石炭対策特別委員会 第5号
- 発言数
- 155 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/03/12
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。中西績介君。
○中西(績)委員 私は、八本の法律を束ね法案といたしておりますけれども、このそれぞれの法律につきましては、時間の関係で大変制限されておりますので、討論の過程の中で触れることにいたしまして、きょうは鉱害のみについて質問を申し上げたいと思います。 鉱害の早期復旧というのは、旧産炭地域の振興にとりまして欠くことのできない問題であります。そこで、鉱害復旧を進めるための財源、先般もエネ庁長官から御答弁がございまして、財源については十分だということを自信を持ってお答えいただきましたけれども、再度確認の意味を含めまして、石特会計の財源が十分確保されたと言えるかどうかをはっきりお答えいただきたいと思います。
○山本(貞)政府委員 お答え申し上げます。 先般も申し上げましたけれども、現在、関税関係の法案を大蔵省から国会にお願いをしておるわけでございますが、それによりますと、平成四年から八年あるいは九年から十三年、今後十年間にわたりまして原油関税等につきまして法律で額を定めて提案をさせていただいておるわけでございます。現在、原油関税は三百五十円でございますが、これを最初の五年間は三百十五円、後半の五年は二百十五円ということでございまして、これは御存じのように従量税でございます。その輸入量につきましては、石油供給計画あるいは長期エネルギー需給見通し等に基づきまして算定しておりまして、今後の石油の若干の伸びを伴った安定的な需要、輸入を想定されておりますので、私どもとしてはその財源は十分確保されておる、この十年間の財源は確保されておるというふうに確信しております。
○中西(績)委員 財源については今お答えいただきましたけれども、特に私は、産炭地域における実態からいたしましても、この財源が将来を決定づける大きな問題を含んでおりますので、この点につきましては十分配慮し、今後も努力をしていただきたいと思います。 次に、鉱害復旧業務の処理につきまして何件がお伺いをしたいと思います。 認定未処理案件が依然として一万四千件滞留していると聞いております。今後どのように具体的に処理をしていくつもりなのか。特に現在、申し出後五年も六年もかかると言われておる状況があり、私は事務処理の強化だとかあるいは管理システムの効率化あるいはボーリング調査など種々あると思いますけれども、この点についてお答えください。
○土居政府委員 認定のおくれにつきましては、前通常国会においても御指摘いただきまして、それ以来合理化に努めまして、現在、先生一万四千件とおっしゃいましたけれども、一万二千件ぐらいまで急速に改善の途上にあります。昨年の二月から九州通産局にプロジェクトチームを発足させましてこの処理を強化いたしておりますし、石炭鉱害事業団におきましても、昨年の四月に人員体制を強化いたしまして、鋭意取り組んでおるところでございます。 また、今御指摘になりましたような、特に鉱害の認否の判断にとりまして重要なボーリングの調査につきましても、予算を平成三年度分から前年度の三倍にいたしまして、そういう形で取り組んでおるわけでございますが、いずれにしてもこの問題は、なかなかそう一年、二年でというわけにもいかない面もございます。 今後の目標といたしましては、平成五年度までを目途に一応滞貨の一掃ということをもくろんでおりまして、平成六年度には申し出がありますれば直ちに処理が可能な体制になるように最大限の努力をすることとしております。
○中西(績)委員 今部長から答弁ございましたけれども、いずれにしても多くの人が残る期間十年ということでもって大変な心配をしておるわけでありますから、いち早くこの滞留案件については処理をしていただいて、新たに出直す気持ちで対処していただきたいと思います。 次に、鉱害認定が不透明なために被害者が大変な不満を持っております。今まではただ採択しなかったという通知書だけが行っておったわけでありますから、何を理由にしてこうしたことが認定されないのかということで不満が充満しています。そこで、認定基準を明確にして公表すべきではないかと思いますけれども、この点についてはどうなんですか。
○土居政府委員 鉱害の認否の処理につきましては、担当者の恣意によることなく、公平、適切な審査を行うことが必要であるということから、認定審査基準を設けまして業務を行っているところでございまして、その基準の骨格は、第一点は石炭の採掘の影響線内にあるかどうかという問題、それから第二点は鉱害の安定時期前に建設されたものであるかどうか、あるいは鉱害復旧済みになっていないかどうか、金銭賠償済みであるかどうか、さらに効用阻害があるかどうか、その他の要件につきまして総合的に判断をするということでございまして、被害を量的側面、質的側面からとらえまして、その実態を的確に把握する内容になっておるところでございます。 ただ、申し出に対します認否の結果の通知につきましては、これまで否認の場合に特にその内容の説明が必ずしも十分ではなかったということもございまして、申し出者がその否認の理由を御理解いただけるように処理通知の様式を改めまして、本年一月から実施に移しているところでございます。
○中西(績)委員 一月からこの分についての改善を行っておるということでございますけれども、きょうは答弁要りませんけれども、私はこれについて不服審査的な討議のできる場所、機関を持つことが必要ではないかと思います。したがって、今まで何十年という被害を受けた皆さんのこの不満を解消するためには、あくまでも合理的にそして公平に処理をしていかないといけないわけでありますから、そのためにも何らかの機関を持って判断をさらにしていくという二段構えでいくべきではないかと思っています。したがって、この点はまた後日の論議に移したいと思います。 次に、鉱害復旧の認可手続が煩雑で時間がかかり過ぎるということはだれしもが指摘をしておるところであります。したがって、もっと手続を簡素化すべきではないかと思いますけれども、その具体的な方法についてお答えをいただきたいと思います。
○土居政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、石炭鉱業審議会の答申におきましても、石炭鉱害事業団の復旧基本計画、この手続の問題として御指摘をいただいておるところでございまして、特に復旧基本計画について、これは石炭鉱害事業団が作成するわけでございますけれども、その業務方法の改善とかあるいは復旧基本計画の認可に当たってのいろいろな石炭鉱害事業団と関係行政官庁の調整が必ずしも円滑でないということからその円滑化を図れというようなこと、その他審査手続の見直し、こういった点について御指摘をいただいております。これを踏まえまして、現在のところ、事業団が地区全体について復旧基本計画の策定のための調査を行う、これは当初の基本計画が途中で変更になることが非常に多いわけでございますが、それを少なくするという意味で、策定のための調査を事前に行うというようなことで、来年度から予算措置を講じました。 さらには、家屋の場合の超過工事というのがございますが、そういったときの通産局の業務が非常に時間がかかるというようなこともございまして、その業務の簡素化、こういったところについては来年度早々、四月から実施するということにしておりまして、その他の点につきましても、今後答申の趣旨に沿いまして事務処理の簡素化等に努めてまいりたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 これらの問題は従来から長いこと指摘をされたのですけれども、行政側の方がこうした点についての実態等からむしろ逃避をするような傾向があったわけであります。その結果がこの審議会の答申内容になってきたわけでありますから、いち早く手をつけられて、多くの皆さんのこうした不満を解消するためにもぜひ手がけていただくよう指摘をしておきたいと思います。 次に、基本計画の認可権限を地方局や事業団に委任をすべきではないかと私は思っています。基本計画の策定につきましては、事業団あるいは局、省と事前打ち合わせがなされておるようでありますけれども、その他多くの皆さんが納得のいくような、関係者の皆さんと十分な打ち合わせなどを行っていくことがこれからこれを推進するために大きな役割を果たすのではないか。 それともう一つ私が指摘をしておきたいと思いますのは、局の態度に多くの問題があるのではないかという声が出ています。かつて不祥事が起きまして、それから以降いろいろな制限が加えられましたけれども、その制限がすべて権力的に被害者には映ってくるわけであります。したがって、今までの歴史的経過だとか、こういうものを含めましてきめ細かい対策を遂げていかなくてはならぬのではないか、こう思いますので、ぜひ地方における周あるいは事業団、こういうところでそうした点が解消されるようにしていくべきではないかと思いますけれども、この点についてはどうでしょう。
○土居政府委員 最初の御指摘の点につきましては、これも石炭鉱業審議会の答申におきまして、特に復旧基本計画の認可手続がより円滑に行われるようということで、手続の「マニュアル化を図った上で、地方支分部局に事務の一部を委任する等、復旧手続きを総合的に見直すべきである。」という答申をいただいておるところでございまして、現在、この答申の趣旨を踏まえて、手続の一層の改善について検討しているところでございます。 通産局の姿勢の問題がございましたけれども、これは過去に不祥事件もあったということで、やはり厳正な運用はしなければいけないということでございますが、ただ、御指摘のように権力的な対応ということになってはいけないという側面もございますので、そのあたりにつきましては十分注意して対応してまいりたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 特に、一番最初に出ましたように、一万二千件依然としてこの滞留があるということとあわせまして、多くの被害者の皆さんにどうしても権力的志向というものが映るし、そして従来から実施してきた経過があるわけですから、そうしたことを全部抜きにして抑え込んでしまうという認識を多くの人が持っておるわけですね。したがって、この点について周あるいは事業団とも打ち合わせをしていただいて、そうしたことが解消されるように努めるよう指摘をしておきます。 次に、被害者が復旧に同意しない場合、不同意物件の取り扱いが非常に問題になってきておるところであります。特に新法との関係等におきましてどうなっておるかということを明らかにしてください。
○土居政府委員 御指摘がありました不同意案件を含めました復旧工事が進捗しない案件についてでございますけれども、今回お願いしております臨時石炭鉱害復旧法の改正によりまして、通産大臣あるいは主務大臣等によります行政による調整を規定したところでございまして、これらによりまして復旧促進を図るための必要な手続規定をまた整備していきたいというふうに考えております。今度の改正によりまして、不同意案件につきまして、これはいろいろ個々のケースがございますけれども、そういう各ケースの実態に応じましてきめ細かな対応を行ってまいりたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 次に、赤水あるいは湧水に対する今後の対応の問題でございますけれども、現在、赤水が五十カ所近くあると言われています。実際に処理施設のございますのは二カ所。上いうことになりますと、大変な問題をここに残したままになっていくわけであります。したがって、今後どのように対応していくのか、特に管理維持はどのようになされていくかということについてお答えをいただきたいと思います。 それに含めて湧水対策の問題を一つ例として挙げておきますけれども、筑豊田川におきまして、三井の立て坑から一日に揚水しておる量は四千トンあるいは五千トンと言われています。こうした問題があるだけに、揚水をそのままやるのかあるいは自然流下方式にすべきではないかという意見等もあるわけでありますけれども、こうした問題等について詳しくお答えください。
○土居政府委員 赤水、湧水に対する今後の対策でございますけれども、これにつきましても昨年六月の石炭鉱業審議会の答申におきまして、「慎重な調査に基づき具体的な対応策を決定し、これを着実に実施すべきである。」という御指摘をいただいておりまして、現在、この答申の趣旨に沿って対策を講ずるということで、検討を続けておるところでございます。 この処理施設の維持管理の問題につきましては、赤水、かんがい排水施設、両方ともでございますけれども、関係市町村等の維持管理者が引き受けられるような基金による制度が確立されているわけでございますけれども、この制度が十分円滑に動くような形にしてまいりたいと考えております。 今御指摘になりました具体的なケースでございますけれども、これについては今ちょっと手元に準備がございませんけれども、今御指摘のいろいろな方式の問題もございますので、具体的なケースに即して、地元の実態に一番合うような形で対応できるような検討をしていきたいと考えております。
○中西(績)委員 次に、赤水、湧水を含めまして、かんがい排水施設について基金を新たに設けると聞いておりますけれども、その算定方式、そしてどのようにこれから具体化していくかについて答えてください。
○土居政府委員 かんがい排水施設の基金の算定方法につきましては、現在、具体的な算定基準について検討をいたしておるところでございますけれども、将来の物価上昇を加味しても、その運用益によって年々の維持管理、さらには将来の設備更新を行うことができるような金額になることが必要であると考えております。
○中西(績)委員 赤水も湧水もかんがい排水もこうして新たに基金を設けてやることになるということであろうと思うのですけれども、かんがい排水だけでなしに、赤水、湧水も含めておるということだけ答えてください。
○土居政府委員 予算上はかんがい排水施設についての項目になっておりますけれども、御指摘のように両者を含んでおるということでございます。
○中西(績)委員 特にこの点私は指摘をしなくてはならぬと思いますのは、算定基準を物価スライドするとか、あるいは更新をするときの費用だとか、あるいは金利とのかかわりで基金を増額するとか、こうしたものがことしの予算ではある程度計上されてきていますね。こうした点で、さらにことしのように見直しなりなんなりをしていく、こういうように理解をしてよろしいですか。
○土居政府委員 御指摘のように、ことしの予算でかんがい排水施設の維持管理費についての基金の要求をいたしておりまして、これにつきましては、いろいろな問題点等については引き続き検討を続けながら、それに必要な予算を今後とも要求してまいります。
○中西(績)委員 次に、効用未回復問題についてお伺いします。 生ボタの盛り土による家屋あるいは軟弱地盤地帯の家屋、こういうところで効用未回復のものについてどうするか、あるいは農地の追加工事、こうしたものに対する今後の対応はどうしていくかをお答えください。
○土居政府委員 効用未回復問題につきましては、これも石炭鉱業審議会の答申におきまして、「所要の措置を講じるべきである。」という御指摘をいただいております。したがいまして、現在、当省といたしましても、答申の趣旨を踏まえまして、効用未回復の原因を分析して、改めて鉱害との因果関係あるいは復旧工事との因果関係が認められるものでありまして、その効用が著しく受忍の限度を超えているというものにつきましては、所要の措置が必要であると考えております。今後、答申の趣旨を踏まえまして、関係機関と十分協議を行いまして、具体的な復旧方法を策定いたしまして、計画的な復旧が図れるように、御指摘の点についても検討していくことにしております。
○中西(績)委員 この問題も、特に農地等については今まで一次から二次までやってきたわけでありますから、三次の追加工事が皆さんから大変期待をされておるところでありますし、こうした点での早急な論議を尽くしていただいて、準備万端直ちにかかるという体制を整えていただきたいと思います。 次に、鉱害復旧についての市町村の財政負担を軽減させるべきではないかと思っています。特に、御存じのように財政力指数は全国平均が〇・七、これに引き比べまして産炭地域市町村の場合には〇・三程度、特に筑豊に至りましては〇・一から二というところがたくさんあるわけです。こうしたことを考えますと、極めて財政力が低い。こうしたところに鉱害復旧財政負担をさせるわけでありますから、この点は何としても支援をするあるいは財政負担を国で見るという体制をとる必要があろうと思っています。特に、もう最後の仕上げに入るわけでありますから、市町村、こういう地方自治体との協力関係、こうしたものを十分図っていかなければできないわけでございますから、窓口業務の問題にいたしましてもあるいは基本計画作成の資料にいたしましても、調査費用等を含めてできるだけ市町村の負担を軽くするような今後の対策が必要ではないかと思っておりますが、この点についてはいかがですか。
○土居政府委員 鉱害対策につきましては、基本的には国と都道府県で必要な経費についての補助を行っておるということで、市町村の負担を求めていないわけでございますが、ただ、今御指摘ありましたように、市町村のいろいろな窓口機能ということもございますし、今回特に市町村についてはいろいろと協力を求めていくということになりました関係上、そういう意味での市町村の財政負担の軽減を図るということで、今お願いしております平成四年度予算案におきまして、鉱害処理に関する市町村の相談窓口に要する経費についての補助制度というものを創設してお願いしているところでございまして、これから市町村には鉱害処理についてはいろいろな形で一緒になってお手伝いいただくということになるわけでございますので、その負担の問題については十分対応をしてまいりたいと考えております。
○中西(績)委員 次に、累積鉱害解消後の問題といたしまして、指定法人は県単位だということを聞いております。私は、原則は県単位であっても、これを硬直的な考え方で変更しないということになりますといろいろ問題が出てくるのではないか、こう思います。特に、国が事業の認可をいたしますし、財源等についても負担をするわけでありますから、事業団の活用等を含めて地域ごとにどのようにすることが最も合理的なのか、こうした点についてお答えください。
○土居政府委員 鉱害復旧事業につきましては、従来から国と県を中心に行ってきているところでございます。したがいまして、補助金につきましても国と県が分担して事業を行ってきている、そういう形になります。したがいまして、指定法人の基金につきましても、国と県がそういう負担割合に応じまして拠出をするということでございます。こういったことから、指定法人の地域の単位としては原則として県域が適当であるというふうに考えておりますけれども、法人の指定に当たりましては十分地方公共団体と相談をいたしまして、その要望を尊重していきたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 次に、累積鉱害解消後の浅所陥没対策も国の事務として扱うべきではないかと私は思っています。特に、将来のことでございますから、この点を明らかにしておくことが肝要ではないか、こう思います。特にこの経費の負担等につきましては、国と県あるいは地方自治体との割合等についても、さらにまた地方自治体が負担をするということになってまいりますと、起債あるいは地方交付税措置がどうなるのか、こうした点等につきましても、きょうは自治省見えておりませんけれども、お答えをいただきたいと思います。
○土居政府委員 今回の鉱害二法の改正におきましては、累積鉱害解消後の浅所陥没等対策を行う法人につきましては、国が指定をして、国が必要な監督命令を行うということになっておりますし、さらに事業計画あるいは収支予算の認可も通算大臣みずからが行うということになっておりまして、その関連の規定を整備しているところでございます。 また、御指摘ありました財源となります基金につきましても、従来の石炭鉱害対策につきましての国の負担割合を勘案いたしまして、その大半を国庫から拠出をするということを予定しておるところでございまして、そういう意味で新たな負担増を自治体にお願いするというようなことを考えておるわけではございません。
○中西(績)委員 その場合、自治体が負担をする限度というものがあると思いますけれども、この点についてはどの程度を期待するんですか。
○土居政府委員 ただいま、従来の石炭鉱害対策についての国の負担割合を勘案して、当然浅所陥没対策については国が大半を拠出するというふうに申し上げましたけれども、その裏返しの問題でございまして、従来の石炭鉱害対策に対応する道県の負担、その負担割合に応じて道県にまたお願いをしていくということになると考えておりますけれども、それ以上のことを考えておるわけではございません。
○中西(績)委員 次に、今問題になっております筑豊の方城問題などを含みまして、復旧計画が非常におくれておる有資力鉱害に対する対応はこれからどうしていくのか。特に、先般の本委員会における参考人の意見として、石炭協会の会長は、五年を目途に計画を立て、これを実施していくということを答弁しておりました。私は、こうした復旧計画が十分に立たずにおくれてきたという現状から推察すると、大変困難ではないかということを危惧いたしています。したがって、通産省はこうした問題を十分踏まえた上で、この期間内にこうした問題をどう解消していくか、こうしたことが今大きく問われているのではないかと思っています。また、そのことが有資力関係の鉱害地域における多くの皆さんを安心させることにつながるわけでありますから、この点についてどう対応するかについてお答えください。
○土居政府委員 鉱害の賠償義務者であります鉱業権者につきましては、石炭鉱業の構造調整ということで、それにあわせまして、その責任において今後十年間のできるだけ早い機会に鉱害の処理を完了させることが必要というふうに認識しております。そういうことで、有資力賠償義務者の鉱害復旧につきましては、今後十年聞のその中で、かつできるだけ早い機会に鉱害処理を完了させるべく、個別の案件ごとにいろいろと復旧計画の立案とか年度ごとの鉱害復旧の実行計画に当たってのヒアリング等を通じまして、有資力賠償義務者の鉱害復旧の計画的な実施の指導に当たってまいりたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 復旧計画を私たちから提出を求められても、今まではこの点については明らかにしなかったわけですね。ですから、これから後、通産大臣からそうした点についての指摘をしながら本格的に取り組むという姿勢がなければ、到底これは達成できないのではないかと私は思います。今残っておるところは、大きなプロジェクトを組んでやらなければできないような広大な地域が残っておるわけでありますから、この点は篤と指摘をし、そしてまたこれから後追及をしていきたいと思います。 次に、鉱害復旧促進のためにNEDOに対して今後どのように指導を行っていくのか。特に私が指摘をしたいと思いますのは、不祥事件があった以降におけるNEDOの態度というものは、非常にかたくななまでに被害者の立場に立つということが全くなくなってしまっておるのではないかというような気がするわけであります。そのように映ります。したがって、この点はどのようにこれから指導していくのか、お答えください。
○土居政府委員 いずれにしても、今後十年間のできるだけ早い機会に鉱害処理を完了させるということが必要でございますので、NEDOの買収鉱区に係ります鉱害復旧につきましても、これまで以上に計画的な鉱害処理のための必要な指導を行ってまいりたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 一般的な指導ではだめなんでありますから、十分打ち合わせを済ませて、そしてむしろ促進をするという体制をどうつくり上げるかが大きな課題だろうと私は思います。したがって、この点特に問題として取り上げておきたいと思います。 次に、効用回復だけでなくて、地域振興の一環として、総合的な復旧計画に基づいて事業を進めていくべきだと私は考えます。この場合、さまざまな個別の問題が生じてくる可能性があるわけでありますから、今後の具体的な事業の進め方についてお答えをいただきたいと存じます。 特に私が指摘をしたいと思いますのは、ここ十数年にわたって指摘をしてまいりましたけれども、個々的な問題、ちょうど虫食いみたいにして鉱害復旧をしていくという今までの傾向があったわけであります。ですから、鉱害ボスが発生をするし、また、この連中が自分の収入を高めるためにも無理をしてでもそうした実現を図っていくということがああした事態を生んできたわけであります。したがって、面的な面でこれからどうしていくのか、地域的にどうするか、こうした点について十分これから基本計画なりを立てていくわけでありますから、この点をどのようにするか、お答えください。
○土居政府委員 ただいま御指摘の点につきましては、これも石炭鉱業審議会の答申におきまして、鉱害行政については他の事業との整合性の確保が必要である、あるいはより国民経済的に有意義な復旧の推進が必要である、あるいは国費の有効活用の観点、こういった諸観点から、地域振興事業との一体的な推進について対応を検討することが必要であるというふうに指摘されているわけでございまして、そういう方向で今後の業務を進めていく必要があるわけでございますけれども、具体的な事業の実施に当たりましては、御指摘のように、個々具体的なケースに即して制度を機動的、弾力的に運用することによりまして、総合的な産炭地域の振興に資するように事業を実施してまいりたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 非常に抽象的にしか物が言えないようでありますけれども、鉱害復旧をやる場合に今までの一番の問題は、先ほど申し上げましたように虫食い的にやるから、例えば私たちの地域におきまして出ておる問題としては、陥落した高さが六メーターも七メーターもあるわけでしょう。そうしますと、虫食い的にやると、そこにお城みたいにがけを築いて、その上に家屋を新しく建てるということになるわけでありますから、こうしたことを最初から面的にやっておれば、事業費だって相当節約できたんではないかということが指摘できるわけなんであります。 それと同時にもう一つ問題が出ておるのは、有資力のところでの農地の回復でありますけれども、復旧工事でありますけれども、部分的にやるために、例えば上流からあるいは下流から一面的にずっと遂げていきますと段差がなしに一面でできるわけでありますけれども、部分的にやりますとそれに伴って差ができてくるわけなんですね。そのためにいろいろ多くの問題が出ておる。したがって、実際に効用回復をしたと言うけれども、その地域全体からの問題になりますと、どうしてもそれがマイナスにしか作用していないという事態が出てきておるわけですね。ですから、こうした点も十分調査してあると思いますけれども、この点は調査してあるかどうかについてお答えください。
○土居政府委員 御指摘の虫食い復旧をできるだけなくして、総合的な復旧をしていくという観点で実態調査をしておりますけれども、特に来年度からは石炭鉱害事業団に全体復旧計画の調査費を計上いたしまして、今御指摘の点を十分解決するような基本計画になるようにしてまいりたいというふうに考えております。
○中西(績)委員 ぜひこれは強硬に進めていただきたいと思います。 次に、鉱害復旧長期計画は、復旧の進捗状況等を踏まえて、期間中でも見直しを行うべきではないだろうかと思います。長期にわたる計画というのは、やはり実態を踏まえて反省をしながらやらないと多くの問題を残していくわけでありますから、その状況に応じて、いつの時期にどのように見直しを行うのか。私は、その回数をできるだけ多くした方がいいんではないか、こう思いますが、この点はどうでしょうか。
○土居政府委員 鉱害復旧長期計画の策定につきましては、精密な鉱害量調査を踏まえて行われることになっておりまして、この計画は基本的な事項を定めるものでございますので、当初から見直しを予定するというものではございませんが、ただ、復旧に当たって配慮すべき基本的事項につきましては、復旧の進捗状況に応じて適宜見直しをしてまいりたいというふうに考えております。 また、答申でも、この鉱害対策の実施については、石炭鉱業審議会としてのフォローアップを行っていくということにもなっておりますので、そういう審議会における審議も含めまして、十分なフォローをしていきたいというふうに思っております。
○中西(績)委員 先ほどもちょっと触れましたけれども、審議会で初めてこうした問題について具体的に深く討論をして、今までなかなか手をかけなかった面におきましても、相当今回の場合には運用等につきましても変更するように、改善をするようになってきております。したがって、今言われましたように、何回かそうした点についての報告と、審議会の審議を経て実施をしていただきたいと思います。特に私はそうした問題等につきまして当委員会にも必ず報告をしていただきたいと思いますが、いかがですか。
○土居政府委員 いずれにしても、今後国会からの御要請があれば、いつでも御報告するという体制でございます。
○中西(績)委員 次に、先般もちょっと出たとは思いますけれども、石炭鉱害事業団職員については、雇用対策について政府は責任を持つということを言われておりますけれども、この点を特に私は留意しなくてはならぬと思います。なぜなら、限られた期限内における職員というのは将来的に不安を持つわけでありますから、それが不安定であればあるほど仕事に十分な対応ができないということにもなりかねないわけであります。したがって、万全の措置をとる中から、皆さんにそうした点についての、安心して仕事ができるように、あるいはむしろ積極的にこうした問題についての対応ができるように措置をすべきではないかと思いますけれども、この点はいかがですか。
○山本(貞)政府委員 本当に先生今御指摘のとおりでございまして、期限のある場合に職員が非常に将来の雇用不安を持つ、それが事業の遂行に支障を来す、士気の低下をもたらすというようなことにならないように、私どもとしては、将来の見通し、それから資源エネルギー庁自身でもちろん最大の努力をいたしますし、関係方面にも御相談をして、将来のビジョンというか見込みについて、きちっと職員の皆さんにも将来の方向を持っていただけるように努力をして、雇用不安のないように最大限努力をしていきたいと思っております。
○中西(績)委員 細かい点になりますけれども、今まで農地復旧の場合は一反当たり二百八十万、これを改善されたと聞きますけれども、私は、上限を余りにも小さく制限をいたしますと、効用回復等におきましてもいろいろな問題が出るのではないかと思いますが、どのようになっておるのか、そしてさらに上限等についてはどうお考えなのか、この点をお答えください。
○土居政府委員 一反当たり二百八十万円というお話でございますが、この一月から単価を一反当たり三百五十万円に上げまして、実態に応じて単価については考えてきておるところでございますけれども、今後ともそういう形で、実態に即した手当てをしてまいりたいと考えております。
○中西(績)委員 最後になると思いますけれども、復旧工事を行うときに、工事を施行するに当たっての環境整備が物すごく大事じゃないかということを私は強く感じています。特に、施行者と被害者との間における調整等については、先ほど御答弁いただいた不同意問題等もございますけれども、これから後、法律の改正等でどういう措置を具体的にとっていくのか、この点が一つ。 それからもう一つは、今まで復旧費等について運用面でいろいろな対策をとっておりましたけれども、被害者を特定できない場合、積み立て等についてどうなっていくのか、こうした点等につきましてもお答えいただきたいと思います。
○土居政府委員 なかなか鉱害復旧が進捗しない場合の調整等の問題につきましては、先ほど御答弁いたしましたように、今度の法律でも各種の調整規定を整備しておりますし、特に被害者に非常に近いところにございます市町村にいろいろと御協力をいただくということにもなっておりますので、そういう形で環境整備に努めてまいりたいと考えておりますし、いずれにしてもまずおくれている案件についての処理促進ということに全力を尽くしてまいりたいと考えております。
○中西(績)委員 もう一つ、復旧費の積み立て。
○土居政府委員 復旧が非常に滞っているという問題でございますが、これについては、復旧の促進を鋭意やるということでございますので、いずれにしてもそういう形で対応できると思っておりますが、おくれた場合の予算上の対応については、そういう事態を想定しつつ、今後弾力的に行ってまいりたいと思っております。U中西(績)委員 時間的に余裕がなしに項目だけ借い上げてやりましたので、詰めが十分ではありませんけれども、時間が参りましたので、終わりたいと思います。残余の時間は、私の後に同僚の中沢委員が行いますので、これに加えさせていただければと思っております。以上です。終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 中西君の質疑を終わります。続いて、中沢健次君。
○中沢委員 おはようございます。委員長、昨晩委員長招待をいただきまして大変ありがとうございました。 さて、私は、前半三十分、後半三十分、特に後半三十分は通産大臣の出席がございますから、重要な案件につきましてはそこに譲っていきたいと思います。前半の三十分は具体的な内容につきまして簡単に質問しますから、要点を押さえてそれぞれ御答弁をいただきたいと思います。 最初に、厚生省、来ていると思います。石炭企業年金につきまして少しくお尋ねをしたいと思います。 既に御案内の皆さんも大勢いらっしゃると思いますが、石炭政策が三十六年からスタートいたしまして、石炭企業として企業年金制度をスタートしたのが昭和四十二年、このように聞いておりまして、今日までいろいろな経緯があったと思うのでありますが、とりわけその間における、ごく最近で結構でありますから、給付内容の改善、それからこの財源はいわゆる石炭協会あるいは石炭会社が当初はトン当たり四十円というふうに聞いております、現行は七十円になったようでありますが、そういう掛金をもって財源にして炭鉱労働者の退職者に対する企業年金を支給している、こういう制度でございます。したがって、給付の改善あるいは財源の動向、さらにごく最近の、この基金におきます会計問題で言いますと、責任準備金の金額、それから俗に言う財産として持っております基本金の金額、これをあわせましてお聞かせをいただきたいと思います、
○伍藤説明員 お答え申し上げます。 石炭鉱業年金基金の掛金及び給付の推移でございますが、委員御指摘ありましたとおり、昭和四十二年制度創設時、掛金につきましては一トン当たり四十円でございまして、これが昭和五十三年に一トン当たり七十円に引き上げられて現在に至っております。平成二年度決算におきましては、掛金収入が全体で六億円という状況になっております。 一方、給付の面でございますが、給付につきましては、坑内員、坑外員ともにでございますが、五年以上の勤務期間を有する者につきまして年金を支給するという仕組みになっておりまして、五年刻みで四種類に分かれております。五年から十年、十年から十五年、十五年から二十年、二十年以上、こういう区分で年金を支給しておりますが、この給付につきましては、四十二年に制度が創設されて以来、四十七年、五十一年、六十二年の三回にわたりまして給付の改善が行われているところであります。ちなみに、平成二年度におきます給付の総額は約十八億円という状況になっております。 それから、年金額につきましては、例えば一番長期の加入者であります二十年以上の勤務者につきましては、モデル年金額、制度創設時には年金額として八万四千円でございましたが、現在ではこれが年額十二万円というように改善をされてきております。 それからもう一点のお尋ねであります資産の状況でございますが、平成二年度決算におきまして、石炭鉱業年金基金の総資産が三百四十八億円という状況でございまして、その内訳を申し上げますと、将来の今申し上げました年金の給付に直接充てるための必要財源であります責任準備金が二百二十八億円、そのほかの積立金として百四億円、それから当年度における剰余金その他が十六億円、合わせて三百四十八億円というような状況になっております。
○中沢委員 そこで、もう一つお尋ねをいたします。 財産のうち、基本金の額については今説明がございました。私も改めて当該団体から資料もいただいておりまして、本年三月三十一日の見込みからいいますと、基本金につきましては百二十七億になる。この百二十七億の財産を、年金支払いの積み立てはもう既に別に持っておりますから、これから基金としてどのように使うか。労働組合でいえば石炭労協、あるいは石炭協会、基金といろいろと話をしているようでありますが、この基本金をどう使うかということで言えば、例えば年金者に対する福祉関係で言えば、定款の変更なしに、つまりは法律改正なしに若干の幅としてはやれると思いますけれども、いろいろな目的でこれから使う場合は定款変更、つまりは法律改正が必要ではないか、私はそのように考えます。 したがって、この間この問題ではありませんが議論した際に、石鉱害の答申の中では関係諸法令の改正も必要だ、こういう指摘がありまして、企業年金に具体的に言及はされておりませんが、やはり石炭企業のこの年金制度も石炭政策に関係する制度である、こういう認識に立つならば、本来的には今度の関係法案、新政策と言われている中に入れればよかったのでしょうけれども、時間的には無理だと思いますので、これからの検討課題として、石炭労協や石炭協会、基金、監督官庁の厚生省はこの基本金の使途につきまして十分知恵を出し合って効果的な利用方法を考えて、必要なときには法律改正をすべきではないか、このように私は考えますが、いかがでしょう。
○伍藤説明員 いわゆる別途の積立金についての使用方法についてのお尋ねでございますが、現在の石炭鉱業年金基金法は、特殊な労働環境を有します炭鉱労働者の老後の福祉を図るという観点から、公的年金に上乗せして手厚い年金を給付する、こういう趣旨でつくられた法律でございまして、先ほど申し上げましたように、今までこういう積立金を取り崩していろいろ給付の改善に充ててきたわけでございます。五十五歳から支給するという一般の労働者とまた違った側面も有しておりますこの労働者の年金でございますから、それなりの給付財源も普通の年金よりも多額に必要なわけでございますが、今後そういう給付改善にどこまで充てるかということをまず第一に検討すべきことではないかと私どもは思っております。御指摘のあったような点につきましては、いろいろ業界団体等の御意向も伺いながら検討してまいりたいと思いますが、基本的には現在の法律ではそこまでは予定していないということで、大変難しい問題でありまして、今後の石炭産業の動向、掛金収入がどうなるかというようなこともありますので、私どもは現時点では給付改善をなるべく手厚くしていくというのが全体の労働者の福祉に直接結びつくのではないかと考えております。
○中沢委員 おっしゃるように、長期的な収支の見通しを含めてということは当然だと思います。時間がありませんからこれ以上のことは申し上げませんが、いずれにしても重要な課題でもありますので、関係団体とよく話をする、こういうことで対処をお願いをしておきたいと思います。 次に、自治省、来ていると思います。産炭地振興に関連をしまして、自治体財政問題を私も当委員会で取り上げてまいりました。地方行政委員会でも取り上げてまいりました。きょうは二つ、簡単にお尋ねをしておきたいと思います。 例の普通地方交付税の制度の中で、産炭地補正という制度があります。この間、大臣質疑の中でもいろいろ申し上げましたが、いずれにしても五十一年度から始まりまして平成四年度でこの制度は打ち切る。しかし、過去十六年間の交付税措置の実績は、全国の産炭地で約七百七十億に及ぶ。大変膨大な金額だと思います。ただ、算定の一つの基礎からいいますと、緊就とか開就をやっております福岡地区に重点的に配分をされて、結果的にこの配分は、決して私が北海道だから言うわけではありませんが、北海道は全体の五%程度、福岡が八〇%程度という過去の実績になっております。しかし、これからの産炭地振興のことを考え、あるいは交付税制度の基本的な構造から考えまして、平成五年度以降も形を変えた産炭地補正が必要ではないか。つまり産炭地財政は、もう多くを申し上げませんが、大変な借金を抱えて、人口が減って、それだけ借金を返すのにきゅうきゅうの状態。しかも、これからの地域振興では自治体財政がしっかりしていかなければならないという問題がありますから、平成五年度以降も形を変えた産炭地補正が必要ではないか。 これについて自治省の考え方を聞いておきたいし、同時に、昭和六十二年から短期人口急減補正というのをやっていただいております。これは産炭地に限らず、非常に急激に人口が減るところは、ルールによります人口補正に加えまして、六十二年度から単年度措置でやっていただいているもので、配分実績は六十億ぐらいになっていると思いますが、これについてもぜひひとつ、単年度措置でありますが、平成四年度も引き続きやっていただきたい。 きょうは交付税課長の田村さんお見えでありますが、田村さんは私の選挙区の石狩沼田の出身でもありますから、ぜひひとつ情を込めてお答えをいただきたいと思います。
○田村説明員 お答えを申し上げます。 まず、地方交付税の産炭地補正でございますけれども、先生御指摘のように平成四年度までで適用が終わることになっておるわけでございますが、平成五年度以降の取り扱いにつきましては、延長された産炭地域振興臨時措置法に基づく施策の展開、関係市町村における財政状況の動向を見きわめながら、全般的な財源措置の中で検討してまいりたいと考えております。 なおその際、産炭地域に対する交付税措置のあり方につきましては、産炭地振興という立場に立って、御指摘のような趣旨をも踏まえ、適切なものとなるよう検討してまいりたいと考えております。 次に、短期急減補正についてのお尋ねでございます。これにつきましては、平成四年度の普通交付税の算定方法等につきましては今後検討していくことになるわけでございますけれども、人口急減団体の財政運営に重大な支障が生じないよう、短期急減補正の存続も十分念頭に置きながら検討してまいりたい、このように考えております。
○中沢委員 いずれにしても、また地方行政委員会でも取り上げたいと思いますが、よろしくお願いを申し上げたいと思います。 それでは、厚生省と自治省の方は結構でございます。ありがとうございました。 次に、労働大臣もお見えでございますが、労働省にお尋ねをしたいと思います。時間がありませんから、大変恐縮ですけれども、三つまとめてお尋ねをしたいと思います。 一つは炭鉱労働者の労働時間問題で、多く申し上げません。いずれにしても、民間も、あるいは今国会では公務員関係も、まだ確定をしておりませんけれども、完全週休二日制の法案が出そうである、こういう状況に今あるわけでありまして、それに比べると炭鉱労働者は地下産業で大変危険な仕事をし、しかも労働時間でいうと他産業に比べて余り短縮が進んでいない、これが実態だと思います。やはりこの際、単なる労働条件という観点もそうでありますが、国際的なあるいは国内のそういう労働行政全体の観点からも、早急に炭鉱労働者の時間短縮、週休二日制導入について労働省として積極的にやるべきである、このことについてどのように考えているか、これが第一点。 それからもう一つは、ついこの間も取り上げました新分野開拓に伴ういわゆる派遣でありますとか、そういう関係者の雇用安定助成金問題です。私はこの一年間という年限はやはり短いと思うのですね。多角経営ということになってくると、その業種、業態にもよりますけれども、相当長期にわたって派遣をせざるを得ない。一年間で助成が打ち切られるということになってくると、全体的な政策効果からいえばいろいろやはり問題が出てくるのではないか。しかし、この際、法案もどん詰まりの審議でありますから、今度の新政策で改めて二年にせよということはなかなか面倒でしょうけれども、今後の重要な検討課題として労働省としてしっかり受けとめて、積極的にこの問題については見直しを検討していただきたい、これが二つ目。 もう一つは、例の雇用促進手当とそれから臨時就労の臨時収入との関係でいうと、私も前に夕張の問題も含めて取り上げて、現地の職安所長ともいろいろ話をしました。なかなか思うように進んでいない、これが実態だと思います。現在は一日二千八百円を限度にしてそういう調整がされておりますが、私はこの際せめて最低でも三千円、三千円以上にぜひ引き上げてほしい。これは夕張に限らず、北海道全体あるいは産炭地を抱える九州その他の道府県にもそれぞれ共通する問題だと思いますから、金額はそれほど大きくないわけでありまして、予算上もそれほど多額に上らないと思いますので、余り目新しい労働政策は正直言ってございませんので、細かい問題かもしれませんが、この際ぜひひとつこれも含めて検討していただきたいし、前向きな答弁をこの際お願いしたいと思います。 以上でございます。
○征矢政府委員 ただいま三点にわたります御質問がございましたが、労働時間短縮問題につきましては、御指摘のとおり、諸般の非常に厳しい状況の中で、石炭鉱業関係につきましては、全国毎勤調査産業計に比べまして長くなっております。全産業で年間二千十六時間でございますが、これに対しまして二千三百六十三時間となっておりますし、週休二日制の状況も、全体では適用労働者の割合が八六・四%でございますが、鉱業関係ですと五四・七%というようなことでございます。私ども一生懸命対策もとっているわけでございますが、諸般の実情の中で、労働基準法上におきましても現在は週四十四時間労働の猶予措置の対象でございまして、平成五年三月末までは週四十六時間制というようなことでございますが、この期間内におきましても四十四時間制はできるだけ早く達成するように労働基準監督署を通じまして指導をしているところでございます。 それから二点目の雇用安定助成金でございますが、前回も御質疑ございましたが、これにつきましては、私どものいわゆる不況期における緊急雇用対策の中で最大限の対策をにらんで仕組んでおるところでございます。したがいまして、助成率につきましては、職業訓練は賃金の四分の三、出向等については賃金の三分の二という高率助成をいたすことにいたしておりまして、この限度は一年ということで、それが短いという御指摘でございますが、これは実は職業訓練が必要でございますから、職業訓練をやりましてそれから出向等をやります場合には、職業訓練が最大限一年、出向が一年ということで、二年間は助成の対象になるということでございます。 これにつきまして、この助成金が今後の石炭企業の新分野開拓の実情に応じて有効かつ適切、機動的に活用されるよう、その運用をまず図ってまいりたいと考えておるところでございまして、御指摘の点につきましては、その運用状況も見ながら、今後の研究課題とさせていただきたいというふうに思います。 三点目の支給調整の問題でございますが、これは御承知のように雇用保険法の十九条におきまして、この計算式が法律で規定されております。いわゆる臨時収入から千円を引いた額をもとにいたしまして計算いたしまして、現状ですと御指摘のように二千七、八百円のところまでは支給調整がございませんが、それを超えますと支給調整があるということで、私どもかねがね北海道の現地の皆さんからの要望も受けておりまして、これは雇用保険法の改正をいたしませんと手当てができないものですから、検討いたしておりましたが、たまたま今回雇用保険法の改正をいたすことになりまして、その中で雇用保険法十九条を手当でいたしまして、千円を千三百円に賃金の情勢を踏まえて引き上げております。これをもとに計算いたしますと、大体三千二百五十円程度までは支給調整がされなくなろうかと思いますので、私どもといたしまして、この雇用保険法の早期成立を、これは労働委員会になるわけでございますが、お願いしてまいりたいというふうに考えております。
○中沢委員 ありがとうございました。 次に、通産省に個別の問題でお尋ねをいたします。三つまとめて聞きます。 一つは、現在の稼行炭鉱における石炭の可採埋蔵量、これは恐らく山別には数字を持っていると思いますが、支障があれば、全国、九州ブロック、北海道ブロックに分けてその可採埋蔵量を示していただきたい。 二つ目は、露頭炭の採掘可能な炭量を、これは北海道に限定されていると思いますが、どのように押さえているか。 それから三つ目は、いわゆる雑炭は平成三年度七十万トンというふうに我々も承知をしておりますけれども、これがこれからの全体的な電力の引取量の中にどういう形で織り込まれていくのか。坑内掘りの石炭と違って、露頭と雑炭については自由取引だ、こういう新政策の方針についても私どもは一定の理解を示しておりますが、その辺の状況について、まとめてお示しをいただきたいと思うのです。
○土居政府委員 第一点の、現行の稼行炭鉱の可採埋蔵量といいますか炭量でございますけれども、現在の大手六炭鉱の現存鉱区内には約四・六億トンの炭量があるものというふうに考えております。これは北海道、九州に分けますと、北海道の方は約二億トン、九州の方は二・六億トンという内訳になります。 それから、採掘可能な露頭炭の炭量でございますけれども、これにつきましては四千六百万トンということで、内訳は北海道が四千三百万トン、九州は三百万トンということでございます。 三番目の雑炭につきましては、これは需要と供給の差し引きで決まってくる数字でございますのであらかじめ確定することは困難でございますが、平成三年度の実施計画では、御承知のように七十万トンということで見込んでおるところでございます。 この雑炭の扱いにつきましては、今度の答申におきまして、平成四年度以降は、露頭炭、雑炭は坑内炭と位置づけが異なるということで、基本的には当事者間の自由取引にゆだねるということになっておるわけでございます。したがいまして、需給につきましては、石炭の実施計画で石炭の生産数量が決まってまいりますけれども、これと需給見通しを石炭鉱業審議会の場で決めていくわけでございます。基本的には、坑内炭については完全に需要が確保されるということが担保されるわけでございますが、雑炭については結果として、具体的には品質調整上の問題から必要な量がそれに付加されてくるということでございますが、いずれにしても先ほど申しましたように雑炭自体についてはこれはもう自由取引ということでございますので、量は相当程度低下してくるというふうに考えております。
○中沢委員 これはこの間の委員会でも出たのでありますが、閉山・縮小に伴う関係自治体の臨時交付金問題で、私どもは決して閉山や縮小を好むものではありません。しかし、八次政策の体験からいいまして、そういう事態に備えまして、自治体に対する臨時交付金は、閉山の場合の単価も引き上げてもらった、縮小についても今度二分の一であるけれども交付をすることになった。私はこれからの問題として、やはりトン当たり単価を大幅に引き上げるという問題と、それから縮小についても、事実上閉山同様の被害を自治体に対しては与えるわけでありますから、もう閉山と縮小を一緒にして、大幅な単価の引き上げ、制度の見直しをぜひ今後の課題としてやるべきではないかと思いますが、これについてはいかがでしょうか。
○土居政府委員 産炭地振興臨時交付金につきましては、閉山あるいは生産規模の縮小に応じました基準額がございまして、そういう基準でこの交付金を交付しているわけでございますけれども、その単価については、平成三年度予算におきまして従来のトン当たり百七十八円から二百四十円に約三五%の引き上げを行ったところでございまして、今後とも物価上昇その他の状況を踏まえながらこれについては検討を続けていくということになると思います。 それから、御指摘がありました規模縮小の場合の取り扱いでございますけれども、これにつきましては閉山の場合と自治体に対する交付金の基準が違っておりまして、例えば基準額が規模縮小の場合には二分の一になっているというような問題がございます。これはこれでそれ相応の理由があるわけでございますけれども、いずれにしても今回、規模縮小交付金と閉山交付金の調整を図ったところでございまして、こういったところも踏まえながら、この計数等については今後の検討課題として検討を続けさせていただきたいというふうに考えております。
○中沢委員 では、前半部分の最後の質問になると思います。 平成四年度の石炭の需給計画、これは法案が上がって早速具体的な作業を関係部会を招集したり審議会を開くということになると思いますが、早くていつ決まるのか、明示をしていただきたいと思います。
○土居政府委員 平成四年度の需給につきましては、改正後の法案に基づきます石炭鉱業合理化実施計画、これで生産の方の計画を決めなければいけないわけでございますので、法案が成立しました後、できるだけ早く企業からのヒアリングの結果をもとに実施計画の策定と、それに見合います需給見通しの策定を行いまして、石炭鉱業審議会の場で需給計画の策定をしてまいりたいと考えておりまして、できるだけ連休前にもその作業を済ませたいというふうに考えております。
○中沢委員 では、前半の質問をこれで終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて中沢君の質疑は終わりました。 続いて、藤原房雄君。
○藤原委員 最初に、三十年にわたります第一次から第八次までの石炭政策、エネルギー革命と言われます大変な変動の中にありましてそれなりに対応を迫られたという背景もございますが、大きな流れの中でこのたびのこの法案というのは、「今後十年間を最終段階として、石炭鉱業の構造調整の円滑な推進を図るため、石炭鉱業の合理化及び安定のための措置並びに石炭会社等の事業の新分野の開拓を促進するための措置を講すみ」、こういう目的といいますか一つの大きな目標のもとに八法案が提出されたわけであります。 考えてみますと、一つ一つの法律はそれなりの歴史的な経過がございますけれども、非常に重要な意味を持つものであるだけに、やはり相当時間をかけて議論をしなければならない。これが八本束ねて、過日は参考人に対する質疑もございましたが、こういうことでこの法案が今進もうとしているわけでありますが、まず最初に、こういう八本の法律の重要性にかんがみるとき、これだけの時間でこの内容についての重要な議論が十分になされるのか、こういうことについて非常に危惧を抱くわけであります。私は、この政府の取り組みにつきまして、もう少し慎重であっていただきたかった、こう思うのであります。 ここら辺のことにつきましては、これは大臣が中心なのかもしれませんが、関係部長さん、やむを得ない事情も私どもも十分わかるわけでありますけれども、この重要な転換点にあるということにかんがみますと、八本の法案を束ねたこのたびのこの審議というのは非常に性急過ぎるのではないか、このように思うわけでありますが、この問題についてひとつ御答弁をいただきたいと思います。 〔委員長退席、岡田(利)委員長代理着席〕
○山本(貞)政府委員 今度のポスト八次対策につきまして、昨年、石炭鉱業審議会の答申をいただきまして、それによりますと、先生今御指摘いただきましたように、今後ともその合理化安定に努め、一方では新分野の開拓という努力をしていくということの御指摘をいただいたわけです。これは従来の石炭鉱業の合理化も同時に進める、それから労働省でお願いする雇用対策もさらに強化して進める、あるいは鉱害対策も関連して進める、そういう総合的に一括してというか全般的な視野に立って進めるという御指摘をいただいたと思うわけでございます。 そういうわけで、私ども今度関係八法、その中には財源対策の法律もございます。そういうような法律を全部まとめてお願いをいたしました。その御審議の過程で、すべて関連するものについて国会の方で総合的に御判断をいただいて御審査をいただければ、私どもとしてはより適切な方向づけをいただけるのではないかというふうに思った次第でございまして、それを当委員会で、今までも非常に総合的な立場から全分野にわたって御審査をいただいており、私どももそれを踏まえて今後施策を充実してまいりたいと思っている次第でございます。
○藤原委員 一次から八次までの間についての経過と、それからそのときそのときの現状については当委員会でもいろいろな審議が行われております。それらの審議の経過を十分に勘案してということでありますけれども、それは審議の中ではいろいろな議論があり、このたびの法案につきましては参酌をしていらっしゃる点については私どももそれなりに評価をいたしますが、何せ国内エネルギーとして唯一の石炭が八百二十万トンですか、もう後のない状況の中で今後どうするかという、非常に歴史的にも大きな転換点を迎えている、こういうことであります。 今までの議論は議論といたしましても、単純延長ということじゃなくて、中身のことについてはもっと深めなければならない諸問題があったのではないか。あったのではないかというより、十分あるわけでありますし、私ども頭の中にいろいろなことがありますが、与えられた時間の中での議論ということになりますと十分ではない、こんな思いがしてならないわけであります。いろいろな手続の上から、二月に入りますと大臣が予算委員会にずっと縛られでなかなか委員会ができないとか、三月三十一日というこの延長の最低の時点になりますと、どうしても窮屈な時間のやりくりの中でということになるわけであります。 そんなことをぐずぐず言ってもしょうがないのですが、そういう現状の中にありますので、法律さえ通ってしまえば、後の運用は当局の皆さん方の手にゆだねられるわけでありますけれども、このたびの法案につきましては、非常に重要な意味を持つ法案であるということとともに、今後十年間で国内唯一のエネルギーであります石炭がどういう方向に、そしてまた地域振興のためにどういう施策が、今日まで議論になったことで終わるのではなくて、また法案の条文で終わるのではなくして、機会あるたびに委員会でいろいろな審議等を積極的にやっていただき、激動する社会情勢の中で十分にこの法案が生きていく、法律の条文の実効性のある運用ということを本当にしっかり心がけていただきたい。 今日までいろいろ論議してきたことは、私どももそのとおりだと思いますし、また、心にあることについてはいろいろ申し上げたつもりでありますけれども、十年を目指しての法律が今ここに生まれ出ようということの上においては、今までの経過を見て、短時間の中で八本のこれらの法律の審議が尽くされたかどうか、こんなことを静かに考えてみますと、どうもまだまだ足りないような気がしてならない、そういうことで申し上げているわけであります。 今後の法案の運用ということにつきましては、十分に当委員会での意見、またこれからも随時委員会を開いて、そういう中での意見を参酌し、実効性のある運用ということを私は最初に申し上げておきたいと思うのでありますが、長官の決意のほどをお伺いしておきたいと思います。
○山本(貞)政府委員 この委員会で御指摘いただいた点、私ども肝に銘じて今後とも運用に努めますし、あるいはそのときどきの必要に応じて新しい施策の検討も含めて進めてまいりたいと思います。その際には、今後とも国会での御審議、御指摘あるいは御激励をいただいて、施策の立案あるいは実施に努めてまいりたいと思っております。
○藤原委員 そういうことで、先々のことを考えてみまして私どもが危惧する一つの点は、石炭需要の量的拡大、こういうものが、この長期エネルギー需給見通しを見ましても、まだこの先需要が伸びるだろうと試算されておるわけであります。 そういう中にありまして、かつての石鉱害の中での国内エネルギーに対する有効性といいますか、それなりに評価をいたしておりますけれども、それは技術的な温存ということや、いろいろな国内エネルギーとして考えなければならない点があります。しかしながら、国民経済的均衡点の水準のあり方ということが今後非常に重要といいますか、国内エネルギーを考える上においては均衡点の水準というものがどこに設定されるかということが非常に大きな問題になると思うのであります。決して石炭エネルギーはあらゆる面でその役割を終わったということではないという記述にはなっておりますけれども、しかしながら、均衡点の水準のあり方ということは今後の動向やいろいろなことを勘案してということで明確ではない。 国内炭は、現在国内で使用いたしております一億三千万トンの中では一割にも満たない現状の中にある。そういう状況の中にあって、本当に石炭産業が日本に必要あるのかないのか、今後どうするのかという非常にせっぱ詰まった選択が迫られるような状況の中にあると思うのです。今日まで先人が築いた技術というものについては海外炭の開発やいろいろなことに生かされる面もあろうかと思いますし、そういう点の評価もございますけれども、これからの十年というのは、そういう点ではこの石炭エネルギーの今までにない非常に重要な転機といいますか、どう判断するかということが非常に大事なことだろうと思うわけであります。 そういうことからいいますと、国民経済的な均衡点の水準のあり方ということにつきましてある目安の明示といいますか、そういうものがありませんと、いつどういう形になってこれが進められるのかという危惧を非常に抱く。こういう点がこのたびのこの法案全体の中で非常に重要なことだろうと思うのでありますが、今日までもいろいろな議論の中でそれなりの答弁はいただいておりますけれども、この八法案を審議するに当たりまして、改めてこの問題についての長官の御見解といいますかお考えをはっきりと聞いておきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○山本(貞)政府委員 今先生が国内炭の位置づけについて概括されましたのと重複になるかと存じますが、昨年の答申でも指摘をいただいているわけですが、確かに国内炭の位置づけというのは日本の総エネルギー需要の中での比率も低い、あるいは石炭需要の中でも今御指摘のように一割弱になっておる、そういう点を踏まえると少なくなっているのは事実でございます。ただ、少なくなっているが、それでもそれなりの位置づけがあるということを書いているわけです。 その一つの大きな視点は、今後石炭需要がふえていく、その中で海外炭の需要がふえていくことになるわけですが、その確保のために、従来我が国が培ってきた石炭技術等につきまして、それが将来のエネルギーの安定供給に役立つという視点も踏まえて位置づけをしていこう。その際には、もちろん国民経済的負担というのと今申し上げました役割ということとのバランスを考えていくべきである。それについて現時点で幾らというのを決めるのは、今後のいろいろな経済情勢とかそういうようなこともございますので、今時点できっちりは決められませんが、今後はそういう水準につきましては、従来も申し上げておりますけれども、まず石炭会社の方で、例えば毎年度これくらいの生産でいこうという案をつくって、その上で需要家に引き取りの要請というか、引き取りの協力をする、これも需要業界が意思表明しておりますので、私どももそれに関与して石炭鉱業審議会の場でその年度の出炭規模を決めていく、そういうことを今後続けることによりまして、先ほど申し上げましたような基本的な考えで均衡点というか国民経済的な位置づけを持っていく。その際には、私どもとしては、今までもそういう御懸念がございましたが、将来総撤退とかそういうことを何も必ずしも意味するものじゃなくて、今申し上げましたような考えの中で考えていくということでございます。
○藤原委員 さっきも申し上げたように、短時間の中でのことでございますので、本当にはしょって申しわけないのでありますが、私は、八次策というのは今までと違って、七次策とは違って、一つの大きな試金石といいますか大事な五カ年であったと思います。そのときの審議にも参加させていただきましたが、一番危惧したのは雪崩閉山ということで、結局合理化ということは閉山やむなしということで、そして閉山で一抜け、二抜けということの中で、その地域の疲弊や、またその閉山に伴います地域経済、またそこにお働きになっておられる方々を見ますと、当時としましては景気の余りよくないときでございましたから、六十二年、次々と閉山になる。 それらのことの中で、そんな雪崩閉山ということではない、それなりの対応をしておるし、それなりの平静さを保っておるという皆さん方の御答弁でありましたが、考えてみますと、今日なお多くの問題を抱えている地方自治体の財源的な窮迫の中で、なかなか地域対策が進まないということや、今なお未就職の方々がいらっしゃるとか、そういう状況にあることはもう御存じのとおりでありまして、いいとか悪いとかここで論じてもしょうがないのでありますけれども、ある時間をかけて、そしてまたそれに対する対策というのは相当慎重に進めなければならぬし、またそういう気持ちでありましても時代背景がどうかということであります。 幸い八次策のときには六十二年から景気が上向いてまいりましたから、そういう点では八次策の推進に当たりましては皆さん方の予想以上に支えられた面もあるのではないか。しかし、産炭地という特殊な事情の中にありまして、日本の経済全体がバブルと言われるようなこんな状況にありましたけれども、それほどの景気がこの地域に浸透しているわけじゃございませんから、やはり問題が山積しておったことは間違いないと思います。あれだけの好景気の中で、その背景の中でやや支えられた面があって今日のような状況の中にある、こういうことを私どもは忘れてはならないと思います。皆さん方の当初の計画が計画どおり進んで大過なくなんということはお考えではないだろうと思うのでありますが、これからまた、現在非常に景気が下降線をたどっておるという中での議論であり、そしてまた今後の推移ということでありますから、私は一層危惧を抱いているわけでありまして、今後の法案の実効性ということを重ねて訴えておきたいと思います。 〔岡田(利)委員長代理退席、委員長着席〕 時間もございませんので次に移らせていただきますが、労働大臣に労働省の問題。 過日、大臣にお聞きする時間もございませんでしたのでお伺いする次第でございますが、炭鉱離職者臨時措置法の関係でございますけれども、二十三条の「援護業務」、雇用促進事業団の業務に追加されるところの鉱業権者等に対する研修等の業務の趣旨、これは「炭鉱労働者の配置転換その他の雇用に関する事項の管理に関し必要な知識を習得させる」、こうなっておりますけれども、これはどういう形で進められるのかということと、もう一つは、一番問題でありますけれども、石炭会社が新規分野に進出するということになるわけでありますが、石炭労働者の方々が、新規事業というと、それは相当見通しを立ててやるんですけれども、経済の変動の中にありますから、当初の計画どおりに進めば問題ないのですけれども、非常に難しい。行ったところの事業がなかなか計画どおりに進まないで不調になる、不調というような状況の中にあり石炭会社は閉山になる、いろいろなことを考えなければならぬだろうと思うのでありますが、石炭会社にしがみついておれば黒手帳の発給等の対象になるわけですけれども、一たん出てしまった人たちはどういう処遇になるのか。新規事業に行くということはそういう点では働く人たちにとりましては非常な決断、リスクを負った決断になる、こんなことになりはしないかという、この点についてお伺いしておきたいと思います。 〔委員長退席、中西(績)委員長代理着席〕
○近藤国務大臣 具体的な点につきましては事務局から御説明をさせますけれども、これは基本的な考え方でございますが、先生いろいろ御指摘ございましたような状況の中で山が閉山になる、またそれに類するような場合に、炭鉱労働者が、労務者が一たん失業して、そしてまた再雇用というようなことではなしに、会社が内部で業務を多角化しながら離職、就職じゃなしに新しい分野に進出できるということを考えての措置をいろいろ講じたい、そのための助成金だとか必要な職業訓練をさせていただきたい、こういうことで対応を考えているわけでございますので、ではどういう業種に行くのか、どうするのか、確かにいろいろな問題があると思いますが、何とか労働省としても、一たん失業とかそういった形でなしに、スムーズに新しい仕事におつきになられるような措置を講じてまいりたい、お手伝いをさせていただきたい、こういうことでございます。 〔中西(績)委員長代理退席、委員長着席〕
○征矢政府委員 ただいま大臣からお答え申し上げましたような基本的な考え方に基づきまして、御指摘の二十三条の関係につきましては、雇用促進事業団に行わせる鉱業権者等に対します炭鉱労働者の雇用管理に関する研修及び助言の具体的な事業といたしましては、炭鉱の労務管理者を集めまして、新分野開拓の実績を持つ異業種の労務管理者の経験の発表、あるいは他の炭鉱の労務管理者との情報交換等を行う労務管理者雇用管理セミナーの実施、それから雇用管理アドバイザーを設置いたしまして、鉱業権者等に対しまして新分野開拓に伴う円滑な炭鉱労働者の配置転換等についての相談、助言等を行うこと等を予定いたしております。 それから、新分野事業に移行した場合の炭鉱労働者が、そこで非常に経営が難しくて失業した等の場合どうかというような御趣旨の御質問でございますが、これは現在、炭鉱離職者求職手帳制度におきまして、手帳所持者が安定した職業についた後一年以内にその者の責めに帰すべき理由等によらないで離職した場合には再度手帳を発給しているということでございますが、この新分野に移行した炭鉱労働者が失業いたしました場合にこの手帳を発給することにつきましては、これは今回創設いたしました炭鉱労働者雇用安定助成金による炭鉱労働者の雇用の状況等を踏まえまして、今後、要すれば研究、検討してまいりたいというふうに考えております。
○藤原委員 最後ですが、研究、検討するということで今後にまだゆだねられているということですか。大臣、どうですか、これはしっかりひとつやってもらわぬと。
○近藤国務大臣 これは新しい試みでございますので、今部長から説明もいたしましたけれども、いろいろなことを考えてやっておるわけでありますけれども、またそういういろいろな新しい状況に即してさらに有効にお手伝いができるか、労働者の方々の継続雇用についていろいろ我々としても勉強させていただきますということでございます。
○藤原委員 大臣、勉強するのはいいけれども、働く人はどうする。まあこれは本当にしっかり、ひとつよろしくお願いします。
○近藤国務大臣 働く方々がちゃんと継続雇用がおできになるように勉強する、こういうことでございます。
○佐藤委員長 これにて藤原君の質疑は終わりました。 続いて、小沢和秋君。
○小沢(和)委員 先日の当委員会で、私は、三井三池炭鉱の保安が悪化しており、ガス爆発寸前の事故があったこと、労働災害隠しの疑いが大きいことなどを指摘して、調査をお願いいたしました。まず、その結果を簡潔にお願いしたいと思います。
○鈴木(英)政府委員 三井三池炭鉱におきまして先生おっしゃいますようなガス爆発寸前の事故があったかどうか、あるいは災害の報告が適正になされたかどうかにつきましては、三月四日から本件について司法捜査の対象に切りかえまして、鋭意捜査中の状況にございます。
○小沢(和)委員 私がここでそのような重大な事故があったことを指摘してからも、会社は監督局に対し事実を隠そうとして労働者の口封じをしたと聞いております。いよいよもって許せないことであります。 もう一度確認しておきたいと思いますが、今は会社は、事故があったこと、監督局への報告をサボっていたこと、これらの点ははっきり認めているのでしょうか。
○鈴木(英)政府委員 現在、本件につきましては検察の指揮のもとで司法捜査に移行しているところでございまして、捜査内容につきましては私から予断を与えるようなことを申し上げるのはいかがかと思いますので、捜査の結果を待ちたいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 今のお話では会社が少なくとも事故があったことを認めたかどうかがはっきりいたしませんので、私、もう一言その点で申し上げておきたいと思うのです。 会社が三池労組に対して事故の報告をした書類があるのです。これには、火は数秒で消滅したと、はっきり火がついたことを認める記述になっております。こういうものを出しているのですからね。だから、後で必要があればこれは差し上げますけれども、ひとつぜひ厳しい調査をお願いしたい。 それから、今のお話の中に直接はありませんでしたが、私は労災隠しの疑いについても調査をお願いしております。年間わずか十数名でしたかの労働災害しかないというこの前のお話でしたけれども、私が資料で、昨年十二月十四日現在でも四十一名が公傷で休んでいると会社自身が発表していることをお示しいたしました。これは労災を隠しているとしか考えられないと言ったわけですが、この点の調査はいかがでしょう。
○鈴木(英)政府委員 事故の報告につきましては、先生御高承のように、保安法第二十八条、石炭鉱山保安規則第六十八条等の規定によりまして報告が義務づけられているところでございまして、本件についても司法捜査の対象として捜査をしておるところでございます。
○小沢(和)委員 私が申し上げたい問題の核心は、会社が事故を報告していなかったというような手続、形式のことではありませんで、坑内の保安をサボって、労働者の生命身体を危機に陥れているということが一番の問題だというふうに申し上げているわけであります。この点を徹底的に調査して改善させていただきたいと思いますし、そのこととの関連で、常一番をなくし三交代に繰り入れるという問題も保安上重大な問題があるのではないか。改めて検討し、指導していただきたいと思いますが、その点、もう一度いかがでしょうか。
○鈴木(英)政府委員 もとより、石炭鉱業におきまして保安の確保は生産活動の大前提でございますし、昨年六月の石炭鉱業審議会の答申におきましても、今後の保安の確保が強くうたわれているところでございます。このため、私どもといたしましても、従来にも増して鉱業権者に対しまして自主保安体制の確立を回らせるとともに、国としても、監督指導の強化、鉱業権者の自主保安体制に対する支援の拡充に努めてまいりたいと考えております。
○小沢(和)委員 この機会に私は当局の方にも一言苦言を呈しておきたいと思うのです。それは、現地の鉱山保安監督局には事故が起こって間もなく、これは数日後ぐらいじゃないかと思いますが、三池労組の方から事故があったことを通報しておるというのであります。そのとき直ちに徹底的に調査し、指導すべきだったのではないか。今後の教訓として、その点はどうお考えでしょうか。
○鈴木(英)政府委員 三池に対しましては、おおむね月に一度程度監督官が入坑いたしまして保安検査を行っております。監督官も、職務を遂行するために、日夜大変な努力をしながら保安監督行政に当たっているわけでございまして、今後とも適正な保安監督行政が遂行されますように努めてまいりたいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 では、今後の努力についてはさらに見守っていきたいと思います。 三井三池の問題はこれで終わりまして、次に労働省の方に、炭鉱離職者緊急就労対策事業の打ち切りの問題についてお尋ねをいたしたいと思います。 緊就は、炭鉱失業者の就労事業として、これまで筑豊産炭地の復興に大きな役割を果たしてまいりました。最近は年齢制限で高齢者はやめさせられ、就労人員がかなり減少してはおりますが、今なお貴重な役割を果たしております。昨年末決定された産炭地域振興実施計画でも、今後十年の間に筑豊で多くの工場団地や道路などを整備していくことになっておりますが、これはまさに今まで緊就などによって施行されてきた事業であります。私は、人員が減っても、開就などと一緒に有効に活用していけば、緊就は今後も大切な戦力になり得るのではないかと考えますが、まずこの点はいかがでしょうか。
○征矢政府委員 ただいま御指摘のございました旧産炭地域の就労事業の問題でございますが、これにつきましては、御承知のように石炭鉱業審議会におきましてさまざまな角度から今後の石炭政策が御議論されたところでございまして、その一環としましてさまざまな御意見もございました。その結果、石鉱害におきまして答申をいただきまして、「旧産炭地域における諸事業については、これらの事業を取り巻く環境の変化、地域の実情等に配慮し、所要の見直しを行いつつ、適正な実施を図る必要がある。特に、炭鉱離職者緊急就労対策事業については、紹介対象者の減少の状況を踏まえ、可及的速やかに終息を図る必要がある。その場合において、就労者の実情等を踏まえて事業の終息に係る検討を行う必要がある。」こういう答申をいただいているところでございまして、私どもといたしまして、この答申を踏まえて、適切に対処すべく検討してまいりたいというふうに思います。
○小沢(和)委員 今も指摘したとおり、筑豊では、今後十年の間に、多くの工場団地や道路などをつくる計画が現にあるわけであります。そしてまた、そういう仕事で働きたいという失業者もたくさんおられる。そうすると、そういう失業者を有効に生かして道路や団地などを造成していく、そのために緊就などを今後も積極的に活用していく意義があるのじゃないか、こうお尋ねしているわけです。その点、もう一度はっきり答えてください。
○征矢政府委員 繰り返しになりますけれども、答申を踏まえまして、その際に、特に先生の御指摘のございましたような地域の実情、あるいは環境の変化、あるいは就労者の実情、そういうものに配慮し、踏まえて、この答申を尊重しながら、この制度の見直しについて適切に対処すべく検討してまいりたいというふうに考えております。
○小沢(和)委員 時間もありませんから、そのことについてはそれ以上論議はしませんけれども、きょう私がぜひここで言いたいのは、この一年近く、「可及的速やかに終息を図る」というふうに名指しをされた緊就事業で働く人々が、毎日をどんなに不安に思いながら過ごしているかということをぜひ考えていただきたいということであります。 私のところにもそういうところで働いておられる皆さん方がたくさんはがきの陳情などをよこされております。私、部屋へ帰って机の上にある何通か今持ってきて、そのうちの一通だけちょっと読んでみたいと思うのですが、福岡県遠賀郡水巻町の小島弘子さんという方のそれも一節ですが、「私たちのように働く能力があっても働く場所がなく、収入が得られないで生活に困っている仲間がたくさんおります。こうした高齢者を救済する公的事業が必要であり、緊就、開就、失対諸事業制度の継続、生活の安定を存続させていただくよう重ねてお願いいたします。」こういうようなはがきがたくさん来ているわけであります。こういう人々を生活ができないように追い詰めるような仕打ちだけは絶対にしてはならないと私考えるのでありますが、いかがでしょうか。
○征矢政府委員 答申の指摘にもございます、あるいはただいま先生の御指摘もございましたが、就労者の方の実態等も踏まえて対処してまいりたいと思います。
○小沢(和)委員 時間も大体尽きてきたようですからこの一問で終わりたいと思うのですが、この問題については就労者の労働組合やあるいは自治体などと今後もよく話し合って、納得ずくで解決を図っていただきたいと考えますが、この点はいかがでしょうか。
○征矢政府委員 この問題につきましては、この石炭関係の法律を国会において成立させていただきました後、いろいろな面から検討しなければならない課題というふうに考えておりますが、その際に、考え方につきましては、県あるいは鉱業市町村連合会あるいはその他の労働組合も含めた関係団体の御意見も伺いながら対処したいと思います。
○小沢(和)委員 終わります。
○佐藤委員長 これにて小沢君の質疑は終わりました。 続いて、高木義明君。
○高木委員 時間も限られておりますので、私は石炭鉱業年金基金についてお尋ねをしてみたいと思います。 先ほども御議論があっておりましたけれども、この年金の趣旨につきましては、言うまでもなく本制度は昭和四十二年十月、炭鉱に働く人々の老後の生活の安定と福祉の向上を図るため特別に法律が定められ、一定の年限以上炭鉱に勤務した人に、現行の厚生年金保険とは別に、老齢年金等を支給するため創設されたわけであります。なお、昭和五十三年四月からは、この制度の内容が大幅に改定をされました。この年金制度に必要な費用につきましては、全額石炭鉱業事業主が石炭鉱業年金基金へ納める掛金で賄われるということになっており、従業員の負担はあってないような制度でございます。 そこで、この制度の問題に入る前に、石炭鉱業審議会におきましては数々の議論がありました。その答申の中に「関係諸法令の見直し等」というのがございます。ちょっと読み上げてみますと、「以上の国内石炭政策に関連する具体的諸施策の実施のため、石炭鉱業合理化臨時措置法を総合的な構造調整法に改正するなど、関係法令について本答申の趣旨に沿って改正等の検討を行った上で、それらについて十年間の延長を図る等所要の措置を講ずることが適当である。」このようにしまして、「なお、これに併せて石炭政策の推進に当たっての新エネルギー・産業技術総合開発機構、地域振興整備公団、石炭鉱害事業団等の石炭政策関係諸機関の事業の在り方についても、検討が必要である。」こういうふうなことが述べられておりますけれども、「関係諸法令の見直し等」につきまして、私が今提示しました年金基金制度についていかにお考えであるのか、まずその辺をお聞きをしておきたいと思います。
○土居政府委員 石炭鉱業審議会の答申におきましては、今先生御指摘がありましたように、法律についての見直し、十年延長等の所要の措置を講ずることが必要であること、それから石炭関係の機関の事業のあり方についての検討が必要であることということで、二点指摘されておるわけでございます。 法律の改正の検討につきましては、今回の石炭関係諸法の改正という形でお願いした次第でございますし、それから石炭関係の機関の事業のあり方につきましては、具体的に申しますと、例えば新エネルギー・産業技術総合開発機構につきましては、新分野開拓のための出融資あるいは補助金の交付といった業務を法律上追加をする、あるいは地球環境問題に対応したクリーン・コール・テクノロジーの開発普及を推進するためのクリーン・コール・テクノロジー・センターを創設するといったことを今回お願いしておるわけでございますし、地域振興整備公団につきましては、産炭地域への企業誘致のための特別低利融資あるいは工業団地造成事業の拡充等の機能強化をお願いしているところでございます。さらには、石炭鉱害事業団につきましては、当面現行の体制を維持して、累積鉱害の処理を完了させることが基本でございますけれども、その限時的な性格から、職員の士気の低下をもたらすことがないように、雇用不安の解消に最大限の配慮を払いつつ、そのあり方について検討を行っていくことにしております。 こういった形で、答申で指摘されました諸機関のあり方、法改正について進めているところでございますけれども、その他石炭関係諸機関のあり方につきましては、今後の問題も含めまして、石炭鉱業の構造調整の円滑な推進の観点から、今後必要に応じて関係省庁とも相談しながら検討してまいりたいと考えております。
○高木委員 今お答えのとおりに、いわゆる関係の諸法等につきましても、この際、全般的に見直し、検討が必要であろう、私はこのように思っております。 そこで改めてお伺いしますけれども、この石炭鉱業年金基金の現在の運営状況は一体どうなっておるのか。例えば掛金、給付、受給対象者等についてお示しいただきたいと思います。
○伍藤説明員 お答え申し上げます。 石炭鉱業年金基金の掛金でございますが、現在石炭一トン当たり七十円の掛金を徴収いたしておりまして、平成二年度決算におきまして、掛金収入は約六億円となっております。 それから、給付の面でございますが、先ほども申し上げましたが、終身年金の場合四段階に分かれて年金を給付をしておりまして、平成二年度の給付総額は約十八億円で、受給者数は約一万八千人というオーダーになっております。ちなみに、勤務期間が二十年以上の年金額につきましては、現在、坑内員で年額十二万円、月額一万円でございます。それから、坑外員で年額六万円、月額五千円という水準になっております。
○高木委員 関係団体におきましては、この制度の内容につきまして、例えば掛金の引き下げとかあるいは給付の改善等をしたらどうか、こういう声もありますが、この点についてどのようにお考えなのかお伺いしたいと思います。
○伍藤説明員 私ども聞いておるところによりますと、現在、石炭鉱業年金基金の方におきましていわゆる別途積立金というのがございますが、これを取り崩すことによりまして掛金の引き下げあるいは給付の改善をやりたいということを私ども内々相談を受けておりまして、正式な定款変更の申請がなされた場合には、内容の適正を確認した上で認可をしたいと考えております。
○高木委員 また、余剰金の有効活用についてもいろいろお考えがあるようでございます。例えばいわゆるシルバーセンターとか健康ハウスとか、地域における福利厚生に役立つもの等への支出等について、そういうものも可能ではないかと思っておりますが、この点はいかがでしょうか。
○伍藤説明員 現在の石炭鉱業年金基金法の趣旨は、先ほども先生御紹介ございましたように、特殊な労働環境を有する石炭鉱業労働者の早期退職という側面もございますので、こういう長い老後生活を所得保障の面から支えていくということででき上がった法律でございまして、私どもは、第一義的には現在の法律の趣旨でございます給付の改善、年金給付をより手厚くしていくという面で内容の充実を図っていくべきではないかと考えております。それ以外の目的に財源を使用することにつきましては、当然法律改正も必要になりますが、立法趣旨からしてかなり慎重に検討しなければならない問題だというふうに考えております。
○高木委員 改めて私は今後制度の見直しを含めて検討する必要があると思っておりますが、いかがでしょうか。
○伍藤説明員 繰り返しになりますが、今も申し上げましたように、今後の石炭業界の動向によりますが、今後掛金がどうなるか、それから給付の改善をどこまでやるか、現在の給付水準もそれほど高い水準ではございませんので、そういう全体の財政状況、将来を見通しながら、これは判断をしていかなければならない問題だと思っております。いずれにしても、基本的には法律改正を要する問題でもございますし、慎重な対応が必要じゃないかというふうに考えております。
○高木委員 私は、その制度の見直し、検討を強く要請をしておきたいと思います。 時間もありませんので最後になりますけれども、石炭部の行政の体制についてでございます。 いわゆる新しい石炭政策に入っていくわけでございますけれども、業界としてはかなり厳しい節減合理化等も行われております。したがって、今回法律が通りますと新しい制度に移行されるわけでございます。しかしながら一方では、今一番大切な時期でございますので、やはり行政の手厚いフォローといいますか、こういうものも重要になってくるであろうと思っております。しかしまた、逆の見方をすれば、もっと広い意味のエネルギー政策等の立場からも、いわゆる行政のあり方についても検討すべきではないかと思うわけでありますが、この点について、大臣、いかがでしょうか。
○山本(貞)政府委員 先生御指摘の件につきましては、御承知のように資源エネルギー庁という組織の中で、石炭部というところで石炭問題、政策を主としてやっておるわけでございます。今後、実は今度のポスト八次対策、今御審議いただいておる政策の中でも、御案内のとおりに新分野開拓という非常に重要な方向づけ、石炭会社にとっても労働者にとってもあるいは私ども行政という面でも非常に重要な課題を与えられております。さらに海外炭開発の方の努力あるいは技術開発、クリーンテクノロジーの関係の技術開発と、非常に重要な課題がございます。そういう意味で、私ども今の石炭部で一生懸命、この法案を成立させていただいて予算を通していただければ、政策を遂行してまいりたいと思っておるわけでございます。 将来どういう体制というのは、そのときどきの行政需要に応じて将来の検討というのはあるいはあるかもしれませんが、今申し上げましたような行政需要、今の時点で非常に重要な課題を与えられましたので、今は私どもはこの体制でいきたいと思っておる次第でございます。
○高木委員 終わります。
○佐藤委員長 これにて高木君の質疑は終わりました。 続いて、中沢健次君。
○中沢委員 両大臣がおそろいでございますので、先ほどは個別の問題についていろいろ質疑を行いましたが、私は三十分の時間でありますから、個別の問題は割愛をいたしまして、やや総括的な立場で主として大臣にお尋ねを申し上げたいと思います。 新政策の法案審議はきょうは二日目でありまして、引き続いてでありまして、十分な審議時間ではないと思いますが、それなりに新政策の問題点あるいは今後の課題、いろいろ整理されつつあると思うのであります。私は二十七日の大臣質疑でも約一時間議論をさせていただきました。実は、もう言うまでもございませんが、炭労を中心にいたしました炭鉱労働者の組合は政策転換闘争を闘って、その成果を受けまして昭和三十六年から日本における石炭政策がスタートをして三十年、さまざまな歴史を繰り返してきた。八次政策はこの三月で終わりますけれども、この五年間、あえて多くを申し上げませんが、これまたさまざまな体験をそれぞれしてきたと思うのであります。しかも、最後の構造調整あるいは最後の石炭政策と言われております向こう十年間の石炭政策が衆議院の当委員会で大詰めの審議を迎えているわけでありまして、正直言いまして、長い間我が党は合理化関連の法案は、いろいろありましたけれども、伝統的に反対をしてまいりました。しかし、雇用政策、鉱害政策等につきましては賛成をしてきた、こういう経緯を持っております。今度の新政策におきましても、合理化関連ではなかなか納得のできない、こういう問題を抱えております。したがって、主としてそういう問題につきまして、この際、最高責任者であります通産大臣から、少しく前向きの具体的な御答弁もいただきたいと思うのです。 先般来から大臣は、しばしば石炭というのは日本経済の復興にとってはもう大変な役割を果たした、まあ糟糠の妻である。糟糠の妻というのは長年連れ添った妻でありまして、これはやはり人間としても愛情を込めてこれからも一緒に生活をしていく、こういう間柄だと私は思うのです。私は夕張の出身でありまして、産炭地の出身でありますから、いろいろな体験をさせられました。大臣は会津っ子でありまして、赤い血が流れていると思います。これから四つほどお尋ねをいたしますけれども、そういうことを前提にいたしまして、我が党は今まで合理化法案に反対をしてきた、今度の新政策もいろいろな問題がある、こういう思いで質問をいたしますので、ぜひひとつ糟糠の妻としての温かい前向きな御答弁を心から御期待を申し上げたいと思うのです。 さて、最初に、今度の新政策の大きな柱として国内炭の縮小という方向、しかしこれは均衡点という言葉で表現をされまして、いろいろな経緯がありまして、石鉱害の答申も出される、法案の審議でもさまざまな角度で議論がされてきたと思います。ついこの間参考人も来て、参考人の四日の日の委員会でも、石炭協会の会長さんはそのことは触れられませんでしたが、産炭地の自治体の関係者あるいは労働組合の方からこもごも均衡点については何とか高い水準を維持してもらいたい、心からそういう訴えがありました。私も全く同意見なんでありますけれども、そのことにつきまして、とりわけ通産大臣として、例えば中尾通産大臣の談話をしっかり受けとめるという話ももちろん今までございましたし、均衡点については高い水準を維持をする、そのことがやはり今度の新政策の私どもの最大の期待でありますから、そのことにつきましてまず明らかにお答えをいただいておきたいと思います。
○渡部国務大臣 今御質問いただいたことに答弁する前に一つ報告をさせていただきたいと思いますが、この前中沢先生から、産炭地域の地方自治体の振興のために自治省としても交付税やあるいは地方債について積極的に見てやるようにというお話がございました。これは、早速閣議の席上このことを自治大臣に申し入れておりますことをまず報告させていただきます。 また、今糟糠の妻のお話がありましたが、今回私が提案している法案は、これは合理化法というようなことでなく、今まで長い間日本のエネルギー政策に貢献をしていただいた皆さん方、その地域の振興を図るという法案でありますから、糟糠の妻に思い切って今度若返ってもらおう、こういう法案でございますことを御理解いただきたいと思います。 また、今御質問の均衡点のあり方については、今後量的に拡大する我が国の石炭需要とその安定供給確保の必要性、そのための国内技術の活用の可能性などを踏まえ、国民経済的負担のあり方の問題を含め、さらに検討を続けていくことにいたしております。均衡点の水準をできるだけ高いものに維持すべきであるという御意見があることについては、十分にこれを念頭に置きながら、エネルギー政策上の役割と国民経済的負担の程度等を十分踏まえ、その水準が合理的かつ十分なものとなるよう努力してまいりたいと存じます。いずれにしても、私としては、関係者に不安を与えることのないよう万全を期してまいりたいと存じます。
○中沢委員 今大臣の方から自治大臣に対しまして財政問題について閣議で要請をされた、私も自治大臣のルートを通じましてそういう話を聞きまして、後でまた改めてお礼を申し上げようと思いましたけれども、そのことにつきましてはお礼を申し上げておきたいと思います。 今大臣からありましたことが私の質問に対するやや総括的なお答えだと思うのです。決して私は満足はしません。しませんが、大臣がおっしゃいましたように、やはり高い均衡点を維持してもらいたいという意見が非常に強いということも念頭に置く、置きつつ以下のことはいろいろありますけれども、そのことを私はしっかり受けとめたいし、しかも一番最後にありましたように、大臣としては関係者に不安を与えないように万全を期して頑張りたい、そのことに私としては大きな期待を寄せまして、これからの大臣の御努力を要請をしておきたいと思うのであります。 二つ目には、八次政策が昭和六十二年の四月からスタートいたしまして、これも多く申し上げませんが、結果的に一千万トン体制という需要が先にあって、そしてなだらかな閉山という通産側の思惑を超えまして急速に雪崩閉山になって今日八百二十万、これは雑炭を含めてであります。そして四つの山の閉山。私の選挙区では、政策が始まった年、七月一山、九月に一山閉山になる。始まって夏と秋に立て続けに閉山が起こる。山がつぶれると、例えば七月の山は一千二百人一遍に大量解雇になる、九月の閉山のときには一千二百三十四人。もちろん大変な社会不安になっているわけでありまして、そういう不安を乗り越えて今懸命に関係者が努力をされていることも事実なのであります。 そこで、二つ目にお尋ねしたいことは、率直に言って、今度は新分野開拓という新しい政策が入ってきた、私はそれを評価をしたいと思います。したがって、大臣がおっしゃるように糟糠の妻も若くリフレッシュをしたい、こういうことの中身だと私は思うのであります。しかしながら、やはり八次政策の体験からいいまして、本当にそうなのだろうか。政策が始まってまたまた閉山・合理化がどんと押し寄せてきはしまいかという不安がやはり現地においては渦巻いている、これも事実なわけであります。 そこで、具体的にお尋ねをしたいと思うのでありますけれども、私は今度の新政策で均衡点の問題、それから新分野開拓の問題等々を考えますと、八次と同じような轍は踏まないだろう、そのことには、正直一〇〇%ではありませんが、それなりの自信は持ちたいと思うのであります。問題は、やはり需給計画については先ほど石炭部長から、平成四年度はいろいろ急いでも連休前、つまり四月の下旬にならなければ四年度の需給は決まらない、つまり平成四年度の生産計画が決まらない、山別の生産計画が結局その後でないと決まっていかない、こういう時間的、物理的な問題がある。 新分野と言ってもこれは大変でありまして、それは一カ月や二カ月でおぜん立てができるような容易な問題ではない。そういうことなどを考えますと、結論的には、八次と違って九次の場合は、私なりの表現で言うと、ここ当分は閉山の心配をしなくてもいい、大幅な縮小の心配をしなくてもいい、このように私なりには理解をしたい。そこのところは大臣としてはどういう決意なりどういう所見を持っておられるか。非常に大事な問題であります。特に選挙区、私は北海道の四区でありますが、まだ長崎にも福岡にも山が残っているわけでありますから、そういう関係者から見ると文字どおりかたずをのんで今の委員会を注目している、こういう状態だと思いますから、しっかりそめことを踏まえてお答えをぜひお願いしたいと思います。
○渡部国務大臣 御指摘の石炭鉱業の構造調整については、各社は既に昨年十月に各社ごとに基本的な考え方を示しておるところでございます。通産省としても、国内炭の縮小の前に新分野開拓あるいは雇用対策、地域振興対策などの事前対策が必要であることは十分に認識してございます。 通産省としては、石炭企業に対し、新分野開拓に係る諸政策を活用しながら事前対策について最大限の努力をするよう指導するとともに、関係省庁、地方自治体とも緊密な連携をとりながら、関係者に不安を与えることのないような万全の措置を期してまいります。
○中沢委員 今大臣からお答えがございました。特に私として非常に大事だなと思いますのは、今ございましたけれども、国内炭の縮小の前に、新分野開拓、雇用対策、地域振興が事前対策として非常に大事だ、そういう認識に立っている。私流に言えば、それを文字どおり、額面どおり受け取りますと、先ほど言いましたように、そういう条件的な整備がされない限り、八次のような政策が始まってすぐの閉山とか縮小ということはあり得ない、そこのところは私なりに受けとめて、渡辺筆頭理事も今ちょっといらっしゃいませんが、同じ選挙区に自民党の当委員会に関係する方もたくさんお見えでありますから、少なくとも我が選挙区に帰って、通産大臣はこういう答弁をされた、とにかく山の存続のために、新分野開拓のために頑張ってくれ、こういうことでまた私どもも一生懸命頑張りたいと思います。大臣も引き続き、大変御苦労かけますけれども、よろしくお願い申し上げたいと思います。 次に、三番目の問題になると思うのでありますけれども、今ありましたように新分野開拓は非常に大事だ。初めて無利子融資ということも出されてきた。従来から議論をいたしました。特に、参考人として出席をされました協会の会長も、とにかくこの制度に乗ってうまくやりたい、問題は、枠が本当に十分かどうかについては、とにかくやってみて、必要であれば融資枠の拡大等々についても通産にお願いをしたい。私はそのことは率直に受けとめておきたいと思うのです。 具体的なことにも関連をしますが、せっかくNEDOの認可予算で向こう五年間で三百億、大変な無利子融資の制度を導入するわけでありますから、それが新分野開拓に本当に生かされて、関係者の期待にこたえて、枠の拡大ですとかあるいは貸付条件の柔軟な対応についてもぜひひとつ大臣としてしっかり指導性をまた改めて発揮していただきまして、関係団体、これは通産、石炭部以外にも、NEDOその他いろいろ関係団体がありますので、そこのところの指導をぜひ強めていただくように、このことについて改めて聞いておきたいと思うのです。
○渡部国務大臣 先生御指摘の問題、大変大事な問題でございます。 先般の石炭鉱業審議会答申を踏まえ、新分野開拓に対する補助金、出融資等の施策を新たに講じることとしておるところでございますが、今後とも石炭鉱業の構造調整の円滑な推進の視点から、所要の施策の充実に努めてまいります。
○中沢委員 いま一つ、産炭地振興の問題と鉱害問題も含めて大臣の決意をお聞かせいただきたいと思いますが、具体的なことは今までの審議の中にもいろいろありました。今度の新政策の一つの大きな柱としては、通産としてはかなり思い切ったと思いますが、とりあえず八次政策の最大の影響を受けました空知管内を念頭に置きまして十六億五千万の出資をして、この間参考人から改めて話がありましたが、道側は今度の道議会の中で約二十四億円をこの中核活性化事業の基金として用意をする。空知の五市一町も、財政は非常に大変ですけれども、この際ということで、二年度にわたって一市町村五千万ずつ拠出をする。私は、これからこの基金の事業がうまくいくように、ぜひそのことは期待をしたい。しかし、これはもちろん全国レベルの政策でありますから、北海道の後は例えば福岡だとか長崎だとか、そういう制度全体の拡充の問題が非常に大事だと思うのですね。しかも、通産側としては平成四年度十六億五千万という、かなり思い切った数字だとは思いますが、制度の趣旨からいって、ここしばらくそういう制度の継続が必要ではないか。同時に、今までも随分議論をしてまいりました産炭地振興の基本計画、これは通産省が軸になりますけれども、大臣御案内のように、各省庁の全面的な協力体制をもらわなければ結果的には魂が入らない、こういうことになると思うのです。 したがって、この問題等々も含めて、産炭地振興というのは先取りした形でやる。予算も制度もこれから継続して、しかもこれを充実させる。そして、鉱害対策で言えば、もう先ほど来我々の先輩議員も含めて随分質疑をしておりますけれども、若干の問題がまだ残されておる。鉱害対策も非常に重要である。そして、先ほどありました自治体財政問題も、所管は自治省でありますけれども、これまた非常に大きな問題である。こういう三つくらいのことを今指摘をしましたけれども、総じて言えば産炭地振興あるいは鉱害対策、自治体財政問題についての通産大臣としての総括的な御所見をぜひ聞いておきたいと思います。
○渡部国務大臣 先生から今お話しのあったとおりでございます。 産炭地域振興実施計画の実施に当たっては、従来にも増して関係各省庁と緊密な連携をとりながら、その実効性の確保に最大限の努力をしてまいりたいと存じます。 また、各般の産炭地域振興施策などについても、今お話がありましたように、今回大幅な拡充を行ったところでございますが、今後とも各地域の実情を踏まえながら所要の施策の充実に努めてまいります。
○中沢委員 今、大臣の方から総括的なお答えもいただきました。いずれにしても、この関係で言うとたくさんの課題が残りますので、引き続きよろしくお願い申し上げたいと思います。 そこで、労働大臣にこの際改めて総括的にお答えをいただきたいと思います。 個別の内容は結構でありますが、かねて私も指摘をしてまいりましたが、八次政策では一万三千を超える離職者があって、依然としてまだ職を求めて、労働行政の中で対策をしなければならない方が全国で一千二百いる。これからの新政策の中では結果的に、遠い将来の話だと私は思いますけれども、やはり合理化というものは避けて通れない。労働省としては、炭鉱労働者に対する黒手帳という既存の制度、今度出されてきた新分野開拓に伴う助成金の問題、そして総論的には雇用不安の解消、こういう観点が非常に大事だと思います。その辺につきまして、労働大臣の総括的なお答えをぜひお願い申し上げたいと思います。
○近藤国務大臣 石炭産業が日本経済の発展に大きな役割を果たしてまいったことは、まさに通産大臣のおっしゃったとおりでございまして、そうした重要な産業に従事をしてこられました炭鉱関係の労働者の方々の安定した雇用を維持することは、私ども労働行政の最大の政策の一つでございまして、そうした趣旨でこれまで努力をしてまいりました。先生からいろいろな御指摘もございますが、こういった問題についてはさらに全力を尽くしてまいりたい。 今度の新しい措置は、閉山に伴って一たん離職、失業という形でなしに、同じような企業の中で雇用の維持ができるような、安定ができるような措置を、安定助成金または職業紹介、職業訓練等を通じて維持してまいりたい、こういうことでございます。 新しい分野への展開はそう簡単でないという指摘はございますが、そうした困難性を十分認識しながら、しかしできるだけのことはして、今後一層関係労働者の方々の雇用の安定に全力を尽くしてまいる決心でございます。
○中沢委員 通産大臣あるいは労働大臣から、五つほど総括的に私としてはお尋ねをして、それぞれお答えをいただきました。もう余り時間がありませんから、そのお答えをいただいた印象からいいますと、私として期待をしていたことはなかなか一〇〇%お答えはされていない、非常に残念だと思います。 とはいいながら、社会党のこの法案に対する今日までのいろいろな経緯を一方で考えながらも、今度は法案が全部まとまって出された。したがって、合理化法案について合理化の部分で反対だからということで法案全体に反対をするとなると、現実的な問題として、この新政策が一括だめになる。これは私としては、やや個人的な見解かもしれませんが、最悪の道だ。それはやはりとるわけにはいかない。ここのところに、正直言いまして、社会党としての非常な苦渋があるわけであります。 しかし、いずれにしてもこれから新政策十年間が始まるわけでありまして、これから十年間ということは、くどいようでありますが、今までは大体五年単位の政策展開。いろいろ問題がありながら、時によっては制度、予算を新しく導入してきた。これから十年間ということを考えますと、時代のテンポは今まで以上に速くて、簡単に言えば社会経済の変動というのは予想を超えてあると思うのです。ですから、今の段階でこの新政策がやや全体の意見を集約したということになりましても、これから先十年間、社会変動、経済変動によっては、例えば均衡点の問題あるいはさまざまな新分野開拓、産炭地振興、労働行政の問題についても、相当大胆な政策の見直しもあるいは必要になってくる。私は十年間にはそういう必要性は何回か生まれてくるのではないかと思うのですね。ですから、あらかじめそのことを予想して、今直ちに両大臣どうだとは言いません。言いませんが、そういう十年間の長い間の新政策の中では、必要な政策の見直し、必要な制度、予算の見直しというのは思い切ってやる、やはり石特委員会が中心になって現実的なそういう対応はやる、その必要性はあると思います。 やや総論的でありますが、通産大臣はそのことについてどういう印象をお持ちでしょう。
○渡部国務大臣 最初に申し上げましたように、今回我々のお願いしておる法案は、単なる合理化法というものでなくて、まさに戦後我が国経済再建の原動力になった産炭地域の皆さん方、残念ながらその後の国際的な大きな変化の中で、余りにも大きな内外炭の価格差というような中で、いわば国内の石炭産業そのものとしては残念ながら年老いた糟糠の妻のような立場になってしまったわけでありますから、今回この政策を実現することによって新分野を開拓し、新しい時代のニーズに合った地域振興というものを図っていって、十年を経ずして、やはりあのとき自民党政府の提案した法律に社会党が賛成したことはすばらしい先見性であった、こう言われるようになるために努力してまいりたいと思います。
○中沢委員 もう時間が来ましたからこれでやめますが、いずれにしても情緒的なことはいろいろありました、糟糠の妻を若返らせると。問題はその中身であります。もちろん私どもも、野党といえども事石炭問題でいえばやはり責任を持っている、こういう自覚を持っておりますから、確かに法案は政府側から出されましたけれども、いろいろ議論をしました。いろいろな問題もまだ残っておりますから、我々も頑張りますけれども、通産大臣、労働大臣、関係者大変御苦労されておりますが、今後ひとつ本当に石炭関係者が不安を持たないような新政策の展開についてしっかり肝に銘じてやっていただきたい、そのことを申し上げて、私の質問を終わります。
○佐藤委員長 これにて中沢君の質疑を終わります。 続いて、藤原房雄君。
○藤原委員 大臣いらっしゃる前にも何点か申し上げたのでありますが、もういよいよ時間も迫ってまいりました。 非常に重要な法案につきまして、八法案まとめてということでございます。今日までのいろいろな審議の経過等を考えますと、私どもの提言もございます。また、去年の六月の石鉱害の答申、さらにまた産炭地振興につきましても実施計画をつくる、こういう経過等もございまして、その間におきましてはいろいろな審議をいたしたわけでありますが、何せ今までの一次から八次までの三十年間いろいろな経過をたどってまいりましたけれども、今回は十年で締めくくりをしようといいますか、最終的な一つの案ということであります。そういうことからいいますと、今までにない非常に重要な意義を持つこのたびの法案であろうかと思います。そういうことでは、これからどういう態度で、どういうふうになるかわかりませんが、法案が成立いたしました暁には、この実効性、そういうことについて同僚委員からもいろいろお話ございましたが、ぜひひとつ御配慮いただいて、今日までの日本の産業を支えてまいりました石炭産業地域の問題や、また石炭というものについても十分勘案して進めていただきたい、このことをまず冒頭に申し上げておきたいと思うのであります。 私は、一つ大きな期待を大臣にいたしておるわけでありますが、先ほどもこの法案が後々に、十年後に振り返ったときに大変に評価をいただくような、そういうことでありたいというお話もございましたけれども、そうであってもらいたいし、その十年後まで大臣に通産大臣をやっておれと言うのも無理かもしれませんが、これは議事録に残るわけでありますから、まあ総理大臣でも何でも結構ですが、八本の法律ということでありますし、その重要性にかんがみて、その意気込みでひとつ頑張っていただきたいものだと思いますし、他省庁に関係いたしたといたしましても、ぜひひとつこの法律につきましては我が事のようにまた見守っていただきたいものだと思います。 一つは、今日までも私ども申し上げてまいりましたが、地方自治体の財政問題というのは非常に問題で、わずかの時間ですから多くを申し上げることができませんが、産炭地補正とか短期の急減補正とかいろいろな制度があって、今日までも自治省の方々に来ていただいていろいろお話をして、それなりの措置はしておるわけでありますけれども、過疎地やなんかと違って、こんなに急激に千人、二千人、千人の従業員がおりますと四千人、五千人の人口が減るなんてところはございません。 それから、炭鉱が閉山になった後に今度はどういう産業をどうするのかという準備は滞りなくしていたといいましても、山に石炭があって人が集まって町ができた、こういう環境からしますと、すぐに次の産業が来るわけじゃございませんから、こういう点では後始末、いろいろな問題、これは今日までも申し上げましたから大臣もよく御理解いただいておると思いますが、かつての自治大臣当時の知識といいますか御理解をさらにこの産炭地の問題につきましてはぜひひとつ生かしていただいて、新しい何らかの手を打っていただきたいということをまず申し上げておきたいと思うのであります。 それからもう一つは、八次策のときにも随分雪崩閉山のような形でいくのじゃないかということで、私どもの危惧もございました。去年の十月、構造調整についての基本的な考え方が石炭各社から出ておるわけでありますが、これを見ますと、三井鉱山につきましては「芦別炭鉱については、平成四年度以降生産の縮小につき検討する。」住友石炭鉱業につきましては「平成四年度は若干減で、その後、諸般の情勢を見つつ生産の縮小につき検討する。」また、北海道炭礦汽船・空知炭礦につきましては「平成四年度は若干減で、その後、諸般の情勢をみつつ生産の縮小につき検討する。」三井の松島炭鉱につきましては「国内炭の生産については、平成四年度以降数年間は現行の生産規模を維持し、その後については引き続き検討する。」太平洋興発・太平洋炭酸につきましては「平成四年度以降数年間は現行の生産規模を維持し、その後については引き続き検討する。」という、各社それぞれ基本的な考え方を出されたわけであります。 ここで、三井の芦別等については何かずく縮小するみたいな、そうも受け取れるような記述になっておるわけでありますが、これはいろいろな見方があるかもしれませんけれども、産炭地は、九州の方は別としましても、北海道の方は本当に最近はだんだんアクセスがよくなって、そういう条件は恵まれつつありますけれども、他の産業にかえることのできないような状況の中にある。こういうことを考えますと、炭鉱が維持されることが最大の雇用の場確保であり、また地域振興の唯一の道である、こんなことも事務当局はよくおっしゃるわけでありますが、それのかなわないこういう諸情勢の中にある。でありますから、それなりの対応策というものをひとつしっかり進めていただかなければ地元としてはできないということで、八次策の後始末もまだ十分でない、そしてまたいろいろな苦悩の中にある稼行炭鉱の諸地域につきまして、ぜひひとつ特段の御配慮をいただいて推進をしていただかなければならぬ、こういうことを痛切に感ずるわけであります。 地域振興、地方財政、そしてまた稼行炭鉱についての問題、またそれに伴う労働行政、いろいろな問題につきまして申し上げたいことはございますが、大臣にひとつ、最後でございますので、これが成立いたしました暁におきましては、大臣は施行についての十分の配慮等をどのようにお考えになっているか、一言お聞きして終わりたいと思います。
○渡部国務大臣 働く人たち、この方々が安心してこれからいけるように、これは、ここに労働大臣も同席をいたしておりますけれども、この国の今日の施策の中で当然のことであると存じます。また、今御指摘のように、長い間の歴史を持っておる炭鉱が縮小されたり閉山されたりすることは大変寂しいことであって、できればこれを継続する中でそこで働いていく人たちの将来を守っていきたいというお気持ちは十分にわかるのでありますけれども、先ほども申し上げましたように、今や世界は大きく国際化の方向に進んでおりまして、内外炭の価格の格差はますます広がるばかりでありますから、こういった時代の趨勢というものを全く無視して経済というものが将来に可能性を持つことは不可能でございます。 そういう厳しい諸条件の中で産炭地域の人たちが、先ほども申し上げましたように、ここに生きた人たちはもとより、これからここで育っていく若者たちも、それぞれのふるさと、かつて石炭で栄えたこの町が今度はこういう新しい新分野を開拓したことによってさらににぎわいを取り戻すことができたと振り返ることのできるような、いわば前向きの産炭地振興のために今回お願いしておる法律でございますし、今地方自治体の話もありましたが、私は先般まで自治大臣をやっておりましたけれども、それぞれの地域社会、その地方自治体がその特性を生かしながら、それぞれの町や村が、若者たちがよそに行かなくても、自分の生まれた村を、町を、育った町に未来の可能性を求めて生きていくことのできるようなふるさとをつくっていくというために、ふるさと創生事業を初め、また地域振興のために地方債や交付税を思い切ってそういったことのための施策にアクセントをつけていくという方向も打ち出されておりますので、これらの関係省庁との連携を十分とりながら、御期待にこたえるように努力をしてまいりたいと存じます。
○藤原委員 終わります。
○佐藤委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。 ―――――――――――――
○佐藤委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、順次これを許します。北村直人君。
○北村委員 私は、自由民主党を代表して、ただいま議題となっております法律案に対し、賛成の討論を行います。 御承知のとおり、国内石炭鉱業は、大幅な内外炭価格差の定常化等により、従来にも増して厳しい環境の中に置かれております。 石炭会社の経営は赤字基調で推移する一方、炭鉱の自然条件も採炭現場の深部化、奥部化が定着し、さらに炭鉱労働者も全体として高齢化が進むという状況にあります。 こうした状況を踏まえて、昨年六月、石炭鉱業審議会から「今後の石炭政策の在り方について」の答申が出されました。この答申の基本的考え方は、再三政府側から説明がありましたとおり、九〇年代を石炭鉱業の構造調整の最終段階と位置づけ、均衡点までは経営の多角化、新分野開拓を図りつつ、国内炭生産の段階的縮小を図ることが必要であり、このような石炭鉱業の労使一体となった自主的な構造調整努力に対し、需要業界等が協力し、政府としても責任を持って対応していくというものであります。また、答申では、石炭鉱業の構造調整に即応した先行的な産炭地域振興対策及び雇用対策並びに石炭鉱害の早期復旧のための措置を講ずることの必要性についても指摘されているところであります。 私は、今回の答申は、石炭業界、需要業界、労働組合、地域代表等、基本的立場の異なる石炭鉱業関係者の御意見を十分踏まえた上でまとめられたものであり、それらのほとんどすべての関係者が答申に至る経過と内容を受け入れて、前向きに積極的な努力をしていこうとされていると認識しております。 本案は、石炭鉱業審議会答申を具体化したものであり、石炭鉱業が円滑な構造調整を進めるためには必要不可欠のものであります。 先般の参考人の方々の意見陳述においても、石炭業界、労働組合、地域代表を含め、皆異口同音に本案の早期成立と諸施策の速やかな実施を強く要望されていたところであります。 今回の法改正の主な内容として、まず、石炭会社等の新分野の開拓を支援するための補助金、出融資制度の創設があります。従来の合理化安定対策に加え、こうした石炭会社等の経営多角化、新分野開拓支援策を講ずることにより、石炭鉱業の構造調整の推進が円滑に行われるものと思います。 また、炭鉱離職者に対する従来からの手厚い援護対策に加え、新分野の開拓に伴う炭鉱労働者の雇用安定施策の創設が行われます。この新たな措置により、炭鉱労働者が失業することなく新たな雇用の場に円滑に移行することが可能になると思います。 さらに、鉱害対策として、復旧の促進や中長期的に発生する局所的被害のための対応体制の構築等に必要な措置が講じられており、この措置により累積鉱害の早期解消及び浅所陥没等の被害に対する中長期的対応が可能となると思います。 このほか、法律事項ではありませんが、産炭地域振興のための施策の大幅な拡充や稼行炭鉱対策、閉山対策などについても支援策の強化が図られております。 以上のように、答申を踏まえた総合的な石炭政策が実現することは高く評価できるところであります。もちろん、これらの制度ができればすべてよしとされるだけではなく、石炭企業の労使を初めとした関係者の努力に加え、政府もさらに適時適切な措置を講じていくことが必要であると思います。今後とも弾力的、機動的に事態に対応するよう政府に強く要請いたしまして、賛成の討論を終わります。(拍手)
○佐藤委員長 次に、中沢健次君。
○中沢委員 私は、日本社会党・護憲共同並びに公明党・国民会議を代表いたしまして、ただいま議題となっております石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案につきまして、意見を付し、その態度を明確にした上で、賛成の討論を行います。 我が国の石炭政策の展開は、エネルギー革命のもとに石油、石炭の消費量が等量に達した翌年の一九六二年に第一次石炭鉱業調査団の答申を受けて政策が策定されて以来第八次政策までに及び、三十年を経過しました。その結果、九〇年度末には主力炭鉱六山、常用労務者四千六百五十一名と大幅な規模縮小となりました。 今次新政策は、新たに今後十年間を構造調整の最終段階と位置づけて、石炭会社等の事業の新分野の開発を促進しつつ、炭鉱労働者の雇用安定のための措置を図るとして、均衡点の明示のないままさらに縮小・閉山を進めようとするものであります。 そのために、法律の名称変更をも含む石炭鉱業構造調整臨時措置法案及び炭鉱労働者等の雇用の安定等に関する臨時措置法案並びに石炭鉱害関係二法案外四法案、合計八法案を束ねてその期限を二〇〇二年三月末までと定めたものであります。 ここで厳しく指摘しなければなりませんのは、八法案はいずれも単独法律案であり、法案成立の歴史的経過や期限の異なる法律、また、所管省を異にする法律案も一切を束ねて一本の法律として便宜的に提出したということで、このような態度は、政府の国会を軽視する姿勢も甚だしいと言わざるを得ません。ここに厳重な反省を求めるものであります。もともと単独法案であっても、審議上ある程度まとめて審議することにはやぶさかでないのであります。 第二には、過去三十年間の政策を通して一貫して政府から述べられてきたことは、石炭鉱業の合理化・縮小、閉山に当たっては、離職を余儀なくされる労働者の雇用には、企業開運及び開拓企業、産炭地域誘致企業、公共的機関、一般雇用を含めて万全を期すると約束してきましたが、その期待を大きく裏切る結果に終わっているのであります。炭鉱労働者と家族及び地域住民の政策に対する不安は、今も増幅されていることでもあり、この問題に対しては、今や政府・政治に対する信が問われていると言っても過言ではございません。失敗は許されないということでありますが、その保障が不十分であります。 第三は、石炭需要の量的拡大に対応する資源の安定確保の必要性、そのため国内炭技術の活用の可能性等を踏まえ、国民経済的均衡点についてはさらに検討し続けるとしており、その位置づけが示されていないという点であります。その均衡点の水準のあり方に対しては、各関係者の危惧の念を払拭できないということであります。政府は誠実にこれらに対応する責任と義務の存することを強く指摘せざるを得ないのであります。 これ以外の見解は、時間の関係上省略いたします。 本法案については以上の諸点から賛成しがたい面がありますが、両党が八法案中一法案に反対する態度の表明により、ほかの賛成する七法案を含む八法案が未成立となるおそれがあり、その場合の関係業界及び産炭地域経済社会の混乱、または、先年成立をして既に道県を中心に策定された産炭地振興計画の実施への影響等を考慮し、また、今後の政府の誠意ある対応に強い期待を込め、大きな見地に立って本法案に賛成する意を表明し、討論を終わるものであります。(拍手)
○佐藤委員長 次に、小沢和秋君。
○小沢(和)委員 私は、日本共産党を代表して、石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案に対し、反対の討論を行います。 今回の改正法案は、それぞれ異なる内容の現行の八本の法律改正を一括し、一本の法律案として提出されていますが、これは立法府の審議権の重大な制約となるものであり、極めて遺憾であることを初めに申し上げておきます。 さて、我が国の石炭鉱業は、一九六〇年の年産五千二百六十万トンから、一九九〇年にはわずか七百九十八万トンにまで激減しています。稼働炭鉱と労働者は、六百二十二鉱、二十三万人から、二十一鉱、八千人弱まで減らされてきました。今回の法改正は、ここまで追い詰められた我が国の石炭産業に最終的にとどめを刺そうとするものであり、さらに、産炭地に対する施策全体をこの十年で完全に切り捨てようとするものであります。 我が党が本法案に反対する第一の理由は、現行の石炭鉱業合理化臨時措置法の名称も目的も変え、国内石炭企業を石炭以外の事業へ転換させていくための法律にしたことであります。これまでの一定の保護措置さえ削除してしまうことは、まさに国内石炭産業そのものを最終的につぶすことにほかなりません。 第二に、石炭鉱害の復旧も今後十年で最終的に打ち切ろうとしていることであります。私の地元筑豊地区では特に鉱害復旧は大幅におくれており、認定されて十年過ぎてもいまだに復旧工事のめどが立たない地域さえあります。さらに、未処理の認定申請は一万件を超えているのであります。このような現状を知っていながら、十年間だけと期限を切ることは、関係地域住民に大きな不安を与え、鉱害の完全復旧の国の責任を放棄することになります。新しく設けられた復旧困難な案件に対する金銭倍借方式は、運用のいかんによっては、被害住民の意に反して金で片づけられる危険もあります。 第三に、炭鉱離職者対策である緊急就労事業を廃止することは、就労者の生存権を脅かすだけでなく、今後の産炭地域振興の諸対策にとっても存続が必要であり、廃止は到底認めることができません。 これを機に、我が国の貴重なエネルギー資源である国内炭を守る方向に政策を根本的に転換し、国の責任で鉱害の完全復旧を行い、離職者に対する十分の雇用保障を講じること、産炭地振興のため取り組む自治体の財源確保等を重ねて要求し、反対討論を終わります。
○佐藤委員長 次に、高木義明君。
○高木委員 私は、民社党を代表し、ただいま議題となっております法律案に対し、賛成の意見を申し上げます。 言うまでもなく、我が国の経済発展と国民生活の安定向上に石炭産業は大きな貢献をしてまいりました。しかしながら、エネルギー革命、内外価格差問題等の荒波の中で、残念にも閉山・縮小の歴史を歩み、この間、第八次にわたる石炭政策が推進されてきました。これまでの各方面にわたる関係者の御労苦と永年の御功績に改めて深く敬意を表する次第です。 国内石炭鉱業の厳しい環境にかんがみ、新しい石炭政策は、九〇年代を構造調整の最終段階と位置づけ、均衡点までは経営の多角化や新分野開拓など各般にわたる企業努力を行い、あわせて雇用対策と地域振興のため、需要業界の協力を得ながら、官民挙げた諸課題の克服を目指しています。 今回の法律案は、石炭鉱業審議会の答申を踏まえたものであります。すなわち、石炭業界、労働組合、需要者業界、地域団体などの意向も十分に勘案されたものと判断され、石炭鉱業構造調整対策、雇用対策、産炭地域振興対策、鉱害対策、石炭利用技術の開発促進等の新石炭政策などの政策的配慮によって、一部に、生産量の見通しや均衡点など、不透明な部分もあるものの、委員会審議を通じて見たとき、おおむね法案は諸要請に対応できるものと思われます。 今後は、石炭需要業界の協力と国の強力な支援を得ながら、石炭企業の積極的な努力を求めるとともに、構造調整に当たっては、あらかじめの事前対策の徹底を尽くすことを要望します。 なお、稼行炭鉱がある地域においては、その存続こそが最大の地域振興であるという地域の強い声をも十分に念頭に置き、なお一層の鉱山保安体制の確保と生産の維持に最大限の努力を払われるよう切望いたします。 重ねて、新政策の展開に当たっては、明るさと希望が持てる政府のきめ細かい適切な対応を要望し、賛成の討論といたします(拍手)
○佐藤委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○佐藤委員長 これより採決に入ります。 石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案について採決をいたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。(拍手) ―――――――――――――
○佐藤委員長 この際、本案に対し、渡辺省一君外三名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議及び民社党の四派共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者から趣旨の説明を求めます。東順治君。
○東(順)委員 ただいま議題となりました附帯決議案につきまして、提出者を代表して、その趣旨を御説明申し上げます。 まず、案文を朗読いたします。時間がありませんので、早目に朗読いたします。 石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、本法施行に当たり、関係法律の有効期間内に各法律の目的が十分に達成されるよう最大限の努力を払うとともに、特に次の諸点について適切な措置を構ずべきである。 一 稼行炭鉱に対し、引き続き所要の支援策を講じつつ、需要業界の国内炭の引取りについての協力が円滑に得られるよう努めるとともに、均衡点を設定するに当たっては、国内炭の安定供給性等にも留意しつつ、エネルギー政策上合理的かつ十分なものとなるよう努力すること。 二 石炭会社のコスト低減努力が保安確保に支障をきたさないよう保安対策に万全を期すること。 三 石炭鉱業の構造調整を推進するため、石炭会社等が実施する新分野開拓事業を積極的に支援すること。また、炭鉱労働者が当該新分野の事業に円滑に従事することができるよう、必要な教育訓練等を十分に実施するとともに、雇用安定計画についてもその実効性が確保されるよう的確な措置を講ずること。 四 旧産炭地域における就労事業については、当該地域における雇用確保に重要な役割を果たしている実情にかんがみ、当該事業の実施について特段の配慮を行うこと。 五 累積鉱害の早期復旧を図るため、滞留案件及び効用未回復案件についての認定作業等を可及的速やかに実施するよう鉱害処理体制の改善を図ること。 また、遅延している有資力鉱害の早期復旧が図られるよう的確な措置を講ずること。 六 施行困難な案件等の鉱害処理に当たっては、主務大臣等による調整が円滑に行われるよう努力するとともに、金銭による補償を行う場合には鉱害被害者の意向を十分配慮しつつ、公正・公平に行うこと。 七 特定鉱害復旧事業を行う法人を指定するに当たっては、浅所陥没の発生実態等を踏まえ、当該事業が的確・確実に実施されるよう十分配慮すること。 八 産炭地域及び旧産炭地域の実情を踏まえ、関係地方公共団体の財政支援の強化を図ること。 九 産炭地域振興実施計画の実現を期するため、関係各省庁間の連携・協力を強化し最大限の努力を払うこと。 十 新石炭政策を計画的かつ着実に実施するため、必要な財源を確保するよう努めること。 以上であります。 附帯決議案の内容につきましては、審査の経過及び案文によって御理解をいただけるものと存じますので、詳細な説明は省略させていただきます。 何とぞ委員各位の御賛同をお願い申し上げます。
○佐藤委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 渡辺省一君外三名提出の動議について採決いたします。 本動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○佐藤委員長 起立多数。よって、本動議のとおり附帯決議を付することに決しました。 本附帯決議に対し、政府から発言を求められておりますので、順次これを許します。渡部通商産業大臣。
○渡部国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、その骨子を十分尊重いたしまして、今後とも石炭政策の推進に全力を尽くしてまいる所存でございます。(拍手)
○佐藤委員長 近藤労働大臣。
○近藤国務大臣 ただいま御決議になりました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、炭鉱労働者の雇用の安定に努力してまいる所存でございます。(拍手) ―――――――――――――
○佐藤委員長 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本法律案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ございませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○佐藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ―――――――――――――
○佐藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後零時二十六分散会