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123回国会衆議院1992/02/27

環境委員会 第2号

発言数
214
登壇者
22
会派数
4
開催日
1992/02/27

会議録

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 これより会議を開きます。  環境保全の基本施策に関する件について調査を進めます。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。斉藤一雄君。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 昨日、長官から所信表明を伺ったわけでありますけれども、その中で「国民の一人一人が、豊かさとゆとりを日々の生活の中で実感しながら暮らしていけるような生活大国への前進のためには、国民の生活環境を保全しつつ、さらに質の高い快適な環境づくりに取り組み、安全で安らぎと潤いのある地域環境を形成していかなければなりません。」「環境行政をめぐる課題の変化、時代の要請を踏まえ、法制度のあり方、新たな政策手段の導入等について議論を深め、地球化時代の環境政策を展開していかなければなりません回以上の認識に立って、私は次の施策について重点的に取り組んでまいります。」こういう表明がございました。全く私はその認識は同じであります。そういう立場から、少し具体的な問題について質問をしたいと思います。  最初に、自動車交通騒音の問題について質問をいたします。  環境庁が発表した「九〇年自動車交通騒音実態調査」で明らかなように、自動車騒音は全時間帯で五四・二%が環境基準を超え、達成したのはわずか一三・三%、また、いずれかの時間帯で要請限度を超過しているのが二八・四%と過去最悪の数値となりました。  人の健康を保護し、生活環境を保全する上で望ましい基準、これは環境基準でありますけれども、いつまでたっても達成できない、ますます悪化してきているという状況について、大臣としていかなる反省と責任、今後の決意を持っているか、まず最初にお伺いしておきたい。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 道路交通の騒音対策の問題でありますけれども、委員御指摘のとおり、いろいろな基準に対してまだ達成されていない地域が多い。そして私、実は委員の御地元である三区に五十七年住んでおりまして、私の近所に環状七号線大原交差点がありまして、松原でありますから、よくそこらは実感して生活をしているわけでありますけれども、やはり沿道住民の生活環境を保全する上で、これは取り組んでいかなきゃいけない本当に重要な課題であると認識しております。  騒音低減のための対策として、これまで騒音規制の強化とか道路構造の改善等、いろいろな対策が我が庁だけではなくて進められてきたわけでありますけれども、御案内のとおり自動車の非常な増加とそれに伴う騒音の増加ということで、依然として深刻な状況が、いい方向に行っていない、悪い方向に行っているなということを十分認識しているわけであります。  そこで、昨年の六月、中公審に対して、「今後の自動車騒音低減対策のあり方について」ということを諮問いたしまして、今審議を進めていただいているところでありまして、この審議の結果、答申をいただきまして、今後の最重要課題の一つとして取り組んでまいりたいという認識を持っているわけでございます。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 この環境庁の調査の基礎になっております東京の問題について、関連してお尋ねしていきたいと思います。  東京都の環境保全局が行った道路交通騒音振動調査報告書によれば、全時間帯で環境基準を達成したのはわずか五・五%、超過が七四・八%、またいずれかの時間帯で要請限度を超過しているのが四二・三%もあり、国道二百四十六号線と首都高速三号線が走る世田谷区上馬四丁目付近の朝の騒音は実に八十ホンに達しており、健康も生活も維持できない状態にあります。要請限度の超過率は、言うまでもなく一般国道、都市高速道路が最も高いわけでございまして、道路管理者としての国の責任は極めて重いと思うわけでありますが、この点についての長官の所見を伺いたいと思います。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 ただいま御指摘がございましたように、道路騒音につきましては大変厳しい状況にあるわけでございます。東京都の調査結果につきましては、特にまた全国のものと比べますとより厳しいというように私どもも認識をいたしているところでございます。その認識に立ちまして、私どもはこれからいろいろな対策につきましても各関係の省庁と連絡をとりながら進めてまいりたい、このように考えているところでございます。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 騒音が八十ホンということについてどう考えているのですか。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 大変厳しいものであるというように認識しております。     〔委員長退席、細田委員長代理着席〕

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 御承知のとおり、要請限度を超えた場合、都道府県知事は、都道府県公安委員会に対し、道路交通法の規定による措置をとるべきことを要請できることになっております。しかし、現実にはほとんど要請していない。その理由は何か、認識をお聞きいたしたいと思います。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 要請限度を超えておりましても要請の件数が少ないではないかという御指摘でございますが、確かに私どもの記録を見ましても、例えば平成元年度におきましては要請が一件しかなかった、あるいは過去の実績はいずれにつきましても数件程度しかないという事実はございます。  これにつきましては、その要請を発動する以前にいろいろと対策が講じられると申しますか、話し合いがなされると申しますか、そこまで至らないうちにある程度の解決を見るといったようなこともあったわけでございまして、実際に件数として上がってくる数字は少なかったという経緯がございます。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 認識が全く違うわけですよ。そういうでたらめなことを言われては困るのです。過去においては、要請限度を超えて公安委員会に要請するという件数は結構あったのです。しかし、その結果は何の効果もないのです。何の役にも立たないのです。したがって、この公安委員会に要請するということをみんなあきらめているのですよ。それがやらなくなっている原因なんです。  もう一つ、今要請する前にほとんど対策が講じられてきているからと、そんなことはありません。何一つ具体的な対策は講じられていないのです。だから八十ホンという、先ほど厳しい状況ですなんて言っていましたが、そんな状況じゃないのです。実際には何の効果もない。私は、騒音規制法第十七条をそういう意味では改正をして、強化をして、あるいは運用面で実際に効果が上がるようにしていかなければ何の役にも立たないというふうに思わざるを得ません。このことだけを指摘しておきます。  次に、関連して阪神間国道四十三号訴訟判決についてお尋ねをしたいと思います。  阪神間国道四十三号訴訟の控訴審判決が大阪高裁から出ました。時間がありませんので、主文だけ説明してください。

山口均建設省道路局道路交通管理課長

○山口説明員 お答え申し上げます。  去る二月二十日に大阪高裁で判決がございましたいわゆる国道四十三号訴訟の判決の主文でございますが、数点にわたりますけれども、一点は、道路の供用の差しとめ請求につきましては棄却、損害賠償につきましては総額二億三千三百万余の認容、なお将来の慰謝料請求に係る訴えは却下、そのほか個々の方々に対しての損害賠償請求の棄却、あるいは控訴の棄却などが主文で言い渡されております。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 肝心なことを説明しないでいるわけですが、それじゃ私の方からお伺いします。  この判決要旨を読みますと、少なくとも受忍限度を超えている、違法性があるということを指摘しております。道路が違法性があるなどというようなことを言われたのは今回初めてじゃないですか、どうですか。

山口均建設省道路局道路交通管理課長

○山口説明員 一般的な道路の管理瑕疵につきましての訴訟はほかにも何件かございまして、もちろん敗訴した事例もあるわけでございますが、いわゆる環境をめぐります訴訟、騒音をめぐります訴訟はこの四十三号訴訟が初めての案件でございます。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 この違法性の理由要旨の中で大変重要なことが言われております。例えば、受忍限度を判断するに当たっては発生源対策、防止策、行政指針等について総合的な判断が必要である。ここで言う「発生源対策、防止策、行政指針」、これは全部国の行政にかかわっていることなんです。その総合的な判断をした結果、道路の公共性、経済的有用性は原告らの犠牲の上に成り立っているにほかならず、無視できない社会的な不公正が生じている。六十五ホン以上は距離の遠近にかかわらず、また六十ホン以上は距離が二十メートル以内が受忍限度を超えるものと認めるのが相当である、こういうふうに言っております。この判決文について、大臣どうお考えですか。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 当訴訟は、国の道路管理者としての責任が問われていることでございますが、騒音問題、先ほど申し上げましたように環境行政の非常に重要な課題でございまして、委員の御指摘、非常に時宜を得たものと聞かしていただいているわけでありますけれども、そういった実態享受けて私どもは諮問をし、今その答申を受けてこれからの重要課題としていろいろなことをやってまいりたいと思っているわけであります。  判決内容自体については、これは道路管理者の方からコメントしていただく方がいいので、私どもとしてコメントする立場にないと存ずるわけでありますけれども、何度も繰り返して申しわけありませんが、委員の御指摘も受けましてこれからの最重要課題の一つとして、関係省庁とも連携を図りながら一層この対策推進に努めてまいりたい、このように感じているわけでございます。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 もう少し具体的に質問いたしますが、今申し上げたように、発生源対策、防止策、行政指針、行政の責任の問題なんですよ。そういう点も含めて総合的に判断されているのです。この点について異議があるのならあると言ってください。そのとおりならそのとおりだと言ってください。法文についてどうこう言っているわけじゃない、そう考えているか考えていないか。

山口均建設省道路局道路交通管理課長

○山口説明員 大都市におきます騒音対策につきましては、御指摘のような発生源の対策、あるいはそれぞれの防止対策その他のいわゆる総合的な施策が必要であるという認識を持っております。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 六十五ホン以上は距離の遠近にかかわらず、六十ホン以上は二十メートル以内、これは受忍限度を超えるものという点についてどういう見解をお持ちですか。

山口均建設省道路局道路交通管理課長

○山口説明員 御指摘のように今回の判決におきましては、Leq六十五ホン以上は距離の遠近にかかわらず、Leq六十ホンを超えますものは、道路から二十メーターまでにつきまして被害の認定が行われたわけでございます。私ども現在、その判決内容の整理中でございまして、今日この段階でこれに対する個々の評価を申し上げる段階にないものですから、その点は御容赦願いたいと存じます。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 この二十メートルの問題について、新聞報道によりますと、国と公団側は控訴審で疑問を呈して、騒音鑑定をやって、夜間騒音はクーラーの吹き出し音程度と決めつけたというようなことが報道されておりますが、その経過について簡単に説明してください。

山口均建設省道路局道路交通管理課長

○山口説明員 道路管理者といたしましても、この四十三号あるいは阪神高速道路大阪西宮線、西宮神戸線の沿線におきまする環境対策は重要という考えを持ちまして、従来からさまざまな環境対策を実施してまいったわけでございますが、特に騒音によりまする睡眠妨害という点からいたしますると、睡眠への影響ということからすれば、室内値で判断をしていただくべきではないかというふうな主張を私どもはしてまいったということでございます。なお、判決におきましては、屋外値を基本に据えて判断すべきだという判断が示されております。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 おたくたちの主張は敗れているわけですよ。認められてないのです。ここで言う二十メートルというのは判決文にもあるのですが、「浮遊粒子状物質に着目すれば、東京都衛生局による調査によれば、道路から二十メートル以内を沿道地域とすることに合理性があると認められ、洗濯物の汚れその他につき、受忍限度を超える被害を与えていると認めても差し支えない」、こういうふうに言って、東京都の調査を引用しているわけです。東京都は、かなりこの点については長い間調査もし、研究も進んできているわけです。それを裁判所が取り上げているわけです。  この東京都の主張というのはどういうことかというと、幹線道路からの距離に依存して、呼吸器症状有症率に差が生じているとみなすのが妥当であろう。沿道地区を二十メートル以内とし、それ以上を後背地と規定したのは、他の諸報告と比較しても、極めて妥当な判断である。こういうふうに東京都もはっきり明言しているわけです。この東京都の見解について、あなた方はどうお考えですか。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 御指摘のような調査が東京都で行われたことにつきましては聞いておりますが、今回の訴訟の判決と結びつけての評価につきましては、私どもからは差し控えさせていただきたいと思います。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 東京都は調査をしているんだけれども、あなた方は調査してどういう評価をしているのか、あなた方の見解を聞かせてくださいよ。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 各地域と申しますか、自治体等におきましていろんな形の調査が行われていることにつきましては承知をいたしておりますが、私どもはやはり、先ほど先生の御指摘にもございましたような環境庁の調査というものがございますので、それを基準にいたしまして物事を判断してまいりたい、このように思っております。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 だから、東京都は二十メートルということを、一応距離を明示して、そして沿道、後背地という認識を持っているわけですよ。国はどう考えているのかということですよ。何も考えてないということなんでしょう。何もやってないということじゃないですか。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 そういう自治体の調査等につきましても、今後これから検討させていただきたいと思いますが、必要があれば私どもも追試というような形で対応してまいりたいと思います。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 あなた方はどういう見解を持っているかと聞いているのですよ。裁判所からあなた、こういう判決文まで出ているんでしょう。何も調査もしていない、何も評価もしていないということのあらわれなんですよ。  ここでは、六十五ホン以上、距離に関係なくと言われております。先ほど私が申し上げた世田谷区上馬四丁目では八十ホン。判決文の問題じゃないんだ。八十ホンについて、どういう認識をしているんですか。クーラーの吹き出し音程度だという認識でいるわけですか。もう一度。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 先ほどもお答え申し上げましたように、非常に厳しいものであるというように認識をいたしております。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 厳しいものじゃわからないよ。人間が生活できる水準だと思っているのかどうかということですよ。健康に重大な被害を与えるものだと思っているのか、健康には影響ない、平気ですというふうに思っているのか、どっちなんだ。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 一般的な言い方と申しますか、ことで申し上げますならば、八十ホンというような数値は、生活その他、影響を及ぼすであろうという数値であるととらえております。     〔細田委員長代理退席、委員長着席〕

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 交通道路騒音については、全く何の手だてもしていないというのが今の国の実態ですよ。長官も言われたように、きょう以降、早速この問題に取り組んでもらいたいということを要望しておきたいと思います。  次は、鉄道騒音についてお伺いをいたします。  具体的な問題としては、現在、小田急線の高架化、複々線化事業、その「環境影響評価書案」、これが住民の説明会にかけられております。都市計画案も同時に説明にかけられているわけであります。  そこで質問するわけですけれども、現況調査、予測及び評価によりますと、予測値一・二メートルの高さの場合、高架橋端から六・二五メートルの位置で七十六ホンから七十八ホン、以下ずっと現況値、予測値が評価されているわけでありますけれども、ここで問題なのは、「何れの予測値も現況の騒音レベルを下回っている。従って、周辺環境に及ぼす影響は少ない」、こういう結論を下しております。私は、鉄道騒音がいずれも、予測値が現況の騒音レベルを下回っているというふうには考えておりませんし、これはうそである、でたらめである、こう言わざるを得ないのですが、国の方ではこの辺についてどう考えていますか。

大川勝敏建設省都市局街路課長

○大川説明員 工事完了後の鉄道騒音につきましては、今先生の御指摘のような予測値というふうなことになっておりまして、このような形で予測されるものというふうに考えております。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 これは前回の小田急線の喜多見−和泉多摩川間の予測値でも言わざるを得ないわけで言っているわけですが、十二・五メートル、二十五メートルの位置でも現況値より高いところがある。五十メートル、百メートルの位置では、現況値よりも六ホンから八ホンも上回っている。そこで、「二十五メートルまでは、予測値は現況値を下回る傾向を示す」、こういうふうに評価をしているわけです。つまり、二十五メートルまではホンは下がる、しかし二十五メートル以遠は騒音は高くなる、こういうことを同じ環境アセスメント評価の中で指摘せざるを得なかった。私もそう思います。おたくたちはどう考えますか。二十五メートル以遠でも現況値よりも予測値の方が下がる、こういうふうに本当に考えているのですか。はっきり言って下さい、そのくらい認識がなくちゃ騒音問題の対策はできないから。

大川勝敏建設省都市局街路課長

○大川説明員 通常こういう形で下がっておるというふうに考えております。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 それにしても、二十五メートルまではすべて七十ホンを上回っているのですよ。  ・新幹線の環境基準、主として住居の用に供される地域は何ホンですか。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 七十ホンでございます。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 その七十ホンを上回っているのですよ、在来線の鉄道騒音が。その在来線の基準値は決められていない。そしてどうなっているかといえば、在来線は七十ホン以上出そうが、八十ホン出そうが九十ホン出そうが、基準がないからしょうがないのだ、住民は泣き寝入りをしてください、こういうふうになっているのだ。在来線の基準値について、長官はどう認識していますか。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 在来線鉄道につきましては、連行本数でございますとかあるいは列車形態などの運行状況が多岐にわたっております。また、地域の土地利用と騒音の受けとめ方なども異なっているということがあります。そういったことから、全国一律の環境基準というものを設定することは極めて困難であると考えられるわけでございます。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 それでは、JR中央線、京王線も同様なのですけれども、十二・五メートルの位置で七十五ホン、七十九ホンというのが実態だと思うのですが、そういう認識に立っていますか。

鈴木康夫運輸省鉄道局施設課環境対策室長

○鈴木説明員 東京都の調査によりますれば、先生御指摘のとおりのレベルであると承知しております。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 従来から東京都から、新幹線以外の鉄道についても、鉄道騒音の環境基準あるいは指針などを早急に設定するようにという要請が繰り返し繰り返し行われてきております。それは承知しておりますか。——そんなことも知らないのか。

鈴木康夫運輸省鉄道局施設課環境対策室長

○鈴木説明員 よく承知しております。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 しかし、それは全く無視し続けてきている。一千二百万の人口を抱える東京都、都民の健康と暮らしを守るために、長年にわたって、環境基準の設定がない在来線について、少なくとも何らかの基準なり指針を示してもらいたい。指針ということまで言っているのだ。何も答えないでいいのか、それに。長官、どう思うのですか。いや、長官答えてください、あなたの答弁はさっきもう聞いたし、何の役にも立たぬ答弁だから。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 御指摘のようないわゆる指針といったことにつきましても、私ども従来から部内で研究をいたしております。できるだけ早期にそういった指針がつくれないか、あるいはどういった指針がいいのかということにつきましても結論を出していきたい、このように思っております。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 先ほどから斉藤委員が御指摘になっておられます、長い歴史を持っていろいろな問題があったということを、御論議を通じながらまた理解を深めさせていただいているわけでありますけれども、道路の問題にしても鉄道騒音の問題につきましても、今まで、出てくる悪いガス、水、そういったものはどんどんわかるものとしてとらえてきた。しかし、これからはこうした目に見えない公害、国民生活がより一層豊かなものになるためにやはり大変重要な問題であるわけで、委員の御指摘から見れば大変おくればせでありますけれども、道路に関しましては、先ほど申しましたような答申を受けでいろいろな対策を講じていきたい。そして、鉄道問題に関しましても、私もここへ来て大変短いものですが、新幹線については御指摘のとおり基準があるけれども、在来線についてない。私どもの選挙区のような田舎に行きますと、道路をつくるにしても鉄道を敷くにしても、公害問題なんかいいから敷いてくれというような要望が強い、そういうところもあります。しかし、東京のように騒音による公害が非常に深刻化しているところもあります。  ですから、先ほどうちの方から答弁していましたように、騒音規制というのが全国一律ということはなかなかやりにくいということもあるかと思いましたが、今大気保全局長も言いましたように、鉄道騒音にかかわる問題について何らかの指針をつくって、そしてそういった問題指摘におこたえしていくということをこれからしかとやらせようと思いますので、これから事務方に指示をしてやってまいりたいと思いますので、どうか御理解をいただきたいと思うわけでございます。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 長官、ぜひ積極的に早急に取り組んでもらいたいと思うのですよ。この首都、一千二百万の住民が住んでいるところを走る在来線と、何百人が住んでいるところを走る在来線じゃ違うと思うのです、大都市地域における騒音問題、深刻なわけですから。  なお、申し上げておきますけれども、東京都は、環境基準の問題について従来から、不十分なんですけれども、それにしても、環境基準の設定のないものについてはできるだけ環境基準を目標としていくということをずっとやってきているのですよ。私から見れば、内容は極めて不十分ですよ。例えば在来線の問題で言うならば、新幹線は環境基準がある、在来線にない。その場合の東京都の行政のあり方は、基準はないけれども新幹線の環境基準を目標としていくという行政をやっているのです。国は東京都よりずっとおくれていますけれども、せめて東京都が出しているような指針をぜひ早急に出してもらいたい。それから、全国一律で画一的にやるのが間違いだという認識に立ってもらいたい、このことだけ申し上げておきます。  次は、JR東日本が在来線高速特急列車の実用化を進めていると聞いております。時速百六十キロの実現だ。九四年末にはめどがついたというようなことが言われておりますけれども、その場合の環境基準あるいは在来線の騒音、どの程度予測をしておられるのでしょうか。今の問題とも関連してどうお考えなんでしょうか。まさか、ただ百六十キロ、在来線でも通すことができる、万歳万歳と言っているわけじゃないと思うのですが、その辺についてのお考えを聞きたいと思います。

鈴木康夫運輸省鉄道局施設課環境対策室長

○鈴木説明員 JRの在来線の高速化についてお答え申し上げます。  JR東日本におきましては、在来線の幹線区間におけるスピードアップの社会的要請にこたえるために、平成五年秋をめどに、その時点にスピードアップを実現するということではなくて、平成五年秋に試験車を完成させる、そういう計画で進めております。その試験車ができました後で必要な試験を行うということになっております。  運輸省といたしましては、在来線の高速化に当たりましては、沿線における騒音等環境保全対策が重要な問題であるという認識に立っておりまして、沿線の環境への影響についてもその走行試験等におきまして十分な試験を実施するよう指導することとしております。また、JR東日本に対しましては、その試験結果を踏まえまして、必要な技術開発を推進するなど環境保全対策に万全を期するように指導してまいりたいと考えております。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 ですから、JR東日本の時速百六十キロ実現、これはまだ先のことになりますけれども、その場合の騒音の基準というのは在来線の基準ということでいくわけでしょう。新幹線の基準でいくんですか。その辺をどう考えているんですか。

入山文郎環境庁大気保全局長

○入山政府委員 在来線の基準、在来線としてとらえております。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 ですから長官、こういう問題ももう検討されているわけですから、今でも在来線の騒音が、先ほど来申し上げているようにひどい状況の中で、その在来線に環境基準がない中で百六十キロのスピードを出していくんだということがいかに不合理がということですね。この点についても今からはっきりしてもらいたい。私は、少なくともこの場合は在来線の基準じゃなくて新幹線基準でいくべきだ、こういうふうに考えておりますから、そのことを申し添えておきたいと思います。  次に、国の施策との関係で、小田急線の高架複々線計画で日照阻害が出てきておりますので、この点の見解をお聞きしておきたいと思うんです。  日照阻害の問題については、東京都は不十分ながら日影条例というのをつくっているわけであります。しかし、この高架構造物、これは建築基準法も適用されない、東京都の条例にも規制を受けないという状況なんですよ。こういう場合の日影規制についてどうしたらいいんでしょうか。ぜひ教えてもらいたいと思うんです。

大川勝敏建設省都市局街路課長

○大川説明員 小田急の連立事業に伴います日影につきましては、先生も御指摘のように、現在そういう鉄道につきましての明確な基準はございませんので、建物につきます中高層建築物の高さ制限に関する条例によりまして、それが規制する日影の規制は満たす形で計画をする、そういうふうなことで進めておるということで、アセスメントといたしましては適当ではないかというふうに考えております。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 僕は、こういう高架複々線というような、都市計画にとって、都市問題にとって、関係住民にとって大変な被害を受けるそういう構造物について知らぬ顔でいいのか、今建築基準法等の規制に準じてやっていきますというお答えですからそれはそれで了解しますけれども、それでいいのかという問題ですよ。実際には法の規制を受けないんです。幾ら日影になってもしょうがないんですよ皆さん、法律はありませんから我慢してくださいよ。これでいいんですか、大臣。

八木橋惇夫環境庁企画調整局長

○八木橋政府委員 日照の確保が国民生活にとりまして非常に重要な問題であるということは、先生御指摘のとおりだと私思うわけでございます。こういった問題をどう取り扱っていくかということでございますが、私ども環境行政を行うに当たりまして国会から権限をいただいております法律は、公害対策基本法とそれから自然環境保全法という二つの基本法を軸にして環境行政をやっているわけでございます。  それで、この公害対策基本法を策定する際にどういう御議論があったかということでございますが……(斉藤(一)委員「いや、そんな議論は聞いてないよ、議論は聞いてないからいいよ」と呼ぶ)それではそこをちょっとあれしまして、日照権問題ということを基本的に考えますと、これは特定の原因者と特定の被害者との関係が非常に明白になっていて、因果関係が不分明であるといったようないわゆる公害現象、また環境一般の対策とはちょっと異なるものがあるということでございまして、私どもの行政の中では建築基準法の体系でございますとか公共施設の設置に伴う不法行為また損失補償という問題で取り扱いがなされているわけでございます。そういうことで、それが公共物でありますれば、それは設置者または設置者を監督する行政の立場から一次的にそこはアプローチしていただくということが適当ではないかというぐあいに考えている次第でございます。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 日照権、環境権というのは、人間の健康、生活する上の基本だと思うのですよ。どういうことかというと、今まで環境庁の方は、それは建設省の所管の問題です、それは運輸省の所管の問題です、環境行政とは何のかかわり合いもありません、日照権は環境ではありません、言ってみればそう言ってきたわけですが、長官どうですか、法律がどうとか何がどうとかじゃなくて、長官が言われたこの所信表明から見ても、大変立派な認識を持たれていて、そして今後は時代の要請を踏まえていくんだ、こういうふうに言い切っておられるわけです。生活大国への道を目指すんだ、快適な生活環境をつくっていくんだ、こう言っている中で、日照権問題についての認識が今お答えになったようなことがずっと続いているわけだけれども、それでいいのかということですよ。この問題については、どこの省が担当とか縦割りの言いわけじゃなくて、少なくとも環境庁長官としては、この日照権、環境権を基本的にどう考えているのかということだけでもいいですから聞かしてもらいたいと思う。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 斉藤議員の御議論をいろいろ伺ってまして、そういった重大な問題、先ほどの騒音公害もそうですけれども、この環境問題の地域性だとかどこまで役所でかかわり合いを持つのかということ、非常に問題のあるところを御指摘になっていると感じさせていただいているわけです。例えば、道路にしても鉄道にしても、今私の選挙区の方では百六十キロぐらいでぶっ飛ばしてくれということで一生懸命お願いしている。ところが、あるところでは百六十キロ出しては騒音が出るからいけない、こう言う。それから高架の問題でも、今一生懸命に鉄道に高架にしてくれとうちの方では何カ所がお願いしている。ところが、高架にすると日照の問題が出るからこれは慎重にという地域がある。まさにその地域地域によって非常に違った対応がなされなきゃならない。  そういう中でどこまで行政が入っていっていいのかということがあると思うのですが、騒音に関しては、私は、先ほど申し上げましたようにしかと当局に、こちらの内部に申しつけまして、鉄道に関しても指針を早急に積極的につくってまいりたい、こう思うのでありますが、日照の問題ということになりますと、これはそういう地域性もあり、私も隣にマンションを建てられてぱっと日が当たらなくなりました。しかしながら、今度こちらが建てようとしたときは、隣の人が当たらなくなるかもしれない。そういう中で、行政がどこまで国民生活の中に、国民の権利の中に入っていけるんだというところにもかかわってくると思うわけでありまして、先ほども局長がちょっと言っておりましたけれども、これは民事的に損害があれば損害を補てんしてもらうというようなことでやっていくのかなと思うわけであります。やはりこの日照権のような問題を環境問題として取り組むのは、私としてはなかなか慎重に考えていかなきゃいけない問題ではないかな、そのように感じております。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 いずれにしても関係各省庁でこの日照権の問題、環境権の問題、少なくとも検討に入るということをぜひやってくださいよ。それは環境庁長官だけに、すべて環境庁がやれということを言っているわけじゃないんですよね。実質検討に入ってもらいたい。先ほどの長官の所信表明からいえば、当然新たな生活環境ということで考えてもらいたい、これは強く要望しておきます。  時間もありませんので、最後に電波障害の問題について……

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 ちょっと、時間なんですけれども。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 それでは、これで終わりますから。  電波障害については、建設事務次官通達で「公共施設の設置に起因するテレビジョン電波受信障害により生ずる損害等に係る費用負担について」の基準に基づいて所定の費用を補償するということにずっと行政はとらえているわけですが、この次官通達の内容が極めて問題なわけですよ。複合による電波障害が起きた場合、調査費用の分担、共同受信施設の設置費の負担、維持管理費の負担をどうするかという点でどう言っているかというと、「主要な原因となっている建築物を客観的に確定するよう努める」。住民側が主要な原因がどこにあるのか、複合を含めてですよ、建築物を客観的に確定するなんということはできないんです。できないことを通達してほおかむりして、行政は困りに困っているんだ。この点について一言だけ見解を述べてください。

大川勝敏建設省都市局街路課長

○大川説明員 特に、私の方の所管しております鉄道の高架連続立体交差事業につきましては、そういう点は事業者といいますか、施工者の方で十分調整をして、そういう電波障害が生じないように進めていきたいというふうに考えております。

斉藤一雄日本社会党・護憲共同

○斉藤(一)委員 質問を終わります。

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 馬場昇君。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 大臣、水俣病の質問ですけれども、水俣病はもう御存じのとおりでございまして、人類の歴史の中で経験したことのない悲惨な公害でございまして、そういう点で世界の公害の原点とも言っておるわけでございます。それが公式に発見されてからでも三十六年です。私は現地の出身で、あそこで生まれ、あそこで育ったわけですけれども、魚介類に異変があらわれた、また水鳥なんかに異変が出てきた、猫が狂い死にをした、人間に奇病が発生した、そういうところから数えますともう半世紀も実は続いているわけでございます。  しかし、現在なお紛争は続いておるわけでございまして、これだけ、半世紀にもわたってこういう紛争が続くということもまた世界に例を余り見ないんじゃないか、私はこういうぐあいに思うわけでございまして、まさに異常な状態と言わなければなりません。  そういう意味で、水俣病問題が何で全面解決をしないのか、紛争がこんなに半世紀にもわたって続いておる、この理由を大臣は何と考えられますか。何が足りずしてこんなに紛争が解決しないのか、これについての大臣の見解をまず聞かせていただきたいと思います。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 私、昔馬場委員と一緒に環境委員会の理事をやらせていただきました当時から、委員からもこの問題のお話をいろいろ伺ってまいりました。そして、もうそれから既に十年ぐらいたっておるわけでありますが、環境庁の長官を拝命いたしましてからまた、委員を含めいろいろな方から御注意なり御指導なり御意見なり伺ってまいりました。  それで、いろいろ例えば伺うはど、やはりこれは大変な、日本の最大の汚点を残した公害であり、その悲惨な状態を私ども小さいころにテレビ等で見聞きしてまいったわけでありますけれども、お聞きすればするほど重大な問題であるという感を深めてまいりまして、また、その半面これは大変難しい問題をいっぱい含んでいて、私どものように地元で生活をしたこともなく、そういった者が軽々に物を言えないような重大な問題なんだなということをますます深く感じさせていただいているようなところであります。  御指摘のとおり、三十一年の発見以来三十六年たちまして、その間、この間の判決でもいろいろ指摘されておりましたけれども、公共団体だとか国だとかいろいろやってきた。公害健康被害の補償等に関する法律で約二千九百名の水俣病患者の方の認定をして、その救済ということを一生懸命やってきた、環境の改善というようなことも含めていろいろやってきた。また昨今は、中公審の答申を受けて、行政としてできる限りのことをやろうということで、総合対策というようなことも考えさせていただいている。しかしながら、現在もなお認定者がどんどん出ている。認定されてないという方が相当残っている。また、水俣地域では健康の不安を感じられる方が非常におられるという状況の中にあります。  また、この水俣病に関して訴訟がいろいろ提起されておる。大変な社会問題であることは極めて残念であり、我々行政もベストを尽くさなければいかぬという感を深めているわけでありますけれども、この問題が現在もなお続いていることは、水俣病発生当時の原因解明の努力が払われたにもかかわらず、これは判決でも答申でも指摘されていることでありますが、迅速にその原因を確定できなかったことにあるんではないか。これは中公審の答申にも今申し上げたように含まれていることでありまして、そういったことがあるということを指摘もされ、私どもも感じさせていただいているわけでございます。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 時間がございませんから端的に申し上げますけれども、今こんなに紛争が続いているのは、もう簡単なんですよ。二つぐらいの対立点があるんです。それはもう裁判でも言われておりますし、水俣病を発生させて被害の拡大を阻止できなかった行政責任があるのかないのか、これがまず第一点ですよね。第二点は、行政責任だけじゃなしに、政治責任、人道的な責任があるかないか。そこに賠償金の問題とか慰謝料の問題なんかが争われておるわけです。  行政責任というのが一つ。もう一つは、病像が、例えば疫学条件がそろって手足にしびれがあれば水俣病だ、こういう意見と、いやそれだけでは水俣病とは言えない、幾つかの症状が組み合わさらなければ水俣病とは言えない、この対立。行政責任論と病像論、この二つがずっと争われておるから続いておるわけです。  その基盤に、もう一つ忘れられておるのは、水俣病の被害の広さとか深さとか、水俣病の全体像というのが一回も調査されたことないし、どれだけの広さ、深さが水俣病の被害にあるのかという基盤がはっきりしていない、そういうところに対立の原因があると私は思います。  時間がございませんが、端的にお答え願いたいのは、この行政責任論と病像論が話し合いで一致すれば水俣病は解決するんです。これについて、どういうお考えですか。

柳沢健一郎環境庁企画調整局環境保健部長

○柳沢(健)政府委員 訴訟等で争われております争点、これは究極的には何らかの損失が生じた場合にどこまで国民全体の負担によってそれを補てんすべきかという、行政としてゆるがせにできない重要な問題でございます。したがいまして、交渉等によりまして妥協を図るという性質のものではないというふうに考えているわけで、裁判所の公正な判断をいただきたいというふうにしてきたところでございます。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 あなたは質問しないことを答弁しているじゃないですか。この対立を解消すると全面解決になるんだ。まだ裁判のことは何も言っておらぬじゃないですか。  そこで、裁判のことを言いますけれども、その前に言いますが、もうきょうは少し言います。全然あなた方は水俣病の心というのを知らないのですよ。現地住民の心を知らないんだ。水俣病患者の心とか住民の心を知らずにおいて水俣病行政はできないのです。それをまず言っておきます。  それが今裁判で争われておりますが、裁判を見てくださいよ。熊本地裁は国に行政責任あり、認定基準は厳し過ぎる、そして全面患者側の勝訴ですよ。ところが、この間の東京地裁は、国に行政責任なし、そして病像論は、国がやっているのがいいんだ。全く正反対を出しているでしょう、同じ問題で、熊本地裁と東京地裁。熊本地裁はあなた方が控訴した。東京地裁は患者が控訴したわけです。今、控訴審で争われておる。またここで一勝一敗といえばそうだけれども、また今度高裁が違ってくる、最高裁まで行く。あなた方は最高裁までこの責任論、病像論は争うつもりかどうか。どうですか。

柳沢健一郎環境庁企画調整局環境保健部長

○柳沢(健)政府委員 先ほども申し上げたのでございますけれども、この訴訟の性質上、私どもといたしましては裁判所の公正な判断をいただきたいというふうに考えているところでございます。  なお、一方原告らについてでございますけれども……

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 もう要らないことはいいよ。争うのかどうかということ。  大臣、最高裁まで争うと今部長は言った。最高裁まで争った場合、国民世論とか患者の心とか、生きているうちに救済してくれ、これは実行できると思いますか、大臣。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 行政の立場として行政の主張をし、そして裁判が方々で起こっているわけであります。委員御指摘のように、その判決も違ったものが出てくるという中で、行政の立場としていえば、今部長がお答えしたようなことになるかと思います。  そこで、この間の東京地裁の判決でありますが、そこでもって、行政の発生並びに拡大に対するところの国家賠償法に基づく損害賠償の責任はない、しかしながら政治的責任があるということが後の方でつけ加わっているわけですね。  そこで、私どもどうしても、この議論をやってまいりますと、国として何らかの損害が生じた場合、どこまでこれを国の負担、すなわち国民全体の負担で関与して補償していくべきかということになりまして、どうしてもその壁で、行政全体の問題としてなかなかかたいことを言わなきゃならなくなってくる。そこで、この政治責任ということを強く真摯にとらえまして、中公審の答申というものもとらえて、私どもとしては、この精神にのっとって行政としてできる限りのことをやっていきたい。そこで、四年度からの総合対策ということを考えまして、その予算獲得に努力をいたしまして、今その計画を立ててやっていく、これをもって何とか行政としての責務を果たして一生懸命やっていきたい、そのように思っているわけであります。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 今の総合政策で解決はしないんです。そうしたら、今の答弁を聞きますと、結局最高裁まで争う、生きているうちに救済はしない、こういう態度ですね。それじゃ許されることではないと思います。  もう一つ、今問題になっておりますのは、和解によって解決したらどうか、こういうことが今争われておるわけですが、これについても今国が和解に応じてはいないわけだ。熊本県の福島知事は、この間環境庁に来られて次官とも会われたようですし、それから竹下元総理大臣とも会われたようでございますけれども、あの人は、一時金というのは大体裁判で言った三百五十万程度だ、それで水俣病じゃないんだ、ボーダーラインの人たちだ、そして、これを話し合いをするときには裁判は全部取り下げてもらわなきゃならぬ、こういうようなことを言っておるわけでございますが、これでは私は、この和解には患者は応じないと思います。福島知事はああいうことを、新聞に載っておりますけれども、環境庁に来られたときに、和解の内容はこういうぐあいに考えておるんだというようなことを環境庁と相談なさいましたか、相談したかしないかだけでいいです。

柳沢健一郎環境庁企画調整局環境保健部長

○柳沢(健)政府委員 熊本県知事さんが、従来から国が和解協議に参加するようにということにつきましては、その知事の要請をいただいているところでございます。しかし、今先生がおっしゃったようなそういう構想につきまして、これは別途報道もされているところでございますけれども、直接的には伺っていないところでございます。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 そうしたら大臣、裁判でとことん最高裁まで争う、和解には応じない、そして、今福島さんがやっておることもなかなか患者側が応じようとしない、これではもう二つとも解決はできないんですよね。先ほど総合対策を進めていくということを長官言われましたが、もう一つの解決策は私はそこにあると思うのです。  今患者の健康不安というのは、それを診てあげましょう、そして、手足のしびれがあれば、疫学条件がそろえば医療手当もあげましょう、これは私どもも従来言っておったところで、非常にいい点です。ところが、これだけでは解決しないんです。もう少しこの総合対策というのを発展強化させる。そのことについて、地元の人は私を含めてあの水俣病発生地域に住んでおって魚をみんな食っているわけです。それで、手足のしびれがあると、これは水俣病だと思っているんです。私はこの思う心は無理じゃないと思うのですよ。それで、あなた方の行政から棄却された人でも、亡くなられてから解剖して、水俣病だったといって認定されている人もいるんです。この人を解剖しなかったら全然そういうことがわからなかった、そういう人もたくさんおるわけでございます。だから医療手当の額をもう少し上げるとか、あるいはその発展線上に慰謝料的なものを何か含めるとか、そういうものを何か検討できないかどうかとか、そういう発展させていく中でお互いが理解し合うということで、これはつくるような気はないのかどうか、長官。

柳沢健一郎環境庁企画調整局環境保健部長

○柳沢(健)政府委員 今先生仰せになったことは、昨年の十一月の中公審答申にも述べられていることでございまして、この中公審答申では「四肢の感覚障害のみでは水俣病である蓋然性が低く、その症候が水俣病であると判断することは医学的には無理がある。」ということを前提にいたしまして、四肢末端の感覚障害を有する者につきまして「汚染原因者による損害賠償を基礎とした救済を行うものではなく、地域住民の健康上の問題の解消、軽減を図るものとすることが適当である。」そういう答申があったわけでございます。そして「このためには、医療等を確保することによって」「健康管理を行うことが適当である。」と結論づけられているわけでございますので、ただいま先生がおっしゃったように、例えば慰謝料的なそういう一時金の給付、これはこの施策の中になじまないものだというふうに考えているところでございます。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 そういう経過報告なんか私は問いとらん。どう解決するかということを聞いているんだよ。もうあなたと余り議論しない。大臣と、政治的解決と言っているから政治論を今からやります。  大臣、今どうにもならぬでしょう、裁判でもだめだ、和解でもだめだといったら。それならば、皆さんがやっている総合対策というものと裁判、あるいは裁判で行われている和解、こういうものをドッキングさせて何か解決する方法はないか、それを探したらどうだというような世論もあるし、新聞の社説なんかで書いているところもあるのです。この総合対策と裁判、和解を含めて、これをドッキングさせて何か合意を得るような努力というものを政治的になさる気はありませんか。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 今和解の話も委員から出ているわけでありますけれども、今度の東京地裁の判決に述べられておる平等論のことだとか、また国の責任の有無ということについては私どもの主張と大体合致していると思うのですね。  ところが、裁判でさえ違った判決が出てくるという中で、国民から行政を預かる立場として言えば、やはりかたいことを言わざるを得ないということがあります。そして、それと違う意見をお持ちの方がいらっしゃった場合には、これは訴訟で争って訴訟できちっと解決をしていただくというシステムがあるわけですから、それにのっとってやらざるを得ないということになると思うのですが、よく言われることですが、日本では裁判が非常に時間がかかる。そのために救済されるべき人がずっと後になってしまったり、また罰せられるべき人が罰せられないでいってしまうというようなことがある。そうすると、司法制度の問題にまでなってくるので、私の立場として、言いたいことはいっぱいありますけれども、政治家としては言えますが、今の立場としては司法批判のようなことは言えない立場にあります。  そこで、政治的責任ということがどういうことで言われたのかなということを私ども行政として解釈させていただくと、先ほど申し上げたようなことになってくる。そして、それ以上のことになってまいりますと、行政という立場に政治的な判断を余り求めるというのは、私個人の意見ですが、やはり行政としてはいささか無理があるのではないかという感じがするのです。  ですから、先ほどちょっと委員が言われましたように、竹下元総理も心配してくださっているとか、政権政党である自民党の中にも委員会がございます。そういうところでいろいろ政治的に、人に預けるというわけじゃありませんけれども、御検討いただくのも一つの考え方でないかなと私は私的に考えさせていただいているわけでありまして、和解に応じるかどうか、これ以上のことができるかどうかというと、行政の立場としての壁がどうしてもある。そこの中でできる限りのことをやっていかなければいけないということで、中公審の答申を受け、そして総合対策を進めさせていただいている、こういうことだと思います。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 その行政、行政、行政というのが半世紀もあるいは三十六年も解決していない原因の一つですよ、それは。少なくとも国民の健康とか生命に関して、やはりそれを守るというのが、これこそ行政の責任でしょう。被害のあった者を救済するというのは行政の責任でしょう。それは行政だから言えないということでは全然、その態度こそ半世紀も解決しなかった態度になってくるわけです。  ではあなた方が、行政が対応できなければ、これはもう立法が法律をつくって、今の総合対策とさっき私が言ったような慰謝料的なものを含めた、公健法から水俣病を抜き出して水俣病だけの特別立法をつくる。そしてこれをやれと言わなければあなた方は動かない。行政がどうもできない。司法がどうもできない。そうしたら今度は国会がそういう法律をつくって、あなた方にこれをやれという以外にはないと、私はまた今のような態度ならば思うのです。そういうことをまた国会もすべきだとも思います。  しかし、まだまだその前に行政がしなければならぬことはたくさんあると思うのですよ。責任はないみたいにおっしゃいますけれども、現地に住んでおりますと行政責任、政治責任はもう本当にいっぱいあるのです。例えば、昭和二十七年に漁民が、魚がおかしいということでチッソに補償要求を出しているのです。それで、熊本県の水産課に調査に来てくれと言ったのは昭和二十七年ですよ。水産課の三好という技師が行って、工場排水が原因と思われます、工場排水の分析が必要です、被害の実態調査をしなさい、こういうことを昭和二十七年に熊本県に出しているのです。それを熊本県は握りつぶしたんじゃないですか。これは責任がないと言えますか。猫の実験をやりました。排水を飲ませたら水俣病になったという。それが昭和三十二年にはちゃんと報告が出ているわけです。それも握りつぶしたそうじゃないですか。原因究明は、昭和三十一年には、熊本大学は重金属の中毒だと言っているのだ。それをずっと通産省主導の妨害が行われておるじゃないですか。みんな責任があるんだ。そして、その基本には、この間も言いましたけれども、水俣湾のチッソがアセトアルデヒドを生産し始めたのは昭和七年ですよ。昭和七年に年産二百十トンつくり始めた。それからずっとつくって、戦争で一、二年中断いたしましたけれども、戦後はまた生産を始めて、水俣病が公式発見されましたときには何と一万五千九百十五トンですよ。そして三十四年、公式発見されてから、今度は三年たって三十四年には何と四万五千二百四十四トンのアセトアルデヒドを生産しているのです。そして、公式発見されて後十二年間もその排水はとめていないのですよ。もう三十一年には重金属排水がおかしい、いや、二十七年にもおかしいと言われておりながらとめていない。ちょうどチッソが出した、排出した水銀というのは八十一トンということをチッソは言っているのですけれども、ある学者はこれだけのアセトアルデヒドをつくって水銀を捨てたならば六百トンだと言っているのです。そういうこともはっきりさせていない。  昭和三十二年は御存じのとおり神武景気でした。昭和三十六年は岩戸景気でした。そして、まさに日本は高度経済成長して人命はもうどうでもいいんだ。そして、まさにどんどん公害を垂れ流していってこの経済成長を遂げていった。これはまさに国家、社会が生み出した罪悪ですよ。患者というのはその犠牲者なんです。こういうことを考えますと、特に行政責任はないと言われますけれども、行政の仕事というのは、最大の任務というのは国民の生命とか健康に重大な危険があったときには積極的にその危険の発生を防止して被害を縮小する、そういうことをするのが行政の責任じゃないですか。行政の基本ですよ、生命、健康を守るというのは。それをやってきてないから責任があるんだ。こういう責任がない、とともに、もう少し、二度と再び、ノーモア・ヒロシマ・ナガサキと同じようにノーモア・ミナマタという積極的な姿勢がないから解決しない。そういうことを考えますと、私は法律もつくることを後で言いますけれども、環境庁が全面解決のリードをとらなければならぬ、政府部内の中でもリーダーシップを発揮しなければならぬ、このことを私は強く言っておきます。  具体的なことは後で申し上げますけれども、くどいようですが、生きているうちに救済をというのは、これは人道上の問題ですよ。そして、水俣病問題をこれだけ解決させていないということは、環境行政の、環境庁のイメージを日本国民の中でどれだけ低下させておりますか。環境庁は信頼できぬ、環境庁のイメージがこんなに低下しているのを、環境庁のイメージを回復する、そのことだけでもこれを解決しなければいかぬじゃないですか。環境行政できませんよ。  そして今度、大臣は所信表明演説で、私はいいことを聞かされました。地球環境という全人類的課題に取り組む、そして、そのためには国民の環境庁に対する信頼と協力が必要だと言われたでしょう。まだ足元の水俣病を解決せぬでおいて、何で国内外の人が、地球環境のことを言ったって信用しますか。そういうことを考えると、長官が所信で言われたことを再度繰り返しますけれども、環境対策の分野で多くの経験とすぐれた技術を有する我が国の地球環境問題での責任と役割に国際的注目が集まっておる、地球環境問題の解決に向けて積極的、主体的に国際的地位にふさわしい貢献をしたい。これは長官、水俣病を解決せぬでおいてこんなことは言えませんよ。足元のことをやらぬでおいて、今世界が注目しているのは水俣病をどう解決するかということが基本にあり、それが先です。それを解決せずしてこういうことは私は言えないと思う。  そこで、水俣病の解決のためにあなた方が具体的に行動を起こしきらぬというなら、それをやるだけの土俵をつくりなさいということをきょうは提案したいと思うんです。  熊本県には、熊本県水俣病対策協議会というのが県とか市町村、患者、当事者と各界代表を集めて、水俣市の助役がこの会長をいたしております。そして、水俣病をどうやって解決するかということをここで議論いたしております。私もこの委員会に、かつて臨時行政改革調査会それから臨時教育改革審議会、これを法律でつくって諮問をしたんですが、そのときに水俣病対策問題審査会というものを法律でつくって、どうやって解決していくかということをつくりなさいということをここで提案したことがあるわけでございますけれども、いろいろ名称とか何かは別にして、国も県も市町村も、あるいは国会も県会も市町村議会も、あるいは患者も、あるいは各種団体も含めて水俣病をどう解決していくかという協議会みたいなものを、大きく言えば水俣病サミットというようなものを現地水俣で開いて、そしてその中からどうやったらいいかという知恵を出してください。そういうものをつくる音頭を環境庁がとる必要があるんじゃないか、これは‘どうですか。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 先ほどからの委員のお話を伺っておりまして、まさに水俣病は環境行政の最重要な戦後の汚点を残した問題であり、最重要の問題であると考えております。それで、健康被害補償等に関する法律に基づいて一生懸命行政もやってまいったわけでありますけれども、委員御指摘のように、行政というのは法律に基づいて働くわけでございます。そこで、いろいろな問題が出てくるわけでありますけれども、今委員の御指摘になったような方法、水俣病をこれからやっていくのにさまざまな方の御意見を聞きながら、国、地方公共団体一体となって取り組んでいかなければいけないというのは申すまでもないことでありますけれども、今後どのような格好でそれをやっていくかということですね。その理解を深めていくためにも、先生の御提案のような方法も一つの方法であると思うわけでありまして、ただ関係者いろいろいらっしゃるわけでありますので、十分勉強させていただきたい。  いずれにいたしましても、先生の御意見などを伺いながら、真摯に一生懸命解決に向かって努力してまいりたいと存じております。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 これはぜひ具体的に実現できるようにやってもらいたいんですが、もう一つあるのが、さっき病像論について一致をしていないから紛争が続いておると言いました。これにつきましては、やはり病像論でも、今見てみますと、こう言っては何だけれども、環境庁がこれを検討するお医者さんを皆指名するわけなんですね。環境庁のお気に入りでないようなお医者さんは入ってこないわけです。また、そういう民間におるお医者さんから、あの判断基準はおかしいんだ、こういう意見もあるわけでございまして、病像論というのは国民的コンセンサスを受けなければいけない。  そういう意味で、今言ったのと同じように病像論を公開でシンポジウムするとか、そして水俣病像とはこういうものだということを、こういう意見、こういう意見がある、そして民間からたくさんの医者も来て発言したい人はさせて、公開で水俣病の病像を検討する公開シンポジウム、こういうものを開く必要があるんじゃないか。そして病像論を一致させればもめごとも半分になるわけですから、さっき言ったようなサミットみたいなものをやって政治的にこうするということを、もう行政責任もそこで解消していくわけですから、病像を検討するシンポジウムみたいなものを開く意思はないかどうか。

柳沢健一郎環境庁企画調整局環境保健部長

○柳沢(健)政府委員 病像の問題に関してでございますけれども、学会等の公開の場でもって……(馬場委員「いや、開くことがあるかないかということ」と呼ぶ)議論された医学界のコンセンサスを得たものであるというふうに私どもは考えておりますけれども、先生の大変貴重な御提案でございますので、十分に検討させていただきたいと思います。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 私のところにもお医者さんがたくさん来るのですよ。民間のお医者さん、大学の先生も来られます。やはりあの基準はいかぬから、こういう人たちも、公開シンポジウムにしてもらえば私は意見を言いますという人もたくさんおるのです。そういうことをぜひやっていただきたいと思うのです。  そこで長官、きのうも出ましたけれども、水俣病と私はこれでもう三十年来ずっと言い続けておりますけれども、やはり物事を解決するには水俣の患者の心、地域の心というのを知らなければできないのですね。だから、水俣を視察された長官はその心の一端を理解して帰っていただいております。まず三木長官は、私は一緒に行きました。その前の大石さんも行きました。そして石原さんも行きました。そして、行ってずっと現地を二日間くらい回ってみて、具体的なことは約束はできないけれどもあなた方の心がわかった、帰ってから検討させてくださいと言った長官もおりました。こういうことをしますと約束した長官もおりました。だから、水俣病をやる以上は、現地に行ってあそこの人たちの心をつかんでくる、意見を聞いてくるのはぜひ必要だと思うのです。これは環境庁長官、中村さん、ぜひあなたも行って——大体あそこに行った人は理解ができてきたけれども、行かなかった人は全然理解が、最後までわからぬで長官をやめた人も、こう言ってはいかぬけれどもおります。だから、あなたはそういう長官にならぬように、きのうも出ましたように、ぜひ機会を見て行っていただきたいと思います。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 冒頭に申し上げましたように、もう馬場先生からいろいろなお話を伺うようになってから十年が既に経過し、そしていろいろな意見をお伺いしている中に大変重要な、いろいろ複雑な問題であるということ、それだけになかなか軽々に私どもは物が言えない問題であるなということも認識しているわけであります。また、患者の方の意見とか地元の方の意見——地元の方の意見は議員を通じてとか、いろいろ地元の先生方から伺っておりますけれども、そういうことをやるというのも機会もあるようですし、また重要なことだと存じておりますけれども、今裁判が起こったりなんかしている中で私が現地を訪問するということは、現下の情勢をいろいろ考えますと慎重に考えてみたい、こう考えております。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 あなたは殴られるわけでもあるまいし、何で行くのを怖がるのですか。いや、一回はこういうことがあったのですよ。石原さんは二回行きました。一回は自分から進んで行って、患者さんみんな集まってください、私が説明をしますと言った。ところが、二回目は患者さんだけがボイコットをして、体育館でやったけれども集まりはほとんどなかった。それでも石原さんは行きましたよ。あなたが行ったからといって、行政に何の支障がありますか、政治的に何の問題がありますか。行って、患者さんと会うて意見を聞いた。立派な長官だ。私は何にも問題ないと思う。なぜ問題がある。どこが問題ですか。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 行くのが適当でないということではないのですが、今こういう裁判も起こるような御意見がある中で、いろいろな影響も考えまして慎重に検討させていただきたいと思います。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 そう言われると、本当に水俣病に取り組む気持ちがあるのかということを私は疑いたくなるのです。もう中村さんは古い友人ですから、そんな人じゃないということは知っていますけれども、大臣になったら何だ、こう言いたいような気持ちがするのですよ。だから、やはりぜひ行っていただくということで、それは私たちも一緒に行きますよ。そしていろいろなことをまた説明もするし御相談にもあずかりたいと思いますから、ぜひ行っていただきたいと思うんです。  委員長、今こう聞いておりますと、この間の裁判にも政治的解決というのを指摘しているんですよね。行政がこういうぐあいでしょう。こういうぐあいというと失礼ですけれども。それから、裁判の判決にしたって正反対。和解にしたってなかなか進まない。こういうときに、行政がどうも解決できぬ。司法もどうも司法の場で解決できない。国権の最高機関たる国会が動く必要があろうということを私は思うんです。  そういう意味で、きょうできれば来ていただきたかったんですけれども、この次は、当事者の熊本県知事とかチッソの社長とかあるいは患者の代表とか、こういう人たちをここの環境委員会に参考人として呼んで、こういう人たちから意見をぜひ聞いて、皆さんでどうやったらいいのかということを考えていただきたい、こういうことを考えておりますので、参考人招致をお願いしておきたいと思います。

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 その件については、理事会で協議させていただきます。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 それからもう一つ、そして聞いた後、何らか行動を起こさなければいかぬでしょう、この環境委員会も。環境委員会の中に水俣病対策小委員会というのをつくって、継続的に、精力的にこの問題を議論していただきたい、こういうことをお願いしたい。

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 これもあわせて理事会で協議いたします。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 全部前向きにひとつ協議してもらいたいんですが、もう一つ、環境庁長官が水俣に行くのを逡巡しておりますから、これは長官より前に、まあ長官が早く行けばいいんだけれども、そんなこと競争する気はありませんが、この環境委員会でいろいろなことを議論するに当たって、水俣の心を知るという意味で、環境委員会で水俣の調査にぜひ行っていただきたい。そういうことの中から国会が政治的にどうするかということを検討してもらいたいと思いますので、環境委員会の調査もひとつお願いしておきます。

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 これもあわせて検討させていただきます。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 それでは長官、長官が一生懸命、今度地球サミットに向けて、そしてまた環境行政に向けて、あの所信で述べられたように頑張っておられるのは認めております。しかし、長官がやられることが実るためには、この問題を避けては通れませんよということを長官に申し上げて、ぜひこの問題の解決に渾身の努力をするという決意をちょっと聞いておきたいと思います。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 行政としてできる限りの誠意を尽くし、努力してまいります。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 それから、今度は具体的に保健部長に、静かに質問しますから、そのかわり簡単に答えてくださいよ。  水俣病総合対策の進捗状況を聞きたいのですが、これはいつから具体的に総合対策が実施できるのか、何月からの見込みだとおっしゃってください。

柳沢健一郎環境庁企画調整局環境保健部長

○柳沢(健)政府委員 これにつきましては、予算成立後、熊本県を初めといたしました関係県におきまして実施体制が整い次第、できる限り早い時期に実施できるよう努めたいと思っておりますけれども、現在鋭意関係県と協議中でございますので、今この時点でもって何月からというところまで申し上げるわけにはいかないと思います。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 これは、予算が成立すれば当然四月からだ、来年度予算は四月からだ、ところが聞くところによると、七月一日ごろからだと聞いておるのですけれども、大体見通しも立てておらずにやっているんですか。何月ごろから実施したいというので鋭意努力しておるわけでしょう。それも次に答えてください。  それから、今現在の治療研究事業、特別医療事業を受けている人は全部これに含まれるのか、あるいは裁判でいう原告は含まれるのか、自主交渉でいろいろ要求を出しているグループは含まれるのか、新潟は含まれるのか、その辺の検討はどうなっていますか。

柳沢健一郎環境庁企画調整局環境保健部長

○柳沢(健)政府委員 新潟県の問題につきましては、これは審議会の答申におきましても新潟県の地域特性ということが触れられておったわけでございますけれども、この水俣病問題と同様の背景を有するということは確かでございまして、新潟県におきましても、現在、来年度の予算にこの総合対策の予算を計上しているところでございます。なお、実施の方法につきましては、これも新潟県と現在鋭意詰めているところでございます。  それから、対象者の問題につきましても、これも、特に熊本県、鹿児島県を中心にいたしまして現在最終的な詰めを県当局と続行中でございます。できるだけ早く対象者の決定をいたしたいと考えておるところでございます。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 二つ言っておきますが、例えば今の特別医療事業というのは、これを受ける人は水俣病の認定申請を出せない、認定申請を出すときにはこの特別医療事業の適用から除外される。これは公健法に対する申請権というのを侵していると思うのですよ。だから、今度の事業の場合は絶対に、それを受けていても、私は水俣病だといって申請をする場合はそれを適用除外にする、もうそういうことのないようにこれはぜひお願いしたいと思う。  もう一つは、一般市民がおるのですね。申請もしないというような一般市民が、やはり症状が同じなのがおる。こういうのを掘り起こすのは、掘り起こしてやるという気があるのかどうか、そういうことについてもう一つは、寝たきりの人とかあるいは県外居住者は、医療機関を指定する場合、そこに来れない人はどうするのか、こういうことはどうなっていますか。

柳沢健一郎環境庁企画調整局環境保健部長

○柳沢(健)政府委員 先生今掘り起こしというふうにおっしゃったわけでございますけれども、先ほど申し上げましたように、具体的な運用方法については現在最終的な詰めを行っておるところでございますが、住民に対する事業の周知、これは十分徹底しなければならないところでございます。最大限の努力を払ってまいりたいというふうに思っております。  それから、県外者への対応でございますけれども、これも各県の対象者の実情等を踏まえて適切に対応してまいらなければならないというふうに考えておるところでございます。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 これはぜひ、これを正式に決める場合には、やはり地域の自治体とかあるいは患者の団体とか、そういうものから意見を聞いて、そしてみんなが、よし、やりましょうと喜んでやれるように、混乱が起こらないように、ぜひ患者団体とか地域の人たちの意見を聞いて具体的なことを決めていただきたいということを要望しておきたいと思います。  あと長官にもお聞きいたしますけれども、今公害対策基本法で公害や環境政策をやっておられますが、御存じのようにこれは昭和四十二年にできたのですよね、公害対策基本法は。そして、昭和四十五年の公害国会で一回改正になりました。それ以来今日まで二十年この公害対策基本法というのは手つかずできているのですよね。だから、二十年を経過した今日、やはり現在の環境問題をいろいろ考えた場合に、環境対策の憲法という基本法、これは時代おくれになっているのではないか。もともと国際的視野が少し欠けていますよ、基本法を見ても。生態系とかという問題とかあるいは快適環境とか、こういうのがやはり欠けておるのですね。もう一つは、地球環境問題で国際協力とかこういう問題、あるいは環境の教育だとか環境のアセスだとか、こういう点が欠けておりますから、こういうのを取り入れて、公害対策基本法を大改正して環境基本法を制定すべきだ、こういうことを要望しておきます。  質問は、中公審、自然環境保全審議会に現在諮問しておられます地球化時代の環境対策のあり方、この中で環境基本法制定ということもぜひ議論して諮問の内容にしていただきたいということが第一と、第二は環境アセスメントの問題ですけれども、これは昭和五十六年に、これは長官と同じ理事のころだったと思うのですけれども、昭和五十六年に政府が環境影響評価法案をこの国会に出しまして、足かけ実は三年議論して五十八年に廃案になったのです。非常に残念、まあ中身に問題があったからそれを大分指摘もしたのですけれども。ところが、五十八年に廃案になりますときに、これは再提出を検討するということを約束していたのです。そうなっておりますから、ぜひ環境アセスメント法を制定すべきだ。こういうことをやりまして、あのころ反対しておった経済界というのも最近は少し前向きになっておるようでございますから、これも利用しながら制定していただきたい、こういう二つの点について長官からお答えいただきたいと思います。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 それじゃ簡潔にお答えいたします。  基本的には馬場委員のおっしやられたとおり、全部私もそのように考えております。まさに典型七公害を対象とした公害対策基本法、これだけでは今の変わってきた環境問題に対応し切れない。特に悪いものを対症的につかまえて、水俣なんか典型の問題でありますけれども、そういうものを征伐して国民生活を安全なものにしていこう。それに加わった視点というのは、我々の環境、住んでいる地球環境自体から我々の生活を考えようという、これは法律のみにとどまらず、一体それをどこでやるんだ、環境庁の組織はどうなんだ、大きな問題を含んだ大変に困難な問題もいろいろあると思うのですが、これをなし遂げていかなければいけない。その中で法体系というものも変えていかなきゃいけないということは当然のことだと思います。  それで、諮問いたしましたときに、諮問文は読んで御存じかとも思いますが、私、口頭で、もちろん馬場委員が御指摘のような法律の問題、それから環境庁のステータスと言ったのですけれども、どういうあり方がいいのかということも含めて十分御審議をいただいて答申をいただきたいということをお願いしております。また、そういうのが当然出てくるものと考えております。  そしてアセスメント法案のことですが、これは馬場委員理事のときに私も理事で御一緒にやりました。きのうもお答えしたのですが、当時御理解が得られなかった。いろいろな御疑問が呈されて、私の記憶が間違っていなければ、野党の一部にも慎重論があったと思うのです。そして、あのとき、たしか湖沼法を先にしようというので湖沼法を先に成立させまして、これが廃案になり、そのときに、おっしゃられたとおりまたやろうというような申し合わせをしてあった。それから随分時間が経過いたしました。その間閣議決定のアセスということでやってまいりまして、それの定着に努力し、アセスメントというものを理解してもらおうということでやってきて、もうそれがかなり定着して理解されてきたと思います。その中でやはり環境に対する基本法みたいなものがあって、その中に公害に対するものだとか、アセスメントの手続きを含めたものだとか、こういうのがあるのが私は当然の法の姿じゃないかと思っておりますので、どういう答申が出てまいりますか、そういうことを踏まえて、この点については馬場委員と非常に意見が一致しますので、努めてまいりたいと思っております。

馬場昇日本社会党・護憲共同

○馬場委員 終わります。     —————————————

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 この際、参考人出頭要求に関する件についてお諮りいたします。  本件調査のため、本日、参考人として水資源開発公団理事山住有巧君の出席を求め、意見を聴取いたしたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。     —————————————

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 質疑を続行いたします。岩垂寿喜男君。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 私はきょうは、ある意味では社会問題、そして同時に政治問題でもあります長良川河口堰の問題に絞って、特に建設省あるいは水資源公団など関係省庁にお尋ねをしてまいりたいというふうに思います。途中で環境庁長官にも質問をすることがあろうと思いますから、御承知おきいただきたいというふうに思います。  私は素人ですから、建設省や水資源公団の皆さんというのはまさにプロ中のプロですから、やりとりの中でできれば私のような素人にもわかるような御答弁をいただきたい。つまり、そのことの意味は、私どもにもわからぬようなやりとりをしていたのでは国民にわかっていただけるはずはないわけでございまして、そういう点で、ぜひそのことを念頭に置いてお答えをいただきたいと思います。  最初に、これは公団になるのかあるいは建設省になるのか私もよくわかりませんが、一番最初、昭和四十六年二百三十五億円で始まった事業費というものが、六十年換算で千五百億円というふうに言われています。常識で考えても、どうしてそんなに大変な額になってしまうのだろうかということは素朴な疑問としてあるだろうと思うのです。そこで、どうしてそうなんだということを少し詳細に御説明をいただきたいと思います。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 御説明申し上げます。  長良川河口堰の事業費につきましては先生御指摘のとおりで、当初、昭和四十六年に水資源開発公団法に基づきまして、公団に事業実施方針を建設省が指示しております。この段階では事業費は二百三十五億円というようなことでございました。その後、いろいろ工事を行っていく段階で、昭和六十年度単価で千五百億円というように事業費を改定させていただいたわけでございます。  その大きな原因といたしましては、漁業補償等の大きな変動が予想されているようなものにつきまして織り込んだということ、それで片づいてきた。また本体工事についても、基礎工事であるとかそういう当初なかなか予測できなかったようなことにつきましても、本体工事の進捗によりましておおむね確定してきたというようなことで、物価増などの、昭和六十年度以降この変動が予想される要素も考えられるわけでございますが、現時点においては、今後の事業費の増についてはそれほど大きな変動があるというぐあいには考えていないわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 アロケーションという言葉を私は余り細かくは知ってなかったのですが、確かめておきたいと思うことは、利水分については千分の六百二十六、その中の工業用水は通産が十分の三、それから水道、つまり上水は厚生省が三分の一を国庫補助として負担をする。通産省と厚生省は負担分を工事中に公団に交付して、残り、というのは総給水量比で、この場合は二県一市ですね、完成時に元利を引き継ぐ。完成までは公団が起債なりなんなりで支払う。治水分については、千分の三百七十四の三分の二が国、これは建設省ですが、あとの三分の一が三県が平等に分担をするというふうになっているというふうに受けとめてよろしゅうございますか。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 御説明申し上げます。  まず当初のコストアロケーションの問題でございますが、これは長良川河口堰の場合、その事業の目的が治水目的と利水目的と大きく二つに分かれているわけでございます。  そういたしますと、その治水と利水の目的ごとにどのように費用配分を行うかということが、経済企画庁によりまして関係各省の協議のもとにそのルールというものが決まっているわけでございます。それは、基本的には分離費用身がわり妥当支出法というような考え方で行っておりまして、それによって河川工事としての治水的な意味を持つ治水費を、現在のあれで言いますと三七・四%、そして都市用水の目的を持つ利水としてのアロケーションが六二・六%、そういうような形で決定いたしまして、関係省庁に諮りまして御了解いただき、また各県とも御相談いたしまして御了解いただいたのが、そのコストアロケーションでございます。  二点目でございますが、それではコストアロケーションによって治水費の方はどうなるかといいますと、現時点においてはまだいわゆるカット法というのが施行されておりますが、本来四分の三と我々考えておりますけれども、それは三分の二が国費で、残り三分の一が県の支弁という形になっております。  利水費につきましては上水道と工業用水道に分かれるわけでございますが、それにつきましてはそれぞれ、上水道につきましては厚生省、工業用水につきましては通産省の方から補助金が出される仕組みになっております。それで、上水道につきましては水資源開発公団に直接補助金を交付しておりまして、その補助率は三分の一ということになっております。ですから、残り三分の二につきましては水資源開発公団において借入金等の財政措置を行うということでございます。工業用水につきましては公団に直接ということではございませんで、県の方に補助金を交付いたしまして、その中から県の方で、その率は三〇%ということでございますが、残り七割につきましては、一部を公団の借入金等により財政措置し、また一部を年度ごとの負担金という形で各県の方から負担しているというようなことになっております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 基本的には私が申し上げたことと同じだということですね。数字がちょっと違っていたかもしれませんけれども、基本的にはそういうふうに理解してよろしいというふうに思います。  そこでお伺いしたいのですが、その前に、六十年換算ということになるともう七年たっていますよね。まあ物価の問題もございますが、今日現在でどのぐらいと、スライドということを含めて見当なさっていらっしゃるか、数字をお示しいただきたいというふうに思います。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 現時点でどの程度総事業費を見込んでおられるかという御質問がと思いますが、先ほどちょっと申しましたように、現時点までに河口ぜきの本体の基礎工事であるとか漁業補償等の額がおおむね確定しております。そういたしますと、総事業費については、七年たっているわけですから物価上昇等による変動については当然予想されるわけでございますが、それほど大きな事業費増にはつながらないというぐあいに我々は見込んでおる次第でございます。まだ具体的な数字については要求しておりませんので、この席では差し控えさせていただきます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 工事やっているのでしょう。そして、この前の計算と比べて、もう七年たっているんですよ。例えば企業の場合でもそうですけれども、やはり毎年毎年どんなことになるかということをお互いに心配するものですよ。だから、七年もたっているんですから、私、物特の委員長でございますから、七年間の物価上昇というのは今のように安定はしていませんでした。そういう意味では、やはり積算をきちんとなさっていらっしゃるだろうと思う。また、しなかったら怠慢です。大体の見当でもいいからお答えください。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 先ほど事業費につきまして御説明申し上げたとおりでございます。具体的な事業費の改定というのは、これは一つ一つ執行した事業費と今後の見込みの工事を全部積算いたしまして予算要求という形で出すわけでございまして、現在またそのような作業は本格的には開始していないという段階でございます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 大分のんびりした話ですね。これは国民の血税ですよ。場合によったら県民、市民の水道料金、つまり公共料金の負担ですよ。さっき言ったように、七年もたっているということを強調するつもりはございませんけれども、かなりの物価の変動があるわけです。人件費もあるでしょう。そういうことを精査しないで、さっきのコストアロケーションじゃないけれども、通産なり厚生なり建設省なりは補助金出しているのですか。当然計算をしなければ逆算できないでしょう、大枠で。大枠でですよ。細かいこと言えと言っているんじゃないですよ。そういうことが行われていないとしたら、これ親方日の丸もいいところですよ。それは国民の負担、国民の率直な気持ちというものにこたえることにはなりません。それならば、いつ計算するつもりですか。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 現時点でなかなかその総事業費について申し上げにくいわけでございますが、それはもちろんおしかりを受けるかもしれませんが、基本的には作業がなされていない。  また、現在環境庁御当局と一昨年の環境庁長官見解に基づきまして追加調査を鋭意実施しているところでございます。そういたしますと、我々としては万全を期したつもりでございます環境諸対策についても、いろいろまた対策を講ずべきより一層深い内容があるかもしれませんし、そういったことを踏まえまして我々は事業費の総額というものを決める必要もあるだろうということでございますので、現時点では申し上げられないということでございます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 私は荒井さんに恨みがあるんじゃないのですよ。言い逃れしちゃいけませんよ。環境庁の調査というのは、確かに環境庁から言われて始めたのはありますよ。ただ、七年間という歳月がおるのです。それで、新聞記者なんかの話によれば、おたくの総裁も、スライドを考えなければいかぬ、見直さなければいかぬ、時価修正をしなければいかぬとおっしゃっていらっしゃる。当然のことですよ。それならやはり一応のめどぐらいつけたらどうですか。それもつけないで、とにかく七年前の数字で千五百億です、千五百億です。これじゃ詐欺みたいな話だよ。  実際問題として、これから工事が進んでいく。完成時にどのくらいになるかといったら、ある試算によれば三千億という数字が出ている。きのうの朝日新聞にも載っていましたけれども、岐阜大の宮野さん、それから富樫さんという人が積算をしている。これは今のコストアロケーションに基づいてそれなりにつくったものです。だから、じゃお尋ねしますが、この中のどこに大きな間違いがあるか。先ほど質問の通告をしておきましたので、そのどこに問題があるかということだけをちょっとチェックしてみてください。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 ただいまの御質問につきましては、二月二十六日の朝日新聞の記事からの御質問がと思います。この点につきましては、ここに総括表で書いてございますけれども、我々、具体的な計算の内容、そういったものについて一切教えていただいておりませんので、その内容をチェックすることはこの時点では難しいのではないかと考えている次第でございます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 それじゃ荒井さん、恐縮ですが、宮野さん、富樫さんとこの数字について、立論の根拠を含めてお話し合いをするということはお約束いただけますか。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 これは、今後を含めまして事業費がどの程度かかるかというようなことかと思うのです。そういたしますと、完成は平成六年度でございます。ですから、今後まだ若干のそういうような物価上昇等の問題もあるわけでございます。  それで、この事業費の増額の問題というのは、我々が軽々に申し上げることができない理由は、やはり事業費につきましては関係各省、関係県、関係ユーザー、こういったようなものと事前に十分協議させていただいた後じゃないと明らかにすることができないわけでございまして、そういう点でまだそのようなことを行ってないということが第一点でございます。  それから、ここに書いてあるものにつきましては、利息も含めての償還額が書いてあるわけでございますが、その点につきましては、例えば国庫の負担金につきましても、本則、河川法では四分の三が三分の二になっているわけでございます。そういうようなことを、今後いつそれが本則に戻るのかどうかもわからない。また水資源開発公団法によりますと、利水に伴う償還につきましては、水資源開発公団法に基づいて内閣総理大臣及び主務大臣が償還に要する年数及び利息等を決定して償還に入るということになっておるわけでございまして、それは事業としての完了後であるということになっているわけでございます。そういったようなものを踏まえまして初めてそういったような数字が出てくるものであろうかと考える次第でございます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 それはいろいろ御答弁なさるけれども、一体これだけの工事について、これから利水などのことについてもお尋ねをしていきたいと思うのですが、水を使わないという自治体まで含めてその負担をしなければならない。そういうときに、やはり住民というか市民というか、広い意味では国民ですよ、そういうことについてどの程度の負担になるのかなということなども当然考える。また、地方行政などの衝にある人たちは、そういうことを説得しなければいかぬ、理解してもらわなければいかぬ。これはやりようがないのだ、率直に言って。県議会の議事録を読んでみました。何か雲をつかむようなという話をするつもりはないけれども、抽象漠としてどこへたどり着くのかわからない。そういう議論になっているから、私はある程度、どの程度の金額になるのかなということを大ざっぱでいいから判断をしていただけないかと申し上げたわけです。  それから、今の宮野さんや富樫さんのそれも、この計算の中で大きな間違いと言われるものがあるとすれば、細かい数字にこだわっているわけじゃないのです、挙げていただきたいということを申し上げた。しかし、依然としてなおそれは無理だ、こういうことでございますから、ここでやりとりしていてもどうしょうもないと思います。しかし、そういう態度が、かえってこの問題に対する国民の理解というものに対するある種のディスターブとでもいいましょうか、障害になっているということではないでしょうか。その点をぜひ御承知おきいただきたいと思うのです。  そこで今までの、つまり昭和四十七年から平成二年までの総事業費、それからその内訳、それはお示しいただけますね。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 今までの支出された額という御質問がと思います。  これにつきましては平成二年度末ということでお答え申し上げたいと思いますが、平成二年度末までに執行した額は工事費で約二百九十億円、測量及び試験費で約六十四億円、用地費及び補償費で約二百八十八億円、船舶及び機械器具費約七億円、営繕費約六億円、事務費等約八十七億円で、合計いたしますと七百四十一億円ということになります。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 それで、これは治水、利水両方あるわけですけれども、各県の負担割合というのもぼつぼつ明らかになっていますね。三県について数字を示していただきたいと思います。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 先ほど共同事業費としてのコストアロケーションで治水と利水と分かれるということは御説明申し上げたわけでございますが、そのうちの治水分の三県負担割合ということでございますが、ちょうど河口ぜきの長良川は岐阜、愛知、三重の三県にまたがっている区間でございます。ということで、それぞれ三分の一ずつ均等に負担をお願いしているところでございます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 七百四十一の三分の一ずつですね。これでいいのですね。これは利水も入っているのですよ。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 今のは治水ということで、先ほどの……

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 数字を示してくださいと言っている。さっきから治水、利水両方合わせてと私は言っているのです。方式をお尋ねしているのではない。金額を出してください。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 一千五百億円の各県の負担額ということになろうかと思いますが、まず治水につきましては五百六十一億円でございまして、ここに、手元にありますのは千五百億円の内訳ということでございますが、そういたしますと治水費が五百六十一億円でございます。利水費が九百三十九億円でございます。  そして、治水につきましては、大ざっぱに計算というのですか、方法の問題は後で言いますが、三百七十四億円が国でございまして、県が百八十七億円、三県が百八十七億円でございます。利水につきましては……(岩垂委員「百八十七を三で割る」と呼ぶ)そういうことです。それが三県の負担になります。  利水は、九百三十九億円の内訳は愛知、三重、名古屋市、この三つに分かれるわけでございます。それで、愛知県につきましては三百八十六・一億円ということでございます。三重県が四百六十九・五億円。名古屋が八十三・四億円ということでございます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 その中で、補償金とさっき荒井さんおっしゃったのですが、漁業補償は含まれると思うのですけれども、例えば岐阜県の漁連は八十億円で、環境整備が五十億円ですね。もう一つは、三重県の方の漁業補償というのはまだ決まっていませんね。決まっていますか。それの金額をちょっと言ってください。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 漁業補償の金額等につきましては、他の事業も全く同様なわけでございますが、今まで公表さしていただいていないわけです。実は、これは公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱ということで補償をさせていただくわけでございますが、その金額や算定の内容等明らかにさしていただいていない理由は、まず一つは被補償者の財産及び営業行為等のプライバシーにかかわるものであるということで、契約の当事者である一方が相手方の了解なしに公表することができないというようなことになっているわけでございます。また、二十二漁業組合のうちの十九漁協につきましては既に現時点において妥結を見ているところでございますが、いまだ三漁協について妥結してない段階でございますので、未解決の組合が残っているということで、任意交渉を前提としている補償交渉でございますので、そういった面でいろいろな影響が出てくるだろうということで、まことに申しわけないのですが、この数字についてはお答えできないわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 プライバシーというのは個人個人のことでしょう、あくまでも。漁連に幾らという払い方になるはずですよ、それは。漁連に幾らということまでも言えないというのは、漁連というのは大勢の人のいわば団体ですよ。そこで相談するわけですよ。みんなチャックするかもしらぬよ。しらぬけれども、漁連で出した金額まで言えないということになれば、あなたが言ったプライバシーの保護ということとはこれは関係ないんだよ。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 二十二漁協あるわけでございますが、先生の御指摘の漁連と契約しているのじゃないかというようなことでございますが、そのうちの桑名漁連、長良川漁業対策協議会、そのほか川越漁場三組合ですか、それから内水面四組合とかいろいろあるのですけれども、先ほど申しました桑名漁連及び長良川漁業対策協議会、こういったようなところは五つないしは七つの漁業組合とそれぞれ一緒になって交渉したわけでございます。そういうことで、これはまた漁業組合間の配分の問題であるとか、そういったようなものにも支障が出る、影響が出るということで、個別の数字は差し控えさせていただいているわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 何やっているかというようなことを言うつもりはないけれども、漁業組合とか漁連とかという、つまり対個人補償ではなくて、そういう単位でまとまってやりとりをするわけですよ。これは当然組合では大衆的に議論しますよ。それはプライバシーですからというのは、個人のところへ行く段取りの話でしょう。こんなものを公表できないといったら、どういうことなんですか。それほどアンバランスですか。それほどあるところは手厚く、あるところは反対が弱ければ少ないというような、つまり要求の強さ、団結の強さであんばいするのですか。物差しは共通じゃないのですか。そういう支払い方自身を隠そうとするから話がおかしくなる。手を挙げていらっしゃるから御答弁を。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 補償の額等につきましては、昭和三十七年六月の閣議決定に基づきます公共用地の取得に伴う損失補償基準要綱に基づきまして適正に補償を行っているわけでございます。また、その額につきましては、先ほど用地及び補償費ということで二百八十八億円という数字をトータルとしてはお示しをしているところでございます。そういうことで御了解をいただきたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 御了解できませんけれども、時間ばかりがたってしまうから次に移りますが、そういうことをやっていたんじゃ本当に信用されませんよ。皆さんの仕事は一生懸命まじめにやっているんだろうと思うけれども、それが全体として一体何をやっているんだという議論になってくるわけです。その点はどうぞ考えてください。  それで、せきができ上がったときにも、三重県と名古屋市は導水管施設はつくりません、水は要りません、しかしお金だけは払いますということを議会で理事長が答弁していることを御存じですか。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 我々のところにいただいています陳情書等によりますと、三重、愛知及び名古屋市の関係の方からもこの事業の推進についての御要請がございます。具体的には平成六年度に長良川河口堰が完成するわけでございますが、それに合わせまして平成四年度予算におきまして、これは厚生省関係がと思いますけれども、長良川導水事業という形で愛知県に対します上水道用水の供給がこれとほぼ同じ時期に完成を目途に新規に御採択いただける予定であるというぐあいに聞いております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 長良川から導水管を引かなかったから、長良川の水は使えないのですよ。その導水管の費用は国は面倒を見てくれないのです。自治体がやるのでしょう。それは結局、自治体が負担する。使わない水の費用まで払うことになる。全部とまでは言わなくてもいい、多少の補助があるかもしれないから。水を使わない、導水管をつくらない、こういうところへ、つまり要らない水のために長良川の取水せきをつくって、それで金を取るというんだから、これは大変な大仕事です。  それで、高島さんという、今そうなのかどうか知りませんが、三重県の企業庁長が、   河口ぜきの水を使う企業は、当面見つからない。工業用水道の特別会計で分担金を出しても、利子も含めて借金がかさむばかり。返済のめどは全くなく、倒産は避けられない、そうなれば結局は一般会計に迷惑をかけることになるのだから、早いうちから分担金を一般会計で肩代りしてもらうしかなく、知事に決断していただいた。 というやりとりがある。  それから今度は、田上さんという愛知県企業庁長は、「昨年」と言っていますのは一九八七年のことですが、昨年十二月の県議会で工業用水一立方メートル当たり一円の値上げをお願いしたが、それでも頭を下げまくった。このうえ、河口ぜきの負担を今の利用者に押しつけることなど、できぬ相談です。 ということを言っています。  つまり、現場の愛知県、三重県、県の上下水道関係、工業用水を含めて企業庁長がもう水は要らないと言っているんだよ。そういうことは恐らく御存じだと思うから一方的に申し上げるだけにするけれども、この事業は建設省の中部地方建設局になるのかもしらぬが、例えば一九六〇年一月の文章を印刷物にございますから読んでみますが、   伊勢湾臨海工業地帯は、若い工業地帯である。その前途は洋々としてひらかれており、日本のホープである。この地帯の最大の魅力は水である。良質で水量豊かな三大河川をかかえておるこの地域において最近水の問題が深刻に論議されている。これは、一体どうしたことか。  姑息な解決は将来に大きな禍因をのこす。伊勢湾臨海工業地帯の将来のために、ここに工業用水に対する根本的。に最善の方策のひとつとして、長良川河口ダムによる伊勢湾臨海工業用水道(仮称)の企画を提案するものである。 というところから、その次の建設省のあらゆる文書に要するに利水ということが書かれている。  そして今度は、同じように長良川総合検討報告書を見ると、   濃尾平野及び北勢地区は最近高度の経済発展により用水の需要が激増しており、又この地区の取水はかなりの部分が地下水に依存している。最近の地盤沈下は過度の地下水揚水に起因しており、地下水依存の表流水転換を含め昭和六十年ここからなんですが、  木曾川水系で百二十立方メートル・セコンドの利水開発を行なう必要がある。長良川においては当面の利水開発として二十二・五立方メートル・セコンドを設定する。 というふうになっているが、これは当初の長良川河口堰の建設の理由だというふうにもう一度確認をしておきたいと思いますが、いかがですか。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 先生の御指摘の点につきましては、昭和三十五年長良川河口ダム構想ということで建設省の資料が出ているわけでございますが、これにつきましては、中部地建の企画室というところで当時の企画室の担当の人が立案して構想として出したものでございます。  すなわち、建設省の地建の場合には、道路部、河川部、企画室というぐあいにそれぞれ分かれておりまして、水資源問題それから高速道路問題等をやるところが、企画室というところでやっておるわけでございまして、いわばその地域の長期展望というものを企画立案する部局でございます。ですから、当然利水問題だけを担当している企画室としての構想として長良川河口ダム構想というのがあってもおかしくないわけでございます。しかし、これは昭和三十四年の伊勢湾台風、三十五年、三十六年の三年続きました長良川洪水ということで、地域は大変大きな災害を受けたわけでございます。そういったような治水上の要請ということがございまして、既にその段階から、中部地建の河川部等におきましては長良川の治水計画の改定ということを考えていたわけでございます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 いろいろやりとりしたいけれども、まず利水の問題があったわけですよ。その後——じゃ結構でしょう。台風があって、被害があって、治水という要素が加わった、こういうふうに承っておきます。  そこで、木曽川水系、長良川、揖斐川を含む、これが水資源開発水系に指定されたのは一九六五年。一九六八年に策定された木曽川水系水資源開発基本計画というのがある。その第一は、この水系に、おいて新たに発生する水需要を百二十立方メートル・セコンドとし、二つ、一九八五年、昭和六十年までに岩屋ダム、三重用水、阿木川ダム、味噌川ダム、長良川河口堰、徳山ダムを建設することにより、最大人十四立米・セコンドの都市用水供給能力を得る、三、対象地域は三重県北伊勢、愛知県尾張と岐阜県とするとしたというのは、これはそのとおりの文章ですね。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 先ほど御説明できなかった点をちょっと補足させていただきまして国土庁の方にかわりたいと思いますが、長良川河口堰につきましては、先ほどちょっと申し上げたとおりでございますが、治水計画及び利水計画と相まった計画ということで、昭和四十三年の閣議決定によってこの木曽川水資源開発基本計画ということが認められておるわけでございまして、利水からスタートしたというのは、これは非常に誤解を招くことになろうかと思いますので、治水及び利水から当初からスタートしているというぐあいに御理解をいただければありがたいと思っております。  それで、木曽川水系の水資源開発基本計画につきましては、国土庁の担当課長が来ておりますので、私はこれで失礼させていただきます。

満岡英世国土庁長官官房水資源部水資源計画課長

○満岡説明員 木曽川の水資源開発基本計画につきましては、昭和四十年に水系指定されまして四十三年に基本計画が決定されている。その後四十八年に全部変更いたしまして、先ほど先生御指摘のように、水道用水につきましては四十立方メートル、それから工業用水については六十立方メートル、農業用水については二十二立方メートル、毎秒でございますけれども、その需要の見通しを持ちまして、これは昭和六十年度目標でございますけれども、それに対しまして、先生御指摘のように、供給施設といたしましては、木曽川総合用水事業、三重用水事業、長良川河口堰建設事業、阿木川ダム建設事業、徳山ダム建設事業、味噌川ダム建設事業、それから、後で追加いたしておりますけれども、愛知用水事業を入れまして計画がなされているわけでございます。  以上でございます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 満岡さん、恐縮ですが、今ここで細かい数字のやりとりをする時間がございませんので、それぞれのダムの供給量、つまり都市用水の供給量の数字をそのダムのところへ書き込んで私のところへいただけますか。

満岡英世国土庁長官官房水資源部水資源計画課長

○満岡説明員 はい。お渡しします。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 それで、実は満岡さん、大変申しわけないんだけれども、けさ頼んでお出ましをいただいたんだが、今御指摘のとおりに六十年でしょう、昭和六十年。ことしは何年だろうか。何年たっているんだろうか。水の需給計画が六十年のところで切れて今日までないわけでしょう。これはどういうことですか。まあ聞くところによれば、いろんな苦労をして議論をしている、こういうことだそうだけれども、この基本計画の需給の見通しについて昭和五十七年、そうでしょう六十年の前だから、十一月に中部地建で関係自治体から成る木曽三川協議会作業部会が設けられて、国土庁に出す新しいプランの素案づくりを進めた。部会の内容は一切秘密にされている。まあ自治体側はそのときに、とてもじゃないけれどもそんな長良川を含めて水要らないというやりとりをしたが、いやそんなことを言わぬで、とにかく引き受けてくれというやりとりだったというようなことがあるわけですが、それはそれとして、とにかく何年たったら需給見通しができるんですかね。そこのところを教えてください。

満岡英世国土庁長官官房水資源部水資源計画課長

○満岡説明員 お答えいたします。  国土庁といたしましては、第四次全国総合開発計画を受けまして、昭和六十二年に全国総合水資源計画を策定いたしまして、従来より順次各水系の水資源開発基本計画の改定を行ってまいっております。水資源開発基本計画は、当該水系の長期的な水需給計画であることから、これの改定に当たりましては、当該水系における水資源の利用、開発に関する諸課題の整理が必要となってきておるわけでございます。  木曽川につきましても、水資源開発計画について、これまで国土庁と関係県の間で変更作業及び調整を進めてきているところでございますけれども、おおむねまとめつつあるわけでございますけれども、今後は早急に関係省庁、関係県と事前協議を進めまして、速やかに全部変更すべく調整してまいりたいと考えております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 八年ブランクなんですね、六十年で切れているわけです。今になって水の需給計画がまだできない。今おっしゃったように地方自治体などの需要を見込んでということですが、地方自治体はちゃんと出してますよ、みんなそれぞれ。だってそうでしょう、水道会計が、企業庁会計が物を言わなくたって物語っているわけだから。私は勘ぐって言いたくなる。別に建設省と国土庁がつるんでいるなんということを言うつもりないが、この数字をできるだけおくらして、需給見通しを、その上で工事は済んじゃったと、済んじゃったからしょうがねえ、水が余ってもしようがねえから引き受けろ、こういう論理に誤解されますよ、誤解じゃなくて正解がもしらぬけれども。そういう勘ぐりしたくないから私言うんだが、八年間も水の需給計画ができねえなんていうばかな話があるかね。国土庁というところは忙しい職場だとは思いますけれども、それにしてもちょっと忙し過ぎやしないかという感じですね。それはあなたを責めてもしょうがない、前任者からずっと来ている話だから。  しかし、はっきりしておくことは、ここまで長良川の問題が問題になっているそのときに、需給の見通しさえ立てない、工事は進む、こんなことをやっておったんじや、これはいかぬ、幾ら何でも。だから地方自治体の関係者の、建設省というのは高度成長の計画をそのままにしておいて着工促進の旗を振るだけだ、建設主体の水資源開発公団は工事費などにかかった経費に五%以上もの公団事務費を機械的に上乗せして各県に請求するだけだ、民間企業なら需要のない設備に投資するだろうか、今の水資源開発というのは一番基本的な経済原則さえ動かない仕組みになっているというつぶやきをある新聞が書いています。そうだと思うんです。私もそういう話を聞きましたよ、現実に。私も現場へ行きましたから。  そこで、もう時間ですから、私最後に一言だけお尋ねをしておきますが、私の知り合いの男で大変熱心な人がいまして、都市用水の使用量の問題に関連をして、工業統計とそれからいろんな統計を全部引っ張り出して、そしてこの木曽三川に関係する水のこれまでの量、現状などについて、一つの調査をしてくれました。そして、それを届けてくれました。  工業統計と水道統計で全部調べたんです。そうしましたところ、今さっきあなた、これは満岡さんじゃなくて荒井さんになるのかもしらぬけれども、現状というのは、都市用水の使用量というのは、一九七五年、昭和五十年、日量六百六万立米をピークに、今は五百六十万立米ないし五百七十万立米と低迷している。十五年間ですよ。工業用水については、産業構造の変化、つまり成長率の鈍化とか、第二次から第三次へのシフト、あるいは資源多消費型から高付加価値型の企業に変質をするとか、まあ僕は水使用のリサイクルというのが非常に大きいと思うんですが、によっている。上水道用の水というのは確かに少しふえているけれども、出生率が下がっていてやがて人口が急落をするからそれほどの伸びはないだろう。  供給能力というのはどうだ。岩屋ダム稼働の現在、使用量は五百六十万立米ないし五百七十万立米から、岩屋ダムの使用量を差し引いた四百五十万立米を既存施設の供給実績、供給能力しやございません、として、これに岩屋ダム、三重用水、阿木川ダム、味噌川ダムを加えて八百三十一万立米になる。これ日量です。使用量の一・五倍だ。そして、河口ぜきの百八十二万立米と、日量ですが、徳山ダムの百十二万立米を加えると千百二十五万立米という勘定になる。これ、実に需要の二倍だ、こう言うんですね。  そこで、こういう数字があるわけですけれども、皆さん方これは違っているとか、間違っているとか間違っていないというような議論を、やっぱり一遍地元の人たちとも議論する機会をぜひ持ってほしいんです。そして、やっぱり共通の土俵で議論する、こんなことをお願いしたいと思いますが、いかがですか。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 まず、前半部分の今後の水需要等の見通しの問題でございますが、この地域におきましても、人口が昭和六十年、七百三十万から、平成十二年には恐らく七百九十万ぐらいに上がるだろう。工業用水につきましても、二十二兆円の工業出荷額から三十七兆円に見込まれておる。また回収水につきましても御指摘ございましたが、現在七八%ぐらいの平均でございますが、これはほぼ限界に近い状態でございまして、今後工業が立地する場合には、当然工業用水の需要も生ずるだろうというようなことも予想されております。そういうことで、今後の水資源開発基本計画等につきましては、十分それらが反映されるものと私たちは期待しているわけでございます。  また近年、昭和四十八年から平成二年まで見ますと、この十八年間に実に二年に一回の渇水が生じているわけでございます。特に昭和六十一年の渇水は上水道用水二〇%カット、工業用水、農業用水四〇%カットという非常に激甚なる影響を与えたわけでございます。 ですから、我々といたしましては、こういうような渇水がしばしば起こるこの木曽川水系におきまして、やはり今後の水資源開発ということは地域の長期的な発展のためには必要不可欠なものであるというぐあいに考えている次第でございます。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 だから、あなた方がおっしゃっていることと、それから今私が指摘したようなそういう見方との間に違いがあるわけですよ。それはやはり国民にとってどっちが正しいか、負けたか勝ったかの議論じゃなくて、どっちが正確なんだということを住民の皆さんと一緒に理解し合うということ以外にないじゃないの。それこそ公開のシンポジウムでも開く、そういうことについて荒井さん、ぜひ前向きな御答弁をいただきたい。

荒井治建設省河川局開発課長

○荒井説明員 実は、我々のこの事業に対する治水的な要請、利水的な要請、そして環境的な配慮というようなものにつきましてこういうような青い報告書をつくりまして、平成二年の十月でございます、既に関係の各市町村、県、そういったようなところに御説明を実施しております。  具体的には、例えば三重県長島町でございますが、これは三回にわたって地元説明会を昨年の七月に行っております。それによりましてたくさんの方々に来ていただいて御説明申し上げ、それについてさらに具体的な公式な回答を町の広報に掲載いたしまして、隅々まで地元の方が御理解いただけるような工夫を既にやっていも次第でございます。  そういうことで、関係市町村にわたりましてるるこの事業の治水上の必要性、利水上の必要性、環境上の配慮というような問題につきまして現在やっているところでございますので、そういったような成果も踏まえまして、先生御提案の地元シンポジウム等は検討させていただきたいというぐあいに考えております。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 やってます、やってますと言ったって、理解されてないから最近のNHKの世論調査と朝日新聞の世論調査等、あるいはいろいろな団体の世論調査によってもそれぞれ心配しているのですよ。そういう心配、悪いけれどもそれは地元、そういう人たちの気持ちをやっぱりもう少し理論的にもお互いに議論し合う、こういう場所がどうしても必要だと思う。それは何千億というお金を国民の血税を含めて使うんですから、さっき言ったようにこれだけ政治問題、社会問題になっているんですから、共通の土俵をつくるということについてむしろ積極的、意欲的でなければならぬ。  環境庁長官、そういうことなど含めて、前の長官は、環境調査に関連をして住民の理解ということがありました。地震などの心配、そういうことについても御配慮いただきたいということもありました。アセスがどういう形で進んでいるのか私は知りません。しかし少なくとも環境庁は、建設省や水資源公団の調査の結果について一応承り、相談に応ずるという、そういう立場にあるはずです。だから、そういうことを含めてむしろ積極的にこの問題について、自信があるなら前に出ていくという姿勢こそが今日の社会にとって必要ではないかというふうに私は思います。その点をぜひ御努力をいただきたいと思います。  それでは最後に、会計検査院お見えですが、実は会計検査院が数年前に徳山ダムについて調査をされました。これは国民の血税という立場から考えて調査をなさったのだろうと思うのですが、細かいことをここで御報告いただくには時間がもうございませんけれども、率直に申し上げて、こういう水余り現象と言われているところへ大変な投資が行われている。こういう状況について、いやおれの方はそれは必要だからやっているんだという理屈がある。片方はそうではなくて、それはやはりむだ遣いではないかという意見がある。そういう意見に立って、ひとつこの長良川河口堰についての御注目を今後とも願いたいと思いますが、御答弁を煩わしたいと思います。

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 時間が過ぎておりますので。

佐藤恒正会計検査院事務総長官房審議官

○佐藤会計検査院説明員 私ども、先生がただいま御指摘になった点を踏まえまして、そういった点に関心を持ちまして検査をやってまいりたいと思います。

岩垂寿喜男日本社会党・護憲共同

○岩垂委員 長いことありがとうございました。どうも失礼しました。

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 午後一時から再開することとし、この際、休憩いたします。     午後零時二十分休憩      ————◇—————     午後一時開議

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。  質疑を続行いたします。斉藤節君。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 まず最初に、きのうに続きまして、環境影響事前評価法、いわゆる環境アセスメント法、またしかれておりませんけれども、それらにつきまして御質問を申し上げたいと思います。  現在、まだ環境影響事前評価に関する法律は制定されておりません。そのため、一九八四年に「環境影響評価の実施について」という閣議決定を受けて統一ルールとして定められた環境影響評価実施要綱というのがございます。そのもとに各省庁が定めているアセスメント技術指針で大規模な開発事業などについてそれぞれの立場で審査、評価を行っておるわけでありますけれども、また、地方自治体では条例でアセスメントを定めて実施しているところもあるわけでございます。そのため、対象事業の免許あるいは評価の方法にいろいろとばらつきがありまして、不公平な、あるいは不統一な結果をもたらすこともあるわけでございます。統一した基準をつくってほしいという強い要望がなされておりまして、環境庁としてはこれまでどおりこの実施要綱で十分であるとするのか、それとも新たに環境アセスメント法を制定してこれに対処しようとするのか、その辺、大臣の御所見を承りたいと思います。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 環境アセスメントということについては、その重要性、これはもう定着し、環境問題を論じる上でどうしてもやらなければいけない一つの手続であるということは定着しておると思うのです。  今委員の御指摘のありました環境アセスメント法案が日本にないということでありますけれども、これは、実は十年ばかり前に政府は、政府部内がまとまりまして法案は国会に提出されました。そのときのことはこの間から御答弁してきましたが、串原先生だとか馬場昇先生が理事でいらっしゃって、私は自民党側のこれを動かす責任をやっておりましたので、理事をやっておりましたので、当時の状況をよく存じているわけであります。みんな、アセスメントはやらなきゃいけないけれども、アセスメント法案を制定した場合に、こういうことが起こらぬか、こういうことが起こらぬかといういろいろな懸念が表明されました。それで、学者の方とか業界の方とか、いろいろな方とも接触いたしまして、野党の方とも御相談しながらどうしようかということになったわけであります。私の記憶に間違いかなければ、野党の方の中にも御懸念を表明して、もうちょっと慎重にしてという方もいらっしゃった。その中で法案をこのまま採決していける状況かというと、そうでないような判断をいたしまして、みんなでまたいずれ出してやろうよということを誓い合いながら廃案になったという経緯がございます。  そこで、今委員御指摘の、さはさりながらアセスメントはやらなきゃいけない。そこで閣議決定のアセスというものをやってまいりました。地方自治体は、自分の地元のいろいろな環境問題ですから、非常に熱心にアセスメントの条例をつくられたり、いろいろな手続を決められたりされました。確かに、ばらばらなところは当時からございました。しかしながら、公有水面の埋立法とかいろいろな個別法を初め、そういうものと相まって地方のアセスメント、閣議決定アセスということでやってまいりまして、それはそれなりに効果を発揮してきたと思うのです。  それで、私どもはそういう経験を踏まえて一番考えてまいりましたのは、アセスメントという考え方を定着していただこう、そしてそれが円滑に理解されて実行されるようにしていこうということに努力をしてまいりました。今もう御案内のとおり、すべてのこと、アセスメントをやるということはコンセンサスとなりつつあると思います。折しも今、環境行政がどうあるかという、きのうから先生とも御論議したことですが、大変な転換期を迎えて環境のあり方、行政のあり方というものが、環境保全型の社会をつくっていかなければいけない、そういうことになりますと、環境庁の守備する範囲も非常に広いものにならざるを得ない。そういうことをやっていかなければならない。大変困難なものはあるかもしれないけれども、世界は挙げて環境行政が見直されて前進していく時期にある。  そういう中で、結論から申し上げますと、私は、アセスメント法案は考えるべき法案だ、統一したものを国で持つことを考えるべきだ。そこで今、きのうもお話しいたしましたように、中公審に諮問をいたしまして、これからの地球化時代に対する環境行政のあり方、環境庁のあり方、法制度のあり方を含めて、文書でも口頭でもお願いし、御審議をいただいております。そういう中で、私どもの希望としては、今までの対症療法的な公害対策基本法というものだけでなく、全体的、包括した理念を持った環境基本法のようなものができて、その中にアセスメント法や何かがきちっとできていくのが理想ではないかということを今考えているのですが、答申を受けまして、答申にも沿って基本法またはアセスメント法、いろいろな法律が要るようになってくると思いますけれども、それを含めて検討してまいりたいと思っております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 大臣が今言われましたように、環境庁は昨年十二月四日に、どのように手直ししたらいいかということで専門家に検討を依頼していることは事実でございます。しかし、今度の地球サミットへ「環境と開発 日本の経験と取組」という分厚い報告書を出されておりますけれども、この中に、環境アセスメントにつきまして我が国はこういうふうに取り組むのだということをるる述べておられるわけでありますから、これは早く、サミットに間に合うことはないと思いますが、できるだけ早くまとめてやっていただかなければならぬと思っているわけでございます。  そこで、質問でありますけれども、今までこの指針で許可してきていると思うのでありますが、今まで何件くらい指針で行ってきているのか、御答弁願いたいと思います。

八木橋惇夫環境庁企画調整局長

○八木橋政府委員 ただいま大臣からお答え申し上げましたように、閣議決定の環境影響評価実施要綱に基づいているアセス、それから、そのほか各個別法等に基づきましてやっておるものと両方あるわけでございますが、閣議決定に基づきましてアセスを実施し手続を完了した件数は六十一年からことしの二月二十五日まで総体で百八十一件、それから、個別法等に基づくアセスの実施件数といたしましては、同じく六十一年から、これはまだ三年目に入っての数字が集計されておりませんが、平成二年度までで百五十八件を実施しております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 この報告書によりますと、何か昨年の三月末現在で、手続によって行われたのが百二十三件あるのです。こういうような報告がありますけれども、今までそれによって困ったとか、あるいは苦情が出たというようなことはございますか。

八木橋惇夫環境庁企画調整局長

○八木橋政府委員 先ほど大臣からいろいろお答え申し上げたところでございますが、これだけの件数をこなしていきますうちに、おのずから、こういう問題にどう対処すべきかという問題点は整理されてきております。そういうことをもちまして、私どもは、この辺でこれからのアセスのやり方というものにつきまして一定の考え方をまとめていかなければならぬだろうという段階に立ち至りまして、そういったことで技術指針に関する検討委員会というものをつくりまして、ただいま検討を始めたところでございます。主に道路と埋め立て、もう一つはレクリエーション関係、こういったものがかなり問題領域が多いところではなかろうかということで、今検討をやっている最中でございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 アセスメント法ができるとすればいろいろな項目を入れていただきたいと思うわけでありますけれども、適用対象の開発事業、これはできるだけすべてを網羅できるような、そういう法案をつくっていただきたいと思います。先ほど大臣言われましたけれども、大体いつごろまでというのは、やはりある程度のめどをつけないと、いつまでもいつまでもただ検討中では困ると思いますので、いつごろくらいまでをめどにしていますか。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 私、十一月に拝命いたしましてから、今いろいろ周囲の状況を見ていますといつまで環境庁長官でいられるのかなということを考えますと、余り先の話までしていいのかなという気もするのでございますけれども、今UNCEDが開かれる。そのUNCEDでもって地球憲章というものをつくろうとしている。これは地球全体が集まって、そこでひとつ地球の考え方について組み立てをして憲章をつくろうというわけですから、大変大きな意味を持つ。私どもが日本において環境の憲章になる環境基本法となりますか環境保全基本法になるか、そういったものをつくろうとする場合にも、やはり世界の動きというものを見ながらやっていく必要もあろうか。やはりこの間総理大臣も御答弁していましたけれども、急がなければいかぬ、だけれども拙速であってもいかぬということでありまして、今いろいろ出された御懸念に対して、今言いましたように審議検討している。そういうことを考えますと、私としては、恐らくUNCEDが終わって地球憲章みたいなものができた後早急に検討を——もう検討は進めておりますが、やっていかなければいけないことではないかと考えております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 できるだけ早く、大臣、いつまで大臣やっておられるか、そんなこと言われないで、大臣在任中に何とかやっていただきたい、そんなふうに思うわけでございます。これは、もう大変緊急を要することであろうと私は思っているわけでございます。  さて、次に乾電池問題について御質問申し上げたいと思います。  通産省さんと厚生省さん、いらしていますか。よろしくお願いいたします。  去る二月十七日の新聞に、これは社説でありましたけれども、「電池を捨て続けてよいのか」というような見出しで出ていたわけでありますけれども、私はこれまでに電池問題につきましては四回、委員会で取り上げております。それは、五十九年三月五日の予算委員会、それから六十年三月二十六日の決算委員会、それから六十一年三月六日の予算の第五分科会で取り上げ、さらに本委員会で六十三年五月二十四日に取り上げてきたわけでございます。  しかし、厚生省が六十年七月に、電池に関して一般ごみと同じょうに扱ってもよいといういわゆる安全宣言をなされたわけでありますけれども、それ以来私は大変気にしてきた問題なのでございます。  私は、厚生省の言うように地中に埋め込んでしまっても安全であろうということは言い切れないのじゃないかな、そんな懸念を持っているわけでございます。さらにまた、乾電池の材料はもう御案内のように、筒型の乾電池は主に亜鉛ですね。それで、中に二酸化マンガンが入っています。亜鉛もやはり地下資源でございまして、貴重な金属材料の一つでございます。また、充電式の電池はカドミウムとニッケルでつくられているわけでありますけれども、いわゆるニッカド電池というのでしょうかね、この充電の電池、ニッケルはもう一〇〇%外国から輸入している金属であろう。また、カドミウムも、これは大変有害な金属でございます。そういうような充電式の電池も乾電池と同じように地中にごみと同じように扱って埋めてしまっている。そういうようなことでいいのか。水銀電池につきましては大体回収をやっているようでございます。最近空気電池とか何かに変わってまいりまして、かなり普及はされてきて安全性の高いものができて、あるいはリチウム電池ができております。そういう点で安全なものができておりますが、いずれにしましてもこの筒型の亜鉛を主体とする乾電池あるいは充電式の電池などを地下に埋めるということは資源的にも大変もったいないし、また有害であろう、私はそんなふうに思っているわけでございます。  そういうことで、いわゆるこのような貴重な金属につきまして、そういうことをやっていることについて、通産省並びに厚生省さん方はそんなふうに考えておられるのか、質問申し上げたいと思うわけであります。筒型の乾電池はもう全く水銀は使われなくなってきているのでございましょうか。

青柳桂一通商産業省機械情報産業局電気機器課長

○青柳説明員 お答え申し上げます。  私どもは、乾電池メーカーに対しまして無水銀型の筒型乾電池の製造、つくるように指導してまいったわけでございます。それで、現時点におきましては、国内で製造されますすべての筒型乾電池につきましては無水銀となっておるわけでございます。  具体的に申し上げますと、平成二年の産業構造審議会の廃棄物処理・再資源化部会というのがございましたが、そこでガイドラインが定められたわけでございます。そのガイドラインに基づきまして、業界の方も筒型乾電池の無水銀化を一層早めるという努力をしてまいったわけでございまして、その結果国内で販売されます、製造されますマンガン乾電池につきましては、昨年の四月から無水銀化が達成されております。それから、アルカリ乾電池につきましては、ことしの一月から無水銀化が達成されておるという状況でございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 では、アルカリ電池にも水銀は使われなくなってきたわけですね。

青柳桂一通商産業省機械情報産業局電気機器課長

○青柳説明員 そのとおりでございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 水銀は今もう全く使われてないということでありますけれども、海外から輸入されている電池もございますね。そういう電池はどうですか。向こうからどのくらい電池が入っているんだというようなことを、では言ってきているのでしょうか。それともこのくらいならいいだろうということで認めているのか、その辺……。

青柳桂一通商産業省機械情報産業局電気機器課長

○青柳説明員 輸入の筒型乾電池につきましては、平成三年の実績でいきますと一億四千万個ほど輸入されておるわけでございます。その中で、約一億二千万個でございますね、ですから約九割くらいでしょうか、それにつきましては無水銀化の乾電池になっておるようでございます。  ただ、そうはいいましてもまだ一割ほど残っておるという状況でございますので、私どもといたしましては、輸入の筒型乾電池につきましても一層の無水銀化を促進するように、現在その無水銀化技術を持っているのは我が国メーカーでございますので、我が国メーカ一が外国企業に対して積極的に技術移転をやるようにということで今指導しておるところでございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 そういう外国から入ってくるものも同じに一般家庭では扱っているわけですから、その辺よくお考え願いたい、そんなふうに思うわけでございます。  そこで、先ほど申し上げました充電式のカドミウム・ニッケル電池でございますけれども、これは大体我が国でどのくらい使われておりますか。

青柳桂一通商産業省機械情報産業局電気機器課長

○青柳説明員 ニッカド電池は一九九〇年の数字しかちょっとございませんので一九九〇年の数字で申し上げますと、国内で生産されておりますのは六億八千四百万個でございます。ただ、国内出荷、その中の相当部分が輸出されておりまして、ですから最終的に国内で流通しておりますニッカド電池の量で申しますと、九〇年で一億九千四百万個という数字でございます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 では、時間の都合でこの辺でこの電池は終わります。  まず、提案したいのでございますが、すべての電池についてデポジット方式をやるべきじゃないか、そんなふうに私思っておりまして提案したいのでありますけれども、これまでも水銀電池などは交換、持ってきたら売るときにもらうというような状況で回収はしていたようでありますけれども、価格に上乗せしまして、必ず持ってきたらお金を払ってやるということをすれば、だんだん持ってきて完全に回収できるようになるんじゃないかな、そうなふうに思うわけでございます。この際思い切って、電池の形によっては違うでしょうけれども、五十円ぐらい上乗せすれば、また持ってくれば五十円返すわけでありますから、また拾った人は五十円もうかるということになりますし、そのようにいわゆるデポジット方式をやれば、貴重な地下資源であります金属材料を何とか回収していけるのじゃないか、そんなふうに思うのでありますけれども、その辺、いかがお考えでございましょうか。

青柳桂一通商産業省機械情報産業局電気機器課長

○青柳説明員 ちょっとニッカド電池と乾電池に分けて考えさせていただきますと、まずニッカド電池につきましては、現在いろいろな方法で回収を工業会の方で実施いたしておりまして、例えば使用済みのニッカド電池を郵送で返送いたしますと、それに対して感謝金を支払うというような形で回収を実施いたしておるところでございます。ですから、その辺の状況を踏まえつつ検討する必要があろうかと思いますけれども、ただ直接的にデポジット方式という話になりますと、若干現段階ではそれに要する手間がかかる、コストが割高になる、それからあと消費者に一時的でありましても負担を多く求めるということになる等々の幾つかの問題点がございますので、今直ちにデポジット方式を導入するというのは難しいのではなかろうかというふうに思っておるわけでございますけれども、今後の勉強課題として我々も受けとめさせていただきたいと思っております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 それは強力に御検討願いたいと思うのであります。  厚生省さんに最後にお尋ねしますけれども、いわゆる乾電池を普通のごみと同じように扱ってもいいという六十年の宣言以来、いろいろ地中に捨てていると思うのですけれども、その後どのような汚染状況かというモニターか何かしておられますか。

浜田康敬厚生省生活衛生局水道環境部環境整備課長

○浜田説明員 今お話しの乾電池を埋立処分をしている場合におきまして、それによります環境への影響についての御質問でございます。  私ども六十三年の状況を全国的に調べたものがございます。埋立処分場からの浸出液等におきます水質の状況でございますが、それは全国的にすべて基準は満足しておりました。そういうことでございますので、現状におきましても問題は生じてないというふうに思っておりますが、先ほど先生御指摘のようにニッカド電池等の問題もございますので、これから私どもとしても最終処分場の維持管理の徹底、あるいは排水の監視といったようなことにつきまして、地方公共団体の指導を強化してまいりたいというふうに考えております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 皆さん方、次はエアコンの方に入りますので結構でございます。どうもありがとうございました。  次に、カーエアコンのフロンガスの回収に関する問題につきましてお尋ねいたします。  去る二月十一日に、御案内のように、ブッシュ米大統領が大気上層のオゾン層破壊が予想以上の速さで進んでいるとして、米国はオゾン層を破壊するフロンガス、CFCなどのほか、ハロンガス、メチルクロロホルム、四塩化炭素等の製造停止の処置を予定より五年早めて一九九五年末に実施する、このように声明を発表いたしたわけでございます。これに呼応して英国及びドイツなども生産中止に同調するとのことであります。我が国の通産省も全廃を前倒しして代替品開発や供給削減の指導を行っていく方針を明らかにしているわけでございます。また、各業界のお取り組みについて見ましても、IC洗浄用として使用しているCFC113についてはおおむねその使用を各事業体が転換し、密閉方式によるリサイクルあるいは他の物質による洗浄化へとその実績は着実に実施しておるわけでありまして、その効果も大分上がっていると聞いているわけであります。その点、自動車の廃車時点でのフロンガスの回収、リサイクルについては非常になまぬるい状況にあるのではないかな、私はそんなふうに思って懸念しているわけでございます。  これは整備の方でありますけれども、運輸省は地域交通局長名で平成二年二月十日に二つの使用削減については指導を行っております。この指導では、やはり整備工場でありますからなまぬるくなるのは仕方がないかもしれませんけれども、非常になまぬるいわけでございます。そこで、申すまでもなく、フロンガス問題は今や全世界的な取り組みをしていかなければならないことでありますので、特に廃車時におけるエアコンの処理について完全に回収しなければならぬのじゃないか、私はそんなふうに思っているわけでございます。  そこで、これは通産省にお尋ねいたしますけれども、現在すべての車種の車についてクーラーの装着状況は何%くらいでございますか。

川嶋温通商産業省機械情報産業局自動車課長

○川嶋説明員 カーエアコンの装着状況につきましては、最近、順次装着が高まってまいりまして、九〇年の実績で見ますと、新車ベースで全体の約八〇%程度がエアコンが装着されているというふうに思っております。なお、保有ベースでどのくらいか、ストックでどのくらいかという点については必ずしも明確ではございませんけれども、恐らく五割をちょっと超えているくらいになっているのではないかと思っております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 では、最近の年度の廃車、いわゆるナンバー登録抹消でありますが、この台数とそれを解体したというのはどれくらいでございますか。

川嶋温通商産業省機械情報産業局自動車課長

○川嶋説明員 これも車の保有状況の拡大に伴いまして順次拡大を続けているものでございますが、明確な統計もございませんけれども、恐らく最近時点では約五百万台くらいが抹消登録を、廃車をされているということでございまして、それに近い量が解体処理されているのではないかと思っております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 それの大体九〇%くらいはエアコン装着の車と考えてよろしいでしょうか。

川嶋温通商産業省機械情報産業局自動車課長

○川嶋説明員 先ほど申し上げましたように、ストックベースでどのくらいついているのかということについては必ずしも明確ではございませんけれども、おおむね五割ちょっとではないかと理解しておりますので、九〇%というのはちょっと高いのではないかと思っております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 いずれにしましても、九〇%ないとしましても、九百万台からの車を廃車しているわけですけれども、しかもそれを解体していると思うのですね。その解体の場合、フロンガスにつきましてはどんなふうなことをやっておるのでございましょうか。例えば回収装置をつけて一〇〇%回収しているのか、または回収する装置を持っていても密閉していなければあれですが、密閉した工場なのか、その辺どうなっているのでございますか。

川嶋温通商産業省機械情報産業局自動車課長

○川嶋説明員 自動車の解体処理をする業界の方々は、比較的零細な中小企業の方々が多いこともございまして、必ずしも今明確な実態を把握しているわけではございませんけれども、解体業者に持ち込まれた段階でフロンが廃車の中に入っている場合には、その段階で回収が余り行われていないんではないかというふうに思っております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 私の調べたところでは、大体年間六千トンぐらい放出されているんじゃないかということでございまして、これだけのフロンがもし全部放出されまして大気中に出ているとすれば、これはもうその辺のエアゾールを使ったぐらいの量では問題にならない大変な量が出ているというふうに考えられるわけですけれども、その辺、今後解体業者に対する行政指導あるいは教育あるいは助成策など考えておられるのですか。

川嶋温通商産業省機械情報産業局自動車課長

○川嶋説明員 フロンにつきましては、広く浅く使用されておりまして、末端段階での規制が非常に困難であるということから、モントリオールの議定書では、蛇口といいますか、製造段階での総量規制という仕組みになっているわけでございまして、その際の規制水準は、製造されたものが全量大気中に放出されることを前提として決定されたものと伺っております。これによって二十一世紀中にはオゾンホール発生前の状態に回復させることができるというふうに考えられているわけでございます。しかしながら、日本のオゾン層保護法においては、これに満足することなく、排出抑制、使用合理化の推進を図るべきことをうたっておりまして、産業界においてもいろいろな対策を講じてきているところでございます。  車につきましては、現在までに国内の四輪メーカーにおきましては、カーエアコン用のフロンの回収再利用のための装置の導入計画を策定し、それを実施をして着実に進めております。したがって、メーカー系のディーラーにつきましては、ほぼすべてのディーラーが回収装置を備えたところとなっております。  御指摘の解体処理業者、廃車処理業者の問題でございますけれども、申し上げましたように、零細あるいは中小企業の方が多いこと、かつ、その処理装置自体は数十万円する装置でございます。したがって、こういうメーカー系のディーラーにおいて廃車処理業者に引き渡す前にフロンの回収を行っていくということも一つ選択としてはあり得るかなというふうにも思っておりまして、いずれにしても、これから先生の御指摘を踏まえて、関係業界とも協議をいたしまして、何か前向きな対応ができないか検討をしてまいりたいと思っております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 ぜひとも対応をよろしくお願いしたいと思うわけでございます。  それで大臣、こういうようにちょっと余り気を使わないようなところにフロンの大量の放出というのがあるということでございますので、環境庁として各省庁さん、関係の省庁さんに厳しくリーダーシップをひとつとっていただいて指導していただきたいと思うんですが、その辺いかがでございますか。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 委員の御指摘のとおり、このフロンの問題、特にエアコンのフロンは重大な問題だと思っております。実は私は、自動車の生産と利用者が利用するという両面で業界とかかわりを持ってきたものですから、実態によく接してきたわけですけれども、担当する通産省でも今お聞きのようにいろいろやってくださっています。また、やらなければいかぬと思います。  しかし実態は、やはり解体業者へ行って抜く装置をつけて回収、これは大変なことですから、今のところはばんと切ってしゅっと出しちゃうということが実態で、実態は非常にお寒いものがあるんじゃないかと思います。それともう一つ、利用する立場から見ておりまして、解体するときだけでなくて抜けるんですね。だからできの悪い車種によっては一年に一遍ぐらい補充しなければいけない。それはただ抜けとるわけです。ですから、私は今通産省からお答えになったようないろんな施策を講じていくと同時に、やはりこれはサミットの議題にもなっておりますし、環境会議の議題になっているこのフロン自体を使わないという方向、それから代替品の開発を進めていくという使うもの自体を抑えていくという努力、そして回収の努力、この両面からやっていくように、先生の御指摘も踏まえて十分関係官庁と話し合いながらやってまいりたいと思っております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 大臣、よろしくお願いしたいと思います。  もう時間があと五分しかなくなってしまいましたので、最後にバーゼル条約について取り上げたいと思うわけであります。  これはもう申すまでもないことでございますし、大臣は所信表明の中で、「有害廃棄物の国境を超える移動及びその処分の規制に関するバーゼル条約への早期加入を図るための国内法制度の整備を図るとともに、世界の文化遺産及び自然遺産の保護に関する条約の締結を目指し、関係省庁間で準備を進めるなど国際条約への取り組みを強化してまいります。」このように述べておられます。そういうことで私も大変心強く思うわけでありますけれども、現在このバーゼル条約については、これは新聞報道ですから何とも言えませんけれども、何か通産省と厚生省とそれから環境庁の間でそれぞれ独自な法案を持っておられて、それが調整つかない、どうも地球サミットまでに間に合わないんじゃないか、そういう懸念が報道されているわけでありますが、これは実際でありますか。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 これは地球サミットに間に合わなければ大変でありまして、地球サミットでも取り上げられる一つの重要な課題がこの地球規模の環境汚染の防止という中で国境を越えての汚染物質の移動を制限していこうということ一であります。そういうものを受けてこのバーゼル条約というものが出てきたわけです。  私は、実は環境庁長官を拝命いたしましてから真っ先にバーゼル条約と遺産条約、これの読解作業というんですか、これは外務省で読解作業を進めてやっていってくれなければ、まずそれから始まるわけですから、それを外務省に要請いたしまして急いでやっていただいた経緯がある。そういう中でこういうものが必要であるということが起こってきた原因というものが、国境を越えて移動をする有害廃棄物、これによる環境汚染の防止にあるというところから出ておるわけですから、当然私どもで法案を用意してと、こうおりましたら、やはり廃棄物、そのごみを担当する厚生省さん、また輸出入貿易管理令を持っている通産省さん、いろいろ出てまいりました。その間で調整している最中でありまして、これはどうしても調整をなし遂げて、やはり環境行政を主管する私どもが中心になってやらしていただく方向でサミットに間に合うように努力してまいりたい、こう思っておりますので、委員におかれましても、どうか応援のほどをよろしくお願い申し上げます。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 確かに今大臣言われますように、やはり環境庁がリーダーシップをとってやっていかないとこの法案は、いわゆる国内法はうまくまとまらぬだろう。それぞれやはり自分の都合のいいような法案をつくっているわけでありますから、その都合のいいことが全部に本当に都合がよければいいですけれども、都合いいということにならない場合が非常に多いわけでありますから、そういう点でぜひとも調整していただいて、我が国は公害のいわゆる先進国でありますので、そういう意味でも、地球サミットに条約もまだ加入してないというような調子で大臣が出かけられても肩身の狭い思いをされるんじゃないかなというように思うわけでございます。  そういう点で、今長官のその御決意を聞きまして大変私は心強く思いますけれども、いずれにしましてもバーゼル条約は、医療廃棄物だとか鉛だとか水銀とかカドミとかあるいはPCBというような、こういったような非常に有害な物質ではあるけれども、カドミ、鉛、水銀、こういうようなものは貴重な金属材料でもございますので、ただ単にこれは有害物質だからといって埋めてしまうということは大変もったいないことだろうと私、思うわけでございます。そういう意味でも、国内で処理しなさいと言っているわけですから、国内でぜひともリサイクルできるような方向に強力に持っていっていただきたいな、そんなふうに思うわけでございます。大臣、最後にちょっと、もう時間がなくなりましたので。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 御指摘のように地球規模の環境ということが問題になり、その中で私どもの社会、経済のあり方も環境ということから考えを発して環境保全型の社会にしていかなきゃいけないということが言われている中で、私は、先ほどから回収の問題がいろいろ出ておりますけれども、リサイクルが極めて重要な柱になってくると思うのです。  ただ、リサイクルをする場合に水銀の、先生がおっしゃったように上乗せしてお金を取って返してもらうようなことでやる方法も世界でやっているところでありますし、あると思います。しかし、ここ二十年ばかり私は沖縄が好きでよく沖縄の八重山群島というところで海へ潜ったりして写真をとったりなんかしている。そんなところへ行っても缶からなんかぼっと落としてあることがあるのです。リサイクルするにしても、落とされたらどうしようもないのです。私どもの郷里でも道路をつくるとそこの横の畑は缶だらけになります。そういうものをリサイクルするためには、先生の言われたような一つコストの面からアプローチするのもあるだろうし、もう一つ捨てないようにさせるためにはどうすればいいかという別の観点が必要なのじゃないかということをちょっと感じておりまして、実は今初めて申し上げるのですが、うちの企調局長の方にリサイクルを推進するためにもっと強力な政策を環境庁として考えられないか、内々今検討してもらっているようなわけでありまして、このリサイクルが環境保全型の環境に極めて重要であると感じておりますのは先生と同じ気持ちでございまして、推進に努めてまいりたいと思っております。

斉藤節公明党・国民会議

○斉藤(節)委員 もう時間になりましたのでこれで終わりますけれども、大臣にくれぐれも強く要望申し上げまして終わります。どうもありがとうございました。

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 寺前巖君。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 昨日に続きまして、お聞きしたいことはたくさんありますが、次々と事も起こっておりますのでやれませんので残念ですが、最初に、この間新聞を見ておりましたら、全国で初めて鳴き砂保全のためのシンポジウムを八市町村が三月にやろうじゃないかという呼びかけが出されているようなんです。  「世界規模の環境汚染が進む中、鳴き砂を自然保護のシンボルにしていきたい。サミットがそのきっかけになれば」ということで、海の汚染のバロメーターと言われる鳴き砂をめぐっておやりになろうという、私はこれは非常に関心を持って見ているのです。日本海に、鳥取砂丘は御存じのとおりですが、鳴き砂、歩きますときゅっきゅっと砂が鳴くわけですね。美しくないとそれはあかんのです。日本で残されているところは少ないのです。その一つに私の方の日本海側に琴引浜というのがあって、やはり同じょうに鳴き砂でまだ残っています、鳴きます。これを非常に大事に全国的にも守らないと、指折り数えるほどしかなくなってきているのです。昔は白砂青松といって、日本というのはきれいなところだ、こうまで言われたわけですが、今はもうそれが破壊されてきている。この話をここでまた聞こうとは思っていませんので、えらい急に言われてと心配しておられるか知りませんが、それをやろうというわけじゃない。  その一角に、山陰海岸国立公園に指定されている京都の一番外れに久美浜というところがありまして、この間私その海岸線へ行きました。行った理由というのは、京都教育大学の土倉という先生が奈良県で自然環境に対するところのお話をしておられる。その中身を新聞で読みまして、これはえらいことやなと思ってその先生にお会いし、問題を調べにいくためにその久美浜というところへ行ってきたのです。  そこにはちょうど函石浜というところを中心にして東西約七キロの海岸線に、ハマヒルガオやネコノシタなど五十五種類の海浜植物が自生じて、特にトラの尾のような花をつけ、葉の白い綿毛が銀色に輝くトウテイランの数少ない自生地として知られているわけなんです。ところが、これがオフロードの出入りによってつぶされてきているのですよ。だから、先ごろオフロード車やモーターボートなどの乗り入れ規制の規制地域という問題が、法律的にもここでやりましたが、そうすると、私の関係しているところでそれが起こっているものだから、待てよ、あのせっかくつくった法律がこういうときに生きてこなかったら何しているこっちゃわからぬやないかということで、環境庁のこちらの方の国立公園を回っておられる一人の人がおられますので、その人に案内してもらいました。その人はよう知っておられましたね。私は、ああいう人たちを大切にせにゃいかぬ、もっとふやさにゃいかぬなというふうに思ったわけです。これはまた余談の話にそれると時間がありませんのでやめておきます。  そこで、その土倉先生らにお聞きすると、海浜植物の育つ環境は、高温の砂地で塩分が多い上、その大半が地下茎で繁殖し、都会の雑草のように繁殖力は強くない、自生する砂地が一たん荒らされると回復は極めて困難だ、もう五、六割は死滅しているんじゃないだろうかと、えらい心配しながら先生はおっしゃるわけです。また、おたくの方の国立公園の担当をしておられる人も非常に心配しておられる。せっかくそこへ行ったのだから町役場にも行ってみましょう、府の事務所にも行ってみましょうということで行きました。そうしたら、町の人はなかなか考えたんですね。私もそう思いますんやと言って、その海岸線に出るまでの横を走っている道路、そこから民有地がありますから、その民有地の入り口のところにさくをしまして、町の立て看板がしてあるのですよ。何かというと、民有地を大事にしてください。言いたいのはその海岸線を大事にしたいのだけれども、直接自分がストップかけるような権限もないから、民有地があるのですよ、だからさくをさせてもらいますわなという言い方で町が積極的に守っているということがわかりました。それで府の事務所へ行ったら、府の方も、そうですか、そこまでやっていますかという話なんで、あなた、もうちょっと気をつかってくれにゃ困るやないか、それなら近く関係する町村を集めますのやということで、いろいろ話を発展さしてくださっているようです。  こういう小さいところで本当に心がけておられる態度。鳴き砂がすぐその横の方にありますのや。こういうところにオフロード車やモーターボートの乗り入れ規制地域というせっかくつくったものが生きてくるようにしたら、小さいことながら一生懸命やっている人たちにどんなに心が通ずるだろう、その小さいものが地球環境全体を大切にする思想にまで広がるのじゃないだろうか。私はそういう意味で、指定の問題について、自然環境保全審議会にかけられるのでしょう、ぜひ御検討いただきたいものだと思いますが、御見解をお聞きしたいと思います。

伊藤卓雄環境庁自然保護局長

○伊藤(卓)政府委員 ただいま御指摘のありました、丹後砂丘のお話だろうと思いますが、京都府下の久美浜というところの一帯で、私どもの記録ですと六・五キロメートルぐらいの砂丘地帯でトウテイランとかあるいはハマベノギクといったような非常に学術的価値の高い海岸植物群落が見られるというところでございますが、これまた御指摘のようにオフロード革が乗り入れておりまして、この貴重な海浜植物の植生を破壊しているというような自然環境への影響が生じておるのは報告を聞いております。  御指摘の乗り入れ規制でございますけれども、おかげさまで各地で指定を進めることができておりまして、国立公園では現在、山陰海岸国立公園でいいますと、鳥取砂丘を初めといたしまして全体で十二公園、十七地域で指定済みでございます。特別地域の指定は、特別地域の中で特に風致、景観の重要な要素であります植生あるいは動植物の生育状況等に影響を与えるというものを前提としての指定でございますので、私どもとしては、これまた先生お訪ねいただいたようでございますけれども、国立公園管理事務所におきまして現在植生等への被害状況を調査しているところでございますが、いずれにしましても、今後はその調査結果を踏まえて、必要に応じて乗り入れ規制地域の指定といったことを考えていきたいと基本的には考えております。  地元では、既にこれも御指摘ございましたけれども、一部箇所に、道路からの入り口のところでございますが、制札あるいはゲートといったものを設けておりますが、これは財産区の部分のようでございまして、そういった権利を前提としてやっておる。海岸ぶちの本当に薄い部分が国有地ということになっておりまして、全体的にいいますと財産区が持っておる箇所でそういう措置が行われておるようでございます。  いずれにしましても、私どもといたしましては、地元でもそういう御努力をしていただいておりますし、これは何とかしなければいけないということで、去る二月六日に公園事務所、県、町で会議を持つことをいたしまして、今後どういう形になりますか、乗り入れ規制地域の指定に向けて前向きにやっていこう。これまた実際には効果的な乗り入れ規制の措置、制札だけでなくてどんな措置を講じたら植生に影響しないかといった具体的な対策も検討しなければいけませんので、地元と連携をとりながら前向きに進めてまいりたいと考えております。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 小さい話であっても貴重な話は大きな意味を持ちますので、大臣、ぜひお考えをいただきたいというふうに思います。  ところで、きょうは私は、最近の新聞に米下院軍事委員会環境回復に関する委員会、リチャード・レイ委員長の証言というのが載りまして、外務省からこういう内容の報告書をいただきました。これを読んでみまして、環境に関係する問題が長々と述べられている。しかも、日本のことについて直接書かれているというので、これは聞き捨てならないなということで、実はお聞きをしたいというふうに思っているわけです。  いただいたこの報告書、九一年四月の報告書になっていますが、横須賀基地や相模原総合補給廠など五施設を調査した結果ということで、横須賀基地内の複数のごうに複数の危険物ドラム缶、かつて使われていた危険物廃棄場所が三カ所ある、嘉手納基地内にPCB汚染がある、一カ所だけ特定されているが、除去に二十万ドルかかるという見積もりがある、基地内には有機溶剤トリクロロエチレンによる水質汚染がある、変圧器に使われているPCBの管理・処理基準を米国の基準に合うよう改善しなければならないなど、次々と日本の国内にある米軍基地の問題が出てくるわけですね。  それを裏づけるようにして、新聞報道で相模原の補給廠の元従業員の証言というものを読んでいると、カドミの廃棄物も少なくともドラム缶で百本、アスベストやエナメル類も補給廠内に埋められたというのです。トリクロロエチレンは相当量がタンクから漏れて地下に浸透したという証言も出てくる。また、野積み場はさながら廃棄物の墓場とまで元従業員の人が言っているというのです。これ、日本の土地ですからね。さあ、米軍は治外法権で知りませんというわけには、日本の国民の側から考えてもそうはいかぬだろうと思うのですが、こういう内容について今まで外務省はタッチをしていたんですか。あの報告書を見て初めて知ったんでしょうか。あるいは、初めて知ったとするならば、それについてどういう対処をしておられるのでしょうか。またそれについて報告があったんでしょうか。期日を含めて明らかにしていただきたいと思います。

原田親仁外務省北米局地位協定課長

○原田説明員 お答えを申し上げます。  ただいま先生御指摘のいわゆるレイ報告書とは、レイ米下院議員が一昨年十二月にアメリカ領土のジョンストン島、日本、フィリピン、韓国の各国にある米軍基地を訪問し、環境保全問題に関し各基地を視察した結果を昨年四月に下院の軍事委員会環境回復パネルに報告したものと承知しております。その中には日本関係部分について、在日米軍施設、区域に関しても視察の結果が述べられていると承知しております。  外務省といたしましては、レイ報告書の内容が明らかになった段階でこれを真剣に受けとめ、速やかに米側に事実関係の確認照会等を行ってきておりますが、本日二十七日午前に開かれました日米合同委員会においても、我が方から本件報告の内容に懸念を表明するとともに、米側に対して、日米合同委員会のもとにある環境分科委員会を早急に開催し、日米間の専門家が本件について事実関係を解明し必要な対応策を話し合うよう申し入れ、これに対して米側も同意した次第でございます。  したがいまして、今後の対応につきましては、環境分科委員会の話し合いを踏まえて関係省庁と協議しつつ検討してまいりたいと思いますが、これまでの事実関係の照会の結果について御質問がありましたので、その件についてお答えいたせば、嘉手納基地のPCB問題がレイ報告において言及されておることに関しましては、米側によれば、一九八六年同施設の区域内の変圧器処分所において絶縁液が露出したことがあったが、地下水の汚染がないことが確認されたとしております。また、施設、区域内部の米要員により原状回復のための除去努力が行われ、最終的環境アセスメントの結果、土地の極めてわずかな部分の掘削が必要とされておりますが、同作業は本年三月に行われる予定であるとのことでございます。  さらに米側は、嘉手納施設、区域においては従来よりすべてのPCB物質を施設、区域内から取り除くために多大な努力が払われてきており、その結果、現在PCB使用の変圧器は二つを残すのみとなっているが、二つの変圧器は露出のおそれがないように厳重かつ慎重に保管されているとのことでありまして、新たな汚染が生ずるおそれはなく、これも近々搬出が予定されているとのことでございます。  さらに、先生御指摘の横須賀基地の施設内のごうに危険物ドラム缶が放置されているという点でございますけれども、米側によれば、レイ報告書のこの言及は、同議員が横須賀を訪問する約四カ月前に横須賀海軍施設司令官付の技師が発見したドラム缶のことを指しているものと思われるが、分析の結果、缶の内蔵物質は第二次世界大戦終了時に日本帝国海軍により放棄されたアセトンであることが判明したが、同ドラム缶は米軍により既に米国に撤去されているとのことでございました。  また、相模原の件でございますが、米側に照会したところ、先方は、一九八七年に相模原市より米軍に対し、同市の地下水にトリクロロエチレンの反応がある旨通告をしたので、米軍においてもキャンプ座間、相模原総合補給廠、相模原住宅地区及び厚木飛行場の各施設、区域において井戸水の検査を行ったところ、一部にトリクロロエチレンの反応があることが明らかになったが、その後、調査井戸を掘り検査を行ったところ、この地下水の汚染は米軍施設、区域内から生じているものではないことが明らかになったとしております。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 今、明らかになった段階で照会をしたというのだけれども、いつこれを知ったんです。九一年四月に報告書が出ているのですがね。それからもう何カ月になるのでしょう、十カ月になるわけでしょう。私らが知ったのは、この間新聞でばあんと出たので、ありゃりやと思ったのですが、それまで外務省も知らなんだのですか、どうなんです。

原田親仁外務省北米局地位協定課長

○原田説明員 レイ報告書は、米下院の委員会に提出した米議会の資料でありまして、本来、公表を目的としたものではないものでございます。政府としては、右の存在は知る立場になかった次第でございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 そうすると、基地内の問題については、ああいう新聞か何かでばあんと出してくれない限りは日本は知らない、こういうことになるわけです。  私、これがちょっと気になるのは、この文章の最後にこういうのがあるのです。日本にはよりよく発展した環境面の計画及び必要条件があるにもかかわらず、日本はそれを国防総省施設に対して強制しょうとはしない。日本の環境庁には強制力がないので、アメリカに対して環境面での違反について処置をとらないであろう。環境庁の名前も出てきますよ。  ちょっと聞きたいのですけれども、トリクロについては、これはもともと対象に入れてなかったんですよ。数年前でしたね、通産省、これ取り上げました。私が質問主意書を出したときには、ぼろちょんに取り扱われたのやこれは、内閣に出したときに。その半年後に千葉県へ見に行って、千葉県で事が起こって、そのときに会いに行ったときに、通産省、最敬礼してはりましたわ。そして、それからばたばたっと対応策が出てくる。そういう過去の話は別にしましても、こういう、日本は強制しょうとはしないとか、環境庁は強制力がないので環境面の違反について処置はとらないだろう、こういうふうに言われているわけでしょう。こんなふうに言われっ放していいんですか。それとも私は、待てよと。例えば地位協定の三条の三項から考えても、危険物や汚染物質の撤去を要求するように、それこそちゃんとこちらが決めたことについて向こうに通告して、どうなっているのか立入調査をさせてもらいますよ、報告を出しなさいというような対応をきちんととるという、そういう態度が要るんじゃないだろうか。  PCBの処理について日本の国内でとった処置、第一にそれを向こうに通告しているのか。日本で決めた瞬間に向こうにも通告しているのか。通告をしたら、それに対する対応処置はこういうふうにしましたという返事が来なきゃいかぬ。そういうことになっているんだろうか。トリクロについて日本ではこういう処置をすることになりましたと向こうに通告したんだろうか。それに対して返事はもらっているんだろうか。もう、いっぱい言うたら切りあらへんから、PCBとトリクロに限って、どういうふうに日本の国内の施策を向こうに、いついつ日本でとられたので、いついつこういう通告をして、いついっそれに対する対応の返事をもらって、それに対する態度をいついっこういうふうに決めたと、ここで正確に御報告いただけますか。

眞鍋武紀環境庁水質保全局長

○眞鍋政府委員 ただいま御指摘の点でございますが、在日米軍につきましては日本国の環境法令が直接には適用されないわけでございます。しかしながら、地位協定におきまして、御指摘のように、日本国の法令を尊重する、こういうことになっておるわけでございます。  また、アメリカ側は従来から、基地内におきます環境保全については、米側の基準もあるわけでございますしそれから日本側の基準もあるわけでございますが、そのいずれか厳しい方に従うというふうな向こうの方針もあるようでございまして、環境保全についてはいろいろと配慮をしておるというふうに承知しておるわけでございます。  それから、そういう在日米軍に係る環境問題につきましては、先ほども外務省から御答弁ございましたように、地位協定に定められました合同委員会のもとに環境分科会というのがございます。そういう場を通じましていろいろと調査検討を行うこととなっておりまして、そういう場で意見交換を通じて環境保全を図っておるところでございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 私が聞いているのは、日本は、PCBについてはいついっこういうことを国内に明らかにするために法律でこうした。そうしたらそれは、いついつアメリカ軍にこうしましたよという通告をしてやっているのか、それに対する対応はどういう返事をいついつもらっているのか、明確にできますかというのだ。今できないのだったら後で資料で提出してください。委員長、要求します。

眞鍋武紀環境庁水質保全局長

○眞鍋政府委員 ただいまの件でございますが、法令が改正になりましてこういう規制を日本で導入しましたというふうなことにつきましては、改正後開かれますこういう分科会におきまして向こう側に連絡をし、守っていただくように通知しておるわけでございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 ちょっとも答弁にならへんわ。それをそこで出した、そうしたら何カ月後になるのか、そういうのを僕はちゃんと知りたいから、トリクロについてはどうだったんだ、それに対してどういう対応をしましたという返事をもらっているのか、そこまではやりませんのやというのか、はっきりしてくださいよ。なぜかといったら、あなたのところの名前が出てきとるのやで。日本の環境庁には強制力がないので、アメリカに対して環境面の違反について処置はとらないだろうとまで言われてるのやないか。要するに、言うだけ。連絡は日米会議でやりますけれども、後については何の追及もありませんのやと言われてるのや。私は、これが問題だ。これでは、同じ日本国内におって、いいのかいな。  今出せなかったら、トリクロとPCBに関して、きちっとわかる資料を出してください。委員長、要求します。——時間の関係があるさかい、それはもうそれで要求するのだからいいよ。私、次があるのや、もう一つ。

眞鍋武紀環境庁水質保全局長

○眞鍋政府委員 ただ、相手もあることでございますので、そういう資料を出せるかどうかは検討させていただきます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 何を言うとるのや。そうしたらあなた、日本政府がとった処置の報告もできない、相手があります、そんなことは関係あらへんやないか。日本の国会に日本政府がとった態度を報告することができないなんてはかな話があるか。そんなもの、前代未聞だ。

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 寺前委員の要求につきましては、理事会でまた協議いたします。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 それから私、もう時間ないので、今、相模原市では、六年前からトリクロに対する地下汚染の問題で調査をやっておられる。ところが、去年の二月の調査では相模原補給廠に隣接した二地点で国の定める基準を十倍以上も超える最高濃度のトリクロが出てきたというのだよ。そこで問題になるのは、すぐ横にあるところの、今この資料、報告が出てきたから、ここから出てきているんじゃないだろうかという心配が住民の間に出てきたわけなんだ、発生源を調べなければいかぬから。そこで、その住民にとっては、この相模原にある米軍の補給廠には車両や機械の修理工場がある、どんな化学物質でどんな排水処理をこれまでやってきたんだろうか、疑問に思うのは当たり前や。そして、そこの地下水質データはどういうことになっているのか、事実関係を全面的に明らかにしてほしい、そしてしかもそれは日本政府の責任において立入調査までしてきちっとしてほしい、そういう声が出てくるのは当たり前だと思うのです。これは明らかにしてほしいと思うのです。

眞鍋武紀環境庁水質保全局長

○眞鍋政府委員 相模原市におきまして、トリクロロエチレン等の有機塩素系の化学工場がいろいろあるわけでございます。そういうふうなこともございまして、相模原市で地下水にトリクロロエチレンが検出されておるということは事実でございます。  その原因につきましては、先ほど申し上げましたようにそういう有機塩素系の化学物質を使用する工場なり事業場がかなりたくさんあるわけでございます。それから御指摘の米軍基地もあるわけでございますが、その原因についてはいろいろと、この地下水の汚染の問題というのは、汚染機構なりあるいは原因の追究というのは非常に技術的に難しいわけでございます。我々としてもいろいろとあれしておるわけでございますが、先ほども外務省の御答弁にもございましたように米軍におきましても調査をしたというふうなことでございますが、その地下水汚染については、その補給廠内の施設に由来する汚染は発見されなかった、こういうふうな報告を受けておるところでございます。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 私、大臣に聞きたいのですよ。発見されなかったということで済む話でしょうか、住民の、そこに住んでいる人にとっては。  私さっき言うたように、車両や機械の修理工場がある。どんな化学物質で処理しておったんだろう、あるいは排水処理はどういうふうにやっていたんだろうか、これ疑問に思っているのや、なかなか見えへんから。治外法権になっているんやからどうにもならぬのかいなとみんな心配しているのや。それを一言で、向こうはこう言ってます、信用できますか、そんなことで。しかも米報告を読んだら、米報告では出ているということがちゃんと言われているんだから。そんなことで日本政府が済ましておるんかいな。それで、環境庁は強制力がないので、アメリカに対して環境基準の違反について処置をとらないであろう。ここまで言われて、何と情けないんだろう、わしはそう思う、正直言って。日本の国会というのは権威ないな、こうなってくると、政府も権威なければ国会も権威ないな、こうなってしまう。地下の水質データ一つ出すわけじゃない。  私、もう時間が来ておりますので、大臣にお願いしますよ。きちんと市民がわかるデータを明らかにしてほしい。日本政府でできないんだったら、まずアメリカにきちっとすべてを出させなさいよ。そして場合によっては、それではあかんと責任持って立入調査をやる。外務大臣は、必要やったらやるときのう外務委員会でやっとったけれども、そうか、それぐらいの気迫があるんやったら結構やな思って。環境庁、名指しされたんだから、名指しされた大臣がこのまま引き下がるとは私思わぬのやけれども、どうです。——ちょっと待ってくださいよ。私、あなたに話しているんじゃないんだから。大臣の気迫を聞いているんだから。

眞鍋武紀環境庁水質保全局長

○眞鍋政府委員 説明をさせていただきます。  先ほど来申し上げておりますように、米軍の方でも環境保全については非常に意を用いていただいておるわけでございます。それで米軍の、米国の基準と日本の基準といずれか厳しい方を適用するという方針のもとに誠実にやっていただいておるわけでございます。そういうふうなことで、トリクロロエチレンの汚染につきましても米軍の方できちんと調査をし、その結果について報告をいただいておるわけでございます。そういうふうなことでアメリカ側も努力していただいておりますので、我々としても、先ほど来申し上げておりますような分科会におきまして疑問点なりについてはいろいろと意見交換を行って環境保全に万全を期してまいりたいと思っておるところでございます。

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 委員御指摘のとおり、もとより環境庁は国民の健康を守り自然環境を守るという大変重要な役割を持っているわけであります。その中で、今の御指摘の問題でありますけれども、日米地位協定、そして今の環境に関する委員会、そういったものに環境庁も出ているわけでありますから、そういう手だてを通じて在日米軍の環境問題に対しましても着実に取り組んでまいりたいと思います。

寺前巖日本共産党

○寺前委員 時間が参りましたのでこれで終わりますが、大臣、一言もう一回つけ加えておきますと、ここまで書かれておるのです。米国の適合する環境基準を適用するよう求めているにもかかわらず、最近までこの政策は太平洋地域においてほとんど無視されたし、現在も不十分な理解または適用がされているだけであるということがわかった。アメリカでも、いいかげんなことをやっているといって勧告が出たのですよ。それをちゃんとやってもろうてますなんて行政当局の局長が言っているようでは、そんなもの、あなた、責任持って国民に対する態度だなんて言えますか。私は、あえて国民が理解できるような措置を大臣が適切にやってくださることを期待をして終わります。      ————◇—————

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 次に、内閣提出、公害防止事業団法の一部を改正する法律案を議題といたします。  政府より趣旨の説明を聴取いたします。中村環境庁長官。  公害防止事業団法の一部を改正する法律案     —————————————     〔本号末尾に掲載〕     —————————————

中村正三郎自由民主党環境庁長官

○中村国務大臣 ただいま議題となりました公害防止事業団法の一部を改正する法律案について、その提案の理由及び内容の概要を御説明申し上げます。  公害防止事業団は、昭和四十年の発足以来、産業集中地域における産業公害を防止するため、工場、事業場の移転及び公害防止施設の設置等を促進するための建設譲渡業務と融資業務等を実施し、公害防止対策の推進に寄与してきたところであり、昭和六十二年には、法律改正により、産業公害のみならず都市の大気汚染等の都市・生活型公害にも対応するため、都市における大気汚染対策緑地の建設譲渡業務、合併処理浄化槽の設置に必要な資金の融資業務の追加等を行ったところであります。  しかしながら、近年の経済社会の変化に伴い、増大する産業廃棄物の適正な処理の促進が喫緊の課題となってきており、また、有害化学物質による地下水汚染等の新たな課題に加え、地球環境問題への取り組みが求められております。さらに、自然との触れ合い。求める国民のニーズの高まりにこたえることが必要となっております。  この法律案は、これら環境行政の主要課題の変化に対応するため、公害防止事業団を環境事業団に改組するとともに、その業務の追加等を行い、時代の要請に応じた新たな業務の展開を図るものであります。  次に、法律案の主要事項について、その概略を御説明申し上げます。  第一は、公害防止事業団の目的の改正及び名称の変更であります。  現行の法律では、公害防止事業団は公害の防止に必要な業務の実施を目的としておりますが、今回新たに自然環境の保護及び整備に必要な業務並びに開発途上にある海外の地域における環境の保全に資する情報等を提供する業務を行うこととし、このため、目的について所要の改正を行い、あわせてこれらの業務にふさわしい環境事業団へと名称を変更するものであります。  第二は、公害防止事業団の業務の改正であります。  公害防止事業団の現行の業務を見直し、新たに、産業廃棄物の広域的処理等のため、産業廃棄物の最終処分場等を建設しまたはこれとあわせてその周辺または跡地に緑地を整備し譲渡する業務、及び国立・国定公園の利用の拠点となる地区に、自然公園の保護と健全な利用に資する公園施設を一体的に整備し譲渡する業務を加えることとしております。また、地下水汚染防止等の事業に必要な資金の貸し付けを融資業務の対象に加えるほか、事業団が業務に関して蓄積してきた情報等で開発途土地域の環境の保全に資するものを提供する業務を新たに行うこととしております。  以上のほか、新規業務の追加に伴い、その一部の業務について厚生大臣を主務大臣として追加する等の主務大臣の規定の整備その他名称変更に伴う所要の改正等を行うこととしております。  この法律案の施行期日は、平成四年十月一日としております。  以上が、この法律案の提案理由及びその内容の概要であります。  何とぞ、慎重に御審議の上、速やかに御可決あらんことをお願い申し上げます。

小杉隆自由民主党

○小杉委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後二時二十一分散会      ————◇—————

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