこの株式市況の現状認識と、そしてこれに対します大蔵省の対応についてお尋ね申し上げます。

村井仁自由民主党大蔵政務次官

○村井政府委員 申しわけございません、大臣がちょっとおくれていらっしゃいますので。  日経平均株価、御指摘のような動きでございますが、これにつきましては、決算日を迎える特金でございますとかあるいはファントラの解約でございますとか、それに伴います売り物が三月期末を目前にしまして非常にふえてきておる、そういう一時的な要因によるところが大きいのではないかと見ております。  しかしながら、経済の現状認識につきましては、これまでも申し上げておりますように、このところ景気の減速感は確かに強まっておりますが、我が国経済のファンダメンタルズは良好だと考えておりまして、現在の調整局面を経まして再び着実な安定成長を続けるものと考えておるわけでございまして、投資家の皆様が以上申し上げたような点を十分御理解いただいて、目前の二万円割れという事態に惑わされることなく、引き続いて冷静かつ慎重な投資態度をとられるようにお願いしたい、このように考える次第でございます。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 次官にもう一つお聞きしたいのですが、大蔵省といたしまして今回の状況に関して特別に何か対策を考えていらっしゃるのか、あるいは今御答弁ございましたように投資家に対して冷静な対応を望む、そういうスタンスなのか、お話をお聞かせ願いたいと思います。

日高壮平大蔵大臣官房総務審議官

○日高政府委員 恐縮でございますが、証券局長ちょっと参っておりませんので、かわりに答弁させていただきます。  証券市場の活性化の問題につきましては、私ども前々からいろいろなことを手当てしていかなければいけないのではないかということで、先物取引に対する規制の問題、あるいはいわゆる三〇%ルールというようないわゆる通達行政で縛られているような幾つかの問題も自由化をしていかなければならないとか、そういった形でいろいろな手当てを行ってきたわけでございますが、先ほど政務次官から答弁申し上げたような事情で今回二万円割れという状況になったわけでございます。  ただ、私ども基本的には株価そのものを具体的にストレートに上げ下げするような政策というものは、これだけの大きな株式市場の状況でございますからなかなか難しい。やはり基本的には経済そのものが堅調に推移していくということが一番大きな対策になるだろうというふうに考えておりまして、その点では先ほど政務次官申し上げましたように、私どもいろいろな政策をとってきている。財政につきましては、御承知のように昨年末に補正予算を組ませていただきました。同時に、一兆七千五百億円の史上最大規模の財政投融資の追加も決めさせていただきました。その補正予算で計上いたしましたいわゆるゼロ国債といったものについても、現在はその完全消化に向けて関係省庁で鋭意努力を続けているという状況にございます。また、御承知のように現在参議院で御審議いただいております平成四年度・予算につきましても、いろいろな公共投資の拡充等の措置を講じておるところでございます。そんなようなこともございますし、あるいは金融政策につきましては、三次にわたる公定歩合の引き下げによって貸出金利もかなり下がってきている、そういう状況にございますので、私どもとしてはそういった財政、金融両面にわたる政策が経済を下支えし、それが株価にも十分反映されていくものというふうに期待をしているところでございます。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 今御答弁聞かせていただきまして、私も、今回の株価の下げというものがもう一段引っ張っていきますと日本の経済、景気全体に影響してくるのじゃないか、そういう危険性を実ははらんでいる数値ではないかという認識が民間企業の中にあるような気がしてならないのであります。また、市場を見ますと、機関投資家がこの景気の冷え込みによって投資することを控えている。また、昨年の夏以来発生しております新しい言葉でした損失補てん、今度は飛ばしですか、また新しい言葉を勉強させていただいたのですけれども、このような証券不祥事によって個人投資家の市場離れというものが進んでいる。  皆様読まれたかどうかと思いますが、私先週ちょっと本屋を歩いておりましてロンドン・エコノミストをぱっと見ましたら「ジャパン・スロース」というタイトルが一面に載っていましたので、何だろうと思って買ってちょっと読んでみました。そうしますと、タイトルが「ファーザー・スティル・ツー・フォール」、何と訳すのですか、まだ落ちる余地があるよ、こんな印象になるのですか、記事の内容なんですけれども、ざっと言いますと、金融市場が今回大変財政当局に対して不信感を持った状態である。そして、それの引き金となっているのは三月十一日の大和証券による飛ばしですか、社長が辞任する、そしてまたその一カ月前にはコスモ証券によるすかいらーくへの保証問題、両方合わせますと、大和が八百六十五億でコスモが三百六十億円、こんなような同じトラブルがもっとあるのじゃないか、この雑誌の中で指摘されております。また、昨年来の損失補てん問題の後大蔵省が業界に対しまして調査を行った、ここ数年大蔵省が飛ばしの現状を知っていた疑いがある、そういうふうにこの「ファーザー・スティル・ツー・フォール」というロンドン・エコノミストの記事の中で指摘をされているのでございます。  大蔵省の方といたしまして、今回のこの飛ばし、市場の活性化を阻害する大変大きな原因となっていますこの状況についてどのように把握されているのか。また、三月は決算期でございますので、他の証券会社にもこのような事件が出ますとまた市場が一段の下げにつながる、こんなおそれがあると思うのですけれども、そこのところについてどのように認識をされているか、お聞かせ願いたいと思います。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 いわゆる飛ばしと言われております取引でございますが、これは、企業が財テクなどで運用しておりました有価証券に損失が発生をしている、それを含み損の形で実現させるということを避けるために決算期前に別の企業にその有価証券を簿価などで売却するというような取引でございまして、その取引、形の上では企業間の直接の相対取引でございますけれども、それに証券会社の営業員が仲介をするというような行為が行われたわけでございます。  こういった行為について把握できなかったのかという御指摘でございます。これは、率直に申し上げまして、営業マンが全く会社に無断で仲介行為を行っておりまして、もちろん仲介手数料なども取っておりませんので会社に入っておりませんし、証券会社の帳簿上には全くあらわれないというような行為でございまして、私ども検査あるいは特別検査などいたしたわけでございますが、残念ながらこういう行為を把握するということができなかったわけでございます。証券会社もそういうことを把握できなかったというふうに私どもには報告が来ているわけでございます。  ただ、そういう行為を、仲介をしたということで、企業から証券会社に対していわば使用者責任を問われて、それで賠償を求められているということでございますが、こういった行為が明るみに出ましたのは、昨年損失補てんを法律で禁止いたしまして、そういった関係でこういった問題に対する不明朗な処理ができなくなったということが非常に大きな要因でございます。私どもも、こういう問題については不明朗な処理をすることなく法令に則してきちんと処理をしろということをかねがね指導してきているわけでございまして、トラブルというのは飛ばし以外にもいろいろあるわけでございますが、トラブルについて不明朗な処理をしないようにということを言ってきているわけでございますけれども、飛ばしにつきましては今申し上げたようなことで、結果的に企業が証券会社を訴える、あるいは調停手続に入るというようなことで処理がなされているわけでございます。  こういったものは、この三月期決算を控えてまだあり得るのではないかという御指摘でございます。これは、率直に申し上げまして、私どもも証券会社も全く把握できないというような問題がございまして、こういう問題が明らかになりまして、より一層チェック体制、内部管理あるいは営業マン、場合によってはその取引先の法人等とのチェックというようなものをやるべしということで、現在各証券会社に要請をしております。もちろん現在のような株式市場の状況でございますので、こういったものの遠因といいますのは非常に好調だったときの財テクの残滓のようなものでございまして、トラブルが証券会社とお客、圧倒的多数は個人客との間でございますけれども、企業との間でもかなり存在しているということは我々も聞いております。その中にはこの飛ばしというような形のものに起因するトラブルもあるわけでございます。ただ、少なくとも私どもが現在承知しております限りでは、いわゆる飛ばしということに関連したトラブルで訴訟になりあるいは調停に移行しているというようなものは、すべて明るみに出ているというふうに考えております。  しかし、いずれにいたしましても企業間の取引に営業マンが無断で仲介する、営業マンのモラルの問題にもなるわけですし、あるいは証券会社の内部管理体制の問題にもなるわけでございまして、そういった問題あるいは事実関係についてもう少し詳細を調べ、証取法上の問題点についても詰めてまいりたいというふうに思っております。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 いずれにしましても、今の局長の御答弁の中で飛ばしの現状というものがわかったわけですけれども、証券取引法が禁じております利回り保証ではないか、こういうような指摘もされておりますので、大蔵当局の証券取引法の厳正な運用をこれからも努めていただきたいと思います。  さて、話を進めさせていただきたいのですけれども、先ほどのロンドン・エコノミストの中で今回の市場に関連して、これは私が言っているんじゃなくて記事が書いてあるんですけれども、誤解があると困るのですが、大蔵省がそういうことを含めて市場のコントロールを失っているのではないか、そういうような記載もされているわりてございます。  そのような点につきまして、飛ばしというものがこれから発見することもなかなか難しいというような状況になって、日本経済を、また景気を大蔵が下支えする意味でも、証券市場というものがある程度重要な意味を占めてくる。といいますのも、やはり企業が含み損を持っておりますと企業収支というもので赤字決算になってくる。そういうことを繰り返していきますと泥沼のように投資が減退したり、あるいはますますそれによって企業心理が落ち込み、そして景気が悪くなるというような、そんな状況も十分予想されますので、大蔵当局におかれましては本当に厳正なる運営をやっていただきたいと考えております。  それでは、経済企画庁の方がいらっしゃっておりますでしょうか。——それに関連いたしまして、景気の動向について、今経済企画庁では、これからの日本経済をどのように見ているか、簡単に御答弁を願いたいと思います。

筑紫勝麿経済企画庁調整局財政金融課長

○筑紫説明員 お答え申し上げます。  我が国経済の現状につきましては、二月の月例報告でも述べておりますように、景気の減速感が広まっておりまして、雇用の均衡を維持しながらインフレなき持続可能な成長経路に移行する調整過程にあるというふうに考えております。  ただ、こうした調整過程におきまして具体的な現象といたしましては、在庫調整の動きが本格化しておりましたり、また、企業家等のマインドが非常に冷え込んでおるということがございます。  しかしながら、今後の我が国経済につきましては、各それぞれの需要項目について見てまいりますと、まず、物価の安定や雇用者所得の順調な伸びに支えられまして個人消費が基調として堅調に推移すると考えられる。それから、住宅投資につきましても、住宅関連金利の低下等によりまして持ち家、貸し家には下げどまりの動きが見られます。住宅投資は今後徐々に回復に向かう見込みであると考えられます。また設備投資につきましても、これは現在非常に問題になっておるわけですけれども、これまでの金融緩和の効果が徐々にあらわれてまいりまして、現在長期金利がかなり低下してきております。こうしたことから投資環境が好転しておりまして、今後独立投資を中心に、総じて底がたく推移するというふうに見込まれます。また、先ほど大蔵省の総務審議官からも御説明ございましたが、公共投資が増大すること、さらに在庫調整につきましても、これまでに申し上げましたような最終需要の底がたさというものに支えられまして、多くの業種で年度の早い段階には一巡するというふうに見込まれますことから、このように明るい材料も非常に多いわけでございまして、景気が失速するというようなことは考えられないわけでございまして、今後内需を中心としたインフレなき持続的成長を実現し得るものというふうに考えております。  これに対する政府等の対応でございますけれども、景気の減速が企業家等の心理を大きく冷え込ませないように、景気に十分配慮した施策を行う必要があるというふうに認識しておりまして、これまでも財政面でのあらゆる手当て、それから金融面でも、昨年の暮れに第三次の公定歩合の引き下げが実施されております。  このようにいろいろな配慮がなされておりますので、我が国経済は現在の調整過程を経た後に、またバランスのとれた持続可能な成長経路に移行していくというふうに考えております。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 今のお話を聞かせていただきますと、日本の経済のファンダメンタルズ、先ほど次官もお話しになりましたが、良好であって失速のおそれはない。しかしながら、企業家の心理の中には、この政府の割と甘い予測に対して批判的な意見もかなり出てきておりますので、景気の動向あるいは日本の経済の行き先につきましては、これは大臣が来ましたら御答弁を願いたいと思っていたのですが、金融政策だけでも経済を引っ張っていくことはできませんし、また、大蔵省は財政を中心にやっていく、また、経済企画庁が経済見通しを立てている、また、日銀が公定歩合を、そしてまた、最近では自民党の方でも経済対策、景気浮揚策を考えるなど、はたから見ておりましても、一体どこに日本の経済運営の責任者がいるのか、だれが一番責任を持っているのか、こういうものが割と明確には示されていないと思いますので、これからは、やはり関連省庁、日銀、あるいは党とも一体となって、一元化した経済運営、あるいは、こういう状態に陥ったときの危機管理体制というものを確立していっていただきたいと思うわけであります。これにつきましては、委員長、大臣が参りましたら一問だけ答えをいただきたいと思います。  それでは、時間が余りございませんので、質問を続けさせていただきます。  次に、対外関係、対外経済関係をめぐる諸問題についてお尋ねをさせていただきたいと思います。  御存じのようにアメリカでは、日本の車をハンマーでたたくと一ドル払う、このようなジャパン・バッシング、こういうものがございますし、また、ヨーロッパにおきましても、ブッシュ大統領の来日でアメリカの車を買うという約束をして、では何でヨーロッパの車を買ってくれないんだ、こんなような不満が高まっている状況でございます。ともすれば、日本のこのような対応というものは、外圧という言葉が英語にそのままなったように、外から力を与えられて物が初めて動く。しかしながら、現在実は必要なことは、世界の中で日本の役割を我が国の立場から積極的にとらえまして、我が国のとるべき対外経済政策を実は主体的に考えていくことが大切なのではないかと思います。  そんなような観点から、本日は、国際的に開かれた貿易体制の維持、これはガットのウルグアイ・ラウンドも入ってまいります。そしてまた南北問題。東西関係が終えんした後問題になってきています開発途上国への経済協力の二点について引と続いて質問を続けさせていただきたいと思います。それではまず、現在交渉が進められておりますワルグアイ・ラウンド、これに対します日本の対応、どのように対応されておりますのか簡単に御説明願いたいと思います。

吉田道弘大蔵省関税局長

○吉田(道)政府委員 ウルグアイ・ラウンドにつきましては、これを成功裏に終わらせるということが多角的な自由貿易体制を維持強化するために非常に重要な点であると思っておりますし、これがまた世界経済の発展にも資するものだと考えております。  で、昨年末に、御存じのようにダンケル・ガット事務局長がいわゆるダンケル・ペーパーという一種の裁定案を出しまして、これに基づきまして交渉は最終段階を迎えております。本年の一月の下旬以降、物の関係の市場アクセス、それからサービス関係の、サービスの初期コミットメント交渉と言われる交渉も集中的に行われておりまして、今月の初めには、日本は、物及びサービス、農産物及び農産物以外の物につきましても国別表を提出しまして、積極的な姿勢を示しているところでございます。  我が国としましても、各国と協調しながら、このラウンドの成功裏の終結に向かって引き続き努力しているところでございます。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 いずれにいたしましても国と国との交渉事でございます。ウルグアイ・ラウンドにおきましても、個々の具体的な問題につきまして、お米の問題、きょうは大臣おりませんけれども、この問題、我が国の主張が通るように努力をしていただいた上で、やはり自由主義経済体制の恩恵を最大限受けておりますのは日本でありますので、このガット・ウルグアイ・ラウンドを成功させるということを肝に銘じて応対していっていただきたいと思います。  さて、ウルグアイ・ラウンドとももちろん関係しますのですが、我が国自身の市場開放を進めていくことが、やはり自由貿易体制、特にアメリカからの、ブッシュ大統領のお話の中にもありましたように、大切だと思います。我が国の最も重要な貢献というのはそういうことをやっていくことではないか。そんな中で我が国は市場開放努力を続けてまいりましたし、また、関税につきましてもさまざまな努力をされて、世界的に見てもかなり低い水準になってきていると思います。  そんなような中にあって、日本の関税というものについてどのように評価されているのか、また今後のこの関税の持っていく方向についてお示しをいただければ幸いでございます。

吉田道弘大蔵省関税局長

○吉田(道)政府委員 我が国の関税水準につきましては、累次にわたる関税引き下げ、例えば最近におきましては、昭和六十一年のアクションプログラムにおきまして二千品目以上の引き下げを実施しておりますし、また平成二年度におきましても、工業品の約千品目の関税撤廃を実施したりしておるところでございます。その結果、いわゆる関税負担率と申しまして、関税収入を輸入品の輸入総額で割る、それぞれの一単位の輸入がどのくらい関税を負担しているかというその比率でございますが、各国の数字がそろっておりますのが日本でいいますと平成元年度しかございませんのでその数字で申し上げますと、日本は平成元年度、一九八九年でその数値が二・九%でございます。それに対しまして、例えばアメリカでございますと三・五、ECも三・五、カナダでは三・四、それからオーストラリアに至りましては七・六、我が国の水準は先進国では最低の水準にあると思っております。一九九〇年、これは日本しかまだ出ておりませんが、これはさらに二・七に下がっております。こういう状況によって我が国の水準というのは非常に低くなっておりますが、また個々の品目を見ますとまだかなり高目のものがございます。そういうことから、諸外国から一層の引き下げの要求が出ております。  そういうことで、今のウルグアイ・ラウンドの場所でも同様でございますが、今後とも、先ほど申しましたような多角的な貿易体制の維持強化ということの観点から、同時に国内産業事情にも十分配慮しながら、その関税面からのアクセスの改善に一層努力していこうということで対応しているところでございます。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 いずれにいたしましても、日本が開かれた市場であるということを対外的にも示しますし、また、日本国民の皆様方にも、これだけ関税が低いんだということを明らかにしていただかないと、日本はまだまだ市場を閉鎖しているのじゃないか、こういうふうに思われていることがありますので、引き続いてそのPRにつきましても大蔵当局の方でお願いしたいと思います。  続きまして、この関税率の引き下げと並んで輸入をしやすくするような努力もやはりやっていかなければならないと思います。その中で重要になってくるのは、例えば車の場合、GMの問題でも出ておりましたけれども、輸入手続の簡素化というものがあると思うのですが、この点につきまして、これから大蔵省としてはどのような努力を続けていくのか、お話をお聞かせ願いたいと思います。

吉田道弘大蔵省関税局長

○吉田(道)政府委員 輸入手続をできるだけ簡素化し迅速化するというのは私どもとしても非常に重要なことだと思っておりまして、特に近年におきましては、関係資料をできるだけ簡素なものにするということで資料の簡素化に努めておりますと同時に、最近におきましては、こういう輸入手続を実際コンピューターに乗せまして電算化をするという作業に着手しております。具体的に申し上げますと、最近では昨年の十月から東京港、横浜、川崎港、いわゆる関東地域におきまして、海上貨物の通関手続をコンピューター化しましたし、ことしの十月からさらにこれは関西地方、中部地方でもコンピューター化に乗せようとしております。そうしますと、全体的には海上貨物の八〇%以上がコンピュータライズされる。既に航空貨物につきましてはコンピュータライズがもう十年前から進んでおりますので、既にそれが九五%くらいになるということで、まずそういう関係の電算化による簡素化、迅速化を図る。さらに、輸入通関手続は大蔵省だけではなくて関係各省の、いわゆる私どもから言うと他法令になりますが、いろいろな法律がございます。そういう手続を経た上で輸入許可をしております関係から、そういう各省の連絡協調体制を図るということで連絡体制のための協議会等を設けまして、その手続の迅速化等にも努力しているところでございます。今後ともさらにその方向を一層進めるべく今対応しているつもりであります。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 残りの質問時間が三分となりましたところで、先ほどの質問を大臣にお願いしたいと思いますので、まだまだ実は質問が残っておるのですけれども、中断させていただきまして、大臣に先ほどの質問をさせていただきたいと思います。

太田誠一自由民主党

○太田委員長 石原委員に申し上げますが、三十八分まで持ち時間がありますので、続けていただきたいと思います。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 よろしいですか。——それではもう一問質問を続けさせていただきたいと思います。  次に、今回の三法案に関連しまして、開発途上国に対する経済援助の問題があると思います。今東西関係が終えんいたしまして一番の問題となっているのは、世界で南北関係、そしてまた世界人口のおよそ四分の三ですか、開発途上国に住んでいる。そして、その国々の成長を促し人々の生活レベルを上げて北の国々に合わせるというようなことが、また世界経済にとっても重要な課題であると思います。しかしながら、残念なことに最近は債務の深刻化や開発途上国の経済の停滞というものがあります。その中で、この国際開発機関を通じての我が国の経済協力の現状とそしてまたこれからの見通し、どのようなことを行っていくのか、それについてお聞かせ願えればと思います。

江沢雄一大蔵省国際金融局長

○江沢政府委員 先生御指摘のとおり、我が国の国力に応じまして国際的な責任を果たしていく上で経済協力の役割は非常に重要でございまして、我が国は厳しい財政事情のもとではございますが、経済協力の拡充に努力しているところでございます。特に開発金融機関を通じての援助につきましては、開発金融機関は中立的な機関でございまして、ここが途上国の経済運営に助言をするとかあるいは適正な政策運営を担保していくとか、そういう意味で非常に重要な機能を果たしております。また、開発金融機関には開発についての専門知識、能力が蓄積されておりまして、これを大いに活用していくということが重要だろうと思います。  こういう観点で、我が国は世界銀行では第二位の出資国でございますし、またアジア開発銀行では第一位の出資国、そのほか今回御審議をいただいております国際金融公社では第二位の出資国でございますし、また米州開発銀行では、これは域内国、域外国両方のグループに分かれておりますが、地域外の国としては第一位の出資国となっているわけでございまして、今後とも我が国としましては、この国際機関を通ずる援助ということに応分の協力をしていきたいというふうに考えております。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 いずれにいたしましても、金額では今のお話ですと世界で二位の金額であります。これはまた日本の国内の財政事情にとっても、厳しい中で拠出している国民の皆様方の血税をもとに出しているお金でございますので、イラクのクウエート侵攻のときに実はイラクがODAの七五%を日本に負担してもらっていたんだ、そしてミサイルを買っていたんだ、こんなような話もございました。こういうような武器輸入国にはその援助の方法を改めるとか細かい配慮をしていただいて、国民の皆様方が、本当に世界に貢献しているんだと日本が胸を張れるような援助体制でこの国際機関への協力というものをやっていただきたいと思います。  それでは大臣いらっしゃいましたので、一問だけ質問させていただきたいと思います。  先ほど証券不祥事、新しい言葉で飛ばしというものが出てまいりました。こんなような状況の中で、また日本経済の景気の先行きに対する不透明感がある。そしてまた市場が二万円を割ってしまったというような状況の中で、これからこのような危機に対して金融政策、そして財政政策、また経済見通しなど、実は一元化して経済の危機管理体制というものをつくっていただかないことには、市場もあるいは企業家も心理的に安心しないのではないか、そういう質問をさせていただきました。そのことにつきまして、大臣がこれからの日本経済の危機体制についてどのようなお考えをお持ちでありますか、最後に御質問申し上げたいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 今お話がございましたように、ちょうど株式も日経の平均が二万円を割るというようなことで、不安要因といいますか、そういったものが広がりつつあるということは、私どももそのことを率直に感じております。  ただ、今の体制というのは、御案内のように財政につきましては大蔵省が所掌すること、金融については日本銀行と大蔵省が所掌しておりますけれども、両者の間では、私もここでもよくお答え申し上げてまいりましたけれども、常日ごろから密接な意見交換を行っておるところでございます。また経済情勢につきましても、例えば月例経済報告、こういったものは経済企画庁が中心となりまして、関係省庁と協議の上で経済政策に資するべく政府としての判断を行っているところでございまして、政府としては、今後とも関係省庁の間で密接な意見交換を行っていくことで、経済運営というものの過ちなきを期さなければいけないと思っております。  なお、御案内のとおり、欧米におきましても、日本で言います日銀、これは中央銀行という立場でありますけれども、これはやはり財政あるいは金融当局と言われる大蔵省、例えばフランスなんかの場合でもそうでありますけれども、これに対しやはり独立性を保っておるということ、当然ドイツですとか英国なんかも同様であろうと思います。アメリカの場合も、中央銀行に対しまして、いわゆるアメリカの場合には予算局がありますよね。それからあとは財務省がありますし、そうして中央銀行というようなことでありますので、それぞれが別々にありますけれども、またあるときには別々であることが中立といいますか、そういったものを侵さないというようなことも実は経済運営の場合にはどうしても必要であろうというふうに思っておりまして、その点、割合と日本の場合には金融ですとかあるいは財政ですとか、ともかく全体をこうやってあれしているという面ではよろしいんじゃなかろうかというふうに思っております。ただ、私どももやはり、正式に表等つくりました月例報告のようなものの分析というだけでなく、お互いが本当に話し合っていくことが必要であろうということでありまして、今後ともこの点は、先ほど申し上げたように、過ちなき運営というものをそれぞれが連絡をとってやっていきたいというふうに考えております。

石原伸晃自由民主党

○石原(伸)委員 どうも、質問を終わらせていただきます。     —————————————

太田誠一自由民主党

○太田委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  各案審査のため、本日、参考人として日本銀行総裁三重野康君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

太田誠一自由民主党

○太田委員長 御異議なしと認め、そのように決しました。     —————————————

太田誠一自由民主党

○太田委員長 堀昌雄君。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 本日は、輸出入銀行に関する法案につきましてお尋ねをいたしますが、二月に三重野総裁はアメリカにおいでになりまして、ワシントンでグリーンスパンFed理事長、さらにニューヨーク連銀のコリガン理事長にもお会いになって先般お帰りになり、さらには三月にはBISの会議に御出席になっておりますので、きょうはこの国際金融の問題を中心に、現在のこの国際的な流動性の低下の問題というものとアメリカの株価の問題、日本の株価の問題、こういう問題を含めて、今後のこれらの問題はどのように推移していくのかという点についてお伺いをいたしたい、かように考えておるわけでございます。  まず最初に、日本経済新聞も発表しておりましたけれども、この間のBISの会議におきましては、少なくとも先進国におきまして、スリークオーター連続してどうも資金が収縮をしておるというようなことが報道されておりましたけれども、この問題について総裁のお考えをまず最初に承りたいと思います。

三重野康日本銀行総裁

○三重野参考人 お答え申し上げます。  今先生の御指摘になった事実は、恐らくBISの統計の中でいわゆる流動性がやや低下しているということを指しているんだと思いますが、これは世界的に景気がいま一つ芳しくないということと、それから一九八〇年代にかなり銀行が貸し込みまして、銀行のバランスシートが悪化しているということ、さらにはBIS規制がきいているというようなことで、これは日本に限らず世界じゅうの銀行がそれぞれ自分の自己資本とリスク管理との兼ね合いで資産は圧縮しております。それがそういった統計に出ておりますけれども、これは内容をさらに見てみますと、いわゆるディーラー間同士でやるそういう流動性が減っておりまして、実際に実体経済だけ貸す流動性というのはそれほど減ってないということがわかりますので、私はそれほど今国際的な流動性が不足して世界経済の足を引っ張っている、そういうふうには解釈をしておりません。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 ちょっと資料を配っていただきたいのでございますが、お配りいただいた——もう配ってありますか。  実は、ニューヨークの株式のちょっと図表みたいなものをお配りしておるのでありますけれども、一九二九年にニューヨークの株式のダウ三十種工業株平均が三百八十一ドルというところに参っておりましたのが、御承知のような暴落で四八%ダウンをして五一・九六%になった、これが御承知の一九二九年の暴落の姿でございますけれども、それをちょっと最近のアメリカの、やはり同じようにダウ三十種工業株平均で見てまいりますと、ちょっとここへ書き足しましたけれども、三月十三日に三千二百三十五ドル九十一セント、二十七ドル二十八セント下がっておりますが、この図にかいてありますのとちょっと違いますけれども、それにいたしましても、大変高い株価がアメリカでは生じておるわけでありますが、どうして、アメリカ経済が非常に現在活性化していて将来ともますます活性化するということでございましたらこのような株価が生じるのは当然だと思うのでありますけれども、これについては総裁はどういうふうに御判断になりますでしょうか。

三重野康日本銀行総裁

○三重野参考人 今先生の資料、いただいたばかりでまだよく読んでおりませんけれども、現在確かにニューヨークのダウは三千二百ドル台と、アメリカの景気がやや回復に向かっているにしろやや高過ぎるという感じを抱く方が多いと思います。  これは、マーケットでは二つ大きな理由を言っております。一つは、やはり金融が非常に緩んでおりますので、金融相場と申しますか、そういった資金が株式市場に流れ込んでいるのだろうということ。もう一つは、アメリカの景気回復を先取りしてかなり株が上がっているのではないか。この二つがマーケットで言われている理由でございまして、私どももそういうふうに思いますが、ただ先生は恐らくそれに対してもう一歩突っ込んが評価をお聞きになりたいんだと思いますが、私の立場で、日本の株に対してもそうでございますが、アメリカの株に対して評価することだけは御勘弁ください。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 私も同じように、総裁からそこまで伺う気はないのでありますけれども、要するに、今アメリカの金利は大変下がってまいりまして、実質金利はほとんどゼロに近いということになっておるわけでございますね。  実は今もう一つ、これはニューヨーク・タイムズの一九九二年の一月二十九日の記事をちょっと御参考に差し上げているのでありますが、この図で見ていただいて大体見当がつくと思うのでありますけれども、この図は、実は線を引いてございますところがこれのコメントになっているわけでございますけれども、要するに、SP五〇〇を消費者物価の上昇率で割り算をいたしました、そういう倍率を見てみますと、実はここに書いてございます六八年の十一月のピークになったところが三・〇六で、実はレシオが三倍を超えておる。そうして、最近の九一年の十二月にまた同じようにレシオが三倍を超えて三・〇二になっておる。その中間でいろいろと上がったり下がったりずっと出ておるわけでありますけれども、このニューヨーク・タイムズの記事を読んでみますと、やはりこれは非常に、何と申しますか、ややアメリカの株価というものが、アメリカの経済実体、全体としてのアメリカ経済の力に比して、要するに少し過剰投資と申しますか、少し資金が流れ込み過ぎて異常な株価になっている、少し危険水域なのではないかな、こんなふうな感じがいたします。  私は、このアメリカの株価の問題を申しておりますのは、かつてニューヨークで大恐慌が起きましたときの類似点が少しあるわけでございますけれども、その一つは、株価の異常な高進、高くなったということが一つでございますし、それから債権国におけるハイパワードマネーの供給の不足が一つあるのではないか。この当時、同じ問題でありますけれども。それから、債権国における資本輸出の急減。一九二八年後期の米国と今日の日本というのは非常に共通部分があるのではないか。こういうふうな問題の中に、ちょっと非常に気になる問題があるものでございますから、そこのところが——今、日本のことはさておいてアメリカの話ばかりしているわけでございますけれども、やはりアメリカに何かが起こることは必ず日本にまた影響を起こす。  ちょうどこの前、ブラックマンデーの日に、私たまたまニューヨークにおりました。その週の前にワシントンで実はいろいろな関係者に話を聞いておりまして、そうしてその金曜日、ブラックマンデーは月曜日でございますが、金曜日にニューヨークに参りまして、そうして金融・証券の幹部の方に来ていただいて、今のニューヨークの状態はどうですかというふうにお尋ねをいたしました。そうしたら、銀行、証券の方、両方とも、きょうはちょうど魔の金曜日でございまして、プログラムディーリングの重なる日で、本来三カ月に一遍、この金曜日には下がるというのが魔の金曜日という名前のついた日であるようでございますが、きょうはそれほどに下がっておりません、こういう話でありましたから、それでは落ちついているのだな、こう思って、実は月曜日の朝、午前九時過ぎに、チェース・マンハッタンのバイスチェアマンのところを訪ねました。そうしましたら、そのチェアマンが私に、堀さん、今隣のニューヨーク取引所でクラッシュが起きている、これは一体どこまで下がるかわからない、こういうお話で、大変びっくりいたしまして、そんなことが突如として起こるのかなという感じでございましたけれども、そのときに、その方が私に、堀さん、ニューヨークでこれだけ下げれば東京も下げるでしょう、どうなりますか、こういうお尋ねがございました。  そこで、私は突然のお尋ねでございましたけれども、確かにニューヨークが下げれば日本も下げます、しかしニューヨークと日本の違いは、日本の取引は一定の株価が下がりますと、そこで、値幅制限という制度でその日の取引はそこでおしまい、あとは明日にという取引制限が行われます。これは下がるときもそうでありますけれども、上がったときにも一定以上上がったときにはここでストップ、こういうふうにブレーキがかかる仕組みがありますから、恐らくそこでとまるのだろうと思いますので、アメリカのような、何も歯どめがなくてどんどん下がるということにはならないと思います。二番目は、今大変暴落しておりますけれども、この前NTTの株を政府が売り出しまして、これが大変好況で、実は多数のNTTの株主は大変利益を得られ。たわけであります。最高が三百万円を超えるくらいのことになったわけでありまして、まだ当時はそういう情勢でございましたから、日本の株式に関心を持っておる者は、株は安いときに買えば必ずもうかるという確信を持っている人がかなり多いと思います。日本の個人は貯蓄を十分持っていますから、恐らく暴落をしてきたら、個人がどっと買いに出て、これでかなり下支えをするのではないかと思います。三つ目は、日本経済のパフォーマンスは大変良好でございまして、まだ三%以上の実質的な成長を続けておりますから、その面からもそんなには下がらないと思います。こういう話をいたしました。  それで、日本に帰って調べてみましたところが、私の申したように、個人の株主が殺到して、伝票整理が明くる日までかかった、こういうようなことでございまして、日本におけるブラックマンデーというのは、確かに下がりましたけれども、アメリカに比べれば軽微に終わった、こういう経過であったわけでございますけれども、どうもそういう点で、今の日本の取引の仕方というものは、どなたが考えられたかわかりませんけれども、なかなかリーズナブルなルールができているなということをこのときに私は痛感したのであります。  この、いつ何が起こるかわからないというのが寒際にアメリカにおける問題でございまして、せっかく金曜日に来て関係者に聞いて、いや、いつもよりは落ちついていますと言われたら、月曜日にクラッシュが来る、こういうことでございます。  そこで、私がちょっとさっき申し上げましたニューヨークの株価の大恐慌と今回の問題を見てみますと、我々日本がハイパワードマネーの供給を少し緩めてできるようにするとか、また債権国における資本輸出が急減をしておるという問題もありますが、いろいろな事情があってそうなっていることはわかりますけれども、どうも日本がここらで、今は私は公定歩合の話をしているのではありませんが、マネーサプライが、こう見ておりますと、どうも少し下がり過ぎてきているのではないだろうか。  そしてもう一つちょっと問題がありますのは、実は、日本銀行でお出しになった九一年の個人貯蓄の問題でございますけれども、民間の方は大変減ってきておりますけれども、郵貯が昨年の十−十二月には大変急増をいたしまして、前年同期比で二二・五%もふえて、これは八九年の十月−十二月期以来八期ぶりに、増加額が前年を上回ったというようなことが報道されておるわけでありまして、この今のM2プラスCDというのをマネーサプライと、こう見ているわけでありますけれども、ちょっとこの郵貯というものが、アメリカにはこういうものがないのですが、これが非常に大きな資金をどっと持っていく。日本銀行も広義マネーサプライということでは、これをこう考えていらっしゃるのでしょうが、こことの関係におけるマネーサプライの問題というのは少し検討が必要なのではないかという気がいたすのでありますが、この点を含めてひとつお答えをいただきたいと思います。     〔委員長退席、持永委員長代理着席〕

三重野康日本銀行総裁

○三重野参考人 委員の今御指摘のとおりでございますが、まず日本のマネーサプライの伸びが低い、これは確かに伸び率は低くなっておりますけれども、これはもう委員先刻御承知のとおり、過去数年間の非常な緩和がございましたので、ストック、この関係で見ますと、例えばGNPとの比較で、マーシャルのkとかあるいはその逆数である流通速度から見ますと、傾向線より下になったのが今ようやくちょっと上がってきたということで、特に非常にストックとして足りないということはないと思います。  しかし、確かにその中身を見てみますと、郵貯にかなりシフトしておりまして、これは広義、最広義のマネーサプライで見ますとほぼ五%前後で余り変わっておりませんけれども、確かにM2プラスCDの伸びは低いでいずれにしろ、普通の銀行預金にしろ郵貯にしろ結局それはお金になって出ていくときには同じでございますが、とりあえずは銀行の預金は銀行、郵貯の方はそのまま財政資金として扱い上がって財投に入ります。もちろん財投から出ていくわけでございますから、少し長い目で見れば同じにいたしましても、そのときはまだ財投にたまっておりますものですから、いわゆる民間に来るのが、信用創造で外部に出ていくようにはなかなかいかない。そういう意味で、本当は郵貯というのが、例えば商品性などを見直していただいて、もう少し市中と同等であれば、その辺のぎくしゃくはもう少しスムーズになる、そういうふうに考えております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 大蔵大臣、今の点がちょっと私ども、今後の日本の金融問題の中の一つの課題だというふうに考えておるわけであります。要するに、今総裁がお話しになったように、預金として個人その他から出ていくのは同じように出ていくのでありますが、片方は金融機関に入りますとこれは信用創造につながって、要するに回転が起こるわけでございますが、郵貯の場合は、これが国の財投に入って、財投計画ということで予算との関係で物が決まってくるというようなことで、ある意味で、国民も今大変金利選好が高くなっていますから、金利が高ければ何にかかわらずやはり自分が得するようにしたいので、国のことなんというのは二の次でございますから、郵貯にどっと行く。郵貯にどっと行くということは、裏返せば実際に動きます資金の量というものは、それは結果的に戻っできますけれども、その分だけちょっと棚上げされてしまうということは、今後この日本の金融政策、特に今ちょっと私が申し上げている国際金融の雨その他から見ましても、これは非常に重要な課題であって、単に郵貯が、定額貯金の商品性がどうとかなんとかでなく、やはり私は、郵貯も民間金融機関と同じようなルールで処理がされないと、これは日本の金融上に非常に大きな問題を残す、こんなふうに思うのでありますけれども、大蔵大臣いかがでございましょうか。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 この問題はたしか相当長い議論だったというふうに思っております。そういう中で、いわゆる定額貯金というものは特別に商品性のあれが高いということ、そういったことのために、例えばこれは余りあれですけれども、公定歩合なんかあれしたときにも、どちらかというとそちらの方にすっと流れていってしまうというようなことで、今言われたように迂回をしていくために非常に時間がかかってしまうというようなことがある。そういうことから、この商品性についてということで、大蔵省と郵政省は実はもう相当時間をかけて話しておるということであります。  ただ問題は、確かに大変数の多い人たちがこれをやはり活用されておるというようなことがあります。しかし、今御指摘のあった問題点を私どももよく念頭に置きながら、これからも一体どうあるべきかということを真剣に勉強し、また話し合っていきたいというふうに思っております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 そこで、三重野総裁にはこれが最後のお尋ねでございますけれども、御承知のように今BIS規制が、日本では九三年の三月末までにということで、アメリカでは依然としてどうもクレジットクランチが続いておるような感じがいたすわけでございます。確かにBIS規制というものは、銀行の健全性という問題を確保するためには大変重要なファクターだ、こう私は思っておるのでありますが、そのことが、世界の金融システム、さっき申し上げた資金の流動性その他に影響を及ぼす。  そして、特に今欧州で問題がございますのは、ドイツが御承知のようなことで八%という大変嵩い金利にしております。そうしますと、実は周辺の国、皆、成長が大変厳しい情勢にありながら、余りそれでは金利を安くすれば為替にはね返ってきて経済的にも大変まずくなるということで、今欧州は、ドイツがやがて正常化すれば問題はないのでありますけれども、今の状態ではいずれもなかなかちょっと資金の出し手とはなりにくい、こういう格好でございますし、アメリカはもちろん資金の出し手ではないということになると、何かあれば、何でもひとつ日本に出せという話は非常に問題がある、私はこう思っております。  羽田大臣もそうでございますが、私、倉成さんが会長をやっておられますEC議員会議というもののメンバーで、実は昨年、日本でEC議員会議を行いました。そのときに私は、少なくともG7の皆さんに現在の貯蓄を一%ずつふやしてもらうならば、年間八百億ドルの金がG7の国に出てくる。だから、EC諸国を含めて、どうかひとつ皆さん、日本は一生懸命貯蓄に励んでいます、ちょっと下がってきてはおりますけれども、依然として高い貯蓄水準にあるわけでありますが、よその国の貯蓄水準は余りにも低過ぎる。  私は、ちょうどブラックマンデーの日の明くる日に、幸いコリガン総裁にお会いすることがセットしてございましたので、あの大変な忙しい中をコリガン総裁に三十分会っていただきました。  そのときに私は、アメリカが暴落をした最大の原因は、かつてアメリカも個人貯蓄が七%から八%あったのが現在二%台になっているなんということは、これはこういう暴落を招く大きなバックグラウンドじゃないかと私は思いますとコリガンさんに話をしましたら、いや、それはあなたの言われるとおりだけれども、しかし堀さん、この二%をふやすというのは我々にとってなかなかそんなに簡単にできることではないんだ、こういうお話がございました。しかし、幸いにして、ブラックマンデーの後は。アメリカの貯蓄率も少しこう上がってきているわけでありますけれども、何とか私は、そういうBISの規制は規制としながらも、それが機能できるようなことというのは、各国の国民が個人貯蓄をふやして資金がふえるという何らかの方向にならなければ、片方で規制をするだけではやはり問題の解決にはならないのじゃないだろうか、私はこう思っておるのでありますけれ。ども、三重野総裁、その点はいかがでございましょうか。

三重野康日本銀行総裁

○三重野参考人 今委員の御質問は、世界にとって非常にまた大事なことを御質問なさっていると思います。  まずBIS規制について申しますと、これはもう委員先刻御承知のとおりでございますが、あれはやはり銀行の自己資本とリスクの組み合わせをうまくして健全経営を保つというためにやっているわけでございまして、これはこれで一九八〇年代の無理な貸し込みによってそれぞれの金融機関が大なり小なりバランスシートに傷を負っておりますので、これを立て直すために、ある意味で正常化を側面から支えるものとして、私は基本的にはそれでいいんだと思っております。もちろん、リスクの度合いをどうするかとか、そういう技術的な問題は残ります。  しかし、それはそれといたしまして、先生の御指摘になりました世界的な貯蓄不足という問題は、これは確かにこれから先のことを考えますと、旧ソ連がございます。東ヨーロッパがございます。中国もございます。そういったところは潜在的に大きな資金需要があるわけでございまして、これは結局、先生御指摘のとおり、世界のほかの国が賄ってやらなければならない。そういうことを考えますと、今は出ておりませんけれども、長い目で見れば世界的にはやはり貯蓄不足の状態が危惧されるわけであります。この場合、もちろん日本の場合は少しずつ貯蓄率は下がっておりますし、アメリカの場合はもっと上げなければいけないし、ヨーロッパもしかりでございますけれども、もっと大きなことは、やはり財政の赤字というのは、これは貯蓄不足の最大の原因でございまして、特にアメリカが大きい。イタリアもそうだ。ドイツも、やはり東ドイツを併合しました。ああいう財政の赤字を削減することがまず第一に世界の貯蓄不足を幾らかでも低減させる方法だというふうに思います。それと同時に、アメリカも一部実施しておりますけれども、貯蓄に対する優遇措置とかあらゆる手だてを尽くして、それでこれから先のいわゆるそういう低開発国といいますか、そういう潜在的資金需要が出てきたときに備える必要がある、こういうふうに考えております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 私も、その今の財政の赤字の問題はそのとおりでございますが、アメリカの財政を見ておりますと、これはちょっと簡単に収縮するような見込みがない。一番大きな国がまず財政赤字をどんとやっておる。ドイツの方は、これは東ドイツと一緒になりましたものですから、過渡的にこれはやむを得ない。西ドイツだけならばそんなことは起きないわけでありますけれども、時間がたてばこの財政の赤字はだんだんと縮小してくると思うのですが、アメリカ財政の赤字というのが将来ずっと収縮をしてくる可能性というものは、ちょっと私は余り期待ができない。まあ二十年、三十年先は別でございますけれども、少なくとも五年、十年というタームをとって考えると、これはそう簡単にいかないし、アメリカの場合には企業も赤字、個人も赤字、こういう状態になっておる中で、財政が黒字、黒字でなくてもいいのですけれども、もうちょっと赤字が収縮をするということになる可能性については、私は余りどうもそういう可能性はないような気はしますが、そこはいかがでございましょうか。     〔持永委員長代理退席、委員長着席〕

三重野康日本銀行総裁

○三重野参考人 この点はもう先生百も御承知のとおり、一応五年なり七年の計画では順調に減っていくことになっておりまして、それが大変難しいことは私も存じてはおりますけれども、日本の中央銀行の総裁が、あれはだめだとか難しいとはなかなか言えないものでございますから、非常に、大変難しいということは先生のおっしゃるとおりだろうと思っております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 三重野総裁、どうもありがとうございました。御退席になられて結構でございます。  今の問題を今度は大蔵大臣にちょっとひとつ、お聞きをいただいておりましたでしょうから、日本の今後の問題でございますね。要するに、早速、今、明石さんがカンボジアヘ行かれまして、カンボジアも実は相当多額な費用が要るようでございます。世界は今や、アメリカもだめ、ドイツもだめ、金を持っているのは日本だけだ、何しろ日本は言えば何とかなるだろう、こういう状態のようでございます。しかしそれは、国際的な、特にアジアの、カンボジアの問題などは日本とすれば当然その辺協力をしなければなりませんけれども、しかし、財政も一応の限度があるわけでございますし、いろいろな点でこれから、あちらからもこちらからも来るのをそううまく対応ができないような気がするのですが、大蔵大臣は、これについてのお考えはいかがでございましょうか。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 今、堀先生からお話がありましたように、やはり世界からの資金需要というのは、非常に大きなものが出てきておるだろうと思っております。特に、今カンボジアの話があったわけでありますけれども、その以前にCISあるいは東欧、いわゆる社会主義経済、共産主義経済、命令経済というものから一つ大きく転換して、市場経済の扉をノックしてみて、開いたらそこは真っ暗だった、だれも手を差し伸べてくれないというようなこと、こうなってはやはりいけない。実はこの間G7でのニューヨークでの会議でも、各国から話があったのばやはりそこのところでありまして、そういう中で我々としては、お互いにパフォーマンスは違うけれども、そういったときに手を差し伸べることができるように、それぞれパフォーマンスは違うし、とる手段も違うけれども、やはりインフレなき持続可能な成長というものの路線をそれぞれのできる範囲の中ではひとつやろうじゃないかというのがおおよその合意であったというふうに思っておりますけれども、今まさに御指摘のとおりであります。  そして、私ども日本としても、今お話がありましたカンボジアからも立ち直り資金といいますか、立ち上がり資金ですか、こういったものを協力してほしいということで、日本はどちらかというと今までおくれてきたのですけれども、そうではなくて、今度は日本の場合には割合と早くこれに対して反応を示したということで、アジアに対するものについては日本みずからが責めを負っていかなければいけないことだろうと思っております。  ただ、いずれにしましても、カンボジアはまだまだこれから相当費用がかかってくるでしょうし、CISもそうでありましょう。アジアはもちろんですけれども、そのほかのラテンアメリカですとかあるいはアフリカですとか中東なんかでも必要なものが出てくるということ、これに一体どう対応するのかということが一番大きな問題だろうと思っております。昨年の暮れなんか、どたばただなんて言って大分皆さんからもおしかりを受けたのですけれども、ちょうど私が就任したあのころから、いろいろな国から呼びかけがあったという中で、やはり何かしなければいけないのじゃないのかということだったのですけれども、しかしああいうものというのはどこに幾ら出しますよ、ここに幾ら出しますよと初めから計算できればいいのですけれども、そうではなくて、新しいニーズが起こってくるということだったものですから、いろいろと党の方からも私ども御下問をいただきながら問いかけたということです。ODAだけは何とかすることはできましたけれども、そういった新しいニーズを今から先にとらまえるということは難しかったというふうに思っております。  そういう意味で、私どもはあのときにも、税調、これは私どもの党の方もそうでしたしあるいは政府税調の方もそうでありましたけれども、国際貢献というのはこれからは非常に重要であろう、しかし、これが本当に日本としてどう対応すべきなのかということは、今後財源問題も含めて考えなければいけないのだろうということで、私たちは、相当大きな要請に対してどう対応するのか、どこまで日本は対応すべきなのかということについて幅広い議論をしていただかなければいけないというふうに思っております。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 それでは、これからちょっと輸出入銀行の問題についてお尋ねをいたします。  久しぶりで山口輸銀総裁と質疑を交わさせていただくので、質疑を進めますためにはわかりやすい資料があった方がいいと思いまして、実は私の方で輸銀に資料を出していただきました。これをベースにして、これまでの輸出入銀行のやってこられたことの経過をひとつまず御報告をいただいて、その次に現在の状態についてちょっと御意見を申し上げて、その後で、余りにこういう大きなケースのことは短い話をしてもしょうがないものですから、十年ぐらいのタームで、今私がいろいろ論議をしてまいりましたことを踏まえて、輸出入銀行というのはどういうことを中心に仕事をしていくのかということを少し伺いたい、こう思うのであります。資料は皆さんの方からいただいたものを、説明がしやすいようなものを皆さんにお配りしてございますので、この資料をベースにしながら、これまでの輸出入銀行のやってこられた仕事についてまずお話を伺いたいと思います。

山口光秀日本輸出入銀行総裁

○山口説明員 輸出入銀行は昨年の十二月で四十年を迎えました。発足当初は日本輸出銀行でございましたが、一年程度でただいまのような輸出入銀行になったわけでございます。  業務の大宗は、当時の国策でございます輸出振興でございまして、ずっと輸出を中心に業務を行ってきた。もちろん輸入もございますけれども。ということでございます。  輸出と申しましても延べ払い輸出のようなものでございますし、長期信用でございますから、胎とかあるいはプラント輸出でございました。船につきましてはOECDのガイドラインで長期信用の有利性が失われましたので、だんだん衰えてまいります。それから、プラント輸出につきましては、一九八〇年代に入りましてから途上国の経済が停滞いたしますのにっれまして資金需要が衰えてまいります。それから、特にプラザ合意以降は円高が進みますので日本のプラント輸出の競争力が失われてまいります。  そういうわけで、ただいまお手元にあります資料、これは残高を示したものでございますが、その二枚目に絵がございますが、一九八〇年代の真ん中辺ごろから輸出入銀行の残高が減ってまいります。その棒グラフそのものがそうでございますが、その原因は、下の方にかいてございます輸出が減ったのとほぼ並行して全体が落ちてきているという姿が見られるかと思うのでございます。当時は輸出入の占めるウエートというのが七割から八割ぐらいあったかと思うのです。現在はその絵にかいてございますように、ここ数年再び増勢に転じておりますけれども、その主役となっておりますのはもはや輸出入ではなくて、一つは日本企業の海外展開、これは例えば前川リポートでも非常に強調された点でございますけれども、我が国経済の構造改革の一環としてのそれでございますが、海外投資に対する支援、それから輸入でございますが、特に製品輸入といった問題が摩擦回避の観点から強調されております。  そういう点がふえる、それからさらにアンタイドローンと申しまして、外国の政府とか政府機関に対して直接お金を貸し付ける、ODAの格好で貸し付けるものもございますけれども、比較的所得の高い国に対しましては私どもが市中条件で貸しておる、そういう需要がふえてまいった、こういうことでございまして、年によって差はございますけれども、総じて申せば今や輸出入のウエートはかつてと逆転しまして二割前後、そして投資でございますとかアンタイドローンというものが残りというような姿になってきているのでございます。  以上、最近における輸出入銀行の業況を概括して申し上げるとそういうことだと思います。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 皆さんに差し上げた資料の中で、実は貸付残高でみんな見ることにしたのでありますけれども、地域別貸付残高という中をずっと見ておりますと、——ちょっと計算したのがどこかに行ってしまいましたけれども、この中で非常にふえておりますところというのは、北米が最近だんだんとふえてまいっておりまして、金額として一兆一千七百五十億円。北米の方がふえているわけでありますね。そして、中南米も少しふえておりますけれども、どちらかというと、全体のバランスからしますとアジアは大体平均的にこう来ているわけでありますが、オセアニアというようなところが大変低い。アフリカはなかなか私ども手の届かないところでございます。大洋州は、今お話しのような、日本は資源が不足している国でありますから、よりここは投資をして、活性化をする中から日本が必要とする資源も輸入するというようなことはもう少し必要ではないだろうかな、こんなふうに私は見ておるのであります。アメリカは、もちろん、これまでは自動車の工場なりいろいろな工場が非常に出ていますから当然ふえてきたのでありましょうが、ここまでくると、我々は、アメリカの雇用のために日本の企業がアメリカに進出するのは大変望ましいと思ってきたところが、それがアメリカの人たちにとっては、自動車などはビッグスリーの競争相手となって、結果的にはビッグスリーが不振だということになるという点から見ますと、せっかく日本が努力をしてきていることが、我々の善意といいますか、それが必ずしも相手国にとって十分生かされていないということで、大変残念なことだと思うのであります。  私は、これを見ながら考えましたのは、日本はどうもそういうことに対する宣伝と言うと表現がよくないのでありますけれども、物事を向こうの皆さんに理解をしていただく手だてが不足しているのじゃないだろうか。要するに、いいものをつくって皆さん買ってくれればいいじゃないかというのではなくて、この間盛田さんもお話しになりましたし、私は昨年の九月二十五日の証券特の委員会で、日本企業のあり方について大分物を言わせていただいたわけでありますけれども、輸銀なんかもそういう、何といいますか、相手方の理解を深めるような仕事ももう少し一緒にやってもら一つことが非常に必要になっているのじゃないかな、こんな感じもいたしますので、今後の輸銀が対応する対応の仕方、それは国別の問題もありますし、今申し上げたような、せっかく投資をしても、その投資が必ずしもその国民に喜ばれないということであるならば、もっと投資の欲しい国にやれば、その方が我々とすれば、ある限られた資金でありますから有効性が高まる、こう思うのでありますけれども、まずその点についてお答えをいただきたいと思います。

山口光秀日本輸出入銀行総裁

○山口説明員 私どもの融資は、アンタイドローンのような直接相手国政府などにお貸しするのは別にいたしまして、投資でございましても輸出でございましても、輸入でございましても、日本の企業の活動を支援する、それもできるだけ民間の金融を補完するという形で行っているわけでございます。ただ、審査に当たりましては、例えば投資でございます場合には、相手国の事情あるいは地元の事情、そういうものがどのような態勢になっているかということは詳しく調べております。多くの場合、相手国の地方政府は大変歓迎しておりまして、例えば免税措置を講じてくれるとか、その他の融資策を講じてくれるような案件についてやっているわけでございます。それから、住民につきましては、住民感情という問題ももちろんございますけれども、そういう工場が進出した場合の環境に対する影響もよく審査いたしまして、現地における投資摩擦がないように十分注意しているところでございます。  先ほど仰せになりました地域別のバランスというか感じでございますが、この地域というのは、私が今申しましたように直接貸しの分はその地域にお貸しするわけでありますけれども、相当部分は日本企業を通じてやっているわけでございまして、最終的にどこの国が相手先であるかということで仕分けした表でございますのでございますから、例えば最近北米が非常に伸びておるというのは、ただいま御指摘になりましたように、北米に対する我が国企業の投資が伸びている。なおその勢いはかなりのものがあろうかと思います。そういうものを反映していると思いますし、それから、輸入というのは北米は実はかなり伸びているわけでございまして、先ほどちょっと触れました製品輸入でございますと九四%が北米からの輸入なんでございます。そういうわけで、やや目立った感じがあろうかと思います。しかし、伝統的な東南アジアは、輸出も輸入も投資もアンタイドローンもバランスのとれた格好で大きなウエートを占めていると思いますし、大洋州に関して言及がございましたけれども、大洋州につきましては、仰せのように主として資源輸入関係、これが投資という格好になり、また輸入という格好になる、両方の場合がございますけれども、鉄鉱石その他、最近でございますと石油あるいはガスといったような案件もございまして、かなり活発な動きを示している。まだ実らない。ものもございますので、残高という格好にならない点もございますが、そういう姿ではなかろうかと思うわけでございます。  一応そういうことです。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 実は今のお話でわかるのですが、資金が限られているわけですね。どっちにしても限られているわけですから、その資金を効率的に使うということが何としても求められていると思うのであります。最近ちょっと新聞で見たのでありますけれども、自民党の皆さんの中で、金融制度改革について、この次は輸出入銀行と開発銀行の問題を取り上げたらどうかというようなことが新聞で伝えられておりまして、そうして、輸銀と開銀を一緒にしたらいいのじゃないかというお話も出ているように新聞で承ったのです、直接伺ったわけじゃありませんけれども。しかし、私は何も輸銀や開銀の肩を持っ気はないのでありますけれども、政府関係金融機関の話ということになるのなら、要するに輸銀や開銀というのは民間金融機関と競合するようなことをやる政府関係金融機関じゃないわけですね。ところが、実質的にはそれと競合するようなことをやっておる政府関係金融機関もあるわけでございますので、もしそういうものの合理化を進めるということであれば、順序としては国民金融公庫とか中小企業金融公庫とか、こういうのは要するに日本経済の発展過程で非常に資金不足のときに公的に国民や中小企業をカバーしようというのでできてきた金融機関なものですから、そういうのは徐々に縮小しても結構民間で処理できることなんですが、やはり輸銀とか開銀というのはある意味で戦略的な日本経済の対応のために、役立てるために置かれているものじゃないのかな、こんなふうな認識を私持っておるわけでして、まず先に輸銀総裁の方から御答弁をいただいた後で大臣の感触を伺いたいと思います。——いや、銀行局長じゃなくて、輸銀の立場で輸銀総裁が言った方がいいよ。

山口光秀日本輸出入銀行総裁

○山口説明員 私は輸銀の総裁でございますので、輸銀に関してのみ申し上げたいと思いますけれども、先進各国、場合によりますと途上国を卒業しかかっている国も含めまして、各国とも輸出信用機関というのは持っております。アメリカでも旧ソ連でも持っておるということでございまして、これは国として持っている必要があるのではないかと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 御指摘の点につきましては、たしかこの委員会の議論の中でも政府関係金融機関ということでいいろいろな銀行が相互乗り入れとかあるいは合併とかいろいろなことを言われるのだとすれば、政府関係の金融機関についても触れられるべきじゃないかという御指摘があったことは私ども承知しておりますけれども、ただ開銀と輸銀につきましては、外国との経済交流の促進という大きな目的が輸銀にはありますし、産業の開発及び経済社会の発展の促進という、これはやはり別個の政策目的というものを有しているのではなかろうかなと思っております。融資の目的、対象、条件などにおきまして基本的な相違があるということでございまして、組織の統合はなかなか困難じゃないかというふうに私どもは承知しておりまして、大蔵省としては、今この検討を行っているということはございません。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 今重要な問題になっておる金融制度改革の問題が後ろに控えているわけでございますけれども、私が一つ納得しないことは、政府がいろいろな問題を提案されて、私どもが政府の人としか論議ができないというのは、日本国憲法から見ても大変おかしいと思っているのですね。ですから、これは太田委員長に特にお願いをいたしたいのでありますけれども、今後、政府提案がありますから最後は政府とやりますけれども、政府とやる前に与野党でその問題についてお互いがしっかりディスカッションをして、私は長く大蔵委員会におりますから、自民党の皆さんと私とそんなに違いがあるとは思っていないのですね、極端に違いのある場合もあるかもしれませんけれども、一般的にはかみ合う論議が結構行えるのではないだろうか、こんなふうな感じがいたしております。  今の政府関係金融機関の問題について、私は五十六年に財投問題を含めて論議をさせていただいておるわけであります。その中で、論議をしたけれどもちっとも実現しない問題が一つありました。これは何かといいますと、このテーマとちょっと違うのですけれども、住宅金融公庫の貸し付けというのがございます。この住宅金融公庫の貸し付けという中に、戸建ちのものについては土地を持っておる者に建築のための費用を財政資金から安い金利で貸す、こういう仕組みなんですね。今国民全体は、土地があれば家を建てるのはそんなに大きな負担ではないのでありまして、一番大事なのは、土地を持っているか土地を持っていないかということが一番大事なんですから、その土地を持っている人にさらに財政資金で上積みして協力する必要はないじゃないかと、私は十年ぐらい前からこの問題を言っていますけれども、これは全然取り上げられないのですね。そうして、今度の予算の中でも相当な金額がそういうところへ流れている。だから、いわゆる高層住宅になりますと、これは土地を含めてなっていますから、高層住宅に対する融資というのは公平だと思うのですけれども、戸建ちに対する融資というのはどう考えても、土地を持って極めて有利な条件にある人に財政資金でさらに協力をするなどということはどうも筋が通らないなということで公式にも主張をしてきましたけれども、なかなかこの仕組みは変わらないのですね。大臣、いかがですか、これは物事の道理の話ですから。要するに、今は土地が持てないことが最大の問題点であって、建てるだけならそんなに大したことはないと思っているのですけれども、初めて申し上げるから大臣はちょっと戸惑われるかもしれませんが、感触を。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 今お話をお聞きする限りでは、一つのお考え方だなというふうに承りました。

堀昌雄日本社会党・護憲共同

○堀委員 もう少しいろいろなことをやりたいと思いましたけれども、おおむね問題が片づきましたから、少し時間は早いのでありますけれども、今夜は大変遅くなりそうでございますので、これをもって私の質疑を終わらせていただきます。

太田誠一自由民主党

○太田委員長 沢田広君。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 夜になって申しわけないと思っておりますが、最初に関税の関係で、非常に時代的に、我が党の同志も後で質問されると思うのでありますが、今の関税業務が非常に複雑になったと一言で言われるし、また密輸入する人たちも狡知になったというのですか、うまくなったという言葉になるのですか、ともかくそういう状況が出てきているわけであります。  現在までに特に覚せい剤、コカインとかアヘンとか銃砲とか、そういうようなものが非常にふえてきているという現状は大変不安になることでありますし、社会秩序を守っていく上に非常に危険を感じていくわけであります。今の税関の体制で、この件数を見ますと、昭和六十二年から平成三年では、覚せい剤等ではそれぞれ御努力があって前年対比で減ってきてはいるわけでありますが、アヘンなどは非常に多く、ふえてきている、こういう状況も見受けられます。こういう意味において、水際で完全にこういうものを払拭をするためには、あるいはただ人数をふやすだけではだめなのかもしれませんが、どういう部分を補充してもらえばこれらの密輸入を捕捉しあるいはなくしていくということに、皆さんの専門家として見たらどの点をこうしてもらいたい、これは大臣がいませんから勝手なことを言ってもいいわけでありますから、安心して、どういうことが必要なんだということをひとつ率直におっしゃっていただきたいと思います。

吉田道弘大蔵省関税局長

○吉田(道)政府委員 ただいま先生のおっしゃったように、最近麻薬の密輸というのが非常にふえておりまして、私どもも大変な危機感を持っておるところでございます。現にアメリカは、国内問題の最大の敵ということでブッシュ大統領も麻薬問題を指摘しておりますし、最近では、アメリカの取り締まりが厳しくなったためにコカインがヨーロッパにあふれ出て、ヨーロッパ諸国でもコカインの密輸が非常に急増しているというのが実情だというふうに、私どもも各税関から伺っているところでございます。  現実におきましても、麻薬関係では非常に手口が巧妙化しております。極端な例でございますと、ゴムの袋に入れて飲み込んでくるというふうな手口もありますし、最近ございました例では、いろいろなバッグを改造しまして二重底にするとか、あるいは掛け軸の中に詰めてくるとかいう形で、非常に手口が巧妙化しているのは事実であります。そういうことから、私どももその摘発には非常に努力しておりますが、やはり根本的には、今これだけ貨物量がふえた中でその貨物の中にある麻薬を発見するということは、すべての貨物をあげない限りはできない、しかし、それは現実に不可能でございますので、ではどうしたらいいかということになりますと、まず基本的には、怪しいものが入ってくるという情報をいろいろな形で集めるということでございまして、今最大の努力をしておりますのは、私どもとしては外国との情報交換。それから同時に、先ほども他の委員の先生からも御質問がありました中で御説明しました電算化、コンピュータライズすることによって、入ってくる情報をデータベース化しまして、これで非常に怪しいというか、安全な人、正直な人はできるだけどんどん通関していただく、そのかわりに少しでも何か怪しい可能性のあるようなものはこれを選び出していくというふうな、そういう情報の整理といいますか、そういう問題。さらには、その情報がありましても、的確な情報、こういう人間がこういう貨物で入ってくるというふうな全くそのものずばりの情報というのは現実問題としてないわけでございまして、そうなりますと、怪しいものを張っておいて、実際に入ってくる貨物なり人なりについてある程度検査をしなければならない。それを的確に、迅速に検査するためには、いろいろなエックス線の装置で貨物の中を調べるとか、あるいは麻薬探知犬を使いまして貨物とかそういうものについて情報を得るとか、そういう形で、そういう麻薬情報機器と申しますか、そういうものの整備をしていく必要があろうと思います。と同時に、やはりぎりぎりの人間でやる必要がございますので、やはりある程度の必要な人員の確保ということも必要になってまいるわけでございます。  先生の御質問は、先ほど専ら麻薬の御質問がございましたが、税関では従来からの税関という言葉のように、税金を取るばかりでなく、関所の役割をしておりまして、その最大の今の問題は麻薬でございますが、それ以外にもいわゆるワシントン条約関係とか不正商品というにせものの問題とか、そういうものもあわせて取り締まりをやっておりまして、私どもとしては、今申し上げましたような情報の確保のためのいろいろな予算の措置あるいは機器の整備のための措置、さらにぎりぎりの人間の増員という形でこれに対応していこうというふうに考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 例えば、現在の状況を半分に減らすというためにどの程度の機械、どの程度の人が必要か、自信のある数字はどのぐらいということなんですか。

吉田道弘大蔵省関税局長

○吉田(道)政府委員 今の御質問は大変難しい御質問でございまして、現実に私どもの摘発しております押収量を例えば覚せい剤で申し上げますと、大口の貨物が捕まった場合には非常に大量の摘発になります。例えて申し上げますと、昭和六十二年では、覚せい剤を例にとりますと約五百キロ捕まえておりますが、平成元年ではたった九グラムしか捕まらないという、非常にでこぼこがございます。それで、これはやはり情報等によりまして、非常に大口の貨物につきましてその情報を一年とかあるいは半年とかかけて追い続けてようやく捕まった場合がその大きな何百キロというものが捕まるわけでございまして、向こうも真剣でございますから、これはなかなか毎年同じように捕まえるというのは現実問題としては非常に難しい状況でございます。したがって、今の状況を半減するにはどのくらいかという御質問は大変難しい御質問でございまして、現実に私どももそういうことで想定したことはございませんが、いずれにしましても、先ほど申し上げましたような機器あるいは人という形で対応していかざるを得ない、それによって減らしていきたいというふうに考えております。  と同時に、実際問題としまして税関で見張っておりますのはいわゆる水際と申しますか、空港とか港湾だけでございます。しかし、実際最近の覚せい剤等の密輸を見ますと、そういう税関の官署があるような場所以外の漁港等から入ってくる場合もございまして、こちらにつきましては私どもとしては全くお手上げになるわけでございます。そこで、そういう点につきましては海上保安庁と連携するとか警察と連携するとか、そういう他官庁との連携強化も私ども非常に図っておりまして、そういう形で対応するというのが今の現状でございまして、直接お答えになりませんが、そういう現状を御理解いただきたいと思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 ただ、こういうものは犯罪人の逮捕であれあるいは事件の縮減であれ、あらゆる原因があるわけでありまして、原因というものがわかってくればその傾向というものもおのずからわかってくるわけですね。ただ抜き出しだけやっているだけで向上することにはならない。また、人だけでこれは向上するものでもあり得ない。  若干私から意見を申し述べさせてもらえば、やはりプロジェクトをつくって、今までの五年なり十年の、経済情勢が変わりますからやはり変動値をつけなくてはなりませんが、相手国の国情、難民、そういうものと日本の国との関係、そういうものをある程度推測しながらどういうものに目をつけていくか、そういうプランをつくって対応していってみたらどうか。それは天気予報みたいなものですから、当たらない場合ももちろんあると思います。あるかもしれないけれども、そういうプランの中で追及していく、検討して研究していくという姿勢がなければ、これは漫然と見逃すことになりかねないというふうに思います。  苦言になったかと思うのでありますが、やはり国民の生命にかかわることでもありますから、この辺は今までの流れというものはこういうコンピューターに入れれば出てくるのですから、だからそれを入れてどういう傾向になってきている、それから品物にはどういうものが隠される部分が多いか、そういうものをある程度結果として出して、それから将来を推測して、言うならば摘発の手法というものをつくっていく。何通りかになるだろうと思うのですけれども、やはりそういう知恵を必要とするのではないかという気がいたします。これはお答えいただかなくても結構ですが、機材と人員というものは、一人の人員によって何万人かの人間に影響してくるわけですから、それは大いに次官も大蔵大臣に後で言っておいてもらって、その点を十分配慮していただきたい、こういうふうに思います。もし決意のほどがあれば、プロジェクトをつくってという一つの私の案ですが、これはやはり研究しなくてはいかぬだろう、こう思うのですが、どうでしょう。

吉田道弘大蔵省関税局長

○吉田(道)政府委員 先ほど先生がおっしゃいました最近の特に麻薬に関する危機感というのは全くおっしゃるとおりでございまして、これに対しては国を挙げて対応しませんと、ヨーロッパがまた最近厳しくしておりますから、自然の傾向として日本、特に豊かな日本に流れてくるという状況にあることは事実でございます。そういう意味で、私どもとしましてもこれは税関だけでできる話ではございませんので、先ほど申しましたような関係省庁と緊密な連絡をとりながら、できるだけ水際で押さえるというために最善の努力を図っていきたいと存じております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 通産省、来ておられると思いますが、大蔵の方ではノンバンクの現状というものに照らして、これも言葉が悪くなりますが、百鬼夜行という形になったのではまずい、やはりある程度の秩序立った金融業としてそれぞれ努力してもらう必要がある、そういう願いを持って貸金業法の中に入れましたが、今日のような状況では、単に土地ということだけにとどまらないという観点から、各党にもお話をしてきたわけでありますし、また各党においてもそれぞれ好意ある意向は示されておりますが、一番の通産関係で、これは議員を含めてでありましょうけれども、大変反対をしているという、これも間違っておったらまた後で直さなければなりませんが、意向もあるやに聞き及んでおります。これはそれぞれの党内の問題であると言ってしまえばそれまででありますが、やはりこれも国民経済の重要な一面を担う、今や九十八兆というような金額にもなっているわけでありますので、ゆゆしき問題ととらえなければならない。通産省としては現状をどういうふうにとらえているのか、まずその点、御説明をいただきたいと思います。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 お答えいたします。  いわゆるノンバンクと呼ばれております貸し金業者、この貸し金業者のうちリース会社あるいは販売信用を担当いたしますクレジット会社、ここにつきまして、かつての金融緩和期におきまして貸し金業務が拡大してきた、そのような事実があるわけでございます。  これらの会社につきましては、私ども通産省より、それぞれの関係いたします業界に対しまして、投機的な土地取引に対する融資の自粛の要請など、機会あるごとに業界の健全な発展を求めてまいっておりますし、また業界におきましても、投機的な土地関連融資についての自粛措置を講じたり、あるいは審査体制の強化など業務体制の見直し、そのような自主規制を行ってきているところでございます。  私ども通産省といたしましては、不適切な貸し金業務、これがリース業あるいはクレジット業の経営に悪影響を及ぼさないよう、今後とも一層適切に指導してまいりたいと考えておるところでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 例えば共和が倒産しました。この共和の倒産の内訳はどういうふうになっていると考えておりますか。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 お答えいたします。  共和に関します数字について、貸し金業務に係るところでございまして、私ども、リース業、クレジット業を所管しております通産省といたしまして、その数字を正確にとらえておるわけではございません。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 せめて、あなたがノンバンクの担当者だったら、ノンバンクから借りていた分は何%ぐらいになっていたかぐらいの答えはできていいんじゃないですか。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 私ども通産省といたしましては、リース会社におきますリース業務あるいはクレジット会社におきます販売信用に係りますクレジット業務、これを所管している、そのような立場でございまして、共和に関します貸し金業務につきましてその正確な数字を把握しておるわけではございませんので、その点、御理解をお願いいたします。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 結局、ノンバンクなどからどのぐらい借りていたかということを見て、ノンバンクをどうしようかということを考えなければならぬでしょう。どうですか。もし目の見えない子供が生まれたとすれば、その見えない子供をどうやって目をあけるようにしようかと考えるのは当然じゃないですか。それはどうなんですか。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 繰り返しになりますけれども、私ども、リース会社におきますリース業務それからクレジット会社におきますクレジット業務、そこを所管しているところでございまして、そのような観点から申しまして、貸し金業務につきましてその数字をきちっと把握しておらないということを御理解いただきたいと思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 そうすると、信販とかそういったリースだけで、その他の貸し金、不動産貸し付け等その他の金融貸し付けについては通産としては関知しない、そういうふうに受け取ってよろしいですか。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 私ども通産省が所管をしておりますのは、リース業務と販売信用にかかわりますクレジット業務でございまして、そのような意味におきまして、貸し金業務については私どもが所管しているところではないわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 そうすると、リースの関係等が別の枠に入れば、大蔵の方でどういうふうに決めようと通産の方は文句は言わない、所管外だからそれは御自由に、こういうことになるわけですね。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 私ども通産省が所管をしておりますのは、リース会社の行っております。務のうちのリース業務それから一般にクレジット会社と言われております会社のうちの販売信用にかかわりますクレジット業務でございまして、そのような意味におきまして、貸し金業務につきましては私どもの所管ではないということでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 じゃ、若干そちらの方に問題がいきますが、今カードは大体どのくらい出て——時間の関係で私の方で言いますと、大体六千万枚ですね。出ておる数字は、大体六千万枚ぐらい出ております。そういう状況の中で、金額で見てもJCBが一番多いわけでありまして、あとはジャパンあるいは住友、UC、こういうようなことです。JCBが年間二兆三千四百二十七億、ジャパンが一兆八千二百七十七億、UCが一兆五千三百十億、DCが七千百億、MCが四千九十億、ダイナースが二千五百九十二億、こういう数字になってますね。  それで、個人倒産は今どのくらい出ておりますか。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 お答えいたします。  いわゆる自己破産と申しております数字に周しましては最高裁判所におきます数字があるわけでございますけれども、昨年一年間の自己破産数は、その最高裁判所の数字によりますと二万三千人余りというふうに把握をしておるところでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 委員長、きょうこういう質問をしますに、通産大臣に来てもらった方がいい、内容もこういうノンバンクを立入調査することの是非ですから、こう僕は言ったわけですよ。そうしたら説明員だと言うから、説明員じゃだめだと。予算委員会は出るけれども大蔵委員会は出られない、こう言うのですね。こんなばかな話、委員長の、歳入委員会の権威にもかかわることなんですよ。それは例えば大臣でなくとも、少なくともそれに近い人が——大蔵委員会には大臣は出ないことになっています、そういうのが職員の口から出てくるということは極めて遺憾なことだと思うんです。例えば、そうであってもなくても、進んでみずから問題を解明するというのが、何も大蔵委員会じゃない、これは国民に対する答弁ですからね。そういう姿勢が、これはやはり自民党さんにも内部的にチェックしてもらう必要があると思うんですが、歳入委員会に対する権威にもこれは関することなんであって、大蔵大臣も今来られましたが、通産大臣が来て、ノンバンクについてはもし反対するならやはり答えるぐらいの熱意がなかったら、これは話にならないと思うんですよ。そうでないと、やはりこれは我々はどうしてもひねくれて物を考えがちでありまして、よほどこれは手が回っているのかなというふうに、それだけ顔を出したくないというのはよほどのことがあるのかな、こういうふうに勘ぐらざるを得なくなってくるわけで、そういう意味において、説明員の方自身には、遅くなったからもうみんな帰れ、おまえ出ろ、こう言われたのかもしれないけれども、それにしてもこれは大蔵委員会に対する一つの侮辱ですよね。ですからこの点、委員長においても善処されることをまず一つ、こういうことのないように、また、必ずしも大臣でなくともいいですが、次の責任者なら責任者が出てきて述べる、そのくらいの誠意があってしかるべきだ。まずこの点、委員長のお取り計らいをお願いしておきますが、お答えいただきたいと思います。

太田誠一自由民主党

○太田委員長 よく承りました。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 承っただけじゃなくて、理事会に諮るなり何かして、やはり理事会の、こっちの強硬な意見で出てくるのですから、大蔵委員会はそれじゃなければもう審議できませんというぐらいのことでなかったら、大蔵委員会の権威はなくなりますよ。そういうことで、ただ考えるだけじゃなくてひとつ行動してください。その大きな巨体をもって行動していただくことを願います。  大蔵大臣来ましたから、食後には悪いと思いますが、この間の私たちの大蔵委員会に二十七、八分おくれられて来ました。こちらは大蔵委員が皆待っていた。なかなか大臣が来ない、どうしてだと言ったら、各党にあいさつ回りだ、これもいかがなものかと思うんですね。もしそういうことだったら、やはり正規の委員会はこれはあいさつよりも優先ですよ。ですから、それならそれのように国対なら国対に言って、大蔵委員会が控えているからあいさつは失礼いたします、そう言って堂々と大蔵委員会に出てくるのがこれはやはり礼儀だと思うんですね。そういうのもやはり大蔵大臣自身が大蔵委員会を軽視しているのかな、なめているのかな、こう思わざるを得なくなりますから、その辺の誤解を与えないように、これは理事が悪いといえば理事が悪いのかもしれませんけれどもね。かもしれませんが、そうしておきましょう。そうしておきましょうが、今後はそういうことのないように、これもお願いをいたしておきます。やはり公式の会議ですから、これは尊重していかなければならぬ。  大蔵大臣、今ノンバンクの問題をやっているわけですが、我々も貸金業法の改正以来もう四年か五年になりますが、苦労しながら今日に至りました。しかし、いまだにノンバンクの中で立入調査権の、前に一応決定したのでありますが、四十二条の、会期が非常に迫ってましたから、不動産だけに限るとか、何かそういうような部分的なものになってしまいました。せっかく、竜頭蛇尾ということになりますので、何とかこの現状を考えますと、これから申し上げますが、通産省はカードの関係だけだと言うから、じゃほかの金融の貸し付けは大蔵省の所管である、その辺からまず大蔵、銀行ですか、銀行局から、その線引きはどちらの権限で何をどちらがやっていくのか、その辺ひとつお答えください。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 先ほどの通産省の説明につきまして多少補足をするような話にもなるわけでございますが、このノンバンクが行っております行動のうちのいわゆる貸金業につきましては、この貸金業規制法がカバーをしておるところでございます。この貸金業規制法のカバーしておりますものは、一つの会社の中の貸金業という営業活動のみでございます。そこのところが、一般の銀行法その他免許業種のように、行い得る事業の全部を確定して、したがってその会社の業務の全般について監督をするという立て方になっておりません。  現在この貸金業規制法によれば、貸金業は登録によって営むことができますが、その会社は別に、その貸金業に専念する、つまり貸金業以外の業務をやってはならないということではございませんので、先ほど通産省から御説明がありましたように、リース事業もやり、会社によってはクレジット事業もやり、ただし、あわせて貸金業も登録によってこれは営むことができる。その貸金業の事業活動につきましては、これは貸金業規制法の飾疇に入るわけでございまして、この貸金業規制決を事務的にお預かりしておりますのは大蔵省である、そのように私どもは考えておるわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 例えば、日本信販は通産省の関係ですね。しかし、通産省の関係といっても、借入金の内容を見れば、長銀が九百六十七億、東洋信託が六百九十億、日本生命が六百四十八億、太陽生命が六百四十三億、農林中金が六百一億、興銀が五百五十一億、明治生命が四百二十三億、三菱信託が三百四十億、いずれもこれは銀行ですよ。いわゆる信販といえども、その中身を見れば、金融機関がすべてこれを出している。しかも短期では、三和銀行が千百十七億 富士銀行が八百四十四億、三菱銀行が五百六十億、千葉銀行が三百五十三億、東海銀行が九百三十四億、太神三井が七百六十八億、それから第一勧銀が五百四十億、これも全部金融機関ですよね。だから、カードの関係は私の方の所管ですというふうに言うけれども、結果的にはこういう短期であろうと長期の借入金の内容でも、体の中は全部銀行なんですよ。金融機関なんですよ。問題は、それでカードを発行しているというだけのことであって、だから、それでも金融機関の所管にしても差し支えのない、銀行の経営を考えたり、銀行が社会的な公正というものを守るという立場には、当然それが介入されるんだろうと思うのですね。その点はいかがお考えですか。——銀行じゃないんだ。これは通産の方にお答えいただきます。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 お答えいたします。  クレジット業務に関して申しますと、私ども、その販売信用にかかわりますクレジット業務を所管しているわけでございまして、これは消費者の方にそのクレジットを与えるという、そにに着目いたしまして私どもが所管をしているということでございまして、その資金調達をする先がどういったところであるのか、そういう観点から私どもの所管が分かれているわけではないということでございます。したがいまして、その販売信用にかかわりますクレジット業務につきましては私ども通産省の所管でございまして、もう一つの貸し金業務を行うところに関しましては大蔵省の所管といつふうに整理がされているわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 そうすると、カードの方は私の方だとは言ったけれども、要すればクレジットカードになって販売をしていくという業務の分野が通産の管理であって、その会社の中身についてはこれは大蔵の管理になる、こういうことで解釈していいですか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 御指摘の点に正確にお答えできるかどうかという問題はございますが、それぞれの会社の事業活動には当然必要な資金を調達しておるわけで、その資金は通例、日本の金融市場の現状から見ますと、銀行なり金融機関が供給する部分が甚だ多いわけでございます。したがいまして、その事業活動が何業であれ、資金供給先としてはそれは金融機関の占める役割が甚だ多いわけでございます。  ただ、通産省の方から説明をしておられますように、クレジットとかリースとかそういう事業活動は通産省が所管であると考えられておるわけでございまして、その事業活動を賄うに足る資金調達はどうするかというところまでは、これは例えば一つの会社が貸金業も行い、それから信販も行っているというときに、それぞれの資金調達について経理区分が截然と分かれているわけではございませんので、現状では、その資金調達についてどちらが所管しているんだというようなことはなかなか一義的には申せないわけでございます。  ただ、貸金業につきまして、これはアンケート調査でございますが、貸金業部分の事業資金の原資を調査いたしましたところ、主要三百社については約八割が金融機関だというアンケート調査は私どもの方で作成しております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 これは関係ないというわけにいかないんですね。今日みたいに、資金不足をして、金融機関の借り受けもできないで倒産の憂き目を見るような世上ですね。しかし、こういうクレジットみたいなところへ貸し付けていった金がそのまま内部で留保されていて、そして一般の民間企業の方にもしその分が回らなければ、これはやはりその同じ議論になっていくわけです。  例えば日立を見ましても、これは長期は安田火災があります。富士銀行、それから東洋信託、安田信託、興銀、日債銀、農林中金、それから東銀、日立製作所。あとは短期は、第一勧銀、東海、農林中金、富士銀行とか、こういうふうになっていますね。  だから、全体の金融資本そのものを見たときには、これはカードの関係の銀行借り入れの分だから立入調査とかの該当にならないということにはならない。やはり、当然その銀行の一環として貸し出しをしているわけですから、銀行の中において東洋信金みたいなことになってきたりなんかすれば、その分の出ているものが対象になっていくことは当然じゃないですか。だから、これは通産の管理だ管理だと言っているけれども、それはまあ皮の方だけの問題であって、中身自身はやはり当然これの対象になっていくということが筋道じゃないんですか。どうですか。あくまでも頑張りますか。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 お答えいたします。  リース会社あるいはクレジット会社におきます貸し金業務、これがかつての金融緩和期にふえてきておったわけでございます。先ほど御答弁申し上げましたように、これらの各社につきまして、例えば投機的な土地取引に関しましては融資の自粛を通産省から求めるなど、その健全な発展を求めてきたわけでございますし、また、その業界の方におきましても、一連の自主規制措置を行ってきているわけでございます。したがいまして、リース業務あるいは販売信用にかかわりますクレジット業務、ここを所管いたします私どもといたしましては、不適切な貸し金業務がその経営に悪影響を及ぼすこと、リース業、クレジット業の経営に悪影響を及ぼすことがないように、今後とも一層適切に指導してまいりたいと考えておるところでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 結論的に言って、例えば立入調査等を行われても別に支障はないのでしょう。どういうマイナスがありますか。立入調査等を行われても別に問題はないでしょう。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 お答えいたします。  今先生御指摘の点につきましては、貸金業規制法にかかわります立入調査の御指摘かと思いますけれども、この点につきましては貸金業規制法の検討の中で今後検討がなされるものというふうに考えておるわけでございまして、私ども、リース業あるいは販売信用にかかわりますクレジット業を所管しておる通産省の立場から申しますと、繰り返して恐縮でございますけれども、不適切な貸し金業務、これがリース業、クレジット業の経営に悪影響を及ぼさないよう、引き続き指導してまいりたいと考えておるところでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 じゃ、大蔵省というか、これは法律ですから、あなたの方で調べることはできるのですよ、法律で。何もあなたの方だけやらせないと言っているんじゃないのですよ。それは国の機関の一部なんですから、どっちもやろうと思えばできるわけですね、立入調査。あなたはこういうのはやりたくないのですか。苦手なんですか。

寺坂信昭通商産業省産業政策局商政課取引信用室長

○寺坂説明員 お答えいたします。  先ほど銀行局長の御答弁にございましたけれども、その貸金業規制法について今大蔵省が所管をされまして、その法の運用に努められているところでございます。私どもがその貸金業規制法に基づきます……(沢田委員「嫌なのかどうか言ってくださいよ」と呼ぶ)そこに関しまして、通産省として法律を所管しているわけではないわけでございまして、ちょっと今、この段階で通産省が貸金業法に基づきます立入調査はする形になっておらないわけでございますので、その点御理解をいただければと思うわけでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 する形になればやってもいいという意味だと解していいですか。

土田正顕大蔵省銀行局長

○土田政府委員 貸金業規制法につきましては大蔵省が事務をお預かりしているところでございます。この貸金業規制法の今後の改正方向については、これまでと同様に与野党の間で活発な議論がなされるものと思いますし、私どもはその議論のお手伝いを申し上げたいと思っております。その際の政府部内の意見調整につきましては、通産省その他いろいろ関心を持つ役所があると思いますが、大蔵省の方でよく相談をさせていただきたいと考えております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 もう相談の段階は過ぎちゃったのですよ。だから今詰めているのです。今、結果では嫌じゃない、そういう形ができればやってもいい、そういうことですね。まあ嫌だとも言えないんだな、実際には。だから、そういうことでやってもいいということを、これは大臣の代表で来ているのだから、それで大臣からしかられたらやめる以外にないのだよ、いいかい。そのつもりで腹をくくって、あなたの答弁は確認をしていきたいと思います。ですからこれは、法律ができたら通産にも話をつける、それで、あなたはあなたできょうは大臣のかわりで答えたのだ、こういうことを銘記して、寝られなくなっちゃ困るだろうけれども、とにかく銘記して、あとは結構ですからお帰りください。  それからあと一つ、大臣が来られたところで、今証券の方で飛ばしという言葉が、先ほどもちょっと質問がございました。それで、今求めているのはその資料なんですよ。我々は飛ばし、こういう言葉ですべて言っておりますが、一つにはかご抜け詐欺だなどという言い方もあるでしょうし、一つには談合ということも言えるでしょうし、とにかくいろいろな言い方がされるわけです。要すれば一つの債券なり証券なり、それが損失補てんがされなかった、これはけしからぬ、だからこれはほかの者がされたようにおれも損失補てんをしてもらいたい、一たんそう言うんだと思うのですよ。しかし、もうこれはできません、もう法律もできました、なおできません、こう答えるわけです。そうすると、先ほどの答弁では特定の個人、保険業では代理する者は会社を代表するとなってますが、しかし証券の方ではそこまでいってないが、その特定の個人が個人と約束したんだから、それは会社が弁償するのは当たり前だという一連の答弁をしていました。しかし、それを持っていくのがわざわざその地元でない、大阪の方へ持っていったり山口の方へ持っていったり、わざわざ逃げるような場所へ持っていって、そしてわずかな期間で話をつける。そういう訴状や、これは法律を破られているのですから大臣、社会正義にこれは反するのですよ。弁護士さんも社会正義に反している行為なんですよ、そういうことをもし知っていてやったとすれば。ですから、会社もそうでしょうけれども、その個人と名のる者に裁判をさせて、そして負けたからといって会社が払う、そんな甘いものですかね。会社は法律上出せません、こう言っている。ところが、和議になったから、人が死んだってこんなに二百八十とか三百なんてお金が簡単に和議にはなかなかならないですよね、今の時代。それがこう簡単に示談になってしまう。常識ではこれは考えられないのですね。だから今、全部で百八十件ぐらいあるそうですね。その件数ぐらいは、どこの担当ですか、証券局、わかりますか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 現在といいますか、証券会社がお客とトラブルになって訴訟になっている事件につきましては、その訴訟が提起されましたときに報告を徴求しておりますので、件数はわかります。  昨年の一月以降の数字を申し上げますと、ことしの三月三日現在でございますが、全証券会社で訴訟になりました案件が二百三十五件ございまして、損害賠償請求額は三百十四億でございますが、ただ、これのかなり多くの部分は個人の投資家とのトラブルが多いわけでございます。いわゆる飛ばしと言われておりますのは、これは企業との関係でございまして、この中でいわゆる飛ばしというものがどの程度あるかという点についてはまだ完全に把握をされておりません。ただ、この中にそういうものも含まれておりまして、そういうものが訴訟になり明るみに出る、あるいは訴訟の中で和解が行われているというようなことで解決されているものもあるわけでございますが、いずれにいたしましても、株式市場が低迷しておりまして、非常にたくさんの訴訟が個人投資家あるいは法人から提起されているということは事実でございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 極めて遺憾な状態なんでありますが、それで、一応答弁は、こういう行為が行われた内容を明らかにする義務があるというのが今とりあえずの問題点だというふうに認識しているわけですね。それは法律行為だから、司法行為だから、法律にかわった措置をとっても有効であるということは、それは一つの理屈としてあると思うのであります。しかし、その中身が、どちらに原因があるかは別といたしまして、社会正義に反するということになれば、会社であれあるいは個人であれ、あるいはその販売をした人であれあるいは弁護士でもあれ、とにかく社会正義に対してある一定のものをしなくちゃならない。どこがそれは原因なんだろう、これは迷うんです。大臣はわかりますか、これ。例えば、この間のあれで東急なんかのが出ておりますけれども、ああいうのでどっちが、だれが悪いんだろうなんて大臣は考えたことありませんか。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 飛ばしの実態というものが一つずつ明るみに出てきたということ、そして我々、普通の常識でございますと、確かにこういうことを実際にあっせんしたりなんかしたということ、これはまさに社会正義にもとることであるということでありますけれども、大体今お話があったように、それぞれがちゃんと名のある企業であり、しかもそういった皆さん方がそういったものを扱っていらっしゃる方たちなんで、一体、やっぱり自己責任といいますか、そういったものなんかを考えたときに、これ、一体どうなのかなと、私も率直に、頭を痛めるというより、どういうことなのかなとやはり考えさせられるということも先生と全く同じでございます。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 そう考えた場合に、やっぱりこういうものが二度、三度起きる、あるいは今後またずっと何がに問題があって続いていくということは大蔵行政としても望ましくないし、社会秩序という意味においても、社会正義という上においても望ましくないとお考えでしょう。まあ、首を縦に振っていますから同意した、こういうことになる。  そうすると、やはり内容を、お互いがどういう訴状で、どういうまた片方のいわゆる返事をして、どういう和議になって裁判官が認定したのかということの経緯を知っていく必要があるんですね、再び起こさせないためには。ですから、それらの内容については大蔵委員会の方に、一応これは委員長と当局と大臣ということになりますが、一応要求して、百件もの、前に出ていることでもありますから、そのやっている内容について、とりあえず成立したものだけでもいいですからお示しをいただけるように、これは大臣に使い走りさせるようで申しわけありませんけれども、そういう意味ではありませんけれども、やはり内容を明らかにするということをひとつ我々はやっていかなくちゃならぬと思いますので、この点御努力いただきたい、こういうふうに思いますが、いかがでしょう。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 確かに御指摘のとおりでございまして、私どもも、訴訟になり和解あるいは調停といいましても、その中身について十分チェックをして事実関係をはっきりさせないと、それが証取法上どういう問題があってどういうふうに対処しなければいけないかということがわからないわけでございますので、御指摘のようにできるだけ事実関係を明らかにし、可能な限り明らかにこの場でお示しをしたいというふうに努力をしたいと思います。特に、訴訟中で相争っているものにつきましては、これはなかなか我々としても判断がしにくいわけでございますけれども、終結をしたようなケースにつきましてはできるだけ事実関係を明らかにお示しをしてまいりたい、そういうふうに努力したいと思っております。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 初めて前向きの答えが出たようでありますが、この程度なのかもわかりませんが、ひとつ……。  それでもう一つは、回答を出していただくとともに、弁護士法では、何人も不公正な、社会正義に反する事件に携わったときには日弁連、日本弁護士連合会にその注意を喚起したりあるいは勧告をしたりあるいは除名をしたり、そういう処分を請求することができるというふうになっていますね。これは証券局は御存じですか。

松野允彦大蔵省証券局長

○松野(允)政府委員 弁護士法につきましては私ども直接所管をしておりませんので、事実関係を調べ、かつ、その事実の中に弁護士がどういう関与をしていたかという点も含めて、所管をしております担当官庁と相談をして対処してまいりたいと思います。

沢田広日本社会党・護憲共同

○沢田委員 ちょうど十分前なんですが、大先輩が、非常に夜につきお疲れだろうというので短縮しました。私ももちろん協力しなくちゃならぬのですが、その分はまた後でひとつ補償してもらうようにお願いして、以上で私の質問を終わります。

太田誠一自由民主党

○太田委員長 富塚三夫君。

富塚三夫日本社会党・護憲共同

○富塚委員 私もできるだけ簡潔に問題点を質問いたしますので、誠意ある答弁をお願いいたしたいと思います。  関税定率法等の一部を改正する法律案の中で、税関に働く人たちの労働条件と港湾労働者の問題について質問をさせていただきます。  議事録をめくってみますと、平成二年三月二十七日、第百十八回特別国会の大蔵委員会で、当時の橋本大蔵大臣は次のように答弁しています。  実は、大蔵大臣を拝命して所管事項の説明を受けた中で、私自身しまったと思った問題の一つが税関職員の数の問題であります。もともと行政改革の中で私は定員を切り込む方を主として自分の仕事としてまいりました。大蔵省の場合に、国税定員については頭の中にはありましたけれども、実は税関というものは余り私の脳裏にはなかったのであります。それだけに、現況を見てみまして、確かにこれは率直にしまったという感じを持ちましたと答弁をされているわけです。  率直に反省していらっしゃるという点では当時の橋本大蔵大臣らしかったわけです。私も好感を持てますが、しかし冷静に考えてみると、これでほ税関に働く人たちはたまったものじゃない。そんなに我々の職場は軽視されているのかと、同じ大蔵の所管の中でもそう思うことになります。  羽田大蔵大臣はどのような認識に立っておられるか、お尋ねをいたしたいと思います。

羽田孜自由民主党大蔵大臣

○羽田国務大臣 私も、実は近々税関を視察させていただくということになっておるのでございますけれども、今までは、例えば外国に行くときなどに税関に寄らしていただきながら、あそこで扱っているもの等につきまして見せていただいて、これは大変な仕事だなということを思わされたものであります。  特に最近ですと、麻薬ですとかあるいは銃砲等の密輸入の摘発ですとかあるいは防圧等に非常に重要な仕事を行っておるということで、その点を私どもは認識をいたしております。そこへ加えまして、今度ワシントン条約の該当物品の取り締まり、こういったものなどの要請が非常に強くなってきておるということであろうと思っておりますし、また輸入を促進しなさいという中で、この輸入の業務についても関税の仕事を迅速にやれというような要請が実はいろいろな国からも来ておるということでございまして、今後とも税関の重要性ということ、また大変な仕事であるということについては、さらに厳しくなってくるのかなという認識を私は持っておるところであります。  そういうことなどがございまして、四年度におきましては、御案内のとおり八十四人の増員を認めていただいておりまして、ただ全体では六十四人を減員するということになっておりますから、ネットでは二十名という純増になっているのじゃなかろうかというふうに思っております。  私どもは、現在の厳しい行政事情というもの、そしてそれに携わる皆さん方の厳しさというものもよく念頭に置きながら、やはり必要な人員というものを確保していく必要があろう、これはそれこそ行管の方でも御理解をいただけるものじゃなかろうかというふうに私は思っております。

富塚三夫日本社会党・護憲共同

○富塚委員 税関労連の統計によりはすと、出国者の数が、昭和六十年は千四百五十二万、平成元年は二千五百三十万、三年には三千万人を突破する。また、輸出申告件数は、六十年の二百六十四万件、平成元年が四百九十七万件、平成三年が五百四十三万件とふえているのですけれども、税関の予算定数の推移は、六十年に七千八百十三人、平成元年七千八百九十六人ですか、平成三年が七千八百七十六人。二年続きで一人だけふえただけで、おっしゃったようにことしは二十人、こういうふうになっているのですが、ちょっとこれではひど過ぎるのじゃないか。その根拠は一体どんなものなのか、ちょっと大蔵省の方にお尋ねしたいと思います。

吉田道弘大蔵省関税局長

○吉田(道)政府委員 ただいま先生おっしゃいましたように、平成二年は十一人の減員でございまして、三年にようやくプラス一、そして本年、今予算要求で御審議をいただいております中では二十名の純増になるという要求になっております。ただ、今まで、昭和五十四年までは、税関の業務は増員を続けてまいりましたが、五十五年以降減員が続いてまいりまして、たまたま平成元年から消費税の導入がありまして、そのために輸入品に関しまして消費税をかけるということから、元年に百五十五人の純増、それから二年、三年もその関係の増員がございました関係で若干の増員があったわけでございます。  ということで、そういう特殊要因を除きますと、ここ五十五年からむしろずっと減員が続いていたわけでございまして、私どもとしてもできるだけ業務の、先ほど先生がおっしゃいましたように、業務量は大変な勢いで伸びておりまして、これは人ばかりでなく貨物も同様でございます。そういうことで、私どもとしては、とにかく機械化をして業務の効率化を図る、それからまた、できるがけ重点化をして余計な仕事はできるだけ減らす、それでも足りない分を増員でお願いしたいということで努力をしてまいりました。  それで、今回純増二十人ということが査定当局で認められました中身としましては、先ほど大臣からも御説明申し上げましたように、麻薬取り締まり等の関係で、今度麻薬二法の関係でコントロールドデリバリーという大物を捕まえる仕組みが入ります。そういう関係、それから迅速化のための事前教示といいまして、できるだけ輸入する事前にいろいろなことを御説明する、そういうような仕組みとかを導入するための増員、さらに成田空港の第二旅客ターミナルビルが今年末からターミナルビルだけ稼働し始めますので、その関係、こういうものの理由で二十名の純増という査定があったわけでございまして、そういう意味ではここ数年来、確かに絶対量としましては全くおっしゃるとおりでございますが、ここ数年来から見ますと、全く画期的な増員であったわけでございます。私どもとしては、この状況をさらに引き続き努力しまして、定員の確保に最大限の努力をしていきたいというふうに考えております。

富塚三夫日本社会党・護憲共同

○富塚委員 さきの委員会のときに、同じく当時の橋本大蔵大臣は、定員削減という方針は確実に堅持しながら必要な部署にはどういう形で増員できるのか、総務庁長官に私から尋ねてみたい、こう答弁をしているのですけれども、一体総理府はどのようにこの定員査定基準あるいは現状の税関要員についての認識を持っておられるのか、お尋ねをいたしたいと思います。

木村幸俊総務庁行政管理局管理官

○木村説明員 先生のお尋ねでございますが、二点ございました。  そのまず第一点の定員査定の考え方についてでございますが、国家公務員の定員管理につきましては、従来から政府全体の総定員の膨張を抑制しつつ、行政の各部門ごとの行政需要の動向に対応して定員の適正配置を強力に進めていくという方針で臨んできているところでございます。各年度の定員査定に当たりましては、各省庁の要求を受けまして、それから政府の予算編成方針のもと、行政需要の動向、それから行政の適正かつ円滑な運営等の観点を踏まえまして、関係省庁とも十分御相談の上査定することとしております。  次に、第二点目の税関についてのお尋ねでございますが、先生の御指摘にもございましたように、輸入申告件数の増加、それから入国者数の増加等、その業務量の増加が見られます。航空貨物それから海上貨物、通関の電算処理化や業務の重点化等によりまして、一方で事務の効率化を進めつつ、なお必要とする増員につきましては、関係当局と御相談の上、輸入通関事務とか社会悪物品監視取り締まりに係る要員を中心といたしまして、厳しい定員事情のもとでございますが、所要の増員措置を講じてきているところでございます。今後とも厳しい定員事情のもと、関税行政の円滑な執行の確保の観点から適切に対処してまいりたい、このように考えているわけでございます。

富塚三夫日本社会党・護憲共同

○富塚委員 私たち社会党にも税関労連の代表の方からいろいろ要請を受けましたけれども、一層の定員の確保とその処遇の改善を求めたいという意味で、特に最近麻薬、けん銃、覚せい剤などますます悪質、巧妙化する社会悪物品の水際での阻止をするための必要な要員、あるいは旅客、輸出入貨物の増加に対応できるように、また旅客、輸出入貨物等の迅速かつ適正な通関及び的確な税収を行うための要員、そして職員の健康と安全の維持できる要員を考えていただきたい、こういう要請なんです。  そこで、御説明あったように、ことしは純増で二十人だということなんですが、実際にこういうふうに、これは新聞の切り抜きでも、いろいろな犯罪行為が報道されているわけですけれども、やはり現地に働く人たちの意見を率直に聞いて対処してもらうということが必要なんじゃないかという点で、これからぜひひとつ、働く人たちの代表の意見を大蔵省も聞いてもらって、そして十分納得のいくような線でやっていただきたいというふうに思いますが、その点についてどうでしょう。

吉田道弘大蔵省関税局長

○吉田(道)政府委員 先生おっしゃるとおりに、私ども税関も組織でございまして、組織は人だと思っております。そういう意味で、私ども、職員組合とも非常に頻繁に交渉、あるいは窓口で要請を受けるということをやっておりまして、私も関税局長交渉という形で交渉もいたしますし、また、全国にもつの税関がございまして、この税関でも税関長交渉をやっております。と同時に、窓口におきましても御要望を随時お聞きしているということでございます。今後ともこういう正常な労使関係を維持しながら、税関行政の適正な執行の確保に努めてまいりたいと存じております。

富塚三夫日本社会党・護憲共同

○富塚委員 もう一つ、港湾労働者の立場からの問題提起と要求の問題なんですが、関税定率法を改正する法律案の中で、保税地域制度の改正が港湾に働く人たちの職場を狭めることになるということを懸念して、これは大変心配をして、反対をするという立場を実はとっています。既に通産省提出の法案は先週衆議院を通過いたしておりますけれども、私たちは、やはり港湾労働者が心配をしていることについてどこまで政府が、大蔵省が理解をして、そして解明をして協力してくれるかという立場で若干の問題点を質問してみたいと思います。  一つは、保税地域の拡散は関税行政の根幹にかかわるのではないかという懸念がある。というのは、覚せい割あるいはけん銃など社会愚物品の流入が増加し、関税犯罪がさらに多発して国民生活に影響するのではないかという点で、輸入促進地域全体を今回の改正で総合保税地域制度に指定することは、その懸念がさらに大きくなるのではないかという点で、大蔵省は、その社会愚物品の密輸入取り締まりの強化について、税関の今の職員の問題でも提起しましたけれども、どのようにこのことを考えていらっしゃるかという点についてお尋ねします。

吉田道弘大蔵省関税局長

○吉田(道)政府委員 当院の商工委員会で御審議がございました、いわゆる輸入促進法案の中でいろいろ御議論があったことは私どもも伺っておりますが、私どもの総合保税地域の今回の改正法案の中身としましては、その輸入促進地域につきましては、いろいろの助成、税制上あるいは金融の助成をするということでございまして、直ちに総合保税地域になるという形にはならないわけでございまして、ただ、事柄の性格からして、そういうふうに輸入を促進するような大規模な輸入施設が集積するような場所、そういうところには総合保税地域が適用される可能性は非常に強いというふうに考えております。  今お話のございましたように、社会悪物品がこういう制度のゆえに拡散するおそれがあるのではないかという、取り締まり上の問題点があるのではないかという御指摘でございますが、そもそも保税地域につきましては目的は二つございまして、一つは、外国貨物が保税地域にある間は税金がかからない、関税も内国消費税もかからない。また同時に、そこにある限りにおいては、もちろん国内の警察規制はかかりますが、一般的な規律は、そこを出る、いわゆる輸入手続が終了しない限りにおいてはまだそこでは規制がかからないという恩典がある。逆に、そういう意味におきまして、私どもは、そこにある限りにおいてはそういうものが保税地域から漏れ出さないようにという意味で、取り締まり上の観点を一つの許可の要件にしております。  今回の総合保税地域につきましても、これは確かに、おっしゃるように非常に大規模なものになろうかと思います。ただし、総合保税地域そのものの中についてはかなり自由に運搬等をさせますが、その保税地域から出るかどうかという点については、従来の保税制度と全く同様の取り締まりの観点からのチェックをしておりますので、そのようなことがないようにしなければいけないと思いますし、また、許可の場合にはそういう観点からのチェックをしたいというふうに考えております。

富塚三夫日本社会党・護憲共同

○富塚委員 今日まで港湾労働者は、港湾物流の諸合理化、つまりコンテナ化に象徴される労働形態の変更ということがあったわけです。港湾労働者は、このことによって激変しました。また、港湾は、海上貨物の集積地から単なる通過点という位置づけに変わって、職場の縮小と雇用の削減になった。また今回の保税地域制度の改正で、さらに拍車をかけられるのではないかという懸念を実はしているわけです。したがって私たちは、こういった働く人たちの気持ちをやはりどう理解するか、解明をする必要があると思うのですが、そこで、総合保税地域制度の設置については、輸入促進法案の衆議院の商工委員会の審議の中で、港湾に物流拠点を指定することにしたいということを政府が答弁されたというふうに聞いておりますが、関税局はどのように考えられておるか、お答え願います。

吉田道弘大蔵省関税局長

○吉田(道)政府委員 ただいま先生がおっしゃいましたような審議があったということは伺っております。私どもとしましても、今申し上げましたこの輸入対内投資法といいますか輸入促進措置法、拠点法といいますか、この法案の対象であるようなものにつきましては、特に海上貨物の荷扱いのもの、が港湾地域に、答弁にありましたように、その効率性を考えて港湾に整備することが適当であるという点については全く同意見でございます。  ただし、先ほどから申し上げておりますように、この輸入対内投資法の指定地域だけが今度の総合保税地域の対象ではなくて、これは関税法の制度でございます。また、この輸入対内投資法の対象は期限が切られております。それに対しまして、保税地域というのは、言ってみますと恒久制度でございますので、そういう臨時的な時限法の対象ではない。したがって、一度指定すれば、それが事業が進められる限りにおいては保税地域としてそのままの機能を保持するという形でございますので、今度の関税法の改正の中に入れていただいて御審議をいただいているわけでございます。そういう意味で、全くダブってない関係から、物によりましては、海上貨物につきましても総合保税地域として港湾地域以外のところでも指定される可能性はある。ただし、私どもとしましては、実際問題としまして、こういう総合保税地域の機能が十分発揮されるような場所というのは、先ほどから申し上げておりますように、そういう施設が非常に集積している場所でございますので、かなり大規模なものとなると思います。したがいまして、私どもとしては、一個人企業等がやるような施設はできないような仕組み、そういう許可対象を非常に絞ろうと思っておりますので、いわゆる第三セクター等になろうと思います。そういう意味において、仮にそういうものがあるとしても、その数は非常に限られたものになると思います。そういう意味で、今先生がおっしゃいました御心配もあろうかと思いますが、現実問題としてはそういうものはほとんど杞憂ではないかというふうに考えております。

富塚三夫日本社会党・護憲共同

○富塚委員 昨年秋からですか、関税局は、港湾運送事業者に対して社内貨物管理規程というものを作成をして神戸や大阪港の港運事業者に命じている、こういうふうに聞いています。昭和四十七年に自主管理制度が導入されて以来、大部分の保税地域では自主管理の指定を受けて貨物の管理が行われてきたのですが、どうもこうした規程ができてそして押しつけられるような結果になってから大変また問題が起きている、混乱が起きているということを聞いていますが、この目的は一体どういうことなのでしょう。

吉田道弘大蔵省関税局長

○吉田(道)政府委員 保税地域は、今輸入促進ということもございまして、最近は非常に保税上屋あるいは保税倉庫がふえております。こういうふうにふえたものは、先ほどから申し上げておりますように輸出入貨物が非常な増大をしたということがございます。これに対して、従来と同じように税関の職員が一々貨物の出入りの届け出を受け、あるいは搬出について承認をするということをやっておりますと貨物の流れがとまってしまう、またそれだけの人もいない。また業者から見ましても、関係業者も非常に手間がかかるということで、実は自主管理制度といいまして、関係業者、倉主にその出し入れ等につきましては記帳義務を課すことによってほとんどお任せするという仕組みを今先生がおっしゃったように四十七年からとり始めて、二十年たったわけでございます。  そういう形で、言ってみますと倉主を信用してやってきたわけでございますが、最近の事例におきますと、必ずしもその管理が十分に行われてないような事例も出ております。と同時に、貨物も非常にふえておりますし、先ほどから御指摘もございますように非常な社会悪物品、麻薬等の問題も出ておりますので、この際にその自主管理の中身、本来ならば倉主の方々が自主的にその管理体系をつくっていただければよろしいのですが、最近の例にもありましたように必ずしもそこが貫徹されてないということで幾つかの事務連絡といいますか、ガイドライン的なものを例示という形でいろいろなケースをお示ししました。それがかなりきついという御批判を受けましたが、これはあくまでも例示でございまして、したがって、それぞれの倉主の方がその管理内容を十分に準備していただけるならば、こうしたものは私どもは必要ないと考えておりますし、またそういうものがないところは自主管理の本来の趣旨に沿ってそういうものをおつくりいただきたい、そういう趣旨でございますので、御理解いただきたいと存じます。

富塚三夫日本社会党・護憲共同

○富塚委員 このような規程の運用で、現地ではいろいろな混乱が起きて、事業者と働く者の間で摩擦が起きている。内容にも問題がいろいろある。もちろんケース・バイ・ケースでその対応がまた違ってくると思いますけれども、こういう混乱が起きているという問題や、あるいは先ほど申し上げましたコンテナ化の後のさまざまな地域の課題を抱えているということなのでありまして、ぜひひとつ大蔵省の指導によって実態を正しく把握していただくということと、改善するために、関係民間産業の代表や政府の出先機関と港湾従業員も加えた話し合いによって円満に解決していくという方向について政府は努力をすべきではないかというふうに思います。  したがって、保税地域の指定の問題もあるいは保税制度の見直しの問題についても、今後さまざまな観点から現地では話し合いがされると思うのでありますけれども、そういう対応についてもっと大蔵省は積極的に出てやるべきでないかというふうに思いますが、いかがでしょう。

吉田道弘大蔵省関税局長

○吉田(道)政府委員 今先生御指摘のありますように、税関の業務運営や関税制度の見直し等、税関行政の運営に当たりましては、従来から私どもとしては通関業者、倉庫業者等広く関係業界全体と意思疎通を図ってきたところでございます。  今お話がありました港湾事業者あるいは港湾労働組合等、特定の業者や団体からの要望についてでございますが、特定の業者や団体と個別に定期的な協議会を持つというふうなことは税関行政の公平性とかあるいは効率性の観点からなかなか難しいと考えますが、御要望のありました税関行政に関するものについては従来からその都度関係部署でも承っておるところでございまして、今後とも折に触れて税関行政に関する御要望は承る、これにはやぶさかではございませんので、そのように御理解いただきたいと存じます。

富塚三夫日本社会党・護憲共同

○富塚委員 最後に、やはり輸入を拡大をするという大義名分に沿って、さまざまな観点で今度の問題も法律は考えられていると思うのでありますけれども、同時に、働いている人たち、税関職員や港湾で働いている人たちの労働条件や立場も十分考えて対処していただかなければならないという点で、これはやはり話し合いの場を持ってやるということが非常に私は大事だと思うのです。そういう点で、何か大蔵省は定期的に地域の業者なりあるいは関係者と集まって話し合いをしているように承っていますけれども、ぜひひとつそこに働く人たちの代表も加えていただいてやってもらう、また随時話し合いをしていくというふうにしてもらいたいと思うのです。そういう中で疑問点を解明していただくという点で、働く人たちの立場も納得してもらうようにしていただきたいという点でお答えをいただきたい。  労働省も坂田さんお見えになっていますが、当然労働省の立場からも積極的に働く人の立場を大事にして対処していただきたいということをお願いしたいと思いますが、所感を述べていただきたいと思います。

吉田道弘大蔵省関税局長

○吉田(道)政府委員 随時御意見を承るということで私どもも努めてまいりたいと存じます。

坂田稔労働省職業安定局雇用政策課建設・港湾対策室長

○坂田説明員 労働省といたしましても、労働組合との話し合いにつきましては今後とも随時お聞きしてまいりたいと考えております。

富塚三夫日本社会党・護憲共同

○富塚委員 先ほど私は皮肉を言うつもりで言ったのじゃないのですが、橋本さんは大蔵大臣になったとき、そのように所信に考えを述べられている。羽田さんもお忙しいからあっちに行ったり大変だと思いますけれども、しかしやはりそういう問題意識を持っていただいて、税関に働く人たちの立場あるいは港湾に働く人たちの立場を十分考えていただいて、随時話し合う場も我々持ち込みたいと思いますから、ぜひそういう点でひとつ努力をしていただきたいということを申し上げまして、私の質問を終わることにいたします。

太田誠一自由民主党

○太田委員長 次回は、明十八日水曜日午後四時五十分理事会、午後五時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後七時五十七分散会

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