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123回国会衆議院1992/03/10

国会等の移転に関する特別委員会 第4号

発言数
38
登壇者
8
会派数
4
開催日
1992/03/10

会議録

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 これより会議を開きます。  国会等の移転に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として首都機能移転問題に関する懇談会座長八十島義之助君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     ―――――――――――――

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 この際、八十島参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ御出席をいただき、まことにありがとうございます。何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、議事の順序でございますが、最初に三十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  それでは、八十島参考人、お願いいたします。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 八十島でございます。どうぞよろしく。  首都機能移転問題に関する懇談会の「中間とりまとめ」ができましたので、それを中心にして御報告いたします。  この懇談会の検討及び「中間とりまとめ」の趣旨からまずお話しいたします。  この懇談会は、国土庁長官の求めに応じまして、国会等の移転決議を受け、首都機能の移転を前提とした上で最も効果的かつ望ましい方策について検討するため、平成二年一月より開催いたしました。このたび首都機能移転に関する国民的規模での議論に資するため、検討結果を中間的に取りまとめたわけでございます。  もう少し詳しく申しますと、平成二年一月に国土庁長官から私的諮問機関としてこの懇談会の設置が認められました。構成メンバーはほぼ三十名でございまして、私、座長をお務めすることになりました。その後、今日まで懇談会は十二回開催いたしました。また、懇談会途中より小グループを懇談会メンバーの中でつくりまして、この小グループが八回開催されました。つまり、前半におきましては、主として各界のこれに関心の深い有識者においでいただいて、まず懇談会としては意見を伺いました。それで、後半に入りまして、ちょうど国会の移転決議が出まして、それからは、その移転決議が出ましたので移転を前提として、どういうようなものが最も効果的で望ましいか、そういう方向に問題を絞りまして作業を進め、それは主に小グループが原案をつくりまして本懇談会で審議をする、そういう格好で「とりまとめ」に至ったわけであります。  時間がありませんので、あらまし重要と思われます点につきまして申し上げたいと思います。  まず、首都機能移転の必要性と目的であります。これは、私ども検討しまして三項目挙げました。それぞれ大変関係がございますけれども、一応整理をしたわけであります。  まず第一は、首都機能移転により、二十一世紀にふさわしい国土構造の実現を図って、我が国の経済的豊かさに見合った真の豊かさを実感できる新しい社会を実現する契機とする、これを期待しようということであります。今まで日本は、追いつき追い越せということで、経済成長中心に努力をしてまいりました。しかし、ここまで来まして、大体その一つの目的は達成されまして、むしろこれからは世界との友好親善、あるいは世界に対する貢献、それが主な課題となりまして、そのために、開かれた経済大国になっていくという方向が出てきたと考えております。  そういう意味で、日本は今までと違って新しい段階、よい意味での次の段階に移る時期に来た、これがやはり国土構造を見直すという時期にちょうど遭遇し、首都機能移転というのはそれを裏づける一つの課題であるということを我々は考えたわけであります。ですから、首都機能移転というのは一極集中の是正ということで一口に言えるかもしれませんが、多極分散の国土、新しい社会への対応、例えば、現在、ともすると日本は東京、東京が日本の顔という非常に一義的な関係で結ばれていましたのを多極分散で、つまり、三十七万平方キロすべてが日本である、日本の首都というものはまたそこに一つあるという形が念頭にありまして、そこで情報の公開性とか、新しいライフスタイルをそこから実現させていくとか、国際化をこれからますます広げていくとか、それから、新しい意味での経済発展に資するとかいうことを、この首都機能移転によります一つ図ろうというのが第一の目的であります。  第二は、首都機能移転によりまして、現在東京が抱えております住宅問題、長距離通勤問題など、いわゆる過密問題の解決に寄与して、都市機能の発展と都市整備の進度がバランスすることを期待しているというわけであります。これが第二の目的でございます。これは、いわば東京の質的向上をこの際、大いに図るということであります。  第三は、首都機能移転によりまして、東京が地震などの大規模災害に見舞われた際に予想される 国内外への影響が最小限になることを期待する。これは東京都民の災害対応でもあるし、また、東京は今世界に向けての影響力、経済的影響力、あるいはそれのもとになる情報の発信地でありまして、それが地震によって崩れるということは、国際的に大変迷惑をかけることにもなる。そういうことに対応して、つまり国の内外への影響が最小限になる。  こういうふうに、二十一世紀にふさわしい国土構造、あるいは東京の大都市問題、あるいは東京の地震対策、こういった三つが今回の首都機能移転の必要性と目的、こういうふうに私どもは考えたわけであります。  それで、その首都機能移転についてまずどんなことを考えたかと申しますと、政治・行政機能と経済機能を分離し、政治・行政機能に純化した新首都を想定することにいたしました。これはいろいろ考え方がありまして、何も分離しなくてもいいとか、あるいは経済だけ転出してもいいというような考え方もあるでしょうが、私どもは、政治、行政を新首都に移し、経済は東京にほぼそのまま存置して発展させていくということを考えまして、首都機能は原則としては今のような形に段階的、計画的に移していくということをまず基本的な考え方、つまり政治、経済を分離するということを考えたわけであります。  そういうようなことをいたしまして、それではどのくらいの人口、面積、費用がそのために必要か試算いたしました。これはもちろん現在の東京の首都機能、政治、行政を今のまま、そのまま移すことがいいかどうかという議論もありましょうが、試算の過程においては、現在の東京における首都機能、これを洗い出しまして、それがとにかく移転する、そういうことを前提にしましたところ、新首都の人口は約六十万人、もちろん夜間人口であります。それから、面積は約九千ヘクタール、これは筑波研究学園都市の約三倍と言われております。日本で今まで大きな開発、筑波がそうですが、例えばニュータウンでは千里、大阪のそばに千里というのがありましたが、あれはほぼ一千ヘクタール、また成田新国際空港も一千ヘクタール。ですから、かなり大きな規模でありますが、東京にあります首都機能をそのまま洗い出して持っていこうとしますと、ここにありますような六十万人、九千ヘクタール。人口は六十万人、面積は九千ヘクタールということになってまいります。それから費用は、その間の移転費約十四兆円というふうに試算されまして、これも従来のいろいろな実績値からとりまして、従来の実績値からはじいた金額が十四兆円ということであります。ただし、道路とか鉄道とかそういういわゆる基盤設備、インフラと申しますか、そういうものはこの際除いて計算した値であります。  それから、それではそういう新首都をどういう形で開発していくかということであります。  今回、私どもいろいろ議論して出しました考え方は、クラスター方式という考え方をとりました。クラスターは、字引を引かれますとブドウの房といったような書き方がされておりますが、いわば小都市群、つまり、九千ヘクタールを一団地にして開発するのではなくて、それを幾つかに分けて、房のようにして新しい都市をつくっていくという方がより現実的であろうというふうに考えたわけであります。それをなお、段階的クラスターということを持ち込みました。これは、移転が実現するまでの社会経済情勢の変動に対応できるような、自由度、弾力性を確保するということ、あるいは、新首都に立地する機能を一定の地域内に立地することがふさわしいものに分化していく。そのためには、逐次、時代、事情の変化に応じてそれを検討していく方が合理的だというので、一どきにすべてを移転するのじゃなくて段階的にやっていこう、つまり段階的クラスター方式ということをここで打ち出したわけであります。もちろん、国会及び国会関連部門がまず最初に移転するということでありますが、中央省庁につきましては、今後の地方分権、規制緩和などの進展への対応のため、国会とともに計画的、段階的に移転する。これもやはりまとめて、国会は国会でまず移転する、省庁は省庁で移転するというのじゃなくて、組み合わせながら最も適当な方式で移転していくということであります。  それから、首都機能移転、これは災害のことを考えますと非常に緊急を要するものでありまして、そういうふうに段階的にやるということは、現首都の非常時には新首都を現首都に対応する代替・補完機能として活用するということもできるということを考えたわけであります。  それで、移転先の問題であります。具体的にどこにするというようなことは、世上時々話題になりますけれども、私どもの懇談会では、まだ議論はその前段階であると考えまして、具体的な移転先については我々は検討いたしませんでした。ただし、移転先について、条件を検討いたしました。  その条件の第一は、これは一つの考え方でありますが、既存都市とは離そう、既存都市地域を避けようという考え方を我々はとったわけであります。  もうちょっと細かい点を申しますと、地震、火山による災害の危険の少ない地域であること。それから、地形が急峻でないこと。日本は三分の二が山地でありますから、急峻でない平地だけを求めるというのは必ずしも容易なことではありませんが、急峻な山地になってしまいますと、どうしてもこういう都市的な地域はつくれないので、とにかく急峻な地形は避ける。  それから、十分かつ安定的な水供給を行える地域であること。水は生活のもとでありますから、水が手に入りませんと、都市として成立いたしません。そのために、水のことは、非常に物理的と言われるかもしれませんが、これはよく考えておこう。  それから、均衡ある国土の構造の実現のために、東京圏は避けた方がよい。先ほど、既存の都市地域は避けると申しましたが、特に東京の場合は、それに匹敵するどころか大いに関係がありますので、東京の場合は、一応のめどとしまして六十キロは少なくとも、少なくともです、六十キロ離したところにということじゃなくて六十キロ以上離そう、こういうことを考えております。  それから、交通の利便性にすぐれていること。これは言うまでもございませんが、東京とこれからは共存していく新首都であります。ですから、東京と不便であってはいけません。それから、東京の国際性と新首都の国際性は少し違いますが、新首都も、政治、外交という面では外国と非常に関係があります。ですから、国際的な交通についてもかなり配慮しなくてはいけない。つまり、いずれにしても交通の利便性にすぐれているということを考えました。  当然でありますが、最後にもう一つ、土地取得が容易であるように地価が比較的低廉であること。これも非常に大事な基本的な条件かもしれませんが、これは移転先地に求められる条件として当然取り上げるわけであります。  そこでその次に、ではそういう移転先地の土地対策であります。  当然、首都機能移転に伴う投機は防止しなくてはいけません。それから、どうやって取得するか、土地取得対策、それから、土地利用をどうするかということについて検討する必要があります。土地利用につきましては、九千ヘクタール全部を初めから非常にかたく計画をするということは、この隊とりません。もちろん、いよいよ、このクラスターに整備を始めるという段階に入りましたら、そのクラスターについてはしっかりした計画を立てていくということでありますが、全体を最初に一どきに計画するというのは時代に対応できないおそれがありますから、また、そういうことはしませんで、一つ一つ計画は立てていく、こういうような考え方であります。  実際にそうやって土地を取得するのにどうしたらいいかということでありますが、例えば、国土利用計画法の中には、規制区域を設けることができるというような条項があります。これを利用するということも考えられます。それから、新住宅 市街地開発法といった法律もありますから、これを利用することも考えられます。それから区画整理法。区画整理事業は今方々でやっておりますが、これも考えられます。ただ、こういうものは、区画整理で道路は生み出せたけれども、土地の所有権はもともとの地権者が持っているということで、本当に新しくいい土地をつくるための整備手法かどうかは問題が残りますが、とにかく、区画整理事業で持っていくということもあります。それから、場所によっては単純買収をしていくということで、いずれにしてもこの問題は非常に難しいので総合的に、あるいは税金対策もありますし、優遇金融もありますし、総合的に今後検討していかなくてはいけないだろうというふうに見ております。  それから次に、新しい首都像であります。  確かに首都機能が移転して、国会、中央省庁といったようなものは移転するわけですが、どの辺から移転をするかということにつきましては、これは当然首都機能という言葉の中に含まれますが、立法府、それから国会議員事務所、宿舎、秘書の事務所、宿舎、それから両院の事務局、それから司法府につきましては最高裁判所及び研修所とか図書館、もっともこういう司法府などにつきましては、さらにしかるべき機関と今後の相談が必要かと思いますが、挙げるとすれば、司法府としてはこういうものが挙げられる。それから行政府としては、中央省庁の内部部局及び一部の附属機関、すべて、全部という必要はありませんが、重要なところはやはり当然移転させるわけであります。  こういうようなものがまず首都機能として第一に挙げられますが、どうしても外すことができないのは、この際、準首都機能という言葉を使いましたが、非常に政府に近い特殊法人、これはやはり一緒に移転しなくてはいけないものだと思います。それから大公使館、これはどこの首都でも移転するときには必ずまず用意しております。ブラジリアあるいはキャンベラあたりでも初めから非常にしっかりした場所をそういう大公使館敷地として用意をしております。それから政党本部、それから地方公共団体の連絡事務所など、さらに民間企業も、これは首都機能ですから民間機能のことは考えなくていいかもしれませんが、やはり民間企業の中のかなり政府、政治と関係のある部局などは一緒に移転した方が将来の効率のためにはいいだろう。  そういうようなことがまず首都機能の従業者として考えられまして、私どもの推算ではそういう従業者が、つまり昼間働く人がほぼ十万人、これはさっき申しましたように現在の数字でありますが、十万人ぐらいになります。それで、十万人昼間働く人がいれば当然家族もいるというわけで、家族は十万人の従業者に対して平均すれば二十万人ぐらいだろう。そうしますと、ここで三十万人の夜間人口の数字が出ます。それで、三十万人の人が都市生活を送る、そこには教育施設も必要ですし、ある程度文化施設も必要ですし、医療施設、商業施設、そういうサービスを行う施設が当然必要で、三十万人の首都機能従業者とその家族が暮らすにはほぼ同数のそういうサービス産業従業者というものが必要で、またその家族が必要で、そこでさっき申しましたような六十万という夜間人口が出てきたわけであります。  新しい首都像というのはまずその辺が前提になっておりますが、しかしこれからつくる、もちろん地震対策といった緊急性もありますけれども、日本が新しい首都をつくるというのはそれなりに、にわかづくりではなくて二十一世紀の日本の首都である、もちろん豪華、華美なものである必要は少しもありませんし、ただ権威だけを象徴する必要もありません。現に、最近できました、国の規模はまるきり小さいのですが、キャンベラの首都にある国会議事堂などは、高く立ち上がった塔などは持っておりません。もう実に何か庶民に近いといったような雰囲気を出した建物をつくっております。そういうようなことは今後も当然顧慮すべきでありましょうが、しかし、いずれにしても日本の首都であるということで、しっかりしたもの、それにふさわしいものをつくっていかなくてはいけないと思いますが、要するにこれからの首都機能というものは、国民に開かれたものである必要があるだろう。  それから、当然東京とよく連携がとれる、つまり共存するということを念頭に置かなくてはいけない。それで、国際的、外交的な機能を持ち、これは後で申しますが、やはり新首都では政治、行政面での外交という意味での国際的機能である。つまり、東京は経済都市でありますから経済都市としての国際機能は当然持ちますが、新首都では政治、行政に関する外交、つまりそういった意味での国際機能を持つ。当然ここは住みやすいところでなくてはいけない。働く人も働きやすい場所、住むにも住みやすい。今の東京のような、通勤に二時間近くもかかるというようなことはここで再現させないという配慮が必要である。これが新しい首都像であります。そして、これは世界に開かれると同時に、全国的に開かれるということは当然ですし、それから美しいということもこれからの日本にとっては必要なことであるし、また、当然ある適度な高度科学技術も取り入れて、能率の上がる都市機能でなくてはいけない。そういうようなものが新しい首都像として私どもはイメージしたわけであります。  では、残った東京はどうかというわけでありますが、東京は首都機能が移転したというので、再び諸機能の再集中を引き起こさないようなことは当然考えなくてはいけません。しかし、そうかといって、移転したのはあくまでも政治、行政でありまして、経済、文化、いわゆる一般的なビジネスは東京が日本の主役である、そういう地位はこれからも保っていってもらいたい、そういう意味で、東京圏にとっては新しいビジョンをこの際、またつくってほしいと考えております。  首都機能が移転しますと、六十万人がそちらに移りますから六十万人の夜間生活、それから先ほど申しました二十万人の昼間の生活のための場所があきます。早い話が、現在、国会議事堂を中心としまして永田町、霞が関、ごく小さく見積もりますと一平方キロの中に入ります。一平方キロというのは百ヘクタールに当たります。これなどは今後新しい使い方を考えていい場所でありますし、そういう場所が東京にたくさん、大小さまざま散在しております。そういうような跡地をどうするか。これは当然防災のためにも使いますし、大都市問題で困っている、土地がなくて困っている問題もありますからそれの対策にも充てる、それから国際的、文化的な施設にも充てるというようなことで、この跡地をうまく、東京の形がよくなるようにこれを活用するということがこの際大事かと思っております。  こういうようなことで、私ども「中間とりまとめ」はまとめましたが、それでは何が残った問題かと申しますと、まず国民的合意形成を促進しなくてはいけないということであります。私どもとしては、できるだけのことをしまして「中間とりまとめ」まで持ってまいりました。しかし、やはり国民の意識との関係が最重要課題でありますので、経済界、労働界、消費者団体などから十分これについての意見を伺いたいということが第一であります。  それから第二は、取り残された課題があります。移転に際して必要となる地方分権、規制緩和など行政の整理合理化のあり方、これなどは私どもの懇談会が触れる問題ではなくて行革審がやっておられますが、これは首都機能にかなり影響が出てくるところであります。皇居についての考え方、それから先ほど申しましたように条件は、一般条件は申しましたが、首都の具体的な場所については触れておりません。それを具体的にどういう形でどこに選ぶかということ。それから、移転時期についても我々は触れませんでした。災害対策からいいますと、これは一刻も猶予はできません。しかし、そうかといって直ちにすべてができるというわけではありませんから、時間、スケジュールが当然必要でありますが、そこまで我々 としては触れませんでした。  それから土地対策、先ほど申しましたように、在来の法制だけで解決できるかどうかということは非常に大きな問題であります。それから事業実施主体、それから財源十四兆と申しましたが、これはどういう形の財源を使うか、それから都市経営のあり方、こういうような問題はそのまま残されているわけであります。  我々懇談会は、国土庁長官の諮問機関で鋭意勉強はしてまいりましたが、そこまでいきますと、どうももっと本格的な場所で御議論いただかなくてはいけないかと思いまして、我々の懇談会としましてはそこまでは触れないでまいりました。ということは、逆に言えば残された問題というふうにお考えいただきたいと思います。  大体以上が今後の課題でございます。そういうような今後の課題を残しながらも、一応先ほど御説明を申しましたように「中間とりまとめ」をいたした次第でございます。  以上でございます(拍手)

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。     ―――――――――――――

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  御発言は、委員長の許可を得てお願いいたします。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 まずお尋ねしたいと思うのですが、これは「中間とりまとめ」ということで、内容、お考えについて御説明を賜りました。  今後の課題として一番最後に幾つかの問題を挙げているのですが、これは他の機関でむしろ相談した方がいいのではないか、地方分権の問題とか規制緩和の問題とか、皇居をどうするかとか、あるいは移転場所をどうするとか、時期をどうするとか、それから土地対策、事業主体、財源の問題その他と触れておるわけですが、そうしますと、首都機能移転問題に関する懇談会としては、これは中間ですから、今後何を議論し、何をおまとめしていこうと考えておられるのか、まずそれをお伺いしたいと存じます。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 「中間とりまとめ」以降の懇談会の作業でありますが、これは先ほど申しましたように、国民的合意形成で、国民的にいろいろな各階層の意見はこれから例えると思っております。それから、懇談会としてある程度のアンケートもできると思います。そういうようなものを入れまして、修正すべきところは修正するし、また補えるところがありましたら補いまして、最終報告を大体六月をめどに考えております。  以上でございます。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 そうしますと、今後検討すべき課題として挙げられた問題については、懇談会としては議論の対象外だ。結局、懇談会として議論をしてまいりました問題について、各方面の意見を十分聞いてこの六月に最終答申ということだと思うのですが、しかし、地方分権の問題にしろ、規制緩和の問題にしろ、皇居をどうするかというような問題にしろ、また東京を今後どうするか、東京の場合は他の道府県と機構が違っていると思います。二十三区は直接都が所管をする形になっておりまして、二十三区は他の府県における市町村のような完全自治体にはなっておりません。そうしますと、新しい新都ができました場合のその後の東京都、自治体上して一体どうするのかというような問題は当然議論しなければならぬ問題だろうと思うのですが、そういったような問題も要は行革審その他にお任せをする、あるいは国会の特別委員会その他で大いに議論してくれということなんですか。その点、さらに重ねて承りたいと存じます。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 今のことにお答えする最初の段階ですが、先ほど御説明した中で、もうちょっと煮詰めたいというところが実はちょいちょいあります。これは、我々も懇談会で当然煮詰めていくべきだと思います。  ところが、最後にお話ししました地方分権、規制緩和あるいは特別区の問題といったようなことになりますと、かなり行政、政治が絡んできまして、とても、私どもだけで答えを出しても余り意味がないだろうと考えておりますので、それは今後の課題として残しておきたいと思っております。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 最後に、その問題はおきまして、お話しいただいた中身の問題で二つばかりお尋ねしたいのですが、一つは、九千ヘクタールほどの土地が必要であって、六十万人程度の新都市、費用は十四兆円、こういうことでございますが、結局、問題は、東京の場合、地震の大変多発地帯にある、災害的にも問題だ。それからまた、一極集中の被害が出て交通難あるいは住宅問題等々大変だ。したがって、十四兆円あればこのような問題も解決できるのじゃないか、何も新しい都市をつくらぬでもという意見もあろうかと思うのです。それに対して一体どういうお考えであるのか。  それからいま一つは、結局、災害等を言うのだけれども、それでは国会や政府は東京を見捨ててよそへ行って、安全なところへ行ってしまうのか、そうなると、東京都民は大変じゃないのか、こういう御意見もないではございません。そういったことに対して、八十島さんとしては、あるいは懇談会としてはどういう御意見でこのような中間まとめをお出しになったのか、最後にそれを承っておきたいと存じます。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 これから申し上げることは若干私見がまじりますので、その点御容赦いただきたいと思います。  確かに、十四兆使えばもっとほかのことができるだろうという御指摘でございました。しかし、現在いろいろな他の法制、立法措置もとられております。例えば、これはまだ国会に出ていないかもしれませんが、地方拠点都市地域整備、産業業務施設再配置措置法といったような法律がこれから出るだろうということが新聞に出ております。それから、首都圏は首都圏で業務核都市構想もありますし、現に七十幾つかの行政機関が地方に転出するという計画もありまして、この東京の過大都市問題というのは、そういうものが全部一緒に歩調を合わせて進んでいく。ですから、六十万人だけ出たのでは、千万の東京都民あるいは三千万の東京圏民の助けにならないだろうということになりますが、そういういろいろな対策がだんだん進んでいくというときに、私は、相当な効果がある、十四兆以上のものが結局そこで使われます、それ以上の効果が出るということが考えられます。  それから、特に首都機能移転ということがここでうたわれました意味合いは、例えば、実際には官公庁の職員よりも一般民間人の方がはるかに多いのですから、民間の人に先に出てくださいよと言っても、これはやはりまず隗より始めよということもありますし、首都機能移転ということも進めながら、それに触発されて一般の方も特に東京におられなくてもいい方が出ていかれるということで、やはり十四兆円というのはそれなりの効果がありますし、大きな刺激になるということが一つであります。  それからもう一つ、国会が東京を見捨てるというのはおかしいじゃないかということですが、これもやはり同じことで、国会が見捨てるだけじゃなくて、ほかも一緒に行きましょうという気持ちが言外に含まれている、私は、これは私見でございますが。そういう意味で効果があるのと同時に、それから、国会が移転して行政機関が移転するということは、相当な跡地が出ます。その跡地はぜひひとつ防災上、もちろん国際的に、あるいは東京をさらによくするために使っていただくということで、防災にもこれを活用してください。例えば、今東京にかなりたくさん避難所といったようなものが設定されておりますし、少し離れますと防災基地というのがありますが、これをお見受けしますと、場所探しで随分苦労しておられるようです。そういうところにはこれがかなり助け になるという意味で、単に国会が逃げ出すということにはならないというふうに私は考えております。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 新首都の選定について、これが一番難しい問題だろうと思うのですが、その手法、幾つかいろいろと提案されているようでありますけれども、立地、そして例えば具体的にそこに想定される、先ほどの話では一つの大きな都市を想定するのではなくて幾つかの都市、クラスターという表現で言っておられますけれども、そういう立地をどういう形で、どういう手法で選定をしていくのか、その手法についてお伺いいたします。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 先ほど申しましたいわゆる段階的クラスター方式ということで、いわば新都市を次々にいい場所につくっていくというところまでは我々の「中間とりまとめ」の段階で決めました。それが九千ヘクタール、一団地を一生懸命探すよりはその方が実際に探しやすいという気持ちがありましたし、それからまた、時代が変わればさらにいいものをつくりたい、初めから余り決めてしまうよりもいいものがつくっていけるということまでは考えましたが、じゃ手法といって、こういうやり方がいいというところまで具体的に提示する段階までは行っておりません。これからひとつ検討課題だと思います。

平田米男公明党・国民会議

○平田(米)委員 どうも御説明ありがとうございました。  私、何点かお伺いをさせていただきたいのですが、まず、この首都機能移転の目的でございますが、大変立派な理由が、必要性、目的が書いてあるわけでございますが、もう一つ日本国としての、あるいは日本国民に対しての夢といいますか理想、何か新しいものをつくるんだというそういうようなものとして、目標として首都の移転ということは考えられないものなのか。二十一世紀、どんな日本が来るんだろうかという、高齢化社会を迎えるということが言われておるわけでございますし、国際化というふうにも言われておりますが、それが首都を移転することによってもう少し具体的に国民に示すといいますか、夢を明らかにするといいますか、あるいは夢を象徴したものにするというか、そういうような視点でとらえることはできないものでしょうか。  それから、首都機能の中に司法府も一緒にするという、国会と行政とそれから司法、立法、行政、司法が三つ一緒に行くということでございますが、一部には司法府だけ別にしたらどうかというようなことや、最高裁判所と一つにしたらどうかというような御意見もありますが、それをとられないで一緒にしたということについての理由がありましたら御説明いただきたいと思います。  それから、移転先地に求められる条件として六つほど挙げておいでになるわけでございますが、雪の問題でございます。冬になりますと、雪が深い、例えば北海道なんかへ行きますと大変雪が深くなるわけでございますが、仙台でもそうじゃないかという議論があるわけでありますけれども、そういう点についてはどのようなお考えなんでしょうか。  それから交通の利便性にすぐれていることということでございますが、これは国際空港に近いとか新幹線に近いというのは我々具体的に思うわけでございますが、その辺、もう少し具体的に言っていただけるならお願いしたいと思います。  それから問題は、質問が多くて申しわけないのですが、九千ヘクタールという構想でございますが、クラスター方式であるので、特に京阪奈みたいに、関西の学園都市みたいに幾つかの町があったところに、その中間にまた幾つか小都市ができて、それが連結をして一つの学園都市ができているわけでございますが、恐らくこの段階的なクラスター型開発方式というもの、そういうものを想定してみえるのではないかと思うのですが、そういう想定だとするならば、中間にある都市との関係を、既成の集落といいますか都市との関係をどのようにお考えになるのか、あるいはそれは中に取り込むのかどうか。  それからもう一つ、九千ヘクタールをまとめるとしますと九十平方キロ、四角でやりますと九キロと十キロに大体おさまってしまうわけでございますけれども、また、分散してクラスターにしたとしても後背地というのが都市としては必要ではないかと思うんですね。その後背地に対する考え方が特に出ていないような気がするのですけれども、これは都市が生きるためには、当然周辺の自然環境なり周辺の都市との関係というのは非常に重要ではないかと思うのですが、その点についてどういうふうにお考えになっておられるか。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 最初に、新首都像を描くともっと夢が描けることになるのじゃないか、この中に具体的なそういう夢を持てるような絵がないじゃないか、こういう御指摘だったと思います。これはたくさん各委員がそれぞれイメージは持っていると思いますが、しかし、それを今ここで出してしまいますと、それを選んでどれか一つに絞って出しますと、「中間とりまとめ」をごらんになった方が非常に固定的なイメージを持たれてしまう。そういうことがいいこともあるけれども、固定的なイメージができてしまったために基本的な大事な問題が置き去りになるのも困るということで、具体的なそういう夢を持たせるようなイメージ、あるいは当然場所もそうですが、それは今回は出しませんでした。  それから次に、司法府の問題ですが、これはやはり国会決議を受けて我々作業をしておりまして、司法府の方まで一体どこまで踏み込んで書けるかということもありまして、大体首都といえば立法、司法、行政が一カ所にあるというようなやや常識的な気持ちで入れてありまして、ですから今後の御議論でこれは独立して考えるよということになれば、それはそれで一つの行き方だと思います。  それから雪の問題の御指摘がありました。それで私どもとしては、先ほど申しませんでしたが、積雪の多いところは外したいという考えを持っております。  それから交通については、新幹線とか空港のアクセスがいいところに当然なるから、ある程度それで場所が縛られるだろうという御質問だったかと思います。確かに一般論としては空港に近接して、近接というか、とにかく利便性が非常に高いということ、それから日本じゅう、特に東京と連携がよくとれるということがありますので、一般論を具体化するとまた何かイメージがわきますが、これも首都が実際に移転される段階になりましたときに、一体そういうインフラがどういう形で計画され決定されるかまだわかりませんので、少なくとも今の段階では、具体的にはそれは別問題だ、当然アクセスが大事だということは我々強く声を大きくして主張はいたしますけれども、じゃそれなら新幹線の沿線だろうとか、そういうことは触れておりません。  それからその次に、九千ヘクタールでクラスター方式というと、途中にある町はどうなるのか。それで、私どもの考え方としては、途中に町があることもありますし、あるいは傾斜地が入ることもありますし、いろいろなケースがあります。それは一々、町があっちゃいけないとか傾斜地があってはいけないとかいうことは、私どもは申しておりません。ただし、大事なことは、クラスター間の交通は便利でなくてはいけないということを考えております。  それから、九千ヘクタールの周辺が大事じゃないかということは、まさに御指摘のとおりです。しかし、周辺が大事であると同時に、今申しましたようにクラスター間も大事で、その辺は、我々、そういう九千ヘクタールのクラスターまではこの中に述べておりますが、その周りにまだ大事な問題が幾つか出てくるものですから、それは今の段階ではどうしたらいいということまでは、つまり周辺はどうするとかいうことは触れておりませんが、ただ土地利用の点で乱開発にならないような、今調整区域にしておけば一応乱開発にはならないはずですから、そういう現在の法制などを利用して乱開発にならないようなことは考えていく。だけれども、どういう条件のときにどこをど うするかというところまでは私ども詰めておりません。  大体御質問はそれぐらいでよろしいですか。

平田米男公明党・国民会議

○平田(米)委員 今お答えいただいたことも含めてもう少しお伺いしたいのですが、後背地の確保の問題とかあるいは既成都市との関係については、今後煮詰められるのだろうと思います。後背地の関係とかクラスターの間に残る集落あるいは自然環境との間の関係、特に集落、既成都市との関係については六月、最終報告を出すに当たって煮詰められるのかどうか。  それからもう一つお伺いしたいのですが、今調整区域にすれば乱開発は起きないというふうにおっしゃいましたが、実は調整区域こそいろいろな形で今開発が起きておって乱開発の問題が指摘されておりますし、それだけではやはり厳しいのではないかというふうに思います。それについてどういうふうにお考えでしょうか。  それから、クラスターの種類について、一応ここの中では国会・中央官庁クラスター、それから業務系統、あと居住系統と三種類挙げておいでになるわけでございますが、それを段階的につくるというふうにストレートに考えますと、国会と中央省庁だけがぼんと一つ最初できてしまう。居住系との関係はどうなるのか。もう一つは、官庁だけのクラスターが一つできてしまうというのは、何かそこは昼間だけ動いていて夜はだれもいないのではないかというようなイメージになるわけでございますけれども、もう少し国会あるいは中央省庁があるところも、昼間も夜も人がいるようなイメージの方がいいのではないかというふうに思うのですが、その点どのようにお考えになるのかどうか。  また、クラスターの種類がまたさらにあるのかどうか。あったとしたら、つくるとしてどういう順番につくっていくのがよろしいのかどうか。  それから最後に、人口六十万人という想定でございますが、都市というのはどんどん膨張していくわけでございますね。やはり今都市の成長管理ということが言われるわけでございますけれども、やはりその辺をきちっとしないと、想定としては六十万であっても、これはいずれ百万とか百五十万あるいはそれ以上になってしまうということもあり得るわけでございまして、成長管理というようなことについてお考えがあるならばお示しいただきたいと思います。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 最初に、クラスター間の土地利用について六月の報告には書き込めるかという御質問だと思います。これはクラスター間が、山になるか国有林になるか町になるかあるいは普通の農地になるかというのがまだ全部出そろいませんし、六月までにきれいに整理してお出しするのはちょっと無理かと思います。  それから、調整区域だって乱開発をやっている、それは確かにおっしゃるとおり、調整区域とおぼしきところを通っても一軒農家が建っていたり、これは相続の関係で建つんだそうですけれども、そういういろいろ難しいことがあって乱開発とおぼしきことはありますが、先ほど私は、土地問題は事によったら新しい法制が必要かもしれないということを、つまり既存の法律だけでは律し切れない、とにかく新首都ですから、そのくらい覚悟を決めてやることだと思いますから。ですから、もし必要でしたら、そういう新しい法制の中でその問題に触れていってもいいかと思います。ただ、余りそういう規制的立法を外に及ぼすことがいいのかどうか、これは私見ですが、私は、やはり限界があるという気がいたします。  それから、昼間しか人が集まらないで夜は無人地帯になるのじゃないかという御心配、これは先ほど申しましたが、今度はクラスターがそういう無人地域にならない、つまり職住近接ということを考えまして、一つのクラスターの中にそういう住居地域も組み込みます。それから、事によったら宿泊所、ホテルみたいなものも入れる、そういうものをセットにしてクラスターをつくって、職住はできるだけ近接させるという考え方を私どもは盛り込んでおります。それから、中には完全に住居だけのクラスターも必要によってはつくっていく、多摩ニュータウンとか、あれがそれに近いと思います。そういう考え方でございます。  それから、六十万といっても膨張するだろうということですが、これもちょっと私見で、そこまで私ども懇談会で正式に議論はしておりませんが、余り厳密に六十万から一歩も出てはいけないとまで議論はしませんが、そうかといって、今、日本各地過疎問題で悩んでいて、また人がどんどん集まるところをつくるというのは全国的な意味で影響が出てくるかと思いますので、その辺を見ながら、六十万に対してどういう縛りが必要かということも今後の検討課題かと思います。  御質問に対しては大体以上かと思います。

杉浦正健自由民主党

○杉浦委員 二、三御質問させていただきます。  私も、村田先生の驥尾に付しまして、新首都は早期に建設されるべきである、首都移転については積極論者の一人でございます。日本がこれから世界の中で果たす役割が大きくなり、それが期待されている新しい時代に、古代の人は平城京、平安京という立派な都をつくったわけでありますが、時代は平成でありますので、雄大な平成京を建設すべきだと思っておる一人でございます。  その意味で、先生の大変な御指導力のもとに審議会が、今までの総論から一歩も二歩も踏み込んでいただいて具体的な御答申を願ったということは、大変ありがたいことだと思っておりますし、これによりまして、マスコミ等も取り上げて国民の関心は高まりましたし、首都移転事業が大きな前進をしたと大変喜んでおる一人でございます。  それを前置きさせていただいて、二、三その前提で御質問させていただきますが、まず新しい首都の移転先に求められる条件ということで挙げられております。まことに適切な条件だと思いますが、私は、それ以外にもう二つあるのではなかろうか、条件としては。皆さん方の審議会が挙げられた以外に加えられ令べき条件があるのではなかろうかと思っております。  その一つは、海に近いこと、つまり良港、よい港が得られるということ。つまり、日本は海国、海の国でございます。四方を海に囲まれておりまして、新首都を建設した場合に、やはり相当多数の人口がそこに集まってくるわけですから、相当大量の消費が必要だ。物を運ばなければならない。バルクの輸送については海外からの輸入もございますので、いい港が近くにあるというのが条件ではなかろうかというふうに思います。  もう一つは、このクラスター方式ということで御提言があるわけですけれども、やはりその港の近くに、新首都の近くに、首都機能の近くに長い歴史と伝統と申しますか、日本の文化の香りのする中堅クラスの都市が、美しい自然とか農村と同時に、そういう何らかの都市機能が近くにあるべきではなかろうかというふうに考えております。  例えば、小田原に移転した生命保険の会社が事実上立ち枯れになったというのも、結局周りに、わかりやすく言えば一杯飲み屋、赤のれん、縄のれんがないというようなところがあったわけでございまして、やはり日本人が主としてそこに住むわけでありますから、時には一杯飲みに行くとか、ちょっと出かけていく、そういう心が憩えるようなものが、何かそういう機能が必要ではないかと思います。そういう条件が必要ではなかろうかと考えておりますが、先生の御所見はいかがでございましょうか。  それからもう一つは、二番目の質問でございますが、土地問題につきまして土地対策が必要だ、現行法の運用で十分対応可能かどうかさらに検討する必要がある、新立法が必要じゃないかというお考えのようでありますけれども、私は、これはもう絶対に今の法制では対応できない、ぜひ新立法が必要だ。相当私権の行使を制限する内容の新立法が必要だ。新首都圏を指定して、指定されたその首都圏においては、土地の売買は政府の許可を要する、あるいは、価格は、政府が指定した価格でしか売買できないというぐらいの踏み込んだ私権の制限を行わないと、どうしても土地は高騰するのではないかというふうに考えております が、その点についての先生の御所見を伺いたいと思います。  それから、これは将来の課題として残しておられるわけでありますが、私は、できるだけ早く移転先を決定をして、できるだけ早い時期に段取りを組んで移転をすべきだと思うのでございますが、先生の御所見では一体どういう手順で、移転先の決定が一番難しいと思うのでございますが、するのがいいとお考えなのか、そのあたりお伺いできれば、先生の御所見で、審議会でなくて結構でございますが、先生の御所見を例えれば幸いだと思います。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 初めの御指摘は海に近いという、これは私ども議論した過程で、先ほど申しましたように地震とか地形とか水供給とかいうことをずっと申しまして、それがまず最初に大事な条件だ。それで海の問題とかというのは、こういう条件にかなうかかなわないかというところで出てくる問題かと思います。  それから、その次に土地の立法ですが、これは……(杉浦委員「もう一つ。その近くにある程度の既成の都市機能が……」と呼ぶ)  それは、私どもの考え方としては、近くに既存都市がありますと、どうしてもそれと新首都がいろいろな意味で、混交といいますか、まじり合ってしまう。この際は分けて、これはもちろん判断ですけれども、新首都は新首都、既存都市は既存都市というふうに分ける方がよいという考え方をいたしまして、それで既存都市地域を避けるということとか、あるいは東京は六十キロ圏は外すという、これはやはり判断の問題かと思いますが、私どもは、その方が新首都として、つまり世界の日本の新首都、決して豪華である必要はないけれども、首都らしい首都というイメージからいきますとそういうことになったわけであります。  それから土地問題で、これは先ほど申しましたように、既存の法制で賄えるかどうかというところは非常に問題ですから、しかるべき形で検討はしていただきたい。いけるものならいってもいいけれども、そうでないときは、やはり新しい立法その他の行政上の措置をしていただきたいと思います。  それから、早く移転する、そのため移転先は早く決めるという点ですが、今の段階では、御指摘の土地に関する法制もまだ決まっていない段階でありますし、事業主体もこれから決める問題で、そういうものが決まらない格好で、この場所というふうに具体的にやりますと、混乱ばかり多くなるというのが何といっても一番大きな心配です。ですから、私も早い方がいいとは思いますが、やはり手順を踏んでやっていくということが、こういう非常に息の長い、というのは、つくることは早い方がいいけれども、つくってしまったら長く使うものですから、そこは初めは手続をちゃんと踏んでいく方がいいと思っております。  大体以上です。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 申しわけありません、もう一度。  先ほどの手法の問題について、もう少しわかりやすく御質問したいと思いますが、今の、つまり新首都の予定地を選定する手法というのが一番難しいということで、実は先ほど申し上げたわけです。  つまり、ざっと今これも見させていただきましたけれども、幾つかこういう条件を挙げられまして、その条件に合致するものを、何らかの機関をつくってそこで決定するという方法でやるのか。そうでなくて、例えば私などの考えでは、こういう条件を示しておきまして、幾つかの自治体あるいは自治体連合からそれぞれ候補を挙げさせまして、私のところにぜひ首都をつくってくれ、そこでそれぞれの、言ってみれば条件に合ったイメージをしました計画を出しまして、それが条件に合致しているかどうかというのはまた別の機関で検討して、そういう候補地の中から選定をするという手法もあるのではないか。そういった意味での、新首都を選定する手法についての議論は行われたかどうか、今私が申し上げたことについてはどんなふうに考えるのかということです。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 結果的にはたくさん候補地が出てきて、それを今のような条件で当てはめるということもあり得ると思いますが、それにしても手続をもうちょっとはっきりしないと、勝手に打ち上げたところだけが先行したりということにもなりますので、やはり首都の場所の決め方は、決めておいてその上で、事によったら地元からどんどん言っていただくとか、あるいは何かそれなりの有識者の方で目をつけるとか、やはりやり方を今のままでどうぞいってくださいというのは、ちょっと早急だというふうに考えております。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 最初に、これは念のための質問なんですが、この「中間とりまとめ」は、懇談会の全会一致で出されたことなんですか、伺っておきたいと思います。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 懇談会には三十人のメンバーがおられます。それで、個人個人は微妙に違う意見もお持ちかと思います。しかし、先ほど申しましたように、国会決議を受けて、首都機能の移転を前提とした上でという議論をしまして、その上では皆さん一致しております。けれども、一人一人は幾らかずつ違っていらっしゃる可能性は多分にあります。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 この懇談会が発足したのが、言われるとおり一九九〇年一月なんですね。国土庁長官の私的諮問機関として発足した。今、国会決議に基づいてとおっしゃいますが、国会決議はその後、十一カ月後の十一月にされたんですね。その国会決議のときに、私ども日本共産党はその決議には反対しましたけれども。  そこで、私はいろいろなことを感ずるのですが、この首都機能移転に関する懇談会が発足したのは、今申し上げたとおり国会決議の前であったということははっきりしておるわけですね。それから、同時に、国民世論でいきますと、国会等の移転あるいはまた首都機能を移すということについてはいろいろの世論調査が行われていますけれども、意見はまちまちである、これは現実ですね。多い少ないは別として、まちまちである。したがって、国民世論にはコンセンサスがないという点は一般的に言えると思うのです。これは非常に大事な点だと思うんですね。それから、東京都議会も、いろいろの意見が内部にはある。さらに、関係区の議会においても意見がまちまちであり、まとまったものはない。例えば、国会が存在するここは千代田区ですね。ここではどうかということになると、これですという答えはもちろんないわけですね。そういう中で、懇談会は、今おっしゃったように首都機能の移転を前提にするということで、一人一人のメンバーについてはニュアンスや何かの違いはある、しかし移転するということでは国会の決議を受けました、途中から変わって受けましたと。そうしますと、移転論の人だけで構成されているというようにも見るわけです。余り波乱もなく、そして全会一致でこういう中間報告が出された。ここで私思うのですが、国民世論にコンセンサスがないのに、こういうやり方が適切であろうかどうかという問題をちょっと考えてみる必要があるのじゃないか。  例は違いますけれども、脳死臨調の問題、脳死をもって人の死とするかどうかは、国民の中にもイエス、ノー、たくさん意見があるわけですね。そこで、脳死臨調というのが発足しました。メンバーも決まりました。私たちは、そのメンバーの構成については賛成しました。それで、賛否いろいろあるわけです。そういう中で、脳死臨調は、脳死をもって人の死とするという答申は出しました。しかし、少数意見はこのとおりありますということも出しました。これは当然といえば当然のことなのですが、そういうことをするのがやはり順当だし、もちろんこの懇談会のメンバーは、八十島さんが座長で全部選んだのじゃないわけで、違うところから選んでくるのですから、そこで、ああだこうだということはもちろん言えませんけれども、そういう中で、国民世論にコンセンサスがない、いろいろ意見があるというときに、今まで回を重ねてきた懇談会で、反対意見、批判意見が全然ないんだという点について、失礼な言い方 ですけれども、何か違和感のようなものをお感じになったかどうか、この点なんです。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 ちょっと経過をもう一回振り返ってみます。  一九九〇年一月に発足いたしまして、先ほど申しましたように、前半はいろいろな方のヒアリングをやりました。それで、その中には首都機能移転賛成の説をお持ちの方もあるし、反対の説の方もありました。そういう話を聞きながら私どもは勉強をいたしました。それで、首都機能移転の国会決議が出てから、先ほど申しましたように、移転を前提として、ひとつそれじゃどんな形がいいのかを議論しようということでここまでまとめたわけです。それで、移転を前提として考えをまとめようということについては、すべての委員が賛成でした。もちろんその先に、例えば規制緩和とか権限移譲をやって、それから首都機能移転をやった方がいいという御意見の方もあるやに伺っております。しかし、移転を前提としてこういう結論を出す分には、それについては反対しないというふうにおっしゃっていると私は理解しております。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 経過はわかります。しかし、そういうことが実際の運営として、今後の問題として、どういうものになるかというのは今後の問題ですから、ここでしてもどうしようもないですけれども、いろいろ意見がある、国民的なコンセンサスがないんだから、そういう点で、一つの意見だけでまとめるということは、民主主義という点からいっていかがなものかという点だけは考えるので、その点はここで申し上げるだけにしておきます。  そこで、この首都機能移転に関する懇談会の「中間とりまとめ」で、八十島さんの最初の発言にもございましたが、三つ目的がある。第一の点はこれはこれとしてわかります。「二十一世紀にふさわしい国土構造の実現を図りこということ。第二、第三ですね。一つは一極集中であり、もう一つは地震による災害の問題。それで、これはこれまでもなくさんの参考人の方々、そして多くの意見がこの二つに集中するんですね。一極集中、どう是正するか、地震災害、どう乗り越えていくか、ここに集中するわけですが、そういう中で出された「中間とりまとめ」の第一章のところで「首都機能の移転のみによりこれら課題の解決が図られるものではないが、移転は課題解決の大きなひとつの契機となると期待される。」だから、きっかけになることを期待します、これで解決がつきません、これは一つの矛盾なんですね。  こういう三つの目標があり、特に二番目、三番目は一極集中、地震災害からの脱出なんだが、しかし、首都移転によってそういうものができるとは思わないけれどもというこの点は、まあそれはそれとして私もそのとおり受け取りますけれども、確かに矛盾がうんとあると思うんですね。それで、一極集中の是正は首都機能の移転だというように極論して、鳴り物入りで宣伝する向きも世間にはあるわけです。しかし、今の中間報告ではなかなかそうは単純に言っていませんけれども、特に、この中間報告の中で首都の移転は、おっしゃるとおり、人口にすれば六十万人だと。同時に、国際的な金融、経済等の中心都市としてのさまざまの都市活動を行うにふさわしい利便性を確保していく、こういうふうに言っているわけですね。  それで、そういうことは言わなくともわかるわけですけれども、東京を企業、金融、経済活動のためにさらに便利な都市にしていくんだということは、首都移転があっても継続しなきゃならぬ。確かに人口は、この点では私はふえると思うんですね。ですから、事実、これも今までの参考人にも私は聞いたわけですけれども、具体的に東京都のものを調べてみますと、東京湾の臨海副都心再開発、これを二年延ばして二〇〇〇年までにやるというわけですが、東京駅を中心にあの臨海部五キロないし六キロのところに高層ビルをたくさん建てる計画になっているんですね。これがつまり二十四時間国際金融街をつくるということですよ。それで、計画は規模としてどうかというと、就業人口は新たに十万ないし十一万、これはふえるんですね。それから、新しく居住人口が六万人になります、そのための住宅を二万一千戸つくります、これはこれから海を埋め立ててつくります、いわばまだ砂上の楼閣の話ですよ。だけれども、二〇〇〇年までにというわけです。  それで、首都の機能の移転というのは今世紀中にはできないというのはだれでも見ているわけですから、かなり時間がかかるというこういう中でこういうことを考える。さらに、交通量がどうかというと、新たに三十二万台の自動車が往復するだろう、こういうような中で、計画の中では既に八八年、四年前に中央区が十五億円かけてつくった豊海の運動公園、公民館まで全部つぶす計画なんですね。ですから、区民の中で反対があるのは当然ですけれども、一極集中がこういうふうに目の前でどんどん加速しているわけです。それで首都移転は何か決め手のような、また、そうとられるような宣伝がある。私は、懇談会で、一極集中是正ということで今加速している一極集中のこういう問題が検討されたのか、話題になったのか、ちょっと伺っておきたいと思います。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 まず結論だけ申しますと、これは議論はしておりませんでした。ただし、暗黙の了解では、東京圏の中でこれから随分入れかえがあると思います。業務核都市もできることですし、それから、東京都内にも不良住宅といいますか、非常に環境のよくない住宅もありますから、それの入れかえもあるでしょう。そういうことを総合した上で臨海開発をなさるであろうということで、東京都の今後の再開発としてあるんだな、だからこれはこれで、今我々の懇談会としていいとか悪いとか言及しないという暗黙の了解があったと、私見ですが、そういうふうに考えております。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 暗黙の了解ということですが、首都は日本の首都であり、首都は東京である、あれこれの地点は東京のそれぞれの行政区では区になるわけです。ですから、そういう点を念頭に置いて考えると、例えば国会の移転で、今度は災害対策の地震の方で言いますと、「目的」の③があります。これは非常に簡潔に書いてありますからすぐわかるのです。「東京が地震等の大規模災害に見舞われた際に予想される国内外への影響が最小限となることが期待される。」これは「期待」になっております。それで、国会等が移転するわけですが、国会等関係者は無事です。しかし、東京だけでなくて東京圏でいきますと、三千万人口であるわけです。こういう点で、災害ということを考えるときに、移転ということではなかなか解決がつかない。  ですから、これはもう当然常識的に言えることですけれども、最大の災害、地震災害で一体何で命を守るかというときに、オープンスペースの問題、公的な空き地の問題、これが非常に大事だというのは、先ほどもいろいろな話を聞きながら私もわかるわけですけれども、これは農林水産省の統計でお聞きしましたら、農地に対する宅地並み課税、これがやられて、この五年間の中で東京で八百ヘクタールの農地が消えて高層ビルや住宅その他に変わるわけです。これはオープンスペースがそれだけ減ってきたわけです。こういう点を考えると、八百ヘクタールというと、先ほどお話がございました国会、この周辺の百ヘクタールの八倍になるわけです。これが既になくなっている。  それから、私はよく言うのですが、旧国鉄の跡地ですね。きょうも関係官庁からの資料をいただきましたけれども、これが一都三県だけで約五百三十ヘクタールあるのです。こういう中で、昨年の九月までに売却したのが六十ヘクタール、競争入札でやったのが三ヘクタールということになります。今、首都圏だけでいきますと、港区の汐留の貨物駅の跡が十九・六ヘクタールある。それから千代田区、東京駅八重洲口の向こうですけれども一・六ヘクタールある。これはまだ木造二階建ての建物をつぶしていますけれども、三月いっぱいで全部なくなります。そして、跡地利用はまだ 決まっていません。さらに新宿駅の貨物駅、これは大きくて三・二ヘクタールあるのです。その他を含めて、都心部だけで二十六ヘクタール余りある。こういう中で、例えば汐留の貨物駅の跡は、国際的な金融街をつくるということで計画をどんどん進めているわけです。この問題については、地元の港区では、「汽笛一声新橋」のところですから、こういう点で国鉄のいろいろな公園を、遺跡を残しながらやったらどうかというのもありますけれども、実現しない。  こういう点で、そういう空き地をどうするかという点が地震災害の問題で討議されたか、検討されたか、私は、ぜひ伺っておきたいと思います。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 私たちは、首都機能移転というところになるべく焦点を絞りながら議論したものですから、とにかく首都機能移転によって跡地がどのくらいできるものか、例えばこの国会議事堂かいわいで百ヘクタールとかいうような数字までは出しました。ですから、その跡は防災用、大都市問題対策あるいは国際文化対策というふうにひとつ使っていってくださいということは書きましたが、東京問題として、東京じゅうの土地を目の前に表を置いて議論するということはやっておりません。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 最後に一言。  この「中間とりまとめ」の最初の「はじめに」というところの結びに、おっしゃるように、これは質問でも出ましたが、「地方への権限委譲、道州制等の仕組みの構築又は規制の緩和による中央政府の権限の縮小化を首都機能の移転と併せて実施すべきであるとの意見やこその他の「意見のとりまとめは行っていない。」そうすると、私は、何を取り上げたのかという点はあるけれども、とにかく移転するということだけをやってみようじゃないか、そして、六十万人、六十キロ圏の外、火山のあるところはだめ、山の険しいところはだめ、水のあるところで交通の便がいいところがあればということ、そして十四兆円ですということなんですが、そういう中でぜひ、座長さんが最初の発言の最後の結びで言われました、今後、各界の意見聴取、大規模なアンケート等を実施するということは大事なことだと私は思うのです。これはさまざまな意見が出ますから、賛成者だけの論議でなくて、さまざまな議論があって当然しかるべきだし、東京都議会や関係区議会など、そして識者の意見も十分聞くような機会をつくっていただくことがいいのじゃないか。いずれにしても、多くの人々の異なった意見も討議の中で大いに出してもらうようにひとつやっていただきたい。  以上です。

二階俊博自由民主党

○二階委員 首都機能移転問題に関する懇談会の「中間とりまとめ」を拝見して、よくこの短い期間に立派な「中間とりまとめ」をしていただいたということを感謝しておる一人でございます。  この新首都の規模の想定、六十万人で筑波の三倍、さらに投資額が十四兆円、これだけで東京一極集中の歯どめになるのかというと、私は、だれもがこれだけでそうしたことすべてが解決することになるとは考えていないと思います。思いますが、このことをきっかけにして首都機能移転現象のようなものが民間企業、さらには地方都市にも及んでくる、そういう現象があらわれてくることを当然期待されておると私は思うわけでありますが、また、そうならないと効果が上がらないわけでありますが、それらにつきまして、つまり、地方でも東京一極集中はけしからぬということはだれもが言うわけでありますけれども、その言われておるそれぞれの地域の県庁所在地、いわゆる県都に一極集中の現象がずっとあらわれておるわけでありますから、こうした首都機能移転をきっかけにして、つまり引き金にして、民間企業の地方への移転と、それぞれの県の中の県都の地方分散というものを誘導していくべきだというふうに思いますが、それらにつきまして先生のお考えを承りたい。  もう一点は、残されたいわゆる跡地でありますが、これらにつきまして、既に東京創生ということでお述べになっております。東京がこれからどうなっていくであろうかということも、この首都機能移転に関しての重大な問題だと思うわけであります。新首都に機能を移転するためには十四兆円という規模を数字ではじいておるわけでありますが、今後、先生の私見で結構でございますから、東京創生をなし得るためにはどの程度の投資規模を考えておられるか。東京創生につきまして、新しい東京をつくっていく……

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 よみがえるということですね。

二階俊博自由民主党

○二階委員 はい。そういうために、こちらには十四兆円というはっきりした数字が出ておるわけでありますが、この残された東京に対して、東京を、今委員長のお話のようによみがえらせていくためにはどのような規模の投資を必要と想定されておられるか、これは私見で結構ですから、お答えいただければ幸いです。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 二つ御指摘があったと思います。  一つは、一極集中問題は東京ばかりじゃなくてほかの大都市圏あるいは県都にまで及んでいるということでございますが、私も、確かにそれは事実だと思います。ただ、これを解決するには県の周辺がどうなっているかの問題がありまして、それがありますので、一つ一つ県都の性格がはっきりしないと、今の集中はいけない集中なのか、無理のない集中なのかということがなかなか突きとめられないのじゃないか、そういう感じがしておりますので、一概にちょっと何とも申し上げかねると思います。  それから、東京創生にどうしたらいいか。そういう東京をよくする戦略としては、首都機能移転に伴って跡地をうまく利用するということまでを私どもは触れておりまして、どういうふうにするかというところまでは触れておりませんが、既に国土庁にしろ東京都にしろいろいろ施策を出しておられます。業務核都市育成とか、さっき臨海副都心問題もありましたけれども、東京都の中ではむしろ副都心、丸の内部心よりも副都心を育成するというようなお話もありましたし、そういうことを軸として進んでいくのではないかと思います。  それで、そういうことをやって質を変えていく。というのは、これは私見をちょっと申させていただきますが、世界都市東京というようなことを言いましても、世界の大企業の本社が、東京が一番いいから移ろうというところまでは来ていないわけなのです。それで、いずれ本当にいい東京というのは、世界都市東京というのは、そんなこともあり得るような東京じゃないかということを考えておりまして、それに対してどうしたらそうなるかというところまで、東京中心の細かい議論までは私ども、やっておりません。

二階俊博自由民主党

○二階委員 今のお答えの中で、民間企業がどのような形で、今後首都機能が移転をしていくというようなことをきっかけにして、民間企業の地方分散をもっと大いに促進すべきだという見地からお尋ねしているわけですが、民間企業についてどのような現象があらわれてくるのであろうかということを先生がどう期待されておるか。これをもう一度お答え願いたいのと、そして今、東京をどうするかという将来像についてどの程度のものをやるかということを明確にしない限り、どれだけの投資を必要とするかということは、今即答いただくことは難しいかと思いますが、私は、首都機能問題に関して、ここに十四兆円の投資を必要とするときに、ある程度の、十四兆円のほかに相当部分の投資をこの残された東京にやるべきだということを、今後どこかのところで明確にしていかなければならないというふうに考えておりますからお尋ねしたわけです。

八十島義之助首都機能移転問題に関する懇談会座長(帝京技術科学大学学長)

○八十島参考人 初めの方は御意見として伺わせていただきます。  民間企業はどうなるかということですが、これは、実は新首都も民間企業を全く排除しているわけではないので、企業の中の政府に直結する、そういう部分が入る余地は当然つくっておくわけですが、東京の場合は、先ほどの副都心強化とか業務核都市強化とかいうようなことをしながら、民 間企業の適正配置ということが進んでいくのではないかというふうに私、個人的には考えております。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 以上で参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、八十島参考人に一言お礼を申し上げます。  八十島参考人には、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時三十七分散会

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