国会等の移転に関する特別委員会 第6号
- 発言数
- 49 件
- 登壇者
- 9 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/04/28
会議録
○村田委員長 これより会議を開きます。 国会等の移転に関する件について調査を進めます。 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。 本件調査のため、本日、参考人として首都機能移転問題を考える有識者会講座長平岩外四君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○村田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 —————————————
○村田委員長 この際、平岩参考人に一言ごあいさつを申し上げます。 本日は、御多用中のところ御出席をいただき、まことにありがとうございます。何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。 なお、議事の順序でございますが、最初に三十分ほど御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。 それでは、平岩参考人、お願いいたします。
○平岩参考人 ただいま御紹介いただきました平岩でございます。 本日は、大変貴重な時間を割いていただき、私の意見を御聴取いただくということになりましたことを大変光栄に存じております。 それでは、座らせていただきます。 私からは、座長を仰せつかっております首都機能移転問題を考える有識者会議のこれまでの審議経過の概要並びに経団連における検討状況などにつきまして御報告し、あわせて本問題に関する私の見解を述べさせていただきます。 まず最初に、有識者会議の検討経緯からお話しいたしたいと存じます。 首都機能移転問題を考える有識者会議は、平成二年十一月に衆参両院で議決されました「国会等の移転に関する決議」を受けまして、首都機能移転及びこれに伴う政府中枢機能の移転に関する諸問題について、国民的合意の醸成を図るための検討を目的として、内閣総理大臣の主催のもとに平成二年十二月から開催いたしているものであります。 構成メンバーは、金丸信先生、司馬遼太郎先生、福井謙一先生、森亘先生、山岸章先生と私でございまして、六名の中で私が座長を務めさせていただいております。なお、発足当初のメンバーでありました井上靖先生の御逝去に伴い、司馬先生に新たに御参加いただいた経緯がございます。 平成二年十二月十九日の第一回会合から合計九回の会合を開催いたしました。これまでは、司馬遼太郎先生、下河辺淳先生、村田敬次郎先生、堺屋太一先生、恒松制治先生、八十島義之助先生の各界の専門家の先生方の御意見をお聞きしてきたところであります。この間、国土庁長官の私的諮問機関として設置されております首都機能移転問題に関する懇談会の座長として八十島さんからは、三回にわたり懇談会の検討状況をお聞きしており、相互に連携して理解を深めております。 有識者会議でのこれまでの専門家の方々のお話を私なりにまとめて申し上げますと、次の三点のようになろうかと存じます。 第一に、首都機能の移転の必要性につきましては、一極集中の弊害を除去するためには首都機能の移転が必要であるという御意見が大半であります。 その御意見を具体的に御紹介申し上げますと、「現在の日本は、土地問題で自家中毒を起こしており、日本中が倫理より利益を優先する風潮があり、この傾向が一番具現化しているのが東京である。」という御指摘もありました。あるいは「東京の過密、地方の衰退、経済効率の低下等の諸問題の原因は東京一極集中である。」との御意見。また一方では、「緊急の課題として、地震等の大規模災害に対応するため、いかなる事態に対しても首都機能を安全に管理する対策が必要である。」などの御意見もありました。いずれも、これらの課題を解決するためには首都機能の移転が有効であるという御主張であります。 一方、一部には、地方分権の方が首都機能移転にまさる効果があるという御意見もありました。具体的に申し上げますと、「国会や中央省庁が移転しても、規模は六十万人程度といわれており、東京の過密対策にはならない。現在の政治・行政の仕組みをそのままにして移転しても、過疎地域の活性化には何の役にも立たない。地方が自立性をもって地域づくりを行える仕組みを構築することが重要である。」という御指摘であります。しかしこの方も、「移転が地方分権のきっかけとなるのなら、有意義である。」と言われておりますし、いずれの方々も、首都機能移転を実施するに当たり、これを契機として行政の簡素化、地方分権等の方策をあわせて進めなければ、一極集中の弊害は解決できないという御意見であります。 第二に、移転の形態についてでございます。移転の形態につきましては、従来から展都、重都、遷都、分都等、さまざまな提案がございます。あるいは、移転ではありませんが、改都という考えもあります。その中では、当面は改都や展都を進める必要があり、また緊急課題として、地震などの大規模災害時に首都機能を補完・代替する仕組みを構築する重都の推進を、さらに長期的課題としては遷都、分都などに取り組むというように、「これらを一連の施策としてみることが重要」とする御意見もありましたが、この御意見も含め、最終的には首都機能をある地域にほぼ一括して移転することが望ましいというのが大方の御意見でございました。 第三に、移転の手続についてでございます。この問題につきましては、「立法・司法・行政の三権がそれぞれに意思を決定し、相互の意見の調整を図る必要がある。」とする御意見や、また「今後、三年間程度検討したうえで、首都の建設計画を策定し、移転先は国民投票で決定すべきである。」という御指摘、あるいは「移転の手法を国民に明らかにする必要があり、それには、都市の性格、目標年次等を明らかにした基本プログラムを作成し、また、検討時期・検討組織を明示した基本法を制定する必要がある。」などという御意見を承りました。 次に、以上の専門家の方々の御意見を承りながら、有識者会議で行っております意見交換の内容について御報告いたします。 これまでは各界の専門家の御意見を承ったところであり、有識者会議としての検討の取りまとめは行っておりませんが、特に国土庁の懇談会の「中間とりまとめ」に関する委員の主要な意見を御紹介いたしますと、以下のとおりでございます。 一、全体として申し上げますと、国土庁の懇談会の「中間とりまとめ」の内容につきましては、おおむね妥当とする意見が多く見られました。 二、個別の問題に関しましては、政治・行政機能と経済機能の分離を行うためには、規制緩和や地方への権限移譲による政府のスリム化が必要だという御指摘。移転先の新都市の人口が、多くて六十万人程度であることは、東京の過密解消への効果は直接的には小さく見えるが、国民の意識改革という点で大きな効果が期待できるという御指摘。首都機能の移転問題を推進するには、国民世論の支持が重要であるという御指摘などの意見がありました。 また、有識者会議の今後の進め方に関しましては、首都機能移転を具体化するためには、国土庁の懇談会での議論をベースとしながら、これに関連するその他の諸問題をも含めて検討を進める必要があるという意見が大勢を占めておりました。有識者会議は、これまでも国土庁の懇談会との連携をとりながら大局的な観点からの検討を進めてまいりましたが、今後は、国土庁の懇談会の最終報告が六月中に予定されていると伺っておりますので、その報告をも踏まえながら、委員の方々と御相談の上、もう少し的を絞った議論を深めてまいりたいと思っております。 次に、経団連におきます検討状況について説明させていただきます。 経団連におきましても、有識者会議と同様の問題意識から、平成二年に経団連内に首都問題委員会を設置し、本問題についての検討を開始いたしております。 この首都問題委員会では、首都圏における都市・居住環境を改善し、あわせて地域経済を活性化させるため、まず東京一極集中是正の方策について、村田先生を初めとする各界の専門家の方々からいろいろ御意見を伺うとともに、経団連会員企業の経営者を対象とするアンケート調査を行うなど、経済界としての考え方の集約に努めているところでございます。 検討の途中でございますので、本日は、平成三年三月に実施いたしました経団連会員企業の経営者に対するアンケート調査の結果を中心に御紹介させていただきます。 これによりますと、多くの企業経営者は、東京に立地することによるビジネス上のメリットは大きいとしているものの、地価の上昇、交通混雑、住宅難などを東京一極集中による深刻な問題と認識しており、この解決策としては、何らかの抜本的対策を早急に講ずるべきであるといたしております。そして抜本的対策として、首都機能の首都圏外への移転及び地方分権の二点を促進すべきであるというのが大方の意見となっております。 首都機能の移転につきましては、その移転形態として、首都機能を地方に分散配置する分都、あるいは一括移転となる遷都を支持する者が比較的多いという結果になっております。 また、地方分権につきましては、国の地方出先機関よりも地方自治体に権限を移譲すべきであるとし、そのうち、この受け皿として道州制など広域行政を支持する者が大半を占めております。 経団連といたしましては、国に集中した巨大な財政権限、行政権限が、中央に対して過度に依存する今日の経済・社会構造をもたらし、東京への一極集中の原因となったと考えておりまして、この是正のためには、中央集権システムを見直し、地方分権を進める必要があると考えております。このアンケート調査でも、企業が東京に集中する原因の一つとして、許認可を受けるのに便利であるということが指摘をされております。経団連でも、国の許認可権限のうち、地方の判断で済むものはその権限を地方に任せるべきであり、その受け皿として、現在の府県よりも広域的な自治体の設置が望ましいという見解を出しております。なお、経団連といたしましては、首都圏問題に関して本年中に結論を出すことを目標に作業を進めているところでございます。 なお、首都問題委員会では、海外に調査団を派遣し、諸外国における首都機能の移転及び地方分権の実情について研究をいたしておりますので、御参考までにその一端を御紹介させていただきます。 第一に、首都への集中と政治・行政制度のあり方には何らかの関係がありそうだということでございます。連邦制度のもとで地方分権が進んでいるドイツ、オーストラリアの首都であるボン並びにキャンベラでは人口の集中が起こっておりません。一方、国家体制が中央集権的であるブラジルの新首都ブラジリアにつきましては、人口その他機能の集中が進んできているようであります。 第二に、キャンベラやブラジリアの新都建設に見られるように、新しい首都を建設し、そこに首都機能を移転する場合には、国民のコンセンサスと同時に強力な政治的リーダーシップが必要であるということであります。 有識者会議及び経団連での検討状況について簡単に御報告をさせていただきましたが、最後に、このような場で伺いましたいろいろな御意見を踏まえまして、若干個人的な見解を述べさせていただきたいと思います。 まず初めに、首都機能移転の基本的考え方についてであります。 今、二十一世紀に向け、時代は大きく変革の時期を迎えております。こうした中で、我が国が国際社会の信頼を得つつ、国民生活の質を高め、豊かでゆとりある社会を建設していくためには、やはり首都圏への一極集中を抑制して、バランスのとれた国土の発展を進めることが重要であると思っております。首都機能の東京からの移転は、このような諸課題解決のための諸方策推進の契機となるとともに、国際化に相ふさわしい首都機能を再整備し、あわせて地震等の災害から国家の中枢機能を守ることにも役立つものと思われます。首都が東京に定められてから百年余りになり、新時代の日本の社会づくりの一つとして、首都機能の移転について、国民全体、各界各層に問いかけることも重要と存じます。 首都機能を移転するに当たりましては、同時に幾つかの問題についてあわせて実施していくことが、移転をより効果的にするためにも、また移転に伴うマイナス面を補うためにも重要であると思います。 その第一は、有識者会議などの場でもほぼすべての方々が御発言されておりますように、移転実施と同時に行財政の簡素化を徹底し、その上で地方への分権、すなわち中央と地方の役割分担の見直しを積極的に進めていただきたいという点であります。そうすることによりまして、各地におきまして魅力ある地域づくりが行われ、あるいはそのための個性ある地域行政の促進が図られることになると思います。 経済界といたしましても、政治・行政機能だけを東京から移転する場合には、地域における経済的案件につきましては、各地方が責任を持って対処するという状態になっておりませんと、今のまま経済機能だけが分離した場合、相当の混乱が生ずることを懸念いたしております。一方、外交、教育、基幹交通網、環境・エネルギー問題など、国が一体となって取り組むべき問題につきましては、地方の権限が強過ぎる結果、国全体の利益を損なうことのないような政治、行政における中央と地方の役割分担を今後よく検討しなければならないと思います。 第二は、移転前後の東京圏についてでございます。 その一つは、いずれにいたしましても移転にはかなりの年月を要しますので、移転が完了し、権限などの見直しか終了するまで東京をそのまま放置するわけにはまいりません。首都機能の移転を進めると同時に、東京における都市機能の維持確保、例えば地震災害に対して情報通信網の途絶が心配されますが、この機能の確保をどうしていくのかという点も真剣に考えなければならない問題であると思います。 さらに、首都機能が移転した後の東京について考えてみますと、政治・行政機能が移転した後でも、東京は相変わらず世界的な経済・金融機能を有した巨大な都市でありますから、例えば移転後の跡地を売却して移転費用に充てるというような形ではなく、緑地とか公共的なインフラの整備のために活用するなど、貴重な空間をぜひ有効に使って、東京という都市の質が向上するようにしていただきたいと考えている次第であります。 以上、大変雑駁ではございますが、これで私の話を終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。(拍手)
○村田委員長 ありがとうございました。 以上で平岩参考人からの意見の開陳は終わりました。 —————————————
○村田委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。 御発言は、委員長の許可を得てお願いいたします。
○金丸委員 ただいま平岩座長から、また平岩参考人から有益なお話を承りまして、全く私も同感の考え方でおるわけでありますが、これから進めていくためには、この委員会ができ上がって、また有識者会議でも何回かいろいろな話もありまして、そういう中で遅々として話が前進しないじゃないか、こういうような強い意見もあるわけであります。しかし、事この問題は、重大な国会移転という問題とあわせて、いわゆる日本の中央集権というものを地方に返すというようなことも含まれておる考え方もあるし、あるいはまた、国会が別に移った後の東京は、世界の東京にふさわしい東京をつくっていかなければならぬ、全くそのとおりだと私は思うわけでありますが、どちらにしても、そういうような考え方の中で基本法というようなものをつくりながら、また基本法ということばかりじゃなく、基本法ができたら基本法に準拠して幾つかの法律が必要かもしれおい。 しかし、問題は、どこにこれを移すかというような問題も考えられるわけでありますが、昔、河野一郎先生があの筑波学園問題で、今筑波学園というのは相当な効果を発揮しておることは確かですが、あの学園都市をつくるについて、私も国土庁長官をやりまして、遅々として進まない、そしてあそこへ赴任をする人は単身赴任というような状況があった。そういう状況を見て、また今度のこの問題についても、官僚とういかお役人は、できるだけこれはゆっくりやった方がいい、遅々として進めない方がいいのじゃないかというような感覚があるのじゃないかという心配をしている人もいるわけでありますが、そういう意味で、このまま議論ばかりしておるということでなくて、関係の法律、まず第一に基本法をつくるとか、それぞれに倣いながら話を進めていくことがいい、私はこう思っておるわけでありますが、そういう問題について参考人からの御意見を承りたいと思います。 また、候補地を決めるについては、フランスのドゴール空港は、地主が三人であの大きな空港ができ上がっておるということを考えてみれば、一坪地主なんというようなものがあったのでは、とても土地の収用というものは難しくなるというようなことを考えてみれば、そしてまた、先ほどお話がありましたように、候補地を国民投票で決める、国民投票でどういうふうに決めるか、それも箇所というものをどことどこをどういうふうに選択するのか、その選択の仕方は何で、法律でつくるのかどうするんだというような問題も絡んでくると私は思うわけでありますが、そういうような問題については、先々のことでございますから、いろいろ難しいことを私は尋ねておるわけじゃないのですが、何せ一歩前進させる、そして、なるほどと国民にも納得してもらって、国民投票をするにはそれらしい方法を講じなければならぬ、このように私は思っておるわけでありますが、そういう点について先生の御意見を承りたいと思います。
○平岩参考人 有識者会議として具体的な検討はまだ行っておりませんけれども、会議の中でも、首都機能移転を進めるためには法律が必要だ、こういう意見とか、あるいは国民世論の後押しか何より重要だという意見がございます。 私個人の意見といたしましては、まず第一段階として、国民の合意形成を促進するためにも何らかの法律制定が好ましいと考えております。
○金丸委員 ありがとうございました。
○山口(鶴)委員 御苦労さまです。私の方から二、三お尋ねをいたしたいと思いますが、ただいまお話を伺いました、有識者会議の座長としての御意見、さらには経団連の御意見、両方お述べいただいたわけです。 そこで、まずお聞きしたいのは、東京にこのような過度の一極集中が実現した、それはやはり政治の責任もあると私は思います。しかし同時に、東京にこれほど一極集中をいたした理由は、経団連傘下の会員である企業が本社の多くを東京に集中をしたというところにやはり大きな原因があったということは否定することができないんじゃないかと思います。この特別委員会は、数多くの有識者の方々の御意見を伺ったのでありますが、その方々の御意見の中にも、アメリカにしてもドイツにしても、本社が日本ほど集中しているような国はありません、むしろ大企業の本社が各地域にそれぞれ設置をされておるというお話も伺いました。事実そうだろうと思うのですね。 したがいまして、先ほどのお話では、許認可権限が中央官庁に集中している、だから本社が東京に集まらざるを得ないんだというようなお話がちょっとございましたけれども、東京に企業の本社が集中をした、それがやはり一極集中の大きな原因になったということについてどうお考えですか。また、反省があればお伺いをいたしたいと思います。 それから、懇談会の「中間とりまとめ」については、妥当とする意見が有識者会議には多かったというお話でございました。私どももこの「中間とりまとめ」の報告は八十島さんから承りました。 ただ、「中間とりまとめ」では、皇居をどうするとかあるいは地方分権の問題をどうするとか、こういう問題は懇談会の権限を越える問題で、したがってこれは適当な機関が御検討いただけばいいのではないか、こういう内容でございました。私は、有識者会議とすれば、先ほどのお話では、政府のスリム化が必要ではないか、分権を進めることが必要だ、こう言っておられるわけでございますから、懇談会があえて論議を深めなかった地方分権の問題、中央官庁に過度に財政、行政の権限が集中している、これを分散していく、そのことがやはり必要なんだという部面について、有識者会議としては明確な方針をお出しになることがいいのではないかと思いますが、その点に対するお考えはどうかということをお尋ねをいたしたいと思います。 それから、道州制の問題についてもお触れになりました。自治体に権限を移譲することが必要なんだ、そういう意味で道州制を考えたらいいのではないかという意見が経団連の中にある、こういうお話でございましたが、自治体に対する権限移譲というものを考える以上は、いわゆる道州制というのは、国の機関としての道州制というのが今日までよく財界の方々が主張された御意見でございました。そうじゃない、やはり自治体に権限が必要なんだ、国の機関としての道州制というようなことではないんだ、もし仮に道州制というものを考えるとすれば、それは自治体をもっと大きくする形の考え方なんだということでないと、先ほどのお話は筋が通らないと思うのですが、その点に対するお考え方を最後に承っておきたいと存じます。 以上です。
○平岩参考人 会社が東京に集中をした、なぜしたのかというのは、その原因であるのか結果であるのかという御質問だと思いますけれども、私は、結果である、原因がほかにあって集中するようになったと思っております。それは先ほど申しましたように、三権が中央に集中している、それからそこに許認可権限を初めとした、企業の必要としているものが中央にすべてある、そういう点が企業が集中したようになったことだと考えております。 それから、あと有識者懇では、八十島先生の懇談会で触れなかった点についてこれから検討を進めていかないといけないと思っております。今までは専ら私ども、勉強と言ってはいけませんかもわかりませんが、有識者の専門の方々の意見をいろいろと聞いてまいったわけでございまして、これからどういう問題を取り上げていくかということを決めてまいりたいと思います。 それから、道州制の問題は、やはり一つの地方に権限が移った場合の行政のあり方であると思っております。
○山口(鶴)委員 そうしますと、やはりとにかく都道府県、市町村が今我が国の自治体ですよね、基礎的自治体が市町村、包括的な自治体が都道府県ということでしょう。したがって、都道府県、市町村に中央が持っている許認可権限、行政、財政の権限をできるだけ移譲していく、そうすることが肝心であって、何も道州制をつくることが主たる意見ではない、むしろ自治体に対する権限を十分移譲していく、そうしてその後、よく財界の皆さん方は国の機関としての道州制、とにかく都道府県は狭過ぎるじゃないか、国の機関としての道州制が必要なんだということを言われるのですが、そういった意味での考え方ではないんだということですね。
○平岩参考人 ですから、道州制が最初にあるべきだということではないと思っております。緩やかな、もう少し大きな広域的なものであってもいいと考えております、最初から入っていく場合には。
○平田(米)委員 公明党の平田米男でございます。 大変貴重な御意見を賜りまして、ありがとうございます。私の方からは三点ほどお伺いをしたいと思います。 私見の中で、遷都というのは、首都機能の移転というのは、東京一極集中の直接の解決にはならないけれども、その契機にはなり得るのではないかというお話がございました。確かに、懇談会で出ております案は人口六十万ということでございますので、三千万を超える首都圏の人口の中で六十万移しても微々たるものだということから考えますと、大して東京一極集中の解決にならないというふうに思います。しかし契機になるというお考え、私もそのように思うわけでございますけれども、契機にはなるわけでございますが、後、いろいろな施策をしないと解決していかないのではないかと思うわけでございます。中でも、先ほど山口委員もおっしゃいましたが、地方分権、これは道州制だけではなくて、基盤的な自治体という考え方も最近出されておるわけでございますが、市町村の合併の促進等を含めましで遂行していかなければならないことではないかと思います。 それから、先ほど、大会社の本社がなぜ東京に集中したのかという御質問に対しまして、中央集権国家体制で、許認可権が中央、すなわち東京に集中していた結果であるというお答えがございました。私は、確かに一つの理由だと思うわけでございますが、しかし、今最も東京一極集中をさせている原因として挙げられているのはまだほかにもございまして、例えば情報の集中あるいは情報の発信能力という点でございますね。これが東京に来てしまっている。 情報というのは、人が集まるところに情報が生まれるわけでございまして、集中が集中を生むというどうにもならない難しい問題があるわけでございますが、この点の解決をしなければいけないのではないか。そのためには、情報の発信の大きな要素になっておりますマスコミとかあるいは大学、研究機関、こういうものが情報の発信基地として主要なものを占めているわけでございますが、現状では、国立大学あるいは私立大学含めまして首都圏に相当集中、集積をしている。これをやはり地方に分散をさせる必要があるのではないかという意見もございます。 あるいは国際化ということを考えますと、国際空港がこれまでほとんど東京にあって、最近は地方にだんだん国際空港ができつつありますけれども、しかし規模においてはまだまだ不十分なところがございまして、今関西では着工しておりますし、中部でも同様な計画があるわけでございます。しかし、もっとバランスある国土の発展を考えますと、国際空港ももっともっと各所につくらなければいけないという御意見もあるわけでございますが、その契機になるというお考えについて、私自身、今いろいろなことを申し上げましたが、それについての御意見も含めましてお答えをいただければというふうに思います。 では、まず一点お願いいたします。
○平岩参考人 先ほど山口先生からの御質問に対する答えの中で、ちょっと足りなかったと思っております。 一つ、ただいまお話があったように、情報機能、情報の発信基地である。情報の発信がどの程度集中的に行われているかということが一極集中の大きな一つの要素にもなっていると思います。したがって、情報発信機能を東京からほかのところへ移すということが、東京一極集中を外す一つの大きな要素になると思っております。 したがって、お話がございましたような学校の問題にせよ、マスコミの問題にせよ、情報発信、情報の集中度、情報の発信度、そういうものが集中の大きな要素であるということは本当に間違いないところでございます。例えば情報ですと、情報網を全国にずっと持った場合に、そこの情報網に乗った情報というのはもう既に情報でなくなっていて、例えばどの方が何をおっしゃっているのか、何を考えているのかという、そういう人についてくる性格のものが非常に強い性質のものだと思います。
○平田(米)委員 そうしますと、首都機能の移転と同時に、今申し上げたような施策を同時にやっていかなければならないというふうにお考えになっているというふうに承ってよろしいわけでございましょうか。
○平岩参考人 そのとおりだと思います。地方分権ということと、それから情報を発信できるような能力を地方へ持っていくということが必要だという気がいたします。
○平田(米)委員 二番目の御質問に移らせていただきたいと思いますが、御私見の中で、国際化にふさわしい首都機能の再整備ということで遷都ということを考えるべきではないかというお話がございました。今、国際化、国際化と言われておるわけでありますが、なかなか国際化の中身というものが漠然としていて、人それぞれによって違っていたりするわけでございますが、参考人のお考えになられます国際化というものは、どういうことをお考えになっておいでになられるか。また、その国際化の中で、アジアというものをどのように位置づけしておいでになられるのか。その上で、国際化にふさわしい首都機能の再整備ということは、具体的にどういうことをお考えになっておいでになるのか。若干でも結構でございますが、お示しをいただきたいと思います。
○平岩参考人 国際化という概念はいろいろございますけれども、とにかく今後国際化が一層進み、日本が非常に重要な国際貢献をしていく役割を持つわけでございますが、その中で日本の首都にもそれにふさわしい機能を備えることが要求されると思います。 その機能というのは、ハード面では、例えば二十四時間稼働、使用可能な空港の問題もそうでございますし、また情報通信機能もそうでございましょうし、また適切な住環境もそうでございましょうし、あるいは具体的なことでは道路標識そのものだって国際化にとって非常に重要な具体的なことだと思います。交通標識、道路標識、あるいは外国の方が日本へ来られたときに居住、行動が安心してできるようなこと、そういう環境も非常。に重要だと思います。 それから、そういうハード面とあわせまして、国際的にも理解しやすい政治、行政システムというものの導入というのはやはり必要だろうと思います。これはいろいろまだ問題を抱えて、日米についても、いろいろ日本はわかりにくいとか、あるいはヨーロッパから見てもわかりにくいとか、そう言われているものについてわかりやすくしていくような努力も必要だと思っております。
○平田(米)委員 私は、国際化ということについてはいろいろなとらえ方があるかと思うのですが、これからの大きなトレンドといたしましては、国境が低くなるといいますか、ボーダーレスと言われているわけでございます。今までは国というのは絶対主権を持っていたわけでございまして、内政干渉は許されないと言われてきたわけでございますが、最近はG7でそれぞれの財政経済政策まで各国が協調して話し合いをして、まさに内政干渉をお互いにやらないと国が、あるいは世界がうまくいかないという実態になっておるわけでございます。そういう時代の流れあるいは世界の変化の中で、国というものも大きく変わっていくのではないかなというふうに思うわけであります。 そうしたときに、その首都というのは、あるいは首都機能というのは一体何を持つべきなのかということをきちっととらえる必要があるのではないか。新しい国家観といいますか、国家像の中での首都観というもの、そういうものをとらえる必要があるのではないかと思いますが、それについて何らかの御意見があればお教えをいただきたいと思います。
○平岩参考人 おっしゃること、よくわかりました。新しい国、新しい首都をつくった場合に、なぜそういうあれをつくったのかということに対しては、単に必要性があるからとかそういうことでなくて、それの理念は何かという問題だと存じます。これは有識者会議でもこれから論議していかなければならない非常に大きな問題であると考えております。なぜ首都を移転するのか、その首都はどういう理念を持って移転させたのか、移転された首都はどういう理念を持っていくのか、そういう点が非常に重要なことだと考えております。いい御指摘をいただきましてありがとうございました。
○平田(米)委員 最後ですが、やはり国民各層への問いかけが必要であるというお話をされました。私も、大変重要なことだと思います。やはり一部の人だけが決めて行うということは実際に不可能でございますし、また、やるべきことではない。大変な国家的な大事業になるわけでございますので、国民各層への働きかけと同時に、国民の中での盛り上がりといいますか、いろんな意見が出てくることが私は必要ではないかと思います。そのためには相当な努力と時間が必要なのではないかというふうに思いますが、これについていかなる努力をすべきなのかということが一つ。 それから、首都機能移転を始めるまでにどのくらいの時間をかけるべきなのか、また完了するまでにどのくらいの時間をかけて行うべきものなのか、これについて何らかの御意見があればお聞かせいただいて、質問を終わりたいと思います。
○平岩参考人 確信はございませんけれども、国民に問いかける問いかけの方法としては、なるべく早く問いかけた方がいいと思います。そして、最後にでき上がるのはやはり数十年という年月が要ると思いますけれども、問いかけ自体は早い方がいい。先ほど基本法というお話が出ましたけれども、その基本法なんかも、これは国民に問いかける一つの法律、問いかけのための法律だと考え、そういう内容のものであるべきだという感じがいたします。そういうところからやはり入っていくべきじゃないかという感じを持っております。
○平田(米)委員 ありがとうございました。
○金子(満)委員 端的に若干の問題でお伺いしたいと思います。 まず一つは、東京一極集中の現状と原因という問題についてです。 一極集中の構成部分が、企業、特に大企業の東京集中であることはもう否定できない事実で、これははっきりしているわけですね。一九八五年から八八年、この四年間に東京都の二十三区、この区部のオフィスビル着工面積は千四百六十五ヘクタールですね。これは霞が関ビルの百棟分に匹敵します。この結果、都心部のオフィスビルの床面積はマンハッタンを追い越したということはもうよく報道で言われておりますが、この企業の集中ということが人口の集中を招き、加速させた。これは経過的にいってそうだと思うんですね。質問にもありましたけれども、資本金が、どのくらいで区切るかは別として、十億円以上の企業の本社は五八%が東京に集中しているとも言われます。 問題は、そういうふうに一極集中した原因はどこにあるだろう。私は、率直に申し上げて四全総が一つあると思う。それからそういう中で、民間活力の導入がある。これに関連して、建築基準法の緩和とかあるいは土地対策、金融政策、そういうものが一極集中を短時間に急速に拡大した、こういうふうに思うのですが、その点についてまず最初にお伺いしたいと思います。
○平岩参考人 四全総というのは、もともと一極集中を排除して国土の均衡ある発展をするための計画であります。だから、四全総がその原因になっているとは考えておりません。 ただ、土地、金融、これが集中をしたというのは、先ほど申しましたように、情報の発信基地、情報の集中量といいますか、とにかく東京に八〇%の情報が入ってきて、そのほかの地域に二〇%が行くと言われておりますような、情報というものが企業が集中した最大の原因だと思っております。それから、許認可という非常にいろいろ手続の難しいそういうものも、東京に企業が集まった一つの原因だと考えております。したがって、四全総そのものが一極集中を招いたことでは決してないと考えております。
○金子(満)委員 実際の経過から見て、一極集中が、まず企業の集中がさらに企業の集中を拡大させてきた。それは事実の経過からそうだと思います。 今、四全総の問題が出ましたが、この点で、一九八六年の六月に経団連が、四全総に関連する報告書というのを出しました。この中で、「二十一世紀を目指した国土開発の課題」というのがございます。その中で、「経済活動の集中については、これをおさえることは困難」である、このようにはっきり述べているんですね。 それで、別な言葉で言えば、集中した方が企業活動にとっては便利である、それから、利潤を追求していく上がちも非常に効果的、効率的である、こういう考え方があると思うんですね。これが一極集中を結果から見ても加速させたというように思いますが、その点はいかかでしょう。
○平岩参考人 必ずしもそうだとは思いませんけれども、規模のメリットというのは、ある限度までは規模のメリットがございますけれども、それを通り越せばデメリットが出てまいりますので、すべてメリットがあるから集中をするということにはならなくて、やはりいろいろな条件のコンビネーションだと思っております。
○金子(満)委員 その点で、やはり我々は実際の文書を見ないとわかりませんからね。 これも経団連が一昨年の十月に出した報告書に「総合的な土地・住宅対策の実行を望む」という文書がございます。その中で、「都心部に立地する事務所の地方分散を会員企業に働きかける。」というくだりがあります。これは今までやったことと違ったことが書いてある。つまり、今までの反省というか、今まで間違ってきた点がある、だからこういうように変えるというようにもとれるわけです。しかし、その言葉だけではなくて、実際には今、住宅、交通、上水道、下水道、それから加えて言えばごみの問題、それから環境問題、これはもうパンク寸前と言っても、別に大げさでもなければおどかしでもない。 そういうような中で、国会移転ということ、首都機能の移転ということで、今まで出ているいろいろな参考人の方もそうですけれども、まあ六十万人だろう、費用がほぼ十四兆です。これで一体、一極集中はなくなるのかなくならないのか、これでできると思う人はいないと思うんです。だから、抽象的な夢、別な言葉で言えば、大きなふろしきを広げて、こうすれば一極集中は解消するんだ、そんな簡単なものではないと思うんですね。この点について一つ。 それから最後に、これも同時にお答えいただければと思うのですが、会長さんは、国民世論の形成が大事だということを先ほど来何回も強調されました。これは確かに何をやるについてもそうだ。ところが、実際には首都機能の移転あるいは国会等の移転、これは表現は別ですけれども、大体同じことを考えているわけですが、そういう中で、マスコミの調査によっても世論も二分しているところがある。 それから、そういう中で東京都は、ことしの二月二十六日、都知事のコメントは、「首都機能移転問題は、政治、経済、文化の問題も含め、幅広い視野に立って日本の将来を展望し、東京都民、さらには日本国民の間の広範な論議を踏まえて慎重に対処されることを期待する。しこういう一つのコメントがある。実際には東京都議会は何も結論を出していないんですよ。賛否を出していない。こういう中で、初めに移転ありきという形でやるということは、世論形成の上からも、そしてまたいろいろ考えたときに、とにかく独走で、押しつけて、もうこれ以外にないというような形でやるということは、これは非常にせっからであるだけじゃなくて、民主的な議論ではないと私は思うんですね。おっしゃるように、一年、二年、三年でできるものではない、かなり長期にかかるということをおっしゃっている建前から見ても、もっと議論をオープンにしてやっていくことが必要であるし、それを簡略にして、頭越しに飛び越えちゃいかぬと私は思うのですが、この点についても御見解を承りたいと思います。
○平岩参考人 六十万人の人が首都を動くだけで、何にも東京の過密は変わらないんじゃないかというお話でございますけれども、これは数でいく問題でなくて、やはり首都の移転というものは同時に地方分権を一緒にやる、その前提、そういう地方分権をやりながら首都を移転する、そういう構想で今まで進んできていると思います。したがって、首都を移転することによって、新しい都市あるいは日本の各地域、そういう分権による発展、そういうものが可能になっていくということだと思います。 それから、都の考え方、これについてはなるべく意見を、今までについては、少なくとも特定の地域の人の意見は聞かないで、とにかくもう少し高い立場からずっと有識者会議の話を進めてまいったわけで、したがって、どこの地域のだれはどういう意見だとか、そういうことは今までは行ってきておりません。残された東京都は東京都で、どういうふうに過密を解消していったらいいかという問題はこれから十分審議をしていかなければならない問題だと思います。
○米沢委員 なぜ東京に一極集中したか。それはやはり東京に首都機能が集中して、そして政治の情勢も中央集権的で地方の分権が進んでいない、また情報がそこに集まるということが結果として東京一極集中をもたらした。同時に、経済界の立場からすると、やはり経済を伸ばさにゃいかぬ、企業ももうけさせにゃいかぬということで、やはり一番便利なところに集中する。個々の企業が個々の企業の論理としてやったけれども、考えてみれば、みんながそういうつもりでこういうふうにやってきた。そういう意味では、やはり経済が伸びていく段階では仕方がなかったと私は思う。 しかしながら、これから先、確かにそういう中央集権を是正したり首都機能を分散したりすることが一つにはあると同時に、やはり経済界としては、今日、もう既にいろいろと経団連として物の考え方等が発表されておりますが、やはり経済至上主義みたいな物の考え方、あるいは企業の社会的責任の問題、モラルの問題等々あわせて、単に首都機能が集中したから仕方がなかったのではなくて、これからはそれと同時に、それを是正しなきゃなりませんが、同時にやはり経済界としても、経済成長至上主義というのは、国際競争力をつけるためにただシェア争いをする、忙しいばかりで余りもうからないというようなもの等の質的な転換があわせて図られないと、結果として東京一極集中は、首都が移転したとしても意外に是正されていかないのではないかということが非常に問題として残るのだろうと思っています。 先ほどおっしゃったように、首都機能が東京から移転しても、移転した跡は緑地と公共的なインフラみたいなものにしてほしいとおっしゃった。私も大賛成でございますが、しかし、経済の機能あるいは金融の機能はこの東京に残るわけで、結果としては、首都機能は移転したけれども、経済の都市として、国際金融都市として逆にどんどんどんどん大きくなっていくというようなことにつながっていくのではないか。ある程度必然性はありますが、同時に、特に経済界自体もやはり意識的に地方に出ていくとか業務移転をするとか、あるいは今までの企業経営のあり方等にも反省を持って社会的責任を痛感した上で、東京に行くのが一番便利だけれども、しかしやっぱり東北に行こうとか九州に行こうとかいうような一つの経営哲学みたいなものが変化していかないと、実際は言うばかりで難しいのかな。しかし、実際はそういうものがうまく指導できていくのかどうかというあたりについて、経団連の会長としての御見解をお伺いしたい。
○平岩参考人 今企業はかなり考え方が変わってきていると思います。それは、今までの例えば効率第十主義ではもう成り立っていかない、大量生産、大量消費の時代はもう過ぎている、そういうような認識、それから地球環境の問題、それから足元の廃棄物の問題、そういうものも含めて、それから消費者、生活者の立場、そういうものを考えて企業が企業行動をしていかないと、もう既に企業としての存立は認められなくなりつつある、こういうことを企業の人たちはかなり認識していると思っております。そしてそういう方向へ向かいつつあると思います。
○米沢委員 もう一つは、広域的な取り組みという件に関して、私は、現在の市町村の境、生活圏が大きくなる、経済圏も大きくなる、にもかかわらず市町村の壁は、みんな線は明治時代からできたような話なんだ。まさに今、山口さんと見解を異にするかもしれませんが、現在の地方自治体の線引きを前提にして幾ら分権しても、分権の効果はあらわれてこない。私は、やはり広域的な取り組みからは、道州制みたいなものを積極的に導入して初めて分権してそれが生きる、権限移譲もまた生かして使われるかということになっている、もう既にそんな時代になっているのではないか、そう思うのです。先ほど、東京一極集中は首都機能が移転したとしても、やはり地方分権がなければだめだとおっしゃったが、同時に地方分権そのものも、やはり分権した結果、それがいわゆるこれからの経済の問題等にもうまく対応できるというか、耐えられるものでなければ、地方分権は言葉だけにすぎない、あったとしても戸惑うだけだという議論になっていく可能性がある。その辺、経済界として地方分権というものに対してどういう期待を持っておられるか。私は、経団連として道州制をもっと積極的に言ってもらってもいいのではないか、そう思っております。
○平岩参考人 道州制がいいのか、それはこれからの議論だと思いますけれども、何らかの地方分権を、地方へ権限をおろした場合に、その規模がどのくらいの方が適当であるかという問題、道州制がいいのか、あるいは道州制の大きさはどのぐらいのものだとか、これはこれから本当に論議をしていかなきゃいけない問題だと思っております。
○米沢委員 最後に、経団連として調査団を派遣されて勉強されておると聞きます。キャンベラでもボンでもブラジリアでもそれぞれ歴史的な、環境やいろいろあってそういうものになっておると思いますが、そういう意味では、今、日本もこういうものに直面して汗をかいていただいておるわけですが、外国の例を見ながら、特にこんなことをしたから本当にうまくいったんだなという参考になるような事例はなかったのでしょうか。
○平岩参考人 一つは、もともと道州制をしいていたところは大体州が中心で行われておって、そういうところは、権限を移譲しても割にうまくいっているということだと思います。
○西田委員 大変御貴重な時間をお割きいただきまして、ありがたく思っております。若干の時間が残っておるようでございますので、私の方から三点お尋ねをいたしたいと思います。 実は御案内のように、過般、国土庁長官の諮問機関である懇談会から「中間とりまとめ」の報告が出てきたわけであります。その中で非常に注目を引きますことが何点かあるわけでございますけれども、特に、政治、行政、そういうものと経済とを分離して、いわば政経分離の状態で新しい首都というものは考えていくべきである、こういうことが言われておるわけでございますが、日本経済にとって、あるいは経済界にとって政経分離という考え方はどう見ておられるか、お尋ねをいたしたい。 それと同時に、もし新首都というものができた場合に、またずるずると経済界というものは新都の方へ移っていく可能性があるかないか、この点について、お話しのできる範囲内でお聞かせをいただきたい、このように思います。
○平岩参考人 有識者会議の中でも、国土庁の懇談会の中間報告を受けまして、政治・行政機能と経済機能の分離について議論が行われておりますけれども、私個人としては、一極集中というのを防ぐ意味で政経分離の考え方は基本的に適当であると思っております。 なお、政治・行政機能が移転した場合に、民間の本社がまたそっちの方へ移っていくのかという御質問だと思いますけれども、経団連が平成三年にアンケートをとりまして、その中で、国会や政府中枢機能が移転しても、その移転先に本社、本店を移転するかどうかという問いに対して、移転をしないという回答をしたのが過半数、五九・五%ありまして、追随するにしても、日ごろから行政機関と接触の多い本社の一部の部門が移るだけではないか、こういう感じがいたします。
○西田委員 二番目の問題についてお尋ねをいたします。 先ほど来、地方分権という問題が非常に、首都機能の移転の核心に触れた御発言が多いわけでございます。私も、現在非常に中央へ権限が集中しておりますが、これは権限移譲をしていかなければいけない、あるいは規制緩和を進めていかなければいけない、こう思っております。 ところが、これは全く私の拾い読みでございますから参考にも何にもならないのですけれども、この前、ゴルバチョフさんが日本へ訪ねてまいりました。ある新聞社の講演会で大変おもしろいことを言っておるのを見かけたわけであります。先ほど御指摘がございましたように、地方分権の最たるものとしてドイツを取り上げておりますし、また日本の現状というものを比較しております。それからもう一つは、最も中央権力、権限が集中をしておりました旧ソビエト連邦を例にとって、やはり権限、機能というのはある程度適量感覚というものを失ってはいけないのではないか、そういうことを言っておるわけであります。国の機関というのはやはり一つのまとめ役として、先ほどいろいろお話が具体的に参考人の方からもあったわけでございますけれども、まとめ役としてある程度の権限というものは持っておらないと、何もかも全部地方分権をしたらそれでよいということにはならないのではないかというような意味のことをしゃべっておるわけでございます。 それで、地方分権の問題については、私も冒頭申し上げたように同感でありますが、この件について、私がお話ししたことも加えながら御意見を聞かせていただければありがたい、このように思います。
○平岩参考人 有識者会議の席上でもお話を伺いましたし、またほかの専門家の御意見もいろいろと会議で伺いましたけれども、各委員の御意見の中にも、首都機能の移転には規制緩和あるいは地方への権限移譲を伴う必要があるという意見が大部分でございました。また一方、首都機能移転が小さな政府としていくきっかけとなるとの御意見もありました。私個人の意見といたしましても、規制緩和あるいは地方への権限移譲というのは非常に大切な問題だと考えております。 なお、経団連でも平成二年に「土地需要の分散方策として、国・地方を通じ規制緩和を徹底したうえで、許認可権限の地方移譲や道州制等広域行政の推進により地方分権を進めるとともに、国会や中央省庁等の移転を含む遷都等についても本格的な検討に着手すべきである。」こういう考えを打ち出しております。
○西田委員 最後に、もう一問だけお願いをいたします。 実は冒頭、金丸委員の方から、今まで有識者会議、懇談会、国会決議、それからこの問題に手を触れてから十五、六年という経過を振り返りながら、この時点で何らかのステップをしていくべきではないかというようなお話がございました。 実は当委員会におきましてもいろいろなことが議論をされておるわけでございますけれども、まず、これだけの大規模な事業でございますから、いろいろな数限りない法律がたくさん必要になってくると思うのでございますけれども、まず第一段階として、例えば先ほどからお話の出ている、国民にわかりよい首都機能移転の考え方、理念というようなもの、あるいはその中でどういうことを一つの検討の指針として、例えば先ほどのお話にも出ておりましたが、東京の跡地をどうするかという問題、それから地震、災害等にどう対処していくかという問題、こういういろいろなことの検討指針というものを明らかにしていく。 それからもう一つは、何といっても大事業でありますから、調査会あるいは審議会かもしれませんけれども、そういうものを設置して、そして先ほどお話がありましたように、国民世論の形成にいたしましても、あるいはあらゆる角度からの検討にしても、一つの初動的な法律の中で出発していくべきではないかという御意見が非常に強いわけでございますけれども、この点について、参考人からお考え方があるならばひとつお示しをいただきたい、このように思います。
○平岩参考人 有識者会議ではまだその議論はいたしておりませんけれども、会議の中で、首都機能を移転するためにはまず法律がどうしても必要だ、そういう意見とか、あるいは国民世論の後押しかどうしても必要だという意見がございます。 私自身は、先ほども申しましたように、国民の合意形成を促進するためにも、何らかの基本法のようなものを第一段階として制定することが好ましいと考えております。
○西田委員 ありがとうございました。
○井上(普)委員 御苦労さまでございます。 まずお伺いいたしたいのは、先ほど、広域行政と地方分権が必要だ、こうおっしゃっておられますのでございますが、この広域行政というのは自治体と考えていいのでございましょうか、どうでございましょうか。 今の考え方としましては、各省とも、大蔵省で申しますと財務局あり税務局あり、あるいは建設省でございますと地方建設局あり、通産局あり、各地に分散していますね。これの強化をするのか、あるいはまた、広域行政それ自体を自治体として、すなわち道州制の自治体としての考え方を持っていくのか、ここの考え方が非常に難しいと思います。これが第一点です。 第二点といたしましては、そういうような自治体の道州制まで考えるとすると、非常に時間がかかってまいります。私ども、この首都圏の問題につきまして最初からやっておるのでございますが、十五、六年たってようやくここまで来た。今の平岩さんのお話でございますと、あと数十年かかるというのだが、これは時間がかかり過ぎると私は思っております。これが第二点です。 これは明治遷都のときにも、東京遷都のときにも、ともかく京都の府民が非常に反対いたしました。東京遷都に対してはともかく反対が強うございました。とうとう、明治天皇さんは一度東京へお越しになったけれどもまた一度お帰りになって、今度、三百万円を京都府に寄附金としてお渡しになってお帰りになって、これは東京に決まった。一番反対したのが公家さんだったようですね。ですから、先ほども金丸さんがちょっとおっしゃっていましたように、一番反対するのは、筑波学園を見ましても役人です。そういう役人が反対をするというのは、やはり環境整備ができていないからということもあると思うのです。そういう面からすると、一体人口六十万で済むのかなということが考えられます。 それから、今度出されている中間報告を見ますと十四兆円ですね。国有地を使ったとしましても、十四兆円というのは日本の財政規模からすると大したことないんですね。ですからこの際は、先ほども申しましたように、幸いにしまして首都機能移転という決議につきましては、共産党を除いてすべての政党が賛成いたしておりますのでございますから、もう矢を放っていい時期ではないか。もちろん、先ほどもおっしゃいましたように国民的合意というものは必要ではあります。必要ではありますけれども、それを国民的課題として今大きく取り上げて、そして国民に問題意識を投げかける時期が来ておるのではないかと私は思うのでございますが、いかがでございましょう。 と申しますのは、私、いつも言っているのですけれども、前々から汐留あたりの利用などが出ています。虎ノ門との間のわずか八百メーターか九百メーターの道路を、これは戦災復興都市計画事業で計画しておるのでございますが、四十数年たってもできていない。この八百メーター、九百メーターの道路に要する金は九千億円。もはや国家財政ではこういうような東京都の改造ということは難しい状況に相なっておると思いますのでございますから、もはや機は熟した、早く国民の皆さん方に問題意識を有識者会議としても大きく投げかけていただく、それが先ほどの金丸先生の基本法の問題ではなかろうかと私は思うのです。 この三つの点についていかがお考えでございましょう。
○平岩参考人 広域行政、道州制は自治体であるかどうかという点は、私は、自治体だと考えております。 それからもう一つ、国民の声を盛り上げる、そのためにもまず法律をつくることが、基本法みたいなものをつくることが国民の気持ちを呼び起こす一つの大きなきっかけになるという気がいたします。
○井上(普)委員 以上です。
○村田委員長 以上で平岩参考人に対する質疑は終了いたしました。 この際、平岩参考人に一言お礼を申し上げます。 平岩参考人におかれましては、貴重な御意見をお述べいただきまして、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。
○平岩参考人 どうもありがとうございました。
○村田委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時三十一分散会