商工委員会 第3号
- 発言数
- 253 件
- 登壇者
- 17 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/03/10
会議録
○武藤委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律案及び特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法案の両案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。竹村幸雄君。
○竹村委員 伝統工芸品産業は、昔から各地方の長い歴史と伝統、気候と風土の中で、民衆の力によってはぐくみ育てられ、受け継がれてきた産業であり、地方特有の文化であります。伝統産業は、日本国有の文化であり、日本人の心であり、日本民族の貴重な財産であります。この伝統産業を先祖から受け継ぎ、発展させ、子孫に引き継いでいくのは、現在に生きる私どもの使命であります。 今回、この伝統産業を単に守るということでなしに、伝統的な技術、技法を生かしながら、産業として発展させていく立場で改正案が提案をされました。昭和四十九年、議員立法で成立した伝産法は、私が起案をいたしました。努力をし、苦労して成立させた者として、渡部通産大臣の高い見識に深い敬意を払いながら、終始推進する立場で意見を申し上げ、質問をいたしたいと思います。 日本の主要産業は今でこそ自動車、電機、精密機械などということになっておりますけれども、これらが世界的な競争力を有するようになったのはごく最近のことであります。そもそも我が国の製造業が世界一の水準になり得たのも、伝統的工芸品産業によって培われた、きめ細かな物づくりの心、使う人の立場になって物をつくる物づくりの心と、洗練された技術、そしてそれを支える職人かたぎがあったからであります。 また、伝統的工芸品は寿命が長く、親子代々引き継がれるものも多いわけですが、近年、使い捨て文化の見直しか叫ばれ、地球環境問題が深刻化してきている中で、長もちする製品を供給し、物を大切にする文化を広めていくといった観点からも、伝統的工芸品産業は大いに評価できるものであり、また、我々の日常生活に豊かさと潤いを与え、地球経済の発展に大いに寄与するものであります。欧米の脅威になるほど強大になった現代産業育成に力を注いできた通産省が、このたび、規模や経済効果が少なくても、伝統産業の新たな価値を見直し、十八年ぶりに伝統的工芸品産業振興法を改正し、伝統産業の振興に省を挙げて取り組まれることは、大変に意義あることでございます。 まず、通産大臣は伝統的工芸品産業の振興の意義をどのように考えておられるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○渡部国務大臣 伝統的工芸品産業振興法が、今竹村先生御指摘のように、商工委員会における五党共同提案の議員立法によって、大変あのとき先生にお骨折りをおかけして、昭和四十九年に制定されてから既に十八年間経過いたしましたが、まさに、今竹村先生からお話がありましたように、伝統的産業は、二十一世紀に向けて、ゆとりと豊かさに満ちた国民生活実現に貢献する生活文化産業であります。また、二十一世紀に向けた新たな産業展開のシーズを提供する産業でもあります。また、特色ある地域づくりや地域活性化に貢献する産業であります。我が国産業の顔として、日本の産業文化を海外に対して印象づける産業として、その役割はますます大きくなっております。 ただ、残念ながら、その一方で、伝統的工芸品産業は、従事者の減少や高齢化、また需要の停滞、伝統的な商品のみに依存してきたこと等により、産業活力の低下などの事態に直面しており、このままでは、近い将来に多くの伝統的工芸品産業が衰退し、あるいは消滅することさえ心配されるのであります。 このような背景のもとで、伝統的工芸品産業審議会において、「新たな伝統的工芸品産業の振興の在り方について」御検討を賜り、昨年十二月、新たな観点からこの産業を魅力と活力にあふれた産業となすべく、伝統の活用、外部との積極的な交流、後継者の育成などについて取り組むべきであるとの答申をちょうだいいたしました。 この答申を受けて、伝統的工芸品産業に対する振興策を大幅に拡充すべく、伝統的工芸品産業の振興に関する法律を十八年ぶりに抜本的に改正することとしてこの法案を準備いたした次第で、まさに先生と私の意見は全く一致して、かわっていただいてもいいぐらいでありますので、御協力を賜ります。
○竹村委員 伝統的工芸品産業の振興のためには、いろいろ問題があろうというふうに思いますけれども、一つには後継者難の問題であります。後継者をいかに確保していくか。もう一つは需要拡大の問題があります。さらには原材料の安定確保の問題。今タイマイの問題が問題になっておりますけれども、そうした問題も含めて、原材料の安定確保の問題が大きな問題であろうというふうに思います。 今通産大臣から御答弁をいただいたように、伝統的工芸品産業の重要性はますます高まっておりますけれども、その実態は、そのほとんどが家族で生産をし、伝統的な技術、技法を親から子へと伝承しております。これらはいずれも極めて零細で、資金力もなく、大変苦しい経営を迫られており、こうした実情を見て、本来その後継者となるべき子供も、家業である伝統的工芸品を捨て、他に職を求めざるを得ないのが現実であります。さらに今後は、最近の雇用環境の変化の中で、後継者不足に拍車がかかっていくものと思われます。 このような事態に何とか歯どめをかけるべく、後継者確保の問題に真剣に取り組んでいかなければならないと考えますが、通産省の御意見を伺いたいと思います。 また、このような状況の中で、伝統的工芸品産業に新たに従事する着手後継者に対する支援策をぜひとも検討をしていただきたいと思います。また、伝統的工芸品産業の振興には、先ほども申しましたように需要の拡大が極めて重要でありますけれども、そのために通産省はどのような施策を考えておられるのか、お伺いをいたします。
○堤政府委員 お答えを申し上げます。 伝統工芸品産業をめぐる環境といいますのは、今先生の方からもお話がございましたように、需要減退、原材料確保あるいは後継者確保の問題という大変いろいろ問題が含まれているわけでございます。順番にお答えいたしますと、まず後継者の問題でございますが、御心配のとおり、最近アンケート調査をいたしましたが、伝統工芸士の七二%の方は後継者がいないのではないかという心配をしておるわけでございまして、これがこの伝統の灯をともし続けるための大変重要なポイントだと思っておりますし、今回法律改正のいわば根源的理由になった問題でございます。基本的にはこの後継者難といいますのは、企業体が非常に零細であること、あるいは職場環境に恵まれないとか、あるいは徒弟制度でなかなか若者のかたき、気風に合った制度になっていないとか、いろいろ問題がございます。今回、この産業をまず若者に魅力あるものにしたいというのが基本的な考え方でございまして、産業全体としてまず若者が魅力を感じる産業になっていただきたいというのが新しい施策を講じた最大のポイントになっております。 具体的に後継者の確保の問題に入りますと、今回支援計画というのを私たちが新しく振興計画とは別に定めさせていただきますが、これは現在いろいろ問題のあります後継者に対して、単にときどきセミナーをやるという形から、常設的にかつ若者の気風に合ったカリキュラムを組みまして、効率的な制度、育成の方法をやりたいということで、この支援計画というのを今回の改正案に盛り込ましていただきましたのは、この後継者問題の最大の問題にいかにアプローチをするかという解決策だと思っておる次第でございます。 それからその次に、若手に対する支援策というのが特に重要でございまして、これは実はまだ検討中でございますが、修業期間中の若手従業者に対しまして伝統的工芸技術を習得するために奨励金のようなものを出すことを考えておりまして、これは現在各地方公共団体との話も進めておりますが、まだ発表できる段階には至っておりませんけれども、ぜひ前向きに検討させていただきたいと思っておる次第でございます。 それからもう一つの問題でございます需要の拡大、これは大変問題がございます。ただ、暗い話ばかりではございませんで、最近の状況を素直に見ますと、需要の中に民芸ブーム的なもの、あるいは本物志向的なもの、環境に配慮して長く使いたいというようなそういう新しい需要というのが看取されますので、これをなるべく取り入れながらやっていきたいと思っておるわけでございます。一つには、今回製造業者と販売業者と一緒になって販売促進をやってみたらいかがでしょうかということで、共同振興計画というのをつくらせていただきました。これは販売業者を通じまして伝統工芸品の約八割が流通業者を通じて売られておるわけでございますが、この販売業者、流通業者を一緒に巻き込んで新しく需要開拓のための計画をつくらせていただいたのは、一つはこの需要の拡大の問題でございます。 それからもう一つは、支援計画という中に消費者との交流ということを強調させていただいておりますが、これはやはり消費者が実際に伝統工芸品を見て、さわって、かつ、自分でつくってみるというようなことをやることが需要の喚起にも結局はつながるということを考えまして、そういう形でやらせていただいております。海外の需要もぜひ発掘をしたいと思っておりますので、よろしくお願いいたします。
○竹村委員 先ほども申し上げましたように、伝統産業の振興のためには原材料を安く安定的に確保することが非常に重要でありますけれども、西陣織や絹織物の伝統的工芸品には、特に原材料である生糸の価格の問題が大きな問題になっております。生糸につきましては、一元輸入制度によりまして国内相場が高目に推移をいたしておりますし、海外相場との価格差が約二倍以上になっておる現状であります。そのために製品が高価になり、国際競争力がほとんどないような状況になっておるのであります。 先日も、ここに二十七日付の陳情書が参っておりますけれども、これは伝統産業を多く抱えておる、和装産地を抱えるところの全国の市町村で形成をいたしております全国和装産地市町村協議会からのものでありますけれども、この陳情書にも、生糸の一元輸入制度を廃止してほしいという陳情が参っておりますけれども、農水省おいでになっていますか、農水省の方からの意見を聞きたいと思います。
○新庄説明員 御説明申し上げます。 先ほど先生言及なされました陳情書でございますが、私どもも賜っております。過去何回か同じような陳情を受けておりますけれども、私ども、その場でいろいろ意見の交換をさせていただいておりますけれども、現実に一元輸入制度というものがございまして、そのもとで養蚕業あるいは製糸業、これが経営を行っておられるということで、やはり現実をまず認識をして、それからどうするかということでございまして、直ちに一元輸入制度というものを廃止するというのは問題が大きいのじゃないかということを申し上げているわけでございます。 御案内のように、一元輸入制度、これは昭和四十六年に国会の御発議によりまして立法化されたわけでございますが、当時海外からの生糸の無秩序な輸入というのがございまして、国内の生糸需給に非常に悪影響を及ぼしている、こういうことで、私どもが所管をさせていただいております生糸の価格安定措置、これを補完するという目的で立法化されたものでございます。当時に比べまして、現在国内の生糸の市場規模はかなり縮小はしておりますけれども、その状況は立法当時と基本的には変わっていないという認識をいたしておりまして、したがいまして、私どもといたしましては、養蚕、製糸、それから絹織物業、これら双方の業界の意向も踏まえながら適切にこの制度を運用していきたいというふうに思っております。
○竹村委員 私は、ちょうど十五年前の当委員会で、また、昨年の委員会でも申しておりましたけれども、生糸一元輸入制度は絹織物業者をどんどんつぶしていくわけであります。このことによってまた、養蚕農家にも重大な悪影響が及ぶということを主張してまいりました。ここにその資料がございますけれども、養蚕農家の数を言いましても、昭和四十八年に三十万戸あったのが平成二年では五万戸に激減をしておるわけであります。 このたび、通産省が新たに伝統産業振興を図っていこうという法案を提案をされました。この機会に一元化輸入をやめて、そして絹織物業者も養蚕の農家もともに共存し共栄できる方策をひとつ農水省としても検討していただきたいわけであります。私は私なりの考え方を持っておりますけれども、ちょっと時間がございませんので、その点につきましてはまたの機会に申し上げたいというように思いますけれども、そうした立場で、何が何でも一元化輸入を継続していかなければいかぬ、そのことが養蚕農家を守ることになるというふうな話でありますけれども、一元化輸入をやった結果三十万戸の農家が今五万戸に減りているわけでありますから、そうした意味ではひとつ御検討をしていただきたい、これは要望いたしておきたいと思います。 さらに、この法律で伝統工芸士の制度が、伝統的工芸品産業の職人の地位の向上に資するところが非常に大きい、大変意義のあることだというふうに思うわけでありますけれども、さらにその地位の向上のため、例えば今回新たに位置づけられた支援計画に基づいて整備されるところの地域伝統的工芸品産業人材育成・交流支援センター、いわゆる地域手作りカレッジの講師あるいは先生として活躍してもらう。そしてそうした伝統工芸士の認定を受けたということが誇りになるような施策をひとつ進めていただきたい。さらには何らかの優遇的な制度をつくっていただいて、そしてまた後継者の確保になるような手だてもひとつ考えていただきたいと考えておるところであります。 さらに、小規模産地の問題について一考していただきたいというふうに思うわけであります。 今、御承知のように全国には伝統産業の産地が約千カ所あるわけであります。そして現在までに百七十四指定していただきました。今では年々四カ所か五カ所指定の対象になるようでありますけれども、技術、技法は非常にすぐれておりますけれども、産地形成として三軒とかあるいは五軒とか非常に小さなところがその中でもたくさんあるわけであります。こうした産地はその規模が小さいということで今までは指定が受けられなかったわけでありますけれども、今回のこの法案の趣旨が技術、技法を生かして今度は産業として伝統産業を発展させていこうということでありますから、その趣旨にかんがみて、このような小規模な産地であっても将来これが、この技術、技法が大きな産業として発展していく可能性があるような産地については積極的に指定をして振興策を講じていただきたいというふうに思うわけでありますけれども、その点についての考え方をひとつお聞かせをいただきたいと思います。
○堤政府委員 二つ御質問いただいたと思っておりますが、まず伝統工芸士と、今度つくります人材育成・交流支援センターの関係でございます。 現在、伝統工芸士約四千百人認定をさせていただいておりますが、今回この法律改正で、今まで伝統的工芸品産業振興協会の単なる目的達成業務だったものを法律上明確に位置づけをさせていただきまして法定の業務という形で、ある意味で地位の向上を図るということを強く打ち出した次第でございます。 今回の改正の中で、先ほど申し上げましたような人材育成に力を入れていく中で、このセンターの講師あるいは先生として伝統工芸士の方々は不可欠な存在でございまして、我々としてもぜひこの方々に講師としてその腕を振るっていただきたい。そのための謝礼等につきましては、来年度予算にはある程度盛り込んではございますが、今後ともこれは先生の御趣旨を踏まえましていろいろ検討させていただきたいと思っておる次第でございます。 それから小規模産地の指定の問題でございます。これは現在幾つかの要件がございますが、指定の要件といたしましては、日常生活の用に供されるものであるとか、手工業的であるとか、あるいは伝統的な技術、技法によってつくられるとか、あるいは原材料が伝統的なものである、先生のおっしゃったところはこの、一定の地域において少なくない数の者が製造を行っている産地であるということが要件としてあるわけでございますが、基本的には、産業としてとらえていくという考え方は四十九年議員立法されて以来、基本的な考え方として受け継いでおるわけでございますが、この基本的な考え方は今回も踏襲をさせていただきたいと思っておる次第でございます。ただ、その運用上、原則として一定の規模以上というふうに書いてございますので、今回の法律の趣旨、特に将来の小規模産地が大規模な産地を目指して動くというような趣旨を十分勘案させていただきまして弾力的な運用はしてまいりたいというふうに思っておる次第でございます。 なお、小規模産地に対する施策は県段階でもかなりのことをやってございますし、国といたしましても伝産協会の業務といたしまして功労者表彰というような場合には小規模産地も対象にするなど、そういう形でのテークオフをするということも一つの道と考えておる次第でございます。
○竹村委員 今回の改正案では新たに三つの計画が加わり、それぞれにきめの細かな支援措置が用意されていて伝統的工芸品産業の振興に大いに期待できる内容となっておりますけれども、伝産法は十八年前、全国の産地からの熱い期待と大きな支援の中で議員立法として成立いたしました。そのときには本当に全国の伝統産業関係の人が大変な熱意と法律に期待を持っておりました。今回はそのときと比較して、こんな改正案ができるんやということで産地に言いましても、その時と比較をして熱意が少ないように感じるわけであります。 法律が制定されたときでこそ従事者や生産額も増大いたしました。そして五十四年以降、今度は従事者が減ってまいりました。そしてしばらくして出荷量も減ってまいりました。そして後継者難ということもありまして、もう高齢化が急速に進んでおるわけであります。そもそも伝統産業は中小零細企業が非常に多いこともあり、未来への展望を失い、伝統的工芸品の製造をもうやめようかというような人が再び情熱を持てるようにしていくことが大変重要であると思います。改正の内容はよいので、地元が再び情熱を持って伝統的工芸品の製造等に取り組めるよう地方自治体と一体となってPRに努力をしていただきたいと思うのであります。また、せっかく法律を改正するのでありますから、法律が積極的に活用されるように努力していただきたいと思います。こうしてせっかく仏をつくってもらったのでありますから、PRをしてこの法律に、実効あるものにしてもらうことによって魂を入れてほしいというふうに思うわけであります。通産省の考え方を簡単にひとつお伺いをいたしたいと思います。
○堤政府委員 今委員の方からのお話は全くそのとおりでございまして、せっかく法律改正をし、通達をつくり、財政措置、予算措置をとりましても、実際の執行をする段階で業界の熱意あるいは特に地方公共団体の皆様方の御協力というのはぜひ必要でございます。この法律改正に当たりまして、昨年の十一月になりますが、四十六都道府県の皆様にお集まりいただきまして、伝統的工芸品産業振興連絡協議会というのをつくらせていただきました。現在、京都府がその会長さんをしていただいておりますが、ここからの要望というものも我々の今回の施策には大変役に立ったわけでございます。今後もし法律改正が成就した暁には、県段階のみならず市町村あるいは個別産地、そういう方々に今回の法律改正の趣旨あるいは新規政策の中身を十分PRさせていただきまして、おっしゃるような意味での魂を入れさせていただければと思っておる次第でございます。
○竹村委員 最後になりますけれども、この伝統的工芸品産業振興法は十八年前、私が全国の伝統工芸品産業の方々と相談をして一から立案をさせていただきました。当時は国会議員の中でも理解してくれる人がほとんどなかったわけであります。我々社会党の中でも、そんな伝統産業というような産業は何で振興せにゃいかんのや、製品は非常に高いではないか、そんな高い製品を労働者は使わない、そうした産業を振興する必要はないんや、こういう意見もございました。全体的に伝統的工芸品に対する認識は非常に低かったわけであります。私は伝統工芸品の大切さを多くの人々に説いて回りました。しかしそうした中で、当時、本委員会の自民党の田中六助先生や浦野幸男先生や保岡興治先生、あるいは民社党の玉置一徳先生や我が党の中村重光先生、そして板川正吾先生、特に、本日委員長になっておられます武藤先生には大変お世話になりました。そうした諸先生方の力をかりることによってようやく制定にこぎつけたわけであります。制定当時、法律の目的に「豊かさと潤い」という用語が入っておりますけれども、この用語一つ入れるためにも一カ月ぐらいいろいろ議論をしたということを今思い出しているわけでありますけれども、今現在もこの用語が法律の用語として使われている法律は伝産法ただ一つであるというふうに聞いておりますけれども、九〇年代の日本の最重要課題であるゆとりと豊かさのある国民生活の実現を図る上で大変意義のある法律であるというふうに思うわけであります。 通産省は戦後強力なリーダーシップを発揮し、次々に主力産業を育て、あの敗戦の中からわずか四十数年の間に我が国を世界一の経済大国にまで押し上げてまいりました。経済の成長なくして国民生活の向上も国家の繁栄もあり得ないものでありますから、そうした意味では、これまでの通商産業政策は非常に成果をおさめてきたものと評価ができる一方、結果として余りにも行き過ぎた企業中心社会が形成されてしまったこともまた事実であります。一向に労働時間の短縮が図られない、あるいは労働分配率は世界一悪いわけでありますしからば経営者の給料が世界一いいかというなら、経営者の給料もアメリカなんかと比べて非常に悪いわけでありますしからば資本家がもうけておるのか、資本家のために働いているのかといいますと、株式配当もこれまた一番悪いわけでございます。そうした中で、世界各国と比べて一番多いのは設備投資の資金であります。言うならば、働く人も、経営している人も、そこに金を出した人も、全部犠牲を強いられながら、ひたすら企業のみを大きくしたことにほかならないのではないかというふうに思うわけであります。まさに企業の存続、発展がすべてのことに優先する企業中心主義に基づくものであり、これからはこうした点をぜひとも改め、二十一世紀に向け、真にゆとりと豊かさに満ちた国民生活の実現に向け政策の発想を根本から変えていく必要があるというふうに思うわけであります。 ハイテク産業の主役は機械であります。金融業における主役は金であります。伝統産業は手工業であり、まさに人がその産業の主役であります。伝統産業の根本は人間を大切にするということであり、現に伝統産業は職人の自信と誇りによって成り立っております。高齢になればなるほどますます自信と誇りを持って仕事に打ち込めますし、今後は、第二の人生を始めようとする人に対しても門戸を開いていくべきだというふうに思いますし、身体障害者、ハンディキャップを持った人たちにも適した職場を提供し、とかく対話がなかった現代の家庭に対して、物づくりを通して家族の触れ合い、人間の触れ合いというものを取り戻していくきっかけを与えていく可能性もあると思います。私は、そのことが今通産省が考えておられるいわゆる手づくりカレッジの持つ大きな意義の一つであろうというふうに思うわけであります。 企業中心から人間中心の社会へ転換が強く望まれている今日、伝統産業はハイテク産業と同等あるいはそれ以上の位置づけを我が国経済社会において有すると言っても決して過言ではないと思うのであります。今日、通産省がゆとりと豊かさのある国民生活の実現を大きな目標に掲げ、十八年ぶりにこの伝統産業振興法の改正、また別のところでは、伝統芸能の振興のために今、新法の制定を提案されたようでありますけれども、これまた日本の古来からある地域地域の祭り、多くの人々のそうした伝統的な催し、芸能に対しても通産省が音頭をとってそうしたものをやっていこうというふうにアクションを起こしていただいたわけであります。地域独自の歴史、風土、文化に恵まれた伝統産業、また伝統芸能に正面からスポットライトを当てるものであり、地方の時代、文化の時代、個性の時代と言われる九〇年代にあって画期的な第一歩を通産省が踏み出したものと高く評価をしたいのであります。 伝産法改正を大きな一歩として、これからの通産省において、我が党が長い間主張してまいりました、物と金だけでなしに人間を大切にする産業政策、人間を大切にする産業政策の展開を大いに図っていただきたいと思うのであります。伝産法改正に当たり、ゆとりと豊かさのある国民生活の実現に向けた産業政策の転換について、通産大臣の決意を伺って終わりたいと思います。
○渡部国務大臣 大変すばらしい御意見を賜りました。先生おっしゃるとおり、戦後廃墟の中から、貧しさの中から立ち上がった日本、合理化を求め、効率化を求め、便利さを求めひた走りに走ってきたわけでありますけれども、今大きな転換期に立って静かに将来を展望すると、やはりこれからは、先生おっしゃるように人間が主役となっての産業、また、その地域それぞれに長い歴史と伝統にはぐくまれた立派な工芸や芸術や文化があるのですから、これをもう一遍しっかりと見定めて、それをまた未来に向かって発展させていくという時期に到来しているのかと思います。私は、自治大臣のとき、ふるさと創生事業をやりましたが、今度通産省で仕事をさせていただくことになって、経済政策、産業政策のふるさと創生版をひとつやってみよう、その一つが今回のこのお願いでもあります。 先生のところも伝統産業が多いのでありますが、私のふるさとの会津にも漆器産業というものが、先生のところには及ばないと思いますけれどもありまして、これもかつては大量生産、機械生産によるベークライト漆器というようなことが一時流行いたしましたが、最近ではやはり手づくりの本塗りの、生地の、やはり本物志向でないと生きていけない、こういう時期に到来しておりますので、まさにこの時期にこそこの法律を通していただいて、我々は先輩のつくってきたとわなる美しきとうときものを守り保ちながら、さらに未来に向かって、とわなる美しきとうときものを創造していく、これが私どものこの政策に取り組んでおる基本姿勢でございます。
○竹村委員 どうもありがとうございました。
○武藤委員長 大臣は、予算委員会にちょっと出演をしてまいります。 山本拓君。
○山本(拓)委員 それでは、大臣がいなくなりましたところで質問をさせていただきたいと思います。 まず初めに、伝統的工芸関連について二、三御質問をいたします。 まず初めに、伝統的工芸品産業の振興を図る上での通産省としての今後の基本的な方向性についてお尋ねをいたします。
○堤政府委員 伝統工芸品産業の持つ意義は、大変大きいものがあると私は思っております。一つは、やはりゆとりと豊かさを支える生活文化産業であること、それから二十一世紀に向けて人間中心の社会をつくる中での産業展開のシーズになること、あるいは特色ある地域づくりの、地域の顔になり得ること、ひいては日本を、あるいは日本の産業を象徴するような、海外で日本の顔になり得ることというようなことを考えますと、その意義は大変重要なわけでございます。 ただ、この産業をめぐる状況といいますのは、光と影の部分がございます。影という部分は、大変産業活力が低下をしておりまして、後継者難あるいは原材料難、需要減退というようなことがあるわけでございます。 ただ他方、じっくり周りを見ますと、一つは民芸ブームに象徴されますような、大変本物志向の消費が出てきておるというようなこともございますし、若者の中にはクラフトブームというようなことも看取されるわけでございます。そういうところを活用いたしまして、産業活力の低下をしたこの伝統工芸品の産業に対しまして、若者に、あるいは消費者に魅力のある産業、魅力と活力のあふれた産業にするということが今回の改正の基本的な考え方でございますし、それに沿ったいろいろな施策を講じておる次第でございます。
○山本(拓)委員 どこでしたか、昔一村一品運動というのが大分県の知事さんですか、提唱されて、私も以前県会議員をやっておりましたから大分県へ見学に行って、我が県でもやろうということで、知恵を絞ってあちこちでみんなつくったのですね。成功した例は大分あるかしらぬですけれども、その陰で泣いた例も大変多うございまして、つくったはいいけれども売れないということで、何もしなかったら損はしなかったんですけれども、つくらせて売れなかったら大きな損害で、よそは知りませんけれども、私の知っている範囲では、国がいろいろ、今後つくる問題、そして新商品のデザインの企画力の問題について、今までもやってきましたけれども、これからも応援をしていく場合に、やはり一般の経営者と申しますか、産業界ではいわゆる企画力、新商品と製造といわゆる販路、マーケティングというのは三点セットなわけでありまして、今回伝統的工芸品産業に関していろいろな振興策を考えておられるようでありますけれども、その販路と申しますか、特に地場産業業者というのは、品物はいいのですけれども販路の面で非常に大手にも負けますし、そしてコスト的にもやはり、手間仕事が地場産業ですから、当然値段的には機械化よりは少し割高になるわけですから、売るという点では非常に大手と従来の普通の商品よりはマイナスの点がある。そこらを含めますと、やはり今回の、特に伝産品なんかはデザインとか、いわゆる製造、後継者育成もいいのですが、大体後継者育成なんというのは、もうかる仕事には後継者が来るのですよ。もうからない仕事には来ないわけでありますから、もうかるために、売れるための販促についての特別なお考えを持っておられるのかどうか、従来いろいろなことをやっておられるのは知っていますけれども、それに加えてどのような点に注意をされておられるのか、お尋ねをいたします。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 従来の法律、現在やっております法律の中心になっておりますのは、製造業者に注目しまして、その製造業者を中心にした施策を講じていたわけでございます。ただ、その結果が委員のおっしゃるような意味で、物をつくるけれども売れないというような状況が減少することになるわけでございますが、今回は、この純粋製造者対策から、いろいろむしろ製造業者と、例えば消費者あるいは現代産業、そういう人たちの交流を深めていくということが今回の改正のねらいになっておるわけでございます。 特にその中でこの販売促進に関係をするというのは共同振興計画でございますが、これは製造業者にだけ注目をした施策から、販売業者も含めまして、販売業者の持っております人材、アイデア、ノウハウあるいは資金力、そういうものを活用して、メーカーと販売業者が一緒になって販路の開拓に入る共同の計画をしてもらうということを取り入れましたのも、全く御趣旨のような販売の促進を考えた結果でございます。 そのほか、支援センターの中で消費者との交流ということを強調させていただいておりますのも、やはり伝統工芸品のよさというものは、見て、触れて、そして自分でもつくってみるというようなことが結局はそのよさが理解されることにもなりますので、これは長い目で見ますとやはり非常に潜在的な需要の開拓になっているのではないかというふうに思っておる次第でございます。
○山本(拓)委員 非常にいいことだと思うのですが、ただ一つだけ追加してお願いしておきたいことは、例えばうちの地元なんかで塗り物、ありますね。塗っている人というのは、これは問屋さんから注文が来るわけですね。これは笑い話ではないのですが、以前私の知っているところの塗り屋さんに私遊びに行ったら、一生懸命徹夜仕事でひし形のマークを入れているのですね。これ、どこかで見たことがあるなと、私も見たことあるのですと塗っているのですよ。後で聞いたら何たら組の何かに出すものだったという話がありましたけれどもね。そんなもので、どこで売れるのかわからない、どこからか注文が来たとおりのことをやる。 だから、要するにこれはそういう観点ですから、今の考え方だと問屋さんも、やはり問屋さんというのは利益を追求しますから、コストダウン、コストダウン。コストダウンということになると、だんだんこれは手間仕事は省けというところへ行き着いてしまうのですね。早い話が、手間仕事で塗るよりもスクリーン印刷をかけた方が変わらない、だから塗り師は要らないというようなことにもなりかねません。だから、やはりそういうふうに考えると、産地のつくっている者が直接売る、産地直売のシステムに応援してあげる必要もあるのではないかというふうに考えるわけですね。 だから、国が今指定しておりますのは大体百七十四品目というふうに限られているわけですから、やはり品目を指定した以上は、その品目についてその生産業者が直接アピールできる、これはつくる人が伝統士ですからね。だから、そこに問屋を育てたって、私は余り意味がないとは言わないけれども、それも大事だけれども、これから、それとあわせてその人たちが直接国民に、消費者に売れる。これから国際化の時代で、そういったものが外へ出るときには、輸出補助金まで出せとは言いませんけれども、やはりそのくらいの個別の対応もしていく必要があるのではないかなというふうに考えているところでございまして、今の共同振興計画のこの案に盛られている、それとあわせて、やはり直接製造業者が産地直売で全国大会で競わせて、全国の消費者にアピールさせるとか、そういった企画もあわせて考えていただけないかなというふうに思うのですが、その点、いかがなものですか。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 実際に、お話のございますように、販売業者と製造業者というのは、あるところで利害が相反しているというところもございます。もちろん共同でやる場合にはそういう利の反したところをなるべくまとめて、国が計画を認定する段階でそういう利害関係がなるべく調整されることを願ってやっておるわけでございます。 ただ、基本的には、おっしゃるように現物を見て、産地直送ではございませんけれどもメーカーが自分でつくったものを自分で売るというところも大変重要な販路だと思っております。現在、例えば東京の百貨店等で通産大臣賞などを出しながら販売の展示会をやりつつ即売もするというような形、あるいは青山にございます伝度会館で実際に展示し、かつそれを見て買っていただくというような、そういう意味での直接的な販売促進についても意を用いていきたいと思います。 また、海外につきましては、現在伝産協会の事業の中で海外での展示あるいはこれからはジェトロ等を通じます事業、海外の販売につきましての促進についても配慮してまいりたいと思っております。
○山本(拓)委員 ぜひとも、問屋さんも大事ですが、やはり基本的にはこの伝統工芸産業を振興させていくためには、産地直売と申しますか生産する人が直接PRできるような援助を、どうせするのならしていただきたいと思いますし、今後通産大臣を初め通産省が物を買う場合、贈る場合にはそういう伝産マークと申しますか、指定品目をひとつ大いに推奨していただきたいと思うところでございます。 次に、特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法についてお尋ねをいたします。 具体的に一つずつお尋ねをいたしますが、本法における新たな観点であります中小企業集積の有する機能というのは具体的にはどのようなものを指されるのか、お尋ねをいたします。
○南学政府委員 中小企業集積には、製品、技術、生産工程、販路等において地域や伝統にはぐくまれた技術、人材等を活用しながら有機的に連携した事業活動を行っている中小企業者が多数存在しておりまして、中小企業集積はそれ自体として特有の機能を持っているわけであります。 具体的には、私ども三つの機能があると考えております。 第一は、中小企業の効率的な事業活動の母体という機能であります。共同受注、共同仕入れ、分業、地域ブランドの確立等であります。 第二の機能は、中小企業者の新分野開拓等を促進する機能でありまして、情報の入手、関連事業者との技術、販売面等における連携の容易化等であります。 第三の機能は、地域中小企業の発展の核、すなわち雇用機会の提供、地域コミュニティーの担い手等の機能でありまして、これら三つの機能を有していると考えております。 このように、中小企業集積は中小企業の発展基盤として極めて重要でありまして、今後ともその機能を存分に発揮させていくことが肝要かと存じております。
○山本(拓)委員 それでは、中小企業集積が発展するためには、その発展方向たる特定分野の設定が極めて重要であるわけですが、地域中小企業が適切な特定分野の設定を行うというのは非常に難しい点もあろうかと思います。国としてもその点を十分に指導していかないと、うまくいくものもうまくいかない。この点について国の御見解をお尋ねをしたいと思います。
○南学政府委員 特定分野というのは特定中小企業集積の発展の方向となる事業の分野のことでありまして、適切な特定分野の選定を行うことは、当該特定中小企業集積の活性化のためには極めて重要なことであります。 したがいまして、中小企業庁といたしましては、第一に特定分野の設定に関する基本的な事項について、活性化指針において明らかにしていくことといたしております。第二に、都道府県の地域の経営資源の利用の可能性等に関する調査に対する助成を行っていきたいと考えております。また第三に、都道府県や中小企業事業団等を通じまして、中小企業者あるいは組合等に対しまして各種の情報の提供、指導を行ってまいりたいと思います。このような各般の施策を講ずることによりまして、適切な特定分野が選定できるよう努めてまいる考えであります。
○山本(拓)委員 それじゃ、本法案に関連する予算措置等の支援措置はどのようなものがあるのか、あわせてお尋ねをいたしておきます。
○桑原政府委員 本法案を作成するに際しまして、必要な予算上の支援措置それから法律上の支援措置、税制上の支援措置あるいは金融上の支援措置というものを総合的に我々は準備をいたしております。予算措置に関しましては、都道府県に対する補助あるいは支援センター等に対する補助合わせまして十億六千万の新規予算を用意いたしております。
○山本(拓)委員 この中小企業集積の話もさっきの伝産の話も同じなんですが、中小企業というのは大手との格差というのは資本力とか情報力とかいろいろありますが、そういう中で、先ほども言いましたようにあくまでもデザインと新製品の企画と製造と販売、いわゆるマーケティング、これは三点セットでありますから、そういう観点から本法案で中小企業者のマーケティングにどのような支援を特に考えておられるのか、そしてまたその裏づけとなる今の予算措置等の中で、十億ですか、その部分の中で大体どの程度、何%ぐらい予算措置の裏づけが見出せるのか、その点ちょっとお尋ねをいたします。
○桑原政府委員 今回の中小企業集積の活性化を真に有効に図るために、先生の御指摘のとおり製造面だけでそういうことが有効にできるわけではございませんで、試験研究の面であるとかマーケティング、いわゆるソフトな経営資源での面が非常に重要であるということでございます。我々もこの点はいろいろ考えまして、本法におきましてもその点に対する配慮というものはいろいろしてございます。 第一に、本法の中に支援事業というものが必要不可欠な要素として入れでございます。これは特定中小企業集積を活性化するために、地場センターであるとか公設の試験研究機関であるとかこういうところが中心になりまして、そのソフトな経営資源の面を含めましていろいろな面で総合的に中小企業集積の活性化を支援していくということでございます。 それから二つ目には、やはり法律に書いてございますけれども、商工組合等が新商品あるいは新技術の研究開発あるいは需要の開拓、研修、情報の提供といったような事業を円滑化事業としてやることになってございます。これもソフトな経営資源に関しまして中小企業者に対していろいろだ面で支援をするということでございまして、我々はこうした支援事業あるいは円滑化事業につきましてもそれぞれ予算、税制等の助成措置を講ずることにいたしておるわけでございます。 いずれにいたしましても、こうした手段などを通じましてソフトな経営資源の面から中小企業の集積の活性化を最大限に支援していきたいと考えております。
○山本(拓)委員 今後中小企業を活性化させる意味で一番大事なのは、今ほどお話が出ましたようにソフト面ですね。設備とかそういったものは担保があれば借りれるし、担保がなければ貸してくれないし、いわゆるそういう流れの中でハード的なところは今までの延長線上で解決していくと思うのですが、一番大事なのがハードなんですね。しかもこれからハードというのは人が解決する話ですね。特に中小企業というのは、ただでさえ人手不足でありながら中小企業はもっと人手不足。もっと深刻なのは、今我々の年代でいきますと、おとっつあんの社長が入れかわって息子がみんな社長になっているのですね。息子が社長になりますと、おやじが社長のときには息子としては優秀な専務であったけれども、自分が社長になったときに自分にかわる優秀な専務がいないというところが一般的な、我々が聞く限りにおいては悩みがそこにある。ところがなかなかそういう人が育たない。いわゆる最近の若い人の労働者というのはお金にドライですから高いところへは行くけれども、そういう入れかわりが激しいですからね。 そこで、やはり当面の助成策としては、今外国人労働者というのが盛んに各省庁で受け入れを準備いたしておりますが、この外国人労働者といっても二つに分けて考えなければいかぬので、単純な、スコップを持つ労働者と、そして向こうの大学のある程度専門分野を出た知的な労働者と、その二種類の受け入れを考える必要があると私は思うのですが、基本的には単純労働者というのは余り今必要としないわけで、そこらのハイレベルというとおかしいですが、向こうのそれなりの大学の専門分野を出た、そういう人たちをこちらに招いてそして自分のスタッフにしていくという受け入れも、個々の企業では今準備を進めて、また、やっているところもあるのですね。そういう観点からいたしまして、やはり本法案の中で人材育成についていろいろ手段を講じるというふうに書いてありますけれども、この人材育成の中には将来にわたって、もちろん法整備も後の話になりますけれども、その人材育成というのは外国人のいわゆる優秀な人を含めたものを対象にする余地も十分あるということですね。
○桑原政府委員 御指摘のとおりでございまして、中小企業でどんな問題があるかということで我々いろいろな面で聞いておりますし、アンケート調査などもいたしておるわけでございますけれども、ここ数年人手不足というのが中小企業の最大の問題点となってございます。また、御指摘のとおりに技能で中小企業を支えるような人がいないとかそういう声も上がっておりますし、事業承継等についてもそういうものが大きな問題になってきておるようでございます。 我々昨年、中小企業の労働力の確保の法律を制定していただきましたもので、現在この法律に基づきましていろいろな施策を講じておりまして、中小企業が労働者にとって魅力的な職場になって、その結果として中小企業に人が集まるというようなことについていろいろ努力をいたしておるわけでございます。 一方、外国人労働者でございますけれども、中、小企業の方からは、もう人手不足の世の中なんで、何とか外国人労働者をもう少し受け入れる余地がないかというような要望も聞いておりますけれども、最近はやや経済状況もございまして、人手不足が若干緩和されているところも見られるようでございます。 いずれにいたしましても、この外国人労働者の問題は、単に必要だから単純労働者を受け入れるんだということではなくて、もう少し広い視点から考えるべき問題であろうかと思いますし、現在の研修制度というようなものを大いに活用をいたしまして、いろんな面からこの外国人労働者の問題を考えていくということが必要であろうと思っております。 また、人材育成に関しましては、この中小企業集積の活性化に関しましてやはり人材というものが中小企業集積の活性化のために非常に必要であるということは御指摘のとおりでございまして、我々もこの総合的な施策の中で技術に関する研修等々に関しまして必要な施策を講じていきたいというふうに考えております。
○山本(拓)委員 ぜひとも、今後はやはり人材育成、特に人材育成でも、企業自体が、中小企業自体もグローバルな経営活動をもうやっていっておりますので、そういう中で、外国人労働者というよりも外国人のスタッフを巻き込むような形の余地と申しますか、今後これは現実的には県がその点指導していくのですが、県に通達というか指導する場合にはそういうことも十分に踏まえて柔軟に運営するようにぜひとも指導していただきたい、要請していただきたいと思うところでございます。 ところで、ついでに、まだ五分ほどありますので、先般十二月でしたか、切れたはずの法律で、前の円高のときに特定地域中小企業対策臨時措置法というのがありましたね。それと今回の法案とはどう違うのです。その違いだけちょっと教えていただきたい。
○南学政府委員 御指摘のように、急速な円高の進展に対応するため、昭和六十一年、特定地域中小企業対策臨時措置法というものが制定されました。これは緊急経済対策としての性格を有するものでありまして、一方、今回御審議をいただいております本法案は、中小企業集積の活性化を通じ中小企業者の自律的発展の基盤の強化を目指す、より前向きの法律であります。我が国地域中小企業の中長期的発展に大きく資するものと今回の法案は認識をいたしております。 また、施策の対象となる集積事業の分野の選定も都道府県にゆだねるなど地域における自主性を最大限に尊重する体系に本法案はなっておりまして、先ほど申しました特定地域中小企業対策臨時措置法、これは国が地域を指定しておったわけでありますが、このような相違がありまして、従来の中小企業立法とは今回の法案は大きな差異があると考えております。
○山本(拓)委員 じゃ、あと一点、大臣が来たらお尋ねしようと思ったのですが、だれか代表で答えておいてください。 中小企業の役割についての問題ですが、いわゆる日本経済を支えているのは、最近テレビでよく経済団体のお偉方みたいな人が、さも自分たちが日本の経済を支えているように錯覚をしているばかな経営者を時折見かけるわけですが、決してそうではないんで、基本的にはやはり中小企業がきちっと末端の下請を含めて機能しているから日本の経済がうまく機能しているので、そういう点から通産省として、我が国の経済における中小企業の役割について認識をお尋ねをしておきたいと思います。
○南学政府委員 我が国中小企業は、量的には全事業所数の九九%を占め、また従業員数の八一%を占めております。質的には我が国経済の活力の源泉として我が国経済社会の発展のために大変大きな役割を果たしてきていると思います。 我が国経済が戦後の荒廃から立ち直りまして今日の繁栄を築き上げられましたのも、まさに中小企業が大企業とともにバランスよく発展してきたからであると認識をいたしております。そして、我が国経済の今後の発展のためには引き続き中小企業には活力の源泉としての役割を担っていってほしいと思いますし、さらに、消費者ニーズの多様化、高度化などの経済的な環境変化を考えますと、中小企業には機動性、弾力性があるわけでありますので、ゆとりと豊さに満ちた国民生活の実現への貢献あるいは地域社会の活性化への貢献、さらには勤労者への働きがいのある職場の提供など多面的な役割を期待していたいと考えております。したがいまして、今後とも中小企業の活力ある活動が我が国経済にとって極めて重要な役割を果たしていくものと考えております。
○山本(拓)委員 以上、終わります。ありがとうございました。
○武藤委員長 大畠章宏君。
○大畠委員 日本社会党の大畠章宏でございます。私は、特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法案について御質問をさせていただきたいと思います。 今、山本委員の方からいろいろお話があったわけでありますが、その山本委員の、中小企業をどういうふうに受けとめているかという質問に対して、この我が国の経済の基盤を支えている、まさに全事業所の九九%、そして全労働者の八一%の従業員の方で構成されているという話がございましたけれども、まさにこの日本の今日の経済を支える、言ってみれば大変大きな力だ、そういう分野だと私も思います。しかしながら、最近の日本人の生活様式の変化ですとかあるいは世界的な経済の変化、そして大きな経済の彼等で中小企業が大変困っている、そういう実態もございます。 そういう中で、今回政府の方からこの特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法案というのが提出されたわけでありますが、この法案がそのような中小企業を活性化する、そういう意味で実効あるものに、寄与するように私も願っている一人でありますけれども、そういう観点から幾つがこの法案に関して御質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、この法案の提案された基本的推考え方というものをお伺いしたいと思います。 〔委員長退席、和田(貞)委員長代理着席〕
○南学政府委員 本法案を提出いたしました基本的な考え方についてお答えをいたします。 日本の中にある産地、企業城下町等の中小企業集積は、先ほども答弁をさせていただきましたが、中小企業者の効率的事業展開あるいは新たな事業分野への進出の母体として、さらには地域中小企業の核として極めて重要な役割を果たしているわけであります。しかしながら、中小企業集積の多くは、近年消費者のニーズの多様化、高度化、個性化、技術革新の進展などの厳しい経済社会環境の変化の中でその機能を低下させているものが多いわけであります。各地域における中小企業集積の活性化を図るためには、中小企業集積の発展の方向性を明確にしながら、その方向性に沿って個々の中小企業者が新しい分野を開拓したり、あるいは高付加価値化を積極的に図っていくということが極めて重要なことと考えておるわけであります。 このような考え方に立ちまして、本法案は、各地域の主体的な取り組みのもとに行われる中小企業集積の活性化を国としても積極的に支援することによりまして、地域中小企業の自律的発展基盤の強化を図り、ひいては地域経済社会の発展に寄与したい、このように考えまして本法案を御審議いただいているわけであります。
○大畠委員 大変すばらしい基本的な考えでございまして、その考えがすなわちこの法案でもって花開くように私も期待しているところであります。 幾つか、この法案についての基本的な考えだけを整理するために法案の中身についてお伺いしたいと思うのですが、この法案の第二条の中に「特定中小企業集積」というものが、二項にあるわけでありますけれども、すなわち「自然的経済的社会的条件からみて一体である地域において、工業に属する特定の事業又はこれと関連性が高い事業を相当数の中小企業者が有機的に連携しつつ行っている場合の当該中小企業者の集積をいう。」という定義がございますけれども、もうちょっと具体的にこの件についてわかりやすく答弁いただきたいと思うのです。
○南学政府委員 「特定中小企業集積」の定義でありますが、本法案の対象となる集積というのは、産地、企業城下町等のように、一定の地域におきまして相当数の中小企業者が有機的な連携を保ちつつ事業活動を行っている中小企業の集積であって、活性化が特に必要なものということでありまして、具体的に申しますと、単一または複数の市町村におきまして、おおむね五十社以上の製造業を中心とする中小企業者が分業とか共同受注などを行うことによって有機的に連携している場合、そして当該集積に係る工業出荷額の伸び率等から判断して、活性化が特に必要と認められるというようなそういう集積をこの法案では言っているわけであります。
○大畠委員 具体的に、私の住んでいる茨城県の方にもいろいろな町がございまして、例えば笠間焼をやっている笠間市、それから採石ですとか、石関係ですね、石を生産している、これも笠間の方にありますし、また真壁の方の石細工ですとかあるいは岩瀬の方でも石在中心とした産業がありますし、全国的に有名な結城つむぎというつむぎをやっている結城市とかあるいは桐げた等を生産しているところもありますし、桐だんす、洋傘、いろいろなところがあるのですけれども、こういう町に対して、今の要件がそろえばそういうところが当然ながら対象になってくるということでございますか。
○桑原政府委員 この法案を作成するに際しまして、各都道府県からの意見などもよく聞いてやっておりましたところ、先生の茨城県の方からも、例えばこんなものはどうだろうかというようなものが幾つか来ております。もちろん今の段階で、これは取り上げるとか取り上げないとかいうことを言える段階にはございませんけれども、今御指摘のありました幾つかの品物につきましても、私の記憶でも茨城県の方から言ってきておったと思っております。 我々は、これから各県と相談して、具体的にどこの中小企業集積の活性化を図り、どこを活性化計画の対象にするかというようなことを決めていくわけでございますけれども、御指摘のような地場産業につきましても、当然のことでございますけれども、本法案の要件を満たす限りにおきましては対象になり得るというふうに考えております。
○大畠委員 地方の若者もそういう働くところ、そして言ってみれば発展性がある、私も自分の人生をこの産業でやってみようかというそういうものがあれば、一般的に東京に流れる傾向がありますけれども、やはり若者にとって緑あふれるというのがいいかどうかわかりませんけれども、長期的に見て、そういう人間が住む環境のもとで、いわゆる働くところ、住むところ、そして楽しむところ、三つがそろえばみんな地方で生活したいということを願っているのも一つだと私は思うのです。そういう意味から、先ほども言いましたように、日本人の生活様式ですとかこの日本経済の動き、そういうものの中で大波に洗われている、言ってみれば先ほど言いましたような伝統的な産業地帯ですね、石の町ですとかあるいは鉄鋼を中心とした町、そういうところをぜひこの法案で元気をつけていただいて、そして若者がその地域社会で生きていくというそういう希望の持てるような町おこしにつなげるようにぜひお願いしたいと思います。 それからもう一つ、この法案の中に、第四条の方にあるわけでありますが、第四条の中に特定分野というのがあります。「特定中小企業集積の活性化に寄与する事業の分野(以下「特定分野」という。)の設定に関する事項」というのがありますが、この特定分野というものについて、より具体的に、内容についてお示しをいただきたいと思います。
○桑原政府委員 法案四条の特定分野でございます。これは、その中小企業集積の発展の方向となる事業分野のことでございますので、この法案において基幹となるところであると思われます。すなわち、この特定分野というものは、中小企業集積ごとにその地方の特徴も踏まえまして、実現可能でなおかつ非常に夢がある、そういうようなものを特定分野として掲げまして、そういう目標に向かって中小企業集積がみんなで努力をする、それによって中小企業集積の活性化が図られる、そういうふうなものを特定分野と我々は呼んでおるわけでございます。 例えば陶磁器産地というものがあるといたしますと、ファインセラミックスの分野にぜひ展開をしたいというような要望が地方から出てくることが多うございまして、そういうようなものも特定分野の一つの候補になるのではないかというふうに考えておりますし、また繊維の産地でございますと、いろいろな知恵があるというふうに私どもは思っておりますけれども、例えばファッション性の高い繊維な力衣料、そういうものの関連でこういうことをやりたいというようなことが出てまいりますと、それも一つの特定分野になろうかと思います。 いずれにしても、これは当該中小企業集積の創意と工夫といいますか、主体性を持ったイニシアチブといいますか、それぞれの努力というものが結集して特定分野として挙がってくるものというふうに考えております。
○大畠委員 そうすると、現在各地域でいわゆる中小企業集積というものがあって、そのこれまで培ってきた技術やあるいはその地域社会の環境等を十分とらえて、じゃどの特定分野に進出するか、これを決めるのが大変大きなポイントだと私は思うのですね、この法案の。そうすると、この特定分野というものを、さああなた方、地域の中小企業の集積、仲間だけでさあ考えなさい、考えたら援助してやるわということだとなかなか、言ってみれば、これまでと同じことになりますので、今回のこの法案の中ではいろいろそこら辺が工夫されていると思うのですね。 そういうことで、ちょっと先に進ませていただきたいと思うのですが、この法案の目的を達成するために通産大臣が活性化指針というものを最初に出す、これは基本方針みたいなものだと思うのですが、指針を出して、特定中小企業集積にかかわる、特定分野にかかわる事業目的、支援計画を明記した活性化計画を各都道府県が作成しなければならないとなっていますね。そうなってきますと、今お話がありました特定分野というものを考えながら、考えながらというよりも、既存の各地域の中小企業の集積の実態を踏まえながら、どういう特定分野に進出させるか、それをまとめていくところというのは県になるような感じがこの法案の中ではいたします。すなわち、今回のこの法案を中心として地域の中小企業の活性化につなげるかぎというのは、県とそれからその集積といいますか、中小企業の集積地、そしてその集積地にある商工会議所、商工会ですかね、その三者が一生懸命知恵を集めてどれだけ特定分野というものを特定できるか、そこにかかっているような感じがいたします。 そういう観点からいいますと、そういう作業を今回の法案の中ではどういう形で支援しようとしているのか、それをお伺いしたいと思います。 〔和田(貞)委員長代理退席、委員長着席〕
○南学政府委員 御指摘のとおり、活性化計画は、中小企業の集積を特定したりあるいは新しい発展分野である特定分野の選定などを行うわけでありまして、極めて重要な要素となっているわけであります。特に、この特定分野の選定につきましては、地域の中小企業、組合等のコンセンサスができることが必要でありまして、それを踏まえて実現可能なものであることが要求されるわけであります。したがいまして、政府としても、この点を活性化指針の中に明らかにするとともに、いろいろな関係者に対して情報を提供したり指導をしたりして、適切な特定分野の選定が行われるよう努力していきたいと考えております。 また、予算的には、中小企業庁としては、活性化計画の作成のための調査研究あるいは活性化計画の策定に対する所要の経費に対しまして補助を行うというようなことも考えておりまして、これらの措置によりまして適切な活性化計画が作成されるものと期待をいたしております。
○大畠委員 その各県の作業に対しても国の方でそういうふうな形で支援していきたいということでありますが、例えば今の予算でいえば、各県当たりどのくらいの予算がつくのですか。
○桑原政府委員 本法案に関する予算面について御質問でございますけれども、先ほどちょっと御答弁申し上げましたけれども、予算面では新規に十億六千万円の予算というものを用意させていただいております。今予算案の審議をいただいておるわけでございます。 この中で、各都道府県がいろいろな調査をしたり活性化計画を策定するという事業に対しましても補助金を用意しておりますし、さらに、いろいろな集積ごとに支援機関が支援事業をする、これに対しても補助を用意しております。いろいろ用意があるわけでございますが、例えば都道府県による調査事業につきましては一つ当たり四百八十八万円、それから、活性化計画を策定するというものにつきましては二百五十万円、それから、支援機関が支援をするというものについては九百五十万円というようなものを一件当たり用意をいたしております。
○大畠委員 予算額としてこれでいいかどうかというのはまたいろいろありますけれども、いずれにしても、こういう予算が各県の方におりて、その県が真剣にそれぞれの県の中小企業の集積の状況を踏まえて知恵を絞られると思うのですが、この問題、大蔵省との折衝でこういう形の予算案になったと思うのですが、なかなかこれだけのお金で、先ほど前段での基本的なお考えを述べられましたけれども、それが達成できるかどうか、ちょっと私は危ういなという感じもするのですが、ぜひまた中小企業庁としても、この予算のより効率的な運用、運営、その活用というものについても検討していただきたいと思います。 次に、県の活性化計画に従って特定分野への進出を希望する中小企業または組合が進出計画を作成して知事の認可を受けるということでありますけれども、この具体的計画策定に当たっての具体的な指導をだれがどのように行うのか。言ってみれば、先ほどのお話でありますと県が中心となって各地域の中小企業の集積地域の企業と、そしてまたその地域の商工会とよく連絡を密にしてこの計画を練っていくと思うのですけれども、この計画に当たってはやはり県が主体となって進めるというふうに解釈してよろしいのでしょうか。
○桑原政府委員 この法律の趣旨は、地方の中小企業集積が主体的に取り組む活性化計画を総合的に支援するということでもございますので、県が中心となっていろいろなことをやってもらうというのがこの根幹になっております。その点は御指摘のとおりでございます。県のやることが非常に大きいということでございます。 それで、県が活性化計画というものをつくるわけでございまして、そのつくる際には地方の中小企業の方であるとか、いろいろなリーダーの方であるとか、利害関係者にいろいろ相談をしてこの活性化計画というものをつくってこられるというふうに思っておりますけれども、そうした活性化計画に基づきまして、今度は個々の中小企業者やあるいは組合が進出計画なり円滑化計画というものをつくってこられるわけでございます。この個別の進出計画をつくるに際しまして、それぞれの中小企業者の創意工夫というものはもちろんあるわけでございますけれども、なかなか自分だけの知恵ではうまくいかないという場合もあろうかと思いますので、そうした場合に備えまして、もちろん都道府県、それから公設の試験研究機関がいろいろございます。それから地場産業振興センターというようないろいろな機関もございます。またさらには、中小企業の団体の中央会、それから中小企業事業団というものもございます。こうした機関がそれぞれ持てる力を発揮いたしまして、個々の中小企業者に対しましてもいろいろな形で指導あるいは適切な助言ができるというふうな形にいたしたいと思っております。 また、この進出計画を承認された段階になりますと、これは当然のことながら税制とか金融とかいろいろな点でその進出計画が実現するように御支援を申し上げるという体制を用意をいたしております。
○大畠委員 過去に、この法案ができる前に産業の技術をベースとして転換を図って非常にうまくいっている、そういう地域がありますね。例えば燕、三条市ですとかそういうところがありますけれども、今お話がありましたけれども各県でそういう努力をするあるいは知恵を絞る、そういうものについて指導していきたいということですが、各県ができることと国ができることとあると思うのですね。国ができることは何かというと、先ほども助成とそれから情報の提供をしていきたいという山本委員に対する答弁がありましたけれども、まさに私は広範な情報の提供というのが大変重要なポイントじゃないかと思うのですね。三人寄れば文殊の知恵といいますが、なぜ三人寄るかというと情報がそれだけ三倍集まるからでありまして、そういう意味では、国が、中小企業の活性化という意味では全国の津々浦々の地域でどういう産業構造の転換を図り、うまくいっているかというような情報を持っていますので、それをどうこれから各都道府県がこの法案をベースに活性化計画をしていくかという意味では、情報提供をタイムリーに、そして求めるのに従って提供するという、そういう国の方の情報提供の準備というものをしなければならないと思いますが、その点は現在どのような状況でしょうか。
○桑原政府委員 私、先ほどこの法案で都道府県がやる役割が非常に大きいというふうに申し上げましたけれども、今先生からは、それもそうだけれども国としても情報提供等々で大変重要な役割があり、またいろいろなことをしなければならないのではないかというふうに御指摘をいただいたわけでございます。我々もそれはもう全くそのとおりでございまして、こうした法案を準備し御審議いただいております以上、国としても特定中小企業集積の活性化のために最大限の努力をするのはもちろんでございまして、我々自身も都道府県のいろいろな御相談なりそういうものに積極的に応じますし、我々の持っている情報は提供しますし、これからもいろいろな形でこの法律案に基づきますところのいろいろなことについて都道府県と密接な連携を保っていきたいと思っておりますが、中小企業事業団というのも別途ございまして、ここがいろいろな形でこの法案の有効な活用というものに対しまして努力をすべきものである、また努力をしてくれるというふうにも考えております。 要すれば、この法案が有効に活用されますためには、国それから都道府県それから中小企業集積にありますところの個別の中小企業者、それから商工組合等関係者が一体となって、同じ目標に向かって協議しつつ努力をするということが大変重要なのではあるまいかというふうに思っておるわけでございます。
○大畠委員 お話はわかるのですけれども、その情報のやりとりというのはどういう形でやるか。全国の各都道府県の担当者の人は一堂に集まってほしいということで集まって、そして中小企業庁で集めている情報をファイルか何かにして渡すような形でやるのか、あるいはコンピューターの時代ですから中小企業庁の方でそういう情報は全部インプットしてある、したがって必要なときに、夜中の十二時というのは今は時短の時代ですからそういうことはないと思いますが、必要な時間にその情報を取り出せる、電話連絡とかファクスとか何かでなくてそういうものを取り出せる、そういう国としてのサービスの体制というのは整えておられますか。
○桑原政府委員 この法案を準備するに際しまして、各都道府県と密接な相談をしてまいりました。中小企業庁は、従来から各都道府県との意見交換を行うために一定の場がございまして、都道府県の方も集まっていただきましていろいろな形で御相談申し上げております。この集積法だけのための特別の場というものは今のところあるわけでもございませんけれども、本件については、中小企業政策というのはもともと中小企業庁だけで行えるというものではございませんで、従来から都道府県と二人で一つという形でやってきておるわけでございまして、この法案の施行に際しましてもそういういろいろな形で密接な相談をこれからもしていきたいと思っております。 また、情報提供等につきましては、オンラインという御指摘もございましたけれども、そういうことも含めましてこれからいろいろな形で努力をしていきたいと思っております。
○大畠委員 やはりそうやって定期的に集まっていろいろな意見交換をする、これも私は重要だと思うのです。コンピューターの画面だけを見て情報を吸収したりなんかすればそれで済むということでは決してないと思うのですが、そういう共通の場に集まって意見交換をすると同時に、各都道府県の方でも、今情報化の時代ですから、そういう情報はファクスだとかなんかではなくて、端末で意見交換といいますか情報のやりとりができる、そういうこともぜひ今後の中小企業庁の一つの検討課題として考えていただきたいと思います。 そういう形で、いろいろ進出計画とかなんかをやり、特定分野を設定してそれに対する進出計画を作成して知事の認可を受けるということでありますが、その次に、地元の企業もさることながら、その地域で構成している商工組合というのも、その構成員の特定分野への円滑な進出を図るため新商品または新技術の開発などの円滑化事業を実施しようとするときは円滑化計画を作成して知事の認可を受けるということでありますが、これも言ってみれば、先ほどの話ではございませんけれども、県と中小企業集積とこの商工会の三者の意見交換といいますか知恵を出し合った計画に基づいてこの円滑化計画をすると思うのですが、この円滑化計画を策定するに当たっての支援はどういうものがあるでしょうか。
○桑原政府委員 商工組合等の行う円滑化計画というものがこの法案の一つの柱になってございまして、中小企業者の特定分野への進出を支援するという観点から非常に重要なものであるというふうに考えております。 この商工組合等の円滑化計画をするに際しまして、我々も一定の補助を用意いたしておりまして、例えば組合による新商品の開発事業、一事業について約九百万円の補助というものを予算案の中で準備をしておるわけでございます。 また、組合等が円滑化計画をつくるに際しましては、やはり都道府県であるとか支援センターであるとか、そういうところの指導助言というものも積極的に行うことにいたしております。
○大畠委員 商工組合に対する支援、それから中小企業集積に対する支援、特に各都道府県に対する適切な指導というものを念頭に置いてこの法案を運用していただきたいということをぜひお願いしたいと思います。 いずれにしても、この法案を中心として、地域の中小企業の活性化を図るための何か統一した窓口というものをつくらなければならないと思うのでありますけれども、先ほど予算的な措置の御説明がちょっとありましたけれども、この窓口を設置するに当たっての県に対する助成といいますか、予算的な措置というものは当然考えておられると思いますが、どうでしょうか。
○桑原政府委員 先生の御指摘は、個々の中小企業が進出計画をつくり、あるいは組合が円滑化計画をつくる際にどこが相談の窓口になるのかというような御質問であろうかと思いますけれども、これはやはり都道府県が中心となってやるというのが基本的な考えでございます。もちろん都道府県だけに任せるというわけではございませんで、先ほどから申し上げているとおり、いろいろな形でみんなで努力をするということでございます。 都道府県が指導等を行うに際しまして補助を用意しているかどうかというようなことでございますけれども、我々、都道府県が中小企業者等が作成する進出計画なりそういうものを承認するための補助、あるいは指導に関する経費に充てるために総額で約四千五百万円程度の補助金を予算案の中に計上をいたしております。
○大畠委員 わかりました。 それから先ほどの話にちょっと戻りますが、この特定分野というものを開拓するためには、県とその中小企業の集積地域、そして商工会だけが頭を集めれば何とかできるというものもあると思うのですけれども、それに新しい技術、新しい考え方をプラスすることによって新しい製品分野が開発されるということも考えられると思うのですが、そういう技術的バックアップというものはどういうふうにされようとしているのか、お伺いしたいと思います。
○桑原政府委員 そうした技術面のバックアップにつきましては、この法案において支援事業という形で位置づけているわけでございます。支援事業と申しますのは、都道府県の公設の試験研究機関であるとか地場産業振興センターあるいは支援センターという公的機関が支援機関でございます。こうした機関が、個々の中小企業あるいは中小企業集積全体として行うような研究開発とか情報提供、そういうものについて大いに支援をするということでございます。 いろいろ費用がかかろうかと思っておりまして、補助金の用意をいたしております。具体的には、そうした支援機関が支援をするというものに対する経費に対する補助として総額で約四億五千万程度の予算を予算案の中に計上してございます。
○大畠委員 この特定分野を今のようなお話で技術的なバックアップを受けながらやるのですが、全国で各都道府県とも同じような特定分野に偏ってしまった、そうなりますと、市場原理からいいましても、せっかくよかれと思って自主性を持ったところが、結果的にまずくなったということも考えられると思うのですが、そういう全国的な調整 調整というのはおかしいのですが、特定分野というものの配置やバランスというものをどういう形で考えておられるのか、お伺いしたいと思います。
○南学政府委員 まず、特定分野の選定に当たりましていろいろなところが同じような特定分野を選定したら共倒れになるんじゃないかという御懸念かと思いますが、集積の有する技術等のポテンシャルを活用できる分野でありまして、それは、それぞれの集積によって技術的ポテンシャルというのは異なっていると思います。また、需要動向、他の集積の動向を踏まえてこの特定分野を選定することになるわけでありますが、先ほどからお話し申し上げておりますように、国もその情報提供などを行っていくわけでありまして、共倒れになるような特定分野の選定が行われるとは私どもは考えておりません。 それからまた、全国的なバランスの問題でありますが、どういうバランスになるかは、まさにこれから本法案が制定された後で都道府県が英知を絞って各地の集積の企業と相談をしながら、我々、通産大臣のところに申請してきた後の話になるわけでありますが、したがって、今ここでどんなふうになるかというのをお話しするのは非常に難しいのでありますが、現在までに全国多数の都道府県から適当な時期に活性化計画を策定したいという希望が寄せられておりますし、また、活性化を必要とする中小企業集積も全国的に散らばっておりますので、活性化計画は概して全国的にバランスのとれたものになるのではないかと私どもは考えております。
○大畠委員 最後の質問になりますけれども、今のような話ですと、いわゆる特定のところに固まることはないということであれば、この法をベースとして各都道府県別に何カ所ぐらいを考えているのか。ある県はゼロですとか、ある県は五個ですとか、そういう形になるのかどうか。私は、各県最低でも一カ所を考えてされねばいかぬと思いますし、また十年間でどのくらいの活性化を目標としているのか、それを最後に伺って終わりたいと思います。
○南学政府委員 活性化計画は、都道府県が活性化の必要が特に認められると思う中小企業の集積の中から、地域のコンセンサスの形成状況を踏まえながら作成していくものでありまして、通産大臣は、活性化指針に適合している等の要件を満たすものについてこれから順次承認をしていくということに相なるわけであります。承認件数につきましては、中小企業の集積の経済状況あるいは都道府県の活性化計画の作成状況等を踏まえる必要があるために、一概に想定することは難しいわけでありますが、平成四年度の政府予算案におきましては、四十その地域において活性化計画がつくられるであろうという前提のもとに、予算案を計上いたしているところであります。
○大畠委員 ありがとうございました。
○武藤委員長 鈴木久君。
○鈴木(久)委員 私は、伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律に絞って質問をいたしたいと思います。 昭和四十九年に、先ほどトップバッターで質問いたしました竹村議員などが中心に、議員立法としてこの法律は制定をいたしたのであります。その背景は、我が国の重要な文化とも言える伝統工芸品産業が、大量の消費時代、使い捨て文化、こういう中で需要も大変伸び悩み、後継者も不足し、あるいはまた外国製品に押されるなどの厳しい環境があったからだと思います。 そこで、組織的、体系的に振興策としてこの法律が制定をされて、今日十八年くらい経過をしていると思うのでございまして、この間、この制定以降十八年有余というのは、それなりの成果をおさめて今日を迎えているとは思いますけれども、伝統産業の宿命的とも言える問題点を抱えて、現実的にはなお厳しいものがある。そこで今回の法改正になってきたのだ、いわゆるつながってきたのだと私は思っております。 その一番大きな原因は、いわゆるこの事業者といいましょうか企業といいましょうか、これが極めて中小零細である、そして家内工業的である、あげくの果てに長時間労働。職場の環境も、まあ言葉は余り適切ではないかもしれませんけれども、余りいい状態ではない。そしてなおかつ、その伝統産業の技術を身につけるのに大変長い期間を要する。こういうことから、現在の若者などには余り、そういう職場環境あるいは伝統産業の持つ特殊的な状況がやはり雇用という面につながってきていない、こういうものがあるのだと思っています。 しかし一方では、ブランド品の志向などの問題、あるいは外国からもこの伝統産業に対する需要の問題などがあって、需要の面からいえば必ずしも将来の見通しは全くないんだ、こういうことではなくて、ずっと計数的に見ても何とか横ばい状態で生産は推移をしている、こういうふうに私は思っております。 そういう意味で、今回の法改正は、これをさらに振興させよう、こういうことが法改正のセールスポイントになっているんだと思います。その一つがいわゆる人材育成、確保というための支援計画であり、若い人たちを中心に、新しい商品もつくろう、そして売り出しをしていこう、こういう問題、あるいは、販売宣伝などについてももう少し組織的に共同してやっていこうじゃないか、こういうところにこの法改正の重点があると私は思っておる次第でございます。 そこで、質問の第一点は、その人材育成ないしは確保、こういう問題についてただしてまいりたいと思います。 従業員の高齢化という問題については、もう本当に数字を見る限りまことに厳しい状態。この法が制定された時代は三十歳以下の年齢が従業員の中で三割を占めておったのでありますけれども、現在は六%に満たないでしょう。この産業が将来とも継続をし発展をしていくとすれば、どうしても若い人たちがこの伝統産業に従事をする、こういうことが必要になってくると思いますので、この風前のともしびのような人材確保という問題にどう手当てをするか、こういうことが大きなポイントだろうと思います。 そこで、この今回の法改正で、新しく人材確保のために、一年に一カ所くらい、手づくりのカレッジといいましょうか、こういうものをつくって後継者の育成というものをやっていこう、こういうふうになっておりますけれども、これだけで果たして、今申し上げましたような労働環境の問題等々を総合的に見て、若者がこの産業にどんどん入ってくるんだろうか、有能な人材が確保できるんだろうかということはどうも疑問でありまして、もう少し総合的な検討をしなきゃならないんじゃないのかというふうに思うのですけれども、まず、政策として皆さんが提起をした手作りカレッジを中心に、将来大丈夫だ、こういう確信をお持ちでございますか。
○堤政府委員 大変重要な問題を御質問いただきまして、ありがとうございました。 確かに、伝統工芸品産業の持っている宿命というものがあると思います。大変後継者難でございまして、最近の百七十四産地の統計でございますと、毎年約三千人から四千人ずつ減っているというような状況にあるわけでございますが、ただ、じいっとこの数字を見ておりますと、三千人がやめているだけではございませんで、実際には六千人がやめて三千人新しい人が入ってきていることも事実でございます。まあネットとして減っているというのは大変残念でございますので、今回の法改正になったわけでございます。 その法改正の基本的な考え方は、委員のおっしゃるような意味の大変宿命的な陰の暗い部分もあるわけでございますが、一方で需要が、民芸ブームに代表されますように明るい部分もあるというところに着目いたしまして、若者の中にも、北海道の小樽市では、ガラス細工に大変若者が興味を持っているというようなクラフトブームというのもあるわけでございまして、そういうものをいろいろ活用していこう、そのための施策は何だろうかということを考えた結果でございまして、一言で申し上げますと、産業全体として活性化をした産業にするということがポイントでございます。したがいまして、地域手づくりカレッジあるいは支援計画というものだけで人材が確保できるというふうには考えておりませんで、共同振興計画ですとかそういうものによって販売を促進する、あるいは、支援計画のもう一つでございます大企業あるいは現代産業との交流を深める、消費者との交流を深めるというようなことを総合いたしまして、後継者の確保ということになるのではないかと思っておる次第であります。 御質問でございますので、地域手作りカレッジの中身について御説明申し上げますと、一つは今までの若者になかなか合わない徒弟制度というようなその場限りの育成ではなくて、若者の気風に合った、体系的かつ効率的な、一定期間集中してやるというような、しかもそれが常設機関として設けられるというようなものがぜひ欲しいわけでございまして、それを地域手作りカレッジという名前で呼ばさせていただいておりますが、これをやることも、若者に対する、産地あるいは伝統工芸品に興味を持っていただける一つの大きなきっかけになるのではないかというふうに私は思っておる次第でございます。 そういうことも含めまして、総合的に伝統工芸品産業全体を振興していくことが若者の確保にも大変役に立つのではないかと思っておる次第であります。
○鈴木(久)委員 そこで、細部にわたりますが、一年に一カ所、これは建設費で五千万くらい、事業費で一千万くらいという予算を今年度は計上いたしておりますね。そうすると、これは毎年一県に一つくらいになるのではないかと思いますけれども、そういうことでずっと拡大をしていくという方針をお持ちなんだろうと思いますけれども、そのことが今後どういうふうに考えられておるかということ。それから、手作りカレッジといっても産地はそれぞれの特色があるでしょう。例えば京都でいったら織物が中心だ、あるところは漆器が、あるところは陶磁器だというふうに違いがあると思いますね。こういう勉強の場、そういう場合のそれぞれの違った産地と技法、そういうものを、じゃ、だれがどういう形で指導するのか、そういう場合の問題と、同時にそういう技法を習得をする、そういう若者に対して何か資格を与えたり、そういうことが育成の過程の中であるのかないのか、ちょっとお尋ねをしておきたい。
○堤政府委員 手作りカレッジにつきましては、本年は一応一県を想定しております。ただ、これはこれからずっと一県でいくということではございませんで、産地の状況をよくつまびらかに見まして、ぜひこれはふやしていきたいという希望を強く持っておる次第であります。現在この手作りカレッジに興味を持っている産地が、我々の知っている限りで約十産地ぐらいございます。そういうところをさらに具体化するように働きかけ、あるいは御指導をしていくということが必要ではないかと思っておる次第であります。 それから一県ごとの手作りカレッジをつくっていったのではなかなかその産地ごとの特色をカバーできないのではないか、おっしゃるとおりだと思っております。ただ、一方で特色のある一つの技法だけでなくて、共通部分もございまして、例えば販売のマーケッティングの方法ですとか、あるいは日本画に対する色の問題とか、あるいは日本文化に対する素養とか、そういう共通科目というのもあるわけでございまして、こういうものを合わせて、地域の広い広がりの中でこれを役に立っていくものにしていく、共通部分と特色のある部分とをうまく合わせわざでいくという考え方も一つとり得ると思っております。 この先生方というのはどういうことになるかといいますと、もちろん最大の講師となるのは伝統工芸士でございまして、この伝統工芸士の皆様方の御協力は不可欠だと思っております。ただ、それだけではございませんで、いろいろ経営診断士でございますとか、あるいは日本画の素養のある方とか、伝統技術にいろいろ興味のある、習得をされた専門家の皆様方、そういうこともぜひ活用をしてまいりたいと思っております。 それから、若者に対する資格ということでございますが、これは我々、実はアンケート調査を産地にいたしました。今、二十年以上たった人に伝統工芸士という資格を与えておるわけですが、例えば若者に伝統工芸士補とかそういうものをつくったらどうかという、資格制度というのを考えてみてはどうかという御意見は多々ございまして、アンケート調査をとった結果によりますと、これは実は賛否両論ございます。若いころから余り色づけをしない方がいいという考え方もございますし、あるいは、そういう資格制度ではなくて、むしろ表彰、大変いい作品をつくったらその作品をみんなで褒めてあげたらいいんじゃないだろうかというような表彰制度の方がよろしいのではないかとかいうようないろいろなアイデアがございますが、先生の、委員のおっしゃるような意味での、若者に対する何らかの意味の資格とか表彰とか奨励金とか、そういうものはぜひ検討してまいりたいと思っている次第であります。
○鈴木(久)委員 それで、今伝統産業の中で最も後継者不足に悩んでいるというのでしょうか、私どもにあります手元の資料で見ますと、繊維製品の分野が最も人員確保には悩んでいるようでございまして、この法制定以来、そうですね、三万六千人くらい、足し算と引き算をしますとそのぐらい、全体のマイナスの部分はほとんどこの繊維の部分で占められているようでございますけれども、そのほか陶磁器、漆器等々、一番厳しいのはどこか、そして割と若者が今どんどんこういう産業に入ってきているのは、大ざっぱで結構ですから、どういう部門なのか、ちょっとお示しをいただきたいと思います。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 最近の地元での従業者確保数というのがございまして、例えば百人以上確保している産地というのが七つございますが、これは必ずしも先生のおっしゃったような意味での繊維が悪いわけではございませんで、その中には、西陣織ですとか京友禅ですとか京小紋とか、そういうようなところもございますし、伊万里焼、有田焼のような部門もございます。 それから、確かに、おっしゃるような意味で十人もとれないというところを見ますと、やはり繊維関係もございますし、漆器関係、仏壇関係、それから焼物も一部ございます。そういう意味では、確かに業種的な意味でこれはだめでこれはいいというようなことではなくて、私、私見ではございますけれども、産地の意欲というんでしょうか、その産地の産業としての活性化の度合いの方がむしろ関係するのではないかというふうに思われます。さらに、この点は研究をさせていただきたいと思っております。
○鈴木(久)委員 どうか、技法を習得するというそういう意味だけでなくて、伝統産業が持つ零細家内工業的なもの、あるいはもっと、長時間労働というそういう宿命みたいなものをどうやって克服しながら若者を確保するかというあたりの問題については、今労働環境問題では特に若い人々は厳しい目を持っておりますので、伝統産業もそこを克服していくというあたりのところをどうか行政サイドからのバックアップをしていただきたい、こんなふうに強く要望しておきたいと思います。 次に、指定の問題についてちょっとお尋ねをしておきたいのですけれども、この指定の基準が法制定の段階からずっと今日も変わっておらない、こういうふうに思いますけれども、江戸末期くらいまでの伝統産業を継承している、今から言うとおよそ百年くらい前のものだ、そして、十の事業所ないしは三十人以上くらいの規模、そして単位としては市町村レベルという、地域のそういうところで産地の指定というものが行われてきたと思いますけれども、これまでずっと十八年間新たに指定をするとか見直しをするとかということをやりながら来たと思いますね。その過程で今のこの基準というのは少し柔軟に対応されてきたのかどうかということが一つと、これからその基準に当てはまらなければ全部だめなんだというのじゃなくて、まあ多少柔軟に対応しようという方向性にあるのかないのか、その辺のところをお答えいただきたいと思います。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 伝統工芸品の指定に当たりましては、伝統性というのは一応百年をめどとして、当時、御提案者であられる板川先生がお答えになりましたのも江戸末期ぐらいでしょうかというようなことがございますが、それから十八年たちましたので、百年たちますともう少し、明治初期も入るのかなという感じもいたしますが、この百年という問題、それから産地の規模といたしましては、産業として最低限という意味では十人ぐらい、十企業ぐらいで、または三十人ぐらいいないと産業としてはなかなかうまくできないのではないかというようなお話がございまして、実はそれを営々と踏襲をしておるわけでございます。ただ、現在の基準だけで見まして百七十四産地指定をされておりますが、現在の基準だけで見ましても、一千産地のうち形式的な基準に合うだけでもまだ四百ぐらいございますし、潜在的需要はかなり多いのだろうと思っております。ただ、通達的なところにはすべて原則としてという考え方が書いてございまして、この考え方を今から大きく変更しなくてもかなり施策はできるというふうに思っております。一ただ、今回の改正を機に、この考え方を踏襲しつつも、運用といたしましては、できる限り業種、業態、産地の状況に応じて弾力的に対処してまいりたいという気持ちは十分持っております。今後はむしろ具体的なお話を承って検討させていただきたいと思っている次第でございます。
○鈴木(久)委員 潜在的にはあとかなり多くの産地があるという今の答弁でございますけれども、大臣おいでですから、私も大臣と同じ県でございまして、そういう意味では私どもの県でも会津の漆器やあるいは相馬大堀焼という陶器が産地指定を受けておるわけでございまして、規模の小さいものでいえば、割と観光地にもなっているような、三春に昔からの和紙の人形があるのですけれども、これもたまたまやっている人が少ないということで申請もしてないのだろうとは思うのです。あるいはまた、それこそ大臣の選挙区である本郷焼、これは今陶器と磁器の両方の部門でいわゆる組合をつくって申請しようというふうな動きにあるようでございますけれども、新たな拡大の見込みというのは、今新たに法改正する時点で、これからどんどんふえるというような見込みがあるのかどうかということと同時に、今私どもの県で申請をしている会津の本郷などは、具体的に指定に向けてどのぐらい作業が進められているのかお答えいただきたい。もし大臣あれでしたら政府委員の方からお答えいただきたい。
○渡部国務大臣 大変御心配をちょうだいいたしておりますが、私が福島県出身ということは全く関係なしに通産省で今よく検討をしておりますけれども、あの本郷焼、今百年とか百二十年の話がありましたが、先生御存じのとおりもっとはるかに長い歴史を持ち、また非常に美しい、とうとい価値ある、また将来の新しいニーズに向かっての努力等も行われておるので極めて有望であると存じます。
○堤政府委員 具体的な基準につきましてはこれから考えてまいるわけでございますが、従来の十人、十企業、三十人という考え方、その前に原則としてという言葉もついておりますので、しばらくはこれでやらせていただきたいと思っている次第でございます。
○鈴木(久)委員 伝統産業が産業でなくなって、どちらかというと文化財に近いように、やる人がいなくなって本当の少数になってしまうというのはちょっと悲しいと思うのですね。ですから、産業としてずっと継続できるように、少しくらいは、小さいからということだけで考えないで、そういう柔軟な対応というものはむしろ必要なんじゃないだろうか。みんな文化財にしてしまったのではせっかくのそういうものが生かされてこないという意味でやはり心配をいたしますので、どうかその点は今後柔軟に対応してほしいということを要望しておきたいと思います。 次に、生産販売の問題でちょっと確認の意味を含めてお尋ねをしたいのですけれども、生産実績というのはずっと大体全体横ばいのようですね。しかし先ほども話がありましたように、じゃ有望でないのかというと、いろいろな要求があるということも事実だろうと思うのです。そこで、数字的に整理されているのかどうかわかりませんけれども、国内の需要と国外の需要というふうに分けて問題の統計がされているかどうかということが一つ。同時に、一村一品なんかもどんどんどんどん見本市をやったり展示会をやったり、そういうことをやって販売を促進しているわけですけれども、自治体等、あるいはそういう産業界なども含めてでございますけれども、物産の展示や見本市など、そういうものに対するバックアップ体制というのは一体この法律でどのくらいできるのかということ。同時に、これは国際的な意味で、国としても県レベルでもやっているかもしれませんけれども、例えば国際的な見本市なんかにそういう日本の伝統工芸品を展示をする、そういう企画などについても、販売拡大あるいは産業としてもっと振興させるという意味から、考えられておるのかどうかお尋ねをしておきたいと思います。
○堤政府委員 それでは現状からお話しいたしますが、伝統工芸品の販売先というのは、やはりどうしても国内需要中心でございまして、輸出自体は大変限られた数字ではないかと思っております。正確な数字はございませんけれども、産地の百七十四産地の中で実際に回答したのは百四十九でございますが、約二割ぐらいの産地が輸出したことがある、残りの八〇%は輸出したことがないというふうに答えております。輸出したことのある産地の中でどのくらいの輸出比率がということでございますが、一番高いところが一二%ぐらいでございまして、ほとんどは一%弱というようなことでございますから、総じて考えますと一%に全体としては満たないのではないかというふうに予想されるわけでございます。そういうわけでございまして、この販路の開拓というのは大変重要だと思っておりますが、まず国内的な販路開拓といたしましては、いろいろ政府の助成金等も含めまして、伝統産業振興協会を通じまして国内の展示会あるいはみずからおやりになる展示会への助成金という形で国内販売にはいろいろ力を用いているわけでございます。さらに海外という点、大変これからの、今度の改正の中でも伝統工芸品の持つ、日本の顔となるべきであるという考え方からいきますと、どうしてもこれは海外への販路というのをぜひ有望な一つの開拓分野ということで力を入れていきたいと思っております。来年度予算では、実はこの海外向けの補助金のところを二千万円から二千七百万円、数字はそれほど大きくございませんけれども、この厳しい予算の中で三五%もアップをさせていただいたのは、そういう趣旨を十分踏まえてのことでございます。 さらに、海外の見本市等をやる場合に、日本貿易振興会、ジェトロのいろいろ事業がございますが、そういうものもぜひ活用させていただきたいと思っている次第であります。
○鈴木(久)委員 それから、地域手作りビレッジといいましょうか、共同の工房をつくったり、展示販売施設をつくったり体験コーナーを設ける、こういう新しい施設も準備をされておるようでございますけれども、もちろんこれは伝統産業工芸品等に指定された地域でのこういうものに対する助成策だと思いますのですけれども、今は割と、伝統産業と言わなくても、例えば陶磁器や何かの場合は新しい若い人たちがそういう産地でなくてもこういう形でどんどん手づくりコーナーとかあるいは参加をさせるというやり方をして、何といいましょうか消費拡大をする、そういうのは各地に出ておりますね。 どうなんでしょうか、今度の法律の範囲内で考えますと、指定されている産業の産地だけに限っての支援ということになるのかもしれませんけれども、指定されなくても同様の小規模のもの等あったり、あるいは将来そういう可能性があるかもしらぬというあたりには、こういうものについての支援策のバックアップはできないものなんでしょうか。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 手作りビレッジと申しますのは初めて出てきた言葉でございますが、これから伝統工芸品をさらに販売を促進し、消費者との交流を深めるためには複合的な施設が要るのではないか、あるいは観光と組み合わせたような施設が要るのではないかということで、現在日本開発銀行等の融資を受けてそういう手作りビレッジ的なもの、手作りビレッジをつくろうという人たちに融資していこうという考え方でございますが、この基本的なポイントといいますのは複合性、総合性というところに実は非常に重要な点がございます。 例えば、単に物を販売する場所をつくるだけではなくて、そのそばで実際につくっているところを見せる、さらにそこに来た人たちがみずからつくることを体験できるような施設をつくるというような総合性、複合性に大変魅力があるわけでございます。 したがいまして、その中で中心になりますのはどうしても伝産品に指定されたものが中心になりますが、実際にはその場所には現代商品あるいは指定されない伝統的工芸品、そういうものをいろいろ含めて、簡単にいいますと若者、消費者、観光客をぜひ引きつける場所になりたいと思っておりますので、指定品を外してつくれと言われますと大変つろうございますけれども、それを含めた複合的なもので全体をカバーしていくということは十分可能だと思っております。
○鈴木(久)委員 時間がありませんから、最後に活用計画とも関連しながら、特に流通の問題で少し質問をしたいと思います。 今までも伝統産業品というのは産地でつくっている人々、本当に御苦労されてつくっている。その産地の価格と消費者が手に入れる価格というのはもうべらぼうに差がある。繊維製品などで言えば、例えば京都の産地ですばらしい織物をつくっている。その産地価格とデパートやそういうところで売っている価格というのは、どうも私どもの見る限りべらぼうな差があるんだというふうに見ております。今回、共同出資会社方式あるいは組合方式にしても、いずれにしても共同販売等々、いろいろ企画をされるようでございますが、これで果たして流通コストが今までよりもずっと少なくなって産地にも利益が上がる、消費者も安く買えるという形になるのかどうか。そこら辺が私は産地育成にしてもあるいは需要拡大両面から見ても大事なポイントなんじゃないかと思うのです。 物によっては、今一村一品などは完全に例えばその産地から直売をするといういろいろな販売の仕方も出ております。とにかく今流通業界はそういう意味でかなり激しく合理化をし、コストを下げるということをやっているんだけれども、どうも見る限り、伝統産業品に限って言えばそうじゃない。つくる方はつくる方、問屋さんがあってずっといって消費者は大変高いもの、こういうスタイルのまま残っているんじゃないか、こんな感じがしてなりません。 そこで、そういう産地直売、直販、流通コストをずっと下げる、こういうふうな問題について、今度のこのいわゆる需要拡大の新たな方策の中でそれが実現をしていくのかどうか、その辺の見通しをお聞かせいただきたいと思います。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 委員おっしゃるように、伝統工芸品は確かに通常の大量生産の工業品に比べますとやや流通経費が割高になっているということは、どうもそういう場合が多いような感じがしております。 したがいまして、今回のいろいろ計画を、従来の振興計画に加えまして支援計画ですとか共同振興計画ですとかあるいは先ほどのお話にあった手作りビレッジのようなものをつくる、いろいろ施策を講じましたのは、一言で言いますと、従来伝統工芸品の製造業者がつくることに専念して、どうも自分の商品が東京のデパートで幾らで売られているかということを必ずしも注目していないということもございました。それは簡単に言いますと、いろいろな人との交流をもう少したくさんやってみるとどういう方法がいいか、みずから直接売る方法がいいのかあるいは販売会社を共同でつくってやる方がいいのか、従来ある販売ルートの組合と一緒になって、組合と組合が共同してつくるのがいいのか、あるいは消費者と直接触れる過程でその需要を自分で知るような意味での今度つくります支援計画の中でのセンターでの交流、そういう中でそういう考え方をいろいろ学んで自分の最もいい方法を選び出して考えていただく、そういうことを非常に願っておる次第でございます。 それから、複数の計画を認定する過程では、今委員の御発言にありましたような流通経費、あるいは流通企業とメーカーの力関係等のバランスをとるという考え方もぜひその計画の審査の中では意を用いてまいりたいと考えております。
○鈴木(久)委員 もう時間がありませんから終わりますけれども、特に共同出資会社方式でいろいろ販売やらそういうものを手がけていくことになります。そうするとどうしても、私はそれを反対だという意味で言っているのじゃないのですけれども、大企業なんかも、大きな商社が入ってきて流通の問題で協力をするということは大事だと思う。しかし、産地が泣くような形でみんなどうしても資本力の強い者に抑え込まれてしまう。かえってこれで産地が苦しむんじゃ、これは伝統産業法をつくった意味がない、私はこういうふうに思いますので、どうかその辺は、この法案が産地が振興するという意味で生きるように、その意味では皆さん方の行政サイドの指導も強く要望し、私の質問を終わりたいと思います。ありがとうございました。
○武藤委員長 吉田和子君。
○吉田(和)委員 伝統的工芸品産業の振興に関する法律改正案についてお伺いをさせていただきます。 伝統的工芸品産業の置かれている現状と、それからこれからの見通しについてどうお考えになっているかということをお伺いをしたいわけでございますが、その中で、この法案の中でもいろいろな広い分野にわたって支援強化がうたわれているわけでございますが、とりわけ、産業を振興するのには後継者の問題が大変重要であると考えております。特にそうした伝統的工芸品産業の置かれている労働実態なども踏まえまして、人材の育成についての通産大臣の基本的なお考え方、そしてこれからの見通しについてまずお伺いをさせていただきたいと思います。
○渡部国務大臣 吉田先生御指摘のとおり、伝統的工芸品産業の振興に当たっては、まさに伝統的な技術、技法を有する人材の育成、確保が極めて重要であります、いわば人間が主役である産業というところにこの伝統産業の価値があるわけでありますから。ところが、残念ながら、これも御指摘のとおり、伝統的工芸品産業は、中小零細性が強く職場環境が必ずしも恵まれておりませんし、また徒弟制度の存在等の問題等がございまして、若い従業者が減少し高齢化が進んでおります。 従来から法律に基づく振興計画によって従業者の研修事業等を行ってきたところでございますが、今回の改正においては、こうした点を踏まえて、若者の気風に合った合理的人材育成事業を支援することにしており、まさに先生御指摘の、若者たちが未来に魅力を持ってこの伝統産業で頑張ろう、そういう意欲を持っていただくことがこの法律の大きな目的でございます。
○吉田(和)委員 後継者の確保、育成についてこれまでどのような対策がなされてきたのか、そしてこの法案の改正でどういうふうにそれらが強化をされるのか、具体的なところをお伺いをさせてください。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 従来、後継者の確保、育成につきましては、現在法律の振興計画というのがございますが、その中に後継者確保、育成という事項がございまして、それに基づいた事業を産地の事業組合がやる場合に伝統的工芸品産業振興協会を通じまして助成金が出される、その結果、産地では一週間とか二週間とか一カ月とかという時間を限ってセミナーをやりまして、若手の育成に当たっておるというのが今までの施策でございました。 しかしながら、こういう単独の後継者育成事業ではどうしても単発的になりまして、実際の手づくりのわざを磨くのは徒弟制度的な、ぞうきんがけから始まるようなことをやっておるわけでございまして、そういうやり方ではどうも限界があるのではないかということで、今回新しく支援計画というのを設けさせていただきましたが、この支援計画、俗称地域手作りカレッジと言っておりますが、そういう常設機関で専門的なカリキュラムをつくりまして、後継者の育成を組織的、体系的、若者の気風に合った、大臣からも答弁ございました合理的な人材育成のための機構をつくるということが非常に重要かと思っております。もちろんこれだけが後継者確保の対策ではございませんで、法案でやっております、全体として産地に活性化を与えるということと、全体が有機的な連携のもとにその効果を一層深めるのではないかと思っている次第であります。
○吉田(和)委員 これまで年に数回という形で講習等を行ってこられたということでございます。もうちょっとそこら辺のところを詳しく聞かせていただきたいわけでございますが、講師というのはどういうふうなところからどういう方が招かれてやられておったのか、これからできるセンターにはどういう方が見えられるのか、そして前段階で育成をした若者たちがそのところに入るのか、仕事をしていながら部分的にそこのセンターに行って学んでいくというふうなことになるのか、ちょっとそこら辺のところをもう少し詳しく教えていただけますか。
○堤政府委員 お答えする前に一つ先ほどの答弁で訂正をさせていただきますが、協会を通じて助成金と言いましたが、あれは県を通じての間違いでございました。おわび申し上げます。 それから、後継者育成のための今回の、だれが教えでどのような人が行くのかということでございますが、カリキュラムを考えてみますと、これは非常に専門的な部分、陶磁器であれば陶磁器をどのようにしてつくるかということを教える部分と、それから陶磁器への絵つけですとか、そういう日本画の素養ですとか、文化の素養ですとか、あるいはマーケッティング的な意味でのものをどうやっていったらいいのかというような一般教養的な部分もあろうかと思っております。したがいまして、だれが教えるかといいますと、基本的には伝統工芸士、今日本に四千百人ぐらいいらっしゃいますが、そういう方の中で教える方を選んでいくのではないかと思っておりますし、一般教養科目的な部分では、その分野の専門家にお力をかしていただくということになろうかと思っております。 具体的には、後継者というのは何年ぐらいで育つかというアンケート調査をしたことがございますが、いろいろ産地によって違いますが、どうしても五年から十年ぐらいかかるということでございます。したがいまして、この研修機関あるいは人材育成機関的なところだけでは恐らく十分ではないと思っておりますが、先生のおっしゃるような意味で、働きながらあるいは学ぶ人もいらっしゃいましょうし、働く前に学ぶ人もいらっしゃるでしょうし、働いている途中で一回休職してこちらに来るという場合もありましょうし、実際には少なくとも伝統工芸の道に対して意欲を持った方々、若手の方々をぜひこの機関で育成をしてまいりたいと思っている次第でございます。
○吉田(和)委員 若者に知らせる、こういうところでこういう交流支援センターがあってこういうふうな仕事の内容であるよというふうなことを知らせる手だてというのも大事な仕事の一つになるというふうに考えますけれども、例えば労働省の職業訓練所、ハローワーク、そういうところと連携をするとか、具体的にそこら辺を強化するというふうなお考えは、どういうところにありましょうか。
○堤政府委員 確かにおっしゃるとおりでございまして、そういう機関をつくった後、これをどうやってPRしていくかというのは大変重要な問題であると思っております。いろいろなルートがあろうかと思いますが、確かに職安のようなところとあるいは職業訓練所というところと提携をするあるいは都道府県を通じてそういう人を選ぶあるいは産地にかなりそういう方が既に入っておるということもございますし、興味を持っているというようなこともあろうかと思いますので、そういうところを通じてまたPRをしていくというようなことがあろうかと思います。 それから、国全体といたしましては、毎年十一月を伝統工芸品産業振興月間と定めておりますが、全国各地でこういう伝統工芸品のPRをやっておりますが、そういう中でも、そういう機関がある、どういう方々をお招きし、人材確保の育成の対象にしたいかというようなこともPRしながらその実を上げていきたいと思っております。
○吉田(和)委員 後ほど労働省にも幾つかお尋ねをさせていただきたいわけでございますが、やはり各省庁協力をし合って、連携をし合ってこの伝統的工芸品産業の振興というのもやはり図られなければならないのではないかというふうに考えているわけでございます。 今、交流支援センターというものが出ました。人材育成のセンターとしてはどういうふうなものを具体的に考えているのか。ちょっと重なるというふうに考えますが、例えばどういう時期にどのくらいの規模で何カ所、どういう地域を選定をしてやるのか、そういうところをお伺いをさせてください。
○堤政府委員 伝統的工芸品産業人材育成・交流支援センターという長い名前でございますが、この中身は、一つは従事者、仕事をしている人たち、後継者を確保しかつ育成するという事業がございます。それからもう一つの大きな柱は、伝統工芸品産業関係者以外の人、消費者ですとかあるいは現代産業ですとかあるいは文化人とか、そういう方たちとの交流ということもこのセンターの一つの大きな柱でございます。来年度予算の中では全国で一カ所ということになっておりますが、現在、我々が知っている限りで約十カ所ぐらいの産地がこのセンターの構想に興味を持っております。恐らく毎年一つないし、まあ将来はさらにそれをふやしていきたいと思っておりますが、着々と整備をしてまいりたいと思っておる次第でございます。
○吉田(和)委員 産地とそれから都道府県が計画を練り上げたものを上げてくる、そして決定をするのは最終的には大臣がお決めになるということでよろしいわけですね。
○堤政府委員 おっしゃるとおりでございまして、産地が支援計画というものをつくりまして、都道府県を経由して提出されたものを通産大臣が認定するという格好になろうと思います。
○吉田(和)委員 次に、この法律改正で新たに追加をされる共同振興計画というものがございます。これまでも振興計画があって、また新たに共同というふうな振興計画がのったということなのですけれども、その関係はどういうふうになっておりますでしょうか。
○堤政府委員 従来の振興計画と申しますのは、基本的には製造業者から成る組合を母体といたしまして、もちろんその中には販売業者を含ませることは可能でございますが、その製造業者が中心である組合が振興計画をつくりまして、都道府県を通じて通産大臣の認定を得て振興計画をつくるということになるわけでございます。 ただ、産地の状況を見ますと、製造業者の組合のほかに販売事業者が独立して組合をつくっているケースがあるわけでございます。この場合には二つの組合が対峙をするという格好だけではまずいのではないだろうか。むしろ販売業者の組合と製造業者の組合とが共同して物をつくりかつ販売するという過程をあわせて振興する方が合理的なのではないだろうかということが、この共同振興計画を今回新たに取り入れた理由でございます。
○吉田(和)委員 おおむねがダブっているような計画になって、その販売の部分、特に新たにつけ加わった部分が共同振興計画というふうに入るということであると理解をさせていただいてよろしいでしょうか。
○堤政府委員 現在百七十四の産地がございますが、これはいずれにしても製造業者を中心とした組合でできておるわけでございます。その中で、必ずしも全部の産地に販売協同組合的なものがあるわけではございません。また、その販売協同組合があるところがすべて今回の計画に乗ってくるかどうかは、これからの申請があるかどうかの問題にかかっているわけでございますが、おおむねダブっているということではなくて、新しく百七十四産地の人たちの中でさらに販売協同組合のある地区の人たちの話し合いがついたところが上がってくるというふうに考えております。
○吉田(和)委員 次に、活用計画の基本的な考え方と概要を伺いたいと思います。具体的に教えていただきたいと思います。事例を挙げてお知らせいただければと思います。
○堤政府委員 今回の活用計画といいますのは、本法の改正案の一つの目玉でございます。従来、伝統工芸品産地が伝統工芸品をつくることだけが振興の対象であったわけでございますが、最近、その百七十四産地の中で大変うまくいっているところの幾つかの例を見ますと、青年部等が自分のところの伝統的工芸品あるいはそれをつくるための技術あるいは技法を使いまして、現代商品との組み合わせによる新しい商品を生み出すという動きがございまして、これがその産地に対して大変活性化をするという意味のインパクトを与えておるわけでございます。 具体的に申し上げますと、陶磁器の産地で陶磁器でスピーカーをつくりますとか、あるいは塗り物の漆器の産地で、今までのようなおわんとかお盆とかだけではなくて自動車のダッシュボードのところに漆を塗るとか、そういうようないろいろな意味の活用方法があるわけでございます。これ自身が非常に伝統的技法の保存にも役に立つと同時に、その産地の活性化にも役立つ、同時に後継者、若い人を引きつけるという効果が大変大きいわけでございまして、そういうものを活用計画という形でまとめて振興をさせていただくというのが今回の活用計画のねらいになるわけでございます。 〔委員長退席、竹村委員長代理着席〕
○吉田(和)委員 きめの細かい、多様に分かれている産業、それが伝統的工芸品なわけでございますので、本当に広く、きめ細かく、この法案の施行によって力になっていけばなというふうに私も考えているわけでございますが、私の地域でも伝統的工芸品に指定をされない、当てはまらない、工芸品の産業について地域で努力をされてそれなりにそこそこ力を入れて頑張っているところがある。それがやはり工芸品の指定要件に当てはまらないためにこういうふうなバックアップが受けにくい。何というのですか、ちょうど歴史的にも産業としてもはざまというのですか、そういうふうな産業についてどうにか振興ができないかな、そういうことをこの法案を検討をしていながら、地域の産業を見ながら考えたわけでございますが、その点に関しましてはいかがでしょうか。
○堤政府委員 お答えを申し上げます。 現在、指定要件といたしましては、確かに「伝統的」というのを約百年ぐらいの期間ということを考えておりますし、「一定の地域において少なくない数」というのは、十企業または三十人以上を原則とするという考え方になっております。この基本的な枠組みは前回議員立法のときに考えられたものでございますので、基本的には踏襲をしたいと思っております。ただ、先生のおっしゃるような意味でのはざまという部分は、いずれもこれは原則としてという考え方でございますので、今後の運用は当然弾力的に考えたいと思っているわけでございます。さらに、そのはざまに入っている人たちは、国のこの計画にのらないという場合にでも、県レベルでの施策もございますし、これと有機的な関連を持ってできているという体系にもなっていると思います。また、国といたしましても、小規模産地と言われる方々の中でも、大変貢献した人には、それを表彰し若干の奨励金をお出しする、褒賞金をお出しするというような施策も講じておりまして、全く国がそれに対して目を向けていないというわけでもございません。そういう対策と両々相まちまして全体としての実を上げていきたいと思っております。
○吉田(和)委員 ぜひ、そこの産地につきましても、これからもきめの細かい施策を検討していってほしいな、私も引き続きそれらのところの勉強をしていきたいなというふうに考えているわけでございます。 労働省の方に来ていただいていると思います。 先ほどからお話が出ております職人と言われる徒弟制度、労働環境、さまざまなところで、伝統産業にこれまで労働省が何らかかかわってきたものがございますでしょうか。伝統産業、伝統的工芸品産業のこれからの見通し、特に労働省側から見ての見通しなども聞かせていただきたいと思います。
○松崎説明員 お答え申し上げます。 労働省におきましては、労働者の職業の安定と地位の向上、そういったものを図るという観点から労働者の職業能力開発というものを進めてきておりまして、直接伝統産業にターゲットを当てたといいますか、そういった観点とは若干違うかと思います。 しかしながら、具体的には、公共職業訓練施設におきまして、地場産業等その地域の産業、それから、地域に住んでおられる労働者の方のそれぞれのニーズに応じた職業訓練というものを実施しておりますが、その地場産業の中には、当然御指摘のような伝統的産業というものも含まれております。例えて言いますと、木材工芸でありますとか陶磁器でありますとか、そういったような訓練科目というものも含まれておりまして、こういった職業訓練を従来から実施しておるところでございます。 それからまた、具体的な職業訓練ではございませんが、表彰制度を持っておりまして、これも伝統産業に限定したものではございませんで全職種を対象にしておるわけでございますが、一言で申し上げますと、ほかの技能者の模範となるようなすぐれた技能者を表彰するということで、毎年百名ぐらいをめどに労働大臣が表彰いたします卓越した技能者の表彰、こういった制度も持っております。この中にも、先生御指摘のようないわゆる伝統産業、例えて言いますと、西陣織でありますとか会津塗でありますとか、そういったようないわゆる伝統産業に従事されておる優秀な技能者という方も含まれております。 こういうことでございまして、特に今後とも、この伝統産業ということに限定するわけではございませんが、やはり職業訓練といいますものは、地域地域の労働者の職業の安定と地位の向上、さらにはその地域におきます産業、社会の発展ということを目指すわけでございますので、この地域におきますニーズというものを的確に把握しながら、きめ細かい職業訓練というものを進めていきたいというふうに考えております。
○吉田(和)委員 能力開発事業というふうな事業をなさっているわけでございますが、現行法の中にこういうふうな産業としての、伝統的工芸品産業としての能力開発は取り入れられているのかどうか、また、これから取り入れていく考えはありませんでしょうか。
○松崎説明員 お答え申し上げます。 先ほど申し上げましたように、労働者の能力開発ということを主眼としてやっておりまして、当然、御指摘のようなこの伝統産業に従事される労働者の能力開発というものも、私どもの行っております職業能力開発事業の一つの中身として位置づけて従来から進めておりますし、今後ともそういった職業訓練は充実していくということでございますし、さらには、先ほど表彰制度でちょっと申し上げましたが、やはり技能を尊重する社会の形成ということを私どもの仕事の大きな一つの基盤として据えていきたいと思っております。そういったことで、この技能者の表彰なり、それから技能を尊重するといったような国民的なコンセンサスの形成といったものを含めまして、また、技能労働者がやはり社会の中で高い評価を受けていくようにという施策の中で位置づけていきたいというふうに考えております。
○吉田(和)委員 まだまだお伺いしたいわけでございますが、伝統的工芸品産業の振興に関する法律改正案を終えまして、特定中小企業集積の活性化に関する法案についてお伺いをしたいと思います。 まず、予算措置についてのお伺いをいたします。 先ほどからも御質問の中で出されておりました、本年十二月で期限切れとなる特定地域中小企業対策臨時措置法、これは中小企業近代化審議会の答申の中でも、延長は行わないことが打ち出されているわけでございます。円高対策として立法されたこれらの法案、またほかのものもあるかと思います。今回の法案はその法案にかわる措置と見ていいのでしょうか。
○南学政府委員 先生御指摘のとおり、急速な円高の進展に対処しまして、昭和六十一年に、特定地域中小企業対策臨時措置法、これが制定されたわけであります。この法律は円高に伴う緊急経済対策としての意味を持つものでありまして、一方、今御審議をいただいております本法案は、中小企業集積の活性化を通じて中小企業者の自律的発展の基盤の強化を目指すより前向きの法律でありまして、我が国地域中小企業の中長期的発展に資するものと私どもは考えております。 また、いろいろな法律の内容を見ましても、特定地域中小企業対策臨時措置法では、国が地域を指定し、地域のすべての中小企業者が対象になっているわけでありますが、本法案は、施策の対象となる集積なり事業の分野の選定を都道府県にゆだねるなど、地域における自主性を最大限尊重する体系となっておりまして、先生御指摘の特定地域中小企業対策臨時措置法とは、基本的な考え方において大きく異なるものであります。
○吉田(和)委員 この特定地域中小企業対策臨時措置法にかかわって計上されました予算額はどのくらいでしたでしょうか、そして、今回新たに加えられた予算額というのはどれくらいでしょうか。
○桑原政府委員 特定地域法に基づく予算措置、今年度の平成三年度の予算でございますけれども、総額二億七千万円が計上されております。 今度の新法案にかかわる予算措置でございますが、現在御審議いただいております平成四年度の予算案の中におきまして、総額十億六千万円計上してございます。
○吉田(和)委員 その新規の今回の十億六千万円は、一集積当たり初年度どのくらいの額を大体予想をされているのでしょうか。 〔竹村委員長代理退席、委員長着席〕
○桑原政府委員 この予算案の内容を見ますと、必ずしも厳密な意味で一集積当たり幾らということは計算しにくい面もございますけれども、あえて申し上げますと、大体一集積当たりで一千九百万円程度の補助金になるのではないかというふうな感じになっております。 もう少し中身を申し上げますと、都道府県が活性化計画をつくるに当たりましていろいろ調査をいたすわけでございますが、その調査事業について約四百八十万円程度の補助、それから活性化計画を具体的につくるに当たりまして二百五十万円程度の補助、それから支援機関というものがございまして、中小企業集積にいろいろ支援をするわけでございますが、その支援事業について九百五十万円程度の補助、その他若干ございまして、先ほど申し上げましたような約一千九百万円程度の補助金が一集積当たりに計上されておるということになるわけでございます。
○吉田(和)委員 一千九百万円という金額の大きさはこれで十分なのかなと考えているわけでございます。どうなのでしょうか、十分どお考えでざいましょうか。
○桑原政府委員 御質問が予算の中身でございましたので私予算を説明いたしましたけれども、金額的に申し上げますと、予算もさることながら、ほかの金融制度あるいは税制上の措置、その他総合的な措置が講じられておるわけでございます。 それで、若干かみ砕いて御説明をいたしますと、まず予算面でございますけれども、先ほどの金額以外にも、例えば組合等が行いますところの新商品の開発事業等にさらに一カ所当たり九百万円程度の補助がございます。それから金融措置といたしましては、中小企業金融公庫あるいは国民金融公庫による低利融資制度が設けられることとなっておりますし、それから中小企業事業団の高度化融資の活用というものも用意をいたしております。税制面におきましては、中小企業基盤強化税制の適用がされることになってございまして、三〇%の特償なり七%の税額控除が行われることになっておるわけでございます。 そういうようなことで、総合的に考えまして、本法案の支援といいますか、金融、財政、予算上の措置を全体として見ますと、かなりの措置が講じられておるのではなかろうかというふうに我々は考えているわけでございます。
○吉田(和)委員 思い切った増額とか配分というものが必要なのではないかということを言いたいわけでございます。そのお返事にとどめさせていただきます。 次に、不況時代から人手不足時代の転換の大きな節目に当たって一つ一つの法律を切りかえていく時期で、一つ一つを切りかえていくのではなくて、補助金を幾つかにまとめて効果的に運用すべきではないかというふうなお尋ねをしたいわけでございます。総務庁でさえも行政監察の中で施策の見直しを指摘している。これに対しまして通産省としてもしっかりとした取り組む姿勢を出していかなければならないのではないかと考えるわけでございますが、その点に関しましていかがでございましょうか。
○桑原政府委員 恐らく先生の御質問の背景といたしまして、昨年八月に総務庁が行政監察の指摘をされまして、我々中小企業行政についていろいろな御指摘をいただいたことがあるのではないかと思っております。当時、その総務庁の行政監察の結果に基づく指摘の中には、特定地域中小企業対策のあり方であるとかあるいは事業転換対策のあり方であるとか、こういうものの全体の見直し、あるいはこういうものの具体的な実施状況についてのいろいろな改善という幅広い御指摘がございました。中小企業庁としては、その指摘に基づきましていろいろな改善措置も既に講じておる、あるいはこれからやろうとしているものもあるわけでございます。 この法律案との関係におきましては、この行政監察の御指摘も受けまして、新しい中小企業をめぐる諸情勢というものを踏まえましてどうするかということでいろいろ検討いたしました結果、新しい法律として今回の法律案というものを用意させていただいたわけでございます。 なお、そのほか、いろいろな細かい点あるいは重要な点について行政監察の御指摘もあるものでございますから、この法案が成立いたしました折には、我々としてそうした行政監察の御指摘の趣旨を十分生かして運用していきたいというふうに考えているわけでございます。
○吉田(和)委員 次に、中小企業者及び組合が創造的なものをつくり出していく事業活動を行っていく際に支援をしていく、そのことがやはり大事ではないか。例えば、創造的な事業活動を行っていく際に必要となる技術や情報、そして人材等のソフト面での支援施策が重要ではないか、企画力とかマーケッティングの力の向上、そういったものに支援をしていくべきではないか、内外の産業の動向だとか、それら情報収集や提供等を行う整備充実が大切なのではないかというふうに考えるわけでございますが、それら魅力ある職場の提供等、それらに資する事業に対する支援を大臣の指針の中にきっちりと盛り込むべきではないか、そういうふうな考え方を持っているわけでございますが、その点についていかがでございましょうか。
○桑原政府委員 中小企業の集積が活性化していくために、先生御指摘のとおり、ハード面だけではなくていろいろな意味でソフト面の経営資源というものが重要であるというのは全くおっしゃるとおりでございまして、我々本法案を作成するに際しましても、支援事業であるとか組合の円滑化計画であるとか、その他いろいろな施策を通じまして、中小企業に対しましてソフト面での支援というものを差し上げる準備をしているわけでございます。 魅力ある職場の提供という観点につきましては、この法律に基づきまして中小企業の集積が活性化いたしますと、結果として魅力ある職場が提供できることになるのではないかというふうに我々は大いに期待をしておるわけでございます。活性化指針の中にこの魅力ある職場の提供というものを書くかどうかという点につきましては、今先生の御指摘も踏まえましてこれから十分検討をしていきたいというふうに思っております。
○吉田(和)委員 特にその部分が重要であるという意味で、大臣の指針の中に盛り込むお考えはないかというふうに再度お伺いをさせていただきます。
○桑原政府委員 本活性化指針の中にこの魅力ある職場の提供ということを書くかどうかという御質問であろうかと思いますけれども、私どもは、書く書かないにかかわりなく、実はこの魅力ある職場の提供というものが当然伴われる対策が今回の対策であると考えておりますけれども、その指針を策定するに当たりましては御指摘のような点を踏まえまして適切な指針をつくってまいりたいというふうに考えております。
○吉田(和)委員 時間が参りましたので、終わらせていただきます。
○武藤委員長 午後一時三十分から委員会を再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時四十分休憩 ――――◇――――― 午後一時三十分開議
○武藤委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。和田貞夫君。
○和田(貞)委員 特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法案についてまず質問いたしたいと思います。 この法案は政府の定める基本指針に基づきまして都道府県が行おうとする計画に基づいて中小企業者の特定分野への進出について助成措置を行うという法律でございますが、それぞれ地域における産地というものはそれぞれの地域の特色のある中小企業の集積であろうと思うわけでございますが、このことによって産地全体が、企業城下町全体が新しく衣がえをするような産地形成ということになるのかどうかということについてひとつお尋ねしたいと思うのです。
○南学政府委員 先生御指摘のとおり、この法案は活性化計画において定められました特定分野への地域中小企業者の進出を通じまして地域中小企業集積の活性化を促進することを目指すものであります。 この法案が所期の政策効果を上げるためには地域中小企業の相当数が特定分野への進出に取り組むことが不可欠であると考えております。あくまで、発展の方向に関する地域のコンセンサスに基づく中小企業者による自主的取り組みが基本になるものと考えております。そして、特定分野の選定に当たりましては、地域中小企業の相当数が取り組めるよう、地域における技術、人材、資源等の現状を十分踏まえたものとすることと考えておりまして、この結果、その地域における多くの中小企業者が新分野への進出に取り組むものと私どもは期待をいたしております。この結果、地域全体が活性化していくことになることを期待したいと思います。
○和田(貞)委員 御案内のとおり、都市圏の産地と地方の産地、それぞれ条件が異なるわけなのですが、地方に行けば行くほど都市圏のそれと比べますと情報機能の不十分さというのがございますし、あるいはもう東京を初め都市圏の場合はそれぞれ研究開発機能というのは充実しておるわけなのですが、これも不十分である、情報が入手困難である。そういう条件の中で、法律によるところの特別措置だけではなくて、国なりあるいは府県がどのようにそのような恵まれておらない部分を支援活動をやってもらえるのかどうか、ひとつお答えいただきたいと思います。
○桑原政府委員 先生御指摘のとおりに、地方における中小企業が、情報収集であるとかあるいは研究開発であるとかそういう面におきまして、都市圏における中小企業に比べ相対的にハンディキャップがあるのではないかという点については、我々もそういうところがあるのではないかというふうに同じような認識を持っております。 このような認識に立ちまして、従来から我々は、地域にありますところの中小企業者に対しましてこういうようなハンディキャップをなるべくなくすような施策を講じてきております。例えば、全国に三十九ほどありますところの地場産業振興センターを設立した。あるいは中小企業の支援センターも今十一あります。これに加えまして、公設の試験研究機関というものが全国で百七十二ばかりございます。こうしたいろいろな組織を通じまして、地方における中小企業者も、研究開発機能であるとか情報収集機能におきましてなるべくそういうようなハンディキャップがないように補完をしてきたつもりでございます。 この法案におきましては、都道府県が活性化計画をつくるわけでございますけれども、これに、ただいま申し上げましたような支援するところの機関が積極的に参加をするという形になってございまして、予算面等でもこうした支援センターの活動等に補助をすることになっております。総じて見れば、先生おっしゃいましたようないろいろなハンディキャップを乗り越えて地方の中小企業集積も活性化することができるように我々としては努力をしてきたつもりでございます。 〔委員長退席、竹村委員長代理着席〕
○和田(貞)委員 そこでさらに、それこそ、その不十分な面をカバーするために、都市圏の方からそういう恵まれておらない産地の方にその機能を移転する、あるいは産地にその機能をつくっていくというか、そういうようなことは考えられないのですか。
○桑原政府委員 これは、中小企業政策だけの問題ではございませんで、大都市におけるいろいろな機能を地方になるべく分散をして、地方における、ふるさとその他いろいろな形でその地方の活性化を図るということはいろいろやっているわけでございますけれども、この法案におきましては、むしろ地方の中小企業の自主的な努力というものを基盤といたしまして、そうした自主的な努力に対して我々ができる限りの支援をする。先ほど先生申されましたような研究開発機能であるとか情報収集機能につきましてもできる限りの御支援を申し上げる。それによりまして、地方にそうした活性化が図られるというような手段を通じまして、我々は、先生御指摘されたような目的のために大変な貢献ができるのではないかというふうに考えておるわけでございまして、この法案自体によって直接どこまでできるかというのは難しいところもあろうかと思いますけれども、結果としては同じようなことになるのではないか、大いに期待をしているわけでございます。
○和田(貞)委員 私は、なぜそのことをやかましく言うかと申しますと、伝統工芸産業の産地もやはり同じことが言えるのではなかろうかと思いますが、これらの産地あるいは企業城下町というのは、共通して言えるのはその約七〇%あるいは多いところでは約八〇%が、例えば中小企業近代化促進法あるいは先ほども議論されておりましたが特定地域中小企業対策臨時措置法、そういう法律ができましても、その法律の適用を受けて活性化できる企業、恩恵を受ける企業というのが極めて限られておるわけであります。融資の点も私は同じことだと思うのです。例えば三千万円の貸し付けあるいは五千万円の貸し付けがなされても、その三千万円の貸し付け、五千万円の貸し付けさえも借りることができないようなそういう零細企業というのが、どの産地におきましても、どの企業城下町に行きましても、やはり七〇%、多いところでは八〇%を占めておるという現実を考えたならば、この法律というのは中小企業基本法の二条をそのままここに移しかえたように、この法律の適用を受けるものは資本金が幾ら、あるいは従業員が幾ら、卸ではどう、小売ではどうというようにそのまま移されておるのですが、中小企業基本法自体がもう制定されて約三十年になるわけですから、この機会に、時代も変わり世の中も変わり経済情勢も変化していっておるわけでありますから、この状況の中で中小企業基本法というのを根本的に洗い直す必要さえも今あるのじゃないかと私は思うわけです。それがために、申し上げましたような、法律ができてもその法律の恩恵をこうむることができないようなそれぞれの産地、それぞれの企業城下町における零細企業の皆さん方にはそういう別の措置、別の支援策、別の対応というのがひとつ講じられて私はしかるべきじゃなかろうかと思うわけでございますが、そのような零細企業も含めて一緒にこの法律の適用ということになりますと、せっかくできた法律によって自助努力といえども限界があるわけでございますから、その法律の適用を受けて恩恵をこうむらない零細企業というのはこれまた残されていってしまう。だから冒頭にお尋ねいたしましたように、この法律ができても産地全体が、企業城下町全体が活性化されるようになるのかどうかということをお聞かせいただいたわけであります。そういうような点についてひとつお答えいただきたいと思います。
○桑原政府委員 お答えをいたします。 先生よく御存じのとおりに、中小企業の中におきましても小規模企業につきましては、中小企業基本法にも定義がございまして、さらに特別の配慮をしたような施策を講ずるということをやっておるわけでございます。具体的には、経営指導員によるところの経営改善普及事業というようなものを各地の商工会とか商工会議所を通じてやっておりますし、また金融面におきましても、国民金融公庫のいわゆるマル経の適用等、特別の施策を積極的に講じておるわけでございます。 それでは、今度のこの法案においてこういう小規模な企業はどういうふうに取り扱われるかということになりますけれども、そこのところにつきましてはこの法案では特に区別はしておらないわけでございます。我々の期待といたしましては、そういう小規模企業がかなり中に含まれておりますところの中小企業集積というものが全体として活性化をするということになりますと、その中に含まれる小規模な企業もいろいろな面で大いに稗益するわけでございますし、さらに、小規模な企業でございましても積極的にやる気のある企業が相当あるだろうと大いに期待をいたしておりまして、そういう方たちがこの法律案に基づきまして大いにやってみようというようなことになる場合には、この法律に備わっておりますところのいろいろな支援策、すなわち支援事業であるとかその他を通じまして大いに御支援を申し上げる。小規模企業にはこの法律案は余り稗益しないのではないかというような御指摘ではなくて、我々はそういう小規模企業も含めまして大いに活性化をしてもらいたいものだというふうに考えておりますし、また、具体的な運用に当たりましてはそういうふうに努力をしたいというふうに考えております。
○和田(貞)委員 私はちょうど一月ほど前に福井の方に同僚の皆さんと一緒に行ってまいったわけでございますが、その際に産地の方から、私が今言っておる言葉がやはり出てくるわけなんですね。中小企業対策をやってくれるのは結構だ、産地対策をやってくれるのは結構だ、しかし私たちの組合員の中で七五%まではこの法律の適用を受けても、例えば、私が今例を挙げましたように、お金を貸してやると言ってもお金を借りることができないのだ、彼らはやはり返済をしなければならぬのだから、利息も払わなければならぬのだからということで、そういう小規模企業、零細企業についてはやはり中堅企業とは別枠の、例えば利息を安くするとかというような念の届いたそういう支援措置対策というものを講じてほしいのだということを言われておるわけです。どの産地に行っても同じことが出てくるのじゃなかろうかと私は思うわけであります。したがって、この法律は私は結構なことであろうと思いますが、この法律以外に、当面産地が困っておる問題あるいは企業城下町の皆さんが困っておる問題、それも、産地の支援策あるいは城下町の支援策として、ぜひとも中小企業庁なり通産省がやはり考えていただきたいなというような気持ちであります。 例えば、この法案に関係がないわけでございますが、その際、福井に参りましたときに訴えられました。もう既に繊維産業も技術が極めて高度化しておるわけですね。特に今繊維産業が全体として冷え込んでおりますが、その中でも福井はまだ何とか輸出が行われておるというような状況であるわけです。それなりの自助努力というものをやっておられるのです。だからそういう中で、例えば一枚の反物が一カ所だめだという不良の部分が出てくれば、その部分だけではなくて、かなりの大きな反物一反が損害をこうむるというようなことでございますので、なかなか技術も向上する中でもなお十分に心得て生産なさっておるわけです。したがって、例えばそういう輸出繊維製品については、私はそういう中で現物も見、現状もつぷさに見せていただきます中では、今なお旧態依然としてやられておる例えば輸出検査制度、これは大臣、もう不必要な時代になっていると思うのです。そんなもの受けなくても産地の方は十分やっているんです。ただ形式的に検査をやっているということにすぎないという実情を私は知らされてまいったわけです。 そこで少なくとも一メーター当たり一円もつくような検査料を払うのであれは、そういう検査料を負担させないような政策を産地の方にしてやるというような生きた支援策をやってほしいという一つの例を私は挙げておるわけであります。たしかお聞きいたしますと、検査制度が五十三品目あったのが今二十八品目に、だんだんと縮小していっておる。あと何年たてば全部解消するんですというようなことでありますが、大臣、ひとつ聞いてほしいのですが、これは去年から五カ年計画で検査制度を廃止するという方針なんです。そうすると、去年廃止されたところ、ことし廃止されたところ、あと四年たたなければ廃止されないところ、これは地域によって、業種によって、品目によって異なると思いますが、何のためにそういう五カ年計画でなくしていくのか、私は理由がわからぬ、理由が。ただ、私の推測するところでは、全国に散らばっておるこの検査員というのは約千四百名から千五百名おる、その千四百人、千五百人が今直ちに検査をやめてしまうということになるとその人たちの持って行き場がない、そういう理由なんです。そんなようなことで産地の零細業者やら産地の中小企業におんぶにだっこというようなことは好ましくないやり方じゃないかと私は思うわけでございます。この機会に、ひとつ全面的に輸出にかかわる繊維製品の検査制度というのをやめて、そしてその検査員の持って行きどころは別に考えたらいいわけです。別に考えないで、そのようなものをその産地に犠牲を強いるというようなことは好ましくない、私はこういうふうに思うわけでございますが、大臣わかっていただいたと思います。このことをひとつ、温情味のある大臣の答弁をこの機会にお聞かせいただきたいと思います
○渡部国務大臣 今先生から福井県を、直接繊維産業地帯をごらんになった実情、お聞きをいたしました。 確かに、今初めて聞いておった話でありますが、実は私も三十年ぐらい前のことを思い出しますが、私の郷里は木炭の産地で、木炭の検査員というのが一番余計地域におったわけですが、その後エネルギー革命であっという間にプロパンガスとか灯油とかになって、木炭がなくなってもなかなか一挙に木炭検査員をなくするわけにいかなかったというようなのも過去に、今先生のお話をお聞きしながら思い出しておったのでありますけれども、政治も行政も国民のためにあるべきものであり、産業界の小規模企業の皆さん方にそういうことでもしも御負担をおかけするようなことがあれば、これは申しわけないことであって、実情をよく調査した上で先生の御心配のないような方向で検討してまいりたいと思います。
○和田(貞)委員 ぜひともひとつ大臣、これは産地の声でございますので、今具体に私はお話しいたしましたように、だから検査員はどうなってもいいということでは私は言っておるのじゃない。検査の必要性がなくなっておるんだから、検査というその制度をやめる。検査員にかかわる問題は、これは別の角度からそれらの方々の生活、家族を含めた生活面の面倒を見るということをやったらいいわけなんです。そういうことで、今大臣の御決意をお聞かせいただきましたので理解いたしますが、ぜひともひとつこの機会に不必要なこの制度というものを、産地の声を十分取り入れて、せっかくこの法律を出されたわけでありますから、この法律だけじゃなくて、今申し上げましたような産地に向けた温かい、温情味のある通産行政をやってほしいということを強く要請をしていきたいと思うわけであります。 次に、私は伝統工芸品産業の産地の問題についてお尋ねしたいと思うわけでございます。 数多くの国が指定する伝統工芸品、あるいは法律によっていくというか、政令か省令ということを決められないような、わかったようなわからないような、この法律の中に「少なくない数」という言葉があるのですが、その「少なくない数」に満たない産地は国が指定した伝統工芸品になっておらない。県の工芸品として県が認定し、指導しておるということであります。先ほどお話がございましたように、せっかくこの伝統工芸品産業の振興法という法律ができて、そして今日さらにそれを充実していこうという法律案が出ておるわけでございますから、この産地について、法律にうたわれておる「少なくない数」、これを解消するための一つの策として、部分的にその地域ということになりますと「少なくない数」に満たない地域であると思いますが、これを府県全体なら府県全体ということの視野に立ったならば、府県全体の産地あるいはその隣の県の隣接した部分を含めた地域というような見方をするならば、この産地という問題も解決できて小さな産地もそこに営々として築かれてまいりました伝統工芸品が国の伝統工芸品として指定される。そしてこの法律に基づくいろいろと保護措置が受けられるということになるわけでございますので、そのような方法も含めて小さな産地の対策について、ひとつこの機会にぜひとも解消してもらいたいと思うわけでございますが、ひとつ意見をお聞かせいただきたいと思います。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 現在法律に書いております要件、確かに「少なくない数」というのは運用上十企業または三十人以上を原則とするという形で運用させていただいております。その結果、現在百七十四の産地が指定され、それに適合するものが合わせまして四百ぐらいあるという状況にありますが、繰り返し申し上げますように、原則としてということでございますので、これは基本的には弾力的にやらせていただきたいと思っております。 先生御指摘の県単位あるいは県をまたがってというような拾い方も実は現在工夫してやっておるところでございますが、今回の法律改正を機にいたしまして、これは数字をいじるというところまではいきませんけれども、原則としてというところを十分踏まえまして弾力的に運用させていただきたいと思っております。
○和田(貞)委員 ぜひともこの機会に小さな産地の伝統工芸品の育成についてもそういう視野に立っていただきまして、弾力的な運用をひとつお願いしておきたいと思うわけでございます。 その一例として、実はべっこう細工の問題があるわけでございます。べっこう細工も今そういう弾力的な運用がなされておったならば、長崎におけるべっこう細工あるいは大阪におけるべっこう細工、東京におけるべっこう細工、これも国の指定する伝統工芸品になっておったのじゃなかろうかと思うわけでございますが、いまだに国の指定する伝統工芸品にはなっておりません。 ところが、そのやさきに、いわゆるワシントン条約によりましていよいよことし限りで輸入禁止ということになって、通産省の方もオーケーされたわけですね。もうオーケーされた以上はもう一度何とかというようなそういうお考え、それぞれの産地が期待をするようなことはないのかどうか、ひとつこの機会にお聞かせいただきたいと思うのであります。
○堤政府委員 べっこう産業につきましては、三百年も続いた伝統工芸でございまして、これは最近の世界的な環境問題に対する意識の高まり、たまたま今京都でワシントン条約の会議をやっておりますが、こういう中でも、いまだにことし七・五トンを認めたことすら、あるいはさらに撤回を一年半延ばしたことすら大変反対があるわけでございます。 そういう厳しい中で大変苦しい決断をしたわけでございますが、今後このべっこう産業に対する対策といたしましては、我々は活路開拓という言葉を使っておりますが、二つの大きな方向がございまして、一つは事業転換をしていくという方向だろうと思っております。 もう一つは、ぜひこのワシントン条約の枠組みの中で、現在タイマイ、ウミガメの数が大変足らないと言われておりますが、これを科学的に調査をし直しまして、これを非常に最近の動きの中で、絶滅に瀕してはいないという証明ができる可能性もある、さらにこれを今数を調べただけではだめだとすれば、ふ化放流というような形でそれを人工的にふやすということも考えてみてはどうだろうかというような意味での将来の展望を開いていくというような考え方、さらにその代替品を見つけてはどうだろうかというような技術開発、そういうものをやろうという考え方でとりあえず昨年度は金融措置をいたしました。今年度以降転換についての金融措置を含めまして、昨年度の補正予算で九・五億円、来年度の予算といたしまして三億一千万円を計上させていただいている次第でございまして、そういう資金を十分活用しながら、冒頭申し上げました活路開拓ができるかどうか、ぜひこれから一生懸命やりたいと思っている次第であります。
○和田(貞)委員 これはあなた方自身が十分御理解いただけるように、きょうも実は朝のNHKのテレビを見ておりましたらそれが放映されておったわけでございますが、このべっこう細工に従事しておられる方々というのは高齢者の皆さん、それに足の不自由な、いわゆる身体障害者の皆さんでございますね。そういう朝のテレビ放送の一こまを見せていただきましたら、せっかく私に合うと思ってこの道に進んだ途端にもうだめだということになって、これからどういうように生活していこうかというように思っておるんだ、そういう悩みの身体障害者の言葉が放映されているわけなんです。 そういうようなことでございますので、今二つの方法が挙げられたわけでございますが、ぜひともこのべっこう細工についてのみならず、せっかく営々として続いてまいりました伝統工芸が何かの事情で、何かの原因で閉ざされるというようなことは、我々日本人にとって、日本の風土の中で生活をしてまいった私たちにとってあるいは特にその地域の伝統を継承してまいりました方々にとって、こんなに悔しい情けないことはないと私は思うわけであります。しかも申し上げましたように、伝統工芸によっては、今のべっこう細工のように、身体障害者の皆さんの職に充てておられるというそういうことも考えるならば、特別なひとつ産地対策、特別な伝統工芸品対策というものをこの機会にぜひとも早急に見つけ出していただきまして、万遺漏のないような措置を講じてもらいたい、こういうように思うわけでございますが、もう一度お答えいただきたいと思います。 〔竹村委員長代理退席、委員長着席〕
○堤政府委員 先生おっしゃるとおり、べっこう産業に従事する人は千五百人ぐらいいるわけでございますが、その中に身障者もかなりの数入っているというふうに聞いております。今後の、先ほど申し上げました補正予算の九億五千万、今後予算で三億一千万いただくというようなその施策を具体的に講じます場合に、身障者の一人一人に具体的な転換の施策あるいは活路を開拓するための施策というのがおわかりいただけるように、きめ細かい指導なり御相談に乗るよう体制をつくってまいりたいと思います。具体的には、本年二月に社団法人日本べっ甲協会というのが設立されまして、ここが集中的にこういう作業を県と協力しながらやるという体制をつくったところでございます。
○和田(貞)委員 伝統工芸品の産地を含めまして、産地の中小企業者というのは、都市圏の方々に比べますと、地方に行けば行くほど、先ほど申し上げましたように情報を受け入れる機能等が不十分であると同時に、その反面、その地域におけるところの地域経済の受け持ち部分というのは、都市部の中小企業の皆さんよりももっとウエートが高いわけでありますし、それからまた、その地域におけるところの雇用面についての役割も、都市圏の方々と比べますと、あるいは都市圏の産地の皆さんと比べますと、非常に大きなウエートを持っておられるわけです。それだけに、地域の地場産業、地域産業、中小企業集積というのは非常に地域にとっては大事な問題であるわけでございますので、せっかくのこの二つの法律が改正され、できるわけでございますので、この機会にひとつ積極的にそういうようなことを考慮に入れながら中小企業対策にぜひとも今まで以上に力こぶしを入れていただきたいという決意をひとつ大臣の方から述べていただきまして、私はこれで終わらせていただきたいと思います。
○渡部国務大臣 先生御指摘のように、我が国の中小企業は今日の日本の経済発展の原動力でもあります。これは今世界が大きく注目しているところでもございますが、その中小企業が衰退していったのでは日本の経済の繁栄は期せられないわけでありますから、今御審議をいただいておる二つの法律を有効に生かして、先ほど先生が小規模企業者、零細商工業者の皆さんにまで温かい御配慮をしていただいておられましたが、これらを総合して、また一極集中を排して地方に分散し、それぞれの地域社会を豊かにしていくというのも国の大きな方向でありますけれども、この二つの法律を有効に活用し、弾力的に対処し、御趣旨に沿ってまいりたいと存じます。
○和田(貞)委員 終わります。
○武藤委員長 森本晃司君。
○森本委員 けさほどから伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律案でいろいろと議論をされているところでございます。きょう、特定中小企業集積の活性化に関する臨時措置法案、この二つを私の方からあわせて質問をさせていただきたいと思うところでありますが、まず、伝統的工芸品産業の点から質問をさせていただきたいと思います。 朝からいろいろと議論されているわけでございまして、こうした日本の伝統的工芸品産業が後継者の問題あるいは材料の問題、あるいは産業として生きていく、そういった点について非常に厳しいという状況が議論されているわけであります。今、日本を代表する産業といえば自動車や電機産業等が挙げられますが、しかし、いずれもその歴史は浅く、今日のように世界的な競争力を有するようになったのはわずか二十年であります。これらに対して、我が国が地味な存在ながら江戸時代やあるいはそれ以前から脈々と受け継がれている世界に誇れる伝統産業もまた少なくありません。欧米の脅威になるほど強大な存在になった現在の我が国の産業の育成に力を注いできた通産省でありますが、一方でこうした伝統的産業の価値を再発見し振興策に取り組み、また、今回十八年ぶりにさらに充実させるために同法の一部改正案が提出された、このことは私は、ここにいらっしゃる京都の竹村先生等々いろいろな関係者で十八年前にこの法案を議員立法としてつくられたこと、大変敬意を表しますとともに、今この改正に取り組むことになったということはすばらしいことでありますけれども、取り組まざるを得なくなったと言っても過言ではないのではないかと思うところであります。つくる人の心がこもった伝統的産業の工芸品がさらに育成されることについて、また地域振興の発展、日本文化の伝承という観点から大いに評価をしたいと思うところであります。 ゆとりと豊かさに満ちた国民生活実現に貢献する伝統的産業の再生と発展をいかに図るかというのが大きなテーマでありますが、多くの人々の声から、あるいはまた朝の議論の中から伝統産業の灯を消すなという声が上がっておりますし消さないためにも通産省は伝統的産業の将来的なビジョンをどのように考えておられるのか、大臣にお伺いしたいと思います。
○渡部国務大臣 今回、十八年前に先生方に御努力をいただいてできたところの伝産法の改正をお願いしておるわけであります。古きをたずねて新しきをつくるということもございますけれども、今、日本はハイテク産業で世界に大きく羽ばたいておるわけであります。 一方、本物志向あるいは手づくり志向といったような国民のニーズも強まってきております。長い間それぞれの地域社会で育ってきた伝統産業、これが残念ながら今日、経済の推移の中で後継者がだんだん少なくなっていく、若者たちが跡を継いでいかない、いろいろ厳しい問題等にも当面をしております。こういう時代的背景の中で、やはり、とわなる美しきとうとき価値あるものは、我々はこれを引き継いで子供たちに残していかなければならないし、また同時に、新しい時代のニーズにこの古きとうとき価値あるものをどう整合させていくかということも我々に与えられた大きな課題でございます。 今回の改正案は、そういった長い歴史に培われた伝統産業を、地域社会の繁栄のために、さらに、立派な後継者をつくって若者たちに魅力のある産業として未来につないでいきたいということでお願いをいたしております。
○森本委員 今大臣から、若者たちにさらに魅力のある産業に発展させていきたいという答弁がございましたが、伝統的産業の再生と発展のために地方文化の特色を生かした振興に努めるには幾つかの大きな問題があるのではないか。 そこで一番大きな問題は、やはり後継者不足の問題であります。これは朝からのいろいろな数字を挙げての説明がありましたけれども、今回の対策では、こうした後継者不足に対して人材を育成するために伝統的技術を学ぶためのカレッジを全国的に展開するようになっているという点でございますが、まず、このカレッジについてお尋ねしたいわけでございます。 現実的な伝統的産業の生産者の専門家を育成するカレッジはもちろん必要でありますが、いわゆるアマチュアの人たちが学べる機会を広め、ふやしてもらいたいと思うわけであります。さらに同時に、今だんだん生涯教育ということが言われておりますが、生涯教育の場としてもこのカレッジを利用できるようにしていく必要があるのではないか、そこで今回カレッジの構想が発表されましたが、どういった構想になっているのか、それから、このカレッジについてどういった地域からの要望があり、今後そういったことに対してどうこたえていこうとしているのか、また推進していこうとしているのか、答弁願います。
○堤政府委員 手作りカレッジについての御質問、我々といたしましても大変重要な問題と受けとめておりまして、現在、こういう人材を育成するための特に伝統工芸品につきましては幾つかの前例がございます。例えば有田焼ですとか輪島ですとか九谷焼なんかでは、それぞれ専門の後継者を育てるような常設機関を持っております。そういうところが後継者の育成に大変成功しているということも事実でございますので、これをぜひ今回の我々の法律改正の中に導入をさせていただくということがこの手作りカレッジを思いつきました最初の原因でございました。ところが、先生が今おっしゃったとおりのことがございまして、ここの今まであります前例はいずれも専門家だけを育てるところになっておるのですが、今回の手作りカレッジの、大変名前が長いのでございますが、「人材育成」それから「交流支援」とこう書きましたのは、この交流という中には消費者、今おっしゃいましたそのアマチュアに対する教育、生涯教育的なそういう、この分野について興味のある方々もあわせてそこで、常設的に教えるということにはならないかもしれませんけれども、こういうところでセミナーなどもやったり、みずから手を染めてそこで実地で自分でつくってみるというようなことをやる、あるいはそこで販売もやるというようなことをやることによって、むしろ何を教えたらいいか、どういうものをつくったらいいかということを情報交換ができるというのもこのセンターという名前をつけたゆえんでございまして、そういうような趣旨でぜひこれを広めていきたいと思っている次第でございます。 ことしは予算上一産地ということで大変寂しゅうございますが、今後予算の拡充あるいはそういうものをぜひ広めていきまして、現在私たちのところで知っている限りでも十産地くらいが興味があるということで手を挙げていただいておりまして、非常に進捗状況のいいところ悪いところいろいろございますが、そういうところをぜひ掘り起こしまして、あるいは一緒になって考えて実際のセンターの実現まで努力をしたいと思っておる次第でございます。
○森本委員 そのカレッジでもう少しお伺いしたいわけでございますが、有田や伊万里、私も昨年回ってきたわけであります。そこにいろいろな展示がされており、あるいはカレッジと同様にビレッジ的なものもあるわけでございまして、非常に興味深く私もそこで随分時間を費やしたわけでございます。旅する人たち、殊に最近若い人たちがそういった陶芸の町等々を旅する機会が非常に多くなってまいります。このカレッジの中でその旅してきた人たちも参画できるような場所を考えていらっしゃるのでしょうか。例えば沖縄へ行くと紅型の作業をやっている。そこでちょっと自分が何かつくってみようというものができ得ればそこの自分の記念にもなりますし、そういった、少しでもさわるということはできますが、旅の訪問者も入れるのでしょうか、それは。
○堤政府委員 基本的に最近の若者ないしは観光者の興味が、単にすばらしいところを見るというだけではなくて、先生の御指摘のように、いいものにさわってみる、あるいはみずからそれをつくってみるということに大変興味が出てきておるようでございまして、最近の修学旅行等も大変そういう物を実際につくってみるというようなことを進めておるようでございます。そういう意味では実際に、体験施設と我々申し上げておりますが、そういうものをぜひつくりたいと思っておりますが、これはカレッジのようなところでつくるのではなくて、実は手作りビレッジというところはそういうことを最大のねらいとしているところでございまして、むしろ観光あるいはそういう施設と一緒になって総合的に人集めができるというような例が全国がなりございます。そういうところのいい例を、ぜひこの手作りビレッジという形で実現をしたいというふうに思っておる次第でございます。
○森本委員 私は奈良県でございますけれども、日本の一番歴史の古いところでございますが、そのさらに古い元祖たるべき明日香村というのがあるのですが、この明日香村は毎年多くの人が訪ねます。私の友人がこの明日香村で喫茶店を経営しておりまして、この喫茶店の奥に陶芸教室を開いているわけでございます。コーヒーを飲んだりしながら、来た人にそこで一生懸命陶芸を、信楽焼を教えているわけです。そして当然材料費は取りますけれども、そのできた品物を、後で焼きに時間がかかりますから、仕上げて郵送料もいただいてそこへ記念に送るという形をしているわけです。通産省の決めたビレッジということも非常に大事なんですが、そういったことで頑張っている人たち、実はこれは信楽焼の手法を自分で明日香村でやっているわけですけれども、私の部屋へ来ていただいたらコップがありますが、あれは私の手づくりのコップでございます。そういった方々、これは組合員にもなっていない。当然伝統工芸品の産地でもありませんから、これは滋賀県が産地です。したがって、明日香村でやると組合員でも何でもないし、指定も受けていない。ちょっとこれは突然の質問なんですけれども、そういった人たちに何か支援できる方法はないのでしょうか。いろいろとその人たち、一生懸命応援していますし、その友人は学校へ行って生徒たちにもそういうのを教えたりして奈良県じゅうを回っているわけですけれども、こういった方々には何らかの支援策というのはないのでしょうか。突然のことでございますけれども、いかがでしょう。
○堤政府委員 大変いいポイントだと思っておりますが、正直言いますと、現在我々が考えております施策そのものを直接ここでと申し上げにくいところがございます。現在の法律が組合とか組合員というものを非常に中心にやっておりますし、それから、どちらかといいますとつくる人に重点を当て、その人のつくる技術を伝承するということに力があるものですから、確かに先生のようなお話はある意味で盲点のような気がしております。基本的にはむしろ宿題としていただかさしていただいて、まじめに検討させていただきたいと思っておりますが、恐らく、雑駁なあれを申し上げれば、今度つくりますセンターですとかビレッジですとかというのは非常にオープンエンドの、どなたでも入っていただけるという形になっておりますので、そういう形の中で御活躍いただくというのも一つの方法ではないかと思っておりますが、基本的には大変いいものでございますので、宿題にいただかさしていただきたいと思っております。
○森本委員 突然そういったことを申し上げてあれでございますが、窯を買ったり、あるいは現在あるのを買いかえたりしていくわけでございまして、今後もそういった人たちにも何らかの支援策があればますます広がっていくのではないかなと思っているところでございまして、ひとつ御検討をよろしくお願い申し上げます。 そこで、同時に、もっともっと伝統工芸品に触れる人々のすそ野を広げるという必要があるのではないか。それは今申し上げました私の友人が学校へ出かけていってそういう陶芸教室を開いて生徒たちに土に触れさすという作業をしておるわけでございますけれども、例えば全国の中でも和紙を生徒自身につくらせて卒業証書にしたり、あるいは木のおわんを給食の食器に使っているところもある。これらのようにその地域の伝統的な工芸と結びついた何らかの活用方法をそれぞれの地域において考えていくことも必要ではないかと思います。使い捨て文化の申し子と言われる現在の子供たちに、もっと伝統的な工芸とのかかわりを持たせていくということが必要ではないか。学校の教科の中に工芸のことをもっともっと取り入れまして小さいときから工芸に親しむようにすれば、自然に工芸に対する関心が芽生えて、その中から自分もやってみたいという子供が出てくるのではないかと思います。 そこで、きょうは文部省の方に来ていただいてはおりませんので、通産省としてこういった点を大いに文部省に働きかけていくこと、そのことがすそ野を広げますし、子供たちの情緒ある教育につながっていく、それから物を大切にするという形につながっていくのではないだろうかと思います。文部省に大いに働きかけていただきたいと思いますし、今はどのように働きかけておられるのかも伺いたいと思います。
○堤政府委員 先生御指摘のように、伝統工芸品の中には日本の心を伝える部分もございますし、本当の意味の物づくり、手づくりというような原点が入っているような気がいたしております。使い捨て文化ということと全く対照的な、使えば使うほど味の出る、そういう環境の心のようなものも入っているような気がしております。そういう意味では、教育的観点から見ても大変推奨すべきものではないかと思っておりまして、かねがね文部省にもお願いをしておったところでございます。 文部省の方では、現在小学校五年生の社会科の授業の中で、学習要領としてこの伝統的工芸品の理解が深められるという指導要領があるようでございますが、今後ともこういうことを踏まえまして、さらにお願いをしてまいりたいと思っております。
○森本委員 私は、青山にある全国伝統的工芸センター、今日までも幾たびか寄せていただいて、海外へ行くときは、日本の電卓等々を持っていって喜ばれる場合もありますけれども、あそこで買い物をして日本の伝統工芸品を海外にお土産に持っていくということは、これは大変喜ばれますので、時々お邪魔しているわけでございます。つい先日もそこを訪ねさせていただきました。伺いますと、数年前には年間の入場者が約七万人という状況でありましたが、昨年は九万四千人、そのうち外国の方の割合が年々にふえまして約二五%は外国人の方があそこを訪ねられるということであります。非常に多いなと、私もこの二五%の外国人というのはやはりびっくりしたわけでございます。この三月四日も、ボツワナの大統領夫人が工芸品センターを訪れたということであります。このように、国賓の方や在日の各国大使館の関係者が、自分の国の人を案内して訪ねたりすることは非常に多くなってきた。この工芸品センターを大臣は訪れられたことはございますでしょうか。
○渡部国務大臣 大変申しわけありませんが、行っておりません。
○森本委員 大変御多忙の大臣でございますから、予算が通過したときでも青山へ走っていただきまして、ぜひこの工芸品センターを大臣自身の目で見ていただきたいと思うわけでございますけれども、この工芸品センターを訪れた方は御承知かと思いますが、余りにも手狭で、率直に言いましてお粗末ではないかという感じがするのです。これは予算との関係でありますから、中に働いておられる方は当然一生懸命やっておられるかと思いますが、大変手狭な感じがします。こういった伝統工芸品というのは、もう少し空間があって眺めてさらにいいものでありますけれども、百四十品目が常設展示されていますから通路も非常に狭くて、場所によっては向かい合ったまますれ違えない。ゆったりとした工芸品の魅力を楽しむというものではないということを感じます。 それから、先ほどの外国からのお客さんですが、国賓の方がお見えになった場合に外務省から連絡があるわけですけれども、話を伺いますとこの工芸センターには貴賓室もないということでございます。せっかく外国の方がそうして日本の伝統工芸品に触れようとされる、しかもその国の要人が触れようとするのですから、そういった方々の貴賓室とまではいかなくとも、多少は話し合いのできる応接間が要るのではないだろうかというふうにも考えております。それから、工芸品を見学、勉強したいといっても、資料ライブラリーやビデオテープで伝統工芸品のさまざまなビデオが見ることができるコーナーも、非常に限られたわずかないすしかないというふうに思うわけであります。 工芸品センターの役割というのは、一面において日本の応接室とも言えるわけでございますから、我が国の伝統文化を紹介する場所としての役割を持っていると思います。どうぞ消費者や外国の方々にもこの工芸品を少しでも触れる機会を多くしていくためにも、このセンターをより充実させてもらいたい。これがまた世界に日本の伝統文化を紹介することにもなってきますし、後継者の育成にもつながってくるのではないか。本当にあの建物、全国の工芸品の集まった場所としては大変お粗末だなと思いますが、通産省は今どのように考えておられるでしょうか。
○堤政府委員 私も最近訪ねておりましたが、全く先生と同じ感想を持っております。ただ、限られた予算という言葉を使わざるを得ないのは大変残念でございますが、その中ではまた百七十四産地という全国の数を公平に扱うということも、国の予算でやっている以上そういうこともまた配慮しなければいけませんので、どうしても手狭な感じというのは否めないと思っております。 国賓の方が大変時々来られることも我々知っておりまして、本当はそういう国賓の待遇できるような場所が欲しいなという気持ちも実はひしひしと持っているわけでございます。今までできないことのおわびといたしまして、今後とも頑張りたいと思いますので、よろしくお願いいたします。 〔委員長退席、和田(貞)委員長代理着席〕
○森本委員 大臣、ひとつあそこを見ていただきまして、大臣の力で、こんなところじゃだめだと、もっともっと予算をうまくつけてもっともっと立派なものにしようと、ぜひ関係者にお力添えをいただけることが非常に大事ではないかと思いますので、よろしくお願いしておきます。 そこで、今外国のお客さんが工芸センターを訪ねられるということを伺いまして、同時に、もっともっと積極的に外国へも知らせていく必要があるのではないか。 その一つとして、外務省お見えいただいておりますね、伝統工芸というのは我が国の顔でございますので、外国の人にも紹介して理解を広めてもらうことが重要だと思っております。現在ではさまざまな分野において日本のブランドが有名にはなったものの、なかなか日本人の顔が見えてこないという声もよく耳にするものであります。また、日本を知ることにおいて、海外に紹介されたり外国人が訪れる代表的なものといえば、これはやはり相撲とか歌舞伎というのがありますが、それでも余りにも文化が違い過ぎて十分に理解し得ないという点もあるのではないか。決して相撲や歌舞伎を軽視するというものではありませんが、伝統産業というのはまた違った面における我が国の伝統文化を知っていただくには非常に重要なものであるかと思います。一番大事なことは触れるということでありますが、伝統工芸品の立派なものといえば非常に高価になってくるわけでございます。 昨年私も外国を訪ねましたときに、大使館の方が、たまたま伝統産業の話をしましたときに、ここに日本のそういったものがあればいいのですが、外務省、何分予算も足りないことでございましてというお話もお伺いいたしました。むしろ外務省にそれを買って知らせてもらうというよりも、そういったことに自分の作品を寄贈して、そして世界に少しでも日本の文化を知らしめるんだという志の厚い方々もいらっしゃるのではないか。そういった人にむしろ何とかうまくPR、働きかけていただいて、外国の日本の大使館にそういった伝統工芸品を置いていくことも極めて大事ではないか。 そこで、外務省の方にお伺いいたしますが、今までそういう寄贈等々、大使館で使ってくださいという寄贈がありましたでしょうか。そして、あった場合はどのような形でその寄贈者に対して御礼をされているのでしょうか。ちょっとその辺を聞かしていただければと思います。
○赤阪説明員 ただいま先生御指摘のとおり、これまでの日本と外国との接触におきましては、日本の顔が見えないと。いう批判がございます。外務省としましては種々の文化交流を通じまして、日本の顔が見えるような交流を進めていきたいと考えておりますが、その一環として日本の伝統工芸品の展示にも力を入れております。 現在、各在外公館におきましては、在外公館の文化事業の一環としまして、日本の版画、陶芸、茶道具、郷土玩具、日本人形、書道、折り紙作品といった伝統工芸品の展示事業を行っております。このほか、在外公館や広報文化センターに備えつけておりまして、随時日本文化の紹介に資するため、各公館に対して陶磁器、漆工品等を初めとする伝統工芸品等を航送しております。 また、先生今御質問の寄贈の件ですが、これまでも志の温かい人からの寄贈も受けておりまして、この手続としましては、在外公館に対して文化啓発用に伝統工芸品等の寄贈を希望する場合は、まず外務本省ないしは在外公館に寄贈願を提出していただくよう頼んでおります。それを受けまして、外務省としましてこういう寄贈を受けますことが関係通達上問題がない旨の外務省内の決裁を了す必要がございます。その後で、寄贈を受けるということになりました場合は、寄贈者に対して外務大臣あるいは外務省官房長等の者より礼状ないし感謝状を出しております。
○森本委員 それでは次に、先日カナダ大使館に行く機会がございまして、赤坂の青山通りにありますが、あの最先端の近代的な建物の中に参りますと、たしか四階だったと思いますが、その建物の中に、後ろの方に垣根がありまして、足元には砂利が敷き詰められて飛び石が置かれている。さながら石庭という雰囲気があの建物の中にあるわけでございます。大使館の人は非常に心が和むとおっしゃっておりましたし、日本には工夫された多くのすばらしいそういった生活用具、様式があるんだ、日本の伝統的工芸品を見ることがとても好きなんだということをおっしゃっておられました。日本文化をさらによく知っていただくために、先ほどは外国にある日本大使館のことをお伺いいたしましたが、日本にある海外の大使館、総領事館に伝統工芸品を寄贈しようという場合にはどんな手続が考えられるのでしょうか。
○赤阪説明員 お答えいたします。 在京の大使館につきましては、今先生の方からカナダ大使館の例の御指摘がございましたが、各大使館により事情が違うようでございます。といいますのも、大使館におきましては、その国の伝統工芸品等を中心に展示するという方針をとっている場合もございます。そういう場合は日本の特定の伝統工芸品だけを在京の大使館で展示するということについては内部規定上問題があるというケースも承知しております。たまたま在京のアメリカ大使館にこの間の事情を質問いたしましたところ、例えばアメリカの場合は、寄贈を受ける場合は原則として限度額が二百五十米ドル、ですから日本円に直しまして約三万円を超えてはならないというガイドラインがございます。しかも、寄贈を受けてもそれを個々の在京大使館の展示場で展示することはまかりならぬというガイドラインがあると聞きました。ですから、在京大使館につきましては各国によって事情が違うかと思いますので、その手続につきましては在京大使館の方に直接お聞きいただくのが適切ではないかと思います。
○森本委員 在京大使館へそういうものを贈るというのは、各国の事情があって非常に厳しいようでございます。したがって、どうぞ日本の海外の大使館にそういったことができるという場合には事例を挙げて、そういう志があった人のことを、通産省からは報ずることはできませんが、協会の方から何かの機会にそういったことを報じていく、こういう寄贈の方法がありますよと。何か一般の方々から、外国の日本の大使館に物を贈るというのはどうすればいいんだろうかということもありますし、取っつきにくいという部分もあります。何らかの機会にそういった方々を顕彰されていくのも、一つの世界へ我が国の文化、伝統を知らしめていくよき機会の推進になるのではないか。これは検査協会等々でそういう広報はできないでしょうか。
○堤政府委員 ぜひそういう機会をとらえまして御趣旨をお伝えしたいと思っております。
○森本委員 次に、今回の新しい目玉というべきものが、やはり活用計画で新商品の開発であるのではないだろうかというふうに思っているところでございます。この新商品開発、私も通産省の方、お見えいただきまして、そして九谷焼のスタンドを見せていただきました。あるいは灰皿のガラスの中に日本の織物を入れたりいろいろとされているようであります。ここが今度の大きなポイントにはなってくるのではないだろうか。それを推進することによって伝統産業が活性化していくのではないか。私もこの辺に多大の期待を寄せているところでございます。 そこでお尋ねしたいのですが、従来の伝産品の指定を受けたものはこういったマークがありますが、今度の新商品が開発になった場合、こういったマークはつけられるのでしょうか。二次製品の場合にはこの下地が銀のマークになっておりますから、今度新商品で銅というわけにもいかないわけでございますけれども、何かそういった、新商品開発ですから、私はむしろこの丸のところを金にするぐらいの、まあ下が金で金になると何も見えなくなってしまいますが、何かの工夫をして、これは伝産品を使った新商品開発ですよということがわかり、推進できるようにしていけば非常にいいのではないかなと思いますが、こういったことに対しての、マークについてはどのように考えていらっしゃいますでしょうか。
○堤政府委員 今回の法律改正の一つの大きなポイントは、確かに伝統工芸品を活用した新しい製品の開発というのは大変重要なことだと思っております。ただ、それが具体的にどのような製品になるのかというのが非常に予測しがたいという状況もございますのと、現在の伝統工芸品の金色のマークというのが、これ自身が定着をしつつある中でまだPRが足らないというふうにも言われております。そういう中で、たくさんの表示をつくることについての問題点、それから、産地の声を聞きますと、やはりこの伝統工芸品活用商品につきましては、表示をすることがなじむものなじまないもの、賛否両論がございまして、今後これは一つの宿題として検討さしていただくということになろうかと思っております。
○森本委員 ぜひ活用品は活用品としてのマークで、いろいろな人に知らしめていく必要があるのではないかと思います。 同時に、今回新たに設けられるものを含めて、伝統的工芸品産業振興法に基づくさまざまな支援措置を受けるためにはまず伝統的工芸品の指定を受けることが必要である。伝統的工芸品の指定は現在どのような基準になっているのか。従事する人が非常に少なくて指定を受けていないようなケースもあると思うのですが、この指定を業種の実態に応じて弾力的に運用していく考え方はないのか、お伺いしたいと思います。
○堤政府委員 指定に関しましては五つの条件がございます。一つは、日常生活の用に供されるもの。第二点は、その主要部分が手づくりであること。第三点は、伝統的な技術または技法を活用しているものであること、これは伝統的という概念は約百年ぐらいというような運用がされております。それから四番目の要件といたしましては、伝統的に使用されてきた原材料が主たる原材料になっていること。それから五番目の要件といたしまして、一定の地域において少なくない数が製造を行っている、または製造に従事しているという五つの要件がございます。 この五番目の要件につきましては、原則として十企業以上または三十人以上の従業者がいることということで運用さしていただいております。これは、今回の法律の施策の体系が、産業としてとらえ、一つの事業協同組合をベースとしてとらえていくという考え方の中から伝統的にとられたものでございます。この数字自身を今回改正に伴いまして変更することにはまいらないわけでございますが、原則としてという範囲につきまして十分弾力的な運用をしてまいりたいと考えておる次第であります。 〔和田(貞)委員長代理退席、委員長着席〕
○森本委員 例えば同じ和紙でも、土佐には集積したある程度の地域がある。和紙の手法、極めて伝統的でありますけれども、しかし例えば奈良県には吉野の和紙がある。そこは集積をしていない。ごくわずかな人でやっている。片側の集まっているところは伝産の指定を受けることができますが、そうでないところは受けられない。この辺にやはり問題点があるのではないだろうか。同様のことがいろいろな伝産品の中で言えるのではないかと思います。伝産品が一千種類ほどある中で今百七十四ですか、というのはそういった、組合をつくれない、あるいは集積がないというところが百七十四の中に入り得ない状況にあるのではないかなということも考えられます。どうぞその辺は弾力的に運用していただきたいと思います。 それからもう一つ、伝統的工芸品、伝統的産業、伝統的手法にこだわる余りに、すべてが手づくりでなければならない、その途中の工程に少し機械を使ったりすると、これはもう指定商品にならないという部分が幾つかのものの中に出てくるんではないだろうかというふうに思います。しかし、イメージとして伝統的工芸品は高価なものだというイメージを受けておりますからなかなか飛びつきにくいわけでございますけれども、そういった形ではなしに、基本的に純粋な伝産品とそれからもう一つ準伝統工芸品というようなものをつくりまして、二段階でこういった伝統的産業を育てていくという考え方があってもいいのではないか。いろいろな施策が、支援策がそういった準伝産品にも該当するようにしていってはどうか、産業奨励という形から考えてみると、その点があってもいいのではないかと思いますが、どうですか。
○堤政府委員 先ほどの要件の中に、製造工程の主要部分が手工業的であるということを申し上げましたが、この主要部分がどこかということでございまして、これを弾力的にという考え方も当然あるわけでございますが、一方で、ここを余り弾力的に運用いたしますと、その伝統的工芸品の持っている持ち味を壊すのではないかという心配もございます。産地でのいろいろ聞き込み調査等も含めますと、ここについてはそれを、先生のおっしゃる準伝統的工芸品という位置づけを与えるべきだという考え方と、むしろそういうものが伝統工芸品の足を引っ張ってしまうんだという意味の心配とが交錯しておるのが現実でございます。 前回の四十九年のときにもこの辺は大変いろいろ議論のあったところと伺っておりますが、ここの部分は、産地の状況も踏まえまして慎重に検討させていただきたいと思っておる次第であります。
○森本委員 それから、振興協会の各種の業務は一層強化されることが期待されているわけでございますが、同協会が行ってきた伝統工芸士の認定は、今回の改正で法定業務とされて、伝統工芸士の社会的評価を高めることになりました。伝統的工芸品産業の将来の発展のためには伝統工芸士の認定を積極的に活用することが期待されますが、その一環として、経験年数、現在は二十年以上の経験者に付与している。この基準は、業種によってより短い期間で技術、技法を習得できるものと考えられるものもありますので、優秀な若者に対して付与することができるよう、これもまた弾力的に運用する必要があるのではないだろうかと思いますが、どうでしょう。
○堤政府委員 今回、改正の中で、伝統産業振興協会の業務としまして、法定業務といたしまして伝統工芸上等の認定ができることになるわけでございますが、これを機会に、従来の運用に関しまして我々としても見直しを考えておる次第でございます。 ただ、その二十年以上ということでございますが、この点につきまして、現実には伝統工芸士になっておりますのは三十年以上の経験がある方がかなり多いという実態もございます。ただ、今後若手を育てていくという観点からいたしますと、必ずしもこの二十年というところだけにこだわる必要もないのじゃないか。ただ、どうしてもこだわりたい点は技術レベルでございまして、この技術レベルを引き下げてまでというわけにはまいらぬと思っております。やはりそれを、伝統工芸士という従来から定着してまいりましたこの認定制度を、ぜひ質だけは保ちたいと思っております。二十年間ということにつきましては、実態に、業種、業態に応じて見直しをしてまいりたいと思っておる次第であります。
○森本委員 伝統工芸士の基準の中でお尋ねしたいのですが、現在行われているかもわかりませんが、例えば漆器等々をつくる場合に、塗る人、そこに至るまでの過程、その工程で名人と言われるような人たちもいろいろとおります。仕上げをやった人だけがともすれば輝くわけでございますけれども、下からつくってくる過程の人がいないとその仕上げもできないという状況でございます。そういった名人芸的な人も対象にはなっているのですか。伝統工芸士の表彰の対象者になっていますか。ことしはありましたでしょうか、三月にありましたが。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 おっしゃるとおり、伝統工芸品というのは多段階を通じてでき上がってくるというケースがございます。したがいまして、その名誉に輝くのは最終工程の方だけではなくて、漆器でいえば生地づくりの方あるいはその下塗りの方も含めまして絵つけその他まき絵とか、いろいろそれぞれの分野で伝統工芸士は現実に出ております。ことしやったかどうかはちょっと今手元に資料がないものですから差し控えさせていただきます。
○森本委員 そういった方々、表に作者の名前も出てこないだけに、そういった舞台で活躍する人をさらにより顕彰していくようにこれからも取り計らっていただきたいと思います。 それから、伝統工芸士というのは、指定を受けた産地の人だけが対象でしょうか。その指定を受けていないところで、優秀な技術をお持ちで、極端に申し上げますと、一人でこつこつとやっておられる名人芸の方に対してはいかがでしょうか。
○堤政府委員 現在の伝統工芸士認定制度におきましては指定品に限られております。ただ、現在やっております功労者表彰という中では、そういう伝統工芸士の方だけではなくて、小規模産地の方々の中で技術の保存に大変功のあった方、産地に対する貢献のあった方を表彰はさせていただいております。
○森本委員 産地の方々だけではなしに、産地以外の地域でも頑張っている人たちにもそういう伝統工芸士という資格をぜひ与えるように大きく幅を持ってもらいたいと思います。 それから、活用計画のところでございますが、特定会社に対して産業基盤整備基金を出資するとされた。産業基盤整備基金で行うにはこの分野は今まで余りにもこういったことになれていない部分ではないかと思うのですが、ここが出資するとした理由についてお尋ねしたいと思います。
○堤政府委員 伝統工芸品等の活用事業につきましては、先ほど申し上げましたように、伝統技術を活用して新しい商品を生み出すという意味では、基本的には通常の伝統産業よりはややリスクの高い部分がございます。それからさらに、それが持っております新しい産業を生み出すというような意味での、基盤性と我々言っておりますが、そういう芽がございますので、公益性の高さ、基盤性の高さということから見て、この産業基盤整備基金を活用するということは大変いいところを使わせていただいていると思っております。ただ、ここの基金がそういう意味での知見があるかというお話でございますが、これは、当然のことながら、通産大臣がこの活用計画を認定する過程、これでかなりの伝統工芸品への活用あるいはインパクト、いい影響があるかどうかというようなことは十分チェックできると思います。 それから具体的な計画の策定、産地との関係におきましては、伝統工芸品産業振興協会がかなり指導ができる、助言もできるという形になっておりまして、通産省、協会それから基金が三位一体となって全体を支えていきたいと思っておる次第でございます。
○森本委員 最後に大臣に、伝統工芸品のことについてもう一度お尋ねを申し上げたいと思います。 我が国には全国各地に、それぞれの地域の歴史、風土、文化に根差した特色のある伝統的工芸品が多数存在しています。その生産額から見れば確かにGNPに占めるウエートはごくごく小さいものでありますが、我が国の産業の中にこうした我が国固有のオリジナリティーを色濃く有する産業が存続していることは極めて重要な意義があると思います。したがって、産業政策の重要な対象としてこの伝統的工芸品産業の振興をとらえていくべきではないかと思いますが、見解をお伺いします。
○渡部国務大臣 常日ごろ考えて、私どもの今回提案した法案の趣旨を大変御理解賜っての御意見でございます。 まさに我が国は今、歴史の大きな転換期に立っております。ハイテク産業で世界に目をみはるような発展を遂げてきたのでありますが、同時にまた我が国は、長い歴史を持ち、また、北は北海道から南は九州、沖縄まで、気候の変化の中にそれぞれの地域にそれぞれの文化、また伝統的な産業工芸、こういうものを持っておる特徴ある国であります。新しい時代の流れの中で、ただそろばん計算だけで長い歴史の中で養われてきた我々の誇りにする産業が消えてしまったのでは、これはもう再び取り戻すことができませんから、今この時期にしっかりした政策をやって、これが子供や孫や、子々孫々に伝わっていくようなことをしないと我々は歴史の中で役割を果たせない、そんな気持ちを持ってこの伝統産業の発展のために頑張ってまいりたいと思いますので、御支援を賜りたいと存じます。
○森本委員 次に、特定中小企業集積の活性化に対する臨時措置法案についてお尋ねをさせていただきたいと思います。 中小企業支援策の充実強化ということが叫ばれて久しく、景気は急速に減速傾向を強めているだけに、我が国の全産業の九〇%を占める中小企業の中小企業庁を初めとする政策当局に対する期待も、今後極めて大きくなるものと思われます。そういう意味で、今回のような中小企業関連の支援強化が実施されることは関係する多くの中小企業にとって非常に心強いことであろうかと思います。 そこで、今回の集積活性化に関する法律案でございますが、この特定中小企業集積という概念は、これまでになじみのないものであります。言うまでもなく中小企業施策は、これまでに数多くの施策が行われてきました。このような新しい概念と従来の法律との違いはどのようになっているのか。従来、城下町法とか円高不況に対するいろいろな施策、後追い施策が行われてまいりましたが、今回は、そういう意味では、創造性のある施策を講じていこう、こういった積極的な姿勢に私は大変希望を抱いているものでございますが、大臣、その違いについてお伺いしたいと思います。
○渡部国務大臣 本法案は、産地、企業城下町等の中小企業集積の状況にかんがみ、これらの活性化を促進することにより、地域中小企業の自律的発展基盤の強化を図り、ひいては地域経済の発展に寄与するものであります。 企業城下町法等の不況地域対策は、急速な円高の進展などの中小企業者の事業活動への影響に対応するための緊急経済政策としての性格を有するものであるのに対して、本法案は、中小企業集積の活性化を通じて中小企業者の自律的発展基盤の強化を目指すより前向きの法律であり、先生から御理解賜っておりますように、我が国地域中小企業の中長期的発展に大きく資するものと考えております。
○森本委員 この対象となる地域はどのような地域を想定されるのか、また、全国にそういった地域がどれほどあるのかという点について伺います。
○南学政府委員 本法案の対象となります特定中小企業集積について具体的なイメージを申し上げますと、単一または複数の市町村においておおむね五十社以上の製造業を中心とする中小企業者が分業、共同受注等を行うことによって有機的に連携している場合でありまして、当該集積に係る工業出荷額の伸び率等から判断して活性化が特に必要と認められること等の要件を満たす集積を考えております。 全国ベースでおおむね中小企業の集積というのは四百地域程度と考えられております。この中から、今も申し上げましたような要件、例えば、とりわけ活性化を必要とするような集積がどの程度あるか、これからいろいろ意見を県などから聞いたりしながら決めていくということになろうかと思います。
○森本委員 この法律は、国の策定する活性化指針、それから都道府県が作成する活性化計画、そして中小企業者及び組合が作成する進出計画、円滑化計画ということで三段階の法体系をとっているわけでございますが、国と地方公共団体が緊密な連携のもとに適切な支援措置を総合的、体系的、有機的に講じていかなければならないと思いますが、国としての基本的な姿勢を伺います。
○南学政府委員 中小企業施策は、従来から国と地方公共団体が連携をとりながら実施してきているところでありますが、本法は特に地域の実情を踏まえながら法の運用を行っていくことがとりわけ重要と考えております。したがいまして、法の解釈、運用、各種支援措置の実施等の面におきまして、国は地方公共団体と一丸となって、緊密な連携をとりながら推進をしていく考えであります。
○森本委員 この法案の目的を達成するには、国及び都道府県のみではなく地元の中小企業者の積極的な参画が不可欠であるということは言うまでもありません。したがって、本法案の対策の展開に当たっては、自助努力を前提とした地域の自主性を最大に尊重するような体系はもちろんのこと、いかに中小企業者が積極的に取り組んでいけるかが大きな課題であると思いますが、この点についてはどのように考えておられるのでしょうか。
○桑原政府委員 この法案の趣旨は、やる気のある中小企業者がいるところの中小企業集積というものに県あるいは国が最大限に援助を差し上げて、そういう中小企業集積が活力を取り戻すということにあるわけでございます。したがいまして、中小企業者のやる気というのはいわば前提条件としてあるわけでございますので、我々としては、そのやる気のある中小企業者がそういう目標を実現するように御援助申し上げること、さらに言えばそのやる気を起こしてもらうこと、こういうようなことをやっていくのが我々の役目だろうと思っております。 中小企業庁といたしましては、そのやる気がある中小企業集積、ここで活性化計画ができますと、それを前提にいたしまして、中小企業者が適切な進出計画を作成し、その目標を実現することができるように、都道府県あるいは公設試験研究所あるいは地場産業振興センターその他と一緒になりまして、いろいろな予算面、税制面、金融面等の支援措置を総合的に講じまして、中小企業者が、いわば目標といたします特定分野に積極的に進出することを期待するものでございます。
○森本委員 やる気のある中小企業者、これが非常に大事なことだと思います。しかし、中小企業者が新たな発展の方向への情熱は抱いているものの、現実になると、今の法律の説明を聞いて、何を自分たちがどうすればいいのかというのがよくわからないのではないかというふうにも思うのです。 それで、発展の方向性が的外れでありますと失敗してしまいますし、そのために国として、それぞれ地域によって事情は違うのですが、個々のこういった地域はこういう発展の方向を示しましたよと、例えば融合化法案のときには、幾つかの融合化によってできた例を、船の例とかいろいろ挙げて情報を交換していくことが最初の段階からありました。今回の場合も、非常に積極的な情報提供を国としていく必要があるのではないだろうか。それから、何分これは初めてのことでございますから、融合化法案のときにはカタライザーというよき方向性を導く人がおったわけでございますが、これはそれぞれ県の経営指導の中小企業指導者の方が当たられるのではないかと思いますが、非常によきアドバイザーが必要ではないだろうかというふうに思っておりますが、いかがでしょうか。
○桑原政府委員 中小企業者に対しまして適切な情報提供を行うあるいはアドバイスをするということは、大変重要なポイントであろうと我々も思っております。我々として持っている情報、すなわち、全国の中小企業者がこんな努力をしている、こんな新製品の開発をやっている等々の情報がございますので、これにつきましては、県等との情報交換をより一層密にし、その県を通じて中小企業者にもそういう情報がどんどん入っていくという努力はもちろんするわけでございますし、また、先ほども申し上げましたところの都道府県の公設の試験研究機関が百七十二ございますし、地場産業振興センターが三十九、それから中小企業の支援センターが十一ございますが、こういうところが直接中小企業者の相談に応ずるというような体制にしてございまして、したがいまして、法律でも支援事業というものを書き込んでおるわけでございます。 それから、中小企業者がいろいろな点で、経営そのほかでも相談に乗ってくれというような話がございますれば、県あるいは場合によっては中小企業庁自身、それから中小企業事業団と、いろいろな中小企業を御支援する団体もありますので、そういうものが総合的に中小企業者の相談に乗っていきたいというふうに思っております。
○森本委員 今度の活性化計画の策定主体は都道府県でありますけれども、地域によっては、ごくまれな例かもわかりませんけれども、都道府県域を越えていくような産地もあるのではないか。このような場合に集積の取り扱いをどのようにされるのか、お伺いしたいと思うのです。
○桑原政府委員 本法案におきましては、活性化計画は都道府県がつくるということでございまして、基本的には、その中小企業集積というのは県域を越えるということはないという前提で考えておりますけれども、ごく例外的に、県域をまたがる中小企業集積というのは全然ないわけでもないと思われます。したがいまして、もしそういうものが出てくる場合には、その隣り合う都道府県が相談をしていただきまして、我々もまたそういうふうに申し上げますけれども、共同で活性化計画をつくって両県の名前で国に承認の申請を行っていただくというような形になりますと、我々はそれを認めるというような形で例外的な取り扱いも認めていきたいというふうに思っておるわけでございます。
○森本委員 新しい分野の進出ですから、従来の持っている技術を生かしてそこから新しいものをつくっていこうというところでございます。これは先ほどもちょっと申し上げましたが、以前に融合化法案が成りました。こういった異業種の人たちと連携をとっていくということも新しいものをつくっていく上において極めて大事ではないかと思いますが、この融合化法案とこの法律との関係は極めて重要で、お互いがそういったものを生かし合っていくものでなければならないのではないかと私は思っておりますが、どのように考えていらっしゃいますか。
○桑原政府委員 御指摘のとおりでございまして、この法案と融合化法案が有機的に組み合わさっていくことが非常に大事であるというふうに我々も考えております。融合化法につきましては四年前に成立させていただきまして、その後いろいろ努力があり、最近その成果が上がってきているのは大変喜ばしいことであろうと思っております。 その融合化法と本法と違いはいろいろございます。例えば融合化法につきましては個人、個人といいますか一つずつの中小企業が四以上集まればその一つの融合化法の対象になり得る、また地域も別に一カ所に固まっている中小企業者でなくてもいいんだというような形でございまして、本法案はそれとは逆に一定の地域に固まった特定の中小企業集積が対象になっておりますし、また異業種問の融合ということ自体はこの要件にはなっていないわけでございます。 しかしながら、実際にいろいろ考えてみますと、特定中小企業集積の活性化のいわゆる特定分野、目的の中には新商品であるとか新技術の事業化というものがございます。こういうものはいわば融合化というような形で生ずるいろいろな知恵というものが基盤になっているケースが非常に多うございまして、この融合化法と本法というものがそういう意味で十分組み合わさっていくということが考えられるわけでございます。そういう意味で先生の御指摘のとおりでございまして、我々としては、この融合化法と本法というのを有機的に組み合わせて大きな効果があらわれるように努力をしていきたいと思っております。
○森本委員 これまで中小企業の高度化に大きく貢献してきた中小企業団体の役割というものがありますが、本法案においても同じように極めて重要になってくるのではないかと思います。中小企業事業団がこの法案にどのような役割を果たすのか。それが施策の円滑な推進につながると思いますが、見解をお伺いします。
○南学政府委員 中小企業事業団はこれまでも高度化融資等を通じまして我が国中小企業の振興に大きな役割を果たしてきております。本法案におきましても、承認を受けました進出計画及び円滑化計画に基づいて実施される共同施設事業等の各種高度化事業につきまして通常の融資条件よりも一段と優遇された条件により貸し付けを行うことといたしております。また、中小企業事業団は進出計画及び円滑化計画を作成する組合に対しまして所要の指導、情報提供等を行うことといたしております。このように、本法を円滑に実施する上で中小企業事業団は極めて重要な機関でありまして、中小企業庁といたしましては今後中小企業事業団の機能を最大限に活用しながら本法の施行に全力を挙げていきたいと考えております。
○森本委員 では時間が参りましたので、最後に大臣にお伺いしたいと思います。 地域の経済力の向上、雇用の創出さらにコミュニティーの発展、何といっても中小企業に負うところが多いものでございます。そういう意味ではこの地域経済の核としての中小企業の集積には積極的に取り組まなければならないと考えるわけであります。中小企業庁、通産省の責任もまた大変重大なものになるかと思いますが、その決意をお伺いいたします。
○渡部国務大臣 本法案は経済社会環境の変化に対応して新しい地域の顔となるような産業の芽を中小企業集積の活性化を通じて育てていくための立法でございます。将来の地域経済の浮沈にもかかわる極めて重要なものでございます。ただいま先生から御指摘がありましたように、地域社会の繁栄とまた中小企業の発展、零細な商工業の皆さん方の発展のために力いっぱいこの法案を有効に活用させていただきたいと存じます。
○森本委員 質問を終わります。
○武藤委員長 小沢和秋君。
○小沢(和)委員 本日は、私は、伝統的工芸品産業振興法改正案についてのみお尋ねをいたします。 この法改正は全体として衰退の傾向を強めております伝統的工芸品産業を振興するために新たに後継者育成や新商品開発を積極的に支援しようとするものでありまして、我が党としても賛成をいたします。その立場から幾つか質問をいたします。 まず、大臣にお尋ねをいたします。 私の地元福岡県は伝統的工芸品産業が盛んで、本法の対象になっているものだけでも六種類指定されております。指定されていないものは、この「プロダクツ・オブ・フクオカ」という福岡県発行のパンフを見ますというと何百とまだあるのです。 そこで、勉強のため私も一番有名なものの一つであります博多織について知るために博多織工業組合に行ってまいりました。博多織は本院の壁の装飾にも使用されておりますし、有力な帯の産地として知られております。先ほど大臣に博多織のパンフを差し上げましたが、その表紙の絵に見えるものも実は博多織の織物の写真であります。しかし、こういうすばらしい歴史や技術を持っております博多織も、昭和五十五年百六十四億の生産額だったものが六十三年には八十億円と半減する状態になっております。組合役員の方にいろいろ伺ってみますと、その原因は日常生活で着物を着ることがなくなり、一般の人は自分で着ることもできなくなっていることだというふうに指摘をされております。長期的には、学校教育の中で小学校のころから着物が日本人の民族的伝統衣装であることを教え、それに親しませるようにすることがどうしても必要だと訴えられました。私は、これは非常に重要な指摘ではないかと思うのですが、文部省と相談して学校教育の中にそういうようなこともぜひ織り込んで、着物に親しませるというようなことを推進すべきではないかと考えますが、大臣いかがでしょうか。
○渡部国務大臣 次の世代を担う青少年の我が国の歴史と伝統を現代に伝える伝統工芸品に対する関心や理解を深めることは極めて重要であると考えまして、当省からも文部省に要請を行った結果、学習指導要領に基づき、小学校五年生の社会科の授業において取り上げられ、伝統的工芸品産業に対する理解が深められてきております。また、社会科見学などで産地見学を行う事例も大変ふえておるということを聞いております。今、先生からこの法案に賛成してくださるということで、また御意見もそれぞれ承りましたが、先生と私の考えが珍しく完全に一致しまして、大変喜んでおります。
○小沢(和)委員 その一致しているということで、ぜひ大臣の方から伝統的工芸品一般だけでなく、とりわけ私は着物を着るという習慣が急速に失われているということが和服関係の産業にとって致命的な事態になっている。これは、私は日本の民族的伝統を引き継いでいくという点でも非常に憂慮すべきことだと思いますし、ぜひその点さらに力を入れていただくように要望しておきたいと思います。 次のお尋ねですが、その博多織の組合役員の方からもう一つ言われたことは、自分たちも洋装などの新商品開発に努力をしているが、本来の製品展示場などもデパートではだんだん狭められており、新商品の展示や宣伝はなかなか困難だと訴えられております。今回の法改正は、こういうことにも支援の道を開くのか、具体的にお答えいただきたいと思います。
○堤政府委員 お答え申し上げます。 今回の法律改正では、従来の博多織、着尺だけに限定せずに、その着尺を使った、あるいはそれを活用した新商品について振興を深めようということでございます。 ただ、この際一つだけ申し上げておきたい点は、絹織物につきましてはこの伝統工芸品の振興の体系に加えまして、現在繊維関係、特に絹の対策といたしまして絹振興対策が別途ございます。これもぜひ御活用していただくことが必要かと思っておりますが、通産省として、あるいは繊維工業構造改善事業協会等が絹の振興のための予算をいろいろ持っておりますので、そういう予算もぜひ御活用いただければと思っておる次第でございます。
○小沢(和)委員 次に、これも私の地元の話になりますが、筑豊の旧産炭地に山田という市があります。この山田市が構想を打ち出しております工芸の里についてお尋ねをいたします。 ここはもともと焼き物、かじ、竹細工などが盛んだったところでありまして、豊かな自然を生かしてこのような歴史的遺産を復活させようと意気込んでいるわけであります。具体的には、陶芸、かじ、木工、竹細工などの工芸家を近隣の上野焼、小石原焼など各地から招いた村をつくって、各種工芸教室を開催し、宿泊施設も整えて、滞在しながらつくる喜びを一般の人たちに味わってもらおうという企画であります。この法案の地域手作りビレッジというのはまさにこういうものではなかろうかと私は思うのですが、いかがでしょうか。この法案の第九条経費の補助や第十条資金の確保などの援助は、第三セクターの形でならばこういう構想にも適用されるのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○堤政府委員 現在、この法律に関連いたしまして、地域手作りビレッジの構想というものを我々は持っておるわけでございます。これは、先生が今御指摘いただきましたような伝統的工芸品の共同工房、あるいは消費者が実際にその場で手づくりの体験ができる施設、あるいは展示即売ができる施設、そういうものを複合した施設として開発銀行等の融資制度の対象として助成をしてまいりたいと考えている次第でございます。したがいまして、この制度は必ずしも法律とリンケージのある対策というわけではございません。 ただ、その施設をつくる過程で、振興計画ですとか伝統的工芸品を活用した計画ですとか支援計画ですとか、そういうものと絡んで支援の対象になるということはあり得るというふうには思っております。ただ、基本的には法律上の位置づけがない金融助成制度というふうにお考えいただければと思っております。
○小沢(和)委員 次に、本法案そのものではありませんが、密接に関連する問題として、タイマイ等の輸入禁止とべっこう産業対策についてお尋ねをいたします。 長崎のべっこう産業は、四百年の歴史を持つ、まさに伝統的工芸品産業そのものであります。ただ、たまたまこれまでその指定を申請したことがなかったので本法の対象には含まれておらないと聞いておりますが、今このべっこう産業が昨年三月突然アメリカから輸入禁止要求を突きつけられ、文字どおり存立の危機に陥っております。 まずお尋ねしたいのは、アメリカは、漁民保護法ペリー修正条項というアメリカの国内法で我が国のタイマイ等の輸入を自然保護に反するものと一方的に認定し、輸入を禁止するよう要求してきたわけでありますが、私は、こんな乱暴な要求は国際的にも通用しないのではないかと思いますが、いかがでしょうか。
○堤政府委員 タイマイの輸入禁止に至った経過でございますが、通称ワシントン条約と言っております絶滅に瀕する野生動物の国際取引に関する条約というのがございますが、この条約で一九七七年にタイマイは絶滅に瀕するおそれのある品種ということで、附属書Ⅰ、簡単に言いますと通常の貿易取引をできない対象になっておったわけでございます。 日本は、一九八〇年にこの条約に加盟をいたしましたときに、当然べっこう産業を抱える日本でございますから、このタイマイを留保という形で入ったわけでございます。一九八〇年に入ったとき、実は九品目の留保条項を持っておりまして、これ自身スイスに次いで多い、特に取引の実際に行われておる品目数においては日本が一番多いのではないかということで、アメリカのみならずECや、それからウミガメ生息国でありますメキシコ、ブラジル、エルサルバドルというような国から批判が出ていたわけでございます。 そういう意味で、経済大国としての日本、それから環境を守るべき日本という立場から、大変苦しい過程ではございましたけれども、昨年、おっしゃるとおりこれを輸入を一定期間後に禁止するということを決めたわけでございます。その過程でアメリカから、確かに国内法を理由に日本に申し入れがあったことは事実ですが、それ自身はある意味できっかけになった可能性はありますけれども、それ自身だけが問題というわけではなくて、国際的世論を十分勘案した上での決断であったと思っている次第でございます。
○小沢(和)委員 今局長からお話がありましたとおり、我が国はワシントン条約に加入しておりますけれども、タイマイ等についてはずっと保留をしてきたわけであります。べっこう産業の原材料を確保するためには、私は当然の措置であったと思います。政府がアメリカのこういう要求にいとも簡単に、もう極めて短い期間で応ずるという態度を決定したことを私は了解できないわけであります。アメリカが制裁措置を振りかざしてきたということも承知をしておりますけれども、それはせいぜい日本からの野性生物製品の全面的輸入禁止という程度のことだと聞いております。そうであるとすれば、それは日本にとって問題になるほどの打撃になるような措置とは言えなかったのではないかと思いますが、この点はどうでしょうか。 要するに、当時も日米貿易摩擦問題が深刻だったので、その上こういうことで摩擦を激化させたくないという政治的な判断を優先させてべっこう産業を犠牲にしてしまったということではないんでしょうか。
○堤政府委員 アメリカとの関係では、これは貿易の交渉協議ということではなかったと思っております。アメリカ側がいろいろ事情を説明したことは事実でございます。それから、アメリカ側が場合によると制裁をやるということを言ったことは事実でございますが、それ自身は先ほど申し上げましたとおり一つの国際世論の大きな流れの中での契機にはなったとは思います。決して制裁が怖くてやったということではございませんで、やはり国際世論、先ほど申し上げましたように現在京都でもワシントン条約の会議が行われておりますが、日本がこのような厳しい措置をとった後ですら、イギリスを初め多くの国が日本の留保撤回がまだ一年半もあること、七・五トンも輸入したこと自身に対して非難を浴びせているわけでございまして、国際世論全体としての厳しさということを総合的に判断した結果であるわけでございまして、決してアメリカの貿易摩擦あるいは政治的判定というようなことは、我々の基本的な考え方の中にはなかったと思っております。
○小沢(和)委員 私も、自然環境を保護し、絶滅の危機に瀕した野性動物を保護しなければならないということはよく承知をしております。だから、科学的にタイマイ等が急激に減少しているというような事実が明らかになればタイマイ等の輸入をあきらめなければならないということはあり得ることだと思います。問題は、そういう調査もせずにアメリカの圧力に一方的に押し切られたということが問題ではないかと思うのです。だから、私は直ちにキューバなど関係国と一緒にタイマイ等の生態や資源量等について科学的調査を行うべきだと考えます。そして絶滅のおそれがないという根拠がはっきりしたら、タイマイ等をワシントン条約で商業目的の貿易を禁止される附属書Ⅰから、貿易に輸出国の許可が必要というⅡに移すように次期国際会議で主張すべきではないかと思うのです。今回の京都会議はもうどうにもなりませんから、次の国際会議に間に合うように調査に全力を挙げるべきではないか。そしてタイマイの輸入を再び確保してべっこう産業を守り抜くべきだと思いますが、これまでの取り組みの経過、また、決意をお尋ねいたします。
○堤政府委員 先ほど経緯の中で申し上げましたが、一九七七年に日本が入る前にウミガメ、タイマイが絶滅に瀕しているという一応の国際的コンセンサスのもとに別表附属書の第Ⅰに掲げられたわけでございます。したがいまして、これを国際的に誤解を解き、世界にまだもっとタイマイは存在するということを証明する挙証責任は日本側が負っているわけでございまして、実は一九八〇年以来そういうことの調査を幾つかいたしてまいったわけでございますが、国際的世論を変えるほどになっていないわけでございます。 今回、タイマイの輸入禁止の措置をとるに際しまして、我々といたしましても、先ほど申し上げましたように補正予算で九・五億円の予算をいただきましたが、この中には国際的な調査、産出国との協力をしながらの調査ということも当然入っているわけでございます。留保期間をあと三年という形にしておりますのは、次の環境会議を目指して、その間の三年間の間にどれだけのことができるか、従来の調査に加えまして、その調査した結果に国際的に自信を持っていただくためにはいろいろ国際会議も開催しなければいけないということでございますので、補正予算の九・五億円、来年度予算の三・一億円とを活用いたしましてこの調査をぜひ実行して、世界の人たちの世論を変えることができるかどうか、我々としては一生懸命努力をしたいと思っておる次第でございます。
○小沢(和)委員 私は、そういう調査をし努力をする間、留保という態度を続けていいと思うのですよ。その点について、もう時間もなくなってきましたから、ここであえていろいろ言おうと思いません。 最後にお尋ねをしたいのは、長崎のべっこう産業関係者の人たちに対する対策であります。私は、もうあっという間にこういうような存立の危機に立たされた長崎のべっこう産業関係者のことを思うと胸が痛むわけであります。この輸入再開を期待をしながらも、具体的には一つはそれまで中核的な技術者を温存する対策を立てなければなりませんし、もう一つは転職せざるを得ない人々の生活対策をどうするかということが問題になるわけであります。それぞれどのように対策を講じつつあるのか、明らかにしていただきたいと思います。
○堤政府委員 べっこう産業、約千五百人の従業者がおりまして、その中には数多くの身障者も含んでおります。この対策といたしましては、大きく分けまして二つございます。一つは、再開をするための調査、さらに、その調査がうまくいかなかった場合でも人工的にこれをふ化放流してタイマイをふやすという考え方、さらに、べっこうの代替材を探して少なくとも技能を保存したいという考え方、あるいはそれに時間がかかるかもしれないということを考えまして、その間技術それから技術者をいかに温存するかというような考え方もしておりまして、一つは再開へ向けての対策をいろいろ打っているわけでございます。 ただ他方、残念ながらその中ではこの長い期間に耐えられないというケースも考えられますので、一方で事業転換、職業転換も含めた対策を講ぜざるを得ないというふうに考えておりまして、平成三年度は補正予算で百四十億円、大変低利な融資を含めまして転換のための事業をあわせてやらざるを得ないと思っております。しかも、これは転換のお金だけ用意したわけではございませんで、実際にどういう分野に転換ができるかというきめ細かい対策を講ずる必要がございますので、今回、長崎県等とも御相談いたしまして、指導事業という形で身障者を含めました一人一人にむしろ親切な御指導あるいは助言をすべきではないかということで、そういう指導事業費もとっておる次第でございます。
○小沢(和)委員 終わります。
○武藤委員長 川端達夫君。
○川端委員 本日は二法案の審議でございます。まず初めに、伝統工芸品の産業振興法案と言われるものの改正について御質問を申し上げたいと思います。 昭和四十九年にこの伝統工芸品産業振興法が制定をされ、随分年月がたったわけですが、その間一時的に生産額が増加したものの、それ以降残念ながら先細り、そしてその従事する人たちの人数も減り、なおかつ高齢化が進んでいるということは、通産省のいろいろな諸施策にもかかわらず、非常に残念なことであるというふうにも思いますし、今回の改正を見てみますと、今までこういう伝統産業、工芸品というものを考えるときに、どちらかというと、今までは物をつくるという立場でのその物を保護し継承するということにかなり焦点を絞っておられた。しかし、もう少し幅広くやった方がいいのではないかということで、それを売るという立場、あるいはもう少し新たに展開する立場というものに今度は随分配慮を払われたんだなというふうに思うのですが、もう一つ、つくる人という部分にも、教育、啓蒙というものに関しては相当踏み込んできていただいているんですが、そういう意味で、今非常に厳しい環境に置かれているという意味で、幅広く今回諸施策を打たれたということは我々も高く評価をいたしますし、この法案には賛成をしてまいりたいと思うのですが、いろいろなそういう厳しい環境の中で諸施策をこれからいかにやっていただくかということが大事だと思いますので、冒頭大臣の方からその決意のほどだけ簡単にお述べをいただければありがたいと思います。
○渡部国務大臣 ただいま先生から御指摘がありましたように、手づくり、本物志向、こういうものの中に伝統的工芸品産業の振興が今非常に重要視されておる点がございます。ただ残念ながら、時代の変化の中に、残念ではありますけれども、若い後継者が積極的に出てこない。これを何とかこの辺で活性化をして、若者たちが未来に夢を持って伝統産業に従事をしていく、こういう産業にしたい、こういう思いを込めての今回の改正案でありますから、この法案を通していただきましたら、これを最大限有効に生かして、古い長い歴史の中で育てられてきたそれぞれの地域社会における伝統産業が、新しい時代に羽ばたいていくことができるように努力をしてまいりたいと存じます。
○川端委員 そういう中でお伺いをしたいんですが、一つには、やはりこういう環境になってきたという部分では、先ほど来の御質問にありましたが、一般の消費者の生活としてその物を使わなくなってきたということは確かに非常に大きな要素として、要するに需要がもうなくなってきているというのですか、先ほど着物のお話がありましたけれどもまさにそういう環境はある。しかし、日本の歴史を象徴するものですから残していかなければならない。なかなか若い人が来ない、今大臣おっしゃったように。 そこで、若い人にとってそこは働く場所であるわけですから、現在、そういう伝統工芸品産業の従事者のいわゆる平均的な所得の水準、それと労働時間というもの、いわゆる労働条件、この部分が、例えば一般の仕事に比べて非常にハンディがあれば、幾ら伝統的で意義があることだといっても、働く場所としてはやはり条件が悪いということになるんではないか。特に所得水準、労働時間の状況というものをどのように把握をしておられるのかということについてお尋ねをしたいと思います。
○堤政府委員 お答えを申し上げます。 まず、所得でございますが、最近行いましたアンケート調査によりますと、伝統工芸士の年間所得というのは、四百万円以下というところに約半数の人がおります。必ずしも高くないという感じがしております。 労働時間につきましては、残念ながら統計がございませんけれども、いろいろ実態を聞いてみますと、土、日を含めて出勤をして作業をするというようなこともあるようでございます。あるいは特定期間仕事ができない期間というのもあるようでございますが、いずれにいたしましても、他の産業に比べて長い労働時間になっている産地が多いのではないかというふうに考えておる次第であります。
○川端委員 統計によりましても、いわゆる伝統工芸品の生産の高というものを従事者の数で割りますと、一人当たりの生産額が年間約二百三十万円というふうな数字が出てまいります。今おっしゃいましたように、半数以下が年収四百万円以下である、まあ兼業しておられるという部分もあるのかというふうに思います、二百三十万の売上高で生活しろといってもできないわけですから。そういう部分では、しかも労働時間はあってなきがごとき状態になる。こういう状況にメスを入れないと、幾ら歴史と伝統があるものだから教えてあげる機会をつくりましょう、トレーニングもしてあげましょうということであっても、それで生活できない、しかも非常に長時間働かなくてはいけないという、職場として見れば、それでなくてもいわゆる、余りいい言葉ではないと思いますが三K職場云々というふうなことを言われる中で、果たしてこういうところに本当に人が来るのだろうか。ここに関してはいろいろな施策、今回提案されるのと少し次元が違うのかもしれませんが、どういうふうにお考えになっているのかということをお聞かせいただきたいと思います。
○堤政府委員 基本的にはその分野は大変我々としても心を痛めているところでございます。今回の施策が販売の需要開拓という点に重点を置きましたのも、少しでも売り上げを上げ、その収益を高くしたいという意気込みでございます。それからもう一つ、若者の流れがございますが、最近の統計を見ますと、毎年三千人ぐらい減っておるわけでございますが、実は六千人減って三千人の人は入ってきているということもございます。この入ってくる若い人たちの気持ちを聞きますと、必ずしも収入だけではない、若者としてあるいは人間として生きがいというようなそういう部分もあるわけでございます。 それから、需要につきましても、考えてみますと最近の民芸ブームあるいは本物志向、文化志向という中で一縷の望みも出てきておるわけでございますので、そういうものをうまく引き出していく、実際に百七十四産地の中で、そういう中でうまくやっている産地を徹底的に勉強いたしまして、その中で今回の施策を出してきたわけでございますので、これらの施策が総合してうまく成功すればかなりの効果があるのではないかと期待している次第でございます。 〔委員長退席、和田(貞)委員長代理着席〕
○川端委員 確かに最近、今までのバブルに象徴される、とにかくお金優先という社会風潮が、これではいけないのではないかという中で、特に、今おっしゃったように若い人も含めて、いわゆる生きがいというのですか、そういう新たな価値観を求めてということの傾向が出てきたというのは、私は非常に喜ばしいことだと思います。ただ、そうしてその道に飛び込んだときに、頑張って生産額二百三十万円と言われると、若くて一人で頑張っている間はもつかもしれませんが、やはり生活という部分は根本的にあると思いますので、いろいろな形でのまた御検討もいただきたいし、もう一つは労働時間という問題ですね。ほぼ芸術の世界に接する領域だというふうに思いますから、とにかく、そんなものは労働ではないというふうにいえばそうかもしれませんが、やはり新しい人に魅力あるという部分では考えていかなければいけない。 そこで、今回も後継者の育成保護についていろいろな教育研修等々の施策、あるいはそういう部分へのバックアップをお考えいただいているのですが、業界によっても違うと思いますけれども、いわゆる一般的には昔の徒弟制度というのですか、でっち奉公して徒弟制度で勉強していくというふうな、あるいは作業の環境、手法も、それが伝統的ということでしょうが、そういう昔からの環境の中でというのが多いというふうに思います。ただ、これからやっていくという時代に合わせるというときには、技術とか手法の継承はまさに伝統的でなければいけない、しかし、その教育をし継承していく手段までが果たして伝統的でいいのだろうか。やはりそれは、新しい時代は新しい時代に合わせた継承の方法、親方のもとに徒弟制度みたいな中でやっていくということではもうもたないのではないかな。同時に、職場環境にしでもそういう近代化というのが望まれるのではないか。ですから、後継者の育成という部分を見ますと、今まで、法制定後去年の四月までで一千百七十一億で後継者の確保、育成に約三・三%ぐらいしか使われていない、いろいろな計算があると思いますけれども、こういう部分で親方を教育するというのですか、新しい時代の人材育成そして若者の考え方を含めて、やはりそういう観点で人材育成というものを見ていただきたいというふうにお願いいたしますし、御所見があればお伺いをしたいと思います。
○堤政府委員 伝統工芸品の技術は、おっしゃるとおり引き継がないといかぬわけでございますが、その教え方は必ずしも非合理的な部分を残した伝統をそのまま引き継ぐ必要はないというお話は全くそのとおりだと思っております。ただ勢い、この技術の伝承というのが手づくりの部分が非常に多いために、どうしても入門してから一人前になるまでの期間が非常に長いということがございます。例えば今回、一支援計画というような形で合理的な体系的なカリキュラムのもとに後継者育成のための研修を行うと申し上げましたのも、これはやはり、この期間を少しでも短くし、かつ徒弟制度的な意味での非合理的な部分をなくしていくということをぜひやりたいということでございます。俗に言う親方という言葉も最近はだんだん少なくなってきておりますが、こういう方々の考え方もこの人手不足の中で少しずつは変わってきているというふうにも聞いております。そういうことを、いろいろな意味を総合思索しまして後継者育成の実を上げていきたいと考えている次第であります。
○川端委員 ぜひともによろしくお願いしたいと思います。 今回、いわゆる伝統工芸士の認定というのを協会の法的業務として広く周知をしていこうということにおいては、その従事する人には非常に励みになることだと思いますし、その産業自体あるいは工芸品自体のPRになるということは非常にいいことをやっていただいておるなというふうに思うわけですけれども、今のマークがございますね、そしてそれがそういう産品には張ってあるということでございますが、一般的に言うとまだまだ浸透度が低いのではないかな。いろいろな物品が売ってあるときに、消費者サイドから見たときに、ああこのマークが張ってあるからそういうものだという認識の差別の意識は残念ながら余りないのではないかな。そういう部分では、これからその部分のPRというのですか、広げていくということをもっと積極的にやっていただきたいなと思いますし、同時に、この伝統工芸士というものを、せっかく、協会がある意味で法的な権威づけも含めて通産省の御指導のもとでやるのだということで、その励みも含めてあるいは技術のレベルも含めて認定をしていただくということであれば、そのマークと同時に、例えばこの製品は伝統工芸士の何の何がしか作成したとか、そういうことで差別化していくというか、消費者のニーズも喚起をしていくというふうに、これは非常にいい制度であり、もっともっと積極的に活用されるべきではないかというふうに思うわけですけれども、どのようにお考えでしょうか。 〔和田(貞)委員長代理退席、委員長着席〕
○堤政府委員 伝産マークあるいは伝統工芸士のPRにつきましては、従来、ポスターですとか伝統的工芸品月間事業というような各種の事業を通じまして一生懸命PRをやってまいったと思っております。 ただ、結果といたしましては、先生御指摘のように、まだ十分という域に達していないことはおっしゃるとおりでございまして、今後とも特にこの法律の改正を機会にもう一段とPRについては努めてまいりたいと考えております。
○川端委員 次に、材料の問題でございますが、日本の伝統的工芸品の産業の中には古くから用いている原材料というものがあります。そういうものが、時代の変遷あるいは先ほど来議論になりましたいわゆるワシントン条約等と自然保護、そういうような観点で入手ができにくくなってきているもの、あるいは入手ができなくなるもの、こういうものが最近非常にふえてきているというふうに思います。伝統的な工芸品ということで、自然に材料を求め、やっていくというときに、その材料がかわれば伝統的でなくなるということにもなりかねないということでありまして、いろんなたくさんの伝統工芸品があるわけですが、そういう部分で現時点それから将来にわたっての原材料の安定的な確保というものが、幾ら技術者を確保し教育をして売れるようにしても、手落ちがあるとそのもの自体のもとがなくなってしまうということもかなり予想されることでございます。実態としてどういうふうな把握をしておられ、どう対処されようとしているのかということをお伺いしたいと思います。 先ほど来、タイマイ、いわゆるべっこう、これは材料がなくなったらべっこう細工というのはそれで終わりということでございます。あるいはこれはどうも伝産品に余りないようですが、そういう産業という意味では象牙ですね。主には印章、彫刻等々であると思います。それから筆ですね。一般的には、いい筆はタヌキの毛を使っているようですけれども、最近タヌキが余りいないということで、筆の産業のためにタヌキを養殖するというわけにもなかなかまいらないというふうに思います。それで、何か最近はミンクで代用しているというふうなところも多いようですが、ミンクで代用ということになれば、またミンクが今度いろいろ規制されるというか、ミンクのコートを着ているなどというのはとんでもないやろうだ、こういう風潮でもございます。あるいは和ろうそくはハゼという木を原料にしているようですが、そういう木がだんだんなくなってきている。あるいは漆であるとか焼き物、陶土等も、最近は現地で焼き物の陶土がとれるというのはほとんどないような状況で、幸か不幸か信楽の土というのは全国に非常に買っていただいておるというのが現状なわけですけれども、そういう部分で原材料に対してきめ細かく、こういう伝産品を保護育成していくという観点という切り口からだけでも大変重要な役割、まさに死命を制するということだというふうに思います。どのような御認識とどのような対策をとろうとしておられるかということを、お答えできる範囲でお願いをしたいと思います。
○堤政府委員 おっしゃるような意味で、伝統工芸品は自然に育つ、自然にある原材料を活用してその上に存立する産業であるわけでございまして、原材料がなければ確かに根こそぎ産業としての存立基盤を失うという点では、原材料確保というのは極めて重要な要素であります。四十九年の新しい法律以来、原材料確保というのが振興計画の中の一つの項目として挙げられておりますのもそれを反映しておると思っております。 これまでにも原材料確保、それが再生できるものであればなるべく再生をすること、あるいは品質が同等で風合いを変えずに済むような代替材があればそういう代替材を見つけていくというようなこと、それから現在ある陶土あるいはそういうものの賦存状況を調査し、さらにその製品化ができるかどうかを研究していくというようなことで、振興計画の中でかなりこれに対するウエートをかけて施策をしてまいった次第でございます。 ただ、いずれにいたしましても、最近の環境的な意識の高まり、そういう中で問題にぶつかるケースもあろうかと思いますので、今後ともこの施策につきましては十分努力をしてまいりたいと考えている次第であります。
○川端委員 先ほどのタイマイの議論がありましたけれども、いわゆる後手に回るともうどうしようもない。しかも急に状況が変化するということも現実に起こっているわけです。そういう意味では、こういう機会に、今までもいろいろやっていただいていると思いますが、そういう、特に自然界を原料とするものに関しては一度抜本的に見直しをしていただく中で、長期的な展望というのですか、国際的な環境問題、自然保護の流れも含めて手を打っていただきたい。問題が顕在化してというときには、一挙に動いてしまうということになると後手になる可能性があるということで、御要望申し上げておきたいというふうに思います。 また、こういう伝統産業、工芸品という部分で私が経験いたしましたのは、昨年不幸にして列車事故を起こしましたけれども、あのときにやっておりましたイベントが、信楽の世界陶芸祭というものをやっておりました。そのときに外国のいろいろな芸術家、特に焼き物ということであのとき一番たくさん来られ、関心を呼んだのは、その焼き物の、陶器の源流であろうというインドネシアの人たちでありましたが、そういう方をお招きし、その現地で現在も続いておるのですがいろいろな形で交流をしていこう、そういう中で日本の伝統工芸品へのまた新しい刺激も与えるし、お互いの文化交流ということも含めて非常に意義があることじゃないかな、そういう意味で、人材の活用にもなるということもあると思います。 そういう意味で、こういうものと、いわゆる国際交流というもの、人的なことを中心として国際交流というのがこれから非常に大事なことじゃないかなと思うのですが、何かそういうことに関しては、これからの方策とかお考えのことがあったら教えていただきたいと思います。
○堤政府委員 このたび伝統工芸品産業を改正いたしました一つの背景の中では、国際化というのは欧米のまねをするだけではなくて、やはり我々が日本文化を持って外国の人と交流することであるというふうに感じましたし、さらにそれを伝統工芸品が日本の産業の、日本の顔になるというようなことも政策の意義の一つとして考えておった次第でございます。したがいまして、伝統工芸品産業をめぐりましても国際化、国際交流というのはぜひ進めてまいりたいと思っておる次第でございます。 ただ、この施策をいたす場合には、従来海外からの類似品という問題がございまして、この新しい法律が四十九年にできますときに、外国から来る大島つむぎの問題が大変問題になった経緯がございます。そういう意味で、交流ということはもちろん大事なことでございますので進めさせていただきたいと思いますけれども、一方で産地によりましては、そういう問題に非常にセンシティブな、神経をとがらせている産地もございますので、産地の意向等も踏まえながらやらせていただければと思っている次第でございます。
○川端委員 この法案の最後の質問にしたいのですが、二十五条で、振興計画の認定にかかわる通産大臣権限に属する事務については政令で通商産業局長または都道府県知事に委任することができる、こういうふうに規定をされておるわけですが、こういう地域に密着をした伝統工芸産品でございます。そういう部分では、権限は都道府県知事にもうお任せをした方がいいのではないか。そして、通産省はもう少し高い立場で全国のいろいろな情報を提供するというのですか、そういうふうな立場でおられた方がより実際的であり、機能的ではないかなというふうに思いますが、この部分に関してはいかがでしょうか。
○堤政府委員 各産地の声を聞きますと、やはり都道府県で指定を受けるよりは全国をベースとした通産大臣に認定を受けて、それを一つの目標としてやりたいというような声もあるわけでございまして、確かにそういう意味の必要性というのは私はあるのではないかと思っております。 ただ、今回新しく通産局長あるいは都道府県知事に委任ができる規定を設けましたのは、やはり十八年にわたる実績の中で都道府県におきましてもこういう問題についての認識が非常に高まってきているということがございますので、そういう地元の知恵も活用しながら委任をしていくということも考えた次第でございます。
○川端委員 ありがとうございました。 それでは次に、もう時間がわずかでありますが、特定中小企業集積の活用化に関する臨時措置法案についてお尋ねをしたいというふうに思います。 この法案、もともとはいわゆる企業城下町あるいは特産地ということで、その地域において特定の産業が非常に発達をしてきて地域を構成してきた。その地域が産業構造の変化で少し沈滞化してきた、あるいは全く振るわなくなったというものを何とか支援をしようということでございます。今まで、いわゆる中小企業、特定の構造不況になってきたからこういう支援をしましょう、あるいはこの地域自体が非常に沈滞したから、この地域の活性化を図りましょう、いろいろな施策をきめ細かくやってきていただきました。 そこで、その部分に関してあえてこういうオーバーラップするような形の中でこの法案を出してきたその最大の特徴というんですか、メリットというんですか、その分についてお教えいただきたいと思います。
○南学政府委員 私ども、過去にいろいろな中小企業政策を展開してまいりました。例えば、昭和六十一年には円高に伴う対策といたしまして、特定地域法というような法律をつくって、その中小企業の困難に対処してきたわけでありますが、今回の法律は従来の視点と異なりまして、中小企業集積がその機能を低下させている、その機能の低下をいかにして活性化していくかという視点に立っていろいろ考えたわけであります。 昨年秋に、中小企業近代化審議会におきましていろいろ議論をしていただきました。昨年の十二月に答申をいただいたわけであります。その答申におきましても、中小企業集積がその発展の方向を明確にし、中小企業者がその方向性に沿って新分野開拓、高付加価値化を行うことを支援する集積対策を総合的、体系的に講じていくべきこと、そして、そのために中小企業集積の発展のための立法措置を講じていくべきこと等が指摘されたわけであります。この法律案は、この審議会の答申を踏まえまして立案されたものでありまして、中小企業集積の活性化を総合的、体系的、有機的に支援するための抜本的な措置を講じていくものでありまして、ぜひこのような法律がこれからの中小企業集積活性化のために必要と考えられたからであります。
○川端委員 今までのいろいろな施策にちょうど重複するというか、その両方にかかわるという部分でこういう法案を出してこられたということでは、我々は非常に歓迎をし賛成をしてまいりたいというふうに思うのですが、この中でいわゆるこういう施策は、今までどちらかというと国として業種なり地域を指定をして、そしていろいろなバックアップをしていこうというふうなスキームが割に多かったように思います。中心は、そのやる人たちに中心があることはもちろんでございます。しかし今回は、一番具体的な根幹になる部分というか大枠の考え方は、通産省が大臣の指針というのをお出しになるわけですけれども、具体的なものは都道府県がその承認をしていこうという部分では、私は非常にこれは評価すべきことではないかなというふうに思います。 ちょっと法案は違いますけれども、国でやるのとその現場でやるのとどちらがいいかということを先ほど申し上げましたけれども、本当に地域振興というものを地域住民とともに考えて責任を持つ地方の都道府県がその部分にまさに関与していく、そして認めていくということは私は大変評価をしているものでございますが、特にこれからの中小企業に対するいろいろな施策というものは、私は基本的に、今までの国がぴしっとやるということから、国は非常に緩やかに大枠を決めながらやっていく、そしてあとは、実際は都道府県が見ていくというふうな流れにこれからはなっていくべきだと思いますし、いろいろな考え方の中で、基本的にはそういう認識というふうに理解をしてよろしいのかどうか、お尋ねをしたいと思います。
○南学政府委員 御指摘のとおり、本法案の体系では、国が対象となる集積とか特定分野の設定方式など一般的な方針を定める、そして都道府県が具体的な集積の状況、コンセンサスの形成状況等を踏まえて地域を選定していく、あるいは特定分野の明確化を図っていくというような体系になっておりますが、これからの中小企業政策全体としてどのようになっていくかという御指摘でありますが、内容いかんによろうかと思いますが、そうした流れは一つの流れだと私も考えております。
○川端委員 いわゆる地方分権というのですか、これは責任も伴うわけですけれども、そこにいる当事者の人たちと地方自治体というものが思い切って自由にやれると言ったら語弊があるかもしれませんが、そういう枠組みという流れをぜひともに大事にしていっていただきたいとお願い申し上げたいと思います。 そういう承認をいただく申請の中で、都道府県が策定をするときの目標の設定というのがありますね。この目標の設定というのは具体的にどういうものを求めておられるのか、そしてそれをどういう判断をされるのか、評価をされるのか、この目標の設定についてお聞かせをいただきたいと思います。
○桑原政府委員 今先生が目標の設定とおっしゃられましたけれども、本法案では、活性化計画における特定分野の設定ということで用語を使っております。この特定分野の設定でございますけれども、中小企業の集積が今後発展し得る、その方向に向かって新商品の開発であるとかあるいは新しい技術を用いた商品の開発であるとか、そういうことが目標になるわけでございまして、これはかなり明確でなおかつ実現可能な目標ということになるわけでございます。 実際問題として、各中小企業の集積においてそうした適切な目標をつくるというのは簡単なものではないかもしれません。しかし、従来中小企業はいろいろな困難を工夫と英知で乗り越えてやってまいりましたし、その中小企業の集積の皆様がいろいろお考えをめぐらせば、私どもは必ずいい知恵が出てくるものと思っております。また、その知恵づくりに当たりましては、国、県あるいはいろいろな支援機関が情報提供とか相談に応ずるというようなことによりまして、そういういい目標が出てくるように支援申し上げたいと思っておるわけでございます。
○川端委員 ということは、具体的な事業内容と目標の設定というのはパラレルに書いてあるわけでございます。その目標の設定というのは、こういう分野の例えばこういう仕事というか製品、ある製品のイメージという部分でこれくらいの生産高あるいはこれぐらいの売上高、これくらいの利益というふうなものをお求めになるのでしょうか。
○桑原政府委員 具体的には、一定期間後にその特定分野にかかわりましてこのくらいの売上高をひとつ実現しようじゃないかというようなもの、こういうものが中に入ることを我々は期待しているわけでございます。
○川端委員 くどくなりますが、この件に関してもう一つだけ。 そういうもの自体をどういう尺度で評価をされるのかということと、それに対しての後のフォローアップ、拘束力というのですかね、言っていたけれども全然話が違うとかいうことはあり得る。逆に、先ほど言われましたようにこれは非常に難しいのですね。その新しい分野に今までの実績がある部分もありますし、その先の見込みという部分もある。この部分に関するウエートというのはどのくらいなのか。余り厳しくしますと何か絵にかいたもちだけが書類上流れていって、実際は何も関係がないということにもなるでしょうし、極端に言えば、どうでもいいというふうな、というと何でもいいということになるという部分でこれは非常にセンシティブな問題でありますので、実際の運用としては当事者間の連携というのを本当によくとっていただくということしかないと思いますが、そういう部分でのことをお願いをしておきたいというふうに思います。 最後に、いろいろな地域で本当に中小企業の皆さん、そういう構造転換を迫られるという部分では非常に悩みも多い中で何とか生き残って新しい地域をつくっていこうという御努力をおのおのしておられると思います。今回おのおの想定をされている部分は、そういう中で少しその芽が出てきたという、少し助走し出したところの部分を想定して現実にはいろいろバックアップをしていただくことだというふうに思います。しかし、それに至らないでいろいろ悩んでいるところが非常に多いという中では、いろいろな地域のモデル的な実例とか情報というものが当事者の業界、組合あるいは地方自治体に広範に、便利に、簡単に、迅速に提供できるというサービス、仕組みというものをぜひともにしていただきたいというふうに思うのですけれども、この件に関してどうでしょうか。
○南学政府委員 先生御指摘のとおり、特定分野の決定などに当たりましては情報提供というのが極めて重要であろうと認識をいたしております。中小企業庁といたしましても最大限その面で努力をいたしますし、また中小企業事業団なども積極的にこの面で活用をしていきたいと考えております。
○川端委員 終わります。ありがとうございました。
○武藤委員長 以上で、内閣提出、伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律案に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○武藤委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。 伝統的工芸品産業の振興に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○武藤委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○武藤委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○武藤委員長 次に、内閣提出、金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正する法律案を議題といたします。 これより趣旨の説明を聴取いたします。渡部通商産業大臣。 ――――――――――――― 金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正す る法律案 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○渡部国務大臣 金属鉱業等鉱害対策特別措置法の一部を改正する法律案につきまして、その提案理由及び要旨を御説明申し上げます。 金属鉱山等においては、閉山後におけるカドミウム、砒素等の有害物質を含む坑廃水が半永久的に流出する場合があり、このため、鉱山保安法は、閉山後においても鉱業権者にその処理を義務づけております。 さらに、昭和四十八年には、金属鉱業等鉱害対策特別措置法が制定され、閉山後の坑道及び捨て石等の集積場の使用終了後における鉱害防止事業について、鉱山保安法と相まってその確実な実施を図るため、鉱害防止積立金制度の創設等所要の措置が講じられております。 しかしながら、金属鉱山等の閉山が進んだ結果、鉱山活動に伴う事業収入を持たない鉱業権者に鉱害防止事業の継続を期待することが困難となってきており、鉱害防止事業の確実かつ永続的な実施を図る上で、資金及び実施体制の確保につき大きな問題を抱える状況になってきております。 このため、金属鉱業等鉱害対策特別措置法を改正し、地域住民の健康の保護及び生活環境の保全という観点から、汚染者負担の原則にのっとり、確実かつ永続的な鉱害防止事業に必要な資金を確保するとともに、所要の実施体制の整備を図るため、基金制度及び指定鉱害防止事業機関制度の創設等所要の措置を講じる必要があります。 本法律案は、このような観点から提出した次第であります。 次、に、この法律案の要旨を御説明申し上げます。 第一は、鉱害防止事業に関する基本方針の策定内容の拡充及び鉱害防止事業計画の届け出対象の拡大であります。特定施設、すなわち坑道及び捨て石等の集積場の使用終了後における鉱害防止事業全般について通商産業大臣が基本方針を定め、鉱業権者は、これに沿って使用済み特定施設ごとに鉱害防止事業計画を作成し、鉱山保安監督局部長に届け出ることとしております。 第二は、鉱害防止事業基金制度の創設であります。汚染者負担の原則にのっとり、指定特定施設ごとに、鉱害防止事業を確実かつ永続的に実施するために必要な費用の拠出を、鉱業権者に義務づけることとしております。 第三は、指定鉱害防止事業機関制度の創設であります。指定特定施設については、通商産業大臣が指定する指定鉱害防止事業機関が、基金の運用益の交付を受けてその施設の鉱害防止業務を実施することとしております。 以上がこの法律案の提案理由及び要旨であります。何とぞ慎重に御審議の上、御賛同を賜るようお願い申し上げます。
○武藤委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十四分散会 ――――◇―――――