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123回国会衆議院1992/02/26

建設委員会 第1号

発言数
224
登壇者
40
会派数
4
開催日
1992/02/26

会議録

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 これより会議を開きます。  理事辞任の件についてお諮りいたします。  理事木間章君から、理事辞任の申し出があります。これを許可するに御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  引き続き、理事補欠選任の件についてお諮りいたします。  ただいまの理事辞任に伴うその補欠選任につきましては、先例により、委員長において指名いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。  それでは、理事に山内弘君を指名いたします。

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 次に、国政調査承認要求に関する件についてお諮りいたします。  建設行政の基本施策に関する事項  都市計画に関する事項  河川に関する事項  道路に関する事項  住宅に関する事項  建築に関する事項  国土行政の基本施策に関する事項以上の各事項について、本会期中国政に関する調査を進めたいと存じます。  つきましては、衆議院規則第九十四条により、議長の承認を求めたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。      ――――◇―――――

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 建設行政の基本施策に関する件及び国土行政の基本施策に関する件について調査を進めます。  まず、建設行政の基本施策及び国土行政の基本施策について、建設大臣及び国土庁長官から、それぞれ所信を聴取いたします。山崎建設大臣。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 建設行政の基本方針及び当面の諸施策について、私の所信を申し述べます。  建設行政の基本的な使命は、住宅・社会資本の整備等を通じて、国土の均衡ある発展を促進し、活力ある経済社会と快適で安全な質の高い国民生活を実現することにあります。  我が国は、目覚ましい経済成長を達成し、今や世界第二位の経済大国となり、一人当たり国民所得は世界の最高水準にありますが、一方で住宅事情の厳しさ、社会資本ストックの不足など、必ずしも国民生活の豊かさに結びついておりません。今後は、国民一人一人が豊かさとゆとりを実感でき、多様な価値観を実現できるような生活大国へと前進していくことが、本格的な高齢化社会を目前に控えた現下の内政上の最重要課題であります。  この課題にこたえるためには、公共投資基本計画の着実な実施を通じて、国民生活の基盤をなす住宅・社会資本の整備を強力に推進していかなければなりません。  また、住宅・社会資本の着実な整備を推進することは、国際的にも期待される内需主導型の持続的な経済成長を確保していく上でも極めて重要であります。  国の公共事業関係費の約七割を所管する建設省は、生活大国の実現のため、重要な役割を果たしていくべき大きな責務を負っているものと考えております。  私は、この責務を真正面から受けとめ、国民生活の質の向上と国土の均衡ある発展の基盤づくりのため、全力を挙げて取り組んでまいります。  その際、国土の均衡ある発展の確保に向けた新たな施策の展開、豊かな住生活を営めるような住宅の確保、適正な土地利用の実現等を特に重要な課題としてとらえ、その達成に向けた取り組みを強力に展開してまいりたいと考えております。  このため、平成四年度の政府予算案においては、建設省関係の一般公共事業について、生活関連重点化枠、財政投融資資金の積極的活用等により、公共投資基本計画の着実な達成に向けて必要な規模を確保したところであります。  以下、当面の諸施策について申し述べます。  第一に、地方の活性化であります。  近年、東京への一極集中が進展し、大都市問題が深刻化する一方で、平成二年の国勢調査によれば、十八もの道県において人口が減少し、地方の活力が低下する等の問題が生じております。  このように、国土構造の不均衡がますます拡大する中で、生活大国を実現していくためには、東京一極集中の流れを是正し、地方の活性化を図ることこそ緊急に対処すべき重要な課題であります。  このため、地方の発展の根幹をなす高規格幹線道路網等の整備を強力に推進するとともに、地域の拠点となる都市を中心として周辺の市町村が適正な役割分担を果たしつつ、一体として発展することができるよう、地方の戦略的な整備に積極的に取り組んでまいりたいと考えております。  具体的には、地方の自立的成長を牽引し、地方定住の核となるべき地方拠点都市地域について、地域の自主的な創意工夫を生かした整備を強力に推進、支援していくため、関係省庁と連携しつつ、新たな法制度の制定を図り、地域活性化のための諸施策を強力に推進してまいりたいと考えております。また、地域の自立的な発展を目指していく上において、広域的な連携を確保することが重要であることにかんがみ、高規格幹線道路網と連携して、地域のモビリティーを高める地域高規格幹線道路の計画策定を進めるなど、地域の活性化に関する新たな施策の展開を図ってまいります。  第二に、住宅宅地対策であります。  改めて申すまでもなく、住宅は、家族の団らんの場であり国民生活の基礎となるものであります。国民が、豊かな住生活を営むことができるよう第六期住宅建設五ヵ年計画に基づき、良質な住宅ストック及び良好な住環境の形成、大都市地域の住宅問題の解決、高齢化社会への対応、地域活性化等に資する良好な居住環境の形成を基本目標として、総合的な施策を推進してまいります。  こうした基本目標のもと、国民の良質な住宅に対するニーズにこたえるため、住宅金融公庫融資及び住宅税制を充実させるとともに、公的住宅の的確な供給、良質な民間賃貸住宅の供給促進を図ってまいります。また、居住水準の向上と地価を反映させない住宅供給を推進するため、既存ストックの建てかえ等による有効・高度利用を個るほか、社会経済情勢の変化を踏まえ、高齢者に配慮した住宅の供給、木造住宅の振興等の施策を積極的に推進してまいります。  また、良好な住環境を備えた良質な住宅を確保するためには、総合的な宅地対策を推進していかなければなりません。このため、計画的な宅地供給を推進するために必要とをる関連公共施設の整備、開発許可制度の適切な運用等に努めつつ、優良な宅地開発の促進を図るとともに、既成市街地における低・未利用地の有効利用、宅地化する市街化区域内農地の良好な住宅市街地への転換を図ってまいります。  とりわけ、住宅宅地問題は、大都市地域において依然深刻な状況にあります。このため、中堅勤労者が適正な負担で良質な住宅を確保できるよう、昨年策定された大都市地域における住宅及び住宅地の供給に関する基本方針及びこれに即した関係都府県の供給計画に基づき、国、地方公共団体等が一体となって住宅宅地供給のための総合的、広域的な施策を強力に展開してまいる所存であります。  また、地方の活性化に資する住宅宅地供給対策も強力に推進してまいる所存であります。  第三に、都市対策であります。  本格的な都市化社会を迎えている中で、我が国の都市基盤施設の整備水準は、依然として立ちおくれている状況にあり、このことが真に豊かな生活を享受できない大きな要因となっております。東京圏を中心に大都市地域においては、住宅難、交通渋滞、都心部の空洞化等の大都市問題が一層深刻化する一方、地方都市においては、人口減少等の問題が生じております。さらに、国際化、情報化、高齢化等の経済社会の大きな潮流変化の中で、国民の都市に対するニーズはさらに多様化、高度化しつつあります。  こうした状況に対処するため、街路、都市公園、下水道等の都市基盤施設の計画的整備と市街地再開発事業、土地区画整理事業等の一層の拡充、推進を図ってまいります。特に、都市計画・建築規制制度については、経済社会の変化に対応しながら、適正な土地利用への規制と誘導を図るため、都市計画中央審議会及び建築審議会の答申を踏まえ、必要な制度の見直しを行う所存であります。  さらに、近年強く求められている駐車場の整備、魅力とにぎわいのある商業市街地の整備、都市の防災構造の強化等を推進するとともに、良好な都市景観の形成等を推進してまいります。  また、経済社会の発展や行政需要に即応して、長期的経済性を有し、都市環境の形成に寄与する官庁施設を計画的に整備してまいります。  第四に、国土の保全と水資源の確保であります。  我が国の国土は、洪水、土砂災害に対して極めて脆弱であり、また、河川のはんらん区域に人口、資産が集中するなど、経済社会活動が集積しているにもかかわらず、治水施設の整備水準は依然として低く、毎年のように全国各地で激甚な災害が多発している状況にあります。  このような状況に対応し、真に豊かさを実感できる生活大国を実現するためには、国土の保全、安全の確保こそ不可欠な課題であります。このため、新たに第八次治水事業五カ年計画を策定し、大規模治水事業、地域の活力を支える治水対策等を推進し、治水施設の一層の充実を図るとともに、水資源の計画的な確保、良質な水の確保にも努めてまいります。  さらに、近年、国民のゆとりや豊かさへの志向、自然への回帰志向が高まっている中で、潤いのある美しい水辺環境の創造に積極的に取り組んでまいる所存であります。  このほか、災害等による壊滅的被害を防止し、より高い地域社会の安全性を確保するため、高規格堤防の整備、異常渇水対策、火山噴火対策等を積極的に推進してまいります。特に、雲仙岳の噴火災害については、緊急対策に万全を期することはもとより、今後とも地元地方公共団体等と十分に連携をとりながら、将来の防災地域づくりと地域の振興、活性化に向けて的確に取り組んでまいる所存であります。  また、海岸事業、急傾斜地崩壊対策事業等の推進や災害対策の着実な実施に努めてまいります。  第五に、道路の整備であります。  二十一世紀に向けて、東京一極集中の是正、多極分散型国土の形成、地域社会の活性化等の緊急課題に対応し、真に豊かな生活大国の実現を図る上で、道路は欠くことのできない根幹的な社会資本であります。  このため、第十次道路整備五カ年計画に基づき、高規格幹線道路から市町村道に至る道路網の体系的な整備を推進しているところであります。  特に、均衡ある国土構造を形成し、地域の活性化を促進するため、高規格幹線道路網の整備を積極的に推進し、平成四年度末においてはおおむね六千キロメートルの供用を図るほか、地域高規格幹線道路についても、その計画策定を進めてまいります。  また、渋滞対策を総合的に推進するとともに、交通事故死者数が三年連続して一万一千人を超え、憂慮すべき状況にあることにかんがみ、歩道の整備など、交通安全対策を一層強力に推進してまいります。さらに、中心市街地の活性化を図る駐車場の整備や緑豊かな道路整備なども強力に推進してまいります。  道路は交通空間としてだけではなく、生活の場、交流の場でもあり、環境との調和を図りながら、その充実を図っていくことが一層求められております。このような状況を踏まえつつ、我が国における今後の経済社会の動向や国民の多様化し高度化するニーズに対応するため、平成四年度には道路整備の長期構想及び第十一次道路整備五カ年計画の策定準備を進める所存であります。  第六に、公共用地対策であります。  公共投資基本計画を着実に実施し、公共事業の円滑な執行を図るためには、先行的、計画的に事業用地等を確保するための公共用地対策が重要であります。このため、公共用地対策を強力に推進することとし、公共事業用地及び代替地を先行取得するための土地開発公社に対する低利融資制度を創設するほか、代替地情報バンクの整備、税制による支援措置の拡充等の総合的な施策を積極的に推進してまいります。  第七に、建設産業・不動産業の振興であります。  公共事業を円滑に実施するなど国土建設の重要な担い手である建設産業については、技術と経営にすぐれた企業が発展し、若者にとって魅力と誇りを覚える活力ある産業として健全な発展を図るために、引き続き第二次構造改善推進プログラムを策定し、これに基づく諸施策に具体的に取り組んでまいります。  中でも、建設工事の安全確保につきましては、従来より重要な課題と認識し、種々の対策を講じてきたところでありますが、依然として建設現場で多くの貴重な人命が失われ、最近重大な事故も多発していることはまことに遺憾に存じます。建設産業の健全な発展を図るために、建設現場での事故防止は不可欠かつ喫緊の課題と受けとめ、工事発注における安全の配慮、建設業者の施工管理体制の充実等官民一体となって総合的な対策を推進してまいる所存であります。  このほか、建設事業を進めていく上で重要な課題となっている建設副産物の問題については、資源としての有効利用及び適正処理を図ることを基本に総合的な対策を進めてまいります。  不動産業については、国民生活に密着した重要な産業として、引き続き宅地建物取引業者の資質の向上と業務の適正化等を推進するとともに、不動産流通市場の整備に努め、その健全な発展を図ってまいります。  さらに、我が国の国際的地位の向上に伴い、果たすべき役割がますます重要となっていく中で、開発途上国への国際協力、国際機関や諸外国との国際交流等について今後とも積極的に取り組んでまいりたいと考えております。とりわけ、経済技術協力や海外研修生の受け入れを積極的に推進していくとともに、地球環境問題や建設市場の国際化に的確に対応していく所存であります。  また、建設事業の円滑な執行を図るため、先端建設技術開発の促進のほか、省資源・省エネルギー化や建設副産物の発生抑制・再利用化などの環境に配慮した技術の開発にも取り組んでまいる所存であります。また、質の高い社会資本の整備を図る観点から、労働力、資材の需給動向等を的確に把握し、適正な積算、工期設定等に配慮し、事業の円滑な執行に努めてまいります。  以上、私の所信を申し述べましたが、その推進に当たっては、所管行政の合理化、効率化を図るとともに、綱紀の保持に努め、国民の信頼と期待にこたえる所存であります。  委員長を初め委員各位の御指導と御鞭撻をお願いいたします。(拍手)

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 東家国土庁長官。

東家嘉幸自由民主党国土庁長官

○東家国務大臣 国土行政の基本方針及び当面の諸施策について、私の所信を申し上げます。  我が国経済は、既に世界のGNPの一五%を占めるに至っており、このところこれまでの拡大テンポが減速しつつあるものの、総じて見れば諸外国に比して良好な状況にあり、国民の消費生活もかつてないほどの高水準に達しております。  しかしながら、その反面で国民一人一人が豊かさとゆとりを日々の生活の中で実感できていないのではないかとの指摘も高まってきておりまして、また、東京一極集中の進行、地価の高騰、地方圏における活力の低下、各種の自然災害の発生等、生活大国の実現へ向けて、国土行政上早急な解決を迫られている課題も生じております。  こうした状況を踏まえつつ、国土のそれぞれの地域が特色ある文化と産業・都市機能を持ち、そこに住む人々が誇りと愛着を持つことができる豊かで住みよい国土をつくるために、私は次に述べる諸施策を強力に推進してまいる所存であります。  第一は、第四次全国総合開発計画、いわゆる四全総の推進であります。  四全総の着実な実施により東京一極集中を是正し、多極分散型の均衡ある国土の発展を図っていくことが極めて重要であります。このため、多極分散型国土形成促進法に基づく振興拠点地域の開発整備、本社機能を持つ事務所の東京都区部からの分散、高速交通体系の整備等の諸施策の一層の推進を図ってまいります。  また、公共事業の一層の効率的かつ整合的な執行を図り、生活関連事業を主体とした地域振興プロジェクトなどの公共事業を積極的に推進するため、国土総合開発事業調整費の活用を図ることとしております。さらに、グローバリゼーションの一層の進展、出生率の低下等の経済社会情勢の変化を踏まえ、長期的視点からの国土政策の推進方策の検討を行うなど、四全総の総合的点検を推進してまいる所存であります。  第二は、総合的な土地対策の推進であります。  土地問題の解決は現下の内政上の重要な課題の一つであります。これまでも、土地取引規制、土地税制の総合的見直し、土地関連融資の規制、住宅宅地の供給の促進、土地の有効・高度利用の促進などの需給両面にわたる各般の施策を実施してきたところであります。このため、近時においては、大都市圏を中心に地価の沈静化傾向が強まるなど、土地対策の成果の兆しか見えてきております。しかしながら、大都市圏の地価水準は依然として高水準にあり、これを適正な水準にまで引き下げなければなりません。また、二度と地価高騰を生じさせないための制度的枠組みを確実に構築する必要があります。  このため、昨年一月二十五日に、土地基本法を踏まえた今後の総合的な土地政策の基本指針として、総合土地政策推進要綱を閣議決定したところであります。この要綱では、土地政策の目標として、①土地神話の打破、②適正な地価水準の実現、③適正かつ合理的な土地利用の確保の三点を掲げ、その実現を図るための各般の具体的な施策を盛り込んでおり、今後とも、関係各省庁とともに、この要綱に従い一層強力に次のような土地対策を推進してまいります。  まず、監視区域制度につきましては、引き続き的確な運用の確保に努めてまいります。  土地関連融資につきましては、昨年末の不動産業向け融資の総量規制の解除後も、いわゆるトリガー方式を採用するとともに、引き続き金融検査の活用やヒアリングの機動的実施等を通じ、厳正な指導を行うこととしております。土地利用計画につきましては、去る十二月の都市計画中央審議会及び建築審議会の答申を踏まえ、必要な制度の見直しを行うこととしております。また、大都市地域における住宅宅地の供給の促進に引き続き努めてまいる所存であります。  土地情報につきましては、土地基本調査の実施等の措置を講じることにより、土地の所有、取引、利用、地価等に関する情報を総合的、系統的。に整備することとしております用地価公示等につきましても、地価公示地点の大幅拡充を図るとともに、短期的な地価動向の調査を実施する等、引き続きその改善に努めてまいります。国土調査につきましては、第四次国土調査事業十カ年計画に従って、計画的かつ着実に事業を推進したいと考えております。  これら構造的かつ総合的な土地対策の一層強力な展開を図り、土地政策の目標を実現するために、政府一体となった取り組みを展開してまいる所存であります。  第三は地方振興の推進であります。  地方の積極的な振興により、人口の地方定住と多極分散型国土の形成を推進することは内政上の最重要課題であり、生活大国への前進に重要な役割を果たします。このため、創造性豊かで多様な選択可能性に富む地域づくりを推進するとともに、関係各省と共同で、地方都市とその周辺の市町村から成る地方拠点都市地域の整備のための所要の法律案を今国会に提出し、地方拠点都市地域の整備のための施策を総合的に推進してまいります。  また、各地方開発促進計画に基づく振興施策の推進、新産業都市及び工業整備特別地域の整備を初めとする地方産業振興施策の推進、自然環境の保全との調和に配慮した総合保養地域の整備を推進してまいります。  さらに、自然的、社会的に厳しい状況にある過疎地域等の振興につきましては、各般の施策を積極的に推進してまいります。  特に、山村振興につきましては、本年度より開始された新たな山村振興対策を引き続き推進するとともに、今後重要な課題となる山村や中山間地域を含めた農山漁村の活性化に向けての検討を進めてまいります。  さらに、法の期限が迫っている離島、豪雪地帯、特殊土壌地帯のための対策につきましては、関係の各方面とも連携をとりつつ、所要の対策を積極的に推進してまいります。  第四は大都市圏整備の推進であります。  大都市圏における良好、安全な都市環境の整備と圏域全体の秩序ある発展を図るため、大都市圏整備計画等の実施の積極的な推進を図り、大都市地域の総合的居住環境の整備、低・未利用地等の有効・高度利用の促進、事務所、工業、大学等の適正な配置を進めてまいります。  また、東京圏における多核多圏域型の地域構造を形成するための業務核都市の整備を進めるとともに、筑波研究学園都市の総合的な育成整備、関西文化学術研究都市の建設、関西国際空港関連施設の整備等、各圏域における主要プロジェクトを推進してまいる所存であります。  さらに、今次国会において琵琶湖総合開発特別措置法の有効期限を五年間延長していただき、引き続き琵琶湖総合開発事業の計画的な実施を推進してまいりたいと考えております。  国の行政機関等の移転につきましては、昨年十月の国の機関等移転推進連絡会議の申し合わせに基づき、その促進に努めるとともに、特に埼玉県大宮・与野・浦和地区への国の地方支分部局の集団的移転についてはその具体化を図るなど、今後も着実にその実施を図ってまいります。  また、首都機能の移転問題につきましては、衆参両院における国会等の移転に関する決議を受け、総理が開催いたします首都機能移転問題を考える有識者会議、私が開催いたします首都機能移転問題に関する懇談会における御議論を踏まえ、幅広い観点から、決議の意を体して、引き続き検討を進めてまいります。  第五は、総合的な水資源対策の推進であります。  水需給の安定を図るため、全国総合水資源計画及び各水資源開発基本計画に沿い、水源地域対策の充実を図りつつ積極的に水資源開発を推進してまいります。  また、国民の水資源に対する意識の高揚を図るとともに、地下水利用の適正化、雑用水利用の促進などの水資源の有効利用に努めてまいります。  第六は、災害対策の推進であります。  災害から国土を保全し、国民の生命と財産を守ることは、国の重要な責務であります。  このため、関係省庁との緊密な連携のもとに、各般にわたる災害対策を総合的かつ計画的に実施し、災害に強い国土づくりに努力してまいる所存であります。  このうち震災対策につきましては、東海地震対策を引き続き推進するほか、南関東地域直下の地震対策を初めとする大都市震災対策の推進など、その一層の充実に努めてまいります。また、火山対策や土砂災害対策等についても、総合的な対策を推進するとともに、防災無線網の充実強化、防災情報の有効活用、防災訓練等を通じた国民の防災意識の高揚等にも努めてまいることとしております。  特に、雲仙岳噴火災害につきましては、既に決定した二十一分野九十項目にわたる雲仙岳噴火災害に係る被災者等救済対策を引き続き強力に推進し、対策に万全を期してまいる所存であります。また、長崎県が主体となって取り組む将来の防災地域づくり、地域の振興と活性化についても、引き続き同県を指導し、調査検討を進めてまいります。  最後に国際協力の推進であります。  我が国が国際社会に貢献していくためには、国土庁といたしましても所管の行政分野で積極的な国際協力を実施していく必要があります。このため、国連決議に基づく国際防災の十年に積極的に取り組んでいくとともに、居住や防災分野での開発途上国に対する技術的支援などを推進することとしております。  以上、国土行政に関する所信を申し述べましたが、これらの施策の強力な推進に全力を挙げて取り組んでまいりますので、何とぞよろしくお願い申し上げます。(拍手)

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 次に、平成四年度建設省関係予算及び平成四年度国土庁関係予算について、それぞれの概要説明を聴取いたします。金子建設政務次官

金子一義自由民主党建設政務次官

○金子(一)政府委員 建設省関係の平成四年度予算について、その概要を御説明いたします。  建設省所管の一般会計予算は、歳入二百三十四億五千万円余、歳出四兆八千五百七十五億五千九百万円余、国庫債務負担行為五千九百五十九億九千二百万円余でありますが、建設省に移しかえを予定されている総理府所管予算を合わせた建設省関係の一般会計予算では、歳出五兆五千九百十二億七千万円余、国庫債務負担行為六千三百四十三億三百万円余を予定しております。  次に、建設省所管の特別会計予算について御説明をいたします。  まず、道路整備特別会計では、歳入歳出とも三兆六千四百五十六億四百万円、国庫債務負担行為五千五百六十七億五千万円余、うち、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法に該当する事業に要する無利子貸付金は、歳入歳出とも一千六十七億千八百万円を予定いたしておりますが、歳入については、前年度に引き続き揮発油税収入の一部直接組み入れを行うことといたしております。  また、治水特別会計では、歳入歳出とも一兆五千二百八十九億八千五百万円余、国庫債務負担行為四千七百七十五億三百万円余、うち、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法に該当する事業に要する無利子貸付金は、歳入歳出とも百七億千百万円を予定いたしております。  都市開発資金融通特別会計では、歳入歳出とも一千五百四十三億六千七百万円余、うち、日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法に該当する事業に要する無利子貸付金は、歳入歳出とも四十六億七千二百万円を予定しております。  次に、大蔵省と共管の特定国有財産整備特別会計のうち、建設省所掌分については、歳出八百七億八千九百万円余、国庫債務負担行為五百四十六億二千万円余を予定しております。  以上のほかに、大蔵省所管の産業投資特別会計に計上の日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法に該当する事業のうち、建設省所掌の事業に要する無利子貸付金は、歳出三十二億六千四百万円を予定いたしております。  建設省といたしましては、以上の予算によりまして、住宅宅地対策、都市対策、国土保全・水資源対策、道路整備等各般にわたる施策を推進してまいる所存であります。  なお、建設省関係予算の事業別の重点施策の概要につきましては、お手元に配付しております平成四年度建設省関係予算概要説明によりまして御承知を願いたいと存じます。  以上、よろしくお願いをいたします。(拍手)

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 前田国土政務次官。

前田武志自由民主党国土政務次官

○前田政府委員 総理府所管のうち、国土庁の平成四年度予算について、その概要を御説明いたします。  国土庁の一般会計歳出予算は、三千十三億二千七百万円余を予定いたしております。  また、大蔵省所管の産業投資特別会計に計上の日本電信電話株式会社の株式の売払収入の活用による社会資本の整備の促進に関する特別措置法に該当する事業のうち、国土庁に係る無利子貸付金について、歳出一億八千九百万円を予定いたしております。  その主な内容は、  第一に、第四次全国総合開発計画の総合的推進等の国土計画の推進  第二に、適正な地価水準の実現、適正かつ合理的な土地利用の確保等の総合的土地対策の推進  第三に、水資源の開発及び有効利用の促進等の総合的な水資源対策の推進  第四に、良好、安全な都市環境の整備を図るための大都市圏整備の推進  第五に、人口の地方定住を促進し、国土の均衡ある発展と活力ある地域社会の形成を図るための地方振興の推進  第六に、国土を保全し、国民の生命及び財産を災害から守るための総合的災害対策の推進第七に、地域活性化施策に関する調査研究等及び具体化を図るための地域活性化施策の推進第八に、人口及び産業の地方への分散と地域の開発発展を図るための地域振興整備公団の事業の推進であります。国土庁予算の重点施策の概要につきましては、お手元に配付してあります平成四年度国土庁予算概要説明によりまして御承知願いたいと存じます。  以上、よろしくお願いを申し上げます。(拍手)

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 以上で両大臣の所信表明並びに関係予算の概要説明は終わりました。     ―――――――――――――

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  両件調査のため、本日、参考人として日本道路公団理事山田幸作君、同理事山下宣博君及び住宅・都市整備公団理事依田和夫君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。北村直人君。

北村直人自由民主党

○北村委員 自由民主党を代表しまして、ただいま両大臣に所信表明をしていただきましたことに関しまして、質疑をさせていただきます。  まず初めに、建設大臣の所信表明の中でも第一に取り上げられております地方の活性化、つまり東京一極集中の流れを是正していくということにつきまして、何点か御質問をしたいと思います。  冒頭でございますけれども、大臣の所信表明の中にもございました特に道路の整備につきましては、社会的にも、そしてまた地方の活性化のためにも大変重要なことでございます。特に高規格幹線自動車道等の整備につきまして、今まで以上に推進をしていかれ、地方の活性化及び地方への分散が進めば、これは都市の道路問題にも役立つということにつながっていくと思います。一日も早く整備されますよう、改めてお願いを申し上げる次第でございます。  まず最初に、政府は地方の活性化を考え、そしてまた建設省といたしましてもさまざまな施策を実施、計画されておられます。特に先ほどの所信表明の中にもありましたとおり、平成四年度中には第十一次の道路五ヵ年計画を策定するに当たり、地方の活性化、東京一極集中の流れの是正が深く算定に関与をしてくることと私は思いますが、そのことにつきまして大臣の方針をお聞かせをいただきたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 お答えいたします。  地方の活性化を図り、四全総でも提唱いたしております多極分散型国土の形成を実現いたしますために、全国の各地域を有機的にネットワークすることが重要でございますので、このために、かねてから高規格幹線道路網一万四千キロを整備目標といたしまして施策を講じてまいったところでございます。  この整備に当たりましては、年間の供用ペースを、従来は二百キロメートルの水準でございましたが、二百五十キロメートルに水準を引き上げて整備を推進してまいりたいと考えております。また、一般国道の自動車専用道路についても、早急に年間百キロメートル供用水準を実現したい。有料道路制度も活用いたしまして合わせて年間三百五十キロメートルの整備ということで、従来のほぼ二倍近いペースで整備できるように努めているところでございます。現在は、五千四百八十キロメートルが供用済みでございますが、二十一世紀初頭までには一万四千キロメートル全線の完成を図ることとしたいと考えております。西暦二〇〇〇年、平成十二年でございますが、おおむね九千キロメートルの供用を図ることを目途といたしまして、整備を積極的に推進してまいります。  そこで、さらにお尋ねの第十一次道路整備五カ年計画の策定方針でございますが、結論的に申しますと、現行の第十次道路整備五カ年計画を大幅に上回る規模の確保に向けまして、ただいま申し上げましたような整備目標を完遂いたしますために、そのような大規模な額の確保に全力を尽くしてまいりたいと考えているところでございます。

北村直人自由民主党

○北村委員 特に平成四年度の道路関係の予算の概要の中でも、地方において広域的な文化、経済ブロックを形成するとともに、大都市においては多核的な都市構造へと誘導するため、高規格幹線道路網と連帯して地域のモビリティーを高める地域高規格幹線道路の計画策定等を進める、こういうふうにうたっておりますが、この地域高規格幹線道路の計画策定を進めていくに当たり、地域高規格幹線道路の位置づけについてのお考えをお聞かせをいただきたいと思います。

藤井治芳建設省道路局長

○藤井(治)政府委員 お答えいたします。  先生御指摘の地域高規格幹線道路、実は先ほど大臣からお話がございましたように、一万四千キロというのは全国の各地から約一時間で高速道路のネットワークに達する、こういうレベルの水準でございます。しかも、それが大体今六千キロまでまいりました。しかし、これだけではどうも地域のストック効果といいますか、地域が十分に集積効果を上げるには不足しているんではないだろうか。地域が一つの大きな集積圏として、交流圏として、経済圏として、生活圏として自立していくためには、それ自体が大きな交流圏をきちっと形成しなければいけないだろうという視点から、私どもこの全国的な高規格幹線道路とあわせまして、地域高規格幹線道路という構想を生み出しております。  これにつきましては、やはり一時間圏とかあるいは三十分圏とか、いろいろなもののその地域の実情に応じまして姿はあろうかと思いますが、質の高い、例えば自動車専用道路的なネットワーク、あるいは仮に自動車専用道路とまではいかないまでも、連続的に交差点を立体化いたしまして、時間が読めるきちっとした交流ネットワークがとれる、こういうようなものをつくってまいり、そして一極集中是正にも資し、各地域が国際交流の中で国際交流拠点としても十分自立するようなそういう地域になる、そういうのに資するようにしてみたいと思っておりまして、平成四年度にはその調査を十分尽くしまして、新しい五カ年計画の中ではこれを主要なテーマとして位置づけてその整備に取りかからせていただきたい、かように感じております。したがって、各地域のそれぞれの実情に応じた御要望をいただきまして、それをベースにこの内容を固めてまいりたいと思っております。

北村直人自由民主党

○北村委員 大変ありがとうございます。ということは、第十一次五カ年計画においては、今までの考えから一歩踏み込んだ、地方の発展に重きをなす高規格幹線自動車道路等を強力に推進していくということだと私は理解をいたしました。ひとつよろしくお願いをいたします。  特に、先ほど大臣が所信の中で、道路の整備については、「真に豊かな生活大国の実現を図る上で、道路は欠くことのできない根幹的な社会資本」である、こういうふうに述べております。特に、平成四年度中には第十一次の道路五カ年計画を策定するということになります。どうか大臣、そのことを肝に銘じつつ、この充実発展に是が非でも大きなお力をいただけますよう、お願いを申し上げる次第でございます。  次に、国土庁長官にお尋ねをしたいと思いますが、昭和六十二年の国勢調査では、人口が減った県というのは一県だけでございました。ところが、平成二年の国勢調査では、十八の道と県で人口が減少してしまった。つまり、東京に一極集中が続いていくということになりますと、地方における活力の低下は極めて深刻な問題であると私は思います。生活大国の実現を推進するためにも、地方の積極的な振興により地域の活性化を図ることは、内政の最も重要な課題であると考えております。  国土庁長官はさきの所信表明で、関係各省と共同で地方拠点都市整備のための法律案を提案し、総合的に施策を推進すると述べられましたけれども、地方の振興に当たっては、地方都市と周辺の農山漁村を一体として整備することが重要であると私は考えます。長官がどのようなお考えを持ってこのことに取り組んでいかれるのか、そのことをお聞かせをいただきたいと思います。

東家嘉幸自由民主党国土庁長官

○東家国務大臣 御指摘のとおり、人口や諸機能の東京一極集中が持続する一方、地方においては人口の減少等による活力の低下が見られるのは、憂慮すべき問題だと考えております。具体的に十八の県が減少しているわけでございますが、そうした地域の活性化促進を図るためには、積極的な振興を図る必要があります。  一極集中をどうしたら是正できるか、国土の均衡ある発展を図ることが必要であるということを踏まえて、地方振興を図るために、地方の自主性を生かしながら、近年の生活圏域の広域化に対応してまいりたい。地方都市とその周辺の農山漁村から成る地域を、一体として整備することが肝要であろうと思います。そのため、本法案では、地域における創意工夫を生かしつつ、広域の見地から、地域社会の中心となる地方都市とその周辺の市町村から構成される地方拠点都市地域の一体的整備を促進するとともに、あわせて産業業務施設の再配置の促進を図ることといたしております。  今後とも、建設省初め各関係省庁と十分な連携を図りながら、本法案の円滑な実施による地方の振興を図るよう努めてまいる所存でございます。今後とも、この調整に当たっては、お互いによく協議しながら、そして投資効率のいいようなことで努めるよう、私ども国土庁といたしましてはその調整に当たっていく所存であることを、重ねて申し上げておきます。

北村直人自由民主党

○北村委員 今長官から、それぞれの関係省庁片共管で進めていくというお話でございます。特に、この地方拠点都市の整備あるいは産業業務施設の再配置の促進、これらにつきましては、国土庁が中心となって、農林水産省あるいは通産省、郵政省、建設省、自治省、こういう多岐にわたった省庁との関連事業でございますので、ぜひ国土庁はそのリーダーシップをとっていただきながらこれを進めていただきたい、こうお願いを申し上げます。  そこで、その一つの省庁になっております建設省も、この地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進について、建設省として地方拠点都市地域は全国に何ヵ所を指定するのか、これは東京の一極集中を是正して地方の活性化に有効であると考えてこれが要るのかどうか。また、その適正配置というのは、この指定地域ごとにある程度の距離を保ちつつ全国的に散らばしている方がいいというふうな私は気がいたしますが、それについてひとつお答えをいただきたいと思います。  と申しますのは、今建設省の都市局の事業で都市拠点総合整備事業というのが行われていると思います。その兼ね合い等もあろうと思いますので、ぜひこれは、都道府県によってはやはり一ヵ所あるいは二ヵ所なんということよりも、もう少し距離を保ちつつ多くの拠点が指定をされたりということが必要ではないかと私は思いますので、そのことについてお考えをお聞かせをいただきたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○市川政府委員 地方拠点都市地域の整備の問題につきましては、関係の法案を国会に提出済みでございますし、また、基本的考え方につきましては両大臣から所信表明等でもお話がございましたし、ただいま国土庁長官の御答弁もございましたが、その中でも述べられておりますように、ただいま御指摘がありました地方拠点都市地域の指定につきましては、地方の自主性と創意工夫を生かすという基本的な考え方に立ちまして、都道府県知事が指定を行うということになっておるわけでございます。したがいまして、私どもはその知事の協議を受けるという立場に立つわけでございますが、私どもの考え方になりますと、やはり選定された地域での事業を重点的に実施していくという観点に立ちますと、各都道府県ごとにできるだけ数を絞り込んでいただく必要があるのではないかというふうに考えておるわけでございます。  この点につきましては、ただいま北村委員の方からの御指摘もございますので、いろいろな御議論が今後あり得るかと思いますが、私どもの考え方としては、地方の拠点を選ぶに当たりましては、いわゆる県内の一極集中を招かないように十分配慮いたしまして、都道府県内の地域の適正な配置といったことも考えながら、なおかつ、選ばれた地域におきます事業の重点的実施ができるだけ効果が上がるようにという意味では、かなりのところで数を絞り込んでいただいて、そこで各省庁が連携いたしまして、それぞれの得意わざを持ち寄りまして全面的に国の立場で御支援申し上げる、こういうことが有効なのではないかというふうに考えておるところでございます。

北村直人自由民主党

○北村委員 そこで、ちょっと重複はいたしますけれども、国土庁長官、地方の振興に当たっては、これは地方の主体性を最大限に尊重することが最も重要であると思います。今回の地方拠点都市地域の整備のための法律案では、市町村が今おっしゃったように共同でこの整備計画をつくり、知事が承認して地域の指定を知事が行うなど、地方の自主性が生かされるような仕組みが取り入れられておりますけれども、この点については高く評価をするところだと思います。  こうした地方の自主性の発揮をさらに確実なものにするために、新法の運用に当たって、関係各省が足並みをそろえて地方を支援することが私は大切だと思います。国土庁の役割は総合的な調整をしていくということでありますので、長官のそこのところについての所信をお伺いをしたいと思います。

東家嘉幸自由民主党国土庁長官

○東家国務大臣 本法案の実施に当たりましては、関係各省と協議会をつくりまして各種施策の調整を行うとともに、地方公共団体との窓口を一本化することとしております。これにより、国と地方との連携調整が円滑に進み、本法案の趣旨に沿って地方の自主性が生かされるよう、国土庁としてはその役割を果たしていきたいというふうに考えております。  しかし、これはおしかりを受けるかもしれませんけれども、地方に自主性を持って実施をしていただくというようなことになりますときに、それだけのノウハウは、そのものに問題がありはしないかということも心配いたしておりますし、知事さんがお決めになるときに、県それぞれの地域指定のときに、大変またいろいろな議論等が地方でぎくしゃくするようなことにならないようにしてさしあげねばならないということもございますので、知事さんの認定をされる過程の中で、よく主務官庁と協議した上でということになっておりますので、そのことについては、一体性を持つためにはどうしてもそういう協議の過程の中にそれぞれの各関係省庁の指導というものが重要であろうということも、私はあわせて考えております。

北村直人自由民主党

○北村委員 そのことが大変重要なことになってまいりますので、ぜひ長官、国土庁が本当に積極的にそのために御配慮いただけますよう、特に私はお願いを申し上げる次第でございます。  次に、都市対策についてでありますけれども、都市の方は、これは言うまでもなく、交通渋滞というのがバス等の時間をおくらせ、利用者に不便を大変感じさせている、利用率及び便数にも何らかの形で影響を与えている、これは事実でございます。そのことが人々の時間をむだに使わせ、また自動車より排出される窒素酸化物のNO2や二酸化炭素、CO2の排出の総量をふやし、またそのことで、幹線の道路等の沿線に住んでいる人々あるいは団地等に、居住環境を悪化させていると私は思います。この渋滞対策については、渋滞対策緊急実行計画や渋滞対策の推進計画に基づき推進されており、その対策完了箇所等については追跡の調査を行っているはずではございますけれども、今後その交通渋滞はどのように推移していくと考えているのか。また、省エネと道路の整備というのは非常に関係の深いものがあると私は思います。そのことについて、ひとつお聞かせをいただきたいと思います。

藤井治芳建設省道路局長

○藤井(治)政府委員 お答えいたします。  交通渋滞、私ども大問題として受けとめております。例えば昭和六十年の年に保有台数が四千六百万台ございました。このときに、例えば一般国道で渋滞、交通混雑を起こしている割合が、すべての国道では約三三%程度でございましたが、市街地いわゆるDID地区等では約六〇%程度ございました。ところが、平成二年度になりますと、この保有台数は五千八百万台、千二百万台ふえました。しかし、国道全体で見ますと約三六%と大幅な増はまだ出ておりませんけれども、市街地地区、人口集中地区では約七六%というぐあいで非常にふえてきております。当然これに伴う時間の損失を、私どもなりの経済計算をいたしますと、平成二年度で約十二兆円ぐらいの非常に大きな損失効果が出ております。  そこで私ども、こういう点、さらにこの渋滞が先生御指摘のように交通安全、特に環境問題に大きな影響を与えますので、六十二年から三十七都市をとりあえず選びましてアクションプログラムをつくりました。さらに平成二年には、全国の三百四十五都市を選びまして推進計画をつくり、現在やっておりますが、着手は大体九割、全部着手しております。それで、対策は大体五割ぐらい終わっております。もしこれがなければ、もっとこの効果が上がっただろうと思っております。したがって、私どもこれから交通は分散させるということと、地域に分散させて人間の住まいもつくり、そしてその中でこういう点における問題点も解決していくわけでございますので、こういう渋滞対策を行いながら、渋滞の推移刀マイナス効果が起きないように努力してまいりたいと思っております。  そういう意味で、例えば実例を一つ、先生の関係のところで申し上げますと、例えば釧路市の中に釧路環状線というのがございます。こういうところの鶴見橋の拡幅などは、まさしくこういう渋滞対策そのもので私どもやっております。こういったような事業をこれから現場ごとに全部積み上げながら、この対策を講じてまいりたいと思っております。

北村直人自由民主党

○北村委員 ありがとうございます。本当に交通の渋滞というのは、これは大都市ばかりではなくて地方においても、ある箇所等々については渋滞が激しいというのは全国的にあるわけでございますので、ぜひ道路の整備等につきましても、そのことを配慮しながら整備を進めていっていただきたい、こう思います。  次に、第八次の治水事業の五ヵ年計画についてでございますが、昨年十二月には、この平成四年度から始まる第八次の治水事業五ヵ年計画につきまして、総額で二十兆円という目標を持ちながら我々は頑張ってきたところでございますが、結果においては十七兆五千億というようなことになってしまったわけでございます。特に、日本は川との闘いであるということでございます。しかし平成三年度末において、はんらん防御率というのが四五%と非常に低いわけであります。そして、ことしから五カ年計画で十八兆円に及ぶ予算を投じても、はんらんの防御率というのは五三%までしか上がらないという結果が出ているわけであります。となりますと、国民の財産や生命に直接かかわってくる問題としては低いのかなというような気が私はするわけであります。これだったらやはり二十兆円以上のものを確保しなきゃならなかったのかな、こんな感じがするわけでありますが、この第八次五ヵ年計画を遂行するに当たってこの五三%というのがどうなのか、そしてまた第八次の治水五ヵ年計画を遂行するに当たって、建設省河川局の方針をお聞かせいただきたいと思います。

近藤徹建設省河川局長

○近藤(徹)政府委員 我が国が気象条件、地形条件あるいは社会条件的にも非常に治水上脆弱な条件下にあるということは、先生が今おっしゃったとおりでございます。このため、第七次治水事業五カ年計画まで積み重ねまして河川の整備を鋭意進めておるところでございますが、平成三年度末で時間雨量五十ミリ相当の降雨に対するはんらん防御卒は、おっしゃるように四五%と低い水準にとどまっている状況でございます。このため、平成四年度から始まります新たな第八次治水事業五カ年計画におきましては、早期にこのような状況から脱却することを目指して、私ども関係の皆様の御理解を得て努力してきたところでございます。  政府原案として十七兆五千億というのが予定されておりますが、これは第四次全国総合開発計画の目標で、二十一世紀初頭までに人家連檐部では、当面目標の時間雨量五十ミリに対して一応概成させるということを基本といたしまして組み立てておるところでございまして、これによりますと、その通過時点である平成八年度、この第八次五ヵ年計画の終了時点ではんらん防御率が五三%と、数字としては低いのでございますが、主要な地点については早期にはんらん防御の効果を上げてまいりたいというふうに考えておるところでございます。  現在は、安全な社会基盤のほかに、また生活環境としての河川の見直しも図られております。あるいは、高密度な経済社会活動が集積しているということもあわせ考えまして、効率的な治水事業の執行を図ってまいりたいと考えております。

北村直人自由民主党

○北村委員 我が国というのは、自然条件から大変いろいろな災害等が考えられるわけであります。特に地震、台風、豪雨、豪雪あるいは火災、火山の噴火など、多くの災害の発生要因を抱えているわけでありますが、しかしこれは反面で、我が国は防災に対する技術、経験等を多種多様に有していることを意味しているのではないかと私は思います。我が国の積極的な国際貢献が求められております。そしてまた、国際防災の十年事業推進の基本方針が平成元年の十一月に決定をしましたが、この方針等を踏まえ、国際協力及び国際交流の推進に対してどのように積極的に取り組んでいくのか。さらにまた、この国際防災の十年事業推進というのは、なかなか国民には浸透していないような気が実はするわけであります。ぜひそのことをも踏まえて、どう積極的に取り組んでいくのか、国土庁長官、ひとつ御答弁をお願いをいたします。

鹿島尚武国土庁防災局長

○鹿島政府委員 先生既に御案内のとおり、一九八七年十二月の第四十二回国連総会におきまして、一九九〇年代を国際防災の十年ということで決議をされております。その主要な提唱国として、日本が大変役割を果たしたわけでございます。その目的、趣旨とするところは、国際協調行動を通じて全世界、特に開発途上国におきます自然災害による人命の喪失、財産の損失、社会的、経済的混乱などの被害を軽減をするというようなところにあることでございます。  日本におきましては、平成元年五月でございますが、総理大臣を本部長といたします政府の推進本部を国土庁に設置をいたしまして、平成元年十一月でございますが、お話のございました基本方針を決定をし、現在関係省庁、地方公共団体、民間団体等と連携を図りながら、各種事業を実施をしておるところでございます。  国土庁におきましては、これまで海外向けの広報、訓練用の教材の作成等を行ったのを初めといたしまして、平成二年度には国際防災の十年国際会議、記念式典を開催をいたしました。また、平成三年度は、十月に国際地震サミットを開催をいたしまして、開発途上国におきます防災体制の整備促進に関する調査の開始等を行っているところでございます。また、平成二年二月、開発途上国の行政官を対象といたしまして、日本の防災行政や技術のノウハウを紹介をし、各国で防災行政を担当する人材を育成するための防災行政管理者セミナーを開設をしていただきまして、平成三年六月、その三回目を開催、終了したところでございます。  このような日本の国際防災十年の活動につきまして、国連でも大変評価をしていただいております。ことしの一月、国連事務総長ブトロス・ガリさんから、日本の政府にあてましてメッセージが出されてございます。日本の行動に対しまして、それを評価し、さらに期待をするというごとでございます。  私ども、今後も引き続き、防災にかかる教材の作成、それを各国に配付をする、そしてまた、開発途上国の調査、研修の実施を通じて、途上国の人材育成等に関する支援を行ってまいります。そしてまた、本年秋に千葉で開催いたします国際防災会議千葉'92を通じ、災害が多発している開発途上国を交えた知識、経験の交流等を行いまして、防災分野の国際協力、国際交流を積極的に進めていきたいと考えておるわけでございます。  先生からただいま、国民の皆様にこれをもっと知っていただき、さらに理解をしていただくということが必要ではないかというお話でございました。私ども、いろいろ機関誌の発行等を通じまして、地方公共団体等を通じこれを行っているところでありますが、さらに努力をさせていただきたいというふうに考えております。今後ともよろしくお願いをいたします。

北村直人自由民主党

○北村委員 ぜひ積極的なPR活動をお願いいたします。  私は、環境を守るということは知性ある人間として当然のことだと思います。そしてまた、乱開発にはこれは反対をしていかなければならないし、また、絶滅寸前の種の保存についても理解をしているつもりであります。ただ、一口に環境問題といっても、その範囲というのは非常に広い。そして、その言葉を乱用すると、だれのための行政がわからなくなると私は思います。  例えば、町と町を結ぶ道路が一つしかない、あるいはがけ崩れや吹雪等により交通がでさなくなると孤立無援の状態になるような町においては、地域住民の財産生命を危険から守り、高い地域社会の安全性を確保することが急務となります。そのため、環境保護あるいは景観の保護等をしている規制地域内の道路等を整備する必要が生じてくるというのは、これはもう歴然の事実でございます。このような場合、自然環境問題が公共事業を妨げることも私は確かにあるのではないかと思いますが、しかしながらここで生活している住民からすると、この町の現状こそが生命財産にかかわる立派な環境問題だと私は考えます。  このような場合、規制を行っている省庁と協議し、解決していくということとは思いますけれども、建設省は今まで多種多様な環境に配慮した治水事業や道路事業を行ってきた、そしてそれらの蓄積した経験というのはたくさんあると私は思います。ですから、そういう問題に対しては、他の機関と積極的に意見の交換をして、国民の生命財産を守るための治山治水事業や防災のための公共性が高い事業に関して、速やかな調整を行うべきだと私は思うわけであります。  先日、自然環境保全審議会の野生生物部会が、重要な動植物の保護とその生息地の保護を一体的に進めていくべきだとする答申を環境庁に提出したと聞いております。これは、重ねて言いますけれども、自然環境の保全はもちろん重要であると認識はしておりますけれども、公共事業も生活大国の実現のため重要な役割を果たすものであると私は思います。このような動きの中で、環境の創造事業に取り組んできた河川局が今までどう努力をされてきたのか、また、今後どのように取り組んでいくのか、お聞かせをさせていただければありがたいと思います。

近藤徹建設省河川局長

○近藤(徹)政府委員 河川の洪水のはんらんを防止し、国民の生命財産を守る治水事業あるいは防災事業というものは、国民の生活環境の確保あるいは生存基盤の保全という意味では、極めて重要な事業であるということは論をまたないところだと思いますが、また一方で、河川は自然の生態系の宝庫であるということも、私どもは十分認識して、従来から取り組んできたところでございます。  ちなみに、大臣管理区間の一級河川におきましては、河川水辺の国勢調査ということで定期的な河川内の各生態系の調査を実施し、そのデータの蓄積を図るとともに、計画策定段階において、地域の自然環境、土地利用の現状や将来の動向、社会的、経済的、地形、地質的条件についての調査を行いまして、それらの諸条件を総合的に判断して、洪水処理計画を最適な計画とするべく、その決定に当たって努力してきたところでございます。  環境という意味では、そういう意味で国民の生活環境という解釈からすれば、治水というものが最もその主要な位置にあるべきだろうと思いますが、また、いわば自然環境を中心とした議論の中では、狭い意味でのそういうとらえ方とすれば、河川の環境も水と線あるいは生態系の保護として重要な位置づけにあるという理念のもとに、各種の河川環境管理施策を展開してきたわけでございます。このため、特に一級河川の主要区間につきましては、地元都道府県あるいは学識経験者の参加した審議会の場で河川環境管理基本計画を策定し、これに基づいて保全すべき自然生態系の豊かな部分については保全ゾーンを定め、あるいは地域の皆さんのレクリエーションの場としての需要の高い場合については、その用に提供することによって、水系全体として地域の皆様に親しまれる河川環境の整備に当たってまいりました。  また、貴重な動植物の問題につきましても、例といたしますと山口県の一の坂川では、極めて蛍の有名な川でございますが、植生、空石積み等を整備することにより蛍の住みやすい環境をつくりゲンジボタルの保護、育成をした例、あるいは新潟県信濃川の大河津分水路に設置されているせき、床固めの改良を行いましてアユ、サケ、マスの遡上環境の改善を図った例、大阪府淀川におきましては計画的にワンドの保全を図るとともに新しいワンドをつくるなど、魚の住みやすい環境を創出した例、兵庫県東播海岸では砂浜の侵食、後退への対応として人工海浜の整備を行うことにより、三十年ぶりにアカウミガメが産卵するためにやってくるようになった例、三重県長良川では、御承知のとおり長良川河口ぜきに関連しておりますが、呼び水式魚道、ロック式魚道を設置した例等、できるだけ常に学界の参加を得つつ自然生態系の保全に極力当たってきたところでございます。

北村直人自由民主党

○北村委員 ありがとうございます。今局長からお話のあったとおり、まさしく環境保全のために努力をしてきたのは建設省の皆さんでございます。そして、そのことについても経験の豊富ないろいろな問題を解決していくノウハウをお持ちでございます。そのことを踏まえながら、今後の建設行政につきましてひとつ全力を挙げて取り組んでいただきたい、こうお願いを申し上げます。  私の時間の方は十一時まででございまして、始まったのが十分でございますが、一応時間内に終わらさしていただきたいとは思います。  それで、最後になりますけれども、もう一度繰り返すようでございますが、私一番最初に道路の関係で第十一次道路五ヵ年計画、これは地方の地域の整備を強力に推進していく十一次の道路五ヵ年計画だ、こう私は理解をしておりますが、重ねて、この第十一次道路五ヵ年計画は地方の地域の整備を強力に推進していくことだ、こういうことでよろしいですね。もう一度そのことを御確認をさしていただきたいと思います。

藤井治芳建設省道路局長

○藤井(治)政府委員 先ほど大臣からお話がございましたけれども、私ども今までもやってまいりましたけれども、地域こそがこれからの日本を救う最大のポイントだと思っておりますので、環境も大事にします、地域をその中で一生懸命大事にして、地域を多くの人が住める、生活できる空間として強化することによってこれからの日本の二十一世紀がある、そういうのに役立つような十一次にさせていただきたいと思っております。

北村直人自由民主党

○北村委員 大変力強い御答弁をありがとうございます。  時間になりましたので終わらさしていただきますが、建設大臣そして国土庁長官におかれましては、所信に述べられましたそれぞれのすばらしい国民のための施策につきまして、ひとつ特段の御努力と、そしてまた我々に対する御指導を重ねてお願いを申し上げまして、私の質疑を終わらさしていただきます。ありがとうございました。

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 次に、上野健一君。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野委員 建設大臣と国土庁長官の所信表明をお聞きしまして、当面する建設行政、国土行政についての質問を申し上げたいと思います。  まず第一は、この所信表明の中で建設大臣が「国の公共事業関係費の約七割を所管する建設省は、生活大国の実現のため、重要な役割を果たしていくべき大きな責務を負っている」、大変重要な責任だということを強調されておりますが、そこで四百三十兆円の国際的な公共投資の約束、さらにこの建設大臣の所信にもある公共事業の関係で、私は今行われている、あるいはことしから行われるものも含めて、五カ年計画の一覧表を調べさしてもらいました。この五ヵ年計画の一覧表を拝見しますと、四百三十兆円それから今の大臣の所信表明とを考えますと、極めて、まあ極めてと言うと言い過ぎかもしれませんが、かなり貧弱である、公共投資のこの内容が貧弱だと思われます。特に、生活大国ということであるなら、都市公園の整備費あるいは下水道の整備、さらに住宅建設にかかわる公共投資、そういうものがさらに重視をされなければならぬと思いますけれども、その点について建設大臣は、この五ヵ年計画の内容も含めまして、もうちょっと何とかしなければならぬのじゃないかと思われるのですが、大臣はどうお考えでしょうか。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 公共投資基本計画は、四百三十兆円という膨大な額に上っているのでございます。一九八〇年代は二百六十三兆円でございましたが、その六割増しの金額になっておるのでございまして、その四百三十兆円を達成することができるかどうかということでございましたら、これは一九九一年から十年間でございますが、九一年度そして平成四年度は九二年度になるわけでございますが、今日までの予算から推計いたしますと、達成し得るものと考えているのでございます。  先生の御指摘は、我が建設省所管の五カ年計画をお調べになったということでございまして、都合八本ございますが、この五カ年計画は、いわゆる公共投資基本計画十年間のうち、途中経過と申しますか、五年次にわたります計画でございます。中間の到達点ということになろうかと思うのでございます。  私どもは、この公共投資基本計画の整備目標といたしまして二〇〇〇年目途でございますが、先生のお話の中に出てまいりました例えば都市公園につきましては、都市住民一人当たりの面積を、現在の水準は五・八平米でございますが、十平米程度に持っていきたい。下水道につきましては、現行の水準は四四%の総人口普及率でございますが、これを七〇%程度に持っていきたい。それから住宅についても御指摘ございましたが、これは八八年度における数字でございますが八十九平米でございますけれども、これを百平米程度に高めていきたい、このように考えておるのでございます。  そういう整備目標からいたしまして、第五次都市公園整備五カ年計画あるいは第七次下水道整備五カ年計画、第六期住宅建設五ヵ年計画等々をもちまして、その途中年次といたしましては、この五ヵ年計画が消化されるとすれば、二十一世紀初頭の目標に向けまして確実に前進していくことができるものと考えております。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野委員 この五ヵ年計画が総額にしまして八十八兆六千八百億、これが今挙げられた八つの五ヵ年計画の中身のお金でありますけれども、大臣はかなりうまくいくというお話ですけれども、例えば下水道をさらに、この五ヵ年計画が終わって平成七年で七〇%という状態、それもこれは都市全体からいうと七〇%に行かぬわけで、やはりその都市の中でも下水道の整備地域の中の七〇%になるわけですから、そういう意味では極めてまだ不十分である。特に、生活大国ということで新たに打ち出しておるわけですから、その点では他の問題もまだあります。  治水事業計画、具体的に私ども地域の実態を見ますと、例えば都市排水なんかの問題にしてもまだ本当に緒についた段階という状態、今でも少し雨が降れば町の中に洪水が起こるという状態がありますし、それからがけ崩れや住宅を急な傾斜地につくったりしておる状態などを含めて、いわゆる都市でありながら都市の実態をなしてない。そういうようなことをいろいろ実態を見ますと、この数字と実態との関係にはかなり差がある、こう言わざるを得ないわけで、ぜひともこの五ヵ年計画についてももうちょっと、次の段階に入る前に総合的に再検討すべき点があるのではなかろうか、こう思います。具体的な問題は次の機会に申し上げますが、そういう意味でこの五カ年計画も、環境問題も含めて新たな段階に入っていると思いますので、できるだけ再検討を早急にやってもらいたい、この点を要望しておきたいと思います。  それから、国土庁長官の所信表明、大変おっしゃることについては私はそう異議を申し立てませんが、ただ問題は、四全総とも関連をして「東京一極集中を是正しことあります。そして「多極分散型の均衡ある国土の発展を図っていく」こうおっしゃっております。ところが、国土庁の実際の仕事を拝見していまして、東京一極集中を是正することで具体的に何をやっているのだろうか。具体的に効果あることが進んでおるのだろうか。これは建設省も含めてですけれども、そういう意味ではむしろ今一極集中というのはさらに進んでいるのではなかろうか。現状維持、現状のところでとどめることも実際はできてない、こう思われますけれども、この現状認識について国土庁長官にお伺いしたいと思います。

田中章介国土庁計画・調整局長

○田中(章)政府委員 お答えいたします。  政府におきましては、第四次全国総合開発計画、四全総に基づきまして、各種の一極集中是正また多極分散型国土の形成を推進しているところでございます。  具体的に申しますと、いろいろございます。まず第一番目には、基本的には地域主導による地域づくりの推進ということで、具体的にはふるさと創生等も行っております事業があります。それから二番目としましては、やはり基本的には一極集中是正のためには交通、通信体系の整備、四全総では全国一日交通圏の構築、こういうことを強調しておりますが、そのために政府一体となりましてこの高速交通体系網の整備を推進しております。また、三番目としましては、多極分散法に基づきまして国の行政機関の移転の推進、また振興拠点地域の開発整備、これも推進してまいります。また、四番目としまして、各種の地域立法がございます。テクノポリス法あるいは頭脳立地法に基づきまして地域産業の振興、こういうことで努めておるところでございます。  最近のいわゆる一極集中の程度を見ますと、具体的に申しますと、例えば東京圏における人口の社会増は若干鈍化してきております。例えば五十年代後半、東京への一極集中が再集中ということが強まりました。しかし、この東京圏への人口の社会増の数字を見ますと、六十二年が約十六万人ということでピークになっておりまして、その後六十三年、平成元年、二年と低下してきておりまして、平成二年の数字を申しますと九万五千というように、東京圏への社会増の人口が減ってきている、鈍化している。そういうように、若干一極集中の是正の兆しというものも見られるわけでございます。また、人口以外の諸機能、例えば産業の集中程度あるいは大学、学生さん等の集中の程度を見ましても、地方への工業立地が進んでおりまして、そういうことで地方への分散の動きも見られる、こういう状況ではないかと思います。  国土庁としましては、こうした動きも踏まえまして、さらに多極法に基づく振興拠点の整備であるとか、あるいは本社機能を持つ事務所の移転の促進であるとか、そういった施策を推進すると同時に、また、長期的には一極集中の抜本的あるいは基本的対応としまして、首都機能移転問題につきましてもその検討に取り組んでいるところでございます。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野委員 大変楽観的なお話がございましたけれども、実際は人口が、例えば東京圏にしたってふえているのが鈍化しているということであって、ふえているのは依然としてふえているのです。それから、工場の移転も見られるというけれども、そんな大した工場の移転なんかほとんどない。むしろ逆に、事務所の問題その他含めて、関東圏という意味では増加しています。したがって、そういうことに対してもっと積極的な対策をとらなければいかぬのじゃないか。一極集中ということがすべて一挙に直るものではないと思いますけれども、もうちょっと計画性のある具体的な問題を出していくべきじゃないか。その点で、後でこれとも関連して申し上げますけれども、これは四全総で直るなどという簡単なものじゃないというように思いますし、実際は集中がとまってない、その点をぜひ確認をしておきたいと私は思います。  そこで、具体的な問題に少し入りますが、その前に、都市計画法の改正を出されるというお話をお伺いしておりますが、この都市計画法の改正とも関連しまして、建築審議会「国民生活・経済活動の高度化・多様化に対応した市街地環境整備の方策に関する第二次答申」というのが出されております。これをずっと拝見をいたしますと、土地の高度利用とかあるいは土地利用規制に係る制度の見直しとか、長い間改正されないできた都市計画法をこの際見直そうという意味で積極性が見られます。ただ、まだその法案もできてないようですから、それを具体的に見なければわからない点が多いわけですけれども、どうもこの答申を見ますと、土地の高度利用あるいはまた調整区域との関連でいろいろな区分けをしよう、用途地域の問題ですね。それから、もちろん調整区域もこれから見直しをされるでありましょうし、それから中高層住宅の専用地域をつくるとかいろいろなことがございます。  全体として、私ども心配しますのは、特に土地の高度利用ということを考えますと、どうしても都市重点の、中都市以上の都市の関連で考えられている。したがって、端的に申し上げると、例えば関東圏とかそういうところにとっては有効な改正になるかもしれないけれども、さらに地方に行きますと、例えば北海道なら札幌に一極集中している、そして人口の減っているところはどんどん減っている。それから宮城県にしても、政令都市である仙台に四割の人口が集中している。こういう各地方でまだ一極集中が進んでおるわけで、そこに一極集中の問題点のかなりの問題があります。単なる東京の問題だけじゃないのですね。  そういうことを考えますと、この法の改正によって心配されるのは、そういう地方における一極集中、都県における一極集中というものが加速されるのではないだろうか、そういう心配がありますが、この改正の全体の方向、それから今申し上げたことについてお聞きしたいと思います。

市川一朗建設省都市局長

○市川政府委員 御指摘ございましたように、現在都市計画法、建築基準法の改正につきまして政府部内で検討しておるわけでございますが、ただいま建築審議会の答申につきまして御指摘ございましたが、あわせまして都市計画中央審議会でも議論しておりまして、具体的な法案につきましては、両審議会の答申を踏まえた形で御提案申し上げたいと考えておるところでございます。  具体的な方向及び内容等についてでございますが、両審議会におきましては、総合的な見地から制度の根幹的な面まで含めましていろいろ御検討いただきましたけれども、今回その答申の内容に盛られております最も基本的な部分は、先般の地価高騰に発しましたいわゆる土地問題につきまして、税制面、金融面におきまして各般の施策が講ぜられたわけでございますが、あわせまして土地利用規制につきましても構造的なしっかりとした対応を講ずる必要があるということで、政府の総合土地政策推進要綱等でもそういう指摘がございまして、それを受けた対応がその内容の中心になっております。  指摘の中の、先般の地価高騰によります具体的な現象といたしましては、例えば事務所ビルの住宅地への無秩序な進出といったようなこと、そういったことも背景といたしまして、かつての割がし都心に近いところでの良好な住宅環境が壊されていった。それから、さらには都心部の空洞化という形で、そこに住む人々が少なくなっていった現象といったような都市問題が生じておりまして、その影響といいますか、その効果といたしまして、さらに都心部で生じました地価高騰が郊外部へも波及したといったようなさまざまな現象が生じました。  これにつきましては、我が国の都市計画を中心とする土地利用規制が極めて緩やか過ぎるためにそういった問題が生じたのではないか。したがいまして、税制面、金融面の政策を講じただけではその対応は不十分であるという観点から、今後再びこういったような事態が生じないようにするために、恒久的な都市構造対策としての土地利用規制の再構築を検討すべきであるという御指摘がなされ、検討がなされたわけでございます。  したがいまして、ただいま御指摘ございましたように、それはさらなる一極集中を促進する施策になるのではないかという御指摘がございましたが、私どもといたしましては、特に都心部の空洞化といったような大都市を中心として起きている問題がございまして、こういった問題にきちっと対応するためには、用途地域の細分化の問題、あるいは容積率の積極的な活用による土地の有効・高度利用を図る。その際に、基本的には住環境の保護、住宅の確保といったことを中心命題として掲げるということで取り組む必要があると考えたわけでございまして、そういう意味では、御指摘がございましたように、主として大都市等におけるさまざまな土地問題、都市問題に対処するための土地利用計画の整備充実を図るといった内容であろうかと思っておるところでございます。  したがいまして、一方で先ほど来御指摘がございます一極集中の是正、多極分散型国土の形成を図るという観点の施策推進も重要でございますので、関係省庁とも相談いたしながら、既に国会に提出させていただいておりますが、いわゆる地方拠点都市地域の整備促進に関する施策もあわせて講ずることによりまして施策のバランスをとっていきたいというのが、私どもの基本的な考え方でございます。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野委員 ちょっと一極集中の問題について多少実際問題として誤解している点があるんじゃないかと思うのは、これは国土庁長官にお伺いしますが、一極集中ができ上がったのはやはり高度成長、いわゆる工業化の集中が進んだ、これがありますし、それから情報の集中もありますね。それに交通網の充実が、特に太平洋岸の方にずっと集中している。それからやはり、都市に集まれば生活がやりやすいという条件があります。それから教育機関も集中している。そういうことで、いわばこの日本の一極集中というのは、日本の産業構造なり、それからもちろん政治構造も関係ありますけれども、主としてこの産業構造が問題なんだと思うのですね。  ですから、例えば具体的に言うと、交通網の整備をやるんだとさっきお話がありましたけれども、新潟との新幹線で新潟から東京に通ってくるという状態がありますね。やはり事務所は依然として東京にある。新幹線で通える人というのはそう多くはないと思いますけれども、それにしても、交通網の整備をやっても、実は東京中心あるいは中京、関西中心の交通網の整備になれば、そこに外から通ってくるという格好で、依然として事務所その他産業の集中はそのまま維持されるし、むしろこれから進んでいくのではなかろうか、こういうふうにすら思われるわけなんで、そこのところにメスを入れなければ一極集中を直すわけにいかぬだろう、こう思いますし、それじゃその日本の産業構造まで行政、政治の力でやれるかというと、今の体制ではこれはちょっと無理なんじゃないだろうか。だから、一番の問題があるのです。  そういうふうに考えて、一極集中を解消するということは大変難しい問題である、ある意味では悲観的にならざるを得ないようにも思われるのですけれども、この際両大臣からお伺いしておいた方がいいと思いますが、こういう基本的な問題はどうお考えでしょうか。国土庁長官の方からまず。

東家嘉幸自由民主党国土庁長官

○東家国務大臣 今お尋ねの点は、全く私も同感でございます。やはりそういうことを進めていかなければ是正はできないと私は思っております。  なおまた、地方においても集中されている嫌いが非常に今問題になっているわけでございますが、建設大臣の所管でございまして恐縮ですが、今の若い人たちが東京に大学に行ったり、まあ市内の高枕に行けば便所なんてもう水洗です。田舎に行きますとまだ垂れ流しか多いものですから、においで、やはりどうしても嫁さんには都会に行きたいというような、そういうことまで含めてのこれは地方対策というものは、やはり下水道推進なんというのは大いにやるべきことだと私は思っておりますし、またいろいろな企業の分散等については、税制面でもっと地方に分散するようなことを積極的におやりになるべきだというふうに私は考えておりますし、特に、今計画・調整局の局長からお答えをしようとしておったのでございますが、私も就任いたしましてから、どんなにいろいろなことでの施策を法律の面でつくっても、現実にこの間まで一県の減少であったのが今十八県までに先ほど申し上げますように減少しているという現実の問題というものを直視せねばならないということを、私は今言い続けてきているわけでございますから、具体的なことについてはさらにひとつこれから、そうした大局的な立場から、特に今度の地方の拠点都市整備事業なんというものは最たるものにしていくべきだと私は思っておりますし、将来、この一つの拠点整備事業が柱となってさらに肉づけされるような方向もとっていくべきだということも私は主張いたしております。  もう長くなりますので、そうした気持ちの上に立っているということだけ御理解願いたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 先ほど来の先生の御質問にまとめてお答えする形になりますが、また、東家国土庁長官の答弁と重複すると思うのですけれども、このたびの都市計画法の改正につきましては、都市局長がお答えいたしましたとおり、地価高騰に対処いたします総合的な土地対策の一環として行おうとしているものでございます。  先生が問題として提起されております一極集中問題でございますが、これは国勢調査等によりまして、その方向になっていることはおっしゃるとおりだと思うのでございます。そこで、ただいま東家長官がお答えになりましたとおり、このたび、地方拠点都市地域の整備及び産業業務施設の再配置の促進に関する法律案を国会に提出をいたしましたが、この法案に基づきまして、地方の自立的な成長の促進あるいは国土の均衡ある発展を図ってまいりたいと考えておりますので、ぜひこの法案の成立に御協力を賜りたいと考えているところでございます。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野委員 次に、いわゆるリゾート法、総合保養地域整備法についてお伺いしたいと思います。  このリゾート法は一九八七年六月に成立しておりますが、この趣旨は大変立派なことを書かれておる法律であります。例えば、国民が余暇を利用して「スポーツ、レクリエーション、教養文化活動、休養、集会等の多様な活動に資するための総合的な機能の整備を民間事業者の能力の活用に重点を置きつつ促進する措置を講ずる」、そして「ゆとりのある国民生活のための利便の増進並びに当該地域及びその周辺の地域の振興を図りここうあります。そして、「国土及び国民経済の均衡ある発展に寄与する」、こういう趣旨が第一条でうたわれております。  しかし、実際この八七年から今日までの中で、既にいろいろな問題点がこのリゾート法には出てきております。例えば、実際具体的に適用される中では、国有地や保安林の中にゴルフ場が大変多く建設される。それから、自治体と業者が一体になって第三セクター方式をとっているところがありますが、これが第三セクターという形で国有林や保安林を破壊している、こういう実態もありますし、それから乱開発に対して、このリゾート法では資金を、公共的な資金を確保することを保障している、まあ保障法みたいなところが一面あります。さらには公共性の高い農地、林野、そういうものがゴルフ場として転換を認められる、こういう特徴が出てますし、今環境問題が指摘をされるところであり、これは建設、国土行政も環境問題をかなり重視をしていかなければならぬ段階に来ておりますので、こういう実態の中で、ゴルフ場が一番問題なんですけれども、いわゆるリゾート法について廃止をしろ、あるいは修正をしろ、こういう意見が、世論が随分高まってきているというふうに私は思います。  それから、民間団体あるいは住民運動の中でも相当いろいろな問題が出されて、そして廃止を求める要求が、決議がいろいろな弁護士団体なども含めて行われている実態があります。さらにバブルの経済の状態が、バブルがはじけたと言われておりますがそういうことやら、それから住民運動での反対運動などで計画が挫折しているところもかなり出てきておりますし、それからせっかくつくったところも、買い手がなかったり住む人がいなかったりしているような状態も各地に見受けられます。  そういうこと全体を考えまして、これは今日の中ではやはりそろそろ、そろそろというよりももう一日も早くこの抜本的な修正、改正をすべき段階に来ているというふうに私は思うのですけれども、この点についてはそういうふうにならないんでしょうか、どうお考えでしょうか。

小島重喜国土庁地方振興局長

○小島政府委員 お答え申し上げます。  ただいまお話ございましたように、昭和六十二年にこの法律ができました。ゆとりある国民生活の実現、さらには地域振興、こういうある意味で大変志の高い目的のためにこういう法律が国会で御議決をいただいたわけでございます。その後、ことしで五年がたちます。今おっしゃるような、各地域でいろいろな問題がある部分も確かでございまして、この点につきましては私ども逐次フォローアップをしながらやっていきたいとは思いますが、何せまだ指定を受けてから一番古いものでも三年というようなところでございまして、今この段階で直ちに有するとか左するというような評価ができるような段階ではない。  ただ、お話ございましたように、私ども当初リゾート法をつくる際には、当然リゾート地域というのはこれは良好な自然環境というものが前提でございまして、そういうことからいたしまして、基本方針あるいは基本構想におきましても自然環境との調和ということを最大の眼目に私どもはいたしておりますし、この基本構想につきましては知事が責任を持ってつくっていただく。ある意味では、環境保全でありますとか自然保護でありまとか、そういう点につきましても知事が今の行政の仕組みの中では第一義的な責任を負われる、そういう部署でもございますので、そういう段階で十分環境の保全には留意をしていただけるものと考えておりますし、また私ども当然すべきものと思います。  それからゴルフ場の問題でございますが、ゴルフ場はなるほど百ヘクタールとかかなりの規模のものになるわけでございますが、ただ御案内のように、最近ゴルフにつきましては、この間の総理府のスポーツに関する世論調査にもございますように、あなたは一年間でスポーツしたことがあるものについてマルをつけてください、こういう中で最大のものがゴルフでございます。そういう意味で大変大衆化をしている、こういうこともございますので、一概にゴルフ場がいかぬというようなことではなくて、当然ゴルフ場をつくる際には自然環境の保全というのは大前提でありますから、そういうことを生かしながら両立をしていくという姿勢が当然求められてしかるべきではないかというように私ども考えておりますが、いずれ私ども、毎年毎年県から報告をいただきながら着実にリゾートの整備は進めていきたい、かように考えております。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野委員 今の答弁だと、私はゴルフの大衆化とかそういうことを否定しているのではなくて、しかしゴルフがいかに大衆的なものであろうとも、環境を破壊したり乱開発になる、農地や林野というような公共性の高いものをつぶしていくことをそのまま認めるわけにはいかぬのじゃないだろうか、そういうところに問題が今起こっているということを申し上げているのです。  ではもう一度お伺いしますが、その具体的な問題というのはどういうところに起こっているのですか。あなたも問題のあることはわかっているというお話でしたが、具体的にどういうことでしょうか。

小島重喜国土庁地方振興局長

○小島政府委員 お答え申し上げます。  当時、リゾート法をつくります際に、幾つかいろいろな地域振興立法があるけれども、どうも絵にかいたもちになりがちであるというようなことがございまして、今度の法律はできるだけそういうことにならぬようにということで各省話し合いまして、当時の状況といたしましては、可能性のあるそういうものについて計画をつくっていただく、こういうことになったわけでありますが、御案内のとおり、それ以後社会経済情勢がかなり変更いたしております。そういう点で、当時構想されましたものと現在との間に、事実上かなりのギャップがある地域もあるやに私どもは聞いております。  こういうものにつきましては、例えば最近でございますが、兵庫県におきましては、もっと現実に即した見直しを行うというようなことをしておられますから、ゴルフ場の数ももう少し減らそうというようなことを現実に知事の段階で対応しておられますので、それはそれなりに地域の実情に即して実現可能なものをまずやっていただきたいというように今考えておるわけでございます。  それからあわせまして、よく言われますような、自然環境に対する配慮が足らぬのじゃないか。この点は、私どもはできるだけ配慮をしていただきたいということを、昨年も十二月でございますか、担当課長会議を開きましてお願いをいたしておりますけれども、そういう点で仮に問題があるとすれば、リゾートによって自然環境が破壊されるということは許しがたいことであろう。ただ、何と申しますか、そういう自然環境の一面、利用の増進といいますか、そういうものと自然環境の保全との調和というのを一体どういうところでとっていくかというのは、現実の対応としてはかなり難しい問題もございますけれども、今先生から御指摘がございましたような、私は自然環境を犠牲にしてまでそれをつくるべきだとは思っておりませんが、もし仮にそういう問題があるとするならば、やはりこれから関係省庁とも十分話し合いながら、その点については問題ないようにしていかなければいけない。  私どもことしで五年になりますものですから、関係各省とも語らい合いながら、先ほど先生から御指摘がありましたリゾート法の言うならば制定の原点に立って、関係省庁とも検討会といいますか、そういうものはぜひやってまいりたい、かように考えております。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野委員 それでは今おっしゃって、法の改正とかそういうことはまだ考えてないようですけれども、しかし具体的に問題が起こっておることは事実上認めておられますが、その中で特に問題なのは国立公園内のゴルフ場の問題なんですね。現在でも既に六十九のゴルフ場が国立公園の中にあります。今ゴルフは大衆化しているということ、そのとおりだと思います一ただ、大体ゴルフ場はこれ以上なくてもいいんじゃないかと思う数になってきているのです、数、広さ。例えば、今大ざっぱに言うと、大体東京都の面積がゴルフ場だそうですから、全国合わせますと。もう平地も少ない。いいところがとられている。特に国立公園の中のゴルフ場なんというのは、やはり再検討すべきじゃないでしょうか。その法律に基づいてこれからっくられようとするゴルフ場が二百六十七ヵ所、三万百六十一ヘクタールあります。その中に二千百二十一ヘクタールという国有林が含まれています。この計画の中にです、十二県、二千百二十一ヘクタール。さらにこれには問題なのは、スキー場もこれはやはり場所によってはかなり自然を破壊する状態があります。これも国有林が大変多い。これは一万一千五百八十二ヘクタール、国有林があります。  こういう形で、いわゆるリゾート法は、国有林とか防風林とか、いわゆる公共性の大変高い農地も含めて使っているわけですね。それを使うのに、実は大きな役割を果たしているのがこのリゾート法です。お金までちゃんと保障してやったり、それはもちろん場所によっては、この法律によって適切ないいところももちろんあることは私は知っております。しかし大筋、特に問題は、ゴルフ場をつくるためにあるような法律に事実上なっている。そこで国有林が主としてつぶされている。先般のフランスの冬のオリンピックも、スキー場を新しくつくったのではなくて、今まであるところを利用して、自然破壊になるので、今までのところを何とか生かしてやろうということで競技が行われているわけですね。そういう状態にまで来ている。ところが日本の場合には、もうそういう配慮というのはほとんどなくて進んでいるという状態ですから、これは何とかしなければならぬと思いますが、これは国土庁長官、どうでしょうね。

東家嘉幸自由民主党国土庁長官

○東家国務大臣 確かに、大衆化された今日のゴルフ人口も多いわけでございます。さりとて、私もいろいろな角度から、さてではどれだけの数があればそれだけのゴルフを楽しませることができるかということの、その数の面においてはやはり全体的にもう一遍再調査する必要があるんじゃないだろうか。最近に至っては、余りにも数が多過ぎまして、地方では採算がとれない、倒産の状況に追い込まれているところも出てきているわけです。だからやはり、それぞれの地域地域において、これはリゾートの法の中での問題ということももちろんありましょうけれども、やはり全体的に国土の保全、国土のそうした活用についてももう一遍検討する時期が来ているんじゃないかというふうに私は率直に考えておりますし、なおまた、やはり今度のリゾート法の中で組まれた、そういう計画がやはり後退していることも事実でございますし、しかし反面、もうちょっと拡大してもいいんじゃないかというところもあるやに聞いておりますから、もう一遍そこらあたりは見直すべきは見直し、特にやはりそうした、今お尋ねの国の指定したその地域に対し、国立公園としての景観が余りにもむやみに壊れていくようなこと、それはいかがなものか、私もそのように感じております。  いろいろと申し上げたいことでございますが、客観的に私はそのように考えておるということでございます。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野委員 ぜひこのリゾート法とも関連して、私が申し上げたようなことについて真剣に取り組んでもらいたい、この点を具体的にはさらに次の機会に申し上げていきたいと思います。  そこで、私の最後の質問は、東京湾の問題でございます。  東京湾も海が大変汚れている態、それから青潮、赤潮、いろいろなものが発生して、東京湾漁業というものに大きな打撃を与えている。この点も含めて、今東京湾は大変大きな問題でありますし、この東京湾を粗末にしますと、首都圏全体の環境が大きく破壊される。これは、私ども海というものをかなり軽視をしているという点があるのではないか、こう思いますし、特に東京湾については、中には東京湾で魚がとれるのがというようなことを言う人もいる。認識の大変困った人もいますが、実際は八千人の漁民がそこで生活をし、関東圏にたんぱく質を供給している。もう時間がありませんから細かいこと言いませんが、大変重要な役割を果たしています。それから、自然環境の面でも、温暖化が言われておりますが、この首都圏の温暖化の問題は、やはり東京湾との関連が非常に深い関連を持っているというように思います。  そういうように考える中で、今日まで東京湾に対しては次々と埋め立てをやってまいりました。そして、今干潟とか浅瀬とかいうものは、千葉県の方に盤州というところがありますが、あとはほとんどない。そして、今最後に東京湾の一番奥の方では、船橋と市川にかかわるところですけれども、ここに三番瀬という浅瀬がございます。ここではシジミとかいろいろな魚介類をとっておりますし、それからいろいろな漁業も依然として行われている。そこへ実は今埋め立てをして、片っ方は港をつくろうとしておりますし、片っ方は再開発用地とか、いろいろなことを計画されている。京葉港二期、市川二期埋め立て、この二つの問題があります。  これは、東京湾を何とかしなければならぬというのはかなり前から言われていることでありますし、それからこの東京湾の自然破壊といいますか、東京湾をもっときれいな水にして、いわゆる関係する都県民の共有財産でもあり、また憩いの場でもある、そういうものに戻していこう、こういうことは当然これからさらに考えられなければならぬことなんですけれども、今東京湾の奥の方で一番重要な三番瀬がつぶされようとしているわけです。これについては、自民党の環境部会も現地を見まして、これはつぶしてはいかぬ、こういう意見を発表されていますが、これについて、少なくとも私は、この三番瀬を中心にした漁業について、この自然を守っていかなければならぬと思いますけれども、一体この京葉港二期、市川二期の埋立計画というものは、そういう観点は全然ないように思われるけれども、どうでしょうか。

近藤徹建設省河川局長

○近藤(徹)政府委員 今お話しの中で、市川二期埋め立ての構想のある区間につきましては、一般海岸でございますので、公有水面埋め立てに関する手続につきましては私どもの所管となると存じますので、お答えさせていただきます。  この市川二期地区の埋め立てにつきましては、現在免許権者である千葉県知事に対してまだ埋立免許の申請がなされていない段階ということで、まず御承知いただきたいと思います。したがいまして、これからの先は一般論として申し上げさしていただくわけでございますが、公有水面埋め立てにつきましては、公有水面がそれ自体、国民の貴重な財産であるという理念のもとに、公有水面埋立法の定める手続によって認可する、こういうことになるわけでございますが、この埋め立ての免許に際しましては大変厳しい基準を設けております。一つは「国土利用上適正且合理的」であること、「其ノ埋立ガ環境保全及災害防止ニ付十分配慮セラレ」ていること、「埋立地ノ用途ガ土地利用文ハ環境保全ニ関スル国文ハ地方公共団体ノ法律ニ基ク計画二違背セザルコト」等々となっておりまして、私どもはこれに基づき、適正な計画である場合に免許の許可をするよう知事を指導する立場でございますので、そういう観点から公共の利益に寄与するよう慎重に対処してまいりたいと考えております。

木本英明運輸省港湾局計画課長

○木本説明員 京葉二期の港の方の関係は運輸省の所管でございますので、お答えさせていただきたいと思います。  今御指摘のありました京葉港二期の計画を含みます千葉港の港湾計画でございますが、先般、港湾管理者である千葉県の方から、港湾法に基づきまして運輸大臣の承認が必要なものですから、十日ほど前でございますが提出されておるところでございます。運輸省といたしましては、これから港湾審議会の意見を聞きまして、港湾の開発利用・保全にかかわる基本方針だとか、あるいは計画基準等がございますので、そういったものに適合するかどうか判断をしていく、こういうことになるわけでございます。  今御指摘のありました三番瀬との絡みでございますが、私ども港湾管理者からいろいろお聞きしているところでは、確かに京葉二期計画の港の計画で、三番瀬の一部が計画の対象区域になっておるということでございますが、この区域で漁業が営まれていることについてはそのとおりでございますが、千葉県の方で今回の計画を策定するに当たりましては、地元漁業者の御意見を聞きながら必要な調整を行った上で、いわゆる三番瀬への影響に極力配慮した埋立計画とし、漁業者の御了解も得ている、こういうふうに聞いておるところでございます。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野委員 建設省、この東京湾との関連では、大臣、同じ埋め立てやるにも港湾区域は運輸省、そしてその他は建設省とあるし、それから環境問題もあれば環境庁がもちろんあれなんですけれども、それからもういろいろな東京湾対策、一つのところじゃないんですね。ばらばらなんですよ。ばらばらなものですからばらばらに計画が出てくる。例えば今の問題でも、建設省の方はまあこれから、千葉県からまだ出てきてないからと言うんですが、具体的には片っ方のところはもう運輸省に上ってきているわけです。だから、地方港湾審議会を経て中央の港湾審議会にかかる、三月末にはそうなる、こういうことなんです。  ただ問題は、その場合に、計画をつくる際にまず、大事な共有財産といいながら、公有財産といいながら実は県民の立場にはほとんど説明がない。私もきょう質問するので、やっと必要な書類が手に入ったというその程度です。まずこの今の時代に、これだけ大きな埋め立てをやる、東京湾を何とかしようというのに、このいわゆる県民、住民の立場での意見は聞かれてない。確かに漁民に対しては、補償をやれば漁民は納得をした人たちもいるでしょうし、それはもうお金の問題が絡みますから大変難しい問題はありますけれども、しかし問題は、環境を守るという意味で、この埋め立てをやれば、配慮したと言うけれども、この浅瀬の三番瀬という漁場は三分の二がつぶれるのですよ。三分の一も後で漁業ができるかどうかというのは、これは問題です。どんどん海が汚れますし、大型船が入ってくる状態ですから、とてもそんな漁業を続けられるような状態ではないだろう、私はこう思います。  そういう意味で、この環境を守るという立場で、環境庁はもっとちゃんとした意見を言わなきゃならぬと思うのですけれども、環境庁はこれに対してどう対処しようとなされているのか、お伺いをいたします。

小島敏郎環境庁企画調整局環境影響審査課長

○小島説明員 お答えいたします。  まず京葉二期の方でございますが、先ほど運輸省の方からお話をされましたとおり、港湾計画につきまして現在運輸省の方から資料をいただいております。港湾審議会にかかります場合には、環境庁もその委員として関与しておりますので、現在その計画書及び計画作成に際して行われた環境影響評価に関する資料というものをよく見さしていただいているところであります。したがいまして、環境庁といたしましては、審査結果を踏まえて、必要に応じて環境保全上の観点から港湾審議会で意見を述べるということになるかと思います。  それからもう一つ、市川の方でございますが、先ほど建設省の方からお話がありましたように、まだその計画として申請がないという段階でございますので我々も承知をしておりませんが、一般論といたしましては、五十ヘクタールを超える埋め立てというものにつきまして、公有水面埋立法に基づいて主務大臣が認可を行う際に環境庁長官の意見が求められることになっております。したがいまして、市川二期計画について意見を求められた場合には、これも環境保全上の観点から適切に対処していくということになろうかと思っております。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野委員 それでは、時間がなくなりましたので残念ですけれども、要望とそれからもう一問だけちょっとお聞きしておきたいと思いますが、運輸省がこの問題を認可をするに際してもっとやはり改めなきゃならぬと思われるのは、運輸省に港湾審議会にかけてくれという形で出される前に、もっと計画を公にして、そして広く意見を求めるべきでありますし、環境アセスメントというのは、埋立免許申請の際には環境アセスメントをつけなきゃならぬということになっているけれども、本来は計画をつくる段階に環境アセスメントをやらなきゃいかぬのじゃないだろうか。  大体今までの環境アセスメントというのは、いわゆる埋立免許申請のためのアクセサリーみたいな格好になっている。ちょっと極言かもしれませんが、そういう嫌いがあります。したがって、港湾審議会なり地方港湾審議会なりが議論する段階には、環境アセスメントは、全体の港の問題から具体的な海の自然の問題、漁業の問題などを含めてアセスをきちっとやるべきじゃないかと思うのですね。これをこれからやることをやはり考えなきゃいかぬのじゃないか。そして情報の公開、それから住民の意見を十分聞く、こういうことをしなきゃならぬと思いますが、その点についての配慮を運輸省は考えているかどうか。  それから、環境庁はもうちょっと積極的に問題点を出してもいいんじゃないか。今東京湾に残された唯一の浅瀬、アサリとかシジミがとれる場所がつぶれてしまう、こういう状態ですから、環境庁は単に出てきたものを審査するということよりも、積極的に環境を守るという立場で対処すべきじゃないかと思いますが、運輸省と環境庁にもう二言、そのことをお聞きしたいと思います。

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 答弁は簡潔にお願いします。

木本英明運輸省港湾局計画課長

○木本説明員 港湾計画の段階の環境アセスメントについては、港湾の開発利用・保全にかかわる基本方針でもきちっとアセスメントをするようにということが義務づけられておりまして、港湾計画の計画内容とともにそういったアセスメントの図書といいますか資料も添えて、資料を作成して運輸大臣に提出される、それをまた港湾審議会に提出していろいろな角度から御議論いただく、こういうふうになっているわけでございまして、そういった意味では、我々としてはきちっと従来からやってきておる、こういう認識でございます。

小島敏郎環境庁企画調整局環境影響審査課長

○小島説明員 お答えいたします。  アセスメントの観点から早い段階でといいまと、計画段階でのアセスメントということでございます。そのうちの一つが港湾計画におけるアセスメントでございますけれども、環境庁といたしましては、できるだけ早い段階で環境上の配慮がなされるということが適切だというふうに思っておりますので、引き続き早い段階での計画段階における環境配慮のあり方についても検討してまいりたいというふうに考えております。

上野建一日本社会党・護憲共同

○上野委員 どうもありがとうございました。  なお、引き続いてこれらの問題については議論を進めていきたいと思いますので、どうぞよろしくお願いいたします。

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 午後零時三十分から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二分休憩      ――――◇―――――     午後零時三十五分開議

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。渋谷修君。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 まず、国土庁長官の所信表明に関連いたしまして御質問を申し上げたいというぐあいに思うのですが、先ほどお話を伺いました国土行政の基本施策に関する所信表明でございますけれども、地価についてですが、大都市圏の地価水準は依然として高水準にあって、これを適正な水準まで引き下げなければならない、さらに、二度とそうした「地価高騰を生じさせないための制度的枠組みを確実に構築する必要」があるという文言がございます。  高水準ということになりましたら、この高水準というのは一体どういった基準をベースにいたしまして高水準ということを言うのか。あるいは、適正な水準ということがございますけれども、どういう基準をもって適正な水準と言うのか、このことについてまずお伺いしたいと思います、

鎭西迪雄国土庁土地局長

○鎭西政府委員 先ほど国土庁長官の所信表明にもございましたが、政府として昨年の一月二十五日に総合土地政策推進要綱を定めたところでございまして、それに「土地政策の目標」ということで三つばかり目標を掛けておるわけでございますが、その一つが「適正な地価水準の実現」ということでございまして、具体的に申しますと、「土地の利用価値に相応した適正な水準まで」引き上げる、特に大都市圏の勤労者にとって大変関心が深い住宅地につきましては、「中堅勤労者が相応の負担で一定水準の住宅を確保しうる地価水準の実現を図る。」というようにしておりまして、今回の地価高騰によりまして、相当大都市圏を中心にいたしまして住宅地、商業地、高騰したわけでございます。  おかげさまで、一昨年の秋以降から徐々に鎮静化、下落の傾向が見えてまいっておりますけれども、特に東京圏、大阪圏を中心にいたしまして、この土地政策推進要綱で目標にしております地価水準を考えますと、やはり相当高水準であると言わざるを得ないということで、引き続きこの目標に向けまして諸般の対策を力を抜くことなくやっていくというのが、現在の政府の考え方でございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 今御答弁の中で、適正な地価水準について、利用価値をベースにした地価に引き上げるとおっしゃいましたが、引き下げるですね。(鎭西政府委員「失礼、引き下げるでございます」と呼ぶ)引き下げるということだと思いますが、そういうことでいいますと、具体的な地価の金額というものは、これはもうそれぞれのとる地点によって違いますから、簡単に比較するわけにはいかないでしょうけれども、一般に言われている、大体都市部においては二倍から二・五倍というところまで上がってしまった。これが、もちろん一部下がっている地域もあるけれども、依然として高水準にある。  そうしますと適正な水準、なかなか利用価値とかあるいは収益価値ということでの評価というのは難しい点がありますけれども、大体何年ぐらいの時点までに引き下げるのが適正な水準ということが言えますか。

鎭西迪雄国土庁土地局長

○鎭西政府委員 ただいま委員御指摘のとおり、今回の地価高騰によりまして、高騰前に比べまして、ピーク時で東京、大阪圏の住宅地は約三倍弱ぐらいに上がりました。私どもが昨年十二月二十日時点で臨時の地価調査をやりまして、その結果で申しますと、大体現在二・一二倍ぐらいに、これは住宅地でございますが、なっているんじゃないかというように考えておりますので、高騰前に比べましてまだそのぐらいの水準である。  しからば、どういう水準を目標にするのか。ただいま御指摘のように、私ども考えておりますのは、例えば一番条件の厳しい東京圏の場合、都市の中堅勤労者の年収の五倍程度で住宅が確保し得る、そういう地価水準というものを目標にいたしておりまして、やや具体的に申しますと、東京圏の場合一世帯当たりの勤労者所得というものが大体七百七十万円ぐらいでございますので、これの五倍程度といいますと四千万程度というものを、できますれば一時間半程度の場所で一定の広さを持った住宅規模のものを取得できる、こういう地価水準に持っていきたいというのが率直なところでございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 今お伺いしましたのでもう一点、今度の高騰前の水準、例えば昭和五十七年あるいは五十八年ですね、中曽根内閣の民間活力の導入で規制緩和が一つきっかけになって今度の地価高騰が起こったと思いますけれども、その前の時点ぐらいまで戻すということなのか、あるいはそうではなくて、今おっしゃったような一つの勤労者世帯の水準をベースにして考えるということなのか、そこをもう一度お伺います。

鎭西迪雄国土庁土地局長

○鎭西政府委員 一応、今回の地価高騰が始まります前の昭和五十年代の後半におきますと、一番条件の厳しい東京圏、大阪圏においても何とか六倍前後、五、六倍程度で住宅が取得できるようなそういう価額水準であったというのが、民間の幾つかの諸調査でございます。これからいたしますと、その後、まあ大体私ども今回の地価高騰が始まります前の五十八年時点を一応基準年度として考えておりますけれども、その後の趨勢はGNPなり勤労者所得が大体一・五倍程度は上がっておりますので、そのくらいの地価水準になりますれば一応今回の地価高騰が始まります前の相対関係は実現できるだろうということでございますので、若干これは今先生御指摘のように、いろいろな場所によって大分地価と建物の相対関係は違いますけれども、やや割り切って申しますと、現在二・一、二倍ぐらいしておりますものを一・五、六倍程度までに引き下げるということは必要だろう、かように考えております。  最近の地価の動向を考えますと、私自身はそんなに非現実的な期間でなくて、現実的なタームの中でこの水準の実現というのは可能ではないか、かように考えているところでございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 長官、今のお話がございまして、それからもちろん所信表明の中にも、依然として高水準にあるということでの指摘であるわけでございますけれども、実は昨年の十二月に不動産業向け融資の総量規制の解除がございました。それで、土地問題の特別委員会でその問題についての背景あるいは問題点を実は指摘したいと思ったのですが、委員会が開かれずに、そして行政のレベルだけの判断で実はこれが解除されたわけであります。この不動産業向け貸し出しの総量規制の解除に当たりまして、当時もそれぞれいろいろな形での新聞での報道がなされまして、例えば自民党の幹事長が解除しろということでの発言をする、あるいは各大臣がそれぞれ発言をする、建設大臣もそのときには早期に撤廃をということが記事になっております。しかし労働大臣は、依然として地価水準は勤労者が働いて土地を買えるまで下がっていないので、総量規制を外してほしくないといったような談話も当時出ているのですね。  土地政策について総合的に判断しなければならない国土庁が、その時点で実はそういった意味での談話とか見解とかというのが出てないのですね。長官、これは当時の非常に重要な問題だと思うのですね。後ほど若干のいみいろなやりとりはさせてもらいたいと思いますが、この総量規制の解除に当たって、国土庁としてはどういう判断をお持ちだったのか、お伺いしたいと思います。

東家嘉幸自由民主党国土庁長官

○東家国務大臣 その前に、一参議院の方がございましておくれて恐縮でございました。  それぞれの立場、立場からの各大臣からの御意見等がいろいろございまして、これは新聞にも報道されたことでございますが、国土庁として今近々の地価調査をし、なおかつ、長期的な見通しで総量規制を緩和する、しないの問題については鋭意検討しているときだけに、それぞれの意見は差し挟まないでほしいということを私は申し上げたことがございました。それは記事にもなっておりました。がしかし、私どもはこの総量規制を撤廃するについてはやはりそれぞれの実勢、実態を知らねばならないということで、各それぞれの団体の皆さん方と鋭意協議をいたしました。  そのときのそれぞれの御意見の中で、もう総量規制を解かなければむしろ土地が上がるんだという意見さえもあったわけです。それは、金融機関でやはり融資をとめておりますから、手持ちの土地を放出するにも放出できないんだ、緩和していただくならば私たちは放出しますというような意見等々もあり、それはなるほどだという実態を私たちは知ったわけでございますし、なおまた景気の動向から踏まえ、土地の長期的な見通しというもへも立てました。その中に、今日もそうでございますが、当時の判断としては、やはり高騰したときは、おのおの時期は違いますけれども三大都市圏で三倍にも相なったわけでございます。今約二倍程度に落ちついておりますが、私たちは、長期的な見通しては先安感というものはあるので、これからも当分はとても上がるものじゃないというような予測をいたして、そうした緩和の提言を申し上げておりましたが、今もそのとおりの、私たちの判断は誤りではなかったというふうに思っております。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 今長官のお話の中で、幾つか実は議論しなければならない点があるのですが、限られた時間ですから、例えば総量規制の問題については、そもそも景気対策云々で導入されたものではないのですね。それが、景気対策に対する配慮で総量規制を撤廃するなどという話は、実は論理的に全然合わない話なんですね。あくまでも、これは土地対策ということで考えなければならない、臨時応急の処置としてこの総量規制は導入されたわけですから。  実は私も、未来永劫この総量規制を続けなければならないというぐあいには考えてはいないのですね。しかし、先ほど長官の所信表明の中にもありましたように、依然として都市の土地の状況というのは高水準にある。今お話がありましたが、いろいろな団体を呼んで話を聞いたけれども、今のままだったら土地が上がる可能性もある。これは、一度そういう団体の方に会って話を聞いてみたいと思いますけれども、高値で土地を買った人あるいは企業、銀行、これが現実問題として資金の意味での支援が得られなくなってくる。そうなりますと、これはもう当然持ちこたえられなくなって、土地というのは出てくるのですね。将来的に上がるという有利性があれば、これは保有していくんです。少々の金利だってかけて保有していくわけですから。そういう構図だということは、この間もいろいろな場の議論の中でこれは明らかになっていた点でありまして、今のようなお話というのはちょっと解せない話だな、土地政策を総合的に担当する長官の話としてはちょっと解せない話だなというぐあいに思います。  いずれにせよ、昨年のそういう状況の中で、国会で行政側の取り組みについてただす場がなかったものですから、私の方から質問主意書を出しまして、この問題について詳細にわたって大蔵省あるいは政府の方からお考えを聞きました。しかし、幾らこの形で答弁書をいただきましても、なぜ十二月の時点で総量規制を解除しなければならないかという理由、根拠については全く明らかにならない。先ほど所信表明のところでも、「二度と地価高騰を生じさせないための制度的枠組みを確実に構築する必要があります。」もちろんこれだけが特効薬じゃないわけでございまして、総合的な施策は立てなければならないということは、これはコンセンサスです。やらなければならないということでの総合的な政策を打ち出してきたのですね。そして去年の十二月には都計審の最終答申が出まして、例えば土地の利用についての制度的な見直しもしていこう、今国会には法律がかかるということも明らかになっていたわけじゃないですか。  それならば、例えば今国会でそういう議論がされる、あるいはその法律が一定のめどが立つというところまで、この総量規制というものは当然継続すべきものでなければならなかったのではないか。あるいは土地の趨勢について、もう少し見通しがはっきりするまでこれは続ける必要があったのではないか。いずれにせよ、十二月の時点でこの総量規制を解除しなければならなかったその理由、根拠、そしてその決断をしました政策決定についての責任の所在ということを明らかにしていただけますか。

東家嘉幸自由民主党国土庁長官

○東家国務大臣 今説明が不足したかもしれませんけれども、景気の動向によって私どもは解除に踏み切るとがの考えは全くございませんでした。なおまた、その前に申し上げました、やはり緩和をしてもらわないと、担保に入った土地を放出するにもされ得ない状況に追いやられた土地所有者がたくさんおられたわけです。それで融資を受けて、そして返済することによって土地を放出することができるんだという、そういう意見を我々は随分と聞かされた。これは、そういう面もあったということを私は申し上げているのです。  それとまた、その解除に踏み切る金融機関としての財政当局に我々はその点を提言する立場で、決定を我々がなし得る問題ではございませんが、先ほど申し上げましたように、将来に向けて土地は当面高騰しない、下落傾向になるという我々は自信を持って解除の提言をいたしたわけでございますから、今、今日下落しているということの現実というものは、我々の予想のとおりであったということをつけ加えてまた申し上げます。

鎭西迪雄国土庁土地局長

○鎭西政府委員 若干補足させていただきますと、まず委員も御指摘になっておられますように、総量規制を始めましたのは平成二年の四月からでございまして、これはあくまでも異常時に対します非常緊急の措置として導入したわけでございまして、その後昨年の一月に、先ほど申しました総合土地政策推進要綱を閣議決定したわけでございますが、その要綱の中でも、これはあくまでも非常緊急の措置だということで当面は実施する。しかし実施しないこととなった場合にも、これだけ今回の土地高騰の背景に金融問題ということがあったという経過を踏まえまして、一たんそのおそれが生じた場合にはタイミングを逸することなく再度総量規制を効果的に発動される、いわゆるトリガーと言っておるのでございますけれども、そういう仕組みを創設することが必要であるというように認識をしていたわけでございます。  そこで、私ども去年の暮れに土地対策関係閣僚会議の場でもいろいろ御議論をしたわけでございますが、その前の七月の地価調査、それから最終的な私どもの昨年の十二月二十日に公表いたしました臨時の地価調査、これによりまして、三大圏を中心にいたしまして下落傾向が顕著になってきた。それから、七月の調査ではまだ若干ブロック都市あるいは県庁所在地を中心にして上昇していた地域もございましたが、そういう都市におきましてもほぼ鎮静化ないしは一部地域では下落してきた、こういう地価の動向。それから、金融政策の所管省庁でございます大蔵省の方で、全般的な金融経済情勢あるいは金融機関の融資動向、外した場合に、かつてのように前期比二割、三割増で貸し込むような状況に融資機関の窓口がなっているのかどうかという問題でございますね。それから、住宅宅地供給の責任官庁でございます主として建設省サイドでございますが、このまま継続いたしますと優良な住宅宅地提供に支障を生じかねない、総量規制を口実にしていろいろな対応があったようでございまして、そういう問題。それから私どもの地価の動向、それと税制、金融、利用計画を含めました土地政策全般の推進状況というものを考えまして、土地閣の場で総理の指導も受け、大蔵省当局において最終的に解除の決定というのをされたわけでございます。  ただ、先ほども申しましたように、政府全体としてこれから土地政策の目標に向けて構造的、総合的な政策を推進していく熱意、それから必要性というのはいささかも衰えてないわけでございまして、銀行局長通達を出し直されまして、トリガー方式の設定あるいは融資機関におきます審査業務の充実強化、担保評価の適正化あるいは投機資金の排除を目途にしたヒアリング等々の、一連の土地関連融資についての厳正な指導というのは、引き続き行っていくという体制をとられまして今日に至っているわけでございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 今いろいろお話をいただいたのですけれども、そもそも総量規制といったって、大臣、土地に対して一切融資ができないという話ではありませんからね。融資全体の増勢下に土地に対する融資を抑制するという話ですから、土地の取引が非常に有効なものであり、あるいは計画もしっかりしていれば、金融機関は当然それに対して貸していいわけだし、そのことについては大蔵省はそこまで制限するという話じゃないですね、そもそも。そうですね。  ですから、先ほど大臣が言った、放出することもできない云々という話は、これはまさに高値でつかんだ人でしょう。安く売ることはできないという話ですよ。これは投機に踊った人たちの話でしょう、言ってみれば。それは投機に踊った人たちが、自分が支え切れない、自分が金利も払えなくなった、結果として企業はだめになるかもしれない、それはまさに投機に踊った責任が自分に返ってきている話じゃないですか。それを助けるなんという話は、私は基本的に大臣の話はおかしいと思いますよ。  それで、九〇年のエコノミストですけれども、もう前の話です。   大蔵省の指導で、四月から不動産向け融資の  総量規制が行われる。東京地区から始まった今  回の地価高騰も地方まで波及が進んで全体とし  て頭打ちとなる日も近いと思われるが、 もうその時点で予測されているのですよ。  不動産業に対する貸し出しを総貸し出しの伸び  以下に抑えるという規制を今ごろ実施するとい  うのはいかにも手ぬるいとの感じは否めない。 そういう指摘がもうその時点にあったのです。いつも政府の対策というのはこういう問題は後手です。対策は後手、そして成果が上がらないうちにさっさと引き揚げるのですよ。そういうことが私としては、総量規制の解除がなぜ十二月でなければならないのかということが、どうしてもその根拠が今のお話を伺ってもよくわからない。  あともう少し本当は議論したいところですけれども、後の予定がありますから、この問題にそんなに時間を割くわけにいきませんけれども、業界団体からの要望があり、今大臣がおっしゃったところは本音だと私は思うのですね。そういう要求があったから、それは国土庁としても、一方で土地対策に対する総合的な官庁でありながら、それは業界からはいろいろな要望がある、あるいは団体からの要望がある、それに対して配慮しなければならない。大臣がそうおっしゃったのは、多分本音の部分だと思うのですね。そういうことについて、もちろんそういう要望があったからといって国の施策がねじ曲げられたなどということを言うつもりはありませんけれども、国土庁の姿勢にどう考えてもちょっと腑に落ちないなという点があることが時々感じられるのですね、今度のこういう問題についても。  あえてそれと結びつけて申し上げるつもりはありませんけれども、今度自民党の比例区で国土庁の事務次官をやられた方が立候補いたしますね。事実確認だけでいいのですが、お名前とそれから比例区で出るということについては、今確認いただけますか。

藤原良一国土庁長官官房長

○藤原(良)政府委員 お答えいたします。  三代ぐらい前に国土事務次官をやっておりました清水達雄氏が、比例代表区で立候補するやに伺っております。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 大臣は同じ党ですから、この清水さん、元国土庁の事務次官ですけれども、自民党の公認として比例区に出られるのですか。

東家嘉幸自由民主党国土庁長官

○東家国務大臣 そのように承っております。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 よもや清水さんは、例えば建設業界、不動産業界の全面的なバックアップで出るなどということはないでしょうね。

藤原良一国土庁長官官房長

○藤原(良)政府委員 その辺詳細に存じ上げているわけじゃございませんが、住宅産業、不動産業、そういったところの御推薦もあるやに聞いております。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 建設省にいたときには不動産業課長もやっておられますし、もちろん建設省の中で役職も長いわけですけれども。  大臣にお伺いしますけれども、比例区に出るということになりますと相当程度党員を集めなければならないという話を聞いていますが、それは事実ですか。

東家嘉幸自由民主党国土庁長官

○東家国務大臣 それは私が答えるべき問題ではないと思いますから、党に聞いていただければと思います。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 では、それは党の方でまた改めて調べるということにいたしまして、私が聞いているところですけれども、それは違うということであればいつでも正確に否定していただきたいのですが、既に昨年の段階で二十万人ぐらいの名簿を用意して党の方に提出をしている。当然、二十万人の党員ということになれば党費も必要になるわけでありまして、党費は年間一人四千円ぐらいと聞いておりますから総額八億ですね、ざっと計算すればですよ。正確かどうかは別です。これは、不動産業界あるいは建設業界が相当程度バックアップをして応援をしているというような話を聞いておるのですね。これは事実と違ったら、それは違うというぐあいに明確に言ってください。いずれにせよ、こういうことが国土庁の、先ほど言った総量規制の問題などについても、そういった意味での客観的な判断の中でこういう政策決断が果たしてなされたのかどうかということについて、私は実は疑問を持たざるを得ない。  きょうの実は読売新聞に天谷さんという、この方は元通産省の方ですけれども、「日本型資本主義の改革を」という記事が載っておるのですが、建設大臣、お読みになりましたか。――ごらんになっていませんか。「日本の会社資本主義構造において、ソ連のノーメンクラトゥーラに相当する集団は、「業省族複合体」である。」業省族複合体というのは、業というのは大企業の経営者層、省というのは各省の高級官僚層、そして族議員ですね。この一体となった形で、実は関係産業の利益追求を図る。それで一大ネットワークを形成して、族代議士の議席等々の防衛あるいは業省族複合体の日常的共同作戦事項を行っていく、これが日本の社会経済を非常に悪い方向に持っていくのではないか。だから天谷さんの指摘は、今いろいろな世の中が、国民も含めてですが、新しいニーズを要求しているにもかかわらず、こういう新しいニーズにこういう体制で全然対応できてない。したがって、政治や民間経済システムに及ぶ一大改革を遂行しなければならないという指摘があるのです。  私もこれを見まして、実は今御指摘を申し上げた方が、建設省そして国土庁に来て事務次官を終えて、さらに外郭団体を回って今度比例区に出る。当然族議員になるでしょう。そういう構造が、国民から信頼される国土行政なりあるいは建設行政を行うことが果たしてできるのかということが問われているというぐあいに思うのですが、これはお二人から見解をひとつ伺っておきます。

東家嘉幸自由民主党国土庁長官

○東家国務大臣 まことに心外な質問だと私は思います。国土庁が総量規制の解除をした、不動産業界から何かあたかも圧力を受けて我々が解除したかのごとくとられるような質問は、私はまことに心外でございます。  私たちは、そうした業界、団体、いろいろな角度から、決してその不動産業界だけではございません。この解除をすることは、先ほども局長が説明いたしましたように、やはり供給面も図っていかねばならない。やはり私は、特に先ほど一番著しい高騰をした三大都市圏の都市内のことを中心に御説明申し上げたつもりでございますけれども、そういうようなことと結びつけてとらえられるということは、まじめに真剣に、国土政策をどうあるべきかとして取り組んでおる私どもにとっては、まことに心外であるということだけは申し上げておきます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 建設大臣も、今の天谷さんの指摘について。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 天谷さんの記事を読んでおりませんので、拝見した上でないとお答えすることはできませんが、ただいま委員のお読み上げになった部分だけから、紹介された部分だけから推量いたしますと、族議員という表現がございましたが、それぞれ、先生もそうでありますとおり、国会議員はみずから得意とする分野、政策分野を持っておるのでございます。また、そのことが望ましい方がはるかに大きいのではないかと考えております。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 国土庁長官の心外という言葉は、そのとおり受け取っておきます。いろいろと今後の、当然選挙は先の話ですから、いろいろな動きの中で私なりにもう少し精査をしまして、また必要な機会があれば、その心外という言葉にきちんと対応できるようなお話をぜひ申し上げたいというぐあいに思います。  そこで、所信表明の中でさらに、その前に、土地関連融資の問題について一つだけ確認しておきます。大蔵省の方、どなたか来ておりますか。  これまでの通達を廃止して新しい通達二千四百二十五号を出されておりますけれども、土地関連融資の伸びをやはり常時監視して、これは常時監視するということに通達の中ではなっているようですが、これをやはり定期的に公表するというようなことは必要なのではないかというぐあいに思いますが、その辺は対応、どうなっておりますか。

福田誠大蔵省銀行局銀行課長

○福田説明員 お答え申し上げます。  今回の総量規制の解除に伴いまして、今まで総量規制時にとっておりましたような、三ヵ月ごとの不動産業向け融資の増加額を計数として徴求することは取りやめることになっております。取りやめたわけでございますが、そのかわりに、その把握する方法といたしましては、日本銀行の業種別貸出残高という、月次で精度の高い統計がございます。したがいまして、これを今後利用することを考えておりまして、なお、この日本銀行の業種別貸出残高につきましては、世の中に公表されている統計でございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 それともう一つは、これは平成二年の土地政策審議会の答申なんですが、この中に今の問題も実は関連して出ているのですけれども、「土地担保融資の抑制」ということについて、これは土地政策審議会の答申ですから。「過大な土地担保融資を受けた土地需要が地価上昇をもたらしこれは「実態を踏まえつつ、そのあり方について検討すべきである。」ということになっておるのですが、この「検討すべきである。」というところから、その後どういうような検討が行われているかということについて。

福田誠大蔵省銀行局銀行課長

○福田説明員 お答え申し上げます。  御指摘のとおり、金融機関の不動産担保融資につきましては、かねてより、今回の地価高騰の過程で一部に行き過ぎがあったのではないかという批判を浴びております。しかし、その不動産担保融資のあり方につきましては、例えば信用力に乏しい中小企業、個人の資金調達手段として広く活用されている面もございます。また、どのような担保をどのように評価するか、非常に専門的技術的な問題でもございますので、実務的な検討が必要でございます。  そういうことで、現在全国銀行協会、全銀協におきまして不動産金融に関する研究会が開かれておりまして、昨年十月でしたか、中間報告が取りまとめられたわけでございますが、この三月にも、より最終的な不動産融資のマニュアルというような形で取りまとめられるというふうに予定を聞いております。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 土地高騰のときには金融機関が、中の言葉だと思うのですが、掛け目一〇〇%で融資に応じることも少なくない、あるいは将来的な期待地価でこれを一〇〇%で貸してしまうということで、今金融機関がそういう意味での不良担保を抱えて四苦八苦だなんという話も聞きますけれども、そういうことについて、他の国でも採用している収益還元方式ですね、こうした形での土地担保というあり方をも含めた検討がされているのかどうか、短くお願いします。

福田誠大蔵省銀行局銀行課長

○福田説明員 簡潔に申し上げます。  御指摘のとおり、地価上昇の過程で、掛け目が通常ですと七、八割というのが銀行の掛け目でござけますが、そういう通常の上限を超えて担保権を設定していたというような例もたくさんございました。今御指摘のとおり、今全銀協の研究におきましては、担保の評価方法として収益還元法、そのほか原価法、取引事例比較法等のいろいろな手法につきまして比較検討しているところでございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 先ほどの所信表明の中にも大臣、長官、土地情報に関する点がコメントとしてあったのですけれども、私の質問主意書にも土地情報については、土地対策を進める上ではやはり土地情報の総合的な把握というのが非常に重要なテーマであるわけですけれども、これについて答弁書では、学識経験者による検討を踏まえ検討しているといったような答弁をいただいているのですけれども、これはその後どんな展開になっているのでしょう。

鎭西迪雄国土庁土地局長

○鎭西政府委員 ただいま委員御指摘があったとおり、土地政策の的確な実施のためには土地の所有、取引、利用、地価等に関します情報を総合的、系統的に整備することが極めて重要でございますし、またそのための体制の確立ということが非常に必要なわけでございまして、この考え方は土地基本法の十七条にも明らかにされているところでございます。  ただいま御指摘のとおり、私ども現状を見ますと、登記あるいは税務あるいは私どもの地価なり国土調査という部局に、それぞれの行政目的に応じて整備はされておりますけれども、土地政策上必要な情報が必ずしも円滑に得られない、あるいは利活用体制が不十分である、こういう現状にございます。このため、土地政策審議会に専門検討委員会というのを設けていただきまして、御審議を続けていただいたわけでございますが、昨年の十二月に中間報告をいただきました。  これは、土地情報を整備する際の留意すべき事項、あるいは具体的方策として当面どういうことをやっていくべきか、あるいは中長期的課題としてどういう方向で物事を考えるべきかというようなことでございますが、その中間報告を受けまして、私ども関係省庁の大変な御理解、御協力を得たわけでございますが、来年度予算におきまして土地の所有、利用構造を明らかにいたします、私ども土地基本調査と呼んでいるわけでございますけれども、十億円ばかりの予算措置を講じまして、とりあえず土地の利用、所有概況というものを全国的に把握したい。行く行くは、土地センサスという全国的な国勢調査方式によりますきっちりした調査というものを行いまして、これを定期的に更新していくということをやりたい。それから、それの情報の収集、整備あるいは利活用のための独立の組織というものも国土庁につくるということで、これから私どもとしてはこの点にも十分力点を置きまして推進していきたい、かように考えているところでございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 土地情報の整備は、土地政策を進める上で大変重要な点でございますし、既に委員会などでも一九八七年、昭和六十二年ぐらいからこの土地情報の整備の問題については議論をされてきたわけでありまして、その意味ではもう既に五年経過しているわけですから、既にいろいろ取り組んでいるという。ことでありますから、これについてはできる限り力を入れてやっていただくようにぜひお願いしたいと思います。そのときにも、以前から議論になっておりますけれども、中間省略登記だとか、あるいは登記簿に取引価格を記載をするとか、そういった点については、これは幾つかいろんな議論がされていると思うのですが、非常に重要なポイントとしてぜひ検討課題の中で作業をしていただくようにお願いをしておきたいというぐあいに思います。  それでは、建設省の方の建設行政の基本施策に関する所信表明の方でございますけれども、先ほどやはり建設大臣の方から所信表明がございまして、余り時間が残されていないのですが、冒頭のところですね。我が国が目覚ましい経済成長を達成して世界第二の経済大国になった、国民所得は世界の最高水準にあるけれども、住宅事情が厳しかったり、あるいは社会資本ストックが不足しておって国民生活の豊かさに結びついてない。これはまあ読んでみれば当然の話で、で生活大国を月指すということになっているわけですけれども、こういう今の我が国の現状を、これは自然現象でこういう現状になっているのか、あるいはどうなのか。日本語というのはえてして主語がないのですね。なぜこういう結果をもたらしたかということがないのですね。そういうことについての御認識はいかがでしょうか。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 今日まで自民党政権のもとで我が国の国力が充実してまいったことば事実でございまして、そのことは私が冒頭に申し上げましたのでございます。国民一人当たりの所得におきまして世界最高の水準に至っておることは、これは事実だと存じます。ただ、そうではございましても、なお欧米諸国に比しまして住宅・社会資本の整備の面で立ちおくれている面がある。その点は公共投資において整備をしてまいるわけでございますから、政府がさらに一層意欲を持って、かつ責任を持って対処していかなくてはならない。そして、その方向は生活大国づくりという一つの方向を持ちまして、目標を持ちまして取り進めてまいることがいいのではないかということを申し上げました次第でございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 今のお話を伺って、自民党の政策のもとでこういう経済大国になったという話だと思うのですが、まさに私はそのとおりだと思うのですね。政策の選択です。確かにそのとおりです。しかし、政策の選択ですから、別の政策の仕方も実はあったわけでありまして、例えばヨーロッパのように、同じ敗戦国であるドイツや、あるいは戦勝国でもほとんど都市が破壊されたイギリスとかフランスとかいうところについては、同じように戦後復興のときに、これは例えば国民に対する公共住宅の大量供給ということを重大な柱にして、それを重点目標にして進める。我が国においては、昭和二十年代ですが、傾斜生産方式といいまして、基幹産業を中心に経済復興を図るためにそこにすべてのエネルギーあるいは資源、あるいは人的資源もそうでありますけれども、導入をしてきた。その結果ですね、選択の結果。  ヨーロッパにおいては、私も何度も行っているわけじゃありませんけれども、たまに行きますと、例えばドイツなどにほとんど破壊されたような昔の町が再現され、あるいは緑などもほとんどなかったであろうところに、もう四十数年たっているわけでありますから、非常に緑が回復されてすばらしい町づくりが行われているわけですね。これはまさに政策の選択による結果でありまして、ですから私は単純に、自民党がとりました政策がけしからぬなどと言っている話じゃないのですね。それは一つの政策の選択として、野党の責任も当然ありましょうし、問題はここからです。  生活大国を本当に目指すということであるならば、先ほどからお話が出ているように、この公共投資の基本計画、割合でいうとこれまでは五〇%ぐらいの生活環境、文化機能への投資だったけれども、これを六割ぐらいに上げる、この中身をもう少し実際は精査しなければなりませんけれども、今までおくれてきたわけですから。実はこの背景というのは、日米構造協議でアメリカから言われたからやらなければならないというところがちょっとだらしない話ですけれども、本当はそうではなくて、ここまで来たんだから、国民に対して本当に豊かな社会を我々は実現するんだということになれば、当然この中身をもっと吟味して、住宅政策やあるいは社会資本整備についてもっと積極的な努力をするという意欲が具体的な数字の中で明らかになりませんと、生活大国という言葉はほかの党だって使っている言葉ですから、言葉だけが踊るということになりかねないわけですが、そこのあたりは、大臣はどういうお考えでしょう。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 政策の選択の問題だということを言われましたが、例えばヨーロッパやあるいはアメリカでもそうでございますが、我が国と国土条件あるいは社会条件等がおのずから異なっているわけでございます。私が初めて欧米に参りましたのは一九六二年でございましたが、そのとき既に社会資本の差は非常に大きなものがあったわけでございます。それが相当程度キャッチアップしているということも事実でございます。  我が国のような三十八万平方キロの、そして峨々たる山脈が大半を占めている国土におきましてこれだけの産業集積をつくっていくということに当たりましては、かなり思い切ったインフラの整備が行われてまいったわけでございまして、そういった観点からの社会資本の整備は、私は決しておくれをとっていなかったと考えるのでございます。そのことが今日の経済力をもたらしたと確信をいたしておるのでございます。  そうではありますが、さらに一層国力を充実してまいりたい、そしてそのことを通じまして国際貢献もいたしたい。そしてその国力充実の方向は、今までどちらかといえば産業のインフラ整備に重点が置かれておった嫌いなしとしませんから、これは生活大国づくりの方向でこれをやっていこうではないかということを四全総で決めたのでございまして、日米構造協議で決めたわけではございません。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 今の部分については、また改めて別の機会にいろいろと大臣の御見解を伺う機会を持ちたいと思いますが、これは今度の国会で、建設委員会としては非常に重要な法案ということでいずれ提案されることになります都市計画法の改正問題ですけれども、具体的な法案はまだ先に明らかになるわけでありまして、中身について議論するというわけにはなかなかまいりませんが、既に都計審の最終答申が明らかになりまして、その中でも一番重要な点だと思っているのは、実は今生活大国の問題でお話を申し上げましたけれども、これを具体的に実現をしていくときに、国がこういうレベルでということで国が決める、何でも国から与えてあげるということではなくて、ヨーロッパにおいては当たり前になっていますけれども、また我が国でも、自民党の中でもそういう議論が行われているやに聞いていますけれども、やはり分権化の方向へ進めるべきじゃないか、市町村等の基礎自治体でやるべきことはどんどん権限を委譲すべきではないかという議論があるわけです。  都計審の最終答申の中にも、都市計画決定の手続について説明がございますけれども、答申の内容がございますが、そこでも市町村への権限の委譲をもっとするということ、それから地域住民のコンセンサスを得るための住民参加、この具体的手続をきちんとしていこうというような指摘があるわけですが、これに対しては建設省は今どういう検討を行っているか。さらに、地方分権化という意味で、その末端基礎自治体にできる限り権限をおろすということについては、大臣はどういう御所見をお持ちか、お伺いします。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 このたびの都市計画、建築規制制度の見直しにつきましては、平成三年一月二十五日に閣議決定されました総合土地政策推進要綱等に基づきまして、先ほど来御議論があっておりました金融面、税制面の施策とともに、総合的な土地対策の一環として今回の見直しを行おうとするところでございます。  そこで、その見直しに当たりましては、地方公共団体を含めた幅広い構成員から成ります都市計画中央審議会におきまして一年間検討をいたしまして、昨年の十二月に答申をいただいたところでございます。また、八月には中間報告が公表されまして、私は十一月になりまして就任いたしましたが、その後の臨時国会におきましても、さまざまな御議論がこの中間答申についても行われたことを記憶いたしておるのでございます。したがいまして、審議会としても、国会における議論等を踏まえまして十分審議が尽くされたと考えております。そこで、現在この答申を踏まえまして、都市計画法並びに建築基準法の改正について慎重に検討いたしておるところでございまして、間もなく国会に提出をいたしたいと考えているのでございます。  なお、先生御指摘の地方分権ということは、この問題に限らず、今後の我が国の施策全般の中で真剣な検討、取り組みが行われていく課題であると考えております。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 そこで、実は時間が余りないのでできる限り手短にぜひお願いしたいと思うのですが、今各地方自治体でいろいろな種類の条例がつくられたり、あるいはこれはつい最近の新聞ですが山梨県で、景観条例が山梨県にあるのですが、開発業者が訴訟を起こしまして、結果として、この記事による結論からいえば、県側が負けたということなのです。実はこういう条例が、ここの記事では景観条例は五十三自治体ということになっていますが、あるいはそのほかのいろいろな各地で、例えば真鶴だとか湯布院だとか、私が知っている限りでも例えば岡山県の美星町というのですが、美しい星空を守る光害防止条例だとか、あるいは掛川市の生涯学習まちづくり土地条例だとか、いろいろな条例ができているのです。こういう条例が地方自治体でどんどんつくられるということの背景を、建設省はどのように認識しておられるのか。それと、こういう条例は建設省としてはいいことなのか悪いことなのか、お伺いしておきます。

立石真建設省住宅局長

○立石政府委員 お答えいたします。  初めに山梨県の件でございますが、山梨県では景観条例というのを定めております。これに対しまして、開発業者がリゾートマンションを建築しようとしたときに、景観条例で定められている高さ規制を求める行政指導に対して原告が協力しながったということから、建築確認処分を留保したものでございますが、建築確認の処分の不作為というのは違法であるということが確認された判決であると存じておるところでございます。  一般的に、都市計画区域内でございますと、景観等につきましては良好な町づくりを図るための制度として、例えば都市計画法、建築基準法では用途地域、地区計画、美観地区、建築協定等、いろいろな制度が設けられているところでございます。また、これらの制度の中には、地方公共団体の条例によりまして、地域特性に対応して建築規制を行うというような制度もありまして、通常はこれらの制度を活用して地方公共団体が町づくりに対応しているというのが現状でございます。  ただ、都市計画区域外のような場合には、都市計画区域内の建築物の規制が及ばないわけでございまして、例えばリゾートマンション等が建ちますと、土地利用あるいは用途や形態についての制限がない。そこで、山梨県等は景観にかりた条例、景観という名前の条例を定めたわけでございますが、都市計画区域外では、市街地といいますか町並みの環境の悪化とか土地利用の混乱を招くという問題が生じておるわけでございます。こういう意味では、都市計画区域外では建築規制が不十分であったという指摘があるのも承知しているところでございます。条例等で規制している内容にはこういう場合が多いだろうと思っております。  そこで、このような状況を踏まえまして、昨年十二月、建築審議会の答申におきまして、都市計画区域外での建築規制の充実を図るべきであるという指摘もなされております。これらの地域における適切な規制方策を検討していきたいと思っているところでございます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 今のような形で、現行制度にやはり幾つか欠陥もある、それについては手直しをしていかなきゃならないというようなことのようでございますから、それはそれでよくわかるわけでございますけれども、地方に条例ができることについて、建設省の課長補佐の方ですから名前はあえて申し上げませんけれども、自治体でそういう条例をつくることについて、今の法制度の中で十分対応できる手段というのは全部そろっているんだ、自治体にとって必要なのはビジョンづくりだ、権限が足りないという不満があるようだけれども、現在の制度が十分理解されてないからではないかといったような指摘がありますが、私はあと余り時間がありませんから、いずれこれは改めて都市計画法の改正問題のときにじっくりと議論したいと思いますけれども、今申し上げましたような、条例がたくさんできるということは、実は今の制度では、末端自治体では次々起こってくる。  例えば都市化の問題あるいは新たに起こる問題について対応できないから、地域住民の合意形成の中で、自治体が勝手につくるということはないですね。いろいろな人たちが、専門家が入りまして、そして例えば条例なり指導要綱をつくるというようなことでございまして、大臣、これは先ほど言いました都市計画法制度を議論する上で今後非常に重要な点だと思うのですね。つまり、霞が関の方は末端自治体に対してやはりぬぐいがたい不信感を持っているのですね。任せて一体どうなるか、権限を任せたってできないじゃないか。  ところが、今や自治体の方が国に対して、国の制度では自分たちの町を守ることができないという不信感を持ち始めているわけです。これも条例によってあらわされているのではないかというぐあいに私は思うのです。特に、国に対する不信の最たるものとして一極集中是正ということはもうずっと以前から議論されてきたことでありますし、これはまた改めでゆっくりと議論をさせていただきますけれども、都市計画法ができました昭和四十三年の議事録をずっと読んでみますと、そこに飾ってある保利さんが建設大臣のときにやりとりされているのですけれども、今ここで議論されていることと同じことを二十年前にやっているのですね。東京に人口が集中して地価が暴騰して大変だ、したがってこうした新たな都市計画法をつくらなければならぬということを、同じことをやっているのです。  ここで根本的に、実は、私どもの佐野憲治さんという当時の議員さんですが、質問の中で展開しておるのが、自治体にもっと思い切って権限をおろしたらどうかということをやっているのですね。しかし国の方は、そういうわけにはいかないということで、今の都市計画制度の実はずっと流れになってきている。今回、約二十年ぶりの改正ということでありますから、これは大臣、今申し上げました条例をどんどんつくらなければならない、つくらなければ地域を守ることができない、町を守ることができないということでの自治体のある意味では意欲的な姿勢なわけですから、これは自治体の考え方を十分聞くという機会をぜひつくるべきではないかというぐあいに思います。  もちろん審議会の手続を踏んだということは、それはそれでわかりますけれども、やはり法律ができて、こういう法律でやろうとするが末端自治体はどんなふうに考えるかということで議論をしなければならないとすれば、当然これは出されてくる法案についての取り扱いですから委員会で議論するということになるでしょうけれども、政府の側も、この国会で形式的に時間を費やして審議をしたからそれでいいではないかということではなくて、できれば末端自治体が十分にこの問題について参画をし、こういう内容だったらいい、今現実に、例えば権限をおろせという声もあるわけですから、そういうことについての十分な世論喚起をするような場をぜひつくるべきだ、何らかの形でそういう機会をつくるように考えていただきたいというぐあいに思うのですが、最後に建設大臣のお考えをいただいて、終わりにいたします。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 まず条例の問題について申し上げますと、条例は当該地方自治体の議会でつくられるものでございますから、住民の意思を反映しているということは間違いないと存じます。ただ、それは国全体の法体系の中で整合性を持ったものでなければなりませんし、抵触するものであってはならない、そのようにも考えるのでございまして、そのことを我が省の課長補佐の方は具体、個別の例で言われたのではないかと思っております。  それから今度の都市計画法、建築基準法の改正案につきましては、委員がおっしゃったとおり、この委員会において十分御審議を願って、委員御指摘の見地からも十分御議論を賜りたいと考えておるのでございます。ただ、冒頭に申し上げましたとおり、今度の法改正は、いわば総合的な土地対策の一環として出されたものでございまして、これはできるだけ早急に国会に提出することが我々の責務と考えておりまして、間もなく提出をさせていただき、かつ十分な御審議を賜り、成立をさせていただきたいと存じます。

渋谷修日本社会党・護憲共同

○渋谷委員 ありがとうございました。

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 三野優美君。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 お忙しい中を各省庁から御出席をいただきまして、ありがとうございます。私の持ち時間は一時間でありますので、一時間のうちに三つの課題について今から質問をいたします。若干順序が上下するわけですけれども、まず住都公団の問題についてから質問をいたしたいと思います。  この問題は、もう言うまでもありませんが、住都公団もあるいは建設省ももう既によく御承知のとおりの問題です。東京都多摩市聖ケ丘団地の問題であります。昭和五十九年三月から四月にかけて四百戸近い団地が住都公団においてつくられたわけですね。これを建設する段階で、全体の用地の一部分、急傾斜地を含めまして残地を緑地として整備をしたのが昭和五十四年三月から十一月なのであります。当然これは多摩市の聖ケ丘団地に附属した緑地であります。いわば地域の人たちは、自分の庭先だと思って生活をしていたわけであります。もちろんそのために住都公団は、ブナ及び桜など恐らく十数種類であったと思うのですが、私も見てまいりましたけれども、ここに立派な緑地をつくっておられます。その中には、幅員約二メーターあるかどうかと思うのですが、そのくらいの遊歩道、園路もつくられているわけでありまして、整備後約十三年であります。  だれが考えてみても、これは団地の住民のための緑地、あるいはもちろんその団地だけではないでしょう、周辺の人々も含めてこの緑地を楽しんでいただく、時には家族が、あるいは子供がボール遊びもできるようなところでもあるわけでありますが、これが突如として昭和六十年三月三十日に多摩市に引き渡されている。これは住民の人は知らないわけですね。公団と多摩市との関係であります。ここに多摩市は道路を建設するということを突然告示したわけであります。現地に札を立てて告示したわけです。地域住民はびっくりしちゃって、そんなものは聞いたことない、おかしいということで、御承知のように住都公団に陳情をいたしました。その陳情の際に、私は窓口になりましたが、出席していただきましたのが、きょう御出席の依田参考人であります。あなたは、私の陳情を、陳情が来るよ、団地の皆さんにお会いしてもらえるね、会いましょうということで出てきた。ところが、陳情書を出そうと思ったら、あなたは受け取らないと言う。そういう異常な事態もあったことは、あなたは十分承知だろうと思います。  さて、その後私も現地を見ながら、この道路はどう考えてみてもおかしい、ここに道路をつけることは合理性がない。しかも地域住民は、この緑地は自分たちも含めてみんながここで楽しめる緑地なんだ、こう考えて言ったところが、こう言うのですよ、道路構造令には合致していると言うのですけれども、こんな道路は余り、私は二十二年も議員をやりましたけれども、っけたことはないのです。しかしまあ、合致しているといって多摩市がやる。多摩市がやるんですね。しかしこの工事費は、聞くところによると、八千八百万全額公団が出すという。これはどういう理由なんですか。  この際、私はひとつ、もう時間の関係がありますから総括して申し上げますが、あなたのところがこの聖ケ丘団地を、この一帯を造成するに当たっては、土地を買って用地費が要る。そこに道路もつけたでしょう、都市公園もつくったでしょう、排水路もつくったでしょう、そしてこの緑地もある。それで、建築費も含めて、これらをすべて総合して幾ら金がかかったのか。そして精算をして、それぞれ分譲者に分譲していったわけでしょう。聞くところによると、分譲だけでなしに賃貸家屋もある。賃貸を決める場合にも、それらを含めて考えたわけですわな。ですから、この緑地なりも含めまして入居者は応分の負担はしているわけです。これは分譲する場合は、原則として当然でしょう。  したがって団地の人たちが、そんなところに勝手に市道をつくられては困る、こう言ったら、おまえには売ってない、ここは、登記して渡したのは団地そのものだよ、こう言う。売ってないと言う。それはそうですよ。道路も売ってないわな、公園も売ってないわね、あなたの言うとおりなんです。しかし、それらも含めて負担をさせたことだけは間違いない。売ってなければどこへ渡して何をやってもいいのが。道路は道路としてつくったけれども、市に移管するでしょう。恐らくあなたのところはいつまでも道路は持たぬ。公園もまた、市に移管して管理をお願いするでしょう。じゃ、この公園を目的外に使う、全く目的外に使う、あるいは中にある児童公園を目的外に使うことはできますか。おまえに売ってないから何に使おうと勝手だ、相談は要らないなんて、そんなことをあなたは言うのだけれども、できますか。道路も場合によったら家を建てて売りますか。できぬでしょう。そういう論法で住民の意向を無視しようとする態度は、私は納得できない。そういうのが住都公団の態度であってはならぬと私は思うのです。  しかも、私は現場へ行って見たらば、こういうようにつける必要は全くない、これは急傾斜地で危険なんです。しかもここへできたら、これはバスが通る、子供が通る。全くそこへつける必要がない。もし、この向かいの住都公団よりも先につくった東部団地、これは非常に悪いけれども、不良団地です。この人たちのためにぜひ市が道をつくりたいというならば、この境界のところから、都の公園がありますね、都の公園の、しかも公園をほとんどつぶさないで、管理事務所の側を通って通れば道はできるじゃないか、こういって私が言っても納得しない。  もちろん、都市計画審議会にかけなければなりません。代替地が要るのです。代替地は、あなたのこの未整備地区があるわけですから、どうせこれも住宅を建てるわけじゃないのです。緑地にするに決まっているわけですから、その都の公園の延長ですから、それを一部渡せばいいんじゃないですか。若干手続に時間がかかるでしょう。そのくらい出してもいい。都が、いやそれでもだめだと言うならば、この未整備地区に道路をつけても、この勾配、この道路構造のものであればできますね。私も二十何年、方々で道路をつけたり橋をかけてきたけれども、十分できるのです。なぜそれができないのか。  しかも、この際聞いておきたいのは、会計検査院も来ていると思うのですが、私は本当は行政管理庁でもよかったと思うのですけれども、もともとは道路公団の用地です。それを緑地にして、立派な桜がもう間もなく咲くでしょう。私も行ってみましたね。非常に立派な園地、緑地になっていますね。それを市に渡す、いわば市有地になったのです。市有地になっているところへ市が道路をつけるんだから、地域の住民の陳情は受け取れませんと、あなたが私の前でこう言う。そうですか。市有地に市道をつけるのです。どうしてあなたのところは八千八百万金を出すのか。もし市有地に市道をつけようとするのならば、市の単独の予算か都もしくは国の公共事業で道路というのはやる制度があるのです。それほど金が余っているのか、答えてください。

依田和夫住宅・都市整備公団理事

○依田参考人 お答えいたします。  幾つか問題点の御指摘がございましたが、最初に道路の必要性について申し上げますと、東部団地は、多摩ニュータウンの新住宅市街地開発事業の都市計画を決めました際には施行区域に含まれておりましたが、既に開発された団地であったため、当初から事業認可の区域には編入されておりませんでした。昭和五十七年から昭和六十年にかけて、多摩市域内における施行区域の見直しを行いまして、昭和六十三年に新住宅市街地開発事業の都市計画の施行区域から除外されました。その際に、東部団地が西側との連絡路が欠如しておりましたので、西側とをつなぐ道路を整備すること等が決められたものであります。  次に、市が整備する道路であるにもかかわらず公団が費用を負担する理由という点でございますが、当該道路につきましては、公団施行の新住宅市街地開発事業の区域でありますので、本来であれば、当該施設を管理することとなる地方公共団体と協議の上、公団みずからが整備すべきでありますが、公団と多摩市の協議の結果、道路整備は多摩市が行うこととし、その費用を公団が負担することとしたものでございます。  第三点でございますが、今回市が計画しているルートのほかに適切なルートが考えられないかという点でございますけれども、当該道路の整備に関するルートを含む地元調整につきましては、多摩市が行うこととなっております。  以上でございます。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 建設省もちょっと聞いておいてもらいたいんだけれども、私が今度のこの道路建設について、市と道路公団とに何らかの約束があるのか、あるならば持ってきてくれ、あるいは、この予定地にかつて農道その他の道があったという歴史的な経過はあるのか、それもありません。一切ないと言うのです。一切ないと言って、きのうになってみたら、建設省も一緒になって、いや都市計画やったときに、あったとかなかったとかいう話があるわけですね。今もそうやって言ってた。議員に説明するのに、時間がたったらころころ変わるんじゃ、これからの法案審議、もうできませんよ。法案出してから二、三年たって変わるなんというようなことはできないよ。今あなた言ったでしょう、そんな約束一切ありません。あるならば出せよ。出したならば、それならそれで検討しましょうと言ったけれども、ありませんと言った。それを都市計画どおりに、その東と結ぶ道が必要である、それについて協力すると言ったのでしょう、あなたのところは。言ったらしいけれども、それを書いたのあるの。それもないんでしょう。  それで、会計検査院にきょう来てもらっているんですけれども、本来ならば、市有地に市が道路をつける、かつては公団のものでも、それを市に渡したら市有地になるでしょう。所有権が市に移った、そこへ市が道路を、市道をつけるのに公団が全額出すなんというようなことは、そんなのあるのですか。会計上、それはおかしいと思いませんか。会計検査院、ちょっと参考までに意見を聞いておきます。

佐藤恒正会計検査院事務総長官房審議官

○佐藤会計検査院説明員 お答え申し上げます。  私ども、本件の道路建設に関しましては、いまだ事業が完了をいたしておりませんので、検査してございません。したがいまして、現段階におきまして、これについての、この道路建設についての住都公団の費用負担につきまして、それが妥当であるか否かということについては、まだ私どもの判断を申し上げるような段階にないわけでございます。したがいまして、しばらくお答え申し上げるのを御容赦いただきたいと思います。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 まあ、それはきのう言ったんだから調べてないだろうけれども、ひとつこの機会に調べてください。そんな運用がいいのかどうか、調べておいてください。  ただ、これは建設省に聞きますけれども、いいですか、緑地も、あの中にある児童公園も、道路も、これらの用地費あるいは建設費すべて含めて精算をして入居者に御負担をいただいている。しかし、公共的なものですから、道路だとか公園だとか緑地とかいうのは、後の管理は市にお願いしますよということになるわけ。登記してないから、緑地や公園や道路はおまえには関係ないんだ、何の発言力もないんだ、こういう言い方は通りますか、この精算方法からいって。どうですか、建設省。どういう指導しているの。

伴襄建設省建設経済局長

○伴政府委員 ただいま御指摘の道路の整備の話でございますけれども、経緯的にはちょっと先ほど依田理事から申し上げましたけれども、この東部団地というのが既に立地しておりましたので、それでこの新住の事業の中へは入れるのは道当でないということで白抜きにしたわけですね。その都市計画決定の変更をしたわけですけれども、そのときに、一種の周辺対策というようなこともあったんだと思いますけれども、この東部団地と新住の住都公団の施行する区域との間の連絡道路、アクセス道路を整備するということにどうもなっておったようでございます。  それで、そういった経緯もありまして、多摩市と協議いたしまして、費用は住都公団が見ます、ただし、どこにルートを敷くかとか、どうやって整備するかとか、あるいは地元対策をどうするかといったようなことは、多摩市にお任せしますというようなことで話し合いができておったようでございます。したがいまして、こういったふうに周辺、公共施設の整備水準との調和を図るということが、新しい団地がぽこっとできるときには非常に大事なことでございますので、ほかの団地でも幾らでも例がございますけれども、必要な地区レベルの公共施設につきまして公共団体と相談しまして、事業者である、例えばこの場合だと住都公団が費用を負担するということはあるようでございます。  このケースの場合は、そういうことで負担するということにして、ただし道路の整備につきましてはこれは多摩市で、特に多摩市は、今お話しのように、下の方の東部の団地の方はぜひともこれは早く道路をつけてほしいという一方の陳情はしておるわけでございますし、それから今の新住の方の多摩ニュータウンの住民にとりましては、緑地を壊されては困るという反対の意見があるということで、そこは双方意見が対立しているところでございますので、この辺は、少し多摩市が先頭に立って、中で地元調整してもらう、それを見守るよりほかはないかなと思っておるところでございます。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 余り時間をとってはいけませんが、いずれにしても、この緑地も含めて、ある意味においてはまだ未整備地区もある、これも含めてみんな負担しているのですよ、入居者が。住都公団の入居者が、それは困る。しかも十何年にわたって利用して、子供が遊び、そこを園地として花見をしているわけです。  しかも、この道路は必然性がないと私は言っているわけです。ほかに方法がないのかといえば、二つの道がある。それをあえて、しかも道路は、今言ったように本来ならば多摩市が金を全額出す、市道だから。あるいは公共事業で都なり国の補助金をもらってやるのか、道路をやるのに幾つかの公的な仕組みがある。それをあえて公団が八千八百万も出して、住都公団の分譲した入居者はみんな反対しているわけでしょう。どうしてするのですか、それを。ですから、この問題については、建設省も含めまして、これ以上時間とってもいけませんが、とにかく住民が納得できるように、せめてできれば私どもにもわかるように、ひとつ話を決着つけてからやってください。それからでなければ、八千八百万の執行はだめですよ。こんなことをあなたのところがするのであれば、もうおちおちあなたのところの問題については審議できぬわ。だから、そのことをひとつお願いをしておいて、これはもうこれで終わります。  次に、これは国土庁になるのですが、リゾート法の問題ですけれども、各省庁来ていただいてどうも済みません。  リゾート法が施行されて、その後各地にいろいろと指定の陳情が来ているわけです。そのリゾート指定の地域は、どれを見てもほとんどゴルフ場が中心で動いている、こういう傾向があるのですね。ゴルフ場の問題はもう各地でもめていることは御承知のとおりです。そこで、今役所の方から報告をいただいたところによると、既設が千六百三十、造成中が三百五十四ヵ所、計画中が千百六十三ヵ所、合計三千三十四となっているのですが、その後恐らくふえているだろうと思うのですね。  聞くところによると、ゴルフに関しては通産省ですか、来ていただいていると思いますが、一体日本列島でどのくらいゴルフ場があればいいのですか、あなたのところはどのくらいあればいいの、ちょっと聞かせてください。

濱田隆道通商産業省産業政策局サービス産業課長

○濱田説明員 御説明申し上げます。  ゴルフ場の数は、先生のおっしゃった数字とちょっと最近時点では、平成二年の九月が最新のものでございますが、千七百三十五ございまして、造成段階にあるゴルフ場は三百四十四でございます。計画中のものにつきましては当省としては把握いたしておりませんが、これは各地方自治体の方で事前協議等を行っておられると思いますが、どのような数のゴルフ場が適切かということについて私どもの特段のビジョン等はございませんが、各自治体でそれぞれさまざまな数の制限等の運用を図られておられるというふうに理解いたしております。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 どのくらいあったらいいのか、わからぬの。

濱田隆道通商産業省産業政策局サービス産業課長

○濱田説明員 はい。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 無制限につくるの。日本列島無制限につくっちゃうの。私の生まれた町なんか、小さい町に人間は五、六百しかおらぬけれども、四ヵ所もゴルフ場の地帯になってきている。無制限につくっちゃうの。そんなことないでしょう。日本列島全体から考えてみて、大体どのくらいで抑えるというのはあってもいいんじゃないですか。それ考えたことないですか。あなたに聞いても無理かもわからぬけれども、どうですか。     〔委員長退席、北村委員長代理着席〕

濱田隆道通商産業省産業政策局サービス産業課長

○濱田説明員 十分な御説明になるかどうか恐縮でございますが、各自治体レベルで、県ないし市町村でございますけれども、その県土におけるゴルフ場の占める面積の上限を設けるとか、一市町村に一ゴルフ場に限るとかいった運用をされているケースが多いように承知いたしておりますので、そういうことでゴルフ場の数は一定の数字が出てくるものと思っております。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 自治体や県や市町村で制限をするというと、日本列島全体としても、やはりある程度の構想があってもいいわな。日本列島全体をどういうふうに活用するかということになると、あってもいいと思いますからね。それはおつくりになっていないのでしょうけれども、それは検討してもらいたいと思う。これは大臣の方もひとつ検討してもらいたい。  林野庁にお尋ねしますが、リゾート法以後、リゾート法ができてから以後、国有林をリゾートのために払い下げしたところ、これが何カ所あって何ヘクタールあるか。そしてまた、その中でもゴルフ場は一体何カ所あって、幾らあるのか。もちろん国有林ばかりではないと思いますが、それもちょっと聞いておきたいと思うのと、もう一つは、保安林を解除した件数。保安林というのは、魚つき保安林からあって水源保安林、防災のための保安林、さまざまありますわな。解除するというのは、原則的にはあってはならないことなんですが、それでも解除していると思うのですが、このリゾート法に基づいて解除したのは、どのくらいしたの。これを聞いておきます。  それから、環境庁にお尋ねしますが、国立公園、国定公園及び県立公園を含めて、自然公園法に基づく公園内でリゾートを指定し、そして公団に開発を許可した部分というのはどの程度ありますか、特別地域はないと思いますが、特別地域で。そいつだけ、両方聞きましょう。

川村秀三郎林野庁業務部業務第二課長

○川村説明員 国有林の売り払いの関係でお答えいたします。  リゾート法施行後に国有林野を売り払った総面積でございますが、おおよそ六千ヘクタール程度ございます。六十二年度以降ということで申し上げれば、そういうことでございます。そのうち、ゴルフ場として売り払った実績でございますが、十七件、二百十五ヘクタールございます。ただ、この件数は重点整備地区内で売り払いしたものはございません。

工藤裕士林野庁指導部治山課長

○工藤説明員 保安林解除の件数についてお答えいたします。  ゴルフ場等のリゾート法に係ります保安林解除の件数、面積につきましては、昭和六十三年度から平成二年度末までに、解除予定告示分も含めまして三十一件、五百三十五ヘクタールとなっております。このうち、ゴルフ場に係ります保安林解除の実績につきましては、解除予定告示済みのものが四件の百四ヘクタールとなっているところでございます。

橋本善太郎環境庁自然保護局計画課長

○橋本説明員 これまでに承認もしくは変更承認がなされた三十五道府県、これの重点整備地区は二百六十一ヵ所と承知しておりますけれども、そのうちの百四十四ヵ所が国立、国定公園の区域と部分的にせよ重複しております。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 リゾート及びとりわけゴルフ場で、全国で条例及びあるいはまた要綱を含めて何らかの規制をしている都道府県あるいは市町村というのは、幾らありますか。

濱田隆道通商産業省産業政策局サービス産業課長

○濱田説明員 先ほど御説明いたしましたとおり、ゴルフ場の開発に係る規制は自治体や各省でそれぞれの観点から関係法令に基づきまして規制をなされていると思いますが、全国すべてでどれだけの数がというのは把握いたしておりませんが、ほとんどの県あるいは市町村で何らかの規制あるいは事前協議制等を導入されているというふうに承知いたしております。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 さて、大臣にここで聞きたいのです。  今お聞きのとおりですね。実は、ゴルフ場がとにかくもうタケノコのごとく全国あらゆるところで業者がゴルフ場をつくっている、あるいは準備しているわけなんですね。とりわけリゾート法に基づきまして、ゴルフ場のみならずですけれども、例えば農地転用を緩和する、国有林野の払い下げについて条件をまた緩和する、保安林解除についても条件を緩和する、こういうことを次々やっているし、また、民間業者に対しては、事業資金の低利融資、租税の減免、あれもこれもできるだけのことをやって始まってしまった。ところが、実はこのゴルフ場、全国で準備され、あるいは、していますけれども、残念ながら、村挙げて、はい、オーケーというところはほとんど全然ないわけです。何らかの反対運動、市民運動が出てくるわけですね。  そこで、県や市町村は、さっき報告があったように、何らかの条例、要綱その他の方法でもって規制をかけ出した。この間当選した高知の橋本知事のところ、前大蔵大臣の弟さん、ここなんかは、リゾート指定を返上するというのです。大々的に報道されております。高知なんというのは、御承知のように過疎地だけれども、非常に歴史のあるところで、しかもこれから観光地として開発しようと一般的には思われておるところなんです。それでもやはりもう返上しようかと言っているわけですね。こういう形の中で、いわばこのままリゾート法を続けていくか、見直しをしないでいいのかどうかということが問題だと私は思うのです。  とりわけこの中で、一つ申し上げておきますが、林野庁の、林野庁が持っている国有林というのは国民の財産なんです。もっと大事にしてもらわぬと困るわけです。もちろん払い下げその他開放が全部ゼロとは私は言いません。少なくとも地元住民の反対を受けるような事業に対して、国民の財産をリゾート法に基づいて無造作に開放することは私はまかりならぬと思う。とりわけ保安林というのは、さっき言ったように、水源保安林、魚つき保安林、防災のための保安林、さまざまな保安林がある。これはそこに住んでおる地域住民にとってみては、保安林解除は、みずからの生命財産に影響するから保安林に指定されているし、また国もやってきたわけでしょう。それが特定の業者のためにリゾート法に基づいて無造作に保安林が解除されていく、こういう仕組みの中でさまざまな問題が起きてきているわけです。  私は、かつて決算委員会で、私のところにあるレオマという会社がある。この中にも、ひょっとそう言ったら知っておる人がおるかもわからぬな。ある政治家が動いて町がこの国有林を払い下げを受ける申請をしていたところが、払い下げ手続が済んだところが、大西さんというレオマの社長が金を出しておった、町長がかわったらばれてしまった。それでいろいろなこと、動きがあって、東京までが動いて決着をつけたようですけれども、とにかくいずれにしても、私は、そういう意味では慎重でなければならぬだろうと思う。  国立公園、国定公園、県立公園含めまして、普通地域といえども、私はやはりこれだけ自然保護ということが言われている状況の中で、無造作にブルドーザーを入れてブルブル押すのでは、これでは自然保護どころではない。林野庁の話を聞くと、いや、木は残すという。木を残すのだったらブルドーザーを入れることないんだ。ブルドーザーを入れているということは、私のところにそういって説明するけれども、木を残さない。残ったと見えても、それはブルドーザーを押しているわけですから、自然は残りませんね。  だから、そういう点からいうと、この際、大臣、どうですか、私ども社会党もリゾート法の見直しの法案を出していますね。我が方が提起しておりますのは、国立及び県立の自然公園区域内はゴルフ場はおやめになっていただいたらどうだろうか。保安林解除までしてゴルフ場をつくる必要はないのではないか。保安林のところもこれはひとつ配慮してもらいたい。国有林は国民みんなの財産であります。営林署は、国有林が赤字だからということで、それで無造作に払い下げて、この裏にはさまざまな問題があります。したがって、これはやめてもらいたい。  農地の転用についてもこういう話がある。リゾート法に基づいて農地転用の申請が出てきた。私の選挙区ですよ。従業員の保養所。リゾート法熱が強いものですから、農業委員会でいろいろと議論した。それはどういうのだ。いや、この会社が土地を買って従業員のをつくります。何人ぐらいの規模ですか。五十人から七、八十人の規模だ。農地転用をしちゃった、農業委員会は、緩和しろと言うものですから。いつが来てもしない、農地転用したまま。よくよく聞いてみると、親方を含めて、社長を含めて五人しかおらぬという。だからその農業委員さんは、もうリゾート法やめてくれぬかね、こう言っている。リゾート法という旗を持ってこられて農業委員会をつぶされたんではかなわぬ、こういう話もありますから、農地の転用について、保養所などについてはもっと厳しい、例えば何%以内ということで厳しい態度をとるべきではないのか。  そこで、最後的には今申しましたように、すべての都道府県あるいは市町村が何らかの規制をしているという今日の状況というものは、いわば国のリゾート法というものについてこれでは対応し切れないからやっているわけなんですよね。県、市町村独自でやっているわけです。したがって、この際我々社会党も提案しているように、ひとつ本格的に見直しをしてはどうかと思うのですが、大臣の所信を聞いておきます。

小島重喜国土庁地方振興局長

○小島政府委員 今いろいろと三野先生から御指摘をいただきました。私ども、先ほど申し上げましたように、リゾート法そのものはゆとりある生活あるいは地域の振興ということを目標にした法律でございまして、そういう面から私どもは現在のリゾート政策を進めていきたいというように考えておりますが、今お話しのような各地にいろんな問題がないわけではない。そういうことは私どもも十分認識しておりますが、一方このリゾート地域の整備というのは、御案内のとおり、三年や五年というのではなくて、やはり十年二十年という長い年月が、ただゴルフ場がでさるからリゾートができたということではなくて、やはりその地域全体を、言うなら新しい都市をつくるというような感じでやはりやっていきたい、やっていかなければならぬ問題でございまして、そういう過渡期におきまして、今御指摘のような問題につきましては、私どもできるだけこれからもさらに関係都道府県を指導したいと思います。  同時に、私どもは、当時そういう自然環境の問題等につきましては、まさに先生から御指摘がございましたように、それぞれの地域の実態に即して規制をしていただく。国の方がああせいこうせいと言うよりも、むしろ自然環境等の保全には十分配慮をしなさいということは、基本方針なり基本計画に十分記述してございますし、私どもは当然知事なり市町村の職務としてやっていただけるもの、こういうように考えておりますし、現在例えば福島県におきましては、リゾート法の指定を受けたと同時に景観条例をつくったり、あるいは北海道でもそういう開発指針というようなものをっくっておやりになっているわけでございます。ぜひ正すべきところは私ども正したいと思います。ただ、もう少しできますならば長い目で見ていただきたいということをお願いを申し上げたいと思います。

東家嘉幸自由民主党国土庁長官

○東家国務大臣 今御質問のことについては、私もよく耳を傾けて、謙虚に私なりにこのリゾート法の今後のあり方については、御提言をよく踏まえねばならないというふうにも考えつつ聞いておったわけでございます。  そもそも余暇の時間をどうするのか、そしてまた地方においての地域の活性化ということも、このリゾート法によって期待もあったわけでございます。今局長が説明申し上げましたように、昭和六十三年七月に最初の承認を行ってからまだ日が浅いわけでございます。そういうことで、これから長い目で見てほしいという答えも今ございましたけれども、しかし私なりに大臣という立場から、この間からいろんな各地を通じて、例えば淡路島の計画でも大幅に訂正をしたというようなこと等、幾つかの例もありますが、そういうことで高度成長のあの時代につくられた法律であっただけに、今そういう計画が非常にひずみが来ているということも承知いたしておりますし、そういうことで、このひずみを是正しながら、そしてまた、今おっしゃられるような環境という問題は、これは国民の全体の財産でございますから、そのことも踏まえて、そして各地域独自のそうした承認事項になっておりますけれども、私はこれは大臣という立場からではなくて、個人的な立場からでもかねがねから考えておったのでございますが、私は先ほどの御質問にも答えた中に申し上げましたのは、やはりどれだけ必要であるのか、どれだけ国民のそうした余暇を利用したレジャーのゴルフ場としての、体育向上のためのゴルフ場として必要であるかどうかは、先ほど通産省の方にも御質問をなさっておられたのですが、やはりどれだけの必要性というものを全国的に見直す時期が来ているのじゃなかろうかというふうに私は考えておったわけでございます。  まだまだ申し上げたいこともございますけれども、大づかみに申し上げますと、私はそのような考えを持っておりますが、どうかひとつ地方振興のためにも、局長初め一生懸命やっておりますから、私もまたよくこの後具体的に中身に突っ込んで協議しながら、また先生にもひとつこういうことを改めるように考えますというようなこと等が報告できるように、勉強をさしていただきたいと思います。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 ありがとうございました。  実はこれ、私どもも責任があるわけです。この法律が出てきたときは、異常な国会でした。会期末ぎりぎりで、実は余り審議しないままに行っていることはそのとおりなんです、これは。その時点でだってもっと議論すべき点があったと思うが、異常な国会で、実は会期末に全部の法案が行きまして、実は審議をろくにしてないのですよ。我々も責任があるというのは百も承知です。しかし、それはそれとして、この事態の中でこれだけ全国的にさまざまな動きがあるわけですから、根本的に見直すと。私どもも実は法案を出しておきながら、これを議論するのはきょう初めてなんです。実は大臣、これ、きょうから出発しまして、これから本格的に議論しますから、しかもこれがもう通産省から環境庁から農林省から各省庁にまたがるものですから、大変なことなんです。したがって、ぜひひとつ関係各省庁もご検討いただきたいことをお願いして、この部分は終わります。おりがとうございました。  続いて、もう時間が余りありませんけれども、もうこれは要点だけやりましょう。  先月、私ども社会党は二月十八日に神奈川県大和市の海上自衛隊厚木航空基地内の体育館の事故、この問題について調査をしてまいりました。私も参りました。七人の死亡、十三人の重軽傷。亡くなった方にはまことにお気の毒で、哀悼の意を表したいと思います。  さて、もう中身のことは別として、その際に立ち会っていただいて御説明いただいたのは、横浜防衛施設局の佐藤吉輝さんですが建設部長、銭高組の中島誠建設部次長外数十人でありました。なぜこの事故が起きたのだろうか。さまざまな意見があると思うのですけれども、労働省、来ていただいていると思うのですけれども、この事故の最大のポイントは一体何だろうか。私どもが現地でお聞きしたところで、御承知のように設計変更がありましたね。設計変更があって、そしてよく言われるあのはりを支える支保工、これが一番問題ですわな、それが力があったかどうか。この支保工、何本入っておりましたかと現地で聞いたわけです。知りませんと言う。防衛施設庁も知らなければ銭高組も答えないわけです。知らないと言うのですね。これの後の救済、事故が起きてすぐに仲間の人たちが、経験者が行って、こんなはりの立てようがどこにあるか、全く粗いではないか、事故が起こるのは当たり前だということを口々に言われているということが新聞報道にも出ていましたね。ここに重大な過ちがあったんではないかと思うのですけれども、これも含めてポイントだけ言ってください。     〔北村委員長代理退席、委員長着席〕

大関親労働省労働基準局安全衛生部安全課長

○大関説明員 労働省では、事故発生直後から現地の厚木労働基準監督署、神奈川労働基準局を中心に、施工方法の問題など多角的な観点から調査を進めているところでございまして、特に技術的な面からの詳細な検討を行うため特別技術調査チームを発足させ、現在原因究明に当たっているところでございます。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 それだけで、原因わからぬの。今までの時点で、ここに問題があったというのは幾つかあるでしょう。全然ないの。あるでしょう。

大関親労働省労働基準局安全衛生部安全課長

○大関説明員 現時点では、いろいろな角度から災害原因究明のための調査を進めているところでございまして、調査結果について申し上げる段階には至っておりません。いずれにいたしましても、早急に原因の究明を行いまして、再発防止対策の徹底を図ってまいりたいと考えております。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 御承知のように、事故があったのは二月十四日午後一時四十五分ですね。その前に、一時三十分に一本のけたが落ちているわけですね。落ちた、大変だということで、ここの責任者である現場責任者は何人か連れて現場へ入っていったわけでしょう。平野さん、行ったわけです。このときに、直ちに避難しろという命令が出た形跡は全然ないんですね、ないんです。これは別にあなたにどうと言うわけじゃないけれども、どうですか、防衛施設庁、発注した側はそういう点についての、この事業を行うに当たって事業者の側に、請負者側にそういう準備体制はできておりましたか、避難訓練その他についての。できておったですか。どうです、ちょっと、答えだけしてね。

新井弘文防衛施設庁建設部長

○新井政府委員 私どもの立場といたしましては、工事の施工についての責任は契約上、請け負った方々が責任を持って果たすという形でございますので、その辺のところは発注者としてチェックはやってございません。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 発注者、建設大臣、聞いておいてください。発注者は安全対策については何の指示もする必要もないし、そういう体制もないということですね。労働省もまた、ついているわけじゃありませんね、現場についているわけじゃない。建築確認の申請を受けた大和市も、重量計算その他はするけれども、その工事過程でこの工法、こういう過程で安全性を保てるかどうかというのはないわけですね、どこも。これはまずどこにもない。安全確保についてチェックする機関は全然ないということです。これは別に防衛施設庁の仕事だけじゃない。全部ですね。それをまず一つ知っておいてください。  さて、防衛施設庁にお尋ねしますが、この工事の発注に当たって、御承知のとおりあなたのところがやったわけですけれども、二回にわたって発注していますね。それで、途中で変更していますね。設計変更していますね。一般工法から、あの二階の床部分のコンクリート打ちについて、一般工法の設計をされておったものをビルトスラブ工法に変えた。変えるのは業者の方からの申請なんです。発注者の申請じゃないんですね。業者の方の申請。そこで私どもは、なぜこの設計変更をしたんですかと現場で聞いたわけです。聞いたところが、銭高組の中島次長は、省力化です、工期短縮されますと答えたのです。防衛施設庁側にそこで聞いた。工期短縮しなければ、工期は十月の二十日か何かだったですね、工期は。間に合わないのと言ったら、そんなことありません、十分間に合います、こう言うのですね。それはなぜだと言ったらば、二回発注しておりますから、二回目の仕上げ工法について調整をして十月にしましたから十分間に合います、こう言う。十分間に合うのにどうして設計変更したわけですか。しかも業者の方から言った。発注者は言ってないのです。その理由はどうですか。  ついでに、もう時間がないから、あと聞きます。  省力化のため、工期短縮、人手は要らぬ。工期は短縮されれば、そうすると、その変更は契約金額が安くなりますね。一般的に我々の常識からいってみて、素人からいうと安くなります、そう言ったところが、あなたのところの佐藤建設部長は、いや高くなるのです。高くなる。工期が短くなって省力化して、高くなるのに、どうして従来の一般工法、これはどこでもやっているわけです。ビルトスラブ工法というのは新しい工法であって、大臣は認可しているけれども、経験者は非常に少ない、全国的に。しかもこの現場では、死んだ平野さん以外は全然経験者はおらぬ。しかも来ているのは東北の出稼ぎ、百姓の、余り土木の経験ない。どうしてこんなことしたの、ちょっとそこを教えて。

新井弘文防衛施設庁建設部長

○新井政府委員 この設計変更に至る経緯でございますが、平成三年九月下旬に請負会社の方から、工場製品を多用化するということで現地の作業の省力化を図りたいということと、かつ、契約額の範囲内でこれを行いたいというような申し入れがございました。私どもとしては、この床の構造が、以前の構造と同じく建築基準法等で決められています技術的な基準を満足にやっています、それからまた、同じ荷重に耐えられる構造か確認をやっておりまして、十月下旬にこの構造を採用をして二階の床の設計変更をやったものであります。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 困るな、あなたそんな答弁じゃ困るね。現場では高くなると言う。高くなるなら契約書を契約変更したのと言ったら、しておりません、できてみてから要っただけ払うんです、こう言う。これは、発注したのは現場の建設部長が発注したのでしょう。その人が、いや、できてから払うんです、しておりませんと言う。あなたは契約金額の範囲内と言う。違うことを言ったら困るな、違うことを言ったらば。そんなんでは審議できぬがね。何言っているんだ。

新井弘文防衛施設庁建設部長

○新井政府委員 先生の先ほどの御指摘のところで、違うところがあるという御指摘がございました。この件については、やはり十八日に先生方が厚木の事故現場を御視察なされたときに局の担当者が御説明申し上げた内容と、私が今お答えした内容とやや食い違いがあるじゃないかと考えております。  この事故の発生以来、現地の局ではその対応に非常に追われて、また非常に動転もしておられる、そして十分な御説明する資料等もそろってなかったので、先生の御質問に明快なお答えができなかったことについては、まことに申しわけございません。(三野委員「契約変更してない人だろう、それもどうだ。しておらぬと言ったんだから」と呼ぶ)設計変更は一応指示を出しております。ただ、契約変更については、今年度の末に他の変更とあわせて行う予定でございました。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 向こうが動転しておったのと違うのです。向こうが言うのが本当なんです。あなたは私のきょうの質問を予想して、変えて答弁しているんだよ。向こうは、しておりませんと言う。見積もりも何もしてないんだよ。それから、契約変更の手続は一切していませんと言うのです。出来高払い。ポケットの銭でしよるのと違うんだ。防衛庁の予算というのは国民の税金ですよ。  私は、建設省に資料をいろいろともらった。軽微な事故で監督職員の権限の範囲内としているものを除き契約変更、設計変更の手続は必要である、こういうふうに書いています。これは建設省の書類なんです。官房長が地方へ通達を出しているもの。いわば「軽微な設計変更、に伴うものとは、次に掲げるもの以外のものをいう。」いいですか、「構造、工法、位置、断面等の変更」、これは軽微なものとは言えないわけです。あれは工法が一般工法から全然変わっている、構造まで変わるのじゃないですか、私は素人ですが。「新工種」によるもの、新しい技術によるもの、これは軽微なものとは言えない、したがって、契約変更しなきゃだめよと書いてある。軽微なものといえども、建設省では工事打ち合わせ書でちゃんと申請をして、両者合意のもとでやってしまう。  この間、私、地元に帰ったときに、ついでに香川県庁建築課で聞きました。香川県の場合には、契約変更は幾ら以上でするかというと、千円以上全部契約変更します、少し小さ過ぎるのかもわからぬけれども。それほど税金を扱うのは大事でなければならないのに、防衛庁は何とこういうざまです。こういうところに、管理監督もできなければ、実は予算執行にあってまことにずさんなものがあるということが明らかになりました。  会計検査院、どうですか。こういう事態が明らかになった状況のもとでは、あなたのところは直ちにこれは調査に入る必要があるでしょう。

太田光弘会計検査院第二局防衛検査第一課長

○太田会計検査院説明員 お答えいたします。  厚木基地内の本件の工事につきましては、会計検査院としてはまだ実地検査を行っていない段階でございましたものですから、工事の内容を詳細には承知しておりません。けれども、今後本件工事につきましては、検査する際には、今の御指摘を踏まえまして検査したいと思っております。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 今これだけ大きな事件になっておるから、忙しいだろうけれども、一遍途中で行ってみてちょっと調べてくださいよ。  そこで、もう時間の関係がありますから、私は大臣に申し上げておきますが、実は役所が発注して役所が監督するものですから、民間だとこんな契約というのはないのですね。逆に、役所の仕事ですからなお厳しくやらなきゃならぬと私は思うのですが、今言ったような状況です。これはもう世間様に出せた状況ではないのだ。したがって私は、省は違うけれども、建設行政全体の立場から見てもう一遍見直す必要があるのではないかという気がします。  そして今度の事故の最大の要因というのは人手不足がある。省力化だ。金が安うならぬ、高うなるんじゃ、要っただけ払うんじゃ、こう言うのです、現場の責任者は。商うなるのに何で設計変更しなきゃならぬのか。いや、省力化だ、人手不足、そして工費が高くなる。一般的に安くなければいかぬのが、そういったことです。しかし、いずれにしても人手不足は認めるところです。技術者も足らぬでしょう。この現場には、死んだ平野さん以外にはこの工法の経験者はいないわけです。建設大臣が認可しておるからといって新しい工法をやっちゃったわけです、省力化のために。利益は生むでしょう。これは全体的なことです。  実は、過去の実績を見ると、この建設現場における災害というのは数はふえていないのです。ところが大きいのですね。広島の事故、松戸の事故、そして今度の事故、どれを見てもまことに監督不行き届き。発注者も監督者も現場にいない。これは建設省も考えなければいかぬ。あなた方が発注しても現場に監督者がいないのですよ。全部現場任せなんです。さっき言ったように、仕事を出す場合に、建築申請をする場合に、それは市役所なり県でやるでしょう。ところが、こういう工法でやる場合に安全度はどうかというチェックをする機関は、残念ながらどこにもないのです。  労働省が労務管理についての一般的な指針は出しますけれども、労働省が現場につくわけにはいかぬ。あるいはそこまではチェックに来ないでしょう。建築申請のときに労働省はチェックに来ないでしょう。また、労働省は建築屋さんじゃないですから、本来ならば建設省を軸にそういう機関があっていいと思う。死者はどんどんふえているわけです、しかも重大事故で。こういうことを考えてみると、一つは、建設省自身も建設現場における工事過程の中で安全性の問題でチェックする、こういう機能を持たす必要があるのではないか、こう思うのですが、これもひとつ大臣に聞きたいということが一つ。  もう一つは、これだけ人手不足で技術者がおらぬ。三Kと言われる。三Kと言われるのは困るのですが、労働時間を短縮して、もっと賃金もちゃんとして希望者がふえてこなければ困るわけです。しかし現実はこうです。その改善もしながら、実は十年間に四百三十兆円やるなどというが、無理ですよ、今の現状では。ですから、せぬでもいい設計変更をしちゃってこういう事態になるのです。  どうですか、これは内閣で決めなければならぬことですが、こういう事態をもう一遍調査してみて、建設大臣、あなた自身として内閣に対して四百三十兆円を、十年間は無理かもわからぬ、現実に合った、現状に合った見直しというものを、それは十三年になるか十五年になるかわからぬが、やはり人の今も大事にしながら、また発注の仕方も、国民が納得いくような税の使い方も考えながらやるということについて検討する必要があると思うのですが、あなたの見解を聞いて私の質問を終わりたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 まず、こういう大きな事故が発生いたしましたことをまことに遺憾に存じております。特に、お亡くなりになられました方には謹んで哀悼の誠をささげたいと存じております。  安全管理対策は、建設行政の中でも最も重要な分野であると考えております。去る一月に総合町な安全管理対策を公表いたしたところでございますが、なお今回の事故から、労働省や警察庁の調査結果をも踏まえまして、さらに多くの教訓を学び、今後の建設行政に反映させてまいりたいと考えております。  また、四百三十兆円の公共投資基本計画につきましては、これは国際公約でもございますし、九一年、九二年度と推移してまいっておるところでございますが、この間、目標達成は十分可能であると考えております。  人手不足の問題は、これに構造改善プログラム等を通じまして懸命に対処してまいりたいと考えております。

三野優美日本社会党・護憲共同

○三野委員 終わりますけれども、大臣、役所というのは予算の消化と工期だけ考えてしまうのです。そこが最大の弱点なんですよ。そのことを頭に入れながら四百三十兆円を考えてください。  終わります。ありがとうございました。

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 吉井光照君。

吉井光照公明党・国民会議

○吉井(光)委員 先ほどの建設大臣の所信の最後に、国際貢献ということについて若干触れられているわけですが、その中で、我が国の国際貢献は極めて重要になりつつあるとの認識のもとで、国際協力、それから国際交流に積極的な意欲を示している。特に、経済技術協力や海外研修生の受け入れ、こういったことを強調されておるわけですが、この点につきまして、大臣にもう少し具体的なお考えをお尋ねをしたいと思うわけです。  また、政府は、緊急かつ人道上の立場から、既に旧ソ連、現独立国家共同体に食糧それから医療品援助を実施しているわけですが、あわせて、民間ベースの対CIS支援、これを促すために、民間企業の物資、資金の寄附に税制上の優遇措置というものを考えているわけですが、大臣は、これは建設行政の最高責任者として、北方領土という問題はあるわけですけれども、このロシアに対する支援というものについてどのようにお考えになっているか、あわせてお聞かせを願いたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 一九九〇年代の課題と申しますか、あるいは宮澤政権の課題でもございますけれども、外に国際貢献、内に生活大国づくりと私どもは心得ているのでございます。そこで国際貢献の分野につきましても、我が国の建設技術の水準は国際的に見ましても大変高いものでもございますから、その技術を生かしましてぜひ国際貢献をいたしたい、このような方向を先ほどの施政方針の中で申し上げました次第でございます。  そこで、お尋ねのロシア支援ということでございますが、これは、今日の独立国家共同体に対します支援のあり方は、国全体といたしまして、平和条約の問題も含めまして検討し取り組んでおるところでございまして、緊急支援に現在のところ限られているのでございます。建設省といたしましては、平成三年四月のゴルバチョフ大統領訪日の際結ばれましたペレストロイカ支援協定に基づきまして、対ソ支援の一環として平成三年十二月、昨年の暮れでございますが、交通分野の技術者九名を受け入れまして技術移転に努めましたところでございます。私自身もこの九名の方にお会いをいたしました。今後とも、関係省庁と十分調整を図りながら、可能な限りの協力を行ってまいりたいと考えております。

吉井光照公明党・国民会議

○吉井(光)委員 次に、今三野委員からも質問のありました、いわゆる厚木基地の体育館建設事故の問題でございますが、御承知のように昨年は、広島の新交通システムの橋げた落下事故、それから草加の生き埋め事故、それから松戸のトンネル水没事故、このように大きな建設工事の事故が相次ぎまして、痛ましい多くの犠牲者を出したわけですが、こうしたことから、改めてやはり建設工事の安全対策が強く問われているわけでございますが、私も、昨年十月の当委員会でこの事故に触れまして、そして建設産業の構造的欠陥であるところの下請構造の問題、こうした実態を取り上げたわけですが、また今回、海上自衛隊厚木基地内の体育館建設現場の足場崩落事故、これで二十人もの死傷者を出したわけでございます。  原因といたしましては、これは先ほどからもいろいろ議論されたわけですが、経費の節減、そして工法のふなれ、こうしたことでミスを招いた、こういう見方が工事関係者の間で見られているようですが、やはり一刻も早い原因究明、これを望みたいわけでございます。建設大臣も先ほどの所信の中で、建設産業の健全な発展を図るために、第二次構造改善推進プログラムをつくり具体的に取り組んでいくとの決意をお述べになっている。特にこの建設工事の。安全確保という問題につきましては、多発する重大事故の防止が緊急課題と受けとめて対策に万全の決意で臨む、このように披瀝をされているわけでございます。  ところで、労災事故というものは、これは法律上届け出義務があるにもかかわらずこれが届け出がされない、こうしたケースが多発をしているように聞いております。九〇年に摘発されたいわゆる労災隠しは全国で三十七件、これは八九年の十五件に比べますというと倍増と言われておりますが、これはあくまでも氷山の一角にすぎない、このようにも言われております。この主な原因は、いわゆる会社のイメージが落ちるということ、それから下請の中小零細企業は、仕事の発注がなくなるのではないか、また、不法就労の外国人を雇用していることが発覚することを恐れる、こうしたことが原因ではないか、これは労働省の分析でございますけれども。  したがって、この際、建設省は労働省とよく協力をし、徹底的にこの労災隠しの実態というものを調査をして、それをもとに下請制度のあり方というものをよく検討すべきではないかと思うのです。そうした意味で、この下請制度を検討する専門プロジェクトチーム、こうしたものを編成をして、そして少しでもこうした事故を防ぐべきではないか、このように考えるわけですけれども、御意見をお聞かせ願いたいと思います。

伴襄建設省建設経済局長

○伴政府委員 幾つかのお尋ねがございましたが、一つは下請の問題でございますが、これもかつてお答え申し上げておりますけれども、建設業というのは、総合的な管理監督機能と直接施工の専門機能と組み合わせて、総合的な組み立て産業ということになっておりますので、どうしても元請と専門工事業が幾つかできるというのは不可避なところがございます。  ただ、それは上下関係というようなことであってはまずいわけでございまして、これを何とか対等な関係に引き戻したい、対等な分業関係、パートナーシップでやりたいということを考えておりまして、そんなこともありまして、もともと元請・下請指導要綱と言っておりましたものを、「建設産業における生産システム合理化指針」というような形で出しまして指導しているところでございます。これも、合理化推進協議会というふうに、元請の団体それから下請の団体、それから行政側あるいは学識経験者も入って、中央にもその機関を置き、それから地方にも置くというようなことで徹底しておるところでございます。  それと労災隠しの問題でございますが、これにつきましても、労働省の方から労働基準局長の通達がございまして、いわゆる労災隠しについてその排除を徹底するようにという通達が出ております。建設省におきましても、こういう労災発生に関する報告、それをきちんとやるようにというようなことを、先ほど申し上げた生産システム合理化指針でうたっておりまして、あわせて、労働安全衛生法の遵守について指導して労働者の安全確保を図っているところでありますけれども、今後とも、そういう情報は労働省にもちろん入りやすいわけでございますので、労働省との情報交換を密にしまして、それが新聞報道によると、不法就労者のものであったりあるいは事故隠しというようなこともあったりするようでございますけれども、いずれにしても、労災隠しか発生しないように、より一層の指導に努めてまいりたいと思っております。  特に、労働省とのプロジェクトチームというお話がございましたが、建設労働の問題は大変労働省のお世話になる分野が非常に多いわけでございまして、絶えず建設省と労働省の協力関係あるいは一体関係が必要かと思っておりますので、現在も本省レベルでも連絡会議を設置しておりますし、それから地方レベルでも各地方機関の連絡会議を設置いたしまして、その連絡、連携をとる体制を図ってきておりますので、そういうところを活用して労働災害の防止等のために図ってまいりたいと考えている次第でございます。

吉井光照公明党・国民会議

○吉井(光)委員 それでは次に、平成四年度の予算について若干お尋ねをしておきたいと思います。  国民がゆとりある快適な生活を実現するためには、住宅それから社会資本の整備、これを強力に推進しなければならないわけでございます。特に急速な高齢化社会の進展を考えますと、二〇〇〇年までにどこまでこれが整備できるか、これが私は内政における最重要課題ではないか、このように思うわけでございます。宮澤総理も施政方針演説の中で、この社会資本の整備を総理の描く生活大国の柱の第一項目に挙げているわけです。また建設大臣もその所信表明の中におきまして、「建設省は、生活大国の実現のため、重要な役割を果たしていくべき大きな責務を負っている」、このように指摘をされているわけですが、まさに生活大国の実現にはこの建設行政の果たす使命が特に大きくなる、これを私は痛感をするわけでございます。  そこで、この住宅対策、それから駐車場の問題、道路整備、建設災害、こうしたいわゆる安全性の確保等々、生活大国の実現という観点から二、三お尋ねをしておきたいと思うわけでございます。  まず、住宅対策でございますが、公営住宅は毎年着実に建設されてはいるわけですが、特に地方においては空き家も目立ち始めている、こういう実情もございます。ところが、急速な高齢化社会の到来を考えますと、シルバーハウジング住宅、これを大量に建設することが今からの非常に重要な部分ではないか、このように私は思うわけでございます。平成四年度のシルバーハウジング住宅の建設予定数が千戸、このように聞いておるわけですが、これを大幅に拡充すべきであると思うわけですが、これはいかがでしょうか。  それと、借り上げ式の住宅等の拡充でございますが、我が党はかねてから、中堅サラリーマン用の良質で低廉な公共賃貸住宅を確保するために借り上げ方式や借地方式型のコミュニティーパブリック住宅、この構想を提案してきたわけでありますが、建設省は地域特賞のA、B方式として、中堅サラリーマン向けの公共賃貸住宅を着実に建設されてきているわけでございます。先日、私たちが埼玉県の上尾市、この地域特賃住宅B型、これを視察をさせていただいたわけでございますが、やはり大変立派なものでございまして、なおかつ家賃対策補助、これも非常に行き届いておる。こうしたことに対する建設省の努力というものを私は非常に高く評価したいわけでございますが、このような住宅が大幅に拡充をされることが中堅サラリーマンの住生活を豊かにすることにつながる、私はこのように実感をした次第でございます。したがって、一人でも多くの中堅サラリーマンが低廉で良質な住宅に住めるように、平成四年度の地域特賃住宅の建設予定数を大幅にふやすべきであると思うのですが、これに対するお考えをお聞かせ願いたい。  それと、地域特賃住宅を建設する際の要望ですが、やはり住環境にも配慮しなければならない、これは当然だと思います。その敷地内に公園や当然ながら駐車場等のスペース、こうしたものもあわせて整備されることを私は強く要望をしたいわけでございます。  それから、駐車場対策でございますが、深刻な駐車場問題に対応するには、まずは公的な駐車場をたくさん整備すること。これが民間主導でありますと、駐車料金はどんどん高額になってまいります。また、地価高騰によりまして、民間だけでは駐車場用地を確保することすら現状では困難でございます。したがって、駐車場の事業量というものを、事業費というものを大幅に増加をしていただいて、そして駐車場対策の総事業量を拡大して公的な駐車場を大量建設すべきではないか、このように思うわけでございますが、以上四点につきましてのお考えをお伺いしたいと思います。

立石真建設省住宅局長

○立石政府委員 初めに、シルバーハウジングプロジェクトに関する四年度の予算あるいは今後の展開の考え方でございます。  建設省におきましても、二十一世紀の本格的な高齢化社会を前にして、住宅政策においても高齢化に対応することは非常に重要な課題であるというように認識しております。  このシルバーハウジングプロジェクトと申しますのは、高齢者に対しまして設計とか設備に配慮した公共賃貸住宅を建設すると同時に、福祉行政の協力を得ながら生活相談とか一時介護とか、そういうような日常のサービスの提供をあわせて行おうとする制度でございまして、建設省、厚生省とが連携してこの事業を進めるということで、昭和六十二年度より推進してきたところでございます。当初、六十二年度におきましては、五団地百三十二戸というような初年度の事業量でございましたが、平成三年度には三十七団地八百九十戸という実績を得ております。これまで、八十二団地二千五十四戸でこれらを実施してきたところでございます。平成四年度の予算案におきましては、先生御指摘のとおり千戸を計上しているところでございますが、さらにこれを今後地方公共団体を指導して推進していきたいというように考えているところでございます。  第二点の借り上げ公共賃貸住宅制度についてでございます。大都市地域において勤労者が良質な住宅を新たに確保すみことが非常に困難な状況になっている、そういうような住宅問題の深刻化が著しいわけでございますが、その解決の一つとして、世帯向けの、ファミリー向けの賃貸住宅の供給促進は重要な課題であろうと認識しております。  この借り上げ公共賃貸住宅制度と申しますのは、土地所有者等が建設する良質な賃貸住宅を地方公共団体あるいは公社が借り上げまして、国と地方公共団体があわせて家賃対策補助を行う、そういうことに上って家賃を軽減し中堅勤労者に賃貸する制度でございまして、平成三年度に創設したところでございます。平成三年度創設したばかりでございますが、現在のところ三年度の事業量は三千七百四十四戸まで実現、建設予定になっているところでございます。平成四年度は五千戸を計上したいというように考えておりまして、今後とも公共団体の指導と、また土地所有者への情報提供等を強化しまして、さらに推進をしていきたいと考えておるところでございます。  また、第三番目に、これらを供給するに当たりまして、住環境に配慮すべきであるという御指摘がございました。特にこの借り上げ公共賃貸住宅制度におきましても、駐車場あるいはそれ以外の広場等の共同施設の整備についても補助をするシステムがございます。これらを活用して、環境のよい団地をつくっていきたいというように考えているところでございます。

藤井治芳建設省道路局長

○藤井(治)政府委員 駐車場の点につきまして先生御指摘をいただきました。私ども、全く同様の考え方を持っております。  先生御指摘のように、路上駐車の蔓延が交通渋滞あるいは交通事故あるいは環境問題の悪化、さらには市街地の活性化の低下といろいろなことが起きておりますので、私ども、この委員会の御努力によりまして、この平成三年度に交通安全事業による駐車場あるいは商業系の地域の共同駐車場への補助制度の創設等々お認めいただきまして、本当にありがとうございました。そういうことを踏まえまして、平成四年度の予算におきまして道路事業で事業費六百五十億円、対前年度でいうと一七%増でございます。例えば、道路では全体で五%の増でございますから、かなり思い切ってセットさせていただきましたが、そういう中で有料融資事業としては一六%、交通安全事業としての公的駐車場、これは四一%の伸び率を確保して、これから大事に育てさせていただきたいと思っております。  ただ、こういうものにあわせてさらに大事なことは、土曜や日曜に利用されない銀行とかお役所とか、いろいろと使えそうな専用駐車場がございます。こういうものについても、うまく使えるようなこともあわせてやらせていただきたいと思っておりますし、土地が高うございますので、やはり何といっても道路とか公園とか、こういう公共生問をうまく活用した官民協調型の駐車場整備、これにも私ども一生懸命取り組ませていただく、そういう大事な平成四年度にさせていただきたいと思っております。

吉井光照公明党・国民会議

○吉井(光)委員 ただいま平成四年度の重要施策について、非常に前向きな、非常に意欲的な御答弁をいただいたわけでございますが、気が早いかもしれませんが、ひとつ平成五年度の予算において、私たちは心から期待をしておりますので、どうかひとつよろしくお願いしたいと思います。  次に、解約した住宅財形の追徴課税の件についてちょっとお尋ねをしておきたいのですが、建設大臣がおっしゃるように、まさに経済大国・生活小国から、国民の一人一人が豊かさと、そしてゆとりを実感できる生活大国に変えることができるか、超高齢化社会を目前にした我が国の最重要課題であることは間違いない、いわゆる国民共通の認識であろうかと思います。また、生活大国が実感できるかどうかの大きなバロメーターになっているのがやはり住宅環境、これもやはり共通の認識であります。  ところで、大都市圏におけるところのマイホームの夢、これは今や絶望的とも言われる状況にあることは、今さらここで説明する必要もないわけですが、それでも国民の多くはやはり通勤圏が遠隔地になっても、より快適な、より安い住宅を探し求めているわけでございます。当然通勤地獄に苦しむことになるわけですが、大臣は、良好な住宅を求める国民のニーズにこたえるために、公庫融資及び住宅税制を充実させていきたい、このようにおっしゃっているわけですが、それでもなおマイホームの取得というものが無理な場合が生ずると思います、当然ながら。こうした場合に、長年マイホーム資金づくりの大事な制度であるところの住宅財形、これを積み立ててきた人々にとって、やはりマイホームはあきらめて、そして解約をする。としますというと、せっかく今まで生活を切り詰めて、そして血のにじむような節約をしながら積み立ててきたところの住宅財形預金残高、これに二〇%の利息というもの、これが追徴課税される、こういうことになっているわけでございますが、これでは私は病人にさらにむちを打つようなものではないか、このような気さえするわけでございます。したがって、この追徴課税というものは廃止して、そして解約したところの住宅財形はそのまませめて良好な賃貸住宅に住みかえる資金に活用できるようにすべきではないか、このように思うわけでございます。  また住宅財形の非課税限度額、これもやはり実際に住宅取得の頭金になるよう、五百万円からこれをせめて一千万円に引き上げるべきではないか、このように思うわけでございますが、労働省の御見解をお伺いしたいと思います。     〔委員長退席、金子(原)委員長代理着席〕

畠中信夫労働省労政局勤労者福祉部企画課長

○畠中説明員 先生御指摘の財移住宅貯蓄制度につきましては、昭和六十二年度にほとんどのマル優制度がなくなった中におきまして、勤労者世帯とそれ以外の世帯との住宅の格差等を勘案いたしまして、特に自己の居住する住宅の取得ということを目的とする貯蓄につきましては、いわゆるマル優を残していただいたということでつくられた制度でございます。そういう意味では、非常に限定された目的貯蓄ということになろうかと思います。そういう意味で、それ以外の目的で払い出しを行う場合には、いわゆる目的外の払い出しとなりますので、払い出し日から五年間をさかのぼりまして、その間に生じた利子等につきましては課税をさせていただく、そういうことになっておるわけでございます。  ただ、現在は非課税限度額が五百万円でございますが、やはり私どもの調査でも、住宅の取得のために用意すべき自己資金といいますのは平均では一千万円を超えております。そういう意味で、何とかこの非課税限度額を一千万円まで引き伸ばすことができないかというふうに、私ども大きな課題ということで考えておる次第でございます。

吉井光照公明党・国民会議

○吉井(光)委員 ぜひともひとつ一千万円までの御努力をお願いしたいと思います。  そこで、この住宅対策というものが、ある一面ではこれは最も層の厚い中堅サラリーマン対策、このように言っても過言ではないと思いますが、ところが、大都市の地価というものが幾ら下がったといたしましても、そこにはやはり限界というものがございます。中堅サラリーマンには相変わらずマイホームは高ねの花。であるならば、いっそのこと良質な賃貸住宅にくらがえをするかという人たちがふえつつあると思います。ところが、新築で五十から七十平米の三LDKで最寄りの駅に比較的近いという条件となりますというと、家賃は公団でも十万から十五万、民間では二十万円前後が相場と言われております。そして、家賃の家計に占める割合が半分近くかそれ以上にも達している。こんなことはいわゆる諸外国から言わせますというと、日本はとんでもない国ということになるわけでございますが、例えば一人当たりの住宅の床面積で見ますというと、日本がこれは八八年統計で二十五平米、アメリカが八七年で六十二平米、西ドイツが八七年で三十七平米となっておりまして、九〇年の家賃水準で見ましても、東京を一〇〇とすれば、ニューヨークは五七、ハンブルクが六〇、こういうことでございます。  ところで、現行の持ち家対策は、融資それから税制両面にわたって優遇される一方で、賃貸入居者対策は余り目が向けられていないようでございます。確かに現下の課題は、絶対数が不足している良質な賃貸住宅ストックの供給が優先されるべきであろうと思いますが、それには、やはり長期計画と、また多くの財源が必要であります。また、良質な賃貸住宅を供給できたとしても、中堅サラリーマンの負担能力、これを超えるような家賃では、これは何にもならないことになるわけでございます。  そこで、教育費に非常に金のかかる現役世代、こうした連中も、老後の保障を考えるいわゆるOB世代も、ともに自分の生活プランに合った、いわゆる家賃負担の軽減というものが選択できるような、いわば財形方式の家賃積立制度、こうした制度が新たに導入されれば非常にいいんじゃないか、このように思います。また、老後の保障という点では、私どもの考えに近い制度として既に住都公団の年金活用型のシニア住宅、これがあるわけでございますが、民間住宅を含むまでにはこれはまだ至っておりません。したがって、今後の参考のために、ぜひともひとつこうした家賃積立制度というものについての御意見をお聞かせ願いたいと思います。

立石真建設省住宅局長

○立石政府委員 先生御指摘のとおり、大都市地域、特に東京圏におきましては、マイホームを得ようとしても、なかなか手が届きにくい。また、良質な賃貸住宅に住もうとしても非常に、新築であれば相当の家賃になってしまうという状況であるのは、先生御指摘のとおりかと思っているわけでございます。このためには、住宅事情に応じまして、また国民のニーズに応じまして持ち家の供給、特に住宅取得能力を高められるようなシステムの構築、あるいはまた公的な賃貸住宅ばかりではなく、民間の賃貸住宅をいかに活用して家賃を安くして住めるようにするかというような政策等を強化していく必要があると考えているところでございます。特に賃貸住宅につきましては、世帯向きの賃貸住宅が非常に不足している状況でございますので、こういうものについて積極的な施策を講じていく必要があろうかと考えているところでございます。  今お聞きいたしました制度の御提案につきましては、まだ詳細を存じていないところでございますので、今後勉強させていただきまして、示唆に富むものであれば私たち生かさせていただきたいと存じます。

吉井光照公明党・国民会議

○吉井(光)委員 次に、専用立体駐車場のマル適マーク制度、これについてお考えをお伺いしておきたいと思うのですが、駐車場が慢性的に不足しておりますところの東京、大阪などの大都市を中心に、全国で立体駐車場の収容台数というものが昨年度新設分だけで十万台を突破しております。これは七年前の五倍に急増をしているということですが、こういった結果が二月二十一日に建設省の調べで明らかになったわけでございます。これは言うまでもなく地価高騰と、それから車庫法の施行によりまして拍車がかかったわけでございますが、その一方で、機械の操作ミスそれからドライバーの運転ミスなど、ちょっとした不注意によるところの死傷事故も後を絶ちません。六十年以降だけでも二十七件、そして十三人死亡、こうしたことがやや目立ち始めているわけでございます。  このために建設省は、事故原因の分析と、それから駐車場の管理体制や従業員教育の実態も調査をした上で、運用基準であるとかそれから事故直後の対応を盛り込んだところの安全マニュアル、こうしたことによって事故防止に本格的に取り組もうとされているわけですが、これは大変結構なことで、私も期待をしているわけでございますが、問題は、今大臣認定を受けないいわゆる専用立体駐車場が、これが家庭まで普及しつつあるわけでございまして、その安全性に不安のある装置が出回るおそれがあるということでございます。  五百平米以下の機械式専用立体駐車場、いわば家庭向けの装置、これはいわゆる駐車場法の十一条の適用から除外をされております。そして装置の安全審査にかかわるところの大臣認定を受けなくても、一般家庭には自由にこれが販売できるわけでございます。認定までに時間がかかるために、新しく家庭向け装置を手がけるメーカーのほとんどはこの装置の認定をとっておりませんし、人身事故はまだ報告されていないようですが、安全装置の不十分な製品も一部出回っているようでございます。コスト削減に走る余り、また安全性を軽視する傾向は否めないところでございますが、痛ましい事故が発生する前に、こうした家庭向け装置についても何らかの法規制というものが必要ではないか、私はこのように思うわけでございます。  そこで私は、平成元年に施行されましたところの遊漁船業の適正化に関する法律、これに基づくところのマル適マーク制度、これを見習って、社団法人立体駐車場工業会が運用を担当したらどうだろうか、こういう気持ちもするわけでございますが、その際には、有効期間であるとか更新手続、それから保険掛金等の諸問題等に十分配慮をして利用しやすくする必要があると思いますが、建設省の御意見をお聞かせ願えたらと思います。

市川一朗建設省都市局長

○市川政府委員 駐車場対策につきまして建設省挙げて取り組んでおりますことは、先ほど道路局長が。答弁申し上げたところでございますが、ただいま御指摘がございました機械式駐車場につきまして、御指摘ございましたように、一般公共に利用され、規模が大きな駐車場に利用される機械式装置につきましては、不特定多数の者が利用するというところから、その安全性の確保は極めて重要であるという見地で、駐車場法におきまして建設大臣の認定制度を設けまして、その安全性のチェック等を行っているわけでございますが、家庭向けのものなど小規模なものにつきましては、御指摘のとおりその対象になってはおりません。  機械式駐車場装置は、限られた土地を有効に活用できるところから、今後とも都市部を中心にさらに普及するものと私ども考えております。したがいまして、その安全性を確保することは大小を問わず極めて重要なテーマであると認識しておりまして、ただいま委員の方から極めて具体的な御提言があったわけでございますが、私どもも同様の問題意識に立ちまして、今後この問題につきまして積極的に検討してまいりたいと思っておるところでございます。

吉井光照公明党・国民会議

○吉井(光)委員 次に、国道四十三号判決についてお尋ねをしたいと思います。  十六年前に大阪-神戸間の幹線道路をめぐりまして、沿線住民が国とそれから阪神高速道路公団を相手に、騒音それから排ガスの被害を訴えていたわけですが、いわゆる国道四十三号訴訟、この控訴審判決で、去る二月二十日に大阪高裁が、道路公害の多くは直接の加害者は複数の車である事情を踏まえた上で、道路管理者に総額二億三千万円強の損害賠償の支払いを命じたわけでございますが、この判決の意義は、いかに大きな公共性を有する道路行政であったとしても、受忍の限度を超えた場合には沿道住民の日常生活権は守られなければならないとした、いわゆる生活重視の視点があると思うわけでございます。  この生活を重く見た道路公害の判決について、道路管理者であるところの建設省、この判決をどのように受けとめていらっしゃるのか、また、この判決について今後どのような対策をされようとしておるのか、また幹線道路などの騒音、排ガスの取り組み、そうしたことについてどのようなお考えを持っていらっしゃるのか、お尋ねをしたいと思います。

藤井治芳建設省道路局長

○藤井(治)政府委員 お答えいたします。  控訴審においても第一審同様損害賠償が認められましたことは、厳粛に受けとめているところでございます。私ども道路管理者として、可能な限りの環境対策を実施してきたつもりでございます。例えば車線制限、緑地帯の設置、防音壁の設置、環境施設帯の設置あるいは高架裏面反射音対策あるいは防音工事助成あるいはテレビ電波受信障害対策、日照障害対策、オーバーレイによる騒音の低減。この地域は、この地域を出発点ないしは目的地とする交通がほとんどでございまして、ここと関係のない車は二%しかございません。そういう地域での、言ってみればこういう問題でございますので、私どもこういう、一生懸命やってまいりましたが、裁判所の御理解を得られなかったことは、道路管理者にとってまことに厳しい内容であったというふうに受けとめております。  したがって、私どもこういう、従来から環境の実態につきましては定期的に調査をいたしております。そして、そのときそのときの技術でできる限りのものを実施してやっております。今後、今回の判決をこれから十分検討しながら、さらに私どもとしてどういうふうにやっていくかということは、これからの問題として十分受けとめてまいるつもりではございますが、いずれにいたしましても、こういう技術の開発、それからやはりこの原因である自動車構造の改善、こういったもの全体を含めて今後のいろいろなこういう地域における交通、車社会におけるこういう地域の道路のあり方を考えてまいりたいと思っております。

吉井光照公明党・国民会議

○吉井(光)委員 次に、有料道路のプール制の問題でございますが、総務庁が昨年九月に道路建設にかかわるコストがすべて料金にはね返ることがないように国・地方が建設費、用地費の一部を負担することなどを盛り込んだところの勧告を建設省に提出をいたしました。これも含めて建設大臣は、本年の一月十六日に今後の有料道路制度のあり方について道路審議会に諮問をされているわけでございますが、その諮問の主な内容は、国や地方自治体の助成の拡充やそれから借入金に対するところの利子負担の軽減、またインターの新設に当たって開発利益を受けた地元が建設費を負担する、いわゆる開発インター方式などでございまして、今年六月に中間報告、年内にも答申をまとめて、いわゆる九三年度からの第十一次道路整備五カ年計画の中で新制度を実施したい考えのようでございます。  都市部では、地価高騰によりまして用地費が建設費の三割以上に増大、地方部では、山岳地などに沿線が延びることによりましてトンネルであるとか橋梁、こうしたものがふえまして、全体の建設費というものがかさむ傾向にございます。とはいいながら、料金の値上げ、これも私はもう限界に来ていると思います。こういったことから、地元負担ということのようですが、これとても財政力の弱い地方自治体にとっては、これは死活問題にもなりかねない問題だろうと思います。  こうした現状を踏まえますというと、この高速道路網全体を一つとして考え、収支を合算するところの料金プール制、これは地元負担がなく道路が建設できる反面、やはり費用償還できている道路の利用者はいつまでも高い料金を支払うという問題を抱えたままでございます。したがって、この際、プール制の見直しを含めて、料全体系の抜本的な見直し、検討をすべきではないかと思うのですが、御意見をお聞かせ願いたいと思います。

藤井治芳建設省道路局長

○藤井(治)政府委員 去る一月、道路審議会に建設大臣から有料制度のあり方について諮問をしていただきました。先生御指摘のように、採算性確保の方策あるいはその場合の償還制度の運用改善、助成方策の拡充、料金制度のあり方あるいは今後の整備の方向といったようなものを主な内容として、御審議をいただいております。  諸外国と我が国の高速道路を比べてみますと、やはり我が国はトンネルが多いとか橋梁が多いとか用地費が高いとか、建設時期が欧米に比べておくれたこと等によりまして、建設費が大体欧米の三、四倍になっております。そういうことで、私ども必死に今、後追い的にやってきておりますが、それを、今までは料金を有力な御負担の原資としてお願いしてきたことも事実だと思います。国費の助成等もやってまいりました。あるいはいろいろと制度の工夫もやってまいりましたが、今後とも料金のみに頼っていくということは非常に不可能だということも、当委員会におきましてもあるいはいろいろな各界の先生方からの御指摘もいただいております。  そういうことで、私どもやはり償還制度の運用改善に工夫はないか、あるいは助成方策の拡充にもう余地はないか、そういうことを前提としながら、しかも事業の実施に当たってはなるべくむだのないようにするということも含め、かつ適正な料金、料金はやはりいろいろな公共機関等とのバランスもございますので、そういう中で適正な水準というものを前提といたしますが、やはりそれだけではどうにもなりませんから、こういうプール制という、先発部隊の方だけが得する、後発部隊の方は損してしまうということがないように、特にこういうネットワークのような場合には一つの路線の性格が非常に密接でございますので、料金の水準、徴収期間に一貫性、一体性を求めるということで、同質のサービスを全国民に同じように提供する、あるいはそういう場合に、全体が負担が軽減されながら全体のネットワークができる、こういうような視点でプール制を堅持させていただくわけでございますが、ただ単にプール制を無目的に堅持するということではなくて、いろいろな工夫の中で堅持していくというふうに考えております。  まだネットワークが四四%しかできておりません。まだまだ五六%の方はこれからそのメリットを得られるわけでございますので、そういういろいろな方々の御理解を一層いただくような説明、それだけの努力は今後ともさせていただきますが、そういうことで、今審議会において私どもの今までの物の考え方が十分であったかどうか、もっとこういう点を気づいて直すべきかということの御審議もいただいておりますので、そういう御答申を今後十分いただいた上で、さらに一層この有料制度の充実、執行に当たらせていただきたいと思っております。

吉井光照公明党・国民会議

○吉井(光)委員 次に、昨年の二月十五日の当委員会で質問をしておるわけでございますが、発達障害者への有料道路の割引制度の適用、これは、高速料金の割引制度の導入につきましては当委員会にもたびたび請願がされておるわけでございます。その必要性につきましてはもう今さら触れるつもりはございませんが、昨年十二月一日から、道路を除くところの交通機関、これでいわゆる発達障害者にも運賃割引制度がスタートした点を重視するならば、もはや道路利用者のコンセンサスは得られていると見るべきであるし、むしろいつまでも、国全体の障害者施策の問題で関係省庁との調整、検討云々というのはいわば内部事情であって、障害者の立場、生活者の立場から言わせれば不公平の一言に尽きるわけでございます。道路審議会有料道路部会で検討されて、本年六月ごろを目途に中間報告を出したいということですが、どうか一刻も早く実現をされるように強く要望したいわけでございますが、ひとつ大臣の誠意ある答弁をいただきたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 道路につきましては、人に優しい道路というキャッチフレーズがございますとおり、とりわけ精薄者に対して優しい道路をつくるべきであると基本的には考えております。  有料道路通行料金は、先生よく御案内と思いますが、身体障害者割引制度は既に採用いたしておるのでございます。この場合は、みずから自動車を運転される場合に相当な制約を受けておられるということ、あるいは、構造規格の高い自動車専用道路を選ばれることが多いというような実情にかんがみまして採用いたしたのでございます。精薄者につきましてもこの制度の対象とすべきではないかという御要望を、今日まで熱心に賜ってまいりました。福祉に対するお考え方に敬意を表するのでございます。  そこで、障害者全般の中で検討されるべきであるということを今まで言ってまいりましたが、今般、道路審議会にこの件も諮問いたしておりまして、ぜひ結論を得たい、このように考えておるのでございます。関係省庁と調整を行いながら、いろいろな視点から一層の検討を行ってまいりたいと考えております。先生のお考えに対して、私ども決して後ろ向きではないということは申し上げておきたいと思います。     〔金子(原一委員長代理退席、委員長着席〕

吉井光照公明党・国民会議

○吉井(光)委員 どうかよろしくお願いしたいと思います。  では最後に、国道三十四号長崎バイパスの料金値上げについてお尋ねをしておきたいと思います。  西九州自動車道の長崎県の多良見インターと長崎市を結ぶ延長十五・一キロ、この長崎バイパスの通行料金が来月二十七日から値上げがされることに対しまして、今地元では利用者から反対の大きい声が上がっているわけでございます。  長崎バイパス一期工事が昭和四十二年に通行料金百円で供用開始されて以来、一度も値上げされなかったわけですが、延伸と四車線の拡幅、西山トンネル工事を含んだ二期工事、これが完成した昨年の三月に料金が、川平までが百五十円に値上げをされたわけでございます。そして、新たに設置された西山トンネルにも別途百五十円の料金が課せられたわけでございます。そして、県の要望などがございまして一年間据え置かれてきたバイパス料金百五十円も、来月二十七日から公団は当初の予定方針どおり二百六十円に値上げをする、こういうことでございます。  このために、昨年からことしにかけて、長崎県の商工会議所連合会、それから公明党の長崎県本部、こういったところが、利用者の声として料金の据え置きなど独自の試算というものを示しながら日本道路公団の福岡管理局に要望をしてきたわけですが、十分な説明がないままに公団は姿勢を変えなかった、こういうことでございます。  公明党の長崎県本部の調査によりますと、同じ長崎市内に入るにしても、東長崎線の渋滞を考えれば、多少距離は長くてもずっと近道であるために、バイパスの一日当たりの利用台数は約四万台、このうち約一万三千台というのはマイカー通勤、すなわち完全な生活道路ではないか、こういうことでごさいす。諌早や大村市からバイパス、西山トンネルを使って長崎市内に通勤した場合には、往復料金はこれまでの六百円がら八百二十町、一カ月当たり約六千円の負担増の二万四千円、これは家計を大きく苦しめる結果となってしまったわけでございます。  なるほど今回の値上げの公団側の言い分について、有料道路という性格上、利用者の負担によって建設費を償還する、こういうことについては私も理解できないわけではございません。しかし、これが利用者サイド、すなわち住民サイドから見ますというと、そこに猶予期間はあったにせよ、やはりちょっと値上げ幅が大き過ぎるのではないかと思うわけでございます。公団サイドから見ればわずかな金額の値上げかもしれません。しかしながら、単位が小さいから問題はないという考えがもしおありになるとすれば、私は、それは余りにもお役人的な考え方ではないかと思うわけでございます。  毎日の新聞に広告のチラシが入ってまいります。スーパーの広告で、日用それから食料品が百円安売りの広告が出ますというと、消費者はその品物に集中をするわけでございます。このように、生活者はこうした問題を最重要視しておるわけでございまして、私はこれが生活者の感情であり、感覚であると思うのです。こうした庶民の感情にこたえていくのが政治ではないか、私はこのように思うわけでございます。今までの行政のあり方を見ますというと、どうしてもいわゆる提供者側の論理、これが優先しております。やはりこれを生活者の立場からの発想に転換してこそ初めて生活大国が実現するのではないか、このように思うわけでございます。  したがって、地元の皆さんが言うには、普通自動車の通行料金を百円に戻してもらいたいとか、また、西山トンネルは二期工事であるのになぜ別料金百五十円徴収するのか、こういった疑問の声も大きく出てきているわけでございます。ほかに類似の道路がありません。また路線の設定場所、さらに、当初の予想を大幅に上回る利用者がある現実から見て、この長崎バイパスは生活道路であるということは、これはもう明白でございます。  また、今回、同県本部が実施いたしましたアンケート調査の回収率が八〇%を超える、こういった状況を見ても、地元住民のこの料金改定への関心というものが非常に高くなっていると思うわけでございます。その関心度の高い住民に対して、単に三十年間で百億の維持管理費がかかりますという説明では、これはもう納得できるわけはございません。やはり利用者が納得できる明快な料金設定の根拠を再度示すべきだと私は思うのです。また、それができなかったならば、普通自動車百円に設定された開始当時の予想利用者数が優に二十倍を超える現在、それはいわゆる三十年予想償還の二十倍を超える収益がある、これはもうだれもが考える計算でございます。したがって、以前の百円でも十分に償還能力があると考える、やっぱりこれが常識ではないかと思いますし、また利用者の声でもあるわけでございます。したがって、さきに述べました生活道路の特異性もあわせまして、いわゆる普通自動車百円に戻すべきだ、これが住民側の大きい意見でございます。  したがって、大事なことは、アンケート調査結果でも明らかなように、利用者の多くが、この改定料金は高い、どうして急にこんな大幅値上げをするのかという素朴な疑問を持っているということでございます。この疑問にどうこたえるか、こたえられるかがこの問題の重要なかぎを握っているのでございます。  道路行政の基本がいわゆる利用者の料金で成り立っている以上、やはり利用者が納得できる料金でなければならないことは当然のことでございまして、その利用者が納得できないと言っている以上、納得できるだけの十分な説明をして、そして理解を得られるような努力をしなければなりませんが、この長崎バイパス問題にはどうもそれがなかったところに根本的な間違いがあったのではないのか。であるならば、この問題解決のためにきちんとした説明をすべきであります。福岡管理局が第一期工事から今までに利益がないと言明していますが、利益がないのであるならば、なるほどと言える説得力のある資料を示して、そして利益がないことをまず明らかにするべきであると思います。  それを管理局は、決算内容をどこまで公表した方がよいのか、その判断が難しいなどと言い逃れとも受け取れる言いわけをするから、結局誤解を招くのでございまして、公表の判断が難しいのであるならば、なぜ難しいのかはっきりさせるべきであろうと思います。その上で初めて、二期工事はこれだけはかかります、その積算はこのように出してありますと言うべきでありまして、単に未償還額が五百億、三年度以降の利息が五百十億、維持管理費二百三十億、損失補てん引当金二百二十億、消費税四十億、合計千五百億ですでは、余りにも説明不足ではないかと思います。なぜ維持管理費が二百三十億かかるのか、その内訳もきちっと示すことが必要だろうと思います。  こうした説明が本当にできないのであれば、この問題はさらにエスカレートする危険が多分にあるだけに、やはりこうした問題について再度確認をしておきたいと思います。

山田幸作日本道路公団理事

○山田参考人 ただいま先生御指摘の長崎バイパスでございますが、ただいま御質問にもございましたように、昭和四十二年の十一月に二車線の道路として開通をしておりまして、その後、交通量の増加に対応いたしまして、昭和五十七年から、事業費四百四十五億円をかけまして、四車線への拡幅と西山町までの延伸を行ったわけでございます。その結果、昨年の三月の二十七日、開通をいたしたところでございます。  この拡幅及び延伸に要しました工事の建設費並びに管理に要する費用等を料金徴収期間内に償還させますためには、小型乗用車の例で申し上げますが、拡幅区間で二百六十円、延伸区間で百五十円の料金にする必要があったわけでございます。しかしながら、先ほど御指摘ございましたように、非常に改定の幅が大きいということでございましたので、御利用の方々の負担を少しでも緩和させるということで、一年間の激変緩和措置をとってまいったわけでございます。また、通常百回券で二割引きの回数券を出しているわけでございますが、五十回券で二割引きの回数券を出すというふうな配慮もしてまいったわけでございます。その暫定期間が今回切れるわけでございまして、この三月二十七日から本来の料金にさせていただきたいということでございます。  なお、算定根拠でございますが、先ほど先生御指摘の中に、利益が出ているのではないかということを御指摘ございましたけれども、そのようなことはございません。五十七年度の拡幅工事並びに延伸工事を始めます時点で未償還額が約二十億残っていたわけでございますが、その後、先ほど申し上げましたように、拡幅及び延伸のために四百四十五億円の建設費をかけております。この建設中の利息並びに維持管理費等ございまして、これが平成二年度末で約五百億円になっているわけでございます。それ以後、料金徴収期間の利息、維持管理費等、先ほど先生お話しのございましたように、一千億円が見込まれるわけでございまして、償還主義をとっております以上、この料金徴収期間の間に一千五百億円の償還をいたさなければならないということでございます。  そういったような現状でございますが、利用者の方々に少しでも負担を軽減しようという観点から、この百回券で二割引きの回数券を五十回券で二割引きにして出しておるわけでございますが、これをさらに三年間延長をさせていただきたいと思っております。それから回数券の発売箇所でございますが、現在まで三カ所でございましたが、新たに五カ所をふやしまして、合計八カ所で発売をするということで、利用者の方々に少しでも利便を図りたいということで行っております。  利用者の方々の理解を得るための努力が足りなかったのではないかという御指摘でございますか、その点につきましては、今後とも一層努力をしてまいりたいと思っております。よろしく御理解をお願いいたします。

吉井光照公明党・国民会議

○吉井(光)委員 終わります。

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 辻第一君。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 私はまず最初に、海上自衛隊厚木基地内の体育館の新築工事にかかわる事故についてお尋ねをいたします。  最初に、この事故で亡くなられた七名の被災者の冥福を心から祈り、また、負傷された十三名の方の一刻も早い全快を祈念をいたしまして、質問に入りたいと思います。  このたびのこの事故は、七名のとうとい命を奪いまして十三名の方が重軽傷を負われもという、本当に悲惨な重大な事故でございます。昨年三月の広島新交通システム工事現場の橋げた落下事故、また、昨年九月でしたか、千葉松戸導水路の事故に引き続いての、建設現場に起こりました重大な事故でございます。また、近年の労働災害の動向を見ますと、建設産業での死亡が全産業の四割を占めておるということであります。このような事態に対して、建設省はどのように考えておられるのか、まずお尋ねをいたします。

伴襄建設省建設経済局長

○伴政府委員 海上自衛隊の厚木基地の事故につきましては、先生おっしゃるとおり、広島、千葉に続いての大事故でございまして、まことに残念なことでありますし、特に、お亡くなりになった方に対しましては、衷心より御冥福をお祈り申し上げる次第でございます。  建設省はかねてから、この施工の安全確保というのは重要な課題と思っておりまして、いろいろな各種の要綱、指針を定めたり、あるいはいろいろな機会に、安全確保について関係者に徹底してきたところでございます。  そういう中でございますけれども、御指摘のとおり、建設業の労働災害が四割を占めているわけでございまして、こういったことが、労働災害の死亡者の四割、約千人ずつというようなことで、そういう事故が起こることは、失われた命の重さも当然のことながら、その企業や産業にとりましても、事故が起こることによってイメージが低下いたします。せっかく若者に魅力ある産業というようなことでいろいろな形で運動して、あるいはイメージアップを図っておりますけれども、そういう努力も水の泡になるというようなことで、建設省としても、安全性の向上、構造改善、まさにおっしゃるとおり構造的な問題がございますので、構造改善の中心をなす重い課題だというようなことで受けとめて対応しているところでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 次に建設省に、事故の概要について簡明にお答えをいただきたいと思います。

立石真建設省住宅局長

○立石政府委員 この事故は、二月十四日金曜日の午後に、厚木基地内において発生したものでございます。一階をプール、二階を体育館とする建築物の建築工事を行っていたところ、二階のはり及び床スラブヘのコンクリート打設中に床が崩落しまして、七名の方が死亡、十三名の方が負傷したものでございます。  建設省におきましては、建築工事中にかかる重大事故が発生した事態を重視いたしまして、二月十五日に担当官を現地に派遣しております。また、現地の特定行政庁を通じまして事故状況の把握に努めているところでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 私は、実はおとつい現地を見せていただいたわけでありますが、そのときの写真を撮ってきたのです。大臣ちょっと見ていただきたいのですが、委員長よろしいでしょうか。――今大臣にお渡ししました写真に見られますように、それはそれは広い床が一挙に落下をして、たくさんの方が死傷された。想像を絶する現状でございました。  そこで、この工事の発注者でございます防衛施設庁の方、お越しいただいておると思うのですが、お尋ねいたします。  この工事について、指名競争入札を四回も行われたが不調に終わったということ、そして結局最後まで入札に残られた銭高組と佐伯建設の共同体ですか、ここに随意契約で契約されたと聞いておりますが、そのとおりですか。

田中幹雄防衛施設庁建設部建設企画課長

○田中説明員 お答え申し上げます。  去る二月十四日に、神奈川県の大和市の海上自衛隊厚木基地で建設しておりました当庁発注工事の体育館工事におきまして、多数の死傷者を出したことにおきましてまことに遺憾でございます。亡くなられた七名の方々の御冥福をお祈り申し上げるとともに、御遺族の皆様には謹んでお悔やみ申し上げる次第でございます。また、負傷された方々の一日も早い回復をお祈り申し上げる次第でございます。  御質問の本件工事の契約のことでございますが、指名競争入札を行ったところ、四回の入札の結果、落札者がおりませんでした。そこで発注者の横浜防衛施設局は、最低入札金額を提示しました銭高組、それから佐伯建設の建設共同企業体と、随意契約を行ったところであります。そうしまして、再度見積もりを徴収しましたところ、見積金額が予定価格の範囲内であったことから、当該企業と随意契約を締結したということでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 それじゃ続いてお尋ねいたしますが、指名競争入札のときの最終入札で示された額、銭高組と佐伯建設ですか、それとその後の随意契約での契約額、一期工事分は五億九千四百万円、こういうように聞いているのです。それからトータルをいたしますと八億一千万円ですか、そのように聞いておるのですが、この随意契約と、そのいわゆる指名競争入札の最終入札で示された額、六千万円の開きがあるというふうに聞いておるのですが、いかがですか。

田中幹雄防衛施設庁建設部建設企画課長

○田中説明員 お答え申し上げます。  先生御指摘の差でございますけれども、約六千万ほど差がございました。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 たくさんの企業が指名競争入札、それで不調に終わった。それで一番低かったところと、銭高組ですかと佐伯建設、それの共同体とのこの随意契約の差が六千万ということになりますと、非常に厳しい契約になっておるのではないか。それはまた別にいろいろ見てみますと、防衛施設庁のが厳しかったのか、企業が高く言い過ぎていたのか、それはいろいろ見方もあるのでしょうけれども、一般的に言えば、非常に厳しい契約だったというふうに考えます。この時分は人手不足、人件費高あるいはいろいろ資材高というような状況があったのではないかなというふうにも思うのですけれども、一般的に、建設省どうでしょうか、この時分はこういうことがたくさんあったのですか。競争入札がうまくいかないでうんと下がった随意契約をやられたというようなケースは、ほかに御存じでしょうか。――これは今急に聞いたので、もし何でしたら後日で結構です。

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 それでは、後ほどお答えさせていただきます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 それで、当初一般工法だったのですね。ところが、途中からビルトスラブ工法に変更された、この床のところだけでしょうか、そう聞いております。そうかどうか、それから、なぜ変更されたのか、いつ変更されたのか、これをお尋ねをしたいと思います。

五十嵐善紀防衛施設庁建設部建築課長

○五十嵐説明員 お答えします。  変更したのは床の部分だけでございます。平成三年九月下旬に請負者から、工場製品を多用化することにより現場作業省力化を図りたく、かつ、契約額の範囲内において床構造を変更したい旨の変更願書が提出されました。発注者としては、変更する床構造が建築基準法等の技術基準を満足し、かつ、当初の設計と同等以上の荷重に耐えられるものであることを確認し、平成三年十月下旬、設計変更したものでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 もちろんその変更については、防衛庁はお認めになったということですね。  これまで防衛施設庁では、ビルトスラブ工法で仕事をされたことがあるのでしょうか、お尋ねします。

五十嵐善紀防衛施設庁建設部建築課長

○五十嵐説明員 お答えします。  私どもの方ではまだ経験ございません。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 それでは床の部分だけでもいいのですが、仕様書というのですかそれと、その後の変更された設計書ですか、そういうものを、今警察へ行っているようですが、後日いただくわけにはまいらぬでしょうか。

五十嵐善紀防衛施設庁建設部建築課長

○五十嵐説明員 今の段階でちょっとお答えできないのですが、警察に行っています。後日でいいですか。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 後日なら許されますか。

五十嵐善紀防衛施設庁建設部建築課長

○五十嵐説明員 後日お返事するということでお答えをするということでいかがでしょうか。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 結構です。  それから、また防衛施設庁にお尋ねするのですが、現場監督制度というのがあるのですか、この現場には現場監督の方がおられたように聞いておるのですが、どのような体制でお仕事をされておったのか、どういうような内容のお仕事をされておったのか。それから、事故の前日に検査が行われたようですけれども、はりや支保工の強度などの検査は対象に入っていなかったのかどうか。そして事故の起こった当日、監督官が現場におられたのかどうか、そのあたりをお尋ねします。

五十嵐善紀防衛施設庁建設部建築課長

○五十嵐説明員 お答えします。  厚木地区においては、厚木基地内の事務所を基点にしまして、三名の工事監督官が配置されております。厚木基地を含め、その周辺の基地における十数施設の工事の監督を行っておりました。工事監督官は、発注者の立場から、設計図書、仕様書に合致した品質、出来形を有する建物を工期どおり引き渡しを受けられるよう、請負者が行う工事施工の過程において必要に応じて立ち会い、指示及び調整等を行っております。当日、現場には一人おりました。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 次に建設省にお尋ねいたします。  ビルトスラブ工法というのは、人手不足に対応する新しい省力化工法で、人手は従来の三分の一で済むとか工期も短くできる。そして支保柱、支保工ですか、鉄パイプも大幅に少なくできる、私はこういうふうに聞いております。  この工法は、地震の少ない国で普及しているそうで、日本では三百三十例程度と聞いているのですが、建設省に改めてこの工法の特徴と、それから現状というのでしょうか、簡単にご説明をいただきたいと思います。

立石真建設省住宅局長

○立石政府委員 お答えいたします。  この工事に採用されましたビルトスラブ工法は、工場であらかじめ組み立てられました鉄筋のトラスを鉄筋コンクリート造のはりの間にかけ渡す仕方でございまして、それと同時に鉄筋のトラスの間にプラスチック製の既成の型枠を並べる、そういうことによって床スラブ用のコンクリートの打設面をつくる。ちょっと専門用語になりましたが、そういうような構成でございます。  この工法によりますと、あらかじめ工場で組み立てられた製品を使用すること、そしてまた工事中にはりの型枠によりスラブ自体の荷重を支持することになっておりまして、普通はスラブの下にそれぞれ支保工をずっとっくるわけですが、はりの型枠で支持するためにスラブ下、下面の支保工を設ける必要がないこと、そういうようなことから工期の短縮とか現場の人員の節約等に効果があると聞いております。  この工法は、昭和五十四年ごろから使用されてお一るものでございまして、御指摘のように三百件以上の使用実績があって、これまでのところは問題が発生していなかったというように承知しております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 銭高組は、この工法はこれまでやったことがあるのでしょうか。いかがですか。

立石真建設省住宅局長

○立石政府委員 これまで二件の経験があり、本件が三件目だというように聞いております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 また防衛施設庁にお尋ねをいたします。  現場で仕事をしておられた福地組の関係者は、当初は一般工法で図面をもらっておられた。急に変更になった。この工法はやったことがないので大変不安で、一般工法でできないのか、銭高組に話をされた。しかし、銭高組の社員の方は、絶対大丈夫。人手不足、コストの問題もあって、結局この一般工法に戻してほしいという意見は通らなかったということであります。工事が始まってからも何度も、支保工、鉄パイプを補強するなど改善策をとれないか、このように申し入れておられたようであります。この銭高組の次の一次下請ですか、新日本工業の監督の方、この方も亡くなられたのでありますが、不安で夜も寝られない、こういうふうに言っておられたということも私ども聞いておるわけであります。  私は、この新しい工法を使うときには、慎重にも慎重を期してやるべきだと思うのですね。しかも、現場の第一線の労働者の方が、こういう御不安を抱いて十分な信頼のない状態の中で仕事を進めておられる。私は、これは安全対策上、災害防止上、大変な事態ではなかったのか。私は、今本当に亡くなられた方の痛切な叫びのようなものを感じるわけでありますが、これが現場での実態であったようであります。  こういう話、こういう実態について、防衛施設庁はどのようにお考え、どのように思っておられるのか。それから、工事変更に伴う安全確保、これに対して具体的にどのようにされたのか、お尋ねをいたします。

田中幹雄防衛施設庁建設部建設企画課長

○田中説明員 お答え申し上げます。  本工法は、先ほども申し上げましたように、五十四年ごろから始まりまして、十年以上も経過しているということで、この中には公共工事も含めまして三百件ほど実施しているということでございます。なお、面積的には約五十万平米の実績があるということでございます。また、本工法につきましては、それぞれの建築基準法等の関連法令を満たしているということを確認しておりますので実施したということでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 私は、やはり現場の監督官の方もおられたようでありますし、そういう声が届かないはずがないと思うのですね。そういうことも含めて、私はやはり慎重にやっていただけたらなと、もっともっと十分な対応をとってやっていただけたらなというふうに思うのですね。  それから、設計上のミスがあったのではないか、こういう指摘もございます。NHKのテレビでやったようでございます。そのテレビのビデオを私小し見たのですが、それには、簡単に申しますと、わかりにくい言い方になりますが、図面を分解すると、はりを支える支柱の二段目、真ん中というのですか、骨組みに筋交いが入っていなかった。筋交いのない建物は横方向からの力には全く弱い。経済性いっぱいの設計だったとしても、設計者として考えておくべきではなかったか、こういうふうに横浜国大の石井教授が言っておられたということであります。また、はりと床のつなぎの面の強度なども検討する必要があるのではないか、こういう声も聞いておるわけでおります。建設省、答えられる範囲で簡明にお答えをいただきたいと思います。

立石真建設省住宅局長

○立石政府委員 NHKで今先生御指摘のようなことが横浜国大の先生から話があったというように、私も見ておるところでございます。この支保工の設計上のミスがあったのではないかというように指摘があったわけでございますが、この部分については設計施工の実態の詳細な把握が進んでいない、また、原因がどこにあるかという調査を現在進めているところでありますので、判断は差し控えさせていただきたいと存じます。  なお、支保工といいますのは支えのところでございますから、それ自体が新工法に関連するものなのかどうか、その辺についても今後研究しなければならないだろうと思っております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 今後十分な御検討をいただきたいと思います。  次に、労働省にお尋ねをいたします。銭高組から神奈川労基局にこの工事の届け出が出ているはずでございます。ビルトスラブ工法の安全性について、労働省の認識を伺いたいと思います。

大関親労働省労働基準局安全衛生部安全課長

○大関説明員 今回の災害の発生原因につきましては、御指摘の施工方法の問題など多角的な観点から、現在所轄の神奈川労働基準局厚木労働基準監督署を中心に総力を挙げて調査しているところでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 労働省としてもう少し事前にわかっていただいておったらなというのが私の今の思いであります。  それから、新聞報道によりますと、神奈川労基局の調べで、業者はコストダウンを図るため人手がかからない工法に変更し、建設費切り詰めに無理を重ねたことが事故につながったとの見方が広がっている、こういうふうに神奈川労基局の言葉でしょうか、新聞報道に載っているようでありますが、労働省の見解を伺います。

大関親労働省労働基準局安全衛生部安全課長

○大関説明員 先ほど御説明申し上げましたとおり、現在多角的な検討を行っている段階でございまして、その原因等につきまして所轄局でそのようなことを申した事実はないと聞いております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 続いて労働省に、今度の被災者の皆さん方の救済ですね。速やかな万全な対応、殊に労災の適用、これを十二分にやっていただきたいということ。それから、亡くなった方の中に岩手県の方がたしか四名ほどおられる。それから一人、北九州の方がおられるのですね。そういう遠方におられるという、遠方だということも含めて、いろいろな積極的な御対応をいただきたいと思うのですが、この二点についてお答えをいただきたいと思います。

出村能延労働省労働基準局補償課長

○出村説明員 労働省といたしましては、今回不幸にして被災されました労働者及び御遺族の方々から労災保険の手続等につきまして御相談がございました場合には、所要の指導を行いますとともに、請求書の提出があり次第、必要な調査を行いまして、速やかに保険給付を行う所存でございます。  なお、関係事業主に対しまして既に労災保険の請求等につきまして、所要の指導を行ったところでございますが、今後とも十分な対応を行ってまいりたいというふうに考えております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 遠方の方にも十分な対応をしていただきたい。重ねてお願いをいたします。  次に、また防衛施設庁にお尋ねをいたします。  この本当に悲惨な重大な事故の背景には、発注者であります防衛施設庁の契約の上の問題点ですね、そのことは、きょうの大臣所信の中にもそのようなことがうたわれていましたですね。「事故防止は不可欠かつ喫緊の課題と受けとめ、工事発注における安全の配慮こ私はそういうことじゃないかと思うのですが、「建設業者の施工管理体制の充実等」云々と、それからもう一つ終わりの方にあるのですが、「労働力、資材の需給動向等を的確に把握し、適正な積算、工期設定等に配慮し、事業の円滑な執行に務めてまいり」たい、こういうふうにおっしゃっておるわけでありますが、まさにこういう点が今度の防衛施設庁の発注、契約での問題点ではないかと思うのですね。そして、そういう中で計画の変更など大きな問題が出てきたのですね。  一方、逆に見てまいりますと、受注した建設業者は、発注者でございます防衛施設庁の要求する額に合わせるために、コストダウンを図るために、さらに言えば当初の見積もりとの六千万円の差額を補うために工法の変更も行われたのではないか、こういうふうに私は思うのです。そういう中で営利第一、安全軽視の工事になったのではないか、こういうふうに思います。こういう点で、発注者の防衛施設庁はやはり大きな責任を持っておられる、こう思います。そういう点も含めて、今回の事故で亡くなられた方、負傷された方、下請業者の方々などに十分な対応をされたい、強く要請をするわけでありますが、見解を求めます。

田中幹雄防衛施設庁建設部建設企画課長

○田中説明員 お答え申し上げます。  当庁としましても、事故の重大性にかんがみまして、建設工事における安全対策の的確な励行を各業者に対しまして改めまして指示するように、各地方局に指示を行ったところでございます。今後このような事故が再び起こらないように努めてまいりたいと考えております。なお、事故原因につきましては、現在所轄の警察及び労基局の方で調査中でございまして、当庁としてもできる限り協力していく所存でございます。  今後、施工の安全性の確認は、契約上は請負者の責任においてなされるということになっておりますけれども、このたび重大な事故を起こしたということに対しまして、人命尊重及び安全確保に万全を期するという観点から、発注者の立場からとしましてできることについて早急に検討してまいりたいと考えております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 ちょっと、被災者あるいは下請の業者の方、こういう方に対する対応を十二分にやっていただきたい、こういうことですが、その点について。

田中幹雄防衛施設庁建設部建設企画課長

○田中説明員 下請とは直接は我々、発注者と甲乙の関係でございまして、元請との関係でございまして、下請の方まではな。かなか難しいと思いますけれども、我々としてもでき得るようなことがあれば協力していきたいと考えております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 純法律的なことなどではなしに、社会的といいましょうか、マクロの意味で十二分の対応をしていただきたい、こういう意味も含まれているわけであります。  次に、建設省にお尋ねをいたします。  この事故の背景には、先ほど来申しておりますように、発注者でございます防衛施設庁の契約上のいろいろな問題点、また、そこに起因すると思うのですが、元請大手建設業者が工法を変更する、結局安全よりコスト優先の事業姿勢があったと私は指摘せざるを得ないわけでございます。  昨年三月の広島の事故、また昨年九月の千葉・松戸トンネルの事故、それに引き続く三度目の重大事故でございます。近年、労働災害の動向を見ましても、建設業の死亡者が全産業の四割を占める。しかも、依然として大手建設現場を中心とした安全軽視、さらに言うならば人命軽視の姿勢が変わっていないのではないか。特に最近の人手不足を合理化で補い、受注量の落ち込みを利益率アップで補う、こういう経営姿勢といいましょうか、事業姿勢が私はそこにあると言わざるを得ないわけでございます。しかも重大なことは、九〇年の建設業における死亡災害一千七十五件のうち四一%が公共工事現場である、こういうことでございます。発注者である国や地方自治体などの責任が問われていると思います。建設省としては、改めて建設業界及び公共事業関係の関係者に対し、安全第一の事業活動を指導すべきではないかと思いますが、お答えをいただきたい。

豊田高司建設大臣官房技術審議官

○豊田説明員 お答え申し上げます。  建設工事が安全で、かつ適切に施工されるということは大変大事なことという認識をしておりまして、建設省におきましても、施工技術の確保それから各種施工基準などの整備に従来から努めてまいったところでございます。特に、建設工事の安全確保につきましては、常日ごろから機会あるごとに関係諸団体、地方公共団体に注意を促しているところでありまして、その徹底を図っているところでございます。  本件工事の事故原因などにつきましては、詳細な状況については現在警察と労働省において調査中でありまして、その進捗を見守っているところでございますが、この原因等が明らかになった時点で改めて安全対策等について意を用いてまいりたい、そのように思っておるところでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 この問題の最後に、建設大臣にお尋ねをいたします。  大臣も災害防止、安全確保についてはきょうの所信表明でもお述べになっているんですが、大臣が認可をされ、指導に責任を負っておられる大手建設業者に改めて安全総点検を指示すべきではないか、このように考えるんですが、大臣の見解を伺いたい。  次に、こういう大きな事故で最も大きな犠牲を受けられるのは末端の零細な下請業者あるいは下請の労働者だと思います。この犠牲となられた下請の労働者あるいは下請の業者に対して万全の補償をされるために、建設省として御尽力をいただきたい。また、亡くなられた方々、負傷された方々はもとより、事故で仕事が中断をされ、仕事ができなくなっている下請の方々の損失補償、こういう問題についても、元請業者が元請責任を果たすように建設省から強く指導をしていただきたい、すべきではないのか、こういう点で大臣の見解を伺いたいと思います。

山崎拓自由民主党建設大臣

○山崎国務大臣 このような大きな事故が起こりましたことはまことに遺憾であると存じております。また、亡くなられました方の御冥福を心からお祈りをいたしておるところでございます。  先ほど来、建設業の安全問題につきましてるるお話がございましたが、基本的には所信表明で申し述べましたとおりでございます。今後とも、建設工事における施工の安全対策に積極的に取り組んでまいる所存でございます。また、御指摘の点を含めまして、機会あるごとに建設業者を初め関係者に安全対策を徹底してまいりたいと考えておるのでございます。  なお、最後にお話がございました補償の問題でございますが、補償の問題は、当事者間の十分なお話し合いによりまして解決されることが望ましいのでございますが、御指摘のような下請保護に欠けることがないように見守ってまいりたいと考えております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 次に、最近の奈良県の建設現場における事故の問題でお尋ねをしたいと思います。  端的に申しますと、最近また建設現場の事故がふえております。元年が亡くなられたのが五名、それから平成二年が十二名、平成三年が十四名、こういうふうにふえております。休業四日以上の死傷者数は、全国的にも奈良県も減少をしているわけでありますが、死亡者は逆に、今申しましたようにふえておるというのが最近の状況でございます。  全産業の死亡事故に占める建設業の構成比は、平成三年の場合、全国で四二・三%でしたが、奈良県では五三・八%という高い比率でございます。死亡事故の一つの特徴は、四十歳以上の方が八五・七%ということでございます。これは平成三年でございますが、亡くなった十四名のうち四十歳以上が十二人、そのうち五十歳以上が九人、平均年齢は四十九・八歳でございますね。これは、後継者不足などによる高年齢化、それに伴う敏捷性の欠如でありますとか、あるいは人手不足による不熟練労働者の増加なども原因しているのではないか、このように思います。死亡だけではなしに、けがをされた、いわゆる死傷災害の発生では、奈良県では九〇%以上が二十九人以内の事業所、そういうところで発生をしている。小規模な事業所の方が発生卒が高くなっている、これが奈良県の特徴の一つでもございます。  それから、工期が短い、安全経費が少ないというのも指摘をしたいと思うのです。奈良労基局が昨年十二月一日から十五日までに行われた建設工事現場の立入調査によりますと、六割に当たる現場で労働安全衛生法違反があった、このように発表されております。ガス管埋設工事、ゴルフ場造成地での土砂崩壊による生き埋め事故など、適切な地山の崩壊防止の措置をしなかったために発生した死亡事故や、元請業者からの適切な指示がないまま安全ネット等の墜落防止措置を講じずに発生した橋げた塗装工事の足場墜落による死亡事故など、本来未然に防止できるものも多いようであります。ところが一方、官公需を主に扱っておられる清掃施設工事業の事業主は、工期がぎりぎりで、一週間ぶっ続けの残業をしなければならないために、過労で注意散漫になり、事故につながりやすい。あるいはまた、焼却場の煙突の清掃のために足場と命綱を二本つけるよう指導されているが、足場は経済上とても可能性がなく、命綱も二本もつけていたのでは能率が悪く、工期にとても間に合わない、命綱二本もつけるのなら墜落防止ネットの方が効果的だ、こういうお声もあるわけであります。事業主の責任を問うだけでは根本的な解決にならないという現状がございます。  それから、監督行政が非常に手薄だということでございます。奈良労働基準局は、いろいろ大変御苦労いただいているのですが、事業所が二万七千ございます。これに対応される監督官が実質十四名で、安全の技術指導などを行われる技官は七名でございます。この体制で定期点検や労使間の紛争解決、安全指導などに当たられるわけでありますが、奈良労基署長以下、署を挙げてパトロールなどをされておるのですけれども、こうした職員の皆さんの努力にもかかわらず、事故の根絶への十分な行政効果が望めないというのが現状でございます。  こういう点で私どもはお願いをしたいわけでありますが、まず適正な工期と安全経費の保障、引き上げということをまず官公需から率先して行っていただきたい。それから二番目に、安全対策の方法については現場の意見をよく聞き、より実効あるものに改善をしていただきたい。三番目は、若手建設技術者の養成を進め、実効ある後継者対策を行うなど、政府が率先をして事態の解決に当たっていただきたい。この三点は建設省に。  それから労働省に、労働安全衛生対策を監督する監督官や技官を大幅に増員をし、現場での監督指導を強化していただきたい。これはなかなか労働省だけではいかぬかなと思うのですが、この点について建設省と労働省、時間がありませんので簡明にお答えをいただきたいと思います。

豊田高司建設大臣官房技術審議官

○豊田説明員 労働事故の死亡者は、先生おっしゃいましたように大変多く、去年で千七十五人という人数を示しているところでございます。この原因をいろいろ調べてみますと、建設業労働災害防止協会というのがございまして、そこのデータを分析してみますと、直接的な原因としましては、作業員の不注意による事故が約半数を占めております。それから、安全管理上の不備、次が施工方法の不備、それから第三者による事故、こういう順になっておるわけでございます。この背景には、おっしゃいましたように、労働者の高齢化、技術者を含めました人手不足、市街地におきますふくそうしました条件下におきます工事の増加というようなさまざまな原因が複雑に絡み合って事故が起こっておるわけでございます。  直接の原因、背景を含めまして、このような事故を防ぐためには一つ一つ取り組んで行かなければならないわけでございますが、何と申しましても、工期を適正に設定し、それから工事の平準化を図もことは何よりも大事だと考えておるところでございまして、この工事の平準化につきましては、ゼロ国債等を含めまして、年間にわたって平均的に工事が行われるように努力しているところでございますが、今後ともやってまいりたい。  それから、積算におきまして、工事費が特に安全費については適正になるようにという御指摘でございますが、この点につきましても、できるだけ現場の意見を重視しまして必要な安全対策費は積算に盛り込んでまいりたい、かように思っております。  それからさらに、現場ごとに、建設現場は状況状況、時点時点によって変化が起こるものでございますので、最も適正な設計変更が行われるように条件明示等もはっきりさせてまいりたい。こういうことにつきましては、直轄工事だけでなく、市町村工事あるいは他省庁を含めまして、連絡協議会などで徹底を図ってまいりたい、このように思っているところでございます。

大関親労働省労働基準局安全衛生部安全課長

○大関説明員 労働基準行政におきましては、従来から、労働災害の防止や労働条件の確保を図るために労働基準監督官等の増員に努めてきたところでございます。平成三年度におきましては、労働基準監督官を中心に産業安全専門官、労働衛生専門官等で合計百三十名の増員が認められたところでございます。今後とも、厳しい行財政改革のもとではございますけれども、関係行政機関とも協議しつつ、労働基準監督官、技官等の職員の増員に努め、行政体制の整備を図ってまいりたいと考えております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 ぜひ十二分の御尽力をいただきたいと思います。  次に、大手建設業者の元請責任と下請保護の問題でお尋ねをいたします。  平成三年版の建設白書にも「我が国の建設業は、国民総生産の二割近くに相当する建設投資を担い、全産業就業人口の一割近くを抱えており、国民生活と産業活動の基盤となる建設生産物を供給する基幹産業である」とされております。総業者数五十万八千八百七十四事業者のうち、資本金一億円以下の中小業者が九九・一%を占め、圧倒的多数を占める中小零細業者における経営基盤が脆弱であることなど、大きな問題を抱えていると思います。とりわけ、重層的な下請構造による下請の問題が不況期には特に大きな問題になってまいります。  そこで、建設大臣に見解をいただきたいのですが、我が国経済に大きな役割を果たす建設業における下請保護対策について御見解を承りたいと思います。

伴襄建設省建設経済局長

○伴政府委員 先ほどの御答弁と重複するかもしれませんが、総合組み立て産業でございますので、どうしても総合的に見るものと、それぞれ専門分野で担当するものとがいるわけでございまして、元請、下請の関係は不可避でございます。  先ほど申し上げましたように、これをどうすれば対等な、それこそ分業関係になるかということで長い間腐心しているところでございますが、幸い先ほど申し上げたような指針をつくりまして、これも特に元請に当たるゼネコンの方からの理解も得まして、あわせて共同してこういうことをやっていこうという機運が盛り上がっているところでございます。したがいまして、先ほどの協議会、下請団体、元請団体、それから行政側も入ったそういう団体を通じましてそういうことを周知徹底していきたいというふうに考えておるところでございます。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 具体的な問題でお願いをしたいと思います。  これは建設省に何度もお願いをしているようでありますが、千葉県の我孫子市のドミトリー我孫子ビル建築工事及びドミトリー天王台ビル建築工事の型枠解体工事を請け負った三次下請の方が、二次下請が倒産をされるという中で、結局一千二百三十二万ですか、この下請代金がもらえない、そういう状況でございます。二次下請の社長が行方不明、倒産ということで、その上の第一次のところと話し合われる。さらに元請の日本電建ですか、にも話をされたのではないか。ちょっと時間がありませんのではしょりますが、建設省もいろいろ御努力をいただいておるわけでありますが、この問題の解決のために一層の御尽力をいただきたいと思うのです。済みません、簡単に答えてください。

伴襄建設省建設経済局長

○伴政府委員 基本的には下請代金の未払いの問題でございますから、一般的に申し上げますと、当事者間で十分話し合っていただいて解決していただくというのが原則でございます。  御指摘の件につきましては、建設省としましても関係者から事情を聞いております。当事者間で話し合いが進むように努めてきておりまして、現在、元請の業者と今の当該の方と話し合いをしているところでございますので、円満な解決が図られますよう引き続き努力してまいりたいと思っております、

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 ぜひひとつ、この問題解決のために御尽力をいただきたいと思います。  最後に、離島問題についてお尋ねをいたします。  今国会で離島振興法の延長が論議をされるわけでございますが、離島といいましても、沖縄、奄美、小笠原を除いて離島振興法の対象地域の離島の人口はどれぐらいなのか、それから人のお住まいになっている離島はどれぐらいあるのか、そしてこの離島振興法が昭和二十八年に制定をされ、もうかなり長い年月が経過をしているわけでございますが、この間の離島振興法による離島振興策の経緯と成果、大きな話でありますが、簡単にお答えをいただきたい。

小島重喜国土庁地方振興局長

○小島政府委員 お答え申し上げます。  離島振興法の対象となっておりますいわゆる有人離島は二百八十でございまして、それにお住まいの人々は約六十万人でございます。ただ、御案内のとおり、離島は、我が国の二百海里水域という面から考えてみますと、二百海里水域が四百五十万平方キロでございまして、国土面積の十二倍ということで、離島はかなり大きな役割を果たしていると思います。  それと同時に、今御指摘のように、昭和二十八年から離島振興法ができまして、十年ごとに延長されまして、現在三回延長されております。その基本的な理念につきましては、いわゆる離島というのは大変な隔絶性、本土から離れておる。そういう意味でいろいろな意味での格差是正ということが中心でございますが、なかんずく、生活基盤あるいは産業基盤等、道路あるいは港湾等々のそういうインフラ整備ということが中心でずっとやってまいりました。昭和四十七年の改正で若干ソフト的な配慮が行われまして、医療の確保ということが入っておりますけれども、主にやってまいりましたのはいわゆるハード面の整備でございます。おかげをもちまして、当初と比べますとかなり進んではおりますけれども、まだ本土。との格差は、平均いたしますと、本土を一〇〇にいたしますと八〇くらいというのが大ざっぱな数字でございまして、今後ともハードの面の整備というものはまだ引き続き必要ではないかというように思っております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 離島の抱える問題や要求というのが本当にいろいろあると思うのですね。就労の問題や物価の問題や交通の問題やあるいは医療の問題、いろいろあるわけでありますが、最後に、医療の確保の問題でお尋ねをしたいと思います。  現行の離島振興法でも、医療の確保は特に条項を設けております。大変深刻で重要な問題でございます。離島振興法第九条の二では、「患者輸送車(患者輸送艇を含む。)の整備」を挙げております。同時に、長崎県などでは、患者搬送に航空機の果たす役割は現実に大きいものがございます。また、急患輸送は無医地区に限らず必要であります。  こうした点で、今後さらに対策の強化をしていただきたいと思うのですが、厚生省、お越しをいただいていると思います。

今田寛睦厚生省健康政策局指導課長

○今田説明員 お答え申し上げます。  離島におきます医療の確保を図りますためには、医療施設の整備推進といったものが大変重要であることは言うまでもないわけでございますが、またそれに加えまして、御指摘の、患者のその症状に応じまして医療機関にできるだけ速やかに搬送することのできる体制の整備が重要であるという認識に基づいて、施策を推進しているところでございます。  これまで、僻地中核病院あるいは僻地診療所の整備の推進、それから患者の医療機関に搬送するための手段であります患者輸送車、患者輸送艇の整備、それから搬送時間の長い地域におきます患者に対しましては、関係行政機関との連携のもとで、ヘリコプターや航空機の活用などを図ってきたところでございます。  今後とも、これらの施策を引き続き推進いたしますとともに、搬送途上におきまして必要な医療を提供いたしますための救急救命士制度、これを活用いたしますことによって、離島における医療の確保が一層推進されますよう努めていきたいと考えております。

辻第一日本共産党

○辻(第)委員 時間が参りましたので、終わります。

古賀誠自由民主党

○古賀委員長 本日の質疑は終了いたしました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後四時四十五分散会

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