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123回国会衆議院1992/03/05

国会等の移転に関する特別委員会 第3号

発言数
21
登壇者
8
会派数
3
開催日
1992/03/05

会議録

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 これより会議を開きます。  国会等の移転に関する件について調査を進めます。  この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として武蔵大学経済学部教授小沢辰男君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 この際、参考人に一言ごあいさつを申し上げます。  本日は、御多用中のところ御出席をいただき、まことにありがとうございます。何とぞ忌憚のない御意見をお述べいただきたいと存じます。  なお、議事の順序でございますが、最初に三十分程度御意見をお述べいただき、その後、委員からの質疑にお答え願いたいと存じます。  それでは、小沢参考人、お願いいたします。

小沢辰男武蔵大学経済学部教授

○小沢参考人 武蔵大学の小沢でございます。  首都移転問題について意見を述べよということでございますが、去る二月二十六日に首都機能移転問題に関する懇談会の「中間とりまとめ」が発表されておりますので、この中間報告を念頭に置いて意見を申し上げたいと思います。  意見発表の順序は、レジュメにございますように、集中の実態それからその原因、是正策のあり方というようなことにわたっています。  私の意見を最初に申し上げますと、この中間報告で言われているように、首都機能のうち、政治・行政機能と経済機能を分離して、政治・行政機能に純化した新首都を建設すれば、すなわち、中間報告には余りはっきりとは述べられていませんが、国会や中央官庁が東京にあることが一極集中の原因であるから、これらの政治・行政機能が移転すれば一極集中問題は解決に向かうと見ているようであります。しかし、これで東京一極集中問題が解決されるとは思えないという立場で、以下意見を申し上げたいと存じます。  そこで、まず、一極集中の実態でございます。表一の国土庁の国土レポートによりますと、東京圏、一都三県の人口は、平成二年で三千百七十九万人、全国比二五・七%を占めております。これは、東京湾一帯の臨海重化学工業コンビナート、そして東京都を含む一都三県への経済力の集中を反映していると思われます。同じく国土庁の過疎白書によりますと、表2及び図1のように、六十五歳以上の人口比率が一六%以上という新過疎法の定義に基づく過疎市町村は、全国の市町村の三五・二%、人口では六%ですが、面積では約四五%を占めております。  第四次全国総合開発計画は八七年にできましたが、ここで言う多極分散型の国土づくりの課・題は、このような状況を見ましても、ますます大きくなると思われますが、一極集中の中心としての東京都を見ますと、表3のように、千代田、中央、港区の都心三区の昼間人口は二百五十二万人なのに、夜間人口は三十二万人ということでございます。まさに過密の中の過疎で、夜は人の住まない町が出現しています。  関連して、都心三区などは別にして、東京二十三区は低層、低い層の建物が多いので高層化せよという意見が多いのでございますが、道路率やオープンスペース率、すなわち都市公園、広場などの比率を見ますと、表5のように、東京は二六・九%でニューヨークの半分、パリ、ロンドンにもはるかに及ばないという事実を見逃すわけにはいきません。  また、東京都は狭いのに土地が高度利用されていないという意見がありますが、図8をごらんいただきますと、昼間人口と夜間人口を合わせたいわゆる人口密度では、東京都二十三区部では二百四十人でありますのに、ニューヨークは百三十八人、ロンドンは百五人でございます。東京都の方が過密で住みにくい町だというわけでございます。  次に、大きく首都圏をとりまして、経済機能等の集中状況を見ますと、図の2のように、首都圏白書によりますと、資本金十億円以上の大企業の本社・本店数の六〇%以上が首都圏(一都七県)に集中しています。その他の機能も大体半分あるいは半分以上という集中ぶりだということがわかるかと存じます川  一極集中の実態は、中枢管理機能の東京への集中ということを示しているように思われます。特に、オフィスビル、情報の集中状況は、まず図5のように、一九八六年の民間活力の法律、民活法による建築・都市計画規制の緩和等によりまして、二十三区部のオフィス床面積は以前の二倍くらいにふえ、年平均二百七十ヘクタールとなっています。八〇年代を通じてこの増加量は千五百六ヘクタールでございますが、これは首都圏の業務核都市、いわゆる横浜、川崎、千葉、立川、八王子、大宮、浦和の七市の八九年のオフィスストック量千五百四十ヘクタールに匹敵しているわけでございます。一極集中の実態がオフィスビルの増加にあることははっきりしております。  そして、一極集中に深い関係を持つ情報発信量とその地域分布を見ますと、図3のように、情報発信量は東京都が二二・六%で、次の大阪七・〇%をはるかに引き離しておりますし、また地域の差を見ますと、図4のように、関東地域がダント ツで、近畿地方をこれまた大きく上回っております。そして、表4のように、この中で土地所有も、個人の所有から法人の土地所有に移る傾向が強まっております。  以上の結果の一つが、図6のマンハッタンを上回った都心三区と新宿区計のオフィス床面積の図でございます。一九八八年にはついにマンハッタンを上回っております。  それでは第二に、一極集中の原因は何かということになりますが、これは結局同時に、一極集中の結果、市民生活、住民生活はどのような困難に直面しているかを見る必要があるということになります。  一極集中問題が意識される中で、バブル経済による地価高騰、株高、そしてその崩壊を機にして集中問題に関する調査報告が多く出されるようになりましたが、開発銀行の一九九〇年の「一極集中問題を考える」という報告書によりますと、集中の原因を三つ挙げております。一つは「政治、経済の中央集権化」、二つは「経済の国際化、サービス化、情報化」、三つは「高度集積の相乗効果」であります。つまり、交通、通信、道路、港湾などの産業基盤、それから生活基盤が集積しており、それが利益を与える限りは、進出する企業にとっても大いに利益を与えるということになるわけでございます。  私も、この三つの分類に大体賛成でございますが、さきに見ましたように、図一で示される過疎地域の自治体を初めとする地方自治体の東京指向は、言うまでもなく図2、図3で指摘しました中枢管理機能の集中こそが実はその原因であり、しかも教育、文化機能まで集中しているところに、これらの集中がさらに加速される状況が見てとれます。しかも、東京への過集中をさらに加速するものがいわゆる国際化、サービス化、情報化の進行であることも確かでございます。  御承知のように、東京都は、東京駅から直線距離でわずか六キロメートルの東京湾埋立地、東京都の埋立地四百四十八ヘクタールの地域に居住人口六万人、就業人口十一万人、一日の出入人口四十五万人の国際金融センター、情報センター、国際会議場などのいわゆる二十四時間活動の業務都市をつくるという臨海副都心開発計画が進んでおるわけでございますが、この計画は、最近のこのような国際化それから情報化、サービス化といったような動きに対応しようというものであることは明らかでございます。それで、御承知のように、この計画は少しもたつきましたが、若干の手直しで進められることになりました。経済・産業基盤の諸施設、いわゆるインフラストラクチャーの整備等に必要な経費は最初四兆円というようなことでございましたが、今では八兆円に上るだろうと予想されています。  この計画は、東京改造論とか改都論と言われるような考え方に立つ集中の中の分散政策とでも言うべきものでございますが、よく言われていますように、東京都という集中の中のいわば区域内の分散計画で、文字どおり集中を再加速させ、いわゆる過集中を引き起こす計画だと言わざるを得ません。  さて、以上のような過集中のツケと申しますか、あるいは集中の不利益はどこにしわ寄せされるのかという問題がございますが、言うまでもなくこの集中の不利益は、市民生活あるいは生活環境の悪化という形でしわ寄せされることになります。これを図示したものが図7の集積の利益と不利益の概念図でございます。これは、関東通産局が一極集中問題検討報告書の中で示している図でございますが、集積の利益は、オフィスビルの建設などで示されますように、企業の利益に主として帰着しますが、公害とか水不足とか住宅難とかそれから電力不足とか、あるいはごみに至っては、最後の収集はともかく、最終処分場は平成七年までもたないで来年度くらいで満杯になるということで、東京都は大変苦労しているわけでございます。こういう集積の不利益が進むのにつれまして市民にしわ寄せされる不利益も増大し、我慢できる限界以上になると破局だということになるというのがこの概念図でございます。  そこで、その幾つかの例を見ますと、表5のように、既に指摘したところでございますが、オフィスビルの増加による企業利益の追求は、道路率、オープンスペース率の低下によって市民の生活環境を悪くさせていると言えます。同じく図8のように、過密の都市生活を余儀なくさせられているわけでございます。  次は、住宅でございます。地価が高くなり過ぎて、表6、表7で示されますように、東京都内では、住宅の年収に対する倍率五倍以下のところはなくなって、表をごらんいただければ八倍近くになっているということでございますが、各国と比較いたしましても、日本の倍率がけた外れに高いということでございます。したがいまして、表9のように、遠くから通勤せざるを得ないので、通勤時間は一時間以上が半分以上のサラリーマンが多いということになります。  もちろん、九〇年の日米構造協議により十年間で四百三十兆円の公共投資をやるという計画が動き出しましたが、生活関連枠の増加額が二千億円、ことしは特別枠さらに二千億円増というようなことではありますが、八兆円に及ぶ公共事業の中では、やはり割合が少な過ぎでなかなか間に合うというわけにいかないように思われます。したがいまして、いわゆる産業基盤、新幹線等も含めまして産業基盤の公共投資はふえるでしょうが、生活大国のための生活基盤投資はなかなか進まないということになりましょう。  表8は社会資本整備状況の各国比較でございますが、例えば下水道は、日本が一九八九年で四〇%であるのに対しまして、英、独、仏、米ともはるかに高く、六〇から九五%になっております。都市公園につきましても、日本の一人当たり面積は二・五平方メートル、これは一九八八年の東京二十三区部を代表させているわけですが、ロンドン、ボン、パリ、ワシントンなどはその数倍から二十倍以上のスペースを持っておるわけでございます。こういうのが集中の利益と不利益の実態でございます。  そこで第三に、一極集中の是正策という問題に入りたいと思います。  先ほど御紹介申し上げた開発銀行の報告書によりますと、表10のように一極集中の解消論は、大きく改都論、首都機能分担論、地方分権論に分けて論じられています。  ところで、先般の二月二十六日に発表されました首都機能移転問題に関する中間報告は、以上の首都機能分担論のうち、いわば遷都論の立場で提案したものと言えます。中間報告は、国会、政府機関等の政治行政機能を移転して新首都をつくり、その立地は東京圏、大体六十キロ圏以外といたしまして、人口にして、公務員を初めその家族及び関係の商業者等を含め人口は約六十万人、面積は約九千ヘクタールで、これを新首都の大まかな規模とする。その場合の費用は約十四兆円と試算されております。これでわかりますように、一極集中の原因である経済力の集中あるいは経済的な中枢管理機能の収集に対する対策は、積極的には提言しておりません。  そして、東京の将来像については、新首都が国際都市東京との連携を保つことを前提にしながら、東京が諸機能の再集中を引き起こさないように留意しつつ、ビジネス、文化面でその役割を果たすべきだと言うにとどめております。つまるところ、一極集中の原因については総合的な結論は出さなかったというように見られます。  あるいは、これから総合的な原因を含めた一極集中の是正策をさらに細かく追求するということになるかもしれませんが、一極集中の是正策というのでございましたら、例えば土地問題対策、オフィスビルの建設等について、公共目的実現の見地に立った建築基準や都市計画の見直しなどが同時に提起される必要があると思いますが、余り触れられていません。したがいまして、政府機関等移転の跡地についても、オープンスペースを広げ、公園、緑地の確保を優先するとまでは言っていないようでございます。いろろいな多目的に使 う、もちろん集中を加速するような使い方はしないという前提があるようではございますが、やはりオープンスペースを広げる機会にするような考え方だけではないようでございます。したがいまして、政治・行政機能の移転によって集中が是正されるように書いてありまして、それ以外は余り触れられないということでございましょう。  しかし、政治と経済の機能が一つになっている、一緒だと一極集中が強まり、分離すると弱まるというわけでもないように思われます。  例えば、今のアメリカのワシントンとニューヨークは政治と経済の機能が分離していますが、ニューヨークヘの大企業の集中状況を見ますと、一九八五年現在で、製造業売上高上位五百社のうち八十七社がニューヨーク市内に立地しておりまして、集中率は一七・四%でございまして、図の2でございますが、首都圏白書で多くの諸機能の実態が図であらわされておりますが、これに比べますと大変低いようでございます。  また、世界ランキング五百位以内の米国系の銀行、これは百九行あるようですが、そのうち十一行だけがニューヨークにあるにすぎないという事実がございまして、日本の東京ほど集中を強めでいないと言えそうでございます。ですから、少しでも国会や政府機関を移転すれば幾らか和らげられるだろう、そういうことであるかもしれませんが、やはり集中問題の方は、特に東京では経済力の集中、そしてサービス、情報関係の集中というところにどうも原因があるように思われます。したがいまして、日本の場合、ここにメスを入れないと一極集中は解消できないのではないかということでございます。  また、統一ドイツの首都機能再配置計画につきましては、国会図書館の調査及び立法考査局の山口広文氏が「調査と情報」ナンバー一七六号で現状を紹介しています。旧西ドイツの首都ボンから新首都ベルリンへ議会、政府機関を移転するというのですが、ボンには国防省、農林省、郵政省、保健省などを残し、ベルリンには外務省や法務省、大蔵省などを移すというようなことで意見が固まっているようでございます。もともとドイツは州段階の権限が強く、また各都市の配置もまさに多極分散型都市づくりの形と伝統を持っている点に注意すべきだと言っております。ですから、ここでもいろいろこの意見が総合的に考えられているようだというのであります。  少し横道にそれましたが、首都移転に関する中間報告は、首都機能移転の必要性として、二十一世紀にふさわしい国土づくり、大都市過密問題の解決、これがいわば集中問題の解決を意図しているということではありましょうが、これと、それからやはり地震等の大規模災害の影響が最小限になるということが挙げられております。言ってみれば重都論に立つ政治機能の保全が目的の一つになっているようであります。しかし、残された三千万人以上の東京圏住民の安全こそが大切でございますから、この圏域住民の防災対策にもう少し言及されていればと思いますし、十四兆円の経費、あるいはアクセス費用などを含めるとさらに数兆円上回るかもしれませんが、このようなお金があれば、まさに二番目の大都市過密問題解決に対処できるはずでございますし、その方が集中問題解決には近いのではないかというふうに思われます。  さて、一極集中是正策のあり方についてですが、大前提は、言うまでもなく多極分散型国土づくりの本格的実現でありましょう。先ほど申し上げました表5、図8、表6で示されるような大都市過密問題の解決に一層努力し、特に東京におけるオフィス立地の抑制につきましては、都市計画のあり方を見直し、用途制限の強化、オフィス建設の場合の容積率の削減、オフィスの増設に対しては、場合によれば課徴金を課するなどを再検討する必要があるように思います。  関連して、このほど建設、自治、通産、郵政、農水、国土の六省庁が共同提案するいわゆる拠点都市法案がまとまったようでございますが、人口十万人程度の関係市町村、これは各県で一、二カ所指定するということであるようですが、この関係市町村が生活大国づくりの柱となることを目指すというもののようであります。東京二十三区部から移転する企業への優遇税制を盛り込むことも規定されています。これは法文の中身を私、十分拝見しておりませんのでわかりませんが、一つの考え方ではなかろうかと思います。  いずれにしても、国土政策全般から見た町づくりとか村づくりの課題の実現の取り組みこそが要請されますが、特に村づくりにつきましては、九〇年現在で食糧自給率が四七%、新卒業の農業就業者が、六五年の七万二千人から、九〇年には千八百人に減ってしまったという状況に対しまして、米の輸入自由化を含め農業政策をどう展開するかというようなことを初め、格差是正という意味でも問題は山積しております。  ところで、次に、中間報告では、政治・行政機能に純化した新首都をつくるというのですが、問題は、中央集権的な行財政システムの改革こそが集中問題解決の一つのポイントだと思われます。  一つは、よく言われております機関委任事務の廃止問題を含め、国及び都道府県の事務、権限の市町村、とりわけ市段階への移譲の問題でございます。仮に政治・行政機能が新首都に移るとしても、この点に余り手がついておりませんと、今までと同じような状況が出てしまうおそれがあるようにも思われます。  ところで、第三次行政改革審議会の昨年末、九一年十二月十二日の第二次答申は、地方分権特例制度、いわゆるパイロット自治体を提案し、国、府県の権限をパイロット自治体に移譲することをうたいましたが、これは各省庁の反対がありまして、引き続いて検討するということになったようであります。  関連して、全国市長会はこれより早く、一九八九年七月、「都市自治体への権限移譲等に関する具体的方策について」を発表し、都市計画、建築行政などの権限を一般市に移譲し、とりわけ表11に示されます人口三十万人以上の都市につきましては、自治法第二百五十二条の十九に規定してございますような大都市事務をこの三十万段階にも、能力があるから移譲したらどうかというようなことを提案していることを指摘しておきたいと思います。  次は、地方財政改革の問題でございますが、九二年度の地方財政計画策定に当たりまして、八千五百億円の地方交付税の特例減額が決まってしまいましたが、国・府県段階の市町村への権限移譲の場合、財源対策等が重要になりますので、地方交付税の見直し問題は避けられないように思われます。  表12は、約二万人の人口の新潟県黒埼町の老人福祉費に関する地方交付税の基準財政需要額と実際の予算計上額の比較を表示したものでありますが、例えば経常経費についていいますと、予算計上額は基準財政需要額の二六%にすぎません。これは、地方交付税の性格上、建前としては一般財源として何に使ってもいいようでありますが、基準財政需要額程度ぐらいは、この高齢化社会では実現するようにするということが大事であろうかと思います。その上、いわゆる老人保健福祉十カ年戦略が動き出したときでもありますから、思い切った基準財政需要額の全面的見直しの取り組みが必要になりましょう。  なお、バブル経済の崩壊を受けて、表13の保育所あるいは表14の社会施設建設費に関する自治体の超過負担の問題が表面化しております。もちろん、自治体の自主性を高めるため、九二年度の地方財政計画では、自治体の一般単独事業費が大幅に認められるようになりましたが、今後、補助金の一般財源化を道か、それを地方交付税で措置するというようなことになりますれば、より一層地方交付税の基準財政需要額の単価あるいは数量などの検討が必要になってくるように思われます。  このような点を見ますと、一極集中問題の解決のためには、広く国土政策一般、都市づくり政策あるいは国と地方の事務配分等の問題をまず検討することが先決ではないかと申し上げて、意見を 終わります。ありがとうございました。(拍手)

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 ありがとうございました。  以上で参考人からの意見の開陳は終わりました。     —————————————

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 これより参考人に対する質疑に入ります。  御発言は、委員長の許可を得てお願いいたします。

山口鶴男日本社会党・護憲共同

○山口(鶴)委員 御意見を拝聴いたしました。私どもは、今参考人が提起されました自治体への権限移譲を徹底的にやるべきだ、私どももまさに賛成であります。  お話のあったように、パイロット自治体というような考え方、これ自体も大変不十分だったのが、しかもそれが各省の抵抗で後退したなどということは、まことに私ども遺憾なことであると思っております。ですから、地方自治法の末尾にありますこの別表、機関委任事務が都道府県、市町村にわたって膨大なものがあるなどということは、これはできる限り速やかに解消すべきである。  結局、官庁機構の中央集権化が、お話のあったような一極集中を加速しているという状況があるわけですから、それは私どもも積極的に進める、同時に、国会だけ移転しまして官庁がそのままというのもおかしいわけですから、官庁機構を国会とともに移転する場合は、当然、今申し上げたような自治体の権限強化を行って、財政面でも行政面でも両方だと思いますが、そうして官庁をスリムな体制にして、そういう中で移転をするという形でなければ、これはいかぬだろうというふうに考えているわけです。したがいまして、私どもとしては、移転だけ考えて、現在の中央、地方の権限の問題はそのままでいいというふうには思っておりません。それをセットにしてやることも必要ではないかというふうに考えているわけでありまして、その点について、御意見をいただきたいと思います。  それから、前回、私どもは地震関係の専門家の方においでをいただきまして、東京あるいは東京周辺の災害の予想について、専門的立場からお話をいただきました。マグニチュード八程度のものが東京にすぐ来るだろうか、そういうおそれはない、しかしマグニチュード七程度の直下型地震、相当大きな被害をもたらすであろう災害というものは予想せられるというようなお話でございました。  したがって、私どもとしては、地震対策を考えた場合、官庁だけ安全であればいい、国会だけ安全であればいいということではなくて、国会あるいは官庁が移転しました後、相当な土地というものが生み出されるわけですから、当然それは安全対策と申しますか、そういう形でやはり考えることが、東京全体の災害の安全対策を考えた場合、やるべきじゃないか。それではほかの形で、では東京にそういった公園その他避難所等を設置する方法があるかといえば、これはなかなか民間の土地を動かしてというようなわけにはいかないわけですから、そういう意味では、やはりこの国会なり官庁なりの移転を行って、それによって生み出された土地を東京全体の安全対策に使っていくということがあってしかるべきではないだろうかというふうにも思っておる次第であります。  そういった災害と安全対策、東京をどうするのかということについて、今申し上げたようなことに関連して、御意見があれば伺いたいと存じます。

小沢辰男武蔵大学経済学部教授

○小沢参考人 最初の、いわば国会、官庁移転にあわせて権限の自治体への移譲あるいは官庁をスリムにするというようなセットのやり方ではどうかという御意見でございます。これについてはなかなか難しいだろうと思いますが、申し上げましたように、やはり経済力の集中の原因でありますオフィス化を初めとする都市計画あるいは建築行政について、もっと基本的な公共目的に立った、あるいは公共目的を実現する立場での対策が相当強力に進められるべきではないかというふうに考えます。  それから地震対策の問題でございますが、いずれにしても政治機能の移転ということになりますと五年というようなわけにいきませんので、十年あるいはそれ以上もかかる可能性が十分予想されるわけであります。例えば東京圏はかなり重化学工業地帯などもありまして、自然の災害だけではなくて人為的な災害の危険もありますので、消防行政それから防災対策等につきましてもっと力を入れるという姿勢がありませんと、地震の場合の政治の中枢機能だけは残しておかなければいけないんじゃないかというような考え方が前面に出てしまうような気がいたします。  以上でございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 今お話を伺っておりまして、私の方は、当面これから国会で取り組まれる具体的なことについて少しお話を伺っておきたいというぐあいに考えておるのですが、先ほどのお話の中で都市計画法あるいは建築基準法といったものについての言及がありましたけれども、実は今度の国会に約二十年ぶりの都市計画法及び建築基準法の大改正ということが提案されるということになっているわけなんです。  その改正に当たりまして、まだ政府案そのものは閣議決定されているわけではありませんので、余り踏み込んでお話を伺うのはどうかというぐあいに思いますけれども、一部新聞等で発表されている内容でいいますと、例えば用途規制などのあり方について、よりメニューをふやすという考え方で改正案がどうも準備されているようであります。  今先生のお話の中には、一番重要な部分は、地方自治体、とりわけ市町村への権限の委任の問題が非常に重要だというような御指摘があったわけなんですが、これが今度改正されまして、今度の国会で議論され、成立するかどうかということはまだ国会の中の話ですけれども、これは大変重要な問題を含んでいる。これが今度改正されますと、当然あと十年、二十年は大きな意味での改正というのはないというぐあいに考えなければならないわけですから、実は今度の改正に当たってその基本的な部分、改正の背骨に当たる部分だというぐあいに思うのですが、権限の問題、あるいは市町村、地域住民の合意形成のシステムなどをきちんと盛り込んだ形で今度の改正が行われなければならないというぐあいに考えているのですが、それについての御意見をぜひ伺いたい。  若干私の方で勉強いたしました内容で、例えばフランスでも一九八三年に、中央集権体制を改めるために与野党が一致してまず何からやるかといったときに、都市計画制度のあり方についてまず市町村に権限を移そう、そのために国と県と市町村の権限のあり方についてきちんと定める法律を与野党が一致してつくりまして、そして今十年余かかって取り組んでいる。まだまだ混乱は若干続いているように聞いておりますけれども、やはりそういう姿勢が、この都市計画制度のあり方については国会の中では必要なのではないかというぐあいに思うのですが、それについての御意見を伺いたいというのが一点です。  それからもう一点は、今東京二十三区で約一千二百万の人口が集中しているわけでございますけれども、その集中を分散化するいろいろな手法を今先生からも御指摘があったのですが、私はもっとやはり、二十一世紀までにといってもあと数年しかないわけですけれども、二十一世紀の、少なくとも二〇一〇年ぐらいまでの間にこの一千二百万の人口を例えば一千万ぐらいにするということを、国と東京都がある意味ではお互いに意見交換をしながら、そういう目標設定をするべきじゃないか、そういうことでないとなかなか具体的な手法が出てこないというぐあいに思います。  と申しますのは既に、臨海副都心の問題もそうですが、東京の外郭道路の計画などもあるんですね。ワシントンDCなどの経験を聞きますと、やはり外郭道路の議論があったそうですが、これ以上の集中をもたらさないために外郭道路は断念し たというぐあいに聞いています。東京の場合は、道路交通事情その他で、そういう道路を新たにつくらなければならないという議論についいくわけですけれども、これはやはり集中をもたらすことになるわけでありまして、当面そのことは、渋滞その他ありますけれども、これ以上の集中をもたらさないために、例えば外郭道路についての検討をする、あるいは臨海副都心のあり方についても検討する、そのためにはやはり将来的な、人口集中の今の現状について、二十一世紀の十年、二〇一〇年までは人口を例えば一千万人ぐらいにするというような大きな目標を国と都との間で打ち立てていく、そのことによってアナウンス効果をきちんとつくるという必要もあるのではないかというぐあいに思うのですが、そういったことについての御意見をいただければありがたいというぐあいに思います。

小沢辰男武蔵大学経済学部教授

○小沢参考人 第一の、都市計画法の改正が今度出されるようでございますけれども、例えばドイツ、旧西ドイツでは、この地域は住宅地区だというようなことにいたしますと、日本のように、結局原則としてオフィスビルを建ててもいいというような運営がなされているようでありますが、この点で、メニューを多くするということも一つのやり方だと思いますけれども、やはり公共目的実現のためには、身近なところへ都市計画の権限がおりて、そこで十分住民参加を含めた運営がなされ、今までのような規制緩和というのは、公共目的からいえば必ずしも規制を緩和しないという場合もあり得るというような運営がぜひ保障されるようになってほしいなと思います。  東京都市計画局の職員であります大野輝之さんという方がアメリカの同じレイコ・ハベ・エバンスという女性と一緒に書いた岩波新書の「都市開発を考える」というのがありますが、アメリカでは、規制の緩和というときは、公共目的実現の見地で運営が行われているということで、必ずしも自由にやれるというようなことではないんだということを中心にして、今回出ました「都市開発を考える」という本は大変いい本ではないかと思います。  それから二つ目の、国と東京都が話し合って、二十三区部ではなくて東京都全体の人口減の方策を話し合って考える必要があるのではないかということについては、全く賛成でございまして、臨海副都心計画も、聞くところによりますればかなり一部で計画されて、これが空から降ってきたような形で始まったということのようでありますが、ましてや、さらに進んで国あたりも入って東京の将来を考えるようにしたらどうだということについては、私、全く賛成であります。  以上です。

中村正男日本社会党・護憲共同

○中村(正男)委員 三点ほどお聞きをしたいのですが、一つは、先ほどから出ておりますが、行政の中央集権が強いという指摘と関連しまして、縦割り行政というのが言われて久しいわけでございますが、この段階で中央省庁の統廃合を一遍積極的に考えるべき時期に来ているんじゃないかな。例えば通産省と郵政省、境界をどこに引くのか、情報産業の発展等々からいたしますと、そういった指摘もされると思います。これについての御意見。  それから自治体への権限移譲、権限強化という問題と関連いたしまして、これもひとつ四十七都道府県、果たして今のいろいろな行政からこの線引きが必要なのかどうか。いわゆる広域行政への見直しの時期に来ているのではないか。これについての御意見をお聞きしたい。  三点目は、バブル経済が崩壊をいたしました。私は、ある意味においては、これはこれからの日本経済にとっての一つのあり方を示したものではないか。本来、日本は、やはり物づくりに徹して地道な実体経済を進めていく、言いかえますと、二次産業に対してもっと投資が促進されるような、そういう施策をこの際、国、地方自治体含めてやる時期に来ているのではないか。  それに関連いたしまして、主要産業の、大企業がどうしても大都市周辺から離れたがらない。やや地方に分散はしておりますけれども、もっと地方都市周辺へ工場展開をすべきではないか。とりわけ東北地方、秋田、青森等には日本の先端産業はなかなか出ない状況にあります。国がもっとそういう面では、いろいろな角度から助成をすべきではないかというふうに思うわけです。  それと関連して、やはり東京一極集中の一番大きな経済的な背景には、主要企業の本社機構がどうしても東京に集中するわけですね。これは本当に必要なのかどうか。もっとこれを地方に分散していく、言いかえますと、東京から本社機構を排除していくということがやれないものか。  以上三点について、参考人の御意見をお聞きしたいと思います。

小沢辰男武蔵大学経済学部教授

○小沢参考人 第一点の、この際、中央政府各省庁の統廃合というようなことも考えるべきではないかということでございますが、私、残念ながら最近余り勉強しておりませんので、どういう角度で取り組むかについて十分な意見が出ませんが、これは恐らく必要になるだろうと思います。  二番目の、自治体への権限移譲に関連しまして、四十七都道府県等を中心とする広域行政の問題についてどう考えるかということでございます。  広域行政といっても、現在の制度上保障されている一部事務組合から市町村連合あるいは都道府県の連合、協議ということに至るまで、広域行政にはいろいろあろうかと思いますが、結局これではらちが明かないので、現在の都道府県を制度を改めて道州制にせよ、あるいは中央の方も権限を地方支分部局にもっと大幅に移して、そしてこの道州制とドッキングさしたらどうかという考え方は以前からずっと続いておるわけであります。ここまで来ますと、これは地方自治の問題に関連してきますのでそれこそ難しいですけれども、本格的に全国知事会あるいは市長会を初め国民との対話、話し合い、そういうことが必要になろうかと思いまして、なかなかこの道州制まで行くのは難しかろうということでありまして、先ほど御紹介いたしました全国市長会の提言はそのことを考えておりまして、現在の力のある三十万都市というようなところを中心にして、ちょうど行政改革審議会の方のパイロット自治体の試みと似たようなものでありますが、やはりできるところから着実にやっていくというようなことが必要ではなかろうか、そういうふうに思います。  三つ目の、バブル経済の崩壊ということに関係しまして、工業再配置計画を含め、工場といいましょうか、これの特に地方への立地についていろいろな援助の仕方、仕組みを考えなければいけないのではないかという点につきまして、最初の地域開発とか工場誘致とかいうような問題から今は少し問題がずれてきて、もっと上の広い問題になってきているようでありますが、確かにこの点をもう一回考え直すことは必要ではないかということについては、賛成でございます。  それから、本社機能の東京への集中でございますが、これは情報量が東京が多いし得やすいというようなこと。それから政府、財界、政界との、いわばフェース・ツー・フェースの、顔を合わせるというような機会が東京にはある。これも情報でございますが、こういうことのために、大阪にあった大阪の会社が東京に移ってくるというようなことになるようでございますが、この点では、やはり情報の発信、受信の仕組みみたいなものが、これは私もまだ勉強不十分でよくわかりませんが、これもあわせて考えて、本社がやはりいい空気を求めて地方に移転するというようなことが必要ではなかろうかという御指摘については、私も賛成でございます。  以上です。

五十嵐広三日本社会党・護憲共同

○五十嵐委員 今のお話をお聞きしておりますと、非常に同感するところも多いのであります。しかし、要するに首都機能移転は必要なのか必要でないのかという点について端的に御意見をいただければありがたいというふうに思います。地方分権が必要だということも全く同感で、国会決議にもあるのでありますが、この際、我が国の政治、 行政というものを根本的に変えていこうということも大目標の一つというものであろうと思いますので、むしろ私なんかの気持ちでは、そういう分権を中心にした我が国の政治、行政のシステムの改革の一つの手段に首都移転があると言ってもいいくらいな気持ちなのであって、そういう分権と首都機能移転というものを一体化して、この際、長期計画を持ちながら、同時並行してそれを実現していくというような考えについてどのようにお考えか、お聞きしたいのです。  それで、もう今までも分権の問題というのは先生御存じのように、もう長い間、臨調、行革審その他、地方制度調査会だとか数々言われてきているのですが、しかしちっとも進まない。機関委任事務のときは、むしろふえてきているというようなことでありますから、私はやはり、何かの画期的な切り口というようなものを求めなければなかなか難しいというふうにも思うのです。このごろ、行革審の豊かなくらし部会等でなかなか積極的な分権に関する提言なんかがあって、我々も、いや行革審も変わったなあという感じさえするのでありますが、ですからやはりこの際、そういうものを背景にしながら、一気に分権構想というものを進めていくという、そういう方向の中に首都移転というものも位置づけていくということのように思うのですが、どうでしょうかという点が一つであります。  それから二つ目は、先生、東京はやはり経済の集中が原因で、そこにメスを入れなきゃ一極集中の解決にならぬ、こうおっしゃっておりましたけれども、具体的にはどういうことなんだろう。それは単に都市計画がどうこうということなのか。第一生命あたりも、それこそパイロット的に外に行ったのですけれども、また実質的には戻ってきたというように、これはなかなか大変なことであろうと思うのですが、しかしやはり、そこが原因で、そこにメスを入れるべきという御提案の方向としてはどんなような考え方があるか、その辺もお伺いしたいと思います。  それから三点目は、分権して、そこの、地方の受け皿の問題として、今回の拠点都市法案であるとか、あるいは今度の行革審の部会のパイロット自治体の提案なんかがあるわけですね。これはまあ、ヨーロッパでいうフリーコミューンの流れをくんだ考え方であろうと思うのですが、具体的に言って、この拠点都市法であるとかあるいはパイロット自治体であるとかという考え方について先生は御賛成か、そうでないか、その点もお伺いしたいと思います。

小沢辰男武蔵大学経済学部教授

○小沢参考人 最初の、首都機能移転は必要か不必要か端的に答えるように、こういうことでございますが、私は、やはり大きい問題であるだけに、これがきっかけになるだろうということではやはり不十分ではないか、かなり周到な、全面的な研究、検討が必要ではなかろうかというふうに思われます。中間まとめの中の地震対策というようなこと一つとりましても、考えようによっては、政治の中枢機能だけがそちらへ、外へ出てしまって、残された住民はどうなるんだということについての反論、意見もあることでございますから、かなりこれから意見の聴取も広くやられるようでありますが、こういう問題が十分解決される中でないと、首都機能移転という政治機能だけ移転するということがいわば浮き上がってしまうことになるんじゃないか。だから、必要か不必要かという点では、やはり条件がかなり満たされないとまずいんじゃなかろうか、こういうことでございます。  それから二つ目の、経済機能にメスを入れる、集中の原因はここであるからメスを入れるという意見だが、その点について具体的な方策があるか、こういうことでございます。これは、民間の企業に余り強制するというようなことはなかなかできませんから、まあ条件づくりということになろうかと思いますけれども、やはりこれも全力を挙げて調査研究をする中で、先ほど申し上げました集積の利益と不利益の比較検討というようなものを通じて、中には企業の方も、人が得られないとか土地の値段が高いとかいうことで外へ出ていくということもあるわけでございますけれども、こういう点の検討がもう一遍、中央省庁あるいは国会の方々を含めまして大々的な、むしろ調査会をつくって、この集積の利益と不利益というのをどういう手法でどういうふうにとらえて企業側にも訴えていくかというような手法を開発することが必要ではないでしょうか。  そういうことで、具体的な提案ということになりますと、これは強権でやるというようなわけにいきませんので、はっきり言いますと、やはり公共投資計画を生活環境あるいは生活基盤強化の方向にできるだけ向けていく、それから先買い権を初め土地問題についてもできるだけ手をつけて公共用地をふやしていくというようなことの中で民間企業の方にも訴えていく。そして具体的には、東京についていいますれば、オフィスビルの建設をどう展開するか、それに対してどういうふうに規制を加えていくかというようなことは、ちょっと遠いようでありますけれども、やはりこの点が重要になるのじゃないだろうかというふうに考えます。  それから三つ目の、地方の受け皿としての、今出ております拠点都市法案とか、それから行革審が出しているパイロット自治体制度というようなものについてどういう意見を持っているか、あるいは賛成か反対か、こういうことでございますが、私は、先ほど申し上げましたように、道州制とか市長村合併を強力に進めるというようなことは、かえって摩擦を防ぐという意味では、そして中央省庁もなかなか権限を離さないわけでございますから、やはりこういうパイロット自治体というようなところから始めていく。あるいは先ほど申し上げました全国市長会の提案は、そのことを十分含めた意味で三十万都市くらいを、まあ五十嵐先生も地方の市長さんの御経験がありますので、三十万都市ということになりますと、かなり自主的な行政運営、独創的な行政運営も場合によればやれるということでございましょうから、どうなるかわかりませんが、特にこのパイロット自治体の考え方については、先ほど五十嵐先生言われたような、かなり今までと違うなと思われたという点で私も違うな、むしろ本当にやれればいいなという意味で、こういう考え方には賛成でございます。

杉浦正健自由民主党

○杉浦委員 二点ほどお伺いいたしますが、先生の御所見は、遷都について積極的なお立場での御意見と拝聴させていただいたのですけれども、遷都を行う場合に土地対策というのが大切だろうと思います。地価高騰対策と申しましょうか、東京の二の舞を繰り返さないということが大切だと思いますが、その点について先生のお考えをまずお伺いしたいと思います。  それから第二は、この間の中間報告では、首都圏から六十キロ離れたところということで、具体的な地名の言及はなかったわけでありますが、遷都を行うとすれば、先生の御意見としては、どこが適当とお考えか、率直にお伺いしたいと思っております。

小沢辰男武蔵大学経済学部教授

○小沢参考人 遷都の対策として、もしやるとすれば土地対策をどうするかということでございますが、これは中間報告でも、投機防止の対策、土地取得の対策、土地利用対策等について検討する必要があると言っておるわけでございまして、十分考えていると思います。これは合意を得なければいけませんけれども、やはり特別法でかなりこういう土地の投機などを抑えるというようなことを、首都移転土地対策特別法とでもいうようなものを設けないと、これは私権の制限になるということで大変なことになりましょうけれども、土地基本法もあることでございますので、もしおやりになるならそういうことを考えてもいいのじゃないか。それほど重大なことでございますので、なかなか難しいと思いますが、特別法をつくって規制をするというようなことが必要になってくるだろう。  私は、政治・行政機能だけをともかく先にやるんだということにつきましては、やはり国民の気 持ちも含んだ総合的な国土政策の検討というようなものをやる中で動くのでないと、うまくないのじゃないかというふうに考えます。  それから、もしやるとすれば、六十キロ圏以外のところでどこがあるかということでございますが、これはいろいろな条件が出ておりまして、地震、火山の災害の危険の少ないところとか、水が十分あるところとか、土地取得が容易であるところ等々のことが書いてありますけれども、六十キロ圏の外ということになると、周辺は大体栃木、茨城の周り、恐らく千葉の方はかなり無理でありましょうから。それから山梨、浜松というようなところ、この中間報告で言えばそういう辺が考えられて、しかも活断層のあるようなところは避けるということになりますと、これは今後の発展として、そういう地震の起こりやすい地図、マップを調べ上げるとか活断層を調べ上げるという中で決まるだろうという以外、ちょっと私もはっきりしたことはわかりません。  私は山梨県の産でございますから、山梨県がいいではないかということになりますと、これは我田引水というもので、そういう考え方ではおかしいので、やはり今のような、ここにあります「移転先地に求められる条件」を十分に検討するということが必要になるだろうと申し上げる以外ないと思います。  以上です。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 端的に伺いたいのですが、首都機能の他方移転をいろいろ主張される方は、理由はたくさんあります、大小さまざまあるけれども、私の知る限り、大別すると、一つは、一極集中、過密をどう解消するかというのがその理由の大きな一つだ。もう一つは、地震、特に地震災害ということを念頭に置いて移転した方がいいのではないか、こういうのだと思うのです。  もう一歩率直に踏み込んでみると、一極集中それからまた地震災害というものからの解消、逃げるということになると、何か首都機能の移転が決め手であるかのように組み立てる論理がある。私は、それに同意はしない。そうでなくて、これは先生もお話しになりましたが、一極集中というのは自然の流れでなったのではないので、政治が深く関与していたからそうなるのです。そういう点からいえば、一極集中を加速させたのは、民間活力導入とか首都改造計画そして建築基準法などのいろいろの規制の緩和、そういうものがあったと思うのです。  具体的な問題で私は聞きたいのですが、例えば東京で今進められている臨海部の再開発、副都心再開発という問題があります。これは、八八年から始めて九八年までという計画が、都議会の中でもごたごたして、結局二年延ばして二〇〇〇年ということになったのです。それで計画は進めるということです。進めていくというその点で言えば、東京駅から東京湾に通ずるあの周辺一帯がビジネスビルの大建設になるわけです。これは計画に出ている。そして、そういうことであれば、当然道路、交通、ごみ、上下水道、環境等々大問題があることも事実なのです。しかし、それを今進めているわけです。そして二〇〇〇年までにやるというわけです。首都移転は二〇〇〇年までにできると言っている人はもちろんだれもいない。それでは何年かかるかというと、二十年ないしそれ以上というのがあったり、人によっては八十年ぐらいかかるかもしらぬと。だんだん移転して、国会から先で、政府機関は後からくっついていく、こういうようなことをやったら、とんでもないことなのです。  そこで先生に伺いたいのは、一極集中は加速しているのだから、国会移転議論は大いにやるべきだし、やっているのですが、加速している一極集中をとめなければならない。私は、そのためには、各方面から問題になって言われている東京臨海部の副都心再開発を抜本的に緊急に見直す必要がある。これを見直さなければ、矛盾はやたらに拡大する。そして、一極集中を解消する一つの方法が首都機能の移転だなんていって議論をしている間に、一極集中はどんどん矛盾を広げるのだから、ここのところの見直しを根本的に、抜本的にやるべきだと私は思うのですが、その点どうでしょうか。

小沢辰男武蔵大学経済学部教授

○小沢参考人 一極集中の原因は必ずしも自然現象ではなくて、民間活力導入施策あるいは規制の緩和策を初めとして政策によるものだという点をはっきりして、もっと公共目的の見地に立った規制の今度はむしろ強化といいますか、そこまで踏み込む必要があるのではないかということは、私は、基本的にはそういう主張をきょう申し上げたつもりであります。  それから臨海部開発の問題でございますけれども、公開の場でこの開発計画が出されたものではないように聞いておりますし、解消論の系譜で言えば、改造論とか改都論とか言われる考えであるようでありますが、まさにこれは一極集中に逆行するといいますか、そういう計画であり、気持ちの上では集中の中の分散だ、ちょうど池袋、渋谷等々を中心とする副都心計画のいわば最後の副都心計画だというようなことで、頭の中では、例えば東京都の当局の方々は、これはもう分散をしている計画なのだというふうに考えておりますけれども、中身がまさに金融センター、情報センターを中心とする一大情報都市をつくる、国際金融都市をつくるというようなふれ込みでありまして、決して一極集中是正論という立場に立った開発計画だとは思えないということであります。  こういう計画を、今のところでは例えば住宅建設に重点を置く、あるいは埋立地を公園にするというような計画をし、それからいろいろな都民のための施設をつくるという点からいえばまだ間に合うと思いますので、これは、本当はこの委員会で本格的に、東京臨海部開発とは何ぞやというのをむしろやっていただきたいなというふうに私は思う次第であります。そういう意味では、臨海部開発とは何かということをどうも都民一般の方々も十分にはわかっていないのじゃないかというふうに思いますので、むしろ委員会で少し臨海部開発に関係している東京都の方々を呼んで、十分議論をしていただくのがいいのじゃないかというふうに私の方から提案したいと思います。  以上です。

金子満広日本共産党

○金子(満)委員 実際は、一極集中を解消し、解決するということが言われながら、一極集中は、今臨海部の再開発問題でも申し上げましたが、例えば東北、上越新幹線の始発がずっと上野だったのですが、これを今度東京駅にほとんど全部と言っていいほど持ってくるのです。そうすると、これは交通網の一極集中なんですよ。あの東京駅は地下何層にも、JR、私鉄含めて物すごい本数が入るわけです。こういうようなことがどんどんやられると、これがまた臨海部の再開発と無関係ではないだろうという気もするわけですね。そういう点が、違う議論をしているうちにどんどん進むというわけですが、私は、地震対策の問題で一言伺っておきたいと思うのです。  首都移転というと、地震から何とかと言葉が出るわけですよ。言われるように、地震によって首都東京、過密の中では大きな被害が出るだろう。国会は先に移転しておいて、国会議員の方は安全地帯で、東京都民の方はその中でほどよくやってくれというのでは、これはもう政治も何もないわけですからね心東京都千二百万というけれども、通勤圏を入れて首都圏というと三千万だというのは、言われるとおりだと思うのです。  そういう中で、首都機能移転問題に関する懇談会の今度の中間まとめでは、移転しても六十万人だというんですよ。三千万人分の六十万人ですよ。これで過密が解消したとはだれも言えないわけですが、そういう中で地震対策という場合に、それは細かくはいろいろなことがあります。ガスの元栓を締めるということから、運転している自動車をとめろとかいっぱいありますよ。あるけれども、地震対策で最大の問題は開かれた空き地ですよ。オープンスペースをどうとっておくかという問題ですよ。これは二階建てでつくるわけにはいかないわけです、地面そのものなんだから。そうしますと、その地面が今どんどん狭まることは あっても広がることはないような状況になっていると私は思うんですね。ですから一般的に言えば、公園とか緑地とか農地とか、それから旧国鉄用地とか河川敷とか、こういうことについては特別の注意を払っていかなければならぬ。そして、バブルの中での土地転がしで今パンクした、破産した土地業者や不動産業者がかなりいるわけです。ですから、都心部は空き地になって使い道がなくて駐車場にしているのが大部分じゃないですか。そこへ持ってきて、この国会周辺もそうですけれども、千代田、中央、港なんかでは小学校がどんどん廃校になるんですね。あの空き地、どうするんですかということになります。これは法人の所有ではないわけですよ。ですから、よく言われる都心三区で法人の土地所有というのは、約七〇%が法人が持っているわけです。  こういう中で、首都ですから国の責任もあり、東京都はもちろんのことですけれども、この空間をどう維持し、確保するかという点にもっと力を注ぐべきだ。そういう点でいきますと、具体的には建築基準法などの規制緩和はもう早急に見直して、やたらに建物ができるようなことは規制するというのが一つと、それから首都圏における農地は、災害という点から見たら宝ですよ。これをどんどんつぶしていくようなことはもうやめるべきだという点でいくと、農地に対する宅地並み課税という問題についても見直し検討はしなければならぬ。そして、旧国鉄の用地などというのは民間企業に売却することはやめる。そして公的機関がこれを維持して、できるだけ空間を多くして持ち続けるということをしない限り、今度は一般都民からいえば、ああ、そうですか、災害対策で国会移転して、議員の皆さんは地震対策で大いに結構ですね、我々はどうしてくれますねということになるので、私は、くどいようだけれども、こういう空き地をどう確保し、拡大するかという点で先生の御意見をちょっと伺っておきたいと思うのです。

小沢辰男武蔵大学経済学部教授

○小沢参考人 先ほど申し上げましたように、表5「四大都市の道路率とオープンスペース率」という表を見てみますと、いずれも東京がニューヨーク、ロンドン、パリに比べて極めて低い。端的にオープンスペース率という形で東京が六・二%、ニューヨークが一四・二%、ロンドンが一四・二%、パリに至っては二三・六%ということで、これはパリの面積に対応する区部八区、千代田、中央、港、新宿、渋谷、豊島、台東、文京八区に対応するオープンスペース率という計算をやっているようでありますけれども、これは何といっても少ない。そういう点で、今具体的に指摘されました、旧国鉄用地の民間払い下げはやめて公共目的のために使用し、かつ全体としては緑を、あるいは公園を広げる、あるいは広場を広げるというように使うということでないとうまくないんじゃないか、こういうことでございますが、まあ旧国鉄はこれを売って自分の命までの過去の借金を減らすというような建前を持っておりますから、これをよほど強力にやりませんと、これだけでもなかなか大変な問題であろうかと思います。  あと、生産緑地制度を含めまして、宅地並み課税の問題につきましては、これはもう相当意見の違いもありますけれども、オープンスペースを残すという点では、これはやはり相当見直してもらう必要があるんじゃないか、特に、三十年というのは少し長過ぎるんじゃないかというふうに思う次第でございます。  それから、全体として、もしこの計画が推進されるとして、この政府関係機関の跡地の問題なんかについてもどうせ法案化されるんだろうと思いますが、これは、一も二もなくオープンスペースの用地として確保するんだくらいの考え方が出るということが大事ではないかと思います。全体として、いかさま東京はオープンスペース率が他の国の大都市に比べて低過ぎる、これは何とかしなければならぬという見地に立たないと、国会、政府機関が移転しても、東京がそういう意味で住みよい都市にならないのではないかという御指摘には、全く賛成でございます。  以上です。

村田敬次郎自由民主党

○村田委員長 以上で小沢参考人に対する質疑は終了いたしました。  この際、小沢参考人に一言お礼を申し上げます。  小沢参考人には、貴重な御意見をお述べいただき、まことにありがとうございました。委員会を代表して厚く御礼申し上げます。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時三十一分散会

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