外務委員会 第3号
- 発言数
- 143 件
- 登壇者
- 20 名
- 会派数
- 5
- 開催日
- 1992/03/06
会議録
○麻生委員長 これより会議を開きます。 旅券法の一部を改正する法律案を議題といたします。 質疑に入ります。 質疑の申し出がありますので、順次これを許します。川島實君。
○川島委員 私は、ただいま議題となっております旅券法の一部改正に関する法律案についてお尋ねをいたしたいと思います。 政府は、今回の法律改正について、その理由として、一つには近年の国際化傾向に当たり旅行者が千九十九万人を突破したこと、二つには旅券発給窓口の混雑、事務量の膨張、管理事務の複雑化等を改善するため、三つには国民へのサービス向上、行政の向上に努めるとしておりますが、一方、旅券手数料の二五%の値上げや、罰金刑の罰金を十万から三十万に引き上げようといたしております。 次に、手数料を八千円から一万円に値上げする理由としては、昭和五十三年以来十三年間そのままだった、この間公務員の給料が五〇・三%伸びた、さらに消費者物価も四一・九%伸びだと言っております。 政府の資料で明らかなように、昭和五十三年度の旅券の手数料の収入は百三十億七千六百八十六万四千円であったのが、平成二年度には実に二六九%アップの三百五十一億六千六百六十九万一千円になっており、これに見合うだけのサービスを国民が今まで受けられなかった、こう推測してもやむを得ないのではないかと思うわけでございます。今回の値上げにより、平年度で国が七十四億円、都道府県が二十四億円の増収になるわけでございますが、どんなサービスが提供されるのか、この点について以下お尋ねをいたしたいと思うわけでございます。 今回、国民に対するサービス向上といたしまして、いろいろと言われているわけでございますけれども、まず指摘をいたしたいのは、受付、交付についての窓口の増加をできないものだろうか。例えば、地方の時代と言われておりましていろいろ地方の住民要求が数あるわけでございまして、県民サービスセンター、職安、百貨店等の多く人通りのあるところへ出前でサービスをする制度が非常に進んできております。さらに、行革審の発言の中でも、郵便局でそういう窓口を設けたらいいのじゃないかという発言もありました。 さらにまた、有効期限がアメリカやイギリス、ドイツ等は既に十年になっているわけでございますけれども、今回は五年になっている。これらはまたサービスが行き足らないのじゃないかという気がいたしますし、手続の簡素化を図るために、今外務省と都道府県と二通同じことを書かされているわけでございますけれども、これを一回で済むような方策がとれないものだろうか。まずこの点についてお伺いをしたいと思います。
○荒政府委員 お答え申し上げます。 最初に御指摘の旅券窓口の拡充の件でございますけれども、私どもとしましても国民負担の軽減及び行政サービスの拡充ということで、旅券窓口の増設についての必要性を十分認識しておりまして、これまでも都道府県と協議の上逐次増強を図っております。平成元年には百九十四カ所でございましたけれども、現在は二百二十八カ所にふえておりまして、その他数カ所の増設が現在検討されております。私どもとしては、今後とも一層の窓口の拡充を図ってまいりたいというふうに思っている次第でございます。 それから旅券の有効期間の件でございますけれども、これは平成元年の改正のときに従来二年であったものを五年ということにしたわけでございます。それを十年にしたらどうかという御意見がございますけれども、我々としましては今即座に十年にするにはいろいろ検討を要する点がある。例えば十年間に人の容貌が変わって申請人の同一性の確認が難しくなるというようなこと、それから旅券冊子の摩耗ということもございまして、旅券の品質の点でそういうことが可能かどうか等々いろいろございます。したがいまして、今一挙に十年というのは困難でございますけれども、我々としましては、諸外国でも十年を導入している国がございますので、引き続き諸外国の例等々を調査研究させていただきたいというふうに思っている次第でございます。
○川島委員 次に、変造旅券についてお伺いをいたしたいと思います。 現在日本の旅券が一通一万ドルで売買される、こういう形で、昨年で三十四件七百十七通が実は盗まれているわけでございますが、そのうち七十七通が不正使用されていると言われているわけです。 そこで、今回のこういう改正に当たってこれらがなくなる、こういうふうに考えてよろしゅうございますか。
○荒政府委員 お答えを申し上げます。 確かに最近盗難、紛失の件数が非常にふえておりまして、また偽造、変造ということもございます。いろいろ対策を講じておりまして、今回の旅券法の改正とは直接法律的に関係ございませんけれども、我々としましては本年の十一月一日に新しい機械読み取り旅券というものの導入を検討しておりまして、そこにはいろいろな変偽造防止の技術を盛り込んでございます。 また、盗難、紛失の方でございますけれども、これにつきましては海外に出かけられる国民の方々の注意を一層喚起していただくということで、種々の啓発活動を行っているところでございます。
○川島委員 次に、常に旅行者が不満を持っているというのは、出入国の管理事務で非常に並ばされる。今大型機ですから、一挙に二便も来れば本当に長時間長い列をつくらなければならないわけでございますが、こうしたことが解消されるのかどうか。この辺の見通しについてお伺いをしたいと思います。 旅行者のもう一つの問題は、持ち物です。旅行かばん等が近年キャスターがついてガラガラ引けるものですから、あれの取り扱いが悪くて穴があいてしまう。せっかく楽しんで旅行をして、一回こっきりに破損されてしまうという事故が非常に多いわけでございますが、この辺の配慮がどのように考えられておるのか、一遍お伺いしておきたいと思います。
○荒政府委員 お答え申し上げます。 最初に御指摘の混雑の緩和の件でございますけれども、先生御承知のように、最近日本から海外渡航する人の数が非常に急激にふえておりまして、空港で出国手続をする要員の数の方が追いつかないという状況にあるわけでございます。 そこで、先ほどもお話ししました機械読み取り旅券、これが導入されますと、日本から海外渡航する際の出国手続あるいは帰国の手続の時間短縮が見込まれるということが一つございます。それから、同じく機械読み取り旅券の導入によりまして、日本から海外に赴く国民の方々、特に現在アメリカの各地の空港におきまして、入国の際二時間、三時間待たされるケースが出ておりますけれども、アメリカでは現在MRPという機械読み取り装置を各空港に設置しておりますので、海外旅行に行く際にもそういう混雑の緩和が期待されるということでございます。 それから、荷物バッグの破損の点について御指摘ございましたけれども、これは私ども直接担当しておりませんけれども、これから関係省庁の方と御指摘の問題について早速検討させていただきたいと思っております。
○川島委員 次に、今回導入をいたしますMRPについてお尋ねをいたします。 こういう新しい機械を導入いたしますと、故障が心配されるわけです。一たん故障すると迷惑するのは旅行者でございますので、そういう故障したときの対策がどのように講じられておるか。例えば、こういうコンピューター系は雷等で停電になると一遍にデータが消えてしまうとか、そういう事故もあるわけですが、そういう点についてどういう対策が講じられているかお伺いをしておきたいと思います。 さらに、生年月日だとか有効期限だとか国籍、氏名等がこの下のスライド部分に入るわけですが、こういう関係で個人のプライバシーについて非常に心配をされる人々が多いわけなんですが、その辺のことについてどのような対策が講じられているかお伺いをしたいと思います。
○荒政府委員 最初に、MRP導入に伴います関係機器の例えば停電の場合の対策がどうなっておるかというお尋ねでございますけれども、MRPの機械については、現在ほぼ開発を下しておりますけれども、引き続き細部の検討をやっておるところでございますが、いずれにしましても、例えば停電時におきまして事務の混乱あるいはデータの消失がないよう、例えば電源については予備の電源を用意する、それからデータについてはバックアップデータと申しますか、予備のデータをあらかじめ確保する等の措置を今後講じていきたいというふうに思っております。 それから、第二点のMRP導入に伴います個人情報のプライバシーの保護でございますけれども、これにつきましては、先生御承知の行政機関の保有する電子計算機処理に係る個人情報の保護に関する法律、これによりまして、私どもとしても厳しく管理運用をやっております。提供する場合につきましても、同じく同法の規定にのっとり合理的な提供理由の提示がある場合に限り、またかつ提供する情報についても、先ほどの法律の範囲内で厳格に提供しておるということでございます。
○川島委員 次に、運輸省もお見えになっておりますので、成田空港、我が国の玄関と言われているわけですが、この設備が存外皆さんに評判が悪くて、値段の高い駐車場だとか、カウンター付近のスペースの混雑、税関手続終了後の待合室のスペースが狭いとか、一番問題になっておりますのは、今旅行者が乗り継ぎで国内から国外へ出る場合、それから帰ってくる場合、あそこで五時間なり六時間待たされる場合があるわけですが、荷物だけは最終のところへ全部行くわけですから、途中で出るわけにいかないわけです。五時間、六時間、実はカウンターぐらいの小さな飲食のスペースしかなくて、すぐ目の前に見えているすしたとか和食だとが食べたいものがいっぱい並んでいるのですが、全然食べることができない、本当にインスタントばかり、こういうことで、食べ物の恨みは昔から怖いと言われておるのですが、非常に評判が悪いのです。この辺のところも今回こういった値上げで改善されるのかどうか、お伺いをしておきたいと思います。
○高橋説明員 お答えいたします。 新東京国際空港は、一本の滑走路と一つの旅客ターミナルビルで供用されておりますけれども、現在十二万回の離発着、それからお客様につきましては、出と入り、合わせまして二千万人という状況でございまして、既に空港能力の限界に達しているという状況にあるわけです。 これにつきましては、今までも待合室の増設などを講じてきてはおりますけれども、先生御指摘のように旅客待合室が大変混んでいるとか、また全体的にスペースが少ないために、いろいろな利便施設がつくれないといったような状況もあるわけでございまして、そういう意味では利用客の皆様には大変御迷惑をおかけしているというふうに感じているところでございます。 このため、残る二本の滑走路と新しい旅客ターミナルビルの完成を急いでいるわけでございますが、第二旅客ターミナルビルにつきましては、滑走路の完成に先行いたしまして本年末に供用を開始することにいたしておりまして、これによりましてターミナルビルの混雑の抜本的改善を図るということができるのではないかと思っております。 今先生御指摘の乗り継ぎ客の場合でございますけれども、現在は出国の待合室とかサテライト内のロビーということで三階部分、四階部分で待っていただいているわけでございますが、その際、先生御指摘ございましたように、簡単な食事はできますけれども、ターミナルの中での食堂を利用する場合には許可を得て入っていただくというようなことでございます。新しい旅客ターミナルビルの場合には、乗り継ぎ客の方々にも本格的な食事をしていただけるようなそういった店舗配置も考えております。 また、第一旅客ターミナルビルにつきましても、第二ビルができました後、この改修に着手しようと思っておりまして、その際は、第二ビルと同じような考え方で、乗り継ぎ客のお客様にも本格的なお食事がしていただけるような、そういった施設配置も考えていきたいと思っております。 空港の整備というのは施設利用料で賄っておるわけでございますけれども、今後とも、二本の残る滑走路の早期完成などとあわせまして、空港サービスの低下を招かないように最大限の努力をしてまいりたいというふうに考えております。
○川島委員 時間が三十分縮んでおりますので、ひとつ答弁は簡潔にお願いしたいと思います。 次に、旅行先における旅券の盗難が非常に多くなっている。昨年私もスペインヘ行きまして、一日に四件ぐらい盗まれている、こう言っているわけですが、大使館における再発行等のそういうサービス部門が今回向上されるのかどうか、お伺いしたいと思います。
○荒政府委員 海外におきまして、邦人の方が旅券の盗難あるいはその他の理由で紛失した場合でございますけれども、二つのケースがございまして、紛失された方が緊急かつ直接に帰国する必要がある場合には、在外公館限りで帰国のための渡航書というものを発給しております。その際の身元確認につきましては簡略化しまして、運転免許証であるとか旅券のコピーがあれば結構ですけれども、何もない場合でも現地の身元保証人があれば緊急発給をするということで、我々、国民のためのサービスの充実に心がけておるつもりでございます。 また、直接帰国しませんでスペインからフランスに行くという場合ですと旅券が要るわけですけれども、その場合につきましても、本省との確認の時間をなるたけ少なくして、通常一週間くらいかかるのでございますけれども、私どもとしてはケース・バイ・ケースになるたけ早く出すということで現在やっております。
○川島委員 次に、日本の各国際空港で入国拒否というのが非常に多くなっているわけですが、昨年も八十一カ国、二万人。こういう状況を外交問題として、多い国は相手国といろいろ協議しながら、向こうを出る前に何とかとめる方法がないものだろうか、こういう気がするわけですが、そういう努力がなされておるのかどうか、まずお伺いをしたいと思います。 さらにまた、外国人の船員の関係も新聞等で大きく報道されているように、二百十八隻の上陸禁止、こういうようなことで、年々不法就労といいますか、現在は船員手帳があれば旅券がなくても、結局船長が一括して上陸許可をもらえば、そのまま入れるということになるわけですが、途中でどこかへ逃げていってしまう。これらの問題点についても、もう少し相手国と十分な話し合いをして、そういうものを水際でとめたらどうだろうかという気がするのですが、その辺のことについてはどのように対応されておるか、お伺いをしたいと思います。
○荒政府委員 お答えいたします。 近年、外国人の我が国への入国の急増、なかんずく不法入国というものが逐増している状況につきましては、私ども外務省としても大変深刻な事態であるというふうに受けとめておりまして、例えば以前、パキスタンそれからバングラデシュから異常に急速に入国者がふえ、かつ我が国において不法滞在をする者がふえるというケースがありまして、そのケースにつきましては、先方政府と急遽協議いたしまして、査証免除取り決めを一時停止するという措置をとったことがございます。 それからまた、一般的な話でございますけれども、我が在外公館におきまして、査証の発給につき従前以上厳格に審査する、あるいは必要な場合には先方政府と話し合って、旅券の発給あるいはその当該国からの出国につき、先方政府としてできる限りの措置をとるよう申し入れてやっておる次第でございます。
○川島委員 次に、外国人の不法就労についてお尋ねをいたしたいと思います。 最近のテレビや新聞等で、上野公園その他の公園に非常に外国人がたむろしている、そういう姿が見えるわけでございますけれども、不法就労の数も、データが出ております。昨年、一九九〇年で二万九千八百八十四人、ここ十年ぐらいの間に十六万とも言われているわけですね。そういうつかめているデータも、ホステスに四千六百八十五人のうちの五五%、それから男性一万六千八百五十二人のうち、工員だとか建設作業員に約四五%から四〇%、あとの人たちはわからない、こういうことでございますけれども、こういう不法就労者の、ときどき警察庁は逮捕しているわけですけれども、こういう逮捕するときの基準とかそういう実績とか、そういうものについてまずお伺いをしておきたいと思うわけです。 まず問題として、野放しになっているその人たちを法務省なり外務省なり警察庁なりが、もっとやはり各省庁、ほかにもいろいろ使っている建設省だとかいろいろあるわけでございますけれども、力を合わせて何とかどこかでチェックする機関を設けるべきじゃないかと思うわけです。 私も外国へ行きますと、お金をかえるときにパスポートを見せたり、ホテルで見せたり、ちょっとした買い物のときにはパスポートを見せたりと、いろいろな形でチェック機関があるわけでございますが、日本は法治国家と言われながら、入国してどこかへ行って、出国する数が毎年非常に大幅に差があるにもかかわらず、全然どこの省庁もそれをチェックしようとしない、そういう努力をする協議すらしていないという状況でございますけれども、これらについてどのようにお考えになるか、各省庁にお伺いしたいと思います。
○奥村説明員 お答えいたします。 警察といたしましては、不法就労の取り締まりにつきましては、密航ブローカーが介在をいたしましたりあるいは外国人登録証明書等の文書偽造が伴うような悪質な事案を重点として取り締まりを進めているところでございます。また、捜査に当たりましては、個々の事案の内容に応じた措置をとっておりますが、逃走や証拠隠滅のおそれが認められるような場合には、逮捕するなど必要な措置を講じておるところでございます。 それから、不法就労外国人の各県別の検挙状況はどうかというお尋ねでございますが、警察では現在、入管法違反で検挙した来日外国人のうち、不法就労者としての統計はとっておりません。したがいまして、不法残留あるいは不法入国等を含めました入管法違反全体の送致件数及び人員についてお答えをいたしますと、平成三年中の同法違反の送致件数は二千三十二件、送致人員は千七百九十五人でございます。
○大久保説明員 入管局における不法就労者の摘発体制についてお答えします。 入管局におきましても不法就労者に対する対応というのは全局挙げて熱心にやっております。それで、御指摘のように、入管局だけでは対応し切れない分ございますので、警察とか労働基準監督署など関係機関との密接な連帯を強めて一層努力しよう、このように努めております。 それで、入管局においてやる場合には、悪質な事案を重点的にやるということで常時摘発体制をとっております。入管局の入国警備官はパスポートの提示を求めることができますので、折に触れ上野あたりあるいは原宿あたりに行きまして、外国人からパスポートの提示を求めてそれを見て不法残留者等の摘発に努めております。そしてさらに、人権侵害や売春事犯とか周辺住民に影響を及ぼしているような事案の摘発も行っております。そしてさらに、不法就労者が集中的に集まっているという場所、特に東京、大阪、名古屋近辺につきましては、他の局からの応援を求めるなどして集中摘発努力期間を設け、年間四回ぐらいにわたって摘発しております。 以上です。
○川島委員 私が言っているのは、今の行方不明になる数が毎年ふえている、十六万人だと言われている、テレビや新聞では大々的に、法があるかないかわからぬような状況に日本がなっているということを指摘されているわけです。だから法務省なら法務省が中心になって英知を結集すべきだと思うわけです。これに対しての決意を一遍聞きたいと思うわけです。 例えば、建設省が公共工事で下請を使います、その下請の中に、毎日来る日報で、どういう職種でどういう人たちが来るかというのは現場監督は全部押さえているわけです。そこで外人登録の人が来れば、それが日系の外国人であるとか不法就労者であるとか全部チェックができるわけです。だから、そういう形で皆さんが英知を結集していただきたいと要望したいわけでございます。 さらにまた、新聞等で出ております、外国人の不法就労者の結婚で子供が生まれた場合に、届け出に行くと強制送還されてしまうから、いろいろ人権上の問題が言われているわけですけれども、今日ではいろいろそういうことについての対応がきちっとなされているやに聞いているわけですが、その辺のことだとか、さらに、そういう不法就労者でも労災事故が起きた場合には適用している、そしてまた健康保険等が実際は使えないわけでございますけれども、人道上そういう組合健保の人たちは事業主の言うことを聞いて健康保険を使わせている。実際現金で払うと医療費が倍になるというのも非常に矛盾は言われているわけでございますけれども、そういう救助策も行っている、こういう話を聞くわけでございますが、その辺のところの事実関係についてお伺いをしておきたいと思います。
○尾見説明員 外国人就労の問題でございますが、実態の把握も含めましてなかなか難しい問題だというふうに認識しているところでございます。業行政の立場からも積極的に取り組めという御指摘でございますが、私どもだけではなかなか対処できない問題でもございます。今後有効な対策につきまして、法務省、警察庁など関係省庁ともよく連絡をとりまして研究していきたい、かように考えております。 以上でございます。
○澤田説明員 労災保険制度についてのお尋ねですが、労災保険制度は、労働者が国内の労災保険適用事業に使用されている限りは、日本人であるか否か、あるいは不法就労者であるか否かを問わず労災保険が適用されます。こうむった災害が業務上であれば必要な保険給付を行うという仕組みになっておりまして、平成二年度で申し上げますと、私どもの調査で被災労働者が不法就労外国人と思われます数は二百二十一名になっております。
○辻説明員 医療保険制度の適用につきましてお答えいたします。 医療保険制度は、事業所ごとに適用するだけではなくて、その従事者一人一人を被保険者として適用するという仕組みをとっておるわけでございますけれども、我が国に不法に滞在する外国人につきましては、まず入管法の規定に基づいて退去強制の対象となっておる、また、これらの者に対しまして医療保険制度を適用することが結果として不法滞在を容認し、またさらにこれを助長させるおそれがあるということから、不法滞在の外国人の方々につきましては医療保険制度は適用することは困難であるという基本に立っております。
○川島委員 次に、今、日系南米人の人たちが就労しているのが非常に増加しているわけでございます。一般的に見ますと我々にはわからないわけでございますけれども、そうした中で、そういう人たちが働く職場の環境とか人権、そういうものが守られているかどうかというのはいろいろと非常に問題になってくるわけでございますが、それらをどのように指導しておるのか。 さらに、家族の呼び寄せについていろいろ問題になっております。そしてまた、転職を禁じているというようなことが世界人権宣言に違反するとか国際人権規約に違反する、こういうふうな説を唱えている学者もいるわけでございますが、その辺のことについての見解。 もう一つは、ODAで補助金を出して我が国へ研修をしながら労働力として受け入れている、こういうことは国際ダンピングである、こういう指摘を名大教授がしている。これらについて御所見をお伺いしておきたいと思います。
○吉免説明員 御質問の最初の部分についてお答えをさせていただきたいと思います。 御指摘ございましたように、ブラジルあるいはペルー等の南米諸国からの日系人の来日が大変ふえております。こういう日系人の人たちは日本の生活習慣でありますとか雇用慣行になれていないというようなことがありますから、そういう特性に配慮して私どもも就職の援助をしていく必要があるというふうに考えております。 そういうこともございますので、実は昨年の八月に上野に日系人を専門にしました日系人雇用サービスセンターというのを開設いたしまして、日本国内全国の公共職業安定所を通じて出てきます南米日系人向けの求人の収集でありますとか、あるいはポルトガル語等の通訳も配置いたしまして、そういった人たちに対する職業相談あるいは職業紹介も実施をさせていただいておりますし、就労している上でいろいろトラブルが出てまいりました場合の相談もただいまやっておるわけでございます。さらに、企業の方で雇われるという方について、企業主を中心にした研修会をやりながらいろいろな形で注意喚起をいたしております。 開設以来利用者も大変ふえておりまして、例えば昨二月だけを見ましても千七百人余りの人たちが御利用いただいて、いろいろ御指摘の御相談をしていただいている、あるいは私どももできるだけの援助をしているという状況にございます。
○川島委員 次に、最近海外における我が国の旅行者の殺害事件が非常に多発をしているわけでございますが、平成四年三月三日の国際協力事業団の職員を初めといたしまして、協和海運のグアム島の駐在員の殺害事件、ボストン市で起きた愛知県の中京大学の学長の殺害事件、日本人がねらわれていると思われるほど非常に事故が多いわけでございますが、これらに対しての対応策はどのようになっておるのか。 さらにまた、昨年十二月二日の外務省へ報告された外交強化懇談会の報告書が指摘をいたしておりますけれども、危機管理体制の強化が言われております。ここでは在外公館の迅速かつきめ細かな対応ができるよう機能強化の計画の作成を明らかにして、対応するように本年度予算でも危機管理体制強化が十二億四千六百万、昨年対比で七億余りが増加いたしております。さらに、国際事業団の方も千四百四十億八千四百万、昨年対比九十九億八千八百万増が予算で組み込まれているわけでございますが、これらの対応策がどのようになされておるのか、お伺いをしておきたいと思います。
○荒政府委員 まず、先生御指摘のことしに入ってから続いております日本人が犠牲になる痛ましい事件の対応策でございますけれども、我々としましては、海外の安全に関する情報をいろいろなルートを通じまして提供しておるのが一つでございます。 それから、現地の在外公館におきましては、常日ごろより現地の日本人会等の組織と密接な連絡をとりまして、その地における安全問題についての意見交換あるいは助言をやっておるということでございます。また、特に南米地域の治安状況が非常に悪化しておりますので、非常に悪い地域の国の政府に対しましては、特に邦人の保護に留意するよう、またそのための対策をとるよう、外交ルートで申し入れるということがございます。 それから、最後には、何といっても海外における安全の問題につきましては、それぞれの方の自覚と認識、またそのための所要の防止策をとっていただくということもやはり重要でございますので、そのための情報提供あるいは啓発活動をやっておることでございます。 それから、第二のお尋ねの、昨年の外強懇で指摘されました危機管理体制、これはどうなっているかというお尋ねでございますけれども、これにつきましては、私ども外務省としても緊急の課題ということで、現在鋭意対策をとりつつあるところでございます。 緊急事態ということを想定しまして、一つには、在外公館と東京の本省間の迅速な通信体制の整備、これは有事無線と我々呼んでおりますけれども、それを充実しております。それから、ファックスによる通信もようやく全公館とつながる状況に持ってまいりました。 それから第二は、現地におきまして、現地の在留邦人の方々との連絡通信の問題でございますけれども、これにつきましても、特に今年度、平成三年度から、例えばポケットベルそれから携帯電話、これを急遽増設する方向で、今鋭意やっております。 それから、在外公館自体の整備ということにつきましても現在措置をとってございまして、例えば施設の整備あるいは備蓄食糧等の配備を順次行っておるということでございます。
○川島委員 こういう災害等の問題について、我が国は在留届の提出が義務づけられてないので、日本人がどこに所在をしておるのかということが。掌握できない、だから連絡が非常におくれる、こういうことが指摘をされておりますので、その辺についての研究を要望しておきたいと思います。 さらに、在外・公館の施設整備について、本年度四十五億六千五百万余が計上され、前年対比で十四億九千百万余が増額されておるわけでございますけれども、私、昨年スペインヘお伺いをいたしまして、愛知県がオリンピックがだめになったせいと、二〇〇五年に、スペインの万国博覧会、今度は同じように愛知でもやろうどいうこともありまして、その辺も視察をしてまいったわけでございますが、スペイン大使館を見て非常に驚きました。これでは、とてもじゃないが通常の業務ができない。各階、部屋の狭いところで大勢の人たちが働いてみえる。近代的な、経済大国にふさわしいオフィスとして働ける場をやはりきちっと整えてあげなきゃ通常の仕事ができないと思いますので、今年度、改修費が予算に組み込まれてないということでございますから、それはひとつ要望しておきます。時間の関係もございます。 次に、救急医療援助船についてお伺いをしておきたいと思います。 これは、前の中山外務大臣が提唱いたしまして、今日、多目的用という形で内政審議室で協議がなされておるやに聞いております。外務、厚生、運輸、海上保安庁、総務庁、国土庁、内閣官房等が入っておみえになって、大臣も一回出席されたと言われておるわけでございますが、今日までの六回にわたる課長会議の内容、私はこの際、国際貢献の立場から、乗船人員規模を三千人ぐらいが乗れるような大型船を建造して、クリーンエネルギーで、我が国のハイテクの科学技術を生かした、そういう多目的船舶を建設していただきたい。所属は海上保安庁に所属をさせまして、自衛隊を縮小して、あそこの女性隊員三千五百人、それから医療部隊たくさん、医者も八百人もおる、こういうわけでございますから、その辺のところを退職させてこちらへ移動する、こういう構想もいいんじゃないかと思うわけでございますが、その辺のことにつきまして外務大臣、御所見をお伺いしておきたいと思います。
○佐藤(嘉)政府委員 大臣の御答弁の前に一言御報告をさせていただきたいと思います。 ただいま先生御指摘のとおり、私どもの日本の国際貢献の一環として、このような船舶を政府専用船として保有することが施策としてどう考えられるかという趣旨で、御承知のとおり内閣官房のもとで検討が行われているわけでございます。 御案内のとおり、私どもこの多目的という場合に中身をどう整理するかということが非常に重要であろうかなというふうに思っております。そういう見地から、この内閣官房のもとで外務省も参加しておりますけれども、緊急に間に合うような体制がとれるのか、あるいは医療を主体にするのか、輸送を主体にするのか、いろいろな議論が今なされているわけでございます。平成四年度の予算におきましても十分検討を深めるための調査費がつけられておりますので、私どもとしては、現在日本に求められている国際貢献という見地から、何が一番よくできるかということを十分検討してまいりたいというふうに考えております。
○渡辺(美)国務大臣 今、官房長からお答えしたことでほぼ尽きておることでございますが、これは去年の六月から内閣内政審議室長のもとで鋭意検討をいたしております。いたしておりますが、考え方は一つのアイデアであって、被災地への物資輸送とか避難民の輸送とか病院船等の可能性も言われておりますが、実際は議論がまだ煮詰まってない、結論が出てないというのが実情でございます。
○川島委員 次に、昨日の新聞等でも報道されているわけでございますけれども、六月の地球サミット、環境と開発に関する国連会議に向けまして、現在ニューヨークの国連本部で開かれております地球環境のための行動計画で、急増する人口対策をテーマとして取り上げることが決定されました。 現在五十四億の地球の人口が二〇〇〇年までに六十三億に達する。その増加の九〇%が開発途上国である。アジアはそのうち六割を実は占めているわけでございます。一九八九年の開発援助委員会における家族計画がなかったら、現在さらに四億人の人口がふえているだろうと言われておるわけでございます。さらにまた、世界で三億の家族が家族数を制限したい、こういう希望をしておる、こういうデータも出ております。それから、開発途上国は既に人口活動経費の五分の四を自己負担しておる。それだから、現在のODAとの比較で、人口と家族計画にかけられておる費用は人々の費用を満たしていない、こういうふうに言われているわけでございまして、日本、フランス、ドイツ、三国は大幅に増加をする余地を持っている、こう指摘をいたしております。 過日、日本で行われました人口と開発に関するアジア議員フォーラムで議論がなされておるところでございますけれども、宮澤総理は祝辞の中で、人類が平和に共存できる社会をつくらねばならない、私は、この問題に関する世界における日本の役割、アジアにおける日本の役割について、今後ともさらに深いかかわりを持っていかなきゃならないと思いを新たにしていると決意を述べております。 今、地球規模の環境保全が叫ばれているとき、地球温暖化の原因となるエネルギー問題なり食糧問題、すべて、途上国における人口問題の解決なしには私は進めることができないと思っておりますが、外務大臣の御所見をお伺いしておきたいと思います。
○渡辺(美)国務大臣 この人口問題というのはなかなか難しい問題でありまして、我が国などでも実はもう少し出生率をふやしてもらいたいと思っているのですが、なかなか自由にならない。ところが、途上国では爆発的に人口がふえるということがございます。これはいろいろ原因はあるのですが、サミットなどでもよく話が出るのだけれども、サミット国がそういうことを直接言うことは誤解を招くことでございますので、率先して人口計画をやっているインドとかあるいは中国とか、そういうようなところがリードをしていただくことについては、我々は側面から大いに協力をしようという考えが一つですね。 それからもう一つは、何といっても発展途上国の生活水準、文化水準を上げるということに協力するとおのずから人口というのは出生率が減るというのが大体文明の歴史なんですね。これは理屈を言っても仕方のない話ですから。だから、そういういろいろな面を通しまして、やはり人口の調整ということは私は必要だろう。やり方はなかなかセンシティブな問題がいっぱいございます。
○川島委員 人口を抑制することによって、世界の食糧問題なりエネルギー問題なり温暖化現象がなくなっていく。これは本当の、これからの我々政治に携わる一人一人がやはりこの問題に、発展途上国の人たちに手を差し伸べていかなければならない問題だと思っておりますので、ぜひひとつ外務大臣のお力添えをいただきたいと思います。 次に、我が国は、昨年末の国連総会において安全保障理事会の非常任理事国に選ばれました。このことは国連加盟国の圧倒的多数が日本に大きな期待を寄せたからだと私は思っております。しかしながら、我が国は、残念といいますか、どうしてなんだろうかと、こう言わざるを得ないわけですが、国際社会でのおつき合いが十分でないと思います。 ここに国立国会図書館調査立法考査局発行の、我が国がまだ批准をしてない国際条約の一覧表がございます。「一九九一年十月現在」、こういうことに書かれているわけでございますけれども、国際連合寄託条約等、人権にかかわる奴隷条約、環境、外交、文化・学術、運輸、ILO、ユネスコ等、二十五分類で二百五十件の、まだ批准されてない条約が実は残っておるわけでございます。 私は余りにもこの状況がひどいのに驚いたわけでございますけれども、まず条約局はこの問題についてどのような取り組みをいたしておるのか、その辺の内容についてまずお伺いをしたいということと、こういう現状になっているということについて外務大臣はどのような御所見をお持ちになっているか、お伺いしておきたいと思います。
○柳井政府委員 ただいま先生のお触れになりました調査につきましては、私も拝見させていただきました。大変な労作であろうと思います。 御指摘のとおり、未批准の条約の本数が何本あるかというのは、技術的には若干難しい点も実はございます。いろいろ数え方がございまして、改正議定書を別に数えるかとか、そういう点はございますけれども、ただ御指摘のとおり相当多くの、二百数十本の未批准条約があるのは事実でございます。 我が国といたしましては、未締結の条約につきましては、各条約の目的、意義、内容、その締結の必要性、それからさらには国内法体制との整合性等を十分勘案の上で、その取り扱いにつき検討を行いまして、締結が適当であり、また問題がないと考えるものにつきまして、速やかにその締結につきまして国会の御承認をお願いしてきているわけでございます。今後とも、かかる努力を進めてまいりたいと思っております。 確かに、未批准の条約も多うございますが、国会の御協力もいただきまして、批准を終了した条約の数も相当になっております。いわゆる国会承認条約の数でございますけれども、二国間、多数国間合わせまして七百本以上のものを締結しているわけでございます。 なお、人権関係のものにつきましては、これまで我が国といたしまして七本の条約を締結しております。さらに、この国会に児童の権利に関する条約を提出いたしまして、御審議をいただくよう今最後の詰めをやっているところでございます、
○渡辺(美)国務大臣 ただいま条約局長から説明したとおりでありまして、いろいろ今後検討をして採択といいますか、日本でも批准しなければならぬと思うようなものは、なるべく急いで順次批准をするように努めてまいります。
○川島委員 国連中心主義、平和憲法を持つ日本は、こういう国連の中でのこれからのつき合いが非常に大切になってきます。我が国は、経済大国第二位という形の地位の中で、国連改革を率先してやっていかなければならない、そういう立場にありながら、こういう二百五十もの条約、議定書等がおろそかになっているということは非常に残念なことでございますので、計画的にきちっとすべてを精査して、できないものはどうだという形をひとつ院に報告をしてもらうようにお願いをして、私の質問を終わりたいと思います。 ありがとうございました。
○麻生委員長 土井たか子君。
○土井委員 旅券法の一部を改正する法律案の中の第三条の二項というところを見ますと、外務大臣が特に指定する場合、国内においては都道府県知事、国外においては領事官が、その者の身分上の事実が明らかであると認めるときは、戸籍謄本または戸籍抄本を提出することを要しないという中身になるわけですが、ここで言われている外務大臣が特に指定する場合と言われるのはどんな場合なんでございますか。
○荒政府委員 お答え申し上げます。 ただいま御指摘の旅券法第三条第二項に基づき指定したケースでございますけれども、これにつきましては、平成元年の十二月八日付の外務省告示第六百十八号というところに具体的なケースがございます。 ちょっと項目だけ申し上げますと、有効な旅券を返納の上切りかえ発給をお願いする場合、それから既にある旅券に併記されている、子供のケースでございますが、その子供が自分の名義の旅券の発給を受けるような場合等々、告示に書いてございます。
○土井委員 今のは大変アバウトな御答弁であって、これは実は条文の上では外務大臣が特に指定する場合というのは大変大きな意味を持つのですよ。事柄をどのように判断するかという大事な基準ですから、そういう点からすると、一から五までの項目が具体的にあるんじゃないですか。そして告示としてこれは出されているのじゃないですか。いつ告示として出されて、そして一から五までの項目がどういうことになっているかというのをもう一度はっきり言っておいていただきたいと思います。
○荒政府委員 失礼いたしました。 ただいまの告示でございますけれども、平成元年十二月八日付号外、外務省告示第六百十八号でございます。 一から五までございまして、順次申し上げます。 一号は、「有効な旅券を返納の上、旅券法第三条の申請をする場合」でございます。 第二は、「有効な旅券に併記されている者がその者を名義人とする旅券の発給を受けようとして法第三条の申請をする場合」、これが第二番目でございます。 第三号は、「同一の戸籍内にある二人以上の者が同時に法第三条の申請をするにあたって、いずれか一人の者が戸籍謄本を提出する場合」でございます。 第四は、「有効な国籍証明書又はこれに代わる文書(船員手帳を含む。)を提出する場合」でございます。 第五番としまして、「住民票の写し(作成の日から六月以内のものとする。)を提出する場合。ただし、緊急に渡航する必要を生じ、戸籍謄本又は戸籍抄本を提出することが困難であると認められるときに限る。」ということが書いてございます。
○土井委員 これは技術的に詰めていきますと問題点がほかにもあると思うのですが、今ここで提示された四というところの「有効な国籍証明書又はこれに代わる文書」となっている「これに代わる文書」。有効な国籍証明書にかわる文書、中身はどういうことを指して言われているのですか。
○荒政府委員 お答え申し上げます。 御指摘の第四号の「有効な国籍証明書」でございますけれども、これにつきましては、この号の文言上、在外とは書いてございませんけれども、具体的に想定されている場合は在外でございます。在外におきまして国籍証明書を持っている方が提出する場合と、これにかわる文書として船員手帳というのを書いてございますが、今のところそれ以外のものはございません。 船員手帳につきましては、具体的な例で申し上げますと、例えば船舶の船員である者がある寄港地に行ったときに急病になって急遽日本に帰国せざるを得ないような場合、そういう場合を想定して船員手帳というふうに明記しておるものでございます。
○土井委員 そうすると、これは整備を必要としますね、ただいまおっしゃったこの告示内容というのは。「有効な国籍証明書」とあるのは都道府県知事に対しても、現在の法律の規定の内容からすれば有効になるわけですし、「これに代わる文書」というのは括弧して(船員手帳を含む。)となっているのです。船員手帳オンリーじゃない。だから「これに代わる文書」というのはほかにもいろいろある、こういう書き方からすると、告示の内容としてはだれしも思いますよ。これはきちっと整備なさる必要があると思いますが、いかがですか。
○荒政府委員 お答え申し上げます。 これはまことに先生御指摘のとおり、平成元年のときにおいて、その当時真剣に検討してこのような文章を作成したわけでありますけれども、現在我々の目から見ますと、まさに先生御指摘のように文言上必ずしも十分明確ではないというふうに我々受けとめておりまして、いつとは申し上げられませんけれども、手直しすべき一つの条項であるということで今研究をやっておるところでございます。
○土井委員 これが出たのが平成元年ですから、それ以前がどういう取り扱いだったかということも現行法が施行されて以来問題としてひっかかってくるのですが、しかし平成元年以後、これを告示としてお出しになって、今日までこれで取り扱いを進めてこられた。しかし、今率直にお認めになったとおりですから、できたら今回の改正について、これが施行されるまでの間に作業として急いでやってみたいというふうにお考えになるのが至当であろうと私は思うのですが、外務大臣どうでしょうか。
○荒政府委員 御指摘のとおり、我々もかねて文言の整備を必要だと考えておりましたので、今御指摘がありましたように、この旅券法の改正が承認された暁には所要の政令、省令、告示等を手直しする必要があるわけでございまして、その一環として見直しをやる方向で検討させていただきたいと思います。
○土井委員 追い打ちをかけて言うわけではありませんよ。今回これを審議するために外務省としては関係資料というのをお出しになっているのです。関係資料の中に、外務大臣が特に指定される場合というのはどういう場合であるかということを具体化しているこの告示をお出しになるのが当然ではないかなというふうにも私は考えるので、この点はやはりきちっと配慮して、関係資料としてより十分なるものを常に考えていただくことは言うまでもない外務省にとって大事な国会に対する対応だと私は思うのです。外務大臣、いかがですか。
○渡辺(美)国務大臣 これはどこの委員会でもよく言われることなのです。法律で出してくると、政令の定めるところによりとかなんとかいう話が出てまいりまして、それも合わせて全部出せと。ところが、これはよしあしかありまして、一つは、細かいことまで全部決めてしまうよりも、法律案を出して政府と議員の間でいろいろな応答があって、なるほどここのところはこういうふうに変えた方がいいなと、後から気がつくわけじゃないが、考えてなかったような発言があって、いいアイデアがあることがあるのですね。そういうものを取り入れて政令にするとか、今言ったように外務大臣の定めるところと書いておけば、直さなくても事前に取り入れられる。したがって、今土井委員がおっしゃったようなことについては、事務局から文言等については検討したいと、やはりそれはちゃんと役立っているのですよ。そういう意味でひとつ御了解をいただきたいと存じます。
○土井委員 今の大臣のようなお考えもあると思いますけれども、今回の法案については、出しておられる中身にとって大事な一つの要件なのです。だからその要件について、関係するところは参考の資料としてお出しになるのが本来は大事な問題です。これはやはり必要最小限度の要件だと私は申し上げたいと思いますから、これは御答弁は要りません、外務省の方が首を縦に振ってそのつもりでいらっしゃるという意思表示を先ほどからされていますから、そういうことを受けとめさせていただいて、今後の御努力をひとつ切に要望します。 さて、旅券を申請するのには国籍が必要ですか。
○荒政府委員 お答えを申し上げます。 これは旅券の定義及び機能に係る問題でございますけれども、先生重々御承知かと思いますけれども、旅券といいますのは、釈迦に説法ですが、所持人の国籍及び一定の身分事項を発行権者、日本の場合は外務大臣でございますが、それを証明する公文書ということでございます。したがいまして、国籍の確認ということが旅券発給の一番重要なポイントになっておるわけでございます。
○土井委員 お声が小さいので、ちょっと……。 今、国籍というのが非常に大事な主たる条件であるということをおっしゃいましたが、国籍を持っていない人というのがやはり国内におられることは事実なんです。ところが、その中で、一九八五年までの国籍法自身が無国籍者の発生を防止する規定を欠いておりまして、そして、基本は父系血統主義の立場をとっておりましたために、沖縄において無国籍であるという子供たちがいる事実がございました。私は、随分これは国会でも取り上げたんですが、沖縄における特にこの無国籍の子供の状況は、八五年で国籍法が改正されましてから後、どのようになっているか。これは人数だけで結構ですから、現に無国籍の子供がいるかいないかという意味で、お答えをいただきたいと思います。
○清水(湛)政府委員 お答えいたします。 昭和五十九年の二月に調査した時点では、いわゆる無国籍者、日米関係でございますけれども、二十一名ございました。そのうち六名の者が、この先生御指摘の国籍法改正法附則第五条第一項に基づきまして、日本国籍取得の届け出をいたしております。この六名というのは那覇地方法務局に届け出をした者でございまして、昭和五十九年二月時点で沖縄に居住していた二十一名のうちには、その後、他県に転居したり、あるいは他県において国籍取得の届け出をしたとか、あるいは帰化申請をしたというようなこともあるようでございますけれども、その数は現在把握されていない、こういう状況になっているわけでございます。
○土井委員 帰化申請をするという例はほかにもあろうと思いますが、今、私が特に問題にしてきた例というのは、日本人母から生まれた子供の問題であって、しかも日本国籍が取得できないという立場にある子供の問題なんです。そういう子供たちについて言うと、これは国籍がないことのために、どうですか、旅券を申請した場合に発給されませんか、どうですか。いかがですか。
○麻生委員長 外務省荒領事移住部長。大きな声でお願いします。
○荒政府委員 それでは、お答え申し上げます。 現在の旅券法上の規定、具体的には第三条でございますけれども、そこには戸籍謄本または抄本の提出が義務づけられておりまして、したがいまして、あくまで外務省の立場といたしましては、そういう戸籍謄抄本がなければ我々としては受理できないというのが現状でございます。
○土井委員 戸籍というのは、国籍がなければ戸籍もないということが当然のことながら考えられなければならないわけで、今おっしゃるような点について言うと、特に戸籍がないということのために、緊急を要する、そして、その人が行かなければならないというふうな場合において、旅券の緊急発給を申請した場合どのようなお取り扱いをなさいますか。人道上の取り扱いというのが、これはやはり考えられなければならない側面が十二分にあると私は思いますよ。どうでしょう。
○荒政府委員 確かに、御指摘のようなケースにつきましては大変難しい問題だと思いますけれども、私としましては、そのような問題につきまして、あくまで私ども旅券を出すという立場の官庁としての立場でございますけれども、そのようなケースについて何らかの解決方法を見出すことができないものかどうかという、そういう意味の問題意識は我々持っておるわけでございます。 しかしながら、繰り返しになりますけれども、私どもあくまで旅券法の執行を担当している立場でございますので、現在の旅券法上は、そのような場合には残念ながら発給することはできないということでございます。
○土井委員 発給することができないという現状から、何とかならないかという努力をしていかなければならないというお気持ちのほどはただいまの御答弁でよくうかがえますから、ひとつ外務省から、この問題については法務省の取り扱い方が実は問題になってくるだろうと思いますから、法務省との間でその問題について相談をして、どういうふうにしていくことがいいかということについての努力を詰めていただけませんか、どうですか。
○荒政府委員 きょう御指摘のようなケースにつきましては、従来からも法務省の御意見を伺っておりましたし、今後とも法務省といろいろ研究をさせていただきたいと思っております。
○土井委員 これは放置しておくことはできないという問題であろうと思います。したがって、これは本人の意思によって無国籍になったわけじゃないわけですから、何らかのこれに対しての措置ということ、考えていくという御答弁でもございましたから、きょうはこの点でおきます。やはりこういう問題について、引き続きいろいろな場面で続行して質問を進めていきたいと思いますから。 ありがとうございました。
○麻生委員長 遠藤乙彦君。
○遠藤(乙)委員 旅券法の改正に関連しまして、何点か質問をさせていただきます。 まず、この法案の提案理由として、平成四年十一月に機械読み取り旅券を導入することに伴い、申請手続の簡素化と手数料の改定を行うとしておりますけれども、この機械読み取り旅券の導入と手数料の値上げと一体どういう関係にあるのか、御説明をお願いします。
○荒政府委員 お答え申し上げます。 非常に結論的に申しますと、また、論理的な問題としまして、今回の手数料の改定は機械読み取り旅券のためのものではないということでございます。手数料の改定につきましては、過去十三年間据え置かれたままでございまして、その間の経済事情の変化等を考慮しまして、今回改定をお願いするということでございます。MRPの方につきましては、過去五年以来開発研究を進めておりまして、ようやく本年の十一月に導入可能になったということで、時期的に合致したということでございます。
○遠藤(乙)委員 今の機械読み取り旅券を導入している国と、その国の旅券発給手数料、それから有効期間について、御説明をお願いします。
○荒政府委員 現在機械読み取り旅券を導入している国は、順次申し上げますけれども、アメリカ、カナダ、ドイツ、英国、フィンランド、スウェーデン、豪州、シンガポール、タイ、それからアフリカの象牙海岸と、十カ国でございます。また、一部導入、すなわち外交旅券の場合ですが、外交旅券についてのみ導入している国としましてはバハレーンとチェコスロバキアの二カ国ということでございます。 それから、手数料、有効期間についてもあわせて御説明申し上げますけれども、主な国だけ申し上げますが、アメリカにつきましては十八歳以上は十年間、十八歳未満は五年間、手数料につきましては、現在レートが動いておりますけれども大まかな計算として、十年間の方が約八千五百円程度、五年間の方は五千八百円ぐらいになっております。それから、カナダは五年間の旅券制度でございまして、これは三千八百八十五円ということでございます。それから、ドイツでございますが、ドイツは二十六歳以上、以下と分けておりまして、二十六歳以上は十年間でございます。これは非常に安い値段になっておりまして、二千六百円程度。それから、二十六歳以下、五年間の方は、千三百円程度になっております。それから、イギリスでございますが、これは十六歳を基準に上下に分けておりまして、十六歳以上、十年間がおおむね三千八百円程度、以下の方が、五年間でございますが、これは不思議なことに同額の手数料になっております。それから一つ、豪州でございますけれども、オーストラリアは十八歳で切っておりまして、それ以上、十年間で、これは一万一千六百円ぐらいになっております。十八歳以下については今ちょっと調べがついておりませんが、調査中でございます。 主なところだけ、とりあえず申し上げました。
○遠藤(乙)委員 今、各国の比較を言っていただきましたが、米国のケース、日本と比較しまして、通常の旅券、有効期間十年、発給手数料が当方の調べでは五十五ドルということでございまして、今レートが変わりますけれども七、八千円ということになると思います。それに比べて我が国の旅券の有効期間が五年で今度一万円になるわけですけれども、端的に言って、日米間を比較した場合有効期間が倍のものがアメリカでは二割は安いということになるわけですが、この差はどう考えられますか。
○荒政府委員 お答えの最初の部分としまして、若干釈迦に説法でございますけれども、手数料というものの性格がございまして、これは必ずしもいわゆる商品のコストそのものではございません。したがいまして、歴史的にも各国はそれぞれの国情等々を勘案してそれぞれ決めておりまして、国際的にかなりばらつきがございます。 我が国の場合はどうしてそういうコストで出しているかといいますと、簡単に申しますと直接的な行政経費、これが一つ。それから、我々効用分と呼んでおるわけですが、旅券を持っていることによりまして将来何らかの便宜を受けるという期待感に見合う効用分でございますが、これをも若干加味して決めておるということでございまして、アメリカとの比較がそもそも単純にはいかないということのほか、我が国の旅券の手数料というのは妥当なものだと我々としては考えておる次第でございます。
○遠藤(乙)委員 この機械読み取り旅券への切りかえは、有効期間の到来したものから随時切りかえていくという説明を受けておりますけれども、旅券の所持人から、MRPに切りかえたい、こういった希望が出された場合、外務省としてはこれに応じる意向ですか。
○荒政府委員 前にも御説明しましたように、機械読み取り旅券につきましては本年の十一月一日から導入を一応内定しております。したがいまして、十一月一日以降順次申請に応じて発給していくわけでございます。 したがって、通常ですと五年でもって全部切りかえるわけでございますが、御指摘のように、その間現在所持している旅券の有効期間が残っていてもぜひ切りかえたいというケースにつきましては、我々弾力的にできるように現在鋭意研究中でございます。
○遠藤(乙)委員 続いて、国際法上旅券に準じた扱いになっている船員手帳の問題につきましてお伺いしたいと思います。 この船員手帳は船員法で定められたものでございまして、いわば船員の公式の身分証明書であるわけですけれども、これが外国航路の寄港地上陸等に際しては事実上パスポートにかわる身分資料として広く認められている、このように理解してよろしいでしょうか。
○荒政府委員 船員手帳に関しましては、ただいま先生御自身のお話がありましたように、外国における寄港地上陸の際、船員手帳の提示をもって限られた期間及び地域への臨時の上陸が許されるという国際慣行ができておるという意味で、そのように御理解されて結構だと思います。
○遠藤(乙)委員 我が国船員法の規定に基づいて日本人に船員手帳が発給される場合、身分確認についてはどういう資料といいますか書類が必要とされているのか、この点につきましてお答え願います。
○鈴木説明員 お答え申し上げます。 日本人に船員手帳が発給される場合におきまして、その身分を確認する方法といたしましては、船員法に基づく船員法施行規則の第二十九条第一項第二号及び第三号の規定によりまして、まず第一に戸籍の謄本、抄本もしくは記載事項証明書または住民基本台帳法に基づきますところの住民票の写しでありまして、氏名、本籍及び生年月日を証明することができるもの、それから第二に本人の写真、この二点が必要でございます。
○遠藤(乙)委員 今の御説明で、船員手帳を発給する場合、身分確認については住民票の写しでも司という御説明がありました。他方、旅券の発給においては戸籍抄本の提出が原則となっているわけでございまして、なぜ船員手帳では身分確認の方法として住民票の写しでよいということになっているのか、この点につきましてお答え願います。
○鈴木説明員 船員手帳を発給いたします目的といたしましては幾つか実はあるわけでございまして、第一番目には船員手帳にその船員らの雇い入れ契約の内容でございますとか、その船員に与えた休日でございますとか、さらには有給休暇など、そのような付与実績を記載いたしましてそれを公に証明する、これを公証と申しておりますが、公証することによりまして船員の労働保護を図るということがまず第一でございます。それから、先ほど先生の方から御指摘がございましたように、外国におきます一時的な上陸の際に身分を証明する資料として使用する、これが第二番目でございます。そのほか、その船員が予備船員といたしまして勤務した期間でございますとかあるいは船員保険の資格取得などの概要、失業保険の支給実績、船員の健康証明、さらには船員としてのもろもろの履歴などの関係を記載いたしまして、船員法などの適用関係を公証する、このような幅広い目的を持っております。 このような非常に広い目的を持ちまして発給する船員手帳を交付する際の身分の確認方法といたしまして、住民基本台帳法の規定に基づいて行政機関が公証した住民票の写しによって氏名とか本籍あるいは生年月日を確認することで一応十分ではなかろうかということで考えまして、実はこれは昭和二十七年ごろからでございますけれども、このような措置でずっと運用させていただいてきておるわけでございます。これまでこのような措置によりまして特段の問題が生じたというようなことは私どもは承知しておりません。
○遠藤(乙)委員 もう一点お伺いしたいのですが、戸籍を持たないにもかかわらず住民票が存在する者がこれはあり得るわけです。こういった者に対して船員手帳が交付されたことがあると聞いておりますが、これが事実かどうか。また、その場合、その者の国籍はどのようにして確認をしておるのか、これにつきましてお伺いしたいと思います。
○鈴木説明員 事柄が住民基本台帳法の解釈あるいは運用にかかわることでございますので、この住民基本台帳法、私どもの所管ではないものですから私からお答えするのはあるいはちょっと適切ではない面があるかもしれませんけれども、その点はちょっとお許しいただきたいと思いますが、住民基本台帳法の第三十九条を見ますと、この法律は、日本国籍を有しない者については適用しない、このように規定されているところでございまして、また住民基本台帳法の第七条第五号の規定によりまして、住民票には戸籍の表示を記載することになっております。 したがって、私ども理解しておるところでは、住民票を有する者である以上は戸籍について確認できない者は存在しないのではなかろうか、また必ず日本国籍を有する者であるということになるんではないか、このように理解しておりまして、いずれにいたしましても、現実に戸籍を持たないにもかかわらず住民票を有する者に対しまして、船員手帳を交付した実績とかそういうものについては、私どもちょっと調べましたけれども、とりあえずそのような例はないということでございます。
○遠藤(乙)委員 今の点なんですが、戸籍を持たないけれども住民票を持つというケースですね。例えば、離婚手続がまだ済んでない女性ど別の男性の間にできた子供ですね。そういった場合に、戸籍はつくらないというケースも現実にあるわけです。そういった人が、何といいますか、住民票を取得して、それでこの船員手帳を申請するということもあり得るわけでして、こういった点についての対応といいますか、どうなっているか、その点につきましてお聞きしたいと思います。
○鈴木説明員 ちょっと私どもの方のそこら辺の勉強が不十分であったかとは思いますけれども、いずれにしても、そのようなことにつきまして、問題があれば私どもの方に問い合わせがあるかと思うのでございますけれども、現実にそのような船員手帳を発給しております出先機関等から私どもの方にそのような事例が、照会がないものですから、まだ十分その点詰めたお答えをすることはできない状況にございますけれども、その点、これからちょっと勉強してみたいと思っております。
○遠藤(乙)委員 この問題は理論的な問題であるとともに現実にもあり得る話であって、ちょっと制度上不備があるんじゃないかと考えますので、その点につきまして、今御答弁のようにぜひもう少し詰めてしっかりした対応を考えていただければと思います。この点だけ要望しておきます。 これに関連をしまして、船員手帳がそもそも渡航文書ではないということは、別の目的を持ってつくられたということは理解できるわけですけれども、ただ、現実にこの船員手帳が旅券と同等の効果を持つ文書として通用するということから考えますと、旅券には戸籍抄本の写しか必要である、他方船員手帳の方は住民票の写していい。こういう同一の効果を持つ文書に違った要件があるということはちょっとおかしいのではないかと思うのですが、この点とう考えますか。
○鈴木説明員 先ほど来御説明申し上げておりますけれども、実は、船員手帳が持っております旅券的な機能というのは、外国の寄港地におきまして一時的な上陸を行う場合に限られるのが通例でございまして、また一方では船員手帳を発給する段階におきまして、実はその方がまさに船員として雇用関係がきちんとできたのかどうかということを証明するような資料もあわせて提出していただくことによって初めて船員手帳を発給する、こういうことにしております。 そのほかに、実は、船員手帳をそうやっていただいた船員の方が船員手帳の受給後に初めて外国の港に寄港する、こういう段階に至りますと、実はその段階では既にその船員さんの雇い入れ契約の内容でございますとか、それから乗船するに当たりまして必ず受けなければならない健康検査の結果でございますとか、そういったような事柄などが、これは本人のまさに履歴にかかわるような事柄と言ってよろしいかと思いますけれども、こういう事柄ももう既に記入される、こういう状況になっておるわけでございます。 したがって、こういうことも間接的には身分確認の材料にもなるのではないかというふうに考えておりますので、以上申し上げましたことを総合的に勘案いたしますと、あえて身分確認の根拠を戸籍謄本とか戸籍抄本に限定する、このような必要はないのではなかろうかというふうに考えているところでございます。
○遠藤(乙)委員 この点に関連しまして、外務省としてはどういう見解をとられておりますか。
○荒政府委員 お答え申し上げます。 私どもとしましては、正直のところ、船員手帳について実務の方をつまびらかにしませんので、一般論として申し上げるわけでございますが、一つ、私ども旅券発給官庁としての立場から見ますと、あくまで旅券が普通の渡航文書でございまして、旅券法の中で船員手帳が出てくるのは一先ほどの質疑の中でもお答えしましたように、国籍証明書とかそれにかわる文書でもって緊急に本国に帰るような場合、非常に補助的なものというふうに位置づけられておるわけでございます。 先生が先ほど来言っておられる旅券と船員手帳発給、それぞれの要件の違いにつきましては、私は専門ではございませんけれども、それぞれ違った国際的な慣行の中に生まれてきたものというふうに一応受けとめておる次第でございます。
○遠藤(乙)委員 御説明の趣旨はある程度理解はできたわけですが、もちろん、何もこの要件を厳しくすればいいというものでもないわけで、国民サービスの点から見ればこの手続は簡素化した方がいいことは当然だと思いますけれども、他方、私の指摘したいのは、同じような効果を持つ文書が発給要件が違うということはちょっと、もう少し関係官庁間でよく詰めた方がいいんじゃないかということでございまして、この点につきまして、引き続き外務省、運輸省間でこの点は検討をいただきたいと思っております。 続いて領事サービス一般についての質問なんですが、今海外渡航一千万人時代と言われまして、国民が外務省と接するのは在外公館が一番実は多いわけでございまして、そういった意味で、外務省、最近非常に風当たりが何かと強いようですけれども、外務省に対する理解、支持というものを国民的なものをから得ていくためには、ぜひこういった領事サービスを改善することが一番手っ取り早いし重要ではないかと感ずるわけでございます。 特に、今言ったように、一千万人が渡航して、かなりの部分が領事窓口と接する、また海外に行った場合には非常に精神的に心細い、そういったときにちょっとしたサービスを受けた場合にも大変感激をするということで、いわばサービスの限界効用が高いということになるわけですから、そういった意味で、この領事窓口のサービス改善ということは大変外務省にとっても重要なポイントであろうと私は感ずるわけでございます。 そういった意味で、この提案趣旨にも、旅券法改正を踏まえ、海外における窓口サービスについての対応を変えたい、よくしたいということも書かれているようでございますので、その点につきましての外務省の今後の取り組みにつきまして御説明をお願いしたいと思います。
○荒政府委員 先生御指摘のとおり、渡航者が一千万を超えるあるいは海外の在留者が非常にふえておるということで、また不幸にしていろいろ紛争あるいはそれに基づく邦人の事故が続いておるということで、外務省、もっとしっかりせいという声も我々聞きまして、反省しておるということでございますが、我々としましては、海外における邦人の皆様に対する領事サービス、これの重要性をつとに認識しておるつもりでございまして、言うなれば、頼りになる外務省という方向に持っていくべくいろいろな施策をやっておるところでございます。 幾つかの柱がございますけれども、まず安全の問題でございますけれども、これにつきましては、先ほど御説明しましたように、現地における大使館と邦人社会との緊密な連絡、協力体制の確立。 それからもう一つは、これは主として国内になりますけれども、海外に行かれる場合のいろいろなアドバイスあるいは注意事項というものを、ごらんのようないろいろなパンフレットその他の刊行物あるいはラジオ、テレビを通じて鋭意啓発に努めておるということでございます。 それから三番目は、より具体的でございますけれども、現在海外でいろいろな事故等の場合で大使館が協力あるいはお手伝いをするケースが年間一万件を超えておるという事態でございます。これはいろいろなカテゴリーのケースがございまして、これについていろいろ御相談に乗ったりアドバイスをしたりいろいろお手伝いをするというためにはどうしても人と手間がかかるということで、現在領事関係要員の増強にも努力しておるということでございます。
○遠藤(乙)委員 在外公館の機能強化というごとで、平成四年度の外務省予算の重点事項の中にも、在外公館施設の強化、危機管理体制の強化ということが挙がっておりまして、これは当然のことだと思うわけでございます。 他方、こういった予算的な手当てとともに、もう一つ指摘したいのは、サービス精神といいますか、そこら辺が非常に大事じゃないかと私は感じているわけなんです。よくお役所仕事という言葉がありまして、感じが悪いとか不親切であるとか遅いとか冷たい、そういったことの代名詞になっているわけですけれども、こういったことを国民の立場からはぜひ改善してもらいたい。特に、海外渡航一千万人時代になっているわけですから、ぜひ外務省、在外公館としてもこの点を改善してほしいという要望は強く出てきております。特に、外務省の場合非常に大所高所の議論はよくされる。ポスト冷戦時代の世界秩序をどうするか、こういった問題はもちろん大事なんですけれども、どうも国民に対するサービス精神が薄い、窓口サービスでも対応が行き届かないといった点もよく指摘されるわけでして、ぜひこの点、改善をいただきたいと思っております。 こういった住民サービスの改善という点では、むしろ地方自治体の方が非常にマインドがあって、住民と接触するチャンスの非常に多い地方自治体の方がむしろこういうサービス精神は最近強くあるようでございます。例えば、ある地方公共団体が、すぐやる課とか何でもやる課といったセクションを導入して、これは大変好評を受けたということを承知をしております。ぜひ在外公館等におかれましても、そういう何でもやる課あるいはすぐやる課といった精神を学んで、精神の点でもう少ししっかりとしたサービスの体制をつくってほしい、このように感じております。 この点につきまして、むしろ大臣に一言お聞きしたいと思っております。
○渡辺(美)国務大臣 私は、常日ごろ、就任早々、外務省と国民との間というものは接触点が非常に少ないので、理解が得られない点が多いから、あらゆる機会をとらえて外務省のPRをしたりサービスをできるだけやりなさいという指導方針のもとで今やっておる最中でございます。
○遠藤(乙)委員 ぜひ大臣の決意のもとに、外務省もサービス強化を進めていただきたいと希望しておきます。 それからもう一点、最近海外の邦人が被害者となるケースが非常にふえている。特に、一月に入ってからまだ三月にも満たないのに八件に及ぶ殺人事件が出ているわけでございまして、こういった方々や、あるいは御遺族ないしは関係者に対しては心からお悔やみを申し上げたいと思うわけでございますけれども、こういった最近急速に邦人を巻き込む殺傷事件がふえておるというこの傾向につきまして、その背景あるいは原因、こういったものをどう考えておられるか、外務省の見解をお聞きしたいと思います。
○荒政府委員 委員御指摘のように、ことしに入ってから既に八件の痛ましい事故が起こりまして、九人の犠牲者が出ておられるわけでございます。我々もその点、事態を大変深刻に受けとめまして、まさに御指摘のようにどういう原因で起こったかという分析を急いでおる、また、そのための情報を収集しているところでございます。したがって、現在のところ、まだ個々のケースにつきましては、これが原因であるといった分析にまで至っておりません。先方の関係国の政府あるいはお安当局に資料提供をお願いしていますけれども、まだその段階には至っておりません。 他方、これは一般的なお答えになりますけれども、御承知のように地域によって治安状況がより悪化している地域とかいろいろ出てきております。特に、御承知のように南米諸国におきましてはテロ誘拐というのが非常に多くなっておりまして、邦人の方が犠牲になったケースではそういうケースが非常に多いのではないか。他方、欧米諸国における事故もふえておるわけでございますが、これにつきましてはいろいろなケースがございまして一概には申せません。 ただ、一般的に言える、あくまで一般論でございますけれども、よく言われることは、日本人がどうしても目立つような存在になったということもあるいは一因かと思っておりますが、今後さらに分析を続けたいと思っております。
○遠藤(乙)委員 時間が参りましたので最後に一点。 今のこの在外邦人の安全確保あるいはさらに領事サービスの改善、こういったことは国民全体の強い願望であるわけでございまして、そのために外務省が体制強化を含めて取り組む場合には我々政治の立場からも全面的な支援を惜しまないということだろうと思います。超党派的にこれはコンセンサスがある話だと思います。そういったことで、我々も全力を挙げてそういう在外公館の機能強化に支援をしていきたいと思うわけですが、ぜひ外務省としましてもその心を受けてサービス精神の強化、邦人の安全確保にさらに一段の努力券取り組まれることを希望いたしまして、私の質問とさせていただきます。 以上で終わります。
○麻生委員長 古堅実吉君。
○古堅委員 旅券法の一部改正について質問いたします。 旅券の取得手続の簡素化の問題は広い国民の層から強い要望が続いています。今回の一部改正はそのために役立つという内容になっている、そういう面があると思います。 最初にお尋ねしたいのは、現在旅券取得のための手続を開始して、その発給までどのくらいの時間的期間がかかるか、今回の法の改正や、とらんとしている一連の簡素化に向けての措置、そういうことなどを通じてどれだけその期間が短くなるとかいう、取得手続を簡素化してほしいという側からの要望にこたえるものとなるのか、そこらをちょっと簡単にお願いします。
○荒政府委員 お答え申し上げます。 私どもとしましても旅券の発給というのは行政サービスの一つであるということをしっかり認識しておるつもりでございまして、これまで累次簡素化をやってきたわけでございます。 今回の戸籍謄抄本の省略、さらには十一月一日から導入予定の機械読み取り旅券によりまして、現在旅券取得には、平均値でございますけれども、日曜祭日を除きましておおむね八日から十日かかるということでございます。非常にかかり過ぎるんじゃないかということを私どもよく言われておるわけでございますけれども、先般来お話に出ております、我が国におきましては例えば諸外国におけるような国家的な身分証明書の制度がないとかいろいろ我が国特殊事情がございまして、申請人との同一性を確認するために非常に時間がかかるし、また慎重を期しているということでございます。 しかしながら、今回の改正それから機械読み取り旅券導入によりまして、きょうのところは何日短縮とまでは申し上げかねるのでございますけれども、大まかな感じとして少なくとも一両日程度は短縮できるであろうというふうに考えております。
○古堅委員 一般旅券の手数料が現在八千円ですよね、これが一万円に引き上げられます。この八千円の内訳、現在国と県、その受け取り分ですね、どうなのか。新たに引き上げられる一万円についてどうなのか。簡単に説明してください。
○荒政府委員 お尋ねの件でございますけれども、現在八千円でございますけれども、これは、委員御承知のとおり、平成元年の旅券法改正によりまして、国庫歳入分と都道府県の収入分に分ける分納制を導入しまして、それによって、現在は八千円の場合、国庫歳入分が六千五百円、都道府県分が千五百円、こうなっております。 それから、今回一万円への引き上げがお認めいただける場合には、国庫歳入の方は八千円、都道府県の方は二千円、こうなるわけでございます。 なお、コスト的な面につきましては、現在我々の計算によりますと八千円よりかなり上回っておりまして、コスト計算は国にかかる部分と都道府県にかかる場合がございますが、双方合わせましておおむね一万円というところに至っているということで、一万円の値上げをお願いしたということでございます。
○古堅委員 今、最後の方に御説明がありました一般旅券についてがかる費用ですね。現在八千円の中で、国の六千五百円、都道府県の千五百円。それでは赤字になるということですか。そこらあたり、もう少し数字的に皆さんお持ちでしたらご説明ください。
○荒政府委員 具体的に申し上げます。 まず、現在国の歳入にかかわる分でございまして、それの経費的なものでございますが、コストは現在七千八百円くらい、我々の計算ではなっております。したがいまして、六千円に対して七千八百円くらいでございますから、そういう意味では経費の方が上回っておる。 他方、都道府県の収入にかかわる分につきましては、これは現在千五百円分でございますが、コスト的な方の計算は、平均でございますけれども、都道府県によってばらつきが若干ございますが、平均しますとおおむね千九百五十円くらいというのが我々の計算でございまして、そういう意味ではコストの方が現在上回っておるという状況にございます。
○古堅委員 現在の説明によりますと、一冊の発給分で、国としては千三百円の赤字、都道府県としては約四百五十円、合わせて千七百五十円の赤字ということになろうかと思いますね。 若干、旅券法と関連しまして、他のことについてお尋ねしたいと思います。 昨年十月十四日に、日ソ外相間の往復書簡が署名、交換されました。いわゆる北方四島との人的交流の問題にかかわることなのですが、どういう点が新しく合意されたものであるか、簡単に説明してください。
○津守政府委員 お答えいたします。 昨年十月、御指摘のとおり、北方四島住民との交流につきまして、旅券・査証なしで渡航できる新たな枠組みがつくられた次第でございます。その後、ソ連邦からロシア連邦への転換を初めとして、先方の国内事情が必ずしも安定しなかったこともありまして、この枠組みに従った相互交流は今日に至るまで実現しておりません。現在、四月より交流を開始することで外交当局間で準備作業を続けている次第でございます。
○古堅委員 実際には行われていないとかいうことも説明の内容かどば思うのですが、このいわゆる北方四島への渡航の問題についての取り扱い上で何か新しいものが、この日ソの、旧ソ連邦との関係で書簡で交換された、その中身で新しいものがあったんじゃないですか。そこらあたり簡単に。
○津守政府委員 新しい合意の内容としましては、旅券・査証なくして、そのかわりに旅行者の身分証明書とそれから相手国の大使館で渡航してよいという確認を得るための挿入紙と呼んでいるわけでございますが、こういう二つの文書を持参すれば旅券・査証なくして渡航できる、こういう点で新しい合意ができたわけでございます。 ただし、これは既に北方墓参の際に同じような取り扱いが合意されておりますので、全く新しい合意、そういう意味では全く新しい取り扱いということではないということでございます。
○古堅委員 それはだれでもできるのですか。
○津守政府委員 我が方から渡航できる者を三つのカテゴリー、範疇に分けておりまして、一つは、北方領土に居住していた音あるいはこれに準ずる者。これは二世、三世を含みます。二番目は、北方領土返還要求運動の関係者。三番目は、報道関係者ということで、総務庁長官及び外務大臣が適当と認め、かつ総務庁長官及び外務大臣が定める手続に従って団体で実施される。これがこの渡航の枠組みの特徴でございます。
○古堅委員 もともとそこに住んでおった人とか報道関係とかいう概念はわかりやすいのですけれども、北方領土問題にかかわってきたとかいう、そういう人たちというのは具体的にどういう人たちを考えておるのですか。
○津守政府委員 お答えいたします。 北方領土返還要求運動関係者として総務庁の告示で六つの場合を規定しております。 読み上げますと、まず「北方領土問題対策協会会長が都道府県知事の推薦を得て委嘱している当該都道府県の推進委員」。二番目は「北方領土返還要求運動に係る都道府県民会議及びその構成団体に所属する者で、当該都道府県民会議から推薦された者」。三番目に「北方領土返還要求運動連絡協議会の構成団体に所属する者で、当該協議会から推薦された者」。その次は「北方領土問題対策協会、社団法人千島歯舞諸島居住者連盟及び社団法人北方領土復帰期成同盟の役職員」。その次が「国会議員及び地方公共団体の議会の議員」。最後に「国及び地方公共団体の職員」でございます。
○古堅委員 今の措置に基づく実際の交流、それが実施されるのはいつごろからの予定ですか。
○津守政府委員 ことしに入りまして渡辺外務大臣がロシアを訪問し、さらに先月の十、十一日に第一回の日ロ間の平和条約作業グループが開かれましたが、その際の話で四月からこれを実施したいという合意がございます。今その四月からの合意実現に向けて鋭意ロシア側と話を進めている次第でございます。
○古堅委員 最後に四月十八日の日ソ共同声明の四項でソ連側はこう言っておるのですね。「日本国民によるこれらの諸島訪問の簡素化された無査証の枠組みの設定こういうくだりがございます。そういう提案がなされておるのですけれども、実際には、先ほど説明がありましたように、外務省は大体三つの種類に基づく訪問の方法を考えているように先ほどの説明では思われます。これは今までもいわゆる北方領土訪問にかかわる問題で、国会から行きたいと言ってもいろいろな何か外務省がどう考えておるらしいなとかいうふうなことが聞こえたり、いろいろあったように思うのですよ。思惑があって、外務省としてこの問題についても何か狭めて考えているとか、そういう向きがあるのですか。
○渡辺(美)国務大臣 決して狭めて考えているとかそういうことはないのですよ。実際は、ざっくばらんに申し上げますと、ゴルバチョフ大統領が来たときはああいうような声明を出したのですが、結局、下におりてない。私はこの間もフヨードロフ知事に会ったときに、あなた、今まで反対しているそうじゃないか、要するにあれは中央で決めたので我々は知らない。パイプが詰まっているのだ、上と下のパイプが。そこで、そういうことを言っておるという話を私は御いたが、それはおかしいじゃないかと言ったら、いや、これは今度中央で決まったものですから、やるようにしますと言っていました。ですから、我々といたしましては、大量の人を向こうへ派遣するといったって泊まる場所もないし、困るわけですよ。向こうから人が来るとしてもどこへ泊めるのか、費用はだれが持つのかという問題がいろいろございまして、行くとすれば船の中に泊まってもらうほかないのじゃないか、こっちから行く人は。ホテルがあるわけじゃないし、百人も二百人も連れていったって泊まる場所がないのですから。 そういう現実的な問題もあって、なるべく向こうの島民と、それから引き揚げてきた、一遍行ってみたい、死ぬ前に行きたい行きたい、墓参したいというような人もありますから、そういうような人については、そして二十人になるか三十人になるかわからぬが、まず実現しようじゃないかということで、今まで実際は向こうの下の方が反対しておったのです。だから、それは今説得をしてちゃんと行けるようにしようというところまで来たわけですから、それらの点については決して外務省が限定的に、閉鎖的に、恣意的にやっているという筋合いのものじゃないのです。だから、素直に御解釈をいただきたいと存じます。
○古堅委員 それはわかりました。結構な話です。狭めるなどとかいうふうな立場じゃなしに、大いにそういうことも広げてほしいというふうに思いますし、最後に、そのことが余り知らされてないのじゃないかという気がするのですが、広く全国的にそのことに関して広めるとかいうふうな努力をいろいろな形でなされておりますか。なされてなければ、今回の措置に伴うものを知らせるとか、そういう何か努力をするおつもりもありますか。
○渡辺(美)国務大臣 実はこういうこともここでは本当は私は言いたくなかったのです、実際のところは。言いたくなかったのですが、要するに、ロシアにおいてはクーデターがあったり、実際は大混乱をしておるわけですよ。だから、日本と違って、上で決めたから下もそのまますっといくとか、下で決めたから上にすっといくというような状況になかなかなっていない。援助物資の問題その他においても似たような話がありまして、そういうことは言いたくないから余り宣伝もしたくないし、新聞なども書いてもらいたくない、正直なところは。しかしながら、外務委員会のことでもございますので、オフレコというわけにもいきませんが、本当のことをお話をして御理解を得ようということでやったのであって、まず一遍やってみましてから、それからどういうふうにするかということはやりながら考えていくというほかないのじゃないかと思います、相手のあることでございますから。
○古堅委員 ちょうど時間ですから、終わります。
○麻生委員長 和田一仁君。
○和田(一)委員 きょう質問の最後になりまして、先ほど来それぞれ委員からの質問を伺っておりまして、私お聞きしたいなと思うことはほとんど出尽くしたような気がいたします。それで、私伺いながら感じたことをまた全然別の角度からお伺いしますので、よろしく御答弁の方をお願いしたいと思います。 初めに、重複を避けますので、一番先に伺いたいのは、旅券というのは一体何でしょうか、どういう性格、意味合いを持っているか。
○荒政府委員 お答え申し上げます。 旅券につきましては、我が国の国内法上いわゆる定義というものはございません。しかしながら、国際的に確立した考え方がございまして、それを申し上げますと、旅券とはその所持人が自国民であることを発行国政府が国際的に証明する公文書である、これが一つ。それからもう一つの機能でございますが、それとあわせまして、その国民を通路故障なく旅行させ必要な場合に保護と扶助を与えるよう渡航先国の関係方面に要請するという意味での公文書でございます。
○和田(一)委員 今、年間一千百万人の規模の海外渡航者があるわけですね。そして、その人たち一人一人がパスポート、旅券を持たなければいけないし、必ず持参している、こういうことだと思います。 それで、今の御説明を伺いますと、これは我が国の国民であるということを証明する渡辺外務大臣の公文書であるということが一つ。それから、渡航先でどうぞこの人はこういう人であるからよろしく頼む、正確には「本旅券の所持人を通路故障なく旅行させ、かつ、同人に必要な保護、扶助を与えられるよう、関係の諸官に要請する。」という一種の外交文書である、こういうふうに承りました。 この一千百万に及ぶ海外渡航者が、こういった先ほどからお話が出ている船員手帳とはちょっと性格が違う、これは外務大臣が発行するそういう外交的な意味を持った文書だということを一千百万の渡航者お一人お一人が自覚して持っていっているような交付の仕方をしているかどうか、ちょっと伺いたいのです。
○荒政府委員 お尋ねの点でございますけれども、これは統計的あるいは何かしっかりした証拠があるお答えにならないかもしれませんけれども、一つの面としましては、残念ながら紛失、盗難等々いろいろふえておる、そのことと自覚、認識の問題というのはやはりかなりの相関関係があるのではないかという感じはいたします。そういうおっしゃるとおりの問題はあるのではないかというのが私どもの感じでございます。
○和田(一)委員 こういう、外国に行って非常に自分のために必要不可欠のものを最近は、さっきからのお話を伺っていると紛失したり盗難に遭ったりあるいはどこか打っちゃったというようなケースで再発行を要請してくる人が多いということは、私はやはりもう少し発券するときに、これを発給するときに、ほかのものを与えるのではないようにきちっとその重要性を認識させるべきだと思うのですね。 ところがこれが、さっきの質問にもありましたが、日本のパスポートが一枚幾らという値段で売買されているというようなさっき御質問もありました。さっきの御質問では二万ドルというようなお話でしたか、ちょっとびっくりいたしました。これは日本で売買されているのか海外でされているのかは知りませんけれども、出ていって、紛失をしちゃったといって日本から持っていった自分のパスポートを売れる、売ればこういう格好で売れるんだというようなことになればこれは大変なことで、偽造や変造やあるいは不法に海外へ行きたいという人の手助けをしているようなそういうことになるわけで、まことにこれは何とも防止しなきゃならぬ、私はそう思うのですが、今度の旅券の新しい発券方法でそういうことは少しでも防止の方向に行くとお考えでしょうかどうでしょうか。
○荒政府委員 委員御指摘のとおり紛失あるいは盗難の旅券が非常にふえておりまして、私どもとしても、これは非常に重要な公文書でございまして、それの信頼が減少するということでもございますので、厳正な管理に心がけておるわけでございますが、遺憾ながらそういうケースはふえておるということでございます。 そういうことも考えまして、過去五年以来新しい旅券の冊子ということを開発し、本年の十一月に導入するということでございまして、そしてその機械読み取り旅券におきましては、身分事項のページを全面保護シートと申しますけれどもそれで覆うとか、写真と署名欄がございますがそれを転写で処理する、張りつけ七やなくて転写してしまうというようないろいろな偽造、変造、不正使用防止の措置を講じておりまして、これによってそのような遺憾なケースが減ることを我々は期待し、かつ確信しておるわけでございます。
○和田(一)委員 せっかく新しいスタイルに変えるのですから、ぜひそういう方向で役立つような工夫をさらにお願いしたいと思うんですね。 いま一つお伺いしますが、この旅券の発給を請求してきた場合に、何人にもこれは発券しなければならない。幾らか条件があると思いますよね、それは国籍とか何かきちっとしたものが。これは憲法二十二条との関係はどうなんでしょうか。
○荒政府委員 ただいま憲法二十二条との関係をお尋ねでございますけれども、憲法二十二条の第二項におきまして、「何人も、外国に移住し、又は国籍を離脱する自由を侵されない。」ということがございまして、一応最高裁の判例上はこの第二項に言う「移住しこという言葉を渡航の自由も含むというふうに解しておるというふうに我々は伺っております。
○和田(一)委員 最近、出先へ行ってパスポートをそうやって悪用してしまうという人だけでなく、日本で、出入りが非常に楽になりスピーディーになったために犯罪等の関係を私は非常に考えているのですけれども、麻薬とかあるいは銃、ピストル等、こういうものを密輸したりしている、そういう犯罪歴のある人であっても、これはこの二十二条の、ために旅券の申請がもしあったら発給しなきゃいけないのかどうか、これをちょっと伺いたい。
○荒政府委員 大変難しい御質問でございますけれども、これは委員重々御承知のことでございますけれども、渡航の自由も他の基本的人権と同じく公共の福祉のために合理的な制限に服すことがあるということでございまして、その合理的な制限として罰則というのが決めてあるわけでございます。 それで、ただいまいろいろ犯罪者のケースをお尋ねでございますけれども、これにつきましては旅券法の十三条において旅券の発給をしないことができるケースを第一号から五号まで具体的に定めておるわけでございます。したがいまして私どもとしては、十三条に規定する発給等の制限は先ほど申し上げました公共の福祉のために課されることのある合理的な制限であるということで、そういう十三条に該当するようなケースにつきましては発給申請を受理しない、あるいは発給を拒否するということをやっておるわけでございます。
○和田(一)委員 大臣、今答弁をお聞きになっておられたと思うのですが、私は、これだけたくさんの人が出入りするようになって、それに伴って犯罪も非常にふえてきている。そういう中で大臣自身がされるこの旅券の発給について、やはり外国へ行って悪いことをしそうな傾向のある人、つまり国内において犯罪歴がいっぱいある、そしてそれも凶悪な犯罪歴であるとか密貿易をやっていたとか麻薬に関係していたとか、あるいはピストルや何かそういうものを不法に所持していたとか、こういうことが明らかになっているような人を制約していく必要はもうあるんじゃないかと私は思うんですね。 憲法は公共の福祉に反しない限りの前提において移動の自由を認めているわけなんですから、そういう意味で明らかに国の内外の公共の福祉に反するような者に対して余り自由に出入りさせない方がいいという思いがあるのですが、大臣、これはどうでしょう、こういう考えはいけませんか。
○荒政府委員 ただいま委員御指摘のようなケースにつきましては、具体的に申請がある段階におきまして渡航期間あるいは渡航目的あるいはその理由ということを記載しました書類を提出させる、あるいは判決のある場合におきましては、判決謄本の提出を求めて、関係省庁とも協議をしつつ慎重に発給の可否を決定しておるわけでございます。 一つの例でございますけれども、例えば刑の執行猶予であるとか保護観察中の者からかなり旅券発給申請があるわけでございますけれども、そういうものに対して、平成三年度の数字をたまたま持っておるわけですが、百六十五人に対しては発給申請を受理しないという決定をしております。
○和田(一)委員 わかりました。全然チェックなしというのではなくそういう意味でのチェックがあるというならば、そのチェック機能をやはり時と場合によっては強めていくということは、私は必要ではないかなと感じております。 一つ伺いたいのですが、最近逆に、海外へ出かけていって、いろいろ盗難に遭う、傷害事件に巻き込まれる、こういう方もおるわけなんですが、日本の国内ならば保護者がついているというような方が一人で行きたい、例えば精神的に保護を必要とする、あるいは入院を必要とするというような人でも、これは申請があればやはり出すのですか。
○荒政府委員 お答え申し上げます。 旅券法で先ほど申し上げました発給制限をし得る場合に該当する場合には発給しませんけれども、それに該当しない場合には、例えば委員御指摘の精神障害がある者についても、これは国民の渡航の自由との非常に微妙なバランスの問題でございますけれども、発給制限が法律に書いてあるケースに該当しない場合はやはり発給せざるを得ないと申しますか、発給をしておるということでございます。
○和田(一)委員 大体伺いたいことは伺いましたが、もう一つお聞きしたいのは、ICAO、国際民間航空機関というのがあって、そこが旅券の標準を決定し各国に採用を勧奨した、我が国もこれに基づいて今度はMRPの開発をしてきたようですが、このICAO、国際反間航空機関というものはどういう性格のものでしょう。
○荒政府委員 お答え申し上げます。 国際民間航空機関は、国際間の航空輸送の円滑さとその面における各国間の協力を推進することを目的として設立されました政府間の機関でございます。
○和田(一)委員 我が国からも当然この機関にはメンバ一として入っているわけですね。それはわかりました。 今まで旅券というのはそれぞれの国でまちまちな規格で、日本は日本、アメリカはアメリカという旅券でずっと来ていたのをここへ来てこういった機関が基準を、標準を決定して、そして各国に向けて勧奨をしてきたというような、そんな権限があるのかなと私はちょっと思ったものですから伺ったのですが、これはそういう意味で各国がそこへ人を出して、合意して、そしてこういうことを決めてきた、こう理解してよろしいのですね。
○荒政府委員 お答え申し上げますけれども、機械読み取り旅券を例に申し上げますが、これにつきましては、国際民間航空機関が一九八〇年にガイドラインというか一つのサジェスチョンとして打ち出した国際的な統一規格でございます。その他、国際間の航空業務の円滑化を図る、あるいは観光促進あるいは旅行者の便宜を図るために、いろいろ勧告というのをやっておるわけでございます。
○和田(一)委員 最後になるかもしれませんが、査証、ビザですね、査証というのはどういう意味合いのものでしょうか。
○荒政府委員 お答え申し上げます。 現在、我が国の国内法、外務省設置法も含めまして査証の定義はないわけでございますけれども、一般的に申しますと、現在いずれの国におきましても、外国人が当該国に入国する場合には、有効な旅券及び査証を保持することが入国の条件となっているということでございます。 そこで、査証といいますのは、ある国の国民がもう一つ別の国に渡航したいというときに、渡航先国があらかじめ予備審査としてその者が有効な旅券を所持しているか、またその渡航目的が妥当であるかということを審査するものでございまして、その証拠に証印ということを押すわけでございます。
○和田(一)委員 北方四島で従来査証が必要なために、そういった査証をとって渡航するということは厳にやめてくれと外務省は強く渡航希望者に言っておりましたが、その査証はなくなったというふうに聞いておるわけですね。それが先ほどのお話ではそういった新しい制度の中で四月からそれが実施できる、こういうことになりますと、予想される渡航のケースというのは非常に楽になるのではないかと思うのですね。特に我々国会議員が四島を視察に行きたいなんといっても、外務省は頑として、そんなことはとんでもない、そういうことをやればそれこそ北方四島の主権がロシアにあるような形になるからという意味合いで、これはノーと言ってこられた。 よくわかるのです。そのことはよくわかるのですが、今度はそれがなくなったということになれば、これはそういう意味では非常に楽に行けるようになるな、こう感じておるのですが、四月以降そういう意味では条件さえ整えば、向こうの受け入れ態勢もあるでしょうけれども、非常に自由に国民が行けるような雰囲気になってきた、こう理解してよろしいですか。さっき細かい説明がありました、そういう関係者以外はまだ無理なんだということはわかっておりますけれども、関係者なら行けると、こう理解してよろしいですか。あの中には国会議員も入っていましたか。
○佐藤(嘉)政府委員 ただいまの先生の御質問の趣旨は北方四島の無査証交流の件だと思います。さきに政府委員から御説明申し上げましたとおり、ゴルバチョフ前大統領が来日された際に日ソ間で一つの合意事項として取り決めたものでございますが、御説明申し上げましたとおり、ある一定の枠の中で交流を促進していこうということでございますから、今先生が御指摘になったとおり、従来に比して一層北方領土との間の交流が促進されるということは御指摘のとおりだと思います。
○和田(一)委員 時間になりました。終わります。
○麻生委員長 これにて本案に対する質疑は終了いたしました。 本日の質問者に申し上げます。 お約束どおり時間をきっちり厳守していただきましてありがとうございました。心から感謝を申し上げます。 —————————————
○麻生委員長 これより本案に対する討論に入るのでありますが、別に討論の申し出もありませんので、直ちに採決いたします。 本案に賛成の諸君の起立を求めます。 〔賛成者起立〕
○麻生委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。 お諮りいたします。 ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。 〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕
○麻生委員長 御異議なしと認めます。よって、そのように決しました。 ————————————— 〔報告書は附録に掲載〕 ————◇—————
○麻生委員長 次に、投資の相互促進及び相互保護に関する日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件、障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約(第百五十九号)の締結について承認を求めるの件及び北太平洋における遡河性魚類の系群の保存のための条約の締結について承認を求めるの件の各件を議題といたします。 これより各件について政府より提案理由の説明を聴取いたします。渡辺外務大臣。 ————————————— 投資の相互促進及び相互保護に関する日本国と トルコ共和国との間の協定の締結について承 認を求めるの件 障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関 する条約(第百五十九号)の締結について承 認を求めるの件 北太平洋における湖河性魚類の系群の保存のだ めの条約の締結について承認を求めるの件 〔本号末尾に掲載〕 —————————————
○渡辺(美)国務大臣 ただいま議題となりました投資の相互促進及び相互保護に関する日本国とトルコ共和国との間の協定の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この協定につきましては、日・トルコ間の投資促進を図るための投資受け入れ環境整備の一環として、我が国との間で投資保護協定を締結することについてのトルコ側の強い希望を受け、昭和六十二年二月以来、両国政府間で交渉を行いました結果、平成四年二月十二日にアンカラにおいて、両国政府の代表者の間で署名が行われた次第であります。 この協定は、投資の許可及び投資の許可に関連する事項について最恵国待遇を相互に与えているほか、投資財産、収益及び投資に関連する事業活動に関する最恵国待遇及び内国民待遇、収用、国有化等の措置のとられた場合の補償、送金等の自由、投資紛争解決のための手続等について定めております。 この協定の締結により、我が国とトルコ共和国との間の投資の増加並びに経済関係の拡大及び緊密化が促進されるものと期待されます。 よって、ここに、この協定の締結について御承認を求める次第であります。 次に、障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する条約(第百五十九号)の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 この条約は、昭和五十八年六月にジュネーブで開催された国際労働機関の第六十九回総会において採択されたものであります。 この条約は、障害者の雇用機会の増大及び社会における統合の促進を図ることを目的として、障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する国の政策を策定し、実施すること等について定めております。 我が国がこの条約を締結することは、障害者の職業リハビリテーション及び雇用に関する政策の分野における国際協力に寄与する見地から有意義であると認められます。 よって、ここに、この条約の締結について御承認を求める次第であります。 次に、北太平洋における遡河性魚類の系群の保存のための条約の締結について承認を求めるの件につきまして、提案理由を御説明いたします。 我が国を含む北太平洋のサケ・マスの主要な母川国は、これまで、昭和五十四年に改正された日米加漁業条約及び昭和六十年に発効した日ソ漁業協力協定の枠組みのもとでサケ・マスの保存を図ってきましたが、近年の漁業資源の保存に関する国際的な関心の高まりを背景として、資源保存の強化という観点から、枠組みの見直しが必要とされるに至りました。このような状況のもとで、政府は、平成二年十月以来、カナダ、ソ連邦及び米国との間で、新たな条約の締結につき交渉を行いました結果、その後のソ連邦の解体に伴うロシア連邦を原締約国とするための修正を含め、最終的な合意を見るに至りましたので、平成四年二月十一日にモスクワにおいて、我が国、カナダ、ロシア連邦及び米国の四カ国政府の代表者の間でこの条約に署名を行うに至った次第であります。 この条約の主な内容としまして、まず、北緯三十三度以北の北太平洋及び接続する諸海のうち距岸二百海里以遠の公海水域におけるサケ・マス漁獲の禁止、混獲の最小化及び混獲により採捕されたサケ・マスの船上保持の禁止等を定めております。また、規制の実施につきましては、臨検・拿捕までは他の締約国にも認めますが、逮捕された人及び拿捕された船舶は、それらが所属する国に引き渡されること、そのような引き渡しを受けた国のみが裁判管轄権を有すること等を定めております。 この条約の締結によりまして、我が国を母川国とするサケ・マスの保存が一層効果的に確保されることが期待されるほか、各国の距岸二百海里内の水域におけるサケ・マス漁業を禁止すべしとの主張を排除し、我が国サケ・マス漁業者による安定的操業の継続の道が維持されることとなります。 よって、ここに、この条約の締結につき御承認を求める次第であります。 以上三件につき、何とぞ御審議の上、速やかに御承認あらんことを希望いたします。
○麻生委員長 これにて提案理由の説明は終わりました。 各件に対する質疑は後日に譲ることといたします。 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。 午後五時三十七分散会 ————◇—————