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123回国会衆議院1992/03/25

商工委員会 第4号

発言数
55
登壇者
6
会派数
3
開催日
1992/03/25

会議録

武藤山治日本社会党・護憲共同

○武藤委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。加藤繁秋君。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 おはようございます。  歌は世につれ世は歌につれという言葉があるのですけれども、まさに産業というのはそれと同じように、一時隆盛を保っていましてもそれがいつの間にか衰退してしまう、そういう中で新しい産業が出てくる、それがまた次の新しい産業に取ってかわる、こんな歴史がこれまであったと思うのですね。  そういう中で、中小企業というのはいつもその影響を受けるわけであって、したがって中小企業の皆さん方は常に新しい分野、新しい分野ということで、大変日進月歩の技術革新やあるいはアイデアなんかを考えていかなきゃいけない、そういう大変な苦労がこれまでもあっただろうと思います。そういう新しい分野、つまり成長分野に進出したかと思っても、その分野に対してまたお互いの他の同僚が加わってくる、そのことによって競争が加わる、それで値下げ競争になって、また利益が減るということで、やがては町ぐるみが衰退するというような現象がこれまでの日本の戦後四十六年間の中にあっただろうと思うのですけれども、そういう中にあって、通産省あるいは中小企業庁はどういう対策をするのか。今回の法案は、集積のメリットを生かして何とかしたいという行政としての迫り方を今度の法案に託しただろうと思うのです。  そこで、そういう置かれている現状の中で、この法律、そしてまたこれまで、私が今まで申し上げたようなことについては、中小企業庁も通産省も熱心にいろいろな法案を出してきただろうと思うのですが、一番最初の質問は、その出されてきた法案がいっぱいあるという中で不十分だったから今回の法案になっただろうと思うのですが、一体どういう点がこれまでの法案では不十分だったのかということ、そして逆に言いますと、今度の法案というのは一体どこが新しくてどこが画期的なものなのかということについて、最初にお伺いをしたいと思います。

桑原茂樹中小企業庁計画部長

○桑原政府委員 先生のおっしゃいますとおりに、今まで中小企業は長い戦後の歴史の中でいろいろな事態に対応して努力も重ねてきたわけでございますし、我々もいろいろな法案等をつくりまして、国会で御審議いただき、その中小企業を御援助申し上げるような努力をしてきたつもりでございます。  それで、今までいろいろな法律があるけれども、それと本法案との関係はどんなだろうかというような御質問であろうかと思っております。  一つございますのは、中小企業の転換法とそれから特定地域の法律というのが従来ございました。この二つの法律につきましては、六十一年当時、円高等で大変著しい経済的な困難というものがございましたものですから、こういうものに対処するための緊急対策ということの法律でございました。これに対しまして、今御審議いただいております法案は、中小企業集積というものの活性化を図ることにより中小企業が前向きに自律的に 発展を遂げるための基盤の強化を図るということでございますので、緊急対策という感じではございませんで、むしろ長期的な発展づくりを目指すという意味で前向きの法律案ということでございまして、そこは随分感じが違っておるというふうに思っております。  具体的に申し上げますと、転換法は、業種の指定を主務大臣が行います。今まで二百一業種ほど指定されておりますけれども、そうした業種に属するところの中小企業で転換をするというものに対しまして金融、税制面等でいろいろな御支援を申し上げるということでございまして、今まで事業転換計画の承認が三百二十三件、それから事業転換円滑化計画の承認が五十七件というふうな実績が上がっているわけでございます。  それから、特定地域法でございますけれども、これは経済的に疲弊した地域経済というものに着目をいたしまして、今までに二百十六市町村が指定され、昨年度末にこの法律は効力を失ったわけでございますけれども、そうした不況地域にあるところの中小企業がそういう経済的困難を克服して前へ進むためにいろいろな御援助を申し上げるという法律でございまして、五年間で承認件数が一万二千件に上っていたわけでございます。それから、関連する法律といたしましては、中小企業の技術開発を御援助申し上げる法律がございます。これは、中小企業の技術開発をするための法律でございますけれども、今度の法案は、技術開発のみならず商品企画であるとか需要開拓であるとか商品化に至るまでの全事業を対象とするわけでございまして、ここはいろいろな点で違っておる点が多いかと思いますけれども、この技術開発法と本法案はある意味では両々相まって大きな目的を達成するために利用するというようなことも大いにあろうかと思っておるわけでございます、技術法に基づく技術開発計画の認定件数は今まで百五十九件に上っております。  それからもう一つ、中小企業の融合化法というのがございます。融合化法は、御承知のとおり異分野の中小企業者が知識を組み合わせて新しい商品の開発とかそういうものに取り組むことを支援する法律でございます。これは個々の中小企業者、四つ以上の中小企業者が集まっていることを条件といたしておりまして、本法のように地域にある中小企業の集積が全体として一定の方向に行こうというようなことを考えているわけではございません。しかしながら、この融合化法でいろんな異業種の中小企業者が集まって開発した新商品なり新技術というものを利用して中小企業集積がそういう方向に進展するというケースもあるとは考えておりまして、そういう意味では融合化法と本法案がやはり同じ大きな目的のために一緒に使われるということもあろうかというふうに思っております。融合化法の認定組合数は今まで百五十ぐらいに上っておるということでございます。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 今言われましたような特定地域中小企業対策臨時措置法とかあるいは事業転換法、これらは今回の法案とやや似ているわけで、異分野の知識の融合に関する法律も似ている感じがするわけです。私は先ほど申し上げたんですが、百五十九件とかあるいは二百一業種とかいうふうに言われても、本当に成果が上がったかどうかというバロメーターがなかなかわかりにくいんですよ。私はどうしてこういうことを言いますかというと、これまで中小企業庁は法律をつくっていろいろやってきた。したがって、やってきたなら、法律をつくってやってきた、こういう成果が上がってこういう中小企業者に対する貢献ができたんだという、その辺を一つ一つの法律のたびにお互い確認していかないと、法律はつくったけれどもしかしつくりっ放し、これではいけないんじゃないかと思います。例えば倒産しかかっている中小企業者がこれによって助かったとか、中小企業対策臨時措置法なんかでは企業城下町の特定の地域に集中しているような、そういういわば集積に対する問題を扱っていることですから、今回の法律とやや似ているような感じがするんです。ですから、こういう成果が上がった、倒産をこういうふうに食いとめたんだ、こういうふうに異分野に進出したんだ、あるいは融資はこういうふうになってその中小企業の集積あるいは中小企業者に対して貢献ができたということをちょっと具体的にお聞きしたいんですけれども。

桑原茂樹中小企業庁計画部長

○桑原政府委員 先ほど数字を申し上げたものですから、具体的なその成果が必ずしもよくわからないのではないかというような御指摘かと思います。今、具体的にこういう業者がこういうことでこうした法律に基づいて実際に救済されたとか発展したとか、そういう具体的なケースについて少し述べよというお話でございましたけれども、今ここで具体的なことを申し上げる準備はございませんけれども、全体として申し上げますといろんな意味で大変な成果が上がっておると我々は思っております。  例えば特定地域法でございますけれども、この法律が指定されましてから五年間で特定地域の経済状況というものは大変改善をしてきておりまして、平成三年の上期におきましては、この法律の指定されたときの状況、すなわち昭和六十年の工業出荷額を超える特定地域が六〇%以上であるというようなことで、特定地域全体としてはこの法律の効果もありかなり改善されてきたと思われます。  なお、具体的な成果ということであれば、いろいろ我々も調べればかなり多くのそういう成果があるというふうに確信をいたしております。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 これをなぜ聞いたかといいますと、臨時措置法ですから時限立法です。法律をつくれば必ず総括が要るということですから、調べればというのじゃなしに、臨時的につくった、終わったときにこの法律の効果はこうだった、こういう点が救われたと、ぜひ法律をつくって総括をする、そして新しく出る、そういう一つのまとめまとめを、本当はできていればさっと答えられると思うんですけれども、そういう点を今回の法律においてもお願いしたいなという気持ちで実は聞かせていただいたということなんです。  そこで必要性の問題ですけれども、活性化計画や円滑化計画などをつくって方向性を示すということですが、そういうことはこの法律をつくらなくても円滑化計画なんてできるわけなんです。したがって、どうして法的な措置をしてまでやらなければいけないかという点ですね。つまり逆に言いますと、本当にせっぱ詰まっているかどうか、こういうことをやらなければいけないというせっぱ詰まった問題があるから法的にこうやらなければいけないんだという、この辺をひとつお伺いしたい思います。

南学政明中小企業庁長官

○南学政府委員 この法律は、中小企業集積の機能に着目しまして、その活性化を図るために集積の発展の方向性を明確にするとともに、方向性に沿った事業活動を行う中小企業に対して総合的、体系的に支援措置を講じようとするものでありまして、既存の制度にはないわけであります。  今日本の中小企業集積、全体で四百ほどございますが、厳しい環境変化の前にその機能を低下させているものが多いわけであります。昨年秋から年末にかけまして中小企業近代化審議会において、こうした集積の機能を向上させるためにいかなる施策を講ずべきか真剣に審議が行われたわけであります。そして、集積の方向性の明確化、コンセンサスの形成等が今経済社会の複雑化とかあるいは価値観の多様化によってますます難しくなっているという判断のもとに、中小企業集積の活性化を促進するための一連の集積対策、すなわち立法措置を支柱としてこうした総合的、体系的な措置を講じていくべきだというような答申が出されたわけであります。  この法律案は、この中小企業近代化審議会の答申を踏まえて作成されたものでありまして、中小企業集積の活性化を図るために必要不可欠であると私どもは考えております。現に本法案につきましては都道府県、関係市町村あるいは中小企業団体等から大きな期待が寄せられておりまして、ぜひこの法律の制定について御理解を賜りたいと考えております。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 体系的なものであるということと、都道府県とか関係方面から期待されている、こういうことですね。そういう中で活性化計画の意義をつくるということですが、進出計画は個別企業、活性化計画は都道府県というふうに分かれているのですけれども、この進出計画と活性化計画両方がうまくかみ合うかどうかということですね。本来、企業が進出するということになりますと企業独自でいろいろ細かな問題や、あるいは新規事業をやるとか研究開発するとかということになりますと企業の将来の根幹にかかわる問題ですから、都道府県が示す活性化計画というのは非常に抽象的なものになるのではないか。そうすると余り意味がないのではないかな。そうすると、先ほど言ったように期待している割には意味のないような計画を出されているという、その辺の調整をどういうふうにするのかということをお聞きしたいのですけれども。

南学政明中小企業庁長官

○南学政府委員 活性化計画と進出計画の整合性がとれない場合があるのじゃないかという御指摘と承りましたが、活性化計画は地域における幅広いコンセンサスのもとに作成されることが必要でありまして、都道府県は地域中小企業者のニーズを十分踏まえて地域中小企業者の意向に沿った活性化計画を現実に作成することになるものと思います。  なお、本法案の第五条第三項におきましては「都道府県は、活性化計画を作成しようとするときは、関係市町村に協議しなければならない。」というように、地元の中小企業の実態を熟知した関係市町村との協議の義務も課せられているわけであります。したがいまして、地域中小企業者が進出計画を作成する際に活性化計画とそごを来すおそれはないものと私どもは考えております。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 ぜひ、ないということでお願いしたい。  関連してもう一つお伺いしたいのですけれども、先ほど幅広いコンセンサスを必要とする、それは例えば事業者もあるという。ここで一つお聞きしたいのは、事業者ということと同時に、そこに働いている人のコンセンサスはどうかということです。これに向けた答申の中では、従業員の働きがい、生きがいの充実ということが指摘されているわけで、幅広いコンセンサスということからいけば、働いている人のコンセンサスも得るようにひとつぜひともお願いをしたいなということですが、その点はいかがでしょうか。

南学政明中小企業庁長官

○南学政府委員 本法案が制定された場合に、中小企業の集積において新しい分野への進出等が行なわれますと、私どもは、やりがいのある仕事が提供され、あるいは魅力ある職場の形成が行われていくであろう。したがいまして、基本的にはこの法律案というのは、地域の中小企業で働く労働者の利益に資するものと考えているわけであります。  なお、活性化計画の策定に当たりましては、地域のコンセンサスの形成が重要であることは何度もお話ししたわけでありますが、活性化指針におきましても、こうした考え方に基づきまして、地域における幅広い関係者のコンセンサスの形成が必要である旨明記していきたいと思っております。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 ありがとうございます。  そうすると、今後の基本方針の中に、関係労働者のコンセンサスも得ていく、こういうふうに明記されるというふうに考えてよろしいですか。

南学政明中小企業庁長官

○南学政府委員 指針の中では、地域における幅広い関係者のコンセンサスの形成が必要であるということを明記いたします。したがって、各都道府県におきましては、当該活性化計画の内容とか地域の実情等に応じまして、所要の関係団体、中小企業者等と十分連絡調整を行うものと期待をいたしているところであります。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 南学長官、ちょっと今書くことと答弁されたことと違うでしょう。だから、基本方針の中に、幅広いコンセンサスの中には事業者とかあるいは働いている人たちとか、そういうことを括孤書きでもいいですからぜひ明記していただきたい。やはりこれからの中小企業というのは、働いている人と事業者というのは一体で進まなければいけませんから、その点を明記するということ、先ほどおっしゃったのですから、その点ぜひ書いてもらうようにお願いしたいのですけれども。

南学政明中小企業庁長官

○南学政府委員 先ほど私がお話ししましたのは、幅広い関係者のコンセンサスが重要ということで、その幅広い関係者というのはどこであるかというのはケース・バイ・ケースで県が判断して意見を聞く、こういうことを我々は期待しているわけでありまして、一律に労働組合から意見を聞くことが不可欠であるというようなことを明記するというのは、かえっていろいろ画一的になりまして、事態が進まないというようなことも考えられるわけでありまして、抽象的に私どもは指針に明記していきたい、必要に応じて県の判断でやっていただきたい、このように考えております。関係者と申しましても、労働組合のみならず、中小企業者、中小企業団体、商工関係団体、消費者団体とかいろいろおりますので、ケース・バイ・ケースで県の判断にゆだねたいと思っているわけであります。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 私は、労働組合のことを書きなさいということじゃなしに、そこに働いている人の意見、そのことを大切にしてほしい、そういうことが何らかに書かれればそれでいいということなんです。労働組合の意見を聞きなさい、そんなことを書きなさいと言っているわけじゃないということで、働いている人、そして事業者、これは一体で進まなければいけませんから、働いている人のコンセンサスも得られるように、ぜひともお願いをしたいということです。どうですか。

南学政明中小企業庁長官

○南学政府委員 先生の御指摘を踏まえて考えていきたいと思います。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 ぜひともよろしくお願いをしたいと思います。  その次に、先ほど言いましたように、私きょうこれを見ましたけれども、この中に中小企業庁の総務課長が書いていますね。集積のメリットを清用するということで今回の法律をつくったということですけれども、集積のメリットというのは、逆に言いますと、その町、その中小企業の集積全体の運命共同体的なことになるということですので、例えば今度の法律で一つのある中小企業の集積が難関を乗り越えた、しかしまた次の新しい波がやってきたときに、今度は逆に言いますとまたその集積全体が困難に陥る、こういうことになるわけで、むしろ集積の全体をどうするかということじゃなしに、新分野への進出というのは個々の企業の判断に任せて、それを支援する仕組みで十分なんではないかということですね。  したがって、できるだけ、中小企業の集積全体を何かこっちの方向へ引っ張っていこうということよりも、この機会に業種の多様化を図って、地域の経済基盤を多様で柔軟性を持ったような、そういうものにするという観点が、私は今のような状況の中では必要なんじゃないかなというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

南学政明中小企業庁長官

○南学政府委員 中小企業集積の活性化を図るためには、地域が主体となってそれぞれの地域特性に応じた発展の方向性を明確にするとともに、その方向に沿って個々の中小企業が新分野への進出なり高付加価値化を積極的に行っていくことが適切であると考えているわけでありまして、先ほど言及いたしました中小企業近代化審議会の答申においてもこの旨明記されているわけであります。集積ぐるみで方向性を明確にして事業展開を行っていくということが、当該中小企業集積の発展の道につながるものと私どもは考えているわけであります。  ただし、新しい分野への進出、高付加価値化といったような場合に、集積全体のコンセンサスの形成をもとにしてそれが決められるべきということはもとよりであります。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 大臣にお伺いしたいのですけれども、今これは法案の根幹の問題で、これまでの戦後の歴史の中は、もちろん個々の一つの企業が 栄枯盛衰があるのはある。しかし、企業城下町とか、あるいは一つの中小企業の集積があると、それ全体が何か変わっていくというこれまでの歴史があったと思うのです。したがって、その歴史を、今度の法律はまだこの集積全体に対して何かしようということですから、繰り返しになるのじゃないか。そうしますと、これまでの歴史の中で、中小企業の集積全体、町全体が栄枯盛衰をたどってきた、それをこの際ひとつ、そうじゃなしに、それぞれの企業にやらせてバラエティーに富んだものにするんだ、そういう方向性をこれまでの歴史から、今後の方向の中で取り入れる必要があるんじゃないかなというふうに思うのですが、いかがでしょうか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 先生の今のお話をお聞きしながら、私も過去のことをいろいろ考えておったのですけれども、今までやっておったのは、円高で極端にその地域の中小企業が大きな犠牲を受ける、これを何とか立て直さなければならないとか、そのときそのとぎの経済の変化の中で、地域社会の中小企業あるいは産業を振興させるためのいろいろな政策をやり、それなりにその時点で効果を上げてきたわけですけれども、今回お願いしておる法案は、もっと将来を展望した長期的な視野に立って、その地域の特性を生かしながら、その地域の中小企業に未来の発展をしていただく。言うならば、私は、竹下先生の御指導で、自治大臣のときにふるさと創生事業をやった経験がありますが、いわばこれは中小企業といいますか、地域産業におけるふるさと創生版のようなもので、まず地域の人にやる気を起こしてもらう、そして今先生から御指摘がありましたが、やはりそれぞれの関係の皆さん方がやろう、そういう中で通産省としては情報の提供あるいは税制あるいは金融面で応援するというような形で、いわばそのときそのとき、その困難を乗り切るというようなことにとどまらない、長期的な展望に立ってその地域社会における中小企業の発展を図っていくものだ、こういうふうな考えを持っております。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 大臣、もう一つお伺いしたいのですが、長期的な展望とか将来の展望を考えておるということですけれども、そうなりますと、活性化計画のイメージということですが、具体的なものとしてはファインセラミックスとかチタン製品とか、いろいろ説明があったのですが、こういう技術革新の対応というのは、少し前の軽薄短小というような、石油ショックの後のとき、そういう時代にも幾らかやってきているわけです、幾らかというか積極的に。ですからむしろ、そういうのをやってきた、そういう中で今日の中小企業者たちの一番大きな問題というのは、将来はそれはいいです、しかし目の前の問題というのは、やはり後継者不足とかあるいは人手が足りない。あるいは新しい分野に行こうとしても、そのときにもう、移ったときに設備投資が大きいために企業が倒産していく、中小企業ですから資本金が小さいですからね。そういうみずからの企業の存立そのものが危ういという状況、人手不足、後継者というところを踏まえながら前へ行くということでなければいけないと思うのですが、その具体的な、目の前の問題について今度の法案というのは対処ができるようになっておるかどうか、それはどうでしょうか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 これは、私どもは総合的に政策を遂行しておるので、今先生御指摘の当面の問題、これは極めて重要な問題で、今経済が非常に心配されておりますから、また、今御指摘のように時短というようなものが今や世の趨勢になっておるとき、中小企業の労働条件をどう大企業に負けないようにしていくかとか、当面の問題は、これは大事なことであります。これは、昨年先生方にお世話になってでき上がった中小企業労働力確保法を生かすとか、また今不況が非常に心配されておりますから、これは今月末、政府として景気対策という中で中小企業の省力化、合理化、またこれらに対する金融条件をよくしてさしあげるような工夫を今やっておるわけでありますから、先生御指摘のような問題は、今当面する私どもに与えられた大きな責任ということで、これから対処してまいりたいと思います。  同時に、当面の難しい問題を一つ一つ取り除きながら中小企業を守っていく。中小企業を守っていくということは、そこで働く人たちを守っていくということで、先生の政治信条は、働く人たちの報われる世の中をつくるということが先生の政治哲学であるということを伺っておりますが、まさにこれはその中小企業に働く人たちが未来に大きな夢と展望を持って、またその地域社会で生きていくことに大きな誇りと可能性を持って頑張っていただこうという長期的な視野に立っての法律であり、同時に、当面する先生御心配の問題等については、私ども、またこれは通産省、また中小企業庁の責任の中で、これから事に当たってまいりたいと存じます。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 そういうふうになりますと、先ほど言われましたように、各中小企業者のやる気を起こして、それを全体で包んで県や国が支援するんだということですが、やる気を起こすということは、新規分野に進出するということになりますが、そういう新規分野に出るという場合は、企業家にとりましては、ひそかに案を練ってだれにもわからぬようにして、おれはやるぞというふうにして、それでまた後から全体がいくということですから、そうなりますと、この企業の進出計画あるいは県の活性化計画、そういうふうに一々計画書を出してやるということで果たしてうまくいくのだろうか。これまでの中でも、もうだれにもわからないようにしてぱっとやるということで、それで広がっていく、そういうことの方が多いんじゃないかと思いますが、活性化計画との関連でどうでしょうか。

南学政明中小企業庁長官

○南学政府委員 本法案におきまして進出計画の承認制度というのをとっております。行政庁にそれを提出することになるわけでありますが、当該進出計画が活性化計画に沿ったものであるかどうか、あるいは法律上の特例措置や予算上の助成措置の対象とすることが適当であるか否か、そういうことを判断するためには、やはりこうした承認制度が必要不可欠であると私どもは思っております。  ただ、進出計画は、第一に、中小企業者が自主的に作成するものであるということ、第二に、都道府県におきましても個別の中小企業者の進出計画の内容を公表することは予定していないということ、第三に、本法案の制定につきましても、多くの中小企業者から現に強い期待が寄せられていること等を考えますと、御指摘のように行政庁に計画を提出するということで本法案がうまく進まないということにはならないのではないかと私どもは考えております。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 ぜひそういうふうにうまくいくような法律にしたいものだと私も思っているわけですけれども、そういう指導をお願いしたいのです。  それともう一つ、この十二条の中で、中小企業投資育成株式会社の問題で、「一億円を超える」ということを書かれているわけですね。これでどうして「一億円を超える」ということにしたのかということですが、一つは、一億円を超える会社がこういう法律改正をしなければいけないような困った事例があるのかどうなのかということ。そしてもう一つは、この育成会社、この同社への申し込みの件数というのは採択件数に比べて多いから非常に競争が激しい、あるいは審査が厳しいということになっているのですけれども、どういうような運用状況になっているのかということですね。その辺をお伺いをしたいと思います。

桑原茂樹中小企業庁計画部長

○桑原政府委員 まず、資本金が一億円を超える中小企業者に対してなぜこの投資育成株式会社がその株を引き受ける必要があるのかという御質問でございますけれども、我々、昨年この法律案を作成するに当たりまして、中小企業者にアンケート調査等をやったわけでございますけれども、資本金が一億円を超える企業、それから一億円未満の企業といろいろありましたけれども、資本金が一億円を超える企業のおおむね一割程度の会社 が、新分野への進出等を行う際に必要な資金につきまして、投資育成株式会社の引き受けによるところの新株発行を検討したいというような答えを出しております。  一般的に申しますと、この新しい分野へ進出するある小は新技術を開発するというのにつきましては相当な金額が必要であるということも考えられますので、そういう意味におきましては、資本金一億円以上の中小企業がかなり中心となってやらざるを得ないケースもあろうかと思っております。そんなことで、我々は資本金一億円以上の企業であっても投資育成株式会社が株式の引き受けをする必要があるのではないかというふうに判断をいたしたということでございます。  次いで、投資育成株式会社の状況はどうだということでございますけれども、我々は、全体として三社ありますところの投資育成株式会社は順調にその存在理由を達成しているものと思っております。現在までのところ、累計で、三社合わせまして千二百九十社、投資額にいたしまして六百二億円の投資をやっておりまして、民間のいわゆるベンチャーキャピタルと比較しましても相当な金額になっております。  また、これまで投資いたしました中小企業のうち五十社が株式の公開をやっておりまして、相当な成果も上がっております。  また、過去三年間の平均値で見ますと、一年間における新規投資に対する申込数が百三十六件程度に上っておりますし、そのうち引き受けた数が百十六ということでございまして、引き続き相当な需要が中小企業者から投資育成株式会社に寄せられているというふうに見ております。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 この一億円を超えるという問題ですが、今度の法律の第二条で、「「中小企業者」とは」「資本の額又は出資の総額が一億円以下の会社並びに」というふうに書いて定義しているわけですね。そうしますと、わざわざここで「「中小企業者」とは」というふうに定義しているものですから、この十二条の「一億円を超える」というのは定義と矛盾するのではないですか。したがって、ここで特例措置というふうに書くのはいいのですけれども、そうするならば、この定義と矛盾するのですから、矛盾しないように変えなければいけないと思うのですが、いかがですか。

桑原茂樹中小企業庁計画部長

○桑原政府委員 今、法案の第二条の中小企業者の定義に関連しましての御質問でありますけれども、ここで定義しております中小企業者は資本金が一億円以下またはという意味でございまして、まなは従業員の数が三百人以下の会社、こういうことでございますので、資本金が一億円以上でございましても、従業員が三百人以下ということで中小企業者に該当するということがあろうかと思っております。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 そうであれば、一億円を超えるというのは、極端な話が、それは五億か十億かわかりませんけれども、大手の方ですね、大企業と言われるところ。そこにもこれは道を開くということになりますと、本来中小企業庁からやるということから見るとバランスが崩れていくのではないか、こういう懸念を私は持つのですが、いかがでしょうか。

桑原茂樹中小企業庁計画部長

○桑原政府委員 本法律の対象となります中小企業者でございますけれども、活性化計画というのがございまして、それに基づくところの進出計画というのが個々の中小企業者から出るわけでございまして、その進出計画を実現するためにいろいろな支援の措置が用意されているということでございます。あくまで本法に定める進出計画の承認を受けた中小企業者が本法の支援措置の対象となるということで、御心配のことは起こらないのではないかと思っております。

加藤繁秋日本社会党・護憲共同

○加藤(繁)委員 ぜひそういう大企業に道を開くようなことにはならないように御指導をお願いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。

武藤山治日本社会党・護憲共同

○武藤委員長 小沢和秋君。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 この法案は、中小企業の密集している多くの地域が、これまで特定地域中小企業対策臨時措置法等でてこ入れを図ってきたにもかかわらず、依然として停滞、衰退の傾向を続けているため、新たにその活性化を進めるため提案されたものだと理解して、賛成をいたします。  そこで、まず大臣にお尋ねをいたしたいのは、今まで中小企業の密集地域を活性化させるため何回も臨時措置法をつくったが、停滞、衰退の傾向が依然として続いているのはなぜかということであります。  先ほどの答弁では、前の法律で大変大きな成果があったと言われたのでありますが、これは事実を余りにも無視しておると思うのです。私もいわゆる産地中小企業の動向を調べて改めて驚きました。この五年間、つまり前の臨時措置法の期間、全体として見れば、景気がよかった期間に、生産額こそ九%増でありますけれども、企業数は一八%のマイナス、従業者は一五%のマイナスというひどい落ち込みであります。これまでの法律にどういう不十分さがあったか、その教訓がこの法案にどう生かされているのか、簡潔に御説明をいただきたいと思います。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 過去の戦後の中小企業政策、幅広い意味での産業政策、これは時代が刻々と変化しておりますから、オイルショックで大騒ぎをした時代、また為替の変動で産業が壊滅的な状態になろうとするような時代、その都度、その経済情勢を切り抜けていくためにいろいろの施策をやっております。例えば、為替の変動の中で新潟県の燕が壊滅的な状態になろうとしたとき、通産省の政策によって今よみがえっておる事実等もございますし、いろいろの変動はございました。  今日は極端な労働力の不足というような中で、やはり大企業に負けない中小企業であるためには、合理化、省力化、技術革新による付加価値の高い産業にしていかなければならない。消費者のニーズも、国際経済の中での経済情勢も刻々と変化してまいります。そういう変化の中で、過去の反省に立って、これからの中小企業、集積するその地域産業を発展させていく長期的な視野に立って、今回この法律をお願いしたわけであります。  冒頭、先生この法律に御賛成いただくということで、何かお目にかかるたびに私と先生の考えが近づいてくるような気がいたしますが、何か表情も大変明るく、よろしくなられておりまして、私ども、過去の点によかった点もあれば、厳しく反省しなければならない点もある。そういう反省の上に立ってこの法律を運用してまいりたいと存じます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 この法案では、国は活性化指針をつくり、各種の援助措置を用意するけれども、推進する中心を県に任せ、より地域の実態に合った施策を推進しようとしていることは従来より一歩前進していると思います。  しかし、国の基本指針に基づき県が活性化計画を立て、その方向に沿う進出計画を出してきた中小企業や組合だけに援助を集中するということになると、やはり上からの振興策の範囲を出ないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。

南学政明中小企業庁長官

○南学政府委員 地域の中小企業者の自由な発想を伸ばしていくということはこれからの集積の発展のために極めて重要だと私どもは認識しております。  したがいまして、本法案におきましては、特定中小企業集積の選定あるいは当該集積の発展の方向について国が一律に規定せずに、都道府県が地域の中小企業の実情等を踏まえて活性化計画の中で設定することといたした次第であります。従来の特定地域法あるいは転換法、こういう法律では、国が地域を指定する、あるいは国が業種を指定するという方式をとりましたが、今回の本法案におきましては、都道府県が地域の実情を踏まえて計画を策定していくということにしてあるわけであります。また、活性化計画は、地域の中小企業者等のコンセンサスの上で設定されるということが必要であると考えておりまして、私どもは、この点を指針の中で明確に、明らかにしていきたいと考えております。したがいまして、本法案では、上からの押しつけを図るというようなもので はなくて、地域の自由な発想、創意工夫を尊重す為体系になっているものと私どもは考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 だから私は、そういう点が一歩前進ではあるけれども、なお上からの育成策という域を出ていないのではないかという立場からお尋ねしているわけです。  もうちょっと具体的に申し上げてみたいと思うのですが、調査室の資料には、この法案の具体的イメージとして、「金属加工技術に係る中小企業集積」の「発展の方向性」として、チタン製品、ステンレス人部材等が挙げられております。私の地元北九州、直方は、前の法律でも地域指定されておりましたが、ここに書かれている「金属加工技術に係る中小企業集積」のいわば典型的な地域でもあり、今度も指定されるのではないかと思います。  そこで、お尋ねをしたいのは、新日鉄がチタンやステンレスに力を入れているときに、北九州の鉄鋼中小企業にチタンやステンレスヘの進出を勧めるとか、あるいは、トヨタなどが進出しつつある直方市の鉄工業者たちに、自動車部品への進出を勧めるということになると、そういう大企業が必要とする中小企業をその地域につくり出すという範囲の振興策にすぎないということになりはしないか、それが本当の自主的な地域の活性化に映るのか。改めて、もう一度その点をお尋ねします。

桑原茂樹中小企業庁計画部長

○桑原政府委員 そのチタンなりステンレスは、あく音で一例であろうかと思っております。その地元の金属加工の中小企業の集積が今後どういう方角に進出したら自分たちの力が十分発揮できるだろうかということで、いろいち内部で御相談をいただきまして、やはりチタンに出た方がいいのではなもか。その際には、チタンに出ると大企業から大変発注が来て将来も明るいというようなことも、念頭にあるいは出てくるかもしれないと思っておりますけれども、チタンに出ようというようなことであれば、それでよし、また、違う方向に出ようということで地元が考えれば、またそれでよしということでございまして、そこに書かれているようなことは、あくまで一例であろうかと我々は考えておるわけでございます。  いずれにしても、そうした地元のイニシアチブということを我々は最大限に尊重すべきであるというふうに考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 私は、今真に求められているのは、中小企業が自分たちのこれまでの技術の蓄積を生かして、その発展として新たな分野、新たな商品をつくり出そうとする自由で自主的な創意を、国や県がいち早く発見して伸ばすことではないかと思うのです。ですから、国や県の活性化計画の方向とは違っても、今その点お認めになっているようにも聞こえますけれども、いろいろな創意を発揮しようとする中小企業に対して同じような積極的な援助をすべきではないかというように考えますが、いかがですか。

桑原茂樹中小企業庁計画部長

○桑原政府委員 まず、具体的な活性化計画の内容づくりにおきましては、先生のおっしゃるとおりでございまして、地元の中小企業者の創意工夫というのがあくまで前提になりますし、我々の提出しております法案も、そういう前提に立ちましてつくっておるわけでございます。  なお、中小企業の大多数の方がそういうことでコンセンサスをつくりまして一定の活性化計画ができました場合にも、その中の中小企業が、いや、実は自分はそういう活性化計画とは違う方向に自分一人でもやりたいというような方が出れば、それは排除するという意味ではもちろんございませんで、それは我々としては、従来中小企業施策の中でいろいろな施策が講じられておりますけれども、そういう方には、そういう従来施策を活用いたしまして御支援を申し上げるつもりでございます。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 この法律では、特定業種の中小企業の密集している地域を対象に考えているわ竹ですけれども、そういう地域でなくても、新しい分野に進出しようとか新商品を開発しようという、意欲ある中小業者を広く援助する必要があると思います。そういう業者に対してはどういうような施策が用意されているのかも、あわせてお尋ねをしておきます。

南学政明中小企業庁長官

○南学政府委員 本法案で対象としている中小企業集積は、地域中小企業の発展の核となるような機能を有しているものでありまして、ある程度の規模以上の集積を対象としているわけであります。ただ、中小企業庁におきましては、従来から地場産業等振興対策、地域産業創造基盤整備事業等の施策によりまして、各地域における新商品開発、デザイン開発、あるいは起業家の育成、さらには新たな地場産業の創造等を支援してきておりますが、本法案の対象とならないような小さな中小企業の集積に対しましては、こうした既存の施策を活用しながら、側面から支援を引き続き行ってまいりたいと考えております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 この法案が通ったら、中小企業の新分野への進出、新商品開発のために、どれくらいの援助が予定されているかということを見てみますと、地域中小企業集積創造的発展事業費として、一カ所千七百七十八万円、十六カ所として国からの補助二分の一で一・四億円。来年度は年度途中からで少ないというのかもしれませんけれども、余りにも少ないのではないかと思うのです。次年度以降はどの程度のことを考えているのかをお尋ねします。  それから、単価も少ないと思うのですね。これまでの特定地域中小企業対策臨時措置法でも、新分野進出等事業費補助事業がありましたが、総務庁行政監察局の行政監察報告などを見てみましても、補助額が小さいため、研究を十分にまとめ切れず、成果も中途半端に終わっているとして、例が幾つか指摘をされております。本法でも同じようなことにならないかどうか、この点も危惧を感じますが、いかがでしょうか。

桑原茂樹中小企業庁計画部長

○桑原政府委員 本法案を執行するのに必要な予算として、ただいま先生の御指摘ありました予算も含めまして、我々は、総額十億六千万円の新規予算をただいま平成四年度の予算案の中に計上をいたしておるわけでございます。来年度以降につきましては、まだ今の段階で何とも言えないわけでございますけれども、法案の執行状況等も考えながら、検討をしていきたいと思っております。  なお、この予算では足らないのではないかというようなことでございますけれども、我々は、予算だけで支援をするということではございません。御承知のとおり、中小公庫なり国民公庫の低利の融資制度というものも予定いたしておりますし、税制上の支援措置もかなりのものを我々は用意しているつもりでございますし、さらに、中小企業事業団の委託によりますところの研究開発制度等も創設することになっておりまして、全体として考えれば、我々としては、この法律案に基づくところの支援策はかなりのものが用意されているというふうに考えているわけでございます。  なお、先生最後に御指摘になりました点については、我々も十分留意してやっていきたいと思っております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 予算だけで振興するのではなくて、融資とか減税とか、いろいろな手法も駆使してやるんだ、それはそうでしょうけれども、この予算がその中核としての位置づけを持っているという点から、私はもう非常に貧弱ではないかと言っているわけです。  我が党は、これまでも大企業の新技術開発の膨大な補助金については系統的にその実態を調査してまいりました。来年度予算で見ても、上位の十社、大企業だけで三百三十七億五千万円ものそういう補助を受けているわけであります。我々の試算では、一番多くの補助金を受けている三菱重工は五十三億、二番目の日立製作所は四十九・八億と推定されます。これに対して中小企業関係では、とにかく技術的な向上のために国から支出される予算、もう何もかも思いつく限りを拾い集めてみても四十億そこそこ、三菱や日立への一社分にもならないんです。本当に今後中小企業を活性化しようと思うなら、この関係だけでも思い切っ て抜本的に増額を図る必要があるめではないかと思いますが、いかがですか。

桑原茂樹中小企業庁計画部長

○桑原政府委員 今後の中小企業の発展のために技術開発が非常に重要であるという点については我々全く同じ考えでございまして、従来からいろいろ努力しているわけでございます。現在、中小企業予算の中に大体六十億程度の技術開発関係の予算が含まれておりますけれども、我々としましては、この法案が成立いたしました際には、この法律に基づきまして、地域の中小企業のその技術開発というものに大いに力を入れていきたいと思っております。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 では、最後にもう一度大臣にお尋ねをいたしたいと思います。  私は、先ほどから新分野に進出しようとする中小企業への援助に絞って質問をしてまいりました。これは、中小企業の密集する地域を活性化するために、中核となり、推進力となるものを育てることが重要だと私も考えるからであります。しかし同時に、やる気のある者だけを助け、その他の大部分は放置したのでは、結局中核も育たず、全体がだめになるという関係でもあるのではないかと思うのです。  そこで、最後に大臣に申し上げたいのは、そういう我が国の中小企業全体を活性化しようとしても、現実の国の中小企業予算全体が余りにも貧弱だということであります。いわゆる臨調行革の十数年間に中小企業対策予算が年々創られ、平成四年度は千九百五十六億円にまで後退をしております。ことし久しぶりに六億円増になった。中小企業庁などでは、昭和五十六年以来の高い伸びだといって喜んでおるようでありますけれども、予算全体の中での比率は、昭和五十四年の○・六%が平成三年度○・二八%、平成四年度〇・二七%と、来年度もまだ引き続いて下がり続けているわけです。こんなことでは私は中小企業の振興は望むべくもないのじゃないかと思うのですが、この際大臣として、中小企業対策予算全体をやはり思い切ってふやす、こういう立場に立っての努力をお願いしたいと思いますが、いかがでしょうか。

渡部恒三自由民主党通商産業大臣

○渡部国務大臣 中小企業関係の予算、御指摘のように、これはこの数年間厳しい財政再建、それからゼロシーリング、そういう枠の中で残念ながら必ずしも増額してくることができませんでした。これは中小企業に限らずすべてに通ずることであります。しかし、中小企業は、先生御指摘のように、我が国の事業所数の九九%、また働く人たちのこれは八〇%を占める。まさに中小企業の発展なくして国の発展はないということでありますから、今回衆議院を通過させていただいて今参議院で御審議をいただいておる予算では、きょう御出席の商工関係の先生方の力強い御支援のもとに、厳しい財政の中の予算編成でありましたけれども、十一年ぶりに高い上げ幅の伸びの予算をつくることができました。もとより、これで十分というものではありませんから、これからさらに増額の努力をしてまいらなければならないと存じておりますけれども、先ほど政府委員から答弁ありましたように、産業というものはやはりみずからの力で立っていくということが一番大事で、これは保護政策だけで発展した産業というのはありませんから、中小企業といえども大企業といえども、そのためにはやはり税制とか金融とか、こういうものの政策が非常に大きな意味を持つので、補助金だけで産業は発展するものではないということも先生に御理解をいただかなければなりません。  また、先ほどこれは大企業優先でないかという話がありましたが、これも先生ちょっとまだ私の考えに近づいていないところがあるので、大企業も栄えて、そのすそ野である中小企業も栄えますし、大企業で働く人たちも皆大事な大事なこの国の勤労者で、むしろ先生に近い方も多いわけでありますから、やはりこれは大企業も発展する、中小企業も発展して我が国の経済が発展するということも御理解いただきたいと思います。

小沢和秋日本共産党

○小沢(和)委員 終わります。

武藤山治日本社会党・護憲共同

○武藤委員長 以上で本案に対する質疑は終了いたしました。     —————————————

武藤山治日本社会党・護憲共同

○武藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

武藤山治日本社会党・護憲共同

○武藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。  お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

武藤山治日本社会党・護憲共同

○武藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

武藤山治日本社会党・護憲共同

○武藤委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午前十時五十八分散会

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