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123回国会衆議院1992/05/15

厚生委員会 第11号

発言数
128
登壇者
13
会派数
5
開催日
1992/05/15

会議録

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 これより会議を開きます。  第百十八回国会、内閣提出、医療法の一部を改正する法律案を議題といたします。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。網岡雄君。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 医療法改正案の採決を目前に控える状況の中で、若干確認質問、そして一般質問をさせていただきまして、この際、医療法改正案に対する政府の考え方をお聞きしていきたいというふうに思うところでございます。  そこで、まず第一の質問でございますが、今回の改正案では医療提供施設という定義を置いて、その中に老人保健施設も含まれるとされているのであります。これは先日の質問の際にも私、質問をさせていただきまして、厚生省の考え方もただしたところでございますが、改めてお尋ねをいたしますけれども、老人保健施設と病院は本来別の施設であります。したがいまして、老人保健施設は医療提供施設であると同時に、一方におきましては福祉関係の性格を持つ施設であると考えておりますが、この点について厚生省のお考えをお聞きする次第でございます。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 今回の医療法改正案におきましては、老人保健施設の医療を提供するという側面に着目しまして、医療提供施設の一つとして老人保健施設を位置づけているところであります。しかし、老人保健施設につきましては、開設許可等の基本につきましてはこれまでどおり老人保健法の定めるところによることとしておりまして、医療サービスと日常生活サービスをあわせて提供するというその性格に今回の改正でもって変化が来るということではございません。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 二つ目に御質問申し上げますが、今日の土地取得の状況は、御案内のように土地を取得することが非常に困難な状況にございます。したがいまして、こういう土地取得の困難な状況というものを踏まえてまいりますと、病院の施設基準につきましては、すべての施設が病院内でなければならないという規定になっているわけでございますが、これの運用を改めまして、一部のものは隣接であってもよい、あるいは公道によって隔たっていても、事実上一体的な状況に入っているという全体の判断がされるような場合にはこれを認める、こういうことについて事実上の運用を図っていく時期に来ていると思うのでございますが、この際、厚生省のお考えをただしたいと思います。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 病院の各施設につきましては、それぞれ有機的な関係を持つ必要があるということから、公道によって隔てられている場合には、施設としての一体性、それから患者に対する影響等の問題がございますので、これまでは原則として認められないということでまいりましたが、患者が使用することのない施設、かつ患者に医療サービスを提供する上で支障がないものにつきましては適切に運用していくことができないか、現行法の運用問題として、個別事例に即しまして改善方を検討してまいりたいと思います。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 ぜひひとつ運用の面で、実態的な実情を考慮した上で対処していただきたいということを要望する次第でございます。  次に、三つ目の質問でございますが、今回の法案の附則には、当厚生委員会で大変大きな議論になったインフォームド・コンセントについて検討し、その結果に基づいて必要な措置を講ずる旨の規定が設けられようといたしております。私は、これはまことに今日の時宜を得た附則修正であるということで、評価をいたしたいと存じます。  そこでお尋ねをいたしますが、今後この規定に基づいてどのようなプログラムで厚生省は検討することになるのか、この際、明らかにしていただきたいと思います。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 いわゆるインフォームド・コンセント、十分な説明と同意というものにつきましては、医師と患者の信頼関係を支える一つの方法として、今後の医療提供の理念におきまして重要事項であると考えております。  これまでの御審議におきます御意見等を踏まえまして、今後、医療現場における信頼関係を築くための方策の工夫の仕方などの把握に努めるとともに、信頼関係に基づく医療のあり方について検討してまいりたいと考えております。各種の検討会で検討をお願いするということになろうかと思いますが、その際には医療の担い手だけでなく、医療を受ける立場の方の御意見も踏まえて検討していくように配慮したいと思っております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 今局長から最後のところで御答弁をいただいたわけでございますが、私もその点が、もし厚生省で検討委員会なりあるいはこのインフォームド・コンセントの検討を進めていきます場合には、非常に重要だと思うのです。医療をする担い手の方の代表は出ますけれども、医療を受ける立場にあります患者の意見というものが、ともすれば水面下にあったというような嫌いが今日まであったような気がいたします。今局長から明確な答弁がございましたが、検討委員会などを持たれました場合には、患者の声を代表する人たちの委員会に対する参加をぜひひとつ保障していただきたいということを再度確認の上で御質問申し上げますが、お答えいただきたいと思います。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 現在の関係審議会の構成委員を見ましても、そのような方も入っておられるわけでございますが、さらにこの問題は患者、受ける方というのは非常に関係するところが多うございますから、そのような点に十分配慮して進めてまいりたいと思います。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 次に四番目ですが、インフォームド・コンセントは、医療の倫理として極めて重要なものであることは言をまたないところでございます。当然のことですが、今後の大学におきます医学の教育などにおきまして、インフォームド・コンセントは重要な教育課題とならなければならないと思うのであります。  そこで、一つ問題提起として私申し上げたいのでありますが、医療の倫理をわきまえた立派な人格を備えた医師をつくるためにも、医師、歯科医師の国家試験でこのインフォームド・コンセントの問題を取り上げれば、当然のことでございますが、これらの大学教育の中でインフォームド・コンセントの教育は一段と進むというふうに思うのであります。医学の倫理教育としては大きな意味を持つと思うのでありまして、ぜひひとつ検討してはどうかと思っているところでございますが、この際、厚生省のお考えをお尋ねを申し上げます。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 医科大学、医学部等の教育内容について厚生省は直接関与するという立場にはございませんが、私どもの関係いたします二とといたしましては、医師国家試験の重要な項目であるということ、それからまた卒後臨床研修という立場は我々が直接所管していることでございます。  そういう立場から、既に医師の国家試験の出題項目として、中項目の中に「医師と患者・家族との関係」あるいは「医療行為」という項目がこれまでございました。しかし、それをさらに明確にいたしますために、今回インフォームド・コンセントという言葉も入れて、国家試験の出題項目として挙げたわけでございます。さらに、卒後研修等におきましても、そういう立場からの実習が十分図れるように努力を進めてまいりたいと思います。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 非常に明確な御答弁をいただいて、私も意を強くしたところでございます。  それでは、次の質問に移りたいと思います。  五番目といたしまして、インフォームド・コンセントを定着させるために、これまた私は提起をいたしたいと思うのでございますが、今、厚生省では厚生科学研究費補助金という制度があります。平成三年度では七十四億円の補助がされているというふうに聞いているわけでございますが、この補助金制度を執行するに当たっては、インフォームド・コンセントがその研究の過程の中で必要だというものについては、ぜひひとつ補助金を交付する際に、インフォームド・コンセントを行うということを条件にして補助金の支出をするように、厚生省は今後対応していただきたいというふうに私は考えるわけでございます。  これは厚生省の守備範囲の中で渡される補助金でございますから、厚生省がそのことを判断すれば、いつでもやれる範囲内のものでございます。他の医療機関などにインフォームド・コンセントを進行させていく模範を示す、こういう意味におきましても、厚生省がこの点についてぜひ実施の方向で進んでいただきたいということを考えるわけでございますが、どうでございましょうか。アメリカでは現にこういう方向で実施をしているということを聞くわけでございますが、ぜひそういう方向で検討されたい、実施されたいということを思うわけですが、どうでしょう。

大西孝夫厚生省大臣官房総務審議官

○大西政府委員 お答えを申し上げます。  先ほど古市局長からも御答弁申し上げましたように、私どもといたしましては、このインフォームド・コンセントというのは、医療の場面におきまして医師と患者の相互の信頼関係を支える方法の一つということで、今後の医療を考える上で極めて重要な理念であると考えております。  そこで、今先生御提案の、インフォームド・コンセントを定着普及するために医学関係研究費の助成に当たっての条件にしてはどうかということは、非常に貴重な御提言でございまして、そういうふうに私ども受けとめておりますが、ただ、医学研究一般ということになりますとその対象が非常に広うございまして、必ずしもいわゆる診療に係る部分ばかりではないということが一つございますのと、もう一つは、研究の場合ですと、一般に研究の趣旨を何らかの形で被験者に説明いたしまして、その協力を得て行うということでございまして、医療の場面で用いられております患者に対するインフォームド・コンセントと、若干概念なり内容で違いはあるという感じもいたしております。  したがいまして、一律的にその条件として付すということは、実際問題としてなかなか難しい問題もあろうかと思いますが、せっかくの御提言でございますし、従来から専門家の委員会でその研究費の審査を行っているわけでございますが、そういうインフォームド・コンセントの実施を審査の過程でどのような形で取り扱うかというようなことも、そういう専門家、研究者の意見も一回伺いながら、少し勉強させていただきたいと思っております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 検討、勉強ということでの御答弁でございますが、問題は、私はやる気の問題だというふうに思うわけでございまして、やるつもりになれば、当然これはチェックを打つ範囲というものはおのずとわかってくるところでございます。検討していく方向でやっていきたいという御答弁でございますが、国がこのインフォームド・コンセントの模範を示す意味では、全体のインフォームド・コンセント制度の前進を図る意味で非常に大きな意味を持っておりますので、ぜひひとつこの点については目に見えた前進の措置をとられるように要望する次第でございます。  次に、私どものところにも全国の患者からかなり多くの要望の文書が来ているところでございますが、先日の質問の場合にも出たところでございますけれども、改めて私どもからも確認をさせていただきたいと思うのでございます。  最近、人工透析を受けている患者から、今回の医療法改正によって特定機能病院など大きな病院にかかりにくくなるのではないか、このような改正であればやめてほしいという意味の手紙や文書がたくさん来ているわけでございます。これまでの審議でも質問もあったところでございますけれども、再度この問題について明確な御答弁をお聞かせいただきたいと思う次第でございます。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 今回の医療法改正によりまして、現在通院あるいは入院されております透析患者、さらには難病患者の方々が現在の医療を受ける上でさらに不利益、不都合になるということは全く想定もされていないことでございますが、そのような声が非常に大きいということもわかりましたので、改正を通じ、また実施を通じて、誤解がないように十分周知徹底を図っていきたいと思っております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 それでは、次の質問に移りたいと思います。  第八番目の問題といたしましては、今日、医薬分業が医療の質を向上するために非常に役立っているということは、一般的な常識として評価をされつつあるわけでございますし、今インフォームド・コンセントの質問を行ったところでございますが、分業が進行する過程におきまして医師から処方せんが薬局に回るということは、診療所及び病院が行おうとする医療の中身というものが処方せんの内容によってある面では明らかになってくるわけでございまして、その場におきます服薬指導というのを薬剤師が行うことによって、これまた具体的なインフォームド・コンセントが患者にされる、こういう役割を実は持っていると思うのでございます。  したがいまして、そういう面からいけば、面による医薬分業というものは、その両面において大きな前進をしていくという内容を持っていると思うのでございます。その意味で、面分業というものを進めていかなければならない時期に来ていると思うのでございますが、厚生省としてこの面分業を今後どのように発展、進行させようとしているのか、具体的なものについてぜひひとつお答えをいただきたいというふうに思います。

川崎幸雄厚生省薬務局長

○川崎政府委員 本来の医薬分業の趣旨にかなったどこの薬局でも調剤を行う、こういった医薬分業の体制は、今先生も御指摘いただきましたように、複数病院の受診による重複投薬とか相互作用の防止、調剤薬と大衆薬との相互作用の防止など薬歴管理の効果が十分発揮できるということから、医療の質の向上には極めて重要なものであるというふうに考えております。  そういった医薬分業の体制整備のために、厚生省といたしましては、三師会などの関係者が話し合いなどを行っていただきまして、地域全体で医薬分業を進める医薬分業定着促進事業、こういうものを現在実施しているところでございます。このほか諸施策を進めているところでございますけれども、本年度からはそれに加えまして、地域におきます薬局の受け入れ態勢をより強化するため、地域レベルで調剤用の医薬品を備蓄したり、薬局へ譲渡するなどの業務を行います医薬分業推進支援センターといったものの設置を全国的に進めていくことといたしております。  厚生省といたしましては、以上のような施策を講ずることによりまして、どこの薬局でも調剤を行うというような医薬分業を進めるために、必要な環境の整備に努めてまいりたいと考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 次に御質問申し上げますが、これは前回私が質問をした点でもございますが、今御答弁がありましたような形で面分業が進んでいく、こういうことになりますと、当然薬局は備蓄医薬品を抱えていかなければならぬことになるわけでございます。その場合に、薬局といういわば小経営の形態の状況では、備蓄する医薬品というものは少量にならざるを得ないわけでございます。ところが、その少量の医薬品の種類というものが、今日の医薬品の流通の状況からいきますと極めて困難でございます。  そこで、前にも質問させていただいたところでございますが、分業の際に、行う側からいきますと一番問題点は小包装の医薬品の供給、それから医薬品の分割販売の簡易化、こういうものが非常に重要な役割を持ってくるわけでございます。この点につきまして厚生省は鋭意検討され、努力をされてきていると思いますが、今日時点におきますこの問題への厚生省の対応というものは一体どういうふうになっているのか、お聞かせをいただきたいと思います。

川崎幸雄厚生省薬務局長

○川崎政府委員 小包装の医薬品の供給を推進し、調剤用医薬品の分割販売に際しましての表示の簡略化を図るということにつきましては、医薬分業を推進していくために大事なことであるというふうに考えておりますが、これはまた従来より先生から御指摘を賜っていたところでございます。  これらにつきましては、いろいろ検討をさせていただきました結果、まず小包装品の供給につきましては、ことしの三月、薬価基準収載医薬品の包装単位基準を改正いたしまして、例えば錠剤について申し上げますと、従来の六百錠を百錠にするなど、これまでより小さな包装の医薬品の供給を行っていただくよう、業界団体を指導しているところでございます。  それからまた、表示の簡略化につきましては、医薬品備蓄センター等が地域の薬局に対しまして調剤用の医薬品を分割販売する、こういったような場合には、その医薬品に表示すべき事項につきまして省略したり簡略化できるように、本年五月一日に薬事法の施行規則等の改正を行ったところでございます。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 ぜひひとつさらに一層のこの点における推進を図っていただきたいということを要望する次第でございます。  次に御質問申し上げますが、これから分業が進展をしていくということになりますと、薬剤師の不足が各地で言われるようになってきております。薬剤師の養成及び生涯教育について厚生省としてどう対応されようとしているのか、お答えをいただきたいというふうに思います。

川崎幸雄厚生省薬務局長

○川崎政府委員 ただいま先生が御指摘いただきましたように、医薬分業を進めていくためには、地域での受け入れ態勢の整備という意味で、薬剤師の確保ということがまた重要なポイントになってくるわけでございます。そのため、最近では薬局に勤めでいただける薬剤師さんがやや不足しているといったような声も聞かれるところでございますので、ひとつ未就業でいらっしゃる薬剤師さん方の就業促進対策というものに取り組んでまいりたいというふうに考えておるところでございます。  また一方、薬局薬剤師さんの資質の向上という意味で、薬剤師の生涯教育推進といったような観点での研修といったようなことを進めてまいりたいというふうに考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 それでは、一般的な質問につきましてはこれで終わりまして、次に確認質問に移りたいというふうに思います。  まず、確認質問の第一は、療養型病床群への患者の入院に当たっては、入院日数により機械的に取り扱うことは厳に慎むべきであり、患者と家族の理解と納得が得られるよう十分に配慮すべきではないか、このように考えるのでございますが、この点について厚生省の考え方をお答えいただきたいと思います。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 療養型病床群への入院につきましては、基本的にはその患者が病状安定期にあるかどうか、医師の判断によることといたしております、患者の入院期間によって一律に取り扱うことは考えておりません。  また、療養型病床群への入院に当たっては、医師と患者との相互の信頼関係に基づき、適切に配慮されるものと考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 確認質問の二つ目は、療養型病床群について許可を与える場合には、少なくとも看護単位を基準とすべきだと考えるのでありますが、この点についてどうでございましょう。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 療養型病床群は、病状が比較的安定しながらも長期間にわたり療養を必要とする患者に対して、ふさわしい医療体制を提供するものであり、そのために一般病床とは異なる設備、人員配置が求められております。  人員配置などの面からは、一般に病棟が最小単位となると考えられますが、病状に応じた医療の提供を進める必要があることなどを踏まえ、許可に当たっては、看護単位を基本として運用してまいりたいと考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 第三点の質問でございますが、特定機能病院に係る初診料等の取り扱いについては、紹介外来型病院と同様の取り扱いとするのかどうか、極めて重要な問題でございますので、厚生省の方針をお伺い申し上げます。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 特定機能病院につきましては、高度な医療を必要とする患者を優先的に取り扱うことが望ましいことにかんがみ、紹介制を取り入れることといたしております。  これに係る初診料等の取り扱いにつきましては、中央社会保険医療協議会の御審議を踏まえながら検討することとなると思いますが、特定機能病院制度と紹介外来型病院制度は、その趣旨や要件の面でも相違もあることから、特定機能病院については、直ちに紹介外来型と同様の取り扱いをすることにはならないものと考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 四番目でございますが、特定機能病院の紹介率については、地域の実情も勘案して紹介制度のあり方を考えるということであれば、その紹介率については、地域医療審議会の議を経て特定機能病院が自主的に設定でさるようにすべきではないのか、この点についてお尋ねをいたします。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 特定機能病院につきましては、高度な医療が必要と判断された患者が優先的に医療を受けることができるように、紹介制度を導入することとされている点が制度の特色であります。しかし、特定機能病院が地域医療の一端を担っているということ、また、大学病院の場合には医学教育の観点から一般の患者を必要とすることから、紹介によらない患者も受け入れることといたしております。  特定機能病院における紹介患者の受け入れのあり方につきましては、地域の実情、医学教育の現状なども考慮して適切に対処していきたいと考えており、全国一律の紹介率は考えておりません。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 第五の確認質問でございますが、医薬品情報管理室は既に一部の国立病院や大学病院等にも設置されているところであり、高度な医療を提供する特定機能病院には設置義務を付するべきではないかと思うのでありますが、この点についてどうでございましょうか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 特定機能病院につきましては、高度な医療を提供する上で、医薬品の投薬や管理について専門性を求められておりますことは、私も承知をいたしております。  御提案の医薬品情報管理室については、特定機能病院の構造設備を定める厚生省令を定める際に、その業務内容等とあわせて、医療審議会の御意見も伺った上で、設置する方向で検討したいと考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 確認質問の六でございます。  医療機関の機能別類型化を図るということは、当然それに見合った診療報酬体系の構築を図ることが必要と考えるのでありますが、厚生省の方針はいかがでございましょうか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 今回の医療法改正案におきましては、新たに特定機能病院及び療養型病床群が制度化されることとされておりますが、これらの施設に係る診療報酬上の取り扱いにつきましては、その機能、人員配置基準等の具体的な内容を踏まえ、まずは中央社会保険医療協議会で十分御議論をいただくことになるものと考えております。これを踏まえながら、それぞれの施設に応じた適切な対応が図られるように検討してまいりたいと考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 確認質問の七番目でございますが、広告に関してお尋ねをいたします。  医療機関の広告制限の緩和に当たっては、入院調剤技術基本料や運動療法科、作業療法料などの対象としての人員、施設基準を充足しているとして承認されている旨の広告、訪問看護、総合検診、経過観察などの実施に関する広告、紹介提携医療機関の広告などができるようにし、医師の資格、ランクづけにつながる情報は禁止すべきではないか。  さらに、病院、診療所内に掲示しなければならない事項として、保険外負担の内容と料金、差額室料の料金とその設備の概要などを定めるべきではないかと考えるのでありますがどうでございましょうか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 広告のあり方及び院内表示事項につきましては、医療審議会にお諮りした上で決めるべきものではありますが、患者に適切な医療情報を提供するという観点から、御質問の趣旨を踏まえて、広告の内容及び方法についてより適切な基準を設けるとともに、院内表示事項についても適切に対処してまいりたいと考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 確認質問の八番目でございます。  医療法の目的について、医療の担い手と医療を提供する施設の両面から医療を提供する体制を確保する目的であることを明確にすべきであると思うのでありますが、この点についてはどうでしょうか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 医療供給体制を確立する観点から、医療の担い手の確保は極めて重要な問題であると考えておりますし、改正法案第一条の三におきまして、国及び地方公共団体の責務として包括的に規定しているということでございます。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 確認質問の九番目でございます。  医療計画の策定、改定に当たって「市町村の意見を聴かなければならない。」とされているが、これを「関係市町村と協議しなければならない。」 と改めるべきであると思いますが、この点についてはどうでございましょうか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 現行の医療法におきましては、都道府県は医療計画を策定または変更しようとする場合には、市町村の意見を聞かなければならないこととなっております。こうした医療計画策定手続の中で、お伺いした市町村の御意見については尊重してまいりたいと考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 確認質問の十番目でございます。  老人保健施設を医療施設に位置づけるに当たっては、医療ケアと日常生活サービスを提供する目的から逸脱することのないよう、また、むだな医療が行われたりすることのないよう配慮することが必要と思うかどうか、お伺いをいたします。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 老人保健施設につきましては、その医療提供の側面に着目して、今回医療法に位置づけたところでございますけれども、医療ケアと日常生活サービスをあわせて提供するという施設の性格は変わるものではございませんので、今後ともその本来の趣旨を踏まえ、適切に運用してまいりたいと考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 次に、ちょっと追加をいたしますが、老人病院、老人保健施設、特別養護老人ホームの費用負担、サービスのレベルについて整合性をとるように努めることが必要と思うが、どうでございましょうか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 老人病院、老人保健施設、特別養護老人ホームにつきましては、サービスの質の確保、向上に努めるとともに、その機能、役割の連係を図ることが必要であると考えております。また、それぞれのサービスに共通する介護面に着目した場合、費用負担に著しい格差が生じることは適当ではないと考えております。  今後とも、各施設の機能の違いを踏まえつつ、サービスの内容、費用負担について整合性を図る方向で検討し、適切に対応してまいりたいと思います。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 メディカル・ソーシャルワーカーの身分について、医療と福祉を総合的に考慮した上で位置づけされるよう、関係団体と協議すべきではないかと思うのでございますが、その点とうでございましょう。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 今後の医療を進めていく上で、メディカル・ソーシャルワーカーは重要なものと考えておりますが、資格法の制定につきましてはなおさまざまな議論もあり、今後とも、関係者全体の意見も聞きながら、適切に対応したいと考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 次に、療養型病床群に入院している患者の容体が急変したときは、速やかに一般病棟で診療を受けられるようにすべきではないか、この点についてお答えいただきます。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 療養型病床群におきましては、主に医師が病状安定期にあると判断した患者を治療することを予定しており、病状が急変した患者につきましては、医師の判断により、必要に応じ一般の病床に移して治療を行うこととなると考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 若干時間が余りましたので、一般質問を二、三問つけ加えさせていただきたいというふうに思います。  一つは、薬物療法の向上に役立つ服薬指導の四百点業務というものが今度新しく設置をされたわけでございます。  そこでお尋ねをいたしますけれども、国立病院、国立療養所などでこれは当然率先して行っていかなければならないというふうに思うわけでございますが、私はこの際ぜひひとつ、この業務を行っていく場合の対処の仕方といたしまして、四百点業務の服薬指導に当たりましては、患者と対面をいたしましてとったデータにつきましては、そのデータを利用して、患者にとっていかにすばらしいものであるかということを積極的にPRしていくことが必要であると思う次第でございます。  そして、慢性疾患やあるいはこういう患者の治療を行っていく場合の薬の管理などについて、詳しい薬の説明と、副作用が出ているかどうかということについての有無の観察等をきちっとデータの中に入れていくということは非常に重要な業務であると私は思いますし、これもインフォームド・コンセントの一つの形態を示す重要なものであるというふうに思っているわけでございますが、この点についてどういうお考えを持っているのかお尋ねをいたしますとともに、国立病院、国立療養所における四百点業務を今後積極的に推進をしていく必要があると思うのでございますが、この点についてどういうお考えを持っているのか、お尋ねをいたします。

寺松尚厚生省保健医療局長

○寺松政府委員 先生の御質問の中に国立病院・療養所のお話が出ましたので、私、担当いたしておりますのでお答えをしてみたいと思います。  先生がおっしゃいましたとおりに、近年、入院患者に対しますサービスの向上というような観点から、薬歴の管理、服薬指導というふうなものについては非常に重要だと考えております。これはいわゆる四百点業務と今先生おっしゃいましたが、そういうものでございまして、これは患者さんの医療を考えます場合に、その質の向上を図る上で非常に役立つのではないかと思います。  国立病院・療養所の現状でございますけれども、三十その施設におきまして医療保険の施設承認を得ておりまして、四百点業務を行っておるところでございます。私ども、従来から国立病院・療養所につきましては、施設長会議あるいは薬剤専門官等の会議がございますけれども、そのような会議を通じましてこの四百点業務の重要性、そしてそれに積極的に取り組むようにというふうなことを指示しておるところでございます。今後とも、そのように一層積極的に取り組んでまいりたいと思っております。  それから、先生が御指摘いただきましたデータの活用というのでございましょうか、それからいろいろな副作用、そういうふうなものに関連いたしますいろいろな情報、この辺も織りまぜまして私ども患者の指導等をやってまいりたい、このように考えております。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 そこで、もう一点お尋ねをさせていただきたいと思うのでございますが、今日、国立病院、それから国立療養所などで院外処方せんが発行されておるわけでございますけれども、正確な数字はともかくといたしまして、一体どういう処方せんの発行状況になっているかということを、できるだけ詳しく御説明をいただきたいというふうに思います。

寺松尚厚生省保健医療局長

○寺松政府委員 今の先生の御質問で、院外処方せんの発行率というのでございましょうか、詳細に報告するように、こういうお話でございますので、お話ししてみたいと思います。  国立病院・療養所におきましては、これは一般の施設でも同様でございますけれども、外来患者の待ち時間の短縮あるいは薬歴管理、服薬指導というものの充実を図りますために、院外処方せんの発行に努めておるところでございますが、平成元年度からは、大都市周辺を中心といたしまして外来患者の多い三十その国立病院等を選びまして、院外処方せん発行モデル施設として選定いたしまして、地元の薬剤師会と十分連係をとりまして、組織的に院外処方せんの発行に取り組んでおるところでございます。  先ほど御質問の率でございますが、このモデル施設の院外処方せんの発行率というもの、これは六十三年度から始めたものでございますので六十三年度から申し上げてみますと、八・〇%でございます。その後、平成元年度九・二%、平成二年度一一・一%、平成三年度一二・六%と、徐々でございますが、高い低いというようにいろいろ言われるかもしれませんが、順調に伸びておるところだと私ども考えております。国立病院・療養所におきましては、今後ともこれらモデル施設を中心に積極的に院外処方せんの発行促進に取り組んでまいりたい。そして、このモデル施設以外にも、これらに取り組んでおります国立病院・療養所はございます。  以上でございます。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 最後でありますが、医薬分業というものは、医療の質の向上に極めて有益な影響を持っているということを常日ごろ私ども考えているところでございますが、この医薬分業、特に面分業に向けて進んでいく場合における厚生省の進め方の所信についてお尋ねをいたしまして、質問を終わりたいと思います。

川崎幸雄厚生省薬務局長

○川崎政府委員 先生が御指摘なさいますように、これからの医薬分業、それもいわゆる面分業、本来の医薬分業の趣旨にかなったような分業の体制が整備されてまいらなければならないというふうに考えております。  それで、先ほども触れさせていただきましたけれども、現在の分業は、全国的に見ますと地域的にかなりの格差といいますか隔たりがございます。基本的には地域の関係者の御理解というものが一番大事なのじゃないかと思いまして、私どもといたしましては、三師会を初めとしました関係者による地域に合った医薬分業の進め方を御検討いただくといったような定着促進事業というものをやっております。そのほか、受け入れ態勢の整備としての医薬分業推進支援センターの整備につきまして助成をするといったようなものを、本年度から開始いたしたところでございます。  そのほか、実際に分業を担当していただく地域の薬局、薬剤師の資質の向上、こういったこともこれから進めてまいらなければならないと思っております。この研修を担当しております研修センターにつきましては、網岡先生も大変御支援をいただいておるので、大変ありがたく感謝申し上げる次第でございます。

網岡雄日本社会党・護憲共同

○網岡委員 終わります。

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 遠藤和良君。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 この医療法でございますけれども、私はこのように理解をいたしておりました。  患者の皆さんをどのように交通整理をいたしまして適切な医療が受けられるようにするか、一口に言えばそういうふうな法律ではないかと思うのでございますが、その医療機関の体系化の問題であるとか交通整理のあり方ですね。これがともすれば、交通整理の仕方によりましては、患者さんに差別医療になったり、あるいは体系化というものが医療機関のランクづけになったり、あるいは交通整理のやり方によっては患者にペナルティーをかけたり、門前払いをしたりする心配がある、こういうことで、この法案の中で政令に委任されたことを早く明確にすべきである、こういうことも要求いたしまして、それも政府は誠実に実行した。  しかし、なおかつ、この医療法のいろいろな審議を通しまして、この法案というのは問題点が多いから大幅に修正をすべきである、このように考えまして、この法案の本文の修正が三項目、そして附則の新設を四項目、こういう大幅な修正要求を私ども公明党は政府に提案をしてきたところでございます。  政府は、この提案に対しまして、ある意味で誠実にお答えになりまして、私どもとしては、あらかた私たちの考え方が理解されたのではないか、このように考えているわけでございますけれども、本日は総仕上げの質問という意味もございますから、その私たちの意向というものが間違いなく反映されているかどうか、このことを確認する意味で、今までの質問も踏まえまして若干質問をいたしたいと思っております。  私どもが条文の修正を要求いたしました箇所は、医療の担い手に薬剤師さんだとか看護婦さんというものを明記すべきである、こういう主張をいたしましたが、これは法律に明記することになりました。今までは医師と歯科医師、そのほかの方々は「その他」というふうになっていたわけでございますが、これはやはり「その他」でくくるのはおかしいということでございまして、薬剤師さんあるいは看護婦さんという職員を医療の担い手として明確にする、こういうことがこの修正で明らかになったわけでございます。あるいはまた、医療提供施設間の連係の情報の受け手としても薬剤師さんを明記する、あるいはまた特定機能病院には薬剤師を必置する、こういう面は私たちは積極的に評価できる問題であると思います。  一つ確認をしておきたいことは、私たちの考え方は、インフォームド・コンセントを初めとする患者の権利等を明確にいたしました医療基本法の制定を検討せよということを附則に入れるべきであるということを要望したのでございます。今示されました附則の中身は「政府は、医師、歯科医師、薬剤師、看護婦その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係をより促進するため、医療の担い手が、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう配慮することに関し検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」という表現にとどまっているわけでございますけれども、「その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとする。」の中には、私どもが主張いたしました医療基本法の検討も含まれておるのかどうか、これを確認したいと思います。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 ただいまの点につきましてお答えいたしますが、インフォームド・コンセントにつきましては、世界の医療のあり方が大体そちらの方に進んでおる。先進国においてこれを取り入れてきていることは御承知のとおりでありまして、したがって、我が国におきましても、方向としてはこれを取り入れるべき方向に前向きで行っている、既にそういう方向に向かっておると申し上げていいと思うのでございます。  ただ、その前にクリアしなければならぬ幾つかの問題がある。一つは、その場合にプライバシーという問題をいかにして確保するか、あるいはがんの告知をどうするかといったような問題がございますので、これらの問題につきましては真剣に取り組んでいかなければならないと思っております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 私は、一番最初、この法案の審議入りのときに衆議院の本会議場で代表質問をいたしまして、そのときに総理の答弁も、医療基本法の制定ということについては、将来の課題として検討したいといという旨の発言がありましたし、当委員会でも厚生大臣から同じ趣旨の発言がございました。こういったことも既に答弁済みの話でございますけれども、きょうは最後の質問でございますから、再度確認させていただいているところでございます。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 患者の権利を盛り込んだ医療基本法の制定についての御提案でございますけれども、医療の場においては医師と患者との信頼関係が基本であります。御承知のとおりであります。患者の権利をどのように取り扱い、どのように法的に規定していくことが望ましいかということでございまして、それがいかに医療のあり方に結びつくかということについて、今後とも十分検討してまいりたいと思っております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 わかりました。  それから、第二項目でございますけれども、私どもは、国、地方自治体の責務として医療の担い手の育成と確保を明記すべきである、あるいは将来の検討課題といたしまして、医療供給体制の全体像を明確にした上で、家庭医制度だとか専門医とか専門病院制度の検討を行うべきである、いわゆる次の改正の道筋を今回の附則の中に明記すべきであるということを申し上げました。  さらに、配置基準の見直しについても、私どもはこのように提言をいたしました。「マンパワーの確保に努め、看護職員の配置基準を見直し、国民に適正な医療・保健・福祉サービスが提供できるよう検討すること。」このように申し上げまして、そのいずれもが附則の中に明記されたのでございます。これは修正案がこれから出るわけでございますけれども、附則の中に入っていることについては、こういったことが全部含まれていると理解してよろしゅうございますか。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 御指摘の点につきまして、まず医療供給体制の全体像の明確化、さらには家庭医制、専門医、専門病院の制度の検討につきましては、私どもは、患者の病状に応じた良質の医療を提供する体制を確保するという観点に立ちまして、御指摘の家庭医を含めました地域医療の連係、専門病院、有床診療所のあり方など、医療供給体制の残された課題についても引き続き検討するというふうに承知いたしております。  それからまた、看護職員等の人員配置基準につきましても、現在の一律の配置基準が今回の改正によって特定機能病院、療養型病床群によって一部変更するということでございますが、今後の医療施設のあり方につきましても、機能分化の検討を続けていく中におきまして、入院患者の病状に照らして適切なものになるように検討を続けていこうと思っております。  それからまた、公的な国、地方自治体の医療の担い手の育成と確保に対する責務も検討になりましたが、それも当然御要望があったということで、それにこたえていかなければならないと思っております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 例えば人員配置基準で、看護婦さんの配置基準が四ベッドに一人ということですけれども、長い間この数字が据え置かれているわけですね。これはマンパワーの確保ができた時点におきましては見直しをいたしまして、三対一あるいは二対一ということが考えられると理解してよろしゅうございますか。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 今回の改正案の審議の過程で、そのような御要望がなされたということは十分私どもは肝に銘じておりますが、現在、この人員確保を図っていこうとする看護婦等人材確保法案自身が、まだ国会で御審議の途中であるわけでございます。既に昨年の暮れに、西暦二〇〇〇年を目指して看護婦の需給計画については数字を出させていただいたわけでございますが、その努力を誠実に続けまして、先生の御指摘のような改善の状況ができるという状況を早く迎えたいと思って、努力を続けていく所存でございます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 それから、いわゆる受診抑制関係です。これは私たちが一番危惧した点なんですけれども、我が方といたしましてはこのように提案をさせてもらいました。まず、附則に「本法施行に当たっては患者の受診抑制を招かないよう常に配慮すること。」ということを入れなさい。そして、確認答弁といたしまして、「体系化が患者にとって差別医療にならないよう配慮すべきである。」あるいは「特定機能病院に高度医療を限定しないこと。また、本改正が医療機関のランクづけに結びつかないよう十分に配慮すること。」こういう要望をしたのでございます。  こうした要望を踏まえて、政府・与党の回答によりますと、附則の中に「政府は、医療を提供する施設の機能の体系化を推進するに当たっては、国民の必要かつ適切な受診が抑制されることのないよう配慮するものとする。」と明記されたわけでございますが、私はもう一歩突っ込んで、政府は医療施設機能の体系化を進めるというのですけれども、我が国の医療の特徴でございます、いつでもどこでもだれもがアクセスできる医療施設、いわゆるフリーアクセスですね、こういうよき伝統を今後とも維持していくということが受診抑制を起こさないよう配慮するという大きな哲学ではないかと思うのでございますが、こういった現行制度のよさを今後も維持していく決意ですか。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 現在、先生の御意見のとおりだと思っております。ただ、現在の日本の非常にいいよさとされておりますフリーアクセスの結果が、結局、みんなが自由に選んだ結果が、特定機能病院の機能がフルに効率的に発揮されていないという状況を来していることも事実かと思います。そういうことから、日本のよき伝統のフリーアクセスを守りながら、その実効が上がるような体制に持っていきたいということから、今回提案をさせていただいたわけでございます。  言うまでもなく、大病院の中でいかにその機能をフリーに開放しようといいましても、結果的に一分から数分の診察しかできないということでは、果たしてそれがフリーアクセスにこたえていることかという大きな疑問がありますし、そういうことを改善する要望も非常に強いわけでございます。そういうことで、よき日本の伝統をさらによくするということで、今回の改正案を御審議いただいているということで御理解いただきたいと思いますが、先生の御意見のとおりかと思います。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 それでは、若干確認を続けたいと思いますが、療養型病床群に対しても私どもは心配いたしまして、療養型病床群への患者の入院に当たっては、入院日数によって機械的に取り扱うということは厳に慎むべきであり、患者と家族の理解と納得が得られるように十分に配慮をすべきである、これはある意味で当然のことでございますけれども、確認をさせていただきます。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 療養型病床群への入院につきましては、基本的には、その患者が病状安定期にあるかどうか、医師の判断によることといたしております。患者の入院期間によって一律に取り扱うことは考えておりません。また、療養型病床群への入院に当たっては、医師と患者との相互の信頼関係に基づき、適切に配慮されるべきものだと考えております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 それから、要するに今度は療養型病床群に入院された患者さんの容体が急変した場合ですけれども、この場合は速やかに一般病棟の方に移動いたしまして診察が受けられるようにする、これも当然のことではないかと思いますが、どうでしょう。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 療養型病床群におきましては、主に医師が病状安定期にあると判断した患者を治療することを予定いたしております。病状が急変した場合においては、医師の判断により、必要に応じ、一般の病床に移して治療を行うこととなる、かように考えております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 それから、療養型病床群について許可を与える場合は、少なくとも看護単位を基準とするべきである、このように考えますが、どうでしょうか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 療養型病床群は、病状が比較的安定しながらも長期間にわたり療養を必要とする患者に対して、ふさわしい医療体制を提供するものであり、そのために一般病床と異なる設備、人員配置が求められます。  人員配置などの面からは、一般に病棟が最小単位となると考えられますが、病状に応じた医療の提供を進める必要があること等を踏まえて、許可に当たっては、看護単位を基本として運用してまいりたいと考えております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 局長に確認したいのですけれども、看護単位ということですが、これはいわゆる俗に言うナースセンター単位、このように理解してよろしいのかどうか。  それから、これは療養型病床群専門の看護婦さんのチームができて、その人たちが昼夜にわたって勤務体制を組んで看護に当たる、このように理解してよろしゅうございますね。一般病床から入れかわりをするということはない自己完結的な看護体制、このように理解してよろしゅうございますか。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 先生、今ナースセンターと言われたと思いますが、ナースステーションと通常言っていまして、病棟の中にその病棟を看護する看護婦さんの体制がそこにいる。物は一緒だと思います。その人たちがある一定の期間、いわゆる何交代でやるのかということも含んで看護の計画ができるわけでございますから、そこに専属の看護婦さんがいるということでございます。ただ、多くの病院においては、慢性病棟から一年なり半年でまたチーム編成で、人事異動みたいなものでございますが、小児科病棟に行ったりということはありますが、ある限られたところにいろいろな人が出入りするということはございませんで、そこに配置された看護婦さんによってそこの看護が組まれるということで、御指摘のとおりかと思います。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 それから、特定機能病院のことでございますけれども、私どもは、紹介外来の制度をそのまま特定機能病院に当てはめないようにしなさい、こういうふうな提言をしたわけでございますが、こうなると理解してよろしゅうございますか。

黒木武弘厚生省保険局長

○黒木政府委員 特定機能病院につきましては、高度な医療を必要とする患者を優先的に取り扱うことが望ましいことにかんがみまして、紹介制を取り入れることとされております。  これに係る初診料等の取り扱いにつきましては、中央社会保険医療協議会の御審議を踏まえながら検討することとなりますが、特定機能病院制度と紹介外来型病院制度は、その趣旨や要件の面でも相違があることから、特定機能病院について直ちに紹介外来型と同様の取り扱いをすることにはならないものと考えております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 それで、初診料の扱いについて確認したいのですけれども、要するに、現在の紹介外来型の病院制度というのは、紹介のない患者の方は初診料に保険が適用されませんから、全額自己負担になるわけですね。しかし、この特定機能病院に紹介制を導入するにいたしましても、紹介外来型病院と同じ扱いにしないという意味は、この特定機能病院に紹介のない患者が来られても、これを排除しない、しかも初診料の部分についても保険を適用する、このように明確に理解してよろしゅうございますか。

黒木武弘厚生省保険局長

○黒木政府委員 御指摘のように、現在の紹介外来型病院は、紹介状を持っていかれた患者さんには、今四千三百円または四千五百円でございますけれども、保険の方で高い初診料を払っております。しかし、紹介状を持ってこられない方には、この四千三百円または四千五百円を自己負担していただくという形になっておるわけでございます。  今回、特定機能病院についてこれの取り扱いをどうするかというのは、これからの医療法上のいろいろな基準なり、中医協の御審議を踏まえながら検討することになるわけでございまして、現段階でなかなか確定的には申せないわけでございますけれども、先生が御指摘なさいましたように、現行の紹介外来型病院とはかなり違うんではないか、特定機能病院は相変わらず地域に開かれた病院の機能を持つんではないかということを考え合わせますと、先生が御指摘のような方向になるんではないかと現時点では考えている次第でございます。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 確かに紹介外来型病院、今あるものですね、これは保険の点数上決められている病院というのは、あくまで紹介率一〇〇%ということを前提にしているわけですね。今度の特定機能病院に紹介制を導入するということは、地域で決め谷という話もありましたが、おおむね例えば一〇%、二〇%、三〇%ぐらいになる可能性が強いですね。当然紹介のない方は排除してはならないし、自由に来られる。そうすると、全く今までの考え方とは違った発想でできるわけですから、保険上の取り扱いもそのようになっていってしかるべきだ、違ってしかるべきだ、このように考えますので、今の答弁のような保険の点数を考える、診療報酬を考える場合にぜひそういうことを考慮に入れてもらいたい。強く要望したいのですが、どうですか。

黒木武弘厚生省保険局長

○黒木政府委員 先ほど申し上げましたように、紹介率の取り扱いが具体的にどういうふうにセットされるのか、それから、診療報酬は中医協の議を経る必要がございますので、申しわけございませんが、確定的にお答えすることはできかねるわけでございますけれども、私も現段階におきましては先生と同じような考えを持っております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 それで紹介率の問題でございますけれども、この紹介率については全国一律とはしないように、それから、私どもの考えとしては、地域の実情もあるし、また大学の本院においてはプライマリーケアも担当しているところもあります。そういうことから、地域医療審議会の議を経て、特定機能病院がみずから設定できるようにしてはどうか、このように言ったわけでございますが、どのようになりますか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 特定機能病院につきましては、高度な医療が必要と判断された患者が優先的に医療を受けることができるように、紹介制度を導入することといたしている点が制度の特色であります。しかし、特定機能病院が地域医療の一端を担っていること、また、大学病院の場合には、医学教育の観点から一般の患者を必要とするということから、紹介によらない患者も受け入れることといたしております。  特定機能病院における紹介患者の受け入れのあり方については、地域の実情、医学教育の現状なども考慮して適切に対処していきたいと考えており、全国一律の紹介率は考えておりません。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 全国一律の紹介率を考えていないことは十分承知しているわけでございまして、それではなくて、私は特定機能病院が自主的に設定できるようにせよということを言っているんですけれども、それに対するお答えがありません。これは地域の実情を聞いた上で、例えばこの地域は一〇%にしましょう、あるいは二〇%にしましょうということで、包括的に国が最終的にはA郡の病院については一〇%、B郡については一五%、C郡については二〇%と、このようにお決めになることなんですか。その具体的な段取りを聞きたいんです。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 現在お願いしています法案というもので御審議していただいておるという段階でございまして、今、先生がおっしゃったようなところまで具体的に詰まっているわけではございません。  しかし、それではイメージもわかないということでございましょうが、一応私どもは、従来からお答えしていますように、今回の特定機能病院というものは、高度な医療が必要と判断された患者が優先的に医療を受けることができるようにということから、外来につきましても、紹介制度を基本に運営されることを本来の趣旨とはしているわけでございます。  今御指摘の紹介率につきましても、そういうことから、一律に厳格な紹介割合というものを全国的に強制しようということは考えていないとお答えしているところでございますが、地域の実情を考慮いたしまして、特定機能病院が設置されます趣旨にふさわしい紹介割合というものを、年次計画も含めましてどのように達成していくかということになろうかと思っているわけでございます。  そういうことから、ただいま大臣からも御説明いたしましたように、紹介患者の受け入れのあり方につきましては、地域の実情、医学教育の現状なども考慮して適切に対処していきたい、こういうようなお答えになっているわけでございますが、先生がおっしゃったことも一つのあり方でございましょうし、その種のことがいろいろ御議論されて、地域にも無理がない、未来の法の改正の趣旨にも合うという方向に特定機能病院が行っていただく、そういう新しい外来のあり方が審議を通じて日本の中に定着していっていただきたい、このように思っております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 特定機能病院の紹介率ということは大変大きい問題もあるわけでございまして、ぜひ地域の実情に合った紹介率の設定をお願いしたいと思うんです。また、厚生省が認める紹介率でなければ特定機能病院に認定しないなどと言わないで、これは弾力的な運用をお願いしたいし、また、紹介のない患者を排除することのないようにぜひお願いをしたいと思います。  それから、次の確認でございますけれども、広告宣伝については、医療の非営利原則が損われることのないように、医療機関は宣伝広告というよりも広報、正しく情報を患者に伝える、こういう方向に力を入れるべきである、また、医師の資格とかランクづけにつながるような情報というものは禁止すべきである、このように思いますが、どうでしょう。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 広告のあり方及び院内表示事項につきましては、医療審議会にお諮りした上で決めるべきものではございますけれども、患者に適切な医療情報を提供するという観点から、御質問の趣旨を踏まえて、広告の内容及び方法についてより適切な基準を設けるとともに、院内表示事項についても適切に対処してまいりたいと考えております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 それから、メディカル・ソーシャルワーカーの身分の問題でございますが、これは医療と福祉というものを総合的に考慮した上で位置づけがされるべきでありますし、関係団体とよく協議をしてお決めになっていただきたい、このように思いますが、どうでしょう。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 今後の医療を進めていく上で、メディカル・ソーシャルワーカーは重要なものと考えておりますが、資格法の制定についてはなおさまざまな議論もあります。今後とも、関係者全体の意見も聞きながら適切に対応してまいりたいと思っております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 最後に、難病の患者の皆さん、それから人工透析を受けていらっしゃる方々からたくさんのはがきをいただいております。今回の医療法改正によって私たちが病院から締め出されちゃうんじゃないかとか、あるいは療養型病床群の方に無理やりに行かされちゃうんじゃないかとか、そういう心配の声が届いているわけです。これは先ほどの審議を通しましても、不必要な心配であるという話もあったわけですが、そういった誤った情報が流れていることにかんがみまして、適切に対処し、その不安を除去されるように厚生省として努力をする、このことが必要だと私は思いますが、どうでしょう。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 その種のことがあります場合には、患者の団体とかまた医療機関から、そういう懸念はないかという問い合わせが私たちにあるのが常態でございますが、今回の場合にはそういうことが一切なくて、先生方の方から私どもが教えていただいた、また、その手紙を見て驚いたような次第であります。  今までの審議の中でも申し上げましたが、こういう法案の審議の中でそのような不安を与えたということでありますならば、我々の本旨でございません。一切そういうところには影響しないということでやっておりますが、そういう不安を現に療養中の患者さん方に与えることがないように、これから審議なり検討会なり、また実施について十分注意をしてまいりたいと思っております。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 以上で終わります。

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 児玉健次君。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 きょうは大臣にお伺いしたい、こう思います。  この五月十日に朝日新聞が「医療法を患者中心に変えよう」という題で社説を出しております。その中で、特定機能病院について「機能分化が悪いわけではないが、機械的な線引きはいかがなものだろう。」こういう指摘をしつつ、先日来論議をしてきた療養型病床群について「療養型病床群の新設も問題をはらんでいる。諸外国で実証ずみのように、こうした医療施設と福祉施設の短所をあわせもつ施設は、人間捨て場になりかねない。」私はこれは正当な指摘だと思います。  患者百床当たり医師三人、看護婦十三人、これは現在の老人病院ですが、この老人病院の医療職員の配置とそこで適用されている老人診療報酬、これが日本の高齢者に対する非常に厳しい医療差別の根源になっております。そのレベルにまで入院患者全体の四割を引き下げていく、これでは朝日の社説の指摘のとおりだということになるわけで、この点の是正こそ急務ではないかと思いますが、大臣、いかがですか。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 これまでの御審議でも御説明をしてまいりましたが、現在の医療法の配置基準というものは、看護婦について申しますと、入院患者について四対一ということが一律に決まっているわけでございます。そういうことでございますが、実際は傾斜配置で、その患者の病状に応じた医療従事者のスタッフというものを対応させているわけでございます。  そういったことから考えまして、長期患者が非常に多くなった。これがまた高齢者だけでない、高齢者だけの病棟をつくるというのも老人保健法の設立の当初に急がれたということでございますが、今や医療法全体の問題であるということから、長期療養型の病床群というもので、年齢を問わずに、病状が安定して、そこで安定した方々が医療よりもどちらかというと介護、生活面というものに配慮した中で、その病院の医療、治療を受けることが必要だということから提案をさせてもらったわけでございます。  そういうことで、配置基準につきましても、入院患者につきまして老人の方では介護職員というのを平均的入院患者八人に一人、こうなっておりますが、この場合には看護婦さんも六人に一人、介護者も六人に一人ということで、全体としては三対一になる。こういう方がいい人たちにそこで療養していただこう、こういう趣旨でございまして、朝日新聞の御指摘ということでございますが、我々の本旨ではないということでございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 もちろん皆さんの本旨ではないでしょう。私が言っているのは、現在の患者四人に対して看護婦さん一人、この配置基準自身、厚生省はそれで十分だとは考えていませんね。これまでいろいろな議論の中でそのことを皆さん表明されている。  そして、実際の医療の現場でも、例えば看護基準の特二類、特三類、それらは四対一では足りないということで持ち上げているわけで、私はこの前コペンハーゲンの市立病院における配置基準を例として挙げましたが、そういった方向に全体を引き上げていく、この機会に今日の老人病院の非常に困難きわまる状態も改善していく、それが医療改善の本来の道だと思うのです。その道に逆行するのがこの医療法の手直しであって、その点を改めるべきではないかと私はお伺いしているので、この点については大臣のお答えを求めます。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 御案内のとおり、本格的な高齢社会に備えまして、患者が良質な医療を適切に受けられる、そういう医療供給体制を確立するということの前提に立っていろいろな改革をし、我々もそれを認識しながら今後進めていこうとするものであります。  そこで、現在の医療法は、病院などについて画一的な規制を行っており、医療機関が果たすべき機能、役割が制度上明確でないことから、大学病院等の大病院に患者が集中するなど、必ずしも適切な医療供給の体制にはなっておらないのであります。  このために、患者が病状に応じた適切な医療機関で受診できるよう、病院の機能と役割分担を明確にして、その体系化を図ることが大切だと考えて、その改革の第一歩として、大学病院などの高度の医療を提供する特定機能病院、長期入院を要する患者にふさわしい医療を提供する療養型病床群を制度化しようとするものでございます。  今後とも、患者の病状に応じた良質の医療を適切に提供する、その体制を確立するということ、そういう観点に立って、関係者の合意が調ったものから順次改革を行っていこう、こういう趣旨でございます。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 療養型病床群についての私の指摘は、この後、現実の場で非常に重要な事態となってあらわれていくであろうということを指摘しておきます。  二つ目の問題は、今大臣のお言葉にあった病院の機能の分化の問題です。  欧米の実例を見てもそうですが、病院がそれぞれの特徴に応じて、それにふさわしい社会的機能、社会的役割を発揮する、これは大いにあり得ることです。問題なのは、それを法律で行政的に無理やり枠にはめて進めようとするか、それとも、その病院を構成している医師や看護婦さん、その他多くの方々が地域の求めに応じて適切な機能を発揮するようにしていくか、そこの分かれ道。残念ながら今度の医療法の皆さんの手直しは、法律的、行政的に進めるものだと私は受けとめます。  今回の診療報酬の改定で、病院の外来部門は慢性疾患指導料の廃止、このことによって医療収入が大きく減っています。一方、診療報酬の改定を見ると、特三類看護の看護料、定額制老人病院のこういった部分の上げ幅というのは多少とも目につきますね。このような経済的な誘導とそして今回の医療法の改正、そのことでこの後の日本の医療がどうなっていくか。恐らくそれは、民間病院の中で特三類の看護、特二類の看護を選び、そして短期の患者を中心的に扱うごく少数の病院と、多数の療養型病床群ないしは老人病院的な部分、ここに分かれていくだろう。そうなったら、身近なところで一定の水準を持っている病院を患者の判断で選べるという日本の医療の一番守るべきところ、そこが失われていくのではないか、そのことを私は深く危惧するものです。この点どうでしょうか。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 先生のような御指摘があるということも、確かに私どもは承知しております。しかし、今回提案させていただきました医療法の改正と申すものは、御承知のとおり、かなりの年月をかけて関係者が議論をして、国会に提案してからもう既に二年がたとうとしているわけでございます。その間にもまたいろいろな議論がございましたし、今回の審議でもいろいろ御議論をいただきました。  そこで、現状のままで果たしていいのかという観点から、この法案で少なくとも第一歩はこの辺からやろうということで、大方の意見がこれに大体賛同していただいているのじゃなかろうかと思いますが、残された問題というのをさらに私どもは早急に第三、第四の改正でやりたいと思っていることには、異議がないわけでございます。  先ほど、しかしこれを行政的に強制するのではないかということは、私はこれはちょっと誤解ではなかろうかと思いますので、失礼でございますが言わせていただきますと、今回の提案というものは一つのオプションの提示でございますから、これをとる、とらないというのは医療機関の一つの選択の自由というものがあるわけでございます。ただ、自分の地域の中で現行のままでいくか、今回改正が通った暁にその線に乗るのかということでございますから、行政的な強制ということには当たらないと思います。  しかし、それに対して、診療報酬で後から結果的に強制的な色彩になるんじゃないか、こういう御懸念かと思いますが、それはまた今回の医療法の改正とは別次元という要素も入るわけでございまして、そういう御指摘、注意も十分踏まえてやっていきたいと思いますが、強制には当たらないということだけ言わせていただきたいと思います。

児玉健次日本共産党

○児玉委員 病院がどの類型を選ぶかという、いわゆる手挙げ主義だということは私もよく承知しております。しかし、老人病院が発足するとき、そして定額制の老人病院ができるとき、診療報酬で非常に強力な経済的強制力が働く。一方、法律の面で型が準備されている。結局そこに流されていく。それを私は指摘をしております。この面もこの後の日本の医療の実際の動きの中で大いに論議をしていきたい、こう思います。  最後に、自民党の回答という形で今準備されている修正案について、私は一言述べておきたいと思います。  医療の担い手として薬剤師、看護婦を法律に明記すること、附則にインフォームド・コンセントについての検討規定、医療従事者の養成、確保に関する努力規定を加えるのは当然のことだと私は思う。しかし、この修正案の中で「医療を提供する体制に関し、引き続き検討を加え、その結果に基づいて法制の整備その他の必要な措置を講ずるものとする。」これは、この法案の審議のとき、山下大臣の趣旨説明の中の「医療を提供する施設をその機能に応じて体系化していくための必要な措置等を講ずること」、そのことと同様の文言であって、この後さらに、例えば一般病院や開業医、その他に機能分化を進めていくということの意思表示にほかならないと思いますから、私たちはこの修正案に賛成することはできない、反対であるということを明らかにして、私の質疑を終わります。

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 柳田稔君。

柳田稔民社党

○柳田委員 まず最初に、確認質問を一つさせていただきます。  老人病院、老人保健施設、特別養護老人ホームの費用負担、サービスのレベル、これについて整合性をとるよう努めるべきだと思いますけれども、いかがでございましょうか。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 老人病院、老人保健施設、特別養護老人ホームにつきましては、サービスの質の確保、向上に努めていくとともに、その機能、役割の連係を図ることが必要と考えております。また、それぞれのサービスに共通する介護面に着目した場合、費用負担に著しい格差が生じることは適当でないと考えております。  今後とも、各施設の機能の違いを踏まえつつ、サービスの内容、費用負担について整合性を図る方向で検討し、適切に対応してまいりたいと思います。

柳田稔民社党

○柳田委員 対応をよろしくお願いをしたいと思います。  次に、特定機能病院の制度化に関係して、紹介率について御質問をさせていただきたいと思います。  この紹介外来制の制度、それなりに私どもとしては理解をしておるつもりであります。また、患者の流れをつくるためには、これも必要なことだし、進めなければならないことだろうというふうに考えておるわけであります。  しかし、今回これを進めるに当たっては、紹介外来制の基準と申しますか、余り明らかにはなっていない。しかし、先ほどの質問もございましたように、一律にするということにはいろいろと問題があるのではないか。地域の特性もあるでしょうし、病院の多様性もあるだろう、また、病院の自主性も考えなければならないというふうに思うわけであります。やはりこの制度を進めるに当たっては、それなりの紹介率、最低基準、これを設定して進める必要があるのではないかというふうに思うのですけれども、いかがでございましょうか。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 先生の御趣旨の線が大体私どもが意図したとおりだと思うわけでございますが、いろいろな審議の過程を通じまして、一律な数値でもってそれを示すということには問題が多いということから、地域の状況を踏まえながらとお答えしているわけでございます。  さらに、先ほどは、その年に一度に決めるのでなくて、何年間がで達成するということでも地域の状況に合うのではなかろうかということでお答えさせてもらっているわけでございますが、本来、この特定機能病院というものの趣旨からいいまして、外来というものは紹介制というものが基本になっていくというのが将来の方向だと思っておりますので、実情を踏まえて、その趣旨が達成できるような方向で関係審議会でも御意見がいただけるものと思っておりますし、私どももそのような方向で御審議をいただきたいと思っております。

柳田稔民社党

○柳田委員 ぜひともお願いをしたいと思います。これが進めば、重大な病気を持った患者さんが三時間待って、五時間待ってということが解消されるのではないかというふうに思いますので、地域事情をよく勘案の上、進めていただければと思います。  この紹介率に関連しまして、大学病院の方について御質問をしたいと思うのです。  大学病院も病院である、そして、特定機能病院の中に入るような大きな病院であるというふうに思うのですけれども、この紹介率についてどのように考えていらっしゃるのか、お尋ねしたいと思います。

喜多祥旁文部省高等教育局医学教育課長

○喜多説明員 お答えいたします。  特定機能病院の紹介患者の受け入れのあり方、これにつきましては厚生省令で定められるということになっておるわけでございますが、紹介患者の受け入れのあり方を定めるに当たっては、地域の実情でございますとか、あるいは医学教育の現状なども考慮して適切に対処する旨、厚生省から御答弁されておるところでございまして、文部省といたしましては、大学病院におきます教育、研究、診療に支障を来すことのないよう適切に定められることを期待し、かつ要望してまいりたいというふうに思っておるところでございます。

柳田稔民社党

○柳田委員 今のお答えは、紹介率の設定については非常に難しい、できればない方がいいというふうな感じにもとれるのですけれども、いかがでございましょうか。

喜多祥旁文部省高等教育局医学教育課長

○喜多説明員 先ほどお答えいたしましたように、大学病院におきます教育、研究、診療に支障を来すことのないよう、適切に定めていただきたいというふうに思っておるところでございます。

柳田稔民社党

○柳田委員 厚生省が適切にお定めくださいということでありますけれども、地域の核をなしているということもわかりますし、さらには教育のこともあるというのも重々わかるわけでありますが、今この法案の改正に当たって、患者の流れをできるだけつくっていって、適切な医療をだれでも受けられるようにしようというふうな考えであるわけでありますので、できるだけ尊重していただきまして、お考えを進めていただければなというふうに私は思っているのですけれども、もう一歩進んだ御回答は得られないものでございましょうか。

喜多祥旁文部省高等教育局医学教育課長

○喜多説明員 大学病院が特定機能病院となりまして、高度医療につきましてその分担をさせていただくということは、非常に意義のあることだというふうに思っておるところでございまして、厚生省に期待し、かつお願いをいたしまして、適切な基準といいますか、あり方というものを定めていただきましたら、それをもって特定機能病院の申請をするか否かにつきまして、大学関係者と十分相談してまいりたいというふうに思っておるところでございます。

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 静粛に願います。

柳田稔民社党

○柳田委員 基準というのもありますし、自分で努力してつくる目標というのもございますので、いろいろと勘案をしながら進めていただきたいと思います。  それから、特定機能病院の承認をする際に、診療科目がいろいろと挙げられているわけでありますけれども、この中に歯科が入っていない。つまり、内科、外科を初め十三ほど入っておるのですけれども、その中に歯科が入ってないな、この歯科についてはなぜないのかなという気がするのです。病院に行って歯が悪くなることもあろうし、歯からいろいろなことも出てくるのではないかなという気がするのですけれども、歯科についてはどのように考えていらっしゃるのか、教えていただきたいと思います。

古市圭治厚生省健康政策局長

○古市政府委員 この法案を提出させていただきましたときに内部で検討いたしまして、いわゆる歯科の方は、他の診療科との関係で独立性が高いということから、承認要件として診療科名には含めていなかったわけでございますが、いろいろ御意見も聞きまして、特定機能病院が歯科関係の診療科を有するということも望ましいことかな、このように思っておるわけでございます。今後、医療審議会に具体的にお諮りしていくことになりますので、御指摘の点も踏まえまして、いろいろ御意見を聞いてまいりたいと思っております。

柳田稔民社党

○柳田委員 よろしく対応をお願いしたいと思います。  やっと医療法も最後の段階を迎えたわけであります。一歩前進ということで評価をしたいと思います。まだこれからも大きな課題があるかと思いますので、第二次、第三次と進めていかれると思いますが、ぜひともいい医療供給体制ができるように、厚生省も努力をしていただきたいと思います。  終わります。

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 この際、本案に対し、粟屋敏信君外四名から修正案が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。池端清一君。     —————————————  医療法の一部を改正する法律案に対する修正案     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

池端清一日本社会党・護憲共同

○池端委員 ただいま議題となりました医療法の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。  修正の要旨は、  第一に、医療の担い手に「薬剤師」及び「看護婦」を明記すること。  第二に、医療提供施設問の連係の情報の受け手に「薬剤師」を明記すること。  第三に、特定機能病院の人員配置規定に「薬剤師」を明記すること。  第四に、政府は、医師、歯科医師、薬剤師、看護婦その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係をより促進するため、医療の担い手が、医療を提供するに当たり、適切な説明を行い、医療を受ける者の理解を得るよう配慮することに関し検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。  第五に、政府は、患者の病状に応じて適切な医療を提供することができるよう、総合病院その他の病院及び診療所のあり方、家庭医機能の充実等地域における医療を提供する施設相互間の業務の連係のあり方等医療を提供する体制に関し、引き続き検討を加え、その結果に基づいて法制の整備その他の必要な措置を講ずるものとすること。  第六に、政府は、看護婦その他の医療従事者の養成及び確保に努めるとともに、医療従事者の病院における人員配置等に関し検討を加え、その結果に基づいて必要な措置を講ずるものとすること。  第七に、政府は、医療を提供する施設の機能の体系化を推進するに当たっては、国民の必要かつ適切な受診が抑制されることのないよう配慮するものとすること。  第八に、本法改正に伴う関係法律について所要の規定を整備すること。  以上であります。  何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。     —————————————

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 この際、日本共産党から討論の申し出がありますが、理事会の協議により、御遠慮願うことにいたしましたので、そのように御了承願い、直ちに採決に入ります。  これより医療法の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。  まず、粟屋敏信君外四名提出の修正案について採決いたします。  本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。  次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。  これに賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。     —————————————

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 この際、本案に対し、粟屋敏信君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者より趣旨の説明を求めます。遠藤和良君。

遠藤和良公明党・国民会議

○遠藤(和)委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     医療法の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、速やかに次の事項について実現に努力すべきである。  一 引き続き医療施設の機能の体系化を推進することにより、国民に病状に応じた適切な医療を提供することができる医療供給体制の確立に努めること。また、医療従事者の重要性にかんがみ、その確保に努めること。  二 療養型病床群への患者の入院については、入院日数により一律に取り扱わないものとするとともに、療養型病床群に入院している患者の病状が急変した場合にも、適切な診療が行われるよう配慮すること。  三 医療機関の広告規制の緩和を行うに当たっては、患者に適切な医療情報を提供するという観点から、広告の内容及び方法について、適切な基準を設定すること。  四 医療計画に基づき、救急医療、へき地医療が充実されるよう、都道府県を指導すること。  五 救急、へき地等の医療の確保については、医療政策の重要な課題であり、今後とも、救急医療、へき地医療等の確保が図られるよう所要の措置を講じること。  六 教育研究機能と診療機能の両面を持つ大学病院の運営における医療費について、効果的な使用に努めること。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  粟屋敏信君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 起立多数。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。  この際、山下厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山下厚生大臣。

山下徳夫自由民主党厚生大臣

○山下国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を踏まえて引き続き努力いたす所存でございます。     —————————————

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

牧野隆守自由民主党

○牧野委員長 次回は、来る二十日水曜日午前九時五十分理事会、午前十時委員会を開会することとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時五十九分散会      ————◇—————

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