厚生委員会 第2号
- 発言数
- 267 件
- 登壇者
- 27 名
- 会派数
- 6
- 開催日
- 1992/02/27
会議録
○牧野委員長 これより会議を開きます。 厚生関係の基本施策に関する件について調査を進めます。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。衛藤晟一君。
○衛藤(晟)委員 第百二十三回厚生委員会の審議に当たり、最初の質問者として、厚生大臣を初め政府委員の方々に質問させていただくことになりました。大変光栄に存じております。よろしくお願いいたします。 厚生大臣の所信にありますように、生活大国の実現のためには厚生行政の進展が必要不可欠であり、二十一世紀に向けて健康で心豊かに暮らせる長寿・福祉社会の建設に向けて、私ども努力をしていかなければいけないというぐあいに思っています。その観点から、緊急の課題について、短い時間でございますが、御質問をさせていただきたいと思います。 第一に保健医療サービスの人材確保についてであります。看護婦不足が叫ばれて久しいのでありますが、昨年厚生省から平成十二年までの看護職員の需給見通しが公表され、それを踏まえて平成四年度予算において大幅な予算の増加が図られたことは大変喜ばしい限りであります。厚生大臣は所信の中で、看護職員の確保は緊急の課題であり、厚生委員会での決議を踏まえて、養成力の強化、勤務条件の改善等に取り組むと表明されておりますが、重ねて大臣の決意をお聞かせ願いたいというふうに思います。
○山下国務大臣 今御意見の中にございましたように、現在における厚生行政の中で、良質の看護婦を必要なだけ確保するというのは、これはもう最大の課題の一つでございます。特に、今後高齢社会を迎えるに当たりまして、在宅のお年寄りまで看護婦さんがずっと巡回しながら指導をしていくという新たな看護婦さんの仕事の分野がこれから開けてくると思いますから、それらを長期的かつ計画的に見越しながら充足計画を立てていくということでございます。委員会での御決議の趣旨を踏まえながら、予算、融資あるいは税制、これらの各種の措置を講じながら総合的にこの対策を進めてまいりたいと思います。 今申し上げましたように、何と申しましても質のいい看護婦さんを、しかも必要なだけ確保する、これはもう大変大切なことであり、それに関する法律案を今国会に提出したい、かように考えておる次第でございます。
○衛藤(晟)委員 私は、さらに看護婦さんにつきましては、看護の業務の見直しを行わなければいけないというぐあいに思っております。看護婦さんのお仕事を見ておりましても業務以外の仕事を大変やられているわけでございまして、私も昨年父が長期間入院しているときに看護婦さんに大変お世話になりましたけれども、そういうことをつくづくと感じました。看護職員が本来の業務に専念できる魅力ある仕事にすべきではないかと思いますが、そこのところはどうでございましょうか。
○古市政府委員 ただいまの御指摘のとおりの問題がございまして、私どももその点に関しまして今年度から看護業務検討会を開催して、業務の合理化、省力化について検討を進めているわけでございます。さらに来年度予算案におきましては、この検討項目を実際に現地の医療機関で検証して、実証的に改善策を得ようということで、七カ所のモデル医療機関で実施する予算を計上しているわけでございます。そういうことで、御指摘がございましたように、薬剤師、看護補助者等他職種の人との連携、また申し送り時間等の合理化等を総合的に図りまして、本来業務に専念できる魅力ある職場づくりを進めてまいりたいと思っておるわけでございます。
○衛藤(晟)委員 厚生省は、政管健保の中期的な財政運営の安定等を図るために健康保険法等の一部を改正する法律案を国会に提出をされています。今回の改正によって国庫補助が軽減され、看護婦等医療従事者の勤務条件の改善等を図るための診療報酬改定の財源の確保にも資するというように聞いていますが、今回の診療報酬改定においてどのように勤務状況の改善を図るというぐあいにしているのか、お尋ねをしたいと思います。
○黒木政府委員 診療報酬改定についてのお尋ねでございます。今回の改定におきましては、まず改定率の設定に当たりまして、夜勤改善分等看護関連に特段の配慮を行ったところでございまして、五・〇%の引き上げ率のうち約二・六%が看護関連分というふうになっております。 具体的な点数の設定に当たりましても、例えば看護料につきまして平均二〇%という大幅な引き上げを行いますとともに、夜勤体制につきましても、いわゆる二・八とかあるいはまた三・九が実施されまして、労働時間も適切な場合には加算を新設する等、点数上も勤務条件の改善のインセンティブが働くように配慮を行うことにしておるところでございます。このような今回の改定が実施されることによりまして、看護職員等の勤務条件の改善につながるものと考えておる次第でございます。
○衛藤(晟)委員 高齢化社会を迎えるに当たりまして安定的な医療保険の確立が重要でありまして、そのためには医療保険制度のあり方についても早急に検討に着手すべきであるというぐあいに考えておりますが、今後どのように進めていくのか、お伺いをいたしたいと思います。
○山下国務大臣 先ほど来申し上げておりますように、いよいよ高齢社会を間近に迎えているわけでございます。したがって、それに不可欠なものは、良質な医療を効率的、安定的に供給するということであろうと思います。そのためには、制度の枠組み、給付の範囲、財源のあり方、こういった面を幅広くあらゆる角度から検討して、総合的な検討に着手していくということが必要であろうと思います。さらに、このたび健康保険法の改正に当たって医療保険審議会の創設をお願いいたしております。この審議会が発足いたしますと、早急にこれらの問題に着手してまいりたいと思っております。
○衛藤(晟)委員 ということになりますと、いわゆる一本化という案も過去において出されたわけでございますが、一本化あるいは一本化でなくて個々の保険の長所を生かしながらやるということもひっくるめて、抜本的な、もとからの検討を進めるということになるわけでありますか。
○黒木政府委員 将来の医療保険制度をどうするか、これはもうさまざまな意見があるところでございまして、もちろん制度を一本にしろという御意見もあるわけでございますけれども、私どもは制度の一元化ということで発想いたしておるわけでございますが、給付と負担を公平な形にしていくためにはどうするかということで、大臣からも御答弁いたしましたように、その制度の枠組みをどうするかから始まりまして、さまざまな意見の中で、新しくお願いしております審議会で関係者の意見の合意を求めつつ、お尋ねのような将来あるべき医療保険の姿を描き、それに向かっての検討に入っていきたいというふうに考えておるわけでございます。
○衛藤(晟)委員 これら喫急な課題に対応すべく、健康保険法の改正案やこれから出される看護婦等の人材確保法が一日も早く成立できるように。我々も努力したいと思いますし、また、各党での協力を望みたいというぐあいに思っておるところでございます。 次に、障害者対策について伺いたいと思います。 障害者対策の今後の大きな課題の一つに社会参加の促進を図ることがございますが、特に精神薄弱者に関しましては、この分野における対策のおくれが見られるように思います。精神薄弱者の社会参加を促進するための積極的な支援策を講じるべきであると考えておりますけれども、それについてどういうぐあいにお考えでしょうか。
○土井政府委員 御指摘がございました精神薄弱者の社会参加の問題でございますが、非常に重要な課題であると考えております。先般、精神薄弱者の基礎調査を実施いたしましたが、その中におきましても地域活動への参加状況が低調になっておりまして、ほとんど参加しない、参加したことがないという人たちが七〇%になっております。このため、平成四年度の予算案におきまして、新規の事業といたしまして精神薄弱者社会活動総合推進事業、これを十の県、市で実施をするということを予定をいたしております。さらにまた、全国レベルのスポーツ大会を本年の十一月に東京で実施をする予定で計画を進めております。ざらに、パラリンピックの国際大会への選手派遣の予算も新しく計上しておるところでありまして、今後ともこれらの施策の推進に最大限の努力をしてまいりたいと考えております。
○衛藤(晟)委員 先日、私は精神薄弱者育成会の方々とお話をいたしておりましたら、皆様一様に親亡き後という心配をされておりました。御存じのように、精薄者は過去においてはいわゆる短命だとも言われておりましたけれども、日本人の平均寿命が延びるのと同様に、精薄者の平均寿今もずっと延びてまいりました。そういう意味で、自分が亡くなった後、子供たちはどうなるんだろうかという心配を大変されているようであります。 この心配はぜひとも国の責任において取り除いてあげなければいけないなということをしみじみと感じておるところでございますが、厚生省においてもぜひ検討していただきたいなと思っているところでございます。 さらに、障害者全体に言えることでありますが、障害者の高齢化対策について検討を始めなければいけないなということを感じているところでございます。例えば、六十五歳以上お年をとられまして障害者で動けなくなりますと、一般の特別養護老人ホームに行付ということになりますが、そういう障害者を受け入れるような施設設備になっておりませんので、非常にやはり困っております。さりとて障害者専門のそういう特別養護老人ホームというものはまだなかなかできていませんので、会でいろいろな方々が集まってそういうことをやろうとしても、なかなか実現化しない。施設設備というものの基準がそういうぐあいにないということになっておりますので、ぜひとも私はやはり障害者全体の、障害種別に応じた高齢者対策について検討を始めなければいけないと思っています。今申し上げましたような障害の種別あるいは専門に応じたような特別養護老人ホームとかの道もぜひ開くというような検討を始めていただきたいと思っているところでございますので、これをぜひとも要望しておきたいというぐあいに思います。 それから、精神障害者対策について御質問申し上げたいと思います。 精神障害者対策についてもなかなか社会復帰の促進ということはできていません。極めて難しい状況にあります。国としてもいろいろなことを今考えてやっているわけでございますが、この社会復帰の促進について、非常に重要な課題でございますので、そのための施策を積極的に私は進めるべきであるというぐあいに考えております。やはり精神病院から出る、いきなり職場には復帰できない、それから家族関係等あるいは地域での人間関係というのもなかなかうまくいかないというぐあいでございますので、それについてどういうぐあいにお考えなのか、お聞かせをいただきたいと思っております。
○山下国務大臣 昭和六十三年に施行されました精神保健法、この精神というものは、今お話がありましたこの方々が社会復帰を非常に望んでおられるということから、この社会復帰対策が一つのこの法律の骨子になっているわけでございまして、今後ともその充実に努めてまいりたいと思っております。 そのためには、施設の整備であるとか通院患者のリハビリテーションの事業を充実していく、あるいは保健所や精神保健センターにおける社会復帰相談事業、こういうものを推進していくということでございます。また、精神障害者のグループホームに対する助成、あるいはショートステイ、それからやはり精神障害者と一般の方々の親睦といいますか、親善を図るためにお互いが交流し合うその一つの場として、スポーツ振興をやって、スポーツ大会等を通じて健康な方々と障害者の交流を図っていく、こういうこともひとつやっていかなければならぬな、このように思っております。
○衛藤(晟)委員 ことしグループホーム等も検討されておりまして、非常に効果が大きいようでございますので、今後ともぜひ充実方についてまずはお願いをしておきたいというぐあいに思っているところでございます。 精神障害者の対策は、障害者問題の中でも一番おくれているように感じているところでございます。一つは、私も県議会の方におりましたので感じますのは、実は国の方は精神障害者もあるいは身体障害者等の対策も厚生省で一本なのでございますが、各県ほとんどこれが別々になっておりまして、福祉生活部というのとそれから例えば保健環境部とか、そういう形に分かれているわけでございます。社会福祉の方は各市町村までその末端組織があるわけでございますが、保健の方は市町村にその窓口がないところが多い。ほとんど県が持っているというところが多うございまして、ある程度の市でないと保健所を持たないというぐあいになっておりますので、そこのところでどうしても分かれてしまう。片方の心身障害者の福祉の方は、厚生省の考え方が県あるいは市町村まで、末端まで真っすぐストレートに行くわけでございますが、どうしてもこの精神障害者は、保健という面、医療という面から抜け切ることはできないというか、どうしても離れることはできないという宿命を持っておりますので、どうも県の段階でとまったりするということがあるようでございますので、ぜひともこの問題についても御検討をお願いいたしたいということをまず要望したいというぐあいに思っております。 それから、精神障害者の社会復帰を促進するために社会復帰施設の整備が必要であると考えております。例えば身体障害者、心身障害者、いろいろなこういう施設設備というのは相当充実されてきたように思いますが、それに比べて精神衛生法が施行されたのが六十三年からということがあるのかもしれませんが、精神障害者のこういう施設の整備というのは極めておくれている状況でございます。私どももこれらの会の方々とお話をして、身体障害者、心身障害者と同じような例えば適所施設みたいなものをつくろうじゃないかといって大分やってみるのですが、なかなか難しい。その隘路は、どうも精神障害者社会復帰施設については運営費の四分の一が設置者の負担になっているということで、施設の整備が進まないのじゃないのかなということを思うわけでございます。この設置者の負担を一般の福祉施設と同じような形になくすべきではないかというぐあいに思っておりますが、これについてどうお考えでございましょうか、お伺いいたします。
○寺松政府委員 最初に、先生が要望されました件でございますけれども、私ども県庁等の本庁部内あるいは県と市町村との精神障害者の復帰対策につきまして、総合的に相連携してやっていくように今後は指導してまいりたいと思っております。 それから、今御指摘の件でございますが、精神障害者社会福祉施設につきましては、他の社会福祉施設とは異なりまして、運営費等につきまして四分の一は設置者が負担するということに建前はなっておりまして、なかなかこれが施設の整備の充実拡大にどうもマイナスの要因になっておるというふうに私どもも受け取っております。また、先般私どもがお聞きしました公衆衛生審議会の厚生大臣への中間的な答申につきましても、やはりその辺が指摘されております。したがいまして、私ども精神障害者の問題につきましては、社会復帰対策が法の精神にのっとりましても非常に重要なことだと考えておりまして、何とか社会福祉施設の整備の充実を図ってまいりたいと思っておりますので、今御指摘のいわゆる設置者の四分の一負担の問題、これは運営費に関してでございますが、その辺の解消のために関係省庁とも積極的に相談をして、その結果を私ども成功させたいと考えております。
○衛藤(晟)委員 ぜひこの精神障害者の社会復帰につきまして、国民の理解を得られるようにうんと進めていただきたい。先ほど申し上げましたように、設置者の負担もなくしていただきたいし、また、どうしても国民の側の偏見と言っては悪いですが、やはりいろいろなことを心配されるという面から、施設もいざ用地買収に入りますと買収しにくいというようなこともありますので、それについてはむしろ一般の社会福祉のそういう施設以上に恩典をつけてあげていただきたいなというぐあいに思っておりますので、これを要望しておきたいというように思います。 それから、社会福祉のいろいろな施設、これは老人施設にいたしましてもあるいは身体障害者の施設にいたしましてもあるいは精神薄弱者の施設にいたしましても、どうも一カ所で、単体でぽっとつくられるというケースが多いわけでございますので、これについて検討していただきたいなと思っております。老人の場合は、今デイケアだとかショートステイだとか、それに老人ホームが併設というような形がされていますけれども、ここにぜひやはりもうぼちぼちお年寄りが働けるような場、そういうものを併設できるとか、そういう工夫をしていただきたいし、あるいは精神薄弱者の適所施設、大体二、三十人ぐらいでやっているわけですが、先ほど言いましたようにある程度通所に入っております人たちが高齢化していきますと、どうしても収容施設というものが必要になってまいります。ここに収容施設が併設できるような形でやっていただきたいし、あるいはこの近所で働く場を確保できるような形というぐあいにやっていただきたいなと思っております。その一カ所一カ所で一定の中核の施設をつくっていただきたいし、そこにおいては施設全体が一貫してやれるようなそんな施設ができるような形に、むしろそういうことを進めるような形に行政の方もバックアップしていただきたいなというぐあいに思っていますので、そういうことについて一言御意見をお聞かせいただきたいなと思っております。
○土井政府委員 ただいま御指摘がありました障害を持つ方々の高齢化の問題あるいは収容施設の収容実態等から見ていろいろな各種の施設の複合化の問題、非常に重要な指摘であると考えております。私どもも今後の施策を展開するに当たりまして十分問題意識を持って取り組んでまいりたいと思いますので、よろしくお願いしたいと思います。
○衛藤(晟)委員 最後に、戦傷病者や戦没者の遺族は、もう戦後四十七年目を迎えまして非常に高齢化をいたしております。年々この戦傷病者の方々というのは少なくなっていますし、また高齢化が進んでいるわけでございます。こうした方々を対象としている戦傷病者戦没者遺族等の援護法に関しましては、従来から恩給法と同様に、国家補償の精神に基づいて処遇の改善を行っているというぐあいに承知をいたしております。今後とも引き続き同様の処遇改善を行っていくべきであると思いますが、その国家補償の精神を今後も貫こうとするのかどうか、まずそこについて大臣からお答えいただきたいというふうに思っています。
○多田政府委員 戦傷病者戦没者遺族等援護法に基づく障害年金、遺族年金等は、従来から恩給の額の引き上げに準じまして改定を行っているということでございまして、この基本姿勢は全くそのとおり今後とも引き続いてやっていきたいというふうに考えておるところでございます。
○衛藤(晟)委員 ぜひ貫いていただきたいし、まだ若干のおくれがございますので、これの差も大分埋まったようでございますけれども、あくまでも国家補償を貫くようにということを希望いたします。 ちょっと時間が早目でございますが、以上で終わらせていただきたいと思います。ありがとうございました。
○牧野委員長 田中昭一君。
○田中(昭)委員 私は、厚生委員会の質問は初めてでございますが、かねがね厚生大臣を頂点に、厚生行政、日本の福祉の充実などについて御努力をされておることに、まず冒頭、心から敬意を表したいと思います。 いろいろ厚生行政について申し上げたいこともございますが、きょうは私は、緊急な課題であると思っております水俣病の問題、これは厚生大臣は予算委員会でも御答弁がございましたように十分御承知のことだと思いますから、この問題に重点を絞りまして幾つか御見解をお聞きをしたい、こう思っております。 一昨日の厚生大臣の所信表明でございまして、我が国は世界に誇る繁栄と豊かさを享受するようになった、国民一人一人が豊かさを実感でき、その豊かさを社会全体で共有できるように努めていくことが求められている、全く賛成でありまして、そして健康で心豊かに暮らせる長寿・福祉社会の建設に向けたきめ細かな施策を推進し、生活大国の実現に全力を傾注してまいりたいと思う、こういう発言がございました。 この水俣病の実態というのは、そういう観点からするとやはり日本の福祉行政、環境行政の最大の汚点である、私はそう思っております。過日、二月五日に福岡高裁で和解協議に関する中間的な取りまとめの所見が出されております。残念ながらこの和解には国は参加をしていません。熊本県は参加をいたしております。熊本県知事は、ついこの間まで自民党の水俣病対策委員会の委員長で、労働大臣でもございました。今、和解に参加をして、積極的にこの問題の解決に努力をしている、こういう実態になっております。 二月の七日の日に東京地裁の分離判決がなされました。残念ながらこの東京地裁判決というのは、私にとっては全く納得のできない判決であると申し上げておかなければいけない、こう思っております。しかし、この五日の福岡高裁の所見なり二月七日の東京地裁の判決については、三十数年間非常に長年の経過がございまして、国民の皆さんの中にもあるいは政治家の皆さんの中にも、この問題の問題意識が非常に薄かった。しかし、主要なマスコミの新聞がすべて社説でこの問題を取り上げるなど、改めて世論喚起がなされたと思っております。 一月の二十八日に衆議院本会議で我が党の田邊委員長が代表質問でこの問題を取り上げました。宮澤首相の答弁は極めて大ざっぱで、その真意はわかりません。これを受けまして二月の二十日に衆議院の予算委員会で、これも我が党の新盛委員がこの問題を取り上げました。この際、厚生大臣の答弁があったことも存じております。大臣は十分御承知だろうと思いますけれども、この水俣問題というのは世界でもまれに見る大公害だ、こう言われております。すべての環境問題などを取り上げる書物にはそういうことが書かれているわけであります。公害の原点であると言われておりまして、公害環境行政最大の汚点だ、こう言われておるわけであります。また、大企業による許されない犯罪行為でもある、こういう指摘もなされておるわけです。そして、人権無視、非道の政治の典型である、ここまでマスコミは報道をしているわけであります。 この水俣病が発見をされて以来、三十数年が経過をいたしております。その間、患者の皆さんは、人間としての尊厳がじゅうりんされたまま、生き地獄のような生活が続いているわけであります。その患者さんの平均年齢は既に七十歳に近づこうとしているわけでありまして、何とか生きているうちに救済を、こういう叫びは日々強まっておるわけであります。近代国家と思われないそういう状態、紛争状態が三十数年も続いているわけであります。 我が国は先進国だと言われておりまして、環境問題ではリード役を担う立場にあると思います。五月に開かれます地球サミットでは、名実ともに我が国はこの会議のリーダーの役割を果たす、こういうふうにお聞きをしております。経済大国と言われ、憲法では基本的人権の尊重と民主主義というものがうたわれておるわけであります。そういう国の中で、先ほど申し上げましたように、水俣病問題というのは一向に片づかないわけであります。この問題については、厚生省も食品衛生法上等の関係で、国家賠償責任を問われている当事者であります。ですから、環境庁任せで厚生省は知らない、こういう態度に立つべきではない。国家賠償責任を問われている当事者として、この問題について一定の明確な態度を明らかにして、この問題の解決のために努力をしてほしい、こう思っておるわけであります。 二月七日の東京地裁の判決では、国や県に国家賠償責任はないという判決になっております。私はこれは全く納得ができません。逆に熊本の第三次訴訟判決では、国、県に明確に国家賠償責任があるということが鮮明になっているわけであります。厚生省の場合も、先ほど申し上げましたように、通産省、農水省などとともに、食品衛生法などに基づく規制の権限不履行で国家賠償責任が問われているわけであります。そういう立場から、私は、先ほど申し上げましたように患者さんたちが七十歳に近づこうとしている、このまま放置をしておけばみんな死んでしまうわけでありまして、そういう意味では緊急なこの問題についての解決が必要である、こういうふうに強く認識をいたしております。 そういう意味から、国家賠償責任を問われている厚生省として、この問題についてこの現実をどういうふうに見ておるのか。そして、この問題の解決なり、特に紛争が続いているわけでありまして、二千数百名の訴訟原告団と争っているわけであります。しかし、訴訟を起こしてない患者は、それに倍する患者が苦しんでいるわけでありまして、そういう意味ではこの紛争の状態をどういう形で解決を図っていこうとしているのか、この点についてまず大臣から基本的な見解をお伺いしたいと思います。
○山下国務大臣 今お話しのとおり、このことが発生いたしましてからかなり長い年月がたっております。この病気によってお亡くなりになった方、その御遺族の方、そして今日なお病床に呻吟しておられる方やその御家族の御心中を察すると、まことにお気の毒にたえない次第でございます。 ただ、この処理の仕方については、いろいろと先ほど仰せになった今まで幾つかの裁判もございましたし、処理の仕方をどうするかということは非常に難しい問題があると思います。今お話しの中にもございましたように、先般の東京地裁の判決によると国側の主張が認められたわけでございますが、今後の処理につきましても、責任の所在ということが一つの大きなポイントになっていくと思います。しかしながら、公害健康被害の補償等に関する法律というものに基づきまして、今日まで二千数百名の方々に対してできるだけの救済は行われてきたのでございますが、さらに同法に基づく施策あるいは今年度から新たにやろうとしている幾つかの施策もございますので、国としては誠意を持ってできるだけ対処してまいりたいと思っております。
○田中(昭)委員 責任の問題が今大臣から言われたわけです。私もこういう問題の解決については、責任というものは非常に重要だと思っております。しかし、これだけ長期間、三十数年争われて、こじれにこじれた紛争問題をどう解決するか、そういう新しい発想の転換を図る時期だというふうに認識をすることが極めて必要ではないかな、私はこう思っているわけです。 私は、決してこの問題について国が何にもしなかった、県も何にもしなかった、そんなことを言うつもりはありません。それは、国も県もできる限りの努力をしていただいたと思っております。公健法上の認定などというものもございまして、救われた患者さんもたくさんおられます。しかし、今ある既存の公健法上の認定にもいろいろ問題がございまして、そこから外れたボーダーライン層の多くの患者が苦しみながら救済を求めているわけでありまして、そういう意味では、責任の問題について、責任論と病像論という問題については、私は、お互い今の時点になりますときちんとした主張があるのは当然だと思います。私は、責任論についても病像論についても一定の見解を持っております。しかし、それを前面に出して、病像論の問題とか責任論の問題を頭から振りかぶって、いろいろと議論をして結論を出すということが可能であれば、大臣言われるように、私は、この問題は三十数年決着ができないなんという状態にはならなかったのではないかと思います。 しかし、現実に環境庁は、先ほども大臣言われるように、公健法上の認定患者でない、いわゆる国として水俣病ではないと思われる人についても、総合対策で何とかしなければいけないという態度に踏み切らざるを得なかった。もちろん中公審の答申などがあったわけですけれども、私はそれはそれなりに国の努力として認めたいと思います。これを積極的にやってほしいと思います。しかし、それだけではこの紛争状態が解決をしないという現実的な問題にどう対応するのかという場合に、私はこの問題の解決についての、言葉はいいかどうかは別にしまして、調停役といいますか仲裁役といいますか、こうしなさいというそういうものがなければ、お互いが病像論、責任論、具体的な内容について一歩も退かないで全面対決をしていくということになれば、これは先ほど言ったようにもう患者さんはみんな死んでしまう、こういう状況になるのではないかな。 その場合に調停役や仲裁役をだれがやるのか、こういう問題になった場合には、日本のこの国の中ではこれをやるのは裁判所だ、司法の側だ。これしかない。この司法なり裁判所の判断にやはりお互いが従う、これ以外に解決の道はないのではないかな、私はそう思います。この点は大臣とも意見の食い違いはないのではないかと思います。 しかし、残念ながら我が国における裁判のあり方、時間がかかり過ぎるわけです。今御承知のように、六十二年に熊本地裁で判決が出された。これは国家賠償責任が国にある、県にもある、こういう判決になっておる。これは国が控訴をして、今福岡高裁で審理が続いておるという状況になっておるわけです。今回の東京地裁の判決、私は納得しませんけれども、その判決も控訴されて上級審で議論が今から開始される、こういう状況になった場合には、この二つの地裁の判決が最高裁まで行って一定の決着がつけられるということになれば、先ほど言ったように患者さんはみんな死んでしまう。私は、これだけの公害、大きな問題が、世界的にも注目をされながら、とうとう未解決のまま患者はみんな死んでしまったということになれば、日本の政治の歴史上極めて大きな汚点を残すし、後世に問題点を残す、こういうふうに思うわけです。 そういう意味から、裁判所の方もあれだけの問題を一つ一つ審理して、そして最高裁で判決をつける、これではもう解決はつかない。こういう立場から、これも御承知と思いますけれども、東京、熊本、福岡、京都、各地方裁判所が和解勧告をしたわけです。それから福岡高等裁判所も和解勧告をしたわけです。この点は大臣も御存じだろうと思うわけです。 なぜ裁判所が和解勧告をしたかということは、先ほど私も申し上げましたように、判決を待つという状況になれば、膨大な時間を要して、その間に患者は全部死んでしまうだろう。そしてまた、判決を出しても控訴をしたり上告をする。そういう権利を妨げるわけにはいかない、こういうことを明確に裁判所は言っておるわけです。それから、国家賠償責任については、事実認定が法理論上も難しい問題である、こう言っておるわけです。三つ目には、先ほど申し上げましたように、病像論についての医学的議論というのは、これは幾らやっても永久に終わらない、こう言っているわけですね。それから四つ目に、公健法上による認定と補償協定による補償を前提とした既存の制度では解決はもうできない。この四つの観点から裁判所が和解を勧告しているわけです。それに対して熊本県も、これしかないだろうということで和解協議に参加をしてきた。福岡高裁を中心にして和解はかなり進んでいるわけです。チッソも和解に参加をしている。国のみがこれを拒否している、こういう状況になっているわけです。 そして、福岡高裁では病像論について一定の所見が出されております。これは大臣御承知のとおりだろうと思います。責任論については、これは我々の立場からすれば極めて不鮮明であります。これは私は裁判所の心遣いだというふうに受けとめております。そういう状況になっているわけでして、そういう意味では、私が今考えるのは、今回の二月七日の東京地裁の判決によって、せっかく福岡高裁でここまで病像論、責任論を含めて所見が出されて、だんだんと意見が狭まってきた。こういう状況の中で、この東京地裁で国、県に国家賠償責任はないということによって、今までいろいろ苦労して福岡の高裁を中心にして和解協議をして狭められてきたことが、後退をするとか逆戻りをする、遠のいてしまう、こういう状況になることを私は憂うるわけです。そうだとすれば、この問題は本当に解決はつかなくなってしまうのではないかな。 そこで、私は大臣にお聞きをしたいわけですけれども、今まで国は熊本の判決によって国家賠償責任を問われてきたわけです。控訴はしていますけれども、負い目になった。しかし、今回の東京地裁は百八十度全く違う判決が出されているわけで、国や県に国家賠償責任はない、こういう判断になったわけです。そういう意味で、私は同等同列の立場、スタンスに立つことができるのではないか。そして、この時期を逃せばこの問題は解決がつかない。そういう和解協議ができ得る地盤というものが今でき上がったのではないかというふうにむしろとらえなければ、東京地裁の判決によってこの問題の解決は遠のいてしまう。こういう状況に絶対にしてはいけない。それをさせないのは政治家である、こう認識をしなければならないと私は思っております。 後ほども申し上げますけれども、東京地裁でも政治的な責任がある、こう言っているわけです。国賠法上の責任はないけれども政治的な責任はある。これは私、後ほど述べたいと思います。そして解決をする責任も国にある、こう言っておるわけですから、そういう意味でお尋ねをしたいのは、国としてこの際、和解協議に参加をして解決に努力をする、そういう立場に立てないのかどうなのかということであります。それから、そうでないとするならば、先ほど言ったように、非常に追い詰められているこの問題をどのような形で解決をしようとするそういう方途、道があるのか、あるならばそれを教えてほしいというふうに思います。 つけ加えておきますと、私は、これだけ紛争状態にある問題ですから、国がどんなに一方的に押しつけても、それは解決にはならない、こういうふうに思います。そういう意味では、私は和解による解決に国はもっと積極的に参加すべきではないかな、こういうふうに本当にそう思っているわけで、ぜひその点を含めまして大臣の御見解を承りたいと思います。
○山下国務大臣 今のお話、私もよくわかるのでございますが、あなたのお話にもございましたように、東京地裁において一応の判決が出まして、やはり今後の厚生行政の上でも、その責任の所在がいずれにあるかということは国の行政の根幹に関する問題でございます。この根幹に関する問題において現在は全く違う、非常に大きな隔たりがある。したがって、こういう隔たりがある現状において、先生のおっしゃるように、その隔たりがあるまま国が仲介をすることが可能であるかという点について、率直に申し上げて私どもは大きな疑問を持っているわけでございます。 私ども何とか解決したいという気持ちには変わりないのでございますが、ただ、おっしゃるように、国が行司役としてこの問題について中に入ってやれよというについては、お互いの主張がもう少し何とかならなければ、現状においては、この判決によりますと責任の所在が全く違うのでございますから非常に難しい、私はそういう感じがするわけでございます。
○田中(昭)委員 私は、国が中に入って行司役をとれ、こう言っているんじゃないんです。そうじゃないんです。大臣もおっしゃるように、国と被害者の方々、原告、裁判に訴える方は原告ですが、国と被害者との間に意見の対立点があるわけです。責任論にしても病像論にしても、その具体的な中身については、これは今からの問題ですから、和解の場で話し合いをするわけです。しかし、大臣おっしゃるように、特に責任論は対立があるわけです。この対立点は、熊本の判決と東京の判決が百八十度違う。お互いに控訴をしておる。これを決着をつけようとすれば、控訴したのがどんどん上に上がっていく。最終的に最高裁で決着がつく。これは、あと京都でも大阪でも新潟でも裁判をやっているわけですから、今後どういう判決が出てくるのかわからない。それが全部上級審に行って、最終的には最高裁まで行ってしまうということになれば、これは残念ながら、日本の裁判制度からすればあと何年かかるだろう。一年、二年なんというものじゃない。結局二けた以上の年数がかかるわけです。そうしますと、先ほど言ったように、七十近くなった患者というものはもうみんな死んでしまう。大変な悲劇、そして、公害行政の汚点が大きく残っていくことになるということを言っているわけです。 ですから、国が行司役じゃなくて、国と原告との間に対立があって三十数年紛争状態が続いて、これは何とかしなければいけないということで、多くの裁判所が和解によって話し合いをしないですかという和解勧告をやってきた。国の委任業務を取り扱っておる熊本県も、もちろんチッソも、この和解の協議の中で何とか片づけたいということで和解協議をしてきた。和解が進んでいく中で、その対立点は裁判所の所見という形でだんだん縮まっている。大臣は懸隔が大き過ぎると言うけれども、私は、この和解協議を通じて、病像論についても責任論についても、どんどんその懸隔というのは縮まっていると思うわけです。 ですから、国が仲裁役とか行司役でなくて、そういう状況の中で国と原告、国と被害者、そういう紛争状態を片づける仲裁役、調停役が必要ではないか。しかし、それは国がやっても、原告の方は相対峙しているわけですから、うんと言わないわけですね。そうでしょう。さりとて原告の言うことを国も、それじゃわかった、それじゃもうしょうがないから聞こう、こういう態度には立てないわけですから、だれかがそれを仲裁、仲介しなければいけない。それは一体だれがやるかというと、裁判所しかないんではないでしょうか。 その裁判所が、司法の側が、今の日本の裁判制度、ずっと時間がかかり過ぎる、これではもう解決はできないということで、先ほど言ったように、法理論上も責任論の問題としては非常に難しい、病像論についても医学上の見地から議論すれば永久に終わらないということを、その仲裁役をしなければならない司法の側が認識をして、そして、和解によってお互いが和解の場でいろいろ話し合いをして、和解というのはある意味では妥協なんです、それしかないんじゃないかということをすべての裁判所が勧告しているわけです。三権分立の立場に立っても、私はやはり国はこの和解の場に参加をして、そして、この問題について何らかの解決を図るという立場に立つべきじゃないかな。ですから、大臣が言われるように、国が仲裁役になるとか、それでは片づかないわけですよ。 だれが仲裁役をとるのか。これは司法の側。司法の側が、本来は判決がいいのだけれども、今の裁判制度、そして、これだけ膨大な原因を究明し、調べていくということになればもう何年かかるかわからない、五年、十年では済まない、こう言っているわけです。それで和解勧告をしたわけですから、そういう意味で、ぜひこの和解の場に出ていって、県も積極的に県の意見も言っていますよ、これは御存じだろうと思いますけども。ですから、そういう態度になぜ立てないのかということをもう一回お聞きをしたいと思うのです。
○玉木政府委員 ただいま厚生大臣から御答弁もあったわけでございますが、我々事務方の考え方といたしましては、原告側は、国及び県の賠償責任の有無とか、原告らの水俣病罹患の有無といった訴訟の基本的な争点に関する東京地裁の判決を不服として控訴されております。また、東京地裁における和解協議の打ち切りを申し立てておられると聞いております。これにかんがみましても、依然として原告側と国との間の主張の隔たりは大変大きくて、和解に応ずるというような考え方は出しにくいんじゃないか、このように考えております。 したがいまして、国としましては、平成四年度から新たに水俣病に係る総合的な対策を講じることといたしておるところでありまして、厚生省としましては必要な協力をこれからもやってまいりたい、このように考えております。
○田中(昭)委員 環境庁が中公審の答申に基づいて総合対策を実施をされる、医療手当であるとか 医療費の支払いについて。そして、これは十億何ぼの予算、国費は半分、五億ちょっとですか、それはそれで結構だと思うのです。やってもらわなければいけないと思っているわけです。しかし、それだけでは解決つかないじゃないですか。解決つかないわけですよか国が幾ら努力をしていろいろやっても、解決がつかずにいつまでも紛争状態が続いておるというそういう現実についてどうしようか、こう言っているわけですね。 私は、国が和解の場に参加をして、国の立場をいろいろ和解協議の場で言うということになった場合に、先ほど言ったように、和解というのはこれは妥協ですから、原告の側もみずからの主張を一歩も退けるわけにはいかないという態度に終始をするということは、これはできないと思います。これは、原告といえども、判決を求めるのではなくて和解で解決をしようという立場に立つならば、和解協議の場ではそれなりの譲歩、妥協があり得る、こう思っておるわけです。それは福岡高裁などにおける和解協議の場で、県と原告との間の和解協議というのはもう八回ですか九回ですか、やられてきていますが、一定のやはり狭まりが出てきているわけですから、国がそれに参加をしていくということになれば、生きているうちに救済をということでしょう。原則論ばかりに立っておっても、これはみんな死んでしまいますよ。だから、いつまでたっても教条的に原則論の旗を立てて、現実、実をとるか、名をとるかという問題。名だけをとるということでは、旗を立てて突っ張ればいいと思いますよ。しかし、現実に生きているうちに救済ということになれば、和解に参加をするというのは、一定の妥協を図るということだというふうに私は理解をしているわけです。 それは福岡高裁における原告の態度を見てもわかると思います。例えば責任論などについては、私は福岡高裁の和解の所見は、原告の方はみんなやはり満足してないと思いますよ。しかし、それは何とか解決をつける、こういう立場に立つからそういう態度になっておる。ですから、私は何回も言うように、仲裁役、調停役ができるのは司法しかいない。しかもそれは、判決は余りにもはるか遠くに過ぎる、和解しかないんじゃないかということを再三申し上げておるわけでありまして、それは今の段階で国と全く対立をしているわけですから、原告の側がみずからの主張をずっと主張をしていくということは当然のことだと私は思うので、局長さんが言われるような話にはならない、こういうふうに思います。 それで東京地裁は、大臣言われるように、確かに国に国家賠償責任はないという判決ですね。環境庁の局長さんがあの判決が出た際にテレビに出て、そして、まさに勝利者宣言みたいな発言をされているわけですね。私、腹が立って仕方がなかったわけですが、こんなものは勝ち負けの問題じゃないのですよ。東京地裁だって、当時やはり今のように法律なども十分にきちんと整備されてなかった時代のことですから、そういう意味では、その法律の適用などについて、厚生省とか農水省、水産庁あるいは通産省などについて、規制権限があったのかどうなのかという問題などについていろいろ問題ありということで、国家賠償責任ない、こう言っていますけれども、しかし、判決では明確に解決責任はある、こう言っているわけです。政治的な責任でもあると言っているのです。すぐれてこの問題は政治の問題であるということを明確に言っているわけです。 これは判決の十一章を大臣よく読んでください。おまけに最後のくだりでは、本問題を解決するには、和解によって合意形成する以外にないということを東京地裁も言い切っているわけですよ、これは。東京地裁は、賠償責任ない、しかし政治的な責任ある、解決の責任もある、解決をするためには和解で合意形成する以外にない、そういう状況がこの東京地裁の判決を契機にしてでき上がってくることを強く望むということを判決の結語にしているわけですね。これ御存じですか、この東京地裁の判決。ですから、環境庁のお偉方が言うように勝ったということだけじゃなくて、そこのくだりを、政治的責任あるんだ、解決責任ある、そして、その解決のためには和解で合意形成する以外にないのではないかという判決の最後の結語についてどうお考えですか。ここのところを明確にしてほしいわけです。
○山下国務大臣 先ほどから繰り返し申し上げますように、東京地裁の判決は、国に賠償の責任がないということをはっきり判決でうたってあるわけであります。ですから、裁判所が仲裁をするにいたしましても、その場合においては、裁判所の判決を尊重しなければ裁判所の仲裁はあり得ないと私は思うのです。裁判所の判決は反対だよと言いながら裁判所に仲裁せよと言って、それができるかどうかという問題でございますから、やはりこれをまず肯定しなければ裁判所の仲裁にはなじまない問題であると思っております。 今、政治的問題についてのお話がありましたが、これはまた別途の問題でございまして、裁判所の仲裁が政治的解決まで及ぶかどうかということは、これまた私はいかがなものかと思っております。
○田中(昭)委員 さっきも申し上げたのですけれども、大臣、判決は東京地裁の判決だけじゃないのですよ、これは。そうでしょう。熊本地裁の判決も出ているわけです。これは国も県も国家賠償責任あるという判決が出ているのですよ。これは今控訴して上級審に行っているわけだ。東京地裁は正反対の判決が出ているわけだ。ですから私は、同等の立場に立てるということを先ほどから申し上げておるわけです。大臣は東京地裁の判決で賠償責任はないということだけを言っていますけれども、そこのところはやはりきちんとしておかなければいけない。同等同列の立場に立たなければ、国家賠償責任ないという東京地裁の判決だけをよりどころにすることについては、私はやはり納得ができないわけです。そこのところをきちんとしてほしい。 それから、これだけいろいろな難しい問題があるから、政治的な解決をしなければいけない。すぐれてこれは政治問題だという提言があって、そして解決をする責任もあるという提言があって、おまけにそれは和解の場で合意形成する以外にないのじゃないかという提起まである。ですから冒頭申し上げたわけです。 基本的なスタンスに立ったままこの問題の解決を図るとすれば、最高裁で決着がつくのを待つ以外にないんです、これは。そのとき患者はみんな死んでしまうわけです。みんな死んでしまうわけだ。公害の原点と言われ、環境行政、公害行政の汚点だと言われた問題が未解決のまま、大臣、よく聞いておいてくださいよ、最高裁で最終的な判決が出たときには患者はみんな死んでしまっておったということになれば、まさしく後世に憂いを残す問題として最大の汚点になる。こういう認識をすることによって、責任論の問題にしてもいろいろな問題にしても、発想の転換をしなければこの問題の解決はできないということを私は再三申し上げておるわけです。 ですから、そういう意味で、政治家としてこの際この最高裁の判決を待つという姿勢じゃなくて、生きているうちに救済をしようという場合にはどういう救済の方法があるのか。環境庁が中公審答申に基づいてやろうとする総合施策だけでは解決にならないわけですから。せっかくここまでやって、熊本県もあれだけの努力をしてきて、なお紛争が解決しないということはまさに私は残念でしょうがないわけで、今の段階、国があと一歩踏み出すことによってこの問題の、これは原告にとってみれば全面解決になるかどうかは別にしても、一定の解決の道をつくることができるのではないかな。そういう意味で発想の転換を重ねて大臣にお願いをしたいと思うのですが、いかがですか。――大臣に聞いている。官僚がいろいろ言うからいかぬのだよ。
○玉木政府委員 先生御案内のように、現在も原告側の方では国に国家賠償法に基づく賠償責任がある、こういうぐあいに主張されておられます。 国としましては責任はないんだという反論をいたしておりまして、この状況は変わっておりません。訴訟の争点であります国の責任の有無は、先ほど大臣が申し上げましたように国の行政のあり方の根幹にかかわる問題でございます。原告側が従来から国の責任に基づく救済を求めてきているところからして、依然として原告側と国との間は隔たりが大きいという観点に立っておりまして、和解に応ずることは難しいのではないかという考え方でございます。したがいまして、厚生省としてでき得る限りのことはこれからも続けて行うわけでございますが、環境庁が行う行政施策を見守ってまいりたい、こういうのが我々の立場でございます。
○田中(昭)委員 環境庁がやる総合施策というのは、先般の中公審答申に基づいてなされるあの施策でしょう、医療手当とか医療費。これだけで解決つかないんですよ、局長。解決つかないから言っておるわけですよ。だから総合対策というならば、それで解決がつかなければいけないわけですよ。解決つかないから私は言っておるわけです。 それから局長、局長が言っていることは矛盾がありますよ。いいですか。国は和解に参加してないわけです。和解を拒否してきているわけです、今まで。そうでしょう。熊本県もチッソも原告と一緒に和解の場で八回も九回もいろいろ議論をしてきて、先ほど言ったように、それは原則論はお互い踏まえつつも、基本論は踏まえつつも、具体的な中身について協議してきているわけです。そして、次から次に合意をした司法の側の所見が出されてきているわけですよ。国は和解に参加してないわけじゃないですか。その和解の場で何にも国として発言してないわけです。相手の意見も聞いてないわけですよ。そうでしょう。ですから、原則論のまま立っているわけです。原則論のまま立っておれば、先ほど言ったように、それはいつまでたっても解決がつかないわけですよ。 ですから、国が和解の場に出て、具体的な問題についていろいろ議論を交わした上でも、なおかつお互いの意見が対立したままどうにもならない状況だということであれば、私はこういうことを言わないわけです。しかし、正規の裁判の場であるとかいうことになりますと、お互い基本論、原則論に立っていつまでたっても間隔が狭まらない。そのことをしきりに局長は強調しておる。和解に参加をしてない立場でそういう発言をするのは、私は矛盾があると思います。これはいかがですか。
○玉木政府委員 おっしゃるとおりでございますが、原告側としましては、やはり国は責任あるという立場を崩しておられません。そういう立場で、国は責任はないんだという立場をとっておるわけでございまして、こういうような状況のままで和解のテーブルに着くということは非常に難しいんじゃないか、こういう考え方でございます。
○田中(昭)委員 難しいならどういう方法で解決を図ろうとしているのか。生きているうちに救済をして何とか解決を図ろうという気持ちがあるのかないのか、ここを聞いておきましょう。
○玉木政府委員 この問題につきましては、先ほどからいろいろ大臣も御答弁されておられますが、やはり法に基づく国の行政のあり方の根幹にかかわるということでございますので、裁判所におきます公正な判断が速やかに出されることを期待したい、こういうことで四省庁の水俣病訴訟に関する国の見解が昨年十月に出されているところでございます。
○田中(昭)委員 世論はこの問題についてどういう見解に立っておられるのか、これは大臣、御承知ですか。二月七日に東京判決が出されました。二月八日の新聞は一斉に社説でこの問題を取り上げておるわけです。 ちょっと紹介しますと、「判決は国への免罪符ではない」、これは熊本日日新聞。「水俣病に国の責任がないとは」「和解による解決を目指せ」、西日本新聞。「水俣病の全面解決を急げ」「国はこれまでの姿勢を改め、和解協議の席に着くべきである。」毎日新聞。「判決で和解への道を閉ざすな」「国の総合対策事業と和解交渉をドッキングさせることは、十分可能」と言っておるわけです。「福岡高裁での和解交渉では、双方にそれほどの認識の相違は見られない。」と言っているわけです。読売新聞。「水俣病の解決を遠のかせるな」「ここにいたってもやはり、国は和解のテーブルにつけ、といっておく」、朝日新聞ですよ。日本の主要な新聞社が一斉にこういう報道を社説で取り上げるということは、これは恐らくほかの問題じゃないと思うのですね。それほど私は、この問題の世論というのはもう既に形成されている。ただ、今局長が言うような話は、単に国が言っているだけですよ。国もこれは言う必要ないと思うのです。 もう時間も余りありませんが、私たちのこの問題の先頭に立って、水俣病全国実行委員会の代表委員には大石武一先生がなられておる。この大石元環境庁長官は、四十七年のストックホルムの演説で、政府を含めた対策が手ぬるかったこと等により多数の悲惨な犠牲者を出した、早期に十分な救助の手を差し伸べ得なかったことに政府は責任を痛感している、こういう演説をやっているわけです。三木長官は国会答弁で、一日も早く悲惨な状態を解決し、補償問題や病気からくる不安を片づけ、将来の健康管理を含め、市役所といわず、会社といわず、国といわず、一体になって取り組みたいと言っているわけです。この問題で県債を発行して、公害部を設置して、公害部に百五十名の職員を配置して一生懸命努力しているのはどこですか、熊本県じゃないですか。県の知事は元の労働大臣で、自民党の対策委員長じゃないですか。三木長官は、市役所といわず、会社といわず、国といわず、一体となって取り組みたいと言っているじゃないですか。ここのところを一体どういうふうに理解をするのか、ここのところもぜひお考えをいただきたいと思います。 時間がもう余りないそうですから、最後に私は幾つかの点についてお願いを申し上げたいと思います。 その第一は、大臣が、環境庁長官にしても厚生大臣にしてもしょっちゅうかわります。私が国会に来てからももう三人がわられておるわけです。理解しかかった段階で大臣がぼんぽんかわっていかれる。非常に残念なことだと私は思っているわけです。各厚生大臣、環境庁長官にも私は本当に訴え続けてきた。しかし、わかっていただけるかと思うとかわってしまう。厚生大臣も早い時期に現地を視察して、原告、被害者との話し合いを一回やってほしい。東京におって官僚の言うことだけを聞くのじゃなくて、原告の意見を十分聞いてほしい。これを第一に申し上げたいと思うのです。 それから第二に、東京判決が出された。控訴した。和解はどんどん進展をしている。今率直に言いまして県も焦っています。国が和解のテーブルに着かなければ、チッソと県と原告で和解を成立させて、国にお金の問題だけお願いしようかなんという論議を熊本県が始めている。これでは国のメンツは全くないと思います。したがって、関係閣僚会議でこの問題について改めて発想の転換をして議論をしてほしい。一週間ほど前に私は官房長官にもこの問題の申し入れを行っております。ぜひこの点をお願いしたいと思います。 それから三つ目に、二月二十日の予算委員会で我が党の新盛委員がこの水俣病問題を取り上げました。厚生大臣も答弁にお立ちになっておるから、その状況はよくおわかりになっておると思いますが、最後の段階で環境庁長官は、新盛議員の提起を真摯に受けとめ、検討するという答弁であの予算委員会は収拾がなされた、こういうふうに理解をいたしております。そういう意味では、和解でなければ解決はないという新盛議員の提起に対して、環境庁長官やあるいは厚生大臣が答弁をして、予算委員会が中断しようとした段階で、環境庁長官が真摯に受けとめて検討する、こう言ったということは、我々が提起をしている和解について検討するというふうに私ども受け取っておるわけで、そういう意味では、先ほど申し上げました関係閣僚会議の中で、この問題についてもぜひあの予算委員会の議論などを踏まえて取り上げていただきたい。 そして四つ目に、厚生大臣、厚生大臣も九州の御出身、厚生省の政務次官の園田代議士は自民党の水俣病対策委員会の事務局長、私は社会党の対策委員会の事務局長、そんなに意思の不統一はないと思っております。そういう意味では、ぜひこの際環境庁との連携なども密にしながら、和解によってこの問題の解決を探る、そういう立場の御決断をしていただくようにぜひお願いを申し上げたいと思います。 もう時間がございませんが、行政の筋を通すとか、政治とは一体何かということが問われておるわけです。私は、行政の筋を通す、政治というのは国民の命や暮らしやそういうものをきちんと守る、そこがやはり原点だと思っています。長い間病魔に苦しんで七十になろうとしておる人たちが、たすきをかけてしょっちゅうしょっちゅう環境庁や厚生省に陳情に来て、どんどん死んでいく、こういう状況を先進国日本の中から早くなくすように厚生大臣に強く要請をいたしまして、私の提起を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○牧野委員長 鈴木喜久子君。
○鈴木(喜)委員 鈴木喜久子ですけれども、初めて厚生委員会で質問をいたします。よろしくお願いを申し上げます。 ただいま同僚の田中議員の方からの水俣病、私の質問の予定の中には入っておりませんけれども、今の御答弁を聞いておりまして、大臣、私も法律家の端くれでございます。和解というものは、それまでの原審の判決にとらわれるということではなく、その上級審の中で、またそこでいろいろな観点からの問題を話し合う場でございます。行政としてなかなか和解というものに応じられにくいという現状は、それは議会その他の関連があるわけですから、なかなか大変なことは認識しております。今現在こうした社会情勢の中で、国が和解のテーブルに着くということは非常に英断が必要なことでございますけれども、大勇断を奮われてお着きになっていただきたいと思います。切にこの点については、私も田中議員の発言に続きまして、大臣に特に心からお願いをしていきたいというふうに思います。よろしくお願いいたします。 それでは私の質問に入らせていただきます。 私の前の質問なんですけれども、去年の予算委員会の分科会、一九九一年の三月十三日、それからその前日であります三月の十二日の法務委員会、その両方を通じまして、新宿区というところにあります旧陸軍の軍医学校の跡に、今現在厚生省の国立予防衛生研究所というものがもうすぐ建ち上がるという形で建設をされております。その建築現場でございますけれども、その敷地の片隅から白骨が三十五体、かなり異様なものでございますし、ただばらばらとではなく整然と入っていたらしいのですが、その部分についてそういった形で人骨であるところの白骨が出てまいった。もうこの事件は既に三年ぐらい経過しておりますが、そのことについて質問をいたしました。そのときに御答弁も数々、法務委員会も、また厚生の分科会でもいただきましたけれども、またその後の経過、動きもございますでしょうから、その点について伺っていきたいというふうに思います。 私がその分科会の中で厚生省にお尋ねをした部分でございますけれども、ここは旧陸軍の軍医学校の跡でございまして、その後に厚生省が管理をされ、建物の中も利用されていたわけでございますが、それは昭和二十年以降、終戦以降のお話だということで、その前の建物の配置が一体どうなっていて、そこにはかなり軍の人体実験やら細菌戦の実験やらがされていたと言われている建物やら、そういった研究所があった。その敷地の中の配置図等があるようであれば、また、何らかの手がかりになるような資料があればお出しいただけるというお約束をいただいているのです。それについてなかなかそういうものが手に入らないということでございましたが、この点はいかがになりましたでしょうか。
○寺松政府委員 今先生から御質問いただきました点でございますけれども、前回の予算委員会の分科会で御質問いただきまして、私がそれでは調べてみましょうと、こういうお話をしたと存じます。 私ども、これは先生御承知なんでございますが、旧陸軍の軍医学校から土地等の管理を引き継ぎました。これは国立医療センターが引き継ぎまして、それをそのセンターから今度は国立健康・栄養研究所に対しまして引き継ぎを受けておるわけであります。そこで、これに関連いたしまして、旧陸軍軍医学校当時のいろんな関係資料というものにつきまして私どもも鋭意調べさせていただきましたのでございますが、いずれの機関におきましても該当するようなものを引き継いでいないということでございます。したがいまして、きょう先生の方にお示しすることができない、こういうわけでございます。
○鈴木(喜)委員 これを出されないというと、どういうところを一体お調べになって、その上でないという結論が出せたのでしょうか。その点も具体的にお知らせいただきたいと思います。
○寺松政府委員 私ども、今申し上げたとおりでございますけれども、国立医療センター、それから現在の国立健康・栄養研究所と申しておりますが、その辺の機関を調べたわけでございます。
○鈴木(喜)委員 この問題に関しましては、後でもお話しいたしますけれども、一体こういうことを調べたり、この人骨を一体どのようにするのか。これから先、これはどなたかが異常な形で亡くなられていることは間違いがないのですが、やはり眠るべきところに安らかに眠らせてあげなければいけないし、そういった形できちんとした始末をつけなければいけないんだけれども、一体どこがそれをやるのかということについていろいろと厚生省の中でもお話がぐるぐるしまして、どこも受け手がない、こういったことがあったわけでございます。 昨年私がお伺いしたときに、資料を探してみましょう、こういうものがあったら出してみましょうということは、その医療センターでありますとかそこにあるものだけをちょろちょろっと調べるということではなくて、もう少し責任を持って各軍、旧陸軍の関係でありますとかそういうところもお調べいただく、そういうことを厚生省の中で、部局はどこの管轄になるかということとはその時点では関係なく、厚生省としてひとつやっていただけるということで私たちは大変な希望を持ったわけでございますけれども、ただいま伺いますと、センターの中を見ましたということでは、それは今まで私が質問する前にもやられていたことではないか、このように思いますが、この点、例えば他の省庁、防衛庁の資料でございますとかそういうものはお調べいただけなかったのでしょうか。
○寺松政府委員 人骨が出た場所が私どもの健康・栄養研究所の敷地の中でございますから、もしもそれに関連するとすれば、それを引き継ぎました国立医療センター、あるいはそれを引き継いだ健康・栄養研究所というものが一つ何かあるのではないかと思うのが当然だと思いますし、それはやったわけでございますが、今先生がおっしゃいました関係省庁というものの例示としまして防衛庁のお話が出ました。私どもも、今聞いたところではございますけれども、防衛庁の図書館等で調べまして、陸軍軍医学校の五十年史というようなものはあるようでございます。それは明治十九年から昭和十一年までの年史というような形で書かれておるものと承知しておりまして、その中には見出すことができません。
○鈴木(喜)委員 どうもありがとうございました。そういう五十年史、またこちらでも参考にもさせていただいて、いろいろと調べていきたいというふうに思います。 ところで、この人骨でございますけれども、その際にも申し上げましたし、法務委員会では、この人骨が出た際に、これは犯罪に関係があるかもしれないということで、警察の方からの調べ、そして科学捜査研究所ですか、警視庁の方の科捜研で調べたという結果などについて法務省で伺い、そしてまた厚生の分科会の方では、そのものについての鑑定をどうするかという問題についてもちらっと伺ったんじゃないかと思います。 鑑定をしようとして、掘り出された場所が新宿区でございますから、新宿区が主体となりまして、これは一体どういう人骨であるのか。科捜研の方からのお答えでは、これは犯罪に関係あるかどうかわからないけれども、死後二十年以上たっているということで、これはもう時効の問題がございますので刑事訴追の可能性がありませんから、犯罪にもうならないということで打ち切られて、細かいある程度のことは私の質問のときにも答えていただいているわけでございますけれども、もっとより肝心な、この骨が果たして日本国民のものであるか、巷間うわさされておりますような中国から強制連行されてきて、そこで何がしかの犠牲になった方々の骨ではないかということで、その人種ですね、性別まではそのときわかっているのもあったということなのですが、人種は一体どこの、外国人なんだろうか日本人なんだろうか、そういうことについてわからなかった。 それでその鑑定を、ではそういうことまで専門的に調べてもらおうとしますと、なぜかこれが依頼を受けた方が断ってこられる。何かどこからか圧力があるのじゃないかということをこの間の質問のときにも申しました。その後この鑑定についてどういうふうないきさつになりましたかということについて、厚生省の方でおわかりになっている点がありましたらお知らせいただきたいと思います。
○寺松政府委員 今委員が申されましたとおり、いろいろと新宿区の方では検査を依頼されたようでございます。なかなか検査の相手を見つけることができなかったようでございますが、最近、昨年の九月でございますか、新宿区が人骨の鑑定を外部の研究者に依頼することになったという旨の新聞報道は私ども承知いたしておりまして、その後その結果がどうなったかはつまびらかにしてございません。
○鈴木(喜)委員 昨年の九月に依頼したというこの依頼先、それからどういったことを依頼したかという鑑定の依頼内容とか、そういうことについてはおわかりでいらっしゃいますか。
○寺松政府委員 今先生御質問の件につきましては、私どももお聞きしたわけでありますけれども、新宿区の方で私どもに御回答いただいておりません。
○鈴木(喜)委員 そうしますと、厚生省の方では、鑑定を頼みましたよということだけを抽象的に新宿区の方からお聞きになったということでございますか。
○寺松政府委員 私どもは土地管理者と申しますか、その人骨が出ましたところの土地管理者でございますので、法令に従いましてそのように届け出をし、私どもの土地管理者としての義務は果たしておると考えておりまして、その結果につきましては新宿区が責任を持ってやるということになっておるわけでございますから、そのようにお任せをしておるわけでございます。
○鈴木(喜)委員 これは後からもいろいろとお願いもし、問題にもしていかなければならないところだと思いますけれども、一年前にもやはり寺松さんからのお答えだったと思うのですが、局長はそこで、私は土地を管理しておりますから、ここについては警察に知らせて、それでお渡ししたのだからもうこれで義務は全部果たしております、そればかりを、議事録を今ずっと見ていますと、たしか三回か四回答えておられる。繰り返しますがと、それ以上何も言っていただけない。唯言っていただいたのは、資料等を探していただけるというところまででございましたよね。 これは厚生省というお役所の性格からいっても、いかにこれが旧陸軍のことで厚生省はその後でございます、土地管理者としての義務だけでございますとおっしゃいましても、やはりここで持っておられ、現在この土地を使われ、その土地から人骨が異常な事態として三十五体も発見されたという事態があった場合に、しかもそれについてただ単にこれが病死の方ということではなく、そうではない異常な亡くなり方をされたものであり、うわさとして、そういう形で中国から強制連行されてきた人たちの犠牲者の一部ではないかというような話が出てきて、それを調べている人たちもいるというような現状の中で、ただこれは土地の管理者でございますから知りません、これは旧陸軍のことでございます、医学校のことまでは存じませんということではなかなか済まないのではないかと私は思うのです。 今後この問題についてもどういうふうに対処していっていただけるものか、この点私たち自身が非常に苦慮しているところでもあり、強くお願いをしていかなければいけないところだと思うのですが、ただ単に土地の管理者としての責任、これだけで突っぱねられたのでは困るのですよね。これは日本人だけでなく、日本の地で亡くなられた方々、その遺族の方々ということを考えますと、そこに対する適切なとらえ方、対応の仕方で最も適合したお役所として厚生省はあるのじゃないかと思うのです。今ありませんからとか紋切り型のお役所としての豚ではなく、こういった問題をこれから先もどのように対処していかれるのかということの窓口にぜひなっていただきたいというふうに思います。 この点について今後どのようにしていくかということで考えていっていただきたいと思うのですが、この場所というのは、予防衛生研究所というものができまして、そこでは近隣との問題もあり、そこでの安全性の問題についてもさまざまな議論がなされているところだと思いますけれども、そうしたものができ上がるということも、ここから人骨が発見されたということは何かしらただ単に偶然とだけは言えないような、一つの神の摂理みたいなものまで感ずるような問題ではございます。ですから、この問題についてこれから先きちんとしたけじめを厚生省でつけていただきませんと、なかなかその次の問題も運用上も発展していかないのではないか、私はそういうふうな感じすらするわけでございますが、この点について厚生省でこれから先どのような形で事実解明またはその後の処理、対応等をしていただけますか、この点を伺いたいと思います。
○寺松政府委員 何度も何度も同じことを申し上げておるようでございますが、関連の関係法令等にのっとりまして私どもは土地管理者として所定の手続きをやった。したがいまして、法律に基づきまして今度は新宿区の方がその辺の人骨の、何といいましょうか解明もやるということで御依頼をされているようでございますので、その結果を見守りたい、このように思っております。
○鈴木(喜)委員 これは今そういうことでよろしいのでしょうか。援護局の方でもそのような形でよろしいのですか。
○多田政府委員 援護局の方というふうに御指摘ありましたのは、多分設置法の「旧陸海軍に属していた者の復員その他旧陸海軍の残務の整理」に関する事務、これが厚生省の所管になっているではないかということを御指摘になっておられるのだろうと思います。この事務、用語だけ読みますと何かかなり幅広く読めるわけでございますけれども、経緯をずっとたどっていきますと、第二復員省で所掌していたこの復員その他の残務処理の事務を順次引き継いでまいりまして、そして最終的に厚生省がこれを引き継いでいる、こういう経緯でございます。したがいまして、具体的には人事関係資料をもとにして行う事務であって、恩給の進達ですとか履歴証明ですとか、そういう人事関係の事務を引き継いでいる、こういうふうになっておりまして、全般的に軍の残務整理を引き継いだということではないというふうに考えております。
○鈴木(喜)委員 これも前にも伺いました。そうではない、だから軍のことを全部厚生省が、援護局が引き受けるということはできないのだということを伺っているわけでございますけれども、そこでもう一つ社会局長、いかがでございましょうか。
○末次政府委員 ただいまの人骨の件に関しまして、社会局としては所掌事務から見まして関係がないものと考えております。
○鈴木(喜)委員 この問題について関係がない。この人骨について、もしこの後、外国人であったというような鑑定結果が出た場合に、それでは厚生省としてはどこが受けていただいて、全部厚生省で管理するということでなくても、人骨がこうこうであったというようなことを新宿区から厚生省の方に申し入れた場合に、どのような対応の仕方を厚生省としては考えておられますか。
○寺松政府委員 私からお答えするのが適当かどうかわかりませんが、今先生の御質問の件につきまして、一般論といたしまして、厚生省として、私どもは土地管理者として果たすべき義務は終了したと思っておるのでありますが、仮に新しい事実が判明いたしまして、それに対処すべき問題が生じるかどうかわからないということだと思いますけれども、もしも仮にそういうものがあった場合には、その事実の内容に応じましてそれぞれの関係省庁が対応されるものだ、このように思います。
○鈴木(喜)委員 一般論としてということですが、その内容に応じましてそれぞれの関係官庁が対応されるということでは、それの関係官庁に交渉をされるといいますか、調整をされるのは厚生省以外にはあり得ないと思うのですが、その点はいかがですか。
○寺松政府委員 厚生省としてというのもあれでございますけれども、やはり新宿区から東京都を経てそれぞれ関係の省庁と御相談なさるのではないかと存じます。
○鈴木(喜)委員 それはおかしいと思うのですね。ここで今言っていることは、新宿区の方から厚生省に対して、こういうふうな形で、人骨で、こういうふうなこれこれの結果が出たと、今言っていることが何もわからないという結果になるかもそれはもちろんわかりませんけれども、仮にわかった場合に、これはどこでやりますかと突っぱねるということでは、全く厚生省としては何もしないと同じですよね。どこの省庁がされるかはその後の問題として、この問題を持ってきて最初にされるのはやはり厚生省じゃないんでしょうか。私はそのように承っておりますが、いかがでしょうか。
○寺松政府委員 先生にお答えするのも同じことなのでございますけれども、やはり仮定の話はなかなかしにくいのではないかと思います。したがいまして、もしも新しい事実があって、それぞれの対応をしなければならないというようなことになれば、それは関係の省庁が対応されることになるのではないかと一般論で申し上げたわけでございます。
○鈴木(喜)委員 もう一度押し問答するようですが、各関係の省庁が対応されるということは、そういう言い方をすると、厚生省は関係ないよということを言っておられるのと同じですか。
○寺松政府委員 明快にお答えできぬのじゃないかと思います。というのは、どんな事態が出てくるかわかりませんので、仮定の話は私の方からお答えするのはいかがかなと思います。
○鈴木(喜)委員 何回聞いても同じですけれども、もう一度聞きます。 もし仮に、仮定だと言われたら困るのですが、鑑定結果がもうすぐ出るという、昨年の九月からの鑑定結果がもうすぐ出るということを踏まえて、ここで出てきた場合に、新宿区の方がこれを関係各省庁、どこかでそれに対応されるかもしれませんけれども、私が今一般論として伺った中では、局長としてはお答えしにくいところではあるかもしれませんが、厚生省のところに持っていって、各関係省庁に、どこかが対応されるということであったら、そこについてまず持っていけば、取りまとめとまではいかないまでも、何とかそこでの調整をしていただけるということに私は理解をいたしますが、次の問題に移る前に厚生大臣、このことについて一言お願いいたします。
○山下国務大臣 これが一体か二体ならともかくも、三十五体となりますと、これはやはり大きな一つの問題であると思います。今局長からいろいろお話し申し上げましたが、私といたしましては、これをただ単に十分調査をしないで、無縁仏として弔うということは心残りがあります。今の局長の話では、もう十分調査をしたと言っておりますが、さらに私の責任において周辺の聞き込みであるとかそういうこと等をもう一回やってみまして、また適当な時期にお答えすることといたしたいと思います。
○鈴木(喜)委員 どうもありがとうございました。それでは大臣からのお言葉をいただきましたので、ぜひその聞き込みの中にこれからの鑑定結果ということも踏まえまして一大臣からの直接のお約束と私は受けとめまして、よろしくどうぞお願いを申し上げます。 それでは、次の問題に移らせていただきます。 この間の二月何日でしたか、予算委員会の中で、民生委員の政治活動についてということで、参議院の比例区に立候補される前の厚生省の局長でおられた方に対する問題について伺いたいと思います。 ちょうどこの方は、これから参議院選挙の比例区に立たれるということで今おやめになっておられますけれども、その前職といいますか、やめられるときの職が社会局長ということでございます。現在は末次社会局長おられるわけですが、社会局というのは、簡単に言いますとどういうお仕事をされているところなんでしょうか。
○末次政府委員 社会局の仕事、簡単に申し上げますと社会福祉に関する事務を行っております。
○鈴木(喜)委員 その中で、民生委員それから児童委員というものとのかかわりにおいては、どのようなお立場に立たれる馬なのでしょうか。
○末次政府委員 民生委員に関しましては、基本的には民生委員法の施行に関することということでございますが、さらに具体的に申し上げますと、社会局におきましては民生委員の委解嘱、これは委嘱、解嘱という意味でございます。委解嘱や顕彰、それから民生委員の研修や活動に必要な経費に関する補助金の執行、それから民生委員に関しまして都道府県あるいは指定都市に対する指導等の事務を行っているわけでございます。
○鈴木(喜)委員 伺いますと、社会局というのは民生委員、児童委員に関しますと生殺与奪の権を持ち、そしてそのお金のことについても懐ぐあいについても大きな影響力といいますか、そのものであるようなそういったお役所の部局であるというふうに、私も厚生委員になりましてまだ間がなくて、余り勉強していなくて、きょう教えていただいたとこみでございますけれども、こういったところだというふうに今伺ったわけでございます。 こうなりますと、ここで極めて組織的な、民生委員の組織を通じた後援会の入会依頼というものがなされたということが各紙新聞紙上、昨年の九一年の十二月の十四日あたりの新聞にばあっと出たという問題でございます。これについては、予算委員会の中でも我が党の水田委員の方からそのことについての質問を大臣に対してしているということでございますが、事は厚生省に属し、社会局という福祉問題で、しかも非常に密接な民生委員、児童委員と関係のある局の出身の方の事件だということで、ぜひともやはりこの委員会で取り上げ、そのことについて事実を明らかにしておかなければいけないと思いますので、逐次伺っていきたいと思います。 今回の事件で、まず予算委員会の中ではどういったやりとりがありましたのでしょうか、簡単な経過をお聞かせいただきたいと思います。
○末次政府委員 二月の二十一日の衆議院予算委員会におきまして、水田委員から民生委員の政治活動に関する御質問がございました。その中で、島根県民生児童委員協議会長名の市町村民生児童委員協議会会長あての文書がある旨の御指摘がございまして、至急調査いたしましたところ、水田委員の御指摘のとおりでありましたので、今後は公私混同を避け、厳正公正に対処してまいる旨の御答弁があったというところでございます。
○鈴木(喜)委員 大臣の方からその事実、島根県に関しての事実ですけれども、それについては確認をされ、厳正に対処していきたいという御答弁をいただいたということでございますから、後ほどまた聞かせていただきたいと思います。 この島根県の文書というのを私も、島根県民生児童委員協議会会長山崎何がしという形での文書が出ておりますので、それを読ませていただきますと、これは非常に問題というのは、個人的にやったんだからというのは、後で何かコメントが新聞紙上には出ている部分も後援会長等の名前であるのですけれども、これが個人的と言えるかどうかということで私は非常に疑問に思いました。 ただ単に政治連盟から会員を募るのでよろしくということを書いて、名前だけがこの協議会になったということではなくて、このときに目標数としては九千五百、この民生児童委員協議会という中ではそういう九千五百名の獲得をしてほしい、そして、そこには「割当数」、民生委員の割り当て数が六十六だというふうに書いてある。その次の項には、「割当数については別表のとおり民生委員数の比率をもって積算したことを申し添えます。」はっきり書いてあるわけですね。民生委員の比率をもって六十六名割り出して、そして、そこでもってこれについて九千五百名をよろしくお願いします、これが何で個人的な依頼かということについて、それは個人的な依頼とは言えないのではないかと私は思うのですが、この点はお調べになった方、いかがでしょうか。
○末次政府委員 御指摘の文書に、ただいまのお話のありましたようなことは確かに記載されております。ただ、全体として見ますと、最後のところには「出席者の意思を確認の上」ということも書いてございまして、これをもってどう見るかというのはなかなか難しい問題だと思っております。
○鈴木(喜)委員 「出席者の意思を確認の上」というのは当然のことでありまして、意思を確認したら出ますとか出ませんとか、入りますとか入りませんとか、当たり前の話で、その意思を形成するときにどれだけ職権を強圧的にやったか、お世話になっている民生委員の方、また、この民生委員協議会の組織をこれから聞きたいと思いますけれども、こういう方から言われたら、しょうがないから入りましょう。入りましょうの意思を確認したってどうしようもないんですよ。それをとって個人的なものだなどというのは、これはこじつけも甚しいものだと私は思います。 まず順序立てて伺いますと、私のわからないところを教えていただきたいのですが、民生委員児童委員協議会という組織体があるらしいのですが、これは例えば全国民生委員児童委員協議会というのがあって、それから県単位、市町村単位、こういった形で組織されているのでしょうか。それからまた、この協議会というものの構成員というのは全部その民生委員で成り立っているもので、活動目的というのはどんなふうなものになっているのか、おわかりの限りで教えていただきたいと思います。
○末次政府委員 民生委員協議会そのものは、都道府県が定める区域ごとに組織されるということになっておりまして、市でございますと幾つかに分かれる、さらに町村ですと一町村一協議会というふうになっております。それから、そのほかに都道府県段階になりますと、これは法律上の組織ではございませんで、そういう方々が集まっておる民生委員協議会というのもございます。これは制度上の問題ではございません。さらに全国的にもございますが、これも同じように制度的なものではございません。 それから、民生委員協議会の業務でございますが、これは民生委員の職務に当たり必要となる連絡、関係行政機関との連絡、研修、こういうことを行うことになっております。
○鈴木(喜)委員 ありがとうございました。 こういうことで、今伺った限りにおいても、民生委員協議会というものが民生委員から成り立っていて、そして、その中でいろいろなことが決まっていく。ここから言われたら、大体どんな人でも、これはやらなきゃいけないんじゃないかと思われるんじゃないかと思うのですね。ただ、やはり民生委員の方々というのは、恵まれない人のために地域で非常に活躍しておられる。意識の高い方々もたくさんおられる。本当に立派な働きをしておられる方が地域の中でいらっしゃるわけです。私も実際にそういう方々とのおつき合いもあって、よくわかっています。 そういう方の中から今回は疑問が呈せられた。これはおかしいんじゃないか、こんなことをやっていいんだろうかという疑問が呈せられたところからこの問題が見えたわけでございまして、こういったことが見えない、言うなればもっともっと密接な、もっともっと密着したような組織が厚生省に限らずいろいろな省庁の中にあって、そういうものは見えてこないだけなんじゃないかというような、そういったおそれを感ずる。こういうことがなければ幸いなんですけれども、あるのではないかということすら感ぜられるような今回の象徴的な事件であったというふうに思います。 こういった問題について、今あるのは、事が島根県ということで一つ問題になりましたけれども、活動をされた県というのは幾つぐらいあり、また全国の協議会から割り振られて、島根県は六十六ですけれども、あちこち幾つ幾つという形で割り振っていったと思うのですが、依頼をされた県、それに基づいて活動した県、そしてそういうことについてどういった調査をされたかどうか、そういったことをお知らせいただきたいと思います。
○末次政府委員 新聞に報道をされました十七道県につきまして一応実態を調査したわけでございますが、私どもの方は、民生委員につきましては民生委員法第十六条、これが問題でございまして、職務上の地位を利用して政治活動を行ってはならないという規定がございます。この規定に違反した事例があったかどうかということを調査いたしましたわけでございますが、現在のところこういう事例、民生委員法第十六条に違反する事例があったという報告は聞いておりません。
○鈴木(喜)委員 これはぜひとももっときちんとお調べいただきたいと思います。 厚生大臣はこの民生委員を都道府県知事の推薦によって委嘱をされるわけでございまして、これは民生委員法の第五条、そしてまた解嘱の権限もお持ちでございますね。解嘱の権限の中にいろいろな解嘱事由というのが書いてありますけれども、その中の第二号のところには、「職務を怠り、又は職務上の義務に違反した場合」、そういったことが一つの解嘱事由であり、三号には「民生委員たるにふさわしくない非行のあった場合」、これは非行という言葉に当たるかどうかとなると、ちょっと私もこれをまた解釈するときにはいろいろな議論が出てくるかとは思いますけれども、こういった形で、都道府県知事の具申に基づいてではございますけれども、解嘱をするという権限を厚生大臣はお持ちでいらっしゃる。 この問題については、事、島根県の一県だけの問題ではなく、十七県にも及ぶ委嘱が現在新聞等の報道、今のお調べでもわかり、また、それについての活動ということがあったということでございますから、この点も厚生大臣としても非常にお考えいただかなければならないと思うのですが、ただいまの局長の御答弁、私は大変に不満でございます。何でそんな木で鼻をくくったような返事しかできないのかと私は思います。 だって、この問題について明らかに文書が出ております。この文書が出ているところで、これが民生委員法の民生委員たる地位を利用したという問題と、公職選挙法におきましても、公務員については地位利用は完全に禁止されております。これがこうした選挙法の問題について、両方とも非常に明らかな一つの文書という書証が出ているにもかかわらず、その問題について、これこれこうだからこれは当たらないというような御説明がほとんどなされていない。今のところは聞いておりませんという形で、聞いてないということだけで、積極的に動いているという様子はちっとも見えないじゃないですか。この問題についてぜひもうちょっと実のある、そしてこれは大臣が予算委員会でも、こういったものについては、これからの対応の仕方というものについて、非常に深い反省とともにおっしゃったお言葉があるわけでございますから、それに基づいてこれからもどういうふうな手だて、調査をされていくのかどうか、この点もう一度局長から伺いたいと思います。
○末次政府委員 私、先ほど民生委員法第十六条を申し上げたわけでございますが、政治活動につきまして民生委員は一般的に禁止されているわけではなくて、民生委員の職務上の地位というものを利用して政治活動を行ってはならないという特別の制限が加わっているという意味で申し上げたわけでございます。 さらに敷衍して申し上げますと、民生委員はその仕事といたしまして、生活に困っている方々の私生活に立ち入り、保護指導を行う立場にある。そのような職務上の地位を政治の目的に利用するということになれば弊害が大きいということによりまして、民生委員法第十六条によりまして、民生委員が職務上の地位を政治的目的に利用することは禁止されているということでございまして、要保護者の保護指導というような職務上の地位を利用したかどうかということが民生委員法上は問題になるというふうに考えておるわけでございます。 それから、さらに十七県についてどうかということでございますが、これは私ども十七県につきましてそれぞれ照会をいたしまして回答を得たわけでございます。その回答の中身につきまして先ほどお答えしたということでございます。
○鈴木(喜)委員 十七県からの回答が届いているということでございますので、ぜひそれは提出していただきたいと思います。その回答書でございますね、それはどういうことが書いてありますのか、ぜひ提出をお願いしたいと思います。よろしいでしょうか。
○末次政府委員 これは何分急を要する調査でございましたので、いずれも電話照会でやっております。
○鈴木(喜)委員 結局は電話照会、電話一本で済む問題だというふうに考えておられるのだったら、重大な間違いだと思います。これについてはこれから選挙がまだまだ向こうの七月の方にございますけれども、今現在こういうことが行われているのであれば、これはゆゆしき問題だという自覚のもとに、ぜひ文書も取り寄せ、そして、出てきたものについてこちらにお出しいただきたいとこの場をかりて申し上げますので、よろしくお取り計らいください。 公職選挙法ですけれども、これのところにも公務員の地位利用という条文がございます。この点に関しまして、一般論で結構でございますが、自治省の方、お願いをしたいと思います。
○谷合説明員 公職選挙法におきましても、公務員がその地位を利用して選挙運動や選挙運動類似行為をすることは禁止をされております。それで、一般的にその地位利用と申しますのは、その地位にあるがために特に選挙運動等を効果的に行い得るような影響力ないしは便益を利用する意味でございまして、職務上の地位とそうした行為とが結びついている場合をいうものというふうに私ども解釈をしております。
○鈴木(喜)委員 今の一般的な御説明でございますけれども、私などがそれを伺いますと、まさにこの事例は全部そのまますっぽりと当てはまってしまうのではないかという気がいたします。これを違うという結論に達するというのは、なかなかそれなりに難しいものがあるのではないかというふうに思います。 この問題についてもう一つだけ調査されたかどうか伺いたいのですが、島根県の社会福祉政治連盟、これは多分一つの政治団体だと思うのですが、そこからこの候補者に対して後援会の会員を募集する目標の数値が書いてあります。その中に県社会福祉協議会というのがございます。県共同募金会というのがございます。それから県老人クラブ連合会というのがございます。それから県身体障害者団体連合会、県老人福祉施設協議会、県心身障害児親の会連合会、県保育協会、こういったところがその中に入っている団体なんでございますけれども、こういうところにも同じような形でおろし、また、そこでも一つの地位利用云々ということがあったかどうかということについてお調べいただいているかどうか、いただいていたらその結果というのもお知らせいただきたいと思います。
○末次政府委員 社会福祉関係者の政治活動につきましては、全国レベルあるいは都道府県レベルでそれぞれ公職選挙法上の政治団体を設立して、活動を行っているというふうに聞いております。社会福祉関係団体につきましては、それぞれ個人の立場でこの組織にお加わりをいただいているというふうに考えておりますが、団体そのものとして、団体の役割あるいは意を踏まえまして、公正な活動を損なうことのないように、この点については必要な指導をやっていきたいというふうに考えております。
○鈴木(喜)委員 そういうことで、ぜひともこれからこういうことがまた出てくるというようなことがないように、ここではまた同じような事件が手をかえ品をかえといいますか、顔をかえて出てくるようなことがありますと、やはりこれは厚生省のかなえの軽重を問われると思います。ぜひよろしくお願い申し上げます。 そこで、時間がもう迫っておりますから、大臣、先ほどの問題についても非常に積極的に前向きの御発言をいただきました。これに基づいてこれからもぜひよろしくお願いしたいと思いますが、それとともに、国民にこういったこれからの政治また選挙に不信感というものを持たせることのないように、特に国民の生活と密接に関係のある厚生省というお役所でございます。こういうことのないように、この問題についての厚生省の姿勢また厚生大臣の御所信等について、どうぞ残りました時間まだ三分くらいございますので、ゆっくりと、じっくりとお聞かせいただきたいと思います。
○山下国務大臣 民生委員は、家庭に入ってまいりましていろいろと相談に応じるということですから、そういう立場の民生委員が政治活動をやるということは、影響も大きいと私は思います。そこで、民生委員活動というものには日ごろ私ども厳正に目を配っていかなければならないと思いますが、今回のことに関しまして調査した結果、先ほどから答弁がありましたように、地位利用についてのそういう行為はなかった、そういう報告を各地から受けておるわけでございます。 ただ、公的性格を有する民生委員でございますから、その組織の中でも、民生委員協議会の間で政治活動にかかわるそういった依頼文書が出ているということは、適切さを欠いたものと私は存じております。今後とも誤りない民生委員としての活動をやるように、さらに気を配ってまいりたいと思います。
○鈴木(喜)委員 どうもありがとうございました。ここで私の質問は終わらせていただきますけれども、大臣、この点については、地位利用その他の細かい条文の解釈ということではなく、李下に冠を正さずということもございます。こういうことについて、これからも通達等によってぜひとも遺漏のないようによろしくお願いを申し上げまして、これで私の質問を終わります。
○牧野委員長 午後一時十五分より再開することとし、この際、休憩いたします。 午後零時九分休憩 ――――◇――――― 午後一時十五分開議
○牧野委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。小松定男君。
○小松委員 社会党の小松定男でございます。まず、中国残留孤児並びに残留婦人問題につきましてお尋ねをいたしたいと思います。 現在、韓国やあるいはまた朝鮮人の慰安婦問題を初め大きな国際問題にもなっておるわけでございますが、この中国残留孤児、残留婦人問題というのは文字どおり大きな戦争の犠牲であり、国が生んだ問題でもあります。前の中曽根総理は、この残留孤児の帰国が終わらなければ戦後は終わらない、こういうような発言が前にありました。まさにそのとおりだと思います。 当時、約百五十万人いた在満邦人が、略奪や殺人、飢え、病気、暴行など言語に絶する悲劇を受けながら、約十九万人が死亡したと言われております。そしてまた、両親や肉親と離れ離れになった幼児も約一万人とも言われておりますが、このような戦争犠牲者であると同時に幼くして両親や肉親と離れ離れになった残留日本人孤児、残留婦人に対して、あらゆる手だてを持って対策を講じるべきだと考えます。それがすなわち国の責務でおると考えるし、また、国民的な課題でもあるわけです。この問題についてまず大臣はどういう認識を持たれているのか、この点について最初に伺っておきたいと思います。
○山下国務大臣 今先生、国民的課題であるとおっしゃいましたが、全く同じ認識でございます。先般の戦争によって生じたまことに気の毒な問題でございまして、したがって、これは国民的課題として一日も早く解決しなければならぬ問題でございます。 そこで、その身元の調査を行った結果、それがわからない方々に対しても、本人の希望があれば帰るような道は開かれております。それから、自分の意思で残ると一応御決意なさった方でも、当時と両国の間の関係も全く違ってきておりますので、さらに本人たちがやはり帰りたいとおっしゃる方々については、その道もまた私どもは講じていかなければならぬと思っております。いずれにいたしましても、永住帰国した孤児や御婦人の方々が早くこの日本の社会に溶け込まれて、一日も早く本当に幸せな生活になられるように祈念してやまない次第でございます。
○小松委員 大臣からまさに国民的課題であるということで、認識の点についてはそのとおりだということでございまして、いろいろな諸施策を講じておると思うのですが、ただ、私がここで残念に思うのは、これらの中国残留孤児問題は、立法の状況だとかあるいはまた閣議決定というものも非常に少ない。全くない、わけじゃないのですが、少ないわけでございまして、例えば他のインドシナ難民問題等から見ても、この点についてこれまでの問題を見てまいりますと、ほとんどが関係局長とかあるいは課長通達でいろいろな問題が処理されている例が多いわけなので、このあたりもぜひひとつ国の問題として、国民的課題として、これらについてのいわば閣議によるいろいろな基本的な了解、こういうものをあわせて考えていただくように、特に大臣にはこの点について要望しておきたいと思うのです、大臣も認識をしておるようですから。後で関係局長の方に具体的に聞きますから、今後ぜひひとつそういう点を閣議でも、あるいはまた立法でも前向きで進めてもらいたいということだけ、ひとつこれは強く要請しておきたいと思うのです。 そこで、今度は厚生省の関係の方にお伺ねいたします。これは帰国に際しての問題なのですが、残留孤児それから残留婦人、これがどの程度の実数だったのか、あるいはまた今後帰風の見通しは一体どういうふうに考えておるのか、まずこの点について伺っておきたいと思います。
○多田政府委員 中国からの永住帰国者でございますが、日中国交正常化以降で平成四年一月三十一日現在までの永住帰国者が、残留孤児では千五百十六人、残留婦人等では二千二百六十四人という形になっております。 そして、今後の帰国の見通してございますが、中国在住の残留孤児が九百人おるわけでございますが、本年一月末現在で帰国希望を確認している者は二百二十五人でございます用意思を決定していない六百七十五人の方々のうち今後帰国を希望する方々は、推定でございますが、三百人弱ではないかというふうに見込んでおります。ただし、新たに発見されるといいますか、届け出られていくような孤児もなおございますので、そういう方々も含めますと、今後全体では五百人余り御帰国になるのではないかなというふうに今のところ推定をいたしております。また、残留婦人等につきましては、現在把握に努めているところでありますが、一応千人程度多分御帰国の御希望がおありなのではないかというふうに考えているところでございます。
○小松委員 そうしますと、私も所沢にある残留孤児のセンターの民間ボランティアの友の会の全国組織の会長をもう長い間ずっとやってきたのですが、そういう中で非常に強く感じておるのは、先ほどの中曽根元総理じゃないけれども、一体いつまでこれが続くのかなということを非常に心配しているわけです。今言われた中でも、希望している人が二百二十五人ですか、そしてさらにこれから、今は希望していないが、帰ってくるだろうという人が五百人くらいいるんじゃないかなというようなことで、合計八百人か九百人ぐらいになるのかな。そういうことで理解してよろしいのでしょうか。
○多田政府委員 把握している三百も含めて、五百程度であろうというふうな感じでございます。
○小松委員 その点で約五百ぐらいになるのですが、今状況を見ておりますと、これは残留孤児の数で、家族をまた含めるともっと膨大な数になるんだろうと思うのですけれども、大体二十八人、三十人。家族にするともっと人数はふえますけれども、大体年三回に分けて帰ってきておりますが、多くて百人ぐらいしか帰ってきません。したがいまして、これでいってもまだ数年はかかってしまう。そうなると、もう既に半世紀ぐらいたっておりますので、長引けば長引くほどますます大変なことになるわけなんで、この点について、やはり厚生省としてもできるだけ早くそういう人たちが帰れるような施策を考えなきゃならないんじゃないかという気がいたしますので、この点についてどういう考え方を持っていますか。関連しておりますから、ちょっとお答えいただきたい。
○多田政府委員 私どもも先生おっしゃるとおりの気持ちで、できるだけ早期にそれを促進するように努力をしておるところでございますし、今後ともますます一生懸命やらしていただきたいと思っております。
○小松委員 それで、今の制度は中国に残るか帰国するかどっちかなんですけれども、例えば帰国をしないで中国へ残るという人でも、一時帰国制度を何らかの方法で考えてやるとか、あるいは数年に一度国費で日本の風へ一時帰国をさせるとか、こんなようないろいろな制度も考えてもらえば、仮にこちらの方に帰国しなくても、そういう状況が今よりもっと。できるようになれば、私はそれはそれなりの制度としてもいいんじゃないかというふうに考えておりますので、このあたりについてはどういうふうに理解しておりますか。
○多田政府委員 公的な資金でもって御援助をしていくという場合には、多少やはり大義名分といいますか、そういうものが必要だと思っております。それで、現在の一時帰国の制度といいますのは、身元が確認された孤児の肉親の墓参とか親族の訪問ということを目的に実施をしているというようなことがございまして、そういう目的なしの御帰国というのは、これは公的な援助ということになかなかなじみにくいというのが実態でございます。
○小松委員 そういう点についてぜひ公的な援助ができるような制度を今後考えてもらえれば、い ろいろな問題で今後の解消の仕方も生まれてくるんじゃないかということも考えておりますので、この点は強く要請しておきたいと思います。 そこでもう一つ、今度は子供の日本への留学、それから研修制度の問題なんです。私もかつてブラジルの方、中南米の方も行ったことがあるのですが、向こうは日本人が移民してその組織が非常に強いから、そういう面で国に対して相当な働きかけもあるし、二世、三世が日本へ来て農業なら農業研修をやる、あるいは何を研修をやるといういろいろな制度が整っております。それでも、まだ行きますといろいろな要請を受けますが、この中国の残留孤児に対する二世、三世というのはそういう状況が、力もまだないわけで、声が中南米のように余り通っておりません。したがって、そういったことも考えてみなければならないんじゃないかなという思いもしているのですが、このあたりについてはどうでしょうか。
○多田政府委員 中国に在住しておられます二世、三世の方々、中国籍を既にお取りになって、中国社会の構成員として生活をしておられるというような実態にありまして、そういう日系の方だけを特別扱いをするということはまたいろいろな問題を生む可能性もあるということで、やや慎重な対応を今までしてきておるわけでございますが、この点は外務省ともよく相談をしながら、どんな状況か詰めていきたいと思っております。
○小松委員 ぜひひとつ、そういった点で前向きの形で今後取り組んでいただきたいと思います。 同じくこの成人した二世の問題なんですが、こういう現状なんですね。例えばもう子供が二十歳を超えている場合には、中国から一緒に帰ってくるにしても、あなた方はもう旅費は自分で持ちなさいよということと、それから所沢のセンターに来ても、成人した人は原則としては入れない、こういうことになるわけなのですね。ところが、例えば二十一歳あるいは二十二歳でもいいのですが、成人している。ところが、これはこちらの受け入れ態勢ももちろんその中には一部入るのですが、十九歳ごろのときにもう帰国したいということで願ってはいるのですけれども、いろいろな都合で二十一歳、二十歳を過ぎてしまった。二、三年前に帰ってきていれば当然成人扱いにはならなくて、旅費も支給されるし、いろいろなことが未成年者として見てもらえるのですけれども、成人したためにそういう扱いを受けている。中国では日本よりももっと所得が少ないし、せっかく帰国する人でもいろいろそういう問題もありますが、このあたりについてはどのような考え方ているのか、ちょっと伺っておきたいと思います。
○多田政府委員 帰国援護の考え方としては、家族の離散というのは避けようということで、配偶者あるいは未成年の子、そういった方々は援護の対象にしておるわけでございますが、二十歳以上の方につきましては、一般的には独立して生活を営める能力はあるだろうという考え方から、原則としては対象外ということにしておるわけでございます。ただ、障害者の方とか、あるいはあちらは職業も割り当て制といいますか、何か政府の方のあっせんで決まるというようなこともあるようでございますので、そういうことで割り当てが得られないというので就労の機会を得られないというような方々、そういう意味で独立していないような実態の方々には、これは特別にまた援護の対象として扱っていくという配慮をしておるところでございます。 なお、申請時とそれから実際に帰られる時期とがずれて、そのためにだめになったというのは、申請時主義で、申請時に二十歳未満であれば、これは一応未成年の子として処理をさせていただいているという実態でございます。
○小松委員 ですから、申請する際には、二十歳前に申請していれば、仮に帰国が成人してからでも、それは何とかそういう点では旅費も支給されるし、そういう制度はある、こういうことだと思うのですね。と同時に、やはりいろいろな都合もありまして、気持ちはあったのだけれども、そういうことで申請がおくれてしまっている場合も現実にはたくさんあります。ですから、そういった点についても、今のことも含めて、ぜひ何とか前向きの形をとってもらいたいといういろいろな要望などを受けておりますので、この点は今後またいろいろ内部で検討してもらえばいいと思うのです。 そこで、時間の関係もありますので、残留婦人、それから孤児もそうですが、年金問題ですね。この点について生活保障といいますか、その方がいいと思うのですけれども、特に残留婦人なんかの問題、この人たちが帰ってくるにしても肉親が拒む例もかなりありますね。したがって、帰国に対しても問題がいろいろ生じて、トラブルがあるのですけれども、もし帰ってきたときにも孤独に生活をしなければならない。そうなると、もう年をとってぎていますから、老後、年金問題などが早速発生するのです。 ところが、今は年金制度というのは、外国に居住していた場合に空期間というのが一応ありますが、しかし、それは実質支払いの中には金額としては入りません。したがって、支給額においてはもうほとんど問題ないくらいになってしまうのですけれども、この点で孤児そして残留婦人、要するにこれらの年金問題を含めた生活保障、生活の保護の問題とかなんとか、まだいろいろあるのですけれども、それらはきょうは別にいたしまして、今後の年金問題というのは一体どういうふうになるのか、この辺もちょっとお伺いしておきたいと思うのです。
○加藤(栄)政府委員 今先生から年金のことについてお尋ねがありました。中国から御帰国になられました残留孤児あるいは残留婦人の方々でございますが、長年何十年と中国におられまして、その間日本の年金の適用はなかったわけでございますしたかいまして、今先生おっしゃいましたように、日本にお帰りになられましてから年金に加入される方が多いわけでございますが、実際は資格期間を十分満たすまでの年金に加入する余裕もないという方が多かったわけでございます。国民年金等でありまして、最低二十五年は年金に加入して、保険料を納めていただかなければ年金給付に結びつかなかったわけでございますが、これでは余りに保障の面から問題であるということで、御指摘もございました。 昭和六十年の年金制度改正におきまして、いわゆる空期間制というものを設けまして、中国に居住されておりました昭和三十六年四月一日国民皆年金発足以降の期間につきましては、加入していた期間ということで扱うという、いわゆる空期間扱いで資格期間に勘定するというふうに改正したわけでございます。したがいまして、大部分の方は帰国後国民年金に加入されますと、それと合わせまして資格を算定するということでございます。 ただ、さらに年金額の算定の場合には、実際に年金を支払われました期間に対応して年金をお支払いするわけでございますので、保険料をお支払いにならなかった期間まで年金に反映させるということは、片一方、保険料を徴収して運営しておりますので、なかなか難しいわけでございます、確かに中国残留孤児、残留婦人の方々の御境涯というのは、大変御苦労をされておるということは私どもも理解するにやぶさかではございませんけれども、いろいろほかにも種々な事情によりまして、中国以外の国に長期間在住されました後帰国した日本人との均衡の問題でありますとか、あるいは保険料の拠出に応じまして給付を行うという社会保険方式をとります我が国の年金制度のもとでは、やはり同じような拠出をしているのに、一部の方々についてだけ年金給付の額を高くするというのはなかなか難しいことでございますので、それにせめても対応するということで、加入期間は六十歳まででございますが、さらに六十歳から六十四歳までの間は任意加入をしていただきまして、そういう保険給付にはね返る期間を少しでも長くしていただく、このような工夫もしているところでございます。 このような形で、年金制度におきましてもいろいろとぎりぎりの配慮を行ってきたところでございますので、その点を御理解いただきたい、かように存じております。
○小松委員 この年金問題というか、年をとって帰ってくるものですから、期間がないものですから、支給額になると当然非常に低い額になってしまう。このあたりは今後やはり検討するべきものじゃないかなという気がしておりますので、ぜひよろしくお願いしたいと思います。 次に、法務省の方、きょう来ていると思うのですが、お聞きしたいのです。 実は私も身元引受人になっておりまして、自分でも経験したのですが、いろいろと法務省の方へ、こういう関係のところへ電話してもなかなか通じません。恐らくこれはほかの委員会でも出ていると思うのですが、実際自分で体験すればわかるとおり、もうしまいにはいらいらするぐらい通じません。自分でも行ってみたのです。そうしたら入り口でごった返してしまって、とてもじゃないけれども、普通に行ったのでは身元引受人になって手続をとるのに一日がかり、そういうくらいなんです。ところが、これは身元引受人の人がやらなければならないことになっているので、この点、職員が少ないのなら少ないでふやすとか、あるいはもう少し何か親切というか、こういうふうにしないと、体験した人に聞けば皆さんほとんどそれを言いますから、この点はぜひ改善してもらいたいと思うのです。きょうどなたか見えていると思うのですが、ひとつよろしくお願いします。
○佐々木説明員 先生御指摘のような状況に対応するために、入管局としましては従来より所要の定員の確保、施設の拡充、業務運営の効率化等に努力しておりまして、なるべく御迷惑をかけないように努力しているところでございます。特に東京入管局におきましては、外国人の入国及び在留関係の相談に応ずるために、平成二年に外国人在留総合インフォメーションセンターというものを設置いたしまして、外からの問い合わせに応ずるということで行政サービスの向上に努めているところでございます。 また、先生ちょっと御指摘ございました職員の応対でございます。これは、一人一人の職員の応対はまさに入管行政全体の評価にかかわる問題でございますので、御指摘のようなことがないように、常日ごろ窓口職員に対しましては、言葉遣い、応接態度について十分注意するようにと指導しておりますけれども、今後ともその指導を徹底してまいりたいと思います。
○小松委員 ぜひひとつその点、対応の仕方をもう少し前向きでやっていただきたいと思います。 あと、実は今、帰国した孤児の問題としては住宅問題、県によっては住みたいところでもなかなか住めません。公営住宅ですよ。したがって、公営住宅についてはぜひもう少し、これは建設省きょう来ていると思うのですが、時間の関係で答弁は要りませんけれども、孤児の住宅問題、特に公営住宅は真剣に取り組んでもらいたいということが一つ。 それから養父母ですね。私たちも養父母に対しては民間でもいろいろな運動をしてまいりました。あの戦禍の中で、大変な苦労の中で日本人を育ててくれた。敵国の日本人を育てるのですから、なかなかできることではないと思うのですが、それをあえてやってきた。この感謝というのは非常に重要なことだと思うのです。したがって、この人たちに対しては、孤児と一緒に帰国するに際してはいろいろなことが行われておりますし、また、孤児がこちらに帰ってきて養父母を残してきた場合には、多少の扶養のことも言っているようですが、私は、そうでない人たちの養父母、こういう人たちも含めてぜひもう少し感謝の気持ちをあらわしてもいいし、また、何らかの全体に対する考え方としてやるべきではないかということを常々考えておりました。したがって、この点について強く要請をしておきたいと思います。 それからもう一つは、所沢の定着センターの状況でございます。私もあそこの役員を最初からやってまいりまして、今二代目の会長をやっておりますが、歴代の職員あるいは所長以下一生懸命やっていると思うのです。しかしながら、いろいろな問題も起きます。トラブルも今まで長い間にありました。しかし、それも大分解消されてきております。ただ、あそこの定数が八十五世帯ですか、あるのですが、現在のところ帰ってくる人たちは半分以下の状態です。先ほど言いましたように帰国する希望の人はまだたくさんおるわけですが、実際の施設は余っている、まだあいている。いっぱいにしてしまうと、いろいろな職員の数や何かもあるのだと思うのですが、この点について、やはりあれだけの施設があるわけですから、もう少し有効に生かすことが一つ。 それから、今全国で六カ所のサブセンターがありますね。これが愛知などでは非常に成果を上げております。聞くところによると、これを三カ所くらいに半分閉鎖をしていきたい。あるいはまた今後どういうふうになるのかということもあるのですが、サブセンターの果たしてきた役割もありますので、この辺もあわせてぜひひとつ前向きで検討をしていただきたいということ。特にこれは答弁は要りません。したがって、私の今まで体験してきた実感として、ぜひこれは今後検討していただきたいというお願いをしておきたいと思います。 そこで、あと二十分足らずになりましたが、今度は年金の問題について四点ほど質問をさせていただきたいと思います。実はあなた方も、これから一般の職員の方は退職をされて公務員の年金に入る方もおるのですけれども、まさにこれは人ごとという立場ではなくて聞いていただきたいと思います。 そこで、まず公務員年金にしても、今の年金の支給日です。これは十五日に支給されております。ところが、前は例えば大阪では五日に支給するとか、あるいは一日に支給するところとか、地方自治体にかなり権限もゆだねられておったのが、十五日に統一をされてしまった。したがって、年金だけで生活を送っている人については、前倒しになるのならいいのですけれども、先送りになるということになりますと、生活の設計からも多少の影響が出てまいります。したがいまして、この問題についてはぜひ十五日支給が前にならないかどうか。できれば、恐らく一日ごろ支給という要望が出ていると思うのですが、十五日支給を前に繰り上げをしてできないのかどうか、これが一つ。 それからもう一つは、これは具体的に今月、二月に支給された例で申し上げますと、たまたま二月の十五日は土曜日ですよね。それが月曜日、十七日に支給されているんですね。これは普通の給与でも何でも、土曜日の場合は前に支給されるんですよ。ところが、年金生活者のこの二月の支給、二月に一遍ずつ支給されておりますが、この場合は逆に送りになっちゃっているんですね。こういうことは、全く年金生活者に対して本当の意味でどういうふうに考えているのか疑いたくなるような気がするので、この点もあわせて、今後の対応について伺っておきたいなと思います。
○奥村政府委員 お答えを申し上げます。 国民年金、厚生年金の支払いでございますけれども、先生おっしゃいますように、以前は一日というのがございました。平成二年の四月から年四回払いを六回払いにするということで改善をいたしましたが、その際、事務処理的な面も含めまして、関係省庁と関係の共済組合などもございますので、御相談をして現在の十五日という形になったという経緯がございます。 年金の支払い日については、いろいろ受給者の方の御要望を伺いながら、できるだけ改善をしていくという方向で努力をしておるわけでございますが、いずれにしても年金の支払いをいたします場合には、できるだけ被保険者のもろもろの状況でございますね、家族の状況でありますとか、例えば死亡などの場合もございますが、そういった状況を的確に把握をいたしまして、最新のデータ に基づいて年金をお支払いをするというような要請が別にあるわけでございます。そこで、大量のデータが私どもに入ってくるわけでございますので、その事務処理の期間などもございまして、そうしたものを考慮いたしますと、現状の事務の流れとしては十五日支給という形をとらざるを得ないというのが現状でございまして、この点は御理解をちょうだいしたいと思います。 なお、二つ目の問題でございますが、十五日が休日になる場合に前倒しかできないかという御指摘でございます。 この点は、具体的に改善をしていく場合には、事務処理の形態を改めますとか、あるいはそれに伴う費用をどういたしますとかいうことを検討しなければいけませんが、あわせて、これは国庫金の支出でございますから、日本銀行でありますとか郵政官署でありますとか、それから各共済組合の関連などもございますので、こうしたところと相談をしながら検討を進めてまいりたいというふうに考えておるところでございます。
○小松委員 銀行の手続、いろいろとそれはあると思うのですが、例えばあなた方の給与の場合を考えたって、土曜日の場合には日曜日の次の月曜日になりますか。ならないでしょう。どうして年金生活者だけそういうことをするためにそういうことが要るんですか。それはどうも納得できませんね。それはやはりすぐに改善するようにしてください。答弁してください。
○奥村政府委員 これまでのところは、先ほど御答弁申し上げましたように、いろいろな最新のデータを把握して、間違いのない年金を支給するということでやってきておるわけでございますが、これからの課題として、いろいろな事務的な対応あるいは関係官署の状態も含めまして検討を進めてまいりたいというふうに考えております。
○小松委員 本当にこれは手続の問題というより、一年の暦はもうわかっているわけですから、こんなのは恐らくその気にさえなれば――これは大臣、聞いていてどう思いますか。大臣、ちょっと答えてください、この問題だけひとつ。ちょっとおかしいと思いませんか。だって、自分たちの給与は前にもらって、年金生活者だけは、いろいろな計算があるからどうのこうのと言っておくらせるということは、これはだれが見たってちょっと納得できないでしょう。それだったら、年金生活者に対してどういう基本的考え方になっているのか疑いたくなっちゃうので、この点は、一年の暦というのはもうわかっているわけですから、大臣、その程度は即にできるはずだと思うのです。
○山下国務大臣 ただいまの御指摘の点、検討させていただきます。
○小松委員 ぜひひとつこれは前向きでやっていただくということを理解して、進めたいと思います。 次に、物価スライド制の消費者物価の指数のとり方なんですが、これが今度は基準時の内容変更があります。旧指数でとる場合と新指数でとる場合があるのですが、この点について、新指数でとった場合と旧指数でとった場合ではモデル年金で約六千円から、七千円までは差がないと思うのですが、出てくるのです。ところが、私がいろいろ厚生省の担当の方へ聞きますと、この点については現在は新指数でやるんだ、こういうことなんですが、しかし、実際に一月から六月までは、いわば旧の消費者物価の指数でもう生活しちゃっているわけなんですね。あとの六カ月は確かに新しい、これから生活をするということですから。これは、よしんば仮にどう妥協したとしても、半分は旧指数でとってもらえるのじゃないかな、それで半分の期間は新指数かなということなんですが、これが全部新指数になりますと、それだけ年金生活者の方が額的には少なくなるんですね。したがって、この点について厚生省の考え方、どういうふうに理解をしているのか、伺っておきたいと思います。
○加藤(栄)政府委員 年金につきましては毎年自動物価スライド方式ということでございまして、毎年、前年の物価指数の上昇に合わせまして年金額を改定しております。今先生おっしゃいました旧指数、新指数でございますが、平成二年から新しい指数といいますか、基準年が変わったわけでございます。これは総務庁の方で毎年調べ、また、公表しているものを私どもももちろん使っているわけでございます。 新指数と旧指数を比べまして、必ず旧の方が高くなるという性質のものではありませんけれども、今回の改定におきましては、今先生おっしゃいましたように、老齢基礎年金でございますと、年額が新基準ベースで七十二万五千三百円、それから旧基準ベースで七十二万七千三百円ということで、旧基準の方が年額にして二千円高くなります。また、厚生年金のモデル年金でございますと、新基準ベースが二百五十五万四千七百円に対しまして旧基準が二百五十六万一千八百円ということで、年額で七千百円高く出るということでございますが、年金額の実質的価値の維持を図るということがこのスライド制の目的でございます。 できるだけその時点におきます家計の消費構造の実態を的確に反映した消費者物価指数を用いるというのが適当であるというふうに考えておりまして、平成四年度におきますスライド改定の基準となりますのが平成三年の対前年消費者物価指数でございます。やはり新基準の方が最近における家計の消費構造の実態を的確に反映したものとして作成されているというふうに考えておりまして、また総務庁の方も新基準を正式に採用する、旧基準の方は参考までにお示ししておるところでございまして、これもいずれは旧基準の数値というものは示されなくなるわけでございますので、やはり平成四年度におきますスライド改定におきましては新基準の方を使わせていただきたいということでございますので、御理解をいただきたい、かように考えております。
○小松委員 これは後ほどまたいろいろと問題点が、きょうは時間の関係で指摘をしませんが、今度の指数のとり方なんですが、ぜひひとつ私が申し上げましたようなことも参考にしながら、今後の対応をしていただくことを要請しておきたいと思います。 もう一つ、この物価スライドの指数名十二月で現在とらえているわけです。それで四月に改定するわけなんですけれども、これが一月改定ということになりますと、この前もちょっと担当者の人に来てもらっていろいろ聞きましたら、補正予算で組まなければならないのでこれは大変だ、四月だと当初予算で組めるから、この方が厚生省としてはいいのだ、こういうような言い方で言っておりました。しかし、年金生活者にしてみれば、物価スライドが出てくるのは昨年十二月までのものが出てくるわけですから、一日も早く改定時期を早めてもらいたいということですね。ほかの公務員の給与やなんかでも、四月にさかのぼるとかなんとかというふうに、年金生活者の場合はさかのぼるということはまずありませんので、特にこの点については、十二月で指数が出るわけですから、一月改定にできないかどうかという要請がございます。 これはやろうと思えば、政府の方の総務庁では、大体これを見ましても一月に閣議決定をして、もうここに前年の消費者の指数が十二月まで全部細かく出ているのですね。資料としては、きちっとしたものが消費者物価動向というので出されているわけですね。ですから、やろうと思えばできないことはないと思うのです。そのところは、やる気があるかないかの問題もあるのでしょうけれども、ぜひひとつこの四月改定というのを一月改定に持っていけないのかどうか、このあたりを伺っておきたいと思うのです。
○加藤(栄)政府委員 物価スライドの実施時期でございます。物価の変動の実績がわかりました場合には、できるだけ早目にそれに対応していたすというのが原則ではあるということはおっしゃるとおりであると思います。 従来、昭和六十年度改正というのは大改正をやったのでありますが、それまでは暦年ベースではなくて、年度のベースの消費者物価上昇率に合わせまして、厚生年金では、年度でありますから、三月までのものをその翌年度の十一月ということで、八カ月おくれで改定をいたしておりました。それから国民年金では、翌年度の一月ということでありますから、十カ月おくれということで改定していたわけでございますが、暦年ベースということを採用いたしまして、それを翌年四月から、こういうことで、その間の乖離を非常に小さくしたということでございます。 また、暦年ということでありますので、年平均の物価指数というのは、今先生がお話がございましたように、暦年の消費者物価指数が確定いたしますのはその次の年、年が明けまして一月の末でございますので、この一月に年金を改定するというのは、大変というよりも、これは本当にできないことだと思います。そういうこともございまして、私どもの方の担当者が御説明もいたしたかとも思いますが、そういうもろもろの事情を勘案いたしまして四月からこういう仕組みをやっておりまして、最大限の工夫を今までもやってきておりますので、そこのところは御理解を賜りたいということでございます。よろしくお願いいたします。
○小松委員 時間も来ましたので終わりたいと思いますが、最後に遺族年金の問題なんです。 これは今、例えば本人が死亡しますと遺族年金は半額になって、そして、もうその月からそういうことになるのですが、実際の生活というのは、亡くなったからすぐに半分の生活になるということじゃないので、ドイツなんかでは三カ月間は、これは一応遺族年金じゃなくてそのまま継続して、三カ月後に遺族年金に入る、こういうような制度の国もあるようですが、ぜひ日本もこういう問題もこれからは十分検討する必要があるのじゃないか。スウェーデンなんかではそういう遺族年金とかなくて、いろいろな制度がもっと確立されているようですが、少なくともそういう点について、きょうは答弁までの時間がないのでいいのですけれども、その点お願いしたいと思います。 また大臣、最後にお願いしておきますが、今の私の四つの問題というのは、大臣もいろいろ所信表明で言っておりますが、これから老後の生活の問題として本当に大きな問題なんですね。ですから、ぜひ前向きに今後この問題については厚生省内部としても、あるいはまた大蔵省に要求するものばぜひひとつやってもらいたいということだけ最後にお願いして、私の質問を終わりたいと思います。 どうもありがとうございました。
○牧野委員長 五島正規君。
○五島委員 私は、今大変問題になっておりますいわゆるガット・ウルグアイ・ラウンドの関連におきまして、去る十二月二十日、ドンケル・ペーパーの中に「検疫衛生措置の適用に関する合意」という最終合意案の提示がございましたが、この関連の中におきまして、国民の健康に関係する非常に大きな問題があるということで、大臣にお伺いしたいと思います。 このドンケル・ペーパーの「検疫衛生措置の適用に関する締約国団の決定」という内容の中におきまして、検疫衛生措置が貿易に与えるマイナスの影響を最小限にするため、検疫衛生措置の採択と作成及び実施の指標としての規約と規律の多国間フレームワークの設定を行う。そして、国際基準、ガイドライン及び勧告に基づいて平準化された検疫衛生措置を進めていく。そして、有効な科学的根拠に反しない場合にのみ、この国際的な基準措置を超えて各国が独自に決めることができるけれども、しかし、この検疫衛生措置は、国際貿易に対する偽装規制とならないということを前提として、あくまで国際基準に基づいて自国の検疫衛生措置を行うこと。適切な国際基準、ガイドライン及び勧告に基づく措置により達成される防疫または衛生保護の水準より高い検疫衛生措置を導入する場合、仮にそういう措置が導入した場合であったとしても、この国際基準あるいはガイドライン、勧告に基づく措置によって達成されるもの以外については、防疫または衛生保護の水準に帰結する措置のすべて、この合意案の条項に一致しなければならない。非常にわかりにくいわけでございますが、このような文章が入っているわけでございます。 簡単に申すならば、防疫というものを第一にして、さまざまな食料品にかかわるいわゆる農薬、あるいはポストハーベストによって使われるところのさまざまな薬品あるいは食品添加物、それらの問題についての基準をハーモニーという美名のもとに国際的に低位平準化を押しつけていく、そういう内容になっていると思うわけでございますが、この点についてまず大臣はどのようにお考えか、お伺いしたいと思います。
○山下国務大臣 昨年末にガットから示されましたものは、それまで各国においてまちまちであった、それをひとつ調和のあるものにしようではないかという意味における一つの調停案と申しますか、そいういうものでございます。したがいまして、科学的に正当性がある場合には、その国においてそれより厳しく基準を決めることは差し支えない、こういうことになっておりますので、我が国の場合においてもこのことによって別に支障はないものと理解をいたしております。
○五島委員 国際基準より厳しい基準を決める場合においては有効な科学的な証明がないといけないということでございまして、今の大臣の認識とは逆ではないかというふうに考えるわけでございます。その点につきまして改めて御見解をお伺いしたいと思うわけですが、時間の関係で少し質問を先に進めさせていただきます。 これとの関連の中におきまして、既に多くの国民の皆さん方から、我が国において輸入される農産品の中にいわゆるポストハーベスト処理したものが、たくさん入ってきている。一方、我が国においては、ガス薫蒸を中心としたごくわずかなものが厳しい制限のもとに認められているにすぎない。そういうふうな状況の中で使用されるポストハーベストの農薬、これは我が国の法律でいうならば、いわゆる食品衛生法に基づくところの添加物として制限されるべきであるという意見が出されてまいりました。私もこの問題につきまして厚生省にお伺いしたことがございます。そして、こうした中で、我が国においてはまだ農薬登録もあるいは基準値も持っていないような農薬がどんどん外国で使われていく。そして、そのことについて何の基準も持っていないがゆえに、法を厳密に利用するとするならば、それらの輸入は本来認められないはずであるという問題が生まれてまいりました。 そうした中で、本年一月九日、経済企画庁のいわゆるOTO事務局、市場開放問題苦情処理推進本部におきまして「基準・認証、検査、輸入手続に関する案件の検討状況について」という文書が出されました。この中で、国際あるいは米国規格基準への整合化という形でもって、収穫後の残留農薬についての国際基準の受け入れということが書かれているわけでございます。また、厚生省におかれましても十二月九日、食品衛生調査会残留農薬部会・毒性部会の合同部会の審議結果として、三十四品目の農薬につきまして新しい許容基準をお決めになった。そして、本年一月三十日、さらに新たに二十品目の農薬について、この基準値を決めるように現在食品衛生調査会へ諮問しておられる、そういう状況にあると考えるわけです。 厚生省がお出しになりましたこの三十四項目の新しい基準値あるいは現在諮問しておられるこの二十の農薬の性格、化学的特性、毒性、使用目的あるいは一日摂取量を意味しますADI、あるいはその毒性を示しますマウスにおけるLD50の数値、そうしたものの資料を要求したところ、これは非公開であり議員には提示できない、既に数値を出しておきながら、そのように私のところには厚生省から御返事がございました。まさに化学的性格が、客観的にもう既にわかっているものについて、このようなことを議員にも知らせずに数値だけを報告しておられる。許せないことであるというふうに考えております。幸か不幸か、私はこれまで衛生学の医者として農薬問題を取り扱ってまいりました。そういう意味で、厚生省が既に新しい基準として出されました三十四項目の農薬について、今大臣が言われたようなそうした内容にあるかどうか、具体的にお伺いしたいと思います。 大臣は、より厳しい基準で国民の安全を守る、それがドンケル・ぺーパーの内容であるというふうに言われました。当然そういう大臣の意思に沿って今回の厚生省の新しい農薬の基準値の設定がなされたのだと思います。この三十四の農薬のうち十個は、ポストハーベストとして使われている十種類の農薬でございます。臭素、メドプレン、ペルメトリン、ピレトリン、マラチオン、デルタメドリン、スミチオン、この十種類はポストハーベストとして使われている農薬であるというふうに考えますが、まずその点お伺いします。間違いないですね。
○玉木政府委員 御質問のとおりでございます。
○五島委員 さればお伺いしますが、このポストハーべストに使われております十種類の農薬、その一日摂取基準、ADIでございますが、臭素は一・〇ミリグラム・パー・キログラム・パー・デー、以下単位は一緒でございます。メトプレンは○・一、ペルメトリンは〇・四八、ピレトリンは〇・四、マラチオンは〇・〇二、デルタメドリンは〇・〇一、スミチオンは〇・〇〇五ミリグラム・パー・キログラム・パー・デーである。これはお答え要りません、これはもう化学の事実ですから。そんなもの隠されるのは厚生省だけでございます。 そして、それに対する今回の基準値、これを米を中心に、これはいずれも米にも使われるものでございますが、米に使われております。今挙げたのはポストハーベストに使われる農薬の基準でございますが、これらについて見ますと、臭素の残留量が五〇ppm、メトプレンが五ppm、ペルメトリンが二ppm、ピレトリンが三ppm、マラチオンが〇・一ppm、デルタメトリンが一ppm、スミチオンが〇・二ppmとなっています。一日の摂取計限量は、スミチオンで〇・〇〇五ミリグラム、デルタメドリンは〇・〇一ミリグラムですから、スミチオンのちょうど倍の量がADIとなります。 ところが、残留基準量で見ますと、スミチオンの〇・二ppmに対してデルタメドリンは一ppm、五倍になっております。また、デルタメトリンとマラチオンを比べてみますと、デルタメトリンのADI〇・〇一ppmに対してマラチオンは〇・〇二ppm、すなわち、デルタメトリンのちょうど倍の緩和といいますか、ADIの量が多いということになります。ところが、今回の残留基準で見ますと、マラチオンの方は〇・一ppmに規制している。すなわち、デルタメドリンは、この割合でいくならば、本来ならば〇・〇五ppmに設定されなければいけない。ところが、実際にはその倍の、〇・〇五ppmに設定されなければいけないのが、〇・一ppmと非常に高く設定されております。その他、挙げていきますと、こうした形において、科学的データと今回の基準とは全く一致しないようなそういう残留量の決定がございます。まずその点について、食品化学課の方でなぜこのような設定の仕方になったのか、お伺いします。
○玉木政府委員 残留農薬の基準の設定に当たりましては、先ほどから委員御指摘のとおり、一日摂取許容量、ADIをもとにいたしまして、その農薬が使用される各農産物の摂取量に基づき、各農産物ごとに設定されるものであります。したがいまして、先ほどのマラチオン、そのほかのものと比較されておりますが、これは例えば今度三十四につきまして合同部会の方から案が示されてまいりました。現在ガットの方に通報いたしておりますが、そのものは一つの農薬について百三十の農産物に基準を決めております。したがいまして、その百三十の農産物に配賦しました、おのおの数字を当てましたそのものがADIを超えないというような形で設定されております。 したがいまして、例えば米あたりは非常に低い。しかし、米は外国人と比べて、日本人は欧米の大体五倍ぐらい食べております。日本では一日二百グラムぐらい、欧米では二十前後ということでございますので、非常に厳しく米は設定いたしております。そのような形で、百三十の中での割り振りで決められておりますので、例えばほかのものが少し高くなってまいりますと別の農作物の基準は低くなる、このような設定の仕方をしまして、農薬の摂取量が一日摂取許容量、ADI以下になるように設定する、こういう形で農業部会・毒性部会において慎重に御議論されて割り振りが決められております。 以上でございます。
○五島委員 今の玉木局長の御説明は納得いきません。例えば私の言っているのは、デルタメトリンは他のマラチオンやスミチオンに比べて非常に高く設定される。玉木局長がおっしゃるように、諸外国に比べて日本の食生活、米の量が非常に多いということで決めたとおっしゃるわけでございますが、確かにこのデルタメドリンの残留量、オーストラリアの残留量に比べると二分の一でございます。しかし、オーストラリアの人々が食べる米の量と我々日本人が食べる米の量が倍ということはないわけでございまして、そういう意味では、これらについては非常に高い数値が決められているわけでございます。 また、これは米ではございませんが、よく指摘されているわけですが、除草剤であるクロルIPC、クロルプロファム、これをジャガイモの発芽防止剤として使用されます。この残留量はすべての農産物について、ある一種類を除きますと全部〇・〇五ppmという基準が設定されています。これは今回もされております。〇・〇五ppmという非常に厳しい残留規制がなされています。ところが、これが使用されるジャガイモについてだけは五〇ppm、突如千倍もの規制の緩和がなされている。これはなぜですか。
○玉木政府委員 先ほど御指摘のように、クロルプロファムはバレイショの収穫後発芽防止剤として使用されることがあることから、残留基準値もそれに対応して五〇ppmという数字が示されました。この基準億五〇ppmを採用してもクロルプロファムの理論最大摂取量は一日摂取許容量以下になっておりまして、安全性においては何ら問題はありません。なお、クロルプロファムは、その他の品目については除草剤として使用されておりますために農産物への残留もほとんどない、こういうことで残留基準値案も低い数字になっております。 以上でございます。
○五島委員 クロルプロファムがその残留性がないとかあるいは被害がないと言われておりますが、一方において、これについてドイツの研究者は発がん性の疑いがあるというふうに言われておりますし、玉木局長自身御承知のように、このクロルプロファムによる人体中毒として、メトヘモグロビン血症といったようなものがよく知られているわけでございます。また、これまで日本に入ってきたこの残留量を見てみますと、アメリカから八二年に輸入された冷凍ジャガイモの加工製品に最高一・九ppmのIPCが検出されて、それが問題になったことがございます。現実問題として、こうした五〇ppmといったような量のクロルプロファムの残留した農産物が日本に入ってきた事例というのは報告されていないというふうに考えるわけですが、その辺どうでしょうか。
○玉木政府委員 先ほどから申し上げておりますように、農薬、残留農薬の基準はADIでもって、それをスタンダードに置いて設定されるという形をとっております。この一日摂取許容量、ADIを使うという考え方は世界じゅうの専門学者の中で了承されているやり方でありまして、これを日本でも採用しておるということであります。 その点から見まして、確かに五のppmというのはほかと比べて高いように思われますが、先ほど御指摘のように、私も一・九とか〇・幾らとか、今まで決めております他のものよりも高いものが国内でも発見されたというのは知っておりますが、この五〇ppmを置きましても、なおかつADIを超えることはないという形でこのクロルプロファムの基準を設定いたしておりますので、これにおきます安全性においては問題はない、このような立場をとっております。 以上でございます。
○五島委員 資料をすべてお出しいただけませんので、この限られた時間の中でその一つ一つについて、全部の規制についてやっていくというのは到底時間が足りないわけですが、今回出されましたこの三十四項目をとりましても、大変問題のある農薬が非常に高目にその基準値を決められているというのは明らかでございます。 例えば、アミトラズという農薬は、日本では余り使われてはいないし、これまで殺虫剤としてありますが、農薬としては登録されていない。しかし、これはニトロソ体の毒性が発がん性があるということで非常に問題になっております。また、アルジカルブ、これにつきましては、もう厚生省よく知っておられると思いますが、例の有名なインドのボパール市のユニオン・カーバイドの農薬事故、これで問題になった農薬でございます。そのことによって周辺に約二十万人の中毒者が出、そして二千人の死亡者が出た農薬でございます。 そして、この問題については過去において、たしか八五年ですか、カリフォルニア州のスイカに三ppmのアルジカルブが検出されて、アメリカ、カナダの西岸に住んでいる約千名の人が中毒にかかったという事故が発生いたしました。今回このアルジカルブが果物類で〇・三ppm、あの大変な事故を起こしたときの残留量のちょうど十分の一という数値で、急性中毒を起こした十分の一という数値でもってこの残留量が定められております。 一つずつやっていく時間はございませんが、グリホサート、いわゆるラウンドアップとして今ゴルフ場の農薬等々で除草剤で非常に問題になっております。こうした除草剤についても、非常に高目に決定されているという感じが否めません。また、日本においては禁止されたはずのパラチオン、国際的にももうパラチオンは使うべきでないという合意があったはずでございます。このパラチオンメチル、従前我々がたくさんの被害者を出したパラチオンよりもさらにADIに直して五倍の毒性があるこのパラチオンメチル、これについてもまたわざわざ復活された。 あるいは、先ほど玉木さんの方で、それぞれの摂取量を検討して云々というお話がございますが、例えばその中におきまして、合剤として使うことによって毒性が非常にふえていくもの、あるいは残留期間が非常に長くなってくるもの、そういうふうなものについてどこまで検討されているのか、非常に疑問に思うところでございます。 具体的に例を挙げますと、今回マラチオンの使用、それからトリクロルホンと両方とも載っております。マラチオンは今までと同じでございますが、DEPが載っております。このDEPとマラチオンとを一緒に使った場合、毒性が数十倍になっていくということについては御承知のはずでございます。そういうふうなものが一緒に食べ物として摂取されないということ、そういうことについては何か確信おありなんでしょうか。
○玉木政府委員 大変御示唆に富んだ御質問をいただいておりますが、我々先ほど申し上げましたように、ADIというものを基準にいたしておりまして、ADIは先生御案内のように、これは長期動物実験でございますが、大体一生を終える手前ぐらいまでの動物実験を行いますけれども、その動物において無作用量、症状が出ない量の百分の一を掛けております。これは個体差と性差、個体差と動物差というものと両方で十分の一、十分の一を掛けて百分の一と、百分の一を使っておるわけでありますが、その百分の一を掛けてADIの中であれば、複合的な化学物質の毒性というのは出ないというのが化学者の一般的な見解であります。世界的にも専門家の中でそのように認められております。 したがいまして、ADIを超えておるということになりますと、複合的な、より過大な問題が出てくるかもしれませんが、それ以下であればほとんどゼロと考えてよろしい、症状は出ない、こういう観点に立っておりますので、我々はまず世界じゅうの学者方が認めた考え方でもって残留農薬の基準を決めております。 それと、種々今御指摘もございましたが、これらはもうすべてADIの範囲内に全部入るという形で対応いたしておりますので、部分的に高いのもあるかもしれませんが、高いものがあれば低いものも存在するわけでございますので、そういう意味では我々として安全性には問題はない、こういう見解でございます。 以上でございます。
○五島委員 それぞれについてADIの範囲内であるから安心である、心配ないと言われましても、その心配でないデータもお出しいただけてない。この問題は国民が非常に関心を持っているところです。にもかかわらず、こうした化学的特性、その個々の問題については、我々だって実際に調査し調べようとすれば、その資料は現実に手に入ります。事実、私は資料を出すことを公開ができないと断られて、ゆうべ徹夜で調べました。ゆうべ徹夜で調べれば大体のところのあれはできてくる。 しかし、ADIの問題につきましては、それぞれの農薬のADI、それが一日の摂取量最大限を掛けて、それで安全だということにならない。それぞれの関連したその農薬、あるいは極めて均質性のある農薬、同種の農薬、それらを総合して足していく中において、一日の摂取量が安全かどうかということも検討しなければいけないでしょう。当然そういうことの検討はされているはずでございます。されていないとすれば、さっきの大臣の話と食い違うわけでございます。とするならば、そうした情報は当然公開されるべきじゃないですか。きょうこの場において、この問題すべて質疑を通じて明らかにするということは無理だと思います。 私は、この点につきまして委員長の方にもぜひお願いを申し上げたいと思います。この点については非常に国民の関心の強い点でございます。どうか厚生省の方に対して、この農薬の基準値についての公表できる化学資料については、委員会の場にお出しいただけるように、ぜひ委員長の方からも御要望をお願いしたいと思います。
○玉木政府委員 残留農薬基準の設定にかかわる審議資料の公表の問題でございます。 食品衛生調査会は、御案内のように化学に立脚した自由な論議が行われておりまして、審議内容の中立性が確保されますよう、審議が終了し、食品衛生調査会より答申が出されるまでは資料の公開はしないことになっております。しかし、審議が終了し、答申が出された後であれば、食品衛生調査会の会議資料は希望に応じ閲覧が可能でございます。 以上でございます。
○五島委員 非常に話が違います。私は審議の内容を知らせると言っているのではございません。これら現在日本で使われております、あるいは日本に輸入されてまいります農薬、とりわけ今回厚生省がお出しになられました新たな基準値を設けられた三十四項目、そして現在検討しておられる二十品目について、その化学的特性、使用方法、あるいは数値が既に決まっておるものについてはLD50あるいはADIの数値、そうした基礎的な化学的資料を提供しろと言っているのであって、その委員会の審議の内容を審議中に公表せよと言っているのではございません。どうですか。
○玉木政府委員 きょう非常に細かい、化学的に高度な内容の御質問があったわけでございますが、今手元には、もちろんその個々の農薬に関する概略を御説明するような資料は持っておりません。委員の御希望を踏まえまして、後日担当課長をお伺いさせて説明できる範囲のことは説明させたい、このように考えております。 以上でございます。
○五島委員 私に与えられた時間はございませんし、もう一問質問を用意いたしておりますので、この質問は今回はこれで終わりたいと思うわけでございますが、この問題につきまして私は委員長の方にお願いがございます。 国際基準という形でもって、これまでとは全く違った、残留基準が非常に緩和された形での農薬の数値、特に輸入農産品に対する基準値の緩和というものが図られようとしております。それに対して主婦を中心に多くの方々が不安を持っていることも事実でございます。厚生省としては、もちろんそういう国際的な研究成果を日本の行政に生かしていくことは大事でございますが、あくまで日本の国民の健康を守っていくということか厚生省の使命である、また当委員会は、そうした厚生省の行政に対する議会としての監視と発言の場であるというふうに考えております。そういう意味におきまして、ポストハーベスト問題を中心とした農薬の残留問題と食の安全問題につきまして、当委員会においても理事会等におきまして、小委員会なりで検討をお取り計らいをぜひお願いしたいと思います。
○牧野委員長 五島委員の御質疑に際しまして、委員長として関係省庁の意見を聴取させていただき、また、必要により理事会等で協議をさせていただいて、御了承を賜りたいと思います。
○五島委員 ありがとうございます。それでは質問を続けさせていただきます。 大臣にお伺いをいたします。 今高齢社会を迎える中におきまして、高齢社会対策ということにつきましては、厚生省もゴールドプランを中心に努力をいただいているわけでございますが、この高齢社会を考えた場合、もう一つ我が国が抱えている、我が国というよりも世界が抱えている非常に不安な要因として、青少年を中心に問題になっておりますエイズ感染の問題がございます。エイズというのは年代的にもある一定の年代に集中して発生する疾患でございますが、我が国の場合は幸いにして諸外国に比べますとまだ発症者数が少ないということで、国民の理解は逆に非常におくれているんではないかと思われる節がございます。しかし、我が国のエイズ感染者の状況から考えますと、伝染病の特性として、急激に増加する前夜にもう既に到達しているんではないかというふうに考えるわけでございます。 エイズの感染とB型肝炎の感染あるいは成人急性下型白血病の感染、まさに同じような感染、血液感染と性感染あるいは垂直母予感染といったような感染経路。もちろんそれぞれ病気は違います。したがいまして、感染の感染力にも差はございますが、しかし、感染経路としては極めて共通性がございます。そういう意味では、我が国の場合はそれぞれめ感染症に過去において対応してきた経過がございます。それだけに基礎的な技術はかなり整っていると思われるわけでございますが、どうもエイズの問題に対しましては世上、不安が先行してみたり、あるいは民間的なそういううわさ、デマのようなものが非常に先行して、正しい知識の普及という面で非常におくれているように考えるわけでございますが、どのようにお考えでございましょうか。
○山下国務大臣 エイズの問題は、これはもう本当に人類全体の重大な問題と私は受けとめております。第一、治療方法がわからない、特効薬もないということでございますから、非常な恐怖感があるわけでございます。 そこで、昭和六十二年の二月にエイズ対策関係閣僚会議が政策大綱と、これに対する総合的な大綱というものをつくったのでございますが、今後さらに立法措置あるいはその他の問題について協議を進めてまいりたいと思います。特に、今までは同性愛というのですか、それが多かったのですが、異性間の性行為がこれを抜いて一番多くなってきておるということでございます。したがいまして、これらの面をよく踏まえながら、私どもはこれに対して真っ正面から真剣に取り組んでまいらなきゃならぬ重大な問題だと理解しております。
○五島委員 性感染症は、確たるデータはないわけでございますが、一説には、過去三年間に十人の異性交渉を行う集団の間においては、一回の性交渉が数万人の性交渉と同じ危険性を持つとも言われています。それだけに、今後ある一定数ふえてきた段階では、我が国も非常に深刻な事態になってくる。それだけに、今対策の確立が非常に重要であるだろうというふうに思います。 同時に、このエイズの感染という問題につきましては、当然啓発と予防、そして発症をいかにおくらせていくかという努力、さらには最後の治療という、この四段階の重要な課題がございます。我が国におきましては、まだきちっとした啓蒙啓発活動、予防活動、それに最大限力を尽くすべき時期であるだろうというふうに思います。そういう点から見れば、エイズの予防というのは、ある意味ではこれほどたやすいものはない。コンドームの使用をきちっとしていくということ、そのことしか逆に言えば今予防措置がないということもございます。そういう意味では、エイズの予防というものの知識を広げないといけません。広げるためには、世代的にターゲットがあると思うわけです。一番感染の確率が高くなる世代、それはやはり十代の後半から二十代といったところに対象を絞ったエイズの啓発啓蒙活動というのが必要だろうと思います。 私は、大臣にぜひお願いしたいわけでございますが、大学や短期大学の一般教養の中においてこうしたエイズについての基礎的な知識を教育するように、あるいは養護教諭養成過程においてエイズに対する正しい知識を取得させるように、ぜひ文部省の方に働きかけていただきたい。その点をお願いしたいと思うわけですが、いかがでございましょうか。
○山下国務大臣 今厚生省が捕捉いたしております従来の患者が四百数十名とか、キャリアが幾らとか言っておりますが、潜在患者がこの何倍いるかもわからないというその不安が私たちに常につきまとっているわけでございますから、これは非常に大きな問題として、今御指摘のとおり、早速文部大臣等とも協議しながら、教育の課程においてもっと若い者にしっかりと周知徹底させなければならぬというのは全く同感でございますから、そのように取り計らいたいと思います。
○五島委員 あわせまして、今エイズの検査を行っているところは、各保健所がその任務に当たっているわけでございます。我が国の場合、伝染病に関する予防のノウハウというのは、何のかんのといっても保健所に最も集約されているというふうに私は考えるわけでございます。 ただ、この保健所の中で、現状を見てみますと、せっかくのチャンスを逸していると思われることが多々ございます。感染しているかどうかという不安を持ってエイズの検査を受ける。受けた結果はほとんどの方がマイナスでございます。マイナスの人に対して、よかったね、あなたはマイナスだということしかほとんどの場合っていない。これは非常にもったいない。エイズの感染について不安を持って保健所までおいでになったそういう方々は、ある意味ではハイリスクなグループに属しておられるのだろうと推測できるわけでございます。そうしたハイリスクな生活をしておられるグループがせっかく保健所までやってこられた。たまたま検査して異常なかったからといってそのまま帰らせてしまうというのは、これではもったいないではないか。保健所で検査した後、仮に感染がなかったということになったとしても、そこでエイズに対する正しい知識の啓蒙と予防について、十分な教育活動をすべきであるというふうに考えるわけでございますが、どうかということ。 それから、時間がございませんのであわせてお伺いしますが、さらに現在、血液感染あるいは性感染を問わずエイズの感染者になられた方々、非常に不安をお持ちになっておられます。そういう方々にとって正しい指導は何か。これは何よりもやはりその方に対するきちっと医学的に正しい力ウンセリング、また、その人がどういう私生活を送っていくことができるか、そしてさらには、その人たちがどういうふうなことをすることによって自分自身が周りの人々にそういう患者を新たにつくらないようにすることができるか、そういうカウンセリングでございます。今、ボランティア団体等においてそういう機能を果たされているわけでございますが、私は、全国一斉とは申しません、しかし、その中心的な保健所を中心に保健婦さんなどに対するそういう講習を重ねた上で、患者さんに対するあるいは感染者に対するカウンセリングの機能というものを保健所が担うべきであるというふうに考えるわけでございますが、その点についてどのようにお考えでございましょうか。
○寺松政府委員 いろいろと大変詳しい御指摘をいただきまして、私ども大変役に立つことだと思いますが、ちょっと私どもの実情をまず御紹介して、その対応策を御説明したいと思います。 今先生御指摘になりました保健所等へ検査に来る、それでその結果がわかったそのときの対応、これはプラスの場合とマイナスの場合があるかと思います。それからもう一つおっしゃっておりますのは、実際患者さんになられたりあるいは感染者になられた方々のカウンセリングといいましょうか、そういうようなものについて保健所が大きな役割を果たすべきではないかというような御指摘であろうと考えます。 そこで、私ども、確かに感染者の増加が最近非常にひどいものでございますので、プライバシーに配慮しながら、迅速かつ安心して検査やカウンセリングが受けられるようなシステムを保健所の中につくっておるわけでございます。御承知のように、保健所は都道府県立の保健所が六百五十ばかりありますが、そのうちの五百三十ぐらいが検査を実施しておる保健所でございます。それからまた、相談窓口等をつくっておりますのもやはり五百ぐらいございます。そういうような形で今まで、昨年の十月でございますか、大体七万八千件ぐらいの相談に応じておるわけでございます。ただ、カウンセリングの仕方とかそういう患者さんへのいろいろな対応の仕方については、なかなか微妙なところがございます。プライバシーを十分尊重しながら御指導していく、こういうようなことをいろいろな研修の機会にやっておるわけでございます。 具体的にちょっと申し上げますと、エイズの予防財団がやっております。そういうカウンセリングの仕方の研修会がございますが、今までは医療関係者だけにやっておったわけでございますけれども、それをさらに保健所の保健婦さんなどにも広げまして対応していきたい。それからまた、これも先生御承知でございますが、国立公衆衛生院に保健婦さんあるいは看護婦さんの長期のコースがございます。その辺を通じまして、私どもの方の所管しております感染症対策室あるいは専門家の先生方の研修の時間をもカリキュラムの中に入れて対応してまいりたい、このように思っております。よろしくお願いいたします。
○五島委員 何といってもこの疾病の予防、啓発ということにつきましては、医療従事者というよりも、その予防の段階におけるプロパー、専門家が必要でございます。これまでその機能の非常に大きい部分を保健婦さんが担ってこられましたし、また、保健所という組織は、私、公衆衛生をやってきたということで別にするわけではないんですが、基本的に民間のさまざまな健康増進組織であるとか、さまざまな地区の保健組織と協力して、そういう疾病の予防に努力するということになれております。そういう意味では、エイズの問題につきましてもそういう活動は当然必要なのでございますので、やはり今保健所の機能というものをフルに生かすべきではないかというふうに考えますので、ぜひよろしくお願いしたいと思うわけです。 あわせまして、今患者さんたちが非常に困っておられる、感染者が非常に不安に思っておられるのは治療の場所でございます。あるいは、その発病、発症を抑制するための投薬をどこで受けるかという問題でございます。幸か不幸かわかりませんが、日本においては感染症は非常に減ってまいりました。大学においても、今日の医師の教育の中において、感染症の症例を全く見ないまま医者になっているというふうな事例も多々ございます。そういう意味におきましては、この感染された患者さんに対する治療の体制というものも、あるいはそういうふうなものに対する発症防止のための医学的ケアを行える医療機関の確立というのは非常に大事だと考えるわけでございますが、その点についてはどのようにお考えでございましょうか。
○寺松政府委員 患者の治療体制ということ、あるいは感染者の方の健康指導といいますか、それからいろいろな療養上の注意とかというようなことをどのような体制でやっていくか、こういうことであろうと思います。 この患者あるいは感染者対策の一番重要なところは、治療体制の整備ということは先生御指摘のとおりでございます。したがいまして、これに対しましては、HIV感染症診療の手引でありますとかあるいはHIVの医療機関内の感染予防対策指針というようなものを作成いたしまして、十何万部ずつ各医療機関等に配布しておるわけでございます。また、国立あるいは公立病院の医師等の海外への派遣あるいは研修というようなことも行っておりまして、海外においていろいろエイズの治療等に当たるという研修のために派遣いたしております。それからまた、私ども、国立病院・療養所等につきましては、特に院長会議、あるいは国立病院・療養所の医師の場合の研修あるいは医師の派遣というようなこと、あるいはいろいろな形で治療体制の整備を指導しておるわけでございます。 ちょっと参考までに国立病院の話を申し上げますと、私ども、何とか国立病院が公立の病院などと相連携いたしまして治療に万全を期したい、こういうふうに考えておるわけであります。そのときに、ちょっと実例を申しますと、例えば、御承知のように国立病院というのは九十幾つありますが、相談窓口を持っておりますのは二十二施設、あるいは相談受付を四十九施設で実際やっておりますし、相談件数も、医療機関からは大体七百五十件ぐらいいろいろと問い合わせがあったり、あるいは一般の人からは二千件以上いただいておるわけであります。それから検査につきましても、七十八施設ぐらいで検査ができるようにしておりまして、今まで大体三万一千件ぐらい検査をやっております。 そのようなことで、いろいろな形でこの感染者あるいは患者の方のための治療上の指導あるいは治療を行っておるというのが実情でございまして、公立病院あるいは国立病院ともに、この役割を果たさせるべく指導をいたしていきたいと思っております。
○五島委員 時間がございませんが、非常に重要な課題でございます。今患者さんたちが一番悩んでおられるのは、医療機関にかかったとしても、その医療機関の中において正しい知識不足からくるところのさまざまな疾病差別を受ける。感染症は性感染症だということだけが先行して世上伝わっておりますので、余計そのような差別を受ける。ですから、医療機関にかかっても、例えば大学病院にかかっても、非常に高い個室でないと入院させてもらえないといったような医療差別が現実に起こっているわけでございます。 もう寺松局長御承知のように、このHIVの感染という問題とそれからいわゆるB型肝炎、C型肝炎といったような感染と、感染の経路は全く一緒でございます。今どこの医療機関でも、肝炎のキャリアの方を差別したりすることはございませんし、社会もそのようなことはございません。しかし、感染能力からいえば、御承知のようにはるかにB型肝炎の方が感染能力はある。あるいはATLにしてもしかりでございます。そういうふうなある一部のところだけが取り出されて非常に誤った知識だけが広がり、その結果として現在対応を非常に難しくしているのではないか。 こうした性感染症というのは、社会の中における疾病差別が広がりますと間違いなく潜行してしまう。潜行しますと、これはもう大変なことになって、B型肝炎等の例から見ても、日本でもいずれ数百万の患者を抱えざるを得ないということが予想されるわけでございます。そういう意味では、そうした患者さんが潜行して蔓延しないためにも、この疾病に対する正しい知識の啓蒙普及というものが本当に急がれると思いますので、その点について最後に改めて大臣の御決意をお伺いいたしまして、私の質問を終わりたいと思います。
○山下国務大臣 医学的知識の専門家でございます先生に、あえて私はそういう面でお答えできることはありませんが、ただ、どうもエイズのキャリアでなかろうかというようなことで、保健所とかその他の病院に行くこと自体にちゅうちょする、何か恥ずかしいとかいうようなことがございますので、やはり挙げてみんなでこの問題に真剣に取り組むためには、そういう検査に行きやすいようなことでなければ、先生がさっきもおっしゃいました一人が何万人という結果になるわけでございますから、そこのところをもう少し何か工夫はないだろうかなという感じがいたしております。
○五島委員 どうもありがとうございました。
○牧野委員長 遠藤和良君。
○遠藤(和)委員 四月の一日から白内障患者の眼内レンズ、いわゆる人工水晶体でございますけれども、これに保険が適用されることになりました。去年の十一月でございましたか、当委員会の一般質問で私この問題を取り上げまして、厚生大臣から大変前向きな御答弁をいただいておりましたが、このような決定になったことにつきまして、厚生大臣を初めとする厚生省の皆さん、それから中医協の皆さんの決断に心から感謝を申し上げます。私のところにもたくさん全国の皆さんから感謝の言葉が伝えられておりまして、心から感謝をしたいと思います。そこで、確認だけさせていただきますけれども、これが四月一日の実施に向けてどのようなスケジュールで全国に周知徹底されていくのか、この問題でございます。 それともう一点は、たしか厚生大臣は手術代もレンズ代もともに保険の適用にする、このように明言されていたわけでございますが、診療報酬の点数表を見ておりますと、人工水晶体挿入術①水晶体摘出を伴うもの、一万六千百点、②水晶体摘出を伴わないもの、八千点とあるだけでございまして、いわゆるレンズ代を含むものであるという明示がないのでございますけれども、これはどんな形で明示されますか。この二点につきまして確認をしてみたいと思います。
○黒木政府委員 眼内レンズの挿入術の保険適用に伴います。その実施に向けての周知徹底についての具体的な手順についてのお尋ねでございます。 今回の診療報酬改定全体は四月一日からの実施ということでございまして、現在、点数表、関連告示、通達等について最終的な詰めの作業を行っているところでございまして、固まり次第全国に周知徹底を図っていくことにいたしております。具体的には、現在のところ三月四日に全国担当者会議を開催しまして、そこで丁寧に説明をしたいと思っておりますし、さらに三月七日付で点数表の告示等の官報掲載等を行うというスケジュールで考えておる次第でございます。 さらに、お尋ねは点数表告示上の表現でございますけれども、御指摘のように、眼内レンズの挿入術を単独で行う場合には八千点、白内障手術を同時に行う場合には一万六千百点ということで、点数だけ明示いたしておるわけでございますけれども、この点数にはレンズ代も含まれるということを通知の形で明示すべく準備をしているところでございます。
○遠藤(和)委員 その通知は、恐らく医療課長運用通知という形になると思うのですけれども、その文案の原案のようなものはもう決まっているのでございますか。
○黒木政府委員 今、最終的な文案を含めて詰めをやっておりまして、いずれにいたしましても、この手術料の中にレンズ代は含まれるということをはっきり書くべきであるし、当然そのようにするつもりでおります。
○遠藤(和)委員 それは官報告示、三月七日と言っておりましたが、そのときには同時にこの運用通知も発表される、このように理解してよろしゅうございますか。
○黒木政府委員 同日付で通知も発翰しようと考えております。
○遠藤(和)委員 それでは次の問題に入りますが、今回の診療報酬の改定によりまして保険の導入がかなったものの中に、高度先進医療から一般の保険導入という形になったものが数例ございますけれども、このそれぞれ個々の理由をまず教えてください。
○黒木政府委員 今回の改定におきまして、お尋ねの高度先進医療から保険導入をされました技術が六つあるわけでございます。脳血管内手術、内耳窓閉鎖術、超音波内視鏡検査、植え込み型脳・脊髄刺激装置による難治性疼痛除去、体外衝撃波による胆石破砕治療、組織拡張器による再建手術、この六つでございます。 これら高度先進医療の中からどれを保険導入するかということにつきましては、従来から中医協に設けられております専門的学識経験者で構成されております専門家会議の意見をもとに、そこから導入すべきであるという意見を中医協に出していただきまして、中医協の方で導入が適当とされるというものについて導入に踏み切ったわけでございます。そこで議論されますものは、その技術の普及性とか効率性とか有効性等から見て、保険導入が適当かどうかという判断を専門的にいたしまして、その上で導入に踏み切るという仕組みをとっているわけでございます。
○遠藤(和)委員 今回六つの保険の導入があったわけでございますが、平成三年十月一日現在では高度先進医療として二十六種類、百十六件、医療機関数が七十というふうな報告を受けておるわけでございますが、このうち六つが保険の導入になった。また次の診療報酬の改定のときに検討して、また保険の導入を図っていく、こういう段取りになっているということですね。 そうすると、大学病院等で高度先進医療にはならない前の段階で、いわゆる研究費で医療行為をやっている、これは全く保険というものが使えない、こういうものもたくさんあるわけでございまして、そういう中から高度先進医療にぜひ導入してもらいたい、こういう希望がかなり厚生省に来ていると思うのですけれども、その辺の実態はどのようになっておりますか。
○黒木政府委員 医学技術は日進月歩でございまして、特に大学病院等では新しい技術が次から次へと研究をされ、それが臨床にあるいは現実に適用されていくわけでございますけれども、その中である程度技術的に成熟し、これが患者の治療にということになりますと、その費用につきまして一般診療相当分、入院費とか初診料相当分は保険の方で負担していただきたいという当然の願いが出てくるわけでございまして、それが高度先進医療の適用という形で私どもに上がってくるわけでございます。それを先ほど申しました専門家会議にお諮りしまして、病院としてその技術を高度先進医療として実施することの適否、技術の適否等を御審議いただきまして、そこで適ということになりますと高度先進医療という形で、基礎部分は保険で出しながら、高度技術部分については自己負担という形での現在の仕組みが動き出すということに相なるわけでございます。
○遠藤(和)委員 話を具体的にするために、私の地元の徳島大学の医学部の附属病院でどういうふうな状態になっているのか、ちょっと聞いてまいりました。 現在のところは、要するに厚生省からいわゆる高度先進医療として承認がされているのは脳血管内手術である。これは今度の保険適用によりまして、一般の病院でも保険が適用されるということになったわけでございまして、そうしますと、高度先進医療として承認を受けている項目がなくなるわけでございますが、新たに高度先進医療にぜひお願いしたいというのがございまして、自家末梢血管細胞移植術、小児科がやっているようでございますが、実施件数が四十五例ある。これについて今準備をしております。こういう状態でございますが、こういったものが全国各地から出てまいるわけでございます。そうすると、これを高度先進医療として承認をするというのを決めるのは、どこでどういうふうな段取りで決めていくのか、この辺をお聞きしたいのでございます。
○黒木政府委員 高度先進医療の提供をしようとする医療機関につきましては、いろいろ要件がございます。病床数だとか医師数とか看護体制とかございますけれども、まずその要件を満たしている特定承認保険医療機関としての適格性の承認を受けるわけでございます。徳島大学はもう既に受けておりますから、新しく今度は技術についての適否の判断が必要になるわけでございます。 それにつきましては厚生大臣あてに、こういう新しい技術について高度先進医療の適用をしたいということであれば、私どもに申請書を出していただく。それにつきましては、先ほど何度も申し上げておりますように、中医協に設けております専門分野の学識経験者から成ります専門家会議というところで、まず事前の審査をお願いするわけでございます。そして、そこをパスしますとそれが中医協に報告をされまして、そこの審議を経まして高度先進医療として適当であるという判断をされますと、私どもが行政的に承認をおろすという形になるわけでございます。
○遠藤(和)委員 これは希望でございますけれども、高度先進医療に承認をされていないいわゆる高度先進医術、そういう施術が研究費の中から出されましてたくさんされているわけでございますが、これはいわゆる入院費であるとかほかの薬代であるとか、そういうことも全く保険の対象にならないわけでございまして、大変研究費の負担が多くなる、こういうような状況があるわけです。したがいまして、ある程度技術が進んでまいりまして、これは高度先進医療として保険の適用を考えるべきである一周辺のものに対する保険の適用になるわけですし、その高度先進医療自体については病院側のサービスでやるわけですね。 そういうことでございますから、ぜひ厚生省としては、この日本が技術大国であるという側面もございますし、研究活動だけでそういうものが行われるのではなくて、保険の支えがあってそういう高度な研究開発、研究活動が順調に行われていく、こういうふうなことをバックアップしていく意味でも、この高度先進医療に対する承認をもっとたくさんやっていくべきなのではないか、その方向にあるのではないか、このように考えるわけでございます。個々の事例じゃなくて全体の考え方で結構でございますが、いかがでしょう。
○黒木政府委員 医療保険として新しい技術を保険に導入して、できるだけ患者さんの負担を軽減していくということは当然であろうと思います。ただ、技術につきましては、安全性だとかあるいは技術のもろもろの成熟度と申しますか、そういうものがまだごく初歩の研究段階に属しているものまで公的な保険のファンドで見るのはいかがかという議論も片一方にあるわけでございまして、そのバランスを見ながら、安全性その他有効性等も含めまして、専門的な判断を加えた上で適否を決めさせていただいているわけでございますけれども、御指摘のように、新しい技術をできるだけ取り入れていく方向というのは、私どもはそのとおりであろうと思っておるわけでございまして、さらにその方向で努力をしていきたいと思っております。
○遠藤(和)委員 高額療養費の後払い制度というのがあるわけですけれども、この制度の趣旨を教えてください。
○黒木政府委員 高額療養費制度についてのお尋ねでございます。 この制度の趣旨は、もう御案内のように、患者の負担が過重とならないように、自己負担が一定額以上になった場合に、それを超える額を医療保険から支給する制度でございます。現在、同一世帯同一月で自己負担が三万円以上のものを合算しまして、合算した額から六万円を控除した額を高額療養費として、後払いと申しますか償還払いすることにいたしておるところでございます。
○遠藤(和)委員 そこで問題なのは、三万円以上のものしか合算しないということなんです。例えば三万円未満のものが合計二十万円あったといたしましても、高額療養費の適用を受けないわけですから、二十万円自己負担しなければいけないわけです。要するに、今三万円以上のものを合算すれば六万円以上のものになる。その場合は六万円まで自己負担で、それ以上は要するに後から返ってくるわけでございまして、自己負担は六万円が限度でございますけれども、三万円未満のものがたくさんありましても、例えば二十万円あっても全部自分で払わなければいけない。 この高額療養費制度の趣旨というのは、自己負担額が一定額以上になった場合に、これを超える額を支給するという趣旨でございますから、例えば六万円以上になった場合は支給いたしますよ、こういう制度なのに、十万円も二十万円も自己負担があっても、これを超えているのに支給しないという運用になっているわけでございますね。この運用自体は認めますね。これはこの趣旨に沿っていないのではないかと私は思うのでございますが、いかがですか。
○黒木政府委員 確かに、あらゆるレセプトと申しますか、金額を合算いたしまして世帯単位に判断をするというのが、過重な家計の負担への配慮という点から見ますと、委員御指摘のとおりであろうと思うわけでございます。 ただ、これだけは御理解をいただきたいと思うわけでございますけれども、高額療養費の支給を判断するためには、実はレセプトを世帯ごとに合算するために、多数のレセプトの中から世帯単位にレセプトを抜き出して取りまとめるということが必要になるわけでございまして、市町村あるいは政管健保の事務所あるいは健保組合、それぞれにおきまして膨大なレセプトの中から現在ですと三万円以上に該当するレセプトを抜き出しまして、それを世帯単位に集めまして実務処理をしているということでございまして、これを三万円以下のものまで広げますと、膨大なレセプトの中で実務的にこなすことが非常に困難だということで、大変恐縮には存ずるわけでございますが、主として実務的な理由から三万円で区切って整理をさせていただいている、こういうことでございます。
○遠藤(和)委員 今、世帯の名寄せといいますか、全部集めてくるのが大変だ。これは一人の場合でも、例えば入院と外来がありますと、入院をして外来にかわった。入院が三万円未満であった、外来も三万円未満であったとすると、同じ病院で、同じ主治医の治療を受けている同一の患者なのに積算されないわけですよね。こういう矛盾もありますね。それは要するに、いわゆるレセプトを全部集めてくる、事務的に大変だからできていません、こういうことでございますが、この法律の趣旨、制度の趣旨からいって、趣旨に運用が沿うような形になっていくのが自然でございまして、運用に趣旨を合わせるというのはおかしいわけでございますから、ぜひレセプトの電算化、スピードアップ、こういうことをすれば当然できる問題だと私は思うのです。 ちなみに、私の家に毎月、私は国民健康保険に入っているんですけれども、役場から、お宅の医療費はこのように使いましたよということがコンピューターで届いてまいります。それは小さな風邪を引いたのまで全部入っていますよ。ですから、家族全部の医療費が、二カ月ぐらいすると、あなたは自己負担がこのぐらい、保険からこのぐらい出します、総医療費は幾らですと、ちゃんとコンピューターで全部来ます。こういうふうになっているのに何でこういうものが積算できないのか、おかしいではないか、このように思うのでございますが、どうでしょう。
○黒木政府委員 この制度の基本は、御指摘のとおり世帯単位で物事を処理すべきでございます。残念ながら実務の能力が限界のために三万円で切らせていただいていると説明したわけでございますけれども、それを解決するためには、機械化と申しますか、コンピューター処理は非常に有力な方法だろうと思っております。 機械化につきましては、医療機関から支払基金への機械化も急いでおりますとともに、各保険者、これは市町村であったり政管の事務所であったり、あるいは健保組合それぞれの事務所における機械化というのも非常に重要になっているわけでございまして、確かにお知らせ制度等でかなり有効に機械化が威力を発揮している点もあるわけでございますけれども、全部の保険者がまだ機械化処理をやっていない状況でございますので、手作業のところは、現在の三万円の限度を取りますと、事務量的にも六十倍ぐらいのレセプトの中から抜き出すということに相なるわけでございますから、私どもは御趣旨を体しながら、機械化なり事務処理の効率化というものをさらに一層進めながら、御指摘のような方向に沿うよう努力をさせていただきたいと思うわけでございます。
○遠藤(和)委員 療養費が後払いになるということもあるのですね。そのために、要するに保険者がつなぎ融資をして立てかえをしている、こういうこともあります。この制度が充実していない地域もあるわけでして、それは自分で負担をずっとしておかなければいけない。このつなぎ融資を充実していこうという意味もあるのですが、事務のコンピューター化が進んで、後払いがもう本当にその月の月末にでも来るのであれば、このつなぎ融資制度なんかは必要なくなるわけですよね。 こういうことでございますから、つなぎ融資制度を充実していく政策を選択していくのか、あるいは事務のスピードアップをどんどん進めていくという政策を進めていくのか、これは政治判断だと思うのですけれども、厚生省はこの後払い制については、事務のスピードアップを強力に進めて、予算も集中して投資をして、そういう矛盾がないように、名寄せも全部コンピューターでできます、したがって高額療養費後払い制度の趣旨が運用面でも生かされるようにしてまいります、こういうふうな基本的な政治判断を持っているのかどうか。できたらやりますということなのかどうか、この辺の基本的な見解をぜひ聞かせてもらいたい。
○黒木政府委員 世帯合算のための事務の効率化とそれから迅速化というのとは少し事務の局面が違いまして、迅速化の方はこれはもう限界でございまして、お医者さんが支払基金に請求書を出す。それがチェックされて保険者に戻ってくるのは、どうしても翌々月ぐらいになるわけでございまして、ここは一つ一つのレセプトの適否を審査してお支払いをするという制度がある以上、高額療養費の事務処理のスピードアップという面では、レセプトの戻りがどうしても翌々月になる。したがって、私どもは、つなぎの融資制度というものはこれからもどうしても必要になるのではないか。 ただ、保険者における機械化なり事務処理がコンピューター化されますと、名寄せの効率がぐっと違ってまいりますので、そこはこれから機械化を進めながら、名寄せの事務改善というような形で、私どもは取り組ませていただきたいと思うわけでございます。
○遠藤(和)委員 わかりました。 それから、きょうはたくさん聞きたかったので、もう二項目あります。 一つは、アトピー性皮膚炎等が今大変国民の間で問題になっておりまして、アレルギー患者が八百万人ぐらいいるというふうなことがございまして、私も昨日、国立小児病院を見学させてもらいまして、そこでいろいろ実際に研究をされている方とこの問題について語り合ってまいりました。 まず第一点、国立小児病院でいろいろ研究をされているのですけれども、研究機能というのが大変弱いわけでございます。小児アレルギーあるいは小児成人病、こういう問題に対してもう少し研究機能を充実いたしまして、いわゆる子供さんの病気のナショナルセンターのようなものに国立小児病院をすべきである、このように考えるわけでございます。これは厚生省が直轄している国立の病院でございますから、厚生省の考え方が直接反映されると思いますけれども、これを小児、子供さんの、お母さんも含めましてですけれども、病気のナショナルセンターにしていくような考え方はあるのかないのか、見解をお聞きしたいと思います。 〔委員長退席、平田(辰)委員長代理着席〕
○寺松政府委員 先日、先生には国立小児病院を御視察いただきまして、大変どうもありがとうございました。その席で院長等と非常に高度な、あるいは専門的なお話がいろいろされたことを承っておりまして、大変ありがたく思っているわけでございます。 今先生がおっしゃいましたのでございますが、国立小児病院を研究機能を強化してナショナルセンターにするべきではないかという御質問でございます。私どもは現在、国立病院・療養所の再編成計画というものを御承知のように進めておるわけでございます。そして、この国立小児病院と国立大蔵病院とを統合いたしまして、母性・小児のナショナルセンターとして再編成することといたしておりまして、国立病院特別会計の経営改善の問題をも踏まえながら、目下関係方面と調整を進めているところでございます。 それから、小児病院の小児を対象とする各種疾患の研究の問題でございますけれども、私ども、五十九年の十月にこの病院の中に小児医療研究センターという、普通の国立病院なんかにあります臨床研究部よりもかなり大きな研究所として整備いたしておりまして、そこでいろいろ多角的に小児医療に関します研究をやっております。研究費も一億五千万の特別な研究費を組みまして入れておりますほか、いろいろな形で他の研究費をちょうだいして、私ども小児の問題についての総合的な研究をやっておるという状況でございます。
○遠藤(和)委員 このアトピー性皮膚炎に対する治療法の確立の問題ですけれども、今度厚生省はアトピー性疾患実態調査費一千万円、それからアレルギー総合研究費を一億円計上したわけです。大臣、研究するのは結構なんですが、国民の目の前にこれが有効なアトピー性皮膚炎に対する治療法でございます、こういうふうなことが明言できる腹づもりと申しますか見通しと申しますか、これは何年後くらいには間違いない、このように決意をされておりますか。きのう研究者の間で聞いておりましたら、かなり有効なこの治療方法が、実験段階ですけれども出てきたようでございますし、その辺、厚生大臣の決意をちょっとお聞きしておきたいと思います。
○山下国務大臣 アトピー性の皮膚炎につきましては、小児医療研究の一環として、その発症機序、診断方法等について現在研究が続けられております。現段階におきましてその治療法が確立される見通しを申し上げることはなかなか難しい問題でございまして、先生の御指摘も踏まえまして、アレルギー総合研究の推進にはさらに一段と努力してまいりたいと思います。
○遠藤(和)委員 最後に確認ですけれども、四月の一日からいわゆる老健法による老人訪問看護制度がスタートするわけです。この審議の中でも確認しておりましたが、老人訪問看護利用料の問題です。これを外来一部負担との均衡に配慮する、こういうふうになっておりましたけれども、具体的に一日何円、このようにお決めになりましたでしょうか。 それから、平成十一年度までに全国五千カ所くらい、つまり、全国の二中学校区に一カ所くらい訪問看護ステーションをつくりまして、週に二回程度までは在宅サービスができるようにしたい、このように希望を述べていらっしゃったわけでございますが、来年度に限りましてどの程度のサービスが可能なのかどうか。 それから最後に、この訪問看護事業について営利を目的とする民間の参入は当分させないということでございましたが、この点を確認をいたしまして、質問を終わりたいと思います。
○岡光政府委員 まず、利用料でございますが、訪問一回につき二百五十円ということで、近々のうちに大臣告示をいたしたいと考えております。この考え方は、大体標準的な訪問回数が月三ないし四回でございます。一月当たりの外来一部負担は御存じのとおり現在九百円、もう少しいたしますと千円というふうなことが予定されておりますが、そういったものを勘案いたしまして一回二百五十円ということにしたわけでございます。 それから箇所数でございますが、平成四年度においては約四百カ所程度見込んでおります。ただし、これはいろいろ協力を得ながらやらなければなりませんが、先生も御指摘がありましたように平成十一年度末までには五千カ所程度見込んでおりますので、やはりこの程度のスピードでやっていかなきゃいけないということで目標を立てているわけでございます。 それから、営利企業に対してその事業者として認めるかどうかということでございますが、これは認めないということでございます。老人保健法の該当の規定では、その事業者は「地方公共団体、医療法人、社会福祉法人その他厚生大臣が定める者」、こうなっておりまして、厚生大臣が定める範囲に営利法人は入れませんので、排除されるということでございます。
○遠藤(和)委員 どうもありがとうございました。 以上で終わります。
○平田(辰)委員長代理 大野由利子君。
○大野(由)委員 先ほど同僚の遠藤委員から眼内レンズについて質問がございました。私も関連の質問を何点かさせていただきたい、そのように思います。 四月一日から眼内レンズ、また白内障の手術等が保険適用されるようになったということで、白内障の患者の方や家族の方から大変な喜びの声を私も今連日のように伺っております。と同時に、幾つかの疑問の声も寄せられておりますので、きょうはその声を代弁して質問をさせていただきたいと思います。 初めに、今回社会保険診療報酬で手術代とレンズ代、合わせて八千点ということでございますが、この八千点とされました積算根拠、また内訳、そして手術代とレンズ代を分けないで一括にされたその理由等について御説明いただきたいと思います。
○黒木政府委員 今回の改定で、眼内レンズの挿入術を八千点と設定いたしたわけでございます。これにつきましては、御指摘のように手技料とレンズ代の双方を含めておるわけでございまして、その設定に当たっての考え方でございますけれども、技術的な難易度だとかレンズの実勢価格とか、そういったもろもろの要素を総合的に勘案しまして、さらに医療関係者の御意見あるいは関係業界の御意見を聞きながら、中医協の御審議を得て今回の点数を設定いたしたということでございます。したがいまして、八千点の内訳としましては、明快な区分はしてないわけでありますけれども、積算の考え方として、私どもはおおむねその中でレンズ代が五千点、手技料が三千点程度というふうに想定をいたしておるわけでございます。 包括した理由でございますけれども、眼内レンズが手術に一体不可分のものとして用いられるものであること、あるいは眼内レンズは摘出した水晶体の代替物として埋め込み、その結果、人体の一部となるものであること等を勘案しますとともに、関係方面からの強い御要望も踏まえまして、かつ中医協の御審議も得て、レンズ代も含めまして評価することが適当である、こういう判断に立ったわけでございます。
○大野(由)委員 レンズにいろいろ種類があるようでございまして、紫外線吸収レンズとか多焦点レンズとか、また折り畳んで挿入するそういうレンズとか、また、素材にもプラスチックとかシリコン等いろいろあるようでございますが、こうしたレンズがすべて保険適用されるのかどうか、お尋ねしたいと思います。 〔平田(辰)委員長代理退席、委員長着席〕
○黒木政府委員 眼内レンズにつきましては、御指摘のように、もうさまざまのものがございます。機能面で見ますと、紫外線の吸収の度合いとか多焦点、単一焦点の違いとか、さまざまあることは承知をいたしておるわけでございます。また、その価格でございますけれども、取引価格の現状で見ますと、ばらつきが当然あるわけでございますが、平均しますと、一眼当たり五万円程度と承知をいたしておるわけでございます。 こういったさまざまな眼内レンズにつきましてどのように導入するかということで、関係業界にも問い合わせする等、我が方は詰めをいたしたわけでございますけれども、結論からいいますと、機能面あるいは価格面で多少の差異はあるものの、すべての眼内レンズを保険点数の枠内で供給することができるということの見通しに立っているわけでございまして、関係業界の方からの回答といたしましても、今回の設定いたします点数の中ですべての眼内レンズが保険適用可能である、そして私どももそのようにいたしたいというふうに考えております。
○大野(由)委員 今大変技術革新の著しい世界であるわけですけれども、これからさまざまに新しい高性能のレンズが出てきたときに、またいろいろ手術方法も改善されるかと思いますが、こうした状況になっても保険適用されるかどうか、確認をさせていただきたいと思います。
○黒木政府委員 ただいま御説明申し上げましたように、現時点ではすべての現在市販されております眼内レンズが保険適用の対象になると考えておるわけでございまして、今後出てくるでありましょう新製品につきましても、基本的には同様の取り扱いにしていきたいというふうに考えております。しかしながら、仮に従来の製品とは機能面から見ましても価格面から見ても大きく異なる製品が出てきたときにどうするかというその取り扱いの問題は、将来の仮定としてはあり得るわけでありますけれども、どんな機能のものがどういう形で出てくるか、現在のところは私どもは検討ができませんので、そういう従来の製品とは全く異なったような製品が出た段階で慎重に検討させていただきたいというふうに考えているわけでございます。
○大野(由)委員 いろいろな機能があります眼内レンズの中からどの種類のレンズを挿入してもらいたいかということは、まず医師が患者に十分情報を与えまして、そして医師と患者との間で十分打ち合わせを行って、患者の意思を尊重して決められるべきではないか、そのように思うわけです。医師会におきましても、一九九〇年の一月にまとめました説明と同意、インフォームド・コンセントというのが非常に日本はおくれているわけですけれども、この辺をしっかり根づかせていくことが患者と医師との信頼関係を築いていくのだ、そういう報告書を出しておりますが、これからこれが十分行われるかどうかについて厚生大臣にお伺いしたいわけでございます。 厚生大臣、既に眼内レンズの手術を受けられたようでございますが、なぜ私がこのような質問をいたしますかといいますと、実は既に手術を受けた人から、レンズ代十数万円したとか、医師に直接払ったというような方とか、八万円払ったけれども、それは医師に払ったのじゃなくて業者の方にお払いしたんだとか、過去もいろいろなことがあったようでございます。しかも、医師の方からどのレンズにしますかという相談は一言も受けなかった、もうこのレンズに決まっているという感じで手術を受けた、過去の人たちがそうだったという声をたくさん聞きました。ですから、四月一日からはちゃんとそういうふうなインフォームト・コンセントがなされるかどうか、それを大臣にお伺いしたいと思います。
○山下国務大臣 今おっしゃったとおり、レンズにはいろいろな種類があると思います。したがいまして、従来はどういうレンズを入れるかということは、医師とその患者の間で十分話し合って、これは高いですよとかいろいろな話し合いをしながら、適当なものを選んでやっておったと思います。しかし、今後は一律になるわけでございますから、その話し合いが従来どおり行われるかどうかは別といたしまして、大体私の知る範囲におきまして、私の地方の眼科の病院にしましても、ある程度の値段、今予想されます保険の大体の点数でもって十分ではないか。 私も今入れておりますレンズで全くよく見えまして、これ以上のものがそう簡単にできるのかなと思うくらい、非常にぐあいがいいわけでございます。しかし、医学というものは日進月歩でございますから、将来そういうものが出てきた場合にはその時点において考えるべきであって、今想定されるものでは、大体一つの標準的なものがその値段でもって十分可能である。したがって、従来のように一々患者と何か取引みたいに、これは幾らぐらいだとかいうことは、今後は必要ないのではないかと思います。
○大野(由)委員 実は今回、レンズ代と技術料を含めまして八千点というふうになったわけでございますが、レンズにもいろいろな種類がある。要するに、患者がしっかりとお願いをしないで黙っていますと、安い方のレンズを使われるのじゃないか。もちろん、すべての医療機関がそうだとは思いません。そういうところは少ないかとは思いますが、でも、実際にはそういう懸念があることは事実でございまして、本当に患者が黙っていれば安い方のレンズが使われるというのではなくて、患者に十分な情報を与えて、患者の意思を尊重してレンズの種類が決定をされる、そうなるかどうかについてもう一度重ねて大臣にお伺いしたいと思います。
○山下国務大臣 私も素人でございますから詳しいことはわかりませんが、少なくとも保険適用になりますと、従来より若干全体的な値段は下がってもいいのではないかと思っております、どうなりますかわかりませんが。また、保険審査においてもある程度はチェックできると思いますから、そのような御心配は要らないのではないかと思うのでございます。
○大野(由)委員 大臣のおっしゃるようになることを私も願っておりますが、しかし、中にいろいろなケースもございますので、この点ぜひ厚生省さんとしてもこれからの指導の中でしっかりこうしたことを含めていただきたい、そのように念願をさせていただきたいと思います。 それから、白内障の古い濁った水晶体を取り除く手術の方法にも、大きく分けて二つあるようでございまして、超音波を使用して古い水晶体を砕いてチューブで摘出をする、そして新しい折り畳み式のレンズを挿入をする。切開するのが四ミリ程度で済んで、そして余り入院もしなくて済む、場合によっては日帰りで十分できる。その後の微調整レンズも二週間程度で様子が落ちついて、早く安定した微調整の眼鏡をかけられるという手術の方法と、もう一つ超音波を使用しない従来の手術の方法では、水晶体を摘出するのに十二ミリぐらい、先ほどの方法の三倍ぐらい切りまして、そして入院も四日から一週間ぐらいかかって、水晶体を挿入した後も状態が落ちつくまで六カ月ぐらいかかって、落ちつくまで眼鏡を三回か四回ぐらい取りかえる、そういうような手術の方法もあるようでございます。 こうした手術方法についてもしっかり患者さんにいろいろ説明をする必要があるのじゃないかと思いますし、こうした超音波による手術方法がもっともっと普及されるように厚生省さんはされるべきではないかと思うのですが、厚生省としてどういう姿勢で臨まれるのか、伺いたいと思います。
○黒木政府委員 眼内レンズの装着、挿入は患者さんにとっては一生の問題でございますから、御指摘のように、最も患者さんにふさわしいレンズが最も適切な治療法によって技術が施されるように、私どももいろいろ指導してまいらなければいけないと思っております。 御指摘のように、白内障手術のやり方としてはいろいろな手術法がございます。どれが患者さんにとってふさわしいかというのは、それぞれの医師が判断することでしょうが、お尋ねのような超音波の摘出術も、八千五百点という点数で設定いたしておるわけでございます。いずれにいたしましても、最もふさわしい技術で白内障が手術をされ、そして患者さんにとって最も適切な眼内レンズが埋め込まれる、そういう医療が進みますように、お尋ねのようにインフォームド・コンセントというのも特にこういった分野は非常に大事なことだというふうに認識をいたしておりますので、そういう観点に立ってこれから私どもの仕事を進めてまいりたいというふうに思っております。
○大野(由)委員 昨年、私もアメリカに行ったときに、アメリカの白内障の手術は大変進んでおりまして、大体日帰りで、入院しなくて済んでと大変進んでいることを実感して帰ってまいりました。そうした意味で、日本においてもこうした眼内レンズの、白内障の手術がもっともっとスムーズに進むといいなというふうなことを思っております。 最後に、この白内障の手術に関しまして、レンズ代も含めて全部の費用が大体どれくらいでできるか、お尋ねしたいと思います。薬代とかすべてを含めまして、合計で結構でございます。
○黒木政府委員 大変難しい試算になるわけでございます。どういう病院を念頭に置き、どういう仮定を置くかということでさまざまな回答が出るわけでございますけれども、基本的には、基準看護の特二類をとっている病院を念頭に置きまして、甲表病院で一週間程度入院したということで仮定をいたしまして、初診料から検査料、それから薬剤料から室料から給食料からあらゆる考えられる点数を加えて試算をいたしますと、約一週間で三十一万程度の費用かなというふうに試算できるわけでございます。
○大野(由)委員 次に、保育行政について質問をさせていただきたいと思います。 四月から育児休業法が施行されるようになったわけでございまして、今、日本の女性の年齢別労働人口は、出産と同時に一たん退職して、子育てが一段落してから再就職するというM形が一般になっておりますが、育児休業の充実とともに、これが一たん退職しないで、出産をしてもずっとそのまま仕事を続ける台形のような形で続くのではないか、そういう形に移行していくのではないか、そのように思われるわけですが、それにつけてもやはり一番必要なのは乳児保育じゃないか、そのように思っております。 今、全国的に大体四歳、五歳児は出生率が落ちていますので、保育所は定員割れになっておりますが、ゼロ歳、一歳児の乳児に関しては定員枠が少なくて、入ったくても入れないという状況があるように思います。この点について厚生省はどこまでこうした実態を把握していらっしゃるのか、年齢別の保育園の入園希望数をつかんでいらっしゃるかどうか、充足率をつかんでいらっしゃるか、お尋ねしたいと思います。
○土井政府委員 保育所の全体の状況は、お話がございましたとおり、現在定員が百九十七万人でございまして、入っているのが百六十二万人ということで八二・四%という状況になっております。 年齢別にどうなっているかという御指摘でございますが、私ども入園希望という点では、実態を正確には掌握しておりません。ただ、乳児保育につきましては、毎年度乳児保育の要望を市町村から伺いまして、それに基づいて実施箇所数をふやすのに努力をしておりまして、平成三年度は五千六百六十二カ所指定をいたしております。それに対して、平成四年度の予算案におきましては六百六十一カ所増の六千三百二十三カ所ということで、市町村の要望にこたえてまいりたいというふうに考えているところでございます。
○大野(由)委員 今おっしゃいました乳児保育が五千六百六十二カ所ということでございまして、 全国の保育所二万二千七百カ所の中の約四分の一しか今乳児保育がされていない。全国の中学校が一万一千二百九十校でございますから、中学校区二つに対して乳児保育は一つしか行われていない。育児休業がこれから充実するにつれて、こういう状況でいいのかどうかということが問題でございます。乳児保育の希望、また延長保育だとか夜間保育、病児保育とか、今非常にニーズが多様になってきております。一こうした実態を把握する必要が、まず調査する必要があるのではないかと思いますが、厚生大臣、いかがでございましょうか。
○山下国務大臣 今局長から申し上げました数字は、かなり綿密な調査のもとで出ました統計的な数字でございます。したがいまして、これに大きな狂いはないと思いますし、それじゃ今後これでいいかどうかという問題につきましては、実際に乳児を持った方々でどの程度の方が自分の家からどういう距離のところに勤務されるとか、あるいはまた時間的にどうなのかとか、それらの問題は、さらにまた不十分な点は今後進めていかなければなりませんけれども、おおよそこの程度で何とかいくのじゃないか。詳しいことはまた局長から答弁いたしますが、そういう観点に立ってこの数字が出てき、そして、そういうふうな配置ていくということだろうと思います。
○大野(由)委員 総務庁の行政監察局でも、行政監察結果報告書の中で、厚生省はもっと保育の需要をきちっとつかむべきだということを勧告しておりますが、これについては総務庁の勧告に従うつもりは持っていらっしゃらないのでしょうか。
○土井政府委員 保育需要の実態把握の問題でございますが、特にことしの四月からは育児休業制度が施行されまして、働く女性の方々のための施策が大きく前進するわけでございまして、それが保育需要にどのような変化を与えるか、私どもも重大な関心を持っております。具体的なケースはさまざま予想されますけれども、育児休業制度の実施後の保育需要の変化という点につきましては、十分地方団体とも相談をしながら、その実態の把握に努めてまいりたいと考えております。
○大野(由)委員 ぜひお願いしたいと思います。昭和五十一年以来きちっと全国的な実態の把握はなされていない、そのように総務庁も指摘をしておりますので、今回育児休業法が施行されるようになって大きくニーズが変わるわけですから、ぜひこの辺は厚生省さんは前向きでしっかり取り組んでいただきたい、そう要望をさせていただきたいと思います。 それから、保育所の入所に関しましては、児童福祉法で保護者の労働や疾病等によって保育に欠ける子、一応そういう規定があるわけですけれども、今厚生省も在宅介護を非常に進めております。家庭の中で寝たきり老人とか要介護老人を抱えて、そして乳児を抱えて大変苦労している。大変仕事をして、外へ働きに行っている以上に疲れ果てている専業主婦もいらっしゃるわけでございますが、そうした方も保育所の入所措置の対象になる、入れるべきであると考えますが、いかがでございましょうか。
○土井政府委員 児童福祉法におきまして、「保育に欠ける」ということが保育所入所の要件に相なっていることは御案内のとおりでございます。その場合に「保育に欠ける」ということの具体的な内容は何であるかという点につきましては、社会の実態の推移に応じて少しずつ変わってまいるという点につきましては、私どももできるだけ常に勉強をしながら、適切な対応をしていくことが必要であろうと思っておりまして、例えば家族の中に病人がいる、お年寄りがいる、そして家族に親がいるけれども介護のために子供の面倒が見れないといったような事情につきましては、従来からも保育に欠ける状態にあるというような取り扱いでやってきておりまして、今後とも新しいいろいろな事態に対応すべく研究をしてまいりたいと思います。
○大野(由)委員 既にやっていらっしゃる場合もあると思うのですが、実際には母親には周知徹底されていないという現状かございます。保育所には、お母さん自身が働いているか、病気でなければ入れないと思われている要素がございますので、そうした意味での周知徹底が不十分なのではないかと思いますが、この点、入所措置の対象になるということがこれから周知徹底される、そう期待していてよろしいでしょうか。
○土井政府委員 保育所への入所措置の基準を私ども政令で定めておりますけれども、その九条の三でその基準を書いておりますが、その第四号に「同居の親族を常時介護していること。」というような要件も入っております。したがいまして、さらに趣旨の徹底については努力をしたいと思います。
○大野(由)委員 既に行われているところもあると思いますが、その辺は不徹底なところもございますので、ぜひ周知徹底をお願いしたい。これから在宅介護を進めるに当たってこれは非常に不可欠な問題であると思いますので、よろしくお願いをしたい、そのように思います。 それから、今非常に出生率が落ちて問題になっております。平成二年は一・五四でございました。平成三年はもっと下がるのではないかと思われているわけでございますが、子育ての負担をもっともっと軽減をしていく、そういう必要があるのではないか、そのように思っております。 税制面におきましても、子育て家庭に対して保育控除をもっと考えていくべきではないか。厚生省の子どもと家庭に関する円卓会議でも、昨年十二月に子育て支援策をまとめた提言を山下厚生大臣に提出をされておりますが、その中に子育て家庭の保育控除ということで、税制上の支援を提案をされております。これをぜひ実現をしていただきたい、そう思うわけでございますが、厚生大臣の御決意を聞かせていただきたい、そう思います。
○山下国務大臣 今お話がございましたように、出生率が非常に下がっております。昨年はおっしゃったとおり一・五四というような数字でございます。そこで、女性の社会進出が進む中で、子供が健やかに生まれ育つための環境づくりを推進していくとともに、女性が職業能力をより一層発揮できる条件を整備するために、育児と就労の両立を支援していくことが喫緊の要務だと私どもは理解をいたしております。このことから、厚生省といたしましては、各般の手段を通じて、育児と就労の両立の支援を図っているところでございますが、税制につきましても検討すべき課題であると考えております。実現に当たってはいろいろ検討する点もございますけれども、いずれにいたしましても慎重に検討してまいりたいと思います。
○大野(由)委員 ぜひ大臣には頑張っていただきたいと思います。 最後に、ちょうど一年前のこの厚生委員会で、私は育児休業が終わって年度途中で入所する子供たちがスムーズに受け入れられるようにということで質問をさせていただきました。平成四年度の予算に年度途中入所対策費が計上されたということを大変喜んでいるわけでございますが、全国で千六百カ所ということで、全体の七%にすぎないわけです。これはもっともっと来年は、平成五年度はもっとこれが拡大されるべきではないかということ。 もう一点、母親が育児休業に入る前に入所していた上の子の扱いでございますが、これも大変子供の環境上大事なことでございまして、どのような扱いを受けるようになるかということについて政府の明快な方針を教えていただきたいと思います。
○土井政府委員 第一点目の年度途中入所対策費でございますが、新年度予算で千六百カ所予定をいたしております。実施状況をよく見ながら、平成五年度以降どうすればいいか、さらに検討してまいりたいと思います。 それからもう一つは、育児休業に入った場合の上の子の取り扱いの問題でございますが、私ども近くこの上の子の取り扱いを中心にして地方団体に対して通知を出す予定で、現在検討中でございます。その内容でございますが、保護者が育児休業中だからといって一律に保育所から退所させるといった取り扱いをするのではなくて、母親やその同居家族の健康状態等を確認するとともに、子供につきましては、小学校への就学を控えているといったような事情、あるいは児童の発達上好ましくない変化があるかどうかといったような諸事情を勘案した上で、措置の継続を含めましてその取り扱いの適正を期していく、そういう趣旨で現在具体的な通達の内容を検討中でございまして、三月早々にはこれを出したいという予定で準備をしているところでございます。
○大野(由)委員 ありがとうございます。最後に一言だけ、小学校入学を控えているということとか集団保育が必要だということは、大体四、五歳児は、今おっしゃったように措置児童として扱われると認識してよろしいでございましょうか。
○土井政府委員 具体的な取り扱いはそれぞれの市町村に判断をゆだねるという考え方で、市町村におきまして弾力的に取り扱うという基本的なスタンスで臨んでおります。したがって、具体的に何歳児は対象になるといったような決め方ではなくて、基本的な考え方をお示しして、それに基づいて市町村が判断できるというふうにしたいと思っております。
○大野(由)委員 本当はもう少しお聞きしたいんですが、時間が来ましたので、以上で終わります。大変ありがとうございました。
○牧野委員長 児玉健次君。
○児玉委員 先日の閣議で、政府は職業リハビリテーション及び雇用(障害者)に関する条約、いわゆるILO百五十九号の批准を決定されました。昨年の十二月、日本共産党はこの条約の早期批准を宮澤首相に申し入れていた、そういう経過もありますので、今回の閣議決定を私は大変喜んでおります。 条約の第二条に「加盟国は、国内の事情、慣行及び可能性に従い、障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する国の政策を策定し、実施し及び定期的に検討する。」このようにあります。山下大臣は、先日のこの委員会における所信表明で「障害者の自立と社会参加を支援する各般の障害者対策を強力に推進していく」とお述べになりました。私は、日本における代表的な障害者に対する職業リハビリテーション及び雇用に関する国の施策の一つとして、まず授産施設制度についてきょうはお尋ねしたいと思います。 これらの施設の全国における箇所数、そして入所されている方の総数については、一九九〇年度、合わせて九百四十四カ所、四万五百八十一人、このように伺っております。こういう方々の授産施設制度における平均入所期間、そして企業への就職率はどのくらいか、もし全体の数字をおつかみでなければ、この授産施設制度には幾つかのものがありますから、つかんでいらっしゃる部分についてのお答えをいただきたい。
○末次政府委員 厚生省で所管しております身体障害者授産施設について申し上げますと、昭和六十三年社会福祉施設調査報告によりますと、約一万三千三百の方が入所しておられまして、平均的な入所期間は約六年というふうになっております。それから、身体障害者授産施設を退所する者は年間千四百四十人でございますが、そのうち一六・五%に当たる二百四十人の方が就職をされているということでございます。
○児玉委員 労働省においでいただいていると思いますが、障害者職業訓練校は全国で何枚あるか、そして定員の総計はどのくらいか、あわせて就職率を示していただきたいと思います。
○和田説明員 労働省で所管しております身体障害者の訓練校は、国立て十三校、それから国が認可しております府県立の身障校が六校、計十九校でございます。全体の定員は二千七百五十名ということでございます。それから就職率でございますけれども、訓練校を修了して一カ月の間、訓練校の方で所管しておりますけれども、八五・五%という率になっております。
○児玉委員 訓練期間は、いろいろなコースがあるのでしょうが、一年だと伺っておりますけれども、この間の入所生の負担、そして手当の支給についてはどのような状況でしょうか。
○和田説明員 入校期間中の訓練生の負担は、原則的に授業料は無料ということで対処しております。それから、入校期間中に訓練手当というのを国の方で支給いたしておりますけれども、平均して約十二万五千六百九十円という額になっております。
○児玉委員 障害者の職業訓練校は、入校卒が七三・四%ですから、大体今約二千人の障害を持つ方々がそこで懸命の努力をなさっている。一方、厚生省がお進めになっている授産施設等の方は、約四万人を超える障害者がそこで努力をされております。こちらの方の工賃の平均月額、それをお答えいただきたいと思います。
○末次政府委員 身体障害者授産施設の適所の施設の平均月額工賃でございますが、約二万三千円でございます。
○児玉委員 約二万三千円。さて、一九八六年七月からその身体障害者授産施設で費用徴収が行われるようになりました。この制度が時あたかも授産施設制度の今後の基本的方向はどうでなければならないか、性格づけについて本格的な論議が起きているさなかで実施されたという経過もあるし、さまざまな事情があって、そこで懸命に努力をしている障害者の自立心や労働意欲を減退させているのではないか、私たちはそのことを憂慮しております。現に、全国社会福祉協議会の授産施設協議会が一九八九年十二月に行った全国調査、回答率は四五・五%ですが、それによれば、二百六十三名の方がこの費用徴収制度を理由にせっかくの授産施設から退所される、こういうことが起きております。 私は具体的な議論をしたいと思うのですが、一九八七年のあるケースですが、入所期間が一年一カ月の方について、この方は八八年度の工賃の総計が四十万八千四百五十一円です。月額にして三万四千円ばかり。年金収入があるということを理由にして四十六万三千二百円の費用徴収がされている。額に汗して手にした工賃よりも高い金額の費用徴収がされる。こういう実態は随分のケースで存在しておると思うんですが、いかがですか。
○末次政府委員 ただいまのようなケース一つ一つについての実態は、私ども必ずしも明確に把握いたしておりませんが、理論的に申し上げますと、そういうケースは起こり得るというふうに考えております。 と申しますのは、身体障害者の授産施設そのものが、直ちに一般企業に雇用されることの困難な障害者等に対しまして必要な訓練を行い、かつ職業を与え、自活させる施設であるわけでございます。入所者から費用徴収をする、このことは、身体障害者更生施設において訓練を受けている障害者あるいは在宅の障害者との均衡を考慮いたしまして、工賃収入だけではなくて収入全体に対しまして、その負担能力に応じて応分の負担をしていただくのが適当であるという考え方に基づくものでございます。
○児玉委員 授産施設制度が発足したのは、例えば重度障害者授産施設、身体障害者通所授産施設、精神薄弱者授産施設、それぞれ制度の縦割りによって歴史的な経過がありますが、身体障害者についてはやはり歴史の経過が重いものだと思います。今の局長のお話だと昭和六十一年までは実施していないということの説明がつきませんが、どうですか。
○末次政府委員 昭和六十一年までは、生活費、実費を徴収するという考えで負担をお願いしておったというふうに理解しております。六十一年にこういう制度に変わりましたのは、一つは、ただいま申し上げました在宅の障害者等との均衡ということと、同時に、障害基礎年金ができたというこの時点に、障害者もやはり応分の自己負担をするということが自立につながるのではないかという御意見もございまして、こういうシステムに変わったということでございます。
○児玉委員 障害者の自立、これはもう申すまでもないことですが、身体障害者福祉法三十一条には、「雇用されることの困難なもの又は生活に困窮するもの等を入所させて、必要な訓練を行い、かつ、職業を与え、自活させる施設」というふうにありますね。そこから費用徴収というのはどう見ても出てこない。そして、障害者の自立を促すという点で今行われている制度がどうなのか、ここのところを私は厚生省に真剣に検討していただきたいと思うのです。もちろん皆さん方のこの費用徴収制度については、対象者に対して一定の不服申し立て的な制度を設けていらっしゃいます。 私の手元に、一九八八年ですが、ある福祉事務所長の名前で、ある障害者に対して 平成二年四月から月額五万円 一 この徴収額は、あなたの収入または所得税額に基づき算定されたものです。 二 徴収金のある場合は、別に納付書が送付されますからそれにより納入してください。 三 この徴収金は、あなたの収入または所得税額の変更等により変更されることがあります。 四 この決定に不服があるときは、この通知書を受けた日の翌日から起算して六十日以内に知事に対して審査請求することができます。 こういう通知をお出しになっているのはお認めになりますね。
○末次政府委員 御指摘のとおりであると考えております。
○児玉委員 そこで、この文書を受けた障害者が次のように言っていますね。この方は、さっき言いましたように月五万円の費用徴収を求められているわけだけれども、 この二年間、私は少しでも豊かな生活を!という願いから、日々の仕事に精を出し、頑張って来ました。その結果、仕事に対する貢献度や熱意が認められ、ベース・アップ率も、職員並になされましたが、その喜びは束の間のもので、実際には、工賃が上がった分だけ、費用徴収額がふえたというむなしい現実があるだけです。 健康な人々なら、ベースアップの分だけ生活にうるおいが約束されるのでしょうが、私達は豊かな生活が保障されるどころか、費用徴収額をふやすために働いているように思えて、どう譲歩しても、この制度には許しがたいものを感じてしまいます。 そう述べて、この方はこう言っています。「なぜ、働くためにお金を払わなければいけないのですか。」 確かにさっきの例のように、一年間働いて四十万八千何がし、年金があるからという理由で費用徴収が四十六万三千二百円、この方の言葉のとおり、働くためにお金を払っている、こういうふうに受け取られて自然ではないでしょうか。こういう仕組みについては再検討すべきだと思うのですが、いかがですか。
○末次政府委員 現在の費用徴収の仕組みをやや具体的に申し上げますと、収入のうち工賃につきましては月額二万円までまず控除いたしまして、さらにそれを超える部分について三〇%を控除して、工賃の増加に配慮しているところでございます。他方、年金やその他の収入のある者につきましては、これは措置でございまして、措置に要する経費、これが適所の場合で十三万二千八百六十円、入所の場合で十九万二千四百十円という経費がかかっておるわけでございます。この経費や他の施設の入所者、在宅の障害者の均衡を考慮して、応分の負担をしていただくということにしておるわけでございます。 工賃だけに着目するということも、そのほかの収入のある者とのバランスからいきますとやはり問題があろうかということで、収入全体を把握いたしまして、その全体の負担能力に応じまして御負担をいただくという仕組みにいたしております。したがいまして、その結果として、年金その他の収入によりまして、費用徴収額が工賃を超えるというケースがあるということも、これもまた事実でございます。 この点につきましては、現在授産施設制度全般につきまして、昨年から学識経験者、施設経営者等の関係者で構成する検討委員会色設けまして、授産施設のあり方について検討を行っているところでございまして、その検討課題の一つとして、この問題も検討していただくという予定にいたしております。
○児玉委員 今のお答えとの関連ですが、先ほど御紹介した審査請求書を出した方は、「職員の人件費や、管理費まで負担するのはおかしいと思います。」こうも述べていらっしゃいます。 私は、あれこれの細かな問題についてここで議論するつもりはないのですが、冒頭に申したILO百五十九号条約の第四条にこういう部分があります。「障害を有する労働者と他の労働者との間の機会及び待遇の実効的な均等のための特別な積極的措置は、他の労働者を差別するものとはみなさない。」これは障害者についての国際的な規範だと思うのです。障害を持って生まれて、困難な中で社会参加の中心的な方策としての職業リハビリテーションを受けようとしている方、そういう方のために他との均衡という論理は余り適用されないのではないか。百五十九号条約における障害者を実効的に健常な労働者と均等を得さしめるための特別の積極的な措置、その観点で今の問題を御検討いただきたいと思うのですが、いかがでしょうか。
○末次政府委員 この問題につきましては、ILO百五十九号条約もございますが、私どもこの制度を始めました時点で審議会にいろいろ御議論いただき、こういう考え方をお示しをいただいて、それに基づいてやっているわけでございまして、この点いろいろただいま御指摘のような問題もございまして、現在この検討会で検討をいたしております。その結果に基づいて、私ども今後の対応を考えていきたいというふうに考えております。
○児玉委員 その検討会で積極的な結論が出ることを私は心から期待いたしますが、やはりもう一言申しておきたいのです。 先ほど労働省にもお伺いしたようなわけですが、今労働省の施策の中では、重度の障害者の雇用促進という点で大変な御努力がなされております。精神障害者についても試行的な努力がされようとしておるのですが、私が言いたいのは、確かに障害者に対する職業訓練校の入所生は二千人です。そして授産施設等は四万人。こちらの方がもう圧倒的な多数です。そういう中で、もし授産施設に行っている障害者が自分の住んでいる場所の職業安定所に赴いて求職の申し込みを行う。そこで適職の判定があって、たとえ一年間とはいえ訓練を受けている間は、先ほどのお答えのように十二万五千六百九十円の手当てが月々払われる。そして費用負担という概念は、授業料を取らないというところから、ここでは存在してないということも明白です。そうすると、同じ障害者の職業リハビリテーションの選択のいかんによってこれほどの差が出てくる。これはやはり言ってみれば好ましい均衡という点からいっても問題を含んでいるのではないか。大臣、この点について大臣のお考えをお聞きしたいと思います。
○末次政府委員 職業訓練校におきまして職業訓練を受けている者に対して支給される訓練手当、これは公共職業安定所長の指示によりまして、職業訓練を受けている求職者を対象にしておるということでございまして、このような者に対しましては、職業訓練校での職業訓練中は賃金収入が得られないということから、日当が支給されているというふうに理解しております。 他方、授産施設におきましては、職業指導だけではなくて生活面の指導あるいは求職等、生活全般にわたるサービスを提供しております。また、作業収入も得られるという状況でありますところから、当該対象者の収入額から必要経費を控除した額を基準として、その一定割合について費用徴収を行っているということでございまして、言ってみますと対象者が違い、またその中でのサービスといいますか、その中で行われているもろもろの行為が違うという点に着目して、こういう差が出ているというふうに考えております。
○児玉委員 せっかく今学識経験者の方々や授産施設の現場で御苦労なさっている方々に厚生省として集まってもらって、そして制度のあり方について検討なさっている。先ほどの局長のお話でも、その検討の中でこの問題については方向性を出したいということですから、私はその点で期待をしますが、ことしは国連障害者の十年でもありますから、それにふさわしい血も涙もある対応をしていただきたいと思うのですが、どうでしょうか。
○山下国務大臣 先ほど局長も答弁しましたように、非常に権威ある方々によって組織されております委員会でこの問題が検討されております。今後も引き続き検討し、なるたけ早い時期に結論を出さなければならぬ、かように思っております。
○児玉委員 そこで、日本における職業リハビリテーションのもう一つの代表的な形態である共同作業所、いわゆる小規模作業所の問題について一言触れたいと思います。 この作業所は、今あるいろいろな障害者の職業リハビリテーションの中で最も開かれた存在であると私は受けとめております。精神障害者に対する取り組みのおくれや重度の障害者の授産施設に対する入所の事実上の困難、そして混合利用の困難、授産施設等が事実上部心に偏在している、そういった中で、関係者の献身的な努力によって小規模作業所が急増しております。推定ですが、もう三千カ所を超していると私たちは承っております。小規模作業所における年間経費、指導員の給与の平均月額を厚生省はどのようにおつかみになっているでしょうか。
○末次政府委員 小規模作業所そのものが非常に自然発生的なものでございます。また、基準も特にございません。そういう意味からいいまして、私どもただいま申された点についての正確な把握はいたしておりません。
○児玉委員 その作業所に既に四万人を超える障害者がいらっしゃるわけですから、厚生省としてその実態をつかんでいただきたい。 私たちが全国の共同作業所連絡会から聞いているところでは、一九八九年の数字ですが、年の運営費が八百五十六万円、職員の給与が月平均十万六千円、そういう状態で苦闘されているのです。これに対する自治体の援助は非常に格差があります。しかし、最近四十七都道府県すべてにおいて、小規模作業所に対する援助が実施されるようになった。東京などでは、十五人の規模の小規模作業所に対して一千万円を超える補助が行われている。それに練馬区や江東区や小平市、その段階の補助を加えれば二千万円を超しています。 そういう中で、この小規模作業所を対象にした本格的な国による援助制度を実現することが今求められているのではないか。もちろん、皆さんが幾らかの事業をなさっていることはよく承知しております。そして、その箇所数も現在一千カ所に近づいていることもよく承知しておりますが、その上でなおかつすべての作業所を対象にして、先ほど述べた平均の運営費、そして自治体における補助の前進、そういうことを踏まえた本格的な国の補助制度をこの際実現させていただきたい。いかがでしょうか。
○末次政府委員 私どもといたしましては、在宅の障害者が適所して作業等を行う、こういうニーズに応ずるためには、まず定員規模二十人以上であること等の一定の要件を備えました適所の授産施設の整備を推進していきたいと考えておりまして、最近、年間千五百人から二千人程度の定員増を逐年図っております。また、平成二年度には授産施設につきまして分場方式という方式を取り入れまして、既に十三カ所でこういう事業を行っております。また、身体障害者の授産施設につきまして精神薄弱者の混合利用、これも開始いたしておりまして、地域の障害者の施設利用をできるだけ容易にしたいということで、いろいろな措置を講じているところでございます。 御指摘の障害者の小規模作業所でございますが、これも障害者対策の一環として、一定の要件を具備するものについて補助制度を設けております。その国の補助額あるいは対象箇所数の増に努めておるところでございまして、平成三年度には補助単価を十万円増額いたしました。平成四年度におきましても箇所数を百三十カ所増というふうに充実に努めておりまして、今後ともさらに充実をしたいというふうに考えております。
○児玉委員 最後の要請ですが、厚生省が今おっしゃった分場制度、ブランチシステム、それを導入されたり、その他今の混合利用についての御努力だとか、それから小規模作業所の中で構内施設として活動を始めているところはかなりふえている。これも皆さんの御努力の結果だと私は思っております。その点についていささかも否定するものではありません。 その上で申したいのは、授産施設等のあり方についての検討という場合に、小規模作業所が全国で三千カ所あり、そこで努力されている方々が障害者の数で四万を超している。そういう実態のもとでは、国としても小規模作業所の持っているすばらしい可能性を生かしつつ、国としてのそれに対する援助のあり方について、せっかくの検討委員会ですから御論議を進めていただきたい、こう思うのですが、いかがでしょうか。
○末次政府委員 広い意味で授産施設の一種でございます。そういう意味で、この検討会でも御検討いただけるものと考えております。
○児玉委員 終わります。
○牧野委員長 柳田稔君。
○柳田委員 大臣の所信に対して数点御質問をさせていただきたいと思います。 まず最初に、「生活大国の実現に全力を傾注してまいりたいと存じます。」ということでございました。その前に「健康で心豊かに暮らせる長寿・福祉社会の建設に向けたきめ細かな施策を推進しこというのがございますけれども、具体的にどういうことをお考えなのか、お願いいたします。
○山下国務大臣 御案内のとおり、宮澤内閣が掲げております生活大国、この実現を図るためには、やはり厚生行政が非常に大きな部分にタッチしなければならないわけでございまして、今そのことにつきまして施策を練り、今後さらに着実にこれを前進してまいらなければならぬと思っております。 特に、二十一世紀には本格的な高齢社会が参るということはかねがね申し上げておりますし、皆様方も御承知のとおりであります。そこで、高齢者に対する保健福祉サービスの飛躍的な拡充を図るために、いわゆるゴールドプランを着実に進めていく、あるいは保健医療・福祉マンパワーの対策、また、子供が健やかに生まれ育つための環境づくり、障害者の自立と社会参加のための対策の促進、こういった面において今後さらにその充実を図ってまいらなければならないのでございます。 また、年金や医療保険制度につきましては、本格的な高齢社会においても安定的な運営が図れる制度、この制度を揺るぎないものにするためにも、その安定的な運営が図れるよう、所要の措置を講じていかなければならないと思っております。 さらにまた、廃棄物の適正処理、これも極めて大切な問題であります。私たちの生活が安全で快適に過ごせるためには、これは極めて重要な問題でございます。 また、二十一世紀までの残された貴重な期間内に、これらの各般の施策を着実に一歩一歩進めていく。いわゆる、すべての国民が健康で生きがいを持ち、安心して生涯を過ごせるような明るい、活力ある長寿・福祉社会の実現に向けて全力を傾注してまいらなければならないと思っております。
○柳田委員 今、二十一世紀に向けてということで、保健や福祉、子供、障害者、年金、廃棄物、項目は教えていただいたわけであります。さらに確実に一歩一歩進めるという御答弁もございましたけれども、二十一世紀、もう目の前に来ておるわけでありまして、進めなければならない項目は今大臣がおっしゃったとおりだろうというふうに思うのですけれども、きめ細かな施策ということを考えれば、もう少し具体的にスケジュールがなければ、きめ細かなとは使えないのではないかと思うのです。さらにきめ細かな施策という御説明をもっと具体的に、いついつごろまでにはこういうことをするし、二十一世紀にはこういうことまで持っていきたいというお考えがあれば教えてもらいたいと思います。
○大西政府委員 私の方から事務的な面も入りますのでお答えをさせていただきます。 しかし、将来生活大国を実現するための期間というものを長く見ておりますために、いつまでという設定は具体的になかなか申し上げにくいという面がございますが、当面私どもの日程に上がっている問題ということでまず申しますと、例えば平成四年度には、年金について費用負担の調整措置を見直すという宿題を抱えておりますし、それから、御存じのとおりのマンパワー対策を四年度にはまず実施に移さなければなりません。それから、医療法の改正をお願いしているわけでありますが、医療供給体制の整備に着手をしていく必要がございます。これは平成四年度中に何とかしたいと思っている宿題でございます。 また、先般改正がございましたが、老人福祉法等福祉関連八法の全面施行がいよいよ平成五年から始まるわけでございまして、今その準備にかかりつつあるわけでありますが、この円滑な施行をぜひ図る必要があります。これは平成五年の宿題だと思っております。さらには、平成六年には財政再計算に伴います年金制度の改正が必要になってまいります。非常に大きな宿題でございます。さらに平成七年には、これは一応のめどでございますが、いわゆる公的年金制度の一元化という大きな宿題にチャレンジしなければなりませんし、それから七年度には、同じく現在進めております廃棄物処理施設整備の七次計画が終了いたしますので、次の計画の策定をしなければならない。さらには、十一年にはゴールドプランが最終年度を迎えます。これをその後どうしていくかという問題もあります。 さらに、期間がまだ決まっているわけではありませんが、医療保険制度のあり方を検討する必要もございます。それから、子供の環境づくりあるいは障害者の自立、これはことしか障害者の十年の最後の年でありますが、これを踏まえたその後のポスト十カ年の計画につきましてどう進めていくか、その内容も含めてこれこそきめ細かく各年度、そのときどきの需要を踏まえつつ計画をつくり、実施していく必要があろうと思っております。 いずれにいたしましても、各般にわたりまして、さらには二十一世紀にもかかって必要な宿題があるわけでありますが、当面大きな節目であります二十一世紀への残された期間を一つの大きな、私どもにとって貴重な期間と受けとめておりまして、その間に今申し上げたような宿題を少なくとも着実に進めなきゃならぬ、こういう状況に相なっております。
○柳田委員 ゴールドプランという十カ年戦略、十年の先を見通した計画も出ておるわけであります。厚生省の施策を見ておりますと、中期的にこういうふうにすべきだという計画といいますか、それに沿ったいろいろの施策も行われているわけでありますが、全般的に見て、中期的にこの行政についてはこうすべきだという指針が出てないような気がするわけであります。どちらかというと、単年度これをやって再度また考えていこう、これは来年やってその後また考えていこうというふうな感じを大分受けるわけでありまして、例えば年金でも福祉でも、障害者のことでも子供のことでも、二十一世紀にはどういうものをつくるんだというものが我々に見えてこないのであります。 よく若い人たちと話をしますと、もう年金かけたってどうせ将来もらえないんだから、払うのをやめようかとかいう声も大分聞かれてくるわけでありまして、これは一例でありますけれども、二十一世紀にどういう日本をつくっていくのか、そういうビジョンをいろいろな分野で示していただければなというふうに思っております。大変難しいことだとは思うのですが、ゴールドプラン、十カ年戦略ができたわけでありますから、できるだけ将来の見通しも含めながら計画を立てていただければなと思っております。よろしくお願いしたいと思います。 次に、子供のことだけについていろいろと質問させていただきたいのですが、私も去年生まれたので三児の父親になりましたので、いろいろと子供のことについては、今後一般質問の部で取り上げさせていただければなと思うのです。 大臣の所信の中に「子供たちが健やかに生まれ育つための環境づくりを進めもことは、高齢者対策とあわせて車の両輪ともいうべき内政上の重要な施策である」とおっしゃっております。これも数字的にどうのこうのというわけではありませんけれども、車の両輪にしては片方の車が小さいんじゃないかなという気がするのです、全般に見まして。一方のタイヤは大変大きい、でも、もう一方のタイヤがちょっと頼りないんではないかなという気がするんですけれども、この施策、高齢者と子供、バランスを今後どういうふうに持っていきたいか、大まかで結構ですから、何かお考えがありましたらば教えてもらいたいと思います。
○山下国務大臣 あなたが三人なら、私は四人の子供を持っております、年も近いですけれども。 いずれにいたしましても、私も過去の体験からいたしまして、子供が健やかに生まれ育つ環境に十分なりやといえば、ノーと言わざるを得ないいろいろな問題がまだあると思います。したがって、そういう面について、これはやはり社会全体の仕組みが不十分であるということに思いをいたしながら、厚生省だけじゃなくて、今申しました社会全体ということになりますと、関係する各省庁がこれに力を合わせていかなければならぬということで、十八の省庁で連絡会議をつくって、今後進めていくことにいたしております。 あるいはまた、児童手当の制度の改正とか保育サービスの拡充とか、いろいろな問題がございますけれども、今申しましたように、子供を産む数が少ないというのは何もお母さんだけの問題ではないんだ、社会全体の責任であるということを強く国民に知らしめる、そういういろいろなことをやっていかなければならぬと思っております。
○柳田委員 所信の中に「育児に関する相談支援体制の整備、地域における児童の健全育成対策など、総合的な家庭支援対策を進める」というふうになっておりますが、具体的にはこれはどういうことを考えればよろしいのでしょうか。
○土井政府委員 私どもといたしましては、健やかに子供を生み育てるための環境づくりということで、最大限の努力をしてまいるつもりでありますけれども、新年度におきましては、例えば育児と就労の両立支援のために保育サービスのあり方をどうしたらいいかというようなことで、いろいろ新しい施策等も取り込みながら推進してまいりたいと思っておりますし、さらにまた、最近若い親たちの間に育児不安ということが広がっていると聞いておりますけれども、それに対しましては児童相談所、保健所あるいは市町村の担当のところ等々におきましてきめ細かな育児相談に当たる。特に、地域に大変定着しております保育所の機能をそういう育児相談にも活用したい。いろいろな形で子育ての環境づくりに取り組もうとしているところでございます。
○柳田委員 「育児に関する相談支援体制」、これについてはいかがですか。具体的にどういうことを考えていらっしゃるのか。
○土井政府委員 最近における核家族化等の進行によりまして、育児の知識、子育ての知識というものが家庭内において非常に乏しくなってきている、親から子への継承も少なくなってきているというような状況にかんがみまして、特に若い世代の育児不安の増大ということに対処するために、先ほども若干触れましたが、乳幼児の育児、保健についての相談、児童の健全育成の相談というようなことに、児童相談所、保育所、保健所等を通じまして各種の相談事業を実施したいと思っております。具体的に平成四年度におきましては、子どもと家庭一一〇番というのを現在二十五県で実施しておりますけれども、十県ふやしまして、三十五県で実施をしたいというふうに考えております。それから、保育所のいろいろな地域活動の一つとしまして、育児リフレッシュ事業というものを新年度新しくスタートをさせたいと思っております。それからさらにまた、保護者が、親たちがボランティア活動とか地域活動を行う場合に、一時的に保育所が子供たちを預かろうということも考えております。 さらにまた、母子保健サイドでございますけれども、育児不安の解消に資するために、赤ちゃんが生まれる前に小児科の先生と母親との間に連携がとれるように、出産前の保健指導事業、これを新しく新年度から実施をしたい。そのような形で育児支援の体制整備を進めてまいりたいと考えているところでございます。
○柳田委員 家庭におりまして、私もこういう仕事をしておりますと、たまにしか帰れないというと語弊があるかもわかりませんけれども、幼稚園に上がるといいますか、小学校に上がるまでが何か大変育児に時間が割かれるといいますか、精神的にも肉体的にも疲れる。これは大臣、四人お持ちだということで御理解いただけるかと思うのですが、こういう情報を与えるというのも非常にありがたいことなんですが、実際に子を育てるというときに、核家族化が進んでおる、お母さん一人しかいない、三人、四人子供がいるとなりますと、いろいろな面で、仕事というとちょっと違うかもわかりませんけれども、大変な育児がある。 つい先日も、何とか病ということで入院を一週間くらいせざるを得なかったというお母さんの話も聞いたわけなんですけれども、家庭の中に入って何か手助けといいますか、育児で何か御協力ができるような体制があればありがたいかな。そのときに、同時にいろいろな情報も教えてもらえればありがたいですし、手助けの面もあればありがたいなと思うのですけれども、そういう情報だけでない、実際に手を入れるというか、手助けをするということについては何かいいお考えはありませんでしょうか。
○土井政府委員 ただいま家庭の中に手を差し伸べるようなサービスが提供できないかという御指摘かと存じます。確かにそういう点ではおくれておりまして、一つには、これは民間レベルでございますけれども、ヘビーシッターというのが若干芽生えて進みつつあるということで、その協会を昨年公益法人として私どもで認可をした。そういったものは、民間ベースではございますけれども、これからさらに大きく育っていくのではないだろうかというふうに思っております。 それからまた、これは家庭の中というわけじゃありませんけれども、ただいまお話にありましたように一週間とか十日、親が病気の場合の子供のお世話といったようなものは、保育所の一時的保育事業等を活用することによって可能になるような方策を講じてまいっております。さらにまた、これはちょっとケースが特別かと思いますけれども、母子家庭に対する、あるいは父子家庭に対するホームヘルプあるいはトワイライトステイといったような部分的な施策というものは、若干進めてまいっております。ただ、残念ながら今日までのところ、大勢として家庭の中に手を差し伸べ谷という施策はおくれているというのが現状かと思います。今後よく研究してまいりたいと思います。
○柳田委員 高齢者の対策と子供の対策とすべて並べて二つの項目ずつとっていけば、今おっしゃったように格段の差がある。高齢者に対しては大変手厚いサービスがあるわけですけれども、子供を育てるということに関しては非常に低い。さっき申した車の両輪なんですが、片方はすごい大きなタイヤで、片方は、親が元気に働いているから親に任せればいいということもあるんでしょうけれども、出生率が一・五四と、普通二・一なければ人口も減っていく、将来の社会保障の制度もどうなっていくのかわからないような状況になってきておりますので、先ほど大臣がおっしゃいました、厚生省だけではなく、十八省庁含めてもっともっとやらなければならないことがあるんではないかなと思います。 昨年育児休業法が通りました。我々野党は、保障もといいますか、賃金の保障もということで要求もいたしたわけであります。ほかの省庁ということにはなりますけれども、なぜ奥さんが働かなければならないのか。それは、収入が少ないから働かざるを得ない。子供も産んで育てなきゃならない。その間収入がなくなる。お金はかかる。ならば、何かの手立てとして何らかの賃金保障ができないものかということで、我々は育児休業法が通る際にお願いをしておるわけなんですけれども、いろいろな面で、やはり今の状況で子供を育てるというのは厳しいかなという気がしてなりません。 いろいろとお話を聞きますと、一人だったらばどうにか頑張れます。二人、三人というのはもう家庭の中で疲れ切ってしまう。お父さんはもう出たきりだ。朝会社に行ったら夜遅くしか帰ってこない。お母さんが一人で子供を育てて、御飯をつくって食べさせてあげなくちゃいけない。これが今一般の家庭の現実ではないかなと思います。保育所のことについては先ほど御答弁がありまして、進めていただければなというふうに思うのですが、いろいろな面でこういうふうに大きな差がありますから、中心である厚生省の大臣がいろいろな面で引っ張っていっていただきたいなという気がいたします。今後もいろいろな機会をとらえて御質問させていただきたいと思うのですが、最後に、この切実な願いに大臣が何か御答弁をいただければと思うのですが、よろしくお願いします。
○山下国務大臣 最近よく亭主は達者で留守がいいなんという言葉を聞くのでございますけれども、私は、あるじも含めてみんなで子供を大切に育てていく、そういう家庭制度が一番理想であると思っております。先ほど私はノーと申し上げましたけれども、これは先進国として、私も随分たくさんの国々を回りましたが、見た国々の中では日本は一番いい方であります。しかし、世界における最高の、一つのレベルの高い国としては、まだ不十分であるという意味で申し上げたんでございます。 今いろいろ御指摘がございました。私もいろいろあるということを申し上げました。いろいろな工夫をし、そしてまた国もさらにこの問題に力を注いで、これからもっと子供を産んでいかなければ社会保障というのはいつかは崩れてしまうという非常に大きな心配もございますから、そこらあたりに思いをいたしながら、これからは育児に本当に適した立派な日本だなと、振り返って皆さんがそう言われるような国にするためにお互いに努力していかなければならぬと思います。
○柳田委員 ありがとうございました。
○牧野委員長 菅直人君。
○菅委員 大変短い質問時間ですので、山下大臣、できれば大臣御自身から、二つに絞って質問しますので、答弁をお願いしたいと思います。 山下大臣は丸山ワクチンの超党派の議員の懇談会のメンバーであって、私ども長い間一緒にさせていただいて、その問題についてはもうよく御承知のとおりだと思います。現在、白血球減少抑制剤としては認可になっているけれども、いわゆるがん治療薬としては相変わらず有償治験が四回続いていて、平成五年末までは今の形が保証されている。一部臨床実験が始まっているというふうにも聞いております。もう十数年がその有償治験が始まってからでさえたとうとしているわけです。いろいろな面はありますけれども、何らかの見通しをできれば大臣在任中に立てていただけるよう一層の努力をお願いしたいと思いますが、この点についての見解を伺わせていただきたいと思います。
○山下国務大臣 先生とは丸山ワクチンの問題について、長年立場を同じくしながら政府当局その他に、いろいろまた私ども意見も申し上げてまいりました。今まで私どもが先生とともに申し上げてきたことは決して間違いではないと思っております。さかのぼって言うならば、薬事審における審議の仕方等についても、今日考えてみてもやはり随分改めるべき点があるというふうに思います。しかし、幸い丸山ワクチンにつきましても、特殊疾病については認められるという段階まで来ておりますが、我々が主張しておりますように、これはもっと広い意味における一つの特効薬としてやっていかなければならぬ、そこまで我々は主張していかなければならぬと思っております。
○菅委員 これとよく似た例のクレスチン、ピシバニールという二つの薬も、十年かかった後再評価があって、単独療法での効果が認められないということで、従来一千億近く毎年売り上げていたものが、現在三分の一あるいはそれ以下に低下をしているわけです。本来ならもう十数年前に丸山ワクチンもあるいは認可をされていて、さらに再評価の中でまた改めるべきは改めるというルールに乗っていれば、こんな変な形にもならなかったのではないかと思っているところです。 この問題はこの程度にさせていただきまして、もう一つの観点として、高齢化の問題あるいは出生率の低下ということは、もう嫌というほどこの委員会で議論されていると思うのです。もしよければ後で大臣に贈呈したいと思うのですが、私、最近「世界の高齢者福祉」という二十九歳の若者が書いた本をいろいろ読んでおりまして、体験ルポになっておりまして、大変参考になりました。その中にもありますし、これはこれを読まなくてもあるのですが、日本はまだ高齢者と若い人の同居率が六〇%近くある。これに対してアメリカは十数%、あるいはヨーロッパはもっと低いというふうに言われております。ということは、これから十年、二十年進んでいくと、いわゆる高齢化の進行あるいは子供の出生率の低下に加えて、同居率も六割を維持するというのはとても無理だと思うのです。その三つのことが重なって進行するとすれば、いわゆる今予定されているゴールドプランなどでも、私はとても対応できないぐらいのことになってくるのではないか。 ちょうど今から約十年前、経済審議会でこういう答申が出されているのです。西欧諸国に見られるような公共福祉の肥大化を避けて、国民の高い勤労意欲、家庭の相互扶助を基礎とし、日本型福祉の実現を目指すべきだというような答申が出ているのです。これは一見、読むと非常にいいことが書いてあるように見えるのですが、基本は、家庭の相互扶助を基礎としということにかなりウエートを置いているわけです。 この山井という著者が最後の方で言っている言葉は、スウェーデンとかアメリカ人と日本人を個人で比べてみると、お年寄りの面倒を見なければいけないという意識は日本人の方がまだまだ強いというのです。しかし、社会の仕組みとしてお年寄りがどういう状況にあるかを比べてみると、明らかに日本はそういう国々に比べて圧倒的におくれているというのです。なぜそういうおくれが出たかということをこの著者なりに考えてみると、まさに今言いましたように、高齢者の問題というのは基本的には家族とか個人の問題であって、社会に依頼するのは余り本筋ではないのだということがあったために、それが非常におくれてきたのではないかという一つの感想をこの著者が述べているわけです。 私は、そういった意味では、まさにそれは当たっているのじゃないだろうか。これから十年間先を見通して、日本型福祉というものは必ずしも全面的に否定するわけじゃありませんけれども、先ほどの出生率の問題を含めて、家族に依存をする福祉というものを前提とした考えではなくて、ある意味では、女性が社会参加をしていく中で、そういうものがある割合は残るにしても、基本的には社会システムとしてそれを受け持つような構造をつくっていくことが一番重要ではないかと思いますが、こういった高齢化社会のトータルのイメージについて大臣のお考えを聞かせていただきたいと思います。
○山下国務大臣 非常に大きな問題でございまして、申し上げればいろいろございますが、確かに六〇%というお年寄りと若い者の同居率は、これはある意味においては世界に冠たるものである。しかし、これがだんだん下がることはもう予想されるわけでございます。 そこで、今後どうするかということにつきましては、この同居率が高いということがある意味においては日本人の気持ちであり、あるいは日本人の美徳であるという考え方も私は成り立つと思います。したがって、そういう日本特有の一つの習慣といいますか、そういうものも取り入れながらどうやっていくかということ。それには、例えば公社の今やっておりますお年寄りのための一間を別につくる、それに対しては同じような補助をするとか、いろいろなことを考えながら、やはりひとり暮らし老人というものはいけないのだということで、そこまで考えながら、従来どおりの同居ということも考えながら、あるいはまた家族にそういう余裕がない場合には、それはまたお年寄りを預かるいろいろな施設もございますから、それはもうやむを得ませんけれども、私は今申し上げましたように、日本型の美徳というものは今後とも尊重していく。これは住宅の条件から来ておるわけでございますから、東京みたいな高いところに自分でお年寄りの隠居の部屋をつくることは難しいかもしれませんが、あらゆる公的な立場からもそういうことに心を尽くしていかなければならぬと思っております。
○菅委員 大臣、今の答弁で一応前向きの答弁というふうに受けとめたいのですが、私は、我々自身、日本自身、かなり矛盾した方向をとっているような気がするわけですよ。つまり、一方で生活大国といい、一方で経済成長といい、つまり、経済成長するということは現実としてどういうことが起きておるかといえば、まさにこの数年間、今は下がっていますが、バブルで大きな家が持ちにくくなる、あるいは人手不足で看護婦さんも介護する人もいなくなる、あるいは女性の社会参加でますます核家族化が進むという状況が一方でどんどん進んでおるわけです。その進む方向については、ある程度それを是とした政策が全体としては進みながら、一方で一種の三世代同居のようなことも含めて、そういうものがより望ましいのだと言っているわけですね。 私は、このギャップが、今でもそれこそ現場に行けば、例えばある病院に行って看護婦さんをもっとふやしてもらえないのか、看護婦さんをふやしたいけれども、人が足らないのもあるのと同時に、余りふやし過ぎると病院経営が成り立たない、これは現実にあるわけです。そういった問題を含めて、私はどうも社会の向いている方向が、必ずしもそういった福祉に対して整合性のある方向になっていないということがあると思いますので、きょうはもう時間がありませんので問題の指摘にとどめておきますけれども、ぜひそういうトータルの目からも福祉のあり方を検討いただくことをお願いをして、時間ですので質問を終わらせてもらいます。
○山下国務大臣 大変ありがたい御意見で、十分尊重してまいりたいと思います。
○牧野委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時十分散会