石炭対策特別委員会 第3号
- 発言数
- 184 件
- 登壇者
- 19 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/03/04
会議録
○佐藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案を議題といたします。 本日は、本案審査のため、参考人に御出席をお願いいたしておりますが、午前の参考人として、日本石炭協会会長河原崎篤君、石炭労働組合協議会会長藤原福夫君、赤平市長親松貞義君、以上三名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌憚のない御意見をお聞かせいただき、審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、参考人各位からそれぞれ十分間程度御意見をお述べいただきました後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。 それでは、まず河原崎参考人にお願いをいたします。
○河原崎参考人 日本石炭協会会長の河原崎でございます。 本日は、当委員会において石炭鉱業の立場から意見を申し述べる機会をお与えくださいまして、まことにありがたく厚くお礼を申し上げます。 先生方には、私ども石炭鉱業に対し深い御理解と並み並みならぬ御支援を賜り、心から感謝申し上げる次第でございます。 まず、今後の石炭政策の策定、換言すれば、今次法律案に至るまでの経過を顧みますと、御案内のとおり一昨年九月、石炭鉱業審議会に対し「今後の石炭政策の在り方について」、また同年十二月には「今後の石炭鉱害対策の在り方について」諮問され、同審議会は精力的にかつ自由な公開審議を重ね、昨年六月答申いたしました。この答申を踏まえた今後の石炭政策及び石炭鉱害対策を推進するためには、当然のことながら法律的な措置を必要とし、私どもにとっては展望が開かれるに至ったのでございます。 この間、私ども石炭鉱業界は、一昨年十月開催の石炭鉱業審議会において今後の石炭政策について率直に意見と決意を申し述べ、さらに関係各界からもエネルギー政策並びに産業構造調整政策上の観点から意見が陳述されました。また、同年十一月には、当委員会において参考人として私ども石炭鉱業界の考え方を申し述べる機会をいただき、御理解を賜ったところでございます。 石炭鉱業審議会の答申は、審議会の過程では各界の貴重な意見がありましたものの、最終的には私どもの考え方を御理解いただき、その趣旨が全面的に取り入れられたと考えております。 すなわちそのポイントは、第一には、九〇年代を国内石炭鉱業の構造調整の最終段階と位置づけ、国民経済的役割と負担の均衡点までは経営の多角化、新分野開拓を図りつつ、国内炭生産の段階的縮小を図ることが必要。第二には、構造調整に対しては政府において経営の多角化、新分野開拓等に対し新たな融資制度等の支援策を検討するとともに、需要業界においては構造調整の期間と程度に応じた引き取り協力を行うことが必要。第三に、石炭鉱業の構造調整に即応した先行的な地域対策や雇用対策を行うことが必要。第四には、今後の我が国の石炭需要の増大を踏まえ、海外炭の安定供給確保、地球環境問題への対応、国際協力の展開等が必要。とするものでございまして、石特会計石炭勘定の財源の確保並びに政策期間を十年間としたことも含めて、これひとえに、先生方を初め関係各界の私ども石炭鉱業界に対する深い御理解の結果であると考えております。 かかる次第でございますので、私ども石炭鉱業界は、答申でも指摘されておりますが、親会社、子会社、一体となって自己努力をいたすとともに、企業間協力、労使協調して目標を達成する覚悟であります。そのためには、本法律案と平成四年度の予算等の成立が不可欠でございますので、何とぞよろしくお願いを申し上げる次第でございます。 これが私ども石炭鉱業界の本法律案に対する意見の結論でございますが、次に、私どもの現状並びに考え方の一端とお願いを申し上げ、御理解を賜りたいと存じます。 第八次石炭政策は昭和六十二年度からスタートし、今月をもって終了いたしますが、この五年間、私どもは政策の趣旨を体し、労使一体となって構造調整に対応し、懸命な努力を傾注してまいりました。この結果、石炭協会傘下の炭鉱は十一炭鉱から六炭鉱に半減し、生産水準は六十二年度の約一千二百万トンに対し平成三年は約八百二十万トンの見込みでございます。また、従業者数は、昭和六十一年末の約二万六百人から約七千七百人と大きく減少し、生産体制の集約は所期の目標を達成いたしました。 一方、生産、保安技術は著しく発展し、生産性は一月当たり百二十五トンとなり、災害率も大幅に改善され、蓄積された生産、保安、輸送等の技術とノウハウは膨大であり、かつ高度なものがあると自負いたしております。 これらの成果は、関係方面の御理解と御協力があって初めて可能となったものでございますが、一方では、残念ながら、今後解決すべき次の二つのひずみと申しましょうか、問題点が生じました。 その一つは、雇用、産炭地域問題への対応であり、その二つは、従来からの石炭各企業の経常収支の赤字基調が一段と悪化したことでございます。 経営環境は依然として厳しく、第八次石炭政策策定時とその基調は全く変化がないことを踏まえ、ただいま申し上げました問題点を勘案すれば、九〇年代は構造調整の最終段階になると認識せざるを得ず、また、経営多角化、新分野開拓を国内外に強力に推進する以外に雇用の確保と地域への寄与、そして経営改善の道はないと考えたのでございます。 幸い、私どもの考え方と決意は、関係各方面の御理解を得ることができ、答申さらには法律改正の運びとなったと理解いたしております。また、答申後、石炭各企業は今後の構造調整のあり方について検討を続けているところでございますが、石炭各企業は昨年十月、基本的考え方をまとめ、資源エネルギー庁に御報告するとともに公表いたしました。 その内容は、各企業それぞれ経営内容、体質、所有する経営資源等により異なりますが、基本的には答申の趣旨、ひいては本法律案の趣旨活用をすることを念頭に置いたものとなっております。今後各企業は、この考え方を具体的に展開し、親会社、子会社一体となって、労使協調して推進してまいります。したがいまして、本法律案は、私ども石炭鉱業界の新展開にとって不可欠なものでございます。 ここで特に強調いたしたいことは、本法律案による新制度の創設と既存の制度の拡充強化のもとで私どもが努力するならば、労使ともども将来への展望が開けると期待できるということでございます。換言すれば、今後の構造調整は、従来と異なり、労使ともども明るい希望を持って対応できるということでございます。 もちろん、本法律案は、今後政省令、運用面での展開がなされるものと思いますが、その面でのお願いすべき事項も多いと考えております。しかしながら、本法律案は、石炭関係諸法が相互に関連した形で整備されており、ワンパッケージとして考え、具体化することが必要であり、細目や関連事項は実施段階で逐次整備していただきたいと考えております。 どうか、意のあるところをお酌み取りくださいまして、現行法の期限内に本案をぜひとも成立、公布していただきますよう心からお願い申し上げ、私の意見陳述とさせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○佐藤委員長 ありがとうございました。 次に、藤原参考人にお願いをいたします。
○藤原参考人 石炭労働組合協議会の会長を務めでございます藤原でございます。 炭鉱労働者を代表いたしまして陳述をさせていただく機会を与えていただきましたことにつきまして、心から感謝を申し上げる次第でございます。 石炭労働組合協議会は、炭労、全炭鉱、炭職協、この三団体によって構成されておりまして、今次「今後の石炭政策の在り方」に関しましては基本的に統一的な対応をとっておりますので、その立場で陳述をさせていただきたいと思います。 まず、昨年六月七日の答申についてでありますが、私ども労働組合から三名の石炭鉱業審議会委員が任命されていますので、この場を通じまして、資源の有効活用、安定供給、技術、技能の涵養、産炭地域の活性化、雇用の確保などを主張し、また要望しました。中でも、現存炭鉱の維持存続を強く求めてきましたが、答申は御承知の内容となったわけでございます。 今後の石炭需要の動向などを見るときに、この答申の基本方向につきましては決して納得できる政策方向ではありませんが、各界の代表が八カ月余りにわたって多角的な観点から審議をした結論でございますので、今後は石炭企業、産炭地域と一体となって対応していく所存であります。どうか、政治という大所高所からの判断も含め、この答申が前向きに政策化できますよう強く御要望申し上げる次第でございます。 次に、具体的な内容について若干要望申し上げたいと思います。 今次答申あるいは政府提出の構造調整法案などは、八次策と異なり、石炭業界の自主的な構造調整がベースになっていること、生産縮小が先にありきではなく、石炭業界の努力と政府や需要業界の支援、強力が先にありきとなっていること、多角経営化や地域振興対策、雇用確保対策の事前の対応を強化することなどが強調されております。また、今後の国内炭につきましては、決して総撤退ではなく、需要の安定確保、技術活用の可能性などを踏まえて、均衡点についてはさらに検討を続けることとしています。 つきましては、第一に、あらかじめ対策が確実に実施される具体的な施策をぜひお願いいたします。特に、炭鉱労働者の雇用問題の困難性につきましては、既に八次政策下で実証済みであります。新分野開拓、経営多角化による雇用確保といいましても、現在の石炭企業の持てる力だけでは全く不安であります。もとより労働組合といたしましても、企業と協力して全力を傾注する所存ではありますが、新しい転換先が安定雇用、安定労働条件など一定の展望のあるものになるためには相応の準備期間が必要でございます。転換職場をつくり出すことだけではなくて、転換後の対策も含めた諸施策をお願いする次第であります。 具体的な問題の第二は、均衡点をできるだけ高水準にしていただきたいということであります。国内主要炭鉱は既に六炭鉱、地下採掘は七百万トン、六千人を切る体制となっておりますが、補助金は基本的に現行制度横ばいで、基準炭価は平均トン当たり一千円の値下げ、そのもとで一定の賃金を引き上げ、労働時間を短縮するとすれば、再び雪崩縮小が危惧されます。必要な炭鉱が残るための体質改善にも一定の準備期間が必要でございますので、この面からのきめ細かい施策につきましてもお願いする次第でございます。 最後に、八次政策下で離職した人々の雇用対策について要望いたします。 八次政策下では一万二千八百名の人々が離職をいたしまして、現在まだ千二百名以上の方々が職を求めておりますが、この人々の早期雇用施策につきましても検討をお願いする次第であります。 なお、各山元におきましては、この四月から始まる新年度からの生産計画、あるいは多角化計画などに向けて鋭意検討中でありますが、肝心かなめの法律が期限切札になると大変でございますので、石炭関係法の早期成立につきましてもあわせて御要望申し上げる次第でございます。 以上でございます。(拍手)
○佐藤委員長 ありがとうございました。 次に、親松参考人にお願いをいたします。
○親松参考人 北海道の赤平市長親松でございます。 衆議院石炭対策特別委員会佐藤委員長を初め、理事、委員の諸先生におかれましては、平素より石炭鉱業の安定並びに産炭地の振興につきまして格別の御高配を賜り、厚くお礼を申し上げます。本日は参考人として発言の機会を与えていただきましたことに対しまして、重ねてお礼を申し上げます。 それでは、まず本市におきます石炭と地域の状況を簡単に御説明をさせていただき、その後考え方を述べさせていただきたいと思います。 本市の住友石炭赤平炭砿は、昭和六十二年六月、第八次石炭政策の実施を契機に、生産を百万トン体制から六十万トンに、人員を千三百人体制から八百人に縮小し、従業員の賃金や福利厚生を引き下げて政策に対応してまいりました。一方では積極的に経営多角化に努められ、花卉栽培、肉牛肥育、FRP、ミニベアリング、水晶発振装置の製造に加え、最先端の技術を駆使して工業用多結晶ダイヤ製造に挑戦され、本年一月二十八日以降本格操業に入っております。 本市は一昨年開基百年を迎えたところでありますが、先の五十年は農業で、後の五十年は石炭を基幹産業としてまいりました。この間八次にわたる石炭政策を通じて幾度かの閉山・合理化を体験し、そのたびに地域経済の沈滞、市財政の窮迫、人口流出などを重ね、経済的社会的疲弊に苦しんでまいりましたが、その都度、通産省・資源エネルギー庁、労働省、自治省、さらには大蔵省、北海道開発庁を初めといたします関係省庁、機関より多大の御指導、御援助をいただいてまいりました。この中で、当市の進路を鉱工業の町と見定め、これまで国などの雇用助成や低利融資、税の優遇措置などの御支援をいただきながら、積極的に企業立地を図ってきたところであります。 このような中で、当市は、これまで約三十社の企業が立地し、業績も着実に上げ、異業種間交流なども積極的に行われております。しかし、この集積を得ながらも、なお本市においては石炭の位置づけは極めて大きく、炭鉱にかえて地域経済を支える状況にはなっていないのであります。 我が国の石炭鉱業は、海外炭との価格差などから非常に厳しい状況に置かれておりますが、しかし閉山が、あるいは合理化が地域経済に与える打撃ははかり知れないものがあるだけに、存続し続けることが難しいという側面は認めつつも、私は石炭が一日も長く続くことを願わずにはおられません。私は、石炭関係諸法の改正が早期に通過されることを期待するものでありますが、この場をおかりいたしまして若干お願いをさせていただきたく、よろしくお願い申し上げます。 まず第一に、今後の石炭政策が総合的に推進されるときに、地域振興対策の実効性が確保されるよう、特段の御配慮をお願い申し上げます。構造調整円滑化出融資制度、あるいは稼行炭鉱地域における振興と雇用に有効にこれらが活用されることを期待しているところであります。 第二に、昨年十二月策定されました中空知振興実施計画につきまして、今後の事業の推進に当たりまして、重点的、集中的施策の展開を賜りますよう格別なる御配慮をお願い申し上げます。 また、このたび御配慮賜りました中核的事業主体による事業を通じて、今後の炭鉱跡地再開発事業に弾みがつくであろうことを期待しているところであります。とりわけ、本市におきましては約八十ヘクタールに及ぶ炭鉱跡地が、市の中心部で未利用のまま開発できずにおります。この有効利用が本市の当面する重要課題でもあります。 次に、当市におきましては、花卉栽培ハウスやエネルギーセンター等から成る赤平フラワーパークタウン構想を進めておりますが、これをぜひ推進いたしたく、御高配をお願い申し上げます。 産炭臨法の規定による産炭地補正は平成四年度までで打ち切りとなっております。関係市町村にとりましては貴重な財源でありますので、制度の必要な見直しと延長をされますよう御配慮のほどをお願い申し上げます。 現在、空知産炭地についてリゾート法の指定を促進されるよう要請中でありますが、指定にかかわる御支援を賜りますよう、あわせて、中空知圏と旭川空港までの時間短縮のための幹線道路網の整備につきましても特段の御配慮を賜りますようお願い申し上げます。 第三に、私はこれからも企業立地等に全力を投入していく決意でございますが、炭鉱に対しましてもより一層の経営多角化をお願いしておるところでございます。雇用助成や低利融資、税の優遇措置など、抜本的な企業の導入策を一層御支援いただきますようお願い申し上げます。 以上、貴重な時間をおかりいたしましてお願い申し上げましたが、私どもは今後とも、石炭企業の協力を得まして、本市が持つ産業資源を最大限引き出し、地域の活性化を図ってまいりたいと存じております。また、全市民が力を合わせ、英知を結集し、地域の特性を生かした町づくりに全力を挙げたいと存じておりますので、諸先生の特段の御高配を賜りますようお願い申し上げまして、意見の陳述といたします。ありがとうございました。(拍手)
○佐藤委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の開陳を終了いたしました。 —————————————
○佐藤委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。鳩山由紀夫君。
○鳩山(由)委員 参考人の皆様方におかれましては御苦労さまでございます。また、ただいまはそれぞれ石炭鉱業の労使のお立場から、また産炭地の振興のお立場から意見を御開陳くださいまして、まことにありがとうございます。 早速質問させていただきとうございますが、何せ私に与えていただきました時間が短い関係がございまして、御答弁も簡潔にいただければと存じます。 まず、参考人の河原崎会長様にお尋ねいたします。 今私どもが審議を進めております御承知の一括の法案に関しましては、昨年の六月の石鉱害の答申に基づきまして、今後十年間というものを石炭政策の最終段階ととらえているわけでございます。石炭政策に要する費用の財源というものに関しましても、昨年十二月関税率審議会で、原油関税というものの基本税率をゼロといたしまして、実行税率を平成四年度からの五年間、一キロリットル当たり三百十五円、そしてその後の五カ年間に関しましては一キロリットル当たり二百十五円というように定めておるところでございます。その以降の延長というものも不可能とは考えられませんが、しかしかなり厳しいものだと予想せざるを得ません。このように、財源的な意味合いから見ても、石炭政策、やはり十年間が最終段階というふうに考えられるわけでありますが、その十年間の間に皆様方におかれましては、主として経営の多角化あるいは新分野開拓というものに大変な御努力をいただくことになるわけでございますが、最終段階といたしまして、この十年間という期間、限定されておる期間は十分適当な期間の長さでありますかどうか、河原崎会長様にお尋ねしたいと存じます。
○河原崎参考人 お答え申し上げます。 私ども石炭鉱業界は、九〇年代に何としてでも構造調整を達成したいと考えております。また、先生方初め関係先の御支援をいただきながら、労使一体となって努力いたしますならば、必ずやその期間に達成できるものと確信をいたしております。
○鳩山(由)委員 ありがとうございます。ぜひそのような御努力を労使協調されましてお願いするところでございます。 その石炭鉱業の構造調整の中心はやはり、先ほども申しました、また、参考人の皆様方も申されました、石炭会社がいかに多角的な経営をされていかれるか、新分野の開拓をされていかれるかにかかっておると存じますし、そしてその中心は、かなめとなるものは、やはり親会社が積極的に協力をされていかれるという姿勢にあると私は思っております。この親会社の経営的な基盤の強弱に結構差が感じられるように思いますが、そのような、会社に経営的な基盤の強弱に差がある場合に、どの会社もあるいは地域も、この法案の趣旨をよく理解されて活用、展開されることによって未来への展望が開けると解釈してよろしいんでしょうか。それとも、やはり経営基盤の強くない親会社を持つ企業あるいはその地域に対しましては、さらに何らかの手だて、施策というものを講ずる必要があるというふうにお考えでしょうか。
○河原崎参考人 お答え申し上げます。 このたびの石炭鉱業合理化臨時措置法の改正では、石炭会社に加え、親会社が共同で新分野開拓計画を申請し、承認を受ければ、さらに関係事業者の行う事業も支援の対象になっております。また、規模縮小についても支援が強化されており、大変ありがたく存じておるところでございます。 確かに、親会社の経営状況に差があり、したがって支援についても差があると思いますが、しかし、このたびの改正のもとで何とか乗り切っていく覚悟でございます。実施段階ではきめ細かい運用をお願いを申し上げたいと思っております。
○鳩山(由)委員 ありがとうございました。 先ほどの河原崎参考人のお話の中に、新分野開拓あるいは経営の多角化に臨んでいく場合に、国内外、国の外に向けても強力に推進を考えていかなければならないというふうにお述べになったかと存じますが、ぜひ産炭地域の振興というお立場から考えていただいて、それらの事業展開に当たりましては、国の内外も結構でありますが、特に産炭地域においてなされるように強く要望させていただきたいと存じます。お考えがございましたらお述べいただければと存じます。
○河原崎参考人 お答えを申し上げます。 国の内外に強力に推進したい、こういうふうに思っておるところでございますが、特に、雇用の確保、地域振興の観点から、地元地域における事業の展開、これに最重点を置いて努力していきたい、こういうふうに存じております。
○鳩山(由)委員 今、そのように河原崎参考人にお述べいただきまして、大変にありがたく、力強く感じておるところでございます。 御承知のとおり、新分野開拓に対します国の助成、例えば設備資金に対します無利子融資などというものは、親会社を含む石炭会社の資本の比率が五一%以上であれば適用できるということでもございますし、また五一%以下の場合にありましても、四〇%以上でありますれば、役員が過半数を占めているならば適用を受けられるとか、いろいろと大変にこの法律は柔軟にできているようでございます。ぜひ、そういう法律の柔軟性にかんがみて、皆様方親企業そして石炭企業の方々が、地元の有力な企業の方々などとも御相談を密にしていただいて、協力体制を組んでいただいて地元の地域振興にお努めいただければと存じますが、いかがでしょうか。
○河原崎参考人 お答え申し上げます。 大変貴重な御意見をちょうだいいたしまして、ありがたく存じております。今後の産炭地域での事業展開に当たりましては、御意見を念頭に置きながら、慎重に収益性その他勘案いたしながら努力していきたいと存じております。よろしくお願いいたします。
○鳩山(由)委員 次に、親松参考人に伺わさせていただきたいと存じます。 今、河原崎参考人にも質問させていただいたと同趣旨のお話をまずさせていただきたいと存じますが、赤平市におきましても、御承知の住友石炭さんがまた親企業の方々と相談されて、大変にたくましい新分野開拓あるいは多角化に既に乗り出しておられるわけでございますが、地域の、特に若手の実業家の中にも、いろいろなおもしろい発想を持っておられる方がたくさんおるように私は見受けるわけでございます。ぜひそういう地域の、地元の、特に若手企業家の方々と、今申しました石炭企業、親会社を含んで、そういう方々と親密な連絡を取り合いながら、さらに新しいアイデアをもってこの地域振興に乗り出していただきたいと思いますが、そんな中での市の体制というもの、協力というものを強くお願いしたいと存じます。いかがでしょうか。
○親松参考人 ただいま先生から、大変ありがたいお話も含めての御質問でございますが、住友石炭さんにおきましては、本社ともども多角化に大変お取り組みをいただきまして感謝をいたしております。私どもの行政の立場からも、地元といたしましては、常日ごろから多くのお願いをいたし、またそれにいろいろとおこたえもいただいているところであります。 さて、今お話がございましたように、地域にありましては、石炭企業以外におきましても各社それぞれ努力をされております。産炭地振興という意味におきましては、新しい企業の立地につきまして、若手の企業家の皆さんあるいは他の業種の方々も努力をいただいておりますが、ともども石炭との連携の中で、さらに、異業種間といいますか、そういうことも兼ね合わせて今後大いにお取り組みをいただきたい。市といたしましては、最大限のバックアップ体制を、国、道とともに私どもも全力を挙げてしていきたい、こういう決意を新たにいたしているところでございますので、よろしくお願いいたします。
○鳩山(由)委員 市長の力強い御協力の言葉、ありがとうございました。 特に市長は、きょうのお話の中にはなかったかと存じますが、消防庁の訓練センターの誘致というものに大変にお力を入れておられるように伺っております。これは坑内を利用した地下の消防訓練まで考えてまいりますと、これから、私ども特に日本の大都会の周辺に住んでおる者にとりまして、大深度地下の開発というものに力を入れていかなければならないと考えた場合に、消防の訓練センターなどというものは大変に意義深いものだと私は感じております。現在のお取り組みの状況などをお知らせいただければと存じます。
○親松参考人 自治省消防関係の関係者の皆さんによりまして、都市部におきます地下あるいは大型火災、各種災害に備えます対応策を検討されておると伺っております。これに対しまして、私どもといたしましては、当市におきましては長い間の石炭の技術、人材等を擁しております。そういう部分がこれらにつながっていけばありがたい、そんな考え方も持ちまして、お願いをいたしておるところでございます。私どもといたしましては、地元、会社と、ともどもいろいろお願いの作業をさせていただいておりますが、まだ具体的に進展をするという段階でもございませんので、これからも私ども、さらにお願いを続けてまいりたい、一層の御指導をよろしくお願い申し上げる次第であります。
○鳩山(由)委員 わかりました。 実は、三日前の北海道新聞に「赤平市 エネルギー基地構想」と大変に大きな、これは一面の記事が掲載されました。エネルギー基地構想のお話、この中を読ませていただいて、またこれは構想の段階だというふうに伺っておりますが、スラッジ炭を利用して、さらに露頭炭を活用して、メタンガス等、さらに可燃性のごみまでエネルギー源として使われて、それによって熱供給、さらに安い電力まで発生させて、これで企業誘致を図っていかれるという構想に伺っております。この構想、それこそ成功いたしますと大変に地域を大きく変革させ得るものだというふうに私どもは期待をしておるところであります。逆に、それだけに採算性の問題というものも大変に、十分御検討いただかなければならないと思っております。 初期投資に、話によりますと百億円、あるいは運転資金に毎年十億円かかるというふうにも伺っておりますし、経営的に見て露頭炭やメタンガスというものの産出量も無尽蔵とは言いがたいわけでございます。そんな意味におきまして、したがって国の助成というもののいかんにこのエネルギー基地構想の成否がかかっているように感じております。私どもも国に対してこのバックアップを強くお願いをしてまいりたいと思いますが、国の助成の程度、どのような制度融資をお考えになっておられるかというようなことなど、もし御意見ございましたらぜひお伺いしたいと存じます。
○親松参考人 過日、新聞でエネルギーセンター構想が報道されました。実は私ども、産炭地実施計画で道が取りまとめられ、さらに資源エネルギー庁におきまして昨年各地の要望も含めまして取りまとめられました。その中にこのセンターの構想は加えていただいているのでございますが、現在住友さんにおきましては自家発電を持っております。坑内のガスを利用いたしまして、社内の電力、さらにバイオでフラワーをということで十二棟ほど今花の栽培をいたしております。これらにこの電力を使っておるわけでございますが、さて私どもは、市といたしましては石炭の存続を基本といたしながらも、お話しのような状況下にもございますので、先のことも考えておかなければなりません。そういう意味から申し上げますと、仮にその電力が、今持っておりますが、これが途絶えるといたしますと、花だとかその他の進めております事業もストップをするということで、大変危惧をいたしております。 そういう点から、ぜひお持ちの技術、あるいは資源、さらに土地、これらを利用いたしまして、今お持ちの発電を大きくひとつ展開できないか、このように考え、お願いをし、会社の方にも御検討いただいているところでございます。しかしながら、現在はまだ入り口に立ったばかりでございまして、具体的に試算等につきましては私どもも十分まだ承知をする段階にはなっておりません。したがいまして、報道等の部分しかまだないわけでございますが、採算性の面あるいは技術の面、そういう点につきましてはぜひこれから、ともども、私どもも会社と御協議をしてまいりたい、このように存じております。市といたしましては、町全体をフラワーパークタウン構想、こういうことに位置づけておりますので、熱源につきましてはそれらをてこにいたしまして、さらに大きな展開をいただければありがたい、このように存じている次第でございます。 さて、そこで、先生からお話のございましたように、こういうことを進めるに当たりましては、相当の投資額が予定されております。それにいたしましても、採算性の面も含めましてこれらの財源をどうするか、こういうことに当然行き着くわけでございます。市といたしましても、先ほど前段で申し上げましたようにポスト石炭につきましては全精力を、町の生命をかけて取り組みたい、こういう決意ではございますが、いかんせん極めて厳しい財政状況でございますので、今後道を通じ、また、国の諸機関にぜひともお願いをし、会社さんとも努力をしていきたい。そういう面では、ぜひ先生方の御支援のもとに国の御援助をいただかなければこれは実現しないものであろう、こんなふうに考えている次第でございます。ぜひ、そういう点からの今後御指導、御援助を賜りますようにお願い申し上げます。
○鳩山(由)委員 ありがとうございました。終わります。
○佐藤委員長 これにて鳩山君の質疑は終わります。 次に、岡田利春君。
○岡田(利)委員 お忙しいところ、参考人の皆さんには大変どうもありがとうございました。若干の時間、御質問をいたしたい、こう思います。 今度の第九次政策が十年間の期限をもって構造的最終調整を図る、こういう形で今答申がなされて法律が本国会に提案をされておるわけです。振り返ってみて、私は石炭政策に携わった者として非常に感慨無量なものを実は思うわけです。日本の唯一のエネルギー資源の石炭を、どう間違いなく石炭の歴史的な使命を合うさせるのか、このことは我々の責任であり、そしてまた、後世がこのことをどう評価をするかという問題点でもあるのではないか、かように私は思います。 戦争中は、いわば国内の石炭がエネルギー資源として無理な増産を強いられた。私も、朝鮮人労働者と一緒に徴用転換で三井三池の炭鉱の第一線で係員として働いた経験を持つわけです。戦後は、我が国の経済復興の原動力として石炭が位置づけられて、これも、いわば戦争中の乱掘にさらにプラスをして乱掘的な石炭の生産が行われてきた。まさしく戦後の十年間は、そういう意味で振れよ振れよの一点張りの体験を我々は得てきたわけです。 そして、昭和三十年代の十年間はエネルギーの流体化が進んで、昭和三十六年に石炭と石油の我が国のエネルギーがフィフティー・フィフティーになった。そこで、いわゆるスクラップ・アンド・ビルドの新しい石炭政策の展開になってまいりました。だがしかし、その時点でも、原料炭の増産については鉄鋼業界から強く強く要請をされて、これにこたえてきた歴史でもあるわけです。昭和四十年代はまさしく原料炭中心の政策、そしてスクラップ・アンド・ビルドを進めてまいりました。いわば我が国は、諸外国と違って、個別企業単位の政策をとらざるを得なかったという歴史があるのであります。しかし、その後の昭和五十年代の十年間はまさしく石炭がエネルギー源として復興して、日本のあのオイルショックの中で大きな貢献を果たした十年間であったと評価できると思います。昭和六十年代から今日いわゆる平成四年を迎えるわけですが、まさしく石炭の縮小・撤退というのが第八次政策であり、第九次政策に受け継がれておるんだと思うのです。 そこで問題は、第九次政策でいわば構造調整をしながら新分野を開拓し、そしてまた多角経営で転換をスムーズに、後退を、縮小。閉山をしていく、最終的には均衡点という問題が残されておるという形で十年間この構造調整を進めようというのでありますから、そういう意味で、この歴史の流れを考えながら、この十年間に政策に間違いがないのかどうか、確実に実行できるのかどうか、言葉ではなくして。こういう検証をしなければ相済まない問題だと、私はこういう理解をいたしておるのであります。残念ながら、過去の閉山の歴史というのは、随分いろいろ言われてきましたけれども、政策も立てられてまいりましたけれども、地域振興においてはそう見るべきものがない。北九州経済圏とかあるいはまた福島のああいう経済圏の中では、ある程度そういう経済圏の波及効果の中で産炭地域の振興も行われていますけれども、それぞれの地方になってまいりますと、政策は言うけれどもその実行はなかなか難しかったというのが今までの歴史だと思うのです。 今回、今参考人から述べられておりますように、今度の経営の多角化、新分野の開拓、そして雇用との、完全な、ミスマッチなく雇用転換も行われるという点については自信がある、そしてまたこれを実行に移していく、こう述べられておるわけでありますが、そうしますと相当時間がかかるのではないでしょうか。しばらくその準備に時間がかかるのではないかなと私は思うのですね。麦一で、そういう政策をとりながらも、雇用との関係ではミスマッチが起きる可能性がある。まして新しい分野の企業というのは、若い労働者は別にして炭鉱労働者の再訓練なくして雇用転換というものは難しいのではないか。平均年齢の状態からいってもそう考えるのであります。 そういう点について、従来の経験から照らし合わせて、今度の政策であれば雇用とのミスマッチは起こさなくてもいい、確実にそれができる、そしてまたそういう準備に基づいてやるんだということが言えるのかどうか、河原崎参考人の見解を承りたいと思いますし、同時に、そういう我々の心配について労働組合の藤原参考人はどう思うのか、お答え願いたいと思うのです。
○河原崎参考人 お答え申し上げます。 経営の多角化、新分野開拓は、雇用の確保、地域活性化への寄与、そして経営基盤の確立が目的でございまして、国内外で強力に展開する所存でございます。さらに具体的に申し上げれば、産炭地域、それ以外の国内及び海外での新規事業及び既存事業の拡大を展開いたしますが、事業の内容は、各企業は経営の内容、体質、所有する経営資源が異なりますため、それぞれ特質を生かしたものとなると思っております。 一方、従業者の方は、従来の例から、平均年齢が高く、都市では住宅を取得することが困難であるということ等から地元定着を志向する者が多くございます。したがって、各企業は産炭地域を最重点に考えておりますが、経営上はもちろん、雇用確保の立場から、新規事業は単なる受け皿ではなく、収益力のある事業で将来にわたって存続できるものでなければならない、こういうふうに考えておる次第でございます。 経営の多角化、新分野開拓はあらかじめ対策として位置づけられており、完全な雇用確保ができるかどうかという点について申し上げますならば、新規事業は一挙には計画規模にはならない、また石炭生産規模の縮小時期と新規事業の操業時期とは、新規事業の立地のタイミング等から合致しない場合もあり得る、また新分野事業の場合、あらかじめ職業訓練等をするにいたしましても、全員元炭鉱マンというわけにはいかない、こういうふうに思っております。 これらの現実から、すべての者を経営多角化、新分野開拓事業に、同時に、しかも地元で吸収することは非常に困難でございまして、他地域の新 規事業、友好企業での雇用確保もあり得るのではないか、こういうふうに存じております。もちろん最善の努力はいたしますので、産炭地のインフラの整備を早急にお願いをいたしたい、こういうふうに存じております。どうぞよろしくお願いをいたします。
○藤原参考人 お答えをいたします。 八次政策では、結局一カ月ほど前に閉山提案が出て、雇用対策や地域対策が余りないままに閉山になってしまう、こういうことでございました。今度の石炭鉱業審議会でこういった立場から私ども労働者としての悩みをいろいろと申し上げまして、あらかじめ対策、いわゆる雇用転換をするにしても事前に対策をすることが重要である、こういったことについては皆様に御理解をしていただいた、こういうふうに考えております。 ただ、今、河原崎参考人も申し上げましたとおり、平均年齢が高い、あるいは炭鉱の仕事以外にしたことがない人ばかりでございまして、子供のころから炭鉱育ちでございますから、こういった労働者が石炭以外の仕事につくということはなかなか大変でございます。今度政府法案の中で職業訓練等の施策につきましても提案をされているところでございますが、問題はそういう場所ができるかどうかということで、先ほど申し上げましたように、今の石炭企業は押しなべて脆弱化をしてございます。そういった中で、こういった炭鉱労働者が本当に他に転換できるというようなことができるためには相当な準備期間が必要であろう、こういうふうに考えております。 したがって、いろいろ、どこかここかの山がまず一番最初に転換をするということになるでございましょうが、その場合に私どもは、以前の閉山反対闘争、いわゆる事後闘争、こういうようなことではなしに、本当に私ども組合員なり家族なりあるいは地域の労働者なりが転換をスムーズにしていけるのかどうか、そういったところに焦点を当ててこれから労働組合の運動を進めてまいりたい、こういうふうに考えている次第でございます。
○岡田(利)委員 石炭産業は有限資源でありますから、いずれ資源は縮小して、そしてなくなるという宿命のものでありますから、当然正常な場合にもこういう手法は必要だと思うのです。もちろん今我が国の雇用現状はいわば理論的には完全雇用体制。問題は、地域の関係で求人倍率が上回っていて、むしろ労働力難だという現象が我が国の実態でありますから、安定した職場であれば他の企業や他の地域に転換することも私は大いに賛成であります。かつて私どもは、そういう意味で転換をさせた労働者が、造船労働者になって転換をしたのがまたもう一度造船不況で合理化される、こういう悲劇もございましたけれども、そう余りかたくなには考えていないのであります。ただ、炭鉱労働者の年齢が高いわけですから、どうしても仕事が限定されてくる、どうしてもやはり訓練が必要だということがつきまとうのであります。それにはある一定の時間が必要である。 私、六山の炭鉱を考えてみますと、大体炭鉱の骨格というのが見えるものでありますから、そうすると、例えば出向させて訓練をさせて、そしてその次の新しい開拓企業に派遣するとか、こういうことも可能なんですが、時間がちょっとかかるわけですよね。あるいは今藤原参考人が言ったように、確かに炭鉱労働者ではなかなかこなせないという職場も出てきた。だがしかし、炭鉱労働者には子供がおるわけですね、若い労働力がある、こういう面を総合的に考えていくことが大事じゃないかと思うのですが、残念ながらどうも時間が少ないのではないのか、こういう気がします。なぜかというと、これは衆議院の参考資料で、調査室から出ているのですけれども、「石炭各社の構造調整についての基本的考え方」と出されておるが、国会でもちゃんと堂々とまかり通っておるのでありますから、これなんかを読むとそういう感じがするのであります。そこがやはり一番大きな構造調整の場合の、転換の場合の問題点だということであります。 特に、リスクの問題が今参考人から言われたわけですが、リスクを減らす方法はないのか。今度の制度でもあるわけですね。今までもあるわけです。例えば夕張の薪炭事業のように、地域振興公団が出資をする。羽幌では無菌豚に出資をしてこれが民間に移行された。あるいはまた第三セクターも出資をする。親会社も出資すれば炭鉱会社も出資をすると、その分、炭鉱会社の分の無利子の金が融資をされる、こういう組み合わせになっているわけですね。こういう点について大いに活用したらどうなのか。それが自立をする場合には、出資は、事業から撤退するわけでありますから、民間に移譲するのでありますから、そういう工夫もしなければならぬのではないのか。政府側もむしろ一歩前に出る、そして出資ということについても相当積極的にやる、リスクの一端を背負う、そしてまた企業家も転換を図っていく、労働者はそれに協力をする、こういう三位一体の体制というものが描かれておるのかどうか。私今までいろいろお話を聞いてもそういう姿勢がちょっと見えないのですけれども、そういうこともお考えでしょうか、この機会に河原崎参考人に承っておきたいと思います。
○河原崎参考人 お答え申し上げます。 今先生のお話ございましたようなことでございますが、まず第一に、訓練期間が短いのではないかというお話がございました。これは私ども、ある企業において実際やっておるところでございますが、石炭事業を継続、操業期間中にも、必要なキーマンにつきましては、他会社へ出向する等の措置をとりまして養成に努めておるというようなことをいたしておるところでございます。御理解をいただきたいと思うわけでございます。 それから、リスク回避のお話がございましたが、この件につきましては、新たにNEDOの出資等の制度も創設していただきまして、リスクの回避につきましては十分意を用いながら事業の展開に当たりたい、こういうふうに思っておるところでございます。
○岡田(利)委員 先ほど藤原参考人は陳述の中で、問題は、多角化でスムーズに雇用転換することについて、我々もこれがスムーズに確実に実効性が上がるように望んでおる、同時に、石炭の将来の問題としての均衡点は高水準に維持してほしいという意見が述べられたわけです。ここが問題なんですね。大体政策の立て方として、縮小していくという場合に、その分野の転換とか多角経営に政策を当てていく、一方において均衡点を高くするというのは両立し得る政策かどうか。これは抽象論では成り立つのですよ。だけれども、今までの一連の答申の流れをずっと読んでまいりますと、やはり構造調整が主で、いわば技術温存とか海外炭の安定供給とか、そういうための均衡点は将来求めるということではっきり示されないで従たるものなんですね。こういう構成になっているのが今の政策だと思うのですよ。ですから政策全体を理解するということは、そのことを理解しなければならないわけですね。したがって今の政策というのは、高い均衡点を期待するということは私は無理だと思うのですよ、政策の流れからいって。ですから、高い均衡点を求めるといっても結局無理になるのではないのか、言うだけになってしまうのではないか。バランスの問題になっているわけですね。七百万トンのうち縮小・閉山があって均衡点というのが将来検討されるというのでありますから。この私の理解と参考人の理解は同じでしょうか、違いがありますか、いかがでしょう。
○藤原参考人 確かに今度の答申で、均衡点というのはもやっとしておりまして、これから検討ということでございますが、私ども労働組合が三団体で相談をしたのは、やはり日本で石炭があるわけでありますし、それから今、十年後には一億四千万トン以上を需要するわけでございますから、一定のコスト問題はあったとしてもやはり石炭は基本的に残していただくべきであるという考え方でございます。 それで、先ほど言いましたように、現在六鉱、六山の炭鉱もございますが、先生おっしゃるとおり、実はそれぞれの山には有限資源、いわゆる採掘炭量と可採炭量という意味で限界が近づく炭鉱もございます。もちろんこれは炭価が問題でございまして、石炭の値段が安くなればなるほど掘る部分は少なくなる、こういうことでございますので、基準炭価をできるだけ維持をしていただいた上で、現存の炭鉱はできるだけたくさん残していただきたい。ただ、その場合にどういう意味合いで残すのかということで、今度の答申では、特に、国際的な技術貢献、こういった立場も含めて検討すべきである、こういうふうになってございますので、私ども労働組合といたしましても、そういう立場から、本当は六山全部残してほしいわけですが、それが無理だとしてもできるだけたくさん、あるいは今の八百万トン、七百万トン体制を残してほしいわけでありますが、余り小さくならないように、こういったことで今後皆様にもお願い申し上げていきたい、こういうふうに考えております。
○岡田(利)委員 先ほど河原崎参考人はNEDOの出資の問題を言っておりましたけれども、今年度予算で五億円ついているわけです。これは海外炭開発の出資に限定されているわけですね。したがって、海外炭開発が本格化するわけですし、JATECもそういう準備を進めておるようでありますが、この海外炭開発の場合、既にもう予算もついておるわけですが、構想として業界が一つの、例えば海外炭開発の会社でもってそれを主体としてやられるということではないかと思うのですが、主体かないと海外活動はなかなかうまくいかないというのがメタルの場合でも今までのコールマインの場合でも言えるわけです。メタルなんか初めはもうそういう構想でいったけれども、結局は責任会社というものをつくってやらないと、やはり企業ですからまずいということで、そういう方向でメタルなんかやっているわけですね。恐らく今度は、これが出資をして会社をつくって本格化する初めてのケースだと思うのですね。そういう意味では、中国やあるいはまたインドネシアの問題が話題に上っておりますけれども、経営組織とその責任の主体、こういう点について何か協会として考えられているかどうかという点をお聞きいたしたいと思います。 同時に、藤原参考人には、組夫の問題について、しばしばこれは政治問題になって、今退職金制度があり、三百万という交付金制度があるわけです。百五十万が三百万になったというのはほかとの横にらみなんですけれども、今度、構造調整の最後の場合に、本工の場合に六百万から八百万に上がって、組夫の場合にはそのまま据え置き、これはやはり労働組合としていかがなものかと思うのです。我々もまた、これをつくってきた立場としてどうかなと。もちろん勤続年数は組夫の人は低い人が多いんだと思うのですよ。だから余り高い金額は該当者は少ないと思いますよ。だがしかし、そういう点について今問われている、公正さを欠くというのですかね、そういう点で私はいかがなものか、こういう感じがするのですが、この点とういうようにお考えか。 あと中沢さんが赤平の市長にいろいろまた質問があるのですが、私はあえて一つだけお伺いしたいと思うのですが、あそこは空知、赤平それから芦別、三山ですね。三市がまたいろいろ連絡をとって石炭問題について対応されている、こう承知をいたしておるわけです。そういう意味では、この三市が共同して、もちろん自分の市に立地をすることが一番いいのでしょうけれども、それを超えてやはり物事を考えていくという視点も大事じゃないかな、こう私は一つ思います。 同時に、先ほど来問題になっております赤平市のエネルギー基地構想というのは、今の赤平の多角経営の内容を分析すると、私は非常に有効だと思うのですよ。フラワーパークというのがあるわけでしょう。エネルギーを安く使う、活用していく。スラッジがたまたまあるものですから、二十万トンぐらい現在持っている、それを使ってやる。では、将来はどうするかという問題は残っておるわけですけれども。そういう意味では、やはりできるだけ長く山が残る、そういうことによって準備体制が進む。もし炭が枯渇した場合でも、いろいろな情勢を検討して、それにかわり得るエネルギーというものが考えられる。また、初めから北海道のああいう過疎地帯でごみが大都市のようにたくさん集まるということはそう簡単にはできないでしょうから、それも時間がかかっていくと広域的にも考えられる。やはり時間が必要なんですね。私は非常に有効な構想だと思うのですね、これがもし実現するとすれば。そういう意味でどの程度の年数をかけてやるというお考えか、この一点だけお伺いして終わりたいと思います。
○河原崎参考人 お答え申し上げます。 現在、石炭業界が海外炭の取り扱いをいたしておりますのはおよそ六百万トンぐらいございまして、少なくともできるだけ早い時期にこれを倍増させたい、こういうふうに思っております。 各社は、既に各国において資本参加による開発あるいは調査等、プロジェクトに着手いたしております。一方、JATECのお話がございましたが、JATECは昨年、中国とインドネシアにエグゼクティブミッションを派遣し、今後の技術協力等について合意し、今後が期待されております。また、会員各社から共同事業に適したプロジェクトの調査も持ち込まれておるところでございます。さらに、共同事業といたしましては中国で実施することを検討したいと考えておりますが、現時点ではまだ発表する段階でございません。JATECは財団法人でございますので、開発可能性の調査とか技術協力はできますが、公益法人の枠を超えて収益事業はできませんので、開発は会員各社が共同あるいは単独で実施することになると思います。 先ほど共同事業について、メタル業界ではうまくいっていないというお話がございましたが、大変有益なお話を聞かしていただきまして、ありがとうございました。私どももいろいろ事業をやっております中で共同してやるということにつきましては、いろいろリスク分散とかその他、メリットもございますが、またデメリットもございまして、その辺は十分注意していきたいと思っております。特に、お話のございましたように、何と申しますか、おみこし経営になってしまってはなかなかうまくいきませんので、その辺につきましては特に注意していきたい、こういうふうに思っておるところでございます。
○藤原参考人 お答えいたします。 いわゆる下請労働者の皆さんの問題につきましては、私どもとしては基本的に周し労働者の仲間である、こういう観点から今までも対応してきてまいっております。 ただ、いろいろと今までの合理化臨時措置法あるいは離職者法との関係で申しますと、企業の形態あるいは雇用の形態等々があって、なかなか直轄労働者と同じ取り扱いにはしてもらえない、こういう問題がございまして、今度の法案でも若干、の改善はお願いしているところですが、基本的にはまだ改善できないという問題がございます。またあわせて、下請労働者だけではなくて、今私どもが重視しているのは、いわゆる石炭直結部門の関連労働者、いわゆる石炭を運ぶ鉄道会社であるとか病院であるとか、いろいろな関係部門がございますが、これもまた石炭企業の労働者ではない場合があるわけでありまして、これが石炭が構造調整になるということになった場合、この石炭に丸ごと直結している部門の労働者の問題、雇用の問題等々含めましてどうなるのか、こういったいろいろな問題がございますので、今後いろいろと検討しながら関係方面にもお願い申し上げていきたい、こういうふうに考えております。
○親松参考人 ただいま先生からお話がありました三市におきましては、共通の認識、また共通の運命共同体的な認識を私どもいたしております。石炭問題の存続、そして産炭地域の振興策、そういう点から三市におきまして連絡協議会をつくりました。そういうことで、お互いに情報交換もいたし、また、互いの知恵を出し合って、一市だけでできないものが三市でできることもある、そんなことで今後とも進めたいと存じますので、御指導のほどをよろしくお願いします。 もう一点、エネルギーセンター構想でございますが、先生からもお話がありましたように、私どもぜひこれを推進いたしたい。地域にあります資源、また露頭炭も当市だけではなくて芦別さんにも歌志内さんにもまだまだたくさんございます。そういう意味におきまして、この資源を将来ともに有効活用すべきであろう、このように考えておりまして、ぜひこれを生かしていきたい、このように存じておりますのできれば、平成四年度につきましてはさらに私ども一歩進めまして、もっと調査をいたしていきたい。この辺につきましても御援助いただければありがたいと存じます。 これが何年たったらどの程度いくかということは、私ども全く予測が立たないのでございますが、実はダイヤモンドの開発をいたします。これが約五年ぐらいかかっております。これらのことを考えますと、やはりこういういろいろなリスクの問題を含めまして、そういう年数は相当要するだろう。しかし、この間、何とか山は頑張ってほしい、また、地域も同じであります。そんな思いで、これはともども急いで我々もやりたいことだ、このように存じております。よろしくお願いします。
○岡田(利)委員 どうもありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて岡田君の質疑を終わります。 次に、中沢健次君。
○中沢委員 まず冒頭、三名の参考人の方、大変御苦労さまでございます。 それと、傍聴席を見ますと、我が党の大先輩、元衆議院の副議長の多賀谷真稔先生が座っておられます。恐らく、後輩頑張っているかなど、そしてこういう参考人の意見陳述でありますが、関係者がどういう意見を言うか、かたずをのんで注目をされていると思うのですね。 私は、二十七日に関係大臣と一般質疑をやりました。法案審議でもまた質問に立ちます。しかし、きょうはせっかくの機会でありますから、しかも、極めて短時間の質問でございますので、余り能書きは申し上げません。基本的な関係は先輩の岡田委員の方からいろいろございましたから、少し重複を避けまして、具体的な点につきまして参考人の方からぜひお答えを、意見を求めたいと思うわけであります。 まず最初に、河原崎参考人にお尋ねをしたいと思います。 先ほどのお話の中で、石炭協会あるいは関係企業として、新政策の一つの柱であります企業として新分野開拓あるいは多角経営、総力を挙げて頑張りたい、こういう決意がございました。私も、そのことには全く賛成であります。ぜひ頑張っていただきたいと思います。 ただ、正直申し上げまして、八次政策のいろいろ反省点を含めて申し上げるつもりはありませんが、やはり八次政策のいろいろな反省点なんかを考えますと、先に閉山ありき、そしてその受け皿、地域振興がほとんど後手に回っていた、そういう反省から今度の新分野、多角経営が一つは出たと思うのです。しかし、その事業をやるにしても、親会社あるいは石炭企業としての体力がどうなのか、新しい事業展開をやる場合は、その本体の体力がどうなのかということが非常に大事だと思いますね。 経済人の河原崎さんにこんなことを質問するのは失礼かもしれませんが、石炭企業というのは大変体力が脆弱であって、ふだんの資金繰りも大変である、労働者に対するいろいろな問題についても決して十分な手だてはされていないと思うのです。それに加えまして、今度の新政策では、八次のときもそうでありましたけれども、炭価の引き下げということが出されております、トン当たり千円。これは結構体力に悪影響を来すのではないか。気持ちの上では新分野だとか多角経営をやろうということで頑張りましても、俗な言葉で言えば先立つものがない、金がない。企業の体力が十分備わっていない。したがって、結果的に新分野や多角経営は思うように進まない、こういうことになりはしないか。かねてから言っておりますが、炭価の引き下げは私は反対だ、このように思っているのでありますが、その辺について率直な御意見をひとつ聞いておきたい。 関連をして、新分野開拓では、多く申し上げませんが単年度六十億、五年間で三百億の無利子融資というのが初めて導入をされます。これも大変結構なことだと思います。ただ、石炭各社の第一次希望みたいなのを非常にアバウトな状態で集約をされた折に、約一千億の資本投下を考えているようでございまして、私もついこの間も指摘をしましたが、三百億という金額、これは絶対量がやはり少ないのではないか。それから、融資条件は、一々申し上げませんが、もう少し柔軟にやったらどうだ、こういう意見を持っております。 前後して三つぐらい関係がありますが、ぜひ参考人からお答えをいただきたいと思います。
○河原崎参考人 お答え申し上げます。 御指摘のとおり、石炭企業は第八次策におきます生産体制の集約等に伴いまして政府の御援助、需要家の御協力を受けてまいりましたものの、経営基盤は脆弱化しておることは間違いございません。しかしながら、五年間炭価を据え置いていただいておりますこと、また今後の引き取りにつきまして弾力的に御協力願うこと等を勘案いたしますと、炭価引き下げは自助努力をもって何とか吸収して、経営多角化、新分野開拓は、政府初め皆様方の御援助をいただきながら、経営資源を有効に活用いたしましてその実現を図っていきたい、こういうふうに存じておるところでございます。 次に、無利子融資三百億円についてでございますが、確かに現時点でプロジェクトを合計いたしますと膨大な資金が必要でございます。しかしながら、今後各プロジェクトを調整、検討し、実施計画を策定し、諸条件を整えて着工いたしますまでには、それぞれ所要の時間を必要といたしますし、プロジェクトごとにリードタイムが異なり、また他の制度資金の活用等もございますので、当面は問題はないか、こういうふうに考えております。ただし、状況によりましては枠の拡大をお願いすることになるかもしれない、こういうふうに存じておるところでございます。どうぞよろしくお願いをいたします。
○中沢委員 ありがとうございました。 それでは、藤原参考人にお尋ねしたいと思います。 まず最初に、先ほど山の存続問題と生産体制の均衡点のお話がございました。ふだんからいろいろ意見交換をしている間柄でありますから多くは申し上げませんが、八次政策は先に生産体制の目標が定まって、需要が先にあって結果的に集中閉山。その反省から今度は均衡点という言葉と、同時に生産体制でいえば単年度主義に変わったわけです。新政策は向こう十年間、私はかねてから言っていますが、この十年間今の八百二十万の生産体制をキープしてもらいたいとは思いますが、状況は厳しい。百歩譲って、新分野開拓だとか多角経営というのは時間と資金、いろいろなことが集中して、そしてそれなりの受け皿がつくられるわけでありまして、したがって、山の存続ということを考えると、やはり前半の五年ぐらいはいろいろ理由はあったにしても今の山は閉山をしないで、合理化をしないで存続をさせる、そして五年間とにかく会社や地域を含めて一生懸命新分野や多角経営に、新しい事業展開に全力を挙げていく、少なくともそのことは今度の政策の中で何らかの歯どめが必要ではないかということをかねてから強調してまいりました。そういうやや私の持論と言っていいと思うのでありますが、それについてはどういうお考えをお持ちでしょうか。
○藤原参考人 お答えいたします。 実は先ほど岡田先生のお話にもありましたとおり、かなり準備の期間がかかるであろう、こういうことから、十年の政策期間中、特に前半五年はむしろいろいろな意味で準備の期間にして、同じ構造調整を受けるにしても後半に力点を置くべきではないかというのは私もそういう考え方でございましたし、私ども労働組合全体的にそういうふうに考えていろいろやってまいりました。したがって、今でも、やはり準備期間がかるわけですから、縮小についてはできるだけ後ろの方に延ばしてもらって、あらかじめの対策に十分を期していただきたい、こういうふうに考えているのが基本でございます。 ただ、六つ主要炭鉱がございますけれども、その中には、先ほど言いましたようにいわゆる経済炭量、可採炭量、こういう意味で坑道展開等を含めてそれぞれの山の事情がございます。したがって、当該労働組合と会社との間でいろいろ検討した上で、いわゆる末端組合員に対しましてこの先どうなるのかという展望を示す必要が出てまいると思います。したがって、そういった関係からは、必ずしも五年はもたないのではないかという結論になれば、やはりその山の意思については尊重をしなければいけないであろう、こういう問題もございます。したがいまして、均衡点でできるだけたくさん残していただきたいということと、やはり安定した雇用をきちっとつけていただきたいという問題、この二つの問題を同時並行的に今後進めていかなければならないのではないか、こういうふうに考えております。
○中沢委員 もう一つ雇用に関連してお尋ねをしたいと思います。 今度の新政策の雇用政策の中では、新分野に関連をしまして出向だとか派遣について言うと、一年間の期限つきであり」ますけれども賃金助成というのが改めて出てまいりました。これも若干大臣と意見交換をしておりますが、私は、一年という期限は短いんじゃないか、それから助成で一言えば三分の二というのは、例えば四分の三ぐらいの今までのいろいろな諸制度の最高のところまでレベルアップができないか、こういう指摘もしました。余り前向きな答弁はいただいておりません。 それについてどういう考え方を持っているかということと、いま一つ、下請労働者の関係でいいますと、八次の中で閉山があって下請労働者も大量の合理化、解雇を受ける。もっと言えば、下請会社によっては退職金の制度すら持っていない。制度を持っていても極めて不十分だ。この問題を当委員会で私も取り上げて、当時の大臣は、いろいろあるけれどもとにかく何とか政治的な配慮もしたい。少し時間はかかりましたけれども、具体的な措置がされた実績を持っているわけです。今度はまだ九次政策、つまり新政策の中でそういうところまでは心配しなくてもいいんでしょうけれども、しかし最悪の事態ということを考えますと、それは黒手帳の問題もそうですけれども、今言った下請労働者について底支えの何らかの制度というのはやはり必要ではないか。これから私どももいろいろまた検討したいと思いますが、そういう点について参考人の御意見、ぜひ聞いておきたいと思います。
○藤原参考人 最初の職訓等の問題についてでありますが、今度政府法案の中で一年間の諸対策を講じられるということにつきましては、今までにない制度でございますから、これはありがたいと思います。ただ、先生おっしゃいますとおり、やってみれば一年間では足りないのではないか、こういう部分が出てくる可能性は多分にあるというふうに考えております。この部分はもっと長くできないかということでいろいろお願いしたのでありますけれども、いかんせん初めてできることで、しかも他の制度と連動しているという問題がございまして、なかなか聞いてもらえなかった経過がございますので、まず私どもとしては一年間やってみて、特に北海道あたりで前に真谷地等の閉山でございました農業労働者になるというような観点を考えますと、やはり春から夏、秋、冬と一年間ぐるっと農業労働やってみて、それで一年で全部一回り覚えられるのかというような問題もございましょうし、いろいろなものが出てくる可能性がございます。しかし、その中ではまた、事実が出た、あるいは出そうだという段階で具体的な問題をお願いじょうか、こういうふうに考えております。 それから、下請問題でございますが、先ほども言いましたとおり、私どもとしては、やはり炭鉱に直結して石炭労働者というふうになっている労働者についてはみんな同じに扱っていただきたい。あるいは石炭企業の労働者でなくても、先ほど言いました例えば鉄道の労働者であるとか病院の労働者であるとか、会社の名前が違っても実際上は炭鉱労働の者だというふうに位置づけられている企業の労働者についてはみんな同じに扱っていただきたい。 こういうことでずっと長い間お願いしてまいりましたけれども、これがなかなか、例えば一つの下請企業でも、土建屋さんもやっている、石炭屋さんもやっている、ほかの商売もやっているというようなところで、例えば人間が入れかわり立ちかわりというふうになるケースもあったり、いろいろなことになる。あるいはもう一つは、石炭会社が親会社で下請会社に対して請負金を払っているわけですが、そこにはいわゆる退職金も含めた賃金見合い額というものも全部石炭会社が払っている、したがって親会社の方が、石炭会社の方が退職金の責任は持ってないんだ、あくまでも下請が持っているのだけれども、下請の会社は苦しくてそれを使ってしまった、だから払えないとか、いろいろな今までの経過の中でございますので、これを何とかするということになりますと、やはり法律の根本のところから整備をしてもらわなければいけないということになりまして、なかなか今までは、若干の改善はございましたが、基本的な改善には至っていない、こういうことでございます。
○中沢委員 さて次に、非常に遠いところからお越しをいただきました親松赤平市長・参考人にお尋ねをしたいと思います。もう時間がありませんから、単刀直入にお尋ねをいたします。 一日の北海道新聞、これ、一面に例のエネルギー基地構想が大きく記事になっておりまして、たまたまその日夕張市長に会った際に、いやあ赤平もこういう構想で具体的に進展すると大変結構なことだ、こういう話がございました。昨日市長ともまたいろいろ情報交換をしましたが、いずれにしてもこれはまだまだ構想の段階だと思いますが、これから具体的にこの構想を実現化をする場合に、場合によっては関係法案の手直しということも必要になってくるのではないか。ずばり言えば北海道電力に電力を買ってもらう、こういう必要も出てくるんではないか。あるいは相当程度、北海道や地元も一生懸命頑張るし、企業も頑張るけれども、この大構想であれば国としては、私は通産の石炭部なんという一つの分野ではなしに、通産省全体として、もっと言えば、自治体に対する財政支援で言えば自治省が、本腰を入れる。やや国家的なプロジェクトの側面を私は持つと思うのですね。 ですから、これはたくさんクリアしなければならない問題があると思うのですけれども、それにしてもせっかく振興の実施計画にも出されているし、やや新聞も好意的に書いていることでもあるし、この際、行政と会社とそれから今言った広域的な関係、国に対するいろいろな働きかけ、早急に青写真をしっかりつくっていただいて、私ももちろん地元でもございますので全面的に、少なくともきょう集まっていただいている石特の委員の方は、党派を超えてこれは協力するということになると思いますので、ぜひひとつそういう面での地元的な準備、できるだけ早急にやって、具体的なプログラムをつくっていろんな面に働きかけをする、そういう必要があろうかと思います。釈迦に説法だと思いますが、その辺はいかがでしょうか。
○親松参考人 先生から今お話ありましたエネルギーセンター構想につきましては、お話しのように、これから検討するにいたしまして、大変大きな課題、クリアすべき問題がたくさんございます。私どもといたしましては、住友石炭さんのお持ちの技術力だとか、これまで発電を自家発電も持っておりますので、こういういろんなノウハウをぜひこれから早急に御検討賜りまして、その事業化の方向性を探り出していただければありがたい。その過程におきましては、ともども全力を挙げて私どもも地域ぐるみで取り組んでいきたいと存じている次第でございます。 特に、その地域ぐるみの件につきましては、先ほど岡田先生のお話の中にもありましたが、資源は当市だけではなくて近隣を含めまして露頭炭もたくさんございます。そういう意味でまた近隣とも十分連携を密にしていかなければならぬことと存じております。さらに、道初め国の諸機関、公立的な分野あるいは財政的な支援策、そういう意味ではぜひ私どもといたしましてはこれから勉強すべきこともたくさんございます。そういうことを含めまして一層の御支援をいただきたい。私ども地元といたしましても、重大な決意で一層取り組むようにいたしてまいりたいと存じております。
○中沢委員 そこで、もう一つ具体的にお聞きをしたいと思いますが、八十ヘクタールの土地問題が先ほどございました。いずれにしても、既に閉山になった炭鉱跡地をどうやって産炭地振興に関連づけて有効利用するか、これは非常に重要なテーマだと思います。ただ、私もいろいろ直接間接タッチしておりますけれども、あの土地は抵当に入っているし、仮に市が買うにしても莫大な資金が必要である等々、いろんな問題があると思います。しかし、これは市の方としてやはりあの地域における開発計画を改めてしっかりつくっていただいて、抵当権外していえば、会社と行政との話だけではなかなか進まないと思いますから、この際石炭部あたりも強力に応援をしてもらうだとか、あるいは仮に市が買うにしても大変な財源が必要となってきますので、その財源手当てを一体どうするか、これは正直言って通産の石炭部ではなかなか手に余る問題だと思います。勢い自治省の例えば土地基金だとか土地取得に必要な起債の認可だとか交付税の手当てたとか、自治省サイドの問題もかなり出てくると思いますが、そういう内容について市長の率直な国全体に対する希望があればぜひお示しをいただいておきたいと思います。
○親松参考人 現在、住友さんがお持ちの事業所用地、さらにそれ以外に炭鉱跡地が大変多くの分野を占めております。とりわけ、今赤平の市街地、商店街を包んで両サイドに炭鉱跡地、未利用地がございます。市といたしましては長年の懸案でございまして、この土地が有効に活用されるかどうかに町の発展の推移がかかっているところでございます。それだけに地域、商店街振興、あるいは商工会議所さん、町づくり、いろいろプロジェクトをつくっておりまして検討いたしておりますが、なかなかその突破口も見出せないというのも現実でございます。 そこで、先生からお話ございましたように、この大変広い土地を有効活用するためには、私どもが取得ができれば一番よろしいのでございますが、なかなかお持ちの会社におきましても簡単に私どもに売り渡すわけにいかない、そういう手続上の問題が一つございます。もう一つは財源的な措置でございます。これにつきましては私どもの規模の財政力としてはいかんともしがたい大きな数字でございます。その面ではぜひひとつお国の力をかりましてその資金手当てがいただけるか、あるいは場合によってはいろいろな関係者が組んでその開発をしながら財源手当ても一層さらにいただけるか、こういういろいろな諸政策が出てこようかと思います。 それにいたしましても、市の財政の立場から、自治省サイドからいろいろ御指導いただいておりますが、自治省さん、そして炭鉱跡地でもございますので通産省、そういう立場からのいろいろ方策も含めましての御指導をいただければありがたい。そんな中に、私どもは、土地利用計画を、そういう見通しをつけながら地域の関係者と組んでいければありがたい、このように存じている次第でございます。
○中沢委員 では、時間がありませんからあと一つだけお願いをしたいと思うのです。 産炭地財政について言えば切りがありませんが、とりわけ産炭地補正という交付税制度があります。委員会でも取り上げました。通産大臣も早速自治大臣に、産炭地財政よろしく頼むという話が既にあったようでございまして、さすが素早い行動だなということで評価をしたいのでありますが、いずれにしても、この産炭地補正ということも含めて、自治体財政についての率直な市長の希望について、簡潔で結構でございますので、ぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○親松参考人 お話ありました産炭地補正は、地域にとりましては大変有効な制度でございますのできれば私ども、もう期限切れを間近に迎えておりますので、この制度的なことも含めましてぜひひとつ御検討賜りたい、このように存じている次第でございまして、今後ともよろしくお願いいたします。
○中沢委員 ありがとうございました。以上で終わります。
○佐藤委員長 これにて中沢君の質疑は終わりました。 続いて、中西績介君。
○中西(績)委員 非常に制限された中で質問をいたすわけでございますけれども、河原崎日本石炭協会会長さんにのみ、二点だけお伺いしたいと思います。 一つは鉱害問題であります。 昨年発表いたしました構造調整の基本的な考え方の中におきまして、三井グループは残存鉱害については早期解消に最大限努力するとあります。他社を含めまして、鉱害復旧は極めておくれています。特に有資力の場合はそのことが言えると思います。現在までのような対策では、到底十年間で終了するなどということは考えられないわけであります。私はそう思います。したがって、そこでなぜこのようにおくれておるのか、その理由についてもう一つは、計画案は、提出を求めても今まで出されたことがありませんが、おくれを取り戻す計画案はあるのかどうか、この二つ、鉱害問題について。 もう一つは雇用問題でございます。 先ほど藤原参考人からも言われておりましたけれども、八次政策における雇用対策というのは十分でなかった、こういう状況の中におきまして、今度の構造調整の基本的考え方の中では、相当熱心にやろうという意気込みが感ぜられました。また、そのように審議会でも発言をされておるようでありますけれども、この点、従来とは異なって雇用の安定対策を本当に考えておるかどうか、そのことがまた約束できるか、この二点についてお答えください。
○河原崎参考人 まず鉱害の問題でございますが、このたびの鉱害二法の改正、延長に当たりましては、最も復旧に時間を要する福岡県について十年間を目途としておるところでございますが、私ども有資力は、残存鉱害の早期解決に最大限の努力をする、できれば前半の五年間で目途をつけたい、こういうふうに考えて努力をいたしておるところでございます。復旧の進捗を妨げる最大の原因といたしましては、私は、復旧の同意がなかなか得られないということではないか、こういうふうに思っておるところでございます。おくれの解消につきましては、鋭意努力をいたす所存でございます。 それから、雇用につながる経営多角化、なかなか難しいのではないかという二番目の御質問でございますが、確かに御指摘のとおりなかなか難しい問題でございまして、先ほども御答弁申し上げましたように、鋭意努力をいたしておりますが、必ず一〇〇%できる、こういうふうにはお約束いたしかねるところがございます。新分野につきましては各企業それぞれ研究をいたしておりまして、必要に応じ技術導入も考え、着実に実行をしていく、こういう覚悟で当たっております。御理解いただきたい、こういうふうに存じておる次第でございます。
○中西(績)委員 時間が参りましたので終わりますけれども、特に五年間でめどを立てたいという、このことを信頼を申し上げて期待を申し上げたいと思います。特に、先ほど出ました、合意が得られないという、こうした問題等につきましても、地方行政の皆さんなりあるいは地域の皆さんとやはり総合的な対策を。これからどう遂げていくかということを、その地域におけるそうした問題等を十分やはり理解をしていただくということが大変重要ではないかと私は思っています。 時間が参りましたので終わりますけれども、大変失礼なことを申し上げまして恐縮でした。ありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて中西君の質疑を終わります。 続いて、藤原房雄君。
○藤原委員 参考人の方には、大変お忙しい中、また貴重な御意見を賜りまして、本当にありがとうございました。 時間も非常に限られておりますので端的に申し上げますが、最初に河原崎参考人に、今度の石鉱害の答申「今後の石炭政策の在り方について」、この中に、石炭鉱業も多角的な経営をしていくという、こういう一つの方向性を言われているわけでありますが、石炭協会としましては、私ども素人ではございますが各地を回りまして、特に北海道の場合ですと、石炭があって町ができた、こういう感じのところが非常に多うございますから、そこでこの多角的な経営といいますか、事業をするということになりましても、規模の大小は別にしまして非常に困難な面があろうかと思います。確かに、政策的には今までの石炭鉱業ということだけではなくて、今可能性を追求するということが大事なことだろうと思うのでありますが、しかし現実は非常に厳しい、そしてまた時間のかかることであり、資金のかかることであり、この答申にはございますが、具体的な今後の取り組み、またこの答申に対して、協会として今後どうお考えになっていらっしゃるのか、その辺のことをちょっとお伺いしておきたいと思うのであります。
○河原崎参考人 私ども石炭業界は、確かに技術的に申しましても、石炭関係の技術以外につきましては非常にプアなところがございますし、新規に多角化を計画いたしましてもなかなか思うに任せないというところはございますが、そういうことで時間をかけておりましてはこれはもう切りがございませんので、私ども既存の業界から技術を導入する等のことも積極的に取り進めまして、できるだけ早い時期に多角化の実を上げたい、こういうことで努力をいたしておるところでございます。 それから、多角化に多額の資金を必要といたしますが、これにつきまして、親会社ともども経営の基盤が大変脆弱化しておるところでございまして、資金の調達等につきましてもこれは政府初め皆様方の御援助をいただく必要がございますが、それも含めまして鋭意努力をしていく覚悟でございます。よろしくお願いをいたします。
○藤原委員 いろいろ限られた時間の中で努力をしておるというお話でございますが、確かに、立地条件それからまた資金力、現状いろいろ社会情勢の変化、こういう中で、言うはやすく実現というのは非常に難しいことだと思いますが、最大限可能性を追求しまして、地域の発展のためにひとつ御努力をいただきたいし、また協会としましてもひとつリーダーシップを握っていただいて、御推進のほどを心からお願いを申し上げたいと思うわけであります。 次に、藤原参考人にお伺いするわけでございますが、この答申、先ほどの参考人の御意見もお伺いしましたが、何といいましても、この九〇年代を構造調整の最後の段階と位置づける、こういうことでございますし、炭価の価格差、こういう経済ベースからいいましても、その均衡点をどこに求めるかということが今後の一つの大きな課題になっていると思うのであります。しかし、八百万トン前後という、一億数千万トンの需要に対しまして八百万トンを切るような今日ということになりますと、今日まで先人が築いてまいりました技術というものが風前のともしびといいますか、このままの状況でいきますと、経済ベースだけですと、この技術的なことにつきましても炭鉱にかかわるものが失われてしまう、こんな危惧を抱くわけであります。 そういう中で海外に技術を、さらに、これは何も採掘だけじゃございません、輸送から何から全部、石炭にかかわります技術を生かそう、国際貢献ということで生かす道はあるのではないか、こんなこともちょっと記述の中にもございますし、通産省としましてもそういうこと等についてもいろいろ御検討なさっているようでございます。過日、去年の暮れですか、釧路の太平洋炭礦で東南アジアの方々の研修等を行った、こんなこともお聞きいたしておるわけでありますが、経済ベースで今までのように採掘、そしてその石炭の利用ということを、今までの範囲内だけでは先細りかもしれませんが、別な観点でこれはまた考え直してみなければならないことであろうかと思うわけであります。それは、この石炭にまつわります技術、このノウハウ等につきましては、世界の先導的な役割を担っておる、こんな気持ちもするわけでございますが、それらのことにつきまして、いろいろまた審議会等におきましてもお立場上いろいろな御意見、組合としましても出されたんだと思いますが、現在これらのことについてどのようなお考えを持っていらっしゃるのか、お聞きをしておきたいと思うのでございます。
○藤原参考人 今後のいわゆる均衡点と言われる国内炭がどうあるべきかということは、今後検討することではあるわけですけれども、私ども労働組合といたしましては、一つは、やはり日本にある石炭資源というものは最大限有効に活用すべきであるという観点が一つでございます。それから二つ目は、確かに石炭の値段でいいますと二倍あるいはそれ以上の格差があるわけでありますが、日本の石炭技術というのはかなり優秀なものがございますから、今後の石炭の安定輸入あるいは海外の炭鉱の開発等々にこの技術は生かされるべきである、こういうことをいろいろ申し上げまして、日本の石炭は残してほしい、こういうふうに主張したわけでありますが、結局一方では、技術の問題では何も国内に炭鉱がなくても海外の炭鉱で技術を涵養すればいいではないか、こういう御意見も一部あったわけであります。しかし、私どもとしては、やはり日本の炭鉱の技術というものは国内に炭鉱を残してそこで涵養すべきである、こういうふうに考えているわけでございます。 それから、今後十年間この政策が行われた後、まだ炭鉱政策というものは続くと思います。しかし、それは安定輸入あるいは海外開発あるいは今問題になっている地球温暖化等の環境問題等を含めた広い意味での石炭政策ということになると思いますけれども、その際に、十年以降も、やはりこの技術の問題に関連させて日本の国内に一定の炭鉱は存続をしていく必要がある、こういうふうに考えてございますから、今度の構造調整法というのは確かに十年で終わるのかもしれませんが、その先は、構造調整のでき上がった国内炭というものはやはり一定の役割があるというふうに考えてございますから、十年以降も国内炭は一定のものは存続させていただきたい、このように考えている次第でございます。
○藤原委員 貴重な御意見、どうもありがとうございました。もう時間もございませんので、本当に申しわけございません、いろいろまたお伺いしたいと思うのでありますが、後日に譲りたいと思います。 次に、親松参考人に二、三申し上げたいと思います。 産炭地に参りますと、八次策の、それ以前からもちろんそうでございますけれども、特に八次策で、炭鉱地帯、産炭地の地域の状況を見まして、閉山後の対応というのは、結局いろいろな後始末といいますか、もちろん石炭に関係ございます石炭部を初めとします通産省や自治省、それぞれいろいろな対策を講じておることは、また、労働省等それぞれの省庁で対応していらっしゃることはわかりますが、しかしこれはいずれも法律にのっとった部分でありまして、最後の後始末といいますか、自分の町村、自分の町の最終的な問題については地方自治体が責任を持ってやる。これは当然のことかもしれませんが、しかし、何をするにいたしましてもそれには財政的な裏づけがなければならぬわけであります。そういうことで大変に、いろいろ補正措置等で交付税等についても面倒は見ているとはいいますが、現場、現実には大変に厳しい財政事情の中で悪戦苦闘していらっしゃる、そういうことを私ども目の当たりに見るわけであります。 特に、中空知につきましては、六条市町村の平均財政力指数が平成二年度で〇・二二、全国では〇・七五です。これは中空知全体の六条指定の町村の財政力指数ということですから、個々の町村に当たりますともっとまた悪いところがあるのではないか。 こういう中で炭鉱跡地の整備を初めとします諸施設、それから今度は新しい地域開発のための計画づくりやまたその誘致運動、こういうことになるわけでございますから、私はやはり地方自治体の財政、先ほど参考人も言っておりましたが、産炭地補正、これが四年度で打ち切りになることについてちょっと触れておりましたけれども、この閉山後の急激な人口減、赤平は閉山ではございませんけれども、合理化ももう本当にそれに匹敵するぐらいの合理化があったわけでございます。これは過疎地の状況で人口が減るなんということとはちょっと違った、多くの人口が一時に流出するということ等考え合わせますと、市町村の財政運営というのは非常に厳しいということを痛感をいたしておるわけでありますが、その実務に携わっていらっしゃいます市長さんとしまして、財政運営、国のいろいろな配慮はあるといいながら御苦労なさっている問題点についてまず御指摘いただければ、参考にぜひひとつお述べいただきたいものだと思うのであります。
○親松参考人 ただいま先生から特に財政問題を中心にお話がございました。私どもの町だけ考えましても、これまで大小二十数社が山を閉じております。そんな中で住宅問題、水道だとか地域環境整備、これは私どもの責任でございますので、お引き受けした後それに財源を投入しなければなりません。そういうふうなことを、これは社会的な問題でもございますので、金のあるなしにかかわらずやらなければならぬこともございます。 しかし、いずれにいたしましても財源措置が必要でございまして、御指摘のように財政力指数も産炭地は〇・二%、ところによっては〇・一%台になっているところもございます。そんなことで大変厳しいわけでございますが、これらにつきまして、財源措置につきましては国の諸機関に私どもも常日ごろからお願いをいたし、また関係諸団体ともども、全鉱連等々一緒になりましてお願いをいたしておるところでございます。とりわけ私どもは、国勢調査によりますと軒並み人口が減をいたしておりますので、急減補正、これ等につきましても自治省さんにお願いをいたしております。そんなことを中心にいたしまして、地方交付税、特別交付税、さらに地方債の発行許可等につきましても特段の御配慮をいただかなければ、私ども、仕事もまた一方できない、こんなことで苦慮いたしておりまして、ぜひ今後ともよろしくお願い申し上げたいと存じます。
○藤原委員 今まで会社が持っておりました病院、また水道にしましても下水道にしましても、炭鉱が中心になって町づくりをしておったというところもございますから、その後を地方自治体が全部を引き受けるということは大変なことだと思いますが、通産大臣にも、過日委員会がございまして、現在の通産大臣は自治大臣もやっていらっしゃったわけでございますから地方の実態については詳しいわけでございますので、ひとつこの辺一は現状に即した措置をということでよくお願いをいたしたところでございますが、今後また、今お話ございましたことを基本にしまして、さらに現実に即した形でぜひひとつ進めていくように勉強していきたいと私どもも思う次第であります。 さて、赤平は八次策当初から住友さんを初めとしまして、炭鉱で石炭だけではなくて何ができるかということを数年前からいろいろ御検討なさっていらっしゃいまして、低品位、カロリーの低い石炭、そのようなものを利用してハウスで花卉の栽培ができないかとか、それからまた通信、コンピューター、こういうことにつきましてはそういう部門の方々がいらっしゃるわけでありますし、掘削等地下を掘るということはもうそういう大変な技術を持っているわけでありますから、その技術を生かして何ができるか。住友さんはそういうことでいろいろな多角的なことについて検討しておるということは以前からお聞きをし、またそれを具体化するためにいろいろ努力なさっておるというお話も聞いておったわけでございます。 そういうことで、数年の間大変な御努力をなさいましたけれども、それがやはり根づいて、そして一つの産業としてその地域で独立してやるような形になるということは非常に大変なことだな。先ほど河原崎参考人にもちょっと申し上げたのですが、確かに、何年たってもいいということならいざ知らず、地域の振興という大事な命題のために限られた時間の中でということになりますと、これは多角的なということを申しましても、本当に相当な財政アップや技術協力やいろいろなことがバックになければ推進ができないという、こんなことを私も現場を見て痛感いたしておるわけであります。しかしながら、そういう中で花卉の栽培ハウスを初めとしまして、大変にそういう芽が出て、それをぜひ地域で一つの産業として推進していくことを、心から御努力を多としたいと思うわけであります。 同僚委員からも先ほど来お話がございましたが、エネルギーセンターのことにつきましても、低品位炭を利用してということで数年来ずっと努力をしていろいろ研究を重ねてきたことでもございますから、これはまた国策に沿った上からも大事なことだろうと思います。具体的なことは今後ということのようでございますが、先ほど同僚委員にもいろいろお答えなさっておりましたので御答弁はよろしゅうございますが、ぜひひとつこれも関係当局と力を合わせて、地域の一つの産業としてできるよう御努力をいただきたいものと思う次第であります。 それから炭鉱跡地のことについてもお話がございました。立派な跡地があるわけでございますけれども、いろいろな条件がございまして、これも一義的には地方自治体が汗をかかなければならないことなのだろうと思いますが、しかし地方自治体だけでできることではございませんので、これもぜひまた関係省庁と連絡をとりながら進める御努力を、そしてまた私どもも側面からバックアップをさせていただきたいと思うわけであります。 中空知で今大きくクローズアップをされておりますのは、砂川の無重力でございます。確かに先端的な重要な実験ができるということでありますが、立て坑を利用して十秒間の無重力の状況ができるという、そういうすばらしいものができたのでありますが、それが現実社会に大きな貢献をするといいますか利用されるにはまだまだちょっと時間がかかるようでありますし、関係当局の御努力がなければならないのではないか。ですから、一つのものが芽が出たといいましても、それがその地域で相花咲くには相当な御努力と資金と、またみんなの力を合わせた協力関係がなければなかなか大変なことだな、こういう感じを痛感をしておるわけでございます。 企業誘致にしましても、赤平は比較的一生懸命御努力をなさって、製紙工場を初めとしていろいろ御努力なさっているようでありますが、団地の造成を初めとします、そしてまた新しい企業誘致に対しますこういう問題につきましては、企業に密接な関係のございます通産省にも、これらの産炭地の企業誘致を初めとする企業にかかわる問題についてはぜひもっとひとつ督励をしてもらいたいというお話を過日大臣にもしたところでございます。 この企業誘致を初めとします、また現在中空知にございますこういう条件、また赤平市で考えられておりますこれらの問題を推進する上において、市長さんとしまして今後一番険路になっているといいますか、こういうことがこうであればという、またお考え等ございましたらお聞きをしておきたいと思うのでございます。
○親松参考人 ただいま先生からお話ありました多角化につきましては、住友石炭さんにおきましては、本当に私ども地元挙げて感謝をいたしているところでございます。それぞれ関係各社の御協力の中で幾つか取り組んでいただいておりますが、それが一つ一つが自立をするということにはやはり時間がかかるわけでございます。お話ありました花につきましても、まだまだこれからいろいろと、販売網の整備だとかいろいろなことがございます。したがいまして、これからも私どもは地元といたしまして一生懸命努めてまいりたいと存じますので、御援助のほどお願いいたします。 エネルギーセンターにつきましては、まずしっかりとしたプランを私どもが立てなければならない、このように存じております。その上で、大きな投資を必要といたしますので、何とか地元だけでなくて圏域全体の発展につながるようにこれが進められれば、このように考えておりまして、一層御指導、御援助のほどをお願いしたいと思います。 炭鉱跡地につきましては、これは非常に私ども長年の懸案でございまして、また、いろいろなことに取り組んでまいりましたが、なかなか突破口を見出せない。こういう意味におきましては、その突破口の方法論とあわせまして財政的なことを考えていかなければならぬと存じまして、ぜひこれから国の、各省のお力添えをいただきたい、諸先生方の御指導もいただきたいと存じます。 四つ目には、工業団地、企業誘致等を進めておりまして、おかげさまで現在の地域整備公団のお持ちの土地につきましては完売をいたしました。現在、第二工業団地、当市あるいは隣の町も同時に手がけようといたしております。これにつきましては、それぞれお国のサイドで企業誘致につきましても他に働きかけをいただいていることに本当に感謝しているわけでございますが、同時に今後、つくりましたのにあわせまして、ぜひ私どもは企業誘致に全力を挙げていきたい、このように考えております。 そこで、先ほどのお願いの中で道路網の整備だとか旭川空港のことも申し上げたのでございますが、そういうことが一層地域に企業の誘致あるいは立地に有効な手段になる、このように考えておりまして、この辺もひとつお願いをこの機会にさせていただきたいと思います。どうぞよろしくお願いいたします。
○藤原委員 以上で終わります。
○佐藤委員長 これにて藤原君の質疑を終わります。 続いて、小沢和秋君。
○小沢(和)委員 参考人の皆さんには大変御苦労さんでございます。 私ども日本共産党は、現存の炭鉱を最大限に維持活用していくべきだという立場に立っておるわけであります。そういう立場から、まず河原崎参考人にお尋ねをしたいと思います。 現在稼働中の炭鉱は、諸般の情勢が許しさえすれば、技術的にあるいは石炭の賦存条件というような点から見れば十分に、十年と言わず今後ずっと掘り続けられる山ではないかというふうに私は考えておりますけれども、その点まずいかがでしょうか。
○河原崎参考人 山元によりましていろいろ事情が違うというふうに思っております。炭量の豊富な山もございますが、非常に条件が悪くなっておる山もございます。それでよろしゅうございますでしょうか。
○小沢(和)委員 今度の石炭政策が最後の石炭政策だ、それで、均衡点まで縮小していくということが言われているわけであります。先ほど労働組合の代表からは、できるだけこの均衡点を高くしてほしいというお話があったわけですけれども、この政策を続けていったら、あるところに来たら。均衡に達するということはなくて、結局十年間ずっと下げ続けて、最後の十年目には大体山が皆つぶれてしまうということになるのじゃなかろうか。というのは、最後の十年がたちますと石炭政策は全部打ち切るわけですから、後は山は自立をしていかなければならないということになるわけですね。そうすると、今のような政策が続いておって、十年目に、縮小したにせよ、自立できるような状況で山が残るというふうにはちょっと考えにくいように私は思うのです。本当にこの縮小均衡ということで一定のところで今後もずっと山が耐えられる、残れるというふうに河原崎参考人はお考えでしょうか。
○河原崎参考人 均衡点とは、答申が指摘いたしておりますように、国内炭の国民経済的役割と負担の均衡点でございまして、今後の推移の中で求められていくものとされております。私どもは、エネルギーセキュリティー並びに蓄積されました高度の技術、ノウハウの国際的展開の必要性から、そのための適正規模の国内炭の存続はぜひとも必要でなかろうか、こういうふうに思っておるところでございます。
○小沢(和)委員 だから、私はぜひ存続してもら。いたいと考えておるわけです。この政策のままでいったら、十年たって、そこで石炭政策を打ち切って、後は自立していけということになりますから、その段階で山が残れるような状況にこの十年の経過を通じてなっていくというふうに確信をお持ちなんでしょうかと私はお尋ねしているのですが、いかがですか。
○河原崎参考人 国内炭の国民経済的役割それから国民の負担ということの均衡点でございますから、それはあり得るのではなかろうか、こういうふうに思っておるわけでございます。
○小沢(和)委員 では、新しい分野への進出という問題についてお尋ねをしたいと思います。 このことについても、先ほどから収益力があり将来もずっと存続をしていくような新しい分野を開拓していくというお話がありまして、私も産炭地の振興のためにもぜひそういうようなものが根づいてほしいものだと思うのです。しかし、今までも随分新しい事業に手を出されましたけれども、余り大きな成果を上げているというような状況には残念ながらなっていないのじゃなかろうかと思うのですが、その面では、今までどういうような成果があったか、今後どういうような分野に進出していきたいのか、具体的に谷山がいろいろ考えておられると思うのですけれども、その中でも特に特徴的と思われるような点を少し聞かせていただきたいと思いますが、いかがでしょうか。
○河原崎参考人 何と申しますか、大変手厳しい御指摘でございまして、私ども強く反省するところでございますが、今までも企業によりましては非常にうまく多角化の展開に成功したところもある、それがおくれておるところもある、こういう ことではないか、こういうふうに思っております。 将来どういう事業をねらってやっていくか、こういうことでございますが、これは各企業によりまして蓄積されております経営のノウハウそれから技術、人的資源、こういうものにつきましていろいろ分かれておりますので、これを取りまとめて一括こういうことだ、こういうふうにはなかなか申しかねるところでございますが、海外炭の積極的な開発、これは各社とも共通してねらっておるところでございまして、これは先ほど申しましたような諸資源につきまして非常に蓄積をしておる、こういうことではないか、こういうふうに思っておるところでございます。
○小沢(和)委員 新分野の問題で親松参考人に関連してお伺いをしたいと思います。 先ほど来いろいろそのことについて努力されているということで、例えば花卉、花の栽培、あるいは肉牛だとかダイヤの製造だとかというようなことをいろいろおっしゃられたと思います。こういうようなものは、将来万一炭鉱がつぶれるというようなことがあっても独立して存続発展することができるような企業形態になっておるのか。私はきのうもちょっとお伺いをして大変心配に思いますのは、例えば、花の栽培というようなことは住友の方から暖房というかエネルギーなどを供給されているというようになっているということなんですけれども、そうすると、炭鉱の方に万一のことがあった場合には、せっかく今発展しているこの花の栽培などにも大きな打撃が来るというような関係になるんじゃなかろうかと思って、そういう意味でも大変心配するのですが、その辺いかがでしょうか。
○親松参考人 多角化の中で幾つかの事業展開をいただいておりますが、これにつきましては、一つ一つが自立できるようにそれぞれ関係者は御努力をされておるわけでございます。しかし、まだ年数も浅うございますので、これはそれぞれが一つの経営形態として自立ができるということはまだ少し時間がかかる、このように私どもは見ております。 さらに、先ほどお話の中に花のことがございましたが、これまで持っておりました技術、さらにバイオを駆使しまして花の栽培を行っております。今住友さんにおかれましては十二棟ほど持ちまして栽培をいたしておりますが、このエネルギー源につきましては、炭鉱さんのお持ちの自家発電によりまして行って供給をしております。したがいまして、これが切られますとこの花の栽培は困るわけでございます。それで、そういう意味も含めまして、早いうちに私どもはさらに今後先を見越しましてエネルギーセンター等のことをしっかりと勉強し、また物にしていきたい、このように存じております。 まあこの花ばかりではございませんが、総体的にこれからの新しい企業立地もその中にでき得ればお願いをしたい、こういうことでございます。
○小沢(和)委員 それでは藤原参考人にお尋ねをしたいと思います。 この新分野で雇用の確保という点で組合としては非常に期待をしておられるようなお話でした。それで、私はさっきから言っておりますように山の存続を願っておりますけれども、同時に、そういうような側面も出てくるであろうということもそれはわかります。その点で、この新分野にどれほどの期待ができるのか、実際の山での事業の展開の今後の見通しなどとの関連でもう少し御説明をいただきたいと思います。
○藤原参考人 期待といいますか、まあ単なる期待ではなくて、先ほど来申し上げておりますとおり、山の事情によっては十年以内あるいは早いところは五年以内でもやはり掘るところがなくなるといいますか、多分にそれは経済炭量という意味なんですが、一方で炭価が値下がりになります。 一方では賃金は上げなければいけない、労働時間も短縮しなければいけない。そうしますとコスト的に合わなくなって結局倒産してしまうというようなことになりますと、これは労働者にとってあるいは地域にとって不幸の最大の問題ですから、そうならないようにやはり会社等も坑内状況について十分分析をいたしまして、その上でどうしても先が暗い、石炭では暗いということになれば、やはり我々労働者としては別な分野での雇用ということを開拓してもらわなければいけないということでございますので、単なる期待ではなくて、そういう必要のあるところについては積極的にそういうものを求めて要求していく、こういうことになろうと思います。 ただ、これまた先ほど来言われておりますとおり、石炭企業の今の力だけではこれは期待薄でございます。もちろん相手は会社で、我々の雇用主でございますから、労働組合として要求すべきものは要求して闘うということは当然でございますけれども、それだけでは実現性が薄い、そういうふうに判断をしておりますので、政府の支援はもちろんでございますが、地域の経済団体、あるいは場合によっては中央の経済団体等々のお力もかりながら、何としてもこの山があるうちに雇用対策あるいは地域対策をしていただきたいということで、今度の政策ではその基本的な観点は貫かれている、こういうふうに判断しておりますので、これの全面的な実現ということをお願いしていくうもりでございます。
○小沢(和)委員 それから、引き続いて藤原参考人にお尋ねをしたいのです。 八次策の中でたくさんの離職者が出られて、今でも千二百人の方々が引き続いて求職中である、私も本当にそういう方々が一日も早く安定した生活を回復されることを願っておるわけであります。 それで、今までの経済情勢から見ると、この数年は一番再就職をするのに有利な情勢であったのじゃないかと思うのですが、そういう中でなおかつこれだけの方が残された、そうすると、どういうような方々が今残されているのか、今後の見通しはどうなのか。そして私は、今の経済情勢というのを考えますと、これから引き続いてもしものことがあった場合には、かなり今までに比べると再就職という点では厳しい状況になっていくのじゃなかろうかということを心配するわけですけれども、その辺の今の状況やらも含めて御説明いただきたいと思います。
○藤原参考人 八次策下で厳しかったのは、やはり基本的な閉山のパターンが違っておった、山をつぶす方が先で、その後、雇用対策だ、地域対策だということになりますから、準備がほとんどなしでやるものですから、これはうまくいかない。その点、今度の新しい政策を決めていただけますれば、これはあらかじめ、事前にということでかなりの期間、しかも政策期間十年ということですから、ただ、一つ一つの山にすれば、二、三年しか期間のないところ、十年丸々あるところということになるでしょうけれども、いずれにしても事前の期間があるという点は根本的に違っているであろうというふうに判断をしております。 それから、今千二百名の方々がまだ就職できないわけですけれども、やはりもともと炭鉱労働者というのは高齢者でございます。平均年齢四十三歳でございますので、どうしても若い人たち、まあ若いといっても三十代とか四十そこそこですが、こういった人たちは案外早く就職できるわけですが、五十過ぎだとか、あるいは炭鉱の長い労働の中で負傷をいたしまして身体障害に陥っているとか、いろいろな方々がいますので、そういった事情で今いると思いますけれども、それだけに、これからの今度の新政策においても雇用対策というのは基本的にはやはり高齢者対策でございます。いわゆる平均年齢四十三歳に匹敵する雇用対策、こういったことでございます。 それで、この間景気が日本全体がよかったのでいわゆる求人倍率等もよかったのですが、それは基本的には東京とか大阪とか、こっちの方をいえば労働力不足で外国人労働者も使ってほしいということでございますが、実際に九州とか北海道の産炭地域では、このごろそれでも〇・八とか〇・九とか、過日大牟田なんかは一を超えたとか、そういう事情があるのですが、あくまでもこれは婦人労働者あるいは若年労働者含めての問題でございまして、平均年齢四十三歳の雇用ということになりますと必ずしも好転はしていないというのはおっしゃるとおりでございます。しかも八次政策で立証されたのは、地元が多いわけですね、地元希望という人が圧倒的に多いわけでして、この地元にそういう雇用をということでございますから、これはなかなか、我々はやってはいただかなければいけないし労働組合も協力はいたしますが、やはりかなりいろいろなお力添えなり期間なりが必要だというふうに考えております。
○小沢(和)委員 時間が来ましたので、終わります。
○佐藤委員長 これにて小沢君の質疑は終わりました。 続いて、高木義明君。
○高木委員 参考人の河原崎さん、藤原さん、親松さん、それぞれの立場で石炭関係につきまして特にいろいろな御尽力、立場、持ち場によりましてお力をいただいておりますことのまず敬意を表しております。 同時に、先ほどからそれぞれの御意見をお聞きしまして大変参考になりました。赤平市長さんにつきましては遠路お越しいただきまして大変お疲れでございます。時間も経過しておりますので、私の方から石炭協会と石炭労協それぞれに質問をしてみたいと思います。 質問の要旨は、海外炭事業についてでございますけれども、昨年の十月には石炭各社が構造調整についての基本的考え方をそれぞれ発表しております。この考え方の中を見てみますと、それぞれに、海外炭開発、海外炭販売、海外炭事業と表現は違いますけれども、海外炭に寄せる新分野開拓、多角化というのが一つの大きな柱になっておるわけです。そういう意味で、海外炭の事業について今日現在、まあこれまでも取り組まれておりますけれども、今後どういうふうな展望をお持ちなのか、まず河原崎会長さんの方からお示しをいただきたいと思います。
○河原崎参考人 お答え申し上げます。 海外炭の開発は、経営の多角化、新分野開拓の海外版でございまして、長年にわたって蓄積されました高度な技術とノウハウをもって我が国への海外炭供給確保の一翼を担おうとするものでございまして、また、海外への技術協力の展開でもございます。 私ども業界の現時点での海外炭取扱数量は六百万トン程度でございますが、残念ながらその多くは単なる輸入でございます。今後につきましては、開発輸入を主体として、有望なプロジェクトの開発を目指しておるところでございます。 その一環といたしまして、平成二年の十月に、財団法人石炭開発技術協力センター、これはJATECと言っておりますが、これを業界を挙げて設立いたしまして、活動を開始しておるところでございます。昨年は、中国及びインドネシアにエグゼクティブミッションを派遣し、また、トルコその他に技術者を派遣いたしました。各国とも今後の技術協力等について期待いたしておりまして、一層の交流について合意をいたしたところでございます。 JATECは公益法人でございますために、その枠を超えて収益事業はできないので、情報の収集、技術協力、開発可能性調査が主体でございまして、開発段階になりましたときは、原則として各会員会社の共同事業として別組織により推進することになると存じております。プロジェクトにつきましては、JATECの自主事業と会員各社の持ち込みとに区分され、現在それぞれ動き出しておるところでございます。共同事業といたしましては、まずモデル事業として中国を対象国として検討いたしておるところでございます。 次に、各石炭企業は、オーストラリア、アメリカ等において、各社の特色を生かしてプロジェクトを推進中でございます。今後大いに期待されるところでございます。開発の形態といたしましては、資本参加、鉱区の取得、技術者の派遣等によっております。今後の海外炭開発は、企業間協力としての共同事業と単独事業を並行的に進めることになる、こういうふうに思っておるところでございます。 いずれにいたしましても、海外炭開発の成否は、資金の問題はあるものの、需要の確保がまず第一でございまして、これにつきまして御理解と御支援をお願いをいたしたい、こういうふうに思っております。どうぞよろしくお願いをいたします。
○高木委員 海外炭の事業につきましては、例えば企業の体力、産業のそれぞれの協調等も大切でございますが、そういう意味では問題点も多々あろうかと思っております。そういうことを克服しながらの挑戦でございますけれども、今回、法案について見てみますとそういう海外炭に対する事業について十分な国としての支援策はとり得ておるのか、こういうことについてはいかがお考えか、お示しをいただきたいと思います。
○河原崎参考人 お答え申し上げます。 私ども石炭協会といたしましては、大変手厚い施策を考えていただいておる、こういうふうに思っております。
○高木委員 ありがとうございました。 藤原会長にお願いをしますが、実は、そういう海外プロジェクトといいますと、今何といっても、国際協調といってやはり日本が持てるいろいろな力と技術を世界に貢献をするという意味では、私は大変大切な課題だと思っておりますが、企業の経営努力というのが一番大きな問題でありますけれども、この海外炭事業がいわゆる雇用の面にどういうふうな効果、あるいは労働組合としてこの海外炭事業についてはどういう見方をされておるのか、この際、法案審議に対して御意見を聞いておきたいと思います。
○藤原参考人 今後、十年後には一億四千万トン以上の石炭を需要をする日本ですから、安定輸入をするために海外の炭鉱を開発するとかあるいは輸入を拡大するとか、いろいろなことは必要だというふうに思っております。 それから、私ども労働組合の大先輩の皆さんも含めて、本来、石炭企業がかなり輸入を扱うべきではないかという考え方が昔からございました。今一億トン輸入してございますけれども、現在石炭会社の親会社が輸入しているのは約六百万トン程度というふうに聞いてございますが、まあ一億トン全部とは言いませんけれども、今までのものは仕方ないとして、今後三千万トン程度十年間でふえるわけですから、国内炭が構造調整で縮小になるということになりますと、私ども労働組合がこの前石鉱害でお願いしたのは、やはり輸入石炭部分をふやしていただいて、その力で現存炭鉱を維持していただくというようなことを考えてもらいたいというのが私ども組合の考え方でございました。 ただ、現在石炭協会を中心に業界側がいろいろ検討しているようですが、具体的にどういうことを検討しているのか、まだ聞いてございませんので、わからないのですけれども、私どもとしては、やはり石炭企業に輸入枠をたくさんいただいて、そこから幾らかでも利潤があるとすれば、その力で現存炭鉱を少しでもたくさん残していただく、こういうふうに活用していただけないものかということが一つり考え方でございます。 それから雇用の面では、海外炭を開発しても輸入しても、地元雇用という意味ではほとんど関係ないというふうに考えています。一部技術者が海外へ行ったりこっちで研修したり、技術部門ではあるわけですけれども、よその国は、御承知のように雇用問題は日本よりうんと悪いところが圧倒的でございまして、日本の炭鉱労働者が外国へ行って働くということはほとんど不可能に近い、こういうふうに考えてございますので、やはり海外炭問題と雇用の問題とは基本的には連動しないであろう、こういうふうに分析してございます。
○高木委員 藤原会長にあと一点この際お教えいただきたいのは、海外炭のことを私も触れましたけれども、それぞれの各社の基本的考え方の中には、現存の生産規模を維持してさらに頑張るというところもあるわけでございまして、そういう意味では、着手の働く皆さん方の、技術の伝承等も含めて、やはり労働力の確保というのも一つの課題ではないかと思っておりますが、この辺の若手の労働力確保の最近の状況についてお教えいただければ幸いでございます。
○藤原参考人 このごろ八次政策以降、基本的には各炭鉱とも採用はストップしてございまして、言ってみれば自然減も無補充ということでやっておられるのですが、山によってはやはり当面の生産量を確保するために人員がなかなか不足する、こういうことで採用しているところもございます。しかし、なかなか集まってこないということが実態でございまして、一部は若干の人数は集まってくるところもございます。そういうところで、これも山によりけりなわけです。 ただ、全体的には、やはり労働条件の問題等があるのですが、炭鉱の地元では、他の産業から比べますと元来は炭鉱というのはいいところだ、こういう評価を受けているわけですけれども、今度この政策が議論になりまして、将来がどうなるのか、こういったところがやはり一番問題でございますので、今のところ募集しますと若干は集まっできますけれども、基本的にはやはり炭鉱の将来展望というものが問題になっているのだというふうに思います。
○高木委員 ありがとうございました。終わります。
○佐藤委員長 これにて午前の参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人各位に一言御礼を申し上げたいと存じます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、貴重な御意見をお述べいただいて、本当にありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 午後一時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十一分休憩 ————◇————— 午後一時三十分開議
○佐藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 午前中に引き続き、石炭鉱業の構造調整の推進等の石炭対策の総合的な実施のための関係法律の整備等に関する法律案について、参考人として、北海道副知事鈴木弘泰君、福岡県副知事富永栄一君、大牟田市長塩塚公一君、全国鉱業市町村連合会会長山本文男君、福岡県鉱害対策被害者組合連合会会長荒牧悌二君、以上五名の方々に御出席をいただいております。 この際、参考人各位に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、まことにありがとうございます。参考人各位におかれましては、それぞれのお立場から忌揮のない御意見をお聞かせいただき、審査の参考にさせていただきたいと存じますので、よろしくお願い申し上げます。 次に、議事の順序について申し上げます。 まず、参考人各位からそれぞれ十分間程度御意見をお述べいただきました後、委員の質疑に対しお答えをいただきたいと存じます。 それでは、まず鈴木参考人にお願いをいたします。
○鈴木参考人 北海道副知事の鈴木でございます。 衆議院石炭対策特別委員会の佐藤委員長を初め委員の諸先生方におかれましては、日ごろから石炭鉱業の安定並びに産炭地域の振興につきまして格別の御高配を賜っておりますことを心から御礼を申し上げます。 特に、昨年十一月に法期限を迎えることになっておりました産炭地域振興臨時措置法の延長等に際しましては、深い御理解と御尽力を賜り、おかげをもちまして、昨年四月に同法が延長されまし一たことに対しまして、この場をおかりして改めて深く御礼申し上げる次第であります。 また、本日は参考人として発言の機会を与えていただきましたことに対して、重ねて御礼を申し上げます。 それでは、まず、北海道における石炭鉱業、産炭地域の状況等を中心に説明をさせていただき、その後、その状況等を踏まえまして、道としての考えを述べさせていただきたいと存じます。 まず、北海道の石炭鉱業の状況についてでありますが、現在坑内掘りを行っている主要四炭鉱のほか、露天炭鉱は、平成二年度中に稼行していたものが十八炭鉱という状況にあります。 北海道の石炭鉱業も、全国的な石炭鉱業の斜陽化と同様の状況にあり、昭和六十二年からの宥八次石炭政策実施以降、道内主要八炭鉱中、実に半分の四炭鉱、三井砂川、北炭真谷地、北炭幌内、三菱南大夕張の四鉱が相次いで閉山し、残りの炭鉱においても合理化がなされたところであります。 道内における石炭生産量は、昭和六十一年度の九百二十八万トンが平成二年度には半分以下の四百六十三万トンとなり、従業員数も、昭和六十一年度末の一万三千人余が平成二年度末には四千四百六十人余と、実に三分の一近くまで減少しております。このように、北海道の石炭鉱業を取り巻く状況は非常に厳しい状況に置かれております。 次に、北海道産炭地域の現状についてでありますが、これまでの炭鉱の終閉山により、経済的、社会的に大きな影響を受けており、特に第八次石炭政策の影響地域であります夕張市、三笠市、土砂川町などの空知産炭地域の五市一町におきましては、閉山や大規模な合理化の実施に伴って人口の流出が相次ぎ、国勢調査によりますと、夕張市においては昭和三十五年に人口約十万八千人であったものが、平成二年にはその五分の一以下の約二万一千人となったのを初め、この五年間の五市一町の人口を見ても、昭和六十年に合計で約十二万五千人であったものが、平成二年には約九万七千人と、二二・二一%の減少となっております。 また、この五市一町では、若年層の流出に伴う高齢化が急速に進んでいるほか、生活保護率につきましても、平成二年度におきましては、土砂川町の三七・五パーミルを最高に、夕張市の三七・三パーミルなど、五市一町の平均でも二七・五パーミルと、全道平均の一七・九パーミルを大きく上回っております。 さらに、地方自治体の財政状況につきましても、これまで石炭企業が提供してきた病院、電気、水道などの施設が地元の市町村に移管されることに伴って、新たな財政需要が増加する反面、鉱産税の減収や地域経済の衰退による税の減収なとにより、五市一町の財政力指数は、昭和三十五年度には全国平均が当時〇・七八、北海道全体の平均でも〇・五八、これに対して〇・七一と優位であったものが、昭和六十年度には、全道平均〇・四六、全国平均〇・七五より大幅に下回る〇・二八に、さらに平成二年度には、全道平均の〇・四一に比べ、土砂川町の〇・〇九を初め、五市一町平均は〇・一七に激減するなど、厳しい状況に置かれております。 また、第八次石炭政策の実施以来、閉山・合理化により多数の離職者が発生し、約八千人が求職してきたところであります。これまでの間に、国の再就職援護制度の活用を図りながら各種対策を推進してまいりましたが、地元就職志向が強いことや中高年齢者が多いことなどから、現在、平成四年一月末でございますけれども、約七百人の方々が求職中という現状であります。 これら産炭地域におきましては、今日まで、地域の振興と雇用の場を確保するため、企業誘致や観光開発にみずから懸命に努力してまいりました。おかげさまでここ数年、景気の好調さに加え、国等の低利融資制度の創設や税制面の優遇措置などの御支援をいただき、工場の立地件数は比較的順調に推移してきております。しかしながら、これらの産炭地域が山間に位置していることなどから、残念ながらまだ石炭産業にかわり得る核となる企業の進出にまでは至っていない現状にございます。 以上、北海道における産炭地域の状況等についてその概要を申し上げましたが、このような状況を踏まえまして、石炭政策のあり方に関しての道としての考え、要望を述べさせていただきたいと存じます。 私どもの知事が石炭鉱業審議会の委員として、今後の石炭政策のあり方につきましての審議に加わらせていただいておりましたことから、石炭鉱業審議会の場においても私どもの考えを述べさせていただきましたが、その基本とするところは、第一に、北海道の石炭鉱業は、一市一山ということで、今なお地域における基幹産業として、社会経済面などあらゆる面において地域を支え、大きな役割を果たしていることから、基本的に現存炭鉱の存続、安定が必要であるという考えてあります。 第二に、国内炭は数少ない国産エネルギー資源であるという認識に立ち、国内炭の現在の生産量は大幅に減産されておりますが、エネルギー安全保障の観点から、将来にわたって国内炭の生産を継続し、炭鉱とその関連技術を温存することが必要であるという考えてあります。 第三に、我が国の石炭鉱業はすぐれた技術力を有することから、現存炭鉱を利用して国際的な技術協力による国際貢献を行える可能性があるのではないかということでございます。 このような考えに基づきまして、基本的に現存炭鉱の存続、安定を図る必要がありますし、そのための各種施策を新しい石炭政策において講じていただきたいのでございます。 しかしながら、我が国の石炭鉱業をめぐる状況は厳しく、昨年六月の石炭鉱業審議会の答申では、「九〇年代を構造調整の最終段階と位置付け、今後においても構造調整の過程を続け、均衡点までは経営の多角化・新分野開拓を図りつつ、国内炭生産の段階的縮小を図ることが必要である。」としており、炭鉱の存続を願う私どもにとっては極めて厳しい内容のものと受けとめております。 国民経済的合理性のみで石炭政策を決定づけるならば、我が国の産炭地域は壊滅的な状況に陥ると考えますが、このことは、これまで長期にわたり我が国の経済を支え、我が国の発展の文字どおりの原動力として貢献してきた石炭産業を支えてきた産炭地域の人々を悲惨な状況に追い込むことにもつながるものと考えます。 ただ、この答申においても「石炭鉱業は地域経済において大きな比重を占めており、その構造調整は地元地域に大きな影響を与えることになる。このため石炭鉱業が構造調整を進めるに際しては、これに即応した形でできるだけ長期的視点に立って先行的な地域振興対策が講じられることが望ましい。」などと明記されており、この点につきましては、私どもの地域の実情などもある程度御理解いただけたものと受けとめております。 次に、このたびの法律案についてでありますが、このたびの法律案は、昨年六月の各界の有識者から構成される石炭鉱業審議会の答申を踏まえたものであり、基本的に、石炭鉱業の構造調整を円滑に進めようとするものといえます。そういった点で、石炭企業の経営多角化は避けて通れない問題であると考え、地域において基幹となるべき産業を早急に育成する必要がありますので、この法律案を早急に成立させ、先行的かつ十分な諸対策を講じることをお願いいたしたいと存じます。 このようなことから、先ほどから申し上げておりますことを重複する点もございますが、この場をおかりして若干のお願いをさせていただきたいと存じます。 まず第一に、今後の石炭政策の具体的な実施におきましては、現存炭鉱の存続に最大限の御配慮を賜りたくお願い申し上げます。 また第二としては、仮に石炭鉱業の生産縮小が避けられない場合には、石鉱害の答申にもございますように、長期的な視点に立った先行的な地域振興対策を十分に講じていただきたいということ。逆に申しますと、十分な対策が講じられるまでの間は基本的に縮小しないという格別な御配慮をお願い申し上げます。 次に第三として、疲弊している産炭地域全般の振興を図るため、昨年策定されました産炭地域振興実施計画につきまして、登載事業の優先採択などにより、その実効性を確保し、その着実な推進を図るとともに、特に地方自治体に対する財政支援の強化については、産炭審及び石鉱害の答申においてもその必要性について明記されておりますが、現状では必ずしも十分と言いがたい状況にあると考えますので、特段の御配慮をお願い申し上げます。 第四点目として、石炭企業等の経営多角化等に対する支援についてでありますが、産炭地域振興の観点から所要の措置について配慮をお願い申し上げます。 第五点目といたしましては、企業誘致に関してでありますが、今後、新しい石炭政策のもと、さらに厳しい環境に置かれることが懸念されます地域には、特に経済波及効果の大きい金属加工組み立て産業のような企業の誘致、導入が必要でありますので、税制面を初め各種助成策などについて抜本的な誘導策を講じられるようお願い申し上げます。 また、最後になりますが、雇用対策についても十分な対策を講じていただきますようよろしくお願い申し上げます。 以上、いろいろお願い申し上げましたが、私どもとしては、何としても地域住民の生活を守っていかなければなりません。私どもも努力いたしますが、産炭地域の置かれている厳しい状況を何とぞ御賢察いただきまして、今後とも国の責任において諸施策を実現していただきますよう、先生方の特段の御高配を賜りますようお願い申し上げまして、陳述といたします。ありがとうございました。(拍手)
○佐藤委員長 ありがとうございました。 次に、富永参考人にお願いをいたします。
○富永参考人 福岡県副知事をいたしております宮永栄一でございます。 衆議院石炭対策特別委員会の諸先生方には、産炭地域の振興と石炭鉱業の安定対策等につきまして、日ごろから格別の御高配を賜り厚く御礼を申し上げます。また、産炭地域振興の基本法ともいえます産炭地域振興臨時措置法の延長問題につきましては、先生方の格別のお力添えをいただき、昨年四月に十年間延長されたところでございますが、この場をおかりいたしまして改めて御礼を申し上げる次第でございます。 さて、本日審議されております石炭鉱業合理化臨時措置法等石炭関係諸法は、いずれも産炭地域の振興発展を支える重要な法律であり、十年間延長等を内容とする法改正案につきましては、産炭地域を多く抱えております本県にとりましてはまことに喜ばしい限りであり、重ねて心から厚く御。礼を申し上げます。 本県の産炭地域は、重点対象地域に指定されました筑豊地域と、国内最大級の三井三池炭鉱を抱える大牟田地域とがあります。筑豊地域は、かつて、我が国最大のエネルギー供給基地として、日本の近代化と戦後の復興に大きく貢献をしてまいったのでありますが、エネルギー政策転換の中で荒廃を続け、地域住民はもとより関係自治体は、いまだに石炭後遺症に悩まされているところであります。 ちなみに、石炭後遺症の大きさを申し上げますと、鉱害は、全国鉱害残量三千七百億円の約八〇%近くを本県が占めております。 また、ボタ山は二百五十三カ所あり、そのうち百九十五カ所は未利用ボタ山として残っております。炭鉱住宅は一万九千戸余りが残っておりますが、そのうち約九千戸が改良を必要とする現状でございます。 他方、本県唯一の稼行炭鉱であります大牟田地域の三井三池炭鉱は、第八次石炭政策のもと、閉山にも匹敵する大幅な合理化を行い、地域経済に深刻な影響を与えております。加えて来年度より始まる新石炭政策のもと、さらなる合理化も予想されるところであります。 そこで、本県におきましては、産炭地域のこのような窮状を解消し、残された十年間を最後の十年と認識し、この間に自立的経済社会の基礎づくりができるように産炭地域振興実施計画原案を策定したところであります。しかし、本日御審議いただいている石炭関係諸法の延長がなければ、実施計画は画餅に帰すと申し上げても過言ではございません。もとより私ども自治体関係者は十年後には他地域並みの水準になるよう懸命の努力をするつもりでありますが、国の格別のお力添えを賜りますよう改めてお願いを申し上げます。 ところで、今回の石炭関係諸法の改正案の御審議に当たり、ただいまから法律に関連する事項について本県なりの問題点について意見を述べさせていただきます。 まず、石炭鉱業の維持存続についてでございます。 石鉱審答申に基づく新石炭政策では、今後の生産量は、石炭企業とユーザーの自主的判断に任せられた形になったところでありますが、本県大牟田地域の三井三池炭鉱は、依然として同地域の基幹産業として地域経済を支えております。したがいまして、石鉱害の答申にあります均衡点を高水準に定め、石炭鉱業の維持存続について特段の御配慮を賜りますようお願い申し上げます。 次に、本県にとって深刻な問題でございます鉱害についてであります。 本県は、石炭産出県として大きな位置を占め、とりわけ、戦中戦後には広範囲にわたり石炭採掘が行われたところであります。特に、その中心となりました遠賀川流域は、石炭が大量に採掘された結果、地下には無数の坑道がまさに網の目のごとくに走り、地表の陥没、その他の鉱害が他県に類を見ないほど大量かつ広範囲に発生してまいりました。 昭和二十七年に臨時石炭鉱害復旧法が制定されて以来、四十年間にわたり復旧が行われてまいりました結果、事業も相当の進捗を見ております。しかし、さきにも申し述べましたように、県の鉱害残量は全国の八〇%を占め、これが依然として地域住民の生活環境の整備や地域振興の阻害要因となっておりますので、鉱害の早期復旧は関係地域住民の強く切望するところであります。 申し上げるまでもなく、鉱害二法は、国土の保全と有効な利用及び民生の安定を図るため、鉱害の計画的な復旧及び鉱害賠償の円滑な実施につきまして制定されたものでありまして、鉱害がある限り鉱害二法は存続されるべきものと考えております。相当量の鉱害が今なお残存しておりますことを考えますと、鉱害二法を改正し、今後十年間に累積鉱害の最終的解消を実現していただきたいのであります。 第二は、鉱害処理対策の強化であります。 赤水、湧水対策、効用未回復問題、かんがい排水施設の維持管理体制等、今日まで山積しております懸案問題につきましては、個々のケースに応じて所要の対策を早期に講じていただくようお願い申し上げます。また、広域的に復旧計画を策定している地域につきましては、農地、公共施設、家屋等相互間の協議調整になお相当の時間を要するものと考えられますので、国による積極的な進行管理のもとで事業が円滑に実施されますよう、あわせてお願い申し上げます。 第三は、鉱害処理体制の強化についてでございます。 今後、鉱害の処理を早期に完了するためには、石炭鉱害事業団の施行体制の強化や鉱害処理業務の簡素化、改善等の必要な施策を早急に実施し、鉱害処理の促進を図るよう強くお願い申し上げます。 なお、特に近年の鉱害復旧を見ますと、施行者と被害者の間の調整不調等により被害者の同意が得られない等、工事着手の環境整備について懸案を抱える物件が多くなり、復旧事業の進捗が低下している状況であります。これらの問題については、今回の改正案において調整の手だてが講じられているところでございますが、国におかれましては、事業実施に当たり、きめの細かい施策を講じていただくよう強く要望いたします。 第四は、鉱害復旧に伴う地方公共団体の財政負担の軽減でございます。 臨鉱法制定当時三%にすぎなかった無資力鉱害は炭鉱の閉山とともに増大をし、現在では約九〇%に及んでおります。したがいまして、本来、賠償義務者が負担すべき復旧費用の一部が地方公共団体の負担となるため、鉱害復旧事業に占める地方負担額も増加しておりますので、地方負担の軽減につきまして今後ともよろしくお願い申し上げる次第であります。 次に、石特会計の問題でございますが、私ども自治体関係者は、原油等関税による石炭対策財源の安定確保に重大な関心を寄せているところであります。つきましては、産炭地域振興対策、石炭対策を効率的に推進していただくため、石特会計法の延長をお願いいたしますとともに、財源の安定確保につきまして特段の御配慮をお願いいたします。 次に、炭鉱離職者の問題でございます。 今日までの閉山等により発生した炭鉱離職者の就労機会を確保し、あわせて地域開発を促進するという目的で実施されてきました炭鉱離職者緊急就労対策事業、産炭地域開発就労事業につきましては、これらの事業を取り巻く厳しい状況につきましては十分認識をいたしているところでありますが、当分の間、これらの事業の計画的、合理的な実施につきまして格別のお力添えを賜りますようお願い申し上げます。 また、第八次石炭政策のもとで発生いたしました下請を含む三千名余の離職者についてでありますが、再就職はなかなか容易でなく、依然としてかなりの人が取り残されております。加えて、新石炭政策のもとで進められる構造調整の過程で、さらに新たな離職者が発生することが危惧されているところであります。したがいまして、炭鉱離職者に対する就労対策及び職業訓練制度並びに再就職援護措置等を今後強力に実施する必要があり、炭鉱離職者臨時措置法の強化延長についてもお願い申し上げます。 最後に、産炭地域の市町村に対する財政援助措置についてでございます。 産炭地域市町村においては、鉱害復旧費、離職者対策事業費等の特別な財政需要が財政を圧迫し、三つの六条市町村が財政再建準用団体に指定されるなど、厳しい状況にあります。国におかれましては、これらの特別な財政需要に対応するため、地方交付税において特段の御配慮をいただいておりますが、これらの措置も石炭関係諸法の延長と密接な関係がございます。つきましては、本県産炭地域市町村の実情を御認識いただき、今後とも地方交付税等による特段の措置を実施していただきますようお願い申し上げます。 以上、るる申し上げましたが、本県産炭地域の実情を御賢察賜り、今回の石炭関係諸法の改正延長につきましては、早期成立について格別の御配慮を賜りますよう心からお願い申し上げまして、私の意見陳述といたします。ありがとうございました。(拍手)
○佐藤委員長 ありがとうございました。 次に、塩塚参考人にお願いをいたします。
○塩塚参考人 大牟田市長の塩塚公一でございます。 衆議院石炭対策特別委員会の先生方には、産炭地域の振興と石炭鉱業の安定対策につきまして日ごろから格別の御高配を賜り、また本日は、石炭関係八法改正の御審議に当たり、私ども地元自治体の意見を述べる機会を与えていただきましたことに対しまして、厚く御礼申し上げます。 私ども日本最大の生産規模を占める三井三池炭鉱を有する大牟田市にとりまして、石炭鉱業の動向は地域経済社会に多大な影響を及ぼしますことから、市の置かれた実情を十分御理解をいただき、御審議いただけるようにお願いをいたします。 まず、大牟田市の石炭産業と地域の現状についてであります。 最六年間出炭量、昭和四十五年六百五十七万トンを産出をいたしたわけでありますが、第八次石炭政策では四百五十万トン体制から二百五十万トン体制へと生産規模を大幅縮小し、平成二年度は二百十四万トンまで減少し、従業員も昭和三十五年の一万二千八百人から千九百十九人までに減少し、特に第八次石炭政策のもとでは、下請も含めまして約三千人の人員削減を内容とする合理化が実施され、今日、合理化された直轄千八百名のうち、その三四%に当たります六百名の従業員がいまだ再就職できない状況で、地域経済社会に深刻な影響を及ぼしております。 本市の人口でありますが、産業最盛期の昭和三十四年における二十一万人をピークといたしまして、今日十五万人と、約六万人の減少を来しております。 また、有効求人倍率は、平成二年の〇・七八と、全国平均一。四〇に対しまして極めて低い水準にあり、生活保護の状況につきましては、人口一千人当たり三五・六人と、全国平均であります八・二人の四倍強に達しております。 なお、財政状況について申し上げますと、平成二年度の財政力指数は〇・五一で、全国平均の〇・七五や福岡県平均の〇・五六を下回っておるという状況でございます。こうした、石炭鉱業を中心とした産業構造の変化に伴って地域経済社会が疲弊している中で、本市においては産業構造の多様化に鋭意努めておるところであります。 次に、石炭関係八法改正に対する当市の考え方についてであります。 まず、石炭産業に関して述べさせていただきますが、三井三池炭鉱は、今日におきましても大牟田市にとりまして基幹的産業であり、その動向は地域経済社会に大きな影響を及ぼすものでありますので、その維持存続につきましては特段の御配慮をいただきますようお願いを申し上げる次第であります。 さて、平成三年六月、石炭鉱業審議会におきまして新しい石炭政策の答申が示されたわけでありますが、これら石炭政策の実現のためには、本日御審議されている石炭関係八法の改正がぜひとも必要となってまいるものであります。 そこで、御審議されております石炭関係八法についてでありますが、まず、石炭鉱業合理化臨時措置法についてであります。 今回の法改正は、九〇年代を構造調整の最終段階と位置づけ構造調整を続けるという意味において厳しいものがありますが、石炭会社などの事業の新分野の開拓を促進するといった構造調整のソフトランディングに対する国の支援等が盛り込まれるなど、今日まで本市の基幹産業として石炭鉱業が地域の経済発展、地域開発、雇用安定に果たしてきた役割を、構造調整の過程においても先行的に講じるための制度的支援の道が示されたことに対しまして、本委員会の皆様方を初めとした関係者の今日までの御努力に対して感謝をいたすものでございます。 なお、大牟田市における三井石炭鉱業の経営多角化の事例について申し上げれば、第八次石炭政策期間中に、ソフトウエア開発のメガ、工事業のサンビルド、食品関連業の西日本フレッシュフーズ、及び新素材関連業の有明プレシジョンの設立など、経営多角化の努力が払われてきておりました。この結果、大牟田市内において百二十六名の雇用増が見られたところではありますが、いまだ十分な展開には至っておりません。 昨年十月、日本石炭協会から発表された石炭各社の経営多角化、新分野進出の計画を見ますと、おのおの地元においての展開が見られるところであります。つきましては、今回の法改正でさらに促進される、石炭鉱業構造調整対策として行われます新たな石炭会社などの経営多角化、新分野開拓の事業が、稼行炭鉱地域であります大牟田市内において展開され、本地域の発展、すなわち地域振興と炭鉱離職者の雇用の確保及び石炭鉱業の経営安定のすべての面に寄与できますように、国の積極的な御支援をいただきますとともに、石炭鉱業の合理化及び安定のための従来の支援を継続していただきますようにお願いを申し上げます。 続きまして、炭鉱離職者臨時措置法に関連して、炭鉱離職者の就労機会の確保と産炭地域の振興事業に多大の効果を上げてまいりました三就労事業についてでありますが、当市の場合、平成二年度は、緊就二千二百四十六名、開就三千四百名、特開八千四百名、延べ一万四千四十六名の吸収人員となっております。この就労事業は離職者の吸収のみならず、道路、公園の整備、住宅団地造成など、産炭地域が今後自立していくための公共的地域振興事業の展開に重要な位置を占めるものでございまして、平成四年度からの新しい石炭政策のもとで進められる構造調整により、さらに新たな離職者が発生することも危惧されております本市といたしましては、これらの離職者対策の強化延長を求めるものであります。 また、改正法におきまして炭鉱離職者の職業訓練並びに再就職援護措置等に加え、石炭会社等が事業の新分野の開拓を実施する場合の、炭鉱従業員の在職中の職業訓練制度が新たに認められたことは、企業としても経営多角化等への取り組みが容易になるものと考えられますので、改正方をよろしくお願い申し上げたいと思います。 さらに、石炭並びに石油及び石油代替エネルギー対策特別会計法についてですが、今後とも、石炭鉱業安定対策及び産炭地域振興対策事業等の推進を求めます当市といたしましては、これら事業の財源の根拠となります同法の十年間の延長と財源の安定確保が必要であると考えるところでございますので、延長をお願いするものであります。 その他の法律につきましても、石炭対策を円滑に実施するため延長等の必要がありますので所要の措置をお願い申し上げます。 既に成立をいたしております産炭地域振興臨時措置法につきましても一言述べさせていただきます。 平成三年十二月に告示された産炭地域振興実施計画は、県知事の原案策定の過程を経て、産炭地域市町村の意見がほぼ反映をされたものと見ることができ、大変感謝をいたしておりますが、問題はその実効性の確保であります。また、今回公示された計画が産炭地域振興施策の最後の十年間という限られた期間の中で、地域振興事業を実施いたしますためには、地元の市の努力はもちろんでありますが、各主務官庁等の踏み込んだ制度支援及び財政支援等が必要であります。 このような状況の中で、当市といたしましては、産業構造の多様化を進めつつ地域の活性化を図っていかなければならないとの考え方から、内陸大型工業団地の造成やテーマパークのジオ・バイオ・ワールドの建設及び中心市街地活性化並びに商業近代化等に鋭意取り組んでおるところでありますが、これらの事業目的の達成のためには国道二百八号バイパス等の道路の整備、西鉄、JRの立体交差化の推進、港湾の整備等産業基盤の整備、さらには公営住宅の建設、公園その他の生活関連施設の整備等も地域の振興のために必要な事業であると考えております。 これらの計画の実効性を確保するためには、道路、公園、住宅等については建設省、港湾、鉄道等については運輸省というように、主務官庁の積極的支援等が得られますよう、国において、以前にも増して緊密な関係省庁間の連絡協調に努めていただけるようお願いをするものであります。また、各自治体が独自の予算で対応していく必要がある事業もたくさんございまして、これらについての国の支援もあわせてお願いをするものであります。 大牟田市において石炭は、文明元年、すなわち一四六九年以来約五百年にわたる長い歴史に基づく愛着がございます。この石炭を通じて国際社会に貢献したいという熱き願いもございまして、稼行炭鉱を単に生産の場としてではなく、その有する採掘技術、保安技術等石炭関連技術に関する研究、研修の場として活用することにより、国際的展開を図り地域活性化に資するためにワールド・コール・テクノセンター構想の設置を提言してきておるところでございますが、私どもは現在、学識経験者等を含めまして、同構想の具体的ビジョンを策定をしておるところでございますので、この構想実現化のために国の絶大なる支援をお願いするものであります。 さらに、地域振興、活性化を図るための石炭金一業の所有地の活用等についてでありますが、本市の土地利用の状況は、市の約二〇%、すなわち九一百三十ヘクタールが三井系の企業用地でございまして、地域振興事業を実施するに当たりまして集団化した適地が存在をしており、今日まで石炭企業の所有地を利用いたしまして工業団地、住宅団地、都市公園等の造成事業の実施に努めてまいってきたところであります。しかしながら、地方自治体が地域振興のために活用を図るに当たりましては、用地取得、整備に多額の市費を必要とし、市の財政を圧迫する状況にございます。つきましては、地元自治体が地域振興事業を進めるに当たりまして、先行的に石炭企業の所有地を取得、構造物撤去を行う場合の制度運用、財政支援策の充実をぜひともお願いをしたいと思います。 以上、さまざまなお願いを申し上げましたが、今回の石炭関係諸法の改正、延長に加えまして、大牟田市の実情を御賢察の上、今後とも本市の地域振興、活性化のため、諸先生方の御支援また御高配を賜りますようお願いを申し上げまして、意見の陳述といたします。ありがとうございました。(拍手)
○佐藤委員長 ありがとうございました。 次に、山本参考人にお願いをいたします。
○山本参考人 私は、全国鉱業市町村連合会の会長でございます福岡県の添田の町長の山本文男でございます。 本日はこの石炭対策特別委員会で意見を申し上げる機会を与えていただきまして、まことにありがとうございます。 意見を申し上げます前に、我々市町村に対しまして先生方にはふだんから格別な御支援をいただいておりますことに対して厚くお礼を申し上げさせていただきます。どうもありがとうございました。 さて、産炭地域の振興は、もう御承知のとおりに長年月にわたっておりまして、石炭政策の効率的な施策や石炭鉱害復旧が推進されたため相応の成果を上げておると思っておりますが、昨年六月の石炭鉱業審議会が答申されましたように、もろもろの未解決の多くの問題を残して石炭関係諸法の目的を十分に達成をしておらない状況下にある一ため、引き続いて法の延長を行い、支援と施策を実施することが必要であると思っておるところでございます。 また、炭鉱労働者及び離職者の再就職や転職等の支援なども指摘をされておりますので、これらの対策も充実強化が肝要ではないでしょうか。 申し上げるまでもございませんが、これらの各法の施行財源は石特会計法の石炭勘定でございます。各法の目的達成のため、従来どおり安定した必要財源が確保されることをお願いを申し上げたいと思います。 したがって、冒頭に今次改正されます石炭関係諸法案の早期御承認をお願いを申し上げまして、それぞれ各法案の要望事項について申し上げさせていただきたいと思います。 まず最初に石炭政策についてでございますが、最初の一点目は、均衡点というのが示されておりますが、この均衡点というのは一体数字の上で幾らなのかというのが不明確でございますので、石炭鉱業審議会の答申にも言うこの均衡点をできるだけ早く明確にすることが大変大事ではないでしょうか。その理由は、産炭地域にとって石炭鉱業の将来像が明確にならないと今後の産炭地域振興の方向を決定することが非常に難しいからでございます。 その次が、構造調整過程の経営多角化、新分野の開拓でございますが、石炭会社が円滑に経営の多角化、新分野開拓が図られるよう強力な支援をお願い申し上げますとともに、炭鉱所在地において事業の展開を図っていただき、あわせて炭鉱の離職者の皆さんたちの再雇用を図られるよう、石炭会社に強く御指導いただきますようお願いを申し上げたいと思います。 その次でございますが、未利用地の活用についてでございますが、炭鉱跡地の有効利用が産炭地域の振興のかなめであると私は思いますので、炭鉱跡地を地元自治体が活用できるよう、石炭会社を強力に御指導いただきますようお願いを申し上げたいと思います。 さてその次は、この法の目的が達成されるためには地元の市町村の役割もかなり大きいと思っておるところでございますが、地域の基幹産業でございます石炭鉱業の閉山等が地元自治体に与えます影響というのは非常に大きい、こういうふうに思いますので、財政的な不安も先ほどもお話がございましたように起こると思います。すなわち、法の目的を達成するためと、打撃を受けるその財政の不安等について、これは何とか充足するために援助をしていただく必要があると私は思いますので、御配慮をいただければと思っておるところでございます。 次に、これらの先ほども申し上げました法律の実施をしていくための石特会計でございますが、まず最初に関税の暫定税率でございますが、昨年末の関税率の審議会において今後とも原油等の関税を石炭勘定の財源とすることを決めでいただきました。その間の政府の皆さんたちの御努力に対しましては心から感謝を申し上げたいと思います。しかし、石炭政策を総合的に推進し、また石炭鉱害が予定どおり解消するなど、法の目的を十分達成するためには、今後とも安定する財源の確保を図ることが当然のことでございます。これに加えて、もう一つは、柔軟性のある石炭勘定の運営を行っていくこともまた大事なことであろうと思いますので、何とぞ御配慮いただきますようお願いを申し上げます。 次は、石炭鉱害二法でございますが、まず、鉱害復旧の現状は、もう先生方御存じだと思いますけれども、昭和二十七年に臨時石炭鉱害復旧法が制定されて以来四十年にわたり復旧が行われてまいりました。このことは、戦中戦後に国策として大量の石炭供給が要請されたため広範囲に石炭採掘が行われた結果、膨大な鉱害の発生となったためであります。 現行の鉱害二法のもとでは、昭和五十七年に策定した鉱害復旧長期計画に従い、五十七年度初価格に換算いたしまして五千九百億円相当の鉱害復旧事業が実施されましたが、平成四年度初で残存鉱害量は約三千七百億円と見込まれております。しかしながら、今日まで鉱害復旧は相当に進捗をしていると私どもは理解をしているところでございます。 なお、鉱害地域におきます石炭採掘が終了いたしましてから既に相当の年数が経過をしておりますので、継続をして復旧を行うことによりまして、今後十年間のうちに累積鉱害が解消できるめどが立ちますので、早期に鉱害のない産炭地域になるよう実効を上げられるよう格別な御処置をいただきますことをお願い申し上げたいと思っておるところでございます。 さて、この法律についてもろもろの御要望を申し上げたいと思いますが、まず最初に鉱害二法の廃止期限の延長でございます。申し上げるまでもございませんが、鉱害二法は国土の保全と有効利用及び民生の安定を図るためのものでありますので、鉱害が残存する限り鉱害二法は存続すべきものと考えられます。石炭鉱業審議会の答申にあるように、最も被害の著しい九州においてもほぼ十年以内に累積鉱害が解消できる状況にあると明示をされております。累積鉱害解消のためには、鉱害二法の十年間の延長で最終的解消を実施していただきたいと思っておるところでございます。 次に、鉱害復旧の基本的方向については、石炭鉱業審議会答申に示されておりますように、まず累積鉱害処理の着実な完了、鉱害処理業務の適正な運営、三番目が早期復旧実現に向けての関係者の連携協力でございます。この三つが基本的な方向として示されておりまして、鉱害復旧はこの三つの方向に向かって努力をしていくことが必要であろうかと思います。 さて、その次でございますが、累積鉱害処理の着実な完了ということでございますが、これは極力早い段階で今日まで山積をしております懸案問題などに所要の対策を講じて、全国各地の累積鉱害の処理を順次完了することが必要であろうと思います。 その次ですが、この鉱害処理業務の適正な運営なんですが、これにつきましては従来より関係者から厳しく要望されていたことでもございます。かなり改善されたと評価ができますけれども、さらに正常化対策等は強化し、処理のあり方について適正を確保する最大の努力をされるようお願いを申し上げたいと思います。 その次に、鉱害復旧の早期解消に向けての関係団体の連携協力でございますが、鉱害処理業務を計画的、効率的に処理するために引き続き石炭鉱害事業団を中心としての処理体制とし、鉱害の早期復旧を図るためには国、地方公共団体が積極的に鉱害復旧の推進努力を講ずることが大切であります。また、法改正原案でも取り上げられております実施計画関連だけでなく、鉱害復旧全体において総合的に関係団体が連携協力をしていくことが必要であろうかと思います。 次に、鉱害処理対策の強化でございますが、施行困難案件が鉱害復旧の阻害となっている事実にかんがみまして、これらの処理には関係者との連携協力の上積極的な対策を講じ、鉱害復旧の工事施行環境整備等を図り、鉱害関係行政機関が一体となって鉱害処理が促進されるよう必要な施策を実施されるようお願いをしたいと思っておるところでございます。 次に、累積鉱害解消後の体制の整備でございますが、累積鉱害が解消後、浅所陥没等の被害については、答申にもございますように地域ごとの法人によるのが適当かと考えられますが、法改正原案にありますように石炭鉱害事業団の体制から地域ごとの法人の体制に円滑に移行していくことも大切なことだと思いますし、また順当に行うことが望まれると私は思っているところでございます。さらに体制づくりにつきましては、地域の特性を生かし支障の生じないように、処理体制の早期確立等地域ごとの法人の整備に向けて国、地方公共団体が協力することが必要であろうかと思います。 次に、累積鉱害の解消後は、鉱害地における地域振興の積極的な展開が行われることと、鉱害の解消に長時間を要する地域も鉱害復旧と一体となって地域振興事業が推進されることが望まれると思います。また望ましいと思っているところでございます。特に、地域ごとの法人が地域振興との一体的推進に役割を果たすよう配慮すべきではないでしょうか。 次に、鉱害市町村に対します財政援助でございますが、これは先ほども宮永副知事さんからお話を申し上げましたが、重復をしますけれども、鉱害復旧は、無資力が増加することによって鉱害地域の市町村の財政負担が増加することになります。格別な御配慮をいただきますようお願いを申し上げたいと思います。 次に、炭鉱労働者等の雇用の安定に関する臨時措置法案についてでございますが、石炭鉱業の合理化に伴い、炭鉱離職者に対する法的支援は、昭和三十四年より今日まで適切な措置を講じられて相応の成果を挙げてまいりましたことは高く評価をしてよいと思っているところでございます。 昨年六月の石炭鉱業審議会は、緊就、開就事業については、就労者の高齢化、滞留化等の問題点が指摘をされまして、所要の見直しを図るべきと答申はされましたが、旧産炭地域においては、全体として雇用失業情勢が好転している中にあっても依然として厳しい状況にございます。有効求人倍率を見ましても、全国が一・二八、福岡県は〇・八五、これをさらに小さく見まして筑豊地域では、飯塚地区の一・〇四がわずかに好転をしておりますが、直方地区は〇・五八、田川地区は〇・七三でございます。今後も景気が不況傾向にございますので、産炭地域の雇用情勢はさらに深刻となって改善の見通しはないと思っているところでございます。 このような中にあって、緊就事業や開就事業は就労の場を確保するのになお重要な役割を果たしていると認識をしているところでございます。したがいまして、今後見直しを行うにいたしましても、事業に就労している者の実情、地域の雇用状況、すなわち労働不安や労働砂漠化等の排除や地域振興の必要性等を十分考慮をして、慎重なる検討をお願い申し上げたいと思っているところでございます。 さらに、まとめて申し上げたいと思うのですけれども、産炭地域の市町村に対します財政援助でございます。 先ほど石炭政策、鉱害のところでも申し上げましたが、産炭地域の市町村は後始末がまだまだ膨大に残っております。すなわち、石炭後遺症というものが大変な予算を必要としているところでございます。石炭後遺症の処理をしなければ本当の意味での一般市町村並みの水準に引き上げることは難しいと思います。もう一つは、この石炭後遺症を解消させるだけで地域が振興されるというわけではございません。後始末を処理すると同時に、地域振興の前向きの事業も実施をしていくことによって、法が持っております目的を十分達成することができるのではないかと思っておりますので、本年、平成四年度で産炭補正が廃止されることになります。この産炭補正は我々市町村にとりましては大変有効な財源措置でございました。できますならば、この産炭補正にかわるべき財政措置を支援をしてくださるようお願いを申し上げたいと思っているところでございます。 以上、要点だけを申し上げたのですけれども、何とぞ産炭地域の市町村の実情を御認識をいただきまして十分なる御配慮をいただきますことをお願いを申し上げまして、私の意見を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。(拍手)
○佐藤委員長 ありがとうございました。 次に、荒牧参考人にお願いをいたします。
○荒牧参考人 福岡県鉱害対策被害者組合連合会会長の荒牧悌二でございます。 本日は、委員の先生方のお取り計らいによりまして、私ごとき未熟者が、しかも我が国国政の最高の議決機関であるこの特別委員会に御招聘を賜りまして、参考人として意見を述べさせていただきます機会をお与えくださいましたことは極めて光栄であり、名誉でありますとともに、心から感謝を申し上げる次第でございます。 なお、私はほかの参考人の方と異なりまして、極めて教養もございませんし、浅学非才、ただ平凡な一被害者農民でございます。まして、こういった格式の高い会議での発言は全くの初体験でございます。ただただ緊張の余り足がいささか震えるのを覚えております。したがいまして、意見を述べます中におきまして、要領の得ないところも多々あると思いますけれども、何とぞ御寛大なる処置をもってお許しをいただきたいと思います。 まずもって委員の先生方には、平素から私ども鉱害被害者の心情を深く御理解を賜りまして、私どもの悲願とするところの石炭鉱害被害の復旧と被害者住民の民生安定のために一方ならぬ御尽力を賜りまして、心から厚く御礼を申し上げる次第でございます。 さて、先生方を初め行政官の方は専門的分野でもございますので十分に御理解、御承知ではございますけれども、昭和三十年ごろよりのあの急激なエネルギー革命によりまして、次々に石炭から石油へと移行してまいりました。かつての国の繁栄に貢献し、それに協力をしてまいりました私ども鉱害被害者をしり目に、各炭鉱は次から次へと閉山に追い込まれ、たくさんな炭鉱失業者と石炭採掘に伴い発生した膨大なる残存鉱害が残されたわけでございますけれども、早速、国はその対応策といたしまして、国土の保全、民生の安定を図る見地から石炭関係の臨時措置法の制定し、その財源を設けて、石炭離職者の救済を図るとともに、石炭鉱害の復旧に着手をしていただきました。 しかるに、昭和二十七年八月、臨時石炭鉱害復旧法設立以来既に過去において三回の延長を行い、本年の時限をもってちょうど四十年が経過をいたしたわけでございますが、先生方御高承のとおり、いまだに鉱害より脱出するその域には達してはおりません。残存する鉱害量は、これからの認定分も含めますとなお相当数と思われますが、そのほとんどがいろいろの問題をはらみながら、その解決策も見出せず、各地においてなお存在しておるようでございます。行政面あるいは専門的数字等につきましては先ほどから参考人の方の御意見もありますので省略させていただきますが、今回の義務として、私は鉱害被害者の代表者として意見を求められておりますので、その立場からのみ考慮した今後の対応等、多少陳情的な要素もございますが、若干の意見を述べさせていただきたいと思います。 さきに述べましたいまだに残存する鉱害も、地域によりましては大いに異なるわけでございまして、鞍手郡のごとく今から新規に着工するところももちろんございますが、その大半は既に終盤に近づきまして、今後の積極的な対応次第では鉱害復旧も早期解消が大いに期待をされ、いずれも悲観的なものばかりではございませんけれども、総じて残存鉱害として長く残っているものがいずれも問題点が多く、その進捗を妨げていると言っても私は決して過言ではないと思います。 昔のことわざに「残りのものに福がある」と申しますけれども、残存する鉱害物件につきましては全く逆の現象でございまして、過去、現在におきましてもいろいろな問題点が残り、過去においてずっと解決、また達成できなかったかねてからの懸案の問題事業がいまだに残存鉱害として残っている場合がほとんどを占めているようでございます。残された今後の事業推進につきましては、まず積極的な行動に移すこと、お互いの意思の疎通を図りながら、改善しながら、技術的にも協調の誠を貫き解決に当たることが最も必要不可欠な問題ではないかと思われます。 なお、本店は、私ども鉱害被害者にとりましてはまたとないせっかくの光栄な機会でございますので、かねて私どもが悲願としながらも達成できず未復旧として残り、その対応についての鉱害被害の窮状を例を挙げまして、ここに具体的に申し上げさせていただきまして先生方の御理解を賜りたいと思います。 まず第一には、ほかの参考人からも一様に申されましたように、残された鉱害問題を解消するには、何と申しましても、今回の鉱害法案の改正、延長がその基本となりますことは言うまでもございません。何とぞ、再度委員先生方の御理解と御尽力によりましてこの鉱害関係法案が強化延長され、残存鉱害の解消はもとより、地域住民の生活基盤の安定が図られますよう、心からお願いを申し上げる次第でございます。 次に、鉱害の認定業務の促進についてでございますけれども、この鉱害認定業務のおくれは、これが基本となりますために鉱害被害者にとりましては極めて深刻な問題でございまして、将来における生活設計の見込みも立たず、毎日が非常に不安な状態の中に置かれております。御承知の方もあるかと思いますが、現在、福岡の地元におきましてはこの数日間、鉱害認定の是非をめぐり大変。新聞紙上を賑わしておりますが、それはともかくといたしまして、ほかに聞くところによりますと、何でも関係局管内において常時一万四千件以上の認定業務が滞っておる。現時点においても、これの完全処理に至るまでにはなお数年間の歳月を要するのではないかということも聞いております。 さらにまた、鉱害の終盤に近づいた認定区域、いわゆる鉱害地と非鉱害地の境界周辺に位置をしました物件等は非常に微妙なところがございまして、その裁定には一々科学調査を必要とするところから、以前に数倍する大変な時間的浪費がございまして、その業務は滞る一万ということも聞いております。何しろ鉱害復旧にはその認定が基準となりますために、その対応についても早期認定が図られますよう御検討を賜りたく思うものでございます。 第三点目は、効用未回復の農地に対する追加工事の促進についてでございますが、既に復旧完了後の農地につきましても、完了後において地下の流動的な要素、あるいは軟弱地盤等の影響によりまして、農地の湿田化または水路その他構造物の不等沈下の現象によりまして、せっかく復旧が完了した貴重な農地も、その効用が回復せずにいまだに効用未回復地として各地に残っております。早急に追加工事の必要性が迫られておるわけでございますが、現実にはその進捗率は極めて遅く、農業生産上において大きな障害となっております。農業構造上の転換期を迎えた試練の中において、特に農地の基盤整備が最も必要かつ望まれる中におきまして、農業の経営安定を図る見地から、ぜひ早急な追加工事の実施促進をお願いを申し上げるところでございます。 次に、毎年度ごとに陳情を申し上げ、この十数年間一貫して訴え続けながら実現を見ない農業用施設、いわゆる揚排水ポンプ及び井せき等の恒久的な維持管理対策でございますけれども、規定による国からの管理運営基金の積み立てがないために運営できません。これも水田農業にとりましては絶対に必要不可欠なものでございますとともに、今後特に大きな問題として早急にその対策が望まれます。 同じく長い間解決を見ないのが、先ほども参考人の方からお話が出ましたように鉱毒水によります田面の赤水、湧水対策でございます。ほかにも、ボタ山の処理対策並びに生ボタを使用した復旧盛土に伴います。その後遺症に対する対策、農地軟弱地盤における復旧対策、またはため池復旧後における枯渇対策等、私どもはいまだに実現できない長年懸案の多くの未復旧問題の中において、その毎日が極度の不安と焦燥の中に置かれておる現状でございます。 先生方も御承知のとおり、最近の社会情勢は内外ともに極めて厳しく、激動の中において農業もまた極めて厳しい環境の中にありまして、特に生産性の高い土地基盤の構造が望まれるわけでございます。今回の法延長をぜひ実現をさせていただくとともに、今後残された鉱害につきましては、万難を排して、官民が一体となりまして、お互いが英知を結集し、長い間悩まされ続けてまいりましたこの石炭鉱害という四文字をこの世から完全に追放すべきだと考えます。 先生方には、どうか今回の石炭諸法の延長につきましては格段の御配意を賜りますとともに、地域住民の民生安定実現に向かって御尽力を賜りますよう心からお願いを申し上げまして、私の意見陳述とさせていただきます。ありがとうございました。(拍手)
○佐藤委員長 ありがとうございました。 以上で参考人の御意見の開陳を終了いたしました。 —————————————
○佐藤委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。古賀一成君。
○古賀(一)委員 午後のトップバッターでございます。 まずは、きょう御多忙の中に上京を賜りました参考人の皆様方に心より御礼を申し上げます。 私自民党、午後の与えられました時間はわずか十五分でございます。要領よく質問申し上げますので、何とぞ御答弁のほどをよろしくお願い申し上げます。 わずか十五分でございますから、皆様方に質問したいわけでございますが、そういう時間の関係上、富永副知事、そして私の選挙区でもございますが、大牟田の市長、塩塚市長に主に質疑を申し上げたいと思います。 先ほど参考人として意見の御陳述がございました大牟田を抱えますところ、私、実は選挙区でございまして、先ほどお話がありましたように日本最大の稼行炭鉱でございます。加えまして、過去の繁栄といいますか、あの勢いいいころと今を比べてみたときの落差、私自身も知っております。そういうことを考えたときに、先ほど来話が出ております向こう十年というものは、最終調整段階、だということで、本当に厳しい、しかし頑張らねばならぬ十年だろうと私自身も地域の一員として思いながら聞いておったわけでございます。 そこで、主にお聞きしたいのは、法制度の内容はもうお手元にあろうかと思いますけれども、その与えられた、今論議されているこの法制度というものが、要は向こう十年にそのシナリオどおりに実現をされるかというところに実は一番のポイントがあるのではないか、かように思いまして、主にこの新しい法制度、あるいは先般通りましたいわゆる産炭法、基本計画、こういうものの運用につきましてお聞きをしたいわけでございます。ほっておきますとこの十年というものは計画だけ、あるいは制度はできたけれども実際に運用がまかりならなかったということで許される十年ではないと思います。そのころ日本経済がどうなっているかもわからないし、大変な時代を迎えているかもしれない。したがって、これまでの三十年とは違い、この十年は、しっかりとやるべきことをやる、そういうのが問われる十年であろうと思います。 したがいまして、ぜひここでお聞きしたいのは、御両名にお聞きしたいわけでございますけれども、この法制度を前提としまして、つまり今のシナリオというものは、この十年を最後の調整段階として均衡点まで縮小する、これとあわせ、それを補うために経営の多角化と新分野開拓を行っていく、それに地域政策の支援あるいは雇用安定対策の支援をやる、こうなっておるわけでございますが、この大きいシナリオの中で実際の運用、予算面もあるだろうし、これを補足する税制あるいは新制度の創設の問題もあろうと思います、あるいは各省間の連携の問題もあろうかと思いますが、そこら辺、運用について何か危惧すること、この際、国にしっかり要望しておかなければならぬこと、その点につきまして、富永副知事、そして塩塚市長にひとつ御意見を御開陳願いたいと思います。
○富永参考人 おっしゃられたとおり最後の十年、この十年間でもって産炭地域が自立的な経済社会圏として成り立っていく最後の準備期間というふうにしなければいけないとかたく覚悟を固めておるわけでございます。 それで私ども、今回の制度改正で、道県知事が原案をつくって、それを尊重していただく形で国が実施計画そのものをおつくりになったという形で、原案を相当程度等量していただいた立派な実施計画がつくられておりますので、何としてもここに盛られた、実施計画どおりの内容を確実に実行に移していただきたいということが私どもの二番切なる願いでございます。 いろいろな事業を掲げていただいております。例えば産炭地の自立的な発展のために必要となります幹線の交通体系、道路でありますとか鉄道でありますとか、それから水資源確保の問題とか、そういう重要な事業をいろいろ掲げられておりますが、この事業の実行に当たりましては、通産省のみならず、建設省、自治省、その他関係各省多くの協力が必要でございますので、実効性を上げていただくために、そういった事業の優先採択でありますとか関係各省の予算の重点配分とか、そういうことにつきましてぜひとも各省庁間でよろしく御協議をいただきまして、この計画が本当に実効性が上がるようにぜひともお願いしたいというのが私の願いでございます。
○塩塚参考人 まず均衡点についてということでございますけれども、私ども、先ほど富永参考人のお話にもございましたように、できるだけ高い水準での均衡点というのが早くわかるということが最も地域としてはありがたいというふうに思うわけであります。もちろん、この均衡点の探し方としては、いわゆる市場経済の中で石炭会社が合理化も含めましてみずからの自助努力の中で生き延びる道を探していただくということでございましょうけれども、包括的には、新しい制度で支援していただくでありましょう新分野開拓というものも一緒にした形で自立の道を探していただくことではないかというふうに考えるわけであります。そういう面で、運用面では当然主務官庁であります通産省あるいはエネルギー庁の御努力に私は大変に期待をしたいというふうに思っております。 また、先ほどの宮永参考人の御意見にもございましたように、私ども、地域一体となりながら今後の地域の振興を考えるわけでありまして、新分野開拓面におきましても、場合によっては地元の業界とぶつかる問題も当然出得るというように考えるわけであります。そういう面で、地域全体が炭鉱を残すという意味におきまして、これに対する私どもの地域全体としての支援というものも当然視野に入れていかなければならないと思うわけでありますし、同時に進行するでありましょう私ども自治体主導の他のプロジェクトにつきましても、それを支えます産業基盤整備あるいは生活関連基盤整備というものが事の成否を決定していくと存じ上げますので、先ほども申し上げましたように、それぞれの事業省庁の産炭計画に基づく絶大な支援というものを私どもは期待をいたしたい、かように考えるものであります。 以上でございます。
○古賀(一)委員 ただいま新分野開拓につきまして市長さんの方から絶大なる期待を寄せるという言葉がございました。まさにこの分野に実は次の時代へ向けましての地域の浮揚がかかっておると思うのでありますけれども、今回提案されております予算等々でも、実は私は高く評価しておるわけでございますが、通産省の方でいろいろな新規の予算、制度、あるいはNEDO等を中心とします融資制度あるいは税制というものが組み立てられておりまして、そういう点につきましては私は通産省のあるいは政府の努力というものを多とするわけでございます。 問題は、こういうものを駆使して実際に新分野開拓を行う、経営多角化を図っていくということに相なろうかと思うのでありますけれども、そこで私が心配しますのは、地域と企業と、あるいは市の上でございます県と国とが一体となって、手を組んで、情報をしっかりと共有して一つの多角化を検討する場といいますか、そういうものがなければ本当は大丈夫じゃないのじゃないかということを実は危惧するわけであります。 私自身もいろいろなところで経済界の方あるいは地域の方から、この炭鉱地域でこういうことをしたらいいんじゃないか、こういう知恵があるという話はよく、ばらばら聞きます。それなりにすばらしいアイデアが出るわけでございます。そういうときにもよく感ずるわけでございますが、いわば地域浮揚をかけたこの新分野開拓の点につきまして、自治体として、そういう企業、国、地域の連携というものにつきまして、その実施体制というか、何か御要望といいますか、そういうものがないのだろうかということを私、心配するわけでございますが、何か御意見ございますでしょうか。
○塩塚参考人 私ども稼行炭鉱を抱えます産炭地域といたしまして、実は、政財官、または労働界も含めた、地域振興を一体的に考えようというものを組織いたしております。ここでは今御指摘のように、それぞれの役割分担のあり方あるいはまた一緒に共同した働きかけの方向性、こういうことにつきまして、意見の集約なり運動の整合性というものを確保するように努力はいたしておりますけれども、御指摘のように、今後はさらに県あるいは国の方々の御同席のもとにこういった活動をやっていくことがさらに効果的だと感ずる次第であります。富永参考人ともこの後御相談を申し上げまして、さらによりよき御指導と御協力を賜れるような場づくりに努めてまいりたいと思います。
○古賀(一)委員 それでは、あと一点、先ほど、通産省も役所としては頑張っていただいたんじゃないかと私は評価しておると申し上げたのですが、その一方の、いわゆる要望する方の地域でございます。私、長らく地域振興といいますかそういう役所におりまして、要望を受ける側におったわけでございますが、そういう経験から照らしてみて、今後の、一番知恵を出すべきこの地域の開発というものを考えたとき、国の制度支援、予算、これはもちろんそうでございます、参考人の各皆様がるるおっしゃったとおりでございますけれども、でも原点としては、地域の企画力といいますか、どんどん国に具体に要望していく、そこが国を動かし制度を創設させる、そしてこの地域の問題を実際に具体的に解決していく道だろうと私は思います。 そういう面で、先ほどちょっと抽象的に申し上げましたけれども、今般の平成四年度の予算でも、あるいはプロジェクト施設整備支援調整費であるとか、あるいは有明海の水産振興に関しまして、エネ庁の方から産炭地域環境整備調査研究調整費というものも創設をされました。それからあと、NEDO、新エネルギー・産業技術総合開発機構の新分野開拓促進補助金、こういうのも創設をされたわけでございます。ぜひとも私は、これにとどまらず、今後の、あと十年あるわけでございます。待ったなしのサバイバルをかけた十年でございまして、そういう地域からの意気込みといいますか、何としてでも自助努力と企画力で国を動かしてみせる、私はそういう情熱をぜひとも期待したいし、それにこたえて我々も一生懸命国とをつなぐという仕事を働かなければならぬ十年だと思っておりますけれども、その点につきまして、ダブるかもしれませんけれども、再度、普通でございますと大臣の決意という言葉をよく聞くわけでございますが、地域としてのそこら辺についてのこの十年にかける意気込みといいますか、そういうものを、当然あるんだと思いますけれども、最後に副知事に一言お願い申し上げたいと思います。
○富永参考人 ただいまの御指摘、私全く同感でございます。国の大きな支援がなければ、この実施計画、実効性が上がらないことは当然でありますけれども、最後はやはり地域が自分らの発想で、自分らの力でこの地域をどうしていくか、そういう展望がなければ完全な自立てきる経済社会。はつくり得ないと思います。 そういう意味で、県独自としても、そういった地域の自主的な盛り上がりなり仕掛けなりが有効に機能できますようないろいろな仕掛けについて、県独自でも支援策を講じていきたいと思っておりますし、国の御指導もいただきながら、そういった方向で自主的な地域づくりが進みますように、私どもも今後とも最大限に努力をいたしたいと思います。
○古賀(一)委員 これで終わります。
○佐藤委員長 これにて古賀一成君の質疑を終わります。 続いて、中沢健次君。
○中沢委員 十分間の質問時間でございますので、本来でございますと、せっかくお越しの各参考人にいろいろお尋ねをしたいのでありますが、北海道の鈴木副知事に限りまして質問することをお許しいただきたいと思います。 午前中も三名の参考人に私も若干質問もし、お答えをいただきました。それで、鈴木副知事もよく御承知のように、昨年のことでありますが、産炭法との関連で、新政策につなぐ産炭地域振興の実施計画、北海道もいろいろ苦労されまして広域的に各ブロックごとの地方の具体的な声を積み上げて、それを通産の方に持ってまいられまして、通産としてはこの実施計画は既に確定済みでございます。 内容としては非常に多方面にわたる内容でありますが、率直に申しまして北海道としては、その中で重点的に特にこういう問題についてはぜひ急いで実現をしたい、幾つかあると思うのでありますが、その内容について少しくお話をいただきたいと思います。
○鈴木参考人 まず産炭地域振興実施計画において地元として特に御期待申し上げている主な事業についてでございますけれども、産炭地域振興実施計画は、産炭審の答申を受け、社会経済面において疲弊している産炭地域の振興を促進するために作成されたものと認識しております。したがいまして、国における新しい石炭政策の推進に先行する形で実施計画を着実に進め、石炭鉱業にかわる地域の基幹産業を育成しなければその目的は達成されないものと考えます。 このようなことから、実施計画において取り上げた事業は地域振興上どれ一つとして欠くことができない事業ばかりでありますが、強いて申し上げるならば、当面緊急にその実施をお願いしたいのは、まず企業立地促進や産業の振興を図るための産業基盤の整備を促進していただきたいこと、特に芦別などの工業団地の早期造成や道道夕張芦別線、開発道路旭川美瑛芦別線などの道路の整備促進を図っていただきたいこと、次に、産炭地域の活性化のためには観光資源の有効利用も重要でありますので、空知地域のリゾート開発を促進するため、産炭地に対する特別な措置として総合保養地域整備法、いわゆるリゾート法の地域指定をお願いしたいこと、さらに、炭鉱閉山跡地の有効な活用を図るため、炭鉱跡地の取得促進、不用施設の除却促進などについて、地元産炭地として強い要望があるところでございます。
○中沢委員 ありがとうございました。 それで、あすから本委員会におきまして法案の審議を始めるわけであります。私は二十七日の大臣質疑の中で、いずれにしても八次政策についての反省があって、そこから新政策の具体的な特徴的な政策の柱が出たんじゃないか、議論は十分かみ合っておりませんが、そういう議論をしてまいりました。で、先ほど来ございますように特に北海道は稼行炭鉱をまだ四つ抱えております。今残っている山の存続問題、企業としての新分野開拓、多角経営問題、それから、先取りした地域の振興策、そして雇用対策、この四つが本当にうまく結合していかなければ、これから十年間の政策についても、簡単に言えば仏はつくったけれども魂が入らぬ、こういうことにつながっていくのではないかということを私は危惧するわけです。 ですから、二つ目にお尋ねをしたいのは、そういうことを前提にして、特に地域振興でいうとかなり今度は制度も予算も新しいものを導入をしてきました。とりわけ、通産としては初めてでありますが、活性化事業に対する基金を三分の二補助をする、しかも八次政策で最大の被害を受けた北海道の空知管内を大きく重点的に考えよう、もちろん九州も当然あるわけ一でありますが。問題は、そのことについては私は、大変すばらしいことだし、これからの事業展開も含めてうまくやっていただきたいのでありますけれども、今、道議会開会中だと思います。道予算も知事から提案されて審議されていると思いますが、活性化事業基金について道側も、受け皿といいましょうか、これがどういうふうに準備をされているか。 既に、かねて大臣にも言いましたけれども、例えば夕張では国際映画祭をやっている。芦別ではカナディアンワールドという事業もやっている。それから土砂川では、無重力実験センターに付随をする、今度は新しい無重力プラザ構想も地元的には陳情もされている。私は、そういうところには国は直接、今の制度、予算の中ではてこ入れをすべきだけれども、今度の基金制度の中でも、そういう事業については支援の対象にすべきだと思うのでありますが、そういう内容について、ひとつ具体的な見解もぜひお聞かせをいただきたいと思います。
○鈴木参考人 前段に先生から御指摘がありました現存炭鉱の存続などにつきましては、先ほどの意見陳述でも申し上げましたが、稼行炭鉱を抱える地元といたしましては、石炭鉱業が現在もなお地域の基幹産業として社会経済、雇用面などにおきまして地域を支える大きな役割を果たしておりますことから、基本的にその存続、安定を強く願っているところでございます。 また、活性化基金についてでありますが、この基金は、第八次石炭政策において大きな影響を受けた空知五市一町の振興を図るため国の助成を受けて造成するものでございますが、現在北海道で開会しております道議会に、平成四年度予算案として二十四億七千五百万円を計上して御審議をいただいているところでございます。また、その運営は、基金の運用によって得られた果実を地域振興に資する事業に充てようとするものであります。したがいまして、具体的な対象事業につきましては、基本的に関係市町など関係者の要望を最大限反映させる必要があると考えておりますので、今後、国の御意向を踏まえながら、空知五市一町を初め関係者の意見を伺い、検討を進めてまいりたいと考えております。
○中沢委員 ありがとうございます。 最後、三番目の質問でありますが、産炭地財政についてお伺いをしたいと思います。 先ほど、鉱業市町村会の山本会長の方からも産炭地補正問題に触れて発言がございました。実は私は地方行政委員会という常任委員会に所属をしておりまして、五十一年から始まったこの補正が来年度で切れる。新しい角度で自治省は、出先の北海道だとか福岡だとか、産炭地の市町村を含めて、じっくりひとつ研究をして新制度をつくるべきだという指摘をして、大臣の方からもそれなりの前向きのお答えもいただいています。ですからこの際、北海道も福岡も、都道府県レベルもそうでありますが関係市町村も、具体的に、産炭地補正については残してもらいたい、あるいは見直しをしてもらいたいということだけではなしに、こういう実態で困っているからこういう内容でやってもらいたいという、具体的な共同研究ですとかあるいは提言をぜひやっていただきたいと思います。 同時に鈴木さんにお尋ねをしたいことは、いずれにしても、産炭地補正だけでは、とてもじゃありませんが産炭地財政、大変でありますから、道側として、国に対して具体的にどういう財政問題についての御期待を持っておられるか、最後にお尋ねをしておきたいと思います。
○鈴木参考人 財政支援の具体的な方策についてでございますけれども、人口の激減に伴う地方交付税の大幅な減少を緩和するために行われている人口急減補正などの補正措置の充実強化を図っていただきたいこと、また、過疎対策事業債の優先配分や地域総合整備事業債の産炭地特別枠の設定のほかに、産炭地域振興臨時交付金の充実など、産炭地市町村の財政支援の強化をお願いしたいと存じております。
○中沢委員 ありがとうございました。終わります。
○佐藤委員長 これにて中沢君の質疑は終わります。 続いて、中西績介君。
○中西(績)委員 まず、時間がございませんので大変恐縮なんですけれども、できるだけたくさんのことをお聞きしたいと思いますので、簡明にお答えいただければと思います。そして、きょう、こうしておいでいただきましたことに対して、まずお礼を申し上げたいと存じます。 そこで、私は一番最初に特別会計について、先ほども言われておりましたように、財政の安定財源をどうするかという問題等があるということを言われておりましたけれども、恐らくすべての皆さん大変御心配なされておるのではないかと思っています。そこで、宮永、山本、両参考人にお聞きをいたしますけれども、お二方、石鉱害に入って、そうした討論の中にもおられたのではないかと思っていますけれども、石油関税基本税率ゼロになりまして、実行税率が五年間三百十五円、残る五年間二百十五円ということになり、石油製品関税は二十ないし五十円引き下げ、そして平成五年以降は再見直しをしていくということになっています。いずれにいたしましても、十年、合計すると約八千五百億ぐらいになるのではないかと思っていますけれども、こうした安定財源で足り得るか、なり得るかということを私も危惧をいたしております。その点、御論議の過程におきましても大丈夫とお考えになられたかどうか、お答えいただければと思います。
○富永参考人 産炭地の振興対策、あるいは石炭鉱業の安定対策を実施するためには、何としてもその前提となりますのが財源でございます。そういう意味で、この石炭勘定、主要な財源になっているわけでありますが、御指摘のとおり、昨年末の関税率審議会で、大変諸般の情勢が厳しい中で原油関税等が十年間存続をしていただけるということをお決めいただきまして、その点、私ども実は大変感謝を申し上げております。 ただ、御指摘のように税率が段階的に引き下げられるということでございますので、財源の方は多少の減少は避けられないかと思っておりますが、本県として、これによりまして今後の産炭地振興施策等にどういうふうな影響を与えるかということについて、そこまでまだ精査ができておりませんけれども、いずれにいたしましても、産炭地振興施策等に欠かせない財源でございますので、そういった施策の実施に支障が出ないようにぜひとも安定的な財源の確保を図っていただきたい、図っていただけるものと期待をいたしておるところでございます。
○山本参考人 財源の問題なんですけれども、法律を立法するときに、財源についてはこれなりの財源であればということで考えられるものだと私は思います。したがって、三百十五円になっても、その三百十五円で補い得る計画的な事業の実施をすることによって安定的な確保ができる、こういうことになるんじゃないかな、こういうふうに私ども思っておりますが、五年間一応経過をしてみて、五年後にもう一回再検討してみれば、これで十分かどうかというのはわかり得ると思うので、今のところ私は、五年間はまあ信頼をすべきじゃないだろうか、そういうふうに思っているところでございます。五年後に再検討したときに軌道修正すればというふうに考えているのですが、まだ実施をしておりませんので何とも言えませんけれども、そういう考えでございます。
○中西(績)委員 もう少し申し上げたいのですけれども、時間もございませんから、お聞きすることにとどめておきたいと思います。 そこで私は、鉱害問題に絞りましてお聞きをしたいと思います。 先ほどもちょっと出ましたけれども、有資力鉱害、午前中の日本石炭協会会長からの答弁では、これは三井石炭だろうと思いますが、五年を目途に終了させたい、有資力鉱害についてはこういう答弁があっておりました。ただ、このおくれた理由の中に、被害者との合意がなかなか得られないということを言われておるわけですね。 そこで、この鉱害処理体制、先ほど山本参考人からも、あるいは宮永参考人からも言われておりますが、これを強化するということになりますけれども、鉱害事業団の体制強化、あるいは鉱害処理業務の簡素化、改善化ということを言いますけれども、この点で最も重要な具体的なものを指摘をしていただければと私は思います。特に、先ほど申しました同意が得られないという事柄等については、これは絶えずどこにもついて回るわけですね。したがって、そうしたことも含みまして、簡単で結構ですから御指摘をいただければと思います。お二方どちらでも結構です。
○山本参考人 僭越ですが、私からお答えをさせていただきます。 その体制の強化なんですけれども、非常に矛盾したことになり得ると思うのですけれども、法律の期限が十カ年と定められますと、十年でこの石炭鉱害事業団というものがなくなってしまう、こういうことになるわけですから、言い方を変えますと、働いている人たちが自分たちの将来はないのだということになりますと不安が起こりますから、能率の低下が来ると思います。 そこで、考えていくことはこういうことだと思うのです。やっている仕事で民間委託のできるものは、できるだけ民間委託をしてしまう。事業団としては指導、審査、監督、そういうやらなければならない事務だげをやっていくということでいけば、人員も割と少なくて、しかも能率を上げる。ことができると思います。もう一つは、市町村との連携それから市町村の協力というものを強めていくということが大事じゃないでしょうか。そうしますと、この三つの、三者の面が一つになりますと、非常。に体制が強化されていく、私どもはそういうふうに見ております。
○中西(績)委員 そういたしますと、先ほどから出ておる同意の得にくい部分、そうした問題等について、ある程度これが解消するとお考えですか。
○山本参考人 同意については、これはもう利害の対立のことでございますから、その利害の対立をどう解消していくかということになりますから、それで必ずしも単純に同意がさらに増加していくということにはならないかもしれませんけれども、少なくとも市町村と連携協力をすることによって不同意のものがかなり解消されていく、こういうふうに私は思っております。
○中西(績)委員 そこで、荒牧参考人にお聞きします。 先ほども言われておりました鉱害処理業務、なかんずく認定業務が非常におくれておるということの指摘等があっておりました。そのほかの例としてたくさん、いろいろ挙げられておりましたが、この点で、先ほどから言われております同意を得られないその理由というのは、利害の対立は確かにあると思いますけれども、事業団なりあるいは通産、主体者の側の関係からいたしますと、被害者の側から見たときに、どこら辺に問題があるということを御指摘できますか、お答えください。
○荒牧参考人 ふなれでございますので適当かどうかわかりませんけれども、地権者の同意ということをお尋ねのようでございますが、その原因は主に復旧の計画高に問題があるようでございます。例えば、遠賀川の支流がほとんど鉱害地区でございますけれども、遠賀川の洪水の出たときの水位と農地の復旧の高さ、せっかく上げていただいたのに洪水のためにまた水没するというようなことがないように、そこで農民としては非常に神経を使っておるようです。 ちょっと余談になりますけれども、私ども被害者から考えますと、関係行政機関と地権者、被害者の距離がどうもちょっと遠過ぎるような気がいたします。御承知のとおり、日本は法治国家でございます。もちろん法律は守っていかなければいけませんけれども、さっきどなたかから質問が出ておりましたように、その運用面におきまして、情があってもいいことはないということで、関係。省庁との対話の機会がなかなかとれない。 それで、適当かどうか知りませんが、私どもはこの際、どうしても解決しなければならないということになると、先ほどから山本町長さんからもお話がございましたように、市町村に仲介的な権限もある程度与えていただいて、そして根本的にお互いの意思の疎通を図りながら英知を結集して、地権者としても正すべきところは正すというようなことでやってまいりませんと、認定問題もそうでございますけれども、これは否認だということだけではなかなか承諾はいきませんので、また再度認定を申請するというような現在の様子を見ますと、たらい回しみたいな格好で、提出すれば否認をされる、また提出するというような格好で、非常に申請件数が多いということも聞いております。科学調査を必要とする場合は、そこでその原因、どういう原因でどこがどうあってこれは認定できないというような明らかな根拠があれば、これは私どもも組織をお世話する意味において説得ができるわけですけれども、ただ否認だけでは素人にはなかなかわかりにくいという点が、各地で総会ごとにそういう話が出ております。そういうお互いに意思の疎通を図るということが今後の鉱害の早期復旧を図る意味において一番大切な原点じゃないかと考えます。
○中西(績)委員 もう一点、鉱害処理対策強化ということについてそれぞれ御意見がございましたけれども、特に赤水、湧水対策とか効用未回復問題あるいはがんがい排水施設の維持管理体制等、挙げていきますと懸案処理しなくてはならない問題がたくさんあるわけであります。これらの問題について、自治体の側から、被害者の側からこのようにしてほしいという具体的なものを、例えばかんがい排水の維持管理体制はこれからどうしてほしいとか、こういう点をそれぞれ御指摘いただければと思っています。最初に、富永参考人からいただきましょうか。——富永さん、わかりにくいですか、わかりにくいなら山本。さんの方からお願いいたします。
○山本参考人 私からお答え申し上げさせていただきます。 赤水、湧水については、現在二カ所が赤水処理施設をつくられております。これは御承知だと思うのですが、三井と日鉄だと思います。あと、まだ十二、三カ所ぐらいが今から調査をしてどうするかということを決めていかれるという計画のようでございますから、さてこの赤水をどこまで処理するかということが問題だと思います。すなわち、その赤水を純粋な水に変えてしまうような措置をして何かに使うのか、それとも無害なものにして放流してしまうのかということによって施設そのものが大いに変わると思いますし、鉱害というものの復旧の範囲がどこまでかということの考え方もあると思うのですけれども、いずれにしてもかなり具体的に進めていこうという計画を立てられておりますから、それはそのまま実行していただければと思っています。 それから次に、かんがい排水なんですが、これはポンプだとかあるいは井せきですが、こういったものが福岡県全体で百五、六十くらいあると思います。これは規則で決められてありますが、市町村に引き渡すようになっております。鉱害復旧が完了したものについては市町村に引き渡すようになっておるのですが、これは引き渡すのはいいのですが、ではいつまでですかというこの期間というものが全然定められておりませんから、一応これくらいですという目安を立てて引き渡すことになるわけです。そうしますと、その時間が過ぎてしまいますと、その後は市町村の責任ということになってくるわけですから、市町村側も引き取るとしてもこれだけのことをしてほしいというものがないと引き取るのに簡単にはいと言えない。 それはどういうことかといいますと、基金を渡すことになっております。こういうような制度になっておりますから、その基金の額が適当かどうかということなんです。かなり施設が古くなっております。ポンプにしましても古くなっていますから、これはいつまで耐用命数があるかということ、それら計算をしながら、それからその次は、これくらいあれば油代、電気代あるいはその後の修理を入れて維持管理費は適当であろう、こういうふうに計算をされて出てくる数字だけでは、そう今の時点で計算されたものがずっと将来にわたってそれで適切であるということは言えないわけですから、ある程度物価スライドを考えていく必要があるんじゃないか、そういう点。 それから三番目は、金利なんです。要するに基金ですから果実で運営することになるわけです。金利が今のように不動じゃなくてしょっちゅう動いているわけですから、恐らく七%以上の設定ではないか、こう思われますが、それよりも下がったときにだれが補てんするかということになるわけです。この金利の設定が非常に難しいと思いますので、十分賄い得るような金利の額にする必要がある、こういうことになるわけですから、基金の額が、算定をするときに単純にぽんと今の金利だけで決められないようにしてほしい、こういうことでございます。 言うならば、それらの三つが満たされるならば引き渡しもかなり進行していくんじゃないかというふうに思いますので、国の方も今度の平成四年度の予算案にはそれを要求をしていただいているようですから、果たして実際にはどういうふうになっていくかわかりませんけれども、そこらあたりの御配慮がいただければな、こういうふうに市町村では考えているところでございます。 それからもう一点は、特鉱という時代があったんです。特別鉱害というのがあったんですが、そのときにつくられた井せきがございます。これが引き渡しが終わってない、あるいは完結をしていないものもありまして、かなりこれが大きい河川にかかっている場合のもので、まだ懸案になっているものがあるように聞いておりますので、そこらあたりの解決をしないと完結しないんじゃないか、こういうように思います。 以上です。
○中西(績)委員 そこで、荒牧参考人に効用未回復問題で、どのようにすれば鉱害処理対策の強化になるのか、この点をひとつお聞かせいただくことと、それから、先ほど山本参考人が言われておりました、通産大臣は特定鉱害復旧事業を行う特定法人を設立させるという、これを言っておりましたけれども、私は鉱害事業団があるんだから、これをさらに縮小してでも存続させることの方が、既に技術的にあるいは経験豊かな人たちがおるわけですから、その方が新しい法人指定をすることよりも有効だと考えますけれども、この点についてお答えいただければと思います。 荒牧さんの方からお願いします。
○荒牧参考人 効用未回復問題について今後どういう考えを持っておるかというような御質問でございます。 主に農地の場合でございますけれども、先ほども申しましたように、地下の流動的な要素もございましょうし、それから異常沈下の場合もございます。それから盛り土の非常に深いところは、何十年もそのままということではなくして若干下がる率が多いということになるわけですけれども、湿田問題につきましては、その後において暗渠排水工事というものをやっていただいて、そして湿田は解消する、これは非常に効果がございまして、非常に結構な話と思いますけれども、なかなか進捗率は遅い。どれもこれもというわけにはいかぬでしょうけれども、なかなかその進捗が遅いということで、非常に効用回復がおくれておるということが現状でございます。 それから、構造物、水路その他につきましても同様でございますけれども、これもなかなか思うように、進捗が遅いために効用回復がいまだに残っておるところはたくさんあるというような現状でございます。
○山本参考人 お答え申し上げます。 石炭鉱業審議会から答申されておりますように、これから十年以内に累積鉱害が全部解消するだろう、こういう見通しで答申されておりますので、私どもの経験からいきますと、よほどのことがない限り、一番大量に残っております福岡県でも十年以内に累積鉱害は解消し得るんだ。それは特別なことがあれば別ですけれども、私はそういうふうに信じております。 それで、その累積鉱害の解消後に起こり得る未発生鉱害、すなわち浅陥ですね。浅陥というのはいつ起こるかわからないわけですから、このためにずっと今の体制を残していくということは難しいのじゃないか。したがって、それぞれが希望するならば、申請ですから希望するならば、浅所陥没等の処理についてはそれぞれの県が法人をつくってそれを処理していただければ、その法人を指定しようというのが趣旨のようでございます。ですから、法律がもう最後の法律延長だ、こういうふうに言われておりますので、事業団を存続させるということになるとまた法律を延長さしていくということしかできない、私どもそういうふうに認識をしておりますから、ちょっと申し上げにくいのですけれども、指定法人で自分のところはこれでやりましょうということで県がみずから判断をして申請をするわけですから、嫌な場合、したくない場合は申請しなければ法人はできないわけですね。そういう制度になっているわけですから、そして私の方でやりますという申請があって法人に対して指定をするわけです。 ですから、ではこの浅陥の処理はこの法律が失効後だれがするのかということになると新たな議論を呼ぶことになるわけですし、同時に、一つは地域の皆さんたちに対して不安を抱かせたままになる、こういうことになりかねないと私は思いますので、むしろ、これは累積鉱害が解消後ですから、一般の鉱害がなくなった後の処理ですから、そういうような法人で処理をしていってもいいんじゃないかな。ただ、それだけでこの指定法人が動くということよりも、それ以外の地域振興などのいろいろなプロジェクトを考えたり、あるいはイベントなどに積極的に参加するような、そういう法人になっていけばむしろ適切ではないだろうか、そういうふうに私は思っておるのですけれども、我が福岡県の場合は最大限十年後の話ですから、とても今からこうなりましょう、ああした方がいいですよというようなことについては言明することはできないと思いますが、現時点から判断するならば、それしか、ほかによき方途がないんじゃないか。 もちろん、それもちょっと私も何とも言えませんけれども、今先生の御指摘なさいました、事業団をと、こう言っていますが、私もむしろ事業団がそのままそこへいけばという考えを持っているところで、これはあくまで個人的な私の意見でございます。 以上でございます。
○中西(績)委員 終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて中西君の質疑は終わりました。 続いて、細谷治通君。
○細谷委員 参考人の皆さん、大変御苦労さまでございます。時間の制約もございますし、私は三池炭鉱の出身でもございますので、本日は富永参考人、塩塚参考人、御両所に御質問を限定させていただくということでお許しを賜りたいと思います。 まず第一に、国内炭の生産維持に対する基本的な考え方、要望といいましょうか、そういうことについてお尋ねをいたしたいと思います。 先ほどの参考人の陳述の中で、県の立場として宮永参考人は、高水準の均衡点を目指していってもらいたいという、いわば稼行炭鉱維持、三池炭鉱維持存続の切なる願いというものがこの中に込められていたのではないかと私は受けとめたわけであります。 ところで、大牟田市の塩塚参考人の陳述の中では若干、先ほど敷衍して御説明はございましたけれども、冒頭の陳述の中では若干その辺について、私の聞き漏らしかもわかりませんけれども、多少ニュアンスの違いを感じたのかなという感じがいたしました。どちらかというと構造調整のソフトランディングに重点を置いた、そういう感じがいたしたわけでございますけれども、その辺について、まず塩塚参考人の見解を承りたいというふうに思います。 と申しますのも、私ども地域でいろいろ聞いております感じでは、大牟田の町は石炭の町としてこれから生き残っていく、そういうことではなく、やはり石炭もある町という形でこれから町の発展を図っていこう、そういうムードというものが高まってきているというふうに思うわけでございます。そういうことでございますので、我々としてもそういう市民の切なる願いに沿ってこれからも頑張ってまいらなければならぬというふうに考えておりますので、その辺について、市長という立場でもございますので、ちょっと御見解を賜れればと思っております。
○塩塚参考人 先ほどの陳述の中でも、石炭産業、すなわち当地では三井三池炭鉱でありますけれども、大牟田市にとりまして基幹的産業であり、その動向は地域経済社会に大きな影響を及ぼすものでございますので、その維持存続につきまして特段の御配慮をお願い申し上げます、こういう陳述をさせていただいたところでございます。 先生よく御承知のように、大牟田市議会も全会一致で三池炭鉱の維持存続について熱望をいたしておるところであります。もちろん当大牟田市行政につきましても、市民挙げての御支援の中にその存続運動を今日まで展開をいたしております。今回の新しい石炭政策の中では均衡点までの縮小、さらには生産量を明示せずということで、これまでの私どもの運動からいたしますと大変残念な結果とはなっておりますけれども、新しい石炭政策のもとで、どうしてもできるだけ高い水準での均衡点というのをぜひ早くいろいろな努力によって見つけ出していただきたい、私どもはこのように考えております。 そして、先ほども申し上げましたように、今回改正をされます石炭鉱業合理化臨時措置法に認められております石炭企業等が行う経営多角化あるいは新分野開拓への国の支援が、この均衡点を早期に見つけ出す一助になればと私ども心からこいねがうわけでございますし、また、これも先ほど陳述を申し上げましたように、私ども地域が提唱いたしておりますワールド・コール・テクノセンターを通じてのエネルギー確保への貢献、こういったものもまた均衡点確保の一助になればという願いでございます。 いずれにいたしましても、当市におきましては、石炭もある町、すなわち石炭産業維持存続をお願いをしながら、また同時に産業構造の多重化というものを図っていく決意でございまして、絶大な御支援を賜りたいと思う次第であります。 以上でございます。
○細谷委員 御決意のほどはよくわかりました。 と申しますのも、実は産炭地振興実施計画がつくられたわけでございますが、もう皆さん御承知だと思います。県の段階でつくられました素案の中のいわば国内炭の生産体制維持に係る文言というのはすべてカットされておりまして、すべて構造調整を進めるという言葉に変えられておるのは御承知のとおりだと思います。そういうことでございまして、そういうことでは、我々の考えております熱意、希望というものと今度つくられた実施計画の間に大分乖離があるということですね。私どもはこの辺を十分踏まえて今後の運動につなげていかなければならないということが非常に大切だというふうに思うからそういう指摘を申し上げた次第でございます。 次に、富永参考人にお伺いをいたします。 実は鉱害復旧事業の一環といたしまして、既に有明海の海底陥没につきましては三井石炭企業によります土砂の埋め立てがずっと行われてまいりまして、それから一部漁業補償というものも行われておるわけであります。しかしながら、これでは漁場の復旧ないし被害の救済ということでは不十分だということで、今般県の段階におきましていろいろと調査研究のための機関、協議会をつくって、今鋭意その具体的な復旧計画をつくっておられるというふうには聞いております。 その中で、有明海にたまっておりますヘドロは大変大きな漁業被害を呼んでおりまして、それを今度は、専門用語で言いますと覆砂による漁場の改善と言うそうでございますけれども、こういう計画を、県が主体になって水産庁の協力のもとに進めようという計画がなされているというふうに聞いておる次第でございます。この計画について少しく御説明をいただき、県としての取り組みをここで述べていただきたいというふうに思います。 と申しますのも、私は過日の、二十七日の石炭対策特別委員会でこういう計画が県にあるのだということを申しまして、そして水産庁の協力を要請いたしました。水産庁といたしましては県とよく連絡をとっておりますというお話でございまして、ただ今の段階は来年度の予算が決まっておりませんので何とも申し上げられませんけれども、もう前向きにぜひ検討してまいりたいという答えをいただいております。そういうこともございますので、この県の計画について現状を御説明いただければと思います。
○富永参考人 御指摘の有明海の海底にたまったヘドロ対策でございますが、この筑後産炭地域経済生活圏におきましては、この地域、水産業にとりまして大変有望な高密度な漁業生産が行われておりまして、中でもノリとかアサリが主力でございますが、全国でも有数の高密度、生産性の高い漁場でございます。ところが、最近底にヘドロといいますか、川の水の流量の影響もありましょう、いろいろな水質汚濁の影響もありましょう、いろいろあるのでしょうが、底質が次第に悪化をいたしてまいっておりまして生産力が次第に低下を来しております。そういうことでアサリとかクルマエビ等の底生生物に影響が出ております。そういうことで、古来からずっと育っておりますこの干潟が持つ環境浄化能力も低下してきておるということが危惧をされておるわけでございます。 これの対策といたしましては、おっしゃられるように海砂をかぶせて海の浄化能力を回復をするということが有効であろうということでございまして、私どもとしては国、農水省・水産庁の方にお願いをいたしまして大規模漁場保全事業あるいは海洋環境浄化再生事業ということで、できれば平成四年度にも事業費ベースで二億円くらいの事業を御採択いただけないであろうかということで話を持ち上げて要望いたしております。
○細谷委員 同じ地域の、今度は海ではありませんで陸上部分でありますけれども、大和干拓というのがありまして、この陥没問題というのが実はあるわけであります。まさに雨季になりますと万年冠水田といいましょうか、大変な被害が出るということで、言葉は、語弊がございましょうけれども、欠陥干拓ではないかと地元では言う人もいるわけでございます。これについては原因は必ずしも明らかにはなっておりません。そして、これについては一部ではありますけれども、訴訟ざたになっているということでもあるわけです。いずれにいたしましても、この地域の農民にとっては大変大きな問題になっているわけであります。農業被害それから家屋等に対する被害も出ているという状況であります。農民の皆さん方の声を聞いてみますと、中には、もうこの干拓地から離農しようというふうな声も聞こえるということでございます。 今回の産炭地振興実施計画によりますと、この大和干拓、有明海の陸地地域の陥没対策というのが、実はこの中に取り上げられていない、どこを読んでも書いてないわけですね。これについては一体どうして取り上げられなかったのか、どういう問題があるのか。私は、これは有明地域の産炭地振興ということでいえば大変大きな問題ではないかととらまえておるわけでございますけれども、そういう観点から申し上げまして、県としてのお考えをお尋ね申し上げたいと思います。
○富永参考人 おっしゃられるように、この陸地部の地盤沈下の問題については、そういうことで取り上げられてはおりませんが、私どもは、従来からこの地盤の沈下対策はこれらの産炭地域の振興にとりまして大変重要な課題であるというふうに認識はいたしておりまして、そういった面でこれら対策に取り組んでまいってきておるわけでございます。 御指摘のように五十年代の最初から次第に目立ってまいりましたこの沈下現象、いろいろ学者の先生方を集めた委員会でも原因を究明いたしてもらいましたが、御指摘のような形で特定ができないで現在まで至っておりまして、現状では、とりあえず干拓農地等につきましては客土でありますとか湛水防除事業等の排水事業、そういった土地改良事業をずっと連年しかけてきておりますけれども、御指摘のように一部の農民の方々はそういう訴訟に持ち込まれているような状況でございます。 例えば、大和町等では町の内部に大和干拓総合整備調査研究特別委員会というようなものを設置をされて、そこでこういった農地を将来ともにわたってどういった有効な活用方策があろうかというような形で、町のレベルでも御議論がなされておるようでありますし、それから県庁内部におきましても、農政部を担当する副知事をキャップといたしまして県政としてこの問題にどう取り組んでいくかということを庁内の関係各課が集まって、従来窓口がとかく明らかでございません、そういった非難もありましたけれども、そういったことも受けまして、総合的な対策協議会を県庁内部でも発足をさせております。いずれにいたしましても農民の方が安心して営農に取り組めるような施策を県としても考えていきたいと思っておりますので、よろしくお願い申し上げます。
○細谷委員 原因がわからないとか一部訴訟が係属中であるからといってこれが放置されるということになっては、現にそこで農業を営み、生活を営む住民にとっては浮かばれないわけでありますので、ぜひこういう問題も、ひとつ産炭地振興にとっては大変大きな施策なんだという観点から取り組みの強化をお求めをしておきたいと思います。そしてまた、国に対してもそういうことを強く要求をしていかなければならないと決意しているところであります。 さて次に、これは富永参考人、それに塩塚参考人、両所にお尋ねをいたしたいと思いますけれども、西鉄の大牟田線そしてJR鹿児島線の大牟田市内、市街地における立体交差の問題であります。 私は、ほかにもたくさん大牟田地域振興のためにやらなければいかぬ各種事業はあろうかと思いますけれども、最大のインフラ整備というものは鉄道、あえて私は申し上げますけれども高架化ではないかというふうに考えております。事実この産炭地域振興実施計画の中にも本問題を、立体交差化というテーマでありますけれども、お取り上げいただいているわけでありまして、ぜひこの一日も早い実現を図って、まさにこの大牟田地域の産業のインフラの根幹になる鉄道高架の問題を一日も早く片づけなければならないというふうに考えているわけでございます。 今日までの取り組みについて県、市、それぞれお互いに密接な連携をとりながら計画づくりをされていると思いますけれども、その現状と、そして国に対する要望があるのじゃないかと思います。それについてお聞かせをいただきたいと思います。
○富永参考人 御指摘の大牟田駅周辺の問題でございます。鉄道によりまして遮断をされております都市交通の円滑化と安全確保、それから駅周辺の市街地の健全な発展、整備のためには、やはり御指摘のように鉄道の高架化あるいはその道路の立体化というものの施策が必要である、県としてもそういうふうに認識はいたしております。それで、現在、大牟田市と共同で平成三年度におきましては基礎調査を実施をいたしております。その報告を待ちましで、今後の大牟田市の町づくりの方向性を見出していきたいと考えております。よろしくお願いいたします。
○塩塚参考人 大牟田市内中心部のJR、西鉄とのいわゆる立体交差化の推進ということで、先ほど陳述の中でも、地域活性化に不可欠の事業として明示もさせていただいております。 ただいま富永参考人のお話にもございましたように、現在、福岡県と御一緒に大牟田市も金を出し合いましてその調査を進めておるところでもございます。御指摘のように、この問題につきましては大牟田市議会でもたびたび市民の熱い声として、私ども、一日も早い実現方を要請をされておるものでございます。現在、調査は、立体交差化ということで、オーバーパス、アンダーパス、いろいろな手法、また事業費も含めて検討をさせていただいております。 かつて大牟田市財政は非常に長く不如意でございましたので、その事業費の捻出に至らず今日まで未整備でございますけれども、この調査結果を得まして早急に県御当局と御相談の上に、私ども、一日も早い実現に努力をさせてもらいますし、その際には、当然でありますけれども、国の絶大な御支援がなければ進まない、かように認識をするものでございます。 以上です。
○細谷委員 最後に一つだけお尋ねをいたしたいと思います。塩塚参考人にお願い申し上げます。 大牟田市は、今全市を挙げて、大牟田市の産業構造の多角化に取り組んでおられます。そして、その成果というものは着々と出てきているというふうに私は評価をしているところであります。これからさらにテンポアップしてこれを進めていく必要が実はあると思うわけであります。 さて、この新石炭政策の中で、例えば石炭企業の経営の多角化、新分野開拓といっても、実現する上ではいろいろ多くの困難な条件があると思います。先ほども陳述の中でおっしゃっていましたけれども、この八次策下では、三井石炭の例でいいますと、四社、百二十六人の雇用開発ができたということであります。ある意味ではその努力は多とするわけでありますけれども、全体の需要から見れば微々たるものである。したがって県外に出て就職せざるを得ないという人も大変多いわけであります。今度のこの新石炭政策の成否というのは、まさに私は、こうした経営の多角化、新分野開拓、そして新規の雇用開発ができるかということにかかっているのじゃないかと思うわけです。 これまでの経験を踏まえて、地元の市長という立場で、いろいろと問題があると思うのですけれども、困難な条件があろうと思いますけれども、障害となる条件、一体何が障害になっているのか、これを推進する上で何が一番大きな障害に。なっているのか、困難な理由というものは何だろうかということを率直に、おわかりになっている範囲で結構でございますので、お答えをいただければというふうに思います。
○塩塚参考人 当地域におきましても、八次策の過程で四社、百二十六人の事業展開がなされたという話をさせていただいております。もちろん、新しい石炭政策の中でもさらに制度の御支援を得まして、石炭会社等に経営の多角化、新分野開拓というものを進めていただかなければならない、私どもこういう願いを持つわけでございまして、これがまさに産炭地振興政策であり、離職者対策であり、また、経営の安定を通じた炭鉱の存続に つながる、私どもはこのような認識を持つものであります。 さて、これまでなぜ進まなかったか、市長としての考えをお尋ねでありますけれども、私率直に申し上げまして、親会社も含めましていわゆる石炭会社というのは、新規事業を展開するに当たりまして事業資金というものの捻出が非常に苦しかったのではないのか、また新分野開拓ということでございましても、これに対します企画力あるいはマーケティングリサーチ力、さらにはその周辺を取り巻くいろいろな整理が当然必要でございまして、こういった調整能力、これらが総合的に問われるわけであります。これまで石炭を中心に展開をされました企業でございますので、当然そういったものの蓄積は私は渋かろうというふうに思うわけでありまして、これらがすべてうまくいくためには、会社みずからが努力されるだけではなくて、やはり三井グループに位置する三井石炭鉱業でございますので、あるいは親会社としての三井鉱山でございますので、グループ全体もまたこれに深くおかかわりの中で発展してきておりますから、総合的な御支援というもの、また御理解というものもいただくならば、そういった新しい展開というものはさらにやりやすくなっていくのではないかというふうに私ども思うわけであります。 また、先ほど来申し上げておりますように、これまでの事業展開というのは非常にまだ微々たるものでございますし、今後におきましてはできるだけ産炭地の地元でやっていただきたい。それがまさに、地域が挙げてこういう新事業展開を、場合によっては競合する業種が出ても、これは御支援しようという空気の醸成につながるわけでございますし、事の成否、その事業展開がうまくいくということにも非常にかかわろうかと存じ上げますので、そういう地元での具体的な展開というものをさらに国でぜひ御指導賜りたい、このように思うものでございます。
○細谷委員 ありがとうございました。 現在の国内炭の生産体制をぎりぎり守っていく、そして、疲弊した産炭地域を振興させるために今後とも御努力をいただくことを心から祈念申し上げます。そして私どもも、国政の場で手を相携えて、その目的を達成するために頑張ることをお誓い申し上げまして、私の質問にさせていただきます。ありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて細谷君の質疑は終わりました。 続いて、東順治君。
○東(順)委員 参考人の皆様、大変御多忙の中を足をお運びくださいまして、また、先ほどは大変貴重な御意見を御開陳いただきまして、まことにありがとうございました。何人もこの場で御質問。させていただいておりますので、重複する箇所も出てくるかとは思いますが、お答えをお願いしたいと思います。 最初に、副知事の富永参考人、よろしくお願いを申し上げます。 福岡県が抱える産炭地としてのさまざまな問題をるるずっと述べられました。三池の問題あるいは筑豊の鉱害の問題、労働者雇用の問題等々、大変深刻な状況を述べられまして、そういう中で、これから福岡県としてどのように振興策を図っていくかということでございますが、今筑豊に大きな運動として起こっておりますJR篠栗線、筑豊本線、この問題についてまずお伺いしたいと思います。 何とか第三セクター方式でやれないものだろうかというようなことで、着実な推進を今図っておられるようでございますけれども、そこまで設置のめどがついた。しかし、いよいよこれからそれが本当に実現へ向かうかどうかということが、極めて大事な段階に入ったわけでございます。そこで、今後どのような取り組みをなさっていくのか、あるいは国への働きかけ、こういったことをどのようにお考えになっておられるのか、お伺いしたいと思います。
○富永参考人 御指摘のJR九州篠栗線、それから筑豊本線の電化・複線化の問題でございますが、これらの両線、いずれも産炭地域と福岡都市圏、北九州都市圏をつなぐ基幹鉄道網でございます。産炭地域の発展のためにはその電化・複線化というものは欠かせない課題であると私ども認識をいたしております。これまで、沿線市町村におかれましても、いろいろな協議会とか期成会とかをつくられて、事業化につきましての機運がかなり盛り上がってまいってきておったところでございます。一方、私ども行政ベースでも、国あるいは関係の市町村、それからJR九州と、技術的な面、経済的な面、いろいろな検討をこれまで重ねてきたところでございますが、現時点では、これにつきましては、一応、第三セクターをつくりましてそれによって事業化を進めていこうというふうな考え方を今いたしておりまして、国におかれましても、平成四年度予算でこの予定されておる第三セクターに対する出資の枠を予定されておるわけでございまして、県といたしましても、平成四年度予算で県の出資三億円を予定をいたしております。 ただ、これの電化・複線化につきましては多額の事業費を要するわけでございまして、これの実現に当たりましては、関係諸団体、なかんずく国におかれましても絶大なる御支援をいただかなければ実現がかなわないという面が強うございますので、そのあたりも含めまして、地元の官民の組織を糾合いたしまして推進体制をつくり上げていきたいと思っておるとこうでございます。
○東(順)委員 もう一点お伺いいたします。 先ほど、自立的経済社会への振興ができますように、この十年後、他地域並みの振興をというお話がございました。そこで、これからの十年間、最後の十年、極めて大事な十年でございます。しかし、お話の中でもございました鉱害問題一つをとりましても、極めて困難なケースというものが山積みにされておるわけでございます。この十年間かけて、いわゆる産炭地、旧産炭地というものが本当に完全に卒業できるかどうかということは、もちろん行政的なさまざまな努力、効果的な施策ということとともに、もう一つ大事なことは、地元の自治体の皆さんの自治体同士の一体感と申しますか、何とか浮揚しなければいけない、本当に卒業していかなければいけない、そのためには公益性というようなものを優先させて、相互がしっかりと連絡協調し合う、あるいはまたその中で自助努力というものをしっかりしていく、こういったことを欠かすことはできないと私は思います。 それとともに、例えば筑豊地域なら筑豊地域の住民の皆さんの中に、内発的な意欲の啓発といいますか、例えばいろいろなシンポジウムを打ったり、さまざまなことをやって、地域ぐるみで十年間かけて立派なそういう地域振興をやっていこう、卒業していこう、こういうような地元の皆さんの地熱のようなそういう盛り上がりというものが私はまた非常に大事な要素だというように思います。 したがって、県として、こういう意識啓発の場づくり等、具体的な事柄をさまざまな施策と同時進行で地元に対してどんどん積極的に打っていって、そして地元の皆さんの意識をしっかり引っ張っていかなければいけない、私はこのように思うわけでございますが、この点に関しまして何か具体的な展望なりお考えなりございましたらお聞かせ願いたいと思います。
○富永参考人 御指摘の趣旨は私は全く同感でございます。国の御支援は当然といたしましても、やはり地元から内発的に盛り上がった、そういう自主的な地域づくりに対する熱意そのものがなければ、こういった地域の自立的な発展というのは難しいかと存じます。そういった意味で、ここに山本町長さんもおられますけれども、筑豊の地域を中心にして最近そういった自主的な町づくりに対する動きが随分活発に出てきておりますし、住民レベルでも村おこし、町おこしあるいは自分たちの郷土を考える集いみたいに、いろいろな形でそういうボランティア的な自主的な、そういう内発的な取り組みも随所に出てきております。新しいそういう芽生えも出てきております。 したがいまして、県レベルでも、こういった自主的な市町村等の取り組みを支援するために、例えば産炭地対策事業振興特別交付金のような県単独の交付金を平成四年度におきまして大幅に増額をしたりいたしまして、先生おっしゃられますようなソフトな面、例えば人材の養成とか情報、ノウハウの提供、そういった場づくり等につきましても積極的な支援を展開していきたい。国の施策と県、市町村相互の協力あるいは住民諸団体を糾合したそういった力でもって産炭地の振興の実を上げていきたいと考えております。
○東(順)委員 ありがとうございました。 次に、大牟田市長の塩塚市長さんにお願いいたします。 先ほど意見陳述の中で、この維持存続について特段の配慮をということを申されておられました。先ほどもちょっと細谷委員の方から出ておりましたが、原案は維持存続ということを熱くうたっておる。ところが、実施計画になると維持存続というのは消えておるわけですね。国の方にこれをお伺いしますと、しっかり地元の県とも同じテーブルで検討してつくり上げた実施計画ですよ、こういう答えでございましたけれども、きょうまた意見陳述を伺うと、維持存続については特段の配慮をという、この言葉がやはり入っておる。ここに、今置かれた大牟田市の難しい状況というものが私は象徴的に出ているのだろうというふうに思います。 この「石炭各社の構造調整についての基本的考え方」という中に、「三池炭鉱については、平成四年度以降数年間は現行の生産規模を維持し、その後、諸般の情勢をみつつ生産の縮小につき検討する」このようにございます。これは、この平成四年度以降数年間は現行の生産規模を維持し、その後、諸般の情勢を見つつ生産の縮小をということですので、九〇年代には終わりになるかもしれませんよというふうに私たちは読めるわけでございます。そういう中で、問題は、本当に限られた時間の中でどう実施計画の実効性を確保していくか、これはもう本当に大変な課題だろうというふうに思います。さまざまございますけれども、市長さん大変意欲的に、いつも積極的にいろいろな手を打たれながら推進されているイメージの大変強い市長さんでございます。プライオリティーと申しますか、優先順位と申しますか、あるいはまたこの実効性を確保する上で急所はどこか、こういうふうに伺ったならば、急所は定められないぐらい難しいのが現状なんですよとお答えになるかもしれませんが、市長さん御自身として、この実効性を確保する上でまずこれ、そしてこれ、というようなことがお答えになられればお聞かせ願いたいと思います。
○塩塚参考人 御指摘のように、昨年発表されました石炭各社の今後の動向につきましては、数年間は生産量を維持していただけるということでありますけれども、その後は検討ということになっておりまして、地元では大変に先々を憂慮いたしております。昭和六十一年に実は私どもはある調査機関に依頼いたしまして、大牟田市の石炭産業影響調査をやっておりますけれども、この結果によりますと、その時点で大牟田市の総生産量の約三五%、また就業者への影響という点では約三四%、自然への影響という観点で約二五%、また影響人口は約四万八千人ぐらいがその影響下にあると言われておりました。その後、第八次石炭政策の中での三年間の合理化が既に行われておりますので、そういった比重というのはその時点よりも低下をいたしておるかもしれませんけれども、まだまだ当市の基幹産業と言って過言でないわけでございまして、あくまで当市といたしましては、市民一体となりながら維持存続をお願いしていかなければならない、このようにも思っております。しかしながら、新しい石炭政策といえどもその政策期間十年ということでございまして、私ども同時にまたこの十年間でいろいろな手を打ちながら、最悪の場合でも生き延びれる町づくりを要望していかなければならない、また努力していかなければならないということでございます。 私どもの新しい町づくりの方向は、石炭産業の維持存続は別といたしますと、今回の産炭地域振興計画の中に私ども予想でき得るものはすべて明示させていただいたと思っておりまして、これがすべて、国、県の御指導も得ながら、また御支援も賜りながら実現すれば、私どもは地域として生き残れる、このように考えるものでございます。 先ほど意見陳述でも具体的に申し上げました中に、再論いたしますと、内陸型大型工業団地の造成、またテーマパークの建設、中心市街地の活性化、商業近代化、さらにこれらを支えてまいります国道二百八号バイパス等の道路整備、また先ほど細谷委員の方からも御指摘ございました鉄道線路との立体交差化の推進、また有明湾内唯一の重要港湾であります三池港の整備等の産業基盤の整備、さらに私ども地元で準備をいたしております公営住宅の建設、公園等の生活関連施設の整備、これらが順次計画どおり行っていければ私どもは生き延びれる、このように考えておりますので、さらに強力な御支援方をお願いしたいと思います。
○東(順)委員 わかりました。すべてやられれば初めて生き残れる、そういう切実な状況であるということはよくわかりました。 それで、今の話にも関連するかとは思いますが、大牟田というのは福岡市のベッドタウンという側面も持っておられますね。当然、福岡と大牟田の間に久留米という大きな町があるわけですが、鉄道ですれば五十分ですか、西鉄特急ですれば一時間ですか、この西鉄特急の全線複線化みたいな構想も将来的にはあるみたいで、これはすばらしい通勤距離といいますか、適度な通勤距離だと私は思います。まだ土地も安いというふうなことで、あわせて福岡市の一極集中みたいなことが大変大きな問題になっておりまして、やはり多極分散させていかなければいけない。これは筑豊なんかでも同じことが言えるのですが、市長さんの施策として、福岡市のベッドタウン大牟田というような、そういう政策を誘導していくような、今後そういうお考えがあられるのかどうか、その点はいかがでしょうか。
○塩塚参考人 実は私ども地元で、昨年、西鉄大牟田線の複線化のための促進期成会というのを結成いたしております。不肖私が会長を務めておりまして、この促進を急ぎたいと思っております。そして、その複線化をうまく活用しながら、当然大量輸送化なり福岡−大牟田間の時間短縮という結果を生み出したい。それによりまして、御指摘のように、私ども住環境をうまく整備する中で、いわゆる定住環境をよくしつつ、大牟田のベッドタウンという側面というのも市政発展の一つの大きな方向ではないかというふうにも思いますし、それにとどまらず、やはり私どもの定住環境のアップそのものにそういう大都市圏の魅力への時間短縮、これが必要であろうというふうに考えております。
○東(順)委員 では、最後に荒牧参考人にお願いいたします。 先ほどの意見陳述を伺っておりまして、最後に参考人はこう申されました。私たちにとって毎日が極度の不安なんです、官民一体で互いが英知を結集して石炭鉱害をこの世から完全に追放したい、このようにおっしゃられました。本当に胸の打たれる言葉でございます。と同時に、この十年の間に、このことが単なる言葉ではなくて本当に現実のこととして実現をなされていかなければならない、そのことを痛感する次第でございます。 もう臨鉱法ができて四十年という長きを経過しているわけでございまして、被害者組合の会長さんとして、あるいはまた、この運動に携わってきた多くの方も恐らく相当高齢化されておるだろうというふうに思います。その長い間の経験と申しますか、鉱害問題に対する取り組みの中から、本当にこの十年間で先ほどおっしゃったような石炭鉱害という四文字をこの世から完全に追放していくために、組合の皆さん方の意見といいますか要望といいますか、どうすればできるだろう、これはもう四十年間の経験、体験の中から、もうこうしていくしかないんじゃないかというような、そういう声というようなものをぜひ率直にお伺いさせていただきたいというふうに思います。
○荒牧参考人 先生、大変なお励ましをいただきまして力強く思っておりますが、そう私も長い経験ではございませんけれども、陳述の中に申し上げましたように、残存鉱害はいずれも問題の多い点がほとんどでございます。安易と申しますとなんでございますけれども、やれるところはもう既に終わって終局に近づいておるわけですけれども、そのいずれもがいろいろな、さっきから地権者の同意の問題がございました。そういういろいろなものが絡んでおるわけでございます。今後これをどうして解消するかということにつきましては、非常に私ども神経を痛めておるわけでございます。 毎年度ごとに先生方に延長延長ということでいつもお願いを申し上げておりますけれども、そういつまでもというわけにはまいりませんので、今度はこれが最後で、ある程度私ども被害者にとりましても、こね得と申しますと余りでございますけれども、正すべき点もあるんではないかという反省も若干持っております。それから、さっき申し上げましたように、官民一体となるということが一番大きな前提になるんではないか。お互いににらみ合っていてはなかなか解決もでき得ないということから、市町村もある程度中核的な存在でいろいろと世話をしていただくし、それから被害者といたしましてもその点よく理解をして、この十年間にどうしてもこうしてもこの鉱害を解消したい、今のところ具体的なものは別にございませんけれども、決意だけはかたく決意いたしております。本年も総会が近づきましたので、そのときに皆さん方に全部諮って、先生方にもこうしてお願いする機会も得ましたので、今度こそみんなで結束をしてぜひひとつ鉱害解消に向かって努力をしようというような申し合わせをいたしたいというかたい決意に燃えております。どうぞ今後ともよろしくお願いいたします。
○東(順)委員 ありがとうございました。
○佐藤委員長 これにて東君の質疑は終わりました。 続いて、小沢和秋君。
○小沢(和)委員 参考人の皆さん、大変御苦労さんでございます。 まず初めに、福岡県副知事にお尋ねをいたしたいと思います。今度の施策というのは、どの問題もすべて十年間で決着をつけるということになっております。きょうは私、特に鉱害のことに質問を集中したいと思うのです。 先ほど来のお話では、努力の仕方によってはこの十年で何とかなる希望が見えてきたというようなお話がありますけれども、しかし私は、鉱害についてはなかなか大変じゃないかというふうに思うのです。特に、有資力などについては今でも非常におくれがちですけれども、今のままでいったのではとても終わらないのではないかというような気もするのですが、全体として、この鉱害復旧を十年で済ますためにどういう点を特に今から県として国に対して要望したいというふうにお考えか、お尋ねをいたします。
○富永参考人 福岡県は量的にも非常にたくさんの鉱害がまだ残っております。それから、質的にも非常に難しい案件が多くなっておりますので、これから完全解消を目指していくためには大変だなという気が正直いたしております。他県は、お聞きをいたしますと、まあ五年以内ぐらいに終わるというふうなめどのところもあるようでございますが、その点からいたしますと、本県はかなり長期にわたるかなという感じを率直に持っております。 いずれにしても、十年で最終的な解消を図っていかなければいけないというふうに思っておりまして、そういう意味でも、地元としても工事の施行環境の整備でありますとか関連する公共事業の緒調整にさらに一層の努力をいたさなければいけないと思っておりますが、やはり御指摘のように、早期にこれが解消を図るためには、何と申しましても国並びに石炭鉱害事業団の強力な推進体制の確立が必要であるというふうに思っております。 そういう意味で、今回の法律の改正あるいは新年度の予算面においてそういったものにつながる制度的な改善、手だてが講じられておりますけれども、私どもとしては、個別には冒頭で申し上げましたとおりでございますが、国の手によって強力に推進をしていただきたいということでございます。
○小沢(和)委員 鉱害の問題で引き続いて荒牧参考人にお尋ねをいたしたいと思います。 荒牧参考人からは、今認定が非常におくれている、今でも一万四千件ぐらいがつかえておるというようなお話がございました。実は、一万四千件くらいというのはここ数年ずっとそういう話が続いているわけですね。だから、こういうような状況からすると、十年間というふうに期限が切られているけれども、認定そのものがこういうようにつかえておるのではどうにもならぬのではないかと思うのです。微妙なケースが多くて時間がかかるというようなお話もあります。そして、最近は否認されるケースが非常に多いように思うのですけれども、お尋ねしたいのは、なぜこんなに進まないのか、それから微妙なケースが多いというお話なんですが、私のところにしょっちゅう訴えが来るのは、こんなひどいのが近ごろもう通らないのです、見に来てくれというから行ってみると、本当にひどいのが随分あるのですよ。実際に明らかに鉱害だと思われるようなものでも否認されているようなケースが多いのではないでしょうか、いかがですか。
○荒牧参考人 先生のおっしゃるとおりでございます。私どもの考えとそういう担当行政の考えとは違うかもわかりませんけれども、先ほど申し上げましたようにたらい回しみたような状態が現在続いておるわけでございます。否認の状況の納得のいくような詳しい御説明があればなんでございますけれども、ただ否認ということになりましても、先生さっきからおっしゃるように被害者はなかなか納得ができない。もう少し具体的に説明をしていただきたいし、なおまた、冒頭にも申し上げましたけれども、関係行政官庁と地権者との距離が余りにも遠過ぎて意思の疎通も図れないということから、今後は私どもは、市町村の方にもある程度仲介的な御尽力もいただいて、ぜひともこの十年間には解決をしなければならないという決意には燃えておるわけでございます。 おっしゃるように、私もお話を聞いただけでございますけれども、常時一万四千件がもう数年も続いておる、その一万四千件を消化するには五年も六年もかかる、そうするとまたその後が出てくるというような、たらい回しみたような状態だということを聞いておりますので、今後私どもも、当局に運用面においてもう少し血の通った行政をお願いするとともに、また市町村からも仲介的な御尽力を賜りたいという考えております。
○小沢(和)委員 荒牧参考人に続けてもう一つお尋ねしたいと思うんです。 今度の法改正で私評価できると思っておるのは、この鉱害で、最近関係者の合意が非常に難しくて復旧の工事ができない、おくれているというようなケースがふえておる、これを解決するための手法が改めて定められたことだと思うんです。その中で、最終的には金銭で処理をするという道も開かれたようです。私は、これは一面では評価できるんじゃないか。しかし、やりようによってはもう金銭でどんどん片づけてしまえということになるというと、これはもろ刃の剣かなというような感じもするんですけれども、この困難な件数をスピードアップするためにこういう手法が設けられたことについてどうお考えでしょうか。
○荒牧参考人 先生お話しのように、法改正の中で運用面においていわゆる金銭的に解決すべきものもあるし、さっき申し上げた市町村の援助の問題も中に含んで改正、延長を考えておるという非常に温かいお言葉でございますけれども、私どもから考えますとこれは非常にいいことではないかという、まだ発足まで至っておりませんので私どももまだ勉強不足で甚だ恐縮でございますけれども、お聞きすると。ころによりますと、そういう情の通った法改正の運用面につき御努力をいただいておるということにつきましては——まあ同意のできない部分もいろいろございまして、例えば家屋の場合にしても地主と家屋の持ち主が違うという場合がございまして、家主はもちろん復旧を望んでますけれども地主の方は早く立ち退いていただきたい、それから打ち切り補償と申しますか、表現は悪いでしょうけれども、そういうことで解決していただけばというような意見の相連もあるわけです。農地の方につきましては高さの問題、何遍も申し上げますけれども、川の水位の高さによって、それから川には勾配がございます、その勾配と、農地は勾配はほとんどないわけでございますので、そこのところに大きな溝があるようでございますが、これも何遍も申し上げますけれども、私どもも正すべきところは正さなくてはいけないし、それから、先生方のお力もおかりしながら、今度こそお互いに意思の疎通を図れるように話し合いながら解決をいたしたいと考えております。
○小沢(和)委員 続いて山本参考人にお尋ねをしたいと思います。 これまでも自治体は産炭地の復興のために大変な負担を財政的に強いられてまいりました。だから今でも田川などには財政再建団体になっておるようなところが幾つもある。全国的にもそんなところはもう田川くらいのものだというふうに伺っているわけですが、この上さらに鉱害の復旧を促進せよと言えば、これもまた負担になってはね返ってくる。ところがその一方では、先ほど産炭地補正をもう打ち切ろうかというような話になっているというようなことも伺います。本当にこれは、特に田川などの地域ではとりわけ大変だなと思うのですけれども、そういう状況を打開するためにこれはどうしてもやってもらいたいという辺を、もう一遍ずばり自治体の立場からお話を願いたいと思います。
○山本参考人 お答え申し上げます。 先生の御指摘のとおりでございまして、赤字再建団体が多いのは、私どもとしては決して誇りに思っておりません。非常に残念に思っていますが、実態が実態でございますので、その点は御理解をいただきたいと思います。皆さん鋭意努力をして、早く脱却しようという努力をしているんですけれども、なかなか意のとおりになりません。 そこで、先ほども私申し上げたんですけれども、限られた時間の中で完結をしなきゃならない、この使命が今度は大きくのしかかっているわけです。したがって、産炭地振興の実施計画の末端の計画を実施するのは市町村だと私は思うのです。ところが市町村にはどうしても負担をしなければならない予算がございます。ですから、それを負担しなければその事業はできないわけですから、言い方を変えますと完結しない。言うならば法の目的を達成し得ないということになるわけですから、産炭地補正というのは、そういう意味では今までかなりのインパクトを市町村に与えてきたことだけは間違いのない事実なんです。 ところが、それが平成四年度で二〇%になって、これはもう終息することになるわけです。これは取り決めですからやむを得ないと思いますが、先ほど申し上げましたように後始末をしながら先へ伸びていく前向きの事業を多くやっていく、さっき申し上げた末端事業を我々がやっていくんです。そして十年間ですべて一応の水準まで上がっていくんだということをやるわけですから、そのための予算というのは、財源というのは、どうしても必要ですから、産炭地補正にかわるべき措置を交付税でぜひひとつお願いしたい、こういうふうに思っていますので、後始末分と前向きの分を合わせた数字の上で組み立てたいわゆる補正の制度をお願い申し上げたい、そういうふうに考えております。 以上です。
○小沢(和)委員 宮永参考人にもう一度お尋ねをしたいのです。 それは、緊就、開就などの制度事業の問題です。私も産炭地の振興にこれらの制度事業が大きな役割を果たしてきたと思いますけれども、石鉱害の答申あるいは今度の法律の改正案などでは、緊就なとははっきり打ち切っていくというような方向が出されてきております。緊就は確かに人数は減ってきてはおるのですけれども、なお一定の人たちが緊就で就労しておられるし、私は、この緊就も含めて制度事業を、産炭地の振興のためにはどうしても今後も積極的に活用していく必要があるのではないかというふうに思っているのです。 先ほど副知事は当分の間これを存続させる必要があるというふうにおっしゃったように思うのですが、私は、少なくともこの法律の延長される十年間は、実際そのための事業、道路にしろ団地の造成にしろいろんな事業がいっぱい実施計画などの中に盛り込まれているわけですから、そういうのをやっていけばもう当然十年間これはやらなければいけないんじゃないかと思うんですよ。もう一度その辺についてのお気持ちを述べていただきたいと思います。 。これで私の質問を終わります。
○富永参考人 今御指摘のように、緊就事業につきましては、石鉱審の答申におきましても「可及的速やかに終息を図る必要がある。」というふうに言われておりますし、開就事業につきましても「所要の見直しを行いつつ、適正な実施を図る」というふうな表現で提言がなされておることは私どもも認識をいたしております。しかしながら、御指摘のとおり、この緊就事業にしましても開就事業にいたしましても、産炭地域の経済あるいは地域の振興開発、中高年齢者の雇用の問題につきまして非常に大きな効果、成果を上げてきてまいりましたし、現に上げてきております。 そこで、私ども地元自治体の基本的なスタンスといたしましては、そういう石鉱害の答申もありますけれども、これまでの大きな成果を上げてきたこの事業につきましては、当分の間といいますか、いましばらくといいますか、存続活用、存続実施をしていただきたいというスタンスでございます。
○佐藤委員長 これにて小沢君の質疑は終わりました。 続いて、高木義明君。
○高木委員 参考人の皆様方には大変お疲れでございます。先ほど来から貴重な御意見を聞かせていただきまして、感謝申し上げます。また、各自治体の振興のために日ごろから御尽力をいただいております。心から敬意を表します。 私は、持ち時間の範囲内で皆さん方の御意見を聞き、法案審議に当たっての参考にさしていただきますが、まず福岡県副知事さんの富永副知事さんにお尋ねを申し上げます。 昨年の十月に発表されました「石炭各社の構造調整についての基本的考え方」ということに目を向ければ、例えば国内炭の生産について「三池炭鉱については、平成四年度以降数年間は現行の生産規模を維持し、その後、諸般の情勢をみつつ生産の縮小につき検討することとしこういうくだりがあるわけでございますけれども、率直に申し上げまして、これについて県としてはどのよう。に受けとめておられるのか、御所見がありましたらお伺いしたいと思います。
○富永参考人 三井三池炭鉱につきましては、大牟田市長さんもおられますが、地元の地域経済にとりまして非常に大きなウエートを占めております。したがいまして、大牟田市の活性化のためにも、私ども県といたしましても現状程度の生産量は何とか維持存続をしてもらいたいなという気は非常に強くございます。そういう意味で、先ほど来いろんな、冒頭でもそういう陳述を申し上げておったわけでございますが、その維持存続を図るためにも、国にもお願いし、私どもなりにも努力もして、国内炭のユーザーであります電力業界等にそういった意味での需要の確保、開拓等につきまして地元としても働きかけをしていきたいというふうに考えておりますが、諸般の情勢非常に厳しいことは私どもよく認識をいたしておりますので、いずれそういった段階的な縮小という時代が来るかもしれないということは認識をいたしておりますので、石炭だけに傾斜をした経済構造ではなしに、市長さんも先ほど来言っておられますように、他の産業も含めて石炭もある町というふうなことで、経営の多角化も含めた新しい産業への転換につきまして、これからそういった準備を十分に積み重ねていかなければいけないと思っております。
○高木委員 私が今引用しましたのは、先ほど参考意見の中で副知事さんがあえて、今後さらなる合理化があるんではないかというふうなことを言われましたので、私としては大変厳しく受けとめておりますし、やはり県政の重要課題でありますので、それなりの県としての、もちろん地元の大牟田市長さんも来ておられますけれども、県政として十分な対応をとっておられることだというふうに私は思っておりましたので、お伺いしました。 そこで、いわゆる産炭地域振興実施計画が策定されておりましたけれども、福岡県としてこの策定に当たって特に留意した点がありましたらお述べいただきたいと思います。
○富永参考人 最後の十年ということが強く言われております。私どもそういうことを強く認識をいたしまして、この十年の間に自立てきる経済社会を、圏域を形成できるだけの準備を整えなければならないということで原案を策定いたしましたわけでございますが、重点的には、一つは石炭後遺症からの早期回復でありますし、今までとかくイメージが悪いと言われておりました地域につきましての、そういった脱却するための道路でありますとか鉄道網でありますとか、その他のインフラの整備、あるいは公園、文化施設等のそういった公共施設を整備することによって生活と生産の基盤を充実すること、それから市町村の財政力に対する国の支援、そういうことを柱にこの産炭地振興実施計画の原案を策定させていただいたところでございます。
○高木委員 これは参考までにお聞かせいただきたいんですが、やはり福岡県として二十一世紀を展望したビジョン、いわゆる中長期計画というのが恐らくおありであろうと思っておりますが、今回の新しい石炭政策についての石鉱審答申を受けて、こういったビジョンがどのように変更されたものか、あるいはどういう枠組みに変化があったのか、この辺、もしおありでありましたらお聞かせいただきたいと思っております。
○富永参考人 私どもも県政の長期振興計画といたしまして二十一世紀へのプランというものを持っておりますが、例えば筑豊につきましては、福岡市と北九州市という二つの大きな大都市圏を控えて、そのインパクトといいますか、その開発の力を、余力をできるだけ波及を隅々にまで行き渡らせるということを基本に考えておりまして、次第にそういった傾向も出てきておりますので、方向としては、そういった大都市圏の力を活用しながら、地元に自立的な、内発的なそういった経済圏ができるような仕掛けをつくっていきたい。それから大牟田地域につきましては、現に生きた炭鉱を有しておりますので、中部有明地域における中核的な都市としての都市機能の整備を図りながら福岡との連携の強化を図っていく、そういうことで、二つの大都市圏のそういった都市機能の集積の効果をネットワーク的に全県域に行き渡らせるということを主眼に考えておるのでございます。
○高木委員 産炭地へのいわゆる企業誘致については、全国産炭地、言うはやすし行うほかたしで、大変これは難しい問題があるわけであります。特に景気の動向も影響するのでありますけれども、しかし、福岡県は九州の顔でございまして、いわゆる大都市を抱えた、まさに九州の活力の源と、私はそう思っております。そういう意味では、大手の企業あるいは支所、こういったものも張りついておりまして、いわゆる石炭企業が多角化したり、あるいは新分野開拓をするための他産業の協力とか支援とか、そういう意味でかなり、情報の収集もうまくいくのではないか、そういうふうに私は思うわけですが、こういった産炭地振興のために、あるいは新しい石炭の構造調整のために、福岡県として何かそういった企業あたりの、あるいは経済界といいますか、こういったところに支援を頼むとか、そういうことを何かしたことがありますかどうか、もしないとするならばそういうお考えはないのでしょうか、お聞かせいただければ幸いです。
○富永参考人 おっしゃられますように、本県は石炭にかなり傾斜をしておったわけですが、これは石炭のみならず鉄につきましてもそういうことが言えまして、そういった素材型に偏り過ぎたというのが本県産業の構造的な特徴でございまして、これではいけないということで、加工組み立て型といいますか、あるいはそういった意味でのソフト化、サービス化経済時代に対応した県経済の構造調整、構造転換を図らなければいけないというのが県政の大きな課題でございます。 したがいまして、県経済の全体の姿を素材型からそういったものに切りかえるために、例えば県内の四ブロックごとに頭脳立地拠点というふうな、ソフト・リサーチ・パークのようなものを次第に整備をしていこうとか、あるいは産学官の技術協力によるところのそういった技術の交流だとか研究者の集積だとか、そういったことについても民間とも協力をしていくような仕掛けもつくっております。それから最近の話題では、宮田の工業団地にトヨタ自動車というような新しい自動車産業が展開をしていく。それに伴って、すそ野の広い産業ですので、県内各地に関連の加工組み立て型の企業が大分ふえつつあります。そういった意味で、おっしゃられますように民間経済界とも提携をしたところの技術交流拠点的なものとして県経済の活性化を図っていこうというのが今の大きな考え方でございます。
○高木委員 ありがとうございました。 そこで、大牟田市長さんにお聞きします。 市長さんはかねてから、いわゆる石炭もある町ということで、精力的にいろいろな事業に挑戦をされておるということを聞き及んでおります。そ こで、もちろん国の支援は大切でございますが、地元自治体として独自に何かを、これをやって大牟田市の活性化を求めていこう、あすを開いていこう、こういうプランなどをお持ちでございましたら、お述べいただければ幸いかと思います。
○塩塚参考人 私どものこのたびの産炭地域振興計画の中に地域振興策を幾つも明示させていただいておりまして、これらをやっておるわけであります。 参考までに昨今の地元自治体の自助努力みたいなものをお尋ねかと思います。実はこの四月に、私どもかねて福岡県政の力も大いにおかりをしながら進めておりました大牟田物流センターというのが開業をいたします。ここは、かつて構造不況で工場を閉鎖いたしました三井アルミというところの敷地跡を買収して開業するものでございますけれども、四月開業時点で三十一社、千四百名ぐらいの方に働いてもらうことになっております。あるいは、先ほども意見陳述の中に申し上げましたように、かつて三井三池炭鉱の中にございました旧宮浦坑跡地というものを買収いたしまして、これがことしの二月いっぱいで造成を完了いたしております。ここにも新しく工場がもう既に建設を始めておりますが、私どもが現在確定をいたしておりますだけで六社、大体八百人弱の雇用が来年の秋には全部出そろうということになっておるところでございます。そのほか、町を挙げましていわゆる商業振興、法定再開発事業ももちろんでありますけれども、いわゆる中小企業の近代化資金導入等もやりながら、地元の小さな商店街も含めて、それぞれでみずからの借金も背負いながらやっていこうという機運が非常に高まってきておりまして、私どもとしては大変ありがたいことだというふうに思います。 石炭産業、先行き非常に不安でございますけれども、まずは私どものやる気が今後の国や県の御支援をいただく最大のポイントだろうというふうに考えておるわけでございまして、なお一層努力をしていきたいと考えるものでございます。
○高木委員 市長さん、そしてまた山本町長さんにおかれましても、また荒牧会長さんにおかれましても、何かと大変な時期になるかと思いますけれども、さらにひとつ一生懸命頑張っていただきたいと思います。 時間が来ましたのでこれで終わります。ありがとうございました。
○佐藤委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、参考人各位に一言御礼を申し上げたいと存じます。 本日は、御多用中のところ本委員会に御出席をいただきまして、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表いたしまして厚く御礼を申し上げます。 次回は、明五日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十六分散会