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123回国会衆議院1992/03/12

沖縄及び北方問題に関する特別委員会 第5号

発言数
117
登壇者
14
会派数
5
開催日
1992/03/12

会議録

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 これより会議を開きます。  内閣提出、沖縄振興開発特別措置法及び沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案を議題とし、質疑に入ります。  質疑の申し出がありますので、順次これを許します。前島秀行君。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島委員 私は沖縄の復帰前後、二十数年前になりますが、政党人の立場、そして本土で沖縄返還を求める運動に携わっていた人間として何度か沖縄に行ったりして、復帰前後の現地の状況等々もそれなりに経験をしてきた者なんであります。そして復帰二十年たったわけですが、私自身しばらく沖縄にはごぶさたしていたのですが、ここ四、五年、一、二度行ってきたし、また昨年、当委員会の調査で行ってまいりました。  久しぶりに沖縄を見て変わったなと思ったのは、やはり道路を初めとして建物等々いわゆるハードの面というんでしょうか、そういう面では一見変わったなということはつくづく感じました。かつての国際通りもあるいは南部糸満に抜けるあの辺も、二十数年前とは変わったなということをつくづく思いました。そういう面では、二十年来二回にわたる振計で三兆円余の財政投資が投入された結果が出ているなとも思いました。同時に変わったなという面は、横文字がなくなって基地の町で米軍属軍人、家族等々を見る機会もなくなったなということを思いましたけれども、片や依然として二十年たっても変わらないと直観したのは交通渋滞でございました。二十年前より今の方がもっとひどいのかなと思ったり、もう一つ変わらないのはやはり基地でございます。あの那覇から浦添、瑞慶覧に抜けて、いわゆる普天間から北谷、コザ、嘉手納、読谷、恩納村と抜けるこの旧一号線、今は県道ですか国道五十八号線、こうなっているようでありますが、やはり旧一号線の両わきにあるあの巨大な基地というのは二十数年たった今も変わってないなということを本当に肌で感じたわけです。私はその実態を見て、二十数年前、時の佐藤総理が本土並み返還を約束したあの公約は一体どこへ行っちゃったんだろうなということを、昨年沖縄の現地を見て本土の人間としてもつくづく感じたわけであります。復帰二十年の節目です。そういう意味で私も質問をしたいし、長官にも御意見を伺いたいと思っております。  そこで第一に伺いたいのは、きのう、冒頭長官は、沖縄開発庁長官の就任で沖縄は戦後が終わったと思う、こういう与党の質問に対して、私もそう思う、こういう御答弁をされたのですけれども、私はびっくりしたんです。私自身は昨年見てきて、確かに前進した面、発展した面はあるけれども、沖縄御出身の長官が私の長官就任をもって戦後の沖縄は終わったと思うという十日の発言で私はショックを受けたといいましょうか、果たしてそうなんだろうかと思いました。長官、本当に沖縄の戦後は終わったんでしょうか、佐藤総理が約束をしたあの本土並み返還というのは、沖縄県民百数十万の人たちは今そう感じているんでしょうか。そういう面で長官の十日の発言、沖縄の戦後は終わったという発言の真意を改めて私は聞きたいと思っているのです。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 先生が復帰前後にかけて沖縄の復帰について大変な御努力をなさった経緯につきましてのお話、心から感謝にたえない次第でございますが、沖縄の問題についてはよく御高承のとおりでございまして、今日あるのは皆様方のおかげで、特別措置法、またそれを支える高率補助やら急激な復帰に伴うところのショックを和らげるための復帰特別措置法、そういったもののおかげで今日まで歩んでまいりました。  今御指摘ございました戦後は終わったという言葉は、私は御答弁申し上げたときにそういう意味で申し上げてはおりません。私が申し上げましたのは、先生も先ほど御指摘のように社会資本が充実して、第一次振計、第二次振計の半ばごろまででほぼ戦後の復興期は終わったのだ、第二期の中ほどから今度は豊かな社会へ向けての発展的な社会資本の投入が行われ、今日復帰二十年の節目を迎えて第三次の振興計画を立てるに当たっては、人間でいえばもう二十歳、ひとり歩きしなきゃならない、そういったひとり歩きしなきゃならないために自立発展の足腰を丈夫にするように支えていきたい。したがって、今申し上げました復帰関係の今日御審議いただいております法律案を支えにして、そしてこれからは自立経済発展のためにたくましく歩いていけるために新しい富を生み出す、創成する時期にこの三期の振興計画はありますよということを私は認識をした、こういう意味で申し上げたわけでございまして、決して戦後は終わってしまったという意味のことは私は申し上げておりませんので、その辺の御理解を願いたいと思います。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島委員 御出身の長官でありますからそういうことだと私も信じたいと思うし、またある意味で期待を込めて、沖縄県民を含めて我々日本の国民も心から沖縄の戦後は終わったんだ、そう言えるように、長官就任中でありますからいろいろな意味で御努力を願いたいと思うのです。  そういう意味を込めて、私を含めて正直言いまして、最近の沖縄に対する基本的な認識というものが変わってきちゃったんではないだろうか、そのことを私は二十年たった今、改めて我々本土の人間を含めて問い直さなきゃいかぬではないだろうかなと実は思っている。それは十日の質疑を聞いていまして、特に戦後処理の問題に対する基本的な対応の認識だとか高率の補助の問題だとか基地問題に対する対応の議論を聞いていまして、私は二十年前のあの佐藤総理の発言とか、その後にできた沖振計等々の議論の経過あるいは法案の中身あるいは趣旨説明等々改めて読んでみたりそのときのことを思い出すと、あの二十年前の沖縄問題に対する基本認識が知らず知らずの間に我々は変わってきちゃったんではないだろうかという気がする、私を含めて。改めて私はここで長官に、この沖縄問題、沖縄対策に対する基本的なスタンスといいましょうか、認識はどうあるべきかということを明確にしてほしいと思う。  というのは、二十年前あの議論の中、島津の侵略までさかのぼるのはともかくとして第二次大戦の日本で唯一の戦場になったという事実、そして数十万余の沖縄県民が死んでしまったというあの戦場の実態、それから二十七年間政権がアメリカのいわゆる異民族支配の中にあった、この事実を踏まえてあの当時の文章を読むと、こういうふうな文章が趣旨説明の中にあるんです。「この多年にわたる忍耐と苦難の中で生き抜いてこられた沖縄県民の方々の心情に深く思いをいたし、県民への償いの心をもって事に当たる」、こういう趣旨のことがあるわけです。私はこの基本的な認識を忘れてしまってはいないだろうか、ここを改めて問う必要がないほど基本的な問題が解決したんだろうかということなんであります。私は十日の議論を聞いていて、戦後処理の問題で年金論を議論していたら答えは絶対出てこないのですよ。なぜあの戦後処理の問題、年金問題が今出てきたかといえば、二十七年間施政権がなかったという事態によって生じたことなのだ。年金論を幾ら議論しても答えは出てこない。マラリア補償だってそうでしょう。この前の十日、厚生省はすぐ援護法が滑った転んだだとか、もう古い話で実態がわからぬとか言っているけれども、戦争という事態がなければ、沖縄が戦場という事態にならなければ起こらなかった問題なんですよ。技術論でできる問題ではない。政治論なんですよ。これは何ら解決していない。やはり二十年前の気持ちに戻らざるを得ないと私は思うのです。  そしてまた、沖縄の振興計画をいろいろと見ると、確かに成果はあったけれどもまだまだ基本的な問題で課題があるんじゃないか、一致した評価ですね。そこで問われているのが高率補助の問題でしょう。あの高率補助の議論にしても、何か心の底に、もう二十年たったからいいじゃないか、そういうものが潜んではいないだろうかということです。だれしもが認めて本当にもう必要ないよという実態になって、自立的に経済ができるようになって基礎条件ができたよというのなら私ももういいだろうということになると思うけれども、十日の議論を聞いてもまだまだそこまでいっていないということなんですね。そうしたら、二十年前の原点に戻らなければ高率補助に対する対応も答えが出てこないと私は思う。基地問題だってそうだと思うのですね。  そういう面でこれからの三次振計、これからの沖縄対策あるいはこれからの基地対策を考えるときに、改めて二十年前の沖縄対策の原点に戻る必要があるのではないか。先ほど長官は真意を言われたからこれ以上言いませんけれども、簡単に沖縄の戦後は終わったなどということは言えるべき状態にはまだない、私はそう思うのですけれども、長官その辺のところどうですか。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 まことに御指摘のとおりで、かつまた大変にありがたく存じている次第でございます。  今御指摘ございましたように、現在沖縄県民は本島、離島を含めて百二十六万人おりますが、ほとんどの者があの沖縄戦に関係する遺族でございます。過言ではございませんが、本当に百二十六万人の県民のほとんどが何らかの形であの戦争によるところの犠牲者の遺族であるということは、私自身の家族においてもそうでございますとともに、県民がひとしくそれを心に抱いている次第でございますが、今や前向きにこれから発展してまいろう、後ろを向かないで前向きに歩いていこうじゃないかという気持ちはたくましくもあるし、またそれにこたえていかなければならぬなという気持ちで私はいっぱいでございます。  そこで、戦後は終わったなどということは私は申し上げておりませんし、またそういうことを言うべきことじゃないかもしれませんし、今後は前向きにいろいろ発展を支えていかなければならない。そういう意味におきまして、これからも先生方の御支援を賜ってまいりたいと存じておりますので、ただいまのは御激励のお言葉と承って励んでまいりたいと思っております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島委員 よく言われていますように、戦後のアメリカの沖縄支配の経過を見ると、やはり沖縄をステップにして、踏み台にして日本の戦後の復興があったということだけは事実ですよ。これは間違いない事実です、布令をずっと見ていきますと。その典型は、三百六十円という通貨をあれしたのは四九年だったと思いますが、その後五〇年に百二十B円になった。あの通貨の方針などというのは明らかに沖縄を踏み台にして政策がとられたということは事実なんですね。そういう事実を踏まえて、その基本認識のもとでぜひこれからもやっていただきたい。そしてその気持ちを政府が、我々日本国民が持つことが大事だ、その上で沖縄もしっかりやってくれということが必要だと私は思うのです。その気持ちと基本的な認識があって初めて、沖縄も頑張れよ、自立するんだぞ、こう言ってお互いに頑張れると思うので、そこのところはぜひ大事にしてほしいと思う。  そういう面で、では具体的に、二十年たった今の若干の成果は一体何なのだろうか、原因は何だろうかというところを一、二聞きたいのですが、いわゆるハードの面といいましょうか、三兆円余の財政をつぎ込んでそっちの面は確かに進んだことは事実ですけれども、一般的に言われているように、基本的にいろいろな問題がたくさん残っているということも事実でありますね。そういう面で、格差是正あるいは自立的発展のための基礎条件というものはまだまだ十分いっていない。そのためにはかなりの原因というか問題点があるような気が私はいたします。二十年たってその目標が十分に達成されていない、その基本的な原因はどこにあるのか、どう分析されているのか、開発庁に聞きたいと思うのです。

造酒亶十郎沖縄開発庁総務局長

○造酒政府委員 二十年たっていろいろ問題が残っている、格差是正あるいは自立的発展の基盤が確立されていない、その原因をどういうふうに分析しているのか、こういうお尋ねだったかと思います。  御承知のとおり第二次振興開発計画におきましては、人口それから労働力人口、就業者総数、さらに県内純生産、一人当たり県民所得、こういうものにつきまして一応の目標値を示しているところでございます。この中の人口、労働力人口それから就業者総数、これにつきましては現状は目標値を上回っているわけでございますが、県内純生産それから一人当たりの県民所得、これにつきましては、御指摘のとおり目標の達成が困難な状況になっているわけでございます。  その原因は何かということでございますが、この原因を一義的にお示しをすることは大変難しいわけでございまして、いろいろな要素がかみ合っているのじゃないかと思っております。幾つかを申し上げますと、まず産業、経済の面におきまして、一つには沖縄は本土の市場から大変遠く離れているということ、それからまた県土面積が大変狭いところでございまして用地の確保が難しい、あるいはまた必要な用水の確保も難しい。それから、我が国の経済社会がいわゆる重厚長大型からソフト型へと基調変化を起こしてまいったわけでございますけれども、そういうような基調変化もございまして期待された企業の立地が予想したとおりには進展をしなかったということ、その結果依然として物的な生産部門、すなわち第二次産業が大変弱うございまして、第三次産業に偏った産業構造になっているということが挙げられます。  それからまた、民間におきます資本、技術あるいは人材、こういうものの蓄積がまだまだ十分ではございませんで、産業の高度化あるいは技術革新、こういう変化への対応が十分できなかった。そのために企業の経営基盤も脆弱でございます。さらには県内を主な市場にしている、こういう状況もございます。それから、御承知のとおり沖縄の経済構造が財政に大きく依存する体質からまだ依然として脱却できておりませんし、それからまた米軍の施設、区域が広大に存在するというようなことも原因として挙げられるのではなかろうか、このように考えているところでございます。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島委員 要するに地理的な問題だとかいろいろあることはわかるのですね。今後の対策を考えますと、結局土地の問題、土地の問題はすなわち基地の問題だということ、ここに根本的にどうしてもぶつかるということなんですね。これはまた後で基地問題で議論をしたいと思うのです。  長官、復帰二十年たって沖縄県民はどういう受けとめ方をしているのだろうかな、ここのところの長官の認識をちょっと聞きたいと思うのです。  総理府が二年前に、三次振計を前にして参考にしようとしてやった世論調査、沖縄県民の意識調査があります。この特徴というのは長官はどう理解されているか。その一年後にやった知事選の結果、そしてここのところ一年前後の沖縄県民の意向、これは大体現地のマスコミなどが復帰前後になると必ず世論調査をやっていますね。この辺の動向を非常に慎重にといいましょうか興味を持って今回いろいろ私は見てみたのですね。沖縄県民はこの二十年間いろいろ苦脳の選択をしてきたような気がするのです。というのは、復帰五年、六年は屋良さん、平良さんという時代が続きました。そして十二年間西銘県政が続いたんですね。そして二年前、一昨年あの大きな選挙があって再び大田県政になった。  一九九〇年、二年前の世論調査の中では、大きな特徴として、米軍基地に対する厳しい反応が四、五年前と比べてばっと出てきた結果が如実に出ているんですね。日本の安全にとってアメリカ軍の基地をどう評価をしているかというくだりのところは、二年前と五年前を比べるとがらっと変わってきている。そしてもう一つ、二十年の中で国にどういう施策を望むかという項目の中で、五年前とかなりの変化が出てきていますね。ぐっと前に出てきたのは、いわゆる公害問題だとか水問題に対する対応をきちっとしてくれということ。まあ社会保障関係のあれが依然として強いことは事実ですけれども、第一次、第二次振計をやり、そして県知事がそういう選択をしてくる中で私が私なりに理解をするのは、改めてもう一度沖縄県民も二十年前のところを問い返しているのではないのかなというふうに思っているわけであります。  そういう面で、長官恐らく見られていると思いますけれども、あの総理府のやった世論調査の動向、知事選の結果、そして最近の動き、最近の動きというのを私がどういうふうに見るかというと、大田県政に対して意外と厳しいということですね。去年五月の復帰の日前後にやった現地のタイムス紙によると、大田知事に対する支持率はたしか五〇%を前後していると思うんですね。それは私の思うには、あの公告、縦覧の知事の対応に対する県民の意外にも厳しい反応がそこに出てきたのかなというふうに実は思っておるんです。そんなことを含めて、長官は、これから次期振計をやる、あるいは沖縄対策をやっていく上でこの二十年間の沖縄県民の意識というのをどうとらえているのか、どう理解されているのか、その辺のところの見解をちょっと聞いておきたい。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 確かに私もその世論調査は拝見をいたしました。数字は見方によっていろいろと御判断が出てまいること、これは数字の性格からいいましてそうなると思うのでありますが、率直に申し上げて確かに御指摘の一面もあると存じます。しかしながら、これは一々中身をいい点、悪い点申し上げる材料も今私持ち合わせておりませんので、総体的に今先生から御指摘ございました点を踏まえてお答え申し上げるとするならば、確かに基地問題に対する県民の反応と申しますか、基地がなくてもっと広い土地を使えればなという願望があらわれていることは事実でございます。そういうふうに受け取りました。したがいまして、私どもも第三次振興計画をつくるに当たりましても、恐らく県はそういうことを踏まえ、また第二次振興計画にございましたように、基地の整理縮小ということに重点を置いていこうという一つの柱が立っておりますけれども、これも今先生の御指摘のあらわれであろうと思っております。したがいまして、私どもは、この沖縄の狭い土地に約二〇%という面積を占める基地の存在というのは、確かに大きな開発上の重荷であろうと思っております。ですから漸次それについての解決を整理縮小に解決をしていかなければならぬ重要な課題と受けとめてまいりたいと思っております。  しかしながら、私は十日の委員会でも申し上げましたけれども、基地を全面的に返還しろというふうな御要望には、私は立場としては立ちません。これは申し上げるまでもなく日本の安保条約のしからしむる、安全保障条約の機能の阻害につながることであってはならぬという立場をとっておりますので、整理縮小に当たりましてはやはり共同使用でありますとか部分返還でありますとか、その必要、使用の目的に従って個々に交渉をしてもらうべく、今後とも外務省あるいは防衛施設庁あたりとよく連絡をとりながら側面的に援助を申し上げ、そして返還されました段階においては、振興開発計画の大きな補助率を適用いたしまして公益性の拡大に努めてまいりたい。それは住宅、産業を含めての話でございますが、そういう意味においての努力を今後ともしなければならぬなというふうに、率直に申し上げてあの世論調査の結果を見ますとそういうふうな感じがいたしております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島委員 知事選が終わった後、ある琉大の教授の新聞に出ていた分析ですけれども、「復帰して十八年を経過しているのに、日米安保条約を盾に米軍基地問題に何ら抜本的な指針が提示されなかったことに、県民の不満は蓄積されていた。」というんですね。そして、「沖縄戦の悲劇から半世紀近く、沖縄はこの小さな島に米軍基地という名の膨大な“爆弾”を抱えさせられ続けてきた。本土復帰もこの過酷な事実を置き去りにした。今回の革新県政誕生は、日米両政府のこれまでの冷淡な態度に対する沖縄県民の抗議が噴出したものといえよう。」こう言っているんですね。私はここのところをぜひまともに受けとめてほしいという気がいたします。前にやった世論調査も同じような結果が出ているわけですね。あえてちょっと数字だけを言わせてもらうと、長官はもうおわかりだろうと思いますけれども、米軍基地の必要性、肯定派が二九・五%、五年前は同じ総理府の調査で三四%あった、これが二九・五%に落ちた。そして否定派が前回の五年前は五三・九%、しかし今回の調査において六〇・七%にふえた。この事実を私は素直に受けてほしい。  そこで基地問題で伺いますが、軍用地料ですね。復帰から二十年たって一体どの程度に変化したのか、軍用地料はどの程度平均で上がったのか。それから、復帰後今日までどれだけ基地が返ってきたのか、それは全体の何%になるのか。そして返ってきた基地は遊休地がいろいろあると思うけれども、その返ってきた土地の利用状況、この三点について。最初の二点は防衛庁ですか。

中田唯之防衛施設庁施設部施設取得第一課長

○中田説明員 御説明申し上げます。  沖縄の復帰前の軍用地料に係る賃借料の単純平均単価と平成三年度におきます米軍施設用地の単純平均単価を比較しますと、約十七倍になっております。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島委員 返還面積は。

山口金一防衛施設庁施設部連絡調整官

○山口説明員 御説明申し上げます。  沖縄の復帰時における提供施設、区域の面積は約二百七十八平方キロメートルであります。沖縄復帰時から本年一月一日までに返還された施設、区域の総面積は約三十五平方キロメートルであります。復帰時の提供施設、区域面積に対する返還面積の割合は約一三%であります。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島委員 返還地の利用状況は。

造酒亶十郎沖縄開発庁総務局長

○造酒政府委員 沖縄県の調査によりますと、昭和三十六年一月から平成元年三月まで、ちょっと年次が古くて恐縮でございますが、これまでに返還されました一万百六十三ヘクタールのうち現在利用されておりますもの、例えば森林地域などでそのまま森林として利用されているというようなものも含むわけでございますが、約八八%が利用されております。それから、残りのうち約六%は公共事業を計画中でございます。それから最後に残りました六%、これは地権者との調整がまだ整っていないとか、あるいは利用するのに適していない土地であるということのために遊休地となっているということでございます。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島委員 外務省にちょっと伺いますが、御承知のように日米間で返還の合意されたのは、例の第十四回、十六回の日米協議で合意されたものがまずありますね。それから平成二年に日米合同委員会で返還が合意されたものもありますね。最初の方の返還はわずか四十何%だったろうと思うし、それから平成二年のあれでは具体的に何もなっていないわけですね。こう言っていいと思うのですよ。先ほどの世論調査にも出ているように、沖縄復帰はよかった、かなり進んでグレードアップされて、復帰はよかったなという気持ちが沖縄県民にある。それは事実ですね。同時に、先ほど言ったように基地を返してくれという要求というのはこの裏腹の形で出てきているということなんですね。それは、私は二点あると思っているのです。第一の方は、いろいろ二十年間振興計画をやってきたけれども必ず基地にぶつかるというこの事実で、どうしても基地を返してもらわなければこれからの沖縄の振興はないんだという思いが沖縄の皆さんに非常に強くなってきた。それがそういう形に出てきた。もう一つは、国際情勢の変化を肌で感じてきていると私は思うのですね。  そういう面で外務省にお聞きしたいのは、その日米間で合意されたこともさることながら、いわゆる沖縄の基地の返還を求める、具体的に詰めていく、そういう客観的条件というのはいろいろなところから私は熟してきているのではないだろうかというふうに思います。九〇年の新しいアメリカの国防戦略、その中で、太平洋地域の基地の新しい枠組みという国防総省の議会に対する報告なんかもありますね。その中によると、海兵隊の縮小というのが具体的にどうも提案されているようだ。それはストレートに沖縄に反映するような感じもするというふうな報道なんかもあるわけですね。それともう一つ、最近の湾岸戦争等々に見て、日本の財政力なくしてアメリカは展開されなくなったという事実、これは使いようによっては非常に日本側としたら強い交渉の武器になると私は思うのですね。武器になると思っています、これからも。そうすると、外務省なり日本政府の腹づもり、姿勢によってこれからの基地問題の返還というのは進展するのではないか。そういう意味で日本政府の姿勢次第だというふうに思える面が多々あるわけです。  そういう面で、外務省、そういう具体的に沖縄の返還を詰めていく、実現させていくという客観的条件は非常に熟してきているというふうに私は思っているわけですが、外務省はどういう見解を持っているのかお聞かせください。

佐藤行雄外務省北米局長

○佐藤(行)政府委員 お答え申し上げます。  今、先生が客観的な条件というお言葉をお使いになりましたので、私もちょっとその点について二つ申し上げてからお答えを申し上げたいと思うのですが、国際情勢でなかなか客観的な条件というものはないんだろうと思います。他方、物事に取り組む外務省の腹づもりということを今言われましたけれども、まさに我々の主観の気持ちというものはもちろんございます。  そこで、そういう前提で申しますと、より客観的に近い方の状況といたしますと、冷戦の崩壊とか旧ソ連の崩壊とか、そういった問題が長期的に非常にいい方向に、緊張を緩和する方向に向かっていることは間違いないと思います。またアメリカの財政事情から来る縮小、さらにアメリカの国際情勢の変化に対する対応としての兵力の縮小方針ということも、基地問題の文脈で言いますと転換を求めるよき条件の一つとして数えられるのではないかと思います。ただ、これは長期的にはそうだと思いますが、同時に、今まさに旧ソ連の核兵器をいかにしてなくしていくかということについてもなかなか物事が進捗しておりませんし、旧ソ連の今のロシアの内政の安定ということもまだまだ確たる見通しが立ってない、あるいは北朝鮮についての核兵器の開発じゃないかというようなうわさもあるというような状況でございまして、残念ながら、短期的に安全保障という見地から見てそれでは一挙に返還ができるか、求めていいかといえば、必ずしもそうでないというのがより客観的な方の側面ではないかと思います。  ただ、主観的腹構えの問題といたしまして、我々はやはり安全保障、日米安保条約を担当している者といたしましても、基地の多くの部分、七割近くを沖縄に置いているという状況、さらに先ほど来御指摘のとおり、返還二十周年を迎えんとしているときに返還が、基地の整理統合が遅々として進んでないという状況、この点について我々も大変心苦しく思っているわけであります。そういうことを背景にいたしまして我々としても少しでもきっかけがあればそれを活用して、まさにその幾つかの手段を活用して沖縄の基地の整理統合を進めたいと思っているわけであります。  そういう目で見ておりまして、この間の国防報告の中に、太平洋軍の前方展開戦力のあり方として西太平洋の縮小された一個海兵機動展開軍という表現が出てまいりまして、それに先立ってパウエル参謀本部議長が議会証言でも、一応前方展開軍は存続するという前提のもとでありながら海兵隊の縮小ということを言っております。現在、沖縄には二万四千近くの海兵隊員がいると思います。第三海兵師団は御承知のとおり沖縄とハワイとに展開しておりますので、すべてが沖縄にいる人の数からだけでは判断はできないかと思いますが、いずれにせよ、我々としてはこれも一つの日本側の主観的な気持ちとして、あるいは外務省の心構えとして基地の整理統合を進める一つのきっかけではないのかなと思っております。  ことしは二十周年でございますし、沖縄の方が二十周年を迎えて、復帰とは何だったのかということをいろいろな意味でお考えになると思いますし、その中の一つが基地の問題であることは我々も重々承知しております。そういう意味で心構えを問われれば、いろいろな条件をこの基地の整理統合を一層進める方向に活用していきたいというのが我々の心構えであります。相手のありますことでありますので、これ以上見通しを申し上げるのは差し控えさせていただきたいと思いますが、そういう気持ちであります。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島委員 時間もありませんからそれ以上あれしませんけれども、長官に聞きたいのです。  私、いろいろな文書を読んだりしますと、この基地返還要求、縮小に対する開発庁のスタンス、いろいろな文書で必ず出てくるのは、開発庁は返ってきた後のことを考えるんだ、これが開発庁の基本的スタンスだというのはあちこちでよく聞くし、文書にも出てくる。本当ですか。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 本当ですかということにお答えするならば、行政組織上は確かにそのとおりでございます。しかし、これは過日も上原委員にお答え申し上げたように、私は沖縄出身の国会議員でありますとともに、少なくとも閣僚の一員でございますから、しかも開発庁をお預かりしておる立場から考えますと、両方の立場に立って物を申し上げなければならないので、沖縄の開発のために基地問題はおれのところは全然一切構わないというふうな立場には私は立っておりません。しかし事務的な面では、先生も今御指摘のとおり開発面については沖縄開発庁が引き受けますよ、返していただく方は事務的には外務省並びに防衛施設庁でやっていただきますよ、こういう立場でございますことは事実でございます。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島委員 その立場だとか云々だとかというところ、へ理屈を言うところを基本的に私は言いたいんですよ。それは確かに形式論からいえば開発庁は返ってきた後ですけれども、開発庁の責任でこれからの沖縄の第三次振興計画を立てたり、先ほど私があえて二十年の総括で原因は何なのかと聞いたら必ず基地にぶつかると言うのですよ。これは外務省の立場だとか防衛庁の立場じゃなくして、開発庁という立場からいっても必ずそこにぶつかると言うのですよ、私は。だから、返ってきた後云々するという基本姿勢は改めると言っているのですよ。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 ちょっと舌足らずでございますけれども、私の御答弁が。私の立場といたしましては、政府の立場というふうに申し上げてもいいかと思います、十分私の責任において申し上げるならば。それは開発のためには返していただかなきゃならぬものはこちらからやはり要求してまいりたい、そういう立場で物事を進めてまいります。したがいまして、基地問題にぶつかったら我々の政策はすべてそこで行きどまるよというふうにシュリンクするような立場ではございませんので、その点は私は閣僚の一員として責任を持って申し上げたいと思います。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島委員 いわゆる全面返還だとか云々という立場じゃなくして、要するに沖縄の市町村会の皆さんだとか軍転協の皆さんだとか、あるいは昨年私たちが行ったときには北部市町村会の皆さんが北部の市町村の都市計画といいましょうか、開発計画の中でこの基地を返還してほしいというのが具体的な形でできてきているわけですから、これは開発庁としては人ごとというわけにはいかぬのだと思うのですね。そういう面で確かに相手との関係は外務省なりということになるだろうと思うけれども、外務省をどう動かすかとか外務省をどう激励するかとか、これを積極的にやらにゃいかんだろうということを私は言っているんです。それをしなきゃ開発庁としての、開発庁長官としての、ましてや恐縮ですけれども沖縄御出身の伊江長官としての本当の任務を全うしたということにはならぬのではないだろうか、そういったことをやり抜いて初めて沖縄の戦後は終わったと宣言をしていいと私は思っている、そういうふうに早くなってほしいということを言っているわけなんです。そういう面で開発庁は基地返還、基地縮小については積極的に打って出る、外務省のしりをたたくとかそういう姿勢を基本的に私はとるべきではないだろうか、とらなくちゃいかぬ、こういうふうに思っているわけであります。  それで、その軍転法についての基本的な認識をちょっと聞きたいと思っているわけです。先ほど私は軍用地料のことを聞きましたけれども、防衛庁に言いたいのですが、軍用地料さえ上げれば基地はうまく使用できるんだと思ったらこれは間違いだと思う、特に沖縄は。あるいは軍用地料を上げて基地周辺のいろいろな対策、そういうことを金をばらまいてやればうまく基地が確保できるぞという、その基本姿勢を私は改めるべきではないだろうかというふうに思っています。県にしても市町村にしてもあるいは軍転協の皆さんにしても、求めているのはやはり基地の計画的な返還なんですね。そしてそれを法律をもってやってくれということなんでしょう。地主会の昨年三月の総会における国あるいは県に対する要請書の文章を見ても、法体系でということを言っているんですね。ばらばらで今みたいに思いつきじゃ困るんだ、法体系をもってということをあの地主会の皆さんも言っているんですよ。我々社会党が、野党の皆さんが出しているだけじゃない。そういう意味で私は法体系をもってこの返還を具体的に進めるということをやらなくちゃいかぬだろう、こういうふうに思うのです。そういう面でまず外務省、この軍転法についての見解を聞きたいと思います。

佐藤行雄外務省北米局長

○佐藤(行)政府委員 お答え申し上げます。  軍転法の案文については我々も勉強させていただきました。ただ、全体については、所管のことを超えてお答えをしなきゃいけないのかもしれませんが、この法案のカバーしているところは非常に広いものでございますので、全体について我々が云々と申し上げる立場にはないと思いますが、一点困ったなと思っているところがございます。それは、我々やはり日米安保条約のもとでアメリカと協力をしていくという建前をとっておりますし、そのもとで必要な基地については提供するというのが安保条約上の義務でございます。そういう意味で基地の整理縮小だけを一つの目的とする法律については、我々として若干困ったなという感じを今のところ持っております。ただ、それ以上まだ詳しく勉強しておりませんので、とりあえずの意見で言わせていただきます。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島委員 開発庁にも聞きたいのですけれども、私は、そのすぐ日米安保条約が出てくるのが気に食わないのですよ。そこまで言ってないでしょう、地主会の皆さんとかなんかは。何らかの形で法体系をもってやらなきゃだめなんだよというところだろうと思うのです。だから私は、社会党を中心に野党それぞれの皆さんから出している軍転法の問題もあるでしょう、県の方の考え方もあるでしょう、地主会の方の考え方もありますね。そういう面で、必ず安保条約がどうのこうのと出てくるんじゃなくして、沖縄の皆さんは現実に沖縄振興をする上で、町づくりをする上で、開発する上で必ずぶつかるのですから、そこを組織的に計画的にやってください、地主に対する補償もちゃんと法律でもってやってくださいということなんですから、そこを具体的にできるところからやっていかなきゃいかぬという、この姿勢を外務省も開発庁もぜひ持っていかなくちゃいかぬ。この辺はまた後、上原先生がやるでしょうから私はこれ以上言いません。  それから、具体的な振興計画のことで一、二私は聞きたいのですけれども、一つはリゾート開発云々の問題です。  私は静岡なんであります。特に東部の伊豆半島、富士、箱根のいわゆる観光地を抱えた者なんであります。沖縄のあるマスコミがアンケートをとったリゾート開発計画の一覧表を私は見ました。それを見ると、ゴルフ場だけで四十三カ所の計画があるらしいですね。私はあれを見て、一体これはどうなるんだろうなというふうな気がしています。十日の議論でも、いやリゾート法等々の枠の中だということと、それから市町村の許可がない限りやらせない、そこの枠をとめてあるから心配するなと言うけれども、静岡はあのリゾート法からも、もうあれだけじゃだめなんだ、あれでも大き過ぎるということで県の方が事実上ゴルフ場凍結をいたしまして、あの基本計画からゴルフ場は事実上引っ込めちゃったんですよ、リゾート法の枠の中であるいは私の東部の方の伊東とか熱海というのはリゾートマンションとかなんかが出てきて、いわゆる水だ、ごみ処理だという形で行政が追われてもう四苦八苦している、もう全部規制をせざるを得ない。そのあげくに住所は全部東京等々ですから、週末に来るだけで要するに税金は何にも落ちない、地元のメリットは何にもないというのが実態。沖縄は東京や私たちのところとは違いますからそういうふうになるとは思いませんけれども、いずれにせよ私の静岡の方の地元の経験から見て、あのリゾート開発の位置づけというのはちょっと危険ではないだろうか、そんな気がしてならないわけであります。  そういう面で、あのリゾート開発の位置づけにどんなふうなウエートを置いているのか。それと、その辺の対策というのはリゾート法の枠の中でやります、市町村の許可以外のことはやりませんなんといったって私はいかないと思う。その辺のところの開発庁の基本的な認識といいましょうか、見解をお聞きしたいと思います。

造酒亶十郎沖縄開発庁総務局長

○造酒政府委員 お答え申し上げます。  沖縄は御承知のとおり亜熱帯性あるいは海洋性の自然的な特性に恵まれておりまして、リゾート地域の形成に適している、あるいはまたそういう形成を行っていく必要があるという点につきましては、第四次全国総合開発計画でそのような方向が示されておりますし、それからまた、現在の第二次振興開発計画におきましてもその必要性が指摘されているところでございます。さらに、第二次振計が終了いたしました後の沖縄の振興開発のあり方につきまして御審議をいただきました審議会の専門委員会の報告書におきましても、「国際的評価に耐え得るリゾート地域の形成」、これが今後の沖縄の振興開発を進める上で戦略的な施策の一つとされているところでございます。したがいまして、第三次振興開発計画におきましてもこのリゾートの問題は一つの大きな柱になると考えておりますが、その具体的な位置づけにつきましては、三次振計を策定する過程で、今後県ともよく御相談を申し上げていかなければならないと思っているところでございます。  ただいま御指摘のとおり、リゾート開発につきましては地域社会との調和等の面でいろいろ問題が指摘されておりますので、そういうことのないように適切に行われますよう、私どもも沖縄県に対します助言に努めてまいりたいと思います。それからまた、それに関連をいたします交通基盤等々の施設の整備等にも努めてまいりたい、このように考えているところでございます。

前島秀行日本社会党・護憲共同

○前島委員 時間が来ましたのでこれで終わりますけれども、私は国土庁にリゾート法の見直しの方向とか、この見解だとか、あるいは農業政策で農林省の方にお願いしたのですが、時間がありませんので失礼しますけれども、要望として、今リゾートは見直しの方向に動いていることは間違いない、法そのものも。ですから、そこのところは非常に慎重にやってほしいということが一つ。  それから、農業問題で私はいろいろ聞いてみますと、亜熱帯農業は非常に利点はある。しかし、品質の改良だとか開発あるいはそういう施設園芸のノウハウにはまだまだ基礎的な教育といいましょうか、基礎的な研究というものが非常に必要ではないだろうか。そういう面で、亜熱帯農業研究所の充実だとか、そういう研究施設の充実ということがもう一方の農業政策にとって非常に重要だ。時間がありませんので要望だけしておきたいと思います。  最後に長官、私は、沖縄県民が本当に心を持って長官のもとで沖縄の戦後は終わったと言えるように精いっぱい御努力をいただきたい、このことを心からお願いをいたしまして私の質問を終わらせていただきます。  どうもありがとうございました。

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 上原康助君。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 わずかな時間しかありませんので、きょうは伊江長官、優しくいきましょうか。実はもう少し基地問題あるいはこの振計の関連二法の全般について議論をし、ただしていかなければいかないわけですが、なかなかそういう時間的余裕がないのを大変遺憾に思います。  そこで、おととい私がいろいろ指摘をしたこと、あるいは相当きついことも申し上げましたが、それは沖縄を思うがゆえに、またせっかく沖縄から初の大臣が誕生した、復帰二十年という歴史の節目にこういう重職にあられるわけですから、それは期待が大きければ大きいほど注目もされるしいろいろあるんですよ。だから政治家というのは与党にしても野党にしても、何を言うのか、ただリップサービスとかそういうものでなくして結果が物を言う、長官。  私がもう一遍あなたに特に注文をつけておきたいことは、失礼かもしれませんが、あなたは確かに少しは戦前の沖縄は知っていらっしゃる。だが、戦中戦後の本当の沖縄の苦悩、苦しみ、歴史というものについてどれだけ認識をしておられるか私は大変疑問を持っている。それ抜きにしては沖縄の基地問題とか沖縄振計というものは語れない、そういうことをもっとしっかり踏まえて、国務大臣の権限というのはそう軽いものではないと私は見ている。やろうと思えばできるはずなんです。だから、私は国際平和協力法案を審議した昨年の十一月二十日にも、宮澤総理とあなたと外務大臣と防衛庁長官、四名にあの第一委員室の中でわざわざいろいろ注文をつけた。本当に沖縄の基地問題とか振興開発というものを政治レベルで解決するというならば、あなたの御意見が閣内において入れられなければ職を賭してでも頑張ってもらいたいという要望を私はしたはずなんです。これは会議録にちゃんと載っている。それと、三日の本会議における質問についてもいろいろけちをつける人々がいるのだが、ああいう機会がないとあなたの出番もないし、沖縄問題の何たるかを知らない国会議員も多い。そのことをぜひ踏まえていただきたい。今複数の閣僚の皆さんからも私の方に、基地問題にしても年金問題にしてもマラリア補償にしても、あるいは農業、水、そういうことについては我々ももっと真剣に考えなければいかぬな、上原君、一緒に協力するよというむしろ激励を受けていることを私は力強く思っている、このことを申し上げておきたい。  そこで、十分しかありませんから、私は伊江長官に期待を込めて五つのことを提言しておきます。  まず、米軍基地の大幅な整理縮小。佐藤さん、さっきあなたは米軍基地の整理統合なんと言うけれども、統合というのはこれは役人がつくり出した言葉なんだ。佐藤総理は初め整理縮小だったんだ。いつの間にか役人が統合、統合と言って基地を強化しておりますよ。米軍基地の大幅整理縮小を具体的にどう進めていくかということ。それと、跡利用については安保とかいろいろかかわりがあるでしょう。野党案が気に食わなければ皆さんの案を出してください。県民合意形成をどうするか、沖縄開発を進める上においてあなたの責任なんだ。この基地問題の解決に本気に取り組んでいただきたいということ。  二点目は、後ほどの附帯決議にもありますし、いろいろございましたが、平成六年以降も沖縄の振興開発、格差是正、自立的経済基盤、あるいは新しい富を生むためには高率補助はどうしても必要なので、この維持継続は本当に今から宮澤内閣において十分その確証を得るように努力をしていただきたい。  三つ目は、この振計問題とも大変重要なかかわりを持ってあなたも強調しておられますが、沖縄の自由貿易地域は今のような状態ではいかない。これはどうするか。私もこれに注文をつけた以上は、これからいろいろ勉強してやっていきたいと思う。これは法的、制度的な整備が必要なんです。この間引用しましたね。県工業連合会の意見書あるいは宮城弘岩さんがお書きになっている本に出ている。こういう問題をぜひ解決してもらいたい。  四点目、厚生年金の格差是正。これは理屈、理論、制度の問題じゃない。さっき前島先生もおっしゃったように、沖縄が戦後二十七年間アメリカの占領支配下に置かれたがゆえに格差が生じたんですよ。まさに政治決断が必要なんだ。あなたが厚生大臣に話したり、あなたが総理大臣やろうやということをやらないから私はこういうきついことを申し上げているのです。やがてもう数カ月たっているのでしょう。なぜそういうことを行動に移さぬのですか。  八重山の戦争マラリア補償問題を含めてこの五点は、あなたが少なくとも国務大臣として沖縄開発庁長官という地位にある以上は解決できない問題じゃない。私の今の五点の提言についてこれからどうこたえていかれようとするのか、またさっき注文をつけたことについても改めて御所見、決意を聞いておきたいと思います。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 御指摘の点はまことにそのとおりだと思うのでありますが、まず、一つ一つお答え申し上げていきたいと思います。  最初に御指摘、御質問がございましたのは、基地の整理統合という言葉を使っているがとおっしゃいましたが、私は今まで整理縮小という言葉を申し上げております。その点はひとつ御訂正願いたいと思います。  それはそれといたしまして、先ほども前島先生にお答え申し上げましたように、我々の第二次振興計画の中にも一つの柱としてうたっておりますように、整理縮小というのは確かに一つの大きな問題だろうと思うのです。そういう意味におきまして、開発に支障を来すようなものについては我々は積極的に乗り出していく。しかしながら、これもくどいようでございますけれども、全面返還という立場だけに立って物を進めるということはいたしません。それははっきり私は申し上げておきたいと思っております。個々具体的に必要なものに従ってあるいは共同利用あるいは部分返還、そういうふうな形で関係方面と御連絡をとりながら今後もやってまいりたいと思っております。  それから、高率補助の問題でございますが、これは御承知のとおり、昨年の年末におきまして来年度四月一日から始まる予算に盛り込んで施行していかなければならぬ問題だと思いますし、また十日にも御指摘ございましたように、いわゆる三点セットの一つの柱でございますから、これはもうぜひ今後とも続けてまいるように格段の努力をお約束しておきたいと思っております。  自由貿易地域につきましては、私はせんだっても具体的にいろいろお答え申し上げましたから今さら繰り返しませんが、その方向で考えております。これを軸にいたしまして産業の発展、新しい富の育成、達成というものに邁進したい、これは先生御指摘のとおりでございます。これについてはまた御後援を賜りたいと思っております。  それから、厚生年金の格差問題、マラリア補償問題、これは私は閣議では申しませんけれども、関係省庁とは連絡を十分取り合ってまいって今日まで来ております。確かに難しい点はございます。しかしながら、この前もお答え申し上げたように、閣僚としてあるいは沖縄選出の国会議員の立場として十分に受けとめてまいります、こういうふうにお答えするにとどめさせていただきます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 しっかり頑張ってください。終わります。

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 玉城栄一君。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 一昨日に続きまして、きょうは後ほど総理大臣も出られるということで、きょうの午後の本会議で緊急上程、各党一致、日切れでありますので非常によかったと思います反面、大臣も御存じのとおり、これからの沖縄振興に対するさまざまな課題があります。ですから、きょうは出発みたいなものですからむしろ激励をして、ぜひさまざまな問題、課題を実効あらしめるように。  先ほど上原先生もちょっとお話しされましたけれども、去年の十一月に宮澤総理がおっしゃっていることに「我々としては、沖縄の人々に対して、戦争中のことはもとより御存じのとおりであるが、戦後非常な苦労をされ、本土の方が早く独立をし、後から復帰をしてこられた。しかし、今日に及ぶまで我が国の防衛の非常に大きな部分を沖縄の人々に背負ってもらっている、そのことに対して我々はみんな恩義を感じております。したがって、我々は今度、開発計画がまた終了するわけでございますけれども、」これはまた延長されるわけですが、「できるだけのことをして沖縄の人々のこういう苦労に報いなければならないと思っている。」そういう発言をしておられるわけですが、このことについては後ほど総理が出られたときにもう一回総理の心情をお聞きしたいと思います。  それで、大臣とされてはもちろん総理大臣のそういう心情、思いを今度は具体的に政策として沖縄振興開発のために展開される責任の立場にいらっしゃるわけでありますので、沖縄の未来像といいますか、いわゆる大臣御自身が描いていらっしゃるものを簡単に御説明いただけますか。お願いします。     〔委員長退席、上原委員長代理着席〕

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 先ほど総理の発言を引用されましたけれども、確かに総理は申しておられました。去年パウエル統合参謀本部議長が参りましたときに、今御発言ございました点を総理は発言されたというふうに申しておりました。それは確かに総理の本当のお気持ちだし、また総理だけじゃなくて、日本の国民の皆さん方の本当の心情だと私は思うのであります。であるがゆえに他府県には見られないような高率補助が行われ、しかも他府県にはないような、先ほど上原先生もおっしゃったような自由貿易地域が設定される等、いろいろな国の施策の展開があるだろうと思うのでございます。したがいまして、我々の沖縄の振興開発が二十年にわたって本土並みに、ハードの面におきましては物によってはもう本土各県以上の成果が見られるようなものもございまして、おかげをもって今日まで発展してまいったと思うのでございます。  今後は、今御指摘ございましたように夢を持って展開していかなきゃならない第三次の計画を迎える、それはみずから歩いていける、しかもたくましく歩いていけるような施策でなきゃならぬという立場から、我々も開発庁の立場としていろいろ考えて進めてまいりたいと思っております。中にはビジョン的なもので行政ペースにまだ乗らないようなものもございますけれども、私自身の頭の中にはそういったものを含めていっぱいございますので、逐次これを具体化していく。何しろ予算というものに反映させなければ、幾ら政策をつくりましてもビジョンに終わってしまうというだけでございますので、それを逐次皆様方の御支援を得ながら、各省庁の御協力を得ながら予算に反映し実行してまいりたい、かように考えている次第でございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 一つだけ具体的な問題で、大臣が常々おっしゃっておられますモノレール構想、いわゆる沖縄本島に南北縦断でモノレールを敷いた方がいいのではないか、新聞にもあったわけでありますが、その点についてちょっとお聞かせいただきたいと思います。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 とりあえず現状を。

水谷文彦沖縄開発庁振興局長

○水谷政府委員 とりあえず私の方から事務的にお答えをさせていただきます。  現在進められております那覇の都市モノレール、私ども当初、市内に限りませず中南部を含みますいろいろなルートについていろいろな角度から検討いたしまして、そして現在の計画に至った経緯がございます。現在の計画につきましては、御案内のように関連道路網の整備等を進めてまいりまして、現在県におきまして行っておりますことは、いずれにしましてもこれはモノレール会社の運営するところとなりますので、それにつきましてモノレールの事業採算はどうなるのか、あるいはバス会社、バス路線との調整が前提となっておりますけれども、その辺の調整をどうするのか、さらには民間から資金調達をしなければなりませんが、その資金調達のめどをどうして立てるのかといったことをモノレールの本体工事の着手の前提としていろいろ御検討いただいているわけでございます。私どもはそういった県の調整作業を見守りながら、それを受けましてこの進め方について十分検討し、また積極的に取り組んでまいりたい、かように考えております。     〔上原委員長代理退席、委員長着席〕

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 今事務当局から申しましたような経過でございまして、これからの問題としましては、非常に一点都市集中型になっておりますので、やはり遠方から通うという格好にこれからなってまいると思うのです。そのためにも、モノレールは那覇と空港だけの間の一本直線じゃなくて、北の方から南の方へ延ばすとか、そういうふうなことに今後具体的に取っ組んでまいるために、いろいろな御意見をこれから幅広く伺ってまいりたいと思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 大臣は国鉄にもいらっしゃったわけでこういう問題は非常に詳しいと思いますが、鉄軌道が沖縄にはないわけですから、交通渋滞は沖縄に限りませんけれども、とにかく経済的なロスあるいは肉体的なロス、時間的なロス、これは大変な状態です。ですから今那覇を中心にしてやるというのではなくて、やはり空港あるいは南北、海洋博まで、私はなぜこういうことを申し上げるかといいますと、復帰二十周年ですからこれを記念事業として位置づけて、そういう構想のもとに大臣はぜひやるべきだと思う。といいますのは、私、先ほど総理のお話を申し上げましたが、相当部分を沖縄の人々に背負わせている、日本は防衛問題で。だから、今防衛庁の予算が四兆余りですね。この二十年では相当な額になるわけです。そうだからとは言いませんけれども、先ほど経費がかかると、経費は当然かかります。だから、そういうことを思い切って、沖縄の方々に恩を感じているとおっしゃる以上はやはり何らか政府がバックアップしてやるというものをしないと、ただ口先だけで言ったということで終わってしまう。だから井上委員長も、復帰二十周年だから相当額の金をちゃんと政府は何しろとおっしゃっておられますけれども、やはりそれぐらいの覚悟でやらないとモノレール一つをとっても実現できない。これはもう大臣だから、沖縄出身でもいらっしゃるわけですから、大臣だからこそこういう記念事業の一つとしてモノレールの沖縄本島南北縦断の構想というものをぜひ実現できるような形にしていただきたいと思うわけでありますが、いかがでしょうか。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 その構想をできるだけ早く具体化できるように努力してまいりたいと思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 もう一つは離島振興なんですが、御存じのとおり沖縄県は離島で成り立っているような県でありますが、県民所得はずっと四十七都道府県で一番最下位、さらに最近はまた格差が開きつつあるという状況なんです。離島をトータルにしますと沖縄県の大体半分が離島ですね。しかもその上に、離島がだんだん過疎化の傾向が進行しております。ですからこういう離島振興という問題に本気になって取り組まない限りいつまでたっても県民所得について言うならば四十七都道府県のびり、そういうことはもう間違いないと思うのです。ですから開発庁とされても本気になってこの問題に取り組まないといけませんので、じゃどうすればいいかという問題がありますが、それぞれ島の特色がありますからそれに応じた振興開発というものをやらなくてはいけませんが、例えば一番南の与那国が台湾との国境貿易をしたい、それについては大蔵大臣も前向きに検討するというようなお話まで出てきているわけですから、その点についてどうお考えになりますか。

造酒亶十郎沖縄開発庁総務局長

○造酒政府委員 離島につきましてただいま先生御指摘でございます。確かにいわゆる県内格差と申しますか、沖縄本島との所得の格差、それからさらにまた過疎化の進行というようないろいろ問題がございまして、沖縄の振興開発を行うに当たりましては、離島の振興というものはどうしても欠くことのできない課題であろうと私ども考えているところでございます。  これまで沖縄振興開発事業費の約四分の一強を投じまして、いろいろ交通、農業、保健医療、教育等々各般の施設の整備あるいは施策を行ってまいりました。特に、ただいま先生御指摘のように離島にはそれぞれの事情がございます。沖縄の離島は、本島の周辺それから宮古、八重山の周辺あるいは外洋の離島とそれぞれ置かれた状況が異なっております。これまでもそれぞれ島の実態に応じまして、必要に応じて海底送水あるいは海底送電、海水淡水化等の事業を行ってまいりましたし、また多くの離島架橋も行ってまいったところでございます。そのほか、それぞれの島の実情に応じました農水産業等の振興も行ってきたという状況でございます。  さらに、各島の特色を生かしながらその島の産業の活性化、具体的には観光の振興でございますが、そういう面から沖縄コミュニティ・アイランド事業も行っておりますし、さらに今回の改正におきましては、旅館業につきまして地方税の減免を県あるいは市町村が行った場合に減収補てんの制度を設けるということも御提案申し上げているところでございます。  離島の実情に即しましてその振興を図るという先生の御趣旨、まことに同感でございまして、今後の沖縄の振興開発におきます重要な課題と私どもも認識しております。三次振計の策定の過程で十分検討してまいりたいと思っております。  なお、与那国の開港につきましての御質問がございました。与那国島は我が国の一番西の端にある島でございまして、台湾まで百二十五キロという比較的近い距離でございまして、台湾との経済交流がかつて盛んであったというそういう島でございます。現在地元におきまして、地域の活性化の方策といたしまして台湾との交流を図ろうということでございますが、そのための方策の一つとして開港ということが検討されていると承っておるところでございます。開港につきましては関税法を所管いたしております大蔵省の所掌に属するわけでございますが、地元からの御要望がございますれば私どもも大蔵省と連絡をとってまいりたい、このように考えているところでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 ぜひひとつお願いします。  与那国、石垣、宮古、ずっと離島が続いていきます。この石垣の場合も、おとといも申し上げましたけれども、三角貿易、一九九七年だったですか、香港が中国に返還されるということで、香港の国際取引の機能をやはり沖縄は相当部分担う面が出てくるということも御存じのとおりであります。ですから、いわゆる自由貿易地域の問題にしてもその地域指定をするとか、そういうことも当然考えられると思います。宮古も特色を見出して開発すれば相当のものが出てくるわけです。例えば、この前も委員長と一緒に行きましたけれども、伊良部架橋の話ですね。この前池間大橋がかかりましたけれども、伊良部架橋。それから下地島訓練飛行場を何とか有効に活用する方法とか、あるいは上野村に行きますとドイツ村構想というのがあるわけですね。冷戦のシンボルであったベルリンの壁、大きなあれを二つも村役場の前に飾ってありますけれども、そういう問題とか、亜熱帯地域の農業の開発、そういうものも進めておりますし、あるいはコースタルリゾートですか、こういう開発構想もあるわけです。そういうものをずっと政府がバックアップして推進していけば、やはり県民所得も相当向上していくことは間違いないわけですから、そういうものもぜひお願いをしたいわけです。どうでしょうか、宮古の開発について。

造酒亶十郎沖縄開発庁総務局長

○造酒政府委員 ただいま自由貿易地域につきましてのお尋ねでございますが、沖縄におきましては第二次産業、特に製造業の発達がおくれておりますために、県民所得が全国最下位ということでございます。地域の特性に合いました製造業を振興して県民所得を引き上げ、自立的発展の基礎をつくるということが必要だと思っております。自由貿易地域もその際の有効な方策の一つであろうと思っております。  自由貿易地域の今後の展開でございますが、沖縄県あるいは那覇市におきまして、将来那覇軍港が返還されました場合、その跡地を自由貿易地域として利用したいということを検討しておられると聞いておりますし、また沖縄県におきましては、中城湾港新港地区につきまして自由貿易地域を展開するということを検討しておられるようでございます。また、私ども今回の改正におきまして自由貿易地域に総合保税地域を導入することといたしておりますが、沖縄県あるいは市町村それから地元企業、こういうところにおきましてこの総合保税地域の制度を有効に活用されまして、沖縄における企業の立地あるいは貿易の振興に寄与するように活用されることを期待をいたしているところでございます。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 今御答弁申し上げたことに尽きますけれども、確かに先生御指摘のとおり、百六十近い島の中で有人島が四十もございますから、その離島との交通問題をまず便利にするということと、主要離島から本土の他府県の主要都市へ直行便が出るように空港も航路も開設しなければならぬのじゃなかろうか、あるいはまた架橋の問題を含め、あるいは開港の問題を含め、いろいろ御指摘になられました諸件につきましても今後真剣に検討してまいらなければならぬ問題だと思っておりますので、よろしくお願い申し上げたいと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 先ほど自由貿易地域のお話が出ましたので、あの中でいわゆる二十八条では特殊法人をつくってやるという、それが現状ではできない。では二十四条ですか、第三セクター方式は。その点をちょっと概要を説明していただきたい。

造酒亶十郎沖縄開発庁総務局長

○造酒政府委員 やや技術的な説明になりまして恐縮でございますが、御説明を申し上げます。  今回の改正によりまして自由貿易地域の中に総合保税地域という制度を導入いたしたわけでございますが、そのために二段階の組み立てを考えております。一つは、自由貿易地域内の施設の設置あるいは運営の事業を行います者に対する認定の制度を設けております。これが二十四条第一項の改正でございます。これはどういうことかと申しますと、従来、自由貿易地域内に入居いたします個々の企業がそれぞれ自分のところで使う施設を整備するということが前提でございましたけれども、今回の改正によりまして、個々の事業者が共同で利用する施設を設置、運営する事業、これを新たに認定の対象にいたしたわけでございます。これによりまして個別の事業者はみずから施設の整備を行う必要がないということで、個別の事業者にとりましては大変利便の増進になるかと思います。これが一つの立場でございます。  それから二番目に、この施設の設置、運営の事業を行う者に沖縄開発庁長官の認定を受けました者が整備をいたしました施設につきましては、関税法上の総合保税地域の許可を与えるということにいたしてございます。これが法律の二十五条第二項の関係でございます。ところが、関税法上総合保税地域の許可を与えることができる者の要件、これはあくまでも関税法上の制度でございますので、これは関税法の体系で規定をされるわけでございます。具体的には関税法の施行令で定められることになるわけでございますが、事業内容あるいは株主の構成などを勘案して関税法の施行令で定められる要件を満たす者ということになっておりまして、現在検討過程でございますけれども、資本の一定割合が地方公共団体などによって所有されている法人、いわば公益的な法人でございますが、そういう公益的な法人とする方向で検討が行われているということでございます。したがいまして、自由貿易地域の中でこの施設の設置、運営の事業を行う者につきましても、関税法の施行令で総合保税地域の許可を受けられる要件と同じ状態にしておく必要がございます。したがいまして、資本の一定割合が地方公共団体などによって所有されている法人、すなわち公益的な法人ということを認定の要件とする方向で現在検討を行っているところでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 そのいわゆる総合保税地域ですね、これはこれから設置されるわけです。ここにそういう第三セクター方式で経営主体というものがつくられていくということですか。

造酒亶十郎沖縄開発庁総務局長

○造酒政府委員 一つの総合保税地域の中には管理運営主体あるいは設置主体というものは大体一つというのが原則的な場合になろうかと思っております。ただ、この法人を設立するに当たりましてどういう団体を母体にするか、あるいは関係者の出資の割合をどうするかというような問題がございますが、これにつきましては、今後この構想を具体化してまいりますに当たりまして、沖縄県など地元の関係者とも十分御意向を聞きながら相談をしてまいりたい、このように考えているところでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 次は、また問題は別ですが、一昨日もお伺いいたしましたけれども、那覇空港の再開発といいますか、そういうことで現在のターミナルが移動していくわけですから、その現在のターミナルの跡地を有効に使うということについて開発庁の考え方をお伺いいたします。

水谷文彦沖縄開発庁振興局長

○水谷政府委員 那覇空港の問題は運輸省の所管するところではございますけれども、お話ございましたように空港のターミナルが大変狭隘であり、かつ分散をしているということで、現在、国内線のターミナルと離島線のターミナルとを現在ございます国際空港のターミナルの南の方に移転したいということで整備を進めているわけでございます。そうしますと、お示しがございましたように、現在の国内線のターミナルないし離島線のターミナル地区があいてまいります。そうしたときの後の取り扱いにつきましては現在運輸省でいろいろ検討されているようでございますが、特に今後の貨物需要の動向等を考えながらということでございますが、私どもといたしましては、地元の関係者の御要望等もございましょう、そういったことを踏まえまして、この地域が空港機能の拡充等できるだけ地元の活性化につながるような形で再利用されるように県からもお話を伺い、かつ運輸省に対してもこの点も積極的に働きかけてまいりたい、かように考えております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 まあ空港のターミナルについては大臣も御存じのとおりなんですが、沖縄は台風常襲地帯ですから台風のたびにお客さんが大変混雑じゃなくて、これはもう人道問題じゃないのか、小さな子供を抱えて。台風が二、三日なにしますと大変な状況になるのですね。ですからこれは沖縄の振興という立場から非常にゆゆしき問題なんです。大臣、どうお考えになりますか。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 私も実はそういう輸送の仕事も何年かやってまいりました経験からいたしまして、あの輸送が途絶えたときのお客様の整理と申しますかそういった問題、あるいはそれがまた回復したときに運ぶ機材の運航の処理の問題、そういった点は確かに沖縄では十分にいっておりません。観光立県を唱える沖縄としましてはまことにお恥ずかしいようなトラブルが毎年台風シーズンにはやってまいりますので、そういった点については、航空会社あるいは県の施設でございます空港等の容量の問題もありますから、これから県とも十分に相談してまいりたいと思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 最後にいたしますけれども、最初に言いました宮澤総理が去年の十一月話されたこと、今日に及ぶまで我が国の防衛の非常に大きな部分を沖縄の人々に背負わせている、これは事実そうですから、七五%が在日米軍基地なんですね。ということと、できるだけのことをして沖縄の方々のこういう苦労に報いたいということも総理がおっしゃっている。これは後から総理にもちょっと確認したいと思いますけれども、そういうことでありますし、二十年たってもこういう現状は変わりはないわけですから、これをやはり沖縄が自立できるようにそういう必要な部分については米軍と強く話し合いをして、基地の問題についても沖縄に使わす、民側に使わすというようなことをしない限り沖縄はいつになったって自立できないのです。ですから、本当に自立できる体制をどうつくり上げるかということを沖縄開発庁はぜひやっていただかないと、今までずっと見ていますと沖縄開発庁はむしろブレーキをかけるのですね。そういうものが非常に見えるわけです。そうでなくて、そういうことをしないように、自立できるように大臣の強力なバックアップをぜひひとつお願いしたい。例えば先ほど申し上げましたモノレールの問題にしましても、それを復帰二十周年の記念事業として位置づけてこの事業を推進しようじゃないかということもぜひひとつお願いをしたいと思います。最後にひとつ大臣の方のお考えを。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 御激励を賜りましたように頑張ってまいりたいと思っております。

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 古堅実吉君。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 去る六日に予算委員会で住宅問題をお尋ねしましたので、きょうは沖縄の特に本島の陸上交通問題について、現状や問題点、さらに展望などについてお尋ねしたいと思います。  御存じのように、復帰後二十年にわたる振興開発計画のもとで、国道とか県道、この基幹道路についての整備が目覚ましく進みました。しかし一方、住宅地域に入りますとまだまだこれからという状況が歴然たるものがございます。同時に、都市地域における慢性的な渋滞問題も深刻な一面をのぞかせております。それらにかかわる問題です。産業における物流機構を充実する意味でも、都市地域における渋滞問題というのは解決しなくちゃいかぬ大変大きな課題だというふうに考えています。  それは、例えば糸満工業開発地区の問題点ですけれども、現在、水産食品関連用地で四〇%近くがまだ分譲されないままに残されております。それには理由がございます。その大きな原因となっているのが流通アクセスの問題であります。今回の振興開発特別措置法改正案で、工業開発地区の対象事業に流通関連業種を加えるという措置がとられました。これは大変結構なことだというふうに考えますが、これも、沖縄本島におけるこのような道路交通問題を整備しませんと結局のところこの措置が有効に生かされないということになりかねない、そういう問題を含んでいます。そういう立場から、沖縄の産業振興の発展の上からもこの交通渋滞解消の問題は重要な課題として受けとめて推進を図らなくちゃいかぬ、そういうふうに考えますけれども、長官の御見解を承りたいと思います。

水谷文彦沖縄開発庁振興局長

○水谷政府委員 ただいまお示しになりましたように、今後の沖縄の振興開発を考える場合に交通体系、とりわけ陸上交通の整備が大変重要であるということはお話しのとおりでございます。これまで進めてまいりました結果、例えば改良率とか舗装率とかいった現在ある道路についての整備は確かに進んでまいりましたが、基幹道路はよくなったけれども一歩入ってみると住宅地域の道路等は未整備だというお話がございました。その点もまさにそのとおりでございまして、私ども道路について二つ問題があるのではないか。  一つは、現にある道路はいいのですけれども、例えば道路密度と言っておりますが、自動車一台当たりに対する道路の絶対量がそもそも少ない。この辺は全国に比べますとかなり劣っております。したがって、道路密度をまず高めなければいけない、絶対量をふやさなければいけない。  もう一つは、先ほどお示しにございましたように、基幹的な道路と、それから一歩入った市民のためのいわゆる生活道路というものが混然一体となっておりまして、道路としての機能が分化していないという大きな二つの問題がございまして、そういった意味から道路整備というのはなお進めていかなければいけないし、先ほどお話ありました糸満の団地の問題にしましても、やはり一つには道路の未整備があるんだろうと思います。だから、現在は糸満バイパスというのを事業化をいたして進めておりますけれども、具体的なお話になりますとやはり地元の調整ということがなかなかはかどっておりませんで、私どもその辺は国道事務所等にも督促をいたしまして、少しでも早くこれが着工に至り完成に至るように努力をしてまいらなければいけない、かように考えております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 沖縄の陸上交通問題を論ずる場合に、今おっしゃった点とも関連しますけれども、もっと道路の整備が必要だというふうに考えて進めようとしたらぶつかるのがあります。これはいろいろな意味で言われる問題なんですが、やはり米軍基地の問題です。そういう問題などを含めて多面にわたる課題がございます。その課題の一つでありますけれども、車社会だといって車がふえる、それに見合う道路を多くつくり、広くするというだけで問題が解決するかというと、そういう方向にはいっていない一面がございます。また、ああいう狭い沖縄で道路をどんどん大陸におけるような形で簡単につくれるなどというものでもない。大変大きな制約もございます。そこで、この交通問題を考えていかなくちゃいかぬ大事な点が求められていると思うのです。  一つには、現在沖縄県と那覇市が共同で進めております都市モノレール構想、これは大事な点だと考えておりますけれども、定時性、定速性、大量輸送交通機関、その活用の問題です。那覇市を中心として都市地域における言ってみれば試みとしてのそういう推進ということの面を持っておると思いますけれども、これは路面だけの道路をつくればいいというふうなことではない、これからの沖縄の交通問題を解決していく一つの大きな点ではないかというように考えて私たちも重視し、推進しておりますが、なかなかやすやすと進んでこなかった経緯がございます。しかし、用地の確保も八〇%以上まで参りました。三次振計において沖縄開発庁がこの都市モノレールの成功にかかわり、積極的に開発金融公庫その他の面でも関与していかなくちゃいかぬ面があるのじゃないか、こうも考えております。それについての受けとめがどうであるか、開発庁として積極的にそれを推進されるおつもりがあられるかどうか、そこをもう一度確かめる意味でお聞きしたい。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 まず事実関係につきまして局長から御答弁申し上げて、その後私から申し上げたいと思います。

水谷文彦沖縄開発庁振興局長

○水谷政府委員 先ほど、車社会の中では車がふえてくるから道路をよくしてもさらに交通渋滞になるのではないか、そういう面では車と道路とがイタチごっこのようなところが確かにあるのだろうと思います。過疎化を防ぐために道路を引いたらさらに一層過疎化したという例がございます。そのとおりだと思います。しかし先ほど申しましたように、沖縄の現状を見ますとなおかつ道路はいろいろなところで整備しなければいけない。例えば北部へ行きます場合でも現在は五十八号が中心になっておりますけれども、実を申しますと那覇から名護まではその西に西海岸道路という形で、現在断続的にしかバイパスをつくっておりませんけれども、遠い将来としては一本新しく海岸道路をつくろうという計画も持っておりまして、そうしたことによってかなり緩和してくるのではないかというように考えます。  それから現在進めております那覇市の都市モノレール、これにつきましてはいろいろやってまいりまして、現在、先ほど申しましたような採算性の問題とか資金調達の問題、いろいろ県が調整をされております。しかし、私どもは那覇市域の交通渋滞の緩和のためにはぜひとも大切な事業であるというふうに考えておりますので、県にもよくお話を伺った上でこれを支援してまいりたい、かように考えております。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 非常に重要な問題でございますので、私どももこれをこれからの大きな課題だろうと思って取り組んでまいりたいと思っておりますが、とにかく先生の御指摘は、いわゆる鉄軌道を利用して定時性、定速性、大量の輸送というものを確保しろという点に主眼を置かれた御質問だと思います。そのとおりだと思います。したがって、今基地だけがその障害になっているというところもそれはございますけれども、そうでないところにつきましては用地の買収を、今後延びていかすための、モノレールならモノレールを延長するためにもやはり用地の問題が伴いますので、これは基地であろうと私有地であろうと問いませんけれども、そういった問題を解決するためには、私自身の私見といたしましては国道なり県道なりの上下の空間、立体利用というものを考えるべきじゃなかろうかと思っておりますので、この点についても各方面の御意見を承りながらやってまいりたいと思っております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 御発言がありましたように、都市モノレールはそういう立場で推進を図ってほしいと要望を申し上げておきたいと思います。  最後にお尋ねしますけれども、先ほど局長から、自動車一台当たりの道路延長が全国に比べても少ないということがございました。資料を見ていますと確かにそうです。それとても復帰時に比べますとかなり進んでおります。しかし、私はそのことも含めて一つ問題があらわになってきたというふうな感じがいたします。なぜかといいますと、沖縄県土面積に対するところの道路の延長率というのは全国の平均よりも高いのです。小さい島であるのだが道路の延長というのは全国に比べてもずっと高いところまで来てしまっている。それなのに交通渋滞とかいうふうな形で問題が解決しないという面がある。ですから自動車はどんどんふえていく、渋滞する、そして自己防衛的に自家用車を買う、それに任せておくというふうな形では沖縄における道路交通問題は解決せぬぞということを教えている一つの数字としてあらわれてきておるのです。  だから都市のモノレールも大事なのですが、私がここで申し上げたいのは、単に都市モノレールだけに限定しないで、沖縄本島を全体として見てもっと大きな構想が今必要になってきておるのじゃないか。現在の問題を解決するためにも、将来を展望しながら沖縄の交通問題を本当に解決していく道は何なのか、道路だけをつくればいいのか、これで解決できるのかということが問われているときではないか、このように考えます。戦前、那覇を中心に嘉手納にも与那原にも糸満にも御存じの軽便鉄道がございました。戦後なくなりました。残念です。そういう軌道システムがないのは全国で沖縄だけです。これを考える重要なときに今来ておるのじゃないかというふうに思い、質問をいたしたいのです。  道路はつくられる、いろいろな整備は進んでいるにもかかわらずそれ以上に車がふえるということがありまして、昭和五十五年に比べて平成元年は、車の交通の混雑度は昭和五十五年の〇・六七五から逆に〇・八四六へと高くなって悪くなっておるのですよ。ですから、今のような延長線では難しい問題があるぞということなのです。これを軌道交通システムを導入して、例えば那覇を中心にして糸満から名護あたりまで縦貫の軌道システムを考えて、これは難しい問題でありましょう、時間もかかりましょう。しかしそれが本当に据われば、それとの関連でバスとかタクシーとかと整合性を持たせて、公共の交通システムで生活も仕事も通学もみんな基本的には間に合うということができたら、沖縄の社会というのは本当に変わってしまいます。住宅地問題などについても、北部の土地などを利用することもできます。おくれた北部のいろいろな開発もそれなりに進みます。学校も、北部からも毎日通学というふうな形で解決できる。経済的にも文化の面でもいろいろな面で一変してしまうものがつくれるのではないか、このように考えて、沖縄の交通問題を将来にわたって展望し、解決するためにはこれを避けては通れぬのじゃないかと思います。国鉄の出身であられる長官のこういうものについてのいわゆる構想的なお考えでもいいのですよ、御所見を承りたいと思います。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 一々ごもっともでございますので、敬服をいたしております。先ほどもお答えを申し上げましたように、やはり定時性、定速性ということが鉄軌道の特色でございますし、これが現在の交通アクセスに問われている大きな問題であろうと思っております。これは余分なことでございますけれども、新幹線が東北の方に延びてまいりましたことを背景にいたしまして、東京都に勤務する人たちの住居が非常に広がってまいりました。あれと同じようなことが今先生御指摘のように沖縄においても実現するのはやはり鉄軌道に頼らざるを得ない、こういうことでございますので、先ほども玉城先生にお答え申し上げましたけれども、私自身の構想としては、今先生御指摘のようなモノレール、鉄軌道と申しますか、これを南北に広げていくというふうな方向で考えていきたいと思っております。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 終わります。

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 小平忠正君。

小平忠正民社党

○小平委員 私は一昨日の当委員会での質疑に続きまして、本日は四十七年の復帰以来の例の復帰特別措置法、この点について質問させていただきます。今日までこの措置法によりまして沖縄県経済の発展には当然効果あらしめた、こう思っておりますが、その中で、限られた時間の中で二、三点質問させていただきます。  一つは、揮発油にかかる揮発油税及び地方道路税の軽減措置がこれによってとられてきたわけです。それによると現在揮発油はリッター当たり七円ですか、本土より安くなっている、こういうことであるのでしょうが、その効果が沖縄における揮発油の小売価格にきちんとあらわれているのか。またこれに関連して、沖縄県は復帰以来条例を制定し、石油価格調整税を設けて、本島から沖縄の離島に輸送される石油製品の価格安定と円滑な供給を図るために当製品の輸送、販売業者に補助をすることになっておるわけであります。これについても四十七年の復帰以来今日までの累計といいますか、それはどういうふうな状況なのか。また離島ではこの措置のためにどのような効果があるのか。まずこれについてお伺いいたします。

造酒亶十郎沖縄開発庁総務局長

○造酒政府委員 ただいま揮発油税それから地方道路税につきましてのお尋ねがございました。この軽減措置は、沖縄が本土に復帰いたします際に、沖縄県で消費されます揮発油につきまして、本土と沖縄との税額の差によりまして沖縄における揮発油の価格が上がるのを防止しようということで、復帰後五年間は復帰時の税負担を維持するという考えで始まったものでございます。逐次軽減幅を縮小してまいりまして、現在はただいま先生御指摘のとおり、リッター当たり七円の軽減幅ということになっておるわけでございます。  この特別措置によります軽減額がどのぐらいかというお話でございますが、復帰後平成二年度までの間で、これは推計をいたしますのがなかなか難しいわけでございますが、大体五百三十四億円程度と考えております。なお、沖縄県におきましては陸上交通手段は専ら自動車に依存しているわけでございますので、県内企業あるいは県民の方々のガソリン代の負担の軽減、ひいては県民生活の安定に寄与していると考えているところでございます。  それから、石油価格調整税につきましてのお尋ねがございました。この石油価格調整税は、沖縄県におきまして石油価格調整税条例というものによって行われているわけでございます。現在のところ調整税の額はキロリッター当たり千五百円ということでございますが、この調整税を財源といたしまして、沖縄県では離島におきます石油製品の本島並みの価格の維持あるいは離島におきます石油の円滑な供給を図ろうということで、離島向けの燃料用石油製品につきましては、輸送費を負担する販売業者あるいは輸送業者、こういうものに対して補助を行っております。この補助金の累計額は復帰後から平成二年度までで八十六億円と聞いております。  いずれにいたしましても、離島におきます消費財の流通コストあるいは物価の高騰というものを抑制し県民の消費生活に寄与するという面と、離島におきます生産物の生産コスト等を抑えまして離島の産業の振興に貢献をしていると理解をいたしております。

小平忠正民社党

○小平委員 沖縄の交通事情の特殊性からいいまして、この問題はこの諸事情における効果が今後も効果大なるように努めてもらいたい、こう願う次第でございます。  次に、発電用石油製品に係る関税の免除についてでありますが、これについても復帰以来の電力事情はどうなっているのか、また、この措置及び沖縄電力の事業税の軽減措置によって沖縄電力の料金価格にどのように反映していると考えられているのか、さらに、多くの離島を抱えていて、そのためにコストがかさむなどの沖縄電力の事情を考えますと今後もこの措置を継続していくことが必要だ、こう私は思います。これについて大臣並びに通産省からも見解をお伺いしたいと思います。

造酒亶十郎沖縄開発庁総務局長

○造酒政府委員 発電用石油に関します関税の免税額はどのぐらいかというお尋ねでございますが、沖縄県の調べによりますれば、復帰後から平成二年度までで大体七十一億円程度というふうに推計されております。これが電力料金の安定にどのように寄与したかというお話でございますが、税制上の特別の措置によりまして費用が軽減されました額は料金原価から控除されることになっておりますので、そういう意味で県民に還元されているものと理解いたしております。  なお、沖縄電力につきましての今回の措置の延長でございますが、現在沖縄電力は、十五・六万キロワット二基から成ります具志川石炭火力発電所の建設を進行中でございます。そういうこともございまして、同発電所の運転開始後の体制へ軟着陸を図るという観点から、この特別措置の適用期限を五年間延長することといたしたところでございます。  なお、今後ともさらに継続する必要があるか、継続すべきではないかというお尋ねでございますが、一般的に申し上げまして、この復帰特別措置と申しますものは、沖縄の復帰に伴いまして本土の諸制度が沖縄県の区域内に円滑に実施されるということを目的として定められたものでございます。今回の改正は、税に関します復帰特別措置の適用が期限切れを迎えるということで、現在直ちに本土制度と全く同じ制度へ移行することは沖縄県の社会経済情勢それから沖縄県の一般消費者の生活や産業、経済の実態等に及ぼす影響が大きいということで、本土の制度への移行時期をさらに五年間延長するというのに等しい内容のものでございます。  これらの復帰特別措置は、その本来の趣旨から考えますとできるだけ早く本土制度と同一化するのが好ましいものでございます。延長期間経過後に今回の延長に係ります特別措置をさらに継続するかどうかということにつきましては、その時点で判断すべきものであると考えておりますが、今後五年間の延長期間の間に沖縄の経済社会の状況が好転いたしまして、これまでの復帰特別措置の必要がなくなるという状況になることを期待しているところでございます。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 今後とも継続する必要があるのではなかろうかという御指摘でございます。今事務当局からお答え申し上げましたようにその時点になりませんと諸情勢はわかりませんけれども、御指摘になる事情については十分に認識して、その時点において鋭意努力をしてまいります。

片山登喜男資源エネルギー庁公益事業部業務課長

○片山説明員 先生の御指摘の点につきましては、ただいま沖縄開発庁の方から御答弁いただいたとおりでございます。

小平忠正民社党

○小平委員 終わります。

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 引き続き、内閣総理大臣に対し質疑を行います。上原康助君。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 宮澤総理には大変お忙しいところを本沖北委員会においでをいただきまして、心から敬意を表したいと思います。  そこで、限られた時間でありますから端的にお伺いをさせていただきますので、御了解、御理解を願いたいと存じますが、既に去る三日の衆議院本会議でも私は、沖縄復帰二十年という大事な節目を迎えておるということで、ぜひ沖縄の抱えている諸問題解決のために総理の特段の御配慮、政治的決断をお願いしたところであります。また、宮澤総理がこれまで多くの閣僚を御経験なさって、沖縄の復帰前あるいは復帰後のことについていろいろと御尽力したことについても心から敬意を表し、評価をする面も多いのであります。だが、残念ながらまだまだ解決を図らねばいけない諸問題を多く抱えておりますこの沖縄振興開発あるいは特別措置法関連二法も、まだまだ本土との格差の是正とか自立経済への基盤整備、基礎条件ができていない。復帰二十年たっても、さらにもう十年政府がいろいろとお力を入れていただかねばいかぬという立場で審議をしてまいりました。  そこでまず第一点は、多くは申し上げませんが、今後の沖縄振興を推進する上で政府の高率助成措置、いわゆる補助負担率の特段の配慮の維持継続というのは必要不可欠であります。そういう意味でぜひ総理のお立場で、この問題については二年後に見直し論もいろいろあるのですが、沖縄については特段の御配慮をいただく、そうしないとこの沖振法なりは十分な目的達成といいますか、その実効があらしめられないことになりますので、ぜひひとつよろしく期待をいたしておりますが、総理の御見解を聞かしていただきたいと存じます。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 昭和四十六年に沖縄の復帰に伴います諸法案が政府から提案されました際、政府といたしまして「われわれ日本国民及び政府は、この多年にわたる忍耐と苦難の中で生き抜いてこられた沖縄県民の方々の心情に深く思いをいたし、県民への償いの心をもって事に当たるべきであると考える」ということを申し上げました。その政府の立場は今寸分変わっておりません。並びに、過去二十年間、この問題につきまして本当に尽瘁をしてこられました当委員会並びに委員の皆様の御努力に心から敬意を表したいと存じます。  で、おっしゃいますように、そのような努力にもかかわりませず諸般の条件がまだまだ十分になったとは申しがたい、我々として沖縄の方々に対してこの償いの心をもってなすべきことはまだたくさんにございます。そのために今回諸法案を提案をいたし、御検討、御審議をいただいておりますが、それとの関連におきまして高率補助の問題を別途、平成五年に再検討するという問題がございます。これはいわば国のナショナルレベルで行われることでございますけれども、その際に沖縄の置かれております特殊事情というものはやはり十分に考えていかなければならない、このように考えております。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 ぜひひとつその点、強く要望を申し上げておきますので、御配慮を願いたいと思います。  そこで、時間がありませんから、何といっても沖縄の振興開発を進めていくには基地問題の解決がこれまた大事であります。かねがね何度か総理の御見解も聞いてまいりましたが、私は、基地問題は単に役人に任せるのではなくして、政治レベルで高度の政治判断で整理縮小を促進していくということが必要だと思いますので、復帰二十年の何か目玉としてこれだけは宮澤内閣としてぜひやっていきたい、その決意をお願いをしたいということ。  いま一つは戦後処理問題。厚生年金の格差是正、これはもう理屈、理論じゃないんですよ。戦後二十七年間分断されたがゆえに格差が生じているわけですから、これは今償いの心を強調なさいましたので、そういうお立場でやっていただきたいと思いますし、同時に八重山地域における戦争マラリア補償の問題等についても、復帰二十年というこの節目でみんな大きな期待と関心を持っていますから、私は総理大臣がやろうと思えばできることだと思うのです。この三点についての御所見をお聞かせいただきたいと存じます。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 基地の縮小につきましては、お互いに過去いろいろな努力をいたしてまいりました。多少の成果は上げたところでございますけれども、今日なお、沖縄本島に限って申すならば約二〇%を占めているという現状でございます。このことは先ほども申しましたように、そのような沖縄県民の御協力によって我が国の安全が保たれておるということでございまして、国民がひとしくその沖縄県民の御協力に対して感謝すべきところでございます。そうして現状の世界情勢が続いておりますと、やはりそのような御協力と御理解によって米軍の施設、区域の円滑、安定的な使用というものはなおその必要性が現存しておると考えますけれども、しかしながら、過去においていろいろな努力を続けて、不十分ではありますが何がしかの実績を上げてきたところでございますから、整理統合問題については今後とも引き続き米側と鋭意努力を続けてまいりたい。このことは冒頭に申しましたような趣旨から考えましても、政府としても最善の努力を尽くさなければならないところであるというふうに考えております。  沖縄の厚生年金につきましてはしばしば上原委員から御指摘のあるところでございますし、また、本土復帰のとき及び平成二年度におきまして特例措置を講じたところでございます。政府といたしましてこれは最大限とり得る措置を講じたと考えておりますが、その点は御理解をちょうだいいたしたいと思いますが、なお関係省庁におきまして地元の県等との意見交換は今後とも行わせていただきたいと考えております。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 今マラリア補償のことについてお答えありませんでしたが、それもぜひお答えを願いたいと存じます。  基地問題ですが、昨年の十一月二十日、PKO委員会で総理になられてから初めて、まあ前は外務大臣のときにはいろいろ議論を交わしたことがございますけれども、要するに、整理統合じゃなくて積極的に整理縮小していくにはやはり政治レベルで、たまにパウエルさんが来るとかチェイニーさんが来るとかいうときにおっしゃるのも大変結構なんだが、復帰二十年たっても政府が約束したことがわずか一三%ぐらいしか返還されていないというこの事実に基づいて、国際情勢の大きな変化という面で那覇軍港を返すとか、あるいは大きな問題になっている百四号線の問題とか、そういうことについてぜひこたえていただきたいということを強く要望しているわけで、我々も何も今すぐゼロにしなさいと言っているわけじゃないんです。もう一度御所見を聞きたいと思いますし、マラリア補償の問題についても年金問題についてもこれは政治決断しかありません、総理大臣。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 基地の縮小の問題でございますが、確かにこれは事務当局に任せておいていい問題ではない、常に、我々が念頭に置いて日米両国の高いレベルで考えていかなければならない問題である。国際情勢も変化をいたしてまいりますから、そのことは私は上原委員の御指摘のとおりだと思います。私自身が常に念頭に置いておかなければならない問題と認識をいたします。  マラリアの問題につきまして援護法の適用関係のお尋ねであったわけでございますが、法律関係につきましては何度か御説明を申し上げております。しかし、総理府、沖縄開発庁、厚生省などで八重山地域におけるマラリア問題連絡会議を設けておりまして、地元の県の御説明も伺って意見交換等を行ってまいりました。またこれからもそうしてまいりたいと思います。この問題、先ほどの年金の問題、両方とも法律的には非常に難しい問題になっておりますけれども、全体をやはり常に政治の配慮から切り離さないように、全体をそういう問題として常に考えろとおっしゃいますことは、私どもそうしなければならない問題であるというふうに、この沖縄全体の問題を高い政治レベルの問題であるというふうに認識をいたしております。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 この間の本会議では余りあれでしたが、きょうは少し含みのある御発言になって幾分、ほんの少し期待できるのかなと、宮澤内閣の支持レベルが少しずつまた持ち直しつつあるからそれに比例していくのかなと思っているわけですが、これはやはり復帰二十年という県民のこの気持ちにこたえていただかなければいけませんよ。基地問題がお互いの見解の相違とか安保とかいろいろ枠があってできないと言うなら、せめて高齢化社会、あなたも生活大国とおっしゃっているじゃありませんか。それにこたえるのはこの厚生年金の格差の問題とかマラリア補償の問題、本当に軍令によって強制移動させられてそういう犠牲を受けたわけですから、その遺族に償いをするというのは政治のあるべき姿だと僕は思うのですね。そういうことをやらないから政治に対する不信があり、本土に対する違和感というものがなかなか払拭できない、除去できないということでありますので、難しいことを難しいと思えばこそ総理大臣に来ていただいてお願いをしているわけで、もう一遍ひとつ県民の期待にこたえていただきたい。これがまた宮澤総理に対する沖縄県民だけじゃなくして国民の大きな温かい目になると私は思いますので、もう一度決断をお願いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 これは長いこと上原委員の御主張は私も承っておりますし、実際、県民の立場からいえばそういう感じを持っておられるだろうということは理解できないわけではございません。法律の建前もございますからこのような答弁を従来申し上げておりますけれども、なお事務当局にもまたよく検討してもらいたいと思います。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 もう時間ですが、これは事務当局に検討させておってはだめなんです、総理。政治決断しかないのですよ。あなたがこうしたい、こうしたいからこういうようにひとつ理論構成というか事務的にやってくれと言わぬ限りこれは進みません。やりますね。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 長い間のつき合いでございますので、おっしゃっていらっしゃることはよくわかりつつこのようなお答えをいたしております。検討させていただきます。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 終わります。

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 玉城栄一君。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 宮澤総理の御出席を心より感謝申し上げます。  あの悲惨な沖縄戦、その後二十七年に及ぶ米軍の支配、そして来る五月十五日で沖縄が復帰してちょうどことしが二十周年、大きな節目に当たります。総理大臣とされてどういうお考えをお持ちであり、またどういうことを沖縄県民に対して述べられるおつもりであるのか、お伺いいたします。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 冒頭にも昭和四十六年に法案を御提案いたしましたときの提案理由について触れさせていただきましたが、そのような気持ちでおります。今日までの県民のそのような理解、御苦労に対して国民的な感謝をささげなければならないという気持ちに変わりはございません。そのためにいろいろな施策をやってまいりましたけれども、なおいろいろな意味で十分なことができていない。産業基盤の問題でありますとか、あるいは雇用の問題でありますとか水の問題でありますとか、それがいろいろな意味で県民の、いわゆる全国平均における沖縄の県民所得の格差になってあらわれておる。あるいは失業率そのものも全国平均よりは高いといったようなことになっておりまして、まだまだ私どもの沖縄に対する配慮、施策というものが十分でない、こういう認識を持っております。したがいまして、このたびのような御提案を申し上げておるわけでございます。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 ぜひひとつ、この際総理の御決断をお願いしたい問題が一つあります。まあ、たくさんありますけれども、当面ですね。  那覇港湾施設というのがございます。御存じの那覇港です。これが今一番問題になっております。この港は昭和四十九年、あの沖縄県が復帰した二年後、昭和四十七年に復帰しまして昭和四十九年の第十五回の安保協議会で、全面返還する、ただし移設を条件とする、いわゆる移設条件つきの返還ということで合意されてちょうど十八年になります。四十九年から今まで二十年近いという状態ですね。この港はそういう形で遊休化の状態なんですね。港というのは、御存じのとおり沖縄県が自立していく非常に重要なポイントになりますから、それがあの小さい沖縄県でこういう大きな施設を移設を条件にするとなりますと、これは永久に不可能というか、ですから十八年もこのままの状態になっているわけです。  そこで、この移設というものをやはり考える必要がある。そうしない限りその港を使わせることもできないということが当然考えられるわけであります。その点総理として、やはり返還ということについて見直しをされることが当然必要だと思うのですが、どうでしょう。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 御質問の御通告がなかったようでございまして、地理的な把握も総理はなかなか詳しくは御存じないわけで、私がちょっとかわりにお答え申し上げたいと思います。お許しいただきたいと思います。  今の点は私ども関係者はよく存じ上げておりますので、いわゆる部分返還の問題にかかわる問題として現在は考えております。全面返還という立場はとらないということはかねがね申し上げているとおりでございますので、この部分返還の問題について協議がどう進むかということが現在の時点でございますので、なお折衝を続けてまいりたいと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 総理大臣、今沖縄開発庁長官が部分返還ということをおっしゃいましたけれども、部分返還なのか共同使用なのか。願わくはさっき申し上げた全面返還、しかしそれがどうしても難しいというのであれば、当面それができるまでの間共同で使用するとか、それが部分返還なのか一部返還なのか、いろいろ形態があると思いますけれども、そういう形で港そのものを今フリーゾーン、自由貿易地域に役立てようという話がありますので、したいということでありますが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 沖縄開発庁長官に検討していただきたいと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 検討もぜひしていただかないと法律改正そのものが本当に機能しないという状況になるわけですから、ぜひひとつお願いを申し上げておきます。  それと、先ほど上原委員もおっしゃいましたように厚生年金それからマラリアの問題、これは戦後処理で沖縄では最大の問題です。これはもうみんな思いは同じなんです。厚生年金の問題もやはり沖縄が二十七年にわたって施政権が分離されていたという状況から発生した問題でありますし、マラリアの問題もそういう戦時下の特殊な状況でもって、戦争がなければそういう問題はなかったわけでありますから、その救済をやってくれという地元関係者の当然の声でありますので、ひとつ総理大臣、いかがでしょう。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 先ほども申し上げましたように、全体は確かに高度の政治の問題であろうというふうに考えますし、また我々が沖縄県民に対して負うておるところも、先ほど申し上げたように考えるべきでございます。政治の高い問題として考えさせていただきたいと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 最後になりますが、実は尖閣列島、御存じのとおりこれはもう沖縄県の行政区域の中に入っております。これは沖縄の地元の漁業関係者から、いわゆる漁業の安全操業、あるいはできたら、天候が非常に荒れる地域でありますから漁業の避難港をぜひつくってもらいたい、そういう要望があるわけです。この尖閣列島は戦前はカツオの工場等もあったというところでありますので、避難港をつくることは別に問題ではないと思うのですね、人道的な立場で。これは別に日本の漁船に限らず、あるいは台湾の方々でも中国の方々でも利用、活用できるような体制ができると思うのです。いかがでしょうか。その安全操業といわゆる避難港の問題について。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 これも私、先に答弁させていただくことをお許し願いたいと思うのでありますが、先生御指摘のとおり今人がだれも住んでいないところでございます。地元の県からも、また水産関係からも実際具体的にまだ御要望がございませんので、御要望ございました時点でいろいろ関係省庁と相談してみたいと思っておりますので、お許しいただきたいと思います。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 ではいよいよ最後ですが、総理大臣、きょうは沖縄振興開発特別措置法の改正であるわけで、あと十年間延長しよう、そしてあと五年間復帰特別を延長しよう。ですから、先ほども話がありましたとおり、高率補助というふうに沖縄では言っておりますけれども、その補助が伴ってこそこの法律は機能していくことは間違いないわけですね。何をするにしてもそれを裏づける予算というものが伴うわけですから、六年から切られるということになりますと、これは十年どころじゃなくその時点で大変な打撃を受けるわけです。そういう補助のあり方、特別になっておりますけれども、そういうものは沖縄の特殊な過去の経緯、それから向こう十年間は続くという状況からぜひこういう制度というものは持続してもらいたいと思いますが、いかがでしょうか。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 いわゆる高率補助の見直しを平成五年でございますか、いたしますことは決めておるところでございますが、そのことが今仰せのように沖縄県民に直接に関係をしていくということはもとより理解のできるところでございます。沖縄の特殊事情というものをその際に勘案をしていくという必要が恐らく生じるのではないか。具体的にそれをどういたしますか今申し上げることができませんけれども、そういう問題がありますことは十分頭に置きまして見直しをいたしていきたいと思っております。

玉城栄一公明党・国民会議

○玉城委員 以上です。

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 古堅実吉君。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 総理、私に与えられた時間は五分です。それで二点だけを質問させていただきます。質問がダブるようになりますけれども、沖縄出身の議員が殊のほかその問題について大変重視しているというふうな立場からお答えいただきたいと思います。  一つには高率補助の問題です。昨年末、予算編成が進む中で、従来どおりの沖縄特例高率補助が維持されるということになったときに沖縄側の関係者というのは本当にほっとした、そういう面持ちでした。しかし先ほどもありましたように、二年後にそれが再検討されるということでの大変な圧力が加わり続けておるというのが現状です。みんな心配しています。沖縄振計、これから十カ年進めるというのにこれがつぶされる、そういうふうなことにでもなろうものなら、本当に振計も骨抜きにならざるを得ないという面から大変心配しています。先ほどお二人の質問に対するお答えは、宮澤内閣としてこの特例高率補助の問題について後退させないという面で考慮し検討されるというお約束として受け取りたいけれども、これについての御意見を賜りたい。  もう一つは尖閣諸島問題についてです。  三月九日、沖縄県議会が全会一致で「中国政府の尖閣諸島を「固有の領土」とする領海法公布に関する意見書」を採択いたしました。その結論部分は、  一 尖閣諸島は日本固有の領土であることを歴史的にも、国際法上も明確にし、毅然たる態度で中国政府に申し入れること。  二 政府は、尖閣諸島の領海警備を一層強化すること。  三 同海域における本県漁業者の安全を確保するよう、万全の措置をとること。 この三点を含んだ意見書です。これに対する御見解と政府の対応についてお聞きしたい。  以上二点です。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 第一の点につきましては先ほどもお答えを申し上げたところでございますけれども、いわゆる公共事業等にかかわる補助負担率について平成五年度までは暫定措置が講じられておりますけれども、現在各省庁間でその見直しを始めているところでございます。そういう意味では沖縄についても同様なことが行われるわけでございますけれども、現在沖縄が現実に抱えている事情、現在沖縄に対して行っております施策等々は総合的に勘案をいたしまして対処をいたさなければならないということは十分に考えております。  それから尖閣列島の問題でございますけれども、我が国の固有の領土であることは歴史的にも国際法上も疑いがございませんし、また有効に支配を現にいたしておるわけでございますので、そのような立場は外交ルートを通じて中国側に伝達をいたしました。また中国側の措置は遺憾であるということを表明いたしまして、是正方を申し入れているところであります。このような立場は今後とも貫いてまいりますが、同時に、中国に対しまして、このようなことで日中関係に悪い影響が及ぶことがないように十分に善処を求めたいということも申しております。  最後に御指摘の点は、我が国が有効支配をしておるということをきちんとしておかなければなりません。そういうこととの関連もございまして十分に配慮いたしたいと思います。

古堅実吉日本共産党

○古堅委員 終わります。

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 小平忠正君。

小平忠正民社党

○小平委員 総理、大変お忙しいところ本委員会への御出席、まことに御苦労さまでございます。  当委員会は沖縄及び北方問題に関する特別委員会、こういうことで南北に長い我が国の国土の中で、今あたかも防衛問題が焦眉の事項でございます。特に、旧ソ連の崩壊による冷戦状況の終えんによって北方をターゲットにいたしました北海道においても、自衛隊の縮小問題とかそういうことがいろいろと話題になっております。そういうところで私どもといたしましては、防衛というのは国の基本でありまして、ただ減らせ減らせの合唱の中で減らしていっていいものではない。やはり国の今後のために必要なものは絶対守っていくというこの姿勢が私は重要だと思います。  そこで、北海道の方は自衛隊問題ですが、沖縄は別な意味で米軍問題、そんな意味で当委員会は沖縄の今後の発展のためにいろいろな問題を抱えておりますけれども、私は限られた時間の中で、沖縄における米軍の基地のことで質問をさせていただきます。  今日まで米国が極東における平和と安全の維持に大変貢献をしていることは、これは私どももだれしもが認めるところであると思います。また、この在日米軍基地が国の安全保障上の重要な役割を担ってきたこともこれまた事実だろうと思います。一方、沖縄の米軍の施設、区域は全国に比べると依然その密度が高く、しかも限られた県土資源の中で相当の土地空間を占めており、地域の振興開発を進める上で大きな制約となっていることも事実であります。  そこで、総理は今後この沖縄の米軍基地をどう位置づけていかれるのか、また、この米軍基地の整理縮小についてはどのような立場で臨んでいかれるのか、このところの基本的な御姿勢をお伺いしたいと思います。

宮澤喜一自由民主党内閣総理大臣

○宮澤内閣総理大臣 いわゆる冷戦後と言われる時代におきまして世界全体の大きな変化、また、そこから生じます世界の軍事的な相互関連にも大きな変化が起こりつつあることについては常に私ども注意をいたしてまいらなければならないと考えておりますけれども、それはそれといたしまして、御指摘のように国の安全ということは安易に短期的に考えるべき問題ではございません。殊にただいまの状況で申しますと、いわゆるソ連の新しい新思考方式というものが、ヨーロッパはともかくといたしまして、我々のこの地方に政治的にもあるいは安全保障の形においても十分に反映されているとはまだ申しがたい、その具体的な証左は必ずしも十分でないというような状況であろうと存じます。また、かたがたこの地域には、ヨーロッパでつくられ始めておりますような安全のための傘と申しますか、あるいは仕組みと申しますかシステムと申しますか、そういうものもまだつくられている状況ではないという中において、やはり日米安保関係というものは我が国の安全にとり、また外交にとりまして最も大切な枠組みであるというふうに考えております。  そういう見地から申しまして、沖縄の方々に我々の安全のために大変な御理解と御協力、御苦労を願っておるということは先ほども申し上げたとおりでございますが、その御苦労を幾らかでも軽減するための考え方、この法案もそうでございますが、また基地の縮小に対する我々の過去の努力もそうでございまして、そういう努力はなお続けていかなければならないともとより考えております。同時に、ただいまのような状況が状況でございます限りにおいてなお県民の御協力をあれこれお願いをしなければならないことは多い、また我々それに対して十分報いる努力がなければならない、そういうふうな考え方を持っております。

小平忠正民社党

○小平委員 確かにこれは沖縄県民の感情といいますか、そういうことも十二分に配慮することもこれまた大事でありますけれども、私も今総理がおっしゃったような見地で、日米安保は我が国にとって絶対欠くべからざるものでありますので、そこのところをきちんと踏まえまして、単に人気取りという意味ではなくて我が国の防衛のために、我が国の平和と安全のために進んでいってもらいたい、このことをお願い申し上げまして終わります。

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 これにて本案に対する質疑は終局いたしました。     —————————————

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 これより討論に入るのでありますが、討論の申し出がありませんので、直ちに採決に入ります。  内閣提出、沖縄振興開発特別措置法及び沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案について採決いたします。  本案に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 起立総員。よって、本案は原案のとおり可決すべきものと決しました。     —————————————

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 ただいま議決いたしました本案に対し、鈴木宗男君外四名から、自由民主党、日本社会党・護憲共同、公明党・国民会議、日本共産党及び民社党の共同提案による附帯決議を付すべしとの動議が提出されております。  提出者から趣旨の説明を求めます。上原康助君。

上原康助日本社会党・護憲共同

○上原委員 私は、提案者を代表いたしまして、本動議につきまして御説明申し上げます。  案文を朗読して説明にかえさせていただきます。     沖縄振興開発特別措置法及び沖縄の復帰に伴う特別措置に関する法律の一部を改正する法律案に対する附帯決議(案)   政府は、本法の施行に当たり、次の諸点に留意し、今後の沖縄振興開発の推進に遺憾なきを期すべきである。  一 沖縄の経済社会の発展と各種の格差是正に引き続き努めるとともに、沖縄の有する地理的自然的歴史的特性を活用した振興開発を推進することとし、所要の予算の確保に努めること。  二 沖縄の補助負担率を平成六年度以降も沖縄の現状にかんがみ、特段の配慮をすること。  三 増大する水需要に対処し、水の安定供給を確保するため、多角的な水資源の開発を促進するとともに、水の有効利用に努めること。  四 深刻化する交通渋滞を解消するため、引き続き総合的な交通体系の整備を図ること。  五 産業の振興開発を進めるため、引き続き産業基盤の整備を推進するとともに、工業等開発地区及び自由貿易地域制度の新たな施策の効果的な展開を図ること。  六 米軍施設・区域の整理縮小に引き続き取り組むとともに、返還合意されたものについて、その早期返還に努めること。  七 依然として厳しい雇用情勢に対処するため、産業の振興を強力に推進するとともに、沖縄の実情に応じた雇用対策を積極的に推進すること。  八 地元から強い要請のあるいわゆる戦後処理、復帰処理並びに軍用地の返還方法などの諸問題について改善を検討すること。    右決議する。 以上であります。  何とぞ委員各位の御賛同をお願いいたします。

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 これにて趣旨の説明は終わりました。  採決いたします。  本動議に賛成の諸君の起立を求めます。     〔賛成者起立〕

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 起立総員。よって、本案に対し附帯決議を付することに決しました。  この際、沖縄開発庁長官から発言を求められておりますので、これを許します。伊江沖縄開発庁長官。

伊江朝雄自由民主党北海道開発庁長官・沖縄開発庁長官

○伊江国務大臣 ただいまの附帯決議につきましては、十分にその趣旨を尊重するよう努力してまいる所存でございます。  なお、沖縄振興開発特別措置法等の一部を改正する法律案につきまして御可決いただきまして、まことにありがとうございました。     —————————————

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 お諮りいたします。  ただいま議決いたしました本案に関する委員会報告書の作成につきましては、委員長に御一任願いたいと存じますが、御異議ありませんか。     〔「異議なし」と呼ぶ者あり〕

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 御異議なしと認めます。よって、そのとおり決しました。     —————————————     〔報告書は附録に掲載〕     —————————————

井上一成日本社会党・護憲共同

○井上委員長 次回は、公報をもってお知らせすることとし、本日は、これにて散会いたします。     午後零時四分散会

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