厚生委員会 第5号
- 発言数
- 113 件
- 登壇者
- 11 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/03/11
会議録
○牧野委員長 これより会議を開きます。 内閣提出、健康保険法等の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。沖田正人君。
○沖田委員 一兆四千億に上る健康保険会計の積立金、つまり黒字というものはどういう要因によって発生したと考えられるか、まずこの点を明らかにしていただきたいと思います。
○黒木政府委員 政管健保の黒字要因についてのお尋ねでございます。 私どもは、この黒字要因は、医療費の伸びが安定していたのに対しまして、この期間の好景気等によりまして、保険料収入等の伸びが好調であったことが主な要因であったと考えておる次第でございます。
○沖田委員 健保会計の黒字というものは、保険料率を引き下げるということで被保険者の負担を軽減することも一つの方法だとは思うのですね。しかし、それよりもまず給付の改善を図るための財源として考えられるべきではなかっただろうかと思いますが、所見を伺います。
○黒木政府委員 今回の黒字につきましては、この調整ということで保険料の引き下げと、さらに余裕があるということで国庫補助の引き下げということにいたしたわけでございますけれども、若干私どもとしては分娩費の引き上げ等の給付改善にも使わせていただいたつもりでございます。 しかしながら、いろいろな給付が健康保険法の世界にあるわけでございまして、これは他の制度にも絡むわけでございますけれども、今後の給付をどういうふうに改善なり考えていくかということにつきましては、やはり基本的に今後の医療保険制度の全体の中での給付と負担のあり方を検討の上判断すべきではないかということで、今回は非常に要望の強い分娩費の引き上げに改善は限らせていただいた、今後検討させていただきたいと考えております。
○沖田委員 やはり私は限りなく十割給付に近づける努力をすべきではなかったか、こう思いますが、所見を伺います。
○黒木政府委員 医療保険の世界でございますから、御案内のように保険は給付と負担の見合いの関係で成立しているわけでございます。したがって、給付を上げるということは、その真として負担が大きくなるわけでございます。したがいまして、当面の政管の黒字という短期的な発想ではあるいは可能かもわかりませんけれども、現在の各保険制度の状況及びますますこれから高齢化が進行していきまして働く若い人の負担が重くなるということを考えますと、私どもとしては、やはり給付を考えます場合に、将来の負担というものをしっかり見据えた上で判断なり決断をする必要があるのではないか。そういう意味でも新しく今回お願いしております医療保険審議会で幅広に御検討していただきまして、その上で政策的には結論を出していきたい、かように思っております。
○沖田委員 社会保険審議会から医療保険審議会に今度は審議の場を移して、健康保険、船員保険、国民健康保険の三つの保険制度を対象として審議の対象を広げようとしているわけでありますが、この保険制度相互間の格差を是正して、どうしたらよりよい保険制度となり得るかという大局的な見地から各方面の有識者の意見を求めようとしているのではないだろうか、こう思いますが、その点についてお伺いいたします。
○黒木政府委員 沖田先生の御指摘のとおりでございまして、新たに設置されます医療保険審議会で今後御検討願いたい事柄は、まさしく御指摘のような事項が最大の私どもの方の願いでございまして、これからの医療保険の中で、将来を見据えながら、各制度の格差あるいは不公平があるならば、それをどのようにこなしていくか等々について、大局的にそこで御議論願うことが私どものお願いしたい事項でございます。
○沖田委員 いたずらに例えば健康保険の給付の九割を八割に下げるとか、国民健康保険の七割給付を八割にするからいいじゃないかとか、船員保険の給付がよ過ぎるから少し引き下げたらどうかとか、そういう単純な考え方でこの医療保険審議会の答申を求めようとするのではなくて、きのうも保険局長が説明されたように、給付の内容もずく八割と短絡的な改正ではなく、入院や外来などの給付を含めて、あらゆる角度から慎重に検討が加えられるものと考えますが、所見を伺いたいと思います。
○黒木政府委員 将来の医療保険のあり方についてのお尋ねでございます。 昨日も御答弁いたしましたように、私どもはこれからの医療保険制度の枠組みということを考えます場合に、枠組みについては大体現行の制度という大きな枠組みの中でという、この辺については大方の合意が得られつつあるのではなかろうか。もちろん遠い将来の理想論としてはいろいろございますけれども、枠組みにつきましては現行の制度を枠組みとして、その中でどう負担あるいは給付の公平を図っていくか、こういうのが大体の関係者の皆様の合意の見られ得るところではないかと思っております。 お尋ねの給付につきまして、あるいは給付率につきましては種々さまざまの御議論があるわけでございます。それを念頭に置きながら、給付率についてはまずこの新しくできる審議会で、もちろん給付の裏は負担がございますから、負担との関係において幅広い慎重な御意見を賜りながら、その上で私どもの政策判断に結びつけていきたい、かように思っているわけでございます。
○沖田委員 医療保険審議会で審議される学識経験者の中には、当然健康保険や船員保険、国民健康保険、とりわけ国民健康保険組合の関係者など適切にそのメンバーが選ばれるものと考えてよろしいか、お伺いをいたしたいと思います。
○黒木政府委員 医療保険審議会の委員につきましては、これから学識経験者としての立場から参画いただくことになるわけでございます。審議会の委員の具体的な構成等につきましては、お尋ねの国保関係者も含めまして、関係者の御意見が十分配慮されますよう慎重な配慮をしてまいりたいと考えております。
○沖田委員 健康保険や船員保険、国民健康保険とは別に、他の保険制度、とりわけ公務員共済制度などはこのたびの検討、調整の対象としていないと思いますが、この点どうお考えか、お伺いいたしたいと思います。
○黒木政府委員 医療保険審議会の所掌事項は、御案内のように直接的には健康保険、船員保険及び国民健康保険に限られるものでございまして、共済組合制度を審議の対象とするものではないわけでございます。しかしながら、共済組合制度も被用者保険制度の一つに含まれているものでございますので、医療保険制度全般について検討いたします際には、共済組合制度につきましても私どもは密接な関連が出てくるもの、かように考えております。
○沖田委員 このたび創設される医療保険審議会は、いつまでに審議を済ませて答申を求めるという期間の定めというか、目標といったようなものはあるのですか、ないのですか。
○黒木政府委員 これは新しい審議会が発足するときに、審議会の委員の先生とも相談をしながら判断していくことかもわかりませんけれども、少なくとも現段階での私どもの考えは、しっぽを切るような形というのはむしろ無理であろう、拙速ではなくて、十分に議論を賜った上での御判断というのが必要ではないか。なぜならば、医療保険制度は、関係者あるいは各制度、非常に利害の絡む制度の中での議論に相なりますし、そして私どもが目指しておりますのは、二十一世紀の将来にかかわる重要な事項ということでございますので、むしろしっぽを切らないで、十分慎重に御議論をいただきたいものというふうに現段階では考えております。
○沖田委員 今お言葉にありましたように、拙速をとうとんで不十分な審議を進めることのないように「強くその点は要望いたしたいと思いますが、所見を伺いたいと思います。
○黒木政府委員 非常に大事な、これからの二十一世紀に向かっての医療保険制度全体の再構築というふうに考えておりますので、御指摘のように、十分慎重な御議論をいただけるように配慮をしながら、今後取り組みをいたしてみたいと私どもは思っております。
○沖田委員 景気の動向とか、さらには医療費の傾向などについても十分慎重に見きわめなければならない要素がたくさんあるわけでありますから、特に拙速をとうとんで、強引な運営にならないように、これは行政当局の考え方を整理をしておいていただきたい、このように思うわけであります。 続きまして、このたび補助率が三・四%引き下げられるということは極めて重大なことだと思うわけであります。昨日の池端議員の質問の中にありましたように、この補助率を高めていく努力というものは、先輩諸兄の大変な御苦労があったものだということについては御案内のとおりであるわけであります。したがって、この補助率の引き下げというものが他の保険制度にも影響が出てくるのですか、それともそういう意図をおなかの中には持っているのかどうか、はっきり所見を伺いたいと思います。
○黒木政府委員 昨日もお答え申し上げたわけでございますが、今回の国庫補助率の引き下げにつきましては、政府管掌健康保険の補助率の問題として、政管の中期的財政運営の安定を確保するという、その見通しの中での補助率の引き下げであるわけでございます。したがいまして、政管健保の問題として私どもは考えている措置でございまして、これが引き下がるから直ちに、あるいは関係づけられて、国保とか風保組合といったようなところの国庫補助率の引き下げに直接関係していくというものでは毛頭ございませんし、そんな考えは腹にございません。
○沖田委員 この辺は大事なところでありますから、もう少しお伺いしておきたいと思うわけでありますが、船員保険や国民健康保険などへの補助率の、そしてまた補助額の引き下げというものはもくろんでいないということを明言をしていただきたいと思いますが、どうですか。
○黒木政府委員 政管の補助率を引き下げた、それに連動して国保なり国保組合の補助率を下げる考えは持ってないという答弁をいたしたつもりでございますが、これから医療保険制度全体をどういうふうに考えていくかという場合に、もとより私どもは、給付のあり方あるいは保険料のあり方あるいは国保のあり方、そういうものをどう考えていけば将来医療保険制度全体が安定的に機能していくことになるのか、そして各制度間の公平なり、そういった形での給付なりあるいは保険料負担が実現をしていくのかというふうに考えておるわけでありまして、そういう将来に向かっての検討結果の措置と申しますか、検討結果については、まだ頭の中、腹の中は白紙でございまして、したがいまして、その結果、上げるとか下げるとかいう考えはないと申し上げているわけでございます。
○沖田委員 大変くどいのですが、大事なところですからお答えをいただきたいと思います。 国民健康保険組合、とりわけ建設国保組合など補助率の削減の影響は出てくるのかどうか、もう一遍お答えをいただきたい。
○黒木政府委員 特に国保組合に対する補助についてのお尋ねだと思います。 沖田先生一番よく御存じでございますが、国民健康保険組合につきましては、これまでも各組合の財政力等を勘案して、必要な国庫補助を行ってきたところでございます。今後とも、国保組合というのはやはり大事な役割を果たしていただいておるわけでございますから、その国保組合が安定的な運営ができるように努力をしてまいりたい、かように考えております。
○沖田委員 建設国民健康保険組合についても同様ですね。
○黒木政府委員 何ら差別なく、同様に考えております。
○沖田委員 少なくとも財政基盤の弱い国民健康保険、国民健康保険組合、建設国民健康保険組合などに対する財政基盤の安定強化のための援助策というものをこれからも充実強化をしていただくように、強く要望しておきたいと思います。 また、保険料の負担の割合は、事業主と被保険者、つまり労使が五対五となっているわけでありますが、近年労働者の強い要望もこれあり、健康保険組合などでは使用者の負担割合が一定程度多くなってきているようであります。この負担割合 を法的に見直す時期に来ているのじゃないかと考えますが、いかがでしょうか。被保険者、すなわち労働者の立場に立って、この負担の軽減の実現のためにその方向で検討を進めるべきだと思いますが、所見をお伺いをいたしたいと思います。
○黒木政府委員 健康保険の保険料の労使負担割合についてのお尋ねでございます。 これまでもこの問題につきましては、社会保険審議会におきましてもさまざまな議論が行われてきているところでございます。現行の労使負担割合につきましては、制度的に定着していること等を考えますと、これを維持することが適当であるというふうに現段階では考えておるわけでありますけれども、新しい審議会でまた御議論が出ますれば、それを拝聴して判断をしていきたいと思いますが、私どもの判断としては、もう既に定着した負担割合ということで、これを維持することの方が適当と考えておる次第でございます。
○沖田委員 保険料の負担割合については、これは健康保険組合などと同じような傾向というものがやはり大事だろうと思いますから、十分ひとつ被保険者の負担の軽減、労働者の負担軽減のための措置というものも検討を進めていただきたいことを特に要望しておきたいと思います。 また、保険料率の引き下げが今回提案されているわけでありますけれども、千分の十のいわゆる特別保険料、ボーナス時に徴収されるわけでありますが、今度はこれに手をつけられていないわけでありますが、これは一体どういうことなんでしょうか、お伺いをいたします。
○黒木政府委員 いわゆるボーナス保険料でございます特別保険料につきましては、私どもも基本的には検討していく必要があるものだと思っておりますけれども、この特別保険料のあり方については、先ほどから申しております新しい審議会の中で、全体の費用なり給付なりあるいは負担の中での保険料のあり方というところの中で、基本的には全体の中での議論で検討してもらうのがいいだろうということで、今回の私どもの引き下げの措置の対象にはしなかったものでございます。
○沖田委員 これから検討されるということでありますけれども、しかし、この特別保険料というものは、たしか時限立法的な性格のものではなかったか、こう思うわけでありますから、その点をお伺いしているわけでありまして、特別保険料千分の十、この保険料についても今後ひとつ引き下げの方向で努力をしてもらいたいと思いますが、もう一度お答えをいただきたいと思います。
○黒木政府委員 特別保険料につきましては、先ほど申し上げましたように、やはり基本的な見直しというものが必要だということは、もう御指摘のとおりでございます。 現在の特別保険料につきましては、被保険者の負担額の四〇%相当が当分の間被保険者の負担から免除されるというような形になっておりまして、それを国庫で補助する仕組みになっているのは御案内のとおりでございます。そういうこともいろいろ考えまして、やはり引き下げるならば、私どもは引き下げの効果の大きいホンチャンの方の保険料を、老人の拠出金を除いて、今回暫定措置として引き下げる方がいいのではないか。そして、特別保険料については、どうしてもそのあり方は基本的に見直さなければならないということは承知をしておりますので、今後の新しい審議会での一つの検討のテーマになるかなと思っておるわけでございます。
○沖田委員 助産費や分娩費が二十万円から二十四万円に引き上げられるわけでありますけれども、これに対する補助金の額は、市町村に対しては十六万円、国保組合に対しては六万円と非常に差が開いているわけでありますが、これに間違いありませんか。
○黒木政府委員 間違いございません。
○沖田委員 なぜこのような補助金の差別をされるのか。市町村と国保組合への補助される金額を同一金額にするように努力をしていただきたいと思いますが、所見を伺いたいと思います。
○黒木政府委員 国保組合に対します助産費補助金につきましては、現在の十三万円の基本額に対しまして三分の一、約四万三千円でございますけれども、それを平成四年度におきましては、助産費の支給額を二十四万円に引き上げることを条件にいたしまして、先ほどの四万三千円のものを六万円の定額補助に改めることにいたしておるところでございまして、今回、市町村の分娩費それから国保組合の分娩費ともに二十四万円に引き上げるわけでございますけれども、私どもとしては精いっぱいの努力をいたしているということで、ぜひ御理解をいただきたいと思います。
○沖田委員 市町村の公営国保に入っておられる方も、それから国保組合に入っておられる女性の方も同じ人間でありますから、分娩する立場から考えれば経費は同じようにかかっていく。こういう事情というものはもう御明察のとおりだろうと思いますから、今後その補助金の金額については、同一金額になるような努力をひとつお願いをいたしておきたいと思います。 昨日の池端議員の質問で明らかになったわけでありますが、四月一日からとりあえず日雇労働者健康保険制度について、いわゆる日雇特例労働者健康保険などについても、つまり、旦届健保の保険証や手帳などから「日雇」の二文字をなくしていくという努力をされるように伺ったわけであります。これは、従来この日雇健保にかかわってきた者の立場から申し上げれば大変うれしいことであるわけでありまして、長い間、日雇健保の「日雇」という差別的な語感からいたしまして、普通の政管健保と日雇健保との間には、何かお医者さんに行っても治療に差をつけられるのじゃないだろうかという心配を被保険者並びに家族や子供たちは抱いていたわけであります。厚生省の皆さん方からすれば、まさに考えられないような感覚であるかもしれませんけれども、実態からいたしまして、この「日雇」という言葉から受ける差別感、日常「日雇」という用語の入った保険証を使っている者の立場から見れば、大変楽しくない思いをしてきたと思うわけであります。 でございますから、このたび、いわゆる「日雇」という二文字がなくなるということによって、例えば臨時的な自動車の運転手さんたちだとか、さらには競艇場や競輪場で働いている方々とか、とりわけ季節的労務者、出稼ぎ労働者の人たちにはやはり大変な朗報であるわけであります。厚生省当局の英断に衷心より感謝を申し上げる次第でございます。 そこでお尋ねをいたしたいのであります。日雇労働者健康保険法や日雇特例といったこの種保険の対象は、現在どんな職種の人たちで何万人くらいの人たちが対象となっているか、お尋ねをいたしたいと思います。
○奥村政府委員 お答えをいたします。 日雇特例被保険者の数でございますが、平成二年度末現在で約十万三千人でございます。また、その業態別は、大変ちょっと資料が古くて恐縮ですが、昭和六十年の十月に行った調査によれば、建設業が三六%、それからサービス業が一四%、製造業が七%、卸売・小売業が四%、運輸。通信業が八%、それから失業対策事業に従事されている方々などその他の方が三一%、こういう割合になっておるわけでございます。
○沖田委員 そこで、重ねてお伺いいたしたいと思いますが、「日雇」という用語を使っている健康保険法などの改正を進めていただきたいと思いますが、この点について所見を伺いたいと思います。
○黒木政府委員 法律が用いています用語につきまして、改正をしていく必要性につきまして認識しているところでございます。したがいまして、私どもとしては、検討にももう着手しているわけでありますけれども、他省庁の所管する法律にも絡む問題でございますので、ほかの省庁と相談をしながら、幅広い見直しの上で、御指摘の方向に沿うように検討をさせていただきたいというふうに考えております。
○沖田委員 もちろん厚生省だけ単独ではやりにくいということはよくわかりますし、他の省庁との調整、協議も速やかに適切に進めていただきたいと思うわけでありますけれども、この点についての決意のほどを、ひとつ具体的に局長からお伺いをいたしたいと思います。 また、きょうは労働省からもおいでいただいていると思いますから、労働省からの見解もあわせてひとつ明らかにしていただきたい。厚生省が一生懸命やるけれども労働省はそっぽ向いている、または労働省が一生懸命やろうとしているけれども厚生省がそっぽ向いている、いやしくもこういうことであってはならないと思うから、この点とうぞひとつお答えをいただきたいと思います。
○山下国務大臣 御案内のとおり、この言葉は手帳から既に取ることにいたしております。どうせ取るのでございますから、私はあらゆる法律用語としてこれを取っていいと思うのでございますが、今お話がございましたように他省庁とも関係がございますので、幅広い見地から、一挙にこれをそういうことにするように他省庁と話し合いたいと思います。
○沖田委員 法律の中から「旦届」という差別的な語感を持つ用語については、どうぞひとつ速やかに削除していただくように、強く要望をしておきたいと思うのでございます。 労働省からの答弁がまだ残っていますね。
○日比説明員 ただいま先生御指摘の点でございますが、私どもには私どものいろいろ考えがございますが、厚生大臣からの御答弁でございますので、私どもとしても十分に研究させていただきたいと思います。
○沖田委員 もう一つ別の問題についてお伺いしたいわけでありますが、二年後の診療報酬改定の際には、その財源措置の方法については一体どういうふうに考えておられるのか。また、その影響なども含めて考え方を聞かせていただきたいと思います。
○黒木政府委員 二年後の診療報酬についてのお尋ねでございます。 大変難しいわけでございまして、今回私どもとしてはかなり大幅な改定をいたしたいと思っておるわけでありますけれども、従来の手順で申し上げますと、その結果を踏まえまして、それから、これからの経済の変動、人件費等の変動、物価の変動等がどうなるかということの中で医業の経営が行われていくわけでございます。 したがって、私どもの従来の手はずで申しますと、二年後の改定直前の年の六月ぐらいに、医業経営実態調査ということで医療機関等の経営がどうなっているかということを調査させていただくわけでございます。そして、その結果として病院の収支差と申しますか、経営による収入と支出がどういう状況にあるかという調査を踏まえまして、それをもとに中医協で御議論いただいて、診療報酬改定の要否と、それから改定についての基本的な考え方等を私どもの方に御意見として賜りまして、それを政府として政策決定をしていくことになるわけでございますので、調査があったり中医協の審議があったりということで不確定要素が非常に大きいということで、二年後どの程度とか、どうなるかという話は、残念ながらこの場では差し控えさせていただきたいと思うわけでございます。
○沖田委員 いろいろ申し上げたわけでありますが、この健康保険法の改正については、八割給付という形で、そのことについては拙速をとうとばない、むちゃくちゃにそんなことはやらない、慎重に大所高所から検討する、こうおっしゃったわけであります。どうぞひとつこの健康保険法の改正に当たっては、少なくとも拙速と言われるようなことのないように、十分な努力と慎重な検討というものを進めていただきたいと思いますが、最後にその点についてのの決意をお願いいたしたいと思います。
○山下国務大臣 今回の健保法の改正は、政管健保につきまして一層の財政運営の安定を期するために、大体現行の財政運営を五年程度見通して中期的な財政運営に改めまして、一層の財政運営の安定を図るための措置を講ずる、こういうことにいたしておるわけでございます。さらに高齢社会に向けて長期的に安定した医療保険制度の確立に努めてまいりたいと思います。
○沖田委員 以上で終わります。
○牧野委員長 網岡雄君。
○網岡委員 健康保険法等の一部を改正する法律案につきまして、私から総括的に三点について確認的な質問を行わせていただきます。 まず改正案は、政管健保の中期的財政運営を行うこととし、その中期的財政運営が確保される範囲内において保険料率及び国庫補助率を引き下げることとしております。そして、厚生省の中期的な財政見通しては、予測不可能な経済の変動や医療費の大幅な増高がない限り、安定的に運営できるとしています。しかしながら、御案内のとおり、最近の経済見通しなどによると、景気は下降局面に入ってきていると言われております。このような経済動向の先行きを考えると、再び政管健保の財政が悪化することも懸念されます。 そこで、まず第一に、今後政管健保の財政状況が悪化した場合は、当然のことながら国庫補助が復元されるものと理解してよろしいでしょうか、お伺いいたします。
○山下国務大臣 そのような事態は想定していないのでございますけれども、万一側懸念のような事態が起こった場合には、中期的財政運営の状況等を勘案いたしまして、必要に応じて国庫補助についても検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずることといたしたいと存じます。
○網岡委員 第二点には、今後五年間安定的な運営が行われるというのであれば、少なくとも五年間については保険料率について引き上げがないことを確認させていただきたいと思いますが、いかがでございましょうか。
○山下国務大臣 政管健保の中期的な財政運営につきましては、五年程度を見通しまして、短期的な景気変動に影響されない安定的な保険料率を設定するものでございまして、現時点において予測し得る限りにおいては、保険料率を変更しないで済むものと考えております。
○網岡委員 最後に、今回創設される医療保険審議会の構成については、現状を踏まえて関係者の意見が十分に反映されるようにすべきであると考えますが、専門部会の設置を含めて、この点についてお尋ねをいたします。
○山下国務大臣 医療保険審議会の創設に当たりましては、関係者の意見が十分に反映されるように、会の構成等については、現状を踏まえて慎重な配慮を払ってまいりたいと思っております。 また、専門部会といたしましては、健康保険部会、船員保険部会及び国民健康保険部会を設置することといたしまして、健康保険部会及び船員保険部会の委員の構成につきましては、実質的に三者構成が確保されますように配慮をしてまいりたいと思います。
○網岡委員 終わります。
○牧野委員長 遠藤和良君。
○遠藤(和)委員 私は、厚生大臣に確認の質問をさせていただきたいと思っています。 この審議を通しまして問題点が集約されてまいりましたその一つは、今回の改正におきまして国庫補助率を削減した、これはやむを得ないものである。しかしながら、今後財政が悪化した場合は当然国庫補助率を復元すべきだ、こういうことを私どもはこの審議を通して強く主張してまいりました。そして、社会党の皆さんも強く要望いたしましたが、この法律を国庫補助率のところについて修正をすべきである、このように主張いたしまして、与党自民党の皆さんもその点を理解をされ、自民党、日本社会党、公明党、民社党並びに進民連の皆さんとともに、その点について共同修正をする合意ができました。 そこで、この国庫補助率のことについて確認をさせていただきますが、政府はこの政管健保の今後の財政をどのように見通しているのか、そし て、先ほども話がありましたが、少なくとも今後五年間は保険料率の変更をしないと約束できるか、この点について最初にお伺いします。
○山下国務大臣 政管健保の中期的な財政運営は、五年程度を見通して、短期的な景気変動等に影響されない安定的な保険料率を設定するものでございます。現時点で予測し得る限りにおいては、保険料率を変更しないで済むものと考えております。 また、五年を超える長期にわたる見通しにつきましては、経済変動や医療費の伸びを予測するに当たって不確定要因が多いことから、現段階で明確に申し上げることは困難でございますけれども、老人人口の増加率が平成八年度をピークに減少に転ずるという財政好転要因もあることでございますので、五年後の中期的財政状況の見通しが現在の見通しよりも悪化する可能性は少ないものと考えております。
○遠藤(和)委員 もう一問、確認の質問をさせていただきます。 これは最も大事なことでございますけれども、今後政管健保の財政事情が悪化した場合は、当然のことながら国庫補助が復元されるものと理解してよろしいですか。
○山下国務大臣 今申し上げましたように、そのような事態は想定はいたしておりませんけれども、万一側懸念の事態が起こった場合には、中期的財政運営の状況等を勘案しまして、必要に応じ国庫補助についても検討を加えて、その結果に基づいて所要の措置を講ずることといたしたいと考えております。
○遠藤(和)委員 ただいまの大臣の確認答弁、これは誠実に守られるもの、このように理解をさせていただきます。 個別の問題に入りますが、分娩費のアップの問題でございます。今回、健保におきましては、従来の二十万円から二十四万円に最低保障額を引き上げるということになりましたが、これはただいま審議をしております政管健保のみならず、組合健保あるいは船員保険等地の保険についても同様のこと、このように理解してよろしゅうございますか。
○黒木政府委員 今回の分娩費の引き上げの措置でございますけれども、お尋ねのように、あるいは御指摘のように、政管健保のみならず組合健保、船員保険につきましても、分娩費につきまして二十四万円に引き上げることといたしております。また、お触れになりました共済組合につきましても、私どもの措置に合わせまして分娩費の引き上げが行われるというふうに承知をいたしております。
○遠藤(和)委員 国保の場合はどう対応しますか。
○黒木政府委員 国保につきましては、御案内のように、奨励補助の形で十三万円を基準額にいたしておったわけでございますけれども、これを交付税措置という形に回しまして、しかし、二十四万円を基準額にいたしまして今回措置をいたしたわけでございます。市町村が実施するわけでございまして、平成四年四月一日から市町村がどのようにするかというのは、まだ正確には掌握をいたしかねておるわけでありますけれども、現在担当課でつかんでおる状況を申し上げますと、ほとんどの市町村におきまして平成四年四月一日から二十四万円に引き上げを予定しているというふうに聞いているところでございます。
○遠藤(和)委員 詳しく申し上げますと、国保の場合は助産費という名目でございますけれども、従来は十三万円を標準にしておりました。それに対して国庫補助は三分の一であった。すから三分の二、八万七千円は地元の保険者が負担をしていた。しかし、今回の改正によりまして二十四万円のうち三分の二に相当する十六万円、これを地方交付税にした。したがって、保険者である市町村はその三分の一でございますから、八万円を出すことで対応できる。したがって、十三万円のときよりも少ない額を負担すればいいのであるから、当然二十四万円ができるのではないか。こういう財政措置を行ったから市町村国保の場合も二十四万円がキープできるのではないか、このようなお考えと理解してよろしゅうございますか。
○黒木政府委員 全く遠藤先生の御指摘のとおりでございまして、今回の二十四万円の引き上げは、保険料負担と申しますか、そういうものに影響が出ないような形で措置をいたしたわけでございまして、十三万円の三分の二が保険料負担で、約八万円であったわけでございますが、今度は二十四万円の三分の一が保険料負担となるわけでございますので、保険料には影響ない形で給付だけが改善できるという財源措置を講じたわけでございます。 したがいまして、私どもも市町村に対しまして、この趣旨を踏まえまして、こういう時期でございまして赤ちゃんが各市町村とも非常に大事と申しますか、出生率の問題というものもやはり各市町村は念頭に置いていただいていると思いますけれども、今回の措置によって、しかも私どもはこの趣旨で懸命に市町村を指導いたしまして、ほとんどの市町村で二十四万円の給付改善が実現をしていくだろう、また、そういうふうに指導に努めてまいりたい、こういうふうに考えております。
○遠藤(和)委員 厚生省としては財源措置をしたつもりなんですけれども、実態的には各市町村では超過負担がいっぱいあるわけですね。それから地方交付税の不交付団体があります。これはそういう財源措置がされていないわけです。したがって、きちっと二十四万円になるかどうかというのは保証の限りではない、こういう状態があるわけでありますが、この超過負担の実態並びに不交付団体がどう対応するか、ここら辺を厚生省はどのように理解をしておりますか。
○黒木政府委員 国民健康保険事業に要します費用として、国庫支出金、法律に基づく一般会計繰り入れ及び保険料税によりまして賄われておるわけでございますが、実際には平成二年度におきまして、法律に基づきます一般会計繰り入れを除きまして、約三千億円の一般会計繰り入れが行われているのが現状でございます。 これが内容でございますが、赤字補てんというものももちろんございますが、赤字補てんではなくて、地方の単独事業のため、あるいは保健施設事業といったさまざまな要因によって一般会計の繰り出しかなされておるわけでございます。今回自治省におきまして、市町村の責めに帰すべきではないものにつきまして一般会計からの繰り出しか認められ、所要の地方財源措置が講じられることになったわけでございます。これにつきまして厚生省としても、国保の財政の健全化等に大変有効ではなかろうかと考えております。 それからもう一点お尋ねは、不交付団体についてでございます。不交付団体につきましては、御案内のように、基準財政需要額を上回る収入があるために、基本的には助産費を引き上げる財政力があるものと理解をいたしておるわけでございますけれども、不交付団体につきましても、必要に応じて調整債の発行等が認められるものと承知をいたしております。したがいまして、不交付団体が助産費の引き上げを行わないということはないのではなかろうか。やはり時代の要請にこたえ、かつ私どもの趣旨をよく理解していただいて、助産費の引き上げにつないでいただきたいものと考えておるわけでございます。
○遠藤(和)委員 それでは数字をお伺いしますけれども、分娩費の支給アップに着目をいたしまして、地方交付税のアップというのは全国で総額幾らになりますか。
○黒木政府委員 平成四年度の地方財政計画に計上されております額は、三百二十一億円でございます。
○遠藤(和)委員 交付税というのは全く色がついていない、ひもがついていないわけでございまして、それが間違いなく分娩費のアップにつながるかどうかというのは、一にかかって地方自治体の良識にかかってくるわけでございます。何でそんな懸念をするかというと、この国保財政というの は、市町村国保でございますけれども、どこもかしこも大変な経営難に陥っているわけです。そして、悲鳴のような声が聞こえております。ただでさえ一般財源からの繰り入れが実際的にあるわけでございまして、それをこの際、交付税のアップを一般財源の繰り入れの縮小に持っていきたい、したがって、財政をよくするためにこの分娩費のアップを圧縮する、こういうことを考える地方自治体もあろうかと思うのです。 そこで、地方自治体における国保、市町村国保でございますが、これの慢性的な財政悪化、これに対してきちっとした手だてをしないといけないのじゃないか、このように思うわけでございますが、この一般財源からの繰り入れという実態、この辺を厚生省はどう理解していますか。
○黒木政府委員 国保の財政についてのお尋ねでございます。 御案内のように、国保につきましては、私どもも国会に国保法の改正を二度にわたってお願いをいたしたわけでございます。それから、国保に対して一番影響が大きいのは老人医療費の絡みでございまして、これも先国会で公費負担の拡充等を含めまして、あるいは一部負担の引き上げ等も図りまして、国保財政の負担が軽くなるような方向での法律改正も行われたわけでございます。 今回は地方財政措置として、総額てたしか千三百億を上回る地方財政措置も講じられたわけでございます。現在の国保の財政の状況は少しずつよくなっておりまして、今回の決算では約五百億ぐらいの黒字がさらに全国平均で出まして、現在では総じて国保の決算を見ますと、一千五百億程度の国保全体としては黒字を計上しておるわけでございます。しかしながら、例年非常に赤字を出しておられる市町村ももとよりあるわけでございます。そういうところにつきましては、私どもの方からも一緒になって財政の健全化の指導とか協力を求めておるわけでございます。 そういう中で、今回の助産費の引き上げが実現をしていくかということでございますが、先ほど申しましたように、全般的には財政は好転しつつある。その中で、一部非常に苦しいところはもちろんございますけれども、私ども一緒になって、そういうところも助産費の引き上げが図っていけるように相談に応じながら、また指導も強めていきたいと考えておるわけでございます。
○遠藤(和)委員 市町村国保が赤字になる構造的な原因というのがあると私は思うのですね。一つは国庫補助率の問題があります。もう一つは被保険者の数が少ないということですね。要するに規模が小さい市町村があります。 これは保険の論理として、いわゆる大数の法則という法則がありますね。これは数学の法則ですけれども、一般に、集団を構成する人数が多くなるほど保険事故の発生する割合が一定値に近づく可能性が高くなることを数学的に裏づける法則ですね。いわゆる集団が大きいほど保険事故の発生を的確に予想することができます。そして、それを予測して、それに見合った安定した保険料を設定することができる、こういう法則でありますけれども、今小さな人口の市町村国保の場合は、予測されない患者、例えば高額療養費の患者、人工透析の方が五人ほど出ると、それでもうすぐパンクしちゃう、こういうふうな実態があるわけですね。 ですから、母集団の数をふやすということが構造的に大事なわけでございまして、この一つの方法としては、例えば県を保険者にする、そして窓口の事務扱いは市町村にする、こういうことが抜本的なこととして考えられます。あるいは、高額医療費とか突発的に起こってきたこういうことに対して援助をしていくという意味で、特別調整交付金制度、これをもっと実効性のある、市町村にとって安心できるものにつくりかえていく、こういう方法が大事だと思うのですが、この大数の法則と市町村国保という観点から、構造的に市町村国保の財政を安定化させていくアイデア、これはどのように考えておりますか。
○黒木政府委員 国保の保険集団をどう見るかという難しい、いわば難問中の難問でございます。 おっしゃるように、集団を大きくいたしますと保険財政は非常に安定いたしますけれども、私どもが考えなければならないもう一つの点は、やはり市町村という一つの地域共同体が持っているメリットでございまして、これからますます地域保険とか福祉との連携というのが大事な時代に、市町村が経営するというメリットもまたあるわけでございまして、相扶共済の制度という意味では、いろいろな保健、医療、福祉活動との連携がしやすい。被保険者の把握とか保険料の徴収が容易とか、地域連帯感が維持できるというような市町村営のメリットがあるのだろうと私どもは思っているわけであります。 しかし、御指摘のように、一人でも二人でも高額の患者が出ると非常に財政を圧迫するという要因もあることは事実でございますから、例えば高額療養費の共同事業というようなものも実施をいたしておりますけれども、小集団制のデメリットというものを共同事業の形でできるだけ防ぎながら市町村営でやっているわけでございますし、私どももこの経営の方向というのは正しいのではなかろうか、定着してきたのではなかろうかというふうに考えておりますけれども、これもまた御案内のように臨調が広域化を言っておりますこと等、さまざまな経営主体論があることも事実でございます。 しかし、私どもは、今は市町村営というもののメリットも大いに発揮された中で市町村国保は運営されているなというふうに考えておりますけれども、また先生方の御意見もいただきながら、この問題は慎重に将来を見据えながら検討すべき事項だと思っているわけでございます。
○遠藤(和)委員 保険局長は平均値を東京で考えているのですよ。もっと最先端でこの事業をやっている市町村の声を現地に行って聞くべきだ。やはり悲鳴が私のところには届いています。市町村長さんが来るたびにこの要請です。本当に大変だ、こういう声が上がっていますよ。ですから、私が今申し上げたのは、そのサービスの向上という意味では県を窓口にすべきじゃない、市町村を窓口にすべきだということですけれども、やはり県の財政負担、財政負担の場に県を入れ込んでいくということはぜひ必要なことではないか。それは、抜本的に県を保険者にするということが当面難しいようであれば、例えばただいま話のありました高額医療費に対する共同事業の中に県を積極的に入れていくとか、そういう方法はあると思うのですよ。 質問時間が来ましたので終わりますけれども、今後保険医療の一元化に対するいろいろな考えの中でこの国保の財政をどうしていくのか、こういうことを一番の眼目に置いてこの保険医療の一元化ということをぜひ考えてもらいたい、これを強く要望しておきますが、最後に大臣、どうですか。一元化の問題でございます。
○山下国務大臣 今後本格的な高齢社会を迎える中で、すべての国民が安心して医療を受けられる、そういうふうにするためには医療保険制度を長期的に安定したものとすることが大切であります。 そのために、給付と負担の公平化を図ることがまず第一であろうと思っております。そして、このために医療保険制度の枠組み、給付の範囲、財源のおり方、こういった問題を幅広い観点から考慮しながら、総合的な検討に着手する必要があると思っております。医療保険審議会においての議論を私どもはよく見守りながら、厚生省として幅広い角度から検討してまいりたいと思っております。
○遠藤(和)委員 以上で終わります。ありがとうございました。
○牧野委員長 児玉健次君。
○児玉委員 日本共産党の児玉健次です。昨日に続いて質問します。 政管健保の単年度収支、一九八九年度が二千百八十七億円、九〇年度が三千四百三十二億円、そ して九一年度が三千五百三十八億円、いずれも黒字ですが、間違いありませんね。
○奥村政府委員 お答えをいたします。 平成二年度までは決算でございまして、御指摘の数字でございますが、平成三年度はまだ決算をしておりませんので、見込みの数字でございます。
○児玉委員 昨年が見込みだというお話。 そこで、昨日も繰り返しお尋ねしたのですが、改正案でなくて現に今厚生省が拘束されている現行の健康保険法、その第七十一条ノ四に、あれこれ略しますが、要するに社会保険庁長官は、収支で「不足若ハ剰余ヲ生ジ又ハ生スルコト明トナリタルトキハ厚生大臣二対シ前項ノ保険料率ノ変更二付申出ヲ為スコトヲ得」、こういうふうに明記されていますね。それで、きのうも黒木局長は、剰余があった場合は保険料率を引き下げることになるというふうに申された。 私は伺いたいのですけれども、これだけの黒字が出ている。きのうもトレンドということがよく言われた。そうであれば、現行法に従って剰余の分について保険料率を必要な分引き下げる、そして給付を思い切って充実する、そういうやり方をすべきではなかったか、こう思います。それをなさらなかったのは、健康保険法の定めよりもむしろ健康保険組合の保険料率とのバランスを皆さんが考えたからではないのか。どうですか。
○黒木政府委員 まず、現行法の剰余を生じた場合ということの解釈でございますけれども、現行法ではそうなっているという見解を私はきのう言ったわけでございまして、誤解があったら訂正いたします。新しい法律の立て方はこれをがらりと変えまして、剰余が生ずれば資金に積み増しし、そして、不足が出れば資金が繰り出すという形での中期的財政運営方式に改めておるということも御理解をいただきたいと思うわけでございます。 国庫補助につきましては、そういう形で私どもは中期的な財政運営を図る中で……(児玉委員「そのことを聞いているんじゃない、今までのことを聞いているのですよ。過去三年間なぜ保険料率を下げなかったのかということです」と呼ぶ)わかりました。 過去三年間保険料を下げなかった理由についてのお尋ねでございます。 保険料を引き下げるということは、やはり保険財政の安定と申しますか、下げたことに伴う政管健保の財政にきちっとした見通しがなければそういう措置ができないわけでありまして、今回はそれを中期的な財政運営方式に改めまして、私どもの方が下げるという判断と申しますか判断ができて、それを審議会にお諮りをして今回の措置を講じたということでございます。
○児玉委員 明敏な黒木さんですから、私、最初に何と言ったかというと、現に厚生省を拘束している健康保険法で過去三年間どうなのかという議論をしております。それで、これだけの明白な剰余、そして剰余が生ずる確かな見込み、それがあるにもかかわらず保険料率を下げなかった。そしてその結果、三年間の黒字が九千百十七億円。これは今の時点での積立金約一兆四千億円の実に三分の二に当たる金額です。それが一兆四千億積み立てがあるからという理由で、法で定めている国庫補助率の最低限一六・四%を当分の間として一三・〇%に引き下げる、こういうことが加入者に対して誠実な態度なのかどうか、そこのところを私は聞きたい。
○黒木政府委員 政管健保の運営は、絶えず審議会に御相談しながら運営しているわけでありますけれども、やはり保険料を下げる、しかしまたすぐ上がるということは、関係者の意向としても避けてくれという感じが非常に濃厚でございます。私どももこういった財政運営というのは中期的に、ことしは下げる、来年は上げるというような運営は適当ではないんではなかろうかということで、今回の措置をお願いしたわけでございまして、これまでなぜ下げなかったかということにつきましては、お答えしておりますように、またすぐ上げるという事態を防がなければならないということで、そういう事態がないような形での制度を仕組みまして、今回のような保険料の引き下げの措置を講じた、こういうことで御理解をいただきたいと思います。
○児玉委員 厚生省は昨日の答弁の中で、今後の国庫補助率については、新設の医療保険審議会で論議をしてもらうんだという趣旨のことを繰り返されました。今の私の質問を含めて、これは改正案がもし成立したとしても、健康保険法の本則の部分は変わりがないのですが、最低が一六・四%で最高は二〇・〇%、その範囲で厚生大臣は授権されている。そうであるならば、医療保険審議会で何を論議するのですか。そういった本則で明白にうたわれていることを御破算にして、医療保険審議会は何を御審議なさるのでしょうか、はっきり聞きたいと思います。
○黒木政府委員 昨日来お答えいたしておりますように、国庫補助率につきましては、本則で一六・四から二〇の範囲内で政令で定める旨が規定されておるわけでございますけれども、この本則に対しまして附則で当分の間、いわば暫定措置の形で今回の引き下げをお願いいたしておるわけでございます。したがいまして、当分の間の暫定措置でございますから、本格的と申しますか、あるべき国庫補助の姿というものは当然私どもは検討して、それなりの規定をいたさなければならないわけでございまして、このためには、やはり各制度を通じた全体の中での給付なり負担のあり方等を含めた将来の姿を描きながら、二十一世紀を目指した安定的な医療保険制度の運営という観点からの御議論を踏まえて決定していくことが至当だということで、審議会の御議論をいただいた上でという答弁をいたしておるわけでございます。
○児玉委員 時間ですから、最後に一言言います。 現行の健康保険法では、収支をどうするかというのは、皆さんの今度の改正案の提案理由でも明記されているけれども、単年度で行うということになっているのです。それを今度は皆さんは五年程度、中期的と言われている。現行法で単年度と書いてあるにもかかわらず、皆さん方は必要な保険料率の引き下げをやらずに来た。そして、その結果生まれた一兆四千億円の積立金を理由にして大幅に国庫負担率を引き下げる、こういうやり方を許していたら、この後日本の社会保障が重大な危機に陥る、そのことを私は厳しく指摘したいと思います。そして、今提起されている修正についても、大幅な国庫補助率の引き下げを前提にしたものですから賛成できないということを申し上げて、私の質疑を終わります。
○牧野委員長 柳田稔君。
○柳田委員 今回、分娩費が二十万から二十四万に引き上がること、さらには出産手当金の支給期間の改善が行われています。評価したいと思います。ただ、根本問題としては、やはり出生率が低下をしておる。これをいかにとめて、生めよふやせよではありませんけれども、子供を多く生む環境をいかにしてつくるかということが一番大事な根本問題だと思います。その一つとして評価はしたいと思うのですが、それ以外に、子供を生み育てやすい環境をつくるために厚生省は今後どのような対策を打っていくのかいまずお尋ねしたいと思います。
○山下国務大臣 御指摘のとおり、二十一世紀の高齢社会を活力ある長寿社会とする上において、子供が健やかに生まれ育つための環境づくり、これは高齢者対策と並ぶ重要な施策であると認識をいたしております。 近年の出生率の低下については、今日の社会全体の仕組みや考え方が、安心して子供を生み育てる、そういう観点から見まして不十分であるということを示すものであると指摘がなされておるわけでございます。もとより結婚や出産は個人の価値観に係る問題でございますけれども、政府におきましては関係十八に上る省庁から成る連絡会議を設置いたしまして、家庭を築き、子供を生み育てていくことに喜びや楽しみを感じることのでき る社会づくりを推進してまいらなければならぬと思っております。 厚生省といたしましても、昨年、児童手当制度の改正を行ったところでありまして、引き続き、多様な保育事情に対応する種々の保育サービスの拡充、育児休業制度の実施に対応する年度途中入所児童の保育所への円滑な受け入れ、育児に関する相談支援体制の整備等の子育て支援策を推進していく所存でございます。また、平成四年度から、家庭や子育ての支援対策や環境づくりを推進する母体として、行政、企業、地域社会などから成る児童環境づくり推進協議会というものを設置いたしまして、官民一体で取り組んでまいりたいと思います。
○柳田委員 私も子育てをしておるところでありますし、大臣も四人のお子さんを育てたということでありますが、同年代に聞きますと、子供を育てるということは大変なことだということでありますので、さらなる対策をぜひともお願いをしたいと思いますし、今後とも時に触れて子供を生み育てやすい環境について質問をさせていただきたいと思います。 それから、先ほど来、保険料率については引き上げないようにということでいろいろお話が出ておるわけでありますけれども、この五年間、できるだけ医療費の適正化に努力をしていただきまして、保険料の料率の引き上げは安易に行わないように、私の方からも強くお願いをしたいと思います。 それから、医療費の節減の観点からでございますけれども、健康管理や健康づくりのための保健施設事業、これは極めて重要なことだと思います。今後の政管健保の保健施設事業については、やっと財源もできたわけでありますから、中長期的視点に立ったビジョンを策定いたしまして、そのビジョンに従って計画的に具体的に推進していくことが重要だろうと思いますけれども、このビジョンについて、厚生省は何かお考えがあればお示しを願いたいと思います。
○奥村政府委員 お答えをいたします。 先生御指摘のように、政府管掌健康保険の保健施設事業は大変重要でございまして、事業運営安定資金を活用すること等によりましてこれを推進していきたいと考えております。平成四年度予算案におきましても、大幅な拡充を図るようにいたしたところでございます。 この保健福祉事業の具体的な内容でございますが、私どもとしては、成人病検診の拡充でありますとか保健婦さんによる保健指導あるいは健康づくり対策、それから老人保健施設等の整備、こういったようなものが中心になるのではないかと考えておりますが、社会保険審議会からも、先生御指摘のような中長期的なビジョンを踏まえた着実な展開を図っていくべきだというような御答申もいただいておりますので、今後幅広く専門家などの御意見も伺いながら事業実施の方向づけを行いまして、事業の推進を図ってまいりたいと考えておるところでございます。
○柳田委員 一応めどが五年間でございますので、できるだけ早く策定をして、着実に実施をしていただきたいと思います。 終わります。
○牧野委員長 以上で本案に対する質疑は終局いたしました。 —————————————
○牧野委員長 この際、本案に対し、粟屋敏信君外町名から修正案が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。池端清一君。 ————————————— 健康保険法等の一部を改正する法律案に対する 修正案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○池端委員 ただいま議題となりました健康保険法等の一部を改正する法律案に対する修正案につきまして、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合を代表いたしまして、その趣旨を御説明申し上げます。 修正の趣旨は、政府は、この法律の施行後、政府の管掌する健康保険事業の中期的財政運営の状況等を勘案し、必要があると認めるときは、新健保法附則第十二条の規定について検討を加え、その結果に基づいて所要の措置を講ずるものとすることであります、 何とぞ、委員各位の御賛同をお願いいたします。
○牧野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 —————————————
○牧野委員長 この際、日本共産党から討論の申し出がありますが、理事会の協議により、御遠慮願うことにいたしましたので、そのように御了承願い、直ちに採決に入ります。 健康保険法等の一部を改正する法律案及びこれに対する修正案について採決いたします。 まず、粟屋敏信君外四名提出の修正案について採決いたします。 本修正案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○牧野委員長 起立多数。よって、本修正案は可決いたしました。 次に、ただいま可決いたしました修正部分を除いて、原案について採決いたします。 これに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○牧野委員長 起立多数。よって、本案は修正議決すべきものと決しました。 —————————————
○牧野委員長 この際、本案に対し、粟屋敏信君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合の五派共同提案に係る附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。 提出者より趣旨の説明を求めます。遠藤和良君。
○遠藤(和)委員 私は、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、民社党及び進歩民主連合を代表いたしまして、本動議について御説明申し上げます。 案文を朗読して説明にかえさせていただきます。 健康保険法等の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案) 政府は、速やかに次の事項について実現に努力すべきである。 一 事業運営安定資金の適正な運営により政府管掌健康保険の財政の中期的安定を図り、おおむね五年の間は保険料率改定を行わないで済むようにし、また、同資金の運用収入を保健福祉施設事業等の充実に積極的に活用すること。 二 暫定措置としての特別保険料については速やかに見直すとともに、保険料の労使負担割合について検討すること。また、高額療養費制度については、レセプトの機械処理の進捗状況等も踏まえて、合算の対象となるレセプトの限度額の改善について検討を進めること。 三 診療報酬については、技術料を重視するとともに、看護婦等の医療従事者の処遇改善に実効ある形で結びつくようその在り方について鋭意検討を加えること。また、薬価基準の適正化、医療機関に対する指導監査の徹底等により医療費適正化を推進すること。 四 国民の健康・福祉の向上を図るため、疾病の予防とリハビリテーションを一層拡充し、健康管理体制を確立すること。 五 高齢化社会の進展や保健医療需要の高度化・多様化の状況を踏まえ、医療保険制度についてその見直し、充実を図るとともに、給付と負担の公平化のための二元化に向けた取組みを進めること。 六 医療保険審議会(仮称)の創設に当たっては、関係者の意見が十分反映されるよう、会の構成等について現状を踏まえ慎重な配慮を払うこと。 以上であります。 何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。
○牧野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 採決いたします。 粟屋敏信君外四名提出の動議に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○牧野委員長 起立多数。よって、本動議のとおり本案に附帯決議を付することに決しました。 この際、山下厚生大臣から発言を求められておりますので、これを許します。山下厚生大臣。
○山下国務大臣 ただいま御決議になられました附帯決議につきましては、その趣旨を十分尊重いたしまして、努力いたす所存でございます。 —————————————
○牧野委員長 お諮りいたします。ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○牧野委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○牧野委員長 内閣提出、産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律案を議題七し、趣旨の説明を聴取いたします。山下厚生大臣。 ————————————— 産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進 に関する法律案 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○山下国務大臣 ただいま議題となりました産業廃棄物の処理に係る特定施設の整備の促進に関する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。 我が国においては、経済規模の拡大とともに産業構造の変化、技術革新が進んでおり、このような状況を背景として、産業廃棄物の排出量が増加し、その種類も多様化しております。 一方、産業廃棄物の減量化・再生処理は必ずしも円滑に進んでおらず、また、増加する産業廃棄物を適正に処理するために必要な最終処分場等の産業廃棄物処理施設は、産業廃棄物処理に対する地域住民の不安、産業廃棄物処理業者の資本力の不足などから、その設置が困難となってきており、このまま放置すれば、産業廃棄物の不法投棄等の不適正な処理の増大により生活環境が悪化し、また処理費用の高騰により円滑な産業活動に支障が生じるおそれがあります。 こうした状況を踏まえ、産業廃棄物の処理施設の安定的な供給及び産業廃棄物の適正処理の推進を図るため、この法律案を提出した次第であります。 次に、この法律案の主な内容について御説明を申し上げます。 まず第一に、この法律案において特定施設として整備の対象としておりますのは、産業廃棄物の処理を効率的かつ適正に行うために設置される一部の施設であって、一体的に設置される二以上の種類の産業廃棄物処理施設と、産業廃棄物処理技術に関する研究開発施設または産業廃棄物の適正な処理に関する研修施設等の共同利用施設などから構成されるものであります。 第二に、厚生大臣、建設大臣、自治大臣、農林水産大臣、運輸大臣及び通商産業大臣は、環境庁長官その他関係行政機関の長に協議をいたしまして、特定施設の整備に関する基本的な事項等を定めた基本的指針を策定することといたしております。 第三に、主務大臣は、特定施設の整備事業を行おうとする者が作成した特定施設の整備計画について、関係都道府県等の意見を聴取して基本指針に照らし認定を行うこととし、国及び地方公共団体は、認定を受けた整備計画に従った特定施設の整備事業に必要な資金の確保等の支援措置を講ずることといたしております、 第四に、都道府県は、特定施設の整備による生活環境等の著しい変化による影響を緩和するため、特に当該特定施設の整備に関連して公共施設の整備を図ることが適当と認められる地区を、関係市町村等の意見を聴取して特定周辺整備地区として指定し、当該地区における施設整備に関して必要な事項を定めた施設整備方針を定めることができることとするとともに、国及び地方公共団体は、施設整備方針の達成に資するため必要な公共施設の整備の促進に配慮するものといたしております。 第五に、厚生大臣は、特定施設の整備に必要な資金の融通の円滑化その他の産業廃棄物の処理に係る事業の振興措置等を推進することにより産業廃棄物の適正な処理の確保に資することを目的とした民法法人を、全国を通じて一個に限り産業廃棄物処理事業振興財団として指定することができることといたしております。この財団は、事業者等の出捐による基金を設けて、認定を受けた整備計画に係る特定施設の整備事業に必要な資金の借り入れ等に対する債務保証、産業廃棄物処分業者等に対する新たな技術の開発または起業化のための助成金の交付、産業廃棄物の処理に関する情報等の収集及び提供などを業務として行うことといたしております。 なお、この法律の施行期日は、公布の日から起算して六カ月を超えない範囲内で政令で定める日といたしております。 以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。 何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。
○牧野委員長 以上で趣旨の説明は終わりました。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後四時四十三分散会 ————◇—————