厚生委員会 第10号
- 発言数
- 296 件
- 登壇者
- 16 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1992/05/13
会議録
○牧野委員長 これより会議を開きます。 第百十八回国会、内閣提出、医療法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。石破茂君。
○石破委員 医療法の改正の審議も大分進んでまいりました。 今回の医療法改正案というのは、昭和二十三年以来基本的に変わっておらないと言われる医療法、しかしながら、社会の状況は大きく変化をいたしております。高齢化の進展、そしてまた急性疾患から成人病を初めとする慢性疾患へという疾病構造の変化、そしてまた医療技術の進歩、患者のニーズの多様化、そういうふうに内外の情勢が大きく変わった中で、今回の医療法改正というのは基本的に時宜を得たものであり、適切なものであろう、かように考えておるところでございます。また、先般行われました地方公聴会におきましても、陳述人の皆様方の御意見はおおむね今回の改正案を評価するものでなかったか、かように思っておるところでございます。 しかしながら、医療というのは、実際に病気になっておるという弱い立場に立った場合の患者、国民のことを考えていかねばならない。したがって、改正に当たっては患者の側に立った改正案というものでなくてはならぬ、かように思っております。また、医療というものは常に動いておる。今日こうして質問をしておりますときも、日本国じゅうあらゆるところで治療が行われ、医療が行われておる。したがって、その切りかえというもの、新しい制度というものがスムーズに移行するものでなくてはなりませんし、同様に日本の医療制度の根幹を揺るがすものであってはならぬ。それぞれの医療の持ち場の経営というものにも十分配慮をしていかねばならぬ、かように思っておるところでございます。 そういうような観点に立ちまして幾つかの質問をさせていただきたいと存じます。 よく聞かれますのは、今回の医療法の改正によって何がどう変わるのという質問を受けるわけですね。特に患者の側から見て何がどう変わるのでしょうか、何がどうよくなるのでしょうか。先般の質問でも申し上げましたが、よく厚生省さんは、三時間待って三分診療というようなことがなくなりますよ、患者さんにとっては本当にそんな長い時間待つことなくいい医療が受けられるようになりますよと言うのですが、どうも国民の皆様方にはその辺がぴんときていない。すなわち、どのような改善がなされるか、特に患者にとってどのようなメリットがあるか、具体的に御教示をいただきたいと存じます。
○古市政府委員 今回の医療法改正に、一つの大きな項目として病院機能の分化と明確化というのを挙げております。 それで、具体的には、特定機能病院というのを高度医療を行う機関として位置づけております。ここにかかるということによりまして、その外来の紹介をだんだんとふやしていくということがございます。そういたしますと、地域医療機関から大学病院に紹介制で行った場合には予約制という形をとりますから、その患者さんに限って言えば待ち時間がないということで、そこで必要な医療がちゃんと受けられる。それからまた、その医療機関での治療が終わったら、病院、診療所の連係で地元のかかりつけのお医者さんのところへ戻る。近くの医療機関にかかりながら、その背景には絶えず高度の専門的な医療機関が控えているという安心した地域医療体制ができるその端緒になるのではなかろうか。 それからまた、もう一方で療養型病床群というのを規定しておりますが、ここにおきましては、具体的に申しますと病室が広くなって居住性が増す、そういう中で療養ができる、またリハビリテーションをするための機能訓練室がある、こういうような病棟ができてくるということになります。 それからまた、医療に関する適切な情報提供ということで、広告規制の緩和、それからまた院内表示の義務化等で情報を今以上に広く国民に提供していく、こういうことをねらっているわけでございます。
○石破委員 要するに、三時間待って三分診療がなくなるということですね。予約制などをとることによってそういうことがなくなる。そしてまた、それぞれの医療機関が一番特性を発揮して、国民の福祉全体に資するものであるということであろうかと思います。 ただ、先般もお尋ねしましたが、なぜ大病院に集まるのだろうかということをよく考えてみる必要があるだろうと思っています。つまり、大病院にかかるのは、そこへ行けばその辺のお医者さんではわからない病気が見つけてもらえるのではないか、だから三時間待とうが五時間待とうが六時間待とうが命にはかえられないのだということで、大病院信仰のようなものがあるのだろう。そしてまた、昔は大病院へ行こうと思えば、もう何時間もかけて行かねばならなかったけれども、交通機関の発達によってすぐ行けるようになってしまったということもあるでしょう。そしてまた、今日の日本の医療を支えております保険制度というものによって、どこのお医者さんでもかかれるようになるということがあるのでしょうね。だから、かかりつけのお医者さんに行くのも大病院に行くのも同じ値段だったら、大病院の方がいいやということがあるのでありましょう。でも、そうではなくて、それぞれのお医者さんの機能というものが本当にきちんと発揮をされて、ひょっとしたらがんが見落とされるのじゃないかというような不安を解消する、そういうような啓蒙を国民に向かってぜひやっていただきたい。そうでなければなかなかうまくいかないのではないかなというふうに思っております。 また、今回の医療法改正についてでありますが、例えば人工透析を受けておられる患者さん、そういう方々が今回の改正によって病院に行きにくくなってしまうのじゃないか、そしてまた、自分にとって必要な治療が行われなくなってしまうのではないか、仮に人工透析を例にとれば、そういうような不安の声も聞くわけでありますけれども、そのような点についてどのようにお考えでありましょうか。
○古市政府委員 人工透析の患者さんについて考えますと、その八割以上が通院で週に二回、三回と透析を受けておられる方でございます。この方たちが今回の医療法の改正によって扱いが変わるということは、もうほとんど一切ないのではなかろうかと思うわけでございます。外来で透析医療機関をやっておられる方が、そこが変更になるという形は私はちょっと考えられないと思っております。したがって、患者さんがそういう不安を抱いておられるというのを私も耳にいたしましたが、それは紀憂にすぎないと思います。
○石破委員 それでは、先般来議論になっておりますインフォームド・コンセントにつきましてお尋ねをいたしたいと思います。 今回の改正案において初めて医療提供の理念というものが提示をされた。そして、そこには、医療は医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づいて行われるものであるというふうにされている。これはどうもインフォームド・コンセントの理念なのかな。そしてまた、患者の立場というものが今まで法律には示されていなかったわけであります。提供者のことだけ書いてあった。ところが、今回患者の立場というものが初めて書かれた。法律に位置づけられたということであります。この信頼を支えるやり方の二つとしてインフォームド・コンセント、IC、これを日本語に訳すといろいろな訳し方があるのでしょうけれども、強いて訳せば説明と同意、説明に基づく同意というような訳し方になるかと思いますが、これはどのようにお孝之ですか。つまり、インフォームド・コンセントというものは一体何であるのか。 そしてまた、アメリカにおいてはインフォームド・コンセントなんというのはとうに常識になっているわけですね。そして、インフォームド・コンセントというのは何かといえば、医者には患者の病状について十分な説明をする告知義務があります。これを怠れば違法であります。治療法について複数の選択肢があれば、これを選択する選択権というのは患者にあるんだという告知義務というものがあって、患者の権利があって、選択権がある。それを怠ってしまった場合には直ちに弁護士がやってきて、訴訟が頻発をするということがアメリカではあるやに聞いております。百ドルの初診料を取った場合には、そのうちの三〇%か四〇%が診療過誤裁判の保険料の掛金になってしまうという話もあるのだそうですが、アメリカにおけるインフォームド・コンセントというのはどうもそのようなものであるらしい。 しからば、日本でそれを入れてしまった場合には、どうもまずいことが起こりはしないか。医療裁判、訴訟が頻発するということになると、防衛医療、おっかなびっくり医療、裁判を起こされるぐらいであれば、今までの経験則に基づいて、まずこれならば間違いあるまいという医療しか行われなくなってしまうのではないか、かような御批判もあるようでございますけれども、インフォームド・コンセントなる理念をこれから現場に反映させるという点についてどのような御見解をお持ちか、お教えいただきたいと思います。
○古市政府委員 インフォームド・コンセントにつきましては、ただいま先生が御指摘されたとおりかと思います。アメリカと日本におきましてはかなり医療慣行、歴史も違います。したがいまして、同じ言葉でも、その持つ意味合い、どういう形でそれを普及させていくのかというところは、おのずから違った手法が必要かと思っております。 そういうことから、我が国におきましては、今回の医療法の改正案の中で第一条の二に「医療は、生命の尊重と個人の尊厳の保持を旨とし、医師、歯科医師その他の医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づきこ提供する、このように初めて書かせて。いただいたわけでございます。ただ、この中には「信頼関係に基づきこと書いておりますが、この背景には、十分な説明とそれに基づく納得、同意というものがあって信頼関係ができるということでございます。言葉は出ておりませんが、我が国では、今回の改正によりましてこういう考え方も普及させていきたい。 また、具体的なことになりますと、先般日本医師会等でも「説明と同意」という報告書が出されまして普及が図られている。行政もそれを見ながら、そういうことが広く行われるように努力してまいりたいと思っております。
○石破委員 これを日本において定着させるのはまことに難しいことだな、口では言い得るのですが、実際は大変難しいことだと思っているのですね。 インフォームド・コンセントというのが医療においてなぜ不可欠であるかといえば、一つは、人間には自己決定権があるんだよ。これは当たり前のことなのですが、やはり自己決定権があるのだろう。お医者さんにすべてお任せをするということではなくて、自分のことは自分で決めることができるんだよ。今までは、医療についてはお医者さんが全部知っているのだから、全部任せておきなさい、そういうことであったのかもしれませんが、患者の側にも医療の知識も随分普及をしてきましたし、自分がどうなるかということは自分で決定するんだということが一つでしょう。 そしてまたもう一つは、やはり医療というのは不確実なものなんだねということが基本的にはあるのでしょうね。何か名医という言葉がある限り医療というのは科学ではないという言葉があるのだそうですけれども、要するに、いろいろな経験に基づいて治療をする。でも、例えば人間はなぜ老いるのだろうということも本当はわかっていない。どうして病気になるのだろうということも本当はわかっていない。こうすれば必ず治るはずだということが確立をされてないということがあるのでしょう。そういうことがあって、不確実性があり、自己決定権がありということで、だからこそインフォームド・コンセントというのは導入をしていかなければならないものだとは思っておりますが、しかし、日本型のインフォームド・コンセントというものをこれから先研究をし、考えていく必要があるだろうと思うのですね。 インフォームド・コンセントの日本型とは一体どのようなものなのか、それをこれから先どのように具現化をしていかれるおつもりか、もし御見解があれば承りたいと存じます。
○古市政府委員 非常に難しい御質問がと思いますが、説明と同意というのは、その患者さんの置かれている病状によってもやり方がかなり違うのではなかろうか。 例えて申しますと、現在問題になっております臓器移植のような場合に、脳死、さらにはその臓器を提供していいという人がおられたときに、その状況を説明して移植医療を行うという場合には、徹底した説明と完全な同意というものが必要になる。それは場合によっては書面によってその同意を得なかったらいけない、そういうことがありましょう。また、もう少し軽度な病気になりましたも、そこまでやる必要がないということがあります。それからまた、病気の種類によりましては、アメリカではがんなどはどんどん告知して、それに基づいて医療が行われますが、日本の場合にはまだそこまでいっていないという状況がございます。そのときにお医者さんかどう判断するのか、いろいろな状況がございますので、その状況にあってできる限りの状況では、説明をし同意を得るということから普及させていくということになるのじゃなかろうか。したがって、一挙にアメリカ流の説明と同意というものを導入するのはちょっと難しいのではなかろうか、このように思っております。
○石破委員 法律では違法性阻却事由などと言われて、被害者の承諾などということでくくられてしまうわけでありましょうけれども、何にしてもインフォームド・コンセントというのは、今局長からがんのお話がございましたが、日本の場合にはクオリティー・オブ・ライフというのもあわせて考えていかねばならないことだろうと思うのですね。 例えば会社の経営者が、とにかくあなたはがんだよ、制がん剤を使えば一年は生きるけれども、半年後からはもう動けなくなってしまうよ、制がん剤を使わなければ何とか七カ月、八カ月は一生懸命働けるかもしれないが、その後はばったりいっちゃうよという場合に、さて、その人の価値観はどっちなんだろう。制がん剤を使いながらでも一年間生きた方がいいのか、たとえ後でだめになってしまう場合があっても、仕事のために六カ月ばりばり働けた方がいいのか、その選択もする必要があろうかと思いますし、それはまさしくクオリティー・オブ・ライフというものにも関係するのだろうと思うのですが、日本型のインフォームド・コンセントというのは何なのかということをまた議論をさせていただきたい、かように思っております。 次に、今回の改正によりまして制度化されます特定機能病院並びに療養型病床群についてお尋ねをいたしたいと思います。 今回の施設機能の体系化というものは、患者の病状に応じた良質かつ適切な医療を提供するという観点からなされておるもののはずであります。そして、それは適切なものだと思いますが、その体系化、分担というものについては、患者の側に立った配慮が必要だろうと思っております。患者の側に立った体系化、分担機能、そのあらわれというものをお教えいただきたいと存じます。
○古市政府委員 先ほど申しましたように、具体的には、病院を特定機能病院と長期療養型の療養型病床群に分けた体系が初めてできるということでございますが、さらに、患者の立場から現在の医療施設を見た場合の問題点というのはまだまだたくさん残されているわけでございます。したがいまして、現在医療法の中では総合病院という規定がございますが、それが現在のままで国民がイメージするような機能を果たして果たしているかという問題がございますし、病院と診療所を二十床を境に分けておりますけれども、これが果たして妥当なのか、それからまた、よく問題に言われております有床診療所というものがどのような機能を担っていけばいいのかという問題もございます。 そういうことで、今御指摘のように、国民の側から見た医療のあり方の体系化というものを幾つか図っていかなかったらいけませんが、今回の医療法の改正はその第一弾として提案させていただきまして、引き続き機能の分化、明確化を進めてまいりたいと思っているわけでございます。
○石破委員 次に、紹介率についてお尋ねをいたしたいと思います。 紹介率を全国一律にするのか、それとも地域に応じて変えていくのかという点でありますが、その点についてはどのようにお考えなのかということについて承ります。
○古市政府委員 特定機能病院が期待される医療と申しますのは、入院した場合に高度な検査、治療が行われ、その中で新しい医療技術が開発されていく、さらにはその技術がほかのドクターにも研修を通じて普及していくということをイメージしております。 そういうような病院にあっての外来というものがどういう姿でなければならぬかと考えた場合に、地域の中で難しい患者、また診断に困るような検査を引き受ける機能を強化していく必要があるのではなかろうか。そういうことから紹介制をとっていただこうということで、そこで問題になりますのは御指摘の紹介率をどうするのかということでございます。いろいろ議論がございましたが、現在のところでは、地域によって特定機能病院といえども期待される医療が違っているであろうということで、地域の状況を勘案して紹介率を検討いたしたいということで、全国一律というのは現状にはちょっとなじまないだろう、このように私どもは思っております。御指摘のとおりの方向で検討を進めなければと思っております。
○石破委員 紹介制に着目した制度では、現行の医療保険で紹介外来型病院制度というのがあるわけですね。特定機能病院の紹介制とこの紹介外来型病院を比較した場合に、制度の趣旨はおのずから異なっておりますので、特定機能病院について。この紹介外来型と同様の取り扱いをするということはいかがなものかなというふうに思っておりますが、この点いかがですか。
○黒木政府委員 私どもも先生御指摘のとおりだというふうに考えております。 御案内のように、現行の診療報酬におきましては紹介外来型病院制度というのを設けているわけでございまして、これに該当する病院につきましては、紹介患者の場合には初診料を高く評価いたしますとともに、紹介患者以外の場合、つまり紹介状を持ってこられない患者の方については、急患等の場合を除きまして、初診料相当額は患者に全額自己負担していただくということになっておるわけでございます。 今回創設を予定されております特定機能病院につきましては、同じように紹介制を取り入れることとされておるわけでありますけれども、紹介外来型病院は一〇〇%の紹介を前提にした病院でありますし、今回の特定機能病院は紹介率等についてかなり弾力的に考えられておるわけでございまして、そういう趣旨、要件等の面でかなり違うということで、私どもは、直ちに紹介外来型と同様の診療報酬を特定機能病院に当てはめることにはならないというふうに考えておるわけでございます。 いずれにいたしましても、具体的には中医協に御審議をいただきまして、特定機能病院が地域に開かれた病院であるという点も配慮しながら一適切な対応包図るように検討していきたいと思っております。
○石破委員 特定機能病院と地域の病院、診療所との連係についてお尋ねをいたしたいと思います。 要するに昔、音といっても二十年か三十年ぐらい前のことですが、かかりつけのお医者さんというせりふが先ほどから出てくるんですが、そういうのが本当にいたと思うんですね。ある意味では家族の一員みたいな、うちのお医者さんというような人がいて、その人はおじいちゃん、おばあちゃんから赤ちゃんに至るまでその家の人たちの病状、病歴というものは全部把握をしておって、本当にその家のお医者さんという信頼関係というものがあったと思っておるんです。ところが、最近はだれもかれも専門医になってしまいまして、うちのお医者さんというイメージのかかりつけの医者というのがかなり少なくなってきたんじゃないかと思うんですね。 先般の地方公聴会でそれをお尋ねいたしましたところが、いや、とにかくお医者さんが年とっちゃって、高齢化しちゃって、そういうのがいなくなっちゃったんだ、絶滅寸前であるみたいな話であった。この間ある報道番組を見ておりましたらばお医者さんの高齢化という特集をやっておって、八十六歳のお医者さんが八十四歳の患者を診ているなんというようなところがルポされておりましたけれども、実際そういう例というのはたくさんあるだろうと思っておるんですね。やはりこのシステムをうまく動かすためには、プライマリーケアという言葉で置きかえてもいいかもしれないけれども、そういうようなかかりつけのお医者さんなるものがきちんと定着することが必要なんだが、しかし、片方においては高齢化現象というのが進んでいる。その辺をどのようにしていかれるか。 それで、開業医の円滑な承継ということも必要なことではなかろうかというふうに思っておりますが、地価の高騰なんかで非常に難しい面もある、かように仄聞いたしております。その点についていかがですか。
○古市政府委員 御指摘のような傾向が確かにございます。現在、日本全国の診療所の数という面から見ますと、激減しているということはございませんで、一応それは維持されているわけでございますが、いかんせんそれを担っておられるお医者さんの年齢がだんだん高齢化しているということで、このままいったら第一線のプライマリーケアというものが担えなくなる、こういう状況というのは御指摘のとおりだと思います。 私どもは、これにはやはり医学教育、それからまた卒後研修のあり方から直していかないといけない問題だと考えております。そうは申しても迂遠な話でございますので、現在開業されている方がそれを次の人に譲りたいと希望されているときに、いわゆる若手の人で資金がないから開業できないという方もおられる。そういうことに着目いたしまして、平成元年度より社会福祉・医療事業団におきまして、開業中の医師で事業を譲ってもよいという事業譲渡の希望医と開業を希望する開業希望医との間で仲介をやるということをやっております。しかし、これは成績はまだ余りよろしくございませんで、成立したのが五件ということでございますが、この事業も伸ばしていかなかったらいけない、このように考えております。
○石破委員 次は、大臣にお尋ねをいたしたいのでございますけれども、特定機能病院と歯科医師というお話なんです。特定機能病院につきましては、医療全般における先進性、総合性、実学性、これを備えておらねばならない。したがいまして、歯科医師の診療科目が要件とはなっていない。確かにそれはそうなんですね。しかしながら、総合性という面に着目をした場合には、やはり歯科という診療科目があった方がより望ましいのではないのかなというような気がするのですが、それはいかがなんでしょう。 そしてまた、療養型病床群の場合には歯医者さんというのは非常に必要なわけですね。そういう場合に一々外へ出なきゃいかぬというのもいかがなものなんでしょうか。老人歯科診療の充実を図るためには歯科医師が配置されることが望ましい、かように考えておりますが、この二点につきまして大臣の御見解を承りたいと存じます。
○山下国務大臣 ただいまのお尋ねの件でございますが、高度医療を提供するという点からいたしますと、先生のおっしゃったとおり、いわゆる先進性、総合性というものを備えなきゃならぬ。そういう立場から、大体十以上ぐらいの診療科目を一つの基準としたらどうかな、現在そういうふうな検討をいたしておる段階でございますが、歯科につきましては、他の診療科目と違って極めて独立性が高いと申しますか、そういう面において、これを初めからその中に義務づけるような形で設置するのは、まだ今のところ考えておりません。 それから、療養型病床群は比較的高齢者の方が多いのでございますが、しかし、高齢者のみではございませんので、これもまた今後の検討課題としていかなきゃなりませんが、現在においては、必須ということまではまだ踏み切っておらないわけでございます。 いずれにいたしましても、特定機能病院の診療科名及び療養型病床群の人員配置につきましては、医療審議会に今後お諮りして最終的には決めてまいりたい、こう思っております。
○石破委員 今申し上げましたのは、総合性という観点に着目をしていただけないだろうかということなんです。そしてまた、長期療養型病床群においては、ある意味においてはこれは不可欠なんじゃないのかという気がするのですが、重ねてもう一度御見解を承れればありがたいのです。
○山下国務大臣 ただいま申し上げましたように、この歯科関係の診療科は、特定機能病院の必須科目の診療科目とはいたさないということになっております。原案としては一応そうなっておりますが、これは歯科は要らないという意味ではございませんで、必須ではないが、むしろあった方が望ましいという位置づけは、私はそのように理解していいのではないかと思うのでございます。いずれにいたしましても、今後の問題としてひとつ検討させていただきたい。
○石破委員 それでは、これも前回お尋ねをしたことでございますが、診療報酬の体系はどういうふうになっていくんだろうかということです。これは患者をとったとかとられたとかいう言葉があって、大病院にレントゲンをとりに行かせたら患者までとられたなんという話がありますけれども、要するにそういうようなことになってはならないだろう。うまく連係をするためには、診療報酬の体系もそれに資するものでなくてはならないと思っておりますが、それにつきましてのデザインがありましたらばお教えをいただきたいと思います。
○黒木政府委員 今回の医療法改正案におきましては、新たに特定機能病院及び療養型病床群が制度化されるわけでございます。こういうそれぞれの目指しました制度が十分その機能が発揮されるように、診療報酬上も配慮、考慮する必要があるというふうに考えておりますが、いずれにいたしましても、これから具体的に定まります人員配置基準等、そういうものを踏まえながら中医協の御議論もいただきつつ、私どもは、今回の改正の趣旨が発揮できるように、施設に応じた適正な対応の方向で考えてみたいと思っておるわけでございます。
○石破委員 まさしくそうあっていただかぬと困るわけでありまして、これはやってみなきゃわからぬということでは困るわけですね。実際そのような患者の流れ、流れという言葉もどうかと思いますが、とにかくそれぞれの人に一番応じた医療というのが行えるような医療法の改正であってもらいたいと思うのです。 三時間待って三分診療というときに、では一体患者が多過ぎるのか、お医者さんが足りないのか、それともそれぞれのシステムがうまく動いていないのか、どうなんだねということなんでしょう。お医者さんが足りないのだったらお医者をふやさなければいかぬわけですが、どうもそういう方向ではなさそうだ。では患者さんが多いのかといえば、これは高齢化に従って患者さんが多くなるに決まっていますし、高齢化が進めばもちろん問診の時間というのも長くなるわけですね、反応がそんなにクイックレスポンスにならないから。しかし、患者が多過ぎるという話にもならないのでありましょう。とにかく、それぞれの機関がそれぞれの役割に応じた医療体系というものをつくっていただかねばならないし、医療法の改正に当たってはぜひそういうような手を打っていただいて、これが改正されて施行された暁には、本当によかったなと言える第一歩にしていただきたいと思っておるところでございます。 そういうような観点に基づきまして、大臣が今回の医療法改正を端緒として目指される方向、そしてまた二十一世紀の医療のあるべき姿、御見解を最後に承ります。
○山下国務大臣 本格的な高齢化社会を迎えまして、患者が良質な医療を受けられるような方向へと医療というものは変わっていかなくてはならぬ、そういう意味における今回の医療法の改正だと私は理解をいたし、またその方向で進めているわけでございます。 要は、患者が病状に応じて適切な医療機関で診療を受けるという意味におきまして、病院の機能と役割の分担というものを明確にするということでございます。その改革の第一歩として、大学病院などのように高度な医療を提供することのできるものを特定機能病院として、また、長期入院を要する患者にふさわしい医療を提供するのが療養型病院、こういうふうに一応二つに区分して制度化をするということでございます。 将来に向かってこれで十分と私ども考えておりません。例えば病院と診療所の区別、この問題だけ取り上げても、地域によっても差がございますし、近い将来においてこれはさらに検討を加えるべき問題だと思っております。
○石破委員 終わります。ありがとうございました。
○牧野委員長 土肥隆一君。
○土肥委員 いよいよ医療法の改正も山場を迎えたわけでございますが、私なりにもう一度念を押しておきたい部分あるいは強調しておきたい部分を中心にいたしまして、質問させていただきます。 まず、今回、医療法の改正におきましてインフォームド・コンセントということが話題になったわけでございますし、我が社会党といたしましても、何とかこの医療法の中にインフォームド・コンセントを明確な形で入れたい、こういうふうに願っておりましたが、どうもそのままいかないようでございます。それは、そもそも昭和二十三年に決められましたこの医療法のいわば施設法的な性格を今回も引き継いでおって、理念的なものについて十分組み込めないという状況にあるのじゃないかなと思っております。 そこで、再度確認をしたいのでありますが、今回の医療法の改正における一条の二のいわゆる医療提供者の理念というのは、インフォームド・コンセントと呼んでいいものでしょうか、あるいは呼んではいけない、そこまでは言っていないとお考えでしょうか、お尋ねいたします。
○山口(剛)政府委員 患者の権利にかかわる問題でございますので、私から答弁をさせていただきたいと思います。 御指摘ございましたように、現在の医療法が施設法的な観点からの規制が中心になっておりますのを、今回の改正で医療の理念ということで規定をいたしておりまして、一条の二に、医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係に基づいて医療は行われなければならないということを初めて規定をさせていただいたわけでございます。先ほど御議論がございましたように、私どもも、今後の医療を提供していく場合の重要な理念として、インフォームド・コンセントがあるというふうに考えております。直接今度の法案でインフォームド・コンセントというものを規定しているわけではございませんけれども、この医療の担い手と医療を受ける者との信頼関係を築いていくための、またそれを支えていくための一つの方法として極めて重要な原則、その精神をこの規定で書いているというふうに私どもも考えております。
○土肥委員 インフォームド・コンセントの概念規定については、また後でお尋ねいたします。果たしてこれでインフォームド・コンセントの精神を担っているかどうか、含んでいるかどうかについては、また後で議論をさせていただきます。 さて、今日高度情報化社会と言われておりまして、現代人はあらゆる情報を入手し分析して、そして納得のいくところで自分の自己決定をしていくわけであります。ところが、どうも医療の分野では医師が圧倒的な情報を持っておりまして、患者はそれに追いついていけない。これは、専門家としての医師があるわけでありますから当然のことでありますけれども、しかし、にもかかわらず、民間あるいは市民の間にもかなりの医療情報が浸透してまいりまして、医薬品の中身であるとか高度医療についてもかなりの知識が身についてきているわけであります。 そもそもインフォームド・コンセントというのは、医者と患者が対等な関係に立つ、人間として対等な関係に立つということが基本であろうかと思うのでありますが、私の足りない経験から申しましても、患者の権利、患者の立場を守る、そういうような法体系ができていないのではないかと思うわけです。果たして我が国の法体系の中で患者の権利というものはどこで守られているのでしょうか、お述べください。
○山口(剛)政府委員 先生御指摘のように、我が国の医療の風土といいますか、医師の専門性を尊重し、その治療方針等を患者さんも信頼していく、医師もその信頼にこたえて患者に適切な治療をしていくという関係の中で医療が行われてきておりますので、医療法あるいはその周辺の体系の中で、患者の権利ということでこれを明文化しているというようなものはないと言っていいかと思います。 先ほど御指摘がございましたように、今回初めて医療の提供の理念ということで、医療を受ける者としては患者さんの立場を、やや抽象的な点はございますけれども、医療法に規定をさせていただいたという経緯でございます。
○土肥委員 そうしますと、患者の権利というものは日本の法体系の中でほとんど位置づけられていない、守られていない現状。そして、今回医療法の改正において医療の機能が分化していく中で、むしろ患者はその医療体系の中で右往左往しなければならないような状況が生まれてき、かつ機能型の病院ではますます専門性が先鋭化いたしまして、患者さんはそれについていけないというようなことがあると思うのであります。 インフォームド・コンセントの歴史というものは、一九六〇年ぐらいからというふうに認識しておりますし、最も古い段階では、一九四七年のニュールンベルク綱領から出発すると言われておりますけれども、そう歴史が深いものではない。しかしながら、今日日本の医療法の大改定において、そのときもなおまだ患者の権利あるいは位置づけというものが明快になされていないということは非常に残念に思うのであります。したがいまして、私の個人的な希望として、可能ならば、やはりこの医療法の改正の中にインフォームド・コンセントの概念を入れるべきだというふうに今もなお思っているわけです。 さて、我が国は特にこのインフォームド・コンセントの、歴史が短い、あるいは浅いというふうに言われております。私も一個人として医者にかかるときに、薬品やあるいは治療の情報はほとんど得ないままその指示に従い、薬を飲んでいると思うわけでありますけれども、我が国がインフォームド・コンセントがおくれているというふうに考えていらっしゃるのかどうか。そして、おくれているとすればなぜおくれているのか、お答えいただきたいと思います。
○山下国務大臣 先ほど来インフオームド・コンセントについての重ねての御質問でございまして、これは医療の理念として大変重要な問題であると私も理解をいたしております。 ただ、アメリカはもう歴史も古うございますが、どちらかというと訴訟社会と申しますか、そういう点においては日本とかなり従来からの行き方を異にしているわけでございます。しかしながら、今申し上げましたように、日本は日本なりの一つの日本的な人間関係、患者と医師との人間関係に基づいてやってきたのでございますが、アメリカと従来からの行き方が違っていたにしても、今後やはりインフォームド・コンセントという方向は目指していかなければならぬということで、その位置づけは具体的には記載ございませんけれども、今回の医療法の改正には、そういう位置づけということは明らかにされていると思うのでございます。
○土肥委員 大臣が今御答弁になりましたから、少し順番を変えて質問させていただきます。 アメリカが訴訟社会だ、これは一般的通念としてはそう言っていいと思うのであります。それだけ国民が権利意識が強い、こう言ってもいいと思うのであります。私が今厚生省から得ましたデータによりますと、これは「医療過誤訴訟に関するデータ」というものでありますが、「通常。医療過誤訴訟事件の処理状況」というのが出ておりまして、特に医療行為そのものに限っての訴訟データを見ますと、例えば一番最近の、昭和六十二年ということになっておりますが、新しく受け付けた医療過誤訴訟事件は三百三十五件にしかならない。これは、日本の国民が争いを好まない国民だというふうな分析の見方もあろうかと思いますが、私はこれを見ますと、何と日本の患者はおとなしい患者かというふうな気もするわけです。 ですから、卵が先か鶏が先かという論議もあるかもしれませんけれども、インフォームド・コンセントで述べられるような患者の個人的な権利というものがまだ芽生えていない。その結果、やむにやまれず訴訟を起こした人が三百三十五件であったというふうに私は理解するのですが、当局のお考えはどうでしょうか。
○山口(剛)政府委員 確かに先生御指摘いただき。ましたように、我が国における医療過誤訴訟の件数は御指摘のとおりでございます。 先生、御見解がございましたし、先ほども議論ございましたけれども、もう一つ私ども医療というものの特殊性、特に医療は非常に不確実なもの。だということがあります。大変恐縮でございますけれども、例えば医療というのは現代科学でも完全に解明されていない人体をそもそも対象にしている。それから、個人め患者の病状によって、個々によって大変ファクターが違う。また医療技術の進歩が日々ございますので、そういう中で患者側、医療側両方とも訴訟に持ち込むためには、過失の存在だとか不存在だとかというのが医療の性格からして極めて立証が難しい、そういう医療そのものから来客訴訟の難しさということがあるかと思います。 それから、例えば仮にインフォームド・コンセントというものを欧米諸国のように法的に規定直した場合に、医療訴訟にどんなふうに影響を与えていくかという点につきましては、大変よく説明をして、納得をした上で患者さんが治療を受けるという意味で訴訟が少なくなる要素もあろうかと思いますし、また、法律に規定した表面的な規定に違反をしているということで訴訟が多くなるというような、両方の要素もございますので、我が国の医療訴訟の現在の状況が多いのか少ないのかという点については、いろいろな角度から検討してみる必要があるかと私どもは考えております。
○土肥委員 続いて聞きますが、それでは日本はインフォームド・コンセントという概念からいって、進んでいる国なんでしょうか、おくれている国なんでしょうか。おくれていると私は思うのですが、御意見をお伺いいたします。
○山口(剛)政府委員 我が国におきましては、先ほどもちょっと触れましたように、医師については国民が大変信頼感を置いておる。お医者さんの治療方針を専門家として決定をしていただいて、それに従う、尊重するという風土がかなりあるかと思いますし、また、お医者さんがそういう国民の皆さんの期待に則して治療に専念をするという風土がかなり高い。したがって、インフォームド・コンセントというのを法律では規定をいたしておりませんし、また、すべて言葉に出して、あらゆる場合にお医者さんが言葉で説明をしている、文書で説明をするというようなことが欧米諸国のように目に見える形では行われておらないかと思いますけれども、我が国独特のそういう信頼関係というものはあるのではないかというふうに考えております。 ただ、近年の医療の現状、高度化、複雑化というようなこと、それから、先ほど来御指摘がありますように国民の権利意識というのが高まってきておりますので、そういう中で医療の場においてももう少し患者と医者とのルールを、明文化するかどうかは別といたしまして、今までのままでいいのかどうかという点について、我が国の医療の現状を見ますと、反省、改善をしていかなければならない部分は相当残っているというふうに私どもも考えております。
○土肥委員 患者の立場が法律上あるいは法制上整備されていなければ、医療訴訟に持ち込んでも、争いに勝つ幅というのは非常に狭いのじゃないか、こういうふうに思うわけであります。 日本の医療状況がインフォームド・コンセント、つまり患者の権利、患者と医家との平等な関係というものを中心にして見据えられたのがインフォームド・コンセントでありますけれども、実はここに日本医師会の生命倫理懇談会が平成二年一月に「「説明と同意」についての報告Lというのを出しております。私はこれをざっと見まして、大変良心的な報告書だというふうに思っておりまして、むしろ日本医師会の健全さというものを改めて見た思いがいたします。 ここでは日本のインフォームド・コンセントがおくれている、こう言っております。そして幾つか条件を挙げておりまして、伝統的文化の違いとか、医者側からの論理が優先している、インフォームド・コンセントなんというのは大変面倒で厄介なことになる、アメリカのような裁判による手段をとらない民族であるとか、それから先生お任せの医療上のパターナリズムというふうにも言っております。あるいは、あうんの呼吸でやっているんだというようなことも言っております。あるいは、時間的余裕がない、説明している間が保険制度上認められていないというような理由も挙げておりまして、私はやはり正直に書いていらっしゃるなというふうに思うのであります。 ですから、そういう意味からいいますと、今御答弁なさったように、日本も日本なりのインフォームド・コンセントは確立しているんだというふうには到底思えないわけでありまして、どこかの場所できちっとこの患者の権利というものを保障していかなければならない、それがやはり今日私どもに求められていることではないかというふうに思うのであります。 さて、この日医の報告書の中にインフォームド・コンセントの定義というものも若干書かれているわけであります。厚生省としてインフォームド・コンセントというのはこういうものだという定義は確立されているのでしょうか、どうでしょうか。
○山口(剛)政府委員 委員先ほど先生御指摘がございましたように、インフォームド・コンセントというのは、そもそも戦陣中の人体実験にかかわる事件を反省をする意味でこの考え方が取り入れられたという経緯がございますし、また、アメリカ等では医療事故をめぐる裁判において法的な概念として強調されてきたものが、一般の診療の場においても医者と患者の信頼関係を確立するための原則ということで、その積み重ねの中で概念が確立をされてきたという経緯がございますので、そもそもその定義ということで私どもがきっちりとしたものを持っているわけではございませんけれども、一般的には、患者に対して診療の目的、内容などについて十分説明をし、患者が理解し、納得した上でその治療方針について同意を得て治療をしていく、そういうふうに受けとめておりまして、今この問題に対応しているところでございます。
○土肥委員 アメリカの例が何度も引かれるわけでありますけれども、一九七二年に患者の権利章典に関する宣言というのがアメリカの病院協会から出ております。これなどを読みますと非常にすばらしい内容になっておりまして、法律に持ち込むことができないとするならば、医師会、病院協会などがこういう権利章典を宣言なさることが非常に意味があるというふうに思うのであります。 それをざっと見ますと、たくさんの項目があるわけでありますけれども、例えば法が許す範囲で治療を拒絶する権利も患者は持っている、あるいは自己のプライバシーについて配慮を求める権利、ケアに直接かかわる者以外は患者の許可なしにその場に居合わせてはならないというふうにも書いてあるわけです。日本の一般の総合病院などへ行きますと、カーテンで仕切りまして、一診、二診、三診、四診ぐらいありまして、一診が初診者の入り口でしょうか。そしてカーテン一枚、その後ろにはいすが並べてありまして、次の患者さんがもう脱ぐ用意をして待っている。お医者さんが、血圧が高いですねとか、これは大変だとかなんとか言っているのが全部聞こえるわけです。それで看護婦さんは次の患者を呼び込みにかかる。早う早うということでやっているわけで、あの診察室にはプライバシーなどというのはどこにもないのじゃないかと思うのです。日本が医療的にかなりの技術が発達し、日本の医療もかなり高度になってきたという中で、あの診察風景というのはこっけいにすら映る、こう言っていいかと思うのであります。 あるいは、この宣言の中には、自分が転院をしたい、病院をかわりたいということを言う権利があるんだ。しかし、日本の病院で、その病院に入院していて、どうもここはぐあいが悪いから転院したいなんて言ったら、とてもじゃないけれども転院できるような状況じゃない。いろいろな意味でプレッシャーがかかり、また受け入れ側もなかなか転院を受け入れてくれない。この権利章典では、転院の希望があったら転院させ、かつ受け入れる病院もとりあえず受け入れなさいというふうな条項もあるわけでございまして、そういう意味では、日本の病院の状況というものは、患者にとっては非常に不利な状況に置かれているのじゃないかというふうに思うのであります。そういうことで、患者の自己決定権というものを何とか保障すべきだというふうに思うのですが、これを法的に決めることは不可能でしょうか、御意見をお聞きしたいと思います。
○山口(剛)政府委員 先生御指摘ございましたように、医師会の報告でも、結論的には、インフォームド・コンセントというのは患者と医師の信頼関係を再構築する一つの契機となるものであり、医師もこれを積極的に受けとめて前進をしてほしいということで、基本的な方向としては受けとめておるわけでございますし、また、先生御指摘のような我が国の医療の現状を見ますと、患者さんの立場から見て改善をしていかなければならない部分というのがかなりあるかと思います。私どももそのように考えております。 ただ、これを解決していく手段として、法律に患者の権利というようなことでそれを規定していくことが医療の現場をいい方向に動かしていくための方法であるかどうかという点につきましては、私どもは、我が国の医療の現状を踏まえまして、我が国の医療を改善していくための方法としては、何も法律にぎりぎり規定をしていくことはかりじゃなくて、まだまだできる点、やらなければならない点がいろいろなことであるのではないか。そういうことを総合的に対策として講じていく。医療の現場と余り離れた形で法律だけ規定をしてみても、かえって混乱を来す。また、医療の具体的な前進のためにつながるのだろうかという点について、よく検討させていただきたい課題だというふうに考えております。
○土肥委員 現状ということからいえばそういうことだろうと思いますが、言ってみれば大がかりな、あるいは声高に医療法の大改定というものが始まったん。だとは言いながら、しかし、医療者側の圧倒的支配のもとに行われる医療現場、そこにおける患者さんの苦悩というものをどう取り上げるかということは、今回の医療法では一条の二に盛られたということでございます。全国のお医者さんたちがこの一条の二を見て、これはインフォームド・コンセントのことなんだと考え、かつ患者の人権を十分尊重して、対等な立場で患者さんに対応してくれるかどうかというところが今後の課題だろうと思います。 私は、本法の改正がインフォームド・コンセントを前進させ、それによって患者さんの心理的負担がかなりの部分軽減されることを願ったわけでありますが、その意味では、どうも施設法あるいは医療を施す側の法改正で終始したということで私なりに納得しているところでございます。 インフォームド・コンセントはその程度にいたしまして、次に老人保健施設についてお尋ねしておきたいと思います。 まず、老人保健施設というのは医療施設なんですか、それとも福祉施設なんですか、素人っぽい質問からさせていただきます。
○古市政府委員 今回の医療法改正の関連から申し上げさせていただきますが、法第一条の二第二項におきまして、老人保健施設を医療施設として位置づけたわけでございます。御承知のとおり、老人保健施設は、疾病、負傷等によりまして寝た、きりの状態にある老人等に対しまして、看護それから医学的管理のもとにおける介護及び機能訓練その他必要な医療を行うとともに、その日常生活上の世話を行うことを目的とする施設であるということから、その医療面に着目いたしまして、医師が医業を行う場として、法第一条の二第二項に医療提供施設として位置づけたということでございます。
○土肥委員 医療施設だと。後でどんな医療行為が行われ、それに対する療養費がどういうふうに払われているかお聞きいたしますが、まずちょっと実務的なことで、老健施設を医療施設として考えた場合に、病院のベッド数、つまり病床数に算定するのでしょうか、しないのでしょうか。
○古市政府委員 お尋ねの件は、医療法におきます地域医療計画の中での二次医療圏ごとの病床規制における病床のカウントということだと思います。 老人保健施設につきましては、要介護老人に対しまして医療と日常生活上の世話を一体的に提供するという性格から、人員や施設基準等を勘案いたしまして、昭和六十二年度からは医療計画上、収容定員数に〇・五を乗じた数を既存病床数として算定することとした。これは医療と福祉と両側の性格を持っているということから、医療の病床数としては二分の一の数をカウントしよう、こういうようなことでございました。この算定方式につきましては、老人保健施設の整備を結果的には抑制するという状況に働いたわけでございます。ところが、一方、平成元年十二月に策定されました「高齢者保健福祉推進十か年戦略」、通称ゴールドプランでございますが、これにおきましては平成十一年度に二十八万床の老人保健施設を整備するという大目標を定めているわけでございまして、厚生省としてもこの一層の整備促進を図らなければならない、こういう状況でございます。 そこで、医療審議会に諮りました結果、平成三年六月以降に整備されるものにつきましては、当分の間、老人保健施設の整備状況、老人保健福祉計画の作成、推進状況等を勘案することとしまして、その間は既存病床数として算定しないということにしたわけでございます。現在この扱いで整備の促進が図られているところでございます。
○土肥委員 そこが医療施設なんですか、福祉施設なんですかというふうに聞いているところでございまして、ゴールドプランができたので急速算定しない。そうすると、二十八万床という巨大なベッド数を平成十一年までにやり遂げなければならないわけでありますから、どうもぐあいが悪い。二次医療圏構想というものが基本的に壊れてしまう。 ところが、この老健審の意見具申を読みますとこういうふうに書いてあります。「施設整備の促進について 施設整備のガイドラインの策定」というところに、「都道府県におけるこれらの計画は、平成五年四月から策定することとされている老人保健福祉計画に引き継がれる」「その際、医療法に基づく医療計画とも調和するよう配慮し、病院、特別養護老人ホーム等の供給体制とのバランスを考慮した総合的な整備計画が立てられることが望ましい。」こうなっております。この「総合的な整備計画」あるいは「医療法に基づく医療計画」、これが絡んでくるわけですが、その辺整理して御説明いただけないでしょうか。
○岡光政府委員 委員が今おっしゃいましたように、平成五年四月から全国の県、それから市町村におきまして老人保健福祉計画をつくっていただくことになっているわけでございますが、既存の各種の計画とよく調整するように、その整合を図るようにということをまず概念的に考えているわけでございます。 それで、地域医療計画がもう既にスタートしておりますので、それと老人福祉計画とがうまく整合するようにというのが基本的な考え方でございます。ある人を処遇する場合に、その人の心身の状況に応じまして適切な対応が必要になってまいるわけでございますが、一定の生活圏を考えた場合に、どのようなものがその生活圏で整備をされているのか、こういうことを十分認識した上で、何が不足しているのか、こういうことを考えていただいて不足部分を整備してもらう、かつ各種の施設間の連係を図っていただく、こういうことを主眼にして、今御指摘があったようなことを考えている次第でございます。
○土肥委員 よくわからない部分があるのです。というのは、そもそも老健施設とは何だろうということを何度も考えるわけであります。俗に中間施設というふうに言うわけですけれども、何と何の中間なのかなというふうに、いろいろ分析をしてみてもよくわからない。したがいまして、まずは老健施設というのはそもそも何を目的としてゴールドプラン出発時に位置づけられたのか、老健施設の目的についてお話しいただけますか。
○岡光政府委員 病状安定期にある寝たきり老人等に対しまして、その心身の特性にふさわしい看護・介護やリハビリテーションを中心といたします医療的なケア、日常生活サービスを提供するということによりまして、老人の自立を支援して、その家庭復帰を目指すということを目的としている施設でございます。ですから、中間施設という御指摘がございましたが、いわば病院と家庭との間の中間にあるものというふうに考えておりまして、どういう性格づけをするかというのも関係の審議会でいろいろ議論があったわけでございますが、家庭復帰をするというので、いわば滞留ではなくて通過型の施設ではないだろうか、こういうふうな位置づけをされているところでございます。
○土肥委員 ところが、老人保健施設の仕事、その受け入れから退所していく流れを見てみますと、これは国会の調査室でつくっていただいた資料ですけれども、家庭から老健施設に入り、そして家庭に帰っていったケースが七一%で、家庭から老健施設、家庭ということにはこの老健施設がかなり有効な働きをしていると思うのであります。しかし、二〇%は家庭から老健施設、そして病院へ、医療機関へと流れていっているわけです。医療機関から見ますと、医療機関から老健施設に入り、そして家庭に帰ったというのは二九・九%、約三〇%、また医療機関に戻っていったのが五〇・二%、つまり、半分はまた医療機関に戻っていった。そして社会福祉施設に入った人が一一%いる、こういうふうになっております。それから社会福祉施設、これは主に特養だと思いますけれども、特養から老健施設の利用が非常に少ない。 そういうことからいいますと、特養あるいは養護老人ホームはそれだけで完結した施設になっているけれども、どうも家庭と医療機関、その二つを取り上げてみますと、家庭から老健施設、家庭へというのはかなり成功しているけれども、医療機関から老健施設、また医療機関へと半分は戻っていく。こういうことから考えますと、私の分析では、老健施設というのは施設振り分け施設と申しますか、あるいは施設振り分け機能を果たす施設だというふうに考えられるわけであります。 そういうふうにいろいろな多面的な面から老健施設を見てまいりますと、これを二十八万床つくったあげくの果てに、後で滞留のこともお聞きしますけれども、何かお年寄りが一種のフィルターにかけられて、さああなたは老健施設へ一度行ってどこへ振り分けるか考えてみなさいみたいな、家族も含めてですが、そういうふうな施設機能を果たすのじゃないかということを懸念するわけです。したがって、この老健施設をこれから整備されていかれる中で、こういう実態を踏まえてもう一度も二度も吟味しなければならない、そのような施設だろうと思います。 しかし、さておいて、平成三年度までで結構ですが、今この老健施設は二十八万床の何%まで達成されたのでしょうか。
○岡光政府委員 平成三年度末の整備状況でございますが、五万六千床余りでございます。計画では平成三年度末までに六万九千床を目標にしておりましたが、平成三年度末の目標に対する実績は約八一%という達成状況でございます。
○土肥委員 二十八万にはかなりほど遠い数字でございまして、あと残された七年ですか、これで猛烈につくっていかなければならない。しかしながら、果たしてそれは可能かどうかということをいろいろな面から思うわけであります。 その辺を若干聞いておきたいと思いますが、既にもう老健施設の経営が赤字経営に移っている、出発したばかりなのにもうその経営実態は赤字だというふうなことが言われておりますが、ごく簡単でようございますから、経営の問題点を結論的に申し述べていただきたいと思います。
○岡光政府委員 平成二年度の経営実態等の調査結果を申し上げますと、一施設当たりの施設療養費、それから利用者から徴収する利用料、こういったものを合算しました平均の施設事業収益は二億一千七百万、これに対しまして人件費であるとか給食等の原材料あるいは医薬品、こういった諸経費を合算した施設事業費用は二億二百三十六万ということで、差し引き収支差では一千五百二十九万円ほどの黒字になっております。しかし、これに施設建設の借入金の支払い利息等、こういったいわゆる施設事業外の費用を合算した収支差で見ますと、約四百九十万ほどの赤字になっております。 これを施設整備がされた年次で見ますと、やはり建設の初年度及びその次年度については赤字が出るようでございます。大体二年ほど経過をして、ベッドの利用率が八〇%以上になりましたら大半の施設は収支差で黒字になる、こういう状況で、立ち上がりのときに若干赤字が出ておるというのが現状でございます。
○土肥委員 これはあくまでも全体の数字でございます。民間福祉法人もそうでありますが、いっそつくるならば、二十一世紀に向けて、二十一世紀の人々にも喜んで使ってもらえるようないい施設をつくりたい、こういうふうに思うわけです。そうすると建設費がすさまじくかさんでくる。まあ立ち上がりでは赤字だけれども二、三年で黒字に、黒字というか、とんとんまでくらいいくのじゃないかというふうにおっしゃいましたが、これはもう少し見てみないと経営実態というのははっきりと述べることはできないと思います。 それにしましても、例えば赤字が多いのは医療法人、あるいは特に多いのは公的機偶。公的機関という場合には、これは日本赤十字社等であるというような説明がついております。ところが、社会福祉法人はもう立ち上がりから黒字になっている。これはどういう理由でしょうか。
○岡光政府委員 土地の取得、土地の経費が一番のポイントになると思います。それともう一点は、社会福祉法人に対する税制上の取り扱いと医療法人に対する税制上の取り扱いが違っておりまして、社会福祉法人の方が比較的有利な税制上の立場にある、そういうものも反映していると思います。
○土肥委員 財政をざっと見ただけでも、これではとても民間の皆さんが老健施設を建てようという気にはならない、そのように思うのであります。しかも意見具申を見ますと、言葉は悪いですけれども、強制的にというか強圧的にというか、介護支援センターもくっつけなさい、デイサービスもくっつけなさい、訪問看護ステーションもくっつけなさいというふうに読めるわけでありまして、現在でも特養を新設するときには、必ず二十ベッドのショートステイ用のベッドを強制されるような、それがなければ整備を認めないというような実態があちこちで見られるわけでございます。 この老健施設が二十八万床を達成するためには、相当な手当てをしなければいけないと思うのですが、先ほど税制上の問題もございました。しかしながら、人件費とか事務費等々、割に老健施設というのは寄附を集めにくい施設でございますので、そういう意味では、療養費の中にどういうふうに反映してくるかということは非常に重要なことになってまいります。この老健施設の運営費というのは、結局は療養費に全部込みで入ってくるわけでありますが、人件費などの上昇分等々についてはどういうふうな考えで、あるいはどういうふうな方針で手当てをなさるのでしょうか、お尋ねいたします。
○岡光政府委員 まず、施設療養費の中の人件費部分の対応でございますが、前回の改定からその次の改定までの間の人事院勧告の勧告率などを参考にいたしまして、人件費部分については手当てをする。それから、物件費の部分につきましては、消費者物価の動向を考えまして、改定時から次期の改定時までの動向部分に対応する、こういう考え方で施設療養費を設定いたしております。
○土肥委員 施設療養費の中で完全にカバーされればいいのですけれども、こういう措置費にいたしましても療養費にいたしましても、一括方式というのは、中での運用のうまみと言ったらいいでしょうか、運用でカバーできる部分もありますけれども、やがて平均的な職員の勤続年数が上がってまいりますと、それに追いつくように療養費がカバーされるのかどうかということを私は懸念するわけです。福祉の分野では加配が行われるわけで、民政費と普通に呼ばれておりますけれども、そういうものはこの療養費の中には考えられているのでしょうか。
○岡光政府委員 いわゆる社会福祉施設における民政費のような考え方はとっておりませんが、先ほども御紹介申し上げましたけれども、毎年度老人保健施設の経営実態を調査しておりますので、そこでかかっておる職種別の人件費がどのくらいなのだろうかというものを見まして、それで単価の是正もあわせ行っておるというところでございます。
○土肥委員 わかりました。 老健施設で一番問題になりますのは、都市部に非常に建てにくいということですね。この意見具申によりましても「東京都をはじめ都市部での老人保健施設の整備の遅れは深刻である。」こういうふうに言っております。建築費もかかるし土地代も高い。聞くところによりますと、社会福祉・医療事業団の融資の土地の部分にも融資枠がついたというふうに聞いておりますが、その辺のところをお知らせいただきたいと思います。
○岡光政府委員 土地取得の資金についての融資でございますが、社会福祉・医療事業団から三億円というのを一応のめどにしまして行っております。 御指摘のように、都市部におきまして整備をする場合にコストがかさんでおりますので、融資につきましても、大都市部におきましてはこれまで四億円というのが限度額でございますが、七億二千まで拡大をする。それから、そもそもの国庫補助の整備費におきましても、大都市加算というのを行うことによりまして通常のものにプラスをして行う。かつまた土地が狭うございますから、場合によっては高層化なり他の施設との複合化ということを考えなければなりませんが、その高層化、複合化につきましても加算を行うということで、整備費におきましても配慮をすると同時に、融資におきましても限度額を引き上げるなどで対応しょう、こういうことを考えておる次第でございます。
○土肥委員 私が最近見せていただきました老健施設は、姫路にございますが、建築費だけで二十億円です。限度額四億円に大都市加算をすると言われましたが、これは本当に、貧者の一灯とは言いませんけれども、大海に水を一滴流すという感じもしないではないわけであります。土地に融資をつけられたということは、ある意味で非常に意味があると私は評価するわけであります。やはり相当な税制上のてこ入れもして支援策を立てませんと、民間の人たちが率先して老健施設を経営してみようかという気にはなかなかなれないのじゃないかということを申し上げておきたいと思います。 さて、老健施設の運営面で一番問題になりますのは、やはりお年寄りが滞留してくる。滞留という言葉は非常にいけない言葉で使いにくいのですが、これしかないものですから、滞ってくるとでも言いましょうか、そういう現象はやむを得ないと思うのでありますが、老健施設は短期の、しかも病院から家庭への中間施設というふうな定義からいたしますと、滞留者については一体どういう方針でいらっしゃるのでしょうか。
○岡光政府委員 できるだけ家庭に復帰をということを考えているわけでございますが、家庭における受け入れ態勢、そういったものも十分ではないような面もあるわけでございまして、そのようなことを考えましていわゆる在宅医療福祉サービスの体制を整えようということを考えているわけでございます。老人訪問看護制度であるとかホームヘルパーとか、こういった人たちを在宅に向けることによって、一人でも自分の家で生活できるような体制を整えようというわけでございます。 それから、あわせまして、老人保健施設におきましても、いわゆる適所型のデイケアであるとか短期間そこで滞在するショートステイというようなことで、家庭を支援する機能もあわせ持つようにしまして、そういうことで、できるだけ自分の家で住まえるような支援策もあわせて行おうではないかという発想でございますが、やはり心身の状態、家庭での受け入れ状態から考えまして、老人保健施設に長くとどまっているケースがあるのは、ある面ではやむを得ない点もあるのではなかろうかと思っております。
○土肥委員 そうしますと、例えば年月を区切ってとかあるいはもう何年以上はだめとか、そういう指導は一切していらっしゃらないのでしょうか。
○岡光政府委員 そういうことはしておりません。
○土肥委員 しかし、現場でいろいろ聞いてみますと、婦長さんだとか事務長さんあたりは深刻でございまして、なるべく早く出ていただかなければいけない。言葉は悪うございますが、いかにして追い出すかというようなことに心を砕いていらっしゃるようでございまして、家族がやむを得ず置いておいてほしいという場合にはいたし方ないとしても、いろいろな家族の指導などもあろうとは思いますけれども、どうもこの中間施設、これは短期滞在型の施設ですよということを繰り返し繰り返し言うことによって、お年寄りに対する浮かないといいましょうか、落ちつかない一種の状況が生まれるのではないかというふうに私は感じているわけです。 それで、私は個人的な考え方として、老健施設を福祉施設に転換いたしまして、そして、医療がついた生活ホームというふうにしたらどうか。特養等は、要するに生涯そこにおっていいですよという生涯型の生活ホームというふうにして、いわば高齢化社会というのは絶えず医療的な加護が必要な状況にあるわけでありますから、そういう意味で中間施設、通過施設などということを余りにも言うと、これが国民に喜ばれないものになるのではないかというふうな感想を持っているのですが、部長の御見解はいかがでしょうか。
○岡光政府委員 まず、先ほどの御質問に関連してちょっと申し上げますが、我々指導に当たりましては、老人保健施設において、入所者につきまして三月ごとに、なおどういう対応が必要なのか、場合によっては、心身の状況に応じては帰宅できるような状況になっているのではないだろうかというふうな評価をしてくださいということをお願いしております。そこでとどまっておりまして、そこで帰せというようなことを言っているわけではないので、そこは御理解をいただきたいと思います。 それから、そもそも論として先生貴重な御意見をいただいたわけでございますが、まずお年寄りの介護というのはどうするのだろうかということで、介護ということで横断的に切ってみますと、老人保健施設も特別養護老人ホームも、日常生活の支援、介護という意味では変わりないんだと思っております。ただし、それぞれ施設の性格づけをいたしまして、老人保健施設の場合には、それにプラスをしてリハビリテーションを中心にするような医療的なケアを考えて、そして、家に帰れるんだということを動機づけしているわけでございます。それは入所者にとっても励みになりますし、また、施設で働いている皆さん方も、家庭に復帰させるんだということで相当な緊張感があるわけでございまして、老人保健施設の運営に当たりましては大変意義があるのじゃないだろうかと私どもは認識をしております。 しかし、将来、生活介護ということで横で切った場合に、どのような施設整備なり連係関係を図らなければならないのか、これはまたいろいろ研究していかなければならないのじゃないだろうか、そういうふうに考えております。
○土肥委員 私はもう少し悲観的に考えておりまして、核家族とか家庭の看護機能の低下だとか住宅事情だとかいうことを挙げれば、個人負担平均五万円ぐらいで入っておいてもらった方がはるかに楽だというのが、家庭あるいは見る子供たち、家族の偽らざる心情であろうかというふうにも思ってみたりするのです。適度な緊張感で中間施設におるというのも悪くはないと思うのでありますが、なかなかそうはいかないのじゃないかなということを意見として申し上げます。 時間がございませんので、あと数点確認だけさせていただきます。 まず、今地方行政の現場で保健と福祉の連係が大切だというような認識、特に高齢化社会における地域の総合保健福祉計画などを見ますとそういうことがうたわれ、広島あたりでも若干実践が行われているようでありますが、その辺についての厚生省の考えを簡潔にお述べください。
○古市政府委員 保健と医療と福祉の総合的な体制をとるというのは非常に重要なことでございます。そういうことから厚生省としましても、保健のサイドから見ますと、保健所に平成元年から、地域保健将来構想報告を踏まえまして地域保健活動の充実強化について通知を出しております。その中に保健所保健福祉サービス調整推進会議を位置づけるということで、ほとんどの保健所に設置されているということでございます。それからまた、一万福祉サイドからは、都道府県に高齢者サービス総合調整推進会議、市町村には高齢者サービス調整推進チームを設置する、このようにやっております。両側でそれぞれの機能を発揮するようにやっております。 今御指摘の広島等で組織絡みの話がございますが、現実に保健と福祉のサービスが住民に届くことが大事であって、単なる組織いじりで効果が上がらないということになったら、それは町題である。現在の体制であっても、連絡強化をすることによってサービスが確保できるということがございますので、現実に広島県ともまた相談をして、その例も見ていきたいと思っております。
○土肥委員 効果が上がるならば、どんどん進めていいということですか。
○古市政府委員 上がるならばということでございますが、結局単なる組織いじりということでなくて、実態が、現在では何が問題で、組織をいじったら何が解決するかということの担保なしに、行政組織だけいじるのは問題だということで、私どもは一応話を伺おうということにしております。
○土肥委員 もう一つ、訪問看護ステーションのことについてお聞きいたします。 訪問看護ステーションというのは医療法的に見てそもそも何なのかということと、私の分析では、お医者さんの往診率が非常に低下した結果、看護婦さんだけでもいいから派遣しようということではないだろうかということと、この訪問看護ステーションが今後どういうふうに発展していくのか、発展されることを願っているわけですが、それと、今日現在で実施箇所数がわかれば教えていただきたいと思います。
○古市政府委員 前段について私から御説明いたします。 訪問看護ステーションは、現在改正医療法の中におきまして特に位置づけているということではございません。御承知のとおり、第一条の二で「医療は、国民自らの健康の保持のための努力を基礎として、病院、診療所、老人保健施設その他の医療を提供する施設、医療を受ける者の居宅等において、医療提供施設の機能に応じ効率的に提供されなければならない。」となっておりますが、この医療法では、医療施設だけではなくて「医療を受ける者の居宅等」ということを規定したというのが新しいことかと思います。ここに対して今御指摘の訪問看護ステーションから看護婦さんが派遣されて医療が行われる、こういう理解でございます。 したがって、訪問看護ステーションそのものは、医療法上これは看護婦さんたちの出動の基地でございますから、そこで医療を行うわけでないということで医療施設としては書いてない、こういうことでございます。
○岡光政府委員 医師の往診との関係でございますが、先生よく御存じのとおり、訪問看護を始める場合には、まず医師に行っていただいて、どのような看護をしたらいいだろうかというような指示をいただく、そういうことから訪問看護ステーションから看護婦さんが行くということが始まるわけでございまして、そういう意味では両者が連係しているというふうに考えております。私ども、老人の在宅医療を推進するという観点からは、お医者さんによる往診と看護婦さんによる老人訪問看護、これが両々相まってうまくいくのじゃないだろうかというふうに考えております。 なお、四月現在でございますが、訪問看護ステーションは五カ所ございます。
○土肥委員 私は、この訪問看護ステーションが五カ所というので、もうちょっとたくさんということは当然でございますけれども、この推進を何とか図っていくべきだと思います。そのときに看護婦さんの身分上の、身分法上と申しましょうか、位置づけをきちっとして、独立した看護業務というものを認定することから始まるのではないかというように思うのですが、これについては、時間がございませんので議論はこれまでにいたしまして、老健法に基づいて訪問看護ステーションから派遣された看護婦さんに診療報酬が支払われるという事実の法的な根拠というものを教えていただいて、質問を終わります。
○岡光政府委員 老人保健法における「医療等」ということに法律上はなろうかと思います。それに基づきまして療養費が支払われるという形でございます、
○土肥委員 終わります。
○牧野委員長 井上一成君。
○井上(一)委員 まず最初に、私は、今日の医療の実情「実態、とりわけ地域医療に根差している中小病院の実情、実態について厚生省はどういうふうに把握をしているのか、お聞きをしたいと思います。
○古市政府委員 先生の御質問に的確にお答えできないで申しわけないと思いますけれども、私どもは、今回の医療法の改正で申しますならば、これからの日本の医療機関、それから中小の小の中に診療所も含めまして、それぞれの機能を明確化して、それに見合った役割が国民の要求に対して的確に対応する、そういう方向にいかねばならぬのではなかろうか。そういう観点から見ますと、現在の医療法のもとにある医療施設は、それぞれの役割というものをかなり画一的に規定しておりますので、今回の改正案を提案させていただいておりますが、それを端緒として医療機関の機能の分化、明確化、それに対応した諸施策というものを打っていく必要があろうと思っております。
○井上(一)委員 機能の分化、それだけがその実態、実情の中で大きく取り上げなければならない重要な問題なのか。もっと根深いところに、今中小病院が抱える問題を厚生省は承知しているでしょう。
○古市政府委員 今の御指摘は、そのもっと根っこにあります日々の医療機関の経営状況、それからまた、看護婦等を中心とするマンパワーというものがそういう中小病院で非常に苦しい状態にあるということかと思います。私どももその点は認識して、対策をやっていかなかったらいけないと思っているわけでございます。
○井上(一)委員 医療の現場というものに対する実情の把握を今後ともより細かくつかんでほしい、私はこういうふうに思います。 今回の医療法の改正に当たって、医療にかかわる関係各位あるいは医療機関の代表者等と話し合いというか、いろいろな意見を相互に交換してきたわけです。私は、そういう相互の意見交換の中で何が問題点として大きくクローズアップされたのか、主だった問題点をひとつ聞かせてほしい。
○古市政府委員 私どもは、関係団。体と申しますか、厚生省の方では昭和六十二年に医療の総合的対策ということにつきまして、事務次官を長としてプロジェクトチームをつくりました。その中で、今後の総合的な医療対策のあり方というものについて一応見解を示したわけでございまして、それに沿って関係団体とも話を進めてきたということでございます。 その一点は、今回の医療法の改正の趣旨でもございますように、先ほど申しましたように、医療施設の機能分化を進めていくということでございます。それからまた、もっと基本的には、医療の量的な充実というものがほぼ達成されてきたので、これからは医療の質を高める諸施策をやらなかったらいけない、このようなことでございました。その一環として今回の改正法案も出させていただいているということでございます。
○井上(一)委員 高齢化に入った疾病の構造の変化、その他医療に対して取り組まなければいけない課題は確かに変化し、かつまた多々ある。今回の医療法の改正はトータル的には第一歩、第一段階だ、こういうふうに厚生大臣もおっしゃっているのですよ。 それではお聞きしますが、第二段階、第三段階、いわゆる第二歩、第三歩、全体像としてどこへ到達し、第二段階では何を主要な問題として取り上げていくのか、第三段階については何を、そういうことを考えた場合に、くっきりとその全体像も出ないし、第二、第三の取り組もうとする重要課題についても、今までの中では明らかにされてないわけなんです。この点については大臣からひとつお答えをいただきたい。それが可能になるとか、あるいはいつ到達するとか、そういうことはお答えができないかもわからないと思いますのでも、全体として今後どうしていきたいのだ、どういうふうに持っていくという点について大臣からお答えをいただきたいと思います。
○山下国務大臣 今、俗に言われる開業医の平均年齢が五十九歳と承知をいたしております。つまり、かなり高齢化してきたということでございまして、開業医の高齢化に伴って、いろいろと診断をされる立場からするとなかなか行き届かないところがあるのではないか。さらに、開業医の平均年齢というのはさらに高齢化するかもしれない。 そこで、良質の医療ということになると、重病人といいますか、あるいはわかりにくい病気とか、そういう病気についてはやはり専門化したところでやった方がいいのではないか。つまり、良質の医療を提供し、しかも適切なる医療ということになれば、ある程度の分類が必要ではないか。それが国民の健康、医療に対して適切ではないか。到達するところは、国民に対して良質の医療を迅速に提供する、そこに到達するための一つの段階である。今日までの個人病院からするとなかなかそれは無理でもありますし、また大病院といいますか、今度特定病院に指定するような大学病院等について三時間待って三分診療という弊害もありますから、ある程度分類して、適切なる医療を提供するという方向に向かって進むべきではないか、それが一つの目標であるというふうに私は理解いたしております。
○井上(一)委員 良質な医療の提供というのは、もう今日も将来も変わることなく必要なわけです。ただ、方法論としてそれをどうしていくかということに議論が入るわけです。 私は、今回の医療法の改正の中でいろいろと話し合われた中で問題点があったでしょうということをお聞きしたんですが、具体的に例えば紹介患者の問題、私は紹介患者の導入については、特に率の導入等については疑問を持っています。今までの質疑の中では、紹介制の定義というものが私の知る範囲では十分に示されてないわけなんです。紹介制の定義をもっとはっきりしないといけない。これは、厚生省としては国民に対して良質な医療を提供するという姿勢を示す上においても必要であろう。あえて私は紹介制の定義をきっちりとここでお答えをいただきたいと思います。
○古市政府委員 紹介という言葉で内容が非常に漠々としているということでございますが、私どもは、今回の改正で特定機能病院としたところに周辺の医療機関から紹介するというときには、その紹介しようとする患者さんの名前、年齢、性別、それから傷病名、これは確定診断がつきませんから何々の疑いということも含めまして、それからそのお医者さんからの紹介の目的、今まで診た患者さんの既往歴、症状の経過、今までやった検査結果、御自分のところで行った治療経過、それからまた現在出している薬の処方、そういうような情報を文書に書いて特定機能病院の方に提出していただくということを想定しておりまして、従来のように電話一本、それから名刺に判こといったことではこの目的を達しないということで、このようなことを紹介としてやっていきたいと思っております。
○井上(一)委員 厚生省は、特定機能病院における紹介患者の割合を省令で定めるということで当初は進んできたわけです。その経緯というか流れというか、私はその点についてもきょうここで少し明確にしていただきたいというふうに思います。
○古市政府委員 大学病院だけでございません、幾つかの高度医療が期待される病院というものの入院医療のイメージは議論を詰めなくてもある程度わかるわけですが、そのような病院の外来の姿はどのようなものがいいのかということで、やはり高度な難しい病気をそこで診療、治療するというところから、周りの医療機関では外来で十分できないという患者さんを紹介して、それを受け持っていただくという役割を一定限度果たしていただこうというような発想でございました。 それをわかりやすくするためには、その外来患者さんの中でどのくらいの割合の人を紹介とすればいいかということから、議論め過程では、いわゆる大学関係者等でございますが、その紹介率というものについていろいろお話し合いを行いました。ところが、結果的には各大学の中におきましても、現実には約一五%が全国平均値でございます。抽出調査でございますが、紹介率というのは五十数%からゼロ%までいるというようなことでございました。それからまた大学関係者も、地域の状況によってそれは違うんだというお話もございました。そういうことで一律に紹介率を決めるということをやめまして、紹介機能を高めていくという趣旨にのっとって、こういう形で外来の紹介制というものについての門戸を開いて、ある一定限度確保しますという方向で話し合うことが現実的ではなかろうかということから、パーセントの議論は一応そこでやめになって今日に至っている、こういう経緯でございます。
○井上(一)委員 去年の十一月に大学関係機関、全国医学部長病院長会議あるいは国立大学医学部附属病院長会議、全国公立大学附属病院長事務長会議、社団法人日本私立医科大学協会、今後医療機関という表現に変えますが、そこから厚生省に対して意見書が出されていますね。その中身を教えていただけますか。
○古市政府委員 朗読させていただいてよろしゅうございますか。――平成三年十一月二十六日に健康政策局長あてでございます。ただいまの四団体から 特定機能病院に関する厚生省令案に対する意見 医療法の一部改正案に関して、厚生省として は特定機能病院における紹介患者の割合を厚生 省令で定めることを考えているとのことである が、紹介制の定義等については今日まで明らか にされていない。紹介患者の割合を定めること や紹介制の内容次第では、大学病院における教 育・研究・診療に及ぼす影響が極めて大きいた め、充分に時間をかけて慎重に検討すべき問題 であると考える。したがって、厚生省令で紹介 患者の割合を五〇%(当面は三〇%)と定める という提案については、受け入れられない。こういうことでございました。
○井上(一)委員 この意見書に対して厚生省はどういうように対応されてきたのですか。
○古市政府委員 私どもが話をさせていただいている途中でこの文書をいただきまして、いささか私は驚いたわけでございますが、一方、これまでの特定機能病院に対する外来の紹介制のイメージというものについて、私どもの説明も足りなかったかなという反省もいたしました。 そういうことで、この文書につきましても、いわゆる「受け入れられない。」ということじゃなくて、さらに私どもに説明させていただいて、医療法のねらうところが単純に紹介率をパーセントで決めるということが趣旨じゃなくて、この特定機能病院の外来機能というものを地域の人たちに一部紹介制の門戸を開いていく、そういう方向に行っていただきたいんだということで御説明いたしまして、それはまた向こうの方で検討をしていただけるものと思っているわけでございます。
○井上(一)委員 私は、時間をできるだけ短くというか、もっときっちりと事実関係を明らかにしないといけませんよ、局長。これはいわゆる四団体から、医療機関の関係団体から、先ほど私が定義の問題を指摘しましたが、それは十分でない、だから十分に明らかにされていないという――早く言えば厚生省は、この意見書は大変きついから何とか文面を変えてもらえぬだろうか、とりわけ最後の方の「したがってこ以下については削除してほしい、そして協力をしてほしいということをあなた方は話し合いの中で言われているのですよ。そういう事実があるでしょう。
○古市政府委員 経緯はございますが、その部分だけに関しましては、今先生の御指摘のとおりでございます。
○井上(一)委員 私は、医療機関の現場で良質な医療を提供している人たちの意見というものは十分尊重すべきである。そういう意味では、この意見書も踏まえ、そして今日まで何回か話し合いを持たれた中での問題点は素直に善処されていくべきであろう、こういうふうに思うんです。そういう意味では、省令についても一律な紹介率とかあるいは紹介率の問題については当面は棚上げということで、今日の状態では、私はその導入については適切でない、今後の課題としてこの問題は検討を必要とする、関係医療機関の代表と十分な話し合いをしていくべきである、こういうふうに思うんです。このことについては厚生省はどう受けとめ、どうお考えになられますか。
○古市政府委員 先ほどちょっと経緯がありますがと申し上げましたが、そこのところで、私どももこの医療法を提案しましたのが二年前の五月の国会であったということで、局長も私で三人目になっている。それからまた、これを提案しましたときに、医療審議会にも諮りましてこの案を出したわけでございますが、その前には平成二年の四月の十日にこの団体の先生方にもお集まりいただいて、こういうことで出しますという会議がございました。そのとき出られた先生方ももうかわられているというような状況でございました。 その文書の中では、いわゆる一定の紹介患者を対象とするということが入っていたのでございますが、それをもって云々するつもりじゃございませんが、その経過の中で、一定の数でもって全国一律に決めるのは無理だという御意見ももっともだと私どもも思いますので、それは今後話をさせていただく。ただ、法案を提出したときにも、そういう趣旨の病院というものでいこうという基本線については御了解いただけた、このように今日も思っておるわけでございまして、その意思の疎通を欠いたところは今後十分説明をさせていただきたい、このように思っておるわけでございます。
○井上(一)委員 十分な意思の疎通がなされたということですけれども、私のとらえ方としてはまだまだ不十分である、今後発力をすべきである、こういうふうに思うんです。とりわけ、地域の実情等を考慮してこの問題は配慮していきたいんだというお答えもあるわけなんですね。そういうことになると、全国的に画一的な率を省令で明示していくということについては、いろいろな問題、疑問がそこにある。さらに十分話し合いを続けるべきであると思うんです。重ねてそういう姿勢をお持ちなのかどうか。
○古市政府委員 全く御指摘のとおりでございまして、単にこの法律が通りましても、趣旨に賛同して参画していただかなかったら何にもなりませんので、そういう関係する医療機関とは今後さらに十分お話をさせていただきたいと思っております。
○井上(一)委員 さらに、この法律については、もっと早い時期に国会で審議がなされて、そして、何らかの形でその結果が出るであろうという予測を持っていらっしゃったと思うんです。そういう意味では、もし関係者と十分な話し合いを持った上で一定の方向が出たなら、省令を変更する場合においてでも、国会でのこの審議内容から勘案していくと、それはそれなりに当委員会のメンバーというか、委員会には報告あるいは相談あるいはそのことに対する質疑を当然受けるべきであると私は思うんです。大臣、いかがですか。
○山下国務大臣 ただいまの委員会に報告する件につきましては、また機会を見て、十分審議をしながら、報告する方向でもって、私どもの心構えとしてはそういう方向でいきたいと思います。
○井上(一)委員 大臣、局長から耳打ちを受けてあなたが答える。 私の申し上げたいのは、この医療法の審議の過程、本当も言えばこの医療法はもっと早い時点で結果が出ている、そしてもう政省令が決まっている。今日の段階では、紹介制の導入はしないという省令になるというのです。それを変更する場合には、これだけの議論を国会で重ねてきたんだから、国会に対してその問題に対する何らかのアクションがあって当然だ。医療法のこの改正は、国会軽視だという表現が妥当であるかどうかは別として、厚生省の一つのレールは既に走っているわけなんですよ。見方によれば、この審議と整合性を持った幾つかの問題点は先に走っているわけなんです。片面では、医療法が通らなかったらどうなるか、大変なことになる、そういう物の見方もできるというのです。 決して私は厚生省が意図的、恣意的に国会を軽視したという発言はいたしません。しかし、結果として、これは非常に残念なことだけれども、そういうふうに思われるあるいは受けとめられる面も大いにある。僕はそういうことについてやはり大臣として率直に、まあ別に認める認めないという問題ではないんだけれども、そういう見方もありますよということです。それは全く間違いですか。
○山下国務大臣 決して国会の皆さん方の審議に先立って、勝手にレールを突っ走っているわけではございません。最高議決機関である国会の、しかも専門的なこの委員会における先生方は、現状における医療の実態ということは十分御承知であると私は尊敬をいたしております。 同時にまた我々厚生省といたしましても、今日の医療体制のどこに欠陥があるのか、不十分な点があるかということを考えてみますと、一口で言いますと、すべての機能、最高の機能を備えた大学病院のごときところに軽症患者が来る。そのために大事な重症の患者、そこでなければならない患者が診られないという状態があって、俗に言う三時間待って三分診療というような結果が出てきておる。したがって、大学病院でなくてもいい軽症の方は、どうか従来どおり病院、診療所をお使いください、また一方、病院、診療所においても、十分なスタッフと十分な設備を整えた方にあなたは行った方がいいですよという、そこらあたりの区分けをするということで本来この問題は出発したわけでございますから、この点はひとつ御理解いただきたいと思います。したがって、そういう面において、紹介制度というものはやはり全面的に否定することはできないんではないかと私は思います。
○井上(一)委員 後戻りをしちゃいけないわけで、紹介制度について質問をしたわけじゃない。私はそれはもう先にしているわけです。しかし、その紹介制度の導入は今回見送らざるを得なかった。いろいろな話し合いの中で、さっきの意見書も踏まえて。 私は、将来的にそういうことが必要になった場合に、やはりそれなりに国会に対して何らかの形での相談があってしかるべきだと言っているのです。そうでしょう。どうなんですか。
○山下国務大臣 審議の過程におきましては、十分国会の御意見を尊重することは当然のことであります。
○古市政府委員 私どもの御説明では、そういう経緯がありまして、その紹介率を一律に数字でもって決めるということは私は今考えていないということでございまして、その関係医療機関の話も十分聞いて、実態に合った形で、特定機能病院の外来というものが将来に向かって国民のためにどのような機能を果たすかという観点から、再度十分御説明をして話を進めたい、このように思っているわけでございます。したがって、先生御指摘のように、一律に数字で決めるということは現在考えていない、こう御理解をいただきたいと思います。
○井上(一)委員 さらに私はもう一点、診療報酬の改定についてお聞きをしたいと思います。 診療報酬は中央社会保険医療協議会、今後中医協と呼びますが、そこに諮って決められていくわけですけれども、今回のいわゆる四月の診療報酬の改定は、基本的には定期的なというか、一定のサイクルの、物価上昇あるいはいろいろな意味でのそういう定期的など言う方がいいのか、一般的な引き上げたと位置づけられているのでしょうか。あるいはそういう位置づけを含めてさらにプラスアルファ、何らかのものも配慮した中での診療報酬の改定であったのでしょうか。これはどうなんでしょう。
○黒木政府委員 今回四月に実施いたしました診療報酬改定、これはいわば私どものルールといいますか慣行といいますか、二年に一回医療機関の経営実態を調査いたしまして、その数字の動向等も踏まえ、あるいは賃金、物価の動向を踏まえて定期的に改定しているものでございまして、そういう意味からいいますと、今回の四月の改定は特段何かのためにやったというものではございません。 先生お尋ねの趣旨は、医療法改正をにらんだのではなかろうかという御趣旨があろうかと思いますけれども、今回の改定も、委員百も御承知のように、従来から見ますと相当大型の改定と申しますか大幅の改定になったわけでございまして、したがって、改定の中身も広範多岐にわたったわけでございます。 改定の基本的な考え方は、良質な医療の効率的な供給という考え方を基本にいたしております。そこで、先生が先ほど先取りじゃないかという厳しい御指摘も、あるいは診療報酬の面からの点ではなかろうかと思うわけでありますけれども、良質な医療の効率的な供給という考え方を基本にいたしました結果、医療機関の機能、特質やスタッフ数に応じた医療サービスの適正な評価とか、技術料重視の考えに基づく診察料、手術料等の引き上げ、あるいはリハビリテーション、救急医療等の適正な評価等が広範な中で行われているわけでございます。もちろん看護関連についても相当なめり張りをきかしたつもりでございます。 そういう意味で、医療機関の機能、特質やスタッフ数に応じた評価とか、技術料重視の考えに基づく評価というものが今回の医療法の改正の目指しておりますことと理念的には軌を一にしている面があるものですかも一先取りじゃないかという御批判もあったことも事実でございますし、一先生の御指摘もそうか、と思いますけれども、今回の改定は先取りというものではなくて、良質な医療の効率的な提供を目指して、定例的な改定を行ったものだということで御理解いただきたいと思うわけでございます。
○井上(一)委員 私からすれば非常に苦しい答弁というか、うまいことタイミングがいましたと。入院機能と外来機能とを分けて、そして、重点的に病院には入院機能に対する点数を上げたとか、そういうことで軌を一にしましたと。私はそうじゃない。あなた方は先ほど申し上げた医療関係者との話し合いの中で、特に厚生省の三局長が大学病院の代表の協議会の中で、厚生省側の説明として幾つか挙げているのですよ。 しかし、私は一つだけ申し上げましょう。法案が成立したら、平成四年春の、いわゆるこの間の四月の医療費改定の実態を十分に見きわめながら、大学病院の収支バランス等を考えて特定機能病院に手を挙げてほしい、そういうようなことを言っているのですよ。だから疑われるのです。疑われるのじゃなく、そういう一つのプロセスを事実として積み上げてきている。今の答弁は非常に苦しかったでしょう。 しかし、こういう平成四年春の医療費改定の実態といえば法案成立後、だから、この法案は既に三月じゅうに、年度内に通っているという段階の中で、いわゆる診療報酬の改定というものもそこに含まれている。しかし、たまたま国会の情勢等によって今日になってしまった。これは大臣、私は素直にそういう点は理解をしたい。こういうプロセスを踏まえた中ではやむを得なかったんだ。だから私が指摘をすることも、別にむちゃなことをあなた方に質問していもわけじゃない。事実をちゃんと突きつけて、こういう事実があるじゃないか。まだほかのことはたくさんありますよ。でも、私はきょうは診療報酬の改定ということについて、これ一点に絞って話をしたいと思っているのです。 厚生大臣、そういう話し合いが三局長となされているのです、御報告があったかどうかは別として。本来は政府としても年度内、三月までに通して、そして、それに見合った診療報酬改定というものを医療法に、私は当然そういう流れに持っていくことが行政の筋であり、また何事もそうあるべきだと思うのです。ところが、どうも今回はそういう意味ではタイミングが食い違ったわけです。大臣どうですか、私の指摘をしていることについて。
○山下国務大臣 先般の診療報酬の改定が今回の医療法の改定と前後関係があったかどうかという点については、私は医療関係のスタッフ、厚生省のスタッフの言うことを信じたいと思っておりますが、全くなかったとは私も言いにくいと思います。ただ、今回の医療法の改定が法的にも決着が済みましたならば、その新しい改定によってさらに診療報酬は改定すべきである、こう考えております。
○井上(一)委員 局長、今の大臣の答弁がまあ妥当な答弁ですよ。私からすれば妥当な答弁。全く無関係で考えてないなんというようなことを言ったら、私はさらに問題を提起しますよ。だから、大臣の今の答弁の範疇の中から、それじゃ今回の医療法改正によって評価を受けるべき部分はどの部分であり、その評価に対しては早急に、それこそ医療法の審議が決着がついた時点で中医協に諮問をして、その評価に見合った改定はいたしますね。どうですか。
○黒木政府委員 医療法が成立いたしますれば、特定機能病院あるいは療養型病床群についての具体的な人員配置基準なり設備の基準が決まるわけでございます。それを見まして、現在私どものお支払いしているコストと申しますか、点数でカバーできているかどうかというのを当然評価するわけでございますけれども、現時点で特定機能病院について申し上げれば、医師数についてかなり濃厚な体制がとられるやに聞いておるわけでありまして、もしそういうことになりますれば現在の診療報酬の手直しも必要が出てくるのではなかろうか、こういうふうに考えておる次第でございます。
○井上(一)委員 念を押して恐縮ですが、この法案が成立をし、適当な時期というのではなく、その後できるだけ早い時期に中医協に諮問をして、診療報酬の改定を行いますねと私は聞いている。もう短くて結構なんです。そういう方向に持っていきますか。
○黒木政府委員 この法律の施行までには、そのような段取りで準備をいたしたいと私どもは思っております。
○井上(一)委員 私は、二点について厚生省の姿勢をただしたわけです。私は、具体的な事例をもって申し上げたわけですけれども、なかんずく厚生省は、既成事実を積み上げていってすべてを抑えつけていこうというか、それで処理をしていこうとしている。こういうことについては余りよい方向ではない。 今回の医療法の改正にも多くの問題点がある。患者の立場というものを中心に医療はあるべきであって、私からいえば、厚生省の一方的な思惑あるいは考えの制約の中に医療を入れるべきではないし、そういうところに医療はあるのではない。宮澤総理も生活大国だと言う。真の生活大国を目指すと言われている我が国の国民生活にとって大切なのは、まさに医療行政のあり方だと思うのです。言葉が適当かどうか、何もかも厚生省が全部ひっくるめて支配をしていこう、あるいは制約を加えていく、コントロールしていく、そういうことではなく、もっともっと国民に開かれた、オープンな中で医療という問題を論議していかなければいけないし、そういうところにこそ良質な医療の提供というのはあるわけなんです。 そういう意味からも、すべての医療行政を、医療の実態を的確に把握することにおいてオープンに展開をして、かつまた広く国民の賛意が得られるように、同意が得られるように、賛同が得られるように持っていくべきではないだろうか。そうすることが国民にとって必要な医療水準を確保することになる。生活大国だと言われる我が国の今日の医療水準が十分に確保されているとは言いがたい。しかし、努力しよう、良質な医療を提供したい、そういう意味での医療法の改正である、こういうことでございますから、十分に反省をすべき点は素直に反省をしてもらって、そして求めるべき方向性をしっかりとつかんで、今私の考えも少し申し上げましたけれども、そういう方向で厚生省が取り組んでくれることを強く期待するわけなんです。 最後に厚生大臣から、私の考えあるいはこの質疑を通しての大臣の所感を聞いて、私の質問を終わります。
○山下国務大臣 現在の医療について大変深い御配慮をちょうだいいたしまして、私からもお礼を申し上げなければならないと思います。 いずれにいたしましても、国会は最高の議決機関でございますから、法律の制定、改正等についてはもちろん先生方の御審議をちょうだいするのは当然でありますが、今後、法律でなくても、政令等の細かい問題につきましても、また先生方の御意見を十分尊重しながら、御意見を承りながら決めてまいりたいと思います。
○井上(一)委員 終わります。
○牧野委員長 午後一時より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時十四分休憩 ――――◇――――― 午後一時一分開議
○牧野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。五島正規君。
○五島委員 前回、この医療法改正案について質問させていただいたわけでございますが、何分非常に問題のある法案でございまして、質疑が全部終了することができませんでした。それに引き続きまして、今回またお聞かせいただきたいと思います。 午前中も議論があったわけでございますが、今回の医療法の改定のねらいの一つが医療機関の機能による分類ということでございます。その中で特定機能病院という問題が一つあるわけでございますが、この特定機能病院ということについて、その機能分類ということで言われている内容と、それから実際に厚生省がお示しいただいておりますように、例えば大学病院の本院プラス幾らかの病院、あるいは十診療科に加えて五百床以上というふうなクライテリア、これは一体どういうふうにつながってくるのか、私は十分理解できないわけでございます。 御案内のように、大学病院の中には診療科が幾つもあるわけでございますが、大学病院は通常、特に国立の方はそうだと思うわけでございますが、診療科ごとの、いい言葉で言えば独立性、俗に言えば非常に閉鎖性が強くて、大学病院に診療科がたくさんあるからといって、その間の横の連係があると期待することはほとんどできない。事実、医師として私が患者を紹介する場合でも、ある診療科の専門医に対して紹介するという形であって、一般的に大学病院に対して紹介するということはないわけでございます。そういう意味で、大学病院をすべて含んで、その上で特定機能病院を設定しようというのは、機能分類ということからいうとどうも順序が道なんではないか。その点についてどのように整理されているのか、お聞かせいただきたいと思います。
○古市政府委員 確かに御指摘のような考えというのが起こる余地があると思っております。私ども従来から、端的にわかりやすいということから、特定機能病院というところで高度の医療を行うということを期待されるということから、全国の大学病院の本院あたりが一番想定しやすい、こう御説明したわけでございますが、本来の趣旨から申しますと、特定機能病院と申しますのは、高度の医療を行う能力を有する、また医療技術の開発及び評価を行う能力を有する、さらに研修を行う能力があるということと、ほかに数値の上からは、ある一定数の医師、看護婦、それから診療科、こうやったわけでございます。したがって、結果的に大学病院が多く入ってくるわけでございますが、大学病院を想定してこれをつくったということではなくて、高度の医療を行う特定機能病院というものをセットしたときに大学病院が多く当たる。 ちなみに、それだけでは御納得いかないかと思いますが、数値の上からこのラインに達するものは、その病院が申請されるかどうかは別といたしまして、例えば国家公務員共済組合連合会の虎の門病院、関西の方で言いますと大阪府立病院、神戸の市立中央病院、それからまた日赤で言うと中央日赤の医療センター、そういうことでございます。ただ、施設それから人員基準のほかに、その中で行われている医療が総合的、実学的、高度なことが担保されているかということで、医療審議会が基準をつくってそれでチェックする、こういうことになっているわけでございます。 それから後段の、果たして大学病院がそれほど総合的かということでございますが、これは五島先生のおっしゃることはよく言われているところでございまして、内科、外科、整形外科の間だけではなくて、第一内科と第二内科、第三内科の間でも壁がある、こう批判されるところもあるわけでございます。しかし、そういうことではいけないということで、少なくとも一つの医療機関の中では横との連係というものを深める努力をされておるところでございましょうし、そういうことをぜひ厚生省としてもやっていただきたいと思うわけですが、これはあくまでも大学のことでございますから、大学側自身がそういうような方向に向かっていただくということを期待するわけでございます。ただ、今度の改正法案が通りました暁にこの制度に乗っていただきますと、その外来等は地域医療連係ということで開かれていくということから、大学の総合的な受け入れ態勢というものもそれに従ってやりやすくなるのではなかろうか、そういう側面的な支援の意味はあるのではなかろうか、このように思っております。
○五島委員 医療の機能による体系化というものが必要な医療の効率のよい提供ということに目的があるとするならば、大学病院などについても、それが本当に特定機能病院に値するかどうかというのは、実態的には診療科ごとに検討されないといけないんだろう。例えば国立循環器病センターにいたしましても、これは循環器だけではなくて各科あるわけでございますが、あくまで循環器というものをメーンに置いて、そしてそれに対する支援診療科とでもいいますか、そういう機能としてあると思うわけですね。そういう意味からいいますと、大学病院というのはそういうふうな形になっていない。 また、もう一つ大学病院の持っている重要な役割、これは前回も指摘したわけでございますが、何といっても医有機関の附属病院でございます。医育機関と申しましても、これは医者をつくるという意味で基礎医学教育の場である。基礎医学教育にとって必要な医療というものも非常に重要でございます。そういう場において、紹介がふえてくればいいということで難病、奇病みたいな患者さんばかり集まって、そういう患者でしか教育を受けていない、事実そういう傾向がある大学があるわけですね。ですから、インフルエンザの患者を診ても、まずがんから疑っていくという医者が出てぐるわけでございます。そういうふうな実態を考えますと、医有機関の病院というのは厚生省が考えておられるような機能分類の枠外、まさにぞれは医育病院であって、別ではないか。 先日、私ども地方公聴会として秋田へ行ってまいりました。御承知のように、秋田には県立てございますが脳研がございます。少なくても現在の日本の医療水準のレベルからいうならば、脳の研究として、特に脳卒中あるいは脳梗塞等に関するさまざまな研究あるいは医療において非常に高度な医療をされておられます。そういうふうなところがこの特定機能病院でない理由というのは、単科だからとかベッド数が足らないからということではないかと思うのですが、私は正直言いまして、秋田の脳研に匹敵する医大の脳外科は一体何ぼあるんだ。その辺を考えてみると、どうも厚生省が本当に機能的な、効率のいいよい医療、必要な医療を提供するということで特定機能病院というものを位置づけようということで考えておられるとしたら、まず最初に大学病院は入れないという何か政治配慮といいますか、そういうふうなところからそもそも出たしか間違っているのではないかと考えるわけですが、その辺どうなんでしょうか。
○古市政府委員 厚生委員会の先生方も御承知のように、医療法の改正につきましては、病院機能をどのように分類するのかということで、厚生省の中におきましても昭和六十二年に国民医療総合対策本部ということで検討した経緯を踏まえて、二年前にこの案を出させていただきました。その検討過程におきましては、確かに大学の附属病院というものをどのように扱うのかというのが一つの大きな課題になりまして、それが議論された、その影響を全然受けていないかというと、私はそれは確かに影響を受けていると思います。 そこから翻って現時点の改正案から見ますと、そういうことに余り縛られたのじゃないかという考えも一つあり得るのかと思いますが、私どもは、先ほど申しましたように、大学の附属病院というものは医育機関でもあるわけですが、今回の特定機能病院というものについては、その医有機能というものに注目しているわけではございません。それからまた、非常に若い人たちの、卒後研修生の研修機能というものに注目したわけでもございません。ただ、現在の日本の多くの大学病院が高度医療というものを総合的に行っているということに着用して、この特定機能病院というものを一つ枠をつくったわけでございます。したがって、大学以外にそういうことに合致するところには大いに入ってきていただきたいと思っておりますし、八十医科大学でもすべてがすべてこの基準に合うとは限らない。幾つかの病院はこの高度医療というものの要件に合わないというところも当然あり得る、このように思っているわけでございます。 単科病院につきまして、地方公聴会で秋田県の脳血管研究センター、そこの病院をごらんになった上でのお尋ねかと思いますが、私どもも単科の専門病院のあり方というものは、それは非常に高度医療が行われているということから、今回の改正案の中には入っておりませんが、それをどのように位置づけるか、同時に研修教育病院というものもどのように位置づけるか、次の課題にさせていただきたいと思っているわけでございます。
○五島委員 厚生省の方として、大学病院を医育病院としての機能に着目して分けたわけじゃないと言われるわけでございますが、大学病院が医育機関病院であることは間違いない。そこに基本的な性格があるわけでございます。その意味からいいますと、大学病院本来の持たなければいけない機能というのは、厚生省はそこで提供されている医療、それから専門医、研修医のところに対して責任を持つわけでございます。しかし、大学病院そのものとしては、そういう医育の機能、それについては文部省とのかかわりもございます。そういう意味では、その医育の機能を除外して考えたのだということには私は納得いかない。 また、大学病院の中でこの特定機能病院に入れない病院が私はあるだろうと思いますし、また、診療科ごとにおけるばらつきというのは非常に大きいものがある、そういうふうに思います。しかし、おっしゃるように、大学病院の本院を特定機能病院にするけれども、もし余りにその水準がはっきり言って低いといいますか、そういうふうな大学病院はそこには入れないのだというふうになった場合に、じゃ、そういうところで医育をさせることがいいのかどうかという問題にもつながってまいります。そういう意味では、大学病院そのものをこういう特定機能病院という枠の中に入れることそのものに問題があるのじゃないか、そこのところをもう一度検討することはできないものかということを問題提起として言わせていただきます。 時間がございませんので次の問題に移りたいと思うのですが、同じく今回の重要な課題が療養型病床群の問題でございます。 まず、この療養型病床群の問題について端的に質問してまいりますが、長期入院患者を多数抱えている老人病院であったとしても療養型病棟に移行することを望まない医療機関については、これはもうそのまま放置しておくということでございますか。
○古市政府委員 放置という言葉は適当じゃないかと思いますが、先ほどの特定機能病院にしても療養型病床群にしても、あくまでも医療機関の申請に基づいて厚生大臣なり都道府県知事が審査、認可するということになっておりますから、それは医療機関の選択ということになるわけでございます。
○五島委員 ということは、老人病院でその療養型病棟に移行することを望まない医療機関があったとしても、例えば特例許可老人病院の中にそういう病院が多数あったとしても、それはそれで医療機関の選択として問題なしということでございますね。
○古市政府委員 そのとおりでございます。
○五島委員 厚生省からお示しいただきました省令の中に、例えばこの療養型病床の構造設備というのがございます。療養型病床の患者一人の病室面積及び廊下幅については、現行の基準のおおむね一・五倍程度の基準に改める。現在、医療法によります病室面積は患者一人について四・三平米でございますから、六・四平米くらいになるということでございます。そのほか病室定数は原則四名、食堂、談話室、浴室などを別につくるというふうになっております。 この療養型病床に移行するとしますと、現行の病室の中で移行するとした場合に、廊下幅がクリアしていたとしても、それまで入っておられる患者さんに対しては、三分の二ぐらいまでしか患者は収容できないということになってまいりますね。さらに、そういう廊下の改築その他が必要になってまいります。これについて、もちろんこのような療養型病床に限らずに、今日の時代に患者さんが特に長期に療養される場合に、療養生活を快適にするために構造基準を改善していくということについては結構でございますが、現実問題としてこの療養型に移行するということになりますと、こうした非常に大きな問題、言いかえれば大幅な病床の改造あるいは増築というものが伴わないといけないということになってまいります。 そうしますと、果たしてこういう療養型病床群というものをおつくりになったとしても、この施設基準に合致することが困難だということで、移行を望まない病院が多数出るというふうに予想されるわけでございます。そうした場合に、今厚生省が考えておられるように、医療機関を機能別に分化していくという構想は崩れてしまうのではないかというふうに考えるわけでございますが、その点はどのようにお考えでしょうか。
○古市政府委員 療養型病床群の構造施設基準につきましては、ただいま御指摘のように約一・五倍、廊下それから部屋が広くなるということでございます。したがいまして、これを新しくつくりますときにはその基準でやるわけですが、既存の施設から移行するという場合には、部屋は六人部屋を四人部屋にするということで可能でも、廊下幅は広がらないというときに、経過措置もひとつ検討課題ということにして、何らかの経過措置というものも必要かと思っております。 それからまた、現在百床あるとしますと、そこがフルに使われているわけじゃございませんで、病床利用率というのがかかってきます。それからまた、その地区での患者さんの消長もございます。それからまた、その医療機関がどういう方向に自分の医療施設を利用していくかという方針もあります。それに合わせてこの施設、この形態を利用しようと思う方にはこれを使っていただく、こういうことになろうかと思います。
○五島委員 経過措置でするということでございますが、この医療法というのは、これまでの経過からいっても余り守られていない法律でございます。そういう意味では、ここのところははっきりとさしていただきたいのです。 例えば、現在百床の長期療養を抱えておられる病院が療養型に移行する。六人部屋は四人部屋にしていくということになって、この新基準で仮に廊下幅をおっしゃるように暫定措置で、移行時に際しては経過措置を設けるとしても、その患者さんの収容スペースがこれまで百床だったけれども、療養型ということで実際は六十五人しか入れないということになった場合は、その病床の使用ベッド数は六十五床に制限されるわけですね。それはそういう認可ベッド数を訂正されるわけですね。
○古市政府委員 いろいろな対応が考えられると思います。例えば、従来から持っている病床数を維持するということでしたら、その分だけ部分的に新しくつくる、そして従来のところを広いスペースにするということがありましょう。それからまた、ある一定部分の人を付設しているか連係をとっている老人保健施設なり老人病院の方に移行するということで、自分の施設は療養型病床群というところをレパートリーとしてやっていくということがありましょう。その場合には大きくする必要はございませんで、その減った分は許可病床が減ってくるということになるわけであります。そういうことで、いろいろな対応があろうかと思います。
○五島委員 どうも話がよく見えてこないのですが、厚生省は、要するに療養型病床に変えることによって長期療養患者さんのベッド数を減らそうということが目的なんですか、それとも、今の居住環境が悪い、長期療養を必要とする患者さんのためには現在の病院の施設を改築させて、より快適な病室に変えさせていこうということにねらいがあるのですか、どちらなんですか。
○古市政府委員 今お尋ねの分類からいきますと後者になるわけでございまして、これから二十一世紀に向かって、日本の医療施設の中で、いわゆる病状が安定してかなりの長期間療養されるという人の施設としては、新しい基準が望ましいとしている、わけです。 したがって、その地域に何か新しくそういうものを建てようとしたときには、こういう基準を持っておかないと従来基準のままいりまでもいくわけですから、新規に対してはこれでいいと思うわけです。ところが、既存の病棟を持っているところがどう転換していこうかといったときには、今度の法案が通ったときに、この施設の利用の仕方は医療機関によってまちまちであると申したわけです。従来どおりの百ベッドを持っておこうと思ったら、その分だけ広い別棟をもう一つつくらなければいけない。さらに、六人部屋を四人部屋にして、従来持っていたところは近くの施設にお願いすると、いうことで、より広い快適な療養型病床群の少ない規模でこれからいこうというところは、それを選択していただく、そういうことでいろいろな選択があるだろう。 したがって、医療法の方は、これからの医療施設は従来の一律な基準ではなくて、いろいろなオプションをつくって、それを地域の中で、患者さんと医療機関の方で何が一番いいかということを考えて利用していただきたい。その幅を広げるということも今回の医療法改正の目的の一つであるわけでございます。
○五島委員 もう一度確認します。 長期療養患者さんを入院させておられる医療機関が療養型病床に移行しようとする場合は、患者さんの数を減らしてその基準に合うようにするか、施設を改築してその基準に合うようにするか、いずれかでないといけないということですね。
○古市政府委員 具体的にはそういうことかと思いますが、もう一つは、先ほど申しましたように、老人保健施設というものを医療法人も設立てきるわけでございますから、そういう新しい総合的な施設の方に発展するということかと思います。その場合に、前に質問がございましたが、病床規制値というものが現在のところゼロでいっておりますから、いろいろな選択の道があるんじゃないかと申したのは、そういうことも含めてでございます。
○五島委員 実態から考えますと、新規の病院については別といたしまして、現在ある病床の場合に、そう簡単に局長が言うようにベッド数を三分の一削るという選択をされる医療機関は少ないだろう。だからといって、今日の状況の中において、病院の改築あるいは増築ということも非常にコストがかかる。あるいはその間の患者さんの処置という問題がございます。 そういうことでなかなか進まないだろうということになりますと、療養型の病床群に対して老人病院なんかで手を挙げる医療機関というのは極めて少なくなってくるだろう。その場合はそれでいいということで厚生省はやっていかれるのか、それとも、厚生省は往々にしてお得意だろうと思うわけですが、医療機関が療養型病床に移行しないと医業経営が成り立たないように、診療報酬を使ってそういう方向へ追いやっていこうという手段をお使いになるのか、その本音のところをお伺いしたいと思います。
○古市政府委員 医療法改正の目的が、これから高齢化の進行する中で、国民により快適な、より良質な医療を提供するということから、施設基準、また機能分担を図っていこうということでございますから、今おっしゃったような意図は全く持っていないわけでございます。 そういうことで、療養型病床群についてどういうメリットがあってそういう意向が推定されるのか、想定されるのかということになりますと、そういう快適な療養環境がそこでは保障されるということで、医療提供としては従来よりょくなるわけで、しかもその中に、廊下と部屋ということで申しましたが、それ以外に機能訓練室も附置する。それからまた、ベッドの上で食事をするということではなくて、そういうところでは食堂を設けて、談話室を設けてやっていく、こういう基準でございます。したがって、そういうような基準に対してどのような診療報酬体系が裏打ちされればそういう施設が伸びていくのかという話になろうかと思います。
○五島委員 大臣、今のやりとりをお聞きになって、客観的に現在の医療法に基づくところの施設。基準といいますか療養基準、一人が病室四・三平米でいい、あるいは長期療養される患者さんには談話室や食堂もない、それでいい、そういうふうに考えている国民はいかいと思うわけです。そういう意味で、そういうような施設構造に改めていきたい、そのことについては私も子とします。 しかし、これまでの医療法の中において医療が行われてき、そして現実に患者さんがおられる。それをこの療養型の病床群を新たにおつくりになって、それで機能分類していこうということになりますと、古市局長おっしゃいますが、中身は確かに病床を減らして、あるいは老健施設に変えてという選択をされるところが仮にあるとしても、その多くはそれに対する改築あるいは増築が必要になってくるだろう。そういうことに対して厚生省は何らかの手当であるいは措置をお考えなんでしょうか。
○山下国務大臣 これから良質な医療を提供するという前提に立って厚生省としても今回の改革を思い立ったわけでございますから、そういう趣旨からすれば、その趣旨に御賛同いただいて、療養型病床等に改めて施設等を増改築される場合には、当然それに対する融資その他については国があっせんすべきだと思っております。
○五島委員 融資のあっせんというお話がございましたが、こうした病床の改築に対して、とりわけこの療養型の病床がもし成立するとするならば、それに対する改築、これは今日都市においては土地の問題もございます。非常に困難な問題もございます。そういう意味では、現在の施設基準の中をもう一度見直し、例えば昭和二十一二年の時代に基づく医療法によって、洗濯場まで病院の中に持たないといけないとか、いろいろあるわけでございますが、そういうようなものの運用上の見直しも含めて、こうしたスペースをどうつくっていくのか。 あわせて、そういう病室の改築や廊下の改築ということになりますと、かなり多額の資金が要ります。そういうようなものに対する制度資金の適用を十分に検討していただきたいと思うわけですが、いいですね。
○古市政府委員 大臣からお答えがあったとおりでございますが、さらに追加の、現在の医療法で必置義務になっている施設についての見直しによって、スペースがもう少し医療機関にとって利用できるようにならないかということにつきましては、検討をさせていただきたいと思います。
○五島委員 次に、診療標榜科の問題についてお伺いしたいと思います。 診療標榜科の問題につきましては、現行どおりということで、あとはたしか学会その他との協議の中において御検討になるということであったと思うわけです。学会あるいは医道審議会の意見を聞いて対応中るということであったと思うわけです。今、患者さんにとりまして一番提供される情報というのは、まず病院の所在場所と診療標榜科、診療時間、その程度でございますね。そういう意味では診療標榜科というのは非常に大きな情報なわけですが、この診療標榜科ということについて厚生省はどのようにお考えになっているのか。 例えば、ある病院においては内科、外科、整形外科、小児科、こう名前が並んでいる。医師でございますから、一人の医師がそれを全部やったって何ら問題ございませんし、診療所なんかではやられることもあると思います。しかし、現実問題、病院などにおいて、標榜科があるけれども、その標榜科に対応する医療スタッフが整っていないというふうな場合がたくさんございますが、標榜科については、届け出によって認可さえあれば、その医療スタッフ、専門家、そういう者がいなくなってもそのまま続いているわけでございます。その点についてどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
○古市政府委員 確かに、現在日本の医療を行う上で診療科の標榜というのは自由標傍制になっておりまして、医療法で標榜が許される科が三十三科ということでございます。したがって、非常に極端な場合には一人が、小児科の先生が小児科だけをやる場合もあれば、いわゆる外科、小児科、内科と幾つもやるというのも、医療法の立場からは全く規制することではないわけでございます。 そこで、標榜科のあり方に関しましては、先生御承知のように、関係学会また日本医師会等でも長年議論がされておりまして、いわゆるお医者さんが標榜する科と、そのお医者さんの本当のスペシャリティーというものとの関連がどうだという立場から見直さなかったらいけないという議論が高まっているわけです。そういう時期に、今回医療法の改正によりまして、この標榜科というものも、医療審議会でなくて医道審議会の方に諮って、関係学会等の意見を聞いて、新しい観点から、三十三以上にどういう科が必要か、また三十三の中で統合していい科があるかどうか、そういうものを御審議いただきたいというわけでございます。非常に大きな問題を持っているというのは、先生御指摘のとおりだと思っております。
○五島委員 私は、命ある標榜科というのはもう見直す時期だろう。内科、外科、そういう言い方というのは、具体的にどういう医療が提供されるかというものと結びついていない。そういう意味では、標榜科というのは根本的に変わっていかなければいけないんではないかというふうに思うわけです。 そういうふうな関連の中で、今患者団体や医療団体の中からも、古市局長も御承知のように、実はリューマチ科というものの標榜の要請が強うございます。これは議員の間で話しましても、リューマチ科といったら一つの疾病に対する科でないかというふうに受け取られる向きもございます。しかし、局長は医者でございますから御承知のように、リューマチというのは一つの疾病と言っていいのかどうか。リューマチを一つの疾病と言うんであれば、例えば消化器科あるいは肛門科と言ったり、あるいは循環器科と言ったりするようなものと余り変わらないんではないか。 しかし、患者さんとしていえば、リューマチという疾病は非常に多うございますが、それに伴いまして本当の意味で専門的に治療してくれる、そういう医療機関はどこにあるんだ。今までリューマチの患者さんは、内科へ行ったり整形へ行ったり、あるいはリューマチぐらいならどこでもいいだろう、おれだってできるよと言う先生方も少なくございません。しかし、患者さんが本当にリューマチについてきちっと治療を受けようとすると、正直言って四国でもそれほど多くない。それがどこなのかというのは患者さんからはなかなかわからない。 そういうことの中から、リューマチ科を標榜科として入れてくれという非常に強い要請があったわけでございますが、このリューマチ科の標榜科という問題を含めて、患者さんが自分にとって必要な診療科はどこなのか、どこへ行けば自分にとって必要な医療が与えられるのか、それがわかるような形で標榜科というものを変えるべきではないか。あるいは、それを広告の規制緩和の中でやっていくべきでないかというふうに考えるわけでございますが、その点はどのようにお考えでしょうか。
○古市政府委員 現在三十三の診療科名というのがあるわけですが、これは歴史的にいろいろな経緯でこの数になってきている。今これを振り返ってみますと、よく言われているように、内科、外科、整形外科、そういうような分け方がございます。それからあと、医療の対象とする人の年齢と性で区別する。例えば小児科それから産婦人科、こういう見方がございます。それから、人間の器管、部位でもって見るもの、眼科科、さらには肛門科、こういうこまた、病名では唯一性病科というのがございます。そういうことで、いろいろな観点から、そのときどきの時代に応じて、これは必要だということで入ってきた経緯はあろうかと思います。 今やどういう時代がといいますと、これだけでは患者さんの医療情報には的確に対応できないということで、今先生はリューマチ科を引用されましたけれども、そのほかの声としては、アレルギー科、それからまた心療内科、糖尿病科とたくさんございます。 一番大事なことは、標榜科名を単純にふやすということだけじゃなくて、自由標榜である以上は、ふやしたら今度はだれでもそれを標榜できるということになると、結局正しい情報が流れずに、その標榜することによって患者さんが来るならば、どんな資格がなくても標榜できるということならば、標榜科名をふやすということはかえって国民の医療選択を迷わすことになる。そこで、適切な一つの資格と標榜というものをこれから一致させていかなかったらいけないのじゃないかという議論もある。 ところが、従来の三十三科についてはそこがフリーで、自由標榜になっている。そこで、時代の要請に合った新しい制度で、国民に医療情報を提供する標榜科名というものを検討しよう、こういうことになったわけです。医療法の改正が通りましたら、そういう観点から真剣に検討していくことになろうかと思います。ただいまいろいろな標榜科名のことをおっしゃいましたが、そういう要望があるということは私どもも承知をしているわけでございます。
○五島委員 それは、現在自由標榜科名となっている診療科以外については、いわゆる専門医療と結びつけた何らかの形での標榜、あるいは患者に対してその情報が伝わるような措置を講ずるというふうに考えていいわけでございますか。
○古市政府委員 私、そう端的に申したわけじゃございませんで、やる場合に非常に難しい問題がある。例えば、今私が御説明いたしましたように、ある時点でリューマチ科というのが何年間の経験、学会での発表ということで認定されたといたします。その先生がそれから向こう三年、四年、五年と何もせずに、そういうことはあり得ないと思いますけれども、そういう方と新しくまた勉強する先生と比べたら、その先生は一たんリューマチ科というものを標榜できる資格を取っているけれども、その後生涯教育が続かない限りは、今の医学の進歩によったら一年、二年で古くなってしまう。そういたしますと、専門科の標榜というのは単に一回学会が認定したということで済む問題か。 それから、さらに言いますならば、医師の免許証は、一回取ったらそれで医者は死ぬまでやれるという制度でございますが、これ自体も問われていることでございます。まして一つのスペシャリティーについて専門だと標榜する以上は、絶えず生涯研修という裏打ちがないと、国民に対して正しい表示をしていくことにならぬじゃないか。ここまできますと非常に厳しい問題になりますので、国民に医療情報を提供するという立場と現実の姿というものと、どの辺でその標榜科名を考えたらいいのかということを、この法案が通りましたら、医道審議会の先生、関係学会にも十分御意見を聞きたいと思っておるわけでございます。
○五島委員 古市局長の今言われたような実態が現実にはあるわけです。しかも、それはリューマチ科とかアレルギー科とか、そういう新しい標榜科名についてだけ問題なのではなくて、これまであった自由標榜科についても、標榜科名は自由であったとしても、その標榜科を見て来られる患者に対しては、その標榜科に応じた医療を提供する義務が医療機関にはある。そこのところをきちっとせずに――私の言いたいのは、特定機能病院あるいは一般病院、療養型、そういう機能の分類だけでは患者さんにとってわからないじゃないか。標榜科に応じた形で必要な医療が提供できるということがやはり必要だろうと思うわけですね。 それから、現在ある標榜科にいたしましても、今いみじくも古市局長言われましたので例に出すわけでございますが、性病科などというような診療科まであるわけです。性病科において流行性肝炎、B型肝炎あるいはエイズ、これは扱うんですか。今、実際上そういうものについては扱っていない。では一体性病科というのはどういうふうなことをするところなんだ、性病科の定義というのは何なのだとなってくると、医者だって明確に言えないわけです。それはたまたま標榜科があって、その標榜科を名のっているというだけになっていると思うんです。そういう意味ではもう少しこれを、標榜科名で扱っていくか、あるいは情報といいますか、広告規制の緩和の趣旨の中で、いわゆる専門医と連結した形でのどういう医療が提供できるかということについては、患者さんに対して的確に伝わるような措置を具体的に考えていただきたいと思うのですが、どうでございましょうか。
○古市政府委員 ただいま御説明で、そういう方向であるべきだというのは、私も全くそのとおりだと思います。 ただ、問題は、先ほどから三十三の標傍科の上に新しくリューマチ、アレルギーと申しましたけれども、私自身はもっと大事なことは、あえて言うならばいわゆる家庭医科、プライマリーケアというのですか、かかりつけの医師というものこそ地域の中で、あそこに行けば全部のことを相談していただいて、必要な場合には専門医療機関に送っていただけるといった方が、いろいろな専門を標榜した医療機関がちまたにあふれるということより大事なことではなかろうか。そういう観点から考えますと、それぞれの専門学会の先生たちの御要望というのもわかりますけれども、医療を提供して国民にわかっていただくシステムを地域につくるという観点から見ると、いわゆる標榜科名を幾つかつくるということよりも、地域連係をどのようにして、専門医がちゃんと専門医として第一線のかかりつけ医から送られてくるのを受け取るか、そういうシステムにも絡む問題である。そういうことで、この問題は日本のこれからの医療に対して非常に大きな問題だと思いますので、十分御審議をしていただきたい、このように思っているわけでございます。
○五島委員 私が申しましたのは、主として病院について申し上げたわけでございますが、確かに局長がおっしゃるように家庭医の問題、これは非常に重要な問題でございますし、これからプライマリーケアの問題を強化していただきたいというのは、前回の質問でも触れたわけでございます。そういう意味では、そうした問題も今回の改正案の中には入っていないわけでございますから、ぜひ次の改正案に早急に、この問題に重点を置いた形でひとつ取り組んでいただきたいと思います。 あわせまして、職員の配置基準の問題についてお伺いしたいと思うわけです。 今出されてきておりますのは、療養型病床について看護婦の数を六人に一人、看護人を六人に一人という数字をお示しになっておられるわけでございます。この数というのは、例えば老人病院といいますか、長期療養を必要とする老人病院を想定してということであれば、それなりに私は納得できる。しかし、長期療養を必要とする患者さんの中には、老人だけでなくて、例えば急性症状を繰り返すであろうと予想される患者さん等もおられるわけですね。そういうふうなことを考えていきますと、果たして療養型病床の中においてこの六、一、六、一という比率でいいのかどうか、それは問題があるのではないかというふうに私は考えるわけでございますが、その点についてどのようにお考えでしょうか。
○古市政府委員 逆説的になりますが、療養型病床群の方で、お医者さんがここでいいと言ってそこで療養、治療を行われる患者さんは、その施設で医療を受けるのにふさわしい患者さんが入るわけでございますから、この基準でやっていただけると思うわけです。しかし、そうは言いましても、人間の病状でございますから日々変化をするでしょう。その場合には、緊急的にはその病棟の方にお医者さんや看護婦さんが集まって治療することもございましょうし、状況によっては、また一般病床の方に移っていただくということがあろうかと思います。しかし、大きな考え方としては、お医者さんが診て、こういう方が快適に療養できるといった方がこの療養型病床を利用していただくものだ、このように思っているわけでございます。
○五島委員 この療養型病床というのは老人医療を対象にしたものではないわけですね。そういう意味では、肝硬変の患者さんであったりあるいは腎不全の患者さんであったり、さまざまな患者さんが長期療養を必要とされるだろうと思うわけですが、そうした患者さんがその療養型病床の中で治療を受けていて急性期になった場合は、前回の質問では、一般病棟の方に移してもらえばいいんだというふうに局長はおっしゃいました。しかし、この療養型病床というのは、一部の病床だけを療養型病床に移すこともあれば、病院全体が療養型病床になることもあるのでございましょう。そのように考えますと、この療養型病床の中に入っている患者さんで急性症状を再々にわたって繰り返すだろうと予想される患者に対しては、一律の看護基準でいいのかどうか、そこをお伺いしているわけです。
○古市政府委員 これは今の問題だけではございませんで、これからの医療というものは一開業医だけで地域の需要にこたえられない、また一病院だけでもできないということで、地域の連係によって地域医療でやるべきだ、このように私どもは思っております。 そういたしますと、現在、老人保健施設や老人病院においては、そのほかのいわゆる総合的な医療ができる病院との契約というのですか、絶えず連係をとった形でやりなさい、そういうことで、その病院で手に負えない場合にはいわゆる提携病院の方にお願いする。また、急な場合にはそこから先生に来ていただく、そういう体制をとってその施設が運営されていくべきだ。これからは一個人、一法人であらゆる状態に対応するというのは無理でございますから、そういう形でやられるべきだと私は思います。
○五島委員 確かに老人施設については、在宅、訪問あるいは老健施設あるいは老人病院、重介護の病院等々一応のシステムができてきましたし、おっしゃるような形で進みつつあるかな、そういう感じは受けます。しかし、今局長のおっしゃったのは、それは局長の一つの思いでございましょうけれども、百歩譲ってその思いに私が同意したとしても、現状はまだそこまでいっていないわけですね。その地域の中の医療機関が提携し合う、それは非常に理想でございます。私もその点についてはそのように思います。提携し合って地域の患者さんをトータルに診ていくというシステム、厚生省として進めていく中においてこういう制度をつくっていくということなら、これはそれなりに筋は通る。 しかし、まだそういうようなシステムというのはないわけです。そこにこの療養型が先行してつくられるということであれば、そこのところをきちっとしておかないと、それぞれの医療機関の中で全部責任をとるなどといったって、では患者さんの症状が悪化したからといってどこの病院がそれを引き受けてくれるのか。今のところそういうものはないですよね。そういうふうな実態から考えますと、やはり患者さんの治療に責任を持っているその病院において、まず責任ある医療が提供されるということが求められると思うわけですが、その点についてはどうお考えでしょうか。
○古市政府委員 確かに、私が言ったように割り切れない点は多々あるかと思います。そういうことで、この制度は強制じゃなくて医療機関からの申請制でございますから、その自分の状況に合った形で申請される。やはり一〇〇%転換しては無理だと思われるところは、三分の一なり半分ということでやられるでしょう。また、一〇〇%やっても周りとの連係が大丈夫だという医療機関は、こういう申請をされるでしょう。そこは私どもが一律にこうやれというわけではございませんで、先生の御指摘のような懸念というものは十分医療機関の方で考えて、また、県に申請された場合に県の行政としてもそれは大丈夫ですかということがあって、これは申請されてくることになるわけです。 ちなみに、現在十四万人という方が老人病院で医療を受けておられますし、それからまた、たしか二十八万人の人が有床診療所で、もっと基準も何もないところで療養されている。しかし、それが特段問題を起こしたということではなくて、それなりに周りの医療機関からのバックアップを受けている、こういう状況である。そこをもっと連係をよくしていかなかったらいけない、このように思いますが、そういう形で、医療機関がよく考えて申請してくださるというのが原則であると御理解いただきたいと思います、
○五島委員 極めて無責任だと思うのですね。医療機関の申請だから、そこのところも含めて医療機関が考えろ、厚生省としては療養型病床群をつくってそこへ持っていきますよ、これは何ばにも無責任だろうというふうに思います。 また、医療機関の職員配置につきましても、療養型病床において六、一、六、一、トータル三、一の看護・介護人を必要とするというふうに認められている以上、本来一般病院においても看護・介護人の比率あるいはキュアとケアに要する要員、それが三、一ぐらい、三人に一人ぐらいの人員が必要ではないかというふうに思うわけでございますが、この点は前回も随分やり合いしましたので、時間の都合上返答は要りません。 ただ、一つ申し上げておきたいのは、ことしの春から付添看護につきまして、術後、重篤という人々についての付添看護というのは排除されたわけです。御案内のように、今基準看護をとっている公立病院において、付き添いが求められるというのは常態となっています。私はこの場をかりて医療機関の立場からも言わせていただきたいのですが、これは医療機関がひどいことをしているというふうに往々にして言われるわけですが、それは違う。僕は責任は厚生省にあると思うわけです。 実は、私の娘がことし大学の看護学部を卒業いたしまして、ある大学の病院で看護婦をやっています。循環器科に入っているわけですが、四十五床で二十名の看護婦さん。手術やそうしたものが多うございますから、四人夜勤をしている。ですから、夜勤回数が月に十二、三回が平均だ。そして、その間忙しくて全然手が抜けない。だから、準夜帯が十一時半に終わって、申し次ぎをしてからしか記録はできない。だから帰ってくるのは大体朝の四時くらい。深夜であれば、朝終わって、それから記録して、職場を抜け出すのが朝の十一時ぐらい、そういうふうな勤務状態です。 これは私は当然だと思うのです。現在の看護基準からいいますと、特三類の基準看護、二人に一人という基準看護が最高の看護婦の張りつき要員になっています。しかし、一脳外科の術後とか循環器の術後、そういうふうなところは本当に一対一の看護婦が必要になってくる。そういう意味では、基準看護の方も含めて、この特三類の基準看護ではどうしても手が回らない。だから、そこに基準看護をとっておりながら付き添いが公立病院でも求められるという要因があるわけです。これは不必要なものをつけているわけでもなければ、病院が法に決められた看護婦を配置していないために付き添いをつけているわけでもない。そのことを考えると、やはりもっとそういう診療の内容に応じた看護婦の配置基準、あるいは基準看護の見直しということも含めて必要なのではないかと思うわけでございますが、その点についてはどのようにお考えでしょうか。
○黒木政府委員 診療報酬上の基準看護の取り扱いにつきましては、絶えず私どもは見直しをしておりまして、先生御指摘のように、昭和六十三年の改定におきまして、看護サービスの高度化に対応するという観点から、入院患者二人に対して看護要員一人を配置する特三類を新設いたしたわけであります。さらに本年四月の改定におきましては、この要件の見直しというものを行ったわけでございます。 今後の方向としては、私どもは、確かに医療内容の高度化等で医療サービスの質的変化があるだろう、それに対応する必要があるだろうと思っておりますけれども、片一方では、特三類等々含めまして特定の病院に看護婦さんが集中するというようなことで、今非常に厳しい看護職員の需給状況の中で、集中し過ぎるという批判のあることも事実でございます。私どもは、特三類以上の区分の新設をするかどうかという点については、今後の基準看護の普及定着の状況とか看護職員の需給状況とか、あるいは先生御指摘のように術後の看護サービスの実態等も勉強させていただきまして、中医協にお諮りをしながら、看護サービスの今後の姿ということで、その辺は今後の検討課題ということにさせていただきたいと思うわけでございます。
○五島委員 高齢社会ということで、この間医療の問題も、看護婦の業務につきましては少しケアの問題に集中して議論がされ過ぎたかな。極めて重要な問題ですが、そうした救急医療の問題あるいはキュアの面における看護労働の問題というのは今非常に問題になってきている。特に重労働の中において時間短縮を進めていかなければいけないという中にあっては、このあたりについての看護婦さんの確保というのは極めて重要になってきている。看護婦がいないために、必要があったとしても、手術をしたくても手術ができないということで、病院に入院を断られているという事例も幾つもあるわけでございます。そういう意味からも、今黒木局長おっしゃいましたけれども、この点についてもぜひ早急に御検討をお願いして、実施に踏み切っていただきたいというふうに思います。 あわせまして、今看護婦全般の不足の中で御指摘があったわけでございますが、長期療養病棟もそうでございますが、一般病院においても看護労働の機能というものをもう一度見直していく必要があるのじゃないか。看護婦さんが足りない中で、看護婦さんでなければいけない仕事と、他の専門職あるいは専門職でない人によって置きかえられる仕事はどういうふうにあるのか。 例えば病棟のクラークの仕事、これは病棟看護婦にとっても毎日毎日かなりの量があるわけでございますが、こうしたものを看護婦の仕事からクラークの仕事へと置きかえることによって看護婦さんの仕事の量を減らしていく。あるいは病棟の中に臨床検査技師やMSW、理学療法士や作業療法士、言語療法士や心理療法士といったような人々を看護婦の必要定数の中に配置していくというふうなことで、具体的にそれぞれの患者さんの質に応じて採用させ、それによってトータルな病棟における看護・介護労働に従事する人の数がふえるという方法を検討すべきではないかというふうに考えるわけでございますが、その点についていかがでございましょうか。
○古市政府委員 ただいまの五島議員の御指摘のとおりだと私どもも思っております。そういうことで、平成三年度から私どもの局で看護業務検討会というものを開催いたしておりまして、平成四年度の予算におきましては、単に検討会だけでなくて、全国のたしか七地区でモデル病院で実証的に検討して、その結果によってどのような業務が省力化できるか、また他職種の人たちの支援を得られるかということで報告書をいただきまして、マニュアルとしてそれを全国にも配りたい、このように考えているわけでございます。 確かに、昨日がナイチンゲールの生誕日で、この週間が看護週間、こうなっておりまして、私どもは看護婦の人材確保法案等も出させていただいておりますが、これからの医療は看護職だけでなくて、いろいろな人たちのチームによって総合的に支えられるという観点から、今御指摘のようなことにつきましても検討を進めたいと思っております。
○五島委員 その検討の結果によりそうした人々が病棟に配属できるとなった場合に、現在の看護婦の四、一という基準については、病棟要員としてはもう少し手厚くしていくお気持ちはあるわけでございますか。
○古市政府委員 現在提出させていただいております医療法の改正案におきましては、先ほど来議論になっております療養型病床群のところでは、看護だけでなくて、看護・介護で全体的に患者さんへのケア、キュアが厚くなったらいいのじゃないかということで、患者に六対一の看護婦、六対一の看護補助者ということで全体で三対一、これも先ほど申した総合的なケア、キュアの手を厚くするということの一環ではあるわけでございます。 そういうことで、今お尋ねの、この先さらに看護婦という要員の基準を厚くしていくかということでございますが、私どもは、看護婦の需給計画というものを昨年の末に発表させていただきまして、平成十二年に百十六万人体制というところに持っていこう、そのために毎年三万人ずつの純増というものに努めていこう、こうやっているところでございますから、これが順調に進行していくことによって必然的に医療機関の看護婦さんの層が厚くなってきて、現在の四対一の基準というものも見直せる時期が来る、このように思っております。
○五島委員 その基準を早急に見直すということをできれば約束していただきたいと思いますが、時間が参りましたので、最後に一つだけ。 その問題とも関連をいたしますが、今箱核病院や精神病院に対する特例措置がございます。これらの疾病の動向からいいまして、これらの特例措置というものについていつまでも続けるつもりなのか、それとも基本的に廃止の方向に向けて検討していくのか、その将来的な見通しといいますか方向についてどういうふうにお考えなのか、その点を聞いて私の質問を終わりたいと思います。
○古市政府委員 看護職員の配置の基準につきましては先ほど申し上げましたようなことでございますが、精神・結核につきましても、今後とも医療施設の機能分化を検討する中で看護職員の増員も図り、入院患者の症状に照らして適切なあり方というものを検討していきたいと思っております。
○五島委員 終わります。
○牧野委員長 石田祝稔君。
○石田(祝)委員 まず最初に大臣にお伺いをしたいと思いますが、この法律案はい二十一世紀を控えて医療提供の枠組み自体を見直していく、こういうことで、医療を効率的に提供する体制の確保を目指す、そして医療を提供するに当たっての基本的な理念を提示する、医療を提供する施設をその機能に応じて体系化していくための必要な措置等を講ずる、こういうふうにうたわれているわけであります。 今、古市局長からもお話ございましたけれども、昨日が看護の日、そして今週が看護週間、こういうことになっております。私は、今回の改正案を見まして、医療施設の提供の枠組みの中を抜け出てないのじゃないか、そういう気がしてならないわけですね。ですから、この医療の担い手の中では、責務は規定をされておりますけれども、その医療の担い手をどういうふうに育成をしていくのか、どういうふうに確保していくのか、このあたりが抜けているのではないか。そこのあたりがどうなっているんだろうかというのが大きな疑問点でございます。ですから、今後の二十一世紀の厚生行政を考えた場合に、どういう形で国とか自治体が医療の担い手の確保、育成に責任を持っていくのか、将来を見通しての大臣の答弁を最初にお伺いしたいと思います。
○山下国務大臣 今御指摘のように、医療の担い手の確保という問題は、医療供給体制を確保する上において一番大切な問題であることは、もう御承知のとおりであります。そこで、今回の改正案の第一条の三には、医療供給体制について、国及び地方公共団体の責任として、今申し上げました人、物、金という面まで包括的に規定しているところでございます。 さらに、将来の問題でございますけれども、お話がございました医療施設、現行医療法について、少なくとも人、物をざらにもっと具体的に包括していくという方向に位置づけていかなければならないというように思っております。
○石田(祝)委員 それでは、個々の内容についてお伺いをしたいと思います。 今回、医療施設機能の体系化を図るということで、特定機能病院制度を設けられております。この中で、特定機能病院の管理者が行うべき事項として、「厚生省令で定めるところにより、他の病院又は診療所から紹介された患者のため医療を行うこと。」こういうことが定義をされております。 そこでお伺いいたしますが、医療法上ではなくて医療保険上、いわゆる診療報酬上の制度として紹介外来型病院というのが現在もあるわけでありますけれども、この制度についてお伺いしたいと思います。これは、簡単で結構ですけれども、どういうふうなシステム、どういうふうな形になっておるのか、まずお伺いをしたいと思います。
○古市政府委員 ちょっと取り違えるかもしれませんが、紹介型病院の方のお尋ねでしょうか。
○石田(祝)委員 紹介外来型病院です。
○古市政府委員 これは医療法でございませんで、御指摘のように、現在の診療報酬における制度といたしまして一応基準が決まっておりまして、それに対して厚生大臣が指定を行う。そういうことで、紹介外来という機能に着目いたしまして、一〇〇%紹介というのを原則としてそこのところに診療報酬の点数が払われる、こういう制度でございます。一方、今回の法律の方はそういうことではございません。先生御承知のとおりの制度でございます。
○石田(祝)委員 これは一〇〇%外来ということが基準であるというように今お答えをいただきましたけれども、具体的には結果も一〇〇%なのかどうか、最終的にどれくらいのパーセントになってきておるのか、その数字がわかりましたらお答え願いたいと思います。
○黒木政府委員 診療報酬上定めております紹介外来型、これは理念的には一〇〇%紹介患者を受けるシステムとして考えておりますけれども、実際の運用上は、実績九〇%を超えれば指定対象ということでございますので、若干の紹介なし患者が来られているのじゃなかろうかと思っております。
○石田(祝)委員 今、実績として九〇%をクリアすればいいのじゃないか、こういうお答えでありましたけれども、今までの議論の中で特定機能病院の紹介率ということがいろいろ議論になってまいりました。一〇〇%ということを規定している病院であっても、実績を見てみるとそこまでどうしてもいかない。ですから、これからまた論議をしたいと思いますけれども、この紹介率というのは、最終的には結果がどうかという世界になっていくのじゃないか。目標をある程度決めるのは、それはそれとして当然かもしれませんけれども、紹介率は最終的に結果だ。その中で紹介率最初にありきという形でやっていくと、どうしてもゆがんだ形になってしまうのではないかと私は思います。 そういう意味で、続いて質問いたしますが、その紹介という観点における紹介外来型病院と特定機能病院との関係性はどういうようになるのだろうか。片や紹介外来型病院というのがあって、そして特定機能病院、これも紹介という機能を持たせたいというお考えのようでありますけれども、この両方の関係は結局どういう形になるのか、お答えいただきたいと思います。
○古市政府委員 特定機能病院の制度の方は、紹介あるいは紹介率と先生が言われたのはその中の一つの要素でございまして、全体が入院治療の中で日本の中でも特段に高度な医療を受け持っていただく、また周りからも紹介の人が入ってくる、こういうことでございます。したがって、その外来も、地域医療の中核病院としてかなり難しい人を紹介されるということが期待される病院であるということで、紹介卒も一律に高度のパーセンテージということを決めるのはなじまない。一方の紹介外来型病院という保険の方でやっているのは、紹介外来一〇〇%を目指して、外来は紹介制でいきますよと、こういった違いでございます。
○石田(祝)委員 そうすると、紹介外来型病院という現在ある病院の制度と特定機能病院、これは紹介という部分があっても全く別の存在だ。ですから、今後ともそれは併存をしていくということでよろしいのですか。
○古市政府委員 片一方は医療法の制度でございますし、もう片一方は保険診療の方の世界でございますから、制度としては両方存在するということでございます。
○石田(祝)委員 そういたしますと、この特定機能病院、これは何度も質問していることかもしれませんけれども、直ちに紹介率一〇〇%、いわゆる紹介状なしの患者を受け入れないということではない。今までどおり、ある意味でいえば地域のプライマリーケアの担い手として、初診料等も考えてみたときに、紹介外来型病院みたいに全額自己負担に、いわゆる救急じゃない場合、紹介状なしで行ったときに紹介外来型は全部自己負担になるわけでございますけれども、そういうことではなくて治療が受けられる、特定機能病院はそういうふうな存在である、こういうことでよろしいのですか。
○黒木政府委員 診療報酬の面が主のお尋ねだということで、私の方からお答えいたします。 紹介外来型病院、かなりの部分が医師会立病院みたいなものが多うございまして、地域の開業医さんがおつくりになった病院というようなことで、そこは一定の地域のシステムとして、紹介状を持って自分たちのおつくりになった病院に行かれる。ほかの紹介外来型もございますけれども、そういうものが一般といたしますと、そこは例外的な紹介のない患者は初診料相当を自己負担していただく、こういうルールが定着いたしておるわけであります。 今回創設いたします特定機能病院につきましては、相変わらず地域に開かれた病院といいますか、紹介のない患者を受け入れることを前提にもいたしているというふうに私どもは考えておりますので、紹介なしの患者に初診料を全額自己負担お願いするということは無理ではなかろうかということで、いずれ中医協に諮って決めるわけでございますけれども、従来の紹介外来型病院と同じような取り扱いにはならないのではないかと考えております。
○石田(祝)委員 古市局長からも御答弁いただきたいのですが、そういたしますと、特定機能病院はある意味では地域のプライマリーケアを担っているという観点もあるわけですから、紹介状なしに来ても特に患者さんにペナルティーはない、こういうふうに理解してよろしいのでしょうか。
○古市政府委員 これは最終的に所管が支払いの方で、黒木保険局長の分野でございまして、私どももただいまの保険局長の答弁のとおりという理解で御説明させていただいております。
○石田(祝)委員 続きまして、同じく医療保険上、診療報酬上の制度として特定承認保険医療機関、これは健保法の制度でありますが、それから特定承認療養取扱機関、これは国保の方でありますけれども、この件についてお伺いいたします。 ここで言われております高度先進医療と特定機能病院における高度の医療、言葉が似ているようで似ていないような感じもありますけれども、この関連についてはどうなんでしょうか。全く別のものなんでしょうか、それとも高度の医療の一部が高度先進医療なんでしょうか。
○黒木政府委員 私どもの保険局サイドの制度として、お尋ねのような形の特定承認病院があるわけでありますけれども、これはまだ研究途上と申しますか、全国に普及していない高度の医療に対しまして、その基礎部分は保険で見、その先進部分については患者から負担を求めることができるという仕掛けをしているわけであります。したがいまして、この高度先進医療が全国に普及するということになりますと、これは保険にすべて導入いたしまして、ほかの例えば盲腸の手術とか、そんなものと全く同じような形での取り扱いになるわけであります。 今回特定機能病院で考えております高度の医療は、詳しくは忘れましたが、例えば膵臓がんの全摘手術みたいなものが考えられているわけでありますけれども、これは既に保険診療の対象になっておりまして、高度先進医療の範疇よりも全国でできる治療ということで、私どもの保険の対象になっております。 そういう意味で、今度の高度の医療というものは私どもの高度先進医療と概念が違っておりまして、技術的には高度であるけれども全国的には保険がおおむねきく、普及している治療内容だと承知しております。高度先進医療はまだ研究段階と申しますか、あるいは全国の病院でまだ実施が困難な疾病ということでございます。保険は全国の保険者からの保険料を集めているものですから、かなりの病院でその技術が使えるようにならないと、特定の医療機関だけしかできないような手術について全国から集めている保険で見ることはいかがかというようなこともございまして、そういうふうに高度先進医療はまだ全国に普及する前の、高度先進部分についてだけ患者の自己負担を認めているということでございますから、特殊な領域ということでお考えいただきたいと思います。
○石田(祝)委員 そういたしますと、特定承認保険医療機関等でやられている高度先進医療というのは、高度な上に先進的だ、こういうことですね。形容詞がもう一個かかるというか、さらに進んだ医療だ。ですから、高度の医療というのは保険の対象になる部分もあるけれども、高度先進医療というのは特定承認病院以外はできない医療なわけですね。そういう理解でよろしいのですね。
○黒木政府委員 おおむねそのとおりでございまして、高度先進という意味は、確かに高度でございますけれども、普通の病院と申しますか、一般的にはその治療を手がけることがまだ無理な、私どもが認めた病院しかできないような医療技術、こういうふうに御理解いただきたいと思います。
○石田(祝)委員 そういたしますと、この高度先進医療を承認されている病院と今回医療法で予定している特定機能病院の対象、手を挙げてもらいたいという病院が大分重なるような感じを私は受けておりますけれども、これは両方とも、例えば特定機能病院であり、なおかつ特定承認保険医療機関、こういう形で一つの病院で二つの資格というのでしょうか、そういう形を持って非常に混在したような治療また診療報酬上の位置づけというものになってくるのでしょうか。両方が併存することも不可能ではないというふうな感じもしますけれども、何となく整理がつかないような気もします。特定機能病院導入に当たってどうなんでしょう。
○黒木政府委員 対象は一致しているわけではございません。高度先進を手がけていただく病院は、例えば単科の病院も指定可能でございまして、片一方の特定機能病院は、かなり総合的な高度な診療機能を持っているということでございますから、対象病院も必ずしも一致しておりません。 ただ、特定機能病院でありながら高度先進医療を取り扱われる病院も出てくることは事実だと思います。そのときの御説明でございますけれども、先ほど説明いたしましたように、一般的に特定機能病院で行われる高度な医療、これはすべて保険が適用可能でございますけれども、そこで行われる特定の医療技術があるわけでございます。新しい開発途上の、例えば耳に人工鼓膜をつけるとか、そういうような特定の医療技術についてだけは保険診療上別な扱いになりまして、その特定な技術について、高度先進の部分について費用を自己負担していただく、こういう仕掛けが違うだけでございますから、仮に重なっても、何らそごを来すものではないと私どもは思っております。
○石田(祝)委員 そうすると、重なる、併存をするということで不都合はないということであろうかと思いますが、特に特定承認の病院ですけれども、高度先進医療を受ける際に、いわゆる承認を受けた病院以外では治療を受けられない、受けられないと申しますか、受けた場合には一般の療養の給付が受けられない、こういう制度であろうと私は理解をしております。 そういうことで特定の疾患、ここに私、表をいただいておりますけれども、例えば国立がんセンターでは電磁波温熱療法というのが高度先進医療の対象になっている。ですから、ある意味でいえば、その病気で保険を使いたいとなればそこに行くしかない。ですから、ある意味では高度医療がそこに集約される。集約されるということは、ほかのところから見れば高度医療を受ける機会、それを自分たちのところでやるチャンスを排除される。だから、高度医療が一極化するのじゃないかという心配があると私は思うのですね。これは、例えば一般的になってないから実験的にいろいろやって、そして広がっていけばいろいろな病院でも保険が適用になっていく、そういうふうなことを聞いております。 そうすると、これと特定機能病院の制度というものを考えた場合に、一般の病院でなかなかやりにくい、特定機能というふうに名前がついているわけですから、結局高度医療を特定機能病院に限定してしまうのじゃないか。ですから、ほかの病院でそういう高度医療と言われるものをやるチャンスを排除してしまうのじゃないか、こういうふうな心配があるのではないか。そうすると、そういうことができる病院、できない病院といういわゆるランクというものがどうしても入ってくるのじゃないかというふうな心配が、これは杞憂かもしれませんけれども、私は感じるわけであります。ですから、そこのところをどういう形でとらえられているのか、お伺いをしたいと思います。
○黒木政府委員 高度先進医療の方は、確かに特定の病院しかできかねない技術開発みたいなものを含めた高度先進の医療でございますから、特定のところに集中します。しかし、これは特定機能病院と違いまして、単科の例えば外科なら外科あるいはがんならがんの専門治療、そういうところの病院もそれを受けられるわけでございます。 しかしながら、今回の特定機能病院は、確かに通常の病院では受けがたいような高度の医療をそこで提供することをねらった制度でございますから、そこにある意味では高度機能が集中をするということは避けられないと思いますけれども、しかし、ほかの病院がそういう医療をやってはならないということとは別でございます。私どもの方向としては、これは健政局長マターでございますけれども、どの病院も同じような機能を果たすよりも、それぞれが役割分担を持った機能というものを発揮していただくことの方が、患者にとってあるいは国民にとって幸せではないかということで、こういう形で、強制的な手段ではありませんけれども、一つの道をつくるわけでございます。 したがいまして、保険診療上も高度先進医療という形で高度な診療を見ておりますけれども、あわせて今回の特定機能病院ができることによって先生御指摘のように集中するということは、私どもの全体の病院のシステムの効率化という意味では避けられないことでございますけれども、それを強制的にとか強権的にするということじゃございませんで、全国的にも高度の機能を果たせる病院というものは、やはりあちこちに存在をするのが実態ではなかろうかというふうに考えます。
○石田(祝)委員 それでは、特定機能病院ということで、先般の委員会でたしか健政局長は百から百数十予定をしている、できたら手を挙げてもらいたいというお考えを述べられておりました。その中で、特にきょうは文部省の方に来ていただいておりますので、大学病院の本院を特定機能病院にお考えのようである、そういうことを再々答弁でも言われておりますので、文部省の方からいろいろとお聞きをしたいと思います。 まず、医療施設機能の体系化を図るということで、特定機能病院制度を今回医療法で導入しようとしておりますけれども、それの対象として大学病院がなっている。その観点から文部省の方の基本的な認識をお伺いしたいと思います。どういうふうに考えておられるのか。
○喜多説明員 お答えいたします。 特定機能病院の要件の詳細につきましては、厚生省令で決められるということになっておりまして、明確でないところもございますが、大学附属病院、本院、分院合わせまして百六十三病院ございますが、九十近い病院が恐らくその要件に該当するのではないかというふうに見ておるところでございます。
○石田(祝)委員 私が聞いているのはそういうことではなくて、その特定機能病院という制度についてどういうふうにお考えなのかということでございます。
○喜多説明員 大学附属病院が高度医療を分担するということで、意義のあることだというふうに考えております。
○石田(祝)委員 意義のあるという御認識のようでありますけれども、大学病院は、設置法で一応研究機関ということになっておりますね。そして、その研究機関としての役割、また地域におけるプライマリーケアも担っている、こういう立場もあるわけでありますけれども、大学病院と地域医療についてどういうふうにお考えになっていらっしゃるのか。
○喜多説明員 医学または歯学に関する学部につきましては、教育研究に必要な施設として附属病院を置くということになっております。大学病院は先生御指摘のとおり教育研究機関でございます。ただ、教育研究機関でございますが、同時に診療を行っております。診療を行っておるということにつきましてはほかの病院と同じでございまして、診療を行いました途中経過あるいは結果等を教育研究に生かしておるというのが附属病院の役割といいますか、機能であるというふうに理解をいたしております。したがいまして、診療の中でプライマリーケア等につきましても、地域医療に十分貢献をしておるというふうに理解をいたしておるところでございます。
○石田(祝)委員 地域医療にも貢献をされているという御認識であります。私はそのとおりであろうと思います。 今回、医療法改正一の審議が進んでおりますけれども、この中で特定機能病院は病院からの申し出による、こういうふうになっております。いわゆる手挙げ方式ということで予定をしております。この中で文部省が八十、防衛医科大学を入れまして八十あるそうでありますけれども、その病院が特定機能病院として申請をする、手を挙げる、その過程でいろいろ運営上非常に心配なことはないのかどうか。どういう点が心配だ、こういう点はどうなっていをのだ、この点がありましたらお述べをいただきたいと思います。
○喜多説明員 大学附属病院が特定機能病院として申請するかどうかに関しましては、厚生省令の具体的内容でございますとか、あるいは特定機能病院の制度化に伴って行われるであろう診療報酬の改定の内容等を見きわめまして、それぞれの大学附属病院におきます教育、研究、診療の実情も十分考慮いたしまして、大学病院関係者とも十分相談いたしまして適切に対処いたしたいというふうに考えております。 ただ、特定機能病院の管理者は、厚生省令の定めるところによりまして、ほかの病院または診療所から紹介された患者に対して医療の提供を行わなければならないというふうにされておるところでございますが、特定機能病院におきます紹介患者の受け入れのあり方に関しましては、地域の実情でございますとか医学教育の現状なども考慮して適切に対処する旨、厚生省から答弁されておるところでございまして、文部省といたしましても、大学病院におきます教育、研究、診療に支障を来すことのないよう適切に定められることを期待し、かつ要望いたしたいというふうに考えておるところでございます。
○石田(祝)委員 今おおむね二点あったと思います。一つは診療報酬、もう一つは極端に言えば紹介率ではないか、私はこういうふうに受けとめたわけであります。 先日の委員会の質疑で、四十二の国立大学等の予算はどうなっているのかという中で、分院等も含めまして年間大体六千五百八十億円、その中で保険機関に請求する金額が四千百二十三億、約六割の診療報酬を予算の中で見込んでいる。ですから、こういう形でいきますと、当然診療報酬が占める割合が大きいわけでありますから、診療報酬がどうなっていくのか、こういうことは予算編成上も非常に大事な部分ではないか。そういう部分がクリアできないと特定機能病院制度というのはうまくいかないのじゃないか、私はこういう危惧もするわけでありますけれども、予算として文部省が考えていく場合に、いつごろまでにはっきりさせてもらわなければならないのか。その点はいかがでしょうか。
○喜多説明員 一般論で申し上げますと、年末の予算査定が行われるまでというふうに思っております。
○石田(祝)委員 ごく当然のお答えでございます。当然だけれども動かせない、これは事実だろうと思います。 四月二十二日の委員会で保険局長は、我が党の遠藤議員の質問に答えまして、診療報酬は施行に合わせるべく改定の準備をする、こういうお答えでございました。そういたしますと、例えば本年診療報酬改定がございましたけれども、私の記憶では二月十四日に最終決定したというふうに記憶しております。この施行は法案が成立して一年以内ですか、公布の日から一年以内ということですから、区切りのいいところを考えれば、この法案が上がれば通常来年の四月一日ということになると思いますけれども、実態的に他省庁との関係もある。そういう部分で、診療報酬はちゃんとできるのだろうかという疑問が私はあるのですが、この点についてはいかがでしょうか。
○黒木政府委員 診療報酬は、中医協にお諮りをいたしまして決めるシステムになっているわけでございます。 予算との関係でございますけれども、したがいまして、今回の四月改定に当たりましては、予算編成の前に診療報酬の枠と申しますか、何%上がるかということをまず政府レベルで決定を見るわけでございます。そういう意味では、具体的な中身は二月になっての答申でございましたけれども、予算編成までに次年度の予算に影響するような大枠と申しますか、どれくらいの影響があるかということは当然決めないと、これは私どももそうでございますが、各省の予算に絡みますので、その辺は見きわめる必要があると私は思っております。 しかし、具体的な作業手順は、まず医療法の諸基準、人員基準とか配置基準の具体的な内容が固まりませんと、御案内のように診療報酬というのは医療給付に要する費用を見るということになりますので、どれくらいの費用がプラスになるのか等々を含めまして私どもはその検討が必要でございますので、そういうものの具体的な内容が固まり次第、中医協にもお諮りしながら全体の取りまとめを進めていき、そして一年以内という施行のあれがありますけれども、いずれにいたしましても、施行には間に合わすべく準備をしていかなければならないと思っているわけでございます。
○石田(祝)委員 続きまして、国立大学の看護婦の養成についてお伺いをいたします。 最初に、私も大臣に医療の担い手の育成、確保が国、自治体の責務ではないか、こういうお話もさせていただきましたけれども、大学の中で看護婦の養成機関を設けていないところ、未設置のところは国立、公立、私立別で幾つございますか。
○喜多説明員 看護婦養成機関を持っておりません医科大学は、国立が十四、私立が二校でございます。
○石田(祝)委員 私がいただきました資料によりますと、これは平成二年の七月二日でありますけれども、国公私立の大学附属病院の看護婦さんの数は約四万八千人、その中でどのぐらい養成されているかちょっとわかりませんが、少なくとも国立て十四、私立て二、みずからのところで看護婦さんの養成をしておらない。はかで養成した人を使っている。だから、本来であれば、これは国が責任を持ってやっていくのが筋じゃないかと私は思うのですね。率先して育成していく、養成していく。 そうではなくて、ほかで養成しているところから、例えば国立大学は条件がいいからといって、ある意味ではどんどん集まってくるから今までやらなかったのかどうか、それはわかりませんけれども、いろいろな看護婦さんに聞きますと、やはり公務員ということになりますし、給料も人事院勧告で上がっていく。私立の病院みたいに診療報酬の枠の中で配分されるということじゃなくて、ある意味では別枠で給料も上がっていく。そういうことで、今まで自分たちのところの看護婦さんについては心配なかったかもしれない。だけれども、全体的に大きな枠で見たときには、そこにとられる分だけ民間がしわ寄せを食っているのじゃないか、そういうふうな感じが私はいたしますが、今後どういうふうなお考えで看護婦の養成に当たられるのか、具体的にお答えいただきたいと思います。
○喜多説明員 国立大学につきましては、自前の養成機関を持たない大学が十四校と申し上げましたが、いわゆる新設医科大学、昭和四十八年以降一県一医科大学ということで設置いたしましたいわゆる新設医科大学が十六校ございますが、そのうちの十四校に自前の養成機関がございません。一年に三大学等をつくらなければならぬというような時期でございまして、看護婦の養成、確保、これは地元で行っていただくということで進めてきたところでございます。当初はそれで格段の支障はなかったと承知いたしておりますが、最近の看護婦不足ということを受けまして、新設医科大学にも看護婦養成機関をつくるべきではないかという御要望が寄せられていることは、十分承知をいたしておるところでございます。 文部省といたしましては、看護婦養成につきましては、看護教育の充実と看護学の確立、それと看護教員の養成を図るという観点から大学レベルでの養成は重要であると考えておるところでございまして、新設医科大学につきましても、来年度以降、地域の看護婦の需給状況でございますとかその大学におきます準備状況あるいは国の行財政状況等を踏まえまして、新設医科大学の医学部に看護系学科を設置することで対処させていただきたいと思っておるところでございます。
○石田(祝)委員 済みません。そうすると平成五年度に予定をしているところはあるのですか。
○喜多説明員 ただいま各大学でいろいろな準備を進めております。一番の難点は、看護婦の免許を持った教員の確保というのが極めて難しい状況でございまして、その辺の準備状況でございますとか、先ほど言いましたように地域の看護婦の需給状況あるいは国の行財政状況等を踏まえまして対処させていただきたい。そして、今具体的にどこというのは、御勘弁いただきたいというふうに思っております。
○石田(祝)委員 いろいろおっしゃいましたけれども、条件を三つぐらいつけられて、条件が整えばやるというふうに私は聞こえました。ということは、返せば、条件が整わなかったらできないというふうにも聞こえるわけでありますけれども、これは非常に喫緊の課題でございます。看護婦さんが足りないということはわかっているわけでありますから、ぜひとも力を入れてやっていただきたいと思います。もう一度今後の決意について一言。
○喜多説明員 文部省といたしましては、看護婦養成につきましては大学レベルというものを中心に整備していきたいということで、国立、公立、私立を通じまして、看護大学あるいは看護短期大学の設置につきましては積極的に対応したいというように思っております。そして、先生御指摘のいわゆる新設医科大学につきましては、先ほどから何度も申し上げておりますように、地域の看護婦の需給状況あるいは大学の準備状況、国の行財政状況を踏まえまして、医学部に看護系学科を設置するということで対処させていただきたいというふうに思っております。
○石田(祝)委員 続きまして、特定機能病院の紹介率についてお伺いをしたいと思います。 先日来の議論で、紹介率は全国一律ではない、地域ごとの実情を反映をして考えるけれども最終的には国で決めさせてもらう、こういうふうな答弁があったかと思います。私は、ある意味でいえば、地域の実情が一番わかるのはその地域でございますから、できたら自己申告、また自治体が医療計画の中で決めていくという方がいいのではないか。特定機能病院というものを導入する限りは、ある程度の紹介率の設定をしないと全然意味がないと逆に思います。どうでもいいやということだったらやらない方がましですから。それは思いますけれども、それを国の方で、地域の実情は勘案するのだけれども最終決定はしますよ、こういう形でいいのだろうかという気がいたします。ですから、できれば自己申告、地域の自治体また地域の特定機能病院と目される病院で独自に決めさせてはどうか、そういうふうに考えますけれども、いかがでしょうか。
○古市政府委員 しばしば御議論いただいております特定機能病院における紹介率でございますが、全国一律の数値を厚生省の方で決めるということは、もうしないと再三お答えしたわけです。しかし、ある一定の目標なり一つのメルクマールというのですか、目安が必要でございます。そういたしまして、地域の状況も反映さすということも大事でございます。 そこで、現在いろいろ先生方の御意見も聞きまして私ども考えておりますのは、例えば現在平均が大学附属病院でいいますと一五%弱でございますが、これは五〇%超から〇%まであるということでございます。しかし、そのまま推移したら特定機能病院の外来機能という期待に沿えないということから、ある一定の目標年度、この数値まで何年間にいきます、スタートのときはここからいきますというようなことが一つあり得るのじゃなかろうか。それには地域差がある。そういうものをこの範囲内でということが御議論になるということが一つ想定される。 それからもう一つは、それを担保するために、病院の外来機能の中に地域連係推進室なりそういう組織がつくられて、その中には大学の先生だけではなくて地域医療機関の先生も入って、その外来について地域全体でみんな利用するというようなことが検討されるという担保がある。あるいはまた、既に先進的な予約病院でやっておりますように、専用の予約電話を引いてそこに係がいる。そういうことでその病院が将来紹介率がだんだん高まってきて、その地域にふさわしい機能を果たすということが担保できるというのが何らか保障される、そういうあたりを御検討していただくことになるのかな、このように思っております。
○石田(祝)委員 ちょっと確認になりますけれども、その傘とか将来ここまでという計画は、地域で決めてこのパーセントでいきたいということでいくのか、それとも、いや、おたくの事情はわかったけれどもこのパーセントにしてくださいよ、こういう形で厚生省が、ある意味でいえばAという特定機能病院、例えば私は高知ですけれども、高知医科大学、あなたのところの事情はよくわかりましたけれどもこのパーセントていってください、こういうふうにするのか、高知医科大学自身が、いや、うちはこれでやります、それを認めるのか、結局どっちになるのでしょうか。
○古市政府委員 全国一律の数値が省令で決まるということはあり得ませんが、これはやはり省令でございますので、関係審議会の意見を聞きまして、省令で例えばランク別に決まるのか、それからまた担保措置が決まるのか、それからまたある一定の、今までの半年なり一年間の紹介率というのをまず調べていただかないといけません。それを数年以内にこの程度まで高めますというようなことを報告していただくのか、その辺が一つ議論になる。それを、余り細かいことまで私はちょっとわかりませんが、省令レベルで各地方の大学が、それじゃうちはこの辺からスタートしようと申請できるような形で、省令でそのセットが示される、こういうようなことになろうかと思います。
○石田(祝)委員 そうすると、その大学が、自分のところはここからスタートしたいということを表明できるということですね。
○古市政府委員 ただ、その場合に、余りにも実情と同じ数値からスタートするというようなことはおかしいじゃないかというような議論も、当然医療審議会の中ではいろいろ御議論があろうと思いますが、これだけいろいろ意見が多い紹介率の問題でございますから、十分これらの国会での御意見も反映して御審議をしていただける、このように思っております。
○石田(祝)委員 それはそういう形でやっていただきたいと思います。 この紹介率でもうちょっとお聞きしたいのですが、紹介率を設定してそれをクリアする。ある意味では目標ですから、クリアするために努力されると思いますけれども、これは三つの方法があるわけですね。一つは紹介患者を多くとる。もう一つは紹介なし患者を制限する。そして三番目には病院から逆紹介をする、出ていただく形で逆紹介をして紹介率を高める、この三つしかある意味ではないわけです。 ですから、紹介患者を多くするというのは、紹介する側の問題もございますから難しいかもしれませんけれども、該当の特定機能病院の立場からすると、紹介率を設定されて、それを何とかクリアしなくてはならない。そうすると、自分のところの病院でできることは、紹介なしの患者を制限する、例えばきょうは何人までとか。もう一つは自分のところの病院から逆紹介で出す、そして逆紹介の紹介率を加算していく。私はこれ以外には紹介卒をクリアするすべはないのではないかというふうに思うのです。ですから、紹介卒は一つの目標としては必要かもしれませんけれども、最初に紹介率ありきで、いわゆる受診が抑制されたり、転院がそこの患者さんの同意とか納得のないまま行われるようなことがあったら、これは大きな問題だと私は思いますけれども、こういうふうな心配はないのでしょうか。
○古市政府委員 これも再々御説明させていただいておりますが、今回の医療法改正が通りますと、一つの病院の機能についての新しい分野というものが提供されるわけで、これを選ぶのは医療機関にゆだねられているということでございます。そういうことで、日本の病院のあり方のオプションが一つふえたというぐあいに理解していただきたいと思っているわけでございます。 それで、私どもの地域の病院は、今度のこの制度に乗るのが将来に向かっていいのだというところが御利用していただくことになりますから、あえて現在の外来の患者さんに非常に受診抑制に働くというようなことは、その病院も望むところではございませんし、地域医療に混乱を起こしますから、そこはその状況を見てやっていただく。しかし、私どもは、再三申しているように、多くのそれに該当する病院が参画していただけるように十分お話をして、実態に合った紹介率というものが年次的に高まっていくというようなところからスタートを切りたいと思っているわけでございます。
○石田(祝)委員 では、続きまして、療養型病床群の関係でお伺いをしたいと思います。この中で慢性疾患の方の件でお伺いをいたします。 実は、私のところにも、また我が党の同僚の議員のところにも、人工透析を受けているという方から手紙が参っております。非常に今回の医療法の改正のことを心配をして手紙をよこされておるわけでありますけれども、この中で二点ございます。 一つは、今年度の四月一日からの診療報酬改定で慢性維持透析患者医学管理料が導入されまして、その中で結局マルメになっておりまして、今まで検査等が点数になっておったのが所定の検査は全部算定できない、こういうことになって、一律二千五百点ですか、一カ月に一回だけ請求できる、こういうことになって、その人工透析の患者さんは非常に検査が少なくなるんじゃないか、こういうふうな心配をしております。四月から保険点数が変わって、検査などの回数が減って心配している、こういうふうな文面でございますけれども、これについて透析患者さん側の立場から見たときに、こういう形で一カ月幾ら、その中で、ある意味でいえば、検査をやってもやらなくても極端に言えば一定の金額は来る、そういう中で十二分に検査をやっていただけるんだろうか、こういうふうな心配をしておるところであります。こういう心配は考え過ぎなのか、そういう心配は全然ない、こういうふうに言えるのかどうか、まず最初にお聞きしたいと思います。
○黒木政府委員 御指摘のように、本年四月の診療報酬改定におきまして検査料の包括化を行ったわけでございます。これは、安定した状態にある慢性維持透析患者につきまして、特定の検査結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合に算定できる点数として、月一回二千五百点を創設したところでございます。 したがいまして、包括的にお支払いする関係から、必要な検査がなされないんではないかという御心配だと思います。本管理料に包括されます点数といたしましては、かなり広範なものがあるわけでございます。しかし、それ以外のものは別個に点数がとれる仕掛けになっております。そして、包括されました点数につきましての御心配であろうかと思うわけでありますけれども、検査の実施に当たりましては、関係医学会のガイドラインに留意するよう、私どもは通知を出しているところであります。そういうことから、いわゆる粗診粗療と申しますか、検査の手抜きはないんではないかと思うわけであります。 なお、日本透析医会で出しておりますがイドライン、これはかなり詳細でございまして、二週に一回検査するものはこれとこれ、四週または月一回検査するものはこれ、三月に一回あるいは年一回の検査はこれこれということで、かなり具体的なガイドラインを学会で示されているわけでありまして、私どもはそれに留意して実施するようにということで指導もいたしておるわけでございまして、そういう心配はないのではないかというふうに思っております。
○石田(祝)委員 ちょっとくどいようですけれども、確認させていただきます。 その資料を私もちょうだいしました。どれが二週間に一回、四週に一回とか三月に一回、年一回というのをいただきましたけれども、ある意味でいえば、患者さんがこれは二週間に一回やるべきものだな、また四週に一回、月一回やるべきものだな、そういうことがわかってない限り、十二分な検査をしてもらっているかどうかというのはわからないんじゃないでしょうか。極端に言えば、私がこれを持っていても、その病院に行って本当にどうかということを見ない限りは役に立たない。これを患者さんが全部持っていなければ、自分はそういう状態で、今度丸めて包括化されたんだけれども、検査というのは透析学会の標準どおりやってくれているのかどうか、これはわからないんじゃないでしょうか。それは保険局長は、確信の世界でそういうことはないだろうとおっしゃっておりますけれども、本当に指導を徹底して、そういうことはない、心配はないと全国の十万透析患者に向かって言えるのかどうか、それをちょっとお伺いしたいと思います。
○黒木政府委員 どのような患者にどのような検査をするかというのは、実は、行政的にそれを先生に指示したり強いることは非常に困難でございます。ガイドラインということで、学会あるいはお医者さんが自主的にその方針で治療に当たろうというものでございまして、したがって、現在の出来高払いでもその検査が行われるかどうかというのは、言ってみればすべてお医者さんの良心にまって、そして医学の常識にまって行われるべきことでございまして、今回の出来高払いを包括化したということとどの検査が行われるかということとは無関係でございます。 私どもは、学会としてもそういうガイドラインをつくって、関係の医療機関に学会が指導しているわけでございますから、個々の医療機関なりお医者さん方というのはそういうガイドラインに沿って、あるいは患者の病状もありましょうけれども、最も患者にふさわしい検査なり処置が行われていくというのは、そういうふうに行われるだろうというふうに考えております。
○石田(祝)委員 とにかく、そういう心配を持っているということは確かですから、ぜひともそういうことのないように特段の御配慮をお願いしたいと思います。 それから、慢性の透析患者さん、全国で約十万人いらっしゃるそうでありますけれども、どれだけ入院しているのか厚生省の方にお伺いしたら、わからないということでありました。そういう人の立場からちょっと考えてみますと、もともと慢性病とついているわけですから、特に腎臓の場合は劇的によくなるということは期待できない。ある意味でいえば一定の状況が続くのがその病気の特徴だろうと思いますが、長期にわたって療養を必要とする。ですから、今回の療養型病床群の中で定義づけされていますように「長期にわたり療養を必要とする患者」、まさしくその方に当たるわけですね。 私がちょうだいした手紙の中でも、今は一般病棟に入院をしているんだけれども、今度医療法という法律が通ったら、一般病棟からいわゆる医療の手当ての薄いところに移らざるを得ないのではないか、療養型病床群の方に移らなくてはならないんじゃないかというふうな心配もしているんだ、こういう内容の手紙がございましたけれども、こういう慢性疾患の方、現在一般病院に入院されている方、こういう方々は療養型病床群の方に移らなくちゃいけないのでしょうか。
○古市政府委員 ただいまの透析患者と同じようなことが、先般の御質疑でも難病患者さんがそういう心配をされているというようなことで、また重ねて透析患者もということで、我々非常にびっくりしているところでございます。そういうことは全く想定していないことでございます。これはあくまでも法律条項からいいましても、病状が安定しでそのような施設がふさわしいとお医者さんが判断したり、そして、患者さんも納得してそちらの病棟に移る場合には移る、収容されるということなので、殊に透析なんと申しますのは大体週に二回か三回やることでございますから、慢性的に、いわゆる出来高払いじゃなくて定額払いで払えるというようなことに最もなじまない。結局いろいろな医療が行われる、また合併症も起こる可能性が多いということですから、難病患者さんと同じように一般的には療養型病床群に向くというのはとても考えられない、そういうぐあいに思っております。 しかし、このような誤解があちこちで出て、手紙まで来るというのは、私どもさらに十分説明をしなければいけないという気がしておりますが、あえて言うならば、お医者さんが患者さんにそういうことを言って、今度の法律は悪い法律だから、通ったらこうなるよとおっしゃるのは、私はやや勝に落ちないところで、そういうことはお医者さん同士で厚生省にも聞いて、患者にそういう不安を与えるというのは医者としてあるまじきことだとはちょっと思っております。これは余談でございますが、さらに説明はしていきたいと思っております。
○石田(祝)委員 今、局長の方から明快な御答弁をちょうだいいたしましたので、今後そういう問い合わせがあったら、そういう心配はないというふうにお答えをしておきたいと思います。 これでも心配なという観点からお聞きをいたしますけれども、今までも何人かの方がお聞きになったかもしれませんが、療養型病床群に入って、そしてその中で容体が急変した場合に、要するに十分な治療が受けられるのかどうか、そういうふうに御心配の方がいらっしゃると思うんです。健政局長は先日の四月十七日の答弁で、病院単位で療養型病床群に行くことは禁ずるということにはなっていない、こういうふうなお答えでございました。そうすると、ある病院が全部療養型病床群になる、いわゆる療養型病床群病院みたいな形になった場合、そこの中で容体が変わった方、急に悪くなった方というのはどういう形で対応してくれるんだろうか。そういう心配は全然ないんだろうか、そういう御心配をすると思うんですね。これについては心配ないんだ、こういうことでちゃんとできるんだということがございましたら、お答えいただきたいと思います。
○古市政府委員 今のような状態は、先ほどの透析、難病と違いましてあり得ることだと思います。医師の方が容体が安定したと思ってそちらに入れても、患者のことでございますから、急変するというのがあるわけでございます。そのときには、全病床が療養型病床群になっていた場合には、近くの医療機関と連係がとれるようにという形でやっておいていただくということになろうかと思います。 そのことは、現在いわゆる中小病院あるいは有床診療所に入っている人の病態が急変した場合も、救急車あるいは先生の車で必要な医療機関に送るという連係システムをとっている。地域医療の中で病院というものがそういう役割を果たしていただくということかと思います。どうしてもそれが不安な場合には、一般病棟と療養型病床群と混在というところにとめて、その医療機関を運営していただくことが妥当だろう、そのように医療機関の方でも判断されるものと思っております。
○石田(祝)委員 そうしますと、病院を全部療養型にする場合には、いわゆる近いところで連係病院を明確にしておく、私はそういうことが必要だなと局長の答弁から感じました。また、周りに対して距離がある、そういうところは丸ごと療養型病床群ということはある意味では認められないというふうに理解してもよろしいんでしょうか。
○古市政府委員 これはあくまでも医療機関からの申請がもとでございますが、都道府県に申請されまして、都道府県知事の方がそれが適切かどうか、基準に合っているかどうか、それが患者に対して適切な医療かとチェックをした上で許可をするということになっておりますから、行政の方でもそういう観点から見る機会はあるということで、私は大丈夫だと思います。
○石田(祝)委員 これも四月十七日の局長の答弁なんですが、四十三万人いると言われている長期入院患者のかなりの数が療養型病床群に移るのではないか、こういうふうな御見解を述べられておりましたけれども、例えば将来的にそういう形になった場合にも、十二分にもう心配のない体制というのはとっていけるんでしょうか。
○古市政府委員 現在日本で百六十万床の病床がございまして、その中で入院患者さんの大体四割近くが三カ月以上の入院になっている。これは高齢者が非常に多くて、その主な原因は脳血管疾患ということでございます。 私、ちょっと今記憶が定かでございませんが、それのかなりの部分が移行すると言ったのか、そのかなりの部分がそういう対象になり得る収容状況であると言ったのかあれですが、これは医療法の改正が通りまして一挙に動くわけではございませんで、地域の状況からぼつぼつ動いていく。また、これはある意味では六人病床を四人病床として利用するということで、場合によっては増築あるいは少なくとも部分的な改築ということを伴うことでありますし、それからまた、改築しない場合には何名かの方はほかの医療機関に移っていただく、あるいは退院して病床が減ってくるのを待ってその施設に移行する、こういうことでございますから、それは一挙に動くわけじゃございませんが、将来の方向としては、そういう療養型病床群が日本の中できちっと国民医療のために適切な機関として利用されるようになると私は思っております。
○石田(祝)委員 もう時間ですので終わりますが、通告をしておった質問でできない部分が大分ございまして、これは担当の方に申しわけないと思っております。 終わります。
○牧野委員長 児玉健次君。
○児玉委員 今の御質問に続いてという感じになりますが、この療養型病床群について前々回も議。論をしたわけですが、皆さんの改正案で「この法律において、「療養型病床群」とは、病院の病床のうち一部のものであって、主として長期にわたり療養を必要とする患者を収容するためのものをいう。」こうなっております。皆さん方が今回の医療法の改正の準備をなさる過程では、療養型病床群という言葉でなく、長期療養云々というふうに言われていた時期もありましたし、そして最近は療養型病床群、法律の中にはそのように書いてある。そして前々回、前回の私との論議の中でも、厚生省は、どちらかというと、病状安定期というところに着目してというふうに述べられることが非常に多くなっている、このように思います。 そこで、私はこの際はっきりさせたいと思うのですが、どのような病院であれ、患者の入院、そして転院、退院等、こういったものについては医師の判断を基礎にして、患者の希望、家族の希望を可能な限り尊重して進めていく、これが当然あるべき姿だ、そう思います。その点で今後の厚生省の医療行政においてもそのことが貫かれるべきだ、こう思うのですが、いかがですか。
○古市政府委員 その点は従来から医師の責任で、医療の最終責任は医師あるいは歯科医師にかかるわけでございまして、法律上もそのようになっております。その医師の裁量権ということで、一応説明と同意という精神も必要でございますが、最終的には医師の判断、それは今回の法律改正によって何ら変わるところはないと思っております。
○児玉委員 何ら変わるところはないということははっきり確認をしておきたい。そうであればなおさら、前回私は筋萎縮性側索硬化症の問題を取り上げて、今言ったような方向を貫こうとするとき診療報酬がそれを経済的に困難にしている、この点での適切な是正が必要だということを強調しましたが、その点を改めて私は強調しておいて、次の問題にいきたいと思います。 次の問題は、同じく療養型病床群に関連してです。これも四月十七日の質問で伺ったことですが、現在の医療法における看護婦の配置基準、これは敗戦直後の大変な混乱期の実態をそのまま法律にしたという特徴がある。そのことが日本の医療をある意味では貧しいものにしているというふうに言わざるを得ません。厚生省はそのときの私の質問に対して、この会議録によればこうお答えになっている。「だんだん増員されてきた暁には、おのずから医療法の基準というものも改正できるような背景ができてくると私は思っておるわけでございます。」こうお答えになった。 この点で私は二つのことを言いたい。一つは、将来の問題でなく、今日の問題としてそのことを真剣に厚生省は検討すべきだということです。もう一つの問題は、そのような御答弁にもかかわらず、この療養型病床群にあっては基準看護、看護婦の配置基準の基礎である患者四人に一人の看護婦、これを六人に一人、こういうふうに減らしていく、医師も百床当たり六人から三人に半減させる、これでは日本の医療が全体としてレベルダウンしていくことになる。ふえていけば配置基準も考えると皆さんはおっしゃるけれども、実際はますます医療供給の体制が希薄になる方向に今度の医療法改正で進みつつあるのじゃないか、このように私は理解せざるを得ないのですが、その点どうでしょう。
○古市政府委員 看護婦数について申しますと、既に今国会に提出して審議をされました看護婦人材確保法に基づきまして、私どもは絶対数の増員、平成十二年に向けて約三十万人の増員という努力を続けていくと表明しているわけでございます。 一方、それと医療法におきます療養型病床群の配置が下がっているじゃないかという御指摘かと思いますが、そちらの方につきましては、私どもは病状安定の療養型病床群におきましては、いわゆる看護婦だけの数を規定して四対一のままにしていくよりは、そこのところは看護と介護という両方で支える方がより手厚くできるという観点から、看護婦さんの方は六対一となりますが、現在医療法で何ら規定がない看護補助員という方をさらに六対一をつけるということにいたしまして、全体としては三対一ということで看護・介護を支えた方がいい、こういう観点でございます。 それと全体の日本の医療水準の看護の手が薄くなるということ、これは別問題だと思っております。と申しますのは、現在でも一律に医療法では入院患者四対一となっておりますが、実態は医療機関で必要に応じて傾斜配置をしているわけでございます。一番必要なところには厚く、ある程度安定している病棟では薄くとなっているわけでございます。それが今余り極端にはできないということでございますが、医療法が改正されまして療養型病床群というところができたら、そちらの方。で余ると言ってはなんでございますが、看護補助者で全体をカバーして、少しほかに回れるという看護婦さんも出てくるわけでございます。そういうことから申しますと、全体の医療施設の中で看護婦さんの適正な配置ということの一助にはなる、このように思っております。
○児玉委員 六対一の看護婦、そして准看護婦の方、そして六対一の資格をお持ちでない職員の方、その点は我々もよく承知しておりまして、それがどういう観点から今回皆さんが着目されているかということも何回も伺いました。 そのことで申したいのですが、一つは、看護と介護を皆さん方が考えているように行政的に線を引いて、そして物事を進めていくというやり方では物事がうまくいかない。特に医療の現場ではそうだという点で、先日私は現場の医師の言葉として、ALSの患者さんに対する食事の介助で、飲み下すということについての医学的な理解と、そしてこの病気の理解を十分持ってない人が介護に当たったら、誤飲性の肺炎を起こすというふうな声として指摘したことがありました。その点は依然としてますます強い疑問として私は持っている。 ここで伺いたいのですが、皆さん方は療養型病床群について、定額制老人病院の(Ⅰ)、(Ⅱ)、(Ⅲ)というタイプがあるとすれば三つ目のタイプを想定されているようですが、百床当たり医師六名、そして看護婦十七名、これをどういう根拠でお出しになったのかという点を私はこの際聞いておきたいのです。 東京の保険医協会が、この医療法が国会に提出されてかなりの期間が経過しているということもありまして、ヨーロッパに長期療養病棟を視察にいらっしゃいまして、そのレポートをつくられている。この人たちが行ったのはデンマークとスウェーデンだったようですが、例えばコペンハーゲン市の市立総合病院、そこで二病棟六十床の長期療養病棟がまさに長期療養病棟です。それを百床当たりに置きかえますと、医師は十町人です。看護婦は三十七名、准看護婦四十三名、OT、PTが十七名です。そしてトラネハーベンにある、これは高齢者のための長期療養病棟のようですが、その場合は医師が六名。看護婦が二十四名と准看護婦が四十二名、合わせて六十六名ですね。そこにいらっしゃる患者さんが高齢者ということもあるのか、OT、PTは計二十四人です。これだけの行と届いた職員配置をしていて、そのことがこういった病棟に入っても寝たきりをつくらせない。そして、慢性期病棟で四十五日程度での退院を可能にしているというふうに、東京の保険医協会のヨーロッパにいらっしゃった方はまとめていらっしゃるのです。 そういったことから比較すると、確かに国によって医療制度というのはそれぞれ特徴がありますけれども、日本における百床当たりの医師六名、資格を持つ看護婦、准看護婦が十七名、これは余りにも希薄に過ぎるのじゃないか、こういうふうに考えますが、どうですか。
○古市政府委員 我が国の場合には、国民当たりの病床数というのが先生御承知のように先進国ではトップレベルに多いということで、病床で医療従事者を割ると、諸外国と比較した場合にはほとんど半分近くに下がってくるということがございます。そういうことで、スウェーデン、それからデンマーク、これは正確な数字が今私の手元にありませんけれども、そういうことがちょっと日本の状況としてはあろうかと思います。 そういうことで、現在、看護婦さん、それからまたOT、PTの絶対数というのが足りないということは私どもも重々承知しておりまして、その養成、また定員の増加というものも今急いでやっているかけでございますが、現在の時点で、それが出てきて働けるまでの間、今の形でいいのかということもございます。そういうことで今回の医療法の改正を提案させていただき、それに従事する職員、マンパワーにつきましては、それはそれでまた増員を図って、その基準もいずれ早い時期に見直せるような状況まで達したい、こういう気持ちで我々はやっているわけでございます。
○児玉委員 人口当たりのベッド数だとか看護資格について国際的な統計上若干の基準の違いがある、そういうことは今までも議論したことはあります。 局長、私が言っているのはそういった問題じゃないのですよ。コペンハーゲンにある市立病院の長期療養病棟、少なくともその場所に着目すれば、もしかしたら病状安定期云々ということも議論されているかもしれません。その病棟に着目すれば、一医療職員の数は先ほど御紹介したとおりです。一昨年、参議院の沓脱さんと私はコペンハーゲンの県立病院にお邪魔した機会がありました。そのときもかなりの期間療養される方々の病棟というのを拝見したけれども、約七十人の患者さんに対して百名以上の看護職に当たる方がいました。 そういった医療供給の余りにも大きな隔たり、それを今度の医療法の改正の中で療養型病床群に持ち込む。これは日本の医療の将来に対して非常に大きな、好ましくない影響を与えるというふうに私は考えるのですよ。その点について厚生省はどうお考えなのかということが先ほどの私の質問です。お答えいただきたいと思います。
○古市政府委員 先生のお話、非常にわかりやすいと申しますか、同じような対象の施設に対して、いわゆるキュア、ケアというのがそれだけ手厚いということを比べて、国民全体のベッド数とは別だとおっしゃる。そのとおりだと思います。しかし、やはり私は、北欧諸国だと思いますが、医療に対する伝統と申しましょうか、それからまた国民の福祉医療に対する負担と申しましょうか、そういう背景も非常に異なっているという中でそういう制度が維持されている、このように思います。日本の場合には、御承知のようにいろいろな努力で現在のレベルというところで、まだ立ちおくれているというのは私どもも思っておりますが、これから改善に向かっていろいろ努力したい。 ちなみに、現在の老人病院の基準というのも、その線で一応やっているという事実がございます。それに対して今回の療養型病床群というのは、それよりはいわゆる看護補助者の人を厚くしているということがございます。それがまた収容される人たちも、全般的に申しますと高齢者、寝たきりということよりも、年齢を問わずいろいろな方が入ってこられるということでございますから、そういうことで自力で食事ができるということも想定して、食堂も付設しなさいというようなことになっております。それからまた機能訓練室も付設しなさいということなので、日本の実態から申したら、こういう制度というのは今の時期に意義があることだと思っております。その内容の改善についてはさらに努力をしていかなかったらいけない、それは重々認識をしているわけでございます。
○児玉委員 老人病院との関連について、私は次回の質問で議論をしたいと思っておりますので、言いたいのは、老人病院が今お話しのように一般病院に比べて低いところに置かれている。そこのところをどう持ち上げるかというの。でなくて、療養型病床群と称する新しい皆さんの提起が低い方に合わされようとしている。そのところに今度の改正案の大きな問題点があるということは、強く指摘しておきたいと思います。 次は、特定機能病院についてです。いろいろ皆さんから資料もいただきはしたのですが、これも四月十七日に若干議論したことですが、特定承認保険医療機関、ことしの四月の段階で六十のうち私立の大学が三十を占めている。その三十の私立の大学の中で、一人、二人部屋の差額ベッド制度を導入している比率は何%でしょうか。
○黒木政府委員 申しわけありませんが、手元に資料がございません。私立大学系統は差額徴収率は高いと承知いたしておりますけれども、具体的な数字は持ち合わせておりません。後ほどお答えいたします。
○児玉委員 私立大学でお答えいただきたいと思って聞いたのですが、学校法人に置き直せば、一人、二人の部屋で差額ベッドが八六・五%、そして三人部屋以上を含めて三二・三%が差額ベッドを導入している。今回の診療報酬の改定で差額ベッドに代表される特定療養費の部分がかなり広がっていくだろう、こう予想します。 特定承認保険医療機関、これは特定機能病院とは異なる制度だという点は皆さん強調なさる点ですが、しかし、この後もし特定機能病院が実際に走り出していけば、両者はかなり重なり合っていくだろうと思うのですね。そうなっていった場合に、国民の中のとりわけ低所得層にとって、この差額ベッドに代表されるような特定医療費と、そういったものが割合集中している大学病院ないしはそれに類するもの、それから紹介制度について、まだ国民の間に定着していないというのはこの間厚生省と珍しく意見が一致したところですが、その紹介制、それでなくても大学病院から平素隔たっている人たちにとって、この仕組みの導入によってますます高度先進医療の恩恵に浴することが困難になりはしないか、そのように強く危惧いたします。厚生省、どうお考えでしょう。
○黒木政府委員 特定承認保険医療機関と今後創設されます特定機能病院というのは、趣旨、目的が違うわけでございます。これは御理解いただいておると思います。したがって、私どもは、お尋ねのように、それがオーバーラップすることが仮にあるとしても、それが患者のアクセスを損なうようなことにはならないと思っているわけでございます。と申しますのも、原則的には制度が違いますし、特定承認保険医療機関は単科の病院とか専門病院も対象になっておりまして、すそ野は別の意味で広いわけでございます。 アクセスの面で申し上げますと自己負担ということになるわけでございますけれども、確かに現状は、差額ベッド等の状況を見ますと高い割合が出ております。しかし、年々改善をいたしておるところでございます。今回、厚生大臣の承認で、個室あるいは二人部屋に限って、そういう状況があるならば五〇%まで緩和するということを認めましたが、しかし、それは裏腹に、御指摘になりました三二・三%は私どものルール外、認めてない差額徴収を行っている三人部屋以上の状況でございまして、そういう三人部屋以上で徴収しているところについては、五〇%の適用はないという形でけじめをつけたいと思っているわけでございます。したがいまして、差額ベッドの点については、私どもはルールどおりの指導をこれから強めていきたいと思っておるわけであります。 なお、診療報酬面につきましては、特定機能病院であるからということで違った診療報酬体系ということは考えておりませんで、今回の人員配置等の基準に見合った手直しは必要だと考えておりますけれども、アクセスを阻害するほど一部負担が高くなるとは考えてないということでございます。したがいまして、特定機能病院と私どもの特定承認保険医療機関がかなりダブってまいりましても、患者のアクセスに支障を来すことはあり得ないと思っておるわけでございます。
○児玉委員 これはきょうの最後の質問にしますが、一つは、差額ベッドや特別材料食、そして予約診療制など、そういったものが四月一日の診療報酬の改定で明らかに拡大されている。これは事実ですから、恐らく争いがないだろうと思うのです。そういったものについては、どちらかといえばこれまでの特定承認保険医療機関、今後予定される特定機能病院、そういうところに比較的集中していくだろう。そして、そのダブりですが、皆さん方から出されている六十の医療機関を見ますと、その中のかなりの部分が間違いなく特定機能病院になっていくでしょうね。 そういう中で、一方で働いている国民は、午前中でしたか、ちょっとした風邪で大学病院で三時間待って三分診療、こういうケースというのは極めて希有であって、紹介制というものから一番縁がないのが働いている国民ですが、そういう人たちにとって紹介制という障害と、そしてこの特定療養費という障害、その二つが大きな障害になってますます高度の医療を受ける機会から外されていくことになる、この点は強く述べておきたい、そう思います。終わります。
○牧野委員長 柳田稔君。
○柳田委員 けさの理事会におきまして、この審議しております医療法の改正に対する我が党の見解をお出ししました。いろいろな項目にわたって要望を書いておるわけでありますけれども、きょうはこの要望に沿って質問をさせていただきたいと思います。 今回の改正、私が生まれる前にできたのがやっと大幅な改正ということでありまして、いろいろな事情があるのかなと思いつつ、もう少し早目にできたのではないかなという気もするわけであります。また、医療法を国会に提出されたのが初めて当選をしてすぐの特別国会、そしてやっと二年目にしてここまでたどり着いた。いろいろ御苦労もお察ししたいと思っております。 医療というのは、国民にとってはいつでもどこでもだれでも、最良の保健医療サービスを最小限の費用で受けられる、こういう体制をつくっていくということになるのではないかなと思っております。私も一国民として常々思うことは、三時間ほど待たされて三分の診療、どうにかしてほしい、これは私個人だけではなくて、多くの国民が思っていることではないかな。これが医療法の改正で前に進むのであれば大いに歓迎をしたいし、さらにもっともっと待ち時間を少なくすると同時に、もっと適切な、また患者が納得のいくような診察に持っていければいいなという気がいたしております。 そこで、いろいろと細かい点について質問する時間は私にはありませんので、できるだけ項目別にお答えを願いたいと思います。ただ、今まで各党が質問されておる点と重複をするかもわかりませんけれども、お許しを願いまして、親切に御回答願えればと思います。 まず、薬剤師、看護婦の地位の明確化についてお尋ねをしたいと思います。 現在、特に看護の分野についてマンパワーが不足しておる。この国会に法案が提出をされておるわけでありますけれども、このマンパワー不足をどうにかしていかなければならない。その一つのテーマとして、看護という仕事は魅力ある職業だということにしていくということも一つのテーマになるのではないかというふうに思います。これで看護婦さんの仕事というものが法的にも認められて地位の確立がされれば、なかなかいい仕事ではないかなということで、すぐれた人材も集まるのではないかなということから、看護婦さんや薬剤師の地位の明確化を我々はお願いをしたいというふうに思うのですけれども、今回の法案の中を見ておりますと、この辺が若干欠けておるのではないかなという気がするわけでおります。 そういうことから、医療の担い手としての薬剤師、看護婦の重要性を考えていただきまして、医師や歯科医師とともにこれらの職種を法律に明記するということが我々は必要ではないかと思うのですけれども、厚生省の御見解をお願いしたいと思います。
○山口(剛)政府委員 先生御指摘いただきましたように、良質な医療を提供していくためには、医師、歯科医師とともに薬剤師、看護婦さんの果たすべき役割は極めて重要だというふうに私どもも認識をしておりまして、これらの医療の関係者が協力をして医療提供をしていくということが極めて重要なことだと考えております。 しかし、今の医療法の法律上の規定につきましては、今の医療法が目的でも言っておりますように、病院、診療所の管理等において必要な事項あるいは施設についての必要な事項を定めるということを主にいたしております関係上、病院、診療所がそもそもお医者さんと歯科医師の方の医業を行う場所であるということで、医療法の中では大変たくさんそれに関連する規定をしているということもございまして、法律上の表現としては、医師、歯科医師を医療を担う者の代表としてたまたま例示をしているということでございます。 そんなこともございまして、今回の改正法案におきましても、医療の担い手としてもちろん薬剤師さん、看護婦さんはその中に入るわけでございますけれども、例示として「医師、歯科医師その他の医療の担い手」という規定をいたしておるわけでございますが、私どもの認識といたしましても、薬剤師さん、看護婦さんが医師、歯科医師に劣らず重要な医療の担い手であるということは、十分理解をしているつもりでございます。
○柳田委員 十分理解をしているという御答弁でありましたので、そのことを法案に明記をするということくらいまでは踏み込んでやっていただければと思います。 次に、特に看護婦さんに限って御質問をさせていただきたいと思うのですけれども、今の御答弁にもありましたように、良質の医療を提供するということから考えますと、看護婦さんというのは非常に重要な立場を担っておるということであります。ただ、残念ながら今の状況からしますと、看護婦さん、看護という職業が、どちらかというと暗いイメージを持っているのではないかな。大変厳しいこともあるし、きついこともあるということから、暗いイメージがあるのかなという気がするわけでありますが、これを逆に、自信と誇りを持って看護ができるようにどうにかしていく手だてが必要ではないかな。それと同時に、いろいろな施策をしながら看護婦さんの地位の向上を今後もさらに図っていかなきゃならない。そうすることによって看護婦さんの人材確保ができてくるのではないかと思うのですけれども、今後に向けての看護婦さんの地位の向上に対する努力、大臣の御見解、御決意を賜りたいと思います。
○山下国務大臣 看護婦という仕事は、その専門的知識あるいは技能と同時に、また気持ちの上でも非常に温かい心を持って患者に接するという大変大切な仕事であるということは、私も理解をいたしております。 そこで、二十一世紀の高齢化社会に向かってさらに重要度を増す看護婦の仕事に対して、まず国民がそれだけ理解をしなければならぬという意味におきまして、看護婦に対する国民の理解と啓発という意味におきまして看護の日というものを定めて、広く国民にこれを理解していただくというふうにしたわけでございます。 さらにまた、今国会に看護婦等の人材確保の促進に関する法律案というものを提案いたしまして、皆様に御審議いただいているわけでございますが、この社会的地位の向上に資する所要の規定として、看護婦の業務に対する社会的評価の向上を図る、こういう面から国の努力義務を規定しておるわけでございまして、今後とも看護婦の社会的地位の向上に資するよう努力してまいらなきゃならぬと思っておる次第でございます。
○柳田委員 向上に努力をされるということでありますので、ぜひとも具体的な施策をもって進めていただきたいと思います。 次に、インフォームド・コンセントについてお尋ねをしたいと思います。 今までの医療というのは、どちらかというと医者から患者に与えられる医療という気を私は持っておるわけでありますが、今後の医療を考えていきますと、患者も医療に参加をする、参加をする医療というふうに持っていく必要があるのではないかな。そういうことを考えていきますと、インフォームド・コンセントの推進が必要になっていくのではないかと思うわけであります。具体的に言いますと、今までは疾病を治すということでありますけれども、今後は予防医療ということも重要になってくるのではないかな。そうしますと、医者だけがサービス、医療を提供するということでは難しいんではないか。逆に患者も、患者と医者が連係をとっていってみずからの健康管理もするし、予防医療にも努めるということがだんだんこれからの大きな課題になってくるのではないか。 その方向に対して厚生省の方もいろいろと努力をされているというのはわかるわけでありますけれども、これを進めていく上においては、やはりインフォームド・コンセントが大分大きなウエートを占めてくるというふうな気がするわけであります。現段階のインフォームド・コンセント、これからの医療を考えたときのインフォームド・コンセント、いろいろと大きな意味が出てくるかと思うわけでありますが、このインフォームド・コンセントに対して厚生省はどのような御見解を持っておられるのか、お聞かせ願いたいと思います。
○山口(剛)政府委員 先生今御紹介がございましたインフォームド・コンセントの考え方は、私どもといたしましても今後の医療一の提供の理念としては極めて重要なことだと考えております。 、それから、先ほども御紹介がございましたように、我が国の医師会を初め医療関係者も、この考え方を我が国の医療の現場で定着をさせていくということが極めて重要だという認識のもとに今後の展開を考えているということで、私どもも命回の医療法の改正におきましては、インフォームド・コンセントということを直接は規定をしておりませんけれども、医療というのは医師と患者の信頼関係に基づいて行われなければならないのであるということを理念として初めて規定をいたしまして、その背景としては、このインフォームド・コンセントを推進していって信頼関係を維持していく、そのための非常に有力なこれを支えていく考え方、原則であるというふうに理解をして、ああいう表現を医療の理念のところでとらせていただいておるということでございます。
○柳田委員 我々も病院にかかるわけでありますが、仲間の皆さんに聞いてみても、医者からいろいろと説明を受けたとか、薬をもらってもその中身の説明があったとかいうことはほとんど今まで経験をしたことがないというのが実情ではなかろうかな。さきの公聴会でも、お医者さんの方はいろいろとやっております、そして、やればやるほどまたいい面も出てきておるというお話があったわけでありますが、いかんせん周りの皆さんに聞いてみると、全然進んでないというのが現実ではないかという気がするわけであります。 これも進めていかなければならないということを考えますと、法案の中に明記するということは、今の状況から考えると大変厳しいですという御意見もあるわけでありますが、ぜひともこれも進めていっていただきたいと思うのですけれども、もう一歩踏み込んだ御回答は得られないものでございましょうか。
○山下国務大臣 インフォームド・コンセントにつきましては、諸外国の例からいたしましても、やはり日本においても法的に義務づける時期というものは、私はだんだん熟して近づいてきているという感じはいたします。したがいまして、もうしばらく模様を見ながら、その時期を、近いうちにその時期が来ることを私は見てまいりたい。つまり、近いうちにそういう措置をとるべき時期が来るであろうということは、私も思っておるわけでございます。
○柳田委員 けさ要望を出しましたので、その御回答が近いうちに得られるかと思うのですが、近いうちというのは、その回答の中にでも示していただければ大変ありがたいと思います。 それから、先進国の多くの中には、患者の権利ということで法律の中に決めておるところもあります。例えば、病状や治療法について納得のいくまで説明を受ける権利とか、受診のカルテを見たりコピーしたりする権利とか、治療法を選ぶ権利とかを保障しておる国もあるというふうに聞いております。このことをすぐ我が国に取り入れてくださいと言うにはまだまだ十分な合意ができてないという認識もあるわけでありますが、こういうふうな患者の権利を認めるという方向を少なくとも進めていただきたいし、目指していただきたいという気がするわけであります。 このことを考えても、やはり一番大事なのは医師と患者、医療のサービスを受ける人、またする人のこの信頼関係が確立しなければ、これが大前提になるのではないかというふうな気がするわけでありますが、今後この患者の権利についてどのように措置をしていこうとお考えなのか、教えていただきたいと思います。
○山口(剛)政府委員 先生おっしゃるように、医師と患者の信頼関係を築いていくということが最も大事なことだと考えております。そのためには、我が国の医療のシステムとして、きちっと患者さんの全人的な診断ができるような立派なお医者さんを育てる、十分専門性を持ち、また人間性の豊かなお医者さんを育てていくというのがまず第一の原則だと思いますし、また、患者の側でも医療についての正しい知識を得ていくということについても、行政として努力をしていかなければならないと思います。 そういうことで、その一つの方法として、インフォームド・コンセントというルールを我が国にふさわしいような方法で定着をさせていったらどうかという御提案が一つあるのだと思いますが、それにつきましては、先ほど申し上げましたように、私どもも今法律に書くということは時期尚早だと思いますけれども、それを定着をしていくための努力はしていかなければならないと思っております。 ただ、それに加えて、今御紹介のございましたような患者の権利として、法律に現時点でぎりぎりと、これは患者の権利だということで規定をしていくことが本当に我が国の医療をよくしていくということにつながるのか、あるいは今の医療の現状との関係でいい手段なのかどうかということについては、私ども現時点ではかなり慎重に検討しなければならない問題だと思っております。
○柳田委員 審議官が御答弁されたとおり、現時点では厳しいかもわかりません。ただ、将来にわたって、要するに今回の医療法の改正も四十年ぶりぐらいですかの改正であるわけでありまして、また、これも当面の分だけの改正ではなくて、将来も見た改正であるということを考えれば、今必要な信頼関係、さらには環境の整備といいますか、それを進めていけば患者の権利というのもそれなりに考えなければならないし、認めてこなければならないような状況が出てくるというふうに思うのですけれども、たらればの話ではないので、そういう先々の場合は、この辺の患者の権利について環境整備が整って、医師と患者の信頼関係ができたという時点では、この権利はどのようにお考えか。いかがでしょうか。
○山下国務大臣 先ほどから政府委員も申し上げておりますとおり、日本においては患者と医師の信頼関係、すべてお医者さんにお任せするという一つの伝統的な医療のあり方であったのであります。しかし、だんだん医療体系というものが複雑になってまいりました。したがいまして、例えば、あなたの病気はこれこれだから内科でやりましょうか、あるいは外科的にやった方がいいと思いますが、あなたはどちらを選択しますかというような、簡単な例をとりますと、そういうところから徐々にインフォームド・コンセントという方面まで今後はだんだん発展してくるだろうと私は思いますから、今すぐは無理にいたしましても、その方向に向かって進みつつあるということは否めない事実であると思うのであります。
○柳田委員 患者の権利を認める前には患者の義務も必要であろうということはこちらもわかりますので、将来の課題ということでお考えを願えればありがたいなと思います。 次に、紹介という制度も今回できるわけであります。この厚生委員会でも時々議論になっておることでありますけれども、患者個人のデータを小さいカードに集約をする。患者のカルテをカード化すると言った方がいいのかもわかりませんけれども、それをカードに入れて患者が自分で保管をするし、どこかが保管をしているようになるかと思うのですが、これでいろいろと自分の病歴なり、次に行くところに出せばお医者さんがすぐわかるというふうなシステムも考えたらどうかな。ただ、プライバシーの問題という大きな壁があるというのもわかるわけでありますけれども、大分こういう技術が進んできている状況から考えますと、そろそろ調査や検討をし始めてもいいのではないかなと思うのです。いかがでございましょうか。
○古市政府委員 この保健医療情報をカード化して、それを利用するシステムということにつきましては、私どもの方で昭和六十二年度から既に地域で検討をしておるわけでございます。これは保健医療力ードシステムということで、淡路島の五色町というところでやったわけでございますが、平成三年度からは、このようなカードシステムの全国的な普及が可能であるかどうかということで、一ランク規模を上げまして、兵庫県の姫路市でひとつ実証的にやってみようということでやっております。 現在、予算が約五千万円ぐらいでスタートしているわけでございますけれども、問題は、ある一つの地域で、医療機関なり住民が納得してそのカードを持って使うということは可能なのですが、すぐ出てくるためには入れる努力というものが必要でして、診療などを全部入れなければいけない。そこで万一ミスを打ち込んだらどうするのかという問題がございます。それから、いろいろな機械の互換性の問題があります。それが一つの市町村を超えてよその県でどこででも使えるという形になると、これはまた全国レベルというと非常に大きなバリアがございますので、そういうことで現在検討している。さらには、これは磁気のカードがいいのか光カードがいいのかという問題もございまして、それも含めて検討している状況でございます。
○柳田委員 事前通告している分からちょっとずれるかもわかりませんが、私の知っている人で、元来血液が固まりやすい体質というのですか、持っていらっしゃった。医者の方はよく知っていたのですけれども、歯の治療に行ったときに、血が出てとまらないから止血剤を与えられた。患者個人は何も知らなかったので、与えられた薬はしかるべきものだと思って飲んでしまった。ところが、飲んでしまったらどこかの血管が詰まったということもありますので、今のお話はいろいろと壁が高そうでありますが、医師の間だけではなくて、歯科医師の方も含めていただいたトータル的なものを何か考えていっていただきたいなという気持ちも若干持っておりますので、つけ加えさせていただきたいと思います。 次に、第一条の三の適切な医療を供給するというところについて質問させていただきます。 このことは、無医地区め解消、医療機関の地域的偏在の是正等の施策を充実していくという趣旨と私たちは理解をしておるわけでありますが、国としてどのような姿勢で取り組んでいくのか。現在第七次僻地保健医療計画が推進されているわけでありますが、その進捗状況を含めて、お考えを明確にしていただければと思います。
○古市政府委員 僻地医療対策につきましては、何回かの年次計画でやってまいりまして、現在、平成三年度から七年度の間が第七次計画ということで対策を進めているわけでございます。おかげさまで、いわゆる無医地区の数はだんだん減ってまいりました。そこで、第七次の中では、無医地区だけでなくて、無医地区に準ずる医療過疎地域対策も含めて施策を進めていこうということでございます。 端的に申しますと、ちょっと古うございますが、昭和四十一年、このときの無医地区数が約三千弱でございましたが、平成元年でそれが三分の一の一千八十八というところまで対策が進んでいる。そういうことで、このためには、いわゆる大学病院等からの僻地勤務医師の確保事業というものを導入してやるというようなことも含めてやっているわけでございます。その成果が徐々に上がってきているということで、さらに力を入れていきたいと思っております。
○柳田委員 次に、僻地と言われているところのアクセスの面について御質問したいと思うのです。 急患といいますか急を要する患者、こういう人たちをそれなりの設備の整った病院なりに運ばなければならない。よくヘリコプターを使えばということも言われております。さらには、今局長が御答弁のように、大分進んでいるというわけでありますが、巡回診療所等のサポートシステムを含めて僻地に対する体制です。今おっしゃったように、無医地区はなくなってきておるし、僻地もなくなってきつつある。その体制はだんだんできつつあるのですけれども、それをさらに進めて、急患が出た場合、それを必要な病院にいかにして運ぶか、施設のある病院に運ぶか、この辺の体制の整備は今どのようになっておるのか、また、今後どのようにお考えになっているのか、お尋ねしたいと思います。
○古市政府委員 いわゆる僻地医療、殊に離島などの場合におきましては、患者輸送のヘリコプターというのは、利用価値が非常に高くて喜ばれているわけでございます。 そういうことで、ヘリコプターについての補助金というのも私どもは予算を持っているわけでございますが、自治体病院等が整備しようと思った場合に、ヘリコプターの購入費じゃなくて維持費、それ。から航空士というのですか運転する方、それから整備士等のメンテナンスの経費が非常に高いということで、救急用だけではとても購入して維持できない。そういうことで、多目的に市町村がヘリコプターを持っていただいて、それを利用させていただく、こういう方向かと思っております。そこで、防衛庁、消防庁、地方自治体等が持っているヘリコプターを活用させていただくという方向でいっているわけでございます。それからまた、受け入れ側の病院の方のヘリポートの整備が必要になりますから、ヘリポートの整備に対する補助をやりたいということで、現在検討しているわけでございます。 また、ヘリコプターだけでなくて、僻地診療所等に対しまして医療の技術的な支援システムというものも、こういうMEの時代ですからやりたいということで、僻地診療所からファクシミリや静止画像の伝送装置を利用しまして地域中核病院まで情報を送って、そこの専門医師が判断して、僻地医師に適切な助言を行うというような支援システム、こういうものも補助をしているということでございます。 それから、先ほど申しましたような僻地勤務医師確保対策事業として、いわゆるローテーシヨンシステムを組む、また、それらの医師、看護婦の住宅の整備を補助する、こういうようなことを行っているわけでございます。
○柳田委員 四十七都道府県ありますけれども、そのうちヘリコプターが必要なところは限られてくるかと思うのですが、ほぼいいところまで進んだといいますか、必要なだけのものはほぼ現段階は整っていると理解してよろしいのでしょうか。
○古市政府委員 それがヘリコプターというのはなかなかそうはいっておりませんで、先ほど申しましたように、自衛隊、海上保安庁というところが保有台数が多いわけでございますが、私どもがよくお世話になる消防庁は、もうちょっと多いようですが、ちょっと古いデータで六機、それから海上保安庁が四十一機、都道府県が八機、市町村が十五機というようなことでございます。 そこで、先般塩川自治大臣も、地方自治体の立場から僻地医療に何か応援できないかというようなことをおっしゃっていただきましたので、私ども山下大臣にお願いし、私も行きまして、自治体がヘリコプターを持っていただいて、医療に使わせていただくとありがたいと先般お願いしてきた次第でございます。
○柳田委員 ぜひとも頑張っていただきたいと思います。 次に、医療機関の機能の体系化について御質問をさせていただきたいと思います。 今回の改正、厚生省の今後の方針というのは、医療機関の機能の体系化を今後も図っていくというふうなことだと私は思うのですけれども、そういうふうに理解をしてよろしいのでしょうか。
○古市政府委員 御指摘のとおりでございます。
○柳田委員 私も医療機関の機能の体系化は進めていくべきだというふうに思っております。ただ、この問題についてもいろいろと各党御質問があったようでありますけれども、地域の医療の問題、地域特性を考えていかなければこの機能の体系化が難しいのではないかな。先ほど来から質問がありますように、機能を体系化する問題と地域特性、地域の医療のことを考えると、そう一遍に両者うまく進むというのではなくて、ある面では相反するところもあるのではないかなという気がしておるわけであります。総合的にこの辺の地域の特性、実態、さらにそれに対して機能の体系化をどのように進めていくのだろうかという疑問が立つのですけれども、いかがでございましょうか。
○古市政府委員 医療保健機能の体系化と申しますのは、分解いたしますと、それぞれの医療機関が持っている自分の機能を明確にして、その役割をフルに果たしていくということになります。そういたしますと、何らかの専門性というものを打ち出していくことになろうかと思います。一方、そうやりますと総合性というのが失われてくる。いわゆる患者さんが、専門医がたくさんいてもどこに行ったらいいのかということになる。そこに家庭医、かかりつけ医の存在が必要になる。それと同じように、分化、専門化と同時に連係、総合化ということが必要かと思います。 そこで、今回の医療法の改正でお願いしておりますのは、病院の端的な例として特定機能病院と療養型病床群とお願いしておるわけでございますが、これは例えて申しますと、芝居の書き割りでいいますと、舞台の上手に一つ灯籠を置き、下手に松を置いた、それから幕を上げてその間の舞台の書き割りをつくっていくというようなことで、その間にございますいろいろな病院機能という幾つかの専門性を持っていくことになろうかと思います。 具体的に申しますと、現在言われております総合病院というものがこのままでいいのか、それからまた有床診療所のあり方、また病院と病院の連係の問題、病院、診療所との連係の問題というソフトの面がございます。さらには家庭医機能というものがどのようにしたら日本で定着していくか、全体の地域保健医療計画の推進のためにどういうような措置が必要か、さらには医療関係のマンパワーで量をやっておりますけれども、質の向上にどういうような施策が必要か、こういうようなことがもろもろこの後にも残っておりまして、早急に関係者にいろいろな御意見をいただきまして、合意の調ったところから三次、四次という改定の案をまたつくっていきたいと思っておるわけでございます。
○柳田委員 医療の体系化ですけれども、同じ病状でも軽い患者と重い患者がいるわけでありまして、重い患者は適切な最良の医療が受けられるようなところにどうぞ行ってください、軽い患者はそれに適切な最良の医療が受けられるところにどうぞ行ってくださいという紹介制度もあるわけであります。逆に考えると、すべて同じですよというのは、重い人も軽い人もすべて同じですよというよりは、そういうふうに必要に応じて分けていった方がいいであろう。 そういう意味からしても、今回の体系化には私も賛成をしたいと思うのですけれども、一方、こういうふうに重い患者を診るところ、軽い患者を診るところといいますと、おのずと医者の立場の技術、難易度が出てくるわけですし、機器も高額なものが要るようになってくるであろう。現段階では高額な機器の償却もすべて診療報酬で賄っておると聞いておるわけでありますが、今回こういうふうに医療機関の機能の体系化を図っていくという法案の趣旨を考えていきますと、また、今後はそれをどんどん進めていくということを考えていきますと、そのバックアップのためには、この機能の体系化に見合った診療報酬の体系も考えていく必要が出てくるのではないかと思うのですけれども、いかがでございましょうか。
○黒木政府委員 診療報酬についてのお尋ねでございますけれども、今回の改正に伴いまして私どもも診療報酬上所要の手当てが必要だということで、人員配置等の政省令の基準が具体的に固まりますれば、早急に中医協にも御相談の上、それぞれの施設に応じた適切な対応が図られるように配慮していかねばならないと思っておるわけでございます。 ただ、御指摘のように、将来ますます医療機関の機能別体系化が進んでいくであろう。その方向にあるということも健政局長からお答えがありましたけれども、そういうものをにらんで、今後の診療報酬のあり方という点については、私どもも御指摘のとおりだと考えておるわけでありますけれども、先生御案内のように、現在の診療報酬は病院、診療所ごとの診療報酬さえ体系的にはございませんで、中表、乙表といういろいろな機能の病院も診療所も一緒にした体系になっているわけでございます。これをどのように再編成していくか、新しい時代に合った診療報酬に体系的に整備していくかというのは、今まさしく中医協におきまして基本問題小委員会というのがつくられておりまして、今後の診療報酬のあり方ということで御議論が行われている真っ最中でございます。その御議論を踏まえながらこれから私どもも考え、取り組んでまいりたいと思っておるわけでございます。
○柳田委員 患者の立場に立ってみたときも、自分の体がこれは重い、そう思ったときはそれなりに必要な適切な診療を受けたい。ところが、よくしたいところは頭打ちにされ、そういう機器が入れられないという状況がありますと、逆に不公平を生むのではないかなという気がいたしますので、審議会の御答申をまっということでありますが、今後の検討の一つにはなるのではないかなと思いますので、御留意をいただければと思います。 次に、老人保健施設について質問をさせていただきます。いわゆる中間施設であります老人保健施設を、今回医療法の中で医療施設というふうに位置づけられております。このことによって、老人保健施設の本来の趣旨であります医療ケアと日常生活サービスを提供するという目的から、場合によっては逸脱をする可能性もあるのではないかな。必要以上の医療をするということも少し心配になるわけでありますが、こういうふうなむだな医療が行われるということになれば、これもちょっと困った問題だなという気がするのです。そういうことはありませんということであれば結構なんですが、何か御配慮されていることがあれば教えていただければと思います。
○岡光政府委員 そのような御心配がないように運用を図ってまいりたいと思っております。お話がありましたように、医療ケアと日常生活のサービスをあわせて提供するというこの老人保健施設の性格には変わりがないわけでございます。ただし、今回の医療法の改正におきまして、医療関係の施設を整備をするという意味で、医療提供という側面に着目をして位置づけたというわけでございまして、本来の性格には変わりないというふうに理解しております。
○柳田委員 次に、老人保健施設と特別養護老人ホーム等の費用負担についてお尋ねをしたいと思うのですけれども、費用負担、サービスのレベル、これを考えていきますと、老人保健施設、特別養護老人ホーム等、余り整合性がとれてない面があるのではないかという気がするわけであります。その辺の整合性を今後とっていかなければならないというふうに私どもは思っているのですが、いかがでございましょうか。
○岡光政府委員 老人病院それから老人保健施設、特別養護老人ホーム、そこの施設で行われておる特に日常生活に着目をしたいわゆる介護サービスというのは、サービスのレベルあるいはサービスのそれぞれの機能に応じた向上ということを考えた場合には、それぞれの機能を考えながら、かつそれぞれの施設が連係を図るという観点から、サービスの質の確保なり向上に努めなければいけないと私は思います。 一方で費用負担につきましては、御指摘のとおり、病院の場合には一部負担でございますし、それから老人保健施設の場合には利席料という形でございますし、特養の場合には負担能力に応じた費用徴収という形でございますが、御指摘がありましたように、介護という観点に着目した場合には、費用負担面で大きな格差が生じるというのはおかしいのじゃないだろうか、そんなふうに考えております。先ほど申し上げましたように、それぞれの施設の機能、そこでの機能に応じたサービス、それから費用負担、その関係には整合性を保つ必要がある、こんなふうなことを考えておりまして、整合性を保つ方向でこれからもいろいろと調整していきたいと考えております。
○柳田委員 先ほどの質問とダブるわけでありますけれども、透析の問題であります。 お答えはお聞きしたわけでありますけれども、我が党も党として一応御回答賜りたいと思いますので、先ほどの質問と同様な趣旨になるわけであります。そういうことはありません、適切なそれに必要な医療のサービスは従来と同じょうに受けられますし、さらには、必要となればそれ以上高度な医療も受けられるようになるのではないかな。心配の向きじゃなくて、さらによくな肩ような気も若干するわけでありますけれども、再度透析患者の皆さんの不安に対してお答えを願えればと思います。
○古市政府委員 今回、透析治療の患者さんが医療法の改正について不安を感じておられるということでございますが、一つは、通院患者さんに当てはまることとして、特定機能病院というものが紹介制になるという関連で申しますと、そこはすべて紹介制ということではございませんで、従来どおり必要な人は受けられるということでございますから、全く通院の透析の患者さんに迷惑がかかるということはあり得ません。 それからまた一方、入院されている方につきましても、療養型病床群の趣旨から申しましても、病状が安定してそれがふさわしいと主治医が判断し、患者が納得してそちらに彩られるわけでございますから、透析中の患者さんがまだ病状が安定しない危険な状態でそこに収容されるという形はあり得ないということで、御安心をいただきたいと思います。 それからさらにもう一点、これは保険局のことになりますが、いわゆる検査の請求の見直しというものが行われましたけれども、これは通常必要とされる検査につきましては、適切に実施されるという形が保障されているということでございますから、これも問題がない、このように御理解いただきたいと思います。
○柳田委員 ありがとうございました。 次に、療養型病床群を制度化するということでありますが、このことについての質問であります。 この制度化がうまく進めばいいなというふうに思うのでありますが、一歩仕方を間違えますと大変なことになるのではないかな。と申しますのは、例えば病院の施設ですか、ベッド数に応じてこれだけを療養型病床群に当てはめます。しかし一方、見てみると看護婦さんの数がいない、逆にうちはベッド数が少ないのでもうこれ以上受けられません、看護婦さんの体制が整っていた場合でも、逆に少ないからうちとしてはできませんと、この療養型病床群を進めるに当たってもいろいろと問題が出てくるのではないかと思っておるわけであります。 その中で実務的な対一応を考えていきますと、ベッド数が幾らあるからどうのこうのという、升といい。ますか器といいますか、その方からの判断ではなくて、少なくともナースステーション単位、いわゆる看護単位、こういうことを基準にして設定されるのが一番現実的であり、また、患者さんにとっても最良の医療のサービスが受けられるのではないかなというふうに私は思うのですけれども、いかがでございましょうか。
○古市政府委員 ただいま先生の御指摘のようなことが、これを検討したときにもいろいろ意見が出まして、そういう経緯を経て、現段階では、これは政省令のレベルでもひとつ看護単位で考えましょうということになっているわけでございます。 また、経緯といたしまして、療養型病床群というのは新しい言葉で、何だかちょっと想像がつかないということかもしれませんが、昔は病棟と言っておりました。しかし、そのときには、例えば五十床とか六十床あるいは四十床というイメージが浮かんでまいりました。一方、このような療養施設、療養型病床群ということを想定されるのに入られる方というのは、何も五十人へ四十人固まらなくてもいいではないか、例えば十人、二十人という方がおられても、そこで一つの看護単位が形成されるならばいいではないかというような話もありました。そこで、紛らわしくないように療養型病床群という言葉で一応言って、そして実際の適用については看護単位でそれは考える、こういうように考えているわけでございます。
○柳田委員 最後の質問をさせていただきたいと思うのです。 以前、私はサラリーマンをしておりましたので、医療に対する一番の不満は、最初も申し上げましたとおり、三時間も待たされて三分間の診療しかしないのか、これがサラリーマン時代の一番の大きな悩みだったのですけれども、私の例を引きますと、五時間待たされて一分間の診療というのがたびたびあったのです。これは、行った病院がそういうふうに患者さんが多かったからかもわかりませんけれども、この医療法の改正は四十年以上だそうですが、これが改良されるのか。いかがでしょうか。
○古市政府委員 ぜひこれを通していただきまして、急には無理でございますが、日本の医療制度、医療体制が改善に向かう端緒を開くということにしたいという意気込みでやっているわけでございます。 先生が経験されたいわゆる外来診療につきましても、ほかの病院を引き合いに出しますと差しさわりがありますから、みずからの病院を引き合いに出しますと、医療センターというのが新宿区の戸山町にございます。しかし、厳しく申しますと、あれは戸山町立病院じゃないかと言われるくらい地元の人がかなり行かれます。さらに、もう少し広めても、新宿区民病院じゃないかというほど利用がやはり地元に偏ります。それをある目で見ると、地域医療に貢献しているじゃないか、こうなります。多くの大学病院が言っていることもそこでございますが、そのような高度機能を持った病。院はもっと広い意味での地域の中核になるというのが地域医療でございまして、近くの人がそこを便利に利用するということが地域医療だというのは間違いであるというぐあいに私は思っているわけでございます。そういうことから、その事情はございますが、ある一定部分は、非常に高い機能をもっと広い意味で地域の中核になっていただきたい。そのために規定を設けて、また外来についても、納得のいく範囲内で紹介制というものの端緒を開いていただきたい。 そういうことで、今回の特定機能病院というのも、数にいたしましても、それからまた扱う外来患者にいたしましても、日本の外来患者の一〇%に満ちません。そこでやるわけでございますが、これが端緒となりまして、いろいろな性格の病院が自分の機能を伸ばしていくという方向に進むということになればありがたい、こういう趣旨で、ひとつ十分御審議いただいて、これを通していただきたいと思っておる次第でございます。
○柳田委員 この医療法の審議を通じまして私も考えることが多かったわけでありますが、その一つは、医療サービスを提供する側にもいろいろと努力をしてもらわなきゃならないのですが、一方受ける側の国民の方も、相当意識改革をしてもらわなきゃというよりも、する点が多いのではないかなという気がいたすわけであります。そのことについてもまた大きな課題になるかと思いますけれども、厚生省としても御努力を願いまして、ぜひともいい医療サービスが受けられる体制を構築していただきたいと思います。 終わります。ありがとうございました。
○牧野委員長 菅直人君。
○菅委員 この医療法、思い出してみますと、私が国会に入ったときにちょうど富士見産婦人科の事件がありまして、当時の社会労働委員会に私も籍を置きまして、いろいろな医療過誤の問題などに取り組んだことを思い出しております。その後若干の改正はあったわけですが、今回かなり本格的な改正を行うということで法案が出されて、かなり時間がたってまいりました。そのとき、私は思い出すのですが、この富士見産婦人科問題というときに、本来あるべき医療が行われているだろうかということの中で、人工透析の問題も一つの課題に上ったことがありました。いろいろ調べていたら、ある病院で、必ずしも透析を受ける必要のない患者さんまで透析治療を受けさせられていたとか、そんな事件があったことを覚えております。 そんなことを思いながらこの審議の準備をしておりましたら、透析を受けておられる患者さんの団体から、多分いろいろな委員の人にいろいろなものを送ってきていると思うのですが、何かこの法律が通ると自分たちは心配なんだというはがきや手紙をたくさんいただきまして、一体どういう関係になるのかなということで、先日も厚生省のスタッフに来てもらって話を聞いたところであります。余り心配することはないんだということなんですが、念のために、こういう機会ですから、委員会の席でお尋ねしておこうというふうに思うわけであります。 つまり、現在人工透析の患者さんの中で、合併症を併発されていて入院が必要な患者さんもある、かなり長期の入院の方もおられる。そういう場合に、今この法律で問題となっている新しい療養型病床群、そちらにそういう患者さんも振り分けられて、振り分けられていい悪いという議論はあるのでしょうが、振り分けられてしまうのではないか。また、振り分けられることが自分たちにとって医療サービスの低下につながるのでは。ないか、そういう趣旨の心配を何人かの方から指摘享受けているわけですが、そういうおそれがあるのか。ないならないで、そういう皆さんが安心できるように明確にお答えいただきたいと思います。
○古市政府委員 ただいま先生から、富士見。病院の事件が医療に対する見直しの一つのきっかけであったということを想起されたお話がございました。 また、その関連から、人工透析の患者さんに今回の医療法の改正が心配を与えているのじゃないか。確かに私どもも最近お手紙のコピーを幾つかいただきまして、読ましていただいてびっくりしたというのが正直なところでございまして、今回の改正は、これらの患者さんの医療に問題を与えるというのは一切ないと思っております。ただ、かなりの枚数の手紙が来ているようでございますが、その中を拝見いたしますと、そういうことを受けている医療機関、お医者さんから、今度通ったらひどいことになりますよ、こう言われて、その先生の悲しそうな顔を見ると私も不安でたまらない、こういうことになっているわけでございます。そこで、こういうことだと、先生おっしゃったこれからの説明と同意、患者さんに十分正しいことを伝えるといいましても、これでは伝わっていないということで、もし何かありましたら私どもに直接聞いていただきたい、このような気持ちがしているわけです。そういうことで、そういう形はこの制度の改正からは一切ないということでございます。 ただ、もう一つは、診療報酬点数表の支払い方式の変化によって、不安が起こるというようなこともございます。これにつきましては保険局長の方から御説明をさせていただきたいと思います。
○黒木政府委員 この四月の診療報酬改定におきまして、安定した状態にある慢性維持透析患者の方々につきましての診療報酬ということで、特定の検査結果に基づいて計画的な治療管理を行った場合には、月一回二千五百点を算定できるという改定を行ったわけでございます。これがいわば検査料の包括化でございまして、いろいろの検査をまとめてお支払いするという仕組みに変えたわけでございます。もちろん包括化されてない検査につきましては、それぞれ別個に点数がとれる仕掛けにしておるわけでございます。 そこで、今回の改正に伴いまして、必要な検査がされないのではないかという不安が患者の方々にあるのかもわかりません。私どもは、今回の改定に伴いまして、検査の実施に当たりまして必要な検査が行われないということでは困るわけでございますから、関係医学会のガイドラインに留意してやるようにという通知を出しているわけでございまして、そのガイドラインは透析医会がつくっているわけでありますけれども、細かく。こういう検査は二週に一回、こういう検査は四週または月に一回、あるいは三月に一回、年に一回という検査をそれぞれガイドラインとして示しているわけでございほす。今回の費用の支払い方が、それぞれの出来高によるのではなくて、その大部分を包括して払うからといって、お医者さん方が患者に必要な検査までしないという事態はあり得ないのではないか。そのために学会の方もガイドラインを示して、関係の医師を指導しているということでございますし、私どもとしても、必要な検査まで透析患者の方々に手抜きをするということは、お医者さんの良識から見ても、医療の実態から見てもあり得ないことだということで、心配は無用ではなかろうかと思っておるわけでございます。
○菅委員 その答弁を一応そういう患者の皆さんの心配に対する見解ということでお聞きをしておきたいと思います。 この透析の問題というのは、御存じのように患者さんにとっても大変な状況でして、一つには腎移植の問題、これは脳死の問題とも大変かかわりの大きい問題ですが、日本の場合は腎移植、特に死体腎移植というのがなかなか伸びないというふうに言われているわけです。たしか佐倉にそういう腎移植センターがあって、私も何年か前に登録だけしたのですが、果たして何かあったときに移植をされるかどうかは、これはそのときになってみないとちょっとわからないわけです。 この移植ということと、もう一つには、やはり透析を継続しているといろいろな合併症が起きてくる。今申し上げた問題も、合併症の中での入院ということをベースにした話であったわけですが、こういった人工透析ないしそういった問題にかかわる合併症の治療方法といったようなものについて、どういった研究なり対策なりがとられようとしているのか、そういう研究なりが行われているとすればどういうところで行われているのか、そういう状況をお知らせいただきたいと思います。
○寺松政府委員 今、先生がお話しになりましたように、腎不全の患者さんたちが人工透析をやることによりまして非常に喜ばしいことは、延命が進んでおるわけでございますが、それに伴いまして残念なことは、長期的に人工透析をやもことによって、今度はそれに伴う合併症が起こってくるというようなことで、非常に心配なわけでございます。 そこで、私ども、長期にわたります人工透析患者の問題につきましては、厚生科学研究費によりまして腎不全医療研究事業というのを行っておるわけでございます。その中で、特に長期透析療法の合併症に関する研究班というものをつくっておりまして、それによりまして調査研究を行っておるわけでございます。その研究の成果によりますと、合併症にどんなものがあるかということになりますと、大きなものは、一つは貧血でございます。それから二番目に骨組揺症、骨がもろくなるのでございますが、そういうこと、あるいはアミロイドというものが沈着するというふうなことが大きな合併症というふうに言われております。これらにつきましてのいろいろな治療あるいは予防方法等を研究してもらっておるわけでございます。今後とも、私どもこの腎不全の医療研究の成果を生かしまして、人工透析によります合併症の・問題を含めまして腎不全対策の推進に努めてまいりたい。 それから、もう一つお触れになりました腎移植の推進でございますけれども、腎の移植は年間大体七百ぐらい行われているわけでございますが、死体腎によりますものは二百ほどでございます。先生がお話しになりましたような事情もいろいろございまして、なかなか死体腎の方が進んでおりません。しかしながら、私どもとしては一応システムとしましてはつくってございまして、その促進方をドナーカードの普及等いろいろ図っておるわけでございます。今いろいろと議員連盟の先生方の方でも御議論をいただいておるようでございますが、何とか腎移植等もその推進が図れるようにお願いしたいものと考えております。
○菅委員 大臣、これは特に質問通告はしてなかったんですが、腎移植の問題はなかなか日本では広がらないんですね。私も十年ぐらい前に実際に移植を受けた人の例を聞いたんですが、アメリカかどこかから腎臓を空輸してもらって、そして受けているわけです。やはり先ほども申し上げた脳死問題と非常にかかわりが大きい問題で、脳死の問題は政治で判断する問題じゃないことはもう重々わかっておりますけれども、特に人工透析などのように、何といいましょうか、ある程度病状が進むと、決定的な治療法というのは腎移植以外にないというか、人工透析を続けるか腎移植以外にないという言い方が正確かもしれませんが、そういうことを考えたときに、私個人は、やはり脳死という問題も、ある程度の基準を設けて認めるという方向が必要であろうというふうに従来から思っているんです。大臣、個人的な見解でも結構ですが、どんなふうにお考えでしょうか。
○山下国務大臣 脳死の問題につきましては、先般来答申が出まして、政府としてもいろいろとこの問題について考えておるわけでございますが、また議員の間においてもだんだんこの問題についてお話が進んでおります。議員立法でやろうかという動きもだんだん出てきております。 きのうでしたか、私も新聞で見たんでございますけれども、検事の求刑の段階において、この問題は不起訴にしたというような記事も出ておりましたし、こういう一つの例も、だんだんこれを促進する一つの要因になってくるかと思います。つまり、現段階におきましては、検察庁とか警察の動き等がまだ私どもとしては確信がなかったんでございますが、そういう面も出てきておりますし、総じて一日も早くやらなければならぬという機運は出てきております。また、政府がせっかく諮問したのでございますから、その諮問に対する答申は尊重して、早くやるのがまた私どもの立場でもございますので、進めてまいりたいと思っております。
○菅委員 残り若干の時間がありますので、この医療法の本体について一、二点見解を伺っておきたいと思います。 今回、法の目的ということで、少し規定が新たに加わるというようなことになっておりますが、まさにこの医療法というものの性格が必ずしもこれまで、いわゆる施設法的な要素というか、たしか富士見産婦人科のときもいろいろと調べておりましたら、どういう設備があるかないかとかということはチェックはできるけれども、どういう医療内容かについてはこの法律ではなかなかチェックはできないんだ。たしか逆に保険制度の方で不正請求という形で出てくる。つまり、本来の病気に対する治療でない治療を行って請求をするという形で、それをチェックするという中でそちらの方がチェックができて、必ずしも医療法という形ではチェックができるような体系になってないんだとか、そういうことも議論があったわけです。 今回、医療基本法的なものに転換をしようという考えも聞いているわけですけれども、この医療法がカバーすべき範囲、今申し上げた例えば適正な医療とか、あるいは抽象的に言えばもちろん患者のため、国民のためということになるわけでしょうが、そういうものについて今回の改正が何を目的としている、あるいはねらっているのか、改めてお聞きをしておきたいと思います。
○古市政府委員 先生のお尋ねの観点からしますと、今回の医療法の改正がいわゆる目的が変わって、例の富士見病院のようなものまで規制の対象に入るかどうか、そういうことはございません。第一条ではなくて、その後に第二条でございますか、理念規定が入りまして医療提供の理念ということ、それからまた、医療の担い手と医療を受ける側の信頼関係に基づいて医療が行われるということ、そういうものが従来の医療法にない観点から入ったわけでございます。 これまでの医療法は、先生おっしゃったように施設法ということで、一応施設の基準、人員配置基準ということが中心でございましたが、そういうような理念が入った。それからまた、国民に対して医療情報を極力提供していこうという趣旨から、いわゆる院内表示を義務化する、また外に向かっての広告規制を緩和するというようなことが行われております。それから、大きな項目としては、一律に二十床以上を病院として、ただ総合病院しか規定しておりませんでしたけれども、その中で特定機能病院と療養型病床群ということで、日本のこれからの病院の医療機能の分化の両端の端緒を開いた、こういうような趣旨でございます。 そういうことでございますが、冒頭の富士見病院関係のが今回の医療決によって規制できるかというと、それはできない。医療の中に入っての規制というのは、やはり診療報酬のチェック、それからまた保険医療の監視ということになろうかと思います。それは医師の倫理の問題にも係るわけでございまして、そのことについていいますと努力義務でございますが、今 は理念規定で書かれている、こういうことになろうかと思います。出帆
○菅委員 大臣、これはこの同じ委員会でほかの機会にも申し上げたことがあると思うのですが、例えばこの法案に対して若干批判的な人は、医療のもうけ主義というのか、そういう利益追求主義みたいなものを助長するのではないかという指摘もあるようです。私は必ずしもそういう考え方を持っているということではないのですが、今の日本の医療制度というのは、一方においては自由診療、つまりは自由経済。人工透析などもかなりの高額医療ですから、先ほど申し上げたように、悪くすると、それほど症状が重くない人まで透析患者にさせられてしまうなどということも実際にかつて事件があったわけですが、あり得るおそれがあるわけです。しかし、一方においては保険という制度で、いわば社会主義経済みたいな構造になっているわけです。ですから、一方における自由診療制と一方における国民皆保険というもののドッキングのところが、保険制度の点数の問題を中心にいろいろと、点数のあり方によっては本来あるべき医療ではない方向にゆがめられる可能性もあるし、点数のあり方によっては逆に本来あるべき姿に誘導できる。つまり、強制ではなくて経済的誘導ができるということもあると思うのです。 この医療法そのものは、ストレートに点数の問題等にかかわる問題ではないというのは今の説明でもわかるわけですが、ぜひ今の医療制度が持っている、常にいろいろなゆがみがあるわけですが、根本的なゆがみが大きくならないように、常に小さくしていくためには、こういう医療法の考え方で基本的なスタンスをとると同時に、まさに医療というものが、何といいましょうか、はっきりとある程度経済的な行為であるという側面も見ながら、それが結果において本来あるべき国民的な医療の姿になるように、医療の点数のあり方というものを常にあわせて変えていくべきだというふうに思いますが、大臣の見解を最後に伺っておきたいと思います。
○山下国務大臣 先ほどから政府委員もるる御答弁申し上げておりますように、結局、現在の病院の持つ機能というものをより合理的に発揮できるような、そのための患者の仕分けと申しますか、そういうことをやってより効率的にやろうということでございまして、決してそういう診療報酬との関係でとやかく言われるようなことがあるということは考えられないと思いますし、また、今回の改正によってやはり診療報酬も一部は改正しなければならぬと思います。したがって、私は、そういう面において、ゆがめられた診療報酬へと道がつながるということはあり得ないと思っております。
○菅委員 終わります。 牧野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十三分散会