大蔵委員会 第2号
- 発言数
- 92 件
- 登壇者
- 14 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/02/19
会議録
○太田委員長 これより会議を開きます。 国の会計、税制及び金融に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。堀昌雄君。
○堀委員 羽田大蔵大臣が就任されまして初めて一般質問をやらせていただきます。 個人的な話でありますけれども、私は、羽田さんとはEC議員会議のメンバーとして、あるいは日仏議連のメンバーとして、日本の中ではそんなに御一緒することはないのでありますけれども、フランスや欧州ではいつも御一緒をいたしておりまして、大変視野の広い洞察力のある立派な政治家として常々敬意を表しておるところでございます。 ちょっと最初に、私はかねてからこの国会のあり方についていろいろと疑問を持っておりましたのですが、たまたま昨年の六月にフランスの日仏議員連盟のパント会長の御招待で、私ども、フランス国会を見学する機会がございました。私は、委員会の審議は見ておりましたけれども、フランスの国会の本会議で、総理大臣に対しての一般質問というのが開会中は水曜日の午後三時から五時まで二時間行われるということのようでありまして、私ども、フランスのその総理に対する一般質問というのを実は傍聴席で羽田大蔵大臣と並んで傍聴いたしました。 そこで感じましたことは、私がかねてから申しておりますけれども、日本の本会議場は帝国憲法当時そのままでございますから、国権の最高機関が下の壇に座っていまして、そうして行政府が高いところへ座っておる。かねがね私は、この問題は尾崎行雄さんが新憲法が公布されたときに、この憲法に基づいてあの壇を下げろと言われたけれども、当時の財政状態でできなかった。戦後もう何年になるかわかりませんけれども、このままで一体いつまでいくのかというのが私は非常に大きな疑問でございました。 フランスの国会を見ておりますと、当時はファビウス議長でございましたけれども、壇の高いところにいるのは議長とそれを補佐する人たちだけでありまして、主要閣僚を含めて全部第一列に座っております。総理を含めて全部第一列に座っておりまして、そうしてちょうど、私どもの本会議場で自民党の進行係の方が議長と言ってやられるあのマイクロホンが立っておりますが、ああいうのが各列に一本すっ立っておりまして、そして質問者がそのところへ行って質問をいたしますと、総理や農林大臣、クレッソン首相あるいはメルマーズ農林大臣はすぐその自分たちの席から立って議員の方へ向かって立ち上がったマイクで答弁をするということでございました。私はそれを見ながら、ああなるほど、これならば何もあのひな壇をどうこうすることはなくて、今閣僚の皆さんは一番後ろの席に並んでおりますけれども、あの皆さんが一番前の列に座ればいいので、そして壇がせっかくあるのですから、壇を利用するのは私はちっとも構わないと思うのでありますが、少なくとも議員である閣僚でもございますから、同じフロアの高さに並んでおられたらいいのではないか。あの後ろの席に座っていたのじゃ答弁できませんから、フランス式の一番前の席に座っておられればこちらからの一般質問に答えられるし、その本会議におけるそういう一般質問などというのはなかなか、フランスと我々とそう違いがあるわけではございませんけれども、興味のあるシーンでございました。 このことについて、ちょっと最初に羽田大蔵大臣の御感想を承りたいと思います。
○羽田国務大臣 まず、本当に今日までいろいろと御指導いただいたことにつきまして御礼を申し上げたいと思います。 今お話がございました問題につきまして、私ちょうど政治改革の問題、昨年は選挙制度なんかが特に多かったのですけれども、その以前は、国会改革ということでずっと党の中で仕事をしておりました。そのときにも実は議論があったわけですけれども、今のようなひな壇というのは例の旧憲法の時代の残りなのかなという議論なんかもいたしましたり、それともう一つ、やはりどうも国会の議論というのは生きてないという一面が実はあるのじゃないかという話がありました。 今のお話のフランスの議会あるいは英国の議会、これはまさにディベート、本当にディスカッションをする場所であるということですから、もう本当に気楽にみんなが立ち上がる。ただ、英国の場合は、それぞれの席のところから、たくさんぶら下がっているもののところでやるけれども、フランスの場合は、一応発言席というのが各列のところにあるということで、そこに出ていって、立ったまま机も何にもないところで演説する。質問する。それに対して、また首相もちょっと机の横に立ちながら、これはこうでしょうというような調子でやっている。それがまた往復なんかがあったりして、議論がやはり非常に生きているなということを感じております。 ですから、今お話がございましたようなひな壇というものは一体どうなのか。あるいは日本みたいに、委員会でもこうやって全部発言席というのをつくられて何か特別な雰囲気をつくり出してしまっている、これがむしろ議会の活性化というものを損なっているのかなというような思いもありますので、いろいろな面でこれからも勉強させていただきたいと思います。
○堀委員 どうもありがとうございました。 もう一つ、実は私が一九八一年の二月の大蔵委員会で、大量の国債の借りかえが起きてくる前でございましたけれども、この大量の国債借りかえをやるのは、どうしても短期の国債を発行して資金をつくっておいて借りかえをやって、またその短期国債を償還するという格好の処理でもしなければ何兆という大きな国債の借りかえに対応できない、こう考えまして、短期国債というものを当時渡辺大蔵大臣のときに提案をいたしました。 そのときに私はあわせて、これから日本にも短期金融市場というものがどうしても必要である、こう考えましたので、そこでそれをあわせて、その短期国債はアメリカのTBのような短期国債にしてもらいたい、こういうことを実は問題提起をいたしました。それは八一年でございます。 ちょうど一九八四年にアメリカでリーガン・プロポーザルというのが出されまして、それは、所得税を三〇%、三段階にしようという大変画期的な提案がリーガン・プロポーザルというので出されましたので、それをあわせて調査をしたいということでワシントンヘ参りまして、そうして当時のマニュエル・ジョンソン、後にFedのバイスチェアマンになりましたマニュエル・ジョンソンが財務省の担当者で、内海公使に御案内をいただいて、いろいろと今の三〇%、三段階の仕組みの話を聞きました。 そうして、ボストンに一遍行きたいと思っておりまして、ボストンに参っておりますときに、当時の先任次長の平沢さんから電話が入りまして、国債特別会計の問題と短期国債の問題をあわせてやりたいと非常に努力をしてきたけれども、どうしても財政法をさわらないとこの問題が解決つかないので、とりあえず短期国債だけを発行したいと思いますがいかがでしょうかと、日本からボストンのホテルに平沢主計局次長から連絡がございましたので、それはもう結構です、どうぞひとつ私の提案したようにやってください、こういう返事をいたしました。 しかし、その後八五年の国会というのは、私は後で申しますけれども、五〇%、五段階の所得税のシステムとあわせてEC型付加価値税というものを提案するつもりでおりましたので、大蔵委員会に所属したままで予算委員会に行くのも当時副委員長としていかがかと思うので、予算委員になって実はこの問題をいたしました。その間に、実は大蔵委員会で、この短期国債は源泉徴収がついた形で立法化されたという経緯がございます。 その明くる年に私、ベーカー財務長官に会いました後でマルフォード財務省次官補に会いましたときに、堀さん、どうしてこの短期国債に源泉徴収がついているのですか、こういう話でありましたから、いや、私は、初めからアメリカのTBのようにやってむらいたい。ということは、アメリカも西ドイツも源泉徴収がついていないわけでありますから、そういうものが行われると思っていたら、実はよく調べてみたら源泉徴収がついていた。これでは短期金融市場の商品としては極めて不十分である、こういう認識でございまして、それも、初めは各国の中央銀行も全部源泉徴収を取るという大変ひどいものでございまして、この問題を取り上げて、各国の中央銀行の分は一応処理がされましたけれども、長い間非居住者についての源泉徴収というのが行われておりまして、私は昨年の三月十五日の大蔵委員会においてもこの問題を取り上げて、橋本龍太郎大蔵大臣に、ひとつ田中角栄大蔵大臣のように政治的に処断できませんかと言いましたが、橋本大蔵大臣は手を振って実はお断りになりました。ところが、今度濱本主税局長が就任をされて私がこの問題をまた持ち出しましたところが、ちょっと一遍検討させてくださいということでございまして、その後連絡があって、これは非居住者に限って処理をすればよろしいのではないでしょうかというお話でありましたから、そのとおりです。私も、初めからそう言っていればもうちょっとうまくいったのかと思うのであります。 なぜ短期金融市場でこの源泉徴収を取らないようにしようかというと、外国の金融機関が日本で資金を調達するのには短期金融市場で調達するのが一番手っ取り早い方法でありまして、それを考えて私は八一年の夏の銀行法改正のところでも、コマーシャルペーパーについて速やかに法的整備を進めてひとつ対応をとってくれということを銀行法の附帯決議に入れておるわけでございまして、そうやってまいったのでありますが、このたびついに羽田大蔵大臣の指導のもとに濱本主税局長や主税局の皆さんが、この非居住者の源泉徴収について、手続はありますが、事実上廃止をされたと同じような効果を持つに至って、私は、これは約十一年かかりましたけれども、ようやく念願が果たせまして、そういう意味で今回のこの短期国債に関する皆さん方の御努力について敬意を表したいと思う次第でございます。羽田大蔵大臣、どうもありがとうございました。 そこで、これから本論に入るわけでございますけれども、要するに、税制でもその他何でもそうだろうと思いますけれども、一つの税制を考えるというのは、私はやはり政策の一つだと思うのであります。政策の一つだということは、政策であるならば政策の目的が明らかでなければならないのではないか、こんな感じがいたしておるのでありますけれども、大臣、いかがでございましょうか。原則的な政治的な判断でございますので、ひとつ大臣の御判断をいただきたいと思います。
○羽田国務大臣 御指摘がございましたように、税制にいたしましても、あるいは財政にしましても金融政策にいたしましても、もう御指摘のとおり、いわゆる一つの目的というものはきちんとしていかなければ、国民といいますか関係する人たちにも理解されないということであろうというふうに思いますので、やはり目的というのはきちんとすべきであろうというふうに思います。
○堀委員 あとちょっと事務当局と質疑をいたしますので、大臣、どうぞ食事をしてください。 そこで濱本主税局長に伺いますけれども、一九八一年当時の日本の所得税の税制構造といいますか、最低税率、最高税率、刻み幅というのはどんなぐあいであり、アメリカ、イギリスはどんなぐあいであったのかをちょっとお答えをいただきたいと思います。
○濱本政府委員 お答え申し上げます。 一九八一年当時、日本の所得税は、最低税率一〇%、最高税率七五%で、税率は十九段階の刻みになっておりました。 他の国について申し上げますと、アメリカは一四%から七〇%まで十五段階、イギリスは三〇%から六〇%までの六段階、フランスは五%から六〇%までの十二段階、ドイツの場合は方程式によりまして税額を算定いたしますために税率の刻みというものは見られないわけでございますけれども、その上下限を申し上げますと、二二%から五六%であったと思います。
○堀委員 実は、私はこの八一年の二月に、当時、現在の田邊委員長が社会党の国会対策委員長でございまして、武藤さんが政審会長という、まあ私の大変親しい仲間が国対、政審の責任者でございまして、当時の財政状況として、実は減税が行われておりませんでした。ところが、労働組合側とすれば、ともかくも春闘で賃金が上がると、今お答えがありましたように最高税率七五%で下が一〇%でありますから、この税率のカーブが非常に高いわけですね。税率のカーブが高いということは、ブラケットをたくさんつくらなければ上へ届かないわけですから、十九の段階がある。十九の段階があるということはブラケットの幅が非常に狭い。そこで、名目賃金が上がると直ちに次の税率に上がるということでありますから、労働者の皆さんは、春闘でせっかく賃上げをとってもそのかなりの部分が税金で持っていかれるということで大変強い不満がございました。 そこで、この国対委員長、政審会長から、堀さん、何でもいいからひとつことし減税、金額はもう言わないから減税ができるように何とかしてくれという強い要請がございましたので、私は鈴木総理と予算委員会で二時間にわたって所得税だけの質問をさせていただきました。それでその目的は何かといいますと、最高税率を下げなければカーブは緩くならないわけであります。カーブが緩くならなければどうしても階段の数は多くなるわけでありますから、最終的に私はそのとき、イギリスの最高税率は六〇です、アメリカの最高税率七〇です、これを足して二で割っでひとつ六五に、七五を六五に下げることはできませんかと、こういうことを今の論理を説明しながら問題提起をさせていただきました。その結果、二年ぐらいたってから実は七〇%、十五段階という税制に変わってきたわけでございます。 それでその後、ちょうど一九八四年でございますけれども、さっきお話をしましたが、リーガン・プロポーザルという問題が出てきたものですからその勉強をしてみますと、今度はアメリカは二段階でその今の新しいリーガン・プロポーザルをやるということでございますけれども、これはちょっと、まあ少し無理ではないか、こう考えました。 それでもう一つは、そのカーブを下げることだけではなくて、非常に大きな問題を、私は長年税の問題に携わってやってきたわけでありますけれども感じておったことがございます。それは、ちょっと国税庁の方でお答えをいただきたいのでありますけれども、この間、東京国税局が営庶業の事後調査をやりましたのが新聞に発表になりました。この新聞に発表になった経過について、一体どのくらいの事後調査の人数をやられたのか、事後調査における申告漏れの率というのはどのぐらいあったのか、申告漏れによるところの要するに脱漏の所得金額というのはどのぐらいであり、結果として恐らく重加算税その他を取ったわけでありましょうけれども、どういう結果になったのかということを国税庁の方からちょっと御報告をいただきたいと思います。
○冨沢政府委員 ただいまの委員のお尋ねは東京国税局発表の調査というふうに心得ますが、これは、平成三年四月から十二月までの間に実施した営庶業所得者の実地調査というものの結果でございまして、調査件数は二万一千七百四件、申告漏れ所得金額は千四百六十五億円、追徴税額は三百六十八億円、そういう結果になっております。
○堀委員 申告漏れの率と申告漏れの平均金額というのは幾らですか。
○冨沢政府委員 調査件数の申告漏れ所得金額は、一件当たりにしまして六百八十七万円ということになっております。申告漏れ所得の割合は二五・八%でございます。
○堀委員 申告漏れ件数の比率はどうなっておりますか。
○冨沢政府委員 ちょっと今手元にございません。
○堀委員 私が新聞で見たところでは、まあ大体私、これは毎年事後調査の資料もいただいて調べているのですけれども、ことしのは格別申告漏れが多くて、申告漏れ件数九八%というふうに日本経済新聞には出ているわけでございます。 大体過去の統計をちょっと私、私の方で申し上げますと、これは一九八〇年から八九年までの統計でありますけれども、調査件数が百五十七万九千件、申告漏れ所得のあった件数が百四十九万九千件、その申告漏れの割合は、九五・八%が申告漏れでありまして、その申告漏れの結果、まあ要するに当然申告すべき金額というのは金額的には二一%というのが、こういう大量統計で実は全国的な事後調査の結果出ているわけであります。 それで、私は長年この大蔵委員会で税の問題をやってまいりまして、税というのは何としても公正、公平に国民に負担をしてもらわなけりゃならない、こう考えておりまして、いろいろなことの問題の提起をやってまいりましたけれども、最終的に一九八五年の予算委員会で問題提起をいたしましたのは、EC型付加価値税を導入してインボイスをつける、それでインボイスをつけてそのEC型付加価値税を導入いたしますと、要するにこれは、生産者は卸に、卸は小売にという形で送り状が全部ついておりませんと最終的な消費者に転嫁できませんから、そういう意味で、その途中のインボイスは国税庁にコンピューターでインプットされれば、かなりそういう取引関係の中身がはっきりしてくるので、この営庶業、農業に対する税の公正化が担保できるのではないか、こういう考えで八五年の二月の予算委員会でこの問題を提起をさせていただきました。 この目的は、さっき申し上げたように、政策目的は、税金を取るのが政策目的ではないのであります。税を公正にひとつ皆さん払ってください、こういうのが実は私の政策目的でございました。そうして、しかしこのEC型付加価値税、当時は五%という税率で問題提起をいたしましたけれども、その五%のEC型付加価値税はすべての国民からいただくのでありますから、これは必ずすべての国民に還元できるような政策目的でなければ国民に納得していただけないだろうと。そこで基礎年金目的税ということで、これは社会党の当時からの政策でありますけれども、このEC型付加価値税の税収は挙げて基礎年金目的税にして、すべて国民の皆さんに年金を受け取られるときに返りますよ、こういうシステムにしたい、こういう問題提起をいたしましたとあわせて、そういう税を取る時期でありますから、五〇%、五段階の所得税減税もあわせて提案をしたわけでございます。ですから、この五〇%、五段階税制というのは、その所得税の軽減だけではなくて、カーブが七五から七〇に、次に五〇にまで下がりますと階段は五つで十分でありますから、十九段階から十五段階、そうして五段階ということになりますと、特に一番負担の多い四十歳から五十歳当時の勤労者の皆さんの場合に、そこのところのブラケットを長くしておけば異常な負担にたえられる、こういうことで実は五〇%、五段階という所得税減税とEC型付加価値税というものを提案させていただいた、こういうのが実はこれまでの経緯でございます。 ところが、これを契機として売上税というのが提案をされてまいりましたけれども、これはインボイスがついておりましたけれども、大変な例外があって、結果的にはこれは廃案になりました。そうしてその後に出てきたのが今の消費税でございます。 この消費税を今見てみますと、一体この消費税というのは政策目的というのは何なのかというのが私にはよくわかりません。要するに、税の公正化を担保しようというのならインボイスがついてなきゃなりませんが、これはもう帳簿式でありますから何ら税の公正化に役立ちません。何に使うかも特定されていませんから、ただ国民から税金を取りたいというだけが今の消費税ではないのか、こういう感じがしてならないのであります。この現在の消費税の政策目的は何か、ひとつ主税局長、答弁をしていただきたいと思います。
○濱本政府委員 お答え申し上げます。 抜本改革の際に、消費税の導入、それから今、堀先生から御指摘がございました所得税制の見直し等々が一括して行われたわけでございますけれども、その際、税制改革法案なるものが御審議、成立をさせていただいたわけでございます。 この税制改革法案の中に新しい税制改革の物の考え方というものをまとめてございまして、例えば「目的」というのが第一条にございますけれども、これは改革法案の目的でございますが、「今次の税制改革が、整合性をもって、包括的かつ一体的に行われることに資する」ということが明記されておりまして、その税制改革の趣旨としまして次の第二条に、産業構造、就業構造の変化とか所得水準の上昇、平準化、消費の多様化、消費におけるサービス比重の増加、経済取引の国際化等を反映して著しく変化してきた経済社会との間に不整合を生じている事態に対処して、将来の展望を踏まえつつ、国民の租税に対する不公平感を払拭するとともに、所得、消費、資産等に対する課税を適切に組み合わせることによって均衡がとれた税体系を構築することが緊要な課題である、これに即応したいということが明記してございます。 消費税の導入というものも、そういう趣旨、目的の一環としてなされたものというふうに理解いたします。
○堀委員 ちょっとこれは聞いていらっしゃる皆さんに伺いたいわけですけれども、じゃ、今の答弁で一般の国民は、消費税というのはそういうことのために導入するんだということがわかるでしょうかね。私、ずらっと今聞いていて、説得力のある目的じゃないという感じがするのですが、どうでしょうかね。 だから要するに、私は、それは理屈はどうででもつくと思うのですけれども、税のようなものはやはり国民の心に響くものが狂い限り喜んでやろうということにはならないんじゃないか、私はこう思っているのですね。ですから、私がEC型付加価値税というものを提案したのは、税収を目的としたのではなくて、税の公正化を担保したいということが目的なんですから、そのことについては私は、すべての国民が、特に、今所得税の九二%というのは勤労者、要するに源泉徴収のサラリーマンの所得によって所得税の九二%は構成されているのであって、あとの八%が営庶業と農業の所得なんですから、九二%の人たちが納得するような税制にしましょうというのは、国民的に説得力のあるものだと思っていたのですけれども、今や消費税はただ取ればいいという一つの形になりました。 そうして私はその後の委員会で、社会保障を目的税にやろうという問題の提案をいたしました。しかし、一向に取り上げられなかったのですが、その質問の最後に、もし私の提案どおりにいかなければ、自民党は政治的に大きな打撃を受けますよ、こういう締めくくりを私は委員会でしておりましたら、その次の消費税の問題では、参議院で実は大きな国民の批判に遭われたことは御承知のとおりであります。 私はやはり、税というのは非常に自分たちの生活の中で大事なものでありまして、今後、ちょっとこの先で問題を取り上げますけれども、私たちのこれからの生活の中の最も重要な年金と医療の問題は、これはどんどん実はその費用がふえていくわけですね。そういうふえていくものをどういう形で、まあ保険料にしろ税にしろ何かしなければ、日本の国民の将来については極めて不安な社会保障の状態が来るおそれがある、こういうことは実は今日でも予見されているわけですね。 ですから、そういう予見されておるときには、それなりにやはり税の体系自体が国民の納得できるような形のものにしていくという、一遍原点に返って、ひとつ羽田大蔵大臣の指導のもとに今後税制改革を、当初私の申し上げたような、政策目的が国民に納得、理解されるような税であり財政であり金融その他の諸政策である、こういうことであるべきだ、こう思うのでありますが、大蔵大臣、いかがでございましょうか。
○羽田国務大臣 今途中で入ってまいりましたのであれですけれども、フランスで夜を徹しながらお話を聞いたことを思い起こしながら申し上げたいと思いますけれども、確かに、EC型の付加価値税、このやり方について一つの考え方というのを私もお聞かせいただきましたし、またECのように、ECといいますか、向こうのヨーロッパの国のように、税率なんかも違うものがあるとかあるいは非課税のものがあるとかいろいろな形の場合に、やはりインボイス方式というものの方があるいは安定しているのかもしれません。ただ、日本の場合に、やはり取引形態というのはまだ、割合と長い歴史の中にずっと積み上げられてきちゃっておるという中で、それがやりにくいということがあろうということが一番問題があったのかなという感じが実はいたしております。 いずれにいたしましても、今お話がございましたように、これから高齢化社会というのは間違いなくやってくるという時代に向かって、さあ税というものは一体、要するに国民の負担というものが一体どうあるべきなのかということをやはり我々は前提として物を考えていくことが大事であろうというふうに思っておりますし、もう一つは、やはり今お話のありましたように、直接税と間接税というもの、これを見たときに本当にどうなんだろうか。 今はまだ、定着したと言うとよく怒られてしまうのですけれども、消費税の方がむしろ、使う人によって払う。いや、自分は、この税が始まってみてある程度年数がたってみたら、まあ倹約をすれば、節約をすれば税の負担というのは軽くなるんだ。案外お年寄りの人たちがよく言われることに、自分たちはもうそんなにむちゃに食べるものじゃないし、洋服なんかだとか着物とかなんかもある程度持っている、そうするとそういうものは買わなくて済む。だとすると、税というものはやはり少なくなってくるんだというようなことがありまして、そのあたりのあれはまさに国民が選択する問題であろうというふうに思っておりますから、これからさらに議論をしていただかなきゃならぬと思っております。 それともう一つは、やはり消費税の場合にはといいますか、今のこういう税制というものは、これはあるいは堀先生が指摘されることは、多少そのや力方は違うにいたしましても、この間接税の場合には、変なふうに税の不安定なものがない、安定しているというようなこともやはり大事な一つの要素なのかなというふうに思っております。 いずれにしましても、御指摘のあった点については、私どももこれからも勉強をさしていただきたいと思います。
○堀委員 そこで、今社会保障の問題にも触れまし丈ので、ちょっとその社会保障を含めた国の負担の将来というものを考えてみたいのでありますけれども、昭和六十三年三月十日に厚生省、大蔵省が、「二十一世紀初頭における高齢化状況等及び社会保障の給付と負担の展望」、こういう資料を発表しているわけでございます。 その最後のページでございますけれども、これは要するに「国庫負担の将来見通し(仮定試算)」ということで、試算でございますけれども、一九八五年度実績が年金で四・七兆円、医療等で六・六兆円、合わせまして十一兆三千億円というのが昭和六十年度、一九八五年度の実績でありまして、国庫負担の負担率は四・四%になっているのであります。それを先へ延ばしてまいりまして、西暦二〇〇〇年というところで推計をしておるわけでありますが、国民所得の伸び率を四%で計算をするという仮定を置いての計算でありますが、二〇〇〇年で二十五兆円程度の国庫負担が必要になる。年金が十兆円、医療が十五兆円、こういうことで、その負担割合は五カニ分の一%程度ということでございます。さらに、西暦二〇一〇年、ここが我々の国の老人のピークでありますけれども、このピークのところへ参りますと、今の四%の計算で四十五兆円程度が国庫負担でありまして、そうしてうち年金が十五兆円、医療等が三十兆円と、国の負担率は七%、こういうことになってくるという試算が実は提案をされているわけであります。 このように、これから私たちの国の財政の中で非常に大きな負担が起きてくる反面、実は国債の残高がどんどんふえてまいりまして、この間大蔵大臣の所信表明の中でも、本年度は七兆二千億円、要するに百七十四兆円の残高になる、こういうような御指摘がございました。 しかし私は、最近のこの日本の経済成長というのをずっと過年度から国民経済計算の中で見ておりますけれども、ちょっと低くなっているところはありますけれども、おおむね実は今の日本経済というのは他の先進国に比べてはパフォーマンスがいいのが最近の状態ではないのか。その一番いい状態のときに依然として国債が発行されて国債の残高がふえてくる。ちょっとこれは主計局の方でお答えいただきたいのですけれども、現在の先進国における国債の利払い費、日本、アメリカ、イギリス、フランス等の利払い費はどうなっているか、ちょっと主計局の方で答えてください。
○小村政府委員 我が国の国債の残高が非常に大きいということで、利払い費の面で反映されるわけでございますが、我が国と同様、国債の残高の大きいアメリカで申し上げますと、ちょっと比率で申し上げますと、財政規模に対する比率でございますが、我が国が一六・八%に対しまして、アメリカは一四・一、フランスが二一・六、ドイツが一〇・六、イギリスが六・一というふうになっております。
○堀委員 予算の中における利払いの比率はどうなっているのかをひとつお答えいただきたい。
○小村政府委員 財政規模に対する利払い比率は今申し上げたものでございます。 金額にして申し上げますと、アメリカは二千百三十八億ドル、それからイギリスはこれは百億ポンド、それからドイツは四百四十七億マルク、フランスが千六百六十六億フランでございます。
○堀委員 世界の中で非常にパフォーマンスがいいと思われておる日本の利払い費が一六・四%で最高であって、よその国の方がはるかに利払い費が低いということは、これはどうしてこういう状態になるのでしょうね。私はやはり、安易にどうも国債依存の姿勢があるからこうなってきているのではないのだろうか、こう考えるわけです。 それで、今ちょっと紙がどこかへ行ってしまったから、机の上に置いてあったんだけども、それで見ると、今から何年か先にさらに、これは百八十何兆というのが仮定計算で皆さんの方で出しているわけですね。だから要するに、今の財政当局というのは、国債残高がふえるのはもう仕方がないんだ、こういう認識なのかどうか、ちょっと主計局の方で答弁してください。
○小村政府委員 私ども、現在の財政状況で一番問題視をしておりますのは、御指摘のように利払い費が非常に大きくて、財政の自由な財源配分の分野が少ないというところでございまして、したがいまして、この国債残高の累増をいかにして抑制していくかということが最も重要なこれからの政策課題だと心得ております。
○堀委員 実は、「国債整理基金の資金繰り状況等についての仮定計算平成四年一月」というので平成十七年度というところを見ますと、百八十八兆五千億円、こうなっておりまして、利払い費は現在の平成四年が十一兆四千三百億に対して十三兆一千八百億になる、実はこういう計算が出ているわけですね。これは、要するに今の税制は動かさないという前提で実はこの計算が出ているんだと私は思うのですが、いかがですか。
○小村政府委員 お手元の仮定計算は、そういう前提をもちまして作成をしたものでございます。
○堀委員 大臣、私どもは民族として、日本民族として、我々の時代だけよければいい、後の私たちの子供や孫の時代はそのときに勝手にやれ、そういうような認識で私たち政治家がもし政治に取り組んでいるとするならば、日本の将来は非常に危ういことになると私は思うのですね。今のこの世代というのは最も恵まれた世代だと私は感じておりますし、最も恵まれた世代の者が、要するに経済のパフォーマンスのいい時代に、十分に自分たちが税金の新しい負担をしないで、そうして、ともかくツケは全部後ろへずらすというようなことで果たして当代の政治家の責任は果たされるのか。 だから、国民がいろいろと理解、納得していただく政策目的は明らかにしなければなりませんけれども、もう一つ大事なのは、あなた方の将来に私たちは責任があります、その責任を私たちはこういうふうに果たしたい、皆さんどうか理解してくださいますか、こういう問題提起をする勇気がなければ、今の政治家は後世から、あの時代のやつ、何やっていたんだ、こういう批判を受けることは間違いないと私は考えるのでありますが、大臣、いかがでございましょうか。
○羽田国務大臣 まさに先生御指摘のとおりであります。私どもも、今度の予算案編成をするに当たりましても、やはり国債費というものが非常に高い、二二・七%という高いところに来ておるということになりますと、まさに後世代の若い人たちに対してどうするのかどうかということと何時に、間違いなく高齢化社会というのはやってくるということを考えましたときに、私どもは、やはりその時代というものを考えながら、安易に国債を発行して穴埋めをしてしまうということは厳に慎まなければいけないんだなということを、特に大蔵大臣になってそのことを考えさせられております。今まで私ども、例の税収なんかも割合と収納状況がよろしかったということもありまして、平成二年度からそういう観点に立ちながら、特に特例公債というものを発行しないというやり方を十五年ぶりでやったということで、これを一つの元年としながらこの国債費というものを減らしていこう、あるいは国債に依存する度合いというものを減らしていこうという姿勢で実はまいったわけでありますけれども、御案内のとおり、今度の平成四年度の編成に当たりましても、やはり税収が非常にここのところ予想より大きく落ち込んだということのために多額のものを発行しなければならなかったということは大変残念に思っておりますし、そうかといって私たちは今御指摘がございました目標というものは忘れてはならないんだということをみずからに言い聞かせながら対応しておるということであります。
○堀委員 ちょっと税と主計のはざまにある問題になるので、答弁はひとつ——官房長入ってましたね、さっき。まだいますか。もういないか、いなきゃいいですよ。実は税とGNPの伸び率その他の資料をちょうだいして見ておりますと、特例公債を発行しなくて済むようになったというのの一つの大きな要素は、消費税の導入による財源が生きてきておる、こういうふうに思っているわけであります。ですから、この全体像をGNPの伸び率、税収の状態、国債の発行状態、特例債、あれがどうなるかという全体の一覧表の中でじっと見ておりますと、やはりこの税というものが財政の中での一番重要な役割を果たさなければならない。しかし、確かに今の問題というのは、国民は少しでも税の負担が軽い方がいい、こういうことになっているのはよくわかるわけでありますが、私は一遍ここで、皆さんがこの今の消費税が、私はインボイスをと言っていますが、インボイスはできないにしてもこれを少なくとも社会保障目的税、要するに皆さんの年金と医療にだけ使いますということにすれば、これからの新しい展望がまた開けてくるんではないかという感じがするのでありますけれども、これは答弁は主税局長だな。どっちかな、じゃ小村さん、答弁してもらおうか。
○小村政府委員 消費税の導入の際にも再三議論がありまして、消費税収を社会保障のために主として充てるべきではないかという議論がありまして、私どもとしましては、その際前大蔵大臣から再三御答弁申し上げましたのは、社会保障の中でも公共福祉サービス、社会保険の分野ではなしに公共福祉サービスの分野に重点的に充てたいということで、高齢福祉十カ年戦略等を立てましてそうした面に重点的に配分をしてまいりました。 御指摘のこれからの社会保障制度、先ほど御指摘のありましたように、高齢化社会に向けまして年金を中心に相当膨大な財源が必要になってまいります。その際に、社会保障負担とともにやはり国庫負担、税負担というものが増大するであろう、そういった際に、年金に特定をしてその財源に充てるべきではないかという御指摘でございますが、現在社会保険方式をとっているものを途中から租税負担によってそれを賄っていこうということになりますと、既に保険料を納めた人たちとの公平の問題、あるいは年金につきましては膨大なこれからの負担が予想されます。その際に、その税負担の限度との関係、こういったものについて検証する必要があろうかと存じます。
○堀委員 話がちょっと抽象的ですからわかりにくいんですけれども、実は今国民年金の加入者が一千八百万人おりますね。この一千八百万人の一号保険者が年金をもらうのは、本年度まで、要するに新しい予算では少し上がりますけれども、これまでですと九千円を一人当たり毎月払って五万八千八百円の年金を二十五年くらいの将来に受け取る、こういう仕組みになっているわけですね。 それは結果的にどういうことになっているかというと、基礎年金の中で三分の二は、実はこの国民年金一号保険者の保険料で払われておる、そうして三分の一が国庫負担だ、こういうことなんですね。今小村次長は、要するに社会保険システムでやってきておるものがそういう国の負担に置きかわるようなことがあったら、どうも年金制度の一貫性がないというような話ですが、とんでもない話であって、今沖縄では、所得の一番低い皆さんについては社会保険庁の方で免除を認定しておりますけれども、その免除の認定がたしか三三・三%くらいあったと思います。そうして今度は未納の皆さんがやはり三〇%もう少し出ておりまして、払っていない人が沖縄県では六五%ぐらいある。払っている人は三三%ぐらいなんですね。おまけにこの仕組みの中で非常に問題があるのは、要するに国が免除として生活保護その他のような低い水準だと認めた者は、その一年が将来の年金加算に三分の一は生きてくるのです。ところがその上の低所得の皆さんで一月に一人当たり九千円払え、四人家族がいたら毎月三万六千円ずつ払えなんて言われて低所得の人は払いようがない、結果的に未納になる。その人たちはその一年はゼロにしか計算されないのですね。 まさに国民年金というのは、私が八五年一月に、なぜ国民年金というのは単一保険料なんですかと当時の増岡厚生大臣に聞きましたら、所得が正確に把握できないからですと、はっきりと答えているわけですよ。だから、所得をはっきりさせるためにはインボイスを入れて所得をはっきりさせて税金を払ってください、そのかわり年金も所得階層別の応能負担にするべきである、こういう提案をしているわけだけれども、私が提案したことは何ら今日まで実現をしてこない、こういう実情なんですね。 だから、私が今お話をしておることは、要するに政策全体の整合性の中で国民が納得するような制度を考える以外に我々の仕事はないのではないか。私は今地元で、一号保険者の皆さんに集まってもらってこの話をします。どうです、皆さん、あなた方、今の価格水準で十万六千円で二人で暮らしかできますか。厚生年金の皆さんは今二人だったら二十一万円余りが支給されるんです。今の価格で二十一万円なら年とって二人で何とか暮らせるでしょう。五万八千円ですから十一万六千円ぐらいで二人で暮らせますかと言うと、この皆さん、これは先生とても年金というようなものじゃありませんね、しかし、払わなかったら何にもなくなるから払っていますけれども、とっても厳しいことです、こう言っています。民間の個人年金を売っている人たちはこれを利用して、これではとても食えませんよ、皆さん、個人年金に入らなかったら皆さんの将来ありませんと言って、個人年金のセールスのポイントにされるような制度が今のままであっていいのかどうか。 私は、これは今聞いていただいている皆さんに真剣に考えていただきたい問題だ、こう思っているわけでありますけれども、いかがでしょうか。大蔵大臣の御感想をひとつ伺いたいと思います。
○羽田国務大臣 お話のございました点につきまして、まさに次の時代、一体どうなるのかということ、そんなことも踏まえながら、私どもとしてもこれは真摯にやはり検討は続けていきたいということを申し上げたいと思います。
○堀委員 その次に、ちょっと皆さんにペーパーをお配りしてある問題に入らせていただきます。 「六十三年分以降の資本階級別法人数・欠損法人数」という資料を委員長にお願いをして皆様に配っていただきました。これで見ますと、要するに資本金百万円未満の欠損割合というのは、平成二年の一番新しいところで六三・一%、大体六十三年で六四・四、その次は六四・一、六三・一でございますから、まあ大体六〇%は百万円未満の法人は欠損のようでございます。だんだんと上にいくほどその欠損の状態は減っておるようでありますけれども、一番大きい百億円以上のところで、実は昭和六十三年度に全体の法人数が八百五十五の中で八十八が欠損法人で欠損割合一四・六%、平成元年分で六百八十八の中で——さっきの数間違えましたね、逆でしたから。今の平成元年分で六百八十八の中で九十で二二・一、平成二年の八百五十五に平成二年分九十三で一〇・九、こういう実は欠損法人というのがかなりたくさん出ているわけでありますね。 そこで、ちょっと国税庁に伺いたいのでありますけれども、下の方は「会社標本調査結果」ということで、サンプル調査ですから、これは抽象的でトレースはできないのだろうと思うのでありますが、五十億円以上のところは悉皆調査のようですからトレースはできると思うので、三年連続して百億とか五十億とかという大きな資本の会社が欠損法人である状態というのはどんなぐあいでしょうか。 〔委員長退席、中川委員長代理着席〕
○冨沢政府委員 実は、そういうお話がございましたので、急遽あれいたしましたのですが、三年というのは今のところまだ作業できておりませんで、五十億以上ということでございましたら可能でございますので、これから作業させていただきますが、とりあえず百億円以上で最近二年間連続して赤字ということでいきますと、大体欠損法人の中の半分が二年間連続という結果になってございます。
○堀委員 二年でも結構ですけれども、私は、百億以上の法人というのは、少なくともかなり大きな規模で、急にできるわけではありませんから、歴史的にも積み上がっておる法人だと思っておりまして、二年でも今のお話では五十五でございましたかぐらいです。半分ぐらいは二年続いての欠損法人になっておるということのようでございますね。これは、今度これから調査をして調べていただけばいいのでありますけれども、私はこういう調査が出されるということは、要するに、こういう欠損法人があるから、この欠損法人をなくすためにはどういう手だてが必要かということを調べるための一番の原資料ではないのか。 最初に申し上げたように、一つの仕事をやりますためには政策目的がなければなりません。そうしますと、この百億円以上で二年間続けて赤字になっておる企業というのはなぜそういうことが起きるのだろうか。要するに、他の比率でいきますと、平成二年分ならばこれが一〇%ぐらいですから、九〇%の会社はまともに実は利益も出、納税もしていただいておる。あとの一〇%だけは二年も続いて、私は三年と申し上げたのですが、時間がありませんのでそれで結構なんですが、今後少し調査を進めていただいて、悉皆調査ですから、この赤字法人の実態の分析をひとつしていただきたいと思うのです。そうして、それは何によってそういう欠損法人として連続しているのか。 実は、大変古い話を申して恐縮でありますけれども、私が大蔵委員会の委員になりましたのは昭和三十五年の一月からでございまして、当時の主税局長は原純夫さんでございました。私が最初に原主税局長にお尋ねをいたしましたのは、一体十人か二十大使っている中小企業の小さな工場や会社の税務調査の日数と、当時の八幡製鉄の税務調査の日数というのはどんなふうなぐあいでしょうかというふうに主税局長にお尋ねをいたしました。そうしたら、小さい法人でも大体三日間はやります、そうして八幡製鉄は大体一カ月やります、こういうお話でした。そこで私は、当時の主税局長に、小さな法人というのは大体一カ所で仕事をしている、工場が一つとか、事業所が一つとか。そこが三日やるのに、あの巨大な八幡製鉄、全国に事業所やその他を持っておるその巨大なものがその十倍で処理ができるんですかという質問をいたしました。そうしたら原主税局長は、いや、仰せのようにこれは考えなきゃいけませんということで、たしか特別調査班というのをつくっていただいたと思うのでありますが、その特別調査班がつくられてその次の年に、原主税局長から、この特別調査班による増差所得はこれだけ出ましたということを実は答弁で伺った歴史的な記憶がございます。 どうかひとつこの今の百億円以上の欠損会社の今出ておりますものを、ひとつ国税庁、これは悉皆調査ですからデータもあるでしょうから、なぜこういう赤字法人になっているのかというところを解明して、調査が終わった時点で当委員会に御報告をいただきたい。それでその実態に合わせて主税局は新たな立場から税に対する対応も検討していただきたい、こういうふうに思いますが、国税庁の次長と主税局長から御答弁いただきたいと思います。
○冨沢政府委員 先ほど申し上げましたように、悉皆の五十億円以上について、その三年連続というものについてどのぐらいかという作業はさせていただきますけれども、その要因でございますが、これはなかなか難しいかと思います。その辺はちょっと手をつけてみましてからまた難しいというお返事になるかもしれませんが、その場合はまたお許しいただくといたしまして、私ども、大体今把握しておりますところで、やはり大きな法人になりますと景況によって赤字になるというケースが大部分だと思いますけれども、もう一つ大きな要因といたしましては、大きな設備投資をやっておりますと、その直後につきましては減価償却費が大きくなってくるというようなことがございます。それから、大きな開発投資をいたしますと、借入金の利子負担がその後引き続いて大きなものになる、こういったようなことが要因であろうというふうに考えております。
○濱本政府委員 堀先生のただいまのお尋ねに対しましてお答えを申し上げます前に、先刻お尋ねがございました事柄につきまして、私は、税制改革法の条文を引用してお答えを申させていただいたのでございますが、その後のお話を伺っておりまして、次に申し上げますことを補足して申し上げておくべきであったというふうに思った次第でございます。 同じ法律で、第五条に「国及び地方公共団体は、今次の税制改革の趣旨及び方針にかんがみ、福祉の充実に配慮しなければならない。」という条文がございましたことと、第十条に消費税の創設につきまして述べられております条項でございますけれども、「税体系全体を通ずる税負担の公平を図るとともに、国民福祉の充実等に必要な歳入構造の安定化に資するため、消費に広く薄く負担を求める消費税を創設する。」と明記されてございます。消費税を導入したときの目的は何かというお尋ねでございましたけれども、この部分をつけ加えて御答弁を申し上げるべきだったと存じました。 それから、ただいまのお尋ねでございますけれども、実は五十六年に堀委員からこの赤字法人問題につきまして衆議院の大蔵委員会で御指摘がございました。その後のことを詳しい御報告を申し上げてなかったかと存じますけれども、実は、政府税制調査会におきまして赤字法人の議論というものが本格的に行われるようになりましたのは、その直後、昭和五十八年ごろからでございます。初めて政府税制調査会の答申の中に赤字法人につきましての対応につきまして言及がございましたのは、五十八年十一月十六日の答申からでございます。その後たびたび議論が行われてまいりました。 今日までの議論を総括的に一言でと申しますか、簡単に申し上げてみますと、結局赤字法人課税を法人税として考えます場合には、基本的にこれは所得課税としての法人税の枠組みを超えにくい。所得なきどころ課税なしという原理をどうやって破るかという問題が一つ。それから二番目には、公共サービスに対します応益負担という観点から赤字法人に何らかの外形標準による負担を求めてはどうかという考え方があり得ると思います。この考え方につきましては、地方税としまして住民税の均等割でございますとか固定資産税を納めていただいておりまして、これとの関係をとう考えるかという問題がある。それから、赤字法人の中には、黒字であるにもかかわらず意図的に赤字申告をしているものがあるのではないか。これにつきましては、対応としては税務調査の充実という執行面で対応すべきものではないか、そういった議論が重ねられてまいりました。 そのような議論の上ででございますけれども、現実に政府としていろいろな赤字法人対応というものを考えております。御記憶いただいておるかと存じますけれども、例えば利子配当に対します所得税額の控除の特例、こういったものも赤字法人の課税の問題に対応する面がございますし、その後例えば、法人の土地取得に係ります借入金利子の損金算入制限の措置でございますとか、あるいは土地の譲渡益に対します分離課税の導入、こういったものも赤字法人に対するこれの効果というものと同時に論じられてまいりました。 ただ、そういったものが堀委員のかねてからの御指摘にこたえられるものになっているかどうかという点でございますけれども、恐らく堀先生の御指摘は、それでは十分ではないという御指摘であろうかと推察いたします。私どもも、そういうことを感じながら今回の平成四年度の改正におきましてもこの問題を議論いたしました。結論的には赤字法人の欠損金の繰り戻し還付制度につきまして、二年間の臨時的な措置としてその適用を停止するということをやらせていただきたいとお願いをしているわけでございますけれども、それを超えての解決ということになりますと、問題の大きさに比べましてなかなかはかばかしい手当てというものが思いつかない、大変苦しんでおるというのが今の状況でございます。
○堀委員 実は、私が昭和五十六年三月二十五日に、鈴木総理大臣との間で当大蔵委員会でやりましたときの発想は、赤字法人の問題だったのですが、今主税局長が言われるように法人税というのは収益税でありますから、収益のないところに法人税がかけられるわけはありません。しかし、地方税である市民税なり県民税の均等割の問題は、これは応益負担の制度になっているわけですね。 それで、私はここの場所でも鈴木総理に申し上げたのですけれども、一体企業は、地域における応益はあるけれども、国のそれに対する応益はないのかということをここでも申し上げているのでして、今は私は角度を、このときにも言っているわけですけれども、地方税として応益負担があるのならば、より多く国は、主要な道路、港湾それから飛行場、あらゆる面において要するにそういう企業の企業活動に役立つ公益を提供しておるのではないのか。それは自治体の公益より大きいとか少ないとかということを言うつもりはありませんけれども、同じく公益を与える点において自治体と国との間には同様の関係があるのだから、要するに応益税としての今自治省がやっておられる均等割というものをやってみたらどうか、こう今考えているわけであります。 自治省、入っていただいておりますね。大変お待たせいたしました。ひとつ、現在の市町村民税及び県民税における法人均等割の現状と、その税収はどうなっているかをちょっとお答えいただきたいと思います。
○杉原政府委員 お答えいたします。 法人住民税均等割でございますが、現状で申し上げますと、現在の状態でございますと、まさに現時点でございますが、道府県民税と市町村民税両方に法人の均等割をいただいておりますけれども、税額で申し上げますと、道府県民税につきましては、これは資本段階、従業者数等いろいろな区分によりまして、一万円から七十五万円までの五段階でございます。それから市町村民税につきましては、四万円から三百万円までの六段階、これの組み合わせになってございます。 なお、税収でございますけれども、平成元年度の状態で申し上げますと、県と市町村合わせますと、約三千三百億円という税収になっております。
○堀委員 今お話のございましたように、均等割というのは自治省としてはもうかなり長い間にわたって均等割を取っておられる。ですから私も、応益税ならば、地方税で取れるのなら国でも取れるのではないか。だから、収益のないところに法人税をかけることはできないわけですから、税の論理からして、一遍、ひとつこの市町村民税、県民税をモデルとしながら、国として一体応益税は取れないのかどうか。 私は、細かいことを言うようでありますけれども、少しでも国債を減らすためには、何らかの格好で税収がふえることが国債の発行を減らすわけですから、そこのところはひとつ真剣に考えていただきたいと思いますが、主税局長、どうでしょうか。
○濱本政府委員 お答え申し上げます。 この赤字法人課税の問題は、今回、平成四年度にお願いをいたしております措置をもって私どもはこの問題が解決されたというふうに考えているわけではございません。したがいまして、今後とも適切な対応を考えていかなければならない問題だと思っておりますけれども、堀先生からただいま御指摘がございましたような角度での議論というものが本当に国税、地方税間におきます税の体系のあり方として、堀先生が今御指摘になったような御主張も当然あり得るとは思いますけれども、成り立ち得るものかどうか、成就し得るものかどうか自信はございません。自信はございませんけれども、この問題が今申し上げましたように引き続いて我々の問題であるということを申し上げまして、なお来年以降この問題に取り組んでまいりたいと考えております。
○堀委員 次に、これは国税庁の方でしょうね。少額利子の非課税問題というのがございましたけれども、制度が変わりまして、現在、老人と母子家庭と障害者にマル優が認められております。この減収額というのは現状で大体どのぐらいになるでしょうか。平成三年でお答えいただけますか。これは主税局かな。
○濱本政府委員 お答え申し上げます。 老人等の少額預金の利子等に係ります非課税の減収額でございますけれども、平成三年度で五千八百五十億円ございます。
○堀委員 実は私は、この制度をやりますときに、これは中曽根さんが総理で、ともかくお年寄りや障害者や母子家庭にはマル優を残すと言われるものですから結果的にこうなったのですけれども、この五千八百五十億円というのが正しく老人、老人の場合は大丈夫だと思うのですが、障害者や母子家庭の当該の方に行っているかどうかということについては一つ大変疑問があります。もう一つは、資金のある人はそれだけのフェーバーを受けられるけれども、そういう母子家庭や障害者で資金のない人は利用しようにも利用ができないというのは、私は、社会保障という観点から見ると大変不公平な制度ではないのか、こういう感じがしてなりません。 そこで、ひとつこの制度を改めて、制度をなくすかわりに、老人と障害者と母子家庭というのはいずれも年金対象者でありますから、この五千八百五十億円を、それはどういうふうに配分するかは厚生省その他と相談をしていただければいいと思いますけれども、少なくとも税で一回いただいたものを公平にひとつ老齢年金、母子年金、障害者年金に差し上げる方が社会保障の観点から見て公平の原則が守られる、私はこう考えるのでありますけれども、いかがでしょうか、主税局長。
○濱本政府委員 マル優制度廃止の論議のときを思い出しますけれども、老人あるいは障害者の方々は特にそうでございますが、弱い立場におられる方々に対しまして一律分離課税を適用するということでいいであろうかということでございました。いろいろな議論がございまして、結局、限定された範囲でのこういった意味でのマル優制度が残ったわけでございます。 堀先生の御指摘は、それを廃止いたしましてそこで上がった税収というものを歳出機能というものを活用しましてより適正に配分できないかという御指摘でございまして、一つの傾聴に値する御見識であろうと私は思いますが、今までの論議の流れ、現に行われておりますこの老人マル優の実態、そういったものの重みというものもございます。この秋口から来年度の税制改正の際には利子課税につきましての見直しの論議が予定されております。これは、法律上我々に下されている宿題でもございます。そういった際に利子の問題というのをもう一度よく勉強してみたいというふうに考えておりますけれども、今日まで我々がこの問題について考えてまいりましたところで、にわかにこの老人マル優制度を廃止するというところまで踏み込んだ論議には立ち至っていないということを申し上げておきたいと思います。 〔中川委員長代理退席、井奥委員長代理着席〕
○堀委員 ですから、これは率直に言いますと、私は太田委員長に申し上げたのですけれども、政府と私どもの論議する問題じゃないと思うのですよ。皆さん議員同士で、一体これはどっちがいいですかというのを政党を離れてひとつこれは論議ができるような場をぜひつくっていただきたい。だから、政府は政府の見解があるでしょうし、過去の歴史的な積み上げがありますけれども、議員の私どもがやるのならば、要するに議員の多数は、それが公平だというお考えの方が多ければ私はそれは成り立つのじゃないか。自民党の中でもそういうのをちゃんと文書に書いておられる方、私はかねてからそういう論ですが、後になって読んで、ああ、自民党の中にもそういうお考えの方があるなということを感じておるわけでありますけれども、ですから、そういう意味では今の国会のあり方、何でも政府と我々がやるのではなくて、議員同士が政策について今の国民のための政策目的を果たすには一体どういう選択が一番いいのだろうかという論議をさせていただけるような場ができれば「この問題は来年の改正に向けて大きくいろいろな考え方が出されるのじゃないだろうか、こう思っておりますので、ひとつ皆さんの御協力をぜひお願いをいたしたい、こう考えておるわけでございます。 そこで、もう時間もあとありませんが、最近証券が大変価格が低迷をしておりますために、自民党でも大変御努力をなさっていろいろと案を出されているようでございます。私は、特に皆さんがお出しになっておりますものの中で、この点は国際的に見ても検討の価値があるなと思うのが、今の証券流通税の問題でございます。 日本の場合には、株式の場合は売却時に譲渡価格の〇・三%の有価証券取引税がかかります。アメリカにはこの制度はございません。ECは、EC委員会の動きとして、一九九二年市場統合に向けてのプログラムの一環として、域内資本移動の自由化に伴い特定の証券市場に取引が集中することを防ぐため、各国が証券流通税をすべて撤廃することが構想された。それを受け、EC委員会は、八七年四月、各国の証券流通税を原則として撤廃することを骨子とする新提案を作成した。オランダは、九〇年の七月に証券取引税を撤廃しております。ドイツは、九一年一月、〇・二五%の証券取引税を撤廃し、当初九三年撤廃の予定を二年繰り上げて実施をいたしております。英国は、現在はまだ買い付け時に買い付け価格の〇・五%の印紙税が課されているが、株式振替決済システム、TAURUSの稼働、九三年四月予定と同時に廃止することが決まっている。フランス、現在は〇・一五%から〇・三%の取引所税が課されているが、その適用除外範囲が拡大され、新たに増資及び新規公開の際の株式の移動については非課税となるというようなことで、しかしECは共通課税でありますから、ECも恐らくこの有取税というものが廃止をされるという段階になれば、私は、こういう証券取引の国際的な条件から見ても、そういうECの課税撤廃に合わせて日本もこのような税制の改正が行われて相当である、こう考えますけれども、いかがでしょうか。証券局長の答弁を。
○松野(允)政府委員 確かに、証券市場という立場を考えた場合、あるいは御指摘のようにこの証券市場の国際的調和といいますか、もう現在お金は、資金は国境を越えて自由に動いているわけでございます。証券市場というのはそういうお金を非常にオープンな形で受け入れ、あるいはそこから出ていくというようなオープンな市場でございます。そういう前提で今の御指摘の点を考えますと、証券市場の立場あるいはそこに参加する投資家のコスト、さらには証券市場の国際的調和というような観点から考えますと、流通税というものはそれは証券市場から見ますとないにこしたことはないということは申し上げられると思います。ただ、これはあくまでも証券市場の立場からの観点でございまして、流通税についての税の面からの考え方というのも別にあろうかと思います。その辺のところはやはり一方的な考え方だけですべてを律するわけにはまいりません。そこはいろいろメリット・デメリットあるいはバランスというようなものも考えながら総合的に意見調整をしていく必要があろうかと思います。 ただ、繰り返しになりますけれども、確かに国際的な資金の流れというものがますます促進されてまいりますと、余り市場間でいろいろな制度なり仕組みが変わっているということは好ましくないということは言えるのじゃないかと思います。
○堀委員 それからもう一つ。新聞で見ますと、証券局は現在エクイティーファイナンスについての対応を検討中というふうに言われております。私、昨年九月二十五日の証券特別委員会で、このエクイティーファイナンスのオーバーイシューが今度の暴落を招いた、こういうふうに言っているわけでありますけれども、今の皆さんのエクイティーファイナンスの、私から言わせると、このディスクロージャーのあり方が確認されていない。本来、このエクイティーファイナンスのディスクロージャiというのは、要するに借入金の返済か設備投資があるいは運転資金か、用途を明示して、過去における実績を出してディスクロージャーをすることになっているようでありますけれども、現実にはそれがそのように守られていなくて、多額の資金が集められてそれがファントラや特金に流れてああいう事態が起きた、こういう認識を持っているわけでありますので、このエクイティーファイナンスは市場の問題でありますから国がどうこう言うべきではありませんけれども、ルールだけはきちんとすることによってまた再びオーバーイシューが起こるようなことのないようにだけはしておかなければならないのではないか。その場合に一番重要なのは、ディスクロージャーに対する彼らの責任を明確にして、そのディスクロージャーしたものに対して、違反したものについては当分の間はエクイティーファイナンスを認めないとか、やはりそういう厳しい処理があって、投資家がそのディスクロージャーを見て判断するということにならなければ、私は、一回起きたことがまた起こる可能性があり得る、こう考えておりますので、その点についての見解を承って私の質問を終わりたいと思います。
○松野(允)政府委員 確かに、御指摘のように現在の株式市況の低迷の一つの要因に過去の大量なエクイティーファイナンス、これは株の供給がございましたし、あるいは株式への転換が行われておりません転換社債なりワラントが大量に存在をしておりまして、このいわゆる潜在株の存在というものが市場の圧迫要因になっているということは言えるわけでございます。 〔井奥委員長代理退席、委員長着席〕 このエクイティーファイナンスにつきましては、発行会社及び引受証券会社が市場の状況を見ながら基本的にはその引受証券会社と発行会社との交渉で決まるものでございまして、その基本的な線というものはやはり守らなければならないと思うわけでございます。しかし、御指摘のようにルールのないような形で行われますと、これは市場に対して非常に悪影響を与えるわけでございまして、私どもも、例えばルールの中では御指摘のディスクロージャーという問題ももちろんございます。あるいは、株主への利益還元、配当政策の問題もございます。いろいろな点について現在検討を進めているわけでございまして、現在エクイティーファイナンスをほとんどストップしておりますが、これが再開されるときには少なくとも同じ轍を踏まないように適正なルールをつくった上でスタートできるようにしたいというふうに考えているわけでございます。
○堀委員 終わります。
○太田委員長 日笠勝之君。
○日笠委員 この大蔵委員会は権威ある歳入委員会でございまして、一般質問がないと法案審議に入れない、こういう慣例だそうでございます。夜暗くなってからでもやるというのでヨクラ委員会とも言っておりますけれども、大臣も予算委員会に次いでお疲れでしょうが、しばらくよろしくお願いいたします。 大臣、これは通告してないのですけれども、きょうの新聞でしたか、渡辺副総理・外務大臣が、最近どうも大蔵省所管に越権行為がちょこちょこあるようでございます、副総理ですからいいかもしれませんけれども。デノミ発言はきょう予算委員会でもありましたからこれはおきまして、NTTの株のことで、何か五万円株を一万円株に分割しろとか、外国人の所有も解禁しろとかいうことを昨日ある集まりで申された、こういう報道がありますが、これは大蔵大臣個人として、こういうことに対してはどういうお考えか、まずお伺いしたいと思います。
○羽田国務大臣 NTTの株式そのものは、やはりこれのもとでありますNTT自身がどういう魅力のあるものにするのかということは考えるべき、基本はそういうところにあるのじゃなかろうかと思っております。 今お話のあった外国人所有の問題につきましては従来かもいろいろな議論がありまして、たしかNTTの問題について議論する審議会ですか、こちらの中でも、外国人保有というものはある程度認めるべきじゃないのかということが実は今議論されておって、それに向かっていろいろな手当てがされているはずです。 ただ、五万円といいますか、小さくあれするということについては私も今初めて実はお聞きしたということで、実は新聞をまだ読んでおらないということで、隣におったのですけれども、その話はまだ聞いておりません。 いずれにしましても、基本は、株の中身ですとかそういったものについて余り介入すべきものじゃないだろう、やはりNTT自身が考えていかなければならぬというふうに思っております。
○日笠委員 では、外国人所有の解禁は前向きであり、五万円株を一万円株というのは消極的、否定的である、こういうふうにとらえておきます。副総理に、越権行為で大蔵所管のことに対して余り口を出さないように、同じ隣に座っておるようでございますから申し上げておいてください。 さて、東京佐川急便、共和汚職、こういうことで今国会も大変荒れに荒れて、きょうから再開ということになっております。私も予算委員でございますから、また後日予算委員会で詳しくやりたいと思いますが、きょうは大蔵所管でございます。銀行局長にも来ていただいていると思いますので、この東京佐川急便の四人の役員が、また関連の役員が特別背任で逮捕されておるわけですが、この融資の乱脈さ、債務保証の乱雑さ、また転貸し、こういうようなもので数千億円と、けたがとにかく私たちではとても考えもつかないようなことが現実に行われておる、こういうことです。しかし、よくその根元をたどっていけば、これは金融機関が佐川マネーをサポートしているのではないか、バブル経済の一つの裏方の主役であったのではないか、そういう実態が浮かび上がってくるわけです。 例えば債務保証につきましても、あるバンカーの方は、債務保証を別の会社にやってもらうなんというようなことは本来あり得ないことであって、そしてまたこうも言っていますね。債務保証行為は銀行の本業である、それを東京佐川に保証してもらうのは銀行みずからが審査能力がありませんと天下に公言することだ、取引銀行が結果的にバブルをあおったと言われてもしょうがない、こういうふうに言われておるわけです。この債務保証もとにかく天文学的な数字で行われておる、こういうふうに言われております。 そこで、銀行局にお伺いいたしますが、ここ二、三日の新聞を見ただけで、それぞれの新聞の金融機関の東京佐川に対する融資等の総額が皆それぞれ違うのです。銀行局としては、これは大疑獄、大問題に発展するだろう、金融機関の監督的な立場である銀行局も当然そういうものを事前に察知して相当細かく対応しているのではなかろうか、このように思いますが、今現在この東京佐川急便の融資等の問題についてどのような実態を掌握されておられますか。
○土田政府委員 東京佐川急便の問題につきましては、現在捜査当局による調査が進められている段階でございます。私どもといたしましても、この取引先の金融機関からは、東京佐川急便への融資が相当数の銀行やノンバンクによって行われておるというふうに聞いております。 そこで、この融資のあり方についての御批判でございますが、東京佐川急便ないしは佐川グループはその業界で二番目というような大手でありますし、収益力も高いというような評判もございます。したがいまして、そういうところに対して金融機関なり何なりが取引をするということ自体は何ら不思議ではないわけでございます。ただ、それが量的ないしは質的にどうであったかという点は、御批判のような問題もいろいろあろうかと思います。その点は今後捜査当局による捜査によってだんだんと実態が解明されていくものであろうと考えます。 それからさらに、やや通常と異なる問題は債務保証でございます。しかも、この債務保証は新聞などにも報ぜられておりますように簿外であったというようなこともありますようで、佐川の本社でもなかなか把握していなかったようなところがあるということも聞いております。したがいまして、外部から金融機関がその辺について立ち入った知識を持つということはなかなか難しかったという可能性はございます。 さらに、これは私ども実態を十分承知しているわけではございませんが、この債務保証の元金を出したというか融資を行ったものは、どちらかといえばその大半はノンバンクでございます。そのように大体聞いておるわけでございます。 いずれにいたしましても、この簿外保証が多額に上りますため東京佐川急便の単独ではこの債務の支払いが困難であるということでありまして、佐川急便が同グループの合併による再建の方針を決定いたしまして、現在その監督官庁に合併認可の申請中であるというふうに聞いておるわけでございます。 この融資のあり方についてでございますが、融資そのものについては、これはやはり銀行、金融機関みずからの経営判断において決定するのが基本でございます。ただ、一般論として申し上げますならば、金融機関の業務運営につきましてはいわゆるバブル経済のもとにおいて業容の拡大とか収益第一主義に走り過ぎたのではないかという御批判のあることは、これは一般論でございますが謙虚に受けとめるべきであろうと考えておりますし、その点については昨年以降、金融界一丸となりましてこの融資の審査管理を含む内部管理体制の総点検とか行員に対するいろいろな教育の再徹底その他について取り組んでいるところでございます。 私ども、今後とも報道その他を注意深く見てまいりたいとは思いますが、何分にもかなり錯綜した実態であり、それから完全に東京佐川急便の内容を把握しているというような金融機関が見当たりませんので、私どももこの全貌を把握しているという自信はございません。今後なお捜査の進展を見守ってまいりたいと思っております。
○日笠委員 全貌を把握して資料にしてぜひひとつ御提出をお願いしたいと思います。やはり佐川マネーを支えた裏方でございますし、去年の夏ぐらいからこの債務保証問題は既にもう毎日新聞などにも出ておりましたね。しかし、それ以降、九月以降だってさらに貸し付けがふえておるというところもございますし、東京佐川だけでも貸し付けの融資残高が三千百五十七億ですか、ございますが、そのうち都銀だけでも半分以上の一千九百九十二億もある、こういうふうな報道もあります。ひとつ銀行局長におかれましては督励をしていただいて、この金融機関の貸付実態というものを早急に把握をされ御提出をお願いしたい、このことをまず申し上げておきたいと思います。 それから、地価税のことでございます。 昨年四月に地価税法案をこの委員会で審議をいたしました。私どもも地価税には賛成をいたしました。しかし、そのあおりで、一般紙には、こんな控除額が高くて税率が低いものをよく公明党は賛成したんだな、こういうふうにも某新聞には書かれたわけです。なぜかというと、この地価税を通すことによって土地の高騰がおさまるのではないか、そしてまたその税収の使途がいわゆる所得減税であり地価対策に資するのではなかろうか、こう期待をして、いろいろな非難がございましたけれども賛成をさせていただきました。そのときに附帯決議が衆参でついたわけでございます。ここでもう一度申し上げますと、附帯決議の五番目に、衆議院の大蔵委員会でございますが、「地価税の飢設に伴う増収分の使途については、所得課税の減税、土地対策等に配慮しつつ、平成四年度税制改正・予算編成時においてその具体的内容について検討すること。」全く同じことが参議院でも決議をされております。 じゃ一体減税はどうなったのかな、土地対策に資する、こういうふうにありますけれども、じゃ一体どのぐらいのお金が土地対策に新たに増額となったのかな、こういうことが私はきちっとなされないと、いわゆる地価税はそういうことで使うということで私どもは一生懸命審議もさせていただき、賛成もした。それを裏切られると、例えば今度何か全く新たな環境税であるとか国際貢献税だかわかりませんけれども、そういう税法が出てきたときに、その使い道はこうあるべきだと議論をしたり、また附帯決議につけた場合、それが半年や一年の間にすりかえられて、目的税であれば別でしょうけれども、なければ一般財源化してしまう、こういうことが今後も考えられるわけです。信義違反じゃないか、お互いが信じ合っていることをこれは土足で踏みにじるようなものではないか。今後そういうことが、きちっと附帯決議が尊重されるべきものであると思うのです。人に言わせると、附帯決議なんか盲腸のようなものでどうでもいいと言いますけれども、そういうことを私たちは信頼して審議をしておる、賛成もさせていただいておる。 そういう意味で、じゃ所得課税の減税、土地対策に配慮ということで、平成四年度はどういうふうな予算づけがなされておりますか。
○羽田国務大臣 ただいま衆議院と参議院の大蔵委員会の附帯決議をお聞かせいただき、私も改めてあれしておりますけれども、確かに税収そのものの額ということもございますし、また大変税収が厳しい、財政事情が厳しいというような事情がございました。そして一方で、税調の答申でも、「極めて深刻な状況に陥っている財政事情等を考慮すれば、土地対策等に資するという観点から歳出を通じ国民生活に還元することが現実的」であって適当であろうという提言もいただいたところでございまして、この双方の御決議あるいは御提言といったものを踏まえて、私どもといたしましてもそういった目的を達するように対応しなければいけないだろうというふうに考えております。 結果といたしまして、我々としては、土地対策等に資するという観点から、歳出面においてこれらの経費に適切な配慮を行ったということでありまして、具体的には、もうお手元にあれでございましょうけれども、例えば公共用地の先行取得のための特定公共用地等先行取得資金の融資制度というものを創設したということ、あるいは住宅宅地の供給を促進するための住宅宅地開運公共施設等の整備促進事業の増額というものを行いましたり、また市街地再開発事業ですとか駐車場の拡充、また土地基本調査の新たな実施、地価公示地点の大幅な増設、あるいは短期地価動向調査の新たな実施をしようというようなことですとか、また土地情報の総合的整備の充実をしようということで、今御指摘がございました土地というものがリーズナブルなものに、価格になるように、あるいはそういったものが活用されるようにという方向で予算措置が行われたということを御理解いただきたいと思います。
○日笠委員 それらの歳出は、別にことし新たについた新規予算ではないわけですね。事前に主計局の方にも資料をお願いいたしました。何かきょうの予算委員会みたいにこの資料がうそだったらまた大問題になりますが、これは正しい資料だと思ってお聞きしますと、昨年も今大臣が言われたような歳出には五千八百億円ついておるわけですね。ことし新たに増額をしたのが約七百億円で、六千五百億円になっておる。地価税収は、予算書を見ていただければおわかりのとおり四千二百億円計上しております。純増ということになれば二千億円程度なのかな、こう言われております。ですから、私どもとすれば、純増の二千億円が所得課税の減税であるとか、土地対策に資する、住宅促進に資するとか、そういうものに使われるであろうというふうに思い込んでおったわけですね。ところが、そういうことから見れば二千億円のうちの七百億円が増額したのかな。前年度から見れば十数%という、大変厳しい中で大幅に伸びておることは評価はいたします。 どうでしょうかの今年度はこういうことの予算書になっておりまして、予算修正云々ということはあるのでしょうけれども、来年度、平成五年度は、今度税率も〇・二から〇・三%に上がりますし、税収ももっとふえると思いますね。そうすると、所得課税の減税というようなこともターゲットに入れて来年度は予算編成をなされるおつもりかどうか。 また、政府税調にも、財政が厳しいから所得課税の減税はやめて土地対策に資する費用でよろしいなんて、そんなことじゃ、これは国権の最高機関として大蔵委員会で附帯決議した意味、ございません。 ですから、来年度、そういう方向へ、所得課税の減税等もターゲットに入れてしっかり政府税調で議論してくれ、くっと押さえるところは押さえて、大臣、どうでしょうか、そういうことでよろしいでしょうか。
○羽田国務大臣 今御指摘をいただいたわけでありますけれども、所得減税について、今ここで対応しろということについて、率直に申し上げまして……(日笠委員「平成五年度の分ですよ」と呼ぶ」)そうでございますけれども、もちろんこれは予算のときあるいはまた秋から税調が開かれるということがありますから、そこでどういうふうに使っていくのかということについても、我々としては十分ひとつ議論をさせていただきたいと思っております。
○日笠委員 そこで、一つだけ御提案申し上げたいことは、政府の持ち家政策、いわゆる家を持つという、この持ち家政策については相当いろいろな面で配慮されていますね。例えば住宅ローンの税額控除であるとか住宅金融公庫への補助金であるとか固定資産税の縮減であるとか、トータルすると、地方税も入っておりますが二兆一千四百億円ぐらい優遇をしておる。反対に、賃貸住宅、借家の人はどうかというと、公営住宅とか住都公団へ五千億を出しておるぐらいなんですね。余りにも資産を持っている人、持っていない人、この税制一つ見ても優遇策が相当違うわけです。諸外国ではこの賃貸住宅なんかでも、家賃補助制度を取り入れたりして、相当これは配慮しているようでございます。 そこで、きょうは時間もありませんが一つだけ要望を申し上げたいのは、平成四年度税制改正要望で、労働省から勤労者財産形成住宅貯蓄の利子に係る非課税措置の元本限度額五百万を一千万、これが労働省から大蔵省へ出ていたと思います。その点について、これぐらいはひとつぜひ認めてあげていただきたい。五百万ぐらいの頭金で買えるようなマンションも住宅もありませんですよ。だから、せめて一千万ぐらいに限度額を引き上げるということぐらいは、今年度ははっきり申し上げて難しいかもしれません、来年度はひとつお約束をしていただきたい。
○羽田国務大臣 この点につきまして、どうも歯切れが悪くて大変恐縮だと思うのですけれども、この非課税限度額をさらに引き上げるということにつきましては、いわゆる自営の業者ですとか多額の財形貯蓄を行う余裕のない勤労者、このような方々、利子非課税制度の特典というものを活用できない者とのバランスを失するという問題があるというふうに考えておるわけです。そして、今五百万ということになっておりますけれども、今平均の残高というのはおよそ百二十六万円ぐらいということで、まだ相当すき間があるのじゃないのかなというふうに思っております。 いずれにしましても、利子課税のあり方につきましては、昭和六十二年九月の改正法の附則におきまして、総合課税への移行問題を含めて必要に応じて法律の施行後五年を経過した場合において見直しを行うものとされているということでございますので、いずれにしましてもそういった中で検討して。いきたいと考えております。
○日笠委員 平均百二十数万だということですが、もう途中でやめたのじゃないですかね、地価が上がったしもう買えそうにもないからということで。 というのは、じゃ実際に五百万限度きりぎりの方は何件でトータル何%ぐらいあるか。また後で資料でいただきたいと思いますが、やろうとする人は、家を建てようとすれば一生懸命頑張るわけです。しかし、地価も上がったし人手不足で住宅費も建設費も上がったということで途中でやめたということもあると思いますし、大蔵大臣、たとえ五百万を一千万にしても、労働省の試算ですと国税で五十億、地方税で十五億、合わせてわずか六十五億なんです。これくらいの配慮は、来年度、平成五年度、ひとつ善政をしいていただきたいと思いますが、さらに。
○濱本政府委員 お言葉でございますが、先ほど堀先生から御質問を賜ったばかりでございます。堀先生は老人マル優についての御指摘でございました。堀先生のような御見識もあろうと思いますけれども、また日笠先生のような御要請も一方から私ども強くいただいております。 結局、ポイントは、制度を利用できる人と利用できない人がいるということでございます。そこを考えなければならないと思います。それから、ただいまの御指摘で、確かに平均的な利用状況は、大臣からお話しございましたように平成三年三月末現在で平均残高が百二十六万ということを私ども確認させていただいておりますけれども、満杯、五百万円いっぱい使っている人たちもいるはずだといっただいまの御指摘でございますが、平成三年六月のころのデータでございましても、恐らくごく数%のものであろうと推定いたします。
○日笠委員 次に、最後に、もう時間があと五分だそうですので、一問、前からの主張ですが、きょうはこれくらい夜遅くまでやっているんだから、サービス残業をしているわけですから、皆さんの方もリップサービスをお願いしたいのですね。それは、私これが三回目なんですが、御存じのとおり三月一日から暴力団新法が施行されますね。大臣、これは政府を挙げて暴力団を壊滅しなければいけない、いわゆる組織と財力が巨大化して表舞台へ躍り出てきた、これを何とか食いとめなければいけないという一つの視点もあると聞いております。 そこで、警察庁の方は、この新法施行のために暴力団対策課という課を百名規模で新設をすることになりました。これは、警察庁は刑法だとか何かのいわゆる取り締まりの方の立場でしょう。しかし、何といいましても、この巨額な暴力団への資金流入、これはやはりがっちりと押さえて、そこにしっかりと課税をする。まあ御存じのとおり、税収が威しき折でございますから、遠慮なく課税をしていただく、そして少しでも税収が上がれば、先ほど言った財移住宅貯蓄なんかもわずか六十五億でございますから、しっかり減税をしていただく、こういうふうに思いますね。 これは平成元年度の警察白書なんですが、警察白書ですよ、私がつくったんじゃなくて警察庁がつくった白書でございます。これを見ますと、「暴力団の年間収入の内訳」というのがございまして、グラフでございます。年間何と一兆三千億円が暴力団に流れておる。そのうちの非合法ですね、いわゆる企業舎弟とかなんとか、そういう会社を除いた非合法だけでも一兆四百五十二億円、一兆円規模あるわけです。では、ここにどれだけ課税をしているのかというと、非合法ですから、恐らく把握は難しいと思うのですね。警察白書によりますと、平成元年度は五十一億、平成二年度は九十二億の、警察庁から国税庁へ課税通報を行った。結局警察庁の方からそういう資料をいただいて、一兆円規模の不法マネーが流れ込んでいるのにもかかわらず、五十一億だとか九十二億という大変微々たる課税しかできてない。 今度七つの広域暴力団を警察庁は暴力団として指定をする、こういうふうな報道が流れておりまして、特に山口組だけ徹底的に調べたそうです。警察庁が調べたんです。そうすると、その結果、もう偽名、仮名のいろんな口座から口座の分まできちっとそれを調査をした結果、何と年間に約十八億円がその上部団体へ流れておる。不法利得で得た金です。麻薬であるとか売春であるとか、十八億。一体これは課税したことがあるんですか、山口組の上納金に対して。 ですから、私が言いたいのは、この際警察庁に暴力団対策課ができましたから、国税庁と国税局に暴力団対策室をつくる。徹底して暴力団への不法利得に対して課税をする、こういうふうな決意があるのかどうか。国税庁のどこかでもいいですよ、暴力団対策室と看板を掲げたら、マスコミの皆さん、どっと来ますよ。それを見た暴力団は、今度は課税もされるんだから廃業しようかなんという声も出てくるんじゃないでしょうか。それが政府全体の、警察庁も国税庁も協力し合ってやっておる、こういう姿になる。パフォーマンスかもしれませんけれども、抑制力になるんです。これは三遍目なんですね。あのシカゴのギャング王アル・カポネがつぶれたのは、あれは殺人罪でも何でもないんです。所得税法違反ですから。エリオット・ネスという財務官が捕まえたんです。これは「アンタッチャブル」という映画で有名でしょう。国税庁、どうですか、そろそろこの「アンタッチャブル」の映画のように、国税庁の中に暴力団対策室をつくります、三回目の質問ですから、仏の顔も三度まで、これ以上言わせないで、きょうはサービス残業しているんですから、リップサービス、これは大蔵大臣、お願いします。大臣、つくるかつくらないかだけでいいですよ。
○坂本(導)政府委員 国税当局といたしましては、暴力団につきましても適正な課税の実現に努めております。ただ、御指摘の暴力団対策室を設けるという点につきましては、国税の執行を担当している国税当局としてはいかがなものかと考えております。いずれにいたしましても、暴力団につきましては御指摘のように警察当局との協力関係を緊密にいたしまして、課税に関する情報を確かに受けております。これを活用することによって適正な課税の実現をさらに強化していきたいと考えております。 なお、エリオット・ネスの話がございましたが、例えば査察でやるというようなケースも現実にございます。
○日笠委員 では最後、大臣どうですか。大臣の決意を聞かせてください。つくるかつくらないか、これは政治判断ですからね。
○羽田国務大臣 この対策室をつくるということについてはあれですけれども、しかし今御指摘のございました御趣旨は私どもも外しながら、やはり暴力団が不当な利益を得るということは、これはもう国民が許されることじゃありませんし、その意味でもそれを外しながら私どもやっていきますということをひとつ申し上げて、お許しをいただきたいと思います。
○日笠委員 では、また四度目やります。以上です。
○太田委員長 正森成二君。
○正森委員 九時を回りましたので皆さんお疲れでしょうから、簡潔に二、三の点について伺いたいと思います。 昨年の年末の税制改正審議で、五千億円の国際貢献資金創設というようなものが突如として提起されました。これに対しては各方面から、唐突であるということで、反発が強くて立ち消えになりましたが、自民党税制改正大綱や政府税制改正答申には、今後の検討課題ということでは織り込まれております。その後、報道によりますと、税制面から国際貢献財源を検討する政府税調と歳出面を担当する財政審及び行革審が共同して懇談会をつくりまして、そして三月とか四月初めまでに結論を出すということが報道で出たことがあります。しかも、同時にこのマスコミによりますと、その主な財源として消費税の税率アップとかあるいは環境税とかいろいろなものも出ております。これは国民にとって重要な関係のあることですから、事実上政府税調や財政審でそういう共同の懇談会というようなものが行われているのか、あるいは行われる予定があるのか、また大蔵省が事務当局として何らかの関与をしているのか、率直にお答えを願いたいと思います。
○羽田国務大臣 国際貢献につきましては、我が国がその地位にふさわしい国際貢献を推進していくことは国民一人一人がやはり真剣に考えるべきであろうということでございまして、今お話のあった環境の問題ですとかあるいは国際情勢の推移、こういうものを十分見守りながら、まずはどれが我が国として国際的地位にふさわしい真に適切な国際貢献がなし得るかという問題について、これは確かに御指摘もございましたように、税制調査会あるいは我が党の税制調査会、こういったところでも財源問題を含めて国民各階層の議論を期待するというところはあるわけでありますけれども、今御指摘のありました税制調査会ですとかあるいは財政審議会あるいはそのほか三者、四者が一緒になって議論をするということは、現段階では私どもはまだ何も聞いておりません。
○正森委員 そういう答弁ですからきょうはこれ以上質問することは控えさせていただきますが、国民にとっては重大な問題で関心を持たざるを得ないということを申しておきます。 それから、防衛庁、来ておりますか。——防衛庁が昨年の概算要求段階五・三八%の伸びを言っておりましたが、現実に平成四年度予算では三・八%の増大になります。しかし、当時私どもがマスコミ等を見ておりますと、実際は満額回答に近い査定である。その理由は、概算要求のときには円ドルレートを百三十八円と見ておったが、実際に大蔵原案内示のときには、これは十一月十六日から三十日までの為替相場の平均をとるそうでありますが、百二十九円ということになったのでそれで節約できる、あるいは油が一キロリットル当たり四万円というのが三万五千円になったのでそれで節約できる、あるいは自衛隊の充足率を一%ないし二%下げるということでも節約できる、また退職金その他の人件費を見直すということでも節約できるというようなことが報道されておりますし、私どもが予算関係のレクチャーで聞いてもそういう点が言われております。 この点について、数字を含めて概算要求の段階から見てどうだったのかということを簡潔に答えてください。
○山本説明員 四年度の防衛関係費につきまして概算要求からの節減額というお尋ねでございますが、まず為替レートにつきましては、概算要求一ドル亘二十八円でございましたが、四年度予算の積算レートは三年度予算と同じく百二十九円となっておりまして、歳出化経費等で約百十億円の節減となります。 また、油購入費につきましては、油価格の低下で約六十億円の節減と試算されますが、厳しい財政事情のもとで燃費効率の見直し等による減額も含めますと、油購入費全体では約百八十億円の減額でございます。 また、人件糧食費につきましては、四年度予算の増加額は千二百四十億円増でございますが、概算要求との対比で申し上げますと二百九億円の増加となっておりまして、このうち三年度の給与改定のはね返り分で概算要求時点と比べまして約四百七十億円の増加要因がございます。ということで差し引き、四百七十億円から二百九億円を引きました約二百六十億円、これが減額をされたということになるわけでありますが、この中には人件糧食費の洗い直し等によるものもございますが、今御指摘のように自衛官充足率の引き下げによる八十五億円の減額も含まれているものでございます。 いずれにいたしましても、四年度防衛関係費は、義務的な経費であります人件糧食費または歳出化経費の増加分だけで防衛関係費全体の対三年度予算比が三・六%も押し上げられる中にありまして、対前年度伸び率を三・八%と昭和三十五年度以来三十二年ぶりの低い伸びに抑制したところでございます。
○正森委員 今大分すらずらと説明になりましたので暗算ができなかったかもしれませんが、全体で、それらを足しますと、概算要求に比べてほぼ五百二、三十億円の節約になったんじゃないですか。
○山本説明員 為替レートあるいは油購入費、また人件糧食費、この三つの要素でいいますと、概算要求比では、今申し上げましたように、三年度の人事院勧告によりますベアのはね返り分、そういう増加要因が約四百七十億円ございます。それに対しまして、その三つの要素の減額の要因、といいましても、すべてが当然の減と言えるものではございませんが、これは約五百五十億円でございまして、そういう意味では差し引き八十億円の減額ということになります。
○正森委員 そんな人事院勧告なんか入れなくてもいいですよ。だから、あなたが言っていた五百三十億か四十億か、人事院勧告のけたら。それが減額要因でしょう。新聞に皆出ているじゃないか。そうすると、多くの新聞に出ておりますように、昨年の予算案に比べると一・二%に当たるわけですね。だから、実際上は、三・八%の伸びだと言うけれども、概算要求の内容から見れば、内容はほとんど変わらないで防衛関係の装備を整えたりあるいはいろいろな施策を行いながら五%の伸びを確保したのと同じことになるんじゃないですか。多くの報道もそういうように言っておりますね。 そこで大臣に伺いたいのですが、大臣の所信演説では軍事費を抑制するということが一項目入っております。そういう点からいいますと、今のソ連邦が解体したとかいろいろな影響を受けまして各国とも主要国は、もちろん例外はあるでしょうが、防衛費を削減しておりますね。アメリカは九五年までに二五%、イギリスも約二〇%、ドイツは相当長期の計画ですが三五%というように節約を言っております。それに対して我が国は、大臣も所信表明で言われたのですから、こういう点についてもっと配意を示されるべきではないですか。
○羽田国務大臣 中期防に基づきながら私どもも作業いたしますけれども、もともとが冷戦の中において割合と抑制された中でこれが組まれてきていること、これが一点と、もう一点は、やはりアメリカの場合には膨大な予算というものを持っておったということがありますし、また核については、これはもう今のCISですね、この国々なんかと話しながらこれを削減していくという方向が実ははっきりとしておるということ、そういった点、あるいはヨーロッパなんかの場合にもかつての旧ソ連軍が引き揚げていったという事実、そういう中で、やはり日本と置かれている環境というのは違うんじゃないのかなと思います。ただし、そうはいいましても、やはり間違いなく一つの新しい波というのが起こってきておるという中で、私どもとしても厳しい査定をしながらこういう結果になったということでありまして、しかもこの中における、あるいは今も御説明がありましたけれども、やはり正面装備というものは相当にあれしながら、人件費ですとかあるいは糧食費ですとか隊舎ですとか宿舎ですとか、いわゆる隊員の皆さん方の生活部分といいますか、この改善というところに大きなウエートを占めておるということが言えるんじゃなかろうかというふうに思っております。
○正森委員 まだまだ聞きたいと思いますが、時間がございませんので次の点に移ります。 それは、この間から宮澤総理の発言の中で、アメリカの労働者は勤労観に欠けるとかなんとかいうことを言ったとか言わないとかいうのでアメリカで大分問題になりました。報道によりますと、ゲッパートという民主党の下院院内総務というのは「日本の人種差別主義の表れで、無知だ」とかあるいはリーグル上院銀行住宅都市委員長も「米労働者への中傷であり、憤りを感じる」というようなことを言いまして、あたかも宮澤総理がアメリカの労働者が勤労意欲に欠けると言うたかのようにとって全部批判をしております。 しかし、これは全く事実の誤解ではないですかね。私も非常に関心を持ちましたので、平成四年二月三日の予算委員会の議事録をとってみましたが、宮澤総理はそういうことは言っていないんですね。私どもはリクルートとか共和では宮澤内閣あるいは総理自身の金権腐敗体質を批判しておりますけれども、しかし事実に基づかないアメリカの批判というのは我が国の国益からいっても黙視することはできない。例えば宮澤総理はこう言っているんですね。「確かに今アメリカに欠けておりますものといいますか、この十何年、ここに至ったゆえんを見ていきますと、物をつくるというか、価値を生むということについての解釈が非常にルースになったと申しますか、それはマネーマーケットでも価値を生むには違いないだろうとか、そういう額に汗をして一つ物を創造していくという、そういう勤労の倫理でございますか、そういうものがいろいろなことに関係があったと思います。」中略しますが、「マネーマーケットが進みまして、今度はジャンクボンドというものになりました。ジャンクボンドというようなものは、これは本当にあ合意味で言葉が示すように危険なものでございますし、LBO、レバレッジド・バイアウトなんというのも、全く自分で手金を持たずに人のものを買収して、その結果、利子が払えなくて倒産してしまうという、だれが考えても長続きがしないことをここ十年余りやってきた。私は、その辺のところに働く倫理観というのが欠けているのじゃないかということをずうっと思ってまいりました。」中略「やはり額に汗をして価値をつくり上げていくということが大事なことだ。」云々、こういう内容ですね。ですから、これは全体としてアメリカの経済のあり方、アメリカの経営者のあり方を批判しているのであって、アメリカの労働者を全く批判していないのですね。それに対してアメリカがこういうことを言っている。 それで、こういうアメリカの言いがかりと言えるようなものはやはりきちんと反撃していかなければならないと思うのですね。ここに持ってきましたのは龍谷大学教授の奥村さんの「企業買収」という書物ですけれども、その中でアメリカの学者がアメリカ自身のこういう風潮を批判しているのですね。時間がもうございませんので、もうちょっとあればいろいろ外用できるのですが、もう終了いたしますというのを持ってきましたからあれですけれども、一つだけ引用しますと、こう言っているのです。「LBOを行って買収が成功したあとの企業はどうなるのだろうか。まず資産の売却によって企業の規模が縮小し、従業員の数も減る。「フォーチュン」(一九八九年一月二日号)によると、たとえば一九八六年にキャンポーが買収したアライド・ストアーズは買収金額が三五億八三〇〇万ドルであったが、買収後のアライド・ストアーズの資産売却は二二億ドルに達しており、その結果、従業員の数は六万一八〇〇人から二万七〇〇〇人に激減している。」云々というように書きまして、だから企業を借金づけにして財務体質を悪化させるのだ、こういうことを言っている。 さらにまたもう一つだけ、これで引用をやめますが、ハーバード大学のロバート・ライシュという人がこの問題を非常に深く研究しているのです。そしてライシュは、現在の合併、買収がアメリカ企業の生産性に害を与えるとして次のような四つの点を挙げている。 引用すれば長くなりますから要約しますが、「(1)近視眼的な経営 会社が乗っ取られることをおそれ、そして巨額の借入金の返済に追われるために、経営者は短期的な利益に重点を置いて経営をし、長期的な投資をしない。」こういう点に問題がある。二番は「人材の浪費」、「会社を買収したり、また資産を売却するというような財務的な操作のために有能な人材が浪費される。その結果、生産部門からペーパー部門への頭脳流出が起る。」云々ということを言っております。第三は「借金漬け」で、「乗取り、その防衛、あるいは自社株買戻しなどすべて借入金で行われるから、会社は「借金漬け」となり、金利負担が大幅に増えている。」云々、こう言っているのです。第四番目は「不信」で、「リストラクチュアリングは結局のところゼロサム・ゲームであり、だれかが儲ければ他はそれだけ損をする。パイを大きくするために生産に従事するよりも、パイの分捕りの方が儲かるということになれば人々の間に不信が増大する。そうなれば共通の目的に向かって人々が協力するということはできなくなり、アメリカの生産性は低下する。」 これは日本の学者が言っているんじゃないんですよ。アメリカのこの問題を深く研究した学者が言っているのです。そういうことを勉強もせずに、アメリカの下院議員や上院議員が見当外れの批判をするなどというのは、これは議会人としてもってのほかじゃないですか。大蔵大臣はどう思われますか。
○羽田国務大臣 これもまた変な言い方をすると誤解をされますけれども、どうも情報化社会というのは情報が伝達されるのが非常に速い、そして広く伝わっていく。これは一面いいことであると思いますが、また一方では、そこの一部分だけ何かとらまえられてぼっとやられてしまうと誤解を受けるということであって、少なくとも総理は、アメリカの勤労者の質がどうだとかあるいは生産性が低いなんということは一つも言っていないんですね。むしろ日本の、余りにもバブルになってしまった、ああいう中に流されていくということは果たしてどうなのかなという言い方の中でマネーマーケットというような言葉と、あと今お話が一部分あったわけでありますけれども、しかしこれは、マネーマーケットは私どもも市場経済をやっていく中にあってはやはり非常に重要なものなんでありますけれども、それが何か変なふうに本業から余りにも離れて、そっちの方に、投機だけに目を向けていってしまうということは危険だよという一つの忠告であったということで、それを哲学を、働く倫理観という表現の、この働く倫理観と言っても別にアメリカの勤労者のことを言ったわけじゃないんだけれども、働く倫理観というのが何か変なふうに表に出ていってしまったというところに誤解が生じたものであろうというふうに思っております。
○正森委員 時間がありませんので終わります。
○太田委員長 中井洽君。
○中井委員 大臣の委員会における所信表明の中から幾つか時間の範囲でお尋ねをいたします。 景気について去年政府がいろいろな文書で出されたり、また各所轄の大臣が述べられたよりかかなり慎重な言い回しになっていると思いますが、それでも国の経済の動向についてかなり自信を持っておられる、こういう文書のようにも私どもは判断をしております。しかし、実際私どもが肌身で感じておる景気というのは、そんなにのんきに言えるようなものではないのじゃないか。あるいはまた二月ごろの倒産の状況あるいは各会社の利益予想の修正等を聞いておりますと、かなり景気が落ち込んでおる、冷え込んでおる、このことを心配いたしております。来年度の税収見積もりあるいは来年度だけではなしに本年度、本当に実際税収がかなり足りないのではないか、こんなことも含めて大臣は現行の経済動向について実際どんな御判断をなさっておるか、お聞かせをいただきます。
○羽田国務大臣 経済の見方というのはいろいろな見方あるいはいろいろな調査というものがあるわけでありますけれども、率直に申し上げまして、確かに住宅建設ですとかあるいは乗用車の販売台数また製造業を中心とする設備投資の伸びの鈍化というのが見られるということ、それから確かに百貨店等におきましても多少伸びというものが落ちておるということが実は言われております。ただ、これはどちらかというとぜいたくなものからむしろ実質的なもの、こちらの方に物の買い方が移っておるということ、しかし一方では、海外への旅行ですとか国内の旅行というものも割合と底がたくあるということと、また今度スキーなんかに行く人たちの話をあちこちの駅なんかでも聞きますけれども、乗降客はスキー客等を中心にしながら非常に活発ですというふうな話も聞かされております。また、雇用者の数というものも順調な増加を続けておるということで、今現在の状況というのは、やや過熱ぎみであった成長、こういったところからインフレのない持続的な経済に移行をしつつある、また調整局面であろう、調整する今であろうというふうに思っております。 そういう意味で、私どもといたしましては、非常に厳しいところでありますけれども、昨年私が就任いたしまして二度の金利の引き下げというものをやる、それによって相当長期、短期のレートなんかも下がってきておるという状況なんかもございますし、また一方では、企業なんかも確かに苦しいということはありますけれども、人手不足ですとかあるいはやはり合理化をしていこうということの中で、そういう設備投資についてはまだその意欲というものは持っておるということでありますから、こういった低下した金利というもの、これをうまく活用してやっていただけるなら、私は、これからまた設備投資というものも進んでいくのじゃなかろうか。住宅についても確かにマンション等の購買なんかはまだそんなに大きく戻ってないということでありますけれども、しかし、質のいいものは相当高くても売れていくということがございますし、また貸し家ですとかあるいは持ち家、こういった方では多少の成長に向かっての動きが見えてきておるというようなこともあります。 しかし、いずれにしましても、非常に難しい局面であろうという認識は持ちながら、私どもは今度の平成四年度の予算というものを速やかに執行できるような体制をひとつつくっていただきながら対応をしていきたいというふうに思っております。
○中井委員 持続可能な成長に移行する調整過程だ、大臣の御発言を聞いていますと、調整をうまくやりたい、こういう意欲が十分聞き取れるわけであります。私どもも、うまく政治でかじ取りをしていただきたいと思います。同時に、この調整ということは、金融政策と財政出動をうまくバランスがとれた形でおやりいただくことが一番だ、このように思います。前にも申し上げたのですが、プラザ合意の後、金融政策だけに走り過ぎた結果がバブル経済を招いた。この予算等を見ますと、そういった意味で少しどうかなという思いもあります。同時に、公定歩合、三回にわたって引き下げたとおっしゃいましたが、私どもから見れば、十一月に引き下げて十二月にまた引き下げる。G7に出られる前に慌てて下げたのかなという感じもなきにしもあらずであります。下げるなら、景気に与える影響としては十一月に思い切って一%下げてしまった方がはるかに効果があった、そんなことも含めて柔軟なまた本当に思い切った景気対策、こういったものをやっていただきたい、このように思います。 この文書の中で七カ国の蔵相・中央銀行総裁会談のことが述べられております。ここでいろいろな合意がなされたのでありましょうし、その合意どおりうまく世界経済のかじ取りが先進七カ国の手でやれればありがたいと私ども考えておりますが、この中でいつも気にかかりますのはドイツであります。ドイツは、プラザ合意のときも同じくいろいろな約束があったのかなかったか知りませんが、ドイツ自体はインフレを懸念して公定歩合を引き下げなかった。逆に、日本が金利を下げているときに上げておったということがあるわけであります。今回また日本もアメリカも金利を下げている中で、ドイツは一向金利を下げない。ドイツがどういう約束になっておるのかあるいはアメリカや日本と本当に協調して世界景気に対する刺激策、こういったものをやるのか、私どもは心配をいたしております。大臣の感触をお聞かせいただきたいと思います。
○羽田国務大臣 確かにドイツは、東ドイツと統合したということがある。そういう中で新しい需要というのが相当大きく生まれてきた。それに対してまた積極的な投資等も行ってきたという中で、もう大変な過熱が呼ばれたということであろうと思っております。そういう中で通貨の供給量というものも非常に増加してしまったということ、あるいは過大な賃上げ要求というのが背景にあってインフレの圧力が大変高いということで、きつ目の金融政策を継続しておるということであろうというふうに思っております。 いずれにいたしましても、私どもは、G7で話し合ったのも、各国の経済のファンダメンタルズというものを大切にしながら、その中でインフレのない持続性のある成長というものをお互いに遂げていかなければいけないねという合意が実はでき上がっているということを申し上げておきたいと思います。
○中井委員 もう一つ、これはちょっと気になるものですからお尋ねをいたしますが、本会議場で財政演説をなさいました。この委員会での所信とほとんど同じであります。しかし、「調和ある対外経済関係の形成と世界経済発展への貢献」こういう項目の第一項、日米首脳会談等のことがこの大臣の所信の中、ころっと抜かれてあります。何か理由がありますか。
○羽田国務大臣 たしか財政演説の中に日米首脳会談というのはあるいは抜けている。特別にこうだからということではなくて、それは総理の中に割合と細かに入っておったということであろうと思っております。そして私どもが首脳会談あるいはブレイディさんとの話し合い等をいたしましたことも、今度のG7の中で話し合われたことと、それが我々としては土台にしながら話し合ったというようなこともございますので、G7の内容とそんな大きく違うものじゃない。全体的に経済の足取りというのが、これはG7各国でございますけれども、当初予想していたものより足取りがやはり遅いのじゃないのだろうか。こういったものを見きわめながら、今申し上げたように、各国のファンダメンタルズというものを大事にしながらも、それぞれがやはり持続的な成長に向けて歩むことが必要なんじゃないかなということが首脳会談でも話されたというふうに記憶いたしております。
○中井委員 時間がありませんからほかへ移ります。 今回の措置の中で法人の特別税が新しくつくられます。これは湾岸の特別対策の中でやられたものを少し変えてあるわけでありますが、石油の臨時特別税というのが廃止をされました。この税金をめぐっては、国際貢献税だとか環境税だとか、いろいろな議論が新聞に出てまいりました。しかし、サウジアラビアかどこか産油国からこの石油税について何か抗議があった、こういう話を私どもは聞き、その抗議のもとにいろいろと協議の中で見送られたという話を聞いておりますが、事実はどんなところでありますか。
○濱本政府委員 お答え申し上げます。 御指摘がございました現行の石油臨時特別税でございますけれども、湾岸支援に係る臨時的な措置として講ぜられたものでございまして、今年度末で期限が参り失効するというものでございます。昨年末の予算編成の段階で、サウジアラビア政府より我が国の外交当局に対しまして石油臨時特別税の継続に対する懸念が伝えられてきたということは聞いております。
○中井委員 また法案審議のときにやるにいたしまして、時間の関係で次に参ります。 普通乗用車の消費税四・五%ということで新設をされました。前回の委員会で、附則で三年と決められておるのだから守れ、こういうことを申しました。廃止したのですから結構なことですが、新しく四・五というのがつくられました。どういう発想ですか。そして四・五という数字、消費税でこういう〇・五というような数字が出てくるなんという発想があるのですか。御説明ください。
○濱本政府委員 普通乗用自動車に係ります消費税の税率につきましては、消費税導入の際の経過措置といたしまして六%の負担をお願いしたところでございますけれども、……(中井委員「いや、説明はいい、時間がないから。どうしてつくって、どうして四・五か」と呼ぶ)期限到来を迎えて失効するというわけでございます。ただ、先刻来のお話にもございましたこの厳しい税収動向のもとで、平成四年度何とか乗り越えなければいけない、歳出の徹底した見直し、税外収入の確保、建設公債の増発等々の努力を払いました上で、税制面でも必要最小限の対応を迫られたということでございます。その中の一環としまして、普通乗用自動車につきましての消費税率、新しく四・五%の負担をお願いすることとしたものでございますが、ただいまのお尋ね、なぜ四・五%なのかというところに関してでございますけれども、税率を設定するに当たっての論議といたしましては、所要財源の規模それから普通乗用自動車の購入の背景にございます相対的な担税力というものを念頭に置き、かつ、他方で三%という税率が消費税の本則税率でございますこと、あるいは最近における自動車販売の動向等を総合的に勘案しまして四・五%の負担で新たにお願いをしたいということになった状況、以上でございます。
○中井委員 大臣にお尋ねをいたします。 先ほど日笠議員が地価税のことを言われました。私も同じ思いであります。地価税の論議のとぎにはいろいろと出ましたし、与野党の土地対策の委員の皆さん方も長きにわたって御苦労をいただきました。しかし、このときのいろいろな議論の流れは、増収分は土地対策あるいは減税に使われるということでありまして、それが全く一般財源化されるような形で使われるということは私も大変残念であります。大臣は、この地価税の流れ、議論を御存じないかもしれませんが、ぜひとも過去の各党間の話し合い、これらを十分御認識をいただきたい。 同時に、その中で、附則の第八条に五年ごとの見直しということが載っております。私どもはこれに対して、委員会の質疑におきましても附帯決議におきましても猛烈に申し上げて、三年という数字を無理やりでも入れてもらいました。これは、地価税と固定資産税が一体となって土地対策はできる、こういうところであります。しかし、この八条を見ますと、少なくとも五年ごとに必要があると認められたら、こう書いてあります。自動車税なんかは六%、三年でやめるとちゃんと書いてあってもやるのですから、五年で見直すとか三年で見直すとか、これは全然信用できないと言わざるを得なくなります。 ひとつ地価税のできた経過というものを十分お考えいただいて、小手先のテクニックや皇言葉先だけでこの国会の審議というものを無視するのじゃなしに、財政が厳しいということは私どももよく承知しております。しかし審議は審議、約束は約束、そういった形できちっと当局を御指導いただきたい、このことを強く要請をいたします。 時間がありません。同時に、先ほど日笠議員がおっしゃった、東京佐川に対する金融機関の本当に無軌道な保証に対する融資、これらを徹底的に調査なさって、一刻も早く国会へその御報告をいただきたい。特に去年、証券・金融の問題でいろいろと論議がございました。そのときに銀行局長さんは、まあ終盤は大分変わってまいられましたし、今回の大臣の所信等を見ましても、証券・金融両方の不祥という形で受けとめていらっしゃる。しかし、初めのころには、行員の一個人の犯罪である、こういう形で随分言われた。証人喚問のときにも参考人のときにも随分そういう言葉が使われた。しかし、私どもから見れば、今回もまた金融機関の常識を逸したやり方、こういうのはやはり体質的なものだと言わざるを得ないと思うのであります。そういった意味で、きちっと御調査をいただいて、国会で早く論議の資料となるような資料をお出しいただくよう要望して、質問を終わります。
○太田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後九時四十八分散会