外務委員会 第5号
- 発言数
- 148 件
- 登壇者
- 12 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/04/10
会議録
○麻生委員長 これより会議を開きます。 北太平洋における湖河性魚類の系群の保存のための条約の締結について承認を求めるの件を議題といたします。 これより質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。元信堯君。
○元信委員 重要な条約の審議を始めるに当たって自民党にちょっと申し上げておきたいと思うのですが、これはどういうことですか。委員長、自民党の委員席というのはほとんど空席であって、これは定足数を満たしていないと思うのですが、どうなんですか。ちょっと理事さん、相談してくれませんかね。冗談じゃないよ。
○麻生委員長 それでは、これから質疑に入らせていただきます。元信堯君。
○元信委員 何だか空席が目立つけれども、これで定足数に達しているということですから、質疑に入ります。 それでは、まず外務大臣に、この条約の歴史的意義について伺いたいと思います。 我が国の漁業、特に外洋漁業は、久しい間ずうっと遠洋漁業からの撤退を余儀なくされてまいりました。世界の海洋に雄飛をいたしまして、新たなところでさまざま漁業技術を切り開いてきたわけでありますけれども、しかしそれは一面では略奪漁業として批判されることもあり、各国の資源ナショナリズムの高まりによって排斥もされてまいりました。それらの結果として、国際海洋法条約が生まれ、次いで二百海里の大陸棚資源からも締め出され、さらにまた今日、湖河性魚類につきましては母川国主義の定着によって公海における漁業からも撤退を余儀なくされているのであります。そして最近では、環境保護思想の高まりによって、環境系の保護、野生生物の保護等の観点から漁業の存続そのものに対して疑問と批判が広がりつつあり、既に鯨に始まりことしのアカイカに至る理不尽な漁業いじめが続いているのではないかと思います。 これに対して我が国の外交はどのように有効な反撃を、阻止をしてきたでありましょうか。国際的な協調の前にはやむを得ないということで、ずるずる後退を重ねてきたのが我が国の外交の姿でなかったかというのが、今日水産界の人間の多くの腹の中に持っている感情であります。そして本日審議されておりますこの条約は、これらの外交プロセスの一つの集大成であり到達点であるのではないか、こういう気さえ持っているのであります。 我が国外交の責任者である外務大臣は、この間の漁業外交についてどういうふうにお考えになり、そしてこの条約を締結するということの歴史的意義についてどのような御認識をお持ちなのか、まず伺いたいと存じます。
○渡辺(美)国務大臣 これは見方の問題でありまして、サケ・マスが溯河性の魚類でございますから、母川国に戻ってくる、これを沖取りするか、あるいは沿岸で帰ってきたものをとるかという論争は長い歴史がございます。私も農林水産大臣をやったことがございまして、日ロの漁業交渉もやってまいりました。どちらにも言い分があるのでございますが、私は、まあ結論から言えば、やむを得ないのかなという感じで同意をしたわけであります。 一時期非常に、公海上で十何万トンというようなものをとったことがございますが、だんだん減ってきてゼロになるということでありますが、裏返しに言うと我が国の河川で非常に少ない魚になってしまったが、これも十万トン、沿岸、定置網とか、それから川に上ってきた魚を養殖、放流をして、しかも川をきれいにするという運動を始めて、公害の華やかなりしときから見れば数倍ふえたわけであります。 小さい魚を沖取りしてしまうか、大きなものを帰ってきたときとるかという議論であって、我々はその折半みたいなことをやっておったのですが、やはり沖取りよりも戻ってきた魚をとる、そのためにはやはり国内の河川をきれいにする、公害を少なくするということが並行的に行われなければだめなわけであります。これは今までの経験からして明らかでございます。 しかしながら、余り極端になりますとこれまた問題がございますので、二百海里の中でもいろいろな協定等によってある一定の限られた数量は資源の保存ができるという科学的根拠に基づいて、私は今後も漁獲されることは許されることであろう、そう思っておるのであります。
○元信委員 今外務大臣の認識として、やむを得なかったのではないかという御認識が示されました。その根拠として、沖取りよりも帰ってきたものをとる方が大きくなっているからいいのではないか、こういう御認識だったというふうに承りますが、そのとおりでいいですか。
○渡辺(美)国務大臣 私は釧路港へ農林水産大臣のときに見に行きまして、それでどんどん揚げてとってくるんだけれども、大きいのも中にはありますが、見て、こんな小さいのが非常に多いのですよ。こういう小さいのも、あと一年もたてばこんなに大きくなるんじゃないか、だから、こういう小さいのをとってしまうのは本当にもったいないという感じを身をもって見たことがございます。したがって、沖取りで、今盛んに大きくなりつつありながら回遊するわけですから、その途中でとってしまうというよりも、それぞれの母川国に行って大きな姿になってとった方が私はいいんじゃないかというふうに、私は専門家じゃありませんが、思っておるのです。 むしろ、これらの一利一害については水産庁の専門家がいますから、その方からひとつ説明を聞いてやっていただきたいと存じます。
○元信委員 水産庁からも後ほどゆっくり聞きますが、どうも外務大臣、せっかくのお話ですけれども、その認識は水産業の業界から見ると必ずしも妥当でないんじゃないかなというふうに私は思うのですね。すなわち、サケが大きいかどうかということは、これは沖でとるから小さくて、帰ってきたから大きくなるというようなことではない。後からちょっと申し上げますけれども、大きいかどうかというのは海洋の生産力に依存しているのではないかというふうに考えられているわけでありまして、沖でとるのと沿岸でとるのとどちらがいいかということになれば、むしろサケの品質というのは沖でとった方がいいサケがとれる、こういうことがあるわけであります。 すなわち、沖でとれるサケは銀毛と申しまして、脂も乗っておって銀色にぴかぴか光って、食べても甚だ結構である。岸近くに帰ってまいりますと、ブナ毛と申しますけれども婚姻色があらわれてきて、体の中の脂肪はほとんど生殖巣、イクラですね、卵巣へ移ってしまって、肉質は落ちてしまう、したがって、なるべく沖合いのサケをとりたいというのがサケ・マス漁民の願いであるわけであります。 一方、ロシアとかそういう国においては必ずしも品質という考え方は余りございません。ですから、とにかく大きくなった方がいいんだ、たくさんとれた方がいいんだ、川で待っていればどうせ帰ってくるんだから沖へ行ってとることはないじゃないか、みんな内水面に戻ってくるのを待ってとれというのが、これまでの日ソ交渉の中でもロシア側はそういう主張をしていた、ソ連、ロシア側はそういう主張をしていたかというふうに思いますけれども、我が国の主張は必ずしもそうじゃなかったんじゃないか。むしろ、いかに品質のいいサケをとる、銀ものサケをとる沖取りを残すように努力をしていたかと思いますが、水産庁、そこらはいかがですか。
○鶴岡政府委員 外務大臣は今一般論として魚の場合に小さいのより大きいのをとった方がいいのではないか、これは資源論からいけば当然のことだと思います。ただ、その背後に、根っこにはやはり溯河性魚類でありますので、四年を中心に、放流とか降海してから四年前後で母なる川に帰ってくる、そのために各それぞれの国が努力している、そういうところにやはり今回のこういう条約が制定されたということが根っこにあって申し上げられたんじゃないかと思います。 我が国が、おっしゃっていますようにサケ・マスの母船漁業でありますとか、あるいは中型漁業でありますとか、沖に行って春先のサケをとってきたということも事実でありますけれども、また沿岸域では定置網でとっている。日本のサケ・マス漁業の形態がいろいろ多種多様でありましたので、沖取りもする、あるいは日本系のあれについては沿岸でとる、そういうバランスの中でサケ・マス漁は発展してきたというふうに認識しております。
○元信委員 余りたくさんおっしゃったもので、答弁としてはピントがずれているのじゃないかと僕は思うけれども、外務大臣、要するに今外務大臣がおっしゃったようなことは、従来、日ソ、日ロの交渉の中でソ連の側は多分そういうふうに言ってきたと思うのですよ、そうやった方がたくさんとれるのだからと。しかし、沖取りもいろいろ歴史的な変遷を経てまいりましたけれども、今では、そういう未熟な資源を乱獲しているというようなことには、この二、三年日本の漁業はなってなかったはずだ。そういうふうに言えると思いますから、こうなってしまってからでは遅いわけでありますけれども、ぜひ、我々の、日本としての要求はよりよいサケをとるということですね。もう量的な問題は超えているのです。我が国はサケは供給が需要をかなり超えて値段も低下ぎみでありますから、品質の問題にこれからの問題があるということをまず御認識をいただきたいと思います。 その次へ参りたいと思います。 これから我が国の漁業が直面する問題は環境主義との衝突だろうと思うのですね。ことしの流し網の禁止にしても、やはり環境主義の前に敗れ去ったというふうに思っています。一部の国々あるいは一部の団体の人々の認識では漁業というものは自然環境を破壊する産業である、こういうふうに認識をしておるようでありますけれども、外務大臣、漁業と環境の関係についてどういう御認識をお持ちですか。
○渡辺(美)国務大臣 これは大変難しい質問でありまして、問題は程度問題だと私は思うのです。何でも程度問題。根こそぎとっちゃうようなことをすれば後は続きませんし、それは資源の絶滅という点からも困るし、環境破壊だということにもなるでしょう。やはり一定の資源というものを温存しながら、その中で、ある量を漁獲することは、それだけの需要があって人類が生存をしているわけですから、それは必要なことだ。したがって、その調和を図っていくということだと私は思います。極端なことを言えば車も走らないような話で、排気ガスは一切出すべきじゃないというけれども、全く出さないということになれば車は走らないということになりますから、余り理想に走ってもいかぬのであって、そこらのところは国 際社会のコンセンサスの中で決められるべきものであると考えます。
○元信委員 何でも程度の問題であると言えばそれはもう包括的答弁というべきであって、答弁しているようであって答弁しているとは言えないんじゃないかと思うのですが、私が言いたいのはこういうことなんです。 漁業というのは環境に非常に優しい産業ではないかと思うのですね。例えば農業との比較をしてみます。畑をつくって、そこに麦なり光なり、まくとする。まず生えている木を根こそぎ切って、草を取って、畑や田んぼにして、農業をまき肥料をまき、そこに単一の種類である麦やら米やらの種をまいて、それを収穫する。もとあった自然から見れば全くがらりと変わった様相を呈するわけですね。そういうふうに言えば、農業というのはそんなに自然保護的な産業ではないわけであります。ヨーロッパやアメリカではしばしば、海の魚を食べたりすることはやめて陸上で牧場をつくって肉をつくって食べれば、それの方が環境保護的だというようなことを言っていますけれども、牧場をつくるのも同じことであって、ほとんど環境の根こそぎ破壊と言えると思うのです。 しかるに漁業はどうかと言えば、養殖などは確かに囲い込んで一部の環境を変えて使いますけれども、外洋の漁業について言えば、海の中に何ら構築物をつくるわけでもない、たくさん泳いでいる魚のある特定の一部をいわば間引きをして、そうして利用さしてもらっているだけである。こういうふうに考えると、むしろ漁業というのは環境に対して非常に優しい産業であり、技術であるのではないかな、こういうふうに思っているのです。 したがって、これから、ことしの六月にブラジルで環境サミットがございますけれども、恐らくそのときにそういう問題がやり玉に上がるだろうと思うのですね。漁業国である我が国の外務大臣は、漁業こそが最も環境的な産業である、こういうふうに胸を張って私は言ってもらいたい。程度の問題だなんて言っているだけじゃ弱いんじゃないかと思うのですが、いかがでしょうか。
○渡辺(美)国務大臣 これはやはり漁業でもやり方なんですよ。ある一定の地域で底びき禁止というようなことをやっていますが、これも下からがらがらがらがらきれいにひっかいちゃって、魚族が将来繁殖できないようなやり方をすれば、これはやはり一種の環境破壊であることは間違いないのです。ですから、これらの問題も魚族の保存というものをまず念頭に置いて、そして将来とも海の生態系をがらっと変えるような漁業は慎まなければならないし、時として禁止される、それはやむを得ないことじゃないか。 しかしながら、総体的に言えば、全体的に言えば、確かに漁業というものは環境になじむようにしていかなければならぬし、なじまないとそれは環境破壊というだけでなくて将来の魚族の繁殖に影響を与えるわけですから、これは人類にとっても必ずしも好ましいことにはならない。やはり魚族の繁殖ということができるような形の中で漁業は行わなければなるまい、さように考えておりますから、よくそれらは話し合いをした上で、ただとるということだけに主眼を置くというわけにもいきません。しかし急激な要求をされても、それによって生計を営んでいる人がありますから、急激に変えるということも問題がある場合もございます。したがって、できるだけそれらの調和というものをとりながら今後もやっていくほかに方法はないのじゃないかと思っております。
○元信委員 どうも外務大臣の御答弁を伺っていると、根底にはやむを得ない論というのですか、これがあるんじゃないかと思うのです。 私は、主張すべきことは科学的な根拠に基づいてきちっと主張すべきだ。交渉に行っている我が国の事務当局の皆さんは、外務省の皆さんも水産庁の皆さんも一生懸命その点でやっている。ところが根本的に大臣の方からやむを得ない論というのが出てきて、そしてその次に出てくるのは激変緩和というやつですね。そう急に言われても困るからまあまあというので、例えばアカイカがことし一年というようなことになったように、一年から数年程度の猶予期間を置いて結局なくなっていっちゃうというのが、ここ数年幾つかの問題であらわれてきたパターンじゃなかったかと思うのですね。 その原因というのは、どうもその根底には、やむを得ない、大勢がそう言っているならしょうがないじゃないか。今一々詳しく申し上げませんが、トロールというのは資源を破壊するような御説でしたけれども、それも僕は余り科学的でないと思って聞いておりましたけれども、そういうのに安易にくみされることはまことにこれからの交渉が心配になってくる、こういうことだけ申し上げておきたいと思います。 次いで、しかし、そう言って後ろ向きにばかり嘆いておっても仕方がありませんから少し前向きのことを申し上げたいと思うのですが、世界の中にたくさん国がありますが、魚をとったり魚を食べたり、あるいはたんぱく源の主要なものとしている国は総体的には少数であります。ですから国際会議をやると、例えばことしのマグロなんかそうであったわけでありますけれども、マグロを食べる国は少ない、そうすると、どうしてもマグロを食べなければならぬことはないじゃないか、あんな大きくて立派でさっそうたる魚を、日本人がトロをすしにして食いたいばっかりにいなくしてしまうのは問題だというようなことになりますと、そうだそうだということになりかねない。特に、食べることについて格別困っているわけではない先進諸国では、そういう感情論が入ってくるところが多いのじゃないかと思っております。 しかし、何を食べるかあるいは何を食べないかというのは、その民族、国の固有の文化問題でもあり、あるいはまた生存の基礎条件でもあるわけです。ある国が鯨がかわいいと言ったからといって鯨が食べられなくなってしまう、こんな迷惑な話はないわけでありまして、私たちは、今魚を食べる世界の国を集めて、魚食国同盟といえばちょっと大げさかもしれませんが組織をつくって、魚食の権利、魚食の意義というものを積極的に主張していくべきではないかなというふうに思います。大臣、この点いかがでしょうか。何か積極的なお考えをお持ちですか。
○鶴岡政府委員 ただいまのことについてお答えする前に、先ほどのことでちょっと私に意見を言わせていただければと思います。 漁業が自然環境と調和する際に、農業を引き合いに出していろいろお話があったわけですけれども、私は漁業につきましても、先ほど大臣が御答弁申し上げましたように、やはり資源状態に見合って、保続、継続ということを前提に漁業をやっていけば、これは環境と調和するというのは間違いないと思います。ただ、農業の場合も調和するのではないかということを私はちょっと一言申し上げておきます。 日本は、もう御案内のとおり瑞穂の国というぐらいでございまして、弥生時代から米を食って、しかも貝塚、その他魚を食ってきて、日本の国土というのは最近のいろいろな開発その他でいろいろ問題は起きていますけれども、我々一億何千万の人が住んでいる国土をずっと保存してきた、これは漁業もそうですけれども、農業の力もあったということは一言申し上げておきたいと思います。 それから、今おっしゃっていますように、やはり私ども日本人にとりましては、米中心に魚、野菜、果物あるいは肉というようなバランスのとれた食生活が行われておるわけです。そういう食生活を健康面その他から我々大事にしていく必要があろうかと思います。そういう観点から、漁業につきましても、科学的な知見に基づきましていろいろ主張すべきことは主張するし、また食生活の面でも、率直に言いますと食生活はお互いになかなか理解できないところがあるわけでございますけれども、同食のあれと語らってそういう主張をしていきたいと思います。 押され気味ということもいろいろあるわけでございますけれども、マグロの会議などは、マグロを食する民族が少ないという話が今あったわけでございますけれども、昨年夏この問題が起きて以来、私どもは外務省の外交ルートを通じたり、あるいは我々も直接に行ったり、また民間の人を動員していろいろな対応をした結果ああいう結論に落ちついて、正常なICCATの場で論議していくということになったのも一つの成果ではないかと思うのです。御指摘のことを踏まえて、今後とも最善の努力を尽くしたいと思っております。
○渡辺(美)国務大臣 何か私が漁業のことでやむを得ないと最初からさじを投げたようなことを言っているようにとられていますが、とんでもないことであって、私が農林水産大臣をやる以前は鈴木善幸先生が農林水産大臣であって、そのころから日ソ交渉の中では沖取り禁止というのは強く主張されておったのですよ。それを我々としては、国内の河川が汚れておったりなんかして、また、栽培漁業とか養殖というのはそんなに進んでもいなかった関係もこれあり、それでかなり粘りに粘って今日まで沖取りを継続をしてきたという現実があるわけです。したがって、やむを得ないというのは、そういう歴史的背景から見て、今回の条約はやむを得ないと私は言ったわけであります。 それから、漁業の問題で感情問題が入る、これも事実でしょう。鯨は、あんなものをとって食べるという人の気持ちがわからないと言う人もいることは、まさしくいるわけですから。となると、日本人の方から見れば、自分が牛や何かを育てて、そいつを、鳴き叫ぶものを殺して食べる方の人の気持ちがわからないと言う人だって日本人の中にはおります分らね。そんなことをやっておったらもうけんかが絶えないわけでございまして、やはり風俗習慣の問題というものはそう一朝一夕に理解し合うことは難しい。難しいからといってお互いの主張だけを言っておったのでは国際社会でけんかが絶えないということになるから、どこかでこれは妥協というか調和というか、そういうことを図っていかなければならぬわけであります。だから、国内においても随分川をきれいにする運動をやってみたり放流をしたり、それから養殖をしたり栽培漁業を広めたり、水産庁は水産庁なりにそれはいっぱいいろいろな努力をしてきているのですよ。そういうこともひとつお認めをいただかなければなりません。 それから、この間、あれはスウェーデンの外務大臣が来まして、クロマグロ問題というのがあったときに、それは捕獲禁止みたいなことを言っておったですよ。その根拠はいろいろ言っておったが、我々は、国連の中のある研究機関があって、そこでこの程度は保存上心配ないと言っているのだから、こういうようなものについては科学的な機関の意見を尊重すべきじゃないかということで、スウェーデンの方の主張を、強く主張するのをやめてもらったといういきさつもつい最近の出来事ですがございます。委細を聞きたければ水産庁から聞いていただけたらよいと思います。 したがって、感情論ではなくて、やはり資源の問題は科学的根拠、こういうものを中心に話し合っていきましょうという姿勢は今後とも続けてまいりたいし、我々は感情論だけにすぐ乗って妥協するということではないことは知っていただきたい、と存じます。
○元信委員 ぜひ頑張っていただきたいということだけ申し上げておきたいと思います。 以上が前置きでありまして、それでは、今度は条約に即して幾つか御質問を申し上げたいと思います。 今度の条約は、要すれば各国の二百海里の外側、すなわち公海ではすべて溯河性のすなわちサケ・マスは禁止になった、これが主要な点であろうと思うのです。この点はそれこそやむを得ないということでありまして、いろいろ意見はあるけれども、これは受け入れる、こういうことだろうと思うのですね。 そうすると問題は、二百海里の外側から全部締め出された漁業を二百海里内でどういうふうに続けていくかということになるわけでありますが、今度の条約と直接は関係ありませんが、並行して日ロ間でも漁業交渉が行われました。日本の沿岸二百海里の中で採捕されるロシア産のサケ・マスについては、その漁獲量に応じて日本からロシアに対して漁業協力金を支払う、こういうことになっていると承知をしております。 ところが、じゃ日本に母川を持つサケ・マスが外国の領海に行った場合はどういう規定になっているかということを同時に研究してみなければならぬわけでありますが、我が国のこの関連の法律は漁業水域に関する暫定措置法でありますが、我が国の溯河性魚類の管轄権の及ぶ範囲を、外国の内水、領海及び漁業水域に相当する海域を除く海域と、こういうふうに指定をしておりまして、公海では一応管轄権が及ぶとしているものの、外国の二百海里内では管轄権はない、こういうことになっていますね。我が国の二百海里内に入ってくるロシア系の魚に対しては、向こうの第一次的な権利でしたか、これを認めているというにもかかわらず、我が国はこの管轄権を放棄しているというだけでそれ以上のことは法的な規定はないわけですが、ここらは水産庁、どういうふうにお考えになっているか、外務省がいいのかな、まず承りたいと思います。
○野村説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘の暫定措置法におきましては、この括弧の中で、他国の二百海里水域を回遊、「外国の内水、領海及び漁業水域に相当する海域を除く。」という規定がございまして、実はこれは、先生御指摘のように、母川国は溯河性魚種に対して第一義的な利益と責任を有するわけですが、他方、経済水域と申しますかあるいは漁業水域と申しますか、二百海里の水域ということについてもその沿岸国が一定の権限を有しておるわけで、権利を有しておるわけでございまして、その間のことにつきまして、実はこの暫定措置法十二条の考え方と申しますのは、国連海洋法条約六十六条四項あるいは日ソの漁業協力協定で申しますと二条六項に規定しております。その趣旨と矛盾するものではないというふうに考えておりまして、他国の二百海里水域を回遊する我が国起源の溯河性魚種に対して日本が第一義的な利益と責任を有するということを、そこまでも否定したものではない、そういうふうに考えておる次第でございます。
○元信委員 そうすると、我が国を母川とする鮭鱒類が、例えばロシアですとかアメリカ、カナダ、そういう国の二百海里内で採捕された場合は、我が国は漁業協力金を要求することができる、こういうふうに理解してよろしいですか。
○鶴岡政府委員 私どもは具体的な詳細まではわかっていませんけれども、日本に起源を持つサケ・マス類が捕獲されておるのは、アメリカの湾内にほかの漁業との混獲で採捕されておるのではないか。その量は極めて微々たるものでございまして、我々その動向を今後とも十分注視していく必要があろうかと思います。もし先生が今御指摘のような事態になれば、その実態を十分把握して適切な措置をとりたいと思います。
○元信委員 先回りの答弁は困るので、それはその次の質問をしようと思っておったところなんです。 とるということなんですね。その、とるということで、まず日ロから話をしたいと思いますが、それは日ロの取り決めの中にそういう枠組みはございますか。
○野村説明員 お答え申し上げます。 ただいま私は、最初の答弁で御指摘申し上げました日ソ漁業協力協定第二条の六項がこれに該当するかと思います。「締約国政府は、他方の締約国の川に発生する溯河性魚種が自国の二百海里水域の外側の限界より陸側の水域に入るか又はこの水域を通過して回遊する場合には、当該魚種の保存及び管理について当該他方の締約国の政府と協力する。」協力するということでございます。 ただ、この協力の内答につきましては、お金の場合だけではなくて、それ以外にもあり得るかと思いますけれども、この趣旨、第二条六項は、先ほど申しました海洋法条約の規定に沿って採択された条項であるというふうに理解しております。
○元信委員 ロシアがどういうような協力をしてくれるのかというのは我々にちょっと想像が難しいわけでありますが、いずれにしても、そういう読んで読めないことはない取り決めがある、こういうふうに承知をいたしましょう。 そこで、それではそれ以外の国ですね、今度の四カ国条約の中でいいますと、当然アメリカ、カナダということになる。そこで、さっき先回りの御答弁があった質問になるわけですが、日本のサケが回遊をする回遊経路にアラスカ湾が含まれているのは御承知のとおりです。そのアラスカ湾の中でアメリカ側あるいはカナダ側の漁業がさまざまなされておりまして、それの中にサケ・マスが相当程度入っておるのではないかという知見があるやに聞きます。 それは微々たるものだ、こういう聞かないうちの御答弁があったわけなんですが、それでは、微々たるというものはどういう根拠に基づいて微々たるというふうにおっしゃっておるのか。それと、しからば将来にわたって、日本からのサケが大分とれるのであれば、そのサケを漁獲しょうではないかということが仮に生まれたとした場合、我々はそれに対してこれは日本産のサケなのであるから協力をしてもらいたいと言える枠組みがあるのかどうか、その点について改めて伺います。
○鶴岡政府委員 日米の間では、日米の漁業関係の条約が失効したということもありまして、今年度から新しく相当ハイレベルでの協議、定期的な協議を開いて、そのときどきの生じる漁業問題について協議しようということになっています。仮にそれが相当程度になっていろいろな影響を及ぼすということになれば、そういう中で議論をしていきたいというふうに考えております。(元信委員「根拠、微々たる根拠」と呼ぶ)それは、現在のところ混獲ということで、混獲の様態から見て数百トン程度だというふうに承知しております。
○元信委員 私が聞いた話では、もう一けたぐらい多いのではないかという話も聞いておりますし、それからその逆に、アメリカ側で生まれたサケ・マス、これが日本には来ないというのが二国間のそういう取り決めがない前提になっているようですけれども、これも、数量はともかく、来ていることは来ているのですね。標識放流の結果、日本側で採捕された例もある、こういうように聞いておるところであります。したがって、日米間でもこれらの問題をきちっとやるべきではないか。すなわち、日本のサケ・マスは世界のあちこちでとられたとしても、今のままではお手上げであって、我が方だけが金を払わなければならぬというのは、漁業者の立場あるいはふ化放流している国の立場から見ても、まことにおかしなものだと言わざるを得ないのではないかというふうに思います。 ところで、この条約は四カ国条約でありますけれども、この四カ国以外に北太平洋のサケ・マスについて利益と義務を有する国はあるのかないのか、それはどうお考えでしょう。
○川島政府委員 お答え申し上げます。 実は、これ以外に、四カ国以外の母川国というのは中国、韓国、北朝鮮等の川から出ていっているサケ・マスがいるということは事実のようでございます。ただ、それがどれくらいの量でどこを回っているかとか、その辺のデータが必ずしもわからないということがまず第一点でございます。 他方、この条約交渉をやっております過程で、実は各国、四カ国の間で非常に強い問題意識がございましたのは、公海で四カ国がとらないということを合意したとしても、それ以外の国が公海で四カ国から出ていったサケをとってしまったら、これは意味がないではないか、それをどうするんだという問題意識が非常にございまして、それはどうするかというのは条約が成立してからの一つの宿題として残るのであろうと思います。条約自体にも、四条のところで、要はこの条約の枠組みに、行く行くはほかの公海でとっているような国に入ってもらうということを何とかしようではないかという精神規定みたいなものが入ってございますけれども、これは先々の話としての課題だろうと思います。 逆に申しますと、今のところこの四カ国だけが公海におけるサケ・マスの漁獲を禁止するわけですけれども、それ以外は、今のところは公海におけるサケ・マスの漁獲は第三国については何ら規制はないということでございます。
○元信委員 この条約の名前は北太平洋における溯河性魚類の系群ですね、ストックという概念を持ち出しているわけですが、系群の保存のための条約ということになっておりまして、同じサケであっても日本を母川とするもの、あるいはアメリカ、カナダを母川とするもの、それからロシア、シベリア、沿海州を母川とするものというふうに分けて考えるところが特徴であろうかと思いますが、果たして今のお話にありました今度の四カ国、具体的に言うならばロシアと中国その他の国のストックというものは技術的に分離できるものなんですか。
○鶴岡政府委員 正確なお答えになるかどうか、ちょっとわかりませんけれども、北朝鮮あるいは中国、韓国、これは今やっておるわけでございます。どういう経路をたどり、どういう生活史を持つのか、これはこれから我々も関心を持ちながら注視していきたいというように考えております。
○元信委員 現時点ではできぬということですね。そうお聞きしていいですね。
○鶴岡政府委員 まだ知見が足りないということでございます。
○元信委員 だから、できないんでしょう。なるべく簡単にやってください。 それで、系群の分析ができないとすると、そうすると今北太平洋の公海で、今回の条約で禁漁になった区域でとれるのは主にロシア産、こうされていたわけですよね。ほかの鮭鱒はここではとれない、こういうことになったと思いますが、そこに四カ国以外、すなわち中国とか朝鮮とか韓国とか、そういう国をオリジンとする鮭鱒が入ってきて、それをそれらの国が漁獲することをこの条約は排除できますか。
○川島政府委員 公海におけるサケ・マスの禁止はこの条約では四カ国だけでございますので、したがって、中国、韓国、北朝鮮がそれぞれとるということはこの条約では何ら禁止されておりません。
○元信委員 禁止はされていない。そうすると、そこのところでこの条約、しり抜けになる可能性があるわけですね。それに対する防御は何かされていますか。
○川島政府委員 これは、ですから、望ましい形はこの条約の枠組みに中国、韓国、北朝鮮も参加して、みんな公海においてはとらないということにするのが解決であろうと思いますけれども、ただ、これはまだ条約が成立してからの課題だろうと思います。この条約の交渉の過程で、米、カナダ、ロシアにしましても最大の問題意識はその辺、この四カ国以外の諸国が公海でとるのをどうやってとめるか、そこがなければ、確かに御指摘のとおりしり抜けになってしまうではないか。まず、この条約をつくって、主要母川国の四カ国はもうとらぬ、とらぬということを確立した上で次のステップを考える、こういう考え方をアメリカ、カナダ、ロシアとも強く持っていた次第でございます。
○元信委員 そうすると、現行条約の枠組みの中では、これはどうにも手がつかない。すなわち、日本が公海から撤退してしまえば他の国がそこへ入り込んでサケ・マスをとって、あるいは日本に輸出をするというようなことも考えられないでもないのですが、それに対して何か有効な防御方法は考えられていますか。
○鶴岡政府委員 今のところ、そういう北朝鮮あるいは韓国、台湾等は公海上でサケ・マス漁業をやっている事実はございません。もしそういうケースが出てくれば、関係三カ国と相談しながら 適切な対応をとっていきたいと思います。
○元信委員 要するに、もしそういう事態が起こって今私が申し上げたようなことがあっても、今のところでは手はないから、そうなったときにまた考えましょう、こういう仕掛けになっている、こういうことなんですね。この条約の締結について不安が残る点ではないかということを指摘をしておきたいと思います。 それでは、時間もなくなったものですから、公海で去年の九千トンを最後にことしは全面禁漁ということになりました。その公海で九千トンとっていた漁民というのは、仕方がないからソ連の二百海里内に合弁事業として枠をもらってそこで漁業をすることになったというふうに承知をしておりますけれども、この合弁事業の先行き、なかなか厳しいのじゃないかなというふうに思われます。 去年の例をとりますと、ピレンガ合同が七千トンでしたかね、それだけをとり、マガダンの合弁事業の方が枠は五千トンだかあったと思いますけれども結局は一千トンになりましたっけ。結局出漁してみてもソ連が指定した海域では、カラフトマスですね、これは非常に値段が安い、経済性が乏しい、こういうものしかとれないめですね。鮭鱒類ではベニザケが一番高くてサケが普通のもの、カラフトマスはうんとまた安い、この三段階ぐらいのランクがあるわけですけれども、カラフトマスがほとんどであった。こういうところでは仕方がないということで、結局途中で出漁中止というようなところまで追い込まれた。 問題は、従来ソ連に対し、今度からロシアに対して協力金を支払うときには、去年の実績でいいますとその協力金の三八%は国の補助金として出しておったのですね、協力金を払わなければならぬ場合には日本の領海にしろ公海にしろ。ところが、公海からソ連の領海で合弁事業でやるということになりますと、これは補助金が出なくなる。漁民はこの条約の発効によって漁場を公海から二百海里に移す。二百海里に移すことによって、先ほど申しましたように魚の品質は落ちるでありましょう。あるいはまた、とれる魚の種類も高く売れないものがふえてくるでありましょう。 こういう中で、今まで三八%の補助金というものがあった。恐らく、経費その他から見て、その分でどうやら採算をぎりぎり合わしていたというふうに私は思えるわけですが、それが全部合弁に移行し、補助金がなくなってしまうと維持できなくなるのは、ある意味では当然かなというふうに思うのです。ソ連と日本の合弁として始まり、これからロシアとの合弁として維持していかなければならぬわけですが、今言ったような問題をはらむ合弁事業、今後政府としてはどういうふうに育成していくのか、あるいはこれは民間事業だからといって放置していくのか、その辺のことについてお考えを伺いたいと思います。
○鶴岡政府委員 今回公海が停止になるというふうなことで、ソ連二百海里の中に入漁あるいは合弁の枠ということで、従来に比べて量的には若干ふえたクオータが一応政府間では決められたわけです。それで、それに基づきまして四月六日から全鮭連系あるいは日鮭連系の業者の方が極東に出向いて今入漁条件その他について交渉しておるわけです。一般的に、外国二百海里内の操業というのは沿岸国の管轄権のもとで向こうで認められる条件に応じて入漁するというのが基本でございまして、今回の交渉でも採算を頭に置いた話し合いをしているのではないかと思います。 一般的にそういうことでございますので、公海で、しかも通常の権利といいますか、そういうのに基づきましてされつつある漁業、しかもそれは政府間で数量、協力金も決められたわけでございまして、そういう点と、今回向こうの主権下の管轄下にある漁業について入漁するという場合には、ちょっと助成ということにはまいらないので、そういう交渉の中で採算点を頭に置いた交渉をやってもらうように我々も情報の提供その他指導をしていきたいというふうに考えております。
○元信委員 冷たいですな。まことに冷たい。漁民からいえば、今まで公海でとっておったのが、今度の国家間の条約で公海でとれなくなった。そしてソ連の沿岸へ行ってやれ、その交渉はそれぞれの漁民が勝手にやれと。情報の提供その他では援助するけれども、あくまでそれは漁民あるいは漁業者団体と、向こう側はダリルイバになりますかね、それとの交渉次第である、助成については民間レベルの話であるからできない、こういうことなんですね。そうすると、この条約によってかなり厳しい状況にサケ・マス漁民は追い込まれる、ここに一つの原因があるのではないかなということを申し上げておきたいと思います。 時間もだんだんなくなってまいりましたので、最後の質問にしたいと思いますが、この条約が発効しますと、冒頭申しました沖取りのサケがなくなりまして、日本は二百海里内あるいはソ連の二百海里内でとらしてもらう、こういう沿岸のサケ・マスしかなくなるわけですね。沿岸に来るとサケの品質が低下をする。この品質低下というものは、さなきだにサケの市況が大変低迷をしているところにますます大きな悪影響を及ぼすのではないか、これが心配をされております。何とか魚の品質の向上をさせねばならない。どういう対策を実施されているか承ります。
○鶴岡政府委員 先ほど先生も御指摘ありましたように、産卵のために回帰するサケが真水に何か影響がある地域に行きますと、婚姻色を呈し、また体形とか……(元信委員「上を向いてはっきり言ってくださいよ。よく聞こえないんだ」と呼ぶ)マイクを見て言っているのですけれども。体形が変化するとか肉質が低下すると、いわゆるブナザケということになる。卵の値段はあるいはよくなるかもわかりませんけれども、肉の方の値段が低いというようなこともありまして、できるだけブナ化を防ぐための対応ということで我々としても考えているわけでございます。 それで、いわゆる先生御指摘のように銀もの資源をふやすということで、昭和五十六年度より銀毛親魚からの種卵を確保するための選抜育種というのを進めておるわけでございます。ただ、残念ながら銀毛率がまだ低い状態でございますので、親魚を産卵適期まで蓄養するための施設の整備でございますとか、あるいは銀毛率の比較的高い、石狩川のような長い河川はそうでございますので、そういうところからの種苗の移殖とか交配育種等によりまして来遊親魚の銀毛率を向上させることに今月を注いでいるところでございます。
○元信委員 それだけじゃないでしょう。まだあると思うのだけれども、品種転換のことは言わなくていいの。
○鶴岡政府委員 また、ベニザケ資源でありますとかあるいはサクラマス等品質の高いサケの増殖というようなことにも力を注いでいきたいというように考えているわけでございますけれども、なかなかサクラマスとかベニザケは、御案内のとおり適地といいますか湖等を要するというようなこともありまして、日本としてはなかなか条件に恵まれていないわけでございますけれども、許される条件の範囲で最大の努力をしていきたいというふうに考えています。よろしゅうございますか。
○元信委員 要するにサケの品質が低下をするのを避けるために、なるべく沿岸に来ても銀毛化しない、そういうのを選抜育種しておるが、なかなか思うに任せない、これが一つ。あるいはサケよりももっと価格の高いベニザケとかサクラマスに、放流量をそっちをふやしていきたい、こう思っておるけれども、これはなかなか適地がない、こういう御答弁であったかというふうに思うのです。 そこで、もう最後ですから、提案だけして検討していただきたいと思うのですが、それはなかなか選抜育種といったって、三年も五年もしないと帰ってこないものですから、そう簡単に育種が定着するとは思えない。いろいろ意見はあるけれども、一つの方法としては、例えばロシアのアムール川とかああいう長大な河川に生まれるサケ・マスというのは、川へ上ってからが長いものですから、川へ来たからといって直ちにブナ毛化しているというわけではない、接岸してもまだ銀ものままのサケ・マスがとれる、こういうふうなんですから、そういうところから導入をして品種改良するということも一つのやり方としては考えられる。ただ、これをやると例の系群解析のときに影響が出るとかさまざま問題がありますけれども、一つの検討課題ではないかなというふうに思います。 それから、サクラマスに転換をする、これも長く研究を続けられてきた問題でありますけれども、一つのネックは、サクラマスをぶ化してから、サケと違ってすぐ放流できない、一年間は川の中、淡水の中で飼って二十センチ程度までに大きくしないと放流はできないというのですね。しかも放流できるのは雌ばかりで、雄は川にとどまってヤマメになってしまうわけでありますから、サクラマスにするためには雌だけを選抜をしなきゃならぬ。この選抜で半分はだめになるし、選抜そのものにも非常に手間がかかるということなんですが、最近水産の世界のバイオテクノロジーによって全雌化技術というのができてきた。特殊な処理をした確から得た精液を普通の雌にかけると、生まれてくるのが、一対一に雄雌が分かれるのじゃなくて全部雌になってしまう。これは水産庁も長年の苦労をして完成した技術であります。全雌化技術というのですが、この技術を使えばコストが少なくとも半分にはなる。あと池の中で飼っておいて放流をすればいいわけであります。一千万オーダーの放流をやることもそう難しくはないのではないかな。 ただ、一つのネックとして、そういうようにバイオテクノロジーを使ったものを海や川へ放すのはいかがなものであるかという疑問があるのだそうでありますが、遺伝子にさわったわけじゃないですね。単に雌になるべきものを雄にしたものの精液を使ったというだけでありまして、自然環境の攪乱ということは遺伝子レベルではそう問題ではないんじゃないか。自然環境の撹乱という点では放流そのものが攪乱でありますから、そのレベルの議論をしていけば切りがないわけでありまして、そろそろ実用化してもいい時期に来ているのではないか。そういうことについて確信がない限り、転換を進めるといってもなかなかそうはうまくいかぬだろう。 今度の条約の発効を契機にして、そこら辺についても積極的な御検討をいただきますようにお願いを申し上げまして、始まる時間が少しおくれたものだから終わるのも遅くなりましたが、以上で終わりたいと思います。どうもありがとうございました。
○麻生委員長 鉢呂吉雄君。
○鉢呂委員 私は選挙区、地元が北海道でありまして、御承知のとおり日本のサケ・マス漁の今も七割は北海道が占めております。とりわけ私の函館市を中心とする選挙区は、特に日本海のサケ・マス流し網漁、全国の七割以上をここで占めておりまして、先般も日ロ漁業協力協定が締結したその直後に、三月十五日でしたけれども、二十一隻が出漁をしております。しかも、協力費は決まりましたけれども、負担といいますか、それが決まらないままでの出漁ということの状況を、私も漁協に行って皆さんからお話も聞いてきました。 そんなことで、今回の北太平洋における溯河性魚類の系群の保存のための条約、これは四カ国条約でありますけれども、とりわけ日本がロシア共和国との初めての条約締結という観点から、まず最初にロシア共和国の経済的、政治的な安定性について、今ロシア共和国では人民代議員大会が開かれておりますし、特にエリツィン大統領の権限を強化するような憲法改正案も出ておるようでありますけれども、とりわけ先般アメリカとドイツから発表されましたG7によるロシア共和国も含めたCISへの金融的な支援策、この問題について最初に大臣に御質問をいたしたいと思います。 この問題は、アメリカ、ドイツが日本も含めたG7、G10だとか十一カ国というような話もありますけれども、G7でCISに総額二百四十億ドルの経済的な支援をするということで合意をされたというような発表が米独からされておりますけれども、この関係の事実関係をまずお聞きいたしたいというふうに思います。
○兵藤政府委員 事実関係ということでございますので、私の方からお答えさせていただきたいと思います。 先生御指摘のように、今ロシア経済は大変困難な状況にある。その中で、何はさておいてもルーブル、自国通貨に対する信認が完全に失われている、これをどういうふうに回復するかということが支援策の一つの中核的な問題でございます。そういうことでございますので、従来よりIMFが中心となりまして、IMFの数多くの専門家がロシア連邦に入っているわけでございますけれども、IMFと緊密に連絡をとりながら、G7の主として金融の専門家等も集まりまして、そのためにはどうしたらいいかという専門家レベルでの検討が進められてきていると承知しております。 その中で、一つは、大前提としてルーブルの安定というものを実現するためには、何はさておいてもロシア経済そのものをどう立て直すかという基本的な経済改革プログラム、青写真ができなければならない。これは今、IMFの専門家がロシア連邦政府の経済の専門家と詰めておる。それを前提といたしまして、一つは為替安定基金というもの、これはポーランドに例があるわけでございますが、この議論をしている。その中で、専門家の間では、大体ロシア連邦を対象にした場合には六十億ドル程度の為替安定基金が必要であろうかという議論がなされていた。 それからもう一つは、為替安定基金をつくるだけではこれはやはり不十分だ。この困難な状況下で、ロシア連邦の経済の中で、国際収支、現在の状況では外貨準備の状態からして、とても一人で国際収支の難局に対処することはできない。それでは、一体九二年の国際収支の不足というのはどのくらいになるだろうかという議論もしていたというふうに承知しております。 その中で、いろいろな議論があったようでございますけれども、不確定要因等々も考慮に入れて出てきた一つの数字は、百七十億ドルとか百八十億ドルという数字であった。そういう専門家レベルの検討を踏まえまして、今先生御指摘の四月一日のブッシュ大統領の発表になった。ブッシュ大統領が、六十億ドルの為替安定化基金に、米国政府としてはこの創設作業へ積極的に参加する、また百八十億ドルに上るロシア経済安定再構築のための努力に対する金融支援を調える作業へ積極的に参加していくという意図を表明されたものというふうに理解をいたしております。
○鉢呂委員 そこで、大臣にお聞きいたしますけれども、そのようなIMFの専門家会議が行われたということで、アメリカのブッシュ大統領の発表になったというふうに思っております。 この間の報道によればですけれども、宮澤総理は、やりますというような表現をしておる、日本ももちろんやりますよという表現をしておる。また、加藤官房長官は、まだそこまで固まっていないというような報道が伝わっておるのですけれども、外務大臣として、今回のG7による二百四十億ドルのCISへの支援というものに対してどのようにお考えになっておるのか。 また、この問題が主要な私の質問ではありませんから端的に答えていただきたいのですけれども、その際の、今百八十億ドルの信用供与ということだったと思いますけれども、またルーブル安定のための六十億ドルを含めて二百四十億ドルでロシアの経済安定化の目的は達成できるのかどうか。それから、日本の拠出額、渡辺外務大臣は、日本の拠出の条件として、ロシアの軍備拡張につながるようなことがあってはならないというふうに発言したというふうに伝えられておりますけれども、日本が拠出する条件、これらもあわせて御答弁を願いたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 二百四十億ドルは、G7としてその中身がきちっと固まったとは承知しておりません。 それはシェルパ、G7の準備のための個人会合で、代表者の会合で、大蔵省からも参加をしておりますが、彼らの話を聞いてみても、そのように具体的なことは固まってない。話は出た、話は。安定基金として六十億ドル程度、六十億ドル。それから、もしロシアが旧ソ連の債務を全部一国で引き受けるという場合の利払い等がございまして、これは六十億ドルになるのか幾らになるのかわかりませんが。それから、貿易が赤字だから、その赤字の部分とか、それから自分の国で今度は金を売ったり何かして幾らか金をつくるとか、そのほか幾つかそういう話は出た。もし、ロシアがソ連の債務を一応引き受けて、元本棚上げ、利払いはするということだとすれば、百七十億ドルぐらい金が足らなくなる、単年度でですよ。それから、まあしかしCISというのはロシアだけじゃありませんから、ほかに十一カ国もあるわけですから、四分六でソ連の債務をみんなが分担するということになれば、ロシア共和国は百二十億ドルぐらいで済むのかなという程度の話が出た。それは取り決めにはなっていない。 それより先行して来ておったのがルーブル安定基金のことでございますが、これはロシアがIMFに加盟するかどうか、支持するかどうかという話がその前にありまして、我が国としては、ロシアのIMF加盟は支持をいたしますということは言ってあるのです。そうすれば、幾らのシェアで加盟するかということになって、IMFでシェアがあるわけですから、日本は四・六とか幾らとかというように、アメリカは一九・何ほどか、サウジが三・六とか幾らとかという現存、シェアがあるわけです。第九次増資が行われれば、そのとおりだと日本のシェアというのはもっと上がって六・何%とかになるらしい。だけれども、現在の段階でロシアが入って、最初は、これはここまで言っていいのかな、いいのか悪いのかよくわからぬが、二・五%程度が穏当じゃないかという話があったようです、中国が二・幾らですからね。十何年前に入っている中国よりも上になるのかねという問題が一つあるし、ロシア側からは、サウジアラビアよりもロシアは小さいのかとかいう話があるわけですよ。 そこで、IMFの事務当局の計算によると、二・二%ないし二・八%の中ならば、計算の仕方いろいろあるそうですから、そこらの中だろうというのが事務的な観測でありました。ロシアはぜひとも三%以上に、サウジ以上にしてくれという話がありましたよ。ありましたけれども、そこまではちょっと無理じゃないか、そんなシェアの問題でごたごたするよりも、まず参画することが先じゃありませんかということは言っておったのですが、後からアメリカその他誌がありまして、ロシアのシェア三%でひとつ、アメリカの方はもっと落ちまして、ドイツも高いことを言っておったのがおりて、それでロシアの言い分をかなり取り入れて、三%程度でどうですかと言うから、それはいいだろうというような内諾は実は与えてあります。 その安定基金が、そして六十億仮に借りられるとしても、それによってルーブルが安定するかどうか、これはわかりません。問題は、その金は使ってしまう金じゃありませんからね、それだけのものがありますよという安心感のための金ですから。その金の出し方について問題があるわけです、今度は。だれが負担するんだ。これは、日本がバイでやる場合は我々は必ずしもいい返事はできないと思いますが、国際機関がやるということに反対する理由もありません。したがって、IMFが六十億ドルを調達する、IMFはお金がない、IMFはその金どこから集めるんだというと、十カ国か何かから集めるんだ。しかし、これにはルールがありまして、借りるわけですから。だから、日本が十何%かどこが何%かというルールがあるようです。したがって、我々は、それは国際ルールですから、そのルールの分は、これはやむを得ないのかなというような感じ、はっきり言ったわけじゃありませんが、そういう感じです。だからこれは認められることになるんじゃないですか。 しかし、あとの残りの、何で百八十になったのか、そこらのところはよくわからない、実際は。大蔵省もわからないと言っていますから。中身がよく詰まっていませんので。どうも聞いてみると、アメリカはそのうち何十億ドル出すとか言っているけれども、いや、今までも出したのはいっぱいあるからというんなら、日本も今まで出したのは二十五億ドルとか二十六億ドルとか、信用保険まで入れてしまえばそうなってくるわけですから、追加分はないという話になるんですよ。だから、中身が詰まってないし、新規マネーは何ぼ出すのかということは今後の問題である、そう見ております。 いずれにいたしましても、それによって、ロシアの最高会議があるから、自立性をバックアップしようという国際間の姿勢のあらわれであることは間違いありません。
○鉢呂委員 CIS、ロシア共和国が幾らの負担になるか、そのことを述べられましたけれども、時間がありませんので、大臣、端的にお願いします。 私が聞いているのは、IMFの負担の割合がどうだとかこうだとかということは、それはまだ定かでないということはわかります。ただ、日本が、今大臣が言われたように、国際機関が拠出をするということになれば、それがやむを得ないのかなということですか。答弁に立てはまた長くなるからいいですけれども、いわゆる加藤官房長官もこの関係について、IMFに拠出されてプールされている資金の運用という側面であれば政経不可分に抵触しないというふうに述べておるのですが、この関係で、今大臣も言われましたように、国際機関が拠出をするということでは、特にこのIMFのルーブル安定についての関係についてはやむなしというような表現であったわけですけれども、百八十億ドルか何かわかりませんが、いわゆるこの信用供与部分については、まだ大臣としても結論を見てないというふうに理解しております。 ただし、一言御答弁願いたいのですけれども、このような国際機関であれば、いわゆる政経不可分あるいは拡大均衡論の原則と抵触しないのかどうか、その点に限ってのみ御答弁願いたいと思います。
○兵藤政府委員 政経不可分の原則、現在ではロシア側との、ゴルバチョフ大統領いらしたとき以来、拡大均衡の原則でいこうという合意があるわけでございますけれども、この基本的な考え方は、日ロ間に平和条約が存在しないという状況、これは政治的にも決して安定した基礎があるとは言えない、そいう状況の中で本格的な資金援助、本格的な金融支援を実施するということは、国民の皆様の理解を到底得られないということが基本的な出発点であるわけでございます。私ども、あくまでもそういう根本原則から物事は判断いたしたいというふうに考えておるわけでございます。 IMFによるこの支援というものがいわゆる政経不可分と整合性があるのかどうかという御質問につきましても、私どもはあくまでもそういう原則にのっとって考えたいと思っておりますけれども、大臣の御答弁にもございましたように、そういう考え方から出発すれば、国際機関、特に為替安定基金ということに絞って申し上げれば、これが中核となって援助をしていくという場合には、これはまだ内容が決まっておりません、どういうメカニズムで、どういう形で支出をしていくかということがございますので、今ここではっきりと申し上げることはできないわけでございますけれども、こうへうものであれば、今の私が申し上げましたことから判断して、必ずしも政経不可分という原則の対象として考える必要のない部分が多いのであろうかというふうには考えておりますけれども、一概に白黒に国際機関なら何でもいいということにはならないだろうというふうに考えております。
○鉢呂委員 わかりにくいのですけれども、ただ、もう一点だけ、時間がありませんから。 今ロシア共和国が大変経済的な混迷の度合いを深めているというふうに思います。大変慎重であったブッシュ大統領というかアメリカがこの支援に、これは本格的な金融支援だというふうにドイツもアメリカも言っておるわけでありますけれども、わからない、わからないといった中でも日本はそれに引きずり込まれるのかどうか。引きずり込まれるという表現は悪いですけれども、あるいはまたもう一つ、いわゆる領土問題が拡大均衡だ、これも非常にあいまいな話でありまして、このようなロシアの混迷度合い、後戻りせぬか、そうすると冷戦状態に後戻りするというような、世界にとっても大変マイナスの状況になるというこの超大国ロシア共和国に対して、こういう経済的な支援というものと領土問題というのは絶対的なものなのか、あるいは相対的に、領土問題はあるけれどもロシアの経済的な今の混迷度合いを直視した中での支援というものがあり得るのかどうか、その辺についてのみ御答弁願いたいと思います。
○兵藤政府委員 政経不可分の原則というのは、過去におきましても、白か黒かと割り切れない、いわばボーダーラインのケースというのはいろいろあるわけでございます。例えばシベリア開発につきましても、過去におきまして、ブレジネフ時代でございますけれども、かなり大きな融資が行われている。例えば石炭の開発、森林の開発あるいは天然ガスの探査といったようなことは既にかなり大きな額の資金が動いてきている。常にそこにボーダーラインケースというものはあるわけでございます。 私どもは、自か黒かという考え方ではございませんで、例えばロシアの人道緊急援助については相当の実質的な援助を現在継続しているわけでございますし、私どもはあくまでもこの政経不可分といいますか、拡大均衡の原則そのものの精神に戻って、一体これはどうなのかどうか、一概に白黒、何もしないという考え方では毛頭ないわけでございまして、その姿勢で今後も、具体的なケースが出てまいりました……(鉢呂委員「今の具体的なケースについて」と呼ぶ)今の具体的なケースにつきましても、大臣が御答弁いたしましたように、百八十億ドルというものがどのように手当てされるのかという議論につきましては、これから専門家が議論するところでございますので、その具体的な内容、態様、方法というものがわかりませんと、私どもがここで今、こうする、これは原則に外れる、外れないという議論をすることはいささか危険があろうというふうに考えております。
○鉢呂委員 この問題をやっていれば条約がどこかに行ってしまいますので、領土問題と漁業問題に移らさせていただきます。 この北方領土周辺水域二百海里内については、これまで例えば日ロといいますか、日ソ民間協定に基づく貝殻島昆布、ウニ漁等々の事業はやっておりますけれども、日本及びロシア共和国がこの北方領土周辺二百海里水域についての日本の漁業参入について、これまでどのような立場、また日本はどのような漁業活動をしてきたのか、簡単でよろしいですから御説明を願いたいと思います。 それと、時間がありませんから申し上げますけれども、領土問題と漁業問題を切り離して、今北方領土についてはロシア共和国が実効的な支配をしておるということに当たって、これらについて日本としてどういう対応をしてきたのか、そこまで含めて御答弁願いたいと思います。
○兵藤政府委員 日ソ、今では日ロの漁業と北方領土問題との関連でございますけれども、先生御記憶のとおり二百海里時代に入りましたときに当時のソビエト政府が一方的に二百海里を宣言し、その中に北方四島を組み入れたということがございまして、いわゆる大変な二百海里日ソ交渉が始まったわけでございます。それに対抗いたしまして、我が方も国内法をもちまして北方四島を日本の領土領海、それに基づきました二百海里の設定というものを行ったわけでございます。その二つの立法措置をとりまして、まさに北方四島水域は両方の二百海里水域に重なったという現実が出てまいりまして、しかしながら、実際の施政は当時のソビエト連邦政府が行っていたという状況のもとに、我が方はいかにして我が国の利益を貫くかという大変な交渉をしたわけでございます。 その結果は、先生御承知のとおり協定が結ばれたわけでございますけれども、そこにこの問題をめぐって、領土の主権ということを争っていては決着がつかない、したがって両方の主張が重なり合う、しかし実際に施政は現在はソビエト政府が行使しておるという現実を認めて、しかし両方の北方領土問題に対する、主権問題に対する立場には影響を与えないという明確な留保条項を設けました上で、実際に日本の漁船がこの水域で漁業活動に従事するという合意に達したという経緯があるわけでございます。以後、その合意に基づきました漁業の取り決め合意が毎年行われてきているわけでございます。
○鉢呂委員 その経過に基づきまして、実は北海道ではさまざまに漁民の方から御要望がございます。特に北海道東部の沿岸スケトウ漁はロシア共和国の大型トロール船の影響で今年は大不漁というようなこともございまして、従来は領土問題、今局長のお話もありましたけれども、領土問題より魚というようなことになりますと大変な批判をこうむったというようなこともあります。しかし、領土問題に影響を与えないということで、切り離した形で今日まで細々とではありますけれども民間的に続いてきたということでありますけれども、拡大均衡論とどのようにかみ合っていくのかということで御質問をしたいのです。 北方領土水域において、ぜひもっと共同事業ですとか合弁事業という形を外務省としても推し進めることができないかどうか、そのことが政経不可分にどのように影響されるのか、抵触するのか、その辺についてお聞きをいたしたいと思います。
○兵藤政府委員 北方四島水域周辺の共同事業等の活動につきましては、政経不可分原則よりも、むしろ領土問題の根本的な問題、つまり現実に我が国から見れば不法に施政を行使しておる、私どもはそういう状況、現実をそのまま容認するわけにはいかないということから出発いたしまして、例えば査証の問題につきましても、ゴルバチョフ大統領訪日までは向こうは、北方四島はソ連の領土であるからしてきちんとした入国査証をとらない限り北方四島への入島は認めないという姿勢を示してきた、それがために、それまである一定の期間、墓参だけはわかるということで無査証で行けた状態すらブレジネフ時代に行けなくなったという時代があるわけでございます。 なぜ遺族の方々に歯を食いしばってでも、はやる気持ちを抑えて政府の方針に従っていただいたかといえば、ロシア側が、当時のソ連でございますけれども、あるいは期待したかもしれないつまり既成事実というものを一つ一つ積み上げていくということには乗らないという基本方針を三十数年貫いてきたわけでございます。そういう日本政府の一貫した姿勢がございましたからこそ、ゴルバチョフ大統領が参りましたときに、北方四島というものは領土問題解決の直接の対象地域であるということが、北方四島、島名まで明記して確認をしたわけでございますし、だからこそ、そこはほかのソビエト連邦の領域とほ法的にも違うという前提に立ちまして、無査証交流を墓参以外に拡大しようかという話も出たわけでございます。 共同事業につきましても、基本的な考え方はこの文脈で考えることがまず先決であろうというふうに私どもは思っているわけでございます。羅臼あるいは根室、この地域の方々が、最近ロシア連邦の大型のトロール船等が入り込みましたために大変漁獲量が落ちて、大変苦しい状況に置かれておられるということは私ども重々承知いたしておるわけでございます。これについて何ができるかということを今政府部内でも御相談をしているわけでございますけれども、一つ、三十数年守ってきたこの日本国のとってきた筋というもの、これは曲げるわけにはいかない、その範囲内で実際に何ができるかということを引き続きロシア連邦政府と話し合ってまいりたいというふうに考えているところでございます。
○鉢呂委員 その北方領土水域の関係で、二月二十五日に明らかになった韓国とロシアの漁業協力協定、この問題に移らさせていただきます。それと含めて今の問題、局長の御答弁に後で触れさせていただきたいと思います。 この外務委員会の松浦昭先生からもこの問題の御質問がありまして、局長の答弁で、極めて遺憾であるという委員会会議録もあります。時間がありませんけれども、端的に、その後の政府の照会あるいは調査結果、それからロシア、韓国のとった措置並びに両国の反応についてお聞きをいたしたいと思います。
○兵藤政府委員 先生御指摘のとおり、韓国とロシア政府の漁業直接担当者が漁業水域条件を決めた内容が明らかになりまして、直ちに二月二十八日、ロシア側と韓国側に対しまして、詳しいことは時間の関係がございますから省略いたしますけれども、日本政府としてこの事態はそのまま容認するわけには到底いかないということで強い遺憾の意を表明し、抗議を申し入れたわけでございますが、その後も随時、ロシア政府、韓国政府に対して、この申し入れ、特に善後策、いろいろな実際的な措置によって実際に韓国漁船が北方四島水域に入っていくことをとめるという善後策を講じてもらいたいということに力点を移しつつ、いろいろな申し入れをいたしております。 例えば、三月に入りましてからも、駐韓柳大使から向こうの外務次官にさらに督促をいたしましたし、十四日にはさらに外務部長官に対しまして強硬な申し入れをいたしたわけでございます。それからさらにロシアにつきましては、コズイレフ外務大臣が参りましたときに、渡辺外務大臣からコズイレフ外務大臣に対しまして改めて日本政府の立場を述べ、ロシア連邦として善後策を至急韓国政府と協議してもらいたいという話をしたわけでございます。 コズイレフ外務大臣は渡辺外務大臣に対しまして、日本に参ります前に韓国を訪問されておられましたので、韓国の外務部長官ともこの話をした、両方とも一致した点は、韓国側もロシア側も日本の領土権に対する主張に対して、この措置をもって何ら影響を与える、そういう意図はないということは確認し合ったのだというお話でございましたけれども、渡辺外務大臣から、それだけでは不十分である、実際に韓国漁船が入ってくるということになれば、これは日本にとっても大変な国内問題になるということを再度強調されまして、しかるべき善後策を至急とるよう協議をしてほしいということを申したわけでございます。 さらに最近では、三月二十五日でございますけれども、小和田外務次官が韓国大使を招致いたしまして、だんだん時間も迫ってくるので、ぜひとも韓国側におかれて実際的な善後策というものを至急とるということを督促いたしたということでございます。そのほか事務レベル、水産庁御当局のレベルあるいは外務省のレベル等では、累次にわたってソウルまたモスクワにおいてこの問題の話を続けているというのが現状でございます。
○鉢呂委員 報道によれば、韓国はもう既に出漁してもいいのでありますけれども、六月の上旬にはこの地域に出るというようなことが言われておりまして、四万トンぐらいとるというようなことが言われております。特に韓国と日本は、宮澤総理が初めての訪韓もしたところでありまして、それぐらい両国の関係というのは重要視をしているわけでありますから、北方領土問題というのは日本のこの領有権の問題で紛争の大きな問題となっていることは韓国は承知をしておるわけでありますし、やはり事務レベルあるいは大使レベルということでなくて、これはもう六月になって入ってしまえば終わりなんでありますから、ぜひ渡辺外務大臣のこの件に対する決意といいますか、お考えをお聞かせ願いたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 韓国と日本は友好国家の間でありますが、日本に何の連絡もなく韓国水産庁と向こうの担当部局が締結したとはいいながら、日本の主張する北方四島の二百海里内でロシアと韓国の漁業協定が結ばれたことはまことに遺憾であるということは、既に今局長からお話しのとおり、正式に抗議をしているところであります。したがいまして、実務的にどういうような好意ある態度を今後とるのか、ロシア、韓国両国においてひとつ協議をしてもらいたいということを申し入れてあります。 また、ロシアに対しても同様でありますから、そういう姿勢で今後交渉は継続させていきたいと考えております。
○鉢呂委員 大臣、これは交渉でも何でもなくて、協議でも何でもない。日本としては、これはもう今現在大きな問題になっている領土にかかわる、まあ領海でありますけれども、問題でありますから、大臣が先頭になって、特に韓国に対して、この問題についてはきちんと整理をしろ、もとの状態に戻せ、日本さえも行っていないわけでありますから、民間の細々としたことはやっていますけれども、基本的にはこれは政経不可分というよりも不法に占有された領土問題ということでとらえておるというふうに先ほど局長は言っておるわけでありますから、日本との友好関係がありながら、こういうことは許されない、これはもう領土にかかわる大変な問題でありますから、外務大臣として――協議するというような問題ではないと思うのですね、これは。もっと厳しい姿勢で、直接韓国の大統領なり首相に会うなりお電話するなりして対応してほしいということをお願い申し上げる次第でございます。 そこで、条約の内容の方に移らせていただきます。 一つは、今回のこのサケ・マスの漁獲についての本条約の内容について、従来の我が国の主張と変化があるのかどうか。特に、先ほど元信委員からもお話ありました漁業水域における漁業等に関する管轄権の行使を定めました日本のいわゆる二百海里法、漁業水域に関する暫定措置法の第十二条には、溯河性魚種サケ・マスについてはいわゆる公海においても管轄権を有すると定めております。しかし、外国の漁業水域には及ばないことを明示をしております、十二条においては。したがいまして、今度の条約はいわゆる母川国主義をとっておるわけでありますけれども、国内法の暫定措置法との整合性、この条約の整合性といった点でどのようにお考えになるのか、御答弁願いたい。
○野村説明員 お答え申し上げます。 ただいま先生御指摘の溯河性魚類に関する母川国主義という考え方、つまり母川国が第一義的利益と責任を有するという考え方を基本的には背景といたしましてでき上がっている条約でございます。 それで、先ほど元信堯生の御質問に対してもお答え申し上げましたが、こういった考え方は、従来の枠組みでございました日米加漁業条約あるいは日ソ漁業協力協定のベースとなっておりまして、ベースというか基本になっておりまして、また、今御指摘の我が国の漁業水域に関する暫定措置法の関連規定にも反映されている、そういう考え方でございます。
○鉢呂委員 日本はこれまでもこの協議の中では、公海漁獲禁止に賛成するわけではないという旨の立場で参加をしてきたというふうに思いますけれども、今度この公海漁獲は完全禁止でありますけれども、それに至った経緯、また、公海漁獲を復活できる、そのような可能性あるいは条件といったものがあるのかどうか、その辺を簡単に御答弁願いたい。
○川島政府委員 お答え申し上げます。 公海におきまして、今までは日米加漁業条約それから日ソ漁業協力協定という二つの枠組みでサケ・マスの漁業をやっておりまして、実際はその中でソ連系のサケ・マスのみをとっていたわけでございます。これがだんだん先細りでございまして、ソ連側が昨年の段階で、ことしにはもうゼロにする、こういう立場を表明していたわけでございます。そういうのが、ゼロが見えてきたということが背景。 それでその中で、日米加それからソ連が集まりまして協議をいたしまして、公海におけるサケ・マスの禁止という条約の交渉が始まったわけでございます。その時点で実は私ども心配いたしましたのは、単に二百海里の外側だけではなくて、二百海里の中でもいろいろな母川国のサケがまざっているものですから、混獲を、その意味での他の国のサケをとらないのを担保するために、もっと岸の方でとれというような主張すらあったのですけれども、これは断固はねつけて、二百海里の外側だけの禁止ということに頑張ったというのが実態でございます。 他方、我が国も、つまり日本から出ていくサケというものが非常にふえている状況のもとで、公海においてそういう日本のサケも含めてサケ・マスの漁獲禁止になるというのは、日本自身の母川国としての立場という観点からすればこれはメリットであろうかと考えたことでございます。以上の経緯を踏まえまして今の条約を作成したということでございます。 それで、先々の話として再び公海で漁獲が可能になみかということでございますけれども、今の条約ではそういうことは想定していないということでございます。
○鉢呂委員 非常に他の三カ国に押し切られる形と、日本の二百海里内の資源を保護するというのは当然の話でありまして、五十海里等の問題についてもそういうことであろうと思います。 そこで、現在まだ発効されておりませんけれども、国連海洋法条約の第六十六条の三の(a)によれば、溯河性資源の漁業は、排他的経済水域の外側の限界より陸地側というのですから、二百海里内のみで行われると、ただし、この規定が母川国以外の国に経済的混乱をもたらす場合は、この限りではないと。このことは日本もこれまで主張してきたと思いますけれども、本条約にはこの例外規定、いわゆる母川国以外の国に経済的な混乱をもたらす場合、これは日本ももう既にこの量については漁獲量が少なくなったから問題はないというような向きもありますけれども、しかし、昨今のサケ・マスの価格については暴落をしっ放してあります。そういう経済的な混乱というのはこれからも考えられるわけでありまして、この例外措置を本条約に盛り込めなかった、盛り込まなかった理由をお聞かせ願いたいと思います。
○野村説明員 御指摘の海洋法条約第六十六条三項の(a)でございます。まさに御指摘のような例外規定が公海におけるサケ・マス漁業の関連でございます。そのことは事実でございます。 他方、先ほど川島審議官の方から指摘がございましたけれども、近年の漁業資源の保存に関する国際的な関心の高まりを背景といたしましてソ連邦は、かねてから九二年、本年以降は公海における漁獲は認めないという立場を鮮明にしているといった状況でございます。それを受けて新たな四カ国間で協議をしたところでございまして、我が国としては、二百海里内のサケ・マス漁業についても規制しようとするそういう各国の主張を排除する一方で、公海漁業につきましては、先ほど申しましたような海洋法条約の規定はありますものの、禁止とせざるを得なかった次第でございます。
○鉢呂委員 同時に、政府は、この条約の締結意義の中で、二百海里内でのサケ・マスの漁獲が認められ安定的操業の継続の道が維持された、このように述べておりますけれども、これについては特に公海上での漁獲分がロシアでの二百海里内にその分がかわったという点を示しているのだろうというふうに思います。しかし、ロシアでの二百海里内ということになりますと、専らロシアの協力いかんということになると思われますので、非常に不安定なものになりかねない、領土問題とかさまざまの政治的な問題でも不安定になるというようなことが考えられるのでありますけれども、我が国はロシア内における漁船の安定的操業についてどのような方針で臨むのかということをお聞かせ願いたいと思います。
○鶴岡政府委員 日ソ双方といいますか、今御質問のソ連の二百海里内水域内におけるロシア系サケ・マスの操業機会の確保につきましては、昨年六月の漁業担当大臣間の会議で一定の合意が得られたわけでございます。今回の第八回の日ロ漁業合同委員会のサケ・マス協議におきましても、それに基づきまして今先生御指摘のあったような結果が得られたわけでございます。 それで、私どもといたしましても、今後ともこれまで同様、こういう漁業合同委員会の政府間協議あるいは実質的にいろいろ力を持っています極東との関係を密にしながら、ロシアの二百海里内における安定的な操業確保のための漁獲枠の確保について努力していきたいと思います。
○鉢呂委員 この条約では自国の二百海里内での操業が認められた、このことも政府は安定的操業の継続の道が維持されたということを述べておるというふうに思いますけれども、条約区域を五十海里にする等の縮小に対する働きかけが随分あったというふうに聞きます。これからの問題でありますけれども、条文では一カ国のみの反対でも条約の変更はできないということでありますが、従来の国際交渉、特に日本の従来ずっと押し切られてきたという経過を考えますと、二百海里からさらに五十海里というような区域の縮小ということが懸念されるわけでありますけれども、これに対してどのようなお考えでこれからいくのか、御決意をお聞かせ、いただきたいと思います。
○川島政府委員 お答え申し上げます。 交渉の過程でまさに頑張りましたのはその五十海里云々の話でございまして、そこを断固拒否した形で条約を作成した経緯がございますし、その意味で、これは近い将来その水域の内側にまで規制水域ということは私ども考えておりませんし、万が一にでもそういう動きが出ましたらそのときは断固対応する、こういう考えでございます。
○鉢呂委員 そこで、冒頭にも申し上げましたサケ・マス交渉が三月十五日、日ロで合意に達したのですけれども、この内容は、今年は日本水域のみ、日本の二百海里内のみ二千八百十九トン、ロシア系のサケ・マスを漁獲できるということで、漁業協力費については四億四千四百万ということであります。しかし、多くの漁民の方から聞きますと、昨年まではいわゆる公海部分でこれらの協力費の負担の多くの部分を持っていたということで、いわゆる二百海里内のロシア系のサケ・マスに対する負担は非常に低かったということであります。現在は国の助成措置も決まらないままでの出漁というようなことになって、漁民も出漁をした方がいいのかどうか非常に迷っておるのでありますけれども、この協力費に対する政府の考え方あるいは国の補助のあり方、これらについてお伺いをいたしたいと思います。
○鶴岡政府委員 今回のロシアとの話し合いにおきましては、そういう日本の二百海里の中の主としてマスが対象になるというようなことから、協力費につきましても、その経済的な負担といいますか経済採算ということを考えまして、トン当たり単価が従来に比べて約半減の金額で妥結したわけでございます。その間常に業界側と話し合いしながら進めてきたわけでございまして、出漁は、正式には決まりませんでしたけれども、実際にはもう協力費の確定した段階で出漁してもらったわけでございます。そういうようなことで、十分その辺を承知して対応していると思います。 それから、助成につきましては、また従来の方式のあれもありますので、そういう線に沿って検討していきたいと思います。
○鉢呂委員 サケ・マスから若干離れますけれども、昨年の十二月に国連で決議されました大目流しといいますか、公海流し網漁の禁止の問題、この問題でありますけれども、本年の十二月三十一日までにこの漁を停止をするということで国連決議がなされております。 水産庁は、この流し網にかわる漁法、いわゆる釣りによる代替漁法を考えておるということで調査費ものせておりますけれども、私ども現地で聞く限りにおいては、簡単に一年や半年の調査で釣りに代替できるということにはならないだろう、これはもう漁法の改良といいますか、新しい漁法をつくっていくわけでございますから、数年あるいは十年単位でかかるだろうというようなことも言っております。 その実現性についてもまず一つお伺いしたいのでありますけれども、同時にまた、その際には減船補償にいかざるを得ないだろうというふうにも考えております。この減船補償に対する水産庁の考え方についてもお聞きをいたしたい。 さらには、大変急でありました。もちろん、一九九二年のモラトリアムというようなことも言われて国連では決議しておりますけれども、しかし、継続の道もあるかのような従来の国連決議でありましたから、ことし一年で終わるということについては、大変この関連産業では驚きをもって受け取られておるということであります。 私もおととい、ある町の漁網会社に行きましたけれども、非常に零細な会社でありましたけれども、もう一筋にこれをやってきたということで、来年どうなるんだろうということで、社長さんは大変な不安を訴えられておりましたけれども、函館市でもこの関係の関連業界への影響をこのように試算しております。例えば、中小漁網メーカーについては十五億七千万円、漁船造船業界では十億円、燃料関係で十五億円というような試算を発表されておりますけれども、水産庁として、これら関連業界の影響をどのように試算をされ、大変緊急で今回の禁止がされたのですけれども、業種転換など関連業界への支援をどのように行っていくのか。 同時に、加工業界への原料イカの安定的供給というものが緊急に必要になるということは目に見えておるわけでありまして、このような原料イカの供給、これらについてどのような対策を持っておるのか。 あるいはまた、私は、地域問題としては大変甚大な影響があるということで、この問題についての国としての総合的なあるいは緊急的な対策を講ずるべきであるというふうに考えますけれども、これら総合的な対策について国はどのようなお考えをされておるのか、お伺いをいたしたいと思います。
○鶴岡政府委員 公海流し網漁業の取り扱いにつきましては、昨年ああいう格好で結論を出したわけでございますけれども、これはもう御案内のとおり、長い経緯の中で、逐次いろいろな方法をやり、日本側の主張すべきことは主張し、また国連の場でも多数派工作、これは外交ルートを通じてやり、私どもも直接いろいろやってきた結果、やむを得ない判断としてやったことで、長い経緯があることをまず御理解いただきたいと思います。 それから、あの国連決議というものは、アカイカをとったらいけないというのではなくて、漁法自身が環境に対して少し過剰なのではないかというようなことから、残念ながら、日本以外に同じ流し網をやっている国にすら同じ立場に立っていただけない、孤立した立場でああいうことになったわけです。 そういうことでございますので、私どもとしましては、できるだけ何とか違う格好でも漁を継続したいというようなことで、代替漁法の開発、これは昨日予算を通していただきましたので、その予算を活用したり、あるいは我々の持っております調査船あるいは海洋センターの調査船あるいは都道府県の試験船も動員しまして、全力を挙げて、残された時間は短いわけでございますけれども、やってみたいというように考えております。そういう中で、全部はできないにしても、できるだけ数多くの人に引き続き何らかの格好でああいう漁業を続けてやっていただきたいと思っていますけれども、それがどうしてもだめな場合には、それに対する対策というのは、関係省庁と連絡しながら対応していきたいというふうに思っておるわけでございます。 それから、あの文言がモラトリアムとなっておりますけれども、これは漁法の問題でございますので、なかなかあの格好での再開というのは容易じゃないと思います。新しい道を模索する以外にないと思います。そういう点で、全力を挙げていきたいと思います。 それからまた、今御指摘のように、単なる漁業者だけでなくて漁網メーカーあるいは加工、加工の場合には、イカの代替原料というのはかなりあるようでございますけれども、私どもも、宮城県以外、北海道あるいは主産地の青森、福島、石川、それから岩手等に担当の者を派遣しましていろいろ、具体的な定量的なものまでわかりませんけれども、どういうものにどういう影響があるのか、漁網にしましても、網の仕立てもありますし、網を編む者からいろいろ分かれているようでございます。加工も、大体あの漁船の根拠地の分布と加工のあれはちょっとウエートが違うようでございますけれども、そういう点も把握し、県当局とも連絡をとりながら、これは私どもだけで済む問題ではございませんので、関係省庁の協力を得ながら対応していきたいと思います。 これは、国連の決議案を受諾する場合に、私どもの大臣から閣議で報告いたしまして、渡辺外務大臣にもお口添えいただきまして、皆さんにできるだけ協力してもらうということになっておりますので、そういう対応をいたしていきたいというふうに思っております。
○鉢呂委員 大変零細企業の方が多いわけで、しかも、なかなか業種転換がそう簡単にいかない。一番大きな影響は漁船造船、これは船がもう要らない、次に船がないわけでありますから、大変中小零細の造船界は困惑をしておる。今水産庁長官が言われた漁網の加工業者ですとかさまざまに大きな影響があるということで、総合的な対策をぜひお願いをいたしたいと思います。 最後に、大臣にお伺いいたします。 今、これまで質疑を交わしてきましたけれども、我が国の漁業生産高が最近は減少しております。十一年前の水準に戻って一千八十九万トンということですから、ちょうどお米の生産量と同じ水準に戻っておる。しかし、消費量は非常に伸びておる。したがって、これの間を外国物が埋めておる。しかも、公海、遠洋でとれるものについてはその感を一層深めておるというのはもう御承知のとおりでありまして、今回のサケ・マスの問題あるいはアカイカの問題、さらにはスケトウダラの問題についても早晩こういう方向にあるのではないかというふうに思っております。 したがいまして、これからは、二百海里定着ての外国での日本の操業をどういうふうにするのか、あるいはまた、公海上において自国の二百海里内の資源確保との関連でどのようにしていくのか、あるいは、環境問題、野生生物保護の問題等さまざまな国際的な規制環境にあるというふうに考えますけれども、大臣として、この海洋大国日本が今後どのような方向に漁業を推し進めていくか、あるいはまた、これは農水大臣の分野かと思いますけれども、副総理としてもどういうような方向をおとりになろうとしておるのか、基本的なお考えを聞かせていただきたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 基本的には、極力日本の二百海里外における権益を守るように頑張っていきたいし、また国内的には、先ほど言ったような栽培漁業あるいは養殖漁業、その他、日本の河川等をきれいにして魚がもっと上ってこれるような態勢を整えるなど、いずれにせよ、所管庁である農林水産省とよく相談をしながら、外交面においては展開してまいりたいと考えます。
○鉢呂委員 終わります。
○麻生委員長 午後零時四十分から再開することとし、この際、休憩をいたします。 午後零時十分休憩 ――――◇――――― 午後零時四十二分開議
○麻生委員長 休憩前に引き続き会議を開きます。 質疑を続行いたします。玉城栄一君。
○玉城委員 北太平洋における溯河性魚類の系群の保存のための条約についてお伺いをいたします。 この条約は、公海におけるサケ・マスをこの条約によって正式に禁止しよう、こういう条約で、八十年から続いた我が国のサケ・マス漁業も幕を閉じるという条約でありますが、そのかわりとでもいいましょうか、いわゆるロシア側の二百海里で合弁でサケ・マスをとらせてあげようというのですか、そういうふうな条約になっておるわけであります。 そこで、我が国は古くから国民のたんぱく食料としてそういう貴重な資源供給を多種多様な魚をとるということで漁業大国としてきたわけでありますが、沿岸漁業、沖合漁業、そして遠洋漁業、食料を海に依存してきた国であることは御存じのとおりであります。ところが、二百海里時代の到来とともに我が国の漁業者にとって海はだんだん狭くなる、国際的圧力も増す、我が国遠洋漁業は風前のともしび的な状況に置かれている、まさに憂慮にたえないというか、国民のそういったんぱく資源の供給という面から、果たして本当に日本民族はこれから魚を従来のように食べられるのかなという危惧すら抱かざるを得ないわけであります。 そこで、この条約を結んだ、いわゆるサケ・マス漁業が公海から撤退をしなくてはならぬ、そのいきさつ、その理由についてまず御説明をいただきたいと思います、
○川島政府委員 お答え申し上げます。 先生まさに御指摘のとおり、公海におきましては、従来は日米加の枠組みと日ソの枠組みのこの二つによってサケ・マスをとってきたわけでございます。しかしながら、やはり母川国の権利が定着してだんだん強くなる中でサケ・マスの漁獲自体だんだん先細りの感じになってきておりまして、それで去年の時点で、ソ連はことしから公海におけるソ連系、今で言えばロシア系でございますけれども、これはゼロだという感じを強く伝えてきたわけでございます。 そういう背景に立って日米加ソ、この四カ国が集まりまして、公海におけるサケ・マスの保存をどういうふうにするかということで作業が始まったのがおととしの秋からでございます。それで私どもといたしましては、どのみち公海におけるロシアのサケ・マスがもうゼロが見えているという状況のもとで、公海におけるサケ・マスの禁止を受け入れるという決断に至ったわけでございます。その過程で、実は単に二百海里の外、つまり公海だけでなくてむしろ二百海里の中でも規制しようではないかという動きもあったわけでございますけれども、二百海里の中での規制というものは断固断った次第でございます。 その間、公海の禁止ということは日本にとってもメリットがあることではございまして、まさに近年日本から出ていくサケが非常に多くなっているわけでございまして、それも当然のことながら公海においてはとられないということになるわけでございますので、その点は母川国たる日本にとっても意味があろうか、こう考えた次第でございます。
○玉城委員 そういうことですから、それで、いわゆる漁業者の方々に対する対策ですね、あるいは消費者側に対する対策というものを当然考えていかなくてはならないと思うのですが、いかがでしょうか。
○鶴岡政府委員 ことしの漁期から公海におけるサケ・マスの沖取りを行わないことになったわけでございますけれども、昨年六月の日ソ漁業大臣間協議におきまして、日ソ双方の二百海里水域内におきますロシア系サケ・マスの操業機会の確保につきまして一定の合意が得られたわけでございます。これに基づきまして、ことしの三月十六日に妥結しました日ロ漁業合同委員会第八回会議におきましては、日本二百海里内、ロシア二百海里内、合計一万七千八百十九トンと前年並みのクオータを確保することができたところでございます。 また一方、国際漁業再編対策、これは平成元年十二月の閣議了解に基づきまして策定した枠組みでございますけれども、それに基づきまして、どうしてもサケ・マス漁業の減船しなければならない方々を対象に平成二年度から三カ年計画でそれに基づきます対策を実施し、漁業者に対する影響を最小限に食いとめるよう努めているところでございます。 また、平成三年の公海におきますサケ・マスの漁獲量は約六千トンでありまして、これは全供給量の一、二%でございます。本来、需給に及ぼす影響は比較的少ないものでございますが、この公海分はロシア二百海里内でカバーされる。また、我が国海域に帰っできますサケの量等を考えますと、品質面では議論はあろうかと思いますけれども、需給に及ぼす影響というのは余りないのではないかというふうに考えております。
○玉城委員 水産庁は減船補償措置というものをずっとやってきて、この条約に基づいても当然考えておられると思うのですが、その実施状況をひとつ御説明いただきたいと思うのです。
○鶴岡政府委員 今申し上げましたように、平成元年十二月に閣議了解をいただきました国際漁業再編対策に基づきまして、平成二年度より救済措置を実施しておるわけでございます。平成二年度におきましては、約三百三十億の予備費使用を決定していただきました。また、平成三年度につきましては、ほかの漁業の救済に必要な経費を含めまして約百二十億の補正予算が計上されたわけでございます。それを財源といたしまして、減船が必要な方につきまして実施していただいておるわけでございますけれども、平成二年度には三百二十隻が減船を行っております。また、平成三年度におきましては百三十四隻が一応予定されておりまして、現在この対策の事業実施団体であります社団法人大日本水産会に対しまして漁業者から交付申請がなされている段階であるというふうに承知いたしておるところでございます。
○玉城委員 サケ・マス漁業については、ある意味では、ことしは二百海里時代の元年とでも申しますか、そういう新しい時代に来ていると思うのです。 問題はロシア側との二百海里内におけるサケ・マス漁業の操業といいますか、今それの交渉をしているということを伺っておりますが、この安定的な操業というものがロシア側と我が国との非常に重要な問題だと思いますし、同時にまた入漁料といいますか、トン当たり幾らという価格の問題、これを今こちらは民間ベースで、向こうは政府機関も一緒になった形でされているというふうにも伺っております。 非常に疑問に思いますが、何かこういう場合に、非常に大事なときであるので、水産庁も外務省も一緒に交渉に同席をして、あるいはサジェスチョンなり、いろいろなデータを提示するとか、そういうことをやってあげないと、いわゆる民間団体二つ、二カ所ですか行って、ロシア側にある意味で足元を見られてつり上げられるとか、やはりそういう混乱を来す可能性が十分あると思うのですね。そういうことも当然予想はされるわけですが、なぜ水産庁あるいは外務省がこういうものには参加しないようになっておるのか。民間ベースだから行く必要はないということだけでは、さっき申し上げましたように我が国のいわゆるたんぱく資源、サケ・マスの供給の問題という非常に重要な問題がありますので疑問に思うのですが、いかがでしょうか。
○鶴岡政府委員 サケ・マスの安定確保ということと、それから日本自身の漁業者の経営の安定ということは私どもも常に念頭にあるわけでございますけれども、今回四月六日から全鮭連系あるいは日鮭連系の代表者の方々が極東に行って、相手方、ロシアの極東の公団でございます民間側と協議をいたしておるわけでございます。その席に私どもが、政府が出席するというわけにはまいりませんけれども、今までに私どもが得ています情報を民間に流すとか、また必要に応じて、出てきました情報については極力流すということで、両方の系統の団体ができるだけ一致して的確な対応ができるように指導してまいりたいというふうに考 えております。
○玉城委員 それはわかりますけれども、そういう系統の団体が一致してやる、それはそのとおりなんですが、それで本当に混乱させないようにやっていけるのかどうかという問題があるわけですね。ですから、どうですか、今交渉の結果というのは、あるいは入漁料というのですか、価格だとか割り当て、一万五千というのは決まっていますね。その一万五千をこの団体には幾ら、この団体には幾らというものは決まりましたか、お伺いします。
○鶴岡政府委員 まだ総論的な議論をやっておるわけでございまして、そういう具体的な話にまでは入っていないようでございます。我々はできるだけ情報をつかみながら、適切な指導を行っていきたいと思います。
○玉城委員 だからそういうことで、最初に申し上げましたように、そういういわゆるロシア側との安定的なサケ・マスについての操業というものがちゃんとできるという今後の見通しは、水産庁としてありますか。
○鶴岡政府委員 ソ連の二百海里の中におきます我が国の入漁料、あるいは合弁による漁業につきましては、昨年六月の漁業担当大臣間でもそういうお話をして、そういう道が開かれたわけでございます。それに基づきまして今回の日ロの合同委員会でああいう決定をいたしたわけでございます。それからまた、サケ・マス業界、今行っている方はもう長い間ベテランでございまして、もちろん自分の経営については熟知している仲でございますし、それから相手方の事情につきましてもよく知っているわけでございますので、そういう経験を生かして、いい交渉ができるのではないかというふうに期待しております。
○玉城委員 それに似たようなケースもほかにございましたようですね。例えば、ミクロネシア水域におけるいわゆる我が国漁業の実態を概略御説明いただきたいと思います。
○鶴岡政府委員 ミクロネシア、パラオ水域、ちょっとあわせてでございますけれども、一九九〇年には、はえ縄漁船及びまき網漁船を中心といたしまして、ミクロネシアに二百六十隻、それからパラオに六十六隻入漁しているというふうに承知しております。それで漁獲量は、ミクロネシアが約十二万三千トン、入漁料約十六億二千万円、それからパラオが約四千トン、入漁料七千万円となっているというふうに承知しております。
○玉城委員 これはいつごろからそういう漁業、これは主に沖縄関係の漁業者が操業しているマグロとかカツ方が主体ですから、いわゆるこういう漁業者の方々というのは非常に零細な方々、ほとんどそうですね。そういう中で、この入漁料についてもちゃんと払っているわけです。その入漁料の交渉といいますか、いわゆるこちらは民間四団体で、向こうはそういう公の機関でやるということで、非常に弱い立場に当然置かれるわけですが、大体そういう場合にも水産庁もあるいは外務省もどうも入っていないようなことで、いわゆる関係者から聞きますと、その入漁料についてもちょっと高いのではないかという言い方をしているのですが、いかがでしょうか。
○鶴岡政府委員 従来この両国は入漁料一括払いするという方式を要求していたわけですけれども、交渉の結果、現在では実際の漁獲量に応じました入漁料支払い方式を採用しているわけでございます。この方式は、他の南太平洋諸国と同様の方式、水準、漁獲金額の約四%程度になっているというふうに承知しておりますし、漁業者自身そういう経営を前提にした対応をしているというふうに承知いたしております。
○玉城委員 だから、そういうふうに承知していらっしゃるのはわかりますけれども、こういう場合に水産庁も何らかの形で参加をして、やはりそういう交渉がされるわけですから、すべきではないでしょうか。
○鶴岡政府委員 民間交渉ということでございますけれども、私どもといたしましても、関係漁業者の安定操業は確保されるように、交渉に当たりまして農林水産省顧問、元水産庁次長でございますけれども、顧問や、それから水産庁の担当官を派遣しまして、道切な決着を支援するための情報提供その他指導をやっているわけでございます。今後ともそういう方式でやっていきたいというふうに考えております。
○玉城委員 さっきも申し上げましたとおり、そういう漁業関係者というのは零細な方々がほとんどですから、そういう交渉がされる場合にはやはり水産庁も同席あるいはそれに類した形でされることもぜひ希望したいのです。それは力関係において、こういう弱い立場で交渉するとなると、向こうの言いなりの、言いなりとまではいかないでしょうけれども、額も決まってくるということは当然考えられるわけですから、そういうことをさせないためにはやはり政府の機関が、そういう機関がぜひ参加をしていただきたいと思います。もう一回ひとつ御答弁願います。
○鶴岡政府委員 そういう方式でやっておりますし、今後ともそういう方式を踏襲していきたいと思っております。
○玉城委員 ちょっとまた質問を変えますが、これはこの前の前ですか、この委員会でもお伺いしたわけですが、尖閣列島のことについてお伺いしたときに、水産庁の方から、今監視船を派遣しているというお話がありましたけれども、その監視船を水産庁は派遣されてどういうことをされ、帰ってきたのかどうか、その辺も定かでないので、その点も含めてお答えをいただきたいのですが。
○鶴岡政府委員 前回もお答えしましたように、尖閣諸島周辺水域につきまして水産庁の取り締まり船を三月十六日から十五日間派遣いたしました。この間、私どもの取り締まり船は、尖閣諸島周辺二十数海里の範囲の領海外の水域におきまして台湾漁船と思われる船舶を二隻視認したのみで、中国漁船の操業は認められませんでした。今までのところ、尖閣諸島周辺水域において新たな状況が発生したという状況にはありませんけれども、さらに四月十一日から四十日間、さらにまた六月になりましてもその結果を踏まえまして取り締まり船を派遣するというふうに考えております。 いずれにしましても、保安庁その他関係省庁とも密接な連携を保ちながら、我が国漁船の安全操業の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○玉城委員 この前の委員会でも私申し上げましたけれども、この尖閣列島周辺水域というのは我が国にとっても非常に第一級の漁場です。沖縄はもとより、九州各地域から。で、天候も急変しやすい。だからそういうときに備えてやはり避難港的なものをつくる必要があるということは、この前も主張したわけですが、それの検討はしていらっしゃるのかどうか。その辺をお伺いいたします。
○鶴岡政府委員 毎回同じ答弁になって恐縮でございますけれども、尖閣諸島周辺水域におきます避難港の整備に関しまして、沖縄の漁業関係者の意向があり、また地元市町村から県当局に要望があったというふうに聞いております。 ただ、私ども、現在この周辺の地形につきましては、過去に行われました学術調査等による知見でございます現地の海底地形でありますとか気象条件その他工事に必要な資料が整っておらず、また技術的にも種々いろいろ問題があるようでございます。避難港実現の可能性について早急に判断を下すような状況にはないようでございまして、今後とも慎重に検討させていただきたいと思います。
○玉城委員 今のお話は、避難港をつくるようなそういう条件がまだ整っていないという意味に解していいわけですか。その条件が整えば、あるいはそういう避難港というもの、これは人道的な問題ですから、そういうものをつくるということも理解してよろしいのですか。
○鶴岡政府委員 沖縄の関係者の方々の心情その他よくわかるわけでございますけれども、毎回同じ答弁を繰り返しておることもひとつ、技術的にいろいろ問題があることを反映したようなことでこういう答弁以上にできないわけでございますけれども、その条件整備というのはかなり難しいのではないかというふうに私は承知いたしております。
○玉城委員 条件整備あるいは技術的に難しいというお話ですが、そういう技術というものは我が国ができないわけがないわけですね。その条件が整わないというのはいいです。 北方四島は我が国が実効支配していないわけです。ところが、尖閣諸島については実効支配しているわけです。北方四島においては、片やロシア側は韓国に漁業権を与えている、いわゆる我が国の二百海里の中に。ところが、今申し上げているように尖閣諸島については、こういういわゆる何も日本の漁船だけでない、台湾もあれば中国もあるわけですから、そういうことを話し合いして、避難港は領土問題とまたこれはちょっと別にして、やはり避難港はつくっておく必要があるんじゃないかということは話はできると思うのですが、いかがでしょうか。これは外務大臣でしょうか。
○鶴岡政府委員 やはり避難港という限りは技術的に物的施設が要るわけでございますので、そういう技術的な条件の整備というのがまず前提になろうかと思います。その辺にいろいろ問題があるということを御理解いただきたいと思います。
○玉城委員 沖縄という行政区域に入っているわけです。その沖縄の漁業関係者から強いそういう要望があるということはもう既に御存じのとおりてありますので、その要望をただ今のようなことだけで済ますのじゃなくして、やはり避難港あるいはそういうものはつくる必要があるのではないかということは当然認識としてはお持ちになっていらっしゃると思いますので、そういうことが実現できるようにぜひひとつお願いしたい、このように思います。 終わります。
○麻生委員長 古堅実吉君。
○古堅委員 サケ・マス保存条約についてお尋ねします。 政府は昨年六月ワシントンで、四カ国条約の協議の場で初めて公海上でのサケ・マス沖取り禁止を受け入れる態度を表明されました。それまでは沖取り継続の意向を示し続けておったものであります。 そこで、一つ、政府として公海上での沖取り自体をどのように考えているか。二つ、条約交渉の中で沖取り継続のためにどのような主張を展開されたか。その二点について最初にお伺いします。
○川島政府委員 沖取りにつきまして、まさにこれまでは日ソの枠組みの中でソ連のをとってさたわけですけれども、それが先細りになって、ことしはもうゼロになるということを踏まえて、新たな条約の枠組みをつくろうということで交渉いたしまして、それでその段階で実は二百海里の中でもサケ・マスの漁獲を規制しようではないかという主張に対しては断固これを断って、そういう作業を続けていたのですけれども、どのみち条約がなくても日ソとの枠組みにおいてこれはサケ・マスが公海においてはゼロにならざるを得ないという前提のもとで、この条約に踏み切った次第でございます。 それで、今後の問題といたしましては、そういうことで公海におけるサケ・マスは漁獲は禁止されるということ、ゼロでございます。他方、日本にとってのメリットといたしましては、日本自身のサケ・マス、日本から出ていく、母川国とするサケ・マスもふえておる状況のもとで、これが公海においてはとられないという点は意味があろうと考えている次第でございます。
○古堅委員 今の御説明を聞きますというと、沖取り継続のための主張をしなかったように聞こえます。そう受け取っていいのかどうか。 あわせて次の二点お尋ねします。 政府が沖取り禁止を受け入れた理由、政府は公海上での沖取りの全面禁止を正当なものであるというふうに考えておられるのか、そういう立場をとっておられるのか、あわせて御説明ください。
○川島政府委員 仮にこの条約がない場合にいたしましても、どのみち日ソの枠組みの中でソ連のサケが公海でとれなくなるということで、その意味でこの条約がなくても恐らく公海においてはとれなくなったのだろうということだと思います。もちろん、それまで長いこの日ソ及び日米加の枠組みの中でサケ・マスの漁獲確保のために努力をしてまいりましたけれども、母川国の権利の定着と申しますか、確立する中でだんだん先細りになったという事態があったわけでございます。 その中でこういう条約をつくった次第でございますけれども、これは他方、四カ国、つまり日米加ロから出ていくサケの保存という観点からは、これは公海でとられないという意味においてはその四カ国のサケ・マスの保存には意味があろうかと考えた次第でございますし、そういうここに至る過程を考えますと、これしかなかったのかというふうに考えております。
○古堅委員 これしかなかったということをお聞きしているんじゃないのですよ。我が党はサケ・マスの漁業資源保護政策の確立は必要だというふうに当然考えています。同時に、資源の全人類的最適利用、それも重要だというふうに考えております。 そこで伺いますけれども、今回の条約上、公海での沖取り禁止はサケ・マス資源の科学的調査研究の結果に基づいてどうしても避けられないものだ、必要なものだというふうな根拠があってなされたというふうに受けとめておるのですか。そこを明らかにしてください。
○鶴岡政府委員 サケ・マスは、御案内のように溯河性魚類と言われまして、母なる川に帰ってくる、産卵された川に帰ってくるという習性があるわけでございます。そのために、日本の場合でありますと、もうほとんど人工ふ化放流、これはもう、かつてはほとんどサケの回帰というものがなかった戦後の状態から、いろいろな百年の歴史の知見を踏まえてそういう技術を蓄積し、それによって今までの二十万トン近い漁獲を得るような段階になったわけでございます。 これは日本だけでなくて、サケの母川を持っています各国が、ふ化放流事業あるいは自然の産卵につきましてもいろいろな河川の環境整備とかそういうことをやってきた結果、現在のような状態になっております。世界的にはそういう努力とかサケの生態を考慮して母川国主義という潮流が生じ、それがもう大体定着化しているということを前提に、今回のような措置をとったわけでございます。 日本の場合のように、たまたま国内の漁業のほかに遠洋といいますか公海上の漁業がありますから、えらく制約されたというような感じも率直に言って受けないわけではございませんけれども、日本が主要な母川国という立場に立ちますと、この広い公海を畑として利用できる仕組みというのがまた確立されたというのは、我々も長い目で見れば極めて意義があることだと思っております。そういう枠組みの中で、今後のサケ・マス漁業の展開につきまして、十分、最も適切な方法をとっていきたいというふうに考えております。
○古堅委員 知りたいのは、母川国側の一方的な意見を押しつけられた、そういう交渉の経過があったんじゃないか。実際に科学的な調査に基づいて、どうしてもそういうことが必要だというふうな政府みずからの納得のいくようなそういう結果がここで明らかになったのか、そこらあたりを聞きたいからお尋ねしているのですよ。なかなか質問にまともに答えられないから、前へ進みます。 漁業資源の保護のために一定の禁止措置がどうしても必要であれば、適切な範囲でそれをやる。同時に、資源量が豊富であり、そのような禁止措置を必要としない場合にはやらない、当然であります。ということが、漁業資源の全人類的最適利用を図る立場からの重要な点だと考えております。 そこで伺いますが、今後科学的調査の結果、資源量が豊富であることが判明した場合でも、政府は公海上での漁獲を将来にもわたってやらない、あきらめるということになるのかどうか、そこをはっきりさせてください。
○鶴岡政府委員 これは科学的な知見に基づきまして、漁業というのは合理的に海を利用する限り、細く、永続、継続発展ができる産業でございます。そういう点からいきますと、科学的知見に基づいて漁業を行うというのは、これは沿岸であろうが公海であろうが変わらない、洋の東西を問わず変わらないところであるわけでございます。 ただ、魚はいろいろ種類がございまして、私が言うまでもなくマグロのように広域に回遊するもの、各国の二百海里水域の中を回遊するもの、また底魚のように割と移動は少ない、ただその沿岸の産卵地域と公海との間を往復したりするもの、それからサケ・マスのように母なる川と大洋の間を遊よくしまして公海で成長し母なる川に帰ってくるというようなもので、それぞれやり方というのは異なろうかと思います。 科学的知見に基づいて対応するのはそれでございますけれども、サケ・マスの溯河性魚類につきましては母川国主義で、沿岸国といいますか、母川国の権利を認めておりますので、一方的に我々がまたそれを違う漁でなくて、やはりその中でどういう対応をしていくかということが必要ではなかろうかと思います。
○古堅委員 お尋ねしていることに今度も答えられない。資源量が豊富なことがわかれば沖取りを再開するよう条約交渉を進めるとかいうことがあり得る、そういうお考えもありますか。
○川島政府委員 目下のところ、そういう沖取り再開を前提とした考えはございません。
○古堅委員 将来にわたって沖取りはやめる、あきらめたということの表明だと思うのですが、先ほども申し上げたように全人類的最適利用というような立場からしますると、そういう態度というのは、これは正しくないというふうに思います。公海沖取り禁止はサケ・マス漁業を基幹産業としている北海道の地元では重大な経済的打撃を受けざるを得ません。地元漁業者の受ける打撃についてどう受けとめておられるか。
○鶴岡政府委員 公海におきます漁業を禁止するというようなことは、漁業者にとって及ぼす影響というのは私どもも承知しておるわけでございます。そういうこともございまして、日ロの間におきましては、昨年六月の大臣間の会談によりまして、ソ連の二百海里あるいは日本の二百海里の中におきますソ連系のサケ・マスの漁獲につきましての道を一応づけたわけでございます。それに基づきまして日ロの間で協議を行いまして、第八回の委員会におきましては、従来公海でとっておりましたものと合わせたぐらいの数量を確保できることになったわけでございます。今後もそういうできるだけ安定的な操業ということを念頭に置きましてロシア側との話をしていきたいと思っております。 また、どうしても減船をせざるを得ないような方につきましては、平成二年に策定いたしました大綱に基づきまして減船等に伴う対応をやっていきたい。そういうことにょりまして漁業者が受ける影響を極力緩和していきたいというふうに考えております。
○古堅委員 今補償にかかわることも一つおっしゃいましたが、改めてもう一度お伺いします。 日本共産党として、漁業者の受ける経済的打撃を重視し、これまでも政府に申し入れなどをやってまいりました。もちろんのことながら、関係者への十分な補償をするようにという内容のものです。激甚災害にも匹敵する打撃というふうに言われる地元漁業者の事態に対して政府の真剣な対処策が求められています。先ほど減船補償の問題についてありましたが、関連産業への救済措置とか、あるいは今ありました減船への万全な補償とか、サケ・マス漁業を基幹産業としてきた根室など、地域における振興対策の充実とか、そういういろいろとやるべきものがあろうかと思います。政府が考えているそれらのことについてまとめて説明してください。
○鶴岡政府委員 先ほど申し上げましたように、ロシア水域への入漁につきましては、去る三月の日ロの委員会におきましてクオータを決めたわけでございます。それに基づきまして四月六日から業界の代表者の方々が極東地域に参りまして具体的な入漁条件を協議しているわけでございます。そういう点でできるだけ経営の安定という視点に立って今回の話し合い、条件についてまとめてもらうよう期待し、また我々もそういう指導をいたしているわけでございます。 減船につきましては、先ほどの繰り返しになりますけれども、平成二年に策定いたしましたそういう方針に従いまして、業界の意向を聞きながら対応していきたいというふうに考えております。
○古堅委員 ロシアの水域での新たな漁獲が展開できる、それは問題を漁民の側から、前進させるという、そういうような一面を持つと思うのです。しかし、言われておりますように、みんなそう見ておりますように、あの地域におけるサケ・マスの質が悪い、おいしくない、したがって値段もずっと下がっていく、そういうかかわりは、みんな御存じのとおり指摘されている問題ですから、そういう一面を抜きにしての評価というわけにはまいらぬ面もございます。 いずれにしても、重大な打撃を受けるこの補償問題については、これまで申し入れしてまいりましたが、ここで改めて真剣な誠実な対策を強化されるよう、この際強く要望しておきたいと思います。 かかわりを持ちますので、先ほども御質問が同僚議員からございましたが、尖閣諸島周辺の漁場の安全確保の問題について、ちょっとお尋ねしたいと思います。 中国が新領海法で尖閣諸島を中国の領土だということを明記した問題で、沖縄では尖閣諸島周辺における漁業操業の安全確保の問題が改めて浮かび上がってまいりました。沖縄は漁業関係者が重大な関心を示し、それなりの態度、要望を表明したことは申すまでもございません。県議会でも全会一致で領有権の問題と漁場における安全保障の問題、意見書として採択し、政府への要請を行いました。ついこの間、四月の初めでありますけれども、沖縄県を代表して仲井真副知事が同様の趣旨の要請を政府に行ったばかりであります。 中国の新領海法は、我が国の領土である尖閣諸島について中国の領土であるというふうに定めるだけでなしに、事もあろうに、その領海を侵すようなことがあれば実力をもって排除するということまで定めています。まことに重大な問題とならざるを得ません。 尖閣周辺はよい漁場です。沖縄側の漁船が常時航行しています。その安全確保の問題として敏感に沖縄側が反応してくる、これは当然のことであります。政府としてもそれにそれなりの関心を持って対処してこられたと思いますけれども、どう受けとめ、いかなる対策をとられようとしているか、できましたら大臣からお答え願いたいと思います。
○谷野政府委員 とりあえず私の方から、中国との関係においてとりました措置を御説明したいと思います。 ただいまもお話がございましたように、尖閣諸島は我が国の固有の領土であること、これは歴史的にも国際法上も全く疑いの入れないところでありますし、先ほどお話がございましたように、有効にこれを我が国は実効支配しておるところでございます。そこで、今般のお話ございました法律の制定に際しましては、直ちに東京及び北京におきまして高いレベルで中国側に抗議の意向、そして中国側がとった措置についての是正方を強く申し入れました。 その後、例えば日中漁業共同委員会というような場あるいは外交当局間の次官レベルの協議の場がございましたけれども、いずれの場合におきましても中国側に同様の申し入れを行ってきております。また、先般江沢民総書記が来日いたしましたけれども、この際にも総理から我が国の立場を改めて御説明になりまして、この問題が日中の関係の大局に影響を及ぼさないように中国側にぜひ協力してほしいということを申しておられました。 いずれにいたしましても、日本の立場は明確でございますので、そのような立場を貫きながら、引き続き中国側の善処を求めてまいりたいと思っております。
○古堅委員 領有権の問題も大事ですし、それもいろいろと質問しなくちゃいかぬ、関心を持っている重大な問題でありますが、今ここで直接お聞きをしたのは、漁場の安全にかかわる面をどうするかということ。この尖閣諸島はもう危なくなったということで、そこに操業に出かけることを自己規制をしなくてはいかぬような事態に至れば、それだけ漁場が狭められるという重大な事態にならざるを得ません。 そういう面で、従前になく中国のああいうふうな出方があるだけに、実力をもって排除するなどということもはっきりさせているというふうなことまで来ておる、そういう段階のことであるだけに、従前にも増して安全確保のための対策を強化せんといかぬのじゃないか、そういう立場を踏まえてお聞きしているわけです。もう一度お答えください。
○鶴岡政府委員 尖閣諸島周辺水域におきましては、従来から以西底びき鋼あるいは大中型まき網等のほか、はえ経とか釣りなど沿岸漁船が操業しているということで、私どもとしては極めて関心を持っているところでございます。 それで、沖縄の漁民の方々の不安というようなこともよくわかるわけでございまして、去る三月十六日から十五日間、とりあえず取り締まり船を派遣しまして周辺水域の状況につきまして監視いたしたわけでございます。その結果は、我が国領海の外のところで台湾船二隻を認めたほか、中国船の船影は認められなかったわけでございます。これまでのところ、この水域において新たな事態が発生したというふうな状況にはないと承知しております。 ただ、沖縄漁民の方々の心配、また不測の事態の発生の未然防止、それに対する対応の円滑化を図るため、常に密接な連絡体制を確立しておくことが必要であろうと考えまして、関係者に対しまして、操業につきまして連絡を密にするなど十分注意して行うほか、取り締まり船等との連絡体制を確立するよう指導しているところでございます。また、私どもとしましても、四月十一日から四十日間かけまして、この水域に取り締まり船を派遣いたしまして、また監視を行うことといたしております。海上保安庁等ともよく連絡をとりながら、我が国漁船の安全操業の確保に努めてまいりたいというふうに考えております。
○古堅委員 おっしゃるような立場から重視して、ぜひ安全確保のためには万全を期してほしいというふうに思います。 そこで最後に、一九七一年、沖縄の祖国復帰の前でありますが、中国がにわかに中国の領土だというふうなことを言い出して以後、これまで尖閣諸島について我が国の固有の領土であるということについて何の疑問もないのに、中国がそういう形で言い出して後、何か尖閣諸島にかかわる、直接手を触れるようなことに遠慮しているのじゃないかと思われるような政府の態度を感じざるを得ないのです。例えば、尖閣諸島に直接構築物を進めるとかいうことなど、中国のああいうふうな出方との関係において何か消極的になった、あるいはそうならざるを得ない、そう配慮せざるを得ないとかいうふうなお考えもあるんですか。
○谷野政府委員 先般来お話がございますように、尖閣はまごう方なき我が国の領土でございますから、中国の側に対して、ただいまのお話のような遠慮しておる、そういうところは全くございません。
○古堅委員 終わります。
○麻生委員長 和田一仁君。
○和田(一)委員 ずっときょうこのサケ・マスの議論を伺っておりました。ダブるところはできるだけ避けて御質問させていただきますけれども、伺っておりましても、日本の遠洋漁業というものが、国際情勢あるいは国際世論、こういうものの変化の中でだんだんその規模が縮小してきているということではないかと思います。今度のサケ・マスのこの条約もそういった流れの中での一つの新しい動きかな、こんなふうに思うわけですが、ずっと聞いておりまして、やはり日本のサケ・マス漁業の将来というものに対して何となしに不安を覚えるようなそういうものなんですが、私は、漁業資源の管理というものは、豊かにあるものはとって利用しよう、しかし、少なくなったり、なってしまうそういうものは保護して、そしてそれをふやす努力をしようという理屈が根底にあると思うのです。 サケ・マスについてはそういうことなのかどうか。減っていると言う人もいれば、いやそんなことはないよと言う人もいるようだし、一方、母川国主義ですか、というものもある。こういうことをいろいろ考えますと、このサケ・マスについての資源管理というものは、今ここで、四カ国の中で取り決めをしていくということが一番いいということなのかどうか、これをひとつお聞かせいただきたいということです。 というのは、先般京都でワシントン条約の会議がございました。初めは、マグロがとれなくなるんではないかという見通しがありました。絶滅のおそれのある野生生物種、これはもう保護しなければいかぬ、こういう提案のもとにマグロはとれないということになるやに思っておりましたけれども、結局は、クロマグロというのは絶滅の危機にはないという関係諸国、大西洋まぐろ類保存国際委員会ですか、ICCATというところの科学的な見解が出されて、これによって加盟国の訴えが通って、とらないように保護しようという意見は撤回をされた、こういうふうに聞いておるわけなんで、やはり科学的なそういう見解があれば、今申し上げたように国際的な流れの中にあっても、そういうものを根拠に漁業の保護というか権利というものは確保できるんではないか、こう思うのですが、この点について、まず第一点は、どういうふうにお考えかをお聞きしたいと思います。
○鶴岡政府委員 御指摘のように、漁業はいずれの場合におきましてもやはり資源量に見合った漁業を行っていく、それでそれを永続させていくというのは、食糧供給の立場からいいましても漁業をやっています方々の生活とか経営から考えても最も望ましいことだと思います。ただ、漁業種類によって、その回遊経路とか生活形態が変わります。今御指摘のサケ・マスについては、卵を産卵します母なる川と、今四カ国条約の対象になっていますが北太平洋の間を四年か五年かけて回遊して帰ってくるわけでございます。マグロのようなものは高度回遊性といいまして、各国の二百海里の中を広く回遊しているわけでございます。そういうそれぞれの魚種によって、だれが管理するのか、だれが管理するのが一番いいのか、どういう方法でやっていったらいいのかというのは、それぞれ違うと思います。 マグロにつきましては、現在、太平洋にはございませんけれども、大西洋にはICCATという管理機構がございます。それで、太平洋の南半球につきましては日本とニュージーランドと豪州の間で協定がございまして、漁獲量を決定し、それに基づきまして操業をやっているわけでございます。そういう高度に回遊する魚につきましては、関係国が集まって共同して管理機構をつくって管理していくのが適当ではないか。 ただ、サケ・マスのような溯河性の魚類につきましては、海洋法におきましても母川国主義というのは底流になっておりまして、それぞれの母川国が、自分のところに回帰しますといいますかそういう系群を科学的に管理していくというのが一番適切なのであります。その際、回遊場所を大体同じにするような四カ国、北太平洋におきます主要サケ・マス母川国が共通すべきものは共通したルールをつくって、それに基づきましてそれぞれ母川国が科学的な根拠に基づいて管理していくのが適当でないかということで、今回の四カ国条約を締結するに至ったわけでございます。 サケ・マスの流通の実態その他からいきまして、日本の沖取り自身が制約は受けることになりましたけれども、私どもは適切な機構であるというふうに考えております。
○和田(一)委員 流し網漁というのも規制が厳しくなっている。公海漁業が制限されるということになりまして、何かアカイカ漁にも大きな打撃があるというふうにも聞いております。 今国際的には公海漁業は自由だという原則の上にあると思うのですが、そういう中で、今言ったような溯河性であるとか、あるいは高度回遊性ですかマグロの類、こういうものについてはそういう原則を踏まえながらもそれぞれ話し合っていこう、こういうことかなと思うのですが、そういう話し合いの中でやはり一番大事なのは、科学的に納得できるような裏づけがあって、そして初めて関係者は了解できると思うのですけれども、私はその点について、今度のことが本当に十分であったかどうか、これを実はもっときちっと知りたいな、こう思ったのですが、今申し上げたその流し網の規制についてはどんなふうにお考えですか。
○鶴岡政府委員 公海漁業は、全体的に見まして、二百海里の定着に伴いまして、従来遠洋漁業をやっていた国が公海に出てきたということで、漁業資源はやはり沿岸域が厚いわけです。公海の方は漁業資源というのは薄いわけです。そこに大勢の漁業国が出ていったということで、一方では、資源の状態に比しまして、これは一般論でございますけれども、漁獲努力量がふえているということで、そういう資源の永続ということから漁獲量についても管理する必要があるのじゃないか。 それからもう一方は、最近の風潮でございますけれども、漁業自身の環境に対する問題というものが新たな意見として出てきておるわけでございます。感情的な環境保護の議論というのは排斥して、やはり科学的な知見に基づいて論議を行うべきであるというふうに考えておりまして、流し網漁業につきましても、私どもとしましてはそういう立場に立って外国との間の話し合いを進めてきたわけでございます。 流し網漁業が問題にされましたのは、南太平洋等で数年前から議論が起きて、それが北太平洋に及んできたわけでございますけれども、流し網による漁獲というのは、一そう大体五十五キロぐらいの範囲にわたって流すわけです。その間、アカイカをとるわけでございますけれども、アカイカのほかに、シマガツオでありますとかコシキリザメだとか、あるいは鳥類、これが主たる対象物以上にかかる、極めて浪費的な漁法ではないのか、あるいは環境破壊的な漁法ではないかというような論拠が南太平洋諸国あるいはアメリカ、カナダ等を中心にほうはいとして出てきたわけでございます。 そういう中で、私どもとしましては、やはり漁業に、釣り糸を除きました網漁業その他は混獲は必須のことである。できるだけ混獲物を減らしていくのは、それは漁業者としても考えざるを得ないのですけれども、混獲は避けられないということで、混獲を減らすというかたがた、共同で日本漁船等に日米加オブザーバーが乗船いたしまして調査をやっていただいたわけです。その間いろいろな努力をしたわけでございますけれども、残念ながら混獲量を減少させるとかそういうところには至らなかったわけです。 それからまた、流し網漁のほかに日本近海でやっておりますカジキマグロ漁業の実態等を考えますと、混獲の程度というのがなかなか相手方を説得できるような状況ではなかったわけです。 そういう点で、我々としましては、最終的に仲間と語らって禁止国に対して対応をしてきたわけでございますけれども、議論が国連の場に移されまして、それでアメリカを中心とするそれぞれの禁止国が多数派行動をやる、また我々も外交ルートその他、政府間総動員いたしまして多数派工作をやってきたわけでございますけれども、残念ながら我が国に同意していただく、同じような立場に立っていただく国は流し網漁業国といえどもなかったわけでございまして、孤立無援の状態で説得するに至らず、今のまま継続すると禁止国の決議がそのまま通るのではないか、通った場合の日本国の立場等を考えますと、それを無視するわけにはいかないということで、一漁期を延長する。その間にアカイカをとったらいけないというのではなくて、漁法が少し問題があるということでございますので、何とか違う漁法を開発し、少しでも生き残らせたいということで、若干の時間ではありますけれどもそういう猶予を得て、ああいう国連決議を行って対応しておるところでございます。 昨日、本年度の予算案を通していただきましたので、その中にも調査費の予算を計上いたしております。そういう経費あるいは従来の私どもの調査船あるいは都道府県の調査船を動員いたしまして、短い時間でありますけれども新しい漁法の開発に全力を挙げていきたいというように考えております。
○和田(一)委員 時間がないのであれですが、大臣、いろいろ聞いておりましても日本の漁業、また漁業関係者にとって必ずしも明るい見通しの話ではないという気がいたします。 これからもどんどん漁業に関して国際的ないろいろな規制がふえるだろうし、いろいろな取り決めが進んでいくのではないかと思うのですけれども、マグロにしても鯨にしても、何となしにそういう話の中に感情的なものであるとかあるいは政治的なものがあるような気がいたします。食文化の違いだとかいろいろな違いがあるにもかかわらず、やはりそれぞれ感情的にそれはだめだとか制限しろとかいうような発言が随分あるのではないかと思うのですが、やはり国際的に基本的ないろいろな取り決めをしていく場合には、だれもが納得できるようなそういうデータ、根拠に基づいてやるべきではないか、こう思うのですね。その科学的根拠をしっかり日本が主張できるようなことが海洋国家であり、そして漁業国家である日本として、これから基本的には一番大事なことではないか、こう思うのです。 大臣、例の国際海洋法条約というのがありまして、これが海に関するもろもろの取り決めの基本にこれからなっていこうというふうに私は思うのですが、こういうものの批准等についても、話し合いの中にあってもやはり日本はもっともっとリーダーシップをとっていかなければいけないと思うのです。この国連海洋法というのがまだ批准に至らないのは、何か十一部の深海底の問題がちょっとネックになっているようにも聞いておりますが、そういうものをクリアしていくのにも、やはり日本の持っている科学的な根拠、データというものをきちっと示しながらリーダーシップを発揮していくべきだ、私はこういうふうに思うのですが、大臣、この点はいかがでございましょうか。
○渡辺(美)国務大臣 最初の資源の把握という問題については、これはやはり国際的に認められた科学的な機関の客観的なデータを尊重していく、そういう点で働きかけていって、感情問題になるべくかかわらないようにしたいと存じます。 第二番目の国際海洋法条約の問題でございますが、これは深海底問題というものがその中に含まれておるのでございますが、それにつきましてまだ合理性の問題等で納得のいかない点がかなりございますので批准には至っておりませんが、将来やはり国際社会の大勢がこれに参加するというような状態にだんだんなっていくのだろうと存じます。
○和田(一)委員 時間なので、終わります。
○麻生委員長 これにて本件に対する質疑は終了いたしました。 ―――――――――――――
○麻生委員長 これより討論に入ります。 討論の申し出がありますので、これを許します。古堅実吉君。
○古堅委員 日本共産党を代表して、北太平洋における溯河性魚類の系群の保存のための条約についての反対討論を行います。 第一に、溯河性魚類に対する母川国主義については、海洋資源の全人類的な最適利用を目指すものでなければならないことは言うまでもありませんが、この条約における沖取り全面禁止は海洋資源の全人類的な最適利用を目指すという点から問題です。交渉の経過を見ましても、母川国の権利を一方的に押しつけられた、そういうふうに受け取らざるを得ません。 第二に、サケ・マスの沖取り禁止が漁民と地域に深刻な被害を与えるものでありながら、科学的調査を実施することもなく決定されたことは、到底受け入れるわけにはまいりません。 第三に、締約国の二百海里内での操業が可能になったことは、地元漁業者を初め関係者の運動を反映したものではありますが、しかしそれでもサケ・マス漁を基幹産業としてきた地方経済や漁民の生活を守ることはできないのであります。しかも、先ほども表明がありましたけれども、政府が決めた補償対策も極めて不十分だと指摘せざるを得ません。 二百海里時代を迎えながら、政府が適切な漁業政策をとってこなかったことが事態を深刻にしてきた要因になっていることを指摘して、反対討論を終わります。
○麻生委員長 これにて討論は終局いたしました。 ―――――――――――――
○麻生委員長 採決いたします。 本件は承認すべきものと決するに賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○麻生委員長 起立多数。よって、本件は承認すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本件に関する香具会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○麻生委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ――――――――――――― 〔報告書は附録に掲載〕 ――――◇―――――
○麻生委員長 次に、所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とルクセンブルグ大公国との間の条約の締結について承認を求めるの件、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とノールウェー王国との間の条約の締結について承認を求めるの件及び所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とオランダ王国政府との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。 これより各件について政府より提案理由の説明を聴取いたします。渡辺外務大臣。 ――――――――――――― 所得に対する租税及びある種の他の租税に関す る二重課税の回避及び脱税の防止のための日 本国とルクセンブルグ大公国との間の条約の 締結について承認を求めるの件 所得に対する租税に関する二重課税の回避及び 脱税の防止のための日本国とノールウェー王 国との間の条約の締結について承認を求める の件 所得に対する租税に関する二重課税の回避のだ めの日本国政府とオランダ王国政府との間の 条約を改正する議定書の締結について承認を 求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 ―――――――――――――
○渡辺(美)国務大臣 ただいま議題となりました所得に対する租税及びある種の他の租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とルクセンブルグ大公国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、ルクセンブルグとの間で租税条約を締結するため、ルクセンブルグ政府と交渉を行いました結果、平成四年三月五日にルクセンブルグにおいて、我が方矢田部特命全権大使と先方ホース外務通商協力大臣との間でこの条約に署名を行った次第であります。 この条約は、これまでに我が国が諸外国との間で締結してきた租税条約と同様に、経済的交流、人的交流等に伴って発生する国際約二重課税の回避を目的として、ルクセンブルグとの間で課税権を調整するものであり、条約全般にわたり、OECDモデル条約案に基本的に沿ったものとなっております。 この条約の主な内容としまして、まず、事業所得につきましては、企業が相手国内に支店等の恒久的施設を有する場合に限り、かつ、当該恒久的施設に帰属する利得に対してのみ相手国で課税できるものとしております。ただし、国際運輸業所得に関しましては、船舶及び航空機のいずれの運用による所得に対する租税につきましても相手国において全額免除することを定めております。また、投資所得につきましては、配当、利子及び使用料についてそれぞれ源泉地国における限度税率を定めております。 この条約の締結によって我が国とルクセンブルグとの間での各種所得等に対する課税権の調整が図られることになり、両国間の経済及び文化の面での交流が一層促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避及び脱税の防止のための日本国とノールウェー王国との間の条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、昭和四十二年五月に署名されたノールウェーとの間の現行租税条約にかわる新たな租税条約を締結するため、ノールウェー政府と数次にわたって交渉を行いました結果、平成四年三月四日にオスロにおいて、我が古沢井特命全権大使と先方ヴィンデネス外務次官との間でこの条約に署名を行った次第であります。 この条約は、現行条約に比し、条約全般にわたって最近の租税条約の改善された規定をできる限り取り入れたものであり、近年我が国が諸外国との間で締結した租税条約と同様、OECDモデル条約案に基本的に沿ったものとなっております。 この条約の主な内容としまして、まず、事業所得につきましては、企業が相手国内に支店等の恒久的施設を有する場合に限り、かつ、当該恒久的施設に帰属する利得に対してのみ相手国で課税できるものとしております。ただし、国際運輸業所得に関しましては、船舶及び航空機のいずれの運用による所得に対する租税につきましても相手国において全額免除とすることを定めております。また、投資所得につきましては、配当、利子及び使用料についてそれぞれ源泉地国における限度税率を定めております。なお、相手国の沖合における天然資源の探査・開発活動に係る所得につきましては、一定の条件のもとに相手国で課税できるものとしております。 この条約の締結によって我が国とノールウェーとの間の二重課税回避の制度がさらに整備され、両国間の経済及び文化の面での交流が一層促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、所得に対する租税に関する二重課税の回避のための日本国政府とオランダ王国政府との間の条約を改正する議定書の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 政府は、昭和四十五年三月に署名されたオランダとの間の現行の租税条約を改正する議定書を締結するため、オランダ政府と交渉を行いました結果、平成四年三月四日にヘーグにおいて、我が方藤田特命全権大使と先方ファン・アメルスフォールト大蔵担当国務大臣との間でこの議定書に署名を行った次第であります。 この議定書による改正の主な内容は、親子関係にある会社の間で支払われる配当に対して源泉地国として我が国が行う課税の限度税率を、現行条約に定める一〇%から五%に引き下げること、並びに、条約の実施等のための情報の交換及び条約の不正利用防止のための租税の徴収共助に関する規定を新たに加えることであります。 この議定書の締結によって我が国とオランダとの間の二重課税回避の制度がさらに整備され、両国間の経済及び文化の面での交流が一層促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この議定書の締結について御承認を求める次第であります。 以上三件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○麻生委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 各件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後一時五十六分散会 ――――◇―――――